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相談室(No.1201〜1300)

このページは乳がんに関 する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

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なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。


 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

1300 02/12/18

REI

乳腺線維腺腫について

片山
1299 02/12/18

K.M.

しこりについて

片山
1298 02/12/15

E.S.E.S.

乳頭のかゆみ

稲葉
1297 02/12/15

Y.T.

石灰化?

稲葉
1296 02/12/15

S.T.

6か月も待っていて大丈夫でしょうか?

稲葉
1295-1
1295-2

1295-3
1295-4
02/12/15
02/12/20
03/12/17
04/02/13

momo

母の癌について
母の癌について(2)
骨転移でしょうか?
骨転移でしょうか?(2)

稲葉
稲葉
福間
石田
1294 02/12/15

Y.N.

乳癌再発について

稲葉
1293 02/12/13

ミルキーウェイ

ビスフォスフォネート

稲葉
1292 02/12/12

M.N.

乳癌の再発について

稲葉
1291 02/12/12

hiroki  

女性化乳房

稲葉
1290 02/12/12

H.T.

しこりの中身について

稲葉
1289 02/12/08

yuko 

ドレーン

稲葉
1288 02/12/08

chiyan 

乳房のかぶれや痒みについて

稲葉
1287 02/12/08

O.A.

乳癌の手術後の治療について

稲葉
1286 02/12/08

oka

左乳房の腫脹・だるさについて

稲葉
1285-1
1285-2

1285-3
02/12/08
02/12/15
02/12/18

Y.K.

エコーの検査
細胞診の結果
クラス3

稲葉
稲葉
片山
1284 02/12/08

ママ

部分切除での確定診断

稲葉
1283 02/12/03

わかこ

乳癌の症状について教えて下さい

稲葉
1282 02/12/03

M.N. 

転移について

稲葉
1281 02/12/03

Jackie

右乳房のかゆみ

稲葉
1280 02/12/03

asuka

良性、悪性両方の診断が出て迷っています

稲葉
1279 02/12/03

yuko

乳がんの手術方法

稲葉
1278 02/12/03

ムク

女性化乳房?乳がん?

稲葉
1277 02/12/03

K.A.

ホルモン療法について

稲葉
1276-1
1276-2
02/11/30
03/01/16

kumi

リュープリン
リュープリンと妊娠

石山
加藤
1275 02/11/30

moto 

乳首のしこり

石山
1274 02/11/29

A.K. 

しこりとはどういうものをさすのでしょうか

石山
1273 02/11/29

oko

乳首のしこり

石山
1272 02/11/27

アイコ

しこりについて

石山
1271 02/11/27

M.S.

脇の下から脇腹にかけての痛み

石山
1270 02/11/26

H.S.

HER2/neu

石山
1269 02/11/26

AKIKO

乳がんについて

石山
1268 02/11/26

misato

HER2について

石山
1267-1
1267-2
02/11/25
02/12/12

E.S.

セカンドオピニオン
温存療法の適応

石山
稲葉
1266 02/11/24

K.K.

浸潤性小葉癌の術後療法について

石山
1265 02/11/22

A.M.

術後の経過について

石山
1264-1
1264-2
02/11/21
03/01/09

Y.S.

手術後の抗癌剤治療について
浸潤癌について詳しく教えて下さい

石山
加藤
1263 02/11/18

O.T.

手術後の状態

石山
1262 02/11/18

Miki

乳輪にできた黒いほくろのようなものについて

石山
1261 02/11/18

R.U. 

乳管内乳頭腫について

石山
1260-1
1260-2

1260-3
1260-4
1260-5
1260-6
1260-7
1260-8
1260-9
1260-10
1260-11
1260-12
1260-13
1260-14
02/11/18
02/12/08
02/12/19
03/01/11
03/01/16
03/02/10
03/02/22
03/06/18
03/08/22
03/09/05
03/10/11
03/12/21
06/03/03
06/05/22

N.I.

再発乳癌の治療法について
再発乳癌の治療法について(2)
再発乳癌の治療法について(3)
再発乳癌の治療法について(4)
再発乳癌の治療法について(5)
再発乳癌の治療法について(6)
再発乳癌の治療法について(7)
再発乳癌の治療法について(8)
再発乳癌の治療法について(9)
再発乳癌の治療法について(10)
再発乳癌の治療法について(11)
再発乳癌の治療法について(12)
再発乳癌の治療法について(13)
再発乳癌の治療法について(14)

石山
稲葉
片山
加藤
加藤
須田
千島
籾山
清水
麻賀
千島
吉田
石川
千島
1259 02/11/17

かず

がんと診断されたのに・・・

石田
1258 02/11/17

S.K.

非浸潤ガンについて

石田
1257 02/11/17

M.K.

乳腺症

石田
1256-1
1256-2
02/11/17
02/12/12

みく

しこりの大きさとエコー
しこりの大きさについて

石田
稲葉
1255 02/11/12

はな

姑のガンの転移について

石田
1254 02/11/12

K.S.

にきびの親玉のようなしこりがあります

石田
1253-1
1253-2
02/11/08
02/11/12

mary

非浸潤性乳管がんについて
非浸潤性乳管がんについて(2)

石田
石田
1252 02/11/08

A.T.

良性判断とは?

石田
1251 02/11/08

C.M.

ALPについて

石田
1250 02/11/08

M.O. 

石灰化の手術

石田
1249 02/11/08

tamama

授乳中にしこりを発見しました

石田
1248 02/11/07

H.Y.

乳癌ではない?のに切開

石田
1247 02/11/07

M.K.

右脇(側面腕より)にしこりがあります

石田
1246 02/11/07

R.N.

術後の健側の痛みとグレードについて

石田
1245 02/11/06

K.K.

乳頭の下のおできのようなもの

石田
1244 02/11/06

T.O.

乳腺膿瘍の術後について

石田
1243 02/11/06

S.H.

粘液ガンについて

石田
1242-1
1242-2
02/11/06
02/11/17

S.K.

妻の不安
妻の不安(2)

石田
石田
1241 02/11/05

S.S.

女性化乳房

石田
1240 02/11/05

K.E.

ゾラデックスによる副作用について

石田
1239 02/11/05

K.H.

経過観察

石田
1238 02/11/05

S.H.

乳首のかゆみについて 石田
1237 02/11/05

フクちゃん

手術痕にしこり 石田
1236 02/11/05

A.Y.

1ヶ月の間の診察結果の違いは?

石田
1235 02/11/05

E.H.

術後の治療について

石田
1234 02/11/05

Chiho

リンパ節の廓清は?

石田
1233 02/11/01

I.I.

脇の下、胸の周りの痛み

石川
1232 02/10/30

T.O.

スキルス乳癌について

石川
1231 02/10/30

pig

脇の腫れとグリグリ

石川
1230 02/10/27

Y.A.

乳がん術後の痛みについて

石川
1229 02/10/27

masu

乳輪のしこり

石川
1228 02/10/27

Mrin

乳輪のぶつぶつについて

石川
1227 02/10/27

N.H.

ハーセプチンの次は?

石川
1226 02/10/25

M.S.

葉状腫瘍の切除について

石川
1225 02/10/25

mikan

骨転移について

石川
1224-1
1224-2
02/10/24
02/10/27

T.S. 

乳腺乳頭腫について
セカンドオピニオンについて

石川
石川
1223 02/10/24

H.K.

ホルモン治療について

石川
1222-1
1222-2

1222-3
02/10/22
02/10/27
02/11/23

M

相模原周辺の病院について
2週間も先までほっておいて大丈夫でしょうか?
良性の線維腺種

石川
石川
石山
1221-1
1221-2
02/10/22
02/10/27

Y.K.
ame

術後治療と妊娠
術後妊娠について

石川
石川
1220 02/10/21

S.K.

乳癌と線維腺腫について 

石川
1219 02/10/20

uto

化学療法について

石川
1218-1
1218-2
02/10/20
02/10/22

T.K.

母の乳癌治療について
母の乳癌治療について(2)

石川
石川
1217 02/10/20

D.K.

腋の下の痛みについて

石川
1216 02/10/19

E.W.

乳腺石灰化について 

石川
1215-1
1215-2
02/10/19
02/10/25

Y.O.

乳腺内の腫瘍について
乳腺内の腫瘍について(2)

石川
石川
1214-1
1214-2
02/10/15
03/06/21

A.I.

乳癌発症年齢と予後について
転移の診断方法について

麻賀
籾山
1213 02/10/15

H.S.

PETについて

麻賀
1212 02/10/15

K.S.

乳癌タキソール治療について

麻賀
1211 02/10/15

M.Y.

母の乳がんについて

麻賀
1210 02/10/13

miya

乳輪のかゆみ

麻賀
1209 02/10/13

taka

鎖骨の上下に転移

麻賀
1208 02/10/13

M.O.

術後療法と肝機能

麻賀
1207 02/10/11

Y.O.

ホルモン療法について

麻賀
1206 02/10/10

H.M.

乳頭のかゆみ

麻賀
1205-1
1205-2
02/10/10
02/12/08

T.M.

リンパ郭清をすべきかどうか?悩んでいます
乳癌術後の補助療法について教えてください

麻賀
稲葉
1204 02/10/09

Wata

アリミデックスを倍量飲んでいました

麻賀
1203 02/10/09

M.I.

線維腺腫が悪性に変化する事はありますか?

麻賀
1202-1
1202-2
02/10/08
02/10/10

hona 

石灰化について
石灰化(2)

麻賀
麻賀
1201 02/10/08

h.f.

手術の方法は1つ? 

麻賀

 

 

 

No.1300】 02年12月18日 REI
乳腺線維腺腫について

33歳既婚です。子供はいません。先日、乳がん検診で触診・マンモグラフィー・超音波・により右の乳頭上に4センチのしこりが見つかりました。現在細胞診の結果待ちですが、たぶん良性の乳腺線維腺腫だと思うとのこと。大きいので心配です。切除した方がよいでしょうか?

確かにある程度大きいのと、もしも最近急速に大きくなってきたのだとするとだんだん切除しにくくなったり、稀に葉状肉腫という腫瘍の可能性もあるので手術の適応とも考えられますが、細胞診の結果もふまえて主治医の先生とよく相談なさってください。(文責 片山)

 

No.1299】 02年12月18日 K.M.
しこりについて

43歳の専業主婦です。出産の経験なしです。昨年の春に人間ドッグでは異常なしでした。3ヶ月程前から右乳房にしこりを自己触診により発見しました。1センチくらいの丸いしこりです。最初はあまり気にしていませんでしたが、最近になって数が2個に増えたような気がします。すぐに受診したいと考えています。横浜の青葉区在住ですが、専門医のいる病院を教えていただけますでしょうか? 

当ホームページの会員のいる県立がんセンターが近いと思われますが如何でしょうか?(文責 片山)

 

No.1298】 02年12月15日 E.S. 
乳頭のかゆみ

はじめまして。27歳、女性です。数年前より乳頭のかゆみがあり、この1年ほど痒みがとてもひどく、寝ている間に掻き壊してしまいます。最近1ヶ月くらいは常に乳頭がかさかさしており、掻き壊したあとは、黄色の浸出液がでます。時には、カサブタ様の皮がぺろっとめくれます。もともとひどくはないのですが、ダニほこりにアレルギーがあり、時々湿疹ができます。これから子供を作ろうと思っていますが、妊娠中にステロイド軟膏(RVG)を使用してもおなかの子供に影響はないのでしょうか?宜しくお願いします。

ステロイド軟膏であっても体内にステロイドが吸収されるわけですから、なるべくなら妊娠中には使用しない方が良いと思いますが、皮膚科の先生や産婦人科の先生の意見も聞いていただくと良いと思います。(文責 稲葉)
 

 

No.1297】 02年12月15日 Y.T.
石灰化?

毎年人間ドックを行っています。今年の乳癌検査で、触診では異常がなく、マンモグラフィーではわずかに異常が見られたようです。検査結果には「わずかに異常が見られるが、問題なし」となっています。でも、母が乳癌を患っていることもあり、気になって仕方がありません。結果をもって見てもらった方がいいのでしょうか?

癌の可能性は少ないと思いますが、念のため結果を診てもらったらいかがでしょうか。(文責 稲葉)

 

No.1296】 02年12月15日 S.T.
6か月も待っていて大丈夫でしょうか?

乳房にシコリができやすいのか、何度か検診に通っています。幸い、いずれも乳腺症ということで数年通い続けていますが、今年の3月、超音波で判断しづらいとの事でマンモグラフィを受けました。〔たぶんマンモだと思うのですが?〕 結果は異常なしでしたが、気になるのでと、半年ごとの検診ですが3か月後に来るようにと言われ、また超音波をしました。やっぱり気になると言われ細胞診をしましたが、結果は良性でした。その3か月後の定期健診でも、またまたおかしい?ということで、再度細胞診をしたものの良性でした。大きさ的には1センチで半年前と同じくらいらしいです。石灰化かな?と私に言うでもなく、口にされました。私は今までのとは違うのですか?と聞いたらハイと言われ、このまま放置していて消滅の可能性はあるんですか?と聞いたら、人によってはありうるという事でした。そして半年後に来てください、もし変化があれば切りましょうとの事でした。石灰化したシコリは癌化しやすいと聞いています。細胞診も抽出の仕方で失敗もあると聞いています。6か月も放置して大丈夫?と不安です。因みに病院は府立の癌専門の病院です。

石灰化?の病変についての質問です。おそらくしこりとして触れない病変なのだろうと思います。
石灰化は癌でも良性の病気でも起こります。石灰化の形状や分布などで悪性の石灰化か良性の石灰化(経過をみていてよい石灰化)は大部分区別がつきますが、区別が難しい石灰化もあります。石灰化したしこりは癌化しやすいというのは誤りで、はじめから癌の石灰化は癌であり、良性の石灰化は、ずっと良性です。良性の石灰化が癌に変わることはありません。ただ両者の区別が難しい石灰化がありますので、レントゲン上、良性の所見を示していた石灰化が念のため組織をとって調べたら癌の石灰化であったということは割とあります。また細胞診はメールにもありますように、偽陰性といって、本当は癌なのに癌という結果がでないことがあります。ですから細胞診で癌細胞がでていないからといって絶対大丈夫というわけではありません。画像所見で悪性の可能性が少しでも考えられるなら、念のため組織をとって調べるのがいいと思います。ただしこりとして触れない場合、石灰化の部位が触って分からない為、組織をとる場所を決めるのに難渋することがあります。今は施設によってはマンモグラフィで組織をとる位置をマークしてとったり、エコーで石灰化や小さなしこりを見つけてその部位の組織をエコーでみながらとる装置(マンモトームなど)を使ってやるところもあります。組織をとって調べれば(きちんと石灰化病変の部位がとれていればですが)、癌か癌でないかは決着がつきますが、これは最後の手段です。主治医の先生が6ヶ月後ということはあまり癌の可能性が高くないからと考えられます。また仮に癌であったとしても通常はしこりとして触れずに石灰化で見つかる癌は非常に早期の癌であることが多く、この様な癌は6ヶ月程度の診断の遅れは予後に影響がないといわれていますので、もう少し経過をみて、もっと所見が明らかになってから組織をとってもいいのではないかと考えているのだと思います。もしどうしても不安でというのなら組織をとって調べるしかないと思います。(文責 稲葉)

 

No.1295-1】 02年12月15日 momo
母の癌について

母のことでお尋ねします。昨年10月に温存手術を受け、その後30日間の放射線治療と経口の抗がん剤を飲んでいます。手術時、癌は2センチ、リンパ節転移は1でした。その後、順調に来ていたのですが、5月に放射性肺炎になり、1ヶ月半ほど通院しました。その肺炎も良くなり、ほっとしていたのですが、10月の定期検診で癌のあった近くに陰がみつかり、様子を見ましょうということで、今回2ヵ月後の検診になったのですが、やはり影があったようです。先生の説明では、8月の検診時からあったそうで、少しだけですが小さくなっているようです。ただ、念のため来月検査をする様なのですが、再発の可能性が大きいのでしょうか?7月ごろは父の看病などで、手術をしたほうの手を酷使してしまったようなのです。離れて暮らしておりますので、詳しく書けず申し訳ありませんが、お教えください。

癌のあった近くというのは温存した乳房内にということと考えてお答えします。温存手術後の乳房内再発かどうかということですが、影というのは再発ではなくて手術後の影響によるもの(瘢痕など)ではないかと思います。乳房内再発は放射線照射後なら術後1年という早い時期に起こしてくるのは稀です。普通は手術後3〜4年後です。ただ例外的に術後早期に乳房内再発を起こすこともありますので、検査を定期的にするというのは必要だと思います。また手の酷使とは関係ないと思います。一つお聞きしたいのですが、病理組織検査で断端の状況はどうであったか、断端陽性か断端陰性か、この点について情報があればもっといいのですが・・・。(文責 稲葉)

 

No.1295-2】 02年12月20日 momo
母の癌について(2)

早速の回答ありがとうございます。先日は気持ちが動揺していたこともあり、書きそびれたことも二三ありました。ちなみに母は72歳です。癌のあった近くというのは、温存した乳房内です。病理検査のことですが、切り取った組織の周りにがん細胞は見つからなかったとの説明を受けております。断端陰性ということでしょうか?手術前は温存で手術をする病理検査で、周囲にもがん細胞があるようなら、温存ではなく全部とるという説明を受け、結果が温存でした。私が知りうるのはこのくらいなのですが、宜しくお願いします。

断端についてですが、周囲にがん細胞がないということですから、断端陰性と判断していいと思います。ただ温存した乳房の全てを診ているわけではありませんから、温存手術の場合は絶対に癌が残っていないとは断定できません。ですから温存手術の場合は、がん細胞が万が一残っているかも知れない、断端の検査を調べていない場所にもしかしたらがん細胞があるかもしれないと仮定して放射線照射を行うわけです。やはり前のメールでお答えしたように、再発よりも手術後の瘢痕を考えたいのですが、検査は念のためやっていただくのがよいと思います。検査は来月でよいと思います。(文責 稲葉)

 

No.1295-3】 03年12月17日 momo
骨転移でしょうか?

以前ご相談した影は、検査の結果、良性でした。有難うございました。お蔭様で母も元気に過ごしておりましたが、昨日夕方から、切除した側の乳房下、鳩尾の上あたりが痛み、今日になっても痛みが引かない為、乳癌でお世話になっている医師を受診しました。レントゲンを撮ったところ、肋骨に本当に小さな白い影があったようです。医師は、「癌の方は問題ないよ。風邪気味でしょう。骨を圧迫でもしたかな。来月27日、血液と骨の検査をしましょう。」とおっしゃり、湿布を処方して下さったようです。母は大丈夫といいますが、離れて暮らしておりますので、大変心配です。もしかしたら骨転移ではと思ったり、もしそうなら検査が1月27日と1ヶ月半も先で大丈夫なものでしょうか? また骨転移の場合はどのような症状がでるのでしょう。心配でいてもたってもいられず、ご相談いたしました。お教え戴ければ幸いです。

遠く離れてお母様に何か症状があれば心配なものです。手術した側のみぞおちが痛く、骨転移ではないかとのご心配です。乳房温存術後は傷口が肋骨など胸壁と癒着し、強く手を動かしたあと肋骨などに小さなひびが入り痛くなることがあります。多くはレントゲン写真で見えないぐらいのものなのです。見えるとしても黒い陰でみえることが殆どだと思います。文面だけでは白い陰というのは何かわかりません。骨転移の症状はその場所や周囲の痛みですが、ひびの場合も当然そういった痛みは生じます。骨転移の場合は痛みの程度は同じか、だんだんひどくなることが多いし、ひびの場合はだんだん楽になることが多いかと思います。ご心配ですのですぐに検査をしたいところですが、骨シンチなどは検査が混んでいることが多いのです。検査は1/27で仕方がないかと思います。主治医も転移などを強く疑えばもっと早く検査をするでしょう。もし症状が強くなれば一度主治医にご相談下さい。(文責 福間)

 

No.1295-4】 04年02月13日 momo
骨転移でしょうか?(2)

以前ご相談した胸の痛みは3日ほどですっかりとれ、今は快適に過ごしているようです。予定通り一月末に母は骨シンチを受けました。今日その結果が出たのですが、脊椎に一個だけ3ミリ程度の黒い丸い影が映ったそうです。血液検査では何の異常も無かったそうで、お医者様は、「ここに黒い影があるので、この次検査をしましょう。」とおっしゃったそうです。しかし検査は3月23日で、一月半も先です。母が早い方がいいのではと聞くと、急ぐ必要は無いと思うよと言われたようです。もしも転移が疑われるのなら、そんなに放っておいてよいものでしょうか。最初の診察から4ヶ月もたってしまいます。また、転移以外でも映像に映るという事はありますか?母には大丈夫と言っていますが、なんとも心配でいたたまれず、ご相談いたしました。宜しくお願い申し上げます。 

骨シンチで小さい集積が一ケ所というだけでは転移はあまり考えません。加齢による、変型性脊椎症でも陽性になります。CT、MRIを予定していると思います。腫瘍マーカーが異常なしということからも、それ程急ぐ必要はないと思われます。(文責 石田)

 

No.1294】 02年12月15日 Y.N.
乳癌再発について

現在58歳になる母についてなのですが,H8.6月に左乳房全摘手術をしました。OP後10日でコバルトを開始し、25回行いました。H12.1月頃から左手に腫脹や倦怠感が見られ,経観していたが改善されず受診。超音波、X-P、RI、採血をするも問題ないと診断されました。左手の痛みがあり、腫脹も軽度みられました。H12.10月頃検査入院し、抗癌剤治療が開始されました。タキリテール30mg3投1休4クール+1行われました。内服薬は、フルツロカプセル200を3*で内服。H13.5月?頃、右の乳房に発疹が見られ、タキリテール16mg3投1休3クールその時も行われました。今年の6〜7月頃、左頸部リンパ節に大豆だいのリンパ腫を発見し、診察を受けましたが異常ないと診断されました。10月頃、診療所の内科医師より腫瘍マーカー値が上がってきているので主治医に相談するように言われ受診しました。その時、私も同席しました。主治医は母に心配しなくてもよいと言い、そのまま様子を見ようと言われました。その後、先生に呼ばれ、再発したのだと言われました。治療するときにはするが、今は治療はせずそのまま患者の生活を重視していくつもりだと言われました。そのことを診療所の医師に言うとそんなことで良いのか?まだ若いので進行は早いぞと言われ・・・私はどうしていいのかわかりません。母は再発についてまだ知りませんが、左頸部リンパ腫を気にし、治療したいと言っています。リンパ腫自体も大きくなってきているとの事です。私はどうすべきで、主治医にどのようにお願いすべきなのでしょうか?現在の経過について詳しく知るためには、どのような質問で主治医に聞いたらよいのでしょうか?教えてください。お願いします。

メールの内容からすると、平成8年に手術を受け、6年後の今年頸部のリンパ節に再発したという事ですが、手術前の状況や手術での組織病理検査の結果など不明な点があるので、これらの結果やお母さんの乳癌のステージ(病期分類)を主治医の先生に説明してもらって下さい。その上で現在どこに再発しているのか、頸部のリンパ節以外に再発はないのか(骨や肺・胸膜、肝臓、局所など)、今後の治療としてどのような選択肢があるのか、治療をしなければ予後はどのくらいか、治療をすれば予後はどのくらいか、お母様の病態では今後どのような治療をすればよいと主治医の先生が考えているのかなどを主治医の先生に詳しく聞いて下さい。お母様ご本人と一緒だと主治医の先生も話しにくい内容もあると思うので、家族だけで別の時間をとってもらって説明してもらうのが良いと思います。一般的に主治医の先生の外来時間に聞きにいくより、外来時間と別に時間をとってもらって聞きにいくのがよいと思います。なぜなら外来は大抵込んでいることが多く、一人の患者様に多くの時間を割けないためゆっくりと説明することができないからです。
はっきりとこの点が分からないので説明して下さいと主治医の先生に頼めば説明してもらえると思います。もし主治医の先生に直接言い出しにくいのなら、外来の看護師さんを通して頼むのもいいかも知れません。(文責 稲葉)
 

 

No.1293】 02年12月13日 ミルキーウェイ
ビスフォスフォネート

現在乳がんからの骨転移が大腿部にあります。昨日はじめてビスホネートを点滴しました。今後経口ホルモン療法とビスホネート点滴を週2回実施していく予定です。
質問は、今日になって肋骨や腰の骨が痛くなってきました。この痛みは初めてなのですがビスホネート(製品名はビスフォナールかな)はこのような副作用もあるのでしょうか。教えて下さい。 

現在ビスフォスフォネート(製品名:ビスフォナール)を点滴しているとのことですが、転移部位以外の骨の痛みという副作用はあまりないようです。では何かというと分かりませんが。ビスフォスフォネートは癌の際の高カルシウム血症の時に用いる薬ですが、骨転移の時など血液中のカルシウムが高くなることが多いので、よく用います。最近注目を浴びている薬ですので、頑張って治療を続けてください。(文責 稲葉)

 

No.1292】 02年12月12日 M.N.
乳癌の再発について

昨年10月に乳癌の温存手術をしました。腫瘍の大きさ3.5センチ、ホルモンレセプターは両方マイナス、リンパ節への転移は0でした。放射線治療のあとUFTを飲んでいます。先日、ガンマGTPの値が140だったので、胆石の疑いありということで、エコーを撮りました(GOT、GPTは共に正常値です)。胆石はなかったのですが、肝臓に3.5X1.5センチの腫瘍が2つ、形は不整形となっていました。来週CTを撮ることになっています。質問なのですが、これは乳癌の再発ではないでしょうか?癌の場合、これからどういう治療法になるのでしょうか。色々調べてみたのですが、再発乳癌の肝臓転移は、生存期間が短いように思います。今かかっている病院は放射線などの設備や検査技師のいる大病院ですが、自宅から2時間くらいかかります。近くの病院は、放射線の設備はありませんが救急病院で、CT、エコーの設備はあります。往診もあります。癌だった場合、わたしは単純に生存期間を延ばすのではなく、家族と普通に生活できる時間を少しでも長くしたいと思っています。そのためには、近くの病院に変わったほうがよいのではと思うのですが、いかがでしょうか。病院の設備によってこれからの治療にどの程度差がでるのでしょうか。また、癌ではなかった場合、今からでもUFTをやめて、CMFの治療をすることは出来るのでしょうか。効果はあるのでしょうか。色々と質問をして申し訳ありませんが、先生のご意見をお教えください。

肝臓エコーで腫瘤影が2個という事ですが、これだけでは乳癌の転移かそれとも別の病気なのか、はっきりとは断定できないと思います。やはり腹部CTや肝臓MRIなどの検査を行ってきちんと診断をつけるのがいいと思います。乳癌の肝臓転移だった場合、治療としてはホルモンレセプターが陰性ですから抗ガン剤の治療が中心になると思います。
今後の通院ですが、私個人の考えではもし転移だったとしても転移による症状などがなくて通うのがつらくなければ、今通っている病院の方が良いと思います。それは手術記録や組織標本などもそろっていると思われますし、主治医の先生もあなたのことを分かっていらっしゃると思うからです。今は抗ガン剤の治療といっても外来通院で行うのが多いです。再発後の治療は病院の設備というより、乳腺専門医がいるかいないかの方が影響は大きいと思います。再発後の治療は多様で新しい薬などどんどん進歩しています。もしどちらかの病院に乳腺専門医がいるのならそちらを選択するというのもいいと思います。もちろんもし再発だった場合、あなたのおっしゃるように近くの病院で家族と過ごせる時間を長くするというのもひとつの考えですので、こちらでもいいと思います。
、転移でなかった場合、CMFの治療に変えることは可能です。効果に関しては術後すぐ始める場合は明かなデータが出ていますが、手術後1年たってから開始した場合再発を抑える効果がどの程度なのか、科学的なデータは出ていません。ただ手術後抗ガン剤を全く投与していなかった訳ではなくUFTから引き続いてCMFに変えると考えれば、ある程度の効果はあるのではないかと思います。(全くの推論ですが) (文責 稲葉)

 

No.1291】 02年12月12日 hiroki  
女性化乳房

20歳の男ですが、3ヶ月くらい前から左の胸にしこりが出来て、最近乳がんとか思ったりして、不安で病院(外科)とかにもいけません。父にも聞いてみたのですが、「若いうちはよくしこりはできる」と言ってましたが凄く不安です。ご返答お願いします。

おそらく女性化乳房(男性において一時的あるいは持続性に女性の乳房のように肥大したもの)と思われます。思春期から時に20歳ぐらいまでの男性にみられる女性化乳房は特に心配のいらないものが殆どです。もちろん男性乳癌もありますので(可能性は低いと思いますが)、念のため一度乳腺外科の先生に診てもらって下さい。(文責 稲葉)

 

No.1290】 02年12月12日 H.T.
しこりの中身について

出産後3週間がたち、左胸に大きなしこりができたので助産院にてマッサージを受けたところ、大きいのに痛みがないため、念のため外科にて、しこりが悪性のものかどうか検査することをすすめられました。外科ではエコーにて検査を受けました。結果は母乳の飲み残しによる膿胞で、5つほどできていると言われました。エコーでしこりの中身が水であるということは比較的簡単に判断できるものなのでしょうか? 母が乳がんを患ったことがある等も伝えましたが、私が20代であることなどから癌ではないよ、とエコー前から決めつけたような言い方も気になっています。また、しこりはマッサージで取り除けなければ切開とも言われました。悪いものではないのに切開したりするのでしょうか?何か隠されているような気がして安心して育児に専念できずにいます。しこりが大きいことと、母がガンであること、痛みがないことなどが気になっています。

メールの内容からすると、乳瘤と思われます。外科の先生のお答えのように中に乳汁のたまった嚢胞です。エコーですぐ診断が可能で、しこりの内容物が水の場合はエコーが最も診断能が優れています。もちろん20代の方でも、また妊娠、授乳期の方でも乳癌はありますので、考えに入れとかなければいけないのですが、エコーの所見などからすると乳癌の可能性は少ないと思います。乳瘤はマッサージをしないと、乳腺炎の原因にもなりますので、マッサージ(搾乳)をした方がいいと思います。炎症を起こしてしまった場合は切開して中の膿などを出すこともあります。(文責 稲葉)

 

No.1289】 02年12月08日 yuko
ドレーン

手術後胸にドレーンを挿入していましたが、最近抜きました。今までドレーンによって外に排出されていた排液はどうなるのですか?

手術後、手術で組織を切除した部位には血液やリンパ液などが溜まりますので、これらを出すためにドレーンという管を入れます。手術して日数がたつとドレーンから出てくる液体の量は減ってきます。量がある程度減ってきたらドレーンを抜くわけです。ドレーンを抜いた直後は中に液体が溜まりますが、少量なので自然と周囲の組織に吸収されていきます。ドレーンが抜けて数日もたてば切除した部位にも殆ど液体は溜まらなくなります。心配はいりません。(文責 稲葉)

 

No.1288】 02年12月08日 chiyan
乳房のかぶれや痒みについて

はじめまして、こんにちは。24歳の未婚の女性です。今年の9月頃から右の胸に痒みが出始めました。はじめは、皮膚が弱いので下着にかぶれているだけかな?と思っていたのですが、いっこうに治る気配がありません。一度皮膚科に行ってみたのですが、ただのかぶれだからと言われてクリームをだしてもらったのですが、未だに治りません。この頃赤い湿疹のようなものが、乳房の回りに出来始めて、乳房のまわりが赤黒くなってきました。なんだかとても不安なのですが、どういう病院に行ったらいいのかも分かりません。今年の7月に中絶をしています。その事と何か関係があるのでしょうか?女性ホルモンのバランスが崩れているのでしょうか?それとも悪い病気なのでしょうか?

乳房のかぶれや痒みとのことですが、多くは通常の湿疹などのことが多いようです。しかし乳癌の1症状として診られることもあるので一度病院で診てもらって下さい。まず外科の乳腺外来を受診して、乳腺の病気でなかったら、次に皮膚科の先生にもう一度診てもらったらどうでしょうか。また中絶やホルモンのバランスとは関係ないように思われます。(文責 稲葉)

 

No.1287】 02年12月08日 O.A.
乳癌の手術後の治療について

11月に姉が乳癌の手術をいたしました。5cm程度のしこりでしたが、無事に手術も成功しました。手術の翌日は、元気に手術がうまく終わり喜びの電話を掛けて来ましたので、病院の方々には色々お世話になり感謝しています。その後の治療として調べたいのです。教えていただけませんか。 
1)AC治療とバクリタキセル、EC治療とバクリタキセル
2)AC治療とドセタキセル、EC治療とドセタキセル
3)バクリタキセルのみ
4)ドセタキセルのみ
4種類コースの内のどれかの治療を決めなければなりません。年齢70歳で元気な姉です。この年代のお方は、どの程度のコースが最適なのか、何か教えてください。

70歳の方で5cmの乳癌の手術をうけ、その後の治療についての質問ですが、情報が年齢としこりの大きさだけでは治療法を選択するには、少し情報が少ないと思います。AC治療とEC治療の比較ははっきりとしたデータはないのですが、効果は同等とされ、ECの方がACより心臓に対する影響が少ないとされています。パクリタキセルとドセタキセルはタキサン系薬剤といわれ、この両者の比較はありませんが、効果は同等とされています。従ってこの4つの選択肢は結局の所、タキサン系単独でいくか又はタキサン系薬剤にアンスラサイクリン系(Aはドキソルビシン,Eはエピルビシンという薬でアンスラサイクリン系薬剤といわれています)を加えるかということになります。どの治療法を選択するかについてはやはり情報が少ないのでお答えはできません。もし分かれば、リンパ節転移の有無や転移の個数、ホルモンレセプターの結果、細胞の異型度(細胞の顔つき)、組織型などを教えていただければと思います。(文責 稲葉)

 

No.1286】 02年12月08日 oka
左乳房の腫脹・だるさについて

大学生、24歳です。最近、特に左の乳房が大きく腫れて、張っているような感じがします。痛いというよりも左乳房を中心として、左の腕が全体的にだるくなってきました。しこりという感じではないのですが・・・。生理前なのだからとも思うのですが、気になるとどんどん気になって心配でたまりません。神経質なので考えすぎかとも思うのですが、神奈川の方で一人暮らしですし、誰に相談して言いか分からず、このページに投稿しました。どうぞ、返答の方よろしくお願いします。

お話からすると、乳癌などの悪性の病気の可能性は少ないと思います。生理などのホルモン周期による症状が一番考えられます。しかし確かなことはわかりませんので、一度外科の乳腺外来を受診してください。(文責 稲葉)

 

No.1285-1】 02年12月08日 Y.K.
エコーの検査

40歳で既婚、子供はいません。半年前の検診時、エコーで右胸に多数の水の袋?のようなものが(数ミリ程度)あり、半年後に来院するようにとの事で、行くと、やはり先生は同じように言われ、良性ともおっしゃらないので、不安に思い、祖母が乳がんで亡くなっていることを話しますと総合病院に紹介状を書いてくれました。検査するのですが、どういう検査をするのか、良性か悪性かすぐわかるのか教えていただきたいのです。そして、このような症状で、入院、手術ということもあるのか、よろしくおねがいします。

メールの内容からすると、嚢胞と思われます。良性です。ただ直接診察しているわけではありませんので、はっきりとはわかりませんから必ず病院を受診してください。病院では触診・マンモグラフィ(乳房をはさんで撮るレントゲン検査です)、場合によっては細胞診(細い針をさして細胞をとって顕微鏡でみて良性か悪性か判断します)などの検査をやると思います。良性か悪性かの結果は1,2週間かかると思います。嚢胞ということであれば、入院手術にはなりません。(文責 稲葉)

 

No.1285-2】 02年12月14日 Y.K.
細胞診の結果

NO.1285-1で相談した者です。教えて頂いていた通りの検査内容でした。そして、エコーとレントゲンでは究めて疑わしく、細胞診もして結果待ちです。そこでお聞きしたいのですが、その病院ではエコーをしながらの細胞診ではないのですが、その先生は、「注入した感じでは大丈夫そうだし」とのことでした。私の場合は左右ともで、非常に珍しいといわれました。そして、軽い気持ちで、「もし悪性なら入院手術もあるのですか?}とききますと、「ある」と言われ、「温存ですよね」といいますと、「乳頭近くなので全部とる」といわれ、頭が真っ白になりました。結果が出てからですねと言われたのですが、とても心配です。そこでお聞きしたいのですが、エコーしながらでない細胞診は正確なのでしょうか。そして、もし悪性なら本当に左右の胸を取らないといけないのか、教えていただきたく思います。どうぞよろしくお願いします。

エコーでみながらの細胞診の方が病変を確実にみながらさせるので、エコーなしで細胞診をやるより偽陰性が少なくなると思います。偽陰性というのは、本当は癌なのにうまく病変などに当たっていなかったりして癌という結果がでないことです。エコーなしの細胞診で悪性の結果がでなくても(病変に当たっていなかった)、エコーを用いての細胞診で悪性の結果がでるということはあります。しかしエコーなしの細胞診で悪性ならば、この結果は信頼せねばなりません。悪性なら乳房をとらなくてはいけないかどうかは、前回と今回のメールからだけでは判断できませんが、しこりが3cm以下なら通常は温存可能です。一つの乳房内に多発する病変の場合は、それぞれのしこりが小さくても温存が難しいことがあります。レントゲンやエコーで両方の乳房に多発する病変があり、その全てから細胞の検査で悪性がでれば確かに温存は難しいでしょうが、結果が悪性であったら、再度主治医の先生に手術方法など詳しく説明を聞いていただくのが良いと思います。(文責 稲葉)
 

No.1285-3】 02年12月18日 Y.K.
クラス3

たびたびで申し訳ありません。親身に答えていただいてありがとうございます。またお聞きしたいのですが、細胞診の結果が先生が言われるには、どちらともいえないということで、1ヵ月後またエコーの予約を取って帰りました。説明がないので、カルテをちらりと見ますと、右クラス3左クラス2とありました。クラス3にはaもbもありませんでした。書いてないということはどういうことなのでしょうか。aなら良性に近くbなら悪性に近いと何かの説明でみたのですが・・・。そして、次回の検査も前と同じ事をするとの事で、なんだか悪性になるのを待ってるようですごく不安です。私のようにしこりでなく、多数(これも正確にはお聞きしてもいくつとか教えてくれません。)ある場合は、細胞を切り取る検査はできないのでしょうか。どうかよろしくお願いします。

クラス3は境界病変で、良悪性の判断がつきかねるという意味合いで、a(良性より)、b(悪性より)の付記がある場合と、ない場合があります。繰り返し検査をしても判断がつかない場合は、局所麻酔で組織を採って調べるというステップに進む場合もあります。主治医の先生に納得いくまで説明を受け、良く相談なさってください。(文責 片山)

 

 

No.1284】 02年12月08日 ママ
部分切除での確定診断

初めまして。36歳2児の母です。第1子の妊娠をきっかけに左胸乳首真上に一部分かたいとやわらかいしこり(約3−4cm)ができました。授乳時に押すとよく母乳が出ました。授乳(混合で約1年)期が過ぎても、しこりがなくなりませんでした。乳がん検診でエコーのみ(会社の健康診断のため触診はありませんでした)をしましたが、「多分、乳腺症」と技師の方に言われ、第2子を出産後も、しこりの大きさもかわらなかった為放置しておりました。しこりは、生理周期にそって熱を伴って痛くなるときもあり、生理終了後も痛いときがあります。また、乳首を絞ると数箇所から透明な母乳が出てきます。(両側とも)今年10月乳がん検診をうけたところ外科を受診したほうがよいと助言を頂き、受診。エコー(一つ大きな黒い影と無数のちいさな黒丸の影がみられました)マンモ、触診、細胞診。クラスは3で3ab共に丸がふってあり、主治医からどちらかわからないとの事で、5年前から存在する事を配慮して経過観察や再度の細胞診をやめてコア生検を薦められました。昨日結果が出て、「がん細胞は無いけれど、多彩な細胞が検出された。乳腺症でよいでしょう。」との病理結果を頂きました。主治医は乳腺の通り道がいくつも袋を作って成長しすぎているとの説明をいただきました。
ここで、質問です。主治医は、「経過観察をしながら検査をしましょう。気になるようであれば部分切除をして調べましょう。」と選択をせまられたのですが、私は、一部分固い部分があるのと多彩な細胞の文字が気になり部分切除をお願いしましたが、経過観察でもよかったのでしょうか?もし、経過観察になった場合、コア生検で取れていない部分でがん細胞がかくれていて手遅れ、ガンの転移などの心配はいらないのでしょうか?主治医はコア生検で5箇所とって下さっていて、硬い部分もとってあるのでといわれたのですが・・・。また部分切除してがん細胞が見つかる可能性はどのくらいあるのでしょうか?12月11日に造影CTと、12月26日に手術予定です。長文でわかりづらい文面ですみません。宜しくお願い致します。

コア生検はしこり全てをとるわけではありませんから、しこりの一部分しかわかりません。ですからご質問にあるようにとれてない部分に癌がかくれていてという可能性は確かにあります。しかし、5カ所生検でとってあるということですし、画像検査や触診で癌を疑う所見があまりないようなので、大丈夫と思われます。ただ、調べていない所に絶対癌がないという保証はないわけですから、癌があるかも知れないと不安に思うようなら部分切除をして完全に調べるというのが良いかも知れません。(文責 稲葉)

 

No.1283】 02年12月03日 わかこ
乳癌の症状について教えて下さい

はじめまして。ぜひご意見を聞かせて頂きたく、メールを送らせていただきました。15年前乳癌を克服した私の義母が、10日程前の検診で、5ミリ程のしこりが発見され、また乳癌であると診断されました。これは再発ではなく、新たに出来たまったく別の癌細胞らしいのですが、病院へ行く前に義母が訴えていた「乳首がひきつる」という症状がとても気になっているのです。なぜなら、昔、リンパ癌を患っていた知人に聞いた症状と似ているのと、乳ガンが発見されるのは、「だいたい手指でしこりを感じて・・・」と言う以外はあまり聞いた事がな
いためなのです。それとも、乳ガンでも「ひきつる」という症状が出る事があるのでしょうか。やはりリンパ癌の疑いもあるのでしょうか。入院は今月中旬、手術は月末の予定ですが、先生にアドバイスを頂けましたら、他の病院での検査を強くすすめるつもりでいます。それまでは、気がとても小さい義母ですので、余計な事をいって不安がらせたくないので黙っているつもりです。どうかよろしくお願いいたします。


今回の乳がんはおそらく再発でなく、新たな乳がんと思われます。乳がんでも乳首が引きつるといった症状はありますが、5mmといった小さなしこりなら症状はないことが多いので、今回の引きつるといった症状は乳がんとは関係ないかも知れません。もちろんリンパ癌(リンパ節に転移した癌のことでしょうか、それとも悪性リンパ腫でしょうか)の疑いは少ないと思います。今通っていらっしゃる主治医の先生に詳しく説明してもらい、納得されれば今の病院で治療を受けるのが良いと思います。(文責 稲葉)

 

No.1282】 02年12月03日 M.N.
転移について

この症状が乳がんに関係あるかどうか教えてください。
症状: 顔に2〜3箇所、発疹(にきびが大きくなったようなもの。 1cm程の固い芯があり、中心は虫刺されのように赤く盛り上がっています)
今までの経過は次の通りです。
年齢: 62歳
乳房温存+センチネルリンパ生検の病理検査の結果:
non invasive ductal carcinoma、ER(+)PgR(-)、腫瘍 0.8x0.6cm、断片陽性(5mm以内)、センチネルリンパ節への転移ゼロ、 HER2(3+)
経過: 2002年8月(センチネルリンパ生検+乳房温存)、 2002年9月〜(ノルバデックス服用開始)

皮膚転移or薬の副作用の可能性はありますか? 半年後の検診まで放置していいものか、気になっています。ご回答どうぞよろしくお願いします。 

皮膚転移の可能性は少ないと思います。薬の副作用の可能性は否定できません。半年後ではなく、一度主治医の先生に診て頂いたらいかがでしょうか。(文責 稲葉)

 

No.1281】 02年12月03日 Jackie
右乳房のかゆみ

こんにちは。ホームページを見てメールしました。1〜2ヶ月ほど前から右乳房のみがかゆく、生理前後はとくに酷いような気がします。どちらかというとアレルギー体質で、よくかぶれるので、かぶれの一種だと思っていたのですが、最近かゆみがひどくなり、時々乳首の奥が痛いような気もするので、気になっています。(これは、不自然な姿勢で仕事をしていることもあり、筋肉痛の一種かもしれません。)
わきの下あたりから乳首まで横一線に痒くなる感じです。乳首の真下あたりに1ミリにも満たないようなほくろのようなものがあり、それも痒いのです。どうしても就寝中などにかいてしまうので、幅広く薄茶色に色素が沈着しつつあるようです。痒み止めの薬をぬってみましたが、一向によくなりません。こういうかゆみもガンのことがあると聞きました。医者にいったほうがいいのでしょうか。よろしくお願いします。

メールの内容からすると癌の可能性は低いと思いますが、絶対とはいえません。乳首のかぶれやかゆみといった症状を呈する乳がんというのは、パジェット病のことだと思います。癌の可能性は完全に否定できるわけではありませんので、一度外科、できれば乳腺の専門医がいる外科に行くのが良いと思います。(文責 稲葉)

 

No.1280】 02年12月03日 asuka
良性、悪性両方の診断が出て迷っています

10月8日乳癌検診で要検査と言われました。11月13日に市の医療センターでマンモグラフィ−、エコーの検査をしたところ、乳管内の広範囲にカルシウムがあるとのことでした。細い注射針で細胞を取ったところ、結果は 悪性でした。11月18日に太針生検を行いました。11月21日の結果、良性と出ました。主治医は悪性を否定できないため、12月2日にカルシウムに直接針を刺して鈎針のように曲げる検査の予定です。その結果が悪性の場合は、12月13日に右側乳房の全切除をするとのことです。診断が両方に別れているためセカンドオピニオンを考えています。12月2日の検査を受け、結果を持って別の病院へ行くべきでしょうか?それとも、悪性と出たら他の病院には行かず、主治医の指示に従い翌週に手術を受けた方が良いのでしょうか?よろしくお願いします。

細い針での細胞の検査と太い針での生検検査で結果が異なることがあります。これにはいろいろな原因が考えられます。針が病変にうまく当たっていなかったり、とれた組織の量が不十分であったりいろいろ考えられます。おそらくメールにあるこの次に行う検査というのは、石灰化の場所に針を刺して、それを目印にして組織の一部をとる検査ではないかと思います。その検査結果がでたら、主治医の先生に詳しく説明してもらい、今までの検査結果ともし合わなければ、なぜ合わないか等も説明してもらって、もしセカンドオピニオンを聞きたいと思ったら別の先生の意見を聞いてみるのがよいのではないでしょうか。大事なのは患者様が納得して検査や治療を受けることだと思います。(文責 稲葉)

 

No.1279】 02年12月03日 yuko
乳がんの手術方法

乳がん自体は小さいのに周辺の正常組織まで切除するんですか???

乳がんを顕微鏡で見ると、癌細胞はしこりの範囲だけでなく、もう少し外側まで散らばっています。もちろん肉眼ではその範囲はわかりません。ですから手術では通常しこりの外側、正常と思われる部位まで癌を取り残さないように切除します。ただどの程度とるかは病院によって違いはあります。温存手術の場合、しこりから2cmぐらい安全域をとって切除する施設もあれば、1cmぐらい切除するといった施設や、乳房の1/4ぐらいの範囲までとるところもあります。また殆どしこりのみ切除するというところもあります。切除範囲については様々ですので、主治医の先生に詳しく尋ねるのが良いと思います。(文責 稲葉)

 

No.1278】 02年12月03日 ムク
女性化乳房?乳がん?

はじめまして、32歳の男です。一年前から乳房が痛く、見た目にも腫れています(片方のみ)。脇の下も痛いです。だんだん乳房の周りにも痛みを感じています。気管支喘息があり、薬も飲んでます。薬はシングレアを1日一回、フルタイト200、セレベント50を各1日二回です。ガンでしょうか?病院は外科? または乳腺科?? どのような検査などするのか教えて下さい。突然で申し訳ありませんが宜しくお願いします。

お話の内容から推測すると、恐らく女性化乳房が最も考えられますが、もちろん男性乳癌も否定できませんので、外科あるいは乳腺外科があれば乳腺外科を受診してください。検査は触診、マンモグラフィ、超音波検査、必要ならば細胞診などを行います。特に女性の方の検査と変わりはありません。(文責 稲葉)

 

No.1277】 02年12月03日 K.A.
ホルモン療法について

突然のメールで申し訳ありません。私は35歳で、結婚はしていますが、出産経験はありません。一週間ほど前からホルモン療法を始めましたが、そのことで、聞きたいことがあります。最近、女性ホルモンに似た働きをするという大豆イソフラボンという物を人から勧められました。ホルモンが原因でなる乳がんにもいいとの事ですが、薬で女性ホルモンを止めているのに、それに似た働きをする物を飲んでも大丈夫なのでしょうか?イソフラボンは更年期障害を軽減する働きもあるとの事なので、薬の副作用で起こる症状に効くのではないかと期待もしています。女性ホルモンに似た働きをするというだけで、決して(女性ホルモンそのものではないので)悪い影響がないということでしたら飲みたいと思っています。なるべく早いお返事お待ちしています。

大豆イソフラボンの使用に関する相談ですが、私個人の考えではあまりお勧めはできません。その理由として、1)大豆イソフラボンは女性ホルモン様の働きをするといわれています。実際に体内で作られる女性ホルモンと比較してどの程度の作用なのかは知りませんが。もし女性ホルモン様の作用をするならば、乳癌に対しては乳癌細胞を刺激する方向に働くので、再発や転移を生じやすくする事につながります。2)いわゆる健康食品といったものはきちんとその成分や効果など科学的に調べられたものは少なく、副作用などもよくわかりません。もし治療としてホルモン療法を開始しているなら、あまり一緒に服用するのは勧められないと考えます。(文責 稲葉)

 

No.1276-1】 02年11月30日 kumi
リュープリン

最初の治療から7年後に脇のリンパ節に乳癌が再発したので、エンドキサン、フルツロン、ヒスロンHの3剤を半年間服用した後、リュープリン治療を月に一度2年間行いました。その後半年経ったのですが、月経がありません。婦人科で診てもらったところ子宮の大きさが16mmと、普通の人の半分しかないといわれました。私は32歳で治療前はまったく普通に月経はありました。リュープリン治療をする前と治療中にも婦人科を受診するべきだったと思いますが、今となってはどうしようもありません。リュープリンを使うと無月経になることが多いのでしょうか?回復することもありますか?

40歳代後半でリュープリンを使うとそのまま閉経になる事が多いと言われています。40歳代前半で30〜50%位閉経になると言われています。32歳ではかなりの確立で月経が復活すると思われるはずですが、中にはそのまま無月経のこともあるかもしれません。頻度は不明です。リュープリン中止後、普通は半年以内に月経が再開する事が多いです。詳しい頻度は主治医に聞いてみたらご存知かもしれません。こちらでもメーカーに問い合わせてみます。(文責 石山)

メーカーに問い合わせたところリュープリンでは詳しい事が判りませんが、同じ作用のゾラデックスでは、2年間投与後、最長16ヶ月で月経が来た人がある事と、若い人の40歳以下ではほとんど(90%以上)月経が回復するようです。もし他に月経が来ない理由があるとすると、その前に飲んでいたエンドキサンで卵巣機能抑制作用があり、その可能性もあります。抗癌剤ですので卵巣機能が廃絶する事も考えられ、そうかもしれません。乳癌にとっては再発予防として月経が来ない事は有利であると考えられます。今後は基礎体温で2相性があるかとか、不妊症のときのようなホルモンの検査をすれば本当の卵巣機能が判ると思います。(文責 石山)

 

No.1276-2】 03年01月16日 kumi
リュープリンと妊娠

相談に答えていただきありがとうございました。結局ホルモンの検査をしたのですが、LHが14くらい、FSHは30くらいと正常値より高く、更年期のような状態みたいです。32歳で更年期のような状態になってしまったという現実を、受け入れるには未婚女性の私としては、正直つらいです。生きているだけでもありがたく思いなさい、というくらい大変な病気をしている私ですが、やはり人並みに血のつながった子供が欲しいという欲は出てきます。先生は90%の方が元に戻ると励ましてくれましたが、
http://www.med.hokudai.ac.jp/~surg-1w/surgery1/nyusen6.htmにもあるように70%とも書かれています。リュープリン治療をする時には婦人科もかかるシステムがあれば良いのにと思います。もしそういったシステムをとっていて、症例が豊富で、私の検査結果が子宮の機能がどうしても回復できないほどひどいのか、回復する手段はあるのかなどについてアドバイスができる病院を教えていただけませんか。

月経が到来しないのはリュープリンの影響も考えられますが、エンドキサンによる卵巣機能抑制も無視できないと思います。卵巣の機能に関しては、これから定期的にチェックしていくしかないでしょう。申し訳ございませんが、この機能低下に関し専門的アドバイスが可能な病院は?です。(文責 加藤)

 

No.1275】 02年11月30日 moto 
乳首のしこり

今18才の男です。成長期にできた乳首のしこりがまだ残っているのですが、それは問題ないのですか? また最近、乳首から2,3センチ離れた所が成長期のしこりのような痛みがするのですが、何でしょうか? 心配になって尋ねました。

男性に乳癌は少なく、それも高齢者に多いので、あまり心配ないと思います。思春期乳腺症という可能性が高いと思います。痛みはそのための症状と一致します。心配なら専門医の診察が必要です。(文責 石山)

 

No.1274】 02年11月29日 A.K. 
しこりとはどういうものをさすのでしょうか

26歳、出産経験のない女です。2、3ヶ月前から、生理前になると右乳房の内側(左側)に痛みを感じるようになりました。何もしなくても痛いのですが、押すと更に痛くなります。それで、もしや乳癌ではないかと心配になり、ネットでいろいろ調べた結果、「しこり」というのがあると問題だとわかりました。早速、自分で触って確かめたのですが、どうも、どこを触ってもボコボコしている感じで、また、そのボコボコ感は左右同じようで、乳首を中心にしてその回りをぐるっと一周触ると、放射線状になっているようでもあります。これって乳腺じゃないのかなぁと思ってはいるのですが、こんなにはっきり乳腺がわかるものなのでしょうか。また、この痛みのあるところにも、このボコボコはありますが、痛みのない左乳房にも同じようなボコっとしたものがあります。この痛みの原因は何だと考えられるでしょうか。

痛みがあって、硬い所が両方、全体にあって生理前に起こるという事から考えれば乳腺症の可能性が高いと思います。ごく普通の事で、生理のある女性はよく経験する事です。しかし、小さなしこりの有無は分かりにくいので、一度専門医の診察を受けた方が良いと思います。30歳前だと乳癌検診の対象でない事が多いので、大きな病院の外科、できれば乳腺外来のある所で、受診された方が良いでしょう。(文責 石山)

 

No.1273】 02年11月29日 oko
乳首のしこり

今週のあたま、お風呂で乳首を触っていると右の乳首に鼻の頭に出来るような黒にきびのようなものがありました。すぐに取れて、その後乳首を摘んでみると膿のようなものが出てきました。「乳がんでは」と心配になって、次の日病院に行きました。先生は乳首からばい菌が入って化膿したのだろうと言っていましたが、念のため分泌物をとって検査をしてもらうことになりました。乳首にはしこりがあり、痛みも少しあります。膿は出切った感じで、今は出ていません。乳首の癌もあると知り、検査結果がでるまで不安でたまりません。どうかよろしくお願いします。

行かれた病院が乳腺専門であればまず心配ないと思います。乳頭の癌というのは、湿疹のような糜爛で分泌物は普通滲出液で、膿とは違います。分泌物の細胞診をしたのであれば、それで診断がつくはずです。ただ調べたのが細菌の検査かも知れず、その点は確認した方が良いと思います。(文責 石山)

 

No.1272】 02年11月27日 アイコ  
しこりについて

はじめまして、33歳で2歳の子供がいます。2年前、左胸中央上部にのう胞ができ水を抜いてもらい、細胞診も異常なしでしたが、それから半年ごとに乳腺外来を受診する事になり、最後に受診したのは7月で、触診のみですが異常なしでした。ところが今回の生理前から胸が張って、いつもより痛むので触ってみると左胸の一番下の内側にしこりを発見、かなりの圧痛がありました。生理が終わって多少痛みは軽減したものの、しこりが消えないので、今日乳腺外来を受診して来ました。マンモグラフィーと超音波と穿刺をしたのですが、マンモグラフィーは乳腺症のため全体が黒っぽく映っているが、見た限り異常なしとの事でした。しこりも触診では水が溜まっているみたいと言われたのですが、実際超音波で見ると水も溜まっていないし、あまりしこりの様には映らないので、何だか判らないとの事です。穿刺もしましたが液体は出ませんでした。しこりは2cm位の楕円形で、少し圧痛があります。押してみると逃げる感じです。担当医の先生は、悪い物である確率はかなり低いので心配しないで・・・と言ってはくれたのですが、細胞診の結果が予約がいっぱいの為、半月後でないと聞けません。先回りして心配した所でどうにもならないのは分かってはいるのですが、どうしても心配でHPなどを見ては最悪な事まで考えてしまい、不安で仕方ありません。そこでお聞きしたいのですが、画像だけでもだいたいの診断はつくものなのですか? 線維腺腫かも・・と言われたのですが、圧痛がある場合もあるのですか? その他どんな疾患が予測できますか? お忙しい所お手数ですが、返答いただけたら有難いです。

以前の回答にも書きましたが、超音波は擬陽性が多く、いろいろな病変が写るのですが、癌でない物があまりにも多く、このようによけいな心配をしなくてはいけません。しかし、早期乳癌を見つけるという事では大事な事です。楕円形と言う事は一般に乳腺症や線維腺腫の特徴です。あまり心配ないと思います。細胞診は安心するため、念のためにやったと言う程度に考えていいと思います。(文責 石山)

 

No.1271】 02年11月27日 M.S.
脇の下から脇腹にかけての痛み

初めて相談させていただきます。人間ドックでは乳腺症と診断されていますが、先月痛みがひどく、エコーを撮ってもらいました。やはり乳腺症とのことでしたが、撮る前に先生が、「肋間神経痛ということも考えられる。」とおっしゃっていました。今月も、はげしい痛みではないのですが、やはり左脇の下、乳房、脇腹が痛み、生理後も続いています。乳腺が硬いのでしこりかわかりにくいと言われており、自分で触ってもよくわかりません。受診していただいた先生からは「これと違った感じがしたら受診して下さい」と言われましたが、特に違った感じはありません。乳首からの分泌液もありません。腕を動かすと痛むこともあり、自分でも神経痛か筋肉痛のように感じられることもありますが、乳腺症の症状なのでしょうか? 神経痛または筋肉痛ということも考えられるのでしょうか? 乳腺症によるものだとすると、生理が終わっても痛むこともあるのでしょうか? また、これからすぐ受診の必要はないでしょうか? 年齢は43歳、35歳で子供を産んでおります。よろしくお願いいたします。いろいろな先生のご意見を聞きたく、相談させていただきました。よろしくお願いいたします。

わき腹まで痛むということは乳腺の範囲を越えていますので 肋間神経痛かもしれません。痛みの範囲をもう一度医師に伝えて再診し、乳腺でなければ整形外科に受診する事になると思います。(文責 石山)

 

No.1270】 02年11月26日 H.S.
HER2/neu

質問がありますのでよろしくお願いします。HER2/neuといって腫瘍増殖を促進する遺伝子がありますが、私の乳がんには含まれていないそうです。と言うことは再発の危険はあんまりないととらえてもいいのでしょうか。腫瘍の大きさは2.5x3.0で、今、薬物療法をしています。ホルモンレセプターは陽性で、リンパ節に転移はありません。わかる範囲でお答えください。よろしくお願いいたします。

HER2/neuと言うのは予後不良因子とされる増殖因子レセプターの遺伝子の事です。以前はこれがある人は再発しやすく、抗癌剤が効きにくい事が多いと言う事で、患者さんにとっては恐ろしい事でしたが、一昨年からこの遺伝子産物のレセプターに対する抗体が薬になり、このように予後の悪い人でも再発した場合に治療ができるようになったという今の状況です。(文責 石山)

 

No.1269】 02年11月26日 AKIKO
乳がんについて

はじめまして。私はもうすぐ30歳になる女性です。今回メールをさせて頂いたのは、乳がんの事です。今年の5月に子供を出産して、今までずっと母乳のみを飲ませています。実は先日、何気なく乳房を触っていると、左の乳房のわきの下から5センチ位下に、米粒より小さいしこりを見つけました。痛みは全く無く、見た目にも解かりません。とても不安になって質問させて頂きました。このまま母乳を飲ませても大丈夫なのでしょうか。父方の母親が30過ぎに乳がんになっています。どうかアドバイスを頂けませんでしょうか、宜しく御願い致します。

授乳中には乳汁が溜まるなどして、よくしこりができる事があります。ただ腋の下と言う事なら乳がんは更に考えにくいと思います。いずれにしても授乳する事はかまいませんが、気になるのであれば一度乳腺外科に受診された方がいいと思います。(文責 石山)

 

No.1268】 02年11月26日 misato
HER2について

はじめまして。現在化学療法中、30才です。今年の7月に乳癌の手術で、胸の皮膚はそのままで乳腺と乳頭を摘出しました。しこりは5cm未満のものが3個みつかり、リンパ節転移が3個、ステージUb、HER2が3+でした。抗癌剤ACが4回終わり、これからタキソテールを4回、その後ホルモン療法を行います。HER2は抗癌剤が効きにくいと聞いたのですが、この治療法しかないのでしょうか。化学療法が終わってホルモン療法と一緒にハーセプチンを使ってもガン細胞は消えないですよね。HER2が3+だと再発率、生存率は変わってきますか。あまりHER2の事も分からないのでこんな質問しか出来ないのですが、よろしくお願い致します。

HER2はもともと予後因子で研究されてきて予後不良とか抗癌剤抵抗性などに関わると言われています。それに対して登場したのがハーセプチンで、HER2に対する抗体で、再発したときの治療薬として厚生労働省から認可されていて、予防的に使う薬ではないと思います。(文責 石山)

 

No.1267-1】 02年11月25日 E.S.
セカンドオピニオン

このホームページを見つけて”良かった〜”と思い、メールを送らせていただきます。
私は12月で40歳になります。子供はおりません。10月末、市の健康診断を近くの医院で行った際に、同時に乳がん検診をしていただきました。超音波の検診を行ったところ、右の胸の乳房の下あたりに6〜8ミリ程の丸い物が写りました。マンモグラフィーも撮っていただきましたが、何も写りませんでした。その時点で専門外科のある病院へ紹介していただき、触診では確認できないのですが、MRI検査をしたところ一箇所に光が写りました。今現在(11月25日)は、細胞検査をするために検査日を待っているところですが、あと3週間掛かります。先生がおっしゃるには、小さいものだけれど悪性だった場合は腫瘍が真中の方にあるので、全摘手術になるとの事。びっくりして、いろいろインターネットで乳がんに関するページを読んでみたのですが、どちらにも早期発見では温存治療が可能だと書かれています。やはり場所によってはダメな場合があるのでしょうか?最初に超音波でしこりらしきものを発見してから、1ヶ月以上ずっと不安のままです。MRIで写ったものが良性の可能性はどの位あるのか? もし悪性だった場合、こんなに検査に時間を費やしてしまって、いいのだろうか? もっと早く処置すれば温存ができるのではないか? 外来予約まであと3週間、じっとしていると神経的なものなのか、胸に痛みを感じたり、肩が張ってきたり、右手がだるかったりと、心配がますます大きくなってきます。よくセカンド・オピニオンを聞いた方がいいと言われますが、他の先生にも診てもらった方が良いのでしょうか?
私たち患者は知識が乏しい為か、山ほどの不安を抱えているにも関わらず、いざ診察の時、先生の前ではなかなか質問が出来ず、家に戻って冷静になってから、あれも聞けばよかった、これも聞けばよかった、というケースが少なくないと思います。そんな中、このホームページは本当に心の支えになってくれる物だと感じます。是非ずっと続けていただけるよう・・・、よろしくお願い致します。

超音波は検診に使うには擬陽性が多いので、このように引っかかる方が多く、さらにMRIも同じように擬陽性が多いのが現実です。おまけにマンモグラフィーは閉経後の方の検診には有用であるのですが、閉経前の方には検診として未だに視触診しかされないのが現実です。したがってこのように閉経前の方には癌を早期発見するにはエコーでふるいわけて、そこから調べていくしかないのが現状です。しかし、引っかかる方が多すぎて、行政としては全ての閉経前の健康な方の検診に使う事が躊躇されています。そのような事情から癌である可能性は非常に低いということです。でも、可能性は0ではないので、このまま検査を受けた方がいいと思います。検査の途中でセカンドオピニオンというのは単なる時間の無駄になりますので、やはり次回の検査を待った方がいいと思います。(文責 石山)

 

No.1267-2】 02年12月12日 E.S.
温存療法の適応

先日、細胞の検査を待っていて、心配でしようがないと相談した者です。乳がんである可能性は低いとの事でしたが、検査の結果、残念な事に癌でした。腫瘍の大きさは6〜8ミリで早期発見だと思うのですが、場所が乳房から1.21〜1.28ミリにあるとの事で、温存療法が難しいと言われました。乳房に近いと温存治療は望めないのでしょうか?今通っている病院では温存治療はしない様なので、もし温存が出来るのであれば他の病院へ紹介していただこうと思っています。ただ、年齢が40歳なので、転移の事など考えたら全摘するべきなのでしょうか?再建を望むのであれば希望の病院を決めるよう、言われています。でも他の病院の事もよく知りません。早く決断した方がよいのでしょうが、今、頭の中が真っ白です。アドバイスを下さい。よろしくお願い致します。

最近の温存療法の適応はしこりの大きさは3cm以下(実際は4cmくらいまでなら患者様の希望があればやりますが)で、しこりの位置は関係ないということになっています。温存療法が始まった頃は、しこりが乳頭に近いと断端が陽性になりやすいので、乳頭からの距離が3cm以上となっていましたが、今は乳頭に近くても温存療法は行います。確かに乳頭に近いと乳頭側の断端で癌が残る可能性はありますが、適応外ということではありません。しこりの大きさからすると温存でも可能だと思います。
大切なのは、切除で行った場合、術後のことや再発率なども含めてどのような状態になるのか、温存で行った場合はどうなのか、きちんと説明を受けて、自分で納得して治療を受けるということです。あなたが温存を希望しているのなら、温存療法を行っている病院を受診してその病院での意見を聞かれてから治療方針を決めるのがいいと思います。(文責 稲葉)

 

No.1266】 02年11月24日 K.K.
浸潤性小葉癌の術後療法について

米国在住の主婦、49歳(閉経前)です。ご意見をお伺いしたく、ここにメール申し上げます。
今年の9月に右乳房が浸潤性小葉ガンであると診断され、10月24日にシンプル・マステクトミーの手術を、またあわせてセンチネル・リンパ節生検を受けました。生検の結果は(0/3)でリンパ節への転移は陰性。腫瘍のサイズは0.8cm。Scarrf-Bloom Richardsonのグレードは2、腺管形成=3(scant tubule formation)、核異型=2(moderate pleomorphism)、核分裂像数=1(<10 mitoses/10hpf)。血管への侵襲並びに腫瘍壊死は認めず。Intraductal Hyperplasiaは Proliferative、Lobular HyperplasiaはNone。ERは21%、PRは9%、HER2/NEUは2.0  Ki-67は1% でした。
本日、ガン専門医に会い、私が来年3月〜4月に帰国する事情であることも含め、今後の治療計画について相談したところ、「治療法は2つ考えられる。AC療法(4クール)の後、タモキシフェンを服用するか、初めからタモキシフェンを服用するかのどちらか。あなたの場合は境界線上にある。私としてはAC療法+タモキシフェンを薦める。HER2が2+(FISHでは3+に近い値)、PRが低い値にあり、転移リスクは高いと考えられるのがその理由」と言われました。2001年ザンクトガレン国際会議で勧告された補助療法の選択基準を事前に調べ、私の場合は多分タモキシフェン、化学療法が加わっても比較的副作用が少ないCMF療法かなぁ、と想定していただけに、AC療法を薦められたことは予想を越えてしまったという感じで、戸惑っています。タモキシフェンは当然服用しなければならないと考えていますが、このAC療法を受けるべきかどうかで悩んでいます。AC療法は効果はあるが、副作用が相当強いと伺っているからです。AC療法を行うとすれば、ドキソルビシン、シクロフォスファミドを使うとのこと。12月5日に化学療法を受けるアポイント取りを行いましたが、その3日前までに受ける、受けないを含め連絡をすることになっています。このため、次の点についてご意見を伺いたいと存じています。
@ AC療法を受ける、受けないとでは治療上大きな差があるように感じますが、一般にこのような選択を迫られることはありうるのでしょうか。タモキシフェンを服用するのみ、と比べて治療効果はどの程度違うのでしょうか。
A HER2の値など転移リスクが高いと言われているなかで、CMF療法を選択することは可能でしょうか。またAC療法を選ぶ場合と治療効果はどの程度違うのでしょうか。
B 治療の順序として、当面タモキシフェンを服用し、例えば帰国後化学療法を受けることは可能でしょうか。

以上、よろしくお願い申し上げます。

ACという選択もあると思いますが、n0で閉経前とはいっても49歳ですので、再発リスクは高くないと思います。HER2陽性はサンクトガレンでもまだリスク分類には入っていません。来年2月にまたサンクトガレンの会議がありますので、改定があるかもしれませんが・・・。日本ではやはりタモを飲んで経過観察する場合が多いと思います。しかし、例え再発リスクは非常に低くても一旦再発すればその患者の10年生存率は極めて悪くなります。非常に起こりにくい事であっても、再発すれば治療が不十分であったということで後悔する事もあるわけです。その辺で、訴訟の可能性も考えて、患者さんに選択してもらうという事になると思います。傾向としては、ヨーロッパはホルモン剤治療が多く、アメリカは抗癌剤治療の選択が多いという事があるようです。浸潤性小葉癌は日本では頻度が低いので再発リスクのことははっきりしませんが、肺、骨転移以外に腹膜再発などの変わった再発があるようです。再発予防効果ではACがすぐれている事は分かっていますので、それで勧められたようです。タモキシフェン治療後にACというのも可能ですが、その辺はエビデンスがないと思われ、はっきりしません。ただ日本ではタモのみでの治療ケースが多いと思われ、悪くないような気がします。(文責 石山)

 

No.1265】 02年11月22日 A.M. 
術後の経過について

私の義母の事なのですが、今年の七月に乳癌ニ期の手術を受けました。今は月一回の通院で放射線治療と一日1錠の抗ガン剤を飲んでます。いまだに傷口から汁がしみでで下着が汚れるのですが・・・。もうすぐ5カ月経ちます。なぜいまだに汁がでるのですか?乳房温存です。教えて下さい。義母は担当医の話を聞いても帰ってくると忘れていて話の一部しか覚えていないので分かりません。なぜなのか教えて下さい。

温存術の放射線療法後の滲出液ということになります。傷を診ないと分からないのですが、手術時に皮膚は一旦薄く剥離され、それを縫い寄せてあります。そのため、どうしても皮膚は治りにくかったり、いつまでも液が出る事があります。さらに放射線をかけると傷の治りも悪くなりがちです。5ヶ月たっても液体が出る事もあると思います。その液体が感染していないか、郭清リンパ節からのリンパ漏ではないのか、いろいろ鑑別すべきですので、担当医に聞く事が大切です。(文責 石山)

 

No.1264-1】 02年11月21日 Y.S.
手術後の抗癌剤治療について

55才の母が乳がんと診断され、8月7日に乳房温存手術を受けました。しこりの大きさが3.5cm、リンパ転移が17/21だということでした。放射線治療が終わり、11月12日から抗癌剤治療を受け始める予定でしたが、白血球数があまりにも低いため延期になりました。白血球数をあげるため、今まで飲んでいた薬を止めているのですが、一週間経っても数値は上がりませんでした。抗癌剤治療の時期が遅れると転移の危険性が高くなったりするのでしょうか?また、今まで飲んでいた薬を止めていることで、抑えられていた癌が活発化する可能性はあるのでしょうか?治療が何も出来ない事で不安が高まっています。ご回答ください。よろしくお願いします。

リンパ節転移が多いので再発のリスクが高いということから予防的に抗癌剤治療を施行するということでしょう。時には飲み薬の抗癌剤だけでも白血球が下がる事がありますので、予防的治療が遅れたり、どうしてもできない人もいます。ただあくまでも予防的投与ですので、危険なほど白血球が下がる人は仕方がないこともあります。ただGCSFという白血球を上げる薬もあり、それを使いながら投与も可能です。主治医によく相談してください。(文責 石山)

 

No.1264-2】 03年01月09日 Y.S.
浸潤癌について詳しく教えて下さい

何度か質問をさせて頂いています。いつも丁寧な回答ありがとうございます。さて、母の乳がんについてなのですが、手術後の何回かの検診で「切除したがんの顔つきがかなり悪かった。」と言われたそうです。浸潤癌との事なのですが、あまり詳しい事は聞けなかったそうです。浸潤癌について詳しく教えて下さい。

浸潤がんとは、乳がんが乳管というトンネルから外へ出て発育した状態のものです(転移する可能性あり)。非浸潤がんとは、トンネルの中に留まっている状態のものをいいます(転移する可能性なし)。いわゆる乳がんというのは通常浸潤がんであり、非浸潤がんであることは頻度的に稀です(10%以下)。がんの顔つきとは、良い(1)、普通(2)、悪い(3)と3段階に分類されます。悪いものは良いものと比較して転移をおこしやすい傾向がありますが、必ず転移するわけではありません。(文責 加藤)
 

 

No.1263】 02年11月18日 O.T.
手術後の状態

いつも読ませていただき、参考にさせてもらっています。43歳、主婦です。乳癌手術後、5ヶ月半経ちます。リンパ節レベル1の廓清をしましたが、非浸潤癌だったため薬は何も飲んでいませんが、放射線は照射しました。
1)手術後3ヶ月半経ったとき、腋の下にリンパ液が溜まりました。その後、自然に吸収されてきていましたが、2、3日前にお風呂で腋の下を強く洗ったせいでしょうか、また少し腋の下が膨らんでいるように思います。リンパ液が溜まったのでしょうか。自然に吸収されるのでしょうか。
2)弾性スリーブは、リンパ浮腫の予防にもいいということですが、1年中着用していないと効果のないものなのでしょうか。夏以外ずっとしていても無駄な努力なのですか。腕が浮腫んでからするほうがいいものなのでしょうか。
3)リンパ浮腫にならないために、重いものを長時間持ったり、腕を振り回したりしないほうがいいと聞きましたが、それは何故ですか。
4)インフルエンザなどの予防注射をしてもいいでしょうか。
よろしくお願いします。

リンパ液の貯留は術後時々ありますが、自然に吸収される事が多いです。入浴は関係ないと思います。弾性スリーブは私のところでは浮腫が出た人にはお勧めしますが、ない人に予防的に付けさせるということはしていません(圧倒的に浮腫が起きない人が多いので)。運動によっては浮腫を助長する可能性があり、振り回すのは良くないといわれます。インフルエンザは今経口薬ができ、予防注射の意味が減っています。希望があればやってもいいでしょうが、反対側の腕にする事は必要です。(文責 石山)

 

No.1262】 02年11月18日 Miki
乳輪にできた黒いほくろのようなものについて

先日、左乳輪の乳首のすぐ上の辺りに二つほくろのような小さい黒い点があるのをみつけました。ペンの先で色をつけた程度の大きさです。右乳輪にはありません。これは何か異常がある印でしょうか? いつできたかは分かりませんが、一年前は確実にありませんでした。何かアドバイスいただければ幸いです。

診察をしないで診断はつけるべきではないのですが、話の内容からは癌は否定的と思います。乳腺領域ではPaget病という病気がありますので、乳腺外科に一度診察を受けてください。Paget病でなければ、皮膚科で再度相談するというのが診断の流れだと思います。(文責 石山)

 

No.1261】 02年11月18日 R.U.
乳管内乳頭腫について

24歳、未婚です。今年の5月に乳頭から血が出て、しこりもあったので診察を受けたところ、「乳管内乳頭腫」ということでした。その時は経過観察で、気になるようなら手術でしこりをとるということになりました。徐々にしこりも硬くなってきた気がして、出血は日に日に増えてきています。そこで10月に同じ医師に出血が気になるので手術をしたいと相談したのですが、「人によっては傷跡や変形があるので、お若い方には勧めない。」と言われ、止血剤をいただきましたが、まったく止まりません。他の病院ではどうなのかと思って、今別の病院で検査中です。乳管内乳頭腫の方の経験談等を見ると大体の方がしこりをとっていますが、良性と診断されてとらないままでも大丈夫なのでしょうか?癌との区別がつきにくいと聞いたので心配です。出血が増えてきていますが、それは普通の事なのですか? 自然にしこりや出血がなくなる可能性は低いと言う事ですし、毎日出血の事を気にしていくのも辛いので、私は手術をしたいのですが、それを我慢してでもとらない方がいいのでしょうか? たくさん質問してすいませんが、よろしくお願い致します。

それだけ出血が続いているのであれば、乳頭腫であっても手術はしたほうが良いかもしれません。いずれにしてもあなたの気持ちが大事で、主治医とよく話し合う事が大切です。(文責 石山)

 

No.1260-1】 02年11月18日 N.I.
再発乳癌の治療法について

はじめまして。現在59歳の母の乳がんについてお伺いいたします。3年5ヶ月前に、乳癌と診断され、左乳房切除術を受け、当時脇下リンパ節の転移は1個でした。閉経後で、ホルモン感受性乳癌であったため、その後の治療薬は「ノルバデックス」でした。その後の検診による血液検査で腫瘍マーカーが

2001年11月26日 CEA 1.3   CA15-3 13.9   ST-439 5.7
2002年3月11日 CEA 1.4   CA15-3 17.4   ST-439 6.9
2002年7月1日 CEA 1.6   CA15-3 24.0   ST-439 7.2
2002年10月4日 CEA 3.1   CA15-3 46.2   ST-439 7.8 
2002年11月11日 CEA 不明   CA15-3 67.0   ST-439 9.0

以上のように上がり、また、先月(10月)頃から鎖骨中央上部のふくらみが気になり、ちくちくした痛みが伴ったため検診したところ、当月(11月)にCT検査を実施しました。その結果、骨への転移と肝臓へ点のような癌細胞が2箇所確認されました。現在の治療方法としては、以前とは異なるホルモン剤「アリミデックス」を1日1錠飲み、1ヶ月ごとの検診のみです。

@主治医より盛んに「ホルモンが効く癌細胞だ」と聞くのですが、その他の化学療法の併用、局部(鎖骨上部のふくらみ)への放射線照射は必要ないのでしょうか。また、アリミデックスを服用しても腫瘍マーカーが下がらない場合、今後どのような治療方法が考えられますか。
A現在、本人はホルモン剤の副作用もほとんど無く、鎖骨上部のちくちくした痛みのみで、前と変わりなく仕事もし、忙しい毎日を送っているのですが、このような生活を続けていいのでしょうか。
B主治医には日常生活に気をつけることとして、特に何を言われたわけでもないのですが、総合医療として健康食品であるアガリスクを飲用しています。そのことについて主治医には言っておりませんが、特に言う必要はないのでしょうか。また、このような健康食品の併用について、どのようにお考えか教えてください。
Cまた、乳癌は進行が遅いガンだということですが、母の場合、上記のように腫瘍マーカーが上がり、急速にガンが悪化しているように思えますが、やはり進行の速いガンなのでしょうか。
D現在、骨以外に肝臓にも点状の癌細胞があり、主治医には「癌に小さい大きいはあまり関係ない」と言われましたが、どのような意味なのでしょうか。また、肝臓転移の乳癌に対する具体的な治療方法はあるのでしょうか。飲酒の影響についても、お聞かせください。

長い相談になりましたが、よろしくご回答お願い致します。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願い致します。

再発乳癌の治療には、生命を急に脅かす転移でなければ副作用の少ない物からやると言う原則がありますので、アリミデックスは妥当な選択と思います。進み具合によっては抗癌剤になると思います。 生活は普通で良いですが、アガリクスはこのホームページに何度もでてきますが、あくまで補助食品で癌に聞くという科学的根拠はないので、高価でお勧めできまん。乳癌の再発として普通のように見えますが。再発をすると10年生存率はかなり低いので、再発したという事実はやはり生命予後と言う点で厳しいと言う事です。(文責 石山)

 

No.1260-2】 02年12月08日 N.I.
再発乳癌の治療法について(2)

早速のご返事ありがとうございました。その後、乳がんの再発と告知されてから約1ヶ月が過ぎ、母は骨転移の痛みもなく仕事をし、普通に生活しております。以前と変わらず元気な母なので、今のところは再発したガンは静かにしているのかと思い、家族みんなで安心しています。(そのような理解でいいのでしょうか?)
先日の回答で、「再発乳癌の治療には、生命を急に脅かす転移でなければ副作用の少ない物からやると言う原則がある」ということですが、肝臓転移はそのような危険な再発ではないのでしょうか。点状の小さい転移(転移個所:2箇所)だからなのでしょうか? このHP上に多く載っている骨転移とは別に、母に再発した肝臓転移がとても不安です。母は乳がん治療中にも、たびたびお酒を飲んでいたので、そのことが今回の肝臓転移を誘発したのでしょうか。今は、母はお酒は飲んでいませんが、今後の飲酒の影響についてもお聞かせください。今度の血液検査の結果がよくなっていることを願っている毎日です。お忙しいところ、たびたびのご質問、申し訳ございません。ご返事よろしくお願い致します。

再発乳癌の治療についてですが、生命を脅かす転移というのは、肺や胸膜転移などで胸水が溜まった場合や呼吸困難が出た場合、脳転移などが考えられると思います。肝臓転移も生命を脅かす転移と考えられますが、点状の小さな転移で、肝臓転移による症状が現在ないため、これには当たらないと判断したと思います。
飲酒と肝臓転移の関係はありません。今後の飲酒は量が多くなければよろしいと思います。
現在はあなたのおっしゃるように癌が静かにしている状態と思われます。症状が出現したら次の治療を考えるというのも一つの方法と考えられます。(文責 稲葉)

 

No.1260-3】 02年12月19日 N.I.
再発乳癌の治療法について(3)

ご連絡ありがとうございました。忙しいところ、たびたびの質問ですが、よろしくお願い致します。11月の初めに乳がんの再発が分かり、治療薬がアリミデックスに変わってから初めての血液検査の結果が得られました。その結果、腫瘍マーカーが
2002年10月21日 CEA 3.8  CA15-3 64.1  ST-439 8.4
2002年11月11日 CEA 4.4  CA15-3 97.2  ST-439 8.8

以上のように、アリミデックスに変わった後の値は、以前と変わらず上がっており、残念な結果でした。このようにホルモン剤は短期間に効果が得られないものだと分かっていましたが、現在のアリミデックスの効果はいつ頃判定できるものなのでしょうか。最低何ヶ月間は値が上がったままでも使用するものなのでしょうか。この薬が母のガンに効果のある治療薬であることを祈っています。また、骨転移によるぴりぴりした痛みがあるのですが、この痛みが大きくなってきた場合、今後どのような治療方法が考えられますでしょうか。ご返答よろしくお願い致します。

マーカーの上昇は残念な結果ですが、再発乳癌の場合病巣の広がり、臨床症状などを総合的に見て、患者さんのQOLを考えた治療を選択していく必要があると思います(一言で言うほど簡単ではないですが・・・)。アリミデックスをどのくらい続けるかといった決まりはありませんが、以下の治療との併用も可能かと思います。
ホルモン療法としてはMPA(ヒスロンH)が考えられます。また化学療法ももちろん選択肢となるわけですが、副作用と前述したQOLとの兼ね合いもあり、主治医の先生とよく相談しながら進めるべきと思います。また、骨転移の広がりにもよりますが、鎖骨など限られた部位ならば、そこへの放射線療法も併用して痛みをとってあげるといった治療も考えられると思います。いずれにしても繰り返しになりますが、マーカーの変動や一つの転移だけを見るのではなく、患者さんを一つの個人として全体的に見て最良の方法を考えるべきで、主治医の先生とよく相談しながら進めてください。(文責 片山)

 

No.1260-4】 03年01月11日 N.I.
再発乳癌の治療法について(4)

NO.1260で相談させていただいた者です。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願い致します。乳がんの再発が分かってからすぐ、去年11月頃から治療薬がアリミデックスに変わりました。その後、1ヶ月1回毎の血液検査の結果ですが、
2002年10月21日 CEA 3.8   CA15-3 64.1   ST-439 8.4
2002年11月11日 CEA 4.4   CA15-3 97.2   ST-439 8.8
2002年12月9日 CEA 6.9   CA15-3 124.6  ST-439 10.1
以上のように、アリミデックスに変わった後の値は、以前と変わらず上がっており、特に12月9日の結果については、主治医はマーカーの値を見て、「アリミデックスに変えてから3ヶ月経つので、もう一回の血液検査の結果を見て、経過が変わらなければ、抗がん剤を使用しましょう。」と言われました。こちらから、「抗がん剤を使用しないで、別のホルモン剤を使うのはどうでしょうか。」と聞いたところ、「そんなに悠長にしていられない。骨以外にも肝臓にも転移しているのだから、抗がん剤を使用した方がいい。」と言われました。その言葉を聞いて、母共々とても不安な毎日です。このような腫瘍マーカーの上昇は危険なものなのでしょうか。本当にすぐに抗がん剤を使用しなければいけないのでしょうか。そうであれば、今度の血液検査の結果を待ってからでも遅くないのでしょうか。とても心配です。母のガンはホルモン感受性が非常に高いガンだとうかがっていますが、それなのにホルモン剤が効かないというのは、どうしてなのでしょうか。立て続けに質問してしまいましたが、今後、頑張って前向きにガンを治していこうと思っています。先生ならこのような場合、どのような治療方法が考えられますか。今後使用するであろう抗がん剤についても教えてください。返事お待ちしております。よろしくお願い致します。

腫瘍マーカーの上昇から、がんは少しずつ進行していることが考えられます。ただ、ホルモン治療は効果発現まで数ヶ月かかることも多く、服用開始から1ヶ月で効いていないと判断するのは時期尚早のような気がします。私でしたら進行の状況、転移による症状を考慮した上ですが、アリミデックスをもう少し続けてみます。それでも効果がない場合、他のホルモン治療(アロマシン、ヒスロンHなど)に変更するか、抗がん剤を使用することを考慮するでしょう。抗がん剤の種類は経口薬(エンドキサン、フルツロン、UFT、5-FUなど)、注射剤(CMF、アンスラサイクリン系、タキサン系)など色々ありますので、患者さんと相談の上で決定します。転移部位、症状、副作用、費用などを考慮しなければならないので、一概にどれが良いと決めるのは難しいと思います(ただ、抗がん剤を使用しないという選択肢もあります)。(文責 加藤)

 

No.1260-5】 03年01月16日 N.I.
再発乳癌の治療法について(5)

さっそくのご返事ありがとうございました。恐縮ですが、お送りしたメールの中で勘違いがありましたので、再度ご相談申し上げます。よろしくお願い致します。
治療薬がアリミデックスに変わったのは、去年の10月初めであり、12月の血液検査の結果は服用開始から2ヶ月ほど経過した結果でありました。今度、1月下旬に実施する血液検査の結果をみて、抗がん剤の使用について判断すると主治医は言われていましたが、このようなマーカーの上昇を考慮するとアリミデックスの効果判定については先生であればどのようにご判断されますでしょうか。また、その後の治療薬は何を使用されますか。母共々、まだ急を要する時期でなければ、抗がん剤を使用せず、もう少しホルモン剤で治療していきたい考えでおります。先生のご返事、よい参考にさせていただいております。返事お待ちしております。

一月下旬の結果をみて、治療薬の変更を考慮すればよいと思います。抗がん剤の治療を御希望でなければ、アロマシン、ヒスロンHなどが候補にあげられます。(文責 加藤)

 

No.1260-6】 03年02月10日 N.I.
再発乳癌の治療法について(6)

たびたび相談させて頂いており、ご返事を頂き、とてもよい参考にさせていただいております。お忙しいところ恐縮ですが、今回もよろしくお願いいたします。乳がんの再発が分かってからすぐの去年10月頃から、治療薬がノルバデックスからアリミデックスに変わりました。その後、1ヶ月1回毎の血液検査の結果ですが、
2002年10月21日 CEA 3.8   CA15-3 64.1   ST-439 8.4
2002年11月11日 CEA 4.4   CA15-3 97.2   ST-439 8.8
2002年12月9日 CEA 6.9   CA15-3 124.6  ST-439 10.1
2003年 1月20日 CEA 13.7  CA15-3 127.7  ST-439 8.1

以上のように、再発後、3ヶ月間アリミデックスを服用した結果をみて、主治医は「頑張って抗がん剤を使用しましょう。まだガンが弱いうちに使用した方がいい。」といわれました。母と私は、1月20日の結果を見て、CA15-3は今までと違い急激には上がらず、ST-439の値においては下がっているので、アリミデックスが効き始めているのでは?と思いましたが、今のところ、主治医が言われた通り、抗がん剤をやっていこうと思っています。抗がん剤の種類について、主治医の説明のもと選択するのかと思っていましたが、「点状の肝臓転移と骨転移を考慮して、タキソールにしよう。」と主治医から言われ、再来週に1回目の注射を行う予定です。そこで伺いたいのですが、もし先生が母の主治医だった場合、上記のマーカーの値をみて、今後の治療薬を含めてどのように判断されるでしょうか? こちらとしては、アリミデックスが効かなかった場合、他のホルモン剤の使用を希望していましたが、主治医はタキソールを使用するという判断でした。先生は主治医の判断についてどのように考えられますか?また、タキソールの使用スケジュール(何クールが一般的なのか?)と副作用についてもお聞かせください。
今後、初めての抗がん剤を使用するわけですが、頑張って前向きにガンを治していこうと思っています。先生の御返事お待ちしております。よろしくお願い致します。

転移性乳癌の薬物療法の治療指針としては、Hortobagyiらのアルゴリズムを基本に考える施設が多いようです。転移の診断がつくと、リスクの評価(転移臓器、転移の程度、ホルモンレセプター、無病期間、年齢、閉経状況)を致します。
お母様の場合は、肝転移、骨転移ということですが、乳癌の肝転移の予後はあまりよくなく、3年生存率で20%程度とされています。従って、肝転移の程度や進行速度が速い場合には、早急に治療効果が得られる組み合わせの抗癌剤を用いる必要があります。一次ホルモン療法でアリミデックスを使用しているので、二次療法を考えるとすれば、ヒスロンHとフルツロンの組み合わせかと思いますが、この組み合わせでは、肝転移に対しては期待できないかもしれません。化学療法としてタキサン系を考えるのも選択肢のひとつです。また、HER2(+)であれば、ハーセプチン、タキソール併用療法も考えられます。タキサン系の薬は効果がある場合、原則として副作用で中止せざるを得ない場合以外は、ずっと続けることになります。副作用として、脱毛、骨髄抑制、消化器症状、口内炎等がありますが、支持療法、分割投与等によって副作用の軽減に工夫がされつつあります。主治医と充分相談なさって、納得の上で治療を進めてください。(文責 須田)

 

No.1260-7】 03年02月22日 N.I.
再発乳癌の治療法について(7)

お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いします。
早速、昨日はじめての抗がん剤(パクリタキセル)を開始しました。1週間に1回を3週続けて、1週休み。これを6クール(6ヶ月)実施する予定です。母はアレルギー反応もなく、1回目を終えました。パクリタキセルを実施する前に主治医から話があり、「骨転移(リンパからの湿潤)、肝転移の他に、癌性胸膜炎、肺転移が認められる。あなたの癌は、ハーセプチンはマイナスで、ホルモン感受性が強く、悪性度も低い。しかも閉経後で、リンパも1個なのに、なんで?っていう感じです。」といわれました。母の癌は主治医の言う通り悪性度の低いものなのに、なぜ今こんなに再発してしまったのでしょうか? 過去のことを考えても仕方ないのでしょうが、3年間ノルバデックスを服用した後、その後、薬を飲んだり飲まなかったりしたのが悪かったのでしょうか? 母のように、乳がんがあちこちにに転移した場合、予後が悪いとうことは十分承知しておりますが、現在の母の状態は、骨転移の痛みが少々あるだけで、普通の生活を送っています。今後パクリタキセルで癌は弱くなるのでしょうか? 母の癌に効くことを祈っています。母の癌は悪性度の低い癌なので、これから奏効する可能性は高いと思われますか? 先生の意見をお聞きしたいです。もし、パクリタキセルが効かなかった場合、今後どのような治療方法が考えられますか?返事をお待ちしております。

ノルバデックスは通常5年間服用することが推奨されています。3年目以降に服薬が不規則になったとのことですが、ホルモン剤の血中濃度が安定しなくなったため、ノルバデックスの効果が少なくなった可能性は否定できません。貴方のお母様は抗癌剤の前治療がないので、高い確率で抗がん剤の効果が期待できるのではないでしょうか。また、パクリタキセルは肝転移に対して有効な抗癌剤の一つです。1コース目の途中から脱毛、指先のしびれなどの副作用が出現することがありますが、抗癌剤の効果判定を行う2コース目までは、頑張って点滴治療を続けるようにしてください。以前の回答にもありましたが、一度再発した癌を完全に消滅させてしまうのはなかなか難しいのが実状です。しかし、体内に癌があっても、呼吸苦、肝不全などの臓器障害を起こさなければ、あまり問題にはなりません。別に癌細胞自身が毒素を産生するわけではないのです。抗癌剤は癌細胞を殺すと同時に、正常細胞にも作用します。基本的に抗癌剤は体にとっては「毒」だと考えてください。もちろん大量の抗癌剤を投与すれば癌細胞は消滅しますが、人間の体も破壊されてしまいます。再発乳癌の治療は、無理に「癌細胞との全面戦争」を繰り広げるのではなく、癌細胞と「如何にうまく、長い間共存していくか」が鍵となってきます。癌の一部が体の中に残っていても、日常生活に困らない状態を維持できれば、「治療効果がある」と考えて良いと思います。乳癌患者様の中には、骨転移を抱えたまま10年も20年も「癌と共存」していらっしゃる方もいるのです。抗癌剤の「戦果」だけを期待して、強引な治療を続けてしまうと、日常生活での制限も多くなり、副作用による苦痛も多くなります。癌細胞をだましだまし、ゆっくりと治療を続けていくことが、再発乳癌と付き合っていく秘訣といえます。(文責 千島)

 

No.1260-8】 03年06月18日 N.I.
再発乳癌の治療法について(8)

忙しいところ恐縮ですが、ご回答よろしくお願いします。母(59歳)の再発乳がんの治療法として、2月にパクリタキセルを開始して、今5クール目に入ったところです。パクリタキセルを開始後、2ヶ月に1回ごとCTを撮り効果判定したところ、肝臓のガンは小さくなっており、今では腫瘍マーカーも平常値近くまで下がりました。先日、主治医より前回のCTの結果を聞いたところ、「息苦しくない?抗がん剤の副作用で肺に水がたまるかもしれない。」と言われました。母は現在、全く息苦しくもなく、抗がん剤の副作用で脱毛・骨髄抑制・手足の若干のしびれ・味覚障害があるものの、普通に生活しております。突然、肺に水がたまるかもしれないと言われ、主治医に「肺転移のCT結果はどうだったでしょうか。」と聞いたところ、「変わらない。肺転移は無視してもいい。肝臓がよくなってきているのに肺が悪くなることはない。」と言われました。主治医の言った「抗がん剤の副作用で肺に水がたまる」ことはよくあることなのでしょうか? 溜まった水は体にどのような影響があるのでしょうか? 後に水を抜かなければならないのでしょうか? また、肺転移は無視してもいいものなのでしょうか? 突然のことで母共々心配しております。ご回答お願いします。以前より、パクリタキセル開始後から手術側の腕がむくみはじめ、現在、腕全体がパンパンに膨れています。これも抗がん剤の副作用なのでしょうか?軽快するにはどうしたら良いのでしょうか? 合わせてご意見をお聞かせください。お願い致します。

タキサン系薬剤の副作用として、胸水・浮腫は報告されています。この副作用は、用量依存性に起こるとされており、頻度は10%以下です。パクリタキセル(タキソール)よりもドセタキセル(タキソテール)で頻度が高いようです。胸水がみられた場合、軽度ならば治療続行可能ですが、呼吸苦などの症状が有る場合は治療を中止します。予防法としては、ステロイド剤の併用が良いとされています。また、「肺転移を無視してよいか?」という質問は回答困難ですが、私が推察するところでは、「肝転移よりも肺転移は非常に小さいため、お母さんの生命を左右するのは肝転移である(予後規定病変といいます。)」という意味ではないでしょうか?(文責 籾山)

 

No.1260-9】 03年08月22日 N.I.
再発乳癌の治療法について(9)

たびたびNo.1260で相談させていただいています。今回もご回答よろしくお願い致します。母(60歳)は再発乳がんの治療として、パクリタキセルを6クール終了しました。今月から7クール目が始まりました。主治医は6クール終了時点で、肝臓、胸のCTを実施した結果をみて、「(がん細胞は)肺は無くなったよ。肝臓も無いといえば無い。だけど、血液で全身にまわっているから、8クールまで頑張ろう。」といわれました。パクリタキセルを開始した当初は「6クール」と聞いていたのですが、治療中に「あっち(欧米?)では8クールが主流だから…こんなに効いているから頑張ろう」と言われました。現在、母は7クール目に入り、顔・腕のむくみ、しびれ、疲労感等の副作用が強くなってきており、家族としては、ガンもなくなったのだし、6クールと8クールの効果があまり変わらないようであれば、6クールで止めさせたいと思っています。先生のお考えをお聞かせください。8クール行う必要があるのでしょうか?

タキソールが効いて良かったですね。さて質問へのお答えですが、再発乳癌に対して抗ガン剤が有効であった場合、いつまで続けるかは議論がある所で、結論はありません。つまり、CT等の画像上や腫瘍マーカーが下がったからといって、体の中のガン細胞が無くなったとは言えないので、できるだけ(副作用等で続けられなくまで)続けると言う考え方と、一定の効果が上がったら止めて、もし再燃したらまた治療すれば良いと言う考え方があります。お母様の場合、効果があって、副作用がきつくなってきたのなら、どちらの考えでも止め時かもしれません。私の個人的な意見では、米国の有名な病院の先生の真似ですが、腫瘍マーカーが下がりきった後、もう3回やって止めるというのを一つの目安にしています。(文責 清水)

 

No.1260-10】 03年09月05日 N.I.
再発乳癌の治療法について(10)

No.1260で相談させて頂いている者です。今回もよろしくお願いいたします。先生のNo.1650-3に対するご回答を見て、質問させていただいたのですが、乳癌の肝転移後の予後は平均5-6ヶ月とは本当でしょうか? また、抗がん剤を使用しても余命には影響しないというのは本当でしょうか? 母は去年の10月頃、乳癌の再発(骨、肺、肝)が発覚し、現在パクリタキセル 7クール目に入り、腫瘍マーカーの値も落ち着き、画像上の転移も消えました(点状の肝転移も)。現在、去年の10月から11ヶ月経過しております。先生は母の予後に関し、どのように思われますでしょうか? 母は今抗がん剤を使用しているのにもかかわらず、日常生活を普通に過ごし、外出・仕事もこなしています。私は、母は抗がん剤を使用したことで、再発したガンを克服したのではないかと前向きに考えています。先生のお考えをお聞きしたくご連絡しました。よろしくお願い致します。ご返事お待ちしております。

乳癌肝転移後の予後はさまざまです。肺、骨などに転移があり、さらに肝転移が見つかると予後が悪いことが多く、早いと2-3カ月ということもあります。肝転移が初発して他の部位に転移がないと、私の経験では前にも書きましたように13年生存した方もいますし、8年生存中の方もいます。それらすべての肝転移の方の肝転移後の50%生存期間が約6カ月といったところです。あなたのお母様の場合は平均を超えているということになります。現在の抗がん剤は以前と比べかなり効き目が良くなっています。しかし、それは奏効率(腫瘍縮小効果)はよくなっていますが、再発後の生存期間にまで影響を及ぼすものではないと考えられています。ただし上で述べたようなことは数年前のデータであって今治療されている方の治療効果は今後示されてくるものと思います。(文責 麻賀)

 

No.1260-11】 03年10月11日 N.I.
再発乳癌の治療法について(11)

おいそがしいところ恐縮ですが、ご回答よろしくお願いいたします。
母は現在再発乳がんの治療として、パクリタキセル8クール目に入りました。治療当初は6クールと聞いていましたが、効果が出ているため、8クール実施することになりました。現在8クール目で白血球の値が800と低下したため、2週休むことになりました。母は8クールで終わるものを思っていましたが、主治医曰く、「こんなに効いているし、体調と相談しながら1年くらいやろうか。今度再発したら今の抗がん剤は使えなくなるから、効果が出ているうちに徹底的に治療しよう。」と言われ、母共々、困惑しています。抗がん剤は体には毒であり、今後、過剰な治療による副作用がとても心配です。先生はこのような治療方針についてどのように思われますか?現在の日本および世界における再発乳癌に対する抗がん剤の使用方法について、どのような方法が一般的・主流なのでしょうか?詳しく教えていただければ幸いです。また、今後ガンが再燃してきた場合、どのような治療方法(抗がん剤)があるのでしょうか。教えてください。よろしくお願いいたします。

一般的に、一度抗癌剤を開始した場合、副作用が強く出るか、ガンが再増殖してこなければ継続して投与していきます。ガンが完全に消滅してしまった場合は、消滅してから半年から2年間にわたって「地固め」としての抗がん剤を投与することもあります。しかし、基本的に抗癌剤は体にとっては「毒」なので、投与量・投与間隔については主治医と相談しながら決めなければなりません。一般に、術後化学療法はエビデンスに基づいた投与方法が決まっていますが、再発乳がん、特に治療期間が6ヶ月を越えてくるような場合では、「主流」と言われる投与方法は決まっていません。前回、私が2月22日に回答したように、再発乳がんとの付き合いは長期戦になることが多いので、主治医とのコミュニケーションを大切にしながら、体に無理がないように治療を続けていくようにしてください。(文責 千島)

 

No.1260-12】 03年12月21日 N.I.
再発乳癌の治療法について(12)

お忙しいところ恐縮ですが、ご回答よろしくお願いいたします。
母は現在再発乳がんの治療として、10月にパクリタキセル8クールを終了しました。パクリタキセルで治療中、腫瘍マーカーは正常値内、CT上でも腫瘍の影はほぼなくなっているということで、安心していました。先日、10月に血液検査およびCTを行った結果を聞いたのですが、「マーカーはガタガタしてきて、肝臓の影が大きくなってきている」と言われました。抗がん剤治療中には効果が出ていたのに、なぜ終了時に悪くなってしまったのでしょうか?先生の考えを教えてください。
今後、主治医は12月現在の血液検査をみて、今後の治療法を考えようと言っています。主治医の考えている今後の治療法には、「赤い薬(アンスラサイクリン系の薬でしょうか?」もしくは「ナベ○○○・・・(よく聞き取れませんでした・・・ナベシギールだったような?)」があるようです。「「ナベ○○○・・・」という薬は、アメリカでは使われているけれど、現在日本ではまだ保険適用にはなっていないようで、使うのであれば、2週間の入院で試験的に行うようです。その薬は副作用がないようですが、まだあまり使用されていないようで、不安です。もしわかれば、その薬について教えてください。よろしくお願いいたします。

一般的に癌は均一ではなく、様々な癌(すべて乳癌ですが)から成り立っています。抗がん剤治療中には効果が出ていたのに、終了時に悪くなってしまったのは、パクリタキセルの効く癌が抑えられて、効かない部分の癌が増殖したものと考えます。ナベ・・・はナベルビンのことでしょう。これはビンカアルカロイド系の新しい薬で、肺癌で使用が開始されている薬です。乳癌にどの程度有効なのか分かりませんが、肺癌では他の薬と併用した場合、50〜60%の患者さんに効果(一時的に腫瘍を小さくする意味)があるとされています。副作用は白血球減少などで、ビンカアルカロイド系の薬でよく見られる手足のしびれなどはこの薬ではあまり発現が見られないのが特徴です。(文責 吉田)

 

No.1260-13】 06年03月03日  N.I.
再発乳癌の治療法について(13)

HPNo.1260で度々相談させて頂いています。今回もよろしくお願いいたします。現在62歳になる母ですが、H11,6月に左乳房の切除術を受け、今年で7年が経とうとしています。その間、乳癌が再発し、ホルモン剤と抗がん剤を繰り返し行ってきました。H11,6月 左乳房切除術。H14末に肝・骨転移が認められる。H15.2月以降、パクリタキセル8クール実施。腫瘍マーカー、CT画像上でも正常となる。すぐにマーカーが動き出して、CT上、肝の陰影が濃くなる。H16初め、抗がん剤FEC開始。主治医より8クール勧められるが、体力的に6クールで終了とする。CT上、肝の腫瘍も無くなり、マーカーも正常値となる。その後1年8ヶ月の間、ホルモン剤を内服しながら定期検査を行ないつつ、マーカ-も落ち着いていました。その間、日常生活も不自由なく送れていたのですが、去年末に、血液検査でマーカーの値が上昇し、CTで2cmの肝腫瘍が確認されました。そして今年H18,1月から再度抗がん剤CEFを始めることになりました。以上、母の経過なのですが、質問があります。
1) 今の薬が効かなかった場合、次の薬はどのようなものがあるのでしょうか?
2) 母の癌はホルモンの陽性が強いプラスなのですが、ホルモン剤の治療はどうでしょうか?
3) このように、再発乳癌が再燃して、定期的に治療を繰りかえすことは覚悟しているのですが、まだまだ抗がん剤のとの戦いは続けなければいけないのでしょうか?
4) 今回の治療は前回のものと同じFECですが、効果は期待できるのでしょうか? 前回の抗がん剤治療で抗体をもった癌の再燃なら、効果は難しいのではないか、心配です。主治医はなぜもう一度同じ抗がん剤を選択したのでしょうか?先生はどう思われますか?
5) 前回注射時には、痺れや体が熱くなるような感じがあったのですが、今回の注射時にはそれがありません。治療効果と関係があるのでしょうか?
6) 今回治療中の血液検査で白血球の減少が今のところ見られないのですが、治療効果と関係があるのでしょうか?
7) 今回の治療開始時から、舌の中央下部に1cmくらいのしこりを見つけました。痛みや出血はありません。再発乳癌と関係があるのでしょうか? 乳癌の舌転移も考えられるのでしょうか?先生のお考えをお聞かせください。

お忙しいところ、よろしくお願いいたします。

1) パクリタキセル、CEFの後は、CMFやHER2/neu 3(+)ならハ−セプチン、ナベルビン、パクリタキセルと同じタキサン系薬剤のタキソテール、内服のゼローダ、TS1 などが考えられます。
2) ホルモン・リセプター陽性の場合、ホルモン剤は副作用も少なく、是非とも行いたい治療です。
3) 抗がん剤のとの戦いを続けるかどうかは、本人或いは家族が決める問題です。
4) 前回FECが効いているようなので、今回も効果が期待できる可能性があります。薬剤耐性出現の問題もあり、やってみなければわかりません。
5) 治療効果とは必ずしも関係が無いように思えます。
6) 白血球の減少も、あまり治療効果と関係が無いように考えます。
7) 乳癌の舌転移は稀有なので、考えにくいと思います。(文責 石川)

 

No.1260-14】 06年05月22日    N.I.
再発乳癌の治療法について(14)

HPNo.1260で度々相談させて頂いています。現在62歳になる母ですが、H11年6月に乳癌の手術を受け、H14年末に肝・骨転移が認められため、現在までパクリタキセル8クール実施、抗がん剤FEC6クールを行なってきました。そのたびにマーカーも正常値になり、画像上も小さくなっていました。その間、日常生活も不自由なく送れていたのですが、去年末に血液検査でマーカーの値が再度上昇し、CTで2cmの肝腫瘍が確認されました。そして今年H18年1月から再度抗がん剤CEFを始めることになりました。5クルー目まで終了したところで発熱・息苦しさで緊急入院し、肺炎と心不全の診断がおりました。肺炎は抗生剤で回復しているものの、心不全による息苦しさ、食欲不振でベットから離れられない状態となっています。抗がん剤CEFの副作用で心不全になったと説明を受けましたが、そんなに頻発する副作用なのでしょうか? 何%程度の可能性があったのでしょうか? 主治医による詳しい説明がないまま、今回も安易に抗がん剤CEFを勧めてきたことに不信感が残っています。抗がん剤CEFの6クールというのは、治療としてやりすぎではなかったのでしょうか? 途中に心エコーなどのチェックが必要ではなかったのでしょうか? 現在抗がん剤でマーカーも下がり、癌は押さえられているようですが、副作用による心不全で長期入院になるようです。副作用による心不全の場合、どれくらいまで回復できるのか? どんな治療法があるのか? どれ位の治療期間が必要なのか? 教えてください。お願いします。

エピルビシン(E)という抗癌剤は、900mg/m2(平均的な女性の体格では総量1300mg程度)を超えて投与すると、一気に心不全のリスクが高くなると言われています。お母様の場合、エピルビシンの一回投与量に関する情報がないので、正確な総投与量は計算できませんが、以前にFECを6コース施行して、今回もCEFを5コース追加しているようなので、エピルビシンの投与量はかなり多くなっていることが予想されます。エピルビシンの使用説明書には、「投与量が900mg/m2以下であっても、うっ血性心不全を起こすことがあるので、(エピルビシンを含む)アントラサイクリン系薬剤の前治療歴がある患者および心臓部あるいは縦隔に放射線治療を受けた患者では心機能検査を行い、慎重に投与すること」と記載されています。うっ血性心不全も回復可能なものから命にかかわるものまで段階があります。心エコー結果などについても、主治医か循環器科の医師に説明してもらうようにしてください。(文責 千島)

 

No.1259】 02年11月17日 かず
がんと診断されたのに・・・

私の妻(40歳)が6月24日に検診で引っかかり、7月24日病院で検査を受けました。1cm位のシコリがあるので3ヵ月後にまた来て下さいと言われ、10月30日見てもらった所、大きくなっているので細胞を取って検査。2週間後悪性腫瘍と診断され、大学付属病院へ紹介してもらい、10月8日に紹介状を持って行った所、手術と言う事になりました。血液検査はその場でやったのですが、しかし、入院及び手術の日程が込んでいると言うことで未だ未定です。骨シンチ、MRI、CTは、11月20日に予約を入れたのですが、そんな状況で大丈夫でしょうか? 現在は2cmと言うことです。皆さんの質問を読むと、がんの種類、進行具合等説明を受けているようですが、何も聞いていません。とても不安です。宜しくお願いします。

10月8日というのは11月8日のことでしょうか? 11月8日頃に診断が確定したのでしょうか?11月20日に精密検査ということですから、11月中あるいは12月初旬にできればそれ程悪くはないと思いますが・・・。腫瘤の大きさが2cmということですから、病気の進行度は0/1/2/3/4期のうち2の段階と思います。手術は主治医との信頼関係の上に成り立つものですから、途中ででも主治医の先生に疑問や不安を全て話し、納得されて受けるべきと思います。尤もシンチやCT/MRIの結果で進行度や治療方針が決まるので、現段階では明瞭な説明は出来ないかも知れません。それにしても検診から半年もたってから手術というのは少々納得がいかないところもありますね。(文責 石田)

 

No.1258】 02年11月17日 S.K.
非浸潤ガンについて

出産経験のない31歳の既婚者です。右にしこりを感じ、左に分泌液があって検査をしました。両方の乳房に乳腺症があり、エコーでみても悪性など判断がつかずマンモを行っても白くなり判断できず、両方とも多数のしこりがあり、判断できるしこりには、すべて細胞診を行いました。右の方で2cmぐらいのしこりがあり、多分良性だろうという上で摘出してもらい、線維腺腫という結果でした。左の方は乳管内乳頭腫という判断から細胞診を行い、クラス3、その後MRI、マンモ(転勤で病院が変わったのでもう一度とりました)を行いましたが、画像には写らず、触診で怪しい部分もあり、クラスが3なので、温存で摘出を行いました。そのとき初めて癌がみつかり(癌がみつかったのでリンパ廓清あり→リンパ転移なし。乳頭より左側)、念のため追加で切除(乳頭直下)もしてもらいました。その結果、追加で摘出した断端から癌が見つかり、乳頭より右側も癌がみつかり、全摘出か追加摘出か放射線治療にするか選ぶように言われてしまいした。癌は非浸潤ガンでした。非浸潤ガンなので全摘出まではしたくないでですが、割と広範囲だと思うので全摘出を行ったほうがよいのでしょうか。非浸潤ガンは乳頭より左右に移動するものなのでしょうか。非浸潤ガンだったので画像に写らなかったのでしょうか(石灰化もありませんでした)。ご回答をよろしくお願い致します。

全体が非浸潤癌であれば、比較的、乳管内進展や腺内多発の傾向にあります。どの治療を行なっても予後には差はないと思われます。局所の再発、再切除を望まないのであれば、乳腺をより広範に切除するしかありません。画像で乳管内進展を判断するのは難しいですが、MRIが時に有効なことはあります。(文責 石田) 

 

No.1257】 02年11月17日 M.K.
乳腺症

現在35歳、7歳と2歳の子供を母乳で育てました。今年8月初めの頃、右わきの下に小豆ほどのしこりを確認いたしました。触るとそれ程硬くなく、動きます。私は中学生の頃から左わきの下がはれ(当時近所の診療所で診ていただいた時は「たぶん何ともないでしょう」とのことでした。)、生理前になると少し痛み、生理終了後は治る・・・といった感じでしたが、右は何ともありませんでした。一人目を出産した時に助産婦さんより、両方に副乳があると言われ、その時は左のお乳が沢山出ておりました。2人目の時はなぜか右が多く出ました。現在の症状は、生理開始後少したつとしこりは気にならない程度まで小さくなり、排卵日をすぎたあたりから小豆大くらいになります。常にと言うわけではありませんが、時々わきの下から腕にかけてだるくなり、しこりの辺りがズキズキとうずきます。大きさは8月に気付いた時とあまり変わらないと思います。昨年5月に断乳しましてから、まだ絞るとお乳がでている状態です。以上の症状なのですが、近くに乳腺外来がなく、遠くまで診ていただきに行くべきか迷っております。どうぞよろしくお願いいたします。

文面からは副乳の乳腺組織内に慢性の乳腺症があって、生理の前に炎症所見を呈するのではと想像されます。乳腺外来あるいは産婦人科の先生に一度診てもらえば、さらに安心と思います。(文責 石田)

 

No.1256-1】 02年11月17日 みく
しこりの大きさとエコー

38歳、子供は13歳と9歳です。先日右胸上部内側にコロコロしたしこりをみつけ、婦人科検診で見ていただき、マンモグラフィとエコーをしていただきました。マンモグラフィには何も写っていなくて、エコーでは4ミリの黒い影がありました。先生によると、「まだ4ミリなので良性、悪性という特徴が出にくく、今後しこりが1センチになって悪性だったとしても処置は変わらないので、3ヶ月様子を見ましょう。」との事でした。先生は納得いくまでご説明くださってとても分かりやすかったのですが、セカンドオピニオンのつもりでお聞かせいただければと思いメールさせていただきました。お聞きしたいのは、線維腺腫でもエコーで黒く写るのですか? 4ミリのしこりが1センチになった場合、自分の手で触ってどの程度大きさの違いが確認できるのでしょうか? この二点について教えてください。よろしくお願いいたします。

エコーで黒く写るという意味が微妙です。通常、嚢胞(袋状)のものだと黒く抜けて見えます。要は腫瘤の辺縁がスムースかギザギザかということです。4ミリでは難しいかも知れません。線維腫の場合は辺縁スムースで、周囲よりやや薄く白く見えます。4ミリは判定が難しい大きさです。触診できるのは通常1cmくらいですが、乳腺のどの深さにあるか、周囲の乳腺の状況にもより様々です。(文責 石田)

 

No.1256-2】 02年12月12日 みく
しこりの大きさについて

また、一つ教えていただきたいのです。よろしくお願いいたします。
今、1256-1番で記載のとおり経過観察中なのですが、毎日しこりを触ってみて大きく感じる時と、小さくなったように感じる時があって困っています。繊維腺腫の場合、もしくはそうでない場合、一日のうちに大きく感じたり小さく感じたり大きさに変化があるものでしょうか?お忙しいところ恐縮ですがどうぞよろしくお願いします。

しこりの大きさ自体は毎日変化はしないと思いますが、触って感じる大きさは変化があってもいいと思います。それは触って感じる大きさは周囲の乳腺組織との関係で変わる可能性があるからです。例えばホルモンの関係で周囲の乳腺が軟らかくふれたり、硬くふれたりします。周囲の乳腺の硬さでしこりが触れやすくなったり、逆に触れにくくなることは経験する事です。毎日触れて感じる大きさが異なっていても、あまり心配はいらないと思います。(文責 稲葉)

 

No.1255】 02年11月12日 はな 
姑のガンの転移について

初めてご相談します。姑の乳がんのことですが、5年前に初めて見つかり手術しました。ところが、去年、また骨と頭蓋骨に転移していることがわかり入退院しています。最近、ちょっとした風邪でもものすごくひどくなるといいます。あと、便秘や下痢を繰り返したりしています。本人曰く、夜も眠れないほどお腹がいたくなるそうです。大腸に転移しているのではないかと心配していますが、姑は78歳ということもあり、もう痛い検査はいやだというのですが、どうしたらよいでしょうか? 大腸がんということも、ありうるのでしょうか?

骨転移は乳癌が代表的ですが、大腸癌もあり得ます。腹痛の原因が腹腔内にあるとすれば、肝転移、大腸癌、乳癌の腸転移の可能性もあると思います。詳細は文面からは不明ですが、主治医とよく相談して治療(対症療法を含め)に結びつく検査なら受けるべきと思いますが・・・。(文責 石田) 

 

No.1254】 02年11月12日 K.S.
にきびの親玉のようなしこりがあります

はじめまして。最近気になることがあります。左の脇から乳頭のライン少し脇よりあたりに、にきびの親玉のようなものが出来ています。先は化膿して膿をたくさん含んでおり、芯があり、周りは少し赤くなっています。下着のあたる場所といえばそうだし、こんなところににきびというのもおかしい気もします。現在33歳、2歳の子供一人、その子が8ヶ月のころ卒乳していますが、乳頭を絞るようにつまめば、まだ半透明の汁が出ます。炎症性の乳がんもあると知り、気になっています。その後、皮膚上の炎症が治り、強く触ると奥の方に小さいですがしこりがあるような状態になりました。やはり診察してもらった方が良いと考えられますでしょうか? その場合、外科ですか? 総合病院などの外科に行ったほうがいいのか、大学病院などの乳腺外科に受診したほうがよいのか、どう考えられますか? お時間がありましたら、ぜひご回答くださいませ。

お手紙からは、腋下の付近の感染性粉瘤や膿痂疹などの皮膚疾患が考えられます。炎症性乳癌の所見ではありません。乳癌を心配するのであれば乳腺外科、そのできものの治療を診て頂くのであれば皮膚科が適当と思われます。(文責 石田) 

 

No.1253-1】 02年11月08日 mary
非浸潤性乳管がんについて

11月1日に悪性と診断されました。乳頭から血の分泌物があり検査をしてここまできました。先生からは、「大変早期のがんです。たちのいいほうで転移なども心配ない。」といわれました。それはよかったと思っていますが、私のようなしこりの無い乳がんでも再発の恐れ転移など可能性はどうでしょうか? 手術はがんになっているところを切り取るそうです。よろしくお願いします。

触診上、腫瘤が触れなければStage 0ですから、再発転移の可能性は極めて少ないと思われます。しかしながら、癌の範囲の特定が微妙なので、切除範囲はなかなか難しいこともあります。(文責 石田) 

 

No.1253-2】 02年11月12日 mary
非浸潤性乳管がんについて(2)

二回目の質問です。非浸潤性乳管がんの場合、
@術後の治療はやはり抗がん剤を使用するのでしょうか? 使用する場合、どれくらいの期間使用するのですか?
Aリンパ節の切除はするのでしょうか?
B私の場合、温存の手術の予定なのですが全摘出する可能性はあるのですか?
よろしくお願いします。

全くの非浸潤癌では通常、抗癌剤による化学療法はおこなわれません。全くの非浸潤癌かどうかは切除した標本を詳細に調べて始めて、その診断が下されます。その場合リンパ節の廓清は必要ありません。しかしながら、現状は手術時その結果がわからず、リンパ節の切除が行なわれることが多いと思われます。非浸潤癌の術式については、取り切れれば温存で十分と思います。その広がり、乳菅内進展が著しい例では慎重にすべきと思います。(文責 石田) 

 

No.1252】 02年11月08日 A.T.
良性判断とは?

婦人科検診にて乳房に腫瘍がみつかり、精密検査をしました。細胞診検査でクラス2、大きさが2cm以内、超音波診断と総合判断にて良性の診断が下りました。ただ、8年前に乳癌がみつかり手術した母が、大きさが3cm以上、生検もしくは細胞(母の話しではどちらか判断できません)でクラス2だったそうです。同じクラス2なのに違う判定に戸惑っています。体験HPなどを読むとクラス2で悪性判定を受けたような記述も見つかりました。評判の良い病院で精密検査を受けたので問題ないと思いますが、良性判定の場合でもどこかでセカンドオピニオンを貰ったほうがよいでしょうか?

細胞診の診断率は施設によって異なりますが、90-95%で、5-10%は組織と診断が異なる場合があります。診断的には超音波やマンモグラフィーと総合してなされるべきです。クラス2であっても、年令や触診所見を含め検査所見で悪性を否定できない場合は繰り返し細胞診を行なうか、組織の生検を行なうことになります。(文責 石田) 

 

No.1251】 02年11月08日 C.M. 
ALPについて

両側の乳癌手術をしてから3年9ヶ月を迎えます。今までの血液検査ではほとんど異常なしでしたが、先日近所のクリニックでした血液検査でALPが少し高くなっていました。8/31はALPが358、11/1が365。ALPは骨の転移の時にも高くなると聞いたことがあり、少し心配です。ガンマGTPは8/31は81だったのが、9/13は55、11/1は16と下がりましたが・・・。ちなみに11/1近所のクリニックでのエコーは異常なしです。骨にきているのかなって心配になってしまいました。もともと胆道が長く胆嚢機能障害をちょくちょくおこしますが、今までALPが高くなったことはありません。

通常ALPは胆道系の障害の指標とされています。もちろん骨の病変でも変化はしますが・・・。乳癌の骨転移で ALPを指標にすることはありません。一般に腫瘍マーカーCEA,CA15-3,TPA,ICTPなどが指標となります。術後4年足らずですからまだ油断は出来ませんが、乳腺の主治医での定期検診は続けて戴きたいと思います。(文責 石田) 

 

No.1250】 02年11月08日 M.O. 
石灰化の手術

36歳の独身女性です。9月はじめに1年半ぶりに人間ドックを受け、初めて乳腺系のことで指摘を受け、紹介状を元に大学病院で精密検査を受けました。マンモグラフィーから左胸の石灰化を指摘され、今週の金曜日に生検(?針での検査)をすることになっています。先日の診断では、針の検査をしても、いずれにしても入院して手術をし、「切って取る」必要があると言われました。他の先生でもそう判断なさる状態なのか参考までに確認したいところですが、2−3他の病院を調べてみても、今の病院/先生からの紹介状が必要とあり、自宅から至近のこの大学病院の担当医師に特別な不信感があるわけでもない現時点では、他院への紹介状をお願いすることは抵抗があり、漠然とした不安だけが募ります。先日の先生から話を聞いたときは予備知識もなく、ショックのまま、きちんと確認できないまま戻ってきてしまったのでご相談させてください。

1) 石灰化で、針の検査はどの程度有効なのでしょうか?(求める部分の組織を採れる精度)
2) 石灰化の場合は、「切って取る」手術をして検査をしないと、生検だけでは良性か悪性かの判断が困難なのでしょうか? (手術後の縫合痕/カタチのくぼみを考えると、切って取ってはみたけど良性だった、というのもショック。疑わしいから安全をみて取るのか、ガンの可能性がかなり高いという像の判断で取るのか、手術をする必要性が本当にあるのか前もってちゃんと知りたいのです。)
3) 手術痕(縫合・カタチのかわり方)は先生の腕によって大きく違うものなのでしょうか?
4) 石灰化のガンでも将来の転移の可能性はありますか?

1) 石灰化に対する針の検査といっても、マンモト−ムを使った検査か、注射針による穿刺細胞診では有効性が異なりますが、前者では完全に診断が出来ます。後者では細胞が採取できるかどうかという程度です。その場合はのちに組織生検をすることになります。
2) マンモト−ムによる生検では、切って取る生検と同様に良悪性の判断が出来ます。石灰化がどのような形かで生検の適応が決まります。いずれにしても良悪性の診断をつける必要があるものと思われます。即ち、とってみて良性の場合も大いにあり得るわけです。
3) 生検もマンモト−ムによる生検、 切って取る生検で異なります。前者は殆ど手術痕は残りません。後者では手術痕は残りますが、多くは埋没縫合にしますので誰がやってもそれ程変わらないと思います。しかしながら、しこりがない石灰化だけの生検はある程度技術が要ると思われます。
4) しこりが明瞭でなく石灰化だけで悪性と診断された場合、Stageは0といって最も早期の部類に属します。即ち転移再発の可能性は極めて低い状態と思われます。(文責 石田)

 

No.1249】 02年11月08日 tamama
授乳中にしこりを発見しました

乳がんの心配があり、相談させていただきたく存じます。31歳になったばかりの2児(男児)の母です。上の子は4歳3ヶ月で、2歳過ぎまで授乳していました。下の子は0歳6ヶ月で、ただいま授乳中です(今年5月6日出産)。今日、左胸下(少し右寄り)に直径1〜2pほどのボールのようなしこりがあることに気付きました。授乳中なので分泌物の判断がつきにくいのですが、母乳以外は出ていないように思います。乳頭・乳輪にも変化はありません。腕を上げて引きつるなどの症状も、今のところありません。長男の時も、乳房が熱をもったり痛くなったり、乳腺炎一歩手前のような症状がありましたが、今回のようにボールのようなしこりができたことはありませんでした。授乳中ですので、基底部が張ることは今もよくあります。近々受診しようとは思いますが、心配でたまりません。脂肪が溜まっているなどの可能性もあるのでしょうか? また、乳がんだとしても、第三子を産めるでしょうか? お返事どうぞよろしくお願い申し上げます。

授乳中のしこりについては、触診だけでは診断が難しいと思います。多くは貯留嚢胞と思われますが、良性のシコリや悪性のシコリも可能性がゼロではありません。多くは初診時の超音波で判断できると思いますが、形がいびつな場合は穿刺細胞診で判定します。まずは乳腺外科を受診することです。万が一乳癌であっても、次回のお産は可能と思いますが、抗癌剤療法が継続する場合は、条件が付くかも知れません。(文責 石田)

 

No.1248】 02年11月07日 H.Y.
乳癌ではない?のに切開

はじめまして。私は横浜市在住の出産経験のない30歳の既婚者です。先日乳がん検診でしこりが見つかり、S総合病院にてエコー・マンモの検査を受けましたが、マンモは若年のため白く写ってしまい判断できず、エコーは右10時のあたりに2センチ程度の影が認められるとのこと。担当医「乳腺の外科医)曰く「まず癌ではないであろう」とのことですが、一応切開して組織を病理検査して見ることを勧められました。また針による組織検査を申し出たのですが、100%癌ではないとの診断が下せないとの理由で組織切除を勧められました。癌ではないかもしれないのに検査のために切ると言うことと、検査の結果、癌だったらもう一度手術をするということに疑問を抱いています。

@切らずに検査ができる方法はないのでしょうか
A横浜市近郊で其の検査ができる病院を教えてください
B経過観察するとして、どの位の周期で検査すればよいか?
C検査腫瘤切除と同時に、癌の手術も可能か?

以上を教えていただければと思います。宜しくお願い致します。

まずはエコー下で穿刺細胞診を行ない、その結果で次の手段を決めます。主治医は癌の可能性は低いが、念のため組織検査をしようとの意見と思います。我々の所でも良くあることです。癌の存在を完全に否定するのは難しいものです。今回は検査の為、その硬結のみを切除するわけで、癌であればより広範に乳房を切除(周囲に広がっている可能性から)し、リンパ節の廓清を行なう必要があります。(文責 石田)

 

No.1247】 02年11月07日 M.K.
右脇(側面腕より)にしこりがあります

一年前、甲状腺乳頭癌で手術しました。今も通院しています。8か月前から右脇(側面腕より)にしこりを発見しました。通っている総合病院(耳鼻咽喉科)で、7月、エコーをしましたが、多分心配はないでしょう・・・・とのことで、大きくなったり、硬くなったら来て下さいとのことです。変わりはないんですが心配で・・・・。今日も3か月おきの診察の日でした。脇のほうも心配はないと思うが、次回(3月)エコーの検査をしましょうとの事でした。甲状腺の関係上、耳鼻咽喉科で見てもらってるのですが、「大きな総合病院なので、もし何か心配でもあればまわしてくれるだろう? 」と周囲は言うんですが、そのとおりでしょうか?

乳腺に関しては、やはり乳腺専門医に見てもらうのがベストと思います。脇、即ち腋下のリンパ節なのでしょうか? 適応であればエコー/マンモグラフィー細胞診をやることになるでしょう。いずれにしても、自分で乳腺外科を受診し診断してもらうのが良いと思います。(文責 石田)

 

No.1246】 02年11月07日 R.N.
術後の健側の痛みとグレードについて

いつも拝見させて頂いております。50歳、既婚、子供有り。01年6月、左乳房乳頭腺管癌、1.5×10.×2.0、f、ly(−)、v(−)、切除断端陰性、組織学的グレード2+2+1=5 U、との病理でした。左乳房温存術後、放射線2.5グレイ×17日=42.5グレイ照射済み、現在ゾラデックス2年、ノルバデックス5年の予定で治療中です。術前から右乳房にも痛みが有り(左は痛みとしこりを自覚し受診いたしました)、検査方法breast USで右側の腺葉は極性が乱れ、大部分がhypoechoicとなり、他領域に比し厚みも有るという診断でした。激痛・鈍痛がいまだに続くため、10月にマンモとCT検査をして頂いたところ、1cm弱の触れないしこりらしきものが有り、やや石灰化が見られるということで線維腺腫との診断でした。質問ですが、私のようにホルモン療法中にも健側の線維腺腫に痛みが有ったりするものでしょうか。またグレードはTからVまでありますが、合計数の幾つから幾つまでがT、U、Vに分けられるのでしょううか。お忙しいところ申し訳ございませんが、ご回答をよろしくお願いいたします。

反体側の乳房の痛みと石灰化を伴う腺腫、元来慢性の乳腺症があったのではないでしょうか? 手術前、反対側も検索してあると思いますので、それとの比較が大切と思います。もともと乳腺症があったとすれば、このような症状があってもおかしくないと思います。申し訳ありませんが、組織のグレードについては良くわかりません。主治医に御質問下さい。(文責 石田)

 

No.1245】 02年11月06日 K.K.
乳頭の下のおできのようなもの

39才の主婦です。この6月に第2子を出産しました。上の子は10ヶ月まで母乳で育てたのですが、下の子はミルクに切り替えて半月ほどになります。さし乳だったため、断乳後も特に手入れしなくとも、張りや痛みはありませんでした。今日、乳首が痛むため確かめると、右乳頭のすぐ下に3ミリほどのおできのようなものがあり、触ると痛みます。少し赤みもあるようです。今までにこういったものが出来たことはありません。これは何なのでしょうか? 治療の必要なものでしょうか。よろしくお願いします。

それは乳輪の部分でしょうか? だとすれば乳輪の所の脂腺がつまって炎症をおこしたのではないでしょうか。炎症が広がる(発赤がひろがる/痛みが増す)ようなら乳腺外科/産婦人科、あるいは皮膚科に受診し、ご相談下さい。(文責 石田)

 

No.1244】 02年11月06日 T.O.
乳腺膿瘍の術後について

38歳、出産経験のある既婚女性です。4週間位前、外科で乳腺膿瘍の切開手術を受けました。乳房下部を切開し、傷口は順調に治っています。しかし、その後、その乳房の外側部分、腋の下が痛み、今現在は、二の腕の内側と乳房のすぐ下の肋骨部分が痛く、押さえていくと乳房下10cm位痛いのです。傷口が治ったらエコーをする予定ですが、痛みが広がっているので不安でメールさせていただきました。細胞診は陰性でした。炎症性乳ガンの心配はないでしょうか。

細胞診が陰性とのことですから、乳輪下膿瘍と思われます。この病気は難治性で膿瘍がさらに広がったり、再燃したりします。辛抱強い治療が必要です。乳房に炎症があれば、脇や上腕まで痛くなることもあります。明瞭な膿瘍であれば、炎症性乳癌は考えにくいと思います。(文責 石田)

 

No.1243】 02年11月06日 S.H.
粘液ガンについて

46歳。1ヶ月前から乳房の痛み・腫れ・腕の痺れがあり、触るとしこりが触れるようになり受診。マンモグラフィー・生検・エコー・造影CTで、「8cmの粘液ガン(腋窩 リンパ転移あり・造影CTで見ると、粘液がんらしき部分(白い)の中に違う種類のガンが混じっているかのような薄い灰色の円がある)。乳房全摘+腋窩リンパ郭清」と診断され、「抗癌剤で小さくしてから切除する方法もあるが、すぐ手術した方が良いかもしれない。その場合、かなり大きく切除する事になるので植皮が必要だ。」と言われたそうです。本人は、「急に大きくなり、痛みや腕のしびれも進んでいるような気がするので、早く手術した方が良いのだろうか。」と悩んでいます。どうすれば良いでしょうか。恐縮ですがよろしくお願い致します。

文面からは進行した乳癌と思われます。要は遠隔転移(肺/骨/脳/肝など)があるかどうかです。転移がある場合は、化学療法を先にすべきです。局所が出血や痛みが強いなどの症状がなければ、組織生検の上、早くに化学療法を開始した方が良いと思われます。(文責 石田)

 

No.1242-1】 02年11月06日 S.K.
妻の不安

33歳の妻ですが、今年5月に乳癌と告知され、6月に乳房温存療法手術をしました。その後リンパに1本転移していたのがわかり、放射線治療・内分泌治療・ホルモン治療をしています。先生の話だと抗癌剤をやるよりもホルモン治療と内分泌治療をやっていけば大丈夫だと思うといわれていますが、実際どうなんでしょう? 小学生の子供も2人いますので、本人がかなり不安になっています。私は大丈夫だと思うんですが・・・。妻の乳癌ですが、再発するのでしょうか? 再発する疑いがあるのなら、どのくらいの割合であるんですか?

文章から明瞭な進行度がわかりません。35才以下でリンパ節転移ありですので、High Risk群に入りますので、標準的には化学療法をやることが多いのですが、ホルモン療法も決して有効性がないわけではありません。治療開始の際、今からでも遅くありませんが、再発の可能性は二つの治療間でどれくらいなのかを含め、本人も含め主治医と十分相談して化学療法を選ぶかどうかを決めた方が納得がいくと思います。(文責 石田)

 

No.1242-2】 02年11月17日 S.K.
妻の不安(2)

ご返事ありがとうございます。突然ですが、high risk群というのは何ですか。主治医との話だと、妻のガンは、ホルモン療法の方が効き目があるらしいですが・・・? 以前再発の可能性はどちらも変わらないといわれたことがあります。妻としては、今、何とか安心して体や精神的にも休みながら病院にいっています。一般的には化学療法にした方がいいんですか? 主治医は、「進行性の少ないガンだと・・しかし、何年かほおっといたから、リンパに転移があったんじゃないか」と。こんな場合でも化学療法にした方がいいですか? 何度もすいませんが、ご回答お待ちしています。

High risk群とは一般にリンパ節転移がない例の中で、35才以下、腫瘤2cm以上、エストロゲンレセプター陰性 のもの、組織学的悪性度高いもので、再発する可能性が他のリンパ節転移がないものより高いというものです。ホルモン療法が効く(エストロゲンレセプター陽性)ということであれば、ホルモン療法だけでも良いかも知れません。念を入れて化学療法を行なうかは本人と主治医の間で決めることになります。答えになったでしょうか? (文責 石田)

 

No.1241】 02年11月05日 S.S.
女性化乳房

20歳の男です。中学2年の時、両胸が大きくなり、腫れ上がりました。外科に通いましたが心配ないと言われ、漢方を処方されましたが治りません。夏には水泳等で友達に「お前、胸出てない!?」と言われたので、どうしても治したくて違う外科に行きました。そしたら一部を切り取られました。「乳がんではありません」と言われましたが、嬉しくありません。今では縫った後があり痛みもありますので、恥ずかしくて男なのに脱げません…。どうすれば治るのですか? 

両胸が大きく、女性化乳房と診断された由、数年も続くことは少ないのですが。ホルモンの検査を行なったでしょうか? ホルモン高値の場合はホルモンの産生部を検索しなければなりません。もしホルモンが正常であり自然軽快の徴候がなければ、形成外科的に手術を行なうしかありません。まずは乳腺外科を受診し、場合によっては形成外科の先生に依頼してもらうことです。(文責 石田)

 

No.1240】 02年11月05日 K.E.
ゾラデックスによる副作用について

ご相談よろしくお願いします。44歳 治療開始前は閉経前でした。平成11年2月乳癌治療開始し、抗がん剤治療4クール終了後、経口抗がん剤フルツロンとゾラデックス注射を通院でして参りました。この6月で2年経過し、腫瘍マーカー、エコー、CT検査で、再発、転移の兆候がありませんでしたのでフルツロンは止め、単独でノルバテックスのみのホルモン治療になりました。丁度ゾラデックス注射を止める頃から指の関節が痛かったのですが、整形外科での検査の結果、異常なしと言う事だったのでそのまま様子を見る事になりました。その後2,3ヶ月、手首、指、足首などの関節が痛く、今一番酷いのが手首で、重い物は持てませんし、朝は身体全体が動きません。主治医からはゾラデックスの副作用で骨塩量が減る事はあるが治療法は特に無いと言われました。素人判断では人工閉経による骨粗鬆症になってしまったのでは?と思っています。この関節の痛みは他にどのような事が考えられますか。来週病院に行きますがどのような検査をしてもらうのが良いのか教えてください。今後3年間ノルバテックスを飲む予定ですが、身体がどんどん歳をとっていくようで不安です。薬を止めたら歳相応の身体に戻れるでしょうか。

手関節/指関節/足関節の痛みが出現した由、レントゲンで骨に変化がなければ骨粗鬆症は考えにくいと思います。症状があるわけですから何もないということはないと思います。膠原病などの内科疾患や代謝疾患なども除外する必要があると思います。主治医によく相談して、他科への受診もお願いしてみてはどうでしょうか? (文責 石田)

 

No.1239】 02年11月05日 K.H.
経過観察

こんにちは、初めて質問させて頂きます。34歳主婦、子供二人、左乳房切除後半年になります。術後傷口の上部(縫合線より数センチは上です)数箇所にしこりがあります。術後すぐにひとつ出来て以来、今では4つにもなります。大きさはいずれも5mmに満たない位です。主治医には触診後、様子を見ましょうと言われ、エコーその他の検査の必要はないと言われたのですが、痛みがある事や、ひとつではない事などから、気になって仕方なく、他の病院で診察を受けた所、エコーと細胞診の結果、現在の所、悪いものは出ていない為、経過を見ていくことになりました。その後、新たにふたつしこりが出現し、非常に心配しています。このような事が起こるのは、よくある事なのでしょうか。ちなみに、しこりは縫合のラインより数センチ上で、胸の中心あたりに二つ、脇近く(下着の肩紐あたり)に二つあります。局所再発の可能性を極力下げたい一心で全摘手術をお願いした小心者ですので、日々、目に見え、手に触れ、時々チクチクと痛むしこりに悩まされています。このような場合、経過を見ていくだけで大丈夫なのかと不安になります。
術後の病理の結果は、しこりが2cmで、リンパに転移はありませんでした。ホルモンレセプターがプラスだったとの事から、術後はゾラデックスとタモキシフェンの治療をして頂いております。胸壁再発の場合のしこりはどのような特徴があるのでしょうか。また、私の様な場合、今の様な経過観察をしていくだけでいいのでしょうか。このようなしこりがある場合、再発ではないとすればどのような事が考えられますか? いずれ乳房再建も検討している関係上、体質的にこのようなしこりが多発しているのであれば、再建後も、必要以上に怯えなければならないかと思うと躊躇してしまう気持ちがあります。非常に長くなりましたが、どうぞ宜しくお願い致します。

半年前、乳房全摘後の患側の有痛性結節とのことですが、病期から考えると局所の再発は考えにくいと思います。術後の創の下はよく結節が残るものです。心配は少ないと思います。ちなみに局所の再発の多くは、発赤を伴う結節状のことが多いと思います。いずれにしても主治医の先生を信頼して経過を見るのが良いと思います。(文責 石田)

 

No.1238】 02年11月05日 S.H.  
乳首のかゆみについて

はじめまして。27歳、既婚の女性です。半年ほど前から乳首と乳輪にかゆみがあります。初めは下着があわないだけだと思い、気にせずにいました。そのうちに、かゆくてかゆくてたまらなくなり、下着や洋服が黄色に汚れるようになりました。すぐに婦人科を受診したら、その先生には『アトピーです』と言われました。もらったステロイドを3ヶ月ほど塗っていましたが、ぜんぜん治りませんでした。もしかしたら他の病気かと思い、今度は皮膚科を受診しました。最近では、脇の下にも赤くて丸い出来物が出来ているので、それもいっしょに診てもらったら、『乳首も脇の出来物もはしかだと思います』との事でした。そのときにもらった菌を殺す軟膏と抗生物質を試していますが、これもまた良くなりません。それよりもますますかゆみが増しているような気がします。もっと違う病院で診てもらうべきなのでしょうか?よろしくお願い致します。

乳頭乳輪部のかゆみのことですが、かゆみだけであれば乳頭掻痒症という状態もありますが、もしかぶれを伴う場合、乳頭から分泌物がある場合やパジェット病という早期の乳癌の可能性を否定する必要があります。一度乳腺専門の先生に診てもらうことをお勧めします。(文責 石田)

 

No.1237】 02年11月05日 フクちゃん(37才)
手術痕にしこり

今年の4月に乳房温存療法で手術をしました。しこりは1センチ大が2個で、リンパ転移0.2センチ未満が2個です。種類は粘液癌と硬癌のミックスタイプで、断端は陽性(1個)でした。ER+80%で、補助療法は放射線30グレイを照射し、現在ノルバッテクスとフルツロンを服用しています。今日の検査で手術痕に1.5センチのしこりがあり細胞針検査中ですが、結果がわかるのは再来週で非常に心配です。この場合、再発している可能性は高いのでしょうか? 良性のしこりが手術痕に出来るということもあるのでしょうか? また現在蓄のう症で苦しんでいますが、これはどちらかの薬の副作用でしょうか? フルツロンをやめて卵巣機能を停止する注射(リュープリン?)に変えようかとも考えていますが、効果はどうでしょうか? 大変お忙しい中、恐縮ですがよろしくお願いいたします。

断端陽性例では局所再発は10%以上はあり得ると思います。手術痕のしこりとのこと、手術痕は手術の影響でしこり(良性)を作り易いと思います。しかし主治医が細胞診をするくらいなので、ある程度疑っているのではと思います。蓄のう症が薬の合併症であることは極めて稀と思います。リュープリンはフルツロンに変わるものではありません。ホルモン療法としては、ノルバテックスとの併用で有効性が高まるとの報告はあります。(文責 石田)

 

No.1236】 02年11月05日 A.Y.
1ヶ月の間の診察結果の違いは?

この11月で40歳になります。第2子の1歳7ヶ月児に授乳(混合)してきましたが、卒乳を考える頃(今から7ヶ月前)から左乳房にしこりがあるのに気づきました。(最初からすると明らかに大きさには変化があり、今はテニスボール大くらいで、表面がデコボコしており、コロコロと触って動くようなものではない。左乳首の陥没あり。)
右側を授乳のつどに左側がピリピリと痛むため、乳腺のトラブルと考えて特に受診をせずにいたのですが、乳腺外来単科のクリニックで10月1日に、マンモグラフィー、エコー、組織検査をしたところ、「小さな石灰化を認めるが、検査結果では悪性のものではないため乳腺症ということになる。念のため石灰化部分が大きさが変わらないか定期的な検査が必要」とのこと。また乳腺症は前ガンということではないとのことでした。安心したものの、軽いセカンドオピニオンの気持ちで、総合病院の外科外来を10月31日受診、再度同様の検査の結果、今度は、「乳癌であり、全部切除する必要がある」とのこと。この診察結果の違いは、どう考えればよいのでしょうか。乳癌は急に進行するものではないと聞いていたので、このようなことはよくあることなのかと、とまどっています。1ヶ月前に受けた診察結果と今回の診察結果の違いに対して先生のお考えをお聞かせ下さい。一番気になるのは、総合病院ではガンの大きさは3センチとのこと、それだと、なぜ最初の受診時にわからなかったのか、あるいはどういうタイプの乳癌が予測されるのでしょうか。今回総合病院では早急に入院の準備を整え、早ければ11月11日の週には手術をとの意向です。入院時の検査で、MRIでさらに検査をし、その結果でさらに詳しい説明を受けることになっています。正直なところ、このまま急に検査入院するより、セカンドオピニオンが必要なのではないかと、急な入院手術に決断がつかないでいます。この点でもアドバイスをよろしくお願いいたします。

最初のクリニックで組織検査(おそらく穿刺細胞診)をしているとのことですから、超音波などでしこりは存在したものと思います。総合病院で乳癌とのこと、それが細胞の検査で悪性となれば間違いないと思われます。細胞診の診断率は90-95%ですので、稀ですが、診断が違う場合もあります。要はマンモグラフィー、エコー、触診、細胞診の総合診断ですから、その一つでも悪性の可能性があれば組織生検(細胞診で悪性の確信がなければ)をすることになります。クリニックの検査ではどれも悪性の所見がなかったということでしょう。稀にはそういうこともあります。今回、検査の結果については再度十分説明を聞かれて、納得して治療を受けて下さい。(文責 石田)

 

No.1235】 02年11月05日 E.H.
術後の治療について

6月 3日  手術 浸潤性乳管癌  1.5×1.8 (組織)
6月10日  退院 (ステージU) 
6月27日〜8月16日 32回放射線(リンパ節転移1/4、断塊面に取り残しがあるので)
9月 3日  「CMF」1回
9月10日  AST61 ALT99 により「CMF」を中止する
9月24日  AST41 ALT69 「ノルバテックス」始まる
10月10日  AST78 ALT114 により中止となる
10月17日  AST45 ALT88
10月31日  AST48 ALT66
次の薬はアルマターゼを予定、今は肝臓が大事と考えましょう(副主治医)
次の予約は11月19日です。10月10日から11月19日までの1月余り何もしないことが不安です。AST、ALTの数字は標準値まで時間をかけて待つことが必要なのでしょうか。先生は薬の影響でしょうとおっしゃっています。申し遅れましたが52歳の主婦です(閉経して3年、ホルモン受容体陽性)。よろしくお願いいたします。

リンパ節転移陽性ですから、術後なんらかの再発予防療法は必要と思われます。肝機能が治療によって軽度上昇するようですので、今の治療法の継続は難しいので、他の化学療法やホルモン療法を考慮するのは当然と思います。1ヶ月のブランクはやむを得ないと思います。(文責 石田)

 

No.1234】 02年11月05日 Chiho 
リンパ節の廓清は?
 

62歳の母が、先日細胞診クラスWで多分乳癌だろうということで手術をうけました。結果、標本を見ながら説明していただきましたが、限局性の非浸潤癌ということで、付け加えるように、もしかして乳頭腫という良性の腫瘍かもしれないということでした(その確定診断は組織をあとで詳しくしらべてみるということでした)。手術時間も速く、リンパ節の廓清はしないのかと聞いたところ、しませんとのことでした。そのときはあまりにうれしくて安心してしまいましたが、非浸潤癌も悪性の乳癌であるのはまちがいないのに、リンパ節の廓清をしないことってあるのですか?(考えすぎなのかもしれませんがその日の手術はかなりおしていて、母も予定より2時間30分ほど遅れ17時ぐらいからの手術で、先生が疲れていたからはやく終わったのでは・・なんて申し訳ないと思いながら考えてしまいます。)
それにともない今後の対策はどのようにすればいいのでしょうか? 放射線の必要もなく、明日(術後2日目)退院の予定です。

手術時切除した標本で非浸潤癌であれば、廓清の必要はないと思います。もしかして乳頭腫ということであれば、なおさらです。永久標本(手術時の迅速診断でなく、時間をかけて診断したもの)の結果が全てだと思いますので、その結果をよく説明を受けてください。完全に非浸潤癌であればリンパ節の廓清は不要です。(文責 石田)

 

No.1233】 02年11月01日 I.I.
脇の下、胸の周りの痛み

35歳で1児(3歳6ヶ月)の母です。働きながらの子育てで、子供がおっぱい大好きだったので、欲しがるまで(2歳6ヶ月)母乳をあげていました。止めてから1年経ちますが、今でもわずかに母乳が出続けており、たまに胸が痛くなるので、お風呂で絞って出しています。そのせいなのかと思っていたのですが、最近左脇の下から左胸の脇(少し背中の方) にかけて鈍痛があります。胸の周りもなんとなく傷みを感じる事があります。これはもしかして乳がんやリンパ腫などの可能性があるのでしょうか?

乳癌そのもので痛みがでることは普通極めて稀です。しこりや乳頭からの血性分泌がなければ、まず大丈夫です。悪性リンパ腫などでも痛みが出ることはありますが、この場合も、しこり(リンパ節)が触れるはずです。(文責 石川)
 

 

No.1232】 02年10月30日 T.O.
スキルス乳癌について

乳癌インフォメーションfrom doctorsのHPを拝見し、医療相談をお願いしたく、メールを送らせていただきます。私の母(55歳)のことです。先日、検診で乳癌を指摘され、近医受診しました。触診上は腫瘍は確認されず、エコーにて「スキルス乳癌。乳房温存術施行後、50Gyの放射線療法を要す」との診断を受けました。(マンモグラフィ・バイオプシーは施行していません。) エコーでは、(母曰く)「いがぐりの様な形の」陰影が確認されたとのことです。お伺いしたいのは、3点です。
1. エコーだけで「スキルス」乳癌の診断が可能であるのか(放射状の陰影がスキルスを示唆するのか) (細胞診の結果を待たずに診断が可能であるのか)
2. 「スキルス乳癌」は「スキルス胃癌」の様に悪性度の高いものなのか
3. スキルス乳癌の一般的な術後療法は放射線照射のみなのか(化学療法・ホルモン療法などは必要ないのか)

お願いする医療機関を決めるにあたって上記、御教示下さい。細胞診断を待って決めても良いかとも思いましたが、「スキルスが悪性度の高いものであったら、長い治療になる可能性がある」とか、「バイオプシーで刺してからじゃ、他の病院に移れなくなるかも」とか、「他人が刺したマンマを他の先生にはお願い出来ない」とか、色々考えてしまって決めかねております。看護婦の経験がありながら、何の知識もなく、無知な質問で恐縮です。看護婦が読んでも理解できるような書籍等ございましたら御紹介下さい。御多忙中、恐縮ですがよろしくお願いいたします。

1. エコーで形態からスキルス(硬癌のことと思いますが)を疑うことはあります。普通、細胞診で乳管癌とまでは診断できても、硬癌とまでは断定できないことが殆どです。
2. 硬癌は、乳癌では他の組織型と較べると予後は悪いようですが、胃癌の場合みたいに極めて悪性度が高く、予後不良といったことはありません。
3. 硬癌だからといって、他の組織型の乳癌と治療法は変わりません。

どんな場合でも他の医療機関を受診できる(紹介する)し、逆にどんな患者さんでも診察するのが医師の使命です。一般向けの良い本を私は知りません。かなり細かい診断・治療内容になるので、乳腺疾患(乳癌)の医学書(専門書)を参考にするのが良いと思います。(文責 石川)

 

No.1231】 02年10月30日 pig
脇の腫れとグリグリ

よろしくお願いいたします。私は32歳の出産経験なしの女性です。7月の生理の前に、右の脇に腕を動かすとつれるような痛みがありました。その時は2日くらいでおさまりましたので、そのままにしていましたが、9月にまた生理の前に熱が出て、腕を動かすと痛いため、よく触ってみると脇の下の方、胸よりの奥の方が少し腫れ、グリグリがありましたので、とりあえず内科へ行きましたらリンパ腺が腫れているようだとこのことで、抗菌剤や痛み止めを飲みました。超音波で胸も見ましたが特に問題はありません。また、腫れ物は筋肉の下にあります。3週間ほどで痛みはなくなりましたが、また今月も生理前から熱が出て、1週間ほど微熱が続いています。先月以上に脇は腫れ、何もしていなくてもズキズキ痛むようになりました。また内科へ行ったところ、あと2週間ほどこのままなら外科を紹介するので切開したほうがいいとのことでした。去年、右胸が張ってかなり痛かったため乳腺を診てもらいましたが、問題はありませんでした。また、長年パソコン等で右手はかなり酷使していまして、8月から9月にかけては右手を上手く動かせないほどでした。そういったことも関係あるのでしょうか。長くなってしましましたが、お教えください。

腋下にグリグリができて発熱と痛みを伴うとすると、まず炎症性のもの、即ちリンパ節腫大を考えます。極めて稀ですが、乳腺にX線、超音波検査でも異常が見つからない微小乳癌が、腋の下のリンパ節が腫れてはじめてわかる場合もありますので、注意が必要です。パソコンなどで腕を使いすぎると痛くなることはありえますが、リンパ節が腫れることはありません。(文責 石川)

 

No.1230】 02年10月27日 Y.A.
乳がん術後の痛みについて

はじめまして。術後の痛みに悩んでいます。2001年12月20日、温存手術。1月末より25回放射線治療。6月いっぱいまで何の異常もなく過ごせました。7月の頭から、手術をした脇の下に、電気が走ったような痛みが起こりましたが、日にち薬だと思って我慢しました。ところが日に日に痛みが増し、そのうち熱を持っていることに気付きました。それでもまだ我慢しました。9月末になって、とうとう日常生活がおくれないほどの痛みになり、手術をした病院とは別の病院に行きました。症状を伝え4回受診しましたが、原因がわからず困っています。皮膚の表面が痛い・・・、やけどをした皮膚の上を、電気がはしるような・・・、脇の下が腫れて、熱を持っている・・・、立っていると手術をした方が張ってくる・・・。夜は痛くなく、眠れ、じっとしていると、疲れていないときは痛くない・・・。疲れると張ってきて、より熱をもって痛みがます。原因と治療方法を教えてください。

手術直後から脇の下に同じような痛みを訴えられる方は、稀ですがいます。しかし、術後7ヶ月も経てから、このような痛みが出現した患者さんを知りません。診察なしで考えられる原因は神経痛・炎症・再発など、一般的なことしか思い浮かびません。原因が分からなければ治療法も分かりません。手術を受けた病院(主治医)に相談するのが一番いいのではと思いますが・・・。(文責 石川)

 

No.1229】 02年10月27日 masu
乳輪のしこり

1週間ほど前から胸に痛みがあり、自分で触ってみたところ乳輪にしこりがあり、乳輪や乳頭を押すと痛みがありました。つまんでみると乳頭がもぐることもあり、でているときでも痛みのあるほうは皮膚が厚く固い感じで、乳頭の上部がつるっとしていて下部が出ているような感じです。不安になり、外科で診察したところ異常はなかったのですが、鋭い痛みが乳房にあったり、圧迫感を感じることもあります。様子を見て症状が治まらなければまた受信してくださいといわれたのですが、乳腺外科を改めて受けに行ったほうがよいでしょうか? それともこのまま様子を見ていて大丈夫でしょうか。また、このような症状から考えられる病気があれば教えてください。

お話からは、年齢などもわからず、考えつく疾患はありません。念のため、乳腺専門医(外科医)を受診されることをお勧めします。(文責 石川)

 

No.1228】 02年10月27日 Mrin
乳輪のぶつぶつについて

30歳、既婚、子供なし。今年5月に右内側上方の乳管進展型の非浸潤癌にて皮下乳腺全切除しました。現在、リザベン服用中。術後療法なし。本日、左乳首に突然痛みがあり、観察してみると、乳輪に赤くぶつぶつしたものが4つほどありました。大きさはにきびくらいの1〜2mm程度です。2つはにきびにのように少しもりあがっています。もう2つは発赤だけのような感じです。触っても痛みはありません。痛みは傷がなにかにすれたような感じの痛みで、ピリッとした痛みでした。もともと陥没乳頭で上下に2つに割れたようになっていて、真ん中に陥没します。時々白い垢のようなものが溜まっていることがあります。真ん中の陥没しているところが、少し湿っているような感じが昔からあり、ぷつぷつと白いにきびのようなものが乳首に出来ています。2週間前に定期健診で乳腺クリニックを受診し、右側のエコーを行っていますが異常ありませんでした。ペジェット病という非浸潤型の乳がんではないかと不安になっています。生理1週間前くらいなので、少し胸は張ったような感じはあります。次回の定期健診は12月を予定しています。お忙しいところ申し訳ありませんが、教えてください。

乳輪のぶつぶつは分泌腺に分泌物が詰まっている状態ではないかと思います。炎症をおこすこともよくあります。陥没乳頭の場合は、乳管拡張症を伴い、白いチーズ様分泌物が乳頭に見られます。Paget 病ではないと思います。念のため12月の定期検診ではこのことでも診察を受けてください。(文責 石川)

 

No.1227】 02年10月27日 N.H.
ハーセプチンの次は?

乳癌を患う母(60)のことでご相談します。3年程前に乳癌温存療法にて手術を受けましたが、昨年の6月に局所再発しました。その際に、タキソールを3回(3ヶ月に渡り)使った後、残存乳房を切除しました。その後より、アリミデックスを内服しています(HRレセプターは陽性)。
今年の3月に鎖骨上のリンパ節に転移したため、その後よりこれまでの約半年間、ハーセプチン単剤にて治療を続けてきました(HER2は3+)。効果はあり、マーカー下降し、いったんはリンパ節も縮小したのですが、今月の検査で、落ち着いていたマーカーが少しずつ上昇し始めています。リンパ節の転移も大きくなりつつあります。乳房切除痕にも転移らしき皮膚症状が出現してきました。マーカー以外は今のところ正常値です。肺にも異常はみられません。今後の治療方針についてアドバイス頂ければ幸いです。
主治医からは、@UFTの内服 Aエンドキサン・メソトレキセート・5FUの注射 Bタキサン+ハーセプチンの注射、の選択枝があると言われました。何を基準にどう選択したらよいのか分からないのです。HER2が強陽性の場合、癌の性質が悪く、化学療法やホルモン療法が効きにくいものでしょうか・・・(第3のホルモン剤を試している段階ではないですか?)。タキソールを以前に3回投与しているため、今さらハーセプチンと併用しても効果は期待できないでしょうか?(ハーセプチンも効果が薄れてきたようですから) それとも併用することで効果は期待できますか? 現在、リンパ節による圧迫のせいか肩の辺りが時々腫れる程度で日常生活に支障はありません。よろしくお願いします。

再発巣は進行しているので、既治療薬剤は無効か、耐性出現の可能性があります。そこで、今までに使用していない薬剤・投与方法を、副作用を考慮し、選択するのが一般的です。HER2は予後因子にもなっており、陽性だと再発しやすく治療抵抗性の傾向にあります。タキソールと Herceptin の併用は、現在行われているところで、治療成績の発表はまだ少ないですが、有効とする報告は見られます。タキソールと同じタキソイド系薬剤、他のアロマターゼ・インヒビター、FAC療法など、まだ施行されていないものもあるようです。よく主治医とご相談下さい。(文責 石川)

 

No.1226】 02年10月25日 M.S.
葉状腫瘍の切除について

お忙しいところ恐れ入ります。8月にマンモトームによる腫瘍の切除を受け、良性の葉状腫瘍と診断された者です。先生が、“大きめに切除した” とおっしゃっていたので、もうしこりは完全になくなっていたものと思っていましたが、取り残しがあった様で依然同じ場所にしこりがあります。葉状腫瘍は良性でも安心できない腫瘍であり、葉状腫瘍と診断がついた場合は全身麻酔で切除手術を行い、5日前後の入院が必要という内容の記載を目にしたこともあり、どうしたらいいものか悩んでいます。現在の主治医は、どうしても気になるなら外来手術で取る、とおっしゃっていますが、しこりだけをくりぬく簡単な手術で済ませていいものなのでしょうか。それともやはり入院して本格的な切除術を受けたほうがいいものなのでしょうか。良性の葉状腫瘍と診断された場合の措置についてどうか教えていただけないでしょうか。よろしくお願い致します。

葉状腫瘍は悪性と良性があります。良性でも局所(摘出した部位の近く)にまたできやすい傾向があります。良性の葉状腫瘍とはっきりしているなら、外来手術でも充分と考えます。必要なら局所麻酔で大きく切除することも可能と思います。(文責 石川)

 

No.1225】 02年10月25日 mikan  
骨転移について

Va期の乳ガンが4年半前に見つかり、その当時腋下リンパ節の転移等は見つかりませんでしたが、その後頸部リンパ節の転移を経て、今回第二肋骨に2センチ位の転移が見つかりました。現在までホルモン治療を続けています。今回の骨転移については、なるべく早く放射線を30回毎日行うように言われましたが、諸事情により出来るならばこの放射線治療の開始を1ヶ月程度先にのばしたいと考えています。1ヶ月も放置しておくのはどのくらい危険なことなのでしょうか。回答お願いいたします。年齢は60才です。よろしくおねがいします。

かなり危険と考えます。1ヶ月は長すぎます。早期治療が原則です。(文責 石川)

 

No.1224-1】 02年10月24日 T.S. 
乳腺乳頭腫について

ネットをあれこれ開いていてこのページを見つけました。47歳の主婦です。35歳の時に左乳房の乳がんで全摘しました。術後は腕のむくみや痛みがありましたが回復は早く、日常生活には支障ありません。検診は10年目くらいまでは、まじめに受けていましたが、転勤で引越しが多く病院を転々としたこともあって、ここ2・3年はサボりがちでした。一応入浴後の自己検診はしていたのですが10月8日に乳首から血液の混じった分泌液が出るのに気づきました。9日に大学病院の乳腺外来で「触診、エコー、レントゲン、分泌物の検査」を受けました。しこりのようなものは無いようでしたが、レントゲンでは小さな石灰質がいくつかありました。撮影時にも板ではさむと分泌液が出ていました。分泌物の検査では3段階の濃さの色と検体の色を比べて一番薄いブルー?に近かったので問題ないといわれました。特に薬も治療もなく、6ヵ月後の検診予約をしてきました。指でつまむともちろんですが朝、寝巻きの胸のあたりに豆粒ほどの血液が着いていたりします。このまま、様子を見ていても良いのでしょうか? 入院等には制約もあるのでアドバイスをお願いいたします。

血性乳頭分泌物がある場合、乳癌・乳管内乳頭腫・乳腺症などを疑います。細胞診や腫瘍マーカーが異常なくても悪性のことがあります。搾らなくても自然に乳首から分泌がみられるようなので、乳癌でなくても乳管内乳頭腫は存在する可能性は高いと考えます。乳管造影か乳管内視鏡検査を早めに受けられることをお勧めします。(文責 石川)

 

No.1224-2】 02年10月27日 T.S. 
セカンドオピニオンについて

早速のお返事ありがとうございました。受診はA医大の医療センターにて行いました。近くで乳腺外来を持っている大きな病院は同じA医大付属病院かB大付属です。最初の病院では造影はしないで6ヵ月後に再来するようにとのことでした。違う病院にも言ってみた方が良いと思われますか?

慌てる必要は全然ありませんが、私は違う病院にも行ってみた方がいいと思います。(文責 石川)

 

No.1223】 02年10月24日 H.K.
ホルモン治療について

今年9月、浸潤性乳管癌温存手術をした36歳・未婚の女性です。リンパに転移はなく、ステージTで、現在25回の放射線(コバルト)治療を行っています。今年3月にしこりに気が付き、病院に行ってエコーとレントゲンで診てもらったところ、乳腺線腫と診断されました。しこりの大きさは1cm弱でした。翌週、注射器で組織を採って検査したところ、葉状腫瘍かもしれないといわれました。どちらとも判断がつきにくいことは説明してもらいました。3ヶ月様子をみることにして、7月にエコーでみてもらったら、2mm位大きくなって1cm強になっていました。良性か悪性かは摘出してみないとわからないと言われたので、7月末に局部麻酔による摘出手術を行いました。しこりを検査したら悪性の結果が出たため、9月に、摘出したしこりの周りの乳腺とリンパ切除の再手術を受けました。今後のホルモン治療の有無を検査結果待ちしていたのですが、本日外来診察時に「2種類検査し、2種類とも陽性」といわれました。検査内容も服用する薬の名前も聞けなかったのですが、2年間は月に1度お腹に注射をして、後の3年間は薬を服用するとのことでした。5年間は妊娠ができないこと、更年期障害のような症状がでることは説明してもらいました。私は、ホルモン治療が完了した5年後は妊娠も危うい年齢になってしまいますし、副作用についても不安があります。ステージTのような初期の癌であってもやはりホルモン治療は行った方がよいのでしょうか? ステージTの標準治療はいかがなものでしょうか? お忙しいところ長いメールになってしまい申し訳ありません。どうかよろしくお願いいたします。

Stage T 、閉経前、ホルモンリセプター ER(+) PgR(+) の場合、乳癌補助療法の国際基準では、リンパ節転移陰性なら minimal/low risk になるので無治療かホルモン療法が、リンパ節転移陽性ならば化学療法+ホルモン療法を行うことが推奨されています。リンパ節転移がなければホルモン治療は必ずしも行わなくてもよいように思われます。(文責 石川)

 

No.1222-1】 02年10月22日 M
相模原周辺の病院について

1,2年前に右胸に1〜2cmくらいのしこりを発見し気にはなっていましたが、なんの痛みもなかったので、病院には行っていませんでした。ただ最近になって、ときどきなんとなくひきつるような痛みとちくちくするような痛みがするようになり、昨日からはしこり自体が痛いような感じで、ひきつり感とちくちく感も増しています。  きちんと病院に行って検査したいのですが、どこの何科に行っていいかもわからず、 ネットで情報を得ようと思いましたが、なかなか近くのよさそうな病院がみつからず困っています 。乳腺外科で検査をしたほうがよいというのはわかりました。 お手数ですが、町田・相模原周辺のおすすめ病院を教えていただけませんでしょうか?よろしくお願いいたします 。

相模原周辺の病院については不案内なので、日本乳癌学会認定施設を探しました。
北里大学病院(相模原市)  п@0427-78-8111
国立相模原病院(相模原市)  п@0427-42-8311
東芝林間病院(相模原市)  п@0427-42-3577 (文責 石川)

 

No.1222-2】 02年10月27日 M
2週間も先までほっておいて大丈夫でしょうか?

さっそく教えていただいたA病院に行ってきました。マンモグラフィ、エコーの結果、「ただの水の袋ではないようなので細胞の検査をしたほうがいい」と言われましたが、「そんなに急がなくていい」、との事で2週間先の検査になりました。それで質問なのですが、今週1週間で痛みがでてきているものを、2週間も先までほっておいて大丈夫なのでしょうか? どんどん痛く、しこりも大きくなっているようで怖いです。

どんどん痛く、しこりも大きくなっているとのことで、2つの理由が考えられます。ひとつは乳腺のう胞で、内溶液が急速に貯溜した場合、もうひとつは乳腺のう胞に感染を生じた場合です。後者では発赤、熱感を伴うのが普通です。この場合は早期治療が望ましいです。いずれにしても早めに受診されては如何ですか。(文責 石川)

 

No.1222-3】 02年11月23日 M
良性の線維腺種

10/22と10/26にメールしましたが、さらに疑問がでてきたのでお願いします。
細胞に針を刺す検査をした結果、クラス2、良性の線維腺腫で、6ヶ月ごとに検査をして経過をみる事になりました。「痛みがあるのは胸の生理痛のようなもので、生理前とかになるとうっ血する為だから心配はない、治療としてはホルモン療法があるが通常日本ではあまりやらないので、痛くなったら市販の痛み止めを飲めばよい。」と言われました。痛み自体は細胞診の後、以前ほどではなくなりましたが、生理時等に関係なく常に右胸に重い違和感と、軽い痛み、たまにちくちくとした痛みがある状態です。腫れ、しこりもそのままです。それで質問が3つあります
1)HPなどをみていると、良性の線維腺腫でも手術でとる人の方が多いようですが、それが一般的なのでしょうか?
2)もし手術をするとなると、胸の形が変わったり、傷がついたりするんでしょうか?また手術前後治療にかかる期間などもしりたいです。
3)前にメールした時に、「乳腺のう胞で、内溶液が急速に貯溜した場合、もうひとつは乳腺のう胞に感染を生じた場合」と回答いただきましたが、それは線維腺腫とはまったく違うものですか?細胞診によってこの可能性はないと診断されたという事なのでしょうか?ただ、検査結果を聞きに行ったときに、「熱がでたり赤くなったりしましたか?」と質問されました。赤くはなっていなかったのですが、丁度風邪を引いていてずっと微熱気味だったため、胸のせいかはよくわかりませんでした。乳腺のう胞に感染した場合は早期治療が望ましいとの事でしたので、その可能性があるのか心配です。たびたびすみませんがよろしくお願いします

良性の線維腺種では相対的な手術適応があると思われます。悪性の可能性が少しでもあるとき(充実腺管癌などは区別が難しい)、大きくなる傾向があるとき、経過観察が必要ですので、それが面倒だったり、不安が強くて摘出希望される場合などが考えられます。手術浸襲は腫瘍の大きさによります。うちの病院では3cm以下なら外来手術で、入院しなくて日帰りで20分くらいで済みます。それ以上の大きさでは入院する事もありますが、ケースバイケースで違います。要するに大きければ傷も大きいし、変形も起こる事があるので、2センチ以下なら経過観察で良いですが、それを超えるときは一応手術をお勧めしています。5cmを越えるようになるとやはり日常生活にも不便がでると思います。のう胞と線維腺種はエコーやマンモグラフィーでは似たような画像の事もあるのですが、前者は穿刺吸引細胞診で液体が引け、後者は充実性で液体は引けないのですぐわかります。のう胞に感染が合併する事は稀です。授乳期の乳汁の貯留と乳腺炎が起こる事はよくあるのですが、痛みなど症状があるのですぐわかります。(文責 石山)

 

No.1221-1】 02年10月22日 Y.K.
術後治療と妊娠

突然のメール送信の失礼をお詫びします。 HPなど乳がんの文献を拝見いたしまして、ぜひご意見をお伺いいたしたくメールを送信させて いただきました。平成14年10月7日に乳房切除及び再建手術(エキスパンダー使用)を受けました。温存をすすめられましたが、乳輪にくぼみがあり、乳輪、乳首を残せないこと、また長期(25日)にわたる放射線をさけるため全摘出を希望、3歳の子がおりますが、早々に次の出産を希望。
・ 年齢  34歳6ヶ月
・ 閉経 していない
・ 腫瘍の大きさ エコーより 13mm
・ 腋窩(わきの下)リンパ節転移(初診時 エコーおよび触診では転移無し、術後 細胞レベルで6ヶ所転移有り)
・ ホルモンレセプター  陰性
・ 病理組織学的悪性度  未(10/25まで結果待ち)
・ HER2  未(10/25まで結果待ち)
主治医より術後補助療法として院内標準治療であるCMF6ヶ月間、その後経口による抗がん剤2年服用を指示されました。ACは副作用がひどく、耐えられず変更する患者さんが多いとのことで、比較的副作用の軽度のCMFをしましょうとのこと、また経口抗がん剤を2年服用後、一定期間を置いて妊娠を予定しましょうとのことです。年内妊娠を望み、体調を管理していたこともあり、乳がん告知を受けても、2子出産にこだわっています。リンパ節転移がなければ、ホルモン(+)でも術後補助療法を行わずと考えていました。全摘出も同時再建も2子出産の要素が関係しています。

1. 腋窩(わきの下)リンパ節転移について、触れるものは無かったのですが、顕微鏡で細胞レベルで確認といわれ、先生ご自身も6箇所には驚いていらっしゃる様子でした。微小転移でも触知できる転移でも予後はかわらないのでしょうか。
2. 2年服用後、一定期間を置いて妊娠をとすると、年齢は38歳になり、薬剤の卵巣に与える影響の有無からも、2子目の出産はむずかしくなるのではないでしょうか。
3. 標準治療をすることにより、再発時の処置手段が減る(カテーテルによる局所薬剤投与など)ことはあるのでしょうか。
4. 免疫療法についてはいかがお考えでしょうか。
5. AC、CMF、CEFそれぞれの化学療法があるようですが、選択はどのような点を考慮するのでしょか。またそれぞれの生存率の改善度はどのくらいあるのでしょうか。
6. 私のような場合、文献を読む限りACが適当であるように思われますが、院内標準治療に従うものなのでしょうか。

お忙しい中恐縮ですが、よろしく御返信願います。

1. 微小転移の方が予後はいいと言われています。
2. それはないと思います。私自身も40歳近くで無事主産した人を複数経験しています。
3. ないと思います。
4. 現在の時点では、免疫療法が有効であった報告は稀で、これを行っている施設はとても少ないと思います。
5. ご指摘の多剤併用化学療法は、文献的には効果にあまり差がないように思います。また個人によっても感受性が異なりますので、やってみないと分からない面があります。患者さんの年齢・体力・心臓病の有無・肝機能の状態や、乳癌の病期・リンパ節転移の状況・副作用等を考慮に入れて選択しますが、担当医師(病院)の経験による好みも影響するのが実情だと思います。生存率の改善度は10年生存率で2〜12%という報告が多いようです。
6. 人によりそれぞれ治療の選択が異なります。これには私は答えられません。主治医と相談してください。(文責 石川)

 

No.1221-2】 02年10月27日 ame
術後妊娠について

相談NO.1221で術後妊娠について{私自身も40歳近くで無事出産した人を複数経験しています。}とありますが、本当ですか? 私は39歳で乳癌になりました。長い事不妊治療を受けている最中でした。術後、放射線をうけました。2年間は不妊治療も禁止されました。それは仕方がないと思っています。でも不安でたまらないのです。乳腺の先生も婦人科の先生も{うちの病院では発病後出産した方はいない}と言われて、石川先生は乳癌治療後出産して再発していない患者さんを診ていらっしゃるんですね・・・。2年間というのはその間は再発しやすいからだめなんですよね。心配性であることは自分でよくわかっています。ただ石川先生の複数経験の言葉が目にはいりメールしたくなりました。

本当です。うちの病院には20歳代後半、30歳前半の患者さんにも乳癌手術後に妊娠・出産した人がいます。再発の可能性が少なくなった時期に、抗癌剤などの影響を心配しなくてもよくなった時期に、患者さんと腹を割って相談しています。(文責 石川)

 

No.1220】 02年10月21日 S.K.
乳癌と線維腺腫について

線維腺腫は乳癌のひとつでしょうか、それとも全く別なものでしょうか。線維腺腫は悪性化しますか、癌になるものでしょうか。放置しておけば、しこりは大きくなりますか。乳癌検査の細胞診を受ければはっきりしますか。線維線腫だとしたら、摘出手術をした方が良いのでしょうか。また、乳癌検診で癌の悪性度(クラス)がわかりますか。心配なのでおたずねします。 

線維腺腫は若い年齢層にできやすい腫瘍ですが、癌とは全く別のものです。癌に変わることは極めて稀で、まずありません。放置すれば、大きくなっていくのが普通です。細胞診で線維腺腫疑いとまで分かることはありますが、確定診断は難しいと思います。乳癌のなかには(特に粘液癌など)線維腺腫と鑑別がつきにくいものもあり、原則は摘出と考えています。摘出しない場合は、万一を考え定期的に外来受診してもらって検査しています。乳癌検診では癌の悪性度はわかりません。(文責 石川)

 

No.1219】 02年10月20日 uto 
化学療法について

よろしくお願いします。9月10日に健康診断でしこりが見つかり、調べた結果ガンと診断されました。大きさは1・7cmほどだったので、温存療法でセンチネルリンパ生検をして、マイナスだったらリンパ節郭清はしないということで30日に手術しました。術中迅速検査でマイナスだったのでリンパ節郭清はしなかったのですが、その後の詳しい検査で2mmの微小転移が見つかり、年令も35才ということで化学療法をすることになりました。15日からCMFを4週に2回6クールしますが、ある本に3クールと6クールの再発率・生存率の差はないと書かれていました。3クールと6クールとでは何が違うのでしょうか? 4クールとかで終了すると再発率に関係するのでしょうか?

一般的に、抗癌剤治療は量が多いほど効果が高くなることが予想されますが、副作用でQOL(生活の質)を損ない、免疫能低下、第2次発癌などでかえって逆効果になることも考えられます。薬剤感受性も個人により異なり、至適投与量は実際にはわかりにくいのが実情です。私の印象としては、4クールのみで終了して再発した場合、仮に6クール施行したとしても再発すると思います。(文責 石川)

 

No.1218-1】 02年10月20日 T.K.
母の乳癌治療について

私の65歳になる母の相談です。2.3年前より3x3のしこりがあり、健康診断でも指摘されそのつど外科にかかっているのですが、わからないといわれきたそうです。今回も同じ過程で受診したところ、4の段階で極めて癌に近いといわれ、手術しましょうといわれたそうです。局所麻酔と硬膜外麻酔の併用で行い、はじめはしこりだけ摘出し、検査結果が悪性であれば広範囲に乳房を切除するということでした。検査の結果もいまいち明確ではないし、母は入院手術の日を決め、術前のもろもろの検査までおこなってきたといいます。わからない状態で手術をうけていいのか?どれくらいの必要があるのか? また話を詳しくききたいと思うのですが、入院までもう受診もないということなので、電話をして機会をつくってもらえるのか悩んでいます。お願いします。

65歳で、2年以上も消えないしこり、細胞診で class W なので悪性(乳癌)の可能性はかなり高いと考えられます。一般的に、細胞診や組織診断で悪性という診断がでないと、はっきりとは患者さんには癌と告げられません。だから、検査の結果が明確ではないとは言えないと思います。是非、手術は受けるべきと考えます。普通は手術前に家族にも詳しく説明があるはずです。心配でしたら、電話でも構いませんので、いつ説明してもらえますかと、主治医にアポイントメントをとられたらいかがでしょうか。(文責 石川)

 

No.1218-2】 02年10月22日 T.K.
母の乳癌治療について(2)

ありがとうございます。主治医の先生に説明を求め話してきました。95%癌ですということで、お返事いただいた内容のようなかんじでした。硬膜外麻酔で術中の検査の結果癌だと確定されたら、そのまま乳房温存切除になるということでした。硬膜外麻酔のみでこの手術を行うということでした。苦痛もそうですが、結果を手術中で身動きもとれず頼れる相手もいないなかで聞いてしまうのは、わかっていてもつらすぎると思うのですが・・。先生は逆に、だから間違いは許されないでしょうといっていましたが・・・。それと今の時点で予後はどうなのでしょうか?

硬膜外麻酔といっても全身麻酔併用なので、手術中に結果を本人に告げるということはないと思います。手術前に癌ならどうするか、細かく決まっているはずです。予後はリンパ節転移などの情報がないとわかりません。手術後、病理検査が判明してから、主治医に尋ねるのがよいと思います。(文責 石川)

 

No.1217】 02年10月20日 D.K.
腋の下の痛みについて

46歳の主婦です。乳腺症で乳腺のう胞もあり、年に一度K大学病院の乳腺外来で検査を受けています。たまにですが、腋の下の痛みを感じることがあります。今日も右腋の下に痛みを感じ、右の乳房も張っていて痛いです。今は生理前で乳房の痛みは乳腺症のせいだと思うのですが、乳腺症のせいで腋の下まで痛くなることはあるのでしょうか? また腋の下のリンパと癌の関係、腋の下の検査方法など教えていただきたいのですが・・・。5月に検査をしたのですが、次の定期検査まで待っても良いものでしょうか。あわせてお願いいたします。

乳腺が腋の下(腋窩)にまで存在することもあり、また乳腺と腋窩は繋がってもいるので、乳腺痛がある場合、器質的な異常(病気)が無くても同時に腋窩痛を訴える人は少なくありません。腋窩にも乳腺があるので、したがってここに乳癌ができることがあります(異所性乳癌)。また、乳癌が最も転移しやすいリンパ節が腋窩リンパ節です。稀ですが、この腋窩リンパ節が腫れて、はじめて乳癌がわかる場合もあります。腋の下(腋窩)の検査にはX線、CT、MRIなどがありますが、まず非侵襲性の超音波検査がお勧めです。お話の内容からは、次の定期検査まで待てるように思われます。(文責 石川)

 

No.1216】 02年10月19日 E.W.
乳腺石灰化について 

はじめまして。私は36歳の独身です。この前、初めて人間ドックをうけました。乳房の軟X線撮影をとり、先生からレントゲン写真を見ながら説明を受けたところ、まずはじめに先生に「来年の人間ドックの婦人科検診は必ず受けてください」といわれました。乳腺石灰化だということでした。私自身、乳腺石灰化という名前をはじめて聞いたのでビックリしたのですが、先生が「あなたは、今回がはじめてなので比べるものがないから念のためです。去年の結果でもあれば今、結果をはっきり言えるのですが。」と言われました。「これは、レントゲンでしか見つかりません。触診ではわかりません。あとは保健婦にくわしくは聞いてください。」とのことでした。保健婦の方との話では、一年後に再検査を受けてください。とのことでした。どうやってできるのかとか?このまま減ることはないのか?とか色々聞いたあとに、「この乳腺石灰化というのは将来癌化するんですか?」と聞いたところ「それはありません」とはおっしゃったので、私は乳腺石灰化はガンとは別の病気なんだと勘違いして安心してしまっていましたのですが、このホームページに寄せられている文章を見ると乳腺石灰化には良性、悪性があるみたいで、この状態で一年後の検査で大丈夫なのでしょうか?とても長く感じられます。それから、その間に妊娠しても可能ですか?

確かに乳腺の石灰化には良性と悪性があります。石灰化の形態・分布・集簇(数)をみると、かなり鑑別(予想)がつきます。しかし、しこりが触れず、超音波検査(US)でも異常が出ない初期の乳癌では、生検(組織を採って調べる)するか、経過を見るしか診断方法がないのが現状です。かなり癌が疑わしい場合には生検をします。癌であったとしても極めて早期のことがほとんどなので、経過をみることが少なくありません。ただ、1年後では間隔があきすぎると思います。私はしばらくの間は3ヶ月毎に来てもらっています。妊娠は癌の可能性が高ければ好ましくありません。担当医とよくご相談下さい。(文責 石川)

 

No.1215-1】 02年10月19日 Y.O.
乳腺内の腫瘍について

乳腺内の腫瘍の治療についてお教えください。39歳、会社員、既婚、娘2人(12才,8才)、10年前胃癌で胃を3/4切除。以前よりごく少量の分泌物が下着に付いていることがありましたが全く気にしておらず、7月の健康診断の折、医師に告げ、詳しく検査をしてまいりました。分泌物からはあまりはっきりとした結果は出なかったようですが、乳腺内をファイバースコープで見て確かに腫瘍が在る(乳頭から3cm位の位置)事が確認できました。10月4日にその乳腺だけを摘出する手術をしましたが、摘出した物を検査した結果、『あまり良くない。変異細胞が結構多かった。』そうで、『変異細胞は乳管の外へは出ていないが、乳管内を枝分かれした末端のほうまで点々とある』のだそうです。医師は癌とは言わなかったのですが、今後の治療として「乳頭を含めた全摘出と(片方だけなくなると不便だろうから)再建」を勧められております。今のうちに取ってしまえば、術後に抗がん剤等の治療は必要ないだろうとのことです。医師のお話からは、「どの程度の癌なのか?問題のある乳腺を摘出したのに、なぜ全摘出しなければならないのか?それほど悪いのか?進行が早いのか遅いのか?・・・」よくわかりません。現在の私の考えは、仕事のこと、長女の受験などあり、近々に長期間入院するのは難しいし、次女はまだママのおっぱいが片方無くなったらショックだろうしと思うと、できれば外観の変わる手術はしたくないし、時期も、せめて来年の夏休みまで延ばせないものかと思っております。また、今後医師とどのような点について話し合っていけばよいのか悩んでおります。(10/21には整形外科で再建に関する診断とお話が予定されています。) 我儘な質問で恐縮ですが、どうか助言をお与えください。

乳管内浸潤が極めて少ない癌か、あるいは全くない非浸潤癌ではないかと思われます。乳管内発育が主ですが、抹消まで広がり乳腺全域にわたることもあり、どこにあるか画像診断でも分かりません。したがって安全のため乳腺全摘を勧めることが多いのです。幸いリンパ節転移はきわめて稀です。治療は早いほど良いのが原則です。(文責 石川)

 

No.1215-2】 02年10月25日 Y.O.
乳腺内の腫瘍について(2)

早速回答をいただき、ありがとうございました。先生からの回答と、皆さんのログを読んでいくうち、自分の状態と、今後考えて行かなければならないことが少しずつ見えてきたように思います。しかしながら、自分の主治医のおっしゃることが良くわからないのは不安を煽るばかりで、辛いです。そこで、今度の土曜日には他の病院へも行ってみようと思います。検査結果など現在の病院から借りられるものは、お借りして行くつもりですが、腫瘍のある乳腺は既に切除してしまったので、これで診察していただけるのかどうか心配です。もし何かアドバイスなど頂戴できれば幸いです。

診察は受けられます。検査結果を借りられれば、ある程度はっきり答えてもらえるでしょう。セカンド・オピニオンを聞きに行くといって、紹介状をもらえれば一番よいと思います。(文責 石川)

 

No.1214-1】 02年10月15日 A.I.
乳癌発症年齢と予後について

お忙しい所を申し訳ありませんが、1つ教えていただきたく思います。私は1週間前に乳癌と診断されました。9月の終わりに右乳房に痛みとしこりを感じ、受診して細胞診をうけました。「乳癌(ステージV)で、たぶんU期だろう」といわれました。しこりの大きさは4cmだそうです。手術をすることになりました。乳癌は比較的、予後が良い癌であるそうですが、35歳以下の発症であると予後が非常に悪いと聞きました。私がしこりに気がついたのは35歳の誕生日の5日前なのですが、35歳以下の乳癌の予後は、それ以上の年齢の患者さんとどの程度開きがあるのでしょうか。よろしくお願いいたします。

乳癌術後の再発予防にどのような治療を行うべきかの指針が、2年に1回ヨーロッパから出されています。その中に35歳以下の方はそれ以上の人に比べて再発しやすいので積極的な治療が必要とされています。日本でも学会の発表でそのようなことをいう方もいます。しかし、私どものデータでは35歳以下と以上で明確な差はありませんでした。(文責 麻賀)

 

No.1214-2】 03年06月21日 A.I.
転移の診断方法について

先日は質問にお答えいただきまして有難うございました。お忙しいところを申し訳ありませんが、また質問させて頂きたいと思います。
昨年12/20に右乳房全摘術を受けました。ステージV、リンパ節転移7/19、ホルモンレセプター(-)、しこりサイズ5cmでした。術前にCEF投与を2回しましたが、腫瘍縮小は認められず、手術をしました。今年1月からタキソール(3回/W×3W×6クール)投与中です。タキソールは6クールの予定でしたが、延長になり9クールまですることになりました。5月27日にCT、骨シンチ、エコーを撮影しました。その際、CT画像で肝臓に黒い点が見られました。大きさは2-4ミリだそうです。担当医の先生は、「この大きさではなんともいえない」と言いました。現在は、腫瘍マーカーBCA225, CA15-3, CEA(CLIA), NCC-ST439を月一回測定しています。その他に血液検査で各臓器の機能をチェックしています。マーカーは、先月まではすべて正常値で今月の値はまだ結果まちの状態です。このように、CTにおいて今まで見られなかった影が写った場合、その影が癌なのか、ちがうもののか、違うものならば何かを診断するために精査することはしないのでしょうか。またするとしたらその時期は、医療における常識ではいつ頃とされているのでしょうか。肝臓の検査として、肝シンチ、血管造影下CT,肝の腫瘍マーカーがあると思いますが、これらは私のような場合に行なうものではないもなのでしょうか。
CTなどを撮影して、せっかく影が写っているのにそのままにしておくのは、早期発見の名目が失われてしまうような気もしています。また、もしそれが癌であったとしたら、タキソールはすでに効いていないということにならないのでしょうか。そうするとこれからの延長分3クールも無駄になってしまうような気もします。主治医の先生にも再度お話をお伺いしたいと思っていますが、診察時間も限られていますのでなかなか十分お話が出来ないでいます。転移の診断方法を教えていただけますか。お忙しいところを申し訳ありませんが、宜しくお願い致します。
追伸:私は薬学部出身で、前職では治験薬情報誌の編集を行なっていました。学会取材や抄録の翻訳も行なっていた事がありますので、説明をして頂ければ解釈は出来ると思います。ただ、医療現場の常識が解からないことと、医師ではないので素人です。しかし自分の医療知識をフル稼働して理解していきたいと思っています。

肝臓の2-4ミリの影ですが、診断はなかなか難しいと思います。可能性のある検査としては、御指摘の血管造影CTやPETなどが挙げられます。ただし、これらの検査は、設備のある病院でのみ可能です。 同じ検査で再検査するタイミングは、通常2−3ヶ月後だと思います。これは、大きさの変化をとらえることが目的であるため、あまり短い間隔で再検査しても、変化がみられないことが多いからです。(文責 籾山)

 

No.1213】 02年10月15日 H.S.
PETについて

2000年3月28日に手術(術後2年半です)。手術は左皮下乳腺全摘。インプラントをいれて、同時再建。リンパの転移はなし(0/27)。エストロゲンセレプターは、定量検査では(−)、免疫染色では(+)でした。プロゲステロンレセプターは、定量検査で(+)でした。リンパには転移はなかったのですが、腫瘍が思っていたより大きく(7×5×2)、当時28歳という年も若いということで、抗がん剤(CEF)を点滴で6ヶ月うちました。5年間ノルバデックスを飲むように言われました。しかし、私は病気が見つかったときは、子どもが欲しくて挑戦中でしたので、5年間、本当にノルバデックスを飲むべきなのかとても悩みました。そして、とっても悩んだ結果、主治医と相談し、2年で薬をやめ、妊娠に向けて挑戦することに決めたのです。薬をやめて数ヶ月、生理も毎月来るようになり、主治医の先生から妊娠OKのお言葉をいただきました。しかし、OKかでたらでたでなんだか不安になってきてしまったのです。体験記をホームページにしている方の掲示板に、私と同じような治療のあと(抗がん剤+ホルモン剤)に子供を産んだ人はいるかたずねてみたりして、なんとか不安を打ち消そうかとしました。
そこで、最近よく耳にするPETについて興味をもったのです。全身のガンを見つけることができる検査機と聞きました。見た感じCTみたいなやつですよね。子供を授かる前にこの検査を受けておけば、身体にガンがないという確信?をもって、少しは安心して妊娠に望めるのではないかって思ったのです。子供を授かってから再発、中絶なんていうことが防げるのではないか。ガンが見つかれば出産はあきらめざるえない。もしかしたら、必要ないことなのかな? 今、受けているCTやエコーや骨シンチで異常がなければその必要はないのでしょうか。どんなことをしたって不安は消しきれないことはわかっているのですが、できる限りのことはやっておきたいと思ってしまうのです。心配性なもので・・・。もちろん主治医にも次の診察の時に聞いてみようと思っているのですが、こちらでもお考えもお聞かせ願いますか? よろしくお願いします。

PETで行っても細胞レベルの転移を見つけることは不可能です。今やっている骨シンチやCTと大きな違いはないと思います。ただ検査方法が違いますので、骨シンチやCTで見つからないものがPETで見つかることはありえます。現時点での最善を尽くすというなら、やってみるのもよいと思います。冒頭にも書きましたが、細胞レベルのものは見つかりませんので、今この検査でOKであっても後日、再発・転移が見つかることはありえます。(文責 麻賀)

 

No.1212】 02年10月15日 K.S.
乳癌タキソール治療について

73歳になる母の乳癌治療についての質問です。9年前にクラスIIIaで乳房切除を行い、術後CMF療法を施行。6年後、胸骨および骨盤に転移。化学療法を拒否したため、アフェマ内服とアレディアの点滴を行いましたが、肝臓に転移したため、アフェマからアリミデックスに変更、さらにヒスロンHに変更いたしました。しかし、肝転移が広がり、医師からも化学療法を強く勧められ、ついにタキソールウィークリー投与を開始いたしました。ヒスロンHおよびアレディアは継続しています。初回1クール(3週)終了し、手足のしびれが残っております。3週間後、2クール目開始の際にまだ痺れが残っていたら、もうこの治療はできないといわれました。もうすぐ3週間が経過しますが、わずかにしびれが残っています。本人が我慢できても、もう治療はできないのでしょうか。もし、できないとすればその理由も教えてください。肝機能は正常です。また、アロマシン、サリドマイドの治療が母に可能かどうかについてもお答えいただければと思います。

タキソールは大なり、小なり末梢神経障害が出ます。かなり症状がきつければ中止することもありますが、文面の症状程度であれば、私なら治療を継続します。症状緩和にはビタミンB12が多少効果があります。
アロマシンは今後、いずれの時期にかは使うことになると思います。サリドマイドはまだ乳癌の治療薬とはなっていないので、やめたほうが良いです。(文責 麻賀)

 

No.1211】 02年10月15日 M.Y.
母の乳がんについて

お忙しい中、申し訳ありません。母(50歳)の乳がんについて不安な点があり、メールさせて頂きました。2年弱前に乳がん(2箇所のリンパへの転移あり)になり、手術、抗がん剤、放射線治療により完治しましたが、今年9月の検査時に乳がんの再発と診断されました。手術はできず、即座に抗がん剤の投与(タキソール、週1回。現在1クール目の4回終了。)を始めました。現在乳房のしこりが7cm、リンパへの転移があるとのことですが、この症状はどの程度のがんなのでしょうか。また、タキソールはがんを小さくする抗がん剤と聞いていますが、がんがなくなることはあるのでしょうか(現在手術の予定はありません)。前回は「手術で悪い部分を切る」という安心感(?)はありましたが、今回は手術ができないため「このままでいいの?」という不安を持ちながらの長期の治療となってしまいます。以上、回答をよろしくお願い致します。

一度乳癌の治療を行ったにもかかわらず、乳房に7.0cmのしこりがあるとのこと。これは手術を行った方でしょうか、反対側でしょうか。手術はできないとのことなので、いずれにしても遠隔転移があるものとしてお答えします。タキソールには癌を小さくする効果はもちろんありますが、遠隔転移を伴っているのであれば完全治癒する確率は極めて少なく、延命効果を期待する治療となります。これからタキソール以外の抗がん剤も順次使うことになると思います。(文責 麻賀)

 

No.1210】 02年10月13日 miya
乳輪のかゆみ

23歳OLです。出産の経験はありません。 同じような症状の方のメールも読みましたが、やはり不安が残るので、ご多忙中とは思いますが回答よろしくお願いいたします。7年ほど前から乳房にかゆみがあり、黄色い透明の分泌物があります。 治ったり再発したりの繰り返しだったのですが、最近は分泌量が増え、かゆみもひどくなってきました。今は左乳房の乳輪の上半分が赤黒く変色し、ただれています。ガーゼをあてていても、汁がしみ出してブラジャーが汚れてしまいます。最近は血がまじっていることもありますが、乳頭からの分泌はなく症状は左乳房のみです。乳頭でなく乳輪の異常だけなら、ただの皮膚疾患でしょうか? なんとか時間をつくって診察を受けたいと思いますが、意見だけでもよろしくお願いします。

この乳輪のただれが乳房からの分泌物があって起こるのか、乳輪そのものの皮膚疾患なのかを一度専門医に見てもらったほうがよいと思います。まず、乳腺専門医にみてもらい、乳腺からのものでないなら皮膚科医に見てもらうのがよいでしょう。(文責 麻賀)

 

No.1209】 02年10月13日 taka 
鎖骨の上下に転移

2001年7月右乳房全摘、センチネルで8ケ採り、4ケ転移、グレード3、大きさ3,8センチ、ホルモンレセプター両方ともプラスです。CEF4サイクル、タキソテール4サイクル、放射線25回で、採ったリンパにもかけました。ゾラッテックスとフェアーソトーンンのホルモン療法中。7月下旬より右手の痛みあり、9月に入り右手の甲から肩にかけ夜眠れないくらいの激痛と浮腫と鎖骨下に5センチの盛り上がりがあるため、MRI採った結果、転移と診断されました。先週より、鎖骨上にも1個1,5センチのしこりあり。しこりを注射でとり、病理にだしました。医師は「おそらくハーセプチンが適用だろう」といっていました。「今後はしこりを摘出せず、抗ガン剤とハーセプチン投与に、疼痛コントロールの痛み止め薬の処方を通院にておこなう」との事です。私の場合の治療法は先生ならどうなさいますか。そして予後(余命)の見通しを教えてください。

放射線はすでにかけられているようなので、CEFやタキソテール以外のまだ使われていない抗がん剤や、もしHER2は陽性ならハーセプチンを使って寛解が得られるようにするのが基本戦略でしょう。予後については私にはわかりません。(文責 麻賀)

 

No.1208】 02年10月13日 M.O.
術後療法と肝機能

私は60歳で、1ヶ月半ほど前に乳がん切除手術を受けました。入院してる間、傷が治りにくい体質のようで、リンパの廃液がよくたまり、注射で何回も抜いていました。最終的に主治医の先生から貴女は後の治療は(抗がん剤、ホルモン療法、放射線)何も必要ないといわれました。ちなみに私はC型肝炎があって、4年ほど前にインターフェロンの治療を受けましたが、その効果がなかって、もう一度近い内にその治療を受けることになっています。消化器の先生は、私の肝炎は軽くて肝機能は問題ないといわれていたのですが,乳腺の先生は、抗がん剤を使えば肝臓に悪影響をあたえるので何もしないほうがいいと言われ、6ヶ月に1度、レントゲンと採血を受けにくるようにと言われました。本当にこのままでいいのか心配です。ほかの同じ手術を受けた方達は何らかの治療を受けているみたいで、私の場合素直に喜んでいいのでしょうか?教えてください。

抗がん剤やホルモン治療剤を使うことによって得られる乳癌治療のメリットと、これらを使うことによって引き起こされる肝機能への悪影響のデメリットを考え、術後療法はやめようと主治医は判断したのだと思います。その判断に従うのがよいと思います。(文責 麻賀)

 

No.1207】 02年10月11日 Y.O.
ホルモン療法について

1年前からノルバデックスを服用していましたが、先日多少浮腫みのある左腕が赤くなりました。血栓症静脈炎と診断され、ノルバデックスの服用を中止しています。これからの方針はまだわかりませんが、他の薬でも効果はあるものでしょうか? 副作用の少ない薬にはどんなものがありますか? 現在50歳、ホルモン療法前は閉経していませんでした。よろしくお願い致します。

左腕は手術したほうの腕だと思います。そこが赤くなったということは、血栓性静脈炎というより多分蜂窩識炎と思います。そのような時は炎症が治まるまでノルバデックスの服用を中止するのが無難です。炎症が治まったら、また再開すればよいと思います。閉経前ですので、ホルモン治療剤としてノルバデックス以外というと生理をとめるゾラデックスがありますが、50歳で閉経が間近いのでこの治療はあまり効果がないかもしれません。やはり使うとすればノルバデックスと思います。(文責 麻賀)

 

No.1206】 02年10月10日 H.M.
乳頭のかゆみ

私は37歳、未婚です。20代前半くらいから、何がきっかけかわかりませんが、両方の乳頭、乳輪あたりがものすごくかゆくなり、放っておくとカサカサになって薄い皮がむけてきたり、ひどくなるとツユっぽくなってしまいます。生理前がひどかったのですが、今は生理もあったりなかったりで、にもかかわらず、かゆみはおさまりません。 今まで、場所が場所だけに病院へ行くにも多少ためらいがあったのですが、皮膚科を中心に何軒か行ったこともあります。透明な塗り薬を塗ると治るのですが、一時的なもので、しばらく放っておくと、また同じです。ブラジャーとの相性か?ということで、アレルギーの血液検査をしたり、はがれた薄い皮を顕微鏡で見ていただいたりしました。感染するようなものではないらしいのですが、どうも原因がわからず、結局なんなのか、わかりません。去年と今年の成人病検診では、エコー検査で乳腺症との診断も受け、もしかして婦人科へ行った方が、なんなのかがハッキリするかもしれないと思いはじめました。年も年ですし、乳ガンなどになってからでは遅いと思い、何かのきっかけとして相談にのっていただきたくメールしました。よろしくお願いします。

乳頭のかゆみや糜爛がある場合、注意する必要があるのはPaget癌といって、乳管にできた小さな乳癌が乳頭に出てきてこのようなことを起こす場合があることです。しかし、この疾患は専門医が見ればすぐわかりますので、もしまだ見てもらっていないのならば、一度乳癌専門医に見てもらうとよいと思います。ただ文面からすると、そのようなものではなくて乳頭の単純な糜爛のようです。皮膚科の先生に見てもらうのでよいと思います。(文責 麻賀)

 

No.1205-1】 02年10月10日 T.M.
リンパ郭清をすべきかどうか?悩んでいます

お忙しいところすみませんが、医療相談をよろしくお願いします。4年半前、乳頭分泌物としこりにより腫瘤摘出術をしました。結果、乳管内乳頭腫の診断を受け、無治療でした。今年5月末から再び乳頭分泌物を認め、同じ乳腺専門院で、6月腫瘤摘出術をし、DCISの診断を受けましたが、大学病院へ転院し、現在に至っています。治療法について悩んだ結果、右皮下乳腺全摘と広背筋による同時再建に決め、10/8に入院し、手術をあさってに控えています。乳腺外科主治医より突然お電話をいただき、先日受診しました。今までの経過を詳しく調べるために、4年半前の病理検体を取り寄せ確認したところ、それは乳頭腫ではなく、微細な浸潤が認められた、つまり浸潤ガンだったというのです。(主治医は癌研の病理出身なので、癌研の病理の先生にも検体をみて頂いたところ、全く同じ見解だったそうです。) 本来ならば、何らかの乳房手術+リンパ郭清の処置をすべき結果だったというお話でした。そして6月の検体には、浸潤はなく非浸潤ガンのみだそうです。今DCISのみの結果とこれまで何の症状もなく永らえてきたので、4年前の腫瘤摘出術で運良く浸潤部が取れていて、おそらくリンパの転移もなかったのだろうと推測されるということです。でも、絶対に今乳房のどこにも浸潤がないか、転移がないかというと保障はないし、リンパ郭清が必要ないかというと言い切れないといわれました。現在も、触診でリンパの腫れはないそうですし、4年も無症状で来たことから、リンパ転移はおそらくないだろうが郭清をどうするかの選択権は患者にあるので、手術までに決めて欲しいということでした。さらにリンパだけでなく、他への転移の可能性がないとはいえないから、術後全身療法をする方がいいといわれました。非常に特異なケースで判断が難しいそうです。入院までにリンパ郭清をするかどうかを決めなければいけないのですが、一体どうしたらいいのか、すごく悩んでいます。術法は、右皮下乳腺全摘と広背筋による同時再建で問題ないでしょうか? 仕事柄パソコンを使ったりホワイトボードに板書することも多いので(学習塾、パソコンスクール自営)、私としてはリンパ郭清をしたくありません。触診による腫れもなく、MRIの結果は左右腋窩に有意差がなかったので、リンパ郭清はしないでおこうと思っているのですが、とんでもない選択でしょうか? こちらの大学病院ではセンチネルリンパ生検はしていません。主治医はサンプリングをし、術中検査により郭清するかどうかを決める方法を勧めますが、こんな場合、その方がいいのでしょうか? 術後の全身療法もするべきなのでしょうか? その他のホルモンレセプター等低リスク因子についても調べてもらうようリクエストしましたが、「今その必要はない」といわれました。リンパ郭清の診断基準について教えてください。時間がありません。何卒、どうかよろしくお願い致します!!

大変難しい選択です。見直すと4年前のものが乳頭腫ではなく浸潤癌で今回のものはDCISというわけですね。4年前の選択であれば、浸潤の部分があれば、やはり転移をおこす可能性がありますので腋窩リンパ節郭清をすべきでしょう。しかし、4年後の現在腋窩には所見がないのであれば、転移がなかったあるいは現在もない可能性が極めて高いです。このような場合、センチネルリンパ節生検を行うのがよいと思いますが、やっていないのであればサンプリングをして転移がなければそのまま、転移がもしあれば郭清というのが手堅いやり方と思います。もうひとつの選択として郭清はせず、腋窩に放射線をかけるという手もあります。またまったく腋窩には手をつけず、もしリンパ節転移が後日出てきたら郭清するという方法もあります。主治医にあなたの希望を述べてどれにするのか決めていくのがよいと思います。術後の治療はDCIS であれば普通はホルモン治療が行われることが多いですが、レセプターが陽性であるのかどうかを見ておく必要があります。主治医とよくご相談ください。(文責 麻賀)

 

No.1205-2】 02年12月08日 T.M.
乳癌術後の補助療法について教えてください

10月に微小浸潤癌の場合のリンパ郭清についてメールでご相談させていただいた者です。その節にはありがとうございました。
<今までの経緯>
1994.10  乳頭分泌物により、生検 → クラス1 経過観察 (大学病院外科にて)
1998. 2  乳頭分泌物により、くりぬき術(乳腺クリニックにて) → 乳管内乳頭腫と診断され、無治療
2002. 6  乳頭分泌物により、くりぬき術(同乳腺クリニックにて) → 非浸潤性乳管癌と診断され、転院
2002.10.2 大学病院外科にて1998.2の病理検体を確認 → 微小浸潤癌・リンパ管侵襲(10箇所)が見つかる。T1mic、ER(+)
2002.10.11 大学病院外科・形成外科にて、右皮下乳腺全摘・腹直筋による同時再建とリンパのサンプリング
            
<病理結果>
サンプリングリンパ 0/5 転移なし。乳腺組織にふるい状パターンを示すものがあり異型を認めるが全体的に良性と考える。 微小な石灰化あり。T0、外科的断端に悪性所見なし、壊死(−)。現在、補助療法について迷っています。
<質問させて頂きたいこと>
1)このような場合、再発率はどれくらいなのでしょうか?
2)主治医は、4年前の微小浸潤癌のためホルモン療法をそれとなく勧めるのですが、4年以上も無治療で何の症状もなく、リンパにも転移が見られなかったのに、補助療法が必要なのでしょうか?
3)リンパ管侵襲は予後因子だそうですが、そんなに重要な因子なのでしょうか?
4)補助療法を受けるとすれば、標準的な療法とその期間は?

再発は恐いですが、補助療法の必要性がよくわからないので、できることなら 何も受けたくありません。でもよく考えて後悔のない選択をしなければとも思っています。御忙しいところ、恐れ入りますが、アドバイスをよろしくお願いします。

1)乳頭分泌で見つかった微小浸潤癌ですから、T1micになりますが、病期分類ではT1として考えますので、病期Tになります。病期Tの5年生存率は90〜95%程度、10年生存率は90%程度ですから、再発率は10%前後と考えられます。
2)仮に現在あなたのような診断結果が判明した場合、微小浸潤癌であり、ホルモンレセプター陽性ということですから、補助療法としてはタモキシフェンを服用してもいいし、服用せずにそのまま経過観察のどちらでもいいと思います。4年前の結果が今判明し、現在再発がないのですから、少なくともこの基準以上の治療は必要ないと思います。ホルモン療法を行ってもいいし、やらなくてもいいという群だと思います。
3)リンパ管侵襲は予後因子の一つではありますが、欧米の補助療法の基準で、リンパ節転移のない群のうち再発リスクの高い群と低い群を分ける因子には用いられていません。しかし温存手術で断端陽性となった場合にリンパ管侵襲が強いものは再発のリスクが高くなるといわれています。このように場合によっては重要な予後因子となることもあります。ただ実際の臨床ではどこまでを重要な予後因子ととらえるかは患者様の病状や主治医の先生の経験などによって異なり、一概にはいえないと思います。
4)補助療法をやるならタモキシフェンを服用するので十分と思いますが、あなたの場合これから何年服用するかは難しいと思います。一般に手術直後から服用する場合は手術後5年間ですが、手術後4年たっているので、残り1年間服用すればいいのか、それとも今から5年間服用すればいいのかわかりません。この様な場合の何年服用すればいいかという臨床試験のデータはありません。私個人の意見では残り1年間服用する方を選択しますが、主治医の先生とよく相談して決められるのがいいと思います。
(文責 稲葉)

 

No.1204】 02年10月09日 Wata 
アリミデックスを倍量飲んでいました

41歳です。右乳癌で乳房温存手術をうけ、組織型がスキルスということで、化学療法(CPA300mg+30mg)を6クール行ったあとUFTが処方になり、術後すぐ飲んでいたノルバデックスと一緒に内服していました。その後ほてり感が強いということと、たぶん(その辺は医師は曖昧にしていたのか何なのかわからないのですが)ホルモン的には閉経の域にあったようで、アリミデックスが処方になりました。ところが医師は一日1回の指示だったのですが、薬剤部の方で間違って1日に2回と処方し、私はその通り内服してしまいました。1週間後の採血で肝機能が悪くなり、その次の週には発熱が2週間も続きました。その症状は直接的な因果関係があったのかはわかりませんが、現在飲まないで2週間経って、肝機能はGOT 30代、GPT 50代で落ち着いたのですが、なんとなく疲れます。事情あってその病院は転院したのですがどうしたらよいでしょうか。

アリメデックスが発売される前の治験のときのデータでは、アリメデックスを10錠、8週間服用しても1錠、8週間飲んでも副作用については差がなかったそうです。したがって肝機能の異常は必ずしもアリメデックスのためともいえないと思います。ほかの抗がん剤も服用しているのでそちらの関連もありうると思います。転院した今の病院で治療を継続すればよいと思います。(文責 麻賀)

 

No.1203】 02年10月09日 M.I.
線維腺腫が悪性に変化する事はありますか?

33歳、既婚で出産経験はありません。5年程前に右の乳房に痛みとしこりがあり、病院で検査していただきました。細胞診の結果、線維腺腫なので切除する必要はないとの事でした。乳腺に沿ってしこりがあるそうで、生理前になると乳房が非常に痛くなるのですが、ここ1ヶ月間ほど、生理とは関係なく、乳房や脇の下の痛みとつれるような違和感が続いています。年月と共に大きくなる可能性はあるそうで、定期検診をすすめられましたが、一度も行っていません。この痛みや違和感は何が原因なのでしょうか?知人から、良性のものでも悪性(癌)に変わってしまう可能性があるとか、腫瘍が出来やすい体質だから癌になりやすいとかいう話を聞いた事があり、不安で仕方ありません。また、今後出産を考える場合は、やはり手術してとってもらったほうがよいのでしょうか?(前述のとおり、生理の時など胸が張りはじめると非常に痛いので、妊娠中や授乳時などもっと痛くなるのでないかと思うと、また不安です)

まず定期検診を勧められた病院へ受診したらどうでしょうか。普通は線維腺腫から癌に変わることはめったにあるものではありません。摘出したほうがよいかどうかは今後の自分の予定などを担当医に伝え、よく相談してください。(文責 麻賀)

 

No.1202-1】 02年10月08日 hona
石灰化について

土曜日、乳がん検診ヘ行って、左胸に小さなしこりがあると言われました。念のためエコーとレントゲンを撮りました。小さなしこりはなんでもなく、反対の右胸に石灰化が見られると言われました。一箇所にではなく、点々としていました。先生の判断では、「大丈夫だと思うけれど専門の先生にも診てもらった方が良い。」と言われ、明日受診する事になりました。心配なのでその前にご相談します。年齢43歳、5歳10ヶ月女児(1歳まで授乳)、1歳10ヶ月男児(去年11月末の1歳まで授乳)(断乳後おっぱいが張りすぎて発熱、自分でシップと頓服で受診せず)がいます。結婚後子宝に恵まれず、不妊治療をしました。二人目は治療無しで妊娠しました。不妊治療のとき、おっぱいが出る高プロラクチン血症と言われました。何年か前から右背中(おっぱい後ろ)や右胸脇の下が時々痛む。手がしびれやすくなった。上の子を妊娠したとき、右肺に水がたまり、入院して管を通して抜いた事があります。4年前健康診断で右肺の気胸になり、自宅安静で自然治癒しました。がん検診は毎年受けていますが異常は初めてです。(去年は授乳中でしたが)エコーもレントゲンも初めてでした。今年父が胃がんで亡くなっています。石灰化をわからずいたらどうなってしまうのでしょうか?乳がんの痛みはあるのでしょうか?転勤族なので病院の知識もありません。盛岡市でよい先生がいましたら教えてください。宜しくお願いいたします。

乳房のレントゲンで石灰化が見つかっても、その多くの方が乳癌というわけではありません。多くの場合は癌に関連しない良性の石灰化が多いです。専門医によく見てもらってください。そのほかの文面にあるいろいろな症状や既往歴は直接乳癌とは関連がありません。盛岡市のことはよくわかりませんので、そこへ行ったときに地元での評判を聞いてよいと思われる病院を選んだらどうでしょうか。(文責 麻賀)

 

No.1202-2】 02年10月10日 hona
石灰化(2)

月曜日に石灰化の件でメールした者です。昨日病院で専門の先生に診ていただきました。石灰化が両方の胸にあり、色々な所に見られる事、触診でしこりが無い事から悪性のものとは考えにくいので、細胞は採らずに3ヶ月ずつ様子をみましょうと言われました。もし3ヵ月後にこの石灰化が悪性のものでも初期ですとも言われました。そこがちょっと不安でしたが、先生のメールをみて安心しました。ありがとうございました。乳癌の石灰化は両方の胸には出来ないのですか? 悪性の石灰化をそのままにしているとどうなるのですか? 新たな疑問が出来ました。

石灰化が両方の乳房にできることはよくあります。そのような時は癌でなく、良性疾患の場合が多いです。悪性の石灰化とは乳癌のことですから、放置しておけばよくないです。良性の石灰化か悪性の可能性があるのかを主治医はよく見ているはずですから主治医を信頼して診
断を受けたらいかがでしょうか。(文責 麻賀)

 

No.1201】 02年10月08日 h.f.
手術の方法は1つ? 

昨日腫瘍自体を摘出し、顕微鏡検査の結果、3×4ミリの悪性腫瘍が見つかりました。石灰化が周りにみられ、離れた所に1〜2ミリの石灰化が1つ在りました。乳腺内に出来る癌で、検査で発見できないものも在るかも知れないので、乳腺を全て除去する必要があると言われました。腫瘍自体は小さいので、他の方法があるか教えて下さい。

もし温存療法を希望するのであれば、入院の上、全身麻酔下で癌が残っていると推定される部分を摘出し、術中の迅速組織検査を行い、癌が残っていない、あるいはきわめて少ないと考えられれば部分切除による温存療法も可能と考えられます。担当医とよくご相談ください。(文責 麻賀)