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相談室

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 なお、個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。ご相談内容は  info@kbcts.gr.jp   まで、メールでご連絡下さい。
なお当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

2200 04/02/25 T  術後補助療法について 石山
2199 04/02/24 R 母の乳がんについて 石山
2198-1
2198-2

2198-3
2198-4
04/02/23
04/03/19
04/03/25
04/09/23
choco 手術方法の選択で悩んでおります
手術待ち
痛みと腫れ
放射線治療について
石山
片山
片山
須田
2197 04/02/23 K.K.  今後の治療について 石山
2196 04/02/23 A.H 血性分泌 石山
2195 04/02/23 M.H.  左腋下の痛み 石山
2194-1
2194-2

2194-3
2194-4
04/02/23
04/02/29
04/04/14
04/05/03
S 術後の違和感
左の掌
左の掌(2)
左の掌(3)
石山
石山
加藤
清水
2193-1
2193-2

2193-3
2193-4
2193-5
2193-6
04/02/22
04/02/26
04/04/23
04/06/18
06/01/28
06/03/07
R.M. 腫瘤がなく血性分泌だけの癌の判断
血性分泌で乳腺症で診断された場合
血性分泌が止まった場合の今後について
出血はその後ありませんが、乳房痛が気になります
分泌物がまた現れるようになりました
転移後の抗がん剤治療について
石山
石山
清水
麻賀
千島
石川
2192 04/02/22 Y.F. 腋下のしこりについて 石山
2191-1
2191-2
04/02/22
04/03/23
ねえね ホルモン治療と腫瘍マーカーについて
ホルモン治療と腫瘍マーカーについて(2)
石山
片山
2190 04/02/22 ゆみ 乳輪のぶつぶつ 石山
2189 04/02/22 結婚5年目 乳首のかゆみ 石山
2188 04/02/22 T.I.  薬の副作用について 石山
2187-1
2187-2
04/02/21
04/03/15
Y.K. 鎖骨リンパ節への再発について
鎖骨リンパ節への再発について(2)
石山
稲葉
2186 04/02/21 Y 手術する方がいいのか不安です 石山
2185 04/02/21 M.I.  補助療法について(HPNo.1868-6) 石山
2184 04/02/21 N.N 男性ですが、乳首が腫れて、触れると痛い 石山
2183 04/02/21 R.U.  リュープリン注射の場所について(HPNo.1441-3) 石山
2182 04/02/20 Ruri ブラジャーと乳癌 石山
2181-1
2181-2
04/02/19
04/02/21
N
 
乳首の湿疹
乳首の湿疹(2)
石山
石山
2180 04/02/19 お茶 ホルモン療法について(HPNo.2009-2) 石山
2179 04/02/17 S・M 乳がん骨転移の治療法について 石山
2178-1
2178-2

2178-3
2178-4
2178-5
2178-6
2178-7
2178-8
04/02/17
04/03/18
04/03/21
04/04/10
04/05/26
04/06/20
04/07/11
04/10/05
H  術後補助療法の違いについて
コメド癌からの乳頭腺管癌について
同時性乳癌について
乳管腺葉切除について
肋骨の痛みについて
ICTP値について
頸部リンパ節転移とは?
足の痛みについて
石山
片山
片山
加藤
鈴木

千島
福間
2177 04/02/17 K.S.  急に大きくなった胸のしこり 石山
2176 04/02/17 C.S   セカンドオピニオンに混乱しています 石山
2175-1
2175-2
04/02/17
04/02/20
M.S. 乳管内乳頭腫の生検について
マンモトーム生検
石山
石山
2174 04/02/16 M.K. 乳房の痛み 石山
2173 04/02/16 MOMO マンモグラフィーの所見について 石山
2172 04/02/16 Y.O. 微細石灰化、診断・検査方法について 石田
2171 04/02/16 MJ 乳首の小さなできもの 石田
2170 04/02/16 F 右脇下のしこり 石田
2169 04/02/16 M.Y. 母の乳癌について 石田
2168 04/02/14 R.M. 早めの診察が必要でしょうか? 石田
2167 04/02/13 M.R. しこりの触れない乳がんとは? 石田
2166 04/02/13 momo 骨転移でしょうか? (HPNo.1295-4) 石田
2165 04/02/13 S.S 乳首と乳輪のかゆみ 石田
2164 04/02/11 KAZ しこりの治療について 石田
2163-1
2163-2

2163-3
04/02/11
04/06/06
06/03/17
AYA  再発でしょうか?
骨密度
再発でしょうか?
石田
須田
須田
2162 04/02/11 H.H. 異常なのでしょうか? 石田
2161 04/02/11 K.T. 手術後の胸(心臓)の痛みについて 石田
2160 04/02/09 K PET 石田
2159 04/02/09 A.M. 線維腺腫摘出手術について 石田
2158 04/02/09 T.T.  肝臓転移 石田
2157 04/02/09 M.I. 抗がん剤治療について 石田
2156 04/02/09 R.I.  再乳癌の治療法について 石田
2155 04/02/09 M.Y. 化学療法ランダム化比較試験について(HPNo.2075-2) 石田
2154 04/02/09 M.T. 細胞診結果について 石田
2153 04/02/09 H  線維腺腫の摘出手術について 石田
2152 04/02/09 S  再発予防の為の術後補助療法(2)(HPNo.2082-2) 石田
2151 04/02/09 A.M. アリミデックスの副作用について 石田
2150 04/02/07 MK 炎症性乳がん(HPNo.2099-2) 石田
2149 04/02/07 M・W   しこりはとった方がいいのでしょうか? 石田
2148 04/02/07 A.M. 骨転移?肺転移? 石田
2147 04/02/07 T.T. 真剣に悩んでいます 石田
2146 04/02/07 M 術後1年半たって、また乳癌と言われました 石田
2145 04/02/07 H.S. 良性と言われましたが・・・・ 石田
2144 04/02/04 J・K 乳がん手術後の検査について 石田
2143 04/02/02 kei 骨盤転移の治療法について 石田
2142 04/02/02 I・S 乳がんの診断について 石田
2141 04/01/31 N.P. 治療法の選択について 石川
2140 04/01/30 S.I. 乳がんの心配は? 石川
2139 04/01/30 みや 充実腺管がんの転移について(HPNo.1369-2) 石川
2138-1
2138-2
04/01/30
04/02/07
とり 放射線治療
放射線治療(2)
石川
石田
2137 04/01/29 S.O パジェット病について 石川
2136-1
2136-2

2136-3
04/01/29
04/07/17
05/02/12
M.S. 転移性脳腫瘍について
癌性髄膜炎のその後
癌性髄膜炎のその後(2)
石川
千島
吉田
2135 04/01/28 T.S.  術後補助療法の相談 石川
2134 04/01/27 S  多発癌 石川
2133 04/01/27 H  アリミデックス 石川
2132-1
2132-2

2132-3
2132-4
2132-5
2132-6
04/01/27
04/02/22
04/05/27
04/06/06
04/08/09
04/09/20
m.k 術後療法について 
ハーセプチン療法について
術後補助療法について
術後5ヶ月の化学療法について
化学療法の投与の間隔について
化学療法の中止について
石川
石山
鈴木
須田
浜口
須田
2131 04/01/27 S ハーセプチン投与期間について 石川
2130 04/01/27 K.S.  判断に迷っています 石川
2129 04/01/26 S.M 乳頭からの分泌液について 石川
2128 04/01/26 emi 乳首の痒みと脇の下のしこりについて 石川
2127 04/01/26 m.m 乳癌の再発について 石川
2126 04/01/25 M.K.  左乳房の違和感について 石川
2125 04/01/25 S 放射線肺炎について 石川
2124 04/01/25 m・k ペット検査について 石川
2123 04/01/25 さゆ 乳腺線維腺腫 石川
2122 04/01/25 SEE マンモトームについて 石川
2121 04/01/25 C.M. 乳管内乳頭腫 石川
2120 04/01/23 K 乳房のしこりとリンパ腺の腫れ 石川
2119 04/01/23 MM 骨転移について 石川
2118 04/01/23 S  パーロデルと乳がん 石川
2117 04/01/23 妊娠後期の乳頭からの出血について 石川
2116-1
2116-2
04/01/23
04/01/28
K.K.   背中の痛みについて
脊椎転移の治療法
石川
石川
2115 04/01/21 今後の治療について 石川
2114 04/01/21 I  微細石灰化について 石川
2113 04/01/21 B.B. タスオミンD錠の子宮筋腫への作用 石川
2112 04/01/21 I. 右脇下のしこり   石川
2111-1
2111-2

2111-3
04/01/20
04/07/12
04/07/25
M.I. 術後療法について
術後療法について(2)
術後化学療法4クール
石川
千島
徳田
2110 04/01/20 M.A. 反対側のしこりと血液検査の結果について 石川
2109 04/01/20 H.H. 乳癌術後および再発・術後治療について 石川
2108 04/01/20 D.I. ホルモン感受性と検査方法 石川
2107 04/01/18 K.K.  乳がんの胸膜転移(2) 石川
2106 04/01/18 たま 腋の下のしこりについて 石川
2105-1
2105-2
04/01/17
04/01/20
K・K 右乳房の痛み
右胸外側上部のしこり
籾山
石川
2104 04/01/15 再発について 籾山
2103 04/01/15 L.F. 乳輪回りのブツブツ 籾山
2102 04/01/15 K.K. 石灰化について 籾山
2101 04/01/15 K.S. 妊娠中のマンモグラフィ 籾山

 

 

No.2200】 04年02月25日 T 
術後補助療法について

はじめまして。アドバイス、お願いします。術後化学療法CE後、タキソールをするべきか悩んでいます。39歳、閉経前。2003年12月15日に右乳房非定型手術を受けました。病理の結果は、しこりの大きさ3×4cm、リンパ節転移4/14、病期U期、浸潤性乳管がん、異型度1、ER3+,PgR2+、HER2(−)です。現在、ファルモルビシン100mg、エンドキサン900r。6クールのうち、3クール終了したところです。主治医は、この後、ノルバテックスでのホルモン療法を勧めています。理由は、「ホルモン感受性が高いので、効果があるかどうかわからない。タキソールをするより、確実にきくと思われるホルモン剤を早く始めた方がよいと思う。また、全身状態もホルモン剤の方がよいので、免疫力の面でもよい」という意見です。
セカンドオピニオンを求めた医師のご意見は、タキソールは標準法ではないので勧めることはできないが、効果があるという可能性もあるということでした。決まった方法がないことは承知していますし、答えもないのかもしれませんが、先生の場合は、私のような患者には、どの方法をすすめられますか? 主治医は、「タキソールは術前では良好な結果を得ているが、術後補助療法では、追加しても再発率に変化はない」と言っていますが、そうなのですか? よろしくお願いします。

術後補助療法でタキソールを加えた方が良いか、無作為比較試験の結果がまだ長期生存率や再発率として出ていないので、分からないということです。再発率に変化があるかないかも分かりませんので、変化がないとも言いきれません。一般的にはタキソールは再発乳癌でCEなどのアドリアマイシン系の薬剤の既治療例や耐性になった時に使うことになっています。(文責 石山)

 

No.2199】 04年02月24日 R
母の乳がんについて

はじめまして。 私の母が12月に外科にかかり、1月7日、左乳がんであることがわかりました。マンモグラフィーでは2.3a×2.3a、周辺に石灰化が認められるとのことでした。その後1月15日に非定型乳房切除術を受けました。最終的な病理の結果はあさって火曜日の外来で教えていただけると思うのですが、リンパ節転移はレベル2まで郭清して、3/17(レベル1 1/10 レベル2 2/7)であることはすでにわかっており、化学療法を始めています。 ホルモン受容体、グレード、her2などはまだ不明です。 主治医の先生は術前に、「病理の結果によって決めますが、ホルモン療法は受容体が陽性でも陰性でも行い、化学療法も行うと思いますが、 放射線治療は行いません。」とおっしゃいました。私が気になっているのは、リンパ節転移がレベル2まであってレベル3は郭清していないので、レベル3のリンパ節に対して何らかの対策を たてる必要はないのかな?ということです。こういう場合は放射線治療とかは必要ないのでしょうか。火曜日に聞いてくるつもりでいますが、抗がん剤は赤い点滴のものだそうです。 癌専門病院や乳腺外科がある病院ではなく、地元の市立総合病院での治療ですので少し不安です。アドバイスいただけますでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。

最近は乳癌のリンパ節郭清は、治療的な意味よりも予後を判定するための場合が多く、実際にLevelVというのは非常に小範囲のリンパ節で、術中にリンパ節があまりないこともあり、個数が3個転移があることが再発のリスクです。つまり肺、骨、肝などの遠隔転移の可能性があるので化学療法を必要とします。つまり放射線療法は局所療法で、乳癌は全身疾患ととらえられ化学療法を優先にすると言う考え方になります。ただホルモン受容体が陰性でホルモン剤を投与するのはあまり一般的でないので、その辺の考え方は主治医によく聞かれた方が良いと思います。(文責 石山)

 

No.2198-1】 04年02月23日 choco
手術方法の選択で悩んでおります

はじめまして。母が乳癌と診断され、腫瘍の大きさが2cm弱で温存も可と言われました。手術方法の説明を受け、温存+放射線治療か全摘かのどちらを希望するか決めなければなりません。どちらも予後はあまり変わりないとの事でしたが、温存は再発の可能性も0ではないとのこと。両者のメリット・デメリットは見た目の違いと・再発の可能性くらいのものなのでしょうか。体への侵襲・負担等や術後の機能的な問題等は違うものでしょうか。もっと詳しく、色々なメリット・デメリットを知りたいのです。自分なりにネットや本で調べてみたのですが、先生の説明以上の事は得られませんでした。お忙しいところ大変申し訳ないのですが、ご回答頂ければ幸いです。よろしくお願い致します。

温存術は今の常識として放射線治療が必要です。全摘しても入院期間や侵襲や合併症の頻度は変わりません。ですので乳房が残るメリットと放射線の副作用ですので、今の病院の放射線科医の意見を聞いてから決められると良いと思います。それで不信感があれば、全摘か、日本一の慶応放射線科医の近藤誠先生にセカンドオピニオンを受けられた方が良いかもしれません。(文責 石山)

 

No.2198-2】 04年03月19日 choco
手術待ち

HPNo.2198でお世話になりました者です。前回はご親切なご回答を頂き、有難うございました。結局、術式は温存でという事になりました。今回も是非お聞きしたい事があり、メール致しました。よろしく御願いします。現在、手術待ちです。入院予約をしてから1ヶ月半程が経ちました。長く待っても大丈夫なものなのでしょうか。初診時に、「詳しく検査してみないとわかりませんが、恐らく悪性なのですぐにとは言わないが、ここ1ヶ月位の間には手術をしたほうがよいと思う。」と言われました。その後1週間程の間に生検、MRI等の検査をして確定。今なら1週間程で入院できると言われたのですが、こちらの都合で3月に入ってからとお願いしました。その後、一向に連絡がないので病院に確認してみたところ、まだ予定が入っていないとの事でした。頂いたパンフレットには、「癌は何年もかかって出来たものなので、急いで手術しなくても心配ありません。2〜3週間お待ち頂くことになります。」とは書いています。母が雑誌の乳がん体験談で、「あと1ヶ月発見が遅れたら危なかったと医師に言われた」と言うのを読んだらしく、かなり不安になってきている様なので・・・。

私も時にがんセンターなどへ患者さんをご紹介することがありますが、やはりどうしても2−3ヵ月待ちになってしまうことも多いようです。一概には言えないかもしれませんが、それで問題になったことはないと伺いました。また法事や旅行などで手術を延期することも時にありますが、それが本人や家族の人生にとってとても重要なこともあり、そのような場合はそちらを優先して、すっきりとして心構えができてから臨んだほうがうまく事も運ぶと思います。(文責 片山)

 

No.2198-3】 04年03月25日 choco
痛みと腫れ

いつもご親切にご回答頂き、ありがとうございます。度々で申し訳ないのですが、よろしくお願い致します。いつも上手く説明できなくて申し訳ないのですが、痛みでしこりに気付き病院を受診しました。初診時に乳房の軽い痛みと腫れがあり、乳癌は一般的に痛みの症状がないと聞いておりましたので、かなり進行した癌ではないかと不安に思い、先生に質問したところ、直接癌と関係しているわけではなく、癌があることで乳腺の流れなどが悪くなったりして痛み等が出ているのだから心配ないという様な事を言われたそうです。その後、いったん痛みも腫れも落ち着いたのですが、数日前からまた軽い痛みを訴えはじめました。前に私が見た時(初診の時)は、乳房の腫れはさほど気にかからなかったのですが、今回は明らかにかなり腫れているように見えます。一度、診てもらったほうがよいのではないかと思い、受診をすすめたのですが、母は、「初診の時も、この位の痛みと腫れがあったのだし、先生も問題ないと言って下さっていたのだから大丈夫。入院まで様子をみる・」といっております。私としては、とても気にかかるのですが、無理に病院に連れて行くまでの必要はないでしょうか?

病気の進行の度合いと痛みの直接の関係はないと思いますが、手術を待つ間の患者さんやご家族の不安な気持ちはお察しするに余りあり、それを少しでもやわらげる意味もあって、受診なさるのはよろしいと思います。主治医の先生に何でも相談してみてください。(文責 片山)

 

No.2198-4】 04年09月23日 choco
放射線治療について

以前HPNo.2198で相談させていただきました。いつも丁寧なご返答をありがとうございます。また質問させて下さい。手術後の細胞の結果、炎症性乳癌でした。リンパ節転移17個ありました。術直後より、乳房に赤いただれの様なものが広がりました。AC3週毎4クールと、タキソール3週毎4クール終了しました。タキソールを開始後、乳房の赤みは多少引いてきており、化学療法の効果は少しはあったのかなと期待しております。次は放射線治療を開始するのですが、主治医の説明で、「転移数が多いので首、鎖骨、乳房に放射線を当てる」と言われましたが、放射線科の先生から、「今までにそのような例がなく、明らかな転移がないのなら乳房だけになる」と言われ、結局乳房だけの照射になるようです。本やネットで色々調べて、転移数4個以上あれば鎖骨への照射をしている施設もあるようで、効果も認められたというようなものも読みました。多少でも効果があるのなら、転院してでも試してみたいのですが、どうでしょうか。放射線治療が終われば一応の治療は終了する様なので、今後が不安でなりません。

乳房切除後の胸壁再発は、再発巣のコントロールが困難であると共に、再発後5年以内に約70%の方に遠隔転移が生じます。これを防ぐ一つの方法として、術後補助放射線治療があります。術後放射線治療を行うことによって、腋窩リンパ節転移1〜3個の症例では、胸壁の再発率が20%から8%に軽減され、また4個以上では、51%から17%にまで軽減されたという報告があります。ただし貴女の場合、術後の胸壁再発ということですので、上記のような再発率を低くするための放射線治療には当てはまりません。術後の補助照射ではなく、術後再発部への照射という事になります。従って一般的には首・鎖骨・乳房への照射ではなく、再発している乳房への照射を行うことになります。主治医、放射線医と再度納得がいくまでご相談し、今後の治療計画を立ててください。(文責 須田)

 

No.2197】 04年02月23日 K.K.
今後の治療について

先週告知されました。不安と混乱の中で、心配しすぎないよう、楽観しすぎないよう、質問させていただきます。少なくとも一年半前に胸のしこりに気づいて婦人科に行き、触診により心配ないと言われました。最近触診だけではだめだというマスコミの報道などで乳腺科に行ったところ、かなり広域に石灰化が見られ、一部しこりが認められました。組織検査の結果は以下の通りです。何を意味しているかも一部よく分かりません。
推定組織診断: al(comedo)
経過所見:
5年前からなんとなくしこっていた。二年前は触診で異常なし。NDなし。微細石灰化像は面疱型で区域を越えて2領域ACに及ぶ。しかし超音波は1aないしa1の乳管内優位でfにいたっていないかと考えます。2fire size測定できず。視触診M? MMGM 石灰化M USM
標本適否: 適当
病理診断: 3.悪性
所見:
Invasive ductal carcinoma of the left breast, needle biopsy
a3>al
scirrhous invation+intraductal carcinoma foci(flat-solid)
一部に粘性産生あり。

以上です。スキルスと聞き血の気が引いています。先生は初期の癌だと思うと言ってくださっています。治るとも言ってくださっています。リンパの転移もないと思うとおっしゃっていますが、まだわからないのですよね。どの段階でわかるのか、転移していたらいったいどうなるのか、転移があったからといって必ずだめだという訳ではないという解釈でよろしいのでしょうか。リンパの転移がみられなくても、リンパを切除するほうが安全性が増しますか?あまり関係ないという記述も見受けられますが、実際はいかがでしょうか。先生は化学療法またはホルモン療法を併用することを勧められていますが、38歳で独身ですが、今後結婚、妊娠を希望しています。というより希望が持てれば頑張れます。そのような補助療法を使ったときの妊娠へのリスクはどのぐらいでしょうか? また補助療法を使ったときの癌再発へのリスク軽減はどのくらいでしょうか。現在仕事をしていますが、化学療法というと即、脱毛のことが心配になります。現在は脱毛しない抗がん剤が標準で使われているという記述も見かけましたが、体験者のHPなどでは多くのみなさんが脱毛を経験されているようでした。現状はいかがなのでしょうか。乳癌が再発した場合、ほぼ100%が死んでしまうような印象を随所で受けるのですが、実際はいかがなのでしょうか。長くなって申し訳ありません。どうぞよろしくお願いします。

スキルの話しは逸見さんの胃がんの話しでは? 乳癌ではほとんどの40%以上はスキルス(硬癌という日本語)ですので、そのことで驚くにはあたりません。再発のことも術後補助療法のことも考えるのは早いと思います。今は手術をどうするか、術式をどうするかだけで悩むほうが良いと思います。その後のことは、術後の病理診断の結果で決める事で、先を読みすぎるのも良いかもしれませんが・・・。うちの患者さんには「そんなに心配しても明日交通事故で車に轢かれて死ぬかもしれませんよね。」と言うと納得されるので、そのように考えられて、御鷹の日航機の機長のように「ドーンと行こう!」というほうをお勧めします。(文責 石山)

 

No.2196】 04年02月23日 A.H
血性分泌

こんにちは 40才、既婚、子供はいません。とても心配なことがあってお尋ねいたします。2日前の起床後に、下着の胸の部分に血が付いているのを見つけました。普段から肌が乾燥気味で、寝ているうちにどこかかいて出血したのだろうと、その時は思っていました。その夜仕事から帰って着替えの時、ブラジャーの右側の内側に血の後があり、びっくりして乳房をみてみると、右の乳首に乾いた血の跡があり、触ってみると出血しました。その後も乳首を指で挟むようにすると出血することがあります。常時出続けてはいません。出血しているところは一ケ所だけ(真中の少し上)です。子供がいないので良く分からないのですが、おっぱいの出るところなのではと思います。最初は引っ掻いたかなにかですぐに治るだろうと思ったのですが、どうも傷ではないようなので心配になってきました。痛みはありません。また生理直前なので、少し乳房が張った感じがあります。しこりは感じられません。昨年6月の人間ドックでは、乳癌検診(触診)は異常はありませんでした。こちらのホームページを読ませていただいたら、癌の判断に異常分泌というのもあると知って、早く診察をうけたほうがいいのではと思いはじめました。お忙しいとは思いますが、御回答いただけるととても助かります。よろしくお願いいたします。

そのような症状の方では乳管内乳頭腫や乳管内癌(非浸潤癌;究極の早期癌)が見つかるのですが、私の外来の経験では、ほとんどの医師の考えとは違いうちの外来で癌は見つかったことがないのです。ですから、気楽に乳腺外来に受診し、早く安心し、その後は癌でなければ、定期的に検診がてら乳腺外来とお付き合いする方が、色々と心配事の面倒を見れるので良いかもしれません。(文責 石山)

 

No.2195】 04年02月23日 M.H.
左腋下の痛み

初めて相談します。28歳女性です。1ヶ月程前から左の肩が痛く、同時に左腋下も痛みます。普段はさほど痛くはないのですが、朝起きた時などに痛みます。それに最近左腋下(ブラジャーのワイヤーが当たる直ぐ横)が右に比べて少し腫れているようです。しこりなどはないようですが、気になります。今が生理前というのも関係があるのでしょうか?

そのような事から考えられるのは副乳癌ですが、28歳の副乳癌は聞いたこともありません。生理前であれば、副乳は腋の下で膨れますので心配ありません。ただ生理前でも脹れれば、万一にも副乳癌の可能性もないわけではないので、乳腺外科か外科の外来に行かれる事をお勧めします。(文責 石山)

 

No.2194-1】 04年02月23日 S
術後の違和感

初めてお便りします。術後3ヶ月が過ぎました。まだ3ヶ月しか経っていないのかと思うくらい苦悩の日々が続いております。左全摘、リンパ節切除、リンパ節への転移なし。ステージTの診断結果でした。左胸の傷のあたりが、引きつるような感じがします。また、左肘の内側がしびれたような、痛いような変な違和感がいつもあります。大丈夫なんでしょうか。また、左の鎖骨あたりにジーンとした感じも時々あります。抗ガン剤CMF3回終わったところです。これらの症状は、私の神経過敏からくるものでしょうか。何か心配なことが潜んでいるんでしょうか。ご回答願いますでしょうか。よろしくお願いします。

このような症状は、温存でも乳房切除でもリンパ節郭清を受けた方はそういった症状はあります。すべて術式の範囲から説明がつくと思います。手術をされた先生はご存知でしょうが、乳腺外科外来は超多忙ですので、そのような事は説明できる暇や場所もないと思います。そのことがきっかけで主治医にぜひ不信感を抱かないでいただきたいと思います。診察はしていないので、うちの患者さんの訴えの経験からすると、そのような症状はまったく心配もなく、再発でもありません。(文責 石山)

 

No.2194-2】 04年02月29日 S
左の掌

二度目の相談です。神経過敏になっているのかもしれませんが、気になります。4〜5日前から、左手の掌がヒリヒりします。熱っぽくて、はれぼったい感じもします。掌の真ん中あたりに、かすかな骨の出っ張りがあります。ちょうど、中指あたりの延長線上です。受診した方がよろしいでしょうか。よろしくご回答願います。(前回no2194)

おそらくそのような症状は、手の指や爪などからばい菌が入って炎症を起こしていると考えられます。すぐに主治医の所に行き、抗生剤の内服か点滴、更に重症であれば、利尿剤の投与をする必要があると思います。退院の時の注意事項か、看護師からもらったパンフレットに書いてある術後リンパ浮腫の事で、感染が原因の蜂巣織炎の可能性が高いと思います。(文責 石山)
 

No.2194-3】 04年04月14日 S
左の掌(2)

先日同じ内容で質問しましたが、再度お願いいたします。
1)左の掌の真ん中にとがったような硬いしこりがあります。触ると硬くて、中指まで引きつる感覚があります。掌全体が熱っぽく、何とも言えない鈍痛が常にあります。主治医の先生は、乳がんとは関係がないとおっしゃっていますが、とっても気になります。もう2ヶ月近くになります。疲れやすいし、傷口や左腕が痛むし、左脇には何か挟まったような感覚があり、なかなか抜けません。
2)4月の終わりに6回目の抗ガン剤を受けます。その後は無治療になりますので心配です。何か自分でできることはないでしょうか。

以上2点について、ご回答をよろしくお願いいたします。

1) おそらくガングリオンというしこりであると思いますので(内容物が黄色のゼリー状のもので、悪いものではありません)、整形外科を受診されてみてください。乳がんとの関連性はありません。
2) 多くの方は無治療に不安を覚え、何らかの治療法を探していらっしゃることと思います。私個人の意見では、御自身でできることは、心身共に健康を保つことであるように思います。具体的には、体重を減らす(基準をオーバーしている方)、食事、アルコール、運動などです。心の健康に留意することも同様に大切であると思います。氾濫している情報に惑わされてしまい、高価なものに手をだされてしまう方も多く見受けられますが、しっかりとした効果が証明されているかどうか、慎重に検討する必要があります。多く(ほとんど)のものが、過剰宣伝されてしまっているのが現状です。考慮する際には、主治医に相談されることをお勧めします。(文責 加藤)

 

No.2194-4】 04年05月03日 S
左の掌(3)

3度目の質問になります。形成外科を受診するように言われ、その後MRI検査をしました。結果は不明ということでした。「左手掌皮下結節。ガングリオンは否定的。腱に接しているので、健鞘巨細胞腫は識別に挙げられるが、画像所見は異なる。炎症性結節のような印象がある。炎症性には、テュプイトレン拘縮があり症状はよく似ているが男性がほとんどの病気である。従って、結論は不明。2週間毎に診せてください。抗ガン剤の副作用がおさまった頃に摘出して病理検査に出しましょう。約2ヶ月後になるか。」 と、言われてきました。症状としては、やはり前と同じで熱っぽく鈍い痛みのようなものがたまにあります。掌を張るととても硬いしこりに感じられます。中指と人差し指が、つっぱります。冷えビタで冷やすと、楽になります。すでに2ヶ月が経ちましたが、大きさは変わらないような気がします。病名が不明と言われ、非常に不安で仕方がありません。乳がんとの関連性が強いのでしょうか。6回の抗ガン剤が終了したところです。無治療です。よろしくお願い致します。

お話を伺う限りは乳癌との関連性は低いように思います。検査も充分に行われているので主治医の先生のおっしゃるように、白黒つけるとすればあとは切除するしかないと思います。しかし、手掌は神経や血管が細かく指先を支配していて手術が難しいところですので、手術を行うかどうかは慎重に判断して下さい。(文責 清水)

 

 

No.2193-1】 04年02月22日 R.M.
腫瘤がなく血性分泌だけの癌の判断

サイト、大変参考にしております。【bP481】で石山先生の回答の一部に、「腫瘤がなく血性分泌だけの癌」という表現がありますが、その場合、分泌物を調べることにより癌と判断するのでしょうか。ほかには、どのような検査があるのでしょうか。数年前から両乳房とも乳腺症と診断され、乳房痛もあります。1月10日に初めて右乳首から出血(夜、下着についた血に気付き、乳首真中に血がついていました)、その後、1月20日に2度目の出血(下着に血の跡、乳首には形跡なし)、1月29日の朝は下着ではなく、乳首に血がついていました(乳首がへっこんだ状態だったため、出血したと思われる箇所の周りに)(計3回いずれも右のみ出血)。最近、特に右の方に生理にあまりかかわらず痛みを感じます。驚いて超音波、マンモグラフィを受診、乳腺症によるものと考えられるとのことでした。医師が押してみましたが、診察時には分泌物は出ず、出血箇所が特定できないため、乳管造影は受けていません。2ヶ月後に超音波の再診を予定しています。さらに、2月19日朝は、右乳首に白っぽいカスのようなものが付いていました。今までにも時々付いており、皮膚が乾燥しているのかと思っていましたが、分泌物の乾いたもののような気がしてきました。このカスのようなものから、もしくは下着についた血(少量でした)から、何か検査はできますでしょうか。腫瘤のない癌とはどのようなものなのか、具体的にご教示お願い申し上げます。

細胞診と言う検査がまず必要で、乾いた分泌物では検査に適さないので、やはり病院に行った時に出る分泌物をとらないといけません。またマンモテックという分泌液中のCEAという腫瘍マーカーの一種を調べる検査もすることがあります。乳患造影をするのは分泌の原因が乳管の内腔に腫瘍がないかを見ます。また当然超音波やマンモグラフィーも参考にします。そしてそれを調べる目的は乳管内乳頭腫という良性の病変か、乳管内癌(非浸潤性乳管癌のことが多いのですが)があるかもしれないので検査します。これらは血性分泌だけで腫瘤を触れない場合があります。最近ではMRIやPETなどまでやる病院が出てきています。その辺の事情は病院によって異なりますので、今の主治医に良くご相談なさって下さい。(文責 石山)

 

No.2193-2】 04年02月26日 R.M.
血性分泌で乳腺症で診断された場合

土日なくご回答くださり、本当に感謝しております。2193でお世話になりました者でございます。早速ですが、2196を拝見して、出産経験がないため質問があります。授乳時に、お乳が出るのは1ヶ所でしょうか。乳管が集まったものが乳首の中央にあり、そこから出ているのでしょうか。普段はやや陥没した乳首(先が割れている)で、今回のことで初めて乳首をよく見たのですが、乳首からの出血箇所が特定できないということは、何箇所か乳管?の先があるということなのでしょうか。また、血性分泌があるということは、乳腺症の程度としては、どのくらいなのでしょうか。炎症?が起きているため、出血しているのでしょうか。出血原因はどのようなものなのでしょうか。初歩的な質問で申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

乳頭の乳管は多くが開口していて、多数個所から出る場合は一般的には良性のことが多く、あまり心配ないと言うことになっています。血性分泌の出る乳管が同定できないというのは、医師が診察したときに分泌が出ていなければ同定できないということです。授乳期の乳汁も多くの乳管から出ます。この血性分泌は乳頭から出血するのでなく、その奥の乳管という管のどこかで出血し、それが管を通って乳頭から出るということです。乳腺症で血性分泌という場合は、乳管内乳頭腫症という状態で癌との鑑別が難しい事もあるので、特に血性の場合は定期的に通院経過観察が必要だと思います。(文責 石山)

 

No.2193-3】 04年04月23日 R.M.
血性分泌が止まった場合の今後について

サイトの運営、大変感謝しております。また【2193】ではお世話になりました。ちょうど分泌物のとれる状態でしたので、予定の受診ではなかったのですが、さっそく行って参りました。細胞診の結果はクラスT、マンモテック200以下。医師が分泌物をとるため、強く押したせいか、そのときの分泌がピークで(5日間出血がありました)、その後3週間分泌は見られず、止まったのかと思っていたところ、3/27、3/29、4/3と3回、下着にのみ血がついていました。4/4以降、分泌はありません。4/20にエコーを受診しましたら、出血のある右側の乳腺にやや拡張が見られるが(左にも拡張は見られるとのこと)、しこりは認められず、今回も、【出血の原因は乳腺症によるもの】ということでした。次回は3ヶ月後の診察(触診?)を予定しています。今後についてお聞きしたいのですが、
@ このまま出血が止まった場合、治っている可能性というのはどのくらいあるのでしょうか。
A 昨年の秋に精神的に大変なことがあり、生理がかなり乱れたことがありました。現在は、ひとまず生理は元に戻ったのですが、卵巣ホルモンの乱れが乳腺症の血性分泌を引き起こすということはあり得ますでしょうか。(乳腺症は以前からありました)
B 1月から2月にかけて出血があった頃、右乳首のあたりにのみ、乳腺症とは異なった痛みを感じましたが、出血(炎症?)によるものだったのでしょうか。今は、その痛みを感じなくなり、治ってきたのではないかと考えたいのですが、いかがでしょうか。
ご多忙と存じますが、どうかご回答をお願いいたします。

1) 経過からすると乳腺症による出血が最も考えられますから、今後出血が止まる可能性は高いと思います。しかし、どのように変化するかは不明ですから、今後も定期的な検診はお勧めします。
2) あり得ます
3) 痛みと治癒の関係は不明です。貴女の説の可能性も否定はできませんが、肯定もできません。(文責 清水)

 

No.2193-4】 05年06月18日     R.M.
出血はその後ありませんが、乳房痛が気になります

HPNo.2193では大 変お世話になりました。今回、またご教示をお願いいたします。その後ですが、出血は見られなくなり、2004年9月にマンモグラフィーを、2005年2月に触診を受診、引き続き乳腺症として経過観察しています。以前から乳房痛はあったのですが、ここのところ、特に出血のあった右の乳房のみ、生理に関係のない痛みを感じます(出血のあった時も、痛みを感じました)。マンモグラフィー、エコー、触診以外で、【今できる検査】とは何でしょうか。最近、遺伝子診断というのを新聞で読みましたが、どういう検査なのでしょうか。乳腺症のため、しこりに似た感触はあるけれども、特定のしこりが触れない場合、MRIという検査は妥当でしょうか。出産経験なし、近親者の関係から、要注意すべき立場にあると自覚しております。

1) 触診、マンモグラフィ、超音波が最も信頼性の高い検査です。そのほかの検査は特にありません。
2) 乳癌遺伝子検査とは、BRCA遺伝子が発現しているかどうかを見るもので、乳癌に将来なりやすいのかどうかを見るものです。現時点の乳房検査には役立ちません。
3) MRI検査もあまり役立ちません。(文責 麻賀)

 

No.2193-5】 06年01月28日     R.M.
分泌物がまた現れるようになりました

HPNo.2193でご相談申し上げた者です。どうか、またお願い致します。その後、血性分泌は止まっておりましたが、昨年11月26日、そして昨日1月24日には、はっきりとした分泌物により、下着にしみが出来ておりました。ベージュ色の下着のため定かではありませんが、今回は黄緑色?のような色でした。昨年12月2日に、人間ドッグにてマンモグラフィーを受診、【両側微細円形石灰化。カテゴリ2。散在性石灰化】とのことでした。円形とありますが、一部、素人目にもいびつな形のものが沢山ありました。先生のお話では、いびつなものも見られるけれど、前回(2004年9月受診)のマンモグラフィーとの比較で、集中の具合に変化が見られないため、今回の結論になったとのことでした。「@実姉が乳がんで亡くなったこと。A当初の分泌物が血性であったこと。Bそして、分泌のある右側にのみ、生理に関係のない痛みが当初から続いていること」から、改めまして、今出来る他の検査につきまして、ご相談申し上げる次第でございます。今回の人間ドックで腫瘍マーカーCEAが2.8だったため、CA19-9、シフラ、CA15-3の再検査となりましたが、ひとまず基準内とのことでした。万が一、しこりの触れない乳がんだった場合、現時点で判別する方法はございますでしょうか。乳腺症のため、全体的にしこりのような感じがします。何度もお聞きして申し訳ございませんが、MRIという検査は、どういう状態の時に受けるものなのでしょうか。どうかよろしくお願い申し上げます。

マンモグラフィ読影は非常に難しく素人目でいびつな形に見えても、認定資格を持っている医師が「微細円形」と言っているのならば、微細円形の石灰化だと思います。通常、散在性の微細円形石灰化はカテゴリー2で良性と判断します。現時点で行う検査は乳頭分泌物の細胞診、分泌物中のCEA値、乳管造影、乳管内視鏡、MRIなどがあると思います。出来るだけ体に優しい検査ということになれば、乳頭分泌物の細胞診、分泌物中のCEA値、MRIが良いと思います。(文責 千島)

 

No.2193-6】 06年03月07日     R.M.
MRIで血性分泌の箇所が同定されました

HP2193のR.M.でございます。またお願い申し上げます。2月20日、明らかな血性分泌があり、分泌物の細胞診とマンモテックを、また、医師からの指示でMRI検査を受けました。以前からエコーで乳管拡張を指摘されていましたが、今回MRIにより、乳管拡張している箇所が【蜂の巣状】になっているとの事、更にエコー下針生検(でよいのでしょうか?普通の注射針で細胞を採りました)を受け、結果待ちです。今まで勉強してきたつもりでしたが、いざとなるとよくわかりません。
1) まず、乳管拡張について、文字通り乳管が通常より拡がっていると思っていたところ、先生が説明してくださった図では、乳管の上皮の細胞が増殖(蓮根のように)しているように描かれました。乳管の壁(=上皮?)の部分の細胞が増殖しているということでしょうか。図では、2本の平行線を管として描き、下の線(=下側の上皮)の細胞が内側(=上側)に向かって増殖しているように描かれていました。乳管が狭くなるように思えるのですが、【蜂の巣状】とはどういうことですか。
2) 細胞診では、血液のみで、細胞は採れませんでした。針生検の結果が良かったとしても、悪い細胞に注射針があたらなかった場合を考え、更に確定診断をつけたい気持ちがあります。次の診断は乳腺切除となってしまうのでしょうか。乳管造影の確定度はどの程度でしょうか。CT検査というのは、適していますでしょうか。
3) 実姉(乳がん)のことがあります。また、最初の分泌から2年が経過しています。先生は、更なる確定診断の検査をどのようにお考えになりますか。
4) 20才のときに、甲状腺腺腫(検査数値は正常でしたが、だんだん大きくなってきたため、美容上(見た目)の理由により)で手術を受けております。高プロラクチン血症による血性分泌の可能性はありますか。
5) お世話になっている病院では、乳腺内分泌外科となっています。内分泌と乳がんは関係があるのでしょうか。

お忙しいところ沢山の質問で申し訳ございませんが、どうかご教示くださいますようお願い申し上げます。毎日、サイトを拝見しております。

1) ご説明の内容が、申し訳ありませんがよく理解できません。蜂の巣状は拡張した乳管が多数あるということだと思います。
2) 次の診断のための検査は、乳管造影、太い針による生検(core needle biopsy)か、局所麻酔下に行う乳腺部分切除(open biopsy)などがあります。乳管造影でかなりのことがわかります。病変が数mmと小さいことが予想されるので、CT検査は不適と思います。
3) さらなる確定診断の検査は乳管造影、太い針による生検、乳腺部分切除の順に考えます。
4) 高プロラクチン血症による血性分泌の可能性はまずないと考えます。
5) 乳がんもホルモン依存性腫瘍なので、内分泌と関係しており、甲状腺、副腎などと同じく乳腺・内分泌科を標榜して、担当することが多いのです。(文責 石川)

 

No.2192】 04年02月22日 Y.F.
腋下のしこりについて

4歳と2歳の子供を持つ31歳の母です。上の子を出産する少し前から両脇下にしこりが出来て、副乳と言われました。痛みなどは無かったのですが、母乳を止めてもなくならず、下の子を妊娠、出産すると、また大きくなりました。母乳を止めて1年ほど経ちますが、今まで何の痛みも無く、全く忘れていたのですが、最近になって左の腋下が痛く、触って見ると1.5cm程のまん丸ではなく、いびつな形をしたしこりがあります。しこり自体を触ると痛いです。右側は無くなっています。やはり病院で診てもらったほうが良いのでしょうか? 何科を受診するのが良いのでしょうか?

受診するのであれば外科または乳腺外科です。副乳の癌というのも非常に珍しいのですが存在します。早めに受診することをお勧めします。(文責 石山)

 

No.2191-1】 04年02月22日 ねえね
ホルモン治療と腫瘍マーカーについて

よろしくお願い致します。38歳、独身。6年4ヶ月前、右全摘(1、5センチ。リンパ節転移なし) 、その後無治療でした。昨年夏に肺転移(症状なし)、年末に骨転移(骨盤、肋骨)が見つかり、抗がん剤を勧められましたが、まずはホルモン治療を希望していたので転院し、12月よりホルモン治療をしています。その間は健康食品のみです。骨転移(骨盤)部分的に放射線治療しました。アレディア点摘+ゾラデックス(3回終了)+タモキシフェンです。ハーセプチン マイナス。エストロゲン、プロゲステロンともに強陽性です。ホルモン治療はゆっくり効いてくると主治医から聞いてはいますが、腫瘍マーカーが治療開始時より上がってしまい、とても不安です。現在のホルモン剤でもう少し様子をみていてもいいのでしょうか? 違うホルモン剤に切り替えたほうがいいのか、その判断はどのような場合にされるのか、教えてください。
 

  CA15−3   CEA
2003/09   55 2.6
2003/12(治療開始)  55 2.7
2004/01 54 2.9
2004/02 64 3


以上宜しくお願い致します。

乳がんの再発で特に骨転移の場合は治療の過程でフレア現象といって一時的に腫瘍マーカーや画像所見が悪化することがあるといわれています。従って効果を見るには肺転移の大きさで見る必要があります。それとここに記載された腫瘍マーカーの推移はフレア現象のことも考えると、悪化しているとは言えません。ほかに症状がないのであれば、肺転移の大きさを指標に、もう少し今の治療でいけると考えます。また最近骨転移の指標にICTPというマーカーがありますので、それも検査されるといいかもしれません。(文責 石山)

 

No.2191-2】 04年03月23日 ねえね
ホルモン治療と腫瘍マーカーについて(2)

お忙しい中、ご回答頂き有難うございました。また質問させていただきたいのですが、あれから一ヵ月後のマーカー値がCA15−3が65、CEAが3.2とわずかではありますが上昇しました(ICTPは検査していません)。私としては急激な上昇ではなく、肺の腫瘍も変化なしという事で、アドバイス頂いたフレア現象かとほっとしていましたところ、「マーカー値が上がってきた。今度の検査でまた上がっていたらアリミデックスに変えてみよう。」と言われました。「時間がかかる。肺の腫瘍が変化なしなら薬の効果あり」と言っていたのに、この位の上昇がそう判断する段階なのか不安です。閉経前なのでもう少し現在の治療を続けたいのですが、どうなのでしょうか。また閉経前だとアリミデックス、ゾラデックスの併用ですか? 骨転移もあるので、アリミデックスの副作用の骨痛が心配です。以上、大変申し訳ありませんが、アドバイスを頂けませんでしょうか。よろしくお願いいたします。

我々も診療上よく悩むところですが、CA15-3が65ということで、前回の検査からほぼ横ばい、その前が55前後で推移していたことをみますと、主治医の先生のお考えは次回の検査でもうワンステップ(たとえば70台、80台)に上がるようならば、治療の変更も考えようというニュアンスかとも思えます。数値の上昇の度合いがそのまま病勢を表すとは言い切れず、臨床症状や画像との総合判断ということになると思いますので、難しいですが、主治医の先生ともよくご相談の上、今の治療をもう少し続けてみるのも一つの選択肢かとは思います。(文責 片山)
 

 

No.2190】 04年02月22日 ゆみ
乳輪のぶつぶつ

はじめまして。30才になり急に乳がんを意識するようになりました。以前から乳頭の周りがかさついたり、痒くなったりする事があったのですが、乾燥によるものだと思い、さほど気にしていませんでした。あと、乳輪にぶつぶつ(痛みも痒みもない)があるのですが、乳頭付近の湿疹などは乳がんの症状でもあるとインターネットで初めて知って、怖くなってしまいました。最近ではなく、以前からあったような気がしますが、左右の乳輪にあり、特に右の乳輪にぶつぶつが多い気がします。右の乳頭のすぐ脇にはうっすら亀裂が入っているようにも見えます。乳房も自分なりに触ってみるとしこりのようなものもある気がしますが、両方の乳房にあるので、乳腺なのかなと思ったり、よくわかりません。5月に初めて婦人科検診をする予定ではいますが、今すぐに病院へ行ってみたほうが良いのでしょうか? 急に心配になってきました。病気でなくて乳輪にぶつぶつができる場合もありますか?

昨年来の朝日新聞の記事のように乳がんの疑いがあれば外科または乳腺外科に行くことをお勧めします。皮膚科でもかまいませんが、今の症状をお聞きする限り、Paget病という乳頭にできる皮膚癌の一種の可能性は低いと思いますが、やはり外科、乳腺外科に行かれたほうが良いと思います。(文責 石山)

 

No.2189】 04年02月22日 結婚5年目
乳首のかゆみ

はじめまして。3歳と1歳の子をもつ母です。ここ2週間ほど前から、左の乳首だけが、かゆくて、かゆくて仕方ありません。特に、就寝前と起床後のかゆみが激しいのです。日中はさほどかゆくなく、かゆみが止まっている状態が多いです。症状はかゆみだけです。子供をもつ身ですので、ちょっとの事が気になっています。乳がん系の症状ではなく、皮膚科系の方でしょうか? 教えて下さい。

まず皮膚科に行くことをお勧めします。このホームページにもたびたび出てくる乳頭のpaget病という乳がんの一種がありますが、かゆみがない湿疹ができるといわれていて、あなたの症状を聞く限り、まず皮膚科に行かれる方が良いと思います。(文責 石山)

 

No.2188】 04年02月22日 T.I.
薬の副作用について

初めまして。一年半前に乳がんの為、右乳房を切除し、その時点から四週間に一度ゾラデックスを皮下注射、毎日ユーエフティ、タスオミンを服用しています。3、4ヶ月ほど前から左目の充血が消えなくなりました。眼科で眼底検査や眼圧を調べて貰いましたが、異常はありませんでした。時々乾いたようなごろごろ感がありますが、痛んだり支障をきたす事はありません。ただいつも赤いので気になるのですが、飲んでいる薬と何か関係があるのでしょうか? 教えてください。

ホルモン剤の中には網膜症、白内障などというものはありますが、充血だけというのはあまり因果関係がないと思います。眼底検査、眼圧が正常であれば対症的に行くしかなと思いますが、もし気になるのであれば、一度薬をやめて改善するかどうか見てみるという方法もあります。主治医と相談してください。(文責 石山)

 

No.2187-1】 04年02月21日 Y.K.
鎖骨リンパ節への再発について

初めてご相談させていただきます。52歳の母のことです。母は2002年10月に右の乳房にしこりが見つかり、全摘手術をいたしました(それまで更年期障害の治療をうけていた経緯があります)。腫瘍(3×3×2)は乳輪真下にあり、浸潤がん、手術前の触診で、腋下にしこりのようなものは見当たらなかったため、恐らくリンパ節は大丈夫でしょう・・・とのことでしたが、実際はリンパ節転移T(9/11)、Uはナシとのことでした。ステージは当時の所見ではUbとのことでした。主治医は放射線治療をお考えのようでしたが、結局しないままでしたので、手術以降これまでにしてきた治療といえばフルツロンなどの服用くらいです。しかし1年4ヶ月経った先日、エコー検査で鎖骨リンパ節に1cm程度の疑わしい部分があり、細胞を取って検査したところ悪性、つまり再発だったようで、本日これからの治療方針のご説明をいただいたばかりです。
前回までの骨シンチ、肝臓や肺、脳などの検査も異常がなく、腫瘍マーカーも異常値ではなかったため本当にショックです。これから1週間の入院予定で、「抗がん剤の投与もしくはゼローダの服用のどちらにしますか」と言われましたが、(母は抗がん剤を選択)知識のない患者に治療選択をさせるということは、もう主治医は半ば諦めているという事なのでしょうか?・・・(1)
手術後に放射線治療を計画しておきながら実際行わなかったことも、やはりその時点で完治の見込みが薄かったと解釈するべきなのでしょうか?・・・(2)
今回がんが発現した部分は一番遠いリンパ節とは言っても、手術したのと同じ右の鎖骨なのですが、それでも再発ということは、がん細胞はもう全身に回っているということで、もはや臓器への再発も時間の問題なのでしょうか?・・・(3)
なぜだか今回も放射線治療はお考えではないようですし、がん細胞の切除もされないようです(切除手術は無駄だからされないのだとは薄々感じていますが、放射線は分りません)。
患者の家族として一番気になることは、やはりあとどれくらい生きられるかということです。本人も口には出しませんが、それが一番の気がかりだと思います。母には私の娘も含めて3人の孫がおりますが、まだ1歳、2歳、3歳と、どの子もとても小さく、せめて母(おばあちゃん)のことを覚えていられる頃までは元気でいて欲しいと思います。母のようなパターンだと、平均的にあとどれくらい元気でいられるものでしょうか?・・・(4)
どうかお教えください。

鎖骨リンパ節というのが鎖骨下リンパ節なのか、鎖骨上リンパ節かで状況が違います。前者はLevel Vリンパ節にあたります。この場合はLevelUまで手術時に郭清されているので、Vに出ているので再郭清の意義や放射線による局所治療の意義があると思います。しかし後者の場合は、取り扱い規約では遠隔転移扱いとなり、明らかに全身転移の一種と考えられることになります。従って後者の場合は局所治療はあまり意味はなく、全身化学療法が選択されることが多いと思います。ただ海外の有名な再発乳がんの治療指針としてホルモン剤が効く場合で、すぐに生命の危険がなければホルモン剤を優先するというものもありますので、ホルモン感受性の有無を確認してください。従って鎖骨上鎖骨下では意味がまったく違い予後はわかりません。過去治療成績の予後は10年生存率で見ますので、10年前にはタキサンもゼローダもないし、ホルモン剤も2,3種しかない時代でしたので、その当時の成績を見て悲観しても仕方ないと思います。主治医が放射線治療を選択したのにしなかった意味は不明ですが、放射線科医からの説明を受けて副作用のことが心配で患者さんが止める場合もありますので、その辺の事情は患者本人と主治医または放射線科医の間でやり取りがあったかもしれません。(文責 石山)

 

No.2187-2】 04年03月15日 Y.K.
鎖骨リンパ節への再発について(2)

以前ご相談させていただきました者です(NO.2187)。再度よろしくお願いいたします。
主治医に尋ねましたところ、母の再発部位は残念ながら鎖骨上リンパ節でした。しばらく3週間に一度の間隔で抗がん剤を打つこと、回数は未定との説明をされました。前回ご相談させていただいた際、「ホルモンの感受性を確認してください」とご指示いただき、主治医に確認いたしましたところ、「陽性」とのことでした。乳がんに関する色々な文献を参照しますと再発後の5年生存率が20%ですとか、肝臓転移した場合は早い人で2,3ヶ月の命・・・などと悲しいことしか書かれておらず、事実を隠しながら何も知らない母を支えてあげることに限界を感じてしまいます。母の性格上、事実を知らせたならば闘病意欲をなくしてしまうであろうと思われるので、再発という現実が持つ意味も母には隠しています。中には再発後10年生存されておられるケースもありますが、それは再発までの期間が長かった患者さんの場合で、母のように再発までが1年半足らずのケースでは可能性は低いでしょうか? 母のようなガンのパターン(ステージやサイズ、再発までの期間などの全て)を当てはめた上で鎖骨上に再発した場合、抗がん剤やその他の何らかの治療で、臓器への転移を食いとめ、何年も元気にお過ごしの方というのはいらっしゃるのでしょうか? それともやはりもう母の予後についてはあまり期待しない方がよいのでしょうか? 乳房の全摘手術後、腫瘍を半分に割ったものを見せていただきましたが、いびつな円形の中に黒い筋のようなものが多く見えていました。腫瘍が白っぽく軟骨のような方もおられるようですが、母のガンは標準よりも悪性度が強いのでしょうか? 腫瘍サイズが母よりはるかに大きくてもリンパ節に転移されていない方も大勢おられますし、なぜ母だけが・・・と考えても仕方のないことばかり考えています。母に残された人生の時間、もちろん統計上の事実で構いません。最良の場合と最悪の場合をどうかお教えください。

鎖骨上リンパ節の再発は、前回のメールにもありますように遠隔転移と考えられています。その後の経過で内臓転移を来してくることが多く、これらの内臓転移の前触れとして現れてくることがあります。確かに再発までの期間、リンパ節転移の数などを考えると、予後は厳しいものかも知れません。平均的には2〜3年の予後と思われます。但し、再発後の治療が奏効して、平均以上に10年近く長生きされている方もたくさんいらっしゃいます。手術後の補助療法はあまりされていないようですので、再発後の一次治療が効く可能性もあります。内臓転移が抑えられなくても、内臓転移をおこすまでの期間を延ばすことは可能かも知れません。現在行われている抗ガン剤の治療は副作用などでつらいかも知れませんが、頑張って治療を受けられるのがいいと思います。また、抗ガン剤終了後はホルモンレセプターが陽性ですから、ホルモン剤の内服をお勧めします。(文責 稲葉)

 

No.2186】 04年02月21日 Y
手術する方がいいのか不安です

2月6日に生検をし、17日結果が出て、来週早いうちに手術するように勧められています。ただ主治医は「乳がんのインフォームドコンセント」(癌研附属病院霞医師執筆)冊子1冊渡して詳しい説明もなく、「手術するのか温存するかは患者さんが決めることです。」というのです。質問も相談もできない雰囲気でした。今日セカンドオピニオンをと言ってみたら、「検査結果などは一切渡せない。他の病院で手術するなら紹介状を書く。」と言われました。その病院の乳腺外科ではない医師から、「浸潤、しこりは約2センチメートル、リンパへはなんともいえない。」という説明をしてもらいました。このままこの主治医に手術を任せるのは大変不安です。何かアドバイスがありますでしょうか。よろしくお願いします。

セカンドオピニオンは受けたほうが良いと思います。こうなるのには健康保険上そのシステムが認められないので、健康保険機関はセカンドオピニオンの手間など病院の善意によるサービスという事になります。従って医師によってはセカンドオピニオンを余計な仕事、面倒ごとと感じる人もいます。それと乳腺外科はほとんどどの病院も自分のところで手術した患者さんであふれていますので、つい忙しすぎて、自分のところで手術するかしないかわからない人に時間をかけて説明する事が物理的に無理なこともあります。しかしセカンドオピニオンは患者さんの権利です。紹介状がなくてもこれだけの情報を持って、とりあえずこっそりでも良いので、ほか病院にかれればよいと思います。ただの今の主治医の言うことは間違ってはいません。情報を総合して、術式は患者さんが自分で決めて納得して治療を受けたほうが良いと思います。(文責 石山)

 

No.2185】 04年02月21日 M.I.
補助療法について(HPNo.1868-6)

HPNo.1868です。術後のホルモン療法でノルバデックスを12月27日から飲み始め、第一回目のゾラデックスを注射したあとから頭痛・頭重があり、憂鬱で、更年期の症状だと思っていました。主治医から頭痛薬を処方されましたが、体に合わず、1回で止めました。主治医は脳検査を勧めませんでしたが、本日、他の病院で脳のCTをとり、血管が詰まっているとの診察で、MRIの再検査になりました。今のところ、脳に関しての自覚症状はありません。癌の転移ではないとの事です。ノルバディックス副作用との因果関係があるのでしょうか? また、ノルバデックスが服用できない場合に、他の薬はあるのでしょか? 私の場合はホルモン治療のみになっていますが、ゾラデックスのみだと不安があり、抗がん剤の投与を考えなければならないのでしょうか?
病理検査結果: 乳頭腺管がん、しこり3.5cm、リンバ転移陰性(0/19)、HR(+)、ハーセプテスト(2+)
現在 放射線治療 20回終わりました。

ノルバデックスの副作用として血栓症というのがありますが、その可能性があると思います。従って、このまま飲むことは無理かもしれません。似たような薬でフェアストンという薬もあり、一応血栓症の副作用はノルバデックスよりは少ないといわれていて、試す価値はあると思います。ただ閉経後乳がんが適応ですので、ゾラデックスで閉経状態にしながら投与は可能かもしれません。(文責 石山)

 

No.2184】 04年02月21日 N.N
男性ですが、乳首が腫れて、触れると痛い

はじめまして。26才、男性です。最近、乳首が腫れて、触れると痛いのですが、これは、乳がんなのでしょうか? また、このような症状はどこの病院へいけば診察していただけますでしょうか? 千葉県千葉市あたりでよい病院がございましたら教えてください。よろしくお願い致します。

乳腺外科があれば乳腺外科ですが、なければ外科に行かれることをお勧めします。非常にまれですが、男性も乳がんがあります。ただほとんどは男性乳腺症とか女性化乳房ということが多いようです。(文責 石山)

 

No.2183】 04年02月21日 R.U.
リュープリン注射の場所について(HPNo.1441-3)

以前ご相談したbP441です。その節はありがとうございました。ホルモン療法で、ノルバデックス2ヵ月後にリュープリンに変え、8ヶ月になります。コレステロールが223、中性脂肪が160と、要注意の数値にはなりましたが、閉経したので持病の子宮筋腫の痛みは消えたという利点はありました。副作用もたまにのぼせや頭痛がある程度で、気になる体調の変化は出ていません。リュープリンの注射をずっと左腕にやっておりますが、ネット情報によると場所を変えたほうがいいと書いてありました。そろそろお腹等、別の場所にしたほうがいいのでしょうか。また、やはりリンパ節の手術をした腕には注射をしないほうがいいのでしょうか。患部の腕には注射や血圧測定等はやらないほうがいいと本で読んで守っていますが、最初に主治医の先生に質問したら、「それほど特に・・・」という回答でした。採血の際も注射をよく失敗されるので、右腕にできればいいのにと思うこともあります。お手数ですが、よろしくお願い致します。

患側の腕の注射や血圧測定は、やはりリンパ浮腫の予防のためには避けたほうが良いと思います。したがってリュープリンは腕以外であれば、お尻やお腹に打つ場合があります。そうは言っても健側の腕の血管がなく採血がどうしてもできないときは、仕方なく患側ですることもあります。(文責 石山)

 

No.2182】 04年02月20日 Ruri
ブラジャーと乳癌

アメリカに住む38歳の主婦です。義理の母の友人が乳癌になり、治療中です。その方がお医者様にブラジャー(特にパット入り)は乳腺をふさいで乳癌の原因になると聞いたようですが、本当ですか?

その類の迷信というか、話しは時々聞くことがありますが、あまりしっかりした科学的根拠はないと思います。一般に慢性的な刺激が発癌に結びつくという考えがありますので、その拡大解釈でそう言う話しが出たと思います。ブラジャーが慢性刺激になるとは思えませんが。(文責 石山)

 

No.2181-1】 04年02月19日 N
乳首の湿疹

36歳主婦です。10歳になる子供がひとりです。右の乳首に赤いできものが一つできました。それと同時くらいに脇の下が痛くなりました。みるみるうちにブツブツが広がって、乳首全体にブツブツとでき始め、乳輪にも何箇所かできています。お風呂に入った時に白くなり、膿んでいる様になって爛れている感じです。でも次々と枯れていっている様にも思えます。痒みはあまりなく、爛れているせいか、ヒリヒリ痛いです。乳がんではないかと思い、外科で診てもらった所、リンパ節はあるけれど、がんの硬さではないとの事で、脇の下の痛みもばい菌が入ったのだろうとの事でした。一度皮膚科で診てもらいなさいとの事で、皮膚科で診てもらった所、パジェット病とは違う様な気もしますが、ヘルペスに症状が似ているとの診断でした。でもヘルペスにしては枯れてきているので、とりあえずは湿疹の薬で様子を見て、一週間後に来てくださいと言われました。それで治らなかったら、がんを疑って細胞を検査しましょうと言われました。もともとアレルギー体質で、体がよく痒くなったりして皮膚科には通い続けています。昨年の夏頃に、乳首と乳房がすごく痒くなった事がありましたが、今回の様な事は初めてです。過去に不妊治療でクロミッドを服用していた事があります。様子を見た方が良いのでしょうか。がんではないかと不安です。

私どもの外来にもそのような症状の方が2月中旬以降たくさん来られるようになりました。ほとんどの方はアレルギー皮膚炎のようですが、このメールの範囲では癌もないような感じですし、皮膚科の先生がおっしゃるように乳頭Pagetとも違うように思います。ただ最終的には、診断の根拠は病理になるので、とりあえず心配が本当につらいと思われるなら、簡単な手術で皮膚生検という乳輪付近の検査をされたほうが良いかもしれません。(文責 石山)

 

No.2181-2】 04年02月21日 N
乳首の湿疹(2)

さっそくのお返事有難うございました。もう一つ教えて下さい。がんの心配ばかりしていても仕方がないと思うのですが、パジェット病というのは片側だけにできるものなのでしょうか? それとも両側にできる場合もあるのでしょうか? 前回のメールでは、右の乳頭だけに湿疹の様なものができていたのですが、左の乳頭乳輪にもポツポツとでき始めました。右ほどは膿んだりなどはしていないのですが、相変わらず赤黒くかさぶたの様になっています。痒みはお風呂に入った時に少し痒くなる程度です。2度目に皮膚科に行った時に、何かの感染症の疑いもあるのでと、抗生物質を処方されました。それと、パジェット病は湿疹の薬で治った様に見える事はあるのでしょうか? お忙しい所すみませんが、ご回答宜しくお願いします。

Pagetは片方だけにしかできないと思います。両方同時というのは聞いたことがありません。見た目は確かに良くなったり悪くなったりというように見えることもありますが、ある程度の期間であれば、Pagetの場合やはり悪化しているはずです。(文責 石山)

 

No.2180】 04年02月19日 お茶
ホルモン療法について(HPNo.2009-2)

こんにちは。以前も相談に答えて頂き有難うございました。今回は術後のホルモン療法についてお聞きしたいのです。35歳、2児の母(2人とも母乳で育てました)、閉経前です。乳房温存手術後に放射線25回終わりました。*ホルモンレセプターER(+) PGR(+) リンパ節転移なし、核異型度V、しこりの大きさは 15.8o(線維腺腫と言われ、局所麻酔で摘出し、その結果病理で乳がんがわかりました。その為、この数字は私自身?の数字なのですが・・・) ステージTと言われています。今は、4週間に一度のゾラデックス注射のみの治療ですが、これだけで良いのか不安です(2回目の注射以降生理は止まりました)。治療計画ではゾラデックスを2−3年続けた後に、タモキシフェンを2年服用する事になっています。ホルモン療法の場合、ゾラデックスとタモキシフェンを同時に併用した方が効果は高いのでしょうか? タモキシフェンを同時に服用した方が再発を防ぎ安心できるのでは?と、素人考えで思っています。ご面倒をかけますが、よろしくご返答願います。

多分その答えはエビデンスのあるお答えはできませんが、ただ唯一エビデンスがあるといわれるデータではゾラデックスとタモキシフェンが、ヨーロッパの治験でCMFという副作用がある程度ある化学療法と同等の効果と言われ、併用をする方が良いかもという意見が多いので、やる価値はあると思います。最終的にはご本人に決めてもらうしかないので、データとしてはそのようなことは言えると思います。(文責 石山)
 

 

No.2179】 04年02月17日 S・M
乳がん骨転移の治療法について

2001年に左乳がんで全摘しました。2003年9月に肺転移、2004年2月に腰椎胸椎骨盤など、全身的な骨転移が見つかりました。現在、タキソール120で治療していますが、骨転移には、「神様にお祈りするしかない」と言われてしまいました。ホルモンレセプター(-)なので、有効な抗癌剤がないそうです。ベネット2.5mg1錠のみ内服しています。主治医を信じていない訳ではないのですが、もしかしたら、お祈りする以外の選択肢があるのではないだろうかと考えます。保険適応外の薬でもいいですから、何か治療法はありませんか。フルツロンも副作用(複視)のため内服できません。

タキソールは治療されているのですから、骨転移はそれによる治療効果が得られれば、神に祈る以上の効果が得られると思います。また併用薬としてビスフォスフォネートという薬が保険適応上は「悪性腫瘍による高カルシウム血症」となっていますが、乳がん骨転移の治療にも使えるので、併用で良いと思います。タキソールでだめになれば、タキソテールに変えるとか、使ってない抗がん剤を使う方法で治療を進めるのが一般的と思います。また最近では、ゼローダという新薬が昨年6月から使われています。(文責 石山)

 

No.2178-1】 04年02月17日 H 
術後補助療法の違いについて

32歳、主婦です。子供はいません。先月に左乳房全摘手術(オッケンクロス)をしました。腫瘍は乳輪の1ほど左上にありました。術前のマンモグラフィでは石灰化が3範囲で広くあり、MRIでも腫瘍と思われる箇所以外に煙のように乳房内に造影剤の拡がりが見え、胸筋にまで達しているのでは?と思うほどでしたが、主治医の判断では、くいついてはいないとの事でした。温存では必ず再発があるとの見解で、全摘になりました。病理の結果、「肉眼的所見で1.7×1.7×0.9、コメドタイプの乳頭腺管癌。拡がりは乳腺まで。ly0、V0、多くは乳管内進展、一部は間質浸潤 1.5、異型度3、乳頭直下あり、はじにも有り、断端は陰性、センチネル、他、リンパ節転移なし、ホルモンレセプターER90+、PGR60+、ハーセプト+1、結果T1N0 ステージ1。」と言う結果となりました。術後療法が病院によって様々で、主治医は「抗ガン剤はしなくてもいいでしょう、ホルモン療法も副作用が嫌だったらやらなくても良い」との見解です。次回の診察までに考えて来てくださいと時間を頂きましたが、リンパ節陰性でも異型度が3で年齢が若いと言うことで、病院によっては抗ガン剤ACとタモキシフェンをしますという病院もあるようです。自分としてはリンパ節転移もなかったみたいで、ly、V共陰性で安心していたのですが、やはり、そういう方でも再発はしてしまうのでしょうか。異型度3の怖さがまだわからないのですが、やはり、目に見えない癌は広がってしまっているのでしょうか。乳頭直下あり、はしにもあり。と言うところが気になり、断端は陰性だけれど飛んでいるかもしれないと考えた方が良いのでしょうか。病理での断端は360度見ているのですか? どこの断端を見ているのでしょうか。このまま何も補助療法をしない場合、どれほどのリスクがあるのか不安です。どうか、宜しくお願い致します。

断端は病院によって見方が違うので、360度すべてみるのは困難かも知れず、主治医にお聞きください。ホルモン剤は飲んだ方が、再発と対側乳がんの予防ができ、予後改善効果があるといわれていますが、子宮体癌などの頻度が少し高くなったり副作用もありますので、そこを考えて決められると良いと思います。病院によっては、抗がん剤は、「コメドと核異型度が3」ということから、ややリスクが高いと判断し勧められるかもしれません。(文責 石山)

 

No.2178-2】 04年03月18日 H 
コメド癌からの乳頭腺管癌について

No,2178で質問させて頂いた者です。色々調べても判らない事も多く、再びセカンドオピニオンをお願い致します。病理で悪性度が3というのは、進行癌と言うことで、取った細胞で、これは進んでいるなと判断されるのでしょうか? 皆、できはじめの癌は最初は悪性度1なのでしょうか? コメド癌は早くからの微少浸潤があると本で読みました。乳管内進展が激しかったので、水道水が細く流れ出ているように、長い間ずっと少しずつ浸潤していた事になるのでしょうか? 一部間質浸潤1.5というのが気になり、これが深いのか、微少浸潤に入るのか、どの本を読んでも出ていません。定規を見ると結構深いと感じるのですが・・・、拡がりは乳腺までとありました。先生はどう判断されますでしょうか? コメド癌について、温存では再発率が高いとありましたが、全摘の場合については殆ど情報がなく、ご意見をいただけますでしょうか。私の病理の場合、しこりは1.7だけれども、乳管内は端から端まで有り、やはり1期の限局されている方と比べて再発率は大きくなるのでしょうか? コメドと異型度3で、ややリスクが高いとお答えを頂きましたが、正直、再発率はどれくらいなものでしょうか? もちろん、一概には数字は出せないとは思いますが、漠然と客観的に見られた場合を知りたいです。リンパ節転移がなくても再発率が高いケースも珍しくないとネットや本で見かけ、実際に1期でも多くの方に再発が見うけます。ただ、自分として漠然としていますので、何卒宜しくお願いいたします。

細胞の悪性度が高いということで、病気全体が進んでいるということとは違います。乳癌に限らず言える事ですが、手術をした一時点での病理所見なので、最初は悪性度がどうであったかは皆さん分からないのです。乳管内進展は、乳管の中に止まっていた要素が多いということで、たちは良いと考えますが100%乳管内ではなく、一部に間質への微小浸潤があったものと考えられます。温存では再発率が高いというのは局所再発のことで、全摘をされているので全身的な予後は他の1期の方と大きく変わらないと考えます。5年生存率90%以上と思いますが、No2178のお話と併せて私見ではありますが、ホルモン療法を含めた補助療法は受けておかれたほうがよろしいと考えます。(文責 片山)

 

No.2178-3】 04年03月21日 H 
同時性乳癌について

左の乳癌についての検査の時に、反対側(右側)の乳頭からうす茶色の分泌物が出ました。おかしいとは思いましたが、主治医は特に何も気にしてなく、「マンマも大丈夫そうだから」と言うことで済んでいきました。しかし、3週間ほど前にもまた同じうす茶色の分泌物が出ていたので、本日主治医に話したところ、触診で圧迫しました。その時に、血清の分泌が出てきました。押せば出ると言う感じで、細胞診用とマンモテック用に2度押し出しました。もし、1年以内の同時性乳癌であれば、マンマやMRIでは画像として映らない早期の場合が多いと伺いました。同時乳癌は予後が悪いと聞いています。生存率からするとどれくらいなのでしょうか。乳頭腫と言う病気もあるとのことですが、私としてはおそらく乳癌のような気がします。何卒宜しくお願い致します。

血性の分泌物が出ても大部分は乳管内乳頭腫をはじめとした良性の変化であることのほうが多く、また同時性両側性乳癌の予後が特に悪いということはないと思います。(文責 片山)

 

No.2178-4】 04年04月10日 H 
乳管腺葉切除について

再度先生方のご意見を伺いたく、お願いします。
血性分泌にて、マンモテック200、細胞診クラス3。病理医の異型度は強くないが悪性を疑うとのコメントもありました。乳管造影にて、32歳、出産未経験とのことで、造影剤が乳頭から2センチくらいで滞り、枝分かれした乳管の撮影がうまくできませんでした。乳管造影で撮影した画像でも、しこり、石灰化は写っていないようでした。エコーでも疑わしいしこりはないようでした。主治医は、「乳腺腺葉切除で血が出る乳管から紫色の染色を流しても、同じように滞り、乳腺切除が難しいが、奥からの出血は少ないので、多分染色に頼らずとも血が出る乳管からさぐれば患部を見つける事ができるのでは。」とのお話でした。私としては本当に患部を見つけることが出来るのか、未だ不安も大きく、先生方はどういった治療法をされますでしょうか。
枝分かれした乳腺をうまく引っ張る事ができ、患部を見るとこが出来たら良いのですが、無駄な手術になるのでしたら、もう少し様子を見るのも一つの選択か、やはり迷います。片側を今年1月に手術したばかりで、また反対側にメスを入れて探るのも、寝ている子を起こすような結果になるのではないか、今回見つけられなかった場合にまたメスを入れることになるのか、不安も大きく、経過観察で手遅れにならないか、腺葉切除を受けるべきか迷っています。お忙しいところ大変申し訳ございません。何卒先生方のご意見を宜しく御願いいたします。

マンモグラフィー、超音波、MRIにて病変部位が不明であり、乳管造影でも場所がわからない?とすれば、場所を探し当てるのは難しいと思います。生検の前には病変部位を見つけておく(想定しておく)必要があり、闇雲に切除しても、病変部位を的確に摘出することには困難が予想され、病変部以外の正常組織を大きくとってしまうことにもなりかねません(再切除の可能性もあります)。メスを入れること自体は、寝ている子を起こすような結果になることはないと思いますが、お体に負担はかかりますし、無駄に行うことは避けなければなりません。
万が一非浸潤性乳管がんが存在したとしても、それが短期間で浸潤がんへと変貌を遂げる可能性は少ないと思います。手遅れにならないとは言い切れませんが、腺葉区域切除は比較的大きな切除になりますので、あせらずに検査上で病変部位の確認をされてから受けられたほうが賢明であるように思います。(文責 加藤)

 

No.2178-5】 04年05月26日 H 
肋骨の痛みについて

No.2178で相談させて頂いている者です。血性分泌の結果、同時性乳癌が判明し、右全摘手術を受けました。病理の結果はまだですが、一応センチネルは陰性でした。その他に気になることがあります。左乳癌全摘手術(今年1月)の2ヶ月後くらいから右側の片から下の筋肉(大胸筋)が痛く、それに伴って胸の真ん中の骨、右側の上から1番目の肋骨と2番目の肋骨が骨に沿って痛く、その肋骨と肋骨の間を触っても痛みがあります。これは右側乳癌の胸骨傍のリンパ節が腫れているから痛いのだと思い、主治医に伺ったところ、「胸骨傍リンパ節は腫れても痛みは出ません。検査して初めて判る方がほとんどです。今年1月の左乳癌の術前に撮ったCTで骨髄に転移がなかった事と、骨シンチで異常が見られなかった事を考えると、転移とは関係がないように思われます。筋肉、肋骨や肋軟骨には転移しません。」と言われました。骨転移で初発の痛みがこういった肋骨に出て判明する方もいらっしゃるのでしょうか。胸の真ん中も押さえると痛みがありますし、これは胸骨に転移ではないかと・・・。「転移を早く見つけても治癒しないのだったらこのままでもいいのかな。」とも思いますが、何とも漫然と過ごしています。術側の負担をなくすために右側で重い物を持っていたのは確かで、筋肉痛かなとも思っていたのですが、未だ痛みが続いています。まんじりともしない日々が続いています。どうかよろしく御願い致します。

大きな手術の後で、大変なことと察します。骨転移は肋骨にももちろん出てきます。痛みを伴ってでてくることも、症状もなく検査ではじめて判ることもあります。恐らく、手術に伴う後遺症のようなものではないかと思いますが、骨シンチをしてから時間が経過していますので、今一度、検査されてはいかがでしょうか? レントゲンも有用です。おっしゃるとおりに、再発すると治癒するのは難しいといわれていますが、症状の緩和には早期に発見することが肝要です。肋骨は神経の過敏なところで、ちょっとした筋肉痛みたいなものでも痛みが強いものです。また、病変がなくてもちょっとした力のいれ具合で折れたりもします。しっかりと検査されてはどうでしょう。(文責 鈴木)

 

No.2178-6】 04年06月20日 H 
 ICTP値について

HPNo.2178で相談させて頂いている者です。同時性乳癌で、病理の結果明らかな腫瘤はみられず、間質浸潤も見られないが、腺癌が有り、乳管内進展有り、リンパ節0/13、ホルモンER90+ PRG- ly0、ハーセプト- Tis n0 ステージ0期でした。この時に初めて5月の術前の腫瘍マーカーを教えていただきました。他は基準値よりずいぶん低かったのですがICTPだけ4.0と、とても基準値に近く、以前に相談させて頂いた右肋骨痛みがそんなに気にならなくなってきたものの、まだやっぱり左とは違う嫌な感じが有り、骨転移かと・・・。50歳代ですと普通でも高い方もあると聞いたことがありますが、32歳で4.0だなんて・・・。術後健康な方は、だいたい3.5とか、2.8とか、基準値よりも開きがあります。左はコメドも有り、異型度が3です。やはり先生方の経験上、再発をしてしまう人が多い症例でしょうか。リンパ節転移陰性でも再発される方はよく聞きますし、反対にリンパ節転移があっても再発されない方も大勢いるので、リンパ節よりも癌事態の性質を考えると、私も再発をしてしまうのかな・・と、なかなか明るくなれません。2月からゾラテックスをしていますが、ICTPはホルモン治療の影響を受けないと聞いています。先生方のご意見をどうぞ宜しくお願い致します。

TCTPは主に骨吸収を反映するマーカーで、骨転移の指標として最近多く用いられております。乳癌の領域においては、症状や画像による骨転移発見に先立って、TCTPが高値をしめすことがしばしばあるとされております。TCTPは4.5未満が正常範囲とされており、貴方の場合4.0であったということですので、少なくともその値で骨転移を疑うということはないと思います。しかし、TCTPに限らず腫瘍マーカーは一回の値よりもその変化が重要ですので、次の採血の際のTCTPの値がどう変化するか、主治医の先生からお聞きになるのがよいと思います。お若いにもかかわらず両側とも手術をお受けになっておられ、こころよりお察し申し上げますが、決して貴方の場合再発の可能性が高いケースとは考えらません。疑心暗鬼という言葉があります。気になっているとすべてのことが自分の悪いように感じられることがあります。貴方の場合、充分過ぎるほどよくお調べになり、よく考えておられます。ここらで一旦、「すべて主治医にまかせるわ」と、肩の力を抜かれてはいかがでしょうか? 貴方の不安の一部を主治医の先生が吸い取ってくれるかもしれません。(文責 谷)

 

No.2178-7】 04年07月11日   H 
頸部リンパ節転移とは?

大変申し訳ないのですが、再度質問させてください。両方のリンパ節転移陰性、リンパ管侵襲陰性でも頸部リンパ節転移はあり得ますか? 2週間ほど前から右横の首筋に5,6ミリのつるんとした米粒よりやや大きい柔らかい粒と、そのすぐ横にも米粒より小さな硬いつぶがあります。鎖骨のくぼみにはそういうものはありません。口内炎や虫歯もないですし、風邪をひいているわけでもないです。今までにこんな事もなかったです。耳鼻咽喉の本を見ると首の横、後ろの方のリンパ節の腫れは胸腹の癌からの転移とあり、これが頸部リンパ節転移かと・・・。鎖骨上リンパ節を触れなくても頸部リンパ節に出てくる事は、臨床として出てくるのでしょうか? 鎖骨下のリンパ節は手で触れる事はできますか? どうか宜しくお願い致します。

転移の可能性はゼロではありませんが、原発巣の手術時にはセンチネルリンパ節、腋窩リンパ節のいずれにも転移もなかったようなので、頚部のリンパ節が乳癌の転移の可能性は少ないと思います。頸部リンパ節は、特に病気のない人でも普通に触知することが多いので、あまり心配はいらないと思います。いずれにしてもインターネットでのやりとりだけでは、直接貴女を診察させていただいたわけではないので、何一つ確実なことは言えないのが現状です。身体的に心配な症状がある場合は、まず主治医に相談するのが得策だと考えます。(文責 千島) 

 

No.2178-8】 04年10月05日   H 
足の痛みについて

以前心配していた頸部リンパ節については、痩せている人は触ることのできる領域リンパ節で一安心していたのですが、2週間ほど続く足の痛みについてご意見をお願いします。右足だけがだるく、痛みが続いています。おしりの右側を叩いてみたり、右足付け根も痛く、太股を揉んだり叩いたり、ふくらはぎや足首も押すと痛気持ちいいと言う表現が合う感じです。骨転移の症状かと心配です。2ヶ月前にした骨シンチでは異常なしでしたが、骨シンチでも転移がわからない事もあると聞きます。「更年期障害で、関節の痛み」とありますが、右足だけというのが当てはまらないように思え、相談させていただきます。駅まで30分の道のりは、右足に痛みではないにしろ違和感がありつつも歩く事ができたり、背中を叩いてみましたが背中には痛みがありませんでした。ただ、右足全体が痛くだるい感じが2週間ずっと続いています。よくよく考えると右側のおしりの骨盤あたりも痛いような感じもしてきました。先日主治医に診ていただきました。「鼠径部のリンパ節は腫れていないし、臨床的には今のところ転移を疑う症状はないのでは・・・、整形外科も視野に入れて様子を見てみたらどうか。」と言う話しになっています。足のだるさは疲れるとありましたが、今までに腰痛なんて一度もなかった事を考えると、こんな時期に整形外科でお世話になるような病名なんてありえないと自分では考え、骨転移を疑ってしまいますが、リンパ節転移がない人の再発が1年以内に痛みが出る事もあるのでしょうか? N0の人は3〜5年目に肺に出る人が多いと本で読み、骨転移はN0で2以下の人は初発では希のデーターを読みました。本当でしょうか?
どうか宜しくお願い致します。 HPNo.2178で相談させていただいている者です。32歳、両側手術しています。抗ガン剤はやっていません。ゾラテックスのみを2月からやっています。

骨シンチを2月前に施行していて異常がなければ、現在の症状が骨転移の可能性は低いものだと思います。症状が出る前の骨転移のある時期は骨シンチで検出できなくて、MRなどの検査でやっとわかる場合があります。またもむと楽になるとか、たたいても痛くないとかといった症状は骨転移を強く疑わせるものではありません。ゾラデックスによる閉経状態で更年期様の症状も考えられます。できれば整形外科や子宮卵巣の検診もかねて婦人科受診をおすすめします。(文責 福間)

 

No.2177】 04年02月17日 K.S. 
急に大きくなった胸のしこり

約2年の不妊治療の末、この度妊娠することが出来ました。治療中は、誘発剤から、黄体ホルモン等、毎日連続で多数の注射を打ちました。お陰で今は6ヶ月に入ります。妊娠の影響で胸が張りだしたと同時に、胸にしこりを発見しました。ここで相談させて頂き、すぐに診察を受け、いろいろ検査しましたが、おそらく線維腺腫であろうとの事で、安定期にはいったので、全摘出手術を受けました。今は細胞検査中です。今回の線維腺腫は径5cmもある大きなもので、急に大きくなったのです。これが出来たのは不妊治療の影響があるのでしょうか? 再発もあると思って良いのでしょうか?

摘出後ですから組織検査の結果で線維腺腫であれば、あまり再発の心配は少ないと思います。急に大きくなったのは、ホルモン剤か妊娠自体でも大きくなる可能性もあり、どちらが原因かは不明です。(文責 石山)

 

No.2176】 04年02月17日 C.S  
セカンドオピニオンに混乱しています(HPNo.2032-2)

2032でお世話になりましたC.Sです。その節はありがとうございました。結局、主治医の方から放射線治療を再提案していただき、抗がん剤治療を中断し、再発部位に放射線を照射しました。無事終了したので、2月より抗がん剤治療CEF(エンドキサン750mg+ファルモルビシン150mg+5-FU750mg)で治療をしています。
さて、最近受けた2箇所のセカンドオピニオンについてお聞きしたく、お願いいたします。
B医師、C医師は共に腫瘍内科医で、国内の複数の癌学会の役員を行っているような医師です。B医師は、主治医の治療を肯定し、CEF治療もよいとのことでした。C医師は、主治医の治療をほとんど否定しました。まず術後のタキソテールを否定し、CEFで強力に再発の防止をするべきだとのこと。その後も再発したにもかかわらず同系列の薬を使い続け無意味、その結果、じわじわと再発部位が拡大してしまったとのこと。ただ、順序が逆だが、やっていないなら今からCEFをすることは肯定。結果論かもしれませんが、私の状態にあてはまるので、かなり混乱しています。C医師は、主治医を乳腺の専門ではないのでは?と疑いましたが、私の主治医は乳腺の専門の外科医です。C医師は、私への説明の内容ではなく、当たり障りのない内容で主治医に返事を書いているため、主治医にはB医師の肯定的な内容しか伝わっていません。
私の場合、ホルモンレセプターが陰性なので、この先抗がん剤の治療専門の腫瘍内科医の意見が聞きたくてセカンドオピニオンを行ったのですが、C医師の、「私の下にいる医師がこのような治療を行っていたら呼び出して怒る」とまでいった治療内容が不安になってしまいました。以前の質問の時に、最新の標準治療をしているとの返事をいただきましたが、再度ご質問します。再発治療には標準がないともきいたことがあります。今の治療の先を考えておくために、お考えをお聞かせください。よろしくお願いいたします。

再発乳がんの治療は難しいと言われていて、化学療法は腫瘍内科医が専門ですが日本にはまだ少なく、外科医がやっている場合がほとんどです。また腫瘍内科もバックグラウンドがあり、本来日本は乳がんのための腫瘍内科はいなかったので、白血病の血液内科から乳がんをやる人、肺がんの化学療法から乳がんをやるようになった医師の二通りがあります。また化学療法や放射線のやり方でも、アメリカとヨーロッパでは少し違います。その辺でセカンドオピニオンがそれぞれ異なることにもなり、タキソテールは今のところ術後の再発予防のエビデンスが低く、順番が逆というのは、テキソテールはCEFなどの治療後のセカンドラインという位置付けだからだと思います。(文責 石山)

 

No.2175-1】 04年02月17日 M.S.
乳管内乳頭腫の生検について

現在46歳です。3年程前に右乳房に(1センチ弱?大)のしこりがあり、絞ると2ヶ所から黄色い分泌物が出たので受診したところ、乳管内乳頭腫と診断を受けました。乳輪下にも数ミリの微小のしこりが数個あります。乳房痛もあります(分泌物を絞った後、しこりが小さくなる様に感じます)。経過観察で4ヶ月に一度検査をしていますが、先日の検査で前回より大きくなっており(1.5センチ弱?大)、生検を勧められました。マンモグラフィーでは石灰化や癌の兆候は見当たらず、穿刺細胞診はクラス3でした(血液が混ざっているとの事)。ドクターの話では、しこり部分とその乳腺葉区域も(乳輪下部分も含め)切除しないと又しこりが出来るので広範囲に切除するとの事で、 傷は5センチ位で乳房の変形もあるとの事です。5年前に左乳房の生検で切除し(乳管内乳頭腫)、4センチの傷があるので、出来ればこれ以上乳房に傷や変形をつくりたくありません。
@ 生検で広範囲に切除する必要性があるのか? しこり部分だけの小さな切除は出来ないのでしょうか?
A 広範囲に切除しないと、又できてしまうのでしょうか?
以上ご返答の程、宜しくお願いいたします。

乳頭腫が癌化する可能性や癌を合併する可能性があるので、広範囲に切除することで確実な診断と治療ができるというメリットがあります。ただ癌の合併をある程度診断し、引き続き経過を見たいのであれば、マンモトームという生検する装置がありますので、それによる検査であればほとんど傷がつかず検査はできます。しかし、病変は残りますので、引き続き経過観察が必要となります。(文責 石山)
 

No.2175-2】 04年02月20日 M.S.
マンモトーム生検

即座のご返答、大変有り難うございました。マンモトーム生検を受けてみようと思いますが、どこの病院に行けばいいのか解りません。出来ましたら都内の病院で信頼のおける先生を教えて頂けないでしょうか?(東京都中野区在住です) お手数をお掛けいたしますが、再度のご返答を何卒宜しくお願い致します。

マンモトームがありそうなところは新宿の東京医大、大塚の癌研でしょうか? 癌研は間違いないのですが、東京医大ははっきりしませんので、電話で確認されると良いと思います。(文責 石山)

 

 

No.2174】 04年02月16日 M.K. 
乳房の痛み

生理と生理の間、ちょうど排卵日頃ではないかと思うのですが、乳房が痛くなります。ずっとではなくて、1〜2日の、それも時々です。生理前に痛くなるというのはよく聞きますが、排卵日頃というのは、何なんでしょうか? 放っておいてよいものでしょうか? 基礎体温をつけているわけではないのではっきりしませんが、生理は順調にきています。しこりは、自分ではよくわかりません。

乳房が痛いというのは一般的に乳がんの症状ではないと思われます。年齢にもよりますが、更年期に向かって次第に乳腺組織が萎縮していく時にはいろいろな時期に痛みが出ることがあります。いずれにしても乳がん検診を受けていれば、それほど心配することはないと思います。(文責 石山)

 

No.2173】 04年02月16日 MOMO
マンモグラフィーの所見について

先日乳癌健診で、触診・エコー・マンモを検査しました。エコーまでは異常はなく、マンモにて乳房には異常はなかったのですが、右脇のリンパ節が画像に映っており、再度エコーで詳しく見ましたが、ドクターは、「正常でも映ることもあるから心配ない。半年後に再度見せて。」との事でした。やはりリンパ関係の病気なのか、なぜ半年後なのか、どんなことが関係してるのか、お教えいただけたらと思います。なお血液検査も受けていますが、白血球数等の異常はありませんし、癌家系ではありません。ご多忙とは思いますが、ご助言、宜しくお願いいたします。

脇の下にリンパ節があり、マンモグラフィーで写る場合もあります。一応1cm以下の大きさであれば異常なしとする事が多いのです。腫大している場合、潜在癌といい乳房に腫瘍が証明されないでリンパ節に転移して発見されることがあるので、非常に珍しいことと腫瘍の増大速度を考えて半年後となったと思います。(文責 石山)

 

No.2172】 04年02月16日 Y.O.
微細石灰化、診断・検査方法について

はじめまして。61歳の母の微小石灰化のことで教えていただきたく、メールいたしました。昨年2月にマンモグラフィ結果の要再検査でK病院にてエコーを行い、微細石灰化が見つかりました。量や形は同行していないのでなんともいえませんが、先生が「大丈夫ですよ。また半年後に定期検診にきてください」とのことで、6ヵ月後、8月に再来院しエコーを行ったところ、変化なしとのことでした。今月(本年2月)に再びエコー検査し、来週水曜(2/18)に結果を聞きに行くのですが、また同じような結果だった場合、6ヶ月後の再検査を待つ前にマンモトーム生検などで確定診断していただけないか聞いてみようかと思っているのですが、今の病院でそれが可能か、可能でなかった場合、どのようにして別病院を探せばいいのか、困惑しております。また、マンモグラフィーとエコーはどちらが詳細がわかるのでしょうか?私たちはエコーだと思っていたのですが、先日、母ががん保険に加入しようとしたところ、その保険会社の認識によるとマンモグラフィーの定期検診で異常なしなら問題ないが、エコーでは検査結果の詳細がわかりにくいので、と断られてしまいました。私たちの検査の認識が間違っているのなら教えていただければ幸いです。つたない文で申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

微細石灰化像はマンモグラフィー上の診断ですので、エコーでは詳細は解りません。石灰化の形、数などで生検の適応が決められます。6月ごとの経過観察とのことですから、おそらく良性の石灰化像なのでしょう。マンモトーム生検はどこでもできるものではありません、外来の主治医と相談して生検の適応や方法をよく相談して下さい。生検の方法はマンモトームだけではないと思います。(文責 石田)

 

No.2171】 04年02月16日 MJ
乳首の小さなできもの

私は右胸の乳首に1〜2ミリメートルほどの球形のできものがあります。色は乳首とあまり変わらないです。さわると軟らかく、ぷにぷにしています。時々かゆくなったりします。液などはでません。それに気が付いたのは3年くらい前です。私はまだ未成年なので、親にも友達にも相談できないし、病院にもいけません。死ぬのではないかと怖いです。このできものはなんなのでしょうか。 

乳頭の皮膚の乳頭腫といって単なる皮膚のいぼの様なものと推察されます。あまり気になるようでしたら皮膚科か形成外科で相談なされると良いと思います。(文責 石田)

 

No.2170】 04年02月16日 F
右脇下のしこり

相談室を拝見してメールを送ってみました。3年程前に右の脇の下に5mmくらいの球状のしこりがあることに気づいて、半年経ってから腫れて痛みがあったので皮膚科に行き、切って膿をとっていただきました。それからは痛みもなく、しこりも小さくなっていたので、気にしていなかったのですが、1年半前に出産した後、また少ししこりが大きくなりました。診ていただいたら、悪性ではないので切り取ってしまえば大丈夫…とのことでした。子供も小さかったので、そのときは切ってもらいませんでした。そうしているうちに、脇に近い腕の下にも同じような球状のものが2、3つ新たに出来ていたので気になっているんですが、悪いモノではないのですか? 教えていただけたらホッとするんですが…。

文面だけで判断させて頂きますが、膿とのことなので、化膿性粉瘤か毛膿炎と考えられます。初回十分切除しなければ再発し易いものです。いずれにしてもこの文面からは悪性の可能性は極めて低いと思われます。治療を受けた場合、病名をしっかり聞いておく必要がありますね。(文責 石田)

 

No.2169】 04年02月16日 M.Y.
母の乳癌について

はじめまして。53歳の母のことでご相談させて下さい。去年の4月、右側乳房に腫瘍が発見され、乳がんと診断されました。リンパにも転移しているとの事なので、乳房を考慮して切除しました。術後は民間の温熱療法やノニジュースなどを飲み始めたりして経過もよく、つい先日の肺辺りのレントゲンでは異常がないとのことで、本人もとても喜んでいました。しかし、今日のお昼頃担当医から連絡があり、血液検査で骨の辺りの腫瘍マーカーが高いと言われました。なにぶん私はまだ若くて、乳癌について無知で、なにがどうなればよくなるのか、全くわかりません。あまりに急な知らせに今も涙が止まりません。抗がん剤の服用時は髪の毛は抜け落ちたり、喉になにかつかえるような感じで、とても苦しそうでした。その時の乳癌のステージはUbです。もし、骨への転移となれば、ステージはWに上がっていて遠隔転移となるのでしょうか。遠隔転移となれば、 治療方法がないということを違うサイトで見つけ、とてもショックです。その場合は、ただその日その日を待っているしかないのでしょうか。母の服用している薬の名前は『 アリミデックス』というものです。この相談欄をみると、この薬の名前がないので症状が重い人の薬なのかと思い、とても不安です。わかることがこれくらいで、判断が難しいと思いますが、どうかよろしくお願いします。また、骨に転移となればやはり全体の骨が痛み、寝たきりのようになるのでしょうか。このメールを送って、結果がくることがとても怖いですが、本当の事を知らないと癌に勝てないので思い切って聞いてみました。どうかよろしくお願いします。

手術後9ヶ月で骨に再発したということでしょうか。ステージは初回治療時の進行度ですので、ステージはUbのままです。腫瘍マーカーが上昇したとのことでしたが、何処の部分に再発が証明されたのでしょうか? 抗癌剤とアリミデックス(ホルモン剤)を使用しているようですが、最初の乳癌細胞がホルモン感受性があれば通常併用します。最初に他のホルモン剤を使用していれば、再発後はこの新薬に変更することは通常の使い方です。骨の転移はどの部位なのでしょうか、背骨や骨盤に転移することが多いので、腰痛で発症することが多いようです。しかしながら、全く症状のない例も多数あります。再発の治療ですから、心配は尽きないと思いますが、直接主治医から正確な情報を聞いて理解するのが最も余計な心配をしなくて済むと思います。 (文責 石田)

 

No.2168】 04年02月14日 R.M.
早めの診察が必要でしょうか?

もうすぐ術後2年になりますが、リンパ転移ありでノルバデックスを飲んでいます。腰痛があるのですが、最近風邪をひき、長時間歩くと背骨と骨盤がすごく痛み、首筋のところにクリクリしたものがあるのです。私の勘違いと思い、知り合いの看護婦さんにみてもらったら、あるよと言われました。来月診察があるのでそのときに言おうと思っていますが、早い方がいいでしょうか? 自分としては痛みもないので気にしていません。骨盤の痛みの方が心配です。

文面からは十分な状況は解らないのですが、頚部のリンパ節の腫脹なのでしょうか。来月診察がある様ならその時の診察で良いと思いますが、骨盤の痛みを含め、心配になればいつまでも解消されないと思いますので、早めの診察をすれば、早く安心できるでしょう。(文責 石田)

 

No.2167】 04年02月13日 M.R.
しこりの触れない乳がんとは?

初めてメール申し上げます。相談室の開設、大変参考になり、諸先生方にはお忙しい中ありがとうございます。「しこりの触れない乳がん」という表現が乳がんの本にありますが、【自己触診ではわからないけれども】エコーもしくはマンモグラフィで見つかる1ミリ以下のしこりを指しているという理解でよろしいでしょうか。不勉強で申し訳ありません。ご教示よろしくお願い申し上げます。 

医師により触知が全く出来ないものをいいますが、1mm以下という大きさの規定はありません。病巣の範囲が広範なものもあります。エコー、マンモグラフィー、分泌物の細胞診などで診断されるものをいいます。(文責 石田)

 

No.2166】 04年02月13日 momo
骨転移でしょうか? (HPNo.1295-4)

HPNo.1295でお世話になったものです。以前ご相談した胸の痛みは3日ほどですっかりとれ、今は快適に過ごしているようです。予定通り一月末に母は骨シンチを受けました。今日その結果が出たのですが、脊椎に一個だけ3ミリ程度の黒い丸い影が映ったそうです。血液検査では何の異常も無かったそうで、お医者様は、「ここに黒い影があるので、この次検査をしましょう。」とおっしゃったそうです。しかし検査は3月23日で、一月半も先です。母が早い方がいいのではと聞くと、急ぐ必要は無いと思うよと言われたようです。もしも転移が疑われるのなら、そんなに放っておいてよいものでしょうか。最初の診察から4ヶ月もたってしまいます。また、転移以外でも映像に映るという事はありますか?母には大丈夫と言っていますが、なんとも心配でいたたまれず、ご相談いたしました。宜しくお願い申し上げます。 

骨シンチで小さい集積が一ケ所というだけでは転移はあまり考えません。加齢による、変型性脊椎症でも陽性になります。CT、MRIを予定していると思います。腫瘍マーカーが異常なしということからも、それ程急ぐ必要はないと思われます。(文責 石田)

 

No.2165】 04年02月13日 S.S
乳首と乳輪のかゆみ

はじめまして。25歳、独身です。過去の相談を読ませていただきましたが、私も乳首と乳輪の痒みで悩んでいます。一年ほど前から、入浴後に乳頭の皮がめくれるようになり、次第に痒みが乳輪へ広がり、かくとポロポロ皮がめくれます。痒みがあり、皮がめくれる部分の乳輪が黒ずんでしまいました。乾燥しやすい体質なので保湿クリームを塗っ ていますが、全く効果がありません。乳輪が黒くなったせいかポツポツが目立つ様にも感じます。分泌液は出ませんが、母が乳癌だった為、とても心配です。受診するとなれ ば、まず何科に行けば良いのでしょうか?アドバイスをお願いします。

嚢胞を伴う乳腺症と思われます。超音波で嚢胞内に腫瘍性の部分がなく、また多発性であれば、殆どは良性のものとして経過観察されます。細胞診がクラス3で超音波で嚢胞内に腫瘍性の部分が多少でもあれば、確定診断のためにその部分を摘出生検することもあります。その場合はしこりの直上でしこりの1.5倍くらいの切開で切除することになります。出産/授乳には問題ありません。切除はあくまでも診断のためで、治療ではありません。(文責 石田)

 

No.2164】 04年02月11日 KAZ
しこりの治療について

私は31歳、未婚の女性です。2年程前から胸にしこりが出来て、4ヶ月前から病院へ通っています。検査の結果、悪性ではなく液体が溜まっているとのことでした。検査も3回して、やっと結果がでました(二度は3段階でどちらともいえないだったので・・・)。その間になぜかしこりが増えて、最初は2箇所ぐらいだったはずなのに、2cm前後の大きさのものが4箇所ぐらいに増えているようです。しこりは左胸の内側に縦長に並んでる感じで、見た目にも判るぐらいに隆起しています。注射針で何回も抜いてもらっているのですが、液体ばかりではないからと、結局完全には抜けない状態です。後は切るしかないと言われましたが、切るとしても胸の何処を切るのか、どのくらい傷が残るのか、これから出産をする場合に何か不利な面もあるのかが心配です。何か他にも治療法はあるのでしょうか?

嚢胞を伴う乳腺症と思われます。超音波で嚢胞内に腫瘍性の部分がなく、また多発性であれば、殆どは良性のものとして経過観察されます。細胞診がクラス3で超音波で嚢胞内に腫瘍性の部分が多少でもあれば、確定診断のためにその部分を摘出生検することもあります。その場合はしこりの直上でしこりの1.5倍くらいの切開で切除することになります。出産/授乳には問題ありません。切除はあくまでも診断のためで、治療ではありません。(文責 石田)

 

No.2163-1】 04年02月11日 AYA .
再発でしょうか?

お忙しい中、申し訳ございません。初めてご相談させていただきます(47歳)。ステージVa(腫瘍サイズ5.5cm リンパ節転移7/32)で、2001年5月 左乳房全摘(大・小胸筋も合わせて摘出)、レード2、ER(+)、手術後CAF4クール、現在 ゾラデックス1/月 アリミデックス朝1錠です。今回のご相談は、2003年10月頃より肩・腕・背中に痛みがあり(ねじると痛みが増す)、整形外科を受診したところ五十肩(レントゲンで肩のところにCa塊が3個有り)との診断でした。これは骨への再発では? 2003年6月の骨シンチでは異常無しです。毎日、肩・背中・腕に痛みがあるたび不安になります。

骨転移の可能性は低いと思われます。症状があって、レントゲンで骨の変化がなければ転移による症状は否定的と思います。上腕骨、頚椎、鎖骨などのレントゲン所見を乳腺の主治医に良く診てもらって下さい。(文責 石田)

 

No.2163-2】 04年06月06日 AYA .
骨密度

以前2163でご相談させて頂いた者です。その節は有難うございました。又ご相談させて頂きたく、メール致しました。骨密度のことですが、ゾラデックスをうち始めて(うち始めは測定してないのでデーター無)2年経ったところで80%、リンパ節転移7個と多かった為、もう1年ゾラデックスを続けましょうと言われ、3年続けたところで骨密度が66%まで下がってしまいました。主治医は、ゾラデックスが良く効いているので、このまま後2年続けたいと言われます。現在はベネット錠2.5mgを服用し、3ヶ月ほどしてもう一度骨密度を調べる事になっています。閉経を迎えていればゾラデックスをうたなくてもいいと思うのですが、47歳で可能性はあると思うのですが・・・。 そこで、ゾラデックスをしながらでも血液検査で閉経状態が判るのでしょうか?この時の血液検査は婦人科で行うものなのでしょうか、それとも3ヶ月毎に受けている外科の血液検査で検査項目を追加すれば判るのでしょうか。腫瘍マーカー1CTPが、1月3.8U/ML →4月4.5U/ML と上昇しています。何か関連があるのでしょうか。それとも骨転移では・・・。お忙しい中、誠に申し訳ございませんが、ご回答宜しくお願い致します。

日本人女性の閉経時期は、平均51歳ということになっています。血液検査によって閉経レベルであるかどうかを調べることは可能ですが、ゾラデックスを投与している間は、女性ホルモンの数値は低値を示しますので、一度ゾラデックスを中止しなければなりません。血中のエストラジオール濃度が30pg/mlで閉経レベルと判断しますが、これは婦人科特有の検査ではありませんので、外科でも大丈夫です。また、I型コラーゲン(1CTP)は骨転移特有の腫瘍マーカーですが、基準値は4.5未満ですから、3.8→4.5でも、上昇しているとはいえず、骨転移を疑う所見ではないような気がいたします。ただし、ホルモン療法はあくまで再発予防のために行うものですから、副作用と効果を天秤にかけつつ、主治医と充分ご相談なさってください。(文責 須田)

 

No.2163-3】 06年03月17日 AYA .
再発でしょうか?

HPNo.2501でご相談させていただいた者です。その節はお世話になりました。また気になることがありましたので、ご相談させていただきたくメール致しました。頬杖をついていて何気なしに顎の辺りを触っていたら、奥歯の下辺りにビー玉位のしこりを見つけました。触るとコロコロと動きます。少し時間を置いて再度触ろうと思っても、しこりに触れない事もあります。少し前まで歯痛があったことと関係があるのでしょうか? それとも再発でしょうか? 纏まりのない文面になってしまいましたが、宜しくお願い致します。

顎下腺の腫瘍、リンパ節等が触れているのかもしれません。はっきりした事は診察しないと分かりませんので、耳鼻科を受診して、ご相談下さい。(文責 須田)

 

No.2162】 04年02月11日 H.H.
異常なのでしょうか?

はじめまして。27歳独身です。生理の度に胸に不安を覚えます。もともと胸にしこりはあり、それは胸が成長しだした時のしこりが残ってる感じです。でも生理前になると右胸の内側上部の部分が腫れ、とても痛いです。胸もとても大きくなります。違和感もあります。生理前で乳腺が腫れてるだけだと思いますが、その部分がはたからみて明らかに腫れるし、とても痛いので心配になります。また乳首もとても痛いです。ご回答いただけたら幸いです。

御相談の経過からは、乳腺症に伴う乳腺の腫脹感と痛みと思われます。乳癌の心配はあまりありませんが、これを期に一度乳腺外科を受診されることをお勧めします。今後もいろんな症状の変化が予測されます。(文責 石田)

 

No.2161】 04年02月11日 K.T.
手術後の胸(心臓)の痛みについて

初めまして、この相談室を見つけてとても嬉しいです。乳ガンに関して研究熱心な姿に感服致します。
2003年11月に乳ガンの手術を受けた65歳の母についてです。ガンは両胸にみつかり、左胸は1.5cmのしこり(検査結果では6cmの浸潤がみられました)で、手術は癌部分とリンパ節の切除、右胸は6mmのしこりがあり、癌部分の切除とセンチネルリンパ節処置でリンパを3つとる手術を行いました。どちらも温存です。手術は成功で、癌部分は取り除かれ、検査の結果どちらのリンパにもいっていなかったので安心していました。その後、左胸の癌が思ったより大きく浸潤していた為、抗ガン剤の治療となりました。現在はCMF療法で、3クール目が終了した所です。血液検査等でも全く問題なく、本人も元気なようなので放射線治療も今月から始めたところです。エンドキサンは抗ガン剤の点滴をしている2週間の間、朝晩1錠ずつ飲み続けています。
そこでご相談したいことというのは、術後になって何度か胸痛を訴えるようになっているので、服用薬との関係があるのではないかと疑っています。母は以前にも、動悸がすることがしばしばあったようで、市販漢方薬の「救心」を持ち歩いていました。その症状も更年期障害の治療と共にほとんどなくなっていました。しかし、今回乳ガンの手術後、動悸ではなく胸の痛みがひどくなっているようです。背中から押されるような痛みで、少しでも動くとひどくなり、前屈みになると軽減するようです。11月に手術をして、12月に胸痛15分間、20分間の2回、1月には1時間くらいその症状が治まらず嘔吐した為、救急病院に行きました。救急の検査で心電図に異常があったため、狭心症の疑いということで入院し、カテーテルによる狭心症と心筋梗塞の検査を行いました。が、結果は異常なしでした。ストレス等の心身性のものだろうということで様子を見ていたのですが、2月にもまた少し痛みがありました。本人はこれはもうエンドキサンのせいだといって、薬をやめると言っています。まれにエンドキサンの副作用で心臓障害が起こると聞きますが、今回の母の症状もそれなのでしょうか?エンドキサンをすっかりやめてしまっていいものなのでしょうか? それとも心臓障害に対処した薬を飲めば大丈夫になるのでしょうか?(ネットで検索して見つけたシロウト情報ですが…「ウロミテキサン」とか「ノイキノ ン」とか??)
エンドキサンによる心臓障害の副作用について書いてある文章はよくありますが、事例がでてきません。主治医の先生は抗ガン剤治療は心臓の痛みとは関係ないとおっしゃいますが、心臓のカテーテル検査に異常がないということなので、やはり抗ガン剤の副作用なのではないかと不安に思っています。お手数ですが、ご回答頂けませんでしょうか。よろしくお願い致します。

エンドキサンに関して能書には副作用に心筋障害が記載されておりますが、稀なものと思います。胸痛のさい心電図に異常があって心臓カテーテル検査をする程だったわけですから、一時的にしろ、胸痛の原因は心臓にあったものと推察されます。一時的な冠動脈の痙縮はカテーテル検査では異常は認められないこともあります。やはり循環器内科の先生にエンドキサンの服用も含めてよく相談して下さい。CMFではエンドキサンの服用は大切ですので勝手に止めるのはまずいと思います。(文責 石田)      

 

No.2160】 04年02月09日 K 
PET

通院している大学病院でのCT検査を(術後二年)受ける予定でしたが、県内に新しくPETの施設ができました。やはりPET検査の方が転移している微小な癌がみつかるのでしょうか。

術後経過を見るのに腫瘍マーカー、胸部レントゲン、肝臓エコー、骨シンチが一般的であり、CTはどこか部分的にみたい場合に適応になると思います。マーカー上昇か何か症状があった場合、PETは有用かもしれません。PETについての経験がないので正確には答えられません。(文責 石田)

 

No.2159】 04年02月09日 A.M.
線維腺腫摘出手術について

韓国に居住している者です。健康診断で右上外にしこりが発見され、乳がんかも知れないと思い、マンモグラフィーも撮影した上で、万が一ということで、生検までしました。結果は線維腺腫とういことで、良性腫瘍だと判明したのですが、こちらの先生は、「このままおいておいてもいいことはないので採ってしまおう。」と言われます。最終的には本人の意思ですが・・・(必要の無い物は取るというこちらでの一般的な考え)。私もよけいなものはとってしまった方がいいようにも思ったのですが、日本ではとらずに観察することが多いとも聞きました。それはどうしてなのか、その理由をお聞きしたく思います。また、こちらではマンモトームという機械があって、それでとると傷も小さくて、大丈夫だと先生は言われます(ちょっと費用はかかりますが)。日本に帰って病院通いするのもたいへんなので、こちらで手術を受けようと思っています。大きさは1.6センチ 。取った方がいいのか、取らなくてもいいのか、教えて下さい。また、マンモトームでの手術の安全性についても教えて下さい。

最初の生検というのは穿刺細胞診のことでしょうか? 腫瘍を全部とったのでしょうか。一部切除して線維腺腫と確定診断されたものであれば切除の適応は少ないと思います。経過観察が多いのは、十分に外来通院が問題なく可能故と思います。再診料が高かったり通院が不可能であれば、切除生検がすすめられます。マンモトームは通常は触知できない例に用いることが多いようです。安全な検査ですが、時に出血する例があります。触知できるものならばCore Needle Biopsyで十分診断ができると思います。年齢にもよりますが、切除生検が最も確実と思われます。(文責 石田)

 

No.2158】 04年02月09日 T.T. 
肝臓転移

1998年3月に乳頭腺管癌、しこりは、2.3、ER+、PR+、リンパ節転移なし。4年目にマーカーが上昇。胸骨に転移。ヒスロン、フルツロン。きかなくなり、次の年ゾラデックス注射アリミデックス。昨年末、マーカーが上昇。ホルモン剤ではもう駄目なので、CEF抗がん剤使用するといわれました。肝臓の血液検査の結果が悪かったので、1週間入院して様子を診ながら治療するとの事。初めての抗がん剤治療で不安と心配でいっぱいです。他にどんな方法があるんでしょうか? よろしくお願いします。

CEFは最も標準的な治療と思います。脱毛、吐き気、白血球減少が主な副作用です。他の治療法としては(1)タキサン系抗癌剤(2)カペシタミン(経口剤)(3)腫瘍のハーセプテスト2+以上ならハーセプチン(4)骨転移部に照射(5)骨破壊に対してビスフォスフォネート製剤などです。どれも一長一短があります。(文責 石田)

 

No.2157】 04年02月09日 M.I. 
抗がん剤治療について

昨年10月2日に右乳房全摘出手術を受け、その後ECを3ヶ月に4回受けました。その後、タキソールウイークリー投与を4ヶ月の予定でしたが、主治医側の意見が分かれて、タキソールは受けず、3日前からフェアストンを服用しています。EC3回目から生理がなくなりました。実は、手術前から右頸部の違和感があり、手術前にエコーを取りましたが、異常なし。12/15にO病院でエコーを取りましたが、頸部は異常なし。ただ右鎖骨上のリンパが少し腫れているようだが、たぶん心配ないと言われました。手術で鎖骨下のリンパまではとっています。相変わらず右頸部、鎖骨上部の違和感は続いており、再発、転移の不安に駆られています。最近は左側まで変な感じがします。手術前から肩こりもひどく、揉んでもらうと全体に少し楽になるような気もします。CTを撮ってもらった方がよいのかどうか迷っています。CTを撮ることによって癌を増殖させてしまう可能性もあると聞いています。みはりリンパ節に1個の転移があっただけで、鎖骨上、頸部への転移の可能性というのはどうなのでしょうか? またフェアストンは再発、転移にも治療効果はあるのでしょうか? お返事をお待ちしています。

ステージはUA 悪性度は2 硬癌 リンパ節転移は21中1、 HER2蛋白は1+、 術式Bt 腫瘤占拠部位Rt ace 腫瘤径2.0×1.8cm、  割面f 中間型、 組織型 Scirrhous、  構造異型 スコア2、核異型 スコア3、分裂像数 スコア1、  1y (+) V (-) n 1、   INF β、  ER  陽性 占拠率 5−10% 強度弱、   PGR 陽性 占拠率 70%   強度強

CT検査による影響は全くありません。文面から鎖骨上や頚部リンパ節転移の可能性は極めて少ないと思われます。ER+で閉経後であれば、ある程度再発転移抑制の効果はあると思います。(文責 石田)

 

No.2156】 04年02月09日 R.I. 
再乳癌の治療法について

お世話になります。1年半前、両胸の乳房温存手術を受けました。手術後、放射線を25回あて、ホルモン療法で、今もアリミデックスを服用しています。先日の1年半検診の折、エコーで、左胸に1個、右胸に2個、しこりのようなものが見つかり、細胞診をしました。数日後の検査結果は、右胸の1個が癌で、大きさは1センチ大ということです。1センチ大ということは、このしこりは1年半前にもうすでにできていたのでしょうか。前回の癌は、胸の首側の上の方にでき、今回の癌は、胸のわきに近いところにできていて、離れています。No.2134の相談者のお返事の中に多発癌のことが書いてありましたが、私の場合も多発癌でしょうか。多発癌の場合、一般的には温存術から外れるとのことですが・・。主治医からは、胸を全部とるか、しこりだけをとるかの方法があり、しこりだけをとった場合、また出来たときは、その都度とればよいと言われました。全部とった場合、一度放射線をあびているので傷の治りが悪くなるというようなことはないのでしょうか。また、しこりだけをとるとしたら、また何度もしこりができるのではと不安になります。そんなに何度もしこりをとる手術ができるのでしょうか。私の場合、どのような治療(手術やその他の方法)をしたらよいのか、ぜひお教えください。よろしくお願いします。

両側乳癌では多発や乳管内進展例が多い傾向にあります。通常多発癌とは診断時に乳腺内に多発しているものをいいます。ゆえに貴方の場合は多発癌とはいいません。全切除でも手術の傷が治りにくいことはないと思われます。2回目までは局所切除でも、それ程、予後に変わりはないと思いますが、再々発では全切除が適当と思われます。今回は部分切除か、全切除の2つの選択になると思います。(文責 石田)

 

No.2155】 04年02月09日 M.Y. 
化学療法ランダム化比較試験について(HPNo.2075-2)

以前、bQ075で相談させていただいた43歳の者です。この相談室は本当に参考になり、ありがたく思っております。
1月20日、温存術を受けました。しこりは13mm、リンパ節転移も1/10あり、ステージはUa、乳頭線管癌とのことで、今後化学療法を行うことになっています。標準的な治療法は他の方の相談内容等を参考にさせてもらっていますが、今日の診察で、医師より臨床試験について同意するかどうか聞かれて迷っています。試験名は、「ホルモン療法低感受性、脇窩リンパ節転移陽性乳がんを対象とした術後化学療法ランダム化比較試験」で、AC/EC療法とタキサン系の薬を組み合わせた方法2種類と、タキサン系のみの方法2種類の、4種類のうちどれが一番効果的かどうかを調べるそうです。その4種類のどの方法をとるかは、ランダムに決めるので患者や医師は選べないとのことでした。私としては、より効果のある方法を選びたいのは当然ですが、副作用が違うのに自分でその方法を選べないというのに不満がありますので、迷っています。試験に同意しない場合はAC/EC療法のみか+パクリタキセルになるとのことですし、途中で変更も可能と聞きました。
@ 副作用が心配なので、タキサン系のみ(吐き気の副作用が少ない?)を選択し、3週に1回でなく、1/3量を毎週という方法を選びたいと思うのですが、こういう臨床試験では、そういう選択肢はないのでしょうか? また、医師としての立場でなく、患者の家族であった場合、試験に参加することを勧めますか?
A ホルモン感受性についての病理結果は未だ出ておらず、閉経前であることから化学療法後にホルモン療法を行うとのことですが、化学療法にホルモン感受性は関係ないのでしょうか?
B 癌は手術で取りきれたので放射線治療の必要はないとのことですが、こちらの情報を見ていると放射線治療も標準的なようですが、本当に必要ないのでしょうか?

他の相談者のように、細かい病理結果を教えてもらっていません。わかる範囲でのご回答をどうぞよろしくお願いします。

どちらがより効果があるのかを調べる試験ですから、投与前には予測は不可能です。貴方の場合、臨床試験を同意しなかったわけですね、であれば治療法について主治医と相談して副作用の少ないものを選択することは可能です。臨床試験は最終的には本人が決めることです。その試験の内容を十分理解し、効果に大きな差がなく、それが乳癌治療の発展に役立つものであればという気持ちがあるのであれば参加すべきです。あくまでも自発的なものです。末節的なことでは治療費や通院費が軽減されるメリットはあります。ER+かーかは直接化学療法には関連はありませんが、ER−の方が、化学療法をより強化する場合もあります。温存療法後の照射については、多くの施設では行っているようです(私どもの施設では全例)。照射には一長一短もあるので、よく相談し、理解した上で治療をうけられるのが良いと思います。(文責 石田)

 

No.2154】 04年02月09日 M.T.
細胞診結果について

初めてメールさせていただきます。29歳の主婦、子供はいません。そろそろ不妊治療も考えているところです。先週、しこりの細胞診の結果が出て、クラス3と言われました。3ヵ月後にまた検査したいと言われたのですが、妊娠を希望していることを伝えたところ、「ではもっと早くに検査しましょう。」ということで、来週検査することになりました。最初の検査から1ヶ月も経っていないので、またクラス3という結果が出そうな気がしてなりません。クラス3という結果が出たとしても、今の先生は経過観察としそうな気がします。通常クラス3と診断されると、大体の方は生検をするのでしょうか(年齢に関係なく)? またクラス3と診断された場合、やはりしばらく妊娠は避けた方がいいのでしょうか? もし今妊娠していたとしたら(可能性がないわけじゃないんです)、子供を諦めることになるんでしょうか? たくさん質問してしまって申し訳ありませんが、宜しくお願いいたします。

クラス3であれば生検をすすめられると思います。妊娠のことを考慮すると生検が最も良い選択と思います。もし妊娠していたら尚更です。いずれにしても子供を諦めるなんてことは考えなくても良いと思いますよ。(文責 石田)

 

No.2153】 04年02月09日 H
線維腺腫の摘出手術について

お忙しい事とは思いますが、助言頂ければと思いメールさせて頂きました。既婚、子供1人の42歳主婦です。先日、ドック乳がん検査にて、「触診では異常なし、マンモグラフィーで良性の石灰化を認める」との結果から、乳腺外科にて検査を受けました。
・ 触診ではしこりはわからず
・ 石灰化は良性(読影のみ)
・ 超音波検査(カラードプラー法)の結果、1cm弱の「線維腺腫」が見つかりました
先生がおっしゃるには、「腫瘍内に若干の熱反応がある為、乳腺症とかではなく、腫瘍であり、その判断は96%良性の線維腺腫」との事。又「腫瘍部分が小さいので細胞検査をしても残り4%を埋める事は出来ない為、このまま暫く様子を観察していくか、摘出して100%を求めるか選択する様に」との事。経過観察をするのであれば家から近い病院を紹介するとの事でした。お伺いしたい事は、良性の可能性96% 1x0.7の腫瘍を摘出する事が悪性であるかもしれない4%を上回って必要な事なのか?又、96%と言う確率がX線と超音波だけで本当に診断可能であるのか?です。よろしくお願いいたします。

必要かどうかは4%をどう考えるかによります。生検自体は、負担は少ないので、4%を心配するのであれば行うべきです。さらに穿刺細胞診断を行えば、あと2%位は診断が確実になります。もう一つの選択として、大きくなるようなら、経過で性状がかわるようなら生検を考慮するというのも、妥当と思います。(文責 石田)

 

No.2152】 04年02月09日 S 
再発予防の為の術後補助療法(2)(HPNo.2082-2)

No.2082で再発予防の為の術後補助療法についてお聞きした者です。再度よろしくお願い致します。
今月の受診日に、主治医に思い切って、「CMFでは効果の薄い化療だったのでは?」とお聞きしました。すると、紹介状(転勤の為、術後に転院して化療を受け始めました。)に先の主治医が「CMF」を使用と書かれていたので、そうしたとの事でした。そして、当院では当時でも「CEF」を術後補助療法に使っていた(それならば選択させて欲しかった!)、「希望があるのならば、今からCEFを6クール追加してもよい。」との事でした。術後2年4ヶ月が経ち、今から「CEF」6コースは如何なものでしょうか。「タキソール」「タキソテール」「カぺシタビン」などの使用は如何なものでしょうか。お手数をお掛け致しますが、よろしくお願い致します。

再発抑制効果としてはCMF<CEFですが、大きい差ではなく、CMFが無効という訳ではありません。両者は副作用に大きな違いがあり、開始時、主治医が患者さんと話し合って決めることが多いようです。化学療法の期間ですが、多くは6コースで評価されており、できれば6コースが良いと思われます。「タキソール」「タキソテール」「カぺシタビン」については、より有効との臨床研究が発表されていますが、まだ評価は一定しておりません。(文責 石田)

 

No.2151】 04年02月09日 A.M.
アリミデックスの副作用について

乳がんの手術を6ヶ月前に受けました。今ホルモン療法でアリミデックスを平成16年1月27日から飲んでいますが、その薬を飲んでから血圧が上昇してきました。私は腎臓が一つしかないので、腎臓に影響があるのではないかと心配しています。アリミデックスの副作用について教えてください。日頃、蛋白が下りているので、腎不全にならないかと心配しています。大変お忙しいと思いますが、何卒ご回答お願い申し上げます。

薬剤に対する過敏性の他は副作用は殆どありません。高血圧ならば、早期に内科を受診して下さい。(文責 石田)

 

No.2150】 04年02月07日 MK
炎症性乳がん(HPNo.2099-2)

2回目の相談になります。(前回相談NO.2099)34歳。生検の結果、炎症性乳がんでした。骨も乳がんによる転移でした。今、痛み止めでモルヒネとボルダレンを内服してます。先日1クールが終わり、退院しました。炎症性乳がんの情報がほとんどないので教えて欲しいです。炎症性乳がんは「根治は難しく死亡率高い(NO.1133)」とありますが、手術しても無理でしょうか。4クール後、手術すると言われてます。

炎症性乳癌は診断時、ある程度全身病としてとらえられ、全身的な化学療法が治療の主体になります。よって化学療法が有効であれば、十分治癒する可能性はあります。手術自体は治療の中ではそれほど大きい要素でありません。しかしながら、局所をコントロールすることは局所の症状をおさえるのには重要な治療となります。化学療法は長期に渡ると思いますが頑張って下さい。 (文責 石田)

 

No.2149】 04年02月07日 M・W 
しこりはとった方がいいのでしょうか?

はじめまして。38才の1児の母です。昨年の市民検診のエコーでひっかかり、10月に精密検査を受けに病院に行きました。左胸に2?ほどのしこりがあり、マンモグラフィ・細胞診・MRIと検査をしましたが、「きつめの乳腺症であり、しこりは悪性のものではない」と言われました(検査数値は聞いていません)。出産したのはもう8年前にもなりますが、その時、母乳を飲ませていたのは3ヶ月ほどでした。自然と出なくなり、最近まで胸の張りなどなかったのですが、昨年頃から生理前になると胸が痛いほど張るようになり、特にしこりあたりは痛みが強いように思います。先生は、気になるようならとってしまったらいいのではとおっしゃっていますが、私は手術が怖く、しばらくはこのまま経過観察をすることにしました。
1) しこりをとれば痛みは和らぎますか?
2) 悪性のものにかわることはありますか?
3) 経過観察により度々のマンモグラフィによる体への影響はないでしょうか?

お忙しい中、よろしくお願い致します。 

1) 乳腺症があるようなので、しこりをとっても痛みは変わらない可能性はあります。
2) 悪性に変化することはありませんが、生検で境界病変が認められる可能性はあります。
3) 1年に2ー3回のマンモグラフィーなら影響ありません。(文責 石田)

 

No.2148】 04年02月07日 A.M. 
骨転移?肺転移?

2002年に温存手術、充実管癌1.5cm、センチネル生検0/3、エストロゲン+、現在、ゾラ+タモ治療中の37歳です。1カ月半ほど咳が止まらず、レントゲンを撮ったのですが、とりあえず怪しい箇所はみられず。ところが、先週から、今度は肋骨が痛み出しました(といっても、動いたり咳をすると痛む程度)。
● 咳のしすぎによって、軟骨にひびが入っているのかな、と思いたいのですが、骨転移による症状は考えられるでしょうか。
● 整形外科の先生に、今シンチを撮っても炎症がおきているため集積してしまうと言われたのですが、どのくらいたてば正確な診断ができるのでしょうか。
● 病院でもらった薬を飲んでも咳が止まらないのですが、レントゲンに写らないケースもありますか。

ご解答よろしくお願いいたします。

比較的、早期の乳癌のようで、この時期に転移は考えにくいと思います。咳による外傷が最も考えられます。咳がとまらないことについては、あまり長引くようなら、胸部のCT検査が有効かもしれません。レントゲンで写らない病変が確認されることもあります(肋骨を含め)。主治医によく相談して下さい。(文責 石田)

 

No.2147】 04年02月07日 T.T.
真剣に悩んでいます

今年18になる高校二年生です。僕は二年前ほどから女性化乳房らしき症状がでています。しこりは両方にあり、片方は小さいのですが、右の方は直径5cmぐらいあります(乳首を中心に円上にしこりができている)。資料などを見ていると女性化乳房は大体は一年以内で消えると書かれているのですが、どうなのでしょうか? がんといううことも考えられるのでしょうか? できることなら病院には行きたくないのですが・・・。もし行くとなれば何科なのでしょう? どんな事をされますか?  やはり手術をしないととれないものなんでしょうか? 薬は一年前に約一ヶ月ぐらいビタミン剤の「ハイチオールC」を飲んでいました。それ以外は何もないです。

癌は殆ど考えなくてよいと思います。内分泌に異常なければ、自然に消腿します。検査は超音波と採血でホルモンの検査をするかも知れません。 乳腺外科あるいは一般外科で扱います。余り目立って気になる場合、形成的な手術をする人もあります。(文責 石田)

 

No.2146】 04年02月07日 M
術後1年半たって、また乳癌と言われました

はじめまして。51歳のものです。よろしくお願いします。今、不安でいっぱいです。2002年の8月に乳がんの乳房温存術を受けました。右と左の両方です。検査のとき、右はCTやマンモグラフィに写りましたが、左はCTにもマンモグラフィにも写らず、エコーで見つかりました。リンパ節に転移はないということで、術後は、放射線を左右25回ずつ受けました。はじめのころはノルバディックスを飲んでいましたが、体調があまりよくないので、途中からアリミデックスに変え、今も飲んでいます。放射線を受けることで95パーセント乳房への転移はないということでした。ところが今日(2004年2月4日)の検診のおり、エコーで、左に1つ、右に2つ影があると言われ、細胞診をしました。2月6日にはっきりしたことがわかると言われていますが、簡易検査の結果では、そのうちの右の1つが癌であると言われショックをうけています。今回も、CTには、右のしこりは何も写っていませんでした。再発ではなくて、維持性の癌だろうということでした。維持性(たぶんこの字を書くと思うのですが)の癌とは、どういう癌ですか。あまりのことにびっくりして、今後どうしたらよいのかとか、本当に癌なのかとか、本当に癌は1つだけなのかとか、不安でいっぱいです。術後1年半で、いくつも癌ができることはありますか。太い針で細胞診をしたので、もし癌だとしたら、すぐに手術をしないと癌が広がりますか。ほかの病院でも診てもらったほうがいいでしょうか。また、ほかの病院で検査してもらうとしたら、細胞診で再び針をさしても大丈夫でしょうか。手術をするとしたら、どんな手術をしたらいいのでしょうか。温存術はもうしないほうがいいと思うのですが・・・。よろしくお願いします。

維持性ではなくて異時性だと思います。 異時性とは同時性にたいして使う言葉で、同じ時期に発生したのではなく、異なった時期に発生した多発癌と言うことです。要するに、最初の手術の時にはなくて、この1年半の間に出来たと言うことでしょうか。 温存した乳腺に癌が発生した場合、そこだけ切除することもありますが、両側性では多発の傾向があり、乳腺を全摘する方法が一般的です。しかしながら最終的な予後はどちらも変りないと思います。細胞診の最終結果をみてから判断しても遅くありません。細胞診で明瞭でなければ、生検までは必要と思います。(文責 石田)

 

No.2145】 04年02月07日 H.S. 
良性と言われましたが・・・・

始めてお便りします.私は39歳の主婦です。夫(39歳)、子供二人(10才・5才)の4人家族です。今年の初め(1/11日曜日)、右乳房に3cm位の痛みのない楕円形で良く動くしこりがある事に気がつき、病院で検査(下記参照)した結果(1/24土曜日に検査結果が出ました)、レベルUの良性で、結局乳腺炎のひどいものと診断され、経過を見ましょうとの事でした。取りあえず3ヶ月後に又エコーをかけてみると言う事、その間痛くなったり、大きくなったりしたらすぐ来てくださいと言う事、何ヶ月経っても小さいくならなかったら切ってしまった方が良いかもしれないと言う事を言われました。一安心はしたものの、まだすっきりとはせず次のような疑問があります。
@ もう一度他の病院で検査してもらわなくても良いものかどうか?
A こういうしこりは、一般的に小さくなっていくものなのか?
B 小さくならない場合、切らずにいるとガン化することはないのか?
C 細胞診のレベルT〜Xについてご説明頂ければと思います。

@ 検査はこの細胞診だけでなく、乳房撮影、超音波検査、触診など総合的に診断されます。これらを行った上での判断ならよいと思います。納得が出来なければ、他院の先生に意見をきくのは当然の事です。
A 乳腺症に伴うものであれば小さくなることもあります。特に嚢胞性で液体や壊死物質などが貯留している場合は小さくなることがあります。
B きらずにいると癌化することはありませんが、確定診断がつかないと言うことです。乳腺症の中には境界病変のものが含まれていることもあります。
C クラス1は異常なし 2は良性 3どちらとも言えない 4悪性の疑い 5悪性 です。(文責 石田)

 

No.2144】 04年02月04日 J・K
乳がん手術後の検査について

3年前に乳がんの手術を受け、リンパ節転移1/18、充実腺管ガンとのことで、ゾラデックス注射を一年続けました。先日、新聞に、厚生労働省研究班による乳がん治療の指針が掲載されており、「手術後定期検診での胸部CT、肝臓超音波検査、腫瘍マーカーなどは、推奨する根拠が明確でない」と書かれていました。また、1998年に米国臨床腫瘍学会が発表したガイドライン``Breast Cancer Surveillance''では、「骨シンチグラフィは、定期的な検査を行う意義が十分認められない」と書かれているそうです。手術後、医師から、3年間は妊娠を控えるようにといわれていましたが、3年経った現在?これらの検査がすすめられないということならば、何を基準に妊娠してもよいと判断すればいいのでしょうか。よろしくお願いいたします。

術後3年で転移再発していないことを確認するのは、骨シンチ、肝エコー、腫瘍マーカー、胸部XPで行うべきと思います。とりあえずこれらの検査で再発の所見がなければ近未来に化学療法の可能性が少ない故、妊娠許可の判断になると考えます。確かに再発をいつの時点で見つけ、いつから治療を開始するかについて予後との関係は証明されていません。重要な事柄ですので、やはり主治医と十分話し合い、妊娠については決定して下さい。(文責 石田)

 

No.2143】 04年02月02日 kei
骨盤転移の治療法について

いつも拝見させていただております。ご相談よろしくお願い致します。現在46歳。4年前、乳癌手術(術前アドレアマイシンとタキソテール4クール終了後、くり貫き温存治療。その後、ゾラデックス2年終了。フルツロン2年服用。ノルバデックス服用中)。昨年夏頃から右膝痛みあり。その後股関節に痛みがひろがり、大学病院でリウマチの診断を受け治療して参りましたが、12月頃から痛みの為に歩行困難となり、骨シンチ、MRI検査の結果、骨盤に7cmの腫瘍発見。どうしてここまで発見出来なかったのか、今は悔やむばかりですが、現在の治療法についてアドバイスお願い致します。12月に骨盤部位に放射線照射(1日2回10回一時終了。半年経てば再度照射出来ると言われました)。現在痛みはありません。1月よりタキソテールの点滴治療(毎週1回の6週連続)開始し、同時にユーエフティ・ヒスロンH・ワンアルファ錠を内服しています。主治医より骨盤の骨が溶解しているので、右足に体重を乗せると骨折のおそれがあるので車椅子か松葉杖の使用をと言われていますが、歩けない事によりかなりストレスが溜まってしまいます。現在骨盤腫瘍はどうなっていると考え、これから先、全く歩ける様にはならないのか? 今は骨盤の腫瘍が坐骨神経を圧迫し、膝や足に痛みがあると言われています。骨転移の場合、癌細胞が抗がん剤が効いて消失したり、固まってこれ以上広がらない様にはならないのでしょうか? 骨転移はすぐには生命の危機にならないとはいえ、癌がずっとあると思うと不安です。放射線医師には、骨が再生しないまでも何らかの修復をしてくれば(6ヶ月か1年くらいかかるが)、大腿骨には異常がないので歩ける様になりますよと言われました。私の様な場合、他にもっと良い治療法はありますか? 血液検査でCa流失がない場合、ビスフォスフォネ―ト剤は使う意味がないのでしょうか?

骨盤の転移の部位、程度が解らないので、なんとも言えません。体重がかかり、特に股関節の部分で破壊が強い場合は、歩行は困難でしょう。しかし、その他の場合は、歩ける場合が多いですが、整形外科の先生は安静といわれると思います。放射線や抗癌剤が奏功し、転移巣が固まれば、十分歩けるようになると思います。(転移部位による)これまでの化学療法の評価を行った後、ハーセプチンやゼロータなどに有効な例もあります。いずれにしても、このような治療では主治医からの説明をしっかり理解し、ともに治療していくことが肝要です。ビスフォスフォネ―ト剤は、血中のCaが高くなければ保険適応ではないのですが、有効例はあります。(文責 石田)

 

No.2142】 04年02月02日 I・S
乳がんの診断について

はじめまして。夜分に申し訳ないのですが、とても気がかりな事があるので聞いて下さい。5日ほど前に右胸の外側にしこりを発見しました。小さなものなんですが、2つか3つくっついているように思います。不安でしかたなかったので、先日病院に行ってきました。外科で診て頂いたのですが、最初に触診で、次にエコーで診て頂きました。結果、良性の腫瘍だと言われました。「採ってしまおうか」と言われましたが、私が考え込んでいたら、「他の病院に紹介状を書くからそこの先生と良く相談しなさい。」と言われました。切らずに注射器のようなもので吸い取る方法もあるよと教えてもらいました。それからまだ病院には行っていないのですが、本当に乳がんではないのでしょうか?エコーで診ただけで乳がんではないとわかるのですか?先生の言葉を信じたいのです・・・。良性なのに切るように薦めるのは本当は悪性なのかと、いろいろ考えてしまいます。病院に行くのにもすごい覚悟がいったので、今度また診てもらって違う結果が出たらどうしようと思うと、とても恐いです。あと、もう1つ気になることがあって、脇の下や肘の上の方などが筋がはったように痛いです。触ってもしこりのようなものはないのですが、よく考えてみたら胸のしこりを発見する以前から時々痛かったです。何か今回の事と関係があるのでしょうか?それとしこりを採るのに費用はどれくらいかかるのでしょうか。現在保険には入っていません。是非教えて下さい。お願いします。

最初の触診や超音波で7ー8割位は診断できますが、すべて100%ではありません。針で吸い取る検査(穿刺細胞診)を行えば。95%くらいの診断率になります。それでも100%ではないので、しこりをとり、最終診断(ほぼ100%の診断)を行うこともあります。年齢とか大きさや乳房撮影などを参考にして、しこりをとるかどうか決めます。脇や上腕のことについては診なければなんとも言えません。生検の費用は、いろいろですが(手術前の検査や術後の投薬を含めると)数万円ぐらいでしょうか。正確にはお答えできません。(文責 石田)

 

No.2141】 04年01月31日 N.P. 
治療法の選択について

浸潤性乳管癌、硬癌+充実腺管癌(大きさ:3x5cm)で、2003年8月より開始したCEF療法4回、タキソテール4回の術前治療を終え(大きさ:2x2x1)、来週、手術の予定です。治療前のセンチネルリンパ節生検では、採取した2つリンパ節のうちの1つに0.1mmの微小転移がありました。当初は、胸の手術と共に腋窩リンパ節郭清をする予定でしたが、郭清せずに、放射線を当てる方法でもよいとの選択肢ができました。脇の下に傷が残ることと、再生しないリンパ節切除に抵抗を示した私のために、主治医は現在の標準治療以外の、放射線での対応を提示してくださったわけですが、放射線を当てればリンパ節は機能しなくなり、なくなったも同様であると理解するにいたり、また、それぞれの方法に下記のようなメリット、デメリットがあるようで、どちらの方法にするか決めかねています。傷あとが残るか残らないかだけの違いなのだとすれば、放射線を選択しようと思っておりますが、先生のお考えをご教示いただきたく、よろしくお願いいたします。

郭清: 
メリット  @リンパ節のがん細胞を除去したことを病理検査で確認できる。
デメリット @傷跡が残る。Aむくみが出る。

放射線:
メリット  @入院期間が短縮できる。A傷跡がない。
デメリット @リンパ節に100%照射できたかを確認できない。(すべてを死滅させられるか確証がない) A皮膚が黒ずむ(時間とともに薄れる) Bむくみが出る。

依頼人: 年齢47歳の患者本人です。

おそらく乳房温存手術が予定されているのだと思います。術後の乳房放射線照射も必要とされる、その手術としてお答えします。手術のデメリットで、腋窩リンパ節郭清の傷ですが、腫瘍の位置によっては新たに拡げる必要が無い場合もあります。新たに必要でも、脇の下に隠れますので殆ど問題とならないと私は考えます。手術でもむくみがでますが、放射線照射でむくみが出た場合、極めて重篤になることがあリます。以上の点から、私は腋窩リンパ節に関しては手術の方を勧めています。(文責 石川)

 

No.2140】 04年01月30日  S.I.
乳がんの心配は?

こんばんわ。私は21歳です。左胸の下あたり、脇との境にしこりがあり、今もし乳がんだったらと思うと心配で仕方がありません。半年前に気づいたのですが、始めのうちは左胸に小指の爪ほどの大きさのものがあり、さわってもすぐ動いてつまめないようなのでしたが、最近ふと触ってみたら少し大きくなったみたいで、小指の第一関節くらいの大きさでした。私は胸の発育もおそく全然大きくないのですが、だいぶ前から乳頭も両胸陥没していて、これも乳がんの症状に当てはまるようなので、とても気になります。また今月、生理も初めて3週間すぎてもこないという状態です。どうかアドバイスをお願いいたします。

21歳という年齢から乳癌の可能性は低く、良性腫瘍が考えやすいようです。乳頭の陥没は両側で以前からなので、生まれつきなもので、癌とは関係ないと思います。いずれにしても、受診して安心しておくのが良いと思います。(文責 石川)

 

No.2139】 04年01月30日 みや
充実腺管がんの転移について(HPNo.1369-2)

昨年2月に細胞診クラスVaについて質問したものです。その節は有難うございました。36歳、既婚、子供2人です。ご回答を参考にさせていただいて、県立病院に移り、6ヵ月ごとに検査(マンモとエコー)を続けておりました。こちらでもはっきりした結果がでずにいたのですが、昨年12月のエコーで4月に映っていなかった「細かな小さい点々」が左乳房に映りました。細胞診をすすめられ、今年1月29日に充実腺管がんのステージTとの結果がでました。小さな点々の集まりは、エコー上 1.5×1.5×0.8cmで、しこりとしては確認できません。3月29月に部分切除の予定です。これから入院まで各種検査(MRIなど)を行います。主治医は信頼できる方ですが、「転移の可能性のあるがんですが、ほんとに初期のため、今なら大丈夫。転移は、まずないよ。」と言われました。ですが、実母を5年前に乳がんで亡くしているため、『転移したら最後だ』という気持ちがあります。何年後かにがっかりしたくないため、本当に大丈夫なのか、生存率はどのくらいなのか、ステージTからの転移率はどのくらいあるのか、お教えください。母の闘病生活を実体験しているため、不安がつのります。よろしくお願いいたします。

本当に大丈夫という100%の保証は早期癌、stage Tの癌でもありません。だから定期的にチェックが何年も必要になるのです。しこりが無くて小さな石灰化だけとしたら、非浸潤癌の可能性もあると考えます。非浸潤癌だと100%近くの確立で治ると言われています。予後については施設によって、報告者によって異なりますが、stage Tの5年生存率は90%以上、10年生存率は80%ぐらいと思います。stageTからの再発率はそれよりも若干高くなります。(文責 石川)

 

No.2138-1】 04年01月30日 とり
放射線治療

このHPで、「頸部リンパ節の転移を経て、今回第二肋骨に2センチ位の転移が見つかりました。現在までホルモン治療を続けています。今回の骨転移については、なるべく早く放射線を30回、毎日行うように言われましたが、1ヶ月まって欲しい」という相談に対して、「早めに放射線で治療をしてください。」と書き込みがありましたが、私の母親も骨転移(腰骨)と右鎖骨上リンパにしこりがあり通院していますが、ホルモン剤のみの服用です。どういう場合は放射線での治療をなるべく早めにした方がいいということなのですか?私の母親の場合、どうして放射線治療を要しないのですか?最近右のリンパが腫れているようで、首・肩・腕が痛いようです。アドバイスお願いいたします。

治療は早く開始したほうがよいというのが原則です。骨転移に対する放射線治療は病変が他に無く、かつ限局している、また重篤な副作用の可能性が極めて少ない部位の場合、あるいはそうでなくても疼痛を抑える姑息的手段として行う場合があります。お母さんの場合、これらの条件から外れるのではないでしょうか。(文責 石川)

 

No.2138-2】 04年02月07日 とり
放射線治療(2)

お返事ありがとうございました。腰骨右側に転移していて、硬化性のものであるということだけしか聞いていません。来週半年ぶりに骨シンチや他の検査等の結果がわかるので、色々聞いてみたいと思います。また硬化性ということで、ビスホスホネートを使用してもらえないのですが、この件、どう思われますでしょうか?硬化性でも効果が出てきているとの記事を最近目にしますが…。また右鎖骨上ではなく頸部にしこりができているようです。お忙しいと思いますが、お返事お待ちしております。

要するにリンパ節と、骨への転移の状態と思います。ビスホスホネートの適応は骨転移による高カルシシウム血症が適応ですので、硬化性か吸収性かは問いません。しかし効果という意味では、効果はそれほど期待できないと思います。しかし全くきかないわけではないと思います。この段階では全身の化学療法が適応になると思われます。(文責  石田)

 

No.2137】 04年01月29日 S.O
パジェット病について

はじめまして。乳首のかゆみについて調べていて、こちらを拝見しました。私は32歳、未婚で、出産経験はありません。
本来乾燥肌でもあり、乳頭部分もカサカサと少し皮がむけているような状態でしたが、昨年の秋から冬頃、新しく購入した下着を着け始めた頃から、特にかゆみが気になったので(主に右のかゆみが強く、左にも少しかゆみがありました)、保湿に気をつけました。かゆみは治まったのですが、右の乳頭部の中心の、皮膚の薄いところ(乳管の回りだと思います)が2ミリほど赤くなっていることがあります(一日中ずっとではないのですが)。こちらの、乳首のかゆみやパジェット病についての質問と回答を読ませていただいて、もしかしてと、とても不安でたまりません。湿疹やただれとは、素人目にも普通じゃないと分かるほどの変化なのでしょうか?
3月から就職が内定していて、それからは保険で診察も受けられるのですが、今は保険にも入っていず、あまり金銭的な余裕も無いため、できればもう少し様子を見たいのです。不安でたまらないのですが、もしパジェット病だった場合、保険が適用されなくては治療も続けられないと思うので、今すぐ病院へ行ったほうが良いものか迷っています。3月や4月では遅すぎるでしょうか?また、パジェット病だった場合、やはりかなりの長期間入院して治療に専念することになるのでしょうか?お忙しい所申し訳ありませんが、ご回答どうぞよろしくお願いします。

パジェット癌の乳頭の湿疹やただれは、素人目にも普通じゃないと分かるほどの変化のことが多いです。しこりが乳腺に形成されていなければ、まずリンパ節に転移は無く手術すれば治ります。1ヶ月ぐらいなら、様子を見ることも可能なことが少なくないと思いますが、病気は早期診断・早期治療が原則です。パジェット癌だった場合、普通2週間以内の入院治療になると思います。(文責 石川)

 

No.2136-1】 04年01月29日 M.S.
転移性脳腫瘍について

40歳になる姉が、2年半前に乳がんの手術をしました。米粒状の癌細胞が散らばるタイプだったので、気づいた時には遅く、リンパ節を調べたら55個ぐらいの転移がありました。先月までは元気だったのですが、先月より、嘔気、嘔吐、手先の痺れ、呂律が回らない等、症状が出てきたので、MIR検査、髄液検査をしたところ、髄液に癌細胞の転移が見つかりました。局所的に癌細胞が出来るタイプではなく、浸透性のあるタイプらしく、ガンマナイフの放射線治療ではなく、全脳照射しか方法がないそうです。転移性脳腫瘍について色々調べると、あまり生命予後がよくないようですが、これからどのような事が患者本人に起こるのか?また家族はどのように看護をしたら良いのか?そういった手引書などがありましたら教えて下さい。またこれは大変失礼な質問とは思いますが、九段クリニック等で行われているNK細胞治療(治療費約120万)についてはどう思われるでしょうか?率直な意見をお聞かせください。色々書いて申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

やはり全脳照射しか治療方法はなさそうです。乳癌の転移性脳腫瘍、特に癌性髄膜炎に対しては化学療法なども有効でなく、診断がついてから6ヶ月以上生存できる人は殆どいないと言われています。それほど生命予後がよくありません。これから、頭痛・吐き気・嘔吐・痙攣・意識障害、いろいろなことが起こっていくと思います。家族の看護についての手引書はありません(知りません)。精神的なサポートが重要になると思います。NK細胞治療については文献的に報告が殆ど無いのでよくわかりません。他の疾患で行われている場合でも末期癌では効果が見られていないので、乳癌の脳転移に対しては、まして有効の可能性は少ないと考えます。(文責 石川)

 

No.2136-2】 04年07月17日 M.S.
癌性髄膜炎のその後

半年程前に姉の乳癌からの転移で癌性髄膜炎の相談をした者です(No.2136)。その節はありがとうございました。その後放射線治療のお陰で嘔吐、頭痛等は改善され、現時点で意識障害等の症状もなく普通に生活しておりますが、最近切除した乳房のあたりにポツポツといぼみたいなのができ、病院に行ったところ乳癌の再発と診断されました。今後の治療で悩んでおり、再度ご相談する次第です。
1.3年前に抗がん剤治療はしました。アドリアマイシン(?)と何かを半年間投与。抗がん剤治療は2度目と云う事もあり、副作用の方が強くて、あまり効果は期待できなと言われていますが、本当でしょうか?その他の抗がん剤はどうでしょうか?
2.その時に放射線治療はしておりませんが、今から行なって放射線治療の効果は期待できますか?
3.再発の乳癌にホルモン療法は有効でしょうか?

今のところ、癌性髄膜炎、胸のいぼ以外にめぼしい転移の症状はありません。無意味な事はさせたくないと思っている反面、少しでも延命できればとも思っています。お手数をお掛けしますがよろしくお願いします。

1.乳癌に対する抗癌剤はアドリアマイシン(アンソラサイクリン系抗癌剤)以外にもタキサン系の抗癌剤など多くの種類があり、2回目の治療でもかなりの効果が期待できます。
2.ボツボツが出来始めてから放射線を当てても、完全に消し去るのは難しいかもしれません。抗癌剤でボツボツが縮小するようならば、放射線を組み合わせることで皮膚再発をコントロールできる可能性があります。
3.初めに手術したときの乳癌がホルモン療法剤に対する感受性を持っていれば、今回の皮膚再発に対しても効果があるかもしれません。ただし、今までどのホルモン療法剤をどのくらい使用したかによっても効果の発現率が変わってきます。これらの治療も、脳転移がどの程度コントロールされているかによって選択基準が変わってきます。前回の回答でもあったように、脳転移に対しては抗癌剤が効きにくいので、脳転移の進行が早いようならば、あまり強い抗癌剤治療でボツボツと戦っても、副作用に苦しむだけで、あまり意味がないかもしれません。もう一度主治医から今後の予想される経過や、抗癌剤の効果と副作用のバランスに説明していただき、お姉さまにとって最良の治療を選択するようにしてください。(文責 千島) 

 

No.2136-3】 05年02月12日 M.S.
癌性髄膜炎のその後(2)

いつも都合の良い時だけご相談して頂いて申し訳ありません。その後、乳房内再発した癌は組織検査をしたらホルモン受容体ではない結果(硬癌)が出たにもかかわらず、タモキシフェンを1ヶ月程飲み続けたら進行が止まったので、それ以外の治療はせず現在に至ります(乳房内再発に関しては現状維持)。ただ2ヶ月ほど前よりだんだん足に力が入らなくなり(痛みはないそうです)、最近では階段の昇り降りも苦痛になってきたので、背中のMRIを撮ったところ、背中の骨髄(?)に癌性髄膜炎とみられるものが写っていたようです。これからもっと詳しく場所、範囲等を調べて治療方針をを決定する事になりましたが、現時点では直接脊髄に抗がん剤を投入する治療が濃厚です。それで重複するかもしれませんが再度の質問です。この場合使用する抗がん剤は、どのようなものが考えられますでしょうか? また一年前に全脳照射をしたお陰で、今でも脳には異常が見られず、意識も食欲も普通で、他の臓器、骨には転移はないとの事なので、私としては姉には放射線治療が合うのかな?と思いますが、背中に放射線治療をする場合の有効性はどうでしょうか? 多分範囲によるとは思いますが、どれぐらいの広さまでだったら治療できますか? いつも漠然とした質問で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

癌性髄膜炎で髄膜内に注入する抗癌剤はメトトレキセイト(MTX)が一般的です。放射腺も癌性髄膜炎には有効ですので、髄注が旨くいかなかった場合放射線ということになるかも知れません。照射の範囲についてはよく知りませんが、一度に安全に行えるのは3〜4椎体ぐらいだと思います。(文責 吉田)

 

No.2135】 04年01月28日 T.S.
術後補助療法の相談

妻の補助療法で悩んでいます。妻は40歳、閉経前。12月末に温存手術を実施、1月末より放射線治療を始めます。病状は以下です。
腫瘤大きさ;14mm、乳頭線管ガン、リンパ節転移;0/11、ER+(高度 10%以上)、PgR(軽度 5〜10%)、悪性度;Grade2、HER2-、病期;ステージ2(浸潤の範囲がやや広いということでステージ2 とのこと)
主治医(外科)から補助療法としてはホルモン治療だけで十分と説明されていますが、化学療法は不要なのでしょうか?ご助言をお願いします。

年齢、腫瘤大きさ、リンパ節転移0、ER+(高度 10%以上)、PgR(軽度 5〜10%)、悪性度;Grade2、HER2- なので再発のリスクは低いと考えられます。(悪性度;Grade1 なら、minimal risk に入ります)。この場合、ふつうはホルモン治療だけか、または何も投与しないのが一般的です。(文責 石川)

 

No.2134】 04年01月27日 S 
多発癌

お世話になります。1月16日に手術による生検をし、2つの7ミリの腫瘍をとりだしました。21日に癌と判明し、近く温存で手術を受けるのですが、2つ見つかったことで乳房の他の部位にも見えないものがあるのではないかと心配です。この癌が多発性のものかどうかを調べるにはどのようにすればよろしいのでしょうか、また期間はどれくらいかかるのでしょうか。生検後、本手術までの期間はどれくらいまで大丈夫でしょうか。よろしくお願いいたします。

2つ見つかったことで、乳腺の他の部位にもさらに病変がある(多発癌)可能性があります。それはMMG、US、MRIなどでしか調べようがありません。それでも、とても小さいものは探知することはできません。それで、温存術後に化学内分泌療法や放射線治療を追加するわけです。2つのしこりが離れて存在する場合、多発癌ということになり、一般的には温存手術の適応から外れます。生検で腫瘍切除後ですし、しこりも7mm大と大きくないので、手術まで慌てる必要はありません。しかし、早いことに越したことは無いので1ヶ月、おそくとも2ヶ月以内の手術を私は勧めています。(文責 石川)

 

No.2133】 04年01月27日 H 
アリミデックス

平成12年、乳がんの手術をしました。一昨年3月、閉経前なのにアリミデックスを投与されました。すぐに体調が悪くなり、寝込むことが多くなりました。直後4月から現在に至り、39度前後の高熱が出るようになりました。現在も熱が頻繁に出て苦しんでます。アリミデックスの誤薬の副作用ですか。間違って薬を投与した病院は体質がかわったせいだと言っています。思うように働けず困っております。製薬会社にも電話しましたが、そういう間違えを起こす病院の報告例がきてないとの回答でした。ぜひ教えてください。

アリミデックスは閉経後の薬です。アリミデックスの副作用としては典型的ではありませんが、可能性はあります。薬の場合、゛疑わしきは罰する゛で、止めて因果関係をはっきりさせる必要があると考えます。(文責 石川)

 

No.2132-1】 04年01月27日 m.k
術後療法について 

はじめまして。いろいろな方のていねいなアドバイスをしているのを拝見し、62歳、閉経後の母のことで相談したいと思いメールしました。
2003年12月17日に乳がんとの診断を受けました。術前検査の結果、左肺または胸膜にCT上1cmほどの陰影があり、明らかな転移とは言えないとのこと。また、術前には2週間アリミデックス朝1錠、フルツロン朝昼夕各2錠内服。1月5日に左乳房摘出術、リンパ節レベル1まで郭清を受け、現在術後3週目に入ろうとしています。病理結果、腫瘍の大きさは20×15×15mm、リンパ節転移17分の1、乳管リンパ、血行性に転移あり、浸潤性硬癌。エストロゲンレセプター、HER2の結果は未です。1月22日に主治医から説明を受け、術前と同様の経口薬[アリミデックス朝1錠、フルツロン朝昼夕各2錠]を続け、経過を見るか、タキサン系の化学療法を受けるかとの選択を迫られ、タキサン系の治療は脱毛などの副作用があるため無理には勧めないし、この程度であれば経口薬でもいいだろうとのことでした。本人家族とも、肺または胸膜またはその他の遠隔転移が気になり、ペット検査を希望しています。他院の紹介状を3ヵ月後に出すといわれました。そこで質問ですが、このような場合、
1、ペット検査を受けるまではアリミデックスとフルツロンの内服で経過を待ってもいいのか?その他の経口抗がん剤、ホルモン剤の選択はないか?
2、ペット検査を受ける時期は術後3ヶ月で適切か?
3、フルツロン200mgを1日6カプセル内服するのは適量か?
以上についてお聞きしたいと思います。お忙しい中、申し訳ありません。よろしくお願いします。

1、ペット検査を受けるまではアリミデックスとフルツロンの内服で経過を待っていいと考えます。効果が無効とはっきりした訳ではないので、その他の経口抗がん剤、ホルモン剤に変更する理由はないと思います。
2、ペット検査を受ける時期は肺の病変?が気になるなら、早いに越したことはないと思います。そうでなければ、一応手術で完全切除と考えられるので、慌てる必要はなく、術後3ヶ月でよろしいと思います。
3、抗癌剤はそれぞれの薬剤について至適投与量の範囲が決まっており、その中で患者さんの状況をみて投与量を決めています。フルツロン200mgを1日6カプセル内服はかなり多めになりますが、投与量範囲を逸脱してるわけではありません。(文責 石川)

 

No.2132-2】 04年02月22日 m.k
ハーセプチン療法について

先日はありがとうございました。とても参考になり、感謝しております。再度、62歳、閉経後の母のことで相談したいと思いメールしました。
術前に2週間アリミデックス朝1錠、フルツロン朝昼夕各2錠内服。1月5日に左乳房摘出術、リンパ節レベル1まで郭清を受け、現在術後3週目に入ろうとしています。病理の結果、腫瘍の大きさは20×15×15mm、リンパ節転移17分の1、乳管リンパ、血行性に転移あり、浸潤性硬癌。術後は術前と同様の経口薬[アリミデックス朝1錠、フルツロン朝昼夕各2錠]で経過を見ていましたが、2月11日に退院し、その時点ではじめて、「エストロゲン・プロゲステロンレセプターともマイナス、HER2はプラス3でハーセプチンの適応はあり」という結果を知らされました。ハーセプチンの実施については高価だからしなくてもいいのではと、通りすがりに言っただけでした。いくら高価であっても、治療の効果が期待できればすぐにでも開始したいという意向です。また、退院後はアリミデックスが中止となり、フルツロンのみの内服です。しかし、フルツロンは知り合いの薬剤師とも相談し、術後の6カプセルは多いのでないかとのことで、分4で朝1、昼1、夕1、就前1に変えています。また、肺への遠隔転移の有無を明らかにするため、2月25日にペット検査を予定しています。ちなみに退院後の外来は3月23日の予定で、その時点ではペットの結果も出ると思います。その時にハーセプチンの実施については相談しようと考えています。そこで質問ですが、このような場合、
1) アリミデックスはホルモンレセプターがマイナスの場合、内服しても効果は全く期待できないものなのか?
2) ハーセプチンの適応であれば、ハーセプチンの点滴治療を早期に開始すべきか、ペット検査の結果を待ったほうがよいのか、それとも適応があっても開始せず経過を見ていくか? ハーセプチン実施によって、再発や転移に対する予防効果は大きいか?
3) フルツロンの内服は分4で適当であるか?

以上について、アドバイスをよろしくお願いします。

一般的にホルモン剤はレセプター陰性では効果がある人は10%程度で、0ではありませんが、余り使わないほうが良いと思います。ハーセプチンの適応症例ではありますが、適応症には再発乳がんと書かれていて、再発予防に使うのは意味があるかどうか、データがありません。乳管リンパ、血行転移というのは転移ではなく、リンパ管侵襲、脈管侵襲のことで、再発のリスクファクターではありますが、現在再発している訳ではありません。従ってPETで肺転移でも見つかれば別ですが、ハーセプチンは再発予防には勧められません。フルツロン分四を薬剤師の方に相談されたと言うのですが、今の主治医はそのことを理解しているのでしょうか。1200mgは6カプセルですから、減量したことになるので、薬剤師の意見で主治医に無断で減量するのは、法令にも違反し、問題と思います。フルツロン1200mgという治療法も副作用の下痢、白血球減少を見ながら投与すれば可能と思います。以上の要点を踏まえて、主治医と良く相談されることをお勧めします。(文責 石山)

 

No.2132-3】 04年05月27日 m.k
術後補助療法について

HPNo.2132で以前も相談しました。ご丁寧な回答に大変感謝しております。今回は母の術後の化学療法についての相談ですが、よろしくお願いします。母の顔を見る度に癌が再発してないかと不安になってしまっています。04年1月の手術後、補助療法としてはフルツロン分6の内服だけですが、異型度(3)、両ホルモンレセプター(−)、ハー2(3)と言う悪性度の高いがんでもあるため、予防的にもすぐにでも術後化学療法をしたほうがよいのではないかと、毎日悩んでおります。2月に退院し、その後の1ヶ月おきの受診です。実施した検査と結果は次のとおりです。PETで、肝臓にのう胞があるが、明らかな異常はなしとのこと。腫瘍マーカーも術前と変化なし。前回診察時、肺のCT、肝のアンギオCTを行いました。また、転移の症状ではないかと気になるのですが、めまいと咳き、膝の激痛(整形で変形性膝関節症と診断されています)があります。なお、主治医にはまだ、前回診察の時点(4月末)で化学療法についての具体的な相談はしておらず、フルツロンの内服は効果がないのでは?との問いに、内服中止してもよいとのことでしたが、内服は希望しました。また、ハーセプチンは適応であり、いつからでも始めていいとのことでした。そこで質問ですが、

1)  化学療法は今すぐにでも行ったほうが効果があり、そのほうがよいのでしょうか? 術後すでに5ヶ月たっていますが、副作用の脱毛などを考えると、外出が少なくなる9月あたりから始めていきたいという思いもあります。
2)  化学療法としてまず行うのはCAF6サイクルかAT4サイクルからはじめて、経過を見るべきか。または、AT4サイクルのみ、もしくはAT4サイクル→T4サイクルから始めるか。明らかな転移がなくとも、ハーセプチン単独か、ハーセプチン+Tを始めるか。もし、明らかな転移があった場合、ハーセプチンをすぐに始めるべきか。
3)  何らかの化学療法を今すぐにでも行ったほうがよい場合は、副作用の少ないハーセプチンをすぐに開始し、外出が少なくなる9月ころから脱毛の副作用のあるほかの化学療法を始めてもよいものか。
4)  次回の診察が6月1日ですが、肺および肝の転移が認められた場合、ハーセプチンをすぐに開始すべきなのか、ほかの化学療法から始めるべきなのか。
5) このHPでよくでてくるゼローダと言うのはどういったものなのでしょうか。

以上についてよろしくお願いします。

前回までの回答者と違うために若干のニュアンスが違う点、お許しいただくのと、終わったことではありますが、前回までの治療歴についても少しコメントさせて下さい。
まず、術前にアリミデックスとフルツロンの内服を1ヶ月行った点です。フルツロンの術前投与の効果、および術後の再発予防の効果についてははっきりした明確なデータがありません。現在もフルツロンを内服しているとのことですので、あまりお勧めできません。ガイドラインにも記載されています。術後の化学療法についてですが、始めるのに明確なデータはありませんが、早くに始めるにこしたことはありません。一般的に術後3ヶ月くらいが目安と思います。1月に手術を行って、9月ではあまり意味がないように思います。化学療法として行うメニューですが、一番効果が高いものはアンスラサイクリン系という、アドリアマイシン、ファルモルビシンを含む、CAFもしくはACだと思います。Fについては、追加することの効果は認められないとのデータもあります。ATは、あまり明確なデータはありませんので、お勧めしません。次に効果が認められるのは、CMFです。最近では、ACののちにタキサンを4回追加するのが一番効果が高いようです。ハーセプチンは、再発乳癌に対して使用するものですので、転移、再発がないのであれば使用するのは避けましょう。再発予防としては、今現在、全世界で試験が進行中ですので、その進捗、結果を待ちたいところです。副作用の少ない化学療法とのことですが、これは個人差が強いので、一概には言えませんが、CMFの6サイクルとACの4サイクルではACの方が完遂率が高いというデータがあります。脱毛はACで必発です。CMFでは抜け毛の程度4割のかたが多くなったと感じます。吐き気はACの方が強いようにも思えますが、CMFの吐き気は2週間くらい続きます。いずれにしても、あくまでも再発予防としての治療ですので、不必要なものは避けるべきですし、安全に行うことが何よりです。ハーセプチンに関しては、再発が見つかってから投与を考えましょう。投与は早いほうがいい結果です。単独よりもタキソール、タキソテールとの併用効果が明らかに高いと証明されています。病変が大きく、生命を脅かす心配のある時には、早期からのハーセプチンと化学療法の併用がよろしいと考えます。ゼローダは5Fuの副作用を軽減するような形で開発された内服の抗癌剤です。50%くらいにhand-foot syndromeといって手足の皮膚に痛み、赤く腫れる、皮がむけるなどの症状が出ます。使用するタイミングは未だはっきりしませんで、術後の再発で最初に使ったり、再発後の治療で無効だった場合に2番手くらいで使うことが多いようです。ハーセプチンに関しての情報が少し錯綜しているようにも見受けますが、整理し、主治医と良く相談し、納得のいく治療をお受け下さい。また何かあれば連絡下さい。(文責 鈴木)

 

No.2132-4】 04年06月06日 m.k
術後5ヶ月の化学療法について

HPNo.2132で以前も相談しました。今回もご丁寧な回答、ありがとうございます。早速、1日の受診で術後の化学療法について主治医に相談しました。今回もその件についての相談ですが、よろしくお願いします。肺のCT、肝のアンギオCTの結果、再発転移等はありませんでした。やはり、ハーセプチンは転移などが見つかった時点から開始するとのことでした。そこで今回は、主治医には、回答いただいたようにAC4サイクル→T4サイクル{前回ACをATと間違えて書いてしまいました。}を、お願いしました。ところが、現在かかっている主治医や病院では、乳癌に関しては、Aはまだ使ったことがないとのことでした。また、ACのあとにTを4サイクルすることに疑問を感じているようでした。しかし、手持ちの資料等もあったため、主治医も申し入れを受けてくれました。ただ、Cに関しては内服でもいいのではないかとも言っていました。採血の結果も問題なく、来週から始めていく予定です。相変わらず、頭痛と膝の傷みがひどく、転移の症状ではないかと気になっているのですが、主治医は関係ないだろうとのことで、他科の受診を勧めました。そこで質問ですが、
1) Cも、やはり点滴のほうがいいのでしょうか? 内服となると、効果はどうなのでしょうか?
2) 頭痛やめまい{貧血のデータはない}を脳転移と疑うことは考えなくてもよいのでしょうか? また、脳転移を否定する検査はMRIがいいのでしょうか?{同様に膝の痛みはコツ転移を}
3) 再発転移予防としては、やはりT4サイクルは追加したほうがいいのでしょうか?

以上について、よろしくお願いします。

@  C(シクロホスファミド)に関しては、内服、点滴のいずれでも、効果は同等というデータがあります。いずれでも良いと思います。
A  頭痛、眩暈の症状に関しては、小脳辺りの病変も考慮して、不安を取り除くことも大切ですから、CT或いはMRIでの検査を行ったほうが良いかもしれません。膝の痛みに関してですが、膝の痛みを訴えた乳癌の患者さんで、それが骨転移である症例は、ほとんどありません。おそらく骨転移の心配はないと思います。
B  術後補助療法に用いられる化学療法としてのAC→Tについては、一部のトライアルで良好な成績が示され、最近注目されている治療法ではありますが、ガイドラインでは、まだ推奨されていません。術後補助療法でのタキサン系薬(T)の使い方を明確にするために、現在進行中の試験結果を見極める必要もあり、この点に関しては、現場をあずかる臨床医の中でも意見が分かれるところです。貴女自身の意向、効果と副作用のバランスなどをよく考慮して、主治医とよくご相談ください。(文責 須田)
 

No.2132-5】 04年08月09日 m.k
化学療法の投与の間隔について

いつも適切なアドバイス、ありがとうございます。現在、術後5ヶ月からはじめたACの4クール目を受けようとしているところで、その後Tを4クール受ける予定でいます。ACは3週おきですが、2週おきのほうが再発予防の成績がいいとのことです。今後Tの4クールはどちらのほうが再発予防として効果が高いのでしょうか? よろしくお願いします。

ACàTの3週毎投与と2週毎投与の有用性を比較したランダム化比較試験の途中経過では4年無再発生存率で7%後者がよいとの結果がでています。しかし平均観察期間が36ヶ月と短く、実際に臨床の場で普及するようになるには今後の最終結果を待つ必要があると思います。現時点ではTだけを2週毎にする意義は不明であり、まずは治療を予定通り完遂することが大事なのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.2132-6】 04年09月20日 m.k
化学療法の中止について

HPNo.2132で以前にも何回か相談させていただきました。いつも適切なアドバイス、ありがとうございます。現在、術後5ヶ月から始めたACの3週おき4クールを終わり、Tを3週おきの4クール受ける予定で、1クール目が終了したところです。末梢神経障害や倦怠感などの副作用が強く、次回9月21日に予定している2クール目以降を中止しようかと考えています。万が一、再発転移などの場合に、またハーセプチンとTをすればいいかと思っていますが、いかがでしょうか。よろしくお願いします。

AC療法に関してですが、一般的には3週間毎で4サイクル行いますが、更にTを4サイクル追加する事によって治療効果が増すという報告があります。ただし、術後補助療法はあくまで再発予防のために行うものですから、効果と副作用のバランスを考え、個々の状況をみながら安全に行うことも大切になってきます。副作用が強く、限界であれば、仰るとおり再発転移時にハーセプチンとタキサンの組み合わせを使用する事も選択肢の一つだと思います。貴女の状況を最もよく把握してくださっている主治医の先生とご相談し、納得のいく治療を受けて下さい。(文責 須田)

 

No.2131】 04年01月27日 S
ハーセプチン投与期間について

3年前左乳房温存術(しこり1.8センチ、リンパ転移あり5/20)、その後CEF6クール、ゾラデックス注射、ノルバデックス服用、1年後局所再発にて手術(温存)、放射線照射27回を受けました。先日骨転移(肋骨、骨盤)および肝臓への転移が見つかりました。主治医よりハーセプチンの投与をすると言われました。期間はどれくらいか?と訊ねたところ、数ヶ月になるとしか今は言えないとの返答でした。効き目が出るかどうかで判断をされるのでしょうか?通常はどのくらいの期間投与を行うのでしょうか?週1回の投与ですし、金銭的にも不安があります。また、もしハーセプチンの投与による効果が無い場合、その後はどんな治療があるのでしょうか?ご返答頂ければ幸いです。40歳女性です。

ハーセプチンは何回投与すればいいのかはっきりしていません。効果をみながら使用することになります。数ヶ月は様子見ることが必要と考えます。CEF6クール施行していますから、一般的には、次はタキサン系薬剤(タキソール、タキソテール)ということになると思います。(文責 石川)

 

No.2130】 04年01月27日 K.S. 
判断に迷っています

46才、未婚です。2001年3月に東京都内の国立病院で左乳房(両胸筋温存)切除をし、2年間のホルモン治療(月1回のゾラテックス注射)をしてきましたが、更に3年、飲み薬によるホルモン治療を医師から勧められて迷っています。定期的に腫瘍マーカー、CTスキャン、MRI、骨シンチの検査をしてきましたが、現在のところ再発転移はありません。ホルモン治療を続けると子宮体癌になるリスクがあるというので、婦人科の検査もしていますが、まったく異常はないとのことです。この病院の医師は頻繁に替わるので、今の担当医は3人目です。本当にあと3年も治療が必要なのかと聞くと、『2年でいいという医師もいるし、5年必要という医師もいるし、でも5年後のデータも必要でしょう』と言います。飲み薬でも子宮体癌のリスクは同じだし、更年期障害も同じ(ゾラテックスの副作用で不眠と多汗、喉や鼻や目の乾きに悩まされてきました)だそうです。あと3年の治療が本当に必要なのか知りたいです。知ってる範囲のデータを送ります。
・2000年12月初診(左乳頭から血性乳汁分泌のため)、マンモグラフィー、MRI、血液検査の結果、浸潤性乳癌の診断。
・2002年3月8日 手術(左乳房切除、両胸筋温存)
・2002年4月 病理検査結果((株)SRLによる)、『HER2タンパク過剰発現 浸潤性乳癌の判定保留、Intracductal carcinomaでは不連続性かつ軽度陽性所見』
  ・陽性占拠率 10%以上・リンパ管侵襲 1 ・局在 細胞膜 ・静脈侵襲 0  ・連続性 一部限局  ・リンパ管転移 0/12 ・染色 軽度 
・2002年4月 ゾラテックス注射によるホルモン治療開始

乳房切除術からほぼ3年無再発、リンパ節転移なし(no)、ホルモン・レセプター陽性などから再発の高危険群ではないようなので、無理して続ける必要はないように思えます。ただ長期に続けるとさらに再発が抑えられるという報告はあります。(文責 石川)
 

 

No.2129】 04年01月26日 S.M
乳頭からの分泌液について

お忙しい中、大変失礼致します。1年前に次女を出産し、2〜3ヶ月母乳で育てた後しばらく経ってから、乳頭から少量ですが分泌液が出ているようで、匂いがあります。すっぱい匂い、汗臭い感じのものです。しこりなどは自分で触って感じないのですが、私の母が6年前に乳がんになっており、気になっています。少し前にTVで乳頭からの分泌液に血が混じって初期の乳がんが発見されたとやっていたような気がするので、私は血は混じっていませんが、もしや自分も・・・と思いました。よろしくお願いします。

まだ搾らなくても乳頭分泌があるようでしたら、血性でなくても乳癌のことがありえますので、念のため専門医を受診してください。(文責 石川)

 

No.2128】 04年01月26日 emi
乳首の痒みと脇の下のしこりについて

はじめまして。22歳の女性です。いつからかわからないのですが、最近になって乳首の痒みが前より増えてきてて、時々、掻き過ぎて血が出たりかさぶたになったりします。脇の下のしこりは半年前から出来たり、なくなったりの繰り返しで、押してみると痛いのです。乳首から分泌液とかは出てないと思うのですが、この症状って乳がんなんですか? ちなみに体型がすごく太ってて肥満です。生理も不順で、毎回婦人科でホルモンの薬で生理を来させている状態です。乳がんになりやすいタイプに肥満とか生理不順とか当てはまるので、すごく心配です。どうなんでしょうか??

年齢からは考えにくいですが、Paget癌との鑑別が必要です。脇の下のしこりは縮小(消失)したりしているので、悪性のものではないと思います。肥満などは乳癌罹患の危険因子と言われています。(文責 石川)

 

No.2127】 04年01月26日 m.m
乳癌の再発について

家内(30歳後半)が1年半前に浸潤性乳管癌(乳頭腺管癌)の為、乳房切除の手術を行いました。遠隔転移はしていなかったのですが、リンパ節にも転移しており、その部位も含めての切除を行いました。その後、1ヶ月程度の放射線治療と6ヶ月の抗癌剤治療とを行い様子を見ていました。ところが最近、手術痕の赤い部位に再発が発見されました。検査の結果、再発が見られるのはその部分(親指の大きさ程度か)だけだったのですが、再発ということで、手術での切り取りでなく、タキソールとハーセプチンを併用する治療を行っていくことになりました。
そこで知りたいのですが、
1) 他の転移も見られないので、今回再発したところを手術して切除することを聞いてみたのですが、再発の場合はその他にも再発の可能性があり、有効でないとのことでした。今の状態で、切除してから抗癌剤治療の方が効果があるような気がするのですが、どうでしょうか。
2) 再発の場所が限られているので、粒子線医療という治療を行うことにより治療することは可能でしょうか。
3) これからの治療で期待できるものは出てきているのでしょうか。(以前、インフルエンザウイルスを使って、転移性の癌を退治するなんていう記事を読んだことがあるのですが)

よろしくお願いします。

1) 私は転移巣が単独(一つ)で、手術が大変でなければ、それを切除してから抗癌剤治療を行います。主治医は術後1.5年での再発なので、慎重になっているのかも知れません。
2) 電子線治療は可能なのではと思います。放射線科医と相談されるのがいいでしょう。
3) 血管新生阻害剤などが研究されていますが、今のところ実用段階のものは無いようです。(文責 石川)

 

No.2126】 04年01月25日 M.K.
左乳房の違和感について

はじめまして。気になっている事をご相談します。3年ほど前に左乳首から白っぽい液が少し出たので市立病院に行き、触診、マンモ、エコー検査の結果、乳管拡張症と診断されました。昨年の9月に市の検診で、触診、マンモの結果、「左乳房の一部に(乳首ではない)白く写っているものが有るので、二次検査を受けて下さい。」とのことで、乳腺外科でもう一度マンモと、念のためにとエコー検査を受けました。どちらも、「乳がんの心配はありません。」と言われ、ホッと胸を撫で下ろしました。しかし、その3年ほど(?)前くらいから左乳房に違和感を感じます。今年になってから、そしてここ2〜3日、特に感じます。乳首が重苦しいような、どう表現したらよいのか分かりませんが、また別の病院で診てもらった方がいいのでしょうか?それとも次の市の検診まで放っておいてもいいものでしょうか?どうぞ宜しくお願いいたします。

昨年の9月に乳腺外科マンモとエコー検査を受けているので、次の市の検診まで放っておいてもいいと考えます。(文責 石川)

 

No.2125】 04年01月25日 S
放射線肺炎について(HPNo.2088-2)

以前再発について質問をさせていただいたものです。
年末から微熱が続き、空咳が出て、再発かと思って質問をさせて頂いたのですが、先生の指示通り担当の先生にレントゲンを撮っていただいたところ、再発ではなく肺炎だと言われました。ただ肺炎でもただの肺炎か、放射線からの肺炎かわからないので、今日胸のCTを撮ったら、放射線肺炎だと言われました。主治医には3ヶ月〜半年すると完治すると言われたのですが・・・。
1) 放射線肺炎は非常に珍しく、主治医の担当の患者さんの中では私が始めてだそうです。なぜ私だけなってしまったのでしょうか?放射線の当て方が悪かったのでしょうか? それとも、たまたま私の肺が弱かったのでしょうか?
2) 放射線肺炎と間質性肺炎とは全然違うものなのでしょうか?
3) 放射線肺炎から肺がんになる確率は高いのでしょうか
4) 放射線肺炎は本当に完治する病気で、死亡する事はないのでしょうか?
5) 放射線肺炎になっているのに入院せず、薬も何もなしで自宅で療養していると自然と治るものなのでしょうか?
長々となりましたが、今日主治医の先生に聞けずに帰ってきてしまい、心配なのでご相談させていただきました。宜しくお願いします

1) 適切な放射線照射が難しかったのか、たまたま個人的に肺が弱かったのか、両方とも可能性があり得ます。
2) 放射線肺炎も間質性肺炎の範疇に入ります。
3) 放射線肺炎から肺がんになる確率はかなり低いと思います。
4) 放射線肺炎の程度にも因りますが、一般に死に到ることは極めて少ないと思われます。
5) 放射線肺炎の重症度によります。軽症なら入院せず薬も何もなしで自宅で療養しても治ります。(文責 石川)

 

No.2124】 04年01月25日 m・k
ペット検査について

はじめまして、母のことでご相談します。61歳、閉経後、1月5日に左胸筋温存乳房切除術、リンパ節レベル1まで隔清。術前に骨シンチの結果、骨への転移なし。エコー上、肝の多発性肝のうほうの疑いあり。左肺に陰影があるが、転移によるものかは明らかでないため、半年後の検査で経過を見ていくとのこと。先日簡単な病理の結果が話され、リンパ節転移17分の1、腫瘍の大きさ2.5cmくらいであるとのこと。明日、詳しい病理の結果を聞く予定になっていますが、肺転移が気になり、ペット検査を考えています。ペット検査の時期、またこの検査が術後療法の選択に有効であるか、アドバイスをお願いします。

左肺に陰影があるので、ペット検査をするなら早いにこしたことはないと考えます。それで転移が疑われるなら、術後療法の選択が当然変わってきます。(文責 石川)

 

No.2123】 04年01月25日 さゆ
乳腺線維腺腫

一昨年の12月と、去年の10月の2回、乳腺線維腺腫の切除手術を受けたのですが、またシコリがあります。確かに術後にはシコリらしきものは無くなったのですが、今回もまたあるんです。左右取ったのですが、右ばかりできるんです。今の大きさは直径2cmくらいです。2回とも同じ病院だったのですが、こういう場合は病院を変えた方が良いのでしょうか? それとも線維線腫とは別の病気なのでしょうか? クセになってしまう事ってあるのですか? さすがに同じところを2回も切ったので、皮膚が硬くなってきてしまっています。最初に産婦人科で診てもらい、紹介された外科で手術をしたのですが、また別の病院で診てもらうには、何科で診てもらえば良いのでしょうか? 線維線腫になりやすいのと、乳癌になる可能性とは関係あるのでしょうか??

乳腺線維腺腫が多発することはあります。また、しこりは術後の変化(瘢痕肉芽腫など)の場合もありえます。普通は病院を変える必要は特にないように思います。ただ不信感が強いのなら、変えるのも止むを得ないと考えますが。クセになってしまう事はありません。どの病院でも外科で診てもらうのが良いでしょう。線維線腫になりやすいのと乳癌になる可能性とは関係ありません。(文責 石川)

 

No.2122】 04年01月25日 SEE
マンモトームについて

はじめまして。横浜市在住、30歳、現在は独身の♀です。私は左胸から分泌があり、先日近所のクリニックで乳がん検診をしたところ、S大学病院での検査を勧められ、超音波、マンモグラフィ、分泌検査、MRIなどの結果、乳管内乳頭腫と診断されました。初めての手術と聞いて不安ばかりで、出来れば手術は避けたいと思い、その後、乳がん体験のある知り合いに話を聞いたり、セカンドオピニオンでいろいろな病院の先生に話を聞いています。最初の病院では癌かどうか調べるための切開生検をと言われています。出来れば手術したくないと相談したら、定期的に検診していってもいいと言われました。次の都内のN病院では、大きくなる可能性はあっても小さくなることはないから乳管部分を取り除く手術を早いうちにしたほうが良いといわれました(こちらは手術中の病理検査可能)。横浜のS病院では、乳管部分としこり(線維腺腫)の両方を取り除く方が確実だと言われました。手術以外には、乳管から針のようなものを刺してポリープ部分を取り除くやりかたがあると聞きました。しかしこちらの病院では取り扱っていないし、非常に難しいので、絶対成功するともいえないと教えていただきました。この検査はマンモトームというものでしょうか?HPでしらべたところ、S大学病院にもマンモトームがあるようですが、私も知らなかったし、先生からも言われませんでした。もしかしたら担当の先生では出来ない検査なのかも知れませんが・・・。マンモトームは検査だけで、私が説明をうけたものとは違うのでしょうか? できれば傷をつけたくないのが正直なところですが、マンモトームというのは乳管内乳頭腫には有効なものではないのですか? また、有効であればどちらの病院の何先生が担当されているのか教えてください。できれば実績のある先生にお願いしたいです。病院は横浜、東京であれば嬉しいです。また、保険適用外とのことですが、どれくらいの費用がかかりますか?よろしくお願いいたします。

乳管から針のようなものを刺してポリープ部分を取り除くやりかたは、マンモトームではなくて、乳管内視鏡検査ではないでしょうか。マンモトーム検査では超音波下、X線下に太い針を刺入して大きく組織を採取します。マンモトームは乳管内乳頭腫にも有効だと思います。私が知っている経験豊富な病院は関東地方では、東京の聖路加病院、癌研です。まだ保険適用外で、使用する針だけで5万円ぐらいしますから、それ以上の費用がかかると思います。(文責 石川)

 

No.2121】 04年01月25日 C.M.
乳管内乳頭腫

33歳、独身です。昨年の10月半ばに右胸の乳頭部にしこりと異常分泌(黄色い透明な液)を発見し、同月下旬に病院に行きました。一般外科でレントゲンとマンモグラフィーを撮ったら、何も写っていなかったので、「大丈夫でしょう」ということになったのですが、一応エコーをということで、エコーをしたら、乳頭部に2センチくらいの腫瘍がありました。乳腺外科に行くように言われ、そこで細胞検査をし、結果は良性の腫瘍で乳頭腫というものでした。手術して取ろうと思ったのですが、担当の先生があまり薦めなかったので、とりあえず、3ヶ月後にもう一度見てみようということになり、今日、行ってきました。「若干、大きくなってるね。1ミリくらいだけど。計り方で、多少誤差がでるから、変わってないと言えば変わってないけど、でも小さくはなってないね、どうする?切除します?」と聞いてきたので、「じゃあ、お願いします。」ということになり、切ることになったのですが、「乳頭腫ってどんどん大きくなるものなんですか?」と聞いたら、「わからないですね」と言われ、「がんってこともあるんですか?」と聞いたら、「良性と診断していますが、誤診でないかぎりはがんってことはないですけど、乳頭腫は診断が難しいんですよ。」と言われてしまい、ちょっと不安です。細胞診までして、まず良性と診断されて、切ってみたら結局がんだったという話をよく耳にしますが、そういうことって、実際、頻繁にあるんですか? それと、相変わらず、たまに痛んだり、透明な液体(乾くと黄色い)が(特に生理直後)出てくるんですが、乳頭腫というのは、普通は放っておくと自然に治って小さくなっていくものなのでしょうか? よろしくお願いします。

乳頭腫は良・悪性の鑑別診断が難しいのは事実です。しかし細胞診までして、まず、良性と診断されて、切ってみたら、結局がんだったということは、滅多にはありません。 乳頭腫は、普通は、放っておいても小さくなりません。私自身は乳頭腫は良・悪性の鑑別診断が難しいことと、癌化することもありうると考え、切除する方針を採っています。(文責 石川)

 

No.2120】 04年01月23日 K
乳房のしこりとリンパ腺の腫れ

ホームページを拝見し、乳房のしこりとリンパ腺の腫れについての相談にのっていただきたく、メールいたしました。
2003年12月初めごろから左の肋骨の辺りに痛みを感じ、触ると2cmくらいのしこりを見つけました。印象としては肋骨にポコンとコブができたような感じです。そのしこりは時々痛む程度だったのが、触らなくても常に痛むようになりました。12月終わりごろに近所の内科で乳癌検診をしてもらいました。超音波を使って診てもらったら、その左胸の(肋骨の辺り)しこりは乳腺の腫れであることがわかり、また、左脇のリンパ腺が腫れていると言われました。リンパ腺の腫れは全く痛みを感じません。その内科では乳腺炎と診断され、抗生剤をいただきました。また、癌の場合はピンポイントで強い痛みを感じることがないので、癌の可能性はない言われ、その時はホッとしました。しかし、抗生剤を飲んでも症状が改善することなく、胸のしこりもリンパ腺の腫れもまだあります。しこりの痛みはひどくなるばかりです。

@ 私は最後の授乳から4年近く経っています。本当に乳腺炎の可能性があるのですか?
A 時々しこり部分に耐え難い痛みを感じます。強い痛みは本当に癌でないのでしょうか?
B 安く確実に乳癌検査をする方法がないでしょうか?(1年に一度受けられる市提供の乳癌検診は12月の内科で使ってしまいました)

今まで大きな病気はほとんどしたことがありません。現在31歳、6歳と4歳の母です。どうかお返事をお願いいたします。

@ 授乳期以外の乳腺炎は稀ですが、ないことはありません。
A 癌で痛みを伴うことは稀です。特に耐え難い痛みは。しかし、痛みがあるからがんでないという100%の保証はありません。
B 乳腺専門医に診てもらい、事情を話して必要最低限の検査で済ませるしかありません。視・触診だけで済む可能性もあります。医療費については、病院のソーシャル・ワーカーなどに相談してみるのもいいかも知れません。(文責 石川)

 

No.2119】 04年01月23日 MM
骨転移について

二年前に左胸温存手術、リンパ転移3、二期b。昨年夏ぐらいから腰痛があり、担当医に相談すると、その前の3月に骨シンチを撮影し、問題がないので骨の転移のはずはないといわれます。腫瘍マーカーに変化はないようです。しかし半年経っても痛みがあり、今までの腰痛とは異なるように感じています(骨がぴりぴりする感じで、立っている時には感じませんが、寝ている時に体位の変化が辛い)。骨転移というと、腸骨や、仙骨の転移が多いようですが、それらの痛みとは一般的にどのようなものなのでしょうか? 溶骨性と硬骨性など、また部位によっても様々でしょうが、教えていただけるとありがたいです。宜しくお願いいたします。

腰痛はいろいろなことが原因で起こります。骨(腰椎)転移の場合、転移部位に一致して限局した圧痛が観られることが多いようです。もう一度骨シンチやMRI検査をされてはいかがでしょうか。(文責 石川)

 

No.2118】 04年01月23日 S 
パーロデルと乳がん

産後の乳汁分泌を抑制するのに、パーロデルをよく使用されていましたが、最近パーロデルは乳がんのリスクが高くなるという話を聞きました。本当なのでしょうか。本当であれば、産後どの時期でも変わらないものなのでしょうか。ほかによい薬があれば教えてください。

パーロデルはプロラクチン分泌を抑える薬ですが、乳がんのリスクが高くなるという話を私は聞いていません。販売している製薬会社にも調べてもらいましたが、因果関係を示した、明らかな文献はないようです。(文責 石川)

 

No.2117】 04年01月23日 T 
妊娠後期の乳頭からの出血について

34歳、現在妊娠8ヶ月です。最近になって、わずかながら母乳が出るようになりましたが、先日、指で押すと乳頭から血が出るのを発見しました。場所は右胸の乳頭で、いつも同じ場所から。指で強めに押すと、指を針で突いた時にぷくーっと血が滲み出すような感じで、鮮血が滲み出ることが多いです。お風呂上りなどの体が温まった時に出やすく、その際も指で圧迫すれば出るという感じで、自然には出てきません。すぐに産婦人科にかかりましたが、「血乳」といって妊婦や授乳中の人には、時々見られる生理現象だとのこと。でも一応、分泌液を細胞診断してみることになったのですが、そういう時に限って何も出ず、看護婦さんにギュッとつまんでもらって、やっと出たものを採取したようです。結果は2週間後です。乳頭からは普通の母乳が出ている箇所もあります。本当に出血してる孔から採取してくれたのか、今になって不安になってきました(採取時は私は横になっていたので、状況が見れませんでした)。採取直後に主治医に、「血は出ましたか?」と尋ねたところ、「茶色く濁ってたよ」との返答でした。私が家で見ていたものはいつも鮮血だったので、「あれ?」とは思ったのですが、そのままにしてしまいました。やはり、問題の孔からの分泌液でないと、細胞診断をしても意味ないのでしょうか。だとしたら、もう1度、今度は乳腺外科にかかって自分で乳頭を圧迫し、出てきたものを確認した上で採取してもらった方がいいのでしょうか。なお、今回気にしている右胸は、一昨年、乳がん検診で5ミリ程度のしこりが見つかり、細胞診断の結果、「クラス2の良性」と診断されたことがあります。その翌年も乳がん検診を受けようと思っていた矢先に妊娠し、結局そのままになっています。このことと、今回の出血と何か因果関係は考えられますか?両胸ともかなり大きくなり、それでも一応自己検診をしてますが、特にしこりのようなものには触れません。よろしくお願いします。

もう1度、今度は乳腺外科で自分で乳頭を圧迫し、出てきたものを確認した上で採取してもらった方がいいと思います。血性分泌物が出る乳管口から行う乳管造影などの検査もできる場合があります。一昨年見つかった、乳がん検診での5ミリのしこりと、今回の出血と何か因果関係は無さそうですが、考えられなくはありません。(文責 石川)

 

No.2116-1】 04年01月23日 K.K.
背中の痛みについて

昨年5月に右乳房全摘、リンパ節転移あり。抗がん剤(AC)が終わり、ホルモン療法中です。今月になってから背中がひどく痛みます。背中の痛みは心配なものなのでしょう か。よろしくお願いします。

背中の痛みはいろいろな原因がありますが、骨(脊椎)転移でも起こることがあります。転移なら検査(骨シンチ、MRIなど)すればわかると思います。(文責 石川)

 

No.2116-2】 04年01月28日 K.K.
脊椎転移の治療法

背中の痛みについてご相談したものです。ありがとうございました。今日骨シンチの検査をしてきました。もし脊椎への転移であったらと思うと、心配で仕方ありません。手術後まだ8ヶ月です。こんなに早い転移という事は、もう絶望的なのでしょうか。治療の道は残されているのでしょうか。もしまた、つらい抗がん剤治療しかないのであれば、いっそのこと何もせず静かに待つほうがいいようにも思います。まだ結果も出ていないのに悲観的ではいけないと思うのですが、悪いほうばかり考えてしまいます。せめてよい治療法でもあることが分かれば、少し気持ちが落ち着くと思います。よろしくお願いいたします。

もし万一、転移だとしても絶望的ではありません。いろいろな抗癌剤、多種にわたるホルモン剤、ビスフォスホネート剤、ハーセプチン、放射線治療などもあります。また血管新生阻害剤など新しい薬も開発中です。前向きに頑張っていただければと思います。(文責 石川)

 

No.2115】 04年01月21日 R
今後の治療について(HPNo.1933-3)

No.1933にて相談させていただきました。再度の相談、申し訳ありませんがよろしくお願い致します。
再発についてはまだ検査結果待ちです。それとは別に、1933でもお尋ねはしているのですが、現在ノルバデックスを服用しながら、CMF4クール目を受けているところです。ノルバデックスの服用の時期について主治医に尋ねてみましたが、CMFと併用していくとのことで、今に至っております。今再発の心配が出てきたことが原因かどうかわかりませんが、今後の治療について3つの選択肢が与えられました。決めかねております。先日再発の件で、セカンドオピニオンを受けました。そちらの先生は再発とは思えません。治療についてはこのままCMFは6クール続けて、その後でホルモンの注射をしたらどうか?とのこと。現在の主治医は、「生理がまだあるため卵巣の機能をおさえたいので、CMFは続けるにしても、今からホルモンの注射をいく。もうひとつはきつい抗がん剤にかえる。」との事です。
私は手術をしてくれた先生が辞められ主治医が変わったことや、放射線も他の病院にかかったたことで、いろんな先生の意見を聞くことができたのですが、いろんな考えがあり混乱しています。再発、転移は怖いけど、今からまた抗がん剤をやり直す気力もありません。CMF療法は私には妥当ではなかったのでしょうか?先生のご意見よろしくお願いします。お忙しいところ申し訳ありません。

もし仮に再発だったとしても、CMF療法が完全にでわなくても癌の増殖を抑えていた可能性も考えられます。どんな化学療法でもやってみないと有効かどうかわからない面を持っています。CMF療法が妥当でなかったと考えるのは良くないと思います。化学療法とホルモン療法を同時に行う方法と、別々に行う方法がありますが、どちらがいいのか、はっきりした結論は出ていません。CMF療法以外の、きつくない化学療法もありますので、よく医師と相談してみて下さい。(文責 石川)

 

No.2114】 04年01月21日 I
微細石灰化について

はじめまして。32歳、5歳・6歳の子供がいます。微細石灰化のことで教えていただきたく、メールいたしました。1年7ヶ月前(H14.6月)、病院で受けた乳がん検診により微細石灰化が見つかりました。左に1.5cmぐらいの範囲で集族性のあるもの、右に線状のもの1箇所の、両側です。その半年後(H14.12月)、1年後(H15.12月)と同じ病院で検査を受けましたが、変化ありません。昨年12月の検査の際、線維腺腫と思われるしこりが見つかり(細胞診2回実施でクラス2と3と出ています)、今までの資料を持ってもう少し大きな総合病院(乳腺外科あり)へと移りました。そこでも、マンモグラフィを撮り、やはり変化がみられないので3ヵ月後に再検査となりました。マンモグラフィの検査機器は2つの病院とも同じものだそうです。
1) ガンだとして、変化がないということもありえますか?
2) 悪性の兆候と同じ形で良性ということもあるのでしょうか?
3) CT検査を受けて、胸部に他に怪しそうなしこりなどはなさそうということです(喘息の持病でMRIは受けられませんでした)。ガンだとしても初期だと考えられますか?また手術になった場合、温存はできるのでしょうか?

よろしくお願いします。

1) ガンだとすると、変化がないということは極めて考えにくいです。癌ならまず大きくなっているはずです。
2) 悪性の兆候と同じ形で良性ということもあります。鑑別が難しいことがあるということです。
3) 仮にガンだとしても、しこりもないので非浸潤癌などの初期癌だと考えられます。しかし、手術の場合は広汎な石灰化は乳房温存手術の適応から外れます。(文責 石川)

 

No.2113】 04年01月21日 B.B.
タスオミンD錠の子宮筋腫への作用

56歳閉経です。2002年8月左乳房を、腋下リンパ節郭清で胸筋温存乳房切除術式をしました。がんの種類は、充実腺管がんと硬がんです。リンパ節転移は、1a(0/9)1b(2/5)2(0/2)と2個の転移で、ステージはUbとのことです。グレード3、HER-2(+1)、ホルモンレセプターER(+) PgR(+) です。術後は、CMF2クール後CAF4クールを昨年1月終了しました(CMFからCAFに変わったのは、私の希望です) 。ホルモン剤タスオミンD錠を1日1錠服用しています。乳がんの手術を受ける前から子宮筋腫がありました。2002年7月で大きさは8mmx31mmと30mmと25mmの3個がありました。その後2003年9月で66mmx40mm. 30mm. 24mmと変化、2004年1月で68mmx40mm. 29mm. 37mmとなり、今までの3個の他に23mmと14mmの2個の筋腫が発生しました。主治医に相談したところ子宮筋腫の増大は、タスオミンD錠の作用も考えられるのでアリミデックスに変える方法もあるということです。CAF終了後この1年間再発もなく、おかげ様と喜んでいます。相談は、
1) 以前、NO2030の回答でホルモン剤で子宮筋腫は小さくなるとありましたが、タスオミンD錠は、子宮筋腫を増大させるという副作用がありますか? 
2) タスオミンD錠からアリミデックスに変えたほうが良いですか? 
3) もっと定期的に経過をみて薬を変えるか決めた方が良いですか?
4) 他に治療方法はありますか?  

1) あり得ます。 
2) 閉経後で、子宮への悪影響(癌などの発生率増加など)があるので、また効果も同等以上ともいわれていますので、変える方がいいかも知れません。
3) どちらとも言い切れません。 
4) 化学療法なら、さらにタキサン系薬剤(タキソテール、タキソール)を追加する方法は考えられると思います。副作用のこともありますので 、よく主治医と相談して下さい。(文責 石川) 

 

No.2112】 04年01月21日 I.
右脇下のしこり 

33歳、現在妊娠6ヶ月、アメリカ在住です。2ヶ月ほど前に右脇下に2センチほどの膨らみを見つけました。押さえると痛みを感じ、大きさもこの2ヶ月で小さくなったり、もとの大きさにもどったりしましたが、真中の小さなしこりのようなものは残ったままです。心配になったためA医師のもとで触診、3度の細胞診を行いました。痛みのある箇所に刺されたため非常に痛かったです。その後、別の場所でX線撮影と超音波検査を行いました。それを見たB医師が言うには、「心配するものではないが、何か分からないのでbiapsyが必要になる」とのことでした。私はそれをA医師のもとでした3回の細胞診と理解し、その旨を話しました。B医師によるレポートがA医師にまわったところ、X線撮影、超音波検査とnegativeであり、細胞診でも同様であるが、何かが映っているので外科的処置が必要になるというのです。確かに何かは映っていますが、不思議なのはその3種の検査でnegativeとなったものに、外科的処置をして意味があるのだろうかいうことです。切除の結果、それはもしかして脂肪の塊であるかもしれないとのことですが、そこまでしないと分からないものなのでしょうか?どちらの医師からも副乳のことや乳腺症のことなどは一切言われませんでした。場所がアメリカであるのと、今現在妊娠しているということで手術となると心配です。よろしくお願いします。 

細胞診も完璧ではありません。切除(生検)してみないと、どういう性質のものかわからない(悪性を否定できない)ことは決して珍しくありません。悪性の疑いが無いなら、妊娠もしているし、経過観察する人も少なくないようです。妊娠6ヶ月なら手術(局所麻酔)しても胎児に対する影響は極めて少ないと考えられます。(文責 石川) 

 

No.2111-1】 04年01月20日 M.I.
術後療法について

はじめまして。55才の母の事で相談いたしたいのですが、よろしくお願いします。
2003年11月、左乳房温存手術を受けました。ステージUb、左右/left、領域C、腫瘍サイズ/31ミリ、術後合併症VSA疑い(ECG;VabQ, U VaVfnegat)、術後合併症− 、手術施行日2003/11/18、手術内容Q、手術名Bp+Ax、病理n0 、転移LN個数/0、病理CODE /2a2、PATH1/inv duct、PATH2/seirrhous、核異型/3、分裂度/2、核異変度3、ER/ER+、PR/PR+、e endocrine/ホルモン−、  e endocrinememol/化学療法後、 e-CMEMO/Cx未定 、 e-CHEMOmomel/病理結果でグレード3で化学療法勧める、E PROTOCOL/− 、e-preseription/特になし

以上の情報を担当医から提供頂きました。術後療法では抗がん剤治療後ホルモン療法を勧めるといわれ、現在タキソール136mgを毎週1回点滴、3週連続、1週休みで、これを6ヶ月間と、飲み薬フルツロンカプセル200mgを1日2回朝夕2カプセルずつ飲んでいます。これまで2回通院で点滴治療が終わりました。タキソール点滴治療後2日後に寝こんでしまうほどの強度の関節痛があり、2日ほど続き吐き気もある様で、精神的なダメージが大きいようです。主治医からはリンパ節転移がなかったけれど、大きさが31ミリと大きい為、化学治療を施行しないより、施行したほうがいいと勧められました。ただ、苦痛や費用の負担などから止められる方が多く、母も苦痛なら止めても良いですと言われました。しかし化学療法をしたほうが再発の確率が歴然とした違いが出ているとの説明を受け、迷っております。副作用が重篤に出ているので、身内としてはやめさせてもいいかな??と悩んでおりますが、先生のご意見を伺いたくメール致した次第です。お忙しいところ誠に恐縮に存知ますが、宜しくお願い致します。

細胞学的悪性度grade Vですが、55才(閉経?)、no、ER(+)、PgR(+)なので、再発はminimal risk に近いと考えられ、ホルモン療法だけでもいいように思われます。どうしても化学療法を続けたいのならば、一回量を減らすなり投与間隔をあける等の方法もあると考えます。(文責 石川)

 

No.2111-2】 04年07月12日 M.I.
術後療法について(2)

こんにちは。HPNo.2111で相談させていただいたものです。一月より化学療法(タキソール点滴、フルツロン経口)を続けてまいりました。白血球5000前後保ちながら3クール終了し、現在4クール目に入ったところです。リンパ節転移がなかったが、予防的に4〜6クール化学療法する予定でしたが、主治医から、「4クールで終わるか、6クールまでするか」と、選択を迫られています。白血球の減少など副作用が比較的少ない方なので、出来れば6クールを勧めると言われておりますが、化学療法後の全身倦怠感、痛み、精神的苦痛が多いため、6クールする必要があるか悩んでおります。化学療法を続けることにより体力低下→免疫低下につながるのでは?と素人ながらに心配しております。4クールでも合格点ではあると主治医から説明は受けておりますが、先生方のご意見伺いたく、お忙しいところ恐縮に存じますが、宜しくお願い致します。

前回の回答でも術後補助療法に化学療法を選択するべきか、ホルモン療法を選択するべきかについてのアドバイスがあったと思います。現在の乳癌治療では、タキソール+5’-DFUR(フルツロン)による治療は、標準的な術後化学療法とはいえません。そもそも腫瘍の大きさが3.1cm、リンパ節転移陰性の場合、病期はUBではなくUAになります。主治医とお母様の間で、病気や治療法についての理解に多少のズレがあるようです。病理結果と病期を再確認するとともに、どのような理由(主治医の方針? 臨床試験の一部?)でタキソール+5’-DFUR(フルツロン)という術後化学療法を選択したのか?予想される再発予防効果は具体的にどのくらいなのか?4コースと6コースでは効果・副作用はどのくらい違うのか?等を、もう一度主治医から十分な説明を受けて、今後の治療方針を決定してはいかがでしょうか。もしお母様だけでは不安ならば、貴女も一緒に説明を受けることをお勧めします。(文責 千島) 

 

No.2111-3】 04年07月25日 M.I.
術後化学療法4クール

お礼が遅くなり、申し訳ございません。病期ですが、私の勘違いでUAでした。主治医の説明によると、心疾患があるためにAC療法ではなく、タキソールを選択したとの事です。先日の治療時に主治医と相談した結果、リンパ節転移がないため4クールで終了しましょうと言う事になりました。「以前に4クールで合格点だと聞きましたが、何点くらいですか?」と主治医に聞きましたら、「60点くらいかな」と言われたのが引っかかります。一般的にもリンパ節転移がない場合の術後化学療法で4クールとは、成績がその程度なのでしょうか?何度も申し訳ございません。宜しくお願い致します。

補助化学療法は、4-6クール行うのが標準的です。4クールと6クールで効果に差があるかどうかは薬剤によって異なります。タキソールでは比較した成績はありません。(文責 徳田)

 

No.2110】 04年01月20日 M.A.
反対側のしこりと血液検査の結果について

お忙しいところ大変申し訳ごさいませんが、質問させてください。2003年2月に左乳房を全摘しました。しこりの大きさ2.2p、リンパ節転移あり(2/18)。術後は抗癌剤4クール(エピルビシンとドセタキセル)を行いました。今は月1回のゾラテックスの注射と飲み薬を飲んでいます。12月に右側の乳房しこりを指摘され、マンモを撮りました。1月の診察で、今のところは様子をみましょうとのことでした。血液検査の結果を聞きますと、「100%とはいえない。肝機能の数値がよくない。」とのことでした。しかし、今回1回では何ともいえないので様子を見ましょうとのことです。再発なのかと聞いても、そうとはいえないとのことでしたが、不安ばかりが広がります。良くない方向にむいているのでしょうか。再発・転移の可能性はどうなのでしょうか。漠然とした質問で申し訳ございませんが、お答えいただければ幸いです。

誰についてもそうですが、どの検査でも100%大丈夫という保証はありません。だから再発・転移の可能性が無いとは言い切れないのが実状です。主治医を信じ定期的なチェックを受けて下さい。(文責 石川)

 

No.2109】 04年01月20日 H.H.
乳癌術後および再発・術後治療について

はじめまして。私の母(64歳)が、2002年6月17日左乳癌にて胸筋存乳房切除、ステージはUB、ER(+)PJR(−)HER2 0。リンパ節転移(2/18)を認めたためCMF6クール施行、癌の大きさは2.5と2.8 2ヶ。同じ場所に2003年11月11日のUSにて局所再発を疑い(細胞診でクラスW)、12月22日確診のため局所切除しました。結果、悪性と診断され、今後、放射線治療を25回 ホルモン剤をアロマシンに変更し、様子を見ましょうとの事でした。母も私もあまりに早くの再発に戸惑っています。今後どのような治療が適してるのか? 今までの経過で最適だったのか? また、早くの再発でかなり深刻な状態なのか? 教えてください。

HER2/neu(−)なので、あとはCAF、CEF、ACなどアンスラサイクリン系を含む薬剤か、タキサン系薬剤(タキソール、タキソテール)の化学療法になると思います。再発までの期間が1.5年と短いので、悪性度は高いと考えられ、今後いろいろな部位の再発に注意が必要です。(文責 石川)

 

No.2108】 04年01月20日 D.I.  
ホルモン感受性と検査方法(HPNo.1198-7)

以前NO.1198でお世話になりました。お聞きしたくてメールしました。宜しくお願いします。年末(12/27)から生理になり、もう20日間出血がとまりません。婦人科には来週行こうとは思っているのですが・・・。私は卵巣脳腫もあり、2cmだから大丈夫と言われていて、半年に一度、癌検診もしています。乳癌の方は、ホルモン感受性は陰性とのことで、抗がん剤はCAFをして、今はフルツロンを服用しています。フルツロンになってから定期的に生理もきているのですが、こんなに長く止まらないのは初めてです。ホルモン感受性が陰性でも卵巣の方に転移したりもするのでしょうか? 2ヶ月位前に3kgほど痩せてしまい、主治医もビックリしていました。その時は問題もなかったので、婦人科も行きませんでした。11月の腫瘍マーカーは正常値でした。腰と背中は痛いですが、鎮痛剤を飲むと楽になります。もし、検査を依頼するとしたら、何をしてもらったらいいのでしようか? 先生方だったらどんな検査をされますか? 参考に教えてください。宜しくお願いします。

卵巣転移はありえます。しかし、卵巣転移では生理が止まらなくなる可能性は少なく、むしろ機能性疾患か子宮ガンなどを疑います。是非とも婦人科を受診することをお勧めします。腫瘍マーカーは正常値ですが、腰と背中は痛むので骨の検査(シンチ、MRIなど)を受けておくべきと思います。(文責 石川)

 

No.2107】 04年01月18日 K.K. 
乳がんの胸膜転移(2)(HPNo.2025-2)

以前、胸膜転移についてご相談した者です。その節はありがとうございました。(No.2025)
2003年11月よりノルバデックスをフェアストン3錠に切り替えて、経過観察しています。ほとんど自覚症状なく、比較的元気に過ごしていましたが、年末頃から咳が少し出るようになり、徐々に症状が進んできました。とくにここ数日で、痛み(胸、わき腹、みぞおち、背中、脇の下、腰)、のどの圧迫感、息苦しさ、腹部の違和感(変なたとえですが、お腹の中でマナーモードの携帯電話がブルブル鳴っているような感じです)が急に強くなり、なぜかやや下痢気味にもなってきました。おならも出ます。腫瘍マーカーは、
2003年10月 CEA=3.2 CA15-3=34.2 12月  CEA=7.1 CA15-3=57.9
と上昇傾向です。主治医は、フェアストンをさらに1ヶ月続けて、腫瘍マーカーの改善がなければ薬を変えるとの方針です。
そこで質問ですが、
1) 腹部の痛みや違和感は、なぜ起こるのでしょうか。腹腔内に病変が広がっているのでしょうか。
2) 2003年11月の検査では骨シンチに異常はなかったのですが、骨転移の可能性はあるでしょうか。
3) フェアストンが効いていない感じがするのですが、判断は時期尚早でしょうか。
4) 次の選択にはどのようなものがあるでしょうか。
5) 次回の診察は2月なのですが、この調子で痛みが増すと、ちょっと耐えられないのではないかと思います。とりあえず痛みをとる方法はないでしょうか。

以上、よろしくお願いいたします。

1)いろいろな原因で起こるので、理由は特定できません。咳が頻回なようなので、関係あるかも知れません。腹腔内に病変が拡がっているば場合には、しこりが触れたり腹水がみられたりします。CT検査を行えばわかります。
2)限局性に骨の痛みがあれば疑わしいのですが、初期には症状がないことが多いので、否定はできません。
3)フェアストンを内服してまだ2ヶ月ぐらいなので、時期尚早と思います。主治医のもう1ヶ月続けるというのは妥当と考えます。
4)前回の回答と同じ意見です。もう一度、2025の4)〜8)をご参照下さい。
5)まず主治医と相談して、内服薬などで対処するのがよろしいかと思います。(文責 石川)

 

No.2106】 04年01月18日 たま
腋の下のしこりについて

はじめまして。よろしくお願いします。入浴中、左の腋の下に5mmほどのしこりがあることに気がつきました。痛みなどはまったく無く、手を下ろしていても上げていても触ることができ、鏡で見てもポツっと盛り上がっているのがわかります。乳房の方は特に変わったことが無いようなので、何科で受診したらよいかわかりません。年齢は37才、子供は7才と3才です。どうぞよろしくお願いいたします。

腋窩(下)にはいろいろな、良性のしこりができます。乳腺には触診、超音波検査で腫瘤がわからなくても、腋窩腫瘤が契機となって乳癌が発見される場合があります。必ず外科へ行くべきです。(文責 石川)

 

No.2105-1】 04年01月17日 K・K
右乳房の痛み

はじめまして、36歳、2児の母親で、現在1歳児に授乳中です。7月頃から胸の痛み(ズキンズキンとした感じ)があり、この頃は時々でしたが、10月頃から違和感なども感じるようになったので、乳腺外来で診てもらいました。触診、マンモ、エコーをしましたが、「しこりも無いし、影に乳腺症があるのかも・・・。」ということでした。現在も気にならない日もあるのですが、痛いときは1日中、気になるときもあります。痛みは、生理や授乳前後に関係なくあります。後、時々乳房の中が痒いような感じがする時もあります。先生は、「授乳中だと分かりづらい事もあるし、気になるようなら授乳が終わってからもう一度、来てみてください。」と、おっしゃいましたが、断乳を待たず、もう一度、他の病院でも診てもらった方がいいでしょうか? また、もし癌だったとしたら、授乳をすることで子どもに害があるのでしょうか?ご返答よろしくお願いします。

乳房痛だけならば、まず心配はいりません。ただし、前医の言うとおり、授乳中は検査で分かりづらいことがしばしばあります。念のため、別の病院で検査をしてもらうのも良い方法だと思います。仮に乳癌があったとしても、微小なものならば乳児にうつるようなことはありません。(文責 籾山)

 

No.2105-2】 04年01月20日 K・K
右胸外側上部のしこり

お答えいただいてありがとうございました。今回もう一度教えていただきたいのですが・・・。
前回の時しこりがないと書きましたが、自分では右胸外側上部に細長いような胸の方ににつながってるようなしこりがあったのですが(硬くはなく動きます)、これは関係ないでしょうと言うことでした。やはり痛みもあるし、気になるので、他の病院で診てもらった所、しこりは乳腺症と言われ、一応半年後にもう一度来てくださいと言われました。現在授乳中で、授乳初期の頃から左胸の出が悪く、右の方ばかり飲ませていて、今ではほぼ右側だけです。エコーにも右側には太い血管が写っていました。エコーにしこりの部分が黒く写っていたのですが、
1) 乳腺症のしこりも黒く写るのでしょうか? 
2) 右側ばかり飲ませてたので、しこりが出来たのでしょうか? 
3) 年末ごろから右の腕の付け根や内側の肩が痛む時があるのですが、何か関係ありますか? 
4) 生理に関係なく痛む乳腺症もありますか? 
5) 乳腺症のしこりも大きくなるのですか?
6) 断乳後は痛みは軽減したりするのですか?
7) しこり自体は押しても痛くなく、痛む場所は外側全体という感じだったり、時には内側が痛くなったりと場所が変わったりします。痛くない日もあったりという感じなのですが、やはり乳腺症の症状でしょうか? マンモは異常ありませんでした。
沢山の質問で申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いします。

1) 乳腺症でもいろいろなものがあり、黒く写ることが無いとは言えません。 
2) 関係ないと思います。授乳していると、乳汁が溜まりしこりのようになることはあります。 
3) 直接関係はありません。 
4) 生理に関係なく痛む乳腺症もあります。 
5) 乳腺症のしこりも大きくなることはあります。
6) 断乳後の痛みが軽減することは十分考えられます。
7) しこり自体は押しても痛くなく、痛くなる場所が変わったりするのは、乳腺症の症状と考えます。(文責 石川)

 

No.2104】 04年01月15日 R
再発について(HPNo.1933-2)

NO.1933で相談したものです。CMFも3クール終わったところで、超音波検査で温存乳房に影がみつかりました。触診では触れないようです。細胞診の結果待ちですが、こんなに早い時期に再発するとは、かなり深刻なことなのでしょうか? 治療の方もCMF3クール終えたところで ホルモンの注射に変わりました。抗がん剤3クールでは何の意味もないですか? でも再発なら抗がん剤も放射線も効果なしということですよね? 私の今後はどのような治療が考えられますか? かなり危険な状態と考えるべきですか? ちなみに今度は乳首の下で、乳首をとる、もしくは全摘だそうです。

細胞診の結果がすべてですが、もし再発だとしても、今後の治療をきちんと受ければ心配いりません。治療は切除が原則です。再度温存するか全摘するかは、腫瘤の場所・大きさ・本人の希望を考慮して決定します。(文責 籾山)

 

No.2103】 04年01月15日 L.F.
乳輪回りのブツブツ

こんばんは。はじめまして。よろしくお願い致します。
右の乳輪と乳頭に白いブツブツがあります。たまに痒いときもありますが、普段は痛みなどは感じません。ただ左の乳輪や乳頭にはないので気になります。右の乳頭の右下の付け根の部分に二つあり、それが原因か、少し付け根部分よりずれて乳頭があります。上から見るとずれは解りません。少しよれている感じです。私は今年33歳、3歳の子どもがいます。母乳は全く出ず、粉ミルクで育てました。分泌物などはありません。触ってもしこりはわかりません。ただ気のせいか、乳輪の下は硬いような気がします。乳房もしこりはわかりません、筋みたいなものはわかりますが、多分筋だと思うのですが・・・、全く無知で解りません。
病院には行ったほうがいいのでしょうか?癌だったりする可能性はありますか?教えてください、お願いします。色は白です(ブツブツの先のみ、あとは普通の乳首・乳輪の色です)。とがっていたりはありません。破れて液がでることもありません。単なる気にしすぎでしょうか?お忙しいところ申し訳ありませんが、お願いします。

乳輪のまわりのぶつぶつは、正常でもみられるものです。ただし、最近増えたびらんを伴うならば、病院受診をすすめます。何よりも不安があるならば、躊躇せずに受診すべきです。(文責 籾山)

 

No.2102】 04年01月15日 K.K. 
石灰化について

はじめまして。よろしくお願いします。私は31歳で1歳の子供がいます。妊娠中にしこりに気づき、出産後に検査をしましたが、線維腺腫でした。今回乳癌検診のマンモグラフィーの検査で石灰化が見られました。2ヵ月後にもう一度検査をしましたが、変化はありませんでした。詳しい検査をしてもいいと話しましたが、「変化がないのは9割9分大丈夫なので、今すぐ検査の必要はない。ただ、半年後にエコー、1年後にマンモグラフィーの検査をして経過観察していきましょう」とのことでした。このような場合、経過観察が一般的なのでしょうか? 乳癌は見逃しやすいという記事を見たことがあるので、少し不安です。

石灰化にも様々な種類があり、良性から悪性まで5段階に分類(カテゴリー)されています。カテゴリー3以上は要精査ですが、カテゴリー2以下は経過観察でかまいません。ただし、カテゴリーの分類は決して容易ではなく、読影医の技量によるところが大きいといえます。依頼者の場合、経過観察といわれたならば、カテゴリー2以下のものと考えられますが、念のため別の病院でセカンドオピニオンを聞くのも良いと思います。(文責 籾山)

 

No.2101】 04年01月15日 K.S.
妊娠中のマンモグラフィ(HPNo.2090-2)

NO.2090でご相談したものです。早速病院へ行き、マンモグラフィの検査を受けました。妊娠15週でのX線について、担当医は大丈夫との事でしたが、X線技師は、「ダメじゃないの?」と最初に一言。もう検査を受けてしまった後ですが、胎児への影響は本当にないのでしょうか? あるとすれば、どの様な影響が出ますか? 医師によって言う事が違うので不安になりました。どうか、良きアドバイスをお願いします。尚、超音波検査は予約中でまだ受けていません。

妊娠12週以降(器官形成期終了後)のマンモグラフィーは問題ありません。12週以前は、できれば避けたほうが良いとされています。(文責 籾山)