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相談室(No.5401〜5500)

このページは乳がんに関 する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

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なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

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名 前

件  名

担 当

5500-1
5500-2

5500-3
5500-4
06/07/10
06/08/08
06/12/12
07/04/01
M 悪性葉状腫瘍について
悪性葉状腫瘍について(2)
悪性葉状腫瘍について(3)
悪性葉状腫瘍について(4)
石川
鈴木

加藤
5499 06/07/10 Y.S. 術後検査について 石川
5498 06/07/10 K.M.   ホルモン治療中の市販薬の使用について(HPNo.5243-3) 石川
5497 06/07/10 Y.Y.   ホルモン療法の副作用について 石川
5496 06/07/10 LBH マンモトームとのう胞 石川
5495-1
5495-2
06/07/10
06/07/12
H.Y 石灰化とカルシウムについて
石灰化とカルシウムについて(2)
石川
石山
5494 06/07/10 S・S 腫瘍マーカーについて 石川
5493 06/07/10 H  肺転移でしょうか? 石川
5492-1
5492-2

5492-3
06/07/10
06/07/12
06/09/18
R.I.  乳がん治療について
乳がん治療について(2)
抗がん剤の副作用について
石川
石山
千島
5491 06/07/10 T.K 母の術後治療について(HPNo.5137-3) 石川
5490 06/07/07 S  術後の補助療法、再発率について 石川
5489 06/07/07 M  乳腺症の術後について 石川
5488 06/07/07 H・M 浮腫みについて(HPNo.3186-5) 石川
5487 06/07/05 K  骨粗鬆症薬とハーセプチンの予防効果について 石川
5486 06/07/05 A 乳管造影について(HPNo.5298-3) 石川
5485 06/07/05 C.H. タキソールの投与方法(HPNo.5202-4) 石川
5484-1
5484-2
06/07/05
06/07/19
N.T.  骨盤転移について
骨盤転移について(2)
石川
片山
5483 06/07/02 S.S.  病理検査結果を詳しく聞けません 麻賀
5482 06/07/02 HM 術後治療について 麻賀
5481 06/07/02 H.T.  良性の可能性について 麻賀
5480 06/07/02 H.W.  この治療方針でいいのか不安です 麻賀
5479 06/07/02 W   転移? 麻賀
5478 06/07/02 M.Y.  再発について 麻賀
5477 06/07/01 Y.Y ホルモン治療中の避妊 麻賀
5476-1
5476-2

5476-3
5476-4
06/07/01
06/09/14
06/10/20
06/11/11
Y.U.  クラスV
乳頭からの出血
出血について
検査方法について
麻賀
俵矢
吉田
石山
5475 06/07/01 U.M 骨転移について(HPNo.4687-2) 麻賀
5474-1
5474-2

5474-3
5474-4
06/07/01
06/07/19
06/08/17
06/11/07
A.N. 非浸潤癌
非浸潤癌について(2)
非浸潤癌について(3)
非浸潤癌について(4)
麻賀
片山
首藤
石山
5473 06/06/30 K.T アリミデックスの副作用について 麻賀
5472 06/06/30 k・k 断端プラスについて 麻賀
5471 06/06/30 Y 右腋の腫れについて 麻賀
5470 06/06/30 A.S.  再発乳癌についてのご相談 麻賀
5469 06/06/30 Q 術後治療について 麻賀
5468 06/06/30 Y  温存手術後の放射線治療について 麻賀
5467 06/06/30 km 再発転移の抗がん剤について(HPNo.4583-3) 麻賀
5466 06/06/29 AF  副乳からの出血 麻賀
5465 06/06/29 T.N.  術後の治療法について 麻賀
5464-1
5464-2
06/06/29
06/07/10
m 術前化学療法について
抗がん剤の投与順序
麻賀
石川
5463 06/06/29 AH ホルモン療法について 麻賀
5462 06/06/29 M.Y 乳がんの転移の可能性 麻賀
5461-1
5461-2

5461-3
06/06/29
06/09/03
06/09/20
T子  アリミデックス副作用について
婦人科受診について
足首関節痛について
麻賀

徳田
5460 06/06/29 N.U パジェット病に発症年齢は関係ないのですか? 麻賀
5459 06/06/29 m.k 足の痛み 麻賀
5458 06/06/29 K 今後の治療について(HPNo.5201-2) 麻賀
5457 06/06/27 H.N 微小病変の切除について(HPNo.4780-4) 麻賀
5456-1
5456-2
06/06/27
06/07/07
N 
咳(2)
麻賀
石川
5455 06/06/27 S 乳癌患者の妊娠について 麻賀
5454 06/06/27 m.k ホルモン療法での副作用 麻賀
5453 06/06/26 Y・O  対側乳房の再発について 吉田
5452 06/06/26 N 要精密検査 吉田
5451 06/06/26 U  病理検査待ちです 吉田
5450 06/06/26 JUN 硬癌の場合の抗癌剤治療について 吉田
5449-1
5449-2
06/06/26
06/11/28
T   リンパ節郭清について
ホルモン療法とハーセプチン
吉田
加藤
5448 06/06/26 抗癌剤治療の血管炎とリンパ節転移について 吉田
5447 06/06/25 J.M  癌の種類について(HPNo.5370-2) 藤田
5446 06/06/25 ホルモン治療について(HPNo.5345-2) 藤田
5445 06/06/25 乳がんの治療について悩んでいます 藤田
5444 06/06/25 K  乳がん検診結果が届きました(HPNo.5360-2) 藤田
5443 06/06/24 QQ  浸潤性小葉癌について 吉田
5442 06/06/24 S  ホルモン療法について 吉田
5441 06/06/24 C.K.  乳頭の湿疹について 吉田
5440 06/06/24 T.S 針生検の結果について 吉田
5439 06/06/24 A.F.  母の葉状肉腫について 吉田
5438 06/06/24 S.N.   リンパ腺郭清の必要性とセカンドオピニオン 吉田
5437 06/06/24 C.H. 術後補助療法について(HPNo.5202-3) 吉田
5436 06/06/24 M.T.  右乳首の痒みと爛れについて 吉田
5435-1
5435-2
06/06/24
06/06/27
M  病理結果に関して ( 硬癌)
病理結果に関して(硬癌)(2)
吉田
麻賀
5434 06/06/24 S.A エコーとマンモグラフィの結果について 吉田
5433 06/06/24 K.U. 放射線治療について 吉田
5432 06/06/24 kaka 小葉がんについて 吉田
5431 06/06/24 M  術後の検査について 吉田
5430 06/06/23 S.T. 葉状腫瘍について 館花
5429 06/06/23 R.S.  術後補助療法について 館花
5428 06/06/23 T.Y.  乳頭直下の乳癌の温存術について 館花
5427-1
5427-2
06/06/23
06/08/03
I・K 左乳頭の白い斑点について
乳首の白い斑点について(2)
館花
加藤
5426-1
5426-2
06/06/22
06/07/31
K.K 検査結果が心配です
右乳房の痛みについて
吉田
加藤
5425-1
5425-2

5425-3
5425-4
06/06/22
06/06/29
06/07/31
06/08/07
S.N 妻の乳癌について
妻の乳癌について(2)
咽喉の違和感及び胃ポリープについて
抗癌剤の中止
吉田
麻賀
加藤
鈴木
5424-1
5424-2
06/06/22
06/07/05
M.Y.  乳腺線維腺腫について
細胞診後の傷跡について
吉田
石川
5423 06/06/22 ぴーこ 無治療でいいのでしょうか? 吉田
5422 06/06/22 M.K.  今後の治療について 吉田
5421-1
5421-2
06/06/22
06/07/22
M.F.  抗がん剤の効かない乳癌について
抗がん剤動脈注入療法について
吉田
片山
5420 06/06/21 M.M.  乳癌多発性骨転移の治療について 吉田
5419-1
5419-2
06/06/21
06/06/26
H.T.   手術は避けられないものなのでしょうか?
手術は避けられないものなのでしょうか?(2)
吉田
吉田
5418 06/06/21 T  非浸潤ガンなのですが・・・ 吉田
5417 06/06/21 Y   手術後のホルモン療法(HPNo.5282-2) 吉田
5416 06/06/21 K子 乳がんのホルモン療法と子宮がんについて(2)(HPNo.5356-2) 吉田
5415 06/06/21 N  術後療法ゾラデックスの治療期間について(HPNo.3967-3) 吉田
5414 06/06/21 T  術後の治療について 吉田
5413 06/06/20 K CMFの脱毛について(HPNo.5311-2) 河原
5412 06/06/20 Y  乳がん検診の結果について 河原
5411 06/06/20 K  エコーの黒い影について 河原
5410 06/06/20 A.T. 再発率について(HPNo.5385-2) 河原
5409 06/06/20 DQ 術側の怪我について 河原
5408 06/06/20 H.S ホルモン療法の副作用について 河原
5407 06/06/17 T その後の乳頭分泌について(HPNo.5273-2) 矢吹
5406 06/06/17 N.F  妊娠中の血性分泌について 矢吹
5405 06/06/17 Y.A. 乳がん治療方法について 矢吹
5404 06/06/15 T.S. 乳がん手術後の授乳について(HPNo.4808-2) 緒方
5403 06/06/15 I.S. 粘液がんのグレードについて 緒方
5402 06/06/15 M  ホルモン療法について 緒方
5401 06/06/15 Y.K. 術後3年の生理不順について 川本

 

 

 

No.5500-1】 06年07月10日     M
悪性葉状腫瘍について

母(64歳)の病気についての相談です。今年5月に左胸を全摘出する手術をして、非上皮性の悪性葉状腫瘍と告知されました。めったにいない難病と言われました。腫瘍は最初2cmでしたが、手術までの1ヶ月間で10cmになっていました。幸い、まだどこにも転移していないそうです。術後ですが、治療の薬はないとのことで、転移する可能性は高いと言われたのに、何も治療してもらえません。生活に対する注意もなく、今まで通りにとのこと。次は6ヶ月後の検診のみです。母は私の命より大切な人です。どれだけの費用がかかろうとも、少しでも転移を防げる可能性があるなら、どんな治療でも受けたいです。東京の大きな病院でも治してもらええないでしょうか? この病気が稀なため、情報が入りません。相談しても返事がもらえません。このサイトは1ヶ月かかりたどりつきました。どうかアドバイスをお願い致します。何か効果のある治療法がありますか?どうかお願いします。       

悪性葉状腫瘍には今のところ治療の薬はないとされ、したがって、認可された薬剤はありません。化学療法が有効だったという症例報告はありますが、極めてまれで、無視できない副作用の問題もあります。(文責 石川)

 

No.5500-2】 06年08月08日     M
悪性葉状腫瘍について(2)

お返事頂き、本当にありがとうございました。大変参考になり、感謝しております。申し訳ありませんが、もう一つ質問させて下さい。母は手術後3週間位してから軽い咳をします。一日に3〜5回位です。また、病気のショックからか、話す時に少し息ぎれをして、元気な頃より話しにくそうに見えます。本人はまだ気にしていませんが、私は肺転移?と不安です。手術の翌日に精密検査を受けて異常なし、次は半年後です。現在術後1ヶ月半ですが、このような症状で転移の可能性はありますか?(ただの風邪?) 次の検査を待たずに、主治医に早く相談した方がいいでしょうか?アドバイス宜しくお願い致します。

あまり心配ないように思いますが、時に進行の早い葉状腫瘍も経験しますので、一度、受診してレントゲン、CTなどを受けてはいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.5500-3】 06年12月12日     M
悪性葉状腫瘍について(3)

いつも相談させて頂き、ありがとうございます。母は先日、術後初めてになる半年後の検診を受けました。胸のCTと、お腹のエコーです。肺、肝臓共に異常なしでした。ただ、気になることがあります。それは、2ヶ月前位から咳がよくでる事です。CT検査では肺は異常なしですが、CTでは見つけられない肺転移などありますか? 主治医の先生には、咳の事は話していません。私の心配のしすぎでしょうか。次の検査は、また半年後です。ご意見よろしくお願い致します。

肺転移の有無にかかわらず、2ヶ月以上咳が続くということですので、呼吸器内科を受診されるのがよろしいかと思います。もちろんその際に乳癌術後である旨もお伝えしてください。(文責 谷)

 

No.5500-4】 07年04月01日     M
悪性葉状腫瘍について(4)

いつも相談に答えて頂き大変感謝しております。リンパ浮腫についての質問なのですが、術後5ヶ月頃から左腕の力コブあたりがむくんで少しはれてきて、普段は痛みはないのですが、顔を洗ったりする時に痛みがあり、段々痛みがひどくなっているとのこと。母は左胸全摘出手術の時、リンパ節転移はなかったのでリンパ節を取っていません。また、主治医の説明では、この病気の場合、リンパ節に転移することはめったにないと言われています。この腕のむくみは、術後一般的なリンパ浮腫なのでしょうか? 次の検査まで2ヶ月ありますが、主治医に早急に見て頂くべきでしょうか? 現在術後10ヶ月です。宜しくお願い致します。

一般的なリンパ浮腫の場合もありますし、他に原因がある場合も考えられますので、主治医に一度診てもらうことをお勧めします。(文責 加藤)

 

No.5499】 06年07月10日     Y.S.
術後検査について

お世話になります。私の病院では術後検査として半年ごとに骨シンチを受けることになっているのですが、私の場合、受けるたびに集積があり、そのたびにCTやレントゲンをとることになってしまい(結果は異常なし)、被爆がとても心配です。半年毎の骨シンチは必要でしょうか? 病期はIIAで、現在ノルバ治療中です。宜しくお願いいたします。 

骨シンチで集積があるので、定期的なチェックは必要です。半年ごとの検査は妥当のように思います。ただ、毎回、骨シンチ、CTやレントゲン検査を全て行う必要はないと考えます。腫瘍マーカーは毎回行った方がよいと思います。(文責 石川)

 

No.5498】 06年07月10日     K.M.
ホルモン治療中の市販薬の使用について(HPNo.5243-3)

以前に2回メールさせていただきました(HPNo.5243)。いつも大変参考になっています。ホルモン治療中の市販薬の使用について、ご意見お聞かせください。18年5月から月1回のゾラデックスの注射と、朝・夜1錠ずつのノルバデックスを服用しています。まだ2ヶ月ちょっとですが、沢山の汗とのぼせに悩まされています。疲れもなかなか取れず、朝起きるのもつらい毎日です。その症状を緩和するのに市販薬(たとえば命の母Aとか)を服用しても、治療中の薬の効き目には影響がありせんでしょうか。ご意見、宜しくお願い致します。

服用しても治療中の薬の効き目には影響がないと考えます。(文責 石川)

 

No.5497】 06年07月10日     Y.Y. 
ホルモン療法の副作用について

以前もお世話になった者です。2月からホルモン療法で、月1回ゾラデックスとノルバデックス日1回服用しております。2日ほど前から手首、足に赤く湿疹がでてきました。痛くもかゆくもないです。それと口の中に口内炎が10個ぐらい出来、物が入れられません。これもお薬の副作用でしょうか? お薬は続けた方が良い事は解っているのですが、口内炎もとても辛く、ご相談させていただきました。このような症状は今回が初めてです。よろしくお願い致します。

湿疹と口内炎はゾラデックス、ノルバデックスの薬の副作用の可能性は極めて少ないと考えます。でも可能性は零ではありませんので、良くなる傾向がなければ皮膚科受診されたらいかがですか。(文責 石川)

 

No.5496】 06年07月10日     LBH
マンモトームとのう胞

相談室をいつも参考にさせて頂いています。お忙しい診療中に、多くのご質問へのご返答ありがとうございます。さて、今回私の事でご相談させて頂きます。左乳房に微細石灰化とのう胞があり、マンモトーム生検を実施する事になりました。のう胞は大きいものが2個と、小さいのう胞が5個ぐらいあります。4センチほど大きいのう胞の近くに微細石灰化があり、その組織をマンモトーム生検で採取するのですが、事前にのう胞の水を特に採取する必要はないとの事でした。マンモトーム生検時にのう胞が破れても特に問題はないとのことですが、もし生検時にのう胞が破れ、多くの水が乳房に洩れた場合、どのような症状が出るのか疑問です。担当医へこの質問をするタイミングを失ってしまい、次の診察で生検実施となってしまいます。お手数ですが、心配なので教えて頂きたくメールいたしました。よろしくお願いします。

生検時にのう胞が破れても、乳腺内に洩れる液体量は少なく、まず自然に吸収されてしまうので、問題にならないことが殆どだと思います。(文責 石川)

 

No.5495-1】 06年07月10日    H.Y
石灰化とカルシウムについて

47歳、閉経前です。3年前に左乳房温存手術を受けました。1年に1回、毎年マンモグラフィを受けています。3年目の今年も受診したところ、乳房の表皮近くに、1mm四方の白い像が写っていました。先生は「大丈夫、カルシウムです」と言われたのですが、石灰化とカルシウムは違うのですか? このまま放っておいても大丈夫ですか? よろしくお願いいたします。

ふつう、主にカルシウムが沈着すると石灰化と言います。悪性、良性疾患両方でみられますが、形態・数・分布状態で鑑別できます。主治医が心配ないと言われたなら、おそらく良性なので、放っておいても大丈夫と考えます。(文責 石川)

 

No.5495-2】 06年07月12日    H.Y
石灰化とカルシウムについて(2)

お忙しい中、回答ありがとうございます。もう2,3質問させてください。以前の乳がんは、やはり石灰化があり、そこを調べたらしこりがありました。今回はしこりはふれないのですが、また石灰化が見つかるということは、前回の病歴、私の体質からしても、このままほっておいて大丈夫でしょうか? もし経過観察をするとしたら、次回はどんな検査をしたらよろしいですか? 時期も教えていただけたらと思います。
先日のメールで、「主治医の先生は大丈夫といわれた」と書きましたが、勘違いして書いてしまいました。主治医の先生は、カルシウムとだけおっしゃって、私も、ぼーとしてしまい、左右どちらかも聞くのも忘れました。そんな状態での説明だったため、前回、超音波で石灰化がわかったので、超音波の検査の希望をしたら、超音波はあまり当てにはならないけどとおっしゃっりながら、次回は超音波の予約を取ってくださいました。この石灰化の説明はそれだけだったため、どう考え、今後どのようにしたらいいかわかりません。再質問で申しわけなく思っていますが、アドバイスをお願いいたします。

マンモグラフィーの石灰化は、形、大きさ、分布のしかたで悪性らしさがある程度判断できます。そこを良く聞かないと検査を受ける周期や今後の事は分りません。(文責 石山)

 

No.5494】 06年07月10日    S・S
腫瘍マーカーについて

以前ご相談させていただいたものです。術前からCA15−3が35、術後抗がん剤を開始してからも32→37→44と上昇傾向にあります。FECを4回終了したので、今後weeklyパクリを受ける予定です。この腫瘍マーカーの上昇から、どのようなことが考えられるのでしょうか? 薬剤効果がなかったと考えるべきでしょうか? CEAは術前・術後も基準値内に納まっております。どうかご教授、よろしくお願いいたします。

CA15−3が上昇傾向にあることから、CEAは基準値内でも、再発の可能性が否定できません。これだけでは、今のところ、まだFECの薬剤効果がなかったとは言えないと思います。(文責 石川)

 

No.5493】 06年07月10日     H 
肺転移でしょうか?

いつもこちらの相談室を拝見させていただいております。術後3年の検査のCTで、肺に2,3ミリの小さい点を5個指摘されました。2003年6月、左全摘、当時58才、3cmの充実腺管ガン、リンパ16分の1転移、グレード3、術後CEF6クール、最初ノルバ(3ヶ月)、その後アリミデックスで現在に至っております。まだ小さすぎて判断できないので、6ヶ月後にCTを撮り比較するそうです。それ以前の画像とは、機械が変わったので比較できない由。まだ心配しなくてもよいと言われましたが、自分ではもう転移と受け止めてしまいました。6ヶ月もこんな状態で過ごすのも辛いものがあります。3ヶ月後では変化をみることができないものでしょうか。再発なら、早く見つけても、症状がでてからでも、予後に変わりないというお話もよく聞きますが、患者としては早い時期に治療を始めた方がよいのではないかと、どうしても希望的に考えたいです。再発予防のためにつらい抗ガン剤もやったつもりでしたが、再発ならとても残念です。のどの違和感、たんが切れにくい状況が、もう2年前くらいからあります。これは関係ないことでしょうか。もし肺転移、再発としたら、どのような治療があるのでしょうか。なおHer2は+2、腫瘍マーカーは変化なしです。お忙しいと存じますが、先生のお考えをお聞かせ頂ければ幸いです。

3ヶ月後に変化をみることはできます。私は、肺腫瘤の場合、経過をみる時には、原則として診断がつくまで1ヶ月毎に検査しています。のどの違和感、たんが切れにくい状況は肺腫瘤とは関係ないと思います。もし万一肺転移、再発だとしたら、他の抗癌剤(タキサン系薬剤、など)もあります。Her2が+2なので、FISH法(蛍光抗体法)でも検査して、陽性なら分子標的治療剤(Trasutzumab:ハーセプチン)が使えます。(文責 石川)

 

No.5492-1】 06年07月10日     R.I. 
乳がん治療について

お忙しい中恐縮ですが、妻(43歳)の乳がんについてご相談させてください。昨日病院で乳がんと告知を受けました。MRIやマンモグラフィー、細胞検査(バイオプシー)などの結果です。左胸に約10cmのがんがあり、リンパ節にも転移があります。胸にこぶのようなでっぱりがあります。がんが大きいため現状では手術ができないので、まず8回の化学療法を行い、がんを小さくして手術を行うとの治療方針です。
7月7日、一回目予定です(以後3週おき4回、その第二回目)。当方海外に住んでおります。病状が進み帰国できなくなることを恐れています。どの時期で帰国するのがベストでしょうか? すぐ帰国するにも準備等で日本での治療開始が遅れるより、早速こちらで開始したほうが良いのか?と思っています。
病状にかんする質問
1) この状況では何ステージでしょうか?
2) 化学療法中に容態が急変することがありますか?
3) がんがどの程度の大きさになれば手術可能でしょうか?
4) 一般的に化学療法で、どの程度小さくできるのでしょうか?

以上アドバイスいただけたら幸いです。

1) 遠隔臓器転移がなければ、T3N1またはN2でstage VA、浮腫・潰瘍・結節などの皮膚病変や胸壁固定を伴っていれば、stage VB、もし遠隔臓器転移があればstage Wとなります。
2) 化学療法中に容態が急変することが無いとは言えません。
3) 副作用との兼ね合いもありますが、がんが小さくなればなるほど、手術のタイミングとしてはいいと思います。
4) 術前化学療法が著効の場合、腫瘍が消失することも有り得ますが、必ずしも効果があるとは限りません。効きにくい場合もあります。(文責 石川)

 

No.5492-2】 06年07月12日     R.I. 
乳がん治療について(2)

お忙しい中、ご回答頂き有難うございます。質問ばかりで恐縮です。
1) 化学療法中に「容態が急変する可能性がないとはいえない」との事ですが、どのような場合が考えられますか?
2) 化学療法中の副作用の一つとして白血球の低下のための感染症があると聞きました。白血球の数がどのくらいになったら要注意でしょうか? また発熱した場合、解熱剤等の薬を勝手に飲んではいけないのでしょうか? 発熱した時の処置をお教えください。

1) 強力な化学療法では関連死といって副作用死が僅かにあります。海外の文献では、大量化学療法で2%の死亡率というものもあります。主なものは白血球減少による感染や消化器症状から来る出血や下痢、腎障害など、それぞれ薬特有のものもあります。
2) 有熱性の白血球減少は治療の対象となりますが、一般的にはGCSFという白血球を増やす薬があるので、あまり心配なくなってきています。私のところのCEF療法では、白血球2000以下なら休薬という基準を作っています。(文責 石山)

 

No.5492-3】 06年09月18日     R.I. 
抗がん剤の副作用について

HPNo.5492で妻の乳がんについて相談したものです。フランス在住です。またご相談したくMailしました。宜しくお願いします。現在、術前化学療法を実施し、4回目が終了しました。Epirubicine(140mg) Cyclophsphamide(1300mg) 体表面積1.78m 2、3週おき投与。次回からTaxotereを4回にわたり投与予定です。Taxotereの主な副作用を教えてください。
1) マニキュアを塗るように指示を受けたのですが、爪が悪くなるのですか?
2) 投与前にSolupredとAZANTACを飲むように指示を受けました? はれ防止の薬のようですが、どのような目的で飲むのでしょうか? 筋肉についての症状を言われたのですが、フランス語で十分理解できませんでした。
3) その他、主な副作用について教えてください。
4) 日本では80mg/mが投与上限と聞いていますが、海外では100mg/mと聞きました。副作用が強く発生する確率が高くなるのでしょうか?
5) Taxotereと一緒にHerceptinを使用する予定でしたが、HER2陰性のため使用しないことになりました。HER2というホルモン受容体は何の指標なのでしょうか?「陰性なので薬の必要がない」なら良いのですが、「陰性のため薬が効かない」のであれば、ほかの方法を探す必要があるかと思いますが、いかがでしょうか?

長くなりましたが、宜しくアドバイス願います。

1) 現時点ですでに爪が褐色に変わっているかもしれませんが、タキソテールを使うと更に爪の変色・変形が強くなり、ひどい場合は爪が抜けてしまうこともあります。爪の変色が気になるようならば、マニュキアでカバーすることもあります。
2) SolupredとAZANTACはフランスで発売されている商品名のようです。日本の薬では、Solupredはステロイドホルモン剤(プレドニン)、AZANTACはH2ブロッカー(ザンタック)に相当するようです。いずれもタキソテールによるアレルギー反応を予防するために投与される薬と考えられます。
3) 患者さん本人にとって辛い副作用は、脱毛、全身倦怠感、むくみ、味覚異常、手指のしびれ感、爪の変形、口内炎などです。医学的には白血球減少とそれに伴う発熱(肺炎、扁桃炎など)に十分気をつける必要があります。
4) 確かに副作用はかなり強く出ることが予想されます。ただし、80mg/m2に比べて100mg/m2のほうが治療効果も高い可能性があります。日本でも一部の施設で100mg/m2の投与が行われるようになってきました。
5) HER2はホルモン受容体ではありません。血中の細胞増殖因子に対する受容体です。HER2が発現している乳癌は、一般に悪性度が高いと考えられています。HER2レセプターが陰性の乳癌に対してHerceptinを投与しても効果は期待できません。もし奥様の乳癌でホルモン受容体が陽性の場合は、化学療法終了後にホルモン治療を追加します。(文責 千島)

 

No.5491】 06年07月10日     T.K
母の術後治療について(HPNo.5137-3)

お忙しいところいつも質問にお答えいただいて有難うございます。先日、母(54歳、閉経、3人出産)の病理結果が分かり、術後治療はホルモン療法(カプセル)のみとの事でした。術前治療(抗がん剤治療タキソール12クール・赤い液4クール)を受け、約1.5cmあった胸のがんはほぼなくなり、リンパの転移は1/21でした。術後に放射線治療と思い込んでいたのですが、ホルモン治療のみで大丈夫なのでしょうか。放射線治療があるのと無いのとでは生存率はどれくらい変わってくるのでしょうか。母はあまり病理結果を覚えて帰ってきませんでした。娘としてはガンのタイプやグレードを知りたかったのです。少ない情報ではありますが、術後治療として最適であるかお教えくださいませ。放射線治療が少しでも有効であれば先生にお願いしたいと思っております。

手術方法が乳房温存術なら、術後に放射線治療を行うのが一般的です。術後の放射線治療で、かなり局所(乳房内)再発の可能性は減ると考えられます。術前にかなり化学療法を施行しているようなので、術後治療はホルモン療法のみなのだと思います。病理結果が詳しくわかりませんので、やはり主治医に会って、説明を受け、直接聞いたほうがよいと考えます。

 

No.5490】 06年07月07日     S  
術後の補助療法、再発率について

いつもこのホームページを参考にしております。2005年(昨年)9月に左乳癌温存手術を受けました。手術時47歳閉経前です。以下病理の結果です。術前のエコーではリンパ転移は無いものと言われ安心しておりましたが、実際はセンチネルに2個転移しておりました。腫瘍径1.5×0.9と0.8×0.6の二つ。乳頭腺管癌。切除断片・・陰性。波及度・・乳腺。リンパ管侵襲・・+ly1 血管侵襲・・− v0  ER陽性20パーセント  PR陽性20パーセント グレード1 HER2・・陰性  リンパ節転移2個  切除リンパ43個。
術後の補助療法でFECを3週サイクルで4クール。ただし一回めにファルモルビシンを100mg/mm2投与したのですが、白血球が1000、好中球が100までさがり、高熱がでて入院したため、2回目からは量が減量されました。それでも3週では白血球数があがらないので、3回目と4回目は4週サイクルとなりました。そのあと、タキソテールを3週サイクルで100mg/mm2を4回受けました。どちらも吐き気の症状は軽く、一般に副作用が軽いと言われるタキソテールのほうが、舌のざらつき感や、全身のかゆみ、皮膚のしっしんなどがひどく、また発熱が必ずあり、つらかったです。放射線治療は、組織内照射でうけました。5月始めよりのノルバデックスDを毎日服用しています。生理は1回目の抗ガン剤が終わって1度あったきり(昨年11月)で、その後は一度もありません。
1) 主治医はリンパ節転移があったことにより再発のリスクは高く、このまま無治療だと40パーセントの再発率で抗ガン剤によってそのリスクを20パーセントにまでおさえる可能性があると言われました。そのような認識でよいのでしょうか。
2) リンパに転移があることは、何より悪い要素だと思いますが、実際にリンパに転移があっても完治することができるのでしょうか。
3) 腫瘍径が小さい割にリンパに転移していたということは、進行が早いのでしょうか。また43個のリンパを郭清したのは多い気がするのですが、これは、予想外にセンチネルに転移があったので、状況判断のためより多く郭清された、と考えればよいでしょうか。
4) 血液検査等で閉経が確認されれば、ノルバデックスD以外のホルモン剤に変わる可能性があるように思いますが、どのような選択肢があり、またどのような副作用があるのでしょう。
5) 2ヶ月ほど前より腰に違和感を感じ、時々痛いのですが(ガマンできないほどではなく、ぴりぴりした感じです)、RIやCT等の検査はいらないでしょうか。次の診察は8月なのですが、不安なら早めに検査するにこしたことはないと考えるべきでしょうか。

1) 主治医はリンパ節転移があったことにより再発のリスクは高く、このまま無治療だと40パーセントの再発率で、抗ガン剤によってそのリスクを20パーセントにまでおさえる可能性があると言われたそうですが、そのような認識でよいと考えます。
2) リンパ節に転移が多いほど予後不良ですが、実際にリンパ節に転移があっても完治することは少なからずあります。リンパ節転移個数が10以上でも完治した人をたくさん経験しています。
3) 腫瘍径が小さい割にリンパに転移していたということは、組織学的悪性度グレード1ですが、臨床的には悪性度が高く、進行が早いとも考えられます。センチネルリンパ節に転移があり、他のリンパ節にも転移の可能性があり、しっかりリンパ節を郭清したので、結果として43個のリンパ節になったので、多すぎるということはありません。
4) 閉経となれば、アロマターゼ阻害剤に変わる可能性があると思います。これは骨粗鬆症などが起こりやすくなるなどの副作用があります。詳しくは主治医にお尋ねください。
5)腫瘍マーカー、RIやCT等の検査はしておいた方がいいと考えます。不安なら早めに検査するにこしたことはないと思います。(文責 石川)

 

No.5489】 06年07月07日     M 
乳腺症の術後について

15年程前1センチのしこりが見つかり受診したところ、半年毎に通院するようにとのことで通っておりましたが、家庭内の忙しさにかまけ中断してしまいました。しかし最近になって、しこりが2センチ程になり痛みもあるため大学病院の外科に受診しました。さまざまな検査の結果、粘液癌の疑いがあるので手術を勧められ、日帰り手術を受けました。結果は幸い乳腺症との事でした。術後、1ヶ月、3ヶ月、1年と診察を受け、今回で最後とのことで治療は終了となりました。が、以前の先生の説明で、また少しずつ大きくなってくるとのことでしたので、一年毎に経過観察していただけると思っていたのですが、終了となり不安に思っています。この様な場合、経過観察はしなくても良いものなのでしょうか。また、癌化する事もありうるのでしょうか。59歳既婚で、子供は一人です。お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくおねがいします。

乳腺症では普通経過観察はせず、定期検診(1年毎など)となります。乳癌がややできやすいとも言われ、できてもわかりにくい場合があるので(臨床的にも病理組織学的にも乳癌と乳腺症と鑑別することが非常に難しいのです)、乳腺症は定期検診をお勧めしています。(文責 石川)

 

No.5488】 06年07月07日     H・M
浮腫みについて(HPNo.3186-5)

以前にHPNo.3186でご相談を何回かした事があります。1年半前の手術(リンパ節の転移なく、非浸潤癌)で、放射線治療の後、1年と少し前よりノルバデックスD20mgを1錠ずつ服用して現在に至っております。年齢は3月で68歳になりました。半年位前よりいつも診て頂いている内科の先生に『むくみがありますね』と言われています(血圧が高めなので、ひと月に一度通院しております)。『血液検査、尿検査、心電図の検査の結果は、むくみが出るような兆候は無いので、今度癌の検診に行ったとき主治医の先生にホルモン剤でむくむことがあるかどうか聞いてごらんなさい』と言われました。早速、次の検診で『もし、今服用しているお薬の可能性があるなら、種類を変えることは出来ませんか?』と伺ったのですが、主治医の先生がお休みで代診の先生でしたので、決定してはいけないとでも思われたのでしょうか、どうもご説明がはっきりせず、結局そのまま服用し続けております。その後半年の間に2回検診があったのですが、主治医の先生はお休みで、毎回違う先生が代診で診て下さいます。またお聞きしても同じ事かと思い躊躇しておりますが、最近浮腫みが少しひどくなってきたようです。内科の先生に腎臓の検査をしてくださる病院を紹介してもらおうかとも思っておりますが、その前に服用の薬との因果関係がありやなしやを、もう少し教えて頂けないでしょうか。先日新聞にもありましたように、薬の副作用は一筋縄ではいかないことは承知しておりますが、骨がもろくなる、子宮がんになる率が上がる、非浸潤癌にはデーターがよい、などなど、メリット・デメリットを並べられても、素人はどうしてよいか混乱するばかりです。私の場合、浮腫みとお薬の関係はどう考えた方がよいのでしょうか。素人考えで「お薬の為なんだわ」と放っておいて、重大な病気の兆候だったりしたらと思うと、とても心配です。
1)浮腫みと服用薬との関係 2)薬の種類を変えることのデメリット についてお教えください。

1) ノルバデックスD20mgの服用で、体重増加はありますが、浮腫がでるということは普通考えられません。
2) ご自身でもご指摘のように、薬の副作用は一筋縄ではいかないことも事実なので、疑わしいときには薬の種類を変えることは当然のことと言えます。非浸潤癌ですし、68歳という年齢から、アロマターゼ阻害剤に変えるのは、合理的と考えます。(文責 石川)

 

No.5487】 06年07月05日     K  
骨粗鬆症薬とハーセプチンの予防効果について

2003年4月に乳房温存手術を受けた54歳の女性です。リンパ節に5つの転移があり、2期aでした。放射線、化学療法(AC+T)の後、2004年1月よりアリミデックス、2006年1月よりアロマシンを服用しています。2005年8月の血液検査で1CPTが4.7とやや高めでしたが、2006年2月の検査では4.2と下がり、まずは安堵といった状況にあります。最近新聞で、「骨粗鬆薬エビスタが乳がん予防に効果」との記事を読みました。また、ハーセプチンを再発予防に用いている病院もあるようです。私としては、エビスタ、ハーセプチンともに再発予防として少しでも効果が見込めるのなら、早めに投入してもらいたいと思っているのですが、
1) 術後のホルモン療法に骨粗鬆症薬エビスタを加えることをどのようにお考えでしょうか。
2) 加えて更にハーセプチンを用いることをどのようにお考えでしょうか。(なおHER2の受容性はまだ伺っていません。必要なときがきたら教えるといわれて、今日に至っています)

1) 術後のホルモン療法で骨粗鬆症になりやすい傾向があるので、また乳がん予防に効果があるのが真実ならば、エビスタを加えることは一石二鳥の効果が期待できるので、個人的には使いたいと考えています。
2) ハーセプチンはHER2の受容体が陽性なら、効果あると思います。しかし、現在保険では再発に対してだけで、術後の予防投与は認められていません。(文責 石川)

 

No.5486】 06年07月05日     A
乳管造影について(HPNo.5298-3)

先日、相談させていただきましたものです。様々な検査をした結果、悪性の所見はなかったのですが、片方の一箇所から血清分泌物がでるので乳管造影検査をすることになっていました。こちらの相談室でも「考えられる病気は、乳管内乳頭腫又は乳がん」との回答を頂いておりました。先週、乳管造影検査がありました。最近、これまであった分泌物がほとんどありませんでした。そして検査当日もやはり分泌物が少なかったようで、乳管に針が入らず、検査中止となりました。結局、「3ヵ月後にエコーで診てみましょう」と言われました。乳管内乳頭腫と乳がんは、実際にその病変を取ってみないと悪性なのか良性なのか判断が難しいと聞きました。このまま3ヶ月も不安な気持ちで生活しなけらばいけないのでしょうか。先生がブツリと「う〜ん、やっぱりホルモンの影響を受けやすいだけなのかな〜」なんて言っていました。片側一箇所からの血清分泌(少量・目で見てもわからないくらい)でも乳腺症や乳管拡張症などの病気ということもあるのでしょうか。恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

片側、一箇所からの血清分泌でも乳腺症や乳管拡張症などの疾患ということはあります。担当の先生の「やっぱりホルモンの影響を受けやすいだけなのかな〜」という言葉は、それを疑わせます。乳管内乳頭腫や乳がんでは、分泌物はたえず続いており、なくなるということはまずありません。3ヵ月後にエコーで診ることで良いのではないでしょうか。(文責 石川)

 

No.5485】 06年07月05日     C.H.
タキソールの投与方法(HPNo.5202-4)

HPNo.5202でお世話になりました。私の場合のタキソールの標準的な投与方法を教えてください(回数、量など)。身長157センチ、体重54キロです。

投与量は患者さんの体表面積(身長と体重から割り出します。日本人では1.5u前後です。→/u)に応じて計算します。体表面積に関係なく投与量を決定する場合もあります(→/body)。海外における単剤での投与量は100mg/uですが、日本では1997年に投与量60mg/uで承認され、現在では70mg/uまで投与可能です。投与間隔も3週に1回、2週に1回、毎週など、いろいろ行われています。総投与回数も、施設や担当医によって、また患者さんの状況によって違ってくると考えられます。詳しくは、主治医にお尋ねください。(文責 石川)

 

No.5484-1】 06年07月05日      N.T. 
骨盤転移について

初めてご相談いたします。年齢38歳、3歳の子供がいます。6月で1年が経過しました。右全摘(乳頭温存)、T期。病理結果は、微小(1ミリ)浸潤性乳管癌、リンパ転移なし 0/13、ホルモン依存性。ノルバのみ服用していました。1年目の検査では、マンモ、エコー、レントゲン、CT、採血の検査、すべてクリアしました。2人目の子供を作る方向で、薬の服用を中止しました(出産後再開予定)。以前から肋骨の痛みが気になり、安心のために先週初めて骨シンチをしたところ、ノーマークだった骨盤(右側)に集積がありました。早速、骨盤のレントゲンを撮り、問題なし。念のためCTを撮ったところ、白抜きで何かが写っていました。主治医は『転移の場合は、黒抜きで写る。骨の変性だと思うが、何かあるのは確かなので、整形外科で見てもらったほうが良い』と紹介状を頂き、整形外科へ行きました。整形外科では『骨を作る癌は白抜きで写ることもある。MRIでも判明するか微妙だが、生検なら間違いない』との事。まずは後日MRIを受けることにはなりました。転移の場合、CTの画像で白抜きで写るることはありますか? 仮に骨の変性であれば、心配ないでしょうか。MRIでも判明しなければ、生検すべきものでしょうか。妊娠希望のこともあるので、経過観察で検査は難しくなってきます。主治医も整形の先生もはっきりわかならいといった状態で、不安な日々を過ごしています。

転移の場合、CTの画像で白抜きで写ることは、稀ですがありえます。骨の変性であれば心配ないと考えます。MRIでも判明しなければ、生検せず経過をみることのほうが多いと思います。骨シンチは関節炎などの炎症・変性疾患、骨折などの多くの良性疾患でも集積がみられ、転移に関しては偽陽性の場合が少なくない検査方法です。(文責 石川)

 

No.5484-2】 06年07月19日      N.T. 
骨盤転移について(2)

HPNo.5484で質問させていただいております。再度ご相談いたします。MRIの結果、読影医の所見では『転移が最も疑われる』との事でした。乳腺の主治医は『画像的にみても、初発の病理結果的にも転移は考えにくい』との事ですが、はっきりさせる為に整形外科にて生検手術を受ける事になりました。整形外科医は『MRI画像では転移で間違いないと思うが、骨シンチの画像は良性っぽいので五分五分』との事。12月の腫瘍マーカーが、NCC-ST439→13でした。正常な人でもこれくらいの数値はあるので問題ないとの事で、このマーカーは前回のみしか検査していません。CEA、CA15-3、1-CTPについては基準値内です。先生方の見解が違うため、どう受け止めるべきか困っています。
1) MRIで疑いがあっても、良性と結果がでるものでしょうか?
2) 病理結果的に腸骨への転移の可能性はどれくらいでしょうか?(右全摘(乳頭温存)、T期。微小(1ミリ)浸潤性乳管癌、リンパ転移なし 0/13)
3) 転移だった場合は、どのような治療法が良いでしょうか?
4) NCCの腫瘍マーカー値は、転移の兆候だったとも考えられますか?

質問ばかりで申し訳ございませんが、何卒、よろしくお願いいたします。

1) 画像診断はすべて100%確実というわけではありません。MRIで疑いがあっても良性と結果が出ることも十分にありえます。
2) 数字はお示しできませんが、病理の結果からは転移の可能性は低いと考えられます。
3) 全身療法としては、まずLH-RHアゴニスト(ゾラデックス、リュープリン)+ノルバデックスによる内分泌療法が考えられると思います。場合により、局所への放射線療法の追加も考慮されると思います。
4) 一回のみの測定結果であり、なんともいえないと思います。(文責 片山)

 

No.5483】 06年07月02日      S.S. 
病理検査結果を詳しく聞けません

いつも拝見させて頂き、とても参考になっております。私(67歳)は4月18日に左乳房上部内側の温存手術を受け、術後放射線照射を5月8日から6月9日まで25回受けました。現在はアリミデックスを服用中です。病理検査結果は「T1、NO、MO(しこり2センチ)、センチネル0/1 、 ホルモン受容ER/PR+++/+++」の説明を受けました。相談者の方は自分の検査結果を詳しく述べられていますが、私はあまり知らないので診察日に尋ねたところ、「上記以外のことは知らなくてもいい」と言われました。主治医はとても患者が多くて、二つの診察室を持っていらして、先生のお話が終ると、こちらから話をする間もなくて立って行ってしまわれます。別の日に執刀医の先生(同じ病院ですが、主治医と執刀医は別です)にお聞きしましたが、同じ答えでした。私としてはどのように解釈していいのか悩んでいます。詳しく知らなくても、今後の生活態度、そして治療や検査には影響は無いのでしょうか。よろしくお願いします。

確かにここに書いてある情報を知っていれば十分かも知れません。あと教えてもらうとしたらハーセプテストの結果くらいでしょうか。(文責 麻賀)

 

No.5482】 06年07月02日      HM
術後治療について

41歳です。昨年4月に出産後(初産)、授乳中にしこりを自覚しました。2005年11月末に「乳管癌、リンパ節転移有り」と診断されました(ステージUb)。2005年12月から術前化学療法をしました。EC4クール・タキソテール4クールを終え、2006年6月7日に手術しました(温存)。病理結果は、ホルモンレセプター、HER2ともに陰性。リンパ節転移は1個(何個とったかは確認してません)。今後の治療は25回の放射線照射の予定です。抗がん剤を使用したにも関わらずリンパ節に癌が残っていたので、再発・転移が心配です。再発転移予防にもう一度化学療法をしたいと思っていますが、どうなのでしょうか? 高齢出産で子供が20歳になるまで頑張るつもりでしたが、乳がんになり、再発の確率や生存率をみると怖くてたまりません。1%でも確率があがるのであれば、どんな治療をしてもいいと思っています。免疫療法(乳がんに奏功するかはわかりませんが)もどうなのでしょうか? どうぞよろしくお願い申し上げます。

術前抗癌剤治療が始まった頃は手術後の病理検査でリンパ節転移が陽性であっても、あなたのようにホルモン感受性がない人では特に薬物治療は行っていませんでした。しかし、術前抗癌剤治療後の手術でリンパ節転移があった場合は、やはり再発の多いことが指摘されはじめています。あなたのような方にどのような抗癌剤治療を行ったらよいのかまだわかってはいません。 CMF、ゼローダ+エンドキサン、ナベルビンなどがその候補に挙げられる薬剤だと思います。このうちいくつかは臨床試験も始められているようです。(文責 麻賀)

 

No.5481】 06年07月02日      H.T..
良性の可能性について

本日健康診断を行って参りました。乳がん検診のエコーで、帰り際に頂いた乳がんに関するパンフレットにのっていたがんの所見と(素人目には) 同じ黒い影をいくつか見せられ、同時に”触っただけでもごりごりするものねえ。”と言われました。最近長年住んだ海外から戻ったばかりで、あちらでは”ごりごり”は、”乳腺がブロッコリー状なだけでしょう”と言われ、何ら検査を勧められたことがなかったので、突然のことでショックを受けております。帰り際に”マンモグラフィーの結果と見合わせて医師が判断するので、今はなんとも言えません”と言われました。1週間後くらいには検査結果が出ますが、がんと同じような影でも良性である可能性はあるのでしょうか? 良性である可能性がゼロならば、それなりの心の準備が必要なので(反対にゼロでなければ少なくともこの先1週間は希望が持てるので)、お答え頂ければ大変幸甚です。どうぞよろしくお願い致します。

このお話だけではなんともいえません。1週間は長いかも知れませんが、結果が出るまで待つしかありません。(文責 麻賀)

 

No.5480】 06年07月02日      H.W.
この治療方針でいいのか不安です

3月に右の乳房切除術をしました。結果はリンパ節転移が2個です。12個とって、そのうち2個みつかったと伝えられました。現在の治療は、ホルモン療法ゾラデックス、薬はTC438を飲み始めたところです。「まだこれだけだからと」伝えられたのですが、このままこの治療方針でいいのか不安です。年齢は45歳です。

ガイドライン的にはホルモン治療単独でもホルモン治療+抗癌剤治療でもよいとなっています。私なら転移が2個あるので抗癌剤→ホルモン治療のほうを勧めます。(文責 麻賀)

 

No.5479】 06年07月02日      W 
転移?

いつも参考にさせていただいております。3月に乳房温存手術、センチネル生検をし、転移が見られないということで郭清はしておりません。その後30回の放射線治療をし、現在ノルバ、ゾラのホルモン治療中です。手術した側の肋骨が、してない方に比べて腫れている気がします。触れると少し痛みがあるのですが、転移の可能性はありますか? 骨シンチをした事ないのですが、術後どのぐらいでするものなんでしょうか?

担当医に相談してください。必要なら肋骨のレントゲン、MRI、骨シンチなどを行ったらどうでしょうか。(文責 麻賀)

 

No.5478】 06年07月02日      M.Y. 
再発について

私は現在51歳です。乳がんのステージは2aです。2003年12月手術を受け、翌年の5月半ばまで抗がん剤(タキソール)4クール・その後アルミデックスを服用しています。そこでお尋ねしますが、抗がん剤投与前までは、生理は正常通りあり、抗がん剤投与後は止まっていたので、閉経後ということでアルミデックスの服用になったのですが・・・。今日の朝、1年半ぶりに生理らしき不正出血があり、再発なのかとても不安です!アドバイスをお願いします。

出血は再発には関係ないと思います。ただ51歳なので卵巣機能(E2とFSH)を調べ、閉経後であることを確認しておくほうがよいでしょう。(文責 麻賀)

 

No.5477】 06年07月01日      Y.Y
ホルモン治療中の避妊

05年12月に乳ガンの手術をしました。現在リュープリンを月に一度腹部に注射し、ソシゲーン錠を一日、朝と夕服用しています。ホルモン治療中は避妊をしたほうがいいのでしょうか? 治療中でも妊娠する可能性があるのですか? 生理が止まっていますので、妊娠の可能性は無いと思っており、現在避妊はしておりません。 夫もそのように思っているようです。また、避妊をしない事で乳ガン、子宮ガンの影響はあるのでしょうか? なんとなく、このような話は主治医に聞けなくて...。自分の身体なのですが、色々な不安などから、判断が鈍くなってきています。どうか教えをお願い致します。

リュープリンを注射しているのなら妊娠することはないと思います。(文責 麻賀)

 

No.5476-1】 06年07月01日      Y.U.  
クラスV

34歳、7歳と1歳9ヶ月の子の母親です。乳がんを意識しはじめて、五年になります。経過が長いのですが、よろしくお願いします。
2001/7 流産後、左胸の痛みと両側のしこりでマンモグラフィー、エコーで乳腺症と診断。
2003/9 マンモグラフィーとエコーで、マンモグラフィー:「右乳房nipple近傍に5ミリほどの粗大な石灰化を認めています。良性石灰化です。左乳房に明らかな石灰化を指摘できません。両側乳房ややdenseです。明らかな腫瘍性病変は指摘できません。」 診断:右乳房良性石灰化。明らかな腫瘍性病変は指摘できません。  エコー:「右側CED領域に約4.4(mm)のASを伴ったstrong echo.を認めます。 その他明らかなmass lesionは認められません。」  診断:右側良性石灰化
2004/7 妊娠33週(第二子)、右乳頭よりオレンジ色の分泌物に気づく。複数の穴から出ており、そのすべてがオレンジ色。しこりは無し。A産院で、「妊娠中の血乳はよくあることだから心配いらない」と言われ、自分でもインターネットでそのことを確認しましたが、念のため乳汁の細胞診をしてもらう。*保存液等は何も入っていない試験管のようなものに右側の乳汁だけを搾っていれる。右側乳汁細胞診 結果:クラスV(右側のみ) コメント/「乳汁cellか、核異型の見られる胞体のやや広いcell clusterがあります。クロマチンの増量が見られます。 No frank carcinoma cell is seen.」   赤血球 +  好血球 +  リンパ球 ++ 泡沫cell + 。  この後左側乳頭からもオレンジ色の複数の穴からの分泌物に気づく。 B病院外科受診。 触診:しこり無し  エコー:右側乳管拡張  「出産前、授乳中は拡張する。クラスVなんて山ほどいる。定期的に検診を受けていくしかないです」と言われる。 かかりつけの外科、内科受診。  「ガンの時にクロマチンが増える。でも大丈夫。ガンじゃない。」
2004/8 妊娠35週。A産院より紹介してもらい、K大学病院乳腺外来受診。この頃より乳汁は白色に変化。 触診  : しこり無し、 エコー : 両側乳管拡張。右側にのう胞。  乳汁細胞診 : 両側クラスU 。血性(−)、ガンの時にできるたんぱく質(−)。保存液のようなものが入った試験管様の容器に左右別々に乳汁を搾る。  「半年後に受診してください」
2004/9 出産(第二子)。母乳良好
2005/3 K大学乳腺外来再受診(授乳中)。触診:しこり無し エコー:右側ののう胞縮小 乳汁細胞診断:両側クラスU。 保存液のようなものが入った試験管様の容器に左右別々に乳汁を搾る。 血性、ガンのときにできるたんぱく質の検査は、していない。 「一年後に受診。今やっている検査方法が一番よい方法です」
2005/8 左側に米粒大のしこりに気づく。市の保健センターでエコー:右側良性石灰化、 左側異常なし、  両側乳管拡張
2005/9 K大学再受診。   エコー:同上結果、 マンモグラフィー:異常なし(断乳直後のため真っ白)、   「一年後に受診」
2005/11 M乳腺クリニック受診(母乳まだ出ている)。  触診: 右側に軟らかいしこり。  エコー: 異常なし。  右側乳汁細胞診:クラスU。  血性マイナス 。 ガラス板に乳汁をつけ、スプレーをかけるやりかた。この頃左側の米粒大のしこり消える。  「以前クラスVがでたのは、あまり深刻にならないように。クロマチンはガン以外の時でも増える。クロマチン増量=ガンではない。細胞が活発に活動していると増える。妊娠中で乳腺の細胞分裂が盛んだったため、クロマチンが増えていたのかも。核異型は、疑わしいものならWをつける。定期的に検査をしていく必要はあるが大丈夫。」
2006/5 市の保健センターでエコー:右側良性石灰化 。 左側異常なし。  この頃不正性器出血で、婦人科でテルロン、その後止まらずソフィアA を一日二条服用。 ちなみに1999/1第一子出産後、不妊症となり、2001/2〜2003/12第二子妊娠まで不妊治療を受けています。 クロミッド16クール服用、内、約10回ほどは、排卵誘発の筋肉注射、黄体ホルモンの注射を加えました。治療中に、二回流産しています(2001/6と2002/8)。治療を休んでいる間はプラノバールを服用しています。

第二子出産直前、クラスVがでたことが気がかりです。
1) クロマチンはガン以外の時、どういう要因で増加するのか、妊娠中だったことが、本当に影響していたのか、
2) また「核異型のあった胞体のやや広いcell cluster」は将来、ガン化するものなのか、このままなのか、自然消滅してしまうものなのか、
3) 両側の乳頭がかゆい時があります。特にただれているようなことはありません。触診の際にもなにも言われていません。乳ガンと関係ありますか
4) こういったケースは今後どうしていったらよいのか

などをご指導いただければ幸いです。子供もまだ小さく、義父の介護も手伝っています。忙しい毎日ですが、いつもたまらない不安をかかえています。「大丈夫、大丈夫。今は乳がんは助かるんだから、まだまだ子供たちのそばで生きていける」と日々、自分に言い聞かせています。あちこちに溢れる情報を自分であつめれば集めるほど不安が大きくなります。正直、クラスVがでたことを否定したい気持ちでいっぱいです。お忙しいところ、大変恐縮ですが、よろしくおねがいたします。

1) 妊娠中であったことがそのような結果になったものと思います。
2) 癌化するとは思えません。
3) 関係ないと思います。
4) 経過観察すればよいと思います。(文責 麻賀)

 

No.5476-2】 06年09月14日      Y.U.  
乳頭からの出血

6月30日にご相談した、7歳と2歳になったばかりの子がいる主婦です。前回は、妊娠中に乳頭からの血性の分泌物にクラスVがでた事でご相談しました。お返事いただき、ありがとうございました。
現在年に一度の検診を大学病院でしている最中です。7日にエコーとマンモグラフィーを受けました。11、12、13日に両側の乳汁を保存液のようなものの入った試験管にいれて14日に提出し、21日に結果をすべて聞く予定です。一年前に第二子の断乳をしていますが、まだ白や透明、透明にオレンジやクリーム色が混じった分泌物がでています。第一子の断乳後からずっと透明、オレンジ、クリーム色の分泌物がでていました。結婚する前から乳首に白いかすがついていることもありました。今日入浴時、左側をしぼってみたところ、一箇所からはっきりした出血がありました。以前クラスVがでたのは右です。7日に病院で絞ったときは、透明にオレンジからクリーム色のものが混ざったものが出ていました。他のところからは、両側とも白や透明、透明にオレンジやクリーム色が混じった分泌物がでています。5月に自治体の保健センターでエコーを受けた時は異常ありませんでした。
以前インターネットで、「妊娠後期や出産前後に、母乳は血液からできているので血性の分泌物がでることがある」とみたことがあるのですが、この出血もそれと同じと考えていてよいのか、悪いものの可能性が高いと覚悟しておいたほうがよいのか、今とてもショックを受けています。まだ小さな子供たちのことを思うと、いてもたってもいられません。二週間あとに一応結果がでるのですが、心構えとしてどうしたらよいのかと、思わずすがるような気持ちでメールしました。お忙しいところ大変恐縮ですが、よろしくお願いします。

血液の混じった乳頭分泌液が出る場合は、乳癌も鑑別診断しなくてはなりませんが、必ずしも乳がんというわけではありません。良性の病変の場合も多いのです。検査結果をみないことには悪性の疑いがどの程度あるのかはわかりません。先走ってあれこれ不安に思わず、平静な気持ちで結果を待っていただくのがよいと思います。(文責 俵矢)

 

No.5476-3】 06年10月20日      Y.U.  
出血について

HPNo.5476でご相談させていただいたものです。お返事いただき、ありがとうございました。緊張しましたが、落ち着いて検査に臨むことができました。結果はマンモ、エコーともに異常がなく、乳汁の細胞診はクラス1でした。出血している側に石灰化がありましたが、乳がん専門医の先生がみて良性だそうです。半年後に再検査といわれたのですが、半年間も待てないので、乳管内乳頭腫を疑い、鮮血がでていた乳管に造影剤をいれてのマンモを撮っていただき、乳管に生理食塩水をいれて洗い流し、それを細胞診する検査をしていただきました。(この時点では、分泌物は鮮血ではなく、黄色とオレンジの混ざった白いものになっていました。現在は半透明の白い分泌液が出ています。) その結果、マンモに異常のものは写らず、細胞診はクラス2でした。造影剤をいれたとき、出血はほとんどなかったそうです。また半年後に再検査をすることになりました。先生は、「乳腺症でも出血することがありますよ」とおっしゃっていました。周りの知人にも、「私と似た症状で検査をしたけど乳腺症といわれた」という人が何人かいます。乳腺症だと、なぜ出血することがあるのでしょうか? また出血した乳管が左側一箇所だけなのも気になるところです。一箇所だけの出血でも乳腺症は考えられますか?左側のほかの乳管と右側の数箇所からは、白や半透明の分泌物が出ています。半年後再検査しますが、それまでの心づもりとしてしっておきたいので、お忙しいところ大変恐縮ですが、よろしくお願いします。

乳腺症は乳腺組織の過形成やのう胞変成などの良性病変が混ざって出来ます。乳腺症で出血することは多くありませんが、病変の一部より出血が起こってもおかしくはありません。半年後の検査をきちんと受けてください。(文責 吉田)

 

No.5476-4】 06年11月11日      Y.U.  
検査方法について

「HPNo.5476、片側一箇所からの出血」でご相談させていただいたものです。いつも丁寧な回答をありがとうございます。数ヵ月後に再検査にいくつもりでしたが、最近、知人で私と同じような症状の方が、MRIで乳ガンが見つかるということがあり、その方からMRIをすすめられています。今までの結果は、
・ マンモは右がわ5ミリ、左側1ミリ以下の良性石灰化のみ
・ エコーでは疑わしい乳管拡張などはなく、完全に授乳期が終った乳腺ではなくて、全体として乳腺が開いていて母乳が残っているあとがある。(出血したのは、今年の9月。断乳して、まる1年後。左の一箇所だけの出血) 
・ 乳頭腫なし
・ 乳汁の細胞診クラス1、生理食塩水細胞診クラス2

「次にやるとしたら、手術して、問題の乳腺を全部とりだして調べることだけど、今は必要なし」と言われています。病院からの指示は半年後の再受診でしたが、MRI、乳管内視鏡、マンモテックなど、半年待たずにやったほうがよい検査はありますか? 現在は問題の乳管からは、白い半透明の液体が絞れば絞るほど出ています。他の数箇所からも少量、白や半透明なのが出ています。また、断乳して一年たっての出血ですが、出産直前、直後の授乳期にみられる血乳と同じと考えることもできますか? お忙しいところ何度も恐縮ですが、ご返答よろしくお願いします。

MRIは、乳腺専用の表面コイルがある場合には、かなり色々分ると言われていますのでお勧めできます。乳管内視鏡は余り普及していない事と、マンモテックは診断力に疑問が多いと思います。(文責 石山)

 

No.5475】 06年07月01日      U.M
骨転移について(HPNo.4687-2)

HPNo.4687(05年11月28日)で、大胸筋への転移についてご相談しましたU.Mです。度々すみませんが、宜しくお願い致します。ご相談後、タキソール+ハーセプチンを4クール(当初は6クール予定でしたが、副作用が強すぎたので4月上旬まで)投与して様子を見てたのですが、5月末に腰に強い痛みがあり検査したところ、胸骨.腰椎.仙骨に計6箇所の転移があることが分かりました。今後の治療法ですが、4月上旬までタキソール+ハーセプチンを投与していても骨に転移したので、抗がん剤を同じタキサン系のタキソテールに変えて、ハーセプチン投与と一番痛みの強い仙骨への放射線治療で大丈夫でしょうか? 他に有効な治療法はありますか? 今は痛み止めにロキソニンとボルタレン座薬を使用していますが、効き目はイマイチのようで、先週からは座薬の使いすぎで、肛門から若干の出血があるそうです。他に有効な痛み止めはないでしょうか? また、母の癌は造骨型らしいのですが、ビスホスホネートを使用することはできるのでしょうか? 効果はあるのでしょうか? ご回答宜しくお願い致します。

1) 抗癌剤はその組み合わせでよいと思います。仙骨への放射線治療もやったほうがよいかもしれません。
2) 麻薬系の鎮痛剤があります。
3) 造骨性でも溶骨性の部分も合併していますので、ビスホスホネートは効果があります。(文責 麻賀)

 

No.5474-1】 06年07月01日    A.N.
非浸潤癌

ご相談があります。3年前、左胸にしこりを見つけ、また、乳頭から分泌(黄色)もあり、S県立がんセンターで検査をしました。分泌液を検査したところ、クラス1で良性でしたが、マンモグラフィー検査の結果、微量の石灰化が見られ、非浸潤癌の可能性が高いとのことで、以下の検査を受けました。穿刺細胞診、乳管造影、針生検。結果はクラスVaで、乳管内乳頭腫という診断でした。以後3ヶ月毎、1年前からは半年毎経過を観察し、異常はありませんでしたが、先日マンモグラフィー検査を受けたところ、「変化がありました。悪い癌ではありませんが、癌の可能性があります」と言われました。石灰化が増えているとのことです。やはり癌なのでしょうか。非浸潤癌の場合、全摘すれば転移の心配もないので全摘が望ましいと聞きました。3年前に非浸潤癌かもしれないと言われたときも、そのように言われました。心配でインターネットで調べていましたら、先生のサイトに出会いました。再検査は来週ですが、良くないことばかり考えてしまいます。先生のご意見をお聞かせください。お忙しいと思いますが、よろしくお願いいたします。

確かに非浸潤癌かもしれません。石灰化の部分の組織検査を行えば非浸潤癌かどうかがわかります。よく調べてもらったほうがよいです。あなたの言うように非浸潤癌は遠隔転移を起すことはまれであり、予後良好です。(文責 麻賀)

 

No.5474-2】 06年07月19日    A.N.
非浸潤癌について(2)

HPNo.5474で質問させていただきました。先日、再検査の結果が出ました。今回も3年半前同様、病理では癌とは判断できないという診断でした。でも、診察医は「石灰化が増えているということは、増殖性の何かがあると思うし、画像からやはり自分は癌を疑う」と言います。双方の(病理と)意見が合わないと癌としての治療はできないので、MRM検査後、検査のための切除を行いたいとのことです。そこでいくつか質問があります。
1) 検査は、マンモトーム生検を行う予定でしたが、エコーでターゲットがはっきりわかっているとのことで針生検でした。針生検でも石灰化部分について十分な検査ができた(8本取れた?と言っていました)とのことですが、それだけでは診断はつかないのでしょうか?
2) 診察医が癌を疑う理由として、石灰化が増えたことを挙げられましたが、それはやはり癌を疑うには十分な理由なのでしょうか?(石灰化の範囲は広がっていない、形も丸っぽいといえば丸い・・・と言います)
3) 非浸潤癌だった場合、「手術はしこり(1.7cm)のある乳管部分とその周辺の石灰化部分を切除するのみで、乳房の変形はなく、入院も1日で済む」と言われましたが、手術による乳房の変形は本当にないのでしょうか。(脂肪をうまく動かす?とのこと。どのくらい取るのかお聞きしたら、手で3cm×8cmくらいの形を作って「このくらいです」と言われました)

以上、ご意見をお聞かせください。よろしくお願いいたします。

1) 実際の画像による石灰化の形態や広がり、また周囲の所見を拝見していないのではっきりしたことは申し上げられませんが、主治医の先生は、石灰化の部分に対するサンプルは十分に取れたが、もう少し組織全体としての構造を見たり、またほかの部位に微細な癌が潜んでいないかどうかを探る意味での生検が必要だと考えられているようにお見受けします。
2) 経過観察をしていく上で、石灰化の数の増加は確かに注意しなければいけない所見のひとつだと思います。
3) 変形はかなり少なくてすむ印象ですが、実際のお乳の形、大きさ、しこりの存在部位(内側?外側?腫瘤乳頭間距離)等によってバリエーションがあり、一概には言えません。(文責 片山)

 

No.5474-3】 06年08月17日    A.N.
非浸潤癌について(3)

5474、No.5536でご質問させていただきました。他の病院でも診てもらおう思い、資料を借りてきました。資料の中に以下の所見が記載されておりました。

@ 左乳頭からBD境界の乳腺抹消辺縁にわたり、SEGMENTAL heterogeneous enhancement (Slow/Persistent)が見られる。のう胞も同領域に混在している。明らかな乳管拡張や分泌貯留は見られない。以上より乳管内病変の存在は確実で、dynamic patternや経過とMMG所見よりMMPを背景とするDCIS,low〜inter.gradeもしくはMMP with ADH〜DCISが画像上強く疑われるので、部分切除などの外科的切除が望ましいと考えられる。撮像範囲にリンパ節腫大なし。
A 右乳腺CにもREGIONAL enhancementが見られる。悪性を疑う所見では現時点ではないが、前回よりもやや明瞭化しているので、念のため急がなくとも良いが右乳腺MRIも実施した方が良い。

上記について質問させてください。
1) @とAの意味を教えてください。(専門用語がまったくわからないので用語の部分を詳しく教えてください)
2) 資料をお借りする際に、「病理判断が全てだから」とのことでプレパラートのみの貸出しでした。所見に「画像上強く疑われる」とありますが、マンモグラフィ等借りてこなかったのは良くなかったでしょうか。

1) 乳管の中に腫瘤がみられ、画像上非浸潤癌や異型性増殖などの病変が考えられることから、切除して確定診断をつけた方がよいということです。
2) 右の上方外側にもやや濃く写る場所があり、前回検査の時よりもややはっきりとしてきたのでMRI検査などで確認した方がよいという内容です。実際に疑われる部分の切除標本をお持ちでしたら、それで十分ではないでしょうか。(文責 首藤)

 

No.5474-4】 06年11月07日    A.N.
非浸潤癌について(4)

HPNo.5474でご質問させていただきました。手術の結果は以下のとおりで、やはり非浸潤癌でした。
診断:Breast,left(BD),wide excision:
Ductal carcinoma in situ,low grade,cribriform and micropapillary types, associated with calcifications
所見:55g 8.5×4.8p 皮切なし。
DCIS cribriforb type:#6-16 一部乳頭状病変に進展する。5×1.5×2.8pに渡る。
内側断端:0.5p(#16) 腹側断端:1.3p(#13) 頭側断端:0.3p(#12)
背景は繊維化間質、萎縮と正常小葉の混在。
pap:#12&14(乳頭部) Biopsy site:#11
Estrogen receptor:40% nuclear positive Progesterone receptor:40% nuclear positive
Membrane immunoreactivity for Her-2:1+

1) 「コメドタイプではないので、おとなしい癌です」と言われましたが、癌の性質として、本当にそうなのでしょうか。
2) 約10p切開しましたが、切った所が硬く盛り上がっています。元のように戻るには、どのくらいかかりますでしょうか。
3) 今後は放射線治療を予定しておりますが、放射線治療をしない場合のデメリットはどんなことがありますか。「頭側断端が0.5pならば放射線治療を省いても良かった」と言われました。
4) 放射線治療プラス他の治療も行った方が良いのでしょうか。

以上、ご意見をお聞かせください。よろしくお願いいたします。

comedoは非浸潤癌でも悪性度は高いと言われています。縫合糸の種類にもよりますが、3ヶ月くらいでしょうか。断端5mmなら癌陽性と考えられ、放射線をする事で局所再発が減るというメリットがあります。内分泌療法は考えた方が良いと思います。(文責 石山)

 

No.5473】 06年06月30日    K.T
アリミデックスの副作用について

2005年7月に乳ガン手術を受けた、52歳の閉経後の者です。ガンの大きさ1.2センチ、ステージ1で温存手術、リンパ節郭清転移無し、放射線治療25回を受け、ホルモンレセプター+でしたのでアリミデックスを飲み始め、8ヶ月が経ちます。アリミデックスを飲み始め6ヶ月ぐらい経った頃から、手の指、膝の関節が痛み出し、朝起きる頃が一番ひどくなりました。手のこわばりがあるので主治医に相談したところ、骨密度、リュウマチの検査もしてもらいましたが、異常なしでした。アリミデックスの副作用ということもあるでしょうか? また、治療法はないでしょうか? 右親指の痛みがひどく、字を書くのもつらい状態です。アリミデックスの副作用ならば、ステージ1なのでホルモン剤は飲まず、無治療でも良いのではないかと思っています。

関節の痛みやこわばりはアリミデックスの副作用です。朝、症状が強く、午後になると軽快します。通常は治療しませんが、痛みが強いときは鎮痛剤を使用します。浸潤癌である限りは再発の可能性は頻度は低いもののあります。ホルモン剤は服用したほうがよいです。(文責 麻賀)

 

No.5472】 06年06月30日    k・k
断端プラスについて

半年の術前化学療法AC-Tを経て、乳房温存手術をしました。5cm近くあった癌も、最終的にはMRIで4mmx7mmになっていました。術後傷跡もわからないように配慮もあり、乳房もかたちよく、とても満足していました。ところが病理検査の結果がでて、断端プラスだと言われました。切断面から3mmと7mmのところから癌細胞がでてきたとのことです。術後の放射線治療としてX線25回に電子線5回を追加してあてることになりました。そこで質問なのですが
1) 手術中に癌細胞がちゃんと採れているか調べないのですか。
2) 断端プラスだったので追加切除しましたと相談室で読んだことがありますが、追加切除の必要はないのですか。
3) x線と電子線治療はどう違うのですか 。    

以上、よろしくお願いします。

1) 切除した標本の切断面から3mmと7mmのところにあったというだけ、で残っている乳房に癌が残っているかどうかはわかりません。
2) 最近は断端が陽性でも乳腺の追加切除を行うことはほとんどありません。
3) 温存治療の放射線治療では、乳房全体にかけるときにX線をかけます(深い部位もかけるとき)。危険部位をかけるときは電子線をかけます(浅い部位をかけるとき)。(文責 麻賀)

 

No.5471】 06年06月30日    Y   
右腋の腫れについて

質問させていただきます。2000年3月に右乳がんの全摘手術を受けました。リンパ節に3個の転移あり。5年間タスオミンを服用しました。6年目の昨年12月に局所再発が3個見つかり、他への転移はなしとのことで、放射線治療を受けて腫瘍は一応消えました。現在はゾラテックス+タスオミンのホルモン治療中です。先日、入浴中に反対側、左腋に触れるものがあり、転移ではないかと心配しています。しこりというより、腕から胸に筋状に少し腫れているといった様子です。リンパ節転移の可能性は高いと思われますでしょうか? 次回診察が8月のため、取り急ぎご意見を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。

これだけではなんともいえません。心配なら診察を早めたらどうでしょうか。(文責 麻賀)

 

No.5470】 06年06月30日    A.S. 
再発乳癌についてのご相談

現在73歳の母のことでご相談いたします。S47年、37歳のとき、左胸乳癌摘出手術、リンパ節切除手術、その後30回のコバルト照射をしました。H15春より、CEA、CA15−3が上昇し始め、アリミデックス錠を飲み始めました。同年12月、左胸水貯留が判明。癌性胸膜炎との診断で、H16/4胸水を抜き、癒着剤と共に抗がん剤を注入しました。H17/3より咳が出るようになり、アロマシン錠+リン酸コデイン散に薬を変えるも、あまり芳しくなく、H17/11フェアストン錠に変えました。一時は、CEA60、CA15−3が1800まで上がったものが、H18/4には、CEA10、CA15−3は400まで下がり、咳も収まってきました。しかし、5月には左胸に湿疹が見られ、細胞診で癌細胞が見つかりました。薬の効果がなくなったとのことで、今度はヒスロンH200に、薬を変更しました。その後、ヒスロンH200は効果が見られないということで、一ヶ月で打ち切り、現在薬は飲んでいません。咳はまた酷くなり、左胸は殆ど機能していないそうです。骨転移のため、アレディアを4週毎に点滴しています。
1)主治医より、アンスロサイクリン系とタキサン系の抗がん剤治療を勧められていますが、母の意思とQOLを考えますと、緩和治療の方が良いのではないかと悩んでいます。母の場合、無治療と比較し、抗がん剤治療を受けた場合、どの程度の生存率上昇が期待できますか?
2)薬を全く使わないのは、母も不安のようですので、あまり効果はなくとも、ホルモン治療を継続するというのは如何でしょうか? 
  
以上二点です。お忙しいところ恐縮ですが、お答えをお待ちしております。

1) まだ一度も抗癌剤を使っていないようなので、抗癌剤の効果は期待できると思います。抗癌剤を使うことによって5-6カ月の生存期間の延長は得られると思います。
2) ホルモン剤としてレトロゾールが残っていますが、効果はあまり期待できないと思います。(文責 麻賀)

 

No.5469】 06年06月30日    Q  
術後治療について

初めてのご相談です。よろしくお願いします。もうすぐ44才です。三月に温存手術をし、放射線治療済みです。病理結果がでて、「腫瘍は2.1p、リンパ節転移なし、悪性度2 、ホルモン受容体はERーPR+、HER2は2+」との事で、中リスクになるため「普通はホルモン治療+抗がん剤を勧めるが、人それぞれの考え方があるからどうしますか?」と聞かれました。私の場合、再発率は20%+ホルモン治療で11%+抗がん剤で7〜8%と言われました。ホルモン療法はやるつもりですが、結果的に90%以上の人に必要ないか、もしくはやっても効果のない過酷な治療は数%の可能性にかけてやるのはやめようと思い、一応ホルモン治療になりましたが、最終的な決断は次回決めます。病理結果からいって私の選択は間違っていますか? 後、同じ2a期でも2.1p転移なしは5p転移なしより再発率が低いと考えてもいいですか? よろしくお願いします。

1) HER2の2+が陽性なのか陰性なのかをFISH法で調べる必要があります。
2) ER-、PgR+なのでホルモン治療の効果は絶対ではありません。私なら抗癌剤→ホルモン治療を進めます。完全治癒が期待できるのは、術後のこの治療にかかっているのですから。
3) 2.1cmは5.0cmより再発率は低いと思います。(文責 麻賀)

 

No.5468】 06年06月30日    Y 
温存手術後の放射線治療について

30歳代前半のものです。ステージUで、術前化学療法を6ヶ月実施後、先月温存手術を受けました。病理の結果は、「組織学的に1箇所、中心に壊死を伴う癌の遺残を乳管内に認める。核腫大の目立つ異型の強い細胞が、橋渡し構造をとって増殖している。分裂像も多数みられる。周辺間質に、form cellが浸潤しているが、浸潤像は認めない。切除断端までの最短距離は約2mm。ER(−) PgR(−) Her2(3+)」とのことで、来月から6週間、乳房全体および腋窩に放射線治療をすることになりました。再手術の必要はないとのことです。そこでお伺いしたいのですが、切除断端までの最短距離は約2mmで、断端までの距離が近いのがとても気になっています。本などで調べたところ、断端までが近い場合には、ブースト照射をしたほうがよいと書いてあるものがありました。主治医とも相談しようとは思いますが、
1) 一般にブースト照射は、切除断端までがどのくらいまで近いと実施するものでしょうか。また近くても実施しないケースとして、どのような場合が考えられますか。
2) ブースト照射を行う場合は、乳房全体の治療を終えた後に行うのでしょうか。
3) ブースト照射は、陽子線というもので行うと本に書いてありましたが、放射線治療の出来る病院であれば、どこでも受けられる治療なのでしょうか。

ご回答賜りたく、お願いいたします。

1) 施設によっても違うでしょうが、5mm以内ならブースト照射を行うところが多いです。ブーストの効果をあまり認めていない施設では行っていないところもあるようです。
2) 乳房全体の治療が終わってから行います。
3) ブースト照射は電子線で行います。放射線治療を行えるところでは受けられると思います。(文責 麻賀)

 

No.5467】 06年06月30日    km  
再発転移の抗がん剤について(HPNo.4583-3

いつも丁寧なご意見いただき、とても参考にさせていただいてます。HPNo.4583と5022でご相談させていただいたものです。術後二年で肝転移、乳房再発脳転移が見つかり、脳転移はガンマナイフ照射して定期的に経過観察しており、全身療法としてタキソールをウイークリーで三週続けて一週休むというのを24クール終わったところです。腫瘍マーカーCA15−3も一時300まであったのが順調に58まで下がりました。CTでも、肝臓の腫瘍も大きいものも半分くらいになり、小さいものもなくなったりしていたのですが、腫瘍マーカーがそれ以上下がらなくなり、横ばいになりました。もしかして耐性ができてしまったのかと思い、次の抗がん剤としては何が考えられるか主治医に聞いたところ、同じタキサン系のタキソテールは期待できないので、TS-1を考えていると言われました。患者会の再発した仲間に聞くと、「TS-1は胃がんには効果が出ているが、乳がんにはまだよくわからないのでは」と言われました。ナベルビンやゼローダよりも、主治医はTS-1がいいと思っておられるようです。先生はどのようにお考えですか?ご意見、お願いいたします。CEFは補助療法で、すでに使用済みです。 

1) TS-1も乳癌での適応が最近得られました。
2) 再発ですから治癒を目標とするのではなく、腫瘍のコントロールということに治療の重点がおかれます。したがってTS-1を使ってもタキソテールやナベルビンであっても投与順が異なるだけで、いずれは使うことになります。したがって大きな違いはないと思います。どれから入っても同じと思います。(文責 麻賀)

 

No.5466】 06年06月29日    AF 
副乳からの出血

乳房について気になることがありましたので、ネットにて調べておりましたところ、こちらのホームページに行き当たりました。ご相談したいことがありますので、よろしくお願いいたします。
31歳。今年5月3日に第2子を出産後、ほぼ母乳で育てています。左右に副乳があり、授乳初期にはしこりができて、氷で冷やすなどしていました。その後は何のトラブルもなく、授乳していました。6月18日ごろから23日ごろまで、産後一回目の生理が来た後、突然左の副乳の乳頭から出血がありました。出血は暗褐色で、少量ですが、じわじわと続き、1日半ほどして止まりました。出血のあった副乳は乳頭の部分に小さなしこりがあり、押すと軽度の痛みがあります。しこりは小さく、小豆大もありません。副乳、またはその周辺の皮膚の色の変化はありません。乳房は問題なく、母乳も変わりなく出ています。副乳の病気に関する情報が少なく、問題ないことなのか、癌なども考え検査したほうがいいのか悩んでおります。ご回答いただけたら幸いです。

授乳期に乳頭から出血することは時々見ますが、念のため細胞検査を行っておくほうがよいと思います。(文責 麻賀)

 

No.5465】 06年06月29日    T.N. 
術後の治療法について

58歳の母のことについてお伺いしたいと思います。毎年乳がん検診を受けていたのですが、ずっと何事もなく(見落としだったのでしょうか?)、今年春に行った検診で、いきなり原発腫瘍2.8cm+娘結節1.2cmほどで、連続していたのであわせて4センチ強の乳がんとして指摘されました。6月15日に胸筋温存左乳房切除術を行ないました。結果は、大きさ4.2センチ・腋下リンパ節転移なし・Ua期でした。病理所見は、浸潤性乳管癌、乳頭腺管癌+硬癌、f(+)、s(−)、ly3、v0、ductal spread(+)、EIC(+)、comedo(-)、tubule2、variation1、mitosis2(14/10HPF)、G1 センチネルリンパ節は陰性です。ER92%、PgR73%、p53.2%、c-erbB-2陰性。
術後はAC療法とホルモン療法をすすめられています。主治医は、「10年後生存率を高めるためにはすすめるが、強制はせず意思に任せます」とおっしゃいました。本人はどうしてもでないのなら、なるべく抗癌剤投与をしたくないそうです。この治療法が適切なのか、このケースの場合ホルモン療法単独でなく抗がん剤併用のほうがやはり望ましいのか、あと下線のところの意味がいまいちよくわかりませんので教えてください。硬癌とはたちが悪いと聞きますが、病理所見ではG1と書かれています。どう解釈したらよいのでしょうか? 再発率・生存率は、化学療法をするしないで、どの程度かわるのでしょうか? 個人差があるとは思いますが、AC療法は副作用がでやすいのでしょうか?

1) このデータであれば、ガイドライン的にはホルモン治療単独でもよいし、ACを行った後にホルモン治療を行ってもよいです。私ならACを行ったあとにホルモン治療を行うほうを勧めます。
2) 浸潤著明、コメド無し、腺管形成中程度、細胞分裂中程度、低異型度です。
3) ACを加えることでホルモン治療単独より5-6%%位よくなると思います。
4) ACは普通の抗癌剤治療法です。特に副作用が多いということはありません。(文責 麻賀)

 

No.5464-1】 06年06月29日    m
術前化学療法について

先月右胸のしこりに気づき、検査したところ乳がんと診断されました。細胞をとって病理検査をしたところ、ホルモン陽性、HER2陰性、四センチくらいのものと、そのまわりにひとつ、リンパ節が腫れているため、おそらくリンパに転移ありという診断でした。実はそのとき妊娠六ヶ月で、妊娠と共にしこりが大きくなっていく可能性があり、主治医からは中絶をいわれ、辛いながらも中絶を決意し、乳がん治療に専念することに決めました。中絶をし、CT、血液検査をしましたが、他の臓器には転移はないようです。主治医が、「術前化学療法を頑張ってやりましょう」ということで、自分なりにいろいろ調べたりしました。温存が可能になるかもしれないのと、もし転移しているがん細胞があればたたくことができるということで、私も期待したい一心です。タキソテールを四回、そのあとはCEFにて四回するそうです。まだタキソテールを一回しかしていませんが、どのくらいから効果が現れるのでしょうか。効果がない場合、投与の間にも癌が進行し、他臓器などに転移したりはしないのでしょうか。よくなるのであれば手術を先行し乳房全摘出でもいいのですが、半年間術前療法でいいのか心配です。病状によって違うとは思いますが、この術前化学療法というのは現在どういう結果が得られているのでしょうか。

1) 腫瘍が4.0cmくらいあるので術前化学療法を行うのがよいと思います。効果があるのかどうかは、1.5カ月に1度くらいの割合で超音波検査をして腫瘍が小さくなっていることを確かめます。もし腫瘍が大きくなっているようであれば、抗癌剤治療を中止して手術を先に行うことになります。
2) 術前抗癌剤治療のため手術するのが遅れたことによる生存率の低下はありません。術前抗癌剤治療を行うことで生存率の向上が期待されていますが、データ上はまだ差は認められていません。ただ、現時点で得られているデータは少なくとも術前抗癌剤を行ったための手術の遅れが、先に手術を行った人と比べて生存率が悪くなるということはないということです。(文責 麻賀)

 

No.5464-2】 06年07月10日    m
抗がん剤の投与順序

HPNo.5464でご相談したものです。現在術前化学療法でタキソテールを4回、そのあとはFECを4回予定しています。現在タキソテールを1回投与しましたが、よくみかけるのが、最初にFECを投与し、そのあとタキソテールを投与する方法です。私はタキソテールを先に投与しているのですが、投与順序というのは何か意味があるのでしょうか。投与順序にて効果の差というものはあるのでしょうか。

確かに、最初にFECを投与後、タキソテールを投与する場合の方が多いようです。今のところ、投与順序にて効果の差があるかどうか、また副作用はどうか、はっきりしていません。したがって、この投与順序というのは、特に意味はないと思います。(文責 石川)

 

No.5463】 06年06月29日    AH
ホルモン療法について

44歳の主婦です。ホルモン療法をするべきか迷っています。石灰化がみつかり、今年2月に右胸を皮下乳腺全摘+同時再建しました。病理検査の結果、rt, DCIS,7×4mm ,g(+), ly0, v0. non-comedo type. Intermediate grade. HER2無し, スコア0,ER(3+), PgR(1+)
自分なりに考えて、主治医に「しなくてもいいと思っている」と告げたところ、「そうですか」とあっさり言われました。低リスクなのでそんなものかと思っていましたが、逃げているのではないか?再発率が少しでも下がった方がいいのでは?対側の予防になるのでは?等、いつまで経っても不安感が拭えません。しなくていいものならしたくないのが本音ですが、後悔しない為にもう一度よく考えたいので、優柔不断な私にアドバイスをお願いいたします。ちなみに子宮内膜症(左卵巣6×4)で6ヶ月置きに検診中です。

非浸潤癌の方の術後の薬物療法についての基準といったものはありません。一般的には無治療でよいと思います。しかし、ホルモン陽性であれば反対側乳癌の発生予防も加味してホルモン治療剤を飲む場合が多いですが、必ずしなければいけないというものでもありません。あなたの場合、DCISの病巣も広くなく、また乳腺全摘をしているので、飲むとすれば反対側乳房の乳癌の発生予防という意味合いが強いです。(文責 麻賀)

 

No.5462】 06年06月29日    M.Y
乳がんの転移の可能性

初めてメールします。34歳既婚・子持ちです。出産後子供の満2歳の誕生日(先週)に、乳癌を告知されました。場所は左脇近くの副乳が出来る辺りで、乳房からは離れているのですが、乳管が通っている為「乳癌」になると言われました。大きさは2cm程で、第一期と診断されています。約3週間後に10日前後の入院と手術をする事になるのですが、現在は週に一度検査の為受診しています。これは入院するまでに出来る検査を全て終わらせて、手術に臨むからだと理解しております。今一番不安なのは、転移があるかどうかです。場所が左脇に近く、リンパに転移しているのではないかと不安で仕方ありません。また3週間後の入院まで、特に何も気をつける事も言われず、普通に出勤し兼業主婦を務めているのですが、本当に大丈夫なのでしょうか? 夫は「大丈夫だから手術までも時間が取れるし、何も制限がないんだ」と言ってくれますが・・・。また心配し過ぎるせいならいいのですが、なんとなく左腕がだるいような、痺れるような気もして、ますます転移を疑ってしまいます。まだ子供も2歳で、自分の身に何かあったらどうしようかと、気が気ではありません。このような話で診断など出来ないとは存じておりますが、考えられる事を教えて頂けます様、宜しくお願い致します。

1) 腋窩のリンパ節に転移があるのかどうかは、リンパ節を摘出したり、センチネルリンパ節生検などを行ってリンパ節の病理学的検査をしなければわかりません。気をもむのはわかりますが、結果が出るまではあれこれ考えても仕方がありません。
2) 手術までは普通の生活を行っていればよいです。乳癌と診断された方は、あなたのような腕の症状をよく訴えますが実際は何でもありません。(文責 麻賀)

 

No.5461-1】 06年06月29日    T子 
アリミデックス副作用について

タモキシフェンを1年3ヶ月服用しました。先日子宮ガン検診の結果、体癌擬陽性で精密検査を受け異常無しでしたが、アリミデックスに薬を変えていただき1週間経ちます。その際、骨シンチ、腫瘍マーカーとも異常ありませんでした。副作用に関節痛とありますが、一昨日より腰痛が出ています。また、今日両脚ふくらはぎの内側に内出血のようなあざができているのに気付きました。ぶつけた覚えもなく、果たしてこれが副作用なのかもわかりませんが、腰痛がひどいので今日は薬の服用を止めました。次の外来まで1ヶ月あり、どうしたものか思案しています。薬を変えたときに副作用について先生に伺ったところ、我慢できないようなら服用を中止し、次の外来でいつから止めたか報告してくれれば良いということでした。アリミデックスの副作用で、このような症状が出るものなのでしょうか。腰痛、あざは気になりますが、薬は続けた方が良いでしょうか。アドバイスよろしくお願いします。(55歳です)

腰痛、あざは薬のためではないように思います。薬を服用してもよいと思います。担当医に連絡したらどうでしょうか。(文責 麻賀)

 

No.5461-2】 06年09月03日    T子 
婦人科受診について

前回NHPNo.5461で相談させていただきました。ありがとうございました。アリミデックスからアロマシンに薬を変えていただき1ヶ月経ちます。今回は婦人科受診について相談させていただきます。子宮ガン検診を受けた婦人科では、2週間に一度通院するように言われ、昨日も受診しました。子宮ガン検診から4ヶ月も経っているので、主治医に通院の必要性を伺ったところ、「薬を飲んでいる以上、いつ出血してもおかしくないので、定期的に様子を見ている」と言われました。最初に受診したときは子宮口にただれがあり、自分では気づかない程度の出血があったようです。婦人科から特に薬は出ていませんが、アロマターゼ阻害剤の副作用として、そのようなことはあるのでしょうか。定期的に子宮ガン検診を行う必要があるとは思っていますので、どのくらいの期間をおいて検査を受ければよいのか教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

アロマターゼ阻害剤の副作用には性器出血との記載があり、子宮口のただれも、その可能性はあると思います。アロマターゼ阻害剤はタモキシフェンに比べ子宮体癌の副作用の頻度は低いとされてはおりますが、出血の副作用も含め何らかの症状があれば随時、なくても3〜6ヶ月毎の受診がよろしいのではないかと考えます。(文責 谷)

 

No.5461-3】 06年09月20日    T子 
足首関節痛について

アリミデックス服用時に腰痛がひどく、副作用かどうか分かりませんでしたが、いったん服用を中止したところ痛みは治まりました。その後アロマシンに変えていただきましたが、アリミデックス服用時からあった足首関節の違和感が次第に痛みに変わり、歩行も辛くなりました。9日よりアロマシンの服用を中止し、10日経ちます。痛みは回復してきていますが、違和感が残っています。アロマターゼ阻害剤による副作用で関節痛が出た場合、ホルモン剤をいったん中止するより、ホルモン剤を飲み続けながら鎮痛剤を服用する方が良いのでしょうか。次回の予約は来年3月ですが、鎮痛剤は乳腺外科で頂いた方が良いのでしょうか。

5年間服用する薬ですので、鎮痛剤を併用しながら続けるのは良くないと思います。むしろ、関節障害の少ないタモキシフェンに変更すべきと思います。(文責 徳田)

 

No.5460】 06年06月29日    N.U
パジェット病に発症年齢は関係ないのですか?

15歳の娘のことでご相談します。下着に血がつくというので、ブラジャーを見ると、本人が洗ってしまいどの程度の汚れか確認できませんでしたが、アトピーがひどく、ここ数日汗でとても痒くてブラジャーの上から思い切り右乳房を掻いたというのです。その後、寝ている間にあちこち痒くてシーツに血がつくこともよくあります。今回、気がつくと右乳房の乳首から粘液のようなものがでているというので、私がみてみると、シャワー後でしたのでうっすらと光っているかのようでした。単なる掻きこわしでしたら、かさぶたなどがあるかと思いますが、そのようなものは特に見当たりません。15歳の若さでもパジェット病のような癌になることはあるのでしょうか? 本人は痛みはなく痒みだけだというのですが、1度検査をしたほうが良いかと思っています。この場合、皮膚科ですか、それとも乳腺外科外来の受診でしょうか。

おそらくアトピーによるものと思います。皮膚科を受診するのがよいと思います。(文責 麻賀)

 

No.5459】 06年06月29日    m.k
足の痛み

母が2年前、56歳の時に右胸・リンパ腺の摘出手術をしており、その後点滴での抗がん剤(ECを4回)、放射線を計28回の治療を受けました。放射線の治療の前に、ECの他にタキソールを4回の予定が入っていたのですが、タキソール1回目でひどい副作用(アレルギー肝障害・手足のしびれ、1ヶ月の入院で回復)が出てしまったため中断しました。その後ホルモン療法を開始し、ノルバディクスD、アロマシン、アルミディクスと薬がどんどん変わりました。というのは、ノルバディクスを飲み始め、しばらくしてから足・ひざの関節の強い痛みが出てきたからです。しかし薬を変えても一向に痛みがよくならず、今年3月くらいに3週間ほど薬をやめました。その時は少し痛みが和らいだらしいのですが、また新しい薬(フェアストン40mg、初めは3錠で、今は2錠にしております)を飲み始めてから痛み出したそうです。この時は、飲み初めはそんなに痛んでいなかったらしいのですが、一度ほかの薬(下剤)と併用した時にまた強く痛み出し、それからはほかの薬との併用がなくても常に痛むようなのです。痛みというか、重くだるいような感じが、太もも、ひざ、ふくらはぎの裏側(リンパかと思うのですが、素人判断なのでわかりません)にあるそうです。この原因はやはり薬から来ているのでしょうか?
また、もしそうなら何か良い対処法はありますか? 母は副作用が怖いので薬の併用などはしたくないと言い、痛み止めは飲んでいません。何度か痛み止めも飲んだらしいのですが、あまり効果はなかったそうです。もし薬のほかに考えられる原因があるとしたら、それらも教えていただけると幸いです。再発の兆候であることなどはないのでしょうか? よろしくお願い致します。

薬かどうかはわかりませんが、可能性はあります。痛み止めなどを併用してホルモン剤を継続したほうがよいように思います。再発といえるだけの症状とは思えません。(文責 麻賀)

 

No.5458】 06年06月29日    K
今後の治療について(HPNo.5201-2)

以前HPNo.5201でお世話になり、有り難うございました。昨年10月肝臓に再発し抗癌剤を行なっていますが、なかなか効果がありません。先月からタキソーテルに変更になりましたが、今日検査すると先月CEA45だったのが、123に上がっており、全く効果がない事がわかりました。その為、本日からゼローダに変わりました。今までFEC、タキソール、ハーセプチン、タキソテール、ゼローダと変わっています。主治医はもう薬が後2つ(ナベルビン、TS1)しかないと言われ、驚きました。
1) 本当に薬はないのでしょうか?
2) こんなに薬が効かない人は珍しいのではないでしょうか? 予後が悪いということでしようか?
3) 肝動注が効果あると聞いたのですが、本当でしょうか? もし効果があるとしても、こんなに抗癌剤が変わっていたら効かないのでしょうか?
4) 他にどのような治療があるのでしょうか?

1) 薬の種類としてはそんなところでしょう。ただハーセプチンはFEC以外の抗癌剤のときには併用すべきものと思います。
2) だんだん薬は利きにくくなるので、このような経過をたどるものです。
3) 肝動注にする利点は特にありません。
4) そのほかの治療というと治験薬ぐらいでしょう。(文責 麻賀)

 

No.5457】 06年06月27日    H.N
微小病変の切除について(HPNo.4780-4)

HPNo.4780でお世話になっていますH.Nです。コンサルテーションの結果は、「癌研が、やはり乳管内乳頭腫、悪性所見なし。大医Cが、この標本には悪性所見は無いが、radial scar/complex sclerosing lesion の一部が採取されている可能性も十分考えられます。全体像を確認する必要があるので切除生検をすすめます。」と、また分かれてしまいました。大医Cでは、「しこりの周り1cmのところにマーキングして切除、乳房が大きく凹む事はないと思います。」という事なので、受診して調べてもらった結果、良性を示す所見と、低悪性度の乳管内癌を否定できない部分が見られるので切除生検すべきという事で、切除する事に決心したのですが、全身麻酔で行うので6日間の入院。もう少し簡単に考えていたので、驚いています。成人病ではマーキングはしないで、何処にあるか解らないので乳房の変形は覚悟で切除。針生検をしてもらった遠医の先生に問い合わせると、「乳頭腫なら局所麻酔で乳腺部分の切除で乳房の変形も無く、日帰り手術で可能。」という事です。遠医の先生にはコンサルテーションや大医Cでの病理結果を報告せず、前に乳頭腫、切除といわれた事だけを伝えたからなのでしょうか? PCで、最近は微小病変が見つかり、これは「エコー下でマーキングしながらフックをして取らないと、的確に病変を取る事は困難です」という文を見つけたのですが・・・。小さいしこりを日帰り手術で取ることは可能なのでしょうか? 教えていただきたく、よろしくお願いいたします。

低悪性度の非浸潤性乳管癌を否定できないところがあるというなら切除生検しておいたほうが無難でしょう。(文責 麻賀)

 

No.5456-1】 06年06月27日    N  

いつも参考にさせていただいています。ステージ1、リンパ転移なしで、一昨年12月に右乳房温存手術をして、抗がん剤、放射線照射をした31才です。今はホルモン治療をしています。去年11月に右肺にうっすら影がみられました。ほぼ放射線照射によるものでしょうと言われ、今年三月にまたCTをとりました。影はなくなっていましたが、またスリガラス状の影が見られ、放射線によるものでしょうという診断結果でした。先週末ぐらいから、なんだか喉がいがいがするような感じがして、少しから咳がでます。主治医は咳がでるのは転移であっても、ものすごく進行してる場合だから大丈夫だよと言います。転移かと思うとよけいに咳がでます。神経的なものでしょうか?風邪でしょうか?心配で心配で。回答お待ちしてます。

放射線の影響によるものでしょう。(文責 麻賀)

 

No.5456-2】 06年07月07日    N  
咳(2)

26日に咳の題名で質問させていただいたものです。度々すみませんが、また質問です。この前の回答は放射線によるものでしょうということでしたが、8月で放射線治療が終わって一年になるのですが、今ごろ咳がでるものなのでしょうか? そのまま放っておいても大丈夫なのでしょうか? また、去年の8月からノルバを、10月からゾラの注射もして現在に至っています。去年11月に婦人科検診で異常なしでしたが、先程下着に茶褐色のような少量のおりもの?出血のようなものがありました。何が考えられますか?

放射線治療終了後一年で咳がでるのは、風邪(気管支炎)など他の原因があるのではないでしょうか。長引くなら、受診された方がいいと思います。ノルバデックスやゾラデックスのようなホルモン剤を使用しますと、癌やポリープなどの異常がないのに、おりものや出血のようなものがみられることがあります。続くようでしたら、前回の診察から7ヶ月以上経ちますので、また婦人科検診を受けられたらいかがですか。(文責 石川)

 

No.5455】 06年06月27日    S
乳癌患者の妊娠について

福島のSと申します。45歳既婚です。去年3月帝王切開にて第一子を出産直後、乳癌が見つかり5月に手術をしました。左乳房乳首すぐ隣に2cm弱のしこりがあり、乳首を含み部分切除しました。リンパは一部切除しました。初期の癌との診断で、その後の病理検査にも癌は見つからず、ノルバティックス20を一日一錠飲んでいます。先日の術後一年診断でも問題はありませんでした。高齢ですが第二子を希望していましたが、主治医からは「ノルバティックス20は最低3年続けてほしいので、その間は妊娠しないように」と言われていました。もともと不妊気味だったので完全な避妊はしていなかったのですが、どうやら妊娠してしまったようなのです。私としては出来れば生みたいのですが、いろいろ心配事が頭をよぎります。ノルバディックス摂取中の妊娠、妊娠中ノルバディックスをやめるとすれば癌再発の危険性がどれくらい高まるのか、乳腺が張ってくるが左乳首が無いのでどうなるのか等、妊娠を進める上でのリスクはどれ位のものでしょうか。ノルバディックス常用者でも妊娠&出産した事例はありましたでしょうか。第一子の妊娠は一昨年の夏でしたが、その年の5月の人間ドックでは異常なしだったのが、11月(妊娠5ヶ月)ではしこりは2cm弱になっていました。癌細胞の成長が妊娠と共に早まったと聞きました。ちなみに切除した癌組織は粘着癌と呼ばれるもので、ちょっと厄介な癌だとの説明を受けました。アドバイス宜しくお願い致します。

ノルバデックス投与中の妊娠は流産や奇形児の発生が高いと言われています。また妊娠を継続することで乳癌の再発危険性が高まることが予想されます。主治医とよくご相談ください。(文責 麻賀)

 

No.5454】 06年06月27日     m.k
ホルモン療法での副作用

母が2年前、56歳の時に右胸・リンパ腺の摘出手術をしており、その後点滴での抗がん剤(ECを4回)、放射線を計28回の治療を受けました。放射線の治療の前にECの他にタキソールを4回の予定が入っていたのですが、タキソール1回目でひどい副作用(アレルギー肝障害・手足のしびれ、1ヶ月の入院で回復)が出てしまったため中断しました。その後ホルモン療法を開始し、ノルバディクスD、アロマシン、アルミディクスと薬がどんどん変わりました。というのは、ノルバディクスを飲み始めしばらくしてから、足・ひざの関節の強い痛みが出てきたからです。しかし薬を変えても一向に痛みがよくならず、今年3月くらいに3週間ほど薬をやめました。その時は少し痛みが和らいだらしいのですが、また新しい薬(フェアストン40mg、初めは3錠で今は2錠にしております)を飲み始めてから痛み出したそうです。この時は、飲みはじめはそんなに痛んでいなかったらしいのですが、一度ほかの薬(下剤)と併用した時にまた強く痛み出し、それからはほかの薬との併用がなくても常に痛むようなのです。痛みというか、重くだるいような感じが、太もも、ひざ、ふくらはぎの裏側(リンパかと思うのですが、素人判断なのでわかりません)にあるそうです。この原因はやはり薬から来ているのでしょうか?また、もしそうなら何か良い対処法はありますか? 母は副作用が怖いので薬の併用などはしたくないと言い、痛み止めは飲んでいません。何度か痛み止めも飲んだらしいのですが、あまり効果はなかったそうです。もし薬のほかに考えられる原因があるとしたら、それらも教えていただけると幸いです。よろしくお願い致します。

関節の痛みの原因はよくわかりません。薬の可能性はありえますが、薬を中止せず、もう少し投与を継続してもよいように思います。ホルモン剤はなんとか飲みたいものです。(文責 麻賀)

 

No.5453】 06年06月26日     Y・O 
対側乳房の再発について

お世話になります。現在45歳で子供が2人います。右乳房にまた出来たしこりについてご意見をお願い致します。42歳で、左乳房に1cm大のしこりが2つみつかり、乳房温存手術による摘出手術をうけました。しこりの一つは非浸潤癌で、断片陰性、転移は無く、ホルモン感受性陽性です。もう一つは、癌ではないが正常でもない細胞とのことでした。リンパ郭清はしておりません。術後左乳房と左リンパ節に放射線治療を行い、服薬はありません。2年目あたりから右乳房で、先の左乳房のしこりと同じような位置に丸いくりくりしたしこりを見つけましたが、2年目の検診のエコー、レントゲンに異常はありませんでした。半年後の今回の検診で8ミリのしこりを指摘され、次回3年目の検診時に詳しく検査する予定です。しこりは私の主観ではありますが、半年前より一回り大きくなり、でこぼこいびつになったような気がします。家族暦は両親ともに癌家系で、叔母が乳癌ですが、両親は健在です。ご相談したいのは
1) 対側にまたできたしこりが癌である可能性がどの程度のものなのか。良性の可能性もありますか。
2) 仮に癌だとしたら、多発癌なのか再発癌なのか、治療法は前回とどの様に違ってきますか。再再発は可能性はどの程度ありますか。

来春に子供の大学受験を控えております。検診で悪性ともなりますと、治療と重ならないかと心配しています。危ないものなら、検診の時期を変更して早めてもらうことも考えます。あまり心配するほどのものでもないなら、手術等治療は来春からにでもお願いするということは可能ですか。随分勝手な言い分で、主治医の先生にお願いする前に、ご意見をお聞かせいただければと思います。よろしくお願い致します。

1) 乳癌の既往のある方が反対側の乳房に癌ができる確立は、乳癌の既往のない方に比べ2倍ぐらい高いといわれています。増大している様であり、乳癌の可能性は高いと思います。勿論良性の可能性もありますが・・・。
2) 左乳癌は非浸潤癌であり、この乳癌の再発である可能性は低いと思います。実際に診察をしていないのでこれ以上のことは分かりませんが、乳癌であれば治療は早いほうが無難です。いずれにしても早く検査を受け対処することが必要です。(文責 吉田)

 

No.5452】 06年06月26日     N
要精密検査

31才、女(未婚、出産未経験)です。5/27に乳がん検診でエコー検査をし、今日(6/23)、検診の結果が郵送されてきたのですが、左胸が要精密検査でした。「Φ10mm、内部エコーやや不均一、Low echoic lesion+ 腫瘍(疑い)」となっていました。以前から、両胸とも、しこりや生理前の張り、痛みがあり、半年ほど前に病院に相談したところ、「乳腺症の疑い」と言われていたのですが、検診があることがわかっていたので、「検診の結果を見てから専門医に行ってください」と言われていました。以前から気にしていたこととは言え、改めて検診の結果を見ると、とても不安です。家族には乳がんの病歴の者がいないため、大丈夫だろうと思っていたのですが、インターネットや書籍で調べると、いろいろな情報が氾濫していて、とても心配です。この場合、どのような状況が考えられるのでしょうか。お忙しいことと思いますが、回答をよろしくお願いします。

実際に診察した訳ではありませんので分かりませんが、年齢を考えると線維腺腫などの良性腫瘍、乳腺症の一部の可能性が高いと思います。しかし最悪の場合は乳癌ということもあり得ます。いずれにしても早めに専門医を受診してください。(文責 吉田)

 

No.5451】 06年06月26日     U 
病理検査待ちです

先日3箇所1箇所目は、針生検で非浸潤性乳管癌でした。2,3箇所目は、どちらともいえないとのことで、1箇所めの癌(0期)を切除しました。そのとき一緒に、2,3箇所切除して只今病理検査待ちですが、手術後、私の主治医と話したのですが、「2,3箇所のところは、癌の可能性はありますか?」 主治医は、「見た限り7割ありますね」とのこと。そこで皮下全乳房切除術となり、同時再建可能なのだそうです。まだ子供がいないので、将来は妊娠出産の希望を、主治医には前から話しているのですが、主治医がとても忙しい方で、手術前日にインフォームドコンセントになってしまい、考える時間があまりとれません。皮下全乳房切除術となり、同時再建可能となったとき、将来出産したいと思っておりますが、どのような方法がありますか。人工のものでも妊娠出産は可能でしょうか? その他に、私はどのような事を知ってインフォームドコンセントにのぞめば、パニックにならいでしょうか? ご多忙の先生方に、わからづらい質問ですみません。宜しくお願いします。

メールの記載だけではよく事実関係がわかりません。また質問もよくわかりません。全乳房を切除しても、再建の有無にかかわらず、妊娠出産は可能です。しかし術後の病理検査の結果、再発の可能性が高い場合、妊娠はあきらめた方がよいかもしれません。術前にどのようなことがわかっていればパニックならないかは、人により異なりますのでわかりません。そんなに悪いことはないと思いますので、落ち着いて主治医の話しを聞いてください。(文責 吉田)

 

No.5450】 06年06月26日     JUN
硬癌の場合の抗癌剤治療について

49才です。硬癌(スキルス)と乳頭腺管癌について、それぞれの性質について教えて下さい。硬癌の場合でもリスクファクターが低リスクと判断された場合、抗癌剤治療は必要ないのでしょうか? 宜しくお願い致します。

同じ大きさであれば硬癌のほうが予後が悪いとされていますが、性格にあまり大きな違いはないと思います。両者とも乳頭上皮より起こった癌であり、両者の成分は混在していることが多く、その成分の多いほうをとって硬癌とか乳頭腺管癌としているのに過ぎません。硬癌は顔つきが悪いものが多く、よほど小さいものでないと低リスクとされることはないと思いますが、その様に判断されたならば抗がん剤治療を行わないのが標準的です。(文責 吉田)

 

No.5449-1】 06年06月26日     T  
リンパ節郭清について

37歳の妻についてご相談させていただきます。ER+、PR+、Her2-、腋窩リンパ節転移2ヶ、T2N1の浸潤性乳管癌で、術前化学療法を行っています。しこりも3pから5oに小さくなり、リンパ節を郭清しない選択もあると聞きました。妻はリンパ節を郭清するとリンパ浮腫などの後遺症が出る可能性があるので、出来ればとりたくないと言っているのですが、残した場合のリスクはどの程度なのでしょうか。放射線のみ照射した場合も後遺症はでるのでしょうか。郭清しないことでリスクが増えるのであれば妻を説得したいので、お教えいただきたいのですが、宜しくお願いします。お返事お待ちしております。

腋窩リンパ節の郭清は予後の予測と局所コントロールのため行います。術前化療を行いリンパ節が触れなくなってしまった場合でも郭清してみると小さなものが残っている場合があり、やはり郭清するかセンチネルリンパ節の生検を行い、癌の転移の有無を確認しておくことが必要です。郭清せずに放射線照射をするという方法もありますが、これでは癌が転移していたのか否か判らなくなってしまいます。郭清しなくても再発リスクが大きく増えることはないですが、再発・転移のリスク自体がどの程度であるのかが判らなくなってしまいます。(文責 吉田)

 

No.5449-2】 06年11月28日     T  
ホルモン療法とハーセプチン

HPNo.5449では大変お世話になりました。またご相談させていただきたいのですが、ステージ2b、術前化学療法(AC-T)、7月に乳房温存手術リンパ節郭清(転移1ヶ)を行い、放射線治療を終了しました。現在ホルモン療法(ノルバテックス+ゾラテックス)を5年間の予定で行っております。質問ですが、当初(−)だと思っていたHER2がFISH法で2.6とわかり、ハーセプチンを行うという選択肢も出てきたのですが、ホルモン療法と比べて、どちらが再発リスクが下がると思われますでしょうか。また他にも違う術後補助療法があるのでしょうか。先生方の御意見を頂戴したいと存じます。

ハーセプチンを用いたほうがリスクは下がります(ただ、ホルモン療法も行うことになります)。もし可能であれば、行っておくのがよいと思います。(文責 加藤)

 

No.5448】 06年06月26日     R
抗癌剤治療の血管炎とリンパ節転移について

はじめてご質問をさせて頂きます。
プロフィール■44歳未婚■右胸筋温存乳房全摘(2006年2月8日手術済み)■浸潤性入管癌/硬癌■大きさ20〜30mm■軽度のリンパ管浸潤■リンパ節転移3/24(Max6.8mm)■ホルモン受容体陽性■Her2増幅なし■現在:FEC 3週毎×6回終了 2週間後よりタキソテール3週毎×4回予定。

1) 血管が細く、FECによる血管炎が痛みや浮腫み、紫痕を伴い残っております。主治医からは「治らない」と言われました。血管炎についての説明は特にされず、こちらが質問をすれば「仕方がない」としか回答は得れずにおりましたので、結果的に「生涯治らない」と言われた際にはややショックでした。ステロイド剤の注射などの情報を目にした事もあるのですが、何か治療策はありますでしょうか? 次に受けるタキソテールも血管壊死の危険度の高い薬と認識しておりますので、併せて不安が募ります。また腫瘍内科の専門機関では血管炎や血管壊死等への対策や予防なども、抗癌剤治療の一環として充実された判断がなされているものなのでしょうか?
2) 術後の医師の触診検査ではワキリンパ節の転移等は認められないと言われておりますが、最近では術後のワキの違和感やツッパリ感も和らいでまいりましたので自己触診も始めましたが、「しこり」のようなものが触れます。主治医は常々「転移3/24なので再発の心配は少ない」と言っておられ、私の不安には応じてくれません(私は術前診断ではリンパ節の転移は無いと報告されておりましたが、実際には転移が認められた経緯もありますので尚更に不安を感じてしまいます)。術後4ヶ月位でも転移の可能性はあるのではと考えてしまいますが、過剰な心配でしょうか?

以上、長々と申し訳ございませんが、是非先生方のご意見を頂戴したいと存じます。

1) 抗癌剤の点滴による血管炎は「生涯治らない」ものではなく、点滴をやめれば2個月位で軽快してくるものです。抗癌剤が漏れた場合には周囲にステロイドの皮下注を行います。通常抗癌剤の点滴をする場合には吐き気どめの意味で、一緒に少量のステロイドを使用しています。タキソール注をして、これ以上、血管炎がひどくなるようでしたら鎖骨下静脈など太い静脈などに留置カテーテルを入れ、そこから点滴をするようしたら良いでしょう。腫瘍内科でも現状は大差ないものと思います。
2) 脇の下のリンパ節郭清を行ってあれば、脇の下のリンパ節の再発は非常にまれであり、まずは心配ないものと考えます。「しこり」の様なものはやがて消えるものと思いますが、増大するようでしたら主治医にいって検査してもらいましょう。(文責 吉田)

 

No.5447】 06年06月25日     J.M 
癌の種類について(HPNo.5370-2)

HPNo.5370でお世話になったJ.Mです。右側のしこりは、やはり癌であるという診断が出ました。その最終診断は、他の病院で「バネ式針生検」で検査をしての結果です。乳頭腺管癌ということで、比較的おとなしいものだとのこと。大きいしこりと小さなしこりがあり、つなぎ目を合わせると 23mm。T期ということです。その時に診断記録から、手術をした左側の癌は「硬癌(スキルス)」だった事を知りました。かなり性質の悪い癌であったようです。「リンパに転移していなかったこと、運がいいと思いなさい」と言われました。手術をした病院の医師からは全く聞かされていなかったので驚きました。左側の診断は以下のようです。
腫瘍の大きさ・・・1.5CM 、リンパ節転移数・・・2個中、0個、 腫瘍の悪性度・・・1〜2の間、 ER・・・陽性、 PgR・・・陽性、 HER2・・・陰性、 脈管侵襲・・・なし、 断端・・・陽性、 リスクファクター・・・低リスク。
質問です。
1) 乳頭腺管癌とは、どういった癌ですか?(マンモグラフィには写りませんでした)
2) 二つ合わせると23mmですが、T期と言う判断で良いのですか?
3) 乳腺症型線維腺腫と乳頭腺管癌は間違いやすいと聞きましたが?
4) 硬癌(スキルス)とは、どんな癌ですか? 進行が早いのですか? そうなるとやはり「断端陽性」ですので、放射線30回あてても再発の可能性は高いのですか?
5) 硬癌であっても低リスクという判断で良いのでしょうか?
6) リンパ節(センチネルリンパ含む2個)検査で、2個だけで転移無しの判断は妥当ですか?

以上、宜しくお願い致します。

手術お疲れさまでした。
乳頭線管がんと硬がんですが、両方とも普通の浸潤性乳管癌のタイプでどちらが悪性とか良性とかそういったものではないです。両者の大きさや病理からいっても早期であると考えます。それぞれのしこりの大きさで、最大径2cm以下であり、かつリンパ節転移がなければ早期になります。(1.2.4.5)
3)に関して、元々線維腺腫と乳頭線管がんでは超音波画像で良く似た画像として描出される事が有ります。良性か悪性かの判断は病理組織学的な検査をやらないと判断できません。
6)妥当であると思います。

色々とご心配でしょうが、良く主治医の先生と相談なさって下さい。お大事にして下さい。(文責 藤田)

 

No.5446】 06年06月25日     Y
ホルモン治療について(HPNo.5345-2)

HPNo.5345です。再度相談させていただきます。昨年9月に右乳房温存手術を行い、その後放射線治療を経て、現在もホルモン治療中です。ザンクトガレンの分類では中間リスクにあたっています。昨年3月に婦人科検診を行ったところ、子宮の内膜が厚くなっているとのことで3ヶ月後の今年6月に再度検診をしたところ、変わらず子宮の内膜が厚いままで、子宮体がんの可能性もあると言われ、組織診の結果待ちになってしまいました。その経過を外科の主治医に報告したところ、現在やっているノルバデックスの副作用とは考えられないが(まだ期間が短いため)、1ヶ月止めてみて様子をみようということになりました。子宮の方も心配ですが、乳癌の治療の方もリュープリンの注射だけになってしまうと効力がなくなってしまうような気がして、とても心配です。主治医は「個人差があるので何とも言えない」とおっしゃるので、結局は最終的に自分で選択しなければならないので、ご助言いただけたらと思います。どうぞよろしくお願い致します。

ご心配ですね。ご存知のように、ノルバデックスは子宮に影響し、がんを生じる事が有ります。ですので、子宮の状態が問題ない時には内服した方がいいと思いますが、経過観察中では休まれていいと思います。ノルバデックスは今後の再発の予防として投与するのであり、現時点で怪しい段階では、問題ないと解るまでは内服しない方がいいと思います。子宮体がんでない事が明らかになった時点で、開始するのでいいと思います。お大事にして下さい。(文責 藤田)

 

No.5445】 06年06月25日     S 
乳がんの治療について悩んでいます

初めてご相談いたします。
1) 乳がんで左乳房を全摘しました。その際センチネルリンパ節生検(3個採った)を行い転移無しと判定されたため、リンパ節郭清は実施しませんでしたが、その後の組織検査でセンチネルリンパ節3個の内2個が陽性となりました。これは、リンパ節転移が「2」あったと言う事でしょうか。また、もしリンパ節郭清をし、リンパ全体を組織検査すれば、5個・6個と陽性反応が増えるのでしょうか。
2) 組織検査の結果、センチネル2/3、顔つき3、ER+,PgR+,HER2(1+)、大きさ1.5×1.2cmで、リスク「平均」とのことで、ホルモン療法または、抗がん剤+ホルモン療法の何れかを選択すればよいとの事でした。抗がん剤は副作用のことを考えると抵抗感がありますが、組織検査の結果からいくと、どちらがよいのでしょうか。また、リンパ節転移の数によって治療法が変わってくるのでしょうか。

教えてください。

手術お疲れさまでした。術後の病理結果で、センチネルリンパ節に転移があったという事は、それより奥にある腋窩リンパ節に転移している可能性はでてきます。リンパ節郭清をした事により、リンパ節転移の数が増える場合もありますし、センチネルリンパ節のみ転移で、その奥は郭清しても無い場合があります。
“がん”はできてしまった時より、リンパの流れや血流に乗って細胞レベルで全身に散らばってしまっている可能性がある、というのが現在の考え方です。ですので、リンパ節転移があると全身に細胞レベルで広がっている可能性もでてきます。これは、画像では解らないすごく小さいレベルでの事です。この小さいレベルのものを放置しておくと、大きくなり転移としてでてきます。これを予防する目的で、術後に治療を行いますが、これは病理の結果により人それぞれです。リンパ節転移の数が多い方は全身に広がっているがん細胞の量が多いと考えられますので、将来転移をしないように、抗がん剤を使用します。抗がん剤の種類は年齢や病理の結果(リンパ節の数も)により、異なりますので、主治医の先生とよく相談なさって下さい。これからも、治療で大変でしょうが、お大事になさって下さい。(文責 藤田)

 

No.5444】 06年06月25日     K  
乳がん検診結果が届きました(HPNo.5360-2)

お世話さまです。5月下旬にHPNo.5360でご回答いただきました。ありがとうございました。さて、本日、郵送で検診結果が届きました。判定は「経過観察」、疾患名は「乳房腫瘤」、「3ヶ月以内乳腺外来受診」、部位「右乳房右上部」、大きさ「8×4mm」と記載されておりました。「乳房腫瘤」とは、何でしょうか? また癌細胞の確率は高いのでしょうか? お忙しいところ申し訳ございませんが、ご回答よろしくお願いいたします。

「乳房腫瘤」とは、乳腺組織内にできた、腫瘍(しこり)の事です。腫瘍には、良性、悪性が有りますが、大きさからだけでは良悪の判断はできません。視触診、画像所見、ある程度の大きさであれば細胞診や組織検査を行い病理学的な検査にて、総合的に良悪性を判断します。今回の記載のみでは判断が難しいので、ご心配であれば、専門の先生がいらっしゃるところでの早めの受診をお勧めします。お大事になさって下さい。(文責 藤田)

 

No.5443】 06年06月24日     QQ  
浸潤性小葉癌について

先日64歳になる母が胸にしこりがあり外科に外来受診し、乳房部分切除術の病理組織検査の結果、乳癌(浸潤性小葉癌)と診断されました。脂肪浸潤あり、断端陽性疑いと診断され、乳房全切除しリンパ節も切除する必要があると担当医から説明がありました。浸潤性小葉癌は、切除すれば他に転移することはないのでしょうか? 母の事がとても心配です。お忙しい中恐れ入りますが、ご回答頂ければ幸いです。

乳房全切除しても浸潤癌であれば小葉癌に限らず転移や再発の可能性はあります。再発転移を起こす可能性は切除したリンパ節にどの程度転移していたかに依ります。そのためにリンパ節を調べる必要がある訳で、リンパ節に転移がなければ再発転移の可能性は10%程度でしょう。そのほか切除した癌の性格によっても再発転移の可能性は異なりますので、正確なことは術後の病理の結果を待たなくてはなりません。(文責 吉田)

 

No.5442】 06年06月24日     S  
ホルモン療法について

46才です。昨年9月に温存手術をしました。病理の結果リンパ節に11個中2個の転移があり、ホルモン感受性が陽性でした。術後治療として、放射線治療を30回受け、終了後抗がん剤治療CEFを6クール受けました。これからホルモン療法に入ります。持病に重い喘息と不整脈の発作(動悸・息切れ)が出る時があります。それに薬に対してのアレルギーもあり、主治医の先生も思案中という状況です。抗エストロゲン剤のタスオミンを2年、その後アロマターゼ阻害剤の予定なのですが、喘息に対しての影響はあるのでしょうか? それから腫瘍マーカーでCEA8.0ありました。先生からは何も言われなかったのですが、再発とか転移なのでしょうか? ちなみにCA15−3は8.4でした。後、抗がん剤の治療が終了して一月半なのですが、髪の毛の毛染めはしても影響はあるのでしょうか?

抗エストロゲン剤もアロマターゼ阻害剤も直接喘息に影響を与えることはないと思います。CA15-3は正常値内ですが、CEAは少し高いようです。しかし体質的にこの位の値を示す人はいますので、経過を見る必要があります。だんだん値が上昇するようでしたら再発転移を念頭に検査することが必要です。髪の毛を染めることは何の影響もありません。(文責 吉田)

 

No.5441】 06年06月24日     C.K. 
乳頭の湿疹について

私は29歳で、3年前に双子を出産しました。実は妊娠中から乳首がかゆくなって、ただれたりするようになりました(両方です)。授乳中も乳首が切れたりかゆくなるこが多く、母乳はかなり出るほうだったのですが、子供の吸い方が良くないこともあり、3ヶ月ほどで完全にミルクに変更しました。その後もたびたび乳首がただれるのですが、2、3日たつと治るの繰り返しです。もともとアトピーもあり(まあまあひどいほうだと思います)、ただかぶれているだけなのかなと思っていたのですが、ページェット病のことを知り不安になってしまいました。搾乳するときのように乳房を絞ると、左右どちらも透明や乳白色や黄色の分泌物がでることがあります。一箇所からの時もあれば、乳頭のいろんな位置の乳腺(?)から4、5箇所出ることもありますし、ジワッと少量しか出ないこともあれば、ピューっと勢いよく出ることもあります(ただし授乳中ほどの勢いではありません)。これについても母乳がよく出るほうだったので、やめてからもまだ微妙に出るのかなと思っていたのですが、さすがに母乳をやめて3年近くなるのにおかしいかなと思うようになってきました。今のところ乳房等にしこりなどは感じませんが、やはり一度病院で診察してもらったほうがいいのでしょうか? その場合、皮膚科か外科か婦人科、どれにいったらよいのでしょうか? ちなみに乳がん検診は30歳を過ぎてからでいいかなと思い、一度も受けたことはありません。長くなりましたが、お返事お待ちしています。よろしくお願いします。

両側性であることよりページェト病は考えにくいですが、経過が長いので、やはり皮膚科で一度診察を受けたほうが良いと思います。(文責 吉田)

 

No.5440】 06年06月24日     T.S
針生検の結果について

1989年12月1日に左胸の手術をしました。組織診断 Non invasive ductal ca(R376260)・・・綴りが良くわかりませんが。Auchin closs施行(Tis Nia Mo) 残存tumorなし リンパ節転移なし。 この時は最初に受診した病院で「ボーダーラインだが生検を取ったので、早く手術した方が良い」と言われました。納得できなかったので、紹介状と標本を借りて他院受診。結局、上記の手術をしました。夫の転勤で経過観察の病院も転々と変わり、10年過ぎた頃からは通院も途切れてしまいました。その後、2004年10月に前にこちらでご相談した右乳腺乳頭腫で、あらためて外来受診し、半年ごとの経過観察を受けていました。2006年3月にも受診したのですが、4月になって右胸に大小2個のしこりを感じました。3月受診してすぐでしたし、そのときにはしこりの話も出なかったので、念のため他院を受診したところ、超音波とレントゲンの結果、大きな病院での検査を薦められ、紹介していただいた病院を受診しました。その病院で、5月26日MRIと6月1日マンモトーム生検をしました。以下にちょっと長いですが、病理医の先生の報告を書きます(印刷して下さいました)。

「検体は12本の右乳腺針生検片(2006.6.3切り出し)。12本中10本に病変を認める。病変は、充実胞巣形成を主体とし、管状もしくは小胞巣状を呈して浸潤性に増殖しているようにもみえ、増殖傾向の強い病変です。しかし、立方状一層の乳管上皮様細胞と、その周囲の充実性増殖細胞との二相性がみられるところがあり、間質もinvasive carcinomaに典型的なdesmoplasia というよりも平滑筋様の間質です。増殖細胞の異型性がないとはいえませんが、画像的にいかがですか? まず、腫瘤部のみの切除により病変全体の検索を行い、診断の確定を行った方が良いと考えられます(このような病変は迅速診断での評価は非常に難しいことを考慮ください)。 診断区分:不明」

この報告を元に主治医の先生とお話をしました。今後の方向として
1.病理の先生の言うように腫瘤部の切除をする(結構大きいらしいです)
2.とりあえず、2ヵ月後に再度MRIを撮ってから判断する

以上の提案がされ、2ヵ月後で遅いというか、緊急を要しないのか聞きましたら、「MRIを見てからでも大丈夫と思うが、切除検査を望むならいつでもやります」と言うことでした。結局8月1日にMRIの予約をしました。その前に気が変わったら連絡入れれば対応してくださると言うことです。自分では、この判断で良かったと思うのですが、ご意見をお聞かせください。また、前回も今回も、ボーダーラインとか不明という検査結果が出てしまいましたが、こういうケースは良くあることなのでしょうか? 長くなってすいませんが、よろしくお願いします。

マンモトーム生検をしても良悪性の判断がつかないのは非常に稀だと思います。2ヶ月待ってMRI検査後でも大丈夫だと思いますが、この境界病変が縮小するとは考えにくく、個人的には悪性であった時のことを考え、すぐに腫瘍部分を切除するべきと思います。(文責 吉田)

 

No.5439】 06年06月24日     A.F.
母の葉状肉腫について

4月半ば、ある病院で乳がんと診断されましたが、別の病院で再度診断いたしましたところ、悪性の葉状肉腫であることがわかりました。今度、手術をします。もし再発すると、あまり長くは生きられないと聞いています。再発の可能性はどのくらいなのでしょうか。教えてください。

悪性の葉状腫瘍はまれな腫瘍であり正確なことはわかりませんが、25%位が肺などに転移し、致命的になるとされています。大きさにもよりますが局所再発もありますので、再発率としては30-40%位かと思います。(文責 吉田)

 

No.5438】 06年06月24日     S.N.  
リンパ腺郭清の必要性とセカンドオピニオン

年齢43歳、既婚子供なし。7年前に左胸浸潤がんの手術(乳房温存・リンパ腺郭清)を受けています。今回、別の病院にてマンモトーム生検の結果により、右胸に非浸潤がんの疑いありということで、28日に局所麻酔で腫瘍摘出の手術を受けます。腫瘍の病理検査の結果で一部浸潤が認められれば、改めて全身麻酔にてリンパ腺郭清を行いますとの説明を受けました。センチネルリンパ生検について問い合わせしたみたのですが、取らないと転移しているかどうかわかりませんから、との答え。前回の手術の際、センチネルリンパ生検を臨床実験として受け、ひとつの転移も見られなかったのに、全部摘出された経験をしております。年齢的なものなのか、特に目だった後遺症はありませんが、まったくないともいいきれず、両脇リンパ腺を失くすことに対する不安は非常にあります。
病理検査の結果を待つしかありませんが、もし浸潤がんだった場合、センチネルリンパ生検を受けてくれる病院に移ったりできるものなのでしょうか? それともセカンドオピニオンを受けるならば、手術前にすべきなのでしょうか。

勿論浸潤癌と分かった時点で、センチネル生検を行っているところで乳癌の手術をしてもらう事は可能です。しかしその様な希望があることを予め今の主治医に伝え、希望に添えない場合、センチネル生検が可能な病院を紹介して貰うというのが筋だと考えます。臆せずに自分の希望を伝えることが重要です。(文責 吉田)

 

No.5437】 06年06月24日     C.H.
術後補助療法について(HPNo.5202-3)

5202、5301でお世話になりました。術後補助療法を頑張ってくださいという励ましのお言葉にとても感激しました。今回は、自分のしてきた抗がん剤治療に疑問がわいてきたのでご相談させてください。主治医よりCEFを薦められ、4クールで終了しました。その内容なのですが、1日目にシクロホスファミド、エピルビシンを静脈投与、UFTのカプセル剤を1日目から14日間経口投与でした。3週間1クールでした。終わった後に、本などに書かれているCEFの投与の仕方と違うと思いました。効果としても違ってくるのでしょうか? 現在、タキソール150を2週間に1回行なっています(身長157センチ、体重54キロ)。ウィークリー、3週間に1回というのはよく聞きますが、2週間毎というのも大丈夫なのでしょうか? 4回で終了予定と言われましたが、ウィークリーだと12回なのだから6回するのでは?と素人考えをしたのですが、どうなのでしょうか? 主治医に直接質問するべきなのでしょうが、以前違う質問をした時に明確に答えてくれず不信感が芽生えてきてしまいました。タキソールが終了したら、術後補助療法は終わりになるのでしょうか? 以上、お忙しいところ誠に恐縮ですが、よろしくお願いします。

確かに抗癌剤の使用方法は標準的な方法ではないと思います。しかしこの様な方法が標準的な方法よりも劣っているとも言えません。恐らくタキソールで抗癌剤は終わりでしょう。不安が残るようでしたら主治医と相談して、タキソールをもう少し追加した方が良いと思います(出来れば標準的な方法で)。(文責 吉田)

 

No.5436】 06年06月24日     M.T. 
右乳首の痒みと爛れについて

突然不躾な質問で失礼致します。早速ですが、質問内容を以下に記しておりますので、ご回答宜しくお願い申し上げます。
右乳首の下側のみ部分的に痒みがあります。2週間ほど前、蒸れによる痒みかと思い少し強く指で掻くと、ただれた様になり、黄色く透明な膿状のものが出ています。→範囲が広がっている様子は無いと思いますが、なかなか良くならず、乳癌の症状にはシコリだけでなく湿疹もあると知り不安です。何科で、どのように相談すれば宜しいでしょうか? お手数ですが、ご返信宜しくお願い申し上げます。

接触性の皮膚炎などが疑われますが、ページェット病(乳癌)であることも否定できません。外科あるいは皮膚科などをまず受診してください。(文責 吉田)

 

No.5435-1】 06年06月24日     M  
病理結果に関して ( 硬癌)

私の母の乳癌についてメール致しました。母は、3週間前に乳癌の為、右乳を全摘しました。診断結果は非浸潤性の疑いが強かったのですが、癌細胞が4.5センチと広範囲だった為と、乳頭から分泌物が出ている(初期症状)為、全摘と主治医から指示されました。手術は1時間30分と、比較的早く済み、リンパ転移も見受けられないとの事で、後は病理結果(約3週間後)を待つのみでした。結果が怖く、術後もひたすらネットで何かと調べていました(こちらのサイトも含め)。そして今日、病理の結果が出ました(私は同席できなかったので、母から聞いた限りの回答になります)。診断通り、非浸潤性乳管癌との事で、形態も特に心配ないとの事でした。が、今回全摘し、採った右乳を詳しく検査した上で、新たな癌が発覚しました。それは4ミリ程の浸潤性(硬癌)だそうです。見つかった癌が硬癌でなければ、術後の補助治療もなく終えた(完治に等しい)そうです。主治医に、「今回見つかった硬癌に関して言えば、再発率は1割だけど、自分がその1割に入ってしまっては困りますよね? 10年前であれば、術後の補助治療(全身治療)は考えていなかったけれど、考え方も変わり、念には念をで、抗癌剤治療をすすめたい。まして4ミリと小さいし、今がチャンスです。しかし絶対に必須と言う訳ではありません。ただ、あの時にやっておけば良かったと言う事が、くれぐれも無い様に!!」と言われたそうです。勿論それを聞いた母は「はい!お願いします」と言ったそうです。私も同感です。ただ、私は今回の手術で、ほぼ完治したと勝手に安心していたのですが、「硬ガン」もあったと言われるとは、想像もしていなかったので不安です。癌で完治と断言するのは、なかなか難しい事だとは思いますが、母みたいなケースは、完治したとはもう言えないのでしょうか? 又、主治医のお話の通り、再発率は1割なのでしょうか? そして抗癌剤のすすめに納得した母と私に間違いはないのでしょうか?

たとえ非浸潤癌であっても再発するものが例外的に存在します。どんな癌であっても、厳密には完治したとは言えないと思います。メールの記載より再発率はもっと低いと思われますが、抗癌剤を使用すべきか否かは実際の症例を見ないと分かりません。(文責 吉田)

 

No.5435-2】 06年06月27日     M  
病理結果に関して ( 硬癌) (2)

HPNo.5435の追記を致します。お忙しい中、ご回答ありがとうございました。主治医より、抗癌剤治療を奨めて頂いた理由は次の理由からです。
1)硬癌、組織学的異形度グレード3(何をもっての判断か説明はありませんでした)
2)ホルモンの刺激によって育たないタイプ
3)ハーセプテスト1+
4)浸潤していたものが新たに見つかった為

大きさ0,4ミリ(全摘済)、リンパ転移なし(0/3)。明後日より抗癌剤をスタートします。内容としては、EC(3週間毎に最低4回)。このような保護治療で妥当でしょうか? また、これより先の保護治療に関しては、目に見えない、機械で見えない、存在しているか分からない? 治療になるかと思います。それでも再発してしまうケースというのは、抗癌剤が効かなかったという判断になるのでしょうか? だとしたら、これから使用する抗癌剤が母にとって妥当なのか気になります。ご意見を頂けたら幸いです。

1)EC4サイクル程度でよいと思います。
2)それでも再発することはありえます。抗癌剤が効かなかったという判断になります。

現在、どの抗癌剤の効果があるのか事前に調べる方法はありません。もっとも効果の高いと思われる抗癌剤を使うことになります。(文責 麻賀)

 

No.5434】 06年06月24日      S.A
エコーとマンモグラフィの結果について

33歳。既婚、出産経験なしです。総合病院の外科で甲状腺の検査があったので、一緒に乳癌検査を受けました。乳腺症で、マンモの画像はかなり白い部分が多かったです。エコーで、のう胞が両胸に確認されましたが問題ないと言われ、年1回は検査を受けて下さいとのことでした。この結果について質問があります。こちらの相談室で、のう胞の中にたまに癌がある場合があると書かれているのを見たのですが、のう胞の中を調べなくても大丈夫でしょうか? 最近、母がマンモグラフィ検査で石灰化病変から癌と診断されました。それで私も初めて検査を受けたのですが、乳腺症で画像がかなり白かったので、素人目にも石灰化は見つかりにくいのでは?と思いました。マンモグラフィはまだ若いうち、乳腺症がある場合などはあまり有効性はないのでしょうか? 今後どのように検査を受けていくのがベストでしょうか。 

のう胞であっても癌であることがあるのは事実で、大きいものや一部に内部エコーがみられる場合は細胞診をしておいたほうが無難でしょう。
確かに乳腺症がある場合、石灰化は分かりにくいと思います。しかし以前に撮影したマンモグラフィと比較することなどで十分補えると考えます。あまり気にせず自己触診(月一回)と定期的な検診を受けていくことがベストでしょう。(文責 吉田)

 

No.5433】 06年06月24日      K.U.  
放射線治療について

現在私はEC治療中です。その後タキサン系を予定しております。先日主治医より「化学療法終了後に放射線をしようか」と、お話がありました。私は左乳房全摘手術でしたので、放射線はしないと思っておりました。しかし、しこりは内側にあったため、「胸壁、領域リンパ節への照射をしましょう」と言われました。ちなみにリンパへは1つ転移ありです。化学療法、放射線、ホルモン療法の治療予定です。
1)しこりが内側の場合は全摘後も放射線はした方が良いでしょうか? (前にリンパ転移が4個以上は全摘後でも放射線をすると書いてありましたが)
2)しこりが内側でリンパに1個転移があるという事は、すでに胸壁やその周辺リンパをがんが通っているという事ですよね?
3)しこりが内側というのは、かなり予後が悪いのでしょうか?

どうかアドバイスよろしくお願い致します。

1) 内側の癌に放射線照射追加することは昔はよく行われました。しかし効果がはっきりしないため現在ではあまり行われないのが現状です。
2) その様に考えられます。
3) 現在では外側でも内側でも差がないということになっています。しかし個人的には内側の方が予後が悪いという印象はあります。(文責 吉田)

 

No.5432】 06年06月24日      kaka
小葉がんについて

40代前半の女性です。細胞分類は「非浸潤性成分を主とする浸潤性小葉がん」、T1、N0、M0でT期、リンパ管および脈管の侵襲はなく、ERおよびPRは陽性です。温存療法で手術し、腫瘍は5ミリ×5ミリで、その部分にのみ浸潤性小葉ガンはみられました。断端部に非浸潤性小葉がんがあり、再度追加で部分切除しましたが、その部分にも同じように非浸潤性の小葉がんが広がっており、乳房全体に非浸潤性の小葉がんが広がっていることが考えられるため、主治医より乳房切除を薦められています。その後はホルモン療法の予定です。資料を調べると非浸潤性小葉がんが乳がんに併在していても温存療法が可能との報告もあり、早期で温存ができると思っていたこともあり、気持ちの整理ができてません。主治医からは温存+放射線+ホルモン療法はエビデンスがないので勧められないと言われています。できれば他の医師のご見解も伺いたく、質問させていただきました。よろしくお願いします。

温存手術を行い、乳管内の進展部が残ってしまった場合は、其のままにして術後照射と補助療法を行うこともあります。しかしこの場合は局所再発の可能性は高くなることを覚悟しなければなりません。小葉癌でも頻度的には低いですが同様のことが言えます。どの程度の癌が残ったかにもよりますので、主治医とよく相談してください。(文責 吉田)

 

No.5431】 06年06月24日      M
術後の検査について

いつも参考にさせて頂いてます。早速ですが、現在39歳。2004年に左乳頭腺乳管癌、T2N0M0 ER+ PgR不明 グレード不明。温存手術後、放射線25回後は無治療で現在に至っています。本来ならホルモン療法をするべきなのでしょうが、以前婦人科でアゴニストを使用して動悸や目眩など副作用がひどかった為に、今回使用に踏み切れなかった経緯があります。対側乳房にもエコーに映る影があるので、定期的観察し、細胞診、針生検もこれまで3回行っています(しこりは無く、まだ7ミリ程度と小さい為はっきりした診断がついていません)。そこで質問なのですが、毎回同じ状態でエコーで見つかるものを、ずっとこのまま同じように観察するだけで良いのでしょうか? 今年に入って4月に胸部CT、10月にも同じように造影剤を使用してCTの検査があるようです。年2回のCTは必要でしょうか? お忙しいことと思いますが、宜しくお願いいたします。

7mmのしこりがエコー検査で毎回同じ状態であれば、細胞診を行いながら観察を続けていてもかまいません。もし診断をはっきりさせたいのであれば、コアーニードルあるいは生検を行い組織を採ることが必要です。術後の検査をどの様に行うかについて標準的なものはありません。個人的には胸部CTを年2回というのは多い気もいたしますが、必要がないとは言えません。(文責 吉田)

 

No.5430】 06年06月23日      S.T.
葉状腫瘍について

お尋ねします。先日、マンモ・超音波・組織検査の結果、2.7cmの良性葉状腫瘍と診断されました。主治医の先生は、「そんなに急いで手術しなくても・・・・」とおっしゃいましたが、私が希望して摘出してもらう事にしました。入院、全身麻酔だそうです。そして「摘出すれば心配要らない」と言われました。ですが、この病気の詳しい情報があまりないので、インターネットで検索していたら、思っていた以上に怖い病気なんですね。良性でも摘出し、病理に回さないと確かではない・・とか、良性でも安心できず、再発、悪性化した場合の治療法がないと知り、とても不安です。現在MRIの予約待ちですが、このしこりの近くに1cm弱の別のしこりを見つけました。まだ病院では見てもらっていませんが、これも葉状腫瘍でしょうか? 多発の場合は悪性化しやすいと何かで読みました。しこりが2個ある場合の摘出手術はどのようになるのでしょうか? あまり症例がなく、予後も心配です。

葉状腫瘍は、確かに良性と、少ないながら悪性がありますし、実は切除して初めてはっきりすることも珍しくありません。しかし、女性に最も多い良性腫瘍の線維腺腫と親類のようなもので、切除しないと区別も難しいことがあります。また、線維腺腫と葉状腫瘍が一度にできることもあるわけで、年に何回か経過を見ることが多いようです。すべて切っていたら、若い女性の胸はキズだらけです。ただし、医者側から見て切除しておいた方が良い場合と、患者側が大きくなって傷も大きくなるより、消えてなくなるものでないなら、小さいうちに小さい傷で取りたいと望む場合。これは切除となります。多発の場合、近ければひとつの傷で切除も可能です。(文責  館花)

 

No.5429】 06年06月23日      R.S.
術後補助療法について

はじめまして。40歳、小学生の子供二人。母と叔母二人が乳がんで、母と叔母それぞれ五年以内に再発し死亡しております。マンモグラフフイーの検診で左乳房に広い範囲に石灰化が認められ、針生検の結果、ステージ0の非浸潤がンと診断されました。5月22日に左乳房全摘+センチネル生検+同時再建の手術を受けました。当初はホルモン療法だけですむだろうと言われていました。しかし、その後の病理結果の結果0.8mmの浸潤がんでステージ1、リンパ節転移なし(0/4)、閉経前でホルモン受容体共に陽性、HER2タンパク陰性、リンパ管一部浸潤、グレード3と診断されました。お恥ずかしい話ですが生存率と再発率の違いもわかっていない状態でした。ステージよりも家族歴、グレードを考慮して、再発率を少しでも下げるため EC or FECとホルモン療法を薦められています。
1) ECとFECの副作用と効果はどのくらい違うものですか?
2) 胸にエキスパンダーが入っていますが、影響ありますか?
3) もしホルモン療法だけの選択にした場合、再発リスクは何パーセントくらいですか?

1) EC療法とFEC療法を比較した大規模な検討はないが、Fが投与される分、効果はあるかもしれないと推測されます。しかし、確証はなし。副作用はあまり変わらないでしょう。
2) 人工物が留置されていても、化学療法は施行可能。
3) ホルモン感受性のある乳癌の場合、ホルモン剤を標準的に投与されると、40%前後の再発低下があると言われています。(文責 館花)

 

No.5428】 06年06月23日      T.Y.
乳頭直下の乳癌の温存術について

突然ですみませんが、気になって仕方がないのでおたずねします。先日乳がんの乳房温存による摘出手術をランペクトミー術式で受けたものです。1.8センチの腫瘍が乳頭の真下にあり、術前の説明では乳頭の横から切開するとのことでしたが、終わってみると乳頭の真上を切開されていました。いろいろと調べても、温存手術で乳頭を切開するという事例は見当たらなかったのですが、こういうケースはよくあることなのでしょうか。また、乳頭上を切開したことによる不都合や問題点などはないのでしょうか。よろしくお願いします。 

当初、計画されていたごとく、乳輪に沿って切開する方法が一般的です。手術前の状況が不明ですが、乳輪が大きくない、別の切開の方が美容上優れるなど、この方法が選択された理由はさまざま予測されます。乳頭乳輪を残せて形があまり悪くなければ、問題は見当たらないようです。(文責  館花)

 

No.5427-1】 06年06月23日      I・K
左乳頭の白い斑点について

はじめて相談させていただきます。出産経験無しの38歳です。インターネットで調べていてこのページにたどり着きました。お忙しいとは思いますが、よろしくお願いいたします。以前、左胸だけが陥没乳頭でしたが、数年前に乳首が出てきました。これといって症状も無かったため気にもとめていませんでした。その後、生理前や排卵日頃になると胸がはり、シャワーも痛く感じる事があり(左胸のみ痒みあり)、30歳を超えたので乳がん検診を受ける事に。生理前という事もありエコーで痛みがありましたが、エコー・触診とも異常無しでした。その後、会社の検診で定期的に乳がん検診も受けていますが、異常はありません(左首に5oの甲状腺腫有り)。数ヶ月前に左胸乳首に白い斑点のようなものがあるのに気づき、先月の健康診断の時に先生に聞いてみましたが、「赤い斑点ではないし、エコー・触診ともに異常も無く、白い斑点が大きくなったり赤く変色したり、乳首や乳房が変形してきたら外科で診察してもらってください。」との事でした。白い斑点は2oほどで、触ると少しだけ硬いように感じます。胸が痒いのも、陥没乳頭だったのも、甲状腺腫も左です。何か乳がんと関連があるのでしょうか? ネットでいろいろと検索してみましたが、「乳腺症の一種で白いニキビのようなもので、授乳中なら、つまったところからミルクを出したら治った。」というものがありましたが、私は授乳中ではないし、バジェット病のように胸のひどい痒みや爛れ、湿疹はありません。会社からの健康診断なので、専門医ではなかったし、癌家系で叔母が乳がんの手術をしている為、不安になって相談させていただきました。よろしくお願いいたします。

触診、エコーやマンモグラフィにて異常がなく、分泌物やタダレもなければ、ひとまず乳癌との関連はなさそう。経過を見るべきでしょう。さまざまな検査で腫瘍が認められなくても、乳頭から分泌物が出たり、タダレたりしたら、そのときには細胞検査を受けるべき。自分でも時々気にするようにし、同じ主治医の先生に定期的に確認して頂くことが大切。変化があり、検査を追加してもらい、癌の疑いがあったら、腫瘤が明らかでなくとも、そのときは専門病院か専門医を紹介してもらいましょう。(文責 館花)

 

No.5427-2】 06年08月03日      I・K
左乳頭の白い斑点について(2)

HPNo.5427でご相談させていただいた者です。その節は、ご回答ありがとうございました。変化があったので、再度ご意見を伺いたくメールいたしました。乳首の白い斑点ですが、先日薄皮?が破れ、触ったらポロッと中に詰まっていた物がきれいに取れました。ちょうど白っぽいニキビのような感じで、痛くも痒くも無く、血も分泌物も出ませんでした。以前、陥没乳頭だったので、ゴミのような物が溜まってできたものか、ホルモンバランスの異常で、授乳中ではありませんがミルクのような物が溜まってできたものか、乳がんとの関連はあるのか、と気になっています。その後、数日たちましたが、白い物が詰まっていた小さな穴もふさがり、乳首に痛みも無く分泌物も出ていません。お忙しいとは思いますが、よろしくお願いいたします。

メールの内容からは乳がんとの関連性はなく、ご心配ないように思います。(文責 加藤)

 

No.5426-1】 06年06月22日      K.K
検査結果が心配です

はじめまして。私は年齢47歳です。先日左乳房にしこりを見つけ、近くの病院の外科に診察に行きました。以前(1年半位前)に右乳房にしこりを見つけて受診した事があったのですが、その時は乳腺のう胞と診断されました。今回も前回と同様の順序で診察しました。
@問診表に記入 Aマンモグラフィー B担当医の触診とレントゲン写真の説明(この時点で、「石灰化がありますが、これは大きいので心配いりません。のう胞だと思います。」と説明があり、「エコーで見ます」と言われました。) C担当医のエコー検査 D注射器でしこりの水を吸い取り(左1ヶ所、右2ヶ所)細胞診へ出される(院外の機関)  
2週間後結果を聞きに行きました。担当医から「悪性のものはないので心配いりません。のう胞が沢山ありますが、経過観察でよいと思います。」と話されました。「3ヶ月後また診察に来て下さい。」とのことでした。その際、検査結果を見る事もできず詳しい説明もなかったので、心配で二つ質問をしました。一つは採集した水が、濁っていたものと血液が入っている物があったので、その事について訊きました。もう一つはのう胞が沢山あっても何処かに癌があればレントゲンに写るのかどうか、という事です。担当医は「血液は水を採集するときに混じって入ることはありますし、濁りは乳管内に何かあれば分泌物があるし、中には乳首から分泌物が出てくる人もいます。心配する事はありません。レントゲンで今回のう胞は写りませんでしたが、もし癌があれば写ります。」との説明でした。
私は検査結果が気になったので、帰りに看護師さんにお願いして報告書を頂いてきました。 内容は次のとおりです。
「右外側classU、赤血球が多く見られる中、類円形核で小型の核小体を有するN/C比低い細胞が乳頭状集塊で出現しています。赤血球に埋もれて間質茎は分かりませんが、一部、胞体に赤色調の顆粒がみられ、アポクリン化生細胞も混じっています。乳腺症を疑います。右内側classT、好中球が主体です。乳管上皮細胞は見られません。左外側classV、 泡沫細胞や赤血球が見られら中、小型で核濃染した間質系と思われる細胞集塊と、索状配列〜弧在性の乳菅上皮が少数認められます。乳管上皮は変性していて、核形不整や二相性が不明瞭です。Intraductal papillomaなどの増殖性病変を疑います。精査願います。」 
 
専門用語が多く内容がよく分かりません。どんな内容なのか教えていただけませんでしょうか。それと「精査願います」とありますが、精密検査のことだと思うのですが、このまま経過観察でよいのでしょうか。心配で仕方ありません。母親、姉妹に乳癌の者はいません。大変長くなり申し訳ありませんが、宜しくお願いいたします。ご返事お待ちしております。

右外側と内側ののう胞については、ごく普通ののう胞で何の心配もいりませんが、左外則のものは乳管内乳頭腫(良性)を疑うもので、組織診断をつけておいたほうが良いということでしょう。経過観察(経過観察は、その後悪性を疑わせる所見が出現した時、直ちに対処し悪性の発見が遅れないために行うものです)で良いと思いますが、どうしても不安であれば、その旨を主治医に伝えて生検などを行なって貰うとのも良いと考えます。(文責 吉田)

 

No.5426-2】 06年07月31日      K.K
右乳房の痛みについて

以前HPNo.5426でお世話になりました。その節はありがとうございました。前回6月の検査結果が気になり、こちらの相談室に質問をいたしました。お返事を頂き安心できましたので、次の診察日(9月初旬)まで経過観察と思っていました。ところが7月10日前後くらいの夜、布団にうつ伏せになった時、右乳房に少し痛みを感じ触ってみると、乳房上部の内側の乳輪の部分(乳頭の際か上方にかけて)が硬くなっていました。触った感じは、分かりにくいかもしれませんが、授乳期に胸が張ったときの乳房を触った感触と似ていました。のう胞が沢山できていると言われているので、初めのうちは水を抜いたのう胞が小さくなったので、その近くののう胞が目立ってきたのかな、と思っていたのですが、前回の細胞診検査の時に、しばらくの間少し押すと、痛みがあった位置と同じあたりで、直接針を刺した跡とは少し離れていますが、水を抜いたのう胞があったあたりなので、針を刺した事が何か影響しているのかと心配になってきました。何日か様子を見ていたのですが、手のひらで軽く圧迫したり体を動かしている時に物が胸に当たったりすると痛みがあるようになってきたり、乳房の奥のほうではなく皮膚に近いところなので、表面からも少しふくれたように見えてきたので心配になってきました。針を刺した事が影響しているのか、それとも癌や他の悪い病気なのではないかと気になって診察に行って来ました。(7月25日)

前回同様にマンモグラフィー(圧迫された時に少し乳頭から分泌物が出ました。色は極薄いクリーム色)、エコー、細胞診検査、マンモテックを行いました。エコーで見ている時に、主治医が「のう胞が沢山あって水がいっぱい溜まって、はった状態になっているので痛みが出てきているんです。また水を抜きましょうね。」と仰いました。私も水を抜いてもらえば痛みが無くなると思っていました。一回目は針を刺しましたが、何も採れませんでした。エコーでもう一度確認して針を刺しました。水が抜けないのか、痛みのある部位を指でギュッと何度も押されました。とても痛かったですが、看護師さんに「我慢してね。」と言われたので我慢していました。その後2回針を刺して水を抜きました(取れたのは1回)。その度に押されるので、とても痛かったです。それから、主治医に乳頭から分泌物が出ないか聞かれたので、レントゲンで圧迫された時に出た事を伝えました。そうすると、看護師さんに「検査室にマンモテック頼んで」と指示していました。それから私に「圧迫するので少し痛いですよ。」と仰って乳房をギュッ、ギュッと押してきました。もともと痛みがあって診察に行ったので、痛くて痛くてグッとこらえていました。暫くして検査室の人が来て、「私がやってもいいですが、ご自身でやった方が出やすいと思います。」と仰いました。その時やっと分泌物を出すためだった事が分かりました。乳頭の分泌物の出た位置は、痛みのある側ではありませんでした。今回針を刺した(右上部の中心より少し外側)すぐ近くでした。自分でやると少し血液が混じっていたのかピンクがかった極薄いクリーム色の分泌物が出てきました。最後に主治医が、「検査で採った水が少し濁っていたので、ばい菌が入って膿なんかが混じっているのかもしれないので、採った水を培養して調べます。痛み止めと炎症を抑える薬を出します。レントゲンは前回と変わりありません。」と仰いました。1週間後に又診察に来るように言われました。 
その日は乳房をギュウ、ギュウ押されたせいか、診察前よりも痛みがひどくなり、もともと痛みがあって少しふくれていたところは夜になるとぷっくりと腫れていました。検査結果はまだ出ていません。説明が大変長くなり申し訳ありませんでした。

伺いたいのは、
1) のう胞ができて中に水が溜まってくると痛みが出てくるのでしょうか。
2) のう胞ではなく乳腺そのものが硬く変化したり、のう胞の中に癌が隠れていてこのような症状が出る事ははないのでしょうか。             
3) 前回の検査で針を刺した事が何か影響するような病気はあるのでしょうか。
4) 痛みのある乳房を腫れるほどギュウ、ギュウ押して、乳腺に悪い影響はないのでしょうか。
5) このまま外科の診察で良いのでしょうか。
 
今もまだ痛みはあります、腕を上げたり体を動かしても痛みます。強い痛みではないので痛み止めは飲んでいません。触れると硬くなっていて乳輪ががむくんでいるように見えます。私は癌と診断されたわけではありませんが、心配で仕方ありません。検査結果が出るにはまだ日数がかかりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

1) 痛みがでてくることはあります。
2) 全くないとはいえませんが・・・。
3) 特にないと思います
4) 特にないと思います。
5) 宜しいように思いますが、不安であれば他に受診されてもよいでしょう。(文責 加藤)

 

No.5425-1】 06年06月22日      S.N
妻の乳癌について

はじめまして。妻(45歳)の乳癌について初めてご相談します。06年2月に初診、マンモグラフィ検査、エコー検査にて悪性の乳癌と診断されました。同月27日に癌細胞採取を行い、悪性癌との診断でした。3月1日に骨シンチ、MR検査では他転移はなく、同月13日に右乳房全摘出手術(乳腺裏側の腫瘍は約5cm)を受け、右脇のリンパ節一箇所、運動神経に巻きついた腫瘍一箇所、鎖骨下のリンパ部位の腫瘍を切除しました(主治医からの説明あり)。その後は化学療法により、3月27日よりタキソールを毎週1回投与(12回済み)。6月19日よりCEFに変更し、1回/3週間のペースで投与となり、一回目が終わったところです。
昨日、腫瘍マーカーの推移表を主治医から教えていただき、CEAは7.7(3月)、6.4(4月)、4.7(5月)、3.9(6月)と下がっております。抗がん剤の副作用については、脱毛、手足のしびれはあったものの、辛い副作用を想像していただけに、軽めの症状でした。CEA数値自体も一般的標準値を参考にすれば問題ないと思います(素人判断ですが)。私としてはほっとしている所なのですが、本人の不安はぬぐいきれず、精神的に不安定な状況が続いております。いろいろな方のご相談内容を見ていると、ご自分の病気について非常によく分析されており、私自身、妻の癌に対する勉強不足の甘さを痛烈に感じているところです。これから妻といろいろ話をしながら治療に専念するつもりではいますが、妻自身、転移することは確実だと言い張って仕方ありません。上記治療内容及び今後について、ご意見あればお聞かせ願えませんでしょうか?

文面より恐らく腋窩・鎖骨下リンパ節が陽性の乳癌であったものと推察されます。高リスクの乳癌でありますが、治療としては標準的な治療であると思います。この様な治療を行っておけば転移しないことの方が多いと思いますが、ホルモン感受性陽性の乳癌であれば、更にホルモン療法を追加するべきです。ホルモン感受性陰性の場合、本人の不安が強ければ経口抗癌剤で経過観察することもあります。(文責 吉田)

 

No.5425-2】 06年06月29日      S.N
妻の乳癌について(2)

先日はご回答いただき、ありがとうございました(掲載No.5425)。再度ご相談ですが、前回、「6月19日よりCEFに変更し、1回/3週間のペースで投与となり、一回目が終わったところです」とご報告致しましたが、26日(月)の血液検査の結果、白血球の数値が1100まで下がってしまい、即入院となってしまいました。主治医からは抗癌剤が強すぎたのかもしれないとの事で、現在白血球を上げる注射を行ったとの連絡がありました。4、5日の入院ですむとの事です。今後は白血球の数値回復を待っての化学治療だとは思いますが、口内炎もひどいようですし、再度、白血球数値が下がってしまうのかどうか、よく分かりません。主治医からは「抗癌剤の量を減らす事で対応しましょう」と話があったようです。抗癌剤については続けないと再発が怖いし、続けると白血球が気になります。基本的には主治医に従いますが、このような事例は多々あると思いますけれど、どのような手段を選択すればよいのでしょうか?

次回の投与時から減量するのがよいでしょう。(文責 麻賀)

 

No.5425-3】 06年07月31日      S.N
咽喉の違和感及び胃ポリープについて

前回、白血球数値について相談しました。その後、白血球を上げる為にG-CSF(ノイトロジン)を5回接種し、何とかCEF投与(40%減)ができるようになり、31日に第三回目を受け、とりあえず終了との説明がありました。ところで最近、咽喉の痛み(咽喉の四方)を訴え、先日内視鏡検査を行なったのですが、咽喉自体は異常なしとのことでした。その際、胃の検診も同時に行い、ポーリプが6ヶ所見つかりました。その内一つは大きなものだったので、細胞検査に回されています。「基本的には問題ないでしょう」という担当医師からのお言葉は頂きました。薬により胃が炎症を起こしているのか、ストレスからくるものなのかよく分かりませんが、いずれにせよポリープとはいえ心配しています。乳がんの胃との関係って何かありますか? 胃へ転移する可能性ってあるのでしょうか? 咽喉についても何か考えられる事があれば教えて下さい。

乳がんが胃に転移することはごく稀です。ポリープとの関連性はないでしょう。のどの痛みについても直接的な関連性はないと思いますのでご安心下さい。(文責 加藤)

 

No.5425-4】 06年08月07日      S.N
抗癌剤の中止

いつもご丁寧なご回答ありがとうございます。胃・のどの件については安心しました。現在、タキソール終了後、CEAを2回(そのうち1回は40%減)投与したところのですが、1回目投与後、白血球が下がってしまい、2回目は40%減で投与しました。しかしながら今回も白血球の数値が1000まで落ちてしまい、CEA三回目については主治医から中止したいとの連絡がありました。今後はホルモン治療を勧められております。手術時、リンパ節および鎖骨上下にも転移があり、「浸潤性小葉癌」との結果も出ており、他臓器への転移を懸念しております。CEAを強行するべきか、それともホルモン治療に切り替えるか、主治医の方も悩んでいるとの事で、こちらの意思を尊重したいとのようです。ハーセプチンについても保険適応は別として、陽性のようで、可能のようです。再発防止に最善を尽くしたいのですが、いかがお考えになられますでしょうか?

化学療法の強行はやめた方がいいでしょう。ある程度、しっかりとした用量で、きめられたサイクル、投与期間でおこなうのがいいので、中途半端に減量するのは止めましょう。あとはホルモン療法と、ハーセプチンの1年間の投与です。これは保険適応ではないものの、実質、患者さんに負担が増えるものではありませんので、投与された方がいいでしょう。腋窩リンパ節転移が4個以上であれば、腋窩、胸壁、鎖骨上、鎖骨下、胸骨傍に放射線も必要になると思います。(文責 鈴木)

 

No.5424-1】 06年06月22日      M.Y.  
乳腺線維腺腫について

ご相談させてください。1ヶ月前に左胸の痛みで乳腺外来を受診しました。左胸には異常はなく、右胸に0.5cm×1.5cmの横長のしこりを指摘され、しこりの一部にギザギザした部分があり悪性の可能性もあるとのことで、超音波ガイド下で細胞診を行いました。結果、クラスUで線維腺腫ではないかということで経過観察を行うこととなりました。2ヶ月後、エコーによる再診を予定しています。いろいろ情報を集める中、またこの掲示板の過去の相談を拝見する中で、私自身この判断は妥当なものではないかと思っておりますが、インターネットなどでは『最低2箇所、受診すべき』という乳がん経験者のご意見もあり、セカンドオピニオンを受けるべきなのかどうか迷っています。
細胞診は確定診断ではないということで、「生検はしなくてよいのですか」と医者に尋ねたところ、『しこりやその周りの組織を切るということは、傷を作るということであり、その後エコーなどで経過観察をする際、判断の妨げとなる場合があるので、現時点では生検はしなくてよいと思うし、お勧めはできない』と言われました。
そこでご相談です。私が最も不安に思っていることは『良性と思っていたら実は悪性で、しかも発見の遅れでかなり進行している』という状況になることです。
1)セカンドオピニオンは重要性が高く、必ず受けなければならないものなのか
2)生検は行わないほうがよいという医者の判断と、その理由は妥当かどうか

インターネットでは情報が錯綜し、書籍でさえ著者によって意見が異なり、自分で情報を取捨択一し、正しい判断をすること、またその判断に自信を持つことができない状態です。長文申し訳ありません。お忙しい中恐れ入りますが、ご回答いただければ幸いです。 (26歳 女性 茨城県在住)

1) 主治医の示した治療方針が納得の行くものであれば、セカンドオピニオンは必要ないでしょう。
2) 乳腺腫瘤の診断は通常、エコー、マンモグラフィ、細胞診で行われます。これらの検査所見がいすれも良性であれば生検せずに様子を観察しますが、いずれかの検査所見が悪性を疑わせるものである場合は、生検あるいはコアーニードルを用いた組織診を行うことが多いと思います。生検は行わないほうが良いという判断が正しいかどうかは、実際に診察してみないと分かりません。しかし生検してしまうと、その後、画像がわかりにくくなることはは確かです。経過観察は、その後悪性を疑わせる所見が出現した時、直ちに対処し、悪性の発見が遅れないために行うものです。(文責 吉田)

 

No.5424-2】 06年06月05日      M.Y.  
細胞診後の傷跡について

HPNo.5424で回答いただきました。お忙しいところお返事を頂き、ありがとうございました。きちっと経過観察を行っていこうと思っております。
今回お伺いしたいのは、細胞診後の傷跡についてです。検査後2、3週間経っても針を刺した周辺の赤みが引かなかったのですが、そのうち治るだろうとあまり気にしておらず、特に観察もしていませんでした。数日前ふと傷跡を見てみると、そこがニキビ(年齢的に吹き出物でしょうか)のように赤みと共に盛り上がっていました。その他の異変は、今のところありません。もともと顔や首、胸元に吹き出物が出やすい性質であり、傷跡から細菌が入ったのかもしれません。しかし、胸元の吹き出物は通常触ると痛むのですが、この傷跡のニキビ状のものは痛みません。近いうちに医師に相談するつもりですが、細胞診から1ヶ月以上経過しているにも関わらずこのようなことがあり、心配しています。細胞診の傷跡がこのような経過をとることがあるのかどうか、また原因として細菌感染以外(やはり何か悪いものだったら・・・と考えてしまいます)で何か考えられることがあるのかどうか、お教え願えないでしょうか。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

検査後、2、3週間経っても発赤がとれなかったことから、穿刺後血腫が生じたり、細菌感染が起こった可能性が高いと思います。極めて稀ですが、細胞診の後、このような経過をとることが有り得ます。やはり、近いうちに担当医を受診しておくべきと考えます。(文責 石川)

 

No.5423】 06年06月22日      ぴーこ
無治療でいいのでしょうか?

疑心暗鬼になっている、1ヶ月前に左乳がん全摘出した55歳の者です。病理結果で、次のようなこと聞きました。内容として、説明用紙に「浸潤性乳管癌 大きさ1.8センチ  顔つき 1 センチネルリンパ節 1個とるも転移なし 0/1 ホルモン感受性 −か+か文字がどちらにともとれるので、この時点では?  HER-2 1  なし」と書かれ、説明はきいたのですが、ほっとした安堵感で詳しく聞くことができませんでした。インターネットなどで調べることがあり、ホルモン療法は本人が拒否しない限り当然の治療との事らしいですが、先生は、「今後の治療は何もなしで、定期的に検査するだけで良い」と言われました。再発のリスクや転移してないことなどで、薬は飲まないのですか? 予防はしないのですか? 薬の拒否もしていません。何もしないということがかえって不安なのです。本当は喜ぶべきことなのですが・・・。よろしくお願いいたします。

記載された内容より低リクスの乳癌であると思われます。この場合再発や転移の可能性は低く、予防的に抗癌剤やホルモン剤を用いると副作用によるリスクの方が高くなる可能性があり、何もしないということになります。ホルモン感受性陽性であれば、副作用の少ないホルモン療法を行うことはよくあります。ホルモン感受性をきちんと確認してください。(文責 吉田)

 

No.5422】 06年06月22日      M.K. 
今後の治療について

神奈川県藤沢市在住のものです。 神奈川県内で非常勤の看護教員等をしています。今年の七月で50歳になります。妊娠出産経験はありません。私は看護師であるにもかかわらず、乳房のしこりを半年ほど放置していました。放置していた一番の理由は、若い頃、今で言うドクターハラスメントに合い、それがトラウマになっていたからです。で、現在はかなり大きくなっていますし、発赤があり、更にリンパ腺の疼痛もあります。
先週の木曜日に、ホームドクターに、やっとこの話をすることが出来、細胞診をしました。今は結果待ちです。このドクターの専門は肺外ですが、彼と一緒に働いていた師長さん曰く、OPの上手なドクターということですし、私も信頼しています。結果待ちではありますが、主治医も私も悪性のものだろうと考えています。で、OPをどこでするかということが、今の一番の悩みなのです。実は、主人は現在宇都宮に単身赴任しています。夫以外の家族は関東地方にはいません。放置していた期間や今の大きさや状態を考えると、そんなに長く元気に生きていけるとは考えにくいと思っています。ホスピスなどにお世話になるのも、そんなに遠いことではないのではと考えています。それを考えると、主人の近くの病院で、最初から手術したほうがいいような気もします。主治医に話しますと、場所を決めるのは本人(つまり私)だけど、県外は、知っている先生がいなくて、紹介しにくい・・・とのこと。神奈川県立がんセンターにいらした先生なので、神奈川県内では色々良いドクターを知っていらっしゃるようなのです。今まで放置していたにも係らず、OPの上手なドクターに執刀して欲しい、そのあとのケアもちゃんとして欲しいし、主人にも近くにいて支えてほしい などなど、わがままな要求がいっぱいなのです。医療従事者として、落ち着いた態度で臨みたいと考えはするのですが、とてもそんな状態ではないのです。上手に言いたいことが言えないのですが、どうすればよいか、ご助言いたたけましたら幸です。答は、私が出さないといけないことは十分解ってはいるのですが、どうすればよいか解りません。どうぞ、宜しくお願いいたします。

いろいろな考え方があると思いますが、個人的には、まずは神奈川県内で手術を受けられるのが良いと思います。そして癌の進展程度と性格をハッキリさせ、推奨される抗がん剤やホルモン剤の治療を行う。最近の乳癌の治療の進歩はめざましく、たとえ進行癌であっても長期間の生存が可能であることも多くなっています。ホスピスうんぬんはまだまだ先のことで、その前に行うことは沢山あります。勿論始めからご主人のいるところで手術を受けるというのでも構いませんが・・・。(文責 吉田)

 

No.5421-1】 06年06月22日      M.F.  
抗がん剤の効かない乳癌について

58歳の母の事でご相談させていただきます。2月の末に針生検を受け、「3cmの乳がん、リンパ節転移なし」と診断されました(針生検後、傷痕が長く痛み、傷痕周辺が赤く熱を帯びていたようです)。その病院では全摘手術を勧められましたが、セカンドオピニオンを受けるため、一週間後に他の病院を受診しました。そちらの病院での診断では、大きさは5cm。切れば全身に広がるタイプのがんなので、化学療法の後、ラジオ波で焼くという治療法を薦めてくれましたので、後の病院で治療を始めました。タキソールを6クールした所で、縮小しつつあった腫瘍が再び活動を始め、エンドキサンと5−FUに薬を変え、2クール終了したにもかかわらず、針生検痕にできものがあり、乳房全体が赤黒く腫れ、痛みのある状態が続いています。エンドキサンと5−FUも効いていないと診断され、全摘手術を勧められました。手術を選択する前に、他の薬を試して欲しいとお願いして、ハーセプチンを3クールすることになりました(ただ、ハーセプチンは以前血液検査で必要ないと診断されたことがあります)。もし、ハーセプチンも効果が無かったとしたら、ほかに効果のありそうな薬はないのでしょうか? ない場合、全摘手術以外に治療法はないものでしょうか? ご解答いただければ、幸いです。

乳腺全摘の手術を受けられたほうが良いと思います。術前化療を行った場合、化療の効果が見られない場合、手術を行うというのが鉄則です。まだ使用していない薬としては(メールの記載が正しいとして)アンスラサイクリン系のものやナベルビンなどがありますが、今の時点で効果があるかどうかは疑問です。(文責 吉田)

 

No.5421-2】 06年07月22日      M.F.  
抗がん剤動脈注入療法について

HPNo.5421でご相談させていただいた者です。その節は、ご回答ありがとうございました。タキソール8回投与後、エンドキサン・ファルモルビシン・5−FUを2回、その後ハーセプチン+ナベルビンを3回投与してもらいましたが、効果がなく、腫瘍は大きくなるばかりです。それでも、他の薬を試したいとお願いして、ゼローダを服用し、一週間です。これも効果がないようですので、(全摘手術は避けたいため)放射線科の先生を紹介してもらいました。そちらの先生から「抗がん剤動脈注入法なら効果があるはず(シスプラチンなど)」と言われ、喜んでおりましたが、主治医の先生は、「今まで効果のあった抗がん剤がないし、シスプラチンは乳がんではあまり効果の見られない薬なので、その方法は薦められない。」とおっしゃいます。皮膚表面にも腫瘍ができており、そういう腫瘍には動脈注入が効くと、放射線科の先生はおっしゃっていましたが、静脈内投与で効果のないものは、動脈内投与にしても、やはり効果はないものでしょうか?(硬癌で、乳房内の腫瘍もかなり大きくなっているようです。)
ご回答いただければ幸いです。

乳癌診療ガイドラインによれば、「局所進行乳癌に対して、局所動注化学療法は推奨するだけの根拠がなく、臨床試験においてのみ行われるべきで、最新の静注化学療法との比較試験が行われておらず、生存期間に与える影響が明らかでないため、日常診療での使用は勧められない。」とあります。もちろんガイドラインがすべてではありませんが、参考までにと思います。(文責 片山)

 

No.5420】 06年06月21日      M.M. 
乳癌多発性骨転移の治療について

乳癌多発性骨転移(腰椎4番目、頭、左坐骨、頚椎、両側仙腸関節)、高カルシウム血しょう58歳の患者です。
現在までの経過
発病・初診時の状況: 平成元年(1989年)10月発病(42歳)。平成2年(1990年)4月初診。右乳癌判明胸筋温存右乳癌切除術、2.8cm、リンパ節郭清(2箇所転移アリ)、閉経前。内服薬はノルバディックスとエンドキサン(CMF)2種類を2年間服用。ER+、PR+、HER2−、術後10年間経過観察後は特に検査受けず。
再発時の状況: 平成16年(2004年)4月(16年後)再発。乳癌骨転移(腰椎4番目)、高カルシウム血しょう。アリミテックス1mg/日服用。ビスフォナール点滴1回/3w。ロキソニン3錠/日。平成16年(2004年)12月ビスフォナール点滴をアレディア点滴90mg1回/4wに変更(保険適応にて)。平成17年(2005年)4月放射線治療(リニアック)2グレイ/1日×23回=合計46グレイ施行。平成18年(2006年)5月骨シンチにて乳癌多発性骨転移(腰椎4番目、頭、左坐骨、頚椎、両側仙腸関節)判明。アリミテックスを中止。フェアストン40mg×3錠/日と、ヒスロンH200mg×4/日に変更。
検査値: 2004年7月NCCST439、320。CA15‐3、17.6。2005年11月G−GT、75。MCH、34、5。UN/CRTN、27.9。CEA、6.96。2006年3月G−GT、53。MCH、33、8。UN/CRTN、34.7。CEA、13.03。CA15−3、16.9。
主治医の意見(質問事項に関する意見): 骨転移増加みられるので薬と点滴を変更したい。現在服用中のフェアストン(抗エストロゲン剤)・ヒスロン(黄体H)は併用よりフェアストン1種が良いかも(効かなくなったとき、どちらが効かないか分からない為)。抗エストロゲン剤タモキシフェンの選択肢もある。点滴は(次回・来月)よりゾメタに変更したい。

質問事項
1) アレディア点滴、アロマターゼ阻害剤(アリミデックス)服用中に骨転移増加がみられるときの第2選択肢(点滴・薬)を教えて下さい。今後アロマターゼ阻害剤は選択しないのか?抗エストロゲン剤(タモキシフェン〈ノルバテックス〉・フェアストン)に切り替える場合どちらを選択すると良いか?黄体H併用は良くないのか?点滴まで変える必要があるのか?の疑問点があります。抗エストロゲン剤ではありませんが、米国立がん研究所発で表骨粗しょう症治療薬「塩酸ラロキシフェン」(商品名エビスタ)が既存の治療・予防薬「クエン酸タモキシフェン(商品名ノルバテックス)」より副作用も少なく同等の効果あるとの記事を読みましたが、今回の場合、エビスタも選択肢に入りますか?
2) 定期的な血液検査にNCCST439を追加するのは適切でしょうか、教えて下さい。

1) この様な場合、アレディアをゾメタ(第三世代のビスホネート:アレディアより効果あるとされている)に変更し、現在使用中の黄体Hや抗エストロゲン剤をフェマーラ(アロマターゼ阻害剤)に変えてみるのが良いと思います。どの抗エストロゲン剤が良いかということについてのエビデンスはありません。ラロキシフェンについては選択肢になり得ると思いますが、使用経験がないので何ともいえません。
2) 腫瘍マーカーは、病勢を反映するものが良いわけですが、人によってCEAが良かったり、CA15−3やST439が良かったりでまちまちです。NCCST439のデータ推移が分かりませんので、適切であるか否かは分かりません。(文責 吉田)

 

No.5419-1】 06年06月21日      H.T. 
手術は避けられないものなのでしょうか?

はじめまして。相談させて下さい。2年前に左乳頭より出血があり、その後びらんを見つけました。去年病院にかかるようになりましたが、アトピーだと誤診され続け、今年になってある大学病院にかかり、『パジェット病疑い』OR『乳頭内腫瘍』ということで、左乳頭びらん直下に4〜10mmのしこりが発見されました。分泌物検査およびマンモトーム検診では、良性か悪性か不明。MRI、RI、CT検査では骨や肺やリンパには転移なしという結果で、主治医は、「細胞診をするくらいなら、ひとっとびで手術を行い、乳頭の部分切除のみをし乳房を温存、リンパへは染色して今後の転移の様子を見る、もし切除手術で悪性と分かれば、その後は放射線治療をし、抗がん剤は不要。」との事。
セカンドオピニオンの先生は、「まず細胞診をし、良性と判明すれば手術はいつでもいい、でも手術は必ず行なわなくてはならない。乳頭全切除もしくは表皮を残して切除。悪性の場合は、全切除にプラスして乳房も一部切除」と言われました。そしてしこりが良性であろうと乳頭にできたしこりのため、乳腺の先生全員が乳頭を切ると診断するだろうと言われました。
わたしの場合、まず悪性なのかどうかの診断が必要だと思いますが、細胞診でびらんを切られ、不細工に跡を縫われ、その後また手術というのはなんとも納得がいかず、通常は良性のしこりであれば大きさからいっても経過観察の部類に入ると思われる症状が、乳頭に出来たばっかりに悪性良性でも必ず手術と言われるのが納得いきません・・・。出産がこれからですので、しこりを抱えたまま妊娠しても、左からは乳腺が圧迫されて今のままの状態でも母乳は無理、と言われています。やはり手術は避けられないものなのでしょうか? 手術するとすれば部分切除の方を選びたいのですが、乳がんだった場合のリスクにはならないでしょうか。大学病院の先生の示してくださった診療方針でよいのでしょうか。

まず悪性なのかどうかの診断が必要ですが、細胞診を行っても診断が付かないようであれば、生検手術(びらんの部分を一部切る)が必要だと思います。あるいは乳頭内腺腫(良性)としての手術をしてもらい、病理の結果が悪性であれば乳癌(パジェト病)としての治療を受けるようにするという手もあります。リスクはパジェト病であればあまり変わらないと思います。(文責 吉田)

 

No.5419-2】 06年06月26日      H.T. 
手術は避けられないものなのでしょうか?(2)

何度もお尋ねして申し訳ありません。良悪性の判断の為に内視鏡では無理なのでしょうか? 内視鏡での手術を行なっている病院もあります。びらん、しこり共に1cm弱というのは内視鏡手術に該当するのでしょうか? その病院は遠方な上、1時間2万円と言われてしまい、セカンドオピニオンも躊躇しています。

乳腺で内視鏡を用いて良悪性の診断をつけるということは、乳管内に出来た病変を(乳管)内視鏡で切除する場合を除き(これもあまり行われていません。)、行われません。乳頭の糜爛と小さなしこりの場合、内視鏡の手術の適応にはなりません。(文責 吉田)

 

No.5418】 06年06月21日      T 
非浸潤ガンなのですが・・・

先日、乳頭より分泌物が半年ほど続き、町の検診を受けたところ、非浸潤ガンだと診断され、来週あたまに全摘出の手術が決まっています。非浸潤ガンだと転移はないと聞いたのですが、先週くらいから左右の耳の下あたりに、しこりが感じられたり、首筋が張ったり、肩こりがひどくなったりなどの症状があります。これは転移ではないのでしょうか? 手術前日まで診察の予約もなく、不安な毎日を送っています。

非浸潤癌で術前診断されるような乳癌であれば、転移を起こすことはないと考えます。耳の下あたりというのは乳癌の転移としては変です。(文責 吉田)

 

No.5417】 06年06月21日      Y  
手術後のホルモン療法(HPNo.5282-2)

HPNo.5282でお世話になりました。非浸潤ガンの診断を受け、当初温存の予定で手術を受けましたが、断端陽性で、しかもコメドタイプとのことで、約3週間後に乳房切除を受け、先週退院してきました。病理結果はおとなしいガンで、殆ど浸潤はなく乳管にとどまっています。リンパ節にも転移していません。グレード1です。「来週までにホルモン治療を受けるかどうかを決めてきて下さい。数パーセント生存率があがりますが、数字的には、そう大きくはありませんが・・・」というお話でした。確か50歳代が一番ホルモン治療により子宮ガンになりやすいと、どこかで読みましたので、現在52歳でありますのでメリットとデメリットを考えると迷っています。私のようなガンでも対側にガンが発生する確率は高いのでしょうか?お忙しい中すみませんが、ご回答よろしくお願いいたします。

ホルモン療法はあなたが閉経後であれば、現在ではアロマターゼ阻害剤(アリミデックス、アロマシン、フェマーラなど)を使用することになると思います。この場合、子宮癌になり易いということはありません。閉経前であればタモシキフェンということになります。確かにタモキシフェンを長年服用する場合、子宮癌リスクも考えなければなりません。しかし、あなたの年齢では2年位でアロマターゼ阻害剤に変更することが多いと思いますので、子宮ガンのことは気にしなくても良いでしょう。対側乳癌の発症は、一般の乳癌の発症に比べ2倍位とされております。あなたの乳癌がホルモン感受性のある乳癌であれば、ホルモン療法を行ったほうが良いと思います。(文責 吉田)

 

No.5416】 06年06月21日      K子
乳がんのホルモン療法と子宮がんについて(2)(HPNo.5356-2)

先日はご回答ありがとうございました。検査の結果やはり0期の頸がんでした。浸潤の程度は取ってみなければなんとも言えないとの事です。ここからはご専門ではないかもしれないのですが、産婦人科の医師は円錐切除と子宮全摘の方法があるとの話でした。乳腺の医師に結果を話した所、「全摘をするのであれば卵巣も取ったほうが乳がんの再発は低くなるし、薬も飲まなくてよくなる」とのことでした。体に負担がかからないのは円錐切除だと思うのですが、乳がんのことや円錐切除してだめだった時のことを思うと考えがまとまりません。乳がんの時に、切っても切っても駄目で最終的に全摘をした経緯があるので、何度も手術はもう嫌とも言います。子宮と卵巣をとることで乳がんの再発率は全然低くなるのでしょうか。はっきりとした回答はいただけないと思いますが、ご助言をいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

乳癌の情報がありませんので良く判りません。ホルモンに感受性のある乳癌であれば卵巣切除することによって確かに再発率は低下します。しかし卵巣切除と同様の効果が薬で得られるようになった現在では、乳癌が非常に高リスクでない限り卵巣切除をする必要はないと思います。(文責 吉田)

 

No.5415】 06年06月21日      N  
術後療法ゾラデックスの治療期間について(HPNo.3967-3)

以前HPNo.3967でお世話になり、ありがとうございました。今回はゾラデックススの治療期間について疑問があり、相談させていただきます。術後に主治医からゾラデックスの2年間治療とお聞きしていたのですが、先日、24本の回数で終了と確認されました。ゾラデックスの開始は2005年1月からです。24本目になるのは2006年10月となります。標準治療で24本という回数が定められているのでしょうか? 本で調べてみても、2年とあります。私の場合、治療が2ヶ月少なくなると感じ、不安に思っています。よろしくお願いします。

あまり気に気にしなくても良いと思います。ゾラテックスは4週に一回打つのが原則ですので、私も24回(≒2年)で終了しています。多くの医師もこの様にしているものと思います。26回打ったほうが成績が良いとするデーターもないと思います。(文責 吉田)

 

No.5414】 06年06月21日      T 
術後の治療について

初めてご相談します。よろしくお願いします。現在、44歳10ヶ月です。乳腺部分切除とセンチネルリンパ節生検を受け、術後8週目より放射線療法を開始する予定です。以下は、病理結果と主治医の所見です。
「提出された検体は、50×45×30mmの右乳腺で、割面にて10×10×10mm大の gray white nodule が認められる。組織学的には、noduleでは、術中迅速病理診断標本と同様に、不整な核と好酸性に淡染する細胞質をもったatypical cells が、小管状構造や策状構造を形成した浸潤性増殖を示している。以上は、papillo-tubular carcinoma に相当する所見と考えられる。arcinoma cells は乳腺周囲脂肪組織に浸潤し、また、篩状構造や充実性の胞巣を形成した乳管内進展を伴っている。リンパ管侵襲は中等度、あきらなか静脈侵襲は認められない。乳管内進展は、caudal 側の切除縁から1mm離れた部に及んでおり、caudal側の切除縁には上皮の内腔へ向かう突出像を伴う乳管が1〜2個(標本9)みられるが、焼灼や挫滅のため細胞異型は不明確である。nipple〜cranial 側の切除縁にも乳管内進展と思われる異型上皮が認められる。不明確な点もあるが、以上から乳管内進展はsurgical margin に達していると考えられる。さらに、carcinoma cells の浸潤は一部で胸壁側剥離面にごく近傍に及んでいる。センチネルリンパ節7個には、metastasisは認められない。免疫組織化学的には以下のごとくである(「レセプタ」と記載された組織を用いて染色した) ER:約70%の腫瘍細胞の核が陽性〜一部弱陽性に染色され、陽性と考えられる。 PgR:約70%の腫瘍細胞の核が陽性〜一部弱陽性に染色され、陽性と考えられる。 HercepTest:腫瘍細胞の細胞膜に一致した不規則かつ軽度の陽性像がみられ、Score1+と考えられる。 p53:少数(5%未満)の腫瘍細胞の核のみが陽性〜弱陽性に染色されている。 k167:平均5%腫瘍細胞の核が陽性に染色された。  組織学的異型度(Bloom-Scarff-Richardson) は、2+2+1=5点、Grade1と考える。」
主治医の所見: 
1.病理検査にて1cmのグレード1の浸潤性乳管がん、リンパ節転移なし、断端は異型上皮かに乳管内乳がんか微妙なところが2〜3箇所ある。いずれにしても著しい遺残はないものと考える。
2.全身再発のリスクは低リスクとなる。
3.今後の治療としては、放射線照射50Gy、ホルモン療法としてタモキシフェン5年間とLHRHアナログを2年間投与する、あるいはタモキシフェンのみ、あるいは経過観察のみという選択肢もありうる。
4.まずは、紹介元のクリニックの先生の手配で、近隣の医療機関にて放射線照射の段取りをとってもらう。
5.内分泌療法についてはあとで決めればよい。

ここまで説明があったあとに私が、現在子宮筋腫があること、生理不順等で婦人科受診している旨をお話したところ、それならば低リスクなのでゾラデックスは勧めないと言われました。ホルモン療法は受けても受けなくても…というニュアンスでした。また、セカンドオピニオンを受けたところ、放射線科医より追加照射15〜20Gyを勧められました。そこで、ご質問します。
1) 主治医からは追加照射を勧められておりませんが、追加照射は受けたほうがよいのでしょうか?
2) ホルモン療法を受ける場合、どの選択をすればよいか迷っています。私の場合、90%は治癒すると聞いていますが、それはどの治療を選択しても同じなのでしょうか?現在のホルモン状態は下記のとおりです。 プロラクチン 5.5 / LH 24.1 / FSH 43.3 / TSH 2.13 / E2(血清) 68.0 / プロゲステロン 0.9 / CA125 9

以上、ご意見をよろしくお願いします。 

1) 追加照射は局所再発を減らすのに効果があるとされています。乳管内進展が切除断端近くまで及んでいますので、出来れば追加照射を受けたほうが良いと思います。
2) 低リスク癌であり、どのホルモン療法を選択しても結果は変わらないと思います。タモキシフェンを5年間服用すれば十分でしょう。(文責 吉田)

 

No.5413】 06年06月20日      K
CMFの脱毛について(HPNo.5311-2)

いつもアドバイスありがとうございます。とても心強く、感謝しております。現在CMF2クルー目、1回が終わりました。先週あたりから脱毛が始まり、今日は枕にゴッソリでした。この治療は脱毛が少ないので選んだのですが、すでに半分位になってしまいました。もうこれで落ち着くのでしょうか? リンパも全てマイナスですし、ホルモンも全てプラスなので、6クールを3クールにしてはいけないでしょうか? データ―的にどうでしょうか? 46歳です。

Kさん、こんにちは。脱毛は女性がもっとも恐れる副作用といえるかもしれません。YYさんの脱毛がどの程度まで進むかはわかりませんが、抜けてしまう方はほとんどが抜けてしまうこともあります。つらい時期でしょうががんばってください。
「6クールを3クールにしてはいけないでしょうか?」というご質問についてですが、近年欧米でのCMFでの補助化学療法は6(-12)サイクルが標準とされてきました。ですから、これを3サイクルにするというのはあまりお勧めできる方法ではないと考えます。ただ術後補助化学療法の流れとしては、アドリアマイシンを含んだ、より短期間で終了するメニュー(レジメ)が主流となっています。効果もこちらのほうが高いことが分かっています。
Kさんの脱毛がどの程度進んだのか分からないのですが抜け具合次第では、AC療法(21日ごと4回で終了)などへの変更を勧めるかもしれません。期間の短縮ができ、よりよい効果が期待できると思うからです。(文責 河原)

 

No.5412】 06年06月20日      Y 
乳がん検診の結果について

初めてメールさせて頂きます。昨日、母(49歳)が乳がん検診を受けてきました。超音波での検査後の診察で、IDTの疑い(現在7mm)と言われたそうです。「まだ小さくて写らないだろう」ということで、マンモグラフィー検査は行われず、次回の診察は半年後ということだったとのことですが、たくさん質問をされたことに加え、お医者様の説明もそれほど詳しいものではなかった様で、本人は不安だけを抱えて帰って参りました。現在の状況説明だけでなく、今後の診察や検査についてもアドヴァイスを頂けると幸いです。お忙しいとは存じますが、宜しくお願い申し上げます。

Yさん、こんにちは。母乳の通り道である乳管内にできたポリープのようなものと考えればよいかと思います。いまのところ7mmと小さいので経過観察でいいでしょう。大腸のポリープが全て悪性ではないように、イボがあるからといって全て悪性というわけではありません。しかも大腸ポリープとは違い、内視鏡的に簡単にとることもできません。数ヶ月から6ヶ月くらいの間隔をあけ、超音波検査をうけ、大きさや性状に変化があるようであれば詳しく調べる、という方針でよいかと思います。詳しく調べる方法としては、施設の方針や設備にもよりますが、超音波に加え、乳管造影、乳管鏡、MRIなどの方法があります。(文責 河原)

 

No.5411】 06年06月20日      K 
エコーの黒い影について

母が乳がん検査を受けたところ、エコーで黒い影が見られました。毎年検診を受けていましたが、触診のみの検査で異常はなく、今回は初めてエコーを導入しての検査となりました。今回も触診ではしこり等の異常はなく、先生も「腫瘍ではなさそう」との事で、血液検査の結果を見てから判断しようという事になり、異常がなければ2〜3ヶ月後にまたエコー検査をするそうです。乳がんの可能性は高いでしょうか? 何か他の病気の可能性もありますか? 59歳、更年期障害でホルモン剤を服用しています。

Kさん、こんにちは。お母様がはじめてエコーを含む検診を受けられたそうで、その積極的な姿勢を嬉しく思います。ただ、今回はエコー検診で黒い影を認めたとのことで、私はマンモグラフィ(乳房のレントゲン写真)を合わせて撮られることをお勧めいたします。上手なエコー検査は驚くほどの診断能を発揮します。今回は「腫瘍ではなさそう」とのことなので、そう慌てることはないかと思います。ですが、エコーでははっきりしない腫瘤影がマンモグラフィではっきりと描出されることもしばしば経験いたします。主治医の先生に相談されてみてはいかがでしょうか?(文責 河原)

 

No.5410】 06年06月20日      A.T.
再発率について(HPNo.5385-2

HPNo.5385で相談させていただきました。ご回答いただきまして、ありがとうございました。再発率についてもお教え下さい。私の場合、ホルモン療法を行うと再発率はどのくらいになりますでしょうか。また、2年間と5年間では、どのくらいの差が出てくるのでしょうか。恐れ入りますが、宜しくお願い致します。

A.T.さん、こんにちは。浜口先生ではありませんが、お答えさせていただきますね。
有名な試験を引用いたしますと、タモキシフェンを使うことにより再発の減少率は、1年→21% 2年→29% 5年→47% となるようです。この減少率というのは、再発率が10%の場合、それぞれ、7.9%、7.1%、5.3%になるということです。(この10%というのは例えです。A.T.さんの再発率はもっと低いと思います。念のため。)
このほか、死亡率、対側乳癌発生の抑制にも服薬年数による違いが認められます(1<2<5年となります)。ただ子宮体癌の発症率が5年服薬では約4倍となってしまいます。よい面ばかりではないのが残念なところです。(文責 河原)

 

No.5409】 06年06月20日      DQ 
術側の怪我について

以前からお世話になっております。ありがとうございます。不覚にも術側の右手を2度も犬に(飼い犬、予防注射済)かまれてしまいました。2度とも病院にて手当済。今回は、かまれた直後に抗生剤点滴、2日消炎剤・抗生物質を飲みました。傷は治りつつありますが、立て続けにこんなに怪我をしていると、再発に何か悪い影響はありますか?もうじき術後2年になります。マーカー・CTなどは問題ありません。かまれた後もリンパ浮腫などはありませんでしたが・・・。お忙しい所、申し訳ありませんが、よろしくお願いします。  

DQさん、こんにちは。犬に噛まれることで再発率が高まることはありませんので、その点はご安心ください。心配なのは、ご存知のとおり、リンパ浮腫の出現です。ケガから細菌感染をきたし、それをきっかけにリンパ浮腫が出現してくることが懸念されます。早急に手当てを受けていらっしゃいますようで、それでよろしいかと思います。
あと、ワンコさんは手術の事など、分かってくれません。DQさんが十分に気をつけて、かわいがってあげてくださいね。(文責 河原)

 

No.5408】 06年06月20日      H.S
ホルモン療法の副作用について

私の母のことで質問させていただきます。母は現在75歳、2年前に右乳癌の手術(乳房切除・リンパ節郭清)を受けました。当時の主治医の説明は、「腫瘍の大きさ・約2.2センチ、リンパ節11個中 転移0、ホルモンレセプター・陽性、悪性度1」ということで、ホルモン療法を勧められ、当初アリミデックスを服用していました。飲み始めてしばらくは、これといった副作用もなかったのですが、半年くらい経ってから、「体から力が抜けるようなだるさ」、「ほてり」を感じるようになりました。それでも我慢しながら飲み続けていましたが、体の他の部位に問題があるのではないかと心配に思い、内臓の精密検査などを受けましたが、特に異常は見つかりませんでした。ホルモン剤の副作用かと考え、主治医の判断で一時、3ヶ月くらい服用を中断したところ、症状はほとんどなくなりましたが、再び飲み始めたたところ、また現れてきました。数ヶ月前から「アロマシン」に変えましたが、症状は変わらないようです。ホルモン療法は副作用が少ないと言われますが、これは副作用でしょうか。飲み続けることによって再発率が著しく低下するものでしょうか。高齢の母のことだけに、QOLを考えると、飲み続ける意義を考えてしまいます。

H.Sさん、こんにちは。
1)副作用について
経過などから考えますと、ホルモン療法にともなう副作用と考えてよいかと思われます。これまで服用されたお薬はアロマターゼ阻害剤というタイプ(ともに第三世代)のものです。どちらも閉経後乳癌患者に処方されるお薬ですが、毛色の違った抗エストロゲン剤であるタモキシフェン(TAM)に切り替えるなどの対応が残されていると思われます。もちろんタモキシフェンでも副作用はおこり得ます。主治医の先生とよく相談されてみてはいかがでしょうか?
2)再発率について
タモキシフェンの服用は、死亡率を2-5割程度改善させると言われています。お母様の乳癌の死亡率はそう高くはないので、改善の度合いも「著しく低下」するほどのものではありません。ホルモン療法にもそれぞれのお薬に副作用はあります。あくまでも再発予防なので、飲み続けるかどうかは十分に検討される必要はあります。ちなみに、最近、タモキシフェンv.s.アリミデックスの有効性の検討が報告されました。アリミデックスに分があるようですが、「著しく低下」させるほどではありません・・・。(文責 河原)

 

No.5407】 06年06月17日    T  
その後の乳頭分泌について(HPNo.5273-2)

HPNo.5273で相談した者です。その後再度診察をし、エコー検査をしたら、1つの腫瘍の形が変わってきているとの事で、外来手術でその腫瘍を取り生検に出しました。検査の結果、非浸潤癌という事がわかり、後日入院し、周りをもう少し大きく取る手術をしました。先生のお話で、リンパにも転移しない早期の0期の癌ですとの説明でした。その大きく取り除いた所からもがん細胞は出なかったという事で、薬も放射線治療も何もいらないとの事で退院してきました。もちろん乳頭からの出血はもうないのですが、以前から気にはなっていたのですが、私は陥没乳頭のため昔から(10年位前から)断乳したにもかかわらず、よく乳首に白いカスがたまります。匂いを嗅ぐとミルクの匂いがします。毎日付いているわけではなく、しぼっても何もでてこないのですが、カスだけが付いています。手術後も同じ状態です。これって乳癌と何か関係があるのでしょうか。

断乳後にあったという乳頭からの白っぽい分泌物自体は今回の乳癌(非浸潤癌)と直接関係があるかないかは良く分かりません。が、それほど重大な問題ではないと思います。余り気にしすぎない様にして下さい。むしろ貴女のお話で気になったのは、「追加切除した部位にはがんがなかった」ので「薬も放射線治療も不要」のくだりです。最初に切除した部位に非浸潤癌があったのでしたら、通常は残存乳房へ放射線照射を行う事とタモキシフェンというホルモン療法の薬を服用して頂くのが、標準的な非浸潤癌の補助療法なのですが…。これを省略すると言う理由が良く分かりません。この辺りはいかがなのでしょうか? 担当医にもう一度良くお話を聞いてみて下さい。(文責 矢吹)

 

No.5406】 06年06月17日     N.F 
妊娠中の血性分泌について

はじめまして。私は今妊娠41週目に入ろうとしている25歳の主婦です。先日羊水が少なくなってきているとのことで誘発剤によって出産することを試みましたが、結局陣痛がのらず、一時退院してきました。そのときに誘発剤を使ったせいなのか母乳がタラタラと出てきました。妊娠7ヶ月位から少しずつ母乳が出始め、たまに乳粕をとるなどのマッサージをしたりしていた時、左の乳首から白や黄色の母乳と一緒に血が混じってでてきたので、翌日妊婦検診のときに主治医に相談したのですが問題ないとのことでした。しかし、先日入院をして更に母乳の出がよくなったときに乳管マッサージをすると、やはり薄い血がでてきます。いつも同じ乳管からでます。出産するまでは何もできないからと、あまり説明もしてもらえませんでした。産後の母乳育児にも関係してくるので、出産前からとても不安です。

授乳期に乳頭から薄い血液が混じる事は、そう珍しい事ではありません。赤ちゃんが飲んでしまっても大量でない限りそれ程大きな問題はないでしょうから、過剰に神経質にならない様にしてください。ただ、いつも同じ乳管から「かなり濃いめの出血」が長く続く場合は 乳管内乳頭腫や、ごく早期の乳管内癌の存在が気になる所です。出産後、「かなり濃いめの出血」が長引くようでしたら、マンモグラフィーや超音波検査を受ける事をお勧めします。(文責 矢吹)

 

No.5405】 06年06月17日     Y.A. 
乳がん治療方法について

40歳。既婚。子供3人を母乳で育てました。親をはじめ、親戚には癌患者はほとんどいません。会社の検診でしこりが見つかり、乳腺外科で再検査しました。細胞診では「所見上Ductal carcinomaと考えるが、特にscirrhous carcinomaが疑われる」との事。しこりの大きさは2cm以下。その他、CT, MRI, 超音波診断では、現時点で転移は見られていません。先生から、診療方針として3つの選択肢が示されました。1.全摘。2.温存+放射線。3.術前化学療法です。私の年齢から考えて、3をしたほうがよいか迷うところですと言われました。家族と相談して決めてくださいと・・。通常、私の診断であれば2を考えていたので、非常に迷っています。最近、このような術前化学療法がされ始めていることは調べてみると分かるのですが、その効果(再発率の低下、撲滅)のデータがあまり示されていないように思います。私の場合、ATを使うと言われたので、副作用を考えるとなかなかこの選択ができません。2と3で再発率などに大きな違いがあるでしょうか。よろしくお願いいたします。

当教室での術前化学療法の適応をお示しします。
@腫瘍の大きさが温存術が難しいサイズの場合、ダウンサイジングの目的で行う。
A超音波検査、胸部CTスキャンなどで明らかに腋窩リンパ節転移を疑い、手術後に化学療法を行う確率が高く見込まれる場合。
上記@、Aをほぼ兼ね備えたケースに対しては、原則的に術前化学療法をお勧めしています。治療成績については、生存率の向上などの面で、術後化学療法群とほぼ同等と考えられており、現在分かる範囲での患者さんへのメリットは主に@に対してと考えられます。(この他に腫瘍が存在する状況で化学療法を行う事で、どの様なレジュメが貴女の癌に効果があるかを知る事が出来ます。)
一般に術前化学療法に用いるレジュメは術後化学療法と殆ど同じもので、当教室では今のところCE(CA/エンドキサン+アンスラサイクリン)4コースの後にタキサン4コースが標準的です。貴女の担当の先生が何故ATをお勧めになったのかは、腫瘍の大きさやリンパ節転移の状況、ホルモン療法への反応性(ER,PgR)、Her2蛋白の発現の具合など、他の条件についての情報が乏しいので何ともお答えしかねます。上記の情報をふまえて担当の先生と再度、良くご相談下さい。(文責 矢吹)

 

No.5404】 06年06月15日     T.S. 
乳がん手術後の授乳について(HPNo.4808-2)

以前、HPNo.4808で質問させていただいた者です。お忙しい中、アドバイスをありがとうございました。大変参考になりました。改めてご意見を伺いたいことがあり、メールいたしました。よろしくお願い申し上げます。
2004年7月に左胸乳がんの温存手術+放射線治療を受けた、現在36歳の主婦です。マンモグラフィの石灰化で発見できた早期の乳がんだったため、微小浸潤を伴う非浸潤ガンで、再発の可能性もかなり少ないと言われました。その後妊娠し、現在妊娠8ヶ月になります。産婦人科医より、「授乳中乳がんに関する検査が出来ない、もしくは発見しづらいため、授乳は避けた方がよいのではないか」と言われ、この相談室にご意見を伺いました。その後、産婦人科医より、妊娠32週を過ぎたら乳腺外科医と授乳について相談するように言われ、今度乳腺外科医と相談することになっていますが、それに際し、アドバイスいただければ有難いです。
1) 産婦人科医は、出産後すぐに「カバサール」という薬を一度飲むことで母乳を止め、ミルクで育てた方がよいと勧めてくれていますが、この薬は、乳がんや体には特に影響はないのでしょうか。母乳を止める薬としては、一般的に使われているものなのでしょうか。
2) 個人差や考え方があるかと思いますが、乳がんの人の多くは母乳を止めて育児なさる方が多いのでしょうか。
3) 前回、相談室より、「乳腺炎のトラブル等も十分に可能性として理解する必要がある」とアドバイスいただきました。妹の出産時、乳腺炎になったことがあります。姉妹ですので、同じトラブルの可能性が通常より高いのかもしれませんが、乳腺炎など、授乳に関するトラブルが乳がん自体に影響を及ぼすのでしょうか。乳がん自体に影響があるというよりも、乳がんが見落とされやすいということなのでしょうか。
4) まだ1人目も出産していないので恐縮ですが、もし、2人目の赤ちゃんを考えるとすると、間隔をあけた方がよいのでしょうか(2年くらいあけて、2人目が授かればという気がしてはいるのですが...)。
5) 今後乳腺外科医のお話を伺いますが、その際に確認するポイントなどございますでしょうか。また、産婦人科医に確認した方がよいことはございますか?

1) がんを心配して、母乳を止める必要はないと思います。その前に、放射線や手術の影響で手術した方の乳房から母乳がでない可能性もあります。カバサールは、母乳を止めるのによく使われます。乳がんの術後に妊娠した患者さんに使用して、再発を助長したという報告はありません。
2) 重ねて、母乳を止めることは必要ないと思います。出るのなら、あげて下さい。
3)4)5) 放射線や手術の影響で、手術した方の乳房に炎症が起こりやすいためです。乳頭のすぐ近くを手術でいじっている場合、乳腺や乳管の癒着(ひっつく)、瘢痕(かたくしこって治る)がおこり、おっぱいの通りが悪くなってうっ滞性乳腺炎をおこしやすくなるわけです。また、乳腺のはじっこが残っている場合、乳頭までの通り道がすでにないわけで、必ずその部分はおっぱい(乳汁)がうっ滞します。そういう点で、カバサール→人工乳を産婦人科の先生は勧めておられるのだと思います。しかし、手術後に授乳できたという報告も少なからずあります。すでに、妊娠8カ月なので乳頭からのおっぱいの分泌を確認できると思います。まずは、トライしてみては?(文責 緒方)

 

No.5403】 06年06月15日     I.S. 
粘液がんのグレードについて

初めて質問をさせていただきます。36歳、既婚・子供なし。今年4月に右乳房温存術(乳房4分円切除術)、センチネルリンパ節生検を受けました。浸潤性乳がん「粘液がん」、切除断端(−)、リンパ節転移 0/5個、エストロゲン受容体(+)→8/8、 プルゲステロン受容体(+)→7/8、 Her2 IHC法(0)、浸潤径2p。
現在25回の放射線治療中です。今後、ホルモン治療 ノルバデックス5年 リュープリン2年の予定です。

1) 粘液がんは特殊型なので、グレードはつかないと言われました。つかなければ、ベースラインリスクの最小リスクと標準リスクのどちらに入るか分からないのですが、グレードはないのでしょうか。最小リスクであればノルバデックスのみでよいのではないかと思っています。標準リスクであれば、ノルバデックス+リュープリンでよいと思っています。
2) 粘液がんのことを詳しく書いている文献等がなかなかありません。穏やかながんであること、再発しにくい、再発の場合には抗がん剤が効きにくい等の事は分かりましたが、他に分かることがあれば教えてください。
3) 年齢とホルモン治療を考えた場合、出産は無理でしょうか? たとえば、ホルモン治療に入る前に妊娠した場合には、ホルモン受容体であることから考えると、やはり再発の危険が高くなることも考えられること。ホルモン治療後であれば、卵巣が弱っていること、高齢であるなどから出産は難しい(異常出産・危険の可能性が高まる)ことを伝えられました。出産はあきらめたほうがよいでしょうか?

担当の先生は、質問に丁寧に返答してくれるので信頼しています。治療方針と出産については、次回の受診までに自分の考えをまとめて先生に話したいと思っていますので、お願いします。

1) 純粋型の粘液癌であれば、粘液で細胞が膨張しているのだから浸潤径もあまりあてにならないのですが、2cmということで考えればlow riskと intermediate riskのどちらでも入り得るといったところですね。ご自身と主治医の先生で相談して頂いて、ノルバデックスのみか、ノルバデックス+リュープリンかを決めればいいと思います。
2) 病理診断上、がん細胞すべてが粘液を分泌するものである場合を純粋型と言います。対して、混合型は粘液を作らないがん細胞も混ざっている場合です。一般的に、予後がいいのは純粋型です。
3) 出産をあきらめるかどうかは、御主人と主治医の先生とよく話して決めて下さい。1つの考え方として、low riskで純粋型の粘液癌であれば、ホルモン治療を受けずに妊娠をあきらめないということもあると思います。(文責 緒方)

 

No.5402】 06年06月15日     M 
ホルモン療法について

初めてご相談します。2003年12月右全摘、石灰化3x5、浸潤部分数箇所あり、1センチのしこりあり、リンパ 2/23、ホルモン+、H2−、硬がん、グレード3。術後CEF6クール、白血球減少のため4週に1度のペースになってしまいました。その後2004年7月より、リュ−プリンとノルバです。次回でリュ−プリン終了予定ですが、現在43歳で閉経前ですので、このまま終了しても大丈夫なのか心配しています。3年やられる方もいるので、もぅ1年お願いした方がいいのか迷っています。主治医は「閉経までまだ何年もあるので、ずーっと注射するわけにもいかないんだから、2年でいいんじゃないか」と言うのですが・・・。副作用も今まであまり感じず、最近右手のこわばりがありますが、ガマンできないほどではありませんので、再発抑制できるのであれば、お願いした方がいいのではと思っています。ご意見、お聞かせください。

閉経前の内分泌療法としてのLH-RH アゴニスト(リュープリン、ゾラデックス)の標準的な使用期間は、今だ結論が得られていません。副作用、臨床試験の結果などから2年間の使用が一般的です。つまり「3年間使用してもいいけど、1年延長したためにどれくらい再発が抑えられるかはわからない。」ということです。もう1点、タモキシフェン(ノルバデックス)は、継続した方が再発率が下がることが証明されています。5年間の内服です。(文責 緒方)

 

No.5401】 06年06月15日     Y.K
術後3年の生理不順について

以前も何度か相談にのって頂いたものです。2003年5月左乳癌温存、リンパ節切除なし、ゾラデックス2年で生理を止め、2005年11月に生理が始まりました。ノルバデックスは2003年から5年間服用で、現在約3年服用しています。術前はきっちり28日周期だったのですが、生理不順が続いています。'05/11/1、12/11、'06/1/22、3/26、4/26、その後また日にちがあいています。
1) ノルバデックスの副作用でしょうか?
2) 人間ドックの子宮頸がんの検査は受けているのですが、体がんの検査をしたほうがよいでしょうか?
3) 食事や運動などで軽減できるようなものはありますでしょうか?

宜しくお願い致します。

1)年齢が判らないので更年期に近づいているなどの原因もあります。
2)ご存じとは思いますが、ノルバデックスの副作用に子宮体ガンのリスクが上昇があります。ぜひ子宮体ガンの検診も受けて下さい。
3)やはりバランスのとれた食事、適度な運動で体内ホルモンバランスも整ってきます。ありきたりのことですが日常の些細なこと(ストレス、不規則な生活、アンバランスな食事など)でも生理不順は起こります。以上のことを心がけて見て下さい。そしてまずは担当医へ相談して心配を軽減してして下さい。(文責 川本)
 

 

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