M.K. 会員紹介 手術後のページ 乳癌関連情報 公開市民フォーラム 相談室HOME


相談室(No.5301〜5400)

このページは乳がんに関 する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

ご相談メールの投稿はこちらからお願いします。

なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

[前のページ] [次のページ]

No

日 付

名 前

件  名

担 当

5400 06/06/15 A 更なる検査(HPNo.5298-2) 川本
5399 06/06/12 M.M. 放射線感受性 西川
5398 06/06/12 N・E 乳がんの種類について 西川
5397 06/06/12 穿刺吸引細胞診の結果について 西川
5396-1
5396-2
06/06/12
06/07/16
j.n. しこりの場所について
術後の治療法について
西川
石山
5395 06/06/12 B フェマーラへの変更について(HPNo.4372-7) 西川
5394 06/06/12 生検後のしこりについて(HPNo.5204-3) 西川
5393-1
5393-2

5393-3
06/06/12
06/07/24
06/09/30
R.S. 化学療法について
化学療法について(2)
術後の検診とホルモン療法、ならびに子宮ガン検診
緒方
阿部
浜口
5392-1
5392-2
06/06/07
06/07/24
M.M. 母の乳癌(骨転移)の治療法について
放射線について&ゾメタの副作用について教えてください
福田
阿部
5391 06/06/07 T.K.  母の術後経過について(HPNo.5137-2) 福田
5390 06/06/07 S.T. ホルモン療法について 福田
5389 06/06/07 H.A. 肝臓転移について 福田
5388 06/06/07 M.M 一側多発癌の場合の今後の治療方針について 福田
5387 06/06/05 S.T.   ホルモン療法について 浜口
5386 06/06/05 M 乳癌の可能性 浜口
5385-1
5385-2

5385-3
5385-4
06/06/05
06/06/20
10/04/17
10/05/16
A.T.  術後治療について
再発率について
再発について
再発について(2)
浜口
河原
吉田
加藤
5384 06/06/04 S  マンモグラフィー検査にて 浜口
5383 06/06/04 M  乳房の赤みについて 浜口
5382 06/06/04 手術後の治療法について 浜口
5381 06/06/04 H  乳癌診察中の生理について 浜口
5380 06/06/04 R. O ホルモン治療の副作用でしょうか? 浜口
5379 06/06/04 T.H. 生理の再来 浜口
5378 06/06/04 H.S 乳がん検診後の痛みについて 浜口
5377 06/06/04 Yy 抗ガン剤治療法について 浜口
5376-1
5376-2
06/06/02
06/06/04
K  手術の方法と傷跡
内視鏡手術
浜口
浜口
5375 06/06/02 乳がん検診について  浜口
5374-1
5374-2
06/06/02
06/06/04
A  術後治療の必要性について
術後治療の必要性について(2)
浜口
浜口
5373 06/06/02 J.I.  ホルモン療法中の痛みと腫れ 浜口
5372 06/05/31 U 腹腔内注入化学療法 浜口
5371 06/05/31 Y.K.  抗がん剤治療の再検討について(HPNo.5131-3) 浜口
5370-1
5370-2
06/05/31
06/06/25
J.M 断端陽性等について
癌の種類について
浜口
藤田
5369 06/05/31 タキソテールの副作用について 浜口
5368-1
5368-2

5368-3
06/05/31
06/08/19
07/07/05
E.K. ホルモン療法について
ホルモン療法について(2)
検査値について
浜口
首藤
片山
5367 06/05/31 Y.M.  再発治療、次の抗がん剤について(HPNo.3934-2) 浜口
5366 06/05/31 Y. A   手術後のホルモン療法について 浜口
5365 06/05/31 術後の治療について 浜口
5364 06/05/31 A.T.  乳がんの可能性 浜口
5363 06/05/31 H  経過観察について 浜口
5362 06/05/31 放射線治療について(HPNo.4365-4) 浜口
5361 06/05/30 MI 術前化学療法について 徳田
5360-1
5360-2
06/05/30
06/06/25
kankan 乳がん検診を受けてきました
乳がん検診結果が届きました
徳田
藤田
5359 06/05/30 ねずみ ホルモン治療の短縮について 徳田
5358 06/05/30 乳がん手術を受けました 徳田
5357 06/05/30 N  ステロイド剤について 徳田
5356-1
5356-2
06/05/29
06/06/21
K子 乳がんのホルモン療法と子宮がんについて
乳がんのホルモン療法と子宮がんについて(2)
徳田
吉田
5355 06/05/29 M.O.   切除生検手術後の体調不良について 徳田
5354 06/05/29 C.G.  手術について 徳田
5353 06/05/29 S  全摘後の術後補助療法について 徳田
5352 06/05/29 N  主人の胸のしこりと痛み 徳田
5351 06/05/29 M 乳癌骨転移について(HPNo.5255-2) 徳田
5350 06/05/27 S.T. 嚢胞内乳頭腫の疑い 徳田
5349 06/05/27 N.G. 病理結果とセンチネルの失敗について(HPNo.5177-2) 徳田
5348 06/05/27 N.K 肝動注について 徳田
5347 06/05/26 M.G 検査期間について(HPNo.4886-2) 千島
5346 06/05/26 may 内服薬の海外での処方について 千島
5345-1
5345-2
06/05/26
06/06/25
Y リュープリンについて
ホルモン治療について
千島
藤田
5344 06/05/26 乳がんの可能性 千島
5343 06/05/26 F.M. 乳首の痛みと腫れ 千島
5342 06/05/26 T.T.   乳癌が消失した場合の治療法について 徳田
5341 06/05/26 M.M.  子供でも乳がんになりますか? 徳田
5340 06/05/25 N.M.  乳腺線維腺腫の疑い 徳田
5339-1
5339-2
06/05/25
06/05/30
ss  乳がん術後の後療法について
ホルモン療法の副作用について
徳田
徳田
5338-1
5338-2
06/05/25
06/11/21
Y.T 術後療法について
タキソールの中止について
徳田
片山
5337 06/05/23 H  術後の化学療法について 徳田
5336 06/05/23 A.N.  石灰化と妊娠 徳田
5335 06/05/22 T   母親の抗がん剤の副作用について 千島
5334-1
5334-2
06/05/22
06/05/27
U.K.  リンパ節転移について
術後の治療について
千島
徳田
5333 06/05/22 N.I.   再発乳癌の治療法について(14)(HPNo.1260-14) 千島
5332 06/05/22 M  しこりと痛みがあります 千島
5331 06/05/22 Y 乳癌とタバコ 千島
5330 06/05/22 I.S.  妊娠中の治療について 千島
5329 06/05/22 K   今後の治療について 千島
5328 06/05/22 胸のしこりと痛み 千島
5327 06/05/22 Y.K.   PETの有用性について 千島
5326 06/05/22 Y.T.  乳頭付近の瘡蓋 千島
5325 06/05/22 K.K.  転移? 千島
5324 06/05/22 N.N. FEC100について 千島
5323-1
5323-2
06/05/22
06/05/23
A.M. 母の乳癌治療について
乳癌の遺伝性について
千島
徳田
5322 06/05/22 T  病理検査結果の考え方・術後の補助療法について 千島
5321 06/05/22 K.K.  マンモグラフィーで要精検 千島
5320 06/05/21 K 両脇のしこりについて 千島
5319 06/05/21 A.O 乳首の出来物について 千島
5318 06/05/21 U.M.  乳癌術後の疼痛について 千島
5317 06/05/21 U   術後の療法について(2)(HPNo.5299-2) 千島
5316 06/05/18 Y.U.  女性化乳房 千島
5315 06/05/18 T.M.  ハーセプチンについて 千島
5314 06/05/18 K.M. 放射線治療(HPNo.5243-2) 千島
5313 06/05/16 Y・K 母の乳がんについて 俵矢
5312 06/05/16 C.S.  乳首の腫れと痒み(2)(HPNo.4865-2) 俵矢
5311-1
5311-2
06/05/16
06/06/20
K   内服について
CMFの脱毛について
俵矢
河原
5310 06/05/16 A  アポクリン腺癌について 俵矢
5309 06/05/16 N.O.  胸のしこり 俵矢
5308 06/05/16 N.M.  乳がん患者への乳汁抑制剤の使用の安全性について 俵矢
5307 06/05/16 H.N. 生検について(HPNo.4780-3) 俵矢
5306 06/05/16 Y.N. マンモトーム生検について 俵矢
5305 06/05/16 S. O わきの下のふくらみ 俵矢
5304 06/05/16 “しこり”について 俵矢
5303 06/05/15 Y.K 核異型度について(HPNo.5131-2) 俵矢
5302 06/05/15 S.S. 腫瘍マーカーの急激な上昇と今後の治療について(HPNo.3311-3) 俵矢
5301 06/05/15 C.H. がんの種類(HPNo.5202-2) 俵矢

 

No.5400】 06年06月15日     A
更なる検査(HPNo.5298-2)

以前相談させて頂いたものです(30歳、既婚、妊娠出産経験なし)。マンモグラフィー、エコー、造影剤MRI、腫瘍マーカー、細胞診、このような検査をしてきました。乳がんの要素となる所見は今のところないとのことです。しかし、片方の乳頭から、しかも一箇所から血性の分泌物が出るのがおかしいと言われ、今度、乳管造影をすることになりました。手術などで検査日程が組めないので、日程が決まり次第連絡すると言われたのですが、それから1ヶ月。未だに検査日が決まっていないようです。最近、分泌物が出る方の胸が痛みます。検査をしないと結果はわからないのでしょうが、やはり乳がんでしょうか。自分でネットで調べて見ましたが、乳がんでないとしたら、「乳管内乳頭腫」というものでしょうか。乳がんの可能性はどの位ですか? そして、乳管内乳頭腫だったら、どのような手術がされるのですか? 傷跡は、どのような感じでしょうか。お忙しい中申し訳ございませんが、よろしくお願い致します。

片側の乳頭から血性の分泌物が出ていることについての相談ですが、考えられる病気は、やはり「乳管内乳頭腫」と「乳癌」の2つが考えられると思います。それを見分けるための検査として細胞診、組織診などの病理検査が必要です。分泌物の細胞診で良性でもきちんと出血の原因である病巣を見つけて、その部分を生検(局所麻酔で小さく切開し病巣を摘出する診断法)しないとはっきりと区別がつかないことが多いです。切開は乳輪に沿って小さく切りますので、ケロイド体質の人でなければほとんど目立たない創です。「乳管内乳頭腫」は良性のポリープみたいな病気ですので摘出してしまえばその後は定期的な経過観察で良いと思います。万が一「乳癌」であっても乳管内だけに留まっているものも多く、生検後に再度周辺組織を切除する事になりますが、小さな範囲だけですので当然乳房温存はできますし、乳房切除などにはならないと考えます。まずはきちんと検査を受けてみてください。「案ずるより産むが易し」です。(文責 川本)

 

No.5399】 06年06月12日     M.M.
放射線感受性

2月28日、マンモグラフィーにより、以前からあった皮膚近くの9mmのしこりが怪しいということで、3月8日にbiopsyをしました。その時、ふつうは2cmのmarginを取るところ、生検のためなので1cmでした。結果、乳癌と診断され、病理結果では5mmのmargineクリアと言われました。4月11日にリンパ節郭清をして、結果、転移なし。5月15日、放射線開始。皮膚に近い場所だった事から、がん細胞はきれいに取れてはいても、margineが皮膚方向に十分ではなかったことで断端陽性といわれ、そのため、25回の照射に局所照射5回をプラスした、30回の放射線治療に決まりました。しかし2日目から反応が強く、5日目で中止になりました。血液中のリンパ球テストの結果で1.7倍の放射線感受性だと分かったのが、つい昨夜です。が、そうはいっても、あれだけの反応が強く出た事の説明になるかどうか疑問だと言われました。結局、乳房切除をするしかないようなのですが、9mmだったので、とても残念です。もちろん、温存が放射線治療を前提にして成り立っているのもわかっていますが、先生はどう思われるか、ぜひ教えて頂きたいと思ってメールしています。よろしくお願いします。

温存手術においては残存乳房照射を前提に施行されておりますが、局所再発の面で照射されることが望ましいと考えます。しかし、今回のように放射線照射に対する反応が強く継続困難な場合、局所再発の可能性がやや高まります。補助療法を行ないそのまま経過を見るか、全摘術を行なうか検討が必要でしょう。今回の詳しい病理組織結果が分かりませんのではっきりとは言えませんが、内容によっては経過観察も一つの考え方かもしれません。主治医ともう一度良く相談されて下さい。(文責 西川)

 

No.5398】 06年06月12日     N・E
乳がんの種類について

私は微小浸潤性乳管がんという病理結果だったのですが、先日本を見たところ、乳管がんの中でも超音波で三角形にしこりが写るものは硬がんと書いてありました。病理の結果では、具体的に乳頭腺管がん、充実腺管がん、硬がんについては載っていませんでした。私のがんは、やはり硬がんの可能性は高いのでしょうか? 分かっていることをお伝えしますので、推測で構いませんので教えていただけないでしょうか?
リンパ節転移は0で、脈管、リンパ管侵襲は共に無し、HER2も陰性でした。大部分は乳管内を進んでいる非浸潤がんの中に0.1cmの浸潤があったそうなのですが、脂肪組織に入っていることと、超音波ではしこりが三角形に映っていたということ、核異形度は2で、核分裂度はとても低かったのですが、どう思われますか? また、乳頭腺管がんと充実腺管がんと硬がんは、どのような分類で決まるのでしょうか? 手術で取ったしこりを見れば分かることなのでしょうか? すみませんが、ご回答お願いします。

あなたの状況についてはあくまでも推測ですので、参考までとして下さい。ほとんどが非浸潤性乳管癌で、一部のみ浸潤があったことから、そのような診断となったので、それ以上の具体的な組織型の断定は困難と思われます。超音波で三角形に映ると硬癌とは言えません。腫瘤形成型の非浸潤性乳管癌でも三角形に映る場合もあります。組織分類はがん細胞の組織内の分布や形態にて決まります。よって0.1cmの浸潤だけでは難しいと思われます。手術で摘出したものを肉眼で判断することはできません。(文責 西川)

 

No.5397】 06年06月12日     H
穿刺吸引細胞診の結果について

はじめまして。33歳 既婚 出産1回です。先日4mmと6mmののう胞に穿刺吸引細胞診をしてきました。病理結果は以下のとおりです。
細胞診断:左乳腺 穿刺・吸引 CLASS1
細胞所見:4・6mmとも、のう胞内容液成分と血液のみ。悪性細胞認めない。
医師からは「がん細胞はなかったので、単なるのう胞でよいでしょう。検査もこれで終了。よかったですね」とコメントを頂きました。

今回お伺いしたいのは
1) 以前、別の病院の乳腺専門医に「のう胞内に血液があった場合は癌の可能性が高い」と聞いたのですが、今回細胞診で「血液のみ」と書かれています。これは癌ではないのでしょうか?
2) のう胞が小さかったせいか、なかなか刺さらず、吸引するまで時間がかかりました。この場合のう胞外の血液が針に付着し、このような結果になる可能性もあるのでしょうか?
3) 今後別の検査(病院)をした方が良いのでしょうか? のう胞自体、検査でほぼ無くなってしまっているので、別の病院に受診する場合、どのようにのう胞(しこり)を伝えたらいいのでしょうか?

よろしくお願いします。 

嚢胞内容の性状も重要な所見であります。確かに血液の成分が多い場合に悪性病変も考えなければなりませんが、良性の嚢胞において急激に出血を起こして血液成分のみ存在することもあります。小さな嚢胞の場合、確実に採取できない場合も考えられますが、細胞診の細かい結果より判断しないといけませんので、今回の文章だけでは判断が難しいです。主治医に定期的にエコーでフォローしていただければ心配はないと思います。現在の状況で転医をしたとしても嚢胞が消失している場合は正常範囲と診断される可能性が高いと思われます。(文責 西川)

 

No.5396-1】 06年06月12日     j.n.
しこりの場所について

左胸内側に2cm程度のしこりが見つかり、MMGと超音波の結果から乳がんだろうと言われています(細胞診の結果はまだです)。超音波で見る限り腫瘍の部分がとても胸筋に近く、くっついているのではないかと心配しています。一人の先生からは、「胸筋膜の上(またはその上の脂肪の上?)で収まっているから大丈夫。手術をするときは胸筋も一部をとるが、乳房温存でいける。」と言われましたが、乳腺だけでなく、胸筋も一緒にとっても大丈夫なのでしょうか。

内容からは腫瘍の一部が大胸筋の一部に近接しているのでしょう。多くは大胸筋の筋膜にてブロックされていることが多いのですが、時折大胸筋への浸潤が認められる場合があります。その場合に大胸筋の一部を合併切除することがあります。浸潤の程度によりますが、一部であれば問題はありません。大胸筋を切除する手術も存在しますので。(文責 西川)

 

No.5396-2】 06年07月16日     j.n.
術後の治療法について

一度HPNo.5396でお世話になり、ありがとうございました。38歳、子供あり、閉経前です。6月21日に左乳房全摘出手術をして、先日病理の結果が出ました。腫瘍の大きさ 2.0x1.6x1.1cm、硬癌+乳頭腺管癌、リンパ管侵襲:ly3、静脈侵襲:v1、核異型スコア2、核分裂像スコア2、グレード2、リンパ節転移2/21、HER2 Score:0、 ER Score:3、 PgR Score:3 でした。主治医には、「今後の治療方針は、ハイリスクということでEC4クール、その後できればタキソール4クール、更にホルモン治療をリュープリン2年+タモキシフェン5年」と言われました。
1) タキソールは必ずしたほうがよいでしょうか。ECを終えた時点でホルモン療法に移るのはどうでしょうか。またその他に、標準的な治療法はありますか。
2) 腫瘍が左胸内側にあったこと、また胸筋に近く、断端から1mm以内に浸潤癌がある(露出はない)、と書かれています。放射線をあてるという選択肢はありますか?
3) 抗がん剤治療を行うとき、白血球はどのくらいの値がないと打てないのでしょうか。

以上3点、よろしくお願いいたします。

1) 再発の心配があり、ハイリスクと思いますので、提示された治療が最も理想ではありますが、途中で副作用が出れば、止めざるを得ない事もあります。
2) 胸筋は筋膜をはがして手術する事で比較的近くても、再発は少ないと言われていて、放射線はその点では不要ですが、それ以外の局所再発や遠隔転移は減るというデータ‐もあるので、ご相談されて下さい。
3) 一般には2000以下でしょうか?3000にしている施設もあります。(文責 石山)

 

No.5395】 06年06月12日     B
フェマーラへの変更について(HPNo.4372-7)

HPNo.4372でお世話になっているBと申します。いつも丁寧なご回答をいただき、ありがとうございます。何度もお手数をおかけし恐縮しておりますが、今回はホルモン剤についてご見解をいただきたく、お願いいたします。45才。3ミリの非浸潤性小葉癌の温存手術を行い(ホルモン感受性+)、切除片の病理検査にて先の小葉癌の他に微細な癌が点在しているのが見つかり、断端+でした。術後すぐノルバデックスの服用を開始し、約半年後ジェネリックのタスオミンに変更していただきました。また、追加切除はせず、術後3週間目から放射線治療30回を行い、術後2ヶ月目から月1回のリュープリン注を続けています。化学療法は行っておりません。今回主治医からタスオミンをフェマーラに変えたほうが良いとのお話しがあり、「アロマターゼ阻害剤は閉経後乳癌に適応なのでは」と伺ったところ、「リュープリンで止めているので閉経と同じ状態ですし、2年後にリュープリンをやめても、そのまま閉経に移行すると思われるので問題ないです。あなたの場合、断端がプラスだったことでややリスクが高いため、こちらを勧めます。」とのお答えでした。タモキシフェンよりも臨床成績がよく、副作用(子宮体癌の発症等)も少ないとのことで、変更したい気もしますが、タモキシフェン5年服用後フェマーラ5年が一般的なのかなと考えると、今フェマーラを開始したら5年後はどうするのか、フェマーラは5年を越えてずっと服用してもいいのか、それとも5年後にタモキシフェンに戻すというのはどうなのか、分からず迷っています。主治医の先生は「それとも、リュープリンの期間中はこのままタスオミンでいって、終了時(今から1年半後)にフェマーラに変えることにしますか?」ともおっしゃってくださいますが、どうしたらよいでしょうか。ご判断を仰ぎたく、よろしくお願いいたします。なお、前回ご相談しました腫瘍マーカー値ですが、その後の検査(2月、5月)は正常値でした。12月のNCC-ST-439=60 という値が擬陽性だったと考えて本当にいいのでしょうか。

フェマーラは最近日本でも認可されたアロマターゼ阻害剤です。ご存知のように閉経後乳癌に対し使用する薬剤です。タモキシフェンよりも成績がいいことも知られております。いままでの経過を拝見する限り現行の治療方法の継続でもよろしいと思われますが、もう一度主治医とご相談下さい。腫瘍マーカーの値については、この半年間正常範囲であれば、12月の60は疑陽性であった可能性があります。リュープリンとフェマーラの併用に関しては閉経前と閉経後の適応薬剤ですので、使用上の問題も生じて参りますので担当医とよくご相談下さい。(文責 西川)

 

No.5394】 06年06月12日     Y
生検後のしこりについて(HPNo.5204-3)

以前HPNo.5204でお世話になりましたYです。今回は右乳房胸筋温存乳房切除術の際、術中生検した左乳房のことで相談にのっていただきたく、お願いします。
その時の病理結果は「アポクリン化生と軽度のductal hyperplasiaを認めるが悪性像はない」というものでした。入院中は傷口に触れることもなかったのですが、退院後、乳房にある傷口より少々上方にしこりがあることに気付き主治医に伝えましたが、傷口のあたりが固くなることはあるので、気にしなくてよいとのことでした。が、昨日再度不安であることを伝えると、細胞診を半年毎にするか、超音波で経過を見て大きくなるようだったら、ガンかもしれないので細胞診をするかのどちらかを選択する事を勧められました。主治医としては、細胞診をして欲しい感じを受けました。そこで質問ですが、よろしくお願いします。
1) ductal hyperplasiaとは、どういう意味、状態でしょうか。
2) 腫瘤摘出手術をした後に、手術痕の周囲にしこりが術後二週間でできることはあるのですか。
3) 生検の傷のためにできたしこりと、がんの可能性のあるしこりの見分けを超音波で確認できるのでしょうか。
4) 生検は3月15日に実施しましたが、本来であれば生検後のフォローアップ検査としてマンモグラフィー、超音波等、いつごろ、どのような形で行いますか。しこりが存在する間は一生細胞診をすることになり、体にとってよくないのではないでしょうか。
5) 手術前日超音波でしこりの位置を確認した際、しこりらしきものは確認できず、以前しこりを発見したときは生理中だった為、乳腺が大きくなっていたのではないかという主治との事でした。しかし、今思うと実際しこりのところを生検せず、取り残されたしこりが大きくなっているのではないか、と不安になっています。マーカーの位置がずれていても、メスを入れ、中を見ているので、そのようなミスはありえないでしょうか。主治医にも言い出せなくて不安です。

長々と申し訳ありませんが、宜しくお願いします。

まず、ductal hyperplasia は日本語では乳管過形成といいます。明らかな悪性病変ではありませんが、乳癌前駆病変とも言われています。生検を行なわれていらっしゃるようですので、今後は定期的な外来でのフォローがよろしいと思います。しかし決まった検査や通院期間はありませんので、各担当医により多少の違いはあると思いますが、半年ごとのエコー検査やMMG検査がよろしいかと思います。生検後の創部は創傷の治癒過程においてしこりのように硬くなることは珍しくありません。生検にて確実に病変部が摘出されていれば数週間で再発することは考えにくいですが、病変部の確実な摘出については担当医によくお聞きになるとよろしいと思います。(文責 西川)

 

No.5393-1】 06年06月12日     R.S.
化学療法について

お世話になります。40歳。3月に自覚症状全くなしで気軽に受けた自治体のマンモグラフイーで左乳房広範囲に石灰化が認められ、針生検の結果がん細胞が見つかりました。5月22日に左乳房全摘、センチネルリンパ節生検および同時再建(エキスパンダー挿入法)の手術を受けました。術前の診断はステージ0(非浸潤がん)、生存率98%でした。
病理検査の結果が予想以上に悪かったので、かなりショックを受けています。母が30年前に乳がんの手術を受け、5年後に転移発症、さらに5年後再発にて亡くなっています。手術当時小3、死亡時19歳だった私はトラウマが強く、検診でカテゴリー5の数値を見たときから情緒不安定な状態が現在に至るまで続いています。術後、それでも検診のおかげで早期発見で術後治療もホルモン治療だけで済むかもと、立ち直りかけたところ出た病理検査の結果が術前診断より悪く、ショックを受けています。
センチパネルリンパ節転移なし(0/4)、0.8mmのしこりが発見され、ステージ1、ホルモン受容体はエストロゲン、プロゲステロン共に陽性、Her2タンパク陰性でしたが、さらにショックだったのはグレード3、リンパ管一部浸潤ありでした。主治医から母と叔母が再発の上の死亡というリスクをふまえて、ホルモン療法に加え化学療法をすすめられています。心の準備が間に合わず、即答は出来ませんでした。今まで生存率=再発なしでの数値と勘違いしていたからです。また再発したらその後の治療で根治は困難ということも知らなかったのです。私は抗がん剤はEC×4 or FEC×4をすすめられています。娘たちと10年後も20年後も再発とは無縁で笑っていたいので、少しでも率は下げたいのですが・・・。
1) ホルモン療法のみの5年、10年の再発率、生存率は?
2) ホルモン療法+抗がん剤の5年、10年の再発率、生存率は?
3) 子供のころ大病はないのですが菌に弱く、免疫力が落ちると膀胱炎3回、カンジダ膣炎1回、吹き出物、ものもらい、毛穴、傷も化膿しやすく、虫刺されアレルギー、花粉症です。抗がん剤使用時、副作用にダメージ度は? 今すでに退院後膀胱炎と手あれを起こしています。
4) リンパ管浸潤とグレードについて詳しく教えてください。
5) FECとECの効果の違いと副作用の差は?
6) 先生なら、どの治療をお選びになりますか?

1)2)4)6) RSさんの病理結果から、ごく初期の浸潤がんであることがわかります。つまり病期1です。ホルモン療法のみの5年、10年の再発率は、それぞれ10%弱、15%前後です。生存率は、95%、90%程度です。また、ホルモン療法+抗がん剤の再発率、生存率は、ホルモン感受性陽性なので抗がん剤の上乗せ効果はそう高くなく、他の病理結果とあわせて、10%弱のリスク軽減というところでしょう。また、St.Gallenの2005年の治療指針からは、組織学的悪性度(グレード)が3であることで、再発低危険群(low risk group)に入らず中間危険群(intermediate risk group)に入る状態であるということになります。乳腺の中の細かいリンパ管へがん細胞が入り込んでいる様子が病理結果で認められる場合、リンパ管浸潤といいます。一部リンパ管浸潤ではリスクは上がりません。高度に認められる場合、再発riskがあがります。以上のような考え方で、主治医の先生は、ホルモン療法に抗がん剤を加えることをお勧めしているのでしょう。少しでも再発の危険を抗がん剤が下げるのであれば、お母様や叔母様のことを考慮して、私もEC×4 or FEC×4を勧めます。それでも、病期1の早期がんであるのですから、動揺したり、がっかりしたりすることはありません。
3) 大丈夫です。どれも克服できる副作用です。
5) EC×4やFEC×4の短期間の治療では、効果、副作用ともにほとんど差がありません。(文責 緒方)

 

No.5393-2】 06年07月24日     R.S.
化学療法について(2)

HPNo.5393でお世話になりました。しこりは0.8mmではなく、0.8cmです。後の病理検査は一緒です。診断は同じですか? エキスパンダーが挿入されていることによって、抗がん剤治療に影響はありませんか? お忙しいところ申し訳ありません。

腫瘍径が0.8mmではなく0.8cmとのことですが、いずれにしてもステージ1です。初期の段階でしっかりした治療がなされていれば、必要以上に心配しすぎない方が良いでしょう。ティッシュエキスパンダーは将来の人工乳房を入れるスペースを確保するだけですので、特に影響ないと考えます。ただ、もともと化膿しやすく、アレルギー体質もあるようですので、主治医の先生とよくご相談ください。(文責 阿部)

 

No.5393-3】 06年09月30日     R.S.
術後の検診とホルモン療法、ならびに子宮ガン検診

お世話になります。HPNo.5393でお世話になったものです。FEC1003w×4クールを8月末に無事終了し、昨日からホルモン療法が始まりました。抗がん剤投与中に生理は少量の出血が残っていたため、閉経前との判断でゾラデックス2年+タスオミン錠5年の予定になりました。ゾラ、リュープリン1ヶ月製剤、3ヶ月製剤のいずれかを選択するよういわれ、「効果は多分同じだがゾラの方が臨床データーが多いことと、固体なので投与ロスが少ない、リュープリン3ヶ月の方は通院は3ヶ月に一度、注射時の痛みが少ない・・・今日ゾラを投与して後日リュープリンに薬剤を変更してもよい」と言われました。注射は私としては特別痛いものではありませんでした。飲み薬もノルバッデクッスでもいいし、ジュネリック(タスオミン)でも効果は多分同じだとおっしゃるので、経済的なことも考えて、ジュネリックを選択しました。この選択で良かったのでしょうか?
主治医に術後の検診はいつやるのか尋ねたら、術後1年でよいとのことでしたが(来年の5月ごろ)、そんなに頻繁にやっても仕方がないとのことでした。子宮体癌のリスクが副作用であるので受けておくように言われたのですが、何かあった場合すぐ対応できるよう受診中の病院の婦人科にて受診するか、カルテがあり(昨年5月生理が長く続いたので受診)受診時間の融通がきく地元の婦人科にて受診するか悩んでいます。そのときに念のため体癌の検査もし、結果は問題なしだったのですが、一年後に再受診と思っていた矢先に乳癌を告知されたので、薬の副作用はまだすぐには出ないと思いますが、すぐに検査をしたほうがよいのでしょうか?
自分なりにホルモン療法の勉強して行ったはずなのですが、間違ったことを勧めているわけではないのですが、主治医が「多分」とか「効果は同じはず」とか少し曖昧な発言をする傾向がある方なので、優柔不断な私は迷ってしまいます。主人も私に判断を任せっきりです。
1) ゾラとリュープリンの効果は全く同じですか? 途中で変更しても問題はないのですか?
2) ノルバデックスとタスオミンの効果は同じですか?
3) 術後の再発・転移の検査は、術後1年は私のステージでは標準ですか?(5月4日にエキスパンダーからシリコンに入替え予定)
4) 婦人科は初診で受診中の病院とカルテがある地元の婦人科と、どちらが理想ですか? すぐ受診したほうがいいですか?

納得して選択したはずなのですが、帰宅してからとても不安になってしまいました。よろしくお願いします。

1) 同等と考えて宜しいと考えます。
2) 同等と考えて宜しいと考えます。しかし、ジェネリック薬品というのは先行の薬品と同様の成分で作られた後発薬品であり、先行の薬品が様々な臨床試験を経て使用可能になっているのに対し、後発薬品は先行の薬品と同じ成分ですので同じ効果があるということで臨床試験などをせずに発売されています。ですから安いわけですが、ちゃんとしたデータの裏づけがあるのは先行薬品ということになります。主治医の先生の説明が曖昧に聞こえるのは、そういった背景があるからではないでしょうか。
3) 宜しいと考えます。
4) 乳癌術後でホルモン療法中であることをお話しすれば、どちらでもよいと考えます。(文責 浜口)

 

No.5392-1】 06年06月07日     M.M.
母の乳癌(骨転移)の治療法について

初めて相談させて頂きます。1999年4月に母が乳癌(左胸)を発病しました。しこりは、5センチ、リンパ節にも転移がありました(他には転移がありませんでした)。その後左胸を全摘出し、抗がん剤治療をし、5年間はホルモン剤を飲みました。2004年10月に腰を圧迫骨折し、転移ではないと言われていたのですが、2005年12月くらいから腫瘍マーカーが上がり始め、骨シンチを撮ったところ、肋骨、頭蓋骨、腰の計3箇所に転移が見つかりました。それからは、最初アリミデックスというホルモン剤のみを服用していましたが、一度腫瘍マーカーが下がったのですが、又上がったので、フェマーラというホルモン剤に変えたところ、腰の痛みが強くなってしまい、更に、ちょっと鬱々とした気分になってしまうらしいのです。アリミデックスに戻したほうがよいのでしょうか? 又、今後の治療方法はどのようにしていったらよいのでしょう? 痛みが強いと可哀想なので、悩んでいます。腰は潰れた骨の下に転移ができていたようです。肋骨、頭蓋骨の方は今のところ痛みがないようです。どうか、お返事をお願いいたします。宜しくお願いいたします。

アリミデックスの効果がないと判断されたため、フェマーラに変更されたと考えます。効果がないアリミデックスに戻るのは良くありません。フェマーラを数ヶ月続けて、効果の有無を確認して下さい。ホルモン剤には、アロマシンや黄体ホルモン剤があり、フェマーラの代わりに使用する機会があると思います。
骨転移に対して、ビスホスフォネート剤を併用されるのがよいと考えます。この薬は、骨を壊す細胞の働きを抑えるため、骨症状の緩和や骨折などの予防に効果があります。痛みが強いようならば、その部の放射線治療が効果的です。ホルモン療法が無効な場合は、化学療法の開始を考える必要があります。(文責 福田)

 

No.5392-2】 06年07月24日      M.M.
放射線について&ゾメタの副作用について教えてください

5392番にて、ご相談させて頂いた者です。お返事有難うございました。とても参考になりました。今度は放射線、ゾメタの副作用についてご相談したい事がありますので、メールしています。母の腰への転移が1箇所だと思っていたら4箇所ありました。「腰の痛みは薬を変えたことだけではなく、ガンによるものではないか?」と主治医に言われました。放射線治療が出来ないか聞いたところ、「4箇所あると難しいな」と言われてしまいました。腰の骨が潰れたところが2箇所あるのですが、間に2個ずつ転移がある状態です。最近痛みがひどいらしく、放射線が出来ないというのは、とてもショックでした。やはり、4箇所転移があると、放射線治療は難しいのでしょうか?
又、母は、先週月曜日から入院してゾメタを点滴したのですが、今ものすごく腰の痛みがきついようなのです。ゾメタの点滴でこんな風に痛みがきつくなってしまう副作用は出るのでしょうか? 熱が出るという副作用は聞いていましたが、こんな痛みがきつくなるなんて・・・と、家族でオロオロしています。病院もアレディアは使ったことがあるようなのですが、ゾメタは初めてなので、困っているようです。この痛みには、どのような薬が効くのでしょうか? 又、副作用だとすれば、次回に点滴するときは、このような副作用は少しは薄らぐのでしょうか? 
フェマーラは効いてきている様で、腫瘍マーカーは下がってきているため、医者はガンに効いているのではないか?と言って下さっているのですが、あまりに腰の痛みがきついため、心配でたまりません。お忙しい中申し訳ありませんが、お返事頂けると嬉しいです。

放射線治療は照射範囲が広過ぎる場合や近くに放射線障害を受けやすい臓器がある場合、既に照射済みの場所には副作用の問題で使用できないことがあります。また、ビスフォスホネート製剤は副作用として時に骨痛を生じることがあります。恐らく通常の鎮痛剤を使用されていることと思いますが、使用可能であればモルヒネ製剤をご検討なさってはいかがでしょうか?骨転移からも当然疼痛は生じますが、骨粗鬆症の痛みも相当強いことがあります。アロマターゼ阻害剤であるフェマーラが有効な可能性があるのであれば、使用継続で経過を見られてはいかがでしょうか?(文責 阿部)

 

No.5391】 06年06月07日     T.K.
母の術後経過について(HPNo.5137-2)

以前、右下のしこりについてお聞きしたHPNo.5137の者です。ご回答頂きまして有難うございました。今回は母のことで質問させて頂きたくメールを差し上げました。母が乳がんと診察をされてから約6ヶ月間術前治療(タキソール等)を行ってきました。1.5cmあったしこりは手術前には5mmほどになり、脇のリンパ転移も大分消えたとのことでした。先月温存治療の手術を受け、来週に詳しい結果を聞く予定です。母は53才、閉経、3人出産しております。両親の家系にがんの人はいませんでした。右胸を手術し、術後12日で退院しました。液はもうほとんど出ていないので、しばらく液を取る必要はないとのことでした。術後の通院の際、先生から簡単にお話をして下さいました。母曰く、レベル3で、胸は0、脇は1と言われたそうです。レベル3と言うのは脇のリンパ腺をレベル3まで取ったと理解してよろしいでしょうか。その場合、転移の範囲が広いのでしょうか。来週の結果を聞いてから術後の治療方法が決まるのですが、それ以前に上記の話を聞いたので気になって不安です。現時点でどのような可能性が考えられますでしょうか。どうぞ宜しくお願いいたします。

ご質問の、「レベル3と言うのは脇のリンパ腺をレベル3まで取ったと理解してよろしいでしょうか。その場合、転移の範囲が広いのでしょうか。」については、推量でお答えするより 主治医にお聞きになるのが一番です。手術前に化学療法を受けられましたので、手術後には化学療法を行わないのが通常です。温存手術ですから、温存した乳房への放射線治療が必要です。また、ホルモンレセプターが陽性で、ホルモン療法の効果が期待できる場合、ホルモン療法を5年間お受けになることをお勧めします。(文責 福田)

 

No.5390】 06年06月07日     S.T.
ホルモン療法について

お忙しいところすみません。48歳、今年2月に右乳ガンのため乳房温存手術(しこり2〜3cm)。腋窩リンパ節転移陰性、他の臓器に転移なし(他に詳しい説明は聞いておりません)、放射線治療25回終了、ホルモン感受性陽性のため主治医から今後ホルモン療法を勧められています。
質問ですが、初期の乳ガンであってもホルモン受容体であればホルモン療法を受けなければいけないのでしょうか(受けたほうがよいのでしょうか)。再発する可能性がそれほど高くなければ、ホルモン療法を受けたくないというのが正直なところです。よろしくお願いいたします。

ご自身のような早期乳癌の場合、ホルモン療法が大変良い適応です。理由は、ホルモン療法により約5%の10生存率の向上(情報が限られていますので概算です)が見込まれるからです。もちろん、ホルモン療法には副作用があります。 ホルモン療法を受けなくとも約80%の10年生存率が期待できることより、最終的にはご本人が主治医とご相談の上、決定されるのが良いと思います。(文責 福田)

 

No.5389】 06年06月07日     H.A. 
肝臓転移について

2001年12月(46歳時)に右乳房全摘、3.5cm大硬がん、ホルモン陽性、HER2陰性、T2N0M0、リンパ転移無し。2002年1月より、ノルバディックス20mg/1日・5-FU100mg2回/1日服用。2003年1月右鎖骨上リンパ節及び骨転移。1月よりゾラデックス3.6mg/月1回及びノルバディックス続ける。ゾラを4月まで行うが嗄声がひどいため4回で中止。ゾラを中止すると嗄声は無くなる。その後腫瘍マーカーも高い為、7月より入院し、骨への放射線22回及びタキソール100mg/週1回(3週間続けて1週間休み)を行い、10月始めに退院。白血球が低いため、その後10月末よりタキソール60mg/週1回(3回・1休)から始めて徐々にタキソールの量を増やし、翌年2005年12月初めまで計17クールを終えて、腫瘍マーカーもCEA/2.1、CA15-3/19.1と落ち着いた為タキソールを停止し、アロマシンの服用のみとなりました。しかし2006年4月17日の検査で腫瘍マーカーが再度上昇。CEA/8.2、CA15-3/38.4の為、PET・CT・骨シンチ・エコーと行い、とりあえず5月23日より「ティーエスワン25mg2錠を1日2回服用」、アロマシンはそのまま服用。検査では肝臓に1.5cm大から小さい物が散らばっているようだとのこと。肝動注をするか思案中です。ティーエスワン服用1週間後の5月29日の腫瘍マーカーはCEA/7.6、CA15-3/50.8でした。元々白血球が2800〜2900位しかなく、ティーエスワンを始めてから2週間目の6月5日の白血球は2200でした。
1) このままティーエスワンを服用し、経過を見た方が良いのでしょうか。
2) 肝動注で抗がん剤治療をした方が良いのか、その場合どういう状態になったときに治療を中止することができるのか。又副作用はどんな状態が考えられますか。
3) 今までのような点滴による抗がん剤治療が良いのか。(まだタキソールしか行っていない)

お忙しい中申し訳ありませんが、ご回答宜しくお願い致します。

1) この時期に ティーエスワンを始めることに対して、医師の間に議論があると考えます。ただ、今回 ティーエスワンを開始されたわけですので、少なくとも2ヵ月は経過を見たいと思います。
2) 私達は原則として全身治療を行っており、極めて例外的な場合以外肝動注は行いません。
3) 全身状態を見ながらですが、アドリアマイシン系の薬剤を中心とした化学療法を試みるべきであると考えます。主治医とよくご相談下さい。(文責 福田)

 

No.5388】 06年06月07日     M.M
一側多発癌の場合の今後の治療方針について

はじめまして。M.Mと申します。今後の治療方針につき悩んでおり、ご相談させて頂きます。06年4月に右乳頭温存乳房切除の手術を受け、先日病理結果が出ました。結果は、非浸潤性乳管癌と硬癌が認められ、一側多発癌とのことでした。硬癌は、大きさ:2センチ以下、ER/PgR:共に陽性、HER2:陰性、リンパ節転移:なし脈管侵襲:なし、グレード:1。主治医からは、無治療で経過観察でいいのではと言われていますが、一側多発癌なので対側での発症リスクが高いのが心配とのことで、予防の意味で抗エストロゲン剤の服用を提案されました。出来れば反対側への再発は極力避けたいので、メリデメを考えた上で効果があるのであればホルモン治療を受けたいと思っているのですが、子宮筋腫(大きさは約5cm、経過観察中)がある為、それが悪化するのではないかとの懸念もあります。30代後半、生理は順調で、生理痛などもほとんどありません。以下の点につきご教示頂きたく、宜しくお願い致します。
1) 一側多発癌は多いものなのか?乳癌全体では何%程度のものなのか?
2) 一側多発癌の場合の再発率(含、新たな癌の発症)はどの程度なのか?
3) 私のようなケースの場合、相対的に考えてホルモン治療を受けた方が良いのか?

お忙しいところ大変恐縮ですが、ご回答頂きたく宜しくお願い申し上げます。

1) 一側多発乳癌は、少ないものではありません。ただ、研究者によって一側多発乳癌の定義が違うことがあります。また、一側多発乳癌と確定診断するのが難しいこともあり、報告によって一側多発乳癌の頻度が2%から80%まで大きく違います。一般的に20-30%と考えられています。
2) 一側多発乳癌の場合、乳房温存手術後の温存乳房内再発はやや高くなる可能性がありますが、生命予後に影響するような再発率は単発の乳癌と差がありません。一側多発乳癌の場合、多発した乳癌の中で、もっとも進んだ癌の予後に一致すると考えられています。したがって、ご質問の方の場合、硬癌の予後になります。
3) ホルモン療法を受けることをお勧めします。子宮筋腫のことを考慮するとLH-RHアゴニストで卵巣機能を抑える治療法が良いと考えられます。主治医とよくご相談下さい。(文責 福田)

 

No.5387】 06年06月05日     S.T.
ホルモン療法について

お忙しいところすみません。48歳、今年2月に右乳ガンのため乳房温存手術(しこり2〜3cm)。腋窩リンパ節転移陰性、他の臓器に転移なし(他に詳しい説明は聞いておりません)。放射線治療25回終了。ホルモン感受性陽性のため、主治医から今後ホルモン療法を勧められています。質問ですが、初期の乳ガンであってもホルモン受容体であればホルモン療法を受けなければいけないのでしょうか(受けたほうがよいのでしょうか)。再発する可能性がそれほど高くなければ、ホルモン療法を受けたくというのが正直なところです。よろしくお願いいたします。

腫瘍径2cm以下でリンパ節転移のない場合を早期乳癌(stage I)といいますので、2-3cmであれば早期ではありません(stage IIA)。一般に早期乳癌でも再発のリスクはないわけではなく、ホルモン療法による再発抑制効果があることは明らかです。タモキシフェン5年間投与での再発減少率は47%と約半数の患者さんが再発を免れることが知られています。ホルモン療法を受けられることをお勧め致します。(文責 浜口)

 

No.5386】 06年06月05日     M
乳癌の可能性

はじめてご相談させていただきます。出産経験なしの37歳です。初潮は11歳、標準体型です。また、乳がんにかかった親族はいません。1ヶ月ほど前から、左胸の上部(左腕の付け根部分)に疼痛があります。初めは生理前だからかと思っていましたが、終ってからも疼痛はなくならず、反対に腫れがでてきて、左腕がだるくなってきました。乳房表面にしこりは見当たらず、乳頭からの分泌物もありません。この症状は、乳がんの可能性がありますでしょうか? また、診察を受けるなら、近所の産婦人科より乳腺科のある病院のほうがよろしいでしょうか? 父を直腸がんでなくし、現在母が肺がんの治療を行っており、かなりナーバスになっています。アドバイスをよろしくお願いいたします。

乳癌の可能性がないとは言えませんので、症状があるのであれば乳腺科もしくは外科の受診をお勧めします。(文責 浜口)

 

No.5385-1】 06年06月05日     A.T.
術後治療について

ご相談させていただきたく、宜しくお願い致します。36歳女性、既婚・子供なし。昨年4月に左乳房全摘およびリンパ節郭清手術を受けました。病理検査によりホルモン反応があったため、手術2ヵ月後の昨年6月よりホルモン療法(リュープリン注射)開始。今年4月より「念のため」ということでノルバテックスも併用開始。主治医退職に伴い5月に転院したところ、転院先の医師に抗がん剤治療(CEF+タキソテール)を薦められました。理由は年齢と石灰化部分も含めた腫瘍の大きさ等により、リスクが高いからということのようでした。最初の病院でホルモン治療を始めるときは「無治療でも良いくらいだが念のため」というレベルの話だったので、今の病院での話は非常に意外で戸惑っています。そこでご意見を頂きたいのですが、私の場合、術後療法は何がよいのでしょうか? できれば出産を希望しておりますので、出産を考えた場合の術後療法と再発リスクとの関係についてもアドバイスいただきたく思います。腫瘍径:1.8cm(周囲の石灰化6.5cm)、波及度:乳腺+、脂肪+、リンパ管侵襲:+(ly1)、血管侵襲:−、ER/PgR:共に+、グレード:不明、HER2:3+、リンパ節転移:なし。
また、初歩的な質問で恐縮なのですが、St.Gallenのリスク分類上はIntermediateに該当するのでしょうか? お忙しいところ恐縮ですが、今後の前向きな治療の為、何卒宜しくお願い申し上げます。

2005年のSt. Gallenのリスクカテゴリーではリンパ管侵襲、HER2過剰発現を認めるためIntermediate riskに入ります。ホルモン感受性(+)ですので、現在のホルモン療法で十分な予防効果が期待できるのではないでしょうか。少しでも再発率を下げたいというのであれば、確かにアンスラサイクリン+タキサンの化学療法を施行することも選択肢になりますが、ホルモン療法に比較した場合再発率を7%程軽減すると考えられ、副作用を考慮して決める必要があります。化学療法に比較してホルモン療法は治療後に閉経する可能性が低く、妊娠を希望する場合にはホルモン療法終了後が勧められます。すぐにも妊娠を希望される場合には、術後補助療法をしないことによる再発リスクの増大が問題になります。(文責 浜口)

 

No.5385-2】 06年06月20日     A.T.
再発率について

HPNo.5385で相談させていただきました。ご回答いただきまして、ありがとうございました。再発率についてもお教え下さい。私の場合、ホルモン療法を行うと再発率はどのくらいになりますでしょうか。また、2年間と5年間では、どのくらいの差が出てくるのでしょうか。恐れ入りますが、宜しくお願い致します。

A.T.さん、こんにちは。浜口先生ではありませんが、お答えさせていただきますね。
有名な試験を引用いたしますと、タモキシフェンを使うことにより再発の減少率は、1年→21% 2年→29% 5年→47% となるようです。この減少率というのは、再発率が10%の場合、それぞれ、7.9%、7.1%、5.3%になるということです。(この10%というのは例えです。A.T.さんの再発率はもっと低いと思います。念のため。)
このほか、死亡率、対側乳癌発生の抑制にも服薬年数による違いが認められます(1<2<5年となります)。ただ子宮体癌の発症率が5年服薬では約4倍となってしまいます。よい面ばかりではないのが残念なところです。(文責 河原)

 

No.5385-3】 10年04月15日     A.T.
再発について

No.5385でお世話になりました。その節はありがとうございました。またご相談させていただきたいことがあります。
今年4月で術後5年になります(左乳房全摘)。昨年3月のCT検査で、左胸胸膜に5o位の肉芽腫のようなものがあると言われました。その半年後の検査では7o、今年3月の検査では8.5oと、少しずつ大きくなってきています。加えて、今年3月の血液検査では、腫瘍マーカーの値が高かったためPET検査を受けたところ、その肉芽腫のようなものに集積が見られ、これら3点の状況(大きくなってきている、腫瘍マーカーの値、PET検査での集積)から再発だと診断されました。しかしながら以前に、「・悪性でなければ肉芽腫のようなものはあっても問題ない ・腫瘍マーカーの値は一度高いだけでは判断できない ・PETの集積は炎症にも起こりうる」と聞いたことがあるため、今の状況で本当に再発と考えなければならないのか、疑問が残っています。5年間のホルモン治療後に、問題がなければ出産を考えていたこともあり、100%確実に再発だと言える状況でないと気持ちの切り替えが難しく、納得のうえ再発治療に取り組むことができそうにありません。そこで伺いたいのですが、この状況だと、やはり再発と考えるのが妥当なのでしょうか? もし再発でない可能性があるのであれば、どのような検査をすれば確実な判断ができるものなのでしょうか?(針生検は場所的に簡単ではないようなことを言われました。) 恐れ入りますが、ご意見を伺いたく、宜しくお願い申し上げます。

再発と考えるのが妥当と思われますが、再発であるか否かは、組織または細胞を採ってみなければ100%確実とはいえません。細胞診、針生検などが行えればよいのですが・・・。(文責 吉田)

 

No.5385-4】 10年05月16日     A.T.
再発について(2)

度々で申し訳ありませんが、教えて下さい。
1) 再発の判断をする際に、一般的には針生検や細胞診も行うものですか?
2) 一般的に8.5mmの大きさで針生検はできますか?
3) PETの集積がある場合、腫瘍マーカーの1回の値だけではなく、値の推移を見る必要はないですか?

宜しくお願いいたします。

1) 再発した場所によります。検査可能な部位なら、行ったほうがベターでしょう。
2) 場所によっては可能です。
3) 血液中のマーカーであれば、おっしゃるように推移が大切です。(文責 加藤)

 

No.5384】 06年06月04日     S 
マンモグラフィー検査にて

今日マンモグラフィー検査を受けたのですが、最初に右胸を撮影後、自動で開く装置が設定を忘れられたらしく、挟んだまま気付かれず放置されました。その間にフイルム撮影のカシャカシャという音がずっと何度もしていたのですが(30秒ぐらい)、放射線が出続けていて誤って被爆してしまったのではと心配です。放射線撮影のしくみがわからないので、とても不安です。大丈夫かどうか教えてください。

被爆し続けることは考えにくいです。大丈夫でしょう。(文責 浜口)

 

No.5383】 06年06月04日     M 
乳房の赤みについて 

ご相談させていただきます。44歳になります。去年の秋に手術をしました。現在は月一回の注射と飲み薬にてホルモン療法をしています。ステージ1、リンパ節転移ナシ、リンパ管、血管侵襲いずれもプラス、ステージ1、グレード2でした。手術直後あたりから乳房が熱を持ち赤く腫れ、放射線治療後も現在に至るまで赤みが引きません。ただ以前よりは良くなりましたが、日によって随分違います。毛穴も以前よりは目立たなくなりましたが、やはり気になります。乳房の硬さも同じく以前よりは柔らかくなりましたが、反対側の乳房に比べると、まだまだな気がします。心配事は炎症性乳がんなのでは?という事です。しかし手術からもう10ヶ月近く経ちますし、これといって痛いところもありませんし、レントゲンやCTでも異常ありません。素人考えでは大丈夫という気持ちと、もしかしたら?という気持ちで、毎日が落ち着かず良く眠れません。主治医の先生に皮膚生検をお願いしようかとも思っています。炎症性乳がんは、赤みや毛穴が目立つ以外にどんな症状があるのでしょうか。お急がしいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

乳房温存術後、放射線治療後であれば乳房の発赤、腫脹がみられることはそれ程珍しいことではありません。しかし、ごく稀に炎症性乳癌型の局所再発をきたすことがあり注意が必要です。症状としては乳房の発赤、腫脹、局所熱感などですが、診断確定には細胞診や生検で癌細胞を確認する必要があります。しかし、炎症性乳癌であれば症状が改善することは考えにくいですので、良くなってきているのであれば、あまり心配いらないと考えます。(文責 浜口)

 

No.5382】 06年06月04日     W
手術後の治療法について

初めてメールさせて頂きます。術後の治療法で迷っています。アドバイス、よろしくお願い致します。40才、既婚、子供有り、閉経前。健康診断で右胸の乳首から少し離れて真横あたり一点に集中した石灰化のものが見つかり、針生検で悪性という事で先月乳癌の手術を受けました。乳房温存術(乳房円状部分切除)、センチネルリンパ節生検 三個。病理組織検査の結果、「非浸潤性乳管がん 切除断端 陰性 波及度 乳腺のみ リンパ官侵襲 マイナス 血管侵襲 マイナス エストロゲンレセプター プロゲステンレセプター 共に陽性 共に80パーセント 組織学的悪性度 グレード1 HER2 陰性」という結果でした。気になるのは組織標本の解説の一部に「細胞異型は軽度ながら面疱状壊死があり・・・」という所です。面疱状というのはあまり良くないタイプと認識しております。今後の治療ですが、乳房温存手術なので一般的に放射線とセットと思っていましたが、主治医から病理組織検査の結果ホルモン受容体が陽性なので、放射線治療はせずに、内分泌療法でノルバデックスとゾラテックスをすすめられました。二年〜五年。副作用がきつければ、薬をやめ無治療でいいとの事。放射線や薬は副作用が気になります。病理組織検査の結果、検診をしっかりうければ無治療という選択も1つかと思いますが、再発率0%ではないので治療をしたほうがいいかとも思います。ゾラテックスの副作用を考えると、ノルバデックス単独かなとも考えます。主治医から最終的には自分で治療方針を決めて下さいと言われました。上記に基づき質問です。
1) 上記の病理組織検査結果による非浸潤がんの一般的な術後治療は?
2) 非浸潤がんの一般的な再発率は?
3) 軽度でも面疱状のものがあると再発率が高くなりますか?
4) 放射線とゾラテックスはやめ、ノルバデックス単独にすると再発率はどの位かわりますか?
5) ノルバデックス単独で服用年数を五年からニ年にすると再発率は変わりますか?
6) ノルバデックスの服用と一般の風邪薬、頭痛薬、アレルギー性鼻炎の薬等と併用はかまいませんか? 何かしらの薬を服用する時は毎回確認が必要ですか?
7) 無治療という選択も考えられますか?
8) 薬で女性ホルモンをおさえるという事は、個人差はありますが老化を早めるという事になりますか? 副作用は説明を受けています。それ以外に例えば白髪が増えたりシミが多くなったりという事も考えられますか? 仕事をしているので気になります。

自分で治療を決めるという事で迷っています。最終的には主治医と相談しますが、アドバイスよろしくお願い致します。

1) 非浸潤癌は基本的には遠隔転移を起こさず経過の良好な癌ですが、経過が良好なだけに術後補助療法を考える場合には、その副作用と作用のバランスを考え慎重に選択する必要があります。術後照射は非浸潤癌の同側乳房の局所再発を50-60%減少させることが確認されていますので、考慮してみる価値はあるのではないでしょうか。照射を省略してノルバデックスのみを内服した場合の局所再発抑制に対する有効性は確認されていません。
2) 手術単独の場合、10年間での局所再発率は20%前後です。
3) 面疱状の場合には局所再発リスクが高いことが知られています。
4) 非浸潤癌に対するゾラデックスの有効性も知る限りでは確立されていないと思います。ノルバデックス単独に比較して術後照射は約10%局所再発を減らせると考えます。また、照射にノルバデックスを上乗せすることにより浸潤性局所再発を減少することが報告されております。
5) 単独では変わらないでしょう。
6) ワーファリンなど相互作用が確認されている薬もありますが、風邪薬、頭痛薬、アレルギー性鼻炎の薬との併用は問題ありません。
7) 局所再発率を十分に理解した上であれば考えられます。
8) 更年期障害の症状が出ることは考えられますが、白髪やしみについてはわかりません。(文責 浜口)

 

No.5381】 06年06月04日     H
乳癌診察中の生理について

54才の会社員。子供はいません。乳癌と診断され、リンパ節への転移の検査を行っています。進行癌の疑いがあります。閉経間近で生理が不順です。生理になるとエストロゲンの分泌で癌細胞が増殖するのではないかと不安です。昨日の夜にフト生理前の眠気が襲ってきました。生理になりそうな時の対策は考えた方が良いのでしょうか? もし対策があれば是非教えて下さい。

現時点で生理に対する対策は特に必要ありません。手術終了後にホルモン感受性があるようであれば、適切なホルモン療法を施行すればよいでしょう。(文責 浜口)

 

No.5380】 06年06月04日     R. O
ホルモン治療の副作用でしょうか?

2005年3月に右温存術の後、放射線照射をし、7月よりノルバデックスを服用、生理が止まらなかったので2006年1月よりゾラデックスの注射を始め、一月から生理が止まっています。47歳です。ステージは0期と1期の間(ほとんどがDCISで浸潤が1ミリの為)、リンパはセンチネルで2個だけ取りました。ホットフラッシュやめまい等の更年期症状は全くないのですが、二ヶ月ほど前から朝の手のむくみ、こわばりが感じられるようになり、最初は右手の人差し指だけだったのが、段々と左手にも症状がでてきました。ノルバデックスやゾラデックスで、このような副作用が起こる事はありますか。関係がないとしたら、どのような病気の可能性がありますでしょうか。どうぞよろしくお願いします。

副作用の可能性も考えられますが、もし軽度であれば治療を続行することをお勧めします。もし症状が強くなり、耐えられないようであれば主治医に相談して下さい。(文責 浜口)

 

No.5379】 06年06月04日     T.H. 
生理の再来

いつも参考に拝見させていただいています。2003年10月末に温存手術のあと放射線25回、2年間のゾラデックスを終了して、現在タモキシフェンを5年の予定で服用中です。年齢45歳です。このたびゾラ終了の後7ヶ月で出血が見られ、生理が戻ってきたと思われます。主治医からは「戻るかも知れないし、そのまま閉経するかもしれない。戻っても問題はありません。」と言われていました。ホルモン受容体が共に陽性だったので、この治療が効いていたのだとしたら、生理が始まる事によって女性ホルモンが活発になり、再発につながるのではないかと不安です。センチネルで転移はないとのことでしたが、小さながん細胞が残っていたとしたら再発する可能性が高いのでしょうか。

主治医の説明通りで問題ありません。(文責 浜口)

 

No.5378】 06年06月04日     H.S
乳がん検診後の痛みについて

30歳女性です。半年前くらいに乳房の下に豆粒大くらいの動くしこり(痛みなし)を見つけ、三ヶ月程前に乳腺外科で診てもらいました。母親が乳がん患者だった事もあり、詳しく検査をということで、マンモグラフィ―・超音波・針生検をし、そのしこりは良性(程度2)という事でした。しばし様子を見るとのことで、半年後にまた診察に行くことになっています(具体的な病名は聞きませんでした)。その際の針生検で、念のためという事で、2回針を刺して検査したのですが、それがあまりにも痛くて、痛みはそのうち引くだろうと思っていましたが、未だにその部分を押すと痛みがあり、たまに押してもないのに痛む時もあります。そんなに耐えられない程の痛みではないのですが、検診前は一切しこりは痛みが無かったので、何かあるのか不安です。次回の検診まで日があるので、是非ご意見をお聞かせください。よろしくお願いいたします。

針生検によって内出血を起こしたりすれば一時的に痛みがあるかも知れませんが、心配ありません。(文責 浜口)

 

No.5377】 06年06月04日     Yy
抗ガン剤治療法について

初めてご相談いたします。42歳の家内(閉経前)が昨年11月の市民ガン検診で乳ガンが見つかり、今年1月初めに右乳房の全摘手術を受けました。術後の病理結果は次の通りです。浸潤性乳管ガン(主にDCISが占めるも浸潤部も目立つ)、範囲:3*5cm、ステージ:U、リンパ節転移:1/24、核異型度:グレード1、ホルモン感受性(ER):(+)、ホルモン感受性(RgR):(−)、多臓器転移:なし。術後治療法として、AC4回+タキサン系4回+ホルモン治療5年と予定され、先月10日にAC4回が終了しました。今回の相談は、次のタキソールの投与の仕方です。家内はAC投与後7日間、吐き気が強く、水も満足に飲めない状態が続きました。味覚と臭覚異常が強くでていました。そのことを主治医の先生にお話したところ、タキソールは1回/週を3週実施し、1週休みのパターンを4クールでも出来ると言ってくださいました。もう一つは3週間おきに1回の投与を4クールということでした。2つの投与方式の違いをお教えください。また、家内の5年、10年の再発率と生存率をお教えください。

タキソールの毎週投与は3週毎投与に比較して、1回投与量が減るため副作用が軽くなりますが、通院回数が多くなります。効果については、ほぼ同等と考えてよいでしょう。副作用が気になるのであれば毎週投与がよいのではないでしょうか。Adjuvant onlineによれば、現在の治療を行った場合の10年の再発率は14.2%、生存率は90.5%になります。(文責 浜口)

 

No.5376-1】 06年06月02日     K 
手術の方法と傷跡

先日病院で乳管造影をして、乳管内乳頭腫ではないかという診断を受けました。分泌液の検査も陰性、マンモグラフィもエコーも陰性でした。分泌を止めるには手術しかないけれど、様子をみるということで、次回(3ヶ月後)の予約をして終わりました。まだ未婚で20代前半ということもあり、手術の傷跡がとても気になります。どういった手術になるのか教えてください。傷の残り方とか、痛みとか、その後の生活など。よろしくお願いします。

乳管内乳頭腫に対しては乳管小葉区域切除という手術が行われるのが一般的です。乳腺はぶどうの房状になっており、それが乳管につながり約15-20の乳管が乳頭に開口しています。その中の分泌の原因になっているぶどうの房を切除します。もしも、乳癌があった場合には追加の治療が必要になることがあります。皮膚切開は切除範囲により、乳輪に切開をおいたり、放射状に切開をおく場合もあります。多少の傷は残ってしまいますが、痛みは時間が経てばよくなります し、その後の生活も普通でよいです。(文責 浜口)

 

No.5376-2】 06年06月04日     K 
内視鏡手術 

お忙しい中、早速の返信ありがとうございます。とてもわかりやすかったです。多少の傷が残ってしまう・・・ということで少し戸惑いますが、早めに手術をしようと思います。素人なりに色々調べたのですが、内視鏡手術で乳管内乳頭腫が切除できるという話も聞きました。これは保険適用が4月からというまだ発展途上という話も聞きましたが・・・。お忙しいと思いますが、内視鏡手術についても教えていただけると助かります。よろしくお願いします。

乳腺疾患に対する鏡視下手術は1995年頃より日本で行われるようになり、2002年4月より乳癌に対し保険が適応とされるようになりました。現在のところは限られた病院で行われており、どこの病院でも受けられる治療ではないのが現状です。乳癌に対しては従来の方法に比較して傷が小さく、美容的にも優れていますが、乳管内乳頭腫に対しては従来の手術方法でもそれ程大きな傷にはなりませんので、乳癌の場合に比べるとメリットは少ないのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.5375】 06年06月02日     S
乳がん検診について 

恐れ入りますが、ご相談します。乳がん検診に行ったところ、エコーでもマンモグラフィーでも問題はないが、右上側の伸びが悪いので、一応6ヵ月後に再検査すると言われました。生理前に無理をして検査に行った事もあり、張ってはいたのですが、先生が、極稀にガンの初期段階にこういう感じで輪郭がはっきり写る(伸びが悪いので乳房の境がはっきり写っている)場合があるとのこと。実際これからの6カ月間、この状態でいるのは不安です。経過を待つしかないのでしょうか?

診察していないのでわかりませんが、今同じ検査をしても同じ結果になると思いますので、少し様子をみて、何か異常があれば6ヶ月待たずに受診されたらいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.5374-1】 06年06月02日     A 
術後治療の必要性について

49歳、閉経、3月左胸乳腺摘出。病理検査の結果、3m/mの浸潤ガン1個、核異形度・核分裂・グレード全て3、リンパ転移なし、HER2 2+ 、ホルモン受容体ER/PgRとも陰性、切り口ガンなし。術後抗がん剤を勧められています。ケースとして、このような場合は再発率はどの位あるのでしょうか。やはり抗がん剤は投与した方がいいのでしょうか。よろしくお願いします。 

腫瘍径は3cmでしょうか? そうであれば、米国のAdjuvant onlineによりますと、無治療での10年間での再発リスクは42.8%で、化学療法により25%程度に減少します。(文責 浜口)

 

No.5374-2】 06年06月04日     A 
術後治療の必要性について(2)

5374で回答いただいたものです。3cmではなく3ミリの浸潤ガンです。ステージTです。やはり化学治療は必要でしょうか?

米国のAdjuvant onlineによれば無治療での10年間での再発リスクは21.9%で、化学療法により12.4%に減少します。しかし、腫瘍のほとんどが非浸潤癌で、その中に3mmの浸潤癌があったのであれば、再発リスクは更に低いと思いますので、化学療法を施行せず経過をみるという選択肢もあると考えます。(文責 浜口)

 

No.5373】 06年06月02日     J.I. 
ホルモン療法中の痛みと腫れ

去年5月に発症。術前化学療法(FEC×4、タキソテール×4)の後、12月に全摘手術をしました。化療が奏効し、腫瘍径8⇒3cmに縮小、ステージV−a、グレードV、異型度3/5でした。ホルモン・ハーセプテスト陽性。術後化療FEC×2行い、今年4月よりホルモン療法を行なっています。現在アリミデックス1r/日を経口摂取しています。5月はじめに腫瘍マーカーを検査したところ1CTPが12と高値でした。マーカーはあくまでも目安と言われますが、1CTPのデーターの信頼度はどの程度なのでしょうか? すぐに骨シンチは検査しなかったのですが、5月の終わりごろ頚部の激痛で救急受診する事となり、今、骨シンチ・MRI等の検査中です。痛みは少し治まってきています。痛みとしては骨性と言うよりは筋の硬直のような感じです。また、術側と同側の頸部鎖骨上リンパを押すと痛みます。頸部側面から後方にかけて腫れているような気がします。背臥位になると頭部の重みで腫れている側が更に押されるような感じです。頚部リンパ節転移ではないでしょうか? どのような検査かわかりませんが、調べる必要はありますか? また、最近股関節や膝関節・手関節が痛むのですが、ホルモン剤の副作用である骨粗しょう症ではないかと思います。こちらも検査したほうが良いですか? もしそうだとしたら、何かアリミデックスと併用できる薬を処方してもらったほうが良いのでしょうか?

ICTPは癌転移による骨破壊に特徴的な大きなコラーゲン分子のことで、癌によって破壊されていく骨の状態を反映すると考えられています。正常値と異常値の境界をどこに設定するかによりますが、感度は低いですが特異性は高く、高値の場合には骨シンチ等の検査で骨転移がないかどうか確認するのがよいでしょう。鎖骨上から頚部のリンパ節についてはCTや超音波の画像で確認し、転移が疑われる場合には細胞診等で確認します。骨粗鬆症については、まず骨密度の測定をお勧めします。(文責 浜口)

 

No.5372】 06年05月31日     U
腹腔内注入化学療法

転移性乳がんで腹膜に転移があり、腹水が溜まっています。腹腔内注入化学療法について教えて下さい。

腹腔内注入化学療法とは、腹腔内に直接抗癌剤等を注入することにより、癌細胞への直接作用や癒着を起こさせることにより、抗腫瘍効果及び、腹水減少などの症状緩和を目指す治療です。しかし、有効性の確立された方法ではなく、他に有効な治療法がない場合などに患者様の症状緩和を目的に行われることが多いです。(文責 浜口)

 

No.5371】 06年05月31日     Y.K.
抗がん剤治療の再検討について(HPNo.5131-3)

HPNo.5131などでお世話になった者です。当初、抗がん剤治療はAC−Pを予定しており、5月23日にACの1回目を投与しました。このほど主治医から「カンファレンスの結果、ACのみにとどめ、Pを行わないという選択肢があるので、自分でも検討してほしい」と言われました。その理由として、
1)リンパ節転移がなかったので、そこまで強い治療をする必要がないのではないか。
2)必要以上に抗がん剤治療をすると、二次性がんを発症するリスクが出てくる。
3)ホルモン療法が有効なタイプなので、より長くホルモン療法をする(5年〜10年)ことによって、再発リスクは軽減できる。
を挙げておられました。

自分としてはnuclear gradeが3+3=6と高い数値だったことに引っかかっているものの、いずれにしても素人では判断できずに困っています。ご意見を聞かせていただければと思います。

病理結果からは恐らく中等度リスクと考えられますので、化学療法を施行するのであれば、高リスクに比較してパクリタキセルの上乗せ効果は低いと考えます。ホルモン感受性であれば、主治医の先生の治療方針でよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.5370-1】 06年05月31日     J.M
断端陽性等について

宜しくお願い致します。49才です。38才時に卵巣嚢腫で左側卵巣と子宮を摘出の為、閉経の有無を血液検査したところ、閉経しているとの事。昨年12月26日に両胸にしこりを見つけ受診、マンモグラフィとエコー検査をしました。その結果、細胞診は左側のみで良いと言うことでした。結果、カテゴリー5の判定。その後、マンモトーム生検実施で、癌であると確定診断がつきました。2月14日に温存手術を受け、1.5mm・T期・悪性度1〜2の間・Her2(−)・リンパ転移なし・断端陽性(ミクロの世界でどの程度残っているか不明、アメリカでは陰性になる範囲・放射線で十分対応できる)と説明を受けました。術後、放射線治療25回+ブースト照射5回・アリミデックスを飲んでいます・抗癌剤治療は不要との事。いろいろな所見より、リスクファクターは低いと診断されました。自分自身は右側も気になっていた為、先日再度の検査をお願いしに行ったところ、細胞診カテゴリー4・マンモグラフィには写らないのですが、エコーが怪しいと言われ、5月30日に針生検を行ったところです。
質問です。
1) 左側乳房の断端陽性がとても気になります。再発の可能性はかなり高いですか。再手術で全摘をした方が良いのでしょうか?
2) 薬はアリミデックスで良いのでしょうか?
3) 残っている右側卵巣にホルモン剤は影響するでしょうか? 卵巣検査は必要ですか?
4) 右側は転移でも再発でもないのですが、同時に乳癌になると言う事は多発性の癌なのでしょうか? 細胞診までの結果では、手術した左側の方が「性質が悪い」と言われました。
5) 細胞診カテゴリー4でも、「癌」ではない可能性はありますか?
6) 普通の生活をしても良いとのことですが、運動はしても良いのでしょうか? ジムに通っています。(週3回ほどで、楽しみなのですが)

ご解答のほど、宜しくお願い致します。  

1) 確かに断端陽性は局所再発の危険因子のひとつですが、ごく少量であれば照射で経過をみて、もしも局所再発した場合にはその時点で手術を施行すればよいのではないでしょうか。
2) よいと考えます。
3) アリミデックスを飲んでいるからといって卵巣の定期検査は必要ありません。
4) もしも癌であれば厳密に区別するのは困難ですが、転移や再発より別の癌ができた可能性が高いと考えます。
5) あります。
6) よいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.5370-2】 06年06月25日     J.M
癌の種類について

HPNo.5370でお世話になったJ.Mです。右側のしこりは、やはり癌であるという診断が出ました。その最終診断は、他の病院で「バネ式針生検」で検査をしての結果です。乳頭腺管癌ということで、比較的おとなしいものだとのこと。大きいしこりと小さなしこりがあり、つなぎ目を合わせると 23mm。T期ということです。その時に診断記録から、手術をした左側の癌は「硬癌(スキルス)」だった事を知りました。かなり性質の悪い癌であったようです。「リンパに転移していなかったこと、運がいいと思いなさい」と言われました。手術をした病院の医師からは全く聞かされていなかったので驚きました。左側の診断は以下のようです。
腫瘍の大きさ・・・1.5CM 、リンパ節転移数・・・2個中、0個、 腫瘍の悪性度・・・1〜2の間、 ER・・・陽性、 PgR・・・陽性、 HER2・・・陰性、 脈管侵襲・・・なし、 断端・・・陽性、 リスクファクター・・・低リスク。
質問です。
1) 乳頭腺管癌とは、どういった癌ですか?(マンモグラフィには写りませんでした)
2) 二つ合わせると23mmですが、T期と言う判断で良いのですか?
3) 乳腺症型線維腺腫と乳頭腺管癌は間違いやすいと聞きましたが?
4) 硬癌(スキルス)とは、どんな癌ですか? 進行が早いのですか? そうなるとやはり「断端陽性」ですので、放射線30回あてても再発の可能性は高いのですか?
5) 硬癌であっても低リスクという判断で良いのでしょうか?
6) リンパ節(センチネルリンパ含む2個)検査で、2個だけで転移無しの判断は妥当ですか?

以上、宜しくお願い致します。

手術お疲れさまでした。
乳頭線管がんと硬がんですが、両方とも普通の浸潤性乳管癌のタイプでどちらが悪性とか良性とかそういったものではないです。両者の大きさや病理からいっても早期であると考えます。それぞれのしこりの大きさで、最大径2cm以下であり、かつリンパ節転移がなければ早期になります。(1.2.4.5)
3)に関して、元々線維腺腫と乳頭線管がんでは超音波画像で良く似た画像として描出される事が有ります。良性か悪性かの判断は病理組織学的な検査をやらないと判断できません。
6)妥当であると思います。

色々とご心配でしょうが、良く主治医の先生と相談なさって下さい。お大事にして下さい。(文責 藤田)

 

No.5369】 06年05月31日      K
タキソテールの副作用について

いつもお世話になっています。5月23日にタキソーテル60mgの注射をしました。29日にWBC1800、30日にWBC2300になりました。30日午前中から下痢、午後から1度尿失禁があり、その後排尿が出にくく、排尿終了時は下腹部に力が入り耐え難い痛みが生じます。排尿は頻尿で、1時間おきにトイレに行きますが出ません。このような症状がいつまで続くか不安です。
<質問です>
@ WBCが下がっているので感染した可能性がありますか?
A タキソテールの副作用に、このような症状はあるのでしょうか?
B 頻尿で、痛みも耐えがたいのですが、何日ぐらいで治りますか? 腎機能が悪くなってきたと言う事でしょうか?

症状からしますと、膀胱炎がもっとも考えられます。白血球が少ない場合には症状が重くなるケースもありますので、すぐに病院を受診して、尿検査、抗生剤投与などの適切な処置を受けることをお勧めします。(文責 浜口)

 

No.5368-1】 06年05月31日      E.K.   
ホルモン療法について

いつもお世話になっております。5月下旬からホルモン療法が始まり、担当の先生がアロマシン25mgを処方されました。4月から化学療法の影響もあるのか生理がとまり、婦人科クリニックで検査したところ、FSH77.56 エストラジオール10以下という結果でした。これは完全に閉経したということでしょうか。生理が止まって間もないので、アロマシンでよいのかお伺いしたく、宜しくお願いいたします。

ホルモンのレベルからは閉経後の定義に当てはまります。年齢がわかりませんが、アロマシンも選択肢のひとつと考えます。(文責 浜口)

 

No.5368-2】 06年08月19日      E.K.   
ホルモン療法について(2)

以前HPNo.5368で質問させていただき、回答をありがとうございました。年齢をお伝えするのを忘れていたのですが、現在49歳6ヶ月です。アロマシンは続けて服用しており、生理も4月以来ありませんが、これでよいのかもう一度お伺いしたく、宜しくお願いいたします。

HPNo.5368、拝見しました。血中のホルモン状態からは閉経状態であると思います。(文責 首藤)

 

No.5368-3】 07年07月05日      E.K.   
検査値について

いつもお世話になっております。以前5368でご相談申し上げた者ですが、その節はありがとうございました(E.K 50歳 術後2年 2a期(リンパ2/13) 異型度3)。今回、経過観察の検査値に、正常範囲であるようですが上昇があり、どう考えればよいのか不安を感じています。5/9と6/20に検査した数値は下記のとおりです。
ALP:(5/9)385,(6/20)412、 γ-GTP(5/9)51, (6/20)59、 白血球(5/9)3780,(6/20)3300、 CA15-3(5/9)6.6,(6/20)11.8、 CEA (6/20)1.9、 ICTP(6/20)5.7、 血清中-NTX(6/20)18.4
6/20は骨シンチの結果、正常でした。5/9以前はALPが少しずつ増えておりましたが、そのうちにγ-GTPなどもあがっていました。CA15-3も同じ感じです。担当医は気にするほどでないと言われますが、検査数値についてはどのように捉えればよいのでしょうか。お忙しいところこんな質問で恐縮ですが、どうぞよろしくお願い致します。 

施設による正常値の差はあるものの、ALP、γGTPともにわずかな上昇であり、CA15-3とともに経過を追っていくということでよろしいと思いますが、気になるようでしたら、一度肝・胆道系の検査を相談なさってみてはいかがでしょうか?(文責 片山)

 

No.5367】 06年05月31日    Y.M. 
再発治療、次の抗がん剤について(HPNo.3934-2)

HPNo.3934でお世話になりましたが、今回も抗がん剤の件でご相談があります。42歳。3歳の子供がいます。2004年1月、左乳房全摘手術を受けました。授乳中の乳癌で受診が遅れたため、リンパ節多数(レベル3まで)転移がありました。2005年1月に肝臓と骨に転移が見つかり、タキソール(ウィークリー)とハーセプチンとアレディア投与の結果、肝臓の腫瘍も半分以下に縮小し、効果があったようです。しかし、タキソール12クール終了後の今年2月より、腫瘍マーカー(CEA)が上昇し、5月現在8.6です。CT、骨シンチ、脳MRI検査の結果、画像上は変化はありません。再度6月下旬に肝臓のMRIを予定しています。今後の抗がん剤の選択とタイミングについての質問です。
1) 主治医からは次の抗がん剤として、ハーセプチンはそのままで、経口で導入しやすいゼローダを薦められています。私としては、ハーゼプチンとの相性、肝臓への効果を考えると、ナベルビンがよいのではないかと思うのですが、いかがなものでしょう。
2) 投与のタイミングですが、6月の肝臓MRIの結果を待って開始するべきか、腫瘍マーカーが上昇しているので、すぐ開始するべきか、どちらとも大差ないものか、どうなのでしょうか。大差ないのなら、画像を撮った方が抗がん剤の効果もわかりやすくて良いのでは、と思うのですが。

以上、よろしくお願いします。

1)  ハーセプチン+ゼローダは臨床研究で効果が確認されてきておりますし、確かにハーセプチン+ナベルビンもよい選択のひとつと考えます。再発の治療と致しましては状況に応じて順次使用していけば順番はどちらでもよいと考えます。
2)  MRIの結果を確認してからでよいと考えます。(文責 浜口)

 

No.5366】 06年05月31日    Y. A  
手術後のホルモン療法について

私は現在26歳で、先月の終わりに胸のしこりに気づき、翌日病院に行きました。触診、超音波検査の後、病理検査の為、小手術をしました。しこりをとり検査した結果、非浸潤癌の初期であることがわかりました。5月12日に乳房温存手術をして、リンパは検査の為に少し取ったようです。手術後、リンパの転移もなく、癌細胞はとり除いたとの事でした。今は傷も痛みはなく、放射線治療に通っています。放射線治療が終わったら、ホルモン治療で薬を飲むようです。私は来年頃結婚出産を考えていたのですが、それは可能でしょうか? ホルモン治療は必ずした方がいいのですか? かなり初期で、手術前には追加切除と、検査用のリンパ節切除、放射線治療と言われていたのですが・・・。今掛かっている主治医の先生はとても信頼しているのですが、私自身とても出産を望んでいるので、少しでも妊娠しづらくなるのなら避けたいです。そのあたりの事を教えていただきたいです。ちなみに私は乳がんになりやすい体質かも・・といわれました。

非浸潤癌に対するタモキシフェンの投与は同側の浸潤癌の発生を51%減少させ、対側乳癌の発生を39%減少することがわかっています。ですから、タモキシフェン内服の有用性には異論はありません。しかし、ホルモン療法中の妊娠出産は安全性が確立されていませんので基本的には無理です。一般的にはホルモン療法が終了した後に妊娠出産を考慮するのがよいと考えますが、非浸潤癌の同側浸潤癌発生率は7年で5.3%程度ですので、それを理解した上でホルモン療法はしないで厳重にフォローアップするのも選択肢のひとつと考えられます。(文責 浜口)

 

No.5365】 06年05月31日    S 
術後の治療について

46歳、閉経前です。4月末に温存法、センチネルリンパ節生検で手術をうけました。浸潤癌で1.2センチ、リンパ節に転移なしです。5月31日から放射腺治療を25回する予定です。同時にノルバデックスを5年間服用するか、もしくは何も飲まないか決めるように言われました。詳しい病理結果をもらっていないので詳しいことはわからないのですが、悪性度は2ですが、全体で見ると比較的おとなしい癌です。またノルバデックスがよく効くといわれました。副作用のことを考えると飲みたくないのですが、再発が心配です。飲んだ場合と飲まない場合の体の違いも考えると夜も眠れません。飲んだ場合と飲まない場合では、再発の可能性はどのぐらい違うものなのでしょうか?よろしくお願いします。

早期乳癌に対するタモキシフェン(ノルバデックス)5年間投与により再発は47%減少します。副作用としては更年期障害の種々の症状、血栓症、子宮内膜癌などがあげられますが、効果と副作用を比較しますとタモキシフェン内服のメリットは十分にあると考えます。(文責 浜口)

 

No.5364】 06年05月31日    A.T.
乳がんの可能性

健康診断で要精密検査となり、マンモとエコーを再度受けました。左胸にしこりがあるということで、エコーを見ながら針でしこりを吸引して、細胞診に出すと言われました。血液検査もしました。しこりは小さくて、エコーで見る限り取り除けたように見えました。結果はまだなのですが、しこりを取り除いても乳がんの可能性はあるのでしょうか。

細胞診で乳癌が正しく診断される確率は90%前後ですので、細胞診で良性であっても100%乳癌でないと言い切ることは困難であり、画像上疑わしければfollow upが必要です。(文責 浜口)

 

No.5363】 06年05月31日    H 
経過観察について

私は38歳くらいからホルモン療法を続け、現在46歳です。今回初めて乳癌の検診を受けました。触診とマンモグラフィーとエコー検査をしたのですが、エコー検査のみ7ミリほどの腫瘤を指摘されました。おそらく悪い物ではないと思うので、6ヵ月後に再検査をしようという事になっています。このまま6ヶ月様子を見ていて大丈夫なのか不安です。

更年期障害に対するホルモン補充療法中には乳癌の発生率が高くなることが知られておりますので、十分な注意が必要です。画像をみてみないとはっきりとしたことは言えませんが、次の検査までは自己検診をするようにして、何か変化があれば早めに受診すればよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.5362】 06年05月31日    F
放射線治療について(HPNo.4365-4)

以前にHPNo.4365 、4578などで質問させていただいたFと申します。いつもご丁寧な回答、どうもありがとうございます。何度も恐縮ですが、放射線治療について質問をさせていただきます。昨年9月に右乳房の全摘手術をしたのですが、断端が陰性であったものの、断端から0.2mmの位置に非浸潤性癌あったため、放射線治療を薦められています。そこで質問です。
1) 通常、温存療法などでは6週間内にうける放射線治療をすすめられるのに、8ヶ月もたった後に放射線治療をすることに意味はありますか?
2) 放射線治療を行った場合のメリット/デメリットは何ですか? この治療を行うことによって再発時に行う治療方法の選択肢が少なくなることはありますか?
3) 今、放射線治療を行う場合と、再発時に行う場合を比較した場合、予後は変わりますか?
4) 全摘後の放射線治療照射の量および回数の標準を教えてください。

以上です、よろしくお願いいたします。

1) 温存療法後の照射については厚生労働省の班研究に基づくガイドラインによれば8週間以内に開始することが望ましいということになっていますが、術後化学療法を先行して行い、その後に照射を行った場合でも局所再発率が増加しないとの報告もあります。8ヶ月たった後に放射線治療を行っても意味が無いとは言えないと考えます。
2) メリットは局所再発率を低下させることが期待されます。デメッリットは皮膚、心血管、肺、骨髄など照射野に入る臓器の障害が考えられます。再発時の治療には影響しないと考えます。
3) 予防的な照射と再発時の照射では対象患者さんの背景が異なりますので、単純な比較は困難です。
4) 機種や施設により多少違いはあると思いますが、50グレイ/25回程度が標準的と考えます。(文責 浜口)

 

No.5361】 06年05月30日    MI
術前化学療法について

術前化学療法でAC終了後タキソールを試したのですが、効いていないらしく、腫瘍も大きくなっているとのことでした(ホルモン受容体陰性、HER2陰性、リンパ節転移あり)。今はタキソテールで治療中です。タキソテールも効かなかった場合は、もう使える抗がん剤は無いのでしょうか? お忙しいところすみませんが、よろしくお願いします。

ゼローダ、TS-1、ビノレルビンなど、まだ使用していない抗がん剤がいくつもあります。ただし、手術を前提にしているのであれば、手術のタイミングを逃さないようにする必要があります。(文責 徳田)

 

No.5360-1】 06年05月30日    kankan
乳がん検診を受けてきました

初めてメールいたしました。ぜひ聞いていただきたく、アドバイスよろしくお願いいたします。現在34歳、既婚、出産経験なしの会社員兼主婦です。昨日乳がん検診があり、視触診と超音波の検査をしました。視触診では「異常なし」でしたが、超音波では、検査をしている途中、看護師さんが右胸の乳首の上あたりを長い時間繰り返し写していたので、私から「何か写っているんでしょうか?」と聞くと、「脂肪かも?それ以上くわしい事は今ここでは話せません。後日、検査結果のお知らせがきますので」とのことでした。検査が終わり、チラッと私のカルテを見ましたら「組織脂肪?」と書いてあるのがみえました。「組織脂肪」とは何でしょうか? 心配で夜も眠れない状態です。 

おそらく脂肪組織のことだろうと思います。正常の組織です。(文責 徳田)

 

No.5360-2】 06年06月25日    kankan
乳がん検診結果が届きました

お世話さまです。5月下旬にHPNo.5360でご回答いただきました。ありがとうございました。さて、本日、郵送で検診結果が届きました。判定は「経過観察」、疾患名は「乳房腫瘤」、「3ヶ月以内乳腺外来受診」、部位「右乳房右上部」、大きさ「8×4mm」と記載されておりました。「乳房腫瘤」とは、何でしょうか? また癌細胞の確率は高いのでしょうか? お忙しいところ申し訳ございませんが、ご回答よろしくお願いいたします。

「乳房腫瘤」とは、乳腺組織内にできた、腫瘍(しこり)の事です。腫瘍には、良性、悪性が有りますが、大きさからだけでは良悪の判断はできません。視触診、画像所見、ある程度の大きさであれば細胞診や組織検査を行い病理学的な検査にて、総合的に良悪性を判断します。今回の記載のみでは判断が難しいので、ご心配であれば、専門の先生がいらっしゃるところでの早めの受診をお勧めします。お大事になさって下さい。(文責 藤田)

 

No.5359】 06年05月30日    ねずみ
ホルモン治療の短縮について

33歳の女性です。H16年3月に浸潤性乳管癌(硬癌)の手術を受けました(術名:右胸筋温存乳房切除術、TNM分類:T(2)N(0)M(0)、ホルモンレセプター:陽性、リンパ節転移は無し) 。術後EC療法により計4回抗がん剤投与を行い、その後ゾラデックスとノルバデックスのホルモン療法を開始し、現在も治療を受けています(転移・再発は今のところ無しです) 。ホルモン療法により月経を止めているのですが、子供が欲しいので治療を短縮できないかと主治医に相談したところ、標準治療が以前は2年とされていたこともあるので、H18年6月の治療をもって終了してもよいと言われました。私自身が2年で止めることに不安を覚え、3年ぐらいすべきかと相談しましたら、主治医からは2年行う場合と3年行う場合とで再発率にどれだけの差があるか判らないので、治療を2年で終えてもよいと思うと説明を受けました。治療はゾラテックス3年、ノルバデックス5年の予定で開始していましたが、ホルモン療法の治療期間を短縮しても構わないのか? また、短縮できるとしたらどの程度できるものなのでしょうか?

主治医がおっしゃるように、ゾラデックスの至適投与期間は、まだ確立していません。ただし、ノルバデックスは、2-3年より5年の方が有効です。(文責 徳田)

 

No.5358】 06年05月30日    Y  
乳がん手術を受けました

平成18年4月28日乳がんの手術をしました。36歳です。左乳房に10mm程の腫瘍があり、乳頭に向かって他にも二つ10mm位の大きさの腫瘍が見つかり、温存療法を受けました。手術中、センチネルリンパ節に一つ転移が見つかり、左腋下リンパ節は郭清しました。他のリンパ節には転移はありませんでした。
術後の病理所見は、f(+),nipple(+),s(−),ductal spread(+),ly(+),v(−),断端(−)、Her−2(1+)、ER(Allred;PS4+IS2=6),PgR(Allred;PS3+IS1=4),p53(−+)、grade2。乳頭直下の乳管内から周囲に浸潤性腫瘍が観察されました。主体は乳頭腺管癌〜管状癌の形態をとっていますが、粘液癌様の部分もあり、組織像は多彩です。切除断片はfreeです。6月3日から抗がん剤治療が始まる予定です。抗がん剤はFECとTの予定です。抗がん剤治療を受けた場合、再発の可能性はどの位になりますか。

10年の再発率は25%程度と予測されます。(文責 徳田)

 

No.5357】 06年05月30日    N
ステロイド剤について

23歳の患者本人です。17歳の時、悪性黒色腫発病。22歳(今年2月)に右乳がん発病。二重がんと診断されました。3月に右乳房全摘、リンパ転移の為リンパ切除手術を受け、抗がん剤2クール終えたところです。強い薬アレルギーがあり、殆どの薬が使えません。先生から、熱がある時、風邪引いた時、抗がん剤の副作用が強い時、痛み、かゆみ、発疹、あらゆる場面でステロイド剤を使用し、勧められます。色々な症状の時に使用できる薬で万能な薬というイメージがありますが、ステロイド剤は長いこと頻繁に使用して、副作用や体に影響などは無いのでしょうか?主治医の先生はステロイド剤が大好きで、使用したいので、「大丈夫ですよ」と言われましたが、心配です。

抗がん剤の投与期間中など限られた期間であればよろしいと思います。副作用がありますので、メリット、デメリットのバランスで判断すべきです。(文責 徳田)

 

No.5356-1】 06年05月29日   K子
乳がんのホルモン療法と子宮がんについて

現在46歳の姉について相談させていただきます。2002年3月に右乳房全摘をいたしました。その後タモキシフェンを服用しております。2004年7月よりLH−RHアゴニスト製剤の注射を開始し、今年6月で終了ということになりました。先日の半年ごとの検査では異常はありませんでした。2003年12月で生理が止まっておりましたが、産婦人科の検査は受けておりませんでした。「注射も終ったし生理が戻るかもしれないから、その前に子宮がんの検査を受けておく」と軽い気持ちで5月18日に検査をいたしました。その時も担当の医師に「見た感じでは中はきれいですね。」と言われたそうで、本人は安心していたようです。5月25日に結果を聞きに行きましたら、再検査と言われ、再度細胞を取ったようです。その時中で出血があり、止血のために縫ったようです。採取や処置については痛みはなかったと言っておりました。少し違う細胞が出ていて、ガンとは言えないけれど何らかの処置は必要と言われ、本人は大きなショックを受けております。子宮の入り口を削るようなことを言われたようなのですが、子宮頸ガンという可能性が大きいのでしょうか。結果は6月9日に出るのですが、この15日間はまるで地獄のようと嘆いております。子宮ガンになる確率が高くなることは本人もわかっていたのですが、現実となると受け入れられないのではと心配です。もしガンということになると、再発ということになるのでしょうか。なんとか元気付けたいと思うのですが、ご助言お願いいたします。長々と申し訳ありせんが、よろしくお願いいたします。

子宮頸がんのきわめて初期の可能性はありますが、乳がんとは違うがんの種類であり、再発ではありません。乳がんの手術をされても胃や子宮がある以上、一般の方と同様に胃がんや子宮がんになることもあります。子宮頚がんも初期に見つかれば子宮をとらなくてもいいのです。(文責 徳田)

 

No.5356-2】 06年06月21日    K子
乳がんのホルモン療法と子宮がんについて(2)

先日はご回答ありがとうございました。検査の結果やはり0期の頸がんでした。浸潤の程度は取ってみなければなんとも言えないとの事です。ここからはご専門ではないかもしれないのですが、産婦人科の医師は円錐切除と子宮全摘の方法があるとの話でした。乳腺の医師に結果を話した所、「全摘をするのであれば卵巣も取ったほうが乳がんの再発は低くなるし、薬も飲まなくてよくなる」とのことでした。体に負担がかからないのは円錐切除だと思うのですが、乳がんのことや円錐切除してだめだった時のことを思うと考えがまとまりません。乳がんの時に、切っても切っても駄目で最終的に全摘をした経緯があるので、何度も手術はもう嫌とも言います。子宮と卵巣をとることで乳がんの再発率は全然低くなるのでしょうか。はっきりとした回答はいただけないと思いますが、ご助言をいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

乳癌の情報がありませんので良く判りません。ホルモンに感受性のある乳癌であれば卵巣切除することによって確かに再発率は低下します。しかし卵巣切除と同様の効果が薬で得られるようになった現在では、乳癌が非常に高リスクでない限り卵巣切除をする必要はないと思います。(文責 吉田)

 

No.5355】 06年05月29日   M.O. 
切除生検手術後の体調不良について

先日、乳腺腫瘍の切除生検手術をしました。局所麻酔を腕からの点滴と乳房への注射で行い終了したのですが、手術後、意識ははっきりしているのですが、眠気が襲い、目をあけると焦点が定まらないくらいクラクラして、ひどい吐き気で、車いすでトイレに移動するだけで嘔吐をしてしまいました。結局、日帰りのはずが入院となりましたが、夜中に尿がたくさんでたら次第に気分が良くなり、退院できました。関係があるかわかりませんが、5年前に流産の手術の際も同様に局所麻酔を行ったのですが、今回ほどひどくはありませんでしたが、気分が悪くなり、日帰りのはずが入院となりました。このようなことはよくあることですか? 麻酔が関係しているのでしょうか? それとも痛み止めの点滴ですか? 将来、全身麻酔をするようなことがあった場合、私のような体質で大丈夫なのかと心配になります。

どのような薬剤を局所と点滴で使用したのかわかりませんので、回答はむずかしいです。今後のこともありますので、担当医から詳しく説明をうけて、記録しておくことをお勧めします。(文責 徳田)

 

No.5354】 06年05月29日   C.G. 
手術について

始めてご相談させていただきます。何年も前から健康診断では「乳がんの疑いあり」できていました。三ヶ月ほど前から鈍い痛みを感じ、受診し始めました。まだ細胞検査はしていませんが、MRIの結果から左乳頭直下に1.5cm程度の腫瘍があるようです。3cm以内なら通常温存治療だそうですが、乳頭直下なので温存は無理であろうとの話でした。素人からすると乳頭直下でも何か方法があるような気がしますが、どうでしょうか?

乳頭部の断端にがんが残らなければ乳頭を含めて温存可能です。また、乳頭を残せない場合には、乳頭を切除して乳房を温存することも可能です。乳頭乳輪がないと整容的に満足できない場合には、乳頭乳輪を再建するという方法もあります。(文責 徳田)

 

No.5353】 06年05月29日    S
全摘後の術後補助療法について

お世話になります。全摘後の補助療法についてアドバイスをお願いいたします。46歳。23歳に出産あり(1人)。平成4年7月右C領域に乳管内腫瘤にて部分切除(その頃の内容ははっきり残っておりませんでした)。平成11年12月切除近傍に嚢胞性病変あり、扇状切除:intraductal papilloma〜DCIS、ductal spread+微小浸潤の可能性+でした。その後平成18年1月にC・A領域にDCISと、A?領域に浸潤性乳管癌と石灰化の増大を認め、C領域の生検結果は8oのIDCとADH・DCISでした。A領域もIDCとDCISという事で 、3月右乳房全摘 リンパ1郭清を行いました。 「組織診断は Invasive ductal caltinoma、papillotubular caltinoma、占拠部位#1:右 占拠部位#2:A、 大きさ1〜2cm、 肉眼分類:Intraducal spreading tumor、 浸潤度g:+ f s p w:ー 、 nuclear grade:1 、surgical margin:positive、 リンパ節転移1a(0/8)、 StageTTNM分類pT1c、pN0、M0、 ER:positive非浸潤部50〜75%陽性 浸潤部30〜50%陽性 染色体弱い 、 PgR:positive(DCIS)非浸潤部50〜75%陽性 浸潤部陰性 negative(inbasive)、  HER2:1+ 一部の細胞膜に陽性ですが連続性はありません。」との事でした。
主治医より、「全摘し、リンパ転移も無い、年齢も46歳、生理もある」ということから考えて、ホルモン療法はリスクもあるのでしないほうが良いのではと、お話がありました。ホルモン療法のリスクはかなり高いものなのでしょうか? 「左の乳房に乳癌が認められた場合も切除出来るので・・・」とお話いただきましたが、長い年月をかけて確実にADHからDCISそしてIDCに変わっているので、左乳房の再発を懸念し御相談のメールを送りました。よろしくお願いいたします。

多数の臨床試験の総括的な評価によれば、ホルモン療法剤であるタモキシフェンは、リンパ節転移陰性でもホルモン受容体陽性の乳がんの再発(対側乳がんを含む)および死亡を減少させます。副作用もありますが、それよりもメリットの方が大きいのです。あなたの場合、ホルモン受容体陽性ですので、タモキシフェンの適応と考えます。(文責 徳田)

 

No.5352】 06年05月29日    N  
主人の胸のしこりと痛み

先日、主人の胸にしこりをみつけました。左乳首の真下あたりに2cm位のしこりがあり、押さえると少し痛いようです。いつからそのしこりがあったのか、本人にもわからないようです。しこりがあるせいか、左の胸が膨らんでいます。主人の年齢は42歳です。昨年、私自身が乳がんの手術と一連の治療を受け、今月1年目の検査で異常なしの結果を受けたばかりで、ほっとした直後だったので、動揺しています。男性の乳がんと女性化乳房の症状の違いも教えていただけると参考になります。よろしくお願いします。

頻度的には、女性化乳房の方がはるかに多い疾患です。症状としては、しこりですが、がんの方がかたく、表面も不整です。症状だけでは鑑別がむずかしいので、やはり一度専門医の診察を受けることをお勧めします。(文責 徳田)

 

No.5351】 06年05月29日    M
乳癌骨転移について(HPNo.5255-2)

以前、相談させて頂いたものです。母の乳癌手術も無事終え、これから治療を始めるところなのですが、骨転移に加えリンパも取りました。母は抗がん剤による副作用を恐れており、現時点で髪が抜けるのはかなり精神的にも受けられる状態ではないので、その事を主治医に相談しました。点滴の抗がん剤ではなく、錠剤などで、何か副作用の軽いもの・・・と相談したところ、母の場合「抗がん剤は点滴の抗がん剤(強い薬)になるでしょう。」と言われて落ち込んでいます。やはり主治医の言う抗がん剤しか選ぶ道はないのでしょうか? 錠剤の抗がん剤は、効き目が無いのでしょうか? そして、以前回答して頂いたビスフォスフォネイト剤を希望したい事を伝えると、治療ではなく予防ですから・・・みたいな事も言われてしまいました。やはり、がん細胞を減らす事ばかりに力を入れていて予防はしない感じが、とても疑問です。病院は、変更しようと考えていますが、ビスフォスフォネイト剤などのある病院は限られているのでしょうか? また以前、骨転移にはホルモン療法も良いと回答頂きましたが、どんな治療方法でしょうか? 受けれない場合もありますか? お手数をお掛けしますが、どうか回答を宜しくお願い致します。

ビスフォスフォネート製剤は、骨を溶かすような転移がある場合に使うのが標準です。病的な骨折や、痛みを減らす効果があります。骨転移予防の有用性は確立していません。この薬剤はどこの施設でも使用可能です。乳がん組織を調べて、ホルモン受容体が陽性の場合(ホルモンの影響を受けるタイプ)には、骨転移に限らず、ホルモン療法が有用です。閉経状態によっていろいろな薬剤があります。ホルモン療法の適応かどうかも含めて主治医にご相談ください。(文責 徳田)

 

No.5350】 06年05月27日    S.T.
嚢胞内乳頭腫の疑い

超音波検査で「乳腺症疑い」及び「嚢胞内乳頭腫疑い」と診断され、1ヵ月後に精密検査を受ける予定にしています。「乳腺症」については色々と情報があるのですが、「嚢胞内乳頭腫」はあまり馴染みがありません。エコー結果から、複数嚢胞がある中で、1〜2個濁りが見えると言われました。透明な嚢胞は問題ないが、濁りが見える嚢胞は少し詳しい検査をしたほうがいいとのことでした。精密検査を受ける前に予備知識として、「@「嚢胞内乳頭腫」とはどのような病気か A「濁り」の意味は B「乳がん」の疑いもあるのか」を知りたくてメールしました。ずーっと以前より乳房は張った感じがあり、特に右側が顕著です。腋の下や背中寄りの部分も鈍痛があるような気がします。

1) のう胞内にカリフラワー様のポリープができているものです。
2) 濁りということばは、私は使ったことがないので、よくわかりません。やはり、主治医に説明を求めるべきです。おそらく分泌物の溜まったのう胞ではなく、細胞のつまった腫瘍も否定できないということでしょうか。
3) このようなタイプの癌もありますので精査するのです。(文責 徳田)

 

No.5349】 06年05月27日    N.G.
病理結果とセンチネルの失敗について(HPNo.5177-2)

前回HPNo.5177でお世話になりました。5月初旬に左胸温存、センチネルリンパ手術を行い、先日病理結果が出ました。結果は、全く考えていない状況でした。
(1)センチネル生検は、術中検査では転移0でしたが、結果的に3つリンパをとったうち、1つに2ミリの微細転移がある
(2)術前診断では乳管ガンで、非常に一般的なガンの種類だと言われましたが、結果的に「硬ガン}との診断

質問
1) このような術前術後の診断に開きがあるのは、そんなに頻繁にありますか?

また、後日病理結果コピーいただきましたが、英語辞書ではわからない部分が多いので教えてください。
2) Invasive ductal carcinoma(scirrhous carcinoma)、 f,ly(-),v(-) Surgical margin:negative・・・とは?
3) あきらかな脈管侵襲像、乳管内進展増は認めないが、腫瘍辺縁部に、atypical ductal hyperplasia が散見される・・とは?   
4) 断端マイナスといわれましたが、腫瘍から切断断端までの距離は、深部側1mm 皮膚側3mm、頭側10mm、その他の方向も10mm以上が保たれている。なお背景に高度な blunt duct adenosis,sclerosing adenosis,apocrine adenosis が認められる・・・とは、どういう意味でしょうか?
5) このような結果において、医師は再手術をまず提示されましたが、即入院も無理なようで(3週間は待つ)、脇のリンパの病理も手術後3週間後という現実にたじろいでいます。化学療法をすぐしていく方向に決断しましたが、どうでしょうか?

長々とすみません。ありがとうございました。

1) 術中検査は、大急ぎで調べるので、最終結果と異なることは時々あります。
2) 浸潤性乳管癌(硬癌)、脂肪組織への浸潤あり、リンパ管侵襲なし、血管侵襲なし、切除断端陰性、ということですが、やはり主治医から解説していただくべきものです。
3) 癌ではないが、多少異型性のある乳管の上皮細胞の増殖がみられるということです。
4) 癌以外の部位に乳腺症の所見があるということです。
5) 腋窩リンパ節郭清をしても病期は、おそらく変わらないと思います。したがって、腋窩リンパ節転移陽性として、化学療法を行うことは賛成です。ただし、HER2検査や、ホルモン受容体検査の結果も確認してから治療戦略をたてるべきです。(文責 徳田)

 

No.5348】 06年05月27日    N.K
肝動注について

いつも丁寧なご回答ありがとうございます。妻が転移性乳がん(ステージW)で、肝臓に転移しています。状態はあまり良くありません。肝臓が大きくなってしまっているのですが、大きくなっているせいで食事があまり取れません。なんとかしたいのですが、現在タキソテール+ハーセプチンをやっていますが、効果が今ひとつで、薬の変更を検討しています。肝臓へ肝動注を打つというのを以前読みましたが、いかがなものでしょうか? 苦しそうなのでなんでもしてあげたいのですが、宜しくお願いします。

肝動注の有用性は明らかにされていません。むしろ、抗がん剤を変更すべきです。(文責 徳田)

 

No.5347】 06年05月26日    M.G
検査期間について(HPNo.4886-2)

いつも参考にさせていただいてます。以前HPNo.4886で相談した者ものです。タキソテールとハーセプチンで治療中ですが、再発から半年以上たつのですが、まだ肝臓の検査と腫瘍マーカー(CA15−3)をやったことがありません。骨や脳は異常なしだったのですが、どれくらいの割合で検査すべきなのでしょうか? レントゲン検査とCTではどちらがいいとかあるのでしょうか? また、ホルモンレセプターも境界線ということでアロマシンもやっていますが、ホルモン剤で骨がもろくなるとも聞きました。骨密度等も測ったほうがいいのでしょうか? あまり無意味な検査で疲れるのもどうかなと思っています。基本的なことを聞いてすみませんが、よろしくお願い致します。

貴女の場合は肺転移が主病巣なので、まずは肺転移に対する評価が大切となります。通常、抗がん剤の効果判定は3ヶ月程度で行いますが、治療効果が安定しているようならば6ヶ月位間隔を置く場合もあります。まだ転移が見つかっていない臓器(骨、肝臓、脳)の検索については、もう少し間隔を空けても良いと思います。抗がん剤の効果判定としては、CTのほうがX線写真よりも正確だと思います。アロマシンと抗がん剤を同時に投与すべきかどうかは意見が分かれるところですが、このままアロマシンを継続するならば、半年から一年に一度の割合で骨密度検査を受けるようにしてください。(文責 千島)

 

No.5346】 06年05月26日    may
内服薬の海外での処方について

手術後、ホルモン療法でタスオミンD錠を飲みはじめてから1カ月になります。これから米国へ長期滞在(半年〜1年)をする予定があります。タスオミンの処方期間は最長3ヶ月は可能とのことですが、3カ月毎の帰国は仕事、費用の面で難しいので、渡米後、薬を入手するにはどうような方法があるでしょうか。治療優先で考えてはいますが、できれば渡米したいと思っています。なお、米国の医療保険に加入しません。

長期間の服用経験があって、新たな副作用が発現する可能性の低い場合は、代理人(家族)が病院で薬を処方してもらい、海外の赴任先へ郵送している場合もあるようです。ただし、服用を開始したばかりの時は、頻度は低いながらも「重大な副作用=命にかかわる副作用」が発現する可能性もあるので、問診・採血などの定期検査が必要となります。「安全第一」と考えるならば、主治医に紹介状を作ってもらい、現地ドクターの診察を受けながら内服を継続するほうが良いと思います。(文責 千島)

 

No.5345-1】 06年05月26日    Y
リュープリンについて

いつも参考にさせていただいております。現在ホルモン治療中で、リュープリンの注射(1ヶ月ごと)とノルバデックスを続けております。先日主治医から、「リュープリンの注射は3ヶ月のものもあるので、それにしないか」と提案されました。今まで1ヶ月のものだったので、途中から3ヶ月のものに変えても大丈夫なのか不安になり、こちらで教えていただければと思います。
1) リュープリンの1ヶ月と3ヶ月の注射では、副作用の違いはありますか?
2) 途中から変更しても大丈夫でしょうか?
3) どちらも効き目は同じでしょうか?
4) 現在子宮の内膜が厚くなっているという点で経過観察中なのですが、どちらでも子宮への影響は変わらないでしょうか?

以上の点についておたずねします。よろしくお願い致します。

リュープリンの1ヶ月製剤と3ヶ月製剤は薬剤の持続期間が違うだけで、効果や副作用は基本的に同じだと考えられています。ただし、3ヶ月製剤では注射部位に硬結(痛みを伴うしこり)を作る頻度が高くなります。一般的には3ヶ月製剤を使う場合も、1ヶ月製剤で「試運転」をして、注射部位に硬結ができないことを確認してから3ヶ月製剤を開始するように勧められています。子宮内膜が厚くなっているのはリュープリンのためではなく、むしろノルバデックスを内服している影響によるものだと思います。(文責 千島)

 

No.5345-2】 06年06月24日    Y
ホルモン治療について

HPNo.5345です。再度相談させていただきます。昨年9月に右乳房温存手術を行い、その後放射線治療を経て、現在もホルモン治療中です。ザンクトガレンの分類では中間リスクにあたっています。昨年3月に婦人科検診を行ったところ、子宮の内膜が厚くなっているとのことで3ヶ月後の今年6月に再度検診をしたところ、変わらず子宮の内膜が厚いままで、子宮体がんの可能性もあると言われ、組織診の結果待ちになってしまいました。その経過を外科の主治医に報告したところ、現在やっているノルバデックスの副作用とは考えられないが(まだ期間が短いため)、1ヶ月止めてみて様子をみようということになりました。子宮の方も心配ですが、乳癌の治療の方もリュープリンの注射だけになってしまうと効力がなくなってしまうような気がして、とても心配です。主治医は「個人差があるので何とも言えない」とおっしゃるので、結局は最終的に自分で選択しなければならないので、ご助言いただけたらと思います。どうぞよろしくお願い致します。

ご心配ですね。ご存知のように、ノルバデックスは子宮に影響し、がんを生じる事が有ります。ですので、子宮の状態が問題ない時には内服した方がいいと思いますが、経過観察中では休まれていいと思います。ノルバデックスは今後の再発の予防として投与するのであり、現時点で怪しい段階では、問題ないと解るまでは内服しない方がいいと思います。子宮体がんでない事が明らかになった時点で、開始するのでいいと思います。お大事にして下さい。(文責 藤田)

 

No.5344】 06年05月26日    Y
乳がんの可能性

初めまして。40代既婚。子供はいません。今年に入って、時々左腋下とわきあばら骨辺りに痛みがあり、生理が近い頃には腋の下を触ってみるとリンパが少し腫れている感じと、押すと痛みがありました。生理が始まると痛みがだいぶ治まり、腋の下の腫れも軽くなりましたが、その鈍痛は生理が終っても時々まだ続いています。また、今月になって右腋下と同じく胸の横辺りも同じ痛みがあり、リンパも左ほどではないですが触ってみると少し腫れているように思いました。右乳首のすぐ横に、蚊に刺されたようなプクッと5ミリ程のしこりが出来ています。痛みはなく、分泌物もありません。しかし最近たまに背中の痛みと咳きが少しでるようになったのと、胸の真ん中辺りのもやもやとした違和感と、肩の鎖骨付近(少し背中より)にちょっとした腫れがあります(たまに痛みがあり)。もしや乳がんによる転移?などと考えてしまっています。9日後に乳腺外科を予約していますので、検査をする予定ですが、予約が取れませんでした。しかし1日でも早く検査をした方が良いのなら、その前に予約が取れる乳腺外科を探した方が良いのでしょうか?お忙しいとは思いますが、よろしくお願いします。

副乳がある人では「月経周期に関係する腋の下の腫大」を認めることがあります。乳房痛は女性ホルモンのバランスによって生じるので、痛みが強い月もあれば痛みの期間が長くなる月もあります。ここに記載されている症状から推察する限りでは、乳癌の可能性は少ないと考えます。予約通りに乳腺外科を受診すれば良いと思います。(文責 千島)

 

No.5343】 06年05月26日    F.M. 
乳首の痛みと腫れ

こんにちは。気になる症状についてネットで調べておりましたら、このホームページを見つけましたので、メールいたしました。他では確信できる情報が得られず、相談するところもありませんので、どうか宜しくお願いします。出産2回(子供11歳・9歳)、37歳です。前々から生理1週間前になると胸が張って痛みを感じることがありました。2週間ほど前、また胸が痛くなったので、いつもの痛みかと思いましたが、次の生理まで半月ほどあり、おかしいな・・・と思っておりました。次第に着替えや、物が胸に当たるだけで痛みを感じるようになってきました。右の胸だけ痛いので、よくみて見ると、乳首が痛くて少し腫れて大きくなっています。しこりなどは見つかりませんでした。特にすれたりぶつけたり、痛くなる原因は思い当たりません。乳がんの特徴で書いてあるような分泌物は気づきませんでした。乳がんの検診も受けた事が無いので、すごく心配です。乳がんで、乳首がいたくなったりしますか?

右側の乳頭が腫れているとのことですが、左側と比べてどの程度大きくなっているのかが問題だと思います。比較的短期間で症状が変化しているようなので、乳癌などの腫瘍性病変よりも炎症性病変などのほうが考えやすいと思います。症状が改善しないようならば乳腺外科で診察してもらうようにしてください。症状が軽快した場合も、一度乳癌検診(会社/住民検診等)を受けておくことをお勧めします。(文責 千島)

 

No.5342】 06年05月26日    T.T.
乳癌が消失した場合の治療法について

HPNo.5322の質問をされた方への回答の中に、「乳癌が完全に消失している場合は「根治」できる可能性が高くなることが分っています。」と書かれています。私も現在、術前化学療法を受けていますので、お教えください。
1) 化学療法を終え、温存療法又は全摘の手術を受け、仮に乳癌が完全に消失したと考えられる場合、その後の治療法は、どのようなものになるのでしょうか。ホルモン感受性は両方共(+)、HER2は(−)です。
2) 術前化学療法を行った後、手術を行う時、リンパ節はどの位取るものなのでしょうか。化学療法前に、医師の触診・CT・MRIの検査をしています。特にリンパ節については何も言われなかったので、こちらも何も聞いておりません。
3) 温存療法の手術と全摘の手術を比べた場合、体へのダメージは違うものなのでしょうか?(乳房を失うという精神的なダメージとかは無いものとしてお答えいただきたいのです)

どうぞ、よろしくお願いします。

1) 乳房温存術であれば、残存乳腺への放射線療法を行い、全身療法としてホルモン療法を行います。
2) 術前化学療法をしないで手術される方と同じです。
3) メスの加わる範囲がちがうので、多少痛みや感覚に差がありますが、時間がたつとほとんど差はなくなります。(文責 徳田)

 

No.5341】 06年05月26日    M.M. 
子供でも乳がんになりますか?

11歳長女のことでご相談します。体型は細い方で、胸もまわりの子に比べるとまだまだ小さいのですが、片方の乳首横に直径2〜3センチの硬いしこりを触れます。本人が見つけたのですが、かなり硬いです。押すと痛がゆいとのこと。子供の乳がんは聞いたことがないのですが、ありえるのでしょうか? このまま様子をみていていいものなのか、この年齢でもやはり検査を受けさせた方がいいのでしょうか?

年齢から、乳癌の可能性はまずないと思います。ホルモン環境が変化し、乳腺が発達する時期ですので、生理的な変化を見ているものと思いますが、良性の腫瘍の可能性はありますので、乳腺専門医にご相談ください。(文責 徳田)

 

No.5340】 06年05月25日    N.M.  
乳腺線維腺腫の疑い

29歳の愛知県在住です。先日健康診断をさせていただき、その結果、特に病院に通う必要はなさそうなのですが、乳房エコーで、右胸だけ乳腺線維腺腫の疑いがあると書かれていました。結果的には、要結果観察だけで終わってしまいましたが、特にどういう内容かも分からず、何も言われませんでした。そこまで深い意味はないのでしょうか? お手数おかけ致しますが、特に何も言われないのなら何もする必要もないのかと思いますが、もし何かいいアドバイスがあれば教えてください。宜しくお願いいたします。 

画像的に、良性の腫瘍である乳腺線維腺腫の疑いがあるということですが、はじめて指摘されているようですので、念のため乳腺専門医に相談されてはいかがでしょうか。(文責 徳田)

 

No.5339-1】 06年05月25日     ss 
乳がん術後の後療法について

4月17日に左乳房温存術とリンパ節切除(転移なし)を受けました。大きさ2cm、ホルモンレセプター陽性、グレード3。「術後療法として放射線以外に、ホルモンのみにするか、抗がん剤も行うか、5月24までに決めて下さい」と主治医に言われました。5年前に卵巣癌ステージ4の為、手術と抗がん剤の経験があります。今回抗がん剤をして免疫や体力を落として、卵巣癌が再発しないかと恐れています。主治医は、グレード3なので抗がん剤もすすめているが、自分で決めてくださいとのことです。いろんなサイトを見ても決断できません。ホルモンだけにしたいのですが、無理でしょうか。悩んでいます。どうかよろしくお願いします。お忙しいのに申し訳ありません。卵巣癌の次は乳癌で、とても落ち込んでいます。どうかよろしくお願いします。年齢は57才です。

ガイドラインでも意見がわかれるところです。したがって、それほど大きな差はないということですから、あなたの希望でよいと思います。(文責 徳田)

 

No.5339-2】 06年05月30日     ss 
ホルモン療法の副作用について

先日(No.5339)は、ご回答頂きましてありがとうございます。お蔭様で気持ちが落ち着きました。感謝申し上げます。抗がん剤はせずに、放射線とアリミデックス内服で治療することにいたしました。今回は、ホルモン療法の副作用とイソフラボンについてお伺いします。どうぞよろしくお願いします。
1) アリミデックスの副作用で骨折しやすくなるそうですが、牛乳を飲んだりカルシウム剤を摂取したら予防できるのでしょうか?
2) イソフラボンは乳癌の予防になると本に書いてありましたが、ホルモン治療を受けながら味噌汁や豆乳を飲んでも悪影響はないでしょうか?

お忙しい中、申し訳ありません。どうかよろしくお願い致します。

1) 骨粗しょう症を防ぐということですので、骨密度を測定して、必要があれば、ビタミンDやカルシウムなどを服用すればよいのです。
2) 女性ホルモンとしての作用が指摘されていますので、通常の食品に含まれる量であれば問題ありませんが、大量に摂取するのはマイナスです。(文責 徳田)

 

No.5338-1】 06年05月25日     Y.T
術後療法について

いつも参考にさせて頂いております。宜しくお願い致します。31歳女性・既婚・閉経前・出産経験無しです。2006.4に左乳房温存部分切除とセンチネルリンパ節生検を受けました。病理の結果、切除断端陽性であった為、2006.5に追加部分切除を受け、現在病理の結果待ちです。4月の病理結果に関しましては、次の通りです。「 腫瘍径:1.5×1.2cm/がんの種類:充実腺官癌/遠隔転移:なし/波及度:f/リンパ管侵襲:ly2/血管侵襲:v0/ER:陽性/PgR:陽性/HER2:陰性(1+)/組織学的悪性度:グレード1/リンパ節転移:1/3」
リンパ節転移に関して、術中の生検では陰性であった為、腋窩郭清はせず。術後の病理検査において、センチネルリンパ節3個のうち1個に750μの微小転移がみつかりました。この微小転移については主治医と相談した結果、再手術による腋窩郭清はせず、術後療法の中に抗がん剤を取り入れ、今後の経過を見ることにしました。現在、主治医より提案されている術後療法は次の通りです。 「 卵巣保護のためのLH−RHアゴニスト製剤→ アドリアシンとエンドキサンを3週間に1回×4サイクル→ タキソール3週間に1回×4サイクル→放射線照射→ タモキシフェンとLH−RHアゴニスト製剤をそれぞれ5年間。」
 
1) LH−RHアゴニスト製剤を5年間投与というケースも多いのでしょうか? 2年間投与が標準期間だと認識していたのですが。
2) ゾラデックスとリュープリンの選択に迷っています。エビデンスの多いゾラデックスを選択したいのですが、5年間投与となると、負担の少ないリュープリン12週タイプがいいのでは…と迷っています。やはり、ゾラデックスのほうが多く使用されているのでしょうか?
3) リュープリンのように、ゾラデックス12週タイプの治験や販売予定はありますか?
4) ゾラデックスもしくはリュープリンを5年間投与した場合、2年間投与に比べて、卵巣機能が戻る確率は低くなるのでしょうか? 将来、妊娠出産を希望しています。
5) ゾラ→リュープリンまたはリュープリン→ゾラのように、途中で製剤を変更することは可能ですか?
6) 主治医によると、再手術による腋窩郭清を実施しなかった為、腋窩への放射線照射を検討中とのこと。約13年前に美容外科にて両ワキのアポクリン腺の除去手術を受けています。腋窩への放射線照射実施となれば、放射線治療において、アポクリン腺の除去による悪影響や何らかの支障はありますか?  
7) 腋窩放射線照射による後遺症は、腋窩郭清に比べ随分少ないのでしょうか?
8) 術前にはStageTと言われていましたが、センチネルに750μの微小転移があったということは、リンパ節転移有り・T1N1M0となり、StageUAになるのでしょうか?
9) ザンクトガレンのリスク分類からすると、センチネルの微小転移とリンパ管侵襲(ly2)から、ハイリスクにあたるのでしょうか?

長々となってしまい、また大した事のない質問も多く、ご多忙中大変恐縮ですが、何卒宜しくお願い致します。

1) LH-RHアゴニストの至適投与期間については、確立していません。
2) ゾラデックスの方が、多く使用されています。
3) 本邦では、現在ゾラデックスの3ヶ月製剤の治験が進行中です。
4) 直接比較したデータはありません。閉経前の方のホルモン療法が十分に確立せず、また、LH-RHアゴニストの至適投与期間も確立していない現状では、個人的には2年でよいと考えています。
5) 卵巣機能の抑制の観点から、理論的には可能と思いますが、しっかりしたデータはないと思います。
6) ないと思います。
7) 手術による腋窩の知覚障害などは少ないと思われますが、リンパ浮腫のリスクは同様です。
8) 微小転移の臨床的意義は、まだ十分に明らかになっていませんが、現時点では、N1として扱い、したがってstage IIAとなります。
9) 中等度のリスクになります。(文責 徳田)

 

No.5338-2】 06年11月21日     Y.T
タキソールの中止について

HPNo.5338にて大変お世話になりました。再度アドバイスをいただきたく、連絡させていただきました。その後、2006.5に受けた追加部分切除の病理結果では、追加切除部分からは癌細胞は見つからなかった為、6月より、卵巣保護の為ゾラデックスを併用しながらの抗がん剤治療に進みました。現在AC4回を終え、ウィークリータキソール5回を投薬したところです。今回悩んでいるのは、白血球数の低下についてです。AC投薬時より白血球の回復が遅く、投薬の延期がしばしばです。AC2〜4回目の投薬はいずれも延期を伴い、結果4週毎の投薬になりました。ウィークリータキソールに入ってからは、ノイトロジンを併用しております。それでも白血球の回復が遅く、すでに3回目(WBC=1200)と6回目(WBC=1500)が延期されています。先日主治医より「タキソールを中止し、ホルモン治療に進むのも選択の一つ。」とのお話がありました。タキソールの中止の理由としては、
@タキソールは、ホルモン感受性−に比べてホルモン感受性+の場合、抗がん剤としての効果はやや下がる。
A延期が重なりウィークリーで投薬できないのであれば、抗がん剤としての効果が@に加え更に下がってしまう。
B今後ホルモン治療も予定されており、ホルモンが非常によく効くタイプである。

とのことでした。

1)私の場合、投薬スケジュールが多少乱れても、今後12回目の投薬までタキソールを続けることに意味はあると思いますか? 少しでも意味があるのなら、続けたいと思っているのですが・・・。
2)今のままタキソール続行、またはタキソール中止以外に、他の選択肢はありますか?
3)タキソール投薬直後と、週の中間日にノイトロジンを打っています。ノイトロジンを打つのに、効果的なタイミング・回数はありますか?
4)最近手足の指先の一部に少し痺れた感じがあります。痺れがひどくなると後遺症として残る場合があると聞いていますが、軽度の痺れであれば、通常タキソール終了後になくなりますか?  

ご多忙中大変恐縮ですが、アドバイスのほど何卒宜しくお願い致します。

可及路的に投与したいところではありますが、患者さん個々の症例により対応が必要になる場合もあります。参考までに我々の行っている「AC/EC→タキソール療法の実行可能性を検証する臨床研究」の基準でいえば、@白血球2000以上または好中球1000以上、A血小板100.000以上、のときに次回のタキソール投与を開始し、これに満たない場合は投与を延期し、この際に2週間以内の投与延期で治療が再開できない場合は治療中止としています。また投与量はできるだけ減らさないほうが良いのですが、発熱性好中球減少(好中球数1000未満、かつ38.5℃以上の発熱)や、Grade3,4の好中球や血小板減少が見られた場合はタキソールを80→70→60/m2減量することも考えます。ノイトロジンなどのG-CSF製剤の使用に関しては、ASCOのガイドラインに沿って行っています。手足の指先の痺れは確かにタキソールの副作用である可能性が高く、終了後数ヶ月の経過で消失することが多いですが、なかなかとれにくい症例も経験します。(文責 片山)

 

No.5337】 06年05月23日     H 
術後の化学療法について

術後の化学療法についてお聞きしたいのですが、先月に左胸全摘出し、その結果、ステージU、リンパ転移なし、ホルモン受容体(−)と分かりました。ホルモン受容体(−)の為、化学療法をすることになったのですが、AC療法かCAF療法かAC-タキソールの3つの選択を言われました。それぞれ期間が違うので、副作用を考えれば短期の方がいいに決まっていますが、私としては今出来ることをしっかりやりたいと思うのです。年齢が30代前半、腫瘍が少し大きい、ホルモン治療が出来ないという事なので、どの抗がん剤がベストなのでしょうか? 将来は子供も欲しいと考えています。

薬剤の組み合わせのほかに、各薬剤の投与量、投与間隔などにもバリエーションがあり、簡単には比較できません。標準的な投与法で考えると、AC < CAF <= AC-タキソールと考えます。いずれの抗がん剤の組み合わせも、月経がなくなって妊娠ができなくなることがあるので、主治医に将来妊娠したい旨を伝えてください。(文責 徳田)

 

No.5336】 06年05月23日     A.N.
石灰化と妊娠

36歳の主婦です。先生のサイトを見つけて、ワラにもすがるような思いです。相談がありましてメールしました。どうぞよろしくお願いいたします。20代前半で2人の子供を出産しました。その後事情で夫とは別れましたが、去年の暮れに36歳で再婚いたしました。16年ぶりに出産に挑もうと思い、妊娠前に乳がんと子宮がんの検査を受けようと乳腺外来のある病院でマンモグラフィーを取ったところ、左の胸に石灰化が一つ、右の胸に石灰化が三つ写っていました。どの石灰化も小さかったように思いますが、右の石灰化は3センチ範囲内にかたまっていました。「とりあえず異常なし。ただ、今後その変化に気をつけるように」と言われ、一年後に来るよう言われました。
1) 石灰化が悪性である場合と、良性である場合の対比はどれくらいでしょうか?
2) 両方同時に乳がんが発生する事はありますか?
3) 石灰化が増えなければ、妊娠出産しても構わないでしょうか?

お忙しいこととは思いますが、お手すきの時にでもご返答いただけると助かります。どうぞよろしくお願いいたします。

1) 大部分の石灰化は良性です。あなたの場合、経過観察ということですから、”おそらく良性だが、様子を見よう”というレベルと思います。0-2%程度のリスクでしょう。
2) 2つ対の臓器ですから、可能性はあります。
3) 乳癌の可能性がほとんどないのですから、妊娠出産は問題ありません。(文責 徳田)

 

No.5335】 06年05月22日     T  
母親の抗がん剤の副作用について

母の事についておたずねします。母親は乳がんのステージVaで4月13日に左胸全摘出、リンパ節も切除しました。5月19日(昨日)から抗がん治療を始めたのですが、初めての投薬が終わった2時間後から吐き気がずっと止まらず、夜中に救急で点滴と吐き気止め(プリンペラン)をもらいました。しかし翌日の今日も吐き気は続き、薬すら飲めない状態です。このままだと水分も栄養も補給できないので、とても心配しています。このような場合は点滴をうってもらうというのが一番なのでしょうか? 点滴の効果はどれくらい持続するのでしょうか? 教えて頂けますでしょうか。よろしくお願い致します。

最近は抗癌剤の副作用を防ぐ薬剤も多く開発されており、乳癌に関する化学療法の多くは外来で安全に施行されるようになってきています。特に嘔気に対する対策は、10年前に比べて飛躍的に改善しています。副作用の強さは抗癌剤の種類や投与量によっても異なりますが、お母様の場合は嘔気・嘔吐による副作用が通常よりも強く出ているように思えます。制吐剤は嘔吐予防に対しては有効なのですが、ひとたび嘔吐を繰り返すと効果が現れにくくなってしまいます。内服薬で嘔吐がコントロールできない場合は、点滴による制吐剤投与と脱水補正が必要となります。制吐剤の種類にもよりますが数時間から半日以上は効果が持続します。通常、抗癌剤による嘔気は数日から5日程度で徐々に治まっていきますが、脱水状態が続くようならば入院して点滴を受けるようにしてください。このような場合は次回から抗癌剤の投与量を減量する必要があります。また、抗癌剤治療に慣れていない医師が担当した場合、制吐剤の使用量が十分でないことがあります。抗癌剤の点滴内容や処方された内服薬について、一度薬剤師に相談してみるのもよいと思います。(文責 千島)

 

No.5334-1】 06年05月22日     U.K.  
リンパ節転移について

リンパ節郭清して6個のうち1個転移ありといわれましたが、6個という数字が少ないと前に書いてあったように思います。少ないとどういう問題があるのでしょうか? リンパ節転移の数がもっと多い可能性があるのでしょうか?

現在の乳癌治療では、リンパ節転移の個数で予後(将来の病状予測)を判定したり、治療法の選択が変わってきたりする場合があります。一般的に「リンパ節転移陰性」と判断するためには10個以上のリンパ節検索が必要といわれていますが、貴女の場合は6個中1個にリンパ節転移を認めているので、検索数が10個以下でも「治療法の選択」へ影響する可能性は少ないと思います。また、検索数を10個以上に増やしても、リンパ節転移の数が極端に増える可能性は少ないと思います。(文責 千島)

 

No.5334-2】 06年05月27日     U.K.  
術後の治療について

はじめまして。いつも参考にさせていただいています。41歳、閉経前です。病理結果は、「腫瘍2.1、リンパ1個転移あり、ホルモンどちらも陽性、HER2+1、悪性度1、硬がん」です。今後の治療はEC療法4クール+タキソール4クール+ホルモン療法2年+5年を計画しております。
質問
1) ECは4クールで良いのでしょうか? 6クールにした方が良いのでは?
2) 現在EC1回目が終了しましたが、全く副作用がありません(少し倦怠感がある程度です)。こういった場合、3週間に1回の投与を2週間に1回にした方が効果はあるのでしょうか? 副作用がないと薬が効いてないように思えるのですが、そんな事はないですよね?
3) 私の場合の5年、10年の再発率、生存率を教えて下さい。

告知、手術、治療、ここまでに1ヶ月しかかかっておらず、まだまだ現状を受け入れられず毎日ただ泣くばかりです。主治医のこともとても信頼しておりますが、まだまだ精神的にとてもついていけず、苦しんでおります。何卒、良きアドバイスをお願い致します。

1) 4クールを6クールにした方が効果が高いというデータはありません。
2) すべての薬剤を2週間隔で投与した方が効果が高いという海外での報告はありますが、白血球増多因子の注射を予防的に行う必要があり、日本ではできません。つまり、かなり副作用が増すということです。また副作用が少ないからといって効果がないわけではありません。
3) 何もしなければ10年の再発率40%、生存率80%、抗癌剤とホルモン療法を併用すると再発率15%、生存率90%と予想します。(文責 徳田)

 

No.5333】 06年05月22日     N.I.
再発乳癌の治療法について(14)(HPNo.1260-14)

HPNo.1260で度々相談させて頂いています。現在62歳になる母ですが、H11年6月に乳癌の手術を受け、H14年末に肝・骨転移が認められため、現在までパクリタキセル8クール実施、抗がん剤FEC6クールを行なってきました。そのたびにマーカーも正常値になり、画像上も小さくなっていました。その間、日常生活も不自由なく送れていたのですが、去年末に血液検査でマーカーの値が再度上昇し、CTで2cmの肝腫瘍が確認されました。そして今年H18年1月から再度抗がん剤CEFを始めることになりました。5クルー目まで終了したところで発熱・息苦しさで緊急入院し、肺炎と心不全の診断がおりました。肺炎は抗生剤で回復しているものの、心不全による息苦しさ、食欲不振でベットから離れられない状態となっています。抗がん剤CEFの副作用で心不全になったと説明を受けましたが、そんなに頻発する副作用なのでしょうか? 何%程度の可能性があったのでしょうか? 主治医による詳しい説明がないまま、今回も安易に抗がん剤CEFを勧めてきたことに不信感が残っています。抗がん剤CEFの6クールというのは、治療としてやりすぎではなかったのでしょうか? 途中に心エコーなどのチェックが必要ではなかったのでしょうか? 現在抗がん剤でマーカーも下がり、癌は押さえられているようですが、副作用による心不全で長期入院になるようです。副作用による心不全の場合、どれくらいまで回復できるのか? どんな治療法があるのか? どれ位の治療期間が必要なのか? 教えてください。お願いします。

エピルビシン(E)という抗癌剤は、900mg/m2(平均的な女性の体格では総量1300mg程度)を超えて投与すると、一気に心不全のリスクが高くなると言われています。お母様の場合、エピルビシンの一回投与量に関する情報がないので、正確な総投与量は計算できませんが、以前にFECを6コース施行して、今回もCEFを5コース追加しているようなので、エピルビシンの投与量はかなり多くなっていることが予想されます。エピルビシンの使用説明書には、「投与量が900mg/m2以下であっても、うっ血性心不全を起こすことがあるので、(エピルビシンを含む)アントラサイクリン系薬剤の前治療歴がある患者および心臓部あるいは縦隔に放射線治療を受けた患者では心機能検査を行い、慎重に投与すること」と記載されています。うっ血性心不全も回復可能なものから命にかかわるものまで段階があります。心エコー結果などについても、主治医か循環器科の医師に説明してもらうようにしてください。(文責 千島)

 

No.5332】 06年05月22日    M  
しこりと痛みがあります

私は既婚の22歳(女)、喫煙者です。数量は1日で一箱程度で、吸いはじめて5年ぐらいです。前から気になっていたのですが、左胸の上部(脇に近い)と逆の左胸の上部にしこりのような筋肉の固まりのような平たい物があり、痛みもあります。年齢的にありえないと思うのですが、皆さんも同じような症状があるようなので気になります。時々、右も左も上部だけが痛む事があります。すごく不安なので、すぐに診てもらった方がよいのでしょうか? また検査を受けるのは婦人科でしょうか? 教えて下さい。

22歳でも稀に乳癌が発見されることがあります。乳癌でなくても良性の腫瘤(線維腺腫など)の可能性があるので、乳腺外科(または一般外科)で診察してもらうようにしてください。(文責 千島)

 

No.5331】 06年05月22日   Y 
乳癌とタバコ

去年、31歳で乳ガンになり乳房温存手術しました。それから抗がん剤、放射線治療、そして今は生理を止める注射を一ヶ月に一回する為、通院してます。そこでタバコですが一週間に三本ぐらいでも吸ってはダメなのでしょうか?

「タバコは万病の素」と言われているので、禁煙をするに越したことはありませんが、禁煙がかえってストレスになるのであれば、週3本程度のタバコなら問題ないと思います。(文責 千島)

 

No.5330】 06年05月22日    I.S.  
妊娠中の治療について

35歳、妊娠8ヶ月です。1年半位前に胸にしこりがあり、生検で異常なしでした。妊娠7ヶ月頃から脇にしこりと痛みがあります。乳癌としたら、今できる検査、治療はありますか。

超音波検査は胎児に影響を与えずに行えます。もし、超音波検査で腫瘤が見つかっても、貴女の場合はすでに妊娠中期に入っているので生検などの検査・治療が可能だと思います。(文責 千島)

 

No.5329】 06年05月22日     K 
今後の治療について

お忙しい中、いつもありがとうございます。平成14年右乳癌と診断され温存術をしました。平成17年9月にCEAが8に上昇した為、10月にPET検査を施行し、局所再発と肝臓転移している事がわかりました。その後右乳房は全摘し、肝臓はMRIを施行、5ミリ大の腫瘍がある事がわかりました。全摘後CEAが14、11月には25になった為、FECが開始になりました。2クール終了後CEAが59に上昇しており、肝臓の腫瘍も2センチになっていた為、全く効果がみられませんでした。その為12月からタキソールに変更し徐々に下降していたのですが、平成18年4月CEAが41に上昇したので、HER2が3+の為ハーセプチンを追加ですることになったのですが、3回終了後CEAが45、CA15-3が33に上昇していたのでタキソールとハーセプチンを中止し抗癌剤を変更すると言われています。
1)HER2が過剰な人はハーセプチンが効くと聞きますが、効かない人も多いのですか? 効果がないと3回で判断してもいいのでしょうか?
2)次の抗癌剤はタキソテールと言われているのですが、肝転移している人はナベルビンが効くみたいなのですが、どちらがいいのでしょうか?
3)医師は病院ではナベルビンをした人は数人しかいないし、副作用が強いからあまり勧めていないといわれます。副作用は強いのでしょうか? またナベルビンをする人は少ないのでしょうか?
4)CEAの上昇の仕方が急なので、他に転移している可能性が高いと考えるべきなのでしょうか?
5)半年の間で4回も変えているのですが、抗癌剤が効きにくく予後が悪いという事でしょうか? 変更ばかりしていると薬がすぐなくなってしまうのではないかと不安です。
6)抗癌剤を直接肝臓に注入したり、ラジオ波とかをした方が良いのでしょうか?

長々とすみませんでした。よろしくお願い致します。

再発乳癌に対するハーセプチン単独での奏効率は20〜30%程度、タキソールと併用した場合の奏効率は40%程度と考えられています。通常、治療効果の判定は薬剤変更後1〜3ヶ月程度経過してから行います。特に、腫瘍マーカーでの判定は効果があっても一時的に上昇することがあるので注意が必要です。CTやMRIで病変が確認できる場合は、画像上の大きさで効果判定を行うのが一般的です。今回、ハーセプチンとタキソールの併用で効果がなかったのであれば、ハーセプチンは継続しておいて、併用する抗癌剤を変更するのがよいと思います。タキソテールはタキソールと同系列の抗癌剤となるため、変更する場合はナベルビンやゼローダなどの作用機序が異なる抗癌剤のほうが望ましいと思います。ナベルビンは白血球減少に注意する必要がありますが、脱毛や嘔気などの副作用は少ないため、外来治療でも使いやすい抗癌剤だと思います。現時点では抗癌剤による全身治療を優先させたほうがよいと思いますが、もし治療方針に関しての不安や質問があるようならば、ラジオ波、肝動注療法などの局所治療の適応を含め、他院でのセカンドオピニオンを希望するのもよいと思います。(文責 千島)

 

No.5328】 06年05月22日     N
胸のしこりと痛み

20歳の女性です。前々から両胸にしこりがいくつかあります。右胸の左上に結構大きなしこりと思われるものがあります。胸の痛みもありますが、ズキズキという痛みではなく、触ったり押したりすると痛かったり、動くと痛い時もあります。最近では背伸びしたりして、両腕を上にあげたときに痛む時もあります。乳房には前々からシミらしきものが点々と4つくらいあったのですが、最近触ってみるとボコボコしている感じがします。乳輪にぶつぶつしたものもあるので、もしかしたら乳がんなのかもと、ずっと心配しているのですが、これは乳がんなのでしょうか?

年齢的にも乳癌の可能性はきわめて低いと思います。胸の「しこり」は両側性であることから、女性ホルモンの影響による生理的な乳腺腫大などが考えられます。「乳輪のぶつぶつ」はモントゴメリー腺といわれる汗腺の一種で、多少の個人差はありますがすべての女性にあるものなので心配いりません。ただ、線維腺腫など良性の腫瘤が隠されている場合もありますので、一度乳腺科(外科)での診察を受けてみてください。(文責 千島)

 

No.5327】 06年05月22日     Y.K. 
PETの有用性について

ご質問させていただきます。私の妻が超音波検査、マンモグラフィーで悪性を疑うということで、CT、細胞診を行ったところ乳がんであると診断を受けました。転移はないそうですが、乳がんの進展範囲を検査するということでPET検査を予約いたしました。超音波やマンモグラフィー、CTでは乳がんの進展範囲はわからないものなのでしょうか。かなりPETの有用性についてお話がありましたが、まったくわからないものですから教えていただけると幸いです。また、PETは最近色々な施設で導入されておりますが、この検査は乳がんの早期、進行、経過観察においてどのような有効性があるのでしょうか。

PETは細かい部分の癌の広がりを見るのではなく、体の中で「癌の可能性がある部分」を大雑把にスクリーニングする検査です。癌の存在診断には便利ですが、癌の大きさや形状の判定には不向きです。乳房内で癌の詳細な広がりを検索する場合は、PETよりもCTやMRI、マンモグラフィなどの方が有用だと思います。その他のPET活用法として、治療経過中に検査を繰り返すことで化学療法などの効果判定に応用する場合もあります。(文責 千島)

 

No.5326】 06年05月22日     Y.T. 
乳頭付近の瘡蓋

既婚者41歳、出産未経験です。一週間前から左乳房が急に痛み出し、生理前なのでそのせかと思っていたら、乳輪と乳頭の間に瘡蓋のようなものができていました。そのうち脇の下と背中にも痛みがあるような気がし、2〜3日は乳房の痛みが続きました。乳頭の瘡蓋も2〜3箇所に少し増え、瘡蓋が取れると膿のようなものが出ました。今はその瘡蓋も取れ綺麗になってきて、痛みも治まりましたが、乳腺外科で検査した方がいいでしょうか? 乳癌と関係があるのでしょうか? こんなことは初めてです。

何かしらの細菌感染を伴っていたようですが、ここに記載されている情報だけでははっきりとしたことは分かりません。乳癌との関連は少ないと思いますが、一度専門医の診察を受けておくことをお勧めします。(文責 千島)

 

No.5325】 06年05月22日     K.K. 
転移?

いつもお世話になっています。昨年11月に左胸温存手術をし、放射線治療済み。1月より現在自費でハーセプチン単独治療を行っています。4月中旬にめまいが2日程続き、頭痛がたびたびあったため、5月に脳のMRIをとったところ、下垂体腫大とのことで、6月に再検査となりました。MRIが混んでいて6月になってしまったのですが、これは転移なのでしょうか? 大変心配です。最近、頭痛はしませんが…。また、最近温存した左胸下の肋骨から脇にかけて、腕を伸ばすと痛みます(2週間続いています)。3月中旬に骨シンチをしてなんともなかったのですが…。神経質と思われるかもしれませんが、脳のこともあり大変心配です。再度、骨シンチを実施した方が良いのでしょうか?

術後半年なので左胸の痛みに関しては問題ないと思います。リハビリテーションを行いながらしばらく様子を見てください。下垂体の病変に関しては、@生理的範囲の腫大、A下垂体に関係した別の腫瘍、B乳癌の転移などが考えられます。MRIの再検査まで時間がかかるようならば、一度脳外科の先生に相談してみてはいかがでしょうか。(文責 千島)

 

No.5324】 06年05月22日     N.N.
FEC100について

いつも参考にさせていただいております。4月に温存手術を受け、来週から化学療法に入る予定です。ステージT、静脈侵襲無し、リンパ節転移無し、腫瘍径1.5センチ、ホルモン陽性、HER2陰性、核異度型グレード3、36歳既婚です。主治医から、年齢が比較的若いことと、悪性度が高いことからFEC100療法を4クールやる予定だと言われています。将来出産を希望しているという事を主治医には話していて、生理が戻って来ないと困るので、FEC100による閉経の可能性を尋ねた所、「なんとも言えない」という返事でした。FEC100と言うのは、CEF療法よりもC(シクロフォスファミド)の量は多いものなのでしょうか? CEFでも閉経してしまう確立が高いと聞いていて、とても不安です。卵巣保護のためにリュープリンを抗がん剤の前に注射してもらうつもりですが、FEC100に対してでも効果があるのでしょうか。何にしても個人差がある事とは思いますが、是非ご意見をお聞きしたく、どうぞよろしくお願いいたします。

まず、出産を希望していることを主治医に伝えることが重要だと思います。貴女の場合、「核異型度=3」という理由で化学療法(FEC100 )を受けるとのことですが、「核異型度=3」は、「リンパ節転移陽性」、「ホルモン感受性陰性」などの要因に比べて、再発危険因子としての重要性は低いと考えられます。貴女の乳癌は病期Tでホルモン感受性が陽性であることから、術後にホルモン療法と化学療法を併用した場合でも、化学療法の上乗せ効果は多く見積もって10%弱と考えられます。仮にFECなどの化学療法を行った場合、40歳未満で25%前後、40歳以上では80%前後で閉経してしまうと言われています。「絶対に閉経は避けたい」と言うのであれば36歳という年齢も考慮しなければなりません。もう一度FEC100の「効果と弊害」について、主治医と相談してから治療を受けることをお勧めします。(文責 千島)

 

No.5323-1】 06年05月22日     A.M.
母の乳癌治療について

母が乳癌で手術することになりました。大きさは2センチ以下みたいですが、もう1ヶ所に怪しい所見があり、細胞診ではまだ癌ではなかったようですが、2ヶ所切除することになりました。私は全摘がいいのでは?と思うのですが、温存手術するとのことです。癌になってないとはいえ2カ所あり、温存の場合、再発のリスクは全摘出と比べどうでしょうか? 母は2年前に石灰化が見つかり、ずっと定期検診をしてきました。何故もっと早く(石灰化の状態のうちに)治療、精密検査をしてくれなかったのかとショックです。石灰化の状態では、経過観察するのが基本なんですか?

乳癌が2箇所にあった場合でも、病変が完全切除できて整容性が十分に保たれるようであれば温存術を行うこともあります。温存術か切除術かを迷うようであれば、まずは温存術を行って、最終病理結果次第で追加切除を行ってもよいと思います。仮に「あやしい部分」が残っても、術後の放射線治療で十分にコントロールできる場合もあります。また、マンモグラフィでの石灰化をどのように扱うかは専門家の間でも意見が分かれるところです。石灰化の形や広がりによっても異なるのですが、一般にカテゴリー3(良性を考えるが癌も否定できない石灰化)の場合は3ヶ月から6ヵ月毎の経過観察となり、カテゴリー4/5(癌を疑う/もしくは癌の可能性が高い石灰化)では組織採取による精密検査が行われます。2年前から経過観察を行っていたのならば、お母様の石灰化はカテゴリー3であった可能性が高いと思います。検診施設によっても多少の差はありますが、カテゴリー3の石灰化に乳癌が含まれる可能性は5%前後と考えられています。(文責 千島)

 

No.5323-2】 06年05月23日     A.M.
乳癌の遺伝性について

HPNo.5323で母の乳癌について伺ったものです。丁寧にご回答頂きありがとうございました。さて我が家は癌家系のようで、母方の祖母が大腸癌で84歳で亡くなっています。そして母が63歳で乳癌。姉がいますが、以前母と同じ石灰化を指摘されたことがあります。私は現在33歳です。今後、妊娠を望んでおりますが、若くして癌になるのではと不安です。場合によっては不妊治療も考えています。遺伝性について、また不妊治療での癌になるリスク、今後の検診はどのように受けて行ったらよいかアドバイスをお願いします。

遺伝的な乳癌のリスクとしては、お母様が乳癌ですので、一般の方の1.8倍程度です。不妊治療は、乳癌のリスクを高めることはないと考えられます。(文責 徳田)

 

No.5322】 06年05月22日      T 
病理検査結果の考え方・術後の補助療法について

現在33歳で、昨年10月にがんが発見され治療を開始しました。治療開始時のしこりの大きさは約7センチ、リンパ節転移あり、血管侵襲・リンパ管侵襲あり、異形度3という診断でした。そして治療は術前化学療法として、ACを4クールの後タキソール4クール、ホルモン剤(ゾラデックス)を行いました。化学療法後はCT・MRIの画像上ではしこりは見えなくなりました。その後、4月中旬に全摘出とリンパ節切除の手術を受けました。先日病理検査の説明と、今後の治療方針についての説明がありました。「しこりは線維化して縮んでいたが、三分の一くらいの細胞が生き残っていた。リンパ節には、8個とったうちの2個に転移があった。残っていた細胞は、血管侵襲・リンパ管侵襲なし。」という説明がありました。まだ、がん細胞が残っていたというところで、私自身はショックを受けましたが、主治医は「最初を考えれば、悪い結果ではありませんよ。」といってくださいました。客観的に見て、今はどういう状態なのでしょうか(予後など)? ホルモン感受性はERが++で、PGRが+、ハーセプテストは++(要FISH検査)でした。もう一点、今後の治療方針の説明で、ゾラデックスを継続+ノルバデックス服用+ゼロータもしくはTS-1ということを言われ、ゼロータもしくはTS-1はどちらを使用したいか、次回までに考えてきてくださいといわれました。ゼロータ・TS-1は、それぞれ簡単な説明があったのですが、検査結果の説明のところで頭が真っ白になってしまい、情けないことによく覚えておりません。本などでも調べてみましたが、あまり記載がなく、決めかねております。思いつくままを書き連ねてしまい、申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いします。

術前化学療法の利点の一つとして、貴女の乳癌に対して化学療法がどの程度効果があったのかを判定できることがあります。特に、乳癌が完全に消失している場合は「根治」できる可能性が高くなることが分かっています。貴女の場合は「画像上乳癌が見えなくなった」とのことですので、化学療法で乳癌細胞がかなりのダメージを受けていたものだと考えられます。しかし、ダメージを受けていたものの乳癌細胞やリンパ節転移が残っていたので、主治医は追加の化学療法を考えているのだと思います。現段階では術前に標準的な化学療法を施行した場合、手術後にどの抗癌剤を追加すれば良いのか、はっきりとしたデータはありません。一般的には病理組織検査でホルモン感受性が陽性の場合、術前化学療法+手術後は、化学療法でなくホルモン療法(ゾラデックス+ノルバデックス)のみを行うことになります。もし化学療法を追加する場合も、ホルモン療法と抗癌剤を同時に投与すると「お互いの効果を強める」のか、それとも「効果を打ち消しあってしまう」のか分かっていないのが現状です。最近の傾向としては、ホルモン療法と抗癌剤は一緒に使わないことのほうが多いので、ホルモン療法+ゼローダ(TS-1)というのは一般的な治療ではないような気がします。もしFISH法でHER2が陽性ならば、ホルモン剤に先行してトラスツズマブ(ハーセプチン)を1年間投与する選択肢もあると思います。ただし、長期毒性(副作用)についてはまだ検討中であること、投与期間は1年が最適であるのか未解決であること、日本では健康保険の適応外であることなど多くの問題を抱えていることも確かです。治療法が進歩すればするほど選択の幅も広くなるため、「自分にとって最適な治療」を選択するのが難しくなってくると思います。もう一度心が落ち着いた状態で、「再発予防効果」と「副作用などの弊害」のバランスを考えながら、主治医と共に「貴女にとって最適な治療」を探すようにしてください。(文責 千島)

 

No.5321】 06年05月22日      K.K. 
マンモグラフィーで要精検

40才の主婦です。先日受けた人間ドックの乳がん検診のマンモグラフィーで、右乳房腫瘤と結果が届きました。触診では異常なしでした。マンモで腫瘤と診断されたら乳がんということでしょうか? こわくて病院へ行けません。結果が届いてから心配で食欲もなく、毎日がつらいです。ここ3ヶ月生理も来たり来なかったりなので、特に不安です。

検診施設、地域によっても多少の違いがありますが、マンモグラフィ検診で要精検と判定された人の中で、実際に乳癌が発見される確率は3〜7%程度、多く見積もっても10%以下です。決して「要精検=乳癌」ではないので安心してください。さらに、もし乳癌が発見されたとしても、触診でわからないほどの腫瘤ならば早期の可能性が高いので、十分に「治癒可能」と考えられます。心配して体調を崩すよりも、思い切って精密検査を受けるようにしてください。(文責 千島)

 

No.5320】 06年05月21日      K
両脇のしこりについて

2歳の子を持つ主婦です。年齢34歳。現在2人目を妊娠中で、5ヶ月に入ったところです。ここ1ヶ月くらいの間に両脇にしこりを発見して、非常に心配しています。右側1つ、左側3つ手に触れます。過去ににきびができたことがあるので、初めは痒みを伴うにきびかと思っていました。でも今回は以前のように、にきびやばい菌が入ったと思われる赤い腫れもなく、表面的に何もないのでしこりだと確信したのです。妊婦であることもあり、病院へ行くのをためらっています。勇気がありません。1人目妊娠中に乳がん検診を受けに行ったら断られた経験があります。理由は、「1)妊娠中は乳腺がはっているため判断不可能ということ。2)乳房を触るのは流産早産等につながる恐れがあるということ。」でした。妊娠判明後なので、副乳という可能性もあるのでしょうか。今両乳房(乳首の上左右対称)にできています。母も伯母も乳がん暦があり、私も危機感を持っています。このような症状の場合、妊娠中でも受診すべきでしょうか。癌の可能性はあるのでしょうか。先生のご意見をお聞きしたく、よろしくお願いいたします。

脇の下に近いほうであれば副乳やリンパ節を触っている可能性があります。また、比較的乳頭に近い部分であれば妊娠のために発達してきた乳腺組織の一部を触れているのかもしれません。左右の乳房に同じような「しこり」を触れるならば乳癌の可能性は低いと思いますが、乳癌の家族歴があるようなので、念のために病院で診察してもらうことをお勧めします。超音波検査は妊娠中でも胎児に影響を与えないので、有用な検査法のひとつだと思います。ちなみに、妊娠中に乳房を触診しても「流産早産等につながる恐
れ」はありませんのでご心配なく。(文責 千島)

 

No.5319】 06年05月21日      A.O
乳首の出来物について

はじめまして。私は24歳、未婚者です。2年位前から急に乳首のところに出来物が出来ました。初めはあまり気にしていなかったのですが、最近になって少し心配になり、ネットで調べて見ているのですが、なかなか自分の症状と同じようなものがありません。そして、調べているうちにこちらのページを見つけ、相談させて頂きたくメールいたしました。乳首の上の方に、直径3〜4mmの出来物が出来ました。触ると多少は痛さは感じます。触れただけでは殆ど感じません。たまに触らなくても、痛くなったりかゆくなったりします。下着があたっているせいかなとも思うのですが、そもそも出来物がなぜ出来たのかがわかりません。最近は以前に比べ少し大きくなったかな?とも思います。病院に行こうとは思っているのですが、このような場合、何科に行けばいいのかもわかりません。大変お忙しいところ申し訳ございません、どうぞ宜しくお願いいたします。

「乳首の上の方」というのは「乳頭自体」なのか、それとも「乳頭周囲の乳輪」なのかがよくわからないので、「出来物」に対するコメントはできませんが、皮膚表面に近い病変であれば、まずは皮膚科を受診してみてはいかがでしょうか。(文責 千島)

 

No.5318】 06年05月21日      U.M. 
乳癌術後の疼痛について

はじめまして、インターネットにてこのサイトを知り、メールさせていただきました。実は私の母親が1年前に右乳癌と診断され手術を受けました。術後化学療法、放射線療法を行い、現在アリミデックスを内服中です。進行度はstage2で、右腋下リンパ節郭清を行いました。術後から1年たつのですが、右腋下の周囲の疼痛、右上腕にかけての痺れを訴えています。疼痛は日により変動があり、ひどいときなどは1日にロキソニンを3錠内服しています。なかなか術後の下着も合うものがなく、本人も不安を抱えている毎日です。疼痛は術後どの程度の期間持続するのでしょうか。また疼痛に対して具体的な対処法があれば教えてください。

リンパ節郭清を行うときに「肋間上腕神経」を切除すると、このような症状が強くなります。最近の手術では切除せずに温存する場合が多いのですが、リンパ節転移がひどいときなどはやむを得ず切除することもあります。切除していない場合は数ヶ月から1年くらいで症状は改善してきますが、切除してしまった場合は最後まで「上腕内側のしびれ感」が残ることになります。数年後には「気にならない程度」まで改善する場合もあるのですが、季節の変わり目や梅雨時などには痛みが強くなることも多いようです。「しびれ感」に対してビタミンB12製剤を用いることもありますが、期待するほどの効果は得られないようです。痛みが強い場合はロキソニンなどの鎮痛剤で対応していただくことになります。(文責 千島)

 

No.5317】 06年05月21日      U 
術後の療法について(2)(HPNo.5299-2

薬剤感受性テストから、どういうメニューをおすすめですか? 具体的に教えていただければ幸です。それから、小葉ガンとはどんなタイプのガンなんでしょうか? やはりホルモン療法だけだと、リスクが高いとお考えですか?

抗癌剤の薬剤感受性試験は「高度先進医療」として認定されている新しい技術で、一般臨床で広く行われているものではなく、ごく限られた医療施設でのみ行われている検査です。実際、どれだけ正確に抗癌剤の効果を予測できるかは現在も研究段階です。細菌に対する抗生物質の感受性試験ほど信頼性が高いものではなく、癌細胞に対しては「最も有効で適切な抗癌剤を選択する方法」というよりも、「比較的効果が低い抗癌剤を排除する方法」という程度で、患者個人向けの「オリジナル抗癌剤メニュー」を作れるほど信頼性が高いものではありません。乳癌の術後化学療法では、浸潤性小葉癌であっても浸潤性乳管癌と同じ抗癌剤メニューを使用します。一般的なメニューとしてはAC、EC、FEC、CAFなどアントラサイクリン系抗癌剤を中心として薬剤を組み合わせます。リンパ節転移陽性である場合は、これに加えてPTX、DTXなどのタキサン系抗癌剤を追加することもあります。脱毛が気になる場合はCMFというメニューを使用する場合もありますが、再発予防効果がやや低下する可能性があります。貴女の病理診断から考えると、「ホルモン療法だけ」という選択もないわけではありませんが、一般的には抗癌剤治療を併用する場合が多いと思います。抗癌剤を併用する場合も「再発予防効果」と「副作用などの治療による弊害」について、主治医から十分な説明を受けた上で治療を開始することをお勧めします。(文責 千島)

 

No.5316】 06年05月18日      Y.U.  
女性化乳房

はじめまして。僕は現在中学3年生の15歳です。一昨年(2004年)の10月頃から左胸にしこりができて、そこにボールが当たったりすると、とても痛いです。一昨年12月に乳腺クリニックで診察したところ、女性化乳房と診断されました。問題なしとのことで、それ以来病院には行っていません。納豆を食べると女性ホルモンが活性化される(?)と聞いたので、毎日食べていた納豆を断ちました。しかし一向にしこりは小さくなりません。どうすれば小さくなるのですか? 5月16日から修学旅行なので、早急に返信をいただければうれしいです。よろしくお願いします。また、僕は学級委員をやっておりまして、夏のプールの授業のときにクラスみんなの前で水着姿で準備運動をしなければならないんです。そのとき、全員の男子にも女子にも女性化乳房が見られてしまうので、とても恥ずかしいのです。少しでも早くしこりを小さくする方法を捜し求めてるので教えてください。わがままなことばかり言ってすいません。

女性化乳房には比較的太った男性に見られる脂肪組織の沈着による「偽性女性化乳房」と、体格の差に関係なく乳腺組織が増殖する「女性化乳房」に区別されます。前者については言わずと知れた「ダイエット」が有効な治療法となります。乳腺組織の増殖を伴う女性化乳房の多くは思春期に起こってきます。両側性で認めることもありますが、貴方のように片方だけの乳房が大きくなる場合もあります。二次性徴(男子が男性らしくなるホルモン分泌やそれに伴う外見の変化)の時期には性ホルモンの分泌が亢進します。通常は男性ホルモンと女性ホルモンがバランスよく分泌されていくのですが、男性ホルモンの増加に比べて女性ホルモンの増加が先に起こると女性化乳房を生じることがあります。通常は二次性徴が終わる高校生から20歳位までには自然に治癒していきます。決して特別な病気ではありませんので安心してください。多少の痛みを感じることはあると思いますが、「大人になっていく証」のひとつだと思って経過を見守るようにしてください。女性化乳房が自然に治る頃には、貴方も「立派な男性の仲間入り」ということになります。ちなみに納豆を食べても悪化することはないのでご心配なく。(文責 千島)

 

No.5315】 06年05月18日      T.M. 
ハーセプチンについて

初めてご相談させていただきます。54歳閉経後です。平成17年6月に乳癌発見。腫瘍は2.3×1.7、異型度3、分裂度2、グレード3、ER+、PgR境界域、HER2 2+、遠隔転移なし。乳頭に近く、このままでは温存手術が出来ないため、術前化学療法AC+Tを受けて、1月に温存手術を受けました。摘出した腫瘍の病理の結果は、1.5×0.6、リンパ節転移なし、ER+PgR±、HER2染色法1+FISH法陽性、断端陽性、放射線60グレイ終了。現在アリミデックス服用中。質問なのですが、HER2陽性なので、術後にハーセプチンをやりたいと思うのですが、主治医に相談したところ、「再発率の改善が見られて有効だけれど、現在では術後療法には保険適用されていない。混合診療が出来ないので、月の医療費が4〜50万位で、現実には無理だと思う。」と言われました。1年間治療して、だいたい500万位なら出せない額ではないのですが・・・。もちろん余っているお金ではありません。命と引き換えと思えば使ってもいいかなと思っています。将来再発した時、あの時受けなかったから・・・と後悔したくないのです。私の場合、どのくらい有効でしょうか。有効とわかっている治療が出来ない事に悩んでいます。

貴女の場合は「FISH法陽性」のため、確かにトラスツズマブ(ハーセプチン)による再発予防効果が期待できる症例だと思います。2005年5月に米国臨床腫瘍学会で「早期乳癌におけるトラスツズマブの再発予防効果」が発表されてから、至るところで術後のトラスツズマブの使用法が討論されています。学会の報告では、術後化学療法に続いてトラスツズマブを1年間投与することで、再発率は半分近く減少すると言われています。しかし、長期毒性(副作用)についてはまだ検討中であること、投与期間は1年が最適であるのか未解決であること、日本では健康保険の適応外であることなどの、多くの問題を抱えていることも確かです。日本での現状をみると、再発リスクがきわめて高い症例では投与される場合もありますが、リンパ節転移を伴わないような早期乳癌での投与はほとんど行われていないようです。もう一度主治医から、「期待される予防効果」と「副作用や医療費の弊害」について実際の数値を示しながら説明してもらい、自分にとっては「その治療による利益の方が大きい」と思うようならば、トラスツズマブの投与を受けるようにしてはいかがでしょうか。(文責 千島)

 

No.5314】 06年05月18日      K.M.
放射線治療(HPNo.5243-2

前回HPNo.5243で質問しました。回答を参考に本を読んだり、インターネットで調べたりして、ホルモン治療をしていくことに決め、5/9より治療を開始しました。今回の質問は、放射線治療のことです。主治医の先生のお話では、「最初の手術で癌が取りきれていて、追加切除した中には癌が見つからなかったため、放射線治療はしてもしなくてもいいです。」とのことでした。放射線治療は、癌のあった周りにしか有効性がないとも言われました。温存であるのなら、やはり放射線治療を受けたほうが再発率が下がるのでしょうか。

手術標本の検査結果や手術年齢などによっては、放射線治療を省略する場合もありますが、一般的には「乳房温存治療=乳房温存手術+放射線治療」と考えられています。海外での臨床研究では、乳房温存術後の放射線治療によって乳房内再発率(多発乳癌が再増殖してくる場合も含めて)は、おおよそ1/2から1/3に減少できると報告されています。日本乳癌学会から発行されている「乳癌診療ガイドライン」においても、早期乳癌における乳房温存術後の放射線照射は、「強く推奨するグレードA」と記載されています。(文責 千島)

 

No.5313】 06年05月16日      Y・K
母の乳がんについて

母(65歳)のがんについて質問させて下さい。今年2月に左胸のしこりに気づき受診、4月に充実腺管がんと診断されました。6月に手術でセンチネルリンパ節生検を行い、切除の仕方が決まる予定です。それと関係があるのかはわからないのですが、現在二の腕の痛みを気にしているようです。1月頃から左側の腕が肩より上に上がらなくなり、しびれている感じもあるようです。整形外科では50肩と言われていますが、がん発見の時期と重なるので、母はがんが転移しているのでは、と思い込んでいます。そこで、以下の2点を教えてください。
1) 術前にリンパ節への転移を調べる方法はあるのでしょうか?
2) 仮にリンパ節に転移していた場合、痛みなどは出るのでしょか?

ちなみに、10年前に右側を硬がんで全摘出しています(リンパ節転移はありませんでした)。お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

1) 腋窩リンパ節転移があるかないかを調べる現時点でもっともよいと言われている方法がセンチネルリンパ節生検です。
2) リンパ節転移があっても痛みはないことが多いです。痛みは無関係だと思います。普通に考えると肩があがらないのは、整形外科の先生の言われるとおりかと思います。主治医の先生にも聞いてみてください。(文責 俵矢)

 

No.5312】 06年05月16日      C.S. 
乳首の腫れと痒み(2)(HPNo.4865-2)

お忙しいところ申し訳ありません。先日上記の件で問い合わせさせていただいたものです。その後、ステロイド剤を塗り一時的に症状は良くなりましたが、またひどくなってきています。かゆみ、黄色い水のようなものまで出てくるようになりました。もう一度検査したほうがいいのでしょうか? 細胞検査する必要はあるのでしょうか? 皮膚科に相談行っても外科で見てもらうように言われ、どこで診察してもらってよいのかもわかりません。ただの炎症ならいいのですが・・・。乳首の炎症はすぐに良くなったり悪くなったり繰り返すものなのでしょうか? 確かにステロイド剤を塗ればよくなります。ホルモンとの関係もあるのでしょか? よろしくお願いいたします。

乳首のただれで発症するパジェット病という病気もありますが、母乳をやるような年齢の女性にはまれです。細胞検査については、ご心配ならば担当医に頼んでみるとよいでしょう。症状を考えるとおそらく皮膚の炎症でよいと思います。ステロイドは皮膚炎の根本的治療ではないので、繰り返すこともあると思います。前回の浜口先生がお答えになっているように、洗いすぎは刺激になるのでやめたほうがよいでしょう。皮膚科の先生か、外科の先生か難しいですが、CSさんが「この先生のほうがよい」と思った先生にみてもらいましょう。皮膚炎だとすると、アトピー性皮膚炎などと似ていて、根治は難しいことがあります。ひどくなったらステロイドを使って収めてという風に経過をみることになるかと思います。ホルモンとの直接の関係はないかと思います。(文責 俵矢)

 

No.5311-1】 06年05月16日      K 
内服について

以前、術後治療について、いろいろお尋ねし、詳しくアドバイスをいただき、ありがとうございました。CMF治療を決め、11日に初回でした。味覚障害、匂いに敏感になったくらいで、今のところ元気です。しかし、2回めが大変だった方もいらっしゃるようで、心配です。そしてCPAが内服で14日服用しないといけないのが気になります。点滴の場合と、どう違うのでしょうか?

CMFの原法はCPA内服です。CPAを点滴で行う変法もありますが、効果はほとんど変わりないと思います。一回目がさほどでなかったのであれば、目に見えてつらいということはないのが普通だと思います。がんばって続けていってください。(文責 俵矢)

 

No.5311-2】 06年06月20日      K 
CMFの脱毛について

いつもアドバイスありがとうございます。とても心強く、感謝しております。現在CMF2クルー目、1回が終わりました。先週あたりから脱毛が始まり、今日は枕にゴッソリでした。この治療は脱毛が少ないので選んだのですが、すでに半分位になってしまいました。もうこれで落ち着くのでしょうか? リンパも全てマイナスですし、ホルモンも全てプラスなので、6クールを3クールにしてはいけないでしょうか? データ―的にどうでしょうか? 46歳です。

Kさん、こんにちは。脱毛は女性がもっとも恐れる副作用といえるかもしれません。YYさんの脱毛がどの程度まで進むかはわかりませんが、抜けてしまう方はほとんどが抜けてしまうこともあります。つらい時期でしょうががんばってください。
「6クールを3クールにしてはいけないでしょうか?」というご質問ですが、近年欧米でのCMFでの補助化学療法は6(-12)サイクルが標準とされてきました。ですから、これを3サイクルにするというのはあまりお勧めできる方法ではないと考えます。ただ術後補助化学療法の流れとしては、アドリアマイシンを含んだ、より短期間で終了するメニュー(レジメ)が主流となっています。効果もこちらのほうが高いことが分かっています。
Kさんの脱毛がどの程度進んだのか分からないのですが抜け具合次第では、AC療法(21日ごと4回で終了)などへの変更を勧めるかもしれません。期間の短縮ができ、よりよい効果が期待できると思うからです。(文責 河原)

 

No.5310】 06年05月16日      A 
アポクリン腺癌について

4月10日、右乳房温存手術しました。1.6×0.8の大きさでクラス5、リンパ節転移11個中3個でした。アポクリン腺癌ということで、遠隔転移なしでした。このアポクリン腺癌について、インターネットで調べたところ、この種類のがんは、化学療法、放射線療法とも効果がないと書かれていたものもありました。これは、本当なのでしょうか。また、放射線治療についてですが、この治療を受けた為に、肺がんのリスクが高くなると言う事はないのでしょうか。よろしくお願いします。

アポクリンがんは「乳がん取り扱い規約」では特殊型に分類されます。その頻度は全乳がんの1%−3%くらいといわれています。症例数が少ないので確定的なことはいえませんが、全生存率で見た場合、他の組織型と変わらないという報告もあります。「アポクリンがん」であるというだけで、予後が他のものに比べて著しく悪いということはないと思います。放射線治療の際に肺にも少しは放射線があたるのは事実ですが、肺がんのリスクをあげることはないと思います。(文責 俵矢)

 

No.5309】 06年05月16日      N.O. 
胸のしこり

24歳、出産経験ありです。乳輪の下にコロコロ動く小豆大のしこりがあります。また、胸の少し上には1.5センチ位の平らな楕円形っぽい少し硬い部分があります。つまむと硬いです。今年にはいってからずっと軽い痛みがあり、心配になり先週、市の乳がん検診にいってきたのですが、しこりはあるのですがエコーには映りませんでした。こういうことはあるものなのでしょうか? しこりが何なのかについては何も言われませんでしたが、6カ月後にまた検診にきてくださいと言われました。痛みがあり、しこりが何なのかもはっきりわからないので心配なので、もう一度、次は乳腺専門の病院でみてもらったほうがいいでしょうか? それとも半年待ってみた方がいいでしょうか? 長くなりましたが、教えてください。

まずは最初に受診した病院にいって、「このしこりが何なのか」説明をうけるのが一番いいと思います。その先生の説明で納得できれば先生のご方針にしたがったらよいと思いますし、納得できなければ他の病院へいってみられたらいいと思いますよ。(文責 俵矢)

 

No.5308】 06年05月16日      N.M.  
乳がん患者への乳汁抑制剤の使用の安全性について

貴病院の相談室をHPで発見し、ご相談したいことがありメール致しました。33歳です。授乳中にマンモグラフィによりカテゴリー4の石灰化が発見され、マンモトーム生検が必要と言われました。乳汁分泌抑制剤(パーロデル等)の使用の安全性について伺いたいのです。左右両側のグループ石灰化も見られ、左には多形性のものがあると言われました(超音波ではしこりは発見されませんでした)。授乳を中止しましたが、完全に乳汁の分泌が止まるには時間がかかるのではないかと心配です。パローデル等の薬を使用して止め、早く生検を行ってはっきりさせたい気持ちがあるのですが、乳がんの場合にそのような薬を飲むことで悪い影響が出ることはありますでしょうか。自然にとまるまで待った方がよいでしょうか。お忙しいところ恐縮ですが、至急のご回答をお願いいただければ幸いです。

乳がんの可能性がある程度ある病変のようなので、早めの生検をお勧めします。お薬が乳がんに悪影響をあたえることは考えにくいです。(文責 俵矢)

 

No.5307】 06年05月16日      H.N. 
生検について(HPNo.4780-3)

HPNo.4780でお世話になりましたH.Nです。まず初めに最初の受診年が間違っていたので訂正しておきます。No.4780-1の昨年(H11)12月末は(H16),H12.1.14成人病C受診はH17.1.14の間違いです。済みませんでした。結局1月の大学病院でのコアニードルの免疫染色後の結果も乳頭腫と言うことでしたが、切除しておしまいと言われたので、家から近い元の成人病Cでしたい事を伝え、結果のコピーをいただき、すぐに成人病Cに行きました。すると、「こんな手で触れないような小さいのを取るのは難しい。しかもこの結果が正しいかも解らないし」と言われ、「綺麗に取れますと言えません。どうしますか」と聞かれたので、「じゃあ今まで通り経過観察をお願いします」と言う事になり、また穿刺細胞診をしました。結果何も出ず、3ヵ月後ということで4月末に受診した所、いきなり、「向こうの病院で切れと言われているんだから切りましょうか」と言われ、「前は切るのは難しいと仰いましたね」と聞くと、「かなり大きく取らないだめだけど、向こうの病院で責任を取ってくれるなら良いけど、こっちにも来てるんで責任があるし」と。私が、「じゃぁ標本をお借りしてきて、こちらでも調べてください」と言って、そうする事になりました。また穿刺細胞診をして帰りました。すぐに大学病院でお借りして標本を持参しました。次週行くと、標本の結果が成人病Cでは非浸潤癌の疑いと出たので、切って生検するしかないと。どれくらいの傷になるか尋ねると、「皮膚にマーキングしても切れば解らなくなるし、手で触れないから何処にあるかも解らないから、まあ、これくらは取らないと」と、両手で人差し指と親指で固まりを示されました。直径6〜7センチぐらいに見えました。「そんなに取れば、かなり凹んでしまいますね」とお聞きすると、「仕方ないでしょう」と言われ、ショックを受けました。標本をお借りした病理の先生の説明では、判断が付かない時は癌研の秋山先生に送りますが、それに至らなかったと言う事で、4人の先生の印が押してありました事をお伝えしたら、「そちらにそういうルートがあるなら、秋山先生に見てもらってから決めても良いです」と言われたので、「コピーを頂けますか」と言うと、「これは渡せません。非浸潤癌の疑いと言えば解ります」と言われました。幸い大学病院の病理医の先生の御配慮で今コンサルテーションしていただいていますが、
1) 5ミリのしこりを生検するのに、そんなに大きな傷をおわないとできないのでしょうか? 癌かどうかも解らない5ミリのしこりを調べるのに、そんな大きな傷を負う事に納得がいきません。別病院の友達の主治医に聞いてもらったら、しこりにマーキングをして5ミリのしこりなら2〜3cmの傷で凹みも無く取れるとか。
2) もしコンサルテーションの結果が癌ではなく乳頭腫であれば、もう少し経過観察を続けてもいいでしょうか? 30年前に同じ場所にあったしこりをホルモン剤で小さくした経緯があるので、私としてはその残骸ではないかという希望があります。それが乳頭腫と重なり、マンモの出現により、映っているなんてことは考えられないでしょうか?
3) 病理検査の結果を大学病院では頂けたのに、成人病Cでは頂けませんでした。強く希望すれば頂ける権利はあるのでしょうか? 正規のルートを通さないと渡せないような事を仰っていましたが、正規のルートって何なのですか? こんな時代だからとも言われていましたが、こんな時代だから情報開示がすすんでいるのではないのでしょうか?

長くなり恐縮ですが、不安だらけです。どうかよろしくお願いいたします。

病変自体は小さなもので、非浸潤性乳管がんと乳管内乳頭腫の鑑別が問題となっている病変のようなので、仮にこれが「乳がん」であったとしても進行は早くないので、ゆっくり考える時間はあると思います。
コアニードル生検と細胞診をして診断がつかないということであれば、切除生検にもっていくか、その前にコアニードルよりもう少し太い針のマンモトーム生検を行うかになると思います。非触知の病変を切除生検する場合は、やはり実際の腫瘤よりどうしても大きめにとることになります。乳房の薄い人で、浅いところにしこりがあれば小さくもとれますが、乳房の大きい人の奥のほうにあるしこりは大きく取らないととれないことがあります。また成人病の先生は、「乳がん」の疑いがあるので広めに切除するつもりなのかもしれません。納得いかないのであれば、遠慮せず担当医によくお話してみてください。経過観察という手もありますが、ここではっきりさせたほうが、相談者さんも安心されるかもしれません。病理のコンサルテーションの結果をお待ちになって決めてみたらいかがでしょう。
確かに情報開示は重要なことです。しかし病理のコンサルテーションに関しては、現在の診療報酬体系の中ではいわゆる「報酬」がつきません。
コンサルテーションもまさに大学の病理の先生、癌研の秋山先生の「ご好意」でしてもらっているのだと思います(おそらく無報酬でみてもらっていると思います)。きちっとしたコンサルテーションのシステムがないのが現状なので個々の病院の対応に違いがあるのです。その事情も汲んでいただけるとありがたいです。
いずれにせよ、遠慮せず担当医ともう少しお話されると不安な気持ちも解消されるのではないでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.5306】 06年05月16日      Y.N.
マンモトーム生検について

今年初めに市の検診で再検査となり、右側に1個、左側に小さいものを含め3個腫瘍が見つかりました。エコー、マンモグラフィ、細胞診と検査を受けた結果、線維腺腫と診断されたのですが、右側の腫瘍に関しては少し形がイレギュラーと言われました。13年前に同じ線維腺腫の手術を受けた場所に近い事も1つの原因かもという事で、3ヶ月経過した先日、もう一度エコーを受けて来ました。結果は、「サイズも変わりないし、このまま経過観察でも良いが、気になるならマンモトーム生検を受けてみますか?」と言われ、受けてみようかと考えています。この判断で良かったのでしょうか? 又、手術跡近くだと、形が歪になる事はあるのでしょうか? 現在32歳で、小5と小1の娘がおり、私の母も同じ線維腺腫で2度手術をし、現在も1個あると聞いています。

マンモトーム生検は外科的生検に比べ乳房の変形は少ないです。マンモトーム生検を受けて安心されるのもよいと思います。(文責 俵矢)

 

No.5305】 06年05月16日      S. O
わきの下のふくらみ

右のわきの下(というより、わきの横あたりで胸側)が左側に比べると、明らかに膨らんでいるのです。横から見ると、ぼこっとこぶができているような感じです。押してみると少し痛いです。私はやせている方なので、太っていて肉がついている訳ではないと思うのですが、リンパの腫れか何かでしょうか? しこりがある感じはないのですが・・・。去年左胸にしこりがあり、線維腺腫の切除手術をしました。乳がんではないかと心配になりメールしました。宜しくお願いします。

これも調べてみないとなんともいえません。悩んでいるより早めの受診をお勧めいたします。(文責 俵矢)

 

No.5304】 06年05月16日      N 
“しこり”について

現在19歳です。最近、よくテレビで紹介されている「乳癌の見つけ方」を試したところ、左胸の乳輪の近くに、“しこり”のようなものを見つけました。大きさは大体1cmほどです。これは乳癌でしょうか? また、私の乳房は、柔らかさが左右でかなり違います。右側は柔らかいのですが、左側はあまり柔らかいとは言えません。これも乳癌に関係があるのでしょうか? それとも全く無関係なのでしょうか?

年齢がお若いので、頻度としてはのう胞や線維腺腫といった良性のもののほうが多いと思いますが、診察しないとわからないので、乳腺外来を受診してください。(文責 俵矢)

 

No.5303】 06年05月15日    Y.K
核異型度について(HPNo.5131-2)

HPNo.5131でお尋ねした者です。43歳、閉経前です。4月27日にセンチネルリンパ節生検にて手術を受け、リンパ節には転移が見られなかったようです。病理検査の結果が出たのでお尋ねします。所見に「組織学的にはscirrhous patternを主体としたinvasive ductal caecinomaで、組織学的範囲は1.5×1.7cm。腫瘍細胞の核異型が目立つケース」とあり、核異型が目立つというのは「nuclear grade:3+3=6」との記載のことだと思うのですが、これは相当悪性度の高い腫瘍と考えてよいのでしょうか。今後の再発・転移が心配です。また、母の妹がいわゆるスキルス胃がんで亡くなっているので、スキルス・パターンという言葉にも驚いていますが、これはどのような意味なのでしょうか。今後、今月の23日からAC−Pを4コース、その後は温存手術だったため放射線、更にホルモン治療を予定しています。よろしくご教示ください。

がんの組織を顕微鏡でみた時の「かたち」を分類して、線維成分が多い組織型を「スキルス」と呼んでいます。スキルスパターンをとる乳がんは、他の組織型よりもリンパ節転移の頻度が若干高いことが知られていますが、乳がんの場合、他の組織型にくらべ飛びぬけて予後が悪いというわけではありません。胃がんのスキルスと乳がんのスキルスがんは直接の関係はありません。乳がんの再発のしやすさは、核異型度のみならず、ほかの因子も考慮して考えます。AC−paclitaxelに引き続き、ホルモン、放射線は効果のある治療だと思います。(文責 俵矢)

 

No.5302】 06年05月15日    S.S.
腫瘍マーカーの急激な上昇と今後の治療について(HPNo.3311-3)

以前No.3311お世話になった者です。又よろしくお願いします。3月の血液検査で肝臓への転移が発覚しました。FISH法にてハーセプチンが適用になるか調べる間に3回腫瘍マーカーを調べましたが(3/18,4/5,4/25)、NCC−ST-439が210→290→490、CA15-3が39.6→50.4→75.4、BCA225が220→240→330と急激に上昇しています。ハーセプチンは使用が決定しましたが、心機能の検査等でまだ治療が開始されません。私としては最初はハーセプチンの単独投与で様子を見たく思うのですが、そんな猶予はもはやないでしょうか。最初から抗がん剤を併用すべきでしょうか。また4/25の腫瘍マーカーは他のクリニックで行い、SLXのマーカー値も出て94と大変高いのが気になりました。肺がんの時に上昇するマーカーのようですが、肺転移が疑われるのでしょうか。実はずっと咳が続いています。4/5のCT検査時では、画像上は肺転移は確認されておりません。以上です。よろしくお願いします。

S.S.さんの場合、肝転移があるので、ハーセプチン単独よりも抗がん剤を加えたほうがよいかと考えます。SLXは、乳がんではあまり上昇しない腫瘍マーカーです。CTで肺の腫瘍がないのであれば、肺がんは否定的だと思います。腫瘍マーカーは擬陽性もあるので、主治医の先生によくお聞きになってください。
咳が続く場合、肺のリンパ管にがんが転移するがん性リンパ管症ということも考えられますが、それだけでなくアレルギー性の咳や喘息なども考えられます。これも主治医の先生にお聞きになってみてください。(文責 俵矢)

 

No.5301】 06年05月15日    C.H.
がんの種類(HPNo.5202-2)

HPNo.5202でお世話になりました。リンパ節転移陰性と考えてもよいのではないかというご回答に気持ちが軽くなりました。迷っていたタキサン系の追加投与も、する決心がつきました。ありがとうごさいました。今回は、自分の病理組織所見に記載されている「solid-tubular carcinoma」について気になったのでご教授願います。日本語に直すと何ですか? ネットで「invasive lobular carcinoma」は浸潤性小葉癌で、転移しやすいというのをみて、スペルが似ているので不安に思ってしまいました。お忙しいところ誠に申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

日本乳がん学会編「原発性乳がん取り扱い規約」では、浸潤性乳管癌(invasive ductal carcinoma)の亜分類として乳頭腺管がん(papillotubular carcinoma)、硬癌(schirrhous carcinoma)にならんで、充実腺管がんを上げています。充実腺管がん=solid tubular carcinomaです。浸潤性小葉がんは、また別のカテゴリーに分類されています。組織型については、個々に検討すると、転移の仕方にそれぞれ特徴がありますが、それだけが転移のしやすさを決めるのではなく、リンパ節転移の状況や、HER2遺伝子発現、脈管侵襲などの他の因子も考えて総合的に判断します。また、たとえ「転移のリスクが高い」と判定された方も、だからといって必ず再発するわけではないのです。術後補助療法は、乳がんの再発予防のために行います。がんばってくださいね。(文責 俵矢)
 

↑ ページ先頭へ戻る