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相談室

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 なお、個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。ご相談内容は  info@kbcts.gr.jp   まで、メールでご連絡下さい。
なお当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

2500 04/06/06 R  リュープリンの副作用について(HPNo.1933-4) 須田
2499-1
2499-2
04/06/04
04/06/13
K.Y.  今後の治療について教えてください
放射線照射について教えてください
須田
須田
2498-1
2498-2
04/06/04
04/06/07
H.T. 石灰化についておたずねします
今後の検査予定について
須田
須田
2497 04/06/04 H.I. 転移性乳がんの母のことについて 須田
2496 04/06/03

放射線治療と妊娠への影響について 須田
2495-1
2495-2
04/06/03
04/06/06
MA 抗がん剤とホルモン剤の併用の効果は?
抗がん剤とホルモン剤の併用の効果は?(2)
須田
須田
2494 04/06/03 H 肝臓癌末期の痛み止めについて 須田
2493-1
2493-2
04/06/01
04/06/04
MT  良性から悪性癌へについて
良性から悪性癌へについて(2)
鈴木
須田
2492 04/06/01 DQQ  やはり癌でした(HPNo.2388-3) 鈴木
2491 04/06/01 Y.O.  治療を休んで2ヵ月になろうとしています(HPNo.1490-5) 鈴木
2490 04/06/01 J.N.  骨転移のMRI検査報告書について(HPNo.2279-3) 鈴木
2489 04/05/31 J.Y 乳首下の痛みについて 鈴木
2488 04/05/31 M 右乳首のすぐ下にしこりがあります 鈴木
2487-1
2487-2
04/05/31
04/06/04
chie 抗癌剤治療後の妊娠について
手術方法について
鈴木
須田
2486-1
2486-2
04/05/31
04/06/09
A.T. 腫瘍を摘出しましたが、その結果について
腫瘍を摘出しましたが、その結果について(2)
鈴木
須田
2485-1
2485-2

2485-3
04/05/31
04/06/06
04/06/27
megu 分泌液とマンモの結果が気になります
微細石灰化について
セカンドオピニオン
鈴木
須田
2484 04/05/31 A 術後の治療について 鈴木
2483 04/05/29 T.T.  診断経過について 鈴木
2482 04/05/29 はるくま 乳房のデキモノ 鈴木
2481 04/05/29 H.T.  乳癌から副甲状腺の転移は? 鈴木
2480 04/05/29 saya 胸と胸の間の痛みについて 鈴木
2479 04/05/29 K/KG 術後療法に不安があります 鈴木
2478-1
2478-2

2478-3
04/05/29
04/06/26
04/07/31
H.S. 手術後について
手術後の傷とホルモン療法の副作用について
手術後の状態について
鈴木

徳田
2477 04/05/29 M・T 14歳です(HPNo.2229-2) 鈴木
2476-1
2476-2

2476-3
04/05/29
04/05/31
04/06/01
S  非浸潤癌のホルモン療法について
非浸潤癌のホルモン療法について(2)
非浸潤癌のホルモン療法について(3)
鈴木
鈴木
鈴木
2475-1
2475-2
04/05/28
04/05/29
K.I.  卵巣の放射線照射について
卵巣の放射線照射について(2)
鈴木
鈴木
2474-1
2474-2
04/05/28
04/06/07
T.M.  右胸のしこりが心配です
右胸のしこりが心配です(2)
鈴木
須田
2473 04/05/28 T  腋の下から背中の痛みについて 鈴木
2472-1
2472-2

2472-3
2472-4
04/05/28
04/06/28
04/07/29
04/10/09
A・N 卵巣摘出について
抗がん剤使用の基準について
白血球減少と抗癌剤
ホルモン療法前の検査
鈴木
須田
徳田
吉田
2471 04/05/28 R.O. 乳首と乳頭の痒みについて 鈴木
2470 04/05/27 N.T. 石灰化について 鈴木
2469 04/05/27 m.k 術後補助療法について(HPNo.2132-3) 鈴木
2468 04/05/27 IS  1歳9ヶ月の娘の左胸が大きいのです 鈴木
2467 04/05/27 NK  鎖骨下のしこりについて 鈴木
2466 04/05/27 まりこ 術後の創のヒリヒリ感について(HPNo.2236-2) 鈴木
2465 04/05/27 R・H 乳腺のう胞について 鈴木
2464-1
2464-2
04/05/27
04/05/29
yumyum 大胸筋への再再発
大胸筋への再再発(2)
鈴木
鈴木
2463 04/05/26 S  乳がん術後のへこみについて 鈴木
2462 04/05/26 S.A.  頚部リンパ節転移後の治療について 鈴木
2461 04/05/26 T.H.  乳頭がちくちく痛い 鈴木
2460 04/05/26 K.M マンモでの判定について 鈴木
2459 04/05/26 DQQ 細胞診(HPNo.2388-2) 鈴木
2458 04/05/26 H  肋骨の痛みについて(HPNo.2178-5) 鈴木
2457 04/05/26 S.K 脇の下のできもの 鈴木
2456 04/05/26 Kita 乳首のただれと腫れ 鈴木
2455 04/05/25 M.M. 乳首の痒みと痛みについて 鈴木
2454 04/05/25 S.Y. 乳房摘出手術後のリンパ液の滞留について 鈴木
2453 04/05/25 M s 抗がん剤治療の副作用について(HPNo.2214-2) 鈴木
2452 04/05/23 穿刺吸引細胞診の結果と今後(HPNo.2339-2)  鈴木
2451 04/05/23 E 細胞診の信頼度について 鈴木
2450 04/05/23 Y.C 乳輪にしこり 鈴木
2449 04/05/23 みゆき パジェット病 鈴木
2448-1
2448-2

2448-3
2448-4
2448-5
04/05/23
04/06/01
04/06/03
04/06/11
04/08/21
シラタマ 術後補助療法について
術後補助療法について(2)
術後補助療法について(3)
術後補助療法について(4)
腫瘍マーカーについて
鈴木
鈴木
須田
須田
緒方
2447-1
2447-2

2447-3
04/05/23
04/07/12
04/07/25
BD  抗癌剤の選択について
抗癌剤の選択について(2)
皮膚転移の局所療法
鈴木
千島
徳田
2446-1
2446-2

2446-3
04/05/23
04/05/25
04/06/11
T.Y. 骨転移の治療
骨転移の治療(2)
しこりについて
鈴木
鈴木
須田
2445 04/05/23 k・k 術後の化学療法について 鈴木
2444 04/05/23 I.M  乳がん手術後について 鈴木
2443-1
2443-2
04/05/23
04/08/11
K.T 乳がんについて(薬について)
ホルモン剤使用について
鈴木
浜口
2442 04/05/22 T.Y 胸のしこり 鈴木
2441 04/05/22 M,K 線維腺腫の術後 鈴木
2440 04/05/21 K.O しこりについて 鈴木
2439 04/05/21 Y.S. 骨シンチについて 鈴木
2438 04/05/20 SH  胸の痛みについて 鈴木
2437 04/05/20 H 15歳です 鈴木
2436 04/05/19 H.K ノルバデックスについて 鈴木
2435 04/05/19 T.I 乳首からの出血 鈴木
2434-1
2434-2

2434-3
04/05/19
04/09/23
05/03/12
T.K. 母のことで相談させて下さい
腹部に膨張感があります
放射線治療における副作用について
鈴木
須田
稲葉
2433 04/05/19 J.H マンモグラフィーに影 鈴木
2432-1
2432-2

2432-3
2432-4
04/05/17
04/05/19
04/05/21
04/11/24
A.Y. 再発予防としてのホルモン療法について
再発予防としてのホルモン療法について(2)
タモキシフェンとイソフラボンについて
傷の治りについて
鈴木
鈴木
鈴木
稲葉
2431 04/05/17 K・T わきの下の腫れについて 鈴木
2430 04/05/17 K ・ Y 女性化乳房についての質問(2)(HPNo.2346-2) 清水
2429 04/05/16 Y.Y. 胸のしこりについて 麻賀
2428 04/05/15 HN 乳輪の痒みについて 麻賀
2427-1
2427-2
04/05/15
04/05/23
MI エコー検査、細胞診についての相談
細胞診
麻賀
鈴木
2426 04/05/15 N.M. 胸の痛みとしこりについて 麻賀
2425 04/05/15 T&M 放射線治療後に硬くなる乳房 麻賀
2424 04/05/15 K.M. 骨転移治療について 麻賀
2423 04/05/15 トモ マンモグラフィーについて 麻賀
2422 04/05/15 M.K.  分泌物あり不安 麻賀
2421 04/05/15 T.S. 今後の治療について 麻賀
2420 04/05/15 カンナ マンモトーム(HPNo.2353-3) 麻賀
2419 04/05/15 OM 術前化学療法について 麻賀
2418 04/05/13 Kanna 術後療法の悩み 麻賀
2417 04/05/13 miho   モンドール病は再発しますか? 麻賀
2416-1
2416-2

2416-3
04/05/13
04/05/15
04/06/03
Y.H. 穿刺吸引細胞診の信頼性について
乳がんの内視鏡手術について
CTの所見によるリンパの腫れについて
麻賀
麻賀
須田
2415 04/05/13 T  どんどん大きくなる線維腺腫について 麻賀
2414 04/05/13 KM エコーでの診断 麻賀
2413 04/05/13 カンナ マンモトーム(HPNo.2353-2) 麻賀
2412 04/05/12 有栖川 術後の腫瘍マーカー 麻賀
2411-1
2411-2

2411-3
2411-4
04/05/12
04/05/19
04/05/23
04/05/29
HS 不安でいっぱいです
不安でいっぱいです(2)
しこりと症状
しこりと症状(2)
麻賀
鈴木
鈴木
鈴木
2410-1
2410-2

2410-3
04/05/12
04/05/16
04/06/12
I.M タキソール
筋層に近い
筋層にも腫瘍
麻賀
麻賀
須田
2409 04/05/11 O.M. 米粒大位の長さの硬い筋のようなもの(HPNo.2073-2) 麻賀
2408 04/05/09 c・s 乳首の痛みとしこりについて 麻賀
2407 04/05/09 サンタ 胸のしこりと腕のむくみについて 麻賀
2406 04/05/09 TW 術前の抗がん剤について(HPNo.2397-2) 麻賀
2405 04/05/09 R.N. 術後補助療法について 麻賀
2404 04/05/09 T.O マンモトームから手術までの日数について(HPNo.2381-2) 須田
2403 04/05/09 H.A 葉状腫瘍の再発について 麻賀
2402 04/05/09 M.H. どうしたのでしょうか?? 麻賀
2401-1
2401-2
04/05/09
04/05/11
M.Y. ステージII、リンパ節転移なしの場合の補助療法について
ステージII、リンパ節転移なしの場合の補助療法について(2)
麻賀
麻賀

 

 

No.2500】 04年06月06日  R
リュープリンの副作用について(HPNo.1933-4)

四度目の質問です(1933,2104,2115)。いつも参考にさせていただいております。温存手術後もうすぐ一年になります。抗がん剤が終わったところで転院し、現在リュープリンの注射を4回受けたところです。のぼせ、ほてりの他に4月半ばから体がだるく、5月に入った頃から、膝、腰、背中、腕、指先が痛くなり、体がこわばる感じでした。膝はしゃがんだり、立ち上がったりするときに痛くて、内科を受診しました。可能性として膠原病(関節リウマチ)?と言われ、血液検査、手、膝、肩のあたりのレントゲンをとりました。今日結果を聞きに言ったのですが、血液検査、レントゲンから、膠原病ではないと言われましたが、結局なぜ痛いのかはわからないとのこと。リュープリンを使っているのなら更年期症状のひとつとも考えられるから、外科の先生に相談するように言われました。まだ予約は二週間先です。寝込むわけでもなく、痛くてたまらないといったこともありませんが、何らかのご助言がいただければと思い、ご相談させていただきました。わかりにくい文章で申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

リューブリン使用時の副作用にもいろいろありますが、筋・骨格系に発現する副作用で、関節痛(7.3%)、腰痛・筋肉痛(5%未満)というのがあります。リューブリンの副作用である可能性も否定できませんので、痛みが激しいようなら、予約日を待たず、近日中に受診し、抗がん剤の見直しも含めて、主治医と充分相談なさって下さい。ちなみに、リューブリンと同じ作用機序であるLH-RHアゴニストのゴセレリン(ゾラテックス)にも、5%未満ですが、筋・骨格系の副作用がみられます。(文責 須田)

 

No.2499-1】 04年06月04日  K.Y. 
今後の治療について教えてください

妻42才が左乳がんで2004年4月9日に手術し,現在5月17日から放射線治療を25回の予定で行なっています。インターネットで今後の治療に関して調べていましたら相談室を見つけることができ、ぜひ今心配な点を教えていただきたくメールしております。妻は左乳がんで、浸潤性乳管癌とのことです。形もよく、直径も1.5×1.1と小さいとのことでしたが、手術後リンパ節32個ほど取ったと聞いています。そのうちリンパ節7個に転移があるとのことで、一つのリンパ節は堅めでした。転移を防ぐために半年間の抗がん治療を考えてみるように勧められています。放射線は6月19日で終了予定ですが、その後抗がん治療を行なう必要があるのか悩んでいます。それで下記の点をお聞きできれば幸いです。
@ リンパ節7個の転移は多いと言えるでしょうか。それは何を意味するのでしょうか。
A 妻のような症状の場合、抗がん治療を行なうことに伴うメッリットとデメリットを教えていただけるでしょうか。
B 医師は転移するのは30%ほどの人で、その中の人の何%かの転移を防ぐための抗がん治療とおっしゃっていましたが、妻のような場合、抗がん治療は通常行なうことが望ましいものでしょうか。

6月からの抗がん治療で妻と悩んでおりますので、宜しくお願いいたします。

@ 腋窩リンパ節転移個数は、現時点での最も強力な予後規定因子であると考えられています。転移個数が0である症例の10年生存率は約90%ですが、1〜3ヶで75%、4〜9ヶで50%、10ヶ以上の場合は25%と、転移個数が多くなるほど、予後不良となります。リンパ節転移7/32は、やはり多い部類に属すると考えられます。
A 抗がん剤治療は、手術後、検査では指摘できないけれども全身に広がっている可能性のある癌細胞を死滅させることによって、癌の再発率を下げ、延命させるために行います。しかし、抗がん剤の種類のよって多少の違いはありますが、当然副作用の問題も出てきますので、その兼ね合いが難しくなります。副作用には、自覚的なものとして、悪心、嘔吐、口内炎、下痢・便秘などの消化器症状、全身倦怠感・発熱・アレルギー反応などの全身症状、脱毛・色素沈着などの皮膚症状、めまい・しびれなどの神経症状があります。また、他覚的なものとして、白血球減少・血小板減少・貧血などの骨髄抑制、膀胱炎・心・肝・腎障害などの臓器障害、性腺機能障害、2次性発ガンなどがあります。
B 奥様のような場合、通常は、上記のような理由により、抗がん剤治療を行うことになります。現在の状況を把握している主治医と相談し、使用する抗がん剤の選択、副作用の事、また、HER2、ホルモンレセプター等の情報も伺い、納得のいく治療を受けて下さい。(文責 須田)

 

No.2499-2】 04年06月13日  K.Y. 
放射線照射について教えてください

先日は抗がん治療に関して詳しく教えていただきました。抗がん治療に関しては迷いがなくなりましたが、放射線照射についてお聞きできれば助かります。先日はリンパ節転移が7/32とお知らせしましたが、実際は7/37で転移しているとのことでした。現在6月18日終了予定で放射線照射を行なっていますが、皆さんの相談に関してのご回答を拝見させて頂いていますと、妻のようにリンパ節転移が7個もある場合、放射線照射は腋窩、鎖骨上にも照射した方が予後が良いことが示されておりました。妻の場合は現在医師に尋ねましたところ鎖骨上にはあてていないとのことでした。望む場合、鎖骨上に更に5週間の放射線照射を行なうことができるとおっしゃってくださいました(手術をしてくださって今後抗がん治療をしてくださる病院と、現在放射線照射をしてくださっている病院は別の病院です)。しかし今後の抗がん剤治療を考えますと下記の点で不安と疑問がありますので、教えていただければ大変助かります。
@ 妻はリンパ節7個の転移がありますから、鎖骨上にも放射線照射を行なったほうが良いでしょうか。妻の予後に影響を与える事柄であれば行ないたいと考えています。
A 妻は4月9日に手術を行ないました。6月18日退院後(現在乳房に放射線照射中)、さっそく抗がん剤治療を行なうよう計画を立てたいと思っていましたが、鎖骨上に放射線照射を行なうことが良い場合、鎖骨上の照射5週間行なうことを優先させてから、その後抗がん治療を行なうべきでしょうか。それとも6ヶ月間の抗がん剤治療を優先させ、その後鎖骨上に放射線照射を行なう順番で良いでしょうか。必要な場合、どの順番が良いか悩んでいます。
B 不安な点として、妻の乳がんの大きさは直径1.5×1.1と小さいとのことでしたが、小さいのに転移しているということは、それだけ転移性が早い癌であると認識すべきでしょうか。それは臓器への転移が早い可能性を示すものでしょうか。教えてください。仮にそうであれば、やはり鎖骨上の照射を行なうべきではと悩んでいます。HER2、ホルモンレセプター等の情報はこれから得たいと思います。

6月18日退院後さっそく決定する必要のある事柄ですので、お忙しいなか大変恐縮ですが、宜しくお願いいたします。

乳房温存療法における放射線治療は必要不可欠であり、その目的は、縮小手術によって乳腺内に残存する可能性のある顕微鏡的な癌病巣を根絶することにあります。一方、乳房切除術後の放射線治療の目的は、ひとたび起こるとその制御が困難である胸壁再発を予防すると共に、二次的な遠隔転移の予防によって生存率の向上を図ることです。乳房切除後の放射線照射は、腋窩リンパ節転移4ヶ以上、原発腫瘍が5cm以上について生存率の向上が認められるという事になっています。
「乳癌は手術の時点で既に微小転移を起こしていて、局所に留まっていない(全身病である)ことがしばしばあり、局所を大きく切除しても必ずしも予後の改善につながらず、全身に広がった癌をコントロールできない」という考え方が、温存療法の理論的背景になっています。奥様は手術後リンパ節転移が7ヶ陽性であったということですが、この場合は局所療法である放射線治療より、全身病としての抗がん剤治療に力点を置くことになります。従って乳房照射が終われば、抗がん剤治療が優先され、鎖骨上の照射は必要ないということになります。
Bについては、乳房の腫瘤が小さいから進行が早いという事ではなく、手術時すでに全身病であったという考え方です。手術可能な乳癌でも、(小さいものでも)全身に広がっているもの、局所にとどまっているもの等、ケースバイケースで、本当に様々です。奥様の場合、小さいから温存術を行ったのではなく、手術の時点で全身病であると考えたので温存を選択したということになると思います。今後については、主治医と充分ご相談の上、納得のいく治療を受けて下さい。(文責 須田)

 

No.2498-1】 04年06月04日  H.T.
石灰化についておたずねします

はじめまして。年に一度健診を受けています。45歳、既婚女性、妊娠出産回数一回(27歳時)、授乳時に一度乳腺炎の経験があります。昨年は異常なしとのことでしたが、先月の健診で乳腺要精密検査との結果が出ました。マンモグラフィ検査によるもので、頂いた結果には、左乳房石灰化カテゴリー4、右カテゴリー1とあります。また、左乳房の二の腕側左上部に十数個ほどの点々が書き込まれています。乳腺の構成は、不均一高濃度となっています。今日結果を郵送で頂きましたので、明日病院に予約を入れますが、大変気になります。自己検診ではしこりなど認められず、自覚症状もありません。石灰化、カテゴリー4などについてお教え下さい。宜しくお願い致します。

マンモグラフィでは、主として、腫瘤像があるかどうか、石灰化像があるかどうかを読影していますが、石灰化像については、明らかに良性である場合と、良悪性の鑑別を要する場合とがあります。良悪性の鑑別が必要な石灰化像の場合、石灰化の形状と分布によってカテゴリーを分類します。カテゴリーは1から5まであり、以下のように決められています。 1:異常なし、 2:明らかに良性と診断できる所見がある、 3:良性の可能性が非常に高いが、悪性も否定できない、 4:悪性の疑い(悪性の可能性が高い病変で、細胞診や生検を含めた検査が必要である)、 5:悪性(ほぼ乳癌と考えられる病変)。
カテゴリー4とは、@形状が微細円形の細かい石灰化が線状又は区域性に分布している場合、 A淡く不明瞭な石灰化が線状又は区域性に分布している場合、 B多形性あるいは不均一な細かい石灰化が集簇している場合のいずれかですが、悪性の疑いがありますから、細胞診や生検を含めた検査を行い、確定診断をつける必要があります。少しでも早く良悪性の鑑別をし、もし悪性であった場合は、なるだけ早く治療を開始してください。(文責 須田)

 

No.2498-2】 04年06月07日  H.T.
今後の検査予定について

HPNo.2498のご回答、ありがとうございます。6月4日に病院にいってまいりました。レントゲンを再度撮り、拡大映像も撮りました。その結果、やはり左乳房に石灰化がみられるとのことでした(白い小さな点々に見えるのですね)。ただ超音波診断に映らないとのことで、細胞診や生検は、3ヶ月後にレントゲンと再診をしてからということになりました。3ヶ月で大きく変化はないと聞き、納得して3ヶ月後に予約を頂きました。しかし、帰宅後こちらの回答を読ませて頂き、少しでもはやく検査をして頂くのが良かったのかと迷っています。3ヶ月後でも本当に大きく変化はみられないものでしょうか? また細胞診等は、超音波に映らないと確実な検査結果が得られにくいそうですが、それでもお願いすべきだったでしょうか? レントゲン写真も何もなく申し訳ありませんが、お返事宜しくお願い致します。

マンモグラフィ検診では、斜め1方向の撮影にて判定を行い、カテゴリー3以上を要精密検査とします。精密検査での診療マンモグラフィは、2方向撮影をし、必要に応じて拡大撮影も行って、病変部を入念に調べます。石灰化像のみで見つかる乳癌は、ごく初期の場合が多く、こぶとして認識できないため、超音波や細胞診での診断は困難です。
検診マンモグラフィでカテゴリー4、次に精密検査での診療マンモグラフィで詳しく見て、カテゴリー3となるようなことは、臨床現場では少なからず経験することです。このような場合、3〜6ヶ月後に再度診療マンモグラフィを撮って、前回の画像と比較します。腫瘤像はないか、石灰化像が増加していないか等をチェックし、何か変化があれば、次の検査として、マンモトーム、或いは生検を行い、組織診断をすることになります。直接診察していないので、はっきりしたことは申し上げられませんが、メール内容から判断して、貴女の場合は、このようなことではないかと推測いたします。3ヶ月で大きく変化があるとは思えませんが、それでもご心配なら、主治医の先生にご相談ください。その際に診療マンモグラフィのカテゴリーを確認されるとよいでしょう。(文責 須田)

 

No.2497】 04年06月04日  H.I. 
転移性乳がんの母のことについて

60代の母の転移性乳がんについて相談させてください。昨年の春、母が乳がんだと診断されました。ただ、その時に、「肝臓、肺に転移があり、肝臓はあらかたがやられている、よくここまで・・・。」と言われました。一時は黄疸も出て、腹水もたまり、悲惨な状態でしたが、ハーセプチンの効果があり、昨年夏に一時的に回復し、今年の春先まで自宅で過ごすことができました。この春に、左半身に違和感があり、脳のCTを撮った結果、脳転移と診断され入院、放射線の全脳照射10回をうけました。左半身は麻痺があるものの、ほかに症状が無いため、退院を勧められました。ただ、母の自宅に帰ると一人になってしまい、とても危険でおいてはおけず、息子の家である私の家にきてもらってはどうかということになりました。ただ、症状は小康状態とはいえ、かなり重篤であることはまちがいなく、この状態での土地を変えての転院は可能でしょうか? また、どのような病院を探せばよいのかわからずに戸惑っています。今までどおり、積極治療を続けるべきなのか、緩和的な病院を選んだほうが良いのか、最後の段階まで、家族の下で、訪問看護や診療で看ていけばよいのか、迷っています。現在、母には痛みや苦痛はありません。緩和ケアの病棟では、適用外だともいわれました。現在の病院では、今後もハーセプチンの週一投与を続けていったらどうかと提案されています。私もまだ幼児を抱えていますので、最終的な段階まで自宅で看護できるかどうかは、かなり不安があります。全身状態が悪化した時に、ベット待ちとかで入院させてもらえなかったら、どうしよう・・・とも思い、自宅看護にも不安があります。このような場合、どうしたら、よいのでしょうか?
私以外の家族は、母に苦痛が無いため、あまり心配はしていない様子です。母も、乳がん、肝臓、肺転移、全脳照射と、すべて知っていますが、あまり深刻な病識はないのが現実です。

お母様の場合、症状は小康状態とはいえ、左半身麻痺もあり、お一人での通院には無理があるかもしれませんが、どなたかの付き添いが可能であれば、今後もハーセプチンの週一投与継続がベストだと考えます。人手がなく、困った状態が想定される場合は、病院のケースワーカーにご相談ください。たいていの病院には専任のケースワーカーがいて、個々の状態に応じて、親身に相談に乗ってくれるはずです。(文責 須田)

 

No.2496】 04年06月03日  K
放射線治療と妊娠への影響について

温存後の放射線治療を受ける予定ですが、30代後半(38歳)なので、できるだけ早く妊娠を希望しています。ホルモン療法はありません。放射線は乳腺にあたるだけということですが、知り合いから、散乱線といって、少しはねかえって照射範囲以外にも、わずかながら放射線があたるのではないかと聞きました。放射線の先生に聞いたら、「まあはっきりわからないけど、たぶん半年くらいすれば大丈夫だと思うんだけどねえ〜」と、あまり自信なさそうな感じでおっしゃるので少し心配になり、あらためてお聞きしたいと思いました。乳腺の放射線治療は卵巣や卵子への影響はありますか。もしあるなら、治療後どのくらいあければ放射線の影響が抜けるのですか。よろしくお願いいたします。  

乳房温存療法において、妊娠中の放射線治療は禁止です。どんなに遮蔽しても、胎児が成長すれば乳房照射野に近くなり、胎児の被爆量も増加します。乳房に50Gy照射したとすると、妊娠初期では0.1〜0.15Gyの被爆量、妊娠後期では2Gyにもなります。妊娠初期の段階で0.1Gyでも照射すれば、奇形を生ずる危険性が高く、放射線治療はできないことになっています。また、化学療法剤は、細胞分裂に対して毒性を発揮し、ホルモン剤は内分泌環境に大きな影響を与えます。これらはいずれも妊娠の成立に抑制的に働き、たとえ妊娠しても、継続的に障害が起こり、胎児の発育にも大きな影響を与える可能性が高くなります。従って、放射線、化学療法、ホルモン療法中はいずれの場合も、妊娠は禁止ということになります。
乳房温存療法での放射線治療による卵巣、卵子への影響、および安全性に関する報告は見当たりませんが、最初の月経終了後であれば妊娠も可との意見もあります。ただし、乳癌術後の妊娠に関しては、放射線の影響のみならず、乳癌再発のリスク、術後療法の影響などについても考えなければなりません。以前は乳癌は女性ホルモンで成長する、妊娠すると女性ホルモンの高い状況が続く、従って手術後の妊娠は禁忌であると言われてきました。しかし、外国のデータですが、乳癌の手術後妊娠しても、そうでない人に比べて再発のリスクは変わらないことが証明され、妊娠しても予後には影響しないというのが現在の一般的な考え方になっています。ただし、乳癌術後で再発リスクの高い人は、もともと妊娠しないように努めているので、そのデータには偏りがあるといって考え方もあり、個々によって違ってはきますが、術後数年は様子をみているのが現実だと思います。(文責 須田)

 

No.2495-1】 04年06月03日  MA
抗がん剤とホルモン剤の併用の効果は?

妻(57歳、閉経)ですが、3月に大胸筋を残し、右全切除、リンパ節転移(3個)陽性です。退院後、アリミデックスを1日1回服用、5月18日に抗がん剤治療EC(3週間に1回を4回)を開始しました。そこで質問ですが、ホルモン剤と抗がん剤の併用より、まずは抗がん剤治療、その後にホルモン剤投与の方が臨床試験の結果、良い成績が出た(乳がんの国際会議で認められた)そうです。前述しましたが、現在は併用ですので、この点を主治医に話そうかと思っておりますが、実態はどうなのでしょうか。よろしくお願いいたします。

ホルモン感受性(ER陽性)、リンパ節転移陽性乳癌において、化学療法にタモキシフェン(ホルモン剤)を併用したほうが、化学療法単独より予後良好であり、この傾向は、閉経後症例で、より顕著であったとの報告があります。また、ホルモン感受性早期乳癌患者に対しては、術後に化学療法、タモキシフェンを併用するより、順次投与した方が効果的であると考えられています。アリミデックスでもタモキシフェンと同様であろうかと推測されますが、トライアルとしてのデータは見当たりません。主治医と充分ご相談の上、納得のいく治療を受けて下さい。(文責 須田)

 

No.2495-2】 04年06月06日  MA
抗がん剤とホルモン剤の併用の効果は?(2)

回答、ご丁寧にありがとうございました。ある日本乳癌学会専門医の先生が、「ホルモンレセプター陽性でホルモン治療もできるときには、まず抗がん剤治療、それが終わってからホルモン治療というのが最近の常識です。それは臨床試験で同時併用よりよい成績が出て、乳癌の国際会議で認められたからです。」とのコメントを拝見したために、妻の場合は併用ですので疑問を生じた次第です。主治医からは、「手術後の補助療法としては同時併用 が優れるとのエビデンスがあります。これは厚生労働省の科学研究補助による研究報告書にも明記されております。」との回答をいただいておりますが、ご感想をいただければありがたく存じます。

前回の回答にも記しましたが、化学療法とホルモン剤を併用するか、順次投与するかについては、AC+タモキシフェンのトライアルしかなされていません。再発予防に関する研究は現在、世界中で行われていますが、現時点では、タモキシフェン以外のホルモン剤を使った場合、エビデンスがありませんので、よく主治医とご相談の上、納得のいく治療を受けて下さい。(文責 須田)

 

No.2494】 04年06月03日  H 
肝臓癌末期の痛み止めについて

肝臓癌末期で治療中、28才です。痛みが強いので、貼り薬でも欲しいのですが・・・。まだ治療中ですが、最終はホスピスと考えています! まだ本人が治療を望んでいるのでホスピスにはいけません。痛みはロキソニンで対処していますが、限界のようです。何かよくきく貼り薬はないでしょうか? 貼り薬が楽なように思うのですが!

がん患者の痛み治療の目標は、痛みから解放されて、できるだけ平常に近い日常生活が送れ、生活の質が少しでも向上することにあります。WHO(世界保健機構)は、がん征圧計画にがん疼痛救済プログラムを加え、世界中の英知を集めて、4年間かけ、1986年にWHO方式がん疼痛治療法を公表しました。実際にどのように鎮痛薬を使用するかについてですが、痛みの強さが軽度ならばロキソニンのような非ステロイド系鎮痛薬を使用します。痛みが残るようであれば、次に中等度の強さの痛みに用いるコデインを追加し、更に痛みがあれば、モルヒネに切り替えます。このようにモルヒネを使用するかどうかについては、痛みの強さの程度で決めるのであって、がんの治る見込み、あるいは生命の長短(末期か否か)によって決定するのではありません。モルヒネと同様に、強い痛みがある場合に使用する薬で、「フェンタニル」があります。最近、がん疼痛治療のために、このフェンタニルを成分とした貼付型経皮吸収剤(フェンタニルパッチ)が使用されるようになってきました。ただし、フェンタニルパッチの使用開始は、保険上、モルヒネ製剤からの変更のみですので、主治医とよくご相談なさってください。(文責 須田)

 

No.2493-1】 04年06月01日  MT
良性から悪性癌へについて

初めまして、私の妹(30歳)が1年前に胸にシコリを感じて外科を受診し、針を刺して細胞を取っての検査で、良性の腫瘍だと言われました。だんだん大きくなり痛みを感じたので、今年に入ってまた受診し、もう1度検査してもらいましたら、また良性という結果でした。が、思いきって腫瘍を取ってもらい検査に回しましたら、右乳房の右側に5センチくらいと1センチくらいの腫瘍の両方とも浸潤性ガンという結果で、大きな病院に行くよう言われました。今回、総合病院へ行きましたら、すぐに、「全摘。開いてみないと、どこまで転移しているかわからない。」と言われ、手術待ちの状態です。今の病院の先生に、「どうして半年くらいで良性が悪性になるのか」とたずねましたら、「よくある事です」という説明でした。実際に「よくある事」ならば、どうして前の病院で「乳がんで良性が実は悪性だったというのは、よくある事ですので切除しておきましょう」等の説明がなかったのでしょうか? 半年くらいで良性が悪性になったりするのでしょうか?

@ 私が最も知りたいのは、腫瘍の大きさからいっても10年以上かかった腫瘍ではないかと思うのですが、10年も前からの悪性癌なのか、或いはこの半年で良性が悪性に変わったのか?(であれば、転移も少ないのではないか?という期待ができるのではないか・・・)ということです。
A 妹は10年くらい前から口臭や脇の臭いがひどくなったようなのですが、それは乳ガンの前兆だったのでしょうか?
B とてもやせているのですが、そんな体格の場合、わりと脇に近い所にガンがあれば、胸板が薄い分、体格のよい人よりもガンの転移がしやすいですか?

以上、どうぞよろしくお願いいたします。   

超音波の所見、マンモグラフィの所見がわかりませんので、はっきりしたことは言えませんが、1年前の時に悪性だった可能性は捨て切れません。針でさしたところにうまく細胞が当たらずに、悪性にもかかわらず、その細胞が取れずに良性と診断した可能性もあり得ると思います。逆に半年で、その腫瘍の一部分に癌が発生した可能性も否定できません。癌であるという確定がされた以上、手術ということになるのですが、30歳と若く、腫瘍も大きいので、術後の再発予防の治療で抗癌剤の治療がどうしても必要になってくると思います。最近では、そういった症例(術後、抗癌剤が必要になるような大きい腫瘤、若年者など)に術前に抗癌剤を投与して腫瘍を小さくしてから手術に望むという方法もあります。90%以上で腫瘍が小さくなりますので、温存手術も可能になるのではないでしょうか? 今一度、相談されてはいかがですか? やせていること、口臭云々は全く関係ないでしょう。やせていると下の筋肉に浸潤しやすいということはありますが、特に転移しやすいとかはありません。(文責 鈴木)

 

No.2493-2】 04年06月04日  MT
良性から悪性癌へについて(2)

すぐにお返事いただき、本当にありがとうございます。まだ2度しか診察を受けていませんが、検査の結果がでていないのか、所見説明はありません。手術後の治療法やガンの進行もわかりません。質問したくても、またセカンドオピニオンをお願したくても、もしもそれで機嫌を悪くされたらどうしよう、手術の日が延びて手遅れになったらどうしよう・・・と考えると、恐くてできません。温存できないかたずねましたら、「・温存すると残した乳房に放射線を当てないといけない  ・手術をしながらその都度、顕微鏡で見て取って行くようになるので、腫瘍手術の跡も合わせると傷が見よくないので、乳房再建も全摘の方がしやすい  ・温存なら、残せば転移の可能性は捨て切れない」と言われました。ですが今回解答をいただいたように術前の抗がん剤治療等の提案はありませんでしたので、それをたずねてみようかと思います。実際のところ、医師が言われる「乳房温存」というのは、乳首もなく、ほんの少しでも乳房が残る事も言うのでしょうか? 無知な私達は乳房の形が左右対象とまではいかなくても、本人が気にならない程度で残る状態を想像してしまうのですが・・・。そうなりますとやはり無理してリスクのある乳房温存は必要性ないのではないか?と思ってしまうのですが・・・。

直接診察しておらず、また、検査所見も分かりませんので、はっきりしたことは申し上げられませんが、一般的にいう「乳房温存」とは、やはり乳頭もあり、ご本人が気にならない程度の状態を想定しています。ただし、日本乳房温存療法ガイドラインでは、温存術の適応を、安全性や整容的観点より、腫瘍径が3cm以下と定めています。あなたの場合、腫瘍の大きさが5cmと大きく、更に1cmのもう1ヶの癌があり、現在の状況では温存療法の適応外となりますが、術前に抗がん剤を投与し、腫瘍を小さくして温存術を行うという方法もあります。現在では、術前化学療法は、術後化学療法と比較して、無病生存率、生存率共に差がないというデータもありますので、術前化学療法が、乳癌治療上、デメリットになるということはありません。温存術の適応か否かはケースバイケースですが、いずれにしても納得のいく治療を受けることが原則ですから、現在の状況を一番把握してくださっている主治医と、しっかりご相談ください。また、セカンドオピニオンは患者さんの権利ですから、遠慮せず、主治医にセカンドオピニオンも求めたい旨、申し出てください。現在までの治療経過を添えて紹介状をいただけるはずです。(文責 須田)

 

No.2492】 04年06月01日  DQQ
やはり癌でした(HPNo.2388-3)

先日は早々のご回答ありがとございました。No.2388・2459でお世話になりました。本日細胞診断の結果が出ました。やはり癌でした。細胞の結果はクラスXでした。これは疑いなしの決定だそうですね。かなりショックが大きかったです。エコー・マンモ・MRIの総合診断は、今の段階ではステージT・シコリの大きさは約2センチ・リンパへの転移は無さそうだと言う事でした。先生が色々早口で説明をされていましたが、呆然となっていたので、詳しいことはあまり覚えていないのが現状です。6月中頃には手術になるそうです。転移が無ければ1時間〜2時間弱で終わるそうです。術後5週間、25回に渡って放射線をかけるそうですが、放射線の副作用にはどのような例があるのでしょうか? やはり髪の毛が抜けたり、激しい吐き気などあるのでしょうか? 今日は告知され、ショックで体調が悪いですが、気持ちはもうしっかりと現実を受け止めました。転移・再発・副作用などについて少しアドバイスをお願い致します。10日ほどの入院で退院後どれ位で仕事に復帰出来るものですか?母子家庭で早く復帰をしたいのですが・・・。よろしくお願いします。   

乳癌の診断がついてしまったことで、不安な気持ちがいっぱいであると察します。ただ、病変は本当に早期ですので、十分治療によって治りきると思いますし、がんばって治療を受けてください。放射線ですが、やはり一番は、皮膚の広い意味でのやけどです。少し赤くなる程度から、皮膚がべろんと剥けるような人、あとはやはり少しだるくなるようです。まれではありますが、一部、肺にかかるため、肺が硬くなり息が苦しくなる方がいます。いずれも治療により改善します。髪の毛が抜ける、吐き気は殆どありません。まず、無事に手術を受けていただいて、その病理の結果で、抗癌剤の必要性を検討します。その種類によっては、半年くらいかかるものがあります。いずれも外来通院で可能です。その後に放射線照射を行います。抗癌剤の種類によっては吐き気、脱毛を起こすものもあります。ただし、乳癌は術後に再発予防の治療をしっかり受けることでその後に大きく差がでてきますので、治療が必要であるのであれば、しっかり受けられた方が良いと思います。手術、頑張ってください。(文責 鈴木)

 

No.2491】 04年06月01日  Y.O. 
治療を休んで2ヵ月になろうとしています(HPNo.1490-5)

いつもご回答に感謝致しております。2004年4月11日 bQ317でお世話になりました。4月27日体重10s増加により利尿剤を飲み始め、5月31日現在7.5s減りました。5月中旬胸水を1200ml抜きました。
5月20日血液検査結果:ALP 649、GGT 190、CA15−3 12.5、NCCST439 186.8、 AST 41、 ALT 41     
4月6日に6クール終了後、副作用が強かったため 私の希望で治療の継続をしていません。(2月末頃からのむくみ、手足の爪の痛み、味覚障害等)
1) 主治医はタキソテールの継続をすすめてくださいますが、私の場合、一般的にはホルモン療法に戻ることは無理があるのでしょうか(タキソテールの量35ミリ×3週 1週休みで6クール終了)
2) 腫瘍マーカー他の結果について
3) 現在の癌の転移部位を知った上で治療方法を決定した方がよいのかとも思っています。ペットの必要性は? 

おいそがしいところ恐れ入りますが、上記3点につきましてご意見を頂きたく宜しくお願い致します。次回は6月10日予約です。現在の体調は普通の生活が送れます。とても元気です。  

タキソテールに関しては、それにより胸水が貯まったと考えるのであれば、もう一度その治療に戻るのは抵抗があります。再度、胸水が貯まる可能性があると思います。効いていたのであれば、続ける価値はあるかと思いますが、前回加藤先生が回答しているように、作用と副作用のバランスを見ながら、ご自身にあった治療法をみつけることが大事だと思います。ホルモン療法ですが、今現在の病変を再確認し、もし、肺、肝などの大事な臓器に転移がないのであれば、すなわち骨、リンパ節、皮膚などだけの病変であれば、ホルモン療法も選択肢だと思います。しかし、ホルモン剤の種類が殆ど使っていますので、以前に使っていたものを再度ということになります。ただ、それを使っていての再発でしたので、あまりその効果のみを期待するのはどうかと思います。PETに関してはあまり必要性を感じません。PETを行って小さな病変を確認するより、今あなたを苦しめている病変の確認をすればいいので、それはきっとCTとか超音波であると思いますが。(文責 鈴木)

 

No.2490】 04年06月01日  J.N.
骨転移のMRI検査報告書について(HPNo.2279-3)

No.2279で相談させて頂きました。その節はありがとうございました。骨シンチとその後のMRIの結果、骨盤と大腿骨に骨転移していることがわかりました。主治医の先生と相談した結果、週1回のタキソールを3週続けて、4週目にアレディアをすることになり、1クール終わったところです。しばらくやってみて、もしタキソールが効いていないようだったら、その時にハーセプチンを使うようです。今回のご相談は、MRIの検査報告書の内容についてです。主治医の先生からも説明はありましたので、だいたいのことはわかっていますが、検査報告書を見ると、専門的な用語がいくつかありますので、それを教えて頂けたらと思います。
<両側腸骨にはT1W1でlow SIを示すlesionsが散見され、T2W1ではやや高信号を示している。仙骨には転移を疑うSI病変は認めない。大腿骨頭にはT1W1で低信号を示す円形病巣を多数認める。T2W1ではやや高信号を示している。骨髄の変性の存在が考えられる。> と書かれてあるのですが、わかりやすく言うとどういうことなのか、ご説明頂けますでしょうか? 現在、長時間歩いたり動いたりすると、足の付け根や腰が痛くなってきますが、痛み止めでかなり楽になります。まだ治療を始めて一ヶ月しか経っていませんし、効果があるのかないのか判断するのはまだ先のことになると思いますが、とりあえず今の状況を自分なりに把握しておきたいと思いますので、どうかよろしくお願い致します。

MRIの所見のことですが、これは直接主治医に写真を見せて頂きながら説明を聞いた方がわかりやすいと思います。T1とかT2とかいうのは、脂肪に重きをおいて撮影するとか、水分に重きをおいて撮影するとかの、条件の話です。T1W1であればT1強調画像ということになります。Low SIというのは低信号で黒く写るということ・・・・でして、腸骨と大腿骨に乳癌の転移を疑わせる病変を認めるということになると思います。かなり専門的な話ですので、T1、T2云々について全てを把握しようとすると、かなりややこしくなりますので・・・、われわれでも正直難しい領域です。(文責 鈴木)

 

No.2489】 04年05月31日  J.Y
乳首下の痛みについて

25才男です。
■症状
2週間ぐらい前(5/16頃)になにげなく体をかいた時、右の乳首に痛みを感じました。触ってみると、乳首下に1cm程度の腫れ(?)というか、しこりを発見しました。痛みを感じた時は、痛む箇所に熱を感じて、少し腫れているように感じていました。痛みの強さは筋肉痛とかわらない程度で、わめくほどではありません。ふれるぐらいでは痛くありません。指の平で押さえたり、指で軽くたたくと、「ちょっと痛い」という程度です。

■原因を考えてみました
痛みに気づいた1週間ほど前(5/9頃)に海に入ったのですが、そのときも何となく体をかいたことがあり、ちょうど乳首あたりを強めにかいてしまい、「痛っ」と思ったことがあった気がします。時間が経って本当にこんな事があったのか自信がなくなってきましたが・・・。

■現状
現在は、痛む箇所には熱を感じませんが、乳首下のみに1cm程度のしこりがあり、痛みは当初とさほど変わっていません(念のため体温情報 2004/5/30 23:30時点の体温は36.9度で若干微熱)。風邪をひいているわけではありません。

■質問と助言のお願い
2点教えて下さい。
1) 「■症状、■現状」のみで考えると、これは早急に受診が必要な危険なレベルでしょうか?
2) 「■原因を考えてみました」からは、炎症を起こしているのかと考えました。この様な場合、薬局の薬で有効な物があれば教えて下さい。

早急に受診を行うのではなく、経過を見てから受診するぐらいの余裕があるのであれば、薬局などの薬で経過を見たいと考えています。症状からの診断や、受診についてのご助言をいただけませんでしょうか?

はっきりと、原因がわかっているわけではありませんので、薬局の薬でというのは感心しません。決して急いで病院へという状況ではないと思いますが、炎症を起こしているのであれば、その原因を確かめなくてはいけませんし、必要に応じて抗生物質の投与、場合により、局所を切開して膿みをだすようなことも考えねばなりません。一度、乳腺外科の受診をお勧めします。炎症なのか、それも皮膚だけなのか、中まで及んでいるのか、この文面では判然としませんので、薬局で売っている効きそうな薬についても、明確な答えはありません。(文責 鈴木)

 

No.2488】 04年05月31日  M
右乳首のすぐ下にしこりがあります

早速、相談内容ですが、右乳首のすぐ下の乳輪の表面上に(山で言えばすそ野にあたる部分)米粒大くらいのしこりがあります。パスタの茹で方のアルデンテみたいに、コリコリと芯がある感じです。摘むとちょっと痛いのですが、激痛ではありません。触ったりしなければ、何も自覚症状はありません。3ヶ月前くらいに気が付き、様子を見ていますが、大きくなったり、痛みが強くなったりといったような変化はありません。このまま様子を見ていても良いものなのか、早急に受診した方が良いものなのか、アドバイスをお願い致します。当方、33歳・女・独身・出産経験なし・血縁者に乳癌の既往なし。

3ヶ月前に自覚されて、その後あまりサイズに変化がないようであれば、あまり急いで受診しなくてもよろしいかと思います。一度、超音波をしていただければ、大体の病気の素性ははっきりしますので、乳腺外科の受診をされてはいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.2487-1】 04年05月31日  chie
抗癌剤治療後の妊娠について

お忙しいところ申し訳ありません。私は29歳で、乳がんの術前抗癌剤治療中です。将来妊娠を希望しているため、ゾラデックスで排卵機能を止めながら抗癌剤をしました。もし将来順調に排卵が戻り、妊娠が可能な状況になった場合、抗癌剤が卵子に影響を与えていないかがとても心配です。先生に伺ったところ、「抗癌剤治療中の妊娠でなければ大丈夫です。」と言う先生や、「抗癌剤が卵子に影響を与えるか与えないかはデータがないのでわかりません。抗癌剤の治療後妊娠された方の子供に何か障害があったかどうか、データがないからです。」という先生がいて、とても心配です。何かご存知のことがあれば教えていただきたいのですが・・・。よろしくお願いいたします。

かつては妊娠が乳癌の再発を増す可能性や薬物療法が胎児へ及ぼす影響への漠然とした危惧によって、乳癌治療後の妊娠、出産を好ましくないとする傾向にありましたが、現在では、薬物療法後の妊娠に関しては奇形を起こしやすいという報告はありません。むしろ、問題ないという報告のほうが多いようです。ただし、患者年齢と薬剤の種類、量により、薬剤によっては不妊になる可能性があること、治療後の妊娠が乳癌の予後を悪化させるというevidenceはないこと、治療終了後の妊娠であれば胎児への影響はないと考えられること、授乳による影響もないものと考えられること、などが答えとなりますかどうか・・・。抗癌剤投与中の妊娠は避けた方が良いと判断します。治療終了後は、薬剤の半減期と排卵前の減数分裂(難しいですが、細胞の分裂と考えてください)から考えて、約半年の期間が過ぎれば妊娠は問題ないものと考えられます。(文責 鈴木)

 

No.2487-2】 04年06月04日  chie
手術方法について

先日HPNo.2487でご相談させていただいた者です。今日は手術方法について相談させてください。私は29歳で、4.2センチのガンと、MRIの検査で脇に1つのリンパ転移があるということでした。今は術前化学療法のCEF4クールとタキソテール4クールが終わり、昨日MRIとエコーの検査結果を聞きにいったところ、画面には癌細胞らしきものはまったく写らなくなったということでした。ただ細胞単位で癌細胞が残っていることがあるので、以前癌細胞のあったところを手術でとり、顕微鏡で検査をしてみるということでした。悩んでいることはリンパ節のことです。このことについては昨日三人の先生にお話を伺いました。1人の先生は、「これだけ効いているので、センチネルリンパ節生検で癌細胞がなければリンパ節はとらなくてもいいでしょう。もし心配なら元々癌細胞があったリンパ節と、あと1箇所とって調べるくらいで充分大丈夫でしょう。日帰りでできますよ。」といい、もう1人の先生は、「術前化学療法後のセンチネルリンパ節生検はまだ安全だという確証がない。全部とる必要はないが、部分的にとるべきです。2週間の入院です。」といい、もう1人の先生は、「消えてしまった場合はとても難しい。標準的にはリンパ節はとったほうがいいが、とらないという選択もありえる。」といいます。自分ではどの先生の言葉を信じていいのかわかりません。もちろんとったほうが確実なことはわかっています。ただ、とらなくても大丈夫であるといわれると、その言葉を信じたくなってしまう自分もいます。長くなってすみません。ご意見をお聞かせください。

一般に腋窩リンパ節郭清に伴う合併症としては、腋窩seroma(リンパが溜まる)、肩関節の硬直、上腕の知覚鈍麻、上肢の浮腫などがありますが、特に上肢の浮腫は、郭清範囲が拡大すればするほど頻度が高くなります。術後の後遺症だけを考えれば、郭清をしなくてもという考え方も有り得ますが、乳癌学会ガイドラインでも、腋窩リンパ節臨床的陽性症例については、腋窩郭清を勧めています。今回乳房切除をし、細胞単位の癌が残っていないことを検査するのと同様の意味合いで、腋窩リンパ節についても検査が必要であるという考え方から、私個人的には、リンパ節を取ったほうがよいと思います。(文責 須田)

 

No.2486-1】 04年05月31日  A.T. 
腫瘍を摘出しましたが、その結果について

初めて相談させていただきます。よろしくお願いいたします。53歳の主婦です。10年前に卵巣摘出し、プレマリンを9年間服用しました(現在は飲んでいません)。両胸にしこりが何個かあり、外科の診察を受けていましたが、水がたまるということで、心配は無いと言われ、大きくなると注射針で水を抜いていました。3月に違うしこりが見つかり、エコー、マンモグラフィ、細胞検査を2回しましたが、その結果は、クラスVで、良性とも悪性ともいえないとのことでした。5月10日に腫瘍を摘出する手術をしましたが、その結果もクラスVで、同じくどちらとも言えないでした。先生は、「薬を飲んで、陽性か陰性かを判断して、治療を決めましょう。」と言われましたが、とても不安です。しこりを取って検査をしても、悪性、良性がわからないのでしょうか? 他にも心配があります。手術の時、担当医と執刀医の連絡ミスだと思うのですが、しこりの場所がわからず、エコーをしながら手術をし、水のしこりの方も取りました。もし癌だったら、ひろがらないのでしょうか? 不信感が有り、他の病院でも診察を受けたいと思いましたが、しこりが無くなってからでは無理でしょうか?

手術で摘出すればクラスVということはありえないと思います。白か黒かは確実に診断できます。その病院の病理の先生が判断できないのであれば、全国には乳腺の病理で著名な先生はたくさんいらっしゃいますので、その先生などに相談して意見を求めることも可能なはずです。「薬をのんで、陽性か陰性かを決めましょう。」というのもあまり釈然としません。私としましても他の病院にセカンドオピニオンを求められてはいかがかと思います。病理の結果に関してはこちらのほうで問い合わせをしますので、しこりがなくなってからでも構いませんから受診してください。手術の時にしこりがわかりにくいということは時に経験しますので、これはあまり心配ないでしょう。仮に悪性でも広がってしまうということはないでしょう。(文責 鈴木)

 

No.2486-2】 04年06月09日  A.T. 
腫瘍を摘出しましたが、その結果について(2)

HPNo.2486で相談指せて頂きました。お忙しい中、ご回答ありがとうございました。6月4日に診察があり、結果について、もう一度くわしく聞いてきました。「良性とも悪性とも言えない」と、同じでしたが、異型乳管増殖症と言われました。すごくめずらしい例で、先生の患者さんには、今まで一度もいなかったそうです。薬を飲んで判断とは、聞き違いだったようです。その後の病理の検査で陰性だったので、ホルモン療法はしないそうです。まだ検査の結果がでていないのがあるのではっきりしないが、放射線をあてることもあるかもしれないとも言われました。しこりが完全に取れているかどうか、又、エコーを見るというので、6月18日に予約をしました。病名の説明を詳しくして頂けなかったので、どんなものか不安です。それと、病理の検査結果には、そんなに時間がかかるものなのでしょうか?

「異型乳管過形成」は、生物学的に、「非浸潤性乳管癌」との判別が難しく、2mmを超えない微小な低悪性度の癌である可能性が示唆されています。従って、病理診断を行う際には、標本の検索方法・異型と判断した理由・癌と断定できなかった理由を明確にし、且つ、各症例毎に病理医と外科医の間で、診断後の対応について充分なディスカッションを行う必要があります。このような理由で、病理の検査結果に時間がかかっているものと推測されます。
次回受診の折、充分な説明があることと思いますが、分らない事、疑問に思う事などは遠慮なく伺って、納得のいく治療を受けて下さい。(文責 須田)

 

No.2485-1】 04年05月31日  megu
分泌液とマンモの結果が気になります

32才で、2歳6ヶ月の子供がおります。右側の乳首2箇所から黄色の分泌液、左側乳首1箇所から黄色と透明の分泌液が1年前位(流産したころ)からあり、最近は胸の張り(痛み)があったため、乳腺外科にマンモとエコーと触診を受けに行きました。マンモ検査の結果、右側の乳房下の方に白い小さな点々がたくさんあり、先生は、「良性ではあまりみられない所見」ということでエコーをしました。エコーには悪性を思わせるものはないな〜ということでしたが、やはり気になるということで、ハリを刺して細胞を取って調べました(分泌液もとって調べました)。まだ細胞診断の結果がでず、不安なことが一杯で食事もできないのです。小さな白い点々が下の方にあるのは、しこりがあるよりも悪性の可能性が強いのでしょうか? エコーにうつらない癌もありますか? もし悪性の場合、他に転移している可能性もあるのでしょうか? 子供が小さいため子供のことを考えると不安で不安で・・・。わからないことばかりです。どうかお教えください。

症状とマンモグラムでの白い点々(微細石灰化といいます)とのつながりがあまりないように思います。症状はあまり悪性を疑うものではありません。微細石灰化ですが、良性でも悪性でも微細石灰化はおこります。その形、分布により、良悪性の鑑別をしますが、それでも区別がつかないときにその部分を局所麻酔で切除したり、針で刺して病理学的に検査します。今回は、良性ではあまり見られない所見ということで、針で刺して云々ですが・・エコーで悪性を疑うような所見がないということですので、文面の印象からはあまり悪い印象はありません。非常に早期の癌で非浸潤癌というのがありますが、これはエコーでの所見が少なく、マンモで石灰化だけで発見されることも多いです。いずれにしても、まず悪性か否かの鑑別をしっかりして頂くことが肝要で、あれだ、これだの不安はあると思いますが、もし悪性だったとしても、非浸潤癌であれば他に転移する可能性はまずありませんので、十分治療に反応するタイプであると考えます。また、何かありましたらいつでも連絡ください。(文責 鈴木)

 

No.2485-2】 04年06月04日  megu
微細石灰化について

HPNo.2485で質問させていただいたmeguです。先日は、とてもご丁寧にわかりやすくお答えいただき、本当にありがとうございました。再度質問させていただきます。細胞診断の結果がでたのですが、良性でした。ただ、先生は、マンモの所見が区域性(乳首下部分、全体の1/4)ということで、ひっかかっているようでした。エコーでも、石灰化の小さい粒はみえるが、異常と思えるものはないとのことでした。マンモトームは強く勧められることもなく経過観察していくという感じだったのですが、マンモトームをやらずに、経過観察をしていっても大丈夫なのでしょうか? あと、微細石灰化はなくなることはないと言われたのですが、経過観察していき、癌とはっきりした時点で手術するということは、何年先かはわからないけど、いつか必ず癌になるということになりますか? ということは、早くマンモトームをやって、早くとってしまった方がいいことになるのかなぁ・・・と、家に帰ってきてから、色々と不安がでてきてしまいました。どうぞよろしくお願いいたします。

直接診察しておらず、また画像も拝見していませんので、詳細についてはわかりませんが、現時点では悪性を疑う所見が見られないということだと思います。経過観察とは、ただ漠然と放置しておくということではなく、前回のマンモグラフィーと比較して石灰化像に変化が見られるか、触診での違いはどうか、echoでの変化はあるか、などを総合的に判断し、何か変化があれば、次の検査として、マンモトーム、或いは生検を行うことになります。いつか必ず癌になる・・・ということではありません。あまり過剰な心配をせず、経過観察で充分ではないかと思いますが、それでも心配・・・という場合は、不安を取り除く意味からも、主治医とご相談し、納得のいく治療を受けて下さい。(文責 須田)

 

No.2485-3】 04年06月27日  megu
セカンドオピニオン

HPNo.2485でご回答いただきましたmeguです。また質問させていただきたいのですが、どうぞよろしくお願いいたします。マンモトームの必要性が知りたくて、別の病院でセカンドオピニオンを受けてきました。今回の先生は、マンモグラフィを見ると(マンモグラフィは前回の病院から借りてきたものです)カテゴリー4に入るため、マンモトームを受けた方がいいとおっしゃいました。前回の先生は経過観察をして石灰化の状況が変化したらマンモトームをという判断だったのですが、マンモトームを受けるべきか経過観察をするべきか迷っております。カテゴリー4の場合、マンモトームは必須でしょうか? 先生により判断が異なるので、どうしていいのかわからなくなってしまいました。あと、マンモトームを受ける場合、今すぐではなく4ヶ月先にすると、病気は進行してしまっているのでしょうか? また、今回の先生は微細石灰化が胸骨に近いため、判断しにくいともおっしゃっておりましたが、胸骨に近いということは何かよくないことなのでしょうか? また家に帰って落ち着いてから疑問がでてきてしまいました。どうかご回答、よろしくお願いいたします。

マンモトームはまだ新しい医療機器で、われわれの神奈川県にも私の知る限りまだ3台しかない貴重な機器です。ご指摘の通りマンモグラフィでカテゴリー4以上で腫瘤を触知しないということですので、マンモトームによる生検がよい適応と考えますが、もし悪いものであったとしても非浸潤癌の可能性も強いと思われ、4ヶ月先にしたからといって病状が進んでしまうといったことは考えにくいと思われます。また、前述の通り、マンモトームはまだ貴重な機器なので、すぐにマンモトームの予約がとれるかどうかといった問題も生じてくると思われます。よって今すぐマンモトームを施行するのも、4ヶ月後に再度マンモグラフィをとった後その後を検討するのも、どちらも同等によい選択であると思います。また微細石灰化が胸骨に近いとのことですが、胸骨に近いのがよくないということではなく、多分乳頭から遠い部分なのでマンモグラフィで挟みにくい、または読影しにくいということではないかと思います。(文責 谷)

 

No.2484】 04年05月31日  A 
術後の治療について

母のことでお尋ねします。母は73歳です。2週間前に左胸全摘出の手術をうけました。リンパも13個取り、リンパの転移もありませんでした。癌の大きさは2cmくらいでしたが、形が縦長でした。ホルモンレセプターは陽性です。詳しい細胞学的な悪性度はきいておりませんが、この場合、再発リスク群に入るのでしょうか?(先生はそのようなニュアンスの言い方でした)  ホルモン療法をしたらいいのではないかと思うのですが、副作用が心配です。母はコレステロールが高く、前から薬を飲み続けています。メニエル病の持病もあります。担当医は、治療をするか・しないかは患者が決めるようにおっしゃいます。でも、母にはとても決められません。子供である私と兄の意見は正反対です。私はホルモン療法をやって、だめならやめればいいという意見ですが、兄は副作用が怖いからやらない方がいいという意見です。どうか、よいアドバイスをお願いします。

細胞学的な悪性度がすごく悪いとか、リンパ節転移はなくてもリンパ管にたくさん浸潤が見られるようであれば、抗癌剤もひとつの対象でしょうが、年齢とのバランスや、もっている病気の治療のこととかと一緒に相談して考えられてはいかがでしょうか。私としては、ホルモン治療は必要と考えます。娘さんが言われるように、ホルモン剤の副作用はあまり心配するものはありませんので、まず内服して、もし副作用が出現するようであればやめるというのでいかがでしょうか? 副作用はやめれば治りますが、病気の再発はそれ以上につらいものですので、今できる治療を精一杯受けられてはいかがですか?(文責 鈴木)

 

No.2483】 04年05月29日   T.T. 
診断経過について

34才、2児の母です。5月16日に右胸にコロコロとしたしこりに気づき、近所の外科で診察を受けました。レントゲン(マンモ)とエコー検査で、2.3mm×1.0mmの腫瘍があり、「悪性の可能性は低いと思うが、念のため大きな病院で診てもらった方がいいでしょう。」と言われ、紹介状、レントゲン写真、エコー写真を持って、5月26日に以前、卵巣膿腫で手術を受けた総合病院の外科へ行きました。そこでの先生は、触診した後、「持っていったレントゲンの画像が綺麗でないので、もう一度うちで撮りましょう。」と言いました。私は気になるので早く診てもらえると思っていましたので、「急がなくて大丈夫ですか?」と聞きました。先生は「この腫瘍は1年位かけて出来た物なので、今すぐでなくても大丈夫です。もし、悪い物であっても、すぐに悪くはならない」と言いました。その日にマンモを撮り、「エコー検査の予約を取って来てください。」と言われました。予約を取りに行くと、担当の人に、「エコーは生理の7日後に撮るのが綺麗に見えるので、その頃に予約を入れましょう。」と言い、23日後の6月18日となりました。「そんなに先で大丈夫ですか」と聞いたのですが、「先生が急がないなら仕方ない」と言われ、その予約表を先生に提出すると、次の診察の予約日は6月23日ということになりました。もう直接先生に聞くことはできず、不安なまま帰ってきました。悪性の可能性がなくはないのに、1ヶ月も先まで診てもらえないのは不安です。先生の「急がなくても大丈夫」って言葉は、信じていいのでしょうか。もし悪性だったら、1ヶ月の間に手遅れになったりしないのでしょうか? こんな気持ちで1ヶ月待つのは辛いです。もう一度言って聞いたほうがいいでしょうか? 他の病院に換えたほうがいいでしょうか? 大きな病院ではそれが当たり前の事なのでしょうか? 心配です。

少し待たせすぎと思います。われわれのところでは、当日、エコー、レントゲンを行い、少し時間は頂くものの、大体その日のうちには病変の素性を明らかにします。恐らく、乳腺外科がしっかりしているところであれば、そのような対応のはずです。生理がどうのこうのはあまり関係ありません。腫瘍があるのであれば、その大きさ、形を評価するので、きれい汚いはあまり関係ないと思います。現実には、仮に悪性であっても、1ヶ月経ったからといって腫瘍が極端に大きくなるとか、進行して手術ができなくなるとかはありませんが、心配でしょうから、早々に別の病院にいかれてはいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.2482】 04年05月29日   はるくま
乳房のデキモノ

私は31歳既婚、2歳の子供が一人います。3ヶ月ほど前に乳がん検診を受けたとき、医師から左胸の下側にデキモノができていると言われました。デキモノは赤く、米粒のような形と大きさでした。乳がん検診自体は異常なしで、デキモノについても気にしていなかったのですが、1ヶ月ほど前に思い出して見てみると、大きさも色も変わらずにあったので、家にあったステロイド軟膏を時々塗っていたところ、少し小さくなり、赤みもひいてきたように思いましたが、念のため皮膚科を受診ました。結果、皮膚の下に袋のような、しこりのようなものが出来ているようだと言われました。塗り薬を処方されましたが、治らなければ切らなくてはいけないかも…と言われました。切らなくてはいけないかも…と言うことは、悪いもの(乳がん)の可能性もあるということなのででしょうか? とても気になっています。よろしくお願いします。

3ヶ月前にしこりがあり、今は塗り薬で少し小さくなったとのことですので、まず、悪性の心配はありません。毛穴のなかに感染して出来たようなものと考えるとわかりやすいでしょうか。あまり心配ないと思います。切らなくてはというのは、悪性の可能性がということではなくて、治らないのであれば、切除して治しましょうということだと察します。(文責 鈴木)

 

No.2481】 04年05月29日   H.T.
乳癌から副甲状腺の転移は?

初めまして。お忙しい所、申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。私、54才主婦です。昨年しこりを発見し、今年3月、大学病院にてセンチネルの手術をしました。幸い腫瘍が約6ミリの1期で、リンパ節転移もなく、放射線も25回無事終了いたしました。そして再発予防ということで、5年間アリミデックスを服用するということで、この度、骨の詳しい検査を致しました。その結果が出て、カルシウム値が異常に高く、副甲状腺のエコーの診察を受けた所、小さな腫瘍がありました。しかし、特に一刻を争うこともなく、これからの検査をしていくということで、とりあえず35日のアリミデックスを服用する事になり、1ヶ月後の血液検査で経過観察して薬をプラスしていく、すぐにではないけれど、副甲状腺の腫瘍をみていくとの事でした。とても親切な先生で、何の不満もありません。また、「転移ではないか?」との質問もしましたが、それはないとの事でした。そこで、しつこく質問なのですが、乳癌から甲状腺へ転移したとの話を聞いた事があります。乳癌から副甲状腺の転移はありえない事もないのでしょうか? 昨年、腎臓・尿管結石をしました。関連性、また、そういう腫瘍が出来やすい体質なのでしょうか。結石の様に薬で散らすのは、副甲状腺の場合、不可能でしょうか?生命にかかわる事はないのでしょうか?治りにくい、とてもまれな病気になるのでしょうか?とても不安に感じています。乳腺・甲状腺は同じ診察項目にあり、先生も信頼していますが、また手術、再発かもと考えると不安でなりません。よろしくお願い致します。

乳癌が副甲状腺に単独に転移することは極めてまれです。甲状腺への単独転移も非常に少ないです。副甲状腺に腫瘍があり、カルシウムが高くて、以前に腎臓結石、尿管結石を治療したということであれば、副甲状腺にカルシウムを分泌する腫瘍があり、その一部分症状として、腎、尿管にカルシウムの沈着がおきて結石ができたのではと懸念します。薬で散らすことは不可能で、治療は手術が必要になると思います。乳腺は、ひとまずしこりも小さく、リンパ節転移もなく、放射線照射も終了しましたので、第1段階は終わりましたので安心されてよろしいかと思います。副甲状腺に関してさらに煮詰めていただいたらいかがでしょう。(文責 鈴木)

 

No.2480】 04年05月29日 saya
胸と胸の間の痛みについて

初めてお便りさせていただきます。もう半年以上になりますが、胸と胸の間(特に右胸の左下の部分)を押さえると、痛みがあり、また、呼吸が以前に比べ、し難いように思います。意識してしないと、気が付くと息が止まっていて「苦しい」と感じ、急いで大きく息を吸っています。文章で書くと少し大袈裟に聞こえてしまいますが、呼吸の方はみんなそうだと言われれば、それほど気にはなりません。ただ、胸の押さえた時の痛みと、何か因果関係があるのならと思い付け加えました。気になるのは胸の痛みです。ご指導よろしくお願いいたします。

恐らく痛みはあまり心配されなくて良い症状です。それに伴い、しこりを感じるようであれば、乳腺外科の受診を勧めます。乳腺、そのものがホルモンの関係で張ったり、つれたりする、これは生理的なことです。超音波を行えば、こういった乳房の痛みを起こしやすい乳腺か否かがわかりますので、あまり心配であれば怖がらずに受診してください。(文責 鈴木)

 

No.2479】 04年05月29日  K/KG
術後療法に不安があります

始めまして。術後療法についてご相談致します。4/28 左乳がん温存手術をしました(腋リンパ節摘出)。術前にステージUaとの説明を受けました。術後の臨床検査の結果が先日でました。難しい事はわかりませんので、医師のおっしゃったことをそのまま書きます。ホルモン感受性+、ハーセプチンという抗がん剤は効かない、リンパ節転移10個とのことです。術後補助療法としては、抗がん剤治療とその後はホルモン療法を5年とのことでした。放射線治療はなし。まず納得できない事を書きます。

抗がん剤治療
@AC(3ヶ月)→タキソール(3ヶ月)
AAC(3ヶ月)→タキソテール(3ヶ月)
Bタキソテール6ヶ月
Cタキソール6ヶ月       ・・・・@〜Cいずれも3W/1回 8回投与

以上4種類の抗がん剤治療を使う事になるが、臨床検査に参加してもらえるならコンピューターがどれにするか選択。臨床試験に参加しない場合は主治医が「適当」に選択すると言われました。治療を受ける私としては症状や臨床検査や今までの経験によって、これの方が効果的とか、こっちの方が治療成績がよかったとか言うものがないのでしょうか?あくまで「くじびき」とおっしゃるのです。今後転移や再発の不安を抱えているのに、この説明は納得できないのです。何度問いただしてもあくまで医師の所見はないとおっしゃいました。ガン治療はこんなものなのでしょうか?どこの病院でも抗がん剤の選択はこの程度なのでしょうか?あともう一つ。放射線治療はやらなくていいと言われましたが、素人考えで乳がん温存手術に放射線治療はつきもののように考えていました。先生が放射線治療をしなくてもいいといわれたのはどんな意味があるのでしょうか?転移が多すぎたから、見えないガンが体中に回りすぎているからやっても無駄・・ということなのでしょうか?リンパ節10個転移というのはどの程度深刻なものと受けとめればいいのでしょうか?臨床検査の結果説明は以上、上に記載したことで終了しました。納得ができないので検査結果のコピーを求めたいと思うのですが、可能でしょうか?また不可の場合、他に聞いておいたほうがいいことはどんなことでしょうか。勉強不足のため申し訳ございませんが、お答え戴けたらありがたく思います。宜しくお願い致します。

まず、術後の再発予防の補助療法についてですが、リンパ節転移が陽性である場合、ホルモン感受性がない場合、腫瘍が大きい場合、腫瘍の顔つき(組織学的悪性度)が悪い場合、若年の場合に補助療法が必要になります。これは、今まで、いくつもの臨床試験が全世界で行われ、何万人、何十万人の患者さんが試験に参加され、その結果が集約されて、上記の条件に当てはまるような病態の時には、補助療法を追加した方が良いという結果が得られ、今の時代の乳癌の治療方針が方向付けられています。ただし、これらの臨床試験の結果というのは、その殆どが海外のもので、日本のデータが乏しいのが現状です。果たしてこれらの治療方針をそのまま日本人に当てはめていいのか、薬剤の量は、など、課題も残っています。そこで、日本でもわが国の臨床試験がどうしても必要になり、あなたに、主治医が臨床試験への参加をよびかけたものだと思います。この試験は、恐らく現在、日本で進行中の臨床試験のうち、最も参加される患者、施設の多い試験であるはずです。ただ、これらへの参加は自由ですし、同意したあとの撤回も可能です。ここに出ている4つのメニューはどれもこれも、乳癌の治療には欠かせない、大事な、かつ効果の高い薬剤です。しかし、どの治療法が一番効果が高いのかは検証されていません。副作用が、逆に強いのかも検証されていません。薬剤には副作用がありますので、仮に効果が強くても、副作用も強ければ、その治療法は今後、廃れていくことになるでしょう。そういった意味で、ぜひとも必要な臨床試験であることをご了解下さい。恐らく、効果的にはどれもあまり大きなかわりはないであろうと思いますが、副作用がどれほどなのかというのが未解決です。
そこに、言葉が悪いですが、<くじびき>という概念が入ってきます。これは患者の病状、進行度、大きさなど、様々な因子で割り付けて、4つの治療法に患者さんが均等に分類されるようにするため、主治医や患者の意見が反映されることなく、無作為(これがくじびき)に患者さんが割り振られます。あまりイメージは良くないと思いますが、今までの全世界で行われているどの臨床試験もこのように無作為に割り付けをされています。そうでないと、Aという治療法に早期の患者さんが多くて、Bという治療法に進行している患者さんが多ければ、Bの治療法は結果が悪く出ることが明らかですので、そういった偏りを減らすのが無作為割り付け(くじびき)の役割です。そういった背景があること、御察し下さい。もしそれでも、この試験への参加を見合わせたいという希望であれば、それは伝えて下さい。
その場合の治療ですが、現在、最も良いであろうという治療法の中から、副作用、効果の面から選択されたらよろしいでしょう。その治療法は適当に選択というのはおかしい話ですので、納得されるまで、ディスカッションされたほうがよいと思います。アドリアマイシン(A)とシクロフォスファミド(C)の組み合わせを3週に1回やり、これを4回繰り返し、つぎにタキソール(T)を毎週12回、行うのが全世界的には一番の治療法です。ただし、これは全脱毛しますので、その配慮は必要です。つぎに効果の高いものはシクロフォスファミド(C)、メソトレキセート(M)、5FU(F)の組み合わせを月に2回、約6ヶ月行うものです。それら、どちらかを行ったその後に、腋窩、鎖骨上、乳房に放射線照射を行うのが一番であると考えます。放射線照射は必要で、リンパ節転移が4個以上の場合には腋窩、鎖骨上にもあてた方が予後が良いことが報告されていますし、われわれ共通の認識です。リンパ節転移10個の予後についてですが、5年後に生存している可能性は50%くらいでしょうか。しかしあきらめるものではありません。他の領域の癌に比べたら、予後が良い癌ですので、一緒に頑張って戦っていきましょう。何かお手伝いできることがあればさせて頂きます。検査結果のコピーはもらいにくいでしょうから、何もなくても乳腺外科のしっかりしているところであれば、そういったものは不要です。こちらから問い合わせをしますので、気兼ねなく受診されてください。ご自身、家族のための人生です。悔いのない、納得のいく治療をうけてください。何度も話し合い、理解されてからのほうがよいですね。不安に思う、納得のいかないときには、他の病院を選択されるのも良いでしょう。大変、長くなりました。恐縮です。頑張ってください。応援しています。(文責 鈴木)

 

No.2478-1】 04年05月29日  H.S.
手術後について

初めて相談させていただきます。よろしくお願いします。 74歳の母は、1ヶ月前に右乳癌の手術(乳房切除・リンパ節郭清)を受けました。手術後はドレーンがなかなか抜けず、入院期間は約4週間で、つい最近、やっと退院できましたが、退院後も体液が溜まるので、通院で抜いてもらっています。手術前の所見では、大きさ2.5センチ、リンパ節など画像上の転移は見られないということでした。手術後の主治医の説明は、「腫瘍の大きさ・約2.2センチ」、「リンパ節11個中、転移0」、「ホルモンレセプター・陽性」ということで、ホルモン療法を勧められ、現在、「アリミデックス」を服用しています。質問ですが、
@ リンパ節を20個以上切除したなどという人も体験としているようですが、比較すると母の場合少ないですが、その差は手術の仕方による違いなのでしょうか。素人考えでは、数が少ないと取り残しがあるような気がしますが。
A 主治医の話では、半年後に定期健診を受けた後は、その後は1年ごとに検診を受ければよいということでした。年に1回の検診で大丈夫なのでしょうか。
B 現在体内に溜まっている体液は、やがて減っていき、問題はないのでしょうか。
  
以上、よろしくお願いします。

リンパ節に関しては、個人差があります。多くとったから、たくさんリンパ節郭清をしたとか、少ないから取り残しとか、そういうことはありません。現在は、センチネルリンパ節生検といって、転移のありそうなリンパ節を術前、術中に確認し、そのリンパ節を一個だけ取り出すということも盛んに行われています。たくさんリンパ節を切除したから、予後が延びるということもありません。検診に関しては、主治医のスタンスがあると思いますが、検査に関しては、毎月の自己触診と、年1回の反体側のマンモグラフィのみが有用であるとされています。実地の臨床では、患者さんの不安な気持ちもあり、半年から1年に1回の超音波、骨シンチ、レントゲンなどが行われていますが、ガイドラインでは推奨されていません。よって、年に1回の検診は十分であると判断されます。リンパ液の溜まりは硬くなり、吸収されていきます。全く心配いりませんので、もう少しお時間を下さい。(文責 鈴木)

 

No.2478-2】 04年06月26日  H.S.
手術後の傷とホルモン療法の副作用について

前回HPNo.2478で相談させて頂いた者です。その節はありがとうございました。母は、退院後もしばらくはリンパ液が溜まっていたため外来で抜いて貰っていましたが、それも、つい10日前くらいにやっとなくなり、ホットしたところでしたが、新たに気になることがあり、相談させて頂きます。よろしくお願いします。
@ 手術終了後からのようですが、手術前、右胸のしこりがあったあたりに、硬く、丸くて黒っぽい「かさぶた」のようなものが1つあります。手術後の主治医の説明では、だんだんと消えていくのでそのままにして問題ないとのことでした。しかし結局、なかなか小さくならないため、最近、それを外来で切り取りました。そのため、傷跡が痛み、液が染み出てくるので、週に3回、消毒に行っています。この「かさぶた」のようなものは何なのでしょうか。主治医の言う通り、心配はいらないものなのでしょうか。
A 退院してから、ホルモン療法で、「アリミデックス」を毎朝1回服用しています。飲み始めた頃は大きな副作用もなく、「これなら飲める」と母も言っていましたが、しばらく飲み続けているうち、体がだるくて力が抜けたようになり、家でごろごろしていることが多くなりました。以前は、人一倍、活発な母でしたので、そのような母を見ていて、これから5年間も飲んでいる間ずっとそのような状態だと、周りの者としても辛いです。そこで質問ですが、このような状態は、飲んでいる間ずっと続くのでしょうか。飲んでいるうちに、薬に慣れて症状が軽くなることはないのでしょうか。もしずっと続くのでしたら、現在朝飲んでいるのを夜寝る前に飲むことによって、昼間のだるさを軽減することはできませんか。また、飲む回数を減らしたりすることはできないのでしょうか。手術後の主治医の説明では、病理検査の結果から、術後の治療方針として、第1の選択肢がホルモン療法で、第2が「何もしないこと」と言っていましたので、最悪、服用を中止するのも仕方がないかと、家族で話しています。

以上、長々と書いてしまいましたが、よろしくお願いします。

乳房切除後の瘢痕にしばらくの間かさぶたがついていることは私もしばしば拝見します。乳房全摘後の創は周囲から引っ張る力(張力)が強いため、治癒に時間がかかることが多く、そのためかさぶたがなかなかとれないようです。しかし、ほとんどの方が多少の時間の差はあれ自然に治っていきますので、もう少し気長にお待ち頂くのがよいかと思います。アリミデックスは、閉経後のホルモン感受性乳癌に再発予防効果が認められているホルモン剤で、大きな副作用はあまり認められませんが、顔面紅潮、ほてりなど、更年期障害類似の症状がしばしば生じます。お母様の倦怠感もあるいはこの薬の副作用とも考えられますが、副作用であれば一時的なことが多いので、もう少し様子をみるのも一法かと思います。ただ、この倦怠感は他の病気が隠れているせいかもしれませんので、主治医の先生に一度よくご相談されるのがよいと思います。アリミデックスは一日一回服用すれば朝でも夜でも効果に差はないと思いますが、副作用もあまり軽減されないと思います。飲む回数を減らすのは、薬の作用そのものの効果の根拠がなくなってしまいますので、これは感心できません。いずれにせよ今一度主治医の先生とよく相談なさってください。(文責 谷)

 

No.2478-3】 04年07月31日  H.S.
手術後の状態について

以前、HPNo.2478で相談させて頂きました。その節はお忙しい中、丁寧なご回答、ありがとうございました。たびたび申し訳ございませんが、母の手術後の経過が思わしくありませんので、再度、質問させてください。
@ 手術後より、傷の近く、しこりのあった辺りの皮膚に黒い「かさぶた(3センチくらい)」のようなものがある為、退院後、週に2,3回、外来で消毒に通っています。現在、手術してから3ヶ月経過しているにもかかわらず、一向によくなりません。外来では、患部を消毒して、布のテープでしっかりと締め付けている為、痛みもあり、血のような液も染み出してきます。手術後の医師の説明では、「数十人に一人くらいに見られるが、心配ない」と言われましたので、当時は詳しことも聞きませんでしたが、この「かさぶた」は何なのでしょうか。手術時の合併症でしょうか。
A 母は、手術の傷跡が気になるようです。見ると、手術時の縫い目の周辺に多数の「しわ」があって、凸凹があり、きれいでありません。高齢のこととはいえ、母にとっては見苦しいようです。これは、時間の経過とともに、きれいになるのでしょうか。
B 日常生活中に時々、手術した側の胸の内部が硬直してきて、痛みもあるそうです。それが、長く続くわけではありませんが、原因と対策について教えてください。
 
よろしくお願いいたします。

@ 手術により皮膚の表面の一部が血行不全となりかさぶたになっているのではないかと推測されます。通常時間とともに皮膚が再生してきます。
A 1年位経過すると傷が落ち着きます。その時点で判断をしてください。乳房再建という方法もありますので、主治医にご相談ください。
B 皮膚の裏側は、剥離のために面の傷になっています。したがって、まだ3ヶ月ですから痛みもあるのが通常です。一般的には、時間とともに軽快します。(文責 徳田)

 

No.2477】 04年05月29日  M・T
14歳です(HPNo.2229-2)

HPNo.2229のM・Tです。いろいろ質問があるので書きます。
・ 乳倫の大きさが左右違うのですが、大丈夫ですか?
・ 左胸だけ乳倫の皮がむけて、下着にくっついています。
・ 左胸の乳倫だけ血(か分からない)のようなものがあります。
・ しこりはないのですが、白い分秘物は相変わらず出ています。分秘物をとった後、乳頭の奥が赤っぽくなっています。
・ お風呂で、お湯でぬらすと乳倫の大きさが縮みます。

大丈夫なのでしょうか? すごく心配なのですが、親とはそういう話はしたことないし、とても言えません。教えて下さい。

どの症状もあまり心配なさそうです。14歳ですので、いろいろホルモン的にも、発達的にもまだまだ途上ですので、様子をみられたらいかがでしょうか?皮がむける、少し出血する?そのあたりは、少し皮膚炎みたいなものもあるかもしれません。心配であれば、乳腺外科の受診をしてみてください。(文責 鈴木)

 

No.2476-1】 04年05月29日  S 
非浸潤癌のホルモン療法について

2月9日に乳房切除術+センチネルリンパ節生検を受け、3月上旬にセンチネルリンパ節陰性と非浸潤癌であったことが解り、中旬に切除部分の断端陽性が出て、4月5日から33回66グレイの放射線治療を終了しました。以前、3月に切除部分の断端陽性を受けて、追加切除手術をしたほうがいいか、放射線治療にするかの判断をご相談したものです。かなり悩みましたが、放射線治療を選択したわけです。最後の放射線治療のときに放射線科の主治医に、私のホルモンレセプターはどうなっているのか聞いたところ(乳腺科の主治医から聞いていなかったので)、ER,PgRとも陽性であると言われました。放射線科の医者はホルモン治療を受けた方が良いと言います。乳腺科の医者はホルモン治療のことは言わなかったので、半年ごとの検診でよいと判断していると思います。様々なホームページで調べますと、非浸潤癌の治療が確立していないように感じます。非浸潤癌のホルモン治療について先生のご意見をお聞かせいただけると幸いです。私は47歳。閉経前です。家族は夫と子供2人居ります。

非浸潤癌のホルモン療法については統一された見解はありません。殆ど転移をきたすことのない病態なので、必要ないとする意見もあり、一方、局所再発のリスク軽減に役立つとの報告もあります。内服すれば、子宮体ガンのリスクも増えます。意見は分かれるところです。私個人的には、局所再発のリスクが減らせるというところにポイントをおいて、内服していただいています。先日のこの相談室にもありましたが、アメリカのひとつの病院のなかで、腫瘍内科医、乳腺外科医、産婦人科医で、三者三様であったとの意見も出ていました・・・。あまり答えになっていませんで申し訳ありません。(文責 鈴木)

 

No.2476-2】 04年05月31日  S 
非浸潤癌のホルモン療法について(2)

HPNo.2476でご相談したものです。ご回答ありがとうございました。申し訳ありませんが、再度ご質問させていただきます。ホルモン治療を受ける場合、閉経前と閉経後では用いる薬が違うと聞きます。私のような年齢(47歳)ですと、現在閉経前でも自然にしていてあまり時間がかからず、閉経するかもわかりません。その体に閉経前の薬で閉経を起こすのは、何年も薬を飲むことを考えると薬が効きすぎるとか、逆効果になることは無いのでしょうか。自然な閉経を待ってから、閉経後のホルモン剤を使うのはまずいのでしょうか(ゾラデックスはかなり痛いと聞きます)。主治医には、更年期のホルモン治療の検査報告が少なく、その検査対象になっても良いのではと言われました。病院のすさまじい混み方(8:30に受付をして13:30にやっと受診)に二の足を踏んでいます。主治医に聞くべきところを、このような無料のサイトで回答を頂いて本当に申し訳ありません。先生のご意見をお聞かせいただけると幸いです。

非常に難しい問題ですが、47歳とはいえ、あと何年で自然閉経を迎えるのかは判りません。それまで待ってから治療に入るのは少し遅すぎませんでしょうか。52歳くらいでも閉経を迎えない方はいらっしゃいます。やはり、手術後3ヶ月くらいをめどに治療に入りたいものです。一つ、現在の女性ホルモンのレベルを採血で測定して、閉経レベルなのか否かの判断はつきます。その結果で、もし閉経レベルであれば、閉経後のホルモン剤を投与されてはいかがでしょうか? ゾラデックスは患者さんにもよりますが、さほど痛くないと感じています。われわれの所では、当日の朝に貼付するタイプの痛み止めを家で貼ってきて頂いて、病院で注射しています。割と痛みもなく好評です。後半の質問の、更年期のホルモン治療の検査対象・・・この質問の意味が良くくみとれませんので、もしまた頂けるようであれば対応します。(文責 鈴木)

 

No.2476-3】 04年06月01日  S 
非浸潤癌のホルモン療法について(3)

毎回迅速かつ丁寧に回答くださり、感謝しています。お言葉に甘えて再度質問させていただきます。前回私が書いたホルモン治療の検査対象と言うのは、私が診ていただいている病院または主治医の参加するグループが、更年期の癌患者に対してホルモン療法と女性ホルモン環境についての研究を行っていて、その研究に参加しないかと言われたということです。乳腺科の主治医は初めは6ヶ月ごとの検診のみでいいと言っていたのに、私から放射線科の先生の意見が異なることを言ったら、この研究に参加したらどうかと言ってきたのです。不信感が生まれてしまいました。私なりにDCISについて調べたのですが、Imaginis というアメリカのホームページに次のような説明がありました。

DCIS and Tamoxifen

The drug tamoxifen has been used from nearly 20 years to treat breast cancer. More recently, tamoxifen has been used to treat early stage breast cancer after primary treatment (lumpectomy or mastectomy). Astra Zeneca, the manufacturer of tamoxifen (trade name, Nolvadex) has been granted priority review by the U.S. Food and Drug Administration (FDA) to determine whether tamoxifen would be beneficial to patients with DCIS. Presently, there are no drug therapies approved by the FDA to treat DCIS.
To grow and reproduce, breast cancer cells require the female hormone estrogen. Tamoxifen is an "anti-estrogen" and works by competing with estrogen to bind to estrogen receptors in breast cancer cells. Tamoxifen is formally known as a selective estrogen receptor modulator (SERM). By blocking estrogen in the breast, tamoxifen helps slow the growth and reproduction of breast cancer cells.

FDAがどのような団体か良く解りませんが、このような意見は少数派なのでしょうか。よろしくお願いします。

FDAというのは日本の厚生省です。薬剤の認可をする場所です。かなり有力な意見だとは思いますが、いろいろ僕なりに調べましたが、はっきりとした回答は得られませんでした。あくまでも、補助療法ですので、安全に出来てこそのものですから、あまり情報過多になるよりは、内服などせずにおいしいもの食べて、体を良く動かして・・・というのも大事な治療かもしれませんよ。
追加で補足しようかと思いますが、あくまでも、補助療法ですので、外来で、かつ日常生活を制限することなく、安全に投与できることが補助療法の目的の一つでもあります。副作用の心配はあると思いますが、ホルモン療法はあまり大きな副作用がなくて安全にできる術後療法の最たるものです。DCISの補助療法については、いままでの報告で、賛否両論で、明確な答えは得られていません。参考になるかわかりませんが、NSABP B24というトライアルがあって、これは、DCISに対して放射線照射を行ったあとに、タモキシフェンを追加した群としない群での比較です。タモキシフェン投与群で明らかに局所再発の少ないことがわかっています。この再発の形式は非浸潤癌の形式で再発するものは有意差(結果が十分、タモキシフェンの効果を有用であると認める)はない(タモキシフェンの効果を十分だとはしない、しかし、再発率は低下する)ものの、浸潤癌の形式で再発するものは有意差を認めて、タモキシフェンの効果が確認されています。これも、かなり有力な結果です。先にも書きましたが、あくまで補助療法です。いろいろ調べればたくさんの結果が出てくると思いますが、あまり情報過多になり、逆に治療が遅れてしまうのもいかがかと思いますので・・・ご参考までに・・(文責 鈴木)

 

 

No.2475-1】 04年05月28日 K.I.  
卵巣の放射線照射について

47歳です。病歴は以下のとおりです。
8年前に乳がんと診断され非定型手術。3年前に鎖骨上リンパ節の腫れが見つかり、手術でリンパ節を切除。ゾラデックスとノルバデックスを1年半投与。1年前に胸の脇に近い部分に局所再発、ノルバデックスをアリミデックスに変更。3ヶ月前にそのしこりの部分を切除→放射線治療。リュープリンとアリミデックスは継続中。
今のところ他に出てきていないので、この治療を続けたいのですが、今日の診察時に主治医に保険適用からはずれるので、この治療は続けられないと言われました。それで選択肢として
◎ 卵巣に放射線照射し、アリミデックスを続ける。
◎ 卵巣摘出手術をし、アリミデックスを続ける。
このどちらかを検討してみようと思いました。

以前、放射線科の先生に卵巣の放射線照射について聞いたことがあったのですが、副作用は照射した部分に癌化するリスクがあるということ(何十年後に出るかも・・というレベル)。照射は4回ほどで済むとのこと(私の記憶の範囲ですが・・・)。それで質問ですが、
@ 卵巣の放射線照射はどの程度、実際に行われているのでしょうか?
A 卵巣の放射線照射の副作用はどの程度、どのようなことがあるのでしょうか?
B 卵巣の放射線照射は病院の設備のレベルor技術レベルによって効果が違うものなのでしょうか?
C 卵巣の摘出手術(開腹手術or腹腔鏡)はどの程度、行われているのでしょうか?

また、閉経状態はどのように調べられるのでしょうか? リュープリンをしばらく休止しなければならないのでしょうか? 質問ばかりですみません。どうぞよろしくお願いします。

卵巣の放射線照射や卵巣摘出も、実地ではあまり行われませんので、明確にお答えできるデータがありません。細かな施設間の効果の違い、副作用についてもしかりです。しっかりと答えられるものがありません。47歳であれば、もしかしたら自然閉経を迎えているかもしれません。採血で、閉経なのか否かの確認が可能ですので、その検査をされてから検討されてはいかがでしょうか? 卵巣摘出も実地ではあまり行われません。リュープリンとアリミデックスもしくは、ゾラデックスとアリミデックスという組み合わせは、閉経をむかえる前後の時期での治療としては、理にかなっており、実際、そのデータも海外で発表されていますので、主治医が一筆記すことで解決できることもあるのですが・・・。(文責 鈴木)

 

No.2475-2】 04年05月29日 K.I.  
卵巣の放射線照射について(2)

早速のご回答ありがとうございました。放射線科の医師の診察も受ける予定なので、よく話を聞いて検討したいと思います。血液検査で閉経かどうか調べるというのは、いま現在リュープリンの注射をしていますが、今の状態で調べられるのでしょうか? 再度の質問で申し訳ありません。どうぞよろしくお願いいたします。

リュープリンを投与している間は、女性ホルモンの数値は低値を示しますので、今の状態で調べるのは意味がないでしょう。4週間は投与しない時期を経過した後に測定してみてはいかがですか。(文責 鈴木)

 

No.2474-1】 04年05月28日  T.M. 
右胸のしこりが心配です

32歳、未婚女性です。右胸の内側上部にしこりを見つけ、大学病院を受診、検査結果待ちです。しこりは固いのか軟らかいのか自分ではよくわかりません。触ると比較的動く気がします。滑らかか、凸凹しているかはよくわかりません。しこりは一つしか確認できませんが、超音波の検査の際に、画像に赤い印が二箇所見えました。先生は何も言いませんでしたが、雰囲気的にすごく深刻そうで、検査をする人ともう一人の先生が英語かドイツ語でなにやら話しながら、私には目もくれず画像に見入っていて、ただただ不安だけが募る結果となりました。結果を聞くまで、あと一週間あります。初診から既に一週間以上経っており、なんとかがんばってきましたが、耐えられなくなりそうです。右の肩甲骨のあたりが前から少し痛む時があるのも気になります(会社にいる医者には肩こりだと言われました)。一昨年原因不明の体調不良で、10年前に原因不明の胸膜炎を患ったこともあるため、呼吸器内科でいろいろな検査をしましたが、異常ありませんでした。その時にガリウムシンチまで行ったのですが(一年半前)、もし乳がんだとしたらわからないものでしょうか。この時はお願いして、痰の細胞診から、気管支鏡から、肺の腫瘍マーカーまでやってもらいました。また10年前くらいから顎の下にも小さいしこりがいくつかあります。これも一年半前に耳鼻科で一緒に調べてもらいましたが(造影剤を入れて頸部CT)、そんなに昔からあって変化がないなら放っておいていいとのことでした。結果を待つしかないのでしょうが、不安で苦しくて、親姉妹にも友達にも隠していますが、仕事にも生活にも影響が出ています。会社にいる医者に安定剤と睡眠導入剤はもらっていますが、ほとんど効き目がありません。

まず第一に、乳癌と確定したわけではありません。慌てず、しっかり診断して頂いて、治療に入れば良いのです。乳癌は慌てる病気ではないこと、しっかり治療すれば治ることを頭にいれてください。まずは、乳癌かそうでないのかの確認が重要です。あのとき深刻そうな顔をしていたから乳癌?、矢印がふたつあったから乳癌がふたつ?、そんなことはどこにも書いてありません。細胞の検査には約一週間かかります。その間は不安かもしれませんが、仮に癌があっても、この一週間、二週間で手術できなくなる、進行しちゃう、そのような心配はご無用です。ガリウムシンチはよほど進行した乳癌があれば写ることもあるでしょうが、まず早期では写りません。いろいろ細かなことに不安を感じられる方と察します。ひとりで悩むのなら、親姉妹に話して、一緒に病院に行ってもらう、一緒に先生の話をきいてもらうなどしたらいかがですか? あまり心配ししすぎると、それだけでも病気になりますよ。体はひとつですから・・・。外の空気でも吸って気分転換してみてください。また、何かありましたら相談下さい。(文責 鈴木)

 

No.2474-2】 04年06月07日  T.M. 
右胸のしこりが心配です(2)

先日ご相談させていただきました32歳女性です。大変親切で迅速なご対応、感謝しております。ありがとうございました。エコーとマンモグラフィの結果、悪性ではなく線維腺腫で心配いらないとのことでした。マンモグラフィには写っていないとのことです。逆に反対の左胸に少しカルシウムがたまって乳腺症気味だが、この程度なら心配ないとのことでした。細胞診はやってもやらなくてもよいという感じで、どうする?と聞かれたので、一応やってもらいました。また検査予約をしてエコーで確認しながらやるのかと思っていたら、その場で、手でしこりを確認しなら注射針で抜かれましたが、そんなものなんでしょうか。あまりに安心して、結局赤い印が二つあったのはなんだったのか聞くのを忘れてしまいました。しつこいですが、お時間のある時で結構ですので、三点教えてください。よろしくお願い致します。

@ 超音波とマンモグラフィとはそれぞれ特徴があるのだと思いますが、良性腫瘍はマンモグラフィに写らないなんてことがあるのですか。(胸は小さいのですが、しこりは中心から比較的近いので、はさめていなかったということはないと思うのですが・・・)
A 通常の胸部レントゲンや胸部CTでは、乳がんは写らないのですか。
B 風邪でもないのに軽い咳がずっとでるので、一年半前に肺の腫瘍マーカーも検査したことがありますが、代表的な肺の腫瘍マーカーと乳がんの腫瘍マーカーは関連ないのですか。

@  マンモグラフィは、X線透過率の違いで像を描出します。たとえば富士山の写真を撮る場合でも、晴れた昼間でないと富士山の像は撮れません。富士山と周囲の状況(例えば、夜とか雨の日とか)によって、山があっても、写真として描出できないことがあるのです。同様に、乳腺に腫瘍があっても、周囲に多くの乳腺組織があると、それに隠れてしまって腫瘍が描出されないことも有り得ます。
A  胸部レントゲンでは、撮影の条件が異なり、乳癌は写りません。胸部CTでは、腫瘤像を描出することは可能ですが、乳癌か、良性の腫瘍かの診断が困難ですし、また、マンモグラフィの石灰化像で見つかるような癌は描出できません。
B  腫瘍マーカーには、肝臓癌のαフェトプロテインとか、前立腺癌のPSAのように、臓器に特異なものと、CEAのように、癌に特異なもので、どの臓器か分からないものがあります。一般的には、乳癌の場合は、CEA、CA15-3等が用いられています。(文責 須田)
 

 

No.2473】 04年05月28日  T 
腋の下から背中の痛みについて

はじめまして。病院に行こうか悩んでいる28才(既婚子供なし)です。以前からひどい肩凝り(左)を持っています。昨年の9月に触診のみで乳ガン検診を受け、異常なしでした。先月の生理前から左乳房がとても痛くなり、張っている感じでした。押すと痛いし、ブラジャーがあたると痛くて・・・。生理が終わって3日位で乳房の痛みは無くなったんですが、今度は腋の下や背中が痛みだしています(腕の付け根部分(裏側)が特に痛みます)。キリキリと刺すような痛みが普段からあります。また、左胸だけブラジャーがあたって違和感があるのです。しこりも毎日探していますが、無い様です。分泌液もありませんでした。ただ、左の乳房の方が右の乳房より固いような気がします。肩凝りから来るのかな?と思っていましたが、ひょっとして乳腺に異常があるんでしょうか? リンパ腺は腫れている様な気もしますが、しこり等はありません。乳ガンでは無いかと不安になり、病院を探している最中です。これは整形外科か乳腺外科か、どちらに先に行った方がよろしいでしょうか? どうぞよろしくお願いします。

乳腺外科で受診してはいかがでしょうか。恐らく、乳腺症という乳腺の特徴をお持ちで、そのために乳房が痛くて痛くてしょうがないのではと察します。痛みは、乳房だけでなく、筋肉、肩、脇の下などにまで及びます。これは乳房の、乳腺の特徴で、他のかたに比べてまだら感が強いというか、ごつごつしているというか、そういった乳腺です。触ると硬いところと柔らかいところが混ざり合っている、そんな感じです。あの人ほくろが多いねとか、まぶたが二重だねとか、と同じ事です。この乳腺症のある方というのは、生理のまえになると胸が張り、痛み、夜も寝られないくらいの人もいます。乳腺外科で超音波、レントゲンで大体、見当はつきますので、乳腺外科を受診されてはいかがでしょうか? これ自身は心配のいるものではありません。乳癌の前段階でもありませんし、乳癌になりやすいということでもありません。(文責 鈴木)

 

No.2472-1】 04年05月28日  A・N
卵巣摘出について

いつも他のかたがたへのアドバイスを拝見し、参考にさせていただいております。ありがとうございます。42歳、閉経前の主婦です。先月末、右(胸筋温存)乳房切除を受け、同時に広背筋皮弁による再建をしました。もうじき術後1ヶ月が経とうとしています。来週には病理結果も出まして、今後の治療方針を相談させていただく事になっています。そこで質問なのですが、外科的ホルモン療法について、いかがお考えですか? 私はすでに二人の子供があり、今後の妊娠を望んでいません。ゾラデックスやノルバデックスの副作用を考えると、卵巣摘出を考えても良いかなと思っています。更年期障害に似た症状はどちらを選択してもあると思うのですが、薬剤に寄る副作用(たとえば、肝機能やアナフィラキシーとか、蕁麻疹など)が回避できるのではと考えています。今後2年〜5年の治療をして治療効果を認め、内分泌治療をやめれば、年齢的にまたエストロゲンが活発化するかも知れません。そうなれば再発の可能性が高まるのではないかと、素人考えですが不安になります。ならば一生予防すると言う意味を含めても、卵巣摘出がいいかも知れないと思うのですが、周囲にこの方法を試したかたがいらっしゃらず、リスクについて、まだ不勉強です。お忙しいところ恐縮ですが、こちらの先生方は、いかがお考えになられますか? アドバイスいただけますと幸甚です。よろしくお願い申し上げます。

今では、卵巣摘出はあまり行われていません。ゾラデックスでその役割を果たすからです。薬剤の副作用のことを心配されていますが、全身麻酔での手術、抗生物質など、こちらにも副作用、アナフィラキシー、蕁麻疹の問題は発生します。ゾラデックスで閉経状況にもっていくことが可能で、さらに、もしかしたら併用される抗癌剤によっても、閉経状況になります。外科的に卵巣摘出するのはあまりお勧めしませんが。(文責 鈴木)

 

No.2472-2】 04年06月18日  A・N
抗がん剤使用の基準について

前回「2472」で、相談させていただきました。その節は、お忙しい中、ご回答をありがとうございます。病理の結果が出まして、再度、ご相談申し上げたく、メールしました。乳首と皮膚を残して、胸筋温存乳房切除、同時、広背筋再建手術を4月末に受けました。私の場合、大きなしこりは3つで(22x15x9、 13x11x9、 8x6x3mm)、うち、最初の二つは基定部でつながり、ひょうたん型をしていて、ひとつの大きさとしてみるならば 4センチとの事です。一番小さな腫瘍は、子(娘)核との事でした。それ以外に、乳管内にとどまっている非浸潤性のガンは多数あり、石灰化の所見は、乳房全体に拡がっていたとの事です。ステージ2、グレード2、組織型は乳頭腺管ガン、リンパ節転移 0(19個とりました)、エストロゲン・プロゲステロンともに陽性、HER2陰性、乳首や胸筋への断端陰性。よって、放射線照射なし、抗がん剤なしで、今後はゾラデックスとノルバデックスで治療していきましょうとのお話を受けました。
病院にも主治医にも何一つ不満がなく、信頼しており、感謝もしております。信頼しているからこそ、疑っているようで、質問しにくくて、こちらの先生のご意見を伺えたら幸甚です

@ 手術前、レベル1でのリンパ節郭清と説明を受けましたが、通常19個も取れるのでしょうか?ここの相談室に訪れる方々の内容を拝見していると、レベル1では、もっと分母が少ないように思うのですが・・・。
A 腫瘍が大きかった場合、リンパ節転移が認められなくても、抗がん剤を使用する病院があると聞きました。私は4センチあり、しかも、乳房内に非浸潤性のガンが多数認められていたのですが、ホルモン治療だけと言うのは適切な治療なのでしょうか?
B もし仮に化学療法を主治医にお願いするとしたら、私のような状態の患者には、一般的にどんな薬剤を使用しますか?

お手数をおかけして、申し訳ありませんが、アドバイス、どうか、よろしくお願い申し上げます。

@  リンパ節のレベル1とは、小胸筋外側縁より外側の腋窩の脂肪織の中に含まれているリンパ節をさします。手術手順としては、上記範囲のリンパ節を含む脂肪織を切除し、術後に、この中に含まれているリンパ節を取り出して顕微鏡で転移の有無を調べることになります。重要なことはリンパ節が何個あったかという事ではなく、転移が何個あったかという事です。リンパ節の数は、レベルに関係なく、ケースバイケースで人によって異なりますが、19個というのは、非常に多いという数ではありません。貴女の場合は、腋窩の脂肪織に含まれていたリンパ節が、後で拾い出してみたら19個あったということです。
A  腫瘍の大きさ4cm、リンパ節転移(-)ですから、stage Uになります。ER(+)、PGR(+)ですから、標準的の治療としては、抗がん剤+ホルモン療法という事になります。抗がん剤としては、アンスラサイクリン系を含む多剤併用療法、例えば、CAF、CEF、AC、EC等があります。主治医にメリット・デメリットの説明を伺い、がんばって前向きに治療に臨んでください。
B  例えば、AC、又はECを3週間ごとに点滴し、4サイクル行うことになります。消化器症状(嘔気、嘔吐)、食欲不振、味覚障害、好中球減少等の副作用がありますが、副作用の程度は、人によって様々です。メリット・デメリットを天秤にかけつつ抗がん剤を使用していくことになりますが、予後を考えると、出来ればがんばっていただきたいと思います。(文責 須田)

 

No.2472-3】 04年07月29日  A・N
白血球減少と抗癌剤

HPNo.2472でご相談させていただいた42歳、ステージUの患者です。その節は的確なアドバイスを有難うございました。アドバイス通り、主治医にお願いをし、7月はじめよりECの治療を始めました。3週間ごとEC4クールが終わったらタキソール4クール、終了後はホルモン治療を5年間受ける予定になっています。ところで、ご相談なのですが、投与前4600あった白血球は、投与1週間目で1600に下がりました。ノイトロジン100を注射していただいたのですが、その4日後、高熱が出て受診したところ、900に落ちており、緊急入院をしました。連日ノイロトジン100を注射し(合計6本打っていただきました)、白血球が4600まで上がったところで退院して、今日(退院後5日目です)、外来で検査したところ、2600まで下がっていました。本来でしたら今日は2回目の点滴予定日でしたが、受ける事が出来ませんでした。主治医は、「量を減らしましょう。それでも副作用があるようでしたら、さらに減らしましょう。それから投与の間隔をあけましょう」とおっしゃり、次回は初回から数えて5週間後の8月10日になりました。量を減らす事の有効性や、期間があく事の有効性を何度も尋ねてみたのですが、毎回、「大丈夫」とおっしゃるだけで、素人の私が理解できる説明は受けられませんでした(主治医に不満はありません。患者数が多いので、説明する時間を作っていただけないのだと思います)。プロの医師が大丈夫とおっしゃるのですから、効果があるのは確かなのでしょうが、どれくらい減らしても、また、どれくらい期間をあけても、薬効を認める標準的な指標はあるのでしょうか?定量を予定通りに投与しても、100人中100人に薬効があるわけではない・・・とも承知しています。私の場合、さらに効果が少なくなるのでは・・・と不安にもなりますし、4月に手術をしてから、受けた治療はECの1回だけ。無治療期間が長引くことに焦燥感があります。質問なのですが
1)ECはどれくらいの割合まで減らしても薬効が認められますか?
2)投与期間の間隔は、どれくらいまであけても薬効が認められますか?
3)ホルモン療法と並行して化学療法は出来ませんか?
4)白血球の減少を伴わない薬剤への変更を申し出たいのですが、そのような抗癌剤はありますか?

不安にかられて、文章の脈絡がなくなってしまったかも知れません。愚問をお許しください。お忙しいところ恐縮ですが、アドバイスいただけますよう、どうかよろしくお願い申し上げます。

1) ECの初回投与量がわかりませんので、お答えできません。安全に行えるまで減量するのが原則です。あくまで、再発予防の治療ですから、重篤な副作用があるのに無理して行うべきではないと思います。
2) 1.と同じです。通常予定日よりさらに4週以上遅れるようであれば、治療は中止すべきです。
3) ホルモン療法にもよりますが、タモキシフェンの場合、化学療法と併用すると効果が低下します。
4) 白血球減少の少ない、抗がん剤の組み合わせもあります。(文責 徳田)

 

No.2472-4】 04年10月09日  A・N
ホルモン療法前の検査

HPNo.2472でご相談申し上げ、その節は丁寧なご回答をありがとうございました。メール後、ファルモルビシンとエンドキサンの量を70−700mlにし、投与サイクルを5週間毎にしましたが、その後も白血球が700まで落ち、高熱で入退院を繰り返しました。結局、当初予定していた4クールのECは3クールで中止、その後に予定していたタキソール4クールも中止になりました。今月からホルモン療法に切り替える事になりました。つきましては、ホルモン療法前の検査について、ご質問させてください。私は抗癌剤2クール目を最後に生理が止まりました。主治医に「妊娠は100%ありません。生理不順で遅れているのか、閉経したのか、調べていただけないでしょうか?」と、お願いいたしました。返答は、「手術で卵巣を摘出してみなければ、閉経かどうかは分からないので、月経を止めるお薬も2年間併用します」との事でした。ここの質問の中に、血液検査で女性ホルモン量を調べた旨の相談者さんがいらっしゃいました。私は、白血球の数値を調べるために頻繁に血液検査をしていただいていますが、血液検査ではホルモンの有無を判別できない患者もいるのでしょうか?(病院の規模は大きく、都内の国立大学付属病院です) 閉経しているか否かは不明でも、2年間アゴニスト製剤をしておくのは一般的ですか? お忙しいところ、たびたびの質問で申し訳ありません。ご回答をどうか宜しくお願い申し上げます。

女性ホルモンを調べることは可能だと思います。しかし化学療法を受けた後に生理が止まっているのは卵巣機能低下していることを意味しますので、女性ホルモンを測定したところで生理が遅れているのか閉経なのかは判断が難しいと思います。ただ42−3歳ですと、この後生理がもどる可能性は十分にあります。化療が十分に行えなかったのであれば、アゴニスト製剤を使用して女性ホルモンレベルを下げたままにしておくほうがbetterだと思います。一般的かどうかは分かりませんが、使用する医師は多いでしょう。(文責 吉田)

 

No.2471】 04年05月28日  R.O.
乳首と乳頭の痒みについて

今日、初めてホームページを拝見させていただきました。私は23歳、未婚の女性です。8ヶ月ほど前から、両胸の乳首から乳輪のあたりに激しい痒みを感じ、寝ている間など無意識にかいてしまいます。朝、下着に血が付いており、たまに膿の固まったような黄色の透明な塊が乳首の横部分に付いていたり、乳首が乾燥してカサカサになっています。また、掻き方がひどいのか、朝起きたら乳首がヒリヒリと痛く、以前より乳首が大きくなった気がします。小さい頃から乾燥肌で、アトピーを持ってます。皮膚科で診てもらうと、乾燥によるものと診断されました。薬を塗ると痒みがましになるみたいで、血が少ししか付きませんが、やはり掻いています。また、薬も何もつけなくても片乳が全く痒くなくて、もう片乳ばかりが痒くなり掻き続け、結果掻かなかった方はきれいに治ります。しかし、またいつの間にか痒くなり荒れる、という治ったり傷ついたりの繰り返しです。他に特に症状はなく、胸に痛みなども感じませんし、しこりなどもありません。皮膚科の先生が男性の方で、乳輪しか見なかったことや、看護学校に通う友人にパジェット病の話を聞いてから心配でなりません。少し前からカナダに留学しており、信頼できるお医者さんはまだいませんが、これから子供も生みたいと思っていますので、この痒みが何なのかはっきりさせて、治療したいと思っています。お忙しいところお手数ですがご返答の方、お願いいたします。 

ベースにアトピー性皮膚炎があり、痒みも強そうなので、症状を聞くところ、その皮膚炎が乳頭、乳輪にまで及んでいるのではないでしょうか。外用薬で、痒みが少し楽になり、出血も和らぐとのことですので、パジェット病というより、皮膚炎を疑います。パジェット病は、乳頭、乳輪に限局する非浸潤癌です。しこりはできません。心配であれば、乳腺外科を受診し、がさがさしている一部分を綿棒でこすったり、ガラスにつけたりして、細胞を顕微鏡でみることで大体、察しはつきますので、怖がらずに受診して下さい。(文責 鈴木)

 

No.2470】 04年05月27日  N.T.
石灰化について

初めて質問させていただきます。1歳の子供がいる30歳のものです。子供の断乳を終えたばかりで、左乳房の真ん中より少し上の辺りに大豆ぐらいの大きさのしこりを見つけ、乳腺外科に行きました。エコーやマンモグラフィー検査を受け、「石灰化が見られる」と言われました。石灰化について聞いたところ、「乳腺腫や乳癌にくっついてくるものです」と言われました。細胞診も受けましたが、結果が出るまで非常に気になります。ネットなどで調べたところ、「石灰化は乳癌の特徴的な症状」とあったのですが、乳腺症では石灰化は見られないのでしょうか? また、しこりは5ミリ程度だそうですが、もし乳癌だとしたら完治はするのでしょうか? 再発率は高いのでしょうか? などなどいくつもお聞きしてしまいましたが、返答よろしくお願いいたします。

石灰化は乳腺症でも見受けられます。マンモグラフィをみればその石灰化に乳癌としての特徴、乳腺症としての特徴がありますので、大概は鑑別がつきます。ただ、時に乳癌と区別がつきにくい乳腺症の石灰化もありますので注意が必要です。断乳後ですので、もしかしたら、乳汁のたまった袋のようなものを見ている可能性もあります。乳癌であっても大きさが小さく、治りきると判断しますが、年齢が若いので、再発の高危険群になりますから、しっかりした治療が必要になるでしょう。ただ、まだ乳癌と診断された訳ではないので、ます、悪性か、良性かをしっかり診断していただくことが何より肝要です。その時点で、悪性と診断されるのであれば、また改めて相談にのりますので、連絡ください。(文責 鈴木)

 

No.2469】 04年05月27日  m.k
術後補助療法について(HPNo.2132-3)

HPNo.2132で以前も相談しました。ご丁寧な回答に大変感謝しております。今回は母の術後の化学療法についての相談ですが、よろしくお願いします。母の顔を見る度に癌が再発してないかと不安になってしまっています。04年1月の手術後、補助療法としてはフルツロン分6の内服だけですが、異型度(3)、両ホルモンレセプター(−)、ハー2(3)と言う悪性度の高いがんでもあるため、予防的にもすぐにでも術後化学療法をしたほうがよいのではないかと、毎日悩んでおります。2月に退院し、その後の1ヶ月おきの受診です。実施した検査と結果は次のとおりです。PETで、肝臓にのう胞があるが、明らかな異常はなしとのこと。腫瘍マーカーも術前と変化なし。前回診察時、肺のCT、肝のアンギオCTを行いました。また、転移の症状ではないかと気になるのですが、めまいと咳き、膝の激痛(整形で変形性膝関節症と診断されています)があります。なお、主治医にはまだ、前回診察の時点(4月末)で化学療法についての具体的な相談はしておらず、フルツロンの内服は効果がないのでは?との問いに、内服中止してもよいとのことでしたが、内服は希望しました。また、ハーセプチンは適応であり、いつからでも始めていいとのことでした。そこで質問ですが、

1)  化学療法は今すぐにでも行ったほうが効果があり、そのほうがよいのでしょうか? 術後すでに5ヶ月たっていますが、副作用の脱毛などを考えると、外出が少なくなる9月あたりから始めていきたいという思いもあります。
2)  化学療法としてまず行うのはCAF6サイクルかAT4サイクルからはじめて、経過を見るべきか。または、AT4サイクルのみ、もしくはAT4サイクル→T4サイクルから始めるか。明らかな転移がなくとも、ハーセプチン単独か、ハーセプチン+Tを始めるか。もし、明らかな転移があった場合、ハーセプチンをすぐに始めるべきか。
3)  何らかの化学療法を今すぐにでも行ったほうがよい場合は、副作用の少ないハーセプチンをすぐに開始し、外出が少なくなる9月ころから脱毛の副作用のあるほかの化学療法を始めてもよいものか。
4)  次回の診察が6月1日ですが、肺および肝の転移が認められた場合、ハーセプチンをすぐに開始すべきなのか、ほかの化学療法から始めるべきなのか。
5)  このHPでよくでてくるゼローダと言うのはどういったものなのでしょうか。

以上についてよろしくお願いします

前回までの回答者と違うために若干のニュアンスが違う点、お許しいただくのと、終わったことではありますが、前回までの治療歴についても少しコメントさせて下さい。
まず、術前にアリミデックスとフルツロンの内服を1ヶ月行った点です。フルツロンの術前投与の効果、および術後の再発予防の効果についてははっきりした明確なデータがありません。現在もフルツロンを内服しているとのことですので、あまりお勧めできません。ガイドラインにも記載されています。術後の化学療法についてですが、始めるのに明確なデータはありませんが、早くに始めるにこしたことはありません。一般的に術後3ヶ月くらいが目安と思います。1月に手術を行って、9月ではあまり意味がないように思います。化学療法として行うメニューですが、一番効果が高いものはアンスラサイクリン系という、アドリアマイシン、ファルモルビシンを含む、CAFもしくはACだと思います。Fについては、追加することの効果は認められないとのデータもあります。ATは、あまり明確なデータはありませんので、お勧めしません。次に効果が認められるのは、CMFです。最近では、ACののちにタキサンを4回追加するのが一番効果が高いようです。ハーセプチンは、再発乳癌に対して使用するものですので、転移、再発がないのであれば使用するのは避けましょう。再発予防としては、今現在、全世界で試験が進行中ですので、その進捗、結果を待ちたいところです。副作用の少ない化学療法とのことですが、これは個人差が強いので、一概には言えませんが、CMFの6サイクルとACの4サイクルではACの方が完遂率が高いというデータがあります。脱毛はACで必発です。CMFでは抜け毛の程度4割のかたが多くなったと感じます。吐き気はACの方が強いようにも思えますが、CMFの吐き気は2週間くらい続きます。いずれにしても、あくまでも再発予防としての治療ですので、不必要なものは避けるべきですし、安全に行うことが何よりです。ハーセプチンに関しては、再発が見つかってから投与を考えましょう。投与は早いほうがいい結果です。単独よりもタキソール、タキソテールとの併用効果が明らかに高いと証明されています。病変が大きく、生命を脅かす心配のある時には、早期からのハーセプチンと化学療法の併用がよろしいと考えます。ゼローダは5Fuの副作用を軽減するような形で開発された内服の抗癌剤です。50%くらいにhand-foot syndromeといって手足の皮膚に痛み、赤く腫れる、皮がむけるなどの症状が出ます。使用するタイミングは未だはっきりしませんで、術後の再発で最初に使ったり、再発後の治療で無効だった場合に2番手くらいで使うことが多いようです。ハーセプチンに関しての情報が少し錯綜しているようにも見受けますが、整理し、主治医と良く相談し、納得のいく治療をお受け下さい。また何かあれば連絡下さい。(文責 鈴木)

 

No.2468】 04年05月27日  IS 
1歳9ヶ月の娘の左胸が大きいのです

はじめまして。宜しくお願い致します。1歳9ヶ月の娘の左胸が、最近とくに目立って大きくなりました。産まれたときから少し大きかったのですが、お腹の中にいた頃の、お母さんのホルモンの影響と聞きました。1歳頃から少し気にしてはいたのですが、私も小さい頃、片方の胸が大きかったと聞き、気にしながらも、そのまま過ごしてしまいました。本では乳腺肥大などと載っていて、この時期の乳児の場合、卵巣腫瘍?や副腎皮質性フォルモンの腫瘍?が原因みたいなことが書かれていて、とっても心配になりました。何か原因があるのでしょうか? お忙しいとは思いますが、宜しくお願い致します。

どれほど大きいものなのか、察しがつきませんが、生理的な変化も十分あります。目立って大きいのであれば、乳腺外科、小児外科を受診し、超音波をしていただくのが良いと思います。大きさによっては、ホルモンの影響があり、その分泌が盛んなために乳腺が肥大している可能性はあります。(文責 鈴木)

 

No.2467】 04年05月27日  NK 
鎖骨下のしこりについて

28歳、出産経験無しです。一週間程前から右鎖骨下(中央寄り)が痛み、触ってみると腫れのようなしこりを確認しました。痛みは右鎖骨〜右脇部分まであります。特に乳房に痛み・分泌物はありません。現在腰痛の為治療をしており、最初は痛い腰をかばう為に肩甲骨・首筋・鎖骨の筋が痛むのかと思っておりましたが、しこりを発見した為不安になり、メールさせて頂きました。こういう場合は乳がんの可能性はありますでしょうか?

鎖骨の下は殆ど乳腺組織が少なくて、あるのは少ない脂肪と筋肉です。あまり、乳癌の心配をされなくても良いと思います。脂肪の組織、筋肉の中にしこりができることもあります。乳腺外科を受診して、超音波とレントゲンでだいたいははっきりするでしょう。(文責 鈴木)

 

No.2466】 04年05月27日  まりこ
術後の創のヒリヒリ感について(HPNo.2236-2)

04/03/10に質問させていただいたHPNo.2236のまりこです。4月22日に右乳房全摘術とセンチネルリンパ生検を受けました。術後結果は、非浸潤がん、一部浸潤がんで、腫瘍の大きさは2cmのもの1ケ、それより少し小さいもの1ケと、2mmのものが数個でした。センチネルリンパ生検では転移はありませんでした。ホルモンレセプターは陽性。よって、術後は無治療ということになり、一安心しております。手術当日の夜に後出血で再度手術となったり、創感染で高熱がでたりしましたが、術後約3週間で無事退院できました。ところが、創痕全体に火傷のようなヒリヒリ感が続いており、下着など衣類が軽く触れるだけで、気分が落ち着きません。全体がとても敏感になっていることは、熱いもの、冷たいものを飲むと、創痕の下に胃があるように直に感じることからも判ります。たいした痛みではないのですが、夜間も痛みのためか(痛みとヒリヒリ感)、熟睡が出来ません。このような症状はどのぐらいの期間続くのでしょうか?また、このような症状は我慢しなければならないものでしょうか?退院前に、医師から、麻酔科を受診するかどうかと提案がありましたが、薬はできるだけ使いたくないので断ったという経緯はあります。さらに、もう一つ悩みがあります。それは、このたびの乳がんがわかってから、この10年来続けてきた「ホルモン補充療法」をやめたことによる、不定愁訴(ホットフラッシュと落ち込み気分)の出現です。これも耐えて慣れるより方法はないものでしょうか? 漢方薬を用いた、更年期外来というのもあるらしいのですが、そこで用いられるものも、やはり女性ホルモンと同じ作用なのでしょうか?とすると、やはり私のようなケースには適切ではないのでしょうか?以上の2点についてお答えいただければ嬉しく思います。

手術後、まだ時間があまりたっていませんので、もうしばらく様子をみましょう。半年くらいの長い目で・・・。術後に出血があり、再手術をしたことなども影響しており、局所はまだ、若干の炎症があるのではないでしょうか。少しずつやわらぐはずですので、もう少し頑張ってみませんか? 非浸潤癌だけであれば、術後の抗エストロゲン剤の内服の必要性は賛否両論あります。一部、浸潤癌があるので、抗エストロゲン剤の内服をされていると思いますが、もし内服をされているのであれば、ホルモン補充療法に関しては、乳癌の治療と相反するので、やめた方が良いでしょう。漢方薬などで改善するものもありますので、相談されてはいかがでしょうか? 漢方薬は、あまり女性ホルモンとしての強い作用はないと思います。病気に対する治す気持ちと、副作用との駆け引きで難しい選択ですが、良く相談されて、納得のいく治療をお受け下さい。(文責 鈴木)

 

No.2465】 04年05月27日  R・H
乳腺のう胞について

はじめまして。54歳主婦です。先日、左胸にしこりを感じ、近所の外科に受診しましたが、総合病院を紹介されマンモグラフィーの検査を受けました。結果は、最初に受診した外科で、「乳腺のう胞」と言われました。良性なので取る必要はないとのことでしたが、こういう場合、細胞検査はしなくてもいいのでしょうか?

乳腺嚢胞であれば、基本的には放置して構いません。超音波で、悪性の可能性の否定出来ないような場合や、大きくなる傾向のものなどは、穿刺吸引細胞診を行い、病理学的に確認をするのがよいと思いますが、小さいもの、明らかに良性と判断するものは、そのまま経過観察でよろしいでしょう。細胞の検査も特に必要ありません。(文責 鈴木)

 

No.2464-1】 04年05月27日  yumyum
大胸筋への再再発

初めてメールいたします。約10年前、25歳の時、乳腺症として定期的に診察を受けていたところ細胞診でガンが見つかり、左乳房の乳房温存(4分の1切除)術を受けました。術後は放射線も薬も使用しませんでした。1年4ヵ月後に残りの乳房に再発し、胸筋は残し乳房は全摘しました。この時も手術のみでした。それからは定期検査を続け、今年で再発から9年が経ったところでしたが、先月に患側の腫れに気付き、横になって触れてみると2センチ弱のしこりを触れ、細胞診を受けたところガン細胞が見つかりました。細胞診と同時に受けた胸部CTには異常はみられませんでした。2月に定期検診を受けた折には、結果に異常はなく、自分でもしこりには気付きませんでしたので驚いています。 再々発となりますが、やはり大胸筋を切除はやむをえないのでしょうか? 36歳です。

お若くして病気を患い、今まで大変であったと察します。再々発ですが、再発からの時間が長いので、局所の治療で事足りるのではと考えます。念のため、他の臓器に転移のないことを検索し、大胸筋のみの再発が確認されれば、局所の部分切除と放射線はいかがでしょうか? その他、ホルモン感受性の有無により、ホルモン剤の内服や、HER2受容体という特殊の蛋白質に対する受容体の有無により、ハーセプチンという新しい薬もありますので、切除後に放射線とホルモン剤、もしくはハーセプチンという選択肢もありそうです。大胸筋はすべて切除する必要はないものと思いますが。(文責 鈴木)

 

No.2464-2】 04年05月29日  yumyum
大胸筋への再再発(2)

HPNo.2464でお返事いただいたyumyumです。有難うございました。実は、本日28日に手術の説明を受け、サインもしたところです。入院の外泊で自宅に戻ったところです。主治医は、部分切除だと周りにガン細胞が残る可能性もあるので、大胸筋は全部取った方がいいと言います。部分的に切除しても、筋肉の流れが断ち切られることになるので、残りの筋肉は萎縮してしまうと説明を受けました。今のところ他に転移は見られず、大胸筋内に納まっているようなので、大胸筋を全部取り、病理の結果しだいで、ホルモン剤を内服するか、放射線を当てることもあると言われました。初めての手術で調べた時は、ホルモン受容体は両方とも陽性でした。ハーセプチンは、転移性乳がんとHER2の過剰発現が条件で該当者登録が必要と本で読みましたが、転移性乳がんという点で、私には当てはまるのでしょうか。明日、病院に戻ることになっていますが、手術は31日の月曜日です。今から主治医に相談は可能なのでしょうか。このホームページを見つけたのが遅かったですね。

大胸筋の中の腫瘍がどれくらいの大きさかにもよりますが、大胸筋は部分切除でも、その動きをつかさどる神経が残りますので、萎縮はあまり心配しなくてもいいと思います。ので、部分切除プラス放射線照射でよいかと思っています。その後の治療は少し難しい判断になりますが、すなわち、採れた標本を顕微鏡で確認しますが、もしホルモンも受容体が陽性だったときには、ホルモン療法は行った方がよいでしょう。前回の腫瘍がホルモン受容体陽性でしたので、恐らく今回も陽性でしょう。ハーセプチンに関しては、該当者登録は行われなくなり、HER2の過剰発現を有する転移性乳癌であれば投与可能です。ただし、病変を切除した後ですので、薬の効果を見極める対象がなくなってしまい、いつまで投与するのかという問題が生じます。副作用はほとんど考えなくていいので、投与可能であれば、年単位をめどに投与したらいかがかと思いますが、値段もはる治療ですので、よく考えてください。手術、頑張って下さい。(文責 鈴木)

 

No.2463】 04年05月26日  S
乳がん術後のへこみについて

お世話になります。私の母66歳の乳がんについての質問です。2001年12月5日に乳がんの乳房温存手術を行いました。硬がん(2.2×1.3cm)の摘出手術を行い、その際、リンパ節の転移は13分の11と、多いことがわかりました。今回2年たち、最近乳輪の右斜め下の方に、1.5pくらいの長さで少しのへこみがあるようです。しこりではないようですが、再発の心配をしており、質問させて頂きました。7月に検査があるようですが、このままの状態でほっておいても良いものかどうか教えて頂ければ幸いです。よろしくお願い致します。

もともと、残っている乳房にそのようなへこみがなかったのであれば、リンパ節転移が多く、再発の高危険群ですので、再発の可能性は捨て切れません。一度、早いうちに受診し、超音波、マンモグラフィなどをやっていただいたらいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.2462】 04年05月26日  S.A.
頚部リンパ節転移後の治療について

3年前に乳癌の手術をしました。しこりの大きさ2cm、リンパ節転移有り(17個中2個)。術後、経口の抗癌剤を2年、ホルモン剤を5年(現在も服用中)ということで治療をしてきましたが、先日頚部のリンパ節に転移していることが判り、今後しこりに放射線照射、合わせて4週間毎にホルモン注射(リュープリン注射)でしばらく様子を見て、効果がないようであれば抗癌剤の治療に入るそうです。私の場合、ホルモン療法だけで大丈夫なのでしょうか? 病気がどんどん進行してしまわないかと心配です。また、放射線照射についても本当にやった方がいいのか、やらないとやったのではどう違うのかが解りません。先日、細胞診の為、頚部リンパ節にできたしこり(数個有り)のうちの1個だけ取ったのですが、あとの数個はまだ残っています。どうか回答お願いします。

リンパ節転移がみつかったとのことで、不安がたくさんあると思います。まず、再発した時に、その病変が、リンパ節、皮膚、骨など、すぐ生命を直接おびやかすような病変でないときには、ホルモン療法が使える状況であれば、ホルモン療法から開始します。それでも無効の時には、抗癌剤を考慮します。まず、今内服しているホルモン剤を変更していくのが良いと思います。場合により、リュープリンを併用するという考えもあります。今のホルモン剤にさらにリュープリンを追加というのは、あまり期待できないように思います。放射線照射もいろいろ考えがあります。頚部のリンパ節転移は、残念ながら全身再発の一部分症状ですので、その部分だけ放射線をあてるのはあまり意味がないという考えと、行く末、そのリンパ節が大きくなったときに症状が強くなりますので、いまのうちに放射線をあてるという考えもあります。まず、ホルモン療法で反応をみて、少し小さくなったところで放射線を当てた方が効果が高いかもしれません。局所に関しては、手術で取り去るということは行わずに、今後の治療効果をみるためにも病変はそのままにして治療に入るのが妥当です。再発予防に対して、術後行った内服の抗癌剤の効果というのは、はっきり認められていませんので、ガイドラインでも経口抗癌剤の補助療法については推奨していません。治療方針が今ひとつ定まっていないようにも感じられます。今一度、主治医と良く相談し、納得のいく治療を受けるようにしましょう。(文責 鈴木)

 

No.2461】 04年05月26日  T.H.
乳頭がちくちく痛い

私は21歳の男性です。この前、お風呂から出て体を拭いていたら、乳頭に触れたときにちくっと痛みが走り、乳頭をつまんでみたら血がでてきました。それからこすれるたびにちくちく痛みが走ります。何なんでしょうか。病院に行くとしたら何科ですか。ちなみにしこりはありません。

男性にも乳腺はありますし、乳癌も発生します。ただ、年齢的にその可能性は低いのではないでしょうか? よくあるのが女性化乳房症といって乳腺が少し肥大する病気です。思春期にホルモンのバランスがくずれておきることが多いので、そういった検査もしていただくと良いかと思います。つまむと、出血するということですので、一度、乳腺外科の受診をすすめます。(文責 鈴木)

 

No.2460】 04年05月26日  K.M
マンモでの判定について

70歳の母のことで相談させていただきたく、よろしくお願いいたします。エコーでは2センチ、マンモでも2センチ弱だったようで、4分の1切除、リンパ移転はないと言われたようでした。マンモには糸状に3本位白く石灰化が写っていて、そこも全部とりたいから大きめに切ることになるとのこと(それでも4分の1?)。「それで、どうしますか?」と言われたそうですが、「どうしますか。」と言われても、本人もよくわからないままいったん帰宅しました。細胞診はしておらず、エコーとマンモだけで癌と確定されるのものなのでしょうか。本を読むと、マンモで異常があっても、実際癌の人は20パーセントくらいと書いてあったりもするので・・・。星ボウ状陰影は生検なしで癌と判定されるというのを本で読みましたが、星ボウ状陰影というのは、その糸のように映っているものを指すのでしょうか。また、4分の1切除というのは、イコール、温存で放射線治療もする、ということになるのでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。

エコーとマンモだけで悪性の確定はつきません。やはり、病理学的に診断が必要です。星ぼう状陰影とうのは石灰化とは違います。しこりの周囲に毛羽立ちのような所見があるものをいいます。そのようなものは癌である確立が高いのですが、やはり確実ではありませんので、病理学的に診断していただいたほうがよいと思います。温存手術に関してですが、これは、4分の1取っても、円形に切除しても、半分とっても、温存手術です。温存手術には術後、残っている乳房に癌の再発する可能性が30%くらいありますので、これを防ぐために放射線を5週間かけます。毎日です。それでも、残りの乳房に再発する可能性は7-8%くらい残ります。そのリスクを加味しても、術後15年前後までの生存率は全摘をした場合とかわらないので、温存手術がはやってきた所以です。温存手術には放射線照射は必要不可欠になります。患者さんが、再発のリスクを背負っていけるのであれば温存手術は患者さんのためにも非常に良い選択であると思います。(文責 鈴木)

 

No.2459】 04年05月26日  DQQ
細胞診(HPNo.2388-2)

No.2388でお世話になりました者です。先日は有難うございました。22日MRI検査、本日細い針を刺して細胞の検査を致しました。MRIでは、造影剤を入れた時にハッキリと白く映るし、今の段階では、2割位癌の疑いがあるとの事でした。細胞の検査は、「コロコロ動くので麻酔の要らない細い針にて細胞を抜き取ります。」と言われ、本日行いました。麻酔をして太めの針を刺されての検査だと思っていたので意外でした。31日に最終の結果が出るそうです。初診の時に行ったエコーの事を何も聞いてくるのを忘れてしまったのですが、エコーではどのような事が分かるのでしょうか? 最終的に診断を下すのは細胞の検査結果で決まると言われましたが、細胞結果で癌ではないと出たとしても、違う時があるともおっしゃっていました。今回違うと言われても、癌と診断されても、間違った結果が出ることもあると言う事なのでしょうか? 結果、癌なら癌の手術、違っていたらそのしこりを取る手術と言われたのですが、癌の時は何日位の入院で手術後、どのような治療をするのでしょうか? 副作用の強い抗がん剤などするのでしょうか? どちらにしても不安でしょうがありません。分かりやすいアドバイス頂けると幸いです。よろしくお願いいたします。

不安な気持ちは察しますが、まず、乳癌か、そうでないかをしっかり診断することが大事で、それにつきます。細胞診といって細い針で穿刺するのは、時に十分の細胞がとれずに、診断が難しいことや、逆に良性の腫瘍でも、細胞の形がいびつなために、癌の可能性があると返事がでることがあります。そのような時には、超音波の所見(形、中身の形、周囲の形など)やレントゲンの所見であわせて、やはり悪性の可能性が否定しきれないときにはしこりを切除します。全身麻酔で行うときには、その際、術中に病理診断を行い、癌の確定がえられれば、そこから、癌の手術をすることになると思います。癌であれば約10日くらいの入院が必要と思います。そのあとの抗癌剤、云々に関しては、あまり先走って考えず、まず診断をしっかりつけて、その次に進むステップを考えましょう。また相談があれば連絡ください。(文責 鈴木)

 

No.2458】 04年05月26日  H  
肋骨の痛みについて(HPNo.2178-5)

No.2178で相談させて頂いている者です。血性分泌の結果、同時性乳癌が判明し、右全摘手術を受けました。病理の結果はまだですが、一応センチネルは陰性でした。その他に気になることがあります。左乳癌全摘手術(今年1月)の2ヶ月後くらいから右側の片から下の筋肉(大胸筋)が痛く、それに伴って胸の真ん中の骨、右側の上から1番目の肋骨と2番目の肋骨が骨に沿って痛く、その肋骨と肋骨の間を触っても痛みがあります。これは右側乳癌の胸骨傍のリンパ節が腫れているから痛いのだと思い、主治医に伺ったところ、「胸骨傍リンパ節は腫れても痛みは出ません。検査して初めて判る方がほとんどです。今年1月の左乳癌の術前に撮ったCTで骨髄に転移がなかった事と、骨シンチで異常が見られなかった事を考えると、転移とは関係がないように思われます。筋肉、肋骨や肋軟骨には転移しません。」と言われました。骨転移で初発の痛みがこういった肋骨に出て判明する方もいらっしゃるのでしょうか。胸の真ん中も押さえると痛みがありますし、これは胸骨に転移ではないかと・・・。「転移を早く見つけても治癒しないのだったらこのままでもいいのかな。」とも思いますが、何とも漫然と過ごしています。術側の負担をなくすために右側で重い物を持っていたのは確かで、筋肉痛かなとも思っていたのですが、未だ痛みが続いています。まんじりともしない日々が続いています。どうかよろしく御願い致します。

大きな手術の後で、大変なことと察します。骨転移は肋骨にももちろん出てきます。痛みを伴ってでてくることも、症状もなく検査ではじめて判ることもあります。恐らく、手術に伴う後遺症のようなものではないかと思いますが、骨シンチをしてから時間が経過していますので、今一度、検査されてはいかがでしょうか? レントゲンも有用です。おっしゃるとおりに、再発すると治癒するのは難しいといわれていますが、症状の緩和には早期に発見することが肝要です。肋骨は神経の過敏なところで、ちょっとした筋肉痛みたいなものでも痛みが強いものです。また、病変がなくてもちょっとした力のいれ具合で折れたりもします。しっかりと検査されてはどうでしょう。(文責 鈴木)

 

No.2457】 04年05月26日  S.K
脇の下のできもの

今病院へ行こうか悩んでいるのですが、何年か前に一度脇の下(毛が生えるところの下で胸より)に少し固めのできものができました。ほっといたら治ったのですが、先日何となく思い出して、触ってみたんです。その時は異変ありませんでしたが、翌日急に腫れて、熱を持ち、痛みがでてきました。大きさはアーモンド大で、うっすら赤く、まわりも薄く腫れてしまい、腕の上げ下げにも痛みがあります。触ってみるとそれ程固くはなく、消しゴムのような感じで、パンパンでした。ちょと張り具合を触って確かめていたら、中から白い液体がでてきて驚きましたが、血ではなく、無臭のちょっとどろっとした感じの白いものでした。それがでても、できもの自体は小さくならずにまだあり、触れると痛みます。何かの炎症なのかはわからないのですが、病院へ行くとすれば、どのようなところへ行ったらよいのでしょうか。

粉瘤という毛穴に感染したようなものか、リンパ節に一部、感染したもの、あるいは、副乳といって、胎児期の乳腺の名残などが考えられます。中からでてきた白い液体が無臭でということであれば、副乳かなとも思います。一度、超音波、レントゲンなどである程度の診断がつきますので、乳腺外科の受診をされてください。あまり、大きな心配はないと思いますので、怖がらずに受診しましょう。(文責 鈴木)

 

No.2456】 04年05月26日  Kita
乳首のただれと腫れ

こんにちは。産後13ヶ月で、授乳中の33歳の女性です。1ヶ月ほど前から乳首の先に白いびらん(?)が出来ていたのですが、授乳中ということもあって子供に傷つけられたと思っていましたが、昨日頃から乳首がただれたように硬く腫れ、乳輪まで腫れてきました。パジェット病では? 心配しておりますが、この病気、授乳中にも起こる病気なのでしょうか?

パジェット病は授乳期にも起こります。察するに、乳頭から細菌の感染が起こったようにも思いますが、乳腺外科の受診をされたほうが安心でしょう。(文責 鈴木)

 

No.2455】 04年05月25日  M.M.
乳首の痒みと痛みについて

はじめまして。29歳既婚、子供なしです。私はもともとアトピーが少しあり、たまに痒みがあるのですが、今回アトピーがひどくなり、両乳首も痒くなってしまい、強く掻いてしまいました。両方ともただれた分泌物が出たりしてとても痒くなったのですが、皮膚科に行き塗り薬を貰うと痒みは治りましたが、以前より乳首がパンパンに張っていて摘むと痛いです。もともとプロラクチンが少し高かったため白い分泌物が両乳首から少量出ていたのですが、ただれが治ってからは分泌物がほとんど出ません。傷が治ったことによって母乳の出る開口部が塞がってしまい、今まで出ていた分泌物が乳首内で詰まって出てこれなくなっているという事はないのでしょうか。痒みがないのにパンパンに張れている状態が気になってしまいます。この先、子供を生んで母乳を出すことが出来なくなったりする場合はあるのでしょうか。ご回答、宜しくお願いいたします。

アトピーで乳頭、乳輪が痒くなっている可能性はありそうですね。しかし、ただれが治ってから、乳房が張るとのことなので、開口部がふさがって、そのようになっている可能性もあると思います。もともと、乳房がよく張るタイプの方はいますので、もしあなたがそのような方の場合、今回のただれが治ったこととは関係ないと思います。超音波を行えば、中に溜まりがあるかどうかよくわかりますので、一度、乳腺外科の外来を受診されたらいかがでしょうか? 子供を産んだあとの授乳とはあまり関係ありませんので、心配されなくてよいでしょう。(文責 鈴木)

 

No.2454】 04年05月25日  S.Y.
乳房摘出手術後のリンパ液の滞留について

妻の症状で相談します。右乳房に乳ガンがあり、リンパ節にも転移しているということで、乳房、リンパ節の摘出手術を受けました。術後8日目にリンパ液を抜くドレーンをはずし、9日目に退院しましたが、リンパ液が右脇前部に滞留したため、術後12日目に、手術した病院で75cc程、注射器で抜きました。しかし、術後14日目になりますが、またリンパ液が同程度溜まっています。4日後に病院で検診する予定ですが、その前に再度リンパ液を抜いた方がいいでしょうか。こういう症状はよくあるのでしょうか。いつまでこういった症状は続くのでしょうか。またリンパ液が溜まることで、体への悪影響はないのでしょうか。最初にリンパ液を抜いた際に、「ダーゼン錠」という薬が処方され、服用中です。

術後、腋窩にリンパ液の貯まることは、しばしば経験します。1ヶ月くらい続くこともありますが、いずれ、線維化(硬くなる)して、吸収されてきますので、心配されなくていいでしょう。もう少し様子みて構いません。ダーゼンも腫れを抑えたり、炎症を抑えますので、有効だと思います。(文責 鈴木)

 

No.2453】 04年05月25日  M s
抗がん剤治療の副作用について(HPNo.2214-2)

以前No.2214にて術後補助療法の選択についてご相談させていただいたものです(ステージUbではなく、Uaでした)。アドバイスを頂き、よく考えた結果、術後の抗がん剤治療(CEF)も受けることにしました。4月に1回目の治療を行い、3週間後の5月7日に2回目を行う予定でしたが、点滴前の血液検査でWBCが1300と激減、肝機能の数値も良くなかったため中止し、皮下注射をしました。3日後の月曜日にはWBCが4200に上昇、AST53、ALT89でした。しかし5月17日の検査ではWBC2700まで減少、AST36、ALT89と改善せず、2回目の治療は再び中止となりました。今は飲み薬で数値の安定を図っています。主治医の話では、今後抗がん剤の量を減らして治療を続けていきましょうということです。吐き気や脱毛といった副作用は我慢できるのですが、これほどWBCが減少すると、3週間毎の治療が今後うまく出来るかどうか心配です。抗がん剤の量を減らしたり、今のように治療間隔が長引いた場合、治療の効果が下がるといったことはないのでしょうか。もしそのようなことがあれば、素人考えですが、抗がん剤治療を中止して、ホルモン療法に速やかに切り替えたほうがよいのではないだろうかと思ってしまうのですが、いかがでしょうか。お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。

抗癌剤の投与量というのは、効果と副作用のバランスで決められていますので、今より投与量が減るのは、効果も減る可能性はあります。投与する間隔については、どれだけ間をあけて良いとかのデータはありません。CEFとCAFという代表的な補助療法のメニューで、AもEも投与量を増やしても効果は変わらないということで、必要十分な量で投与量を決めています。逆にその量より少なくなるというのは効果が減る可能性があります。ただし、あくまでも補助療法であって、予防的な投与ですので、安全に行うことも大切です。そういう面から言えば、早くにホルモン療法に切り替えることもオプションであると思います。今一度、肝機能と白血球をみながら投与してみて、今後の方針を考えたらいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.2452】 04年05月23日 Y
穿刺吸引細胞診の結果と今後(HPNo.2339-2) 

前回HPNo.2339で質問させて頂きました。ご丁寧な回答、感謝しています。細胞診の結果は特に心配ないとの事でした。詳しい説明がなく、こちらからいくつか質問したら、しこりは液体やミルク(←?独身ですが)等の詰まった物であり、そのままにしておいて大丈夫との事です。乳腺症ですか?と聞いたところ、乳腺症の気があるという事で、はっきり診断された訳ではなく、年齢も年齢(30歳)だから・・と言う事、今後定期的に検診する心配も特にないとのお話で、今回で終了しました(マンモも40才くらいから・・というようなお話でした)。クラスの説明もなかったのですが、「クラスU」と記載されていました。また、「小型上皮(?)見られる・・、Fa・・・(続くスペルがmだったような気もしますが、その先は読み取れませんでした)」等と記載されていました。こちらのHPでも、「細胞診は100%確実な検査ではない」というお話があったので、このままほおっておいて良いものか、安心しきれず気に掛かっています。元々は左胸の痛みで病院へかかり、今でも左が痛む事が度々あるのですが、左の事は言われなかったので、その事も気に掛かります。

@ 小型上皮やFa・・・?とは、のう胞の内容液のことでしょうか?
A 実際、細胞診は正確性に欠けるのですか? また、クラスUの場合、その後の経過観察(しこりが大きくなっていないか等)は必要ないのでしょうか?
B 乳腺症とはっきり言われた訳ではないのであいまいなままですが、乳腺症(しこり)は、ほおっておいても良い病気なのでしょうか? (病院で頂いた乳腺症の説明の紙には、"乳癌に移行しやすいものもあるので定期的な検査が必要"と書かれていましたが・・・)
C 左胸の痛みも乳腺症との関連と考えて良いのでしょうか? 左に痛み、右にのう胞・・というように、乳腺症は両胸に全体的な症状として現れるのでしょうか?

担当の先生に聞けないまま終わってしまったので気になっています。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いします。

小型上皮は嚢胞の内容か、嚢胞の壁の細胞とかではないでしょうか・・。Fa・・・よくわかりません。あまり心配されなくていいでしょう。細胞診は、正確性に欠けるところもありますが、乳腺外科のある病院であれば、病理もしっかりしているので、信頼していいと思います。クラス2だから、経過を追うとか、そのままにするとかという厳密なものはありません。クラス2を放置すると、来年には3になるとか、4になるとか進行するものではありません。病変が経過観察するべきものであれば、病院で経過観察していただくように指導します。しかし、乳腺症だけであれば、一般の市検診、職場の検診でよいでしょう。乳腺症は、小葉造生症、硬化性腺症、嚢胞、乳管拡張など、種々の組織像を呈する病態です。名前は難しいものが多いですが、これは病気と考えずに、乳腺の特徴と考えましょう。まぶたの一重、二重とか、あの人、ほくろが多いとか、少ないとか・・です。なかでも組織の増殖性の変化が強いものは乳癌の前癌病変としてリスクの高いものとして扱いますので、中には乳癌に移行しやすいものもあるという注意書きではないでしょうか。その場合でも、外来で経過観察というのではなく、1ヶ月に1回は自分での触診をしながら、年1回の検診をうけることで十分です。痛みも乳腺症で十分説明がつきます。嚢胞も乳腺症の一部分の症状です。両胸にでることもあれば、片方のこともあります。乳腺の特徴ですから、右も左もあり、両方もありうるのです。(文責 鈴木)

 

No.2451】 04年05月23日  E
細胞診の信頼度について

胸の痛みからしこりに気づき、乳腺外来を受診しました。しこりは、ゴリゴリとした感じでした。エコーとレントゲンを撮り、細胞診をしました。結果はクラス4で、すぐに針生検をしました。これは悪性を確定するためということでしたが、結果は悪性を否定するものでした。乳腺の炎症ということでしたが、外科的生検をすることを提案されました。今では、しこりもはっきりしなくなり、セカンドオピニオンの先生には、このまま経過観察でいいのではないかと言われました。このまま様子を見ていてもいいのか、思い切ってきってしまった方がいいのか、迷っています。私は51歳で、閉経して10ヶ月くらいです。しこりは、2cm×2.5cmぐらいでした。レントゲンには異常は見られませんでした。最初の検査の結果が気になります。どうしたらよいのでしょうか? よろしくお願いします。 

非常に難しいです。細胞診は確実ではありませんので、クラス4であったとしても組織は問題なかったのであれば、そのまま様子観察でよいと思います。しかし、年齢が、乳癌の好発年齢ですので、絶対乳癌でないというところまで追いつめた検査をした方がよろしいと考えます。2cm位のしこりがあり、年齢が乳癌の好発年齢、一度でもクラス4であれば、腫瘤の生検(切除)したほうがいいのではないでしょう?(文責 鈴木)

 

No.2450】 04年05月23日  Y.C
乳輪にしこり

28才、独身の社会人です。5月上旬から左胸の乳首の下の乳輪にしこりが出来ているのを発見しました。大きさはシャーペンの上についている消しゴムみたいな感じで、押し触ってみると、痛みがなく、ころころしています。仕事が忙しく病院になかなか行けず、少し心配なのですが、もしかして乳がんですか? もし病院行くとしたら何科を受診すればいいですか? 受診するときは女医さんに診て頂きたいのですが、調べる方法はありますか? すみません。お願いします。

相談内容から察するに、乳輪の下にできた、線維線腫という良性の腫瘍か、嚢胞という水たまりの袋か、どちらかのように思います。いずれもあわてる病変ではありませんし、そのまま放置していただいてかまいません。ただ、触診だけでは腫瘍の中身とか、まわりの形などがわかりにくいので、乳腺外科を受診して超音波をやっていただいたら確実だと思います。女医さんということですが・・・あまり、多くはいらっしゃいません。自分のかかりたいと思っている乳腺外科のある病院に直接電話して調べるのが良いかと思いますよ。(文責 鈴木)

 

No.2449】 04年05月23日  みゆき
パジェット病

今26歳です。14歳あたりから乳輪がかゆくなり始めて、掻きすぎて皮膚がボコボコになり、今でもかゆくなる時があり、ただれたりしてしまいます。病院では塗り薬をもらいました。小さい頃アトピーだったので、その延長でしょうか。ブラジャーをつけはじめたのも14歳なので、ナイロンに負けてるのかもしれませんが、最近パジェット病というのを知りました。もしかしたらその病気かもしれないのでしょうか?

パジェット病は乳輪、乳頭に限局する非浸潤癌ですが、症状は、痛そうな、痒そうな病変ができます。はっきりしたしこりは見つかりません。あなたの場合、アトピーの延長で皮膚炎をおこしているものと思います。アトピーがなくても、乳頭からでる分泌物のために、痒みを訴えるかたはけっこういらっしゃいます。あまり治りが悪いときには、乳腺外科の受診をしてみてください。(文責 鈴木)

 

No.2448-1】 04年05月23日  シラタマ
術後補助療法について

昨年八月、充実腺管ガンで右乳房温存手術後、放射線治療。3×2、2×3、1 、ホルモンレセプター マイナス、HER2 1+ 、リンパ転移なし、閉経 51才です。CMF療法、肝機能障害の為2クールで中止。後、タキソール4クール終了したところです。主治医は6クールと言うが、その必要性は? 再発した場合の治療法が残されているのでしょうか?

CMFが肝機能障害で中止とのことですが、その後にタキソールを追加するのはあまり意味がないと思います。タキソールは術後補助療法としての位置づけはまだデータが不十分です。もし、かわりに行うとすればアドリアマイシンを含んだ抗癌剤であると考えます。ただし、また肝機能が悪くなる可能性はありますので、あくまでも再発予防であって、今現在に再発しているわけではないので、安全に行うことも大事な要素です。(文責 鈴木)

 

No.2448-2】 04年06月01日  シラタマ
術後補助療法について(2)

先日は有り難うございました。CMFは2クールで終わってしまった訳ですが、これって何の意味もなかった事なのでしょうか?

全く意味がなかったわけではないでしょうが、やはり、効果という面から考えれば、不十分であったと考えます。はっきりしたデータはありませんので、CMF6サイクルと2サイクルとで、生存率、再発率がどうということの比較はできませんが。(文責 鈴木)

 

No.2448-3】 04年06月03日  シラタマ
術後補助療法について(3)

お返事有り難うございました。追加するならアドリアマイシンを含んだ治療と言うことでしたが、私の病期(解る範囲で)でしたら、どういう治療を何クールいくと良いのでしょうか?
今ひとつ 質問させていただいて よろしいでしょうか? タキソールの残り2クールをACで行くとしたら、それなりに意味があるのでしょうか。4クール行くには、体力、気力に自信がないのですが・・・。

アドリアマイシンを含んだ治療には、AC療法、CAF、CEF等があります。アメリカではAC療法、ヨーロッパやカナダではCAF、CEFが頻用されています。日本でもCAF、CEFが日常的に使用されていましたが、使用量が欧米より少なく、大きな隔たりがありましたが、最近では我国でも欧米と同等量の投薬が行われるようになってきました。貴女の場合、AC療法、又はEC療法を4クール行うことが考えられます。従ってタキソール残り2クールを、AC又はECで2クールというのではなく、あくまでも副作用等との兼ね合いもありますが、出来ることなら、がんばってエビデンスのある4クール行うことが推奨されます。(文責 須田)

 

No.2448-4】 04年06月11日  シラタマ
術後補助療法について(4)

ACではなくて、ECでと言う事なのですが、どのような副作用が考えられるのでしょうか? 度々の質問になりますが、よろしくお願い致します。

AC、ECでは副作用についてはあまり変わりなく、骨髄抑制、嘔気、脱毛、心毒性などがありますが、E(フアルモルビシン)は、A(アドレアシン)に比べて心毒性の出現が少し弱いというデータもあります。ただし、あくまでも副作用の出現は個々によって様々ですので、とりあえずやってみなければ分らないという部分もあります。主治医と相談しながら、納得のいく治療を受けて下さい。(文責 須田)

 

No.2448-5】 04年08月21日  シラタマ
腫瘍マーカーについて

以前HPNo.2448でお世話になったシラタマと申します。今日、術後一年の検査をすることになり、腫瘍マーカーだけ結果が出たのですが、ICTPが9.4と高く不安です。腰痛があり、5月末にMRIを撮った時は異常はなかったのですが、やはり再発の覚悟は必要でしょうか? また、再発でないかもしれないとしたら、どう言うことが考えられるでしょうか? よろしくお願いいたします。

ICTPだけが9.4と高いだけでは骨転移とすぐには判断できません。やはり、他の検査〜全身骨シンチや再度のMRIの結果を総合した方が良いと思います。主治医の先生とよくご相談下さい。(文責 緒方)

 

No.2447-1】 04年05月23日  BD 
抗癌剤の選択について

母(66歳)の乳がん治療について、ご相談させていただきました。
●経緯
2002年11月左胸全摘(ステージUb、ホルモンレセプター陰性ER(-)PgR(-))
2003年5月 肋骨、脊髄に骨転移(8月と10月に放射線治療)
2004年5月 左胸皮膚転移

これまではUFT、エンドキサン、アリミデックスを服用し、CEAは7〜12の間で推移、CA15-3は基準値内。また、糖尿病で、手足の神経障害、早期腎症を併発。

●ご相談内容
皮膚転移の治療で、放射線が過去の照射位置と重なるため今回は無理となり、これまでよりも強い抗がん剤を使用することになりました。医師によると、タキソテール→
ゼロータ→ハーセプチンとやるのが普通で、ハーセプチンは最後の砦といわれました。来週金曜からタキソテール(週1回×3週、1週休みを2〜3クール)となり、でも母は、HER-2が3+だったので、最初からハーセプチンでいいように思うのです。Webで調べてみますと、実際、ハーセプチンから入られている患者さんもいるようです。母は高齢ですし、副作用はできるだけ避けて最大限の治療を受けさせたいのですが、まずハーセプチンを希望すべきか、悩んでいます。ご助言をいただけましたら、幸いです。宜しくお願い致します。

ハーセプチンが使用できる状況であれば、早いうちから使用するのが良い結果です。副作用も大きなものはありませんし、高齢で、副作用の少ないものをとお考えであるのならば、ハーセプチンは良い治療法であると思います。現在、皮膚、骨転移ですので、まず、ハーセプチンを単独で投与して、それでも無効時に、抗癌剤との併用を検討されてはいかがでしょういか? 併用する薬剤としては、タキソール、タキソテールがあります。その次にゼローダでしょうか。その次になると、現在の保険で承認されている薬剤はかなり幅が狭くなりますが、治療法がなくなるわけではありません。決して最後の砦ではないので、ハーセプチンを使うことを考えたらいかがでしょうか。(文責 鈴木)

 

No.2447-2】 04年07月12日  BD 
抗癌剤の選択について(2)

前回HPNo.2447でご相談させていただき、ありがとうございました。その後ハーセプチン単剤投与で5週経過しましたが、CEAも7.1から5.9へと下降傾向にあります。但し左胸の皮膚転移は直径7−8センチのまま変化なく、鎖骨部分に新たな発赤があります(本人は痒いといっていますので、汗疹かもしれません。医師も検査しないと転移かどうか不明といいます)。医師は、ハーセプチンに加えてタキソテールも追加しようというのですが、この段階ではそのほうが良いのでしょうか。私は腫瘍マーカーが落ちてきているので、もう少し様子をみてもいいようにも思います。皮膚転移が消えるまでタキソテールも投与し、消えたらすぐタキソテールをやめてもらうようにした方が良いのでしょうか。また、タキソテールを投与するにしても、脱毛予防のクールキャップがないということなのですが、用意してある病院は少ないのでしょうか。ご意見伺えますよう、宜しくお願い致します。

タキソテールを追加するかは難しい選択です。年齢66歳ということでさほど問題にはなりませんが、糖尿病で手足の神経障害、早期腎症を合併しているようですし、タキサン系の抗がん剤による末梢神経障害の副作用が強く出る可能性も否定できません。再発乳がんの治療は、進行させないことが第一目標となります。お母さまも採血では腫瘍マーカーが下がり続けているようですし、皮膚転移の増大が明らかでなければ、現状を維持するのも選択肢の一つだと思います。クーリングキャップについてですが、婦人科の化学療法では現在も使用している施設があるようですが、効果の程が定かではないので、乳がんの化学療法では殆んど使わなくなっているのが現状だと思います。かえって、かつら(ウィッグ)をうまく利用する方が、好きな髪型に出来ておしゃれにもなりますし、精神的にも満足度が高いという話をよく耳にします。乳腺専門の外来ならば、ウィッグについてのパンフレットが準備してあると思うので、担当看護師に聞いてみてはいかがでしょうか。(文責 千島) 

 

No.2447-3】 04年07月25日  BD 
皮膚転移の局所療法

過去No2447でご相談させていただき、有難うございました。母の病状ですが、胸部皮膚転移がやや悪化しているとの判断から、タキソテールを追加することになりました。抗癌剤による全身療法が中心となりますが、今後改善が見られない場合、局所療法も検討したいと思います。現在は5FUの軟膏を使用していますが、他にどのような治療法が考えられますでしょうか。温熱療法は局所なら保険適応で、皮膚など体表面には有効と聞きました。凍結療法も皮膚がんの治療法としてあるようですが、乳がん皮膚転移でも適応なのでしょうか。ご助言いただけますよう、宜しくお願い致します。

前回の担当者ではありませんので、状況がよくわかりません。局所療法としては、放射線療法が確立しています。5FUの軟膏の有効性は明らかではありません。また、温熱療法の有効性も同様です。しかし、表在の病変で評価がすぐに可能ですので、副作用に気をつけながら試してみても良いと思います。乳がんの皮膚転移に対しての温熱療法、凍結療法は、私の知る限り保険適応ではないと思います。(文責 徳田)

 

No.2446-1】 04年05月23日  T.Y.
骨転移の治療

私は、2月に左乳房全摘、リンパ節切除しました。34歳という年齢、子供を産んだ後、進行が早くなったと言われました。進行が早い為、今後の治療として、抗がん剤、胸への放射線、ホルモン注射と治療していく予定でした。そんな矢先、骨転移が見つかりました。気になるような痛みは、今はありません。3月よりリュープリン注射、ノルバデックスDを服用していましたが、先日の血液検査で、骨の数値は下がっているらしいのですが、CEA 7.5 CA15-3 68.2 と上がってきているそうです。その為、ノルバデックスからアロマシンに変わりました。他の臓器に転移しない為に、抗がん剤をする予定だったのに、骨転移があるためにホルモン治療からなのは何故ですか。ホルモン治療でも、他への転移は防げるのでしょうか。いつかは痛みがでてくるのでしょうか。骨転移はこの先広がっていくのでしょうか。私の数値は、かなり高いものなんでしょうか。不安です。

病理の結果、腫瘍の大きさ、ホルモン受容体の有無、組織のグレード(顔つき)などが詳細不明のためはっきりわかりませんが、再発予防のために抗癌剤を使おうとしていた矢先に骨転移がみつかってしまった症例ということで回答します。骨転移だけであれば、まずホルモン治療に入ります。その上で、われわれのところでは骨の破壊を抑えるためにビスフォスフォネートという薬を月に1回投与します。それでも痛みが出るようなときは、痛み止めの内服、局所に放射線照射をあてます。腫瘍マーカーというのはあくまでもひとつの目安ですので、必ずしも病気の量とは一致しません。あなたの場合は少し難しい問題もあります。当初から骨転移が存在していた可能性です。その場合には手術は必要でなく、最初から抗癌剤が必要であったという点です。ただ、主治医がいわれる、進行が早いので、潰瘍になったりするのを抑えるために手術を先行させたという考えがありますが・・・。先にも書きましたが、骨転移だけであればホルモン剤、それでもだめなら、進行するようなら、他臓器にでてくるようなら、抗癌剤との併用を考えられたらいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.2446-2】 04年05月25日  T.Y.
骨転移の治療(2)

有難うございました。たぶんおっしゃられるとおり、去年12月前から痛みがあったりしました。その頃からと自分でも思いますが、手術した病院には骨シンチの設備はなく、他の病院へ予約しなくてはいけませんでした。その予約が混んでいた為、手術が先になってしまったんだと思います。何故、当初から骨転移が存在していた場合、手術は必要ないんでしょうか? 

骨転移が最初からあって、それが診断されている場合、乳房を切除しても、骨に病変が残るので、手術が片手間に終わることです。他臓器に転移のないことが、手術の最低条件になります。例外として、局所が出血しているとかで手術を行うことがありますが、あまり多くはありません。骨転移だけではなくて、他の肺、肝、頚部のリンパ節などに転移があっても手術は保留され、抗癌剤をはじめとした全身療法が先行されます。(文責 鈴木)

 

No.2446-3】 04年06月11日  T.Y.
しこりについて

HPNo.2446で相談したものです。先日は有難うございました。またご相談したいのですが、昨日首を手で触っていると、2個ほどクリクリした、しこりのような物に触れました。比較的よく動くしこりのようなものです。これは転移が考えられるのでしょうか? もう一つお聞きしたいのですが、乳がんが骨転移している場合、確実に他の臓器に転移するのでしょうか。

「2個のクリクリした、しこりのような物」ということですが、頚部のどの位置にあるかが重要です。上部であれば転移は否定的ですが、下方にある場合は転移の可能性もありますので、充分検査する必要があります。吸引細胞診を行ない、それでもはっきりしない場合は生検を行って調べることになります。
骨転移が起こったということは、乳腺に発生した癌細胞が血液を通じて骨へ到着し、転移巣を形成したということです。従って、癌細胞が血液を介して、全身に流れているということになりますが、他の臓器へ確実に流れ着いて、そこで転移巣を形成するとは限りません。「他の臓器に転移する場合もある」ということです。(文責 須田)

 

No.2445】 04年05月23日  k・k
術後の化学療法について

昨年末、左乳房全摘術、リンパ節郭清術をうけました。腫瘍2センチ×2個、病気ステージ1、リンパ節転移0/12、ER−、PgR−、HER2−、悪性度Grade3でした。35歳という年齢もあり、タキソテール45mg/uを6回+ECを4回受けることなり、ただ今加療中ですが、ECを残すところあと2回のところで嘔吐などの副作用がひどく、主治医の先生が、「ここまでがんばったんだし、やめてもいいよ。」と言ってくれています。副作用がつらかったので、私も気持ち的には抗がん剤はもうこりごりなのですが、やはり再発のことを考えるとやめることも躊躇してしまいます。今後ECを受けなければ、2回受けたECは無駄になるのでしょうか? もし無駄になるのであれば、私の場合、タキソテールだけの抗がん剤治療で再発の可能性は上がったりしないのでしょうか(今は多剤併用療法が主流ときいています)? 今後お勧めの治療法もあれば、アドバイスお願いいたします。 

ECを2回やらなかったらどうかということですが、全く無駄になることはありませんが、これらの薬剤の投与量は副作用と効果とのバランスで決められていますので、あと2回というのは薬の効果だけでいえば必要です。ただし、副作用との戦いは大事な問題ですので、ご自身で良く考えてください。あくまでも再発予防であるということ。たいした副作用もなく、安全に出来るということも重要な問題です。ECかタキソテールかですが、やはり重要なのはECのほうで、術後の再発予防にアドリアマイシン系薬剤の効果というのは大きいのです。それと治療の順番としては、ECからはじめて、その後にタキソテールもしくはタキソールというのが標準的だと思います。タキサン系の薬剤は再発時には有用性も認められていますが、再発予防には、それ単独では、効果はあるにしてもいまだ推奨される治療法ではありません。(文責 鈴木)

 

No.2444】 04年05月23日  I.M
乳がん手術後について

私は34歳の既婚、子を2人持つものです。出産は20歳の時と22歳の時でしたが、母乳がよくでて、二人ともミルクは作ることがなかったです。そのとき乳腺炎になったりしました。時が過ぎ、この3月頃から右胸にしこりを発見したものの、あまり気にとめる事なく、気がつけば3cmほどになっていたので、周りから言われたこともあり近くの病院へ受診しました。そこで、「大きな病院にいって検査を受けてください。根が張った感じがするので気になります。」と言われ、大病院の紹介状を書いてもらいました。実は仕事が始まったばかりで転職したところの私は仕事を休むということができませんでした。なんとかなりませんかとお願いしましたが、だいぶ叱られました。仕事ができるのは体があってこそ・・。仕方なく相談し、検査へ行きました。癌になるはずがないと信じきっていましたが、エコーやマンモ、そして細検としていくうちに先生は、「確立としては治療、手術になりますね・・・」といわれました。早ければ来月には入院になるでしょうと。職場には話しましたが、派遣スタッフとして働いているので休めば間違いなく仕事はなくなるでしょう。派遣会社の方は親身になってくださっていて、「乗り越えましょう」といって下さいましたが、入院、がん治療となると復帰できるめどがまったく自分でもわかりません。この月曜に細検の結果がでるのですが、それによって相談と言う形になりました。例えば3週間ほど休むとかそういうめどがたてればまだ継続できることも可能ですが・・。手術をして結果がよくなければ仕事は無理でしょうか。どのくらいで復帰できるものなのでしょう。どうしたらいいのかわかりません。

乳癌の手術だけであれば、約2週間もあれば職場に復帰できます。ただ、乳癌は術後の再発予防の治療が大切です。現在3cmくらいで、34歳ということですので、再発のリスクを考えると懸念するところがあります。乳癌はリンパ節転移の有無、腫瘍の大きさ、年齢、ホルモン感受性の有無、細胞の顔つきなどで判断し、それのどれかに該当するときは術後の抗癌剤が必要になります。抗癌剤は半年くらいかかるものもありますので、長い目で治療を考えたほうが良いと思います。その抗癌剤も月に一度とか、月に二度とか、いくつかあります。仕事、生活、手術と考えることが多く大変だとは思いますが、まず、この手術は乗り越えなければいけない最初のハードルです。まず、これを無事に乗り越えることを考えましょう。直接の主治医ではありませんが、われわれにできることがあればお手伝いさせていただきます。(文責 鈴木)

 

No.2443-1】 04年05月23日  K.T
乳がんについて(薬について)

はじめまして。私は48才で、妊娠経験3回です。耳が不自由で、医師とのコミュニケーションがうまく出来ずに、悩み、落ち込んでいます。去年12月、左乳がんの手術をうけました。しこりが3cm、石灰化があって乳首の下なので、乳房は残せないと言われ、乳房を切除、リンパ節をかくせいしました。病理の結果では、リンパ節転移1個ありました。ホルモン感受性があるのでホルモン剤(ノルバデックス)を5年間、抗癌剤(フルツロン)を2年間服用との事でした。飲み始めて四ヶ月ですが、これから飲み続ける事によって体の方に本当に良いかどうかわからなくなりました。助言ありましたら教えてください。

耳が不自由でいらして、医師とのコミュニケーションが難しいと思いますので大変だと思いますが、一緒に戦っていきましょう。病理の結果から判断するに、リンパ節転移があったので、なんらかの治療が必要になりますが、術後の再発予防の治療として内服の抗癌剤の有用性は明らかでありませんし、ガイドラインでも推奨してはいません。一番はアドリアマイシンを含んだ抗癌剤で、つぎにCMFと言われる種類だと思います。その抗癌剤を終了後に、ホルモン剤の内服を5年間行うことが良いように判断します。ただし、副作用とかのことを考えると、耳が不自由でいらっしゃるので、症状を伝えにくいこともあるかと思いますから、よく考えてください。(文責 鈴木)

 

No.2443-2】 04年08月11日  K.T
ホルモン剤使用について

5月頃相談させて頂き、有難うございました。また相談させて頂きたく、メールをしました。よろしくお願いします。現在、ノルバデックスを服用して7ヶ月になります。ずっと生理がなかったので閉経したと思いましたが、突然7ヶ月ぶりに生理が来て、凄く多くて大変でした。手術を受けた病院へ電話してみたら、人によって月経不順になる事があるので心配しなくても大丈夫の事でした。しかし、本とか経験者によると、生理が止まった方が良いと言われたし、閉経していなければホルモン注射をしないと効果が半滅しますと書いてあったのですが、本当に止まった方が良いでしょうか?生理があっても心配ないですか?手術して7ヶ月、生理があったのでちょっと気になってしまいました。私は耳が不自由で情報を集めるのが大変ですが、頑張っていきたいと思っています。

ホルモンレセプター陽性、閉経前であれば、閉経後の場合に比べ女性ホルモンのレベルが高いですので、ノルバデックスだけでなく、LH-RHアゴニスト(ゾラデックス、リュープリン)を併用することにより、点滴による抗がん剤(CMF)をしのぐ効果が期待できます。主治医の先生に相談してみたらいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.2442】 04年05月22日  T.Y
胸のしこり

30歳未婚の女性です。昨年夏に両胸の痛みがあり、最寄の大学病院でマンモグラフィー&超音波を受け、両乳頭の下に腫瘍が見つかったため、針を刺し、細胞検査をしました。その際は良性という診断で、特に検査をした医師からは、「大丈夫、水だね。」とも言われ、ある程度安心していました。ところが、最近半年経って再度超音波を受けたところ、右胸のしこりの大きさは変わらないのですが、左胸のしこりが7mm→9mmになったと言われました(細胞検査はしていません)。しかも、「両性の腫瘍が悪性に変化することがあるのですか?」と質問したところ、「そもそも良性のシコリは1〜2年経たないと良性か悪性か判断できない」と言われました。また、半年後に超音波を受ける予定なのですが、とても心配です。胸の痛みも続いています。その他、子宮内膜症(左卵巣チョコレートのう胞)も、軽度ですがわずらっており、それとの関係性も気になります。半年後の超音波検査まで、不安で不安で待てません。半年後も、腫瘍が大きくなっていたら、悪性のがんということなのでしょうか? 違う病院でセカンドオピニオンを求めた方がいいのでしょうか?アドバイスを宜しくお願いします。

超音波で水がたまっているとのこと、嚢胞といいます。これはこのまま放置してかまいません。7mmが9mmは、患者さんにとっては深刻かもしれませんが、大きな変化なしとしたほうがよいでしょう。1-2年たたないと良性か悪性かの判断が難しいとのことですが、今の時点で腫瘍の大きさが小さいので、そのような判断になったのかもしれません。嚢胞は大きくなることもありますし、小さくなることもあります。大きくなっても嚢胞にかわりはありませんので、あまり心配されないことをお伝えします。子宮内膜症や胸の痛みとは関係ないと考えます。半年後の検診で十分だと思います。(文責 鈴木)

 

No.2441】 04年05月22日  M,K
線維腺腫の術後

44歳で16、12、4歳の子供がいます。昨年の2月に線維腺腫の診断を受け、経過観察をしていましたが、今年の3月末に検診に行ったところ、「大きくなっているので、取った方が良い。」と言われ、4月9日に手術しました。1週間程で抜糸もでき、その後病院は行っていません。確かに以前のような、こりこりしたしこりはなくなったのですが、やはりしこりがあります。術後だからかなと様子をみていたのですが、これが普通ですか?

術後、1ヶ月ですので、まだ周囲に硬い感じはあると思います。次第に柔らかくなると思いますので、いましばらく様子をみられたらいかがでしょうか。(文責 鈴木)

 

No.2440】 04年05月21日  K.O
しこりについて

はじめまして。私は31歳、子供が3人の専業主婦です。2月頃、右胸から腋にかけての軽い痛みとしこりを感じ、市町村で行っている乳がん検診に行ってきました。視触診のみでしたが、先生はなんともありませんといっておられました。それから3ヶ月が経過し、以前よりしこりが少し大きくなり、固くなったように思われます。乳がんに関する記事や、ホームページではしこりの発見が早期発見とありますが、しこりといってもどのような感じのしこりが乳がんと関係があるのかわかりません。その他の症状、乳首からの分泌物、へこみ、リンパの腫れ、等の症状はありません。

痛みを伴う乳腺は、外来でよく拝見します。この場合、しこり感を自覚しますが、多くは生理とともにしこりは小さくなったり、柔らかくなったりします。時に、嚢胞といって水たまりの袋の時には大きくなることもあります。もしご本人が感じていらっしゃるしこりが本当で、以前より大きくなったのであれば、早めに乳腺外科の診察を受けて下さい。乳癌のしこりは硬く、表面がざらついています。ぎざぎざしていたり、あまり動きがよくないようでしたら、注意が必要です。(文責 鈴木)

 

No.2439】 04年05月21日  Y.S.
骨シンチについて

はじめまして、母のことで相談させてください。五年前、初期の乳癌と診断されました。再発を恐れるため、母の希望で、左乳房全摘の手術をしました。定期的に検診で今までなんの異常再発もありません。先日、一年毎の骨シンチで左鎖骨に黒っぽく影があると先生から話があり、念のためMRIの検査を勧められました。ほかの検査、胸部レントゲン、エコー、腫瘍マーカー、血液検査では、まったく異常はありませんでした。母はもし骨転移してたら・・・と不安がっています。私も心配です。母の力になりたい、転移だとしたらどうしたらよいのでしょうか?

もし仮に骨転移であっても、慌てないで考えましょう。骨の転移は直接、命にかかわる重大な出来事は起こりません。ただし、痛み、骨折、骨からカルシウムが溶けることによっておこる、高カルシウム血症は防がねばいけませんので、月に1-2回、点滴で骨が破壊されるのを抑える治療をしていきます。もし他の臓器に転移がなければ、まず、ホルモン療法(ホルモン剤の適応がある場合)のみで治療を行い、反応が悪いときには次のホルモン剤、もしくは化学療法の併用などを考慮にいれます。それでも痛みが強い時には放射線をその局所にあてて痛みを取る場合もあります。治療法はたくさんありますし、主治医と良く相談して治療法を決めて下さい。(文責 鈴木)

 

No.2438】 04年05月20日  SH 
胸の痛みについて

35歳の未婚女性です。3ヶ月前に右胸のわき側と胸の下側に痛みを感じ始めました。1ヶ月位で痛みがひいたので気にしなかったのですが、ちょっと前に乳首が乾燥したみたいになって、皮がめくれました。そのころからまた右胸の同じところが痛くなってきて、針を刺されるような痛みがたまにあります。自分で触診してみても、しこりも分泌物もないのですが(いまいち自分でしこりがどんなものか判らない)、すごく気になります。去年の終わりに卵巣のう腫の摘出手術もしていてるのですが、やっぱり女性特有の病気は重なるのでしょうか?教えてください。

痛みはあまり心配されなくてよろしいかと思います。恐らくホルモンのバランスがくずれて起こっているものと考えられます。乳首の皮がめくれたものもあまり心配ないと思います。乳首からでる分泌物で少しかさかさされる方も多いです。ただ、乳首、乳輪にできてくる乳癌もありますので、注意してください。ぐじゅぐじゅして、痛そうな、痒そうな湿疹のようになります。卵巣の病気とはあまり関係ないと思います。自分でしこりがわからないのは、まず本当にしこりはないものです。本当にしこりがあるときには、しっかり触れてきますので、怖がらずに月1回の触診は続けてください。(文責 鈴木)

 

No.2437】 04年05月20日  H
15歳です

初めまして。私はS市在住の15歳の中学3年生の女の子です。胸の事について不安なことがあったので、HPを拝見してメールさせて頂きました。1ヵ月前の4月くらいから両胸の痛みがたまに気になるようになりました。痛みは圧迫されるような痛みで、しばらくすると治ります。両胸の全体にゴリゴリしたようなしこり(?)のようなものがあります。これは多分、乳腺だと思いますが、ちょっと気になっています。それと両胸の乳首に白いニキビのようなプツっとしたできものが1つずつ出来ています。また、左胸の乳首だけ下の方が割れていて、少しいびつな形になっています。左胸の乳輪の全体が、そばかすのようなもので黒ずんでいます。10代で乳癌になるのはごくまれだと聞いてはいるのですが、とても不安で心配です。私の周りには、訳あって相談できる大人の人がいないので、乳腺外科のある病院がどこにあるのかも分からないし、私のような中学生がそのような病院に行っても診察して頂けるのかなど分からない事だらけで、病院にも行きづらいです。私が乳癌などの病気の可能性があるかなど、良いアドバイスを頂けたら嬉しいです。では長々とメールしてすみませんでした。お返事のメール待っています。よろしくお願いします。

まず、ほとんど心配がなさそうですので、そのことを念頭にいれてください。痛みに関しては、ホルモンのバランスがくずれておきるものと考えられます。乳首のぼつぼつ、乳輪の黒ずみ、乳首のいびつ、どれをとっても、生理的な変化かと思います。中学生でも、ちゃんと病院で診察してもらえますので、ご心配なく。(文責 鈴木)

 

No.2436】 04年05月19日  H.K
ノルバデックスについて

はじめまして。2002年12月温存手術をして、その後、放射線治療とCMFを6クール受けました。2×2.5センチで、ステージ2a、クラス5、her2(3+)、リンパ節への転移なし、エストロゲン(-)、プロゲステロン(+)です。手術後よりノルバデックスを服用していますが、最近、ホットフラッシュや鬱状態がひどく、ノルバデックスをやめたいと思っていますが、ご意見をおねがいします。

ホルモン受容体陽性でのノルバデックスの内服は、メリットのほうがデメリットより大きい治療方法です。ただし、自覚されるような副作用がありますので、あまり副作用が強い時には、内服を中止されてはどうでしょう。あくまでも再発予防の治療ですので、副作用が強いのに無理して治療するのも大変です。もし、閉経後であれば、アロマターゼ阻害薬という作用機序の違う薬もあります。こちらはそのような副作用は少ないですので、主治医に相談されてはいかがですか。(文責 鈴木)

 

No.2435】 04年05月19日  T.I
乳首からの出血

43歳の男性です。今日、運動中に乳首からの出血を確認しました。Tシャツに鮮血が付着して気がつきました。自分で摘んでも出血します。ちょっと気になります。

男性にも乳腺は存在しますし、乳癌も発生します。つまむと出血するとのことですので、早いうちに乳腺外科の受診を勧めます。出血するからといって、必ずしも乳癌ではないので、怖がらずに受診してください。(文責 鈴木)

 

No.2434-1】 04年05月19日  T.K.
母のことで相談させて下さい

はじめまして。私の母のことで相談させて下さい。母は53歳、今年の2月に乳がんの温存手術を受けました。ステージは1期、リンパ節転移はありません。母は30代の時に子宮筋腫の為、子宮を摘出しています。卵巣はあります。4月中旬に放射線治療を終え、その約1ヵ月後の今月中旬からアリミデックスの服用が始まりました。服用して1週間経ちますが、今のところ副作用は無いようです。このホルモン療法について、2点お聞きしたいのですが、
1) 放射線治療終了からホルモン療法開始まで、約1ヶ月期間があきましたが、開始時期が遅すぎるということはありませんか?
2) ホルモン反応は陽性でしたが、子宮は無くても卵巣は有ります。この状態も閉経とみなされるのでしょうか?

以上2点についてお答え頂きたく、メールを送らせて頂きました。お忙しいことと存じますが、よろしくお願い致します。

卵巣が残っているのであれば、閉経前と考えますが、年齢的にも自然閉経を迎えるころですので、採血によりホルモン値を調べてもらって、閉経かいなか判断されてはいかがでしょうか。開始時期に関しては問題ないでしょう。(文責 鈴木)

 

No.2434-2】 04年09月23日  T.K.
腹部に膨張感があります

こんにちは。前回は丁寧なご回答を頂き、ありがとうございました。母も安心して治療に専念しております。今回またお聞きしたいことがあり、メールを送らせて頂きました。お忙しいことと存じますが、ご回答頂けたら幸いです。
現在アリミデックス服用中です。副作用もなく、日常生活は普段通りなのですが、最近腹部に膨張感があり、不安なので検査を受けてみようか検討中です。特に痛みはありませんし、便通は毎日きちんとあります。検査方法としてPETか内視鏡を考えていますが、どちらの検査が良いのでしょうか? PETの場合、微量の放射性物質を体内に注入すると聞き、がんに対して影響は無いものなのか気になります。どうぞよろしくお願い致します。
以下は母のデータです。「母は53歳。今年の2月に乳がんの温存手術を受けました。ステージはT期、リンパ節等転移はありません。放射線治療を終え、現在アリミデックス服用中です。30代の時に子宮筋腫の為、子宮を摘出しています。卵巣はあります。」

腹部膨張感の不安に関してですが、乳癌もしくは悪性腫瘍についてであるとすれば、PETがよいでしょうし、消化管の疾患を心配しているのであれば内視鏡検査という事になります。PETには、1cm以下の病変は描出困難であり、また検査費用が高いという欠点もありますが、半減期が短く、癌に対する影響はほとんどありません。ご心配な点を主治医の先生に伝え、充分ご相談下さい。(文責 須田)

 

No.2434-3】 05年03月12日  T.K.
放射線治療における副作用について

こんばんは。前回、前々回と、質問にお答え頂き有難うございました。母は術後1年目を迎え、先日各種検査を受けました。腫瘍マーカー、血液、骨シンチは異常なしでしたが、CT及びマンモグラフィー検査で、乳房に何かが見えた為、生検しました。中からは、シャーベットの様な寒天の様な、黄色い物が出てきました。主治医は「本来は吸収されるべき物が吸収されずに残ってしまっているのでは?」との見解でした。特に問題は無いでしょうと言われましたが、現在結果待ちの為、不安な気持ちです。そこでお聞きしたいのですが、放射線治療における副作用として、上記の様なことはあるのでしょうか? また、術後から手術の傷跡が硬いこと、体を下に向けると乳房にくぼみが出来ることも気になります。主治医の先生に、皮下組織の萎縮があることは聞いていましたが、気になってしまいます。もともと肌は弱い方です。お忙しいことと存じますが、どうぞよろしくお願い致します。母は53歳。昨年の2月に乳がんの温存手術を受けました。ステージはT期、リンパ節等転移はありません。

メールの内容からすると温存療法にみられる乳房の脂肪組織の変性によるオイル嚢胞と思われます。放射線照射後にみられます。恐らく心配はないと思われます。(文責 稲葉)

 

No.2433】 04年05月19日  J.H
マンモグラフィーに影

50歳の主婦です。最終出産は17年前。4月14日子宮癌検診の際、乳癌の検診(マンモグラフィー)を近くの総合病院で受けました。結果は、左胸上部に影があり、エコーの検査を勧められました。しこりは、検診当時柔らかい1cm程、でも現在は触れることはありません。分泌物は強くつまむと、透明のものが出ます。又、最近、左胸に痛みを感じます。生理後2週間です。エコーは6月1日の予約ですが、知人に、評判が良くないからちゃんとした病院で検査した方が良いと言われました。大学病院や大病院は患者が多く、予約も何ヶ月も先になる可能性があるとか。なるべく早く検査をして、今後の治療や手術を考えたいと思いますが、やはり少し待っても大きな病院で診てもらった方が良いでしょうか? 癌以外でもマンモグラフィーに影が出ることがあるのでしょうか?

悪性の病変以外でも、マンモグラフィに映る病変はあります。大病院であっても、検査が何ヶ月も先になることはありません。恐らく、当日にはできるものと思いますので、悩まれる前に受診されてください。しこりが現在、触れないのであれば、乳腺症という良性の乳腺の状態が考えられますが。(文責 鈴木)

 

No.2432-1】 04年05月17日  A.Y. 
再発予防としてのホルモン療法について

現在アメリカに住んでいます。今年1月に乳がんの手術を受け、4月に放射線治療を終えましたが、その後のホルモン療法を受けるべきかどうかとても迷っています。ぜひご意見をお聞かせいただきたいと思いメールいたします。
私の手術を担当した医師(Surgical Oncologist)からは、術後、放射線治療のみで、ほかの治療は必要ないという説明を受けましたが、念のため、別の2人の医師(Hematology/Medical Oncologist) にセカンドオピニオンを取り、治療法について相談しました。その結果、どちらの医師からも再発予防として、放射線治療後、ホルモン療法(タモキシフェン5年間服用)を勧められました。薬の長期服用により子宮体がんの発生頻度が増加すると言われていますが、再発のリスクのほうがそれを上回るので行ったほうが有効だという理由からです。その後私の担当医にそのことを尋ねてみたところ、私の場合は、ホルモン療法から得られるベネフィットよりも、薬の副作用として起こりうる子宮体がんの確率のほうが高くなるのでしないほうが良いという答えでした。セカンドオピニオンの医師からの回答とまったく正反対なので、私としてもとても迷っています。私には、過去に子宮内膜症や子宮ポリープ(数年前に一度取りましたが、今またできている可能性があるとのこと)の病歴があり、再発を少しでも抑えたいと強く望む反面、子宮体がんに対する不安も大きく(私のようにすでにポリープを持っている人はそのリスクも高いのでは?という心配があります)、非常に苦しい選択を迫られています。治療が済んですでに1ヶ月が経っていますが、いまだに結論が出せずにいます。必要以上の治療は避けたいと思いますし、もしするなら十分に納得した上で受けたいと思っています。どうかよろしくお願いいたします。47歳 閉経前、ステージI、腫瘍の大きさ 0.9cm (DCIS) ハイグレード、リンパ節転移なし(センチネル生検)、乳房温存術(断端陰性)+ 放射線治療(全体照射25回+ブースト9回)、ホルモンレセプター ER(+)、PR(+)

DCISであっても、閉経前、ホルモン受容体陽性であれば、タモキシフェンの5年間投与が推奨されています。たしかに子宮体癌の心配がありますが、それよりも再発の抑制効果の方が勝っているのは周知の事実です。ポリープ、子宮内膜症であっても、そのリスクは変わりません。さらにLH-RHアゴニストといって、卵巣からのホルモン分泌を抑える薬の注射を2年間もあわせて行うのがベストと考えます。ただ、無理矢理、閉経状況にもっていくので、すこし更年期障害の症状がでると思います。少なくともタモキシフェンの投与は必要であると考えます。
DCISのホルモン治療には、いまだ意見の分かれることのようで、ほとんど転移、再発の心配がないので必要ないという意見と、局所再発は抑えられるという意見とがあります。いまだはっきりした見解はないようです。婦人科のほうが心配とのことですので、定期的に婦人科検診をしながら内服していくというのも、ひとつかと思いますが・・・。(文責 鈴木)

 

No.2432-2】 04年05月19日  A.Y. 
再発予防としてのホルモン療法について(2)

さっそくご返答くださって有難うございました。今後ホルモン療法を行なうにあたって、もう少し質問させていただきたいと思います。放射線治療終了後1ヶ月になりますので、もしホルモン剤を服用する場合、やはりすぐに始めた方が良いのでしょうか? このあと数ヶ月経ってからでは遅すぎますか?(事情があり、副作用のことも考え合わせると、特に問題がないのであれば夏以降に飲み始めたいと思っています。)それから、ホルモン剤服用によって起こった子宮体がんは比較的治療が容易であると言われていますが、一般的な子宮がんの治療(子宮摘出後、抗がん剤投与)との違いはあるのでしょうか? そしてまた、もし乳がん局所再発の場合(今回と同じようにDCIS あるいは浸潤する前の初期の段階で見つかったとしても)、治療は再発ということから化学療法が行われるのでしょうか? 医師の立場からは、ガイドラインに沿った治療を行うのが一般的だと思いますが、私としては、やはりできることなら今後も抗がん剤治療をしないで済むなら、もちろんその方が良いと思っています。ですから、愚問と思われるかもしれませんが、充分に理解しておきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。

子宮体癌の治療に関して詳細はわかりませんが、とくに大きなかわりはないと思います。ただ、あまり抗癌剤は使わないのが普通です。乳房内の局所再発ですが、もし、他の臓器に転移がないのであれば、その部分の局所切除で事足ります。内服時期に関しては明確な答えはありません。術後3ヶ月くらいのうちには開始したいところですが、はっきりとした確証はありません。もし、あまりに内服に関して悩まれるのであれば、殆ど再発リスクのないDCISですので、そのまま経過を見られたらいかがですか?(文責 鈴木)

 

No.2432-3】 04年05月21日  A.Y. 
タモキシフェンとイソフラボンについて

ご回答くださってありがとうございました。もうひとつ、タモキシフェンと大豆食品について質問させていただきたいのですが、よろしくお願いいたします。大豆に含まれるイソフラボンは、エストロゲン分泌に大きく係わっていることが知られています。欧米の女性に比べて日本の女性に乳がんが少ないのは、普段の食生活の中で大豆食品(お豆腐や納豆、お味噌汁など)をたくさん取るからだとも言われています。大豆に含まれるイソフラボンの働きで、体内の過剰なエストロゲンが抑制されるためだそうですが、一方で、イソフラボンには体内のエストロゲンが不十分な場合、それを補うために逆に働く作用もあるということを知りました。そうなると、エストロゲン依存の乳がんの治療または予防のために、エストロゲンの分泌を抑えるタモキシフェンを服用した場合、服用中に大豆食品を多く摂取すると、イソフラボンがエストロゲンの分泌を促してしまい、薬の効果が損なわれ、逆効果にもなりかねないのではないかと心配してしまいます。実際そのようなことが起こるのでしょうか?タモキシフェン服用中は、大豆食品を控えなければならないということでしょうか?

イソフラボンに関しては明確な答えはありません。通常のサプリメントとして摂取する場合なら問題ないと思いますが、必要以上に摂取するのはあまりおすすめできません。タモキシフェンを服用していても、食事に関しては、普通の食事で偏りがないように心がければ良いと思います。大豆製品も時には必要でしょうし、毎日、度を過ぎなければ良いと思います。(文責 鈴木)

 

No.2432-4】 04年11月24日  A.Y. 
傷の治りについて

以前HPNo.2432で相談させていただいた者ですが、今回、傷の治りについて気になることがあり、またメールさせていただきます。
今年1月に行った温存手術(腫瘍部分のみを広範囲で切り取った)の傷跡ですが、手術後すでに10ヶ月も経っているのに未だに瘡蓋ができています。外科と放射線科でのチェックアップの時にそれぞれ尋ねてみましたが、何度も瘡蓋ができて自然に治るとの説明でした。上の皮膚を縫合していないようなので(テープで留めてありました)、傷口が少し開いたような形になっていて、そのところどこに瘡蓋ができているのです。傷口そのものは5cmほどですが、私の場合、痩せている上に腫瘍がお乳の膨らみの部分ではなくかなり上のほうでしたので(筋肉に近い部分)、それも影響しているのでしょうか? また放射線治療の影響で傷が治りにくいということもありますか? あまりにも治りが遅い気がして心配になっています。夏に日本でたまたま見ていただいた医師からも、やはり傷の治りがかなり遅いことを指摘されました。日本では小さな傷口でもきれいに縫合されている場合が多いように思うのですが・・・。傷口をご覧になっているわけではないので難しいとは思いますが、何か問題があるということはないでしょうか? 傷の治りが遅いことの原因に何か考えられますでしょうか? お忙しいところ恐れ入りますがよろしくお願いいたします。

放射線照射後は傷の治りは多少遅くなります。かさぶたができたりするのは自然な経過と思われます。傷口そのものが少し開き気味になっていることが治りが少し遅くなっていることに影響しているかも知れません。また糖尿病などがあると傷の治りは悪くなります。(文責 稲葉)

 

No.2431】 04年05月17日  K・T
わきの下の腫れについて

数年前から右腋下にしこりがあります。腋下の中央辺りです。腕を上げて見るだけでも、明らかに左とは違い隆起しています(直径3cmくらいでしょうか)。上から押すと小豆大くらいのしこりのようなものを確認できますが、腫れの部分を指でつかむと縦長の太い感じのしこりを確認することができます。特に生理前になると、そのグリグリしたしこりがより明瞭になります。寝て腕を上げて触れるとしこりは小さく感じます。昨年の秋の乳がん検診(触診のみ)でも気になったので、先生に相談し、わきの下も見ていただいたときは、リンパの腫れで心配なものではないと思うとの事でした。ずっとそう思っていたのですが、今月はなぜか洋服が腫れの部分に触れると痛かったり、何もしないのに痛みを感じたりします。見た目も触れた感じも以前と変わりはないのですが。病院に行くとしたら外科でも大丈夫ですか?マンモグラフィーを受けたほうがいいのでしょうか?もうすぐまた生理なのですが、生理が終わってから病院にいったほうがいいのでしょうか?

考えられるものとしては、リンパ節、粉瘤(毛穴にできた小さな炎症のようなもの)、副乳(生まれつきの乳腺組織が残っているもの)がありますでしょうか。生理の前に大きくなるとのことですので、副乳かもしれません。この場合はまったくもって心配いりません。リンパ節の場合も、大概は心配いりませんが、時にリンパ節にのみ病気のみられる乳癌、リンパ腫などもあります。粉瘤は心配いりません。時に大きくなり、炎症が強くなると痛みがありますので、切開したりすることもあります。心配されるよりは病院の受診をすすめます。乳腺外科のある病院への受診がよろしいかと思います。マンモグラフィは検診目的であれば50歳を超えてからでかまいませんが、必要であれば先生が指示すると思います。生理に関しては、終わってからのほうが乳腺がやわらかくて、診察しやすいと思います。(文責 鈴木)

 

No.2430】 04年05月17日  K ・ Y
女性化乳房についての質問(2)(HPNo.2346-2)

04年4月20日に、清水先生に相談を受け付けてもらったものです。できたのは中二ぐらいです。今は高校二年生で右乳の乳首の回りにしこりがあります。左乳には少し乳首のところにあります。右側が目立って嫌です。人前で裸になることができません。今までは恥ずかしがって病院に行かなかったのですが、この前勇気を出して行ってみました。病院のホームページで調べて、乳腺外来(木曜の午後)のあるときに行きました。しかし、受付で言われたのは、木曜日の2:30までだったらしいのです。僕は学校があるので、そんな時間帯にはいけません。それだけならまだいいのですが、受付の人に、僕が「乳腺外科に行きたいんですけど」といったら、「えっ、あなたがですか?」と言われました。ほんまにむかつきました。めずらしい症状なので少しは気合を入れて行きましたが、本当にショックでした。そこで相談なのですが、病院に行って女性化乳房だと診断されたら、どういう事をしてもらえるのでしょうか?薬をもらえたりしてもらえるんでしょうか? もし薬がないのであれば、ああいう経験はしたくないので、もう行きたくないと考えております。先生、回答の方、よろしくお願いします。

高校生の君に恥ずかしい思いをさせてしまって申し訳有りませんでした。一番デリケートな年頃ですから無理はないと思います。確かに、病院へ行く目的は、女性化乳房症であるという診断をしてもらうこと、悪性の病気が隠れていないかを診てもらうためで、女性化乳房症と診断されれば、薬もなく経過を診てもらうだけです。もし大きくて気になるならば、切除してもらうことも可能です。今度は夏休みまで様子を見て、小さくならないようなら、乳腺外科でなく、外科にかかってみてはどうでしょう。乳腺外科が分化する前は、乳腺疾患は外科医がみていたので、外科にかかればあまり恥ずかしい思いはしないのではないかと思います。(文責 清水)

 

No.2429】 04年05月16日  Y.Y.
胸のしこりについて

はじめまして。来月24歳(女)になります。先月、左胸の右下の方に5mm程度のしこりのようなものを見つけました。へこみは見られませんが、中心部が何かを含んでいるように薄黒っぽくて、まわりが赤くなって(触りすぎ?)います。見た目にもわかるくらいです。何かの病気によるものでしょうか? 心配しています。よろしくお願いします。

文面からの推定に過ぎませんが、粉瘤(にきびのような内容を含む腫瘍)のように思えます。このシコリなら心配はありませんが、気になるなら念のため病院で見てもらってください。(文責 麻賀)

 

No.2428】 04年05月15日  HN
乳輪の痒みについて

初めまして、40歳の主婦です。5歳の男の子が一人おります。早速ですが、最近急に乳輪が(それも決まって右だけ)とても痒くなり、満足するまで掻いてしまうと黄色っぽい汁のようなものが出てしまい、コットンやティッシュなどでしばらく抑えていると、取り合えずは治まるのですが、あとで黒っぽいカサブタ?というより、薄皮のようになってしまうのですが、これって、皮膚炎の一種なのでしょうか?

乳頭部の皮膚炎の一種でしょう。ただ極まれにはPaget 病といって乳頭部直下の乳管洞から発生する乳癌のこともありますので、念のため病院で見てもらった方が安心です。(文責 麻賀)

 

No.2427-1】 04年05月15日  MI
エコー検査、細胞診についての相談

はじめまして。31歳、3歳になる子供がおります(授乳暦1年6ケ月)。本日検診(エコー)にてシコリがみつかり、検診Drの、「見た目は悪いものではないですが、小さいシコリがあります。まずガンなどではないと思いますが、初めての検査ということなので、精密検査を受けて下さい。」との診断をうけ、すぐ同じ病院内の外来(乳腺内分泌科、乳腺専門医)に行きました。再度エコーで診ていただくと、「1cmくらいのシコリ。まず大丈夫だと思うけど、それを確定するために針をさしますが、いいですか?」と、エコーしながらの細胞診を行いました。マンモグラフィには何も写らなかったそうで、「あまり心配しなくていい。良性と確定すればほっておいていいから」とおっしゃられたのですが、つい悪い方に考えてしまい、とても不安です。よろしければ診察時に聞けなかったことを質問させてください。

@ エコーでみて「悪いものではないシコリ」というのには、どのようなものがあるのでしょうか?
A こちらでもよく出てくる線維腺腫は、画像診断だけでなく細胞診にて確定するのでしょうか?

よろしくお願いします。

@ 線維腺腫や嚢胞、乳腺症などです。
A 線維腺腫と診断するには少なくとも細胞診は行っておく必要があります。(文責 麻賀)

 

No.2427-2】 04年05月23日  MI
細胞診

先日は迅速なご回答、誠に有難うございました。お忙しいところ申し訳ございませんが、2度目の質問、宜しくお願いいたします。本日、乳腺外科に細胞診の結果を聞きにいったところ、「何も悪いものは見つかりませんでした。ガンではないです。おそらく線維腺腫なので、ほっておいていいです。」とのことでした。今後は定期健診時に経過観察する程度でよいと言われたのですが、定期健診というと次は1年後ということになってしまうのですが、本当によいのでしょうか? こちらの相談室でも細胞針の結果が良性だったのに実はガンであったという相談をみかけたのですが、そのような場合はエコー、マンモで何らかの悪性の所見があるということでしょうか? エコーで、「悪性の可能性はまずない」との診断で、細胞診で良性(線維腺腫)と出た場合、摘出を考えるというのは行き過ぎでしょうか(大きさは約1cm、乳輪の下あたりです)? 今後妊娠を考えているので、心配の種はとってしまいたい気持ちがあるのですが・・・。今現在、自分で触ってもシコリを感じられないので、大きくなっても分からないような気がして不安です(先生でも触診では分からないとおっしゃっていました)。まとまりのない相談で申し訳ございませんが、ご助言お願いいたします。

検診期間についてですが、一年毎で十分と思います。あとは月に1回の触診を自分でやってください。今は自分で触ってもわからないのであれば、それくらいの小さなものなんだと考える方が付き合いやすいかと思います。決して自分でわかるようになってからでも遅いことはありません。もし一年で不安であれば、半年ごとにでも超音波にしてもらったらいかがでしょうか? それと、超音波、マンモで少しでも悪性の疑いがあるのならともかく、そうでなければ切除は少し行き過ぎではないでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.2426】 04年05月15日  N.M.
胸の痛みとしこりについて

26歳未婚女性です。昨夜右乳房に刺すような鋭い痛みがあり、その部分を触ってみると1.5センチくらいのしこりがありました。その後しばらくしてから乳癌の自己検診法のやり方で触ってみると、痛みを感じた時より柔らかくなっていました。先月も同じ様なことがありました。私は無月経で、最終月経から1年以上月経がありません。治療に通っていましたが、薬の副作用が辛く足が遠のいてしまいました。女性ホルモンの影響で胸が痛くなっているのでしょうか? それとも乳癌の可能性があるのでしょうか? 教えてください。

このお話からすると乳癌の可能性は低いと思います。ただシコリを触れるのであれば、あるいはシコリではないかと心配するなら、病院を受診しましょう。(文責 麻賀)

 

No.2425】 04年05月15日  T&M
放射線治療後に硬くなる乳房

43歳(閉経前)です。1月に左胸温存手術(しこりの大きさ2センチ未満、リンパ転移なし(センチネル生検)、ホルモンレセプターは両方ともプラスのステージI)を受けました。その後5週間の放射線治療を終了し、現在ゾラデックスとノルバデックスによるホルモン治療中です。今日お聞きしたいのは、放射線治療終了後2ヶ月が経過した乳房の状態についてです。終了直後は、幸いなことに多少色が沈着し、皮膚がかさかさしたようになるくらいですんだのですが、ここに来て、以前よりも乳房が硬くなったような気がします。手術痕近くや、くりぬいた箇所に脂肪を寄せた(?)であろう場所はもちろんですが、手術と直接関係ないと思われる下半分の乳房(しこりの場所は左上でした)も、硬くなってきました。
1) これは放射線治療の副作用でしょうか。特に手術痕近くは再発を連想してしまい不安です。
2) 副作用だとしたら、しばらくしたら治るのでしょうか。それともこのままなのでしょうか。
3) 乳房の下半分が硬くなっていることと関係するかもしれませんが、下着の跡がくっきりと残るようになり、それほど締め付けているわけでもありませんが、その直下にあるあばら骨が押さえつけられ、指で触ると痛い状態です。確かに反対側の乳房の同じ場所と比べると、若干肉付きが少ないような気がします。(もともと胸はあまり大きなほうではありません)

主治医の診察は2ヶ月以上先なので、このまま放置しておいてよいものか判断に困り、ご相談させていただきました。よろしくお願いいたします。

1) 放射線照射が終わってしばらく(6か月くらい)は、照射したところがかなり硬くなります。
2) 少しずつ良くなると思います。
3) 照射のため少し皮膚や皮下組織が浮腫状になっていますので、下着などのあとが残ります。照射後にあばら骨を痛がる人は多いです。心配ないと考えます。(文責 麻賀)
 

No.2424】 04年05月15日  K.M. 
骨転移治療について

お尋ねします。12月末に左胸全適手術後、抗がん剤治療を2月から4週間を1サイクルとして6サイクルの予定で治療を始めましたが、1回目(2/6からCAFの組合せ実施)以降白血球が減少して2回目に入れない状況です。1回目終了時点で白血球は700まで下がり、グランによる治療を1週間受けました。その後骨シンチ、MRIの検査を行いました。結果は5/12日に脊髄に転移がありと判明しました。白血球は2700(5/12日)とあがらず。抗がん剤治療はエンドギサンP剤を受けました。2/14からエンドギサンP剤を2週間服用しています。白血球の上昇がみられないため、抗がん剤の点滴治療が出来ない状況の中で転移の判断が下り、不安の渦中です。放射線治療も出来ないと言われております。ほかにどんな治療方法が考えられるか、お教えいただければ幸甚です。宜しくお願いいたします。

ホルモンレセプターが陽性ならホルモン治療があります。脊髄に転移とは脊椎の骨転移のことでしょうか。骨転移ならビスフォスフォネートがあります。ハーセプテストが陽性ならハーセプチンがあります。また白血球が2400まで戻ったのであれば、グランを使いながら抗がん剤治療を行う方法もあります。よく主治医と相談してください。(文責 麻賀)

 

No.2423】 04年05月15日  トモ. 
マンモグラフィーについて

はじめまして。50才、既婚です。宜しくお願い致します。2週間ほど前にドック・検診専門のクリニックで、初めてマンモグラフィー検診を受け、当日は触診とあわせても多分問題ないと言われましたが、そちらのクリニックでは2人の医師確認制をとっているということで、確実な結果は郵送でと言われました。特に心配はしていなかったのですが、昨日検査結果が届き、「乳腺濃度の左右差が目立ち、左カテゴリー3と判断」と、精密検査を受けるようにとありました。その為、近々乳腺外科がある病院で受診しようと思っております。ただ、その病院でも再度マンモグラフィーを受ける事になると思いますが、短期間の間に2度も受けて体に害はないのでしょうか。また今後のことも考え、やはり病院はマンモトーム生検が受けられる様な病院が良いでしょうか。 

1) マンモグラフィを短期間に2度行っても被爆による影響はほとんどありません。
2) 乳腺外科のある病院ならどこでもよいと思います。(文責 麻賀)
 

No.2422】 04年05月15日  M.K. 
分泌物あり不安

35歳、出産経験なし。圧迫にて両乳頭より白〜灰白色の分泌物あり。4月に初めて乳腺外科受診しました。マンモグラフィーは特に異常なし。エコーは、右乳房は特にコメントなし。左乳房は、6.9×6.2×3.8mmの、のう胞が一つあり。乳汁細胞診の結果は異常なし(多数のマクロファージと炎症細胞ですとのコメント)。マンモテックは、右400〜1000ng/ml 左200ng/ml以下。右側のマンモテックの値が高いので、一ヶ月後の5月に再度エコー施行しましたが、4月の時と変わりなし。分泌物は、圧迫にて右側に灰白色のものが少量でます。左側は最近分泌物でません。主治医は、次の受診を3ヵ月後にと言われたが、ついつい6ヶ月後に延ばしてもらいました。自分で6ヵ月後にしてもらったのに、なんだか不安になってきました。
@ 乳癌の可能性はどのくらいありますか?
A 妊娠希望していますが、問題ありますか?  
B 6ヵ月後の受診は間隔あきすぎですか?
先生のご意見を是非お聞かせください。よろしくお願いします。

@ 乳癌の可能性はあまりないと思います。
A 妊娠は可能でしょう。
B 6カ月後の検診でよいように思います。(文責 麻賀)

 

No.2421】 04年05月15日  T.S. 
今後の治療について

これからの治療について、ご相談いたします。
2002.2 乳がん診断 (レベルT、リンパ転移なし)
2002.3 温存で手術を希望したが、しこりが乳頭から5cmはなれていなかったので、オーチンクロス術で乳房切除(病理の結果、リンパ節 2/21転移あり(一番遠いところ)、 抗がん剤5FUの錠剤とノルバデックスを服用
2003,9 右股関節痛み、骨シンチで異常あり
2003.10 CT検査→ノルバデックスからゾラテックスへ
2003.11 MR検査、骨生検うけ腺ガンの細胞が骨に見つかる
2003.12〜 放射線30グレイを2.5ずつ計12回うける

今後の治療として、抗がん剤(タキソテール・ファルモルビシン)の話を聞きましたが、これは、妥当な治療法でしょうか? あと、ほかの骨に転移した場合、放射線を受けられない場所の時はどうするのでしょうか? 骨転移で、痛くなる場合と、ならない場合があるのはどうしてなのでしょうか?

(参考) 最近の腫瘍マーカ  CA15.3→72.3 1CTP→7.3 CEA→18.6

よろしくお願いします。こんなすばらしいサイトがあるのは知りませんでした。本当に、ありがとうございます。

1) アンソラサイクリン系抗がん剤(ファルモルビシン)やタキサン系(タキソテール)抗がん剤を使うのが良いと思います。
2) 放射線治療が難しい場合はビスフォスフォネートを投与するのが良いでしょう。
3) 骨転移のうち骨がもろくなる溶骨性転移の場合は痛くなることが多いです。造骨性転移の時には余り痛くありません。普通、乳癌の骨転移の場合は溶骨性変化を起こし
ていることが多いです。(文責 麻賀)

 

No.2420】 04年05月15日  カンナ
マンモトーム(HPNo.2353-3)

いつも、即、お返事いただき有難うございます。私の状況ですが、エコーやMRIでの造影検査の結果、数ミリから1センチのものが写っているとのことでした。それが腫瘍の影?であるのかどうか判りません。「石灰化などの所見」?というの(意味)が、私自身、わからない状況です。本日、これから病院に行きますので、そのことを担当のお医者様にお聞きしようと思っております。マンモトームのデメリットのことも有難うございます。インターネットなどで、「機械で測定するので正確にとることができる」とあったのですが、絶対に取れるということは無いと考えた方が良いのですね?  担当のお医者様に、マンモトームや手術に関することを、もう少しお聞きして判断し、治療に臨もうと思っております。医療の知識がなく迷うことばかりなので、またご相談をさせてください。

エコーでシコリがわかるのならマンモトームは可能です。エコーやレントゲンでシコリの影がわからない場合はマンモトームは出来ないと思います。(文責 麻賀)

 

No.2419】 04年05月15日  OM
術前化学療法について

初めてお便り致します。37才、既婚、子供無しです。左胸のしこりと腋下のリンパ節が腫れたため、1月に外科で検査をしました。エコー、PET等の結果から乳癌と診断されました。セカンドオピニオンで違う乳腺外科に行き、同じ診断でしたが、通常3ヶ月後の手術になるため期間が空き過ぎる事と、すでにリンパ節に転移している事とで術前に抗癌剤をうつ事にしました。2月からCEF(3週間毎×4回)を終えて、次回タキソテール(3週間毎×4回)の予定です。おかげさまでCEFがよく効き、3cmほどあった腫瘍と、かなり腫れていたリンパ節もすっかり小さくなりました。先生も"大変だ。癌がわからなくなる。"と言って、エコーでも見つけづらくなった様です。そこでお伺いします。癌が消えても手術はするべきなのでしょうか? 必ず手術をすると言うのなら、CEFだけでこれだけ小さくなったのに、タキソテールも受けなくてはいけないのでしょうか? 手術も恐いし、抗癌剤もつらいです。もしどちらかだけでいいのなら手術を止めたいのですが、いけないのですか? 癌が消えても、リンパ節転移をしているという事は再発の危険が、やはりあるのでしょうか? 長々と申し訳ありません。よろしく御回答の程お、願い致します。

1) 癌が消えたといっても触診でわからなくなったとか、超音波やレントゲンで写らなくなったというだけで、顕微鏡レベルで見てもないのかどうかは不明です。CEFとタキソールを行うと約20-30%の方は手術して顕微鏡で見てもなくなっています。しかし、残りの方はなくなったと思っても顕微鏡で見ると癌は残っています。現時点では手術して顕微鏡で調べてみなければわからないことです。したがって手術はしなくてはいけません。
2) 抗がん剤は両方行ってから手術を行ったほうが良いです。これは普通は術後にやるべき抗がん剤治療を手術前に行っておくということです。先に行っておくことの良い点は、ある程度進行した乳癌の場合、既におこっているかも知れない微小な遠隔転移に対しての治療を早く行うことになること、乳癌そのものも小さくなり温存手術が可能になることなどです。
3) 両方の抗がん剤治療でリンパ節転移も消えてしまうことがあります。手術してみて癌もなくなり、リンパ節転移も抗がん剤でなくなっていれば、今後良い結果が得られると思います。(文責 麻賀)

 

No.2418】 04年05月13日  Kanna
術後療法の悩み

年齢39歳(閉経前)、右乳癌(しこり)がみつかり、部分切除(直径5cm)を行っていただきました。浸潤癌と聞いていたのですが、病理検査の結果、非浸潤性乳管癌、悪性度グレード1、切除断片陰性、リンパ節転移も陰性(センチネルリンパ節3ヶ+2ヶ)、ホルモンレセプターはプロゲステロンレセプターが陽性〔エストロゲンはマイナス)とのことです。癌の大きさは1.3cmx1.5cmぐらい。治療法は、おとなしい癌なので、タモキシフェン(ノルバデックスD)のホルモン療法を5年といわれました。「取り残しもない。充分とっているので、温存乳房に放射線治療は効果があるかもしれないけれど、しなくても同じかもしれない、希望にあわせる。」と言われました。もし、気になって心配なら、安心のためにあてられたらどうですかといった感じです。そこで、反対に悩んでいます。温存療法は放射線治療が前提と思い込んでいたので、ここで選択の余地があるとは思ってもいませんでした。また、本を読んでいると非浸潤癌はスタンダードな治療法がまだなく、乳房全摘出で100%完治と書かれていたり、非浸潤癌は放射線に反応しにくいと読んだり、ますます悩み始めています。反対にこれは素人のわたしの感覚ですが、もしかしたら、たまたま浸潤になる手前だったのかも、温存した乳房のどこかに、まだ癌になる細胞が残ってるかもとも心配です。
1) わたしのような場合、通常、放射線治療は行われるのでしょうか? あててもあてなくても治療効果はかわらないのでしょうか?(術前の検査でエコー、CT、マモグラフィー上、とったしこり部分以外に今のところ癌は見当たらない。) 
2) 手術後の病理検査の結果で、非浸潤癌だったとわかることもあるのでしょうか?
3) もともと婦人科系の病気があり(子宮体ポリープができやすい)、それもあって、子宮体癌のリスクのあるタモキシフェン(抗エストロゲン剤)を5年も飲むのにとても不安があります。また、わたしはプロゲステロンは陽性ですが、エストロゲンレセプターはマイナスです。このホルモン療法がいいのか、副作用によっては途中で中止しないといけない(したい)かもしれない、その不安を思うと、放射線をあてているほうがいいのかなと、素人判断で思ったりもします。
4) もし放射線をあてたら、色白の者の場合、日焼けのあとのようなものがずっと残ることもあるのでしょうか?

いろいろ聞いて申し訳ありません。お手数ですがご教示ください。よろしくお願いします。

1) 温存治療を行った場合は断端が陰性でも放射線治療を行うのが標準的です。これは非浸潤性乳管癌でも同じです。これが基本原則ですが、非浸潤癌で十分取りきれていた場合の放射線の局所再発制御効果についてはあまりないという研究報告もあります。しかし、私は基本原則通り照射は行ったほうがよいと思います。
2) 非浸潤癌の術前診断は難しいです。術後の病理検査で非浸潤癌とわかることもしばしばです。
3) エストロゲンレセプターが陰性でも、プロゲステロンレセプターが陽性であればホルモン感受性がありますので、ホルモン治療の効果はあります。しかし、非浸潤癌はもともと転移をほとんど起こしませんので、再発予防のためのホルモン治療の効果ははっきりしません。ホルモン治療の効果は反対側乳房の乳癌発生を予防するとか、切除断端が陽性であった場合の局所再発予防の効果を期待して使われます。あなたの場合、ホルモン治療の副作用を気にするのであれば飲まなくても良いように思います。
4) 日焼けのようなあとは年々軽くはなりますが、ずっと残ります。(文責 麻賀)

 

No.2417】 04年05月13日  miho  
モンドール病は再発しますか?

はじめてメールさせていただきます。30歳の主婦です。三年ほど前に、左乳房に痛みがあり外科を受診したところ、モンドール病と診断されました。抗生剤と消炎剤を内服し、痛みもなくなりました。今回また一週間ほど前から同じ左乳房から脇にかけて痛みが現れました。モンドール病は再発することがあるのでしょうか? 受診する場合は、外科か乳腺外来か、どちらがよろしいのでしょうか?

モンドール病は再燃することもあると思います。乳腺外来に受診するのが良いでしょう。(文責 麻賀)

 

No.2416-1】 04年05月13日  Y.H.
穿刺吸引細胞診の信頼性について

初めてメールをさせていただきます。このようなサイトを発見できて感動しました。4年前の検査(マンモグラフィー + 超音波)で、「乳せんのつまり」と診断されたまま放置していたしこりですが、最近乳がんがよく取り沙汰されているので気になり、先日、再度検査(マンモグラフィー+超音波+穿刺吸引細胞診)したところ、細胞診の結果がクラスXと出ました。浸潤性の乳管がんの疑いとのことです。4年間は「心配ない」と言われていただけにショックです。穿刺吸引細胞診は絶対ではないとお聞きすることもありますが、信頼性はどの程度なのでしょうか? セカンドオピニオンを得た方がよいのでしょうか?

穿刺吸引細胞診はかなり信頼性の高い検査ですが、時には誤陽性(癌でないのにクラスXがでること)もありえます。触診、画像診断で乳癌が強く疑われ、細胞診でもクラスXであれば乳癌と確定診断するのですが、クラスXでも前述の所見がはっきりしないことがあれば外科的生検やコアニードルバイオプシーを行い診断を確定します。担当医に更なる検査をした方が良いかどうか聞いて下さい。(文責 麻賀)

 

No.2416-2】 04年05月15日  Y.H.
乳がんの内視鏡手術について

ご回答いただきまして有難うございました。さて、乳がんの内視鏡手術を行なっている病院があることを知りました。私のしこりは右乳房の外側下にあり、大きさは1cm×1.5cmといわれています。仮に内視鏡手術が可能だとして、次の質問をさせてください。
1) 内視鏡手術の傷痕は、一般の温存手術の傷跡と比較して断然目立たないのでしょうか?
2) 再発のリスクなどに違いはないのでしょうか?
3) 内視鏡手術のその他のメリットとデメリットを教えてください。

お忙しいところ恐縮ですが、どうぞ、よろしくお願いします。

1) 傷跡は目立たないと思います。
2) 乳房内再発のリスクが高いかどうかは、まだ行われ始めてからの期間が短いので明確なことはわかりませんが、現時点で再発のリスクが高くなるという報告はないようです。
3) 私の見解ですが、内視鏡手術は傷跡は小さく目立たないところにありますので、この点では良いと思いますが、乳腺を切除した部分の凹みなどを内視鏡手術のみで修復するのは難しいと思います。(文責 麻賀)
 

No.2416-3】 04年06月03日  Y.H.
CTの所見によるリンパの腫れについて

以前、HPNo.2416でお世話になったものです。その節は有難うございました。その後、さまざまな検査を行い、CTの結果、リンパ節に腫れが認められるということでした。そこで、次のことを教えてください。
@ CTの所見で腋窩リンパ節の腫れが認められる場合、ガンの転移以外には、どんなことが考えられるのでしょうか?
A CTの所見で腋窩リンパ節の腫れが認められる場合、手術の際に、腋窩リンパ節郭清(レベル2まで)を行うべきでしょうか?
B 「腋窩リンパ節は郭清をしてもしなくても予後は同じ」という説をお聞きしたことがありますが、これはリンパ節に転移がない場合に限るお話ですか?

以上、ご回答いただけるとありがたいです。どうぞよろしくお願いします。

@ ウイルス・細菌等の炎症により反応性に腫大したもの、白血病・悪性リンパ腫等のリンパ節そのものの病気で腫瘍性に腫大したもの、乳癌・胃癌等の癌のリンパ節転移による腫大などが考えられます。
A 熟練した医師の触診での腋窩リンパ節転移を見つける正診率は60〜70%ですが、CTでの正診率も触診の場合と変わりがないとされています。それが、超音波、MRI、PETでは90%前後になり、現時点では、リンパ節転移の発見には、超音波とPETの組み合わせがよいと考えられています。貴女の場合、リンパ節転移であると仮定すれば、局所を制御するという観点から、level 3 までの郭清が望ましいと思います。
B リンパ節転移があってもなくても、腋窩リンパ節郭清によって生存率が向上するというエビデンスはなく、これが、予後に変化がないという根拠です。ただし、腋窩リンパ節臨床的陽性例でのリンパ節転移の範囲についてですが、level 1 のみに転移を認める症例 20〜58%、level 1+2に転移を認める症例 20〜29%、level 1+2+3に転移を認める症例 16〜32%と、約20%の症例にlevel 3までの転移が認められているとの報告があります。郭清によって、少しでも腋窩リンパ節の再発の可能性を低くするということです。(文責 須田)

 

No.2415】 04年05月13日   T 
どんどん大きくなる線維腺腫について

はじめまして、お忙しいところ申し訳ございませんが、助言のほどお願いいたします。35歳で、5歳と3歳の子がおります。昨年11月に乳がん検診で再検査となり、マンモグラフィー、超音波、細胞診を行い、良性の線維腺腫であろうとの結果がでました。経過観察をしておりましたが、痛みが増し、子どもを抱っこすることも困難になりました。11月の時点では1.2cmでしたが、検査の度にどんどん大きくなり、先生が3cmになったら切除したほうがいいでしょうとおっしゃいました。引っ越したばかりで病院も分からず、乳腺の専門医のいらっしゃる個人病院にかかりはじめました。失礼ながら、この切除手術を個人病院で受けてもよいものなのか、失敗などないのか?と気になります。リスクがどのくらいあるのか教えてください。よろしくお願いいたします。

1) 線維腺腫の手術は難しいものではありませんので、乳腺専門の個人病院で手術してもらってよいと思います。
2) 手術のリスクはほとんどないと思いますが。(文責 麻賀)

 

No.2414】 04年05月13日   KM
エコーでの診断

先月の生活習慣病検診で、エコーでの乳房検診の結果、左乳腺腫瘍の疑いありとの連絡を受けました。3年前に右乳腺のう胞症の疑いありということで、それ以来一年に一回の(最初の年だけ半年後にももう一回)検診を乳腺外科にて受けております。最初に病院に検査に伺ったときのエコー診断で、右側より左側下部のほうが大きいのう胞がありますと診断を受け、エコー、マンモの検査を行っております。今回この左側下部のあたりに腫瘍の疑いありとの連絡が来たのですが、のう胞ががん化することはあるのでしょうか。自分で触診してみてもあまりはっきりはわかりません。 また、エコーでの診断では悪性、良性などの判断もある程度つくのでしょうか? いずれにしても検査に参りますが、前知識として知っておきたいと思いまして、ご教示願えれば幸いです。

1) 嚢胞が癌化することは無いでしょうが、嚢胞の中に小さな腫瘍があり、それが癌であることはあります。あるいは今回は嚢胞の近くに新たに腫瘍が出来たのかも知れません。
2) エコーでの診断で悪性、良性の判断はある程度つきますが、エコーガイド下の細胞診検査などが必要になることがあります。(文責 麻賀)

 

No.2413】 04年05月13日   カンナ
マンモトーム(HPNo.2353-2)

HPNo.2353でお世話になりました者です。今現在、セカンドを受けた病院で、色々な検査(エコー、細胞診、入管造影など)を受けた所です(入管造影は薬?が入らなくて、ちゃんと写らなかったようですが・・)。細胞診の結果としては、簡単な検査では5段階の1だったものの、詳しい検査の結果では5段階の3となっており、やはりどちらとも言えない状態だそうです。今の病院でも手術をするかどうか?と聞かれております。
私としましては、手術を覚悟していたものの、即答ができずにいました。迷っている様子をみてかどうか、お医者様はマンモトームのことについて、お話をしてくださいました(今の病院ではマンモトームの機械?が無いので、また別の病院での受診となりますが・・・)。
ネットでも色々と調べて、少しはマンモトームのことを理解したと思いますが、まだ不安に思うことも沢山ありますので、再び相談させていただいております。
私の場合ですが、出血もまだ(押すと)あります。マンモトームは組織を全部とれるとお聞きしておりますが、これによって出血も止まるのでしょうか? あと、腫瘍?のあった部分の目印として手術用クリップ?を入れるとありましたが、良性だった場合、そのまま埋め込んだままと聞いております。身体に影響は無いそうですが、動きによって痛むことって無いのでしょうか? ネットではマンモトームを受けるメリットは見つけることが出来るのですが、反対にデメリットなどありましたら、教えていただきたいと思っています。今度の診察で、手術をうけるか?マンモトームを受けてからにするか?お医者さまに返事をすることになっています。お忙しいとは思いますが、お答えいただけると有難いと思っております。宜しくお願いいたします。

1) 状況が良くわかりません。乳頭からの出血のようですが、超音波で何か腫瘍影があるのでしょうか。あるいはマンモグラフィで石灰化などの所見があるのでしょうか。普通は超音波やマンモグラフィで所見がある場合にマンモトームによる生検を行います。乳頭分泌(出血)のみで超音波やマンモグラフィに所見が無いと、普通は乳管腺葉区域切除を行います。局所麻酔で行います。
2) クリップを入れますが、後で問題になることはありません。
3) マンモトームのデメリットは、あなたの場合、正確に病巣部が取れているのかどうかが問題です。(文責 麻賀)

 

No.2412】 04年05月12日   有栖川
術後の腫瘍マーカー

質問させていただきます。4月の上旬に母(63歳)が乳房全切除術を受けました。手術では胸のしこり3cmとリンパ節転移3/12を取り、医師の説明では現段階で確認できる悪いところは取り除いたとのことでした。3日後のCTでも転移はないとのことでしたが、CAF投与2クール目を目前に副作用も強くなり始め、食欲がなく心配していたところ、今日になって骨シンチを受けるようにと薦められました。
@ 転移しているという意味なのでしょうか?
A 抗がん剤の副作用があるため量を減らすような話もありますが、効き目が落ちたりしないのでしょうか?(効き目を確認する方法はあるのですか?)
B また、術後の腫瘍マーカーはいつごろから検査し始めるものですか?

@ 骨シンチは骨への転移があるかどうかを見るためのもので、年1回くらい行います。現在転移が疑われるということではないと思います。
A 抗がん剤の投与量はむやみに減らすものではありません。減量する場合はそれに従った減量基準がありますので、減量基準に従ったものであれば仕方がありません。再発予防ですので、現時点で効果を確認する方法がありません。
B 手術前に一度やっておくと良いですが、まだやっていないのであれば今やっておくのが良いでしょう。腫瘍マーカーは抗がん剤治療が終わり、3-6カ月に1回程度の経過観察となった時に再発の早期発見に役立つときがあります。(文責 麻賀)

 

No.2411-1】 04年05月12日   HS
不安でいっぱいです

はじめまして。私は28才独身です。最近胸の上辺りが痛く、いつも生理前になると痛みや張りがあるため、今回もそれかなと思っていたら生理が来たのでホッとしていたのですが、痛みが治らないので、思い切って乳腺外科に行きました。エコーをすると痛みのあった部分は何も異常はなかったのに、他にしこりができていたんです。右が0.6mm 左が16mmでした。右は経過観察とか言っていた気がするのですが、左は針を刺してみようと言われ、1週間後にまた来てくださいとのことでした。「胸をぶつけたとか今までない?」とか、何度も聞かれて線維腺腫だと思うんだけどみたいな感じで帰されました。「今生理中だから次X線撮らせてね。」とも言われました。1週間精神的にまいっています。15才の時始めてしこりらしき物を見つけたこともあるし、20才くらいの時は夜寝ていると胸を押さえてないと痛い時もあったので、その時行っていればよかったなとか・・・。後、何で右だけ針の検査しなかったのかも気になります。

多分、線維腺腫でしょう。左の方がUS上の腫瘍径が大きかったので、まずこちらから検査したのでしょう。おそらく線維腺腫であろうと考えても、念のためいろいろな検査をして確認しているのでしょう。(文責 麻賀)

 

No.2411-2】 04年05月19日   HS
不安でいっぱいです(2)

先日相談させて頂いたHPNo.2411です。検査の結果を聞きに行くと、細胞が取れてなかったのでもう1度ということで針を刺しました。1回刺してダメで、2回目はかなり痛かったです。麻酔して細胞を取る検査があるみたいなのですが、まだ若いからもったいないということで、また1週間検査待ちになりました。X線もこの結果が出てからということで、しませんでした。エコーだけで良性か悪性かは全くわからないのですか? エコーの感じで大体わかると聞いたこともあるので・・・。また、脂肪の固まりでもエコーに映ることってあるのですか? 私の場合、しこりが針で刺せないくらい奥の方にあるらしいのですが、それって取ることになったらかなり大変ってことですよね? 自分でしこりを触れることができないので、どんな感じのしこりかもわからず、心配でたまりません。しこりが表面にあるとか奥にあるとかは、何か関係あるのですか?

前回の回答の担当者と違いますので、若干ニュアンスがちがうかもしれませんが、自分も、その腫瘤は線維腺腫という良性の腫瘍ではないかと考えます。エコーの検査では、腫瘍のだいたいのアウトライン、性状はわかっても、本当の良悪性の診断は細胞、組織の検査が必要になります。エコーの所見で、悪性を疑うような所見があれば、切除することも考えればよろしいかと思います。そうでなければ、細胞がとれていなくても、若年ですので、厳重に経過観察されてはいかがでしょうか? 腫瘤が表面にあるのと、奥にあるのとでは、別に何も変わりません。(文責 鈴木)

 

No.2411-3】 04年05月23日   HS
しこりと症状

ここに来ると不安な気持ちが少し楽になります。昨日、針で刺した細胞診の結果を聞きに行って来ました。結果は、また細胞が取れていなかったとのことでした。しこりの大きさの大きい左のみ検査をしているのですが、今までで計4回刺しました。幅は16mmだけど厚さが5mmと言うのを聞かされました。エコーの写真で見る限り、丸いころころとしたのではなく、フットボールの様(説明が下手ですみません)な卵っぽい形に見えました。右は常に痛いと言うか違和感や引っ張られる感じがあるのですが、しこりは0.6mmなので、しこりと痛みは関係ないと言われました。0.6mmでは自己症状と言ったものはないのでしょうか? 今は針を刺した所が内出血してるので1ヶ月様子を見て検査に行くことになりました。右の痛みはしこりとは全く別の内側下の辺りなのですが、たまにかゆくなったりもします。何度も質問ばかり申し訳ありません。宜しくお願い致します。

0.6mmは1mmにも満たないわけで、症状はまずありません。やはり左側の16mm × 5mmというのは線維線腫という良性のものではないでしょうか。痛み、つれ、痒みなど、乳腺は様々な症状を出しますが、そのような症状の大半は、乳腺症という乳腺の特徴をもっているが為におこる症状です。ホルモンのバランスがくずれておこったりもします。(文責 鈴木)

 

No.2411-4】 04年05月29日   HS
しこりと症状(2)

NO.2411です。先日、「0.6mmのしこりで痛みとかの症状はあるのですか?」と、お聞きしたのですが、私の間違いで6mmのしこりでした。確かに0.6mmだと1mmにも満たないのでエコーには映りませんよね? 6mmのしこりだと症状とかは出るのですか? 先生は右の痛みはしこりとは関係ないから、今は右は無視していた方がいいと言っていたのですが、私としてはしこりの大きい左よりしこりの小さい右の方が昔から痛みや硬い感じがあるんだけどなぁと思ったり・・・。悪性のしこりの場合、どのくらいの大きさになると症状が出るものなのですか? お忙しいと思いますが、よろしくお願い致します。

症状は自覚するものなので、一概にどのくらいの大きさになったらとか、そういうものはありません。5mm位で違和感を感じる方もいれば、2-3cmになって、なんとなく硬いから病院にきましたとかいう方もいます。最終的に異常ありませんというところまで検査していただいて、その乳房は異常がないんだと、自分で覚えるのもいいかと思います。その時と違う何かを感じるときには早めに受診されたらいかがですか?(文責 鈴木)

 

No.2410-1】 04年05月12日   I.M
タキソール

サイトの運営、感謝しております。全摘後、AC(4回、3週間毎)タキソール(2回3週間毎、残り2回の予定)で化学療法を受けています。リンパ節転移1/8。ホルモン感受性+。タキソール後、手のかゆみが時々あったのですが、足の裏も我慢できない位のかゆさが時々あります。これは副作用の一つでしょうか。糖尿病でもかゆくなると聞き心配です。受診時採血していますが(項目は不明、)特に何も言われていません。別件ですが、リンパ節郭清の数が8個と少ないことが気になっています。もっと調べていれば転移した数も増えていたのではないでしょうか。どんな基準で郭清の数を決めているのでしょうか? お手数おかけしますが、回答お願いします。

1) タキソールは投与後にかゆみが出ることがあります。副作用かも知れません。副作用のかゆみであれば、抗ヒスタミン剤が効くと思います。
2) 摘出したリンパ節の数が多少、少ない様には思います。全摘であれば15-20個くらい取れることが多いです。摘出するリンパ節の個数というのは、手術のとき摘出するのが少ない場合と摘出した組織からリンパ節を拾い出し標本を作るときに少なかった場合とがあります。しかし今行っているAC→Tはリンパ節転移が1個の場合でもそれ以上あっても行われる治療ですから、AC→Tを行っているのであれば摘出個数が少ないことをあまり気にしないでよいと思います。(文責 麻賀)

 

No.2410-2】 04年05月16日   I.M
筋層に近い

前回、親身な回答ありがとうございます。再発、転移のことが気になって質問します。
@ リンパ節郭清の件ですが、1/16(仮に)、1/8(私の場合)では再発、転移の確率は変わってくるのでしょうか?
A 乳首の裏に2〜3センチの腫瘍があったため全摘となりました(残しても三日月状になって外観が良くないため)。術後、筋層ぎりぎりだったと言われたことが気になります。局所再発、肺への転移の可能性は、他の人より高くなるのでしょうか? 教えてください。お願い致します。

@ リンパ節転移が認められなかった場合は、摘出個数が10個以下とそれ以上では、同じリンパ節転移がないといってもその後の生存率に差が出てきます(私が以前に調べた結果)。摘出個数が少ないと、リンパ節転移がないといっても転移が1個あった方と同じ生存率という結果でした。しかし、転移があった場合については調べたことがありません。摘出個数が少ないと多少の違いが出てくる可能性はありえます。しかし、リンパ節転移がある場合は、1/16でも1/8でも術後に使う抗がん剤治療やホルモン治療の方針に変わりはなく、リンパ節転移ありの方として判断しますので、実際上の問題点はあまりありません。なお、センチネルリンパ節生検では摘出するリンパ節はとってもせいぜい2-3個ですが、センチネルリンパ節生検では転移の起こる確率の高いリンパ節を取る方法ですので、上の結果は適応されません。先に述べた結果はリンパ節を全部取る方法での結果です。
A 筋肉に顕微鏡で見て浸潤がなければ、特に遠隔転移の可能性が高くなることはないと思います。(文責 麻賀)

 

No.2410-3】 04年06月12日   I.M
筋層にも腫瘍

HPNo.2410です。半年の抗ガン剤治療の最終日、筋層にも(+)なので次は放射線と言われました。手術直後筋層に近かった、膜があるから大丈夫だと思うけどくらいの説明で、退院時も筋層の病理検査の説明はなく、抗ガン剤とホルモン療法と言われただけです。主治医もしくは内科の先生に聞いてみようと思いますが、院外の信頼できる先生にどうしてもお聞きしたいのでお願い致します。
@ 筋層の病理の結果を今頃、それも内科で聞かされる(上記のような説明とも言えない内容)ことは普通ありますか?病理の結果はどのくらいでわかりますか。
A 筋層に(+)が術中にわかれば、術式を変更して筋肉まで切除ということは行われないものですか?
B 筋層(+)ということはどういうことなのでしょうか? 大きさ、顔つきなどはわかるのですか? この結果により私は何期になるのでしょうか?
C 放射線治療により完全に腫瘍がなくなる可能性はどのくらいなのでしょうか? もしなくならなかった場合、どのようなこと(局所再発、転移の場所など)が起こりやすいのですか?
D 今気づいていないだけで、どこかに転移している可能性もあり得ますか?MRI、骨シンチなど計画されていないのですが、大丈夫でしょうか? 見つかっても何もしない(できない)とも聞いたことがありますが、そういうものですか?

@ おそらく腫瘍内科で見ていただいているのだと思いますが、日本ではまだまだ腫瘍内科がある病院は少なく、術後の抗がん剤についても、手術を行った外科で決めている場合が多いようです。摘除した乳腺組織の検査結果については、一般的には2週間程度で返事が返ってきますが、難しい症例で、病理医が別の病理医の意見を求めるというような事があれば、数ヶ月かかる場合もありえます。
A B 直接拝見していないので詳しいことは分りませんが、手術時乳癌が胸筋に浸潤している場合、以前のように胸筋すべてを切除するのではなく、術後のQOLを考えて、胸筋を一部削り、正常な部分は残すような傾向になってきています。貴女の場合、胸筋を一部削り、正常な胸筋は残してあるので、「胸筋ギリギリ」という表現になったのではないでしょうか。従って、手術によって削り取った胸筋の中には乳癌の浸潤が考えられるので、おそらくstage Vbだと推測されます。腫瘍の大きさ、細胞の顔つき等は、病理学的な検査の結果ですので、主治医に伺ってください。
C 術後放射線療法の効果ですが、無病生存率が14〜17%向上すると言われています。
D 病理結果が分らないので、はっきりしたことは申し上げられませんが、局所再発、遠隔転移を起こしている、又は起こす可能性はあります。全身療法に関しては、抗がん剤やホルモン療法の方針は変わらないと思います。MRI、骨シンチに関しては、治療過程で、いずれ行うと思いますが、あなたの状態を最もよく把握してくださっている主治医に伺ってください。検査で何か異常が見つかれば、主治医からお話があると思いますが、病気と前向きに闘うためにも、納得のいく治療を受けることが大切だと思います。(文責 須田)

 

No.2409】 04年05月11日   O.M. 
米粒大位の長さの硬い筋のようなもの(HPNo.2073-2)

以前に線維腺腫のことで質問させて頂いた者です。その反対側の腋のくぼみあたりに一箇所だけ米粒大位の長さの硬い筋のようなものに触れました。つまみあげても、しこりのような感覚はありません。腕を下げても上げても感覚は同じです。これは何に触れているのか心配で質問させて頂きました。よろしくお願い致します。

この文面では何を触れているのか良くわかりません。腋窩皮膚の皮下にある腫留なのでしょうか。不安を取り除く意味からも一度専門医に診てもらって下さい。(文責 麻賀 )

 

No.2408】 04年05月10日   c・s
乳首の痛みとしこりについて

はじめまして。33才の主婦で、出産経験が3回あります。最近気づいたのですが、右の乳首をつまんだり押したりすると痛みがあるのです。左と比べるとしこりもあるような気がします。乳輪の下のほうには線が入っていて気になります。ちなみにただれとか分泌物はありません。これはやはり乳がんの可能性も考えてきちんと病院を受診した方が良いのでしょうか?もし受診するとしたら近所には乳腺外来がないので、どこを受診するべきかも教えていただけたら幸いです。よろしくお願いします。

文面からすると乳癌の可能性は低いと思いますが、乳腺外来を受診してください。近所に無ければちょっと離れていても専門の病院で見てもらった方が安心です。(文責 麻賀)

 

No.2407】 04年05月10日   サンタ
胸のしこりと腕のむくみについて

はじめてメールをさせて頂きます31歳のサンタと申します。11歳で初潮がはじまり、25歳と28歳で出産しています。さっそくですが、以前から右の乳輪に1本だけ太い毛がはえていたので抜くという事を繰り返していましたが、数ヶ月前から毛が生えなくなった代わりに、その部分がはれて血の混ざった膿や白いかすのようなものが出てくるようになり、それを繰り返していたらその部分がしこりになってしまい、さらに乳房の中心に向かって5センチ位の細長いしこりが出来てしまいました。生理前になるとそのしこりが2,3センチくらいのしこりに腫れてしまいますが、生理が来ると元の大きさになります。さらにこの数日はしこりのある方の肩と鎖骨が非常にだるく、腕と指がむくんで、しびれています。このような症状から、乳がんが疑われるでしょうか? また、乳輪の異常に気がついてから半年近くが過ぎていますが(むくみはここ数日おきています)、もし乳がんが疑われるとしたら、最初の異変からの日数をみると、可能性としてどのくらい進行していると推測されますか?大変長くなってしまいましたが、当方とても不安で耐えられません。どうか、回答の方、よろしくお願いします。

1) 乳癌との関連はあまり無いように思います。
2) 乳腺外科でよく見てもらってください。(文責 麻賀)

 

No.2406】 04年05月10日   TW 
術前の抗がん剤について(HPNo.2397-2

感謝します。有難うございました。ホッとしました。また不安に思ったことがあればメールしたいと思います。最後に抗癌剤を6月まで打って様子をみるそうなんですが、気をつけておかなければいけないことはあるのでしょうか? 抗癌剤で小さくなる率というのは母がその薬にあっていればの話しになるんでしょうか? 腺癌ではないそうなんですが、普通の乳癌とどう違うのでしょうか?

1) 現時点では抗がん剤を投与する前に効くのか効かないのかを調べる確かな方法はありません。残念ですが抗がん剤は投与して見なければ効いたか効かなかったかが分かりません。
2) 腺癌で無くても抗がん剤の効き具合にはあまり関連がありません。乳癌の組織型と抗がん剤の効果との関連はありません。(文責 麻賀)

 

No.2405】 04年05月10日   R.N.
術後補助療法について

42才閉経前です。半年前に左全摘+エキスパンダー、1ヶ月前に右全摘+エキスパンダーの手術を受けました。1回目の手術をした病院ではタモキシフェンとゾラデックスと言われていました(実際には開始前に転院してしまいました)。その後転院した先ではゾラデックスだけでいいと、3ヶ月前からゾラデックスを始めましたが、標準治療としてタモキシフェンを併用すると知って迷っています。両方ともリンパ節転移なし、ホルンレセプター(+)、核異型度1〜2。大きさは左(1回目)は1.2センチ、右(2回目)は5ミリの浸潤がんひとつと非浸潤がんが散らばっていました。母、伯母、従妹が卵巣がんなので、タモキシフェンを飲むと誘発されるのではという恐れが、踏み込めない理由です。タモキシフェンを飲むことで卵巣がんや子宮がんはどの位の確率で上がるのでしょうか。又、私のような場合、タモキシフェンを併用すると10年生存率が数パーセント上がると聞きましたが、どの位あがるのでしょうか。さらに1回目の手術からすでに半年たっていますが、今からタモキシフェンを飲むのは遅いのではと言われました。ホルモン療法の開始時期によってはその効果を得られないということはあるのでしょうか。ご回答を宜しくお願いいたします。

1) 卵巣がんが増加するという話はあまり聞きませんが、子宮体癌の発生率は0.4%くらいです。
2) データとしてはリンパ節転移陰性の方でタモキシフェンのみを5年間服用すると15%くらいの無再発率の上昇が得られるとされています。しかし、リンパ節転移陰性と言っても腫瘍径が1.0cmの方も5.0cmの方も含まれています。あなたのように腫瘍径は小さいものの両側乳癌の場合はどうかと言われますと正確な答は出来ませんが、5-6%くらい上昇が得られるように思います。また閉経前の方の場合はゾラデックスにタモキシフェンを併用した方がより効果が出ますので、さらに数%の上昇が得られると思います。
3) 半年後くらいの投与の開始の遅れであればあまり変わらないように思いますが、データ的なものは良くわかりません。(文責 麻賀)

 

No.2404】 04年05月10日   T.O 
マンモトームから手術までの日数について(HPNo.2381-2

お答えいただき有難うございました。読ませていただいているうちに落ち着いてきました。もう一つ教えていただきたいのですが、マンモトームの後の手術は急いだほうが良いのでしょうか。マンモトームから2週間くらいで手術が望ましいという話を聞き、その時はその事を気にするゆとりもなかったのですが、このままでは手術はマンモトーム後、2週間以上になると思います。何かまずい事があるのでしょうか。診察を受けた病院は連休休みで、話を聞くことができません。続けての質問で申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

乳腺組織を手術的に採取して乳癌の診断をつけることを生検といいますが、この場合、乳癌の一部に切り込むことがありえます。このようなやむを得ない手順により、がん細胞を周囲に撒き散らす可能性があります。このような事を考慮して、乳癌の場合、生検後どのくらいで手術が望ましいかということについては、一般的には1ヶ月以内であれば、直ちに手術を行った場合と予後差がないので、心配ないということになっています。マンモトームによる組織検査も生検の一種ですので、これに準ずると思われます。(須田)

 

No.2403】 04年05月09日 H.A
葉状腫瘍の再発について

はじめまして。現在36歳、10ヶ月児に授乳中です。5年程前と3年程前に良性葉状腫瘍で手術を受けました。先日、また同じ場所にコリコリしたしこりを見つけ、エコーと細胞診を受けたところ、一応陰性だが怪しい細胞が出ているので1ヶ月後にもう一度細胞診をと言われました。葉状腫瘍は再発を繰り返すうちに悪性化することが多く、悪性化した場合、致命的だと見聞きし、不安に思っています。3度目で悪性化している可能性は高いでしょうか? また、もし今回も葉状腫瘍だったとして、母乳を通じて子供に悪い影響はないでしょうか?よろしくお願いいたします。

確かに良性の葉状腫瘍が再発を繰り返しているうちに悪性に変わったということはあります。3度目だから悪性の可能性が高いかどうかはわかりませんが、良く調べてもらうことが必要です。子供への影響はありません。(文責 麻賀)

 

No.2402】 04年05月09日 M.H. 
どうしたのでしょうか??

40歳、子供二人。3年前に左乳首二ヶ所よりチョコレート色の分泌物がありました。細胞診T 微細石灰化 腫瘍マーカーガン疑い 乳管造影は一ヶ所に増殖性の異型細胞が見られました。良性か悪性かはっきりしないので、左上外側の乳腺部分切除をし、結果は乳腺症で良性との事でした。その後、半年ごとに定期検診(エコー)を受け、今年3月も異常なしの状態です。昨日より急に乳房が痛くなり、乳房の内側から下にかけて、ゴルフボール半分位の大きさのしこりのようなものがあり、何時もより乳が大きくなっています。(これも急です)。これは、どう言う事が考えられますか??また、5月12日に病院の予約が取れたのですけど、もしこのしこりのようなものがへこんでいたら、診察をしても意味が無いのですか??

乳腺に嚢胞が出来たことが考えられます。嚢胞自体は悪性ではありませんからそのままでもかまいませんが、嚢胞であることの確認が必要です。嚢胞がしぼんでシコリが小さくなってしまうこともあります。へこんでも念のため見てもらったらどうでしょうか。(文責 麻賀)

 

No.2401-1】 04年05月09日 M.Y.
ステージII、リンパ節転移なしの場合の補助療法について

ステージII、リンパ節転移なしの場合の手術後の補助療法について、おたずねします。私は47歳で妊娠経験なし、閉経前です。今年2月下旬に右胸の乳首の上にあるしこりに気づき、マンモグラフィーとエコーをとったところ、乳ガンの疑いが強いと言われ、3月25日にエコーと太い吸入針(coreneedle)を使ったバイオプシーを受けました。結果は浸潤性乳管癌で、腫瘍の大きさは3.4x1.8x2.8cm。まずアドリアマイシン、サイトトクサン、タキソールを使った化学療法をやって、腫瘍を小さくさせてから手術する方法もあると言われましたが、4月15日に右胸を全摘し、同時にセンチネル・リンパ(4本)と腋窩リンパ節(8本)を取りました。手術後の病理医のレポートは以下のとおりです。
腫瘍の大きさは5x4.5cmで、50%はintraductal carcinoma。腫瘍の浸潤性部分は、Tubule score: 2/3, Nuclear grade: 2/3, Mistotic score: 2/3, Histologicgrade: 6/9。非浸潤性の部分のNuclear grade:2/3。リンパ計12本への転移なし。血管への転移なし。マージンはクリア。ER positive cells:15%、PR positivecells: 90%。Her-2:陰性。P53:陰性。ちなみに、手術前のCTスキャンとPETスキャンでも身体の他の部分への転移は見られず、血液検査ではCA27-29は平常値でした。癌の進行度は中程度で、ステージII,T2NOMOということでした。
手術を担当した外科医は、「化学療法は必要、放射線治療はおそらく必要ない」という意見でした。ふたりのオンコロジストに会ったところ、ひとりめは、1)ACを3週間おきに4回、2)CMFを3週間おきに6回、3)ACを2週間おきに4回し、タキソールを2週間おきに4回、という方法が可能だが、腫瘍の大きさと私の年齢から判断して1)か3)を勧めるとのこと。ホルモン療法はやったほうがよく、放射線治療は、放射線医に相談して決めてほしいとの意見。ふたりめのオンコロジストは、やはり腫瘍の大きさと年齢を理由に、CMFは絶対反対で、1)ACを2週間おきに4回し、タキソールを2週間おきに4回か、2)ACTを3週間おきに6回という化学療法、その後は放射線治療とホルモン療法を絶対にとのこと。1)の場合の治療1回につきの各薬の量は、Aが60mg、Cが600mg、が175mg。放射線治療も絶対やったほうがいいと言います。Aではなく、もっと副作用が小さいエピルビシンはと聞いてみましたが、個人的にそれはあまり使ったことがないとの返事でした。
私はリンパへの転移がなかったこと、Aは副作用が強く、心臓の筋肉を弱める可能性があることから、Aを用いた療法には抵抗があります。母は晩年、心臓病(心房細動)を煩い、私の体質は母によく似ています(二人目のオンコロジストは計40mgのAなら、心臓への悪影響はないと言いますが・・・)。また、タキソールも治療中はともかく、治療終了後も指先のしびれが続くことがあると読み、やはり抵抗があります。再発・転移防止の意味からアグレッシブに治療したほうがいいというのがふたりのオンコロジストの意見ですが、薬の量などあまりにもマニュアルどおりというか機械的のように思われ、小柄な私(155cm,52キロ)には多量すぎるのではと不安です。
長くなりましたが、質問を簡明化すると、1)化学療法はAを入れた方法が最適なのか、その場合、各薬(静脈注射で)の摂取量は? 2)CMFにした場合のデメリットは? 3)放射線治療は必要か、4)ERはわずか15%が陽性だが、ホルモン治療は受けたほうがいいのか、ということになります。そろそろ化学療法を始めないといけない時期なので、早めにご回答いただければ幸いです。ちなみには私はアメリカ在住です。それから、このトピックとは直接関係ないのですが、バイオプシーをすると腫瘍が大きくなるスピードは加速するということがあるのでしょうか。こちらのドクターはそんなことはないといいましたが、友人は日本の医者に言われたとのことです。

1. CMFよりAを入れた化学療法のほうが無再発率が低く、Aを入れた方法を推奨します。各薬剤の投与量は体重と身長から計算した体表面積で決められます。マニュアルどおりに行うのが適切です。
2. CMFの法が無再発率が数%低くなります。効果が高い方の薬剤を使うのが最近の趨勢です。
3. 乳房切除が行われており、リンパ節転移も認められないことから、放射線照射は必要ないと考えます。
4. ERは15%陽性ですから、ERは+ということになります。またPRも陽性ですから、ホルモン治療は受けた方が良いです。
5. バイオプシーで腫瘍の増大や転移が促進されるという意見は以前にはありましたが、今は否定的です。ただそうは言ってもバイオプシー後6−8週間後くらいまでには治療を開始したいものです。(文責 麻賀)

 

No.2401-2】 04年05月11日 M.Y.
ステージII、リンパ節転移なしの場合の補助療法について(2)

ご回答ありがとうございました。(相談番号[2401])とても参考になりました。ところで、しつこいようですがもう1点ご確認したく思います。International Breast Cancer Study Groupが1988年から1999年にかけて、計1063人のリンパ節転移なしの患者に対して行ったリサーチによれば、ホルモン治療だけの場合と、化学治療の後ホルモン治療をした場合とを比較した場合、結果には差が見られなかったとのこと。(ホームページ・アドレス:
http://www.breastcancer.org/research_chemotherapy_120002.html。) 特に40歳以上の場合にはそうだったという結果です。ただし、このリサーチレポートは、患者のステージを明記してなく、治療はCMFで、アドリアマイシンもタキソールも用いられていません。
1) 現状では、一般的には、ステージIIではリンパ節転移あるなしにかかわらず、アドリアマイシンを使った化学療法がいいとされているのでしょうか。
2) それとも、ステージII、リンパ節転移なしの場合、化学療法をせずにホルモン治療だけというケースもあるのでしょうか。
3) 念のために、アドリアマイシンとタキソールを含む化学療法を受けたほうがいいでしょうか。
4) 化学療法に用いられる薬の投与量は身長と体重から計算した体表面積とのことですが、私が会ったふたりのオンコロジストが提示した投与量に大きな開きがあります。AC2週間おきに4回、Tを2週間おきに4回という治療の場合、腫瘍内科医のひとりは、A60mg,C600mg,T175mgと言い、もうひとりは、A90mg,C900mg,T260mgと言っています。私見では、後者は標準量の1.5倍ではないかと思います。ふたりのドクターには私の身長(155cm)と体重(52kg)は伝えてあります。私の場合、適切な投与量はどれくらいでしょうか。

細かい質問で申し訳ありません。治療を始める前にできるだけ不明な点を解消し、治療内容を把握しておきたいものですから。どうかよろしくお願いします。

1) 私はAの入ったレジメンの方が良いと思っています。CAFとCMFとの比較でCAFの方が良かったというデータがあるからです。CMFでは弱いという感じを持っています。
2) ホルモン治療は必ず行ったほうがよいです。ただホルモン治療単独でよいかCAFも追加した方が良いのかはちょっと迷うところです。化学療法を行いたくないという場合ならホルモン治療単独となりますが、私ならCAFを行った後にホルモン治療を行うというのが良いと思います。
3) リンパ節転移なしでStage2ですので、私ならCAFを6サイクル行った後にホルモン治療を行うと思います。私の場合はアドリアマイシンとタキソールを行うときはリンパ節転移が陽性の人に行っています。
4) A60mg/m2, C600mg/m2, T175mg/m2を投与するのが標準です。ただあなたの場合、155cm、52Kgですので体表面積は約1.5uとなりますので、実際にあなたに投与する量はA90mg, C900mg, T260mgとなります。(文責 麻賀)

 

ご親切な回答ありがとうございました。相談ではないのですが、何かのお役に立てればと思い、その後の経過をご報告します。
いろいろ迷ったのですが、結局、ふたりのオンコロジストが勧めるACを2週間おきに4回、その後Taxolを2週間おきに4回という、dose-dense chemoをやることにしました。場所はニューヨークにある大学病院系のキモ・センターです。
5月21日に1回目が終わりました。吐き気や疲労などの副作用を抑える薬と白血球の低下を防ぐ薬のせいか、それほどひどい副作用はなく、治療を受けた翌日と翌々日、疲労感が大きい程度でした。ちなみに、ACを入れる前には、DecadronとKytrilを静脈から入れられ、Aを入れる間は口腔の血管を守るという理由からアイスキャンディーをなめさせられました。帰宅してからは、その夜はAtivan,翌朝KytrilとDecadron、夜Kytrilをタブレットで服用。次の日の朝と、その次の日はCompazineを服用。また、白血球を増やすNeulastaを注射されました。この副作用は、その後、4.5日間、便が少し緩くなることぐらいでした。(6月1日)