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相談室(No.401〜500) |
このページは乳がんに関 する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。
なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。
当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。
目 次 [前のページ] [次のページ]
No
日 付
名 前
件 名
担 当
500 01/05/14 Y.I.
非浸潤癌の治療について
福間 499 01/05/14 N.T.
悪性?
福間 498 01/05/11 はあこ
葉状腫瘍について
福間 497-1
497-201/05/10
01/05/14miyuki
胸のしこりについて(1)
胸のしこりについて(2)福間
福間496-1
496-2
496-3
496-401/05/10
01/06/14
01/06/30
10/07/02M.O.
リンパ節への転移について
病理検査の結果について
術後治療について
リンパ節への転移でしょうか?福間
吉田
吉田
谷495 01/05/04 A.K.
ゲルマニウムについて
福間 494 01/05/04 Hayashi
乳房の爛れ、うずきについて
福間 493 01/05/04 Tsuzuki
乳腺分泌物について
福田 492 01/05/04 T.N.
乳房・乳首の痛み
福田 491 01/05/04 K.K.
術後の放射線治療について
福田 490 01/05/04 M.M.
胸の痛みについて
福田 489 01/05/03 Nara
母の乳ガンの術後経過
福間 488 01/05/03 nemu
母の病状について
福間 487 01/04/30 kcrudnn
腫瘍マーカーについて
福田 486 01/04/30 T.N.
母の症状について
福田 485 01/04/30 あたる
妻の首筋のしこりについて
福田 484 01/04/30 mori
乳房の痛みと腫れ
緒方 483 01/04/30 aya
不安な事について
緒方 482 01/04/30 ユミ
再発と生存率について
福田 481 01/04/30 S.K.
乳房の痛みについて
西川、福田 480 01/04/30 E.Y.
乳房の腫れについて
福田 479-1
479-201/04/30
01/04/30S.K.
乳首が陥没してきたのですが・・・。(1)
乳首が陥没してきたのですが・・・。(2)福田
福田478 01/04/30 K.Y.
粘液癌について
福田 477 01/04/30 kaneko
ガスターについて
緒方
476 01/04/21 K.U.
乳がんの手術後について
緒方 475-1
475-201/04/21
01/10/11A.H.
乳房の痛みについて
乳房のしこりと痛み緒方
加藤474 01/04/21 chirame
ガンの種類と抗癌剤について
福田 473 01/04/21 fwna
ゾラデックスについて
福田 472 01/04/21 Naka
しこりの検査について
福田 471-1
471-201/04/21
03/08/04P
左のわきの下のグリグリが痛いのですが・・・。
乳腺症とピルの服用について福田
加藤470 01/04/21 kimi
骨転移について
福田 469 01/04/21 kumi
母のことで相談します
福田 468-1
468-201/04/17
01/07/08S.S.
プロラクチンの血中濃度と胸のしこり
スルピリドの今後の服用について福田
麻賀467 01/04/15 J.O.
ゾラデックスについて
須田 466-1
466-201/04/15
01/05/21MT
乳がん再発(1)
乳がん再発(2)須田
福間465 01/04/15 ゆっきぃ
線維腺腫について
清水 464 01/04/15 mami
乳がんの骨転移について
清水 463 01/04/15 T.K.
脇の下のしこりについて(妊娠10ヶ月です)
福田 462 01/04/14 ymyo
乳癌検査結果について
福田 461 01/04/14 K.O.
ノルバデックス服用について
福田 460 01/04/14 purunchi
錠剤の抗癌剤について
福田 459-1
459-201/04/10
01/05/10みーちゃん
しこりの切除について
生検について矢吹
福間458 01/04/09 m.y&m.n
乳癌の質問
矢吹 457-1
457-201/04/09
01/04/17kai
放射線療法について(1)
放射線療法について(2)矢吹
福田456 01/04/09 M.M.
腫瘍マーカー CA19-9 について
矢吹 455 01/04/07 T.K.
妊娠について
矢吹 454 01/04/07 Y.H.
乳癌検診結果についての質問
矢吹 453 01/04/04 Y.T.
乳頭からの分泌物について
須田 452 01/04/04 M.K.
左乳首下のしこり
清水 451 01/03/29 H.T.
W期の乳がんについて
徳田 450 01/03/28 M.N.
左乳首の痛みについて
徳田 449 01/03/28 M.S.
手術後の痛みについて
徳田 448-1
448-201/03/27
01/03/28K.N.
ホルモン療法について(1)
ホルモン療法について(2)徳田
徳田447-1
447-2
447-301/03/27
01/04/10
01/04/30T.I.
検査の結果で悩んでいます
非浸潤癌の疑い
MRIの結果徳田
矢吹
福田446 01/03/27 W.S.
乳癌検診結果について
徳田 445 01/03/27 K.K.
悪性リンパ腫について
徳田 444 01/03/27 T.H.
乳癌と子宮癌
徳田 443-1
443-2
443-3
443-401/03/25
04/03/26
04/04/04
04/10/17T.M.
手術後の採決、注射について
アリミデックスについて
もう効かないのでしょうか?
まだアリミデックスでいいのでしょうか?徳田
片山
加藤
麻賀442 01/03/25 Y.O.
胸の腫れについて
徳田 441 01/03/22 H.K.
授乳中でも乳癌になりますか?
徳田 440 01/03/22 K.T.
乳がん?
徳田 439 01/03/21 H.T.
右胸(肋骨あたり)の違和感
須田 438 01/03/19 Y$Y
局所再発か!
徳田 437 01/03/19 T.I.
脇の下のしこりについて
徳田 436 01/03/19 N.I.
悪性炎症性乳癌
徳田 435 01/03/16 SASA
娘(23歳)の胸のこりこり
徳田 434 01/03/15 aya
母の乳癌について
徳田 433 01/03/15 Y
乳癌の診断方法について
徳田 432 01/03/13 Y.K.
乳房痛について
徳田 431 01/03/12 M
18歳ですが心配です
徳田 430 01/03/12 Y.K.
左胸のしこり
徳田 429-1
429-201/03/12
01/03/14K.S.
細長いしこりについて
細長いしこりについて(2)徳田
徳田428 01/03/09 H.M.
放射線治療について
徳田 427 01/03/08 S.H.
マンモテックが基準値以上でした
徳田 426-1
426-201/03/08
01/03/12it
骨転移?(1)
骨転移の治療方法について徳田
徳田425 01/03/06 Aya
しこりが大きくなってきています
徳田 424 01/03/06 A.S.
再発の完治
徳田 423 01/03/05 M.T.
乳癌治療の抗癌剤について
徳田 422 01/03/05 ともえ
胸の大きさとしこり
徳田 421 01/03/02 Y.Y.
乳癌ですか?
徳田 420 01/03/02 A.W.
心配です
徳田 419 01/02/28 tomo
乳癌の術後治療について
千島 418 01/02/28 J.J.
腕のむくみについて
千島 417-1
417-2
417-301/02/27
01/03/02
01/03/05A.S.
先日母が手術をしたのですが・・・。
先日母が手術をしたのですが・・・。(2)
先日母が手術をしたのですが・・・。(3)千島
千島
徳田416 01/02/26 A.K.
乳癌の可能性がありますか?
千島 415 01/02/26 M.K.
痛みが・・・。
千島 414 01/02/26 MAKO
乳腺部分切除後の分泌物について
千島 413 01/02/23 T.K.
鎖骨下のリンパへの転移
千島 412 01/02/23 natumi
何科を受診すればいいのでしょうか?
千島 411 01/02/22 M.Y.
しこりの切除をすすめられています
千島 410 01/02/21 mami
乳頭が痒いです
千島 409 01/02/19 K.S.
食生活について
千島 408 01/02/18 kyoko
乳頭からの分泌物について
千島 407-1
407-201/02/16
01/03/08シナモン
良性でも摘出する必要はありますか?
微熱や眩暈があります千島
千島406 01/02/16 K.M.
鎖骨の上の腫脹について
千島 405 01/02/15 Y.U.
乳房痛
千島 404 01/02/15 A.K.
胸のしこりについて
千島 403-1
403-201/02/15
01/02/18M.O.
M.O.抗がん剤の副作用
抗がん剤の副作用(2)千島
千島402-1
402-2
402-3
402-4
402-501/02/15
01/02/27
01/03/14
01/03/19
01/11/18michi
ADHについて
ADHについて(2)
ADHについて(3)
ADHについて(4)
DCISと妊娠について千島
千島
徳田
徳田
須田401 01/02/13 KATSU
大きなただれ
清水
【No.500】 01年05月14日 Y.I.
非浸潤癌の治療について非浸潤癌の治療についてご相談致します。42歳です。右乳房上方のしこりを2週間前に生検し、非浸潤癌(最大径8ミリ)ということで、5日後に手術予定です。病理の結果では「marginへの露出は明らかではありません」とありました。主治医からは、4分の1の乳房切除と、2,3個のリンパ節切除、術後2年間はホルモン剤の内服を勧められました。放射線療法については「あなたが希望するのなら施設を紹介しますよ」と言われました。そこでお聞きしたいのですが、
1.非浸潤癌でもリンパ節切除は必要なのでしょうか?
2.主治医の説明では、ホルモン療法は当然の様な話し方でしたが、ホルモンレセプターの検査結果をみて判断したのかどうかはわかりません。ホルモン療法をするときは必ずレセプター検査をするのでしょうか?もしまだしていないとしたら、残っている標本で検査はできるものでしょうか?
3.乳房温存の場合は放射線療法は必要ということですが、手術で切除した部分の病理検査の結果をみて判断しても良いと思うのですがどうでしょうか?(切除した部分の病理検査は、その一部ではなくすべてについて行われるのでしょうか?)
よろしくお願い致します。右乳房の「しこり」の生検を受けたとのことです。生検で多くのことがわかります。もちろん癌かどうかの診断もですが、その乳癌の特徴もわかります。病理の結果では「marginへの露出は明らかではありません」とのことで、まず癌はほぼとり切れていると考えられますので、十分にその癌の特徴がわかりうると思います。8mm大の非浸潤癌とのことで、当然早期発見です。
病理診断で非浸潤癌とのことですが、病理検査で調べきれないところで一部浸潤している可能性はあります。ですから確率は少ないのですが、非浸潤癌であってもリンパ節転移などが生じる可能性はあります。しかしリンパ節転移の可能性があるからといってリンパ節を切除(リンパ節郭清)するのは、多くの場合は過剰な治療となります。そこで乳癌が一番転移しやすいリンパ節を確認し、数個のリンパ節のみを切除する”前哨リンパ節生検”というやり方がでてきました(非浸潤癌のみならず浸潤癌でも小さい乳癌は対象となります)。従来のリンパ節切除(リンパ節郭清)にくらべ術後の傷害が少ないのが特徴です。おそらく主治医の先生はその新しい方法の説明をされたのではないかと思います。
またホルモンレセプターに関してですが、普通のホルモンレセプターの測定にはある程度の大きさの癌の組織が必要です。8mmの大きさの乳癌であれば十分な大きさの組織がとれず測定ができなかった可能性があります。ただごく一部の組織をとり免疫組織染色という方法でレセプターを測定する方法があります。実際に測定したかどうかはわかりませんが、非浸潤癌のような早期乳癌では一般的にホルモン療法が有効と考えられます。乳房温存術後放射線療法を行うかどうかです。欧米では術後放射線治療は一般的なことですが、周囲組織を含め十分に癌をとりきったことを精細な病理検査で確認できれば、放射線治療をしないという方法で良好な(しっかりしたデータに基づいた)成績を得ている施設もあります。主治医の治療方針によりますが、このことに関しては十分に医師に説明を聞き患者さん自身でもじっくり考えてみてください。(文責 福間)
【No.499】 01年05月14日 N.T.
悪性?私は18歳の女の子です。15歳頃に何気なく胸を触ったら、パチンコ玉よりもはるかに小さいしこりを見つけてしまいました。位置は左下です。これは乳ガンなのでしょうか。学校のレントゲン写真では異常ないといわれて早3年ですが、風邪とかでとるレントゲンでは写らないのでしょうか? マングラフィーじゃないといけないのでしょうか。家族では、乳ガンにかかった人はいないのですが・・・。乳ガンは、最低で何歳ぐらいにかかるのでしょうか。今もしこりの大きさは変わっていませんし、よく動きます。どう思いますか?
年齢的には乳癌である可能性はかなり低く、おそらく線維腺腫などの良性の「しこり」などと思います。ただ線維腺腫などの良性の「しこり」であっても10代でできた場合は急に大きくなることがあり、手術が必要な場合があります。3年前に気づき現在でもパチンコ玉より小さいとのこと、その可能性は低いと思います。「しこり」は 普通の検診のレントゲン写真ではわかりません。マンモグラフィーでもいいのですが超音波検査(エコー)のほうがわかりやすいと思います。まずエコー検査を受け本当に「しこり」があるか確認されたらどうでしょうか? また乳癌が20歳以下の人にできることは非常に少ないのですが、10歳以下の人に乳癌ができたとの報告はいくつかあります。(文責 福間)
【No.498】 01年05月11日 はあこ
葉状腫瘍について私は26歳の女性で、2月末に約鶏卵大ぐらいの腫瘍を右胸に発見し、病名を葉状腫瘍と言われました。そして4月中旬に手術で腫瘍そのもの自体のみを除く摘出手術を行い、現在、家にて療養を行っています。手術前の生検の結果より良性であるということは言われていたのですが、手術で摘出した腫瘍での結果において「良性ではあるが様々な細胞が入り交じり進化?している状態であり、中にはアポクリン腺なども入っていてあまり好ましくない状態である。今後も再発する可能性があるため厳重なるフォローアップが必要である。」と言われました。しかし、予防しようにも効く薬があるわけでもなく、ただ経過観察をし、早期発見で摘出を行うという方法しかないとお聞きしています。このような症状の場合、再発が起こりうる可能性は大きいのでしょうか? どれくらいの期間再発がなければ大丈夫なのでしょうか? また、術後において気をつける事はありますでしょうか? お手数をおかけしますがこの3点についてよろしくお願いいたします。
ご返事が送れ申し訳ございませんでした。この件でいくつかの確認事項があり遅れました。
葉状腫瘍にはご存じのように良性と悪性があります。生検では良性とのことでした。葉状腫瘍の場合、良性でも再発することがあり(肺とか骨とかに腫瘍細胞が飛び大きくなるという転移はありません)、基本的には術後きちんと経過を見ていく必要があります。もちろんご自身が触診をしてしこりが触れるかを確認することは必要ですが、病院で定期的に検査することは必須です。再発は早期発見と手術で切除が基本です。葉状腫瘍には中身の間質とそれを被う上皮という2つの部分に分けられます。葉状腫瘍の悪性度は間質により判定できるといわれています。アポクリン自体は上皮ですのでその判定基準には入りません。おそらく他の組織も含みそう話されたのでしょう。その生検以外の葉状腫瘍の部分に悪性の傾向の部分があるかどうかはmailだけではわかりません。(文責 福間)
【No.497-1】 01年05月10日 miyuki
胸のしこりについて (1)心配でお便りしました。私はグアムに住んでる29歳女性。2歳の子供がいます。今日、寝転んでテレビを見ていて何気なく胸を触ると左胸の外側にビーダマぐらい(もう少し大きいかも)のしこりを見つけました。痛みも何もなく、ただ乳がんではないかと不安で仕方がありません。3ヶ月ほど前は乳首が痒くて血が出るほどかきむしっていた(1ヶ月ほどの間)。今はすっかり綺麗になっていますけど・・・。病院へ行こうと思っていますがアメリカと言ってもグアムなので病院もあまり良くないので、日本へ帰ってみてもらった方が良いのかな。グアムでも乳がんか乳がんじゃないかの区別は出来るのでしょうか? 友だちのお母さんが乳がんで肺に転移して亡くなったのでほんと心配しています。とりあえず、生理1週間前なんですけど・・・。どうか、宜しくお願いします。
外国にいて乳房の”しこり”にきづき、さらに友人の母親が乳癌とのこと、心配のことと思います。またグアムにいて、子供さんも小さいとのこと、すぐに日本に帰国するのもままならないかと思います。しこりには良性から悪性までさまざまなものがあり、比較的簡単に診断がつくものとそうでないものがあります。まずはグアムで病院を受診したらいかがでしょうか?年齢的には線維腺腫など良性のものである可能性は高いと思います。万が一乳癌であっても急に大きくなることは殆どありません。まず受診し、すぐに日本に帰るのか(おそらく2-3週後でもいいかと思いますが)どうか決めればいいかと思います。なお日本人などのアジア人はレントゲン写真(マンモグラフィー)では”しこり”などの診断がつかず超音波検査(エコー)でしかわからない場合があります。(文責 福間)
【No.497-2】 01年05月14日 miyuki
胸のしこりについて (2)先日は早速の返事ありがとうございました。昨日、グアムの病院で診てもらいました。外科で診て貰いたかったんだけど、アメリカの病院って順番で診察するみたいで、まずは内科に行かされました。次は婦人科で胸のしこりを診てもらったんだけど外科の方で詳しくエコーで調べてもらった方が良いとの事で来週外科に予約を入れてもらいました。(そこでは子宮ガンの検査をしていただきました。)
今日、生理が始まって、ビー球大のしこりがあまり確かめる事が出来なくなってきました。乳首の裏ぐらいに誰だってしこりってありますよね?普段あまりチェックしないから分かりませんが・・・。そんな感じで1つに大きく固まってきたような気がします。でも、もう1つの胸と比べるとやはり大きいんですけど。何故こんなに形が変わったりするんでしょうか?これはやはり生理前のしこり、張りだったんでしょうか?病院は行くつもりでいますがこの前のようにしこりが分かりにくくなっててもちゃんと診察してくれるんでしょうか??何度もすみませんが宜しくお願いします。エコーでみてもらうと本当にそれが「しこり」なのか、そしてしこりの性状はかなり分かると思います。エコーであれば手で触らないような「しこり」でもわかりますので、今自分で「しこり」がわからなくなっても十分に検査可能だと思います。(かえって生理前より今の方がわかりやすいかと思います。)(文責 福間)
【No.496-1】 01年05月10日 M.O.
リンパ節への転移について母の事で相談があります。母が乳がんと診断され、今月10日に手術の予定です。しこりの大きさは触診で3センチほど。マンモグラフィ等で見たところ2センチ弱ということです。MRI、RI、CT等の検査をした所、他の臓器には転移はなかったのですが、リンパに1.5センチほどのしこりが1つ見つかり、細胞診の結果、転移している可能性が強いといのことでした。そこで、お聞きしたいのですが、リンパ節への転移は手術をしてみないと、実際には何個転移しているかわからないとの事ですが、手術前の検査で転移が見つかった場合、リンパ節に広がっている可能性は高いのでしょうか?リンパ節に転移している数で予後が決まると聞いているので、その事がとても気になります。お忙しいところ申し訳ありませんが、アドバイスの程よろしくお願いいたします。
CT などの検査により腋のリンパ腺がはれていて細胞診で癌の疑いありとのことです。少なくとも1つのリンパ節に転移の可能性があると思われます。CTなどで他のリンパ節にも転移しているかどうかわかる場合もありますが、2-3mm以下などの小さなリンパ節転移の場合は手術前の検査ではわからないことの方が多いと思います。手術でリンパ節をとらなければいくつリンパ節転移しているかわかりません。手術後の病理検査(普通は1-2週間かかります)ではじめてはっきりします。 (文責 福間)
【No.496-2】 01年06月14日 M.O.
病理検査の結果について母の手術も無事終わり、先日病理検査の結果がでました。しこりの大きさは2センチくらい。リンパ節への転移14個中10個。鎖骨下への転移はありませんでした。ホルモンレセプターはエストロゲン、プロゲステロンともに陽性。これからの治療方法として、ノルバテックスの服用とCAFの点滴、その後鎖骨上と胸骨に放射線をかける、という事でした。そこで質問なのですが、
@手術直後の説明では、「リンパ節は20個とりました。」との事だったのですが、検査の結果では14個ということでした。手術した後ではリンパ節を取った正確な数字は出ないものなのでしょうか?(手術の前と後でリンパ節をとった数が変わるものなのですか?)
Aガン細胞の組織の中に、「悪い顔のものが混じっていました。」との事だったのですが、これはどういうことなのでしょうか? しこりの大きさが2センチなのに、リンパ節に10個も転移をしていたということは、大きくなるのが早いガン細胞ということなのでしょうか?
Bホルモンレセプターは高い数値を示しています。」との事だったのですが、高い数値の人と低い数値の人では、高い数値の人の方がホルモン剤がきくのでしょうか?
Cステージを聞いたところ「Vb」といわれました。私が調べたところVbだと、「鎖骨下または鎖骨上窩リンパ節触知または上腕浮腫」とあったのですが、検査の結果では鎖骨下には転移はみつからなっかたとの事。実際は鎖骨あたりに転移があったということなのでしょうか?
D抗がん剤を点滴したうえに、放射線をかけるとの事なのですが、治療の効果としては両方した方が効果的なのでしょうか?
Eリンパ節14個中10個というのは、かなり悪い数値だとは思うのですが、5年後、10年後の再発率はどの位なのでしょうか?
たくさんの質問をしてしまい申し訳ありません。その場で先生に聞きたかったのですが、本人がいた為躊躇をしてしまいました。検査結果を聞いた当日よりは前向きに考えようという気持ちになったのですが、やはりショックが大きいです。他に相談できるところがなく、メールをいれてしまいました。どうかよろしくお願いいたします。1.手術時にとったリンパ節とは、正確には「リンパ節と思われるもの」であり、脂肪などの塊のこともあります。病理検査では、それを顕微鏡でみてリンパ節であるか否か、癌がリンパ節に存在しているかを調べます。差があって当然です。
2.悪い顔のものとは、正常と非常にかけ離れた異型度の強いものを指すものと思われます。一般的にこのような癌細胞は増殖も速く、転移し易い性格をもっているものと考えられます。リンパ節転移の多い癌がすべて増殖能が高いとはいえませんが、予後が悪い傾向にあるのは確かです。
3.ホルモンレセプターの数値とホルモン剤の効果は必ずしも一致いたしませんが、数値の高いもののほうが効きやすい傾向にあるのはたしかです。
4.stege3bというのは、臨床的な分類上(TNM)のことであり、病理検査の結果とは一致しないこともあります。病理的な分類(tnm)では、satge2か3ですが、鎖骨のあたりに転移があったかどうかは分かりません。
5.リンパ節転移10個のものの再発率がどのくらいかということですが、正確には分かりませんが、5年後で50%前後、10年後で60−70%でしょう。しかしこれは10年以上前に手術を受けた人の話しで、現在ではもう少し低くなると思われます。(文責 吉田)
【No.496-3】 01年06月30日 M.O.
術後治療について何度も質問をして申し訳ありません。母の術後の治療について質問がありメールをいれさせていただきます。前に質問をいれた時点では、ノルバテックスの服用とCAFの点滴、放射線ということだったのですが、その後母が主治医の先生と話をした結果、CAFは副作用も強いので、CMFの点滴と放射線にしましょうということになりました。そこで質問なのですが、リンパ節に10個の転移があったというのはかなり多い数だと思うのですが、CMFの点滴と放射線(放射線の治療は現時点で始まっています。)だけで、大丈夫なのでしょうか? 又、CMFとCAFとAC-Tを点滴する場合のそれぞれの良い面と悪い面を教えていただきたいのですが、お願いいたします。
CMFと放射線で大丈夫でしょうかと言うことですが、分かりません。例えもっと強い抗癌剤を使用したとしても再発を起こす可能性はあります。その場合は副作用で苦しんだ上、再発ということになります。抗癌剤の効果と副作用の出現は、使用する薬の種類や量によっても異なりますし、個人差がかなりあります。一般的にCMFはCAFよりも副作用の出現頻度は少ないといえますが、効果の点でも多少おちるでしょう。でも結果的にCMFで十分であった人も沢山います。この点は担当医に直接相談してください。個人差はありますが、CMF、CAF、AC-Tはこの順に効果が高くなると思います。しかし、それに平行して副作用も強くなるでしょう。(文責 吉田)
【No.496-4】 10年07月02日 M.O.
リンパ節への転移でしょうか?9年ほど前に【HPNo.496-1〜3】で相談にのっていただいた者です。その節は、相談にのっていただき、本当に有難うございました。
その後、抗がん剤治療やホルモン剤治療の成果もあってか、毎年の定期検査でも異常なく過ごしてきました。
今年の検査で、RI検査、CT検査、腫瘍マーカーでは異常はみつからなかったのですが、超音波検査で、頸部のリンパ節(付近??)に球体の骨ではないものが写っている(直径6ミリ位のものが1個)という事で、針で細胞をとり検査をしました。結果がわかるのは10日程かかるという事で、今結果待ちの状況です。そこで質問なのですが、
1) 風邪などでも頸部のリンパ節が腫れると聞いて、今現在風邪をひいていると話したところ、「風邪で腫れる場合は左右のリンパ節が両方とも腫れて、数も多いはずなので、違うと思います。」との事だったのですが、それ以外の理由で腫れるのは、やはり転移の可能性が高いのでしょうか?
2) 手術の際に、鎖骨上下のリンパ節を取ってしまい、そこには転移はなかったのですが、9年経った現在、他の臓器より先に頸部に転移する事もあるのでしょうか?
3) 放射線治療も受けていた関係で、超音波検査のあと、放射線の先生が画像写真をみて触診したのですが、放射線の先生は、「これだったら、心配することはないと思いますよ。」と言っていました。もしかしたら、転移しているのかもしれないと思った後だったので、この言葉にとても励まされたのですが、放射線の先生は乳腺専門の先生ではないので、言葉を鵜呑みにしてはいけないのでしょうか?
4) 転移していた場合、今現在もホルモン剤を服用しているのですが、それと併用して、どのような治療をしていくと考えればいいでしょうか??
5) もし転移していた場合、再発からの生存年数は2年〜2年半と、こちらの相談室内でもお見かけしましたが、頸部リンパ節の転移だけで再発するのに、9年の年月が経っている場合でも、この生存年数は変わらないのでしょうか?
長文になってしまい申し訳ありません。10日待てば結果はわかるのですが、母も私もそれまでの時間がとても不安で、相談させていただきました。よろしくお願いいたします。
1)2)3) 頚部リンパ節が腫れる原因としては、風邪や口内炎などの口腔内の炎症または頚部周囲の炎症、口腔咽頭部の癌や乳癌などの転移などが考えられます。特に以前鎖骨の上下にあるリンパ節を郭清してある(とってある)とのことですので、乳癌の頚部リンパ節への転移が初再発となる可能性もあると考えられます。いずれにせよ結果を待つよりありません。
4)5) 乳癌の場合再発までの年数は重要な因子で、長い年数があるものは再発病変自体もゆっくりとした経過を示すことが多いので、それを踏まえてホルモン剤、抗癌剤、放射線治療などから治療計画を立てることになると思います。(文責 谷)
【No.495】 01年05月04日 A.K.
ゲルマニウムについてつい先日乳癌の摘出手術をした母をもつもので、名古屋の者です。現在、手術の時に摘出したものを検査にまわしてそれによって今後の治療方針を打ち出すと言われていて、結果が一週間後に出るのですが、書店である本に、ゲルマニウムの粒食品というもののことが書かれていて、市販されていて、これを飲み続けていくと抗がん剤の副作用がずいぶん軽減されるということが書いてあり体験談も紹介されていました。しかしそれによるとお医者様には飲んでいることを言わずにいる、などとあります。そこでお聞きしたいのですが、これは本当なのでしょうか。知識が無い上に勉強もせず、申し訳ないのですが不安で仕方ないのでどうか教えてください、お願いいたします。
ゲルマニウムは一時マスコミでも取り上げられた食品です。ゲルマニウム以外にもたくさんの健康食品があり雑誌の広告やその他で目を引くことも多いかと思います。欧米を中心に従来の医学で治せない病気、病態を別の視点でアプローチし治していこうというのが代替医療です。日本でも代替医療への取り組みがはじまっています。その中にはたくさんの健康食品や音楽療法などが含まれます。ただ医療という名称がついていることからわかるように、その食品、療法の効果、副作用を科学的に分析し本当に有効かを検討します。代替医療でも有効とわかってきているものもあれば不明なものもあります。多くの健康食品の広告ではいかにその食品が効いたかの話しか載せません。たとえば2-3人の方のよく効いたとの体験談をのせていますが、10人の内の3人なのか、100人や1000人の内の3人なのかははっきりしません。すなわち科学的な解析はなされていない、ないしはそれを広告に載せていないのが現状です。医者の立場からすればすべての健康食品についてしっかりしたデータがあるかはわかりません。現時点では多くの場合患者さんご自身の判断で購入していただかざるを得ないのが現状です。ちなみにゲルマニウムの大量摂取で腎害が話題になったと記憶してます。ゲルマニウムを摂取するならその摂取量が問題になる可能性もありますから、いずれにせよ主治医には健康食品のことは伝えていた方がいいかと思います。(文責 福間)
【No.494】 01年05月04日 Hayashi
乳房の爛れ、うずきについて乳房の事で悩んでいます。私は31歳で2人のこどもの母でもあります。すでに授乳期はすんでいます。2.3カ月くらいから左の乳房(特に乳房から乳輪にかけて)が掻くため爛れることがあり、下着を汚したりする事がたびたびでした。市販の抗生剤を塗ったりして何とか治まりました(爛れ)がまだ時折り痒くうずきます。しかし、爛れはなくなったものの、時折うずくかゆみに、もしや乳がんかも?と心配をするようになりました。なかなか怖くて病院へ行けません。乳房から分泌物がでることはないのですが、気になります。やはり、病院へ行くべきなのでしょうか? それとも心配のし過ぎなのでしょうか?
あと関係ないかもしれませんが、主人がゼニたむしらしく、肩から肘のほうにかけて、湿疹ができ軟膏を塗っています、半年以上前からなのですが、なかなか治らず時折うずくそうなんですが、乳房の方とは関係ないのでしょうか?
質問ばかりでごめんなさい。御連絡いただけると嬉しいです。よろしくお願いします。結論からいいますと病院に行くべきでしょう。左乳房、とくに乳頭乳輪のただれとかゆみがご心配とのことです。乳頭からはじまる湿疹様のものの中にはパジェット病という乳癌があります。それを否定する意味では病院受診(乳腺外科,皮膚科)の必要があります。しかしパジェット病自体多い病気ではなく、またただれは軽快しています。乳癌の可能性は低いと思います。そういう症状の方の多くはいわゆる湿疹で、アトピー体質の方に多く、気にしてかいたりまたお風呂で洗いすぎて(皮膚が乾燥し)なかなか治らないことが多いのです。またご主人のたむしとの関連もありますので皮膚科にまず受診するのも一つと思います。(文責 福間)
【No.493】 01年05月04日 Tsuzuki
乳腺分泌物について40歳。5年前出産した一児の母です。前回生理中(4月7日〜)偶然乳首を強く摘み上げた所、左胸乳腺出口1個所から茶色い少量の分泌物があり、近くの総合病院で4月12日に受診しました。触診した所、脂肪か乳腺か不明だが、でこぼこしているので検査を勧められ、翌13日にマンモグラフィと超音波を受けました。 翌週、検査結果を聞いたところ、エコーは左右問題なし、マンモグラフィで右は問題なしだが、左乳房に微小の点が確認されました。担当医の所見では、周辺に小さな点が散らばって映っているわけではなく、1点のみであり、針をさそうにもどこにさして良いか分からない状態であり、半年後にもう一度検査を受けるように勧められました。又、乳癌の可能性については、極めて少ない、そして、マンモグラフィで確認された点については半年間放置していても問題ないとの事でした。その後、生理後、乳房の緊張感がなくなり、圧迫しても分泌物は出ませんでしたが、排卵が近いせいか、乳房が張ってきて、再び乳首をつまんだら茶色い微小の分泌物があり、不安になっております。
このような分泌物が依然つまむと出る事、マンモグラフィの精度に病院によって格差があるとの記事を読んだ事、こちらのホームページの相談室に寄せられた乳腺分泌物に関する相談内容を見て自分と似た症状があった事等から、自分の現在の症状をとても不安に感じております。
ついては、茶色い分泌物が依然つまむとでる状態は、半年間放置していても問題ないのでしょうか、又、マンモグラフィの精度は病院によって精度が違うものなのでしょうか、であれば別の病院で再検査した方が良いのでしょうか、ご相談させて頂き度、よろしくお願い致します。ついでながら、その後、市の健康診断を4月27日に受け、X線検査も実施した事を付け加えます。(マンモグラフィを受けた事は申告済)。マンモグラフィの精度は、病院によって違います。ただ、乳がんの治療を多く行っている病院のマンモグラフィの精度は、最近非常に良くなっています。乳首からの分泌は多くの人に見られます。貴女の場合、分泌があったり無かったりしていますので、あまり心配する必要がないと思います。またマンモグラフィとエコー検査をされていますので、次の検査まで半年お持ちになっても問題がないと思います。もちろん、乳頭分泌が続いてご自身が気になる場合は、半年を待たないで受診し、乳頭分泌物に血液が混じっていないかなどを検査していただくのも良いと思います。(文責 福田)
【No.492】 01年05月04日 T.N.
乳房・乳首の痛み1ヶ月ほど前にエステで全身マイナスイオン塩マッサージというのを受けた際に、乳房や乳首もマッサージされました。それからというもの生理前によくおこる乳房の痛みがずっと続いていて、乳首も衣服などと触れたときにちくっと痛むことがあります。このまま放っておいて大丈夫でしょうか。
全身マイナスイオン塩マッサージについて、全く知識がありませんので、正確なお答えができません。ただ、マッサージなどの機械的な刺激が強い場合、乳腺や乳首が炎症を起こすことがあります。乳房の皮膚や乳首に変化がなく、乳房が熱く感じられないようならば、そのままにしておいて良いと思います。(文責 福田)
【No.491】 01年05月04日 K.K.
術後の放射線治療について妹が4月18日に温存手術をうけました。執刀していただいた先生の術前のお話では、術後に放射線を5週間ほどかけるが、それは自宅から通いやすい別の病院でしても一向にかまわない、とのことでした。そこで質問ですが、一般に術後の放射線治療というのは、それまでの外科医の手をはなれ、放射線科医の裁量でおこなわれるものなのでしょうか?(その場合、自宅に近いだけでなく、やはり優れた放射線科医のある病院を探したいと思います。) それとも放射線科では最初の外科医の指示に機械的に従うだけで、治療上の判断を下すのはあくまでも最初の先生なのでしょうか?もうすぐある術後最初の外来診療でどこで放射線治療を受けたいか、こちらの希望を伝えることになると思いますので、アドバイスよろしくお願いいたします。
放射線医は、外科医からの情報により放射線治療の計画を立てます。そのため、病院を変えて放射線治療をされる場合は、手術をされた病院からの情報提供書をもって行くこととなります。このような手順を踏めば、病院を変えても問題がありません。もちろん、放射線治療医の技術や放射線機器の水準が、治療を受ける際に重要です。担当医の先生とよくご相談ください。(文責 福田)
【No.490】 01年05月04日 M.M.
胸の痛みについて以前から気になっていたのですが、最近特にひどいので質問させていただきます。生理前になると張ったような感じで、しこりのようなものが出来て痛いのは良くある話だと聞いて安心していたのですが、生理が終わってもチクチク乳首の周りが痛くなります。さらに心配なのが、乳輪部分がかゆくなり、(乳首ではないです。)膿のような物がでて、放っておくとひどいので下着にかぶれてるせいかと思いバンドエイドなどを貼って、しばらくするとよくなります。ですが、またしばらくするとなるのです。乳がんとかとはちがうかと思うのですが、最近胸の痛みもある為メールさせていただきました。どういう症状でしょうか?産婦人科で見てもらったほうが良いでしょうか?
乳腺組織、乳頭・乳輪は女性ホルモンの影響を受けます。乳腺組織が最も大きくなる生理前に、乳房が張ったり、ごつごつと感じる人がいます。乳房に痛みを感じる人もいます。このような症状は、40歳前後に最も強くなりますが、20才代でも強い人がいます。また、生理が終わっても症状が続く人や、生理とは関係なく症状がある人がいます。ときには、貴女のように、乳首や乳輪ががかゆくなる人がいます。乳輪にある乳輪腺からの分泌がある人もいます。このように、貴女の症状は、乳がんとは関係のないものと考えます。乳輪のかゆみが強い場合、皮膚科で受診なさってください。(文責 福田)
【No.489】 01年05月03日 Nara
母の乳ガンの術後経過H9年4月に私の母(現在49歳)は根治的乳房手術を行いました。症状は、リンパ節の転移数が23個中9個で、鎖骨下のリンパまで転移していました。幸いに、骨や肺には転移してなく、現在に至ってます。6ヶ月前の全身検査の結果も異常なかったのですが、手術当時には、主治医から「これだけひどいのだから手遅れでしたね」と言われ、そのとき私が「どのくらいで再発するのでしょうか」と質問した結果、「2年もてば良いほうでしょう」と回答されました。幸いにも母は現在も元気ですが、2つの疑問があります。
1) 母の乳ガンの再発の可能性は現在満4年経過してますが、あるのでしょうか? 又、あるとすればどのくらいの確率なのでしょうか?
2) 手術当時主治医は、乳ガンの進行具合は、一番悪い方だと言われ、実際のステージではVなのかWなのか現在もわかりません?教えて頂けませんでしょうか。手術の時点で肺・肝臓・骨転移はなかったが、リンパ節転移は9このリンパ節転移があり、鎖骨下にまで及んでいたとのことです。乳癌の進行の程度を知りたいとのことですが、進行度を表すのは病期の程度をI?W期にわける病期分類が一般的です。お母さんがどの病期に当たるかを正確に知るには乳癌の大きさなどの情報が必要です。今の情報では病期ははっきりとお伝えできません。しかし病期以外にも将来乳癌が再発するかどうかー乳癌の予後?を知るにはリンパ節転移の程度が重要な指標とされています。9個以上のリンパ節転移があった場合は再発の可能性はかなり高く(50%以上)なります。手術後4年経過し、再発していないとのことですが、今後再発する可能性は今までと同様に高いと考えていなければなりません。しかし乳癌はたとえ再発してもいろいろな治療法があり、人によっては5年以上病気と共に生きている方もいらっしゃいます。今後も(術後10年以上)しっかり病院に通院してください。(文責 福間)
【No.488】 01年05月03日 nemu
母の病状について去年の10月に左胸の摘出手術を受けて、そのあと抗がん剤の治療を受けた母のことで、聞きたいことがあります。今月の12日ぐらいから、急に右側の背中が痛いといっています。全身のほてりもあって、実際に熱も少しあるそうです。寝る時も、左を下にして寝ないと気分がよくないようです。乳癌の事でお世話になっている病院に行って、検査をしてもらうようお願いしたそうですが、まだあと2週間も間があきます。母は、再発とか、骨移転だろうかと心配しています。やっぱり再発なのでしょうか。私もとても不安です。それと、もう一つ。乳癌という事でかなり心配していたり、気を落としている母に対して、家族はどうあるべきだと思いますか? まだ学生の身分なので、文体が変ですが、どうぞよろしくお願いします!
一番心配されているのは乳癌の再発のことだと思います。左乳癌手術後約6ヶ月が経過しているとのことですが、手術前に乳癌の転移の有無をいろいろと調べているかと思います。その結果はいかがでしょうか? 手術の時点で転移はなかったでしょうか? それによって対応が異なります。症状としては骨転移などを考えなくてはいけないのですが、術前検査で転移がなくて術後6ヶ月位で再発がでてくることは決して多いことではありません。手術をされた病院での検査が2週先で心配だとのことですが、もし再発していても2週間で急に病気が進むことはありません。現在転移があるかどうかに関しては2週間待っても心配なことはあまりないと思います。しかし発熱やほてりなどの症状があるとのこと、乳癌再発以外の病気であることもあります。近くの病院をまず受診してみてはいかがでしょうか? また手術を受けた病院でも調子が悪いことを伝えれば早めの受診も可能だと思います。お母さんのことをいろいろ心配されるのは当然のことと思います。しかし少なくとも家族が明るく振る舞うことでお母さんの気分を少しでもよくすることができるのではないでしょうか?(文責 福間)
【No.487】 01年04月30日 kcrudnn
腫瘍マーカーについて現在56歳の主婦です。平成2年8月に乳がんの手術を受けて、薬(ノルバテックス)を飲み続けていましたが平成7年に骨に再発し、平成10年に放射線をやりました。それ以来薬は飲んでいません。今回、前回と同じ骨の部分にはっきりとはわからないが再発がみられると言われました。腫瘍マーカーCA15−3が12月は58、1月は48、3月は55となっています。主治医からは「この位なら問題ないでしょう。でも心配なら薬を飲みますか?」と言われ迷っています。(できれば薬は飲みたくないので・・・・)
基準値が30以下なのに問題ないと言われ少し不信感をもっています。骨に再発した場合の腫瘍マーカーの値はどのくらいならいいのでしょうか? よろしくおねがいします。腫瘍マーカーは、病気の進行具合を判断するのに有効なことが多く、乳がんの手術後や再発乳がんの際に測定します。ただ、骨転移などの転移があっても、腫瘍マーカー(たとえばCA15−3)が全く上がらないこともあります。逆に、健康な方でも腫瘍マーカーが少し高いことがあります。したがって、腫瘍マーカーがどのくらいであれば問題がないとは言えません。お母様の場合、CA15−3の値がこの4ヶ月間ほとんど変化していないことより、腫瘍マーカーから見た場合、乳がんの進行が止まった状態と判断できます。しかし、転移があっても腫瘍マーカーが上がらない場合があることを考えると、腫瘍マーカーだけで治療方法を決定することができません。手術後10年目であること、臨床症状、レントゲン検査の結果などを総合して、これからの治療方針が決定されると思います。担当医とご相談ください。(文責 福田)
【No.486】 01年04月30日 T.N.
母の症状について母は52歳の女性です。昨年の11月初めに左胸にしこりを発見して病院に行きました。触診、エコー、レントゲン、細胞診断、組織診断をやり、前の3つでガン、後の2つは良性で、結果はV(中間)とのことでした。しこりの大きさは2.5cm位の球体で葉状腫瘍でした。しこりの真中は良性で、周りは悪性、徐々に浸潤していくらしいとのことです。自分の判断基準が分からないため、別の病院で、再度見てもらったところ、前の病院と同じくVでした。この時は、葉状腫瘍とは言われず、ただ腫瘍があるとのことでした。とったしこりを詳しく診断してもらったところ、ガンではないのだが、外側が浸潤してゆくしこりであるとのこでした。一件落着と思っていたのですが、1月15日に手術して、3月初め頃から痛みだし、現在薬を1日1回服用しています。今回の診断結果は葉状腫瘍と言われました。今度のしこりは、縦横5cmで硬くて熱を持っていて、表面に出てきました。これは、痛くって薬を飲まずには耐えられません。再検査はGW明けにすると言われ半月程先のことです。それまでにしこりが大きくなったり、「ガンに移行するのではないか?」と不安です。先生にそのことを話しましたが「大丈夫」と言われ信じています。
@術後に、以前よりしこりが大きくなったりすることは葉状腫瘍にはあることですか?
A浸潤してゆき、ガンになったりしないでしょうか?
BGW明けに手術をして、また再発しますか?
以上、よろしくお願いします。葉状腫瘍は大きくなる速度が速い腫瘍として知られています。そのため、腫瘍の一部を取り残しますと、再発することがあります。葉状腫瘍が、がんに移行することはありません。ただ葉状腫瘍には、良性、境界型、悪性の3タイプがあります。境界型は増殖速度が速かったり、悪性は転移をしたりします。悪性葉状腫瘍は非常にまれですが、乳がんより予後が悪く、治療に難渋します。今度手術されるしこりが、再発した葉状腫瘍か、その他の原因によるものかがわかりませんので、病理検査結果を待つ必要があります。たとえ、良性葉状腫瘍の再発であっても、また再発することがあります。(文責 福田)
【No.485】 01年04月30日 あたる
妻の首筋のしこりについて去年の6月に温存手術をして(左リンパ節切除4つ)現在、ホルモン治療(毎日の服用)と生理を止める注射を4週に1度行っております。それほどの副作用も見られず今まできたのですが、2週間前に妻が自分で首すじあたりにしこり(リンパ腺?)がいくつかあるのに気がつき、肩がはる感じと首の痛みを訴えるようになりました。そこで主治医の先生に診てもらったところ、一応検査をしましょうということになり、エコーと血液検査をしました。血液検査の結果を聞きに行くのが5月の11日になっていますが、妻はもし悪性リンパ腫だったとしたら、そんなに間をあけてもいいものなのか、と不安になっているのです。もちろん、私自身もどうしてよいのかわかりません。たしかに首筋には両方僅かにわかる程度ですがいくつかのリンパ腺のようなものが腫れている感じです。本当にこれが妻の言う悪性リンパ腫だとしたら、どのような治療があるのでしょうか? また、何週間も間をあけて進行はしないのでしょうか? さらに現在の治療以外にもどのような方法があるのか教えてください。妻は悪性リンパ腫だったとしたら余命6ヶ月だといっています。確かに怖い病ですが、本当にそうでしょうか?他に併発する病気などいろいろ参考になる情報を教えてください。お願いします。
首すじにリンパ節が腫れるもっとも多い原因は、炎症です。その他に、乳がんにかかっていらっしゃいますので、乳がんの転移があります。悪性リンパ腫の可能性もありますが、この病気はたいへん少ない病気と考えてください。なお、悪性リンパ腫は乳がんとは全く別の病気です。リンパ節がごりごりと大きく腫れていないようですので、原因がいずれであれ、2、3週間で予後がかわるものではありません。原因によって、治療法が違います。悪性リンパ節と自己診断しないで、担当医とよくお話ください。(文責 福田)
【No.484】 01年04月30日 mori
乳房の痛みと腫れ私は31歳の主婦です。先日、外科で乳腺症と診断されました。半年程前からずっと左乳房の腫れや、痛みがありました(左首から左肩にかけての痛みもありました)。1年半程まえより、不整出血が多く婦人科に通っていますが、自然に任せると言うことで放置されていましたが、あまりにも長く出血が続くので3月に中容量ピルを10日間飲みました。乳腺症は、ホルモンバランスとのかかわりが大きいと聞きました。外科的には何もする事はない、と言われましたが、治療法はないのでしょうか。乳腺症の発病経路と治療法を教えて下さい。また、乳腺症のうち、増殖性の乳腺症の10%が乳癌になると読みましたが、自己の注意点(検診回数/年、自己診断法、など)を教えていただきたいです。とにかく乳腺症をはやく治したいです。先生、宜しくお願い致します。
お話を伺うと、moriさんは性周期のホルモンバランスが悪いようです(不整出血が 多く、、、)。そのために、エストロゲン(女性ホルモン)の分泌が多く、乳腺の張りや痛みが出てくるのです。ですから、乳腺症を治そうとするのではなく、もとの性周期の不整を治すよう心がけるのが先決と思います。どうしても、痛みを取りたい場合は、ボンゾール(ダナゾール)という内服薬を4〜6週間服用する方法があります。「増殖性の乳腺症の10%が乳癌になる」というのは、顕微鏡で「増殖性の乳腺症 〜異型過形成〜」と診断された女性の10%が10〜15年間で乳癌になるということで、 触診や超音波で乳腺症と診断された女性の1割ではありません。一般的な検診回数は1年毎、自己触診は1カ月毎を続けることにしましょう。(文責 緒方)
【No.483】 01年04月30日 aya
不安な事について未婚、出産経験なしの30才です。以前から左胸の上部内側に形のはっきりしないしこりのような塊があり、触ると痛みが少しありました。確か気付いたのは3〜4年以上前だと思います。大きさは変わってないように思います。また、胸の形も右に比べて左の方がかなり大きく、乳頭の位置も下の方に下がっています。これは、もう何年も前からで、特別気にしていなかったのですが、このホームページでそれが進行した乳癌の特長だと知りとても不安になっています。また、それとは別に左乳頭のすぐ左側にはっきりと形のわかる果物の種のような小さな軟骨のような物があります。痛みはありません。最近、左上腕、左手首、太もも内側、左足首内側、右ひじ内側、右肩、首付け根、顎(耳の下)、腰あたりに、こりや痛みを覚える事があります。むくみはないようです。胸には、色の違いやくぼみ、乳頭からの分泌物はありません。大学病院の外科へ診察に行こうと考えています。乳癌(かなり進行した)かと思うとすごく不安です。また、そうではないとしても身体の痛みの原因が気になります。
20〜30歳代の比較的若い女性に多い良性のしこりである乳腺線維腺種の可能性が高いようですが、3cm以上の場合は良性でも取った方がよいと言われています。案ずるより生むが易し、です。ちゃんと大学病院などの乳腺外科のある施設で診察を受けて下さい。(文責 緒方)
【No.482】 01年04月30日 ユミ
再発と生存率について去年の3月にステージ3の乳ガンと判明し、タキソールを8回投与後6月に左胸全摘出及び同時再建手術を受けました。手術後の検査結果は浸潤癌、硬癌、数個の衛生結節、リンパへの転移18個中8個と言われ、CAF4回、CMF2回の投与を受けました。現在フルツロンを飲んでいます。実はこの度骨シンチとCTの検査で転移無しの結果を得たのですが、その結果を非常に喜んだ母よりびっくりする話を聞きました。母が私のいない所で主治医からの説明を聞いたところによると、リンパへの転移は21個だった。1年以内の再発は免れないし余命は5年という事だったのいうです。そのために今回転移が無かったことで母は「奇跡だ」と喜んだのです。でも、私は今回の検査は、長い、長い傷害物競争の最初のハードルを越えたにすぎない位に考えています。もし、主治医が母に話した事が事実ならば、再発が少々遅れたにすぎない程度の事だと思います。でも、実際の話リンパへの転移が21個というのはあまりに多く、私は他の乳ガンの方からも聞いたことがありません。8個というだけでも十分に多いと思っていましたので、本当ならばとてもショックです。21個もの転移という事があり得るのでしょうか?しかもそれでも尚他への転移をしていないというのも不思議です。それにいくら21個の転移があったとしても、それで余命が5年という判断がつくものなのでしょうか?たとえ転移をしていても、10年以上生きている方も知っています。それなのに、まだ転移もしていない段階で余命まで判断する事が可能なのでしょうか?
母が聞いた時に一緒にいれば私なりの質問もできたと思うのですが、今となっては主治医にも聞けず、頭の中がとても混乱しています。私はとにかく事実が知りたいのです。母が聞いた事もあり得ることなのか、それだけでも教えていただけないでしょうか? 申し遅れましたが、私は47歳で息子が1人います。リンパ節転移 が21個あることはまれですが、私たちが治療した方々の中にもいらっしゃいます。 しかし、肺転移や骨転移があっても、5年生存率は約20%あります。したがって、リンパ節転移が21個あっても、1年以内の再発は免れないし余命は5年と断定することはできません。是非、合理的で納得のできる治療をお受けください。ところで、ご依頼の方は、今になっては主治医に聞けないとのことですが、どうしてそのようにお考えになられるかがわかりません。(文責 福田)
【No.481】 01年04月30日 S.K.
乳房の痛みについて34歳の主婦です。子供は7歳(男)、4歳(女)、2歳(男)の3人がおります。 最近、左の乳房の外側下部に痛みを感じております。2、3ヶ月前、一度痛みに気づきましたが、そのときは「下着の圧迫によるものであろう」と気にしておりませんでした。その後かすかな痛みが続いていたようにも思いますが、ここ最近特に気になりはじめました。 乳房というより、肋骨の様にも感じますが、よくわかりません。リンパであるかもと、不安ばかりがつのります。今日、主人に話し、病院に行こうと決心しましたが、どこの病院が良いのかもわからず、メールをさせていただきました。個人クリニックが良いのか? また、大きな総合病院の方がよいのか、どのように判断したらよいのでしょうか? ゴールデンウィークも間近ですし、手遅れにならなければよいのですが...。現住所は広島市内です。
乳房の痛みを伴う疾患は様々考えられますが、症状より考えられることとしては「乳腺症」という病気が考えられます。この疾患は女性ホルモンのバランスの崩れによりおこる状態であり、良性の疾患に分類されます。一番心配されていられるのは乳癌であると思われますが、乳癌は一般的には痛みを伴わないものが多いようです。今までに乳腺の診察をお受けになられていない様でしたら、ぜひ一度診察を受けられることをお勧めいたします。乳腺の診察は私達の施設ではまず視触診を行い、次にマンモグラフィという乳房のレントゲン検査と超音波検査を行います。(全例ではありませんが)多くの方が乳腺症という診断であります。検査のできる施設はお住まいの広島市内にも多くあると思われますが、すべての検査を行える総合病院系か大学病院で一度診察を受けていただき、その後は個人のクリニックにおいて経過をおわれてもよろしいかと存じます。(文責 西川、福田)
【No.480】 01年04月30日 E.Y.
乳房の腫れについて20歳の女性です。先日、胸にしこりを感じ、つい気になって、そこをつかんだり押してみたりしていると、2、3日経った今日になっても、痛みを感じるようになりました。 普通にしていると痛くないのですが、 押してみたりすると痛いです。左側の話なのですが、右側にも同じようなしこりがあり、そこは痛くありません。 痛みとしては、 思春期に胸が張って痛かったのと同じ感じです。刺激を与え過ぎたせいで 乳腺(?)か何かが炎症を起こしてしまったのかな? とも思っています。 そういうことってあるのですか? 乳房の変形や分泌物はありません。 最近5キロほど体重を落としたので、 胸も小さくなり、しこりが気になりだしたのかもしれません。 第二次成長期の頃にも、 同じように胸のしこりに不安を覚えたものでしたが、今思うと笑えてしまうわけですが、 今回も同じような不安の渦に、 必要以上に巻き込まれているのであってほしいと思っています。あと、関係は分かりませんが、 胸と同じ左側の瞼も腫れたりして、(腫れるというかむくみっぽいです)奥二重が一重になったりしていたりします。 関係あるのでしょうか。
体重が減ると、乳房の脂肪が少なくなり、乳腺組織が目立つようになります。乳腺組織は、硬いため、触るとしこりのように感じられることがあります。最近5キロほど体重を落とされたとのことですので、このようなことが起きたのかもしれません。刺激を与えすぎて炎症が起きたとは考えにくいです。瞼の腫れは、乳房とは関係がないと思います。乳房のしこりが気になるのでしたら、専門医に診てもらってください。(文責 福田)
【No.479-1】 01年04月30日 S.K.
乳首が陥没してきたのですが・・・。 (1)24歳独身・女性です。2ヶ月程前から元々は普通に出ていた左胸の乳首が陥没し始めてきて、よく触ってみると右胸にはない柔らかい大きなしこりが乳首の真下にあるのです。この症状って癌の影響なのでしょうか?
乳頭が陥没するような原因には、炎症、外傷、良性腫瘍、乳がんなどの多くの疾患があります。そのため、乳頭が陥没したから、乳がんが存在することにはなりません。しかし、乳頭の下に気になるような軟らかいしこりある場合、是非専門医に診てもらってください。(文責 福田)
【No.479-2】 01年04月30日 S.K.
乳首が陥没してきたのですが・・・。 (2)2ヶ月程前より片方の乳首が陥没していて、その真下に何か柔らかいかたまりがあるのに気がつき、病院へ行って参りました。その際、触診、エコー、穿刺吸引細胞診(麻酔なし)をしてもらったのですが、その日取った細胞からは癌細胞が見つからなかったそうです。ただし、症状が「乳癌」の症状なのでもっと精密に調べる必要があるとのことでした。それで、来週4日間入院をして、MRI検査をしてから摘出生検をすることになったのですが、色々な本を読んでいるとこの方法に疑問が湧いてきます。
@乳房に傷をつけないコア生検はしないのか?この病院では行っていないのか?
A摘出生検は日帰りでできると思っていたのに、何故4日間も入院をする必要があるのか?
そこで、先生に上記2点を質問してみたところ、以下のような回答を頂きました。
@に対して・・・先日行ったのがコア生検なのである(確かに、太い針で乳首を刺されてグリグリされたけれども、麻酔もしなかったので少し疑っています)。
Aに対して・・・日帰りでもできるが、MRIの検査結果が出るのに1日かかるということと、摘出生検をより清潔な環境でするために入院してもらう。また、摘出後、化膿する可能性もあるので、経過を観察するためにも入院をしてもらう。
本やインターネットで調べた状況と少し違うので不安です。これをどう受け止めればよいのでしょうか?ちなみに、私は未婚の24歳。乳癌家系ではありません。お忙しいこととは思いますが、何かアドバイスを頂ければ助かります。宜しくお願い致します。私たちは、針生検の際には局所麻酔を行っています。しかし、使用する針の太さによっては、針生検は局所麻酔なしでもできます。MRI検査は外来でできます。また、私たちは局所麻酔でできる摘出生検の場合、外来手術でやっています。全身麻酔の場合、術後1日は入院してもらっています。貴女の状況がわかりませんので、担当医によく聞いてください。(文責 福田)
【No.478】 01年04月30日 K.Y.
粘液癌について乳癌で、タキソールを10週間投与後、手術しました。タキソール投与前約6cmで、手術前のエコー検査で大きさはほとんど変わらないとの事でした。手術後病理検査で、癌は粘液癌だったとの事、ホルモンレセプターはマイナス、リンパの転移は無かったとの病理診断でした。その後、タキソールを6回投与しましたが、術前タキソール投与で癌が小さくなっていなかったので、私の癌にはタキソールが効いていないのではと言う質問を主治医にしましたが、主治医は粘液癌はどの抗癌剤もあまり効かないとの事、抗癌剤を代えても同じだとの事、タキソールを止めても良いとの事でしたので、来週でタキソールを止めるつもりです。これから、経口で抗癌剤を飲む予定です。
質問は、私のような場合抗癌剤も効果がないとの事で、一般に粘液癌は他に治療はないのでしょうか。これから経口の抗癌剤を飲むとの事ですけど、それも効果が無いのではということはないのでしょうか。粘液癌の性質などアドバイスを宜しくお願いします。粘液がんは、乳がんの中ではあまり多くないため、通常に見られる乳がん(通常型)とは別に、特殊型の中に分類されています。粘液がんと診断される乳がんには、典型的なタイプ(純型)と通常型が混じるタイプ(混合型)があります。純型は予後がよいことが知られています。貴女の乳がんがこのタイプであれば、リンパ節転移が無いこともあり、しこりが大きくても強力な抗がん剤は必要がない可能性があります。混合型の場合は、通常の乳がんと性質はあまり変わりません。このように、粘液がんの中にタイプの違うものがありますので、化学療法については、担当医によくお聞きください。(文責 福田)
【No.477】 01年04月30日 kaneko
ガスターについて「乳癌には、ガスターという胃腸薬がよくない」と、あるHPの掲示板で読んだのですが、本当ですか? 私はホルモン剤と抗癌剤を内服すると胃に負担がかかるので、胃腸薬としてガスターを内服しているのですが?
ガスターは、H2blockerという種類の薬です。H2blockerは、男性に見られる女性化乳房の原因になることが知られています。しかし、 H2blockerが乳がんの予後や発生に悪影響を及ぼすとは考えていません。あるHPの掲示板とは、どちらのHPですか? タキソールという抗ガン剤の副作用を抑えるために、 H2blockerが併用されています。私たちは、H2blockerは乳がんに影響しないと考えています。(文責 緒方)
【No.476】 01年04月21日 K.U.
乳がんの手術後について母(53歳)は今年の2月に左乳房を全部摘出しました。しこりの大きさは2センチで、リンパにも転移があり(転移の程度は中程度。個数は先生も言いませんでした)、再発の可能性20%と言われました。手術後ですが、やはり摘出した胸がとても痛いらしく、眠れないらしいのです。母は、手術後すぐのほうが痛くなかったらしく、今になって痛むので転移では?と心配しています。どのくらいでこの痛みは治るのでしょう? 他にも腰痛、目が痛い、肩こり、などいろいろ体の不調があり、すべて、ガン細胞に結び付けています。実際に今時点で転移は確認されてなくても、細胞が飛んでいたら痛みはあるものなのですか? 母の様子を見ていると心配でたまりません。
しこりの大きさが2センチで、脇の下のリンパ節に転移があるので、手術後の病期はおそらく2になります。病期2の患者さんは、10年後の生存率が約80%弱です。再発の可能性が20%というのは、主治医の先生は、そういうデータからお話をされているのではないかと思います。多くの患者さんが癌を克服して10年後も元気でいるということを、是非忘れないでください。ちなみに、中程度というのはあまり使わない表現ですが、転移リンパ節が2個から3個ほどなのではないかと思います。
手術後の痛みは、通常あまり強くなく痛み止めが必要になることはありません。ただ、脇の下のひきつれが強く、腕を上げるときに痛むことはよくあります。しかし、ひきつれや痛みに負けないで、がんばって動かすようにしないと、腕が十分上がらなくなります。痛みがひどいときには、主治医の先生に痛み止めをもらう方がよいでしょう。薬があるだけで安心する患者さんもいます。また、細胞が飛んで痛みがあれば、手術の前から痛いはずでしょう。実際、細胞が飛んで痛みがあるようなこともなければ、手術後すぐに、手術した部分に再発することはごくまれです。まったく心配することはありません。目が痛い、肩が凝るなどは、傷の痛みを気にして、力が入っているからではないでしょうか?あまり、傷の痛みのことばかり気にせず、普通に生活することが快復への近道でしょう。(文責 緒方)
【No.475-1】 01年04月21日 A.H.
乳房の痛みについて前回の月経が終わったぐらいから、右胸内側(乳首よりやや左上)に痛みがでました。痛みは、その部位に触れて押すと出て来ます(あざを押したときのような痛み)。 しこりというはっきりしたかんじは自分ではわかりませんでしたが、何か触れる感じがしたので一応総合病院で、触診・レントゲン・超音波の検査をしました(外科で)。 触診とレントゲンでは異常はないものの、超音波では1cmほどの何かがうつったようです。先生は、「しこりのようなかんじではないけど、何かあるね。炎症かな・・?」といって、1ヶ月後に再度超音波をとり、まだうつるようであれば細胞診を、とのことでした。結構おくびょうな性格なので、今の自分の症状はどういう病気が考えられるのか、いったい細胞診とはどんな感じで、苦痛が大きいのだろうか?などと、考えてしまいます。超音波の検査の時も、やはり何かがうつるその部分が痛みました。少しでも情報をいただけると気が楽になるかもしれないと思い、メールをしました。お手数ですが、宜しくお願いいたします。26歳既婚・出産経験なし。(ガン家系ではありません)
経過を拝見すると、乳腺症のようです。乳腺症は、悪いものではありません。通常、生理前におっぱいが張ってしこりのようなゴロゴロをさわるが、生理が始まってしばらくするとおさまるというような経過をたどる場合が多いです。ですが、かならずしも生理前と一致しないこともあります。乳腺症は、女性ホルモンの影響で乳腺が張った状態をさすことが多く、超音波では、全体がヒョウの模様のような所見をとり、その一部が一見しこりのように見えてしまうこともあります。普通は、マンモグラフィや、超音波検査だけで様子をみるか、もうそれでおしまいのことも多いです。
ただ、念には念を入れて細胞をとって検査することをする場合もあり、おそらくA・Hさんも、そういうことだと思います。吸引細胞診ともいい、注射の針で目的の部分を刺して、細胞の一部を吸い取って顕微鏡で見る検査です。注射と同じくらいの痛さです。怖い検査ではありません。気を楽に。(文責 緒方)
【No.475-2】 01年10月11日 A.H.
乳房のしこりと痛み以前質問をしたA.Hです。右胸の内側にあるしこりらしき物と、その痛みは経過を追ってエコーでみたところ、やはりお答えにあったように乳腺症だろうとの診断でした。(結局、細胞診はせず)半年以上たった今でもしこりも痛みもありますが、割り切ってそれとはつきあっています。しかし、10月に入って今までなんともなかった左胸内側にも、突然痛みがでて触ってみると硬いしこりがありました。(寝返りなんかはかなり痛む)痛みが右胸のものとにているので、乳腺症なのかもしれませんが、やっぱり不安です。こういう場合、念の為に病院に行ったほうがいいのでしょうか?それと、ここ3ヵ月月経不順ですが、それも関係あるのでしょうか?最後に、このしこりと痛みは、必ず治るものなのですか?いろいろ質問して申し訳ないのですが宜しくお願いします。27歳・主婦・子供なしです・
症状からは右側と同じ乳腺症でご心配ないと思いますが、不安をお持ちであるならば一度受診をお勧めします。またホルモンバランスの崩れによるとされていますので、月経不順と多少関係あるのかもしれません。しこりと痛みはこの先年齢を重ねていかれると、軽減していくと思われます。乳腺症は病気ではなく、一種の体質であると最近考えられるようになってきています。(文責 加藤)
【No.474】 01年04月21日 chirame
ガンの種類と抗癌剤について33歳、未婚です。1996年に右胸にシコリを見つけ、検査しましたが異常なく、その後半年毎に数回検査しましたが、異常なしが続いたので、放置しておりました。ところが昨年末、軽い痛みが起きるようになった為、細胞診をしたところ、ガンの疑いが(Vb)出て、2/26に温存手術で切除、3/3退院となりました。この5年間、大きさ(1.5p)は変わりませんでした。病理結果によると、サイズ1.4p、リンパ節転移30個中1個、硬癌。治療としては、ノルバテックスを5年間服用し、ゾラデックス10回注射。放射線を25回照射後(既に半分終了)、抗癌剤を始めることになっています。
そこで質問なのですが、癌の種類でどの程度治療内容が変わるものなのでしょうか? 主治医の話によると、硬癌は一般に乳癌といわれる中で、最も悪性が強い、とおっしゃっていました。硬癌ということで、抗癌剤を強いものにしたほうがいいということはあるのですか? 次の外来で、抗癌剤についてお話しましょうといわれているのですが、副作用を考えると、いろいろ不安に感じます。年齢、リンパ節転移を考慮すると、ハイリスク群に入ると思いますが、やはり、日常生活にできるだけ負担が少ないようにしたいと考えています。しかしその一方で、効果があるものを・・・とも思うのです。抗癌剤選択の判断基準と副作用について教えてください。乳がんの中で、最も多いのは浸潤性乳管がんです。わが国では、浸潤性乳管がんを、乳頭腺管がん、充実腺管がん、硬がんに分けています。この3種類の乳がんの中では、硬がんが悪性ですが、3種類の乳がんにはそれほど差がありません。欧米では特に3種類には分けないで、浸潤性乳管がんとしているだけです。したがって、硬がんだから治療方法をかえることはありません。抗ガン剤の種類決定する要因は、リンパ節転
移の程度、しこりの大きさ、エストロゲンレセプターとプロゲステロンレセプターの状態、年齢などです。抗ガン剤の副作用には、だるさ、嘔気、嘔吐、骨髄機能低下〔白血球や血小板の減少)、脱毛、肝機能障害などがあります。使用する薬剤、量、使用期間などで違いますので、担当医にお聞きください。(文責 福田)
【No.473】 01年04月21日 fwna
ゾラデックスについて昨年8月に右乳房を全摘しました。病理組織診断は、6.0×4.0×1.8cm、 リンパ節転移は0/17、 年齢43才。手術後、CMFを6クール実施し1月下旬に終了。定期検診では異常なし。エストロゲンレセプター+でタモキシフェンを5年間の予定で経口投与中です。3月に担当医が転勤で異動し、4月初めの診察のとき、後任の先生からいきなりゾラデックスを1年半注射することをすすめられました。前任の先生からは、治療計画でCMFとホルモン療法が標準的なのでそれでいくということでインフォームドコンセンスをして、ゾラデックスについては全く聞いていませんでした。何か唐突な感じがしますし、自己負担料金も1回2万円と高いので釈然としません。主治医なので事細かに聞くのも気がひけます。私のケースで今ここでゾラデックスを追加投与することの効果と副作用についてご教示いただけるとありがたいのですが。
ご相談の方の乳がんが6cmと大きいため、新しい担当医がゾラデックスの併用を勧めたと考えられます。最近、ゾラデックスとタモキシフェンを併用すると成績が良いことが報告されています。ざっくばらんに、担当医からゾラデックスを追加した理由を聞かれるのがよいと思います。(文責 福田)
【No.472】 01年04月21日 Naka
しこりの検査について3年前に見つけたしこりはエコー検査の結果異常なしと診断されましたが、今年の初めに出産し、授乳を始めた頃からそのしこりが段々大きくなってきました。先日病院で検査(エコー)をしてもらいましたが、授乳中は乳腺が張っていて非常に判りにくいとのことで診断がはっきり下らず、暫く様子見との見解に至りました。もともとあった良性のしこりが悪性に変わることがあるのでしょうか?急に肥大したことと、結果がはっきりしないことで困惑しています。他に別な検査方法はないものでしょうか?よろしくお願いいたします。
乳腺のにできた良性のしこりやがんが、妊娠や授乳をきっかけに大きくなることがあります。また、妊娠・授乳中は乳腺が硬く、大きくなるため、乳腺自体がしこりのように感じられることがあります。ミルクが乳腺の一部に貯まって、ミルクのこぶ(乳瘤)をつくることもあります。このように、授乳をしているときにはいろいろの原因で乳腺にしこりができます。乳腺エコーだけでは心配が残るようでしたら、針を刺して細胞を取る検査(穿刺細胞診)をお受けになったらよいと思います。良性のしこりが悪性に変わることは、ほとんどありません。(文責 福田)
【No.471-1】 01年04月21日 P
左のわきの下のグリグリが痛いのですが・・・。心配なことがあるので相談いたします。お忙しいところ大変恐れ入りますがよろしくお願い致します。
今、右の腋の下に、小指第1関節の半分ほどの大きさのグリグリがあり、触らなくても痛みがあります。腕を動かしたりしても痛いです。さわると熱いし、この状態が約3か月、続いております。いろいろなホームページを読むと、「乳癌がリンパ節に転移する」ということが書かれており、「もしかしたら・・?」と、とても心配な毎日です。関連があるのか、わかりませんが、私は生理痛が以前からひどく、現在、産婦人科にて「生理痛を軽くする治療」を行なっています。「ソフィア−A」という、中用量ピルを処方され、飲み始めて3か月くらいになります(確か1月の下旬より飲み始めたと思います)。 それまでは、腋の下の痛みはありませんでした。風邪などひいて、グリグリが気になる・・ということはたまにありましたが・・・。「ソフィアーA」を服用して、1週間ほどするとリンパ節の痛みがひどくなり、生理がくると若干、緩和されます(腫れも同様です)が、再び服用を開始するとリンパ節の痛みもひどくなってきます。最近では、腕がだるく、時々肩まで痛いこともあるので、乳癌との関連を心配してしまいます。産婦人科にも週に1〜2回通って相談しておりますが、先生は「次の生理がこないことには、乳房の触診ができない」とおっしゃっていて、それまで待つのもとても不安で、今日 相談させていただきました。ちなみに私は、今から3年ちょっと前に、左側の乳房が「乳腺症」になり、3箇所ほど小手術しております(出産から7年目のことです)。年齢は36歳、子供は1人(現在10歳) 既婚です。産婦人科では、「外科はもちろんだが、現在 結核も流行っているので、ウイルスから腫れがくることも考えられるから、内科も受診した方が良いかも・・」と言われました(看護婦さんに)。 1番は、乳癌との関連が心配です。長くなってしまい、すみません。どうか、宜しくお願い致します。
追伸:現在服用している お薬の名前も書いておきます。
ソフィア−A(1日1回 夜服用)、キモタブ(1日3回 毎食後)、カロナ−ル(同左)、ソロン(同左)
#キモタブとカロナ−ルとソロンは、3日分だけの処方です(4月9日受診の際 処方されました)ソフィアA を開始されてから、脇の下にしこりはっきりとし、ソフィアAを服用してから1週間すると痛みがひどくなるとのことですので、ぐりぐりしているのはリンパ節よりは乳腺組織の可能性があります。乳がんの場合、ソフィアA の服用や生理で症状がかわるということがありませんので、ご心配の症状は乳がんに関係しているとは思われません。もし、乳がんがご心配でしたら、是非マンモグラフィや乳腺超音波検査をお受けください。(文責 福田)
【No.471-2】 03年08月04日 P
乳腺症とピルの服用について再びご相談したいことがありまして、メール致しました。今回は「乳腺症と中用量ピル」に関してお伺いしたいのですが・・・。前回のご相談以来、生理痛を軽くする治療のため、中用量ピル(ソフィア−A)を処方されておりました(今年の6月中旬まで服用)。ところが今年5月、左乳房に痛みを伴うしこりを感じたので、かかりつけの産婦人科に相談したところ、「ピルが乳房に関係している可能性もある」とのことで、それまで服用していた中用量ピルを中止し、外科を紹介されました。触診とマンモグラフィーの検査の結果、悪性のしこりは見つかりませんでしたが、再び「乳腺症」といわれました。しかし、前回のように切ったりする必要がなく、お薬も出ませんでした。先生に「異常なしなので、心配しなくて大丈夫です」と言われてホッとしています。
その旨、産婦人科の先生にもお伝えしたのですが、その後、中用量ピルの処方が中止になったままなので心配です。先生は「しばらく様子を見てから」とおっしゃっていますが、ピルを中止してからの生理は、生理痛も出血量もひどく、治療する前に戻ってしまいました。内膜症っぽい…とも言われていますし、生理不順でもあるので、ピルの服用を再開できればと願う私ですが、やはりピルは乳腺症に作用してしまうのでしょうか?長くなってしまいすみません。教えてください。宜しくお願いいたします。ピルは乳腺症に対しむしろ症状を軽減させる作用があり、服用により発生率が低下するとも言われています。ピルが乳腺症を悪化させる心配はありませんので、産婦人科の医師に服用の再開についてご相談されてもよいと思います。(文責 加藤)
【No.470】 01年04月21日 kimi
骨転移について母の骨転移について、お伺いします。 母は47歳で、一年半前に乳がんのため左胸を切除しました。その際、腋の下のリンパ節に転移が見られたため10〜12個ほど(詳しい数は忘れました)切除しています。その後は放射線とホルモン剤による治療を行い、最近では1ヶ月に1回ホルモン注射のため通院しています。抗がん剤による治療は、主治医の先生からは提案されなかった為、行っていません。 1月に検査した際の骨シンチに異常は見られなかったのですが、3月の検査での骨シンチには脊髄(腰の下の方)と骨盤(左側)に3個所の骨転移が見られたそうです。 早速、抗がん剤による治療を開始するため、2週間ほどの入院が必要と主治医の先生から指示がありました。この入院は、母のがんにあった(という言い方はおかしいかもしれませんが)抗がん剤を見つけるためだ、とのお話でした。
今回、お伺いしたいことは以下の点です。
1.最初の乳がんの手術の際、術後に抗がん剤を使用しなかったことが今回の再発と関係しているのではないかと、母が心配しているのですが、そのようなことはあるのでしょうか?
2.骨転移はどの程度の頻度で起こるのでしょうか。また転移個所が3個所というのは多いのでしょうか、それとも頻繁にあることなのでしょうか?
3.骨転移に抗がん剤の投与はどの程度効果があるのでしょうか?母は一度放射線治療を行っているので今回は放射線を使えないとのことですが、それはどういった理由からでしょうか?
4.個人差はもちろんあると思いますが、骨転移後の生存年数はだいたいどの位でしょうか?
今日突然にこのことを知らされ、動転したままでメールをお送りしてしまいましたことをお許し下さい。1. 再発の危険性がある程度以上ある場合、乳がんの手術後に抗ガン剤を使用することが一般的です。お母様の乳がんの程度がわからないため、抗ガン剤を手術後やるべきであったかどうかはわかりません。もし化学療法をしていたら、再発が遅れたり、出なかったりしたかもしれません。ただ、抗ガン剤の効力には限界がありますので、抗ガン剤を使用していても再発したと考えられます。
2. 乳がんが再発した患者さんの約40%に、骨転移があります。骨転移はガン細胞が全身に回っているために起こります。そのため、1カ所以上の骨転移が認められるのが一般的です。
3. 骨転移の50%前後に、抗ガン剤は有効です。骨転移は全身の病気ですので、骨転移のための痛みが強かったり、骨折が起こりそうな場合以外、放射線は無効です。
4. 個人差が大変大きいため、一般的なデータと考えてください。骨転移が起きてから5年後に生存されている方は、骨転移を起こした患者さんの約20%です。(文責 福田)
【No.469】 01年04月21日 kumi
母のことで相談します53歳の母のことで相談したくてメールをします。先週、1期の乳癌と診断されました。現在はMRIなどの検査をしています。来週の半ばに入院し次の日に手術と決まりました。ただ心配していることは手術まで1週間以上もあるということで他に転移してしまったり進行してしまわないのだろうかということです。聞いた話では胸の大きい人は脂肪で進行が遅いということだったんですが、母は胸がとても小さいです。また、手術まで薬等は出されていないので以前からすこし飲んでいたアガリクスやプロポリスを飲んでいるのですが、これらを大量に同時に摂取しても大丈夫なのでしょうか。また、薬がないので何を摂取しているのが良いのでしょうか。野菜も果物もビタミンCも毎日しっかりとるようにしました。また、「浸潤ガン」は「非浸潤ガン」に比べて転移しやすいのでしょうか。毎日不安で押しつぶされそうですが母はもっと辛いと思います。少しでも不安を取り除いてあげたいのです。1度にたくさんの質問をしてしまって申し訳ありません。しかし、どうかお答え下さいますよう宜しくお願いいたします。
お母様の乳がんについて、ご心配のお気持ちはよくわかります。ただ、乳がんは10年ぐらいの歳月をかけて大きくなると考えられていますので、2−3週間手術を待つことは全く問題ありません。どうぞ、ご心配されないでください。アガリクスやプロポリスがガンに効くと言われているだけで、効くことが証明されているのではありません。逆に、ガンに悪影響があるのかないのかもわかっていません。健康剤のつもりで、ご本人の責任で服用するかどうかを決めて下さい。その他の薬については、担当医とご相談ください。非浸潤ガンは、転移しないで、100%治癒するガンです。それに比べて浸潤ガンは転移する可能性があるガンですから、「浸潤ガン」は「非浸潤ガン」に比べて転移しやすいガンということになります。お母様の乳がんがどれだけ転移しやすい乳がんかは、担当医にお聞きください。(文責 福田)
【No.468-1】 01年04月17日 S.S.
プロラクチンの血中濃度と胸のしこり41歳未婚、持病としてそううつ病があり、長年抗うつ剤としてスルピリドを服用してきました。以前かかっていた病院の精神科では血液検査でプロラクチンの血中濃度が正常値より一桁高いと言われ、一日量を100mgから70mgに減量されました。現在かかっているのは心療内科クリニックで、問診のみ、検査設備は一切ありません。前の病院での事を話して、近い量にしてもらっていましたが、そんな量では効かないだろうと言う事で、昨年秋うつになったときは300mgまでで調整しなさいと言う事で一時は150mgに。この量だとバストのサイズが変わってしまいます。クリニックに通えなくなった時も薬を送ってもらって100mgを飲み続けました。10月を最後に生理が止まり、しこりに気づいたのは暮れごろだったと思います。薬のせいだとたかをくくっていました。クリニックの先生もスルピリド服用でしこりの出来た臨床例を話され、服用を止めれば消えるし、服用を再開する事も出来るとの事で安心しきっていましたが、触診では硬い、レントゲンとエコーではでこぼこしているとの事で、この段階で悪性の可能性を指摘され手術の話が出ました。しこりが3cm×3.3cmで乳頭に近く、わきにもしこりが触れるので乳房摘出術を勧められました。針生検の日の夜、スルピリドの服用を止めて約2週間目にあたり、生理になってしまいました。結果はClass?で、生理前のホルモンバランスのせいではない細胞の型の不整が少量見られ、是非組織診をと言うコメントでした。方々問い合わせても切った方がいいと言われました。組織診は術中迅速診なので、悪性なら結果を知らされる事もなく全身麻酔のまま摘出術に入ってしまいます。温存療法に拘ってはいないつもりなのですが、もう観念するしかないのだと理性では思っても、踏ん切りがつけられずにいます。
スルピリドの長期連用と一時の増量と、しこりに気付いた時期が合致してしまうので、プロラクチンの濃度の高さとの関係とか、そうして出来たものなら、違う治療法はないのかなどと考えてしまいます。見当違いの望みなら早く諦らめて手術に向けて動き出さなくてはと思います。乳腺のしこりとプロラクチンは無関係なのでしょうか。畑違いの質問かもしれませんがご容赦ください。プロラクチンは、乳汁を分泌するホルモンです。そのため、血液中のプロラクチンの値が高くなると、乳汁がでます。血液の中のプロラクチンが正常より高いために、妊娠でないのに異常な乳汁分泌が起こる場合があります。精神科で使用される薬剤の中に、血液中のプロラクチンを高くする副作用があるものがあり、このような薬剤を服用すると、乳首より分泌物が出ることがあります。また、分泌液が乳首より出ないで、乳管の中にたまり、のう胞となり、しこりとして触れたり、乳腺組織が少し張ったりすることがあります。しかし、乳がんと紛らわしいようなしこりを作ることはふつうありません。もし、S.S.さんのしこりが乳がんを疑わせものでしたら、きちんと診断を受けるのがよいと思います。術中迅速診断ではなく、外来生検を受けることをご希望ならば主治医にその旨をお話なさってください。(文責 福田)
【No.468-2】 01年07月08日 S.S.
スルピリドの今後の服用についてお蔭様で手術も無事済み、経過良好、普通14日の所11日で退院しました。ご回答頂いた外来生検の件は、どうしても希望するならばそれを行っている病院に行くしか方法はなかったので、諦らめました。連休中で病理の結果が遅れて、退院後外来で結果を聴く羽目になりました。しかも何やら緊急手術が後に控えているあわただしい状況の中で結果説明と術後の予防法が決定されました。私の執刀医は乳腺がご専門ですが、あくまで一般外科なのでこんな状況もやむをえないのかと思います。ガンの種類は浸潤ステージは2A(これは受付にいた別の先生に聞いたので、担当の先生には聞きそびれました。後でお尋ねしたら2だそうで、3ならAとかBとか分けるのはこちらで勉強させて頂きましたが、2でも細かく分ける先生もいらっしゃるのですね。病理のコメントにはステージについての記述はなく、担当医が総合的に判断するのだとも教わりました。おそらくは病院によっても違うのでしょうね。病理のコメントでは、触診できるしこりの他に顕微鏡レベルの異型細胞の集塊が発見されており、やはり乳線ごと切除して良かったということでした。術後の予防は4週ごとのゾラデックス注射と、抗がん剤UFTの服用でした。UFTは髪の毛も抜けなかったし吐き気も出なかったし、良い方法を選んで下さったと思うのですが、入院中に病理の結果を聞いた「先輩」達の話から、最終的には自分で選ぶものと思っていたのが、あれよあれよという間に決められてしまったこと。免疫療法でやる決心が固まっていなかったこともあって、もう一つの持病が出てしまいました。欝転です。そして薬を切らした為、今度は燥転しました。こっちの方がおさまらないことにはガンの予防もうまくいきません。全く厄介です。心療内科の主治医には、乳がんはホルモンガンだから、女性ホルモンに色々いたずらするスルピリドはもう貴方には投与できないといわれ、他の抗うつ剤を使っていますが、如何せん効き目が弱かったり遅かったりで、スルピリドの即効性と食欲増進効果に長年依存してきた身には辛いものがあります。今服用しているものに加えて、補助的に粉にして分包にしてもだめだそうです。150mg/1日くらいになりますとバストサイズが変わってしまい、100mgでもプロラクチンの血中濃度が正常値より一桁高いので、依然通った精神神経センターでは70mgまで下げていました。かなり過敏な体質であることが伺えると思います。これは精神科、乳腺外科、産婦人科にまたがる問題で、市販の薬の本など見ても、スルピリドと乳がんの関係なんてどこにも載っていないと思うのです。広くご意見を承りたいと思いつつ、また難題を持ち込んでしまいましたが、お答え頂ければ幸いです。
スルピリドを服用すると脳下垂体を刺激しプロラクチン値が上昇し、乳房の腫脹や乳汁分泌が起こる場合があります。そのため、プロラクチンによる乳がん増殖を懸念し、精神科の先生はその投与を中止したものと思われます。プロラクチンそのものの乳がん細胞に及ぼす影響がどうなっているのかは明確ではありません。もし、スルピリドを中止し、ほかの薬剤で鬱病がコントロールできるのならその方が無難だと思います。しかし、乳がん増殖にもっとも関与するホルモンである女性ホルモン(エストロゲン)とスルピリドとの関連はあなたのいうように薬の添付文書にも書いてありませんので、乳がんの発生とスルピリドとの関連はないように思われます。(文責 麻賀)
【No.467】 01年04月15日 J.O.
ゾラデックスについて昨年7月に温存療法の手術を受け、放射線、抗がん剤(CAFを6クール、今年3月に終了)の治療を受けました。ホルモン受容体がプラスの為、ゾラデックスを4週に1回腹部に注射、ノルバデックスを毎日1錠服用しておりました。昨年10月下旬に肺栓塞症になり、3週間入院し、現在はほぼ完治というところまで来ました。ノルバデックスが血栓を作る原因となる事もある為10月下旬以来、ゾラデックスとノルバデックスを中止しています。
4月に入り、循環器の先生からは、ワーファリンを服用しているので、ノルバデックスを再開してもよいという返事を頂いておりますが、外科の主治医からは、「ゾラデックスだけを再開し、ノルバデックスはもう少し様子をみましょう」と言われています。主治医は、生理がないからと言って、卵巣機能が低下しているとは言えないので、ゾラデックスを再開した方がよいという考えです。
私としては、抗がん剤(CAF)により現在も生理が止まったままで、更年期障害の症状もかなりきつい位である事とCAFで生理が戻る可能性は20%〜30%とあることもあり、もう少し様子をみてからゾラデックスを再開したいと思います。ノルバデックスが服用できない事への不安もありますが、ゾラデックスだけでも、直ぐに再開する必要はあるでしょうか? お忙しいこととは存じますが、よろしくお願い致します。ノルバテックスは乳癌細胞中の女性ホルモン受容体と結合して、癌細胞の増殖を抑える薬です。副作用として血栓による肺梗塞の報告はありますが、一般的には頻度としては大変低いものです。貴女の場合、肺梗塞を患ったので、血栓を誘発するホルモン剤は中止せざるを得ないと、主治医の先生は判断されたものと思われます。
乳癌の増殖を抑えるためには女性ホルモンを少なくする必要がありますが、ゾラテックスは、卵巣からの女性ホルモンをコントロールしている脳下垂体に作用して、ホルモンの分泌そのものを抑えるタイプの薬です。43歳という貴女の年齢から判断すると、まだ閉経前であり、卵巣機能が低下しているとはいえないので、卵巣からの女性ホルモンの分泌を抑制するために、ゾラテックスを再開したほうがよいと思います。(文責 須田)
【No.466-1】 01年04月15日 MT
乳がん再発65歳女性、一昨年温存治療をし、CMF,タモキシフェンを服用しましたが、今回、しこりができ、エコーの結果、おそらく再発と言われました。手術後、2センチのしこりがすぐにできましたが、1年半前のエコーでは、水の塊と言われました。でも、今回、おそらく癌なので、来週、4センチ切り調べます。頭が真っ白です。温存で放射線治療までしたのに、同じ乳房に再発するということがあるのでしょうか? このような状況でも、セカンドオピニオンは必要でしょうか? 再発した場合は、全部摘出になるのでしょうか? そしてもっと強い、抗がん剤が必要となるのでしょうか? 65歳ですし、もうあと1年も生きられないのでしょうか? どうか、アドバイス、ご指導賜りたく、お願い申し上げます。
欧米で通常行われているような、視触診で明らかな癌遺残がないように腫瘤のみを摘出する「乳房温存療法」では、癌遺残の確立は20〜40%と推定されています。その結果、術後、放射線治療や全身補助療法を加えても、5〜10年の観察期間で、5〜10%の局所再発が認められます。貴女の場合、2cmのしこりとのことですので、再発も考えられます。セカンドオピニオンを求めることは悪くありませんが、速やかに生検を受けることをお勧めいたします。
仮に再発であった場合、胸筋温存乳房切除術を行うのが一般的です。術後、化学・内分泌療法を行うことになりますが、何を選択するかは、術後の標本の検査によって異なりますので、主治医によくお話しを伺ってください。また、手術を含めて最善の治療を行えば、乳癌をコントロールできる可能性は高いので、前向きの姿勢でがんばって下さい。(文責 須田)
【No.466-2】 01年05月21日 MT
乳がん再発 (2)先月、再発のおそれがあるということで、手術をした65歳の女性です。その節は詳しく丁寧な説明とアドバイスを頂きまして心から感謝致しておりました。おかげさまで手術の結果、ただの、ミルク状のようなものといわれました。せっかく温存治療したのに、もう胸はぐちゃぐちゃになってしまったのですが、そんなことはどうでもいいくらい安堵いたしました。でも、エコー検査というのは精密なものではないのですね。エコー検査で再発のおそれあり、調べますと言われた時点で患者としては再発だと完全に覚悟してしまいました。再発の場合は、鍼を刺して検査はなぜしないのでしょうか? 胸がぐちゃぐちゃになってしまい、鍼であれば良かったのではとも思います。また、エバミルクのようなものとは何なのでしょうか?お忙しいところ、重ね重ね質問をして申し訳ありません。
まず乳癌の再発でなく本当に良かったと思います。乳房温存術後の乳房で、そこに再発があるかどうかを判断するのは難しいことです。当然再発があるかどうか診断するのは基本的にはエコーやマンモグラフィー、MRIなどによります。しかし手術による変化(たとえば乳房の中の傷口 肉芽、乳房の本来の組織の位置が変わることなど 解剖の変化)により乳房の中の病変、特に小さなものの検出・診断は困難です。術後1年半は少なくともそういう状況が続くことが知られています。もちろん1年半以降でも難しいことがあるのです。5mm以下の乳癌を見つけるような近年の画像診断の進歩は温存乳房の中の小さな病変の診断に必ずしも役に立つとは限りません。医師、患者さんにとって、術後の検査により温存乳房の中に小さなものでも“しこり”があると診断されれば心配となります。経過を見ていくのも1つですが、不安感も考慮すれば細胞診や切除(生検)をすることになると思います。
エバミルクのようなものは手術により組織が変性したもの(脂肪壊死など)と考えられます。(文責 福間)
【No.465】 01年04月15日 ゆっきぃ
線維腺腫について25歳の女性なのですが、去年の秋に左乳房の四分割して、内側の上側に軟らかくてよく動くしこりを見つけて、近くの病院にかかっています。何回か細胞診をして、いずれもクラス1でした。大きくなったりはしていないのですが、時々痛みがあります。線維腺腫??だろうとのことですが、細胞診では、一部しかとっていないから、「だろう」としか言えないと言われました。通院して半年位たつのですが、大きさは変わりません。2cm程。痛みも気になるし、癌化することもあるのでは?と思って、手術をすることにしました。とってしまえば、もうできないですか?? それとも体質とかの問題で、またできる可能性ってあるのですか? とった組織を病理検査というので調べてもらえば、そのしこりのことは、100%わかりますか?? 手術を決意したんですが、色々不安で・・・。宜しくお願いします。
メールの内容から判断すると、大きさ2cm位で柔らかく、良く動き、増大傾向はなく、何回かの細胞診でclass1ということであれば、癌の可能性は非常に低いと思います。このようなしこりを切除するかどうかは、切除するmeritとdemeritを天秤にかけて判断することになります。切除すると判断されたのであれば、迷わずに検査を受けて下さい。切除をすれば、100%どのようなしこりかが分かります。切除した後にまたできるかどうかなども病理検査をしてもらえばわかります。(文責 清水)
【No.464】 01年04月15日 mami
乳がんの骨転移について4年前に乳がんの手術しましたが、1年前に骨に転移と言われました。骨シンチに影が写ると、すべて骨転移なんですか? 他に別の可能性はないのですか? 骨転移しても、何年も元気に暮らしている人もいます。転移の場所で予後に違いはありますか?
骨シンチという検査は乳癌の骨転移を診断する上で非常に感度の高い検査で、よく行われます。その原理は、骨というのはいつでも古い骨を壊して新しい骨を作るという作業(新陳代謝)によって、いつも一定の骨が存在するのです。骨シンチはその骨を作る状態を見ています。従って、RI(ラジオアイソトープ)の注射を打って数時間後にガンマカメラで全身を検査すると、その人の全身の骨の写真が出来上がります。この時に、もし骨が壊れている所があると、その場所では骨を作る活動が盛んなので、その部分にたくさんのRIが集まってHot spotと呼ばれる状態になります。これが先生の言った影があるということです。ですから、骨シンチで"影がある"と言うことは、骨を一生懸命作っている所がある、言い換えれば、骨が壊れている所があると言うことです。骨が壊れている原因には、骨折、打撲、関節症、癌の転移等があります。この区別は簡単ではありませんが、RIの専門の先生であれば、壊れている場所の分布や、Hotspotの強さ等からある程度区別がつきます。しかし絶対ではありません。今は、骨シンチで転移が疑われると、レントゲンを撮ってその場所の骨が壊れているかどうか確認し、それでもはっきりしないとMRIを行って転移かどうかを判断します。更に血液検査で腫瘍マーカーを測定して、転移が起きている可能性が高いかどうかも平行して調べます。それでも転移かどうかはっきりしない例もあります。ですから、その辺のところを主治医の先生によく聞いてみて下さい。
骨転移は進行すると痛みや、骨折、神経麻痺といった大変に困った状態になりますが、進行する前はあまり症状がない場合もあります。症状がないからといって放っておけば、進行しますから、きちんと治療する必要があります。抗癌剤、ホルモン剤、bisphosphonate製剤、放射線治療、場合によっては手術等いろいろな治療法があります。治療法の選択は、現在の転移の状況だけでなく、今までの経過、もとの癌の性質、他の臓器の転移の状況、今後予想される事態等を考慮して決める必要があります。主治医の先生と良く相談して、納得して治療をして下さい。(文責 清水)
【No.463】 01年04月15日 T.K.
脇の下のしこりについて(妊娠10ヶ月です)お忙しい中恐縮ですが、右脇の下にできたしこりについてお話を伺いたくメールさせていただきました。私は埼玉在住の32才主婦、現在妊娠10ヶ月です。7ヶ月ごろから右の脇の下にしこりを感じるようになり、現在に至るまで少しずつ大きくなってきているような気がします。触ると直径7ミリほどで、柔らかくはないのですがはっきり「堅い」という感じでもないです。妊娠4ヶ月の時に総合病院の外科で触診のみの乳癌の検査を受けたのですが(その時点ではまだしこりはありませんでした。)、その時は「特に問題なし」とのことでした。今現在母が末期の乳癌で、母以外にも身内に癌で亡くなった者が多いのでとても心配です。すぐに外科の診断を受けるべきでしょうか? それとも妊娠の影響ではっきりした診断は無理でしょうか? また出産が終わってから診断を受けた方が良い場合、出産後どれくらいたってから受ければ宜しいのでしょうか? 以上の点につきお聞かせ下さい。どうか宜しくお願いいたします。
乳房内に気になるしこりが触れる場合は、外科の先生に見ていただくのがよいと思います。特に、お母様が乳がんですので、十分に気をつけてください。妊娠中、乳腺がしこりのように触れる場合や、乳腺内に嚢胞ができる場合がありますので、乳がんだけを考える必要はありません。診断には、乳腺超音波検査が有効です。針を使っての細胞診もすることができます。出産後はいつ検査をお受けになってもよいと思います。本院の場合、出産の忙しさが一段落してから来ていただいています。(文責 福田)
【No.462】 01年04月14日 ymyo
乳癌検査結果について46歳の子供が1人いる主婦です。4年くらい前から左胸にしこりがあり、近くの医院で触診検査を受けましたが、問題ないと診断されました。2000年の12月に乳癌検診を総合病院で受けました。その時はマンモグラフィ−とエコ−と細胞診をしました。その結果、乳腺線維腺腫らしいと言われ(15mm)、3か月後にエコ−の検査をするようにと言われました。2001年の3月にエコ−をした結果、しこりが17mmになっていて、普通の線維腺腫よりかたいと言われ、4月に入ってMRIをとりました。結果、ほぼ乳癌と言われました。最終的判断は組織診が必要だと言うことで、近々行います。とても不安です。乳癌の可能性は大きいのでしょうか?12月の細胞診の結果の線維腺腫であることを祈ります。
エコー上、2000年12月のしこりの大きさが15mmで、20001年3月の大きさが17mmとのことですが、実際しこりが2mm大きくなったのか、検査の誤差かははっきりとしません。MRIまでされ、悪性の可能性があるとのことですので、組織診断を受けられるのはよいと思います。ただ、MRIで悪性に見えても、悪性でないことがあります。(文責 福田)
【No.461】 01年04月14日 K.O.
ノルバデックス服用についてノルバデックスの服用と子宮筋腫の関係についてご相談したく、よろしくお願いいたします。98年3月に乳癌の手術(部分切除、リンパ廓清)を受けました。医師の判断で手術後から今日まで薬の服用も放射線も何もせず、半年に1度検査を受けています。その後担当の医師が代わり、ノルバデックスの服用を勧められています。が、一方で6cm大の子宮筋腫があり膀胱を圧迫しているのでトイレが近いという症状がありますが、生理痛等は普通程度なので、とりあえず温存しています。ただMRIで場所や性質を調べたところ、「筋腫だけの摘出は難しいから採る場合は子宮すべてを採ることになるだろう」と地元の医師に言われています。ノルバデックスは子宮筋腫を大きくする可能性がある、と聞き服用を躊躇しています。
年令/40才(未婚)、腫瘍の大きさ/5ミリ(乳頭腺管癌)、リンパ転移/なし、組織的波及度/f、意味はわからないのですが、ly/マイナス、V/マイナスというデータです。ホルモン受容体は腫瘍が小さすぎて調べられなかったとのこと、核異形度も不明です。
結婚や出産の予定はありませんが、まだしないと決心しているわけでもなく、すぐに子宮を摘出してしまう気持ちになれないでいます。どうかご意見をお聞かせください。よろしくお願いいたします。ノルバデックスを投与すると子宮筋腫が大きくなったとの報告があります。ただ、そう多く起こることではありません。まず、今回ノルバデックスの服用を勧められた理由を、主治医よりよく聞いてください。子宮筋腫を考えても、服用に意味がある場合、子宮筋腫の大きさを定期的に検査してもらいながら、ノルバデックスを服用してください。大きくなるようならば、その時点でノルバデックスの継続について考えればよいと思います。(文責 福田)
【No.460】 01年04月14日 purunchi
錠剤の抗癌剤について母の抗癌剤の治療についておたずねします。母は昨年7月に乳癌の手術を受け、右側の乳房とリンパ節をとりました。リンパ節にも転移がありました。手術後、点滴の抗癌剤治療を6回(1月に一度のペース)受けました。現在はノルバテックスを服用しています。先日退院後、3回目の検診で、「血液の検査も良いようなので錠剤の抗癌剤を2年ほど毎日服用してはどうか」と言われたそうです。母は、点滴の抗癌剤治療の副作用がかなりきつかったらしく、そのときは一応断ったようです。私がいろいろインターネットで調べてみても、こういう治療をされている方は見かけなかったのですが、どういう場合にこのような治療をするのでしょうか? 本当に結果がよかったのかどうかも心配です。母が通っている病院はとても混んでいて、検査結果の紙を見せてもらっただけで説明はしてもらえなかったようです。母とはかなり距離があるところに住んでいるため一緒に病院へ行くこともできずとても心配です。また錠剤の抗癌剤でも副作用はかなりあるのでしょうか? よろしくお願いいたします。
お母様の乳がんの進行程度や、乳がんの性格によって、手術後の治療法が違います。主治医は、通常の点滴による抗ガン剤だけでは不十分と考え、経口の抗ガン剤をすすめたものと考えます。手術後2年間の経口抗ガン剤が有効であることを示した、わが国の研究報告があります。お母様の乳がんのことを最も知っている主治医に、経口抗ガン剤を行う理由やその意義についてお聞きになるのがよいと思います。(文責 福田)
【No.459-1】 01年04月10日 みーちゃん
しこりの切除について最近母(54歳)が乳癌の手術を受けたので、自分(26歳)でも自己検診をしてみた所2p弱のしこりを見つけました。すぐに病院に行き触診、超音波、マンモ、細胞診の検査をしたところ、クラス2の良性の腫瘍であることが分かりました。「線維線腫ですか?」の質問には「そうだな」の答えでした。このまま定期的に検査をしましょうと言われたのですが、私自身妊娠を考えています。調べた限りでは妊娠すると女性ホルモンの影響で悪性になる可能性が大だと言うこと。そこで取ってしまいたいと考えています。
1、しこりだけをとる手術は簡単なものなのでしょうか?
2、日帰りで済むというのは本当ですか?
3、クラス2でも取ってみたら悪性と言うことは頻繁にあるものなのでしょうか?
4、手術後すぐ妊娠は可能ですか?
初歩的な質問ですみませんがよろしくお願いします。1,2)しこりの切除は局所麻酔で、約一時間くらいで終わりますので日帰りで行えます。
3)そう頻繁にはありません。
4)良性であれば、全く問題ないでしょう。(文責 矢吹)
【No.459-2】 01年05月10日 みーちゃん
生検について以前にご相談させて頂いたのですが、また疑問に思うことがありますのでよろしくお願いします。
右胸に2p弱のしこりを見つけ、近くの乳腺専門の看板のあるクリニックを受診し、触診、超音波、マンモ、細胞診の結果、クラス2の線維腺腫だという結果でした。そのまま様子を見てもいいと言われましたが、母が乳ガンになっていることなどから腫瘤摘出を考えています。摘出手術(生検?)は日帰りで行えるものだと聞いていますが、小さなクリニックでも可能なのでしょうか?(質問1)
主治医の話では大きな病院でやるほどのものではないと言うことです。それから細胞診の時にしこりが良く動き、ちゃんと細胞が取れたかも不安です。セカンドオピニオンで他の病院を受診しても、持って行ったデータの細胞診の結果は誰が見ても同じだと思います。他の病院でもう一度初めから検査をしてもらった方がいいですか?(質問2)
よろしくお願いします。いろいろな検査で線維腺腫の診断を受けたとのことです。細胞診で”しこり”がくるくる動くとのことも線維腺腫の特徴です。線維腺腫を、ではどうするかの問題ですが、ひとつはあなたの年齢が関わってきます。また”しこり”の大きさが変化-大きくなってきたかで切除するか決めることが多いかと思います。あなたの場合はお母さんが乳癌とのことで手術を受けることを決心されたとのこと、切除すると決められたのなら必ずしも大きい病院で再検査を受ける必要はないと思います。また線維腺腫をとる手術は簡単ですので乳腺専門とうたっている病院であれば、そこで手術を受けられていいと思います。(文責 福間)
【No.458】 01年04月09日 m.y&m.n
乳癌の質問65歳女性、99年8月温存治療、放射線治療、CMF治療、タモキシフェン服用中です。温存治療してから、すぐに脇や胸のところが、でこぼこしていて、しこりみたいのがいくつかあって、主治医にみてもらったら、血のかたまりだと言われました。めずらしい人だと言われました。しかし、手術後、1年くらいで、その血のかたまりは吸収したものの、また、手術した傷のそばの胸の脇と上に新たにしこりみたいのが二つできています。血のかたまりならいいのですが、心配です。主治医はエコーをかけましょうとはいってくれないのですが、こちらからいうべきでしょうか。患者はエコーをかけたり、レントゲンをお願いしたり、触診することも、自分から言わないと、先生は何もしてくれないのが通常の関係なのでしょうか。また、血の塊ができる人はやはり珍しいのでしょうか。自分で触診しても、ぐちゃぐちゃしていて、自分では判断がつかないのですが、そういう意味で温存治療というのは、その後の判断も難しくなるという欠点があるということなのでしょうか。しこりがあって不安になり、文面がとりとめがなく申し訳ありません。何卒よろしくお願い申し上げます。
お答えいたします。
乳房温存術の手術後は、ご質問されていますように、血の固まりが残ったり、脂肪が解けて変性したりします。また、それが吸収して行く 過程で、線維性の組織などが増え、傷跡に近いところが固くなったり、でこぼこしたりして、触診しただけでは、< 新しいしこりができたのか、正常の経過としてその様に触れるのか> 判別しにくい事はよくあります。そのため、私たちは残した乳房に対して、定期的な触診、 超音波検査、マンモグラフィなどを行って、手術後の経過観察をしています。
超音波検査も、マンモグラフィもどの位の頻度で行わなくてはいけない、 と言う決まった基準はありません。私たちは触診を3ヶ月に一度くらい、残した乳房の画像診断を半年から1年に1度くらいの頻度で、状況に応じて行っています。
血の固まりができること自体は、稀ですが時には起こる事もあり、 それ自体は手術後の経過として、大きな問題とは言えません。 しかし、その後、別の部位に新しいしこりができたのであれば、率直に主治医にその事を相談なさった方がよいでしょう。前も血の固まりだったから、今回も同じとは限りません。前と違った場所に新しい病変ができた場合や、気になっている場所(病変)が 段々大きくなってきたと感じる場合は一度早めに診察を求めるべきでしょう。(文責 矢吹)
【No.457-1】 01年04月09日 kai.
放射線療法について (1)41歳、既婚、2人の子供がいます。触診・マンモグラフィー・超音波・穿刺吸引細胞診を受けて結果はVB。続いてコア生検をして 結果は過形成。しばらく様子をみるという選択もあったのですが、不安を抱える勇気は無く摘出を選択しました。しこりの大きさ1.1cmだが境界がぼんやりしていて気がかりなので少し大きめに切らせてくださいと言われ、外来手術で局部麻酔して摘出。(2.7*2.7)結果、がんがみつかりました。ごく初期のものといわれました。
非浸潤性乳管癌(摘出した中に20−30%ほど。但しどの様に分布していたかは不明。コアテックスに切除したためとのことです。ホルモンレセプター検査もして頂きましたので、そのせいで明確でないのかもしれません)
再手術でプラス2cmずつの切除を薦められ、入院・手術を受けました。
左乳房円状部分切除術。病理結果、手術で切り取った部分に、ぱらぱらと癌はあったそうです 。が、断端陰性で今回の手術で取り切れていると判断されました。
私のように、 Comedo typeでないDCISで病変部が小さめ、断端が陰性である場合の術後補助療法について質問させて下さい。
DCIS(非浸潤がん)の場合、乳房温存手術後には原則として放射線照射を併用することになっていると思います。が、担当医は、私の場合は不要でしょうとおっしゃいました。局所再発が少ない頻度であるとの判断からだと思うのですが、ほんとうにそれでよいのかしらと、不安があります……。勿論、不要な治療は受けずに済ませたいと思います。担当医はとても信用のおける方で出会えたことを幸せに思っています。けれどもせっかく早期に見つけていただけたのに、取り残しがあったら悲しいです。
自分の調べた資料の中に「扇状部分切除の場合は放射線療法を割愛できることがあるがそれ以外では取り残しの可能性が高くなるので放射線照射を併用したほうがよい、」との説を見つけたり、「欧米のdataではDCISには放射線治療とTAMが局所再発率をさげるとのエビデンスが明らかであること」を読むと迷ってしまいます。
海外の病理はアバウトな部分があり、日本の病理の精度とは一緒にできないでしょうし、がん細胞の性質や組織のタイプによって再発率は変わるはずなのだからその数字をうのみにしてはならないとは思うのですが……
先生でしたら、このようなケースで放射線療法を薦められますか?それともお薦めになりませんか?お忙しい中、時間を割いていただくこと、
本当に申し訳なくおもいますが先生のお考えをお教え下さい。なお、ホルモン療法に関しては、ホルモンレセプターの値が高いのでノルバデックスを服用することになりました。とりあえず2年(通常5年だが2年でよいでしょうとの判断です)服用いたします。お答えいたします。
大変良くお調べになっていらっしゃいますし、その内容についてもご自身では、もう十分にご理解されているように拝察いたしました。
私どもの立場としては、現段階ではお調べの通り「DCISに対しては放射線治療とTAM」を原則としております。放射線治療を割愛した場合、どの位の安全率(局所再発しない事以外に長期予後に対する成績などを含めて)かは、未だはっきりとした数字に表れてはおりませんので。
おっしゃる通り、余計な治療はしたく無い、とのお気持ちも良く分かります。しかし、「けれどもせっかく早期に見つけていただけたのに、取り残しがあったら悲しいです」。この言葉に貴女の気持ちの全てが集約されているのではありませんか? 少しでも不安が残るようならば、今現在、標準的な治療を行った上で経過観察される方が、後々後悔が残らないとのではないでしょうか。 既に治療方法に対する答えはご自身の中にあるとお察ししましたがいかがですか? 貴女の気持ちを丁寧に主治医の先生にお伝えになってみては。(文責 矢吹)
【No.457-2】 01年04月17日 kai.
放射線療法について (2)ご回答いただき、ありがとうございました。アドバイスしてくださったように、「少しでも不安が残るようならば、今現在、標準的な治療を行った上で経過観察される方が、後々後悔が残らないとのではないでしょうか。」が私にとってのベストなのでは?と思います。私の不安は”なぜしなくていいの?”から生じているのですから……。が、先日、担当医が不安がっている私の為に顕微鏡で見なおして教えて下さったなかに、気になる点がありました。申し訳ありませんが、あと2つ、質問させて下さい。
(1)「顕微鏡で見たが、非常におとなしいタイプのものだった。病理の先生によってはがんと判断されないかもしれないくらい……。また、断端についても1cm近くまでないところもある。詳細に言えば5mmから1cmの間と言う事になるが…。」と言われたのですが、このようなケースでも、先生は放射線照射したほうが良いと判断されますでしょうか? 非浸潤がんの場合は、余裕のある断端陰性でも慎重に対処しなければならないような気もしますし、私のようなケースでも、なお多発性の可能性を考慮すべき?それとも、このような場合は照射省略ok?と、本当に見当が付かず迷いがあります。
(2)担当医は、私の場合は、放射線を受ける事によるマイナスの方が大きいとおっしゃいます。
・万が一残っていたとして、その癌はとてもおとなしいものなのに放射線の照射によってかえって活性化する(表現がおかしいかもしれませんが)ことがあるのではないか? 寝た子を起こす事になるのではないかを危惧する。
・私の場合、胸がとても薄いので放射線照射は気をつけて行なわれるけれども、肺にかかる可能性が有り、それが心配。
・その他、放射線の副作用
私は、回復するものであれば、放射線の副作用をおそれるつもりはないのですが……。放射線の副作用より癌撲滅のための手段を講じたいです。でも、ちがう癌の可能性が生じるのであれば、受ける場合に出てくる癌発生の可能性%と受けることで減じる癌発生の%を秤にかけて考えたいのです。放射線を照射する事によって、重大なマイナスが生じるのでしょうか? それを考慮しなければなりませんか?
上記1と2の説明を受けて、気持ちが「しない方」に傾いています。かと言って、心配が無くなったのかと言えばそうではないのですが……。前回のご相談の時よりは、病理所見が詳細にわかりました。病巣が完全に切除されており、非浸潤癌の中でも悪性度の高いものでないようです。このような場合、残した乳房に放射線治療を行わなくても良いと思います。主治医の先生から十分にご説明を受けていらっしゃいますから、主治医を信頼されて、今後の治療や経過観察について相談されて行くのが良いと思います。(文責 福田)
【No.456】 01年04月09日 M.M.
腫瘍マーカー CA19-9 について2歳、既婚女性です。4年前に約2.5cmの乳癌を発見し、非定型的乳房切断術により手術を受けました。リンパ節への転移は無く、毎月リュープリVと言う注射をして頂いています。だいたい半年ごとに、骨シンチ、エコー、血液検査を受けています。ずっと異常なく来ていたのですが、5ヶ月程前から CA19ー9の数値だけが164、104、320と上がってしまいました。他の腫瘍マーカーの数値は全て正常です。主治医の先生が膵臓癌を心配して、CTもとって下さったのですが、異常はありませんでした。エコーにも胆石も写らないので、とりあえず心配無いだろうとおっしゃるのですが、どこかに転移でもしているのでは? と心配です。乳癌の手術から8ヶ月後に腹直筋皮弁による乳房再建手術も受けました。その時、お腹の傷が感染症になったのですが、3ヶ月位で治りました。その後少し太ったので、お腹が張っているような感じもあるのですが腹筋が無いせいもあって 自分でも自覚症状がはっきりしません。腫瘍マーカーは単独ではあまりあてにならないとも聞きますが、安心していて大丈夫でしょうか? いろいろ心配になって、胃カメラも受けましたが、異常はありませんでした。もともと心配症であれこれ考えてしまいます。よろしくお願い致します。
乳癌に比較的特異度が高いとされる腫瘍マーカーは、CA 15-3、CEA、BCA225、NCC-ST-437などです。転移、再発などが出現すると、これらの腫瘍マーカーが上昇することが多くあります。しかし、転移、再発があっても腫瘍マーカーが上昇しないこともあります。逆に、腫瘍マーカーは、癌以外の疾患でも上がることがあります。そのため、腫瘍マーカーが上昇したからといって、どこかに癌があるということにはなりません。多くの腫瘍マーカーの特異度(癌である確率)は、高いものではありません。CA-19-9は、特に膵胆道系疾患で高値を示す事が知られています。主治医の説明の様に胆石症や、胆汁のうっ帯、膵炎などでも上昇する可能性があります。ご心配されているのが乳癌の臓器への転移ですから、 乳癌に特異的なマーカー(CA15-3,CEA,BCA225、NCC-ST-437)が上昇しているのであれば気になりますが、CA-19-9だけが上昇しているのでしたら、しばらく経過を観察するのが良いと思います。
いずれにせよ、マーカーが上昇しているだけでは、どこかに乳癌があることにはなりません。あまり一つ一つに神経を使っていると消耗してしまいますから、少し気を紛らす方法を見つけた方が良いのはないでしょうか。腫瘍マーカーを用いての今後の経過観察については、主治医の先生に良くご相談なさってみて下さい。(文責 矢吹)
【No.455】 01年04月07日 T.K.
妊娠について私の妻(27)の事なのですが、初めての妊娠で7ヶ月目にしこりに気づいて病院に行き、細胞採取とエコーで見た結果、良性か悪性かわからないとのことなので局所麻酔でしこりを摘出する手術を行いました。その結果、悪性とわかりました。妊娠しているのでガン細胞が乳房と一緒に成長する可能性があると説明を受けました。まだ、初期の段階で、主治医の先生が、色々な治療法、手術の方法を説明してくださいました。でも、「赤ちゃんの事を考えて全部切除した方が後のことを考えて最良の方法ではないか」と提案されました。全身麻酔の手術ということでお腹の子供のことが心配でしたが、8ヶ月ということで安定期に入っていたので赤ちゃんには影響が無いし、8ヶ月を過ぎるとお腹も大きくなり、母乳が作られてくるので手術するのが難しくなるとの説明を受けました。もし、妊娠していなければ色々悩んだと思いますが、お腹の子の事を一番に考えて迷うことなく全部切除する事を決断しました。初めて受診した日から手術をした日まで1ヶ月の出来事でした。手術は無事に終わり、その後無事に女の子を出産しました。
先日妊娠している関係で出来なかった検査(骨シンチ、胸のレントゲン、胸とお腹のエコー)をして、結果は転移はありませんでした。また、ガンは初期で(18_)、転移は今のところ無いけれども再発しないとも言い切れないのでクスリを飲んだ方がいいと説明を受けました。ただ、年齢のことを考え次の妊娠まで5年というと長いので、2年くらい服用し半年くらい間をあけてみてはどうかと助言されました。(クスリを飲んでも飲まなくても3年はあけたほうがよいとのこと。)
長くなりましたが今までの経過を書かせていただきました。子供はあと2人欲しいと思っています。それも出来るだけ年の近いほうがいいと思っているので先生から言われたときはちょっとショックでした。本当にそれだけの期間をあけなければならないのでしょうか?またクスリは服用した方がいいのでしょうか?それだけあけたとしても健康な子供が産まれるか心配です。(クスリの影響)教えてください。よろしくお願いします。まず初めに、現在内服されている薬の内容が分かりませんので、閉経前(=生理が止まる前)の若い女性の乳がんの手術後の転移再発の予防に対する一般的な考え方をお話します。
切除されたがんがホルモン治療が効くタイプか否かによって、抗がん剤投与を積極的に行う方が良いケースと、ホルモン療法のみで経過観察するケースとがあります。
抗がん剤は一般的に4回〜6回(4ヶ月〜6ヶ月間かけます。)行います。特に若い患者さんで、ホルモン治療が効かないタイプの乳がんの方の場合は、リンパ節転移の有る無しに関わらず、抗がん剤投与を受けておいた方が若干治療成績が良いようです。ホルモン療法は原則的に術後5年間内服した方が、術後2年で内服を中断した場合よりも、治療成績が良い、と言うデータ-が出ています。
お話から察すると、内服されているのは抗がん剤ではなくホルモン治療剤ではないかと思いますが、この点如何でしょうか?抗がん剤か否かで、お話は大分変わりますが、ホルモン治療剤と言う前提でお話させていただきます。
次の妊娠に対する薬の影響を心配されている様ですが、ホルモン治療剤は妊娠中に内服するので無ければ、次の子供さんへの影響は原則的にはないと考えて差し支えありませんでしょう。但し、内服を中止しても卵巣機能の低下などが長く残っていれば、排卵しにくい等の理由で次の妊娠が成立しにくい事もあるかも知れません。その際は、産婦人科の主治医と充分話し合って頂くのが良いでしょう。
妊娠中に乳がんに罹患した患者さんにとっては、初回治療から次の妊娠までの期間が2年以内の場合、治療成績が悪いようです。ですから、出来るだけ次回の妊娠までの期間は3年は開けた方が良い、と言うのは主治医のご意見通りです。本来なら内服(抗ホルモン剤)は5年間ちゃんと飲んで頂き、お子さんはお一人で我慢していただく、と言うのが、患者さん自身の予後のためには最も良い選択なのですが、多少、転移、再発のリスクが増す可能性があっても、どうしてもすぐに次のお子さんがご希望である、と言うならば、これはいたし方ない事だと思います。
ご自身達の人生観、人生設計と照らして主治医の先生と良くご相談になってみてください。(文責 矢吹)
【No.454】 01年04月07日 Y.H. .
乳癌検診結果についての質問35才、既婚です。乳癌検診結果についての質問なのですが、医師の触診の診断の結果、乳腺症の疑いがあるとのことで超音波検査を受け、その検査で7ミリ×9ミリの水疱のような物が発見され、その中に一部何かがあるようなので、それが悪性かどうか、針をさして検査をすることになり、結果陰性でした。今後は、半年に1回検診を受け、その部分の変化次第で、また検査をしましょうということでした。
この結果に不安を感じ、あるネット上で相談してみたら、それは良性の膿胞で、半年に1回の検査で充分だと思うが、今度は乳腺専門医に診て貰っては という回答をいただきました。ただ、いろいろなネット上の情報を見ていると、良性だと言われたのに詳しく調べたら悪性だったというのを見たりするとほんとうに大丈夫なのかと不安になります。検査を受けた病院でも、今後その部分の変化次第で、と言うことは、その部分が悪性かもしれない可能性があるという事を意味するのでしょうか? 素人考えで、7ミリ×9ミリの大きさ中の更に一部に対し、確実に針を命中させられるかという疑問があります。そういえば、針は2回さしました。1回目はチクッとする程度で、2回目は中をグルグル探るような感じで結構痛みもありました。これはどういう意味があるのでしょうか? その部分が悪性かもしれないという可能性はあるのでしょうか? その点を教えていただけませんでしょうか。そして、やはり検診は半年後で大丈夫なのでしょうか? どうぞよろしくお願い致します。お答え致します。
まず、最初に他のネットで回答があった「膿胞」と表現されているのは、「嚢胞= Cyst」と言うもので、いわゆる水の入った袋の様なもので,内容は膿ではありません。いわゆる嚢胞性病変は大半が良性で、何の処置も必要としないもので、日常診療でも小さなものは良く見かける事がありますが、原則として放置しておいても大丈夫です。但し、単純性嚢胞の中には、時に急に大きくなるものがあり、驚いて来院される患者さんもありますが、内容液を注射器で穿刺して抜く事で解決する事が殆どです。
又、ご質問のような嚢胞の内部に発生してくる病気が幾つかあり、これが診療上問題になる事があります。代表的なものとして、嚢胞内乳頭腫、嚢胞内がん、等がそれです。ご自身の乳房のエコー所見に単純な嚢胞のみでなく、嚢胞内部に何らかの病変が認められた、と言う事であれば、原則的には、内部の病変が変化するか否かを、画像診断(超音波検査)で経過観察するのが一般的です。 但し、超音波検査は端子の当て方や角度によっては一見、隆起性(嚢胞の壁の内側に盛り上がったような形)の病変の様に見える事もあり、本当に小さな嚢胞の内部に病変があったかどうかは、あくまで影絵を見ている訳ですから絶対ではありません。つまり、見え方によって、その様に見えただけだと言う可能性もあるかと思います。
嚢胞内に発生する隆起性の病変を診断するには、嚢胞を針で穿刺し、内溶液に浮かんでいる嚢胞内病変の細胞を吸引し、顕微鏡検査して診断する事が殆どです。 ご指摘の通り、7〜9mm程度の病変の中に発生している病変に確実に針を刺す事は大変難しく、超音波等で観察しながら行っても、命中させるには熟練を要します。悪性の病変を強く疑っている場合は、出来る限りこれに命中させようと努力するのですが、あなたの病変を穿刺した医師は恐らく、嚢胞内部の病変を刺すよりも、前述の様に、嚢胞内の内溶液を抜いて、浮遊している細胞を調べようとしたのだと思います。恐らく、あまり強く悪性の病変を疑ったのではなく、あくまで「念の為に」と言った意味合いが強いかと思います。又、一度目はあまり痛くなかったが、2度目は、云々の下りに関しては、検査の手技や意義と、痛みとはあまり相関しませんので、余り大きな意味はないのではないかと思います。穿刺検査は確実を期する場合は2〜3回刺す事もあります。敢えて言うなら、2度目は出来るだけ慎重に小さな病変から細胞を確実に採取しようと行った結果なのではないでしょうか。
結論から申し上げれば、「悪性の可能性があるので検査をする。」のではなく、「悪性の可能性を否定して安心して頂く」為の検査だとお考え頂ければ良いのではないでしょうか。ご自身で乳房を自己検診なさって、特に変化がなければ、再検(超音波診断などによる)は6ヶ月後で充分だと思います。(文責 矢吹)
【No.453】 01年04月04日 Y.T.
乳頭からの分泌物について30歳未婚です。ここ1年くらい右の乳頭がかゆく、かいてしまったあとに黄色い分泌液がでるようになりました(血液は混じっていません)。オロナイン軟膏等を塗布すると一時軽快するのですが、しばらくするとまたかゆみが出て、同じ症状の繰り返しです。先日、バジェット病という病気があると知り、自分がそうではないかと心配になりました。仕事が忙しく、長らく放っておいたせいもあって、どこか適切な病院に1日も早くかかりたいと思います。アドヴァイスをよろしくお願いします。
Paget病では、乳頭のびらん、湿疹様の変化がみられますが、痒みについては、ある場合もない場合もあります。乳頭付近の主乳管から発生した癌が、乳頭の皮膚の表面の細胞(表皮)の内に進展して、このような症状を呈します。直接拝見していないのでわかりませんが、悩んでいるよりは、早めに専門医にご相談されることがベストだと思います。(文責 須田)
【No.452】 01年04月04日 M.K.
左乳首下のしこり20歳の大学生ですが、左乳首の下に1年くらいしこりがあります。しかし、年からいって絶対癌ではないと思うし、できれば放っておきたいのです。線維腺腫というのは、痛くなければ放っておいた方がかしこいですか?専門の方は触っただけでわかるというのは本当ですか?今度学校で健康診断があるのです。しかしそこに来られるのは内科の方のようです。乳腺疾患は外科へ、ということですが、ということは内科の担当医の方に相談しても意味はないですか? かえって不用意に検査されたら怖いのです。
しこりについて:一年間大きさが変わっていないのであれば、線維腺腫の可能性が高いと思いますが、自己判断は危険ですから、一度専門医の診察を受けることをお勧めします。確かに学校に検診にくる医師は内科医であることが多いので、診察はできないかも知れませんが、相談だけならできるかもしれません。しかし、自分の体のことですから、健康診断を待つのでなく、自ら進んで専門医を探して受診する方が良いのではないでしょうか。 (文責 清水)
【No.451】 01年03月29日 H.T.
W期の乳癌について39歳の主婦です。去年の10月に乳癌の診断をうけ、その時点で肺転移があり、皮膚浸潤がひどい為、抗がん剤の投与とホルモン剤の内服にて治療を続けています。病期はW期でした。実は、この更に1年前に胸にしこり(2cm程)を感じ、同時に乳頭の表面がむけて痛くて分泌物もあり、近所の産婦人科へ行き検診したところ、エコー検査を行い、悪性ではなく「乳腺炎」です、と診断されて安心していたのです。たったの1年たらずで、ステージ4まで進行する乳癌は、あるのでしょうか?一般的には、W期まで進行するにはどの位の年月を要するのでしょうか。どうか、回答を頂きたくお願い申し上げます。ちなみに、近所の産婦人科には、2ヶ月おきに通院していて、薬は、フルモックス100MG、イルザイム錠と、乳頭に塗るようにとテラ.コートリル軟膏を処方してもらっていました。
乳癌の増殖のスピードは様々です。何年もかかって大きくなるものから、あっという間に進行するものまであります。乳癌細胞自体の特性ばかりでなく、妊娠や授乳など癌細胞の増殖に影響するようなホルモン環境によっても変わります。あなたの腫瘍がどの程度の増殖のスピードであったかですが、1年前の産婦人科に受診したときに癌があったかどうかによります。はっきりしないような段階であったとすれば1年で肺転移まで進むものですから、かなりのスピードということになります。(文責 徳田)
【No.450】 01年03月28日 M.N.
左乳首の痛みについて24歳女性です。三週間前くらいから、左の乳首が痛くなることがあります。形の変化やシコリはないようです。今までこんなことはなかったのでとても心配です。乳癌なのでしょうか? 病院で診てもらわないとダメですか? 以前に「胸の小さい人の検査は挟むのが大変で困るよ」ってお医者さんが言っていたのを聞いてしまいました。私は痩せ型で胸がすごく小さくというか、薄っぺらって感じなんで、ますます病院に行くのがためらわれます。19歳位の時に生理不順で病院に行った時に、プロラクチン値が少し高いと言われパーロデルと言う薬を飲んで正常値に戻したことがあります。が、生理不順は改善されず、現在はクロミッドという薬を数年前から飲んでいます。このことも何か関係があるのでしょうか?
年齢的にも、しこりがないことから乳癌は考えにくいと思います。クロミッドは乳房痛を起こすことがあり、乳首が痛むことも考えられます。しこりが触れなくても良性の腫瘍が完全に否定されたわけではないので、やはり一度専門医に相談しましょう。(文責 徳田)
【No.449】 01年03月28日 M.S.
手術後の痛みについていつも相談室には精神的なケアをしていただき有難うございます。私は昨年7月に左乳房温存手術(リンパ節郭清術含む)を受け、現在ホルモン治療中(放射線照射はなし)です。先週くらいから患側の尺骨側がピリピリと痛みはじめました。肘を伸展すると痛みが増強し、完全には伸展できない状態です。手背から前腕、上腕内側と触ると痛みがあります。浮腫はありません。リハビリが足りなかったかもと思いつつ、整形外科を受診しましたら、「神経が再生しているか、癒着しているかどちらか」と言われ、ビタミン剤の処方を受けました。
1)術後の癒着や神経の再生でこのような痛みが術後に起こるのでしょうか?
2)こういう場合リハビリを積極的に行った方が経過が良いのでしょうか? また、今日、左ソケイ部リンパ節に腫瘤を認め、圧痛があります。これは乳癌とは関係ないようにも思えますが、特に外傷はないのに何かしらと不安になりました。
3)ソケイ部リンパ節は乳癌と関係がありますか?
乳腺外科受診までは期間がありますので、相談にのっていただけたらとメールをしました。ご多忙中恐縮ですがよろしくお願いいたします。1)痛みの部位は、手術操作が加わったところではないので、癒着や神経の再生によるものというのは考えにくいと思います。
2)上腕の内側の痛みのある部分をさわってみるとすじのようなものが触れるのではないでしょうか。そうであれば、術後の静脈炎、リンパ管炎が考えられます。ほおっておいても自然に軽快しますが、消炎鎮痛剤の局所への塗布や内服が症状軽快に有効です。
3)そけい部のリンパ節に乳癌が転移することは、よほどひどい全身転移でなければ、まず起こりません。(文責 徳田)
【No.448-1】 01年03月27日 K.N.
ホルモン療法について(1)No.55、No.118でお世話になったK.N.です。今回の質問は、ホルモン療法の事なんですが・・・。乳房温存手術後、化学療法を1年間受け、ホルモン療法は4年間と言う説明を受け継続していました。が、3年を経過した時点で担当医から「ホルモン療法を終了する」と急に言われました。「4年だったものが3年で問題はないのか?」と質問したのですが、明確な回答を頂けません。が、続けたいならどうぞ!とも言われています。私自身は、治療を止めてしまうのは不安です。でも、担当医の指示に従うべきなのでしょうか? 迷っています。先生方の見解を教えて下さい。
ホルモン療法剤にもよりますが、タモキシフェンであるとすると現状でのコンセンサスは、5年間の内服です。5年間続けられてはいかがでしょうか。これは、あなたの乳癌がホルモン受容体陽性である場合の話しです。(文責 徳田)
【No.448-2】 01年03月28日 K.N.
ホルモン療法について(2)早速のご回答ありがとうございました。ホルモン療法にもいろいろありますよね。すみません、説明不足でした。ホルモン受容体は、陽性でした。術後すぐには、ゾラテックスとノルバテックスの2種類のホルモン療法を受けていました。が、不正出血が続き検査の結果、ノルバテックスの服用は止めて、腹部に刺す注射、ゾラテックスだけで4年間継続しようと説明を受けました。何事もなく3年が経過した今、突然の変更だったので、動揺しています。4年、3年、どちらの選択も結果論でしか、判断出来ないのでしょうか?
有効性、安全性からみたゾラデックスの術後の適切な投与期間のコンセンサスはまだ得られていません。したがって、3年より4年の方が有効であるという証拠はありません。安全性に関しては、1.5年、2年、3年、5年投与などの臨床試験があり、重篤なものはないようです。何か副作用があればその程度を考慮して継続するかどうか判断してください。(文責 徳田)
【No.447-1】 01年03月27日 T.I.
検査の結果で悩んでいます乳癌について心配しております。よろしくお願いいたします。36歳、既婚、5歳、3歳の子供がいます。先日、市の乳癌検診で「乳腺症」といわれ、右胸外側にしこりがあるとのことで、精密検査を受けるように言われました。指定された病院にて、エコー、マンモグラフィーを受けました。エコーでは、技師が指示されたしこりの位置を丁寧に探して下さいましたが、そのあたりに何もうつらず、首をかしげておられました。それとは別に、のう胞があるということでしたが、これは心配ないですよと言っておられました。その後、検診と同じ医師の診察がありました。エコーで「のう胞」といわれた画像をみて、「のう胞ではなく線維腺腫です。」といわれました。7ミリぐらいの大きさらしいです。あらためて触診されましたが、小さいものに触れるけれど、やはり線維腺腫でしょうとのこと。悪性のものだという心配はないかと聞きましたら、たぶん大丈夫でしょうとのことです。でも、マンモグラフイーに、左右の胸の外側(上記とは別の場所)に同じように小さく石灰化がみられ、少し経過を見たいので、6ヶ月後に再検査しましょうと言われました。今すぐ詳しく調べて欲しいといったのですが、「しこりにもふれないし、腫瘍の影もないので、調べる術がない」とのことでした。
1)エコーの技師が「のう胞」といっておられたものを、医師が「線維腺腫」と確定的に言えるのはどうしてなのか、マンモで映っていなかったからでしょうか。悪性か良性かは、細胞診をしなくてもわかるのでしょうか?
2)石灰化は、小さい球状のものがいくつか集まって見えました。左右とも同じような形状だったように思います。悪いものなら乳管に沿ってみえたり、形がいびつだとも聞きましたが、そういうものではなかったようです。でも、経過をみたいとのことです。しこりがみえなくても、この石灰化が乳癌のひとつの初期症状ということもあるのでしょうか? いずれも6ヵ月ほっておいても大丈夫でしょうか? 医師にはその時いくつも質問をしてみたのですが、歯切れのいい回答が得られずに不安が募っております。病院をかえて再度診察を受けたほうがいいのかとも考えています。アドバイス、よろしくお願いいたします。1)画像を見ていないので何ともいえません。担当医に直接質問される方がよいと思います。
2)しこりが見えなくても石灰化で見つかる乳癌もあります。乳癌にともなう石灰化は特徴がありますので、おそらくあなたの場合は良性の石灰化と判断されたのでしょう。1)も含めて担当医と十分に話し合われるのがよいと思いますが、納得がいかなければ、別の専門医に診ていただきましょう。その際には、マンモグラフィは拝借しましょう。何回も被爆する必要はありませんから。(文責 徳田)
【No.447-2】 01年04月10日 T.I.
非浸潤癌の疑い先日、No.447-1で相談させていただいた者です。返事をいただき、ありがとうございました。その後、すぐに大学病院で診察を受けました。持参したマンモグラフィーをご覧になって、「6ヶ月ほっておくようなものではないね」とおっしゃり、左右の胸の微小石灰化が気になる形であるとのこと(いずれも、砂粒状5〜6個の集まりが円形を作っています)。エコーで丹念にみていただき、左は4ミリ、右は7ミリの非触診のものを探してくださいました。エコーでは、そんなに悪いようにはみえないとのこと。来週MRIを受診するようにと言われました。その後、生検をするか細胞診するか、という順序だそうです。そして、今、良性か悪性かは判断がつかないが、もし悪性であったとしても非浸潤であり、転移がないですよ、と言ってくださいました。気が動転して、満足に質問できずに帰ってきてしまいました。
1)先にMRIをすることには特別な意味があるのでしょうか。まず、悪性の疑いが強いということでしょうか。そういうケースがこの相談室でもみうけられないので不安です。
2)最悪でも非浸潤であるということでしたが、それはシコリが小さいということや、マンモ、エコーの所見からわかるものなのでしょうか。
3)両胸に、同時に悪性腫瘍ができるということもあるのでしょうか。
4)悪性であるなら、一刻も早くに手術をうけたいのですが、大学病院であるため検査日、その後の予約診察日、それから先の生検の結果まちと、日にちがかかりすぎ、癌が進行していくのでは、と不安な気持ちです。
ご意見をお聞かせ願いたく、よろしくお願いいたします。1)先にMRIを行うからといって、悪性の疑いが強いと言うことはありません。乳腺を穿刺したり、生検したりすると、MRIの所見が変化し、正確な診断ができなくなることがあります。そのため、細胞診や生検の前にMRIを予定されたのかもしれません。
2)マンモグラフィ、エコーの所見では、なかなか断定できないと思います。
3)同時発生する事も稀ですが、あります。
4)いわゆる癌に対する恐怖のある患者さんは診断を焦り、答えをすぐに出したがる傾向が強いようですが、もしもあなたの病変が癌でなかった場合はどうでしょうか?診断を焦ったために、不必要な生検診断や、不適切に多く乳腺を切除するような術式を選択する必要があるでしょうか?極端な言い方をすれば、「がんに対する不安が強いから、例え健常の可能性がで高い疾患であっても、少しでも疑いがあるなら乳房を取ってしまった方が安心。」とはおっしゃりませんね? 乳腺外来にいらっしゃる患者さんは多かれ少なかれ、様々な不安をお持ちだと思いますが、例え不幸にしてがんでだとしても、1ヶ月ぐらいで大きく進行する事はありません。 (文責 矢吹)
【No.447-3】 01年04月30日 T.I.
MRIの結果先日MRIの結果を聞きに行って参りました。診察室に入るなり、フィルムを並べて見られている先生から「いくつかの腫瘍が左右にあったが、それぞれのグラフの示す線が明らかに悪性のものではない」という説明をしてくださいました。細胞診、生検、と進むものだと思っていたので、「必要ないのですか?」と何度もお尋ねした所、「ない」とのことです。ただ、良性腫瘍があるので3〜4ヶ月後に経過を見ましょうとのことです。「線維腺腫ですか?」とお聞きしたら、「いや違います。」とのことです。この相談室でも、MRIが最終の結論となっているようなケースは見当たらないですし、手術前の検査というような認識でおりました。しこりがない微小石灰化像が悪性のものである場合もあるとのこと・・・。組織検査なしで、わたしのように良性の診断を下されることも、あるのでしょうか? またMRIは「非浸潤がん」にも正確に反応するものでしょうか? 良性腫瘍とは、乳腺症の過形成ということでしょうか? うれしい結果であるはずなのに、なぜか不安が打ち消されずにいます。よろしくお願いいたします。
乳腺のしこりに対するMRI検査は、乳がんのの広がりを検討するために行うのが一般的です。まれに、乳腺のしこりの良悪性を診断するために、行うことがあります。今回、担当医は後者の目的でMRI検査をされたものと思います。どのような目的でされたのかは、担当医にお聞きになってください。担当医は、マンモグラフィやエコー検査に加えて、MRI検査の結果も良性であったため、組織診までは必要がないと判断したたものと思います。非浸潤がんや過形成は組織ではじめてできる病理組織診断名です。MRI検査などの画像検査ではできません。(文責 福田)
【No.446】 01年03月27日 W.S.
乳癌検診結果について37才の既婚女性です。子供はいません。左乳房の外側上にシコリを感じましたので、乳癌検診を行いました。
【検診内容】
(1)触診(2)マンモグラフィー(3)エコー(4)針細胞検診
【結果】
エコーにて左乳房に3個,右に2個の『のう胞』を確認。私がシコリを感じていたのは、のう胞でした。しかし、他に1個、のう胞でないものを確認。これは、担当医の言う事には、乳腺症であるとのこと。
乳腺症の判断基準(担当医の意見)
・マンモグラフィーで形跡が全くない。
・触診で、該個所にシコリ等の違和感を感じない(判らない)。
・針細胞検診で、該個所は陰性(良性)であった(クラスは判らない)。
・エコーでの形が細長くない(縦長でないし、尾を引いてない)。
【質問】
1)触診で判らないのに、正確に該個所を針細胞検診が出来ているのでしょうか?
2)針細胞検診では、クラスが判らないのでしょうか?
3)担当医は、念の為3ヶ月後に再検査を行いましょうと言っているのですが、本当にそれだけで良いのでしょうか? 不安です。また、担当医 が言っているように、乳腺症であると確信して良いのでしょうか?
4)2年前にもシコリを感じて病院に行きましたが、エコー検査の結果、のう胞でした。今回と同じような位置にありましたが、度々のう胞が確認できるのは、何かあるのでしょうか?
5)のう胞は、何の処置もせずに、おいといても良いのでしょうか? また、のう胞は大きくなったり、小さくなったりするものなのでしょうか?1)通常は,エコーでしこりをとらえていればそこをねらって細胞を取ることが可能です。
2)わかります。担当医にお尋ねください。
3)確定はできません。確定診断をえるためには、しこり自体を取って調べる必要があります。担当医としては、「そこまでしなくてもよい。悪性の可能性はきわめて低い」と判断したものと考えます。
4)そういう病態が乳腺症という疾患です。
5)のう胞の形をとる癌もありますが、稀です。通常は放置しておいて結構です。のう胞の内容は通常、液状の分泌物ですので、分泌が多くなるとしこりも大きくなります。また、吸収されて小さくなることもあります。(文責 徳田)
【No.445】 01年03月27日 K.K.
悪性リンパ腫について34才既婚女性です。細胞診で良性腫瘍だと診断されましたが、2ヶ月後どんどん大きくなり再度細胞診をしたところ悪性(?)だといわれました。異型細胞があるので悪性リンパ腫の可能性が強いとのことでした。全摘し抗がん剤治療か抗がん剤治療の後、手術することになるが、しこりが大きいので薬で小さくして部分切除は無理だそうです。現在組織検査の結果待ちです。
1)乳房のしこりの悪性リンパ腫とは葉状腫瘍のことでしょうか。
2)首や足の付け根等が腫れて血液内科で治療する悪性リンパ腫と、乳房にできた腫瘍の悪性リンパ腫は、同じ病気で、同じ治療方法ですか。また、葉状腫瘍でも血液内科でみる悪性リンパ腫でも、抗がん剤は無効で腫瘍をきれいに取り除くしかないのですか。外科手術+抗がん剤治療と、それ以外のがん治療(免疫療法や血管内治療など)とはどちらが有効ですか。
3)私の場合、左乳房のしこりなのですが、左鎖骨下と脇の痛みが時々あり、(生検の傷が痛むのでその影響かもしれませんが)左腕から中指・薬指と、左骨盤・左足の付け根・もも裏・薬指がしびれてじーんとします。右手小指にもしびれがあり、小指下の手のひらは腫れてしもやけの時のように動きにくいです。これらの症状は病気と関係がありますか。進行性で転移しているのかと不安です。転移の場合はもっと激しく痛んだりするのですか。ただこれらの症状は1年程前からあり、体のゆがみ等が原因かと接骨院に通ったりしました。関係しているとすれば乳房のしこりの原因になったのか、表面に出てなかったしこりが原因だったのか、どちらでしょうか。
4)去年の5月に微熱が続き、耳の下とうなじあたりにしこりができ、手足に5ミリ程の湿疹ができました。しこりは4・5日で消えましたが、その時も今のように指がしびれていました。これも今のしこりと関係がありますか。しびれが病気と関係あるとすれば、外科治療以外にリンパ等ほかの科の診察も受けたほうがいいのでしょうか。
以上いろいろ質問してしまいましたが、全摘する前になるべく検討して治療に臨みたいと思っています。ゆっくりしてる病状ではないかもしれませんが、長い間あった体のしびれが癌と関係するのかも知りたいのです。よろしくお願い致します。1)悪性リンパ腫と葉状腫瘍は全く異なる腫瘍です。
2)悪性リンパ腫としては、同じ疾患です。治療法も原則として同じです。抗がん剤治療が有効で、主体となります。一方、葉状腫瘍は、悪性はまれで、大部分は良性です。抗がん剤は無効ですので、手術で取るしかありません。
3)すでに、しこりをとって組織を調べているわけですから、その結果を待ちましょう。リンパ腫にせよ、葉状腫瘍にせよ、転移は通常しこりをつくります。
4)悪性腫瘍のしこりは、まず消えたりしませんので、無関係と考えます。やはり、生検した組織の最終報告を待ちましょう。その結果で次のことを考えましょう。(文責 徳田)
【No.444】 01年03月27日 T.H.
乳癌と子宮癌乳癌と同時に子宮癌になることはありえますか? もちろん確率はゼロではないのでしょうけれど、乳癌になったら子宮癌にもなりやすいのでしょうか? それとも逆になりにくいのでしょうか、まったく違う説が2通りあってよくわかりません。それとも乳癌と子宮癌には全く関係がないのでしょうか?
乳癌になったら子宮癌になりやすいということはありません。なりにくいということもありません。乳癌になっていない人と同じリスクです。ただ、乳癌の術後、タモキシフェンというホルモン療法を受けている人は多少、子宮体癌の頻度が増加すると考えられています。(文責 徳田)
【No.443-1】 01年03月25日 T.M.
手術後の採決、注射について2年前に両側性の乳がんの手術を受けました。左は全摘、右は四分の一の切除でした。両方のリンパ節を取っているので術後は足からの点滴、採血、血圧測定でした。ここで質問です。よく手術したほうの腕からの採血、注射はいけないと言われますが、私の場合両方なので、やはり足からしなくてはいけないのでしょうか。今までは温存している右側からしていたのですが、同じ両側の手術をした友人から足でないとダメよって言われ、どちらがいいのか分からず相談しました。よろしくお願いします。
病院で腋窩のリンパ節を手術した手から採血したり、一時的に点滴したりしてもまず問題はありません。しかし、問題のない部位があるのであれば、あえて手術したほうの手は使わないという程度の認識でよいと思います。たとえば、手を使えないからと言ってむずかしいのに足で採血を何回も失敗したり、また、術後の抗がん剤の点滴をするのに、手術していない方の手や足を使って漏らしたりする危険を冒すより、採血や点滴しやすい血管があれば手術した方の手を使うこともあります。つまり、それぞれの状況でプラスの面とマイナスの面を考えて判断すればよいと考えます。(文責 徳田)
【No.443-2】 04年03月26日 T.M.
アリミデックスについて術後5年を迎えようとしていた去年の年末からCEAが上昇し、11月 7.4、1月 11.9、2月 15、3月 18になりました。胸部X線、腹部エコー、骨シンチ異常なし。ただ胸部は喘息のためあまりにも汚いので、造影剤なしのCTを撮ったところ、疑わしいところはあるがこれといったところもなく様子をみることになりました。CEAは上昇を続けているので、アリミデックスを服用。アリミデックス服用4週目の今月が18となっていましたが、服用して間がないと、やはりマーカーは上昇するのでしょうか。この薬が自分に効いてくれるのか心配になってしまいました。アリミデックスの効き方を教えて下さいホルモン療法剤はどちらかというと即効性ではなく、数ヶ月かけてゆっくりと奏効してくることが多いと思います。マーカーの上昇がイコール病勢の進行と必ずしも一致するわけではありませんが、確かにCEAはそのようなずれが比較的少ないマーカーであるとは思います。また万が一とは思いますが、大腸癌などの消化管の癌でも上昇することがありますので、もし検査をしていなければ、一度相談されてはいかがでしょうか?(文責 片山)
【No.443-3】 04年04月04日 T.M.
もう効かないのでしょうか?今日はアリミデックスを飲んで8週目のマーカーの検査でした。前回よりかなり上がってしまい、前回CEA18だったのが35.6まで上がっていました。主治医は、あと一ヶ月様子をみて、他のホルモン剤を使用するか、または抗がん剤も考えているようです。PETをしようかなとも思っていることを告げると、「PETでもわからないこともあるからね。」と言われました。アリミデックスを飲んで4週目は数値的には3しか上がっていなかったものが、飲みつづけて8週目で18近くも上がるということは、やはりもうこの薬は効かないということでしょうか。こんなに上がっても三ヶ月目で数値が下がるということはあるんですか。これから先、自分がどうなっていくのか全くわからなくなってしまい、たびたびですみませんがメールしてしまいました。ホルモン治療剤は、効果が現れるまで少し時間がかかることがありますので、現在の方針の通り、あと1ヶ月ほど服用されてから効果を判断してもよいかと思います(マーカーが3ヶ月目に下がることもあります)。ただ、CEAが上昇する原因として、乳がん以外のもの(先にお話しした消化器がんなど)の可能性もありますので、それを除外する必要があります。アリミデックスによる効果がなくても、他のホルモン剤、抗がん剤などの治療によってマーカーが下がっていく可能性もあると思います。(文責 加藤)
【No.443-4】 04年10月17日 T.M.
まだアリミデックスでいいのでしょうか?HPNo.443でご相談したものです。CEAが上昇し始めて、そろそろ一年になります。骨シンチ、胸X線、胸部CT(造影剤なし)、腹部エコー、胃カメラ、大腸の検査、および血液検査、他のマーカーも異常ないままです。アリミデックスを飲み始め、5ヶ月間の間にじわじわと上がり続けていたマーカーが38まで上がりましたが、先々月17になり、先月は7まで下がり一安心していたところ、今月また18まで上がりました。「上がり下がりが極端だね」と言われました。「アリミデックスで様子をみていいでしょう」ということですが、そろそろ薬を変える時期にきているのでしょうか。体調もいいのですが、やはり再発と認識しなくてはいけないのでしょうか。よろしくお願いします。画像診断では再発ははっきりしないが、CEAのみが上昇しているケースは、なかなか判断の難しいところがあります。もう少しアリミデックスで様子を見るのが良いと思います。はじめCEAの値のみが上昇して、その後再発部位が画像ではっきりしてくる場合をよく経験しますので、注意深く経過を追うのが良いと思います。(文責 麻賀)
【No.442】 01年03月25日 Y.O.
胸の腫れについて23才の独身です。ここ最近2ヵ月くらい前から左胸の様子がおかしいんです。まず乳房が赤く腫れてて、乳輪の色も右の胸より濃いんです。そして乳頭のすぐ下の部分が二重になってるというか、へこんでいるんです。腕を下ろしている状態でもへこんでるんです。分泌物等は無いんですけど、しこりも良く分からないんですけどある様な気もします。凄く気になります。病院に行くとしたら何科へ行ったら良いんでしょうか? 今まで病院へあまり行った事が無いので、よく分からないんです。ぜひ教えて下さい。
年齢的には乳癌は考えにくいですが、乳腺炎など治療の必要な疾患が疑われます。なるべく早めに専門医の診察をうけましょう。総合病院の外科で乳腺専門医が望ましいです。お近くの乳腺専門医がわからなければ日本乳癌学会事務局 電話03-3918-0111 内線3240に問い合わせて、地域の乳癌学会認定の専門医を教えてもらうのがよいと考えます。(文責 徳田)
【No.441】 01年03月22日 H.K.
授乳中でも乳癌になりますか?3ヶ月半前に出産して、授乳中なのですが、出産直後、発熱や痛みは全くないものの、左胸上部がカチカチになってしまい、乳線炎になっては大変と母乳マッサージを受けたり、赤ちゃんにいっぱい吸わせたり食事制限して乳腺がつまらないような食生活にしましたが、しこりがとれず、「一応大きな病院で見てもらって下さい」といわれ乳腺外来でレントゲンや超音波検査や乳房を鉄板ではさんで写真をとったりしました。でも先生も「う〜ん、良性か悪性の腫瘍かわからないし、授乳中だから、乳腺が詰まって固まりになっているのか、乳癌かわからない」というのです。胸に注射ばりを刺して、しこりの部分から中の物をとって調べたりもしましたが、「う〜ん、何か濁ったものがでてきた。今の所は悪いものは出てないけど、悪性じゃないともいいきれない、でも、授乳中だしな〜」と不安にさせるばかりです。挙げ句の果てには、まだ産後1週間しかたっていない私に、「とりあえず、母乳をとめて、切開手術でとったらいい」といいだしました。痛みもないし、母乳もでていて、まだ赤ちゃんも母乳を飲ませたい時期なのに!と思い、それ以来、そこの病院には行っていません。それから約3ヶ月たった今、痛みも発熱もないまま、しこりは少し小さくなったような気もするけど、今だにあります。大きくはなってないのですが、3ヶ月もたっていて、何も変わらない場合、このしこりはやはり良性の何かなんでしょうか? もし乳癌とかだったら、3ヶ月も3〜4センチのしこりを放っておいたらどうなるのでしょうか・・・。風邪らしきものはひきましたが、胸が痛んだりする症状はありません。赤ちゃんにはミルクを足さず今も母乳をあげています。助産婦さんには、母乳がいっぱいでているといわれました。この先も、このしこりはこのままなのでしょうか・・・。それとも痛みがなくても切開手術でとったほうがいいのでしょうか? いきなり質問で申し訳ありません。とても不安なのでアドバイスいただけるとありがたいです。よろしくおねがいします。
文章から察するところ、3ヶ月たって、大きくなっていないとすると良性の疾患の可能性が高いと思いますが、しこりが残っているのが気にかかります。やはり、もう一度乳腺専門医の診察をうけて診断をはっきりさせるべきと考えます。前回は、注射針を刺して取った細胞の結果も確認していないようですが、そういう検査をしたうえで、必要があればしこり切除をすればよいのです。(文責 徳田)
【No.440】 01年03月22日 K.T.
乳がん?妻は48歳ですが、先日お風呂上りに右の乳首から血が滲み出るように出てきてびっくりしていました。近々病院に行くと言っていましたが、不安の様です。痛みはないそうです。ご多忙中の中恐縮ですが宜しくお願いいたします。
血性乳汁分泌のようです。乳管内乳頭腫(乳腺の管の中にできた良性ポリープ)(約50%)、乳癌(約20%)、乳腺症などの可能性があります。少ないですが早期の乳癌の可能性もあるので、専門医の診察を受けて下さい。(文責 徳田)
【No.439】 01年03月21日 H.T.
右胸(肋骨あたり)の違和感現在までのいきさつを説明いたします。本年1月より微熱が続いております。医者には通っていますが、その原因がつかめず現在に至ります。結核の疑いで、(熱の出方・咳・痰・二度のツベルクリン強陽性15CM大)見込み治療となっています。
4年前会社の健康診断で、右の横隔膜が以上に上に上がっている事が指摘されましたが、違和感を残しつつも放置していました。その後、違和感・ちくちくと痛みます。超音波で診断で、胆嚢腺筋症といわれました。息苦しさも有ります。どうしたら良いでしょうか?当サイトは「乳腺疾患」に関する相談室です。
メール内容から判断すると、一般的には呼吸器の感染症が考えられます。また、痛みについても呼吸器疾患に起因するものと思われますので、呼吸器内科を受診なさってください。現在、通院中とのことですので、まず主治医に相談し、しかるべく対処してもらうのがベストですが、不安のある場合は、他院でセカンドオピニオンを求めてみるのもいいかもしれません。(文責 須田)
【No.438】 01年03月19日 Y$Y
局所再発か!初めてお便りいたします。(現在53歳)
1996年2月 温存療法(右胸) 当時48歳
1.しこりの大きさ 2センチ
2.ホルモンレセプターはいずれもプラス
3.リンパ節転移 3/10
4.ガンの顔つきはチンピラ
5.治療法 放射線25回照射、 5fu(経口剤)、ノルバッテックス、ゾラテックスともに2年間服用(化学療法無し)
6.現在までの経過
3ヶ月ごとに定期検査(腫瘍マーカー検査)、6ヶ月ごとに骨シンチ、肝臓のCT、肺のレントゲン、マンモ、エコー、いずれも異常は無しでした。ところが今日エコーをとりましたら、手術をした右乳首の下に1センチ程度のしこりが見つかり、直ぐに細胞診をしました。触診では見つからないし、しこりもやわらかだそうです。結果は10日後わかるそうです。これは乳房内局所再発でしょうか?主治医は2月に行なったマーカーも異常はないので、何とも言えないとのことです。もし、悪性だとしたら、再手術をしないといけませんか?放射線は同じ個所は照射できないと聞きます。家族は77歳の母しかおりませんし、仕事もリストラの結果やっと見つけた職場ですので、長い間の休みは無理です! 直ぐに手術をしなくてはいけないものか?通院での治療は可能なのか? このまま少し様子をみていても差し支えないものか? ほおっておくと、しこりが大きくなるのか? 他の臓器に転移する可能性がでてくるのか? 結果がでるまで不安ですが、悪性の場合のことも考えておきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。細胞診の結果にもよりますが、乳房内再発の可能性はもちろんあります。これは転移再発ではなく、新しく残存乳腺にできたものですから、全身再発ではないので腫瘍マーカーが上昇することはまずありません。悪性の場合は、やはり最初の手術と同様に手術が必要です。局所切除で取り切れればそれでも十分です。様子をみるのは得策ではありません。ほおっておくとやはり転移します。(文責 徳田)
【No.437】 01年03月19日 T.I.
脇の下のしこりについて今年30歳になる、出産経験のない主婦です。先日、何となく左の脇の下のくぼみの奥深くに指を入れてみると、いくつかの筋みたいなのにぶつかって、その筋の近くに明らかに筋とは別のスイカの種くらいの大きさの硬くないしこりみたいなのに触れてしまいました。びっくりして、すぐに右脇の方もやってみたのですが、あるようなないようなで、左ほどははっきりと触れませんでした。大きさ、形とも、まさにスイカの種くらいのようなものでした。(それから怖くて触っていません。)
友人も、右脇だけはっきりとくりくり何か触れるというのですが、これはリンパ節なのでしょうか?それとも何かのしこりでしょうか? しこり自体には痛みはありません。3週間ほどまえに、女性の友人に誤って左手をかじられてしまい、まだ多少傷になっているのですが、これも関係あるのでしょうか? 乳腺は2月9日に、乳腺外科の先生に触診のみですが診察してもらっており、特に異常はないといわれております。診察して頂いていないのに、このような質問をしてしまい申し訳ないのですが、どうぞご意見をよろしくお願い致します。文面からは腋窩のリンパ節のようです。乳腺には問題がなかったとのことですので、乳癌の転移などの心配はいらないでしょう。上肢の炎症によってリンパ節がはれることはよくあるので、お話しの外傷によるものかもしれません。炎症によるものであれば次第に小さくなります。しばらく様子を見て、大きくなるようなら専門医を受診してはいかがでしょうか。(文責 徳田)
【No.436】 01年03月19日 N.I.
悪性炎症性乳癌母親が炎症性乳癌と診断されました。しかも、かなりの悪性だそうです。4週間抗がん剤をして、薬がきけば、手術ができるかもしれないといわれています。父親はいないので、娘4人で力をあわせなければ・・と思ってはいますが、全員女で、子供がいます。旦那はいません。どうしても、金銭のことが心配になってしまいます。だいたいで、どのくらいかかるものなのでしょうか?他の人たちは、金銭はどうやってやりくりしてるのでしょうか?あまりにも突然だったので、癌保険にはいっていません。それと、悪性の炎症性乳癌は、治るものなのですか? もし、死んでしまうとしたら、どのくらい生きていられるのですか? 母親は、癌で苦しむなら、車でどこかにつっこむといっています。薬や治療、癌の苦しみはどのくらいつらいものですか?炎症性乳癌は、とてもめずらしい病気だとききました。同じ病気で治った例はありますか? ぜひ教えてください。お願いします。
費用については,治療法によってかわりますのではっきり申し上げられませんが、一ヶ月の保険診療分の費用が63000円を越えた部分については、一時的には立て替えなければなりませんが、あとで戻ってきます。
現在の治療方法では、5年間で再発しない確率は30-40%程度です。つまり不治の病ではありません。(文責 徳田)
【No.435】 01年03月16日 SASA
娘(23歳)の胸のこりこり1ヶ月前くらいに胸に丸いこりこりしたものを娘が左胸の上の方に見つけ、先日触診と超音波で調べてもらいましたところ、良性の腫瘍だといわれ「半年後にまた検査しなさい、その間何か変化(大きくなったりいびつになったりしたらということらしい)が有ったらすぐ診てもらいなさい」ということで終わったのですが、娘はすごく不安で爆弾を抱えているみたいだと落ちこんでいました。体格はすごく細くて胸も薄く、自然気胸を17歳で患い内視鏡手術をした経験もあります。こんなに簡単に結論づけて半年待ってもいいものか、それとももう1箇所で診て頂く必要が有るものか迷っています。ご助言をお願いします。
お話しから察するとまず良性の線維腺腫のようです。この腫瘍であれば悪性化することはありません。ただ大きくなって切除する場合にやりにくいことがあります。
良性の腫瘍と断定してよいかどうかが問題ですが、細い針で細胞をとったり、組織をとって調べればなお安心できると思います。それでも不安が残るようでしたら、とってしまうこともできます。これは局所麻酔でしますので、入院の必要もありません。ただ、乳房に傷をつけることになります。
以上の点をふまえて主治医の先生に相談されるのがよいでしょう。(文責 徳田)
【No.434】 01年03月15日 aya
母の乳癌についてパートナーの母親のことで伺いたいのですが、現在60代前半で、5年ほど前に乳癌の手術を行い、現在は両胸とも切除されています。先日、滋養強壮剤のような薬を飲んだところ、胸の痛みを訴え、その後、起き上がる事が出来なくなり、1日横になっていたようです。その翌日会いに行った所、立ちあがって家事を行っていたのですが、その日は特別顔色が悪いようでもありませんでした(前日は唇が青みがかっていたようです)。病院に行った際にも、「具合が悪くなったのは、その滋養強壮剤だろう」と言われ、その後は特別検査等していません。原因になった薬の方も飲んでいないようです。にも関わらず、それから数日後また、胸の痛みを訴え、寝こんでしまったようなのです。最近は腰も弱くなり、一人で立ちあがるのが難しいようです(もともと家系的に足腰が弱いらしいのですが)。薬を飲むのを止めたにも関わらず、痛みが走るのは何か原因があってのことでしょうか(転移など)? また、専門医のいる病院で一度検査すべきでしょうか?
以前痛みがあると聞いた時に疼痛薬を飲むよう言ったのですが、今のところそのような薬は頂いてないようです。よろしくおねがいします。乳癌術後5年になるわけですが、定期的に通院して再発のチェックはしていなかったのでしょうか。もししていないのであれば、乳癌の場合5年間再発がなかったからといって再発がもう無いとは言い切れません。やはり手術をした病院、あるいは乳腺専門医に相談したほうがよいでしょう。(文責 徳田)
【No.433】 01年03月15日 Y
乳癌の診断方法について今フランスに住んでいる26歳です。相談室は非常に詳しく分かりやすく、また相談者の側に立った親切な回答内容で参考にさせていただいています。
実は少し前から自分が乳癌ではないかと思い出してから怖くなり、精神衛生上、非常によくなかったため、先日思い切って病院に行って参りました。フランスの病院だったため、はじめに婦人科で触診してもらい、処方を持って放射線科に後日行きました。婦人科の触診では、「絶対にたいしたことないものだが小さい何かがあることはあるので、一応日を改めて放射線科でエコグラフィーを受けましょう」と言われ、受けてきました。そこで、
@触診では、「多分小さいmastoseだろう」と言われました。これは乳腺症のことなのでしょうか? 辞書にはそこまで載っていないものですから・・・。
Aエコーでは何にもないと言われてしまいました。乳腺症があるのにエコーに写らないということはありますか。
Bエコーで異常がなかった場合、マモグラフィーまで受ける必要はありますか?マモグラフィーのほうが確実ですか?
以上、お時間のあるときで結構です。どうかよろしくお願いいたします。これからもHP読ませていただきます。1.おそらく乳腺症のことと思います。
2.触診で乳腺症を疑ったが、超音波では乳腺症を含めて異常所見がなかったということだと思います。
3.超音波の利点、マンモグラフィーの利点とありますが、乳癌年令ではないこと、若いために乳腺自体がしっかりしていてマンモグラフィーの診断がむずかしいこと、妊娠可能年令であることなどを考えると、超音波で問題なければマンモグラフィーは不要と考えます。(文責 徳田)
【No.432】 01年03月13日 Y.K.
乳房痛について69才男性です。4ヶ月ぐらい前より乳房に痛みがあります。近医に相談すると、薬の副作用の可能性があるといわれました。セルベックス、ガスター、ジルテックを内服しております。今回、ガスターをタガメットに変更していただきました。そのほかに何の疾患が考えられますか。
男性の乳房痛の原因とのことですが、乳房にしこりはあるのでしょうか。ふれてみると痛みと共に境界が不鮮明なやわらかいしこりが乳輪直下にふれるかもしれません。原因としては、硬いしこりがある場合には、まれですが男性の乳癌もあるので否定をしておく必要があります。乳房痛と柔らかなしこりのときは、女性化乳房が考えられます。これは女性ホルモン(男性にもあります)と男性ホルモンのバランスがくずれ、女性ホルモン優位になるために、反応として男性の乳房にもある乳管が増殖するためにおこります。つまり乳腺自体の疾患ではありません。あなたの場合、以下にあげる3つが原因として考えられます。
1.加齢
2.薬剤 抗うつ剤、降圧剤、抗潰瘍薬はよく起こします。ガスターからタガメットに変更していますが、タガメットも副作用として女性化乳房は有名です。
3.肝臓の疾患、睾丸や副腎の腫瘍など女性ホルモンを増加させたり、男性ホルモンを減少させたりする疾患
1,2が大部分で、あなたの場合も原因は2のようですが、それ以外の状況も考えなければならないときは、費用が多少かかりますが、血液中のいくつかのホルモンを測定すれば原因を究明できます。現在服用している薬剤をやめるかどうかは、乳房痛と薬剤服用するメリットとのバランスで判断してください。(文責 徳田)
【No.431】 01年03月12日 M
18歳ですが心配です乳首のすぐ横にこりこりしたものがあります。まだ18なので乳癌ではないと、親とかは言うのですが恐くてたまりません。心配のせいか脇の下も痛い気がします。お願いします、教えてください。
年令的に乳癌は否定的です。疾患としてはいろいろなものが考えられ、ほおっておいて問題ないものが大部分ですが、心配しているより一度専門医に診ていただいた方が安心なのではないですか。(文責 徳田)
【No.430】 01年03月12日 Y.K.
左胸のしこり現在29歳の女性です。最近、左胸に2cm弱のしこりを発見しました。母が乳癌をわずらったので、私も…と心配になりました。海外に住んでいるので言葉の心配もあり、病院には行っていないのですが、ちゃんと検査を受けた方が良いのでしょうか?特に、胸の変形、くぼみなどは無いのですが、しこり近くが痛がゆいです。
29才ということで、乳癌は比較的少ないですが、やはり一度は専門医の診察をうけるべきです。(文責 徳田)
【No.429-1】 01年03月12日 K.S.
細長いしこりについて35歳で、4才、1才7ヶ月、3ヶ月の子を持つ母親です。現在授乳中ですが、4日ほど前に右胸の乳首の5cmほど斜め上に(外側に向かって)あずき粒くらいのしこりが3〜4個横に細長くつながっているのを見つけました。皮膚のほんの下あたりで、仰向けに寝るとしこりが少し浮き上がって見えます。痛みはほんの少しあるかな〜という程度です。上の子のときに左胸で乳腺炎になったことは2度ほどありますが、今回は搾乳してもしこりが消えることはありません(発熱もありません)。癌ではないのかと、とても心配しています。出産した病院で一度見てもらいましたが、触っただけで、「表面上の物だから心配いらない。自然に小さくなっていく。」と言われました。心配だったので、もう一度別の先生に見てもらったら、(同じ病院の)総合病院の乳腺外科に見てもらうようにいわれ、紹介状を頂き来週行く予定です。しこりはこりこり硬い物と、ぼんやりしているものがあるようです。別の先生は超音波で見てくださり、「横に長いっていうのは何かな?」と、おっしゃっていました。(縦5ミリくらい、横3cmくらいです)横長の癌というのもあるのでしょうか? 来週の診察までとても不安なので、どうぞよろしくお願いします。また、授乳は今まで通り続けていてもいいのでしょうか?
文章から可能性として考えられる疾患は、モンドール病:皮下の血栓性静脈炎で、皮下の線状のしこりと痛みが特徴、自然に軽快します。まれに基礎疾患として乳癌があることがあるので、一度は専門医に受診した方がよいでしょう。授乳はさしつかえありません。
また搾乳しても消失しないようですが、乳管内に乳汁のたまった状態も考えられます。これは超音波検査や、針を刺して中身を調べてみればわかると思います。この場合も授乳は問題ありません。(文責 徳田)
【No.429-2】 01年03月14日 K.S.
細長いしこりについて(2)先日No.429でご相談させて頂いた者です。今日、県立病院の乳腺外来へいってきました。レントゲンは、授乳中のため痛いだろうからと、超音波で見ていただきました。右乳房の皮膚のすぐ下にいくつかの小さなのう胞がみられ、「悪い物ではありません」と言われました。「水のようなのもがたまっているのですが、ほっといていいです」と言われたのですが心配だったので、「前の病院で、多分針を刺して調べることになると思うと言われたのですが」というと、「じゃあ調べましょう」ということになりました。針を刺したところ、血液が出てきました。「これは静脈炎かな?」と言われたので、相談室で教えていただいた「モンドール病ですか?」と聞いたところ、「モンドール病はもう少し深いところでおきるものですが、この状態が進むとそうなるのかもしれません」と言われました。たしかに、針を刺して血液を抜いたところはしこりが無くなったのですが、一番最初に見つけたしこりは(はじめにしこりを2つ見つけて、だんだんそれが横に増えてきた)固まっていたので血液が少ししか出ず、しこりはまだあります。病院から帰って来て自分で触ってみたところ、しこりのかたちが変わっていました。質問なのですが
1.本当にほっといてもいいものでしょうか?
2.なぜこのように静脈炎がおきるのでしょうか?
3.血栓ができているということはそこだけ血の巡りが悪いと言うことでしょうか?それによる弊害は無いですか?
4.これから同じようなしこりが同じ場所に続けてできても、ほっといていいのでしょうか?
5.生活する上で気をつけたほうがいいことはありますか?(食べ物など)
6.家系的に循環器障害が多いので、家族が「血栓」と聞いて心配しているのですが、乳房の血栓もそれにつながるのでしょうか?
7.しこりのかたちが少しずつ変わっているのですが、問題無いですか?
大変長くなり申し訳ありませんが、どうぞよろしくアドバイスお願いいたします。1.針を刺して血液がひけたわけですから乳癌などのような腫瘍は否定されたわけです。また、血液がひけて拡張した静脈であるとすればなおさらほっておいて問題ありません。
2.部分的に静脈の流れが悪くなったためでしょうか・・・。原因はよくわかりませんが、放置しておいて問題ありません。
3.痛みがある場合は消炎鎮痛剤で治療しますが、それが軽度であれば治療する必要はありません。
4.しこりができた場合、同じものかどうかはわかりませんので、やはり診察を受けた方がよいでしょう。
5.特にありません。
6.静脈の病変ですので、関連無いと思います。
7.今のしこりについては診断がついているようですから、様子を見てよいと思います。(文責 徳田)
【No.428】 01年03月09日 H.M.
放射線治療について現在母が放射線治療中です。今日で16回目を終えてきた所ですが、白血球の数があまり思わしくないという事なんです。先日の検査では2,700だったようで「2,000を切ったら休憩にします」と言われています。体調も良好とは言えず、帰ってきては眠るという日をここ数日繰りかえしています。今日の診察で薬をひとつ減らされたそうで、悲しそうな顔をしていました。そこで質問なのですが、白血球の数を元通りにする一番の方法はなんなのでしょうか? 休養や睡眠なのであれば、僕ら家族がバンバン手伝って休ませてあげたいんです。でも「家事が一番のリハビリになる」と家事を頑張ってくれている母には、お医者様のような専門家からの意見で説得しなければ聞き入れてくれないと思うんです。よろしくお願いします。
白血球数は多ければよいというものではなく、必要量あればいいのです。2000以上あれば問題ありません。ふつうに生活していて全く問題ありません。また感染に対する抵抗力が下がるほど低下した場合には、白血球増多因子という薬剤がありますのでそれを使えばすぐに回復します。したがって、それ以外の方法で増やすことを考えることはありません。ふつうに生活してください。(文責 徳田)
【No.427】 01年03月08日 S.H.
マンモテックが基準値以上でした以前より乳腺症がありましたが、40歳の人間ドックで「石灰化(両方)」と診断され、左の乳汁と嚢胞の水の細胞診,マンモテック(左)の検査を受けました。乳汁は両方から分泌しています。乳汁潜血検査の結果は判断が難しいようで、悩まれていました。しこりはありません。検査の結果、悪性の細胞はなかったのですが、CEAの数値が高くて癌の可能性があると診断され 、再検査は3ヶ月後です。検査結果が出る前は 「おそらく乳腺症によるもので、まず乳癌の場合、両胸から乳汁が出ることはありません」と、先生はおっしゃいましたが、CEA数値が高い今、「まさか両胸とも癌?」と、心配が募るばかりです。癌としても非湿潤性の癌だと言われました・・・。両胸同時に出来ることもあるのでしょうか?
また10年前と2年ほど前に「注腸検査」を受けた際、直腸ポリープが2個見つかりました。「気になるなら取りますよ」と言うことでしたが、そのままにしてあります。もし大腸がんの場合、乳汁のCEA値も上がるのでしょうか? いろいろと不安な毎日です。お忙しい所、申し訳ありませんが、ご回答のほど宜しくお願いいたします。乳腺は二つある臓器ですから、同じ細胞、同じ環境にあるわけで、両方に同時に乳癌ができることも珍しいですが、あります。
進行した大腸癌の場合、血液中のCEA値が上がることはありますが、乳汁中のCEA値まで上がることはまず無いと思います。そのような報告を見たことはありません。すくなくとも大腸ポリープでは血液中のCEA値が上がることはありません。(文責 徳田)
【No.426-1】 01年03月08日 it
骨転移?以前、温存手術を受けたのですが、その患部側である右側の背中が痛くなり始めて3ヶ月位経ちます。1ヶ月ほど前からは痛みの範囲が脇腹や腰にまで広がり、強さも増してきました。先月の通院時、その旨主治医に伝えましたら、「骨シンチ」を提案されました。なんだか「念のため」というより「痛みの原因は骨にあるのだ」からと、検査を勧められているような感じがしたのですが、やはり背中の痛み=骨転移ということなのですか。統計的には、どの位の頻度で出るのでしょうか。私としては、肝臓に問題がある可能性も考えるのですが、肝臓については何も言われませんでした。通常の血液検査や胸部レントゲンでは骨転移の判別は出来ないのでしょうか。できれば検査はあまり受けたくありません。ご意見をお聞かせ下さい。
再発した患者さんの6割に骨転移がみられます。ほかの部位の癌に比べて高頻度で、乳癌の特徴です。あなたの症状から骨転移の可能性は否定できません。血液検査やレントゲンで見つかることもありますが、骨シンチの方が発見しやすいです。骨シンチを受けたくないとのことですが、検査自体はつらくない検査です。骨転移かどうか心配しているより、はっきりさせた方が精神的にもよいのではないでしょうか。また、万が一骨転移であったとしても、すぐに命にかかわる転移ではありませんし、骨転移に対してもいろいろな治療法があります。(文責 徳田)
【No.426-2】 01年03月12日 it
骨転移の治療方法について先日、骨転移についてお尋ねしたものです。早速のご回答有り難うございました。もう少し質問させて下さい。もし、転移がみられた場合、すぐに入院治療となるのでしょうか。一般的な治療方法や期間などを教えて下さい(人それぞれでしょうが)。「すぐに命にかかわる転移ではない」とのことですが、それは転移でも完治の見込みがあるということですか。それとも延命効果が期待できるといった程度のことでしょうか。検査する前から考えても仕方ないのですが、予備知識として知っておきたいのです。宜しくお願いします。
症状や治療法によって入院するかどうか変わります。痛みがひどかったり骨折の可能性が高いときは、入院してコントロールしたほうが安心でしょう。期間は治療法によります。とくに痛みのひどい部位や、骨折しやすい部位があれば放射線照射部位にもよりますが、3週間程度、毎日照射しますが、通院でも可能です。頸椎などの脊椎の破壊があって、骨折により脊髄への損傷の可能性のあるときは、手術やコルセットなどの整形外科的な対応が必要ですので、やはり入院したほうが安全でしょう。入院期間は治療法によります。骨の破壊の進行をとめるために、骨を破壊する破骨細胞の活性をおさえる薬剤ビスフォスフォネートを使うこともありますが、これは4週間に一回の点滴ですので外来で可能です。ただ、著しい骨破壊のために血液中に溶けだしたカルシウムが増えて、高カルシウム血症となっている場合は急いで入院して治療を始めないといけません。腎不全や不整脈など命にかかわります。(文責 徳田)
【No.425】 01年03月06日 Aya
しこりが大きくなってきています20歳の女性です。高校生のときに左胸の下にビー玉くらいのまるいしこりを発見しました。少し気にはしていましたが、何も痛みがなかったので放っておきました。しかしつい先日久しぶりにしこりを触ってみるとなんと2、3倍くらいの大きさになっていました。乳癌でしょうか。
年令的には乳癌は否定的ですが、良性の腫瘍でもどんどん大きくなって切除が大変になることもあるので、専門医に診ていただきましょう。(文責 徳田)
【No.424】 01年03月06日 A.S. .
再発の完治私の母は今45歳ですが、11年前に乳癌の手術をし、昨年5月に再発していることが分かりました。それから週に1度くらいのぺ―スで病院に行き、抗癌剤を投与してもらっています。母の使っているものは最近のものらしく、そして母の身体にとても合っているらしく、病院に行ったその日は少しボ―っとしていますが次の日には元気になって、食欲も健康な人よりも旺盛で、そして肌がとってもきれいになります。しっとりとしてキメが細かいような感じです。そして癌だと分かる前よりずっと元気になったし、前はガリガリだったけど少し太りました。髪の毛は最初の頃にほとんど抜けてしましましたが、またほんの少しずつですが伸びはじめています。・・・・それが薬がだんだん効かなくなってきている証拠のようで少し心配です。
病院の先生は薬はずっと使い続け、やめることはないと言っていたと母は言っていました。でも、あんなに元気になって、それにもともと母の場合は再発までに10年かかっているので癌自体も年寄りのように弱いのだと言っていました。そして検査をしてみても癌は小さくなっています。このままどんどん小さくなって、いつかは消滅するということはありえるのでしょうか?
一般的に、再発で治ることはないし、抗癌剤は決して身体に良いものではないといいます。でも母の場合は最初から(再発までの期間から)普通の場合とは違っていたし、抗癌剤も身体に悪いどころかとてもいいようなので、世間一般にいわれている乳癌再発とは、ちょっと状況が違うような気がします。一般的に言われていることを考えると、とても心配で恐くなるし、でも実際の母をみているとそんな心配は全然ないような気がします。このままどんどん元気になっていくような気がするのです。でもそういうことっていうのは、ありえないことなのでしょうか。教えて下さい。再発病巣が抗癌剤で完全に消えることはあります。それが、癌細胞が少なくなって目に見えなくなっただけなのか、癌細胞が全部死んでしまったのかはその後の経過をみてみないとわかりません。癌細胞が生き残っているとまた出てくるわけです。ですから、いつまで抗癌剤の治療を続けたらよいのか難しい問題です。副作用が軽いのであれば、すくなくとも腫瘍の陰が見えている間は続けるべきと考えます。私の患者さんのなかにも再発巣が完全に消えて5年、10年と続いている方もいらっしゃいます。治癒したといってよいのかどうかわかりませんが・・・。(文責 徳田)
【No.423】 01年03月05日 M.T.
乳癌治療の抗癌剤についてタモキシエフェン(タモキシロン)について教えていただきたく、よろしくお願い申し上げます。
64歳、女性、3人子持ち、中肉中背、癌以外に軽度の甲状腺、リュウマチ有り。平成11年6月に1.3センチの乳頭腺癌(悪性度2.5、進行度1)が見つかり、同年8月に温存治療を受けました。その後、放射線治療を25回(平成11年8月−9月)、CMF(点滴と錠剤)を6クール受けました(平成11年10/26−平成12年4/10)。それと平行してタモキシフェンを錠剤で服用しています(平成11年10月以降現在まで)。
タモキシフェンのホルモン感受性の検査結果は、ECが−、PGRが+、でした。つまり、ぴったり合うわけではないけど、片方だけ合うので、主治医に「まーやりますか?」と言われて、なんとなく始めました。最近までは、その病院では2年服用となっていたのが効果の面から見直され、5年服用に変更になり、私はあと4年も服用しなくてはなりません。この薬は軽いといっても副作用は重大となっており、白血球の減少、肝機能障害、子宮体癌などさまざまあります。今のところ、白血球や肝機能に多少の影響は出ていますが、主治医には問題ないとは言われています。でも、ぴったり感受性が合うわけでもなく、高齢でもあり、多少とはいえ白血球や肝機能に影響が出ていることを勘案すると、あと4年も服用すべきなのか、迷いが出てきてしまい不安な日々です。主治医はあまり詳しくないですし、「じゃー止めれば」というような言い方をなさるので、聞けるような環境になく、自分の判断を迫られている次第です。一般的にはどのように考えられているのでしょうか? お忙しい中、メールだけの形でご質問して本当に申し訳ございませんが、何卒よろしくお願い申し上げます。現在のコンセンサスでは、エストロゲン受容体(ER)かプロゲステロン受容体(PgR)のいずれかが陽性の場合、ホルモン療法の対象となります。術後のホルモン療法としてのタモキシフェンの内服期間は5年間です。この期間は、メリットとデメリットとのバランスを考慮して決められています。タモキシフェンは極めて安全性の高い薬剤ですが、ご指摘のような副作用もあります。しかし、それらの副作用はまれで、そのようなデメリットを考慮してもそれ以上にメリットが大きいということです。(文責 徳田)
【No.422】 01年03月05日 ともえ
胸の大きさとしこり19才の学生です。右胸と左胸の大きさが違います。以前から気にはなっていましたが、最近目でみて分かるほどはっきりしてきたのでとても心配です。なんだか大きいほうの胸はしこりのようなものがあり、押すと痛かったりします。乳癌とこのようなことは何か関係あるのでしょうか?すごく心配です。何か教えてください。お願いします。
人間の体は完全に左右対称というわけではありません。文章からは、生理的な左右差の範囲内なのかどうかわかりません。大きい方の乳房に腫瘍がある可能性もあります。年齢的に乳癌は考えにくいと思いますが、良性の腫瘍は否定できません。やはり一度は専門医に診ていただきましょう。(文責 徳田)
【No.421】 01年03月02日 Y.Y.
乳癌ですか?20歳の女性です。生理1週間前は乳房を触ると痛いという症状がありました。乳房をつかむと丸い大きいしこりみたいなのものがあります。触ると痛いのですが、触っていると痛みがなくなる事もあります。いつも生理1週間前になります。でも最近2週間前ごろから乳房の痛みがあります。生理の前なんですが2週間触って痛むのは初めてです。生理も少し遅れているようです。痛みは長く続くのですか? また、胸を掴むとある円状の大きいしこりみたいなものは心配ないのですか? 1ヶ月前に2回ほど白い甘い汁みたいなものが乳房から出たので気になります。それ以降もう出てないのですが、甘いというのはいったい何なんでしょうか? 妊娠はした事もありません。
生理前に乳房がはったり、痛むのはホルモンの変動に伴うものです。ホルモンの変動も寸分たがわず一定というわけではないので、ホルモンの状態によっては、痛みが長引くこともあります。乳房をつまむとふれるしこりは、文面からは乳腺自体のようですが、ご心配であれば一度専門医の診察を受けて下さい。
乳房はミルクを作る細胞の集まりですので、授乳してなくても多少の分泌はあります。妊娠していないのに多量にでたり、乳首の一カ所から持続的にでるときは、専門医に相談しましょう。(文責 徳田)
【No.420】 01年03月02日 A.W.
心配ですアメリカ在住の43歳の主婦です。子供は2人、15歳と12歳です。先月、検診で触診ではわからなかったのですが、マンモグラフィーで1.5cmのしこりが発見され、その後、超音波検査をして2月8日に専門の外科の先生に見ていただきました。先生は、「99%大丈夫でしょう。たぶん、ホルモンの異常でしょう。」と、言ってくれましたが、注射針で細胞を取るか、しこり全体をとるか、どちらかを選択するように言われました。私は、どちらでも良かったのですが、主人や、一緒に行って下さった通訳の女性が、「全体をとってもらったほうが、良い。」と言うので、3月6日に手術することになりました。99%ということは、1%は癌ということでしょうか? 何か手術を前にして不安になってきました。私のようにしこりができやすい人は、癌になりやすいと聞きましたが、日常生活で気をつけることはありませんか?
しこりをとって組織を確認するのが一番確実な方法です。これを選択されたのは賢明だと思います。文面から癌の可能性は低いようですが、確実に否定しておく方が安心です。
初産年令や、授乳状況などいろいろな因子について疫学的な検討がされていますが、ひとつひとつはそれほど強いものではありません。したがって、日常生活でとくに注意することはありません。しいて申し上げるとすれば、脂肪やカロリーの摂取量と乳癌の発生頻度との相関も指摘されていますので、乳癌以外の成人病のことも考えると、カロリーのとりすぎに気をつけることでしょうか。(文責 徳田)
【No.419】 01年02月28日 tomo
乳癌の術後治療について43歳既婚で子供がいません。1/20に自分でしこりを感じ検査を受けたところ2.2pほどの乳癌であるとのことで、早速2/1に温存手術をしました。しこり部分のみでリンパ節等に転移はないとのことです。今は、キズがある程度よくなってからということで、3月1日からコバルト治療を致します。現在週1日通院、カプセル状抗ガン剤NR422 200mgを食後3回服用しています。この抗ガン剤はどの程度の強さの物なのでしょうか。今のところ副作用等なにもありません。もう一つメールを送られた方々のように難しい医学的数値等での説明をあまりされませんし、私も聞いてもわからない気も致します。担当医はとても親身に治療をして下さっているので安心しております。基本的な説明は受けておりますが詳しく聞いた方が良いのでしょうか。
現在貴女が服用している抗癌剤は、ドキシフルリジン(商品名:フルツロン)という、5FU系抗癌剤に分類される薬剤です。一日量も600mg(1200mgまで増量可)なのでそれほど多い用量ではありません。主な副作用としては下痢(8.1%)、白血球減少(4.1%)、食欲不振(3.5%)となっております。これらの副作用の多くは、投与開始から比較的早い時期に出現します。特に注意を要するのは下痢と白血球減少です。水様便が続いたり高熱を認めるときは、至急主治医に相談してください。
乳癌と闘っているのはあなた自身なのです。乳癌は経過が良い癌である代わりに、長期間の治療を必要とします。長期戦を乗り切るためには、まず敵を知る必要があると思います。貴女の病状を一番良く把握しているのは主治医の先生なので、疑問や心配事があったら積極的に主治医に相談することをお勧めします。(文責 千島)
【No.418】 01年02月28日 J.J.
腕のむくみについて昨年2月左乳癌ということで、乳房温存手術後、放射線治療、化学療法を受けました。 昨年末あたりから、ちょっと重いものを持つと、ズキーンと痛みが走り、気になっていたのですが、今現在、左肘から上腕にかけて(二の腕あたりまで)2cmほどむくんでしまって、ちょっと触れただけでもズキズキ痛みがあります。手術時リンパ節を郭清しているので、むくみのことは聞いてはいましたが、実際になってみるとかなり辛いものがあります。
1.リンパ浮腫とはどうしてなるものなのでしょうか?〈肘のあたりがこんなに腫れるのでしょうか?) これから、これ以上ひどくならないために、どういうことに気をつけたら良いのでしょう?
2.手術側のわきの下から左腕内側、左乳房と左の体側(術後に廃液ドレーンの管が挿入されていたあたり)にしびれや、触ると痛みやピリピリ感という違和感があり心配です。これは、よくあることなのでしょうか? 現在39歳、子供4歳で、手術した腕をいたわりたいのはやまやまですが、使わないわけにはいかず、だから状況も全然良くならず困っています。以上、ご回答のほどよろしくお願いいたします。以前の乳癌の手術では、乳房、大胸筋、小胸筋、リンパ節を切除していたため、術後にリンパ浮腫を合併する患者さんが多かったのですが、胸筋温存手術などの縮小手術増加に伴い、術後のリンパ浮腫は減少する傾向にありました。近年、乳房温存手術に術後放射線治療を併用する症例が増加し、外来でリンパ浮腫を合併する患者さんが再増加する傾向があるようです。貴女の場合も術後放射線治療に伴ったリンパ浮腫と考えられます。
体中物質の主な輸送路には血流とリンパ流があります。どちらも毛細管が集合して太い流れとなり、最終的にリンパ流は血流と一緒になって心臓へ還流します。上肢からの太い流れは腋窩(腋の下)を通るため、乳癌手術時のリンパ節郭清でこの流れを障害することがあります。通常は側副路が存在するため、上肢にむくみを来たすことはありませんが、怪我、虫刺され、激しい運動などの負荷がかかると、上肢のリンパ流が急激に増加するためにリンパ浮腫という症状が現れてきます。自然消退する例がある一方、症状が遷延して難治性となる症例も認めます。特に放射線照射後の場合、広い範囲でリンパ管が閉塞していることが多く、ひとたび症状が出現すると難治性になることも少なくありません。症状としては患肢の倦怠感と浮腫によるツッパリ感がほとんどです。貴女のようなズキズキした痛みを訴える患者さんはあまり多くありません。診察していないので明確なことは言えませんが、刺激によって走る「ズキーンとした痛み」は、浮腫による痛みというよりは、神経による痛みが考えられます。放射線療法で腋窩組織が瘢痕化(硬くなること)する過程で、リンパ管の閉塞と共に神経にも影響を与えた可能性があります。神経性の痛みならば、後述するビタミンB12などの末梢神経障害に対する薬で効果があるかもしれません。
浮腫に対する治療としては、利尿剤、蛋白分解酵素剤、漢方薬などの薬物療法、ハドマー(器械によるマッサージ)による理学療法、リンパ管吻合などの手術療法があります。いずれの方法も確かな効果が得られるとはいえません。一般的には体に対して侵襲の少ない薬物(漢方)や理学療法から試してみることになります。治療法の選択については主治医と相談してみてください。このようにリンパ浮腫は難治性になることも少なくないので、発症予防、悪化の防止に心がけることが最も大切です。前述のように患肢の傷(虫刺されを含む)は浮腫の増悪因子の一つです。手を傷つけやすい作業では手袋をするなどの工夫が必要です。また、アカギレなども浮腫の原因になるので注意してください。患肢の酷使も同様で、作業中に「腕がだるい」と感じたときは、患肢を休息させるよう心がけてください。
「手術側のわきの下から上腕腕内側の痛みやしびれ」は、手術操作中に肋間上腕神経を切除もしくは刺激したための痛みです。また「乳房と体側(術後に廃液ドレーンの管が挿入されていたあたり)のしびれ」も、手術操作で皮下組織を切除したための症状です。程度の差はありますが、ほとんどの乳癌術後の患者さんで出現する症状です。6ヶ月から一年で症状が軽快してくることが多いのですが、長期化する症例もあるようです。前述の神経痛と同様、ビタミンB12の投与で改善する場合があるので、症状がひどいときには一度主治医に相談してみてください。(文責 千島)
【No.417-1】 01年02月27日 A.S.
先日母が手術をしたのですが・・・。26歳の会社員(女)です。相談はわたくしの母のことです。平成12年の年の暮れに、乳首から突然血液のような分泌物があり、その翌日すぐに町の病院に検査をしに行き、乳癌の可能性が高いといわれて、大学病院を紹介していただきました。CTスキャンや骨シンチなどの検査をして、2月14日に入院したあと、その翌日の15日に手術をしました。癌のシコリの大きさは約4.5センチ以上、乳頭より2センチほどの距離にあり、迅速診で悪性と判断。乳房全摘手術を行い、脇のリンパ節も全て廓清。リンパはおよそ20個くらいで、ちょっと見た感じ3個くらいコロコロしたものがあったと言われました。今まだ病理の結果が出ていないので、家族で非常に心配しています。本人も家族もリンパ節転移がないことをひたすら願っているのですが、手術後の医師の言葉の「コロコロしたものが・・・」と言う言葉が、引っ掛かってたまりません。やはりリンパ転移はしていると考えていた方が、検査の結果を聞いたときに、下手に動揺することなくいられるでしょうか・・・。リンパ節転移の数と、その再発率の関係の数字を教えて頂ければと思います。また、術後のお話の時に、先生から、「貴方達姉妹(年子の二人姉妹です。)もこれからは十分注意してください。年に一度は検査をするように。」と言われました。まだこの年齢で癌のことなど考えたこともなかったのに、母のことがあって以来、胸が痛いような気がしたり、リンパ節辺りが疼くような気がしたりしています。妹も同じことを訴えています。やはり今から検査をしたほうがいいのでしょうか。その際は突然病院にいって、「検査して下さい」といえば、検査してくれるのでしょうか。お忙しいところ不躾な質問をしてしまい申し訳ありません。よろしくお願いします。
お母様が突然乳癌の手術を受けられて、いろいろと不安が多いことと思います。
まず、病理組織学的検査(リンパ節転移)についてのご質問にお答えします。「リンパ節がコロコロしている=リンパ節転移」ではありません。結果が出るまではあまり心配しすぎないほうがよろしいと思います。家族が不安に思っていることは、本人もなんとなく感じてしまうものなので、不確かな結果におびえるよりは、早くお母様の傷が回復して退院できることを考えてあげてください。
一応、リンパ節転移と予後(生存率)の数値を記載しておきます。数値は「5年生存率/10年生存率」の形で記載します。
1.リンパ節転移が無い場合: 90%/80%
2.リンパ節転移が3個以内の場合: 80%/70%
3.リンパ節転移が4個以上の場合: 50%/30%
4.鎖骨下リンパ節まで転移があった場合: 40%/20%
このようにリンパ節転移の個数が4個以上であったり、より遠くのリンパ節まで転移している場合では、予後が著しく低くなります。しかしこの数値も、施設や報告者によっても多少異なりますし、リンパ節転移以外にも予後に関係する因子(ホルモンレセプター等)が多いので、あくまで参考であり、詳しい経過はお母様の状況を一番把握している主治医に相談してみてください。
ご自身についての質問ですが、主治医は「30歳以上での乳癌検診の必要性について」を話しただけだと思います。一般に全乳癌の5〜10%程度で家族性に発生すると考えられています。次のような条件を満たす場合には家族性乳癌の可能性があるので参考にしてください。
1.第一度近親者(親、兄弟姉妹、子供)に患者自身を含めて3人以上の乳癌患者がいる場合。
2.第一度近親者に患者自身を含めて2人以上の乳癌患者がいて、いずれかの乳癌患者が@40歳未満の若年性乳癌、A同時性・異時性両側乳癌患者、B同時性・異時性他臓器癌の合併、のいずれかを満たす場合
もし貴女が1.もしくは2.の条件を満たしているときには、一度乳腺専門医(外科)の診断を受けたほうが良いかもしれません。もし該当しない場合は今からあまり心配しすぎる必要はないと思います。我々もお母様の病理結果が良いことを祈っております。病理結果で不安なことがあるようでしたら、またこの相談室を利用してください。(文責 千島)
【No.417-2】 01年03月02日 A.S.
先日母が手術をしたのですが・・・。(2)先日は本当に詳しくお答え頂いて大変参考になりました。ありがとうございました。本日母より連絡がありまして、土曜日に退院が決まったようです。母の話によると、リンパ節への転移は認められず、今後は服薬と通院による治療になるようです。まだその薬の内容や、通院して何をするのかは、詳しく聞いておりません。病理の結果によっては、入院して抗癌剤治療を行う必要があると説明されていたので、すこしホッとしています。でも心配なのは、リンパ節転移がなくても、母の乳癌は高リスク(再発において?)乳癌で、(癌の大きさが5センチ程の進行乳癌なので)術後の積極的な補助治療によって、再発率を下げる可能性があるのではと思うところです。抗癌剤治療は、体の負担も大きいし、やらない方が良いのかもしれませんが、積極的に再発防止の治療をする選択肢もあるのでしょうか? 通常このようなケースでは、術後の補助治療は、ホルモン剤のみという形が主なのでしょうか。また、リンパ節転移がなかったにも関わらず、遠隔転移をしたりするケースがあるのは、どうしてなのでしょうか。お教え頂けると幸いです。よろしくお願い致します。
病理組織学的検査の結果、リンパ節転移は認められなかったようですね。私たちも、主治医も、家族も、そして何よりお母様ご本人が一番ほっとしていることと思います。
1998年にスイスで開かれた乳癌の国際会議では、リンパ節転移陰性症例のうち、@腫瘍径が2cm以上、Aホルモンレセプター陰性(ホルンモン治療が効きにくい症例)、B癌細胞の異型度が高い(細胞の形が不整で細胞分裂が早い)、C年齢35歳以下。これらの因子のうち一つでも満たす症例は再発ハイリスク群に分類することが確認されています。質問文からの情報では、ホルモンレセプター、細胞異型度についてはわかりませんが、少なくとも腫瘍径が5cm以上あったとのことなので、お母様は再発ハイリスク群に属することになります。このような再発ハイリスク群では、何らかの補助療法を行っている施設が多いようです。術後補助療法を選択するにあたっては、@ホルモンレセプター:陽性/陰性、A閉経:前/後の2項目が最も重要な情報となっています。
乳癌細胞の増殖は女性ホルモンと密接な関係があります。乳癌細胞の表面には女性ホルモンを受け取るレセプターが発現しており、このレセプターを多く持つ乳癌細胞はホルモン療法の効果が高く、逆にレセプターを持たない細胞はホルモン療法の効果が低いと考えられています。一般に再発ハイリスク患者に術後補助療法を行うとき、ホルモンレセプター陽性例ではホルモン剤+抗癌剤、陰性例では抗癌剤のみ投与することが原則となっています。ここでいう抗癌剤というのは、外来で経口摂取する形の比較的弱い抗癌剤で、点滴治療で使うような強い抗癌剤ではありません。一般に考えられている「髪の毛が抜ける」、「強い吐き気を感じる」ような副作用はほとんど見られません。お母様もおそらく、術後補助療法として抗癌剤±ホルモン剤の投与を受けることになると思います。ただし症例によっては、主治医の判断でホルモンレセプター陰性例に対してホルモン剤の投与を行う場合もありますし、ホルモンレセプター陽性例に対してホルモン剤投与のみ行って、抗癌剤は使用しない場合もあるので注意が必要です。貴女が心配していたような点滴による抗癌剤治療はリンパ節転移陽性例か、再発・転移を来たした症例が適応となります。
一般的に進行乳癌は「全身病」として考えられています。つまり、ある程度大きくなった乳癌は、肉眼的に全ての癌細胞を切除しても、わずかな細胞は体内に残っている可能性があると考えられています。実際、手術時にリンパ節転移が陰性の症例でも、5〜10%で再発・遠隔転移を来たすことがあります。この理由については不明な点も多いのですが、現在考えられている理由の一つを紹介しておきます。癌が増殖・増大していく時に、癌細胞は周囲にある微小血管、リンパ管に浸潤していきます。このような癌細胞は血流、リンパ流に乗って全身に飛び散っていきます。多くの症例では、飛び散った癌細胞は白血球やリンパ球によって破壊されてしまいます。癌細胞が全滅した症例に再発が起こることはなく、乳癌は治癒したことになります。しかし一部の症例では、いくつか癌細胞が白血球やリンパ球の攻撃を逃れて生き残り、骨・肝・肺などの臓器に身を潜めて「冬眠状態」に入ります。冬眠状態の癌細胞は大きさが0.2〜0.5mm程度のコロニーを作って長い年月を過ごしていきます。このコロニーが何かをきっかけに増殖を開始すると転移・再発巣を形成することになるのです。もちろん「きっかけ」が無いまま天寿をまっとうする人も少なくないのです。ただし、現時点ではこの「きっかけ」が何かはわかっていません。ストレスかもしれないし、疲れかもしれないし、風邪等による免疫力の低下かもしれないし、ホルモンのバランスかもしれない。もちろん全く未知の原因かもしれないのです。術後補助療法というのは、「残っているかもしれない冬眠細胞」に対する治療ということになります。この治療はあくまで再発予防であるので強い抗癌剤は使いません。もし冬眠状態から覚めた癌細胞が再発・転移巣を形成すれば、次の段階で点滴抗癌剤治療を施行することになります。
癌の中でも乳癌は経過が長い癌なので、長期にわたって治療を進めていく必要があります。治療を継続していくためには患者自身の努力に加え、家族や周囲の人々のサポートが重要です。病気に対して疑問や不安があるときは、主治医とよく相談して最良の治療法を選択するようにしてください。微力ながら私たちもできる限りのサポートをさせていただきます。(文責 千島)
【No.417-3】 01年03月05日 A.S.
先日母が手術をしたのですが・・・。(3)病理の結果を伺いまして、また心配な要素がありましたので、お伺いさせて頂きます。母の乳癌は最大径4.0センチでリンパ節転移陰性です。(正確な数値は、術後に言われた数値より少なくて、なんとなくホッとしました。)10年ほどかけてゆっくりと進行した癌だそうです。ホルモンレセプターは残念ながら陰性でした。長い時間をかけて進行する癌は、最初はホルモンレセプターがプラスでも、時間と共に陰性の方に傾いていくと聞きました。大きさ、ホルモンレセプター共に、再発高リスクの条件に入っているので、やはり再発のリスクは益々高いのでしょうか。内服薬は経口の抗癌剤と、一応ホルモン剤治療も行うそうです。そこでお聞きしたいのは、時間と共にホルモンレセプターが陰性に傾いた乳癌には、ホルモン剤が効くのでしょうか、ということです。
エストロゲンレセプターとプロゲステロンレセプター両方とも陰性であるとすると、現在の考え方では術後のホルモン療法の適応ではありません。ハイリスクであれば化学療法を行うのが標準的であると考えます。(文責 徳田)
【No.416】 01年02月26日 A.K.
乳癌の可能性がありますか?今年40歳になる女性です。34歳のときに出産しています。今年に入ってから、左の乳房の下あたりを触ると痛い感じがしています。以前は、生理の前になると乳房が張って、似たような痛みを感じていたことがあります。触らなければ痛みもなく、また、触ってほぐすようにすると痛みは軽減します。乳房の大きさは、左右両方ともそれほどは大きくないのですが、それでも、昔から左のほうが大きかったです。今まで、手を挙げてみた状態でしこりがないかどうか確認したりしていましたが、特に気がつきませんでした。しかし、今日たまたま乳房を上下からはさむようにして確認してみたところ、左のほうに平べったいと思われる、結構大きなしこりがあるように思いました。右にもあるような気がしますが、こちらの大きさはさほどでもないように思います。乳房からの分泌物及び、形がいびつになっているようなことはありません。年齢からして、そろそろ乳癌の心配をしたほうがいいのでしょうか? もし受診するとしたら、何科を受診すればよいのでしょうか?
貴女と同じような乳房痛を訴える女性は多いようです。乳房痛についてのコメントは相談室No.405, 397にも記載してあるので参照してください。乳癌は一般的に「痛みを伴わない石のように硬いしこり」として触知します。貴女のように乳房をはさんだ時に感じる「痛みを伴う平べったいしこり」は乳腺症によるしこりの可能性が高いと思います。しかし40歳代は乳癌患者が多い年代であることは間違いありません。現在、女性は30歳以上になったら乳癌検診を受けるように勧告されています。おそらく貴女のところへも、市役所、保健所等から乳癌検診の案内が送られてきていることと思います。そういう機会を利用して、最低一年に一回は検診を受けるように心がけてください。もし直接病院を受診する場合は外科を受診するようにしてください。(文責 千島)
【No.415】 01年02月26日 M.K.
痛みが・・・。2週間くらい前から乳首の少し奥を押すと、痛くて、しこりと言えなくも無い5ミリから1センチ位のものもあるんです。病院に行ってみるべきなのでしょうか? 18歳、男です。
男性の場合でも乳腺組織は存在します。思春期男子は成長期にホルモン等の影響を受けて、痛みや腫脹(はれぼったい感じ)を伴うことが少なくありません。通常は左右対称的に症状が出現しますが、片側だけで症状が目立つ場合もあります。このような生理的(正常範囲の)現象以外では、精巣腫瘍、肝疾患、薬物服用によっても乳房腫瘤(しこり)や乳房痛が出現することもあるので注意が必要です。
貴方の場合は年齢的に考えて、ホルモンバランスによる乳房痛が一番考えられますが、左右の乳房で乳首の痛みやしこりの大きさに明らかな差があったり、睾丸に腫脹や痛みを伴うようであれば、一度専門医(乳房は外科、睾丸は泌尿器科)に診察してもらうことをお勧めします。(文責 千島)
【No.414】 01年02月26日 MAKO
乳腺部分切除後の分泌物について36歳、子供二人。左乳首二ヶ所よりチョコレート色の分泌物がありました。細胞診T、微細石灰化、腫瘍マーカーガン疑い、入管造影は一ヶ所の方には増殖性のものが見られました。良性か悪性かはっきりしないので、今年の1月19日に左上外側の乳腺部分切除をしました。結果は良性との事で、半年後に検診に行くようになっています。切除後一ヶ月経ちましたので、分泌物が出ないか絞ってみますと、以前と違う場所から、真っ赤な分泌物がありました。傷もピンクの線が5センチ位のみでとてもきれいです。でも、まだ皮膚の下は、そのような状態なのでしょうか? 半年後に検診に行きますが、もうすこし様子をみて切除後2ヶ月後になって真っ赤な分泌物があれば、半年後の検診を待たずに病院に行った方が良いでしょうか。ちなみに気にしていつも触っている事はありません。宜しくお願いします。
乳腺は一側で15〜20の腺葉が存在します。乳管は腺葉ごとに独立して乳頭に開口しているため、乳頭にも15〜20の乳管開口部があります。もう少しわかりやすく説明すると、「腺葉=ぶどうの房」と考えると、「乳管=ぶどうの蔕(へた;軸の部分)」ということになります。乳腺は「ぶどうの房が蔕を乳頭方向へ向けて15〜20個集まった状態」と想像してください。血性乳頭分泌物の診断と治療法については相談室No.408で回答しているので参照してください。
今回貴女が受けた手術も、相談室No.408の中に記載してある乳管腺葉区分切除(マイクロドヘクトミー)といわれるもので、15〜20存在する腺葉のうち外側上方の1〜3腺葉を切除したものと考えられます。乳腺症(異型乳管過形成を含む)や非浸潤性乳癌など(相談室No.402参照)は、いくつかの腺葉にまたがって広範に存在する場合も少なくありません。つまり今回切除しなかった腺葉に病変がある場合、以前とは別の乳管から血性分泌物を認めても不思議ではありません。貴女の場合、術前の検査で分泌物中の腫瘍マーカー値が高かったのも多少気になるところです。今回の切除標本中には悪性病変を認めなかったようですが、現在も血性分泌が続くのであれば、残った腺葉での病変の有無を検査する必要があると思います。早めに病院を受診して、追加検査の必要性を主治医と相談してください。(文責 千島)
【No.413】 01年02月23日 T.K.
鎖骨下のリンパへの転移妹のことなのですが、99年秋に左胸に乳癌が見つかり、手術後6ヶ月間抗がん剤の治療を受けました。そのときは脇下リンパに2つ転移があったのですが、昨年秋に今度は鎖骨下のリンパへの転移が確認されました。12月より35日間放射線治療を受けましたがあまり小さくはならなかったようで、今は残照効果を待っている状態です。妹の説明では、抗がん剤治療を受けても、手術で転移部分を切除しても、今後再発しない可能性は数パーセントほどなので、どうすることもできない、とのことでした。全身への抗がん剤治療に対しては、前回の時の辛さや、効かなかったのでは、という不信感で、消極的です。今後、どういった治療をすべきなのか、また全ての治療を拒否した場合、癌がどう進行していき、その過程での生活方法をどうしたらいいのか、教えてください。
病状についての詳しい説明ができずにお聞きして申し訳ありません。先生からの質問がありましたらお知らせください。よろしくおねがいします。詳しい情報がないので、質問文からの推察でコメントさせていただきます。初回手術時の乳癌の大きさにもよりますが、最低2個のリンパ節転移を伴っていたようなので、手術当初の乳癌進行度は病期U〜Vであったと考えられます。治療開始時の妹さんの年齢にもよりますが、術後の抗癌剤、リンパ節再発後の放射線療法、共に通常よりやや長めに施行されているように思います。これらのことからも、妹さんの乳癌は進行が早く、治療抵抗性であることがうかがわれます。確かに再発乳癌の予後(病気の経過)は5年生存率で20〜40%程度となっています。しかし、治療が奏効すれば10年以上生存できる症例も少なくありません。一般に鎖骨部リンパ節の再発だけならば、肝、肺、骨の遠隔転移を伴う再発よりも、再切除を含めた治療法のオプションが多く、長期生存の可能性も高くなります。
乳癌は抗癌剤、ホルモン剤治療が非常に有効な癌で、治療薬の種類も数多くあります。再発部位や症状を正確に把握すれば、ある種の抗癌剤、ホルモン剤に全く反応しない場合でも、別の種類の薬剤が著効を示す場合も少なくありません。一つの治療が無効だからといって決してあきらめる必要はないのです。
乳癌に限った話ではないのですが、私は癌を治療していく上で一番大切なことは、患者自身が「病気と闘うぞ!」という気力を持っていることだと思っています。家族を含め、周りの人達の温かいサポートは、患者さん本人が病気に対する前向きな姿勢を持ち続けるには、必要不可欠なものだと思います。患者自身が絶望したり、主治医への信頼をなくしてしまっては、「癌との闘い」は成立しません。妹さんの病気の経過を一番良く把握しているのは主治医です。治療法に関する不安や疑問があるようでしたら、一度主治医に直接相談してみることをお勧めします。お互いの意見を交換することで、妹さんに対する最良の治療法を選択してください。(文責 千島)
【No.412】 01年02月23日 natumi
何科を受診すればいいのでしょうか?31歳の主婦です。子供はいません。最近左の乳首の下部(まわり)にかゆみが出て、もう1ヶ月近くになると思います。ついつい、お風呂などでこすってしまって、一日がたつと、かさぶたになって、又かゆくなるという症状なのです。下着のせいか、それとも、洗剤を変えてみたりしたのですが・・・。何か病気の現象なのでしょうか? 今後子供を望んでるので、非常に気になります。病院に行くには何科に行けばよいのでしょうか?
乳頭付近に痒みを感じる場合、以下のような原因が考えられます。
1.乳頭分泌物に関係するもの
2.乳頭周囲の湿疹に関係するもの
1.に関しては外科疾患となります。検査、治療は外科医が行うので、病院を受診する際は外科を指定してください。また、相談室No.410に乳頭分泌物に関しての詳細を記載してありますのでご参照ください。
2.に関しては皮膚科疾患となります。ただ頻度は低いですが、乳頭自体に発生した癌でも乳頭部がただれたり、湿疹様の変化が起こって痒みを伴うこともあります。このような乳頭部の癌をパジェット(Paget)病といい、通常の乳癌とは区別して取り扱います。非常に難治性の乳頭部湿疹の中に、この病気が含まれることがあるので注意が必要です。この病気に関しては皮膚科医が診断して、外科医が治療することが多いようです。
貴女の場合、乳頭付近に分泌物やしこりを認めるならば外科を、湿疹、ただれを認めるならば皮膚科を受診すると良いでしょう。特にはっきりとした症状を認めない場合は、総合的に乳房を診察する必要があるので、外科を受診することをお勧めします。(文責 千島)
【No.411】 01年02月22日 M.Y.
しこりの切除をすすめられています41歳主婦、10歳と8歳の2人の子供がいます。1月末に左胸外側上部にしこりを見つけ、友人に聞いて近所の病院で診察していただきました。触診とエコーの検査で、しこりは2つ、いずれも2cm前後で、エコーで見た形があまり良くないとのお話で2つとも細胞診をうけました。結果はクラスIIで、保健科学研究所第3ラボのCTコメントは「2つとも結合性のの弱い平面的な配列をする乳管上皮が比較的多く採取されています。筋上皮との二相性は保たれており、核に異型もみられません。念のためfollow upをお願いします。」とのことでした。主治医は県立がんセンターにいらした食道癌のご専門家とのことで、乳癌の手術はたくさん手がけてこられたそうです。その先生に「切ってしまったほうが安心でしょう。」とすすめられています。「外来ですぐに終わるから」とも言われました。どんなことになるのか不安なので、詳しい内容をお聴きしようとしたのですが、「まあ、1ヶ月様子を見ましょう」ということになり、それ以上はお伺いできませんでした。本当はもっとしっかりと質問しなければならなかったのだと思いますが、「切ってしまう」というのは、いわゆる「生検」のことなのでしょうか? そしてしこりのみくりぬくことになるのか、それとももっと大きく切るのでしょうか? また病理検査は細胞診と同様に外部の検査会社に委託されるのでしょうか? その際、経験の差による不安はないのでしょうか? もし、結果的に乳癌と診断された場合には、もう1度手術することになるのでしょうか? その時にしこりが切除されていくことでマイナスになることはないのでしょうか? いろいろと心配になってしまい、別の乳腺外科など専門の部署のある大きな病院でセカンドオピニオンを伺おうかとも考えております。この相談室ではお忙しいご専門の先生方が皆の不安に丁寧に回答されていることを知り、いてもたってもいられずにこのような個人的な不安のメールを書いてしまいました。必要な情報が十分にお伝えできていないかもしれませんが、客観的なお立場からのアドバイスをいただけると幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。
超音波所見に関しては画像所見が無いのでコメントできませんが、質問文から判断すると、細胞診についてはClassU(乳腺症や線維腺腫)の所見でよろしいと思います(細胞診についての詳細は相談室No.407参照)。細胞診でClassUの場合、腫瘤に「微小石灰化を認める」、「形が不整」、「腫瘤径が2cm以上」などを認めると摘出術も考慮することになります。貴女の場合は超音波所見での腫瘤像が不整であるため、主治医の先生は生検することを勧められているようですね。おそらく手術は核出術(腫瘤だけをくり抜く)のみで、局所麻酔で行い、周囲の正常乳腺は切除しないと思います。一般に切除された腫瘍を診断するのは病理学の専門医で、通常は細胞診と同じ検査過程で診断されると思われます。大きな病院では常勤(その病院専属)の病理医がいますが、中規模以下の病院では外部検査会社への委託検査となっています。癌に限りなく近い病変(異型乳管過形成)と非浸潤性乳管癌(比較的早期の乳癌)の区別は、病理医によって診断が分かれることもありますが(相談室No.402参照)、細胞診でClassUの病変とClassW,Xの病変を誤診することは無いので安心してください。もし組織診の結果が乳癌であるときは追加切除を行うこととなります。術式については病理組織の結果、腫瘤の大きさなどで選択肢が異なるので、主治医の先生と相談しながら決めていくことになります。乳癌は消化器癌などに比べて治療法のオプションも多く、治療法の選択には患者自身の意見が重要な割合を占めてきます。主治医の説明だけでは充分に理解できない時も、二人以上の専門医の説明を受けることで、自分の考えに整理がつき、改めて主治医の説明が納得できることもあります。貴女ようなケースは決して少なくないので、仮にセカンドオピニオンについて主治医の先生に相談しても、主治医が気分を損ねるようなことはないと思います。紹介状と検査データ-をまとめて準備してくださることと思います。(文責 千島)
【No.410】 01年02月21日 mami
乳頭が痒いです23歳独身です。半年ほど前から、乳頭から黄色い分泌物・血のようなものが下着につくようになりました。おまけに痒みや、しばしば痛みもあります。あまりにも続いているので、何処で診てもらっていいか解らず皮膚科に行き薬をもらい塗布していました。しかし、数日は大丈夫なのですが、また同じように痒みや分泌物が出てきています。しこりなどは感じないのでよく分からないのですが・・・。体に湿疹も出ているので心配です。病院は何科で診て頂けばいいのかも解らないので、教えてください。宜しくお願い致します。
乳頭分泌物は、乳腺疾患の一症状となるので、通常は外科で対応しています。ただし乳腺専門の先生が不在の病院は婦人科で、痒み、湿疹を伴う場合は皮膚科で対応する場合もあります。
乳頭分泌物は正常でも多くの女性で認められます。ただし放置しておいて良い場合と、検査、治療が必要な場合があるので注意が必要です。液の正常は肉眼的に1.血性(褐色〜暗赤色不透明)、2.漿液性(黄色透明)、3.水様(無色透明)、4.乳汁様(白色不透明)、5.その他(膿汁様)に分類されます。
2〜4については、正常女性でも分泌されることが多く、特に量が多い(下着が汚れて困る)ような事が無ければ、しばらく経過を観察していても良い分泌物です。重要なのは分泌物に血液を混じているか否かで、分泌物に血液反応が無ければまず乳癌の心配はないと言われています。血性乳頭分泌物についての解説は相談室No.408 の質問で回答しているので参照してください。
貴女の場合は、「黄色い分泌物・血のようなものが下着につく」とのことですが、「血のようなもの」というところが少々気になります。黄色の分泌物も乾燥すると、「血のかさぶた」のように見えることもあるので、「血のようなもの=血性乳頭分泌物」というわけではありません。また、乳頭分泌物が乾燥して周囲の皮膚が炎症を起こすと、しばしば乳頭周囲に痒みを伴うことがあります。貴女の場合は年齢的に考えても乳癌の可能性は低いと思いますが、分泌物が続くようならば、一度乳腺専門の先生に診察していただくことをお勧めします。
無月経を伴うような特別なホルモン異常症がなければ、体に出ている湿疹と乳頭分泌物については関係がないと思われます。湿疹に関しては皮膚科の先生に相談してみてください。(文責 千島)
【No.409】 01年02月19日 K.S.
食生活について乳がんなのですが、乳製品をとってはいけないと聞きました。本当なのでしょうか。今まで牛乳とかヨーグルト等をとっていたのですが、大丈夫なのでしょうか。とても心配です。教えてください。また、他に食生活で注意することがあれば、教えてください。よろしくお願いいたします。
基本的に、乳癌患者の方が食べてはいけない食料品はありません。乳癌の進行と食料品の関係についての研究は、現在のところほとんど見当たりません。強いて言うなら、ホルモン成分を多く含むような食品(健康食品、医薬部外品を含む)は、乳癌の増殖に影響を与える可能性があります。このことについては相談室Q&A No.396の中で、「大豆と乳癌の関係」として記載してありますので、ご参照ください。
食料品と乳癌の関係で比較的よく行われているのは、「食品が乳癌の発生危険因子になるかどうか」という研究です。さて、ご質問の乳製品に関してですが、乳製品は基本的に乳癌発生とは関係しません。ただ、似たようなニュアンスである高脂肪食は、乳癌の発生に関与していると言われているのは確かです。その根拠となった研究結果を下に示します。
「高脂肪食を取っている人は脂肪を控えた食事をしている人に比べ、乳癌の発生リスクが1.04〜1.21倍(平均1.12倍)に上昇する」
この数字がどのくらいの意味があるかを考えてみましょう。例えば現在の日本では、乳癌の罹患率は10万人に20〜30人といわれています。これが高脂肪食の摂取によって22〜34人に上昇するということなのです。つまりこの文章をやさしく言い換えると、「高脂肪食の摂取 = 人口10万人で2〜4人乳癌患者を上昇させる」という意味になります。このように弱い関連性しかないリスクファクターは、10万人単位の人口集団で考えれば重要な意味を持つかもしれませんが、我々一個人にとってはほとんど影響を与えないものなのです。このわずかな危険のために脂肪摂取を控えるかどうかは、個人個人の考え方によって異なってくるのではないでしょうか。以上のことに関しても、あくまで「高脂肪食」であって、「乳製品」ではないのです。結局、今回の質問内容は連想ゲームのようなもので、「高脂肪→乳製品、乳癌発生リスク→乳癌増悪リスク」と形を変えて、貴女の耳に届いたのかもしれません。いずれにしても、乳癌に罹患してからあなたが摂取した牛乳やヨーグルトは、決して貴女の乳癌を進行させてはいないので安心してください。(文責 千島)
【No.408】 01年02月18日 kyoko
乳頭からの分泌物について昨年の春頃にも乳頭からの分泌物についての質問をさせて頂いた者です。前回は、乳首から茶色っぽい分泌物が出ていたので何科を受診したら良いか教えていただきました。その後、外科を受診し、触診、乳腺エコー、マンモグラフィー、乳管造影、分泌物の成分検査等をし、異常なしという結果が出ました。いつの間にか分泌物も出なくなり、ひと安心していたのですが、今年に入って、前回よりももっと茶色い、見るからに血って感じの分泌物が出たので驚いて前回と同じ外科で受診し、前回と同じ様な検査をしてきました。検査の結果は、今回も異常なしで、半年程経っても症状に変わりがなかったらまた検査をしに来るようにという事でした。検査結果は異常なしという事なのに、乳首付近を摘んだり押さえたりすると今でも血とみられる分泌物が出ます。こういう事ってあるのでしょうか? 私が気にして乳首付近を触っていると、主人は「そうやって触るから余計に出るんや」って言うのですが、触りすぎない方がいいのでしょうか?
うちには小さい子供がいるので、何かあった時の事を思うと不安でいっぱいです。こうしてメールを通して相談にのって頂けると、早く対処出来るので大助かりです。お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。乳頭から血性分泌物を認める場合、乳腺炎、乳腺症、乳管内乳頭腫、乳癌などの疾患が考えられます。年齢などによっても異なりますが、そのうち約20〜40%の症例で乳癌が認められます。従って血性分泌物を認める場合、主治医は常に乳癌を念頭に置きながら検査を進めていくことになります。検査手順としては触診、乳房撮影、超音波エコーで乳房腫瘤、石灰化像のスクリーニングを行います。これに加え、分泌物特有の検査として細胞診やCEA量(癌細胞が分泌する物質)の測定を行います。そのほか一部の施設では、診断の補助として乳管造影、乳管内視鏡、MRI撮影等を施行する場合もあります。原則的にこれらの検査は癌の確定診断がつくか、乳頭分泌が消失するまで繰り返されます。主治医が一番注意しなくてはいけないことに「偽陰性」という状況があります。これは癌が実際は存在しているにもかかわらず、検査に引っかかってこないことを意味します。医療の世界は法律の世界と違い、「疑わしきものは罰する」ことを原則とします。このため、画像診断上は癌の存在が疑われ、細胞診等で癌の確定診断がつかないような症例では、乳房の一部を切除して治療的診断を行うこともあります。この手術は乳管腺葉区分切除(マイクロドヘクトミー)といわれ、乳頭、皮膚は温存しながら乳腺の1/7〜1/5を切除します。もちろん血性分泌物を認める症例の全てが乳癌患者ではありません。画像情報が無いので確定的なことはいえませんが、貴女の場合は2回連続で検査結果に異常を認めなかったようなので、今すぐ手術治療をする必要は無いと思います。それから、あまり乳頭を触りすぎると炎症を誘発することもあるので注意してください。もし不安が解消されないならば、今後の治療法を含め、一度主治医に相談してみることをお勧めします。(文責 千島)
【No.407-1】 01年02月16日 シナモン
良性でも摘出する必要はありますか?40歳主婦です。子供は15、13、11歳の3人です。身内に乳がんはいません。乳腺症といつも判断されるのですが、今回左胸乳頭から少しからだの中心よりに1.5センチほどのしこりが2個見つかり、17日に小さい針と大きい針をさして組織を採取検査する予定です。X線でもほとんどそれと分かる影はみられませんでしたが、超音波で見ると卵形ではなく、少し形がいびつでした。したがって今度の針を刺して組織の検査をしても、良性であっても、主治医の先生としては両方のしこり(周りを少し脂肪が覆っているのでその脂肪ごと)を切除して、半分を凍結、半分を検査に出したいと仰っています。もちろん悪性であれば再びメスを入れ、腫瘍のあった場所2センチずつ、えぐりなおしたいとのことです。個人的には少しの傷は仕方がないとは思っていますが、このまま良性であっても、とんとん拍子にしこりをとっていいものか悩んでいます。ここのHPはとてもよくできていて参考になりましたが、上記のことについてまだすこし迷っています。よろしければ助言をお願いいたします。
貴女が記載してくださった超音波所見から考えると、細胞診(針で細胞を採取する)検査へ進むのが通常の検査ステップだと思います。しかし貴女の場合は乳房撮影では所見を認めないようなので、左乳房のしこりが乳癌なのか否かは、すべて細胞診の結果次第ということになります。 細胞診の結果は以下の5段階に分かれています。
T:正常細胞のみを含む
U:炎症等の細胞変形を認めるが、正常範囲の細胞を含む(良性腫瘍が含まれる場合もある)
V:明らかに正常細胞とは異なる細胞を含む(良性・悪性いずれの可能性もある)
W:癌細胞に似た細胞を含む(70〜90%が癌)
X:明らかに癌細胞を含む
T、Uは経過観察(しこりが20mmを超えてきたときは摘出も考える)。もちろん頻回の再検は必要。Vは外来で局所麻酔による摘出。結果次第で手術か経過観察かを決定。Wは外来もしくは入院して局所(病院によっては全身)麻酔下に腫瘤を摘出。その場で顕微鏡検査を行って癌細胞を認めれば乳癌の手術。良性腫瘍ならば経過観察。Xは入院して乳癌の手術、という経過をたどります。
医学の世界は法律の世界とはまったく逆で、「疑わしきは罰する」という基本理念があります。治療を延ばし延ばしにして癌を進行させてしまうよりも、仮に良性であってもいいから怪しい病気の芽は摘み取ってしまったほうが安心できます。人間である以上、一度メスを入れれば必ず傷は残ります。しかし、形成外科的手技や薬剤を用いてその傷を可能な限り目立たなくすることは可能です。もし、細胞診の結果で主治医の先生が摘出術を勧めるのならば、疑わしきは罰しておいたほうが得策だと思います。主治医の先生と治療方針を相談していくうえで、上記のコメントを参照していただければ幸いです。(文責 千島)
【No.407-2】 01年03月08日 シナモン
微熱や眩暈があります先日、検査の結果が出ました。私用に取り紛れお知らせするのが遅くなり申し訳ありませんでした。細胞診の結果です。
上下二つあるしこりのうち、上にある示指大のほうは線維腺腫と診断されましたが、それからすこし下がった下の小指大(0.8X0.6X高さ0.5)のものはClassXであると診断され、残念ながら3月の21日入院いたします。(早期発見であり、ラッキーだといわれましたが、胸を切る事には変わりありませんが・・・)
手術としては上も取り除き、下は周り2センチを含めて取りのぞく事になりました。リンパについては手術の際、様子を見てピックアップするように仰っていたと思います。今がそれなりに健康であることを考えれば、術後に関して気が重いです。これからもご指導よろしくお願いいたします。
ところでこの半月ほど微熱が続いているのも乳癌のせいでしょうか?? それからなんとなく眩暈のようなふわふわとした感じは、微熱のせいでしょうか? 吐き気などはありません。メニエールかなとも思いましたが他に症状もなく、今これ以上受診する気も起きず、もし先生に心当たりがあれば教えていただきたいと思うのですが。細胞診は残念な結果になってしまったようですね。でも主治医の先生がおっしゃるように、腫瘍の大きさも0.8X0.6X0.5cmと小さかったようなので、根治治療が充分可能と思われますし、不幸中の幸いだったのかもしれませんね。
最近微熱に眩暈が伴うとのことですが、通常0.8X0.6X0.5程度の乳癌が原因で腫瘍熱(37〜38℃の発熱)が生じるとは考えられません。メニエール病は通常難聴を伴うことも多く、眩暈の程度も「世の中が回転するような激烈な眩暈(回転性眩暈)」なので、今回の症状とは一致しません。目の前が白くなる眩暈(立ち眩み)は内科、世の中が回転するような眩暈は耳鼻科の先生がご専門です。しばらく様子を見て症状が続くようならば、手術前に主治医の先生に相談してみてください。
3月21日から始まる乳癌の治療が順調に進むことを祈っております。(文責 千島)
【No.406】 01年02月16日 K.M.
鎖骨の上の腫脹について母58歳は3年前左胸の乳ガンで手術しました。筋肉は取りませんでしたが、乳房は全て切除しました。その時の腫瘍の大きさは5センチ程度でしたが、一緒に取ったリンパ節14個には転移は無いと言うことでした。その後ホルモン剤?を2年飲みましたが、現在は何も治療はしておらず、定期検診を受けているだけです。1年に1度血液検査や骨シンチ等を調べていたようですが、その検査も丁度一年前で、今度の3月にまた検査する予定でした。先日左手に力が入らなくなり再発かと心配し担当医の触診を受けましたが、何ともないとのことでした。その時は特に詳しい検査は無かったようです。その後すぐ、左鎖骨の上に自分で小豆大のしこりを見つけ、また診察を受けましたが、再発の兆候があるということで来週、頚部腫脹の切除手術を外来で受けることになりました。
@これは再発なのでしょうか? 乳ガンの手術の時には腋下のリンパ節しか取りませんでしたが、Aもし癌でもその時の残りで再発ではないということもあるのでしょうか? 再発の場合、掲示板を見ると5年生存率は20〜30%ということですが、Bリンパ節への転移=再発なのでしょうか? はじめからリンパ節へ転移があってもそれは再発とは違うように思えるのですが、よくわかりません。Cまた、どこの部位への再発でも5年生存率というのは変わらないのでしょうか。お忙しいところ申し訳ありませんが大変不安です。よろしくお願いいたします。現在一般的に受け入れられている再発乳癌の定義は、「初期治療時には存在しなかった病変で、初期治療後に局所または遠隔臓器に出現した乳癌」となっています。もう少し簡単に言い換えると、初回手術時に明らかに癌が残っていなければ、治療経過中に出現してきた乳癌細胞は、全て再発乳癌ということになります。ここでの局所というのは、手術で切除した後の皮膚や腋窩リンパ節で、遠隔臓器というのは肝、肺、骨などの乳房とは関係の無い臓器のことを指します。鎖骨上リンパ節に関しては、通常の手術術式では切除しないリンパ節なので、これも遠隔転移として扱うことになっています。貴女のお母様の場合、左鎖骨上部の腫瘤が3年前の乳癌細胞と同じ細胞形態を示していれば、再発乳癌ということになります。
再発乳癌の5年生存率は報告者によってもかなりの幅があるようです。20〜40%位とはいえ、10年以上生存できる症例もいるわけで、一概に「予後(病気の経過)不良」とは言い切れません。一般に鎖骨上部リンパ節の再発だけならば、肝、肺、骨の遠隔転移を伴う再発よりも、治療法のオプション(再切除、放射線照射など)が多くなり、長期生存の可能性も高くなります。もしお母様のリンパ節が乳癌の転移ならば、主治医の先生とよく相談をして治療法を選択してください。
左鎖骨上部リンパ節(Virchowリンパ節という)は、人間の体を流れるリンパの大合流点として知られています。癌以外の病気(炎症、ウイルス感染)で腫大することもしばしば認められます。もちろん癌の転移でも腫大するのですが、その場合は乳癌だけではなく、消化器一般(食道、胃、大腸、膵臓)、甲状腺、咽頭をはじめ頚部の各臓器など、あらゆる臓器について癌の有無を調べる必要があるのです。貴女のお母様はこれから頚部腫瘤の検査を受けるようですね。確かに初回手術時の乳癌腫瘤が5cm以上と大きかったようなので、乳癌転移の可能性も否定できません。術後の病理学(細胞学)的検索で、リンパ節腫大の原因が炎症なのか、乳癌なのか、それとも未知の臓器の癌なのかが、ある程度推測できることと思います。その検査結果が出るまではあまり心配しすぎないほうが良いと思います。我々も良い検査結果が出ることを祈っております。(文責 千島)
【No.405】 01年02月15日 Y.U.
乳房痛27歳の独身女性です(妊娠・出産歴は無いです)。1ヶ月くらい前から、右胸の乳首から脇の下にかけて鈍い痛みがあります。生理前〜生理中はやや痛みが強かった気がします。もしや乳ガンかと心配になり、自分で触ってみたのですが、何か小さいコリコリした物があるような気はするけど、果たしてそれがしこりなのかは定かでないし、もともと乳房自体が大きい方なので、結局良く分かりませんでした。ただ、はっきりとしこりと判断できる物が無いのは確かです。また、乳房が引きつったり、形や色が変わったり、分泌物が出るようなことも有りません。この痛みが乳ガンである可能性は有りますか? また他にどんな症状の可能性があるのでしょうか。
貴女と同じような乳房痛を訴える女性は多いようです。乳房痛についてのコメントは相談室No.397にも記載してあるので参照してください。乳癌は一般的に「痛みを伴わない石のように硬いしこり」として触知します。貴女の場合は乳房が比較的大きいようなので、「布団の下の石を触った感覚」に近いかもしれません。乳癌の自覚症状として多いのは、1.乳房内腫瘤の触知(88.1%)、2.生理と無関係な鈍痛(4.7%)、3.乳頭分泌物(3.6%)、4.乳頭びらん(0.6%)、5.乳頭陥凹(0.3%)となっています。比較的小さい乳癌はほとんどの場合、自覚症状は1.の腫瘤触知となっています。大きくなった乳癌は鈍痛、陥凹等の症状で気が付かれるようです。
乳房のしこり=癌ではありません。若い女性の場合は線維腺腫等の良性腫瘤の可能性も否定できません。いずれにしても、一人で思い悩むのではなく、一度専門医の診察を受けることをお勧めします。(文責 千島)
【No.404】 01年02月15日 A.K.
胸のしこりについて女性(27才 独身)、胸にしこりがあって気になります。4〜5cmくらいの平べったいしこりが両方の胸に一つずつあります。生理前など触ると痛かったりするのですが、普段は痛みもなく、特別大きくなったりしなかったので(小さくもなりませんが)、そのままになっていましたが、中学生の時ぐらいからずっとあるので、最近はあまり気にしていませんでした。しかし、一週間くらいまえに左の胸の乳頭の2cmくらい下に1〜1.5cmくらいの球状のしこりがあるのを発見してとても心配です。触った感じが今までのひら型のよりちょっと堅い気がします。触っても痛くはないです。癌だったりするのでしょうか?家族や親族のなかで癌になった人は聞いた事がないのですが・・・。可能性はないとはいえないのでしょうか?
「4〜5cmくらいの平べったいしこり」に関しては、経過も長く、左右対称的に出現しているので、まず心配する必要は無いと思います。最近、左の乳頭下にしこりが出現してきたようですが、質問内容からの情報だけでは、乳がんか否かについての判定は難しいと思います。貴女の場合、乳頭からの分泌物等は認めませんか?もし乳頭から血性(赤〜赤茶)の分泌物が出てくるようならば、乳管内乳頭腫(良性病変)や乳癌(悪性病変)が隠されている可能性もあります。自己検診するときにはしこりだけではなく、乳頭からの分泌物等についても気にかけてみてください。 ただし、しこり=乳癌という図式は成り立ちません。貴女の場合は乳癌の家族歴もないようですし、年齢的に考えても乳癌の可能性は少ないと思います。いずれにしても、しこりが新たに出現してきたなら、一度専門の先生の診察を受けてみることをお勧めします。(文責 千島)
【No.403-1】 01年02月15日 M.O.
抗がん剤の副作用2年前に乳癌で切除、昨年骨転移してしまい、現在抗がん剤1か月目、髪が抜けてもうほとんどありません。前回も全部抜けて5センチ程伸びていたのが今抜けています。2度も短期間で抜けて、次にまた伸びてくるのかとても不安です。これからも行く度に抜けても、きちんと伸びるでしょうか?
一般に抗癌剤と言うのは、体の中で増殖している細胞を破壊する作用があります。例えば癌細胞を含め、毛根細胞、腸管の上皮、血液細胞などが抗癌剤の影響を受けることになります。つまり毛根細胞が障害を受ければ脱毛、腸管上皮ならば下痢、血液細胞なら感染症が副作用として発現してきます。この中で医療者側から見て一番恐ろしい副作用は「白血球減少」で、時に致命的になることもあります。一方、患者さん側から見て一番気になるのは「脱毛」だと聞いています。白血球減少、下痢などの生命にかかわる副作用に対する薬は開発されているのですが、逆に命にかかわらないがため、脱毛に対する治療薬の開発は遅れているようです(一部の研究機関で開発中とのうわさも耳にしますが・・・)。通常、抗癌剤の治療を中止、もしくは終了すると、再び髪の毛は生えてくるので安心してください。抗癌剤治療中の患者さんの多くは、外出時などに「かつら」、「帽子」等を活用することで、この悩みに対応なされているようです。いずれにしても、まずは病気の治療を優先させる必要があるので、副作用等についても主治医の先生とよく相談しながら治療を進めていってください。(文責 千島)
【No.403-2】 01年02月18日 M.O.
抗がん剤の副作用(2)先日は脱毛の事で相談いたしました。すぐの回答ありがとうございます。治療が終了すれば「髪の毛が生えてくる」との事で安心しました。今日の相談なのですが、2月14日に抗がん剤を投与しました。16日のことですが頭がボーッとしていて時々記憶が切れるのです。早い話ボケなのでしょうが、41歳の私にとってショックです。車を乗り置いた場所をすっかり忘れて、駐車場に無かったため盗難届をだして大騒ぎし、車が見つかって初めて、そこに置いた事を思い出しました。「薬のせいでしょう」と笑って事は済みましたが、6月まで治療が続くので心配です。脳までおかしくなるものでしょうか? これは何かの障害でしょうか? 現在、乳癌の再発骨転移の治療中です。
抗癌剤の種類にもよりますが、中には中枢、末梢神経系に影響を与えるものもあります。あまり症状が進んでくるようならば、一度神経症状について主治医の先生に相談してみることをお勧めします。
また、化学療法中は精神的に疲れることが多いので、通常の場合よりも集中力が低下しやすくなっています。貴女の場合は、車を置いた場所は忘れてしまっても、その後の警察との対応はしっかりなさっているようなので、抗癌剤の神経作用というよりは、精神的疲労による集中力の低下ではないでしょうか? 化学療法中の小さなミスは、あまり気になさらないようにしてください。(文責 千島)
【No.402-1】 01年02月15日 michi
ADHについて私はアメリカに住む30才既婚者で子供はいません。1ヵ月半程前に次の症状で病院にいきました。
1)右の乳房の内側上のほうのしこり
2)左わきの下の痛み(これは高校生くらいからで、疲れたときや生理前など、時々痛む慢性的なもの。しこりはあるような気もするが、小さく、リンパ節のような気もする。)
病院の先生は保険の関係で専門医ではなく一般の先生でした。1)については筋肉と骨?のジョイントといわれ、2)については触診後、しこりがあるので、Mammographyを進められ、一ヶ月前に撮りました。その結果、左に約3cmの石灰化があるので専門医に紹介されました。専門医は上記1)については触診後、『ジョイントではなく、良性のしこり』(多分線維腺腫)、2)については触診でなにも怪しいものはないとのことでした。(mammographyにもリンパ以外は写っていなかった。)
問題は石灰化で、昨日Stereotactic Biopsyを受けました。正確性を高めるため、病変部とその近くの2ヵ所からmammotomにて採取されました。結果を昨日聞いたのですが、8ー9割方、ADH(Atypical Ductal Hyperplasia)であるが、DICSの可能性を捨て切れないので、念の為外科的生検をしたいとのことです。尚、その生検時(全身麻酔)に右の良性と思われるしこりも取ります。長々と説明してしまいましたが、mammographyにて検査に引っかかって以来、約一ヶ月、精神的にもまいっております。質問とは、
1)ADHから癌になる可能性(いくらか読んだものには一般の4、5倍の危険になるとのことですが、もうすこし詳しく教えていただけますでしょうか)
2)ADHが癌の前兆であれば、どのようなタイプ(非浸潤か否か)を引き起こす可能性が高いなど、ありますか。
3)Drの話では、外科生検でCancerの判断がでても、DCISで早期の為、ほぼ治るとのことですが、すでに転移してるのでは、と何もかも不安です。しこりはない筈なのですが、石灰化のみの病変はまず早期で治ると理解してよろしいのでしょうか。
検査の最長コースをたどり、不安のかたまりと化しています。色々なケースがあって一概にはお答えいただけないかもしれませんが、どうぞよろしくお願い申し上げます。異型乳管過形成(ADH)というのは、日本では「乳癌取り扱い規約」で乳腺症の項目へ入っていますが、欧米では独立した疾患としてmammary dysplasia /fibrocystic disease として取り扱われています。異型乳管過形成(ADH)と非浸潤性乳管癌(DCIS)の定義は定かなものが無く、現時点では「DCISの診断基準を少しは満たすが、完全には満たさない増殖性病変 ( aproliferative lesion that fulfills some but not all criteria for a diagnosisi of DCIS ) と表現されることが多いようです。ADHと診断された同じ標本でも、端のほうにはDCISが隠されている可能性もあり、良性から悪性への移行病変と考えてよいようです。つまり病理学の先生でも診断が分かれるような、「限りなく黒に近い灰色病変」と言うことになります。
一般にADH→DCIS→IDC(浸潤性乳管癌)という経過をたどっていきます。癌としてリンパ節、骨、肺、肝臓へ転移能力を獲得するのはIDCになってからということになります。ADHからIDCが出現するリスクは4〜5倍、DCISからは8〜10倍と言われています。IDCにならなければ転移することは無いので、基本的には局所だけをしっかりコントロールすれば、根治できる可能性が大きいと思われます。ただし、石灰化病変と言うのは、上記のADH、DCIS、IDCのいずれでも出現してくる可能性があるので、主治医の先生とよく相談しながら治療を進めていってください。(文責 千島)
【No.402-2】 01年02月27日 michi
ADHについて(2)ADHの件でお教えいただきましたmichiです。その節はありがとうございました。その後、外科生検の結果がでましたので再びご相談申し上げたく、よろしくお願いいたします。外科生検の結果、Severe ADHがあるがInvasive Cancerは見つからなかった、とのことです。
病理検査をそのまま書きますと、(Section of the second part of the specimen shows benign fibrous breast tissue with an area of hemorrhage and fibroplasia consistent with recent needle biopsy. A small fibroadenoma is present. There is focal intraductal calcification, and a small area of severely atypical ductal hyperplasia is present near the calcification. Invasive carcinoma is not identified.) とのことです。尚、Second partとは、他にも小さなしこりを取りましたので、それがFirst partとして病理検査となっております。ちなみにこのしこりは良性(Benign Fibrous Breast Tissue)でした。ADHについての質問に戻ります。前回のStereotactic BiopsyでADHの結果がでてから、色々調べたところ、こちら(アメリカ)では、ADHなどの高いリスクの人は予防の為にタモキシフェンを服用する場合があることを存じていました。今回、外科生検の確定診断後、私の外科医は同様にタモキシフェンの服用もオプションではあるが、私の年齢(30才)、今後の妊娠、副作用などを考えるとあまりすすめられない、との意見です。今後、どうすればよいのか、という質問には
1、低脂肪食にするとか、大豆がいいとかは言われているが、明確な事実はない。
2、ピルなどを含むホルモン剤は服用しない。
3、あとは半年に一回のMammographyを1年続け、その後は1年毎のMammographyを受ける。
とのことで、基本的には「なにも治療はない」とのスタンスです。
アメリカでは薬の服用についてはまた別の専門医の担当となるので、2週間後にその専門医と会う予定ですが、タモキシフェンについてはどうするかわかりません。前回、ADHについて質問させていただき、ご回答いただいた際に、『基本的には局所をコントロールすれば根治の可能性が高い』とのご説明をいただきましたが、具体的にはどのような方法が上げられるのでしょうか。日本で、またそちらでは私のような診断にはどのような治療をなされるのでしょうか。今回の生検で、石灰化部分にあるADHは取り去られたと思うのですが、私の主治医は、『ADHは乳房内に起こっている変化としてとらえるので、その部分は取り去っても、他にどこにあるかはわからない。もうないかもしれないし、乳房中にあるかもしれない』と言っています。『あまり心配しすぎるな』とも言われましたが、癌になる可能性が高いとわかれば、なんとか予防ができればと思うのが心情です。まして、Severeとついていますので、本当にDCISに近い状態だったのではと、素人考えで今だ心配が晴れません。お忙しいところ恐れ入りますが、診断、治療または予防法について、ご意見を伺えれば幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。まず診断についてですが、病理検査報告 ( a small area of severely atypical ductal hyperplasia is present) を読む限りでは、今回問題になった石灰化病変とその周囲のADHは切除できているようですね。しかし残存病変や多発病変があるかどうかについては、主治医の先生が言っているように、『ADHは乳房内に起こっている変化としてとらえるので、その部分は取り去っても、他にどこにあるかはわからない。もうないかもしれないし、乳房中にあるかもしれない』と言うことしかできません。今後は要注意経過観察ということで定期的に検査を受けるのが良いと思います。基本的には「半年に一回のMammographyを1年続け、その後は1年毎のMammographyをうける」という方法でよいと思います。非石灰化腫瘤病変には超音波検査が有効な場合があるので、主治医と相談して超音波検査を組み入れていくというオプションも考えられます。
治療については、生検標本内には悪性病変は認めず、小範囲の異型細胞のみ認めるとのことなので、基本的には治療の必要は無いと思います。今後、DCISなどが検出されるようならば手術治療等を考慮すればよいでしょう。
予防についてですが、日本ではADHに対してタモキシフェンの投与は行っておりません。ご存知のことと思いますが、タモキシフェンの長期投与(5年以上)は子宮体癌の発生危険因子となっています。報告によっても異なりますが、相対危険度で2〜4倍と言われています。妊娠や胎児に対する安全性も確認されていないので、私も貴女の年齢を考えると、「タモキシフェン投与はあまり勧めない」という主治医の意見に賛成いたします。もちろんピルの服用、妊娠等によっても乳癌を誘発する可能性が無いとはいえないので、今後の薬剤使用、妊娠希望については主治医とよく相談してみてください。その他の予防法についてですが、一般に大豆に含まれるイソフラボン(ゲニスタインとダイゼイン)は植物エストロゲンの一種で、理論的にはエストロゲン受容体で生体内のエストロゲンと競合することで、エストロゲンによる乳癌の増殖作用を抑制する可能性があるようです。作用機序としては「タモキシフェン」と似ているところがあります。またイソフラボンはエストロゲン作用だけではなく、細胞への直接作用(チロシンキナーゼという酵素の阻害)によっても癌を抑制する可能性もあるといわれています。しかしこの研究については一定の見解は得られていないようです。閉経前の女性について行った大豆と血清女性ホルモンに関する研究では、血清女性ホルモンが減少したものが2つ、逆に増加したとするものが2つ、変化が無かったとするものが1つとなっています。理論的には血清エストラジオールが減少すると乳癌のリスクは下がりますし、上昇すればリスクがあがることになります。いずれにしてもこれらのことについては理論上の問題であり、乳癌リスク患者の予防効果について臨床研究で明らかにされた事実はありません。脂肪摂取についても、確かに高脂肪食が乳癌発生のリスクになると言われていますが、低脂肪食が乳癌の発生を予防するという明らかなデータはありません。一般には、「高脂肪食を取っている人は通常の食事をしている人に比べ、乳癌の発生リスクが1.04〜1.21倍(平均1.12倍)に上昇する」と言われています。現在の日本では、乳癌の罹患率は10万人に20〜30人といわれています。これが高脂肪食の摂取によって22〜34人に上昇するということになります。高脂肪食も、このように弱い関連性しかないリスクファクターなので、「脂肪摂取の制限が乳癌発生の予防になるか」どうかは誰も明言できないことだと思います。
一番大切なことはあまり心配し過ぎないことだと思います。神経質になりすぎると乳癌以外の健康状態へ影響しますし、社会的にも行動範囲が制限される可能性があります。定期検査を受けながら、今後の治療について主治医とよく相談し、あなた自身が納得できる治療、予防方法を選択していってください。もし心配なことがあれば、いつでもこちらの相談室へ連絡をください。(文責 千島)
【No.402-3】 01年03月14日 michi
ADHについて(3)昨月より度々ADHの件でお世話になっておりますアメリカ在住のmichiです(No.402-1, No.402-2)。現在、予防の為のタモキシフェンの服用について考えるところがございますので、ご意見を伺いたく、よろしくお願い申し上げます。本日、処方箋の相談にOncologist(腫瘍/Cancer 専門医)に会って参りました。前回のメールで私の外科医はタモキシフェンの服用は勧めないとのことでしたが、Oncologist は強く勧めるわけではないが、どちらかといえば、服用を勧めるとのスタンスであることがわかりました。Oncologistの話をまとめると、予防策
1、タモキシフェン(副作用として、血栓、子宮体癌等。話ぶりでは、そのような副作用のリスクは低いとのこと)
2、妊娠(妊娠して生理を止めることが乳癌の予防になるとのこと)、薬の服用と妊娠について=>将来妊娠を望む際に薬の服用を中断すればよい
また、私の場合、Biopsyの結果がSevere ADHとのことで、もし今回発見してなければ、ほぼCancerになっていたであろうと説明されました。本日までは外科医の話や前回そちらからいただいた回答より、タモキシフェンの服用を考えていませんでしたが、Oncologistより、私のADHの状態がほぼCancerになるであろうものであったことなどを聞くと、より効果的な予防策として服用するべきではないか、との考えになってきました。気になるのはもちろん副作用などですが、まず、
1、日本では何故ADHにタモキシフェンの服用を勧めないのでしょうか。こちらで説明を受けた以外に、何か副作用がありますか。
2、また30才の私がタモキシフェンを服用をすると、年齢の高い人より子宮体癌のリスクが高くなることがありますか。
3、妊娠についても、こちらでは外科医、腫瘍医ともに妊娠は乳癌の予防になる、とおっしゃるのですが、いかがなものでしょうか。(今すぐ妊娠を希望している訳ではありませんが)
2週間後にOncologistに再度会いますが、それまでに薬を服用するか否か決断しようと思います。最終的には自身で決めなければならないことなのでしょうが、できるだけの情報、ご意見を伺えれば幸いです。お忙しいところ大変恐れ入りますが、何卒よろしくお願いいたします。1.少なくとも日本では、乳癌の予防のために服用するタモキシフェンを保険医療では認めていないということです。副作用は上記のとおりです。また、ホルモン受容体陽性の乳癌の患者さんは術後タモキシフェンを5年間服用することがコンセンサスになっていますが、これは再発を減らすメリットが血栓症などの副作用より大きいからです。ADHの場合、その予防効果と副作用のバランスは検討されていないのが現状です。
2.タモキシフェンを服用すると子宮体癌の発生頻度が増加することが指摘されていますが、開始年令との関連は言われていません。服用期間の影響のほうが大です。
3.乳癌や、ADHの患者さんで妊娠した方が乳癌の再発や、対側乳癌の出現や、乳癌の発生があきらかに少くなくなるという報告はないと思います。
なお2、3については、さらに調査して新しい知見があれば報告します。(文責 徳田)
【No.402-4】 01年03月19日 michi
ADHについて(4)いつも、迅速なご回答をいただき、誠にありがとうございます。若干の補足質問ですが、お願いできますでしょうか。
1、日本でも保険医療が許せば、私のようなケースにタモキシフェンの服用は勧められるでしょうか。
2、私の病変は今回たまたま見つけていなければ、Cancer化していたと思うのですが、この場合、乳癌の術後治療に相当する治療を受けなくてよいのでしょうか。そういう意味では、タモキシフェンはやはり飲んだほうがいいのだろうか、と思うのですが、どう思われますか。
3、再度妊娠について、以前のご回答で、妊娠は乳癌を誘発する可能性があるとのことですが、それは、乳房内に見つかっていない癌細胞やADHがあれば、ということでしょうか。アメリカの医師の、妊娠による乳癌予防説と反対のお話ですので、ご意見を伺えれば幸いです。
本当に何度も色々と質問いたしまして、申し訳ありません。先生方のご意見を大変参考にさせていただいておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。1.米国でも乳癌についてタモキシフェンでのchemopreventionはまだcost benefitの観点から確立していません。ましてやADHでは、evidennceがありません。したがって、費用的にゆるされても副作用とのバランスは未解決で、タモキシフェンは現時点ではすすめません。
2.ADHはあくまで癌ではありません。癌のリスクはあるとは思いますが、100%癌化するということではないです。したがって、経過観察は大事ですが、癌と同様の治療をする必要はないと考えます。たとえば、残存乳腺に放射線照射をするということもADHについては現時点では根拠が乏しいと考えます。
3.乳房内に癌細胞やADHがあればということです。(文責 徳田)
【No.402-5】 01年11月18日 michi
DCISと妊娠について以前にADHの件で質問させていただいたmichiです。その節はありがとうございました。現在もアメリカ在住です。生検のスライドのセカンドオピニオン等をえて、DCIS(非浸潤がん)がADH内に混ざっているとの診断となり、最近、全摘と同時再建(胸筋と皮膚を伸ばす方法)をしました。DCISのサイズは非常に小さく、(一番大きいところで約2ミリ)温存で、生検したまわりを再度くりぬく程度でも良かったのですが、その後の放射線や、再発の不安を緩和するため、全摘しました。幸いなことに、全摘したものからは癌はみつかりませんでした。(ADHもなかったようです。生検でとれていたようです。) センチネルリンパもしたのですが、問題なしでした。現在、放射線もホルモン剤もなしです。前置きが長くなりましたが、こういった場合、妊娠してもいいのでしょうか。現在31歳です。温存の場合は再発がないかどうか様子を見たほうがよいと他の投稿で読みましたが、全摘の場合も数年様子を見たほうがよいのでしょうか。よろしくご助言お願いします。
乳癌術後の妊娠と生存率に関しては、予後を増悪させる根拠はみられません。リンパ節転移が陰性で、術後の補助療法の必要がなければ、患者さんの希望があれば、術後6ヶ月ほどあければ大丈夫とされています。また、術後補助療法を行なう場合は、2年間ほど避妊をし、治療後1ヶ月くらいあけることが望ましいとされています。従って貴方の場合、DCISで乳腺全切除を行い、センチネルリンパ節も転移なし、内分泌化学療法、放射線治療等の補助療法もないということですので、一般的には随時妊娠しても良いということになります。具体的には主治医の先生と十分相談なさった上で、決定されると良いと思います。(文責 須田)
【No.401】 01年02月13日 KATSU
大きなただれ母の件で相談があります。母いわく、6年ぐらい前に右乳房の右上の方にしこりを感じ、そのまま現在では、直径10cm位のしこりになっており、皮膚表面自体も赤紫色に硬くただれた状態(10cm位)になってしまっています(かなりボコボコ状態です)。普段は痛み等は全く無いようなのですが、たまに胸や背中、腕等に強い痛みに襲われるようです。母は9年前に結核をわずらっており、心膜炎になったりかなりの重症だったため、ある種の医者恐怖症になっており医者に行こうとしません。私どもにも最近やっと打ち明けた所です。素人考えでは6年も前から・・・って言うのもあるのですが、実際はどのようなものでしょうか? 癌だとするとかなりの末期状態なのでしょうか? ご回答のほどよろしくお願いいたします。
6年前からあって、だんだん大きくなって、現在10cmのしこりということだと、たしかに相当進行した乳癌である可能性が高いと思います。胸や背中に痛みがあるというのがちょっと心配で、乳癌であれば骨の転移が心配になります。しかし、乳癌以外でも、葉状腫瘍など稀な良性腫瘍の可能性もありますし、しこりができて6年ということは、発育速度は比較的遅い方なので、治療して良くなる可能性も全くないわけでありません。とにかく、まず、病院へ行くことを勧めて下さい。そしてよく検査して、現状を把握し、どのような治療が最も良いのか医師と良く相談して下さい。(文責:清水)