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相談室

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 なお、個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。ご相談内容は  info@kbcts.gr.jp   まで、メールでご連絡下さい。
なお当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

2400 04/05/08 M.B. 乳首のしこりについて 麻賀
2399 04/05/08 S  術後の皮膚炎 麻賀
2398 04/05/08 K.Y. 男性の乳癌症状について 麻賀
2397-1
2397-2
04/05/08
04/05/10
TW 進行した乳癌の治療について
術前の抗がん剤について
麻賀
麻賀
2396 04/05/08 IT  微細石灰化 麻賀
2395 04/05/08 S  授乳中のしこり 麻賀
2394 04/05/07 りんりん 乳癌?リンパ癌? 麻賀
2393 04/05/07 R.I. 乳腺症でしこり全摘しましたが・・・ 麻賀
2392 04/05/07 R.K. 肝転移進行に対する今後の治療について 麻賀
2391-1
2391-2
04/05/07
04/06/06
K 不安です
今後のことについて
麻賀
須田
2390 04/05/07 IS 乳首下のしこり 麻賀
2389 04/05/07 T.T. 右腋下の直径5mm程度の球体、乳癌の症状ですか? 麻賀
2388-1
2388-2

2388-3
2388-4
2388-5
2388-6
2388-7
2388-8
2388-9
04/05/05
04/05/26
04/06/01
04/06/08
04/06/14
04/07/20
04/07/22
04/09/08
04/11/27
DQQ   しこりについて
細胞診
やはり癌でした
癌宣告から手術までの時間
手術待ちです
今後の治療について
今後の相談U
放射線が終わりました
現在の治療の副作用でしょうか?
麻賀
鈴木
鈴木
須田
須田
徳田
徳田
宮本
加藤
2387-1
2387-2
04/05/05
04/07/11
N.K. 母の胸の症状について
乳輪下膿瘍
麻賀
千島
2386 04/05/05 T  DCISの術後療法について   麻賀
2385 04/05/05 K  乳がん再発につてのご相談 麻賀
2384 04/05/05 A.K. 術後治療について 清水
2383 04/05/05 kano 乳がん検診について 清水
2382 04/05/05 okay リンパ節転移と化学療法について(HPNo.2282-4) 清水
2381-1
2381-2

2381-3
04/05/03
04/05/10
04/12/14
T.O すぐに手術を受けたほうがいいのでしょうか
マンモトームから手術までの日数について
腫瘍マーカー、ホルモン注射について
須田
須田
清水
2380 04/05/03 経過観察でよいのでしょうか 清水
2379 04/05/03 S 左の掌(HPNo.2194-4) 清水
2378 04/05/02 S.I. 脇の下のしこり 麻賀
2377 04/05/02 HY 手術後の鎮痛剤の量について 麻賀
2376 04/04/30 K.I 日本の治療方法についてお教えください 清水
2375 04/04/30 Y.I. 良性、クラスUと言われ 清水
2374 04/04/30 L.F. 胸のしこりと痛み 清水
2373 04/04/30 O.L. 乳頭部の痛み 清水
2372 04/04/30 H.S. 乳頭掻痒感のご相談 清水
2371 04/04/29 E.T 術後2年目の治療について  清水
2370 04/04/29 K.K. 術後治療について 清水
2369-1
2369-2
04/04/29
04/05/05
K.A. 最適な治療方法を教えて下さい
最適な治療方法を教えて下さい(2)
清水
清水
2368 04/04/29 Roko レトロゾールを飲むメリットは? 清水
2367-1
2367-2

2367-3
04/04/27
04/04/30
05/01/15
M.Y 骨シンチ、腫瘍マーカーについて
骨転移
骨シンチについて
清水
清水
徳田
2366-1
2366-2

2366-3
04/04/27
04/05/02
04/10/12
転移について
再度教えてください
今後の病状と治療について
清水
麻賀
麻賀
2365 04/04/27 H.N 妊娠中の検査や判断について 清水
2364 04/04/27 ナオ 再発の疑いはありますか? 清水
2363 04/04/27 M 胸の痛み 清水
2362 04/04/24 K.S. 化学療法について 清水
2361 04/04/24 okay リンパ節転移と化学療法について(2)(HPNo.2282-3) 清水
2360 04/04/24 Y・T 心配です 清水
2359 04/04/24 kanako   No.2209その後です(HPNo.2209-2) 清水
2358 04/04/24 mika 術後の治療について(2)(HPNo.2228-2) 清水
2357 04/04/23 M.R. 血性分泌が止まった場合の今後について(HPNo.2193-3) 清水
2356 04/04/21 Y.A. ホルモン治療だけでいいのでしょうか? 清水
2355 04/04/21 M.Y. 化学療法中の生理について 清水
2354 04/04/21 NY ホルモン療法の期間について 清水
2353-1
2353-2

2353-3
04/04/20
04/05/13
04/05/15
カンナ 手術を受けるべきか迷っています
マンモトーム
マンモトーム(2)
清水
麻賀
麻賀
2352 04/04/20 N.I. 脇の下の痛み 清水
2351 04/04/20 女性化乳房症 清水
2350-1
2350-2
04/04/20
04/04/27
Y.H. 透明の黄色がかった分泌液
マンモテックの数値
清水
清水
2349 04/04/20 Y.S. DCIS 清水
2348-1
2348-2
04/04/20
04/04/23
H  乳癌(髄様癌)の抗癌剤治療について
乳癌(髄様癌)の抗癌剤治療について(2)
清水
清水
2347 04/04/20 YN 術後の治療について 清水
2346-1
2346-2
04/04/20
04/05/17
K ・ Y 女性化乳房についての質問
女性化乳房についての質問(2)
清水
清水
2345 04/04/20 E.S. がん患者の家族にできることは、どんなことでしょうか? 清水
2344 04/04/19 はるくま 自己検診について 清水
2343 04/04/19 A.N. 温泉について 清水
2342 04/04/19 okay リンパ節転移と化学療法について(HPNo.2282-2) 清水
2341 04/04/19 J.N. 転移の抗がん剤治療について(HPNo.2279-2) 清水
2340 04/04/19 T 温存手術後の治療について 清水
2339-1
2339-2
04/04/15
04/05/23
Y 要経過観察で大丈夫でしょうか?
穿刺吸引細胞診の結果と今後
加藤
鈴木
2338 04/04/15 M.Y 良性か悪性か? 加藤
2337 04/04/15 HN 断乳後の乳汁 加藤
2336-1
2336-2
04/04/15
04/04/20
M.W. 抗がん剤について
術前化学療法について
加藤
清水
2335 04/04/15 N  乳首のできものについて 加藤
2334 04/04/15 A.U. モンドール病について 加藤
2333 04/04/15 R.I. 切除の大きさ、センチネル生検 加藤
2332-1
2332-2
04/04/15
04/04/19
L.F.  乳輪付近のかぶれ、湿疹
症状を教えて下さい
加藤
清水
2331 04/04/15 KM 分泌物について 加藤
2330 04/04/15 N.H. ICTPの異常について  加藤
2329 04/04/14 T 術後の補助療法について 加藤
2328 04/04/14 HK  乳癌の可能性? 加藤
2327 04/04/14 I  全摘後の放射線治療について 加藤
2326 04/04/14 S 左の掌(HPNo.2211-2) 加藤
2325 04/04/12 K  脇の下のしこりについて 加藤
2324 04/04/12 T  生検の時期について 加藤
2323 04/04/12 KN 腫瘍マーカーについて 加藤
2322 04/04/11 n美 注射の針が刺さりません 加藤
2321 04/04/11 T  乳腺のう胞症について 加藤
2320-1
2320-2
04/04/11
04/04/14
IS  V
Vその後
加藤
加藤
2319 04/04/11 M 乳がん再発の治療 加藤
2318 04/04/11 エコーの見方について 加藤
2317 04/04/11 Y.O. 肺転移抗ガン治療後について(HPNo.1490-4) 加藤
2316-1
2316-2
04/04/11
04/04/15
Y.Y. 放射線治療後の副作用
担当医、主治医、執刀医
加藤
加藤
2315 04/04/10 のりりん  生検について 加藤
2314 04/04/10 reirei   乳癌の可能性ありますか? 加藤
2313 04/04/10 H  乳管腺葉切除について(HPNo.2178-4) 加藤
2312 04/04/10 umi 乳輪から緑色っぽい液体がでました 加藤
2311 04/04/07 K.T 京都 乳ガンについての相談 加藤
2310 04/04/07 T.D. 左胸の痛み 加藤
2309-1
2309-2
04/04/05
04/05/03
R.N.  NCC-ST-439
NCC-ST-439について(2)
加藤
清水
2308 04/04/05 マコ 腫瘍マーカーの数値について(HPNo.2254-2) 加藤
2307 04/04/04 B  気になる事があります 加藤
2306 04/04/04 Y.H  骨転移について 加藤
2305 04/04/04 TM もう効かないのでしょうか?(HPNo.443-3) 加藤
2304 04/04/04 F.T.  乳ガン転移について(4)(HPNo.2232-4) 加藤
2303 04/04/03 T.N 乳輪のかゆみと白い斑点状の脂肪について 加藤
2302 04/04/03 miki  コアの結果(HPNo.2288-2) 加藤
2301-1
2301-2
04/04/03
04/04/11
みらくる 乳房と肩や背中の痛み
生理が始まっても残る右乳房下側の痛みが心配です
加藤
加藤

 

 

 

No.2400】 04年05月08日 M.B. 
乳首のしこりについて

初めまして。僕は高校生の男なんですが、小学校6年生ぐらいから両方の胸にしこりができてきて、今でもまだあります。しこりは左右で大きさが違うんです。ホルモンなどが原因と聞きましたが、ずっとあるので心配です。放っておいてもいいでしょうか? 女性化乳房症は外科手術が必要と聞いたんですけど…。しこりが消えたら乳輪のはれもひくのでしょうか?いっぱい質問してすいません。回答よろしくお願いします。

あなたのは思春期におこる女性化乳房症です。思春期はホルモンのアンバランスが起こりやすいのです。年が経つにつれて多分だんだんに小さくなると思います。(文責 麻賀)

 

No.2399】 04年05月08日 S 
術後の皮膚炎

ご相談させていただきます。今年1月31日に左胸温存手術を実施、0〜T期、ノルバデックスD服用中。放射線治療2月19日〜3月31日 30回照射。術後3ヶ月、照射1ヶ月も経った現在、術部一帯に発疹ができ、数日前から発疹は全身に広がっている状態です。また、乳輪部分から浸出液が出ており、あてているガーゼが黄色くなります。現在、服用しているノルバデックスの副作用に「発疹」とあり、この影響かと自問自答しております。他の患者さんで同じような症状の方はいらっしゃいますでしょうか?術後3ヶ月、照射1ヶ月も経つのに、安定しない状態にとても不安です。何卒、よろしくお願いいたします。

乳房照射を行った部分の発赤は良くありますが、全身というのはちょっと変です。薬剤の影響も考えられます。担当医によく聞いてください。(文責 麻賀)

 

No.2398】 04年05月08日 K.Y. 
男性の乳癌症状について

はじめてメールさせて頂きます。私は現在31歳の男性会社員(独身)です。1週間ほど前から違和感があり、ネットで検索した所、もしかしたら乳がんでは?と思い、メールさせて頂きました。男性でも乳がんの可能性はあるとの事で・・・。まず右乳首の右下2cmくらいの所に筋肉痛のような痛みがあり(1週間くらい前から)、それが今もひきません。いつくらいからあったのか不明なのですが、右脇の下に小豆大くらいのしこり(固い)がありました。気づいたのは4日ほど前です。押すと違和感があります。痛いという程ではありませんが、押すとちょっとだけ痛みはあります。特別それ以外に具合が悪いという事はありません。ただ、右腕を上に伸ばすと、その乳首斜め下の痛みが激しくなります。その痛い所が腫れていたり、しこりがあったりという事はありません。押すと痛いです。よきアドバイス頂ければと思います。どうぞ宜しくお願い致します。メールにて失礼致しました。

男の場合の乳腺のシコリというと多くは女性化乳房症といって乳頭直下に固く、痛みのあるシコリとして触れる腫留があります。まれですが、その腫留が乳癌であることもあります。乳首の下2.0cmというと位置が少し異なりますが、女性化乳房症の可能性が高いように思います。右脇のシコリについてはよくわかりません。一応念のため病院で検査してもらった方が良いでしょう。(文責 麻賀)

 

No.2397-1】 04年05月08日 TW  
進行した乳癌の治療について

母、54才が1年間乳ガンをほっといて、今年に入って痛かったみたいで病院に行ったら、大きすぎて手術は出来ないそうです。2月に九州のS病院に入院して今は抗癌剤を打ちながら自宅療養しています。私はお嫁に行って四国にいるので、連休に帰ってびっくりしました。6月まで抗癌剤を打って様子をみるそうです。どうして、悪いとこをとらないのでしょうか?手遅れなんでしょうか?家族のみんなは抗癌剤でガンを小さくしてから手術をするようなことを言っています。 悪いことばかり考えてしまいます。よろしくお願いします。

ある程度進行した乳癌の治療は、最近ではまず先に抗がん剤を投与して腫瘍を小さくしてから切除するというやり方で行います。進行した乳癌をいきなり切除すると切除した周辺からすぐに癌が再発することがあるからです。あなたのお母様の場合は、このような考え方から先に抗がん剤治療を行っているのだと思います。(文責 麻賀)

 

No.2397-2】 04年05月10日 TW  
術前の抗がん剤について

感謝します。有難うございました。ホッとしました。また不安に思ったことがあればメールしたいと思います。最後に抗癌剤を6月まで打って様子をみるそうなんですが、気をつけておかなければいけないことはあるのでしょうか? 抗癌剤で小さくなる率というのは母がその薬にあっていればの話しになるんでしょうか? 腺癌ではないそうなんですが、普通の乳癌とどう違うのでしょうか?

1) 現時点では抗がん剤を投与する前に効くのか効かないのかを調べる確かな方法はありません。残念ですが抗がん剤は投与して見なければ効いたか効かなかったかが分かりません。
2) 腺癌で無くても抗がん剤の効き具合にはあまり関連がありません。乳癌の組織型と抗がん剤の効果との関連はありません。(文責 麻賀)

 

No.2396】 04年05月08日 IT 
微細石灰化

32歳、既婚、子供2人です。以前も、微細石灰化について質問させてもらいました。H14年の6月に初診、エコーとマンモグラフィを受け、微細石灰化が両胸にみつかりました。その後H14年12月に再診、H15年12月に再診、線維腺腫と思われるしこり(5mm)が石灰化とは別の場所で見つかり、乳腺外科のある病院に変えました。そこで15年12月、H16年4月に受診。しこりに変化なし、微細石灰化も変化なしで、先生が言うには、かえって薄くなってきているようにも見えるそうです。最初の病院では、大学病院の先生にもマンモグラフィーを診ていただいています。今の病院では前の病院のマンモグラフィーも取り寄せて見比べていただきました。変化はなしです。ガンだとして、こんなにも変化のないことは考えられますか?変化がなければ、検診の間隔は開いていきますか?妊娠を希望しており、そのあたりのことが気になります。よろしくお願い致します。

癌の石灰化でもあまり変化が無いこともありますが、あなたの石灰化は癌に関連するものではないと思います。一般的には石灰化に変化が無ければ検診の間隔は長くしてよいと思います。(文責 麻賀)

 

No.2395】 04年05月08日 S 
授乳中のしこり

はじめまして。26歳、子供二人の母親で、今でも下の子供(1歳半)にお乳を飲ませています。一昨日、下の子供と一日離れた為、お乳を一日与えませんでした。そうすると、おっぱいが張って痛かったのですが、子供と会って、お乳をあげるとその痛みも少し和らぎました。その後、右側の上部5cmくらいだけ痛みが残り、しこりがあります。あたると痛くて、おっぱいの他の部分はふにゃふにゃで柔らかいです。引き続き、下の子供にはおっぱいを与えているのですが、あげてもあげても痛みはひきません。乳腺炎か、乳癌か?と不安になっています。是非、アドバイスをお願いします。また病院へ行く場合、産婦人科へ行けばよいのでしょうか?お忙しいとは思いますが、ご返答いただけると幸いです。

乳汁がたまっているように思います。まず産科で見てもらったらどうでしょうか。(文責 麻賀)

 

No.2394】 04年05月07日 りんりん
乳癌?リンパ癌?

はじめてご相談いたします。自覚症状としては、3年前から覚えがあるのですが、生理になる2、3日前より左胸に痛みを感じるようになりました。鈍い痛みを感じる箇所はその時々で違い、痒みを伴う事もしばしばありましたが、毎月生理前の数日間の症状でした。それが昨年より、上記の痛みが6ヶ月ほど継続していましたが、2004年5月現在、その痛みは左乳房には全く感じず、その代わりに左腕の付け根が常に痛い感じがします(前脇部分)。今回ご相談しています左胸は、5年前に乳腺炎と診断された経緯があります。素人判断で乳癌、もしくはリンパに関する癌を心配しています。どうぞ宜しくお願いいたします。

生理前の痛みが乳腺ではなく、前脇が痛いとおっしゃる方も多いです。その症状自体は心配ないと思いますが、乳癌が心配であるなら病院で見てもらうことです。(文責 麻賀)

 

No.2393】 04年05月07日 R.I.
乳腺症でしこり全摘しましたが・・・

昨年、胸のしこりや乳頭陥没で相談しましたものです。ありがとうございました。あの後、結局しこりの大きさ(鶏卵大以上、4cm)やエコーでも境界がはっきりしないことなどから、入院して細胞診をしました。結果クラスVとでたので、相談の上、一応ガンを疑っての手術となりました。結果は乳腺症ということで、しこりのみを摘出し、大変安心しました。それから、半年程経ちますが、実は手術の後にもしこりがかなり残っており、どちらかというと以前より大きくなってきています。このしこりは消えることはないのでしょうか? 乳腺症についての情報が少なく、もうすでに、あとの健診は定期検診のみとなっており、しばらく先生に聞くことも出来ないので、教えていただけませんか?
しこりが消えることはないのですか? 消えないとすれば、乳腺症はずっとこれからもあるということですか? しこりが大きくて摘出手術をしないとガンかどうかの確認が出来ないといわれて、去年の手術に踏み切ったのですが、この大きさでしこりが一生残るとしたら、今後も乳癌の発見は難しくなるのでは? もししこりがなくなるというのであれば、どれくらいの時間がかかるものなのですか? また、胸を締めつける(帯を着るとか)、うつ伏せになってマッサージを受けるなどをすると、そのあと胸がはれてしまうのは致し方ないのでしょうね。恐れ入りますが、どうぞ教えてください。

1. 乳腺症のシコリは切除してもあまり消えることはないと思います。
2. しばらくは同じ状態と思いますが、閉経後になってホルモン状態が変わればあまり気にならなくなると思います。
3. 細胞診やコアニードルバイオプシで判断は出来ると思います。(文責 麻賀)

 

No.2392】 04年05月07日 R.K.
肝転移進行に対する今後の治療について

現在57歳の母のことで、初めて質問させて頂きます。母は昨年10月に腰痛で整形外科を受診し、MRIで骨転移を発見されました。その後、精密検査で乳癌(ER(+)、PgR(+))であると診断され、アリミデックスのみで治療を開始しました。極小さい肝への転移を指摘されましたが、薬がある程度期待できるとの事で、母の精神状態も考え肝転移についてはこの時点では告知されませんでした。しかし4月の肝CT、エコー検査にて肝ののう胞が数個発見され、母にも告知され、今後の治療の変更を医師より相談されました。アロマシン、ヒスロンH、各種抗がん剤の選択肢をあげられましたが、どれが効くかは主治医にも分からないとのことでした。昨年告知後より、精神的なものもあるのか食欲不振、体重減少等も続いており、一番副作用の少ないアロマシンをゴールデンウィーク明けより短期間試すことにしたのですが、アリミデックスも効果がなかっただけに、アロマシンも期待が薄いのではないかということ、肝転移進行により予後にかなり不安が出てきたこと、また肝転移の進行の度合いにより今後抗がん剤が使えなくなる可能性があるらしいことを考えると、現時点から抗がん剤で使用したほうがよいのかと家族で悩んでおります。母自身も昨年12月はデュロテップパッチ2.5mgで全く痛みがなかったのが、現在5mgでもコントロールできておらず、不安を訴えており、抗がん剤を試してみようかと口にしている状態です。先生のご意見いただけないでしょうか。よろしくお願いします。

乳癌の転移の治療は完全治癒させることは難しいので、生活の質(QOL)を重視しながら行うのが基本です。その意味ではホルモン治療を行うことはよいとは思います。正しい選択とは思います。しかし、一人一人の患者さんについて考えていくときには医師によって多少、考え方に違いがあっても当然と思います。この文面から考えると私が主治医であれば抗がん剤治療を行い、腫瘍の縮小が得られてから、またホルモン治療に変えてみたいような気がします。十分に主治医と相談の上決めてください。(文責 麻賀)

 

No.2391-1】 04年05月07日 K 
不安です

42歳、未婚未出産の女性です。4月中旬に左胸外側上部にしこりを発見し、乳がん患者のホームページで調べた病院にて診察を受け、後日マンモグラフィーとエコーをし、22日の診察で、「悪性の可能性が強いので入院手術をしましょう」と言われました。その際、「大きさは1.5cmぐらい、触診をした限りでは腋窩の転移はないからステージで言えばT、全身麻酔で温存切除と腋窩リンパの廓清、良性だったら腫瘍の摘除だけ」と言われ、その日に血液尿検査・呼吸機能検査・胸部レントゲンをして帰りました。入院日まで来院しなくてよいと言われ、10日過ぎに入院の予定です。時折、あくまでも我流ですが乳房のしこりチェックをしていて、今回のことは全くの青天の霹靂ですが、発見・診察・告知を受けてから、腫瘍のあたりがジリジリ痛んだり、両肩が酷く凝ったり、脇の下がピリピリしたりと、さまざまな異変が身体におきています。また、ここ数日左股関節が時折痛み、今日小さいですが、リンパ節にしこりがあるような感触があります。先生は、「あなたは早いほうだから心配しなくていい」とおっしゃってくださってますが、入院したら二度と戻れなくなるんじゃないか、もうだめなんじゃないかと日々恐ろしくなってきます。もしよろしければアドバイスをいただけませんでしょうか。

乳癌の疑いがあると診断されて、それを待っている期間というのは大変辛いものです。私が外来で見ている患者さんも乳癌と診断されてしばらく経つとあなたと同じようないろいろことをおっしゃいます。もちろんその様な症状が転移によるのかどうかは調べる必要はありますが、多くの場合手術が終わってからその様な症状はいつの間にか無くなってしまうものです。あまり力まずに淡々と治療を受けてください。(文責 麻賀)

 

No.2391-2】 04年06月06日 K 
今後のことについて

HPNo.2391ではご指導いただきありがとうございました。5/11に入院し、5/14に手術を受け、本日退院いたしました。皆さんのように詳しい数値や薬剤等は覚えていないのですが、術前の細胞診(+)大きさは1.6cm、術中の迅速細胞診断にてリンパ節および断端面(−)(ステージTの浸潤癌ではあるが、境界面は割合はっきりしていると言われました)で、術後ホルモンレセプター(−)、ハーセプチン(+)となりました。5/27に1回目の抗癌剤点滴投与をうけ、今後3回、月1回ずつ外来で投与後、1ヶ月程放射線照射を受けるスケジュールになっています。今回お尋ねしたいのは下記のことです。
@ 主治医の先生は、転移は全く疑っておられないので、CT・シンチ等受けていませんが、術前にうけた血液検査・胸部X線・マンモグラフィー・胸部エコーで転移のあるなしはわかるものでしょうか?また、腋窩リンパ節転移(−)ならば、現在転移はありえないのでしょうか?(顕在化していない転移があるかもしれないので、抗癌剤等の化学療法を行うと説明されています)
A ホルモンレセプター(−)の場合、(+)より予後が悪いと言われましたが、上記の治療を完了したとして、私の場合、統計上、どの程度の再発率が出ていますでしょうか?

長々と申し訳ありませんが、どうかよろしくお願いいたします。

@ 術前の血液検査、胸部X線撮影、マンモグラフィー、乳房Echo検査では、肺転移の有無以外は分かりません。臨床現場では、術後の遠隔転移を見つけるために、骨シンチ・CT・胸部X線撮影・腫瘍マーカー・肝Echo等が定期的に行われているのが現状ですが、どのような乳癌に対して、どの程度の間隔で行うと有効であるかということに関しての信頼性の高いデータはありません。ただし、術後の基礎的な臨床データとして、これらの検査を行っておく必要はあると思います。
腋窩リンパ節転移(−)の乳癌では、現在顕在化している転移がなくても、術後10年間で28%の症例に再発が認められるというデータがあり、再発予防の意味から、術後補助療法が必要となります。
A リンパ節転移(−)、エストロゲン受容体・プロゲステロン受容体ともに陰性の場合、上記の治療によって、年間再発率を26%、 年間死亡率を18%減少させることができると考えられています。ただし、これはあくまで統計上の数値であり、ケースバイケースですから、あまり気にせず、今できる治療をがんばって受けることが好結果につながると思います。 (文責 須田)

 

No.2390】 04年05月07日 IS
乳首下のしこり

前日より、右胸乳首下1cm位のところ(乳輪内)に痛みを感じ、触ると痛い直径1cm弱のしこりがあります。深く押さえなくとも、表面的に感じる(見た目にもわかる)しこりです。前々日より生理が始まっています。10日程前に乳がん検診の触診にて、『左右どちらの胸にも軽い「ニュウセンシュ」がありますね』と言われましたが、今回痛む個所は、その際に指摘されていた個所とは違います。マンモグラフィーの結果は1ヶ月待たないとわかりません。このような症状で、何が考えられますか。

線維腺腫や乳腺嚢胞などが考えられますが、確たることは言えません。マンモグラフィの結果を待ってからでも良いし、どうしても気になるなら乳腺外科を早めに受診したらどうでしょうか。(文責 麻賀)

 

No.2389】 04年05月07日 T.T.
右腋下の直径5mm程度の球体、乳癌の症状ですか?

はじめまして。いきなりで申しわけありませんが、質問させていただきます。以前からあった「右腋下の球体」が、最近大きくはっきり(直径3〜5ミリ程度)してきたように思います。それは皮膚のすぐ下にあるようで、右腕をあげた状態ではうっすらと浮き立ちます。よくよく注意して見ると、腕をあげた状態では、他の皮膚よりもほんの少し白く見えます。ころころと皮膚と一緒に動くのですが、腕をあげた状態でその球体をつまんでみると、ちゃんとつまむことができ、ポールペンの先に入っているような球体でした。軽くさわったところ、硬い感じがします。位置は、ちょうど腕と胴体の間の一番しわがよるところです。わきの中央です。
私は22歳の未婚の女性です。1年ほど前に「胸のしこり」が気になり、病院で見てもらいました。マンモグラフィーと超音波、触診の結果、乳腺症でしょうという事でした。当時から、この「わきの下のこりこり」はあったのですが、はっきりと場所がわからず、私自身たまに触れる程度でして、触診でも何も言われませんでした。今はちょうど生理後すぐです。胸にはとくに違和感はありませんし、見た目も触った感じも以前と変わりません。今はちょうど休日続きで病院に行けず不安です。上記のような症状は乳癌にあてはまるのでしょうか? 以上、よろしくお願いいたします。

あなたのお話から推定すると乳腺のものではなく、脇の下の皮膚の直下の腫瘍のように思います。文面からすると良性の腫瘍のようです。ただ気になるのであれば、もう一度そのことで病院を受診したらどうでしょうか。(文責 麻賀)

 

No.2388-1】 04年05月05日 DQQ 
しこりについて

はじめまして。43歳のバツイチ、2人の子供がいます。5月2日の朝、初めて右の乳房に5ミリほどのしこりを発見しました。すぐに救急病院へ電話をして見てほしいと告げましたが、「連休中でマンモも検査が出来ないので、乳腺外来のある日に来てください。」と言われ、不安な連休を過ごしています。しこりはそんなに硬くなく、押すと少し動くような気がします。痛みはありません。やはり年齢から言って癌の疑いが強いでしょうか? 来週の月曜日に乳腺外来に行く予定です。金・土と旅行を控えていますが、なんとも不安です。先生は、「気持ちは分かりますがそんなにあせらなくても大丈夫。」と言っていましたが、不安でしかたがありません。埼玉に住んでいますが、良い病院があれば教えてください。よろしくお願いします。

この文面からではあなたのシコリが何であるのかはわかりません。しかし、救急病院で見てもらうより、乳腺の専門病院でしっかり診断してもらう方が良いです。仮に乳癌であったとしても一刻を争う病気ではありません。連休が終わってから病院を受診することで問題はありません。(文責 麻賀)

 

No.2388-2】 04年05月26日 DQQ 
細胞診

No.2388でお世話になりました者です。先日は有難うございました。22日MRI検査、本日細い針を刺して細胞の検査を致しました。MRIでは、造影剤を入れた時にハッキリと白く映るし、今の段階では、2割位癌の疑いがあるとの事でした。細胞の検査は、「コロコロ動くので麻酔の要らない細い針にて細胞を抜き取ります。」と言われ、本日行いました。麻酔をして太めの針を刺されての検査だと思っていたので意外でした。31日に最終の結果が出るそうです。初診の時に行ったエコーの事を何も聞いてくるのを忘れてしまったのですが、エコーではどのような事が分かるのでしょうか? 最終的に診断を下すのは細胞の検査結果で決まると言われましたが、細胞結果で癌ではないと出たとしても、違う時があるともおっしゃっていました。今回違うと言われても、癌と診断されても、間違った結果が出ることもあると言う事なのでしょうか? 結果、癌なら癌の手術、違っていたらそのしこりを取る手術と言われたのですが、癌の時は何日位の入院で手術後、どのような治療をするのでしょうか? 副作用の強い抗がん剤などするのでしょうか? どちらにしても不安でしょうがありません。分かりやすいアドバイス頂けると幸いです。よろしくお願いいたします。

不安な気持ちは察しますが、まず、乳癌か、そうでないかをしっかり診断することが大事で、それにつきます。細胞診といって細い針で穿刺するのは、時に十分の細胞がとれずに、診断が難しいことや、逆に良性の腫瘍でも、細胞の形がいびつなために、癌の可能性があると返事がでることがあります。そのような時には、超音波の所見(形、中身の形、周囲の形など)やレントゲンの所見であわせて、やはり悪性の可能性が否定しきれないときにはしこりを切除します。全身麻酔で行うときには、その際、術中に病理診断を行い、癌の確定がえられれば、そこから、癌の手術をすることになると思います。癌であれば約10日くらいの入院が必要と思います。そのあとの抗癌剤、云々に関しては、あまり先走って考えず、まず診断をしっかりつけて、その次に進むステップを考えましょう。また相談があれば連絡ください。(文責 鈴木)

 

No.2388-3】 04年06月01日 DQQ 
やはり癌でした

先日は早々のご回答ありがとございました。No.2388・2459でお世話になりました。本日細胞診断の結果が出ました。やはり癌でした。細胞の結果はクラスXでした。これは疑いなしの決定だそうですね。かなりショックが大きかったです。エコー・マンモ・MRIの総合診断は、今の段階ではステージT・シコリの大きさは約2センチ・リンパへの転移は無さそうだと言う事でした。先生が色々早口で説明をされていましたが、呆然となっていたので、詳しいことはあまり覚えていないのが現状です。6月中頃には手術になるそうです。転移が無ければ1時間〜2時間弱で終わるそうです。術後5週間、25回に渡って放射線をかけるそうですが、放射線の副作用にはどのような例があるのでしょうか? やはり髪の毛が抜けたり、激しい吐き気などあるのでしょうか? 今日は告知され、ショックで体調が悪いですが、気持ちはもうしっかりと現実を受け止めました。転移・再発・副作用などについて少しアドバイスをお願い致します。10日ほどの入院で退院後どれ位で仕事に復帰出来るものですか?母子家庭で早く復帰をしたいのですが・・・。よろしくお願いします。   

乳癌の診断がついてしまったことで、不安な気持ちがいっぱいであると察します。ただ、病変は本当に早期ですので、十分治療によって治りきると思いますし、がんばって治療を受けてください。放射線ですが、やはり一番は、皮膚の広い意味でのやけどです。少し赤くなる程度から、皮膚がべろんと剥けるような人、あとはやはり少しだるくなるようです。まれではありますが、一部、肺にかかるため、肺が硬くなり息が苦しくなる方がいます。いずれも治療により改善します。髪の毛が抜ける、吐き気は殆どありません。まず、無事に手術を受けていただいて、その病理の結果で、抗癌剤の必要性を検討します。その種類によっては、半年くらいかかるものがあります。いずれも外来通院で可能です。その後に放射線照射を行います。抗癌剤の種類によっては吐き気、脱毛を起こすものもあります。ただし、乳癌は術後に再発予防の治療をしっかり受けることでその後に大きく差がでてきますので、治療が必要であるのであれば、しっかり受けられた方が良いと思います。手術、頑張ってください。(文責 鈴木)

 

No.2388-4】 04年06月08日 DQQ 
癌宣告から手術までの時間

HPNo.2388でお世話になりました者です。5/31に癌宣告をされ入院・手術を待っている状態です。6年前にやはり乳癌で手術した友人が、針を刺した検査の後2〜3週間で手術しないと転移しやすい・・と言っていました。急に不安になり、お忙しいとは思いますが、ご相談させて頂きました。現在未だ入院の日も決まっていません。6月中にはすると言っていましたが、聞いてしまうと怖くなってしまいました。2日くらい前から乳首がなんとなく痛いような、本日はそれに加えてシコリの部分がチクチク痛むような気がします。このような症状はやはり悪化したりしているのでしょうか?患者は私一人ではないことは判って居ますが、こんなに手術まで時間をおいているものですか?再三の質問で申し訳ありませんがよろしくお願いします。前回は早急なお返事大変感謝しております。

癌の腫瘤に直接針を刺すことで、癌細胞を撒き散らし、転移を促進するのではないかという危惧については、以前はずいぶん論議されましたが、現在では、その危険性はなく、穿刺後すぐに手術を急ぐ理論的根拠はないということになっています。また、乳頭部、腫瘤部の痛みと乳癌の進行とは関係ないと思います。手術待ちの状態での不安な気持ちは分かりますが、私どもの病院でも手術がたて込んでいると、2〜3週間お待たせするということもあります。各病院にはたいていの場合、相談窓口がありますので、入院の時期なども含めて、不安に思っている点を遠慮なく問い合わせてみてください。(文責 須田)

 

No.2388-5】 04年06月14日 DQQ 
手術待ちです

毎回早急なご回答ありがとうございます。HPNo.2388でお世話になっています。31日に癌宣告をされ、手術も24日か25日には行う予定のようです。今週日曜日から胃が締め付けられるように痛く、眠れない夜を過ごしています。ストレスからくるのだろうと薬を飲みながら仕事へ行っています。あまり毎日触りすぎるのも怖い気がして、しばらくシコリには触れなかったのですが、久しぶりに触って見ると少し大きくなっているような気がします。形も5/2に初めて気がついてから変わっているような気もします。相変わらずコロコロと動くのは変わりありません。シコリに気がついてから一ヶ月・針を刺してから二週間と少し・・こんなに早く進行することはありえますか? ステージT・転移は無さそうとの事でしたが、大きくなっているのは気のせいではないような・・・きっと手術を控えた患者はみんな不安なんだとは思いますが、見た目は明るく元気キャラの私ですが、小心者な一面があり、不安は次々沸いてきて、毎日一人になるとふさぎ込んでしまいます。診察をしていない先生にこんな質問ばかり、お忙しいのに申し訳ありません。他に相談できる人が居ないもので・・よろしくお願い致します。 

乳癌の診断がついて入院待ちの期間は、皆さん、程度に差はありますが、不安な気持ちで過ごされるようです。ステージT・転移は無さそうとの事ですから、急激に進行するようなことはないはずですが、直接診察をしていないので、はっきりしたことは分りません。不安に思っていることは、我慢せず、現在の貴女の状態を最もよく把握して下さっている主治医に遠慮なく問い合わせてください。善処して下さるはずです。手術後の病理結果をもとに術後療法の検討を行いますが、主治医とよく相談して、納得のいく治療を選択してください。(文責 須田)

 

No.2388-6】 04年07月20日 DQQ 
今後の治療について

HPNo.2388でお世話になっています。先日13日に退院して、昨日外来を受診して病理の結果を聞きました。術後の迅速検査などを含め家族への話しでは、「癌の中では珍しい髄様癌で転移も無く、再発などのリスクも少なく、術後の放射線で十分でしょう」ということでした。それを信じてとても明るい気持ちになり前向きに行こうと思っていましたが、昨日の話では、リンパへの転移が4個中1個の転移・ホルモンレセプター陰性・ステージUA 核異型度3と言う結果に愕然となりました。この結果は何を示しているのでしょうか?再発・転移がしやすいと言うことでしょうか?昨日からフルツロン一回1錠・二週間に一度アドリアマイシンを静脈注射・21日から25回放射線をかける予定です。この組み合わせの副作用はどんな感じでしょうか?核異型度3の意味がわかりません。手の打ちようが無いと言うことですか?担当の先生とはゆっくり話せ無いのが現状で、不安でしかたがありません。お忙しいとは思いますが、よろしくお願いいたします。

リンパ節転移が1つあったということは再発リスクが5年間で30%程度あるということです。逆に言うと70%は再発しないということです。あなたが再発するかどうかはあとになってみないとわかりません。再発するとしても、どこにでるかわからないので全身療法をおこないます。全身療法した人としない人ではあきらかに再発率が違います。したがって、あなたの状況では、全身療法を術後行うのが標準的です。どのような全身療法かというと、ホルモン受容体が陰性ですので、ホルモン療法は適応になりませんから、抗癌剤治療ということになります。あなたが予定している、術後の抗癌剤治療としてのフルツロンとアドリアマイシンの併用は標準的ではありません。アドリアマイシンと放射線療法は副作用のため一般的に同時には行いません。放射線療法は局所療法ですから、抗癌剤治療が終了してからでよいと考えます。
核異型度は癌細胞のたちの悪さを示すもので、3段階あります。3というのは一番たちが悪いということです。しかし、それよりもリンパ腺の転移のほうが再発の予測因子としてはおおきいので、きちんと全身療法をすればあまり気にしなくてもよいと思います。(文責 徳田)

 

No.2388-7】 04年07月22日 DQQ 
今後の相談U

HPNo.2388です。ご回答ありがとうございました。アドリアマイシンとフルツロンの組み合わせは標準的ではないとの事、アドリアマイシンと放射線は同時期にはやらないほうが良いとの事ですが、この組み合わせでは十分な効果が出ないでしょうか?本日CTにて放射線の位置決め、明日から開始の予定です。アドリアマイシンは23日に一度、以後2週間に一度、一年間と言われましたが、終わってからの放射線では1年度と言うことになってしまいますが・・・。また同時だとどのような副作用が起こる予測ができますか?病理の結果も納得出来ず、治療にも納得できない状況で、どんどん進んでいく現状です。明日からの放射線はどうしたら良いのでしょうか?

このまま流されるのではなく、自分の体のことなのですから、納得するまで主治医と話し合うべきです。(文責 徳田)

 

No.2388-8】 04年09月08日 DQQ 
放射線が終わりました

いつもお世話になっています。7/21?8/24で25回の放射線が終わりました。現在はフルツロン一日3回・アドリアマイシン2週に1回静脈注射の治療中です。先月はちゃんと生理があったのですが、今月はまだです。本日外来にて相談した所、アドリアマイシンで40才代の何割かに閉経してしまう人が居るとか・・・。閉経は仕方がないですが、閉経後に乳癌患者が増える事、ホルモンレセプターがマイナスと言う現状から、今のままの治療を続けていいものか不安になって来ました。また副作用かどうかわからないのですが、朝、足裏が腫れているようで、関節も痛く階段を下りるのが辛いです。何か薬と関係あるのでしょか?生理があがってしまうと再発と何か関係ありますか?よろしくお願いします。  

放射線お疲れさまでした。アドリアマイシンとエンドキサンを併用されていると思いますが、確かに卵巣の機能を抑制させるため、閉経してしまったり不順になります。そのため体のホルモンの状態が閉経後と同じになりますので、更年期症状や、骨粗鬆症や関節痛などが出現します。これは女性ホルモンの低下が原因で、薬自体の副作用ではありません。ホルモンレセプターがマイナスとのことですので、ご年令も考えるとアドリアマイシンの治療が第一選択になります。閉経すると再発のリスクがあがると言うことは現時点では無いとされていますので安心してください。いろいろと大変でしょうが、お大事にして治療を続けて行ってください。(文責 宮本)

 

No.2388-9】 04年11月27日 DQQ 
現在の治療の副作用でしょうか?

HPNo.2388でお世話になりました。7/1右温存手術を終え、25回の放射線・2週に1回アドリアマシン10CC・UFT1回1カプセルを飲んでいます。本日、照射後の検診で放射線外来に行って来ました。右乳房が浮腫んでいるような感じと、右を向いて寝た時の圧迫感と痛みについて聞いてみました。放射線の影響と外科の先生がおっしゃっていましたが、ちょっと長すぎるので炎症を起こしているかも・・・と言われました。私の体は大丈夫なのでしょうか? 後2日位前から息苦しい感じと、鼻が急に詰まった感じがあるのですが、これは現在の治療の副作用でしょうか? なんとも調子が今一で気分が落ち込みがちです。症状は担当の先生には訴えていますが、あまり真剣には聞き入れてもらえず困っています。アドバイスお願いします。

乳房の症状は手術、放射線治療の影響もあると思われます(発赤や痛みの増強がなければ大丈夫でしょう)。息苦しい感じと鼻の詰まった感じは、副作用であることもありますので、続くようであれば担当医に再度伝えた方がよいと思います。(文責 加藤)

 

No.2387-1】 04年05月05日 N.K.
母の胸の症状について

はじめまして。50代半ばの母の胸の症状についてお尋ねします。左胸に3cmほどのしこりができました。場所は乳頭のすぐ下のあたりです。しこりができて1週間ほどですが、触れるとズキンと痛み、現在は赤く腫れ上がっています。1年程前にも似たような症状が起こり、病院にかかったところ、エコー・触診・細胞診・X線などの検査をして、乳がんではないと言われました。当時は抗生物質を飲んでいたのですが、結局よくならず、少し切開して膿を搾り出したようです。今回も同じ病院にかかり、エコーと触診をして、乳がんではないだろうと言われました。行ったときはしこりがあったていどなのですが、先生がいろいろしこりのあたりを触りすぎたせいか病院から帰った晩から赤く腫れだしました。現在も抗生物質を飲んでいます。しかし腫れも赤味も引いてはいません。これは、何という病気なのでしょうか? 本当に乳がんではないのでしょうか? 長い連休で病院が休みなこともあり、心配でしかたありません。

あなたのお母様の病気は乳輪下膿瘍と思われます。良性の疾患ですが、なかなか難治性で、よく再発します。とりあえずは抗生物質で炎症を治めて難治性、再発性であれば手術を行うのが良いと思います。(文責 麻賀)

 

No.2387-2】 04年07月11日 N.K.
乳輪下膿瘍

前回の相談で「乳輪下膿瘍」であるとのご解答をいただきました。良性疾患ということで少し安心しています。今回相談したいのは、「もし手術をするとしたら」ということなのですが、
● 入院日数は通常どれくらいなのでしょうか
● 手術・入院費用はどれくらいなのでしょうか
● 麻酔は部分ですか、全身ですか?
● 関東県内でどこかそのような手術を安心して任せることのできる病院がありましたら教えていただきたいのですが…

よろしくお願いします。

乳輪下膿瘍の手術は局所麻酔で行うため、日帰り手術が可能です。簡単な方法としては、膿を出して自然に肉が盛り上がってくるのを待つ切開排膿術があります。また、膿が止まらなくなって慢性化した場合や、再発を繰り返すという難治性の経過をとる場合には、膿瘍周囲の乳管を含めて切除する根治手術の適応になります。手術の方法は各施設で多少異なっており、「これが全国標準」といった術式はありません。気をつけなくてはいけない事は、乳輪下膿瘍の原因となる病変が複数個存在している場合もあり、せっかく根治手術を受けても再発する場合があります。いずれにしても手術効果と合併症、再発のリスクについて、主治医から十分な説明を受けてから手術を決めるようにしてください。(文責 千島)

 

No.2386】 04年05月05日 T
DCISの術後療法について

いつもこの相談室で勉強させて頂いております。平成15年11月、33歳の時にDCISと診断されました。独身です。平成16年2月に温存手術で断片陰性との結果を受けました。リンパ節切除なしです。平成16年4月より放射線療法25回予定で、現在治療中です。当初、主治医は術後療法は放射線療法で終わりで、その後は継続的な検査を行うと言っていたのですが、平成16年3月の外来診察時にCMFも検討していると、初めて抗ガン剤について説明を始めました。主治医は、私の年齢のリスクを考えてということのようですが、やはりCMFによる治療を受けたほうがよいのでしょうか。それから、再発のリスクをどれくらいおさえられるものなのでしょうか。DCISでのCMFの効果について書いてあるものが見つけられません。再発のリスクを低くしたいという気持ちと抗ガン剤の副作用に耐えられるのかという不安な気持ちとの間で悩んでいます。将来は、結婚や出産も希望しています。どうぞよろしくお願いします。

通常、DCISの場合は病理組織検査でとり切れていると判断される場合は(断端陰性)、放射線治療だけでよいと思います。DCISはもともと再発・転移はほとんどありませんのでCMFを行うことによる有効性(再発のリスクをどれだけ抑えられるか)は証明されていません。しかし、実際の一人一人の患者さんの話になると多少話が違ってきます。まず第一にDCISといっても標本をどれだけたくさん作ったかによっても違ってきます。多く標本を作れば作るだけDCISという診断の精度は増してきます。標本の数が少ないと浸潤部分の標本が作られていない場合もあります。以上のようなわけですから、断端が陰性でも温存乳房に癌遺残が危惧されたり、DCISと診断されてもその範囲が広かったりすると一部で浸潤部分のある可能性も考えられます。このような場合、私は患者さんにその結果をお話してCMFを行う場合もありますし、ホルモン治療を行う場合もあります。よく担当医とご相談下さい。(文責 麻賀)

 

No.2385】 04年05月05日 K
乳がん再発につてのご相談

はじめてメールをいたします。私の母の乳がん再発についてご相談をさせていただきます。私の母は60歳になります。2年前に右胸に乳ガンができましたが、胸が無くなる事にとても抵抗を感じていた為、乳房再建手術を同時に受ける事にしました。予定では右胸全部を摘出するとの事でしたが、皮膚・乳輪・乳腺を残すことができました。乳房再建手術は、胸にシリコンを入れ、様子を見ながら食塩水を入れて大きくしていく方法を選びました。ところが、退院してすぐにインフルエンザにかかり、異物への拒否反応から右胸は真っ赤に腫上がってしまい、シリコンは取り出し、お腹の肉を胸につける手術を受けました。
右胸摘出手術から半年ほど経って、また右胸の乳輪の上に乳癌を再発、残した乳腺に癌が残っていたとの事でした。乳腺と癌を取り、抗がん剤と放射線治療を半年間うけました。それから1年が経ちますが、今年の3月、右脇の下にシコリを発見、取り出し検査をしたら、結果はガンでした。同じ頃から咳をする事が多くなり、肺のレントゲンを取ったら、うっすら白い点が3個映っていたのでCT検査を行いましたが、結果は異常なしでした(乳がんの放射線治療を行うときに胸にもかかってしまったのが原因ということでした)。シコリを取った後、同じ場所にシコリがまたできているのを2週間後くらいに発見しました。今後の治療は、放射線と抗がん剤で行っていくので、シコリを取る手術は行わないとの事でした。シコリは少しずつ大きくなってきていますが、このまま取り出さず、放射線と抗がん剤治療のみで大丈夫でしょうか? 心配です。また、咳は以前より止まっている時間が長くなってきていますが、出始めると以前よりかなりひどく咳き込みます。咳止めの薬を飲んで様子を見るとの事でしたが、ひどく咳き込むのを見ていると心配です。最初の手術後からノルバデックス10mgを毎日飲んでいましたが、今年3月からはアリミデックス1mgを毎日飲んでおります。咳止めはリン酸コデイン散1%を飲んでいます。よろしくお願いいたします。

右脇の下のシコリをとった後にまた同じような部位に癌が出てきたとのことですが、これは乳癌の全身転移の症状の一つとして出てきたものと思われます。このような場合、その局所を摘出することはあまり効果がありません。治療としては局所には放射線治療を行い、全身的には抗がん剤、ホルモン治療剤を行うのが適当と考えます。咳については放射線治療による影響が最も考えられますが、後日肺転移であったとわかってくる場合もありますので、定期的な検査を行っておいたほうが良いでしょう。(文責 麻賀)

 

No.2384】 04年05月05日 A.K.
術後治療について

63歳の母の事で相談させていただきます。3月末に右乳房切除術を受けました。術前の診断では腫瘍の大きさ 3.5X4.2とのことで(術後の実際の大きさは聞いていません)、先日病理検査結果がわかりました。リンパ節転移2個(14個中)、グレード2、ホルモン受容体陽性、閉経後なのでノルバテックスの服用5年の治療になるとのことです。放射線治療や化学療法を覚悟していましたので、その時は少し驚き、またほっとしていたのですが、最近になり化学療法をしないことが不安になってきました。主治医の先生からは「この治療にしましょう」と言われただけで、他の治療方法は何も言われていません。化学療法をプラスするのと、しないのとでは、かなり再発率に違いがありますか? 母は副作用のある化学療法は、できれば避けたいと考えているようです。よろしくお願いいたします。

St.Gallenのguidelineでは閉経後、リンパ節転移(+)、ホルモン受容体陽性であれば、化学療法->ノルバデックス、もしくはノルバデックスということになっています。ですから、guidelineから外れた治療ではありません。化学療法をどう考えるかで、少しでも再発の可能性を少なくしようと考えれば化学療法を追加するのも一案ですが、お母さんが心配しているように副作用が強いことも事実です。思案のしどころだと思います。もう一つ提案するとすれば、guidelineより新しい治療として、アリミデックスというホルモン療法薬(アロマターゼ阻害剤)が有ります。アリミデックス5年内服とノルバデックス5年内服との比較試験で、アリミデックスの方が術後の再発を抑える力は強いことが証明されています。しかし、まだ長期のデータがないためguidelineには採用されませんでした。お母さんの治療法のひとつとして一考の価値は有ると思います。もうひとつ最近発表されたデータでは、ノルバデックスを2~3年内服した後でアロマシン(アロマターゼ阻害剤のひとつ)に変更するとノルバデックス5年より再発が少なくなることが証明されました。ですから、このままノルバデックスを続けて2~3年後に薬を変えると言う方法も有ります。この辺の所は毎年毎年新しいデータが出てきますので注意していて下さい。(文責 清水)

 

No.2383】 04年05月05日 kano
乳がん検診について

初めまして。乳がん検診についてお伺いしたいのです。会社で行われている子宮ガン検診と同時に乳がん検診を受けているのですが、医師による問診、触診などはなく、検査技師によるエコー(超音波)検査のみで、後日結果が郵送されてくるのです。結果、「乳腺のう胞」(年一回の経過観察)だったのですが、お伺いしたいのは、@乳がん検診は問診、触診などなくても、エコーだけで十分なのでしょうか。(その病院には乳腺外科もあるのですが、診断医師は内科医(院長)だそうです。) それともA町の婦人科で医師による問診、触診、エコーの検診を受けたほうが正しい結果が得られるでしょうか。乳腺外来は空いている日も少なく、予約もとりにくいので定期検診としてはエコーのみで十分なら、そのまま@で続けようと思うのですが・・・。ただ時々胸や脇あたりに痛みがあります。生理周期との関係は明確ではないですが、前回は生理が始まったとたんなくなってしまったので、多分生理周期によるものでしょうと言われました。(次回検査(半年後)まで待っていて大丈夫でしょうか。) アドバイスいただけますと幸甚です。

乳がんを早期に見つけるためには、検診も大切ですが、自己検診が重要であることはいうまでもありません。常に自分の乳房の状態に関心を持ち、自分の乳房の異常は自分で見つけ、専門医の検査を受けるというのが一番よいと思います。検診としては、仕事をしている人では会社の検診を、働いていない方は御主人の会社の検診や自治体の検診、私設の人間ドック等を利用するのが良いでしょう。それぞれの検診は予算や規模によって検診方法が異なります。どの検診法が良いかではなく、自分の受けることのできる検診は何を使った検診(触診、MMG、US)なのか、その検診法の長所欠点は何なのかを良く理解して、過信せず、異常を指摘されたとき、もしくは異常を指摘されなくても自分でおかしいと思ったときは速やかに専門医を受診することをお勧めします。前置きが長くなりましたが、エコーの結果で嚢胞腫といわれても、ご自身は何も異常を感じないのであれば6か月後の検診でよいと思います。何となく心配というのであれば、乳腺外科を受診することをお勧めします。(文責 清水)

 

No.2382】 04年05月05日 okay
リンパ節転移と化学療法について(HPNo.2282-4)

お世話になっております。前回は化学療法について 度々のご丁寧なアドバイス本当にありがとうございました。お礼の連絡が遅れまして大変申し訳ありません。実は26日メールでのアドバイスを参考にさせていただき化学治療の方向性を決めて、26日午後より CEFによる治療を開始いたしました。CEF (C:500mg(エンドキサン点滴) E:40mg(エピルビシン) F:5FU(点滴) )6クールの予定で、1回目は入院での点滴を開始いたしました。そこで再度になるのですが、1つお伺いしたいのですが、1回目は入院なので、5FUを点滴で投与するのですが、主治医の先生によると、2回目からは通院治療になる為、5FUは経口剤(フルツロン)になるとのことです。(5FUは短時間の点滴での投与は効果がなく、入院で5日連続での点滴となるとのことです。)経口剤では継続して2、3年の使用になるということなのですが、「フルツロン、ユーエフテイー等の経口剤は欧米では使用しておらず、日本のみでの使用で、効果の実績のデータもなく、治癒効果等があるのかはっきりしていないので使用してもあまり意味がなく、長期に渡るので副作用の影響のほうがある。」というのを本で読みました。そこで2回目以降も点滴での5FUの投与をしたほうがいいのか、経口剤で2、3年やるのか(ただ経口剤の効果が本当にあるのかがよくわからないので不安です)、どのように選択をすればいいのか当惑しております。ご意見をいただければ大変助かるのですが、ご無理を言って申し訳ありませんが、宜しくお願い致します。

CEFのFの使用にはいろいろ議論が有ります。Evidenceとして分かっていることは、エピルビシンを使うことがbetterだということで、Fについて言及したevidenceはありません。ですから、Fを使うと副作用が強くなるからといってFを使わずECで治療する先生もいますし、Fを点滴で治療する先生もいます。日本では経口のFが広く使われていましたから、Fを使うことにあまり抵抗がありません。しかも、Fは時間依存性の抗ガン剤といわれ、短時間で注射するより長時間かけて点滴した方が良いとして数日間持続点滴する先生もいますし、長時間の点滴は大変だから飲み薬で投与する方がよいと考える先生もいます。ですから、Fの使い方はバリエーションの範囲と考えていただいてかまいません。一つの投与法で副作用が出た時等は投与法を変えることが可能だと考えて下さい。しかし、術後の化学療法は短期間に集中して行うことがよいとされていますから、使うなら、CEFと一緒に行い、6か月で止めるのが標準だと思います。その後単独で飲み続けるかどうかは、CEFが終了した時点で主治医の先生とよく相談して下さい。止めるのが標準ですが、飲み続けて悪いというデータも、飲み続けた方が良いというデータも有りませんから、あとはご自分の考え方次第だと思います。余計なお節介かもしれませんが、エピルビシンの投与量が少ないのが気になります。標準的な投与量は1クールあたり90~100mg/uと言われていますから、平均的な日本人の体表面積を1.5uとすれば135~150mg/1クールとなり、二回に分ける投与法としても、一回あたり65~75mgが標準と考えますが、いかがでしょうか?(文責 清水)

 

No.2381-1】 04年05月03日 T.O
すぐに手術を受けたほうがいいのでしょうか

はじめてお便りします。本日5月1日、乳がんと診断され、混乱しております。アドバイスをお願い致します。
平成14年8月8日、S病院での人間ドックで左乳房にしこりがあると言われてその日のうちに針生検を行い、しこりの部分から水がでました。また、レントゲン撮影も行いました。水は検査に出しましたが、針生検では正しいことは分からないこともあると言われ、エコーの予約をしました。翌日エコーを行い、18日に針生検の結果とエコーの結果を教えてもらいました。針生検の水の検査では、不確かではありますが、Vaという結果で、がん細胞か、そうでないか、どちらとも言えない結果だが、エコーでは問題がないので心配はない、乳腺症だと診断されました。エコーの結果は、両乳房に水のたまりがたくさんあることがわかりましたが、乳腺症なので治療の対象ではないと言われました。その際、癌化する可能性がゼロではではないので、定期的な検診が必要と言われ、念のため半年に一度検査を受けた方が良いと言われました。平成15年2月、エコーでの検査を行い、変わりなしと言われました。平成15年8月、エコーの検査。2月と同じ結果でした。平成16年2月、エコーの検査で左乳房の水のたまりの中に1.5cmぐらいの細胞があると言われました。「マンモトームの検査をすれば細胞がどんなものかはっきりするが、その必要はないでしょう。」と言われ、その日は帰りましたが、どうしても気になり、約一週間後、マンモトームの予約に行きましたが、年度末なので保険の切り替わりの関係ですぐにはできないといわれ、4月21日に行いました。5月1日、マンモトームの結果を聞きに行きましたが、検査の結果、悪性腫瘍が見つかったといわれ、乳がんと診断されました。すぐに入院、手術を勧められました。手術については、乳房温存法と乳房を全て切り取る方法の二つがあること、どちらの方法になるかは、手術中の病理検査の結果で手術中に決まる、という説明を受けました。詳しいことは執刀医の先生から説明があるとのことで、その後は入院前の検査(心電図、肺活量、胸部レントゲン、採血、尿検査)を行い、入院前の準備について看護師の方から説明を受け、帰りました。現在ベッドの空き待ちで、早ければ連休中(5月5日まで)、遅くとも5月8日頃までには入院できるとのことで、病院からの連絡待ちです。やはり、病院の指示通りに入院、手術を受けたほうが良いのでしょうか。急なことで混乱しています。よろしくお願い致します。

まず、のう胞性疾患と乳癌についてですが、一般に乳腺にのう胞性疾患がある場合、3〜6ヶ月毎のフォロー中に、頻度は少ないですが、のう胞壁より癌が発生し、のう胞内に乳頭状の発育をして発見される事があります。従ってのう胞性疾患がある場合は、定期的な検診が必要となります。
次にマンモトームですが、マンモトームでの検査は、吸引細胞診の検査と異なり、乳腺組織を十分に採取して行いますので、その結果が悪性腫瘍ということであれば、乳癌に間違いないと判断してよいと思います。
手順としては、主治医より、「手術を含め、どのような治療を行うか」について話を聞くこと、貴女の疑問点があれば、その説明をしてもらうことから始まりますので、まず何はともあれ、治療を開始するために一歩を踏み出すことが大切だと思います。十分なインフォームドコンセントを受け、納得のいかない事、疑問点などがあれば、これまでの経過を記した紹介状をいただいて、別の医療機関にセカンドオピニオンを求めることもできます。(文責 須田)

 

No.2381-2】 04年05月10日 T.O
マンモトームから手術までの日数について

お答えいただき有難うございました。読ませていただいているうちに落ち着いてきました。もう一つ教えていただきたいのですが、マンモトームの後の手術は急いだほうが良いのでしょうか。マンモトームから2週間くらいで手術が望ましいという話を聞き、その時はその事を気にするゆとりもなかったのですが、このままでは手術はマンモトーム後、2週間以上になると思います。何かまずい事があるのでしょうか。診察を受けた病院は連休休みで、話を聞くことができません。続けての質問で申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

乳腺組織を手術的に採取して乳癌の診断をつけることを生検といいますが、この場合、乳癌の一部に切り込むことがありえます。このようなやむを得ない手順により、がん細胞を周囲に撒き散らす可能性があります。このような事を考慮して、乳癌の場合、生検後どのくらいで手術が望ましいかということについては、一般的には1ヶ月以内であれば、直ちに手術を行った場合と予後差がないので、心配ないということになっています。マンモトームによる組織検査も生検の一種ですので、これに準ずると思われます。(須田)

 

No.2381-3】 04年12月14日 T.O
腫瘍マーカー、ホルモン注射について

いつも読ませていただき、大変参考になります。ありがとうございます。私は、5月にNo.2381で質問をさせていただいたものです。その節は丁寧なお答えをいただき、ありがとうございました。おかげさまで落ち着いた気持ちで手術に望み、現在に至っております。手術は乳房扇状部分切除術で、リンパ節転移は、なしでした。その後放射線治療後、ホルモン療法(ノルバデックス)を続けています。先日、6ヵ月後の検査で腫瘍マーカーの一つの数値が上がっていました。NCC−ST−439が4.8から14.0、CEAは2.5、CA15−3は11.0、 IAPは281でした。主治医の先生のお話では、私はノルバデックスではまだ生理が完全には止まっておらず、血液検査の日が生理日と重なっていましたが、それが原因でNCC−ST−439の数値が上がったのではないかということでした。このまま生理が止まらないならホルモン注射(ゾラデックス)が必要と言われました。同時に行った腹部エコーや乳腺エコー、子宮体がん、子宮頸がんの検査は異常なしでした。また、私は以前から子宮筋腫もあり、最近の診察では直径5cm×7cmぐらいもののと、小さなものがいくつかあるとのことでした。乳がんの手術を受けた病院とは違う産婦人科の先生のお話では、「子宮も卵巣も全部とってしまった方が子宮筋腫にも乳がんのためにも良い」と勧められました。長くなり、申しありませんが、4つ質問があります。

1)腫瘍マーカーのNCC−ST−439の数値の14.0については、生理の影響だろうと言われ、再発・転移の心配はないと言われましたが、このまま経過観察でよいのでしょうか。
2)生理が完全には止まっていないことや子宮筋腫のためには、ホルモン注射はやはり必要なのでしょうか。
3)ホルモン注射とはどのようなものなのでしょうか。また、それに伴う身体的影響はどんなものなのでしょうか。
4)子宮筋腫の治療のためと乳がんの再発防止のために子宮や卵巣を全部取ってしまったほうが良いと言うのは本当なのでしょうか。

お忙しいところ誠に申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

1)申し訳ありません、NCC-ST-439を普段使っていないので、偽陽性の原因等について知りません。私はCEAとCA15-3を使っていますが、この両者は正常範囲内なので心配ないかなと思います。NCC-ST-439を使い慣れている先生が生理の影響だろうとおっしゃっているのならば、それを信じて良いのではないでしょうか。
2)詳しい病理結果が不明なので何とも言えませんが、閉経前で、リンパ節転移(-)、ER(+)と考えると、組織学的悪性度によって推奨ガイドラインは変わります。Grade1ならばノルバデックスですが、Grade2以上だと、ゾラデックスで生理を止めてノルバデックスを内服することが推奨されます。
3)ホルモン注射というのはLH-RH analogue(商品名はゾラデックスもしくはリュウプリン)で、4週間に一回注射することで生理を止めます。その身体的影響は、急激に閉経状態になりますから更年期障害が起きます。ただし、この薬による閉経は可逆性がありますから、更年期障害が強くて辛い場合は投与を中止することで生理が戻って、更年期障害は軽くなります。
4)生理を止めることが有効ですから、両側の卵巣を切除するのも一つの方法です。薬で生理を止めるのと、卵巣を切除して生理を止めることの大きな違いは、可逆性があるかないかです。前述したように薬で生理を止めた場合は投与を中止すれば生理は戻りますが、手術で生理を止めるともう後戻りはできません。しかし、何年も薬を使うことを考えると、手術の方がcostはずっと安くなります。従って、お勧めはひとまずは薬で生理を止めて、更年期障害があまり強くなく、耐えられる範囲であれば、手術的に卵巣を切除することが良いと思います。卵巣を切除することが子宮筋腫の治療になるかどうかは婦人科の先生に相談してください。(文責 清水)

 

No.2380】 04年05月03日  N
経過観察でよいのでしょうか

お世話になります。36歳、2児ありです。3月末に腫瘍のみ切除しました。細胞診の結果も術中検査も病理も境界病変とのことで、半年後の超音波の予約のみです。
Right breast, NOS
Atypical papillary lesion, highly suggestive of NIDC
Axillary lymph node,right
Negative for metastatic tumor (0/6)
15×8×12mm 乳頭状形態を示す異型乳管上皮病変、monotonousで濃縮した核質を有している 
断端に腫瘍を認めており、不完全切除ER+++、PgR+++、c−erbB-2(1+)、MIB−1(+、10%)

主治医は追加切除しても対して意味がないし、がんとはっきりしていないので、放射線もなしで、いずれがんが出来た時のためにとっておきますと言われました。他のNIDCの方へのお答えを拝見していると、このままで良いのか不安で・・・。お忙しいところ、大変恐縮いたします。宜しく御願い致します。

確認しておきます。NIDCというのはNon-Invasive Ductal Carcinomaの略語と判断します。また、Axillary lymph node , right : Negative for metastatic tumor (0/6)とあるので、腫瘍のみ切除でなく、通常の乳腺部分切除、腋窩リンパ節郭清を行ったと解釈します。回答ですが、Atypical papillary lesion, highly suggestive of NIDC(通常Atypical Ductal Hyperplasia略してADHと言われることが多い)という診断は非常に悩ましい診断です。もし可能であれば、病理診断のセカンドオピニオンをお勧めしますが、ADHと診断される病変を10人の病理の先生に診断をお願いすると、三分の一は非浸潤癌、三分の一はADH、三分の一はmastopathy(乳腺症)と診断するような微妙な病変です。ですから、病理診断が難しい前癌病変と考えて、後はあなた自身がどうするかを決めないといけないのです。一つ明らかなことは、ADHと診断された場合、周囲に乳癌病変がある確率が高いこと、かなり高率にその後乳癌を発症することが知られています。ですから、私は、病理学的にADHは癌でないとしても、臨床的にはほぼ非浸潤癌と同じと考えて治療に望んだ方がよいのではないかと考えています(ここは意見の分かれる所だと思います)。主治医の先生も腋窩リンパ節郭清までしているのですから、癌と考えて治療をされているのでしょうが、追加切除しないというのは中途半端に思えます。今回の病変が非浸潤癌と同等だと考えれば、追加切除もしくは乳房切除が勧められます。どうしてもそれが嫌だと言う場合に放射線治療が次善の策と考えます。今回の病変は癌でない、良性病変と考える(その場合腋窩郭清をしたことは疑問ですが)ならば、何もしないという選択肢を選ぶことも可能ですが、その時はこれから慎重に経過観察することが大切です。36歳で子供さんもまだ小さいでしょうから、今後学校行事等が増えていくと予想される中で、乳癌のhigh riskと言われて頻回に病院通いをして検査をするのは大変かなとも思います。今回の病変をどのように捉えるか、一つの治療法を選んだ時に今後どうなるかをよく考えて、主治医の先生とよく相談し、可能であれば病理診断も含めたセカンドオピニオンを受けてこれからの治療方針を決めて下さい。幸い、急ぐ必要のある病変ではないので、じっくり時間をかけて考えて良いと思います。(文責 清水)
 

No.2379】 04年05月03日  S
左の掌(HPNo.2194-4)

3度目の質問になります。形成外科を受診するように言われ、その後MRI検査をしました。結果は不明ということでした。「左手掌皮下結節。ガングリオンは否定的。腱に接しているので、健鞘巨細胞腫は識別に挙げられるが、画像所見は異なる。炎症性結節のような印象がある。炎症性には、テュプイトレン拘縮があり症状はよく似ているが男性がほとんどの病気である。従って、結論は不明。2週間毎に診せてください。抗ガン剤の副作用がおさまった頃に摘出して病理検査に出しましょう。約2ヶ月後になるか。」 と、言われてきました。症状としては、やはり前と同じで熱っぽく鈍い痛みのようなものがたまにあります。掌を張るととても硬いしこりに感じられます。中指と人差し指が、つっぱります。冷えビタで冷やすと、楽になります。すでに2ヶ月が経ちましたが、大きさは変わらないような気がします。病名が不明と言われ、非常に不安で仕方がありません。乳がんとの関連性が強いのでしょうか。6回の抗ガン剤が終了したところです。無治療です。よろしくお願い致します。

お話を伺う限りは乳癌との関連性は低いように思います。検査も充分に行われているので主治医の先生のおっしゃるように、白黒つけるとすればあとは切除するしかないと思います。しかし、手掌は神経や血管が細かく指先を支配していて手術が難しいところですので、手術を行うかどうかは慎重に判断して下さい。(文責 清水)

 

No.2378】 04年05月02日  S.I.
脇の下のしこり

出産後三ヶ月たつ授乳中の者です。妊娠六ヶ月の時に胸と脇の下にしこりを感じ、超音波検査をしてもらいましたが、何ともないと言われました。出産2日前にはしこりのある方とは反対側の乳首から出血しましたが、出産後は血もだんだん薄くなり、普通の母乳がでるようになりました。出産一ヵ月後に、もう一度脇の下のしこりを超音波で見てもらいましたが、「何も写らないから、奥のほうにあるのではないか? たぶん脂肪のかたまりでしょう。」と言われました。その頃は特に気づきませんでしたが、最近しこりが2個になっていることに気づきました(そのときからあったのかもしれませんが・・・)。触ると痛いので気になっています。もう一度、詳しく調べてもらった方がいいのでしょうか? 子供が小さいので、以前調べてもらった病院まで行くのは遠くて大変そうなのですが、どこの病院で見てもらっても結果に差は無いのでしょうか?

授乳中には乳汁がたまり小さな腫留を作ることが良くあります。文面からするとその様なもののようです。気になるようであればもう一度見てもらった方が良いです。一度見てもらった病院で見てもらうのが良いと思います。(文責 麻賀)

 

No.2377】 04年05月02日  HY
手術後の鎮痛剤の量について

お忙しいところ恐れ入ります。母が左乳癌の手術を4/26に終え、5/1に退院しました。食欲もあり、問題は無いように見えるのですが、手術の後の主治医と看護婦のやりとりの内容から不安になり、精神的に不安定になっております。そこでこのHPを拝見しメールをさせている次第です。
4/26に午前中に手術を終えた母はリカバリー室(手術した患者さんが術後の容態を見るためにナースステーションのすぐ隣に設置している部屋)で1日過ごし、次の日4/27に病室に移る前に、そのリカバリー室の隣にいる主治医と看護婦のやりとりを聞きました。内容は手術後に施された鎮痛剤と座薬の量についてです。看護婦は座薬2つと、鎮痛剤の注射(右腕上腕部)を3本、母に施しました。その後主治医が看護婦に「どうして僕に無断で三本うったのか?そういうことは僕の指示を得てからでないと困る」と厳しく注意していたということです。不安になった母は主治医ともう一人の医者にその不安を打ち明けましたが、「大丈夫です」とのことで、具体的な説明がなかったようです。
母が心配しているのは「3本施されたことに対する副作用や後遺症が出るか」ということです。丁度今日の新聞で他の病院で抗がん剤を2倍投与され死亡した記事が掲載されたばかりです。座薬名や鎮痛剤の名前はわかりません。大変お忙しいとは存じますが、宜しくご回答の程お願いいたします。

看護師さんは術後の痛みが強かったため指示にあった座薬のほかに鎮痛剤を3本打ったのだと思います。通常は鎮痛剤を3本注射しても問題が起こることは無いです。術後あるいは翌日に特に症状が無ければ副作用はないと考えていいです。(文責 麻賀)

 

No.2376】 04年04月30日  K.I
日本の治療方法についてお教えください

よろしくお願い致します。ポーランド人の友人の母が、6年前にPaget disease(乳がんの一種)の診断を受け、抗がん剤投与後左乳房摘除術を受けています。1年ほど前から左のわきの下にしこりが出来始め、しこりの真ん中に潰瘍が出来て、最近診断を受けて再発とのことです。前回の抗がん剤投与で副作用がひどく、手術後4年ほど副作用に悩まされたようです。正直言って、ポーランドの医療の水準はとても低く、また高価な抗がん剤は使えないと思います。手術自体もレベルがどの程度かわかりません。質問があります。

@ 日本ではどんな抗がん剤がPaget's病に使われているか。
A 又抗がん剤を使ってから手術するのか。
B 手術してからどんな抗がん剤を投与するのか。
C 再発した場合は手術は出来ないのでしょうか?

以上の4点をお教え願えますでしょうか。よろしくお願い致します。

回答の前に、Paget diseaseというのは腫瘤をつくらず乳頭の表面がびらんになる特殊なおとなしい癌で、通常抗ガン剤治療等はしません。友人のお母さんの場合はPaget phenomenonを有する通常の乳癌(通称:Pagetoid癌)だったのではないでしょうか? その場合はできていたしこりの大きさで病期が決まり、手術や抗ガン剤治療が必要になります。その前提で回答します。
1) 前述したようにPaget病であれば抗ガン剤は使いません。通常の乳癌であれば、AC, CEF等のAnthracycline系の薬剤を術前に使う事が多い(6年前であれば)と思います。
2) 抗ガン剤を使ってから手術をする事もあります。(Primary chemotherapy, Neoadjuvant chemothrapy等と言います)
3) 手術前にAnthracycline系薬剤を使っていれば、術後はTaxane系薬剤が使われます。また、腫瘍のER(ホルモンレセプター)が陽性であれば、ホルモン療法も有効です。
4) 再発乳癌に対する治療は薬物による全身療法が原則で、手術をする事は稀です。しかし、QOLの向上のために手術を行う場合もあります。今回のように腋窩に再発して、潰瘍を作っているような場合は、局所コントロールといって、延命には寄与しなくても、患者さんの生活の質が良くなるのであれば手術や放射線治療という治療選択肢も考えられます。(文責 清水)
 

 

No.2375】 04年04月30日  Y.I.
良性、クラスUと言われ

47才既婚、子供一人の女性ですが、先日胸の内側下に2センチ位のしこりを見つけ、乳腺クリニックに行きました。マンモグラフィー、超音波、細胞診を受け、マンモグラフィー、超音波では、95%良性と言われ、細胞診の結果、良性、クラスUと言われましたが、クラスUでも癌だった人がいるので、6カ月後、また来てくださいと言われました。不安だったので、病名は何ですかと聞くと、組織をとってないので分からないが、乳腺線維腺腫の疑いと言われました。私はとても神経質な方なので、落ち着かなくて不安でたまりません。良性でもとってしまった方がいいのでしょうか? 先生は様子をみましょうと言われましたが、この先6カ月間、ビクビクして過ごさなければならないのでしょうか? そんなに心配しなくていいのでしょうか? 是非、教えて頂きたくメールしました。先生、どうかよろしくお願いします。

主治医の先生がおっしゃるように切除していないので100%大丈夫とは言えませんが、触診、マンモグラフィー、超音波検査の所見が良性で、細胞診の結果がclass2であれば、九分九厘心配ないと思います。神経質で心配性というのならば、積極的にしこりを切除してもらって、安心するのも一つの方法だと思います。通常、摘出手術は局所麻酔で30分程度で済み、もちろん入院は不要です。(文責 清水)

 

No.2374】 04年04月30日  L.F.
胸のしこりと痛み

こんにちは。左の乳房にいつもではないのですが、痛みがあります。我慢できないほどではありません。以前痒みで質問させていただきましたが、今回は、夜中なんとなく痛くて目がさめ、胸をつまんでみると、乳リンを挟んで左上と右下にかなり大きいしこりがありました。こんなことは初めてでびっくりしています。ただ、つまめば大きなしこりに触るのですが、よくある乳がんの自己診断のようにぐりぐりと触るとあまりわかりません。でもつまむとそこに確かに大きいのがあります。触ったからといって痛いわけではありません。ただ、不規則的にたまにズーンと痛くなるのです。ただ4月10日に生理があり15日の日に終わり、20日から不正出血が今もあり(継続中)、産婦人科に行きましたら、エコーの結果異常はなく、ホルモンの問題だろうということでしたが、それと関係がありますか? 次回の生理の予定は5月7日ごろなのですが、それによる胸のしこりなのでしょうか? 急にこんなに大きなしこりができることはありますか?(今まで気付かなかっただけかもしれませんが・・・)  お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

メールの内容からは乳腺嚢胞腫が疑われますが、何はともあれ、乳房に異常を感じたら乳腺の専門医を受診することをお勧めします。(文責  清水)

 

No.2373】 04年04月30日  O.L.
乳頭部の痛み

初めまして、43歳になる主婦です。10日前より乳頭部が痛くてたまりません。服が触れるだけでも痛いのです。少し乳頭が熱っぽい感じもします。両脇のリンパあたりにも痛みを感じます。癌を疑い、しこりを探しましたが、わかりません。あるような無いような・・・。ちなみに生理は順調にあります。病院に行くべきでしょうか? もしも行くとしたら、産婦人科ですか? 教えてください。

癌の症状はないように思いますが、乳腺専門の外来を受診することをお勧めします。(文責  清水)

 

No.2372】 04年04月30日  H.S.
乳頭掻痒感のご相談

はじめまして。26歳女性です。半年ほど前より右側のみ乳頭に掻痒感があります。左と比べてやや色素沈着があるようで、大きさも若干大きいようです。乳頭の表面の皮がよくみると、ごく軽度向けているときもあります。疼痛はありませんし、分泌物もありません。左は全くそういった症状はありません。可能性としてどんなものがあげられるのでしょうか。受診の必要性・また受診するなら何科なのでしょうか。ご指導ください。

一番考えられるのは乳頭部湿疹だと思います。鑑別すべき疾患としてはPaget病があります。乳腺外科もしくは皮膚科の受診をお勧めします。(文責 清水)

 

No.2371】 04年04月29日  E.T
術後2年目の治療について 

初めて質問させて頂きます。32歳未婚、昨年4月に右乳房脇側に1cm大のしこり有り、乳癌と診断されました。リンパ節への転移はありません。温存手術後、放射線治療を受け、同年6月よりホルモン療法(4週に一回、リュープリン計12回)を始め、今月終了しました。その間の経口薬は無しです。術後1年目の検査は超音波のみで異常無し、定期的な血液検査も今まで問題ありません。医師によると、少し間を置き、6月の次回診察時より、弱目のホルモン薬を飲んでもらいますと告げられました。その時点では薬の名前まで聞かなかったのですが、私のような早期癌の場合、ノルバデックスでしょうか? 又、服用期間も教えて頂きたいと思います。リュープリン注射間は完全に生理がありませんでしたが、医師が次回の診察を6月と間を置いたのには、生理の復活を見込んでの事なのでしょうか? 
将来は妊娠を強く希望しております。乳腺外科ではなく、総合病院の外科に行っております。医師(病院側)には自分の情報を聞きにくく、このページに出てくるような用語や数値、レベルは恥ずかしなから全くわからず、治療はほぼ医師まかせです。

余計なお節介かもしれませんが、自分の体のことですから、他人任せにせず、自分の乳がんの状況は知っておいた方が良いと思います。St. GallenのGuidelineによれば、35歳以下の方は、腫瘤径、リンパ節転移の有無に関わらずAC,CEFといった抗ガン剤治療が推奨されています。将来妊娠を希望される場合は、リュウプリンを使って生理を止めてから抗ガン剤治療をすれば、8〜9割の確率で生理が戻るといわれています。脱毛等が嫌で、ホルモン療法をということであれば、リュウプリンもしくはゾラデックス2年、ノルバデックス5年が標準治療です。しかし、ノルバデックスで閉経してしまう可能性(その場合はノルバデックスを止めても生理が戻らないこともある)も有り、妊娠を希望される場合は難しい選択肢かもしれません。将来妊娠を希望される方の術後の補助療法選びは大変難しいのです。ご自分の希望をはっきり主治医に伝えて、良い方法を考えてもらって下さい。(文責  清水)

 

No.2370】 04年04月29日  K.K.
術後治療について

38歳です。リンパ節転移6個、ホルモンレセプター(+)で、これから半年AC+タキソールの化学療法の後ゾラデックス2年タモキフェン5年を予定しており、今一回目のAC点滴終了したところです。副作用は強いほうではないと思います。 素人質問で恐縮なんですが、よろしくお願いします。 この治療目的は今現在体内に残されていると思われる癌をこの半年の化学療法で叩き、それでも残った可能性のあるがん細胞の成長をホルモン治療で抑制するという理解でよろしいのでしょうか。もしそういうことでしたらたとえば2年に一度とか3年に一度、時々種類を変えて化学療法を行えば永遠に再発しないのではないかと、素人としては思いたくなってしまうのですが・・・。それが行われていないということは、そうではないということなのですよね。そこのところのメカニズムを教えていただければと思います。 現在確かに再発リスクの高いグループにいるけれど、今回の化学療法により再発をできるだけ遅らせ、次の治療につなげるように、つまり医学の進歩を待つようにと励まされています。私としてはたとえ再発してもその間に開発された抗がん剤を次々つないで、癌と共存し続けられたらいいなと思っています。

抗ガン剤の働き方のメカニズムはよく分かっていないことが多いので、納得いく回答ができるかどうか分かりませんが、貴女の考え方は悪く有りません。AC->Tを行ったのも、そのためです。当初はACのみが標準治療でしたが、ACをしっかり使った後に続けてTaxolを使うと再発が減少することが分かりましたが、ですから、次々と抗ガン剤を使うのが正しいと思います。その場合、何も2〜3年待たなくても、次から次へと現在ある抗ガン剤を使い続ければ良いと思うのですが、現実的には副作用や、費用等の問題でうまくいかないことが多く、また抗ガン剤の作用機序が似通っていると併用しても効果がでないことが有ります(CMFの時代に、CMFVPという治療がありましたが、治療効果はCMFと変わらないので廃れてしまいました)。論文や学会で発表される報告は氷山の一角で、その裏には多くの抗ガン剤の組合せが試されているのです。その中から物になりそうな治療法が大規模研究となり、その中のほんの一部が日の目をみることになるのです。ER(+)の乳がんであれば、ホルモン療法の効果が期待できます。AC->T->Zoladex+Tamは現在考えられるbestの組合せの一つだと思います。(文責  清水)

 

No.2369-1】 04年04月29日  K.A.
最適な治療方法を教えて下さい

私の母(61歳)のことで質問させて下さい。2002年10月に乳房全切除癌とリンパ節を切除しました。病理検査によると硬癌(大きさ2cm)、リンパ節転移(5/13)、遠隔転移なし、ER(-)、PgR(-)、HER-2(陽性+3)で、以後、予防の為CEFを3クール実施。その後、翌年には肺転移。ハーセプチン、タキソールにて治療しましたが、半年後、肝転移が発見されました。そこで、病院側より指示された今回の治療内容がCAFとの事なのですが、この治療内容についてお聞かせください。今後はハーセプチンは使用しないようです。私は、他に副作用の少ない治療方法があるのではないかと思っております。ゼローダを使うのが最適ではないかと・・・。ハーセプチン、ゼローダの併用方法は有り得ないのでしょうか? 最適な治療方法をご教授いただければと思い、メールさせて頂きました。宜しくお願い致します。

CAFはCEFと同じ治療と考えて差し支え有りません。ですから、術後にCEFを使って(3クールと短いですが)再発しているのですから、今度CAFという選択肢はないと思います。また、短期間で肺、肝転移が出現していて、かなり悪性度の高い乳がんと考えます。となると、おっしゃるように、今後強い治療をしても効果はあまり期待できないと思うので、副作用が少ない治療でQOLを重視した治療に方針変更した方が良いのではないかと思います。そうなると、ハーセプチン+ゼローダという組合せは、有効性が証明されており、良い治療方法だと思います。私ならばお勧めします。(文責  清水)

 

No.2369-2】 04年05月05日  K.A.
最適な治療方法を教えて下さい(2)

ご回答有難うございます。やはりCAFはCEFと同じと考えて宜しいのですね。本人も元気ですので一度だけ点滴し、マーカーに変わりがないようでしたらゼローダに変えて頂こうと思っておりますが、この考え方は間違っていますか? 明日、点滴になります。一回だけやってみる価値はないのでしょうか? 勿論、その後はハーセプチン+ゼローダでお願いするつもりです。纏まりのない文章で申し訳ありませんが、ご回答頂ければと思います。宜しくお願い致します。

どのような治療でもご本人がよく考えて最も良いと判断した治療に間違いは有りません。CAFを一回投与してみることもよいと思います。それでマーカーが下がるようなことがあれば、CAFをもう少し続けるという選択肢も出てきます(心臓の副作用に気をつけながら)。総論的な話になりますが、癌の治療は、同じ病状でもひとりひとり全て違うと考えて下さい。この相談室の基本姿勢と矛盾すると感じるかもしれませんが、標準治療というのはあくまでも標準であり、ひとりひとりに最適であるとは限りません。標準治療というのは、ひとりひとりに最適な治療を考える上で最も頼りになる考え方の一つと考えて下さい。(文責 清水)

 

No.2368】 04年04月29日  Roko
レトロゾールを飲むメリットは?

いつも参考にさせて頂いています。1999年2月手術、現在60才です。
簡単な病歴 
・閉経後乳がん 充実線管癌<硬癌
・乳房温存 扇形切除 断端陽性で追加切除
・リンパ節 3/10  脈管侵襲わずかにあり
・ホルモン受容体 両方とも+(強度は不明)
・術後、CMF6クール、放射線30回、 ホルモン療法(フェアストン)5年服用

今年で術後5年、年2回の診察になりました。先日、ネットでタモキシフェンによる術後補助療法完了後のレトロゾールの投与は無病生存率が顕著に改善とありました。私の場合、レトロゾールを飲むメリットがあると思うのですが、先生方のご意見をお聞かせ下さい。ただレトロゾールは一度申請差し戻しになっていますが、いつごろ承認されるのでしょうか? 以上よろしくお願いします。

よく勉強していらっしゃって感服いたします。おっしゃる通り、タモキシフェンを5年内服した後、レトロゾール(商品名フェマーラ)を2年追加で内服すると、タモキシフェン5年で中止した群より再発率が低くなることが昨年秋報告されました。残念なことにレトロゾールは治験中で、日本ではまだ使用できません。承認の見通しは分かりませんが、1〜2年はかかると思います。どうしても使用したいという場合、レトロゾールを個人輸入する方法が有ります。もう一つは、医師からお勧めできる正しい方法では有りませんが、レトロゾールの代わりにアリミデックス、アロマシンといった現在日本で使えるアロマターゼ阻害剤を試してみるという方法もあると思います。この方法は全くエビデンスがないので、強くお勧めできませんが、再発のリスクを少しでも減らすためには、わらをもつかみたいという患者さんの気持ちに応えるためには許される拡大解釈ではないかと思います。(文責  清水)

 

No.2367-1】 04年04月27日 M.Y
骨シンチ、腫瘍マーカーについて

初めてご相談します。いつも大変参考にさせていただいております。3年前に29才で乳ガンと診断され、多発性のため右胸全摘しました。リンパ節転移3/10ありで、ホルモンレセプター両方とも(+)です。術後CAFを8クール、ゾラデックス(2年間)、フルツロン(副作用のため中断)、現在はタモキシフェンのみの服用です。血液検査は4ヶ月に1度、CTと骨シンチは1年に一度の間隔で行ってきて、1月に行った骨シンチの結果が仙骨のあたりに少々集積が見られるとのこと、血液検査も初めてNCC-ST439が7.3とはずれてしまい、先生は、「まだ転移とは確定できないので、様子見ましょう。」と言っていて、何もその後治療もしないまま今日に至っています。早めに何か手をうったりしなくて良いのか心配です。今回骨シンチと血液に同時に異常がでてしまい、自分としては転移の可能性がかなり高いのかと思っているのですが、このような検査結果の場合、やはり転移の可能性が高いのでしょうか? もともと腰痛もちなのですが、それでも集積が見られる場合があるのでしょうか? 今のところ何も体の不調はないのですが、もし転移であれば異常から何ヶ月後位に骨の痛み等でてくるのでしょうか? まだまだ小さな子供がいる上、親元から離れているため頼る人がなく、動けなくなってしまったりとか考えると、不安で不安でたまりません。今の時点で何かできることはないのでしょうか? どうかご回答の方、よろしくお願いいたします。

私たちもよく経験するsituationで、患者さんが最も不安になる状態だと思います。さて回答ですが、mailの内容からは転移の可能性は五分五分としか言えません。変形性腰椎症等でも骨シンチに異常は出ます。ただし、その場合は前回の検査でどうだったかです。前回異常なしだったところに新しく集積が現れた場合は、転移の可能性が高いと思います。骨転移と痛みの間には一定の決まりは有りません。シンチの集積より先に痛みが出ることも有りますし、かなり大きな転移でも痛みがないことも有ります。仙骨は力のかからない場所なので、比較的痛みの出にくい場所です。今できることを考えると、医学的にはMRを行って、仙骨付近を調べて転移の可能性が高いかどうかみてもらうことです。しかし、それでも100%診断がつく訳ではありません。確定診断がつかないのであれば、今は症状がないのだから無視しようと開き直ってしまい、主治医の先生がおっしゃるように様子をみるというのが正解かもしれません。しかし、じっとしていられない、どうしても何とかしたいというのであれば、一つ治療のoptionを提示します。それは、術後のホルモン療法に関して最近出た論文によると、今までの標準だった術後タモキシフェン5年に対して、タモキシフェン2~3年内服した後にアロマシンに変えると術後の再発が少なくなるということです。あなたの場合、ER(+)ですから、もし再発であると診断されれば、最初の再発治療はアリミデックスかアロマシンになると思います。再発でないとしても、リンパ節転移が陽性で再発のリスクが高い訳ですから、術後3年経ったこの辺でアロマシンに変えて、今後の再発の可能性を低くするというのも一つの考え方だと思います。ここでタモキシフェンをアロマシン(一般名はExemestane)に変えてみてはどうでしょうか?(アロマシンは閉経後乳ガンにしか使えませんが、あなたの場合はゾラデックスと化学療法で閉経状態のはずですから大丈夫です。もし生理が戻るならばゾラデックスを再開すればよいと思います。)(文責 清水)

 

No.2367-2】 04年04月30日 M.Y
骨転移

この度は早々にご回答していただき有難うございました。お忙しい中、1つ1つの質問に本当に丁寧に真剣にお答えしていただく姿勢に本当に頭が下がりました。ありがとうございます。もし転移の場合、放射線かまた別の辛い抗ガン剤治療になるのかと絶望的な気持ちでしたが、アロマシンというホルモン治療の選択肢があるとはまったく知りませんでした。さっそく主治医の先生に提案してみたいと思います。最後に1つお聞きして良いでしょうか? 転移の場合、完治はまず不可能な事は重々覚悟しています。これから、できる限りの治療をしていったとして、3年目の骨転移の場合、平均どれくらいの余命なのでしょうか? 人によって様々でお答えするのは本当に難しいとは思いますが、子供がまだ小さいため、残された時間を冷静に受け止めながら、今後の事を真剣に考えていかなければならないと思っています。どうか、よろしくお願い致します。

余命の判断は難しいのですが、今までに再発した方のデータを見てみると、悪性度の高い乳癌では再発後半年くらいで亡くなっていて、長生きしている方では再発後10年を超えてなお治療しながら元気にしている方もいらっしゃいます。したがって余命は6か月から10年以上という事になりますが、それではあまりに幅が広く、わからないと言っているのと同じ事になってしまいます。そこで、再発した方々を再発後生存期間が短い方から、長い方まで順番に並べてちょうど真ん中の人の生存期間を求めて、それを再発後生存期間の中央値と呼びます。再発した乳癌全体の再発後生存期間の中央値は2年半くらいといわれていて、ここ数年で着実に延びています。再発後生存期間が短い方は内臓に多発転移している方が多く、骨転移単独の方は比較的長期生存できます。それだけに、癌の治療だけでなく、痛みの治療、骨折等を予防する治療も併せて行う必要があります。(文責  清水)

 

No.2367-3】 05年01月15日 M.Y
骨シンチについて

HPNo.2367で大変お世話になりましたM.Yです。一年前の骨シンチで、仙骨周辺に集積が認められ、転移か炎症反応か、半々の確率との事で、この一年不安な気持ちで毎日過ごしてきました。特に症状もないまま一年経ち、また骨シンチの検査が行われ、昨日結果が出ましたが、前回とほぼ一緒とのことでした。集積は相変わらず見られるが、他は特に集積が見られないとのこと。一年経って変わっていないので、あまり心配することはないと言われたのですが、疑いは晴れず・・・、複雑な心境です。もし転移であっても、一年で変化がないということはあるのでしょうか? それとも、進行が単に止まっていると考えられるのでしょうか? 今までこの検査を5回行った中、前回、今回とだけ異常が発見されてしまっただけに不安は大きいです。お忙しい中、お手数お掛けします。どうぞご回答の方、よろしくお願いいたします。

転移であっても、発育がゆっくりであれば変化しないこともあります。しかし、一般的には、そこ以外にでてきたり、進行します。したがって、転移の可能性は低くなっていると思います。(文責 徳田)

 

No.2366-1】 04年04月27日 H
転移について

はじめまして、お願いします。43歳。平成8年、左乳がん手術、リンパ転移なし。平成14年7月から、微熱、貧血7ぐらい、血小板6万になり、内科にて骨髄穿刺を3回しましたが、ドライッタップといわれ、骨髄生検をしました。結果、骨髄の中にがん細胞がみつかりました。同時に右にもしこりが見つかり、悪性でしたので、平成14年12月に手術しました。同時に骨転移もわかり、頭蓋骨、大腿骨、腸骨、腰椎で、リンパは、10個中8個転移していました。術後、抗がん剤をはじめましたが、血小板が少ないということで、抗がん剤の量を3分の2で行いました。1クールの1、サイクロフォスファマイド、ファルモルビシン、メトソレキセート5FU、1クールの2、5FU、メトソレキセートで、現在で10クール終わりました。1クールが終わり、血小板が少なくなり輸血しました。2クール目のときも同じく輸血しましたが、3クール以降から、輸血をしていません。現在、貧血 12、血しょう板 15になりました。腫瘍マーカーは、CA15−3が、平成15年2月 428、平成15年4月 224、平成15年8月 164、平成15年11月 160、平成16年3月 112、CEAが、平成15年8月 22、11月 19、平成16年3月 14でした。今の抗がん剤がもう少しできるといわれています。両方を手術しているので、鎖骨下に点滴を作って抗がん剤をしていますが、今までに4回つくりました。が、この鎖骨下に作るとき、苦痛が伴うのと、気胸が怖いのとがあり、今後飲み薬に変えられたらと思っていますが、今の状態では、どうでしょうか。骨転移は、1年半進行はしていませんでした。ホルモン剤はノルバデックスをのんでいます。また骨髄転移といわれましたが、骨転移と同じでしょうか。何がどう違うのでしょうか。よろしくお願いします。

マーカーの値の推移からは抗ガン剤治療、ノルバデックスが効いているように思います。現状としては、ノルバデックスのみで、もう少し頑張るのが良いのではないかと思います。骨髄転移と骨転移は少し異なります。骨髄は、骨の中心で血液を作っている場所です。ですから、ここに転移が起きると血液を作る能力が下がり、今回の症状に有ったように貧血や血小板減少等がおこります。治療は当然抗ガン剤ということになるのですが、抗ガン剤の副作用で更に貧血や血小板減少、白血球減少がひどくなることがあるので、抗ガン剤治療がしにくい転移です。しかし、今回の様に勇気を持って抗ガン剤を使わないとよくなりません。(文責 清水)

 

No.2366-2】 04年05月02日 H
再度教えてください

ご回答ありがとうございました。知りたいことがあり、分かりづらい文かもしれませんが、お願いします。
@ 内科にて、ドライタップと一年半前に言われましたが、これはどういうことでしょうか。また、骨髄転移の造血機能の低下と関係ありますか。骨転移は骨折が怖いといわれましたが、骨髄転移ではどうですか。
A 現在もCA15−3、CEAの数値が高いようですが、骨髄、骨転移しているからでしょうか。肺や肝臓の検査を3月にしましたが、大丈夫でした。高いということは再発しやすいということですか。
B 骨転移は、溶骨性骨転移といわれました。たまに痛くなりますが、すぐになくなり、痛み止めはほとんど使っていません。今後の治療ですが、ノルバテックスのほかで考えた場合も教えてください。それと、とても恥ずかしいのですが、一年半前、右乳がんの手術、骨転移、骨髄転移、リンパ転移がわかったとき、ホルモン療法としてゾラデックスを勧められましたが、どうしても注射がいやで断り、飲み薬にしてもらいました。これからも飲み薬でいきたいとおもっていますが、他に考えられる飲み薬のホルモン剤はありますか。
C 主治医からは、ホルモン剤と共に点滴の抗がん剤を続けたほうがいいと言われました。できれば抗がん剤も飲み薬にしたいのですが、ゼローダのほか、エンドキサン、フルツロンなどはどうでしょうか。また、飲み薬でも、貧血、血小板の副作用は気をつけないといけませんか。ハーセプチンは使えないと言われています。
D 一年半抗がん剤治療をしていて、抗がん剤を投与すると肝機能の数値が60から120ぐらいまでにあがリ、次の抗がん剤投与の前にはまた正常値に戻る・・ということが何度かありました。これは肝臓が弱いということでしょうか。

長々とすいません。お願いします。

@ ドライタップとは骨髄細胞が採取されなかったという意味で、いろいろな場合が考えられます。2366の文面を読むとその後の検査で骨髄からがん細胞が出ているようなので、このときの検査はドライタップということになったのだと思います。骨髄転移では赤血球、白血球、血小板の低下など骨髄機能の低下が起こります。
A 骨髄転移、骨転移でCA15-3やCEAが上昇します。また、肺や肝臓は3月のときは良くてもその後の検査で転移が明らかになってくることがあります。
B 閉経前のようなので、ホルモン治療としてはノルバデックスということになります。ゾラデックスも併用した方が効果が高いです。溶骨性骨転移であればビスフォスフォネート剤も効果があります。
C 経口剤の抗がん剤というと、あなたのおっしゃるようにゼローダ、エンドキサン、フルツロンなどがあります。またUFT、5−FUなどもありますが、効果は似たりよったりです。経口剤でももちろん貧血、血小板の副作用に注意しなければいけません。
D 薬剤によって肝機能が一時的に悪化するということでしょうが、次の投与時には正常値に戻るのであれば問題ないと考えます。(文責 麻賀)

 

No.2366-3】 04年10月12日 H
今後の病状と治療について

お願いします。いまの現状ですが
・6月 CA15-3 111  CEA 13.5  9月 CA15-3 183
・骨転移の経過 8月 腸骨・大腿骨は変化なし。頭蓋骨2個あったのが消えましたが、新たに1個できました。
・8月 今までと同じ抗がん剤2クール行ないました。抗がん剤の3週間前に39度近い熱を1週間出しまして、その時、抗核抗体検査で80倍の陽性とでましたが、膠原病科では大丈夫といわれました。
・抗がん剤を始めてから生理は時々でしたが、今年の1月から全くありません。
・今月もう一度腫瘍マーカーと肺の検査をします。もしも高くなっているようなら、抗がん剤の薬の変更のことも考えることになっています。肝臓は大丈夫でした。
 
質問ですが
1) 骨髄転移もあります。前回その説明をしていただきましたが、以前血液内科の先生から骨髄線維症?の疑いのような事も言われました。骨髄に転移の場合、必ず線維化するのでしょうか? 線維化することによって、造血機能の低下が起こるのでしょうか?
2) 現在、白血球血小板貧血は正常値ぎりぎりですが、骨転移とあわせて、ホルモン剤だけではなく抗がん剤との併用が必要でしょうか? それともホルモン剤だけでもよいでしょうか?
3) 骨転移用のビスフォスフォネートですが、先生からその薬の事は出ていません。私なりに調べましたら、乳がんでは適応外、高カルシウム血症?とあったように記憶がありますが、この薬はそうでしょうか? また、先生にはどのように聞いたらいいでしょうか?
4) 今回、抗がん剤投与の前に不明熱がでたので、いままで点滴は両方手術してリンパをとっているので、鎖骨下に作って行っていましたが、今回は腕から行いました。そうしたら、2クール終わってからですが、静脈炎をおこしました。今後、もしもビスフォスフォネートなどが使えるとなった時の点滴が心配です。静脈炎は、抗がん剤だからなったのでしょうか?
5) 骨転移、骨髄転移が進むのもこわいのですが、抗がん剤をすることによっては、肺、肝臓の転移を少しでも抑えることはできるのでしょうか? 
6) 抗核抗体検査の80倍のほうは、そのままにしていていいのでしょうか?
 
長々と、わかりにくいところもあるかもしれません。支離滅裂で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

1) 骨髄転移で必ず線維化がおこるものではありません。線維化が起これば造血機能が低下すると思います。
2) 一般的には骨転移には病状の進行がなければホルモン剤だけで良いと思います。病状の進行があれば抗癌剤の併用を考えるべきでしょう。現在抗癌剤を使用しているなら、これを継続して、病状の進行があれば薬剤を変えるのが良いと思います。
3) ビスフォスフォネートはおっしゃるように現時点では高カルシウム血症の薬です。ただ骨転移に有効であることは認められています。まもなく保険的にも承認されると思います。
4) 抗癌剤の投与で静脈炎はおこりやすくなります。静脈炎の程度が強いのなら鎖骨下からの方が良いと思います。
5) 抗癌剤の投与で肺や肝臓の転移の進行を抑えることは出来ると思います。
6) 抗核抗体検査については私にはよくわかりません。(文責 麻賀)

 

No.2365】 04年04月27日 H.N
妊娠中の検査や判断について

34歳、既婚女性で、現在妊娠9週目初産になります。1ヶ月程前、多発性子宮筋腫の経過観察の診察に行くと妊娠5週目である事が分かりました。その際、左胸外側に数ヶ月前から痛みを感じていた事を伝え、同病院内の乳腺分泌科の受診を勧められ、

● 数ヶ月前からの左胸外側の痛み
● 両腋下のしこり(左腋:約5mm 右腋:約7mm 3mm 3mm)計4箇所で、全て触ると、こりこり動く感じのもの(数や大きさなどはハッキリと覚えていないが、20代半ばには自覚があり、驚いて近所の診療所(皮膚科)に受診すると、菌が毛穴から入ったと言われ、一番大きな<7mmくらいだったと思いますが>しこりから脂肪のようなものを切り出された事がある)
● 両胸の間(胸の谷間)に1〜2mm程度のしこり(脂肪?)のようなものが複数ある
● 1年前に超音波検査をして乳腺症と診断された

という、気になる点を伝え、触診と超音波検査をしていただきました。左胸の痛みに関しては、妊娠中ということもあり、乳腺等が発達し胸が張るなどの痛みではないかということと、腋下のしこりについては(少し首をかしげていらっしゃいましたが)、超音波では皮膚のすぐ下にしこりがあることから、心配ないのではという診断でした。そして、皮膚科の菌が入ってという診断は疑問だということでした。妊娠中でマンモグラフィーができないので、念のために腫瘍マーカー3種類の採血もしましたが、1ヶ月後の昨日、検査結果は、「CA15-3」の数値が22と少し高いのでガンが潜んでいるという可能性もあるとの事でした。とにかくX線を使用する検査ができないのでハッキリとした診断が出来ず、先生も悩んでおられましたが、再度腫瘍マーカーの採血をし、超音波で様子を見ていくということになりました。
とにかく全てがハッキリしないので、不安で不安でどうしようもないのです。初めて授かった子供なのでどうしても無事に出産したいのですが・・・。

1) 乳癌である可能性はどのくらいでしょうか?
2) 妊娠中の乳ガンは進行が早いと聞きましたが、どのくらいのペースで進行するものなのでしょうか?
3) マンモグラフィーでは触診や超音波検査でわからない詳細がわかるのでしょうか?
4) マンモグラフィー等、X線検査はどのくらいの時期だと安全といえますか?
5) 腋下のしこりは問題ないのでしょうか?

よろしくお願いいたします。

1) mailの内容からすると乳癌の可能性は低いように思います。CA15-3は手術後の再発の診断には使えますが、癌が有るかどうかの検査には不向きです。22という値も心配ないと思います。
2) 妊娠中の乳ガンの進行が早いというのは確かですが、それはしこりが大きくなるのが早いという意味です。妊娠中は乳房が張っているので、小さいしこりを見逃しやすく、うっかりしているとしこりが大きくなって見つかることが有るので注意が必要だということです。ですから、あなたのように常に気をつけていれば大丈夫です。
3) 確かに、マンモグラフィーの方が触診やエコー検査より微小な乳ガンを診断することができます。しかし、あなたのようにまだ出産経験のない方の場合はその診断能力はかなり落ちます。マンモグラフィーが赤ちゃんに与える影響(非常に少ないがゼロではない)と、マンモグラフィーの診断能力、現在の乳房の状態(癌を疑うしこりがあるかどうか)を総合的に判断して、マンモグラフィーを行うかどうか決めます。現在の状態では、癌を疑うしこりはない、マンモグラフィーの診断能力が低い状態である、妊娠中であるとなると、マンモグラフィーはお勧めできません。
4) 妊娠の時期より、3)に書いた条件で考えた方が良いと思います。その3条件でも微妙な時は、胎児の器官がほぼ完成する6か月くらいからがbetterでしょう。
5) mailの内容からは心配ないように思います。

始めての赤ちゃんでとても心配されているのは理解できます。でも、あまり過敏になるのもかえってマイナスになることがあります。定期的な受診を欠かさないようにして、心穏やかにおなかの赤ちゃんを育てて下さい。(文責  清水)

 

No.2364】 04年04月27日 ナオ
再発の疑いはありますか?

始めまして。35歳、2児の母です。一年前、5月に乳がんの診断を受け、右乳房温存術+リンパ節かく清を受けました。病理の結果、腫瘍:2.5×2.0×1.5cm、硬癌、リンパ節転移:(1/16)、リンパ管浸潤1+、静脈浸潤(±)、ER(+)、PR(+)、HER2(−)・・・でした。手術後、CAF4クール+CMF6クール、残っている右乳房へ放射線をかけ、今年1月に化学療法が終了して、今はノルバデックスの内服だけとなりました。生理は止まったままで、女性ホルモンの値で閉経状態にあると言われています。先日の受診で、手術をした右の腋窩に硬く触れるシコリが見つかりました。米粒大といっていました。2ヶ月前の診察では触れませんでした。このシコリを調べるため、エコーの検査が予定されました(一年たつので、骨シンチも撮る予定です)。質問に入りますが
1) 手術前、リンパ節のエコーをとってもらったのですが、転移はしてないだろうと言われてましたが、実際には1つ転移がみつかりました。今回、エコーの検査でこのしこりが悪いものか、良いものか分かるものなのでしょうか。小さいけれど細胞診などの適応になりますか?
2) エコーの他にも何か良い検査はありますか?
3) 白黒はっきりさせたいので、切除して詳しく調べてもらいたいのですが、それも1つの方法ですか?
4) かかっている病院にはありませんが、PET検査で調べてみるのも1つの方法ですか?

このしこり(再発疑い・・・?)についてどう対処していく事がよいのか、アドバイスいただけたらうれしいです。ショックで、心に余裕もなく、一方的な文章となってしまった事をお許し下さい。よろしくお願いします。

1)  手術前のエコー検査で分かるのは、腫れているリンパ節が有るかどうかで、転移の有る無しはわかりません。今回みつかった右の腋窩のしこりについては、最終的には細胞診か組織検査が必要になると思いますが、エコー検査でおおよその目安をつけることは可能です。針を刺せる大きさがあれば、細胞診が良いと思いますが、小さければ組織検査が良いと思います。
2)  エコー検査と細胞診、組織検査だと思います。
3)  おっしゃる通り、局所麻酔下に切除するのが良いと思います。
4)  PETも一つの方法ですが、現在疑っている小さいしこりを診断するには組織検査が良いと思います。PETはどちらかというとscreening検査(異常が有るかどうかを探す検査)で、触れたしこりが転移かどうかをみる検査としては不向きだと思います。ただし、全身の再発の有無をみたいのであれば、PETをする意味があると思います。(文責 清水)

 

No.2363】 04年04月27日 M
胸の痛み

はじめまして。27歳、女性です。昨日の夜から左胸の乳首の左辺りになんとなく痛みを感じました。おとついから生理が始まってるので、ホルモンのバランスのせいかなとも思うのですが、母が3年前に乳がんの手術をしているので、自分もなる可能性があると思っており、その痛みが気になっています。しこりと言う感じではないですが、はってるような感じです。生理前には胸がはることはよくあるのですが、生理がはじまればいつも治まる為、このなんとなく痛みがあったのが(今はその部分を押すと痛いという具合ですが)、気になっています。よろしくお願いします。

Mailの内容からは乳癌の可能性は低いと思います。痛みの原因はおっしゃる通り、女性ホルモンのバランスの崩れからきていると思います。一人で心配していないで、専門医を受診することをお勧めします。(文責 清水)

 

No.2362】 04年04月24日 K.S.
化学療法について

私の母(65歳)のことで質問させていただきます。2004年4月1日に乳房全切除癌とリンパ節を切除しました。病理検査によると硬癌(大きさ3cm)、リンパ節転移(3/18)、遠隔転移なし、ER(-),PgR(-)、グレード3、HER-2(陽性)で、4月20日より化学療法(CAF 6クールの予定)が開始されました。転移の危険度が高いガンだと思いますが、化学療法の効果次第によっては転移の可能性が低くなることも期待できるのでしょうか? また、ハーセプチンは「進行・再発乳がんの治療に効果がある」と聞いたのですが、再発したときに使用するのが一般的な方法なのでしょうか?程度の低い質問かも知れませんが、不安でたまらなくメールさせていただきました。

質問に程度の高い低いはありませんので遠慮なく聞いて下さい。お母さんの癌はher-2が陽性なので、CAFはよく効くと思います。転移の可能性が低くなることは証明されていますので、信じて治療して下さい。ただ、きつい治療なので、家族のみなさんのサポートが必要です。Her-2が陽性なのでハーセプチンを使いたい所ですが、術後補助療法にハーセプチンを使う場合、何と一緒にどのくらい使ったらいいか、現在世界中で試験している最中で、まだ結論が出ていません。ですから、現在は再発した方でなければ使えません。(文責  清水)

 

No.2361】 04年04月24日 okay
リンパ節転移と化学療法について(2)(HPNo.2282-3)

いつもためになるアドバイスをいただき、本当にありがとうございます。いろいろ考えて、今までの病院では主治医の先生と相談しにくいところもあったため、病院をかわりました。そして家内と相談して考えた末、最終的に化学療法を受けることと致しました。新しい主治医の先生は、抗がん剤治療においては量が重要で、転移が多い患者さんと少ない患者さんに同じ量を投与する必要はなく、また多い量を投与することによって途中で中断したりしてしまうより、量を減らして最後までやるほうがいいという考えをもっておられます。効果の面を考慮してCMFよりCAFを推奨されており、今回CEF6クールを受ける予定です。家内の場合は転移も1つであるということから、それほど多い量を投与する必要はないであろうということで、アドリアマイシンの投与量を調整して、40mgで投与というのを考えておられます。そこでお伺いしたいのですが、化学治療の途中で体調不良等により継続できなくなったり、抗がん剤の量を減らしたりした場合、効果があるとされている投与量に満たない治療になってしまうわけですが、その場合、逆にがん細胞に耐性が付与されたり、発ガン性(再発率)があがってしまうという可能性はないのでしょうか。その点が大変気になっております。お忙しいところ申し訳ありませんが、この点に関して何か情報がありましたらお教えいただけないでしょうか。

CEFの選択は良いと思います。しかし、量については疑問です。転移が多い患者さんと少ない患者さんで同じ量を投与する必要がないという考え方は、その先生の経験に基づく考えで、そのようなevidenceはありません。また、多い量を投与することで、途中で中断するより、量を減らして最後までやる方が良いという考えもevidenceはありません。標準の量で始めて、副作用が強いので減量するのは納得できますが、標準量の投与が可能かもしれないのに、投与する前から減量してしまうのはいかがなものでしょうか。量を減らしてガン細胞が耐性を獲得することはありません。しかし、CEFがCMFより有効だというデータは標準量(ファルモルビシンで体表面積当たり90mg)を使った時に得られたデータで、減量した量で同じ効果が得られるかどうかは疑問です。通常、このような比較試験では、減量基準が定められていて、副作用で標準量が投与できなかった患者さんは減量基準に従って投与量を減量して比較試験を継続します。ですから、標準量から始めて副作用のために減量した例は比較試験のデータに含まれますから、その場合はその試験の結果があてはまります。またファルモルビシンは量が多くなれば再発を抑える力が強くなることが証明されていますので、副作用との兼合いで、ぎりぎりの量(それが大体90~100mg/m2です)の投与が勧められます。蛇足ですが、標準治療であるCEF以外に、新しい治療法としてTaxaneを加える治療法も考慮する余地があると思います。(文責  清水)

 

No.2360】 04年04月24日 Y・T
心配です

はじめまして。35才、妊娠4週目の主婦です。5年ほど前に右胸にしこりを見つけ、2カ所の病院へ受診しました。一ヶ所は、触診、マンモグラフィーのみの検査で、「脂肪のかたまり。ほおっておいて大丈夫」とのことでした。2カ所目は、触診、マンモグラフィー、エコー、細胞検査までしてくださり、「乳腺線維腺腫」の診断を受けました。その後、経過検診も受けていましたが、引っ越しと共に検査に行かず4年ほどたちます。最近妊娠が分かり、外科も受診致しました。1.5pほどのしこりが2pぐらいに大きくなっているようです。表面はつるつる、さわればよく動きます。乳腺外来を明日、受診致しますが、妊娠もあり、とても不安です。
1)  妊娠初期のエコー、細胞検査は胎児に問題ないですか?
2)  乳腺外来の触診でも、悪性か、良性かの判断はつきますか?
3)  しこりが大きくなったと言うことで、悪性に変わっている可能性は何%ぐらいありますか?
毎日不安でたまりません。よろしくお願い致します。

お返事が遅くなり、病院を受診された後かもしれませんが、お答えします。
1)  妊娠初期の乳房エコー検査、細胞診検査は、胎児への影響は有りません。
2)  触診だけでも7〜8割の確率で良悪性の鑑別はつきます。
3)  4年間で0.5cmの増大ということになると、悪性に変わっている確率は高くないと思います。また、万が一、悪性に変わっていたとしても、悪性度は低いだろうと思います。(文責 清水)

 

No.2359】 04年04月24日 kanako  
No.2209その後です(HPNo.2209-2)

前回は早急に回答頂きありがとうございました。その後すぐに病院(皮膚科)に行きました。主治医の所見では、「悪い物には見えないが、薬で治らなければ検査をしましょう。」との事でした。その時に頂いた薬は、ケナコルト−A軟膏・ボチシートでした。薬を貼って1週間後にはキレイになり、再受診した時には痒みもなくなったので、次回からの受診は必要なしと言う事になりました。ところが薬を貼らないと、すぐに透明・黄色っぽい分泌液が大量に出てきて、痒みを伴っています。乳輪・乳首も皮が剥け、黒くなってしまいました。分泌物が下着に付いてしまう為、今は母乳パッドをつけています。再度病院に行こうと思っていますが、また投薬のみになってしまうのか、別の病院に行った方がいいのか心配しています 。よろしくお願いします。

高校生から20歳くらいまでの女性に時々見られる乳頭乳輪部の湿疹で、原因は女性ホルモンのバランスが崩れて、乳頭からの分泌物が増え、その分泌物にかぶれてできた湿疹で、一種のアレルギー反応と考えています。治療はケナコルト等のステロイドを含んだ軟膏が有効です。しかしあまり使い過ぎると色素沈着がひどくなりますから、症状の強い時だけ使うようにすることをお勧めします。あとは、こまめに清拭することです。(文責 清水)

 

No.2358】 04年04月24日 mika
術後の治療について(2)(HPNo.2228-2)

No.2228で、ご回答頂いたものです。先日はありがとうございました。術後の補助療法の件ですが、主治医は、「 ノルバデックス5年か、LH−RHアゴニスト2年、どちらかのみで良い。妊娠のことを考えると無治療という選択もあるのでは」とのことでした。ノルバデックスは内膜症が厚くなるそうで、子宮内膜症持ちの私は、LH−RHアゴニスト2年の治療を選びました。しかし前回頂いたご回答で、「欧米のガイドラインに従えば、LH-RHアゴニスト+タモキシフェンか、化学療法後LH-RHアゴニスト+タモキシフェンになる」とのことで、不安で気になっております。やはり、ノルバデックスを追加したほうが良いのでしょうか? 追加した場合、どれくらい予後に差は有るのでしょうか? 子宮内膜症持ちの場合、ノルバデックスは使用しないほうが良いのでしょうか? 何度も申し訳ありませんが、良きアドバイスお願い致します。

確かにguidelineではLH-RHアゴニスト+タモキシフェンが推奨されますが、妊娠をご希望であれば、LH-RHアゴニスト2年というにはreasonableな選択だと思います。正確な数字は忘れましたが、確かに併用した方が再発率は減少します。しかし、妊娠ということを考慮するとLH-RHアゴニスト単独がbetterと思います。ノルバデックスは確かに子宮内膜に刺激的に働きますが、だからといって子宮内膜症の方に使えないということはありません。(文責 清水)

 

No.2357】 04年04月23日  M.R.
血性分泌が止まった場合の今後について(HPNo.2193-3)

サイトの運営、大変感謝しております。また【2193】ではお世話になりました。ちょうど分泌物のとれる状態でしたので、予定の受診ではなかったのですが、さっそく行って参りました。細胞診の結果はクラスT、マンモテック200以下。医師が分泌物をとるため、強く押したせいか、そのときの分泌がピークで(5日間出血がありました)、その後3週間分泌は見られず、止まったのかと思っていたところ、3/27、3/29、4/3と3回、下着にのみ血がついていました。4/4以降、分泌はありません。4/20にエコーを受診しましたら、出血のある右側の乳腺にやや拡張が見られるが(左にも拡張は見られるとのこと)、しこりは認められず、今回も、【出血の原因は乳腺症によるもの】ということでした。次回は3ヶ月後の診察(触診?)を予定しています。今後についてお聞きしたいのですが、
@ このまま出血が止まった場合、治っている可能性というのはどのくらいあるのでしょうか。
A 昨年の秋に精神的に大変なことがあり、生理がかなり乱れたことがありました。現在は、ひとまず生理は元に戻ったのですが、卵巣ホルモンの乱れが乳腺症の血性分泌を引き起こすということはあり得ますでしょうか。(乳腺症は以前からありました)
B 1月から2月にかけて出血があった頃、右乳首のあたりにのみ、乳腺症とは異なった痛みを感じましたが、出血(炎症?)によるものだったのでしょうか。今は、その痛みを感じなくなり、治ってきたのではないかと考えたいのですが、いかがでしょうか。
ご多忙と存じますが、どうかご回答をお願いいたします。

1) 経過からすると乳腺症による出血が最も考えられますから、今後出血が止まる可能性は高いと思います。しかし、どのように変化するかは不明ですから、今後も定期的な検診はお勧めします。
2) あり得ます
3) 痛みと治癒の関係は不明です。貴女の説の可能性も否定はできませんが、肯定もできません。(文責 清水)

 

No.2356】 04年04月21日 Y.A.
ホルモン治療だけでいいのでしょうか?

35歳の主婦です。2年程前に米粒のようなしこりを見つけ、当時、生理不順でホルモン治療を受けていた産婦人科で相談したところ、「動くし悪いものではなさそう。大きくならなければ様子を見ても良いと思うが、専門外なので気になるようなら外科受診を」とのことでした。大きくなるようでもなかったのですが、昨年7月乳ガン検診を受けたところ、「たまたま胸に出来たおできのようなもの。今のうちにとっておいたら。」と言われ、日帰りで切除手術を受けたところ、まさかの乳ガン(粘液ガン)告知。温存手術をし、断端陽性で追加切除。リンパへの転移は1個でした。放射線治療、ユーエフティー1年間、ゾラデックス2年間の予定でしたが、昨年12月頃から肝臓の数値が悪くユーエフティーを中止したところ正常値に戻ったため、現在はゾラデックスのみです。リンパに転移のあった方、特に30才代となると強い抗ガン剤治療を受けている方が多いようなので、ゾラデックスのみというのは再発・転移を考えると不安を覚えます。このような治療は一般的なのでしょうか?

何となく中途半端な補助療法のような気がします。St.Gallenのguidelineに従えば、35歳で手術を受けたならば、化学療法(Anthracycline系:AC,CAF,CEF)の適応です。粘液癌の予後が良い事、2年間の経過で比較的悪性度が低そうな事を加味して、ER,PRのどちらかが陽性(多分陽性だと思いますが)で、できればHer2が陰性もしくは1+くらいであれば、ホルモン療法だけという選択肢もあると思います。その場合は、ゾラデックス2〜3年+Tamoxifen 5年が標準だと思います。ただし、今後数年でTamoxifen 5年が他に変わる可能性もありますが、その時はその時で対応すれば良いのではないでしょうか。いずれにしても、後で後悔しないために、今良く考えてbestの治療を選択する事をお勧めします。(文責 清水)

 

No.2355】 04年04月21日 M.Y.
化学療法中の生理について

いつも相談室の事例を参考にさせていただき、自分の治療方針に役立たせていただいており、感謝しております。私は43歳、1月に手術を受け、現在術後補助療法としてCEFを3クール終えたところです。抗がん剤の影響で生理が止まるというケースはよく聞きますが、私の場合、生理が止まらなくなって困っています。手術以前から、出血量が多かったり1週間以上続くこともあり、筋腫でもあるかもしれないと思っておりましたが、貧血もなく生理痛もないため、乳がんの方の治療を優先して婦人科の診断を後回しにしてしまって現在に至っています。抗がん剤の治療を始めると生理が止まるのであれば、放置してもかまわないかな?とも思っていました。ところが、抗がん剤を始めて以来、出血過多だけでなく、一度終わりそうに出血量が減ったと安心しているとまた大量に出血し、それが3週間くらい続いており、婦人科の検診も受けにくい状態です。外科の主治医には相談していますが、「なぜでしょうね?」と言われるだけです。血液検査の結果、貧血はありますが血小板は正常値です。ホルモン療法はまだ受けておりません。抗がん剤の副作用でこのような症状が出るケースはあるのでしょうか? よろしくアドバイスお願いいたします。

抗ガン剤を使って生理がひどくなったという経験はありませんし、薬の添付文書にも記載がないと思います。おっしゃるように、筋腫がある可能性もありますから、化学療法中とはいえ、婦人科を受診する事をおすすめします。(文責 清水)

 

No.2354】 04年04月21日 NY
ホルモン療法の期間について

お世話になります。ご相談させていただきたいのですが、妻が平成12年8月に右胸を全摘手術しております(当時40才、大きさ4cmと3cm、リンパ移転なし)。補助療法として、10月からゾラデックスの注射とフェアストン錠を飲んでいます。当初は注射は2年、経口薬は5年と聞いておりましたが、現在、3年半以上経ちますが、主治医に確認したところ注射も経口薬も当面は続けたほうがいいとの話でした。妻ももう止めてもいいと思っていたらしく、がっかりしていました。教えていただきたいのですが、
@ ゾラデックスは結局閉経するまで続けるということになるのでしょうか。5年以上続けても問題ないのでしょうか。副作用はないのでしょうか。
A そのとき、経口薬はどうするのでしょうか。 
B 主治医と意見が違うケースで中止したい場合は、やはり自身の判断で止めると主治医に話すことになるのでしょうか。

やや不明瞭な質問ですが、よろしくお願い申し上げます。

1) 現在のeidenceではゾラデックスは術後2年から3年が標準です。その根拠は、いままでに行われたRCTがゾラデックス2年+Tamoxifen 5年=CMF、ゾラデックス3年+amoxifen 5年>CMFというデータがあるからです。5年投与のデータはないので、問題あるかどうか不明です。原則とすれば3年で中止すべきでしょう。
2) TamoxifenもしくはToremifen(フェアストン)は前述の通り5年です。
3) やはり、主治医の先生とよく話すべきだと思います。患者さんは医者を選ぶ権利がありますが、医者には患者さんを選ぶ権利はありません。医師とよく話して、医師を選んで下さい。(文責 清水)

 

No.2353-1】 04年04月20日 カンナ
手術を受けるべきか迷っています

40歳の既婚女性です。迷いも多く、思い切ってご相談させていただきたく存じます。かなり以前から乳頭からの分泌物が出ていたのですが、ここ1年ほど血性の分泌液もでていたので少し不安になっておりました(しこりは、ありません)。人間ドックを受ける機会がありましたので、その際、お医者様に相談したところ、マンモテックの検査を受けるように言われました。結果は、5段階での1ということでしたが、腫瘍マーカーの数値が高かったため乳腺外来にかかるように言われました。しかし仕事や家庭の都合で1ヶ月以上たってからの通院となったため、時間があいているということで、もう一度マンモテックの検査をうけたところ、今回の結果は5段階での3になっていました。お医者様が言われますには、「良いとも悪いとも言われない状態」とか。その後、MRIやエコーの検査を受けたところ、数ミリ単位のものが一つ見つかっております。良性か悪性か分からない状態ですが、手術でその部位を切り取ることになるでしょう・・と言われております。しかし、お医者様は、「今までの治療だと、悪性かどうかわからない状態でも、手術して取り除いてきたのですが、今は医療問題が取りざたされているので・・」と。良性だった場合のことを考えられているのか、私と私の家族に他の病院で意見を聞くことを勧めたりされました(セカンドオピニオンのことでしょうか??)。私としても良性だった場合、複雑な気持ちになるとは思いますが、悪性だった場合のことを考えると、やはり手術するのが良いかなと思ったりしております。しかし、お医者様のとても慎重な態度にかえって迷いが生じ、このまま、しばらく様子をみても良いのかなと思ったりです。このように悪性かどうか分からない場合でも、やはり手術を受けて、その部位を切り取るべきなのでしょうか? 私自身、手術歴がありますが(二人の子どもを帝王切開で)、そのうち、一度、手術中に血圧が下がりすぎて、そのあとも少々しんどいことになり、手術を受けることに対して、少し迷い(トラウマ?)もあります(悪性と分かっている場合でしたら、もちろん受けますが・・・)。こんなご相談をしても良いのか迷いましたが、お答えをいただけると有難いと思っております。
針で突き刺しての細胞診は、今のところ小さすぎて、良性か悪性か確実には判断できないとのことで、やっておりません。

言葉の誤解があるので訂正しておきます。マンモテックというのは、乳頭分泌液の中のCEA(腫瘍マーカー)を測定する検査で、5段階の1や3は乳頭分泌液の細胞診の結果だと思います。初回の検査で細胞診はclass1だったが、マンモテックは高値を示し、二回目は細胞診がclass3だったと解釈します。乳房内にしこりを触れず、乳頭分泌が血性の時は乳管内乳頭腫の可能性が高いのですが、小さな乳癌がある可能性(10%くらい)も否定できません。通常は乳管造影といって出血している乳管に少量の造影剤を注入して、乳頭腫や癌を疑う腫瘤がその乳管内に有るかどうか調べます。最近では乳管内視鏡といって、乳管内を観察できる直径0.5mmの内視鏡も有ります。それらの検査で小さな腫瘤が確認されても、癌かどうかの診断はとても難しいです。腫瘤が認められなければ経過観察しても良いのですが、腫瘤が見つかれば(貴女の場合はMRで小さな腫瘤を確認している)、癌かどうかの組織検査の目的と出血を止める目的で乳管腺葉区域切除という手術を行います。これは通常局所麻酔で行う30分くらいの手術で、乳輪に沿って切開するので、術後の傷もあまり目立ちません。どうしても手術が嫌だということになると、ガン細胞が見つかるまで分泌物の細胞診を繰り返すか、腫瘤や石灰化の所見が出てくるまでマンモグラフィを繰り返して行うかということになります。(文責 清水)

 

No.2353-2】 04年05月13日 カンナ
マンモトーム

HPNo.2353でお世話になりました者です。今現在、セカンドを受けた病院で、色々な検査(エコー、細胞診、入管造影など)を受けた所です(入管造影は薬?が入らなくて、ちゃんと写らなかったようですが・・)。細胞診の結果としては、簡単な検査では5段階の1だったものの、詳しい検査の結果では5段階の3となっており、やはりどちらとも言えない状態だそうです。今の病院でも手術をするかどうか?と聞かれております。
私としましては、手術を覚悟していたものの、即答ができずにいました。迷っている様子をみてかどうか、お医者様はマンモトームのことについて、お話をしてくださいました(今の病院ではマンモトームの機械?が無いので、また別の病院での受診となりますが・・・)。
ネットでも色々と調べて、少しはマンモトームのことを理解したと思いますが、まだ不安に思うことも沢山ありますので、再び相談させていただいております。
私の場合ですが、出血もまだ(押すと)あります。マンモトームは組織を全部とれるとお聞きしておりますが、これによって出血も止まるのでしょうか? あと、腫瘍?のあった部分の目印として手術用クリップ?を入れるとありましたが、良性だった場合、そのまま埋め込んだままと聞いております。身体に影響は無いそうですが、動きによって痛むことって無いのでしょうか? ネットではマンモトームを受けるメリットは見つけることが出来るのですが、反対にデメリットなどありましたら、教えていただきたいと思っています。今度の診察で、手術をうけるか?マンモトームを受けてからにするか?お医者さまに返事をすることになっています。お忙しいとは思いますが、お答えいただけると有難いと思っております。宜しくお願いいたします。

1) 状況が良くわかりません。乳頭からの出血のようですが、超音波で何か腫瘍影があるのでしょうか。あるいはマンモグラフィで石灰化などの所見があるのでしょうか。普通は超音波やマンモグラフィで所見がある場合にマンモトームによる生検を行います。乳頭分泌(出血)のみで超音波やマンモグラフィに所見が無いと、普通は乳管腺葉区域切除を行います。局所麻酔で行います。
2) クリップを入れますが、後で問題になることはありません。
3) マンモトームのデメリットは、あなたの場合、正確に病巣部が取れているのかどうかが問題です。(文責 麻賀)

 

No.2353-3】 04年05月15日 カンナ
マンモトーム(2)

いつも、即、お返事いただき有難うございます。私の状況ですが、エコーやMRIでの造影検査の結果、数ミリから1センチのものが写っているとのことでした。それが腫瘍の影?であるのかどうか判りません。「石灰化などの所見」?というの(意味)が、私自身、わからない状況です。本日、これから病院に行きますので、そのことを担当のお医者様にお聞きしようと思っております。マンモトームのデメリットのことも有難うございます。インターネットなどで、「機械で測定するので正確にとることができる」とあったのですが、絶対に取れるということは無いと考えた方が良いのですね?  担当のお医者様に、マンモトームや手術に関することを、もう少しお聞きして判断し、治療に臨もうと思っております。医療の知識がなく迷うことばかりなので、またご相談をさせてください。

エコーでシコリがわかるのならマンモトームは可能です。エコーやレントゲンでシコリの影がわからない場合はマンモトームは出来ないと思います。(文責 麻賀)

 

No.2352】 04年04月20日 N.I.
脇の下の痛み

21歳の女性です。脇の下に触れると痛い場所があるのですが、これは乳がんと関係ありますか?しこりはないように思えるのですが・・・。

メール内容だけでは情報不足で、はっきりしたことは申し上げられませんが、乳癌との関係はなさそうです。しかし、不安を取り除く意味からも、一度専門医を受診することをお勧めします。(文責 清水)

 

No.2351】 04年04月20日 M 
女性化乳房症

男です。今年22歳になるのですが、最近片方の乳房の下にしこりができました。おさえると少し痛みを感じます。片方に比べると少し膨らんでいます。相談のページを見たら、思春期の男性の人の相談に似ていたのですが、22歳ではどうなのかと思い、メールを送らせていただきました。病院に早く行った方がいいのか、それとももう少し様子を見たほうがいいのか、悩んでます。診察の場合は、どの専門科にいけばいいかもわかりません。お願い致します。

男性の乳頭の下が硬く腫れてくる女性化乳房症は、中学から高校生に多く見られますが、20代、30代の男性でも時々見られます。原因は一過性のホルモンバランスの変化、肝機能の低下等が考えられますが、原因不明のことが多いです。但し、睾丸腫瘍やホルモン産生腫瘍等が原因になっていることが稀に有りますから、しばらく様子を見ていても軽快しない時は、外科もしくは乳腺外科を受診して下さい。回りの患者さんは女性ばかりで、ちょっと気まずい思いをするかもしれませんが、自分の体のことを考えて行動して下さい。(文責 清水)

 

No.2350-1】 04年04月20日 Y.H.
透明の黄色がかった分泌液

はじめまして。私は18歳なのですが、乳頭から透明の黄色がかった分泌液があったので、一週間前に病院で検査してもらったところ、class1でマンモテックが1000でしたが、大丈夫と言われました。しかし昨日胸を押してみたところ血が出てきたのです。これはどういうことでしょうか?よろしくお願いします。

分泌液の細胞診は一回だけでなく、繰り返し行った方が良いと思います。それは、一回で必ず細胞が出てくるとは限らないからです。特に今回の分泌物が血性だったということであれば、尚更です。年齢も若いので癌の可能性は低いと思います。可能性としては乳管内乳頭腫が一番考えられると思います。是非再検査して下さい。(文責 清水)

 

No.2350-2】 04年04月27日 Y.H.
マンモテックの数値

お返事ありがとうございました。もう一つ聞かせてください。マンモテック1000という数値は、かなり高い数値なんでしょうか? よろしくお願いします。

マンモテックが1000というのはかなり高い値です。定期検査をお勧めします。(文責 清水)

 

No.2349】 04年04月20日 Y.S.
DCIS

40歳の女性です。DCISについてお尋ねします。現在、前がん状態としてDCISとの診断を受けた大半の方が、浸潤がんと同様に手術、放射線照射などの治療を受けていますが、本当にDCISのすべてが浸潤化するのでしょうか。また、自然経過を追ったデータなどはないのでしょうか。

DCISが全て浸潤癌になるかどうかは証明されていません。ただし、たくさんの癌を見ていると、100%DCISの例、一部浸潤癌の例、半分くらい浸潤癌の例、ほとんど浸潤癌の例があり、DCISからだんだん浸潤が広がっていくのではないかと考えられています。また、極稀ですが、DCISがリンパ節に転移したという話もあります。病理標本でDCISと診断されたとしても、それは標本を3=5mm幅に切った断面を見ている訳ですから、100%DCISとは言えないのです。治療せず自然経過を追った例は有りませんが、私の個人的な経験では、局所麻酔下に切除してDCIS、放射線治療しないで数年後またDCIS、この時も放射線治療しなかったら数年後に浸潤癌として見つかった方がいます。また、初回は乳管内乳頭腫、二回目はDCIS、三回目が浸潤癌という方もいました。米国での有名な比較試験では、DCISと診断された人を無治療と放射線治療に無作為に割り付けて経過を追ったものがあり、その結果では、乳房内再発は無治療群の方が何倍か(すみません正確な数字は忘れました)高かったと言うことです。現時点ではDCISと診断されたら、断端を陰性にして放射線治療が勧められます。主治医の先生と十分ご相談の上、納得のいく治療を受けて下さい。(文責 清水)

 

No.2348-1】 04年04月20日 H
乳癌(髄様癌)の抗癌剤治療について

HPを拝見しました。術後の抗癌剤治療について悩んでいます。46才、14才・12才の子供がいます。乳腺症の奥にかくれた乳癌は細胞診・針生検と7本串刺しにしてようやく見つかり、3月30日に乳房円状部分切除術を受けました。4月末から放射線治療を開始します。髄様ガンで予後の良いものなので、主治医の先生からは抗癌剤治療をしなくて5年再発率90%、してもそれが2〜3%あがるだけ、その2〜3%の価値は人それぞれなので、抗癌剤治療をするしないかは自分で決めてくださいと言われました。決めかねています。母を10年前に乳癌で亡くしています。61才でした。術前の触診では乳腺症もあり3.5cm、術前エコーでは2.2×1.9×1.2 とありました。術前、Stage2aで、右上内側の癌です。術後、腫瘍の大きさは当初の予測よりも小さかったとおっしゃっていましたが、サイズは確認していません。病理の結果は、組織型:Atypical Medullary carcinoma、波及度:f、脈管侵襲:ly0 v0、乳管内進展:(+)、comedo:(-)、断端:(-)、His-Grade:2,(Tub:3,Nuc:2,Mitosis:1)、基礎病変:なし、リンパ節転移:センチネル(-,0/2)#1(-)(0/5)、ホルモン陰性とのことでした。抗癌剤治療について、する、しない、するとしたらどういう抗癌剤が望ましいなど、ご意見をお聞かせ願えたらと思います。以上、よろしくお願いします。

一つ問題があります。貴女の乳癌は予後の良い髄様癌ではないということです。予後の良い髄様癌はTypicalであって、病理のレポートにもAtypical Medullary ca.とあるので決して予後の良い乳癌でないばかりか、逆に少したちが悪いと考えた方が良いと思います。となると、閉経前、リンパ節転移(-)、ホルモンレセプター陰性だと化学療法をお勧めします。標準的であればAnthracycline系薬剤を使ったAC, CAF, CEFというところでしょうか。(文責 清水)

 

No.2348-2】 04年04月23日 H
乳癌(髄様癌)の抗癌剤治療について(2)

早速、ご返答くださいましてありがとうございました。主治医の先生に抗癌剤をやるとすれば何をとお聞きしたら、CEをとおっしゃっていましたが、標準的と書いておられるCEFとCEのFのあるなしは副作用や効果にどのような違いがみられるのでしょうか? あわせてお教え願えたら幸いです。

基本的にAC, EC, CAF, CEFはほぼ同じと考えて良いと思います。細かい事をいうと、米国で主流のAC 4cycleは以前からCMF 6cycleと同等の効果と評価されていましたが、欧州やカナダでCEF 6cycleはCMF 6cycleより再発を押さえる事が明らかになり、guidelineの標準療法となったいきさつがあります。しかし、guidelineではその差については言及していません。Fを加える先生は、Fを加えて6cycle行う事がevidenceだと主張し、Fを嫌う先生は、Fを加えて得られる効果に比べて副作用の方が強くなると考えています。ちなみにFを加えて出てくる副作用は、口内炎、色素沈着等で、Fを加えて強くなる副作用は消化器症状(吐き気、下痢等)、好中球減少(白血球減少)等です。もう一点注意していただきたいのは投与量です。1 cycle当たりの投与量は、Adriacin(アドリアマイシン)は60mg/m2が標準で、Epirubicin(ファルモルビシン)では90~100mg/m2、CPA(エンドキサン)では600mg/m2です。mg/m2というのは体表面積当たりの投与量と言う意味で、体表面積は身長と体重から計算されます。平均的な日本人女性の体表面積は1.5mg/m2くらいです。ですからEpirubicinなら135〜150mg、CPA900mgというところです。医師によっては日本人は外国人とは体格が違うといって、勝手に量を少なくする先生がいますが、体表面積で比べているので、その差は考えなくて良いと思います。但し、標準的な量を投与して副作用が強いために減量するのは当然の事です。(文責 清水)

 

No.2347】 04年04月20日 YN
術後の治療について

乳ガンと告知を受けてすぐに温存の手術をし、追ってリンパのかくせいを3月中旬に受けました。体内の別の部位やリンパへの転移はゼロでした。腫瘍の大きさは2.7x1.4でした。温存の手術を受けた人はほとんどが放射線療法を受けられるようですが、私はなしだそうです。現在服用しているのはフルツロンだけですが、それだけでいいのでしょうか? いろいろ調べていくうちに不安になったのでご相談します。担当の先生にお聞きしたら、予後の結果が非常に良いのでとおっしゃいましたが・・・。それと手術後ほぼ1ヶ月なのに脇の下に感覚がないような感じがして、いまだに痺れがあるのですが、どのくらいで普通に戻るものなのでしょうか? お答えくださるとありがたいです。

乳房温存療法の後に放射線治療するというのは標準的治療です。乳房内再発を減らすためにお勧めします。手術後の補助療法としてフルツロンを飲んでも飲まなくても変わらないというデータはあります。リンパ節転移がないことは確かに予後が良いのですが、油断はできません。今できる治療をきちんとすることをお勧めします。その場合参考となるのが、今回の回答のシリーズで何回も出てきますが、St.Gallenのguidelineで、これを一つの基準と考えて治療を選択することをお勧めします。(文責 清水)

 

No.2346-1】 04年04月20日 K ・ Y
女性化乳房についての質問

僕は今、高校三年生です。女性化乳房について悩んでいます。できたのは中二ぐらいで、もう今年で四年目です。水泳の時が本当に本当に憂鬱です。僕が女性化乳房になった原因は自分の推測ですが、花粉症なのでアレルギーの薬が原因だったのではないかと考えています。女性化乳房は薬の副作用でできるとネットで調べて分かりました。そこで質問なのですが、ぼくにはそばかすがあるんですけれども、「ハイチオールC」は飲んでもかまわないんでしょうか? 成分は、6錠(大人一日量)中 、L-システイン 240mg ビタミンC 300mg パントテン酸カルシウム 24mgです。早く治って欲しいので、この中に副作用がある成分が含まれているのであれば教えてもらえないでしょうか? 女性化乳房は男性ホルモンと女性ホルモンのバランスが崩れたときにできるんですよね? それでは男性ホルモンが増えれば元に戻るって事ですか? 男性ホルモンの増やし方とか、もしあるならば教えていただけないでしょうか? 医者には何度も行こうと考えましたが、恥ずかしくていっていません。どうか宜しくお願いします。

ハイチオール Cの成分には女性化乳房症の原因はありません。あなたの女性化乳房症の原因は多分思春期であり、いずれは治ると思いますが、なかなか治らない時は、他の原因(ホルモン産生腫瘍、睾丸腫瘍など)も考えなければいけないので、恥ずかしがらずに夏休みにでも病院の外科にかかることをお勧めします。男性ホルモンの増やし方は分かりません。(文責 清水)

 

No.2346-2】 04年05月17日 K ・ Y
女性化乳房についての質問(2)

04年4月20日に、清水先生に相談を受け付けてもらったものです。できたのは中二ぐらいです。今は高校二年生で右乳の乳首の回りにしこりがあります。左乳には少し乳首のところにあります。右側が目立って嫌です。人前で裸になることができません。今までは恥ずかしがって病院に行かなかったのですが、この前勇気を出して行ってみました。病院のホームページで調べて、乳腺外来(木曜の午後)のあるときに行きました。しかし、受付で言われたのは、木曜日の2:30までだったらしいのです。僕は学校があるので、そんな時間帯にはいけません。それだけならまだいいのですが、受付の人に、僕が「乳腺外科に行きたいんですけど」といったら、「えっ、あなたがですか?」と言われました。ほんまにむかつきました。めずらしい症状なので少しは気合を入れて行きましたが、本当にショックでした。そこで相談なのですが、病院に行って女性化乳房だと診断されたら、どういう事をしてもらえるのでしょうか?薬をもらえたりしてもらえるんでしょうか? もし薬がないのであれば、ああいう経験はしたくないので、もう行きたくないと考えております。先生、回答の方、よろしくお願いします。

高校生の君に恥ずかしい思いをさせてしまって申し訳有りませんでした。一番デリケートな年頃ですから無理はないと思います。確かに、病院へ行く目的は、女性化乳房症であるという診断をしてもらうこと、悪性の病気が隠れていないかを診てもらうためで、女性化乳房症と診断されれば、薬もなく経過を診てもらうだけです。もし大きくて気になるならば、切除してもらうことも可能です。今度は夏休みまで様子を見て、小さくならないようなら、乳腺外科でなく、外科にかかってみてはどうでしょう。乳腺外科が分化する前は、乳腺疾患は外科医がみていたので、外科にかかればあまり恥ずかしい思いはしないのではないかと思います。(文責 清水)

 

No.2345】 04年04月20日 E.S.
がん患者の家族にできることは、どんなことでしょうか?

はじめまして、母の乳がん(約3cm、リンパ節転移あり、乳房切除術後)の件で相談させて下さい。組織検査の結果、「スキルス乳がん」と判明いたしました。医師の説明によると、レセレプターER-2(陽性)とのことでしたが、抗がん剤CAFにより治療をしていくことを勧められました。母は、これからの治療の副作用に関しても多少の不安を感じていますが、なによりも、私の祖母(母の母)を「スキルス性胃がん」で亡くしているこもあり、祖母のように悪質なものであると思い、悲観してます。母を支える家族として、何か良い説明方法はないでしょうか?お力をお貸しください。

まず第一点は、胃癌のスキルスと乳癌のスキルスは全く異なるということです。胃癌のスキルスは予後の悪い、たちの悪い癌ですが、乳癌のスキルス(硬癌)は通常の乳癌とほぼ同じ予後で、特別たちが悪いということはありません。第二点はHer2が陽性であるということで、予定しているCAFという治療はHer2が陽性の乳癌によく効くということがわかっています。CAFは脱毛、白血球減少、吐き気等のある治療で、お母さんにとっては大変辛い治療になると思いますが、その薬がよく効く癌であるということで、是非ご家族の支えのもとで頑張ってもらって、少しでも再発の確率を下げることをお勧めします。(文責 清水)

 

No.2344】 04年04月19日 はるくま
自己検診について

乳がんの自己検診について教えてください。先月、乳がん検診を受けた時、かかりつけの医師に、生理が終わり1週間後に乳房と脇を手でチェックする方法と、鏡に映しながらチェックする方法を教わりましたが、乳頭については、鏡で見るように言われただけでした。見るだけで、乳房のように手でチェックしなくても大丈夫なのでしょうか? 乳頭に、しこり(乳がんなど)は出来ることはないのでしょうか? アドバイス、よろしくお願い致します。

乳頭にできる癌としてはPaget病という乳頭の表面がただれたようになる癌が有名です。乳頭の中にできないとは言いませんが、乳頭の中に癌ができることは稀です。また乳頭に癌ができれば乳頭の形が変化するので、やはり鏡でよく見ていればわかるのではないでしょうか。ちょっと気になったのは自己検診をする時期ですが、生理が終わって一週間後というと、人によっては(少し生理の長い人)もう排卵の時期になってしまいませんか? 生理が終わる頃もしくは生理が始まって一週間位が良いのではないでしょうか。要するに自分の乳房の張りがとれている時期ということです。(文責 清水)

 

No.2343】 04年04月19日 A.N.
温泉について

42歳の主婦です。右乳房ステージ3の疑いで、今月末に全摘出します。ところで、私は温泉が大好きで、毎月いろんな温泉宿を回るのを楽しみにしていますが、温泉の効能書きの所に、禁忌症として、ほとんどの温泉で「悪性腫瘍」とある事に気がつきました。患者の会の中には温泉旅行を計画されている所もあるようですが、治療済みであれば問題はないのでしょうか? 今、オッパイがあるうちに大きな露天風呂を楽しんでおきたい・・・と思っているのですが、でも進行を早めてしまうのではないか・・・と不安にも思います。つまらないご相談で申し訳ないのですが、ご回答願えれば光栄です。どうかよろしくお願い申し上げます。

治療前も治療後も温泉旅行は全く問題ありません。悪性腫瘍のある方が温泉の禁忌とすれば、それは貧血を伴う場合等を心配して温泉側が責任を回避するために書いてあるのではないかと想像します(文責 清水)

 

No.2342】 04年04月19日 okay 
リンパ節転移と化学療法について(HPNo.2282-2

お世話になっております。再度 1つお伺いしたいことがありますので お忙しいところ申し訳ありませんが、もしよろしければ ご回答の程、宜しくお願い致します。
術後の補助療法ですが、ホルモン療法によって2.5%、化学治療では1〜2% 予後(再発、転移の防止効果)を良好にする効果をあげられる、そして併用することによっては、3.7%効果をあげられるとのことですが、主治医の先生は、化学療法でのマイナス面はないと言って化学療法を推奨します。CMFの化学療法を受けた場合、一時的な副作用(脱毛、吐き気等)ではなく、1000人に1人死亡する可能性があったり、長い目で見た(5年、10年)マイナス面、たとえば死亡率があがるとか、何年か後にでてくる副作用がどのようなものか、主治医の先生からは、それについての情報を得ることが出来ません。よろしければ教えていただけますでしょうか。抗がん剤の毒性と効果のバランスを考えても、1〜2%の効果をあげるために、危険の伴うリスクをおって化学療法をうけるべきなのか、家内は決心がつきません。アドバイスの程、宜しくお願い致します。

術後補助療法を決めるのはとても難しいことです。医師が提供できるデータは過去に患者さんと同程度の進行度の患者さんのgroupが、ある治療を行ったらどれだけ再発が減少したかというデータと、それに伴って出現した副作用の頻度です。しかし、そのデータの出所もたくさんあって、どのデータが本当なのか混乱することもありますし、そのデータを解説する医師によっては、同じデータがよく見えたり悪く見えたりします。自分でデータを解釈する自信があればoriginalの論文で確認するのがよいと思いますが、一般の方が医学論文(ほとんどが英語)を読んで理解するのは至難の業だと思います。そこで登場するのがguidelineです。Guidelineというのは、その時代に明らかになった治療成績に関する論文を専門家が吟味して作ったものですから、ある程度信頼して良いと考えます。Guidelineに従った治療がbestだとは言えませんが、効果と副作用のバランスを考えたその時代の一つの指標と考えて下さい。奥様の場合(閉経前、リンパ節転移陽性、ER陽性)は有名なSt.Gallenのguidelineによると、化学療法+Tamoxifen +/-Zoladex(Reupline)、もしくはZoladex(Reupline)+Tamoxifen+/-化学療法です。現在はZoladex+Tamoxifenという治療(前回のメールから推察して)を行っている訳ですから、guidelineでも後の化学療法は(+/-)、つまり化学療法を加えた方が良いかどうかの十分なevidenceはないということです。これでは答えになりませんが、そのくらい難しいのです。ここから後は、奥様と御主人で考えて決めるしかありません。ただし、化学療法で免疫力が落ちるとか、CMFで1000人に一人晩期死亡があるというevidenceはありません(絶対ないという証拠もありませんが)。また考えている化学療法がCMFであるならば、それは、Zoladex+Tamoxifenと同等であるというevidenceがありますから、意味はないと思います。悩むとすればCAF,CEFといった現在の標準的な化学療法で、これとホルモン療法とを比較したデータがないのです。CMFの晩期の副作用についてはあまりなかったと記憶していますが、もう一度調べてまたご連絡します。(文責 清水)

 

No.2341】 04年04月19日 J.N.
転移の抗がん剤治療について(HPNo.2279-2)

No.2279で相談させて頂いた者です。その節はありがとうございました。今年の3月に腫瘍マーカーの数値が高く、胸部と腹部のCT検査をした結果、肺に1.5cmの腫瘍と、縦隔、頸部リンパ節に転移が見つかりました。手術の適応ではないので、抗がん剤での治療をすることになっています。これから骨シンチをやって、その結果が出てから治療を開始する予定です。ご相談させて頂きたい事は、転移治療の抗がん剤の選択肢です。病理検査の結果は、HER-2 (3+) P53 (2+) ER (+-) P&R (+-) ともに軽度陽性でした。術後の補助療法は、放射線治療とCMF6クールです。術後の補助療法も終わり、ここ2年間はがんのことを忘れて元気に過ごしていたものですから、最近の抗がん剤のことや、新しい治療方法の知識がほとんどありません。転移がわかってからは、ネットでいろいろ調べてはいるのですが、基本的には2年前の状況と大きく変わってはいないと思っていいのでしょうか? 乳がんの場合、効果があるとされる抗がん剤の種類がたくさんあるようなのですが、私の場合の抗がん剤の選択肢としては、どのようなものが考えられますか? HER-2が強陽性なので、ハーセプチンと他の抗がん剤の併用がいいのだろうか、それともここの相談室でもよく出てくる、ACとタキソールがいいのだろうかと、頭の中で考えています。主治医の先生と話すまでに、まだしばらく時間があるものですから、自分なりに知識と情報を持って、これからの治療に臨みたいと思っています。答えがひとつではないのは承知しています。お答え頂ける範囲で結構ですので、こういう選択肢があるということだけでもお教え頂ければ幸いです。よろしくお願い致します。

Key pointはハーセプチンの使い方です。Her2(+++)ですからハーセプチンが有効なことは分かっていますが、どう使うかが問題です。ハーセプチンがなかった時代では、第一次治療はAC(CAF,CEF)で、第二次治療はTaxane(タキソテール、タキソール)で、第三次治療がゼローダでした。しかし、ハーセプチンの出現でこの順番が変わってきたのです。ハーセプチン使用に関するいくつかの原則をあげると、
1) Her2(+++)であればハーセプチン単独治療でも副作用なく、20%強の有効率があります。
2) ハーセプチン単独より、ハーセプチン+Taxaneの方が有効率が高く生存期間が延びることが証明されています。もちろん副作用はTaxaneの副作用が出ます。
3) 心臓に対する毒性があるのでアドリアマイシン、ファルモルビシンとの併用は有効ですが禁止されています。
4) ハーセプチンを一度使い出すと、効果があってもなくてもいつ止めたらよいかの判断に悩むことが多い。
5) ハーセプチンは高価。
などです。これらのことを考慮すると、副作用が軽いハーセプチン単独療法から始め、効果がでなければTaxaneを加える案。最も効果の高い治療からと考えてハーセプチン+Taxaneから始める案。ハーセプチンは第二次治療以降に温存して、標準的な第一次治療から始めようと考えてAC(CAF,CEF)から始める(Her2+++であれば、ACの有効性は高い)案が考えられます。どの治療もよく効きますが万能でありません。現在の目先の状態だけを考えるのではなく、最初の治療が効かなかったらどうするかも考え、副作用も考慮して良く考えて決めて下さい。主治医の先生と十分相談して下さい。(文責 清水)

 

No.2340】 04年04月19日 T
温存手術後の治療について

はじめまして。私は27歳の二児の母で、現在妊娠6ヶ月中の乳癌患者です。2ヶ月かかって良性と言われていて、1cmのしこりで生検したところ癌がわかりました。昨月19日に温存手術を行い、病理の結果、リンパ転移なし、エストロゲン(ー)、プロゲステロン(+)、がん細胞は広がっていないとのことでした。産後に治療を行うのですが、ホルモンのみで良いと主治医は言ってるのですが、年齢的にも再発、転移が怖いです。乳房温存=放射線ではないのでしょうか? とても不安です。産後まであと4ヶ月ありますが、このままの状態で再発、転移しないでしょうか? また私ぐらいな年齢で、温存術後、ホルモン治療のみの方って再発していませんか?

乳房への治療については、私も放射線治療を行うことが標準治療だと思います。もしも、貴女が両方の乳房からの授乳にこだわるのであれば放射線治療はできません。しかし、乳房内再発のriskは高くなります。手術した方の乳房からの授乳をあきらめられれば、乳房内再発のリスクを減らすために放射線治療はした方が良いと思います。術後補助療法については、1cmでリンパ節転移なく、PR(+)であれば、何となくホルモン療法だけでよさそうに思います。しかし、St. Gallenのguidelineでは、35最以下の乳癌患者さんには再発のリスクを下げるためにリンパ節転移の有無にかかわらず全例化学療法を行うべきであるとなっています。ここでいう化学療法とは髪が抜けて、白血球が下がって、気持ち悪くなるアンスラサイクリン系薬剤(アドリアマイシン、ファルモルビシン等)ですが、産まれたばかりの赤ちゃんのことを考えると、辛くても、少しでも再発の可能性を低くする治療を選ぶことをお勧めします。20代で手術した患者さんで、ホルモン療法だけで再発していない人も、再発した人もいます。よく考えて、主治医と相談して下さい。(文責 清水)

 

No.2339-1】 04年04月15日 Y
要経過観察で大丈夫でしょうか?

30歳独身ですが、左胸が痛む事が多いので、念の為、乳腺外科でマンモグラフィとエコー検査を受けた結果、恐らく乳腺症ではないかと言う話でしたが、左胸ではなく右胸が要経過観察という事です。来月にまた検査を受けることになりました。次回はエコーの際に針をさしてみるらしいので、細胞診?かと思います。マンモの結果は、「両胸(特に左に多いらしい)に石灰化が散在しているが悪性は疑わない」ということでしたが、エコーの結果では右にしこり?(影?)が2つあるようで、その為要経過観察と言われました。1つのしこりについては「Cystと思われる」というような記載で、もう1つは「低エコー腫瘍。境界一部不明瞭。内部エコー不均一。Cystのようだが完全診断できないのでFNA(?)を・・」というような内容でした。乳腺外科の先生の話だと乳腺症だと思うとの事ですが、乳腺症の場合は細胞診まで必要とされないと聞いたことがあるので、要経過観察と言いつつ細胞診まで進んだ現状が心配で仕方ありません。

@ 2つめのしこりの所見からして悪性の疑いの方が強いということでしょうか?
A 悪性だった場合を考えて、1ヵ月先の検査で病状の進行等、大丈夫なのでしょうか?
B 細胞診はかなり痛みを伴うのでしょうか?
C 石灰化が散在というのも気になるのですが、それは悪性以外でもよく見られる症状なのですか?石灰化は放っておいて自然となくなりますか?
D Cyst(=のう胞ですか?)とは悪性のものでなく、乳腺症に見られる症状の事でしょうか?それも放っておいてなくなるものなのですか?

検査してみるまでどうしようもないのは承知していますが、検査は1ヶ月後の為、それまで結果が先延ばしで今からとても不安なので、自分なりに勉強しています。よろしくお願いします。

@ 所見からは特に悪性の疑いのほうが強いということはないように思います。
A 万が一悪性であっても、一ヶ月で病状が急に進行することは考えにくいです。乳がんができるまでには少なくとも数年の月日は要しています。
B 細い針を刺しますので、痛みはあります(個人差があると思います)。ただ、「かなり」ということはあまりないように思います。
C 石灰化の散在は通常良性の所見です(石灰化そのものは、ほとんどが良性のものです)。石灰化はなくなることもありますが、残っていることの方が多いです。
D のう胞(cyst)は悪性のものではありません。乳腺症によく見られ、そのままなくなることもあります。

のう胞は穿刺にて液体が吸引され、診断は容易です。エコーにて判断することは難しいこともあります。がんを疑って行う検査ではなく、がんを否定するための検査であるように思います。(文責 加藤)

 

No.2339-2】 04年05月23日 Y
穿刺吸引細胞診の結果と今後

前回HPNo.2339で質問させて頂きました。ご丁寧な回答、感謝しています。細胞診の結果は特に心配ないとの事でした。詳しい説明がなく、こちらからいくつか質問したら、しこりは液体やミルク(←?独身ですが)等の詰まった物であり、そのままにしておいて大丈夫との事です。乳腺症ですか?と聞いたところ、乳腺症の気があるという事で、はっきり診断された訳ではなく、年齢も年齢(30歳)だから・・と言う事、今後定期的に検診する心配も特にないとのお話で、今回で終了しました(マンモも40才くらいから・・というようなお話でした)。クラスの説明もなかったのですが、「クラスU」と記載されていました。また、「小型上皮(?)見られる・・、Fa・・・(続くスペルがmだったような気もしますが、その先は読み取れませんでした)」等と記載されていました。こちらのHPでも、「細胞診は100%確実な検査ではない」というお話があったので、このままほおっておいて良いものか、安心しきれず気に掛かっています。元々は左胸の痛みで病院へかかり、今でも左が痛む事が度々あるのですが、左の事は言われなかったので、その事も気に掛かります。

@ 小型上皮やFa・・・?とは、のう胞の内容液のことでしょうか?
A 実際、細胞診は正確性に欠けるのですか? また、クラスUの場合、その後の経過観察(しこりが大きくなっていないか等)は必要ないのでしょうか?
B 乳腺症とはっきり言われた訳ではないのであいまいなままですが、乳腺症(しこり)は、ほおっておいても良い病気なのでしょうか? (病院で頂いた乳腺症の説明の紙には、"乳癌に移行しやすいものもあるので定期的な検査が必要"と書かれていましたが・・・)
C 左胸の痛みも乳腺症との関連と考えて良いのでしょうか? 左に痛み、右にのう胞・・というように、乳腺症は両胸に全体的な症状として現れるのでしょうか?

担当の先生に聞けないまま終わってしまったので気になっています。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いします。

小型上皮は嚢胞の内容か、嚢胞の壁の細胞とかではないでしょうか・・。Fa・・・よくわかりません。あまり心配されなくていいでしょう。細胞診は、正確性に欠けるところもありますが、乳腺外科のある病院であれば、病理もしっかりしているので、信頼していいと思います。クラス2だから、経過を追うとか、そのままにするとかという厳密なものはありません。クラス2を放置すると、来年には3になるとか、4になるとか進行するものではありません。病変が経過観察するべきものであれば、病院で経過観察していただくように指導します。しかし、乳腺症だけであれば、一般の市検診、職場の検診でよいでしょう。乳腺症は、小葉造生症、硬化性腺症、嚢胞、乳管拡張など、種々の組織像を呈する病態です。名前は難しいものが多いですが、これは病気と考えずに、乳腺の特徴と考えましょう。まぶたの一重、二重とか、あの人、ほくろが多いとか、少ないとか・・です。なかでも組織の増殖性の変化が強いものは乳癌の前癌病変としてリスクの高いものとして扱いますので、中には乳癌に移行しやすいものもあるという注意書きではないでしょうか。その場合でも、外来で経過観察というのではなく、1ヶ月に1回は自分での触診をしながら、年1回の検診をうけることで十分です。痛みも乳腺症で十分説明がつきます。嚢胞も乳腺症の一部分の症状です。両胸にでることもあれば、片方のこともあります。乳腺の特徴ですから、右も左もあり、両方もありうるのです。(文責 鈴木)

 

No.2338】 04年04月15日 M.Y
良性か悪性か?

はじめてお便りします。私は30歳既婚女性、昨年出産し、10ヶ月の乳児がいます。現在授乳中です。3、4年位前に左乳房の左下に(ちょうどブラジャーのワイヤーが当たる所)にうずくような痛みを感じ、触るとピーナッツくらいのしこりがありました。大きな病院で触診とエコーをとりましたが、大きさは2センチ弱で良性のものであり、若い女性に多いものだと言われました。そして結婚出産し、しこりは授乳でおっぱいが張っていたりして忘れていたのですが、最近またしこりが気になり、大きくなっている気がしたので、昨日病院に行きました。触診、エコー、マンモグラフィーをとりましたが、マンモグラフィーは異常なし、ただエコーは良性か悪性かの判断がつかず、次回細胞をとって調べることになりました。大きさは1.2p×1.2p×0.6pといわれ、前回の時より小さくなっているものの、”どっちが合っているのかしら?”と気になりました。先生はたぶん良性のものだと思うとおっしゃっていましたが、エコーで調べている時(別の先生)、”浸潤も見られるね”と、エコーをとっている先生が話しているのがすごく気になりました。細胞をとって、結果が出るのがゴールデンウィーク明けなので、それまでの精神的苦痛がたまりません。万一、悪性であっても早い段階だからといわれたのですが、3年前より大きさが小さいといわれたので、何だか不安です。どう受け止めたらよいのでしょう。細胞を取って、すぐに結果がわかる病院はあるのでしょうか?よろしくお願いします。

3年前からあったしこり(現在のしこりと同じもの)で、大きさが小さくなっているということでしたら、乳がんであることは考えづらいと思います。経過からは線維腺腫が一番考えられますが、エコーで判断が難しいこともよくあります。エコーのときの台詞はあまり気にされなくてよいのかもしれません。細胞をとって、結果が出るまでには少し時間がかかります(数日かかることが多いです)。あわてずに結果を待つことが一番よいように思います。(文責 加藤)

 

No.2337】 04年04月15日 HN
断乳後の乳汁

私は31歳で、昨年10月末に断乳しましたが、半年ほどたつのに絞ると今もまだお乳がでます。出る量は、だんだん少なくなっていますが、白いれん乳のようなお乳が透明に変わってきています。その後、透明から出なくなったお乳の穴もありますが、まだ白や透明の乳汁がでている穴もあります。断乳して数ヶ月たっても出るのでしょうか?また、このような乳汁は心配ないものなのでしょうか? 先月、エコーによる乳癌検診は受けたのですが、異常なしとのことでした。

断乳後数ヶ月経っても乳汁がでることはあります。白や透明なものでしたらご心配ないと思います。(文責 加藤)

 

No.2336-1】 04年04月15日 M.W. 
抗がん剤について

初めまして。32歳になる未婚女性です。左胸乳がんの術前抗がん剤治療中です。癌のステージがUで、シコリの大きさが約5cmほどあり、リンパに少し転移しています。今は、タキソールで週一回、点滴治療を受けています。12回の予定で、6回すんだら検査をします。今のところ、しこりがあまり小さくならず、7回目からタキソールからファルモルビシンとエンドキサンに変更する可能性があります。副作用がかなりきついと聞いていますが、どういったものがあるのでしょうか? あと、抗がん剤を使うとどうして閉経するのか教えてください。よろしくお願いします。

ファルモルビシンとエンドキサン(EC)の主な副作用として、脱毛、嘔気、食欲低下、体重増加、口内炎、倦怠感、易感染性(白血球低下)、心機能障害などがあります。タキソールと比較すると、嘔気の頻度が少し高くなります。ただ、ほとんど出現しない方もいます。抗がん剤は卵巣の細胞にも作用するため、月経を止めることがあります。この作用は閉経期が近い方ほど出現率が高く、若年の方ほど低い傾向があります。永久的な機能廃絶となることもあり(40歳以下の方でCMFは35%、ACは15%)、出産、妊娠を希望されている方には大きな問題となります。もし、お考えになられているのでしたら、主治医に相談されることをお勧めします。(文責 加藤)

 

No.2336-2】 04年04月20日 M.W. 
術前化学療法について

32歳になる乳がん患者です。メール有難うございました。質問があります。タキソールの説明を受けた時に閉経するといわれました。タキソールとはそういう薬なのでしょうか? それとも、閉経させるのは何か他に意味があるのでしょうか? タキソールでの副作用は、脱毛、生理が終わってから、またきたことと、舌に口内炎が出来るぐらいで、吐き気などはほとんどありません。そのような人間が、ファルモルビシンやエンドキサンの副作用の吐き気に襲われることはあるのでしょうか? 1回目の投与だけ入院してするのですが、それはよくあることなのでしょうか? あと日常生活でやってもいいこと、悪い事があれば教えてください。私の主治医はタバコ以外、特に何もないと言っています。シコリを小さくするのに関して、抗がん剤治療以外に何かありますか?

いくつかの抗ガン剤は卵巣に対して毒性を持っているので、薬物閉経といって抗ガン剤を使うことで閉経してしまいます。原発巣の針生検をしていると思いますが、原発巣のERが陽性であれば閉経することだけでも治療になります。ただし、薬物閉経は回復しませんから、将来子どもさんを希望される場合は問題になります。どうしても妊娠の可能性を残しておきたいと考えるならば、LH-RH agonist(Zoladex, Reupline)を使って生理を止めておいて抗ガン剤治療することをお勧めします。タキソールで吐き気がなくても、ファルモルビシンやエンドキサンで吐き気が出ることはあります。十分制吐剤を使ってもらって下さい。ファルモルビシン/エンドキサンを使う時に、副作用が心配だからといって一回目だけ入院するというのは、病室に余裕がある病院ではよく行われることです。副作用というのは個人差が大きいですから、患者さんも自宅で副作用がでて心配するより、入院していた方が安心感があると言います。一回目で副作用がどう出てどう回復するかがわかれば、以後は外来通院でも安心してできるのではないでしょうか。日常生活は普通で良いと思います。術前化学療法の目的はしこりを小さくすることだけではありません。全身に薬を使って、目に見えない小さいガン細胞をたたくことが大きな目的です。あなたの癌にタキソールが有効であれば、結果として原発巣が小さくなるのです。タキソールで小さくならなければ、あなたの癌にタキソールは効かないと考えて、ファルモルビシン/エンドキサンに変更するのです。(文責 清水)

 

No.2335】 04年04月15日 N
乳首のできものについて

現在30歳の主婦です。1歳1ヶ月になる子供がいて、現在まだ授乳中です。最近、急に乳房の張りとお乳をあげるときに痛みを感じ、それと共にしこりを発見しました。しかしその症状は乳房を冷やす事で軽減し、しこりもほとんどわからくなったのですが、その際に、乳首をよく見てみると左の乳首の下側に5mmくらいのできものができていることに気づきました。色は乳首の色と変わらないです。形は筋状という感じです。触ったりして痛みはないのですが、吸われると痛いときもあります。しかし常にというわけではないです。左右の乳首の大きさの違いは、少し前から気づいていたのですが、今回できものができている方ばかりをほとんど吸わせてる状態なので、そのせいだろうと思っていました。でもこのようなできものを発見すると不安でなりません。悪性のできものの可能性もありますか?教えてください。宜しくお願い致します。

お話の内容からは、悪性のできものの可能性は低いように思います。ただ、一度診察を受けられることをお勧めします(外科になります)。(文責 加藤)

 

No.2334】 04年04月15日 A.U. 
モンドール病について

はじめまして。最近胸の上のほうにしこりを見つけ、脇にかけて腫れた感じがあり、腕を上げるとつっぱった感じがあります。何となく熱を持っているような感じもあり、脇から首にかけても突っ張ったような感じです。乳腺外科を受診したところ、超音波検査をしてもらった結果、モンドール病ではないかと言われました。今は抗生物質と化膿止めをもらって飲んでいますが、モンドール病なんて聞いたこともないので不安でたまりません。インターネットで検索しても乳がんとの区別が難しいようなことが書いてあり、詳しいことは何にもわかりません。炎症だと先生は言うのですが、もし乳癌の類でリンパ節に転移していたら・・・と考えてしまい、憂鬱でたまりません。詳しい病気の内容を教えていただけないでしょうか。よろしくお願いします。

モンドール病とは、血管が炎症をおこしたものをいい(血管炎)、自然に治るものです。乳がんとは全く別の疾患であり、区別が難しいということは通常ありません。まれに乳がんに伴って見られることがありますが、乳房の検査をされていれば、ご心配ないと思います。(文責 加藤)

 

No.2333】 04年04月15日 R.I.
切除の大きさ、センチネル生検

お乳の外側(ちょうどふっくらしているところ)に約1cmの乳癌があり、乳房温存で手術をして下さるとのこと、先生は2cm角の円筒形切除、リンパはセンチネルリンパ節生検をするとのことでした。念のため、セカンドオピニオンを聞きにいくと、同じく温存で治療できるが、5cm大の円筒切除、リンパも切除することをすすめられています。もちろんリクエストすればセンチネル生検もするが、特に勧められませんでした。もちろん、癌は全部見えるものはとっていただきたい、しかし、できるだけ胸の形、後遺症がのこるようなのは避けたい。そういう意味で、最初の先生の手術法がわたしの希望にあうのですが、セカンドオピニオンをいただいた先生のほうは、説明、お話をよくしてくださり(これが、セカンドオピニオンを聞きに行った理由でもあり)、精神的にとても安心できます。ただ、手術方法は大きくとるといった感じです。1cmぐらいの腫瘍で5cm四方を取らないといけないのでしょうか? センチネルリンパのリスクは高いのでしょうか? よろしければ、教えて下さい。手術前の検査では他の臓器への転移はみつかっておらず、浸潤性がんですが、今のところ乳管への広がりはエコー、CT上では大きくないと伺っています。よろしくお願いします。

手術前に周囲の乳管への拡がりを正確に診断することは難しく、最終的には手術で取ったものを顕微鏡で詳しく調べて評価することになります。最小限の切除がもちろん望ましいですが、通常少し余裕を持って切除することになります。ただ、その余裕の取り方は執刀医によって違いがあります。しこりの大きさ、周囲への拡がりの予想、乳房の大きさ等を考慮し、切除範囲を決定することになります。過大切除を避けるために、まず最小限の切除を行い、それを顕微鏡で調べて、断端(切除したものの端)にがん細胞がまだいるようであれば再度追加切除を行うといった方法でもよいと思います(ただ、手術を2回受ける可能性は若干高くなります)。1cmの腫瘍で5cm四方取らなければいけないということはありませんので、納得のいく形で手術に望まれるのがよいと思います(取ってしまったものは取り返しがつきませんので・・・)。センチネル生検に対する考え方は医師によって異なりますが、私ならお勧めします。リスクが高いということはないと思います。(文責 加藤)

 

No.2332-1】 04年04月15日 L.F.  
乳輪付近のかぶれ、湿疹

こんにちは。よろしくお願い致します。私は33歳、もうすぐ4歳になる子供がいます。まったく母乳が出なかったので、完全に人口乳で育てています。乳輪と肌色の部分の境目に2週間くらい前からカサカサしたものがあります。グジュグジュしている感じではなく、白くカサカサした感じです。痒みもあります。大きさは5ミリ程度で、つまんでみたところ分泌物は見られませんが、つまんでその部分がわかりましたので、少しコリッとしています。これはただのかぶれですか? とても気になります。もともと乳輪回りにはブツブツは多いほうですが、カサカサしてるのは初めてです。はじめ気になってしまったのでかさぶたをムリにはがしてしまいました。血もでなかったのでこのまま治ると思ったのに、またカサカサしてきたので気になります。乳がんでしょうか?
先ほどお風呂に入りましたら、白くカサカサしていたのが、赤黒くなっていて、(もしかしたら昨日気になってつまみすぎたせいもあると思うのですが・・)でも触ると相変わらずカサカサしています。痒さはかわらずあります。赤黒く、ほとんど乳首や乳リンと同じ色ですが、鏡に写すとその部分はきちんと分かります。心配のしすぎでしょうか?単なるかぶれや湿疹ですか? お忙しいところ何度も申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

お話の内容からは、乳がんの可能性は低く、皮膚の問題の可能性が高いと思います。ただ、一度受診されたほうが安心できると思います。(文責 加藤)

 

No.2332-2】 04年04月19日 L.F.  
症状を教えて下さい

度々申し訳ありませんが、また教えていただきたいです。うちは、癌家系なのもで(父も胃がんで治療中、父方の親戚も肺がん、子宮ガンで亡くなっています)、とても心配です。乳がんとは症状はどういったものが多いのですか? もちろん人によって多少違うとは思います。痒みやしこりの他、痛みはどの程度のもので気がつくのでしょうか?チクチク痛むのでしょうか? それともズキッと我慢できないくらいの症状になってから気付くのでしょうか? また、カブレや湿疹などは目で見て微妙なものでなく、普通じゃないと分かるくらいのものでしょうか? 現在、痒みや湿疹のほか、気にしすぎでだと思いますが、痛いような感じが時々します。お忙しいところ、本当にお手数おかけしますが、よろしくお願い致します。

乳癌の症状は言い尽くされたことですが、痛くも痒くもないしこりが触れて見つかることが一番多いのです。ですから、痛みやカユミを気にするより、定期的な自己検診(自分で自分の乳房に触ってみること)がとても大切です。痛みやかゆみは、それ自身が重要な徴候ではありませんが、そのようなことをきっかけにして専門医を受診し、マンモグラフィやエコーといった検査を受けることをお勧めします。30代はまだ乳癌検診の対象ではありませんが、40歳になったらマンモグラフィによる検診を受けることも重要だと思います。(文責 清水)

 

No.2331】 04年04月15日 KM 
分泌物について

25歳主婦です。昨年1月産婦人科で高プロラクチンであるということで、メーレーンを服用していました。乳首にただれ、かゆみがあったため、乳腺外科を受診し、パジェット癌である事がわかり、服用をやめ、5月に癌で右乳管摘出をし、8月に放射線治療を終えました。その間、妊娠していることが判明しましたが、放射線をたくさんあびていたため、中絶手術を実施しました。今年の1月くらいから左乳首から白い分泌物がでます。昨年7月頃、頭部MRIを撮影したところ異常無しでした。3月にマンモで検査したところ異常なしでした。不正出血で3月に婦人科で子宮ガン検診したところ異常無しでした。三ヶ月に一度、乳房の検診に行っています。妊娠を希望しています。白い分泌物が出ています。生理前くらいになると肩から腕にかけて、乳房も左だけだるくなります。乳腺外科にもう一度、受診したほうが良いでしょうか?それとも、産婦人科受診した方が良いでしょうか?どうか、教えてください。宜しくお願いします。

白い分泌物、生理前の違和感は、通常ご心配ありません。3月に受診されたのであれば、すぐに検査する必要はないように思います。もし乳房を検査するのであれば、乳腺外科のほうが宜しいでしょう。また、妊娠については一度主治医に相談されることをお勧めします。(文責 加藤)

 

No.2330】 04年04月15日 N.H.
ICTPの異常について 

1999年3月に左乳がん手術後経過良好でしたが、2003年11月にICTPが、9.9と上昇、その後、今年1月には6.7まで下がっていました。主治医は、「他のマーカーが正常なので、他の要因で上がった。上がったままではないから再発ではない。」と言われました。4.5以上で危険とも聞いたこともあるので心配です。私のこの値はどうなのでしょうか。

1CTPは骨転移がなくとも上昇することがあります(偽陽性)。また、上昇後自然に下がったのであればご心配ないと思います。腫瘍マーカーは信頼性にかけるところもあるので、振り回されないことが肝心です。再発のチェックとして用いることはデメリットも多くあります(偽陽性で心配されてしまう方が多くいらっしゃいます)。(文責 加藤)

 

No.2329】 04年04月14日 T
術後の補助療法について

先日、右乳房全摘出をした30歳女性です。術後の結果は、浸潤性乳管癌、断端浸潤なし、レベル1のリンパ節転移2ケ所にあり。ホルモンレセプターは陽性とのこと。先生には、「最良の方法としては抗がん剤をした後に、ホルモン療法がお勧め」と言われましたが、私自身は抗がん剤の副作用を考えると、すごく迷っています。そこでご相談したいのですが、
1.抗がん剤とホルモン療法を併用した場合と、ホルモン療法のみをした場合では、その後の再発率がどの位違うものでしょうか?
2.抗がん剤はCEF療法かタキサン系といわれていますが、タキサン系の方副作用がかなり弱いものなのですか?
3.抗がん剤の脱毛はどの位の割合で起こりますか?
4.私の場合、QQLが下がってでも化学療法が必要でしょうか? なるべく今の生活をしていきたいのです。

よろしくお願いします。

1. 個々のリスク、また使用する薬剤によっても変わってきますので、正確な数値をだすのは難しいですが、御年齢、病理結果から抗がん剤の上乗せ効果は絶対的数値で数%から十数%程あるのではないかと思います。抗がん剤の効果は年齢が若いほど大きいといわれています。ちなみに、閉経前でリンパ節転移陽性の方への抗がん剤投与は、10年間で11%の生存率の向上をもたらします。
2. タキサン系特有の副作用もあります(しびれ、むくみなど)。嘔気は一般的にタキサン系のほうが弱いです。しかし、副作用の出現の仕方には個人差がありますので、一概に弱いとはいえません。
3. CEFまたはタキサン系でしたら、ほぼ100%起こります。
4. QOLが低下するのは、化学療法施行中が主であり、その後はほとんど元に戻ります。施行されるかどうかは、Tさんのお考え方によるかと思います。少しでも再発率を抑えたいということであれば(再発してからでは治癒が難しいことを考えると)、数ヶ月頑張られて抗がん剤を行うことを選択することになると思いますし、その差をあまり考慮されないのであればホルモン治療だけということになるでしょう。ただ、抗がん剤には卵巣機能抑制作用があり、早期閉経となってしまう可能性があります。もし妊娠、出産をお考えであれば大きな問題となります。最近、タキサン系の方が抑制作用が少ないとする報告もありましたが、主治医とよく相談されたほうがよいと思います。(文責 加藤)

 

No.2328】 04年04月14日 HK 
乳癌の可能性?

28歳、2児の母です。1週間程前、急に右の乳房の上半分が痛み出し、シコリというより腫れているという感じでした。その3日後に生理が始まったのですが、始まったとたん痛みは全く無くなりました。でもシコリ(乳腺が腫れているような感じ)のような物は、まだあります。手のひらでギュウっと握るとゴロゴロ動く感じで、そんなに硬くもなく、上手く説明できないのですが、乳癌の可能性はあるのでしょうか? 恐怖心と子供が小さいと言う事もあって、なかなか病院に足が進みません。授乳は1年以上前からしていません。わかりにくい説明で申し訳ありませんが、宜しくお願いします。 

お話の内容からは、乳がんの可能性は低いように思います。それほど心配されることはないですが、一度診察を受けられることをお勧めします(外科になります)。(文責 加藤)

 

No.2327】 04年04月14日 I
全摘後の放射線治療について

はじめて相談させていただきます。3ヶ月前に右乳房非定型切除、しこり9センチ、リンパ節転移6ヶあり。ホルモン感受性なし。33歳、独身です。現在、化学療法中(CAF)。化学療法後の治療は予定ありません。質問ですが、全摘でも放射線治療をする場合があると聞きましたが、アドリアマイシンなどの抗がん剤を使用した場合、放射線治療の意味がないとのことをちらっと聞きました。それは事実なのでしょうか? 意味がないとは、併用することが危険ということなのか、放射線の効果が期待できないということなのか、どういうことなのでしょうか? 私の場合、再発の危険は高いと思うのですが、化学療法のみで治療が終わってしまうのが不安です。出来ることなら放射線治療も受けたいと思うのですが。アドリアマイシンを使用することによって放射線治療が受けられないとしたら、今後転移してしまった場合も放射線はあてられないということでしょうか? 宜しくお願い致します。

アドリアマイシンなどの抗がん剤を使用した場合、放射線治療の意味がなくなるということはありません。ただ、アドリアマイシンとの同時併用は副作用のため行われませんので、抗がん剤終了後に放射線治療を開始します。Iさんのご年齢で、リンパ節転移6個ということであれば、私は放射線治療をお勧めします。転移が4個以上であれば、ガイドライン上でも放射線治療が勧められており、局所再発の制御だけでなく、2つの臨床試験で生存率の向上も報告されています。ただ、副作用の一つとして、若干腕のむくむ率が高くなります。アドリアマイシンの治療歴があるからといって、今後の放射線治療が禁忌になることもありません。(文責 加藤)

 

No.2326】 04年04月14日 S
左の掌(2)(HPNo.2194-3)

先日同じ内容で質問しましたが、再度お願いいたします。
1) 左の掌の真ん中にとがったような硬いしこりがあります。触ると硬くて、中指まで引きつる感覚があります。掌全体が熱っぽく、何とも言えない鈍痛が常にあります。主治医の先生は、乳がんとは関係がないとおっしゃっていますが、とっても気になります。もう2ヶ月近くになります。疲れやすいし、傷口や左腕が痛むし、左脇には何か挟まったような感覚があり、なかなか抜けません。
2) 4月の終わりに6回目の抗ガン剤を受けます。その後は無治療になりますので心配です。何か自分でできることはないでしょうか。

以上2点について、ご回答をよろしくお願いいたします。

1) おそらくガングリオンというしこりであると思いますので(内容物が黄色のゼリー状のもので、悪いものではありません)、整形外科を受診されてみてください。乳がんとの関連性はありません。
2) 多くの方は無治療に不安を覚え、何らかの治療法を探していらっしゃることと思います。私個人の意見では、御自身でできることは、心身共に健康を保つことであるように思います。具体的には、体重を減らす(基準をオーバーしている方)、食事、アルコール、運動などです。心の健康に留意することも同様に大切であると思います。氾濫している情報に惑わされてしまい、高価なものに手をだされてしまう方も多く見受けられますが、しっかりとした効果が証明されているかどうか、慎重に検討する必要があります。多く(ほとんど)のものが、過剰宣伝されてしまっているのが現状です。考慮する際には、主治医に相談されることをお勧めします。(文責 加藤)

 

No.2325】 04年04月12日 K 
脇の下のしこりについて

初めまして。31歳です。出産経験はありません。右の脇の下にしこりを見つけ、とても不安になっています。しこりは脇の下のちょうど真ん中のくぼむ辺りの少し奥にあるようです。表面的にはわからず、親指と人差し指で探してつまみ出すようにすると分かります。ギョロギョロとした感じで形はありますが、とても硬いという感じではありません。普段痛みはなく、ずっと触っていると少し痛い感じもしますが、それは左も同じ感じがします。うずらの卵よりはひとまわり小さいです。自分で触った感じだと、乳房にはしこりは感じられません。4,5年前から右の乳輪と乳首に少しかさぶたのようなかぶれがあって、時々かゆみがあります。しこりと何か関係があるのでしょうか。アトピー性皮膚炎のようなアレルギーを持っています。リンパ節に急に乳がんが発生することもあるのでしょうか。すぐに病院へ行った方がいいですか?この場合、どのような検査になりますか?よろしくお願い致します。

お話の内容からは、わきの下のリンパ節を触れているのだと思います(異常がなくとも触れることはあります)。わきの下のリンパ節は乳房からのリンパ液が流入するので、乳房に炎症等があると影響を受けることがあります。リンパ節のしこりで発見される乳がんもありますが、まれです。がんの転移したリンパ節は硬く触れます。すぐに病院へ行く必要はないかと思いますが、不安を解消するためにも、一度外科を受診されてみてください。診察と、必要であれば超音波などを行うことになります。(文責 加藤)

 

No.2324】 04年04月12日 T 
生検の時期について

はじめまして。44歳、既婚女性(子供二人)です。左の腋の下に違和感を感じ、乳房専門医でマンモグラフィーとエコーを撮りました。カテゴリーは3です。腋の下は全く問題なく、しこりもないのですが、両方の乳房に石灰化がみられるとのこと。右乳房の粒が(写真で見る限りでは、二粒)くっついていて、尚且つ、そのあたりがぼんやりくもっているように見えるので、細胞診をした結果、クラス3でした。再び超音波で念入りに見て下さり、5mm弱かなとおっしゃっていました 。生検を受けるように言われたのですが、マンモトームがない為、切開になります。3ヶ月位経過観察できないでしょうか。もしも癌だった場合、その3ヶ月が後に大きく影響する事も考えられるのでしょうか。

実際に画像等を拝見していないため、正確なコメントはできませんが、がんの可能性がある程度考慮されるのであれば生検を受けられるのがよいと思います。そうでなければ経過観察でもよいでしょう。仮にがんであった場合、3ヶ月が大きく影響する可能性はないとは言い切れませんが、低いと思います。(文責 加藤)

 

No.2323】 04年04月12日 KN
腫瘍マーカーについて

4年前に乳癌の手術をした知人がいますが、肝臓に転移が発見されました。抗癌剤治療を受けながら、CEAとNCC-ST439の2つの腫瘍マーカーを毎月モニターしているそうですが、CEAが減少傾向にあるにも関わらず、NCC-ST439が大幅に上昇しています。これはどのように解釈したらいいのでしょうか?
 

NCC-ST439  CEA
12月 130  12.6
1月 170   15.7
2月  220  13.7
3月       260  11.3


よろしくお願い致します。

腫瘍マーカーの乖離(かいり)は、時々見られる現象です。このようなときは、マーカーにとらわれず、画像診断(肝臓であればCTや超音波)によって効果判断するのがよいでしょう。(文責 加藤)

 

No.2322】 04年04月11日 n美
注射の針が刺さりません

昨年の11月に乳癌の手術をしました。それから治療を進め、現在タキソール2回目が終わったところです。以前からなのですが、注射の針が刺さりません。採血も含め毎回7〜8回刺されます。前回は、手首に刺した針が神経に触り、2週間たった今も痺れています。大丈夫なのか心配です。刺すところがなくなって、患側の腕にしました。毎週これが続くのかと思うと眠れません。再発しない為にも治療は続けたいのですが、何か良い方法はないでしょうか教えてください。  

痺れは徐々に薄れていくと思います。わきの下のリンパ節を切除されたのであれば、点滴を患側の腕から行うのはあまり好ましくありません。腕からの点滴が難しい方は、中心静脈ラインといって鎖骨の下の静脈から点滴を行う方法があります。カテーテルを留置しておけるので、その都度穿刺の必要がありません。カテーテルを皮膚から出しておく方法と、カテーテルの先を皮膚の下に埋め込んで置く方法があります。どちらでも入浴は可能です。Nさんにとってよい方法であるように思われますので、担当医と相談なさってみてください。(文責 加藤)

 

No.2321】 04年04月11日 T 
乳腺のう胞症について

先日、生活習慣病健診で乳腺のう胞症と診断されました。いったいどんな病気なんですか?教えて下さい。よろしくお願いします。

のう胞とは、わかりやすく言い換えれば、水の袋です(ただし、色は緑、茶、黄とさまざまです)。30代、40代、50代前半(閉経前)の方に多く見られます。また、女性は通常、一生の間に一つか二つののう胞を持つとも言われています。のう胞は病気ではなく、体質であるとお考えください。沢山ある方もいらっしゃれば、ない方もいらっしゃいます。それ自体無害なものですが、時々急に大きくなった時などに痛みを伴うことがあります(水を吸引すれば軽快します)。乳がんとの関連性はないとされていますので、ご安心ください。(文責 加藤)

 

No.2320-1】 04年04月11日 IS 
V

はじめまして。医療機関に勤務する医療技術職のものです。33歳、結婚4年目、出産経験はありません。この春から不妊治療を開始する予定でした。3週間ほど前に気軽に受けたエコーでのう胞が見つかりました。中に石灰化がありました。のう胞の大きさは6〜7ミリです。しこり、自覚症状はありませんでした。触診ではしこりに触れないようです。エコーの後すぐに穿刺の検査をしてしまったので、細胞を散らす可能性を考慮して、MMGの検査が本日にずれこんでしまいました。読影の出来る先生が月曜日にくるのでそちらは結果待ちです。穿刺細胞診の結果はクラスV、要再検でした。a b の記載はありませんでした。所見は、「一部に少数だけ○○を伴うcancer like ○○あり」。○○の部分は英語が読みづらく不明です。エコーの所見ではやや上部に盛り上がった楕円形 、「MMGの画像ではあきらかな石灰化病変はどうでしょう? 穿刺前の画像を見るのならば画像的にはあまり問題はないが、細胞診の所見は厳しいことが書いてあるね」というのが、外科(乳腺専門医ではありません)のドクターのコメントです。今日改めてエコーをとったところ、穿刺の影響なのか、前回の形と大分違っていました。ぎざぎざになった感じで、その画像だけみると、私がみてもいかにもガンです、という感じです。

@ 穿刺で、かなりのう胞の形は変形するものでしょうか?
A 穿刺後このくらいの感覚でMMGをした場合、もしも悪性だった場合は散らしてしまう可能性はありますか?
B 境界のはっきりした楕円形・MMG的にも所見はない、しかし細胞診では怪しいという場合、やはりマンモトームなどの設備のある病院を受診すべきでしょうか?

不妊治療のこともあいまって混乱しています。よろしくお願いいたします。

順に返答いたします。
@ 穿刺により内容液が排出されれば、変形します。
A 万が一悪性であったと仮定して、MMGを撮ったとしても、散らしてしまうことはありません。穿刺により散らしてしまうといわれていた時代もありましたが、現在では否定されています。
B のう胞に対し、マンモトームは適応ではありません。ただ、現在の病院で納得の行く説明が受けられない場合は、他院を受診されるのも一つの方法であると思います。

のう胞の内容液は古く、その細胞は変性することがあります。よって細胞診は正確性に欠け、偽陽性が多くなるため、行う意義は少ないとされています。のう胞の中に隆起性病変が認められる場合や、内容液が血性の場合は精査が必要となりますが、そうでない場合は通常必要なく、数ヵ月後の再検で宜しいかと思います。まれにのう胞内にできるがんもありますが(のう胞内乳頭がん)、通常のう胞の外へ広がることはなく、致命傷になることはありません。(文責 加藤)

 

No.2320-2】 04年04月14日 IS 
Vその後

こんばんは。大変ご丁寧なお返事をいただきうれしく思っています。とても不安でしたので。再度の質問で申し訳ございませんが、確実にのう胞というわけではなさそうですので、やはり設備の整った病院(癌研付属病院をすすめられました)にいこうかと思っています。
@ のう胞の穿刺での疑陽性は多いそうですが(患者としては不安です)、その場合に最適な検査とは何があるでしょうか?
A MMGの場合、若い患者だとはっきり画像所見が得られないと聞きましたが本当でしょうか?
B のう胞の中に石灰化があるように見える紛らわしい病変はあるのでしょうか?

お忙しいところ大変恐縮ですが教えていただけると幸いです。よろしくお願いいたします。

@ のう胞の内腔に隆起性病変があれば、生検になるとおもいます。そうでなければクラスVであっても特に検査は行いません。
A お若い方(特に40歳前)は乳腺組織がしっかりしており、MMGが白っぽく写ります。しこり(がん、のう胞、線維腺腫など)も白く写るため、隠れてしまうのです。ただ、そうでない方もいらっしゃいます。
B のう胞の中に石灰化があることはまれだと思います。(文責 加藤)

 

No.2319】 04年04月11日 M
乳がん再発の治療

以前お世話になり、ありがとうございました。40歳女性、3年前に腫瘍8ミリで乳房温存手術を受けたものです。リンパ節転移なし、断端陰性、ホルモン感受性ありで、ゾラデックス2年間、タモキシフェンを現在も服用中です。今回手術痕に腫瘍が見つかり、再発が確認されました。現在遠隔転移を起こしていないか検査中です。転移の状態によって違うと思いますが、局部転移と遠隔転移のある場合の、薬剤名も含めた治療方法を教えてください。よろしくお願いします。

切除可能な浸潤がんとして再発したものとして返答させて頂きます。
1) 局所再発のみの場合は、まず局所治療を行います。以前に放射線治療を受けていなければ、局所切除+放射線、または乳房切除(±再建)、受けていれば乳房切除(±再建)または局所切除が選択肢としてあげられます。放射線は一度しかかけられないため(副作用のため)、治療歴によって今回の選択肢が変わってきます。追加の全身療法は、担当医と相談の上、決定することになるかと思いますが、ホルモン療法や化学療法が考慮されます。ホルモン療法では、現在服用されているタモキシフェンは除外されます。閉経前であればゾラデックス、閉経後であればアリミデックス、アロマシンなどのアロマターゼ阻害剤が候補になります。化学療法(抗がん剤)は、AC、EC、CAF(FAC)、CEF(FEC)、CMF、タキソール、タキソテールなどの種類があります。
2) 遠隔再発も同時に伴っていれば、上記の全身療法が行われます。ただ、局所再発部の生検を行い、腫瘍の性格(ホルモンレセプターやHER2)を調べることになると思います。HER2が陽性であればハーセプチンも候補の中に入ってきます。(文責 加藤)

 

No.2318】 04年04月11日  M
エコーの見方について

何度かお世話になった者でございます。いつも感謝しております。マンモグラフィは、白く見える部分の状態によって診断(間違っていたらすみません)するようですが、エコーの画像はどのように診断するのでしょうか。以前に嚢胞を指摘された際は黒っぽく見えました。乳がんの本に、臓器に音を当てて返ってくる反射の様子を画像にし、全体の【断面像】が画面でうつし出されるとあります。断面像とは、身体を輪切りにしたイメージなのでしょうか。区の無料検診指定医院の中にエコーをしてもらえるところがあったため、すすんでその病院で毎年検診を受診、指摘がないまま数年たち、結局、自分でしこりに気付いたという話を聞きました。もちろん、素人の私に判別など無理なのですが、またご多忙とは存じますが、今月、エコー受診を予定しているため、ご教示いただけますでしょうか。

エコーの画像は、マンモグラフィーとは逆に、黒く見える部分の状態によって診断します。断面像とは、輪切りにしたイメージです。画面では上から皮膚、脂肪、乳腺、脂肪、筋肉、骨の順番で見えます。(文責 加藤)

 

No.2317】 04年04月11日  Y.O.
肺転移抗ガン治療後について(HPNo.1490-4)

No.1490でご回答いただきました。その節は有り難うございました。タキソテールとアドリアシンの治療は1クールのみで、2クール目からタキソテールのみで行い、6クール終了いたしました。吐き気、味覚障害、爪の変色と痛み、むくみ(3ヶ月で5キログラム体重増加、関係有りますか?)が有ります。2月に胸のレントゲンを撮りましたところ、右肺に水が少したまっているとのことでした(先生は気にしなくて良いとのこと)。ご相談ですが、 
・ 身体を起こしているときはさほどではないのですが、横になると息苦しさを感じます。
・ 時々空咳でなく、ぜんそくの時のような(雑音が入ったような)咳が出ます。
・ 体温…AM 36度5〜8   PM37度2〜5  
来週外来予約が入っています。今後の治療と検査について何を担当医に伺っておいたらよいか、ご助言いただけませんでしょうか。ただ今54才です。49才で生理は終わりましたので、術後アロマシンを半年ほど飲んでいましたが、発の疑い有りとなった時点でノルバテックスを抗ガン治療直前まで飲みました。転移後の抗ガン治療の後にホルモン療法の選択がでた時にはどちらが良いと思われますか? 乱文で申し訳御座いませんが、ご回答宜しくお願いいたします。  

むくみはタキソテールによる副作用の可能性があり、それによって体重も増えているものと思われます。今後のホルモン治療としてはノルバデックス(ただ、以前肝機能障害がでたのでしょうか?)、アリミデックス等が考えられます。アロマシンは服用中に再発が見つかったのであれば、再度服用は考えにくいでしょう。
また他の手段としては抗がん剤、ハーセプチン(もし適応があれば)などがありますし、お辛ければ治療を休むこともできます。治療によるメリット、デメリットをよく考えながら治療を進めていくことが必要になると思います。Y.O.さんのお体にとって一番合う治療法(効果があり、かつ副作用が少ない)を見つけていくことが大切になります。治療によって、逆に普段の生活があまりにも辛くなってしまうのであれば、その治療法は考え直す必要があるかもしれません。検査は治療効果の確認のために、その都度行っていくことになると思います。ホルモン治療は効果がでるまで少し(数ヶ月)時間がかかることがありますので、あせらずに治療を続けられてください。(文責 加藤)

 

No.2316-1】 04年04月11日  Y.Y.
放射線治療後の副作用

放射線治療をすると、乳房の形は残るものの、機能、具体的にはお乳はもうでないと、本で読みました。それは事実なのでしょうか? また、私が一番気になるのは、私は乳首が性感帯なのですが、その辺の感覚もなくなるのでしょうか? 女性としての喜びを奪われるようで、もし、そうであれば、それなりの覚悟をして治療にのぞみたいですし、もし、他に選択肢があるのであれば知りたいです。よろしくお願いします。

放射線治療後は、おっしゃるようにお乳はほとんどでなくなります。放射線治療後の皮膚はやや厚くなり、色もやや濃くなります。乳頭は表面が堅く(パリパリと)なりますが、皮膚と共に半年くらいで元に戻っていきます。感覚は過敏あるいは鈍くなることがありますが、やはり治療後少しずつ戻っていくと思います(完全に戻るとは限りませんが・・・)。また、感覚は手術手技にも関係してきます。手術の際、乳頭の下に手を加えるのであれば、それによって感覚が変化する可能性があります。執刀医に確認されるとよいと思います。温存手術後の放射線治療は大切な役割を果たしています。最近、生存率にも影響を及ぼす可能性があるとのデータも発表されました。ただ、治療によるメリット、デメリットがありますから、担当医とよく相談されることをお勧めします。今のところ、放射線に代わる他の選択肢はありません(手術で取ったしこりの周りだけ放射線をかける方法もありますが、まだ一般的には行われていません)。(文責 加藤)

 

No.2316-2】 04年04月15日  Y.Y.
担当医、主治医、執刀医

ありがとうございます。少し安心しました。こうやって、一つ一つの疑問、不安が一つ一つクリアにされることで、たとえそれが本人が期待していた答えでなかっても、納得して、心の準備をして治療に望めます。本当にありがとうございます。
ところで全く違う質問なのですが、担当医、主治医、執刀医の違いは何なのでしょうか?私もさ来週に手術を受けるのですが、現在見てもらっている先生(乳腺専門で位の高い先生)は執刀せず、消化器外科の先生がそれをして、主治医はその執刀の先生とのこと。今見ていただいている乳腺専門の先生に手術、できれば執刀していただきたいのですが、お願いしたもののだめでした。せめて今後の治療をお願いしたいのですが。どうしたらいいのでしょうか? 消化器外科の先生が執刀というのも不安ですし、今見て下さっている先生は、指示はしますというものの、横でなのか、事前になのか、はっきりおっしゃって下さいませんでした。この辺、どういうシステムなのか、もしよければ教えていただければ幸いです。

執刀医とは実際に手術を行う医師です。主治医と担当医の区別は不明瞭ですが、チームとして患者さんを受け持った場合に、そのチームの医師を担当医と呼び、その中での責任者(一名)を主治医と呼ぶことがあると思います(ただ、明確な定義ではないかもしれません)。執刀医と主治医が異なることはたびたびあります。もし執刀医の希望があれば、伝えたほうがよいでしょう。お願いしたものの、だめでした・・・とのことですが、納得の行く治療を受けられたほうがよいと思います。(文責 加藤)

 

No.2315】 04年04月10日  のりりん 
生検について

34歳、子供が1人います。昨年の11月に右胸の9mmのしこりを良性と診断され、経過観察中です。先日、検診を受けましたら、状況が変わっていないことが分かりました。実は、生検を考えております。医師の話によると、2センチほど切ることになるだろうということです。この傷の程度について教えていただきたいのと(丸みがひきつれるのか?色はあるのか?など。私は帝王切開の経験がありますが、これに似たような感じでしょうか?質問が漠然としていて申し訳ありません。要は事前にある程度の覚悟を決めておきたいのです。)、傷跡が残る以外のデメリットがあればお願いします。たとえば、今後同じようなしこりが再度出来やすくなるとかありますか?

通常1cm大のしこりを切除しても、ひきつれることはまずありません。傷の色は周りの皮膚の色を同じことが多いですが、傷が盛り上がってしまう体質(ケロイド体質)であれば赤くなることがあります。帝王切開の場所はいかがでしょうか?似たような感じになると思います(ただ、必ずしも同じになるとは限りませんが・・・)。
また、傷跡以外には、硬さや痛みが残る等の可能性があげられます。場所が乳頭・乳輪の近くであれば今後の授乳の際に影響がでる可能性もあります。 切除することによって同じようなしこりができやすくなることはありません。しこりにがんの可能性がないのでしたら、切除する必要性は少ないかもしれません。例えば、線維腺腫でしたら今後自然消滅する可能性もあります。(文責 加藤)

 

No.2314】 04年04月10日 reirei  
乳癌の可能性ありますか?

いつも拝見しています。今回母親のことで相談があります。母は60歳です。最近脇の下と腕が痛いと言っていて、腕を上げるのが辛そうなんです。普段普通にしているぶんには何ともないみたいなんですけど、腕を上げるときだけ上げづらいみたいなんです。先日健康診断を受けたばかりで、レントゲンや血液検査などもしたのですが、特に異常はなく、いたって健康だと言われたそうです。乳癌検査をまだしていないらしく、乳癌だったらと気にしています。乳癌でこのような症状はあるのでしょうか? 検査は普通の外科でしたほうがいいのかわからないみたいなので、お忙しいとは思いますがお返事お願いします。

乳がんでおっしゃるような症状が出現する頻度は低いですが、ご心配であれば一度検診を受けられたほうがよいでしょう。外科で宜しいかと思います(わきの下には、乳房からリンパ液が流れ込むリンパ節があります)。(文責 加藤)

 

No.2313】 04年04月10日 H 
乳管腺葉切除について(HPNo.2178-4)

No.2178で相談させて頂いています。再度先生方のご意見を伺いたく、お願いします。
血性分泌にて、マンモテック200、細胞診クラス3。病理医の異型度は強くないが悪性を疑うとのコメントもありました。乳管造影にて、32歳、出産未経験とのことで、造影剤が乳頭から2センチくらいで滞り、枝分かれした乳管の撮影がうまくできませんでした。乳管造影で撮影した画像でも、しこり、石灰化は写っていないようでした。エコーでも疑わしいしこりはないようでした。主治医は、「乳腺腺葉切除で血が出る乳管から紫色の染色を流しても、同じように滞り、乳腺切除が難しいが、奥からの出血は少ないので、多分染色に頼らずとも血が出る乳管からさぐれば患部を見つける事ができるのでは。」とのお話でした。私としては本当に患部を見つけることが出来るのか、未だ不安も大きく、先生方はどういった治療法をされますでしょうか。
枝分かれした乳腺をうまく引っ張る事ができ、患部を見るとこが出来たら良いのですが、無駄な手術になるのでしたら、もう少し様子を見るのも一つの選択か、やはり迷います。片側を今年1月に手術したばかりで、また反対側にメスを入れて探るのも、寝ている子を起こすような結果になるのではないか、今回見つけられなかった場合にまたメスを入れることになるのか、不安も大きく、経過観察で手遅れにならないか、腺葉切除を受けるべきか迷っています。お忙しいところ大変申し訳ございません。何卒先生方のご意見を宜しく御願いいたします。

マンモグラフィー、超音波、MRIにて病変部位が不明であり、乳管造影でも場所がわからない?とすれば、場所を探し当てるのは難しいと思います。生検の前には病変部位を見つけておく(想定しておく)必要があり、闇雲に切除しても、病変部位を的確に摘出することには困難が予想され、病変部以外の正常組織を大きくとってしまうことにもなりかねません(再切除の可能性もあります)。メスを入れること自体は、寝ている子を起こすような結果になることはないと思いますが、お体に負担はかかりますし、無駄に行うことは避けなければなりません。
万が一非浸潤性乳管がんが存在したとしても、それが短期間で浸潤がんへと変貌を遂げる可能性は少ないと思います。手遅れにならないとは言い切れませんが、腺葉区域切除は比較的大きな切除になりますので、あせらずに検査上で病変部位の確認をされてから受けられたほうが賢明であるように思います。(文責 加藤)

 

No.2312】 04年04月10日 umi
乳輪から緑色っぽい液体がでました

未婚の30歳です。お忙しいところ本当にすみません。初めて相談させていただきます。私の乳首は陥没しています。6年前に形成外科で陥没を治そうと手術しました。しかし治りませんでした。もうあきらめて気にしていなかったのですが、それが理由かどうかは分からないのですが、乳輪の縫った後部分がだんだん痛くなり、おっぱい全体も腫れて寝られないくらいでした。近くの産婦人科に見てもらったところ、「膿がたまって炎症を起こしているから自然に破れるまで待っておきましょう。」と言われ、抗生物質と痛み止めをもらいました。二日後、乳輪から1ミリくらいの穴が開き、ドバーと、白い脂肪みたいなものが大さじ三杯ほど出て、その後、白と緑色みたいなどろ〜っとした、へどろみたいな液体が手のひらいっぱいに出できました。匂いも生臭い匂いがしました。人間の体から出てくる物じゃないみたいな液体でした。その後、血と脂肪がまじった物が大量にでました。最後は全部出たのか、血だけになりました。あまりにも大量に出て手が震え、乳輪に穴が開き、乳首みたいにまだ盛り上がってます。これは膿なのでしょうか? 今はオロナイン軟膏を塗っています。病院にもう一度行った方がいいのでしょうか? すみません、長い文章になってしまって。よろしくお願いします。

出てきたものは膿です。処置(消毒、排膿)や投薬(抗生物質)が必要になることもありますので、病院(外科)に行かれたほうが宜しいかと思います。(文責 加藤)

 

No.2311】 04年04月07日 K.T 京都
乳ガンについての相談

こんにちは。気になるコトがあり、ネットで探していて辿り着きました。相談をさせて頂きたく、よろしくお願い致します。当方、45歳で講師(書道、絵画)をしています。子供は17歳で1人です。生理は順調です。持病としては、発作性頭位(3年半前から現在にも至る)、腰椎椎間板症(去年より)、不整脈(1年半)です。薬の服用はセファドール(めまい)、チザネリン(肩凝り)、ポンタール(痛み止め)。薬の服用は常用ではなく、辛いと感じた時に服用。
1年半くらいになるかと思いますが、右腋の下(本当の腋です)が時々痛みます。痛みは我慢できない痛みではなく、筋肉痛のややきつい様な痛みです。頻度は毎日ではありませんが、痛み出すと数日続きます。その数日間ずーと痛いのでもなく、何かの折に痛みます。動くと痛かったり、じっとしていても痛かったり。脇腹ではなく、本当の腋です。自分で触ってみるのですが、はっきりとココと言う箇所が限定できません。しこりはないように思います(場所が腋なだけに平らでなく触診しづらいので)。乳首から液の様なものも出ません。痛み出した当初、乳ガンではないか?とか、「はん文雀さん」が腋のリンパ節の癌で亡くなられたりしたので、不安を感じお医者さんに行ってみました。まず、かかりつけの診療所に行きました(内科・外科・皮膚科・整形)。 触診をされましたが、「こんな場所には何もない」と、病気ができる箇所ではない・・・と言う診断でした。レントゲン・血液検査等はしていません。その後、あまり神経質にならないでおこうと思いましたが、引き続き痛みがあったので同じ町にあるかなり有名な乳腺科にも行ってみました。乳ガンの検査もしてもらい、2種類ほどの検査を受けました(温水状のものを氷嚢の様なものに入れて胸の上に置くものと、乳房をペッタンコにしてしまうレントゲン?)。しかし乳房には癌はありませんでした。そして、腋の痛みについて話したところ、その場所は乳房ではないから・・と言われました。ただ、私は乳房が大きく、「豊かな乳房なので乳腺が張るのはあるかも知れませんね」と言われました。そんな箇所には何もない(病原がない)、乳房ではないなど、何科に行って調べてもらうべきなのか・・・、もしも癌であったなら手遅れになってしまうと思いつつ日々だけが過ぎていく毎日です。痛みがあるのは事実であって、何も問題がないのに痛みがあるものなのかと不安になっています。よろしくお願い致します。

マンモグラフィー(レントゲン)、超音波(胸の上に置くもの)を施行されて、乳房、腋の下に異常がないのでしたら、まず乳がんである可能性はないと思います。痛みはいろいろな原因で起こり得ます。体の異常を知らせるサインの場合もありますが、中にははっきりとした原因がわからないこともよくあります。お話の内容からは、何か悪いものがあって、それによって出現するような痛みではないように思いますが、念のためもう少し他の検査を受けられてもよいかもしれません。内科あるいは外科の担当医と相談なさってみて下さい。(文責 加藤)

 

No.2310】 04年04月07日 T.D.
左胸の痛み

こんにちは。10ヶ月の赤ちゃんを授乳中の29歳の主婦です。昨日、入浴中に左側の脇の胸に近いほうを押すと痛みがありました。しこりは無いような感じですが、筋肉か何か自分でも判りかねます。肘を後方に張ったり、指で押すと痛みがありますが、何もしなければ痛みはありません。左側で抱っこするので、筋肉痛なのかなぁと思ったりもしています。授乳中でも乳がんになったりするのでしょうか?

お話の内容からは心配ないように思いますが、授乳中に乳がんが見つかることもあります(また、痛みが発見の契機になることもあります)。安心を得るためにも、一度受診されてみることをお勧めします。乳腺外科あるいは外科が担当の科になります。(文責 加藤)

 

No.2309-1】 04年04月05日 R.N.
NCC-ST-439

以前、術後療法についてお世話になりました。手術時49歳。2001年6月6日に左乳房温存手術。D領域に大きさ1.5×1.0×2.0、乳頭腺管癌、f、ly(-)、v(-)、ホルモン感受性あり。組織学的異型度は2+2+1=5 GradeU。神経周囲浸潤あり、切除断端は水平断端および垂直断端ともに陰性。切除断端の迅速検体にも癌は認めないという病理の結果でした。術後、ゾラデックス2年間(2003年6月終了)、並行してノルバデックスを5年間の予定で服用中です。ゾラデックスが終了した9ヶ月後の3/15に、年齢的に戻らないと思っておりました生理が戻りました(血液中の女性ホルモンを調べていただきました)。半年毎の血液検査でフォローアップ中ですが、この3月、腫瘍マーカーのNCC−ST−439のみが33に上がっておりました。また今月末に血液検査をします。ネット等で調べましたところ、敏感に反応する偽陽性の少ない優れたマーカーだそうですが、反面、術後ホルモン療法で10〜15%の偽陽性が発生、TAM投与による卵巣へのホルモン受容体を介した関与が示唆という文を読み、ノルバデックス服用を中止したほうがよいか、主治医に相談するつもりですが、先生方のご意見をお聞かせ願います。また、ホルモン療法の耐性ができたということも考えられるでしょうか。ご回答をよろしくお願いいたします。

おっしゃるように偽陽性の可能性も充分考えられますので、それによってホルモン治療(ノルバデックス)を中止するのはあまり好ましくないと思います。耐性ができたとも考えにくいでしょう。腫瘍マーカーはある程度誤差があり、また偽陽性も存在するため、治療効果の推移などを判定するのには役立つかもしれませんが、再発があるかないかを判定するのには向かない面もあります。術後の定期的チェックの意義は明確ではなく、欧米では一般的に行われていません。腫瘍マーカーの値にあまり振り回されずに、術後療法をしっかり続けられるのがよいように思います。(文責 加藤)

 

No.2309-2】 04年05月03日 R.N.
NCC-ST-439(2)

詳しいご回答をありがとうございました。一ヵ月後のNCC-ST439の数値が26.4と依然高値を示しておりました。主治医は、このままノルバデックスで治療を続けながら血液検査のみで診ていかれる方針です。
@ 今の時点で再発している可能性は考えられますでしょうか?
A 新たな治療や検査の必要はないのでしょうか? 私としましては、近々PET検査を受けたいと考えております。

1) 可能性はあると思いますが、可能性が高いかどうかは不明です。
2) この状況は、PETの良い適応だと思います。保険も利きますから、是非お勧めします。(文責 清水)

 

No.2308】 04年04月05日 マコ
腫瘍マーカーの数値について(HPNo.2254-2)

No.2254で回答いただき、ありがとうございました。現在、ノルバデックス服用、月一のホルモン注射、抗がん剤点滴(1クール済み)の状態です。腫瘍マーカーについて教えて下さい。治療開始前の数値なのですが、CA15-3は21.2U/MLで基準値内で、NCC-ST-439が257.1U/MLあります。この数値はかなり悪いのでしょうか? 2クール済んでから腫瘍マーカーを見ますと言われたのですが、どのくらい下がっていれば効果があると思っていいのでしょうか?

NCC-ST-439の基準値は7U/ml以下になりますので、やや高い数値となります。現在の値より下がっていれば効果があると思っていただいてよいと思います(乳がん研究班の研究結果によると、20%程度の低下が望ましいとされています。ただ、腫瘍マーカーは病状を正確に反映している訳ではありませんので、あくまでも参考にすぎないことをご了承ください)。(文責 加藤)

 

No.2307】 04年04月04日 B 
気になる事があります

はじめまして。私の娘は4、5年前から生理が不順になり、今は5〜6ヶ月に1回、ひどいときには10ヶ月に1回しかなくなってしまいました。胸には膨らみはじめた頃からしこりがあり、触ると痛みを感じます。前に病院で胸のことを相談したことがあるのですが、そのときは、「これからまだ成長するのでしょう」と言われました。娘は現在15歳です。病院には近々行くつもりですが、どんな病気が考えられるのでしょうか。ご返答をよろしくお願いします。

お話の内容からは、ご病気というよりも思春期におけるひとつの症状のように思われます。ただ、病院に行かれたときに乳房の診察もして頂いた方が安心できると思います。(文責 加藤)

 

No.2306】 04年04月04日 Y.H 
骨転移について

はじめまして 41才、3児の母です。2002年7月に左乳房全摘手術を受けました。ステージT、その後はノルバデックスを服用しています。一ヶ月ほど前、術側の鎖骨下あたりをぶつけてしまい、痛みが徐々にひどくなり(寝ていて起き上がるのも一苦労でした)、2週間後に受診、レントゲンと骨シンチの検査を受けました。レントゲンは骨折等の異常なしでしたが、骨シンチは痛みがあった辺りに一箇所集積がありました。現在、主治医が転勤のため、新しい主治医の診察待ちですが、痛みはまったくなくなりました。骨転移の場合、痛みは消えてしまうこともあるのでしょうか? また診断の確定にはどのような検査がされるのでしょうか? どうぞよろしくお願い致します。

通常骨転移の場合は、痛みが消えてしまうことはありません。骨シンチは外傷でも集積が現れます。レントゲンが異常なしとのことですので、診断には少し時期をおいて(数ヶ月)、再度骨シンチを行うことになります。外傷であれば集積は弱くなっています。お話の内容からは、転移の可能性は低いと思いますので、ご安心ください。(文責 加藤)

 

No.2305】 04年04月04日 TM
もう効かないのでしょうか?(HPNo.443-3)

443並びに2278で相談したものです。今日はアリミデックスを飲んで8週目のマーカーの検査でした。前回よりかなり上がってしまい、前回CEA18だったのが35.6まで上がっていました。主治医は、あと一ヶ月様子をみて、他のホルモン剤を使用するか、または抗がん剤も考えているようです。PETをしようかなとも思っていることを告げると、「PETでもわからないこともあるからね。」と言われました。アリミデックスを飲んで4週目は数値的には3しか上がっていなかったものが、飲みつづけて8週目で18近くも上がるということは、やはりもうこの薬は効かないということでしょうか。こんなに上がっても三ヶ月目で数値が下がるということはあるんですか。これから先、自分がどうなっていくのか全くわからなくなってしまい、たびたびですみませんが、メールしてしまいました。 

ホルモン治療剤は、効果が現れるまで少し時間がかかることがありますので、現在の方針の通り、あと1ヶ月ほど服用されてから効果を判断してもよいかと思います(マーカーが3ヶ月目に下がることもあります)。ただ、CEAが上昇する原因として、乳がん以外のもの(先にお話しした消化器がんなど)の可能性もありますので、それを除外する必要があります。アリミデックスによる効果がなくても、他のホルモン剤、抗がん剤などの治療によってマーカーが下がっていく可能性もあると思います。(文責 加藤)

 

No.2304】 04年04月04日 F.T.
乳ガン転移について(4)(HPNo.2232-4)

再度、相談させてください。ホルモン療法を3月18日から開始しました。昨日(4/1)は、卵巣の機能を低下させる注射を行いました。その際、胃ガンの組織を再度検査したら、ホルモンには反応しない組織とのことを伝えられました。【胃の基底腺粘膜の下の方に線維化を伴った異型細胞の浸潤があり、硬癌が考えられ、原発か転移か、組織自体は不明。】3月中旬の時点では、12年前手術した乳ガンによく似ており、乳ガンの転移ということでした。今後、ホルモン療法を進め、検査を行いながら、この先の治療法を決めていくとの話でした。4月9日に胃カメラ、4月13日に胸と腹部のCT検査の予定です。胃ガンが原発のものであれば、現在のホルモン療法は無駄になると思うのですが。現在診察を行っている病院は、癌専門病院ではなく、すぐには検査結果はでず、治療法がしっかり確定しないまま、時間をやたらに経過してしまうのではと不安になっています。この先、どのような治療法でいくのかを決定するには、どうしていったらよいのか、現在の病院の進め方でよいのか、ご助言をお願いします。現在出ている症状(反回神経麻痺、息苦しさ、咳、左目:ゆがんで見える症状炎症をおこしている等)が乳ガンからのもので、胃ガンは原発である場合の治療法と、現在出ている症状全てが、原発の胃ガンのものからである場合の治療方法。全く違ってくると思いますが、原発か、転移かを見極める検査はどのようにしていくのか。不安だらけです。また、胃の硬癌とはスキルス胃ガンのことでしょうか。よろしくお願いします。

現在予約なさっている検査を受け、その結果を元に治療方針を立てられていくのがよいと思います。胃がんと乳がんの治療法は異なりますので、それぞれ別に考えていく必要があります。原発か転移かは、最終的にはやはり組織診断に頼るところが大きいと思います(しかし、組織診断でも鑑別が難しい場合があります)。診断、治療方針が確定するまではどうしても少し時間がかかります。御不安だと思いますが、頑張って乗り切ってください。12年前に手術なさった乳がんの転移であれば、急に病状が進行する可能性は低いと思います。また、胃の硬がんとはおっしゃるようにスキルスのことを指します。(文責 加藤)

 

No.2303】 04年04月03日 T.N
乳輪のかゆみと白い斑点状の脂肪について

はじめまして。21歳です。同じような相談がされているのを拝見しましたが、他の方と少し症状が違うように思えるのでご相談致します。二ヶ月前ほどから乳輪にかゆみがあり、かさかさで皮がむけます。気にせず放っておいたのですが、かさぶたのようなものができてもはがれる気配もなく治りません。それから、昔から乳輪に白い斑点状の脂肪のようなもの(2mmほどのものが4つくらい)があったのですが、この時から、その部分だけにきびのように盛り上がるようになりました(大きいもので5mmほどあります)。その周りの乳輪も少し固くなったような気がします。今回、片方の胸だけがそんな症状なのですが、もう片方の胸も同じような白い斑点状の脂肪があります。もしも乳癌だったらと、不安でたまりません。お忙しいとは思いますが、ご回答の程、よろしくお願いします。

乳輪の白い斑点状のものは普通に見られるものです。乳輪には脂肪の腺がいくつかあり、それが炎症を起こすこともあります。お話の内容からは、まず乳がんではないと思いますので、ご安心ください。ただ、症状が続くようなら一度病院を受診されることをお勧めします。(文責 加藤)

 

No.2302】 04年04月03日 miki
コアの結果(HPNo.2288-2

No.2288で回答して頂いた者です。その節は有難うございました。今日コア生検の結果が出ました。良性の葉状腫瘍という事で、来週初めに予定通り入院、手術です。再発が多い為に全身麻酔で大きく取るということですが、乳癌と比べてとても怖い肉腫ですよね? リンパかくせいしても、血行性で肺に転移するので意味がないと言われました。だから入院は短いです。良性ですと転移とかは心配しなくても良いのでしょうか? 宜しくお願いします。

結果がよいもので、よかったと思います。葉状腫瘍は乳房腫瘍の0.3-0.9%と頻度の低いものです。以前は葉状肉腫と呼ばれることもありましたが、現在は葉状腫瘍と呼ばれることが多くなってきています。良性、境界、悪性のものに分けられ、良性であれば肉腫のような性格は通常持ち合わせません。血行性に転移することもありませんので、ご安心ください。通常しこりの切除で治癒するものです。コア生検はしこりの一部を取るものなので、最終診断はもう一度しこり全体を顕微鏡で見てから行うことになります。ただ、悪性である可能性は低いので、それほどご心配ないと思います。ちなみに、最終的には線維腺腫と診断される可能性もあります(針生検で葉状腫瘍と診断されたものの約4%が線維腺腫であったとの報告があります)。(文責 加藤)

 

No.2301-1】 04年04月03日 みらくる
乳房と肩や背中の痛み

初めまして、私は21歳・独身です。生理が近いとも思われるのですが、特に右乳房から右脇・肩や背中にかけて痛みがあります。右の乳房は左乳房に比べて異様に大きいのも心配です。確か昨年触診検査を受けたと思うのですが・・・。20歳代での乳癌は考えられるのでしょうか? また、乳房や肩・背中が急激に痛くなったりするのは、乳癌と直接関係あるといえるのでしょうか? お答えを、宜しくお願い致します。

生理前の乳房やその周辺の痛みは異常がなくても、よく見受けられる症状です。また、左右の大きさの違いも多少は普通見られます。ただ、急に大きさが変わってきたときは検査が必要だと思います。20歳代前半での乳がんはまれです。痛み等が乳がんの発見契機になることもありますが、生理前の痛みはほとんどが心配のないものです。お話の内容からは乳がんの可能性は低いと思いますので、ご安心ください(ただ、直接診察させて頂いている訳ではありませんので、一度受診されることをお勧めします)。(文責 加藤)

No.2301-2】 04年04月11日 みらくる
生理が始まっても残る右乳房下側の痛みが心配です

No.2301で御返答を頂きました、みらくるです。有り難う御座いました。
少し遅れて今日生理がきたのですが、まだ(特に)右乳房の下の辺りや右肩から背中にかけ、痛みがあります。元々肩こりや腰痛持ちではあるのですが、乳房にはしこりのようなものがあるとも思えず、生理がきても未だ乳房に痛み(触るとズキっとするような痛み)があるので心配です。それでも産婦人科等の病院へ行く症状ではないのかな・・・気持ちが前に進まず悩んでいます。大きさは、痛みのある方(右乳房の方)が大きく、下がっているように思います。ただ、大きさについては、以前も同じように「違うかな?」と感じた事もありますが、今は痛みがあるせいか余計に気になっています。御返答、宜しくお願い致します。

生理が始まっても痛みが続くことはよくあります。大きさも、以前と変わりがないのでしたら、ご心配ありません。ただ、一度病院(外科)で乳房の診察を受けられたほうが安心できると思います。痛みのある場所をおっしゃって、検診を希望されれば大丈夫です。(文責 加藤)