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相談室 |
このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 なお、個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。ご相談内容は info@kbcts.gr.jp まで、メールでご連絡下さい。
なお当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。
目 次
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No
日 付
名 前
件 名
担 当
1500-1
1500-203/05/02
03/05/04y/s 母の乳がん再発について
母の乳がん再発について(2)吉田
吉田1499 03/05/02 Y.W. 乳腺症? 吉田 1498 03/05/02 A.M. 再発とホルモン療法の継続について 吉田 1497 03/05/01 N.K. 男ですが・・・ 石山 1496 03/04/30 N.H. 肺転移後の治療について 石山 1495 03/04/30 K.S. 手術について 石山 1494-1
1494-2
1494-3
1494-403/04/30
03/06/10
04/08/03
04/08/05N 骨転移
骨転移(2)
乳房温存手術と放射線
放射線治療期間について石山
石田
浜口
浜口1493 03/04/30 M.M. 乳頭の分泌物について 石山 1492 03/04/30 A.K. 石灰化について 石山 1491 03/04/30 N.A. 乳癌でしょうか? 石山 1490-1
1490-2
1490-3
1490-4
1490-503/04/30
03/06/30
03/11/14
04/04/11
04/06/01Y.O. 1年後の検査について
採血の数値について
肺転移について
肺転移抗ガン治療後について
治療を休んで2ヵ月になろうとしています石山
籾山
浜口
加藤
鈴木1489 03/04/30 櫻 祖母の乳癌 石山 1488 03/04/29 H.T. 乳房の痛みについて 石山 1487 03/04/29 T 分泌物と胸の痛み 千島 1486 03/04/29 mio 乳頭部の爛れ・かゆみ 千島 1485 03/04/25 NIC 内側下部の乳癌 石山 1484 03/04/25 k.k. 転移治療ついて 石山 1483-1
1483-2
1483-3
1483-403/04/25
03/04/26
03/04/30
03/05/02C.S. 胸骨リンパ節転移について
胸骨リンパ節転移について(2)
胸骨リンパ節転移について(3)
胸壁にあるしこり石山
石山
石山
吉田1482 03/04/25 M 乳頭直下のしこり 石山 1481 03/04/25 H 乳頭近くの分泌物を伴う癌について 石山 1480 03/04/24 AYA 線維腺腫? 須田 1479 03/04/24 YUU 乳癌の骨転移 清水 1478 03/04/24 Y.I. 乳がん検診時に発見された石灰化について 清水 1477 03/04/16 T.O. 胸のくぼみについて 福間 1476 03/04/16 Y.K. なぜ? 福間 1475 03/04/16 fuc 再発についてお教えください 福間 1474 03/04/16 S.E. 高齢者の乳癌について 福間 1473 03/04/16 kei ホルモン剤の副作用について 福間 1472 03/04/16 HIDE 肺転移の症状などについて 福間 1471 03/04/16 H.M. 乳癌の心配と検診について 福間 1470 03/04/16 S 乳癌検査について 福間 1469 03/04/15 H.B. 胸の苦しみと痛みとしこりについて 福間 1468 03/04/15 T.A. 手術方法について 福間 1467 03/04/15 M.K. 鈍痛と治療をやめる時期について 福間 1466 03/04/15 YUKIKO 乳頭部腺腫手術後のしこりと授乳について 福間 1465 03/04/15 M.T. クラス3aのセカンドオピニオンについて 福間 1464 03/04/15 M.N. 術後の胸の痛み 福間 1463 03/04/15 アキ 乳がんとホルモン剤について 福間 1462 03/04/15 K.Y. 骨転移による痛みの緩和について 福間 1461 03/04/11 A.I. 胸(しこり)の痛みについて 福間 1460 03/04/10 O.M. 母の乳がんについて 福間 1459 03/04/10 chiko 葉状腫瘍? 福間 1458 03/04/10 sei 腋のしこりについて 福間 1457 03/04/10 M.S. 急性化膿性乳腺炎について 福間 1456 03/04/05 W.I. 右鎖骨上リンパ節転移について 緒方 1455 03/04/05 T.M. ハーセプチンについて 岡本 1454 03/04/05 Y.S. 今後の治療について 岡本 1453 03/04/01 Kiyomi 細胞検査について 緒方 1452 03/04/01 hiro DCISについて 緒方 1451 03/04/01 マミ 乳管内のがん細胞 緒方 1450 03/03/30 T 乳ガンについて 緒方 1449-1
1449-203/03/30
03/06/15H.Y. 石灰化
石灰化(2)緒方
石川1448 03/03/29 A.T. 術前ノルバデックス投与の影響について 川本 1447 03/03/29 なっぴ 最終病理検査の結果について 川本 1446 03/03/29 C.F. 乳腺症に関するご相談 川本 1445 03/03/29 えみ 乳輪のかさぶたについて 岡本 1444 03/03/29 A.I. 抗がん剤について 岡本 1443 03/03/29 K.M. CMF療法について 岡本 1442 03/03/26 A.M. 術後の治療について 川本 1441-1
1441-2
1441-3
1441-403/03/26
03/05/27
04/02/21
06/08/15R.U. 手術方法選択について
ホルモン療法と子宮筋腫について
リュープリン注射の場所について
腫瘍マーカーCA125について川本
石川
石山
清水1440 03/03/26 T.F. 男性の乳がんについて 川本 1439 03/03/26 Y.K. 乳腺症と言われたが・・・ 岡本 1438 03/03/26 Y.I. 石灰化について 岡本 1437 03/03/26 R.T. 妻の乳癌手術後の腫瘍マーカーについて 岡本 1436 03/03/26 minori 授乳中にしこりを発見しました 川本 1435 03/03/26 A.F. 術後治療と検査について 川本 1434 03/03/26 N.K. 骨転移について 緒方 1433 03/03/22 sono 上腕の痛み等について 川本 1432 03/03/16 H.T. 乳房の手術について 千島 1431-1
1431-2
1431-303/03/16
03/03/25
03/04/29E.J. 術後の脇のしこり
術後の脇のしこり(2)
術後の脇のしこり(3)千島
千島
千島1430-1
1430-2
1430-303/03/15
03/03/26
03/04/09M.T. 乳腺の病気の相談
乳腺の病気の相談(2)
乳腺の病気の相談(3)須田
緒方
福間1429-1
1429-203/03/13
03/03/25taka 頸部リンパ節転移
頸部リンパ節転移(2)清水
緒方1428 03/03/12 J.F. 乳頭から白い分泌物 須田 1427 03/03/12 Y 乳癌でしょうか? 須田 1426 03/03/11 S・S 「胸のしこりと分泌物」についてご相談いたします 徳田 1425 03/03/11 T.H. 線維腺腫ではないかといわれたのですが 徳田 1424-1
1424-203/03/11
03/04/11K/S 手術の時期について
手術の時期について(2)徳田
福間1423 03/03/10 A.N. リンパ郭清手術について 徳田 1422-1
1422-203/03/10
03/03/26Y.Y. 癌だと言われたけれど
早急に手術をと勧められて徳田
岡本1421-1
1421-2
1421-303/03/08
03/04/15
03/10/12M.H. 細胞診の結果、乳がんと言われました
術後の治療について
術側の胸の腫れと痛みについて徳田
福間
千島1420 03/03/08 T.O. 右脇のしこりと腫れについて 徳田 1419 03/03/07 yoshi 術後の治療法 徳田 1418 03/03/06 K.K. 温存法についてお聞きします 徳田 1417 03/03/05 H.T. 細胞診と組織診について 徳田 1416 03/03/05 いくこ しこりについて 徳田 1415 03/03/05 Y.C. 左脇下のしこり 徳田 1414 03/03/05 まり 右胸にしこりがあります 徳田 1413 03/03/04 K.M. 両胸のしこり 徳田 1412 03/03/04 M.I. 11歳男子の胸のしこりについて 徳田 1411 03/03/04 K.U. 乳癌の進行について 徳田 1410-1
1410-2
1410-303/03/04
03/03/07
03/05/25Y.T. 対側乳房の痛み
ホルモン剤の副作用
術後のしこりについて徳田
徳田
石川1409 03/03/04 Y.O. 検診について 徳田 1408 03/03/02 M.L. HER2 3+の場合の術後抗がん剤について 千島 1407 03/03/02 M.S. 骨転移 千島 1406 03/03/02 F.N. 母の乳癌について 千島 1405 03/03/02 Y.M. お風呂に入ると乳首のあたりが痛いのですが・・・ 千島 1404 03/03/02 まいこ 脇にしこり 千島 1403 03/03/01 aiko 脇の下のしこり 千島 1402 03/03/01 S.K. 良性しこり、とる?とらない? 千島 1401 03/02/28 akk 左鎖骨上にシコリ 千島
【No.1500-1】 03年05月02日 y/s
母の乳がん再発について初めまして。私の母(54歳)は、去年の9月に乳癌の手術で、右胸全摘出手術をしました。しこりの大きさは5センチで、リンパには転移はありませんでした。母は入院中にCMFを一度やった際に肝機能を悪くし、抗癌剤治療は中止になり、退院後も肝臓の注射を週に一度やっています。今はホルモン剤(ホルモンレセプター陽性でした)と抗癌剤の飲み薬を1日に2回飲んでいる状態なのですが、半年たった今日、胸部のレントゲン・CTを行った所、右胸に三つほど丸い影があるそうです。一番大きいので5ミリ、あとはもっと小さいそうです。これは転移もしくは再発なのでしょうか? 良性のしこりという事も考えられますか? まだ術後半年しかたっていない事もあり、信じられません。明日、頭部のMRI、8日に骨シンチが入っています。とても心配で、8日まで待っているのがつらいです。半年くらいで再発・転移する場合もあるのでしょうか? 読みづらいかと思いますが、お答え何とぞよろしくお願い致します。
再発とは手術時にすでに微小な病変(検査では見付からない様な)が存在していたこと意味するものです。残念ながら5cmの乳癌であれば、リンパ節転移がなくても再発する可能性はあります。また頻度的には低いですが、再発が術後半年で明らかになることもあります。つらくても検査結果をまって冷静に対処するしかありません。(文責 吉田)
【No.1500-2】 03年05月04日 y/s
母の乳がん再発について(2)ていねいな回答ありがとうございました。三つ影があるという事でしたが、以前の手術の時は一つだったので不思議です。それと、先生のお答えでは、再発と書かれていましたが、骨への転移という事も考えられますか? その場所だと、胸はもうないし、どこに再発・転移したのだろうと不思議に思う次第です。母は再発し、長くは生きられないのでしょうか? とても可哀想で変わってあげたいと心から思っております。
メールからは何が質問なのかはっきりいたしません。焦点がぼけてしまうかもしれませんがお答えします。手術時にすでに肺の影が1つであり、それが三つとなったのであれば、肺への転移である可能性は高いと言わざるを得ません。乳癌の再発・転移で多いのは骨と肺ですので、勿論骨転移ということも考えられます。骨シンチなどの検査と腫瘍マーカーの検査の結果を待ってください。乳癌は固形癌のなかでは、薬が比較的効きやすいですので、再発したからといって長く生きられないとは限りません。もし再発であれば治療法を担当医とよく相談して決めてください。(文責 吉田)
【No.1499】 03年05月02日 Y.W.
乳腺症?39才女性、既婚、妊娠・出産経験無し、家族歴無し。昨年7月、右胸上部外側に2cmのシコリを見つけ、大学病院の乳腺外来で受診。触診、問診では悪性ではないのではないかとのことであったが、マンモグラフィで判らず。エコーで7〜8mmのものが3、4個連なっている。細胞診1回目、プラスマイナス(後日、クラス4との説明有り)。細胞診2回目、検体不足。生検の場所を確認するため、CR、MRを受け、共に悪性を疑う結果。次にエコー下細胞診を、プラスであれば乳癌手術、マイナスであれば生検をするということで実施。のう胞にしては濃いもの(私にはカフェオレの様な色に見えた)が出たといわれたが、結果はマイナス。ここまでの検査で2ヶ月経過。しこりも小さくなっており(初回2cm、今では触診で判らない程だが、7〜8mmのものが3、4個)、悪性で小さくなることはまず無く、胸が小さいので生検をすると形のバランスが崩れる。万一悪性でも浸潤はしていないと思われるので、生検はせず、様子をみることになった。この時の説明ではエコー下ではそれ程疑わしくないが、放射線下では疑わしい。カルシウム沈着1ヶ所有りとのこと。2ヶ月の経過観察後、11月の触診、エコーでは前回と変化無し。乳腺症が濃く見えたのではないかということで、半年経過観察で5月中に病院にいく予定。 そこで質問ですが(担当医に聞けばよかったのですが)
@ エコー下では疑わしくないが、放射線下では疑わしいというのはどういうことでしょうか?
A 両性と思われる粗大な石灰化というのは具体的にはどれ位の大きさですか?
B マンモグラフィで画像がわかりにくい場合や胸が小さい場合、マンモトーム生検は無理なのでしょうか?(胸が小さいと胸筋にひっかかる場合があるようなことを読んだので)
長々と申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。順番にお答えします。
@ 乳癌の診断は時に難しいことがあり、エコー像、マンモグラフィ(放射線下)、細胞診の所見を総合して決めるのが一般的です。あなたの場合はエコー像ではのう胞様に見え良性様ですが、マンモグラフィではでは癌を疑わせる所見があるということだと思います。
A 良性を思わせる粗大な石灰化とは、形が円形で通常2-3個であることが多く、大きさは様々ですが1mm以上のこと多いようです。
B 無理なことはないと思いますが、多少難しいかもしれません。(文責 吉田)
【No.1498】 03年05月02日 A.M.
再発とホルモン療法の継続について昨年8月に温存手術を受けた36歳です。2つほど質問したくてメールしました。
質問@
手術に加え、ゾラ+タモの影響で、萎縮していた患側の胸がこの2カ月ほどで、なぜか健側より大きくなってしまいました。硬くて張っている感じです。しかも、今年はじめ頃から乳首にカサブタができ、徐々に無理せず取り去ったのですが、ポツポツと穴があいているような感じで、赤くひび割れている状態です。ちなみに放射線は10月いっぱいで終了。しこりは感じられません。この症状は再発でしょうか。それとも違う病気が考えられますか。
質問A
ゾラは8月、タモは10月からはじめたのですが、ひと月ほど前、大量の不正出血をおこしました。細胞診および組織診、スコープなどで検査したところ、レベル2ですが、子宮体部にやや増殖傾向がみられ、ポリープあり。経過観察になりました。わずか半年ほどでこのような症状がみられたのに、このままホルモン療法を続けても子宮体癌にならないのでしょうか。
(病歴)
粘液癌を伴う充実腺管癌1.5cm(1年半に渡り良性といわれ続けたため放置)。ホルモンレセプターはエストロゲンのみ+。悪性度2。センチネルリンパ節生検転移なし。
お忙しいなか申しわけありませんが、ご回答をお待ちしています。質問1について:
乳房温存後放射線の影響が長く残ることがあり、あなたの場合も放射線照射後の反応である可能性が大です。しかし乳頭のカサブタができ、赤くひび割れた状態というのは気になります。やはり再発を疑って検査を受けるようにして下さい。
質問2について:
タモキシフェンを長期に服用すると確かに子宮体癌の発生率は高くなります。しかし乳癌の再発を防ぐメリットの方が何倍も大きいので、現在広く使用されている訳です。あなたの場合、子宮体部の病変の出現が乳癌のホルモン療法が原因であるとは断定できませんし、その病変の悪性化をタモキシフェンが助長するという証拠はありません。経過観察しながらホルモン療法を続けてもよいと思いますが、よく主治医と相談して決めて下さい。(文責 吉田)
【No.1497】 03年05月01日 N.K.
男ですが・・・私は23才の学生(男)です。2ヶ月くらい前から左側の胸にだけしこりができ、悩んでいます。思春期の頃にも(その時は両胸でしたが)しこりができたのですが、押さえたら分泌液が出て、同時に腫れもおさまりました。今回はその時よりも腫れがひどく、押さえると痛みもあり不安に思っています。ネット等で調べてホルモンのバランスが原因であまり心配することは無いと書かれていたのですが、23才という年齢でも問題無いのでしょうか?お忙しいところ申し訳ありませんが返答お願いします。
23才男性で乳癌というのは考えにくいと思いますが、女性化乳房ということだと思われ、一般には思春期の人と飲んでいる薬の影響、肝機能障害、ホルモン異常(脳下垂体の腫瘍などもあります)、色々原因はあります。23歳では思春期乳腺症と同じ場合が多いので、その他の原因が考えにくければ様子を見ても良いと思いますが、心配なら乳腺専門医を受診し、それ以外の原因と念のため癌の可能性についても検査すれば安心できると思いますが。(文責 石山)
【No.1496】 03年04月30日 N.H.
肺転移後の治療について乳がんの肺転移後の治療についてお尋ねします。 私の母(64歳)は、3年前に右乳房U期のがんを温存療法にて切除した後、残存乳房に放射線照射を受けました。1年半後に残存乳房に再発し、胸筋を残して切除術を受けました。再発から1年後には、右鎖骨上リンパ節に転移しました。昨年の10月には、乳房切除痕に皮膚転移が生じました。HR(+)のため、アリミデックス内服の治療のみですが、半年程で内服を止めてしまいました(頭痛や歯痛、皮膚粘膜のトラブルなどのため)。HER2は(+3)でした。これまで使用した抗がん剤は、タキソールを3回(乳房再発時)、ハーセプチンを単独で半年間(残存乳房切除後)です。この4月の中旬頃より、乾いた咳や喉の痛み、1〜2度ですが呼吸苦などの症状が出現してきました。肺への転移が疑われると思うのですが、肺転移への緩和的治療とは、どのようなものがあるのでしょうか。母は抗がん剤治療を望んではおりません。ですが、抗がん剤を用いることが、症状緩和には一番効果的なのでしょうか。それから、肺転移以外の可能性もあるのでしょうか。よろしくお願い致します。
まず肺転移が本当にあるのか、CTやレントゲン検査ではっきりしてから考える事ではないでしょうか。転移部位、個数にもよりますが、一般的には副作用の少ない治療からという事も考えられ、アリミデックスがダメならアロマシンというさらに新しいホルモン剤もあります。抗癌剤だけが良い訳ではありません。経口の抗癌剤やその組み合わせ、また6月には新しい経口抗癌剤でゼローダという薬も出ますので、診断が確定しないうちに緩和的治療というのはまだ早いように思います。主治医からそういう話が出ているのでしょうか。咳やのどの痛みだけでそう思われているのであれば、放射線による咽頭、喉頭への障害の可能性もあり、肺転移でない可能性はないのでしょうか。よく確かめられたほうが良いと思いますが。(文責 石山)
【No.1495】 03年04月30日 K.S.
手術について手術についてお聞きかせください。
現在状況:
30代、Va期、腋窩リンパ節転移陽性、化学療法後全摘手術の予定
質問:
@リンパ節はレベルVまでとるものなのか? もし、レベルUまでだと予後に差はあるか?
A全摘の場合、一般に胸部の感覚(触覚)はどれくらい残るか?Level VとUの間であまり差は無いので、全摘であればVまで取っても侵襲に差はありませんので、将来の局所再発などの事を一応考えてVまで郭清するほうが良いかもしれません。皮膚は一旦はがすので、最初は知覚はなくなり術後回復します。しかし、創周囲の3、4センチの範囲は知覚鈍磨が残る事があります。正確な範囲は欠損する皮膚、皮膚の突っ張り具合、皮膚の剥離の厚み、様々な要因で決まるので、術前に予測は難しいです。(文責 石山)
【No.1494-1】 03年04月30日 N
骨転移3月に骨転移と診断され、今は1泊2日の入院で点滴と飲み薬の治療を6週・2週休みで1クール、これを4クールやっていく治療をやっています。乳がんの手術は9年前で、その時には「再発はないでしょう。」と言われていたのでショックです。4ヶ所骨に転移しています。あと何年位生きられるでしょうか?点滴はタキソテール、内服はフルツロン、1ヶ月に1回注射リュウプリンです。内臓には転移していません。
お話から察すると9年間何も再発がなかったということで、無病期間が長い方は長期生存の可能性も高いので、特にタキソテール、フルツロンで完全寛解が得られれば治癒の可能性があります。何年位生きられるかという事は、今回の治療の効果で決まるので、今の段階では何とも言えません。化学療法は最低2クールはやってみないと効果は判断できないので、その時に腫瘍マーカーの推移や骨病変の変化を見て、主治医に再評価した結果を聞くのが良いと思います。(文責 石山)
【No.1494-2】 03年06月10日 N
骨転移(2)抗がん剤の治療を始めて2クール目に入っています。髪の毛も随分抜け、部分カツラをつけています。吐き気もあり精神的にまいっています。腫瘍マーカーは57です。医者は4クールはやらないといけないと言っていますが、やめてもいいでしょうか?病院の薬のほかに水溶性キトサンを飲んでいます。ヤマブシタケもいただいたので、飲んでみようかと思います。どんなことでもいいです。ご意見を聞かせてください。
どういう状況で抗癌剤を始めたかわかりませんので明確なことは言えませんが、化学療法は6クールが標準で、中途で止めると効果もおちます。最低4クールは必要です。健康食品については有効性は証明されていません。副作用のことを含め主治医と十分相談して、治療方針についてきめることが大切です。(文責 石田)
【No.1494-3】 04年08月03日 N
乳房温存手術と放射線去年の4月にメールしました愛知のNです。骨に再発した癌はマーカーも10くらいになりました。でも7月に反対の胸にまた癌が見つかりました。温存法で8月18日に手術をする予定ですが、不安でたまりません。手術のあとは放射線治療をする予定ですが、放射線治療はほかの所にも影響があるんではないかと・・・、手が動かなくなるんではないかと心配です。放射線治療をしないとどうなりますか。
術後照射の副作用としては、心血管系、肺、食道、骨髄障害などがあげられますが、最近では照射の安全性も高くなっており、有害事象の発生も減少しています。乳房温存手術後の照射は生存率の向上には必ずしも寄与しませんが、乳房局所の再発率を1/3以下にする効果があり、乳房温存手術を選択するのであれば、術後の放射線治療をうけるのが標準的な治療と考えます。(文責 浜口)
【No.1494-4】 04年08月05日 N
放射線治療期間について放射線治療はどのくらいの期間やればいいのでしょうか?
乳癌の放射線治療の場合、大きく分けて乳房温存術後の乳房への放射線照射と再発治療としての再発部位への放射線照射があります。病院によって多少違いますが、前者であれば約50グレイの放射線を分割して5週間くらいで行います。後者はさまざまです。(文責 浜口)
【No.1493】 03年04月30日 M.M.
乳頭の分泌物についてこんにちは。私は24歳独身です。8年程前に産婦人科で乳頭炎と診断を受け、その時処方された薬で治りました。1年程前から同じような症状(乳頭からの黄色っぽい分泌液があり、かゆみもあります)が出始めたので、8年前に処方されたのと同じ薬(ゲンタシン)を使いましたが、あまりよくなりません。かゆくて刺激を与えてしまうせいか、乳輪、乳首がひとまわり大きくなってしまったような気がします。特にしこりのようなものは感じられませんが、きちんとした診療をうけたほうがいいのでしょうか?
皮膚科で一度診察を受け、乳頭の湿疹でカビや細菌感染、その他の可能性を調べてもらったほうがいいと思います。それでも原因がわからなければ、Paget病の可能性も含め乳腺外科に受診される事をお勧めします。(文責 石山)
【No.1492】 03年04月30日 A.K.
石灰化についていつも生理前になると両方の乳房が痛くなっていたのですが、今回は左だけがとても痛く、自分で触って見るとしこりのような物がある様な気がし、心配になって乳腺クリニックに行って来ました。触診、超音波検査、マンモグラフィの検査をしました。その結果、しこりは何もないとの事で、乳房の痛みも生理前だからと言う事でした。ですが、乳房に石灰化が見られるとの事でした。私も、レントゲン(マンモによる)を自分で見ましたが、2粒小さな点が見えました。確か両方の乳房に2粒ずつあったと思います。私の場合は良性との事でしたが、1年後にまた検診に来て下さいと言われました。私は27歳で、出産の経験はありません。石灰化の事についてネットで調べると、27歳くらいで石灰化になっている人はあまりいませんでした。これから石灰化が増え続けるのかも心配ですし、石灰化が進むとどうなるのかも心配です。石灰化とは一体どういう事なんでしょうか?予防策はあるのでしょうか?1年後にまた検診という事は、悪性になる可能性もあるのでしょうか?これから出産もしたいのですが、支障はあるのでしょうか?とても心配です。
最近の乳癌検診の乳房レントゲン撮影で、レントゲンで特異的な所見が石灰化なので乳腺専門医は気にします。しかし、石灰化は所詮乳管内の増殖細胞が死んだあとを間接的に反映するだけなので、癌でも出るのですが、多くは乳腺症や炎症でもでます。その違いは専門医が見れば、比較的簡単に鑑別がつきます。ただその石灰化が癌の極く初期の物であるといけないので、一応1年後の再検査で良いと言ったのです。ほとんどの人がそこから癌を発生する可能性は 無いはずです。(文責 石山)
【No.1491】 03年04月30日 N.A.
乳癌でしょうか?はじめまして。2児の母で26歳です。一人目は平成11年11月、二人目は平成13年1月に出産しました。一人目の授乳期間は、5ヶ月程でした。二人目を妊娠した時に、乳頭から分泌物がありました。一人目の時も妊娠中に乳汁分泌はあったのですが、二人目の妊娠中は、左に乳汁分泌以外に黄色?茶色?っぽい分泌物がありました。左の乳首にプツプツした湿疹の様なものができ、右の乳首の2回りくらいの大きさでした。その時は痒くてたまりませんでした。妊娠が終わり、その症状がなくなるかと思っていたのですが、相変わらず同じ症状が続きました。もちろん乳汁とは違う分泌もでました。授乳をやめたのは平成14年4月です。それでもその症状は今にいたります。その間にいろいろな種類のかゆみ止めや、乳汁分泌を抑える薬や、下着を替えたりと試して見ましたが全然症状は良くなりません。平成14年9月頃に乳房の超音波をしたのですが異常はありませんでした。最近左の乳房の外の上の辺が、筋肉痛、鈍痛みたいに痛い時があります。今日、自己診断したところ、左の乳房の左上が2×2センチ程度の色の変化とくぼみがあり、押しても弾力がありません。右と左の乳房の大きさもワンカップ位左が大きいです。触診はイマイチ良く分かりませんが、ごつごつしたものを触れます。乳がんかどうか心配でなりません。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いします。
様々な病態を想像させる症状があるので、お話の中からは、乳頭のPaget病のようなものもありますが、痒いということからは否定的と思います。ただその後の症状は、乳腺炎や乳汁鬱帯かも知れませんが、授乳期乳癌を思わせる記載もあるので、早急に乳腺外来をやっている総合病院か、外科外来を受診する事が必要だと思います。ただ26歳で乳癌の可能性は極めて低いのであまり心配はないとは思います。念のためという意味です。(文責 石山)
【No.1490-1】 03年04月30日 Y.O.
1年後の検査についておたずねいたします。52歳、02年6月3日温存でいたしました。
2×4、ランペクトミー、左低位えきかリンパ節郭清術、しこり(組織)…1.5×1.8cm、リンパ節転移…4個中1個、浸潤性乳管癌、ホルモン受容体…陽性、6月27日から8月16日まで32回放射、9月3日CMF1回目、9月10日中止(AST61 ALT99)、9月24日ノルバテックス処方される、10月10日ノルバテックス中止(AST78 ALT114)、11月19日アロマシン処方され現在に至っています。この間の採血は2月18日、4月1日、共に異常はないとのこと、術後1年を迎えようとしていますのでそろそろ何か検査が必要になるかと思い主治医に質問をいたしましたところ、血液検査で分かるのでということでした。反対側の乳房の検査、骨シンチ等していただきたいと思いましたが、先生のおっしゃるように血液検査で様子を見ていった方がよいのでしょうか? またアロマシンの副作用を心配されてアリミデックスに変えましょうかとお話しがありましたが、現時点で違和感がないのを理由にこのままでとお願いいたしました。が少し不安になって参りました。薬の副作用等の情報をいち早く知るための手段がありましたらお教え下さい。また副作用が出てくるのはどの位の期間からでしょうか? よろしく御願いいたします。薬の副作用が心配なのであれば、薬局に置いてある添付文書で色々の薬の副作用が載っていますので、読まれれば良いと思います。副作用が出る期間は、本当に人それぞれで、一定の法則や傾向は分かっていません。それと1年目の検査として再発が心配でやられるのであれば、頻度の多い順番に骨転移、肺転移、肝転移などを調べる場合もあります。その辺の事は、各医療施設の状況によって違いがありますので、よく相談する事をお勧めします。今の治療はそのままで良いとは思いますが、やはり納得した上で受けたほうが良いと思います。(文責 石山)
【No.1490-2】 03年06月30日 Y.O.
採血の数値についてNo.1235、No.1490にてお尋ねいたしました その節はご回答を有り難うございました。
5月29日
CA15−3(95U/ML)、N−ST−439(1000U/ML)、1CTP(3.7NG/ML)、r−GTP(89)
6月19日
CA15−3(39.1U/ML)、N−ST−439(1190U/ML)、BCA225(65 U/ML)、GOT(24)、GPT(28)、LDH(210)、r−GTP(74)、ALP(255)、ビリルビン総(0.70)
先日採血をいたしましたところ上記の結果を頂きました。来週CTの予定でおります。この数値から分かることを教えていただきたくメールいたしました。よろしく御願いいたします。(超音波では異常がないように見えるがN−ST−439の数値がだいぶ高いので、乳腺もしくは膵臓にと言うお話でしたが、転移は確実なのでしょうか?それとも他に何か考えられることはありますでしょうか?)CA15−3、NCC−ST−439の数値が高いので、再発の可能性を念頭におき検査を行うべきです。まず来週のCT検査の結果をよく聞いて、主治医と相談してください.(文責 籾山)
【No.1490-3】 03年11月14日 Y.O.
肺転移についてその節は有り難うございました。肺転移が見つかり(多発性)、アドリアシン、タキソテールの抗ガン剤治療6クールの内1クールが終わりました。心配していた肝機能の数値も、高いながらも今までより少し下がったとのことで、2クール目に入る予定です。1年で転移があり思ってもみないことでしたので、今後のことで少しお尋ねさせてください。進行の早いがんと
理解いたしました(主治医との会話で)。抗ガン剤の効力に期待していますが、このまま現状維持で何年くらい生活できるものなのか(咳が少し出ますがとても元気です)。それぞれでお答えにくいかも知れませんが、よろしく御願いいたします。乳癌の臓器転移の場合、個人差が大きく、経過はまちまちです。治療が奏効すればさらに生存期間は長くなることが期待されますので頑張って下さい。(文責 浜口)
【No.1490-4】 04年04月11日 Y.O.
肺転移抗ガン治療後についてNo.1490でご回答いただきました。その節は有り難うございました。タキソテールとアドリアシンの治療は1クールのみで、2クール目からタキソテールのみで行い、6クール終了いたしました。吐き気、味覚障害、爪の変色と痛み、むくみ(3ヶ月で5キログラム体重増加、関係有りますか?)が有ります。2月に胸のレントゲンを撮りましたところ、右肺に水が少したまっているとのことでした(先生は気にしなくて良いとのこと)。ご相談ですが、
・ 身体を起こしているときはさほどではないのですが、横になると息苦しさを感じます。
・ 時々空咳でなく、ぜんそくの時のような(雑音が入ったような)咳が出ます。
・ 体温…AM 36度5〜8 PM37度2〜5
来週外来予約が入っています。今後の治療と検査について何を担当医に伺っておいたらよいか、ご助言いただけませんでしょうか。ただ今54才です。49才で生理は終わりましたので、術後アロマシンを半年ほど飲んでいましたが、発の疑い有りとなった時点でノルバテックスを抗ガン治療直前まで飲みました。転移後の抗ガン治療の後にホルモン療法の選択がでた時にはどちらが良いと思われますか? 乱文で申し訳御座いませんが、ご回答宜しくお願いいたします。むくみはタキソテールによる副作用の可能性があり、それによって体重も増えているものと思われます。今後のホルモン治療としてはノルバデックス(ただ、以前肝機能障害がでたのでしょうか?)、アリミデックス等が考えられます。アロマシンは服用中に再発が見つかったのであれば、再度服用は考えにくいでしょう。
また他の手段としては抗がん剤、ハーセプチン(もし適応があれば)などがありますし、お辛ければ治療を休むこともできます。治療によるメリット、デメリットをよく考えながら治療を進めていくことが必要になると思います。Y.O.さんのお体にとって一番合う治療法(効果があり、かつ副作用が少ない)を見つけていくことが大切になります。治療によって、逆に普段の生活があまりにも辛くなってしまうのであれば、その治療法は考え直す必要があるかもしれません。検査は治療効果の確認のために、その都度行っていくことになると思います。ホルモン治療は効果がでるまで少し(数ヶ月)時間がかかることがありますので、あせらずに治療を続けられてください。(文責 加藤)
【No.1490-5】 04年06月01日 Y.O.
治療を休んで2ヵ月になろうとしていますいつもご回答に感謝致しております。2004年4月11日 bQ317でお世話になりました。4月27日体重10s増加により利尿剤を飲み始め、5月31日現在7.5s減りました。5月中旬胸水を1200ml抜きました。
5月20日血液検査結果:ALP 649、GGT 190、CA15−3 12.5、NCCST439 186.8、 AST 41、 ALT 41
4月6日に6クール終了後、副作用が強かったため 私の希望で治療の継続をしていません。(2月末頃からのむくみ、手足の爪の痛み、味覚障害等)
1) 主治医はタキソテールの継続をすすめてくださいますが、私の場合、一般的にはホルモン療法に戻ることは無理があるのでしょうか(タキソテールの量35ミリ×3
週 1週休みで6クール終了)
2) 腫瘍マーカー他の結果について
3) 現在の癌の転移部位を知った上で治療方法を決定した方がよいのかとも思っています。ペットの必要性は?
おいそがしいところ恐れ入りますが、上記3点につきましてご意見を頂きたく宜しくお願い致します。次回は6月10日予約です。現在の体調は普通の生活が送れます。とても元気です。タキソテールに関しては、それにより胸水が貯まったと考えるのであれば、もう一度その治療に戻るのは抵抗があります。再度、胸水が貯まる可能性があると思います。効いていたのであれば、続ける価値はあるかと思いますが、前回加藤先生が回答しているように、作用と副作用のバランスを見ながら、ご自身にあった治療法をみつけることが大事だと思います。ホルモン療法ですが、今現在の病変を再確認し、もし、肺、肝などの大事な臓器に転移がないのであれば、すなわち骨、リンパ節、皮膚などだけの病変であれば、ホルモン療法も選択肢だと思います。しかし、ホルモン剤の種類が殆ど使っていますので、以前に使っていたものを再度ということになります。ただ、それを使っていての再発でしたので、あまりその効果のみを期待するのはどうかと思います。PETに関してはあまり必要性を感じません。PETを行って小さな病変を確認するより、今あなたを苦しめている病変の確認をすればいいので、それはきっとCTとか超音波であると思いますが。(文責 鈴木)
【No.1489】 03年04月30日 櫻
祖母の乳癌祖母の乳癌の事でご相談があります。 昨日祖母に乳癌が発病していることがわかりました。すぐに手術をすすめられましたが、現在の家族の悩みは、どの病院で執刀をして貰うかと言う事です。祖母は80歳を迎え、足腰も弱く、家族の付き添いがないと外には出られない状況です。母親も更年期症状で負担を掛けたくない時期です。家の近所の病院で執刀することがベストなのですが、正直名医と言われる方もいらっしゃらない、また、放射線の施設も揃っていないとのことで、孫の私はその病院で執刀する事には反対しております。現在5段階中2段階で、転移は認められていない状況です。名医と言われる病院がすべてではないことは解っているのですが、まず何を優先して病院を選んだら良いのでしょうか。皆さんのご意見は直接病気への質問でしたが、こういった事をお話できる人がいなく、こちらの相談室で何かアドバイスを頂けないかと思い切ってメールをさせていただきました。宜しく御願い致します。
80歳を超えた方で乳癌という事ですが、5段階中、2段階?というのは、細胞診の結果でしょうか。それなら癌という確定診断はついていないという事です。進行度(乳癌と確定診断が付いた上で)はstageW(4)までしかないので、はっきりしません。本当に癌という確定診断がついているのであれば、生検といって外来の日帰り手術で組織を取って組織型や癌の確定、ホルモンレセプター、HER2などの検査をして、もしホルモンレセプターが陽性であれば、ホルモン剤で経過を診る事も可能と思います。しこりが大きくならない事が確認できれば良いし、副作用も少ないので高齢な方には勧められます。ホルモンレセプターが陰性でも抗癌剤の飲み薬で経過を見てもいいはずです。それぞれの経口薬でダメな時に、専門医のアドバイスをうけ、手術など侵襲のある治療に移るという選択が可能と思います。今の主治医の先生と相談してこのような選択肢もある事を話されてはいかがでしょうか。(文責 石山)
【No.1488】 03年04月29日 H.T.
乳房の痛みについて現在授乳中で、乳房に痛みがあったので病院に行ったところ、乳腺症と診断されました。特に左胸に大きなのう胞があるためか、胸をさすったり、腕を上げ下げしただけでも痛みを感じます。乳腺症の痛みは閉経を迎えるまで続くのでしょうか? また、のう胞を切除すれば痛みは消えるのでしょうか?それと、以前から生理前に痛みが定期的にあったのですが、授乳中の今も大体一ヶ月ごとに痛みが強くなる気がします。生理はまだ再開していないのですが・・・。生理がなくても定期的に痛むのは普通でしょうか?のう胞はエコーでしか診てもらっていないので、悪い病気ではないかと・・・。お忙しいところ申し訳ありませんがよろしくお願いします。
授乳中は嚢胞以外にも乳瘤(ガラクトツェレ)というものもあり、乳汁が詰まって溜まり出現します。後者のほうが可能性が高いと思います。嚢胞としても、痛みの原因であれば細い針で刺して内容を抜けば良いと思います。繰り返す場合は手術も考えますが、普通は数回針を刺すだけで溜まらなくなると思います。いずれも心配ならば針で刺し、細胞診をすれば診断できると思います。閉経まで痛みが続くかどうかということですが、乳瘤なら授乳期が終われば痛みは消えますので、心配ないと思います。乳腺症の痛みは続く事がありますが、生理前など一時的で常に続く事は無いと思います。(文責 石山)
【No.1487】 03年04月29日 T
分泌物と胸の痛み17歳の高校生、女子です。体型は肥満傾向です。近親者に乳癌を発症した人間は居ません。昨年11月頃から右胸の乳首を摘むと白っぽい分泌物と透明な分泌物が出ます。一箇所から出る事もありますが、二箇所から同時に出る事もあります。産婦人科を受診したところ、年齢的に乳癌は有り得ないと言われ、採血し授乳に関係するホルモンの数値を確かめただけでした。ホルモンの数値に異常は見られず、何かバランスが崩れているだけだろうという事で、薬などの治療は行っていません。また分泌物が出始めた頃から、生理前に両胸が痛んだり、火照るような感じがあります。分泌物がでる以前はありませんでした。ここ最近、右乳房の外側の側面、わきの下から10cmぐらいのところから乳首の方に向かってのラインがチクチクと痛みます。左胸も同様の箇所が痛みますが、右胸が持続的に痛いのに対し、チクッという一瞬のものです(同じようなチクチクした痛みは臍下の腹部にも時折あります。これも感じたのは最近です。腰痛も少々感じるのですが、普段姿勢の良い方ではないので、それが原因だとは思いますが…)。しこりの有無を確かめようとしましたが、触ると何処もデコボコしていてよく分かりません。両胸とも乳房の下の方が特にデコボコがはっきり分かりますが、押すと逃げ、痛みもありません。皮膚の引き攣れ、両乳首の高さの違いも見られないように思えますが、何分素人判断なので不安です。痛みや血液を含まない分泌物は乳癌である可能性が低いとありますが、それでもやはり不安なので、お忙しいとは思いますが、返答お願いいたします。
最近は受験勉強や仕事によるストレスなども影響し、若年層の女性で卵巣機能が不安定になりやすいようです。そのために女性ホルモンのアンバランスが生じ、乳房痛や乳頭分泌などの症状を見る場合があります。特に乳房痛などは性周期の時期によっても症状の増減を認めることがあります。また、妊娠・授乳を行っていない乳腺では小さな硬い粒々を触れることがありますが、左右両側の乳腺で同じような症状を認める場合は、生理的(正常)範囲と考えて良いと思います。貴女もホルモン検査では異常を認めないようなので、しばらくは経過観察をしていても良いと思いますが、症状が続いて心配ならば、一度乳腺(こちらは外科が担当となります)専門医の診察を受けることをお勧めします。(文責 千島)
【No.1486】 03年04月29日 mio
乳頭部の爛れ・かゆみはじめまして。25歳の主婦ですが、乳頭部のことで、こちらのホームページを拝見させていただきました。1ヶ月くらい前から乳頭部にかゆみが生じました。乳頭から分泌物は出ていません。はじめは爛れたのかと思い、軟膏(クロマイ-P(三共製))を塗っていたんですが、なかなか治りません。かゆみはかなりあります。また、かさぶたのようなものが出来ております。入浴後はふやけてかさぶたも剥がれるのですが、次の日になるとまたかさぶたが出来てしまいます。最近では厚めのかさぶたになり、軽いひび割れ状になっております。いろいろ調べたところ、パジェット病という病気の症状に似ているのではないかと心配でなのですが、可能性は高いのでしょうか? ご多忙中申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。
比較的若い女性では、排卵後から生理開始前までは、プロゲステロンという女性ホルモンの分泌が高くなっているため、乳頭の痒みや痛みなどの症状を認める場合があります。特に入浴して体が温まった時や、生理の直前で症状が強くなる場合があるようです。確かにパジェット病の症状にも乳頭中心部から周囲に向かって徐々に広がっていく「ただれ」というのがあります。年齢的にパジェット病である可能性は低いと考えれられますが、今後も症状が続くようならば、念のために乳腺専門医(外科)の診察を受けておくことをお勧めします。(文責 千島)
【No.1485】 03年04月25日 NIC
内側下部の乳癌はじめまして。45才の主婦です。先月左乳房内側下部に1.5cmのしこりが見つかり、細胞診の結果はVで、来月中旬の手術を待っているところです。今年の1月に肉離れのためカイロの電気治療を受けてしまったのですが、悪影響があったでしょうか? お教え下さい。
電気治療がなにか分かりませんが、そのために癌になった事を心配されているのでしょうか。1.5cmの乳がんが今年1月にはすでにそこに存在していたはずですので、癌になった原因ではないと思います。(文責 石山)
【No.1484】 03年04月25日 k.k.
転移治療ついて40代で、2000年にグレード3、ステージU、リンパ転移多数、her2+3で全摘後、抗ガン剤、放射線照射、ホルモン治療(注射と経口薬)。治療中に頸部、肩、鎖骨リンパ転移し、ハーセプチンと抗ガン剤投与で一時は縮小しましたが、最近耐性がでてきて再び増大してきました。また、先週皮膚転移が数カ所出現しました。
1、皮膚転移した所を切り取り、皮膚移植できますか? それとも転移した箇所のみを切除しても同じでしょうか?
2,肩、頸部などは手術で取るのは難しいのでしょうか?
3,「肩、頸部、鎖骨は放射線照射は難しく、副作用もある(気管や食道に当たると咳が出たり、食事がしにくくなる等)」と言われました。
担当医は「転移してしまったので、放射線をしても一時的だし、手術も、またどこかに転移が現れるので無駄」という事を言われましたが、手術や放射線照射は私の場合、一時しのぎなだけで、無駄な事なのでしょうか? これからもう治療法はないのかと思うと途方に暮れています。よろしくお願いします。一般的には皮膚転移があって多数個所のリンパ節転移があれば、手術はしません。放射線も一回かけている場合、再度同じところにかけられません。したがって考えられるのは、化学療法の種類を変えて行うという事になります。これまで何をやったかにもよりますが、タキサン、アドリアマイシン、メトトレキセートなどの注射薬、経口抗癌剤の組み合わせ(DMpCなど)、そして6月くらいからはゼローダという新しい経口抗癌剤が発売される予定です。使っていない物は試す価値はあります。(文責 石山)
【No.1483-1】 03年04月25日 C.S.
胸骨リンパ節転移について突然で恐縮です。乳房内側下部にできた腫瘍は、胸骨リンパ節に転移する可能性が高いでしょうか?
可能性は一応高いということにはなっていますが、乳癌は全身病という考え方から、手術の対象にはならなくなっています。実際に転移があると予後が悪いのは事実ですが、画像診断で診断されても、手術より化学療法などが選択される事が多いと思います。(文責 石山)
【No.1483-2】 03年04月26日 C.S.
胸骨リンパ節転移について(2)早速のお返事ありがとうございます。胸骨リンパ節に転移がある場合、10年生存率はどれくらいでしょう?
胸骨傍リンパ節に転移がある場合の最近の生存率は、そこだけ治療しても意義がないということでそういった研究があまりされなくなった事から、最新の生存率は分かりません。現在は胸骨傍リンパ節転移は取り扱い規約ではN3となりますので、5年生存率で50%程度というところでしょうか。最初からN3と、再発として胸骨傍リンパ節に出現した場合と違いますし、前回お答えしたように、胸骨傍リンパ節は遠隔転移や局所再発と共に存在する事が多く単独の生存率ははっきりしません。近頃、朝日新聞にも載っていたように再発乳がんの10年生存率は5%などと言って、患者さんを怖がらせている医師がいると言いますが、これは大きな病院の過去10年以上、場合によっては20年以上前の再発の方のデータで、今再発して治療中の方たちが今後10年でというわけではありません。この数年、再発乳癌の治療薬は進歩し、これからも次々といい薬が出ますから生存率はどんどん上がると思います。その結果は今後10年経たないとわかりません。(文責 石山)
【No.1483-3】 03年04月30日 C.S.
胸骨リンパ節転移について(3)私GWに海外旅行を予定していたのですが、どうするべきか悩んでいます。手術後は大変そうだけど、今は体調も良く何の治療もしていないわけだし…飛行機はよくないですか? MRIや骨シンチはあさってです。
何の治療も受けていないのであれば、普通は制限は無いので飛行機に乗って旅行は可能と思いますが、採血の検査で異常があって、貧血とか他に合併症があるという事があればまた別の心配もあります。その辺のことは主治医に聞けば良いと思いますが・・・。いかがでしょうか。ただアジア方面はSARSなど勧められないところもあるのも事実です。(文責 石山)
【No.1483-4】 03年05月02日 C.S.
胸壁にあるしこり度々すいません。私の乳癌のしこりは、胸壁にのっているのですが、胸壁に固定されている場合、ステージがIIIaになるのはどうしてですか?
乳癌が胸壁に固定されているということ、大胸筋やその下にある肋骨や筋肉、さらには胸膜といった構造物に癌が直接浸潤していることを意味しています。この様な例では病巣を切除しても、再発や転移をおこす可能性が通常のものよりも高いので、病期分類でもV期に分類されます。(文責 吉田)
【No.1482】 03年04月25日 M
乳頭直下のしこり最近下着が乳頭にすれて痛いな〜と気がつきました。よく触ってみると、乳頭の下に少ししこりがあるようなのです。仕事の関係上、重い荷物をよく持つせいもあって、最近肩や背中の筋肉がすごく凝っているようで、寝ていても血流が悪いのか、たまにだるくなったりします。そして、朝になって乳首を触ると硬くなっていたりしています。これは何が原因なのでしょうか? 悪い病気ではないのでしょうか? 心配性な性格なので、いてもたってもおられずメールしました。よろしくお願いします。
乳頭直下(深部の乳腺)にはいろいろな腫瘤ができる事があり、良性のものが多く、乳頭が硬くなるのは病気ではありません。乳頭の悪性腫瘍はこのホームページにも何度も出て来るPaget病という物がありますので、湿疹様の皮疹が乳頭に出ると可能性があります。(文責 石山)
【No.1481】 03年04月25日 H
乳頭近くの分泌物を伴う癌についてはじめまして。私は、2003年2月はじめに左3cm、同リンパ1cmの癌を確認、すぐに化学療法(AC投与4回)に入った結果、左腫瘍がほとんど瘢痕程度になり、来週28日に温存手術を控えている東京在住の47歳です。本日のご指導お願いは私自身のことではありません。知人の奥様で、私と同程度(中期という表現)の乳癌の方についてです。奥様は乳頭から血性の分泌物があり、大阪国立大でやはり手術前化学療法を薦めていらっしゃいます。しかしながら、化学療法を進めても乳首を取ってしまうことは避けられない、という主治医の判断があるそうです。 そして、運の悪いことに主治医が病院を変わられるため、一切の医療行為を中断し、民間療法だけで今後に臨もうとしているということです。具体的には高額を要求される気功道場への入門だそうです。「とにかく切りたくない。気功師は癌ではないから治るといってくれている」と主張なさるのだそうです。私は、医療の中止が悪い結果(死)へつながるのではないかとたいへん心配しています。お尋ねいたします。一般的に言って、乳首から血性の分泌があり、乳頭近くに腫瘍がある場合、手術前化学療法で効果が見られれば切除なしで医療行為を進められる例があるのでしょうか。つまり、本人の覚悟があれば、化学療法・放射線・ホルモン療法などだけで、手術なしで治療を進めるということは可能なのでしょうか? あるいは、乳頭切除を伴わない温存療法をとることができるのでしょうか。先生方のご多忙中、申し訳ありません。できる限り早くご返事がいただければ、幸甚でございます。
阪大で手術をするという事は、乳がんであることは間違いありません。気功では治りません。大阪成人病センターなど別の公立病院や大学病院などで手術しない事が可能かセカンドオピニオンを求め、しっかりした医療をうけるべきです。腫瘤がなく血性分泌だけの癌もありますので、早く何らかの治療をしたほうがいいと思います。乳頭内の乳管を切除し乳頭温存を温存、放射線照射する術式も可能と思います。
(文責 石山)
【No.1480】 03年04月24日 AYA
線維腺腫?はじめまして。37歳、一児の母です。今年の2月、乳癌検診でひっかかり乳腺外科を受診したところ、1、5センチ程度の腫瘍で、マンモグラフィー、エコー、MRIまで検査の後、はっきりしなかったので細胞診までして、クラス2と結果が出ました。線維腺腫のようだけど、癌ではないと断定はできないと言われました。すっきりしたければ切る方法もと言われましたが、半年ごとの様子見にしました。自分では良性なら切らなくても・・と思うのですが、細胞診クラス2で安心していていいものなのでしょうか? 本当はどうすべきか迷っています。アドバイス宜しくお願い致します。
乳腺に腫瘤を認め、それが乳癌であるかどうかの診断を下す場合、一般的には、@触診、Aマンモグラフィー、Bエコー検査、C細胞診を行って総合的に判断しますが、それでも断定できない場合は、生検を行うか、3〜6ヵ月毎の診察でフォローするということになります。メール内容からの推測にすぎませんが、貴女が受診された医療機関では、原則通りの治療が行われ、今後の方針についてもきちんと説明がなされているように思われます。「細胞診」を行うことも、ごくごく一般的なことです。「良性なら切らなくても」というのは、全くその通りですが、良性かどうかが分からないので、「生検」という方法がありますと、主治医は説明なさったのだと思います。生検を行うか、それとも、このまま3〜6ヶ月毎に診察を受けるか、どちらかを選択することになりますが、25歳以上で、腫瘤の大きさが2cm以上であれば生検した方が良いということになっています。細胞診がクラス2でもありますし、もう少し経過をみて、2cm以上になるようであれば生検も考えた方がいいかもしれません。納得がいくまで、主治医とよく相談してください。(文責 須田)
【No.1479】 03年04月24日 YUU
乳癌の骨転移母親が乳癌の骨の転移で、現在、抗がん剤(フルツロン200m×3個)とホルモン剤(ヒスロンHとアルミデックス)を飲んでいて、放射線を当てています。ご飯もあまり食べられず、起き上がることもままならない状態です。とても心配なのですが、何かほかに治療法とかないですか? 母親はとても不安がっていて、主治医の先生には、「今の薬を信じて飲んでください。」とか、「ほかにいい薬があるなら言ってきてください。」とか言われたみたいで、何をどうしたらいいのか精神的にも苦しんでいます。何かほかにいい方法とかないのでしょうか?
申し訳ありませんがお母さんの詳しい状況が分からないのであまり適切なadviceはできないかもしれません。可能でしたら次のことを教えて頂けますか?お母さんの年齢、手術した年、最初の手術の病理検査の結果(特にER:ホルモン感受性があったか)、再発した年は手術後何年目か、転移は骨だけなのか、骨はどこの骨に転移したのか、現在痛みはあるのか。後は一般論としてお話しします。乳がんの骨転移の治療の原則は3つあります。1)ガンの治療をすること。2)痛みの治療をすること。3)骨折を予防する治療をすることです。
1) ガンの治療については上記の情報がないとどの治療が良いか答えられませんが、少なくとも現在の飲み薬の組み合わせは、evidenceのある治療とは言えません。もしER(+)(ホルモン療法が有効)なガンで痛みがないならばアリミデックス単独が良いと思います。痛みがあるか、ER(-)ならば、効果も大きくて副作用も強い抗がん剤治療(CEF,AC等)をするのが良いと思います。
2) 放射線治療は痛みのためにやっていると思いますが、きちんと飲み薬の痛み止めを使ってあげることが大事です。通常の痛み止めで効果がなければモルヒネを積極的に使うべきだと思います。
3) 転移がどこの骨なのかにもよりますが、背骨ならコルセットをまくとか、足の骨なら杖を使う等して、骨折しないように注意をします。それともう一つはまだ保険が適応されていないという問題がありますが、そこは主治医の先生にうまくやってもらって、アレディア、ビスフォナールというビスフォスフォネート製剤を使うことを強くお奨めします。(海外ではガイドラインにのっています)お母さんが再発したことはとても残念ですが、これからどう生活していくかを一緒によく考えて治療を決めて下さい。痛みがない、自由に動けるということを優先して治療を考えては如何でしょうか?(文責 清水)
【No.1478】 03年04月24日 Y.I.
乳がん検診時に発見された石灰化について49歳の主婦です。5年前の検診で、やっと目で見えるぐらいの石灰化が、左乳首の外側2、3センチの所に1つ見つかりました。触診、エコーではわからずマンモグラフィーの検査でみつかりました。初めは数ヶ月に1回検査を受けていましたが、ここ2,3年は特に変化がないので年1回の検査を受けています。今年も数日前に検査を受け、昨年とエコー等、特に変わりはなっかたのですが、初めて細胞診を受ける事になり、結果は+3ということでした。先生はグレイゾーンなので、もう半年様子を見ましょうとおっしゃるのですが、そのままにしておいても大丈夫か不安です。いずれ手術をすることになるならば、素人考えで早いほうが良いような気もします。お考えをお聞かせ願いたいと思いメールさせていただきました。
最近マンモグラフィによる乳がん検診が盛んになりつつあり、マンモグラフィで見つかる微小石灰化が問題になってきています。確かに、微小石灰化で早期の乳がんが見つかることがあります。しかしその確率は決して高くはないのです。マンモグラフィの読影試験に受かっている医師が読影しても偽陽性(ガンではないのにガンと読影してしまう例)はかなりあります。また石灰化を全てガンの始まりのように説明して、いたずらに受診者を不安がらせる医師も見受けられます。その辺の事情をよく理解して下さい。本題に戻りますが、Y.I.さんの場合、5年間経過を見ている訳ですから、マンモグラフィ上変化がなければ心配ないと思います。細胞診の+3は"class3"のことだと思いますが、マンモグラフィの所見が変わりなければ、半年後の経過観察で良いと思います。(文責 清水)
【No.1477】 03年04月16日 T.O.
胸のくぼみについてはじめまして。母のことで相談させていただきます。先々週、左胸にくぼみが見つかりました。特にしこりや痛みはありませんでした。翌週に病院に行き、レントゲン・エコー・細胞採取をしました。今週に結果を聞いたところ、細胞摂取ではガン細胞は見つからなかったのですが、エコーで、黒い影が二箇所確認されるので、良性か悪性か確認するためにも切開して中の細胞を摂取し検査をして、悪性のがん細胞ならそのまま手術して切除し、リンパにも移転しているようならそのまま切除したほうがいいと言われました。そのときに、手術の方法と全身麻酔になるとの説明もありました。できれば早いうちに手術をしたほうがいいとも言われました。ガンじゃなくても切開手術は必要なのでしょうか?他に検査して調べる方法はあるのでしょうか?それとも乳がんの疑いが濃いので、手術を急がれてるのでしょうか? 本人はできれば乳房を温存した一部切除を希望しているのですが、それで完治できるのでしょうか? ご助言を頂きたく、どうぞよろしくお願いいたします。
お話しからだけで判断させていただきますと、主治医の先生は乳癌の疑いが濃いと判断してお話しを進められておられるのだと思います。細胞診で乳癌の診断がつく場合も多くあるのですが、癌の種類などで細胞診で診断のつかない場合があります。そのときには組織の固まりをとる組織診が確定的な診断に必要となります。組織診にはいくつかあり、@今回進められているような手術前に生検を行い、迅速検査といいますが、術中に乳癌の本来の手術をするかどうか判断する方法、A外来で針を用いて組織を採る方法(そのなかにはマンモトームという方法があります)などがあります。なお乳房温存術が可能かどうか、可能であれば温存術を行うかどうかは、術前に十分にご本人、ご家族、主治医と話し合っておく必要があります(手術の時がんと判断された場合にどういう手術を行うか?)。(文責 福間)
【No.1476】 03年04月16日 Y.K.
なぜ?はじめまして、34歳、独身です。先週、脇の下にしこりを見つけ乳ガン検診に行ったところ、乳房の左の方に3〜4pのしこりと、左脇に3pほどの癌がみつかりました。左脇のしこりは乳房からの転移だと診断され、来月から温存手術のための抗癌治療を始めます。今のところ骨などに転移は見られないのですが、しこりが二カ所もあるし、そのひとつが脇の転移なので、凄く心配です。転移するのが早い気がします。痛みはないのですが、気にしているせいか、たまにジクジクと痛みともとれない感覚があります。いろんなサイトで乳ガンの原因を調べているのですが、私はどれも当てはまらないのです。煙草もやりませんし、お酒もたしなむ程度ですし。肥満でもありません(171p 58s)。初潮も遅かったり早かったりしたいたわけではありません(小学校6年の終わり)。食生活も家族と同じような物を食べてきました。ただ標準より胸が大きいと言うことはありましたが、それが原因だとは思えません。なぜ、乳ガンになるのでしょうか?近親者には父方の兄妹(叔母)が同じ年くらいに発症しました。遺伝なのでしょうか? 教えてください。また、これから生活する上で気を付けないといけないことはなんでしょうか。日ごろ免疫力を高めるための栄養剤等飲んだ方がよいのでしょうか?何卒、ご指導の程宜しくお願い致します。
乳癌になぜなったかという質問については、お答えしにくい質問です。乳癌はここ20年間で急速に増加してきた癌です。日本人では一生の内に30人に1人がなるといわれていますし、米国では8人に1人なるといわれています。増えてきた理由は、社会の変化(晩婚化、初産年齢の遅れ、初潮年齢の早くなる)や生活、特に食生活の変化(食生活の欧米化)などがいわれています。Y.Kさんの場合は34歳、独身ということなので、初産年齢の遅れが1つ当てはまるかもしれません。乳癌は遺伝との関わりの大きい乳癌ですが、大部分の乳癌は遺伝と関わりなく散発的に生じるとされています(米国では80%程度)。残念ながら健康的な生活をしていた人も乳癌になる可能性はあります。免疫を高める治療は、医師側からの積極的なアプローチは多くの場合なされていません。直接のお答えにはなりませんが、乳癌の予防には野菜を多くとること、ストレスをためないこと、また日本人には乳製品の摂取が良いといわれています。(文責 福間)
【No.1475】 03年04月16日 fuc
再発についてお教えください昨年5月にしこりに気がつき、6月に近所の診療所で乳癌検診を受けました。大丈夫だと思うけれど念のため専門の先生がいらっしゃるから検査をしておくようにと、近くの総合病院を紹介していただきました。触診とマンモの検査のあと、白い影があったため、細胞診をして次回エコ-の予定がはいり、乳癌と診断されました。7月2日に右乳房温存手術を受けました。ステ−ジUa、リンパ節転移1個でした。術後順調に回復し、予定通り退院致しました。放射線治療25回、月1回のゾラデックス、ユ−エフティ−服用の治療が始まりましたが、9月に入り悪しんなどが続き、結果、GOT、GPTともに800近くまではねあがっていて、ユ−エフティ−の服用をやめました。肝臓の数値を下げる為、点滴を2週間続けました。それとツムラの漢方薬の処方でした。10月に入り、ようやく肝数値も落ち着き、11月よりフルツロンの服用となりました。その後も体がだるくなったりして、フルツロンを飲んだり飲まなかったりしていました。主治医の先生はゾラが有効だから、いやだったら飲まなくてもいいよとのことでしたが、飲んでおく方が望ましいとのことでした。1月に術後半年のエコ−を受けましたが、またしこりができていて、たぶん脂肪の変性だろうと思われるが、念の為、細胞診をいたしました。そのときには異常はみとめられなかったのですが、どうしても気になったので、3月の診察のときにもう1度細胞診をしていただきました。結果、局所再発だと4月の診察のときに告げられました。乳管内に残っていたのかもしれないとのことでした。この22日に手術予定ではありますが、又同じ苦しい治療が続くかと思うと、何の為にこの半年がんばったのかと情けなくなります。それと再々発や転移のこととかを思うと不安です。再発のことでご教授いただければと思います。
PS: 45歳既婚、子供が一人おります。流産を3回いたしました。乳房温存後の乳房に再発(乳房内局所再発)し、今後の治療に関してお悩みのことと思います。放射線治療をすでに施行された後の再発ですので、再発部分を切除する外科手術が基本的な乳房局所の治療になります。またそれと同時に今まで薬剤を用いていての再発ですので、今後は別のお薬を用いて全身の治療をしていくことになる思います。乳房を全部とった後の局所の再発では、全身に転移がある可能性が高いのですが、温存後の乳房内再発では局所に癌がとどまっている可能性も高いのです。今後の抗ガン剤の治療ですが、ユーエフティーで肝機能障害が生じていますので、別系統の薬剤を使うことになります。抗ガン剤の種類は多くあります。そして副作用を軽減する方法もあります。(文責 福間)
【No.1474】 03年04月16日 S.E.
高齢者の乳癌について大正14年生まれ、現在78歳です。約30年ぐらい以前、左乳房を乳癌のため切除致しました。最近右の乳房の乳頭の上にしこりを感じるようになりました。乳癌の再発でしょうか?
ご本人がいわれているしこりが、乳癌の再発を考えさせるしこりかどうかは文面だけでは判断できません。術後30年目なので頻度は少ないかと思いますが、乳房切除したあとの胸に再発することは30年目でもあります。心配のことと思います。早めに乳腺外来を受診してください。(文責 福間)
【No.1473】 03年04月16日 kei
ホルモン剤の副作用についてご相談お願いします。ゾラデックス注射を2年で終了し、現在ノルバテックスを1日2錠服用して1年になります。ノルバテックスは5年服用予定です。今までも動悸、発汗、のぼせなど更年期障害の様なものはありましたが、なんとか我慢してきました。職場の最近の検査でコレステロールの値が285まで上がり、血糖値も118と高くなっていました。これは狭心症や心筋梗塞を起こすおそれがあると言われました。前に主治医からホルモン剤の作用でコレステロール値が少し高いかなと言われた事がありました。その時は250位でした。やはりホルモン剤の副作用でしょうか? 今後、ホルモン剤をどのように服用していったら良いのか、やめた方が良いのか、来週検診予定なので、ご意見お聞かせください。
ノルバデックス服用にはコレステロールが上昇するなど高脂血症という副作用があります。継続的に上昇してきているようですので、副作用の可能性があります。ノルバデックスを中止するかどうか、他の薬剤に変更するかどうかは、keiさんの年齢、病気の程度により決めなければなりません。主治医に相談された方がいいと思います。(文責 福間)
【No.1472】 03年04月16日 HIDE
肺転移の症状などについて38歳の妻のことでご相談したいことがあります。妻は2年3ヶ月ほど前に左胸摘出手術を受けておりますが、手術後は2年間ゾラデックス+フェアストンによる治療のみ受けてきました。術後の診断は「浸潤性小葉がん」とのことでした。術後2年が経過し、今年1月でゾラデックスを卒業、3月には生理が戻ってきており、今は、主治医からフェアストンのみ処方してもらっています。数週間前から、黄緑色の痰が混じった咳をしており、頭痛・めまいも訴えております。3日前に近所の耳鼻科で、@バナン(抗生剤) Aリチーム(炎症止め、痰切り) Bリン酸コデイン散(咳止め) Cホクナリンテープ(気管支拡張) Dメリスロン錠(めまい止め)などをもらい、服用(貼付)しています。咳は今のところ治まるどころか、ひどくなっているように感じられ、「乳がんの肺転移の症状ではないか」と非常に不安です。肺転移の症状にはどのようなものがあるのか、お教え下さい。また、3/4に主治医の指示で胸部レントゲン、CT、血液検査など受けています。すでに1ヶ月以上経過しているわけですから、当然検査結果は出ているのでしょうが、次の受診日は5/6ですので、それまで検査結果がわからず不安な毎日を過ごしています。万一「転移の疑い」など悪い診断結果が出ている場合、病院は次の受診日を待たずに電話等で患者に連絡してくれるものなのでしょうか。それとも、「何も連絡がないのは悪い症状が見られない証拠」と安心しておればよいのでしょうか。アドバイスをお願いします。
乳癌の肺転移にはいくつかの種類があります。@肺にしこりを単発ないし多発で作るようなタイプ(いわゆるみなさまが思う肺転移)と、Aリンパ管をつたって肺全体にガンが薄く広く広がるタイプ(癌性リンパ管炎)があります。種類により症状が異なります。@のタイプでは多くの場合長い期間症状がでないことがあります。しこりの数が多く、大きくなれば呼吸困難や血痰、胸水などが生じます。Aのタイプでは呼吸困難(歩いていて息が苦しいなどいわゆる息切れなどの症状からもっとひどいものまで)が中心となります。その他、咳(痰のでない乾いた咳が普通です)などの症状がでます。奥様が肺転移かどうかはmailだけではわかりません。3月に検査をしたのであれば、不安をかかえるより積極的に主治医に連絡を取り、受診の手続きなどをとられた方がいいかと思います。病院では検査結果を確認し電話をする病院もありますし、そうでなく患者さまが来院して初めて検査を確認する病院もあります。(文責 福間)
【No.1471】 03年04月16日 H.M.
乳癌の心配と検診について始めまして。29才女性、独身です。最近胸部のしこりが気になっています。半年くらい前から、右を下にして寝ると乳首の右横(外側)辺りに違和感(固いものが当たる感じ)を感じ、少し痛いのです。4年程前に、二度右肺に気胸を起こし手術をしたことがあり、それ以来、右胸の肋骨の間にひきつる感じがあったので、初めはその影響かと思って放っていました。ところが、本を借りて自己検診方法に従って触ってみると、1cm程度のしこりのようなものを感じ、少し痛いのです。また、右の乳首は陥没しているように思いますし、右と左の乳房の大きさは明らかに違いすぎる(右の方が小さい)のです。また、ついでに左も触ってみると、内側の下の方に漠然としたしこりのようなものを感じます。痛くも何ともないのですが、そちらも気になります。また、乳癌は女性ホルモンと関係あるということですが、私は生理不順のため、ホルモン剤(以前はルトラールとプレマリンを、この2ヶ月はドォルトン)を服用しています。何か影響あるのでしょうか。一応検診に行こうと思っているのですが、なかなか仕事の休みと合いません。3週間後くらいには検診に行けそうなのですが、その前に休みを取ってでも急いで見てもらった方がよいのでしょうか? (3週間くらい問題無いのでしたら、休みたくないのですが・・・。) 乳癌かどうか、気になりますし、急ぐべきかどうかもお聞きしたいと思っています。よろしくお願いします。
しこりなど、初めてさわってわかるものなどを言葉で表現するのは困難ですし、またそれでいかなるものかを判断しお伝えするのも困難です。お話だけですと、気胸の手術の後や、普通の乳腺症である可能性もあるかと思います。また無用な心配をおかけするのもはばかれるのですが、やはりそのような形で乳癌が見つかる場合もあります。これほど心配してmailされるぐらいですので、3週間心配しながら受診を待つのもかえってつらいことかと思います。土曜日に外来をやっている乳腺外来もあります。できれば早めに受診し安心されたらどうでしょうか?受診までの期間、生理不順のお薬は大きな影響を及ぼさないと思います。(文責 福間)
【No.1470】 03年04月16日 S
乳癌検査についてこんばんは。現在34歳、19歳で左胸にしこりがみつかり(2センチ)、摘出したところ良性でした。当時もう一つしこりがあったので、21歳で再検査したところ、左胸に数十個・右胸に数十個ものしこりが出来ていました。そのときは、大きいしこり3つに注射器で分泌液をとり良性と言われたのですが、それからは検査に行っていません。多数のしこりがある場合は、どのような検査をするのでしょうか? 複数のしこりだけを調べて、すべてが良性とわかるんでしょうか?
代表的なしこり1つの切除と、3つのしこりの細胞だけを採取する細胞診を行ったとのことですが、残りの多くのしこりに関しては、超音波などの検査で、同じ様な“しこり”だろうと判断したのだと思います。実際上、全てのしこりを細胞診や切除で検査をすることは不可能です。残りのしこりが違った性質のもの(例えばガン)であれば大変ですので、数カ月毎の経過観察を行うことが多いと思います。その中で大きくなるものがないか観察することになります。20歳前後のころは良性腫瘍とはいえ、それ以降の年代とは違った経過をたどることがあります。現在は34歳とのこと、今もそのころと同じ様なしこりがあるかはわかりません。20歳以降病院を受診していないとのこと、是非乳腺外来を受診して下さい。(文責 福間)
【No.1469】 03年04月15日 H.B.
胸の苦しみと痛みとしこりについて40歳、メキシコ在住のものです。子供はいません。しこりがいったいどんなものなのか気にもせず今まで過ごしてきました。生理前など、胸がはったり硬いものは常にあったような気がしていたからです。ところが3ヶ月前程に事故で背中を打って胸部レントゲンを撮りました。首の痛みもひどく動けない状態が1週間、その後2週間ほどで回復しましたが、胸部はずっとすっきりしない状態です。レントゲンでは「石灰化が多い、でも誰にでもあるので気にしなくていい、肋骨など異常はない」と断言され、しかし3週間後に苦しくて夜間の救急センターに行きレントゲン撮影、「骨が折れてるかどうかわからない、異常な増加が見られる、個人的な病気も考えられるから主治医に相談しなさい」と言われました。(こちらでは主治医を通して専門の病院に廻される) その後総合主治医も石灰化は誰にでもあるから大丈夫と相手にしてくれませんでした。それから3ヶ月、まだ何かすっきりしないので胸を触るとかなりい大きいしこりがあります。病院では触診であきらかにしこりがあるからマンモに廻され、マンモではエコーに直接廻ってくれと(解説するとこちらではそれぞれの検査は専門の医師がいてその結果を婦人科の主治医にもっていき指示を受ける)。それらの結果は後日引き渡されるそうです。今は胸が痛くて、肋骨まで痛い。息をしても苦しい。痛み止めを飲んでいます。右足のひきつるような痛みと左の肩こりも気になります。先生との予約は今月末です。何の検査結果もない状態だし、コメントしづらいとは思いますが、末期がんとか考えられるでしょうか? しこりは自分で触った感じでは3〜4センチ以上の大きいボールのようなものです。宜しくお願いします。
今回の胸の苦しみ関しては、外傷との関連と、乳房のしこりとはまず分けて考えられると良いかと思います。普通のレントゲン写真では乳房のがんと関連ある石灰化が写真に写ることはまずありません。ですから石灰はまず別物と考えた方がいいでしょう。また胸が重苦しい感じや痛みも外傷との関連が最も考えやすいと思います。しかしそれとは別に乳房にしこりがあるとのこと(外傷で乳房を打撲したのであれば、血腫がたまっている可能性もあります)。それに関してはマンモグラフィ、超音波検査をする必要があります。こればかりは早く結果を主治医の先生に聞かれる必要があります。(文責 福間)
【No.1468】 03年04月15日 T.A.
手術方法について母(63歳)は左胸に0.8mmの悪性腫瘍が見つかり、昨日より入院し14日に手術を受ける予定です。今回の手術では、乳房温存でセンチネルリンパ生検での手術をすすめられています。母は昨年の8月に甲状腺乳頭癌の手術もしており(術後は良好)、今回もしリンパ節を切除しなかった場合、再発の確率が高くなるのではないかと心配でなりません。主治医の先生は、「至って早期の発見であり、もしリンパ節に転移が見られなかった場合には必要以上に処置をする必要はない。センチネルリンパ生検は100パーセントの絶対性はないが、もしリンパ節を切除した場合でも再発の可能性は0ではないので、このように早期で癌が見つかったのだから術後のQOLを高めたほうがいい」とおっしゃっています。術後の放射線療法においても「術後に必要であれば行う」とおっしゃっています。早期の段階で発見し処置出来れば、今回のような対応でも大丈夫なのでしょうか? 返信お待ちしております。よろしくお願いいたします。
お母様の乳癌が1cm以下の大きさで見つかり、早期発見であったとのこと、1cm以下の乳癌であればこそセンチネルリンパ節生検をするかどうか悩むことだと思います。センチネル生検に関しては、導入が始められてそれほど年数のたっていない手技です。しかし乳房温存術が急速に普及したように、今後急速に普及していくだろうと予測される手技です。「その手術のみにするか?リンパ節郭清をするか?」に関しては、手術されるご本人がどう思われるかによると思います。確率は少ないかと思いますが、術後にリンパ節再発が生じる可能性はゼロではありません。低い確率でも再発をおそれる方であれば、精神的なQOLが下がる可能性があります。患者さまご本人の性格などにもよると思います。放射線治療にも同様のことがいえます。手術でとったものを、たとえば総て5mm刻みで調べる検査をすれば、放射線治療なしでも良好な成績がでています。(文責 福間)
【No.1467】 03年04月15日 M.K.
鈍痛と治療をやめる時期について1年半前に温存療法をしました。ステージ2bで34歳リンパ転移なしです。ホルモンレセプターの一つがプラスだったので放射線ののちホルモン療法、月1度のゾラデックス、朝晩ノルバデックスを服用中で、とりあえず皮下注射は夏には2年経つのであと5回くらいです。質問は2つあるのですが、
1)最近前より特に朝方生理痛のような鈍い痛みが感じられます。何かをしてると忘れているという感じですが、まだ卵巣の働きがあるのか?気のせいかとも思うのですが・・・。下半身を検査されるのは抵抗もあるのですが、検査したほうがいいのでしょうか? いまかかっている病院では術前は乳腺専門医がいたのですが、今はいなくなってしまい、注射と薬くらいならと外科医で手術をしてくれた先生にみてもらっているのですが、再発検査以外の健康診断もしていないので心配もあります。
2)先日、風邪で医者にかかったところ、甲状腺がはれていると言われ、見てもらったら慢性甲状腺炎みたいなことを言われました。初期の段階らしいし気づかず終わる人もいるので、あまり気にしないでいいとのことですが、直接はこのホルモン療法とは関係ないようですが、いろいろ副作用が表立ってくる頃なのかと思ったりもしています。今のところは質問1のようなことと、ほてりや情緒不安定など更年期障害のようなものしか自覚してないですが(2年たったところで今後については考えようということになっていますが)、皮下注射が終わってもガイドライン通り5年分(残り3年)続けたほうがいいのでしょうか。現在子供もいないためできれば終わりにしたい気も強いのですが、やめて再発するほうがこわいような気もしています。よろしくお願いします。@に関してですが、何らかの子宮・卵巣に関する不安をお持ちとのことです。乳癌の方は卵巣や子宮体部の病気をお持ちになる率が、乳癌でない方に比べやや高くなります。また乳癌術後で内分泌療法を受けている方とのこと、婦人科受診は大変かもしれませんが、受診をお勧めします。また1年に1-2回の婦人科検診をお受けになることもお勧めします。
Aに関してですが、皮下注射後もノルバデックスを継続するかですが、2年、5年、そしてそれ以上の期間ノルバデックスを服用するかについては、一概にガイドライン通りにするべきとは限らないかと思います。子供さんが欲しいなどとのことを考えれば、いろいろな要素を考えて決めなくてはなりません。ご自身の希望がどうかもはっきりさせ、その上で主治医に相談されるのが良いかと思います。(文責 福間)
【No.1466】 03年04月15日 YUKIKO
乳頭部腺腫手術後のしこりと授乳についてこんにちは。私は31歳で、現在妊娠9ヶ月です。2001年の11月に乳輪下にあったしこりを手術切除し、乳頭部腺腫と診断されました。細胞が良悪がつきにくく、大学病院や病理学会などにまわされて診断には数ヶ月かかりました。主治医の先生も、今後再度しこりができるかもしれないし、悪性のものができるかもしれない、母乳もでるかどうかはわからない、といった不安な要素を残しながら半年に一度の定期検診をうけています。手術後1年半が経とうとしているのですが、現在妊娠9ヶ月でまた同じ場所にしこり(1cmもないと思います)を触れます。手術の際にできた切込みが固くなってしこりになっているのか、また充実性のしこりが再発したのかわかりません。透明な分泌物も乳頭からでてくるのですが、これは妊娠しているからなのか・・・。妊娠中ということがあり、必要適切な検査がうけられないので、ただただ不安な毎日です。出産後体調がよければすぐにでも検査を受けたいのですが、また結果を待つまでに数週間、数ヶ月かかりそうです。母乳か悪性の分泌物かわからないので、来月生まれた赤ちゃんに授乳をする際に、やはりしこりがあるほうの母乳はあげないほうがいいのでしょうか? 癌細胞が入った母乳を飲んで感染でもしたらあまりにも悲しいので、できるかぎりの対策はしたいと思います。他にも、気をつけたらいいことなどアドバイスがありましたら教えていただけないでしょうか?どうぞよろしくお願いします。
乳頭にできたしこりの診断は、画像診断でもそして細胞の検査(病理検査)でも難しいことが多いと思います。乳頭部腺腫はその代表的なものと思います。基本的には悪性ではないと診断されています。今回のように術後は定期観察していきます。現在乳頭にあるしこりが、手術後による影響なのかどうかはわかりません。妊娠中でも超音波検査は可能ですので、心配なら超音波検査を(現在通院している病院と手術を受けた病院が違うのであれば、通院中の病院に相談されるのも1つの手でしょう)受けられたらどうでしょう? 分娩後の検査では画像診断がおそらく診断の中心となると思うので、おそらく診断がつくのに何ヶ月も待つ可能性は少ないのではと思います。なお仮にあなたが癌をお持ちだとしても、授乳で赤ちゃんに直接癌が移ることはありません。(文責 福間)
【No.1465】 03年04月15日 M.T.
クラス3aのセカンドオピニオンについてお世話になります。37歳、5年前に1児出産・混合で育てました。今年2月に検診で片側分泌物を調べ、クラス3a.clusterと所見があり、更に精密検査となり、某病院で超音波・マンモグラフィー・乳管内視鏡を受けました。その結果、しこりはないようですが、クラス3aで、半年後に検査という"経過観察”の様なことでした。
@ クラス3aですが、他でも診てもらうべきでしょうか。
A 二人目を妊娠するのには癌へのリスクに関連が少しでもあるものでしょうか。であれば、どの程度とお考えですか?
宜しくお願い致します。細胞診クラスIIIaとの診断でお悩みとのことです。クラスIIIというのは患者さまにとり、また医師にとっても悩ましい診断です。明らかな良性とすることができない細胞が認められたということです。クラスIIIと診断された方の中には何%かの癌の方が含まれることがあります。しかしご存じのようにクラスIIIaとIIIbがあり、IIIaのほうが「良性より」とされています。細胞診は組織を固まりでとる組織診に比べ、確定的な診断をつけることのできないこともあり、クラスIIIであれば何でもかんでも切除して調べた方がいいというわけではありません。今回のように他の検査をして、しこりなどの異常があれば切除などの検査にすすむというのが普通だと思います。今回乳管内視鏡までされて病変がないとのこと、少なくも現在切除して調べた方がいいような病変は認められなかったとのことです。率は低いとは思いますが、経過観察中にしこりなどの異常が認められることがあります。そのために経過観察が必要となります。3-6月後というのが普通かと思います。現在M.T.さんにごく微小な乳癌を持つ可能性はゼロではありません。妊娠中にホルモンの関係で病気が大きくなることがあります。2人目の妊娠は2回目の検査後が安全と思います。(文責 福間)
【No.1464】 03年04月15日 M.N.
術後の胸の痛み母(76歳)の術後のリンパ液と胸の痛みについてご相談させて頂きます。左乳房リンパ術をえぐる様に手術(レベル3でした)後、今年で3年目になります。術後、腋下のリンパ液がたまり、また左胸が鉄板のように冷たく重く、痛みを伴っていました。担当医からはある程度は仕方ないと言われてきましたが、リンパ液についてはお願いをして何度か液を抜いてもらっていましたが、あまり痛みの状況は変わりません。担当医も、心配ないので抜かなくてもよいといいます。仕方なく、痛みがあると腕を上にしたりしてマッサージをしていますが、一時的な対処にしかなりません。最近はそちら以上に左胸の痛みが強くなっている状況です。こういった症状への対処方法は何かないのでしょうか?再発可能性と関連があるのでしょうか?
乳癌術後の痛みに関するご質問です。入院中あるいは手術後すぐの通院中の痛みと、3年経過後の痛みとは区別して考えた方がいいかと思います。3年経過しているので傷のところのリンパ液はたまっていないかと思います。ただ左上肢のむくみがあるかもしれませんが、それは術直後のように針をさして抜くわけにはいきません。術直後以降の胸の痛みは、乳癌術後慢性疼痛症候群といい、筋膜痛など様々な原因で生じます。以前にもお答えしたように痛みの原因を検査しなければなりません。もしよければ帝京大学溝口病院麻酔科 山内圭子先生 044-844-3333 がその痛みのご専門です。受診されればいかがでしょうか?(文責 福間)
【No.1463】 03年04月15日 アキ
乳がんとホルモン剤について私は現在、不妊治療中です。子宮内膜症で手術経験もあります。検査の結果、不妊の原因になるものはありませんでした。子宮内膜症のこともあるので、早く妊娠するため排卵に障害はないのですが、タイミングを合わせるために、排卵誘発剤を使っています。10日ほど前から、左の乳首の下に湿疹ができ、治りません。その後、右にも同じようなものができました。服にべったりつくぐらい、膿のようなものがでます。乳房自体にはしこりのようなものはないようです。ホルモン剤と乳がんは関係あるのでしょうか。乳がんとは別に、排卵誘発剤で乳腺に何か異常が起こることがあるのでしょうか。
排卵誘発剤と両乳首の湿疹の因果関係は不明です。しかし服にべったり付くぐらいですから、何らかの診断が必要になります。もし可能なら婦人科の主治医に相談されると共に皮膚科にも受診されたらどうでしょうか? なお排卵誘発剤と発ガンの関係に関しては坪野先生のHPをご参照下さい。(文責 福間)
【No.1462】 03年04月15日 K.Y.
骨転移による痛みの緩和についてはじめまして。乳がんからの骨転移(多発性骨転移)で、腰の痛みに耐えている母の事についてお尋ねします。今、通ってる病院では、MSコンチン朝夕4錠と、ボルタレン座薬を処方するのみで、痛みを取る努力をして頂けません(癌の痛みだから仕方ないとあきらめ腰の医者)。私たち家族もみているのがつらく、本人も痛みさえ感じなければ元気でいられるのです。痛みをとり、また以前のように普通に歩き、日常生活を送れるようになるのでしょうか? また、痛みを理解してくれ、痛みをとろうと努力してくれる医療機関を探しています。住まいは、東京都あきる野市です。どこへ行ったら良いのか分からず足踏み状態です。前に進めるようにアドバイス下さい。宜しくお願い致します。
乳癌多発骨転移で、腰痛など癌性疼痛で苦しんでいられるとのことです。癌性疼痛に関しては基本的には主治医の先生が出しておられる投薬が基本的な治療と思われますが、現在のMSコンチンの量では痛みのコントロールが十分にできていないと思います。MSコンチンの量などを増量する事などが考えられますが、そのほか腰の転移部位に放射線治療を行うなどの治療法も考えられます。痛みのコントロールに関してはペインクリニックという専門外来があります。もしかかられている病院でそのような科があれば、主治医の先生にご相談ください。(文責 福間)
【No.1461】 03年04月11日 A.I.
胸(しこり)の痛みについてお世話になります。相談させてください。私は26歳の女性です。半年位前、右胸にしこりができ(縦1cm、横2cm位)病院で診てもらったところ線維腺腫と診断されました。診断の際、レントゲン・エコー・細胞採取をしました。診断前からしこりに痛みがあったのですが、最近、刺すような痛みがあります。他の皆さんの相談を見たところ、細胞採取をしたためと思われますが、いかがでしょうか? また、生理前には胸がはって痛みますので、それと関連があるのでしょうか? お忙しいところ恐縮ですが、御回答いただけると大変助かります。どうぞよろしくお願いいたします。
乳房の痛みとしこりとの関係に関するご質問です。生理前に乳房が張ることはみなさん経験されていると思います。痛みが周期的なもの(数日間ないしはそれ以上だが一時的なもの)であれば、生理との関連があるかもしれません。また穿刺細胞診との関連ですが、穿刺細胞診を施行したのはいつのことでしょうか? 半年前に穿刺したのであれば今回のこととは関係ないことである可能性が高いかと思います。線維腺腫自体、ないしその周囲が痛いと訴える方は時々いらっしゃいます。しこりが急に大きくならない限り、痛みとしこりの悪性化などとの関連は非常に少ないことと思います。(文責 福間)
【No.1460】 03年04月10日 O.M.
母の乳がんについてはじめまして、母のことでご相談がございます。約7年前に乳がんの手術を温存で行いました。リンパ節は取りました。その後約10回ほど放射線治療を行いました。当時はフルツロンという抗がん剤を服用しました。ステージは当時1から1.5くらいとのことでした。その後、3年目に頭の頭蓋骨に転移して、骨を少し削りチタンを入れ、人工硬膜を使用しています。今回2度目の手術から4年たった現在、定期健診では、CT、MRI、骨シンチとも異常はないとのこと。しかし、約2ヶ月くらい前から、最初に手術したところに少し重苦しい、引き連れるような痛みが出たそうです。赤くぽつぽつとしたものは一切出ていませんが、手術したところと腕が少し重苦しいようです。最近は患部をよく温めてマッサージをしているので、以前ほどの痛みはないようですが、以前として少し痛みはあります。CTやMRIでは、確かに炎症をおこしていて、水がたまっているとの診断でした。ガンがどうかはわからないとのことでPETを進められ、受けることになりました。CTやMRIでも、がんが見受けられない場合でも、PETで見つかることはあるのでしょうか? また、患部に重苦しい痛みがあるというのは、再発の可能性が高いのでしょうか? 炎症が起きて水がたまるというのはどんなことが考えられるのでしょうか? 家族としては心配でたまりませんので、どうかご教授をお願いいたします。
患部の重苦しい感じと再発との関連に関しての御質問です。乳房切除後は数年以上たっても再発がなくても患部が痛むことはあります。しかしお母様に関しては、CT.MRIで水がたまっているとのことです。どこに水がたまっているかが重要なことです。肺の周りでしょうか? それとも腕の方でしょうか? 肺のまわりの水(胸水)であれば再発などを考えて精査しなければいけません。PET施行の是非に関してですが、胸水だけであればPET検査が必要かどうかはわかりません。御質問の内容だけではご返事はむずかしいと思います。PETで、CTなどで発見されない転移巣が見つかる可能性はあります。状況をも最も把握してくださっている主治医と納得がいくまでご相談下さい。(文責 福間)
【No.1459】 03年04月10日 chiko
葉状腫瘍?50歳の女性です。2、3年前より乳房に左右差がありました。昨年12月では8×6cmで、バイオプシーでは異常所見なし。3ヶ月後の再検で12×12cmになっていました。葉状腫瘍だろうと切除しました。600g以上ありました。切除後の生検で線維腺腫瘍もといわれましたが、どちらが疑わしいでしょうか。また、線維腺腫瘍でも切除は適応するのでしょうか。乳腺は少し残しただけでほぼ切除し、一時的な生食パックで再建しました。永久パックとの違いはどんなところでしょうか。ご示唆頂ければ幸せです。
600g以上ある大きさで急速に?大きくなったしこりに関しての御質問です。画像の検査から乳癌よりは葉状腫瘍、線維腺腫などの腫瘍が疑われたのだと思います。50歳代の女性で急速に多きくなるしこりであれば、たとえ線維腺腫だと思われても切除することが原則だと思います。放置しておくとどんどん大きくなりますし、なかには悪性ものがあったりします。また葉状腫瘍・線維腺腫の区別が難しい場合もあります。
また再建に関してですが、一時的生食バックというのはティシューイクスパンダーのことと思います。乳房の形を整える(乳房再建)ために一時的にいれておくバックです。私の経験では1-2年で寿命がくると思います。いずれにせよ永久留置用のバックとの交換を前提に留置するものです。(文責 福間)
【No.1458】 03年04月10日 sei
腋のしこりについて24歳、既婚、子供1人。2ヶ月ほど前に左のわきの下あたりにしこりを見つけました。その時は気にせずにほおっておきましたが、2ヶ月たった今も消えないので、よく触ってみるとわきの真ん中と上にも同じしこりがありました。しこりは5ミリほどで、硬く、触ってつまめるほどです。痛みはありません。あと、いつからかはわかりませんが、左の乳首にほくろのような黒い出来物?があります。これもしこりと関係があるのでしょうか? 乳がんの可能性はありますか? ご回答宜しくお願い致します。
左腋のしこりに関する御質問です。脇の下(腋窩)にできるしこりにはリンパ節、副乳、そして皮膚のできものがあります。5mm程度の大きさのリンパ節を自分で見つけることは大変難しいことです。もし皮膚近く(表面)で硬いしこりとして触っているとしたら、皮膚のできもの(粉瘤など)と思われます。診断に関しては、乳首のほくろ状のものですが、やはり専門医(乳腺外科)にみてもらうことになります。(文責 福間)
【No.1457】 03年04月10日 M.S.
急性化膿性乳腺炎について娘は3歳で、生後半年まで母乳をあげていました。そして娘が2歳9ヶ月の時にしこりに気付き、現在に至ります。昨年の12月中旬に胸のしこりに気付き痛みが激しかったので、翌日慌てて産婦人科へ行きました。しこりの大きさは8cm×6cmでした。そこの産婦人科はおっぱいマッサージに力を入れていて、1週間毎日通いマッサージを受けましたが、痛みがどんどん増してきている感じがしました。そちらではエコーのみの検査です。実は其の時には転勤が決っており、1週間後には新しい土地へ行くので病院に行くのを悩みましたが、痛みにたえかねて、病院へ転勤までの1週間通い続けました。紹介状を書いてもらい、新しいところで総合病院の外科に通い始めました。そちらでは胸を挟んでレントゲンを撮ったりエコーでみたりして、毎週通っていました。薬を処方され、最終的に針をさしてしこりの細胞を検査しましたが、癌ではないとのことで、化膿性乳腺炎と診断されました。そのため、前病院でのマッサージは悪化させただけだと言われました。今では痛みも治まり、乳首付近より穴が3箇所あいて膿と血が出てきましたが(3ヶ月間です)ようやく穴もとじかかってきました。しかし、しこりはやわらかくなったものの、まだ大きく、子どもももう1人欲しいのでこれからどうなるのか不安です。膿と一緒にしこりは消えるといわれてきましたが、もう閉じかかっていて、2人目を生んだ際に母乳で育てられるのでしょうか? しこりは消えないままでしょうか? 今の大きさは5cm×5cm位です。ネットで色々検索しましたが、詳しい事を調べる事が出来ませんでした。化膿性乳腺炎の症状ばかりで・・・。よろしくお願い致します。
急性化膿性乳腺炎は基本的には授乳期に多い病気です。娘さんが2歳9月とのこと、おそらくは授乳期が終わってしばらくたつのではと思います。授乳期以外で乳房の炎症が生じる原因として多いのは、乳頭乳輪周囲に生じる慢性乳輪下膿瘍です。陥没乳頭などが原因となり、乳頭乳輪周囲の硬結と炎症を繰り返す病気です(乳首のへこみ、陥没はありますか?)。多くの場合8cm大の大きな膿瘍は作りませんが、全くできないとは限りません。その場合、乳首だけでなく乳輪などに穴があいて膿がでてきます。原因が陥没乳頭ですので、陥没乳頭に関わる乳管の手術をしないと今後の授乳の場合だけでなく、そういった炎症を繰り返すことが多いかと思います。それ以外には慢性肉芽腫性炎症があります。乳房に大きなしこり(硬結)を生じ、中に一部膿瘍がたまることがあります。この場合は治療法などまだ未確定のことが多いと思います。上記のように授乳期かどうか、陥没乳頭の有無、膿の量などで想定される病気が違ってきます。主治医に充分納得がいくまでご相談下さい。(文責 福間)
【No.1456】 03年04月05日 W.I.
右鎖骨上リンパ節転移について初めまして。妹のことでご相談します。宜しくお願い致します。既婚、流産2回、子供二人の42歳です。2000年5月に右胸(乳首より上内側)にシコリを見つけ、外科医院で検査したところ、細胞診で擬陽性と出て、先生の勧めで、組織診をするよりシコリを取ってしまって検査する方が良いと言われ、6月末に手術してシコリを切除しました。結果は癌で、初期のものといわれました。(後の話で硬癌・T1・n0・m0・16mm×15mmと聞きました。) 引き続き紹介で総合病院に移り、念のためリンパ節も取った方が良いと言われ、腋窩リンパ節郭清手術を7月14日にしました。その結果、リンパ節には転移は全く見られないということでした。術後、放射線治療を2グレイ×25回受けました。ホルモン療法が効くということで、今までソシゲンを服用しています。そして、昨年8月、右鎖骨上のくぼんだ所に小さなしこりを見つけ、放射線科の定期検診で先生に相談しましたが、まだ小さすぎて細胞診が難しいとのことで、様子を見てきました。この3月に小豆大になったしこりの細胞診と組織診を受け、癌の転移と診断されました。現在、胸やお腹のCT、骨シンチの検査の結果待ちで、その後すぐ治療を開始することになるのですが、お尋ねしたいのは右鎖骨上リンパ節以外に転移が見られない時の治療についてです。病院の先生は、他の臓器への転移の可能性を考慮に入れてか、また、化学療法の効果を見るためにも、手術はせずに放射線と化学療法でやっていくのがよいとお考えのようですが、この相談室の1322の方の相談内容を読みましても、私ども身内としましては手術の可能性も考慮に入れたいのです。他に転移が無い場合、手術を選択される割合はどのくらいなのですか。手術が難しい場所のようですが、どんなリスクや後遺症が考えられますか。また、逆に手術しないで放射線で治療した場合、外科的に切除するのと同じくらいの効果を得られることはあるのですか。できる限り最善の治療をしたいと思うのですが、妹の住む県はPETもまだ一台も導入されてない地方なので、もう少し確実な診断を仰ぎに専門の病院に受診した方がいいのかと迷っています。先生ならセカンドオピニオンを求めに行くことをお勧めになりますか。どうぞ宜しくお願い致します。
右鎖骨上リンパ節への転移は、遠隔転移と同じに考えなければなりません。つまり、肺や骨、肝臓といった離れたところに飛んだ転移と同等に考えなさい、他の臓器への転移の可能性を考慮に入れて全身の治療を行いなさい、という状況であると私たちは考えます。つまり、手術によって鎖骨上リンパ節を切除する治療を行っても行わなくても、治療の中心はやはり化学療法になります。また実際に、手術をした場合としない場合で治療成績に差があるかどうかですが、一般的には差がないと考えられています。しかも手術を行う場合、鎖骨上のリンパ節はここからここまでです、と判りやすく目印があるわけではなく、奥の方までずっとつながっています。神経や血管を傷つけずに進むことは難しく、ごく限られた範囲の切除で終わることになります。最善の、標準的な治療は、放射線と化学療法の組み合わせです。(文責 緒方)
【No.1455】 03年04月05日 T.M.
ハーセプチンについて初めてお便りします。先日、知人から、「ハーセプチン」と何か(抗ガン剤?)の組み合わせで肺に副作用が出て、死亡例があると聞きましたが、本当なのでしょうか? ハーセプチンのみだと大丈夫なのでしょうか? よろしくお願いいたします。
ハーセプチンの副作用についてですが、何かとの組み合わせではなく、ハーセプチンのみでも副作用があります。一つは心機能障害です。特に以下の患者については、心機能検査(心エコー等)を頻回に行うこととなっています。
(1) アントラサイクリン系薬剤を投与中の患者又はその前治療歴のある患者
(2) 胸部へ放射線を照射中の患者
(3) 心不全症状のある患者
(4) 冠動脈疾患(心筋梗塞、狭心症等)の患者又はその既往歴のある患者
(5) 高血圧症の患者又はその既往歴のある患者は、ハーセプチン投与にあたっては、事前に必ず心機能の評価をする必要があります。
また、Infusion reaction(症状:発熱、悪寒、嘔気、嘔吐、疼痛、頭痛、咳、めまい、発疹、無力症等)という副作用が知られております。これは投与開始後24時間以内に多くあらわれますが、特に重篤な副作用としてアナフィラキシー様症状、肺障害等(気管支痙攣、重度の血圧低下、急性呼吸促迫症候群等)が発現し、死亡に至った例も報告されています。これらの副作用は、特に安静時呼吸困難(肺転移、循環器疾患等による)のある患者又はその既往歴のある患者において重篤化しやすいといわれております。頻度不明とされていますが、国内では0.3%に重篤なInfusion reactionが発生し、0.04%の死亡例を認めているということです。乳癌治療に非常に重要な薬剤ですが、残念ながらこのような副作用もありますから、十分納得された上で使用されることが大切です。(文責 岡本)
【No.1454】 03年04月05日 Y.S.
今後の治療について41才、未婚女性です。宜しくお願いします。10年前、右胸に指で分かるかどうか位のしこりが出来て、癌専門病院で検査しました。良性の腫瘍が数個分かり 全部で1センチもなく、半年間隔で見ていくことになりました。しかし、その間にどんどん大きくなり、6ヶ月後 1個だけでも2センチ以上になっていました。たぶん良性だろうと曖昧な医師の言葉に不安になり、別の病院で検査した結果、全部で4センチ以上に大きくなっていました。針を刺して中の細胞を調べていただき、乳頭腫良性腫瘍とも思われるが、エコー,触手にてエクボなどあり、悪性の可能性もあるという診断を受け、腫瘍がある部分4分の1を摘出しました。その結果、管内浸潤型乳頭癌Stage2 T2 No Mo であることが分かり、今度は全摘出手術を受けました。病理検査にて広範囲に癌が点在していましたが、幸いリンパには転移無く順調に回復し、形成手術もして不自由なく生活していました。ところが、去年5月に、反対の左の乳頭から毎日小豆粒くらい出血が見られるようになりました。押すとたくさん血液がでます。今度もMRI、エコー、マンモ、腫瘍マーカー、骨シンチ、針で刺して中の細胞の検査を受けましたが、特に腫瘍は見つかりません。異常としては、白血球等が低く、乳腺が部分的に肥大し血液がたまっており、乳腺症かもしれないので、ボンゾール錠100rを飲み続けましたが、出血は止まりませんでした。
定期的に採血や乳頭より分泌物を検査していますが、悪性は出ません。あくまでも灰色の状態だと主治医から言われます。前回の結果もあり、私の場合わかりにくいのでしょうか。主治医からは癌の可能性が高いので、手術で乳腺に沿って液を入れて6分の1位切除したほうが望ましい。もしも血液が貯まっている部分のみ手術した場合、遠くに癌がある可能性も高く、その場合に温存手術が難しくなるという説明を受けました。セカンドオピニオンとして、同じ病院の先生に見てもらいましたが、肥大した乳腺部分のみの摘出手術でも良いのではないかと言われました。今後どのような治療が最適なのか、悩んでおります。(一月以内にどちらかの手術を受けることになると思います。) 先生のご助言をいただきますようお願い申し上げます。左乳頭からの血性乳頭分泌を認めるが、MRI、エコー、マンモグラフィでは異常がないということですね(この場合、骨シンチは関係ありません。白血球等が低いのも無関係でしょう)。乳腺が部分的に肥大していると言う状態がどういうものかわかりませんが、おそらくエコー上、血液の貯まりが見えると言うことでしょうか。乳頭から血性分泌液が出てくる以上、その奥に何らかの病変が隠れている可能性があると思います。一つの方法として、分泌液の出てくる穴から造影剤を注入して、異常乳管を写し出す検査(乳管造影といいます)を受けられてはいかがでしょうか。そうすれば、乳管の中にあるしこり(もしあればですが)を写せるはずです。その検査結果より、ある程度の情報が得られると思います。さらに生検が必要であると判断されれば、主治医の先生が仰るように乳頭から色素を注入して、染まった範囲を切除してくる手術(乳管区分切除といいます)が必要になると思います。乳頭からの血性分泌を生じさせている原因があると思われる部分を取ってくるわけですから、少なくともその穴からは分泌液が出なくなりますし、病変がどういうものであったのかが明らかになります。(文責 岡本)
【No.1453】 03年04月01日 Kiyomi
細胞検査についてはじめてお便りいたします。よろしくお願いいたします。39歳の1児の母です。1999年に初産。2002年4月の検診で左胸再検査となり、6月、市内の乳腺外科にかかりました。マンモグラフィー・エコー・触診を行い、疑いがあるので、細胞診を行ったところ、うまくとれず、その後、太い針の組織診を行って、レベルが1と2の間ということでした。その後、3ヶ月おきにエコー・触診を行っています。そして、この3月、再度細胞診を行ったのですが、結果はやはりうまくとれません。確かに、しこりの部分のそばまで針がいくと、異常に痛くなり、呼吸もうまくできないような状態になり、血圧も一時的に下がったようです。そこで、先生は、「うまく細胞がとれないため、今度は部分麻酔を行って、疑わしいところに先に青色の液を注入して切開し、組織をとることにしましょう。」といわれました。検査のための切開を行うのに不安があります。細胞診では、私のように通常痛がるものなのでしょうか? また、麻酔をつかった細胞診はできないものでしょうか? そして、この段階で切開を行う組織診は通常のことでしょうか? また、切開の組織診で乳がんと断定されない場合、今後も検査を行うには、この方法になってしまうのでしょうか? よろしくお願いいたします。
細胞診といっても、針をさすので痛いです。局所麻酔をしても麻酔が痛いし、麻酔がしこりをわかりにくくすることもあるので、通常は無麻酔です。また、細胞診の正診率は約75%で、どうしても細胞診だけでは診断がつかないこともあります。次の段階で、生検を行うことは通常のことです。生検には、針生検と外科的生検があります。針生検は、細胞診より太い2段式の針で組織を取ってくる方法です。病変が大きければ、確実に組織を採取できますが、硬いもの、小さいもの、触れにくいものは苦手です。その場合、主治医のおっしゃるとおりの方法がとられます。この方法で正しくとれていれば、診断は確実です。確実に採取できれば、もう取れて、しこりがないのですから、今後この検査をする必要はありません。(文責 緒方)
【No.1452】 03年04月01日 hiro
DCISについて2週間前、左胸の乳首の下にしこりのようなものを見つけて、ある病院の乳腺科へ受診しました。初診の触診では、乳首から少し血が混じった分泌物が出たので、エコー、マンモグラフィの検査をしました。2回目に前回の諸検査の結果とMRIの検査を受けての結果を聞いたのですが、分泌物からはがん細胞は見つからなかったのですが、他の検査を見ると良性か悪性か五分五分と言われました。(写真に白い数ミリのものが2つ写っているのが気になると言っていました。)そのため、穿刺細胞診の検査をしたのですが、その時エコーを見ていた先生が「典型的なDCISだね」と他の先生に言っていたのを聞きました。少し本で調べたのですが、DCISだと転移の心配はないが、全摘しなければならないと書いてありました。まだ検査結果も出ていませんが、心配でたまりません。もしそうだとしたら、全摘しなければならないのでしょうか。またきれいに再建できるのでしょうか。あと、先生は良性でも悪性でもどちらにしても取ると言っていました。長くなってしまいましたが、教えてください。よろしくお願いいたします。
DCIS(非浸潤がん)だからといって全摘しなければならないことは決してありません。乳管の中をどのように広がっているかが問題で、一部に限られていれば温存術は可能です。超音波検査でDCISを疑っても、乳管内乳頭腫などの良性の病変の可能性も十分にあります。検査だけでは、診断がつかないことがあり、「良性でも悪性でもどちらにしても取る」のではなく、正しいニュアンスは、「良性か悪性かは取ってみないとわからない」ということです。(文責 緒方)
【No.1451】 03年04月01日 マミ
乳管内のがん細胞お忙しいところ申し訳ありません。2002年、左胸温存法で手術しました。術後、乳管の中を広がるタイプのがんで、長い所で4.7cmあり、断片はマイナスだが、断片近くまでがん細胞があったので局所再発の可能性があるといわれました。4.7cmというのは普通よりとても長いのでしょうか? 局所再発の可能性はどのくらい高いのでしょうか? 手術時46歳、しこり2cm(T1,N0,M0)、乳頭腺管がん、核異形度1〜2、ER++.Pgr++、放射線治療33回照射(24回+追加9回)、ゾラデックス2年とノルバデックス5年のホルモン療法で治療中です。お教えください。
左胸温存法は、乳房温存術のことでしょうか? 局所再発の可能性を主治医の先生が話されていることから、温存術をされたとして、お答えします。乳管の中を進むタイプの患者さんは、乳頭腺管がんに多く、局所再発のリスクになります。距離の長さというより、断端(断片の面)にその乳管が露出しているかどうかが問題になります。したがって、マミさんは、局所再発の可能性がありますが、決して高いということはないと思います。およそ7〜8%の患者さんに局所再発がありますが、放射線治療をしていないとその2倍弱の再発率です。ですから局所再発率は、10%程でしょうか。(文責 緒方)
【No.1450】 03年03月30日 T
乳ガンについて2歳の子供がいる33歳です。10年ほど前に、右の乳輪のすぐそばに小さいしこりを発見し、病院にかかりました。ガンの心配はないとのことでした。それから(出産前から)、別の場所にも乳房にしこりを感じるようになり、病院で毎年超音波を撮ってもらっています。あちこちに乳腺腫が見られ(両方)、どれもガンの可能性はないと言われています。自己診断では分からないほどごつごつしているらしく、病院の先生からも「半年に一回か一年に一回は検診を受けた方が」と言われています。ところで最近気づいたのですが、両方の乳輪にぶつぶつと粒のような者が出来ており、乳首が痛いときもあります。乳首にはかさぶたのような物が有り、はがしても気が付くと又かさぶたがあるような感じです。ですが乳首からの出血・分泌物はないようです。そこで質問なのですが、
1) 乳ガンの検査は超音波だけでも信用できるものなのか?
2) 乳首の痛み、乳輪のぶつぶつした物、乳首のかさぶたはガンの症状なのか?
3) 乳腺腫は放っておいても大丈夫のでしょうか?
主治医にお伺いすればいいのですが、いろいろな先生の方にご意見を頂きたく、メールさせていただきました。宜しくお願いいたします。1) 乳腺症が強いということは、マンモグラフィを撮った場合、乳腺組織が豊富なために乳腺としこりの区別がつけにくいということです。従って、1年ごとに超音波で経過を追って変化があったときに念のためにマンモグラフィを撮るという方法で問題ないと思います。患者さんによって検査方法を使い分けることはあります。
2) ぶつぶつは、モンゴメリー腺といって正常のものです。出血がないときに、かさぶたはつかないので、かさぶたのようなものは、分泌液が乾燥したものか、乳頭がすれてリンパ液がしみ出てきたのかもしれません。いずれにしろ主治医の先生にお聞き下さい。案ずるより産むが易し。
3) 乳腺症ががんになることはないのですが、しこりと乳腺症とを自己検診だけで区別することは厳密には無理ですから、1年に1回超音波の検査を受けるように主治医の先生はお考えなのだと推察します。(文責 緒方)
【No.1449-1】 03年03月30日 H.Y.
石灰化3歳と1歳の子供の母親です。去年から胸から脇のあたりが痛く、近所の婦人科で乳腺症と言われました。気になって総合病院乳腺外来で見てもらったところ、「しこりはなく軽い乳腺症でしょう。」ということでした。念のためマンモグラフィーを撮ったところ、右の乳頭の内側2センチ上のところに細かい石灰化がみつかりました。しこりはありません。去年別の病院でマンモグラフィーを撮ったときは何も言われなかったことを伝えたところ、「多分気がつかなかっただけでしょう。心配ないと思いますが、まれに癌になる場合(10割のうち2割)があるので、半年後に又来てください。1年-2年経過を見ましょう。」といわれました。
1) 癌の可能性があるのか
2) マンモグラフィーだけしかしてないが、組織検査など必要ないのか
3) 半年も置いといていいのか
母乳のとき副乳が凄く熱く張りましたが乳腺炎の診察は受けておりません。とにかく石灰化があるので経過はみないといけないが気にするほどではないといわれました。子供が小さいので心配です。長くてすみませんがお願いします。石灰化が、がんに伴うものかそうでないかは、形、数、広がり方(分布)などで判断します。1つだけ大きいものがある場合は明らかに良性のものです。同じようなものが散在性にある場合も良性。注意して経過を見なければならないものは、いくつか石灰化が集まっている場合です。がんより良性の石灰化が疑われるときは、6ヶ月〜1年ごと経過観察で十分です。我々は、数、広がり方(分布)に変化がなければ、時間的に経過をみてもうひとつ判断する要素を重視します。(文責 緒方)
【No.1449-2】 03年06月15日 H.Y.
石灰化(2)こんにちは、以前3月30日に相談をしたものです。半年後の検査でいいと言われましたが、やはり気になり、先日3か月たって、もう一度同じ乳腺外来で経過を見てもらいました。そのときは、石灰化にあまり放射線をあてないほうがいいということで、触診だけでしたが、話を聞いてあらためて疑問が出てきたので、ご相談したいと思います。今回の触診では、異常ありませんでしたが、以前のマンモグラフィーでは、カテゴリー3だったということ、先生がいうには、「癌にしてはいくつもが集まっているが、1つ1つが大きいのと形からして癌ではないと思う。」と言われました。ここでの相談をみているとカテゴリー3以上はもっと詳しい検査が必要と書いていますが、先生がおっしゃるには、「必要ないし、しても取れない。」といわれました。とりあえず半年半年でいいといわれました。カテゴリー3以上でも経過観察はあるのでしょうか? お忙しいところすみませんがお願いします。
乳房撮影の所見がどうかで方針が決められますが、石灰化が集簇している場合はカテゴリー3で悪性を否定できないということになります。 生検は乳房撮影下て行われます。これには特殊な装置が必要です。なければフックワイアー法もあります。石灰化の様相だけで、なかなか診断をつけるのは難しいといことになっています。即ち集簇性であれば、生検は行われるべきです。 しかしながら、そのレントゲンの所見をどうみるかで、判断方針は変ってくると思います。よく相談してみて下さい。(文責 石田)
【No.1448】 03年03月29日 A.T.
術前ノルバデックス投与の影響についてお忙しいところ申し訳ありません、よろしくお願いいたします。39歳既婚で、子持ちの元看護師です。昨年7月左乳癌にて1/4切除術を行いましたが、断端陽性で8月に左残存乳房全摘出術を行ないました。病期はUb期、病理組織結果は硬癌(2.5x1.7x0.8cm)と、その周囲にDCISがあり、リンパ節転移はLevelT(1/5)LevelU(1/1)LevelV(0/1)、リンパ管・静脈侵襲 ly(++) v(+)でしたが、悪性度については空白でした。ホルモン感受性は、ER(3+)PgR(2+)でした。術後補助療法は、タキソテール90rを6クール終了し、現在ゾラデックスとノルバデックスのホルモン療法中です。実は、術前に予防的にとの理由でノルバデックスを2週間ほど服用しています。
お尋ねしたいことは、術前のノルバデックス服用が病理結果に影響するかどうかについてです。ある雑誌には、術前のフルツロンやノルバデックスの使用で癌の悪性度などがわからなくなると記載されていました。よろしく御教授お願い致します。術前のホルモン療法についての質問ですが、確かに切除されたしこりはノルバデックスの影響を受けている可能性はあると思います。そのために病理報告書の悪性度(核異型度)が空白だったのかもしれません。しかし核異型度が判っていたとしても、治療方針に変更を及ぼす可能性は少ないと考えます。それはリンパ節が陽性であるからです。効果の程は解りませんが、ER(3+)PgR(2+)の結果を考えると術前2週間のノルバデックスが無意味な治療ではないと思いますし、術後のゾラデックスとノルバデックスのホルモン療法もエビデンスに基づいた治療だと思います。(文責 川本)
【No.1447】 03年03月29日 なっぴ
最終病理検査の結果について36歳の女性です。左胸に痛み(鈍い痛み)を感じ、受診しました。マンモグラフィで左胸に微細石灰化が発見され、マンモトーム生検で悪性と診断されました。しこりはなく、触診でもわからず、超音波、MRIにも写らないという状態でした。手術前の説明では、生検の結果等から、非浸潤癌(篩状型)、TNM分類では、T0、N0、M0と考えられ、極めて早期の乳ガンで、マンモグラフィの平面図からは、石灰化の範囲は、2×1.5p程なので根治術として広範囲に部分切除するが、リンパ節転移は考えにくいのでリンパ節郭清は行わないということでした。私としては、リンパ節転移があるかないかが心配だったのでセンチネルリンパ節生検のことも尋ねましたが、マンモトーム生検後なので腫れているリンパ節はたぶんあるので、センチネルリンパ節生検を行っても意味がないだろうということでした。結局、リンパ節郭清は行いませんでした。最終病理の検査がやっとでまして、それによると浸潤癌だったということでした。波及程度:f ly(−) v(−)なので、リンパ節転移の可能性は少ないと思われるが郭清をしていないので、確かだとは言い難いということでした。外断端にcancerの管内性進展(+)ですが、外断端追加、乳頭直下、下、及び内断端は(−)、cancerは主として管内性に進展し、浸潤性増殖は直径5oの範囲にとどまっているということです。ER(+),PgR(+)なので、当初の予定どおり、放射線とホルモン療法で、リンパ節転移については慎重に経過を観察していこうという方針がDrからだされました。このような状態でのリンパ節転移の可能性はいかがなものなのでしょうか。不安解消と、万が一リンパ節転移があった場合の治療の意味を含めて、リンパ節郭清を行った方がよいのだろうかという思いもあります。でも、再度の入院、手術ということで、自分や家族へのストレスも大きく、放射線とホルモン療法でフォローアップできるものならそれでよいのだろうかとも思っています。浸潤癌ということで動揺や不安がますます大きくなっています。組織診断報告書によると、大きさ:5×2pとなっていました。これは切除した範囲のことなのでしょうか。それとも、癌の範囲のことなのでしょうか。しこりを作っていないとはいえ(石灰化だからかえって広範囲なのでしょうね)、かなり大きいように思えます。これで、浸潤癌であったとすると病期的にはどの程度なのでしょうか。まとまらない質問ですみませんが、リンパ節転移の可能性、リンパ節郭清を行った方がよいのかどうか、病期等について教えていただければありがたいです。
浸潤癌である以上、リンパ節転移の可能性は考えなくてはならないと思います。組織診断報告書による大きさ:5×2?は主治医の先生にきちんと聞いた方がよいでしょう。乳管内進展が広範囲であることが予想され、実際の浸潤部の大きさはそれほど大きくないかもしれません。これに関しても主治医に聞いてみるのが一番です。病期は乳管内進展の大きさに関係なく、浸潤部の大きさ、リンパ節転移の有無、遠隔転移の有無によって決まります。(文責 川本)
【No.1446】 03年03月29日 C.F.
乳腺症に関するご相談乳腺疾患に関するHPを渡り歩き、ようやくこちらの相談室へたどり着きました。乳腺症についてご相談に乗っていただきたくメールいたしました。現在29歳、2歳4ヶ月になる娘が1人います。娘は完全母乳で1歳半まで育てました。母乳分泌過多、片乳がほんのすこしだけ陥没乳頭だったせいもあって、授乳期間はとにかくトラブル続きのおっぱいでしたが、「断乳」ではなく、娘が自らおっぱいから離れるいわゆる「自然卒乳」という形で授乳を終えることが出来、とても満足した母乳育児でした。
先にも書きましたが、授乳初期から両乳にしこりが出来ていました。乳房マッサージをいつもお願いしていた助産婦さんからは、「おそらく母乳がチーズ状になって鬱滞してる」「この部分を集中的に赤ちゃんに吸ってもらうこと」「授乳期を終えたらいずれは吸収されるだろう」と言われていたのですが、授乳期終了後半年経ってもしこりは無くならず、また母乳も僅かではありますがまだ出ていましたので、「私の母乳の止め方に問題があったのだろうか?」等ととても不安になっていました。そんな矢先、授乳期終了からもうすぐ1年が経つであろう今月初旬、急にしこり部分に痛みを感じ、日に日に痛みがひどくなっていったため、痛み始めてから1週間後思い切って乳腺外来を受診しました。
受診した日は、排卵から約1週間後、いわゆる生理前の状態でした。視触診・マンモグラフィー・エコーでの診察の結果、その時点では怪しいものは一切写っておらず、おそらく乳腺症でしょう、と言われました。しかし、生理後の乳房の状態も診たいとのことで、先日、生理終了後5日目に再診しました。しこりの痛みは生理開始3日後には完全に消失し、素人の私が触ってもわかるくらい、しこり部分が小さくなっていました。そして再診時の触診では、案の定、前回の受診時と比べて明らかにしこりは緩くなっていると言われ、エコーにも前回同様、何の怪しい影も写っていなかったことから、「乳腺症に間違いないでしょう」との結果を下されました。正直ほっとしましたが、乳腺症になると乳がんの発症率がグンと上がることも知っています。ですので、今後、定期的な検診は勿論きちんと受けていくつもりです。前置きが長くなりましたが、本日メールさせていただいたのは他でもなく再診の診断結果にほっとしすぎて、ドクターに質問しそこなったことが数点あるんです。その点についてお教えいただきたく、メールいたしました。以下に箇条書きさせていただきますことをご了承ください。お忙しいところ大変恐縮ではございますが、ご回答の程よろしくお願いいたします。
@ 乳がんの予防法
乳腺症の既往がある人の乳がん発症率が高いことは知っています。乳がんを予防するために何か策(食事など)があればお教え下さい。
A 乳腺症のしこりが消失することは本当にないのですか?
閉経を迎えれば乳腺症は無くなると聞きました。私は、どうやら生理前になるとしこりがとても痛むタイプのようです。このしこりとは今後閉経までずっとお付き合いしていかねばならないのでしょうか? 乳腺症(痛み)を軽減させる方法はありますか?
B 今後の妊娠・出産・母乳育児について
早からず遅からず、近い将来、妊娠し子供を産むと思います。前回の妊娠時、初期から胸がパンパンに張り、産後も前述の通りトラブルを起こしやすいおっぱいでした。乳腺症と診断されたことで、今後の妊娠出産に何か弊害はありますか?
C Bとも重なりますが、私のようなタイプは妊娠出産を経て授乳をすると、乳がん発症率が下がるとも聞きました。これは本当ですか?
以上の4点について、どうぞよろしくお願いいたします。質問順にお答えいたします。
@ 乳ガンの発症はいろいろな因子(まだ解っていないモノも含めて)たくさんあります。予防する対策は無いと思います。しかし自己触診を行うことによって乳ガンが発症しても早期に発見できます。
A 乳腺症はホルモンのバランスが微妙に崩れることによって起こると考えられています。経過観察中に乳腺症のしこりが無くなることは有りますし、逆に増悪することもあります。規則正しい生活、バランスのとれた食事、ストレスのない環境などで改善することもあります。
B 前回のような問題が起こる可能性は有ります。
C 解りません。(文責 川本)
【No.1445】 03年03月29日 えみ
乳輪のかさぶたについて始めまして。31才、女性です。左胸の乳首と乳輪の境目くらいの所に3〜4mmほどのかさぶたができました。色は赤黒く円状で、押したり服でかすれたりするとニキビのような鋭い痛みがあり、痒みも少し感じます。なんとなく広がっているような気がするのですが、乳ガンとの関連性はあるのでしょうか? 私は昔から乳首の痒みには悩まされてます。大分前から左胸だけちょっとした時に圧力がかかると痛みを感じています。自分で胸全体を触診してみましたが、しこりがあるといった異常は感じられませんでした。
乳頭のびらんなどの症状を示すパジェット病(乳癌の一種)があります。湿疹の可能性もありますが、一度乳腺の専門医の診察を受けられることをお勧めいたします。(文責 岡本)
【No.1444】 03年03月29日 A.I.
抗がん剤について抗がん剤のことでご相談です。よろしくお願いします。先月、左乳房を乳頭温存で全摘出手術をした31歳既婚女性です。今後の治療としてどの抗がん剤を選ぶべきか迷っています。術後の病理結果は、
・充実腺管がん 腫瘍径3cm 核異型度グレード3
・ホルモンレセプター エストロゲン無し、プロゲステロン微少で有り
・リンパ節転移 無し
本来はCEFの3種混合の抗がん剤をやるのが良いそうですが、私の場合、これから妊娠を希望をしているので、閉経の確率が少ないタキソール12回を薦められています。副作用がタキソールのほうが軽いそうなので、私としてもタキソールでいきたいのですが、今回CEFを選ばなかったことで、今後再発をする可能性が増えるのであれば妊娠は諦める覚悟でCEFを・・・とも考えています。私のような場合、タキソールとCEFのどちらを選べば良いでしょうか。ご意見をお聞かせください。よろしくお願いします。リンパ節転移なしですが、年齢31歳、核異型度3、ホルモンレセプター陰性ということで、化学療法の適応と考えられます。現在、CEFあるいはCEを4サイクル、その後タキサンを4サイクルという組み合わせがよいというデータがありますが、タキサン(タキソール、タキソテール)単剤での術後補助療法の意義については、現在のところ分かっていないと思います。エビデンスから判断しますと、やはりCEFということになると考えます。主治医とよくご相談ください。(文責 岡本)
【No.1443】 03年03月29日 K.M.
CMF療法についてはじめまして。私は平成14年8月に2.7cm×2cmの腫瘍が見つかり、温存手術を受けました。38歳です。病理診断は充実腺管癌で、悪性度がGrade3、リンパ節転移はありませんでした。女性ホルモンの感受性が無かったため、抗癌剤を使うことになりました。9月にCMF療法の1クール目を終え、10月に放射線の照射を50グレイ受けました。11月にCMF療法の2クール目を終えた時点で肝機能障害の副作用がおきました。(GOTが120、GPTが303、γ−GTPが120) 1月に数値が正常値に戻ったので、CMF療法3クール目を受けましたが、再度、肝機能障害がおきました。(GOTが176、GPTが446、γ−GTPが74) 肝臓に副作用によるハンディキャップを残さないために再発防止をあきらめてCMF療法は中止するほうがいいのでしょうか? また、CMF療法では
1.抗癌剤投与の周期がほぼ2ヶ月毎になっても有効ですか
2.3クールだけの投与と6クールの投与で再発率、生存率はどの位変わりますか
よろしくお願いします。閉経前、年齢38歳、Grade3、リンパ節転移なしということから、化学療法の適応と考えます。しかし、薬剤性の肝機能障害を合併しておりますのでCMF療法は中止したほうが安全であると思います。
1) 通常CMF療法は4週を1サイクルとし、6サイクル行うことになっております。私の知る限り、これが2ヶ月ごとになった場合どうであるかということは知りません。しかし、今回のように放射線治療を間に行ったり、あるいは白血球減少や肝機能障害のために延期、休薬することはよくあります。
2) 3サイクルと6サイクルの化学療法では、差があるという(6サイクル VS 3サイクルでは、6サイクルの方がやや成績が良い:無再発生存率で 58% VS 53%)データがあります。
繰り返しになりますが、肝機能障害が重篤になる可能性もありますので、中止されるほうがよろしいでしょう。(文責 岡本)
【No.1442】 03年03月26日 A.M.
術後の治療についてはじめまして。42歳です。2月27日に左胸筋温存乳房切除、腋窩リンパ節郭清手術を受けました。しこりの大きさは2.2pとのことでした。石灰化がみられました。4つのリンパ節を取り、術中の迅速判断では転移なしでしたが、3月20日の受診の際、「癌が見つかりましたので、訂正しなければなりません。」という結果が出ました。ただし、全体の病理結果は4月3日と言うことです。主治医の先生は転移の個数にもよるし、全体の病理結果によって治療内容を決めましょうとのことでした。悪い結果に呆然としてしまい、聞きたいことも浮かばなくなってしまいます。4月3日の日には、どの様なことをしっかり聞いてくれば良いのかがわかりません。リンパ節転移の数によってステージも変わるのでしょうか。どのくらいの数によって変わるのでしょうか。そのこと以外でも大切なことは何かあるのでしょうか。また、化学療法をしていく上での心構えや注意点があったら教えてください。
リンパ節転移があるのと無いのでは当然ステージは変わります。そしてそのリンパ節転移の個数のよって、抗ガン剤の種類、残っている腋窩リンパ節に放射線照射の有無も変わってきます。それからホルモン治療に関して、ホルモンレセプター(ホルモン受容体)についても主治医の先生はお話になると思いますので、ホルモンレセプターの有無についてもよくお話を聞いて下さい。抗ガン剤については、使う薬の名前、副作用、投与方法、投与間隔などについて良く聞いて下さい。(文責 川本)
【No.1441-1】 03年03月26日 R.U.
手術方法選択について寝返り時の脇の下の痛みで、念のためと検査をしてガンが見つかりました。当初は8ミリとのことでしたが、外科的生検の結果、浸潤ガンで「乳管内に核の不整な腫大やクロマチン増量を示す異型細胞が間質を伴わずに乳頭状に増殖しており、bridgingを示すところもあり。大部分は乳管内病変だが一部では間質浸潤を伴っており、脂肪組織内へ浸潤」ということです。
手術は温存としても4分の1切除、手術後の結果によっては切除もありうる。または全部切除とのことです。いずれにしてもリンパ節郭清はあるそうです。再発を考えると、私の場合は、やはり切除を選んだほうがいいのでしょうか。また、リンパ節の後遺症も本で読んで心配しています。右腕で、パソコンのオペレータで生活を立てているため、できれば使いづらくなるのは避けたいです。何しろ、最初は早期で、希望するような温存も可能と考えていたのでとまどっております。お手数ですが、ご意見を伺えれば幸いです。なお年齢は50歳です。病理結果の内容で載せるのに問題があるようでしたら、お任せします。よろしくお願い致します。浸潤癌に乳管内進展を伴った乳癌の手術術式につての質問ですが、乳管内進展が広範囲に存在しているのであれば乳腺切除も考えて手術に望まなければならないと考えます。リンパ節郭清については、明らかに腫れたリンパ節がなければ、センチネルリンパ節生検の適応もあると思います。「センチネルリンパ節」は「見張りリンパ節」とも呼ばれており、ガンが最初に転移するリンパ節のことです(1個または数個あることもある)。このリンパ節に転移がなければ95-98%の確率で他のリンパ節にも転移が無いことがわかっています。センチネルリンパ節生検はどの病院でもやっている術式ではなく、主治医の先生に聞いてみるのも良いのではないでしょうか?アイソトープ、色素を使ってセンチネルリンパ節を同定します。手術でそのセンチネルリンパ節を摘出し、術中にガンがいるかどうか確認し、ガンが無ければリンパ節郭清を省略する方法です。術後の腕のむくみは乳癌手術の大きな問題の1つでしたが、センチネルリンパ節生検を行うことによって必要最小限のリンパ節郭清で済むようになり、腕のむくみもそれほど心配にならないようになりつつあります。(文責 川本)
【No.1441-2】 03年04月27日 R.U.
ホルモン療法と子宮筋腫について以前、手術方法の選択でご相談した者です。 その節はありがとうございました。乳房切除、リンパ節転移なしで、現在ノルバデックスを服用して2ヶ月目に入ります。ホルモンレセプターの結果は Herceptest(1+)、ER(+)、PgR(+)でした。説明を受け、注射か経口薬か迷ったのですが、単純に注射のほうが作用が強すぎる感じがしてのみ薬にしました。3年ほど前から子宮筋腫が2個あり、閉経が近い年齢(50歳)ということで経過観察の状態でした。症状は生理や生理後にも1週間位お腹の痛みがあり、現在も鎮痛剤で痛みを抑えています。貧血はありません。乳がん騒動で子宮筋腫の検査は半年ほど受けておりません。主治医からノルバデックスの副作用で子宮体ガンになることは聞いたのですが、あるホームページに子宮筋腫も重篤な副作用として載っていたので心配になりました。近い内に筋腫の検査に行こうと思っているのですが、私の場合は、ゾラデックスという注射にした方がいいのでしょうか。なお、ノルバデックス服用1ヵ月後の採血では、中性脂肪や肝機能の異常はありません。腫瘍マーカーは次回に判明します。お手数ですがよろしくお願い致します。
まず婦人科を受診されて子宮筋腫の状態をみてもらうことをお勧めします。そこでホルモン剤について相談されるのもいいと思います。その意見も聞いて、ノルバデックスが不安ならゾラデックスに変えるべきと考えます。(文責 石川)
【No.1441-3】 04年02月21日 R.U.
リュープリン注射の場所についてその節はありがとうございました。ホルモン療法で、ノルバデックス2ヵ月後にリュープリンに変え、8ヶ月になります。コレステロールが223、中性脂肪が160と、要注意の数値にはなりましたが、閉経したので持病の子宮筋腫の痛みは消えたという利点はありました。副作用もたまにのぼせや頭痛がある程度で、気になる体調の変化は出ていません。リュープリンの注射をずっと左腕にやっておりますが、ネット情報によると場所を変えたほうがいいと書いてありました。そろそろお腹等、別の場所にしたほうがいいのでしょうか。また、やはりリンパ節の手術をした腕には注射をしないほうがいいのでしょうか。患部の腕には注射や血圧測定等はやらないほうがいいと本で読んで守っていますが、最初に主治医の先生に質問したら、「それほど特に・・・」という回答でした。採血の際も注射をよく失敗されるので、右腕にできればいいのにと思うこともあります。お手数ですが、よろしくお願い致します。
患側の腕の注射や血圧測定は、やはりリンパ浮腫の予防のためには避けたほうが良いと思います。したがってリュープリンは腕以外であれば、お尻やお腹に打つ場合があります。そうは言っても健側の腕の血管がなく採血がどうしてもできないときは、仕方なく患側ですることもあります。(文責 石山)
【No.1441-4】 06年08月15日 R.U.
腫瘍マーカーCA125についてお世話さまになっております。以前、乳がんの手術の際、そして今年5月に主治医の転勤の件でご相談した者です。6月に3年目のマンモ等の検査を終え、マンモと超音波は問題なかったのですが、腫瘍マーカーのCA125が89と、少し標準値を越えていました。乳がんの前から子宮筋腫もあったため、主治医に子宮ガン検診をと言われ、早速受診、婦人科系のガンは問題ありませんでした。2年間のリュープリン注射のホルモン療法も昨年終え、現在は何も行っておりませんし、体調は普通です。主治医の先生には、仕事の関係で9月になってから行く予定ですが、婦人科でも問題なかった場合に、CA125に関して、ほかにどのような検査をすればよいのでしょうか。
なお、手術時の先生が転勤で今回から新しい先生になりました。乳腺専門のドクターではないのですが、信頼できそうな先生でしたので、同じ病院でかかることに決めました。今までの先生は、1年ごとのマンモ検査と、超音波、血液検査を半年ごとに行なっておりました。新しい先生は、今度骨シンチを行ないましょうということでしたが、仕事で行けなくなり、9月になります(骨シンチは3年前の手術後に1回行なったのみです)。お忙しいところお手数かけますが、よろしくお願い致します。基本的にCA125は卵巣がんの腫瘍マーカーです。卵巣がんの検査をしてもらっていれば、あとは心配しなくて良いと思います。9月受診時に再検されたら良いのではないでしょうか(文責 清水)
【No.1440】 03年03月26日 T.F.
男性の乳がんについて42歳の男性ですが、数ヶ月前から左乳首のあたりが痒かったので、さわっていて乳首の真下にしこりがあることに気づきました。いつからあったのかは全く覚えがありません。男性にも乳がんがあると聞き心配しております。しこり自体には何の痛みもございません。診察してもらうべきかどうかアドバイスをいただければ助かります。よろしくお願いいたします。
男性にも乳癌はありますが、それほど確率が高いものではありません。男性の乳輪直下のしこりは、まず女性化乳房を考えます。女性と同様にマンモグラフィーを撮影すれば、ほぼ診断ができます。女性化乳房の診断が付けば、そのまま経過観察をするのが一般的です。是非、診察を受けてみてはいかがでしょうか?(文責 川本)
【No.1439】 03年03月26日 Y.K.
乳腺症と言われたが・・・乳腺のことでご相談よろしくおねがいします。乳房痛を感じて近くの乳腺外来を受診しました。しこりもあったのでそれから3ヶ月後にも受診しましたが、エコーとマンモの結果、乳腺症によるもので問題ないとのことでした。乳腺症といわれたものの、悩んでいることがいくつかあります。
1)乳腺症と関係あるかどうかわかりませんが、朝、手のむくみがあること。放置していいのかどうか、また、何が原因なのか教えてください。むくみは痛みのある乳房側だけです。
2)一ヶ月前より乳輪部がへこんでいることに気がつきました。しこりは以前と変わっていませんし、分泌物も白色です。再度受診したほうがよいでしょうか?私のかかっている医師はそんなに心配しなくても・・・というような目でみられ、何度も受診することに気がひけます。神経質になりすぎでしょうか?
ご返答よろしくお願いいたします。1)手のむくみと乳腺症は関係ないと思います。
2)一ヶ月前より乳輪部がへこんでいるのは(実際拝見しないと分かりませんが)、診察を受けるべき症状であると思いますので、再度受診してください。何度も受診することに気後れする必要はありません。(文責 岡本)
【No.1438】 03年03月26日 Y.I.
石灰化について33歳の主婦です。先日初めて乳がん検診に行きました(自覚症状は何もなし)。触診・エコー・マンモグラフィーと検査しました。結果は、現在は異常なしとのことでしたが、写真でかなりの石灰化がみられるので、1年ごとに検査したほうがよいとのことでした。石灰化があるのはやはり乳がんのリスクが高いということでしょうか?教えて下さい。私の場合両胸にまばらの石灰化が多数あるとのことでした。
石灰化には良性石灰化と悪性石灰化があります。ご質問のような両側性、散在性の石灰化は良性石灰化と考えていいと思います。乳癌のリスクが高いということではなく、石灰化があるという異常はあるわけですから、1年ごとに検査を受けられるほうがいいと思います。(文責 岡本)
【No.1437】 03年03月26日 R.T.
妻の乳癌手術後の腫瘍マーカーについて昨年7月に乳癌の手術をしました。ステージU(リンパ転移なし、腫瘍径3cm)ということで、主治医の先生は温存を薦められたのですが、妻の希望で全摘を選びました。ホルモンレセプター陽性で、術後からタモキシフェンを服用しています。お聞きしたいのは、腫瘍マーカーのNCC-ST439が、手術前の6月で7.5、9月 5.3、今年の3月始め8.6になっていました。調べたところNCC-ST439は、7.0以上が警告域と書いてあり、どこかに転移、再発しているのではと心配しています。ちなみにCA15-3は、3月の時点で9.7、CEAは1.8でした。主治医の先生は、「NCC-ST439は上がり下がりがある、今度5月の検診で相談しましょう。」と言うことでした。NCC-ST439が上がったという事で、転移を心配しなくてはならないのでしょうか?術後5.3と言う数値はあまり下がっていないようですが・・・。乳癌手術後の患者さんの数値というのは、どれくらいでしょうか? 又、どのような経過をたどっていくものなのでしょうか?
手術前の検査で、遠隔転移はなかったのであろうと推測いたします。NCC-ST439上昇とのことですが、主治医の先生が仰る通り5月の検診の結果を待たれてよいと考えます。どのような経過をたどるかとのご質問ですが、臨床症状、画像検査で異常が出る前に腫瘍マーカーの上昇を認めることがあります。しかし、正常値を少々上回る値を示したとしても、必ずしも転移再発があるということではありません。5月の検査をお待ちください。(文責 岡本)
【No.1436】 03年03月26日 minori
授乳中にしこりを発見しましたはじめまして、現在授乳中の30歳です。昨年12月に出産し、以後は母乳育児をしております。母乳は出がよすぎる程で、搾乳が必要なこともしばしばです。先月、授乳後になにげなく乳をさわっていて、右乳房の下半分の中ほどに、ちいさな固いしこりを見つけました。大きさは米粒大でした。表面近くにあるようで、皮ごとつまんでグリグリすることができます。痛みはありません。心配なので、早速、近所の総合病院の外科へ行きました。触診して頂いた後にマンモグラフィーを撮影して、後日結果を聞きに行きましたが、お医者様に撮影した私のマンモグラフィーを見せて頂き、「お乳がつまっているだけだから、よく吸わせていれば大丈夫。乳がんではありません」とご説明頂きました。それでも放っておいてはいけないから、授乳期が終わったらまた検診を受けるのがよいでしょう、との事でした。しかししこりは相変わらずで、気になってグリグリとやってしまうせいか、すこし大きくなっています。心配がぬぐえず色々とサイトを見てまわったところ、エコーでの診察は受けなかったことが分り、診察結果に対して更に心配になってきてしまいました。もう一度、同じ病院で診察をうけるのか、新しく他病院で診察をうけるのか、はたまた授乳が済むまで待っていて大丈夫なのか・・などと迷いの毎日です。どうかよきアドバイスをよろしくお願い致します。
授乳中は乳腺が張っているので、なかなかしこりも発見しづらいものです。授乳中のしこりは乳瘤(乳汁が貯まったしこり)が考えられます。超音波でしこりの特徴を検査し、乳瘤を疑うようであれば、針で貯まった乳汁を吸ってしまうこともできると考えます。しかし授乳中でも、ご心配の通り乳癌も念頭に診察しなければなりません。同じ病院を受診するのに不安があるようなら、他院を受診しても良いと考えます。今日、セカンドオピニオンを求めて他院を受診する人はたくさんいますし、治療を受ける患者さんの意志で病院を変わることは患者さんの当然の権利でもあります。納得のいくような説明、検査、治療を行ってくれる医療施設を訪ねてみてはいかがでしょうか。(文責 川本)
【No.1435】 03年03月26日 A.F.
術後治療と検査について初めまして。54歳、女性です。2001年6月6日に左乳房温在扇状4分の1切除しました。腋窩リンパ節郭清(リンパ節転移無し)で、浸潤性で異型度が1でした。病期は1期〜2期の間で、しこりの大きさは1p強(1.4)です。ホルモン受容体はどちらかが+で、術後の放射線治療は53.2グレイ(2001年6月21日〜同年8月3日)計29回44日間です。放射線治療と平行して3ヶ月間ぐらい5ーFU錠50を服用しました。現在はノルバデックスDを1日1錠服用中です。術後(放射線治療を含む)乳房が大ききく腫れたようになり、全体が引きつって痛みを伴っており、少し腕を動かすだけで脇腹が張り、乳房に当たるようになりました。9月の終わり頃、注射針で液を2回程抜きました。それから1週間後に乳首から出血があり、2ヶ月ほど続いて自然に止まりました。その時の検査では血液、細胞針共に異状ありませんでした。2002年6月21日(術後1年目、)CT検査では異状ありませんでした。2002年8月の終わり頃、手術した周りが赤く腫れたので(放射線を当てた頃から赤くはなっていましたが)、再び注射針で液を抜きました。そして抗生剤を飲んで様子を見ていたら傷口が裂けて膿が出たため、検査をすると、ブドウ球菌表皮+2、炎症反応4、細胞針(−)、白血球8100でした。抗生剤の点滴や、服用で赤みはとれましたが、傷口が凹み、杯を逆さにしたような感じです。周りの赤みは色素沈着しており、お風呂などで温めると赤みが少し増してきます。尚、2002年12月20日の血液検査(腫瘍マーカー等)では異状ありませんでした。また、2003年1月の子宮内細胞診も陰性でした。その後、左腕がリンパ浮腫になり、プレドニゾロン錠を5日間で18錠と、クラビット錠を14日間服用しました。それ以来、腕の赤みと腫れは少し引きましたが、夕方になると腫れる時があります。そこでご質問なのですが、血液検査はどれくらいの間隔で受けたら良いのでしょうか? このままですと、今度の検査は4ヶ月後になってしまうのですが・・。それから、5月の初めにCT検査をする予定です。骨シンチは今のところ(術後から)受けておりません。(主治医は必要ないとおっしゃっておりますが・・) 最近、おりものが出るようになり、今年の1月の子宮内膜検査では異状はなかったのですが、子宮頸部の検査は昨年4月にして以来してません。両者の検査はどのくらいの間隔でしたらよいものなのでしょうか?薬は5年間(ノルバデックスD)服用するようにと聞いておりますが、副作用には問題がないのでしょうか? お手数ですが、よろしくお願い致します。
1)血液検査の間隔についての質問
4-6カ月位の間隔で良いかと考えます。しかし腫瘍マーカーが正常だからといって転移していないとは限りません。その他の画像検査(骨、肝臓、肺の転移をチェックする検査)も定期的(半年に1回くらいのペース)に行うことが大切です。
2)ノルバデックスの副作用に対する質問
ノルバデックスには子宮体癌のリスクを上昇させるとの報告があります。リスクの上昇はそれほど高いモノではありませんが、気になるようであれば、年に1回は婦人科検診を受診することをお勧めします。ノルバデックスの他の副作用として性器出血、おりものの増加、ほてりなどがあります。(文責 川本)
【No.1434】 03年03月26日 N.K.
骨転移について現在骨転移で、第12胸椎が骨折していますが、放射線治療で痛みはおさまり、ホルモン療法と骨を強くする点滴を受けています。骨が固まるまで約3か月と言われ、今はコルセットをはめて歩く練習をしています。リハビリは痛くない範囲であれば動かしていいと言われましたが、完全に固まっていない状態でも、動いていいのでしょうか? それとこのような状態ですが、普通の生活ができるようになるのでしょうか? それから、右肩にも転移していて動かすと痛くなるのですが、治療方法はないのでしょうか? とても不安ですので、宜しく御願い致します。
胸椎は、背骨の中でも比較的圧迫骨折しやすい場所です。それ以上、骨の変形がなければリハビリをしても差し支えないと思います。骨の形が元どおりになるわけではないので、いつまで待てばよいというものではありません。普通の生活をどこまでとするかで答えが変わってきますが、日常生活に支障のない動作は出来るようになります。右肩の痛みが転移によるものなら、背骨と同様に放射線治療で痛みはとれます。また、骨を強くする点滴は、ビスフォスフォネート剤というものです。これは骨転移による痛みを和らげる効果もありますので、使い始めならもう少し様子を見てみたらどうでしょうか?(文責 緒方)
【No.1433】 03年03月22日 sono
上腕の痛み等についてはじめてお尋ねいたします。47歳未婚です。8月下旬にくりぬき温存手術と腋窩リンパ節郭清の後リニアックをしました。リンパ節転移はありませんでした。ホルモンレセプターは陽性で、現在ゾラデックス注射とノルバデックス服用をしています。肩の運動は毎日行っていますが、約半月前から腕を横に伸ばして、掌を回転させるときとか、腕を伸ばしてボタンを押すような動作をした時に上腕の中央が痛むようになりました。少しむくんできて健側との差は1センチあります。11月の骨シンチでは異常はなかったのですが、骨転移の可能性はありますか?また、2年前に筋腫のため、子宮全摘と卵巣も1つとっています。冷えやホットフラッシュがあるので、薬は効いていると解釈してよろしいでしょうか?基礎体温は高低差があり、一定ではありません。
腕のむくみに関してですが、リンパ節郭清の影響が考えられます。肩の運動を毎日行っているとのことですが、長時間患側の腕で重いモノを持ったり、患側を下にして就寝することはあまり好ましくありませんので、もしこの2点をされているようなら、控えて頂いたほうが良いかと思います。リンパ節郭清を行った患者さんによくお話しするのは、「患側で重いモノを長時間持たない」、「患側を上にして就寝して頂く」、この2点です。「患側を上にして就寝して頂く」は、寝てしまうと寝返りをして当然患側が下になることもあると思いますが、それはしかたないと思います。しかし「患側を上にして就寝して頂く」という気持ちを持って頂ければ、習慣になってきます。あと家でくつろいで頂いている時間もなるべく患側を高くして頂くことも良いです。骨転移も最低半年に1回くらいはチェックするのが良いと考えます。
ホルモン療法の効果に関してですが、閉経前後で治療も異り、子宮全摘されていますし、年齢的にもちょうど更年期といわれる時期に入るくらいの年齢なので、判断は難しいです。ゾラデックスを注射する前なら、血中FSH値、エスロタジオール値を測定することで、閉経前後を判断可能です。冷えやホットフラッシュは副作用としてあげられますが、薬が効いているかどうかの指標にはならないと思います。今後も定期的な経過観察は欠かさずに行った方が良いと考えます。(文責 川本)
【No.1432】 03年03月16日 H.T.
乳房の手術についてお忙しいところ申し訳ありませんがよろしくお願いします。先日、右胸のしこりについて細胞診を受けたところ、細胞などが見つからず、母乳(授乳中です)でしょう、との事。そのしこりは3ヶ月前からあり、今回違う病院にて診てもらったところエコーで白っぽい円が写っていました。3ヶ月前にかけたときは黒い円だったのですが・・・。先生曰く、細胞診をしてもしこりが消失しなかったことなどから、ミルク成分が石灰化している可能性が高いとの事。今は別段処置が必要なわけではない、と。今回細胞診にて調べたしこりは1センチ程度のもので、石灰化して残ったとしてもあまり気にはなりませんが、左胸には3ヶ月前にのう胞ですと診断されたしこりがあり、もしかしたらこれもミルクが詰まっていて石灰化したら、大きすぎるので切除が必要かもしれません。乳がんになりやすい人のパターンの中に、乳房の手術をした事がある人、というのを見たことがあるのですが、これは悪性の腫瘍を摘出した事がある人ということでしょうか? 良性の腫瘍を取り除くような手術が今後の乳がん発生率を高めるようなら、多少大きいしこりでも取りたくないなと思うのですが・・・。また、母乳が石灰化したものは自然に消失することはないのでしょうか? それと、病気の質問ではないのですが、私のような授乳に関するトラブルが多い人は乳腺外科ではなく乳腺科を受診したほうがよいのでしょうか? 今回細胞診を行った際に、結果が出るまで授乳はしないでくださいと言われましたが、はっきりいって今授乳を止めるのは無理で、乳腺炎になりかけてしまったので授乳しました。乳腺外科の先生は、乳腺の先生というよりも乳がんの先生という感じがしたので・・・。どちらも同じと思っていたのですがやはり違うのでしょうか?
1.貴女の場合は授乳中であるということなので、超音波で認められた「白っぽい円」は乳瘤である可能性が高いと思います。乳瘤も、はじめのうちは「黒い円」として描出されることもありますが、脂肪分の多い母乳が濃縮されるとチーズ様の内容物となり、超音波では白く描出されてきます。この場合、細胞診をしても細胞成分は採れてきません。もし貴女の病変が乳瘤であれば、授乳終了後に消失する可能性があります。しかし、主治医が言ったような、「母乳が石灰化してしこりを形成している」ものならば、これからも消失せずに残ってしまう可能性があります。このように、のう胞内に石灰化が起きることを石灰乳石灰化といいます。乳瘤と石灰乳石灰化の判別は、マンモグラフィを撮影すれば区別が出来ます。乳瘤の場合は、中心部が黒く抜けた円形像として描出されますが、石灰乳石灰化は白い円形像、もしくは下に凸の三日月状の白い影として描出されます。左のしこりについても気になるようならば、細胞診を行って内容物を確認することも出来ますので、主治医と相談してみてください。
2.通常は石灰乳石灰化を切除することはありませんが、仮に石灰化病変を切除しても乳癌のリスクファクターにはなりません。手術すること自体が乳癌発生のリスクファクターになるのではなく、切除した乳腺内に特殊な病巣を認めることが、乳癌発生のリスクファクターになると考えられています。例えば、切除した乳腺内に乳頭腫病変を認めれば1.5〜2倍、異型乳管過形成を認めれば4〜5倍以上の確率で、乳癌が発生しやすいといわれています。
3.世の中の病院では、「乳腺科=乳腺外科」と考えられています。確かに授乳中の乳腺炎などは、産科医や助産師が治療する場合も多いのですが、乳腺炎を起こして切開が必要になった場合は、おそらく(乳腺)外科へ紹介になることと思います。(文責 千島)
【No.1431-1】 03年03月16日 E.J.
術後の脇のしこり4年半前に右全摘しました。ノルバデックスを服用していましたが、一年後、右脇に一センチ弱のしこりを見つけて再発といわれ、フルツロンを追加服用して現在に至っています。今右脇の下に2センチ位のしこりがあります。担当医にはリンパ節術後のせいだといわれましたが、このようにしこりになるのでしょうか。再発といわれたとき、画像で見ただけでしたので不安でいます。
手術術式、病理検査結果等がわからないので、「しこり」についての判断は難しいところですが、まず一番大切なのは、「右脇のしこり」が本当に「乳癌」の再発なのかどうかということだと思います。たとえば、針で細胞を抜き取ったり、腫れているしこりのひとつを切除したりして、4年半前に出来た右乳癌と同じ細胞であることを病理学的に確認する必要があります。そして、もし再発だとしたら、他の部位(より遠くのリンパ節、肝臓、肺、骨) への転移の有無が問題になってきます。もし、他にも再発部位があるのならば、フルツロン以外の治療が必要になるかもしれませんし、右脇だけの再発ならば、その部分だけを追加切除するという選択肢もあります。担当医の「リンパ節術後のせいだ」という説明も、あまり釈然としない内容だと思います。もう一度担当医から、再発乳癌に対する診断根拠と、それに対する治療法の選択肢について、詳しく説明していただくことをお勧めします。(文責 千島)
【No.1431-2】 03年03月25日 E.J.
術後の脇のしこり(2)回答、大変有難うございました。次回検診日に担当医に聞いてみようと思います。もしよければ、もう一点質問させて下さい。手術は非定型的切除術でした。その時に腋のリンパ節を郭清していますが、その後はしこりのように硬くなるのでしょうか?それとも、なにも触れないようにきれいになってしまうものなんでしょうか?
腋窩リンパ節切除術後では、手術時に使用した糸の周囲に瘢痕形成が起こり、痛みを伴ったり、しこり様に腫れてきたりすることがあります。このような「手術に伴うしこり」は、術後2週間から数ヶ月までに出現することが多く、0.5〜1cm程度の大きさで触知します。貴女のように、「しこり」が2cmまで成長してくるようならば、新たな腫瘍の可能性が否定できないので、乳癌の局所再発も念頭に入れながら検査を進めていく必要があると思います。(文責 千島)
【No.1431-3】 03年04月29日 E.J.
術後の脇のしこり(3)何度も大変申し訳ありません。参考としてでいいですので、回答よろしくお願いいたします。5年程前に手術をしノルバデックスのみ服用していました。術後1年目に脇にしこりをみつけ、フルツロンも服用するようになりました。その後1年間位は小さくなってきているといわれていましたが、2年位前からしこりが触れるようになり、担当医に伝えましたが、術後のしこりでしょうといわれていました。先日の診察日に、再度聞きましたら、今度はたぶん局所再発でしょうとの事でした。2年位前は1.3センチで現在は1.7センチとの事です。今後の治療として、血液検査や肺のレントゲン等には異常はないから、今までどおりの治療でいいでしょうと言われました。一年に一度は骨シンチや腹部エコー検査もしています。「寝た子をおこすな」で、わざわざ手術で取ったりは必要ないでしょうとも言われました。私としては、触れてわかるものですから、遠隔転移するのではないかという不安がつきまとってしまいます。どのようにお考えになるかお聞かせいただければと思います。よろしく、お願いいたします。
乳癌の再発形式には、肺、肝臓、骨などに出現する遠隔再発と、一度手術で切除した部分に出現する局所再発とがあります。貴女の場合は「しこり」が切除側の腋窩リンパ節にあるので、局所再発ということになります。乳癌専門医の中でも、局所再発に対する治療法については意見が分かれるところです。通常は局所のみの再発であっても、画像に写らない微小な癌細胞が全身に隠れている可能性があるため、肝転移などの命の危険を脅かすような転移が無い場合は、原則的にホルモン療法剤などによる緩やかな治療を優先します。貴女の場合も再発してから4年経過しているにも関わらず、「しこり」自体にはあまり変化がないようなので、今後も急激に悪化する可能性は少ないと考えられます。しかし、4年間経っても局所に限局している「しこり」ならば、診断を兼ねて「しこり」が悪化する前に切除してしまうという考え方もあります。貴女にとって「しこり」の存在が精神的な負担になるのならば、思い切って切除してしまうのも一つの選択肢ではないでしょうか?特に急ぐ必要は無いと思いますので、主治医とよく相談の上、貴女に一番適した治療法を選ぶようにしてください。(文責 千島)
【No.1430-1】 03年03月15日 M.T.
乳腺の病気の相談3歳と5歳の子を持つ、39歳の母親です。平成14年7月に人間ドックの乳ガン検診の際乳汁(左胸、白色)が出るので、その場で乳房をはさんで撮るレントゲンと、乳汁中の腫瘍マーカーと細胞診の検査をしました。その結果レントゲンでは何も見つからず、細胞診はTということでした。ただ、腫瘍マーカーだけが400<1000(グレーゾーン)ということで経過観察ということになりました。その後、平成15年1月下旬に検査に行くと、腫瘍マーカーが1000になり、乳管造影を行うと乳管途絶が2カ所見つかりました。腫瘤は見つかっていません。そこでMRを撮ることになったのですが、私が閉所恐怖症のためできずに、代わりに造影剤を入れてCTを撮りました。これでも腫瘤は見つからなかったのですが、造影剤の立ち上がり方をみていると乳管に何かあるだろうということで、悪性を否定できる検査結果とはならなかったといわれました。この結果を受けて、腫瘍マーカーの測り方を2カ所出ているその乳汁ごとに測り直した結果、1つが1000、もう一つが1000<ということで、レッドゾーンといわれました。いくつか検査をしましたが、それはすべて乳ガンかどうか決定づけるものではなく、あくまでも補助的な検査であるということ、悪性か良性か結論づけるためには、切って細胞を検査するしか確定する方法はないといわれています。切るにあたり途絶の箇所が乳頭を中心にしてみると、上と下なので途絶箇所を含む乳腺を全部とろうとするとかなりたくさんとらなければならないそうです。そこで、次の3つの選択肢を与えられています。
@ダメージ(傷跡など)は残るが上と下をとる。つなげてとるのでかなり広範囲。(この場合、造影してきちんとマーカーをつけて手術をするが、腫瘤などの目標がない状態で手術をするので、本当にきちんと切除できたか後で造影もできないので確認が難しいといわれました。)
A乳腺全部をとる。ただ形成外科との連携で切除の時一緒に乳房を形成してしまう。
Bもうしばらく経過観察、ただし短いサイクルで細胞診検査をしてやはりおかしいという時点で手術する。
病気はこわいので、悪いものならば一刻も早くとりたいのですが、とってみたところ良性だったということもあり得るということや、手術そのものに対する不安などで、決断しかねています。どのようにするのが一番よいのでしょうか。どうかお教え下さい。あわせて、左腕のつけ根と左前の首のつけ根が1月の検査に行く三日ほど前からだるくて、何か違和感がある状態で2ヶ月が過ぎてしまいました。病気と関係あるのか心配しています。たくさんお教え願いたいことがあり、長い文章になってしまいましたが、どうぞよろしくお願いします。これまでの治療経過を読ませていただきましたが、丁寧にフォローされており、私自身が診る立場であっても同様に判断すると思いますが、ご質問の順番に考えて見ます。
@について
貴女のおっしゃるように確定診断を得るためには、切除して顕微鏡で組織を調べる以外にありません。従って、乳汁分泌中のCEA値が1000以上になっている方の乳管を見つけて、乳管造影を行うことになります。次にCEAが1000以上となっている乳管が造影されますので、その場所を確認して、その乳管の乳管腺葉区分切除を行います。摘除した乳管を含む小葉の連続切片を作り、良性の腫瘍であるのか、乳癌であるのかを病理学的に調べることが原則です。@を選択した場合は、このような流れで検査を進めることになります。
Aについて
必要な部分の乳管腺葉区分切除を行い、病理学的に調べることになりますが、乳腺全部をとる必要はないと思います。
Bについて
現時点で、手術がこわくて検査をしたくないということであれば、Bを選択することになります。
いずれにしても、これまでの状況を一番把握してくださっている主治医の先生と、もう一度納得がいくまでご相談していただくことが大切だと思います。違和感についても、乳癌との関連は少ないと思いますが、これについても、主治医の診察を受けて、直接確認してください。(文責 須田)
【No.1430-2】 03年03月26日 M.T.
乳腺の病気の相談(2)早速のお返事ありがとうございます。一連の治療の経過を、丁寧なフォローであるとおっしゃっていただき一安心しました。ただ前回の相談に関連いたしまして、もう少しお教え願いたいことがありますので、どうかよろしくお願いします。
@の場合、切除して検査をするならば、範囲にしてどれほどの部分の切除になるのでしょうか。現在上下4分の1ずつぐらいと聞いています。また、検査すべき場所をきちんと取り出すことができるのでしょうか。取り残しということがありうるのでしょうか。実は、切除するなら乳腺全部つまりAという方向で考えておりました。その理由は
T)前回の相談の折にも少しふれましたが、部分切除の場合は、確実にその必要なところをすべて取り出したということを後から確認することができない(乳腺を分断してしまうため手術後の乳管造影はできない)というふうに言われ、万が一にも切除時に乳腺の取り残しがあった場合(特に悪いものだった場合)のことを考えると、とった組織は良性と言われてもすっきりしないので、乳腺を全部とった方が安心だろうという私の考えです。
U)2カ所を切除して検査すると、つなげてとらなければならないため、乳房もかなりでこぼこで変形が大きくなると聞いています。まだまだおっぱいを触りにくる子どものことを考えると、変形が少ない方がよいのではないかと考えたからです。
検査のための手術というのはそんなに大がかりなものではないのでしょうか。Aを選択する必要はないのでしょうか。その理由は何でしょうか。まだ形成外科の受診はしていませんが、乳房を形成することに関して何かリスクはあるのでしょうか。急いで検査をした方がよいのかなど、手術の時期も含めて心配が絶えません。どうかよろしくお願いします。乳管の一部に途絶があり、早期の乳がん(非浸潤がん)の可能性がある場合でも、がんと診断されていない段階で一度に乳腺をすべて切除することは乱暴な話です。どの乳管から分泌液がでているかわかっているのですから(乳管造影ができた)、乳管区分切除の際に、その乳管から青い色素を注入してその染まっている範囲を取ればいいのです。異なる乳管に1箇所ずつ途絶があるのなら、それぞれの区分切除になりますが、乳頭内の乳管を含めて涙形にとることになるはずです。乳房が比較的大きい人は、変形は比較的少ないと思います。ただし、切除しなければならない範囲や、切除後の形などは実際に診察されている主治医の先生が一番わかっているので、今回も前回同様の答えですが、これまでの状況を一番把握してくださっている主治医の先生と、もう一度納得がいくまでご相談していただくことが何より大切だと思います。主治医に聞き難い雰囲気があるのであれば、医師を変えることをお薦めします。(文責 緒方)
【No.1430-3】 03年04月09日 M.T.
乳腺の病気の相談(3)何度もお世話になりますが、よろしくお願い致します。
早速ですが、乳汁中の腫瘍マーカーと細胞診の検査(1ヶ月ごとの定期検診)を3月24日にしました。その結果、細胞診は以前より変化なく、T(陰性)でした。しかし、腫瘍マーカーが200<400というふうに低位に変化しました。この結果を3月31日に聞いて、正直なところ戸惑いました。というのも、3月24日は、腫瘍マーカー1000以上という高い値と、乳管途絶という2つの現実を受け入れて、私なりに考えた結果、検査のための手術(全摘出)を受けると医師に伝えるための受診で、この日から、手術に向けて進んでいるからです。24日の腫瘍マーカー等の検査は、せっかく受診したのだからと私の希望で検査してもらいました。その結果が、腫瘍マーカー200<400だったのです。(この日は2カ所出ていたはずの乳汁が、1カ所しか出なかったので、その乳汁について検査しました。それから2月の検査時には、多分結果は変わらないだろうからということで、マーカーの測定はせずに、細胞診の検査だけをしています。)このことで、手術に踏み切る理由となった2つのうちのひとつが大きく揺らいでしまいました。主治医の先生に「高い値を示していたマーカーが下がることがあるのか。」と伺いますと、「ぼくは、こんな経験は今までにありません。ただ、今回の結果が今までの1000以上の数値の推移をうち消せるものではないと思います。」とおっしゃいました。そこで質問なのですが、
@ なぜマーカーが下がったのか、どのようなことが考えられますか。
A 2カ所出ていた乳汁が1カ所になったのはどのような理由が考えられますか。
B 4月23日に手術することを決定していますが、あわてて手術をしなくても大丈夫なのでしょうか。それまでに再度、あるいは新たに検査しておいた方がよいということがあるのでしょうか。
C 非浸潤がんが浸潤がんになるには、どれくらいの月日がかかるものなのでしょうか。
D 乳管途絶は手術するに値する十分な症状ですか。
私も同じくり返しなのですが、悪い病気ならばとても怖いし、一刻も早くとってもらいたいです。しかし手術を決断する決め手が、ひとつ揺らいだことにより、一旦手術を決めた自分の心も揺れます。先生ならばどのように治療を進められますか。どうぞお教え下さい。
追伸:8月以降、癌に効果があると聞いて、アガリクスを煎じて飲んでいます。参考までにお伝えします。これまでの質問と回答をも拝見しました。担当の先生は丁寧に診療をなさっていると思います。私自身は乳頭分泌液の腫瘍マーカー測定をあなたの場合のように頻回に測定した経験がありません。したがって腫瘍マーカー低下の理由がわかりませんが、担当の先生がいわれるように一度高値であれば要注意病変として扱う必要があると思います。でていた乳汁分泌が一時的にとまることはよくあります。そのことも腫瘍マーカーが低いほうの乳管のほうと思いますが、高い方の乳管であってもその乳管が要注意病変であることには変わりありません。非浸潤癌が浸潤癌になるのには何年かかかるといわれています。今の病変が良性か非浸潤癌である可能性は高いと思いますが、浸潤癌である可能性もあります。また乳房の病気のことをかなり心配なさっています。なんらかの生検、すなわち腺葉切除を受けるか、乳管内視鏡を用いての生検をなさってはいかがでしょうか?(文責 福間)
【No.1429-1】 03年03月13日 taka
頸部リンパ節転移59才の母の乳がんのことでご相談させて下さい。今年1月に脇の下にしこりを感じ、受診の結果、左乳房に癌が見つかりました。その後のCT、MRI検査で臓器には転移が見られなかったのですが、鎖骨周辺のリンパ節に4〜5個の腫瘤を認め、左乳房全摘+腋下リンパ節、癌の疑いのある鎖骨周辺のリンパ節(計約40個)を切除しました。病理の結果、原発巣は2cm、リンパ節転移の正確な数はまだ出てないのですが、10個以上は確実なようです。鎖骨上のリンパ節腫瘤も転移によるものでした。術後すぐのCT検査で、通常より少し大きめの(5mm位?)リンパ節腫脹が、鎖骨上よりさらに上の(頸部?)リンパ節に認められました。先生は領域リンパ節とおっしゃっていました。数は1個ではないとのこと。一応転移と判断して、これをターゲットに抗ガン剤の効き目を判断するとの事でした。ホルモン受容体が両方とも陰性だった為、化学療法のみで現在CEF1回目を終えたところです。そこでご質問ですが、
1) 頸部リンパ節を生検する意味はあまりないのでしょうか? 転移である可能性が高いとは思うのですが、手術をすると近隣のリンパ節が炎症を起こすことがあると読んだもので、もし転移でなかった場合を考えると、たとえCEF6クール後に縮小or不変だったとしても、抗ガン剤の効果であるという確証にならないのでは...と不安になります。増悪or臓器転移した場合は効かなかったとはっきりわかりますが・・・。ちなみに腫瘍マーカーは現時点でも異常なしで、反応しないタイプのようです。
2) 頸部リンパ節転移は、遠隔転移と同義と言われましたが、切除or放射線治療の対象にはならないのでしょうか? 鎖骨上リンパ節のみの転移なら、局所治療が功を奏す可能性があるとのことですが・・・。
3) この状況での抗ガン剤の1st lineは、CEFがbestでしょうか?(ハーセプトテストは結果待ちです。)
以上3点です。長々と書いてしまいました。お忙しいところ大変恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。1)おっしゃる通りです。頚部のリンパ節が転移かどうかを確認しないと抗ガン剤が効いているかどうかの判断はできないと思います。局所麻酔で摘出して調べるか、摘出してしまったら効果を見るリンパ節がなくなってしまうと言うのであれば、穿刺吸引細胞診といって細い針を刺してリンパ節の中の細胞を調べた方が良いと思います。腫瘍マーカーが現在正常だとしても反応しないタイプとは言えません。頚部リンパ節転移だけであれば、腫瘍マーカーは余り上昇しないことの方が多いと思います。
2)頚部リンパ節転移を遠隔転移と考えるか局所転移と考えるかは難しいところです。原則的には遠隔転移と考えるのでしょう。何故なら、現在の乳癌の病期分類では頚部リンパ節転移があれば4期に分類されますから。そして、頚部リンパ節転移のある患者さんの多くは、間もなく他の臓器の転移が現れてきますから。しかし、全ての患者さんがそうだとは言い切れません。中にはそこにしか転移がなく、そこを手術して長期生存している患者さんがいることも事実です。takaさんのお母さんがどちらなのかは神様しか知りませんが、局所再発の可能性に賭けて局所の治療をすることは全く無駄ではないと思います。しかし、腋窩リンパ節転移が多いと言うことは、頚部リンパ節転移があるかないかにかかわらず、全身化学療法の対象になりますから、どちらにしても抗ガン剤の治療をしなければいけないのですから、それを考えると、主治医の先生のおっしゃるように切除しないで抗ガン剤治療が妥当なところだと思います。但し、転移かどうかの確認は必要だと思います。
3)現在の手術後の化学療法のguidelineからすればCEF療法は1st lineです。しかし、ここ1-2年でCEF療法よりAC followed by TaxolやTAC (Taxotere+Adriacin+Cyclophosphamide)の方がリンパ節転移があって遠隔転移のない場合には治療効果が高いというデータが出てきています。Taxane系の抗ガン剤を使えばそれなりに副作用が強くなりますし、遠隔転移がある場合、強い抗がん剤を一度に使うのが良いのか、少しずつ小出しに順番に使うのが良いのかは患者さんや、主治医の考え方によると思います。(最近は前者の考え方が強いようですが)また、ハーセプテストが陽性の場合(その可能性が高いと思いますが)もかなり治療の選択には悩むと思います。というのは、ハーセプテストが陽性であればハーセプチンを使いたくなります。そしてハーセプチンを使うとすると、Taxaneとの併用がbestです。しかし、ハーセプチンを始めるといつ止めるかと言う問題がまだ未解決です。一方、ハーセプテストが陽性の乳癌はCEFがよく効くと言うデータもあるので、
このままCEFでいくのも一つの手だと思います。(文責 清水)
【No.1429-2】 03年03月25日 taka
頸部リンパ節転移(2)先日は母の頸部リンパ節転移の件で、丁寧にご回答いただき本当にありがとうございました。再度、ご質問させて下さい。病理の結果、リンパ節転移個数は70個中55個でした。予想を超えた多さに母と二人で泣き笑いでした。内訳はLevel1→28/39 , Level2→14/17 , Level3→13/14 です。
1)主治医に細胞診の必要性について聞いてみましたが、転移個数の状況からみて他の臓器へも転移していることは明白なので、細胞診をやるのは無意味と言われました。抗癌剤の効果は、頸部リンパの縮小増大に関わらず、臓器転移が画像上見られなければ「効いている」と判断すると言われました。じゃあ何故ターゲットを決めたのか...と少し疑問です。この判断についてもう一度ご意見を頂ければ幸いです。
2)頸部リンパ節転移の切除により、臓器転移なく長期生存されている方がいると話したところ、鎖骨上ならまだしも頸部では聞いたことがない、どこの病院ですかと言われました。奇跡的な事例なのでしょうか?やはりこれもリンパ転移の数からいって非現実的な選択でしょうか?
3)ハーセプテストは3+でしたので、今の状況からいくとハーセプチンを1次選択にしてもよかったのでは...と思っています。主治医に聞いたところ2次or3次選択と言われたので、やはり臓器転移がはっきりしてから...と思っているようです。CEFをこのまま続ける方がbetterでしょうか?
以上です。質問が前回と重複してしまい申し訳ありません。ご回答によっては他施設でセカンドオピニオンを受けることも考えています。何卒よろしくお願いいたします。1) への答え
考え方としては、腋窩(level3まで)に相当数の転移があったので化学療法が必要である。しかもCEFなどのアンスラサイクリン系の含まれた組み合わせが必要である。したがって、takaさんの主治医の先生の、CEF選択は正しかったと思われます。一般的に、鎖骨上リンパ節転移は、病期4で遠隔転移(肺や骨、肝臓などの離れた臓器)と考えます。その場合、転移した部位に抗がん剤が効くかどうかを見ながら治療
を進めていきます。ですから腫れている頚部リンパ節の縮小増大をみながらCEFを続けていくのが道理の様に思えます。また、「臓器転移が画像上見られなければ「効いている」と判断する」という主治医の先生の言葉は、手術の際に遠隔転移のない患者さんに再発防止の目的で行われる術後補助化学療法の際の考え方です。ですから、私には主治医の先生の言葉に矛盾があるように思います。
2) への答え
現実的な考え方は、化学療法CEFが効いているのであれば〜頚部リンパ節が小さくなる〜手術する必要もないし、CEFを変える必要もないというものではないでしょうか? 抗がん剤の効果の有無が、その患者さんの予後を決めるという原則があるからです。難しいのは、何サイクルCEFをすればいいのかというところだと思います。遠隔転移のない術後補助化学療法であれば、6サイクルという目安がありますが、遠隔転移のある病期4の患者さんは原則的にここまでというものがありません。ただ、清水先生がおっしゃるように頚部リンパ節に転移して長期生存している患者さんがいることも事実ですから、術後補助化学療法に準じて6サイクルぐらいがんばって、リンパ節が消えているのなら放射線治療をその後の局所コントロールの目的で行うという方法もあるのではないかと思います。そこはよく主治医の先生と相談していただく他ないと思います。
3) への答え
2)の答えに続く形になりますが、Herceptin+taxaneはCEFの効果によって使うか決めれば良いと思います。(文責 緒方)
【No.1428】 03年03月12日 J.F.
乳頭から白い分泌物27歳で、一昨年の10月に流産の経験があります。左胸だけが痒いことがしばしばあり、最近真っ白い分泌物が少しですが出てきています。押すと更に出てきます。何かの病気でしょうか? 病院に行かないといけないでしょうか? ご回答いただけますよう、よろしくお願いいたします。
乳頭分泌についての質問です。分泌液の色は、白色、黄色、透明、血性で褐色ないし赤色と、様々です。一般に、血性乳頭分泌の場合、70%が良性で乳管内乳頭腫、30%が乳癌と言われており、血性分泌で赤色が濃い場合は、悪性である確立が少し高くなります。貴女のように白い分泌物の場合、悪性である可能性はほとんどありませんが、念のため、乳腺を取り扱う専門医を受診し、細胞診検査、マンモテック(分泌物中のCEA)等の検査を行うことをお勧めします。(文責 須田)
【No.1427】 03年03月12日 Y
乳癌でしょうか?はじめまして、メールさせて頂きます。私は現在25歳、出産経験はありません。3ヶ月〜6ヶ月前くらいに、左脇下に小さな腫れを見つけました。詳しくは覚えていないのですが、ちょうど脇の毛を剃っていたところ、ちょっと出血があり、それで腫れていたのだと思っていました。押すと痛みがありました。しかし、腫れは小さくなってきたものの、完全には無くならず、本日に至り、しこりとなって大きさも少し大きく、押さえた時の痛みも強くなっています。腫れは、赤みがあり、蚊に刺されたよりもう少し硬い手触りです。1cmほどで、表面に腫れがあるという具合です。外傷による腫れならば、1ヶ月程で治ると書いてあったので不安です。病院に行けるのが来週で、それまでとても不安なのでご相談いたします。乳がんでしょうか? 乳房のしこり、乳頭のへこみなどはありません。肺がんによる転移でしょうか? タバコは吸っています。お忙しい中大変恐縮ですが、ご返事いただけると幸いです。宜しくお願い申し上げます。
腋窩の痛みのある腫瘤ということですが、この状態については、@皮膚の病気、Aリンパ節の腫れ、B副乳等が考えられ、乳腺の腫瘤、特に乳癌の確立は低いと思われます。
@ 皮膚の病気であるとすれば、「炎症性粉瘤」が考えられます。これは、豆腐のおから様のものが詰まっている袋にばい菌がついて、脹れ、膿をもったもので、切開排膿が必要です。
A 腋窩リンパ節腫脹であるとすれば、何らかの原因で脹れてきているのですから、針を刺してリンパ節の細胞を吸引摂取し、調べることになります(吸引細胞診)。
B 副乳とは、腋窩に生まれつき第3、又は第4の小さな乳腺組織が存在する状態で、この腫瘤が副乳であるとすれば、月経前に副乳が脹れて、痛むことがあります。
以上、一般的なことについて述べましたが、貴女が心配している乳癌である確立は非常に低いと思いますが、いずれにしても診察・検査しないことには推測の域を出ません。不安を取り除く意味からも、早めの受診をお勧めします。(文責 須田)
【No.1426】 03年03月11日 S・S
「胸のしこりと分泌物」についてご相談いたしますはじめまして、乳がんについて不安になり色々検索している内にこちらのサイトにたどり着きました。宜しくお願します。
私は38歳既婚、子供2人です。二人とも帝王切開での出産で、上の子の時は体調が悪く、母乳を全く与えませんでした。下の子の時は、体調も良く母乳のみで育てました。母乳は良く出て、止めるのにかなり苦労して半年以上かかり、その後 何年かして乳首に白いカスみたいなのがついているのに気がついてはいましたが、気にはしていたもののそのまま放置していました。母乳をやめて現在7年、去年の12月に、ちょうどその時は生理3日ほど前で胸が張っていたのですが、乳首の周りを強くつかんだ時に(両方)、白い母乳のようなものが
出たのを確信しました。白いカスがついていたのは知っていて、まさかとは思っていたのですが、それから気になり外科の方で受診しました。すると左の胸にしこりがあるということがわかりました。分泌物も、右は透明で、左は母乳の初乳のように少し黄色みだったので、両方とも、サラサラじゃなく、少し粘りがある液体細胞診(分泌物から)の検査と、マンノグラフィーを念のためしましょうと云うことになり、エコーもした方が良いのでという事で、2週間後にエコーの予約を入れました。自分でお風呂では触って確認していてしこりは無いと思っていたのですが、少しショックと不安が隠せません。ちなみに私はとても胸が大きく、しこりが探せ出せなかったのかも・・・と思ってみたり。昔から、左の胸は、いつも生理前、その後関係なく、右よりも良く張ったり、痛みがあったりします。母乳も左の方が良く出ていたと思うのですが、細胞診の結果はまだなのですが・・・。
それで、分泌物のことですが、
@ 右と左、両方からあるのですが、色の違い(透明と黄色み)、先生は、こういう人もいるとは云っておられましたが、こういうこともあるのでしょうか?
A 左の乳房は結構張りやすく、痛みも右より強いです。今も、少し乳首が敏感になり、少しあたると痛いような気がします。分泌物の色、しこり、痛み、これは癌を疑わないといけないのでしょうか?
B 私は胃が弱いので急性胃腸炎を良く起こします。その時、病院での胃薬などを常時ではないですが良く飲みます。何か関係はあるのでしょうか? あと、ビタミン剤の服用も多いです。
C 去年の夏、ホルモンの異常で生理が止まり、ホルモン注射で生理をおこした後に、低用ピルを避妊の為服用しました、その時も左胸が張って乳首が敏感になり、吐き気がひどく、服用は1ヶ月で止めましたが、何か影響はありますか?
初めてのメールで長々とすみません。あと2週間のエコーの日まで、とても長く不安なので、宜しくお願します。ちなみに、総合病院で診察を受け、担当は外科です。エコーの日には胸専門の先生が来るので、その日の方が良いのでと云うことで、2週間後の土曜日に予約しました。1.乳頭から分泌物があることはよくあります。乳腺の組織がしっかり残っている若い方ではなおさらです。問題なのは、血性の分泌物や、多量の透明な分泌物が、乳頭の一カ所からでる場合です。この場合、乳管にポリープやがんが見つかることがあります。乳汁様のものはまず心配ありません。
2.がんのしこりは一般的に痛みはありません。しこりは、超音波の結果を待ちましょう。
3.胃酸を下げる薬剤のなかには、脳からの乳汁分泌刺激ホルモンを増加させて乳腺がはることがあります。
4.ピルは女性ホルモンですから、乳腺の刺激になり、服用中は乳腺がはったりします。ピルが乳がんのリスクを高める可能性は低いと考えられています。1ヶ月程度の期間であれば問題ありません。(文責 徳田)
【No.1425】 03年03月11日 T.H.
線維腺腫ではないかといわれたのですがはじめまして 私は31歳で子供はいません。3、4年前から右胸下に1cm位のしこりがあります。2年前乳がんで母を亡くした事から、すぐ市の乳がん検診を受けました。再検査でマンモグラフィー、エコー、細胞診を行いました。その結果、線維腺腫ではないかと言われ、経過観察ということで、半年後にまた来てくださいと言われました。しかし引越しなどが重なって忙しいこともあり、結局検査に行かないまま1年以上たってしまいました。今年に入って違う病院で、マンモグラフィー、エコーをとったところやはり線維腺腫ではないかと診断されました。ただ触診、マンモグラフィーの結果では間違いなく線維腺腫なのですが、エコーの結果、ギザギザしている部分が少しあるのと、白いチョンチョンとしたものが写っているので、確信を得たいなら細胞診を行いますがどうしますかと言われました。やはり不安なので細胞診は行おうと思うのですが、また経過観察という場合、今後乳がんになる可能性はあるのでしょうか。しこりの大きさは気がついた時から変化はありません。もしかしたら、もう乳がんかもしれないと思うと不安でたまりません。説明が分かりにくい部分もあるかも知れませんが、よろしくお願いします。
線維腺腫ががんに変わることはありません。もともとがんだったということです。したがって、今回の検査で悪性の可能性も考えられるのであれば、細胞診や組織診をして否定しておくべきです。(文責 徳田)
【No.1424-1】 03年03月11日 K/S
手術の時期についてはじめまして、42歳、2児の母です。14年12月に右腋のしこり(5cm)からVaの乳癌と診断され(乳房の方は0.7cm)ただいま抗癌剤治療中です。CT・骨シンチ検査異常なし、ホルモン感受性−、ハーセプト2−といわれています。2回の点滴で1.5cmまで小さくなり、ただいま3回目の点滴を終えて10日目になります。お聞きしたいのは手術の時期ですが、後一度、4回目の点滴を行ってからした方がよいかどうかです。この時期、子供の卒業、入学など重なり、母親としては4回目の点滴を終えてからの時期がちょうどいいので、主治医に相談するとリスクは何もないのでそうしましょうと言われました。ただ、今になって、抗癌剤の副作用による吐き気がひどく、後1度の点滴を躊躇しています。と言いながら自宅でこうしてメールをしていられるのはたいしたことないのでしょうか? つまり、後1度の点滴にメリットがあるのならば、何が何でも頑張るつもりですが、ただ時期を延ばすだけなのであれば、早く手術した方がよいのではないでしょうか? 主治医の先生にももう一度相談するつもりですが、もしよろしければご意見をお聞かせいただけないかと思いメールさせていただきました。お忙しい所申し訳ありませんがよろしくお願いします。
術前化学療法は、4から6回行うのが一般的です。術後に行う分を術前にするわけですから、しかも効果があがっているのですから、予定通り十分術前治療をしてから手術に臨むべきです。(文責 徳田)
【No.1424-2】 03年04月11日 K/S
手術の時期について(2)その後もう1回の点滴を受け、合計4回を終えました。薬はアドリアマイシン系、5FU、エンドキサンと聞いています。CT検査で乳房の方のものは殆ど消え、腋の方はかなり小さくなったものが3つほど確認できているそうです。主治医の先生から、ここで手術をするか、術後予定の薬(前回のものとは異なる点滴で「週1回×3+1週休×4」行う。吐き気などの副作用はあまりない)で続けて治療するかの選択をするよう言われました。私の一番の心配は、早く手術で切ってしまわなくて良いのかという事なのですが、それに対して主治医の先生は、治療前の検査結果などを見て急ぐものではないとの事でしたが、はたしてそういうものなのでしょうか? 私は早急な手術の必要がないのであれば、このまま術前治療を続けて少しでも小さくしたいと思っていますが、いかがなものでしょうか? お忙しい所恐縮ですが、ご意見をお聞かせいただければ幸いです。よろしくお願いします。
リンパ節転移を伴う乳癌の術前化学療法についての質問、特に化学療法施行期間に関してのご質問です。乳癌の治療に化学療法はなくてはならないものなのです。術後に化学療法を行うという話はよくお聞きだと思います。術前化学療法は術後に行う化学療法の一部を術前に持ってくることにより、@腫瘍が小さくなるかどうかにより抗ガン剤の効果(その抗ガン剤がきくかどうか)を知ることができる A従来なら手術が安全にできないような進行した乳癌も小さくして手術可能にする B更に乳癌が小さくなれば乳房全摘の手術から乳房温存術へ手術を縮小する事ができる といったことを目的としています。KSさんの場合は@のことははっきりしたと思います。抗ガン剤をどのくらいの期間続けるかに関してははっきりした結論はでていません。しかしリンパ節が残っていることもあり、新たな抗ガン剤の追加を行うことでさらにリンパ節の縮小を期待するのも1つの選択肢ではあります。このことに関しては、患者さん自身が決めることも大切ですが、主治医の意見をもう少し納得がいくまで聞かれて決定される必要があると思います。(文責 福間)
【No.1423】 03年03月10日 A.N.
リンパ郭清手術について66歳の実母のことで、ご意見を聞かせていただきたいと思います。今年1月末に右胸にしこりがあるのに気づき、総合病院で検査を受けました。細胞診の結果、疑陽性という結果が出たので、2月中旬に手術でしこりを取り出して検査をする事になりました。手術後に医師から、「手術前は肉腫だと思っていましたが、手術中に癌だと言う事がわかりましたので、回りを大きめに取る手術に切替えました」と話がありました。
<手術の結果>
・癌の大きさは2cm。
・髄様がんを含む充実腺がん。
・詳しい検査の結果、切断部にがん細胞は見られず、癌はとりきったと考えられるので、放射線治療は必要がない。
手術の結果を聞いた後、リンパ郭清の手術をするかどうかを決めてほしいと言われました。
・今後の治療方針を決める上では、郭清は望ましい。
・今現在の検査においては、リンパに癌が見つかる可能性は低い思われる。
・センチネルリンパ節生検は、癌を取り出してしまっているので、正確さに欠けてしまう。
・今手術をしなくても、検査を続けていく事で、リンパに発症してからリンパ郭清をすることで、生存率は変わらない。
・今なら、おそらくレベル1の郭清ですむ可能性が高い。
以上のような説明を受けましたが、「手術は受けても受けなくもどちらでもいい」という印象を受けました。それでも、安全性や確実性を考えると、手術を受けた方が良いことはわかっているのですが、母は術後の後遺症のことを考えてためらっています。もちろん母の気持ちは大事にしてあげたいのですが、手術を前向きに考えるように勧めた方が良いのでしょうか。手術の選択を悩む場合、主治医に確認しておくべき点がありましたら、アドバイスをしていただきたいと思います。主治医の説明について私の意見を申し上げます。
切除断端に癌の遺残はないとのことで、放射線治療は不要とのことですが、乳房温存手術後は、遺残がなくても、残存乳腺の再発防止のため残存乳腺に放射線をあてるのが原則です。
現時点では、術後の再発の予測の治療方針の決定のために、腋窩のリンパ節をとって調べるのが標準です。レベルIの手術ですから、術後の生活を大きく損なうような後遺症はないと考えます。(文責 徳田)
【No.1422-1】 03年03月10日 Y.Y.
癌だと言われたけれどはじめてお便り致します。私は48歳、現在米国在住ですが、既婚、子供なし、3年前子宮と左卵巣を摘出した者です。この一月にマモグラムの定期健診で左乳房が引っかかり再撮影、マモテストバイオプスィーというものを受けて、10日ほど前、ホームドクターから癌だったと言われました。1回目のX線写真では、乳首の近く辺りに針先ほどの白い影が3つ見えました。以前、子宮筋腫で医者にかかったときも、大きめの筋腫があるので筋腫も卵巣もとってしまおうと言われ、ある程度納得した上で摘出してしまいましたが、海外での手術入院などは様々な面で負担がありました。勿論悪い事ばかりではありませんが・・・。今回も癌だから取り除こうといわれて、頭は納得しているつもりなのですが、見せてもらった写真の影が余りに小さかったので、素人ゆえに他に方法は無いのかと思ってしまいます。3月13日に外科医に詳しい事を相談に行く事になっておりますが、セカンドオピニオンを取る必要があるかないかの判断基準さえが分かりません。日本の友人が様々な資料を送ってくれて、その中に、民間療法で、新型乳酸菌なる物を飲んだら乳癌が消えたとかいう話がありました。質問させていただきたいのは、@このような民間療法は試す価値があるか? A処置として切除以外ないのか? B切除しかないとして、写真の影が針先ほどの大きさのもので、どれくらい取り除かなければならないのか。 お忙しい中とは存じますが、よろしくお願い致します。
1)民間療法にもいろいろありますが、効果についても毒性についても客観的な検証がなく、行うべきではないと思います。
2)3) 現在のところ手術がbestです。触診では、わからないような大きさの腫瘍ですので、早期の段階であり、乳房温存手術が可能であろうと思われます。したがって、乳房の変形にともなうbody imageの変化も少ないと思われます。実際の切除範囲については、外科の担当医によく聞いてみましょう。(文責 徳田)
【No.1422-2】 03年03月26日 Y.Y.
早急に手術をと勧められて前回のメールへのお答えありがとうございました。実は前回のメールが手違いで、きちんと配送されておらず、先生からのお答えを受け取るのが遅れました。しかし、結果的に先生がご指導くださったように、2月中旬に左胸の手術を受けたのですが、その時取り出した組織とリンパの検査結果が考えていたよりも悪く、2度目の手術を早急にするように勧められています。手術で取り出した組織は、9.5×7.0×2.8センチで、“触診で分かるような確固とした塊は見られないものの、腫瘍は4から5センチくらいになっていると思われる(tumor probably involving a 4-5cm)”とレポートにはあり、”別個の癌エリアはないが、いくつかの硬い部分がある”とありました。更に歩哨リンパ生検では3個の内2個に転移が見られるということでした。これを受けて、体の他の部分に転移がないかどうか、MRIやCTスキャンを受けた所、転移はないということでした。MRIは左胸も受けましたが、何も写っていなかったそうです。それでも、手術をした先生も化学療法の先生も、左胸全摘出と左腕リンパも全摘出を強く勧めるとおっしゃいますが、正直言って、このような展開に頭も心もついていけません。手術後の胸の大きさがさほど変化がないように見えたので(私の胸の大きさははせいぜいソフトボール程度だと思います)、そんなに大きな組織を取ったとは思えず、本当にこのレポートは私の物かと疑いました。一応、先生に説明を受けて理解はしたものの、やはり何処となく引っかかっています。先生は、私の癌はマモグラムでもMRIでも見つかりにくいタイプの上、浸潤性で進行が速い、癌のステージは3だとおっしゃいます。そこでお聞きしたいのですが、
@マモグラムでも触診でもMRIでも発見できないような癌はあるのでしょうか?あったとして、いきなりステージ3というような事もあるのでしょうか?
Aリンパ線を取ると、時として障害が残る事があると聞きます。生活の事を考えると、癌の転移のリスクも怖いけれど障害も実際困る。化学療法や放射線では間に合わないのでしょうか?
B左胸上外側4分の1を取っても、見た目、さほど大きな変化がないと言うようなことがあるのでしょうか?
決断の参考にさせて頂きたいと思います。何卒よろしくお願いいたします。No.1422のご質問の続きでよろしいのでしょうか。回答者が異なりますが、ご了承ください。まず、どのような手術を受けられたのか、判断に困りますが、乳癌の治療目的に手術を受けられたということでよろしいですよね。そうであれば、乳房温存手術と、歩哨リンパ節生検と言うことになろうかと思います。乳房についてですが、癌組織が完全に切除されているのであれば、さらに全摘する必要はないと考えますので(担当医に聞いていただくしかありませんが)、おそらく切除断端に癌の組織を認められたために、再手術を勧められたのではないでしょうか。腋窩リンパ節については、歩哨リンパ節生検で2個に転移を認めたとのことですから、通常であれば、腋窩郭清を行う必要があります。私も担当医と同じ意見で、再手術を受けられるのがベストだと考えます。しかし、御自分で納得できないということでしたら、担当医とよく相談されるべきです。乳房に対しては、放射線照射、腋窩リンパ節転移に対しては、再郭清しないで化学療法を受ける、ということでもいいと思います。左胸上外側4分の1を取っても大きな変化がないことはあります。また、画像検査で見つかりにくい場合はありますので、担当医に納得がいくまでご相談ください。(文責 岡本)
【No.1421-1】 03年03月08日 M.H.
細胞診の結果、乳がんと言われましたはじめまして。昨年5月、しこりが気になり、病院に行きました。そちらで、「左胸のしこりがちょっと気になる。」と先生に言われ、細胞診を実施。結果はクラス2でしたので、3ヵ月後また来院となり、その後3ヶ月ごとに細胞診をしました。昨年11月まですべて結果はクラス2だったのですが、今年2月、クラス3・クラス4の判定が出たので(複数の先生に判定してもらった結果だそうです)再検査となり、再度細胞診を実施しました。その結果3人の先生の判定がすべてクラス5となり、「乳がん」なので手術をするよう指示を受けました。しこりの大きさは1.3センチ。温存手術になるそうです。
そこで質問なのですが
・ 3ヶ月前までクラス2だったものが、3ヶ月でクラス5になるなんてことがあるのでしょうか?
・ 再検査結果がクラス5であれば、組織診を行わずに手術してしまって大丈夫なのでしょうか? 切った結果「がんではなかった」可能性はないのでしょうか? 先生からは、「組織診ではがんだった場合、細胞が飛び散るので、あまりよろしくない。」といわれました。 とはいうものの、いきなり手術というのがすごく不安です。組織診を希望すべきでしょうか? またセカンドオピニオンをたてるべきでしょうか?1.3ヶ月まえから同一のしこりをみているのだとすると、結果的にはもともとクラス5(悪性)であったと考えるべきです。もともと悪性でも細胞診で良性とでること(疑陰性)が15%程度あるからです。悪性の結果が一度でもでたら、それに対応して次の計画をたてるのはもちろんです。
2.クラス5でも悪性でない場合は、0ではありません(施設によって異なりますが、0−5%)。つまり疑陽性の可能性は完全には否定できません。そこで臨床所見を総合して判断します。良性の可能性もあるときはしこりを切除して組織を調べるべきです(局所麻酔で、日帰り手術で可能)。そして、がんの診断がつけば、それからがんの手術をしても遅くはありません。
3.あなたの場合は温存手術を計画されているので、乳腺については、しこりを切除して調べるのとほぼ同じです。手術中にがんか良性か診断がつけられるのであれば、かりに良性であったとしても余計なことをしたことにはなりません。ただ、腋のリンパ腺をとったりすることは良性では必要ありません。
4.切除して組織診をすることは、がんを広げることにはならないというのが現在の考え方です。(文責 徳田)
【No.1421-2】 03年04月15日 M.H.
術後の治療についてこんにちは。3/8に一度御相談を差し上げたものです。その後、別の病院で再度検査をしましたが、やはりがんである可能性が高いことから、4/1にその病院で温存手術&リンパ郭清を行いました。結果は湿潤性硬がん、サイズ=1.5センチ、異形度=1、リンパ転移=0/26 切断面(でしたっけ?)はすべて(−)マイナス、エストロゲンレセプタ=(−)マイナス、プロゲステロンレセプタ=(+)プラスでした。術後の治療については、担当の先生に「非常によい結果が出ているが、年齢が若い(29歳)であることから、とりあえずホルモン療法(ゾラテックスかデュープリン)を2年間やってみてはどうか。放射線については必要ないと考えるが、望むのであれば受けることは自由」と言われました。そこで御相談ですが、
@ いろいろ調べると温存手術の場合、放射線治療は原則として必ず行うとなっていますが、必要がないと判断されるのはどのような場合なのでしょうか? また、上記のような結果の場合、放射線治療を受けるべきでしょうか?
A 結果の通りエストロゲンレセプタ=(−)マイナス、プロゲステロンレセプタ=(+)プラスの場合、ホルモン療法は効果があると判断していいのでしょうか?
B 最初に診察を受けた病院では、「年齢が30歳以下の場合は、放射線と抗がん剤は必須」といわれたのですが、実際、抗がん剤ではなくホルモン療法でよろしいのでしょうか?
以上複数になってしまい、お手数ですがご回答いただけると幸いです。よろしくお願いいたします。放射線治療に関してですが、手術で切除されたもの(検体)を詳しく調べ(たとえば検体をすべて5mm間隔で細切し顕微鏡で細かく調べる)、切断面(断端)に癌がなければ乳房の中に乳癌が再発(乳房内局所再発)する率は十分に低いと報告されています。しかし放射線治療を追加でするかどうかは、ご本人が術後の再発をどの程度心配にするかにもよります。低い確率でも再発をおそれる方であれば、精神的なQOLが下がる可能性があります。患者さまご本人の性格などにもよると思います。放射線治療をするのには時間もかかります。しかし再発をずーっと気に病むようであれば放治をした方がいいかもしれません。20歳代の乳癌で、リンパ節転移なし、しかし浸潤癌、レセプターはプロゲステロんレセプターのみ陽性、化学療法をするかどうかは迷うところだと思います。放射線治療の是非と同様のことだと思います。医師としての意見としては、主治医にもよりますが、私であれば化学療法を受ける方向でお話しをすることになるでしょう。(文責 福間)
【No.1421-3】 03年10月12日 M.H.
術側の胸の腫れと痛みについて以前に、「No.1421-1」および「No.1421-2」で御相談させていただいた者です。その節は大変お世話になりました。いただいたアドバイスを参考にさせていただき、結局術後、放射線治療を受け、その後ホルモン療法(ゾラデックス)を継続しております。さて本日御相談したいのは術側の胸の腫れと痛みについてです。手術より半年、放射線治療終了から約3ヶ月経過したのですが、最近、術側の胸が全体的に腫れており、熱をもっているようです。また左胸が術側なのですが、乳房の外側の傷の周辺と上部に手で触ると痛みが出るようになってきました。質問です。術後時間も経過していますが、このような症状が出ることはあるのでしょうか?もし考えられるものがありましたら教えていただけますか?放射線の影響?それとも再発?と不安になっています。何か症例がありましたらそちらの情報(必要な検査や治療法等)を教えていただけると幸いです。どうぞよろしくお願いします。
乳房温存術の術式は、各施設・主治医によって多少異なっているため、乳房内のどの部位に、どの程度の切開をおき、どの範囲で乳腺を切除したかによって、術後の疼痛に差が出てきます。乳腺の切除範囲が小さすぎると再発率が高くなるし、大きすぎると美容的に醜形を残します。多くの施設で根治性と美容性のバランスが問題になっており、平成16年6月に開催される日本乳癌学会のシンポジウムでも、この話題について取り上げられています。参考までに当院での温存手術の場合についてお話します。乳腺内再発を少なくするために、比較的大きめに乳腺を切除するため、温存術と一緒に残存乳腺組織を使って乳腺形成術を追加しています。この術式を用いると、乳房変形を出来るだけ少なくしながら、乳腺の1/3程度まで切除可能です。原則的に温存術の後は放射線照射(高出力X線:50Gy)を行い、切除断端から5mm以内がん細胞を認めた場合は、追加照射(電子線:10Gy程度)を行います。この場合、放射線照射後3〜6ヶ月程度は残存乳房に炎症が残り、健側乳房に比較して乳房が硬く感じられますが、1年以内には通常の硬さに戻ってきます。切開や切除範囲により術後炎症の程度は異なりますので、詳しくは執刀医に聞いてみる方が良いと思います。残存乳房の再発率も、手術方法、放射線照射の有無によって大きく異なりますので、各施設での乳房内再発率を主治医に聞いてみるのも良いのではないでしょうか。通常、乳房内再発の検査はマンモグラフィおよび超音波検査を用いますが、CTやMRI検査も残存乳房再発診断に有用と考えられています。温存術後は半年から1年で局所再発検査があるはずなので、心配ならば主治医に相談してみることをお勧めします。(文責 千島)
【No.1420】 03年03月08日 T.O.
右脇のしこりと腫れについて初めまして。3日ほど前から右脇が痛み、「筋肉痛かな?」とも思ったのですが、それにしては「脇だけ」痛いのは不自然だったので、病院(外科)に行ってきました。右脇は赤くなったりはしていないのですが腫れていて腕を下ろすと腫れている部分が圧迫されて痛みます。右脇の一番凹んでいる部分を押すと 筋に沿って3cmくらいの細長いコロコロしたものがありました。外科の先生は「モンダール病でしょう」とおっしゃいました。「静脈が炎症を起こし、血管が筋のように集まっている」と話していたような気がします。「どんな事が原因で今回のように腫れてしまったのでしょうか?風邪などが原因ですか?」と尋ねたところ、「原因はいろいろあって」とのお返事でした。「この病気は自然治癒するから大丈夫、もし2週間経っても痛むようでしたら再診して下さい」とのこと。珍しい病名だったので、インターネットで検索してみましたが見当たらず、病名を聞き間違えたかもしれません。あまり深刻な病気ではなさそうですが、自分が患った病気がどんな病気なのかを知りたくてメールさせて頂きました。お忙しいところ大変申し訳ないのですが、もし思い当たる病名がありましたら教えて下さい。どうぞよろしくお願いします。
モンドール病(Mondor病)でお調べください。疾患の内容は主治医のとおりです。原因は、わからないものや、外傷が大部分です。乳がんがかくれている場合も少ないですがあるので、念のために乳がん検診もしておきましょう。(文責 徳田)
【No.1419】 03年03月07日 yoshi
術後の治療法初めまして、妻(41歳)の乳ガンについて質問させてください。昨年の12月に右胸のしこり、腋の下のしこりを自分で発見し、検査をしたところ、乳ガン(7cm)と診断されました。タキソテール、エピルピシンを3クール行いましたが、しこりは半分ぐらいの大きさになったものの主治医によれば抗ガン剤の恩恵を受けるほどには小さくなっていないと言われました。3クール後に、右胸全摘および腋窩リンパ節(レベル1〜3)を切除する予定です。そこで、術後の治療について相談させてください。主治医の先生による術後の治療方針によれば、術前にTEを3クール行ったが思ったほどの効果がなかったのでCMFに切り換えて投与し、その後、ホルモン療法を行うとのことです。一方、統合医療を行っている先生からも術後の治療についてセカンドオピニオンを受けたのですが、妻のホルモンレセプターが陽性であることから、術後は抗ガン剤を投与せずにホルモン療法を開始した方が良いとアドバイスされました。その理由として術後の化学療法での生存率アップは10%程度しかなく、術前の化学療法での効果がさほどなかったのであれば、術後の化学療法の恩恵はあまりないので、効果があることが分かっているホルモン療法を開始した方が良いとのことです。術後の化学療法を受けずにホルモン療法を開始すべきでしょうか? また、抗ガン剤による恩恵(生存率アップ)を受けることのできる患者は、術前の抗ガン剤で腫瘍が殆ど消滅したような患者であるという話を聞きましたが、本当なのでしょうか?ちなみに、妻の診断結果、治療経過は以下のとおりです。
(1)診断結果
・硬ガン ・悪性度(核異型度)3 ・ハーセプトテスト 1+ ・ホルモンレセプター Er陽性、PgR陽性 ・しこりの位置、大きさ 約7cm (胸筋には達していないが、乳首にまで達している) ・腋窩リンパ節転移(レベルT 4〜5個 8mm)(レベルU 3個 13mm)(レベルV 1個 3.8mm) ・肋骨間(超音波で確認されたが2クール後には確認できず) ・他の部位(12月時点でのCT、超音波では転移が確認されず)
(2)治療内容
・術前化学療法(タキソテール エピルピシン)
・生理を止めるリュープリン注射
・手術予定・・・3クール後に右胸全摘、リンパ節レベルT〜V切除予定
(3)抗癌剤2クール後の状況
・原発巣(7cm → 3.8cm)
・腋窩リンパ節転移
レベルT・・・4〜5個、8mm → 2個、4mm、5mm
レベルU・・・3個、13mm → 2個、4mm、3mm
レベルV・・・1個、3.8mm → 確認できず
・肋骨間(超音波で確認されず)術前化学療法3コースの結果をみますと、大きさからは期待ほどではないかもしれませんが、奏効していると判断してよいと思います。術前のタキソール、エピルビシン3コースで化学療法を終了するのは不十分です。術前でも術後でも4−6ヶ月(6コース)は行うべきです。したがって、3コースで手術するのであれば術後、化学療法をおすすめします。ホルモン療法は、そのあとでよいと思います。(文責 徳田)
【No.1418】 03年03月06日 K.K.
温存法についてお聞きします2月の末に、外国に行っている妹〔38歳〕が乳がんの診断を受けたと連絡してきました。そちらでの診断では、全摘出をすすめられて、妹は乳房温存手術をできれば希望したいが、どんな基準で決められるのか知りたいとの事で、質問させていただきます。乳管のがんで、箇所は2箇所、大きさは、1p弱とさらに小さいもの、初期のがんだという事で温存の可能性を期待しています。2箇所あり、乳管にできたがんの場合、全摘出がやはり最適なのでしょうか?このような情報だけで、ご質問のできるかもわからないのですが、早めに手を打った方が良いとは思いつつ、妹もどなたにどうやって聞いたら良いかわからず困っています。よろしくお願いいたします。
2カ所に病変が存在するために、多発の可能性があり全摘出術を勧められているのだと思います。乳房温存手術後、残存乳腺に放射線を照射しても残存乳腺に再発する可能性が高くなるからです。ただ、再発は30%程度(少なくとも100%ではない)かと思われますので、再発したらまた切除すればよい、それより乳腺を残したいと考えるのであれば、温存を希望されればよいと思います。これは、ご本人の考え方次第です。(文責 徳田)
【No.1417】 03年03月05日 H.T.
細胞診と組織診について乳首の真横にあずきぐらいのしこりを見つけ、エコーで判断がつかなかったため、細胞診をしました。腕に刺すぐらいの注射を使いましたが、私は注射が嫌いなので、少々暴れてしまいました。すると先生が、組織診もやろうとおっしゃって、同じような注射をもう一本刺し、何かシュポシュポと吸い取るような動作をされていました。吸い出した液は、私が授乳中であることからか、ミルクだと思うけどとおっしゃいました。結果は約2週間後です。組織診は細胞診で疑いが生じたときにするものだと思っていたのですが、私の場合はどうなのでしょうか?ただ単に私が異常に痛がったので、後日改めてするのは面倒だからなのでしょうか?お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
お話からすると組織診ではなく、吸引細胞診をしたのだと思います。組織診の場合は、通常もっと太い針を使います。(文責 徳田)
【No.1416】 03年03月05日 いくこ
しこりについてはじめまして。私は18歳の女性です。小学生の頃から両胸にしこりがあります。だんだん大きくなっているようで、とても大きいです。触るとよく痛みも感じます。友達から自然になくなるものだと言われてましたが、なくなる気配がありません。乳がんの可能性はあるのでしょうか??友達や親に相談しても違うだろうと言われました。とても心配です。お返事お願いします。
乳がんの可能性は少ないと思いますが、良性の腫瘍の可能性もありますので、専門医に相談しましょう。(文責 徳田)
【No.1415】 03年03月05日 Y.C.
左脇下のしこり現在1歳3ヶ月の息子に授乳中です。1ヶ月ほど前に胸が痛み高熱が出たので、乳腺炎だと思い産婦人科に行くと外科に回されました。外科ではレントゲン、エコー、血液検査をしてもらいましたが、乳腺が発達しすぎてて何とも言えないとのことでした。が、その時外科の先生が、「左脇下のリンパの腫れが気になる。また自分でも気になるようなら来てください」と言われました。その日は結局、助産婦さんにマッサージをしてもらうと痛みはなくなったので、しばらく気にならなかったのですが、今朝から左脇下が痛み出して、コリコリとした2〜3cmほどのしこりがあるのに気づきました。乳がんって脇下にもしこりはできるものなんですか?
乳がんが脇の下のリンパ腺に転移するとしこりとして、ふれることがあります。あなたの場合は、乳腺炎に伴う反応と思います。はれがひかないようでしたら、専門医にご相談ください。(文責 徳田)
【No.1414】 03年03月05日 まり
右胸にしこりがありますはじめて相談します。実は、今回の生理中に気づいたのですが、右の胸だけにしこりがあります。痛みはないのですが、ちょっと大きいような気がします。場所は乳房の下の方、まん丸ではありません。これまで気にして触ったことは特にないので、もしかしたら結構前からあったのかもしれません。それと関連しているかわかりませんが、何ヶ月か前から右腕がすぐに疲れます。たとえば、シャンプーをしているとき右腕が疲れて痛くなり、休み休みシャンプーをするときがあります。右乳房のしこりと関係あるのでしょうか。生理が終わったばかりなので、もう少し様子を見てみようとは思うのですが・・・乳がんだったらと思うと心配です。
年齢などの情報がなく、乳がんのリスクも判断しようがありませんが、もう少し様子を見るとかせずに、一度専門医にみてもらいましょう。(文責 徳田)
【No.1413】 03年03月04日 K.M.
両胸のしこり初めてお便りします。私は今20歳です。小学生(11〜12歳)の頃から両胸にしこりがあったのですが、日常生活に支障はなく、大して気にも留めていませんでした。しかし、20歳になった今でもしこりが消えません。胸の奥のほうにある感じで、左より右のしこりの方が大きいです。普段は何ともないのですが、揉むと痛みます。これは病気なのでしょうか?手術が必要なのでしょうか?
まず乳腺専門医の診察をうけて、腫瘍性のものなのか、乳腺がかたいのか調べてもらいましょう。(文責 徳田)
【No.1412】 03年03月04日 M.I.
11歳男子の胸のしこりについてはじめまして。息子(11歳)の胸のしこりの件で、ご相談致します。息子の左乳首の真下に直径2cmくらいのしこりが出来ています。本日息子から聞いたのですが、しばらく前からあるそうです。圧迫すると、少々痛いとのことです。乳ガンの可能性はあるでしょうか?現在、海外におり、4月頭に日本に帰国する予定ですが、それまで病院に行かなくて大丈夫でしょうか? 海外生活と言うことで、このところ市販のビタミン剤を飲ませていますが、関係があるでしょうか? ご回答を頂ければ幸いです。以上、よろしくお願い致します。
男性でもミルクをつくる乳腺はありませんが、乳頭の下に若干の乳管は存在します。これが女性ホルモンと男性ホルモンのバランスで、相対的に女性ホルモンが優位になると乳管が増殖してしこりになります。これを女性化乳房と言います。不思議にも片側であることが多いようです。生理的におこるのが思春期ですので、これが一番考えられます。薬剤でおこることもありますが、ビタミン剤は、まず起こさないと思います。ただ、まれに女性ホルモンを産生する腫瘍などのこともありますので、一度は小児科医に相談しておきましょう。(文責 徳田)
【No.1411】 03年03月04日 K.U.
乳癌の進行についてはじめまして。母が乳癌かもしれないのですが、昨年の6月に勤めている会社の健康診断を受けてレントゲン撮影をした時(あくまでレントゲン撮影のみ)、医者(がん専門医ではない)も見逃してしまいそうだったくらい小さい癌細胞だったそうです。しかし今年の初め頃から背中に痛みを感じています。乳癌は進行が早いそうですが、9ヶ月間でこんなに進行するものでしょうか? ぜひご回答を期待しています。お願いいたします。
まだ、乳癌と関連する症状かどうかわかりません。まず主治医に相談して、検査をしてもらいましょう。乳癌は骨に転移しやすいので、骨を中心に検査をしてもらいましょう。(文責 徳田)
【No.1410-1】 03年03月04日 Y.T.
対側乳房の痛み私は45歳で、昨年、乳房温存手術をうけました。腫瘍は1センチでリンパ節転移はなく、放射線治療を行いました。現在はタモキシフェン20mgと、放射線照射後にDMの診断をうけてグリクラジド40mgを服用しています。乳腺の診察は2ヶ月に1度で、次回は4月です。ご相談ですが、2週間ほど前から対側の乳房に痛みがあります。乳頭に近い外側が特に痛みます。以前にもあったのですが、すぐに消えてしまったり、痛みも小さくそれほど気にならなかったのですが、今は繰り返して痛んだり、原発乳房の方も一緒に痛むこともあります。1月のマンモグラフィーの検査では特に問題はありませんでした。触ってみても特に変わったところもないのですが、痛みは気になります。こんな風に痛むのはどんなことからなのでしょうか。また、最近下腹部が張るような、鈍い違和感もあります。1月に1日程度の出血があってから、生理はなく、その頃から今の症状が感じられるようになりました。ホルモン剤の関係でしょうか?
マンモグラフィーや超音波検査などの画像診断で腫瘍をうたがわせる影がなければ、一安心です。タモキシフェン投与中は女性ホルモン(卵胞ホルモン)が高くなりますので、正常な乳腺の張りや痛みを感じることもあるかもしれませんが、心配いりません。ただ、子宮内膜に対する増殖作用がありますので、生理がないようですが、不正出血があれば婦人科の診察を受けましょう。(文責 徳田)
【No.1410-2】 03年03月07日 Y.T.
ホルモン剤の副作用先日はありがとうございました。早速婦人科にて診察を受けたところ、子宮筋腫で手術を要するとの診断でした。乳がんとの直接の関連はないとの事ですが、やはりホルモン剤の作用は否定できないとの事でした。タモキシフェンには様々副作用があると聞いていますが、注意すべき症状とはどんなことでしょうか・・・。特にどんな症状があった時、主治医に相談すべきでしょうか。私は3年の服用予定で、1年服用しました。
まず、タモキシフェンと投与期間は5年というのが現在のコンセンサスです。3年は短いと考えます。
内膜刺激作用がありますので、子宮体癌の発生が心配されるわけですが、不正出血があったら婦人科に相談しましょう。症状がなければ定期的な診察は必要ないと思います。
ところで、子宮筋腫はどのような手術をするのでしょうか。子宮全摘するのですか。卵巣はどうするのですか。45歳の年齢から閉経までは、あと5年くらいですから、手術以外の方法はないのか、婦人科の先生と乳がんの主治医と連携よく相談しましょう。(文責 徳田)
【No.1410-3】 03年05月25日 Y.T.
術後のしこりについて筋腫の大きさ、位置など検討した結果、子宮全摘し、卵巣も片方のみ摘出となりましたが、おかげ様で体調は大変に良好です。今回の質問ですが、1週間ほど前に1センチ弱のしこりを、温存した右胸の上部脇寄りに見つけ、主治医の診察を受けました。エコーの結果「皮膚のすぐ下にあって悪性のものではなく、乳腺が硬くなっていると思われるので、今のところ心配はないが、経過を診ていきましょう」との事でした。質問ですが、今のしこりがこの先、悪性のものに変わる事もあるのでしょうか。それはどの程度の割合だと考えられるでしょうか。その場合、再発と言う事になるとどのような治療になるのでしょうか。
悪性である可能性は否定しきれていません。細胞診やしこりを摘出して行う病理組織診断はできますが、手術後の影響で良性のもの(瘢痕・線維化・慢性炎症)の可能性が高いと判断されたのでしょう。それで、念のため経過をみることになっているだと思います。手術の影響で手術野にどれぐらい良性のしこりができるのか報告(統計)がないので、悪性の割合はわかりません。悪性だと局所再発ということになりますが、原則的には再発巣切除で、また乳腺部分切除か、あるいは残存乳腺全摘ということになります。その後にも、補助療法が必要になると思います。(文責 石川)
【No.1409】 03年03月04日 Y.O.
検診について31歳未婚です。自治体の検診でしこりを指摘され、乳腺外科で精査したところ異常なしでした。(しこりではなかったようです) その先生曰く「触診ではあなたのように大きい胸の人はわからない。レントゲンは被爆の問題があるし、30代で検診をうけるのは意味がない」といわれました。私は乳腺症のためか全体がゴツゴツしていて自己検診ではよくわからない事と、家族歴があるため、初めて検診をうけたのですが、今度は40歳になってからで遅くないのでしょうか?毎年マンモグラフィーをやることで、かえってガンを誘発する危険があるのでしょうか?
30代の乳癌の方もいます。したがって、30代で乳癌検診をするのは意味があります。家族歴があればなおさらです。乳腺があつくレントゲンが有用でない場合には、超音波検査をおすすめします。年一回のレントゲンの被爆量は問題ありません。癌の発生に影響を与えません。(文責 徳田)
【No.1408】 03年03月02日 M.L.
HER2 3+の場合の術後抗がん剤についてはじめてメールをさせて頂きます。よろしくお願い致します。HER2 3+の場合の術後化学療法について、教えて頂きたいのです。2002年11月(40才・閉経前)に左乳房を全摘しました(石灰化が広範囲に有)。病理の結果は、頂いたデータによれば、Invasive ductal carcinoma: papillotubular carcinoma with extensive intraductal spreads, f, ly -, v -, Er +(中等度− 弱陽性50%),PgR+(中等度陽性10%), 核分裂像score1, 核異型度は3で、Nuclear grade 2. 術前センチネルリンパ節生検の結果は1コの微少転移 n(1/1) ということで、リンパ節郭清は行わず、化学療法終了後、放射線療法を予定。腫瘍は4×3.5、ということで、ステージUと聞いています。
術後、「relatively low risk」と説明され、術後の化学療法をするかしないか先生も迷われたのですが、念のためということでCMFを12月から始め、今、3クール目が終わったところです。ところが、つい先日、ひょんなことから、それまで陰性だと聞いていたHER2が、3+だったということがわかりました。CMFの決定をしたときにはすでにHER2の結果は出ていたはずなので、それを考慮した上でCMFを先生が選ばれたのだろうと思うのですが、もしかすると先生ご自身もHER2がマイナスだとお考えになっていらしたかもしれません。このままだと、来週早々にそのままCMFの4クール目が始まることになるのですが、HER2 が過剰発現の場合、CMFよりもanthracycline系の抗がん剤の方が効果が高いというデータもあるように聞いたことがあるので、4クール目が始まる前にこのことをお伺いしてみようと思うのですが、ちょっとコミュニケーションがとりにくい先生なので、お伺いする前に少しデータを集めて、ちゃんと頭の中を整理してからお伺いできればと願っています。
1)CMFをここでやめて、CEFやAC、CAFなどに変える可能性を先生に伺うことは適当でしょうか?
2)CMF続行か、あるいはanthracycline系の抗がん剤に変えるか、という判断をする場合に問題となるそれぞれのメリット・デメリットにはどんなものがあるでしょうか。
3)また、抗がん剤を変える場合には、一般的には、今までのCMFはカウントされず、新たにCEFなどを6クール行うことになるのでしょうか?
4)HER2 が3+ であるというデータがあった上で、CMF が選ばれたとすると、relatively low risk(その根拠は明確には知らされていないので、本当にそうなのかどうかわからないのですが)と判断された場合には、化学療法の種類を決定する際にHER2が陽性か陰性かということは問題にならないということなのでしょうか?
来週にはCMFの4クール目となってしまうため、いろいろと教えて頂けるととてもありがたく存じます。なにとぞよろしくお願い致します。術後補助療法について、非常によく勉強されているようですね。確かにHER2陽性の場合、CMFよりはアンソラサイクリン系抗癌剤が含まれているレジメンの方が良いのではないかという報告は聞きます。しかし、これらのデータについての直接比較試験はなく、あくまで他の臨床試験や、代謝酵素等の基礎研究から得られる状況証拠のみでの議論といえます。実際、HER2陽性例でも、TOPOUという遺伝子発現が高い場合は、EC, AC, CAF, CEF等のアンソラサイクリン系抗癌剤の効果が高いと考えられますが、TOPOU発現が弱い場合は、CMFとECの効力に差はない可能性があり、心臓などに対する副作用のことを考慮すると、CMFを先に行う方が良いのではないかという意見もあります。しかし、これらの情報が実際の臨床での治療指針に反映されてくるのは、かなり先のことだと言わざるを得ません。それでは貴女の治療法について考えてみましょう。術後の検査でセンチネルリンパ節に転移を認めたとのことですね。既にご存知のこととは思いますが、一般的には、St. GallenやNIHで発表されているコンセンサスにしたがって術後補助療法を決定しますが、いずれにしても、リンパ節転移陽性の場合は「再発の危険が高い」ということになります。特に貴女の場合は、腋窩リンパ節のバックアップ郭清をしていないようなので、腋窩放射線照射や化学療法を含めた、何らかの補助療法が必要であると考えます。
1)前述のように、CMFの変更については賛否両論があると思います。変更の可能性を主治医に質問すること自体には問題ないと思いますが、変更が必要かどうかについては、判断が難しいところです。
2)補助療法にどの抗癌剤を使用するかの選択は、再発予防効果と副作用のバランスによって決まってきます。AC→タキサン系のような治療をすれば、再発率減少効果は大きくなりますが、その分、副作用も強く、治療期間は長くなり、治療費も莫大なものとなってきます。たとえば、脱毛、嘔吐に苦しみながら、治療費に50万円投資して、1,000人のうち7人が救われる抗癌剤治療を有効と考えるかどうかは、患者個人によって意見が分かれるところです。その辺についてのメリット・デメリットを、主治医とよく相談したうえで治療法の選択を考えてください。
3)薬剤変更時に、何サイクルの抗癌剤治療を続けるべきかのデータは全くありません。CEFとしての再発予防効果を得るためには、原則として6サイクルの治療を行うべきなのでしょうが、その分、自分の体に対するダメージは大きいものになってきます。少なくともサイクロフォスファマイドと5FUは、重複して継続投与されることになるからです。
4)現時点では、「HER2発現によって補助化学療法剤を決定する」という治療方針を示唆するエビデンスはありません。前述のような学術論議と、効果・副作用(幣害)のバランスを考えながら、患者様と主治医が十分に相談した上で、治療薬を選択していくというのが理想的だと思います。(文責 千島)
【No.1407】 03年03月02日 M.S.
骨転移私の母(56歳)のことなのですが、一昨年乳がん左乳房全摘出、抗がん剤(CMR)6ヶ月やりました。しかし、昨年末腰痛を訴え、転移のことを疑いMRIを受けると、背骨にはなく、左肩甲骨に2.5cmの転移が認められました。今後の治療なのですが、ホルモン剤アリミデックスを飲むのと、アリディアの点滴を月1回受けることになりました。アリミデックスの効果が2、3ヶ月飲まないとわからないとのことで、しばらく様子を見ることになりましたが、落ち着きません。痛みが出だしたら放射線と言われました。できれば放射線は避けたいところです。そこで、健康食品や、免疫療法なども検討しましたが、健康食品については信頼のある業者を選ぶのが難しく、免疫療法についてもHPなどからしか情報はなく、高額なため、何を決め手に決めるべきかわかりません。今の担当医に不満はないので、担当医の言うとおり様子をみるのがよろしいのでしょうか。その辺を助言いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
通常、ホルモンレセプター検査が陽性である乳癌の場合、重症な肝転移や多量の胸水貯留等の「命に関わる危険性」がない限りは、副作用が比較的少なくて長期間服用可能なホルモン療法剤の治療から開始します。最近は、作用機所の異なった数種類のホルモン療法剤が開発されているので、一種類のホルモン療法剤に効果が無くなっても、他の種類のホルモン療法剤を使用しながら、経過を観察していきます。ホルモン剤を切り替えた場合、一時的な増悪効果(フレア現象という)が起こることもあるので、通常は2〜3ヶ月は我慢して経過を観察します。もし、使用可能なホルモン療法剤がなくなった場合や、前述の「命に関わる危険な転移」が発見されるような場合には、化学療法に切り替えて治療を継続します。健康食品や免疫療法などの代替療法は、現時点では通常の抗癌剤、ホルモン剤に比べて効果が高いという評価はありません。効果がある症例は極めて稀で、その影には肝機能障害などで、命に関わる副作用に苦しんでいる人も多いということを忘れないでください。マスコミや新聞での宣伝文句には、効果の部分のみが強調されており、副作用や高額な経済負担などの「影の部分」についての記載はなく、かなりの偏りのある情報だということを理解することが必要です。また、女性ホルモン様作用を示す健康食品の中には、乳癌治療薬と拮抗したり、相互作用を認めて治療に障害が出る可能性も否定できません。確かに、再発に苦しむ患者様の中には、「藁をも掴む思い」で健康食品に頼ろうとしている方もあります。このような患者様に対する私の回答は、前述のような可能性を話した上で、「宝くじを当てるつもりで使っても良いが、私の治療法が安定して病状が落ち着くまでは止めてください。ある程度副作用の有無がわかった後に、どうしても健康食品の使用を希望する場合は、無理に止めるようなことはしません。」と説明するようにしています。そういう人の中には、「はっきり止めてくださいといわれてホッとしました。実は借金をしてまで買おうと思っていました。」という方々もいらっしゃいます。貴方のお母様も、まずはホルモン療法剤の効果を見極めてから、必要に応じて代替療法について再検討するようにしてはいかがでしょうか?(文責 千島)
【No.1406】 03年03月02日 F.N.
母の乳癌についてはじめまして、私は現在千葉県に住んでおります。今回は大阪に住んでいる母の事でご相談します。母は8年前に乳がんになり、右胸を切除手術しました。その時リンパに転移もあったのですが、それも取れるものは全てとりました。その後ノルバテックスを5年間服用しておりましたが、医師の指示で5年で服用を止めました。その後すぐ同じ所に再発し、また手術をしました。それから再発ということもあり、抗がん剤治療(アドレアマイシン)を始めたのですが、かなり副作用がひどく途中何度も中断しながら5クール行いました。その後腫瘍マーカーが下がることがなく、医師もどこにあるかがわからないので薬を飲みながら様子を見てくださいと、黄体ホルモンの薬(ヒスロン)やノルバテックスを倍にして飲んだり、他にも服用していたのですが何も効かず、昨年1月また同じ所に1つ、首に1つ、胸の上部に皮膚がんが無数に転移し、その後肝臓に2つ転移しました。肝臓以外の部分は命に関わるものではないので特に治療は急がないが、肝臓は命に関わるのでということで、8月タキソールを投与しましたが、全身に湿疹がでてやけど状になり、応急処置に副腎皮質ホルモンをかなり投与した結果、体力がなくなり、また肝臓に増え、骨にも転移がみつかりました。母には全身抗がん剤が合わないとの判断で、症状が落ち着いた後、肝臓がかなり悪くなってきているので、道中ポートを埋め込み肝臓に直接アドレアナイシンを投与しましたが、その結果、今度は肝臓が腫れ、痛み、熱がでる、と副作用なのか、先生もよくわからないという症状がおこりました。しかし肝臓の数値は下がり肝機能の低下もなくうまくいったかの様に思われたのですが、胸水と心臓の周りに水が溜まっていました。まだ抜くほどのものではないということですが、本人はかなり辛そうです。その後昨年末から1月下旬、胸、皮膚がん、首の転移部分を放射線治療しました。その間また肝臓に複数ふえたので、2月3日道中ポートを切除し直接アドレアマイシンを9本投与しました。その結果ほとんど効果がなく腫瘍マーカーも何千と高いということで、医師から治療する薬がないと言われたそうです。母は前向きに辛い気持ちを乗り切り頑張っています。このまま何もできないのでしょうか。全身抗がん剤が効かない体質の場合、他にどの様な治療法があるのでしょうか。なんとか生き延びる方法はないでしょうか・・・。よろしくお願いしたします。
初めの手術でのリンパ節転移個数、ホルモンレセプター発現状況、HER2遺伝子発現状況などの検査所見が不足しているので、詳しいコメントはできないので、一般的なことについてコメントいたしますので参照してください。一般的に乳癌患者様では、手術時のリンパ節転移の数によって統計学的な再発率がわかっています。たとえば術後10年間での再発率は、リンパ節転移が0個の場合は約20%。逆にリンパ節転移を10個以上認めるような場合は80%程度まで高くなるというデータがあります。この数値は、乳癌患者様が、術直後に背負った「危険の大きさ」だと考えてください。この危険度を少しでも減らすために、主治医は術後補助療法として抗癌剤治療やホルモン療法を行うことになります。通常、補助療法は抗癌剤治療で3〜7ヶ月間、ホルモン療法で2〜5年間継続されます。これらの補助療法は、「肉眼的には手術で癌が完全に切除できている」にも関わらず行われるものです。「遺残しているかもわからない隠れた乳癌細胞」に対する治療にもかかわらず、転移性乳癌の場合と同じような嘔気、嘔吐、脱毛等の強い副作用が起こってきます。年齢や使用抗癌剤によっても再発予防効果は違ってきますが、治療での副作用を乗り越えられれば、「45%程度まで乳癌再発を抑制することが出来る」という報告も認められています。しかし、主治医から治療開始前に、再発予防効果と副作用のバランスについての十分な説明を受けて、患者様本人が「補助療法の必要性」を理解してからでないと、なかなか治療を継続するのが難しいのも実状です。しかし、これらのデータは最近発表されてきたものなので、お母様の乳癌手術が8年前であったことを考えると、ノルバデックスの5年間投与で経過を観察する場合も多かったものと考えられます。それでは、補助療法が終了したにもかかわらず、乳癌が再発してしまった場合はどうすれば良いのでしょうか?再発・転移乳癌の治療の原則は、まずは緩やかに作用するホルモン療法剤などを用いて、とりあえず癌の進行を抑えることが重要となってきます。ホルモン治療が効かない場合や、肝転移などの命の危険を脅かすような転移が出現したときには、貴方のお母様のように抗癌剤投与の適応となってきます。この場合、アンソラサイクリン系抗癌剤、タキサン系抗癌剤などの使用と共に、前述のHER2遺伝子を強く発現しているような乳癌では、トラスツズマブという変わった名前の抗癌剤が適応となる場合があります。ただしこの薬は心臓機能に対しても影響を与えますので、貴方のお母様のように、心臓周囲に水がたまってしまっているような場合では、まず心機能の回復を待ってからの適応ということになります。文面から察するに、貴方お母様はかなり濃厚な抗癌剤、ホルモン剤の治療を受けているようなので、乳癌細胞と共に、お母様の体自身もかなりダメージを受けているように感じます。抗癌剤も、状況次第では薬としてよりも、毒としての作用が強く出てしまう場合があります。今の段階でこれ以上の抗癌剤治療を受けることは、お母様の体にとっても「最終戦争」へ突入することになってしまいます。願わくば心機能、呼吸機能の回復を待ってから、トラスツズマブなどの抗癌剤適応を考慮する方がよいのではないでしょうか。辛いことだと思いますが、現在置かれているお母様の全身状態で、明らかな効果が期待できる抗癌剤はありません。現時点で一番有効な治療法は、支持療法(疼痛コントロールや呼吸苦の改善)だと思います。支持療法の中には、周囲を取り巻く家族の「精神的なサポート」も含まれていますので、「何とか生きていたい」というお母様の気持ちを大切にして、できる限りお母様が満足できるような環境(在宅治療や家族が一緒にいられるような医療施設)で、治療が行えるように配慮してあげるのが一番だと思います。(文責 千島)
【No.1405】 03年03月02日 Y.M.
お風呂に入ると乳首のあたりが痛いのですが・・・半年前に左の乳頭から薄黄色い分泌液が出たので乳癌の検診に行きました。一通りの検査をして左胸は乳腺症と診断され、分泌液も検査したら異常無しでした。痛みは生理の前に強くなったり、生理になっても痛いときは痛く、生理になると消失したり、月によって様々です。ですが、ここ数日入浴して身体が温まると左の乳首が痛みます。傷や皮膚炎は全くないようです。内側から痛いようです。普段は痛くはありません。ちなみに生理が始まって二日後からの痛みです。一応昨日医者に行きましたが、超音波では異常なく、しばらく様子を見るようにということでした。乳腺症で身体が温まると痛くなることはあるのでしょうか?又乳腺症は乳首も痛くなるのでしょうか?
排卵後から生理開始前までは、プロゲステロンという女性ホルモンの分泌が高くなっているため、乳頭の痒みや痛みなどの症状を認める場合があります。貴女の場合も、ホルモンバランスによる乳頭痛である可能性が高いと思います。生理痛と同じように、月によって痛みの程度が変わっても不思議ではないので、細胞診等の検査で以上が内容ならば様子を見ていて良いものと思います。今回の痛みは生理が始まってから出現しているとのことなので、今後も痛みが増強するようならば、乳輪下膿瘍等の炎症疾患も考えられるので注意が必要です。しかし、「痛み=乳癌」ではなく、むしろ痛みを主訴に発見される乳癌は比較的少ないので、主治医のおっしゃるように、しばらく様子を見るようにして良いと思います。(文責 千島)
【No.1404】 03年03月02日 まいこ
脇にしこり現在22歳です。以前から左脇にしこりがあったのですが、最近大きくなってきて気になるようになりました。触ると少し痛みがあり、大きさは2cmくらいで、ぷっくりと腫れています。病院に行くとすればどこで受診すればよいのでしょうか?ご返答よろしくお願いします。
女性の乳腺組織は思っているよりも脇の方まで拡がって存在していることが多いので、圧痛が伴うシコリ(特に生理前で痛みが増強する場合)であれば、乳腺内のシコリの可能性があります。もちろん脂肪腫などのように皮膚科と関連したシコリも考えられますが、場所が乳房に近いのであれば、まずは乳腺外科の先生に診察してもらうことをお勧めします。(文責 千島)
【No.1403】 03年03月01日 aiko
脇の下のしこり初めまして。25歳女性(独身)です。ここ数日で気がついたのですが、左脇の下にしこりみたいなものができています。理由がよくわからないのでインターネットで調べてみたところこちらのページを見たというわけです。脇の下にできるしこりは何か病気と関係があるものなのでしょうか?病院へ行って診てもらう方がよいのでしょうか?よろしくお願いいたします。
「腋の下」と言っても、大胸筋の外側に近い、比較的浅いところから、背中の筋肉に近い、比較的深いところまで、広い範囲を示しています。一般の人が触って、シコリの存在がわかりやすいのは、比較的浅い部分の場合が多いようです。「浅い部分のシコリ」で多いのが、副乳といわれるものです。副乳は、乳腺の一部が腋の下付近に分離、遺残しているもので、特に生理前などではよく触知します。また、人によっては左右対称に存在する人もいます。「深い部分のシコリ」では、リンパ節腫大によるものが多いようです。正常の人でも、痩せている場合などは、腋の下のリンパ節を触知する人もいますが、腋の下の違和感で見つかるリンパ節は、比較的大きいことが多いので、この場合は病的リンパ節の可能性もあるので注意が必要です。その他、正常乳腺がシコリのように感じる場合や、脂肪腫などの皮膚に関係するシコリの場合もあるので、次第に大きくなってくるようならば、内科もしくは外科で診察を受けるようにしてください。(文責 千島)
【No.1402】 03年03月01日 S.K.
良性しこり、とる?とらない?アメリカに住んでいる34才です。三年間良性のしこりを二つ持ち続けています。担当の先生は「心の平静のために」しこりを取るのを勧めています。私はできるなら取りたくないので、「様子をみる」というオプションをとりました。セカンドオピニオンを別の先生に聞きましたが、その人は私次第だといいます。最近になってマンモグラムをし、X線を体に何度も浴びるのも体に悪いのではと思い始め、迷っています。「心の平静」の他に良性のしこりを取る利点はありますか。逆に取ることで遭遇するかもしれない危険は何かありますか。以下はこれまでの経緯の詳細です。2001年春に左胸にしこりを二つ(六時(乳首の真下)と二時(乳首の上で外側))見つけました。マンモグラムとウルトラサウンドの結果、small alificationで良性のしこりだと言われました。その年の冬に六時のほうが堅くなったため、マンモグラム、ウルトラサウンドの他にFine Needle Biopsyという細胞検査をしましたが、その時も正常でした。その時はの大きさは0.7mmでした。2002年の夏、六時が大きくなったので(1cm)、また、マンモグラム、ウルトラサウンド、Fine Needle Biopsyを受けましたが、その時も問題ないと言われました。二時のほうはずっと、見つけるのが難しいくらい小さかったのですが、今月婦人科に行った時、たまたま少し大きくなってることに気付きました。(でもまだ探すのが難しい位の大きさ)。以上です。ちなみに家族親戚に乳癌にかかった人はいません。アドバイスお願いします。
良性のシコリにも、葉状腫瘍、乳管内乳頭腫や線維腺腫など多くの種類があります。実際のマンモグラムや超音波検査所見を拝見していないことと、細胞診の判定結果の記載がないので、その良性のシコリが「何か」の判定は難しいところです。年齢的要因、増殖の速度(比較的ゆっくり)、乳腺内に多発していることを考えると、貴女のシコリは線維腺腫が最も疑われると思います。通常、線維腺腫は悪性化することは、ほとんど無いと考えられていますので、1.発見時に5cm以上ある。2.徐々に増大して3cm以上になる。3.比較的早く2cm以上になる。4.下着などがぶつかって痛みが生じる、邪魔になる。5.悪性所見が否定できない(特に40歳以上)。ような場合では摘出術を考慮しますが、それ以外では経過観察としています。線維腺腫は女性ホルモンの影響で大きくなると考えられているので、閉経後には退縮して小さくなってしまう場合もあります。貴女の場合は比較的小さなシコリなので、線維腺腫ならば摘出の適応にはなりません。貴女の場合は、どうすれば「心の平静」が保てるかということなのですが、「ガンではない」という診断を確定することが一番の早道だということになります。そのためには、組織診断を行わなければなりません。組織の採取法には、切開してシコリ全体を摘出する方法と、マンモトームという器械を用いて、超音波下でシコリの位置を確認しながら、5mm程度の太目の針で組織の一部を採取する方法とがあります。前者の切開法では、腫瘤が完全に摘出(良性ならば治癒)できますが、2cm程度の切開傷が残ります。後者の方法では、傷は5mm程度で小さいのですが、シコリの一部は乳腺内に残ってしまうので、将来的にはまた大きくなってくる可能性もあります。それぞれの方法で利点と欠点があるので、主治医と相談しながら検査方法を選択するようにしてください。(文責 千島)
【No.1401】 03年02月28日 akk
左鎖骨上にシコリ20歳♀です。何年も前から、左鎖骨上にシコリみたいな無痛の腫れがありました。痛みもないので気にしてはいなかったのですが、最近、腫れが大きくなり、鎖骨にかぶさるくらいの大きさになりました。触ると根があってくっついているような感じです。かたさも、前に比べると堅くなってきた感じがします。最近、体調がすぐれなくて、すぐ風邪をひいたり、疲れやすかったり、下痢をしたり、なんだかよくありません。身長は160cmで、体重が42kgと、以前よりも7kg痩せ、友達には驚かれていますが、これは病気でしょうか?
「左の鎖骨上の無痛性のしこり」とのことですね。そのシコリが「リンパ節なのか」、「それともリンパ節以外のものなのか」の判定が重要になってきます。左鎖骨上部というのは、消化管を含めた下半身からのリンパ流と、頭頚部からのリンパ流、左腕や乳腺からのリンパ流が、ちょうど合流する部分です。もしシコリの原因がリンパ節だと考えるならば、その原因検索は全身に及ぶということになります。リンパ節以外のシコリならば、たまたま左鎖骨上部に出来てきたということになるので、そのシコリの検査、もしくは摘出を行えば良いということになります。20歳という年齢を考えると、消化管などが原因で腫れたリンパ節とは考えにくいのですが、最近7Kgも体重減少しているというのは尋常で無いので、体重減少の原因検索を含めて内科で精密検査をしていただくことをお勧めします。(文責 千島)