M.K. 会員紹介 手術後のページ 乳癌関連情報 公開市民フォーラム 相談室HOME


相談室(No.3901〜4000)

このページは乳がんに関 する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

ご相談メールの投稿はこちらからお願いします。

なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

[前のページ] [次のページ]

No

日 付

名 前

件  名

担 当

4000 05/06/18 R.M. 出血はその後ありませんが、乳房痛が気になります(HPNo.2193-4) 麻賀
3999 05/06/18 M.I. 経過観察中の線維腺腫について 麻賀
3998 05/06/17 H.S. 術後治療について(2)(HPNo.3673-3) 麻賀
3997 05/06/17 M  生存率について 麻賀
3996-1
3996-2

3996-3
05/06/17
05/07/25
06/01/07
i-mi 定期的経過観察のみ
放射線治療が終わりました
術後の状態について
麻賀
清水
俵矢
3995 05/06/17 S  授乳中の胸のしこり 麻賀
3994 05/06/17 S.K. 左胸のしこりについて 麻賀
3993-1
3993-2
05/06/16
05/07/10
太郎 ノルバデックスの飲む回数について
ノルバデックスについて
麻賀
稲葉
3992 05/06/16 N.T. 乳腺嚢胞について 麻賀
3991 05/06/16 E  妊娠中の乳房内の影について 麻賀
3990 05/06/16 HF 鎖骨リンパ転移(HPNo.3740-5) 麻賀
3989 05/06/16 M  副乳と乳がん 麻賀
3988 05/06/16 K.I.  これからの治療について 麻賀
3987 05/06/16 T.O. 補助療法について 麻賀
3986 05/06/15 T.T. 5年、10年生存率 麻賀
3985 05/06/15 mika 乳腺肥大の対応を教えてください 麻賀
3984 05/06/14 H.S. 術後治療について(HPNo.3673-2) 吉田
3983 05/06/14 Y.K.  乳首からの茶色分泌物 吉田
3982 05/06/14 M.M 細胞診の結果について 吉田
3981 05/06/14 Y.W. 乳頭より血液  吉田
3980 05/06/14 M.K. 葉状腫瘍、全摘しました 吉田
3979 05/06/14 E.D.  線維腺腫と石灰化について 吉田
3978 05/06/14 T.S. 乳癌の診断を受けました  吉田
3977 05/06/14 M  乳腺内石灰化と言われましたが? 吉田
3976 05/06/14 Y.R. 術前化学療法について 吉田
3975 05/06/10 T.R. 検査結果について 吉田
3974 05/06/10 S.K.  乳癌と食生活(HPNo.3847-2) 吉田
3973 05/06/10 K.I. 非浸潤癌と診断されました 吉田
3972 05/06/10 J.I.  治療方針の選択( 術前化学療法等) について 比嘉
3971-1
3971-2
05/06/10
06/01/23
K.W.  右胸のしこりについて
痛みと再検査
比嘉
徳田
3970 05/06/10 YUU 術後の治療について 比嘉
3969 05/06/10 H.I.  しこりのない石灰化について 福間
3968 05/06/10 S 再発、転移の可能性(HPNo.3350-3) 福間
3967-1
3967-2

3967-3
3967-4
05/06/10
05/07/12
06/06/21
08/06/08
N リンパ管侵襲について
術後の検査について
術後療法ゾラデックスの治療期間について
生理について
福間
稲葉
吉田
鈴木
3966 05/06/10 K.F.  肋骨の痛みについて(HPNo.2650-6) 福間
3965 05/06/10 Y.Y  再発後の抗がん剤療法について 福間
3964 05/06/10 N.H. 本当のリスク分類が知りたい 福間
3963 05/06/10 H.S.  ホルモン療法後の生理について 福間
3962 05/06/10 K.N. 再手術の必要性? 福間
3961 05/06/10 R  化学療法後の妊娠について 福間
3960 05/06/10 Roko 局所再発の治療について 福間
3959-1
3959-2

3959-3
3959-4
05/06/09
05/07/11
06/03/12
06/07/22
A.K 乳頭から血液混じりの分泌物
非浸潤癌の手術について
非浸潤ガンの手術について
副作用について
吉田
稲葉
石山
片山
3958-1
3958-2
05/06/09
08/06/22
K  術後の治療について
腫瘍マーカーが上昇傾向にあります
吉田
清水
3957 05/06/09 N.D. 追加切除について 吉田
3956 05/06/09 N.K 今後の治療について 吉田
3955-1
3955-2
05/06/09
05/06/15
りんご ハーセプチンについて
ハーセプチンについて(2)
吉田
麻賀
3954 05/06/09 H 乳輪のできもの 吉田
3953 05/06/08 mik 閉経前ホルモン治療について 都築
3952 05/06/08 TH 1.3cmの腫瘍があります 都築
3951 05/06/08 S.M. 再発、リンパ浮腫について 都築
3950-1
3950-2
05/06/08
05/06/15
M  胸骨痛と乳房のしこり
胸骨痛と乳房のしこり(2)
都築
麻賀
3949 05/06/08 O  今後の治療について 宮本
3948-1
3948-2

3948-3
3948-4
05/06/08
05/06/15
05/08/02
06/11/04
KK 乳頭腺管癌の性質・予後・再発について
今後の治療について
今後の治療について(2)
ホルモン治療について
宮本
麻賀
加藤
石川
3947 05/06/08 K  放射線後の治療について 宮本
3946 05/06/08 J.K. 乳がん再発治療について 宮本
3945 05/06/07 O 術前検査と術後の結果の違いについて 吉田
3944 05/06/07 M 受診病院について(HPNo.2843-2) 吉田
3943-1
3943-2
05/06/07
05/06/10
N.S. 転移後の治療について
転移後の治療について(2)
吉田
吉田
3942 05/06/07 ミキ 母の乳癌(3)(HPNo.3808-3) 吉田
3941 05/06/07 T.T.  嚢胞内乳頭腫の疑い 吉田
3940 05/06/04 N.S. 線維腺腫の手術について 矢吹
3939 05/06/03 H.M.  乳癌の種類について 矢吹
3938 05/05/31 K.Y. 経過観察で大丈夫でしょうか?  川本
3937 05/05/31 toku 乳癌治療の件(HPNo.3502-2) 川本
3936 05/05/31 U.O. しこりについて 川本
3935 05/05/31 K.M 化学療法について 川本
3934-1
3934-2
05/05/31
06/05/31
Y.M. タキソール継続投与の件について
再発治療、次の抗がん剤について
川本
浜口
3933 05/05/31 N.S  4年間放置していた乳癌の転移再発の可能性について 川本
3932 05/05/30 kanna 乳管造影検査が出来なかった場合 矢吹
3931 05/05/30 F.S. 乳癌治療の副作用について 緒方
3930 05/05/30 乳管内乳頭腫の術後 緒方
3929 05/05/30 R.N. PETについて 緒方
3928 05/05/30 Nancy  アリミデックスと関節痛 緒方
3927 05/05/30 N.I. 一般的な治療法以外の治療法 緒方
3926 05/05/30 M.O. 異型乳管過形成について 緒方
3925 05/05/23 R.N. 炎症性乳癌…でしょうか? 浜口
3924 05/05/23 Y  非浸潤ガンは放射線が有効なのですか?(HPNo.3578-2) 浜口
3923 05/05/23 HI タキソテール、タキソール 浜口
3922 05/05/23 G.K 治療法について(2) (HPNo.3851-2) 浜口
3921 05/05/22 niko 遠隔転移を起こした場合の予後は? 浜口
3920 05/05/22 I・T 術後治療について(HPNo.3671-2) 浜口
3919 05/05/22 E.K ホルモン剤について 浜口
3918 05/05/22 Y ホルモン療法による肝機能障害について 浜口
3917 05/05/22 km ノルバデックスの副作用? 浜口
3916 05/05/22 石灰化について 浜口
3915 05/05/22 早期手術希望 浜口
3914 05/05/22 R.H. 乳癌の予後について 浜口
3913 05/05/22 HF ハーセプチン休薬中(HPNo.3740-4) 浜口
3912 05/05/21 HY ホルモン剤と抗がん剤の併用について(2)(HPNo.3845-2) 浜口
3911 05/05/21 S  再発時の治療について 浜口
3910 05/05/21 M.M 温存か、全摘+再建か、決め兼ねています 浜口
3909 05/05/21 M.O. 乳腺症について 浜口
3908 05/05/21 T  水泡が腫瘍に変わることがあるのでしょうか? 浜口
3907 05/05/21 Y  妊娠について 浜口
3906 05/05/21 K子  検査結果について 浜口
3905 05/05/21 N  術後の治療について 浜口
3904 05/05/21 H.K. リンパ浮腫について 浜口
3903 05/05/21 S  乳腺線維腺腫の悪性化? 浜口
3902 05/05/21 マコ 抗がん剤について 浜口
3901 05/05/19 Y  化学療法、抗体療法について(2)(HPNo.3889-2) 鈴木

 

 

 

No.4000】 05年06月18日      R.M.
出血はその後ありませんが、乳房痛が気になります(HPNo.2193-4)

HPNo.2193では大変お世話になりました。今回、またご教示をお願いいたします。その後ですが、出血は見られなくなり、2004年9月にマンモグラフィーを、2005年2月に触診を受診、引き続き乳腺症として経過観察しています。以前から乳房痛はあったのですが、ここのところ、特に出血のあった右の乳房のみ、生理に関係のない痛みを感じます(出血のあった時も、痛みを感じました)。マンモグラフィー、エコー、触診以外で、【今できる検査】とは何でしょうか。最近、遺伝子診断というのを新聞で読みましたが、どういう検査なのでしょうか。乳腺症のため、しこりに似た感触はあるけれども、特定のしこりが触れない場合、MRIという検査は妥当でしょうか。出産経験なし、近親者の関係から、要注意すべき立場にあると自覚しております。

1)触診、マンモグラフィ、超音波が最も信頼性の高い検査です。そのほかの検査は特にありません。
2)乳癌遺伝子検査とは、BRCA遺伝子が発現しているかどうかを見るもので、乳癌に将来なりやすいのかどうかを見るものです。現時点の乳房検査には役立ちません。
3)MRI検査もあまり役立ちません。(文責 麻賀)

 

No.3999】 05年06月18日      M.I.
経過観察中の線維腺腫について

昨年5月にエコー、マンモ、細胞診で1cmの線維線種と診断され 、その後6月、9月、1月と乳腺外科にて経過観察しております。6月の時点ではコロッとした楕円形の形をしていましたが、夏に妊娠したため9月、1月の診察時には周りの乳腺に押され、だんだんエコーで影が見えにくくなっているが大きくなっている様子はないので 、次回は半年後の受診をと言われており、本日行ってまいりました。 マンモには何も映っておらず、エコーでは、「授乳中だからか前よりも更に見えづらくなってきて、ほとんど確認できないねぇ」と言われ、触診でも確認できなくなっていました(診察の直前に十分に授乳をし、オッパイは柔らかい状態でしたが...)。そのような変化は問題はないのか尋ねると、「悪いものならば悪い形にどんどんハッキリしてきたり、大きくなってきたりするから」 とのことで、特に問題はないので次回はまた半年後に受診することとなりました。私が「線維腺腫なんですよね?」と聞くと、主治医は「そうだと思ってるんだけど、」との言葉が気になりますが、違う場合も考えられますでしょうか? 昨年のシコリ発覚当時、妊娠初期で不安が強く今の病院も含め3件の乳腺外科で診てもらいましたが、診断は3件とも線維腺腫で間違いないのではと言われました(細胞診は最初の病院だけで、後はエコーのみ)。次は半年というのは妥当な観察期間でしょうか? また妊娠授乳中の線維腺腫は、エコーで確認しづらくなることはよくあるのでしょうか? 反対に悪いものであれば授乳中であろうと画像で確認できるのでしょうか? (素人考えで画像で見えにくいということは、本当は大きくなっていても分からないのでは... などと、悪いほうに考えてしまうのですが。) 「問題になるようなものは今のところ何もないですよ」との主治医の言葉通りに 、今の状況では自己診断と経過観察を怠らなければ、特に心配なしと思ってもよいでしょうか 。授乳中、乳房のことにはつい神経質になってしまっています。どうぞアドバイスお願いします。

1)文面から判断すると、おそらく線維腺腫と思います。
2)半年に一度というのは妥当なところだと思います。
3)授乳中には超音波の所見に若干の変化があると思いますが、良性、悪性の判断に影響を与えるものではないと思います。
4)主治医の指示に従えばよいと思います。(文責 麻賀)

 

No.3998】 05年06月17日      H.S.
術後治療について(2)(HPNo.3673-3)

ご多忙中、深夜にご返信ありがとうございます。再発リスクが低くないということですが、私の状態でどのくらいと考えればよいでしょうか?また、お奨めのアンスラサイクリンの投与でどのくらい再発率を抑える、あるいは生存率が上がると考えられるでしょうか?細かな質問で恐縮ですが、どうぞよろしくご返信いただければ幸いです。先生のご意見を参考にして、主治医とよく相談するつもりです。

再発リスクは20%位と思います。何も薬物療法を行わない場合と比べて10%程度の生存率の向上と思います。(文責 麻賀)

 

No.3997】 05年06月17日      M 
生存率について

初めてメールさせていただきます。先月初め、母が乳がんと診断されました。それを受け、先月中旬に温存手術を受けました。術後の説明では、腫瘍の大きさは1cm程だったものの、リンパ節に転移が見られた(22個中8個)ので、それも一緒に切除したとのことでした。 がんの進行度、リンパ節への転移を総合し、最終的にはステージUAと診断され、今後抗がん剤治療とホルモン剤治療を予定しています。それを受けて本日一回目の抗がん剤治療を受けてきたのですが、そこで母が手にしたパンフレットのようなものに乳がん患者の5年後の生存率のようなものが書いてあり、それがリンパの転移数ごとに表になっていたらしいのですが、そこに8個は生存率38%と書いてあったそうです。やっと前向きに病気と闘っていこうとしていた矢先で、精神的にだいぶ弱ってしまいました。私自身もネットで検索して調べてみたのですが、そのようなデータは見つけられませんでした。そこでお聞きしたいのですが、母の場合、それほど生存率が低くなるものなのでしょうか。また抗がん剤の服作用はかなり強いと聞いています。私はどのようにサポートできるのでしょうか。教えてください。母の落胆が見ていられず、わらをもつかむ気持ちでメールしてしまいました。お忙しい中、大変恐縮ですが、ぜひともご意見を頂きたいと思います。何卒よろしくお願いいたします。

わたくしどものデータでは、リンパ節転8個の10年生存率は50%くらいです。ただこの数値は10年前の治療成績ですので、これからの成績はもっと上がっていくと思います。また、たとえ生存率が38%であっても治る可能性があるわけです。80%でも死亡する可能性はあるわけです。数値はあくまで参考程度です。(文責 麻賀)

 

No.3996-1】 05年06月17日      i-mi
定期的経過観察のみ

44才、3人の子供がいます。3月に摘出生検で癌と確定し(0期非浸潤乳管癌)、放射線治療25回、追加5回を受けました。その後は定期的経過観察のみということですが、ホルモン剤はこの時期の癌では飲まなくても大丈夫ということですか? 放射線治療で白血球の値が2400減りましたが、問題ない範囲でしょうか? 微小の癌細胞が肺の毛細血管に直接入り肺腫瘍になるということはないですか? 0期といえども癌細胞があったことは転移や再発のことが気になります。細かいことで申し訳ありませんが、宜しくおねがいします。

1)非浸潤癌にホルモン治療をやるべきかどうかははっきりしていません。服用しなくても問題ないと思います。
2)放射線治療で白血球は少し減ります。元来の白血球が少ないのであれば問題ないと思います。(文責 麻賀)

 

No.3996-2】 05年07月25日      i-mi
放射線治療が終わりました

以前一度質問させてもらいましたi-miです。放射線治療が終わり1か月になりますが、
1) 追加照射したところが丸く色素沈着を起こしているのと、乳首の皮が半分ほどまだ剥けかけで戻りません。沈着を防ぐ薬をもらいたいのですが塗るほうが良いでしょうか?必要ないでしょうか?
2) 追加の場合は戻るまでどのくらいかかりますか? 夏で暑いので消炎の薬も塗るほうが良いですね?
3) なんとなくのどが痛いのと胸の辺りがすっきりしないような気がしますが、放射線の影響でしょうか? 気にしすぎでしょうか?
4) ステージO期ではホルモンレセプターは皆、陽性ですと言われただけで、詳しい情報はありません。HER2は調べていないと言われましたが、この時期では普通のことでしょうか?

細かいことで申し訳ありません。

放射線治療後の色素沈着や痂皮は3〜6ヶ月くらいできれいになります。かゆみがあったり、炎症がひどければ、ステロイドの入った軟膏がお勧めです。のどの痛みや胸の辺りのすっきりしない感じは、おっしゃるように神経質になりすぎているのではないかと思いますが、主治医の先生によく診察してもらってください。ステージ〇期というのはTIS(非浸潤癌)だったということでしょうか? そうであれば、ホルモンレセプターもHer2は調べることは可能ですが、その結果が治療に結びつくことはありません。術後に何も補助療法が必要ないのですから。(文責 清水)

 

No.3996-3】 06年01月07日      i-mi
術後の状態について

明けましておめでとうございます。再度質問させてもらいますが、よろしくお願いします。
@ 昨年3月に左乳頭下を摘出生検し、放射線25回、追加5回受けました。放射線の副作用で毛根もダメージを受けたのでしょうか、発毛がありません。主治医に話すと、「そんな症例は聞いたことがない」と言われました。私だけ特異なのでしょうか? 様子を見たほうがよいのでしょうか?
A 追加照射した部分の乳輪回りは柔らかくならないような気がしますが、月日がたてば戻りますか? マンモ検査時(3月)に痛みがありそうで不安です。
B 乳首下を摘出した為、乳首が扁平に癒着しています。主治医は、「盛り上げる手術をしてあげる」と言いましたが、気持ちに迷いがあるので、詳しくは聞いてきませんでしたが、その手術はどのような方法なんでしょうか? お分かりになる範囲で教えてください。
C 病理検査で断端は陽性か陰性どちらとも言えないと聞きました。それはどう理解したらよいのでしょうか? はっきりしない細胞の形ということは、正常ではない・・陰性といえるのではないでしょうか? 異型の細胞があるのではと不安です。
D ドナー登録や献血は、私のような非浸潤癌でも受けられないのでしょうか? 知人がドナー登録をしていて偶然に適合者が見つかりましたが、癌のため移植できないと言われました。転移していなくても無理なのでしょうか?

細かい質問で申し訳ありません。

@  発毛がないというと、頭髪のことでしょうか? 脱毛があったということでしょうか。基本的に放射線照射の作用も副作用も照射された部位に起こりますから、乳房の照射で頭髪が抜けることは通常はありません。ただし、病気療養中のストレスなどで脱毛するようなことはあるかもしれません。だとすると経過をみることになると思います。円形脱毛などでしたら、皮膚科の先生に一度御相談なさってもよいかもしれません。
A  照射した部位、特に追加照射をした部位は、しばらくは硬さが他の部分より残ると思います。時間がたつと通常だんだん軟らかくなってきますが、個人差があります。マンモグラフィ検査時には、もしあまり痛いようなら担当の技師さんや主治医におっしゃっていただけるとよいと思います。
B  癒着している部分を切り離すということでしょうか? 文面からだけでは判断がつきかねます。手術の方法は、主治医の先生からよくご説明してもらったほうがよいと思います。
C  病変のなかには良性なのか癌なのかが、顕微鏡でみても判断が難しいものがあります。おそらくそのような病変が断端にあったのかもしれませんね。こちらのほうも主治医の先生に伺ってみるのが一番です。
D  悪性腫瘍の既往のある方は、基本的には臓器移植のドナーや輸血の適応からは外れることになっています。悪性腫瘍と規定されているだけで、浸潤がん、非浸潤癌などの区別はしていないようです。(文責 俵矢)

 

No.3995】 05年06月17日      S 
授乳中の胸のしこり

はじめてご相談させていただきます。29歳、4ヶ月になる娘を母乳で育児中です。今まで特に気にならなかったのですが、2日ほど前から左胸の外側にアーモンドのような形のしこり(大きさはアーモンドより二周りほど大きい)を 発見しました。触ったり、強く押したりしても痛みはなく、また授乳の前後で状態が変わったりということもありませんが、乳がんの可能性はあるのでしょうか?検査を受けたほうがよいでしょうか?アドバイスをいただければと思います。よろしくお願いいたします。

念のため病院を受診して検査を受けたほうがよいでしょう。(文責 麻賀)

 

No.3994】 05年06月17日      S.K. 
左胸のしこりについて

現在、第2子妊娠中(8月末に出産予定)の35歳の者です。家族・親類に乳がんの人はいません。先日、左胸脇近く(乳首から5cmほど左上)にしこりを発見し、通院している産婦人科でエコーと触診をしてもらいました。結果、4mm(自己検診では、1cm弱くらいあるような気がする)の楕円形のしこりがありました。その産婦人科の先生(市の婦人科検診を請け負っておられます)によると、「触診とエコーの結果では悪性の感じはない。おそらく線維腺腫だろう。妊娠中ということもあり経過観察でよい。必要であれば外科を紹介する。」とのことでした。そのしこりは、私の記憶では2,3年前にもあったものだと思います(第1子出産後だったか、第1子妊娠前だったかは定かではないのですが)。発見直後は、またCystかと思って(5年ほど前にできたことあり)、しばらく自己検診をして、なくなっているような気がして放置していました。さらに、その後2003年10月末にマンモグラフィーを受け(アメリカで)、白という結果だったので、すっかり安心していました。自己検診では、しこりはよく動き、境界も割りとはっきりしていると思います。2,3年前と比べると、少し大きくなっているような感じはありますが、記憶があいまいなので、断言はできません。しこり自体に触れても痛みはありません(乳房の張りから来る痛みはあり)し、乳房の皮膚のでこぼこ感やえくぼはありません。先生にお伺いしたいのは、
1) 先生の良・悪性の印象はどうか。
2) 今すぐ専門医にかかる必要はないか。(今の産婦人科での経過観察でよい?)
3) 経過観察とは、どのくらいの頻度の自己検診と先生の診察なのか。
4) 自己検診をしていて、しこりにどのような変化があった場合に専門医に診てもらうべきか。
5) 出産後も授乳がありますが、出産後ほどなくして、マンモや細胞検査といった確定診断を受けられるのか。
6) マンモによる乳がん検診の信頼性はどの程度のものか?  (私自身は小さい乳房なので、そのしこりのところまでうまく写っていたのか疑問で・・・)

長くなってしまい、申し訳ありません。待望の2人目を出産しようというときに、しこりを見つけて、非常に不安です。どうか、ご回答・アドバイスをよろしくお願い申し上げます。

1) 良性と思います。
2) 経過観察でよい。
3) 最初の1-2回は、6カ月に一度程度。
4) 大きさ、形などの変化を感じたとき。
5) マンモや超音波検査を受けることは可能です。
6) 数字で表すことはむずかしいですが、触診による検診より信頼性は高いです。(文責 麻賀)

 

No.3993-1】 05年06月16日      太郎
ノルバデックスの飲む回数について

37歳。昨年11月に温存手術のあと、ACを6クール終え、UFTとノルバデックスを服用しています。私の場合、朝昼晩の3回服用と言われたのですが、知人の場合は朝晩の2回だとか・・・。一日に飲む回数というのは、患者の容態によって変わるものなのでしょうか? 回数が多い方が再発のリスクは減るものでしょうか? ただでさえノルバデックスは太る原因だと言われていますが、これから何年も飲み続けるのであれば、出来るだけ回数を減らしたい心情です。よろしくお願いいたします。

ノルバデックスは通常は1日20mg(1錠10mgと20mgのものとあります)内服します。40mgまで増量可能です。30mgの理由を担当医に聞いたらどうでしょうか。(文責 麻賀)

 

No.3993-2】 05年07月10日      太郎
ノルバデックスについて

HPNo.3993で一度お聞きしました太郎と申します。度々申し訳ありません。飲む回数について主治医になぜ3回なのか聞いてみました。20〜40mgだから真ん中をとって30mgだそうです。そのような考え方はあるんですか? 副作用のことを考えると、少ない方が副作用が少ないように思うのですが、効果もそのぶんだけ減ってしまうものですか? 主治医には言わずに一日2回に減らしても大丈夫なものでしょうか?

ノルバデックスは1日20mgで服用するのが普通です。40mgまで増量可能ですが、30mgというのはあまり行わないと思います。UFTと一緒に服用しているとしたら、UFTが1日3回なので、間違いをなくすためにUFTとノルバデックスの服用する回数を一緒にして3回にしたのでしょうか。1日2回に減らすのであれば、主治医の先生と相談して決めてください。(文責 稲葉)

 

No.3992】 05年06月16日       N.T.
乳腺嚢胞について

はじめまして。5月の乳癌検診で左右乳房に腫瘤(5mm)が見つかり、要精密検査の通知がきました。腫瘤は非触知・マンモグラフィー異常無しでした。乳腺外科が予約いっぱいで、外科を受診することになりました。外科の先生は、左はレベル5、右レベル3とエコーを見て診断され、細胞診をしてくださいました。しかし、腫瘤が小さいためうまく取れず、左は血液成分・右は異型細胞という結果でした(6/13)。どうしても、しっかりした診断が欲しかったので、本日(6/14)乳腺外科の先生にセカンドオピニオンをお願いし、再度エコー所見から見ていただきました(病院は同じです)。実際、エコーを取っていただいた結果、左はのう胞とのことで、その場で針を刺し黄色い液を吸い出していただきました。また、右は腫瘤自体がどれだけ探しても見つかりませんでした。先生は、「先週細胞診で針をさした時、のう胞がつぶれたのではないか?」と言われました。しかし、細胞診の結果異型細胞が出ているので、念のため、明日CT(造影)をして最終的な診断をしていただくことにしました。もし、特に異常が見つからない場合、3ヶ月ごとの経過観察でよいといわれましたが、それでいいのでしょうか? また、外科でレベル3、5といわれていたのが嚢胞だったのは嬉しいですが、こんなことはあるのでしょうか?腫瘤が見つからないのは嬉しいような反面、とても心配でもあります。もし、もっと何か受けておくべき検査がありましたら教えてください。ここの病院の乳腺外科の先生はとても評判いいですが、念のため何か良いアドバイスがありましたらお願いいたします。MRIは乳腺専用ではないとのことで、CTになりました。

1) 左のレベル5、右のレベル3というのは画像所見のものと思いますので、これが確定診断ではありません。
2) 細胞診で異型細胞というのはClass3−4程度のものでしょうから、嚢胞でもこのような結果になりえます。現在超音波で腫瘤が見つからないのであれば、まず心配ないものと思います。
3) 経過を追って見るのでよいと思います。(文責 麻賀)

 

No.3991】 05年06月16日       E 
妊娠中の乳房内の影について

はじめまして。質問させてください。2年前に非浸潤性乳管癌のため手術(温存)をし、その後、ホルモン治療が合わなかったため、放射線治療のみ受けました。昨年末の検診で、同じ乳房内に影が3つあると言われ、検査のための手術をする予定でしたが、同じ頃妊娠もわかり、詳しい検査も手術もしないまま、今に至ります(現在妊娠5ヶ月です)。安定期に入って手術という話でしたが、今までの検診時には見えていた影が、先日の検診では消えていました(エコー)。妊娠によるホルモン作用でそう言う事も起こり得るのでしょうか? それとも、妊娠による乳房の変化で、見えにくくなっているだけなのでしょうか? 日本ほど医療が進んでいない国に住んでいますので、医師からはっきりした事が聞けず不安です。

文面から判断すると最初から超音波のみで診断された腫瘤のようですので、あなたのような場合もありうると思います。このようなことは妊娠時のみとはかぎらず起こりえます。(文責 麻賀)

 

No.3990】 05年06月16日    HF
鎖骨リンパ転移(HPNo.3740-5)

HPNo.3890でご相談させていただきましたHFです。現在ゼローダ2クール終了したところです。それにあわせて左胸腫瘍に放射線治療を始め、現在7回目を終わったところです。腫瘍自体は放射線により、わずかながらも縮小しているように思われます。ただ、おととい初めて気づいたのですが、左側の鎖骨が右よりも明らかに太くなっていました。それを本日放射線医師に伝えたところ、触診のみで「これはありますね」と言われました(検査はまだしていません)。問題は鎖骨の腫れがいつからあったのかという事ですが、放射線前に(6月上旬)撮った胸部CTでは、首より下を撮っているので、それでは分からない、ということでした。まず伺いたいのは、今後の治療についてです。放射線の医師は、「もうしばらく様子を見て、変化があれば薬を代えましょう」と言われましたが、私としては、2クールゼローダが終わっていますので、様子を見るにはもう充分ではないか、と思っています(ハーセプチンが心機能低下で現在使えません)。あと、医師の診察についてです。前回6月3日に診察を受けています。左鎖骨の腫れが、6月3日以降に起こったものとは思えませんので、それ以前からあったと思います。素人目に見ても、鏡を見ればすぐに左が太い、というのは分かります。医師が診察の時に気づいてくれていたら・・と、どうしても思ってしまいます。そういう自分も、左胸にばかり気をとられていて、気づいたのはごく最近ですが・・・。診察時には、ベッドに横になって胸は見てもらっています。その際に分からなかったのだろうかと思ってしまいます。セカンドという話しもお聞きしますが、病院を変えるのにもかなりのエネルギーがいり、なかなかそこまで踏み切れません。今後どうすれば良いのかわからず、ご意見お伺いしたく、どうぞ宜しくお願い致します。やはりハーセプチン+タキサン系?をやるべきでしょうか?

1)ゼローダならば、もう2サイクルくらいやってから判断してもよいと思います。
2)鎖骨の問題は、今の担当医にもう一度よく聞いて納得することが大切です。
3)心機能が悪くハーセプチンが使えないのであれば、今の治療でいくのがよいでしょう。(文責 麻賀)

 

No.3989】 05年06月16日    M 
副乳と乳がん

44歳、女性です。左右の脇の下に副乳があります。19年前に長女を出産する前後に脇の下が腫れて、受診した際に副乳でしょうと言われました。普段は痛みもありませんが、やはり生理前になると腫れたり痛んだりします。「副乳が乳がんの母体となることもあるので手術を」と書かれているホームページを見たりすると、だんだん更年期になってきて心配になってきました。副乳と乳がんって因果関係はありますか?

副乳から乳癌になることはあります。心配なら調べてもらったほうがよいでしょう。(文責 麻賀)

 

No.3988】 05年06月16日    K.I. 
これからの治療について

術前化学療法後、温存手術したものです。病理検査の結果、非浸潤乳管癌で、浸潤部分がすべて消失したため、ホルモンレセプター、HER2 、悪性度、共に調べられないとのことでした。そのため、ホルモン療法は行わず、経過を見ていくことになりました。ホルモン療法をするしないで、予後は変わってくるものでしょうか? 主治医からは、遠隔転移の可能性は無いと言われています。よろしくお願い致します。

通常は術前抗がん剤治療前に癌組織を採取(針生検)しておき、ER、PgR、HER2を調べておきます。もしそれを行っていないのなら、確かになにもせず経過を見て行くことになるでしょう。 (文責 麻賀)

 

No.3987】 05年06月16日    T.O..
補助療法について

いつも参考にさせて頂いています。39歳、閉経前、センチネル生検によりリンパ4つ摘出中転移なし、腫瘍の大きさ1.5×0.8、硬癌、グレードについての表記なし、ホルモン感受性あり(あまり詳しく教えて頂けません)。このような結果から、ノルバテックスの内服を勧められました。注射との併用を申し出たところ、「湿潤部分はわずかであると明記されているので、必要ないと思う。」とのお答えでした。私としては、再発を予防するためにも行った方がよいと思うのですが、いかがなものでしょうか。是非アドバイスをお願い致します。また、ホルモン剤の副作用は、ずっと続くのでしょうか。ある程度からだが慣れれば落ち着くのでしょうか。不安でいっぱいです。わかる範囲でよろしくお願い致します。

閉経前ですので、私なら注射(たぶんゾラデックス)を併用します。ノルバデックスだけでも悪くはありませんが。ホルモン剤の副作用は今後も変わりないと思いますが、確かに体が馴れて気にならなくなるかも知れません。(文責 麻賀)

 

No.3986】 05年06月15日    T.T.
5年、10年生存率

1月に右胸全摘出手術をした者です。47歳未婚、ステージUb-V、ホルモン受容体陰性、リンパ節転移1:7/10、2:3/3。手術後一週間でCEF治療開始、週1で6回点滴治療を受けたあと、再発予防と言うことでゼローダを服用しています。今のところ元気で仕事もしておりますが、リンパ節転移の数からすると、予後はかなり悪そうな気がします。独り者ですので、まわりに迷惑をかけないよう、最悪の場合を想定して準備しておかなければならないこともあります。私の5年、10年生存率を教えていただきたいのです。よろしくお願いします。

リンパ節転移が10個あるようですから、5年生存率は68%、10年生存率は45%です。(文責 麻賀)

 

No.3985】 05年06月15日    mika
乳腺肥大の対応を教えてください

突然失礼いたします。現在30歳女性ですが、乳腺肥大について質問があります。小学生のころ胸が大きくなると共にシコリのようなものができはじめ、そのまま胸の大きさと共に大きくなって、横になると、全体がシコリになってしまいます。20歳の頃、一度総合病院で検査してもらったのですが、その時に、乳腺肥大と言われ、幼い頃からで、突然大きくなったわけでなく、20歳という年齢から心配ないということでした。ただ、できたら、そのシコリをなんとかしたいのですが、方法はあるのでしょうか。よろしくお願いいたします。

文面から判断すると乳腺の肥大は腫瘍によるものではないようです。そのシコリを何とかしたいのであれば形成外科で一度相談してみてはいかがでしょうか。 (文責 麻賀)

 

No.3984】 05年06月14日    H.S. 
術後治療について(HPNo.3673-2)

以前HPNo.3673でご相談させていただいたものです。その節は丁寧なご回答をありがとうございました。その後3月31日に右乳房温存手術を受け、現在放射線治療2グレイ×25回+ブースト10グレイ=60グレイ)を受けています。内服薬としてフルツロン4カプセル、エンドキサン2錠、パンリープ2錠を処方されていましたが、前者は肝機能障害、後者は白血球の減少により放射線治療中は休薬することになりました。放射線終了後、改めて同じ薬に挑戦するか、他の方法を考えるかと言われていますが、左乳房の治療でも5FU 、フルツロンともに肝機能障害を起こしていることから、同様のことが起こる可能性が非常に高いと考えています。質問ですが、先生なら私のような場合、どのような治療を薦められるでしょうか。この相談室を読んでいても経口の抗がん剤と言う記述が少なく、標準治療かどうかも気になります。私の状態について以下に書いておきます。
1)左乳癌術後2年11ヶ月(t1n0, stageI)、再発兆候なし
2)右乳癌t2(<3.0cm)硬癌主体の浸潤がん、グレード2、瘢痕(?)+、リンパ管侵襲+
  @massとしての癌?残−  An1α(1/30)径2mm以下の微小転移  BER+、PgR+、Her2(1+)  CstageII

微小転移であってもn1の分類に入ると言うことですが、硬癌はややたちが悪いと聞いており、それも心配しています。前回いただいたご回答ではタモキシフェンは投与しない可能性をあげられていますが、そのことについてもご意見をいただければありがたいです。放射線治療が16日に終了し、今後の治療方針を決める時期が迫ってきました。現在はタモキシフェンのみ服用しています。主治医に相談したところ、それぞれ障害を起こしたフルツロンとエンドキサンに再挑戦するのは現実的でないので、タモキシフェンに加えてゾラテックスを考えているということです。私は3年前に左乳がんの手術をして以来ずっとタモキシフェンを飲み続けており、45歳の現在、生理は昨年の8月以来ありません。もしかしたら薬でもう閉経したのかもしれないのですが、閉経していてもゾラテックスの効果はあるのでしょうか? 抗がん剤の点滴という方法もあるかと思いますが、先生でしたらどの方法をお勧めになりますか? お忙しいとは存じますが、判断の期日が迫っておりますので、どうぞ早めにお返事いただければ、心より感謝いたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。

右乳癌はn(+)であり、ホルモン感受性が陽性です。両側乳癌でありHer2の発現かみられることから、再発のリスクは低くないと思われます。標準治療というものははっきりしませんが、私であればアンスラサイクリンを含む点滴をまず4−6コース行い、それからタモキシフェンを続けるか、あるいは閉経していることを確認してアロマターゼ阻害剤を投与いたします。卵巣機能が回復しなければ(生理が止まったままであれば)、ゾラテックスの効果は十分ではないと思います。メールだと細かい点がよくわかりません。主治医とよく相談してください。(文責 吉田)

 

No.3983】 05年06月14日    Y.K.
乳首からの茶色分泌物

こんにちは。37歳、未婚、出産経験なしの女性です。最近、寝ているときに着ていた服の左胸あたりに茶色っぽいシミがついていることがありました。何か汚れがついたのかと思っていたのですが、たまたま昼間にうたた寝をした後、服が汚れていることに気付き、左の乳首あたりを押したりつまんだりしてみたところ、茶色っぽい分泌物がでてきました。古い血液と体液が混じっている感じの色で、右からは同じようにしても何も出てきません。ちょうど半月ほど前に会社で乳房の超音波検査をうけ、右は線維腺腫があると言われたのですが、左については特に所見はありませんでした(昨年は両方に乳腺のう胞との所見がありました)。やはり、病院で検査を受けた方がいいのでしょうか?また、どんな病気の可能性がありますか?ご回答いただければ幸いです。

病院で検査を受けたほうが良いでしょう。病気としては頻度は低いですが、乳癌であることもあります。乳管内乳頭腫など良性のものが多いと思いますが、念のためです。(文責 吉田)

 

No.3982】 05年06月14日    M.M
細胞診の結果について

先日はご回答ありがとうございました。再度ご質問させていただきます。乳がんと診断され、これまでマンモグラフィー、超音波、針生検、CT、MRIを受け、手術の予定です。針生検が3Bなので、手術前に再度針生検を行うと言われました。再度生検が3Bとなっても、手術をし、病理検査をするとのことです。MRIではがんが白く写っていましたので、3Bの結果が出たとしても、がんであることは間違いないのでしょうか(主治医は間違いないと言っています)。また、この場合、やはり手術するしかないのでしょうか。よろしくお願いいたします。

針生検の3Bであるというのは、細胞診の結果が3bなのでしょう。3bは境界病変ですが、どちらかと言うとがんを疑うということです。MRIの所見と合わせて、癌である可能性は高いと思います。しかし確実ではありませんので、病理の検査(生検手術)はどうしてもやる必要があると思います。(文責 吉田)

 

No.3981】 05年06月14日    Y.W. 
乳頭より血液

先日、下着を洗おうとしたところ、血液がついたもの(1〜2ミリくらい)が3枚ありました。いつ付いたものか分からず、自分で絞ってみても、その時は血液など何もでませんでした。不安になり、近所の病院の外科を受診しましたが、触診でもしこりはなく、超音波をとってもらいましたが、異常なしとの事でした。異常がないのに血液が出ることってあるのでしょうか? どんな病気が考えられますか? 現在33歳で、今月より子づくりの計画があります。マンモグラフィは妊娠中はもちろん危険でしょうが、妊娠直前は問題ないのでしょうか? 来週には乳腺外科を受診しようか迷っていますが、どんな検査を受けるのが適切でしょうか? どうか教えて下さい。よろしくお願いします。

異常がなくても機械的刺激により乳頭より出血を起こすことはあります。マンモグラフィは、妊娠初期は避けるべきです。妊娠直前ならば構いません。検査としては乳頭よりの分泌物の細胞診や、CEAの測定、さらに乳管造影ということになります。分泌物がとまっていれば、マンモグラフィと超音波をして経過観察ということになると思います。(文責 吉田)

 

No.3980】 05年06月14日    M.K. 
葉状腫瘍、全摘しました

半年前、境界型の葉状腫瘍と診断され、左乳房部分切除を行いましたが、今月の検診で再発が確認され、悪性葉状腫瘍として小胸筋を含め全摘術をしました。腫瘍は前回と比べ、左乳腺内に散在しており、筋肉付近にも腫瘍が再発した為に、小胸筋もわずかに切除しております。センチネルリンパ生検では転移はなかったそうです(0/4)。治療している病院では、抗がん剤・放射線療法ともに無効であると言われました。症例も少なく、はっきりとしたことは分からないとのことです。半年という短期間での再発のため、転移が心配です。年齢は51歳です。積極的な治療を行っている病院はありますか。悪性葉状腫瘍では有効な治療はないのでしょうか。宜しくお願い致します。

葉状腫瘍は比較的局所再発を起しやすい腫瘍であり、このように短期間に再発し、病理で悪性葉状腫瘍であることが判明する事があります。乳癌に比べて放射線や化学療法は効きにくく、効果的であるとされる化学療法もありません。積極的な治療を行っている病院は知りませんが、夫々の病院で肉腫に準じた何らかの化療をしていることが多いと思います。癌研や国立がんセンターなどの化学療法科に相談してみるのも良いと思います。(文責 吉田)

 

No.3979】 05年06月14日     E.D. 
線維腺腫と石灰化について

初めて相談させていただきます。30才、一児の母です。先日右乳房にチクチクした痛みを感じ、外科を受診しました。一回目に触診、マンモをし、石灰化が右に二つ(一つは微細石灰化と言われ、C-3だとの事)、左には小さなのもが3つ(C-1との事)ありました。後日エコーをしたら、線維腺腫で、一番大きいので1.2cm、ほかは1cm以下で、全て横長の楕円形で、つるんとしたアーモンド型であるため、悪性ではなく心配いらないとのお話でした。痛みも気にする事はないが、三ヶ月後にまたエコー検査をしましょうとの事でしたが・・・。
1)石灰化がエコーで見たら線維腺腫だったという事はあるのでしょうか?
2)チクチクする痛みがあるのに経過観察で安心していいのでしょうか?細胞診もやるべきなのでしょうか?
3)外科ではなく乳腺外科に行って検査をした方がよいのでしょうか?その場合、短期間に続けてマンモやエコーをしてもいいものなのでしょうか?

以上、お忙しい中、申し訳ありませんが、宜しくお願い致します。

1)線維腺腫も石灰化することはありますが、この場合、多くはマンモグラフイ上、良性の石灰化として写ります。右の微細石灰化が気になります。
2)痛みは経過観察で良いと思いますが、右の微細石灰化は細胞診をしておいた方が良いでしょう。
3)言われた通り経過観察でも構いませんが、不安であれば専門医のいる病院の外科(必ずしも乳腺外科を標榜しているとは限らない)で、再検査を受けることも良いと思います。この場合、短期間にマンモグラフィや超音波を受けることは問題になりません。(文責 吉田)

 

No.3978】 05年06月14日     T.S.
乳癌の診断を受けました 

41歳になります。6/8に下記のような診断結果をもらい、かなり動揺しております。ご助言頂ければ幸いでございます。よろしくお願い致します。
右胸上部:主病変 22x16x12mm、28x26x15mmが重なるように存在。娘核 6x5x6mm(乳頭下)、同サイズ(主病変上)。全体として縦一列に連なるように4つの病変(全長79mm)。充実腺管癌、StageU-a、リンパ転移はないと思われる。

1)病院では温存は不可と言われましたが、手術前抗がん剤治療で腫瘍が小さくなれば、温存は可能でしょうか? どこの病院でも全く不可なのでしょうか? ご相談できる病院があればお教え下さい。
2)考えたり情報収集する時間が欲しいと思いますが、この間だけでも、お薬か何かで、これ以上状態が進展しないようにする方法はないのでしょうか?(5/27から6/8迄検査の為に病院へ行っている内に、首や右脇の下がはってきているような気がしています。正直恐いです。)

1) このままですと温存の適応外となると思います。しかし術前化学療法で腫瘍が縮小すれば温存可能となることが多いと思います。しかしこの場合でも、かなり大きく切って、癌の遺残のないことを確認しなければなりません。このホームページの回答者のいる病院がお勧めです。
2) そんなに急に進行することはないと思います。待ち時間が長く、患者さんが不安であれば、経口抗癌剤やホルモン剤を処方することはありますが、効果は不明で気休めに過ぎないと思っています。温存希望するのであれば、とにかく術前化療を始めるべきでしょう。(文責 吉田)

 

No.3977】 05年06月14日     M 
乳腺内石灰化と言われましたが?

よろしくお願いします。検診で超音波を受けましたが(毎年受けています)、小さい乳腺内石灰化があるそうです。画像では良性と思われるということで、1年後に検診するようにと書いてあります。インターネットなどを見ていると乳がんが隠れている事もあるそうですが、とりあえずこのまま放っておいて大丈夫でしょうか?

乳腺の石灰化といっても、その性状により癌を疑うものから放置してよいものまであります。良性と考えられる場合は、一年後の再診で十分であると思われます。(文責 吉田)

 

No.3976】 05年06月14日     Y.R.
術前化学療法について

44歳、閉経前、腫瘍約3.8×2.5×1.5、温存の希望があり、化学療法(EC)を行い4クール目を終えたところです。3クール目を終えた後の触診・超音波で、腫瘍の劇的な縮小は見られず、ほんの少し小さくなったかな程度です。大きくはなっていないので、予定通りタキサン系に切り替える予定です。そこでタキソール12回毎週投与か、タキソテール3週に1回計4回投与か、選択しなければなりません。それぞれ副作用の違いなどがあるようですが、私としてはその心配よりも、より強く腫瘍に効いてくれればと思うのですが・・・。ちなみにEC投与中白血球の最大減少は3200と、今のところは激減はなく、その他の副作用も脱毛以外はほとんどありませんでした。生検では充実腺管癌・G3・ER(-)・PgR(-)・HER2(1+)。主治医の先生も、どちらの方がお勧めかと言う事はいえないとのこと。もし選択する上で参考になることがありましたらお教え願います。

タキソールは3週に一度投与するのが欧米では標準的ですが、関節痛や手足のしびれ感などの副作用が強く、本邦では毎週投与の方法をとることが多いと思います。効果は同程度と考えられますので、あとは通院回数と副作用の程度の比較ということになります。(文責 吉田)

 

No.3975】 05年06月10日     T.R. 
検査結果について

以前、乳腺のう胞でお尋ねさせていただきましたが、今回検診を受けて、結果「乳腺腫瘍」という事でした。2次検査を受けて下さいという事で予約をしたのですが、予約がいっぱいで今月末にしか検査を受けられません。それまで考えすぎて夜も眠れないほどです。そこで少しでもいいので何かわかる事があれば教えていただきたいです。年齢は35歳です。検査は超音波検診でした。検診結果は右の下あたりに2つの腫瘍あり、大きさは2.9mmと3.2mmと書いてありました。

1)大きさは大きい方なのでしょうか?
2)やはり癌が考えられるのでしょうか?他に何か考えられる病気があるのでしょうか?

その他、アドバイス等ありましたら、宜しくお願い致します。

1)2.9mmと3.2mmというのは非常に小さいものです。
2)どんなに小さくても癌の可能性はあります。乳腺腫瘍というのは乳腺のシコリとほぼ同じで、線維腺腫や乳頭腫という良性腫瘍のことの方が多いでしょう。この大きさであれば今月末の検査で十分と思います。(文責 吉田)

 

No.3974】 05年06月10日     S.K.
乳癌と食生活(HPNo.3847-2)

ご丁寧なお返事有難う御座いました。イタリアの治療は各分野(腫瘍内科、乳腺、産婦人科放射線科)で分かれてカウンセリングを受けるので、それぞれ詳しく納得いくまで説明して貰え、とても安心します。その分自分もしっかり勉強していかなければならないのと各科ばらばらの日にちのアポイントになるので、時間が掛かるのが難点です。ただ今回の様に日本の先生からアドバイスを母国語で受けるのは、どこかほっとする思いがします。前回お尋ねした薬は、日本に持ち込む事にしました。注射針が有るのでテロ対策の為飛行機の予約をする際に申告しなければいけないそうです。今回お聞きしたいのは、よく色々な文献を読むと乳製品を控えた方が良いような事が書かれていますが、こちらヨーロッパでは乳製品を取る機会も多く、私も毎朝ヨーグルトを1カップ、牛乳やチーズを食べる事も多いのです。確かに乳がんはこちらではとても多く、身近にも沢山の患者が居ます。これはやはり食生活に関係するものなのか、私もこちらでの食生活を14年続けている事が一つの要因になり得るのか(肉類はこちらの人ほど取って居ませんし、野菜摂取にも気はつけています)、この頃気になっています。乳製品を全て絶った方が言いという考え方の先生も居らっしゃると聞いたのですが、私の普段の摂取量でも減らすなり、やめるなりした方が良いのかどうか、注射薬で閉経していますので、カルシウムになるものを食べなければと思うのですが、今後の食生活どういうふうに気をつけたほうが良いのか、又娘(9歳)が居るのですが、彼女も乳製品はかなりとって居ますので、この事も彼女の将来を考えると気になってしまいます。どうかアドバイス宜しくお願いします。

易学的に乳癌の発生と脂肪の摂取量とは関係があるとされています。最近日本でも乳癌は増加の一途を辿っていますが、これは脂肪を欧米並みに摂取するようになったことが一因とも考えられています。乳製品をひかえることは脂肪の摂取を控えると考えて良いと思います。乳製品は栄養価が高く、すべて乳製品を控えるのは行き過ぎでしょう。閉経後はどうしても骨租しょう症ぎみになりますので、カルシュウムの摂取を多くした方が良いと思います。乳製品以外でカルシュウムを多くとる工夫をしてください。娘さんのことを含めて、あまり神経質になってもしかたありません。脂肪を沢山とっても乳癌にならない人は大勢いますので・・・。(文責 吉田)

 

No.3973】 05年06月10日     K.I.
非浸潤癌と診断されました

今日国立癌センターで生検の結果、非浸潤癌と診断されました。35歳、子供はまだです。石灰化が10センチ左胸外側上乳腺上にひろがっています。ホルモン療法は適応の癌です。この場合温存術をしたら、放射線は確実ですが、場合によってはホルモン療法を行わなくてはならないのでしょうか? ホルモン療法はとても辛そうですので、もし放射線以外にも行う確立が高ければ、全摘出も考えています。また温存して実際に再発に苦しんでいる人は多いのでしょうか? 主治医に「先生ならどうされますか?」と聞いたところ、「うーーん」と答えていただけませんでした。次回までに決めてくださいと言われたのですが、どうすればよいでしょうか? それぞれメリット、デメリットがありますよね。また全摘出の場合、つけ乳首は、片方の乳首を半分に切ってつけると聞いたのですが、それ以外に方法がありますか?

生検の結果、非浸潤癌を診断されたとのこと、温存療法を行い、温存乳房に放射線照射を行い、場合によってはホルモン療法を行うのが標準的です。温存後局所再発する人は多くても5〜10%以下で、それほど多いとは言えませんが、局所再発の可能性を低くしたいならば全摘出を薦めます。ホルモン療法は「とても辛い」ことはなく、実際には副作用もあまりありません。非浸潤癌であっても範囲が広い場合、どこかに浸潤しているところがあるかもしれません。このような場合にはホルモン療法を行なうことが多いと思います。しかしこれは術後摘出標本の検査で判明することで、術前にはわかりません。乳頭を残したいならば皮下の乳腺を全部切除して乳頭を残す方法もありますが、主治医と相談してくたさい。(文責 吉田)

 

No.3972】 05年06月10日     J.I.  
治療方針の選択( 術前化学療法等) について

最近乳がんと診断されたものです。生検の結果ClassX、乳頭乳管癌硬癌とのことで、StageV-a期 悪性度はGradeV/5 異形度V/5です。腫瘍8センチ以上です。今のところ明らかな転移や、触診でリンパ節転移は認められないとのことですが、最近の自覚症状としては、日に日に腫瘍が大きくなっているという事と、痛みが表層部から深部に移っているような気がします。また脇の下が腫れているような、腕を動かす時につれる様な違和感を感じます。胸骨も痛いような気がします。(気のせいでしょうか?) 場所が乳頭直下のため化学療法で縮小しても温存の適応はなく、全摘になるようです。私自身それほど温存にこだわっていません。ただ命があればそれだけで良いです。
今後の治療方法として、1)まず手術 2)-A 術前化学療法FEC100 (FEC 3週ごと4クール後 タキソテール2クール) 2)-B 術前化学療法AT(併用で3Wごと6クール) の3つを提示されましたが、なにぶん素人なので専門家のご助言を頂ければと思いメール致しました。 幸いにして良い医師に恵まれ、メリット・デメリットをよく説明してくれました。術後癌細胞が全身に飛び散り転移のリスクが高まるが、術前に化学療法を行うことで抗がん剤の効き目を確認でき術後化学療法が効果的に行えるとの事、また腫瘍を縮小することで、より手術が完璧に行える(取り残しを無くす)という意味で、自分としては術前化学療法に傾いています。私のように進行が速い(気のせいかもしれませんが)癌の場合、転移しないうちに早く手術したほうが良いのでしょうか? また、薬の選択としてFEC100やATは適当なのでしょうか? 医薬品情報を調べて見ましたが、副作用も強いようです。このように強い薬をはじめから使用することで、後の戦術が立てにくくなるということはないのでしょうか? 化学療法を受けながら仕事をしている人はたくさんいるという話を聞きましたが、本当のところ、それってすごく大変なんじゃないのですか? 術前化学療法をしてもしなくても生存率に差はないということです。化学療法をした結果、体がボロボロになってしまうのも恐ろしいです。私のように温存にこだわらなければ、薬の効果が確認でき次第、途中で終了して手術することも可能でしょうか? もしかしたら術後、乳房再建術を受けたいと思っていますが、化学療法をした者はできないかもしれないと書いてありましたが、本当ですか? あと話が変わりますが、悪性度Gradeの意味って何ですか。ものすごく進行が速いとか、再発のリスクが高いということですか? すごく心配で、悩んでいます。先生には2.3日中に返事をしなくていけませんので、どうかよろしくお願いします。

お返事が遅れまして大変申し訳ありません。腫瘍が8cm以上あるということですから、化学療法は必須と考えます。術前化学療法の提案や使用薬剤の内容に関しては従来通りの考え方ですので、化学療法を受けられることをお勧めします。乳癌治療は必ずしも手術が優先されるものではありません。もちろん手術をするタイミングもありますので、その点に関しては主治医に質問されてはいかがでしょうか。術前化学療法の目的は、薬剤の効果判定や腫瘍が縮小した場合、温存術を行う事を目的に投与されます。術前化学療法は予後を改善しないと言われていますが、化学療法で組織学的な完全効果(pathologicalCR・・・癌が消失する事)が得られれば予後は良いとされており、現在組織学的な完全効果の率を高めるためのメニューがいろいろ考えられています。(今回提案されている化学療法の内容もそのひとつです)
化学療法の副作用の出現に関しては人それぞれですので、投与中に体調を崩してしまう場合は主治医にご相談ください。また化学療法をされた患者様に再建ができないということはありません、再発のリスクが高い時はお勧めしない場合はあります。最後に組織学的グレードの話ですが、再発のリスク(予後因子)を考える上で重要な所見です。その他ホルモンレセプターの有無、病期、脇のリンパ節転移の数、HER2スコアー、年齢(35歳以下)なども重要な因子です。この結果はわかり次第説明があると思いますし、仮に再発のリスクが高ければ、それなりに厳重に経過を診ると思います。まずは現在の治療をしっかりやることが大切です。(文責 比嘉)

 

No.3971-1】 05年06月10日     K.W.
右胸のしこりについて

初めて相談させていただきます。現在30歳、未婚で出産経験はありません。右乳房内側の最下部(胸骨の合わせ目から5センチ程度脇に向かった外側)にしこりというか、塊のようなものがあります。年齢的にそろそろ本格的に乳がん検診を受けようと思っており、その前に予備知識として色々調べていますが、私の症状(部位)にあてはまるものがなかったため、乳がんである可能性を知るために今回ご相談させていただきました。
塊は
・中学生のころからある。
・大きさは2〜3センチほど、境界ははっきりしていません。表面はざらざらしています(アーモンドのような形)。
・ガチガチというほど硬くはないが、押すと痛みがあり、塊も動きます(押さなくても痛い場合もありますが、その場合は乳房全体が張りがあって痛いときです)。
・生理前になると少し大きくなるような感じがする。

現在、次の生理の2週間ほど前で、乳房に張りがあります(生理周期は29〜35日です)。1週間ほど前、乳房の張りが出てくる前に触診したところ、今より少し小さいような感じでした。自己検診もやりましたが、そのときは触れたり触れなかったりという状態で、全体的には「乳腺の小さな塊があり、その上にしこりがある」という印象です。今回の生理が終わり、様子を見ながら乳腺外科を受診しようと思っていますが、私のような症状で乳がんの可能性はあるのでしょうか?

中学生の頃からあって特に大きさの変化も認めなければ、乳癌の可能性は低いと思います。いずれにしても検診も含め一度外来(乳腺または外科)受診をお勧めします。(文責 比嘉)

 

No.3971-2】 06年01月23日     K.W.
痛みと再検査

相談室HPNo.3971で質問させていただきました。だいぶ間が空いてしまいましたが、前回相談させていただいた後、7月に乳がん検診(マンモグラフィー・触診)を受診しました。結果はA判定(異常なし)でしたが、ここ数ヶ月、同じ右側の上部、腋に近い部分に痛みが出ています。生理が終わって約10日くらいで痛み始めるようです。1日中痛い、というものではありませんが、ズキッと鋭い痛みの時もあるので気になっています。検査を受けたときは「(検査は)年齢的にも2年に1度でいい」と言われましたが、このような症状がある場合、早めに再検査をしたほうが良いのでしょうか? お忙しいところ恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

内容からは、がんの可能性は低いと思いますが、不安なのであれば遠慮なく専門医を受診してすっきりすべきです。(文責 徳田)

 

No.3970】 05年06月10日     YUU
術後の治療について

3月に全摘手術を受け、現在抗がん剤治療をうけています。住まいのある市には、総合病院、検査施設が無いため、東京の大学病院系列の病院を紹介されました。今後の治療についての話の中で、治療方法も大学などによって異なるので、地元にもどってから同じ考えのドクターを探してやったほうが良いとのアドバイスをいただきました。告知をうけた時には、そこまでの余裕が無く、これから長い治療になる事を考えるとどうすれば良いか考えてしまいます。こちらのページを見て、神奈川県の中でも専門のドクターがたくさんいらしゃる事を知りました。ホームドクター、かかりつけ医とのつながりを、どのようにして、これから作って行けば良いのか教えていただければと思います。今後ホルモン治療をうける予定です。 

現在通院されている病院から自宅近くの紹介できそうな病院または開業医はないのでしょうか。いずれにしても自宅近くの医師を紹介していただき、治療の基本はかかりつけ医が中心となり、疑問はなるべくかかりつけ医との話合いで解決されていくことが大切かと思います。もし治療において何か問題が生じれば当ホームページやセカンドオピニオン外来を設けている病院をうまく活用されてはいかがでしょうか。(文責 比嘉)

 

No.3969】 05年06月10日     H.I. 
しこりのない石灰化について

初めまして。私は28歳既婚の女性です。出産経験はありません。以前から生理前に胸が痛くなり、生理が終わると共に痛みもなくなっていました。しかし、今回5/10〜5/15まで生理がありましたが、生理後も両胸が痛く(特に押すと痛い)、乳腺外科を受診しました。マンモグラフィーでしこりはないが、片方の胸に石灰化している部分があると言われ、念のためにエコー/触診を受け、石灰化の部分にもその他の部分にもしこりが見当たらないし、乳腺症だと診断を受けました。石灰化の部分は「良性だろう」との診断でした。30歳以降は毎年検診を受けてくださいと言われ、痛みもそのうちなくなるだろうということで、特に治療などはありませんでした。
1) 石灰化ですが、良性のもの/悪性のもの/どちらか分からないものがあると既出の質問で拝見しましたが、私の場合は「良性だろう」と言われました。上記の検査のみで診断できるものなのでしょうか? 既出の質問を拝見していると、しこりのない石灰化でもガンの可能性があるというのも見ました。
2) 生検などの追加検査を行っていただいたほうがいいのでしょうか?
3) 痛みはそのうちなくなると言われたのですが、ずっと続くこともあるのでしょうか? また、ずっと続く場合はどのようなことに注意すればよいのでしょうか?
4) 30歳以降は毎年検診をと言われたのですが、石灰化がある以上定期的に検査を受けたいと思っております。どのくらいの間隔で検索を受ければよいでしょうか? また、検査はマンモグラフィー/エコー/触診でいいのでしょうか?
5) 今後、妊娠を希望しております。このような場合、妊娠しても問題ないでしょうか? また、妊娠した場合の検査などは通常どのようになるのでしょうか?

多くの質問で大変恐縮ですが、お答え頂いたら嬉しく思います。以上、よろしくお願い致します。

石灰化で良性悪性が区別できるかどうかについてですが、石灰化の形とその集まり方でどのくらいの確率で癌の可能性があるかどうかを判定できるだけです。もちろん100%近く癌と判定できるものも含まれますが、0−100%の間でさまざまなタイプの石灰化があります。カテゴリー1−5まで分類しています。おそらくカテゴリー3(5%以下)と判定されたのではないでしょうか? そうであれば、精査のうえ何もなければ経過観察する場合が多いかと思います。ただこのことは仮定の話です。どのくらいの頻度で検査をしたらよいのか、また30歳以降の検査の頻度も、そのカテゴリーなどで変わると思います。主治医にご相談ください。(文責 福間)

 

No.3968】 05年06月10日   S
再発、転移の可能性(HPNo.3350-3)

HPNo.3350で相談させていただきましたSです。しびれ、右胸痛(日常生活に支障のない痛み)が、現在も続いています。5月28日に左乳房の乳輪すぐ下に、米粒ほどのしこりを見つけました。5月30日に、両胸、右脇のエコーをしたところ、不安な影があるけれども、小さくてよくわからないので、様子をみる事になりました。
1)再発、転移の可能性はあるでしょうか。
2)4週間後の診察まで、そのままにしてよいでしょうか。

去年の11月胸レントゲン、2月骨シンチ、5月血液検査、異常なしでした。不安な思いで過ごしています。ご意見を聞かせていただければ幸いに思います。

乳輪直下に米粒大のしこりができることは正常な方でも決して少なくはありません。再発でない可能性は十分あります。検査できないような大きさとのことです。また万が一再発でも普通は急に大きくなることはありません。4週後検査というのは決して遅い再検査ではないと思います。(文責 福間)

 

No.3967-1】 05年06月10日   N 
リンパ管侵襲について

はじめまして、よろしくお願いします。現在42才、閉経前、既婚、子供2人おります。半年前に左乳がん温存療法で手術、放射線50グレイ照射済み。術後補助療法はゾラデックス2年注射とノルバデックス5年服用となっています。病理検査の結果、腫瘍は2個あり、それぞれT1,T2と呼称します。大きさは、T1は1.9×1.3p。T2は1.6×1.5p。リンパ節転移は0個(センチネルリンパ節生検で3個調べました)。ホルモンレセプターは、それぞれER,PGRとも陽性。核異型度は、T1は1、T2は2。HER2は、T1hは0、T2は+1。リンパ管侵襲は+1。静脈侵襲は0。硬癌。断端陰性。浸潤は脂肪。質問が4点あります。
1)リンパ管侵襲+1は、どれくらいのものでしょうか? 私の場合、癌細胞はリンパ管から侵入して、リンパ節をくぐり抜けて、全身を回っている可能性はあるのでしょうか? 
2)再発率、生存率はどのくらいでしょうか? 5年、10年、20年で教えていただけないでしょうか? 
3)ホルモン療法についてですが、ゾラデックスとリュープリンはどう違うのでしょうか? また、タモキシフェンもいろいろありますが、ゾラデックスで閉経状態になっているので、アリミデックスを服用することはできないのでしょうか? アリミデックスの方が乳がんの再発率を抑え、子宮体癌の発生率もノルバデックスと比較して低いと聞きます。 
4)骨粗しょう症の予防対策についてですが、ホルモン療法を始めるときと3ヶ月後とでは骨密度が4%も減ってしまいました。108%から104%です。この調子で減っていくのなら、食生活に気をつけるのは勿論ですが、何か良い治療を早めにした方がいいでしょうか?

以上4点の質問です。お忙しい中お時間をさいていただき、ありがとうございます。

1)2)リンパ管侵襲の有無単独での予後予測でまとまったデータはありません。腫瘍の大きさなどで判断するのですが、T1,T2と書かれているのは腫瘍径でそう分類されたのでしょうか? T2でも2cm以下の腫瘍のようです。一度ご確認ください。
3)ゾラデックス使用後にアリミデックス使用は可能です。書かれているようにアリミデックスは子宮への影響は少ないと思いますが、4)と関連しますが骨粗鬆症(骨密度低下)の問題があります。また保険適応にならない可能性が十分にあります。ゾラデックス+ノルバデックスは標準的治療だと思われます。
4)骨粗鬆症対策で保険収載されているもので使用可能なものはエビスタでしょうか? ビタミンDなども対象になります。しかし現時点では骨密度は標準以上ですので、続けて測定していき、変化があれば主治医に相談でもいいのではないでしょうか?(文責 福間)

 

No.3967-2】 05年07月12日   N 
術後の検査について

以前[No.3967]でお世話になり、ありがとうございました。とても参考になりました。再び「術後検査」について質問があります。よろしくお願いいたします。昨年11月25日に左乳がん摘出手術を受け、術後検査は12月と今年6月の血液検査のみです。主治医に術後検査計画をお聞きしますと、「半年に1回血液検査をして、1年に1回マンモグラフィーをします。それは標準治療に基づいています。精密検査は、例えば咳が出るなど症状が出てからします。」というようなお返事でした。(また、診察も7月にあったのですが、次は来年の1月と半年後になりました。病院は大変混みあっています。) 本で調べてみても、私の場合は術後検査がとても少ないように感じられ、取り残されているような気がします。先生であれば、どのような術後検査計画を立てられるでしょうか? 6月の血液検査の結果、腫瘍マーカーも正常範囲内で問題はないと言われています。

担当の先生は恐らく米国の術後検査のガイドラインに沿った方針で検査計画を考えておられるのだと思います。米国では術後の転移の検索は症状がないうちは行わず、つまり胸部CTや肝エコー、骨シンチ検査などは行わずに、症状が出てから行います。マンモグラフィーは、術後の患者さんにおいて反対側の乳癌の発生を見つけるために有用とされています。しかし、わが国では定期的にCT、エコー、骨シンチを行って、血液検査も3ヶ月に一度くらいの割合で行う先生が多いのではないでしょうか。どちらも正しいと思います。個人的には、血液検査は3〜6ヶ月に一度、年に1回画像検査を行って転移の有無をチェックするということにしています。(文責 稲葉)

 

No.3967-3】 06年06月21日     N 
術後療法ゾラデックスの治療期間について

以前HPNo.3967でお世話になり、ありがとうございました。今回はゾラデックススの治療期間について疑問があり、相談させていただきます。術後に主治医からゾラデックスの2年間治療とお聞きしていたのですが、先日、24本の回数で終了と確認されました。ゾラデックスの開始は2005年1月からです。24本目になるのは2006年10月となります。標準治療で24本という回数が定められているのでしょうか? 本で調べてみても、2年とあります。私の場合、治療が2ヶ月少なくなると感じ、不安に思っています。よろしくお願いします。

あまり気に気にしなくても良いと思います。ゾラテックスは4週に一回打つのが原則ですので、私も24回(≒2年)で終了しています。多くの医師もこの様にしているものと思います。26回打ったほうが成績が良いとするデーターもないと思います。(文責 吉田)

 

No.3967-4】 08年06月08日     N 
生理について

以前にHPNo.3967でお世話になり、ありがとうございます。今回は生理再開についてどう考えたらよいか、教えていただきたいのです。ノルバデックスは今も服用中です。ゾラデックスは2006年10月に終了してから生理が止まり、もう生理はないものと心していたのですが、2008年5月31日に生理の再開があり、信じられない気持ちでいます。量も以前と同じくらいです。現在45才4ヶ月です。3月の血液検査で異常なしと主治医に言われています。NCC−ST439だけが8.1と基準オーバーしていましたが、誤差の範囲なので大丈夫と言われました。そこで質問が4点あります。どうぞよろしくお願いします。

1) この年齢で生理が再開することはあるのでしょうか?
2) ゾラデックス終了後生理が止まっていたときと、生理が再開されたときでは、血中の女性ホルモンの量は変わるのでしょうか?
3) 生理が再開すれば、再発率はあがるでしょうか?
4) 希望としてゾラデックスを打って、生理を止めたいのですが、そのような治療は可能でしょうか?

月経が再開することは十分あります。女性ホルモンに関しては、ゾラデックス注射中は閉経後の状態にありますが、月経発来後は閉経前の状態に戻ります。ホルモン感受性がある乳癌であれば、月経が再開することについて癌の増殖が促される可能性はありますが、明確な答えはありません。その際に、ゾラデックスを注射して月経を止めることも可能ですが、何年注射するのか、2年なのか?3年なのか?また中止後に、再び発来した場合どうするかなど、といった問題も懸念されています。副作用、ライフスタイルなどとよく相談の上、決めて下さい。(文責 鈴木)

 

No.3966】 05年06月10日   K.F.
肋骨の痛みについて(HPNo.2650-6)

HPNo.2650で質問させていただいています。いつも適切なアドバイスありがとうございます。37才、閉経前です。H16.7に左乳房温存手術+センチネルリンパ節生検をしました。H.16.10に放射線療法を行い、現在はホルモン治療(ゾラ+アリミデックス)をしています。腫瘍径25×8mm、リンパ節転移なし、ER(2+), PgR(2+), HER2(3+), Grade 2。最近、患側の胸骨、肋骨の痛みがひどくなりました。以前から胸骨は痛かったのですが、手術と放射線の影響だと思っていました。最近、肋骨の痛みが出てきました。熱を持っている時もあります。放射線を受けていた範囲よりも外側の肋骨も痛いです。押したり、腕を上げたりすると結構痛いです。H.17.3に術後初めて腫瘍マーカーをはかりました。CEA1.3、CA15−3 16、ALP236。放射線による骨折だと思っていましたが、ALPの値が高いので転移なのかと心配しています。どう思われますか。もし行うとしたら、どのような検査が必要なのでしょうか?宜しくお願いします。

放射線治療や手術を行うと術後に手術した側の痛みを訴える方がいらっしゃいます。骨転移がなくても、骨シンチをして肋骨に集積をみることはよくあることです。しかし痛みも強いようですし、できれば肋骨の単純レントゲン写真、CTなどで確認するのも1つです。主治医にご相談ください。(文責 福間)

 

No.3965】 05年06月10日   Y.Y 
再発後の抗がん剤療法について

いつもこの相談室を参考にさせて頂いております。私の母は60歳の2002年夏に乳癌左胸全摘手術をし、しこりは2.1センチ、リンパに2個転移あり、ホルモンレセプター陽性、Her2(+3)で、術後はCMF療法をしました。とっても元気で順調に過ごしていましたが、今年1月に腫瘍マーカーが上昇していたため、CT検査をしたところ肺に転移がみつかりました。AC療法を1回投与直後、頭痛を訴え、脳のCT検査もしたところ2.5センチの腫瘍があり、手術にて全摘後→放射線療法をし、脳の方は問題なくなり、今では転移前と同じように元気に生活しています。その後AC療法を2クールした後のCT検査では、肺の転移はわずかながら縮小しているが、まだ問題ない範囲だが胸水が少々貯まっているとのこと。腫瘍マーカーは横這い(CA15ー3が80)でした。母はあまり抗癌剤の副作用も感じておらず、まれに咳が出ることはありますが、とにかく元気です。今後を考えるとHer2(+3)であるため、今からハーセプチンで徹底的に癌をやっつけたほうが良いのか、QOLを優先し、しばらくAC療法で様子をみていて良いものか・・・。家族の望みは、これ以上、母の体に癌が転移してほしくありません。まだまだ長生きしてもらわなくてはならないので。転移した以上、Her2(+3)であることが気掛かりでもあります。今後の治療法についてご意見いただきたく、よろしくお願いいたします。

HER2(+3)ですので、当然ハーセプチンの適応はあります。ハーセプチン自体は最初の1−2回治療で症状がでなければ副作用の少ない薬です。しかしACのようにアンスラサイクリン型薬剤の併用により心毒性が強くでる可能性がいわれています。AC併用の場合はさけた方がいいかもしれません。ACが無効でタキサン系薬剤に変更する場合には適応になる可能性が高いと思います。(文責 福間)

 

No.3964】 05年06月10日   N.H.
本当のリスク分類が知りたい

2005年2月23日扇状切除しました。41歳でした。閉経前です。病理診断でアポクリン癌と判明。リンパ節転移1個、HERスコア2+、ER(-)、pgr(-)、Nuclear grade;3、 Nuclear atypia score:2です。範囲はgですが、リンパ管侵襲が見られます。 St.Gallenlリスク分類の最新情報では、リンパ節転移による区分はなくなり、アポクリン癌等の特殊型は lower riskに分類と速報がありました。現在無治療で、CEA,CA15-3,ST-439を3ヶ月毎にしています。先生の薦める補助療法と、本当にlower riskなのかの2点を教えていただきたいです。

アポクリン癌に関して33例の予後を検討した日本の文献によると、リンパ節転移の有無が予後の重要な要素であり、その他は他の癌と変わりないという報告があります。リンパ節転移があり、核異型などから考えると補助療法を考慮するのも1つかと思います。年齢的も若いので、AC療法などの補助療法を私は選択枝の1つとして考えます。(文責 福間)

 

No.3963】 05年06月10日   H.S.
ホルモン療法後の生理について

2003年2月に右温存手術をして、腫瘍は1.2センチ、リンパ節転移なしでした。術後、放射線を25回、ホルモン療法(ゾラデックス、2年)を3ヶ月前の2/14で終了しました。これからは、癌のたちが悪いらしく、一年目は三ヵ月ごとに、二年目は半年ごとに、三年目は一年ごとの診察予定です。現在治療は全くしていません。担当医の先生から、私の年齢が(現在33歳)ですので、ゾラデックスを注射して生理を止めているけど、やめると半年後くらいから、生理が戻ってくる人は戻ってきます・・と言われましが、今日生理が戻ってきました。あまりにも早く戻ってきたので、不安になりました。担当の先生の診察は来月なので、こちらの方に質問させていただきました。
1) ホルモンの注射を終えて三ヶ月半で生理が戻ってくる場合もあるのでしょうか?
2) 私の癌は女性ホルモンを食べてどんどん増えていく癌だと聞きましたが、こんなにも早く戻ってくるという事は、私は他の方に比べて女性ホルモンが多いのでしょうか? もしそうだとしたら、再発のリスクが高くなるのでしょうか?
3) 妊娠を出来れば希望してるのですが、再発のリスクは高くなるのでしょうか? もし大丈夫なら、いつぐらいからがいいのでしょうか?  

よろしくお願いします。

ホルモンレセプター陽性の乳癌だと思います。30台前半の若い女性の場合にはゾラデックス終了後数ヶ月、3ヶ月でも再開する方が多くいらっしゃいます。あなたの女性ホルモン量は採血すればわかりますが、早く再開したということは、第一に若いということなのだと思います。
乳癌治療後の妊娠についてですが、一般的には術後2年といわれています。乳癌は女性ホルモンに影響される性質を持っていますので、女性ホルモンが大量に分泌される妊娠が悪影響を及ぼす可能性があります。十分な検査をして妊娠に臨み、妊娠中も十分なフォローアップが必要など、主治医と十分な連携が必要となります。主治医と十分な話し合いをしてください。(文責 福間)

 

No.3962】 05年06月10日    K.N. 
再手術の必要性?

妻が5/17に乳房温存手術とセンチネル生検を受けました。その結果、約30mmのしこりを摘出。乳房下部の断端が陽性でしたが、微小であり乳腺がほとんどない部分ということで、放射線治療でたたけるでしょう、との主治医の意見です。またセンチネル生検の結果、腋下リンパ節1/3に転移が発見されました。これも放射線で対処しましょうとの主治医の意見です。「リンパ節に転移があった以上、全身病と捉えて、抗がん剤治療・ホルモン治療をしっかり行うべきである。腋下リンパ節や断端陽性部が致命的な再発のきっかけとなる確率より、転移の可能性のある他の部分からの再発の可能性のほうが高い。だから、日常生活への影響のあるリンパ節郭清をするよりは放射線でたたいておいて、全身治療を行うことをすすめる。」 このような方針について御意見をいただけないでしょうか。

ご質問の内容については現在各医療施設間で対応の異なるところだと思います。奥様の場合、抗癌剤、ホルモン剤をしっかり行うことには異論のないところです。乳房に関しては、おそらくは癌の残存は少量なのだと思います。おそらくは放射線治療で同部は制御できると思われます。腋窩リンパ節転移は、センチネル3ヶ中1ヶに転移があるのみであれば、残りのリンパ節に転移がある可能性は低いし、また主治医のいわれるよう術後きちんと経過観察をして、大きくなるようであればリンパ節を再切除するのも一つの手だと思います。おそらくかかられている施設は十分な経験をお持ちの専門施設だと思います。施設間で違いがあるのですが、私どもの施設では原則乳房再切除、腋窩郭清を施行しています。(文責 福間)

 

No.3961】 05年06月10日    R 
化学療法後の妊娠について

初期乳がんで乳房温存術後にエンドキサン・ファルモルビシンでの化学療法を受けている、32歳のものです。生理は規則的にきています。今後子供がほしいのですが、どのくらいの期間をおけば子供に影響のない妊娠が出来るでしょうか?よろしくお願いします。

乳癌治療後の妊娠についてですが、一般的には術後2年といわれています。乳癌は女性ホルモンに影響される性質を持っていますので、女性ホルモンが大量に分泌される妊娠が悪影響を及ぼす可能性があります。十分な検査をして妊娠に臨み、妊娠中も十分なフォローアップが必要など、主治医と十分な連携が必要となります。主治医と十分な話し合いをしてください。(文責 福間)

 

No.3960】 05年06月10日    Roko
局所再発の治療について

Rokoと申します。いつもお世話になりありがとうございます。この度、初発(閉経後乳がん、温存)より約6年目にして局所再発し、全摘後1ヶ月経ちました(初発時にリンパ転移3個あり、今回は乳房のみの手術でした)。当初、石灰化が見つかり、エコー下で針による検査をしたが、結果不明。その後マンモトーム検査。マンモトーム検査の結果から、術前よりアリミデックスを服用。術後の病理結果は下記の通りです。検査から手術まで2ヶ月待ったので、その間に進行しているのではないかと思います。
・pT1c(0.8×0.9×1.1cm、DCIS spread=0.8×1.5×1.1cm)  断端−
・核異型スコア2/ 核分裂スコア1/核グレード1 
・HER2+1 (フィッシュ法にて)
・ER+3/ GgR+1
・硬がん主体で充実線管がん、脂肪浸潤を伴い、少量の非浸潤あり。
・標本は初発の時と類似の像をもつ。

主治医との話合いでアリミデックスを続けることにしていますが、以上の状態で抗がん剤治療を受けるメリットはありますか?ご意見をお聞かせ下さい。よろしくお願いします。

乳房温存術後の乳房内再発に対してどういう全身療法をするかについては基準がありません。温存後6年目の再発ですし、ER3+ですので、アリミデックス単独でもいいと思います。ただ乳房内局所再発を生じた場合には遠隔転移が生じる率は高くなるといわれ、また最初の手術時に3ヶリンパ節転移が認められていることから、化学療法を受けるのも選択枝になります。すっきりしない回答ですが、当然ご本人には再々発への不安があるかと思います。主治医ともう一度相談されるのが必要と思います。(文責 福間)

 

No.3959-1】 05年06月09日    A.K
乳頭から血液混じりの分泌物

37歳、子供二人、4年前にバセドウ氏病発病、現在は治癒。昨年の12月に左乳房を強打、かなり腫れ内出血したらしく、乳頭から少量の出血、乳腺外来の診察を受け、異常なしの診断。それから一ヵ月後の今年1月、また乳頭からの出血。分泌物の検査とエコー、マンモグラフィ検査を受ける。エコーでは、左乳房の内側の乳管が、1本太くなっていて、そこに血がたまっているようだとのこと。マンモでも、しこりなどの怪しい影などなし。分泌物の検査では、癌の数値がちょっと高いが様子をみようとのこと。それから5月になり再度分泌物の検査、CEA高めなので、乳管造影を6月7日に検査。しかし、造影剤が、太くなっている乳管にたまり、末端までいかない。1本途中までいったが、その先の乳管が異常に細く、やっぱり途中までしかいかない。なぜ造影剤が乳管の先まで入っていかないのか、途中から急に乳管が細くなっているのかわからない。6月末にMRIを撮ることにする。一気にこれまでの経過を書いたのですが、何が原因で乳管が細くなったと考えられますか?担当医師も原因がわからないようですが、非浸潤癌か乳管内乳頭腫、どちらかだと言っているのですが・・・。

原因が何かとういことですが、ます担当医と同様 非浸潤癌か乳管内乳頭腫などを疑います。乳房を強打し、かなり腫れたとありますので、外傷後の瘢痕なども考えられます。いずれにしろ注意して経過観察していくことが大切です。(文責 吉田)

 

No.3959-2】 05年07月11日    A.K
非浸潤癌の手術について

HPNo.3959で相談を受けたA・Kです。あの後MRIを受け、細胞検査も受けたのですが、どちらも納得のいく結果が出ず、いまだに途中半端な状態です。来週にはPET/CT、その後組織検査の予定です。非浸潤癌は、このようにいろいろ検査しても結果が出にくい物なのでしょうか? それと、手術になった場合は温存はできないと言われました。乳管の異常な部分は自分の乳房の三分の一ほどなのですが、やはり広範囲にとらなくてはいけないのでしょうか? 手術のやり方についてセカンドオピニオンをすれば、違いはあるのでしょうか?

非浸潤癌は組織を採って診断が確定します。マンモグラフィーやエコー、MRIなどで非浸潤癌を考えるべき所見があることはありますが、これらの所見があるから必ず非浸潤癌と言うわけではありません。今回の場合は拡張した乳管を切除するマイクロドヘクトミーという手術を行って非浸潤癌か乳管内乳頭腫か診断をつけることになると思います。異常な乳管の範囲が乳房の3分の1であるなら、確かに温存は難しいかも知れませんが、詳細な情報がないので断定はできません。術式に関してはかなり広範囲の切除でも温存で行うという考えもありますので、セカンドオピニオンは一度受けられてもいいかも知れません。(文責 稲葉)
 

No.3959-3】 06年03月12日    A.K
非浸潤ガンの手術について(2)

3959で相談したA・Kです。一年以上さまざまな検査をして、三週間ほど前に、乳腺腺葉切除をし、非浸潤ガンと判明しました。手術は今月中にする予定です。手術の詳しい話は14日に説明されることになっていますが、今の段階で説明されたことについて、相談したいことがありメールしました。主治医の先生は、乳房切除(胸筋温存乳房切除術)をすすめています。かなり広範囲に砂をちりばめたようにガンがあるためです。しかし、乳房扇状部分切除で放射線・ホルモン治療も可能だが・・・と言っていました。再建術も、同時にしても、2〜3年してからでも、どちらでもいいとのこと。それぞれ個人差はあるとは思いますが、体に負担を最小限に抑えられるとしたら、どう自分で判断したらよいか不安です。それぞれの長所、短所は本にいろいろ書いてありますが、実際どうなのでしょうか。

画像や手術所見がない状態で判断は難しいので、詳しくは分りませんが、温存術を施行した場合、取り残しが出ることを心配して胸筋温存乳房切除を勧めている様に思います。多少の取り残しは、術後放射線照射で治せる可能性がありますので、どちらでもかまわないと言うことでしょう。ただし温存術後の乳房内再発のリスクファクターはやはり取り残しなので、100%安全とは言えません。(文責 石山)

 

No.3959-4】 06年07月22日    A.K
副作用について

いつも、乳癌に対する不安な気持ちや迷っていることに、回答くださりありがとうございます。三月に、非浸潤ガンで、左乳房全摘手術をうけました。リンパには、疑わしいところがなかったとのことでした。無治療でもいいが、念のため六月から、右乳房の予防もかねて、ノルバ一日1錠飲み始めました。めだった副作用などはないと思っていたのですが、口の渇きが出てきて、生理も少なく、日数も短くなりました。子宮内膜症も手術したことがあるので、生理後一週間目に検診に行き、異常なし、半年に一回の検診でよいとの診察でした。ところが、その後一週間後に、また生理が始まりました。以前は、25から30周期できていたので、少し不安です。それと、情緒不安定というか、うつっぽく考えたり、気持ちが切り替えできなく、落ち込んだりすることが多くなりました。自分で、こんなんじゃだめだと思っても、とめられません。女性ホルモンに対する薬をのんでいるから、仕方ないのでしょうか。以前甲状腺になり、ホルモンバランスが崩れることの怖さを味わったので、目に見えない不安があります。気の持ちようかとは思うのですが、アドバイスお願いします。

口渇や月経異常、抑うつ状態などはいずれもノルバデックスの副作用の可能性があります。別の抗エストロゲン剤を試すか、それでもあまりに副作用が強くて続行が難しい場合は、もとの乳癌の再発リスクにもよりますが、Low risk の場合は無治療という選択肢もあると思います。主治医の先生とよく相談なさってください。(文責 片山)

 

No.3958-1】 05年06月09日    K 
術後の治療について

4月に温存術を受けて、現在放射線治療中です。今後の治療に関してご相談させて頂きます。浸潤性硬癌、38歳、閉経前、腫瘍径18mm×15mm×12mm、ER+ PGR+ HER2 1+、リンパ節なし、リンパ管侵襲あり(詳しい程度は分かりません)、断端異型+。悪性度についてもハッキリした表現がなく、術後の病理結果の用紙には次のように書かれていました。「正常より少し大型の細胞からなる乳管上皮及び小葉上皮が散見される。これらをatypical epithelial cell とするには無理があると思われ、細胞異型のcarcinoma invasion と考えます。」というようなことでした。この範囲でホルモン療法をするか抗がん剤も使うべきか迷っています。抗がん剤をやったほうが明らかに再発の確率は低いのでしょうか?ホルモンレセプタ−プラスだと、どちらにしても予後に変わりは無いのでしょうか?お忙しいところすみませんが、ご回答よろしくお願いします。

抗癌剤にしろホルモン剤にしろあまり予後は違わないと思います。このような場合はソラッテクス+タモキシフェンなどのホルモン療法を行うことが多いと思います。切除断端陽性と考えられますので、局所再発には気をつけてください。(文責 吉田)

 

No.3958-2】 08年06月22日    K 
腫瘍マーカーが上昇傾向にあります

以前HPNo.3958でお世話になりました。現在41歳、3年前にステージ1で温存術後、ホルモン治療中です。順調に3年経過しました。今回は腫瘍マーカーについて教えてください。
CA15-3 9.3→12.6→12.9→11.8→13.6→14.3
NCC-ST439 1.0以下→1.0→1.1→1.2→2.1→1.5
CEA  0.6〜0.8
術後定期的に血液検査を行っていますが、正常範囲内ではあるものの、この3年間でジワジワとCA15-3、NCC-ST439が上昇傾向にあるため、再発の可能性があるのかと思うと不安です。画像検査などの他の検査もしたほうがよいのでしょうか? 参考までに今後どのようにしたらよいか、ご意見お聞かせください。よろしくお願いします。

数値の変化は変動の範囲内と思われます。心配であれば一度画像検査を行っても良いのではないでしょうか。(文責 清水)

 

No.3957】 05年06月09日    N.D.
追加切除について

5月20日に左乳房の乳腺のほぼ全体を切除しました。温存を希望していたため、乳頭領域にも顕微鏡的に腫瘍細胞が残存していたにもかかわらず、乳頭を残しました。放射線治療をすることにしていたのですが、乳頭部分を追加切除したほうがいいのではないかと迷っています。温存を希望していたのですが、左乳房の広範囲に癌細胞が広がっていたため、ほとんど無くなって乳頭だけ残った感じです。ご意見をお聞かせください。

乳房温存を希望し、乳頭部分が残っているとのこと。満足度はどうでしょう? 予想以上に癌の進展がみられたので、このようなった訳です。乳頭部分だけでも残っていて良かったと感じるのであれば、そのまま放射線治療で良いと思います。乳頭が不要と思えるようでしたら、再発は多いとは思えませんが、切除してしまったほうが良いかも知れません。(文責 吉田)

 

No.3956】 05年06月09日    N.K
今後の治療について

67歳の母のことで、ご相談させてください。2002年11月に左胸全摘し(ステージUb)、半年後に胸部骨転移し再発、その後皮膚転移。今年5月に体調を崩し、乳がんが悪化。現在は、鎖骨あたりのリンパにコブシ大の腫瘍があります。そのうち、のどや食道を潰さないか、不安な状態です。 主治医には、「放射線も位置的にだめ、抗癌剤も糖尿病のため副作用が弱いものしか使えない、 あとはペインコントロールのみ」と言われました。抗癌剤はUFT+エンドキサン、ハーセプチン+タキソテール併用し、現在は、ハーセプチン+ゼローダ併用です。ゼローダの副作用は今のところ軽微で、副作用のない抗癌剤がでるまで待つしかないとも言われました。
(時間の問題とはいえ)肺、肝臓、脳などへの転移はない状態ですが、このままゼローダで様子を見る以外に、何か抗癌剤の選択は考えられませんでしょうか。鎖骨リンパの腫瘍に対する局所療法は、放射線治療以外にありますでしょうか。

お母上の病状から考えて、主治医ははいろいろ考えて現在の治療を行っているのだと思います。今まで使用していない薬剤を使用してみるのもよいですが、一般的に効果のあるものは副作用も強いと思います。主治医に相談してみてください。(文責 吉田)

 

No.3955-1】 05年06月09日    りんご
ハーセプチンについて

平成15年10月に右乳癌温存術を受けました。当時27才、現在29才の未婚です。摘出された腫瘍2.1cm、腋下リンパ節転移1箇所、ホルモン感受性陽性。オペ後エンドキサン、ファルモルビシン、5ーFUを8クール施行し(11月〜3月)、放射線25回(5月〜6月)、その後約11ヶ月ゾラデックスのホルモン剤投与を行っていました。今年4月中旬に右鎖骨上のしこりに気付き PET検査をしたのですが、結果は陽性でした。5/19日に右鎖骨上リンパ切除し、乳癌からの転移と確定診断がつきました。PET、念のため骨シンチ、CT全ての検査をしてみましたが、今の所鎖骨上部リンパ節以外の転移は無いようです。今回の病理検査にて、ホルモン感受性は陰性になってしまっており、今後ホルモン剤の効果は得られないため中止。来週からハーセプチンを週に1回投与していくことになりました。いろいろなホームページなどをみていた所、ハーセプチンを使用する時はタキサン系の抗癌剤を使用した方が効果が有り、ハーセプチンのみの投与はあまり効果が無いという事がよく書かれているのを目にしました。主治医の意見は、「遠隔転移(鎖骨上は局所転移と言われました)が見つかったら他の抗癌剤との併用を考えていきます。」と言う事でした。現段階で本当にハーセプチンのみの単独投与で良いのでしょうか? それともタキサン系の抗癌剤も使用するべきですか? 私はまだ29歳になったばかりです。後で後悔しないように、今できる限りの事をしたいと思います。それと、私の現状からみて、予後は??? TMN分類で見ると3ーb期になるのでしょうか? お返事よろしくお願いします。ちなみにハーセプチンと同時進行で放射線も再照射する予定です。

ハーセプチンを使用するには当然ハーセプテストが陽性であると思われます。
放射線との併用の場合は、ハーセプチンだけでいく場合が、圧倒的に多いです。あとで後悔しないためには、放射線照射が済んだ時点で、期間を限定してタキサン系の薬とハーセプチンを併用すれば良いと思います。期間については主治医と相談してください。
鎖骨上リンパ節は現在の規約では局所リンパ節とすることになっています。ステージはあくまで初回手術時の所見をもとに分類するものでが、鎖骨上のリンパ節転移が初めから見つかったとして、Vcとなってしまいます。以前は遠隔転移と考えstageWでしたが・・・。(文責 吉田)

 

No.3955-2】 05年06月15日    りんご
ハーセプチンについて(2)

数日前にハーセプチンについてメールを送らせていただいたりんごです。HPNo.3955です。いろいろありがとうございました。今週火曜日から初回ハーせプチンを予定しています(ハーセプチンは陽性でしたが、レベルは解らないので、また確認して来ます)。再来週から放射線も始める予定になっています。今回はまず、私が最初に行った抗癌剤治療の事なのですが、CEF治療になるのですよね? いろいろな情報を見ていると、CMFや、AC療法と言うものが現在はよく使われているみたいですが、私が使用した抗癌剤は効果の弱いものなのでしょうか? 抗癌剤を使用する段階で、何も解らなかったので主治医の言うまま、(今回はこれを使います)という感じで、特に相談したり、話し合いをする事もなく決まってしまいました。知り合いに医師がいるのでその話を後でした所、(随分古典的な薬を使っているね)と言われた事が有ります。そこで、放射線終了後にタキソールなどの併用を考えていますが、未だ、使用した事の無い抗癌剤などの使用は必要では無いのでしょうか?また、最近ではセカンドオピニオンと言う言葉をよく耳にしますが、もう少ししっかり話し合いのできる医師を探してみたいと思っています。もし、病院を変えるような事になったとき、今の病院から必要な今までのデーターはもらえるのでしょうか???実は今回の鎖骨上リンパ節の転移を自分で見つけ、主治医に相談した所、おそらく炎症性のものだから、心配無いだろうと言われたのを、こちらからどうしてもとお願いして検査してもらいました。今の病院にかかり続ける事に関して不安がつのっています。この辺りでは名の知れた乳腺専門医みたいですが、どうして良いものなのか、悩んでしまいます。(大学病院では有りませんが、かなり設備の整った大きな病院です) それにもう一つ、この間、病期分類の件もメールさせていただきましたが、あくまで手術した段階での病期分類とコメントがありました。局所再発でも、リンパの腫瘍に関しては全身的な病気になるのですよね?だから抗癌剤も必要なのだと思うのですが、たとえば、もともとの病期分類からみると鎖骨上部の転移に関しては、10年生存率30%位で、転移せずに完治する可能性もありますよね?今回の私の状況はそれにはあてはまらないのでしょうか?この時期での鎖骨上への転移に関して、予後の状態は悪くなるのですか? 主治医に聞いても説明が難しくて良く解らないので、コメントをよろしくお願いします。長々とすいません。ろしくお願いします。ちなみにハーセプチンと同時進行で放射線も再照射する予定です。

1) CEFもACもCMFも現在汎用されている抗がん剤のレジメンです。
2) セカンドオピニオンを求めるのもひとつの方法と思います。資料などの貸し出しは可能と思います。
3) 鎖骨上リンパ節転移は前の規約では病気W期でしたが、2004年の規約からまた元のように病気V期(VC)となりました。一度手術を行い、薬物治療などを行った後に鎖骨上リンパ節転移が出てきたのなら転移・再発ということになります。転移・再発ということになれば完全治癒はむずかしいと考えます。ただ鎖骨上リンパ節転移のみの再発であれば長期生存を期待できることも多いです。(文責 麻賀)

 

No.3954】 05年06月09日    H
乳輪のできもの

はじめまして。20歳です。乳輪(乳首の外側)に、しこりのような、できもののようなものがあり、つまむと白っぽい膿?がでます。乳輪のぶつぶつのうち、一つだけが大きくなってしまった感じです。少し痒みもあります。首や腕に脂漏性湿疹があるので、これもそういう湿疹かなと思っていたのですが、やはり病院に行った方がいいのでしょうか? 教えて下さい、お願いします。

湿疹の一種と思います。気になるようでしたら皮膚科を受診してください。(文責 吉田)

 

No.3953】 05年06月08日    mik
閉経前ホルモン治療について

ゾラ+タモの治療で術後2年半経ちます。先日子宮体癌の検査で3aという結果でした。主治医の先生にご相談したら、閉経前なのでアリミデックス等のアロマターゼ阻害剤は保険の関係上使えないので、これからはゾラデックスのみになるそうです。脂肪からもエストロゲンが分泌されるので、多少不安が残ります。タモの副作用があっても、アロマターゼは閉経後の方しか使えないのでしょうか?(病理結果はER,PR共(+)、脈管(−),Her2(-),Ly(1+)です。)

脂肪から女性ホルモンが作られる経路は主に閉経後であって、閉経前で卵巣機能が活発な間は、ゾラデックスなどの卵巣機能を抑制する治療を選択すべきではないかと思います。しかし、年齢的に閉経が近いのであればアロマターゼ阻害薬にスイッチする方法も考えられます。(文責 都築)

 

No.3952】 05年06月08日    TH
1.3cmの腫瘍があります

突然のメールをお許し下さい。当方、54歳女性。既婚者ですが、子どもはおりません。リウマチで、リューマトレックスを昨夏から服用しています。さて、昨年夏にリウマチがひどくなって入院した際、胸の痛みがあってマンモグラフィとエコーを撮りました。エコーでは何もありませんでしたが、マンモグラフィに点のようなものが10カ所ほどあり、石灰化ということでした。今年3月ごろ、左胸に痛みが出ましたので、都内の病院の乳腺外来を受診しました。 昨夏入院した病院で、同じ医者です。「気になるところが昨夏あったんだよね」と、初めて言われました。右の胸にモヤモヤがあったそうです。
今回は、マンモグラフィを撮って一週間後にエコー。結果を聞くのは、またその2週間後の予約でした。エコーを撮ると、技師が大きさを画面で測っているようなので、「乳腺外来に掛かるのを早めた方がいいかしら」と聞くと、たまたま、その日が膠原病外来の日だったので、その医師に聞くようにということでした。膠原病の医師の話では、右胸に1センチ3ミリの腫瘍があるとのこと。両脇のリンパもはれていると言うことでした。
1週間後、乳腺外来に掛かりました。医者の話では、グレーゾーンなので、2週間後にMRIを撮って血管を見るということでした。結果は、その1週間後で、それから細胞をとる予約をいれるかもしれない。それでもグレーだったら、3ヶ月後に来院をということでした。マンモグラフィでは、右の胸で石灰化が固まっているように見えるという話です。先生にもよく分からないと言うことでした(それが多いと、一概に言えるかどうかだそうです)。 私には、検査の流れが遅いように見えて不安な思いです。 医者に、そういいましたら、検査がいっぱいとのこと。まだ、1.3センチで、2センチ以内だから初期なので大丈夫と言うことです。一般的に、検査はこんなものなのでしょうか。長いメールですみません。

医療機関により多少の違いはあるかと思います。ちなみに当院ではマンモグラフィはだいたい当日に検査出来ますが、超音波に関しては下手すると検査予約が1ヵ月ぐらい先になることもあります。しこりがある方には針細胞診、特に癌の疑いがある方には、針生検という検査を行い、しこりが癌か否かを顕微鏡の検査で調べます。この検査の結果がでるには1〜2週間かかります。諸検査の結果で問題がなかったとしても、しこりなどの何か所見のあった方には、経過観察のため3〜6ヵ月後に再診・検査を行っています。(文責 都築)

 

No.3951】 05年06月08日    S.M.
再発、リンパ浮腫について

再発、リンパ浮腫についてのご相談です。よろしくお願いします。現在43歳です。3年前、右乳房全摘、腋窩郭清(リンパ節への転移無し)で、ホルモン療法のみでの治療をしておりました(ノルバテックス+ゾラテックス)。ゾラテックスが終了し一年が経過したこの4月末、鎖骨上部リンパ節と鎖骨下部に再発していることがわかりました。ファルモルビシンとエンドキサンでの治療を薦められましたが、諸事情があり、7月まで待ってもらおうかと思っています。早く治療を始めた方がいいのでしょうか。また、リンパ浮腫が現在急速に進んでいます。浮腫は昨年12月頃から出始め、マッサージをしたり、ストレッチをしたりしていました。抗がん剤治療を始めて、効果があれば、この浮腫も治まるのではないかと言うことなのですが、それまで、余りマッサージ等をしないほうがいいのでしょうか? 専門医に見てもらっての治療であればいいのでしょうか? お忙しい中、大変恐縮なのですが、ご回答よろしくお願いいたします。

患側上肢のリンパ浮腫は腋窩郭清を行いリンパの流れが悪いところに、さらに上流のリンパ節に再発をおこしたことによりリンパ流が欝滞したせいと思われます。リンパの流れは最終的には首の付け根あたりから静脈に入り心臓に戻ります。ですから、リンパの流れの入り口部分から手の先にかけて躯幹ごとに徐々に「の」の字を描くようにマッサージをしてあげてください。マッサージはグイグイやる必要はありません。なでるように下から上へと行って下さい。あとは、ハドマーやメドマーといった機械的に空気圧でマッサージする機械や、弾性ストッキングなどの方法があります。ストッキングはサイズがありますので、きちんと計測し、ご自分にあった物をご購入下さい。ともあれ、今回リンパ浮腫になった原因が、再発を機に起こっているのならば、なるべく早く治療を始められることをおすすめします。治療の効果がありリンパの流れが良くなれば、リンパ浮腫の軽快も期待出来るかもしれません。治療中リンパ浮腫の軽快がみられても、リンパマッサージは続けてください。(文責 都築)

 

No.3950-1】 05年06月08日    M 
胸骨痛と乳房のしこり

高校時代に乳房にしこりが発生し、20歳になってもしこりが有り、心配になり病院で検査してもらいました。その結果、問題なかったので4年間位放置していたのですが、半年位前から左右の乳輪部分が痒くなりました。しこりの大きさは、右胸は昔と変わらず5ミリ位の境界がはっきりわかるしこりが一つあり、左胸の方は小さくて乳腺なのかわかりません。それと胸の大きさも、しこりが発生した位から普通の男性よりは僅かに大きいです。ネットで調べて女性化乳房症なのかなって思っていたのですが、それと並行して半年前位から胸骨(左胸と右胸の中間の表面)の痛みがあります。痛みと言いましても常に痛いわけではなく、意図的に胸を張ったり、身体をオモイッキリ捻ったりしたり、クシャミをすると少し痛い程度です。痛みは僅かとはいえ半年も続いているので、正直心配で病院に行こうかと思ってるのですが、上記の症状で、胸骨の痛みが乳房のしこりと関係の疑いがあるなら乳腺外来にしようかと思いますが、乳房の病気から胸骨が痛む事なんてあるのでしょうか?

お悩みの内容は女性化乳房症かと思われます。乳児期、思春期にできるものはホルモン作用による生理的なもので、放置しておいても1年くらいで消失します。しこりの大きさは普通大きめのボタンぐらいですが、中には女性に近い程大きいものも見られます。上着にすれたときに痛みを感じたり、押さえると痛む程度です。胸骨の痛みに関してはどちらかというと体動時の痛みの様ですので、打撲等の記憶はないでしょうか?念のため整形外科的で一度チェックを受けられるとよろしいかと思います。(文責 都築)

 

No.3950-2】 05年06月15日    M 
胸骨痛と乳房のしこり(2)

先日、ご指摘通りに整形外科に行きレントゲンを撮って戴いたのですが、骨にも異常がなく何故痛むのかは原因不明。結局しばらく様子を見て痛かったら又来て下さいと言われ、不安は解消されませんでした。レントゲンは悪性のしこりがある場合はしこりも写るのでしょうか?僕はそれが心配だったのですが、医者の先生にそんな事を直接聞くのは失礼だと思い聞けませんでした。聞くべきでした。それで確実にわかる検査を受けたいのですが、何処に行けば良いかご助言戴けませんでしょうか?また保険使用時の費用の目安が分かるのでしたらお教えください。一人暮らしで金銭的に余裕があるわけではないので、何度も高額な医療代は家計を圧迫するので宜しくお願い致します。

痛みの原因はなかなか難しいものです。少し間をおいてまた検査をしてみたらどうでしょうか。(文責 麻賀)

 

No.3949】 05年06月08日    O 
今後の治療について

はじめまして、31歳(既婚・閉経前)です。宜しくお願い致します。3月に右乳がん(腫瘍5cm以上/リンパ節転移有り/ホルモン治療可能/Her2・3+ 悪性度3→パーセクチン使用可能)と診断され、現在手術前化学治療(EC3回目終了)を行っています。再検査続きの結果、骨転移(L1/12_)が見つかりました。そこで質問があります。今後どのような治療を行い、手術を行うタイミングはいつ頃が適しているのでしょうか?担当医の先生も悩んでいた様子でしたので、ちょっと不安になっています。後、この頃腰周りが痛く、背骨を真直ぐにするまでがとても痛く困っています。シップなど貼ってもよいのでしょうか?分かりにくい部分がありましたら、すみません。

おつらい状態ですね。痛みに関しては、ムリをしてもいい事が無いので、遠慮なく主治医の先生にお話しして痛み止めをもらって下さい。湿布を張っても良いですが、お薬を頂くのが良いと思います。効かなくなるのが怖いとおっしゃって我慢される方も多いのですが、色々な痛み止めがありますので、心配せずお薬を使って頂くのが良いと思います。
骨転移が認められる状態だとしますと、全身にがん細胞が回っているわけですから、手術よりはまず、抗がん剤による薬物治療を優先するべきだと思います。乳房の腫れがひどくなったり、出血などの状態がでるようでしたら、その段階で手術を行うのが良いと思います。また、抗がん剤の効果があれば、乳房のしこりが小さくなったり、骨の痛みもなくなる事もありますし、骨の痛みがひどいときには、そこに放射線を照射する(放射線治療)こともあります。お大事にして下さい。(文責 宮本)

 

No.3948-1】 05年06月08日    KK
乳頭腺管癌の性質・予後・再発について

はじめまして。乳がんになり、治療法・予後など様々ということがわかり、不安を抱いています。どうぞよろしくお願いします。現在39歳10ヶ月です。家族には遺伝要素なしです。8年前、31歳7ヶ月・第3子妊娠中、子宮頸がんを患いました。0期で子宮頚部円錐切除術(H9.2.19)をしました。8月、無事出産し、おかげ様で、現在に至っています。
H17.3月10日 しこりに気づき、3/23外科へ初診。 4月4日 右乳腺円状部分切除術 センチネルリンパ節切除・リンパ節郭清・レベルUまで。
病理の結果 :
乳頭腺管癌 2.8p×1.5p×2.0cm、リンパ節転移 3/10、UB、辺縁(−)、リンパ管(−)、 静脈(−)、エストロゲン受容体(80〜90)、プロゲステロン受容体(10〜20)、HER2 2+

4月18日〜5月26日 放射線照射 2グレイ×25回。 6月10日 第1回目化学療法 AC(3週間×4)+タキソール(毎週12回)+5年間TAMの予定です。 質問内容は、乳管癌の性質・予後・再発はどういったものか?・タキソール(毎週12回)月1の投与を最初言われましたが、週1の方が副作用は少なく、効用は月1より効果大と言われました。大丈夫ですか?通院も出来ますし、同じ事をするなら再発を少しでも抑えたいのでと考えています。ハーセプチン2+も気になっています。意味がよくわかりません。どうぞよろしくお願いします。

乳頭線管がんは、乳がんの種類の中でも一般的なものです。がんの進行度も病期2Bで普通の程度で10年生存率も約70%ぐらいと考えます。
タキソールに関しては週ごとに投与する方が、総投与量が多くなります。その代わり一回投与量が月ごとに比べ少ないので副作用は少ないと思われます。ただし、副作用の出方や程度は個人差があるため、どちらだから平気です、とは言い切れません。まず1回目を行い、その後の状態でつらいときには主治医の先生とよく相談して下さい。
ハーセプテストですが、これは、がん細胞の表面に出現しているある特殊なタンパク質を検査しています。この出現が多いとがん細胞が増殖しやすいという事が解っていますが、これが高いからといって必ず再発する訳ではありませんし、逆に低い患者さまは再発しないという訳ではありません。ハーセプテストの結果が、2+、3+の方は、万が一再発してしまったときに、ハーセプチンを投与できます。
難しい事が多いと思いますが、解らない事は主治医の先生にもよく聞いて治療していって下さい。 お大事にして下さい。(文責 宮本)

 

No.3948-2】 05年06月16日    KK
今後の治療について

先日はありがとうございました。HPNo.3948です。その後、分かったことがありましたので、付け加えさせていただきます。リンパ節転移個数は、レベルTに2個、レベルUに1個で、(3/10)ということです。核異型度2(1寄りの2)です。質問ですが、HER2は(2+)なので、Fish法で検査して欲しいと希望していますが、どちらでもできますか? 紹介状はもちろん必要ですよね? 名古屋圏でご紹介いただけるとありがたいです。
西洋医学に限界を感じられた先生が東洋医学をとりいれ、鍼治療とかをされているHPを見ましたが、どうお考えでしょうか?NK細胞やら・・・?? どうぞよろしくお願いします。

1) HER2が2+ならFISHをやったほうがよいです。乳癌患者を多く診ている病院を受診するのがよいでしょう。
2) 名古屋圏のことはよくわかりませんが、愛知がんセンターとか大学病院があると思います。
3) 鍼治療をされているホームページへ直接たずねたらどうでしょうか。診療実績がどのくらいあるのかわかりませんので、評価のしようがありません。(文責 麻賀)

 

No.3948-3】 05年08月02日    KK
今後の治療について(2)

毎日暑い日が続きますが、お元気でお過ごしでしょうか?手術から約4ヶ月近く経ち、先月から前向きになれ、日々送らせていただいています。化学療法3回目投与を間近に控え、少し気になる件がありますので教えていただけないでしょうか? ACを6/10・7/8に投与しました。8/2予定ですが、1回目投与から12日目で脱毛し始め、6/23にウイッグメーカーで7mm程度に丸刈りしウイッグをつけていますが、現在大方は脱毛しているのですが、部分的にありますが引っ張れば抜けますし、耳横は剃ったのに伸びてきてます。よく見ると(頭全体)部分的に伸びていますが(30本あるかどうか?)、これってどういうことですか? 私の体力がありすぎ? それとも癌細胞活発? 私はむかむか感はあるものの、吐き気なしで、7/1予定だった投与は白血球不足(2100)で、1週間後になったくらいです。お蔭様で副作用は軽いです。今のところ、AC後ウイークリーでタキソールです。化学療法のレジメンは、デカドロン 20r ・カイトリル 1A ・アドリアシン 100r ・エンドキサン 100rです。今月の受診で、FISH法を後で後悔したくないのでしてほしいとお願いしましたが、病理医と相談しますといわれ、強く依頼できませんでした。私の場合、2+なので検査するメリットを教えていただけないでしょうか? 私自身が理解していれば、きちんとお願いできると思うし、今後転院も含め考えようと思っています。検査代は5万円位ですか?かかってもしていただくつもりですが・・・。それから、検査して結果がどんなふうにでるか(1とか2とか・・・、知識がないのですみません)わかりませんが、化学療法の後は、ホルモン療法がTAM5年間になっていますが、TAM単独だけでいいのでしょうか? HPをみてますと、ゾラテックス+ノルバデックスとか、ノルバデックス+ハーセプチンの方もいるし・・・、できたら、対処法じゃなく5年以上再発しない方法をと願っています。今後のことは誰もわかりませんが、TAMだけで5年大丈夫ならいいけれど、UBというステージが気になっています。お忙しいところすみませんが、一般的な知識として教えてください。又、私が受けていることについて、おかしな点があれば教えてください。

脱毛は個人差があります。ハーセプチンの使用を考慮する時、HER2が2+の場合はFISH法を原則として行うことになります。現在ハーセプチンを使用されないのであれば(保険適応はありません)、検査するメリットはあまりないことになります(将来ホルモン治療選択の基準になる可能性はありますが・・・)。今後治療が必要になったときでも宜しいかと思います。化学療法後のゾラデックス投与は、まだ有用性がはっきりと認められているわけではありません(欧米で臨床試験中です)。ただ、化学療法後のホルモン状況によっては行うことがあります。(文責 加藤)

 

No.3948-4】 06年11月04日    KK
ホルモン治療について

昨年からお世話になっています。HPNo.3948です。今年1月に化学療法AC+Tを終え、TAM(フェノルルン錠)を朝夕内服しています。その後、主治医から聞いていた病理結果が違っていたこと等、報告させていただきます。
リンパ転移 3/6、核異型度 3、核グレード 3、FISH検査をし、プラスと出ました。核分裂像(2/10HPF)→2(7-8/10HPF)。
質問ですが、
1) HER2(+)はホルモン剤効かないと以前こちらで教えていただきましたが、1年近く内服してますが、このままいかがなものでしょうか?
2) TAM+ゾラテックスorリュープリンしなくていいのでしょうか? 化療中に生理がなくなり、今に至っています。

よろしくお願いします。  術後、おかげさまで1年半になります。

1) HER2(+)だとホルモン剤が効きにくい傾向があるという報告はあります。現在のところ、HER2(+)だからといって、ホルモン療法しないということはありません。
2) 化療により閉経を来たしたため、ゾラテックスやリュープリンは不要と考えられているのではないでしょうか。正確には、血中ホルモンを測定することにより閉経の有無が判定できます。(文責 石川)

 

No.3947】 05年06月08日    K 
放射線後の治療について

4月19日に浸潤性乳管癌で乳房温存術(乳房扇状切除術)を受けました。45歳、二人子供がおります。腫瘍は1cm、断端陰性、リンパ節郭清も行い、結果は1(−)0/15、2(−)0/2でした。悪性度については不明なのですが、ER(+)、PR(+)、Her2(1+)とのことです。現在は放射線治療中で、25回のうち14回が終わったところです。主治医の診察は、放射線治療が終わる6月中旬までない予定ですが、ホルモンレセプター陽性ということで、恐らくホルモン剤を勧められると思います。実は私は39歳のときに異型上皮のために子宮を全摘しておりますので、感覚としては月に1度乳房がはるような気がするため、閉経前とは思うものの、はっきり閉経前とは言い切れません。
1) 閉経かどうかは血液検査などで客観的に調べる事が出来るのでしょうか?
2) 私の場合、閉経前なら、放射線治療後はLH−RH製剤が2年、抗エストロゲン剤 が5年というのが 標準治療なのでしょうか?
3) 私は近所にある、乳腺外科がない総合病院の外科で、消化器専門の医師に手術をして頂き、現在も主治医になって貰っております。これからの長い期間の再発予防と治療のことを考えると、今からでも乳腺外科のある病院に変えたほうがいいのかと考えておりますが、早期癌であるし、標準治療に沿った治療をして頂けるなら、その必要もないでしょうか?

以上、お忙しいとは存じますがよろしくお願い致します。

1) ご年齢や、乳房痛を考えると閉経前と思いますが、血液検査で女性ホルモンの状態(卵巣機能)を調べる事ができますので、主治医の先生と相談して下さい。
2) 閉経前ではお書きいただいた通りの事が標準治療となっています。
3) 専門外であっても、乳腺の事を常にお勉強し、知識の整理をしていらっしゃる方であれば、問題ないと思います。標準治療をして下さるのであれば、そのまま治療をして頂くので良いと思いますが、もし不安を感じたり、ご自身で調べた事と食い違いがあるようなときには、乳腺の専門医にご相談して頂くのがよいと思います。勇気が必要となるかもしれませんが、主治医の先生に率直にお聞きになるのも一つの方法だと思います。

お大事にして下さい。(文責 宮本)

 

No.3946】 05年06月08日    J.K.
乳がん再発治療について

平成4年9月に左乳房を非定形型で切除しました。しこりの大きさは3cm、リンパ節転移は1個と記憶しています。ホルモンは陽性、H2蛋白も3プラスです。術後は2年間、抗癌剤UFTとホルモン剤タモキシフェンを服用しました。半年毎に骨シンチ、胸部XP、肝臓エコーでフォローアップしています。平成10年5月に左胸壁に再発し、表面のもの(2cmくらい)は局部麻酔にて切除し、その後、左胸壁全体に放射線治療を行うと同時にリュ―プリンを平成16年3月まで注射しました。その間、平成15年4月に左肺下部に1pほどの影が見つかり、アリミデックスを飲み始め2年経った現在も影は移っていますが、変化はないのでホルモン治療の効果ありと言う所見です。本年4月のフォローアップも異常を指摘されなかったのですが、CA19−9が57あると言うことでPET検査を受けたところ、前縦隔リンパ節に転移という結果でした。他の放射線科の医師にCT画像を見てもらったところ、悪性の所見と判断していますし、転移の事実があるのなら、直ぐにでもホルモン剤を変えるとか、抗癌剤を始めるか等、治療したいのですが、右肺に非結核性好酸菌か?と思われる炎症性の影が見られ、現在、呼吸器内科で診断待ちなので7月中旬に予約してあるCT検査の結果をみて考えましょうと云う事で、アリミデックスだけが処方されました。乳腺外科の主治医は、「全麻で生検をして見なければ、どのようなものか分からないので治療しようがない。しかし、右肺の病態を突き止めなければ麻酔を掛けたり、メスを入れるのもリスクありだ。」とおっしゃっています。私としては全麻の手術も不安ですが、かと言って2ヶ月放っておくのも心配で、セカンドオピニオンを他の病院に求めるか等と悩み、長々とご相談のメールを打ちました。全身状況は、縦隔部以外は悪性所見なし、また現在は落ち着いているので薬は4月から止めたところですが、2年前よりバセドー氏病の投薬治療をしました。また、縦隔転移と確定診断を受けた場合の治療法のいくつかも教えていただければ有難いです。以上、宜しく御願いします。

詳しく情報をご提供いただきありがとうございます。
縦隔リンパ節についてですが、リンパ節は色々な事が原因で腫れる事があります。その原因としては、感染症、リンパ系の疾患、疲れ、悪性腫瘍(がん)といったものが挙げられます。ですから、原因によって治療が異なりますので、原因を調べる事が大切になります。画像だけでは、リンパ節が腫れている事が解っても、その原因まで解らない場合があります。原因を調べるために、体を診察したときに触れるものであれば、細胞を採ったり、その腫れているリンパ節自身を採ってくる事はできますが、今回のように縦隔ですと困難だと思います。また、右肺に非結核性好酸菌か?と思われる炎症性の影が見られる様ですので、これが原因で腫れている可能性も考えられます。
このような、判断が難しい場合は、腫瘍マーカーの値の推移や他の転移巣の状態も考慮して、転移かそうでないかを考えます。積極的に転移を疑う場合には、治療を行いますが、難しい場合には、現在の治療を継続し、2ヶ月ほどの期間を空けて、再検査(腫瘍マーカーやCTなど)し再評価します。経過を追ってその変化で診断をします。この期間は、やはり不安も多いと思いますが、経過を観察するという事も診断上必要ですので、ご理解ください。あまり不安が強いときには主治医の先生とよく相談して、腫瘍マーカーこまめに(1回/月)して頂くのも良いかもしれません。
万が一転移だった場合は、ホルモン療法の他に抗がん剤の適応もあると思います。アドリアマイシン系を含む多剤併用療法やタキサン系も適応があると思います。ハーセプチンも候補に挙がりますが、どの段階で投与するかの判断が難しいので、主治医の先生とよくご相談なさって下さい。お大事にして下さい。(文責 宮本)

 

No.3945】 05年06月07日    O 
術前検査と術後の結果の違いについて

母の乳癌についてご相談させてください。5月に右乳房の全摘手術を行いました。手術前の検査では腫瘍の大きさ5cm、リンパへの転移ありと診断されました(リンパ節転移と思われる影がエコーで確認できたそうです)。しかし手術後の結果は、腫瘍の大きさ3cm、リンパへの転移もないとの事でした(摘出された患部を見ましたが、確かにしこりは3cm程度で、リンパの腫れもありませんでした)。顕微鏡での検査でもリンパ節への転移はないと確認されています。喜ぶべき事なのですが、あまりの違いに正直とまどっております。担当医も不思議がっているそうです。このような事はあり得るのでしょうか? あるとしたら、エコーで確認した影は何だったのでしょう? もし見落とされているなら大変な事になってしまうのではないかと、心配でご相談させていただきました。ちなみに病院は乳腺専門のクリニックで、年間300件を超える手術を行っている信頼できる病院です。お忙しい中、大変恐縮ですがご回答お願い致します。

術前の検査と術中、術後の所見の違いは多少ならばあるのがあたりまえです。メールの状況の様なことはあまりないですが、術前細胞診などの検査でしこりやリンパ節などか反応性に腫れたのではないでしょうか?(文責 吉田)

 

No.3944】 05年06月07日    M
受診病院について(HPNo.2843-2

昨年、HPNo.2843で相談、回答をいただいた者です。依然、左胸の生理前から初めころの脇の張りと痛み、しこりは感じていましたが、その後、階段を下りたり飛び跳ねたりする際に球状のものが動いたりすることも、チクチクする痛みも、中間部に近いところが圧迫するような痛みもなくなり、薦めていただいた「四国がんセンター」も遠方なので受診せずにいました。先日人間ドックがあり(昨年とは違うところ)、実は、5月に入り、胸の中間部に近い左胸の骨の上あたりに圧迫されるような痛みが時々あり、押すと痛いので気になり、マンモを受けていなかったので受けようとしたら、受付で「年齢からも超音波検査のみでいいのでは?気になる点があればマンモを薦められるので」と言われエコ−検査のみを受けました。何も言われなかったのですが、最後の医師の診察で、「中央部の圧迫感や痛みは、心音も異常ないし、乳腺等の痛みとは関係なく、多分肋軟骨が捻挫をおこしているのでは。痛みが続くようであれば整形外科を受診してください。ただ、エコーで見たしこりが、右は米粒大だが左は少し大きく気になるので、乳腺外来があると思うから、自宅に近い県立病院宛に紹介状を書きましょう。」と書いてくださいました。しかし、紹介状を書いて下さった病院に電話で問い合わせしたら、外科の看護士さんが応対し、「乳腺外科としてはなく、外科の医師三人のうち一人が中心として診ています。他の医師が見た場合、情報は共有・判断し、他の病院に紹介したほうがよいと判断したら紹介状を書きます。検査もできるし手術もする、ただし、他の病院の紹介を進められたり希望する手順を省くのであれば、最初から専門医のいる病院にいかれるほうが」との話でした。この県立病院の医師の履歴や手術履歴はHPではわからず、知り合いがかなり以前乳がんの手術を受けた「市立宇和島病院」のHPをみたら、外科の診療医師の中に専門医がいて、日本外科学会指導医および専門医日本乳癌学会認定医・マンモグラフィー読影試験A評価・日本消化器外科認定医の資格を持った方がいます。宇和島市は自宅から1時間ほどかかります。紹介状は使えないかもしれませんが、こちらの病院に最初から受診したほうがいいのでしょうか?

インターネットで折角、乳癌専門医を見つけたのですから、市立宇和島病院に行くべきです。ご自宅から一時間であればそう遠いとも思いません。納得のいく様診察検査を受けて下さい。(文責 吉田)

 

No.3943-1】 05年06月07日    N.S. 
転移後の治療について

こんにちは。ご相談させていただきます。47歳の女性ですが、以下のような経過です。
・ 2003年10月29日 左乳房温存術施行、ステージUb、リンパ節転移6個、ER(+)、PgR(+)、HER2(−)
・ 術後放射線治療50Gry施行。
・ 術後化学療法CEF施行、6クールの予定でしたが、下肢のしびれなどにて5クールで終了。
・ 2004年5月よりノルバデックス内服開始し、その後特に問題なく経過していました。
・ 2005年1月頃より腰痛があり、断続的に続いていました。5月の腰椎レントゲン、MRIにて、放射線医と整形外科医によると骨転移が疑われるとのことでした。 
・ 血液データでは ALP(212) NCC‐ST‐439(1.0) CA15‐3CLIA(7.3) と上昇は見られていませんでしたが、一応転移ということで治療を開始することとなりました。  
・ 治療はゼローダ内服1200mg/日(5/26開始)、放射線治療46Gry(5/31開始)です。
・ 抗癌剤を使うからには何か指標になるものがほしいと考え、他の腫瘍マーカーもとってみました。CEA(1.4) CA−19-9(2以下) TPA(58.0) IAP(231) BCA225(54) ICTP(3.8) 尿中NTX(48.2)

そこで質問です。
1) これだけ血液検査に異常が出ていなくても骨転移ということがあるのでしょうか?
2) もう治療は始めてしまっていますが、転移の確定診断の必要はありませんか?
3) 骨転移であるとして、治療としては抗癌剤を使うべきでしょうか?また種類は?ゼローダは妥当でしょうか?
4) 抗癌剤治療が必要であれば、何を指標に治療を行っていけばよいのでしょうか?漫然と抗癌剤の内服を続けたくはない気がするのですが・・・。
5) 現在ホルモン剤は中止していますが、種類を変えて続けたほうがよいと思うのですがいかがでしょうか?

現在の治療でよいのか悩んでおります。よろしくお願いいたします。

1) 骨転移の初期は血液検査では何も異常が見られないことが多いです。あなたの場合も当然骨転移である可能性は大です。
2) 理想的には組織を採取し確定診断を付けるべきでしょう。しかし通常MRIで骨転移が疑われれば、骨転移として治療を開始することが現実には多いと思います。確定診断はどうしても必要という訳ではありません。
3)4)5) ノルバデックス使用中に骨転移が出てきたので、抗癌剤(ゼロータ)を使用しているのだと思います。標準的な治療というのはありませんので、ゼロータでもよいのですが、私ならノルバテックスにゾラデックスを加えて様子を見ます。段々進行するようであればビスホネート製剤を追加します。当然、骨転移の軽快(骨シンチやMRIの所見)を目標にして治療を続ける事になると思います。骨転移は他の転移と異なり進行がゆっくりですが、再発であることには違いありません。あまり負担とならない治療を長く続けるのか良いと思います。(文責 吉田)

 

No.3943-2】 05年06月10日    N.S. 
転移後の治療について(2)

早速のお返事ありがとうございます。もう1点だけ質問させてください。お返事では、先生ならノルバデックスにゾラデックスを追加して様子をみると言われましたが、ゾラデックスは閉経後でも有効でしょうか? 私は抗癌剤治療後より閉経しております。お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

ごめんない。閉経後であればソラッテクスは意味がないと思います。しかし抗癌剤治療後による閉経は後で戻る可能性もあります。ゼロータで様子をみて、進行するようでしたら次を考えみたらいかかでしょう。(文責 吉田)

 

No.3942】 05年06月07日    ミキ
母の乳癌(3)(HPNo.3808-3

前回の回答、とても参考になりました。ありがとうございます。今回は乳癌の種類についてお伺いします。母の乳癌の種類は硬癌なのですが、硬癌はバラバラになって外に広がっていて、10年生存率は他に比べると、やや低い数字というのをある資料で読んで少し心配になっています。硬癌について詳しい知識がないので余計に不安です。詳しく教えていただけないでしょうか? それと、気をつけなければいけないことなど、癌の種類によって違ったりするのでしょうか? 教えて下さい。お忙しい中とは思いますが、宜しくお願いします。  

乳癌で一番多い浸潤性乳管癌は充実腺管癌、乳頭腺管癌、硬癌に分かれますが、普通これらの癌が混在しており、占める割合が一番多いもので分類しています。硬癌の占める割合の多い癌(硬癌)は、同じ大きさの他の癌よりもやや予後が悪いとされています。しかし乳癌は組織型よりもリンパ節の転移個数のほうが遥かに予後に関連しますので、組織型の違いはあまり重要視しない傾向にあります。通常の乳癌であれば、癌の種類で気をつけなければならないことはありません。(文責 吉田)

 

No.3941】 05年06月07日    T.T.
嚢胞内乳頭腫の疑い

30歳の未婚女性(出産歴なし)です。会社の乳がん検診を先月末に受診しましたところ、検査結果に「嚢胞内乳頭腫の疑い 、線維腫症の疑い」と書かれていました。これはどんな病気(症状)なのでしょうか。すごく心配です。今まで何もなかったので、詳しい病名等、放っておくとどんな病気になってしまうのか教えて下さい。早めに国が認めた乳腺専門医のいる総合病院に行った方が良いですか?

のう胞内乳頭腫、線維腺腫は乳腺の代表的な良性腫瘍です。この場合は放っておいて問題ありません。自然に消失することもあるとされています。しかし除々に増大する様な場合や大きい場合(1cm以上ぐらい)は、細胞診を行い、癌でないこと確認しておく必要があります。現在すぐに総合病院を受診することはありませんが、3〜6か月後、必ず再検査を受ける様にしてください。(文責 吉田)

 

No.3940】 05年06月04日    N.S.
線維腺腫の手術について

20歳の娘の線維腺腫についてご相談いたします。娘によりますと、高校生の頃からしこりがあったそうなのですが、最近になって気になりだし、大学病院の乳腺外科を受診しました。触診とエコーの結果、4センチのしこりが見つかり、現在細胞診の結果を待っているところです。しこりは2つあって、小さい方は水のような感じがする、またどちらもたぶん線維腺腫ではないかということでした。しかし、良性でもかなり大きいので切除したほうがよいということで、傷口が目立たない方法を希望するなら内視鏡手術(全身麻酔で3泊4日)がよいのではないかとのことでした。そこで質問なのですが、良性でもやはり手術して切除したほうがよいのか、また内視鏡手術はどの程度難しい手術なのか、お伺いしたいと思います。担当の先生は97年卒の若い先生で、専門は乳腺外科なのですが、まだ乳腺専門医の認定はとれていないようです。手術の場合はその先生が執刀されるようなのですが、内視鏡の手術を選択しても大丈夫でしょうか。もし失敗の危険性がある難しい手術なら、手術跡が残っても普通の切開手術を選択することも考えたいと思いますが・・・。なお、娘は9月から1年間、海外に留学する予定です。よろしくお願いいたします。

まず、回答者の経験年数は、質問者のご担当の先生よりも遙かに長いのですが、実際に自分で手掛けた乳腺の内視鏡手術の経験はありません。(現在は乳腺を専門としていますが、消化器外科の内視鏡手術の経験は、多少なりともありますが…。)その事を予めお断りしておきます。
線維腺腫自体は良性腫瘍ですが、時に巨大化する場合があり、通常3cmを越える場合は傷口が腫瘍の長径と同じ位の長さに及んでしまう事も少なくなく、かつまた、巨大化した腫瘍は正常乳腺を圧排して、乳房全体の変形を来す事もある為、切除をお勧めする様になります。
この適応はあくまでも美容上の問題が主眼ですが、娘さんの場合、海外に渡ってから1年の間にどの位腫瘍が大きくなるかは予想できませんが、もしも急激に大きくなった時に、彼の地でこの様な手術を行うとなると、保険や費用、言葉の壁など問題は多いと思いますので、今の時期に手術してしまう事は特にまずい選択ではありません。
一口に4cm大の腫瘍、と言っても発生した部位がどの辺りなのかによっても皮膚切開の位置は異なります。乳頭に近い場所にある場合は、乳輪切開と言って乳頭と皮膚の色調の変わる境目に切開を置く事で傷跡が殆ど目立たずに、かなりの大きさのもの迄、この切開から摘出出来る事も少なくありません。ただし、小さな傷から大きな腫瘍を摘出しようとすると、奥の方の止血は当然行い難いもので、手間取る可能性はあります。
内視鏡手術の場合は1cm程度の切開を複数(3箇所程度)おいて、狭い傷口からカメラ(内視鏡)を奥に挿入して、内部の状態をよく観察しながら機械を使って止血操作するので、小さな切開で無理をするよりも、止血などについては、より確実だと聞いています。ただ、上述した様に小さい傷ですが複数切開を入れる必要はあります。
一般に、乳腺の手術は基本的には体表の手術ですから、外科手術の中ではかなり簡単な部類、と考えられています。通常は上級医師と研修医二人でも行えますし、若年の医師の手術手技トレーニングとして最適な手術と
長年考えられて来ています。(つまりは”簡単だ”と考えられている訳です。) たとえ経験年数が浅くても、相当数の件数をこなしている先生なら大きなリスクを伴う手術では通常ありません。ただし、大きな腫瘍の切除は乳房の変形を伴う可能性がありますので、形成外科的なセンスが問われる所です。が、これも経験年数だけで差が出るものでもないでしょう。(美容的なセンスについては、一定の物差しがなかなかありません。)
乳房の内視鏡手術についてですが、近頃世間を騒がせた様な腹腔内の内視鏡手術の様に、空洞の中で行う手術ではありませんので、多少の出血があっても通常は傷を閉じて体表から圧迫するだけで、殆どの出血は止まってしまいますので、命に別状を来す様な大出血は通常起こり得ません。(そもそもその様な大きな血管の近くを操作する手術ではない為。) 稀に術後暫くしてから、止血していた毛細血管などからじわじわと出血した場合、皮膚と乳腺を剥がした間のスペースに血液が溜まる「血腫」と言うものを形成してしまう場合があります。これは外科手術を行うと、少ないですが、ある程度避けられない頻度で発生してしまいます。こう言った事が発生しても、少量であれば、自然吸収を待つのみですが、多量でかなり腫れてしまった場合等は創を再切開して血の塊を除去して、出血源を確かめて再度止血しなくてはなりません。この様な場合、特に命に別状を来す様なものではありませんが、折角美容的にきれいに創を縫合したのに、多少きたなくなってしまうかも知れません。
内視鏡手術と通常の切開手術、いずれの場合でも、血腫を形成するリスクはそれ程違うとは考えられません。敢えて申し上げるなら、通常の切開で摘出する方法なら、少し無理をすれば局所麻酔の日帰り手術も行えるかも知れませんが、内視鏡手術は全身麻酔で行って頂くしかないと思います。全身麻酔の場合は呼吸を止めて気管内挿管して行うため、麻酔の翌日は少し喉の痛みが残ったり、全身のだるさが翌日まで感じられる事があるかも知れません。反対に、局所麻酔で大きな腫瘍を切除しようとすると、患者さんは意識がある訳ですから、周囲の状況が分かるのと、時間が長引くと辛くなって来るかも知れません。
以上、回答者の経験に基づく知識を記述しました。内視鏡手術に関する不安やリスクに関するご質問は、上記の事をふまえた上で、担当医の先生に今一度具体的に説明を求められた方がよろしいかと思います。(文責 矢吹)
 

 

No.3939】 05年06月03日    H.M.
乳癌の種類について

乳癌の種類について教えていただきたいのですが…。主治医から 、私の癌は硬癌(スキルス)だと言われました。胃癌のスキルスと乳癌のスキルスは違うらしいのですが、進行性の癌には違いないのですよね? 乳癌は10年で1cmの大きさになるとよく言われますが、癌の種類に関係なくそうなのですか? また、年齢が若い(35歳まで)場合でも癌細胞の成長の早さは同じなのでしょうか? それと乳癌に有効なサプリメント等があれば教えていただきたいのですが…。

拝読しますと、ご自身が診断を受けた乳癌の悪性度について不安を感じていらっしゃる様ですね。乳癌の予後を決定する因子は組織型(この場合はご質問のあった硬癌(スキルス)を初めとする分類の方法)よりも、◎ リンパ節転移の有無(及び個数)◎ 脈管浸襲の程度 ◎ ホルモン受容体の有無 ◎ 閉経状況 ◎ 核グレード ◎ 腫瘍径 ◎ Her2蛋白の発現状態など、複数の因子によって決定されます。上記の要素を検討した上で貴女に合った抗がん剤投与や、ホルモン療法などの補助療法が選択される筈です。一般に、癌の組織型(貴女のおっしゃる”種類”)によって成長の速度が速い、とか遅い、と言う事は言えません。また、年齢が若ければ若いほど成長が早い、とも言えません。上記の因子がどの様な状態であるのか、ご自分の癌のリスク(危険度)や予後について、今一度主治医の先生に詳しくお聞きになってみてはいかがでしょうか。
サプリメントについては様々な先生方の意見がある様ですが、あくまでも”食品”の一種でしかなく、医学的に人体に対する一定の効能、効果が確かめられているものではありません。認められていればとっくの昔に”薬剤”(=この場合は癌治療薬)の仲間に入っている筈です。昨今、余りにも効能効果を謳って”宣伝”とみなされる書籍が余りにも氾濫し過ぎて振り回されてしまう方々も少なくなく、薬事法違反などで取り締まられている書籍、業者も多い様です。上記の事を良く踏まえて、ご自身で良く確かめながら、あくまでも”健康食品”としてのご自覚を持ちながら用いるならば、そう問題にはならないでしょう。但し、ホルモン依存性(ホルモン受容体陽性)の乳癌ならば、”女性ホルモンを活性化する”と謳っている商品には(本来は健康食品ならば、その様な効能効果を謳ってはいけない筈ですが…)手を出さない方が無難だと思いますが…。(文責 矢吹)

 

No.3938】 05年05月31日    K.Y. 
経過観察で大丈夫でしょうか? 

はじめまして。宜しくお願い致します。4月2日にマンモグラフィを行い 後日結果を聞きに行ったところ、 「悪性の疑い」「石灰化」と言われ、そちらの産婦人科から別の病院を紹介して頂き、触診・超音波・マンモグラフィ・細胞診を行いました。触診・超音波では、よくわからないそうです。でも、やはりマンモグラフィでは映っていて、細胞診は、細胞が取れなかったので、悪性か良性かわからないそうです。「3ヶ月後にまた検査をしましょう。」と言われましたが、このままで大丈夫でしょうか?

病変が小さい場合に細胞診や組織診ではっきりとした結果が出ないことがあります。そういった場合、同じ検査を繰り返しても良い結果が得られるとは限りません。少し経過を見て変化があれば、再度、細胞診などの検査をしていく方が、明確な結果が得られることが多いと思います。微細な石灰化病変が3カ月の経過観察で急速に進行することはありませんから、あまり心配しないで経過を見て下さい。もし3カ月後に悪性所見が出たとしても、その時点で適切な処置を行えば、心配されているようなコトはないと思います。(文責 川本)

 

No.3937】 05年05月31日    toku
乳癌治療の件(HPNo.3502-2)

以前にHPNo.3502で相談させて頂いた者です。前回は、ありがとうございました。結果、乳癌で、現在術前化学治療EC6クールを4回まで受けました。主治医からはっきりした大きさを言われなかったのですが、5cm以上で、高さもあったようです。先日のMRIで、「面積はまだありますが、高さがなくなり、しぼんでいるようです。」と言われました。(どれくらいと聞いたのですが、あまりはっきり答えを言ってもらえません。いつもなのですが・・・) その後、手術の予定です。そこで質問ですが、手術ナシで、放射線のみで治療を行なっている病院を教えて頂けませんか? あと全く別の件ですが、点滴をした後の血管が硬くなって筋のようになっているのですが、これはどうしてでしょうか? 血管が細く、血管痛がありました。何か関係あるのでしょうか? 宜しくお願いいたします。

基本的な治療は化学療法で腫瘍縮小効果があれば、その効果に見合った手術を受けられるのが一般的な治療です。最近では「MRガイド下集束超音波手術」などの治療も試みられていますが、ここ数年で出てきた治療法であり、まだ明確な治療効果は報告されていません。担当医ともっとよく病状、治療効果について相談なさってはいかがですか?その上で納得いく説明が得られなかったならば、2nd opinionを受けた方が良いと思います。
抗ガン剤によって血管が硬くなった件ですが、抗ガン剤による血管炎で硬くなったり、血管痛が出現します。抗ガン剤治療が長期にわたると避けられない問題で、毎回同じ血管に点滴をするのではなく、変えてみたりすることで多少は軽減できますが、やはり長期間の抗ガン剤による血管のダメージは避けられません。(文責 川本)

 

No.3936】 05年05月31日     U.O. 
しこりについて

先日、母(47歳)が、人間ドッグの乳がん検査で引っかかってしまいました。悪性だそうです。ただ、人間ドッグは生まれて初めてで、また、自分の胸など、しこりを発見するほど触らないので、いつからそのしこりがあったのかわからないそうです。しこりの大きさは約1.5cmだそうですが、大きさと癌の進行度は関係ありますか?また、本人曰く、しこり以外、特に体の異変はないらしいのですが、早期発見の部類でしょうか?

しこりの大きさが2cm以下でリンパ節転移がなく、遠隔転移がなければ、病期Iで早期の乳癌です。癌の進行度を病期と考えるならば、しこりの大きさと関係はあります。当然、しこりの大きさが大きくなると病期もあがります。なるべく早く乳癌専門医へ受診されることをお勧めします。(文責 川本)

 

No.3935】 05年05月31日     K.M
化学療法について 

初めてメール致します。57才の母が、先日、右胸の全摘手術を受けました。しこりの大きさは2センチを超えており、リンパ節転移は13個中1個あり、ER、PGR共にマイナス、HER2は0で、主治医は化学療法をするかどうかは本人の意思に任せるということでした。化学療法を行う場合はタキソールを使用する予定ですが、母は糖尿病、高血圧、B型肝炎といった持病がありますので、こういった持病がある場合、抗癌剤治療時に持病が悪化するということはあるのでしょうか。また、副作用が強く出ることもあるのでしょうか。お忙しいところ大変申し訳ございませんが、よろしくお願い致します。

持病に糖尿病、高血圧、B型肝炎をお持ちで、持病の悪化またはタキソールの副作用が強く出る可能性についてのご質問ですが、持病の程度によるのではないかと思います。B型肝炎で高度の肝機能障害があればタキソールの代謝障害が出現し、副作用が強く現れるコトもあると思われますし、糖尿病、高血圧のコントロールが悪いと腎機能障害も出現し、副作用が強く現れるコトもあると考えます。持病も増悪させる可能性もあると思いますので、是非、担当医にご相談されることを勧めます。(文責 川本)

 

No.3934-1】 05年05月31日     Y.M. 
タキソール継続投与の件について

41歳。2歳の子供がいます。タキソールの継続投与の件でご相談があります。昨年1月、左乳房全摘手術を受けました。授乳中の乳癌で、受診が遅れたため、リンパ節多数(レベル3まで)転移がありました。今年の1月に肝臓と骨に転移が見つかり、現在タキソール(ウイークリー)とハーセプチンとアレディアで経過を見ています。タキソール2クール終了時点の検査で、腫瘍マーカー(CEA)が正常値に、肝臓の腫瘍の大きさが半分に縮小しました。抗がん剤がよく効いているようです。そこでご質問です。
1) タキソール6クール終了後、ハーセプチンとアレディアのみ続ける予定ですが、タキソールが効いているのであれば、タキソールをそのまま継続する方法もある、と別の病院で聞きました。主治医は、薬の毒性を考慮して、6クール終了がよいとの意見です。今のところ大きな副作用はないのですが、タキソールを継続した方がよいのでしょうか。
2) タキソールを継続した場合、どのくらいの期間継続が可能でしょうか。また、副作用等デメリットはどんなことが考えられるでしょうか。
3) タキソールが効かなくなった場合の次の選択肢はタシテール、ゼローダ、どちらがベターでしょうか。ちなみに、術後にCEFを受けております。

よろしくお願いします。

1) 現在のところタキソールがよく効いているようなので、継続するという選択枝もあると思います。効果のある薬剤は効果がなくなるまで(腫瘍が再度大きくなる、新たな病変が出現する、など)使用して、副作用など、これ以上薬の投与が難しいと判断された場合に変更することが多いようです。
2) かなり長期(20クール以上)にわたって継続している患者さまもいます。タキソールの副作用として多いモノとしては、脱毛、味覚障害、指先のしびれ爪の変色、関節痛及び筋肉痛等が見られます。そのほか副作用には個人差もありますので、多種多様な症状が出ることもあります。
3) タキソテールはタキソールと名前はよく似ていますが、効果についてはタキソールと交差耐性がない(タキソールが効かなくてもタキソテールで効果がある)という報告もあり、有効な薬剤であると考えます。ハーセプチンが使えますので、ハーセプチン + ゼローダ(現在、臨床試験中ではあり、効果についてはまだ報告されていません)という選択肢もあると思います。(文責 川本)

 

No.3934-2】 06年05月31日     Y.M. 
再発治療、次の抗がん剤について

HPNo.3934でお世話になりましたが、今回も抗がん剤の件でご相談があります。42歳。3歳の子供がいます。2004年1月、左乳房全摘手術を受けました。授乳中の乳癌で受診が遅れたため、リンパ節多数(レベル3まで)転移がありました。2005年1月に肝臓と骨に転移が見つかり、タキソール(ウィークリー)とハーセプチンとアレディア投与の結果、肝臓の腫瘍も半分以下に縮小し、効果があったようです。しかし、タキソール12クール終了後の今年2月より、腫瘍マーカー(CEA)が上昇し、5月現在8.6です。CT、骨シンチ、脳MRI検査の結果、画像上は変化はありません。再度6月下旬に肝臓のMRIを予定しています。今後の抗がん剤の選択とタイミングについての質問です。
1) 主治医からは次の抗がん剤として、ハーセプチンはそのままで、経口で導入しやすいゼローダを薦められています。私としては、ハーゼプチンとの相性、肝臓への効果を考えると、ナベルビンがよいのではないかと思うのですが、いかがなものでしょう。
2) 投与のタイミングですが、6月の肝臓MRIの結果を待って開始するべきか、腫瘍マーカーが上昇しているので、すぐ開始するべきか、どちらとも大差ないものか、どうなのでしょうか。大差ないのなら、画像を撮った方が抗がん剤の効果もわかりやすくて良いのでは、と思うのですが。

以上、よろしくお願いします。

1) ハーセプチン+ゼローダは臨床研究で効果が確認されてきておりますし、確かにハーセプチン+ナベルビンもよい選択のひとつと考えます。再発の治療と致しましては状況に応じて順次使用していけば順番はどちらでもよいと考えます。
2) MRIの結果を確認してからでよいと考えます。(文責 浜口)

 

No.3933】 05年05月31日     N.S
4年間放置していた乳癌の転移再発の可能性について

いつも拝見しております。私自身のことをご相談申し上げます。現在43歳。昨年6月、左乳房非定型切除しました。病理の結果は、2a硬がん。リンパ節転移なし。径2.8cm×2cm、ERのみ+、グレードが2、リンパ管・血管侵しゅうなし。CEF6クールの後、現在はゾラデッグス、ノルバデッグス治療中(県立がんセンター)です。4年前、大きさ5ミリのしこりをエコーとマンモで線維腺腫と診断され、良性のものと思いこんでいましたが、昨年6月、告知を受け、手術となりました。せっかく4年前に気づいていたしこりなのにと思うと悔やみきれません。4年間の放置は、転移再発の可能性を高くする要因になりますか。とても不安です。率直に、その可能性はどのくらいとお考えになりますか。どうぞよろしくお願いします。 

4年間の放置したから再発のリスクが高くなるというモノではありません。N.Sさんの病期はIIAですから、II期のデータが当てはまると考えます。参考になるか分かりませんが、II期の10年生存率は約75%です。II期にはAとBがありIIBの方が、より進行しています。担当医にも不安な点をご相談してみるのも良いかも知れません。(文責 川本)

 

No.3932】 05年05月30日     kanna
乳管造影検査が出来なかった場合

このたびはお世話になります。42歳の既婚女性です。中学生と高校生の子供がいます。1年前、左胸の乳頭から出血があり、病院で検査いたしました。最初の病院では、細胞診とMRIの検査をしたところ、約1センチぐらいの腫瘍があるとのことでした(細胞診はクラス3でした)。その後、セカンドで行った病院ではマンモグラフィーの検査をし、最初の病院と同様、どちらとも判らないグレー状態だと診断され、手術で取り除くかどうか?私は決断を迫られました。一度は決心して、手術することにいたしましたが、手術のため入院したとき、他のドクターにも見てもらった所、写っている腫瘍と出血していた部分とは別のものでは?と言われ、「もう少し様子を見たほうが良いのでは?」とのことで、手術直前になって取りやめになりました。この半年は定期的にエコー検査を受け、様子をみている状態です。今月も定期検査があり、受けましたが、以前からあった腫瘍自体の大きさには変化が無かったものの、新たに5ミリぐらいの影?が写っていました。その結果と、乳頭からは出血はないものの、黄色の分泌物が続いていることもあって、「乳管内乳頭腫でしょう」と担当のお医者様がおっしゃられ、念のため?って感じで、「乳管造影検査」を受けることになりました。 しかし、針が乳頭より5ミリほどしか入らないので、造影剤を入れることが出来ず、検査は出来ませんでした。(昨年も「乳管造影検査」を受けましたが、同じように針が入らなかったので、失敗に終わっています。)
検査のあとの診察は、まだこれからですので、お医者様よりどんなお話がでるのか判りませんが・・。乳管内乳頭腫は、良性・・とお聞ききしていますので、もし、また、「手術で取りますか?どうされますか?」と聞かれた場合、『このまま暫く様子を見たい・・』と言っても構わないでしょうか?(もうしばらく、様子を見ても良い状態でしょうか?) 乳管造影検査が出来なかった場合、どのような事(検査?結果?)で自分の状態を判断すれば良いのでしょうか?今、いろいろな家庭の事情で家を空ける事ができないので、緊急でない限り、入院は避けたいです。下手な文章ですので、私の言いたい事が伝わりましたかどうか? とても不安ですが、お返事をいただければ幸いです。

乳管内乳頭腫は基本的には良性の腫瘍、とされていますが、乳管造影で他に乳管の内側を這うようにして発生する、いわゆる乳管内がん(上皮内がん)等が併存しているのが見付けられる場合もあります。
乳管造影で病変を確かめる事が出来れば良いのですが、貴女の場合はこれが出来ない様ですが、MRI以外で、他に何か検査をするとしたら、乳管内に非常に細いファイバーを通して内腔を観察する「乳管内視鏡」と言う検査があります。しかし、この検査はごく限られた施設でしか施行されていません。この検査では主に内側を見て観察しますが、組織を取って診断する事は難しい場合もあります。
最近当施設では高精細MRIと言う装置を用いて乳管造影に勝る、非常に細かな映像で、乳管の内側の病変を画像として得て診断に役立てています。しかしこの検査もあくまで、画像診断のみで組織を診断する事は出来ません。
結局の所、最終的には、MRIで見えている腫瘍が良性なのか、悪性なのかは、本当のところ組織診断(切除する、など)を行わない限りは100%分かる訳ではありません。一般に1cmを越えて成長するものでしたら、切除生検(切り取って調べること)をお勧めしています。手術と言ってもごく簡単なもので、場所(深さ)にもよりますが、外来で、日帰り手術で行えます。局所麻酔で、所要時間は約1.5時間位ですので、ご家庭への負担も少ないかと思います。
しかし、切除してしまう事に抵抗を感じておられるからのご質問と拝察しました。良悪性の判定自体は、切除生検は一番確実ですが、他に1cmと見えている腫瘤なのでしたら、腫瘍に対して直接超音波ガイド下に細い針を刺して細胞を採取する「穿刺吸引細胞診」や、同じ様に太い針で組織を採取する「針生検」と言う方法も有る筈です。
乳管造影に拘泥し、行えたとしても、万が一怪しい所見があれば、最終的には組織診断しない限りは良悪性の判定はつきません。乳管内がんなどをきっぱりと否定する為には、「乳管区域切除」と言って、乳頭分泌のある場合、乳管から色素を注入して染まった部分の乳腺を(約1/6程度)部分切除して顕微鏡検査で詳細に調べると言う“診断的治療”を行う必要があります。(こちらの手術はどちらかと言えば2泊3日位の入院で、全身麻酔で行う方がご本人にとっては楽な筈です。)
手術による診断自体を余り大慌てで行う必要はありませんが、これらの事を良くふまえて、切除した結果、万が一癌が見つかったとしても後悔のない様に良く担当医とお話し合いになって下さい。乳管内視鏡や高精細MRI等、別の検査方法を紹介して貰うのも一考だと思います。また、画像診断だけでは不安な場合は、上述の細胞診、または針生検を行ってくださるかどうか等、ご担当の先生と良くご相談されてみてはいかがでしょう。(文責 矢吹)

 

No.3931】 05年05月30日     F.S.
乳癌治療の副作用について

昨年乳癌の病理結果に基づく治療方針についてご相談に乗って戴きましたF.S.と申します。その節は懇切丁寧にご回答頂き有難うございました。お陰様で順調に治療も進んでおります。そこで今回は副作用についてお伺いしたいのです。まず今までの治療の内容ですが、
1) 昨年10月から抗がん剤AC4クールを行い、その後ウィークリータキソールを12回するところを6回目が終了した時点で白血球の数値が戻らなくなってしまったため(増多剤ノイトロジンをするが2800までしか回復せず)中止。
2) 3月末から放射線治療2グレイ25回、計50グレイ終了。
3) ホルモン治療は10月からリュープリン注射を月1回継続中、抗がん剤終了後フェアストン服用開始、現在に至っています。
ところが抗がん剤を止めたあたりから左手首が痛くなり、その症状は日に日にひどくなり、今では朝起きた時の手のこわばりから始まり親指のつけねの痛みとなって、一日中ずっと痛みが続きます。日常生活にはさほど支障はきたしませんが、痛みで手をついたり出来ず、とても不快です。主治医は、「ホルモン剤から来る更年期障害か抗がん剤の副作用だと思うが、はっきり判らない。」とおっしゃっています。如何なものでしょうか?やはり、はっきりとは判らないものなのでしょうか?そしてこの症状は時間が経てば治るものなのでしょうか。そのことがとても心配です。また今は何も薬は飲んでいませんが、何か飲んだほうが良いのでしょうか。症状が出だしてから、いつかは治るかなと思いつつ、2ケ月経っても治るどころかひどくなっているような気もして、とても心配です。お忙しいところ申し訳ありませんが、ご相談戴きたくお願いします。

LH-RH アゴニストで閉経状態を作っているため、女性ホルモンの枯渇状態、更年期の状態が比較的急速におこっていることになります。手首や親指の症状は、内分泌療法(とりわけリュープリン)によるものと考えられます。また、エンドキサンもタキソールも卵巣機能を抑える働きがあり、化学療法中から人工的に閉経状態が続いていた可能性があります。ですから、両方の副作用とも考えることができます。内分泌療法中はこわばり、痛みは継続します。場合によっては、痛みやこわばりが進行することもあります。終了後は、軽くなることが予想されますが、あくまで予想です。対症療法しかありませんが、朝起きてのマッサージ、鎮痛剤やビタミン剤などの内服が行われることが多いですが、効果はまちまちです。何か薬とは、内服の抗がん剤などでしょうか?現在の内分泌療法を継続できるのであれば必要ないと思います。(文責 緒方)

 

No.3930】 05年05月30日     K
乳管内乳頭腫の術後

はじめまして。今年1月に左胸乳輪の下にできた乳管内乳頭腫の乳管腺葉区域切除の手術をした者です。年齢は30歳です。半年後に検診を受ける予定でいましたが、今月に入ってから右の乳輪のすぐ裏のあたりに左の時と同じような小さなしこりがあるのに気がつきました。自分で乳首を絞ってみたりしていないので、確かではありませんが、分泌物はないようです。痛みもなく、症状はしこりが触れるだけです。しばらく様子を見ていましたが、生理の前後で変化は特にないようでした。そこでいくつか質問があります。
1) 1月の手術時にマンモ・超音波などで右乳房も検査し、何も異常が無かったのに、たった4ヶ月で腫瘍(乳頭腫や乳がん)ができることはあるのでしょうか。(一般的に1センチの腫瘍ができるのに10年かかる、と聞いたことがあります)
2) 推測で構わないので、現時点で考えられる病名がありましたら教えてください。
3) 半年後の検診まで待っていいものでしょうか。
4) 「乳頭腫はできやすい人はまたできる。」と主治医に言われましたが、一般的にそんなに頻繁にできるものなのでしょうか。そのたびにがんの確定診断のために切除になるのですか。

お忙しい中、恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。

1) 普通は、考えにくいです。
2) 乳管内乳頭腫を始め、嚢胞や乳管拡張症、乳腺症(乳腺の一部をしこりのようにふれる)、皮下の良性腫瘤(粉瘤)などでしょうか。
3) 何とも言えませんが、心配なら受診したほうが良いと思います。1カ月の差はあまり関係ありませんので、少し早めにフォローアップということです。
4) できやすいことはないと思います。ただし、乳管内病変を疑ったときは、そのたびに乳管区分切除が必要であると思います。
とにかく、案ずるより生むが易しです。受診して下さい。(文責 緒方)

 

No.3929】 05年05月30日     R.N.
PETについて

いつも参考にさせていただいています。PETについて質問です。
1) 申し込んでから検査を受けるまで、又、結果を聞くまでに通常どの位の期間がかかるでしょうか。(待っている人が多くて、かなりの時間を要すると聞きました。)
2) どこの病院でやっているのでしょうか(東京、埼玉近辺)。また、検査や解読に上手い下手はあるのでしょうか。
3) 費用はどのくらいかかりますか。担当医からは、「1年検診の写真持ち出しをして、10万くらいと聞いています」と言われました。又べつの人には30万とも言われました。病院によって違うのでしょうか。また保険の効く、効かないは、あるのでしょうか。
4) 1年検診で何も異常が出なかった場合、あまりPETをする意味はないでしょうか。
5) 1年検診にプラスして胃、子宮、大腸がんなどの検査を単独でやった方が重複も避けられるし費用も安く済む、という意見もあるようですが、そうした考え方は妥当でしょうか。 

東京、埼玉は残念ながら想定外で把握していません。神奈川の新横浜に専門のクリニックがあります。質問のいくつかもそちらに問い合わせていただくとよく分かると思います。「ゆうあいクリニック http://www.shinyokohama.jp/ 」で確認してみて下さい。保険は、乳癌の再発を疑うが部位の特定できないものに対して適応になります。言葉遣いが難しいです。
一般的には、小さいもの(1cm大)はPETでも分からないものもあります。過信は禁物です。1年検診で何も異常が出なかった場合、あまりPETをする意味はないと思います。1年検診にプラスして胃、子宮、大腸がん、などの検査を単独でやった方が重複も避けられるし費用も安く済む、という意見は妥当だと思いますが、人間ドックでまとめて検査が可能な方と、そうでない方もいると思いますので、一概には言えないのではないのでしょうか。(文責 緒方)

 

No.3928】 05年05月30日     Nancy 
アリミデックスと関節痛

はじめまして。アリミデックス副作用の関節痛について、よろしくお願いします。56歳閉経後。01年12月、浸潤性乳管がん(硬がん)ステージ2で左乳癌部分切除と腋下廓清手術。リンパ節陰性、大きさ3cm。Richardsonグレード3(スコア9)。断端は追加切除して、マイナス。ERプラス(321)。PgRプラス(37)。HER2 プラス1。LVI ともにプラス1。補助療法として02年1月からノルバデックス、02年2月〜3月放射線50Gry。02年3月〜9月CMF 6クール。悪性度が最も高いことや両親とも癌で亡くなったことから、再発のリスクを少しでも下げたいと思い、04年9月、主治医の先生に相談の上ノルバデックスからアリミデックスに変更していただきました。この時、先生は、「まだ新しい薬なので強い副作用が出たら、その場その場で対応していくしかない。」と言われました。ANAに変更して8ヶ月になりますが、とりわけ左手首から親指の関節痛が予想を超えてひどく、曲げたり回したりが痛くて、できなくなっています。ピアニストなのでピアノの練習が、日毎、困難になって、つらいです。身の回りの事もこれまでのように出来にくくなってきています。
1) 一時的なものなのか、この先ますますひどくなるのか、アリミデックスが終了してもずっと続くのか不安です。アリミデックスは、後悔しないためにも、残りの1年半、続けたいと思っています。尚、先週、近くの整形でレントゲン撮って診てもらったのですが、骨に異常ないとのことでした。
2) このような症状は、早めに主治医に伝えた方がいいのですか?
3) 痛みをやわらげる方法、ありませんか?
4) 主治医の先生から投薬が中止(補助療法打切り)になることも考えられますか?その時は予後にどのように影響するのでしょうか。 

1) 閉経状態で、その上さらに女性ホルモンの枯渇状態をアリミデックスで作っているわけですから、 おそらく内服中はこわばり、痛みは継続します。場合によっては、痛みやこわばりが進行することもあります。終了後は、軽くなることが予想されますが、あくまで予想です。
2) もちろんです。
3) 朝起きてのマッサージ、鎮痛剤やビタミン剤などの内服ですが、根本はアリミデックスの中止もしくは他のアロマターゼ阻害剤に変更してみることです。ただし、他のアロマターゼ阻害剤も副作用はかわらないので、過度の期待は禁物です。むしろ、変わらない可能性の方が高いです。
4) ありえます。子宮体癌のリスクを天秤にはかってもノルバデックスに戻す(あと2年くらいですか)ほうが、中止だけよりも予後は当然良いです。(文責 緒方)

 

No.3927】 05年05月30日     N.I.
一般的な治療法以外の治療法

母がステージ2の乳癌と診断され、乳房温存か全摘か、選択するように言われておりますが、腫瘍を切除することが一番良い方法なのでしょうか? 現在試されている新しい治療法ではどういったものがあるのでしょうか? 肝臓の癌の治療で行われているラジオ波焼灼療法は乳癌では行われていないのですか? 母が乳癌と告知されて間もなく、手術の日だけが決まっており、戸惑っております。母に医学の今の状況と未来、そして少しでも多くの選択肢を教えてあげ、これから癌を前向きに治療していきたいと思います。先生のお知恵を分けてください。勉強不足の若輩者ですが、よろしくお願いします。

お母様に「医学の今の状況と未来、そして少しでも多くの選択肢を教えてあげ、これから癌を前向きに治療していきたい」と思われるお気持ちはお察しします。回答に未来まで含めると、このご質問の回答だけで膨大な量になってしまいます。その前に、主治医の先生に、今のお母様の状況と、どういう治療が必要でどういう方針で治療がすすめられるのかよく聞いて下さい。
現在の標準的な治療方法は、手術とその後の全身治療の組み合わせです。一番良い方法は、手術で腫瘍を切除して、脇の下のリンパ節の転移の有無を確認する。それらの結果に基づいて、全身治療の内容を決定するのが一般的です。ですから、順番はまず主治医の考えを聞く、次にお母様の考えを聞いて、そこで新しい方法で治療を望むのか、どうするのかみんなで結論を出す。
新しい治療法では、超音波で腫瘍を焼却するFUSや、ラジオ波があります。どこでも行われているものではないので、どうしてもということであればその治療を専門としている病院に問い合わせて下さい。ちなみに FUSは、まだ臨床試験の段階で宮崎の病院でしか行われていません。(文責 緒方)

 

No.3926】 05年05月30日     M.O.
異型乳管過形成について

最初の病院で、マンモ・超音波・細胞診にて異型乳管過形成と診断され、また、別の病院に初診としてみてもらったところ、「超音波でしこりがわからないから細胞診ができない。乳腺症だ。今後の癌のリスクもない。」と言われたのですが、
1)一度細胞診で注射針を刺したことによってしこりが小さくなる、又はなくなるということはあるのでしょうか? 1つの病院では癌化のリスクがあるから切除生検をしたほうがいいと言われ、2つめの病院では全く問題ない(細胞診する必要がない)と言われ、どちらを信じていいものか迷っています。
2)切除生検をした場合、乳腺を切ることになると思うのですが、それによってホルモンのバランスが崩れることや、今後出産(2人目を未定ですが)した場合、授乳できないといったリスクはあるのでしょうか?

異型乳管過形成は、乳腺症という良性の乳腺の疾患の一部の状態を指します。これは、普通、細胞診では確定診断はつけられませんので、組織診で診断する必要があります。癌化するというよりは、この状態が組織診で付いた場合、「あとから他の所に癌ができる確率が少しだけ高くなります。定期的な検診を怠らないようにしましょう。」という程度のものです。ですから、最初の病院はちょっと先走りぎみ、説明不足です。細胞診は、クラス1から5で診断がなされます。乳腺症の場合1か2です。3の時はさらに組織診を行ったりします。一方、マンモグラフィ、超音波では、「乳腺症である」という診断は下せても、異型乳管過形成という診断までは下せません。
よく遭遇するパターンは、「マンモグラフィ、超音波で乳腺症を疑うが所見でしこり様にみえる部分もあるので、念のために針生検(細胞診より太い針で組織の一部を切除して診断する)をしたら、異型乳管過形成であった。念のため6カ月後にマンモグラフィ、超音波をしましょう。」というようなものです。ということは、超音波でしこりやその他の異常がない2つ目の病院の結果からは何もしないが正解です。1)の答えですが、超音波の結果が1つ目と2つ目の病院でわかれたということで、細胞診によって変化がおきたとは思えません。まずは、短い間隔(3〜4カ月)で経過観察をしてみて、今すぐ生検する必要はないと思います。2)の答えですがホルモンバランスには関係ありません。切る部位によって、例えば乳頭の真下であれば授乳に影響がでる可能性はありますが、小さい生検であれば何ら、傷が残ること以外問題はありません。(文責 緒方)

 

No.3925】 05年05月23日     R.N.
炎症性乳癌…でしょうか?

はじめまして。お忙しいところ恐れ入りますが、ご意見をお聞かせいただければ幸いです。
現在28歳、妊娠23週で、出産予定は9月です。2ヶ月ほど前から、両方の乳房が赤くなってきました。乳輪を中心にして、乳房全体の7〜8割が常に赤く、(赤いのだから当然かもしれませんが)触るとほてっているようです。1ヶ月ほど前には、両乳房の乳輪より下部分に、周囲よりも更に赤いミミズ腫のような模様?ができました。妊娠線と考えて疑わなかったのですが、最近助産師さんに初めて乳房を見せたところ、赤みの原因が分からない様で、私が妊娠線だと思っていたものも、「妊娠線だったら、もっとくっきりぱっくり出るなぁ」と言われ、インターネットで検索したら「炎症性乳癌」の自覚症状が自分に当てはまる気がして、不安でたまらなくなりメールしました。乳腺外科も受診するつもりですが、予定があり、少し先になりそうなので・・・。
最近、両乳房とも、乳輪周辺の毛穴がへこんで目立ってきて、「オレンジの皮のような…」というのがまさにぴったり当てはまるように見えます。また右乳房の、乳輪より少し内側(左乳房寄り)に、直径1センチ程度の浅いへこみを見つけました(昔の“はんこ注射”の痕に似た感じです)。私自身初めて見ましたし、主人もこれまで気が付かなかったそうです。指で三角形を作ってこのへこみに肉を寄せると、毛穴のへこみも深くなりますが、このクレーターのようなものも深くなり、「えくぼ状」になります。それから、右乳房だけですが、赤くなっているあたりの感覚が鈍っているというか、左乳房に比べて、触ってもあまり感覚がありません。しびれている時や腫れている時のような感じで、薄い肌着一枚の上から爪で軽く掻くようにしても何も感じません。しこりは、自分で触ってみる範囲ではまったく感じられません。痛みは、寝起きにズキンと乳房の外側を中心にあるのと(これは妊娠初期からです)、日に数回、それほど頻繁ではありませんが、右乳房の乳輪付近を中心にチクっと刺すような感覚が走ります。

1) やはり疑いが強いと思われますか? 受診を急ぐべきでしょうか?
2) 乳癌での妊娠継続は可能のようですが、進行が早く予後が良くない炎症性乳癌であっても、それは可能なのでしょうか?
3) 現在は個人病院の産婦人科に通っていて、そこで出産するつもりでいたのですが、乳癌で出産となれば乳腺外科のある総合病院に転院すべきでしょうか?

長々と申し訳ありませんでした。お答えをいただければ幸いです。失礼致します。

1) 記載されている多くの症状は妊娠もしくは乳腺症で説明がつきそうです。また乳癌であれば両側に同じ症状がでる可能性は低いでしょう。しかし、えくぼ様の症状は要注意ですので、専門医を受診して下さい。
2) 基本的には妊娠を継続しながらの手術は可能です。また、現在妊娠23週であれば化学療法は出産後に行うことになります。
3) 乳癌であれば転院を薦めます。(文責 浜口)

 

No.3924】 05年05月23日     Y 
非浸潤ガンは放射線が有効なのですか?(HPNo.3578-2)

HPNo.3578でお世話になったものです。丁寧な回答ありがとうございました。4月中旬に非浸潤ガンの温存手術を終え、病理の結果がでました。手術してみたら思ったより広がっていて、わずかであるが断端陽性だったので陽性の部分に少し強めに放射線をかけると言われました。ガンの取り残しに放射線は有効な治療なのでしょうか? 素人の考えだと、少しでも残っていると再発の危険が高くなるように思えて不安でたまりません。ホルモンは陽性だけど、手術で取った腫瘍が全て非浸潤ガンだったからホルモン剤は飲まなくてもよいと言う結果でした。ガンが少しですが残っていて、ホルモン剤も飲まなくても大丈夫なのでしょうか。

乳房温存術後の乳房照射は局所再発率を約1/3に減少させ、有効な治療法です。非浸潤癌温存療法後、断端陽性例に対する補助療法では、放射線照射にタモキシフェン投与付加が局所再発抑制効果をあげることが認められておりますので、断端陽性であれば、タモキシフェン投与は有用と考えます。(文責 浜口)

 

No.3923】 05年05月23日     HI
タキソテール、タキソール

タキソテールとタキソールの選択と副作用についてお教えください。肺、肝臓に転移があり、ホルモン治療をしていましたが、肝臓だけが急速に進みました。肝臓のことを第一に考えた場合、副作用も考慮するとどちらにするのがよりよいのでしょうか。また、タキソテール3週毎とタキソール毎週では、副作用の大きさは一般的にはどのくらい違うのでしょうか。両方の話を聞きましたが、比較ではないのでよくわかりません。副作用防止のため、薬を前もって投与することはありますか。よろしくお願い致します。

発現率の高い脱毛、食欲不振、全身倦怠感、好中球減少などについては、大きな差はありませんが、タキソテールではむくみが、タキソールでは末梢神経障害、関節痛、筋肉痛が多くみられます。中でも投与量を減らさずに治療が続けられるかどうかを規定する因子は好中球減少であり、タキソテール3週毎投与では85%、タキソールの1週毎投与では10-20%にみられます。どちらの薬剤も1回投与量を少なくして投与回数を増やす方が副作用は少ない傾向にあります。転移性乳癌に対してタキソテールがタキソールより有意に生存期間延長するとの臨床試験結果もありますが、両者ともに多くの臨床試験で有用性の認められた薬剤であり、どちらの方がよいということはなく、どちらでもまずは開始したらよいと思います。吐気やアレルギーの副作用の軽減のために前投薬を使用するのは一般的です。(文責 浜口)

 

No.3922】 05年05月23日     G.K
治療法について(2) (HPNo.3851-2)

5/4に「治療法について」という題名で、母の癌についてメールさせていただきました。28歳男性です。前回回答、ありがとうございました。参考にさせていただきました。今回また、ご質問したいことがあります。以下の2点について、回答よろしくお願いします。
1) ハーセプチンの検査をした結果、効果がないという結果が出ました。抗がん剤(タキソール)のみを続けて行うことになりました。自宅にある本には、抗がん剤のみの治療より、ハーセプチン+抗がん剤の治療の方が効果があると書いてありましたが、ハーセプチンの使用なしで大丈夫なのでしょうか? 担当医は、「ハーセプチンが効くほうが悪い癌」と言っていますが、「ハーセプチンが効果なし」という判定は、「効果あり」に比べてよい状態と判断してよいのでしょうか?
2) 4月から、タキソールとアレディアの点滴を行っています。母の4月の白血球の数が4900→4700→4300というように、減少していました。しかし、5月になってからは、7300→7700と増加しています。この現象は、母の体内で炎症か何かが起こっているのでしょうか? 抗がん剤をやっているにも関わらず増加しているというのは、抗がん剤があまり効いていないということなのでしょうか? また、母は毎日体によいとされる健康食品をいろいろ試しています。それが、白血球の増加に関係しているのでしょうか?

以上です。よろしく回答お願いします。

ハーセプチンのターゲットになるHER2蛋白は癌の増殖に関与しており、HER2高発現は低発現に比較してリスクが高いと考えられます。発現が低いのであれば、ハーセプチンの治療効果は期待できず、タキソール単独でよろしいのではないでしょうか。白血球についてはタキソールの毎週投与のケースでは3-4週目まで低下しますが、その後は下げ止まるケースが多いようです。白血球はもともと様々な因子によって変化しますので、極端に高くなったり、発熱などの症状を伴ったりしていなければ、あまり心配しないでいいでしょう。健康食品についてはわかりません。恐らく関係ないでしょう。(文責 浜口)

 

No.3921】 05年05月22日     niko
遠隔転移を起こした場合の予後は?

48歳の義姉の乳癌の事で教えて頂きたいのです。H15年末に抗がん剤治療をした後、左胸を全摘、半年後に左鎖骨の下辺りにしこりができ(再発?)放射線にて治療。そして今回ひどい咳が急に出るようになった為、詳しく検査をした所、右の肺(胸膜?)の背中側に転移が見つかり、胸水も少したまっているとの事。姉のがん細胞はホルモン療法は効かないタイプ(顔つきもかなり悪い)なので、今回は飲む抗がん剤で治療(とりあえず3週間投与)するとの事。短い間に再発が続いているので、今後の事がとても心配です。このような状況の場合、予後はかなり厳しいのでしょうか?大雑把な内容でお答えしにくいかもしれませんが、宜しくお願いします。 

再発乳癌の場合はなかなか治癒は期待できず、特にホルモンレセプター陰性であればホルモン剤の治療効果も期待できませんので、抗癌剤治療により病状が進行しないよにしていくことになります。予後は治療の効果次第です。(文責 浜口)

 

No.3920】 05年05月22日     I・T
術後治療について(HPNo.3671-2)

HPNo.3671で前に質問させていただいたものです。ありがとうございました。石灰化病変があり、温存手術をしました。放射線治療はまだ始めていません。病理検査の結果、ホルモン療法が使えないということで、放射線治療の後に抗ガン剤治療をと勧められています。手術で取り切れていると思われるが、年齢(35歳)と、石灰化が2×5センチと広範囲であったことなどから考えて、もう片方もガンになる可能性があり、予防のためにということでした。リンパは主治医の考え(石灰化の場合必要ない)のもと取っていません。保険会社への診断書には invasive ductal carcinoma  T1 と書かれています。浸潤があり、しこりが2センチ以下と言うことでしょうか。全くしこりは触れなかったし、主治医に聞いてもしこりがあったという答えは得られませんでした。
1.抗ガン剤を使った場合、今後妊娠は不可能なのでしょうか。すぐに予定があるわけではありませんが、可能性は残しておきたいのです。
2.抗ガン剤にもいろいろあるとのことですが、初めからかなり強いものを使った方がよいのでしょうか。比較的マイルドな副作用のものとはどういうものでしょうか。
3.勧めている治療は国際標準だと言うことなのですが、放射線のみの治療では再発転移を防ぐことはできませんか。
4.なぜ放射線治療と抗ガン剤治療は同時にできないのですか。少しでも重なった部分があるといけませんか。
5.ホルモン感受性がないガンの方が予後は悪いのでしょうか。

どうぞよろしくお願いします。

抗癌剤を使用した場合は、薬剤の種類によっても頻度は変わってきますが、卵巣機能抑制作用により、閉経状態となることがあり、妊娠ができなくなる可能性はあります。一般的にはホルモンレセプター陰性で腫瘍が2cm以上、年齢35歳未満、組織学的異型度2-3、リンパ節転移陽性の場合には、再発リスクが低くなく抗癌剤治療が薦められます。アンスラサイクリン系薬剤が標準的ですが、古くから用いられているCMFも生存率で3%程度低いと考えられていますが、脱毛などの副作用が出にくく、比較的リスクの低い患者さんには使用されています。放射線治療はあくまで局所の治療であり、局所再発を減らすことはできても遠隔転移を予防することはできません。放射線と抗癌剤による相乗的な副作用を回避するために、外来で安全に治療を進めるために、なるべく同時には施行しない方がよいと考えます。ホルモン感受性陰性はホルモン剤による治療も期待できず、陽性に比べるとリスクが高いと考えられます。(文責 浜口)

 

No.3919】 05年05月22日     E.K
ホルモン剤について

2000年6月、ステージ1の乳癌で温存手術をしました。しこりの大きさ1.5センチ、リンパ節転移なし、現在46歳です。術後2年間ゾラデックスを注射し、その後タスオミンを服薬しています。術後閉経していましたが、先月生理が戻ってきました。先日受診の際、主治医に「そろそろタスオミンを服薬し5年になるので、中止して宜しいでしょうか?」と質問したところ、「10年飲んでても大丈夫なので、継続して服薬してください」とのお返事でした。私としましては術後10kも体重増加があり、脂肪肝にもなっておりますので服薬を中止したいのですが、やはりこのまま服薬していた方が再発率は低くなるのでしょうか?宜しくお願い致します。

現在、5年間を越えてホルモン剤を変更して治療を延長する臨床試験も行われておりますが、現時点では再発傾向などがないのであれば、基本的にはホルモン治療はトータル5年間で終了してよいと思います。タスオミン服用中は中性脂肪(トリグリセリド)が高くなることがありますので、脂肪肝があるのであれば、それもチェックしておくとよいでしょう。 (文責 浜口)

 

No.3918】 05年05月22日     Y
ホルモン療法による肝機能障害について

75歳になります母の乳がんホルモン治療についてご相談いたします。2003年4月に粘液がんのため左乳房全摘し、T3N0M0、stageUBで、リンパ節転移なし・ホルモンレセプター陽性でした。術後は、ノルバデックス服用のみで治療をしてきました。2004年7月頃から腫瘍マーカー(CEA)が少しずつ上昇してきました(術後の腫瘍マーカーは8と高く、それが11に上昇してきました)。CT造影剤で検査しましたが、転移は見つかりませんでした。また、消化器系・婦人科も異常は見つかりませんでした。そこで、ノルバデックスからアリミデックスに薬を変更するになり、2004年11月からアリミデックスを服用しました。しかし、2005年1月の採血で肝機能のGOTとGPTが正常値の2倍ぐらいになっていました(2004年8月の採血では正常値内でした)。主治医によるとアリミデックスによる薬害ではないかということで、急遽アリミデックスの服用を中止しました(肝臓のCTなどの検査はしておりません)。2005年2月の採血では正常値内ではありませんでしたが、GOTとGPTはかなり下がりました。肝臓の働きを良くするために、ウルソ100錠とプロヘパール錠を服用することになりました。2005年4月の採血では、やはり正常値内ではありませんでしたが、再発の心配もあるということで、アロマシンを服用することになり、ウルソ100錠とプロヘパール錠も引き続き服用しました。 2005年5月の採血ではGOTとGPTが再び正常値の2倍ぐらいに上がり、アロマシン服用が中止になりました。ウルソ100錠とプロヘパール錠服用で様子を見ることになりました。以上の経過から先生のご意見をお聞かせください。どうぞよろしくお願いいたします。
1) ホルモン剤の切り替えは、ある程度期間をあけるものなのでしょうか。
2) アルミデックス・アロマシンの副作用を調べてみましたが、肝機能に影響を与えるような記述を見つけることが出来ませんでした。肝機能に副作用があるものでしょうか。ノルバデックスには肝機能に副作用があるような記述がありましたが、母の場合、ノルバデックスが影響しているのでしょうか。
3) 母の場合、今後ホルモン剤は服用できるのでしょうか。粘液がんも転移がありますが、もしホルモン剤が服用できないとすると、転移・再発のリスクを抑えるためにはどのような治療の選択肢があるのでしょうか。

肝機能障害がなければ、ホルモン剤の切り替えに期間をおく必要はありません。アリミデックスもアロマシンも1%以下と少ないですが、肝機能障害の副作用は報告されています。薬剤性肝障害は投薬中止と共に改善しますので、やはり、アリミデックス、アロマシンが原因であった可能性が高そうです。経過からはノルバデックスは関係ないと考えます。年齢や病状を考慮しますと、抗癌剤治療のメリットはなさそうですので、他のホルモン剤を試してみるか、治療なしで経過観察ということになるでしょう。また、CEAは乳癌に特異的な腫瘍マーカーではありませんので、他にCEAを高くする病気がないかのチェックもしておく必要があるかもしれません。(文責 浜口)

 

No.3917】 05年05月22日     km
ノルバデックスの副作用?

はじめまして。私は半年前に早期右乳癌で温存術と放射線治療を受け、今はノルバデックスを服用中の47歳未婚です。3月に婦人科検診を受けて子宮筋腫が見つかり、症状も無く小さいので経過観察になりました。今月の生理が長引き、終わったと思っていたら1週間もしないうちに、また出血が始まったので、婦人科で診察を受けたところ、ノルバデックスの影響との事です。子宮筋腫も少し大きくなっているとの事でした。先生の話では、薬を止められたら良いけど、薬を止めるのは再発の危険も有るし、筋腫が大きくなったり症状が酷くなると子宮を取らなくてはいけないとおっしゃていましたが、薬を止めないで、子宮も手術しないでよい方法って有るのでしょうか? 教えて下さい。  

術後ホルモン療法は、再発予防の効果が高く、5年間施行するのが標準です。ホルモンレセプター陽性、閉経前に対するホルモン療法としては、ノルバデックスの他にもう少しリスクの高い患者さんに使用するLH-RHアゴニスト(ゾラデックス、リュープリン)があります。子宮筋腫の状況にもよるとは思いますが、後者は子宮筋腫の治療薬としても使用されるので、有効かもしれません。LH-RHアゴニストを2年間使用して、その後血中エストロゲンが閉経後のレベルまで下がっているようであれば、アロマターゼ阻害剤で3年間治療するとよいのではないでしょうか。子宮筋腫は良性の疾患で、乳癌は悪性の疾患ですので、可能であれば、なんとかホルモン療法を完遂できるように、主治医の先生と相談して決めて下さい。(文責 浜口)

 

No.3916】 05年05月22日     k
石灰化について

はじめまして。相談したいことがあり、メールしました。宜しくお願い致します。昨日、某病院で婦人科ドッグを受けました。子宮ガン検診(触診・超音波・細胞診)・乳がん検診(触診・超音波・マンモグラフィ)です。子宮ガン検診では、触診&超音波共に問題なく、細胞診のみ結果に時間がかかる為、後日郵送ということでした。気になるのは乳がん検診のことですが、触診・超音波は問題が無いとのことでしたが、マンモグラフィを医師が見た際に、「片方の胸に大きめの丸い石灰化が有り、もう片方の胸には小さい石灰化が3個位有るなあ・・・微細や線状じゃないから大丈夫かなぁ・・・と思うけど、専門の先生に見てもらわないと私じゃ判断出来ない。結果は郵送で送ります。」とのことでした。怖くなり、帰ってネットで色々と見たところ、
Q1:石灰化で悪性のものは「乳がんの初期」だと書いていました。そうなのでしょうか?
Q2:石灰化はどういう治療になるのでしょうか?
Q3:治療は簡単なもので済むものなのでしょうか?
Q4:良性も悪性も手術して取り出さなくてはいけないのでしょうか?
Q5:抗がん剤を投与する必要があるのでしょうか?

結果が出るまで2週間ということでしたので、とても長くて不安です。質問多くて、お忙しいところ申し訳ありません。お手数ですが、どうぞ宜しくお願いします。

マンモグラフィで発見される石灰化には良性で治療の必要ないものから乳癌で手術の必要なものまで様々なものが含まれています。石灰化の形状や分布から乳癌の心配があるかを判断して、乳癌の可能性があれば、組織を採取する検査を行い、病理学的に診断をつけます。乳癌であれば乳癌に対する治療(手術、放射線、ホルモン、化学療法など)をその進行度に応じて行います。文章の内容から推測すると、悪性の可能性は低く、あまり心配しないでよさそうですが。(文責 浜口)

 

No.3915】 05年05月22日     E 
早期手術希望

横浜在住、主婦、45歳です。国立病院で乳癌の全摘出手術を行う事になりましたが、1ヶ月先との説明です。私の希望として早くに手術をしたいのですが。主治医に相談しましたが、今100人以上の患者さんを抱えているので早くは無理とのお話でした。

手術患者さんの多い病院ほど手術までの待ち期間が長くなる傾向にあるのは確かです。1ヶ月で癌が急に進行する可能性は低いですので、信頼のできる病院、主治医なのであれば待っていいのではないでしょうか。どうしても早期の手術を希望するのであれば、早く手術のできる病院を紹介してもらうしかないのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.3914】 05年05月22日     R.H.
乳癌の予後について

妹(39歳)。既婚。3歳の子供一人。先日、左乳癌と診断があり、とても心配しています。 医師より「ステージUAまたは、Ub。ホルモンレセプターが陰性、硬癌だ」と言われたのですが、この場合、予後が悪いのですか?

乳癌の予後予測に関連する因子としては、ホルモンレセプター、年齢とともに腫瘍径やリンパ節転移の程度、HER2発現などが重要です。ホルモンレセプター陰性でリンパ節転移があるようであれば、再発のリスクは高くなってきますので、術後の抗癌剤治療が必要になるでしょう。(文責 浜口)

 

No.3913】 05年05月22日     HF
ハーセプチン休薬中(HPNo.3740-4

いつも参考にさせて頂き、ありがとうございます。前回、ハーセプチンによる心機能低下についてご質問させて頂きました。その後の薬をどうするか診断を受けたところ、やはり心臓なので、自覚症状が出てからでは遅いので(今は自覚症状なし)、3ヶ月程度はハーセプチンを休みましょう、と言われました。その代わりの薬をどうするか、ということで、タキソテールはどうかと医師に話したところ、「ゼローダ単独でいいでしょう」とのことでした(ゼローダは、服用を始めて3週間です。来週から2クール目です。)。昨年8月からハーセプチン+タキソールを投薬していましたが、年明け辺りから効果が出なくなったため、4月下旬よりタキソールをゼローダに変えました。タキソールが効果がなくなったため、タキソテールにしても、タキサン系であまり変わらないでしょうというのと、短期間であれこれ薬を変えるのはあまり好ましくない、というのが医師の意見です。ただ、私としては3ヶ月もの間、ゼローダ単独でいくのに不安があります。3ヵ月間(心機能が回復するまでの間)ゼローダ単独でもよいと思われますか?ご意見お伺いできたらと思います。もちろん人それぞれ効果は違うとは思うのですが、私は骨転移ありで手術不能、現在の腫瘍もまだ大きく、また治療されている患者さんのお話を聞いても、併用の方が効果は高いと言う話しを多く聞きます。現在までに使用した薬は、CEを2回(吐き気がひどかったため2回で終了)、ハーセプチン、タキソール、アレディア、リュープリン、ゼローダです。もう一つ、お聞きしたい事があります。皮膚転移というのはどのような症状でしょうか。私は治療箇所にガーゼをあてているため、テープかぶれがあり、かゆみがあります。爪をたててポリポリかいているとあちこちが赤くなり、不安になることがあるので、教えて頂けたらと思います。長くなりましたが、どうぞ宜しくお願い致します。

転移性乳癌のThird lineとしてのゼローダ単独投与の奏効率は20%程度期待できます。確かにハーセプチンやタキサンとの併用も臨床試験で効果が期待されますが、例えば、ゼローダにタキサンを併用しても、ゼローダ無効時にタキサンに切り替えても、生存期間に差はありません。ゼローダ3週間では効果があったかどうかも判定できず、まずはもう少し続けてみてはいかがでしょうか。副作用や全身状態と相談しながら、併用も考慮したらどうでしょう。皮膚転移についてはテープかぶれやかきむしったキズとは違い硬くなり、じくじくしてくることが多いです。主治医の先生に診てもらえばすぐわかるでしょう。(文責 浜口)

 

No.3912】 05年05月21日     HY
ホルモン剤と抗がん剤の併用について(2)(HPNo.3845-2)

HPNo.3845のHYです。前回、ご回答いただき本当に有り難うございました。私の場合、再発乳がんで、ホルモンレセプターが陽性なので、効果が期待できるからと、引き続き抗がん剤と併用しています。昨日、CAFの4クール目が終わりました(一応、4クールで終わりの予定です)。実は、3クール目が終わってから、左の鎖骨上のリンパ節に転移した癌が、左首の下部を圧迫する感じがしたので、受診したところ、首〜胸のCTをとることになりました(4月23日)。その結果、左首の部分の血管がぼんやりした状態(右首の血管ははっきりしている)になっており、肺は正常ながら、右胸の下の部分に少し水がたまっているとのことでした(原発は右乳がんです)。前回、1月上旬にとったCTでは、鎖骨上のリンパ節をはじめ、このようなことは全く見られなかったことです。主治医の先生は、3クールが終わった段階でこういう症状が出ているのは、CAFがあまり効いていないのでは・・・とおっしゃり、「ゼローダ+ハーセプチン」の治療法を提示されました。現在、使用できるか、HER2を検査中です。HER2も、「+1」程度では、あまり効果がないように言われました。ハーセプチンが使えるなら、そうしていただきたいのですが、使えない場合の治療法はどのようなものが考えられますでしょうか。また、CAFの効き目が現れるのは、どれくらいからでしょうか。現状から判断されて、私には効き目がなかったのでしょうか。これらの点について、お教えいただければ、とても有り難く存じます。ご多忙中、まことに恐縮ですが、どうぞよろしくお願い申しあげます。

CAFを開始して3サイクル終了した時点で病状が進行してきているのであれば、治療はあまり効果がでていないと判断して他の治療に変更してよいのではないでしょうか。HER2が高発現しているのであれば、ハーセプチンを軸にタキサン系やゼローダ、ナベルビンなどの併用が考えられます。ハーセプチンが使用できない場合であれば、タキサン系抗癌剤の使用をまず試してみてはどうでしょう。(文責 浜口)

 

No.3911】 05年05月21日     S 
再発時の治療について

お世話になります。昨年3月に左乳がん温存術を受けました。術後の細胞の結果で炎症性乳がん、ホルモンレセプター(−)、HER2(1+)、リンパ節転移17個ありました。術後AC+タキソールを3週毎、各4クールと、放射線25回しました。手術直後より乳房が赤く腫れ、すでに再発かもと言われましたが、タキソールを始めてから赤みが引き、少しは効いているのかもと思っていたのですが、今年4月に左鎖骨上が腫れているのを見つけ、悪性がでました。骨シンチでも胸骨転移が見つかり、今後の治療について検討中で、どの選択肢を取るか決めるように言われ、悩んでおります。主治医から提示されたのは、AC、タキソール、ゼロータ、ジャムザール、ナベルピンです。ACとタキソールはすでに使っているので、他のものがいいかもと言われています。ジャムザールとナベルピンはどちらがどうか忘れたのですが、6月から認可、どちらかは治験と伺いました。また、その他にも考えられる治療法はありますか。覚悟はしていたのですが、再発が早く、困惑し、こうしている間にも、どんどん進行しているのだと不安でなりません。自分で色々と調べてはみたのですが、よくわからず困っております。ご意見をお伺いし参考にしたく、どうぞよろしくお願い致します。

ホルモンレセプター陰性、HER2:1+であれば、治療はやはり抗癌剤中心ということになるでしょう。AC、タキソールは使用したので、使用していない抗癌剤を使うのがよいでしょう。使用前に効果を予測するのは難しいので、どの抗癌剤を使うのが正しいということはありません。まずは治療を開始してみて、効果があれば続け、効果が無ければ他の抗癌剤に変更していけばよいのではないでしょうか。タキソールがある程度効果があったのであれば、タキサン系のタキソテールを試してみるのも選択肢のひとつと考えます。(文責 浜口)

 

No.3910】 05年05月21日     M.M
温存か、全摘+再建か、決め兼ねています

ご相談させていただきます。40歳女性です。4月に近所の病院で検査(マンモグラフィー、超音波、細胞診)をしたところ、乳がんの疑いが高いと言われ、大学病院を紹介されて検査(CT、超音波)し、乳がん手術が必要となりました。温存が可能とのことですが、乳首近くの下にあるため、変形すると言われました。できるだけ元の形にしたいと思うので、温存か全摘+再建(再建手術は1度にしたい)か決め兼ねています。
1) 温存、全摘のメリット、デメリットを教えてください。
2) セカンドオピニオンを受けたいのですが、手術日が後に伸びると言われています。1ヶ月程度で手術したほうが良いと言われましたが、早く手術すべきでしょうか。納得する時間がほしいのですが。

1) 温存手術のメリットは乳房が残るということで、デメリットは残った乳腺に局所再発する可能性があるということ。全摘はその逆です。
2) 手術に対し納得しているのであれば、手術日を伸ばす理由はないと思いますが、納得しないで手術を受けるのはよくありません。乳癌が触ってわかるようになるまでには、年単位の時間がかかっていると考えられますので、1-2週間で急激に進行する可能性は低く、セカンドオピニオンを受けたいのであれば受けて、納得した状態で手術に臨んだらよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.3909】 05年05月21日     M.O.
乳腺症について

大学病院で、超音波検査のみで1時間もの診察がかかりました(1回めにマンモはやっています)。診断は乳腺症。そこで疑問をもったので質問なのですが、
1) 触診ではしこりを触れるのに超音波上ではよくわからない。刺しても、ごつごつしているので、どこを刺していいのかわからないとの事。細胞診をせずに、良性(乳腺症)、癌化のリスクも無いと言われましたが、細胞診もしないのに言い切れるものでしょうか?
2) 逆に、乳腺症のなかで将来癌化のリスクのある(異型過形成)の診断は、マンモと超音波と細胞診だけでつくものでしょうか?

1) 触診で硬く触れたとしても、必ずしもそれが腫瘍であるとは限らず、乳腺症により硬くなった乳腺を腫瘤のように触知することは考えられます。触診で触れる腫瘍を超音波で描出できない可能性は低く、やはり乳腺症の可能性が高いと考えます。
2) 異型性過形成は組織学的診断ですので、組織をとらないと診断はできません。(文責 浜口)

 

No.3908】 05年05月21日     T  
水泡が腫瘍に変わることがあるのでしょうか?

2003年の健康診断で乳がん検診を受け、再検査を受けるよう言われました。大阪K病院の乳腺科を受診したところ、腫瘍はないが水泡があるので経過観察が必要、毎年検査を受けるように言われました。そのため2004年も大阪K病院で乳がん検診をうけました。結果はやはり経過観察要ということでした。今年も先日検査をうけましたが、超音波検査の際、『しこりがあるので心配はないですが、精密検査を受けてください。乳腺症と思うので、心配はないですが細胞をとって検査したほうがよいでしょう。精密検査を受けてください。』との事でした。それ以上の説明はなく、しこりがあると言われて気が動転し、こちらから質問することもできませんでした。水泡があるので経過観察要となっていたことから考えると、水泡が腫瘍になったということでしょうか? 細胞をとる精密検査とは、どのようなものでしょうか? 今まで小さな怪我さえしたことがなく、体を切られたり縫ったりしたことがありません。細胞をとると聞いただけで、ものすごく不安です。心配がないのであれば検査を受けたくないのですが、水泡が悪性の腫瘍に変化するということはあるのでしょうか?

水泡というのは、恐らくのう胞のことだと思います。のう胞は多くの場合は乳腺症などの変化に伴いできる液体の貯まった袋で、良性で治療が必要ないことがほとんどです。しかし、稀にはのう胞の中に腫瘍があることもあります。腫瘍の可能性があるのであれば、細胞をとる検査をすることをお勧めします。(文責 浜口)

 

No.3907】 05年05月21日     Y 
妊娠について

28歳の主婦です。24歳の時に右乳房全摘手術をし、2年間リュープリンの注射をしました。リンパ節転移が1つあり、腫瘍は2.5cmでした。子供が欲しく先生に相談したところ、「5年待ったほうが3年より再発率が下がるけど、あとは旦那さんと相談して決めて下さい。」と言われました。現在6ヶ月経ち、いまだに妊娠する気配がなく婦人科に相談したところ、高温期の体温が低いので黄体ホルモンを上げる薬を飲むようにいわれ、デュファストンという薬を渡されたのですが、飲んでも大丈夫なのでしょうか? アドバイス、よろしくお願いします。

デュファストンはエストロゲン作用のない合成黄体ホルモン剤です。類似の黄体ホルモン剤は乳癌の治療にも使用しますので、デュファストンの投与が乳癌再発のリスクを高める可能性は低いと考えます。(文責 浜口)

 

No.3906】 05年05月21日     K子 
検査結果について

右胸にしこり(1〜1.5cmくらい)があったので、乳腺外科を受診しました。マンモグラフィー、超音波の結果、細胞診をすることになったのですが、細胞診の結果は診断不能という事でした。主治医の先生はマンモグラフィーと超音波の結果から診て線維腺腫と診断されましたが、細胞診の再検査はしなくていいのでしょうか。

画像その他の所見で悪性を疑う所見がなければ、経過観察でも宜しいのではないでしょうか。細胞診も良悪性の診断的中率は90%前後ですので、もしも心配で診断を確定したいのであれば、細胞診ではなく組織診をすることになります。(文責 浜口)

 

No.3905】 05年05月21日     N 
術後の治療について

先日母が右乳房全摘手術を受けました。小胸筋の一部も切除するほど奥にあったらしいのですが、肺などへの転移は無かったみたいです。リンパ腺の1,2本くらいに転移があったらしく、念のため3本目も取ったとのことでした。術後の傷の経過はとても良いのですが、今後の治療が悩みです。というのも、母は肝臓の状態が良くない為に抗がん剤が使えないのです。術前に採取した細胞診の結果は、ホルモンレセプター陰性でした。Her2は陽性だったらしく、とりあえずハーセプチンを使用する方向なのですが、ハーセプチンは再発乳癌に対して使われ、また通常単独でも使わないんですよね? 切除したものの細胞診の結果はこれからなので、ホルモン療法が出来る結果だといいのですが・・・。自分なりに本で調べたりしているのですが、何かよい方法はありませんでしょうか。遠方に住んでおり、休みの週末を使って見舞っている為、私自身は主治医と話が出来ていません。わかりにくい内容でしたら御了承下さい。

リンパ節転移があり、ホルモンレセプター陰性であれば、やはり標準治療は抗癌剤による化学療法です。ハーセプチンは現在のところ再発乳癌にのみ適応となっていますが、現在進行中の臨床試験で術後予防的投与での有効性が確認されつつあります。肝機能障害があるとしても、その程度によっては化学療法も可能かもしれませんので、まずは主治医の先生とよくお話ししてみて下さい。(文責 浜口)

 

No.3904】 05年05月21日     H.K.
リンパ浮腫について

左乳房切除後、3年8ヶ月ほど経ちますが、これまでリンパ浮腫に悩まされたことはありませんでした。ところが、数日前から左手甲の部分が腫れています。素人判断ですが、原因として思い当たるのが、職場の健康診断の際、血圧測定を左腕で行ったのがよくなかったのではないかと思われます。これまで左腕での採血や血圧測定には気をつけていたのですが、たまたま健康診断の担当看護師が採血とは反対の腕を出してくださいと言われ、それに従いました。術後、数年経過して、このようなことが起こることがあるのでしょうか? また、むくみを取るためには、どのような対処方法がありますでしょうか?

術後早期だけでなく、数年が経過してからもリンパ浮腫が起こる可能性はあります。血圧測定が直接の原因とは考えにくく、対処としては手の先から中枢側に向けてのマッサージ(強くマッサージせず、さする様にやるのがコツです)や、腕を高くして寝るなどの方法を試してみて下さい。(文責 浜口)

 

No.3903】 05年05月21日     S 
乳腺線維腺腫の悪性化?

30歳女性、8ヶ月の子供に授乳中です。2年ほど前、乳がん検査で”乳腺線維腺腫の疑いあり”という結果が出て、近くの大学病院でエコーと穿刺吸引細胞診を受けました。エコーでは楕円形のくっきりとした黒いしこり(9.7ミリ)が写り、細胞診では組織を吸い上げることができず、失敗に終わりました。当時の医者の見解では、悪性である確立は低く、今後も半年毎に様子を見ましょうとのことでした。その後も大きさ、形状ともに変化なく来たのですが、授乳をするようになってからその形状が変わってきて、昨年10月のエコー検診から、その腫瘍の表面がゴツゴツした形になってきているようです。先月(4月)再びエコー検診に行きましたが、10月の検診から大きさ形状ともに変化なしとのことでした(現時点の腫瘍の大きさは1センチくらいとのことです)。

1)断乳後に細胞検査と言われたのですが、本当に断乳が必要なのでしょうか?(できればまだ断乳したくありません)
2)また、二人目妊娠の可能性があるのですが、今の状態で二人目妊娠は危険でしょうか?
3)良性といわれた乳腺線維腺腫が悪性に変化する可能性はあるのでしょうか? また、私の今の状態で、悪性の可能性は高いと考えられますか?

妊娠の可能性もあり、とても悩んでいます。お答え、よろしくお願いします。

1)妊娠中、授乳中の乳腺は増殖しているため、細胞診による悪性の診断が困難であり、授乳と診断、治療のどちらを優先するかによりますが、悪性の可能性を疑い、診断を優先するのであれば、断乳も考慮すべきでしょう。
2)線維腺腫であれば心配いりません。
3)線維腺腫が癌になることは基本的にはありません。悪性の可能性は高くはないと考えますが、文面だけからでは判断はできません。(文責 浜口)

 

No.3902】 05年05月21日     マコ
抗がん剤について

HPNo.3891さんへのご回答を見てメールしています。私とよく似た状態の方です。ただ一番大きな違いは、リンパ節転移です。私は2個ありましたが、HPNo.3891さんはありませんでした。私は42歳閉経前、ホルモン感受性+、HER2 - 、硬癌、核異型度 2、1.2cmです。中間リスクに該当していますが、薦められる抗がん剤のレジメンはアンスラサイクリン系でしょうか? CMFは私には適用がないでしょうか? AC+Tは、Tを先にすることはないのでしょうか? よろしくお願いします。 

多くの臨床試験がCMFに比較してアンスラサイクリンを含むレジメンが優れていることを示しており、生存率で約3%の差があると言われています。しかし、脱毛等の副作用がアンスラサイクリンを含むレジメンで多いのも事実です。CMFの適応がないわけではなく、それぞれの治療法のメリット、デメリットを考慮して、それぞれの患者さんにあった治療を選択することが重要です。特別な事情がないのであれば、恐らく私もアンスラサイクリンを含むレジメンをお薦めします。また、アンスラサイクリンを含むレジメンとタキサンの使用については、タキサンを先行させる臨床試験もあり、現時点ではどちらを先にやるべきか結論は出ていません。(文責 浜口)

 

No.3901】 05年05月19日     Y 
化学療法、抗体療法について(2)(HPNo.3889-2)

最初からTaxol+Herceptinを使おうといった病院は皮膚浸潤を転移と考えてのことだと思います。CT検査の結果、転移は見られないとのことでした。(骨スキャンは行っておりません。するべきでしょうか? 現時点では症状はありません。) 皮膚浸潤がある場合(現時点では乳首の周囲が黒く、乳輪の部分がすこし茶色く、でこぼこしていますが、血性分泌は見られておりません。これを皮膚転移と見るべきでしょうか?)、ACをやるよりも先にTaxol+Herceptinを行ったほうが治療成績はいいのでしょうか?もしエビデンスがない場合は、先生のお考えでも結構ですのでお聞かせください。よろしくお願いします。

ACよりは、Herceptin + Taxolの方が、治療効果は良好です。皮膚転移と考えるには、現実、皮膚の病理所見が必要です。お話からは、皮膚転移というには、少し弱い所見かと思いますが、実地臨床では、皮膚転移と考えてHerceptinを投与することもあります。ただ、今回のケースでは、今後、手術を考えていると思いますので・・・、だとしたら、Herceptin + Taxolをいつまで続けるかという問題が残りますので、best choiceはACを行って、その後にTaxolを投与だと考えます。(文責 鈴木)