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相談室(No.2201〜2300) |
このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 なお、個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。ご相談内容は info@kbcts.gr.jp まで、メールでご連絡下さい。
なお当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。
目 次
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No
日 付
名 前
件 名
担 当
2300 04/04/01 A. 何が最善な療法なのでしょうか? 片山 2299 04/04/01 C.T. 乳管内乳頭腫について 片山 2298 04/04/01 mama 気になる症状について 片山 2297 04/04/01 TK ホルモン剤について 片山 2296 04/04/01 シェル 自律神経免疫療法について 片山 2295 04/03/31 M.O 術後の定期健診について 片山 2294 04/03/31 H.F. 乳腺症について 片山 2293 04/03/30 K 乳房のかゆみetc 片山 2292 04/03/30 K.M. やはり乳ガン以外には考えられないのでしょうか。 片山 2291 04/03/30 ゆき 乳輪や乳首の付け根付近の痒み 片山 2290 04/03/29 Y 左胸の痛みと背中の痛み 片山 2289 04/03/29 N.T. 処方された飲み薬について(2)(HPNo.1967-3) 片山 2288-1
2288-204/03/28
04/04/03miki 細胞診の結果について
コアの結果片山
加藤2287-1
2287-204/03/28
04/09/29T子 PET検査について
CT検査の結果について片山
福間2286 04/03/27 N.T. 処方された飲み薬について(HPNo.1967-2) 片山 2285 04/03/27 megumi 卵巣癌から転移? 片山 2284 04/03/27 R しこりについて 片山 2283 04/03/27 すぎ丸 今後の治療について 片山 2282-1
2282-2
2282-3
2282-404/03/27
04/04/19
04/04/24
04/05/05okay リンパ節転移と化学療法について
リンパ節転移と化学療法について(2)
リンパ節転移と化学療法について(3)
リンパ節転移と化学療法について(4)片山
清水
清水
清水2281 04/03/26 ミチコ 非浸潤ガンの手術延期について 片山 2280 04/03/26 M.M ノルバデックス服用中のピロリ除菌について 片山 2279-1
2279-2
2279-3
2279-404/03/26
04/04/19
04/06/01
04/11/02J.N. 腫瘍マーカーの数値について
転移の抗がん剤治療について
骨転移のMRI検査報告書について
骨転移の痛みについて片山
清水
鈴木
石山2278 04/03/26 TM アリミデックスについて(HPNo.443-2) 片山 2277 04/03/25 choco 痛みと腫れ(HPNo.2198-3) 片山 2276 04/03/25 I.T. 左脇下に5mmくらいの白いしこり 片山 2275 04/03/25 カエ 左乳頭の痛み 片山 2274 04/03/23 S.N. 病理検査の結果について 片山 2273 04/03/23 T.M. 男でも乳癌になりますか? 片山 2272 04/03/23 K.K. 男のしこり 片山 2271 04/03/23 Y.K. のう胞内腫瘍 片山 2270 04/03/23 T.M. 手術後の痛み 片山 2269 04/03/23 S 今後のフォローについて 片山 2268 04/03/23 ねえね ホルモン治療と腫瘍マーカーについて(2)(HPNo.2191-2) 片山 2267 04/03/21 M 再発乳癌の治療について 片山 2266 04/03/21 M・Y 乳腺腫瘤の疑い 片山 2265 04/03/21 H 同時性乳癌について(HPNo.2178-3) 片山 2264 04/03/21 kuni 発熱について 片山 2263-1
2263-204/03/21
04/03/27T.S. 骨転移とMRIについて
骨転移とMRIについて(2)片山
片山2262 04/03/19 R.S. 乳癌手術で癌が取りきれなかった場合の対処について 片山 2261 04/03/19 F K 手術待ち(HPNo.2198-2) 片山 2260 04/03/19 M.O. ノルバテックスの副作用 片山 2259 04/03/19 K.K. Tamoxifinについて 片山 2258 04/03/18 O@相模原 再発乳癌について 片山 2257 04/03/18 H コメド癌からの乳頭腺管癌について(HPNo.2178-2) 片山 2256 04/03/18 A.K. 乳房のかゆみ 片山 2255 04/03/18 K.N. 腋窩リンパ節に再発? 稲葉 2254-1
2254-204/03/17
04/04/05マコ 乳がん再発の症状について
腫瘍マーカーの数値について稲葉
加藤2253-1
2253-204/03/17
04/03/23G.H. 術後の妊娠について
術後の妊娠について(2)稲葉
片山2252 04/03/16 Y.N. 乳腺症と石灰化について 稲葉 2251 04/03/16 Ogi 非浸潤がんの乳房同時再建について 稲葉 2250 04/03/15 38歳女性 切除すべきでしょうか 稲葉 2249-1
2249-204/03/15
04/03/18M 手足のしびれについて
手足のしびれについて(2)稲葉
稲葉2248 04/03/15 Y.N. 非浸潤癌のリンパ節切除について 稲葉 2247 04/03/15 Y.K. 鎖骨リンパ節への再発についてA (HPNo.2187-2) 稲葉 2246 04/03/15 Y.N. 乳頭陥没としこり 稲葉 2245-1
2245-204/03/13
04/03/23M.T. 石灰化について
血性の乳頭分泌物稲葉
片山2244 04/03/13 Y.H. 原因がわかりません 稲葉 2243-1
2243-2
2243-304/03/13
04/03/17
04/03/23KAZ 乳癌の検査について
手術を受ける段階で病院を変わることについて
手術方法について稲葉
稲葉
片山2242 04/03/13 M.S. 乳管内乳頭腫について 稲葉 2241 04/03/13 Y ホルモン療法について 稲葉 2240 04/03/13 K 乳癌患部からの出血について(HPNo.1991-2) 稲葉 2239 04/03/13 R 胸の痛みについて 稲葉 2238 04/03/11 YN 精神的に参っています 稲葉 2237 04/03/10 T 放射線照射後の治療について(HPNO.2014-3) 稲葉 2236-1
2236-204/03/10
04/05/27まりこ マンモトーム
術後の創のヒリヒリ感について稲葉
鈴木2235 04/03/09 M.I. 副作用について 稲葉 2234 04/03/09 Y 両側乳癌 稲葉 2233 04/03/09 シェル どちらの病院へ行った方が良いのでしょうか 稲葉 2232-1
2232-2
2232-3
2232-4
2232-5
2232-6
2232-7
2232-8
2232-9
2232-10
2232-11
2232-1204/03/09
04/03/13
04/03/18
04/04/04
04/07/12
04/07/18
04/08/21
05/02/10
05/03/14
07/02/25
07/03/01
08/08/21F.T. 乳ガン転移について
乳ガン転移について(2)
乳ガン転移について(3)
乳ガン転移について(4)
乳ガン転移についての相談(5)
乳ガン転移についての相談(6)
乳ガンの転移の治療、検査について
抗ガン剤とホルモン療法について
抗ガン剤治療とホルモン療法の選択について
乳がん再発治療と胃がん
乳がん再発治療と胃がん(2)
乳がん転移治療内容の変更について稲葉
稲葉
稲葉
加藤
千島
千島
緒方
吉田
稲葉
吉田
吉田
石山2231-1
2231-204/03/09
04/03/11N スキルス乳癌
スキルス乳癌(2)稲葉
稲葉2230 04/03/09 rei 血性分泌 稲葉 2229-1
2229-204/03/09
04/05/29M・T 乳頭からの分秘物
14歳です稲葉
鈴木2228-1
2228-204/03/09
04/04/24mika 術後の治療について
術後の治療について(2)稲葉
清水2227 04/03/09 M.K. 陥没乳頭 稲葉 2226-1
2226-204/03/09
04/03/31ラッキー 骨への転移について
足のしびれについて稲葉
片山2225 04/03/05 Y.T. セカンドオピニオンを下さい 稲葉 2224 04/03/05 MO 3次元ピンポイント照射 稲葉 2223 04/03/03 nonko 両乳房のかゆみ 稲葉 2222-1
2222-204/03/03
05/02/25和 病理検査の結果について
再発率について稲葉
石川2221 04/03/03 M.I. センチネルリンパ生検について 稲葉 2220 04/03/03 M 本手術の延期について 稲葉 2219 04/03/03 Y.S 左脇下のしこり 稲葉 2218 04/03/02 R.I. 細胞診クラスDについて 稲葉 2217 04/03/01 hemmi 授乳中のぶつぶつした硬いしこり 石山 2216 04/03/01 M.I. 副作用について 石山 2215 04/02/29 H.S. ホルモン療法、タモキシフェンだけで良いのでしょうか? 石山 2214-1
2214-204/02/29
04/05/25M s 術後補助療法の選択について
抗がん剤治療の副作用について石山
鈴木2213 04/02/29 S.K 放射線治療による急性皮膚炎 石山 2212 04/02/29 S子 化学療法のあとは・・・? 石山 2211 04/02/29 S 左の掌 石山 2210 04/02/28 A・Y 腫瘍摘出について 石山 2209-1
2209-204/02/27
04/04/24kanako 乳輪からの分泌物について
No.2209その後です石山
清水2208 04/02/27 Y 右乳房内側にしこりがあります 石山 2207 04/02/27 M.K. 受験生です 石山 2206 04/02/26 R.M. 血性分泌で乳腺症で診断された場合(HPNo.2193-2) 石山 2205 04/02/26 N.F. 腫瘤摘出術後の痛み 石山 2204 04/02/25 M.S. 乳房下側にあるしこり 石山 2203 04/02/25 K.M 15才です 石山 2202 04/02/25 H.K. 治療方針と再発について 石山 2201-1
2201-204/02/25
04/03/13M.S 妊娠中の胸のしこり
妊娠中の胸のしこり(2)石山
稲葉
【No.2300】 04年04月01日 A.
何が最善な療法なのでしょうか?60歳母のことで相談させて頂きたく存じます。お忙しいと思いますが、どうか宜しくお願い致します。
母の胸のしこりは一昨年9月ごろ本人が気づきましたが、40歳ころに罹患した乳腺症の再発と思い、私(現在大学4年)には知らされませんでした。現在ではもう10cm×10cm位まで大きくなってしまい黒く色素沈着しており、発赤と皮がむけています。乳首からの分泌はありません。母は統合失調症を20歳のころから患っており、病院に対し強い恐怖心を抱いており、病院にいくことを何回も泣きながら父親とともに説得したのですが、錯乱してしまい症状を悪化させてしまい実行できておりません。昨年一度なんとか受診したところ、触診、細胞診、エコーにてクラスV、腋窩リンパ節に1cm大の腫脹を2つ認められました。腫瘍は8cm×5cm位でCTなどは本人が気づいてしまいできなかったので、転移の有無はわかっておりません(これは昨年5月上旬の検査においてです)。今年3月上旬に近くの小さな病院で血液検査のみ行ったところ、GOT,GPTの異常はみられておりません。結局精神科に紹介状を書いていただき、フルツロンとアロマシンを服用しております。私はそんなに勉強できておらず臨床の細かいデータまでは全然わからないのですが、母をみていると、切除した方が良い気がしてなりません。転移している可能性があるとやはり手術はしないべきなのでしょうか。体からなくしてしまったほうが癌の進展が抑えられるのではないでしょうか。抗がん剤とAIだけでよいのでしょうか。何が最善な療法なのか…本当に悩んでおります。やっとホームページを見つけ、相談させて頂きました。どうかご返事下さいますようお待ち申しております。しこりの大きさがかなり大きくなってきており、色素沈着があって皮がむけているということで、乳癌をはじめとした悪性腫瘍が最も考えられますが、細胞診でもクラスVで確定診断がついていません。まずコアニードルバイオプシーなどで何とか組織診断をつけ、癌であればホルモンレセプターの状況などで治療方針が変わってきますし、逆に癌でなければ(葉状肉腫など)フルツロンなどの抗癌剤は意味がなくなります。また癌であってもホルモンレセプターが陰性ならばアロマシンの効果は期待できないことになります。いずれにしても局所のコントロールに関しては、お話をうかがっている限りあなたのおっしゃるようにいずれにしても私も切除が望ましいと考えますが、癌であっても抗癌剤+放射線療法といった選択肢もあり、お母様ご本人の気持ちを主体とした総合判断になると思います。(文責 片山)
【No.2299】 04年04月01日 C.T.
乳管内乳頭腫について初めまして。43才、既婚、子供はいません。15、6年前からしこりがあり乳腺症と診断され、昨年異様に痛くなったので、12月にマンモグラフィー・エコーの結果、石灰化が気になるので、3月18日に再検査。石灰化は問題なかったのですが、乳管内に腫瘍があるので(乳首からの分泌物は何もなし)、針を刺しての検査を30日にするということになりました。昨日行ってきたのですが、腫瘍が見つからなくなっているとのこと。乳腺症がひどいので、エコーで黒い影はいくつもあるのですが、18日のときの大きさ(7mm)のものが見えなくなっている。次回5月の初めにもう一度エコーをすることになりました。腫瘍が無くなるということがあるのでしょうか。それとも、何かの関係で腫瘍のように見えたのでしょうか。前回のエコーの写真を見せてもらいましたが、確かに黒い塊の中に白いものがあったような・・・。ご回答よろしくお願いします。
7mmの陰影というのは腫瘍であるのか、乳腺症による独特な斑状のものなのか難しいと思います。再検査をしてみて見え方が異なっていることはありうると考えます。実際に画像を拝見していないので分かりませんが、少し間隔をあけながら繰り返し検査をしてみるしかないと思います。(文責 片山)
【No.2298】 04年04月01日 mama
気になる症状について初めてご質問のメールをさせていただきます。30歳主婦(5年前に出産経験有り)です。ここ10数日、気になる症状があり、乳がんではないかと心配です。
1) 左脇の下リンパのしこり
1週間くらい前までは触ると若干の痛みがありましたが、現在は無痛です。
2) 左腕全体のしびれ
だまっていても、びりびりとしたしびれ感があります。特に肘から手首にかけてと指先です。また、左手だけが異常に冷たくなってしまいます。
3) めまい
ここ3日間、毎日のように足元が揺れるようなめまいを感じます。最初、地震かと思ったくらい、地面が上下するような感じです。立っているとき、車の乗り降りの際などですので、特に頭を下げていたりはしておりません。
4) 頭痛、肩こりなど
左半身にのみ、色々と不快な症状があります。座っていても、左足がしびれたり、左頭が痛かったり、首筋から肩、背中まで刺すような痛みがあったりなどです。
高校生の頃に乳腺症と診断され、しばらく薬を飲んでいました。また、昨年から受診している集団検診では、必ず1年1回、乳癌の検診をするようにとの指導を受けました。母や祖父、叔父などが癌で亡くなっているため、色々なサイトを調べ、ますます不安が強くなってしまいました。ご指南いただけることがございましたら、宜しくお願いいたします。腋窩リンパ節のしこりは確かに乳癌の転移で生じることもありますが、上肢の外傷やこりによる場合のほうが多いと思いますし、しびれは頚椎症などの整形外科疾患に伴うことのほうが多いと考えます。めまい、頭痛、肩こりなども乳癌との直接の関係は考えにくく、脳神経外科や神経内科などの疾患に近い症状かと思われ、一度受診なさることをお勧めします。またそれとは別に乳癌の検診は受けてください。(文責 片山)
【No.2297】 04年04月01日 TK
ホルモン剤についてお忙しいなか、申し訳ありません。ホルモン療法について教えて下さい。私は1月中旬にステ−ジUa(3cm、リンパ節郭清(0/9)、ホルモンレセプタ−陽性)の乳がんと診断され、温存手術を行い、その後放射線治療を経て、約1ヶ月前からノルバテックスの服用とリュ−プリンの皮下注射を始めました。これらのホルモン療法は卵巣を全摘出した状態にすると聞いたのですが、薬の解説書を読むと何らかの避妊が必要で、ピルを服用する場合は医師に相談とあります。卵巣を全摘出した状態にありながら何故避妊が必要なのでしょうか? どうぞよろしくお願いいたします。
リュープリンはLH-RHアゴニストの一種で、下垂体LH-RH受容体に作用し初期刺激時にはゴナドトロピン分泌能を増大させるが、継続的刺激により受容体のダウン・レギュレーションを引き起こし、ゴナドトロピン分泌能を低下させ、その結果、卵巣からのエストラジオール分泌を抑制し、下垂体―性腺系機能抑制作用により抗腫瘍効果を発揮するというもので、確かに使用中は卵巣を全摘出したのと同じ状態ですが、使用をやめれば年齢にもよりますが高い確率で生理が復活します。ピルは血中エストロジェンやプロゲステロンを高いレベルに保つことで生理を停止するもので、作用機序が異なります。そこで避妊具などを用いた別の避妊法が必要ということになります。(文責 片山)
【No.2296】 04年04月01日 シェル
自律神経免疫療法についてお世話になっております。右の乳腺に10cmを超えた2期の癌(上ナントカ性癌←よく聞き取れませんでした)が見つかったので、手術が決まりました。温存か、全て取るかになります。私としては、全て取って放射線を受けずに済ましたいのですが、どうしたものか悩んでいます。抗ガン剤も飲みたくありません。「右の脇の下に、しこりのなりかけがある」とも言われ、リンパ管に転移していないか、進行性の癌ではないか、と心配しています。自律神経免疫療法(他の病院)というのも知り、手術しないで済むものなら、そうしたい気持ちもあります。この10年間、発達に障害のある子どもを抱えて常に心配し悩んで来ましたし、疲れやすくて風邪をひきやすいので、免疫力が下がっているのは自覚しています。手術して治療を受けるにしても、自律神経免疫療法も受けた方が良いのではないかと考えているのですが・・・。
10cmを超えた乳癌であれば、やはり乳房切除術がすすめられると思いますが、術前の補助療法を行って腫瘍を縮小させた上での温存術の可能性はあると思います。その場合は術後に残存した乳房に放射線療法を併用して行うことが推奨されます。抗癌剤の使用の適応は術後の病理結果(リンパ節転移、ホルモンレセプターなど)によって異なります。自律神経免役療法は必ずしも否定するわけではありませんが、科学的な根拠に乏しいと思われ、私自身はお勧めしません。(文責 片山)
【No.2295】 04年03月31日 M.O
術後の定期健診についてこんにちは。いつも拝見させていただいております。私は33歳で既婚、子供はおりません。先日、左乳房全摘手術(両胸筋温存)をし、術中のセンチネルリンパ節生検で転移がないことがわかったため、リンパ節の郭清はしませんでした。病理の結果は非浸潤性乳癌で、組織学的異型度は2、ホルモンレセプターは陽性でした。主治医の先生は、転移する能力のない種類の癌であり、また再発の可能性がきわめて低いということから、「術後の薬物治療はいっさいせずに、年一回検診に来るだけでいいですよ。ただし、必ず月に一回は自己検診をしてください。」とおっしゃいました。思った以上に結果がよく、私自身はとても喜んでいたのですが、本当に年に一度だけでいいのか、少し不安な気持ちでおります。主治医の先生にはとてもよくしていただき、たいへん信頼しているのですが、やはりこのような病にかかってしまうと、いつまでも不安な気持ちは持ち続けてしまいます。3ヵ月に一度、あるいは半年に一度くらいは病院で先生に触診、超音波だけでもしていただいた方がよいのでしょうか。参考までに先生方のご意見もうかがいたく、お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
非浸潤癌に対して乳房全滴手術を受けられておりますし、リンパ節転移もなかったとのことで、主治医の先生のおっしゃるようにこの癌に関しては治りきっている可能性が高いと思います。33歳以下とお若く、ホルモンレセプターが陽性なので、術後の補助療法は何もしないか、場合によってホルモン療法ということになると考えます。 基本的には自己検診をしていて、何かあったら検査をするということでよろしいと思いますが、不安な気持ちはよく分かり、それを少しでも解消する意味でも半年に一度くらい主治医の先生にフォローしていただくのは良いことだと思います。(文責 片山)
【No.2294】 04年03月31日 H.F.
乳腺症についてはじめまして、私の妻の事なのですが、現在40才で、数年前に右乳房(右上10cmの所) のしこり(2cm位)で乳腺症と診断され、最近、痛みがあると、病院でガン検診を受けましたが、異常なしでした。でも、まだ少し痛みを感じることが多く、仕事中でも手で押さえています。素人考えで、少しでも楽になればとマッサ−ジをしようと思いますが、揉まない方が良いという人もいるので、揉まない方が良いのでしょうか? 又、良ければ専門の方にお願いした方がよろしいのでしょうか。お忙しいのに申し訳ありませんが、お教え願えないでしょうか。
乳腺症による痛みは生理的なもので、その程度は非常に個人差がありますが、多くの方が抱えられている症状です。授乳期のミルクの鬱帯による痛みと違って、マッサージはあまり効果がないかもしれません。生理前に痛むことが多く、次のときは痛み具合が少なかったということも経験しますので、あえて何もせずに様子を見ることが多いです。(文責 片山)
【No.2293】 04年03月30日 K
乳房のかゆみetc今日、初めてこちらのサイトを拝見してメールをさせて頂きました。24歳頃から乳房にかゆみがでてきました。現在27歳です。かゆみは現在も続いていて、今ではかきすぎてしまったせいか、黒ずんでいます。元々、アトピーを持っていて皮膚科に通っていたので、気になって皮膚科で聞きましたら、「年齢的に若いからありえない。ブラジャーを付けて合わないからかゆみがでてるのかも・・・。」と言われて、塗り薬をもらって終わりました。かゆみだけなら良いのですが、時々胸が痛む事があります。生理前は特にです。触ってみても、しこりがあるのかないのかは分かりません。しこりの様な気がしますが、沢山ある様な感じなので、しこりとは違うのかもとも思います。痒くてかくと、乳腺なのか痛いような感じもします。色々調べてみると乳腺症なのかなと思ったり、やっぱり乳がんなのかなと思ったり、毎日病院に行く勇気もなく、考えてしまいます。ご回答、宜しくお願い致します。
お話をうかがっておりますと、かゆみはアトピー性の皮膚炎によるものが最も考えられ、痛みは特に生理前ということでやはり良性の生理的な変化で、しこりとして触れるのは乳腺そのものである可能性が高いと考えます。ただ拝見していないのではっきりしたことは言えず、とにかく一度総合病院の外科を受診なさってください。(文責 片山)
【No.2292】 04年03月30日 K.M.
やはり乳ガン以外には考えられないのでしょうか。1児の母で52歳です。今日車を運転中、腕を上げた時、ツッパッた様な感じがし、何気なく胸を触ったところしこりを見つけました。1ヶ月くらい前に触った時は何も感じませんでした。大きさは4センチ程有り、乳頭の内側に卵の様に立体感が感じられます。脇の下にもリンパのグリグリが感じられます。インターネットで乳房のしこりを調べると全て乳ガンの症状に適合します。しかも大きさ、リンパの腫れなどからすると良い状況ではない様で不安です。この様な状況は乳ガン以外には考えられないのでしょうか。よろしくお願い致します。
急速に大きくなるしこりの中に、良性ののう胞(内部に液体成分の貯まった腫瘤)などもよく経験しますので、癌と決め付けて悩んでいないで、早めに外科のある大きな病院を受診してください。(文責 片山)
【No.2291】 04年03月30日 ゆき
乳輪や乳首の付け根付近の痒み時々乳輪や乳首の付け根(乳輪との境目)のあたりがかゆくなり、ブラジャーに黄色いものがついていることがあります。もともと皮膚が弱いため通っていた皮膚科の先生に相談したところ、軟膏をいただきました。その軟膏を塗ると確かにかゆみもおさまるのですが、これはただ分泌物が出ているようなものなのでしょうか? いったい何が原因なのでしょう? また、できるだけ薬は使いたくないのですが、他に良い方法はございませんでしょうか? よろしくお願いいたします。
おそらく良性の湿疹が最も考えられ、もともとアトピー性の皮膚炎などをお持ちの方などに、やはり皮膚の一部としての乳輪や窪みとなっている乳頭と乳輪の境目などにできることが多いようで、ステロイド性の軟膏が奏効します。乳頭にびらんを形成してくる特殊なタイプのパジェット病という乳癌とは様子が違うと思われますが、念のため一度主治医の先生にお尋ねください。(文責 片山)
【No.2290】 04年03月29日 Y
左胸の痛みと背中の痛みよろしくお願いします。30歳で、出産経験はありません。ここ2〜3ヶ月、左胸の違和感があります。左胸にチクチク痛みがあったり、しこりのようなものに触れることもあります。しこりそのものは、つまんだ時によく分かり、動くつるつるするようなしこりで、左胸、右胸に触れるので、乳腺のような気もしてよく分からないのですが、痛みは左胸(特に内側)ばかりに感じることが多いので気になっています。現在生理終了2日目くらいですが、左胸の上部(付け根)の辺りにも筋っぽいもの(しこり?)に触れて気になっています。しかし寝て触るとよく分からなくなります。生理終了後は乳腺も落ち着きしこりも少なくなると聞いたので、生理後に触れるしこりが気になります。また同じようにここ数ヶ月、左背中・肩が非常に凝ることがあり、左の肩甲骨辺りが痛んだり、左手先までしびれる感じも時々あるのですが、胸の痛みと関係あるとも考えられるのでしょうか? 今日、マッサージに行った時、肩・背中のほかに、鎖骨の下あたりも左側だけ特に凝っていると言われたので、左胸の痛みが関係あるのかと気になって仕方ありません。2ヶ月後に初めて婦人科検診の予定ですが、それまで待っていてもいいでしょうか? それとも1日も早く診察を受けたほうがいいでしょうか? お忙しいところ申し訳ありませんが、教えてください。
特に生理の前に胸が張ったり、痛んだりすることはよくある現象で、人によっては背中のこりや腕に放散するような痛みも伴うこともあるようです。またそのような現象が、あるときは生理後まで続いていた、次のときはあまり感じなかったというように、時期による差もうかがうことがあります。癌はどちらかといえば痛むことは少ないと思いますが、実際に拝見していないのではっきりとは申し上げられません。検診年齢でもありますので、心配を抱えていないで、一度外科のある大きな総合病院を受診してみてください。(文責 片山)
【No.2289】 04年03月29日 N.T.
処方された飲み薬について(2)(HPNo.1967-3)No.1967です。返答ありがとうございました。医師が勧めてくれるのにインターネットで副作用を調べ不安になり、確かに胃痛も何度か経験しました。リンデロンについては周りに使用中の人もいなく、謎の薬だと思い警戒していました。効能・効果に乳癌の再発転移も含まれているという事は、癌に効く薬という解釈でよろしいのでしょうか? 希望を捨てず治療の励みにしたいと思います。お忙しい中、いつも迅速で的確な対応に感謝いたします。
副腎皮質ホルモン剤なので、癌を直接たたいたり縮小させたりする薬ではなく、糖や脂肪の代謝、体液の維持、免疫の調整などに働き、癌の再発・転移などで弱まっている身体を調節してくれる作用を期待しての使用ということになると思います。(文責 片山)
【No.2288-1】 04年03月28日 miki
細胞診の結果について初めて相談させて頂きます。2児の母で40歳です。今月の中旬に、初旬に触った時にはなかったシコリを右胸の下内側に見つけました。以前から線維腫などが出来やすく乳腺外来に通院していましたが、去年11月の検診時にはすごく小さかったシコリ箇所だと思います。今回は触ると動きますが、かなり大きな気がして慌てて受診した所、超音波で先生の顔色が険しくなり、『8割がた悪性でしょう』と言われ吸引細胞診をしました。結果も急ぎで出して頂き、次回は家族の方と来て下さいとの事で、主人と告知を覚悟で結果を聞きに行きました。その日にマンモも上からと横からと計4枚を撮ってもらいました。細胞診の結果は意外にも2で、マンモの方は5段階で3だと言われました。悪性だとシコリに根っこみたいなのが付いているように見えるらしいですが、私のは普通の丸だけでした。リンパへの転移などは超音波やマンモでは確認できていないとの事、しかし急速に大きくなったシコリにやはり先生は納得がいかず、昨日ですが針生検を受けて来週末に結果が出ます。先生は、『悪性の可能性は半分の確立に減りましたが、まだ分かりません』とおっしゃいました。やはり癌の可能性の方が高いのでしょうか? 大きさは1cm強との事です。それと昨日に生検した所を触ってみたのですが、シコリ周りがゴロゴロしているんです。これは生検の影響でしょうか? 子供が小さく悩む毎日です・・どうか宜しくお願いします。
細胞診の結果がClassUということだと思いますが、細胞がしっかり取れていての判断ということになると、かなり良性の可能性が高くなると思います。マンモグラフィーもしこりの影があるだけでカテゴリー3になりますから、これだけで悪性を強く疑うということにはなりません。ただ実際に画像を拝見していないのではっきりとは言えず、やはり針生検の結果待ちということになると思います。またその結果にもよりますが、しこりが急速に大きくなってきているとのことで、担当の先生とよく相談してしこり全体を取ることも考慮されてはいかがでしょうか。(文責 片山)
【No.2288-2】 04年04月03日 miki
コアの結果No.2288で回答して頂いた者です。その節は有難うございました。今日コア生検の結果が出ました。良性の葉状腫瘍という事で、来週初めに予定通り入院、手術です。再発が多い為に全身麻酔で大きく取るということですが、乳癌と比べてとても怖い肉腫ですよね? リンパかくせいしても、血行性で肺に転移するので意味がないと言われました。だから入院は短いです。良性ですと転移とかは心配しなくても良いのでしょうか? 宜しくお願いします。
結果がよいもので、よかったと思います。葉状腫瘍は乳房腫瘍の0.3-0.9%と頻度の低いものです。以前は葉状肉腫と呼ばれることもありましたが、現在は葉状腫瘍と呼ばれることが多くなってきています。良性、境界、悪性のものに分けられ、良性であれば肉腫のような性格は通常持ち合わせません。血行性に転移することもありませんので、ご安心ください。通常しこりの切除で治癒するものです。コア生検はしこりの一部を取るものなので、最終診断はもう一度しこり全体を顕微鏡で見てから行うことになります。ただ、悪性である可能性は低いので、それほどご心配ないと思います。ちなみに、最終的には線維腺腫と診断される可能性もあります(針生検で葉状腫瘍と診断されたものの約4%が線維腺腫であったとの報告があります)。(文責 加藤)
【No.2287-1】 04年03月28日 T子
PET検査について今年に入ってPET検査を受けました。腫瘍マーカーに異常があったわけではなく、一度受けておけば全身の状態がわかるのでということで薦めていただきました。ところが左胸に集積が見つかって、その後CT検査を受けました。造影剤を使用しての検査でしたが、特に問題はなく、何かの炎症ではないかとのことでした。どこかに胸の辺をぶつけたことはないかと担当医より聞かれましたが、そのようなことはありません。打撲等で炎症が起きると集積が出るそうですが、自分としては覚えが全くないのです。半年後、確認のためもう一度CT検査を受けますが、今回の集積は何が原因なのでしょうか。咳などの自覚症状はありません。私は2年近く前に右乳房の温存手術を受け、現在ゾラテックスとタモキシフェンの治療を受けています。御回答、宜しくお願いいたします。
PETはPositron Emission Tomography の略で、ブドウ糖をアイソトープで標識した薬剤を注射して、その体内分布を特殊なカメラで映像化する検査法です。癌細胞が通常の細胞より活動性が高くてブドウ糖を多く消費することを利用しており、その機能を反映する検査ともいえます。弱点として空中分解能が悪く、ピントがずれた画像となるため、病変の存在部位をCTやMRIなどの空中分解能の良い検査と組み合わせて判断する必要があります。また使用する薬剤が肺炎などの炎症巣にも集積することが知られ、癌との鑑別が難しいこともあります。やはり腫瘍マーカーやCTなどの画像を組み合わせた総合判断ということになると思います。(文責 片山)
【No.2287-2】 04年09月29日 T子
CT検査の結果について以前にも質問させていただいた者です。その節は御回答ありがとうございました。今年1月のPET検査で胸部に集積が出た為、造影剤を使用した胸部CT検査を受け、結果、異常所見はないと言われました。今月に入って念のためということで、再度胸部CT検査を受けました。今回は単純撮影のみでした。結果は細かいツブ状のものが認められるが、気管支炎の跡ではないかとの説明を受けました。今年の1月頃、咳が何日か続きましたので、その時気管支炎に罹っていたのでしょうか。自分で思い当たるのはその時くらいです。何ヶ月経っても気管支炎の跡がCTの画像に写ることがあるのでしょうか。腫瘍マーカーは正常です。肺転移などの兆候では?と不安も抱いております。考えすぎでしょうか。御回答宜しくお願いいたします。
PETは全身の検査ができ、普通の検査で見逃すような病変を発見できる検査です。たとえば胸の奥の方(縦隔)、リンパ節転移の発見には有用だといわれています。しかしPET検査も万能ではありません。5−10mm以下の病変はPETで発見困難だといわれています。 PETで異常があればMR、CTなどの検査で確認することになります。現時点でCTで異常があるのは肺の粒上の病変とのことです。その小さな病変はPETではおそらく発見困難だと思われます。小さな病変が何かはわかりませんが、肺炎や気管支炎などのあとが長期間CTで見られることがあります。いずれにせよCTで、その病変が大きくなるか小さくなるか(消失するか)、再確認することが必要かと思われます。(文責 福間)
【No.2286】 04年03月27日 N.T.
処方された飲み薬について(HPNo.1967-2)No.1967です。抗ガン剤使用についてのアドバイス、ありがとうございました。12月よりタキソール+ハーセを行っています。現在は肺、リンパ骨、脳に転移がありますが、自覚症状はありません。ただ身体がだるく息切れがひどかったので、主治医に伝えた所、リンデロン錠を2錠処方されました。調べるとこの薬、あまり身体によさそうでないので1錠だけ飲んでいましたが、みるみる元気になりました。しかしたびたび激しい胃痛を経験し胃薬を換えていただきましたが、怖くなりリンデロンをやめたところ、まただるくて無気力な状態になりました。リンデロンで私の身体は元気を保ち、使用をやめればごろごろ寝たきりの生活しかできないのでしょうか。胃痛に転げ回るよりはと使用を控えているのですが…。身体はガンによってだるいのでしょうか? 抗ガン剤によってだるいのでしょうか?
リンデロンは副腎皮質ホルモン剤で、効能・効果に乳癌の再発転移も含まれています。使用法を誤らなければ良い薬だと思います。消化性潰瘍の副作用はあるので、長期連用の場合は気遣いが必要です。(文責 片山)
【No.2285】 04年03月27日 megumi
卵巣癌から転移?お忙しいところを申し訳ありませんが、どこに相談したらよいのかわかりません。どうかよろしくお願いします。先日乳がんの手術を受けた友人からの相談です。本人はパソコン(メール含む)を使えませんので、代筆させていただきます。
39歳、既婚、子供一人。昨年5月に両胸の間(谷間の部分)に腫瘍ができ、良性と診断されました。でも、だんだん大きくなって乳房が3つあるような状態になってしまいました。じゃまで仕方がないので、日帰りで切除手術を受けました。その後、摘出した腫瘍の中に癌細胞が見つかりました。けれど、「もう取ったので、特に他の治療は必要ない」ということでしたので、それ以降、病院へ行くこともありませんでした。ところが昨年の秋ころから、全く同じ場所に腫瘍が出き、どんどん大きくなってきたのです。今年に入って検査したところ、乳がんだと告知されました。とてもその病院で手術するつもりになれなくてセカンドオピニオンをとり、そこで右胸温存手術を受けました。当初から、変わった乳がんだと言われていましたが、昨日、やっと病理検査の結果が出て、説明を聞きに行きました。「卵巣癌に類似しているので卵巣がんが飛び火した可能性がある」というのです。主治医からは、「とりあえず今月末から始まる放射線治療を終わらせて、次回は5月17日に来てください。」と言われています。それまで卵巣は何もしないで、そのままほっといてかまわないのでしょうか。(放射線は自宅の近くで受けるため、病院が違います。) 卵巣からの転移ということは、全く自覚症状はなくても卵巣はかなり悪化しているということなのでしょうか? 卵巣がんから転移した乳がんというのを聞いた事がないのですが、実際にそのような例はあるのでしょうか? 手術前に、全身の検査で(卵巣検査含む)何も異常はありませんでした。どうかよろしくお願いいたします。卵巣癌の乳腺への転移は稀に報告があるようですが、私自身は経験がなく、はっきりしたコメントが差し上げられず申し訳ありません。ただ、卵巣癌があったとして、腹腔外へ転移を起こしているとすればStageWということになるわけですが、昨年5月からの1年近い経過で全身状態も保たれており、不思議な気もします。手術前の全身検査で何も異常がなかったとのことで、画像上の判断が難しいケースなのだと思いますが、やはり主治医の先生と相談して、重ねて検査をしてみるしかないと思います。(文責 片山)
【No.2284】 04年03月27日 R
しこりについて現在授乳中の31歳の女性です。3ヶ月ほど前から右の乳房にしこりのようなものを感じ始めました。立った状態で触る事は出来るのですが、寝転んで腕を上げた状態にして触ると、よく分からなくなります。現在は乳頭中央の先が一部分だけ白くなり、指でつぶすと痛く、治ってきたかと思うと又白くなります。姉が乳がんになり、私も心配になり、半年前に病院で調べて頂いた時は、授乳中である事は告げましたが、よくわからないとの結果でした。
@ 今のままで授乳中の子供への影響は大丈夫でしょうか?
A 右腕が終始だるく、腕を伸ばしたり上げたりするとしびれますが、関係があるのでしょうか?
返答を宜しくお願い致します。@ おそらくミルクが固まってできたものだと思われますが、乳腺炎で膿が出ているのであれば授乳はあまり好ましくありません。再度病院でよく診てもらってください。
A 乳腺炎であったとして、よほど炎症が激しくなければ上肢に症状が出るほどのことはないと思うので、関係はないと思いますが、実際に拝見していないので分かりません。やはり病院で診てもらってください。(文責 片山)
【No.2283】 04年03月27日 すぎ丸
今後の治療についてこんにちは。先月左乳房温存術を受け、先週から7週間の予定で放射線治療に通っています。放射線治療が終わったらホルモン治療をするかどうかなのですが、自分のガンの種類をどう考えて良いものか理解できず、ご相談させていただくことにしました。以下に経過を記します。
27歳、左胸にしこり認め、精密検査で線維腺症と診断を受ける。 30歳より毎年検診での経過観察であったが、33歳で精密検査を受け、針生検で確定できず。しこり切除で硬化性腺症主体の中に5ミリの充実腺管がん認めた(04・1月)。翌2/12に温存術+レベル1リンパ郭清を行った。追加切除の中に1.6×1.5×1.0大の充実性結節を認め、免疫染色にて非浸潤ガンとの結果であった。リンパの転移は無し、断端は陰性であった。ちなみにわたしは妊娠希望です。
浸潤とも非浸潤とも言われたわけですが、その場合の治療の進め方はどうなっていくものでしょうか? また非浸潤がんが発見されても再手術での乳房切除はせず、放射線治療をしています。温存術で見つかった非浸潤ガンの悪性度はどうやってわかりますか? 外国で用いられているVan Nyse法についても教えていただけると幸いです。ホルモン療法は、乳癌組織の検索でホルモンレセプター(ER/PgR)が陽性の患者さんに推奨される治療法です。あなたの場合はどうであったのかを主治医の先生にお尋ねください。5mmの充実腺管癌と非浸潤癌で断端陰性とのことで、局所治療としては今進められている方法でよろしいかと考えます。
Van Nuysだと思われますが、非浸潤性乳癌の治療の指針として、カリフォルニアVan NuysのSilversteinらが提唱するVan Nuys indexというのがあり、 非浸潤癌を治療する際に、・大きさ、・切除した断端の余裕(充分にとりきれているか、ぎりぎりか)、・組織学的異型度(顕微鏡でみた癌の顔つきの悪さ)の3要素についてそれぞれ1−3点のスコアをつけ、加算することで点数化するもので、3−4点の場合には局所切除のみ、5−7点では局所切除と放射線照射、8−9点では乳房切除術、というように点数に応じて最適な治療方針が決められるというものです。(文責 片山)
【No.2282-1】 04年03月27日 okay
リンパ節転移と化学療法について2004年2月17日に右乳房温存手術を受けました。40歳です。腫瘍は複数ありましたが、そのうち1つだけが浸潤ガンであり(大きさは8mm)、リンパ節転移あり(1/14)、ホルモンレセプター陽性 ER(+),PgR(+)ということでした。現在タモキシフェン、LH-RHアゴニストでのホルモン治療と温存手術後の放射線治療を受けております。放射線治療終了後はリンパ節転移陽性ということで、化学療法をすすめられておりますが、「リンパ節に転移したガン細胞の大きさが2mm以下の場合、リンパ節転移ゼロとみることができる。」という説を聞き(私の場合、2mm内外の大きさです。)、もしホルモン療法のみで再発等が防止できるかもしれないところに化学療法を取り入れて、それが免疫力低下につながる逆効果になってしまわないか心配しております。ホルモン療法のみで十分なのか、化学療法はやった方がいいものか悩みが尽きず、どうしてよいものかわかりません。放射線治療は4月7日に終了します。それまでに化学療法をするのか決めなければなりません。お手数をお掛けいたしますが、アドバイス、宜しくお願い致します。
腋窩のリンパ節全てが調べられたわけではないという難しさはありますが、確かに最小の転移だった可能性はあると思います。LH-RHアゴニスト2年間の投与が化学療法のうちCMF療法6クールとほぼ同等の効果といわれていますから、あなたのおっしゃるようにホルモン療法のみで様子を見るというのも一つの選択肢と考えられると思います。主治医の先生とよく相談されて決めてください。(文責 片山)
【No.2282-2】 04年04月19日 okay
リンパ節転移と化学療法について(2)お世話になっております。再度 1つお伺いしたいことがありますので お忙しいところ申し訳ありませんが、もしよろしければ ご回答の程、宜しくお願い致します。
術後の補助療法ですが、ホルモン療法によって2.5%、化学治療では1〜2% 予後(再発、転移の防止効果)を良好にする効果をあげられる、そして併用することによっては、3.7%効果をあげられるとのことですが、主治医の先生は、化学療法でのマイナス面はないと言って化学療法を推奨します。CMFの化学療法を受けた場合、一時的な副作用(脱毛、吐き気等)ではなく、1000人に1人死亡する可能性があったり、長い目で見た(5年、10年)マイナス面、たとえば死亡率があがるとか、何年か後にでてくる副作用がどのようなものか、主治医の先生からは、それについての情報を得ることが出来ません。よろしければ教えていただけますでしょうか。抗がん剤の毒性と効果のバランスを考えても、1〜2%の効果をあげるために、危険の伴うリスクをおって化学療法をうけるべきなのか、家内は決心がつきません。アドバイスの程、宜しくお願い致します。術後補助療法を決めるのはとても難しいことです。医師が提供できるデータは過去に患者さんと同程度の進行度の患者さんのgroupが、ある治療を行ったらどれだけ再発が減少したかというデータと、それに伴って出現した副作用の頻度です。しかし、そのデータの出所もたくさんあって、どのデータが本当なのか混乱することもありますし、そのデータを解説する医師によっては、同じデータがよく見えたり悪く見えたりします。自分でデータを解釈する自信があればoriginalの論文で確認するのがよいと思いますが、一般の方が医学論文(ほとんどが英語)を読んで理解するのは至難の業だと思います。そこで登場するのがguidelineです。Guidelineというのは、その時代に明らかになった治療成績に関する論文を専門家が吟味して作ったものですから、ある程度信頼して良いと考えます。Guidelineに従った治療がbestだとは言えませんが、効果と副作用のバランスを考えたその時代の一つの指標と考えて下さい。奥様の場合(閉経前、リンパ節転移陽性、ER陽性)は有名なSt.Gallenのguidelineによると、化学療法+Tamoxifen +/-Zoladex(Reupline)、もしくはZoladex(Reupline)+Tamoxifen+/-化学療法です。現在はZoladex+Tamoxifenという治療(前回のメールから推察して)を行っている訳ですから、guidelineでも後の化学療法は(+/-)、つまり化学療法を加えた方が良いかどうかの十分なevidenceはないということです。これでは答えになりませんが、そのくらい難しいのです。ここから後は、奥様と御主人で考えて決めるしかありません。ただし、化学療法で免疫力が落ちるとか、CMFで1000人に一人晩期死亡があるというevidenceはありません(絶対ないという証拠もありませんが)。また考えている化学療法がCMFであるならば、それは、Zoladex+Tamoxifenと同等であるというevidenceがありますから、意味はないと思います。悩むとすればCAF,CEFといった現在の標準的な化学療法で、これとホルモン療法とを比較したデータがないのです。CMFの晩期の副作用についてはあまりなかったと記憶していますが、もう一度調べてまたご連絡します。(文責 清水)
【No.2282-3】 04年04月24日 okay
リンパ節転移と化学療法について(3)おはようございます。いつもためになるアドバイスをいただき、本当にありがとうございます。いろいろ考えて、今までの病院では主治医の先生と相談しにくいところもあったため、病院をかわりました。そして家内と相談して考えた末、最終的に化学療法を受けることと致しました。新しい主治医の先生は、抗がん剤治療においては量が重要で、転移が多い患者さんと少ない患者さんに同じ量を投与する必要はなく、また多い量を投与することによって途中で中断したりしてしまうより、量を減らして最後までやるほうがいいという考えをもっておられます。効果の面を考慮してCMFよりCAFを推奨されており、今回CEF6クールを受ける予定です。家内の場合は転移も1つであるということから、それほど多い量を投与する必要はないであろうということで、アドリアマイシンの投与量を調整して、40mgで投与というのを考えておられます。そこでお伺いしたいのですが、化学治療の途中で体調不良等により継続できなくなったり、抗がん剤の量を減らしたりした場合、効果があるとされている投与量に満たない治療になってしまうわけですが、その場合、逆にがん細胞に耐性が付与されたり、発ガン性(再発率)があがってしまうという可能性はないのでしょうか。その点が大変気になっております。お忙しいところ申し訳ありませんが、この点に関して何か情報がありましたらお教えいただけないでしょうか。
CEFの選択は良いと思います。しかし、量については疑問です。転移が多い患者さんと少ない患者さんで同じ量を投与する必要がないという考え方は、その先生の経験に基づく考えで、そのようなevidenceはありません。また、多い量を投与することで、途中で中断するより、量を減らして最後までやる方が良いという考えもevidenceはありません。標準の量で始めて、副作用が強いので減量するのは納得できますが、標準量の投与が可能かもしれないのに、投与する前から減量してしまうのはいかがなものでしょうか。量を減らしてガン細胞が耐性を獲得することはありません。しかし、CEFがCMFより有効だというデータは標準量(ファルモルビシンで体表面積当たり90mg)を使った時に得られたデータで、減量した量で同じ効果が得られるかどうかは疑問です。通常、このような比較試験では、減量基準が定められていて、副作用で標準量が投与できなかった患者さんは減量基準に従って投与量を減量して比較試験を継続します。ですから、標準量から始めて副作用のために減量した例は比較試験のデータに含まれますから、その場合はその試験の結果があてはまります。またファルモルビシンは量が多くなれば再発を抑える力が強くなることが証明されていますので、副作用との兼合いで、ぎりぎりの量(それが大体90~100mg/m2です)の投与が勧められます。蛇足ですが、標準治療であるCEF以外に、新しい治療法としてTaxaneを加える治療法も考慮する余地があると思います。(文責 清水)
【No.2282-4】 04年05月05日 okay
リンパ節転移と化学療法について(4)お世話になっております。前回は化学療法について 度々のご丁寧なアドバイス本当にありがとうございました。お礼の連絡が遅れまして大変申し訳ありません。実は26日メールでのアドバイスを参考にさせていただき化学治療の方向性を決めて、26日午後より CEFによる治療を開始いたしました。CEF (C:500mg(エンドキサン点滴) E:40mg(エピルビシン) F:5FU(点滴) )6クールの予定で、1回目は入院での点滴を開始いたしました。そこで再度になるのですが、1つお伺いしたいのですが、1回目は入院なので、5FUを点滴で投与するのですが、主治医の先生によると、2回目からは通院治療になる為、5FUは経口剤(フルツロン)になるとのことです。(5FUは短時間の点滴での投与は効果がなく、入院で5日連続での点滴となるとのことです。)経口剤では継続して2、3年の使用になるということなのですが、「フルツロン、ユーエフテイー等の経口剤は欧米では使用しておらず、日本のみでの使用で、効果の実績のデータもなく、治癒効果等があるのかはっきりしていないので使用してもあまり意味がなく、長期に渡るので副作用の影響のほうがある。」というのを本で読みました。そこで2回目以降も点滴での5FUの投与をしたほうがいいのか、経口剤で2、3年やるのか(ただ経口剤の効果が本当にあるのかがよくわからないので不安です)、どのように選択をすればいいのか当惑しております。ご意見をいただければ大変助かるのですが、ご無理を言って申し訳ありませんが、宜しくお願い致します。
CEFのFの使用にはいろいろ議論が有ります。Evidenceとして分かっていることは、エピルビシンを使うことがbetterだということで、Fについて言及したevidenceはありません。ですから、Fを使うと副作用が強くなるからといってFを使わずECで治療する先生もいますし、Fを点滴で治療する先生もいます。日本では経口のFが広く使われていましたから、Fを使うことにあまり抵抗がありません。しかも、Fは時間依存性の抗ガン剤といわれ、短時間で注射するより長時間かけて点滴した方が良いとして数日間持続点滴する先生もいますし、長時間の点滴は大変だから飲み薬で投与する方がよいと考える先生もいます。ですから、Fの使い方はバリエーションの範囲と考えていただいてかまいません。一つの投与法で副作用が出た時等は投与法を変えることが可能だと考えて下さい。しかし、術後の化学療法は短期間に集中して行うことがよいとされていますから、使うなら、CEFと一緒に行い、6か月で止めるのが標準だと思います。その後単独で飲み続けるかどうかは、CEFが終了した時点で主治医の先生とよく相談して下さい。止めるのが標準ですが、飲み続けて悪いというデータも、飲み続けた方が良いというデータも有りませんから、あとはご自分の考え方次第だと思います。余計なお節介かもしれませんが、エピルビシンの投与量が少ないのが気になります。標準的な投与量は1クールあたり90~100mg/uと言われていますから、平均的な日本人の体表面積を1.5uとすれば135~150mg/1クールとなり、二回に分ける投与法としても、一回あたり65~75mgが標準と考えますが、いかがでしょうか?(文責 清水)
【No.2281】 04年03月26日 ミチコ
非浸潤ガンの手術延期についてはじめまして。48歳です。乳頭より血性分泌があり、1月19日に生検手術(乳腺区分切除)を行ったところ、2月17日に非浸潤ガンとの結果が出ました。ただちに全摘手術(リンパ郭清なし)をする予定だったのですが、その直後に腰椎椎間板ヘルニアをおこし、腰痛のために手術を延期していただいております。非浸潤ガンは進行が遅く、リンパに転移しないので大丈夫と言われていますが、生検手術から、すでに一ヶ月近くたっており、このまま延ばしている間に浸潤ガンに移行してしまうのではないかと気が気でありません。そこで質問なのですが、このような状態で、最長でどこまで手術を遅らせても影響ないのでしょうか。お忙しいとは存じますが、よろしくおねがいします。
非浸潤癌は数ヶ月から時に数年間も変化せず、浸潤性とならない癌といわれています(逆にこれだけ差があるとも言える?)。また他にも癌がいる可能性もあるから全摘出の予定ということになると、他の部分も全て非浸潤癌かどうか分からないということもあると思います。しかし、患者さんの身体は一つですから、今の腰椎椎間板ヘルニアの治療を最優先したほうがよい場合もあり、一概には言えずケースバイケースと思います。(文責 片山)
【No.2280】 04年03月26日 M.M.
ノルバデックス服用中のピロリ除菌について45歳、昨年7月に左乳房切除後、ECおよびタキソールによる化学療法を行いました。現在はノルバデックスを服用しております。以前から胃が弱い方でしたが、やはり精神的影響のため胃痛に悩まされています。ピロリ菌も陽性で除菌を考えています。ノルバデックス服用中であることは、ピロリ除菌治療に何か影響があるでしょうか? 乳癌自体と少し離れた質問ですが、よろしくお願い致します。
ノルバデックス服用中であることは、ピロリ除菌治療に直接の影響はないと考えますが、今現在胃痛などの症状が強くてお悩みならば、とりあえずピロリの除菌を優先して行って、その後にノルバデックスの服用を再開するというのも一つの方法と思います。(文責 片山)
【No.2279-1】 04年03月26日 J.N.
腫瘍マーカーの数値について腫瘍マーカーについてお尋ねします。腫瘍マーカーの数値だけで、再発・転移を判断するわけではないことは承知しているのですが、再発・転移以外で、数値が平均値よりかなり高くなる要因としては、何が考えられるのでしょうか。具体的に申し上げますと、今回の血液検査の結果、CEAが21.6 CA15−3が82.9でした。漠然とした質問で申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。
CEAは喫煙者で上昇することがあります。しかし21.6という数値とCA15-3の82.9という数値もやはり高値ですので、再発・転移の可能性も考えて、繰り返し検査をしてみる必要があると考えます。(文責 片山)
【No.2279-2】 04年04月19日 J.N.
転移の抗がん剤治療についてNo.2279で相談させて頂いた者です。その節はありがとうございました。今年の3月に腫瘍マーカーの数値が高く、胸部と腹部のCT検査をした結果、肺に1.5cmの腫瘍と、縦隔、頸部リンパ節に転移が見つかりました。手術の適応ではないので、抗がん剤での治療をすることになっています。これから骨シンチをやって、その結果が出てから治療を開始する予定です。ご相談させて頂きたい事は、転移治療の抗がん剤の選択肢です。病理検査の結果は、HER-2 (3+) P53 (2+) ER (+-) P&R (+-) ともに軽度陽性でした。術後の補助療法は、放射線治療とCMF6クールです。術後の補助療法も終わり、ここ2年間はがんのことを忘れて元気に過ごしていたものですから、最近の抗がん剤のことや、新しい治療方法の知識がほとんどありません。転移がわかってからは、ネットでいろいろ調べてはいるのですが、基本的には2年前の状況と大きく変わってはいないと思っていいのでしょうか? 乳がんの場合、効果があるとされる抗がん剤の種類がたくさんあるようなのですが、私の場合の抗がん剤の選択肢としては、どのようなものが考えられますか? HER-2が強陽性なので、ハーセプチンと他の抗がん剤の併用がいいのだろうか、それともここの相談室でもよく出てくる、ACとタキソールがいいのだろうかと、頭の中で考えています。主治医の先生と話すまでに、まだしばらく時間があるものですから、自分なりに知識と情報を持って、これからの治療に臨みたいと思っています。答えがひとつではないのは承知しています。お答え頂ける範囲で結構ですので、こういう選択肢があるということだけでもお教え頂ければ幸いです。よろしくお願い致します。
Key pointはハーセプチンの使い方です。Her2(+++)ですからハーセプチンが有効なことは分かっていますが、どう使うかが問題です。ハーセプチンがなかった時代では、第一次治療はAC(CAF,CEF)で、第二次治療はTaxane(タキソテール、タキソール)で、第三次治療がゼローダでした。しかし、ハーセプチンの出現でこの順番が変わってきたのです。ハーセプチン使用に関するいくつかの原則をあげると、
1) Her2(+++)であればハーセプチン単独治療でも副作用なく、20%強の有効率があります。
2) ハーセプチン単独より、ハーセプチン+Taxaneの方が有効率が高く生存期間が延びることが証明されています。もちろん副作用はTaxaneの副作用が出ます。
3) 心臓に対する毒性があるのでアドリアマイシン、ファルモルビシンとの併用は有効ですが禁止されています。
4) ハーセプチンを一度使い出すと、効果があってもなくてもいつ止めたらよいかの判断に悩むことが多い。
5) ハーセプチンは高価。
などです。これらのことを考慮すると、副作用が軽いハーセプチン単独療法から始め、効果がでなければTaxaneを加える案。最も効果の高い治療からと考えてハーセプチン+Taxaneから始める案。ハーセプチンは第二次治療以降に温存して、標準的な第一次治療から始めようと考えてAC(CAF,CEF)から始める(Her2+++であれば、ACの有効性は高い)案が考えられます。どの治療もよく効きますが万能でありません。現在の目先の状態だけを考えるのではなく、最初の治療が効かなかったらどうするかも考え、副作用も考慮して良く考えて決めて下さい。主治医の先生と十分相談して下さい。(文責 清水)
【No.2279-3】 04年06月01日 J.N.
骨転移のMRI検査報告書についてNo.2279で相談させて頂きました。その節はありがとうございました。骨シンチとその後のMRIの結果、骨盤と大腿骨に骨転移していることがわかりました。主治医の先生と相談した結果、週1回のタキソールを3週続けて、4週目にアレディアをすることになり、1クール終わったところです。しばらくやってみて、もしタキソールが効いていないようだったら、その時にハーセプチンを使うようです。今回のご相談は、MRIの検査報告書の内容についてです。主治医の先生からも説明はありましたので、だいたいのことはわかっていますが、検査報告書を見ると、専門的な用語がいくつかありますので、それを教えて頂けたらと思います。
<両側腸骨にはT1W1でlow SIを示すlesionsが散見され、T2W1ではやや高信号を示している。仙骨には転移を疑うSI病変は認めない。大腿骨頭にはT1W1で低信号を示す円形病巣を多数認める。T2W1ではやや高信号を示している。骨髄の変性の存在が考えられる。> と書かれてあるのですが、わかりやすく言うとどういうことなのか、ご説明頂けます
でしょうか? 現在、長時間歩いたり動いたりすると、足の付け根や腰が痛くなってきますが、痛み止めでかなり楽になります。まだ治療を始めて一ヶ月しか経っていませんし、効果があるのかないのか判断するのはまだ先のことになると思いますが、とりあえず今の状況を自分なりに把握しておきたいと思いますので、どうかよろしくお願い致します。MRIの所見のことですが、これは直接主治医に写真を見せて頂きながら説明を聞いた方がわかりやすいと思います。T1とかT2とかいうのは、脂肪に重きをおいて撮影するとか、水分に重きをおいて撮影するとかの、条件の話です。T1W1であればT1強調画像ということになります。Low SIというのは低信号で黒く写るということ・・・・でして、腸骨と大腿骨に乳癌の転移を疑わせる病変を認めるということになると思います。かなり専門的な話ですので、T1、T2云々について全てを把握しようとすると、かなりややこしくなりますので・・・、われわれでも正直難しい領域です。(文責 鈴木)
【No.2279-4】 04年11月02日 J.N.
骨転移の痛みについて以前HPNo.2279で相談させて頂いた者です。その節は有難うございました。肺と骨(骨盤と大腿骨)に転移していた為、タキソールを3週続けて4週目にアレディアの点滴という治療を、5月から10月まで半年間行っていました。効果を見るために、先月、肺のCTと骨シンチをやったところ、肺の腫瘍はかなり小さくなっていたのですが、肋骨に新たな転移が見つかりました。肋骨の痛みはまだ全然ないのですが、最近、足腰の痛みが強く(特に足の付け根)、主治医にお話して、痛み止めをロキソニンからボルタレンに変えてもらいました。最初はかなり楽になったのですが、今はボルタレンもあまり効かなくなってきています。肋骨の転移がわかった時点で、主治医からは、「抗がん剤を変えてみようか?」という話があり、今週からCEFを始めることになりました。骨転移の状況を見ながら、CEFを半年くらいやる予定です。
そこで質問があるのですが、CEFは骨転移に特に有効な抗がん剤なのでしょうか? それとも、タキソールが効かなかったので、今までやったことのないCEFが選ばれたということでしょうか? それから、足腰の痛みですが、CEFをしばらくやってみて、それでも痛みが治まらないようだったら、また痛み止めについて相談したほうがいいのでしょうか?
現在は、痛みのために夜寝付かれないことが多く、痛みのコントロールがうまく出来ていない状況です。ボルタレンに変えてからまだ1週間しか経っていないのですが、こんなに早く効かなくなることもあるのでしょうか? あまり早くから強い痛み止めを使ってしまうと、もっと痛くなった時どうするんだろうという心配もありますし、でも痛みを我慢する必要もないと思いますし、早いうちに主治医に相談すべき問題でしょうか? 以上、CEFと痛み止めについてご指導頂ければと思います。よろしくお願い致します。痛みは今は我慢する必要はなく、さらに鎮痛薬を変更したり、増量したりする必要があるので、痛ければすぐに主治医に言うべきです。CEFは乳癌では標準的な治療薬ですのでお勧めします。特に骨に効くと言う事も言えませんが、脳以外のすべての転移には有効です。また骨転移の治療薬として、アレディアが近いうちに保険適応され、90mg使えるようになる予定と聞いています。アレディアの増量も有効と思います。(文責 石山)
【No.2278】 04年03月26日 TM
アリミデックスについて(HPNo.443-2)443で相談したものです。術後5年を迎えようとしていた去年の年末からCEAが上昇し、11月 7.4、1月 11.9、2月 15、3月 18になりました。胸部X線、腹部エコー、骨シンチ異常なし。ただ胸部は喘息のためあまりにも汚いので、造影剤なしのCTを撮ったところ、疑わしいところはあるがこれといったところもなく様子をみることになりました。CEAは上昇を続けているので、アリミデックスを服用。アリミデックス服用4週目の今月が18となっていましたが、服用して間がないと、やはりマーカーは上昇するのでしょうか。この薬が自分に効いてくれるのか心配になってしまいました。アリミデックスの効き方を教えて下さい
ホルモン療法剤はどちらかというと即効性ではなく、数ヶ月かけてゆっくりと奏効してくることが多いと思います。マーカーの上昇がイコール病勢の進行と必ずしも一致するわけではありませんが、確かにCEAはそのようなずれが比較的少ないマーカーであるとは思います。また万が一とは思いますが、大腸癌などの消化管の癌でも上昇することがありますので、もし検査をしていなければ、一度相談されてはいかがでしょうか?(文責 片山)
【No.2277】 04年03月25日 choco
痛みと腫れ(HPNo.2198-3)NO.2198で質問させて頂いた者です。いつもご親切にご回答頂き、ありがとうございます。度々で申し訳ないのですが、よろしくお願い致します。いつも上手く説明できなくて申し訳ないのですが、痛みでしこりに気付き病院を受診しました。初診時に乳房の軽い痛みと腫れがあり、乳癌は一般的に痛みの症状がないと聞いておりましたので、かなり進行した癌ではないかと不安に思い、先生に質問したところ、直接癌と関係しているわけではなく、癌があることで乳腺の流れなどが悪くなったりして痛み等が出ているのだから心配ないという様な事を言われたそうです。その後、いったん痛みも腫れも落ち着いたのですが、数日前からまた軽い痛みを訴えはじめました。前に私が見た時(初診の時)は、乳房の腫れはさほど気にかからなかったのですが、今回は明らかにかなり腫れているように見えます。一度、診てもらったほうがよいのではないかと思い、受診をすすめたのですが、母は、「初診の時も、この位の痛みと腫れがあったのだし、先生も問題ないと言って下さっていたのだから大丈夫。入院まで様子をみる・」といっております。私としては、とても気にかかるのですが、無理に病院に連れて行くまでの必要はないでしょうか?
病気の進行の度合いと痛みの直接の関係はないと思いますが、手術を待つ間の患者さんやご家族の不安な気持ちはお察しするに余りあり、それを少しでもやわらげる意味もあって、受診なさるのはよろしいと思います。主治医の先生に何でも相談してみてください。(文責 片山)
【No.2276】 04年03月25日 I.T.
左脇下に5mmくらいの白いしこりはじめまして。27才女性です。2ヶ月程前に左脇の皮膚のすぐ下に5mmくらいの白いしこり?を見つけました。大きさに変化もありませんし、ガングリオンのようなものかと思い、あまり気にしていなかったのですが、ホームページをみて不安になりメールしました。何か悪い病気の可能性はあるのでしょうか? 病院に行こうとも思うのですが、何科を受診すれば良いのでしょうか? お忙しいところ申し訳ありませんが、ご返答よろしくお願いいたします。
左脇といっても乳腺のある場所なのかどうか分かりませんが、皮膚の直下であれば粉瘤や脂肪腫などの腫瘤が最も考えられると思います。しかし乳腺の中の腫瘤を皮膚直下のしこりのように触れることもありますので、一度皮膚科、外科のある総合病院を受診してみてください。(文責 片山)
【No.2275】 04年03月25日 カエ
左乳頭の痛み3日前から左の乳頭に痛みがあり、見るとすり傷のような黒ずんだものがあり、しこりのように固くなっていました。痛みもすれるような感じです。3日前は一箇所だったのですが、今日、もう一箇所増えていて、大きさも大きくなっている感じがします。すぐ病院へ行ったほうがいいのでしょうか。教えてください。よろしくお願いします。
乳頭にビランのようなものがあり、出血しているような様子なのでしょうか? 皮膚科領域の湿疹の可能性もありますし、まれにパジェット病といって乳頭に限局するタイプの癌もあります。外科、皮膚科のある総合病院を受診されることをお勧めします。(文責 片山)
【No.2274】 04年03月23日 S.N.
病理検査の結果についてご相談致します。42歳。昨年末、右乳腺全摘術を受けました。その後の病理検査の結果ですが、浸潤性小葉癌で、病巣は2.1×1.8、1.5×1.5、1.2×1.2、0.8×0.8の計4箇所、リンパ節転移が3箇所、ER,PgRとも+/-、ハーセプテストは3、転移再発の懸念があると書かれていました。当初全摘で術中検査もリンパ節転移が一箇所でしたので、手術後は抗がん剤治療を半年のみの予定でしたが、その後の詳しい検査の結果から放射線治療も必要とも言われました。手術すれば大丈夫と安易に考えていたのですが、病理検査の結果を見てからショックで、いつ転移再発をするのだろうと毎日不安な日々を過ごしています。自分のような条件でも治る確立はあるのでしょうか?
多発性腫瘤の場合、大きさは最大のもので判断しますので、あなたの場合は2.1cmで、T2であり、リンパ節転移もあって、確かに再発の危険性はT1,NOの方よりは高くなってしまうわけですが、再発なく生存される方のほうが多く、術後の補助化学療法をしっかりやることでその確率はさらに上がるわけですから、是非悲観的にならずにがんばってください。(文責 片山)
【No.2273】 04年03月23日 T.M.
男でも乳癌になりますか?29歳の男性です。中学生の頃から右胸にしこりがあります。不安に思い、中学生の頃、一度病院(日赤だったと思いますが)で診察を受けましたが、「何だか判らないが、気にする程の事はない」と言われました。今に至るまで胸のしこりは残ったままで、最近は、時々痛む事もあります。長年不安を抱き続けていましたが、仕事が忙しいのと、何処の病院に、何科に行けばいいのか判らず、それから一度も診察を受けていません。男性でも乳癌になる事はあるのでしょうか? また、乳癌という呼び名ではなくても、男性の胸に癌が出来る事はあるのでしょうか? 何処の病院で診察を受けたら良いのだろうかと検索をしていて、このHPを見つけました。どういう病院の何科で診察を受けたら良いのか、どうか教えて下さい。お願いします。
男性の胸(乳頭下?)のしこりは、たいていは中学生―高校生の思春期のころに一過性に起こるしこりであることが多いのですが、あなたのように10年以上もあるとすると、それ以外の皮膚、皮下の腫瘤(粉瘤や脂肪腫など)の可能性もあると思います。皮膚科などもそろっている大きな総合病院の外科を受診なさってみてください。(文責 片山)
【No.2272】 04年03月23日 K.K.
男のしこり僕は17歳の高校生なんですが、1ヶ月程前に服が右乳房にこすれているだけで痛かったので、触ってみると1cmぐらいのしこりがありました。最初はほっといたら治ると思っていたんですが、1ヶ月たった今も治りません。気のせいか右乳房が膨らんでいる気がします。もしかして癌なんでしょうか?
17歳の男子で乳癌の可能性はまずありません。思春期のホルモンのバランスの変化による一過性のしこりだと思われます。数ヶ月でおさまる事が多いですが、あまり気になるようでしたら一度総合病院の外科を受診してみてください。(文責 片山)
【No.2271】 04年03月23日 Y.K.
のう胞内腫瘍40歳女性です。先日、人間ドックのエコー検査で、右乳房の「のう胞内腫瘍」と言われました。以前からのう胞は持っていて、昨年9月にも乳腺外来を受診しています。その時は、エコー検査をして、ちょっと気になるからと言って液を抜き取り、乳汁の成分だと言われました(細胞の検査には出しませんでした)。今回のエコーで疑わしいようなことを言われて、大変ショックを受けています。9月の検査の時に、もっと詳しく調べてもらえばよかったと思っています。やはり癌の疑いが濃厚なのでしょうか?
穿刺吸引液が血液ではなく、乳汁様であったということで、良性ののう胞の可能性が高いと思いますが、「のう胞内腫瘍」というと、エコー上液体成分以外に乳頭腫様の実質性の部分が観察されたのかもしれません。これも良性の事も多いと思われますが、今後の検査、フォローなどについては主治医の先生とよくご相談ください。(文責 片山)
【No.2270】 04年03月23日 T.M.
手術後の痛み60才代です。2月17日に左乳房を癌のため切除いたしました。傷跡がつれるのは覚悟していましたが、足がつれた時の様に堅くなって痛いのです。静かに寝ていると暫くしてから良くなるのですが・・・。堅くなった時は、息をするのも苦しい位です。まだ1ヶ月とは思っているのですが、とても痛いのと、嫌な気分と、不安と、何かしようと思っても痛くなってしまうので、何にも手につきません。皆さんもこんな様なのでしょうか? 夜も寝ていても硬直した様になって、目がさめてしまいます。どこか筋でも切れてしまったのでしょうか? とても心配です。宜しくお願い致します。
個人差はありますが、術後1ヶ月ぐらいは傷の引きつれなどで痛みを感じる方が多いようです。筋肉が切れていることはもちろんありませんし、またリハビリテーションをすることで筋肉が断裂することもありませんから、入浴時などに少しずつ無理のない範囲で伸ばしてみてください。次第にほぐれて、月日が経つにつれて楽になってみえると思います。(文責 片山)
【No.2269】 04年03月23日 S
今後のフォローについて左乳房下部切除生検の結果、慢性乳腺炎と診断されました。実母も乳Kだったので、今後のフォローについて聞いたところ、2年後のマンモと自己検診でOKとのことでしたが、
@ 本当にこれでよろしいでしょうか?OP後6日目あたりから頚部リンパ腺がはれるようになりました。切除部は本日で10日目になりますが、ばたばたすると痛みがでることがあります。
A これは乳腺炎とは関係はないのですか?
B 授乳後6年経過していますが、いつ頃からできていたのでしょうか?(ちなみに、1年半前の検診では異常なしでした。)
今回、痛みがあり、触診して自分で発見しましたが、39歳という年齢でこのような診断名は珍しくないのでしょうか?(乳腺症ならわかりますが・・・) 今回、エコー、細胞診は良性所見、マンモでクラス3または4ということで切除となりました。細胞診の結果が生検で悪性と覆される確率は、どのくらいありますか?(結果を聞くまでおびえていました。) ご回答よろしくお願いします。授乳終了後かなりの年月が経ってから(時に閉経後でも)乳腺炎となり、場合によっては乳房の発赤があって、切開排膿などの外科的処置が必要になることもあります。頚部リンパ腺の腫れや、動きによる痛みも、乳腺炎や手術による影響も充分に考えられますが、少なくとも症状の続く間は主治医の先生によく相談して経過をみてもらってください。(文責 片山)
【No.2268】 04年03月23日 ねえね
ホルモン治療と腫瘍マーカーについて(2)(HPNo.2191-2)NO.2191です。お忙しい中、ご回答頂き有難うございました。また質問させていただきたいのですが、あれから一ヵ月後のマーカー値がCA15−3が65、CEAが3.2とわずかではありますが上昇しました(ICTPは検査していません)。私としては急激な上昇ではなく、肺の腫瘍も変化なしという事で、アドバイス頂いたフレア現象かとほっとしていましたところ、「マーカー値が上がってきた。今度の検査でまた上がっていたらアリミデックスに変えてみよう。」と言われました。「時間がかかる。肺の腫瘍が変化なしなら薬の効果あり」と言っていたのに、この位の上昇がそう判断する段階なのか不安です。閉経前なのでもう少し現在の治療を続けたいのですが、どうなのでしょうか。また閉経前だとアリミデックス、ゾラデックスの併用ですか? 骨転移もあるので、アリミデックスの副作用の骨痛が心配です。以上、大変申し訳ありませんが、アドバイスを頂けませんでしょうか。よろしくお願いいたします。
我々も診療上よく悩むところですが、CA15-3が65ということで、前回の検査からほぼ横ばい、その前が55前後で推移していたことをみますと、主治医の先生のお考えは次回の検査でもうワンステップ(たとえば70台、80台)に上がるようならば、治療の変更も考えようというニュアンスかとも思えます。数値の上昇の度合いがそのまま病勢を表すとは言い切れず、臨床症状や画像との総合判断ということになると思いますので、難しいですが、主治医の先生ともよくご相談の上、今の治療をもう少し続けてみるのも一つの選択肢かとは思います。(文責 片山)
【No.2267】 04年03月21日 M
再発乳癌の治療について10年前に左乳がん摘出、リンパ節転移なしとの事、その時リンパ節も切除しておいたとの事でした。2月に左のリンパ節に転移再発とのことで、手術を受けました。同じ所に出来る事があるのでしょうか? 陽性+のようです。しばらくホルモン療法でいきますとの事、アリミデックスを服用しています。62歳。これでいいのか悩んでいます。よろしく御願いいたします。
リンパ節の切除は全部を取りきれるわけではなく、またそのようには手術しません。いくつかのリンパ節を調べて全身治療の目安にしているのです。ですから残っているリンパ節に再発することは時に経験します。陽性+とはホルモンレセプター陽性のことだと思いますが、このような再発乳癌の全身治療として、ホルモン療法は第1選択となると思います。(文責 片山)
【No.2266】 04年03月21日 M・Y
乳腺腫瘤の疑い初めてお便りさせていただきます。37歳の未婚女性です。出産・授乳の経験はありません。1年ほど前に、左の乳房の下部に小石のようなしこりを見つけました。触診では「乳腺腫瘤の疑い」とされ、精密検査を勧められましたが、怖いのでそのままにしたところ、しこりは無くならず、今年3月になって、改めて検査に行くと、エコーの形から、ガンの疑いありと言うことで、2度に渡ってバイオプシーをしていただきました。その結果、ガン細胞は発見できなかったのですが、それでもガンでないとは断言できず、「放っておくわけにはいかない。ガンか否かは、手術で腫瘤を取り出してみないと分からない」という事で、外来手術を勧められました。腫瘤の大きさは5mm程度だそうで、転移があるかどうかはまだ調べていません。私としては、あと一月ほどは様子を見て、心の準備をしたいので、すぐに手術することは辞退いたしました。できることなら、手術を避けたいという心理もあるのです。そこで、胸のしこりが、もしガンではない場合は、(それを断言する方法はないとしても・・・)このまま、手術しないでおいても大丈夫でしょうか? また、ほぼ一年も放置しておきながら、小さくなりもしなければ、消えもしなかったしこりが、(触れた感じでは、ずっと大きさは変わりませんでした)実はガンではなかったというようなことは、あるでしょうか? もしあるとしたら、どんな特長があるのでしょうか? 今はまだガンかどうか分からない状態のため、気持が落ち着かず、今後のことで、自分の納得できる最もよい方法を探しているところです。よろしくお願いいたします。
腫瘤の大きさが5mm程度とのことで、バイオプシー(穿刺吸引細胞診?)で細胞が採れているかどうかの判断が難しく、主治医の先生は触診や画像との総合的な判断で腫瘤全体をとって調べてみたほうが良いと考えられたのではないでしょうか? その辺のニュアンスは実際に拝見していないので良く分からず、主治医の先生によく相談なさってください。(文責 片山)
【No.2265】 04年03月21日 H
同時性乳癌について(HPNo.2178-3)No.2178で相談させて頂いているものです。左の乳癌についての検査の時に、反対側(右側)の乳頭からうす茶色の分泌物が出ました。おかしいとは思いましたが、主治医は特に何も気にしてなく、「マンマも大丈夫そうだから」と言うことで済んでいきました。しかし、3週間ほど前にもまた同じうす茶色の分泌物が出ていたので、本日主治医に話したところ、触診で圧迫しました。その時に、血清の分泌が出てきました。押せば出ると言う感じで、細胞診用とマンモテック用に2度押し出しました。もし、1年以内の同時性乳癌であれば、マンマやMRIでは画像として映らない早期の場合が多いと伺いました。同時乳癌は予後が悪いと聞いています。生存率からするとどれくらいなのでしょうか。乳頭腫と言う病気もあるとのことですが、私としてはおそらく乳癌のような気がします。何卒宜しくお願い致します。
血性の分泌物が出ても大部分は乳管内乳頭腫をはじめとした良性の変化であることのほうが多く、また同時性両側性乳癌の予後が特に悪いということはないと思います。(文責 片山)
【No.2264】 04年03月21日 kuni
発熱についてCT、エコーの判断だと思うのですが、シコリは4.7×3.5くらいで、エコーに4つのリンパの腫れが確認できていて、現在術前化学療法中です。CAFを3週間ごとに4回(4回目は4週目でした)、タキソテールを同じく4回の予定で、現在タキソテール1回を終了しました。その時点でシコリは半分になっていました。しかし2回目をうつ1週間前から、37度から38度以上の熱が1日の内に上がったり、下がったりです。最初は市販のかぜ薬を3日分のんでいました。タキソを打った週に夫が風邪で熱をだして、4、5日下がらなかったため、移ったと思ったためです。1週間たって血液検査をし、主治医にみてもらったら、炎症値は確かに上がっているけれどもわからなさそうで、3日分の風邪薬PL顆粒と抗菌剤クラビットをもらいました。その後38度を超えることはなくなったのですが、38度をいったりきたりです。3日たってまた血液検査をし、主治医にかかりましたが、炎症値は半分になっているとのことで、同じ薬を1週間分もらいました。現在処方薬で6日経ちますが、37度6分くらいで、夜には38度近くになってしまいます。昼間は37度くらいで落ち着いている時もあるのですが・・・。ガンのところがキューと痛い時もあります。また寝ていると毎日ものすごく寝汗がでて、全身べたべたという感じになります。咳も鼻水も頭痛もなく、熱のせいでふらっとする感じと呼吸が浅いと思います。この熱でどこかに転移を起こしているのではと不安になってきましたが、そのようなこともあるのでしょうか。
化学療法中は骨髄抑制がおきて白血球が下がり、感染症に対して弱くなって発熱をしやすくなることはありますが、それによって転移を起こすということはないと思います。少し炎症反応が遷延しているようなので、これ以上風邪を引き込まないように注意してください。(文責 片山)
【No.2263-1】 04年03月21日 T.S.
骨転移とMRIについてこんにちは。いつも参考にさせていただいております。約1年前に右硬がんで温存手術を受けました。ステージT・ホルモンレセプター両方プラス・グレード3・Her2マイナスでした。術後はリュープリンの注射とノルバデックスの服用を続けていましたが、更年期障害が気になり、半年前からノルバデックスの服用をやめていました。その後、今年の2月になってから徐々に腰痛が始まりました。不安になり、2月よりノルバデックスの服用を再開したのですが、徐々に背中のほうにも痛みが出るようになりました。近所の病院で腰のレントゲンを撮ったのですが、レントゲン上では特に異常は見られないとのことでした。2月末の診察時に主治医に相談すると、すぐに腰椎のMRI検査と血液検査を受けることになりました(背中は検査していません)。その結果、腰椎には何も異常は見られず、血液検査の結果も異常値は見当たりませんでした。主治医はどうして痛むのか理由がわからないとのことでした。その後、しばらくは安心していたのですが、やはり腰痛と背中の痛みは相変わらずあり、痛み止めが必要なほどではないのですが、昨日からは背中の痛みが増してきたようで、同じ箇所が時々ズキッと痛むようになり、また不安が増大してきました。来週、骨シンチの検査があるのですが、それまで不安な気持ちを抱えているのがつらいので、こちらで少し質問させてください。
1) 腰椎のMRIでも血液検査でも異常はなかったのですが、それでも、検査結果に出ないぐらいのごく初期の骨転移という可能性はありますでしょうか?
2) 今の診断技術では、骨転移に対して一番精度の高い検査というのはMRIでしょうか? それで異常が見られない場合は骨転移を心配する必要はないのでしょうか?
3) 今注射しているリュープリンの副作用情報に、腰痛・骨痛・関節痛の記載があるのですが、今回の腰痛や背中の痛みがリュープリンの副作用である可能性のほうが大きいでしょうか?それにしては、背中の同じ箇所の痛みが続くので不安です。
次回の診察で骨シンチで異常が見られなくても、背中のMRI検査をお願いしようと思っています。主治医には「心配し過ぎ」と言われましたが、やはり原因不明の背中や腰の痛みが続くので、当人としてはとても平静ではいられません。T期の患者さんでも転移している方の書き込みを時々目にしますので、私も他人事ではなく不安です。お手数をおかけしますが、どうぞ御返答、よろしくお願いします。1) MRIでも血液検査でも異常のない場合は、おそらく骨転移と判断するのは難しいでしょう。経過をみて、重ねて検査をしていくしかないと思います。
2) MRIはかなり精度の高い検査だと思いますが、やはり臨床所見や骨シンチ、X線撮影、CTなどと総合しての判断ということになりますし、それだけ検査を集めても判断が難しいこともあります。
3) 副作用の可能性もありますし、いわゆる腰痛症の可能性もあると思いますが、実際に拝見していないので分かりませんし、基本的には前述しましたように、重ねて検査をしながら経過をみて判断していくしかないと思います。(文責 片山)
【No.2263-2】 04年03月27日 T.S.
骨転移とMRIについて(2)【No.2263】 で質問させてもらった者です。お忙しいところを、御回答ありがとうございました。
あれから骨シンチと腹部エコーの検査を受け、結果は異常なしとのことでした。レントゲン、血液検査、腰椎MRI、骨シンチなどの検査を受けて、どれも異常がなかったので、背中と腰の痛みについては、主治医からは「リュープリンの副作用かもしれない」とのことでした。現在、痛みはあるものの、精神的なものもあってか、以前より軽減してきているようです。
ところで、今回また質問させてください。骨転移の治療薬として、ビスフォスフォネート剤がよく使われていますが、この薬を術後の補助療法として、骨転移予防薬として使用するのは危険でしょうか? 病院によっては、臨床試験として術後に骨転移予防の効果をみるべく使われていたりするようです。色々なHPを読んでいると、海外でのクロドロネートを使った臨床試験では、結果がバラバラで、まだ術後補助療法として使うのは薦められないとのことでしたが、ビスフォスフォネートを使った動物実験では、骨転移予防効果が確認されているという記述もあり、私個人としては、できれば今のうちにビスフォスフォネート剤を使ってみたいという気持ちがあります。費用は、今の状態(骨転移なし、高カルシウム血症なし)では保険が使えないとのことで、全額自己負担でもかまわないので使ってみたいと思っています。
1)先生は、ビスフォスフォネート剤の術後補助療法としての使用はどう思われますでしょうか?
2)私のような場合は、色々な病院をあたって、ビス剤を自己負担で(または臨床試験で)使用させてもらえる病院を探すしかないでしょうか?
長くなりましてすみませんが、御回答をどうぞよろしくお願いします。ビスフォスフォネート剤の日本での適応は今のところ悪性腫瘍による高カルシウム血症ということになっており、ショック、アナフィラキシー 様症状や、頻度は少ないですが急性腎不全、テタニーなどの副作用のある薬です。溶骨性変化があり、全身治療を受けている患者さんには推奨されますが、補助療法としての使用に関してのデータは未だ一貫した結果が出ておらず、お勧めできないと思います。(文責 片山)
【No.2262】 04年03月19日 R.S.
乳癌手術で癌が取りきれなかった場合の対処について乳癌インフォメーション from doctorsを拝見しました。乳癌のことで悩んでいることがありますので、ご相談します。
私は2月9日に右乳癌部分切除、センチネルリンパ節生検の手術を受けました。傷が塞がらず、3月3日に傷を縫い直して、昨日(3月17日)に半分の抜糸を済ませました。センチネルリンパ節はマイナスでしたが、手術で取った部位の断端に癌が出ているとの事です(+と++の間といわれた)。癌は非浸潤癌でした。主治医は、もう一度手術をして右乳房全切除をするか、放射線35回照射するかを自分で決めるように言います。もう一度手術をして、乳房を取ってしまった方が確実かと思いながら、あの苦しみをまたするかと考えると、悩みます。放射線は放射線科のドクターのところで詳しい話を聞くことになるので、私が放射線に決めたら、紹介状を書くそうです。担当医もどちらがいいと言えず、悩むと言っています。明日、結論を出すと言ってきたのですが、考えても結論が出せません。先生のご意見をお聞かせください。年齢47歳です。乳房温存術後の局所再発率は放射線療法を併用した場合で5%前後と言われます。手術で全摘した場合はこれが限りなく0%に近づくわけですが、胸壁に局所再発してくることも稀にはあって、全く0ではなく、この差をどう考えるかというところだと思います。放射線療法でもかなりの癌がたたけるとは思いますが、あなたの場合、非浸潤癌とはいえ、断端が陽性というのはかなり気になります。(残った乳房内の癌の広がり具合が分からないからです。)(文責 片山)
【No.2261】 04年03月19日 F K
手術待ち(HPNo.2198-2)HPNo.2198でお世話になりました者です。前回はご親切なご回答を頂き、有難うございました。結局、術式は温存でという事になりました。今回も是非お聞きしたい事があり、メール致しました。よろしく御願いします。現在、手術待ちです。入院予約をしてから1ヶ月半程が経ちました。長く待っても大丈夫なものなのでしょうか。初診時に、「詳しく検査してみないとわかりませんが、恐らく悪性なのですぐにとは言わないが、ここ1ヶ月位の間には手術をしたほうがよいと思う。」と言われました。その後1週間程の間に生検、MRI等の検査をして確定。今なら1週間程で入院できると言われたのですが、こちらの都合で3月に入ってからとお願いしました。その後、一向に連絡がないので病院に確認してみたところ、まだ予定が入っていないとの事でした。頂いたパンフレットには、「癌は何年もかかって出来たものなので、急いで手術しなくても心配ありません。2〜3週間お待ち頂くことになります。」とは書いています。母が雑誌の乳がん体験談で、「あと1ヶ月発見が遅れたら危なかったと医師に言われた」と言うのを読んだらしく、かなり不安になってきている様なので・・・。
私も時にがんセンターなどへ患者さんをご紹介することがありますが、やはりどうしても2−3ヵ月待ちになってしまうことも多いようです。一概には言えないかもしれませんが、それで問題になったことはないと伺いました。また法事や旅行などで手術を延期することも時にありますが、それが本人や家族の人生にとってとても重要なこともあり、そのような場合はそちらを優先して、すっきりとして心構えができてから臨んだほうがうまく事も運ぶと思います。(文責 片山)
【No.2260】 04年03月19日 M.O.
ノルバテックスの副作用
75歳の母がとても悩んでいます。教えてください。ノルバテックスを飲み始めて1ヶ月頃から外陰部に強いかゆみや、ひりひりとする痛みを感じ、その部分に湿疹ができてしまいました。それから、おりものの量が多くて、本人は悩んだ末、婦人科でみてもらいました。細菌性ではないと言われ、薬を出していただいたのですが、おりものの量は変わりません。このまま治らなかったら子宮ガンになるのではと心配しています。宜しくお願いします。ノルバデックスの副作用として、外陰部の掻痒感や湿疹、膣分泌物などは時に見られます。あまりひどいときは休薬で様子を見たり、場合によって中止せざるを得ないこともあります。このような短期間の投与での副作用が直接子宮ガンに結びつくことはなく、5年間という長期にわたっての投与で若干増えるとされています。(文責 片山)
【No.2259】 04年03月19日 K.K.
Tamoxifinについてはじめまして、先生方のホームページを見て、メールさせていただきます。私はアメリカ人と結婚して、アメリカに住む39歳です。実は今年の1月に胸にしこりを見つけ、翌日即 Family Doctor にてmammogramを受けました。その後、専門医にてさらに拡大したmammogramと超音波の検査を受けました。最初の専門医は、「特に心配ない。6ヶ月後に再度mammogramにて検査する。」との事でしたが、念のため、別の専門医にいきました。その先生は、Biopsyで検査したほうがいいとの事でしたが、説明があいまいだったので、主人が別の先生を探しました。その先生はエリアでは有名な乳癌専門の外科の先生で、その先生の説明や評判などから、その先生にBiopsyの手術をお願いしました。その結果、そのしこりはガンではないそうです。でも Atypical Lobular Hyperplasia(何のことだかさっぱりわかりません)との事で、将来ガンになる可能性が高いとのことで、Tamoxifinというホルモン剤を5年間服用するようにと勧められております。だた、どうやら色々と副作用があるようで、副作用の中には子宮ガンになる可能性も高いとの事ですが、その薬はいったいどういうものなのでしょうか? また、ALHはどのくらいの確率で乳がんになるのでしょうか? アガリスクとかプロポリスとかの薬は効果はないのでしょうか? 異国の地で、訳のわからない病気になり弱気になっているところ、すべての説明が英語となると、100%自分の病状を理解しているのか不安です。先生方のご意見をお聞かせいただけたら幸甚でございます。
Atypical Lobular Hyperplasia(異型小葉過形成)はいわゆる乳腺症(Fibrocystic disease,Mastopathy)の一つの形態で、もちろん癌ではありませんが、組織学的に非浸潤性小葉癌との鑑別が問題となります。Tamoxifenとは抗エストロジェン剤で、日本ではエストロジェンレセプターが陽性の乳癌患者さんの術後の補助療法として使用します。火照りなどの更年期症状や肝機能障害が副作用としてあげられます。また5年間の長期投与で若干子宮体癌の合併が増えますが、対側の乳癌の発生の抑制効果はそれ以上であるとされています。日本では乳癌でない患者さんへの予防投与は行われておらず、今のところ上記のような理由から術後の患者さんへの投与期間は5年を越えないようにということになっています。アガリスクやプロポリスの効果に対する科学的なデータは無いと思います。(文責 片山)
【No.2258】 04年03月18日 O@相模原
再発乳癌について母が4年前に乳癌手術をしたのですが、2年前に肝臓転移があり、ラジオ波照射手術を受けました。 最近、また肝臓再発が見つかりました。このような再発癌を内視鏡手術で除くことが行われているらしいとの話を聴いたことがあるのですが、そのような情報について何か教えてもらえますか? メールにて失礼しますが、よろしくお願いします。
腹腔鏡下の手術のことでしょうか? 胆嚢摘出術などでは一般的となっていますが、肝の転移巣に対してということになると、できた部位や個数、大きさにもよりますが難しいことが多いと思われます。私の経験では、乳癌術後の患者さんの胆嚢摘出術の際、偶然に肝転移が見つかってそれを生検(一部取って調べる)したことがあるくらいです。お母様の乳癌の状況や、年齢、全身状態にもよりますが、肝の転移に対しては、ラジオ波照射やMicro Wave凝固療法(これも確かに腹腔鏡で見ながら行うこともあります)、全身化学療法、動脈造影下の塞栓術などが選択されることが多いと思います。(文責 片山)
【No.2257】 04年03月18日 H
コメド癌からの乳頭腺管癌について(HPNo.2178-2)No,2178で質問させて頂いた者です。色々調べても判らない事も多く、再びセカンドオピニオンをお願い致します。病理で悪性度が3というのは、進行癌と言うことで、取った細胞で、これは進んでいるなと判断されるのでしょうか? 皆、できはじめの癌は最初は悪性度1なのでしょうか? コメド癌は早くからの微少浸潤があると本で読みました。乳管内進展が激しかったので、水道水が細く流れ出ているように、長い間ずっと少しずつ浸潤していた事になるのでしょうか? 一部間質浸潤1.5というのが気になり、これが深いのか、微少浸潤に入るのか、どの本を読んでも出ていません。定規を見ると結構深いと感じるのですが・・・、拡がりは乳腺までとありました。先生はどう判断されますでしょうか? コメド癌について、温存では再発率が高いとありましたが、全摘の場合については殆ど情報がなく、ご意見をいただけますでしょうか。私の病理の場合、しこりは1.7だけれども、乳管内は端から端まで有り、やはり1期の限局されている方と比べて再発率は大きくなるのでしょうか? コメドと異型度3で、ややリスクが高いとお答えを頂きましたが、正直、再発率はどれくらいなものでしょうか? もちろん、一概には数字は出せないとは思いますが、漠然と客観的に見られた場合を知りたいです。リンパ節転移がなくても再発率が高いケースも珍しくないとネットや本で見かけ、実際に1期でも多くの方に再発が見うけます。ただ、自分として漠然としていますので、何卒宜しくお願いいたします。
細胞の悪性度が高いということで、病気全体が進んでいるということとは違います。乳癌に限らず言える事ですが、手術をした一時点での病理所見なので、最初は悪性度がどうであったかは皆さん分からないのです。乳管内進展は、乳管の中に止まっていた要素が多いということで、たちは良いと考えますが100%乳管内ではなく、一部に間質への微小浸潤があったものと考えられます。温存では再発率が高いというのは局所再発のことで、全摘をされているので全身的な予後は他の1期の方と大きく変わらないと考えます。5年生存率90%以上と思いますが、No2178のお話と併せて私見ではありますが、ホルモン療法を含めた補助療法は受けておかれたほうがよろしいと考えます。(文責 片山)
【No.2256】 04年03月18日 A.K.
乳房のかゆみWEBを拝見しました。36歳、既婚、子なしです。ここ1〜2年なのですが、乳房がかゆくて困っています。最初は、生理前になると痒みがひどくなるので、何かホルモンバランスの関係だろうと思っていました。しかし、最近は四六時中かゆく、夜中に無意識のうちにかきむしってしまっているようです。このページを拝見すると、乳頭や乳輪がかゆくなる方は多いようですが、私の場合、乳輪から腋および上方へ1cmくらい離れたところがかゆくなります。かいているうちに傷ができ、今では真っ黒になっています。かさぶたというよりは乳輪のようなかんじで、ボコボコしています。20歳の頃ぐらいからアレルギー体質みたいになってしまい、年々ひどくなって、今では体中かゆいので、これもその一環かもしれませんが、他の場所とちがい、かきむしったあとが、ただの傷や色素沈着とはちょっと違うのが気になっています。ページェットかと思って調べていたのですが、部位がちがうので、これは違うものでしょうか? よろしくお願いいたします。
乳輪から離れているとのことで、ページェットを含めた乳腺の病気は考えにくく、おそらくアトピーのようなアレルギー性のものを含めた皮膚科関連の湿疹の可能性が高いと思います。実際に拝見していませんのではっきりしたことは言えず、皮膚科のある総合病院を受診されることをおすすめします。(文責 片山)
【No.2255】 04年03月18日 K.N.
腋窩リンパ節に再発?平成12年、39歳の時、浸潤性小葉癌8ミリで、左乳房1/4切除、リンパ節は切除せず、放射線も無し、ホルモンレセプターも両方マイナスの為無治療でした。平成14年の3月に術側の傷の上と、乳首下にしこりが出来た為、針生険を3か月ごとにしていましたが、2回は判定不能とクラス3でしたので、経過観察していました。しかし、42歳の15年3月、クラス5が出たので、5月に再び左乳房温存、リンパ切除 2/14転移あり、腫瘍マーカー・エコー・骨シンチ異常なし、ハーセプ陰性。放射線25回、AC4クール、タキソール4クール12月終了。今回は浸潤性乳管癌で、ホルモン感受性両方+、現在ノルバディクス服用中です。お聞きしたいのは、今回のものは、前回の転移なのでしょうか?そして 1ヶ月前の血液検査では腫瘍マーカーも異常なしだったのですが、先日左腕をあげると、左脇下のリンパ切除したところに、硬いしこりのようなものが有るのを発見しました。放射線、抗がん剤と終わったばかりでも脇下リンパに再発するのでしょうか? どうぞ宜しくお願いします。
最初の手術時の組織型が浸潤性小葉癌で、2度目が浸潤性乳管癌ですから組織型が異なります。従って再発や転移ではなく、全く別個に新たに癌が発生したと考えた方が良いと思います。2度目の手術をしてからまだ1年経過していない内に、腋窩リンパ節に再発というのは少し早すぎる気がします。手術後の変化による硬結と考えられますが、念のため検査をした方がいいと思います。(文責 稲葉)
【No.2254-1】 04年03月17日 マコ
乳がん再発の症状について【No.2232-1】乳ガン転移についてを読ませていただいたのですが、咳が半年ほど続くなどは、再発したときにそんな症状が出るのでしょうか? 11年7月右胸内側ステージTで、リンパ転移なし、温存手術。放射線治療後、ノルバディクスを2年。15年8月から時々マシにはなるものの咳が止まらないし、胸の間は咳をするたびに痛いし(今は笑っても痛いんです)、担当外科では2度見てもらったのですが、「レントゲンでは何もなく、肺炎でもないから大丈夫です。」と言われました。最後が12月初めで、咳が落ち着いたので、また半年後に行こうかと思っていたのですが、胸と胸の間に親指ぐらいの長さのしこりが徐々に大きくなってきたし、咳、くしゃみ、笑うなどがとても痛く、骨が変形してきたのではと思い、外科に行ってみると再発の可能性が高いと言われました(骨の内・外にしこりがあるそうです。CTで確認しました)。12月のときにもホンの少ししこりがあったんですが、レントゲンでは分かりませんでした。今後は抗がん剤の点滴と飲み薬で治療を続けるらしいのですが、手術はしないのが普通なのでしょうか?また、点滴・錠剤を受けるのと放射線治療で治すのと、どちらが効果的なんですか? 現在の病院は放射線治療の設備はありません。
再発部位が胸と胸の間、骨の中と外との記載がありますが、再発が胸骨傍リンパ節、胸骨、肋骨などと考えてお答えします。再発転移の場合、現在は乳房内の再発以外、手術はあまりしません。それは手術で再発部位を切除しても、生存期間の延長にはあまり寄与しないことがわかってきたからです。再発や転移はリンパ管や血管内に癌細胞が入り、その流れにのって癌細胞が別の場所に運ばれることによって起こるとされています。従って検査で明らかになっている転移部位以外にも、癌細胞が流れていっている可能性があるわけです。ですから検査で明らかになっている場所のみ切除しても、また別の場所から出現してくる可能性があり、手術では防ぎようがないのです。再発を抑えたり、再発部位に対する治療は抗癌剤やホルモン剤などの薬物治療が中心的となります。放射線も手術と同様で、照射した部位のみに対する治療で、他の部位の再発を抑えたりするわけでなく、また、照射していない部位の治療効果はありません。放射線照射を行っても、何らかの全身的な薬物治療は必要になります。まずやはり抗癌剤やホルモン剤などの薬物治療が第1選択になると思います。(文責 稲葉)
【No.2254-2】 04年04月05日 マコ
腫瘍マーカーの数値についてNo.2254で回答いただき、ありがとうございました。現在、ノルバデックス服用、月一のホルモン注射、抗がん剤点滴(1クール済み)の状態です。腫瘍マーカーについて教えて下さい。治療開始前の数値なのですが、CA15-3は21.2U/MLで基準値内で、NCC-ST-439が257.1U/MLあります。この数値はかなり悪いのでしょうか? 2クール済んでから腫瘍マーカーを見ますと言われたのですが、どのくらい下がっていれば効果があると思っていいのでしょうか?
NCC-ST-439の基準値は7U/ml以下になりますので、やや高い数値となります。現在の値より下がっていれば効果があると思っていただいてよいと思います(乳がん研究班の研究結果によると、20%程度の低下が望ましいとされています。ただ、腫瘍マーカーは病状を正確に反映している訳ではありませんので、あくまでも参考にすぎないことをご了承ください)。(文責 加藤)
【No.2253-1】 04年03月17日 G.H.
術後の妊娠について初めて相談いたします。私は今年の1月21日に左乳房の温存術、腋窩リンパ節郭清術を受け、2月9日から25回の放射線療法を開始し、あと1回で終了します。主治医からは、この後ホルモン補充療法を勧められていますが、このホルモン補充療法を受けるかどうか迷っています。私のがんは乳管内のがんで、非浸潤がん、大きさは1.5センチ、腋窩リンパ節への転移なしで、ステージTでした。エストロゲンレセプターは陽性。私は40歳で既婚ですが、子どもがいません。結婚4年目で、そろそろ本気に出産を考えていた矢先にがんが見つかったのです。夫は再婚で先妻との間に子どもがいるので、そんな命の危険を犯してまでと、子どもを授かることについては、かなり消極的です。主治医は、「妊娠することで再発の危険性が高くなるので妊娠は勧めません。」とのことでした。2年間のホルモン補充療法を終了してからの妊娠はどうかと尋ねても、答えは同じでした。ホルモン補充療法を受けることで、完全に閉経してしまうこともあるようですし、年齢的にも妊娠・出産に対しかなり厳しい年齢となるため、受けるとなると出産を諦めざるを得なくなるでしょうし、受けないで出産を優先すると再発のリスクを背負ってしまうことになるということで、選択を迷っています。やはり私のような非浸潤がんであって、放射線治療まで受けても、ホルモン補充療法を受ける必要性というかメリットはあるのでしょうか。受けないことでの再発のリスクや妊娠による再発のリスクがどれだけあるのでしょうか。また妊娠、出産を終えた後にホルモン補充療法を受ける方法というのもあるのでしょうか。ホルモン補充療法は手術から1〜2年程期間をあけて受けても効果はあるのでしょうか。最終的な決断は私に委ねられています。セカンドオピニオンとしての見解、率直な意見をよろしくお願いいたします。
ホルモン補充療法という言葉は更年期による不快な症状の治療のため、女性ホルモンを補充することをさし、乳癌のホルモン療法は逆に女性ホルモンをブロックする方向の治療を行い再発を抑えるものですから、補充療法という言葉でなく単に内分泌療法とかホルモン療法といいます。非浸潤癌で再発予防のためのホルモン治療が必要かどうかということですが、再発を内臓転移などの遠隔転移と乳房内に再発する乳房内再発に分けて考えてみます。まず遠隔転移についてですが、確かに浸潤癌であればホルモン療法によって遠隔転移を減らすことが可能です。しかし非浸潤癌というのは癌細胞がまだ乳管内にあって、リンパ管や血管内に癌細胞が侵入する事はあり得ませんので、遠隔転移をおこす可能性は理論上ありません。ですから遠隔転移を抑えるという目的でホルモン療法を用いるのは、非浸潤癌では必要ないと思われます。次に乳房内再発を抑える目的でホルモン剤を用いるかどうかですが、確かにホルモン剤を用いることで、乳房内再発が低くなるという報告もあります。しかし病変の大きさが1.5cmで温存乳房に放射線照射をしているなら、もし完全に病変が取り切れていて断端が陰性なら乳房内再発の可能性はかなり低くなりますので、その場合はやはりホルモン療法を行う必要はないのではないかと思います。断端陽性の場合は、その程度によって乳房内再発のリスクが変わりますので、一概には言えません。断端に関して情報がないので主治医の先生に確認されるといいと思います。妊娠に関してですが、再発の可能性がかなり低いとしても、再発した場合癌の増殖を助長する方向に作用しますので、あまりお勧めはしません。(文責 稲葉)
【No.2253-2】 04年03月23日 G.H.
術後の妊娠について(2)ご丁寧なご回答ありがとうございました。ホルモン補充療法としたのは、わたくしの単純ミスでした。申し訳ありません。早速ですが、断端が陽性か陰性かというところですが、これは、腫瘍の周囲の組織検査の結果のことであれば、結果は陰性とのことで、放射線療法も25回に5回追加されることもなく終了となりました。これにより再発のリスクは低いため、やはりホルモン療法の必要性はあまりないと捉えてよろしいのでしょうか。これは、妊娠を望んでいなくても、ホルモン療法での更年期障害の症状等の副作用のことを考えれば、「受けない」と選択することも問題ないと捉えてよろしいのでしょうか。また、このように比較的再発のリスクが低くてもゼロではないので、妊娠は控えたほうがよいということでしょうか。お忙しい時、何度も申し訳ございませんが、よろしくお願いします。
リンパ節転移陰性、エストロゲンレセプター陽性の低リスク群と考えられ、術後の補助療法としてはやはりホルモン療法かまたは無治療という選択肢もあると考えます。後は確かに副作用との兼ね合いかと思われますが、私見ですけれども副作用さえなければ、臨床医としては効く可能性のある補助療法は受けておかれたほうがよいかと考えます。再発した場合の乳癌の増殖作用の可能性から妊娠はやはりお勧めできません。(文責 片山)
【No.2252】 04年03月16日 Y.N.
乳腺症と石灰化について初めまして。39才、2児の母です。3年前頃から乳房に痛みがあり、排卵期や生理前に痛むことが多いようには思いますが、それ以外の時に全く痛まないわけではありません。ちょうどその頃、左乳房の脇に近いあたりに、グミのような、どちらかといえば弾力性のある感じの、コロコロとよく動く1cmに満たないしこりを見つけ、大学病院でマンモ、エコーの検査を受けたのですが、どちらの検査も何も映らず、心配ないと言われました。それから1年に一度、個人の病院ですが乳がんの検診を受け、異常ないと言われていますが、いつもこのしこりのことが頭にあります。自分で触った感じでは、しこりは3年前から変化がないように思います。
先日、3年ぶりにマンモの検査を個人病院で受けたのですが、乳腺症であればエコーで見た時、両乳房に症状が現れるはずなのに、左の脇に近いあたり(ちょうどしこりのあるあたりです)にのみ、乳腺症の症状が出ている(黒い丸い形がいくつか映っていました)、そしてマンモでもちょうどそのあたりだけが他の部分より白っぽく映っていると言われました。これは部分的に石灰化しているということでしょうか? あまり心配することはなく、半年後にもう一度診てみましょうとのことでしたが、気になって仕方ありません。その脇に近いあたりは、しこりの周りも、割と広い範囲でぶつぶつとした感じです。半年待たずに大きな病院でもう一度検査を受けるべきでしょうか? お忙しいところ恐れ入りますが、どうぞよろしくお願い致します。乳腺症の所見は必ず両側に認められるということではありません。片側のことだけのこともあるし、乳房の一部分だけということもあります。マンモグラフィーで他の部位より白く映っているというのは、恐らく陰影が他の部位より濃いということで石灰化ではないと思いますが、主治医の先生に確認されるのが良いでしょう。メールの内容からすると、悪性の可能性は少ないように思えますが、心配でしたら他の病院で再検査されてもいいと思います。(文責 稲葉)
【No.2251】 04年03月16日 Ogi
非浸潤がんの乳房同時再建について33歳。子供が2人おります。生検の結果、「非浸潤ガン」という診断がありました。温存療法を日本で一番多く手がけていらっしゃるという担当ドクターは、「しこりが広範囲(4センチ)なので温存は無理。まだ若いので、全摘後、同時再建法をすすめる。再発のリスクは、再建してもしなくても同じ。」とおっしゃっています。私としては、同時ではなくとも再建はしたいと思いますが、1期再建と2期では、再発のリスクに関してどの程度、立証されているのか? 本当に再建してもしなくても、再発のパーセンテージは同じなのか?というのが疑問です。担当ドクターから形成外科の先生を紹介していただき、1週間後に診察の予約をとり、お話を伺う予定です。それまで時間があるので、もっと他のドクターの意見を聞いたほうがよいでしょうか? 非浸潤がんの情報が少ないため、考えています。よろしくお願いいたします。
非浸潤癌でしこりが4cmというのは、確かに温存手術は難しいと思います。再建と再発リスクの関係ですが、再発のメカニズム(局所再発、リンパ行性転移、血行性転移など)を考えると、再建の有無と再発リスクは全く関係ありません。科学的なデータについてですが、私の知る限りでは、再建の有無と再発リスクの関係を調べたデータや1期再建と2期再建の違いによる再発リスクの変化などを調べたデータはあまりないと思います。ただ局所再発に関しては、局所再発を起こしやすいと考えられる条件のある場合(炎症性乳癌や断端陽性、リンパ管侵襲が強陽性など)に1期再建をした場合、局所再発を早期に発見しにくくなるという可能性があります。ですから上記の様な局所再発を起こしやすいと考えられた場合は少し経過をみてから、局所再発がないことを確認してからの2期再建の方がいいかも知れません。遠隔転移は再建をしたから発見しにくくなるということはありません。もちろん非浸潤癌で完全に取り切れていれば、1期再建でも2期再建でもどちらでも再発のリスクは(局所再発も含めて)変わりありませんし、再建の有無も再発のリスクには関係ありません。(文責 稲葉)
【No.2250】 04年03月15日 38歳女性
切除すべきでしょうかご相談いたします。38才女性です。昨年12月に左胸にしこりを感じ、すぐに超音波、マンモグラフィ、細胞診を行いました。そのときは線維腺腫であろうということでした。3ヶ月後の最近、経過を見るため再び超音波をしてみたところ、4ミリほど大きくなっておりました。現在、2.5ミリほどの球形になっており、先生は短期間に大きくなっていることから葉状腫瘍も疑えるので、切除したほうがよいのではないかとおっしゃいます。そこで質問ですが、3ヶ月間に4ミリ大きくなるということは、速度としては速いほうなのでしょうか。この時点で線維腺腫よりも、葉状腫瘍である確率のほうが高いのでしょうか。あと、このくらいの切除による乳房の変形はどの程度のものになるでしょうか(乳首の真下にあるので凹みがめだつかもしれないといわれました)。乳房再建しなければならないほどのものでしょうか。よろしくお願いします。
3ヶ月で4mmの増大というのは、それほど速いということはありません。特に葉状腫瘍の可能性が高いというほど進み方が速いというわけではないと思いますが、鑑別診断としては、葉状腫瘍や線維腺腫、乳癌もあげられると思います。しこりの大きさが2.5cm、38歳という年齢を考えればやはり切除をして、確実に診断をつけるのがよろしいと思います。この程度の大きさのしこりを切除するのであれば、通常は変形は目立たないと思います。再建は必要ありません。(文責 稲葉)
【No.2249-1】 04年03月15日 M
手足のしびれについてはじめまして、娘36歳のことでお伺いします。5年前左乳房温存手術 t1 19*18 リンパ節転移0でした。昨年8月、鎖骨上下リンパ節に再発、8〜11月タキソテ−ル3ク−ル点滴、12月から放射線治療25回おこないました。10月上旬 PET検査は異常なし、12月上旬 CT検査も異常なし、3/4エコ-検査でしこりは消滅しました。以上の経過の後、2週間前より手足にしびれがでてきましたので、その原因についてお伺いします。
1)現在痛みはありませんが、痛みが無い程度の進行でも神経が圧迫されて、しびれが出るのことがありますか。
2)12月には異常なかったのに3ケ月程度の進行でもしびれる事はありますか。
3)タキソ−ルテ−ルの効果が鎖骨にはあったのに脊椎には無かったのでしょうか。
四肢のしびれは副作用その他の原因より脊椎の転移と考えるべきでしょうか。お忙しいところすみませんがよろしくお願いします。もし脊椎に転移でしたら、どんな治療法があり、どれを選択したら良いでしょうか。よろしくお願いします。しびれの原因として、抗ガン剤の副作用(神経障害はタキソテールよりタキソールの方が多いですが)の他に、脊椎(椎骨)の転移による神経圧迫からくることも考えられます。この様な骨転移による神経症状は痛みがなくても出現することもあるし、急速に症状が出現することもあります。3ヶ月前の検査では病変が発見される大きさになっていなかった可能性もあります。まず椎骨のMRIや全身骨シンチ、骨条件での胸腹骨盤部CTなどを行って骨転移の有無を確認して下さい。治療は抗ガン剤による化学療法やホルモンレセプター陽性ならホルモン療法との併用又は単独での治療が考えられます。骨転移には高カルシウム血症の治療薬であるビスフォスフォネート製剤もいいといわれています。放射線は痛みやしびれの原因となっている場所がわかれば、その部位に照射することにより症状の改善が期待できることもあります。但し、放射線は同じ部位に1回のみの照射で、照射した部位のみの局所治療ですから、化学療法やホルモン療法による全身治療が必要になります。また、椎骨への転移で気をつけなくてはいけないことは、手足のしびれが急に進行したり、麻痺症状がでたら、外科手術が緊急で必要になることがあるということです。麻痺は椎骨の骨折による神経圧迫が原因で出現しますが、この場合、発症から早い時間であれば手術で圧迫を解除することにより、麻痺が改善することもあります。しびれが急速に進行したり、麻痺がでたら、すぐに主治医の先生に連絡されるのがいいと思います。(文責 稲葉)
【No.2249-2】 04年03月18日 M
手足のしびれについて(2)お忙しいところ、大変参考になる回答をいただき誠に有り難うございました。早速病院と相談し、検査したいと思っています。再度質問させてください。
1)今日は足の痺れはなくなっているとのことですが、症状が改善することもありますか。
2)ホルモンセプタ-は陰性ですが、全く効果は期待できませんか。
3)ハ−セプチンについても HER2 (+-)2 ですが、効果はないでしょうか。
お忙しいところ、急ぎませんのでよろしくお願いします。1)症状には波があることもあります。よくなったり、悪くなったり、またこれらの繰り返しもあります。症状は必ずしも固定したものでなく、変わることがあります。
2)ホルモンレセプターにはエストロゲンレセプターとプロゲステロンレセプターの2種類あります。検査でホルモンレセプターが陰性でも、全ての細胞が陰性というわけでないので、100%効かないというわけではないのですが、エストロゲンレセプターとプロゲステロンレセプターのどちらも陰性の場合、ホルモン剤が効果を示すものは10%以下といわれています。やはりホルモンレセプター陰性の場合はホルモン剤は効果が期待できないので、使用しない方がいいと思います。
3)ハーセプチンはHER2という遺伝子が過剰発現している乳癌に効果があるといわれています。HER2遺伝子の発現を調べる検査法にIHC法(ハーセプテスト)とFISH法という検査があります。HER2(2+)というのは恐らくIHC法の結果と思います。HER2(2+)に対してはハーセプチンの奏効率は25%程度といわれています。一方FISH法で陽性の乳癌ではハーセプチンの奏効率は40%程度です。HER2(2+)でもFISH法を行うと25%程がFISH法陽性となり、HER2(2+)でもFISH陽性なら、ハーセプチンが効く可能性があります。FISH法で陽性かどうか調べて、陽性ならハーセプチンを使うというのも一つの選択肢と思われます。(文責 稲葉)
【No.2248】 04年03月15日 Y.N.
非浸潤癌のリンパ節切除について左乳房の外側下方にしこりがあり、切除生検の結果、「非浸潤性乳管癌」、「乳頭側断端が陽性」でした。1)追加切除か乳房切除か、また2)腋窩のリンパ節生検を追加すべきか迷っています。
しこりの一部を太い針で生検したのではなく、摘出生検して病理の結果が非浸潤癌というのであれば、しこりのほぼ全てが非浸潤癌と考えられます。まず2)の腋窩リンパ節生検ですが、これはセンチネルリンパ節生検を指していると考えてお答えします。非浸潤癌であれば腋窩リンパ節への転移は殆どありませんから、リンパ節の郭清は必要ないと思います。但ししこりが3cm以上の場合の非浸潤癌の場合、病理検査で(病理検査は通常5mm程度間隔で標本を作成します)標本としてでていない部分に浸潤癌がある場合もあります。浸潤癌であればリンパ節転移の可能性がでてきますから、腋窩リンパ節の精査は必要となります。そこでこの様な場合の非浸潤癌(どこかに浸潤癌の部位がある可能性がある場合)に対しては、センチネルリンパ節生検をやった方がよいのではないかという意見もあります。結論として非浸潤癌であれば腋窩リンパ節の切除は必要ないが、もしやるとしたらセンチネルリンパ節生検を行う、但しやってもいいし、やらなくてもいい。少なくとも通常のリンパ節郭清は行う必要はないということです。
次に1)ですが、乳頭側断端が陽性とのことですが、術前のマンモグラフィーなどで広範囲の石灰化などの所見がなければ、残存している非浸潤癌の範囲はそれほど広くないと考えて追加切除で行うことでよいと思います。石灰化が広範囲にあって、追加切除でとりきれないと判断されれば、乳房切除となります。(文責 稲葉)
【No.2247】 04年03月15日 Y.K.
鎖骨リンパ節への再発についてA (HPNo.2187-2)以前ご相談させていただきました者です(NO.2187)。再度よろしくお願いいたします。
主治医に尋ねましたところ、母の再発部位は残念ながら鎖骨上リンパ節でした。しばらく3週間に一度の間隔で抗がん剤を打つこと、回数は未定との説明をされました。前回ご相談させていただいた際、「ホルモンの感受性を確認してください」とご指示いただき、主治医に確認いたしましたところ、「陽性」とのことでした。乳がんに関する色々な文献を参照しますと再発後の5年生存率が20%ですとか、肝臓転移した場合は早い人で2,3ヶ月の命・・・などと悲しいことしか書かれておらず、事実を隠しながら何も知らない母を支えてあげることに限界を感じてしまいます。母の性格上、事実を知らせたならば闘病意欲をなくしてしまうであろうと思われるので、再発という現実が持つ意味も母には隠しています。中には再発後10年生存されておられるケースもありますが、それは再発までの期間が長かった患者さんの場合で、母のように再発までが1年半足らずのケースでは可能性は低いでしょうか? 母のようなガンのパターン(ステージやサイズ、再発までの期間などの全て)を当てはめた上で鎖骨上に再発した場合、抗がん剤やその他の何らかの治療で、臓器への転移を食いとめ、何年も元気にお過ごしの方というのはいらっしゃるのでしょうか? それともやはりもう母の予後についてはあまり期待しない方がよいのでしょうか? 乳房の全摘手術後、腫瘍を半分に割ったものを見せていただきましたが、いびつな円形の中に黒い筋のようなものが多く見えていました。腫瘍が白っぽく軟骨のような方もおられるようですが、母のガンは標準よりも悪性度が強いのでしょうか? 腫瘍サイズが母よりはるかに大きくてもリンパ節に転移されていない方も大勢おられますし、なぜ母だけが・・・と考えても仕方のないことばかり考えています。母に残された人生の時間、もちろん統計上の事実で構いません。最良の場合と最悪の場合をどうかお教えください。鎖骨上リンパ節の再発は、前回のメールにもありますように遠隔転移と考えられています。その後の経過で内臓転移を来してくることが多く、これらの内臓転移の前触れとして現れてくることがあります。確かに再発までの期間、リンパ節転移の数などを考えると、予後は厳しいものかも知れません。平均的には2〜3年の予後と思われます。但し、再発後の治療が奏効して、平均以上に10年近く長生きされている方もたくさんいらっしゃいます。手術後の補助療法はあまりされていないようですので、再発後の一次治療が効く可能性もあります。内臓転移が抑えられなくても、内臓転移をおこすまでの期間を延ばすことは可能かも知れません。現在行われている抗ガン剤の治療は副作用などでつらいかも知れませんが、頑張って治療を受けられるのがいいと思います。また、抗ガン剤終了後はホルモンレセプターが陽性ですから、ホルモン剤の内服をお勧めします。(文責 稲葉)
【No.2246】 04年03月15日 Y.N.
乳頭陥没としこり宜しくお願いします。私は30歳の既婚者ですが、子供はいません。元々左の乳頭が陥没していて、指で引っ張ると出る状態でした。最近指で引っ張ろうとしても出ず、乳首の真裏にこりこりしたシコリが確認でき、シコリと乳首の裏が繋がっていて、そのせいで乳首が引っ張られている様に感じられます。また痒みと、シコリをさわると少し痛みもあります。分泌物はありませんが、陥没している乳頭の所に昔から白いかすの様な物はたまり易かったです。乳首が陥没する原因の部位に出来るシコリは癌の可能性が高いのでしょうか? 今日病院に行ったのですが、患者さんの急変で先生が不在となり、レントゲンだけ撮影はしました。次回受診の時に他の検査をするらしいのですが、検査結果が色々出るまでに最低でも一週間はかかりそうなので、その間が心配です。又ここ10年ほどの間に卵巣膿腫のOPを2度ほどし、ここ4年ほど生理もない状態なのですが、そういう事も乳癌の要因になるのでしょうか? コメント、宜しくお願いいたします。
乳頭陥没の原因の一つに乳癌がありますので、病院で検査をされるのが良いと思います。卵巣の手術をして、ここ4年ほど生理がないというのは、女性ホルモンのレベルが通常の閉経前の方より下がっている可能性が考えられます。乳癌の発生に関しては、女性ホルモンは低い方がよいと考えられますので、特に要因になるということはないと思います。(文責 稲葉)
【No.2245-1】 04年03月13日 M.T.
石灰化について私は24歳で、2歳半の子供がいます。出産して母乳はほとんどでませんでした。先日乳首を強く絞ってみると右だけ透明な液がほんの少しでたため、病院で超音波とマンモグラフィをやって、右のおっぱいに石灰化が何個かあると言われました。超音波では何もなく、石灰化はほっといても問題ないと言われましたが、本当に大丈夫でしょうか?乳がん検診は30過ぎてから年に1回受ければいいと言われました。よろしくお願いします。
乳頭分泌液が透明で少量で、マンモグラフィ、エコーで特に問題なしということであれば、通常はあまり心配はいりません。マンモグラフィーで指摘された石灰化は恐らく良性で、経過観察でよいということだと思います。今後は1年に1度程度の診察と検査で良いのではないでしょうか。(文責 稲葉)
【No.2245-2】 04年03月23日 M.T.
血性の乳頭分泌物先日、「石灰化について」相談したものですが、以前は透明だった分泌液が今日少しだけ血の混ざったような液になっていたのですが、もう一度病院に行ってみた方が良いでしょうか? 出るのは右だけで、石灰化のあるのも右です。エコーではなにも問題ありませんでした。生理前には両方とも痛みます。かなり強く圧迫しないと出てきませんが、ティッシュでふき取ると茶色っぽくみえます。量もかなり少量です。よろしくお願いします。
血性の乳頭分泌物は、乳管の拡張症や乳管内乳頭腫症という良性の腫瘍によって起こることが最も多いですが、ときに乳癌の一症状のこともありますので、一度病院に行ってみてください。(文責 片山)
【No.2244】 04年03月13日 Y.H.
原因がわかりません一昨日から左の脇が痛くて、今朝は激痛で目が覚めました。吐き気と頭痛がひどくなっています。もし病院に行くならどの科にいけばいいでしょうか。
まずは内科受診だと思います。その後内科以外の科の診察が必要になるかも知れませんので、総合病院受診をお勧めします。(文責 稲葉)
【No.2243-1】 04年03月13日 KAZ
乳癌の検査についてはじめまして、いきなりメールを差し上げてもいいのかどうかわかりませんが、聞いて戴けないでしょうか?
私は45歳の既婚女性です。子供は3人、主人も健在です。1年半くらい前にしこりを自分で発見し、即検査をしました。その時はマンモグラフィーとエコーでした。しこりの大きさは7ミリ程度で悪性でないと診断されましたが、ここのところしこりが大きくなった気がして先日再検診しました所、以前と同じ内容の検査の結果、しこりは倍になっており、悪性良性50%50%といわれました。更に検査が必要とのことで、本日pet検査とMRI検査を受けてきました。結果は土曜に出るとの事とですが、「クロ」ならばその場で組織検査をしますと言われました。私は知識もなくネットで色々検索を行ったのですが、pet検査、MRIは転移の可能性を見るもので、良性か悪性かの診断以降の検査ではないのでしょうか? 先生は50%50%とおっしゃいましたが、実はもう悪性と診断されているのでは??と不安でなりません。色々ネット検索を行いましたが、マンモグラフィー、エコー検査のあとが組織検査を行うように感じられましたが、先にMRI PET検査っていうことは、もう本当は悪性と診断されているのでは??
まだ結果を聞く前からこんな気持ちでいるのはいけないと思いますが、たまらなく不安でメールさせていただきました。医師の立場からのご意見を包み隠さず教えていただけないでしょうか?確かに仰られるように、PET検査は原発巣(乳房のしこり)の良性悪性診断の為に用いるのではなく、転移検索目的で行われます。PET検査は新しい検査なので、原発巣の質的診断にどのくらい有用かはまだきちんとしたデータは少ないと思います。それに対してマンモグラフィーや乳房エコーは古くからある診断方法ですから、原発巣の診断についての信頼性は確立されています。一方、MRI検査はもちろん転移検索にも用いますが、原発巣の診断、特に癌の範囲の拡がり診断などにも使われ、有用であるといわれています。現時点では原発巣の質的診断(良性か悪性か)においてはまだマンモグラフィーやエコーが主で、MRIやPETは補助の意味で行うのがよいと考えられます。もちろん癌の診断はこの様な画像診断のみでは不十分で、必ず細胞か組織を採って病理学的に悪性であると確認せねばなりません。今回マンモグラフィーやエコーの結果悪性の可能性が50%ということでしたら、やはり組織検査は行った方がいいと考えられます。PETやMRIを診断がつく前に行ったというのは、特に悪性と診断されたからではないと思います。マンモグラフィーやエコーで良悪の区別がつきかねるというので、このままいきなり組織検査をやっても良いのだが、なるべく患者様に侵襲のある検査は後にした方がいいので、組織検査の前にMRIやPETを先にやったということだと考えられます。(文責 稲葉)
【No.2243-2】 04年03月17日 KAZ
手術を受ける段階で病院を変わることについて前回2243でご返事戴きましたkazです。PET、MRIの結果が出ました。やはりかなり疑わしいとの事で、その場で組織検査を行いました。その結果は後日わかり次第連絡するとのことです。まれに悪性でも反応がでないこともあるから、その時はそのまま手術ともいわれました。ここまで言われますと、ほぼ間違いないとの事で次は手術・・と覚悟を決めています。そこで次の悩みが出て参りました。医師は親切で信頼もしています。病院も個人病院ですが、設備もきちんとしていると思います。しこりは2cm程度で転移も写真を見る限りないとの事で、T期のようです。しかし、私としてはやはりガンセンターのような設備もあり、「馴れている」といういい方はおかしいですが、転移の可能性の少しでも少ない手術の行える医師の元で執刀してもらいたい気がしてきました。今かかっている医師には大変申し訳ないのですが、今そちらに気持ちが傾いています。組織検査の結果を待って切り出そうと思いますが、医師の立場からこういう患者はどう思われますか? 快くカルテ、検査資料の提供をしていただけるのか等、色々不安も出て参りました。勝手な患者と思われるでしょうが、将来を考えた時に、その方が最善の選択ではないかと思っています。如何でしょうか?
癌という診断がついて、手術を受ける段階で病院を変わることについてですが、特に問題はないと思います。確かに最初に診断した医師に手術もお願いするのが経過などわかっているので一番良いのですが、設備やその他いろいろなことで他の病院で手術を受けるというのは仕方がないことです。患者様が納得して治療を受けることが一番大事です。医師の立場としては、患者様が別の病院であっても、きちんとした治療を受けていれば特に気を悪くしたりすることはありません。信頼できる医師なら、別の病院への診療情報など快く提供してもらえると思います。逆に別の病院へ移ることで不愉快な態度をとるような医師は余り信頼はできないと思います。(文責 稲葉)
【No.2243-3】 04年03月23日 KAZ
手術方法について再度ご相談致します。最終的に乳がんと診断されました。民間病院から名古屋のガンセンターに転院を決め、4月末の手術待ち中です。先日診察の時に、多分あなたは出来るからと前置きされ、センチネルリンパ節生検による腋窩リンパ節郭清の省略を勧められました。今どうしようか悩んでいます。それを選択した場合、腋窩リンパ節郭清を行った方が再発の可能性が低いのでしょうか? もちろん腋窩リンパ節郭清の場合の後遺症は承知しております。いずれかの手術を行う事となりますが、術後の治療はどちらが楽なのでしょうか? 家族はまだ確立されていない方法ということで、一か八かではないのか?と言います。安全性はどの程度のものなのでしょうか? 勉強不足で難しい事は分りませんが、先生の見解をお知らせ下さい。
2cm以下で画像上腋窩リンパ節転移が無さそうであるとのことで、StageTと考えられ、センチネルリンパ節生検を考慮してよいケースだと思います。腋窩リンパ節郭清をしたほうが再発の可能性が低くなるということはなく、あえて言えばセンチネルリンパ節生検のみでは分からなかった転移があった場合に、なすべきであった術後の補助療法が行われなかった場合に再発の危険性が増すということになるでしょうが、手技に習熟したがんセンターのような施設であれば、その可能性は5%以下と考えられます。(文責 片山)
【No.2242】 04年03月13日 M.S.
乳管内乳頭腫について25歳、出産歴なし。血性乳頭分泌の症状があるのですが、どんな検査が必要ですか? 私は胸が小さいのですが、その場合でもマンモグラフィはできるのでしょうか? 生理前で胸が張っていて痛いのですが、生理後に検査ということでも大丈夫でしょうか? 癌だとしたら治療はいろいろありますが、乳管内乳頭腫などの場合、治療はどのようになるのでしょうか? 傷が残るような手術とかになる可能性は? 乳癌検査などは痛いとよく聞きますが、麻酔など使うものもあるのでしょうか? いろいろと質問が多くすみません。病院に行けば早いのですが、どんなことをするのかと不安で相談しました。お忙しい中申し訳ありませんが、お返事いただけたらと思います。
血性乳頭分泌がある場合の検査手順は、まずは通常の時と同様に、触診、マンモグラフィ、エコーを行います。次に分泌液の細胞診、分泌液のCEA測定(マンモテック)、乳管造影などを行い診断をつけます。乳管内視鏡の設備がある病院なら、乳管内視鏡も行うと思います。これらの検査で異常所見があれば、生検(乳管腺葉区域切除術、マイクロドヘクトミー)を行います。これらの検査はやせていても生理後でも特に問題はありません。乳管内乳頭腫であれば、マイクロドヘクトミーで切除して経過観察になります。傷もあとがなるべく残らないように、乳輪部で切開したり工夫して行います。検査や手術で痛いときは、局所麻酔なども使いますので、心配はいりません。症状があるのでしたら、専門医の診察を早めに受診することをお勧めします。(文責 稲葉)
【No.2241】 04年03月13日 Y
ホルモン療法についてはじめまして。2月に非浸潤性乳癌と判明し、全摘手術を受けました。現在35歳、ER:+3、PgR:+3、リンパ節転移なし、RI検査では遠隔転移なし。今後できれば妊娠を望んでいます。退院後、再発防止のためのホルモン療法ということで、フェアストン錠を服用しています。ネットでフェアストンについて調べたところ、閉経後乳癌を治療する薬となっているのですが、閉経前に服用しても問題ないのでしょうか? 同じような薬でノルバデックスがあるようですが、違いはあるのでしょうか? お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
フェアストンはノルバデックスと類似の構造を持つ抗女性ホルモン剤です。効果はノルバデックスとほぼ同等で、ノルバデックスで報告されているような子宮体癌発生増加の報告は今のところみられていません。保険適応上は閉経後乳癌が適応となっています。閉経前の場合はノルバデックスやフェアストンなどの抗女性ホルモン剤だけでは、女性ホルモンをブロックするには不十分で、LH-RHアゴニストという薬を併用した方が良いとされています。ただ非浸潤性乳癌ですから、必ずLH-RHアゴニストを使わなくてはいけないということはありません。フェアストンを閉経前の方で服用して副作用が多くなるということはありません。(文責 稲葉)
【No.2240】 04年03月13日 K
乳癌患部からの出血について(HPNo.1991-2)昨年11月にHPNo.1991でお世話様になりました。前回の状態は、「母(66歳)の乳癌は手術できず、右乳房に7×6センチ、右脇リンパ節に多数転移、鎖骨・首に数個転移。肝臓に1.5センチ癌あり(医者によると転移かどうか不明とのこと)」でした。今年1月まで、引き続きホルモン療法(ノルバディックス)とアガリクス(液体)を服用。ハーセプチンは効かない体質です。今年1月半ば、癌のある右乳房から出血が始まり、現在では安静に寝ていると少量ですが、動くと何かの拍子でかなりの量の鮮血が出ます。主治医に相談し、1ヵ月放射線を照射(右乳房、首、リンパなど通常の3倍ほどの量)しましたが、出血は止まりません。そこでご相談ですが、
@ 今後どのような治療をすればよいでしょうか。放射線を更にかけた方がいいのでしょうか。抗がん剤は本人の希望により使用したくないとのことです。
A 生活するうえで注意する点を教えてください。一応普通に生活していますが、本当はずっと寝ている方が長く生きられるのでしょうか。
B 余命はどれ位でしょうか。これは末期状態なのでしょうか。
以上3点です。よろしくお願いいたします。@ 今後の治療についてですが、現在一番対応に苦慮している症状は乳房からの出血です。放射線を1ヶ月照射して、出血が治まらないというのであれば、別の方法を考えた方がいいかも知れません。例えば手術も選択肢の一つと思います。これは根治性をめざすというのではなく、出血を防ぐという局所のコントロールの意味で行うものです。
A 生活する上で気をつけることは、なるべく通常の生活をするということです。寝たきりというのは感染を起こしやすくなり、また精神的にもあまり望ましいことではありません。安静にすれば生存期間が延びるということはありません。
B 残された時間は肝転移があるとすれば、3〜6ヶ月と思われます。時間は限られているわけですから、残された時間を本人にとって有意義なものにしてあげることが大事と考えます。(文責 稲葉)
【No.2239】 04年03月13日 R
胸の痛みについてはじめまして。32歳です。1月程前から生理前などを問わず胸がチクチク・ズキズキ(刺すような痛み)痛むことがあります。先日、乳腺クリニックにてマンモ・エコー・触診を受け、しこりも無く、異常なしとの結果でした。その後、マンモの影響か胸の痛みが増したような気がします。痛み的には成長痛に似ていると思うのですが、細胞診など他の検査も受けたほうが良いでしょうか? 病院では、「2ヶ月くらいしてもまだ我慢が出来ない痛みが続くようなら又来て下さい。」と言われました。お忙しいところを申し訳ございませんが、どうか宜しくお願い致します。
触診や画像検査でしこりがはっきりしないのであれば、穿刺細胞診検査までやらなくてもいいと思います。穿刺する場所が明らかでないと穿刺細胞診検査はできません。乳房の痛みの多くはホルモンなどの影響による乳腺の変化を痛みとして自覚することで生じるといわれ、痛みは癌の症状としては少ないといわれています。このまま経過をみて、2ヶ月後再診でよろしいのではないかと思います。(文責 稲葉)
【No.2238】 04年03月11日 YN
精神的に参っていますはじめまして。乳がんと告知され、毎日のようにこちらの相談室を見ています。私の場合は3ヶ月ほど前から乳房が張る感じとつれる感じがしていました。乳房の痛みと脇に違和感があり、気になったので触ってみるとしこりがあり、それはまるで10円玉が肉の内側に張り付いているような感じのものでした。2月10日に予約してマンモとエコーの結果、即その場で注射針で液を吸い出す検査をされました。4日後にクラス5で、乳がんだと言われました。カルテを見たらスキールスと書いてあり、大きさは2.7x1.4センチでした。検査の結果によっては温存、あるいは全部取る必要があると言われました。その場でCT、胸部レントゲン、血液検査、尿検査を受け、4日後に生検に来るよう言われました。1時間の手術のはずが2時間半もかかり、局部麻酔でしたので全部はっきり記憶にありますが、かなり広範囲にわたり、いろいろ切っておられた気がしました。切り取ったガンを見せてもらいましたが、それは半透明のプラスチックのような軟骨のようなものでした。全体にテニスボール半分ぐらい、ガン以外の他の部分もたくさん取られました。外にいた私の外国人の主人に“ローカライズ(転移はない?)です。胸は小さくなりましたが大丈夫です。元気になられます”と、おっしゃったそうです。私には何もおっしゃってはいただけませんでした。3日後に抜糸とのことで病院に行くと、やはり何も教えてもらえず、さらに4日後に来て下さいとだけ告げられました。私は心配でたまらなかったので、先生に何でもいいので状態を教えて下さいと頼んだのですが、4日後に再来してくださいとのことだけで何の答えも得られませんでした。
質問です。
1)切開生検とはガン自体とその他多くの組織もたくさん取ってしまうものですか?
2)その生検が温存手術を兼ねた手術だということはあり得ますか?
3)当然いろいろな検査の結果の後でしか何もお答え願えないのでしょうが、何か体のあちこちに転移があるため私には何もおっしゃれないような気がしてなりません。2.7センチで見つかったガンは、やはり遅い発見なのでしょうか?
4)ガン自体は軟骨様をしていましたが、丸くて半透明でした。それが石灰化したガンというものなのでしょうか?
5)発見に至るまでにすでに乳房の痛みや脇が引っ張られる感じがしていたのですが、リンパに転移すると、そういった引っ張られるような感じがするものなのでしょうか?
とりとめもなく質問をしてしまいましたが、本当に心配で胸が押しつぶされそうな毎日を過ごしております。どうぞよろしくお願いいたします。1)、2) 通常生検はしこりそのものをまず摘出して診断をつける目的で行いますので、あまり広範囲に切除することは少ないと思います。私の施設では生検ではしこりのみを切除して、病理診断を行い、もししこりががんであったら、後日入院で、たいていの場合は全身麻酔で、しこりのあった場所の周囲をもう少し広い範囲で追加切除します。ただいろいろな事情から2度手術するのを避けるため、最初の生検の際に治療も兼ねて、しこりだけでなくある程度の広い範囲を含めて切除すること(プローベランペクトミー)を行うこともあります。恐らくこのプローベランペクトミーを行ったのではないかと思われます。
3) 2.7cmという大きさはそれほど進んでいる乳癌とはいえないと思います。
4) 石灰化は通常は小さなものですから、肉眼では標本をみてもわからないか、又は標本をよく見ないとわからないと思います。メールにある標本が石灰化した病変かどうかは何ともいえないと思います。
5) リンパ節に転移しても、通常は乳房の痛みや脇が引っ張られる感じといった症状は少ないと思います。ところでメールの内容からすると、生検時にはリンパ節は切除していない様に見受けられるのですが、これから切除するのでしょうか。それともリンパ節は切除せずに、何らかの治療(放射線や化学療法など)で代用するのでしょうか。(文責 稲葉)
【No.2237】 04年03月10日 T
放射線照射後の治療について(HPNo.2014-3)No.2014でアドバイスをいただいたものです。よろしくお願いします。
私の場合、検体を8分割しただけの、簡単な検査であったので、放射線照射(25回)をお願いして、明日で17回が終了します。放射線終了後の治療について、どのような選択肢が考えられますか? ちなみに、ホルモン感受性が高く(8+)、現在は放射線と共にタモキシフェンを服用しています。最初にAC療法を行いましたが、白血球・好中球の減少が激しく、規定量の2/3(60/600のところを40/400に減らし、4クールを6クールに増やした)の分量しかできず、延期もしています。全体量としては一緒ですが、この場合一応の効果があったものとして、あとはタモキシフェンのみで様子をみればいいでしょうか? それとも効果はあまりなかったものとして別の弱い抗がん剤でもやったほうがいいでしょうか? やるならどういった抗がん剤を使うのが適切なのでしょうか?しこりの大きさ、リンパ節転移の数(1個陽性)から考えるとAC療法(60/600 4サイクル、実際は40/400の6サイクルで全体量は同じ)で問題ないと思います。中にはリンパ節転移があれば、その個数に関わらずAC療法(60/600)4サイクルの後にタキサン系薬剤(タキソール週1回 12サイクル)を追加した方がよいと考える意見もあるかも知れません。ただ我が国ではリンパ節転移1個のケースでAC療法に必ずタキサン系薬剤を加えなくてはいけないというコンセンサスに完全には至っていないと思います。化学療法終了後はホルモン療法を行った方がいいと思います。45歳で化学療法開始前の時点で閉経前の場合、化学療法で月経が止まっているならタモキシフェン単独で、月経があるならゾラデックスとタモキシフェンの併用を、また化学療法開始前に既に閉経後となっていたならばアロマターゼ阻害剤などが適応となると思います。(文責 稲葉)
【No.2236-1】 04年03月10日 まりこ
マンモトーム私は現在61歳です。12年前に左の乳管内のがんで、腫瘤だけを摘出しています。化学療法はしませんし、放射線もかけていません。10年前には子宮筋腫で子宮と付属器の摘出手術を受けました。そのときから、”更けさめ”が辛く、ホルモン補充療法(プレマリン)をしてきました。それをやめようと思いつつも、心筋梗塞の心配(心電図上、古い梗塞のあとがあると言われており)と、骨粗しょう症の予防という意味からも、今日まで続けてきました。ところが、先日、右の乳首の直下に腫瘤を認めました。以前に手術をした病院を受診しました。そこでは触診はなく、マンモグラフィーと超音波検査、針生検をしました。採取できたものは古い血液様のものということでした。結果は灰色ということでした。そして次は局部麻酔にて組織の一部を切り取り、検査をして、「良性なら、もう少し大きく取り、悪性なら広くとりましょう。」というお話でした。私は、それならまず初めから、腫瘤を取ってしまい、良性ならそれ1回で済ませることは可能か、と聞きましたら、「それならば悪性であった時、腫瘤がどんなであったか証拠としてCTスキャンを撮っておきましょう。」と撮りました。しかし、わたしは出来るなら1回の手術で済ませたいと思います。そこで大学病院ではマンモトームが出来ると聞きましたので、それを受けたいと考えましたしたが、それでも確定診断がつかないことがあるのでしょうか? なお、腫瘤は15×20ミリぐらいのが2つ重なるようにあり、さらに石灰化した小さいものが幾つかある、というのです。それと私は不思議に思うこととして、左の方はまるで眼中になく、全く診察がありません。これはどういうことなのかと思いました。もしかしたら、左にも小さい石灰化したものがあるかもしれないと思いました。もし良性であっても将来がん化したら困るので、いずれにしろ取る方が良いというのですが、それは本当でしょうか? 取らなくても良いという意見も聞いたことがあるからです。今、大学病院を受診するべきかどうか、迷っています。どうか、ご意見を頂きたいのです。
マンモトーム生検は通常はしこりとして触れない石灰化病変が適応となります。マンモトーム生検は普通の針生検よりは採れる組織の量が多いため、またレントゲンや超音波などで病変を確実にとらえながら組織を採取するので、診断がつかないということは少ないと思います。ただしこりの生検の場合、マンモトームでは一部分の生検だけで終わることが多いので、局所麻酔下の通常の外科的生検の方がしこり全部を切除した場合、確実に診断がつくということはあると思います。
左側に関してはマンモグラフィや超音波検査は両側行っていると思いますので、これらの画像検査から左側は問題無しと判断されているのだと思います。
良性病変を切除するかどうかについては、確実に良性と判断できるなら切除する必要はないと思います。通常画像検査で9割方は良性、悪性の区別がつくと思いますが、中には良悪性の区別が画像検査でなかなか付かない病変があります。従って良性の可能性が高くても、悪性が完全に否定できない場合は切除して診断をつける必要があります。また、良性のしこりでも3cm以上の場合は、一部分が悪性のことや、あまり大きくなると局所麻酔でとりにくくなることから、切除することがあります。(文責 稲葉)
【No.2236-2】 04年05月27日 まりこ
術後の創のヒリヒリ感について04/03/10に質問させていただいたHPNo.2236のまりこです。4月22日に右乳房全摘術とセンチネルリンパ生検を受けました。術後結果は、非浸潤がん、一部浸潤がんで、腫瘍の大きさは2cmのもの1ケ、それより少し小さいもの1ケと、2mmのものが数個でした。センチネルリンパ生検では転移はありませんでした。ホルモンレセプターは陽性。よって、術後は無治療ということになり、一安心しております。手術当日の夜に後出血で再度手術となったり、創感染で高熱がでたりしましたが、術後約3週間で無事退院できました。ところが、創痕全体に火傷のようなヒリヒリ感が続いており、下着など衣類が軽く触れるだけで、気分が落ち着きません。全体がとても敏感になっていることは、熱いもの、冷たいものを飲むと、創痕の下に胃があるように直に感じることからも判ります。たいした痛みではないのですが、夜間も痛みのためか(痛みとヒリヒリ感)、熟睡が出来ません。このような症状はどのぐらいの期間続くのでしょうか?また、このような症状は我慢しなければならないものでしょうか?退院前に、医師から、麻酔科を受診するかどうかと提案がありましたが、薬はできるだけ使いたくないので断ったという経緯はあります。さらに、もう一つ悩みがあります。それは、このたびの乳がんがわかってから、この10年来続けてきた「ホルモン補充療法」をやめたことによる、不定愁訴(ホットフラッシュと落ち込み気分)の出現です。これも耐えて慣れるより方法はないものでしょうか? 漢方薬を用いた、更年期外来というのもあるらしいのですが、そこで用いられるものも、やはり女性ホルモンと同じ作用なのでしょうか?とすると、やはり私のようなケースには適切ではないのでしょうか?以上の2点についてお答えいただければ嬉しく思います。
手術後、まだ時間があまりたっていませんので、もうしばらく様子をみましょう。半年くらいの長い目で・・・。術後に出血があり、再手術をしたことなども影響しており、局所はまだ、若干の炎症があるのではないでしょうか。少しずつやわらぐはずですので、もう少し頑張ってみませんか? 非浸潤癌だけであれば、術後の抗エストロゲン剤の内服の必要性は賛否両論あります。一部、浸潤癌があるので、抗エストロゲン剤の内服をされていると思いますが、もし内服をされているのであれば、ホルモン補充療法に関しては、乳癌の治療と相反するので、やめた方が良いでしょう。漢方薬などで改善するものもありますので、相談されてはいかがでしょうか? 漢方薬は、あまり女性ホルモンとしての強い作用はないと思います。病気に対する治す気持ちと、副作用との駆け引きで難しい選択ですが、良く相談されて、納得のいく治療をお受け下さい。(文責 鈴木)
【No.2235】 04年03月09日 M.I.
副作用について(HPNo.1868-8)HPNo.1868です。先日の貴重なアドバイス、有難うございました。ノルバデックスの処方を止めて2週間たっても、相変わらず頭痛・頭重と戦いながら生活しており、ノルバデックスが原因ではないだろうと思われます。今週金曜日に第3回目のゾラデックスの投与ですが、先生のアドバイス通りに思い切って中断しよかと思案中です。主治医も「患者さんの体調を見ながら治療をすることが前提」と申しております。しかしながら、乳がんの治療を考えると不安があります。お忙しい中、申し訳ありませんが、その辺の御意見を聞かせて頂けたら幸いです。また、人間の身体って、薬等の様々なものに慣れていくものなのでしょうか? 文章がまとまらず、すみません。よろしくお願い致します。
現在ゾラデックスとノルバデックスは術後の補助療法として使っているわけです。補助療法を行う際は、薬のもっている再発を抑える効果と副作用のバランスを考えて治療法を選択する必要があります。再発して、体のどこかに病巣があるのなら、副作用はある程度我慢しても効果のある強い治療を選択してもよいと思います。しかし補助療法の場合は体の中にターゲットとなる病巣が残っていないため、また補助療法を行わなくても再発しない群の方も補助療法を開始する時点では区別できないため、含まれてきますから、副作用が強く出るような治療法はその患者さんにとっては過度な治療となってしまいます。従って主治医の先生が仰るように患者さんの体調を診ながら治療をするのが前提というのは、全くその通りであると思います。ホルモン療法に伴うほてり、頭重感といった症状は、なかなか他人には理解されにくい副作用です。ホルモン治療は通常は何年という長い単位で行うものですから、副作用を抱えながら続けていくというのは大変だと思います。ここは少し薬をやめて様子を見るというのもひとつの選択肢であるように思えます。主治医の先生とよくご相談なさってください。(文責 稲葉)
【No.2234】 04年03月09日 Y
両側乳癌初めてお便りします。4年ほど前に、妻が左胸の乳がんを温存療法で摘出しました。その後は何とか無事に過ごして参りましたが、先日右胸に1.5センチのしこりがあると言われ、心配です。結果はまだですが、ホルモン療法の治療中で、ガンが出来るとすると、より悪性ということになるのでしょうか? 主治医の先生は、転移ではなくガンだとすると新たなものということですが、こういう例(両胸に発ガンする)は稀だと思います。ご多忙中のところ恐縮ですが、お教えください。
両側に乳癌ができるというのはそれほど稀ではありません。またホルモン療法中に新たに発生したからといって、より悪性という將陽ことにはなりません。しこりの大きさが1.5cmということですから、がんであったとしてもきちんと治療すれば、大部分の方は予後が期待できる段階です。(文責 稲葉)
【No.2233】 04年03月09日 シェル
どちらの病院へ行った方が良いのでしょうか初めまして。右側の乳首の正面の中央あたりから、どす黒い出血がありました。搾るほどによく出て来ました。今も搾れば搾るほど、ど んどん出て来ます。一晩かかっても搾りきれないのではないかと、安心して眠れない思いです。どんな病院の何科を受診したら良いのか、教えて下さい。住まいは、神奈川県津久井郡津久井町です。実家は海老名ですので、横浜や藤沢方面でも、さほど遠く感じません。どのような経過だったかというと、今夜の入浴中に、右の乳首がひどく痛むのでおかしいと思っていました。これまでに生理中や、生理前後の乳房の張るような痛みは普通にあったのですが、いつもと違い乳首が痛むので、おかしいと思っていました。入浴後、身体をふいているときに、両方の乳房の乳首からカスが出ているのに気づき、授乳期から残っていた乳のカスが出ているのかと思い、拭き取りながら乳首を搾ると、一ヵ所から出血しました。ティッシュにしみ込ませると、こげ茶色をしていました。ホームページを読ませて頂きながら、ずっと搾っていました。搾っているうちに出血は止まってしまいますが、気になって針の穴のように小さい血のかたまりを取ると、点のような血のかたまりが、ヒモのように抜き出て来て、搾るとまた出血が続きます。まるで、授乳期に搾った乳が勢い良く飛び出た時みたいに、相変わらずどす黒い血液が、ティッシュをこげ茶色に染めます。乳を搾っていた時のように乳首から出血するので、癌への不安で悲しくなりました。現在40才です。出産したのは1回だけで、29才の時でした。乳児期は母乳だけで育てました。お忙しいところを申し訳ございませんが、早期に治療したいと考えます。どうか宜しくお願い致します。
血性乳頭分泌症状がみられますので、詳しく検査をされたのが良いと思います。大学病院や公的な病院の乳腺外科か、外科の中に乳腺外科専門の医師が常勤でいる病院が良いと思います。癌でなくても血性乳頭分泌はみられますので、悲観せずに、まず病院を受診して下さい。(文責 稲葉)
【No.2232-1】 04年03月09日 F.T.
乳ガン転移についてはじめまして。乳ガンの転移について、治療法等、教えてください。平成4年5月に乳ガンの全摘手術を受けました。抗ガン剤を一週間ほど行い(点滴)、退院後は、5年間ほどホルモン剤と抗ガン剤を服用していました。この12年間、特に以上もなく経過しました。昨年の4月に咳のひどい風邪をひき、その後、半年ぐらい咳が止まらりませんでした。昨年11月に詳しく検査(胸のCT)をしてもらいましたが、肺に関しては異常はありませんでした。しかし、息苦しさがひどく気になっていました。また、12月2日の朝、突然、声がかれ、診察を受けたところ、左反回神経麻痺と診断され、脳、のど、甲状腺のMRIの検査もしましたが、異常はなく、原因も分かりません。そして、今年の1月下旬、血液検査の結果、数値の高い箇所があったので、胃の検査(内視鏡)を行いました。胃の内側ではなく、外側から盛り上がっている状態で、乳ガンからの転移であろう(100%乳ガンからという表現ではありませんでした。)とのことで、治療は、抗ガン剤治療を考えていると言われました(大きさは3センチぐらい)。胃の自覚症状もなく、むしろ、息苦しさ、咳、声がれが辛い感じはあるのですが・・・。生検した検査結果をある程度は覚悟していたものの、驚いているところです。抗ガン剤は効かないという文献を読んだこともあり、どんな治療方法があるのか、他の病院でセカンドオピニオンを受けようと考えています。アドバイスをお願いします。
現在症状として、息苦しさ、声のかれ、咳、反回神経麻痺などが出ているわけですが、その原因が何であるか、もう一度胸部CTや腹部CT、頸部MRIなどの検査をやってみてはどうでしょうか。それと胃の生検結果を詳しく説明してもらって下さい。胃壁の外側から何らかの癌の転移巣が浸潤してきたのかどうか、もしそうであれば腹部CTで何かしらの所見が出ると思います。また最初に手術した乳癌の組織型は何でしょうか。乳癌で胃壁や腹膜や子宮など腹部の内臓に転移しやすい組織型として浸潤性小葉癌があります。乳癌の場合、この組織型以外は殆ど腹部の内臓(但し肝臓は除きます)に転移することは稀です。確かに乳癌の転移再発で全ての症状が出ていてもおかしくはないのですが、それにしては画像検査などで全く所見がないというのは少し気になります。他の病気が原因で現在の症状が出ていることを否定することも大事だと思います。もし乳癌の転移再発ということなら、やはり治療は抗ガン剤になると思います。セカンドオピニオンを受けるのはいいと思いますが、今の情報では、いった先の病院でも状況が把握できにくいと思います。もう少し詳しく主治医の先生から説明してもらって、ご本人様も今の状況をもう少し詳しく把握しておかれた方がセカンドオピニオンのアドバイスを受けやすいと思います。(文責 稲葉)
【No.2232-2】 04年03月13日 F.T.
乳ガン転移について(2)ご回答を送っていただきありがとうございます。私は最初の手術の組織や病期等、詳しく知らないのが事実です。当時、大きさは?などと聞いても、はっきり教えていただけなかったという思いも持っています。あさって(3/11)の診察の際にもう少し詳しく話を聞いてこようと思います。また、今まで行った検査資料(ガリウムシンチ・脳とのどのMRI・胸と腹部のCT・胸部レントゲン・生検の資料)をお借りしてセカンドオピニオンを受ける予定ですが、このような形でよろしいのでしょうか。また、ご回答の中の〔他の病気が原因で現在の症状が出ていることを否定することも大事だと思います。〕について、もう少し詳しく教えてください。お忙しい中をお手数かけます。よろしくお願いします。
今まで行った検査等の資料を持参して頂ければ、より細かな意見が得られると思いますので、是非そうして下さい。他の病気を否定することについてですが、現在の症状の息苦しさ、声のかれ、咳、反回神経麻痺などは頸部から胸部にかけて原因となる病巣がありそうです。また腹部にも病変があります。頸部・胸部の病変も腹部の病変もどちらも乳癌の転移が最も考えられるわけですが、他の病気(例えば別の臓器の癌や炎症など)でこれらの症状が出ている可能性も、少ないですが考えられると思います。また頸部・胸部の病変と腹部の病変の原因が異なる可能性もあります。原因が異なれば治療法も異なるわけですから、念のために他の病気が原因でないということを確認しておく必要があるわけです。(文責 稲葉)
【No.2232-3】 04年03月18日 F.T.
乳ガン転移について(3)ご回答ありがとうございます。今日、紹介状、資料を準備し病院に診察に行ってきました。紹介状の内容から、乳ガンの転移と考えられるとのことでした。女性ホルモンに感受性のあるものなので、治療としたら、抗ガン剤ではなくホルモン療法を行ったらよいとのことでした(タモキシフェンと、月一回、卵巣機能を抑制する薬を注射)。主治医(抗ガン剤での治療を考えています)と治療法が異なりましたので、また悩むところです。ホルモン療法と抗ガン剤を使った治療の違いは、どのようなものでしょうか。どちらの治療にするかは、病気の内容や進行を見ながらどちらかを決めていくのでしょうか。
欧米での再発乳癌の治療原則に、ホルモン陽性の乳癌で再発症状が生命を脅かすもの(例えば肝転移や脳転移など)でなければ、まずホルモン療法から始め、それが効かなくなったら、第二次のホルモン療法に移る、か又は抗ガン剤の治療に入るというものがあります。セカンドオピニオンを行った先生は恐らくその原則に従って、手術をしてから現在の再発症状がでるまでの期間が長く(12年間ほど無再発であった)、それほど生命を脅かすものでないと判断して、まずホルモン療法からと判断したのだと思います。一方主治医の先生は現在の症状が生命を脅かす可能性があるかも知れないと判断して、抗ガン剤を選択したのだと思います。一般に抗ガン剤はホルモン剤に比べ効果が短期間で出ます。生命を脅かす症状がある場合など、効果がすぐにでなければ大変なことになるので、そのような場合は抗ガン剤が選択されます。但し抗ガン剤はホルモン剤に比べ、副作用も強い傾向にあります。逆にホルモン剤はある程度の期間長く使うので、病状の進行がゆっくりとしている場合や生命を脅かす症状のないものなどに用います。再発症状が生命を脅かすものかどうかはなかなか難しいことがあり、医師によって判断が異なることもあります。治療としてはどちらの意見も誤りではないと思います。(文責 稲葉)
【No.2232-4】 04年04月04日 F.T.
乳ガン転移について(4)再度、相談させてください。ホルモン療法を3月18日から開始しました。昨日(4/1)は、卵巣の機能を低下させる注射を行いました。その際、胃ガンの組織を再度検査したら、ホルモンには反応しない組織とのことを伝えられました。【胃の基底腺粘膜の下の方に線維化を伴った異型細胞の浸潤があり、硬癌が考えられ、原発か転移か、組織自体は不明。】3月中旬の時点では、12年前手術した乳ガンによく似ており、乳ガンの転移ということでした。今後、ホルモン療法を進め、検査を行いながら、この先の治療法を決めていくとの話でした。4月9日に胃カメラ、4月13日に胸と腹部のCT検査の予定です。胃ガンが原発のものであれば、現在のホルモン療法は無駄になると思うのですが。現在診察を行っている病院は、癌専門病院ではなく、すぐには検査結果はでず、治療法がしっかり確定しないまま、時間をやたらに経過してしまうのではと不安になっています。この先、どのような治療法でいくのかを決定するには、どうしていったらよいのか、現在の病院の進め方でよいのか、ご助言をお願いします。現在出ている症状(反回神経麻痺、息苦しさ、咳、左目:ゆがんで見える症状炎症をおこしている等)が乳ガンからのもので、胃ガンは原発である場合の治療法と、現在出ている症状全てが、原発の胃ガンのものからである場合の治療方法。全く違ってくると思いますが、原発か、転移かを見極める検査はどのようにしていくのか。不安だらけです。また、胃の硬癌とはスキルス胃ガンのことでしょうか。よろしくお願いします。
現在予約なさっている検査を受け、その結果を元に治療方針を立てられていくのがよいと思います。胃がんと乳がんの治療法は異なりますので、それぞれ別に考えていく必要があります。原発か転移かは、最終的にはやはり組織診断に頼るところが大きいと思います(しかし、組織診断でも鑑別が難しい場合があります)。診断、治療方針が確定するまではどうしても少し時間がかかります。御不安だと思いますが、頑張って乗り切ってください。12年前に手術なさった乳がんの転移であれば、急に病状が進行する可能性は低いと思います。また、胃の硬がんとはおっしゃるようにスキルスのことを指します。(文責 加藤)
【No.2232-5】 04年07月12日 F.T.
乳ガン転移についての相談(5)HPNo.2232で相談させていただいたものです。再度相談をさせてください。よろしくお願いします。
2004.3〜現在までの経過:
ホルモン療法を開始し、3ヶ月半ほど経過しました。3月の時点で、胃、脈絡膜転移(物がゆがんで見える・大きさが小さく見える等)、反回神経麻痺(左の声帯麻痺)、息苦しさ、首をいつも絞められているような症状がありました。4月のCT検査(胸・腹部)で新たに胃の後方(膵臓の近く)と胸の縦隔の部分に影が出てきていました。また、6月に骨シンチを行ったところ胸の部分に3カ所影が出ていました。骨に関しては、今まで検査をしたことがなかったので、これまでの状態がどのようであったのか比較することはできません。大きく息を吸ったり、咳をすると時々痛みが感じられます。
腫瘍マーカー ST439( 異常値にあるマーカーはST439だけです。):昨年12月(120)→今年3月(130)→4月(140)→5月(110)→6月(87)
腫瘍マーカーは少しずつ減少しているようですが、今まで体に出ていた症状については、大きく進行することなく、また改善もせず、小康状態といった感じです。しかし、CT、骨の検査の結果を考えると症状は進行しているのかとも考えてしまいます。主治医の先生は、そろそろ抗ガン剤も考えて行かなくてはならないかなとも話しています。
今後の治療方法について
抗ガン剤治療をしていく時期にきているのか、ホルモン療法が効果があるようなら、ホルモン療法を続行していくのか、ご意見をお聞かせください。抗ガン剤治療により、首を絞められているような状態、眼のゆがみ等少しでも緩和されるのであれば、抗ガン剤治療をうけたほうがいいのかとも考えていますが、初発の時に行った抗ガン剤の副作用がつらかった経験から、躊躇しています。抗ガン剤治療を腫瘍内科で受けられればベストかと思いますが、現在お世話になっている病院にはありません。せめて、乳腺専門のある病院で抗ガン剤治療を受けた方がやはりよいのでしょうか。主治医の先生は外科で、乳腺専門ではありません。いろいろ質問にも誠意を持って答えていただいており、転院ということも迷います。また、脈絡膜転移に関しては、症状が進行するようなら放射線治療になると聞いていますが、抗ガン剤治療と眼への放射線治療は平行して行ってよいのか(現在お世話になっている病院には放射線治療の施設がないので、他の病院で放射線治療を行うことになります)。脈絡膜転移の症状が進行していないのであれば、抗ガン剤治療を先に行い、経過をみていくのか。骨シンチの結果ですが、ICTPというマーカーを調べれば、胸の箇所の影について、はっきり転移であるとわかるのでしょうか。長々書き、わかりづらい箇所があったかと思いますが、ご意見をお聞かせください。よろしくお願いします。転移再発している部位が典型的ではなく、原発乳癌の組織型が浸潤性乳管癌(硬癌)であることを考慮すると、今回の他臓器転移が本当に乳癌からの転移なのか疑問が残ります。前回の回答にもあったように、腹腔内に幅広く転移しやすい乳癌の組織型は浸潤性小葉癌が多いと言われています。今回のエピソードが乳癌の転移なのか、それとも他の癌が原因なのかを判定する一つの方法として、ホルモンレセプターやHER2タンパクなどの免疫染色があります。12年前の標本と今回採取した胃からの生検標本での染色所見が一致するようならば、12年前の乳癌が原因と考えられます。逆に所見に違いがあるようならば、乳癌以外の病気が原因である可能性が高いと思います。また、もしHER2タンパクが陽性ならば、トラスツズマブ(ハーセプチン)という薬が奏効するので、抗癌剤を使用する前にハーセプチンを使うのも良い選択肢だと思います。通常、抗癌剤の使用中に放射線を使うと副作用が強く出る可能性があるので、放射線科の医師は併用には慎重です。TCTPは骨転移発見の補助にはなりますが、確定診断が出来るほど乳癌に特異的ではありません。(文責 千島)
【No.2232-6】 04年07月18日 F.T.
乳ガン転移についての相談(6)ご回答ありがとうございました。
1) 原発乳癌の組織型について、回答の中に、浸潤性乳管癌(硬癌)とありましたが、私の組織型は充実腺管癌で、一部切片には、浸潤性管状腺癌の微少な遺残が認められていたそうです。この組織の場合も回答していただいた内容と同等のことが考えられるのでしょうか。先日、主治医ではない先生にお話を伺ったのですが、胃のことよりも乳ガンからの転移が重大なことである。原発は、ホルモン受容体が(+)でも胃の組織が(−)に変化する場合もあるとの内容のことを言われました。やはり、原発と今回の組織の染色体に関してもう一度調べてもらう必要がありそうですか。
2) HER2タンパクが+1でもあればハーセプチンが有効と考えてよいのでしょうか。
3) 骨シンチでみられた影についてですが、転移であった場合、抗ガン剤治療か放射線治療かの選択はどのような状況、症状で決めていくのでしょうか。
教えてください。よろしくお願いします。1) 胃生検の所見も充実性腺管癌であったということでしょうか?それならば乳癌の胃転移の可能性が高いと思います。ホルモンレセプターに関しては、きちんとした免疫染色を行えば、通常は原発巣と転移巣での発現は一致することが多いようです。しかし、もともとの一つの乳癌も「同じ細胞」の集団ではなく、腫瘍の場所によって細胞形質が異なっているので、ホルモンレセプター発現が弱い部分の乳癌細胞が転移した可能性は十分にあります。その場合は検査結果に不一致が出ても不思議ではありません。
2) HER2蛋白発現が1の場合は、ハーセプチンの効果はあまり期待できないので「適応外」と考えられています。
3) 貴女の場合は他の臓器転移も伴っているので、まずは全身療法(放射線以外の治療)を優先させるほうが良いものと思います。骨転移に対する放射線治療は、転移による疼痛の軽減には効果を発揮しますが、骨転移を消失させてしまうほどの効果は期待できません。貴女の場合は転移再発乳癌の中でもかなり特異で治療の難しい症例なので、一度専門医のセカンドオピニオンを受けてみてはいかがでしょうか。セカンドオピニオンを受けることは、決して「主治医の誠意を無にする」ものではありません。(文責 千島)
【No.2232-7】 04年08月21日 F.T.
乳ガンの転移の治療、検査についてHPNo.2232で相談させていただきました。再度、教えてください。ホルモン療法を進め、5ヶ月ほどです。検査について教えてください。治療の経過や病状をみるため、検査を行っています。6月に造影CTの検査を行う予定でしたが、いざ検査となると、放射線科では、以前の造影CT検査で副作用があったため、造影剤なしのCT検査をしました。結果、造影CTと比べはっきりしたものをみることができなかったようです。8月にまた造影CT検査予定でしたが、放射線科では、造影剤なしのCT検査を進めました。造影剤をしないと説明もないまま検査が行われ、いやな気持ちが残りました。これまでの検査での副作用は、頬に一カ所湿疹ができたことと、まぶたのかゆみです。特に具合が悪くなることはありませんでした。検査3回ほど、同様な副作用がありましたが、造影剤CT検査を進めていましたが、6月、8月の検査は造影剤なしの検査になりました。検査の一貫性がみられないなと感じます(外来の外科の看護士さんは、「造影剤の種類もあるから、副作用があった場合、薬を変えてくれると思う」と言っていましたが、放射線科では、薬の変更を検討せずに造影剤なしの検査を進めました。)。主治医は造影剤でと言っていますが、放射線科では、今後造影剤はしない、検査によって命を落とす場合もあるといっています。現在の治療が効果があるのだろうか、病状はどうなっているのだろうかと期待と不安を持ちながら定期的な検査にのぞんでいます。自分の体で感じている症状が一番かと思いますが、検査結果に頼るところが大きいです。造影剤あり、なしのCT検査の違い、これから造影剤なしの検査でよいのか、CT検査はそんなに怖い検査であるのか、教えてください。よろしくお願いします。現在月1回、血液検査、時々CT検査を行っています。
造影剤によるアレルギーは、場合によっては重く出ることもあり、一度でも造影剤によるアレルギーを疑うような症状が出た場合、基本的に放射線科の医師は造影CTを取りません。その場合、解決策としては、部位によってはMRI でも検査が可能であるので、MRIに変更することです。ただし、MRIも骨以外は造影剤(CTとは違う造影剤)を使用するので、主治医と放射線科医とよく相談して、無駄な検査を受けずにすむようにしてもらって下さい。(文責 緒方)
【No.2232-8】 05年02月10日 F.T.
抗ガン剤とホルモン療法について昨年HPNo.2232で相談をさせていただきました。再度相談させてください。
昨年3月からホルモン療法(ゾラデックス+タスオミン)を進めてきました。症状も安定しており、脈絡膜の転移の症状も少し改善し、物のゆがみの状態が少なくなってきていました。体の状態は昨年春からみれば調子はいいと感じていましたが、昨年末から腫瘍マーカーNcc−St−439の値が上がってきました。H15年12月→120 H16年3月→130 4月→140 5月→110 6月→87 7月→76 8月→52 9月→57 10月→54 11月→55 12月→66 H17年1月→80。1月の診察の際、この状態を考え、主治医から抗ガン剤治療を考えた方がいいと話がありました。治療内容は、第一に考えているのはCAF、のみ薬でサイクロフォス・・(はっきり薬の名前が分けなく申し訳ありません)、点滴で5FU、注射でアドリアマイシン。1クール(二週間治療を行い、二週間薬を休む)を6回。また、現在行っているホルモン療法も継続して行うという説明がありました。次に行うとしたらタキソールとのことでした。質問です。
1) 薬の投与方法も、経口、点滴、注射等あるようですが、投与方法によって、体への負担や、薬の効き目に違いはあるのでしょうか。Cを経口ではなく点滴が現在は標準と言うことを聞いていますが、投与方法によって薬の効果に違いはありますか。Cについて経口より点滴の投与の方が良いのでしょうか。
2) ホルモン療法も継続していくことについて:
ホルモン療法と抗ガン剤を併用するのは良くないと文献で見ました(どちらの治療が効いているのか、否かがわからない)。また、再発の場合は併用してよいということも聞いています。再発治療の場合のホルモン療法と抗ガン剤の併用について教えてください。
3) 併用していくとしたら、今までのホルモン剤(タスオミン)が効かなくなったと考え、第2のホルモン剤治療のアロマシンやアリミデックスに移行することになりますか。しかし、昨年4月の時点では閉経前でした。閉経後に適応するアロマシン、アリミデックスは使えないことになります。現在、まだ閉経前であった場合、今まで同様のゾラデックス+タスオミンの治療を抗ガン剤と併用することになるのでしょうか。
よろしくお願いします。1) 薬の投与方法によって、負担や効果には違いがあると思います。しかしこうした方が良いという十分なエビデンスはあまりありません。CAF療法のサイクロホスファミドは以前経口でいくのが標準でしたが、現在では欧米の影響を受けて点滴の方がよく行われています。どちらでも効果に差はないと感じておりますが、経口の場合飲み忘れる人が意外に多くいました。その点、点滴だと確実です。
2) この点についても十分なエビデンスはないと思います。しかし私は再発の場合もホルモン剤と抗癌剤は併用はいたしません。抗癌剤を投与している間はホルモン剤を中止し、抗癌剤の投与が終ったら再開するようにしております。ホルモン剤と抗癌剤が互いに作用しあって夫々の効果が弱くなる可能性があるからです。
3) 現在の状況では、ホルモン剤を変更する必要はないと考えますが、主治医とよく相談してください。(文責 吉田)
【No.2232-9】 05年03月14日 F.T.
抗ガン剤治療とホルモン療法の選択についてHPNo.2232、HPNo.3486で相談させていただいた者です。再度よろしくお願いします。HPNo.3486で相談させていただいた通り、現在の体の状態は特に以前より悪化しているとは感じられませんが、昨年末からNCCーST439の値が徐々に上がってきており、主治医から抗ガン剤治療を勧められています。先日、今後の治療についてセカンドオピニオンを受けたところ、緊急性がないようなので、次のホルモン療法(ゾラデックス+アリミデックス)でいったらどうだろうかと言われました。自分の中では、ホルモン療法でいけるようなら、体にあまり負担のないホルモン療法を選択していきたいのですが、ご意見をお聞かせください。よろしくお願いします。
現在症状の増悪が認められず、腫瘍マーカーのみの上昇であれば、抗がん剤治療でなくホルモン療法の変更で対処するのでも良いと思います。ホルモン治療を変えて、症状が悪くなるようでしたら抗がん剤に移るということでもいいのではないかと考えます。(文責 稲葉)
【No.2232-10】 07年02月25日 F.T.
乳がん再発治療と胃がんHPNo.2232で相談をさせていただきました。再度相談をお願いします。ホルモン療法で再発治療を進めてきました。治療内容は16年〜18年3月 ゾラデックス+タスオミン、18年4月〜18年12月 ゾラデックス+アリミデックス、19年1月〜 アリミデックスのみ。脈絡膜、骨転移は特に症状が悪くなることはなく、日常で生活に支障はありません。声帯麻痺については、リハビリ・声帯注入術を受け、だいぶ声も出ています。NCC-STー439のみ数値が高く、2月の検査では35でした。3年間休職をしていましたが、この4月から職場復帰をする予定です。そんな状況の所、胃ガンと診断を受けました。胃に転移があったので、胃カメラ検査を半年に1回ずつ行なってきました。今年の胃カメラ検査で「乳がんからのものではなく胃ガンでしょう(断定はできないが)」との診断を受けました。3年前も本当に乳がんからの転移なのか、非常に不安でセカンドオピニオンも受け、相談室にもお世話になりました。今後の治療は、「胃については乳がん再発治療をしているので手術は対象にならない、現在の治療を継続し、半年ごとに胃カメラで経過をみていきましょう」とのことでした。また別のがん、気が重くなっています。今後の治療として、どのような治療が考えられますか。脈絡膜、骨転移は胃ガンからということは考えられないでしょうか。もしかしたら乳がんは転移してなかったのかな等と、しろうとながら思ってしまったり・・・。宜しくお願いします。
胃癌が脈絡膜や骨転移を起こす可能性は否定できませんが、骨は乳癌の転移として非常に多い場所ですし、脈絡膜も時に乳癌が転移することで有名です。経過からみて乳癌の転移と考える方が素直です。胃癌と乳癌の両方の治療を行うのは非常に難しいと思いますが、両者に有効とされている抗癌剤(TS-1やパクリタキセル)などで治療を行うことが考えられます。(文責 吉田)
【No.2232-11】 07年03月01日 F.T.
乳がん再発治療と胃がん(2)ご回答ありがとうございました。再度質問させて下さい。乳がん、胃がんの両者に有効とされている抗ガン剤での治療が考えられるということですが、現在主治医から出されている乳がんの治療の継続で胃に関しては経過観察をしていくという治療内容に関して、治療の一つの選択肢として考えてよいのでしょうか。現在の治療の継続で乳癌、胃がんとも症状が安定してくれていたら嬉しいのですが・・・。宜しくお願いします。
胃がんか乳癌の転移かというのは鑑別が非常に難しいもので、胃がんと言われたから直ちに方針を変えないで今まで通りの治療を続け経過をみるのも良いと思います。しかし胃の病変だけがすすむようでしたら、先にあげた抗癌剤等を使わざるを得ないと考えます。(文責 吉田)
【No.2232-12】 08年08月21日 F.T.
乳がん転移治療内容の変更について2004年3月に初めて相談させていただいたHPNo.2232のFTです。また、よろしくお願いします。
2004年から再発治療を始め、ホルモン療法で5年目に入りました。脈絡膜転移、半回神経麻痺、骨転移。胃の腫瘍に関しては、転移か原発かではっきりしないところがありましたが、乳がんの転移の治療で経過をみていくということになり、現在、胃の症状が悪化することなく過ぎている状況です。腫瘍マーカーは再発当初からNCC-ST-439のみが異常値です。ホルモン療法を始め、2004.3〜 ゾラデックス+タスオミンにより マーカー値140〜52に下がりましたが、徐々に上昇し、値が140までになったので、2005.8〜 ゾラデックス+アリミデックスの治療に変更しました。薬を変更し、徐々に値が下がり、2006.3には27までになりましたが、その後、値が徐々に上がり始め、2008.6には120になりました。先月7月に骨シンチ、CTの検査を行なったところ、骨転移が増しているということで、治療変更となりました(胸骨,頸椎,胸椎,肋骨等,その他は把握していません)。内容はゾメタ+アリミデックスです。ゾラデックスは年齢52才ということで、そろそろやめてもよいのではということでした。新しい治療は9月から開始ということになっています。アリミデックスが効かなくなったのかなと思ったのですが、アリミデックスの変更がないので、このような治療変更は妥当であるのか教えていただきたいと思います。体の変調、自覚症状は特にありません。よろしくお願いします。経過から言って妥当だと思いますが、閉経後であるかどうか、ゾラデックスを休薬し、エストロゲンなどの血中女性ホルモンを調べてみながら、中止でいいか判断するのがよいと思います。(文責 石山)
【No.2231-1】 04年03月09日 N
スキルス乳癌こんにちは。私の友人がスキルス乳がんと診断されました。大きさは約2cmで、自覚症状はありません。転移は実際に手術をしてみないと分からないらしく、自分の命が助かるのか不安だそうです。今のところ、腋の下にシコリはありません。スキルス胃がんと同じようなものらしですが…。スキルス乳がんについての詳しい情報と、手術をすれば助かる見込みがあるのか知りたいです。教えてください。
スキルス乳癌、恐らく通常の浸潤癌の一つのタイプである硬癌(scirrhous carcinoma)のことをいわれていると思います。胃癌のスキルスとはだいぶニュアンスは異なると思います。わが国では浸潤癌を浸潤性乳管癌と特殊型に分けます。この浸潤性乳管癌を3つの組織型に分類し、その中に硬癌があります。浸潤性乳管癌(最も頻度が多い)の他の2つの型に比べて、硬癌はやや予後不良といわれていますが、胃癌のスキルスほど特に予後が不良であるということはありません。硬癌は乳癌全体で約50%程を占めるといわれ、特に珍しいタイプでもありません。乳癌の予後因子としては、組織型よりしこりの大きさやリンパ節転移の有無の方が影響の大きな因子です。しこりの大きさが2cmということは割と早い段階ですから、きちんと手術や術後の補助療法を行えば大部分の方(85%程度)が助かる段階です。組織型はあまり気にせず、希望をもって治療を受けることをお勧めします。(文責 稲葉)
【No.2231-2】 04年03月11日 N
スキルス乳癌(2)先日、スキルス乳がんについてメールしたものです。血液検査の結果、転移の可能性は少ないみたいです。手術は乳房温存か全摘出かで悩んでいるようです。温存手術と全摘出の内容を教えてください。手術は、がんセンターや有名医大病院のほうが、やはり安心なのでしょうか?
乳房温存術というのは乳房全部を切除せずに、乳房の一部と脇の下のリンパ節を切除し、乳房を残す手術で、全摘出(恐らく乳房切除術のことだと思います)は乳房全体と脇の下のリンパ節を切除する手術です。乳房温存手術の場合は術後に温存した乳房に放射線を照射することが多いです。乳房切除の場合は特別な場合を除いては術後に通常は放射線をかけません。乳房温存療法については、詳しくは日本乳癌学会ホームページ(http://www.jbcs.gr.jp/)に乳房温存療法ガイドラインがありますので、ここを見てもらうといいと思います。温存療法の適応はガイドラインによると1)しこりが3cm以下のもの、2)広範囲の乳管内進展を示さないもの、3)しこりが多発でないもの、4)放射線照射が可能なもの、5)患者様が希望することなどとなっています。乳房切除は現在は胸の筋肉は残すことが殆どで、術後は男性の胸のように平坦になります。但し乳頭は切除します。手術を受ける病院はがんセンターや有名な医大でなくても、地域の中核病院であればほぼ問題ないと思います。できれば外科に乳腺外科を専門にやっている外科医がいる病院がよいと思います。また温存療法の場合は放射線照射の設備が整っていて、病理医が常勤でいる病院がより望ましいと思われます。(文責 稲葉)
【No.2230】 04年03月09日 rei
血性分泌昨日お風呂に入っていたら乳首の真ん中のところから血が少し出ているのを発見しました 痛みなどはないのですが、検査は必要ですか? 必要な場合、どんな検査をすればいいのでしょうか? マンモグラフィなど、検査が痛いというのをよく聞くので、不安で行き辛いです。検査に時間はかかるのでしょうか? 私は陥没乳頭です。乳癌が心配なので相談しました。血性分泌はほっておいたら悪化するのでしょうか? お忙しいとは思いますが、ご回答よろしくお願いします
血性乳頭分泌の症状があるということですから、やはり乳腺外来で診察を受けた方がいいと思います。血性乳頭分泌の原因としては良性の乳管内乳頭腫などがありますが、乳癌の症状でもありますので、検査することをお勧めします。検査はマンモグラフィや乳房エコー、分泌液中のCEAを測定(マンモテック)、乳管造影(乳頭から造影剤を注入して乳房のレントゲンをとる)などがあります。乳管内視鏡の設備がある病院なら、乳管内視鏡なども必要に応じて行うこともあります。(文責 稲葉)
【No.2229-1】 04年03月09日 M・T
乳頭からの分秘物中学2年の14歳です。結構前からだったのですが、お風呂に入ると乳頭から白い分秘物が出てきます。お風呂じゃなくても、何かぬれているような感じです。それと、毎日っていうわけではないのですが、胸がズキズキ痛いことがあります。かゆみもあります。あと、しこりっていうのが何のことなのかよくわかりません。教えて下さい。10代で乳がんはあり得ないって、ほとんどのホームページに書いてあるのですが、乳がんじゃないとしたら、何か違う病気なんですか? また、何でこういう症状(?)になるのか教えて下さい。
メールの内容から察すると、恐らく思春期の第二次性徴に伴う変化だろうと思います。思春期は男子でも女子でもホルモンの分泌が活発になりますので、ホルモンにより乳房の乳腺という組織が刺激され分泌物がでたり、胸がはったり、痛んだり、かゆみなどの症状がでるのです。しこりとは簡単にいうとまわりの場所より硬くさわることと考えて下さい。特に心配はいらないと思いますが、一度乳腺外科の先生に診てもらっても良いと思います。(文責 稲葉)
【No.2229-2】 04年05月29日 M・T
14歳ですHPNo.2229のM・Tです。いろいろ質問があるので書きます。
・乳倫の大きさが左右違うのですが、大丈夫ですか?
・左胸だけ乳倫の皮がむけて、下着にくっついています。
・左胸の乳倫だけ血(か分からない)のようなものがあります。
・しこりはないのですが、白い分秘物は相変わらず出ています。分秘物をとった後、乳頭の奥が赤っぽくなっています。
・お風呂で、お湯でぬらすと乳倫の大きさが縮みます。
大丈夫なのでしょうか? すごく心配なのですが、親とはそういう話はしたことないし、とても言えません。教えて下さい。どの症状もあまり心配なさそうです。14歳ですので、いろいろホルモン的にも、発達的にもまだまだ途上ですので、様子をみられたらいかがでしょうか?皮がむける、少し出血する?そのあたりは、少し皮膚炎みたいなものもあるかもしれません。心配であれば、乳腺外科の受診をしてみてください。(文責 鈴木)
【No.2228-1】 04年03月09日 mika
術後の治療についてはじめまして。1ヶ月前に、右乳房温存療法で手術を受けました。現在放射線の治療中です。術後の治療について悩んでいます。35歳閉経前、硬ガン、腫瘍径:16x11mm、ER:+10%以上、PgR:+10%以上、グレード2、リンパ節転移なし、CT、骨シンチでの検査では遠隔転移なし。ステージ1です。
@ 今後、できれば妊娠を望んでいるのですが、今後の治療は、ノルバデックス5年、LH−RHアゴニスト2年、もしくは何もしなくても良いのでしょうか?
A LH−RHアゴニストにした場合、ゾラデックス、リュープリン、2種類あるそうですが、何か違いが有るのですか? 乳がんの方はゾラデックスの方が多いように思いますが・・・。
B 年齢も若い事から、抗がん剤などの併用も考えた方が良いのでしょうか?
比較的早期なのかもしれませんが、当人にとっては大問題で悩んでいます。お忙しいところ申し訳ありませんが、良きアドバイスをお願い致します。術後の補助療法についてですが、35歳のリンパ節転移のない乳癌の方で、しこりが2cm以下、ホルモンレセプター陽性、グレード2であれば、グレード2ということから何らかの補助療法をやった方がよいというグループに入ります。欧米のガイドラインに従えば、LH-RHアゴニスト+タモキシフェン(ノルバデックス、タスオミンなど)か、化学療法後LH-RHアゴニスト+タモキシフェンになると思います。化学療法とホルモン療法を併用する場合、同時には行わず、化学療法終了後ホルモン療法がよいといわれています。化学療法を付け加えた方がいいかどうかは難しいところです。あなたのような病理結果であればホルモン単独の場合と化学療法+ホルモン併用の場合と、それほど再発を抑える効果は差がないように思われますが、確かに若いということを考慮すると化学療法を併用するという意見も正しいと思います。主治医の先生と相談して下さい。
LH-RHアゴニストはゾラデックスとリュープリンがありますが、効果は変わりません。確かにゾラデックスの方が多く用いられていると思います。ゾラデックスはおなかの皮下の脂肪に注射です。リュープリンは通常の注射と同様に肩などの皮下に注射します。(文責 稲葉)
【No.2228-2】 04年04月24日 mika
術後の治療について(2)No.2228で、ご回答頂いたものです。先日はありがとうございました。術後の補助療法の件ですが、主治医は、「 ノルバデックス5年か、LH−RHアゴニスト2年、どちらかのみで良い。妊娠のことを考えると無治療という選択もあるのでは」とのことでした。ノルバデックスは内膜症が厚くなるそうで、子宮内膜症持ちの私は、LH−RHアゴニスト2年の治療を選びました。しかし前回頂いたご回答で、「欧米のガイドラインに従えば、LH-RHアゴニスト+タモキシフェンか、化学療法後LH-RHアゴニスト+タモキシフェンになる」とのことで、不安で気になっております。やはり、ノルバデックスを追加したほうが良いのでしょうか? 追加した場合、どれくらい予後に差は有るのでしょうか? 子宮内膜症持ちの場合、ノルバデックスは使用しないほうが良いのでしょうか? 何度も申し訳ありませんが、良きアドバイスお願い致します。
確かにguidelineではLH-RHアゴニスト+タモキシフェンが推奨されますが、妊娠をご希望であれば、LH-RHアゴニスト2年というにはreasonableな選択だと思います。正確な数字は忘れましたが、確かに併用した方が再発率は減少します。しかし、妊娠ということを考慮するとLH-RHアゴニスト単独がbetterと思います。ノルバデックスは確かに子宮内膜に刺激的に働きますが、だからといって子宮内膜症の方に使えないということはありません。(文責 清水)
【No.2227】 04年03月09日 M.K.
陥没乳頭こんにちは。私は22歳です。五年ほど前に、健康診断で、陥没乳頭だから治した方がいい」と言われました。そのときはさほど気にしていなかったのですが、先日、雑誌で、「陥没乳頭は乳がんになる」とあったのです。昨日、お風呂をあがるときに鏡をみたら、胸(特に左胸)に、青く血管の筋がはっきりとみえました。乳がんにもこのような症状はあるものですか? すごく心配で、近々、病院に行ったほうが良いのか悩んでいます。
陥没乳頭ががんになるということはありません。乳がんの症状に乳頭のひきつれがありますが、陥没乳頭がもともとあると、この乳癌による乳頭のひきつれと区別が付かなくて乳癌を見落としてしまう可能性があるので、自己検診の時など陥没乳頭の方はよく注意して乳房を触りましょうということです。胸が青いというのはがんの症状とは違うと思いますが、念のため病院を受診されるのがよいと思います。(文責 稲葉)
【No.2226-1】 04年03月09日 ラッキー
骨への転移についてはじめまして、妹(39歳)の乳癌についてご相談があります。宜しくおねがいします。初診で骨への転移があり、乳房の病原も3cmほどあったので、手術は見送り、抗がん剤のみでの治療が始まり、9ヶ月がたちます。その間に1クールずつ2種類の抗がん剤を投与しました。先日、骨シンチグラムの検査をしたところ、骨への転移は一箇所増えたとの診断がありました。病原は小さくなりましたが、やはり手術は無理とのこと、また別の抗がん剤を投与するしかないと言われたそうです。内臓への転移が心配です。
・ 骨の転移は、頚椎、背骨(真ん中くらいの場所)、骨盤にあります。痛みはないのですが、生活するうえで何か注意する事は?
・ 医師からの説明は患者本人のみが聞いたのですが、家族だけで再度聞いたほうがいいでしょうか?
・ 説明の時に主治医から、セカンドオピニオンとして別の病院で診てもらっても良いと言われたそうですが、今は一般の病院での治療なので、やはり、ガンセンターで診察を受けるのがいいでしょうか? また、その場合、診察のみしてもらい、医師同士の意見交換は出来るのでしょうか? 治療は今の主治医に今後もしてもらえるのでしょうか?(患者が強く希望しています。)生活する上での注意点です。特にこれをやってはいけないということはありませんが、骨転移は病的骨折をおこしやすい為、ひとつの箇所に荷重がかかるようなことは避けた方がよいでしょう。また背骨(椎骨といいます)に転移がある場合、椎骨が病的骨折をおこしてつぶれてしまうことがあります。その際に脊髄や脊髄から出ている太い神経を圧迫して麻痺症状がでることがあります。神経圧迫による麻痺が出た場合、すぐに手術をして圧迫を除去すると麻痺が改善することがあります。この圧迫を解除する手術(除圧術)は麻痺が出てから1〜2日以内に行わないと効果が見られません。ですから麻痺やしびれなどの症状がでたら、すぐに主治医の先生に連絡をなさるようにして下さい。
患者様の病状など医師からの説明は、家族の方も聞いた方が良いと思います。本人と一緒に聞いた方がよいか、家族だけで聞いた方がよいかは、それぞれのケースで違いますので、主治医に相談なさって下さい。
骨転移があり、現在も進んでいることを考えると、これからいろんな意味で頻回に病院通院をしたり、入院ということになるかも知れません。その様な場合、一番いいのは自宅に近い病院です。一般病院でも、ある程度の規模の公的な病院であれば、治療は専門施設とほとんど変わりない水準ですから、専門施設を受診する必要はないと思います。もちろんセカンドオピニオンは可能です。その際に医師同士の意見交換も可能ですし、セカンドオピニオンを受けても今の病院の主治医に診てもらえると思います。(文責 稲葉)
【No.2226-2】 04年03月31日 ラッキー
足のしびれについてNo.2226で相談したものです。先日は有難うございました。その後、妹は主治医に紹介してもらい、ガンセンターに行ってきました。その結果、今の主治医の治療を続けることで良いとの見解でした。現在週1回の点滴治療、3回1クールを終了し、1週休んでからまた続ける予定です。点滴後もはきけなどの副作用もなく、元気に見えるのですが、ほてりが出るとよく言い、急に熱くなったり、寒くなったりするそうです。副作用のせいでしょうか? 最近、つま先がしびれるような(つまさきが冷たい)症状が続くようでしたが、今日は平気だといいます。退院してからなので、疲れからかもしれませんが・・・、先日の回答にあった神経を圧迫しているのではないかと心配です。病原を残したままでの抗がん剤治療では、転移を食い止めることは無理なのでしょうか? 進行を遅くすることしか出来ないのでしょうか? 痛みが出たときは放射線治療でやわらげると医師は言うのですが、放射線治療は体力の消耗が大きいのでは? ほかに方法はないのでしょうか? 骨シンチの検査は定期的に行うのが通常なのでしょうか? 回答よろしくお願いします。
おそらくタキサン系(タキソール、タキソテール)の抗癌剤をお使いなのだと思いますが、ほてり(紅潮)や、末梢神経症状としてのしびれは副作用として時に経験します。ただ、頚椎や背骨(真ん中辺り)の転移があったとのことで、その進行による症状の可能性もあり、主治医の先生にお尋ねください。病巣を完全になくすことは難しいかもしれませんが、長期間ほとんど変わらずにコントロールできることは時に経験します。痛みに対しての放射線治療も確かに効果的で、場所やその病変の程度にもよりますが、できるだけ照射野を絞って身体への影響を抑えることができます。もう一つ溶骨性の転移で高カルシウム血症を伴うような症例にはビスフォスフォネート製剤が奏効する事があります。症状に応じて骨シンチやCT、MRIなどの画像で病巣の変化を追いかけ、適した治療法を考えていくのが通常です。(文責 片山)
【No.2225】 04年03月05日 Y.T.
セカンドオピニオンを下さいセカンドオピニオンをください。30歳女性です。先日、右乳房に3つの悪性腫瘍が見つかりました。リンパに転移がある可能性も否定はできないとのことです。万が一転移があれば、2期とのことでした。しこりが離れてあるため、全摘出するしかないとのことでした。しこりは一番大きいもので2センチほどになっているそうです。他のHPなどで、科学療法でガンが消滅してしまった人を知りました。先生自体は、私の場合はしこりも多いので手術が妥当という感じだったのですが、やっぱりそうなのでしょうか? ガンを消滅することが一番大切なのはわかるのですが、乳房をとってしまうのは、すごく自分のなかでショックになりそうで、悩んでいます。他の病院を回れば、他の方法が見つかりますか? なんだか検査検査で疲れてしまいそうで、どうしてよいのかわかりません。是非アドバイスをください。
3個のしこりがあるとのことですが、通常は乳房切除になると思います。しかし乳房をどうしても切除したくないというのであれば、3カ所とも部分切除で行うことも不可能でないと思います。(但し断端陽性となることは覚悟の上です。)また手術前に抗癌剤による術前化学療法を受けて、しこりが小さくなったり、1個でも消失すればより切除範囲が小さくて済むかもしれません。但し抗癌剤が効かない場合、しこりが大きくなる可能性があること、抗癌剤の副作用といったことも承知する必要がありますが。癌の根治を第1に考えるなら乳房切除ですが、多少癌が残存する可能性があっても乳房を残したいというのであればいくつか選択肢はあると思います。(文責 稲葉)
【No.2224】 04年03月05日 MO
3次元ピンポイント照射宮城県に住む30歳です。先日病院から乳がんといわれました。私の乳がんはU期とV期の間であり、リンパ節にも転移があるといわれました。左胸の腋の下に2ヶ所あるといわれました。大きさは1.6×2.3です。始めは、その先生の手順通り温存療法で、部分切除の手術、抗がん剤、放射線、ホルモン療法をやることになっていました。その入院等の準備もしていました。そんな折、知人から、切らずに放射線で治療する方法を書いた本をもらい、そちらにしようと一歩進んだところです。「3次元ピンポイント照射」という方法です。切る手術は一般的で確立された治療法といわれていますが、私は切ることに抵抗がありました。はじめの病院の先生からは、リンパをガッチリ切ることによって浮腫があるだろうといわれました。私はまだ30歳で、これから子どもを産んだり、仕事(福祉系の仕事を今までしていました)をしたり、育児だって体力仕事だと思います。そんな中で「手がむくんだからできません」では済まされないと思うし、やはり自分の手でいろんな事をまだまだしたいという思いがあり、そのリスクが少ないと本に書いてあり、放射線の3次元ピンポイント照射の治療を選びました。ただ、やはり症例が少なく、開始されてから4年あまりと聞きました。相談室の知っている範囲で、この治療の有効性や、それについての詳しいことが書いてあるホームページなどの紹介、もしその治療を受けた方の患者会、医療界での評判など、何でもいいので教えていただけたらと思います。治療にあたっては、やはり担当してくださる医者とパートナーシップを持って取り組んでいきたいし、その土台の部分を助言していただけたらと思ってメールしました。よろしくお願いします。
3次元ピンポイント照射についてですが、申し訳ありませんが、私は全く知りませんのでコメントできません。乳癌を手術せずに薬物や放射線だけで治療するというのは、効果は不明で長期的成績も出ていないため、現時点では標準的な治療といえません。最近手術前に抗癌剤を投与する術前化学療法が行われていますが、このデータをみると、抗癌剤だけで顕微鏡レベルで癌が消失したのは10数%です。乳房の原発巣に対して放射線のみで治療した場合の効果や長期成績などもないと思います。脇の下のリンパ節に対して切除せずに放射線だけで治療した場合の効果や成績はいくつかありますが、数が少なくて、手術と比較して成績がどうであるといった検証はまだできない状況です。現時点では主治医の先生のいうような手術、抗癌剤、放射線を組み合わせた治療が最も確実な方法といえると思います。ただ手術は合併症のリスクなどもあり、最終的には患者様の同意を得て行わなくてはいけません。主治医の先生とご相談されるのが良いと思います。治療を受ける病院ですが、乳癌の治療は手術や抗癌剤などの治療が終わった後も長く経過をみる必要があり、何かあったときすぐ対処できる方がよいので、自宅に近い病院がよろしいかと思います。(文責 稲葉)
【No.2223】 04年03月03日 nonko
両乳房のかゆみ25歳独身です。最近両乳房のかゆみが気になります。蕁麻疹持ちなので、あまり気にしていませんでしたが、乳輪は一部変色して小さい赤い点々があるみたいで、酷いときは分泌物が出たらしく、下着についてしまいます。透明のものですが、時間が経って黄色になって下着に付着しています。乳首も痒く、皮がむけます。今はバンドエイドをはったりしていますので、衣類に直接触れなければ症状はそれほどでもありません。下着と合わないのか、何か病気かと、心配です。どうしたら良いでしょうか。
メールの内容から判断する限りでは悪性の病気の可能性は少ないと思います。ただやはり一度乳腺外来を受診して専門医の診察を受けていただいた方が良いと思います。(文責 稲葉)
【No.2222-1】 04年03月03日 和
病理検査の結果について52歳です。18日に手術をし、今日病理の結果を頂いてきました。悪性度は1といわれ、術後は、腫瘍も小さくリンパにも転移がないので放射線治療だけということで、心も軽く、もう治った様な気持ちで帰ってきました。帰ってから、頂いた報告書を見ていて気になることがあります。大丈夫といわれて帰ってきたのですが、ひょっとして転移の可能性は高いのではないか。ごく初期だったので悪性度は低く抑えられたけれど、既に散らばったものが活発になってきた時は、急を要するのではないかと心配になりました。厚かましいお願いですが、結果を書きますので、ご判断いただけないでしょうか? まず、原語で書いてあったので意味を調べて自分が硬癌であったと分かりました。
病理診断 Scirrhous carcinoma of the right breast,partial resection. 硬癌と言うのは、進行が早いんですよね。
<所見>
腫瘍の大きさ 1.1 x 1.0 x 0.5cm
原発巣のT分類 T1c
腫瘍の割面 白色調、境界明瞭で充実性である。
組織 小型の腺腔を作って増生し、線維の増生を伴う。 乳管内病変はごく僅かに認められるものである。
娘結節 (−)
乳腺外脂肪浸潤 f(+)
皮膚浸潤、筋肉浸潤、胸部浸潤、乳管内病変の程度、全て(−)
リンパ管侵襲 1y1
静脈侵襲 v0
核異型スコア、核分裂像スコア 、共に(1)
HER2 スコア (2)
ER スコア 浸潤部(3) PgR スコア 浸潤部(3)
切除断端と距離 (−)
リンパ節転移 (−)n0
術中迅速診断 センチネル (0/2)
合併病変 Mastopathy
今、とても不安になっているのは、硬癌であるということと、HER2が2であるということ、リンパ管と脂肪組織に僅かに浸潤していたということです。HER2が2ということと、硬癌ということは、進行が早い、たちの悪いタイプですよね。これは、再発転移の可能性は、腫瘍が小さいとはいえ高いということでしょうか? そう覚悟して、注意を怠らず全身を注意して観察していったほうがいいのでしょうか? そうでなければ、下手をすると手遅れになり易いタイプの癌だということでしょうか? つい、悪性度が低いと聞いて浮かれていましたが、乳癌はできた時に既に全身に散らばっているということを考えると、次の転移への注意と、ある程度の覚悟をしたほうがいいのでしょうか? 放射線治療以外に、ホルモン療法もしておいたほうがいいのでしょうか? お答え頂ければうれしく思います。欧米の術後の補助療法のガイドラインの考えに従えば、リンパ節転移のない乳癌において、しこりの大きさが1cm程度で核異型度が1、ホルモンレセプターが陽性、年齢が52歳であれば、補助療法は全く無しか、または何か使うとしたらタモキシフェンを用いるか(但しタモキシフェンは服用しても服用しなくてもよい)という方針になります。ですからこの考えにのっとれば、術後放射線療法のみで問題はないということになります。不安に感じている硬癌という組織型やリンパ管への侵襲、脂肪織への浸潤やHER2スコアという因子は考慮されません。それは欧米では組織型は日本のように細かく分類しませんし、リンパ管侵襲や脂肪浸潤など一般臨床での病理レポートではあまり記載されないからなのかも知れません。これらの因子より、しこりの大きさやリンパ節転移の有無、ホルモンレセプターの状態、年齢といった因子の方が予後に及ぼす影響が大きいことは確かですので、このため欧米では組織型やリンパ管侵襲、脂肪浸潤(波及度)などは術後の治療方針を決める場合にあまり考慮されないのです。ただ仰るとおり組織型(硬癌であること)やリンパ管侵襲陽性、HER2スコアが高いことはいずれも予後因子としてはあまり良くない傾向を示していますので、幾分かは注意を払って経過をみていった方が良いかも知れません。もし何か補助療法を加えるとしたらホルモン剤(ガイドラインに従えばタモキシフェンですが、実際の診療現場では閉経後であればアロマターゼ阻害剤でしょうか)をやることになると思います。(文責 稲葉)
【No.2222-2】 05年02月25日 和
再発率についてこんばんは、和と申します。No.2222で、病理検査後の補助療法について質問させていただいたものです。お陰さまで、放射線以外補助療法なしで1年が過ぎました。つきましては、お聞きしたいことがございます。私の場合10年生存率は90パーセントということですが、10年間の再発率はどれくらいと思っておけばよろしいのでしょうか? 生存率も大切ですが、自分がどれくらいの再発のリスクがあるのか知って、気を引き締めたいと思います。宜しくお願いいたします。
10年間の再発率は10%以上(〜20%位まで)と考えられます。(文責 石川)
【No.2221】 04年03月03日 M.I.
センチネルリンパ生検について大変お忙しいところ申し訳ありません。67歳の母の乳がん手術についてお尋ねします。2月末に右側乳頭内側、乳頭下に約2X4の癌が見つかり(組織検査済み、石灰化あり)、病期はVb、手術法は温存も出来るとのことでしたが、安全を期して全摘でお願いすることにしました。ただ、リンパ節への転移については、「しこりがあり、エコーでは影が認められるが、癌の転移かどうかは五分五分」とのことで、手術では腋下と鎖骨下のリンパを郭清すると言われました。リンパ節を除去した場合、痺れやむくみなどの後遺症が残るとのことですが、どの程度なのでしょうか。また、センチネルリンパ生検の正確さはどの程度なのでしょうか。母のケースではセンチネルリンパ生検をするまでも無く、リンパを除去するほうが安全なのでしょうか。手術を受ける予定の病院では設備も不十分なので、センチネルリンパ生検をするとすれば大きな病院に替わる必要があります。手術が1ヶ月以上先にのびることによるリスクを考えると(現在3月上旬の手術を予定しています)、このまま乳房全摘、リンパ節除去で手術を受けたほうがよいのでしょうか。転移の有無を調べる全身的な検査は今行っているところで、まだ結果はわかっていません。先生のご経験から、できるだけ詳しくご回答いただければ幸いです。
お母様のようなケースの場合はセンチネルリンパ節生検はやらない方が良いと思います。手術は主治医の先生の仰る乳房切除、リンパ節切除が望ましいと考えます。しこりの大きさなどから考えると、温存より乳房切除の方が勧められます。リンパ節切除については、確かにリンパ節切除に伴う腕の腫れやむくみの可能性はありますが、切除することによって生ずる治療効果(リンパ節に転移があった場合など)のメリットの方が大きいと考えます。
センチネルリンパ節生検はまだ標準的な治療ではありません。この手術で行った場合の長期的な成績はわかりませんし、通常はしこりが2〜3cm程度以下で、脇の下のリンパ節を触れないものを対象に試験的な治療として行うものです。この手術の目的は恐らくリンパ節転移がないであろうと思われる方に、リンパ節切除することによって生じる腕の腫れやむくみをなるべく減らす目的で行う手術です。お母様のようにリンパ節転移の可能性が高い方(しこりの大きさやまた触診でリンパ節が触れたり、エコーでリンパ節が写ることを考えると転移の可能性は高いと思われます)は、きちんとした標準的な治療であるリンパ節切除をする方が望ましいと考えます。センチネルリンパ節生検の正確性はセンチネルリンパ節生検の経験豊かな施設でも95%程度です。(文責 稲葉)
【No.2220】 04年03月03日 M
本手術の延期についてはじめまして。48歳です。乳頭より血性分泌があり、1月19日に生検手術(乳腺区分切除)を行ったところ、2月17日に非浸潤ガンとの結果がでました。ただちに全摘手術(リンパ郭清なし)をする予定だったのですが、その直後に腰椎間板ヘルニアを起こし、腰痛のために手術を延期していただいております。「非浸潤ガンは進行が遅く、リンパに転移しないので大丈夫」と言われていますが、生検手術からすでに一ヶ月以上経っており、このまま延ばしている間に浸潤ガンに移行してしまうのではないかと、気が気ではありません。そこで、ご質問なのですが、このような状態で最長でどのくらいまで手術を遅らせても影響ないのでしょうか。お忙しいとは存じますが、よろしくお願い致します。
生検で非浸潤癌と診断され、その後再発した例を検討した結果から推測すると、一般的に非浸潤癌から浸潤癌に進行するまで数年はかかると言われています。ですから非浸潤癌が1,2ヶ月で浸潤癌に進行するということはないと思います。但し今回の場合で考慮しなければいけないのは、生検は小範囲しか切除していないので、癌の病変がまだ残存している可能性があります。この残存している組織が非浸潤癌とは限りません。残存しているかもしれない病変が浸潤癌の可能性があるならば、やはりなるべく待たずに手術した方が良いと思います。一般的には癌と診断がついたなら最長でも3ヶ月程度以内に手術を行うのが良いと思われます。(文責 稲葉)
【No.2219】 04年03月03日 Y.S
左脇下のしこり14歳の中学2年生なんですが、つい最近、左の脇の下に1cm弱ぐらいのしこりができました。真ん中に黒い点みたいなのがあり、普通に触ることもできるし、つかもうと思えばつかめることもでき、つぶすこともできそうで、この間つぶそうとしました。そしたら、汁がでてくる感触?が少ししました。全然痛くありません。ガンなのでしょうか?親にまだ言ってないんですけど・・・、すごく不安です。
メールの内容からすると、がんの可能性は少ないように思われます。心配はいらないと思いますが、実際診察しておりませんので、一度外科の先生に診てもらって下さい。(文責 稲葉)
【No.2218】 04年03月02日 R.I.
細胞診クラスDについてこんばんは、夜遅くにすみません。この相談室に感謝しています。51才です。1年半前に右乳癌で乳房温存術を受け、その後25回放射線を受けています。2月初めの定期検査でエコーを受け、「癌ではないか」ということを言われ、細胞診をしました。その結果、「クラスDで1.1センチ大の癌です。」と言われました。2回も癌ができるようでは、この先また出来る可能性が高いのではと、思い切って全切除術を受けることにしました。ところが、その手術の途中で行われた顕微鏡の検査では、癌細胞が一つも見つからなかったそうです。それで、全切除術が急遽、部分切除術に変わりました。放射線で変形した線維腺腫だったそうです。クラスDと言われ、この一月とても苦しい思いをしてきました。これから先も定期検診を受けていかなくてはいけませんが、またこんなことがあるのではと不安です。細胞診のクラスTからクラスDというのは、どのくらいの信頼性があるのでしょうか。クラスDというのは確実に悪性であるものと、何かに書いてあったと思いますし、主治医からもはっきり癌と言われました。そうでない場合があるのでしょうか。
乳腺の細胞診の検査は通常、細い針を刺して細胞を採取するので、その診断は100%確実とは言い切れません。実際は癌なのに癌細胞という結果がでないこと(偽陰性)や、良性の病気なのに悪性という結果になること(疑陽性)があります。偽陰性の原因としては病変にうまく当たらなかったとか、採取された細胞の量が少なくて判断できないなどが考えられます。逆に疑陽性は炎症所見が強いときや放射線照射を受けた場合などにみられます。採取された細胞が一見癌細胞のようにみえて、クラスWとかXと判断されるわけです。クラスXというのは仰るとおり癌細胞が確実に出ているということですから、通常はXという結果がでたらがんと考えて良いのですが、R.I.様の様なことが頻度としては多くはありませんが稀にあります。細胞診は100%絶対なものではないと心に留めておいて下さい。(文責 稲葉)
【No.2217】 04年03月01日 hemmi
授乳中のぶつぶつした硬いしこり29歳、第一子出産後2ヶ月、完全母乳です。数年前左乳房(乳首の1センチ位上の部分)に1センチくらいの丸いしこりがあり、乳腺外科で良性のものだと言われ、その後は変わりなく過ごしていました。今回左乳房に、前回のものとは違う場所(乳首斜め上外側)にぶつぶつとした硬いしこり(2センチ×1センチ位)を見つけました。はじめは皮膚が赤くて痛みもあったので、お乳が残っているしこりだと思い、冷やしながらフットボール抱きで授乳してみて痛みも赤みもひいてきたのですが、そのしこりは変わらず、形も硬さも他の部分とは違っている気がします。断乳せず、すぐ診察を受けるのがいいのか、すぐに断乳して診察がいいのか、このまま授乳を続けて一年後位に断乳して診察でもいいのか、教えていただきたいのです。よろしくおねがいします。
妊娠授乳期乳癌は発育が早く、注意が必要なので、まず乳腺外科に行かれて診察は受けた方が良いと思います。その時点で断乳した方が良いかどうか教えてくれると思いますが・・・。症状からは乳腺炎や乳瘤のようにも思いますが、診察しないと分かりません。(文責 石山)
【No.2216】 04年03月01日 M.I.
副作用について(HPNo.1868-7)HPNo.1868です。脳のMRIの検査は異常ありませんでした。CT映像は他の患者さんのもので、誤診でした。脳外科的には全く異常はありませんとの解答でした。が、相変わらず頭痛・頭重が1ケ月以上続いており、とにかく憂鬱です。今は、ノルバティクスの服用を止めておりますが、薬の副作用は考えられますか? あるいは、ゾラテックスで閉経状態にしているので、ホルモンのバランスが悪く、更年期状態での頭痛・頭重なのか? 主治医も解答はくれませんでした。薬が合わないということも考えられますでしょうか? とにかくこの状態を脱皮したいのです。もう一度、他の医療機関で脳検査を受けたほうがよいのでしょうか? お忙しい中、申し訳ありませんが、何かアドバスがありましたら、お願い致します。
MRI、CTは条件によっては見逃しもゼロではありませんし、スライス幅と言って、画像を取るために細かく断層を撮っているか、機種が古ければ解像度も悪い可能性もありますので、その辺を確認し、別の病院に行くべきかもしれません。ただしゾラデックスはホルモン剤の中では副作用が強く、頭痛や頭重感が強いという患者さんは結構いらっしゃいます。ゾラデックスの血中濃度は投与後10日から2週間で最高になりますので、そのような症状がその時期と一致すれば副作用の可能性が高いし、あるいは思い切っていったん中止してみて症状の推移を見るのもひとつの方法と思います。(文責 石山)
【No.2215】 04年02月29日 H.S.
ホルモン療法、タモキシフェンだけで良いのでしょうか?はじめまして、昨年7月、40歳の時に右胸全摘出手術を受けました。。昨年5月、右胸にしこりを見つけて検査を受け、エコーの結果、しこりがもうひとつ発見されましたが、細胞診の結果、2つとも良性の診断がでました。その後(約1ヵ月後)、やはり気になり、しこりの摘出手術を受けました。その結果、2つのしこりは悪性と診断され、7月に右胸全摘。病理の結果は、浸潤性入管癌、しこりの大きさ1.5p、もうひとつは0.65p、リンパ節転移なし、ホルモンレセプターER、PGRともに陽性、現在ホルモン療法(ノルバデックスD、5年間)のみです。術後7ヶ月経ちましたが、41歳、閉経前なのでLH−RH製剤も併用した方が良いか、今さら迷っています。現在、胸のCT、レントゲン等では異常なしですが、腫瘍マーカーがCEAのみ、いつも9〜10という数値が出ます。主治医は現在の治療だけで良いと言っていますが、前回の検診の時に相談したところ、「迷っているのなら来月から始めましょうか?」という事になりました。やはりできることならタモキシフェンだけで済ませたいところですが、念のためにLH−RHも併用するべきでしょうか? どうぞよろしくお願い致します。
LHRHアゴニストは閉経状態にすることから更年期障害などの副作用があることと、金額もそれほど安いわけではないことです。この点に問題がなければ投与してみたほうが良いかもしれません。最近ではこれにタモキシフェンを加えるという治療もあるようですが、StageTでリンパ節転移がないことから併用までは必要ないと思います。(文責 石山)
【No.2214-1】 04年02月29日 M s
術後補助療法の選択について58歳の主婦です。1ヶ月前に「浸潤性乳管癌」で、右乳房温存療法で手術を受けました。ステージUb、グレード2、リンパ節はレベルUまで郭清、転移1/17個、 ホルモンレセプター ER(+)250 PGR(+)120。現在放射線の治療中です。5回×5週間の後に抗がん剤治療(CEF6クール)、その後5年間ホルモン療法(薬剤名は不明)による治療の計画がありますが、主治医からは、「ホルモンレセプターの数値が良いので、抗がん剤治療は受けても受けなくてもどちらでも良いでしょう。」と言われました。再発のことを考えると抗がん剤治療を受けておいたほうが良いのではとも思い、迷っています。この場合、抗がん剤治療を受けたときと受けなかったときの再発のリスクはどのくらい違うものでしょうか。アドバイスをお願いいたします。
厳密に無治療とCEFの比較、あるいはホルモン剤との比較はデータがないと思いますが、一般的にStageUbの再発率は20%から25%と思われます。CEF療法をすることでそれが0になるわけではありませんが、当然脱毛、吐き気などの副作用があります。効果と副作用の両方からご自分で決められるのが良いと思います。各施設毎で生存率のデータがあると思いますので、もう一度主治医に聞いてみてください。(文責 石山)
【No.2214-2】 04年05月25日 M s
抗がん剤治療の副作用について以前No.2214にて術後補助療法の選択についてご相談させていただいたものです(ステージUbではなく、Uaでした)。アドバイスを頂き、よく考えた結果、術後の抗がん剤治療(CEF)も受けることにしました。4月に1回目の治療を行い、3週間後の5月7日に2回目を行う予定でしたが、点滴前の血液検査でWBCが1300と激減、肝機能の数値も良くなかったため中止し、皮下注射をしました。3日後の月曜日にはWBCが4200に上昇、AST53、ALT89でした。しかし5月17日の検査ではWBC2700まで減少、AST36、ALT89と改善せず、2回目の治療は再び中止となりました。今は飲み薬で数値の安定を図っています。主治医の話では、今後抗がん剤の量を減らして治療を続けていきましょうということです。吐き気や脱毛といった副作用は我慢できるのですが、これほどWBCが減少すると、3週間毎の治療が今後うまく出来るかどうか心配です。抗がん剤の量を減らしたり、今のように治療間隔が長引いた場合、治療の効果が下がるといったことはないのでしょうか。もしそのようなことがあれば、素人考えですが、抗がん剤治療を中止して、ホルモン療法に速やかに切り替えたほうがよいのではないだろうかと思ってしまうのですが、いかがでしょうか。お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
抗癌剤の投与量というのは、効果と副作用のバランスで決められていますので、今より投与量が減るのは、効果も減る可能性はあります。投与する間隔については、どれだけ間をあけて良いとかのデータはありません。CEFとCAFという代表的な補助療法のメニューで、AもEも投与量を増やしても効果は変わらないということで、必要十分な量で投与量を決めています。逆にその量より少なくなるというのは効果が減る可能性があります。ただし、あくまでも補助療法であって、予防的な投与ですので、安全に行うことも大切です。そういう面から言えば、早くにホルモン療法に切り替えることもオプションであると思います。今一度、肝機能と白血球をみながら投与してみて、今後の方針を考えたらいかがでしょうか?(文責 鈴木)
【No.2213】 04年02月29日 S.K
放射線治療による急性皮膚炎お忙しいところ、恐縮です。術後の予想外の症状が出てきてしまい、不安な気持ちが抑えきれず、こちらに参りました。私は37歳、早期の1期、1月30日に左胸温存手術(&センチパネル生検)を行い、現在、放射線治療(照射7回終了)とノバルデックスDの服用をしています。
1/30手術、2/17 ノバルデックスD服用開始、2/19放射線照射開始、2/23に胸帯に黄色い分泌物の付着を発見。翌24日には左腋下一帯に発疹が出ました。25日外科の執刀医に診ていただいたところ、創部の感染と言われました。また発疹はヘルペスではないかと。抗生物質の薬を処方されましたが、その後も発疹の範囲は広がり、今は、左胸全体が鳥肌が立ったように一面に小さい水疱ができています。ジュクジュクと黄色い分泌物(臭いなし)が継続して出ています。27日皮膚科で診察を受けましたが、「原因はまだわからない。放射線治療の影響かも・・。断言ができないので様子をみましょう。照射は続けてください」とのことでした。インターネットで調べていると、癌研究会付属病院のHPで、「放射線治療による副作用として急性皮膚炎がある」と知りました。急性皮膚炎とは具体的にどのような症状がでるものなのでしょう。今回の私の症状は、どのような原因が考えられますでしょうか。ぶしつけなメールでのご質問、本当に申し訳ございませんが、何卒よろしくお願い申し上げます。皮膚の所見は慣れた皮膚科医が見ればすぐに分かると言われていて、皮膚科医はおそらく何が原因かわかっていると思いますが、いろいろな治療後や治療中なので可能性が増えてしまい結論が付けにくいと言うことでしょう。おそらくここに書かれているヘルペスや感染が疑われていれば、培養検査やその他の検査がされていると思いますので、すべての結果が出るまで待ったほうが良いと思います。放射線皮膚炎は一種の熱症ですので、「小さな水泡」も大きさなどから区別がつくはずですが・・・。(文責 石山)
【No.2212】 04年02月29日 S子
化学療法のあとは・・・?初めて相談します。30歳です。左乳癌2.5センチを温存にて摘出後(リンパ節転移は2/14とのこと)、放射線治療を終え、ただ今アドリアシン・エンドキサン・5FUの化学療法を4クール終えました(残り2クール)。胸部・腹部・卵巣などのCT、骨シンチ、共に異常なく、主治医の先生の話し振りからしても、予防のため、念のための治療の気がしていて、あまり再発や転移の不安を感じることなく、元気に過ごしているのですが、まわりには転移や再発をした人ばかりがいて、「あらら・・?」と思い始めました.母が乳癌でなくなっていることもあり、欧米では遺伝子レベルの異常を調べる検査もあると聞いたのですが、機会があればやって見た方がよいのでしょうか? また今使っている抗がん剤はとてもポピュラーだと言われましたが、乳癌の本を読んでもあまり見かけない組み合わせなのですが、効果はあるのでしょうか? あまり具体的でなくて申し訳ありませんが、もう少し危機感を持ったほうが良いのでしょうか・・・?
あなたのされている治療はCAF療法という20年近く前からの乳癌では最もポピュラーな治療で、最近では当たり前過ぎて、議論や再発の大変な患者さんにとっては、さらにその後の治療について悩むので、補助療法はこの治療が世界中の標準治療と思います。効果も証明されていますので大丈夫です。遺伝子検査はおそらくBRCA1や2というものですが、アメリカとの特許の関係で、アメリカに依頼して検査すると40万円くらいかかるという話しです。ただ先日の新聞記事で京都の検査会社でできるという話しですが、料金や特許のことは書かれていなかったので、詳しくは分かりません。危機感を持つよりも、主治医の先生はしっかり治療してくださっていると思いますので、このままで良いように思います。(文責 石山)
【No.2211】 04年02月29日 S
左の掌(HPNo.2194-2)二度目の相談です。神経過敏になっているのかもしれませんが、気になります。4〜5日前から、左手の掌がヒリヒりします。熱っぽくて、はれぼったい感じもします。掌の
真ん中あたりに、かすかな骨の出っ張りがあります。ちょうど、中指あたりの延長線上です。受診した方がよろしいでしょうか。よろしくご回答願います。おそらくそのような症状は、手の指や爪などからばい菌が入って炎症を起こしていると考えられます。すぐに主治医の所に行き、抗生剤の内服か点滴、更に重症であれば、利尿剤の投与をする必要があると思います。退院の時の注意事項か、看護師からもらったパンフレットに書いてある術後リンパ浮腫の事で、感染が原因の蜂巣織炎の可能性が高いと思います。(文責 石山)
【No.2210】 04年02月28日 A・Y
腫瘍摘出について初めまして。18歳の高3です。14歳のときから左胸に可動性のしこりがあり(今までに大きさの変化はあまり無く、痛みも無い)、線維腺腫だろうと思い、先日地元の外科医を訪ねました。触診した後エコーをとってみると、3cm程の楕円形で、しこりの中にしこり?(卵の黄身みたいに)があって、医師は線維腺腫ではないかもしれないと言って、念のため細胞診をすることになりました。結果、良性と言われましたが(腫瘍名は言われなかった)、自然退縮もないとのことで、摘出を勧められました。しかし私の場合、しこりが乳首の真下にあるため、その真横にメスを入れ、乳腺も切ることになり、胸の形が多少変化する(メスを入れた部分がへこむとか、乳首が傾くとか)と言われました。とりあえず3ヶ月後に局所麻酔して生検することになりました。メスを入れることについては抵抗はありませんが、形が変化するということに不安を感じます。また、乳腺を切ったことにより、将来赤ん坊を産んだときの胸の張りによる影響も心配です。この医師の言うように、摘出したほうが良いのでしょうか? その場合、形の変化はやむをえないのでしょうか? 現在、乳腺外科の方へセカンドオピニオンを受けにいこうかと考えているのですが、必要でしょうか? また、受けるのであれば、今行くのと、3ヶ月後の生検の後に行くのとでは、どちらの方が好ましいのでしょうか? アドバイスお願いします。
乳腺外科の手術として3センチの良性腫瘍で乳腺が変形するとは考えにくいですし、良性腫瘍という事であれば、乳管を損傷しないようにして手術することが可能と思います。ただしそういった手術に慣れた外科医かどうか、また「しこりの中のしこり」という画像所見が具体的に何を意味するかわからないので、乳腺外科にセカンドオピニオンを求めていったほうが良いと思います。また最近では普通に切るのではなく、マンモートムとか内視鏡手術などの方法もオプションとしてありますので、そういった方法が可能かどうか確認した方が良いと思います。(文責 石山)
【No.2209-1】 04年02月27日 kanako
乳輪からの分泌物について去年の春頃から左右の乳輪にひどい痒みがありました。その時は皮膚科を受診して塗り薬をもらい、痒みは少し治まりました。最近では痒みはほとんどありませんが、乳輪から透明な分泌液が出るようになりました。分泌物はブラジャーに大きくしみができる位出ています。お風呂に入る時にブラジャーをとると、くっついていて剥がすのがとても痛いです。乳首に極近い所に凹みができています。どんな病気でしょうか? 受診の際は皮膚科より外科の方がよいのでしょうか?
乳頭乳輪にはPaget病という悪性腫瘍があるので、細胞診を受ける必要があります。本来であれば、皮膚科でも外科(乳腺外科)でもどちらでも検査は可能と思います。(文責 石山)
【No.2209-2】 04年04月24日 kanako
No.2209その後です前回は早急に回答頂きありがとうございました。その後すぐに病院(皮膚科)に行きました。主治医の所見では、「悪い物には見えないが、薬で治らなければ検査をしましょう。」との事でした。その時に頂いた薬は、ケナコルト−A軟膏・ボチシートでした。薬を貼って1週間後にはキレイになり、再受診した時には痒みもなくなったので、次回からの受診は必要なしと言う事になりました。ところが薬を貼らないと、すぐに透明・黄色っぽい分泌液が大量に出てきて、痒みを伴っています。乳輪・乳首も皮が剥け、黒くなってしまいました。分泌物が下着に付いてしまう為、今は母乳パッドをつけています。再度病院に行こうと思っていますが、また投薬のみになってしまうのか、別の病院に行った方がいいのか心配しています。よろしくお願いします。
高校生から20歳くらいまでの女性に時々見られる乳頭乳輪部の湿疹で、原因は女性ホルモンのバランスが崩れて、乳頭からの分泌物が増え、その分泌物にかぶれてできた湿疹で、一種のアレルギー反応と考えています。治療はケナコルト等のステロイドを含んだ軟膏が有効です。しかしあまり使い過ぎると色素沈着がひどくなりますから、症状の強い時だけ使うようにすることをお勧めします。あとは、こまめに清拭することです。(文責 清水)
【No.2208】 04年02月27日 Y
右乳房内側にしこりがありますお忙しい中、すみません。25歳女性です。昨日、右乳房内側にしこりがあることが分かりました。慌てて近所の乳腺外科に行きました。触診とマンモグラフィーの結果、(2.5×1.5のしこり)乳腺線維腺腫の疑いが強いとの事です。エコーと細胞診は3月13日と言われました。こんなに間があいて良いのでしょうか?私は乳癌が心配でたまりません。
心配な気持ちも分かりますが、乳腺外科はどこも混んでいて、うちでもそのようなことになると思います。もちろん触診とマンモグラフィーで悪性が疑われれば、至急検査をすることが普通です。つまり今の主治医は癌らしくないと思っているのでそのような日程になったと思って、お待ちになれば良いと思います。それと万一癌でも2,3週間で大きくなったり、悪化することは考えにくいと思います。(文責 石山)
【No.2207】 04年02月27日 M.K.
受験生です私は18歳です。最近乳房に痛みを感じます。腋の下にも痛みを感じる時きがあります。乳房にしこりがあり、癌かどうか心配です。受験が控えており、試験が受けられなくなるのを恐れ、お医者さんにかかることに躊躇しています。この場合、乳癌の可能性はありますか? 乳房のしこりが大きい場合、乳癌ではなくても手術しなくてはなりませんか? ほおっておくと危ないでしょうか?
18才で乳癌は非常にまれで可能性は低いと思いますが、しこりを自覚されている場合は外科または乳腺外科に受診することをお勧めします。手術は普通癌や癌が疑われる場合に行われるので、レントゲン検査と超音波検査を受けた方が良いと思います。試験の日程と調整し、検査や診察は希望通りにやれると思います。(文責 石山)
【No.2206】 04年02月26日 R.M.
血性分泌で乳腺症で診断された場合(HPNo.2193-2)土日なくご回答くださり、本当に感謝しております。2193でお世話になりました者でございます。早速ですが、2196を拝見して、出産経験がないため質問があります。授乳時に、お乳が出るのは1ヶ所でしょうか。乳管が集まったものが乳首の中央にあり、そこから出ているのでしょうか。普段はやや陥没した乳首(先が割れている)で、今回のことで初めて乳首をよく見たのですが、乳首からの出血箇所が特定できないということは、何箇所か乳管?の先があるということなのでしょうか。また、血性分泌があるということは、乳腺症の程度としては、どのくらいなのでしょうか。炎症?が起きているため、出血しているのでしょうか。出血原因はどのようなものなのでしょうか。初歩的な質問で申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
乳頭の乳管は多くが開口していて、多数個所から出る場合は一般的には良性のことが多く、あまり心配ないと言うことになっています。血性分泌の出る乳管が同定できないというのは、医師が診察したときに分泌が出ていなければ同定できないということです。授乳期の乳汁も多くの乳管から出ます。この血性分泌は乳頭から出血するのでなく、その奥の乳管という管のどこかで出血し、それが管を通って乳頭から出るということです。乳腺症で血性分泌という場合は、乳管内乳頭腫症という状態で癌との鑑別が難しい事もあるので、特に血性の場合は定期的に通院経過観察が必要だと思います。(文責 石山)
【No.2205】 04年02月26日 N.F.
腫瘤摘出術後の痛みはじめまして。26歳、未婚です。2週間前に乳房温存法で嚢胞の塊を摘出しました(袋五個くらい)。細胞診で、中に粘液が混ざっているのと、嚢胞が密着してしているのが良くないとのことで調べるために取ることになり、手術しました。術後はドレーンもやらず、手術から2日後には退院もしました。全身麻酔でした。かなりの凹凸ができるということで、同時に乳の外側の肉をはがして凹凸をなくすという(名前がわかりませんが)ことも同時に行いました。今は傷の上に茶色いテープがはってある状態で、お風呂もはいってます。ここ2,3日はリハビリのかいあって調子がよかったのですが、今日あたりから急につられるような痛みとびりびりっとくるものが続き、怖くて胸から手が離せません。これは治りかけている証拠ですか? かなり痛いので不安です。痛む部分はたいてい同じです。中のほうの痛みです。まっすぐ手をふって歩くことも怖くて、猫背になってしまっています。外側の胸がまだ腫れていて、痛みもまだあるので、ワイヤー入りのブラジャーはできません。こんなつれるような痛みの時はどうしたらいいのですか? もっともっと動かさないといけないのでしょうか? みんななるものですか? いったいいつまでこの感じは続くのでしょうか? リハビリってどの程度までやっていいのですか? つれる痛みやしびれるような痛みもリハビリで軽減するのですか? 担当医はいつ電話してもあまり親身になって聞いてくれず、急いで電話を切られてしまいます。初めての手術だったので分からないことが多くて不安です。とにかくこのつれる痛みを和らげたいのです。お願いします。教えてください!!
勘違いがあるかも知れませんので、もう一度主治医に確認する必要がありますが、癌と確認されている訳ではないので、温存法といっても腫瘤摘出術という良性腫瘍の手術だと思います。大きさが分かりませんので、何とも言えませんが、一般には術後1週間で痛みは取れるはずですが、形成外科的な操作が追加されていれば、手術範囲は大きくなりますし、痛みもさらに残る場合が考えられます。それと乳腺の手術でリハビリが必要と言うのも、一般的にはリンパ節郭清後の患側の腕の運動について問題にされますので、この点も疑問が多いと思います。ただ痛みが続き、傷が赤くなったり、熱が出たりというほかの症状があれば、感染の可能性があります。さらに前記の症状はなく、脹れて痛い場合には、嚢胞液が再び出現し、傷のどこかに溜まっているということも考えられます。とにかく傷を見ないと何も分かりませんし、どのような範囲のどのような手術か分かりませんので、主治医に診てもらうか、その病院のほかの医師か責任的な立場の医師に診てもらうことをお勧めします。転院やセカンドオピニオンと言っても病理結果が出ないうちは今の病院でもう少しかかるほうが良いと思います。以上の感染、嚢胞液の貯留などがなければ痛み止めを飲むとか、対症的に行けると思います。(文責 石山)
【No.2204】 04年02月25日 M.S.
乳房下側にあるしこりこんにちは。26歳主婦です。先日、乳房の下側(肋骨のあたり・胃の左上)に、柔らかい小さなしこりのようなものがあることに気がつきました。しこり自体に痛みは感じませんが、先日から胸のあたりが痛かったりしているので、心配しています。外国に住んでいるため病院に行くのも何かと大変な状態にあります。何か助言などございましたらお返事いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
乳房の下で肋骨?胃の左上?と言う表現が乳房のしこりなのか、乳房の尾側(足のほうと言う意味で)で乳房内ではないと言うことでしょうか。乳房内であれば柔らかいと言っても乳癌のこともありますので、ぜひ専門医の診察を受けた方が良いと思います。乳房外で下と言うのであれば、皮膚の腫瘍ということですので、柔らかい悪性のものはあまりないと思います。脂肪腫という良性腫瘍の可能性が高いですが、ごくまれに脂肪肉腫という悪性腫瘍もあります。とにかく診察しないと分かりませんので、これ以上はお答えのしようがありません。(文責 石山)
【No.2203】 04年02月25日 K.M
15才です初めまして。15才の中3です。2ヵ月ほど前から生理の1、2週間前から胸のつけね?を押すと痛みがあったり、走ったりして胸が揺れると痛みを感じます。しこりはありません。一番気になるのが、胸の痛みと共にできた脇の下のしこりです。生理1、2週間前になると胸と共に痛みます。触るとポコッと出ている感じで、つまむと米粒くらいの大きさで、コリコリと動かす事ができます。胸も脇のしこりも、生理が始まると痛みは全くなくなりますが、毎月生理前に痛みが出ます。何かの病気でしょうか?
生まれつき腋の下に副乳というものがあることがあります。ここに書かれている症状からはそれが疑われます。副乳は悪い病気ではありませんが、気になるのであれば、大きな病院の外科か乳腺外科にかかられることをお勧めします。(文責 石山)
【No.2202】 04年02月25日 H.K.
治療方針と再発についてはじめまして。妻のことでご意見をお聞かせください。妻は一昨年12月に初めての子供を出産し、半年後の昨年7月に左乳房にかなり小さなしこり(5mm以下)を自己発見しました。この時点で病院で検査(マンモグラフィ、エコー、触診)を受けましたが、良性と判断されました。乳房内部ではなく皮膚表面近くのしこりであったため、先生も驚くほどの小さなしこりを見つけることができたとのことでした。その後12月にしこりの形と大きさに変化を感じたため再度受診し、細胞診(結果:クラス3) 、外科生検(結果:陽性)でガンと診断され、今年1月中旬に摘出手術を受けました。手術方法は乳房温存も可能とのことでしたが、少しでもリスクを減らしたいため全摘しました。以下は詳細です。
30歳閉経前、乳頭腺管ガン、腫瘍径:16x10mm、ER:+(100%)、PgR:+(50%)、PyNPase:+、TS:-、DPD:+、波及度:f、悪性度:T(核異型スコア:2、核分裂スコア:1、腺空形成スコア:2)、リンパ管侵襲:ly1、静脈侵襲:v0、浸潤増殖様式:INFβ、HER2:-、リンパ節転移なし、CT、骨シンチでの検査では遠隔転移なし。
@ このガンはいつごろから発生していたものと考えられるのでしょうか。
A 腫瘍は左乳房の内側上部だったのですが、胸骨傍等の他のリンパへの転移は考えられますか。
B CMF6サイクルの後ノルバデックス5年の予定ですが、この治療方針は妥当なのでしょうか?(AC、CEF等の他の化学療法は?) また、素人目から考えると妻のガンはかなりホルモン(エストロゲン)が関係しているような気がするのですが、ガンの性質に合わせた、より効果的な治療方法はないのでしょうか?(ゾラデックスの併用等は?)
C このタイプのガンの性質はどう考えられるのでしょうか。再発のリスク、生存率等は?
以上、長々となりましたが、どうか宜しくお願いいたします。@ 癌がいつからあったかは、誰にも分かりません。
A 可能性はありますが、胸部CTで転移があれば見つかります。郭清の意義は少ないことになっています。
B CMFは効果はやや弱いが副作用が少ないので、今でもヨーロッパを中心に使われます。AC CEFは効果は少し良いのですが、脱毛、心毒性など副作用が強い傾向があります。ゾラデックスはホルモン剤で閉経前に使われますが、ノルバデックスなどに比べると更年期障害のような副作用が強いといわれています。
C 普通の乳癌だと思いますが、すべての結果を満足する生存率の詳細なデータはないと思います。要するに病期Tでリンパ節転移がないということであれば、10年生存で90%程度と思いますが、各施設でデータがあると思います。
以上を参考にしてもう一度主治医に聞かれてはいかがですか。(文責 石山)
【No.2201-1】 04年02月25日 M.S
妊娠中の胸のしこりこんにちは。現在初妊娠8週目の31歳主婦です。胸にしこりがみつかり、もしかして妊娠の可能性もあるかもという事で、エコーと細胞診をうけました。その後、細胞診の結果でクラスVといわれ、妊娠もしていたので、局所麻酔下による腫瘍摘出で、病理検査を行う手術をひかえていたのですが、その検査は安定期に入ってからという事になりました。多分16週前後。しかし、もしその検査を受けたあと乳癌であった場合は、子供や自分自身はどうなっていくのだろうと心配です。子供をおろさなくてはいけないのでしょうか?もっと早めにその検査をした方がいいのか?もしその検査をした場合、局所麻酔は子供に対する影響はあるのでしょうか?
局所麻酔は妊娠中にやってもあまり影響はないと思います。妊娠中の乳癌は一般的に増大が早く、予後が悪いと言われています。従って癌の疑いがあるのであれば、早く確認した方が良いと思います。エコーで癌の可能性があるのかどうか、病院によって細胞診のVは実際にどの程度癌があるのか、主治医に良く聞いてから、検査を早めるか、エコーと細胞診をもう一度やるなどした方が良いと思います。(文責 石山)
【No.2201-2】 04年03月13日 M.S
妊娠中の胸のしこり(2)2度目の相談です(前回2201)。妊娠10週目です。先週、以前からかかってる外科(乳腺専門)に行ってきました。以前の細胞診V&エコーでの結果では、どの程度癌の可能性があるのか?という事で相談に行きました。もともと妊娠して10週目位に来て下さい、と言われていました。もう一度、触診&エコー&細胞診をやってみましょう、という事で検査した所、しこりは妊娠前より大きくなっていないし、今回の細胞診の結果はU(悪性の要素がなかったとの事)、総合的に見て、様子見で、また3ヵ月後に来て下さい、と言われました。局所麻酔の下の腫瘍摘出も今は妊娠しているという事で、先延ばし(今はやらなくていい)になりました。結果がとてもうれしかったのですが、もともと細胞診Vだったのは、平気なのだろうか? 細胞診の結果が違かった事で不安になってしまいました。(関係ないと思いますが、今回の細胞診は主治医が直接やってくれました。以前は違う方。やる人によって結果が変わってくるのでしょうか?)。妊娠中の乳癌は一般的に増大が早く、予後が悪いといわれているというのもお伺いして、もし癌だったらどうしよう、と思ってしまいます。今の主治医の方はとても良い方でまかせております。不安になる事はないでしょうか?
細胞診でクラスVというのは、悪性の可能性を完全に否定できないという意味ですが、細胞診は細い針で細胞を採取するので、検体の状態がよくないと細胞がこわれたりして、正確な診断が困難なことがあります。悪性でなくても悪性細胞のようにみえたりすることもあります。また妊娠時は乳腺細胞はかなり変化するので、細胞診の判定は難しくなります。妊娠時の細胞診で、癌でないのにクラスXとなった事例を聞いたこともあります。悪性でなくても悪性の可能性ありという結果になることもありますので、他の検査結果と合わせて判断されるのが良いと思います。細胞診の結果は採取された細胞によって変わるので、結果が変わっても特におかしくはありません。今回はクラスUで触診、超音波でもしこりの大きさに変化がないということですから、今すぐに腫瘤摘出はやらず3ヶ月後再診という方針でいいのではないかと思います。心配はいらないと思います。(文責 稲葉)