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相談室(No.3701〜3800) |
このページは乳がんに関 する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。
なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。
当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。
目 次
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No
日 付
名 前
件 名
担 当
3800 05/04/25 M.T. 母の症状について 須田 3799-1
3799-2
3799-305/04/25
05/05/09
05/11/24KOBA 今後の治療について
抗がん剤の種類について
超音波について須田
千島
稲葉3798 05/04/25 R.U. 陥没乳頭 須田 3797 05/04/25 Y のう胞がありますが、母乳はあげて平気でしょうか 須田 3796 05/04/25 S.N. 生検の方法について 須田 3795 05/04/25 S 転移後の治療方法について 須田 3794 05/04/25 s 再発率と生存率 須田 3793 05/04/23 oki 抗がん剤の副作用について 須田 3792 05/04/23 チカ しこりの切除について 須田 3791 05/04/23 W 乳房温存術後の再手術について 須田 3790 05/04/23 KOU 右乳房の奥が痛みます 須田 3789 05/04/23 emi 左の乳房が痛みます 須田 3788 05/04/21 M.M 粘液癌について 須田 3787-1
3787-2
3787-305/04/21
05/04/25
05/04/29M.O. 異型乳管過形成について
異型乳管過形成について(2)
異型乳管過形成について(3)須田
須田
谷3786 05/04/21 M.K. 乳頭の分泌物について 須田 3785 05/04/21 T.M. 乳がん転移の可能性について 須田 3784 05/04/20 K.K 石灰化について 須田 3783 05/04/20 S・M 非対称性陰影について 須田 3782 05/04/20 マコト 乳首について 須田 3781 05/04/20 K 術後半年、気になること 須田 3780 05/04/20 MAY 3mmのガンについて 須田 3779-1
3779-205/04/18
05/04/21mmk 癌の可能性について
癌の可能性について(2)首藤
須田3778 05/04/18 S.N. 浸潤性小葉がんについて(HPNo.3449-3) 首藤 3777 05/04/18 YM 生理について 首藤 3776 05/04/18 Y.S. 細胞診 首藤 3775 05/04/18 K 炎症性乳がんとは? 首藤 3774-1
3774-205/04/18
05/05/08E.Y. 乳首・乳輪部のかゆみ・ただれ
パジェット病が心配です首藤
千島3773 05/04/18 K.S 脇下の痛みについて 首藤 3772 05/04/18 F.Y. cancerでしょうか? 首藤 3771 05/04/18 Y.Y. マンモグラフィーを受ける頻度について 首藤 3770-1
3770-205/04/18
05/04/21F子 乳がんの可能性について
乳がんの可能性について(2)首藤
須田3769 05/04/16 T-M 右脇下のしこりについて 首藤 3768-1
3768-205/04/16
05/04/20N 局所再発について
局所再発について(2)首藤
須田3767 05/04/16 M.I. inivasive micropapillary carcinoma 首藤 3766 05/04/16 M.M. ECの副作用 首藤 3765 05/04/16 K.S. 放射線治療後の患部のビリビリ感 首藤 3764 05/04/16 HM 経過観察で大丈夫でしょうか? 首藤 3763 05/04/16 B.B. エコーで発見された白い影について 首藤 3762 05/04/16 C.F. 乳頭付近のかゆみ 首藤 3761 05/04/16 N.Y. 病理検査結果などの用語の意味について 首藤 3760 05/04/14 A子 乳輪下膿瘍 首藤 3759-1
3759-205/04/14
05/05/02M・T 外来で手術することになったのですが・・・
外来で手術しました首藤
谷3758 05/04/14 miyu 右脇下が定期的に熱くなるのを感じます 首藤 3757 05/04/14 H 健康診断での「乳腺腫瘤の疑いについて」の所見について 首藤 3756 05/04/14 I.M. 乳管内視鏡 首藤 3755 05/04/14 K.I. 細胞診について 首藤 3754 05/04/14 DBM 腋の下にしこりが・・・ 首藤 3753-1
3753-205/04/14
06/08/17A.Y 乳がん検診の結果
部分切除後の治療について首藤
首藤3752 05/04/12 S.I. 抗がん剤終了後(HPNo.3279-4) 首藤 3751 05/04/12 M.S 乳癌の再発予防と母乳の関係 首藤 3750 05/04/12 M.Y. 線維腺腫と悪性腫瘍の違いについて 首藤 3749 05/04/12 Y.S. 術前抗がん剤で癌が消えた場合、手術はどうなるのでしょうか? 首藤 3748 05/04/12 M.F FADと石灰化 首藤 3747 05/04/12 K.S. 抗がん剤について 首藤 3746 05/04/12 T.K 放射線治療について(HPNo.3346-5) 鈴木 3745 05/04/12 S・K 検査から手術まで 鈴木 3744 05/04/12 K.S. 妊娠中の胸のしこりについて 鈴木 3743 05/04/12 M.C. 肝・肺・食道・リンパ節に転移のある乳がんの治療について 鈴木 3742 05/04/12 I.Y. 副乳〜左乳房にかけての痛みについて 鈴木 3741 05/04/12 genki 全身療法について 鈴木 3740-1
3740-2
3740-3
3740-4
3740-5
3740-605/04/12
05/05/12
05/05/16
05/05/21
05/06/16
05/06/27HF 今後の治療方針について
薬の効果について
ハーセプチン
ハーセプチン休薬中
鎖骨リンパ転移
頭部検査について鈴木
徳田
鈴木
浜口
麻賀
石川3739 05/04/12 M 左胸のしこり 鈴木 3738 05/04/12 君影草 補助療法について(HPNo.3515-2) 鈴木 3737 05/04/12 M.S. 病理結果(intraductal とgrade 3)について 鈴木 3736 05/04/12 N 病理のセカンドオピニオン 鈴木 3735 05/04/12 n.y 検査方法について 鈴木 3734 05/04/12 Y 今後の治療方針について 鈴木 3733 05/04/12 pk 乳がん検診結果について 鈴木 3732 05/04/09 H.M. ホルモン療法について(HPNo.3186-3) 鈴木 3731 05/04/09 WA 私の癌について 鈴木 3730 05/04/09 Y 脱毛について 鈴木 3729 05/04/09 K.O. 妻の検診結果について 鈴木 3728 05/04/09 K.K. リンパ節摘出について(HPNo.3445-2) 鈴木 3727 05/04/09 M.I. 胸のしこり、痒み、痛みについて 鈴木 3726 05/04/09 wa 右の乳輪について 鈴木 3725 05/04/09 M.M. 放射線治療について 鈴木 3724 05/04/08 N 病理の結果 鈴木 3723 05/04/08 T 男性の乳がんについて 鈴木 3722 05/04/08 SY.I 手術後の傷の痛みについて 鈴木 3721 05/04/08 T.F. 放射線治療を受けた方がよいでしょうか? 鈴木 3720 05/04/08 K 線維腺腫でしこりを摘出、その後の対応について 鈴木 3719 05/04/06 A.A 温存術後の放射線治療について 鈴木 3718-1
3718-2
3718-305/04/06
05/04/12
05/04/23M.I. ホルモン注射以外に選択肢はないのでしょうか?
ホルモン注射以外に選択肢はないのでしょうか?(2)
浸潤性乳管がんの術後療法について鈴木
鈴木
須田3717 05/04/06 S 今後の治療について(HPNo.3350-2) 鈴木 3716 05/04/06 H MRIの検査について 鈴木 3715 05/04/06 Y.T. 脇の下の痛み 鈴木 3714-1
3714-205/04/06
05/04/29k.s 再発の確率について
造影剤アレルギーについて鈴木
谷3713 05/04/06 恵美まま 乳首の湿疹・分泌物について 鈴木 3712 05/04/06 U.K. 妊娠中の乳輪下膿傷 鈴木 3711 05/04/04 R 化学療法を受けた方が良いのでしょうか?(HPNo.3684-2) 清水 3710 05/04/04 M.T. 乳腺線維腺腫について 清水 3709 05/04/04 S.K. 再発治療について 清水 3708 05/04/04 N 断端陽性について(HPNo.3690-2) 清水 3707 05/04/04 A.K. 乳癌について 清水 3706 05/04/03 T 病理診断について 清水 3705 05/04/03 S 全摘の放射線治療 清水 3704 05/04/03 N 胸のしこりについて 清水 3703 05/04/03 A.M. 葉状腫瘍 境界型について 清水 3702 05/04/03 K・O 乳首の出来物について 清水 3701 05/04/03 T 再発乳がんにおける治療法について 清水
【No.3800】 05年04月25日 M.T.
母の症状について一年ほど前に先のとがったものに乳首をぶつけて傷になった事がきっかけで、その後ぜんぜん良くならず、今は乳首自体の存在も見えないほど、赤く膿んだようになっています。悪化するというより治らない感じで、お風呂につかると良くないようです。普段は痛みはないようで、たまに気になる程度です。傍目にはかなりの爛れがあり心配です。本人は癌と宣告されるかもしれないということで、病院には行きません。このままほっておくには絶対に良くないのですが、バジェット病の症状とはどんな症状なのか、他の皮膚炎の可能性はどうなのかを知りたいのです。すごく心配で相談させて頂きました。よろしくお願いいたします。
バジェット病は、治りにくい乳輪部の湿疹様病変、又は乳頭部のただれがみられ、症状としては痒感がありますので、湿疹との鑑別が必要です。直接診察しないとはっきりしたことは申し上げられませんが、治りにくい爛れがあるとの事ですので、バジェット病の可能性も否定し切れません。乳腺外来を受診して、ご相談下さい。(文責 須田)
【No.3799-1】 05年04月25日 KOBA
今後の治療についてこんな相談窓口があることを知って、嬉しく思います。相談させてください。3月28日、乳癌の手術をしました。当初は、顔つきの良いおとなしい癌との診断だったので、安心していました。8月、痛みを感じて受診。マンモグラフィー異常なし。半年後再び痛みを感じて受診。マンモグラフィーではほとんど分かりにくいものの、MRIで影アリ、細胞診でX、手術となりました。センチネルリンパ節生検で1個転移あり。Uまで郭清。乳房温存4分の1切除。病理組織の検査結果:しこりの大きさ1.2cm、硬癌、ホルモン感受性+、核異型度U、リンパ節転移2個(8個のうち)。医師からは、@ホルモン療法(LH−RHアゴニスト、タモキシフエン) A化学療法(CMF)+ホルモン療法(同) を提示されています。「術後の療法は、転移が3個までと4個以上で1つの基準があり、私の場合は2個なので3個までに分類されます。ホルモン療法だけと、化学療法を併用するのとでは再発率は数%しか変わらない」と説明を受け、副作用も考慮して決めるように言われています。化学療法を受けなくてもいいものなら受けたくありませんが、最近の新しい基準ということらしいので、やはり化学療法を併用しようと思っています。
1)化学療法のいくつかの組み合わせの中で、CMF療法でも効果が上がるでしょうか?
2)硬癌の10年生存率は67.2%.....調べてわかったのですが、あまり良くない癌ですか?
3)医師は素人が理解しやすいように、検査結果のポイントだけを知らせてくれましたが、上記以外に尋ねたほうがよい情報があるでしょうか?(例えば脈管への侵襲、脂肪織への侵襲、ホルモンレセプターの陽性度など)
現在放射線治療中です。リンパ腺を取っているので腕や脇が痛い日々を送っています。お答えをお待ちしています。よろしくお願いします。予後(生存率、再発率)に関しては、病期分類よりもリンパ節転移個数の方が重要である事が分かっています。例えば、術前にstageUと判定されていても、術後の病理学的検査でリンパ節転移が認められなければ、(stageT+ リンパ節転移あり)の患者さんよりも治る確率が高いということになります。
1)閉経前、ホルモン感受性(+)の早期乳癌に対する治療としては、LH−RHアナログが推奨されています。「LH−RHアナログ ± タモキシフェン」と「化学療法(CMF 6サイクル)」の比較試験(ZEBRA trial)が報告されていますが、これによると、LH−RHアナログ2年間単独投与とCMF6サイクルのtrialでは、ホルモン受容体陽性症例において、無病生存期間に差は認めれませんでした。更にLH−RHアナログ3年間+タモキシフェン5年間併用とCMF療法6サイクルのtrialでは、無再発生存期間において内分泌療法群に有意な延長を認めたが、観察期間が短いため全生存期間に差を認めていないとの結果です。従って、LH−RHアナログは、CMFと同等、又はそれ以上の効果が期待できる事になります。アンスラサイクリンを含む治療(AC、EC)は、CMFと同等以上の効果が期待できますが、一般に脱毛・吐気・白血球減少等の副作用が強く出る傾向にあり、効果と副作用のバランスを考えながら治療を進めていく事になります。
2)組織型別の10年生存率は、非浸潤癌が最も良好で、乳頭腺管癌と特殊型、充実腺管癌と続き、貴女のご指摘のように硬癌が最も不良です。但し、これはあくまでも統計的な数値であり、個々によって違ってきますので、あまり数字にとらわれることなく、今できるベストな治療を前向きに進めていく事が、より良い予後に繋がるはずです。
3)HER2受容体の過剰発現が認められるかどうか、確認する必要があります。いずれにしても、貴女の状態を最もよく把握して下さっている主治医と充分にコンタクトをとって、納得のいく治療を受けて下さい。(文責 須田)
【No.3799-2】 05年05月09日 KOBA
抗がん剤の種類についてHPNo.3799でご丁寧な回答をいただき、ありがとうございました。とても励まされました。改めて質問なのですが、
1)回答の中のtrialとは「併用」という意味でしょうか。
2)回答によると「ホルモン療法のみ」と「化学療法(CMF)+ホルモン療法」ではあまり差がないと受け止めてよいでしょうか。
3)医師からは、化学療法を併用するなら「CMF」を提示されていますが、ACやECを選択肢に入れなくて良いでしょうか。
4)リンパもUまで郭清しています。それに伴って、(モンドール病と説明を受けていますが)腋下から肘、肘から5、6cm下の辺りまで筋状のものに触れます。痛いので腕が伸ばせない一因にもなっています。痛み止めを飲んでいますが、この筋状のものは徐々に治っていくでしょうか。
またご回答いただければ嬉しいです。よろしくお願いします。Trial というのは、日本語では「臨床試験」のことを表しています。これは、ホルモン療法を受けた人と抗癌剤療法(CMF)を受けた人で、どちらの治療効果の方が高かったかを、統計学的に比較する試験(実験)のことです。つまりZEBRA試験が意味するところは、「ホルモン療法(LH-RHアナログ製剤)のみ」と「化学療法(CMF)のみ」では、「治療効果はほぼ同等である」ということを示しています。現在、リンパ節転移がある症例での抗癌剤治療は、アンスラサイクリン系抗癌剤が含まれている治療が推奨されています。この薬剤はEC, AC, CAF, CEF, FEC などの記号で表される抗癌剤治療に含まれています。この中のEとAがアンスラサイクリン系抗癌剤を示す記号となっています。つまりCMFはEやAを含んでいないため、ここ数年は「推奨される術後補助化学療法」のリストからはずされています。ただし、数年前までは「標準治療」であった経緯や、アンスラサイクリン系抗癌剤に比べると副作用も比較的軽度であると考えられているので、現在でも症例によってはCMFが選択される場合もあります。簡単な目安として、アンスラサイクリン系抗癌剤を含む治療はCMFに比べて1.4倍程度の再発抑制効果があると考えられています。モンドール病というのは、乳房やや外側から前胸部にできる「原因不明の静脈炎」のことを言います。手術の後に腋窩から肘に出現する「つっぱり」とは別の物です。術後に生じるこの「つっぱり」は、数週から数ヶ月かけて徐々に軽快してきます。(文責 千島)
【No.3799-3】 05年11月24日 KOBA
超音波について抗がん剤を終えました。来月からホルモン療法に入ります。副作用で頬に濃いしみが出来ました。美容用の超音波で、しみを薄くする方法を考えているのですが、いかがでしょうか? 併せて、おなか周りの脂肪やセルライトに効く美容用の超音波もしたいと思っているのですが、体への悪影響がないかと心配しています。リンパ節への転移が2個あったので、美容用の超音波が及ぼす影響が悪く働かないか知りたいと思っています。医療用の超音波はもちろん害はないでしょうが、美容用のそれがどうか教えてください。リンパマッサージを術後は積極的に行うように指導されましたが、マッサージすることでがん細胞が遠くに流れていくのではないかとも思ってしまいます。正しい知識をお教えください。もう1つ、手術によってがん細胞を取りきれている場合もありますか? がん細胞が潜んでいるかもしれないので、消滅させるために術後の治療をしていると考えてよろしいでしょうか? 以上3点、教えてください。よろしくお願いします。
美容用の超音波機器についてあまり知識がないので、医療用のものと同じものかどうか判断はできかねますが、超音波であれば害はないと思います。頬のシミは恐らく抗癌剤の影響でできたものと思われますので、抗癌剤が終了して時間が経過すれば、通常は自然と薄くなったり消えることが多いです。リンパマッサージによりガン細胞が全身に散らばっていくということはありません。手術でガン細胞がとり切れているかどうかを完全に証明することは難しいことです。手術で切除する範囲はガン細胞が全てとり切れていたとしても、リンパ節転移があるわけですから全身の他の部位にも微小な転移が起こっている可能性は否定できません。仰るとおり、ガン細胞が潜んでいる可能性があるので、ガン細胞が少なければ、つまりたくさん増殖する前であれば、抗癌剤の治療により再発を抑えることができることもあるので治療を行っているわけです。(文責 稲葉)
【No.3798】 05年04月25日 R.U.
陥没乳頭こんにちは。お忙しいところ申し訳ありませんが、宜しくお願いします。28歳、女性です。左胸の乳首がへこんでいて、どうやっても出てきません。右側は普通です。手術等でキレイにする事は可能でしょうか? 授乳の問題もありますが、それよりも見た目がキレイになりたいです。ご返答お願いします。
陥没乳頭を形成外科的に形成し、乳頭を出す事は可能です。外科、又は形成外科でご相談下さい。(文責 須田)
【No.3797】 05年04月25日 Y
のう胞がありますが、母乳はあげて平気でしょうか。3年前に右胸にのう胞があると言われました。水のようなものが溜まっているだけということでした。良性のものなので 大きくなったりしないようであれば気にしなくていいと言われています。その後妊娠し、現在9ヶ月になるのですが、赤ちゃんに母乳はあげても大丈夫なのでしょうか。のう胞の大きさなど、今のところ特に変化はないようです。
メール拝見しました。ご質問の母乳に関しては、全く心配ありません。元気な赤ちゃんを育ててください。(文責 須田)
【No.3796】 05年04月25日 S.N.
生検の方法について数ミリにも満たない微細な石灰化が3つ、一箇所にかたまった部分がマンモでみつかりました。その際の検査方法としては硬膜外麻酔をして直径2cmほど切開して切り取って生検する方法と、マンモグラフィ装置による画像ガイド下吸引術による生検と、どちらが良いか教えていただきたくメールしました。この2種類の検査の有効性、微細な石灰化の場合の妥当性、その他を教えてください。少し事情があって急いでおります。勝手を言って申し訳ありません。どうかお願いします。
マンモトーム検査は微細石灰化病変の良悪性の判定に有用であり、一度の穿刺で多方向複数の検体が得られ、また対象がずれないように随時ステレオ撮影で目標設定ができ、患者さんへの負担が少ないという利点があります。ただし、針刺入時に出血したり、検査後血腫を形成する事があり、抜針後、充分に圧迫する事が大切になります。また、最大の欠点は、もし病変が癌であった場合、癌組織に切り込む可能性があり、高度ではないものの、癌細胞の穿刺経路への散布の危険性があることです。従って、手術にあたっては、刺入部と刺入経路を切除するか、術後放射線照射を行うことが望ましいとされています。一方、従来の生検を行う場合は、病変部を含めて大きめに切除するので、癌には切り込まず、マンモトームに比べて、周囲に癌細胞を撒き散らす確率は少なくなりますが、創が残る事が欠点です。
直接マンモグラフィーを拝見していないので何とも言えませんが、微細石灰化が3つあるとの事ですので、主治医の先生と相談の上、いずれかの方法で生検を行う事が必要だとすれば、個人的には、病変を全て取りきるという意味で、従来の生検が良いかもしれません。(文責 須田)
【No.3795】 05年04月25日 S
転移後の治療方法についていつも丁寧なご回答をいただき感謝いたしております。腫瘍径6センチ、HER2(3+)、リンパ節転移17個、ホルモン受容体陰性、異型度3、現在フルツロン服用のみ。術前化学療法後全摘し、2ヶ月後に手術痕のすぐそばに赤いニキビ状の皮膚転移を起こしました。現在CT・骨シンチにて全身検査の結果待ちです。主治医から今後の治療について次回診察までに考えておくようにと言われ、迷っています。
遠隔転移があった場合
・ ハーセプチン+タキソール
遠隔転移がなかった場合
@ ハーセプチン単独投与週1回、期間エンドレス
A フルツロンからゼローダへ変更して様子をみる
お尋ねしたいのは、遠隔転移がなかった場合はどちらを選択するのがよいのでしょうか。また、赤いニキビ状の皮膚転移はすでに切除しましたが、またその付近にごく小さな
赤いものが見られるので、@Aのどちらになっても放射線はしておいたほうがよいでしょうか。もう一点、CTにて遠隔転移がない場合でも、PET検査をして微細ながん細胞が見られた場合は、やはりハーセプチン+タキソールで強力に化学治療をしておいたほうがよいのでしょうか。また、目の下まつ毛のところにものもらいのような赤白いできものができています。抗菌目薬をさして1ヶ月くらいになりますが、一向に治りません。口の中(頬の裏側)にも赤いできものがあり、同じく長引いています。いつもの口内炎のような痛みは全くありません。こういったものも転移なんでしょうか。目や口内に転移するなんてことは有り得るのでしょうか。もし転移だった場合は治療の方法はあるのでしょうか。長々と申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。遠隔転移がなかった場合ですが、皮膚転移に対して、HER2陽性乳癌では、ハーセプチン単独、あるいはハーセプチンと化学療法の併用が乳癌診療ガイドラインで推奨されています。また、@Aいずれの場合でも、放射線治療はしておいたほうが良いと思います。
PETにも限界があり、1cm大の病変がないと描出されません。従ってPETで微細な癌細胞を見る事は不可能ですが、PETで描出された場合、ハーセプチン+タキソールの使用はベストな選択だと思います。
乳癌の場合、目や口腔への転移は否定的ですが、万一その部分を乳癌の再発で治療する事になるようであれば、他の臓器への遠隔転移の治療と同様に、ハーセプチン+タキソールから開始する事になります。(文責 須田)
【No.3794】 05年04月25日 s
再発率と生存率よろしくお願いします。36歳女性、昨年ステージU(しこり3.5p)で温存術を受け、放射線(50グレイ)後、現在ホルモン療法中(リュープリン2年+ノルバデックス5年)です。
modified Bloom-Richardson分類 で、score 8 GradeV(poorly differentiated)、右浸潤癌(充実腺管癌)、リンパ節転移なし(レベル1リンパ節:0/17)、ER,Pgrともに陽性、病理学的腫瘤径2.4×1.2cm大の地図状の広がりを示す病変あり。この結果からの5年、10年の再発率と生存率を教えていただけますか?stageUに関しては、5年生存率 87%、10年生存率 80%ですが、stageW以外でリンパ節転移なしでの5年生存率 93.7%、10年生存率 84.7%となっています。リンパ節転移個数が1〜3個では、5年生存率 81.3% 10年生存率 67.3%、4〜9個では、5年生存率 64.7% 10年生存率 43.8%となり、予後に関しては、病期分類よりもリンパ節転移個数の方が重要になってきます。例えば、術前にstageUと判定されていても、術後の病理学的検査によってリンパ節転移が認められなければ、(stageT+ リンパ節転移あり)の患者さんよりも予後は良くなるという事です。
術後療法に関してですが、リンパ節転移陰性乳癌のうち再発の危険が高い症例に対しては、タモキシフェン(ノルバテックス)及び多剤併用化学療法が推奨されています。タモキシフェンの投与は年間再発率を26%、死亡率を17%減少させ、CMF療法では年間再発率を26%、死亡率を18%減少させる事が明らかになっていますので、副作用との兼ね合いもありますが、できれば頑張って根拠のある治療を受けられる事をお勧めいたします。
次に再発率についてですが、約25%の割合で、術後の再発が認められています。例えば、400人の患者さんに対し、100人が再発するという事になります。この100人のうち70人は、およそ3年以内に、20人は5年から10年、残りの10人が10年から15年で再発しますが、75%の300人は再発を認めないということです。
ただし、生存率や再発率については、あくまで統計的な数値であり、当然個人差があります。あまり数値ばかりを気にせず、現時点で考えられるベストの治療を受ける事が大切ですので、是非前向きな姿勢で頑張っていただきたいと思います。(文責 須田)
【No.3793】 05年04月23日 oki
抗がん剤の副作用について今年1月に手術し、現在抗がん剤(AC)治療中です。点滴の最中から鼻の奥がツーンとしてきて、いつもはすぐに治まるのに今回(4回目)は1週間たった今でも眉間の辺りが時々だるくなり、同時に胸がムカムカします。喉は渇きやすく、集中力が欠け、夜中も何度か目が覚めます。ムカムカする割りに食欲は有ります。これは抗がん剤の副作用でしょうか? 近いうちに病院行くつもりですが、早く知りたいのでメールしました。宜しくお願いします。
抗がん剤の副作用である可能性は強いと思います。anthracycline系やcyclophosphamideでは、延髄の嘔吐中枢が刺激され、容量依存的に強くなります。予防としては、セロトニン受容体拮抗薬とステロイドの使用が中心となりますが、主治医の先生にご相談下さい。(文責 須田)
【No.3792】 05年04月23日 チカ
しこりの切除について胸に1センチ程度のしこりがあり、病院で定期検査をしております。今まで3回の細胞診をやった結果、「悪性ではないみたいだけれど、細胞に一部異形があるから、摘出したほうがいい」と言われました。こういう場合、悪性の可能性はどの程度なのでしょうか? また傷口は目立ちますか? 全身麻酔と言われ、それも不安です。どうかアドバイス、お願いいたします。
細胞診の結果、摘出したほうが良いと言われている事から推測して、おそらくclassVだと思われます。施設によって多少の差はありますが、悪性の可能性は50〜60%くらいでしょうか。摘出した場合、傷口は残りますが、形成外科的な手法によって目立ちにくくする事は可能ですので、主治医の先生と充分ご相談下さい。(文責 須田)
【No.3791】 05年04月23日 W
乳房温存術後の再手術について3/29に乳癌の乳房温存手術を受け、今日、病理の結果を伺ったところ、両断端にがん細胞が残っており、主治医より再手術をすすめられました。再手術をしない場合には多少のリスクが伴うと思われますが、それはどの程度のものでしょうか? 私は、再手術をしないで、抗がん剤、ホルモン療法、放射線療法をやればよいのではないかと考えていますが、是非、意見をいただきたく思います。ちなみに、私の癌は浸潤性小葉癌で、しこりは2.5cm程度、ホルモン感受性+。また、センチネルリンパ節には転移はなかったようです。しかし、しこり内のリンパ管や静脈からは癌細胞が検出されたようです。
乳房温存療法で病巣部だけを切除した場合、癌細胞遺残の可能性が30〜40%程度あり、それを放射線で完全にコントロールしきれれない時があります。統計的には5年間でおよそ5〜10%の乳房内再発が起こると考えられています。つまり残存乳房に遺残した癌細胞が再び出てくる事になります。ステージ1〜2期乳癌に対して乳房切除を行った場合は、施設によって多少のバラツキはありますが、再発率は10年間で約2.0%です。ただし、現実には乳房内再発の場合、ほとんど再切除可能であり、最終的には両者の生存率は同じであるということになります。乳房内再発が患者に致命的影響を与える事は少ないという事です。乳癌の治療において、大きくとり切る方が良いという考えもあれば、一方、多少の再発の可能性があっても、再手術できるのであれば、手術をしないで、患者の精神的負担を少なくしたほうが良いという考え方もあります。治療においては、もちろん患者さん本人の意思が最優先されるべきですが、貴女の現在の状況を最もよく把握して下さっている主治医の先生と充分ご相談下さい。(文責 須田)
【No.3790】 05年04月23日 KOU
右乳房の奥が痛みますはじめまして。21歳の未婚者です。子供を産んだ経験もありません。今朝から右胸の乳房の奥が痛みを感じます。継続に痛いのではなく、突然痛くなったりします。生理予定日が5日後なので、胸が張っての痛みなのかと思いましたが、今まで生理前に胸が痛くなったことがありません。最近では、20代で乳がんになるとよく耳にするので、心配です。それと、乳がん検査を受けるのには費用はいくらくらい必要なものですか? よろしくお願いします。
メール内容から判断して乳癌は否定的だと思いますが、乳癌でない事を確認するためにも、一度専門医を受診して下さい。費用については、各病院によって異なりますが、検診ではなく、保険診療(3割負担)であるとすれば、触診・マンモグラフィー・エコー等で、5000円くらいでしょうか? 詳しくは病院にお尋ね下さい。(文責 須田)
【No.3789】 05年04月23日 emi
左の乳房が痛みますはじめてお便りさせていただきます。私は出産経験のない、24歳の女性です。二週間ほど前から左の乳房が痛むようになりました。以前から生理前には乳房が張って痛くなっていましたが、現在は生理前でもないのに痛みが続いています。生理前の痛みは、パンパンに張っていて何かにあたったら痛むという状態でしたが、今は何もしていなくてもピリピリと時折痛み、全体的に触れると痛みます。自己検診をしてみましたが、特にしこりのようなものは感じられません。このような痛みは初めてで、また長く痛みが続いているので不安です。乳がんの可能性があるのでしょうか? お忙しいところ恐縮ですが、どうぞよろしくお願いします。
直接診察していないので推測の域を出ませんが、メール内容から判断する限り乳癌は否定的です。持続性のある胸痛(乳房痛も胸痛の一部)と思われますが、不安を取り除く意味からも、一度掛かりつけの医師にご相談下さい。(文責 須田)
【No.3788】 05年04月21日 M.M
粘液癌についてはじめまして。4年ほど前に2x1.5cmのしこりがみつかり、大学病院の分院でエコー・マンモグラフ・細胞診(クラス2)を行い、線維腺腫ではないかとの診断を受けました。その後、経過観察ということで、1年に1回ほど検診を受けています。先日、エコー・マンモグラフ・細胞診を行ったところ、今回のエコーでの診断は、2.5x2cmの大きさで、明らかに前と形状が変わってきていて(前は円形、今回は山形)、エコーでのしこりの色も変化し、前回は黒、今回は黒と白っぽいところがありました。細胞診では粘液成分が多くあり、クラス3という事でした。担当の先生は、「周囲に粘液のあるしこりはあまりない。また粘液があると病名が判明しにくいし、細胞診でクラス3が出たので線維腺腫ではないので、手術でとって調べた方が良い」とのことでした。現在考えられる病気としては、のう胞、粘液癌の可能性があるとのことでした。4年間それほど大きくなっていないのですが、粘液癌の可能性は高いのでしょうか? 又、粘液癌とはどんな癌なのでしょうか? 粘液癌の場合、2.5x2cmの大きさは、どの程度のクラスになるのでしょうか? 出来れば、摘出手術ではなく、傷跡の小さいマンモトーム生検で調べたいと思うのですが、摘出手術を勧められているのは、癌だった場合はその方が良いからなのでしょうか? まだ気持ちが混乱していて、いろいろ質問してすみません。どうぞ、よろしくお願いします。
乳癌の場合、単一の組織型で構成されている事は少なく、一般的にはいくつかの組織型が混在しています。従って、細胞診の検査で、1回目の穿刺で粘液癌が、2回目で充実腺管癌が、3回目で硬癌が見つかるというような場合も充分あり得ます。貴女の場合、細胞診でclass V 、粘液があるとの事ですので、私個人としても、主治医の方針と同様に頑張って生検を受ける事をお勧めいたします。粘液癌である可能性もありますが、前述のような理由で、他の癌である場合もあります。主治医の先生は、癌の可能性があるので、はっきりした診断をつけるために、摘出を勧められているのだと推測されます。癌であった場合、主腫瘤の大きさが2.5x2cmですから、stage U になります。貴女の状態を最もよく把握して下さっている主治医の先生から充分な説明を伺って、納得のいく治療を受けて下さい。(文責 須田)
【No.3787-1】 05年04月21日 M.O.
異型乳管過形成について35歳で、子供が1人(2歳)の主婦です。今日、右乳房に、しこりの検査(マンモ・超音波・細胞診)で異型乳管過形成と診断されました。しかし更に詳細な検査が必要とのことで、MRI、次に針生検、最終的に切除生検と進むそうです。本日の細胞診ではクラスは3ですが、完全に癌ではないとはいいきれないのでしょうか? 今後癌化する可能性もあるので、いきなり切除生検する人もいるそうですが、針生検との違いは何でしょうか? ネットで調べると異型乳管過形成と非浸潤性乳管癌との鑑別は難しいとのことですが、私の本日の検査結果では、その非浸潤・・の可能性もあるのでしょうか? もう一つ同じ上部にしこりがあるのですが、細胞診で失敗して取れなかったのですが(判定不能)、「可動性があるので、おそらく線維腺腫で、そのままで平気」と言われたのですが、本当に大丈夫でしょうか? 質問が多くて申し訳ありませんが、ご回答願います。
「異型乳管過形成」に関して、世界的に最も広く用いられていると思われる定義では、「非浸潤性乳管癌の病理診断基準の一部を有するが、これを完全に満足していないもの」となっています。従って、この疾患は、本質的には極めて微小な癌であると考える事も可能であり、診断するためには切除生検が必要です。また、「異型乳管過形成」であると診断を受けた患者さんの診断後の対応については、病理医と外科医の間で十分な討議を行う事が必要ですので、今後の治療については、主治医に充分に説明を伺うようにして下さい。(文責 須田)
【No.3787-2】 05年04月25日 M.O.
異型乳管過形成について(2)お忙しい中、ご回答ありがとうございました。先生のご回答を読み、MRI(1ヶ月先に予定)後の針生検はやめて、すぐ切除生検をしようと決意しました。また質問で申し訳ございませんが、以下の3つの質問にご回答願います。
1)切除生検で確実に異型乳管過形成と診断された場合、その後の治療とはどういうものがあるのでしょうか?
2)もう一つあるしこりはマンモと超音波のみ(細胞診の吸引失敗)で、「線維腺腫だから残しておきましょう」と言われましたが、大丈夫なのでしょうか? もう一度細胞診をしたほうが良いでしょうか?
3)近所の大学病院で週に1度乳腺外来を先生2人でやっているのですが、異型乳管過形成と非湿潤性乳管癌のように鑑別に難しい診断は診断後に別の病院でセカンドオピニオンをした方が良いのでしょうか? 切除生検をすれば確実に鑑別できるものですか?1)生検で偶発的に発見された異型乳管過形成の場合、完全にとりきれている事が多く、そのまま経過観察で充分だと思いますが、とりきれていない場合は、浸潤癌が発生するリスクもあります。また、強い乳管過形成を合併している場合、或いは臨床的に癌合併の疑いがある場合には、追加切除し、病変と広がりの部分を明確に取り除く必要があります。主治医に貴女自身の状況をよく伺い、今後の治療方針をご相談下さい。
2)ご心配であれば、再度細胞診をお願いしてください。不安を抱えたままでは、精神的にもマイナスだと思います。
3)セカンドオピニオンについてですが、異型乳管過形成であると診断をつけるのは病理医ですから、生検した標本を乳腺専門医に相談するのではなく、別の病理医の意見を求める事になります。外科医が切除する事と、病理医が診断を確実につけることとは別問題です。(文責 須田)
【No.3787-3】 05年04月29日 M.O.
異型乳管過形成について(3)お忙しい中、ご丁寧なご回答を本当にありがとうございました。たびたび質問で恐縮なのですが、よろしくお願いします。
1)マンモトーム生検は切除生検と同様に患部を完全に取り除くことは可能ですか?(現在かかっている病院ではマンモトームはないのですが、ある病院で切ろうか迷ってます)
2)乳癌は他の癌と比べて良性・悪性の鑑別が難しいので、乳腺専門の病理医がいる病院が望ましいと本で読んだのですが、私がかかっている病院にはいません。本当に専門の病理医でないと、やはり診断は確実ではないのでしょうか? 生検した標本をもって別の病理医の意見を求めたい時は、その旨を別の病院で伝えればやってくれますか? 生検した標本は簡単に貸してくれるものですか?1)マンモトーム生検は少ない切除範囲で組織診断をつけるための検査であり、これにより患部を完全に取り除くことはできないと考えた方がよいと思います。
2)ご指摘の通り、乳癌の病理診断はときに病理医でも難しいことがあり、そのような際は複数の病理の先生の見解もとりいれて最終診断を出されることもあるようです。もし病理のセカンドオピニオンをご希望でしたら、主治医の先生にその旨をお話されて、標本(プレパラート)を貸し出してもらい、紹介状を書いていただくことになります。通常これは可能だと思います。(文責 谷)
【No.3786】 05年04月21日 M.K.
乳頭の分泌物について2005年3月31日、掲載3687でお世話になりました。乳頭の痒みで掻いてしまった部分が、かさぶたになり、入浴の際に気になったので、かさぶたを剥いでしまいました。翌日になり、乳頭を見てみると黄色い分泌物がでていました。量が服に染みてしまうほどの量でしたので、不安になりメールをさせていただいたのですが、これは傷口からの分泌物でしょうか? 放っておいても出てきて、痒みも分泌物がでるようになってから薄れた感じがします。かさぶたになる気配がなく、部分によっては血も出ているようなので、とても心配です。この状態は左の乳頭だけなのですが、かさぶたのまま放っておいても治る気配がありません。十代の後半にみられる乳頭のびらんの場合は、通常どのぐらいで治まるのでしょうか? パジェット病の場合は、ジクジクした感じがかさぶたになりを繰り返し大きくなるとご返答いただいたのですが、この場合はかさぶたを剥いでしまうために、ジクジクとかさぶたを繰り返しているのでしょうか? ご返答よろしくお願い致します。
直接拝見していないので、推測の域を出ませんが、おそらく乳頭部の湿疹だと思います。様子を見ても治らない場合は、まず皮膚科を受診してご相談下さい。パジェット病の場合は、パジェット細胞がある為、ジクジクした感じがかさぶたになりを繰り返すのであって、かさぶたを剥いでしまうために起こる症状ではありません。(文責 須田)
【No.3785】 05年04月21日 T.M.
乳がん転移の可能性について乳がんに関して相談があります。30才、二年前に右乳房に2cmほどのしこりを見つけ、乳がんと診断され温存手術を受けました。リンパなどには転移していないとの事で、放射線照射を行ったのみでホルモン療法は受けていません。先日、自己検診をしていたところ、手術したほうではなく、反対の左乳房下方の肋骨の上(乳房ではなく乳房より2cmほど下の方に離れたところ)に3cmほどのやわらかい平らで形のいびつなしこりを見つけました。
1)乳腺の有る領域ではありませんが、乳がんが転移した可能性は有りますか。
2)3ヶ月後に定期検診があるのですが、それを待たずに受診した方がよいと思いますか。
3)乳がんでなければ何ですか。放置してもよいものですか。また病院に行く場合は何科を受診すべきでしょうか。
どうぞ御返事よろしくお願い致します。メール内容から推測する限りでは、乳癌の転移である可能性は低いと思いますが、全く無いとは言い切れませんので、不安を取り除く意味からも一度受診する事をお勧めいたします。「軟らかい」との事ですので、脂肪腫である可能性も考えられます。心配の種は放置しないで、まず主治医にご相談下さい。(文責 須田)
【No.3784】 05年04月20日 K.K
石灰化についてはじめまして。33歳、未婚です。先日健康診断でマンモグラフィーを受けたところ、左胸微細石灰化、要精密検査ということで紹介状とフィルムが送られてきました。触診は異常なしでした。2年前に別の病院で、触診で再検査になり、マンモとエコーを受けた後、外科の先生にフィルムを見ながら、「石灰化があるけど、良性だと思うので様子を見ていきましょう」と言われました。翌年(去年)は、区の検査で触診とレントゲンのみで異常なしといわれ、今回も何もないだろうと思っていたので不安になっています。今回は健診専用の病院で検査を受けたので、その日は何の説明も無く、検査結果が郵送されてきました。不安なので精密検査を受けてみようと思うのですが、いきなりマンモトームを使用した検査となったりするのでしょうか? また、2年前の検査時のフィルムは取り寄せた方がいいのでしょうか?(今回のフィルムは封がしてあり、見ていません) 自覚症状としては生理前などにそういえば左胸が少し痛いかな、という程度でしたが、今回の結果で気になってきて、痛むような気もしてきました。去年は異常なしで、また石灰化が出たということでしょうか? レントゲンのみだと分からないのでしょうか? 「触診で異常なしなら2年前と変化なしで良性かもしれない、今回は念のため検査を受けなさいということで紹介状が送られてきた」と思いたいです。よろしくお願いします。
マンモグラフィー検診の目的は、触知しない乳癌を見つけて治療し、乳癌での死亡率を下げる事にあります。触知しない乳癌を見つけるには、マンモグラフィーで、@石灰化の形 A石灰化の分布 により、要精密検査の人をピックアップすることになります。次の検査としては、2方向撮影や拡大撮影、Echo検査、マンモトームを含めた生検等が考えられます。2年前の検査時のフィルムについては、今回と比較する事が望ましいと思いますので、取り寄せ可能であれば、お願いしてください。(文責 須田)
【No.3783】 05年04月20日 S・M
非対称性陰影について初めてメ−ルします。40歳、未婚です。人間ドックを去年初めて4月に受診、乳腺症(右・左)(疑)マンモグラフイ― 異常所見なし、乳房エコ− 異常所見なし。今年4月、乳腺症(右・左)(疑)、マンモグラフイ―非対称性陰影(疑)左と診断結果が届きました。非対称性陰影、左右の影が違う??
みなさんの相談を読み、くよくよ悩んでいるならとメ−ルしました。2〜3ヶ月後に検査してくださいでした。1月〜2月位に、脇から胸にかけて変な痛みもありました。今はありません。しこりもありません。詳しい結果を聞きに行き、また検査もする予定ですが、非対称性陰影について教えて下さい。頭から癌の文字が離れません。どうぞよろしくお願いします。マンモグラフィーでの乳房X線写真は、一般的には左右がほぼ対称的な陰影となって写りますが、一方に腫瘤(こぶ)ができれば、X線の透過が悪くなって影に変化が起こり、左右の陰影が非対称になります。従って、右と左が非対称的な陰影になっている時は、そこに乳腺腫瘤、又は何らかの病変がある場合がありますので、checkが必要です。引き続き、触診・Echo・触診で硬い場合は吸引細胞診を行う事になります。
貴女の場合、乳腺症と言われていますので、おそらく昨年4月のマンモグラフィーでも、今年と同じような所見があったのでないかと思います。(文責 須田)
【No.3782】 05年04月20日 マコト
乳首についてはじめまして、私は22歳の女子です。生理の1週間くらい前から、左胸に違和感を感じました。乳首が痛がゆい感じがして、胸も指で押すと痛いです。今は、胸の違和感はだいぶなくなりましたが、乳首は変わらず痛がゆく、赤みが出てきて、熱い感じもしてきました。血液などの分泌はありませんが、以前の相談回答に、赤みや熱さを感じたら、外科を受診せよとありましたが、何かの病気なのでしょうか。心配です。ご助言ください。
直接診察していないので、メール内容からの推測の域をでませんが、月経前1〜2週間からの痛みや張りについては、女性ホルモンの周期的変化に伴う違和感だと思われます。また、「赤みや熱感に関しては、乳腺炎の場合もありますので、念の為に外科、又は乳腺外科を受診して下さい」という回答になったのだと思います。(文責 須田)
【No.3781】 05年04月20日 K
術後半年、気になること昨秋に温存手術、年内に放射線もかけ終わりまして、今はゾラデックスとタモキシフェンのホルモン療法中です。HONo.2998で何度もお答え頂き、その節は本当にありがとうございました。最近、気になることが二つあります。一つは白血球の数です。手術前の10月は5200あり、12月の放射線治療中は4700.4500.4200と下がり、3月の血液検査では3700になりました。抗がん剤はやっていないのですが。放射線の影響が、かけ終わってから3ヶ月くらいしてから出るということはないのでしょうか。なぜ下がり続けるのか気になります。もう一つは、放射線後、乳首が1.5倍位になり、丁度ブドウのように、常にパンパンになっていたのですが、最近は元にもどりつつあります。しかし、走ったりすると乳首が痛み、黄色い液が染み出るようで、ごく僅かではありますが乳首の表面に乾いて付いている事があります。術跡からセンチネルをした腋にかけて、時に3〜4日続けて、ぴりぴり痛むことがあるのですが、そう言う時、特に乳首のほうも痛むようです。白血球のほうは、主治医の先生は「自然にまた増えていきます」とおっしゃるのですが、なぜ下がっているのかわからず心配です。乳首のことは、診察場所が他の科の患者さんと一緒のところで、男性も近くにいるので、心配なのですが、聞きづらくて聞けません。どうぞ、よろしくお願いいたします。
白血球数に関してですが、3500までは基準値ですから、現時点では基準値以内という事になりますが、引き続き検査する必要があります。
乳首の腫れや痛みは、放射線治療の照射野、又は手術野の愁訴と考えられます。放射線照射によってパンパンになっている部分については、一般的には半年くらいで落ち着いてくるようです。また、手術野に関する痛みについては、年の単位で新しい環境に慣れ、少しずつ和らいでくるようです。ご自分の体の事ですから、不安な事、わからない事がありましたら、抱え込まずに、主治医に十分ご相談下さい。(文責 須田)
【No.3780】 05年04月20日 M
3mmのガンについて32歳、20歳ごろに流産の経験あり。平成14年から子宮内膜症の治療をしています。現在はスプレキアを使用中です。2週間ほど前、乳がんが発見されました。自分で触診しても全くわかりませんでしたが、医師の触診の後、エコーではっきりと写りました。筋肉腫や、良性の可能性はまずないでしょうとのことでしたが、小さすぎるので針を刺せないとのことでした。また、次回の検診は6ヶ月後で十分でしょうとのことです。治療が必要だとしても、仕事の都合、お金の問題もあって、出来れば最短でも9月ごろまで待ちたいと思いますが、6ヶ月後まで、待っていても良いものなのでしょうか? また、本当に小さすぎると病理検査のようなものは出来ないものなのでしょうか? よろしくお願いいたします。
腫瘤(こぶ)が存在する場合、「触診・マンモグラフィー・エコー・吸引細胞診又は生検」を行ない、乳癌であるかどうかを総合的に判定します。そして乳がんであると診断されれば、引き続き治療の方向で計画が進んでいく事になります。癌を強く疑う時は、小さすぎて針が刺せなければ切除して癌かどうかを調べますが(生検)、貴女の場合、「小さすぎるので針を刺せない。次回の検診は6ヵ月後で十分でしょう。」と言われているとの事ですから、乳癌が発見されたのではなく、乳腺腫瘤が見つかり、まだ乳癌と判定されたわけではないようです。良性疾患の可能性があり、従って、腫瘤が小さいので6ヵ月後に再度チェックすることで十分ですと判断されたのだと思います。主治医にもう一度よくお話を伺ってください。(文責 須田)
【No.3779-1】 05年04月18日 mmk
癌の可能性についてはじめまして。32歳、3歳の子供がいる専業主婦です。昨年9月に市の乳癌検診で右胸の乳首3cm位外側にしこりが見つかり、総合病院の外科を紹介され受診しました。その時、自分で触れた感じでは大豆の水煮くらいの大きさで、丸っぽい感じでした。エコーと細胞を採りました。結果、「しこりは1cm位で、乳腺症、線維腺腫などの判定はつかないが良性のもの」ということで、3ヵ月後に受診するように言われました。今年の1月、エコー、マンモをしましたが、その時、そのしこりは小さくなっていました。先生も「前回より小さくなっているし、大丈夫」とのことでした。最初の受診から1月までの間、自分では多少しこりの大きさに変化があって(多分、生理によって)、しこりを中心として乳房痛もありました。常になんとなく痛いが、生理前は更に痛くなるといった感じでした。1月の時点で、自分ではしこりは小さくなったというか、細くなった感じでした。次回、半年後ということになりました。2月の終わりに、同じ右胸の下のブラのワイヤーが当る部分が痛くて、触ってみると、しこりがありました。総合病院に行こうと思ったのですが、近くのガンセンターに乳腺外来があると聞き、3月8日ガンセンターを受診しました。乳腺専門医、マンモ、エコーと全て先生が違い、予約日も別々で、結果まで約1ヶ月かかりました。エコーの時なんですが、「自分で見つけたしこりは水がたまったものと思われるが、総合病院で診てもらった方のしこりが気になる」といわれました。「急を要するような、見るからに悪性というものは見られないけど・・・」ということでした。その時、総合病院で細胞を採った話をしたら、しこりがあっても、そのしこり全部がガンではなくて、炎症をおこしたりしていたら、炎症部分の細胞を採って判定できていないこともあると言われました。総合病院で細胞を採って調べていたし、最初よりも小さくなっていたので、まさかそっちのしこりをいわれるとは思っていませんでした。エコー検査の後、二の腕、腋、鎖骨周辺などが痛くなり、自分はガンで転移しているのではないかと不安になりました。エコーから3週間後の結果報告で、「しこりの大きさは6mm、形が凸凹していびつなので、切って調べた方がいい」と言われました。6mmと小さいので、針を使った方法だと採れない可能性が高いとのことでした。やっぱり自分はガンで、腋などの痛みは転移なのかと思えて、ショックで泣き出してしまい、先生の話が聞ける状態でなく、院内で時間を置くように言われ、再び先生に話を聞きました。しこりの大きさの変化を聞くと、小さくなっているし良性の可能性が高いが、しこりの形が気になるということでした。その他、5mm程度のしこりがいくつかあったそうです。形の他には、特に悪性を強く疑うようなところはないといっていました。部分麻酔で2cm位切って調べるか、半年様子を見るかといわれました。総合病院から、資料をもらってガンセンターに行ったわけではないので、正確な大きさはわかりませんが、自分では最初から比べると、しこり全体の大きさ的には半分以下から3分の1位に思えます。結局、万が一のことを考えると早い方がいいと思うので、今週の金曜日に外来手術の予約を取ったのですが、不安でたまりません。確かに、しこりはごつごつしていますが、小さくなっています。悪性の可能性はどれくらいなのでしょうか? ガン細胞が炎症を起していたとして、しこりの大きさはそんなに変化するのですか? しこりの形というのは、そんなに重要ですか? 長くなりましたが、ご意見お聞かせ願えればと思います。
最初に3cmあった右胸乳首外側のしこりは、超音波の経過をみても小さくなってきているようですし、悪性の可能性はそれほど高くないと思います。しかしおそらく超音波では、内部が低エコーで、辺縁がギザギザした腫瘤、といった「典型的な癌の形」で見えているのかもしれません。 その場合はやはり生検で組織をしっかりと取り、確定診断をつけるのが一番と思います。がんセンターでは、総合病院からの資料や昨年9月の腫瘤の正確な情報が無く、本当に小さくなっているという確証が得られないわけですから、自施設の超音波の所見を第一に考えて、あなたに治療の選択肢を示したのだと思います。(文責 首藤)
【No.3779-2】 05年04月21日 mmk
癌の可能性について(2)HPNo.3779でお世話になったものです。早々のお返事、ありがとうございました。私の文章の書き方がまずかったのか、うまく伝わっていなかったようです。乳首の外側3cm位の所に1cm位の大きさのしこりがあったのです。「典型的な癌の形」としてエコーにうつると、やはり悪性なのでしょうか? 「典型的な癌の形」として写っても、良性のことはあるのでしょうか? 通常、癌のしこりは小さくならないと聞きましたが、1cm位のものが6mmになっても、癌の可能性はありますか? 現在、そのしこりから外側に上方向に胸の付け根位の所まで、筋状のものに触れる感じです。これも、癌を疑う原因になるのでしょうか? もし、総合病院の資料があって、しこりが明らかに小さくなっていることがわかれば、形が凸凹になっても、切って検査するほど癌の可能性を疑われないのでしょうか?
「典型的な癌の形」としてエコーに写ったとしも、100%癌であるとは言い切れません。例えば、乳腺膿瘍のエコー像も、「典型的な癌の形」の一つです。一般的には癌のしこりは小さくはなりませんが、癌の中心部が壊死を起こすと小さくなる場合も、理論的には考えられます。いずれにしても、直接診察をして、どのような検査をするのかを決める事になります。癌を疑う可能性があれば、十分説明をした上で(インフォームドコンセント)、納得されれば更なる検査を進めることになります。貴女の場合は、この検査が、生検(切って調べる)という事になります。相談室では直接診察する事ができませんので、限界があります。主治医に相談し、納得のいく治療を受ける事が大切だと思います。(文責 須田)
【No.3778】 05年04月18日 S.N.
浸潤性小葉がんについて(HPNo.3449-3)HPNo.3449ではお世話になり、ありがとうございました。先日乳房温存手術にて腫瘍の摘出を行い、10日間で退院、2週間目に病理の結果を伺ってきました。こちらで予習することもできたので手術も安心して受けることができました。病理の結果は、ステージ1、浸潤性小葉がん(1X0.9X0.9) 、ホルモンレセプターはER PGRともにマイナス、HER2もスコア1でマイナス、リンパ節転移はなし、放射線照射については通常の25日間に5日間追加を予定しているということでした。ホルモンレセプターがマイナスだったので、放射線照射後の治療は何もしないとのことでした。これに関しては「何もしないということは、再発・転移に関してなにも予防することができないのか」ということが心配です。担当の先生も、リスクがあるとすればそれがリスクになるとのことでした。保険としてフルツロンを1年間服用することになりました。浸潤性小葉がんという病理結果でしたが、これは発生率としては低いものと聞きました。先生は特に心配することはないとおっしゃっていましたが、ネット等で調べると「予後はよくない」という記述を数箇所で見ました。「予後がよくない」とは? 他の多数のがんとの違いも気になります。また、「しこりを作りにくく遠隔転移もおこしやすい、反対側の乳房での再発も多い」というような記述もありました。担当の先生はその性質等に関しては言及されなかったので、ホルモン療法ができないことと合わせて大変気になり始め、こちらへメールさせていただきました。浸潤性小葉がんについて教えていただけたらと思います。また、フルツロンの効果などについてもお願いします。今後も前向きに治療を受けていきたいと思っております。これからもよろしくお願い致します。
浸潤性小葉癌は浸潤がんの特殊型の一つです。乳癌は組織学的にミルクが通る乳管と、その末梢にある小葉の中間のTerminal Duct Lobular Unitといわれる部分から最初に発生するといわれており、できた癌細胞の形態が乳管細胞の方向にいけば乳管癌、小葉の細胞方向に向かうと小葉癌となると考えられます。 臨床的には、「@癌細胞がびまん性に(ばらばらに)乳房の中に拡がることが多く、乳房温存術を施行する場合にはしっかりとしたマージン(辺縁)をとること、および温存乳房に対する放射線療法を行うことが大切 A転移の仕方が乳管癌とやや異なり、乳管癌は肺、肝臓などへの転移が多く、小葉癌は髄膜、腹腔内の内臓などにも転移することがある」と言われています。
確かに予後的には乳管癌よりも悪いと言われていますが、StageIの場合は、一般的な乳管癌よりも良いという報告もあります(著者 DiCostanzo D 雑誌名 Am J Surg Pathol 1990年 14巻 12−23頁 題名Prognosis in infiltrating lobular carcinoma:an analysis of classical and variant tumors.)
今後の治療ですが、これは小葉癌、乳管癌という組織型よりも、やはりザンクト・ガレンの推奨に従って治療方針を決めるのがよいと思います。あなたの場合ホルモンレセプターが陰性であることから、少なくともIntermediate Riskに入るわけで、腫瘍径は小さくとも、基本的には化学療法となると思います。保険としてのフルツロン一年ですが、残念ながらエビデンスに欠けるようです。やはりCMF、FEC、ECなどの化学療法が薦められると思います。(文責 首藤)
【No.3777】 05年04月18日 YM
生理についていつもお世話になっています。現在43歳です。2002年に左温存手術をうけ、TAMO5年、ゾラ2年の治療を受けました。ゾラ投与終了をして、丁度一年になります。生理が戻ってくることを期待してこの治療法を選択したのですが、今のところまだです。このまま更年期症状が続くと思うと不安ですし、体調も安定しません。稀にこの治療法でも閉経してしまう人もいると聞いていますが、私くらいの年齢ですと、生理が戻ってくる可能性はどのくらいあるのでしょうか。どうぞよろしく、お返事お願いいたします。
あなたのご年齢で、ノルバデックス5年+ゾラデックス2年のホルモン治療を終了後無月経であった場合、かなり高い確率で閉経してしまう確率が高いと思います。たしかにこのまま更年期障害が続くことも考えられますが、術後のホルモン補充療法は原則的に推奨されません。予後的に考えますと、腋窩リンパ節転移陽性でホルモンンレセプタ陽性乳癌(閉経前)では、月経周期が戻った場合とそのまま閉経された場合を比較すると、閉経されたほうが再発率が低いのも事実です。(文責 首藤)
【No.3776】 05年04月18日 Y.S.
細胞診総合病院の乳腺外科で、触診とエコーとマンモの結果、乳がんの疑いがあると言われました。しこりは5ミリくらいと言われました。疑わしい場合、次にする検査はMRIとDrはおっしゃり、「細胞診は今の段階ではあまりやりたくない。飛び散ってしまう場合もあるし。病院によってはすぐ細胞診をやるところもあるが。もしMRIでガンとわかれば、手術の1週間くらい前にやればいい。でもどうしてもあなたが今細胞診やってはっきりさせてくれと言うならやってもいいが・・・」
いきなり”乳がんの疑いがある”と言われて動揺し、「細胞診は今の段階ではあまりやりたくない・・・」と言うようなことだったので、MRIを受けることにしました。病院により、またDrの考え方により診断方法が違うのでしょうか? DrはMRIで判断がつかなければ細胞診をやると言っていました。良性だとしても手術して取った方がいいと言いました。もしMRIの結果ではっきりとガンとわかった場合、細胞診をやらずに手術を予約してしまってよいのでしょうか? 細胞診で良性か悪性かが分かるのではないのでしょうか? MRIでガンと確定できるのでしょうか? 一応細胞診もやってもらった方がいいのでしょうか? 教えてください。乳癌診断検査としての細胞診の弊害としては、針の進入部の皮膚の中に癌細胞がトレースとして残ってしまう、という考えがあります。しかし実際の臨床で、細胞診を行ったがために局所再発を起こした、ということはまず考えられないですし、「飛び散ってしまう」という考えかたは少し疑問です。MRIは確かに、特に1.5テスラ以上の最新式のMRIですとその診断能力は高く、施設によっては診断率が非常に高いことも考えられます。したがってあなたが受診されている施設も多くの乳房MRI症例経験があり、診断力が高い施設であると推察されます。MRIなどの画像診断だけで癌と診断されて手術される場合、原則的には手術中にまず迅速病理検査を行って、組織学的に明らかに乳癌である、という確定診断を得てから乳癌手術を行うのが大原則と思います。(文責 首藤)
【No.3775】 05年04月18日 K
炎症性乳がんとは?38歳既婚、子供1人。1ヶ月ほど前に、お風呂に入った時、ピリッとする痛みを右乳輪のすぐ脇に感じました。私もずっと前から乳首の痒みがあるほうなのですが、引っかいた後のようになっていました。市販の薬を塗ったら赤みは収まったのですが、まだ少し茶色く、なかなか後が消えません。母が乳がんで亡くなっているので気になります。炎症性乳がんの症状ではないのでしょうか?
炎症性乳癌とは、乳癌細胞が乳房の皮膚のリンパ管(リンパの流れる小さな管)に多数入り込んでリンパ液の流れが滞り、赤くなったり皮膚が肥厚してオレンジの皮の様になったりした状態をいいます。一見すると乳房全体が炎症を起こしたように見えることからその名が付いていますが、一般的な細菌感染による炎症を伴う乳癌というものではありません。メールで拝見するに、いわゆる炎症性乳癌とは考えにくいのですが、やはり一度専門医の診察をお受けになることをお勧めします。(文責 首藤)
【No.3774-1】 05年04月18日 E.Y.
乳首・乳輪部のかゆみ・ただれこんにちは。もともとアトピー体質ということもあり、10年ほど前から左右両方の胸の乳首・乳輪部分にかゆみがあります。特に生理前になると胸が張るため、かゆくなり、その部分がただれて黄色い汁のようなものが下着につくほどです。皮膚科にも何度かかかり、塗り薬をもらっていますので、それを塗ると一時的にはよくなるのですが、また生理の時期になるとかゆくなる・・・の繰り返しです。現在妊娠しているのですが、妊娠初期から胸が張っているため、かゆみの症状がひどいです。やはり薬で抑えてはいますが、薬を塗らないとただれたようになってしまいます。もしやパジェット病かもと心配になり、近々乳腺外科を受診してみようと思っています。そこで質問なのですが、妊娠中ということもあり、マンモグラフィーは受けられませんので、エコーのみとなると思いますが、診断は可能でしょうか? また、左右両方に同じような症状がでていますが、やはりパジェット病の可能性というのはあるんでしょうか? 乳腺外科の先生なら、通常パジェット病に関しては、きちんと診断ができるのでしょうか? 皮膚科の先生には、簡単に『アトピーですね』と言われているのですが、心配です。お忙しいとは存じますが、よろしくお願いいたします。
10年という長い経過から考えるとパジェットの可能性は低いと思いますが、ご心配でしょうし、一度乳腺専門医の診察をお受けになったらよいと思います。パジェット病のきちっとした診断ということですが、基本的には所見として乳頭中心の難治性のびらん、ただれ、という形であらわれ、診察してパジェットを強く疑うのであれば確定診断として皮膚生検を行うと思います。(文責 首藤)
【No.3774-2】 05年05月08日 E.Y.
パジェット病が心配ですこんにちは。先日はご相談にのっていただき、ありがとうございました。4月18日にHPNo.3774でご相談にのっていただいた者です。あのあと、乳腺外来を受診しました。診察は、視診、触診とエコーを行いました。その結果、エコーからは『妊娠中特有の変化以外はみられない』事と、『乳首・乳輪部分のただれが左右両側にできていること』から、心配ないでしょうということでした。「パジェット病が心配なのですが、組織を検査したりしなくてよいのでしょうか?」と質問したところ、その必要はないということでした。皮膚科的な治療をしてくださいと言われました。先生にはある程度目で見て、疑いがある・ないが、わかるものなんでしょうか? また、パジェット病の診断にもエコーでの診断というのは有効なのでしょうか? たびたびで申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
貴女の場合、妊娠中(初期?)であることからマンモグラフィやCTなどの放射線を使用する検査はお勧めできません。10年以上の経過があること、両側性であること、年令が若いことなどを考慮すれば、パジェット病はまず否定的です。組織検査は乳頭の一部を切除するため、授乳の障害になる可能性もあります。パジェット病が否定的な現状では組織検査の必要はないと思います。アトピー性皮膚炎がある場合、乳頭の先が痒くなったり、乳頭がただれて透明(やや黄色)の分泌物を認めることは少なくありません。インターネット等の情報は完璧ではありません。このような不確かな情報に惑わされず、実際に診察して下さった主治医の診断を重視するようにしてはいかがでしょうか?あまり心配し過ぎるとお腹の赤ちゃんにも良くありません。この場は一安心ということで、元気な赤ちゃんを産んで下さい。(文責 千島)
【No.3773】 05年04月18日 K.S
脇下の痛みについてこんにちは。36歳(既婚、子供二人)です。昨年5月に断乳後、お乳を6月にしぼったところ、右一箇所から血乳がでました。ばい菌が入ったのかと様子をみていましたが、量は減ったものの、8月に又しぼったところ、少し血乳があり、あわてて大学病院にいき、マンモグラフィーと超音波検査を受けました。細胞検査は、そのときに血乳がでなかったため、できませんでした。マンモと超音波の結果は異常なしでした。その後、12月になって絞ってみたところ、まだ少し血乳がでたので、今度は大学病院に勤務する先生が開業された乳腺外科にいきました。そこで、細胞検査をしたところ、結果はクラス2で、細菌が入っているような反応がみられるとのことでした。しかし、その後、1月になり、右脇下に痛みがあり、3月にまた血乳がみられたので、病院にいったところ、「マンモと超音波の検査をしましょう」といわれ、結果何も異常がみられませんでした。そのときに、先生が右脇下を触り、「少し腫れているが正常範囲です。ホルモンの関係で痛みを感じる場合がありますが、気にし過ぎかも。」と言われましたが、今も毎日少しですが時々痛みを感じていて、不安な日々を過ごしています(生理が終っても痛みがあります)。三ヶ月後にまた来院することになっていますが、別の病院でみてもらったほうがよいのでしょうか? お忙しいとは存じますが、どうぞ回答のほう、よろしくお願いいたします。
血性乳頭分泌の約3割に悪性腫瘍(がん)がみられる、といわれています。裏返すと約7割は悪性ではないのです。2施設とも乳腺専門医が診察をしているようですし、現状では三ヶ月後の再診でよろしいのではないでしょうか。その間自己触診をお願いします。分泌の出具合が変わったとか、しこりを触れるようになったなどの変化がある場合には、次回予約前に受診されることをお勧めします。(文責 首藤)
【No.3772】 05年04月18日 F.Y.
cancerでしょうか?先日、触診・レントゲンでは異常なしも、超音波検査で問題あり。針を刺しての細胞検査をしましたが、結果は「?か小さすぎて判定できず」、二ヵ月先に再検査を受けるように言われました。一応、乳線スクリーニングの結果、
1)腫瘤形成性病変 なし
2)腫瘤非形成病変 あり @乳管拡張 A多発小嚢胞像:なし B乳腺内低エコー:あり (部位 境界不明瞭な低エコー:あり 右CD 構築の乱れ:なし)
コメント
右CDにareaに3.5*4.1*4.2oのhypoechoic area(+)、mastopathyの変化を疑いますが、LTRの大きいmassのようにもみえます。ABCしました
診断 MP(,ST) 3 とのことです
右脇奥に何となく鈍い痛みと言うか何かを感じますが、cancerでしょうか?所見を拝見するに明らかな悪性(がん)とはいえないようです。経過観察として引き続き受診されることをお勧めします。(文責 首藤)
【No.3771】 05年04月18日 Y.Y.
マンモグラフィーを受ける頻度についてマンモグラフィーについて質問があります。35歳で、子供は一人です。私は左側に9ミリのしこりと、おそらく別の場所にカテゴリ3の石灰化があり経過観察中ですが、会社の健康診断所では、しこりは90%良性で、石灰化は線状になって分布があやしいため、石灰化の経過を追っていくということになりました。3ヵ月後に念のために受診したT医大では、「石灰化は年齢的によくあることで、石灰化よりしこりの経過を追っていく」と言われました。健康診断所の先生は外科の先生のようですが、図などを使って非常に丁寧に私が納得いくように説明してくださいました。また会社から援助が出ているのか、無料で超音波や診察をしてくれました。T医大は乳腺専門医がいて、乳癌の手術成績もトップクラスに載るような病院らしいのですが、説明がほとんどなく、質問してもはぐらかされてしまうような印象を受けました。T医大では半年後の検査の予約を入れてしまいましたし、健康診断所ではあまりお金がかからなく、納得のいくまで説明してくれるので、どちらで受診すればいいのか判断できません。場合によっては、3ヶ月くらい時間差を置いて両方で受診しようと考えていますが、マンモグラフィーの画像も持ち出せずに両方で受けることになってしまったり、画像が不鮮明で撮り直しになってしまった場合は、一年に3回以上受けることになりますが、身体によくないですか? マンモグラフィーは被爆という観点から考えて、一度受けてから最低何ヶ月置いた方がいいですか?
マンモグラフィですが、各施設でおとりになったマンモグラフィはセカンドオピニオン時など、患者さん本人への貸し出しに応じるはずですので、担当医師にその旨お話になればいかがでしょうか。ただし各施設でマンモグラフィの条件が微妙に違うため、経時的変化をみるのでしたら同一施設で続けてとった方がよいでしょう。線量は一回被爆量が3mGy以下となるように基準がおかれています。これは例えていうと東京−ニューヨーク間を飛行機で行くときに浴びる自然放射線(宇宙線)の量の約半分です。したがって、年に3回程度の撮影が問題になるとは思えません。ご指摘のごとく、大学病院、健康診断機関とも、それぞれ一長一短です。どちらが良い、と断定することは難しいと思います。(文責 首藤)
【No.3770-1】 05年04月18日 F子
乳がんの可能性についてはじめまして。32才・既婚・子供1人です。先日会社の乳がん検診で精密検査が必要との結果が出ました。近日中に専門医の診察を受けるつもりですが、乳がんの可能性について先生の意見を伺いたくメールします。検診結果としては、「・マンモグラフィ 所見なし ・超音波 左右ともに拡張乳管 左 乳頭腫 ・乳頭分泌 左右ともに有 潜血反応 左右ともに無」という内容でした。ちなみに家族・親戚に乳がんの既往症の人はいません。ご意見をおきかせください。
乳癌の可能性を示唆する所見には乏しいようです。ご指摘のごとく、乳腺専門医の診察をお受けください。(文責 首藤)
【No.3770-2】 05年04月21日 F子
乳がんの可能性について(2)HPNo.3770でご回答いただいたものです。大学病院の乳腺甲状腺科で、精密検査としてマンモ・エコーを行ないました。マンモでは異常な所見は見られませんでしたが、エコーで左胸にしこり(触診ではしこりには触れませんでした)のようなものがあるとのことで(クラスVとのことです)、「おそらく良性だと思うが念のために針をさして細胞の検査を行う」と言われ、来週結果がでる予定です。先生は、「99%良性だと思われる。もし悪性でも今の段階なら胸を切らずに切除することができるので心配ない」と言われました。もし悪性だった場合でも、時期によっては先生のおっしゃるとおり難しい手術をしなくても治療することができると考えていいのでしょうか?
「胸を切らずに切除」とは、乳房温存手術の事を指しているのでしょうか? 「難しい手術」「難しくない手術」とは、どのような手術を指しているのか、メール内容からは判断しかねますが、乳癌における乳房温存手術は、一般的な手術です。まだ癌であると診断された訳ではありませんので、悪い方向にばかり考えず、結果を待っていただければと思います。(文責 須田)
【No.3769】 05年04月16日 T-M
右脇下のしこりについて右脇下のしこりについて、相談させていただきます。32歳、6歳の子供あり。月曜日(4/11)、入浴中に右脇下に痛みを伴う、赤くプツっとしたしこり(小指の先ほどの大きさ)をみつけました。日に日に痛みが増し、腫れたニキビかと思いまして(ニキビのできやすい体質です)水曜日につまんで潰そうとしました。その時はほんの少しですが、白い膿のようなものが出た気がします。その次の日、腕をあげると脇全体に痛みがありました。脇全体の痛みは今(4/15)はだいぶ治まりましたが、やはり、しこりをさわると痛みがあり、大きさがはっきりとわかるようになりました。疑わしいものなのでしょうか? もし、検査をしなければならないとなれば、乳腺外科でなければいけないのでしょうか? 外科ではダメでしょうか? どうぞ、よろしくお願いします。
メールから推察するに皮膚疾患のように思われますが、確信しかねます。お近くに乳腺外科がないようでしたらまず外科受診されることをお勧めします。(文責 首藤)
【No.3768-1】 05年04月16日 N
局所再発について初めてメールいたします。現在39歳、既婚、1歳になる子供がいます。2001年12月に左乳房摘出同時再建しました。非浸潤ガン、センチネルリンパ節生検でリンパ節転移なし、HER-2 (3+)、ER(1+)、PgR(−)で、グレード2との事でした。きちんと取り切れたので、治療は必要ないと言われ、なにもしていません。2004年12月に、定期検診で、エコー、マンモでは問題なかったのですが、手術時に残した乳頭部分に赤いニキビのようなできものがあり、検査したところ、「表皮、真皮の深部にadenocarcinomaの浸潤がみられ、papillo-tubular carcinomaの一部とも考えられます。左乳ガンの皮膚転移とみて矛盾しません。」という病理結果が出ました。浸潤ガンで、局部再発ではなく全身転移なので、どこに転移しているかわかっても治療方法は一緒ですからとのことで、それ以上の検査はしてもらえませんでした。転移先がわからないまま、次の受診まで1ヶ月も開いてしまう不安から、別の病院に転院。骨シンチほか、CTなど、通常転移しているかどうかの検査はすべて転移なし。乳頭を残した結果、取り残しと考えられる局所再発ということになりました。リンパは、検査的に2つほどとり、転移なし、再建部分を含め全摘出しました。ER (−)、PgR (−)、HER-2(3+)という結果です。パジェットのようなガン細胞所見だそうです。ということで、乳房をすっかり取ってしまったので、これまた、治療の必要はないと言われました。もしするなら、ハーセプチンを3週間に一度といわれました。前回のこともあり、抗ガン剤やハーセプチンの治療を行わなくてもいいのか、行わなくていいならそれにこしたことはないのですが、不安を抱えております。長くなって申し訳ありません。ぜひ、お知恵をお貸しください。よろしくお願いいたします。
最初の病院で切除した赤いニキビの部分が浸潤がんであったということですが、それが@局所再発(残した乳頭周囲の中にできた非浸潤がんの一部が浸潤がんになった)なのか、A全身転移の一部としての皮膚転移巣なのか、で話が全然違ってくると思います。最初の病院で「全身転移」と診断されたのであれば、引き続きホルモン療法(化学療法)等の治療が行われるのが通常ですね。次の病院では乳頭を摘出し、おそらく摘出した部分に非浸潤がんの所見があり、前回の病理所見と同じなので局所再発であろうと診断されたのかと思います。となると問題は最初の赤いニキビの部分の解釈ですので、赤いニキビの部分の病理所見を2番目の病院でもう一度検索してもらってはいかがでしょうか。標本は前医に頼めば借用が可能なはずです。最初のニキビの部分と、今回の温存乳房内の所見を合わせて本当に局所再発なのか、あるいは全身転移の可能性があるのかを総合的に判断してもらうのがよろしいかと思います。(文責 首藤)
【No.3768-2】 05年04月20日 N
局所再発について(2)HPNo.3768で回答をいただいきました。ありがとうございます。局所再発か全身転移の一部かどうかについてですが、医師からもらった病理検査報告書から、全身転移であると、どの部分から判断がでたのか、よくわかりません。教えていただければ幸いです。
@ 病理組織学的診断「Skin tissue infiltrated by adenocarcinoma」表皮、真皮の深部には明らかなadenocarcinomaの浸潤がみらます。 papillo-tubular carcinomaの一部とも考えられます。左乳ガンの皮膚転移とみて矛盾しません。という報告から、全身転移という診断は普通つくものなのでしょうか。
A 局所再発と全身転移の一部としての皮膚転移巣との違いは、通常、どのように区別されるのですか?
何度も申し訳ありません。よろしくお願いいたします。2001年12月に非浸潤癌の手術を行っていますが、2004年12月の病理所見において、「2001年の非浸潤癌の一部が乳頭部位に残っていて、3年後に浸潤癌になった」と考えられる所見があれば局所再発と致しますし、このような事が全く考えられないような所見であれば全身転移の一部としての皮膚転移、又は異時性の多発乳癌であると考えます。
1)局所再発を支持する所見: 2番目の病院での摘出標本に非浸潤癌の所見があると思われる事。骨シンチ・CT等の検索で転移が無い事。
2)全身転移の一部としての皮膚転移を支持する所見: 赤いニキビの部分が左乳癌の皮膚転移として矛盾しない事。
3)異時性の多発乳癌を支持する所見: 最初の乳癌 ER(+)、 2度目の乳癌 ER(-)。
1)2)3)の所見を病理医が総合的に判定して、どちらが考えられるかを決定する事になります。実際の摘除標本をみて判断する事ですので、これ以上の事は相談室では限界があります。納得のいく治療を受ける事が大前提だと思いますので、主治医に病理学的な検討をお願いして下さい。(文責 須田)
【No.3767】 05年04月16日 M.I.
inivasive micropapillary carcinoma以前に2回も質問に答えていただき、丁寧な説明をありがとうございます。乳がんの病理結果の中にinivasive micropapillary carcinomatoと書かれておりますが、これは乳頭腺管がんとは違うのでしょうか? インターネットで調べても分類の中に含まれていないようですが、特殊ながんなのでしょうか? 17年前に姉を炎症性乳がんで発症から半年で亡くしました。遺伝的な素因があるとしたら自分も姉のような悪性度の高い特殊ながんではないかと、とても心配です。
inivasive micropapillary carcinomaは比較的最近になって分類されてきた浸潤がんの一つで、乳癌全体の1〜3%です。inivasive micropapillary carcinomaは、一般的な浸潤性乳管癌と比較して腋窩リンパ節転移の頻度が高いことで知られています。しかし最近の報告によれば、確かにリンパ節転移の頻度は高いものの、Stage別の予後に関しては一般的な浸潤がんと比べて特に悪くはなく、ほぼ同様であるとされています。遺伝的要素に関しては未だ不明です。参考文献 著者Nassar H 雑誌名Mod Pathol 2001年 14巻 836−841頁 題名「Clinicopathologic analysis of invasive micropapillary ddifferentiation in breast cancer」(文責 首藤)
【No.3766】 05年04月16日 M.M.
ECの副作用現在術後の補助療法として、EC4クールのうち3クールが終わったところです(ファルモルビシン125mg・エンドキサン1006mg)。回を重ねるごとに副作用が強くなり、前回は入院もしました。症状としては、点滴後3日間くらいは吐き気程度なのですが、3日目ごろより経験したことのないようなすさまじい倦怠感と脱力感・全身、特に頭部のしびれと冷感・神経過敏症状(まぶしくて目があけられない・人の話声など音が響く)…というようなもので、問題はそれがとても長く続くことです。前回は10日くらい寝込んで、3週間たった今も時々寝込みます。頭部のMRIでは特に問題はありませんでした。私はリンパ節転移も5個あり、高リスク患者です。術前のタキソール(12回)では、腫瘍はかなり縮小したものの、中で癌細胞が生きていたので、評価は1aと低いものでした。ECをしっかり受けないと、再発は避けられないと思いますが、このままでは4回目が受けられないと危惧しています。
1) このような副作用の強い状態でも、やはり4クール完全に受けておいた方がよいでしょうか。3クールと4クールでは、やはり効果が違うでしょうか(今度受けると一生ダメージを受けてしまうのではないかと恐れています)。
2) あまりこういった副作用を見聞きすることはなく、主治医も治療法がない状態のようですが、先生のご経験の中ではいかかでしょうか。何かよい治療法はありますでしょうか。
3) 別の抗癌剤に変えるとしたら、どういったものがよいでしょうか。
お忙しいところ、大変お手数ですが、よろしくお願い申し上げます。EC療法は4回を原則として確立された治療法ですので、3回で終わった場合との比較は困難です。原則的にはせっかくEC療法をがんばっておられるのですから、4クール完遂された方がよいでしょう。3日目から増悪しているとのことですが、おそらく化学療法後3日程度はステロイド等の吐き気止めが処方されていて、それで内服している期間は軽減しているのではないでしょうか。最終クールですが、大変副作用に苦しんでいらっしゃるようですし、前回の如く入院されて抗癌剤を受けられることをお勧めします。副作用対策もよりきめ細かい処置が可能でしょうし、外来通院よりも不安度が低いと思います。 (文責 首藤)
【No.3765】 05年04月16日 K.S.
放射線治療後の患部のビリビリ感妻の乳癌放射線治療についてお伺いします。去る2月21日乳房温存法で1/4乳房切除、ステージ1で、リンパ腺転移なしでした。ホルモン療法と、3月24日より放射線照射を受けています。照射後5時間位乳房のピリピリ・チクチク感が強くなります。放射線医師は、「放射線ではそのようなことはおきない、創部の治る過程でしょう」と言われます。心配ないものでしょうか。
放射線療法では温存乳房とともに皮膚にも照射されますので、状況により皮膚炎の症状を呈することがあります。ぴりぴり感は皮膚の刺激としても不思議でないですし、そういった症状を訴える方もいらっしゃいます。いずれにしましても重篤な症状ではないと思います。(文責 首藤)
【No.3764】 05年04月16日 HM
経過観察で大丈夫でしょうか?こんにちは。45歳です。毎年超音波で調べていました。去年の秋にマンモをして左にほんのわずかMASSがあると検診にかかれていて、外科に行きました。検診でひっかかった人を見る医師がおられ、マンモと超音波をみて、「マンモに白いのがわずかに映りますが、形からして良性。超音波では映りません。というか、しこりというものは映らず、マンモのうつるあたりを見て脂肪かも」と。触診では医師はわからないというか、特にふれないということです。10月と1月に検査したわけです。次は半年後でも3ヶ月後でもいいと言われました。細胞をとるのはどうしても私が心配ならということですが、マンモで小さく、超音波でもうつらない段階のため、経過観察、まず良性ですねと言われました。石灰はありません。マンモにうつるわずかな白いものは何かわかりません。これは消えることもありますか?
推察するにいわゆる乳腺症としても矛盾しないと思います。超音波でMASSがあれば超音波ガイドに、またマンモに石灰化があればその部分をマンモグラフィ併用で、細胞診または組織診することは診断的意義があると思います。乳腺症に伴う変化であれば症状の消失も考えられます。基本的には経過観察でよろしいかと存じますが、経過観察といっても次回診察まで放置するのではなく、やはりその期間に自己触診されることをお勧めします。何らかの変化があれば次回予約より早めに受診されてください。(文責 首藤)
【No.3763】 05年04月16日 B.B.
エコーで発見された白い影についてはじめまして。先日左胸と脇の間ぐらいが3ヶ月程前からちくちく痛む事があったため(特に寒い日や雨の日などが痛むが、普段は痛まない)、乳癌検診を受けに行って来ました。マンモグラフイと触診では何もなかったのですが、エコーでちょうど痛みを感じる部分に1センチぐらいの影が映っていると言われました。年齢は32歳、子供一人です。今血液検査の結果待ちですが、恐ろしくて何も手につきません。先生は乳癌の確立は低いとはおっしゃってくれたのですが、しこりもなくてマンモで発見されなくてもエコーで発見される場合があると書いてあるのとか見て怖くなってきました。やはり乳がんの可能性は否めないでしょうか? 乳癌でなければ他にどんな病気の可能性が考えられますか?
超音波検査の場合、指摘された1センチの影がどのような形態なのかによって、「影」が癌かどうかを診断していると思います。主治医の先生が乳癌の確率は低いとおっしゃったのは、「影」の形態が癌らしくない、ということでしょう。 このような場合、他の診断として良性の腫瘍(線維腺腫など)やいわゆる乳腺症などが考えられます。(文責 首藤)
【No.3762】 05年04月16日 C.F.
乳頭付近のかゆみはじめまして。いきなりですが、ご相談があり、勇気を持ってメールをさて頂きました。私は24歳で、未婚、出産経験もありません。15歳くらいから両胸の乳頭付近にかゆみを感じ、しばしばかきむしっています。そして、ひどいときには乳頭脇から出血をしていました。だいたい生理前後に多いのですが、最近は、ほぼ毎日かゆみを感じ困っております。何か原因があるのでしょうか?また、ここ半年くらい右乳房の下側を押すと痛みを感じます。そして、本日右鎖骨下に、ちくっとする痛みを感じました。心配ないと思っていましたが、気になりますのでメールさせていただきました。返答お待ちしております。
おそらくかゆみに対しては慢性の皮膚疾患ではないかと推察いたしますが、ご心配のようですし、一度お近くの乳腺外来を受診されることをお勧めいたします。(文責 首藤)
【No.3761】 05年04月16日 N.Y.
病理検査結果などの用語の意味についていつもHP参考にさせていただいておます。下記の用語の意味を日本語でわかりやすく説明していただけないでしょうか? つづりの読み取りが正確でないかもしれませんが、よろしくお願いします。
1)傷病名 右乳癌(T2N0M0、pT2pN1bApM0)←左のT2N0M0の意味はわかるのですが、右側の記載が左と違うのは術後の結果でしょうか?またAというのは何でしょうか?グレードでしょうか?
2) [骨シンチの結果報告書]
頭頂部にはやはり集積増加あり。前回と集積の程度や範囲比較ください。
今回右上腕骨頭部と仙骨部には集積増加あり。性状については確定困難で転移は否定できません。また、右乳房部分にはRIの斑状の集積増加あり。術後の炎症性変化やRTの影響など。四肢関節の集積増加はOAなどの炎症性変化疑い。←RI・RT・OAとは何ですか?
3) [脳のMRI検査報告書]
右頭頂葉白質に2〜3mmのT、WTでlem、T、WT、FLAIRでhigh intemityな病変あり。虚血域かもしれませんがmeta11/0。 右前頭葉白質にも同様の病変あり。MRAにて血管に狭広不整はみられません。
以上正確な意味がわからない点です。どうぞよろしくお願いします。1)左側は臨床所見を、右側の記載は病理所見をもとにした分類です(Pathological Classification)。iiの意味は分かりかねます。
2)RI ラジオアイソトープ 注射した核物質です。 RT Radiational Therapy 放射線治療でしょう。 OA 分かりかねます。
3)high intemity? high intensityではないでしょうか? meta 11/0 →meta R/Oでは? 申しわけありませんが正確な解釈はできません。
1)〜3)についてやはり主治医からの説明を直接求めていただけないでしょうか。 申しわけありませんが診断医のサイン・印の入った書類の記載に対してあまりにも推測が多くなってしまいますので。(文責 首藤)
【No.3760】 05年04月14日 A子
乳輪下膿瘍はじめまして。高校3年生です。高校1年の時の心電図の検査の時に片方の乳輪の端に小さなかさぶたができていることに気付いて、それから数日後にポロっととれたら黄色っぽい液が出てきました。数日たつとまた固まってかさぶだみたいになるのですが、またポロっととれて液が出ての繰り返しで、高校3年になってもずっと治っていません。最初は小さかったのですが、今は乳輪全体がそうなってしまっています。乳がんなのではと不安です。親にも言えないし、どういたらいいでしょうか・・・。
かさぶたができるのは乳頭ではないのですね? 乳頭の周りの乳輪にかさぶたができて黄色い液が出るということを繰り返すのであれば、典型的には「乳輪下膿瘍」などの慢性的な炎症が考えられます。乳腺外来でも比較的よくみられる乳腺の炎症性疾患で、ガンではありません。かさぶたがもし最初から乳頭部にできる場合は、乳腺の内部の乳管というミルクが通る管の中に問題があることがあり、要注意です。いずれにしても乳輪全体に拡がっているということですし、ご両親にもよく相談されて、一度お近くの総合病院を受診されることをお勧めします。(文責 首藤)
【No.3759-1】 05年04月14日 M・T
外来で手術することになったのですが・・・左乳頭から血性分泌物あり、エコーにて8ミリのしこりで、位置的には乳頭に近くにあります。最初に受診した病院では乳管内乳頭腫と言われていましたが、今の病院では典型的な乳管内乳頭腫とはいえないとのことです。レントゲンでは異常ないようです。分泌液の細胞診は悪性のものはないとのことで、組織診でも同様ですが、導管過形成といわれています。ただ乳管造影では乳管内乳頭腫の所見ではなく、導管過形成あるいは悪性の所見でした。結果、外来で局所麻酔にて手術することになりましたが、この方針でいいのでしょうか? 私としては主治医の意見に従おうとは考えているのですが、念のために他の先生のご意見も伺いたくメールしました。よろしくお願いします。
乳頭からの血性分泌物があり、原因検索として超音波検査や乳管造影も施行されていらっしゃるようです。前述の各種検査でも診断には至っていないわけですし、次のステップとして生検検査は妥当と思います。(文責 首藤)
【No.3759-2】 05年05月02日 M・T
外来で手術しました先日はアドバイスありがとうございました。左乳頭からの血性分泌液は異常なし。コア生検は導管過形成、乳管造影は導管過形成あるいは悪性とみられる所見とのことでした。そのため、先日外来で局所麻酔にて色素を乳管に入れて摘出しました。今結果待ちなのですが、コア生検した部分は左乳房の脇の下の方で、手術した部分は乳頭から切開し、そこから3センチくらい組織を取りました。エコーで確認して行ったコア生検の部分と乳管造影のフィルムを参考に、手術した部分が離れているように思うのですが・・・。どうなのでしょうか? よろしくお願いします。
直接拝見したわけでないので、詳しいことは申し上げられませんが、コア生検はしこりそのものがターゲットであり、今回の手術は乳頭からのびる乳管がターゲットと、これらの部位が少しずれるのはありうることだと思います。(文責 谷)
【No.3758】 05年04月14日 miyu
右脇下が定期的に熱くなるのを感じます教えて下さい。今日朝から右脇下の少し下あたりが定期的に熱くなるのを感じます。最初はその時だけかと思ったのですが、この調子だと今後も続きそうです。現在授乳中の為、乳腺炎なのか乳癌なのかと心配しているところです。すいませんが病名お分かりになられましたら、教えて下さい。宜しくお願い致します。
申しわけありませんが、メールの内容だけでは判断しかねます。授乳中でいらっしゃるとのことで、一般的には乳腺炎等が考えやすいです。お近くの病院の乳腺外来を受診されることをお勧めいたします 。(文責 首藤)
【No.3757】 05年04月14日 H
健康診断での「乳腺腫瘤の疑いについて」の所見についてお世話になります。現在、以下のような状況で悩んでおります。お忙しいところ恐縮ですが、ご指導をいただければ助かります。29歳(あと3ヶ月で30歳)、独身で、出産経験はありません。2004年3月の人間ドッグにて、「乳腺症」と言われました。一年後に検査が必要とのことでした。2005年3月の人間ドッグでは、マンモグラフィーで「乳腺症 左右」、超音波で「乳腺腫瘤の疑い 右」となりました。半年後に検査が必要とのことです。また、その前の触診では、しこりが左右の胸全体に散らばっているタイプと言われました。現在の症状としては、自己触診すると、5mmくらいの硬いもの(しこり?)が複数あります。乳頭の下と、乳房の外側の部分に感じます。左胸が時々痛みます。針の先でなでられるような痛みで、我慢できないほどではないです。左右とも、乳頭・乳輪部にほくろ状の小さなできものが複数あります。最近、乳房の元の方にもでき始めました。
1)乳腺腫瘤とは何なのでしょうか? かなり悪いものなのでしょうか。乳癌に移行していくことを恐れたほうがいいのでしょうか。
2)自然に良くなるということもあるのでしょうか。これから、悪くなる一方なのでしょうか。
3)一度、専門医を受診しようと思っておりますが、病院の選び方の目安はありますか?(放射線科、乳腺外科のどちらがよい等) 半年後まで不安な日々を過ごせそうもないので、早めに受診したいと思っております。
どうかアドバイスをお願いいたします。メールで拝見する限りでは「乳腺症」の状態としてあまり矛盾しないと思いますが、一度乳腺専門医を受診されてはいかがでしょうか? 乳腺専門医は「日本乳癌学会」のHP内にリストがありますので、お住まいの都道府県内の専門医氏名および所属施設がわかります。(文責 首藤)
【No.3756】 05年04月14日 I.M.
乳管内視鏡HP拝見させていただきましてメールさせていただきました。先日テレビで乳がんの最新事情ということで乳首に麻酔をし、内視鏡を入れて調べるという方法を紹介していました。母が心配なので、そのような検査を行っている病院を教えていただけないでしょうか。宜しくお願い致します。
乳管内視鏡は、乳房のミルクの通り道である「乳管」の内部を観察するためのものです。したがって検査の対象としては乳頭からの血性分泌(乳首から血液が混じったような分泌物が出る)やマンモグラフィで乳管内病変をおもわせる石灰化があるなど、「乳管の中に病変がある可能性の高い場合」で、そのような症例に対して乳管内を詳細に検査するためのものです。お母さまが現在前述したような状況に悩んでおられるのか推察しかねるのですが、もしそうであればまず近傍の乳腺外来を受診され、専門医の診断をお受けになることをお勧めします。同じ内視鏡でも、一般に行われている上部消化管内視鏡(胃カメラ)とは性格が違います。(文責 首藤)
【No.3755】 05年04月14日 K.I.
細胞診について31歳です。右胸にしこりがあり外科受診、エコー・マンモグラフィー・細胞診をしました。そのときの細胞診で、脂肪細胞しか取れず検査ができなかったと言われました(画像では悪性の所見はないとのことでした)。良性だと細胞同士のくっつきかたが密なことが多く、そういうこともあるので、半年ごとくらいにエコーで経過観察でよいとのことでしたが、そういうものなのでしょうか? 診断は乳腺症ということでした。よろしくお願いします。
細胞診で脂肪細胞しか取れなかったから良性でよい、と断定しているのではなく、おそらくその他の検査所見をふまえて「細胞診では確定診断には至らなかったものの、その他の検査所見を総合的に判断して良性であろうが、念のため半年後に再度検査しましょう」ということかと思います。(文責 首藤)
【No.3754】 05年04月14日 DBM
腋の下にしこりが・・・はじめまして。私は現在19歳の男子です。1週間前から、左腋下に違和感がして手で触ってみると、腋下6〜7センチのところに、浅いしこりができていました。手で軽くおしてみると、あざを触るような軽い痛みがあります。私は太っているので、気づくのが遅かったのかもしれません。しこりも浅く、赤くなっていたりもしないので、見た目では分かりません。インターネットで調べてみると、乳がんの可能性もあるみたいで心配になり、ここで相談させていただきました。気になってしまい、毎日悪い事ばかり考えてしまいます。これはどういった病気の可能性があるのでしょうか?また、病院に行く場合、何科へ行くべきなのでしょうか?長くなってすみません。専門の方のアドバイスをお願いします。
メールから推察するに「浅いところにある」ことから、@皮膚の腫瘤 A副乳などが考えられます。まずお近くの皮膚科または外科を受診されることをお勧めします。(文責 首藤)
【No.3753-1】 05年04月14日 A.Y
乳がん検診の結果初めてメールします。50歳の女性です。妊娠、出産暦2回、母乳でした。まだ生理があり、更年期障害の兆候はまだはっきりありません。2005年2月の乳がん検診で触診異常なしでしたが、マンモで異常があったようで、翌日病院からの電話ですぐ超音波の検査を受けました。結果は左乳首近くに3ミリの腫瘍があるそうで、半年後の検診をいわれました。「腫瘍は良性と思われるが悪性を否定できない」とあります。自覚症状はありませんが、生理前には張った感じがあります。私の住んでいる地域には乳がん専門の外来はなく、夫が東京に単身赴任していますので関東で新たに検査することも可能です。妹が2004年12月に乳がん3cmが見つかり切除していますので気になります。このまま半年待っていてもいいのでしょうか?ちなみにマンモをはじめて受けたのは1998年です。以下 乳がん検診の結果です。
1998年 マンモ 異常なし、 超音波 右ーD のう胞 左ー全体 のう胞
1999年 マンモ 異常なし、 超音波 右-D のう胞径 3o 左ー全体 のう胞径 3o
2000年 触診 左右乳腺症、 超音波 異常なし
2001年 触診 異常なし
2002年 触診 異常なし
2003年 触診 異常なし
2004年 マンモ 異常なし、 超音波 異常なし
2005年 触診 異常なし、 マンモ 異常あり?、 超音波 左乳首近く 3oの腫瘍 (良性、しかし悪性を否定できない)
よろしくお願いします。乳がんは一個の癌細胞が分裂をはじめて1cmの大きさしこりになるまで、だいたい6〜8年くらいかかると言われています。今回指摘された3ミリのしこりですが、超音波画像の所見などをあわせて「おそらく良性」と診断されたのでしょう。しこりの大きさと検査の所見からすると、半年後の再検が妥当かと思います。その場合ご自身の心構えとして半年間全く放置されるのではなく、やはり指摘された部位を中心に自己触診されるのが重要です。明らかにしこりが目立ってきた、硬くなってきたなどの異常がみられるようでしたら、ご主人の赴任先近くの病院(乳癌専門外来)を受診されるのも一案です。(文責 首藤)
【No.3753-2】 06年08月17日 A.Y
部分切除後の治療について51才、閉経していません。以前No.3753で相談させていただきました。その後専門医を受診し、細胞をとった結果悪性ということで、5月下旬に部分切除しました。大きさ 1.4×1.0、リンパ節転移無し、腫瘍の悪性度 3(中心)、ER(+)70% 、PgR(+)10% 、 HER2 1+、脈管侵襲 △(小さくてはっきりしない)。以上のことから、リスク分類では中リスクの軽いほうになります。放射線治療を24回受けて終わったばかりです。今後の治療について、担当の先生は「化学療法は6:4の割合でしなくていいと思うけど、もし私の母だったら、させとくかな?」と、言われます。その後ホルモン療法をする予定です。参考までにご意見をお聞かせください。よろしく御願い致します。
おっしゃるとおり、リスクとして「中リスクの軽いほう」というのは妥当だと思います。Adjuvant onlineで計算すると、貴方の場合無治療では約12%の割合で再発し亡くなってしまう可能性があります。ホルモン療法単独、化学療法単独ともに12%を8%に下げる力があると考えられます。ホルモン療法+化学療法、両方の治療を受けると12%が5%に下がります。つまりホルモン療法と化学療法の効果はほぼ同じであり、また両方を行っても再発率は各単独療法より3%(8%-5%)しか下がりません。これをどのように解釈するか、よく担当の先生と話し合われてはいかがでしょうか。また貴方の場合、ホルモン療法はタモキシフェン(ノルバデックス、タスオミンなど)から開始し、途中閉経が確認された場合にアロマターゼ阻害剤に変更となる可能性があります。(文責 首藤)
【No.3752】 05年04月12日 S.I.
抗がん剤終了後(HPNo.3279-4)以前、母の事で相談させて頂いたHPNo.3279です。先月末に抗がん剤6クールが終りました。特に痛みや症状は出ていないようで、母はとても元気に生活しておりますが、これは効果が効いて進行していないのかなと不安でありながら願っております。もし、今回の抗がん剤が効いて骨などの転移が消失又は小さくなった場合でも、進行性乳がんでは一般的にまた再発する期間はどの位なのでしょうか?ご返答宜しくお願い致します。
一度緩解した転移部位が再燃する時期はさまざまで、一般的にどのくらいということはできません。1〜2ヶ月ごとの外来受診されることをおすすめいたします。(文責 首藤)
【No.3751】 05年04月12日 M.S
乳癌の再発予防と母乳の関係いつも参考にさせていただいております。現在32歳、既婚、妊娠5ヶ月。29歳にて非浸潤癌、リンパ節転移0、右皮下乳腺全切除施行、無治療にて経過観察。31歳、同側に局所再発。乳頭・胸筋一部切除、リンパ節転移0、ホルモンレセプター(+)、ハーセプチンテスト(−)、ノルバデックス5年、フルツロン2年の予定で内服となる。服用9ヵ月後、妊娠希望にて内服中断。現在妊娠5ヶ月です。本日、定期健診でエコー、触診にて異常なし。前回、去年の12月の定期健診でエコー、血液検査、触診にて問題なし。次回、12月受診予定。本日の診察で、母乳育児は問題ないとの主治医の意見でしたが、厳密に言うと再発防止のためには母乳を与えないほうが良いとのことでした。
1)まだ母乳で育てるか決めていないのですが、母乳は再発の可能性を高めるのでしょうか?
2)もし母乳が再発率を高めるのであれば、初乳から与えないほうが良いのか、初乳程度であれば問題ないのかを教えて下さい。乳癌術後であっても各種抗癌剤・ホルモン剤内服を中止していれば母乳育児が問題になるとは思えません。1980年から2001年にかけて欧米で乳癌術後妊娠例の長期追跡調査が多く発表されています。結論として乳癌術後に妊娠・出産を経験されたとしても、特に生存率が低下することはありません。母乳自体が再発防止の妨げになるとは考えられません。しっかりとしたエビデンスのあるご意見なのかどうか、もう一度主治医の先生にお聞きになってはいかがでしょうか。(文責 首藤)
【No.3750】 05年04月12日 M.Y.
線維腺腫と悪性腫瘍の違いについていつも拝見し、勉強させていただいています。ところで以前から疑問に思っていることですが、線維腺腫と悪性腫瘍は、どう違うのでしょうか。基本的な違い、触った感じ、増殖速度、バイオプシーの後の病理検査においての違いなどについて、教えていただければ幸いです。また、線維腺腫の英訳は何ですか? よろしくお願いします。
悪性腫瘍を乳癌として説明させていただくと、乳管(ミルクの通るところ)などの上皮成分の細胞が増生して腫瘍化したのが上皮性腫瘍で、それ以外の間質という部分の細胞が増生して腫瘍化したものが非上皮性腫瘍です。上皮性腫瘍の中で悪性なのが、いわゆる乳癌です。非上皮性腫瘍にも良性・悪性がありますが、良性の典型が線維腺腫(Fibroadenoma、略してFA)です。 触診上、FAの典型はコロコロと可動性で、ビー玉のように触ります。細胞診・組織診などでFAと診断された場合、大きさが3cm以下など比較的小さなものであれば、摘出せずそのまま放置することが多いです。(文責 首藤)
【No.3749】 05年04月12日 Y.S.
術前抗がん剤で癌が消えた場合、手術はどうなるのでしょうか?お世話になります。時々拝読して参考にさせていただいています。術前投与で癌が消えることを日々実感してきました。乳癌患者からすると大変嬉しい話題提供だと思いますが、その先の道のりで、大きな選択肢を迫られています。ぜひともアドバイスをお願い致します。
昨年10月に右乳房上部4〜5センチの場所に「約3センチ」の乳癌がみつかり、術前化学療法をしています(痩せ型・43歳)。10月下旬から「CE」を投与し、この3クール後に、画像診断で1センチ以下の大きさになりました。その後、CEを1クールをやり、さらにタキソテールを現在投与しております。タキソテールでは、白血球が低下してしまうため、当初の70ミリから、50ミリ、さらに40ミリに減量して「3投1休」のペースで5月下旬まで行います。主治医から、6月中旬に手術をすることを言われています。また、触診ではしこりが消えたということで、大変喜んでいます。でも一方で、手術をすることで再発はなくなるのか、傷跡のことで気分に左右される免疫力の低下が起こりそうで、せっかく癌を取り除いたとしても、予後への不安はつきないです。6月上旬に超音波と3D画像でチェックをします。希望があれば生検で細胞を採って検査をしてから手術という手もあると、主治医から聞いています。生検の結果で癌がみつからなくても手術をしないのは安心できないし、一般的でないということも聞いています。自分でも手術はするべきだとは理解しているのですが、本当に癌本体が消えてくれているのなら、神様の思し召しと解釈し、手術ナシで、自己免疫力と笑い、食事療法を基盤に生きていきたいです。
手術ナシで、放射線のみの治療をしている病院がいくつかあることを他から聞いていますが、再発率などのデーター、再発した時のデメリットなど、ご存知なら、お教えください。参考にさせていただき、主治医と相談したいと思います。また、セカンドオピニオンで相談してみたいと思っております。アドバイス、お願い申し上げます。たとえ触診で消失しても、腫瘤のあった部分を切除して顕微鏡で癌細胞の有無をチェックし、その結果Complete Response(pCR)であったかどうかを診断するのが標準的だと思いますが、たとえば画像診断(ECHO、 3D-CT、PETなど)を駆使して間接的にCRの可能性が高いのならば切除せず、あるいは放射線療法を追加して手術を回避するということも可能かもしれません。よく主治医の先生とご相談されてください。ご指摘のごとく放射線療法のみの治療を行っている施設もあります。すでにお心あたりがおありなようですから、成績については直接各施設におたずねになったほうがよろしいかと存じます。(文責 首藤)
【No.3748】 05年04月12日 M.F
FADと石灰化はじめまして。3歳の一児の母です。12月乳がん検診をうけた際、マンモでとった写真に白いものが見えると言われました。写るか写らないかのぎりぎりの場所でした。先生は、おそらくFADだろうと仰り、4から6ヵ月後にもう一度とのことでした。しかしいろんな本をみて、本当は石灰化なのでは、という不安でいっぱいです。二つの区別は簡単なのでしょうか? 石灰化の場合の検査もできる施設もあるようですが、私の行ったところは、しこりもないのに検査できないということでした。またもう一人子供を産みたいのですが、乳がんとなってしまっては、もう32歳ですし、あきらめなければならないのでしようか? 不安で不安で仕方がありません。
FADは「局所的非対称性陰影」のことで、左右を比較してどちらか一方に白い部分が局所的に目立っていることを示します。正常な乳腺の一部か、場合によっては腫瘤が隠れていることも考えます。ですから石灰化とは根本的に違いますし、両者の区別は容易です。FADであっても正常乳腺の可能性が明らかに高い場合は、そのまま経過観察となると思います。ご不安でしたら主治医の先生にもう一度マンモグラフィの説明を希望されてはいかがでしょうか?(文責 首藤)
【No.3747】 05年04月12日 K.S.
抗がん剤について初めてメールします。44歳の母が2週間前、右胸全摘手術を行いました。リンパ節は15個摘出し、そのうち13個転移していたそうです。骨シンチの結果はまだなのですが、肺・肝臓への転移はありませんでした。そして明日から再発予防のため化学療法をすることなりました。その抗がん剤についてですが、5−FU 650mg・エンドキサン 650mg・ファルモルビシン100mgをうつことになったのですが、色々調べると量が多いみたいですが、他に転移がみられないのに、これほどの量をうたなければならないのでしょうか? 副作用もきつくなるのでしょうか?
お母さまが受けられる化学療法はおそらくFECと呼ばれるものです。3種類の抗癌剤を3週ごとに点滴注射する方法で、リンパ節転移を有する乳癌術後補助化学療法として標準的治療のひとつです。薬剤の量ですが、お母さまの体格(身長・体重)が分からないので正確なことは言えませんが、ご指摘の量は平均的日本人女性に対するものとしてそれほど多くありません。5−FUとエンドキサンが600mgないし500mgX体表面積(平方メーター)、ファルモルビシン60mg、75mgまたは100mgX体表面積が一回量の標準です。以前はファルモルビシンの量について保険適応上問題があったのですが、現在は基本的に容認されている量です。手術の結果リンパ節転移も13個あり、再発のリスクは高いと考えられますので、やはりこのような化学療法をはじめとした各種治療を術後にしっかりと行うことが大切だと思います。(文責 首藤)
【No.3746】 05年04月12日 T.K
放射線治療について(HPNo.3346-5)HPNo.3346でお世話になっています。いつもありがとうございます。4月6日に診察していただいた結果、リンパ節の転移は0/11、リンパ管の浸潤はないということでした。生理について、現在の状況を説明したところ、4月7日からノルバデックスD錠が処方されました。放射線治療については、主治医からの提案はありませんでした。次回の診察は5月11日です。それまでに検尿、血液検査の指示がでており、腫瘍マーカー等を検査するものと思われます。私の場合、標準治療からすこしはずれているようにも思われますが、主治医は経験のある乳腺専門医なので、何かお考えがあるのかもしれません。術前に別の施設の先生に、四半切除でリニアックなしについてご意見をうかがったときに、それは、多発性でないと考えてではないかということでした。お伺いしたいのですが、次回の診察のときにこちらから放射線治療について主治医のご意見をお聞きすべきでしょうか。現在の施設にはリニアックがないので、治療開始時期は少し遅くなる可能性もあります。お忙しいところ恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いいたします
やはり標準的な治療を受けるべきであると思います。残存乳房への局所再発率は30-40%もあるのですから・・・。確かに、そのことは予後には影響しませんが、また癌が再発するということはあまり気分よくありません。放射線をあてても7-8%の再発率は残るので、主治医はその率がどちらでも同じと考えているのか、もしくは、反対側への乳癌の発症もないと考えていらっしゃるのかもしれません。(片方に乳癌ができれば反対側にも出来やすくなります。ので、反対側への放射線を当てないのはおかしいという先生もいらっしゃいます・・・)。しかし、残存乳腺への照射はガイドラインでもうたわれていますので、経験のある専門医とはいえ、治療法には疑問が残ります。一度、相談されてはいかがですか?(文責 鈴木)
【No.3745】 05年04月12日 S・K
検査から手術まで3/25に受けた検診で乳癌らしきものが発見され、翌週の3/28に細胞診をしました。4/2に結果が出て、ステージ2の乳癌である事が発見されたのですが、その場で急遽、入院・手術と言われ困惑しています。セカンドオピニオンも受けたいと考えていますが、時間がなければ諦めようと思っています。早いに越した事はないと思いますが、細胞診の結果が出てから手術までの時間はどの程度とれるものなのでしょうか? 1ヶ月間も空けては進行してしまうものなのでしょうか? それとも1〜2ヶ月かけても大丈夫でしょうか?
緊急に入院、手術の必要はありませんので、まずゆっくり考え、家族と相談しましょう。手術までにわれわれでも1ヶ月かかるのは通常のことですし、そこまでかかっても、特に手がおえなくなることはありませんので、時に施設によっては、手術までの待ち時間などから、3ヶ月くらい待つこともあります。そこまでかかっても、特に大きな問題はありません。ぜひ、セカンドオピニオンを受けて下さい。緊急性はありませんよ。何かあればお手伝いします。(文責 鈴木)
【No.3744】 05年04月12日 K.S.
妊娠中の胸のしこりについて現在27歳、初めての妊娠で16週です。昨日左胸の右側の方に1cmくらいの固いしこりがあるのに気が付きました。特に痛みとかはありませんが、妊娠中ということもあり、すごく気になっています。次の検診で先生にも相談しようと思いますが、乳癌の疑いがあるのでしょうか?
文面からだけでは何とも判断しかねます。超音波は少なくとも施行していただいて、病変の存在、性質を診た方がよいでしょう。乳腺の腫瘤は産婦人科ではなく、乳腺外科が診るところですので、場合により紹介して頂いたほうが良いと思います。(文責 鈴木)
【No.3743】 05年04月12日 M.C.
肝・肺・食道・リンパ節に転移のある乳がんの治療についてはじめまして。突然のご相談、失礼いたします。56歳の義母についてお伺いいたします。左乳房のしこりには今年の2月ぐらいから気づいていたものの放置し、その後38度台の発熱と咳嗽が続き、同年3月29日医院に受診した際に乳癌と診断され総合病院に紹介、入院となりました。腫瘍は2センチ強、発熱は肝転移からくるものとのことで、現在37〜40度台です。肺転移からくるものと思われる咳嗽も持続しています。その他、食道に見られる腫瘍はごく小さいもので、食事困難等は見られません。頚部、腋窩のリンパ節の腫脹も見られるようです。このように発熱が持続し、肝機能の悪化がある場合、どのような治療法が選択されるのでしょうか。日に日に眼球及び皮膚の黄染、倦怠感も増強傾向にあるのですが、全身の精査がなかなか完了せず、医師からの病状及び治療方針についての説明が受けられない状況にあり、私たち家族もとても不安な日々を送っています。どうぞよろしくお願いいたします。
症状が強く、患者様はともかく、家族ともども不安な日々と思います。治療法として、やはり、抗癌剤が主体になると思います。その際に、HER2蛋白の過剰発現の有無(HER2蛋白が癌細胞の表面に持っているか否か)により、ハーセプチンという薬剤も使えます。これはあまり特記すべき副作用もなく、毎週の投与になります。これが使えるようであれば、ハーセプチンと抗癌剤との併用療法が良いかと考えます。ただ、皮膚の黄染が進んでいるとのことですので、現実に使える抗癌剤は限られているように思いますので、今の状況を、主治医に良く判断していただくのが何より大事であると考えます。状況次第では、抗癌剤が使えず、緩和療法(苦痛の緩和、疼痛の緩和)が主体になることも予想されます。(文責 鈴木)
【No.3742】 05年04月12日 I.Y.
副乳〜左乳房にかけての痛みについて相談室を見させて頂いて不安になりメールしました。47歳・既婚で妊娠経験がありません。両脇に副乳があり痩せていた時はさほど目立たなかったのですが、年齢と共に太るにつれて脇を閉じるとかなり目立つようになりました。乳頭も小さなにきびのようにはっきりと分かります。元々、左の副乳の方が大きめだったのですが、一ヶ月位前から一層膨らんだようです。若い時から生理前は乳房も副乳も張って一寸触っても痛かったのですが、一ヶ月前位から今までの痛み方と少し違うので、触ってみると、前述のように前より膨らんでいました。ずっと以前からたまにですが、左胸と鎖骨の間・体の中心より5cm程左の位置がキリキリ痛む事があります。更年期が近づき、生理も時々無い月があったりしますので様子をみていると先週から始まりましたが、今までは始まると張りも痛みも良くなるのが、今回はまだ少し痛みます。横になって手を上に上げていると楽になるので太り過ぎによる圧迫からの痛みなのかとも思いましたが、乳癌は妊娠経験のない人に多いと聞きますので心配になりました。
副乳の膨らみは、脇のくぼみから胸の斜め上にかけての部分です。痛みもこの膨らみ全体〜左乳房の乳頭から左部分にかけてあります。自分で触ってみる限りでは、しこり(よく言われるコリコリしたもの)はないようです。副乳の膨らみも押すとプヨプヨとしていて乳房と同じ様子ですが、少し強く押すと痛みます。気にしているせいか左の肩甲骨から肩のあたりが凝って来ました。長くなりましたが、よろしくお願い致します。
副乳の痛みについてに追加です。両乳房の膨らみの体中心側を押しても痛みがあります。ブラジャーのワイヤーに沿った所のようにもあるので、ワイヤーのせいなのかとも思いました。数ヶ月前から静かにしていても、目のまわりを除いて額から頬全体にかけて赤く上気したようになります。やはり更年期が近づいて、症状が色々と出ているのでしょうか?よろしくお願い致します。痛みと乳癌とをあまり直接に結びつけなくても良いかと思います。おっしゃるように、更年期が近づいて、ホルモンのアンバランスが起きて、乳腺が張るといった症状は良く起きます。ただ、いろいろ心配そうですので、やはり一度、乳腺外科医に診て頂いてはいかがでしょうか?(文責 鈴木)
【No.3741】 05年04月12日 genki
全身療法についてはじめて相談させて頂きます。今年右浸潤性乳癌のという事で温存手術を受け、その後放射線治療を25回50グレイ終了しました。私は現在32歳(既婚・子無)で、癌の大きさは2.1センチ、リンパ節への転移は無し、断端陰性、ホルモン感受性は陽性、ステージUa T2N0M0、グレード2。主治医の先生曰く「取り残しも無いのでホルモン療法のみで良いでしょう」という事です。ノルバデックスとリュープリンを使っていく事になりました。抗ガン剤は使わなくて良いとおっしゃいました。癌になってしまったのはもう仕方がないし、あまり神経質に考え込む方では無いのですが、やはり再発への不安があります。ホルモン療法が出来るのであれば抗ガン剤は必要ないのでしょうか? ご意見を伺えれば幸いです。お忙しい中恐れ入りますが、宜しくお願い致します。
いくつかの回答に記しましたが、乳癌の補助療法を決めていく上で、重要な因子があります。腫瘍の大きさ(2cm以上は予後不良)、年齢(35歳以下は予後不良)、ホルモン感受性の有無(感受性のない方が予後不良)、リンパ節転移の有無(ある方が予後不良)、組織学的異型度(グレード2,3は不良)です。このうち、ひとつでも当てはまる症例には抗癌剤を行うのがベストです。このベストというのは2年に1回、スイスでmeetingが開かれ、術後の補助療法を決めているのですが、2003年のmeetingでは、相談者のような場合、ノルバデックス+LH-RHanalogue(相談者がリュープリンとして使用しているもの)、もしくは、抗癌剤+ノルバデックス±LH-RH analogueと勧められています。相談者の場合、年齢とグレードがひっかかりますので、個人的には後者を勧めますが、問題としては、今後の不妊の問題です。抗癌剤によって不妊になる恐れがありますので、そのことを加味して選択された方がよいでしょう。それと、乳癌の術後に生理をとめる薬剤としてのLH-RH analogueですが、しっかりとエビデンスのある薬剤はゾラデックスという薬剤です。効能的にはリュープリンと同様ですが、この使い方には、少し疑問を感じます。(文責 鈴木)
【No.3740-1】 05年04月12日 HF
今後の治療方針についてはじめまして。32歳、独身です。昨年6月より左胸抗癌剤治療中です。胸椎、胸骨、右肩、右腰骨転移ありです。胸椎のみ、耐えられないほどではありませんが、常に痛みがある状況。ボルタレンをもらっていますが、あまり効果はないと感じ、最近は飲んでいません。1月に胸椎、胸骨に10回、放射線をしましたが、痛みはあまり変化がないように思います。(4月現在、CE15−3→10、4/CEA→1、21) 今後の治療方針についてご相談させてください。
・昨年6月〜CE2クール。本来4クール予定でしたが、吐き気があまりに強く、体重減少も激しかったため中断。
・その後8月中旬よりタキソール+ハーセプチンに切り替え、現在8クール目終了。月1回のアレディア、リュープリンも行っています。
昨年末までは、タキソール+ハーセプチンがとても良く効き、腫瘍も順調に縮小していました。しかし今年に入り、放射線治療中の点滴休止、病院の祝日、白血球の減少で飛ばしなどが重なった事もあり、週1回でやっていたのが、かなり飛び飛びになってしまいました。そのせいかどうか分かりませんが、また腫瘍が大きくなり始めたのです。点滴が飛び飛びになったことは関係していますか? それとも、薬そのものが、もう体に効かなくなっているのでは・・・と思い、とても心配しています。その不安を主治医に訴えたところ、主治医は、「定期的に投与すればまた戻ってきます。もう1クール追加して、その時点で様子を見て決めましょう。」と言われました。4月の定期健診では、胸部CT異常なし、肝臓エコー異常なし、頭MRI、腹部CT、胸椎胸骨MRIは今月中に結果がでます(前回検診は昨年12月。この時点では異常なし。骨転移箇所も特に変化なし)。「今後考えられる事としては、放射線、ゼローダ、CE残り4クールなど。また、タキソ−ル+ハーセプチンを9クールまでやって、もし大きさが小さくならなくとも不変であれば、それだけ癌細胞が押さえ込まれているということなので、引き続きやっていきます。」と言われました。今現在、腫瘍が大きくなってきている事が何よりの不安の種であり、精神的にも落ち込んでしまっている状況です。ぜひ先生のお知恵をお借りしたく思います。長くなりましたが宜しくお願い致します。タキソールとハーセプチンということですが、点滴が飛び飛びになったこととも少なからず関係していると思います。逆にタキソールが効きにくくなっていると考えます。しかし、ハーセプチンはそのままにして、他の抗癌剤を併用させることによって効果も期待できますので、いずれにせよ、効果が出ていないのであれば、変更すべきでしょう。もう1サイクル、様子をみてみるのも良いかと思います。施設によっては、ハーセプチンの投与をやめて抗癌剤の単独投与に変更するところもあるようですが、併用の効果は明らかですし、長期に投与してもハーセプチンの毒性は増えませんので、ハーセプチンは治療のkeyとして維持した方がよいでしょう。われわれの施設では、タキソールが無効時には、ナベルビン(保険未承認)、ゼローダ、テラルビシン+エンドキサン、などの併用をはじめとして、いくつかの治療法を行っています。CEはハーセプチンとの併用はやめた方が良いといわれていますが、いくつかの試験でCEより、CE + ハーセプチンの方が効果が高いですので、副作用がつらかったとのことですが、CEを行うのであれば、注
意深くハーセプチンと併用も手段の一つです。われわれはハーセプチンとの併用では、CEではなく、心毒性の少ないテラルビシンという薬剤を使用しています。進行乳癌、再発乳癌の治療を行っていく上で、腫瘍の縮小、消失を求めるのも最もですが、主治医の言うように、不変で、症状が取れるというのも一つの目標です。まずは、そこを目標にして、少しずつ頑張ってみてはいかがでしょうか?(文責 鈴木)
【No.3740-2】 05年05月12日 HF
薬の効果について前回HPNo.3740で、治療方針についてご相談させて頂きました。回答を頂き、有難うございました。その後ゼローダに変更し、飲み始めて2週間になります(ゼローダ+ハーセプチンです)。今回は薬の効果についてお聞きしたく、メールさせて頂きました。新しく薬を変えた場合、効果はどの位で現れるものなのでしょうか?主治医には、錠剤は点滴よりも効果が出るのには時間がかかる、とは言われましたが、ゼローダの場合、服用期間としては、どの程度の期間、様子をみればよいものでしょうか。あともう一点お願い致します。ゼローダは首から上には効果はないのでしょうか? 自分なりに調べてみた情報の中にそのようなものもあり、不安になっています。どうぞ宜しくお願い致します。
早ければ1サイクルで縮小傾向が見られる場合があります。ゼローダは、中枢神経系の転移には効きにくいので、その意味かと思います。(文責 徳田)
【No.3740-3】 05年05月16日 HF
ハーセプチン先日はご回答頂きありがとうございました。現在使用中のハーセプチンについてお伺いしたく思います(ゼローダと併用中です)。年に1回は心臓の検査をしましょうということで、心臓エコーを行いました。その結果、脈出数?(心臓がポンプのような動きをして血液を全身に送る動き?)が42%に下がっている、とのことでした。通常で70%程度はあるものとのこと。私は、ハーセプチンを始めた9ヶ月前は62%だったそうです。これが30%を切ると少し動いただけでも息切れがして、下手をすれば心不全にもなりかねないので、しばらく休んだほうがよいと主治医から言われました。ただ、主治医から以前、「ハーセプチンはあなたにとって最後の薬です」とまで言われており、出来るなら続けたいと思っています。「しばらく休む」とは、どの位休めばよいものなのでしょうか? また、ハーセプチンの代わりにタキサン系を使う事は可能でしょうか。「最後の薬」と言われましたが、それ以外に使える薬はもうないのでしょうか? 宜しくお願い致します。
現在までの治療癧が不明ですので、なんとも言えませんが、Herceptinは確かに心毒性がありますので、もし、心拍出量が低下しているのであれば、休薬する方がよいでしょう。休薬することで回復も望めます。もし、タキサンを使用していないのであれば、その選択肢もありますが、タキサン併用でも、13%位に心毒性の心配があります。最後の薬と言われてしまうと、精神的にも大変だとは思いますが、他にも治療法はあるはずですし、乳癌は、新しい薬の開発が盛んな部位ですので、あきらめずに続けて下さい。ここから先は主治医と患者さんの間合いで治療法を決めればよいと思います。心不全のリスクを背負って、治療を続けたいという強い意志があれば、その旨を伝えてみてはいかがでしょうか?(文責 鈴木)
【No.3740-4】 05年05月21日 HF
ハーセプチン休薬中いつも参考にさせて頂き、ありがとうございます。前回、ハーセプチンによる心機能低下についてご質問させて頂きました。その後の薬をどうするか診断を受けたところ、やはり心臓なので、自覚症状が出てからでは遅いので(今は自覚症状なし)、3ヶ月程度はハーセプチンを休みましょう、と言われました。その代わりの薬をどうするか、ということで、タキソテールはどうかと医師に話したところ、「ゼローダ単独でいいでしょう」とのことでした(ゼローダは、服用を始めて3週間です。来週から2クール目です。)。昨年8月からハーセプチン+タキソールを投薬していましたが、年明け辺りから効果が出なくなったため、4月下旬よりタキソールをゼローダに変えました。タキソールが効果がなくなったため、タキソテールにしても、タキサン系であまり変わらないでしょうというのと、短期間であれこれ薬を変えるのはあまり好ましくない、というのが医師の意見です。ただ、私としては3ヶ月もの間、ゼローダ単独でいくのに不安があります。3ヵ月間(心機能が回復するまでの間)ゼローダ単独でもよいと思われますか?ご意見お伺いできたらと思います。もちろん人それぞれ効果は違うとは思うのですが、私は骨転移ありで手術不能、現在の腫瘍もまだ大きく、また治療されている患者さんのお話を聞いても、併用の方が効果は高いと言う話しを多く聞きます。現在までに使用した薬は、CEを2回(吐き気がひどかったため2回で終了)、ハーセプチン、タキソール、アレディア、リュープリン、ゼローダです。もう一つ、お聞きしたい事があります。皮膚転移というのはどのような症状でしょうか。私は治療箇所にガーゼをあてているため、テープかぶれがあり、かゆみがあります。爪をたててポリポリかいているとあちこちが赤くなり、不安になることがあるので、教えて頂けたらと思います。長くなりましたが、どうぞ宜しくお願い致します。
転移性乳癌のThird lineとしてのゼローダ単独投与の奏効率は20%程度期待できます。確かにハーセプチンやタキサンとの併用も臨床試験で効果が期待されますが、例えば、ゼローダにタキサンを併用しても、ゼローダ無効時にタキサンに切り替えても、生存期間に差はありません。ゼローダ3週間では効果があったかどうかも判定できず、まずはもう少し続けてみてはいかがでしょうか。副作用や全身状態と相談しながら、併用も考慮したらどうでしょう。皮膚転移についてはテープかぶれやかきむしったキズとは違い硬くなり、じくじくしてくることが多いです。主治医の先生に診てもらえばすぐわかるでしょう。(文責 浜口)
【No.3740-5】 05年06月16日 HF
鎖骨リンパ転移現在ゼローダ2クール終了したところです。それにあわせて左胸腫瘍に放射線治療を始め、現在7回目を終わったところです。腫瘍自体は放射線により、わずかながらも縮小しているように思われます。ただ、おととい初めて気づいたのですが、左側の鎖骨が右よりも明らかに太くなっていました。それを本日放射線医師に伝えたところ、触診のみで「これはありますね」と言われました(検査はまだしていません)。問題は鎖骨の腫れがいつからあったのかという事ですが、放射線前に(6月上旬)撮った胸部CTでは、首より下を撮っているので、それでは分からない、ということでした。まず伺いたいのは、今後の治療についてです。放射線の医師は、「もうしばらく様子を見て、変化があれば薬を代えましょう」と言われましたが、私としては、2クールゼローダが終わっていますので、様子を見るにはもう充分ではないか、と思っています(ハーセプチンが心機能低下で現在使えません)。あと、医師の診察についてです。前回6月3日に診察を受けています。左鎖骨の腫れが、6月3日以降に起こったものとは思えませんので、それ以前からあったと思います。素人目に見ても、鏡を見ればすぐに左が太い、というのは分かります。医師が診察の時に気づいてくれていたら・・と、どうしても思ってしまいます。そういう自分も、左胸にばかり気をとられていて、気づいたのはごく最近ですが・・・。診察時には、ベッドに横になって胸は見てもらっています。その際に分からなかったのだろうかと思ってしまいます。セカンドという話しもお聞きしますが、病院を変えるのにもかなりのエネルギーがいり、なかなかそこまで踏み切れません。今後どうすれば良いのかわからず、ご意見お伺いしたく、どうぞ宜しくお願い致します。やはりハーセプチン+タキサン系?をやるべきでしょうか?
1) ゼローダならば、もう2サイクルくらいやってから判断してもよいと思います。
2) 鎖骨の問題は、今の担当医にもう一度よく聞いて納得することが大切です。
3) 心機能が悪くハーセプチンが使えないのであれば、今の治療でいくのがよいでしょう。(文責 麻賀)
【No.3740-6】 05年06月27日 HF
頭部検査についていつもありがとうございます。今回は頭部の検査について質問させて下さい。「ハーセプチン適応者は、脳転移を起こしやすい」という話しを人づてに聞きました。私はハーセプチンが使えるタイプなので不安に思っています。昨年6月に入院して、その際、頭部CTをとりました。退院後は、定期検査で12月と今年の4月に頭部MRIをとりました。主治医は、「頭はそんなに頻繁にとらなくても大丈夫」といいます。ただ、頭部には抗癌剤が効かないということと、3センチ?を超えると治療が難しいと聞いているので、頭痛がするたびに不安に思ってしまいます。通常はどのくらいの間隔で検査をするものでしょうか?(現在骨転移あり、腫瘍を縮小している最中で、腫瘍はまだ胸に残っています。) もう一点お聞かせ下さい。私は手術はしていません(それについて主治医に確認したことはないのですが)。転移があると完治は難しい、という話しは聞きました。手術もしないものなのでしょうか?薬や放射線で小さくしていくしかないのでしょうか。宜しくお願い致します。
どうぞ宜しくお願い致します。やはりハーセプチン+タキサン系?をやるべきでしょうか?ハーセプチン適応者は、脳転移をおこしやすいというより、他の臓器転移は抑えられるので、薬の効きにくい脳への転移が目立つということだと思います。頭部への転移は頻度は少ないので、症状が無ければ術後の定期検査ではあまり行いません。骨、肺、肝臓など他の臓器に転移がある場合は、6ヶ月前後の間隔で検査をするのが一般的だと思われます。腫瘍量をできるだけ減らして、化学療法・放射線療法を行うのが原則で、手術できるものはするという立場を外科医はとっています。(文責 石川)
【No.3739】 05年04月12日 M
左胸のしこりはじめまして。早速ですが、小学3年生女児の母です。1年ほど前から左胸に五百円玉大のしこりがあります。その上に乳首が乗っかっている感じです。痒みや痛みは無かったので放置していましたが変化は無く、少し膨らみを持ち、乳首が陥没しています。本人はアトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎で通院していますが、それ以外は元気で普通です。病院に行こうにも何科に行けばいいのか、通院している病院の先生は男性なので本人が嫌がり困っています。放っておいて大丈夫でしょうか?
小学校3年生というと、ホルモンの関係で、乳腺が張っている可能性はありますが、片方だけというのと、500円玉というと大きくも感じますので、良性腫瘍の可能性もあると思いますので、一度、乳腺外科、小児外科が双方とも揃っているところに診せてはいかがでしょう? 大学病院、がんセンターとかになるかと思いますが。不安がらずに受診させて下さい。(文責 鈴木)
【No.3738】 05年04月12日 君影草
補助療法について(HPNo.3515-2)相談記事3515の君影草です。こんにちは。前回はお返事ありがとうございました。当時は「センチネルでいいのでは…」とアドバイスを頂きましたが、あれから母(64歳)は自分の心の安寧のために自分の思う通り初めからの腋窩リンパ節郭清に踏み切りました(3月3日施術)。本日は術後治療におけるご意見をお伺いしたいとのことで、こうしてメールを差し上げております。
○右側胸筋温存、乳房全摘。(手術済み)
○病理組織検査の結果、非浸潤癌1つと、浸潤癌(6mm)1つがありました。リンパ転移なし。遠隔臓器転移なし。グレード2。HER−2 1+。ER +。PGR 2+。
○現在、ホルモン療法としまして、アリミデックスを朝1回服用しております。
母がお尋ねしたいのは、今の母の状態でこの補助療法はベストかどうか、だそうです。
1)ホルモン剤の選択はどうなのだろうか?
2)抗がん剤治療の要、不要。抗がん剤治療をしなくても(今現在していないが)大丈夫なのか。生存率や再発率は高まらないか。またそれらの率はどれくらいになるのか。
お手数ですが、ご返答いただければ幸と存じます。よろしくお願いします。ホルモン剤の選択としてはベストです。抗癌剤ですが、これは判断の分かれるところです。グレード2ですので、5年生存率は90%くらいですから、これをどう判断されるかですが、抗癌剤を行うとしても、CMFとうい副作用の弱いタイプのものでよいでしょう。(文責 鈴木)
【No.3737】 05年04月12日 M.S.
病理結果(intraductal とgrade 3)について私(44歳)は、左乳房に乳癌がみつかり、先日全摘出手術を受けました。その病理組織検査結果と補助療法について教えていただければ幸いです。先ず、診断名はpredominant intraductal carcinoma(95%)で、リンパ節への転移は0/22でした。ただし、grade (histological?) は3で、ER、PRともマイナス、HER2は3プラスというものでした。あとで疑問になった点は、
1) grade3、ホルモンレセプターネガティブ、HER2強プラス、ということで、細胞?組織学的?には最もたちが悪いということと、intraductalという、こちらはたちが良いと解釈できることが矛盾するようで、この点はどのように考えればよいのでしょうか? しこり(やわらかくて、一見乳腺が腫れただけのような感じだった)は、触れて2セン弱の大きさがありました。
2) 術後補助療法のことなのですが、やるとすると、私の場合抗がん剤の投与ということになるということで、働いていることもあり、担当の先生には、やらない方向を薦められています。リンパ節転移0ということと、intraductalということが根拠となっていますが、患者としては、n0でも転移、再発はありうることや、intraductalでも5%は浸潤部が存在した、ということが気になります。どのように思われますでしょうか?
どうぞ、よろしくお願い申し上げます。腫瘍のほとんどが非浸潤癌(95%がintraductal component)で、残りの浸潤癌の部分がgrade3でホルモン感受性がマイナス、HER2が3+ということですが、やはり浸潤部で乳癌の予後は決まります。リンパ節転移がマイナスですが、riskは高くなりますので、補助療法は行ったほうがよいでしょう。やるとしてもアドリアマイシン系の薬剤は不要で、CMF(シクロフォスファミド、メトトレキセート、5-FU)がよろしいかと思います。(文責 鈴木)
【No.3736】 05年04月12日 N
病理のセカンドオピニオンお返事ありがとうございました。また質問なのですが、病理のセカンドオピニオンはどこの病院でもやってもらえるのでしょうか? これはIIIbの結果のものも良性の結果の出ているものも、両方みてもらった方がいいのでしょうか? しこりを取るということですが、悪性の場合、しこりを取ってから2度切ることになりますよね。B病院の医師からは私の場合は悪性だった場合、2度切るとリンパ節を全部取らなくてはならなくなるから、後遺症は一生続くからとしこりは取らずに針生検をしてくれたようです。また本で、良性のしこりを取るとそのあとからガンが発生することがあると書いてあったのですが、そういうことはありますか?私の左胸のしこりは乳首の上の部分と脇に近いところと2つあります。度々すみませんがご回答頂けないでしょうか?よろしくお願いします。
病理のセカンドオピニオンですが、乳腺外科医の存在するところであれば、まず大丈夫でしょう。大学病院、がんセンターであれば尚更、大丈夫と思います。2度切ると、リンパ節を全部・・・云々は、理解に苦しみます。良性の腫瘤を取ったあとに癌が発生するというのは、あまり根拠がありません。(文責 鈴木)
【No.3735】 05年04月12日 n.y
検査方法について初めまして。21歳です。左胸にしこりがあります。1年ほど前に、医師から「線維腺腫だろう」と言われました。その時に、触診だけの診断だったのですが、それは普通の事なのでしょうか? マンモグラフィや超音波の検査がなかったので、と不安が出てきています。しこりは、生理前に大きくなり、生理が終わって3〜4日たつと小さくなっている気がします。よろしくお願いします。
やはり、超音波は必須です。若い方ですので、マンモグラフィは場合により必要と考えますが、触診だけでは、腫瘍の大きさ、性状までは判断できません。(文責 鈴木)
【No.3734】 05年04月12日 Y
今後の治療方針について初めてメール致します。今年2月に胸筋温存乳房全切除を致しました。病理組織学検査では乳頭腺管癌、細胞学的検査(穿刺吸引)ではclass5、 T2 N1 M0、ホルモンレセプターは陽性と陰性の両方です。非浸潤と浸潤の部分がありましたので・・・。癌の部分は、左乳房上方内側でした。現在抗がん剤治療EC(ファルモルビシン、エンドキサン)点滴中、残り3クールです。ホルモン剤の治療はしないそうです。ホルモン剤が効かないということは、効く人より悪性度が高いと聞きました。また癌の場所が上方内側なので、右側や間の骨に転移がないか心配になります。私の場合、手術前は非浸潤癌で、入管内を石灰化が進み、かなりまとまったしこりになっていました。4から5cmぐらいだったと思います。術後やはり一部は浸潤しており、皮膚の下をかなり削いだと聞きました。その為か傷の上がりが悪く、三分の一は壊死したため、再度皮膚の切除手術をしました。同時再建でエキスパンダーを挿入しています。 生理食塩水の注入も一度終わりました。抗がん剤投与が終わると再度取り替える手術をする予定でいます。今後どうなっていくのか、とても心配です。治療の内容もですが、生存率や再発も気になります。 些細なことですが、お返事いただければ幸いです。
術後の抗癌剤が必要か否かは、腫瘍の大きさ、リンパ節転移の有無、年齢、細胞の異型度(顔つき)、ホルモン感受性の有無によって決めています。浸潤癌と非浸潤癌の混在で、4-5cmということですが、浸潤癌の部分の大きさが大事になり、2cmを超えていたら抗癌剤が必要です。もしリンパ節転移があれば現在の治療(EC)でよいかと思いますが、リンパ節転移がないのであれば、CMFという脱毛のない治療法でも十分かと考えます。ホルモン受容体は、2種類あるので、どちらかがプラスでどちらかがマイナスなんでしょうが、どちらかがプラスであればホルモン療法の適応ですので、抗癌剤の後、ホルモン療法がベストと思います。再発率はリンパ節転移の個数で、ある程度の話が可能です。癌研のデータですが、1個で94%、2個で88%、3個で84%、4個で80%の5年生存率です。あまり、再発率、生存率に悩まされるのではなく、しっかりとした治療をうければ、結果はついてくるものですので、前向きに頑張ってください。(文責 鈴木)
【No.3733】 05年04月12日 pk
乳がん検診結果についてはじめまして。人間ドックの乳がん検診を年に一度、計3回経験していますが、2度目の結果と今回の結果で、こういう結果がでました。触診・・硬結触知、 レントゲン・・乳腺微細石灰化巣、超音波・・乳腺のう胞(3年共)。2年ともB判定の為、全体の結果判定は、「現在の所健康状態と思われます」と書類には書かれていました。超音波検査の時に、検査してくれた人に、「去年石灰化・・って言われたけど大丈夫なのか」と軽く聞いたら、「レントゲンで見つかるもので、大きい石灰ならそれほど問題ないですが、細かいのがいっぱいあると少し心配なんですよ」と言われました。今回結果を見てみると、「微細石灰・・」。これって先生が言っていた「心配」の範囲なのではないでしょうか? 以前の相談でも同じようなことが書かれていたので読んだのですが、「超早期癌」などど書かれてあったりして、ますます不安になってしまいました。現在33歳、20歳頃に妊娠し、中絶の経験があります。そういう事も何か関係しているのでしょうか・・・。現在子供はいません。月経は毎月順調です。今までの流れから行くと、また来年に人間ドックに行く予定ですが、その前に見てもらった方がいいのでしょうか。例えば、この状態で妊娠し、出産した場合、母乳をあげても大丈夫なのでしょうか。「癌」の疑いは100%ないと考えていいのでしょうか。微細石灰化巣というのは、今後、「癌」になる”元”なのでしょうか。再検査ではないので、安心していいものかも知れないのですが、気になって仕方がないです。参考にいろいろと教えていただければと思います。よろしくお願いします。
微細石灰化についてですが、これには、だれが見ても悪性を疑わせる石灰化と、だれが見ても良性の石灰化と、良悪性のつきにくい石灰化があります。文面から、それがどれにあたるのかは不明ですが、悪性を疑わせるものであれば、組織検査が必要になります。一度、乳腺外科医に診ていただいたらいかがでしょうか? もし、良性と判断されれば、妊娠、出産、授乳などに制限はありません。妊娠中絶とは関係はありません。良性の石灰化は今後、癌になる可能性はありません。微細石灰化だけでみつかる乳癌もありますので、超音波で異常なしで判断するのではなく、マンモグラフィで良悪性を判断していただいたほうが安全でしょう。(文責 鈴木)
【No.3732】 05年04月09日 H.M.
ホルモン療法について(HPNo.3186-3)昨年12月、HPNo.3186でご相談した者です。温存手術を選択し(2cm切除)、リンパ節への転移もなく、3月末には放射線も完了しました。この度の検診で、先生からホルモン療法が効くタイプのものだからとノルバデックスD20mgを服用するよう言われました(朝1錠)。心配なのは10年位後に子宮体癌になるリスクが高くなると言われた事です。今67歳ですが、80才近い高齢になって、また手術もいやですし、と言って乳癌の再発も困ります。その薬を飲んだ時と飲まなかった時の乳癌と子宮体癌の発病可能性はどのくらいか、データーはないのでしょうか? おおよその数値でもわかればお教えください。又、薬局でもらった副作用の紙に「体重増加」とありました。知人にホルモン異常だとかで、ものすごく太っている人がいます。そのような可能性があるということでしょうか? 太れば癌にはならなくても他の成人病になりかねません。いろいろなリスクを考えてもその薬を服用したほうがよいのでしょうか? 先生のお考えをお聞かせいただければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。
子宮体癌のリスクは、わかりやすく言えば、内服しない方が、1000人に1人が発症するとしたら、内服している方は1000人に2-3人という確率です。これは、子宮体癌になるマイナス点と、乳癌の再発、反対側の乳癌の発症を抑えるというプラス点を天秤にかけた結果、プラス点の方が大きいので、ホルモン療法の最大手として君臨しているわけです。もしそのことが気になるのであれば、アロマターゼ阻害薬という種類のホルモン剤がでており、閉経後はこのホルモン剤の方が、ノルバデックスより再発予防効果が高いことは証明されています。子宮体癌のリスクはありませんが、ノルバデックスに比較して、関節痛の頻度は高くなります。薬剤には何らかの副作用はついてまわりますので、プラス点、マイナス点をよく説明を受け、納得してから治療をお受け下さい。また体重増加は極端なものではありません。知人の方のホルモン異常とは別に考えたほうが良いでしょう。いずれにしても、相談者の場合、ホルモン療法は行った方が確実にメリットがあります・・・。(文責 鈴木)
【No.3731】 05年04月09日 WA
私の癌について初めてメールを致します。去年9月頃より左乳房上方内側にしこりを感じ、11月半ば、役所の検診を受ける。その時すぐに精密検査をすすめられ、総合病院を受診。触診、マンモグラフィー、穿刺細胞診を受け、その場で癌の可能性が高いことを告げられました。年明けに出た結果はやはり癌でした。非浸潤でしたが石灰化が広がっていました。四分の一の切除で済むということでしたが、MRIの結果乳頭にも広がっており、温存は出来なくなりました。2月に胸筋温存乳房切除術と同時再建の為エキスパンダー挿入しました。現在抗がん剤治療ファルモルビシン、エンドキサンを1クール終わったところです。病理組織診断名は、乳頭腺管癌ステージ2期、細胞学的検査class5、T2、N1、M0、ホルモン感受性は陰性と陽性両方だそうです。非浸潤と一部浸潤だったからだと思います。抗がん剤は残り3クールで終わり、ホルモン剤の投与はしないそうです。癌の悪性度はどうでしょうか?と聞いたところ、陰性なので悪性度は高くなるけど、抗がん剤が良く効くので大丈夫ですと言われました。手術後の検査結果のコピーもいただいていないので詳しくは判りません。 私の予後はどうなるのでしようか? 再発はありえるのでしょうか? 生存率はどの位なのでしょうか? お忙しいところ申し訳ありませんが、回答いただければ幸いです。
ホルモン感受性が陽性と陰性の療法ということが詳細不明ですが、ホルモン受容体にはエストロゲン受容体と、プロゲステロン受容体の2種類があるので、その事かと思います。非浸潤癌と浸潤癌ということではないと思います。この中で、予後を決める上で一番大事な要素はリンパ節転移です。リンパ節転移の個数によりますが、癌研病院のデータでは、転移が1個で、5年生存率は94%、2個で88%、3個で84%、4個で80%くらいです。再発の心配はなくなることはないでしょうけれど、最後まで精一杯やりとげれば、結果はついてくるものだと僕は思っています。頑張って下さい。(文責 鈴木)
【No.3730】 05年04月09日 Y
脱毛についてお願いします。50歳です。11月26日から3月10日までエンドキサンを朝、夕1錠ずつ服用し、3月11日からアロマシンを服用しています。エンドキサンの副作用と思われる脱毛、爪の変色が目立ちましたが、脱毛がまだ続いています。いつまで続くのでしょうか。心配です。生えてきますか? 白髪染めとパーマは以前からしていますが、この期間、特別変わった事はしていません。よろしくお願いします。
脱毛は女性にとって一番気になる副作用ですが、これは次第に解決してくるでしょう。投与後、だいたい6ヶ月くらいで生えそろってくるのが一般的です。(文責 鈴木)
【No.3729】 05年04月09日 K.O.
妻の検診結果について妻の乳がん検診結果の内容について相談させてください。妻は昨年の12月に市の乳癌検診を受けました。12月は触診で特に問題が無く、今年の1月にマンモグラフィー検査を受診しました。マンモグラフィー検査で「左房にFAD、良性と思われるが、悪性の疑いも否定できない」というコメントがついた検査結果を頂きました。このため、3/31に乳腺外科の診断を受けました。この時、医師からは、「超音波検査の結果6mm×7mm×5mmほどの影があるが、触診では存在がわからない。しこりは感じられない。悪性のものがあるとも思えないが、3ヶ月後にもう一度受診するように。そのときに大きくなっていれば悪性だし、そうでなければ悪性でないので安心できる」と言われました。特に細胞診も行われませんでした。この検診の内容について質問です。
1) 3ヵ月後に受診するというのはどういう理由と考えればいいのでしょう。たとえば悪性のものだったとして、遅きに失する結果になる危険性はありませんか。3ヶ月というのが見極めるのに必要な期間なのでしょうか。
2)影があるのに触診ではわからないという場合、どういう状態が考えられるのですか。
3)細胞診等ほかの検査が行われなかった理由としては、どの様なことが考えられるのですか。
4)診察を受けてからどうもしこりがあるように感じだしたと妻は言うのですが、もう一度診察してもらった方がよいでしょうか。あるいはもう少し待ってから、やはりしこりがあるように思ったら受診する方がよいでしょうか。
5) セカンドオピニオンを聞いてみる方がよいのでしょうか
よろしくお願い致します。まずFADというのはfocal asymmetric densityといって真の腫瘤としての境界をもたない、左右非対称の陰影のことで、孤立した正常乳腺のこともありますが、良性と断定できないときに精査の対象になります。奥様の場合、このFADの部分と、超音波でみられた7mmのかげとが一致しているかどうかはわかりませんが、この7mmのかげについての解釈です。まず、これが本当に腫瘤(腫瘍)かどうかです。乳腺の中には、まだらに脂肪組織が混入することもあり、あたかも腫瘍のようにみえることもあります。もちろん腫瘍であることもあります。文面からは、医師は悪性とは考えてはいないが、念のため、3ヶ月の期間を見てみようということだと思います。この3ヶ月という期間は妥当なところだと考えます。その間に急に大きくなり治療も施せなくなるということはあまり考えなくて良いでしょう。次に7mmの腫瘤は触診ではわかりにくいものです。よほど、乳房が小さい場合には7mmでも触診で触れる場合もあります。次いで、細胞診に関してですが、これは超音波の陰がどのように見えたかによります。やはり、悪性を疑わせるのであれば細胞診を行うべきです。やらなかったことからすると、良性の特徴を持っていたのかもしれません。その他の検査は特に不要です。診察を受けてから、どうもしこりを感じるのは、恐らく精神的な物だと思います。もう少し、時間をあけて、少なくとも1ヶ月くらいしてから再検査していただいても良いでしょう。不安が強いようであればセカンドオピニオンを勧めます。(文責 鈴木)
【No.3728】 05年04月09日 K.K.
リンパ節摘出について(HPNo.3445-2)以前、HPNo.3445でお世話になったものです。来週手術なのですが、担当の先生より言われたのですが、リンパ節の摘出について、今になって疑問に思った事がありますので教えてください。「リンパ節に1箇所に転移していたら、摘出しない。リンパ節に2箇所転移していたら、1箇所摘出する」という内容でした。リンパ節に転移した物を残しておいたら再発すると考えるのですが・・・。看護婦さんに聞いたら、「とっても取らなくても変わらない場合が多く、退院後のリスクを考えて、最近このケースが多い」と教えてもらいました。このような理解でよろしいでしょうか? 今一しっくりしないので教えてください。お忙しい中、何度も申し訳ありませんが、以上、よろしくお願いします。
転移していたら、やはり摘出するのが一般的であり、その方が安全です。転移しているのに摘出しないのは理解に苦しみます。確かに、転移が明らかであれば、その方の予後というのは自ずと悪くなりますから、そういう意味で言っているのかもしれませんが、患者様の家族同様、こちらも今ひとつしっくりしないので、御一考下さい。摘出することの理由、しないことの理由、各々のメリット、デメリットをしっかり説明してもらい(医師から)、それでもしっくりしないのであれば、セカンドオピニオンを考えてはいかがでしょうか?(文責 鈴木)
【No.3727】 05年04月09日 M.I.
胸のしこり、痒み、痛みについて私は23歳の男性ですが、胸のしこりで悩んでますのでメールさせていただきました。まず中学の時にしこりが出来たのですが、20歳になってもしこりが有り、心配になり病院で検査してもらいました。その結果は『しこりはあるものの極小で問題ないし、気になるなら、しこりが大きくなったりしたら又来て下さい』と言われました。それで最近まで放置していたのですが、5ヵ月前から左右の乳輪部分が痒くなりました。しこりの大きさは右胸は昔と変わらず3ミリ位の境界がはっきりわかるしこりが一つあり、左胸の方は更に小さく、しこりなのか乳腺なのかわかりません。胸の大きさも、しこりが発生した位から普通の男性よりは僅かに大きいですが、女性のと間違う程は大きくありません。又最近になって左右の胸の間の胸骨の部分が若干痛む時があります。上記の症状(特に痒み)の原因として何が考えられるでしょうか?又、しこりが良性のものだとしたら、放置していて良性が悪性になる事はあるのでしょうか?
恐らく、文面からはまず問題ないように思います。女性化乳房症という良性の乳腺組織の増殖ではないでしょうか?よくおこる年齢としては中学生頃と、50歳前後です。ホルモンのバランス、ある種の薬剤による物、肝硬変、精巣腫瘍などが原因となる以外に、原因不明のことも多くに見られます。幾ばくか、乳頭、乳輪から分泌物があり、それが痒みの原因ではないでしょうか? 大半の女性化乳房症は、よほど症状の強いもの以外は経過観察をします。良性が悪性になることはありませんが、男性乳癌の発症要因の一つに数えられていますので、何か変化があるようであれば、早めに乳腺外科を受診してください。(文責 鈴木)
【No.3726】 05年04月09日 wa
右の乳輪について右の乳輪について気になることがあります。私は年齢34歳で、平成15年8月2日に一人出産経験があります。もともと乳輪と乳首の根元にできもののようなものが(乳首と同じ色)いくつか以前からあり、うち乳首の根元にあったものが妊娠中から出産時期に大きくなりました。説明しにくいのですが、それは乳首からひっぱると、つながっている部分は1ミリくらいで、できもの自体は花が咲くような感じです。できもの自体は5ミリくらいで、真上は4つくらいの割れ目があります。また左右とも乳頭からクリ−ム色の分泌物が少量ですが産後いまだにでます(分泌物ですが、自然にでるわけでなく、私が乳首をおした場合です)。母乳はあまり出なかったので、混合で、授乳期間は5ヶ月間です。それと先日子宮にチョコレ−ト嚢腫があることがわかり、CA125、CA19-9 の血液検査で陽性反応がでて、大きな病院でMRIを受けた方がよいといわれました。この血液検査で乳がんと関わりはあるのでしょうか。MRIを受けようと思っている病院は産科、婦人科はあるのですが、乳腺外科はありません。私のような乳輪の症状は、やはり乳腺外科でないとだめでしょうか?どうぞ宜しくお願いします。
質問の内容から、しこり?のイメージがわきにくく、何とも回答しにくく申し訳ありません。これは、乳腺外科、皮膚科などと併せて診察させていただくのが早いように思います。乳汁分泌ですが、これはまず問題ありません。数年経過してからも分泌物が出る方はいらっしゃいます。血液検査のマーカーと乳癌とは関係ありません。一般に、乳癌のマーカーはCEAと、CA15-3が汎用されています。(文責 鈴木)
【No.3725】 05年04月09日 M.M.
放射線治療について現在、乳癌骨転移(腰椎3番目)、高カルシウム血症と診断されています。現在までの経過です。
14年前(32歳)胸筋温存右乳癌切除術をしました。2.8cm、リンパ節郭清(1箇所転移アリ)、閉経前でした。内服薬はノルバディックスとエンドキサン(CMF)2種類を2年間服用しました。ER+、PR+、HER2−、術後5年間経過観察後は特に検査を受けず。14年後再発。乳癌骨転移(腰椎4番目)、高カルシウム血症です。現在アリミテックス1mg/1日服用とアレリア90mg/3w点滴。放射線治療(リニアック)2グレイ/1日×23回=合計46グレイを勧められていますが、主治医は46グレイは多すぎ、腰椎なら30〜40グレイでよいという意見です。
質問事項
1) 腰椎1箇所への放射線治療は最大何グレイでしょうか?(主治医の言う通り46グレイは多すぎですか?)
2) 同じ場所に(最初30グレイ当てた後、様子をみて10グレイ)後から追加で当てることが出来ますか?
3) ビスホスホネート製剤(ビスフオナール、アレリアなど)ですが、第1選択、第2選択はありますか?(以前はビスフオナールでした)ビスフォスフォネート製剤は、日本で乳癌の骨転移で保険承認されているものは、Arediaのみです。ビスフォナールは高カルシウム血症の診断がつかないと使えないというしばりがあります。ただ、破骨細胞という骨を壊す細胞への親和性(くっつきやすさ)はArediaよりビスフォナールの方が高いという特徴はありますので、高カルシウム血症が、実際に起こっていなくても、実地臨床では使用することはあります。基本的にはArediaが第一選択です。
放射線照射の線量ですが、一つの目安として、3グレイX10日間というのがあるようです。ただ、各施設、患者の容態によって若干の変更、さじ加減的な調節はします。少しでも、照射により根治を目的とするのであれば、50グレイ以上というのが目標です。多いにこしたことはありませんが、その分、副作用も出ますし、背骨であれば脊髄の問題がありますから、極端に大量というわけにもいきません。エビデンスとしては、2x20も3X10も8x1も、痛みのコントロール、副作用に大きな違いはないという報告もあります。例えば、患者の容態が良くて、他の臓器に転移がなく、採血も問題ない、病変も1カ所であるというような、相談者のような場合は、少し多めにあてて、根治を目指すでしょうし、容態が悪く、採血のデータも悪い、ただ痛みも強いので、照射が必要である時には、8x1などの方法をとり、少しでも家で過ごす時間を取るように配慮したりします。当科の放射線治療医に聞いたところでは、相談者のように46グレイはあてるだろうとのことでした。そのあたりは、よく相談されて納得してから治療に入りましょう。(文責 鈴木)
【No.3724】 05年04月08日 N
病理の結果はじめまして、10年位前から乳腺症と言われて半年ごとに経過をみてもらってきました。左胸のしこりは複数あり、大きいものは取った方がいいと言われて、良性でしたが2回ほど摘出したことがあります。今現在は左胸に2つしこりがあります。(細かいものも含めるとまだ沢山あるようですが)以前からと大きさは変わらないように私は感じています。
今まで通っていた病院がなくなってしまったので、A病院へ行ったところ、触診、マンモ、エコー、穿刺吸引細胞診を受けました。あまりよくない結果で、2ケ月おいて、また細胞診をしたところIIIbと出ました。
「前回より少しよくなったけど、bがついてるから気になる。グレーゾーンなので、白黒させるためにしこりを取りましょう」と言われました。その頃、たまたまB病院の先生にお話を聞ける機会がありました。相談したところ、「しこりを取って悪性だと危険だから針生検(組織診)をしましょう」と言われました。触診、エコー、マンモ、組織診を受け、B病院の結果は良性と出ました。線維腺腫、ポリープのようなものだと言われました。経過は見る必要がない、もう来なくていいと言われました。組織と細胞では組織の方が情報も多いし確実性も高いのでしょうが、胸には痛みもありますし、2つの病院の病理結果の違いが気になり、素直に喜べません。このまま経過も見ずに放っておいていいものか、他の病院をあたるべきか・・・。B病院の針生検をしてくれた先生方は、エコーを見ながらでしたが、1ケ所に4回くらい刺して、「ここらへんかな?どれだろう?」「取れたかな?まっ取れてるよね」と言いながら針生検をしてくれたので、大丈夫かなーと心配です。先生方、お忙しいところ申し訳ないですが、もしよろしければ御意見をお聞かせ下さい。IIIbの判定が正しいか否か判然としませんが、もしその判定が正しいのであれば、切除生検(しこりを取りだす)を行うべきでしょう。この判定は、診断医の間でも分かれるところがありますので、そのプレパラートを拝借して、他の病理医の診断を仰ぐのも一つです。その腫瘤が、細胞分裂が盛んであったり、炎症を伴っていたりすると、時にグレーゾーンの結果がでたりします。取ってみたら、悪性のことも、良性のこともあります。針での組織診では、超音波を見ながら刺しているとのことですので、心配ないと思いますが、その腫瘤のすべての性格を表しているわけではないので、細胞診の判定が正しいとすれば、切除するのが安全ではないでしょうか?(文責 鈴木)
【No.3723】 05年04月08日 T
男性の乳がんについてこんばんは。今、中学1年生の息子がいます。息子が恥ずかしそうに「右も乳首のところが痛い」と言ってきました。触ってみるとしこりのようなものがありました。中学生の子供でも乳がんになるのでしょうか? よろしくお願いします。
理論的にはなってもおかしくありませんが、まずその心配はありません。思春期で、ホルモンのバランスが崩れ、乳腺が張っていると思います。超音波を行えば、はっきりします。女性化乳房症と言って一時的なものと思われます。特に治療もいりませんので、経過観察です。(文責 鈴木)
【No.3722】 05年04月08日 SY.I
手術後の傷の痛みについてはじめまして。母の乳癌の事についてご相談させて頂きたく、メール致しました。母は、H9に健康診断で左胸にしこりが見つかり、精密検査を受けたところ、良性の様なのでしこりは残したままでも構わないとの事でしが、気になるので日帰り手術で切除してもらいました。しかし後日そのしこりは悪性であった事が分かり、0期という事もあり、温存で手術を受けました。この時に、放射線や科学療法はありませんでした。その後、3ヶ月〜6ヶ月検診を受けていましたが、3年後同じ左胸に2cmリンパ節にも転移が発見されました。きちんと検診を受けていたのに、何故リンパ節に転移するまで発見されなかったのか、今でも疑問です。H12の暮れに、U期という事で左胸の全摘とリンパ節郭清の手術を受けました。その後、ホルモン治療は身体に合わず、体調を崩した為に中止。抗がん剤の治療も、最終クールの前に体調を崩して最後まで出来ませんでした。現在、幸いな事に転移も無く4年が過ぎましたが、傷の痛みが取れずに悩んでいます。 浮腫は無いのですが、身体の左側に異常がみられます。
1)傷自体は、表面ではなく、常に針金が入った様な痛みがあり、引き吊られる様な痛み。(抜糸ナシ・傷跡はきれい(?))
2)口腔内左側のただれ・味覚異常
3)左耳の耳なり
主治医の先生は元より、耳鼻科・脳神経外科・脳神経内科・口腔外科・精神内科と紹介を受け受診しましたが、全く原因が分かりません。どの科でも鎮痛剤・安定剤等を処方されますが、どれも効かない様なのです。本人もリンパ節を取っているので、多少は仕方が無いとは思っているのですが、痛みがひどく、台所に立つのもキツイ日があり、外出もままならないらしいのです。精神的な事を言う先生もいらっしゃいましたが、本人は傷の痛みだけでも楽にならないかと悩んでおります。拙い文章で、分かりにくいかとは思いますが、宜しくお願い致します。最初の手術の際に放射線照射を受けないと、局所の乳房に再発する可能性は30-40%くらいあります。放射線照射をうけても7-8%のリスクは残ります。そのリスクを加味しても、全摘と温存では予後が同等であるとのことで、温存手術が行われている所以です。ただ、その当時は放射線照射のはっきりしたデータが出ていない時かもしれません。リンパ節転移がでてくるまで、なぜ見つからなかったのかとのことですが、これは難しい問題で、リンパ節転移を起こすような乳癌は、それ自体、顔つきが悪いので、言い方はきつくなりますが、病気が出てくるときに、もうその運命は決まっています。現在の症状ですが、やはり全摘をすると、身体のバランスが崩れます。特に、患側の胸壁は鉄板の入ったような感触を覚える方や、全体に筋肉のこわばる方がいらっしゃいます。口の中、耳鳴りはあまり関係ないように思います。うまくつきあわなくてはいけない症状かもしれません。あと、ひとつ心配なのは、最近、その症状がでてきたのであれば、再発の心配、とくに肋骨への転移などの心配です。その点が解決できれば、やはり上手につきあわなくてはいけないのではないでしょうか? ペインクリニックなどはいかがでしょうか?(文責 鈴木)
【No.3721】 05年04月08日 T.F.
放射線治療を受けた方がよいでしょうか?今年3月に乳房温存手術を受けました。非浸潤癌とのことでした。腫瘍6×5ミリ、グレードT、センチネルリンパ節転移なし、手術時の迅速法による断端の検査は(−)。病理診断では、他の断端は陰性だが皮膚側と筋肉側の最後のスライスにガン細胞があるとのことでした。しかし断端には顔を見せていないとのことで、放射線治療をするかしないか聞かれました。今は、ホルモン受容体が(+)で、アリミデックス錠を一錠毎日服用しています。主治医は、「初期だしアリミデックスで治療もしているが、どうしても心配なら受けた方がいいでしょう。」と言われました。知人はHER2が(2+)と聞いて、是非放射線治療をした方がよいと勧めます。受けなくて良い物なら受けたくないのが本音ですが、いかがなものでしょうか。HER2過剰発現は放射線治療を受ける判断材料になりますか。再発の可能性とか放射線照射のリスクとか、3ヶ月毎の検査でまた同じように初期の内に見つけられるものなのかも含めてお答え下さるとありがたいのですが。よろしくお願いします。
非浸潤癌でも放射線照射については、先程、論文にも出たように、その効果は明らかです。局所再発予防のためにも必要であると考えます。HER2の過剰発現は、放射線をうける判断材料にはなりません。確かに、放射線の副作用で肺炎になる方はいますが、そのリスクを負ってでも照射の意義はあります。肺炎は治療可能ですし、しっかり治療すれば治ります。乳癌の再発も、局所であれば治療可能ですが、肺炎のリスクとは比べられないように思いますが・・・。また、術後の検査は、年1回のマンモグラフィのみで十分です。その他は、触診での経過観察になります。それでも十分、小さいうちに発見できるはずです。(文責 鈴木)
【No.3720】 05年04月08日 K
線維腺腫でしこりを摘出、その後の対応について6年前に線維腺腫で手術し、結果は良性でした。定期的に1年に1回、2年に1回、あとは3年ごとに検診を受けるように主治医に言われたのですが、最近検診に行った時に主治医が移動してしまい違う医師に診てもらったのですが、その医師はもう検診に来なくてもいいと言われました。主治医が変わった事によって、どちらの先生の言葉を信じていいのか分からなくなりました。この先もう検診には行かないで本当にいいのでしょうか?お忙しい所申し訳ありませんが、アドバイスをお願い致します。
線維腺腫そのものが癌化することはありませんし、今現在、特にしこりがないのであれば、検診はいらないと思います。というのも、やはり乳癌患者の増加に伴い、乳腺の外来は全国的に飽和状態にあり、初診で5時間待ちというのもざらのようです。拝見してさしあげたい気持ちはあるのですが、やはり検診を病院でやるべきではないと考えています。特に、リスクの高い方、乳癌の既往のある方などは別にしても、病院の状況を考えると難しいところです。検診は検診の施設で行うべきで、病院は、精密検査、治療をするところであると考えます。何分ご理解くだされば幸いです。もちろん、それでもといって病院を受診されれば検診は行いますので、専門科を受診して下さい。(文責 鈴木)
【No.3719】 05年04月06日 A.A
温存術後の放射線治療についてはじめまして。今年1月に1.2センチの癌を切除する際、念のためと、正常細胞を含め全体で約5センチ大の切除術を受けました。リンパに転移はありませんでした。25回の放射線治療は必要でしょうか? 主治医は、大きめに取ったので、放射線はしてもしなくてもいいと言いますが・・・。私自身、判断できずに困っております。先生のご意見をお聞かせ下さい。
温存療法を施行後の乳房に放射線を照射するのは、残りの乳腺への再発を予防するためで、照射しない群より、照射した群の方が局所再発率は低いので、大きく取ったからどうのこうのではなく、照射は必要であると考えます。外来通院で可能ですので、照射した方が良いと思います。(文責 鈴木)
【No.3718-1】 05年04月06日 M.I.
ホルモン注射以外に選択肢はないのでしょうか?49歳で多発性の浸潤性乳管癌と診断され、1月19日に胸筋温存右乳房全摘術を受けました。医師からの情報がよく理解できず、病気の予後について非常に不安なので、病理組織の結果と医師からの解った範囲の説明から、どのように解釈すればよいのか教えてください。病理の結果をそのまま書きとめます。腫瘍は2個。1つは長径13mm、2つ目は5mmの浸潤癌。共に純型のinvasive micropapillary carcinoma と判断。(細胞診で粘液様物質が介在していたので、特殊染色を追加)ETC陰性ながら両腫瘤間にコメド型を混じる乳管内癌成分があり、一連の腫瘍と考える。他にも微小浸潤が散在性に認められる可能性あり。乳頭部進展なし。核グレード2(2+2=4点)、組織学的異型度1、v(コピーが見にくいので、vではなくYかもしれません)2、v0、f。背景実質は萎縮性。リンパ節レベル1:0/11。以上が病理結果で、数字や記号英語の部分がわかりません。全摘をしたこと自体を後悔しています。多発とはいえ腫瘍径から温存する方法があったのではないかと思います。医師から説明されたのは、術前は温存が難しい、術後はリンパ転移がなかった事。ホルモンレセプターが陽性であり、ホルモン治療が第一選択である事。乳管癌の中でも乳頭腺管がんである事。悪性度は中くらいで、早期のがんではないと言われました。抽象的な説明で、とても不安です。現在ホルモン注射を月1回受けていますが、まだ脇の下からリンパ液が採取されるので、毎週水抜きをしています。まだ4cc引けます。ホットフラッシュと筋肉痛がひどく、治療がとてもつらいのですが、私のようなケースでは、ホルモン注射以外に治療法として他に選択肢はないのでしょうか?
まず、病理診断が非常に細かく、丁寧であるので、安心しています。乳癌の予後因子としては大きさ(2cm以上か否か)、ホルモン感受性の有無(ホルモン感受性のないほうが、予後不良)、年齢(35歳以下は不良)、リンパ節転移の有無(転移のあるほうが不良)、核異型度(2以上は不良)と5個の因子がいわれています。これらに加え、v-factor(脈管侵襲-血管への癌の浸潤)、HER2蛋白の有無なども、先のSt Gallennのmeeting(ここで、乳癌の補助療法の大筋を決める)では取り上げられていました(しかし、まだ、この2点に関しては、はっきりとしない点もあります)。ということからすると、核の異型度が不良群に入るものの、ほかの点はすべて予後良好である方に入っているようですので、治療の第一選択としては、ホルモン療法であると考えます。抗癌剤の追加に関しては、施行しても、CMFという組み合わせの副作用の軽い治療法でよいでしょう。問題点がいくつかあります。invasive micropapillary carcinomaは、最近の概念で、まだはっきりしたことはわかっていませんが、予後不良であるといわれています。次にv2とのことですが、恐らく、次のv0という記載の読み取りが正しければ、ly2ではないかと察します。ということはリンパ管への癌の浸潤が多いということなので、今後の再発リスクを懸念しなければなりません。f0というのは周囲の脂肪組織への浸潤の程度です。ホルモン療法は、じきに閉経を迎えるので、月に一度の生理を止める注射は賛否両論あると思います。はっきりとした閉経前であれば、月に一度の注射と、ノルバデックスの内服が推奨されます。Hot flushがつらいのであれば、ノルバデックスだけでも良いでしょうが、これにもhot flushは起こりえますので、よくお考え下さい。EICはextensive intraductal componentといって、乳管内への浸潤の有無を示します。腋窩の4ccはさほど心配ありませんし、じきに止まるでしょう。
質問内容が多岐にわたるため、返事もまとまらず、申し訳ありません。何かありましたら、連絡下さい。今一度、しっかりと主治医とdiscussionし、ひとつひとつの言葉の意味も解決されてはいかがでしょうか?(文責 鈴木)
【No.3718-2】 05年04月12日 M.I.
ホルモン注射以外に選択肢はないのでしょうか?(2)先日乳がん術後の病理結果について教えていただいた者です。返信の内容について、また混乱してしまったので教えてください。病理の結果ではリンパ転移0、組織学的異型度Tになっています。v2、v0の記載から、リンパ管浸潤多い、核異型度が予後不良のグループに入っているとのお答えですが、「核異型度」「組織学的異型度」とは別のものでしょうか?「リンパ管浸潤」と「リンパ管転移」とは別のものでしょうか?私の場合@リンパ管転移0 A腫瘍径2センチ以下 B多発性(散在性) C35歳以上 Dホルモンレセプター陽性 EHer-2(-) Flnivasive micropapillary carcinoma などの病理の結果から総合的に予後不良なのでしょうか? もう一度教えてください。それから、このケースでは全摘手術が適応になるものなのでしょうか? 術後の生活の質がかなり落ちてしまい温存すればよかったと後悔しています。まとまらない質問で申しわけありません。
核異型度と組織学的の異型度は別の物です。組織学的異型度の中に核の異型度があります。v2とv0ですがこのvの因子がふたつあることはおかしいので、どちらかがlyという因子だと思います。このlyという因子がリンパ管浸潤を示す物で、リンパ節転移がマイナスでも、このlyの因子が2であると、リンパ管に癌の浸潤があるということなので、将来的に再発のリスクが高いであろうという示唆になります。ただ、このlyの因子は現在の予後因子には含まれていないので、判断材料としては難しいところです。Invasive micropapillary carcinomaもly同様に予後の不良であるという考えですが、これも予後因子には加えられていませんので、同様に判断材料としては難しいです。単純に、現在の予後因子としてうたわれているものだけを取り上げるのであれば、組織学的異型度1で、後の因子が予後良好の方ですので、抗癌剤の治療は不要です。それから、これらの因子で全摘か温存かを判断する物ではありませんので、個人的には、温存が可能であればそれにこしたことはないと思います。温存も全摘も予後は同等ですから。(文責 鈴木)
【No.3718-3】 05年04月23日 M.I.
浸潤性乳管がんの術後療法について浸潤性乳管がん術後の病理組織検査の結果がどうしても気になります。ly2はリンパ管浸潤が多いとの事ですが、リンパ節転移が認められなくてもリンパ管に浸潤したがん細胞が行き着く先は必ずリンパ節なのでしょうか? リンパ管に浸潤していても、術後の補助療法で転移を防ぐ事が出来たり、がん細胞がリンパ管にとどまったまま進行しない場合もあるのでしょうか? それとも、いつかは必ず浸潤した癌がリンパ節に転移し再発してしまうのでしょうか? もうひとつ、現在月1回のゾラデックス皮下注射と、副作用が強いためノルバデックス(20)を朝1回服用しています。Drは副作用を緩和させるために処方していますが、ホットフラッシュは続いています。希望すればノルバデックスを中止することは出来ますが、皮下注射との併用は閉経前でも再発の確率を減らすことが出来るのでしょうか? そうであれば副作用をがまんして飲み続けたいと思います。ちなみに手術の1ヶ月前まで生理がありました。
リンパ管に浸潤し、それがリンパ節に行き着いて生着するとリンパ節転移となります。更に、腋窩リンパ節、鎖骨窩リンパ節、胸管を経て静脈内より血液循環に入るルートが考えられます。術後の補助療法におけるゾラデックス+ノルバデックスの投与は、閉経前乳癌でホルモンレセプター(+)の場合、CMF療法と同等の有効性を持つ事がわかっています。主治医の先生は、この事を第一に考え、ゾラデックスとノルバデックスの併用療法を行っているのだと思います。もう少し頑張れるのであれば、引き続き治療される事をお勧めいたします。ただし術後補助療法は、あくまで効果と副作用のバランスを考えながら行うものですから、主治医と相談しながら治療を進めてください。(文責 須田)
【No.3717】 05年04月06日 S
今後の治療について(HPNo.3350-2)HPNo.3350で相談させていただいた者です。現在ゾラデックスを6回打ち、ノルバデックスは飲み始めて半年になります。今年の夏ごろから、ゾラデックスが3ヶ月に一度になる予定を聞きました。ゾラデックスの利きめは28日毎と聞いていましたので、3ヶ月に一度で大丈夫なのでしょうか。また、定期検診(腫瘍マーカー、エコーなど)をしていませんが、私の場合、T1・N0・M0の場合、どのくらいの頻度で検診を受けたら良いのでしょうか?よろしくお願いいたします。
Zoladexの3ヶ月に一度の投与の件ですが、内容量の大きな3ヶ月製剤が保険承認される見通しです。そうすれば、3ヶ月に一度で、同等の効果をもたらしますので、恐らく、主治医はそのことを言っているのだと思います。術後の検診ですが、アメリカのガイドライン、日本のガイドラインでも年1回のMMGのみの検査で十分であると推奨されています。他の検査はルーチン検査(定期検査)としては推奨されていません。この背景には、早く再発病変をみつけても予後の延長には結びつかないという過酷な現状があります・・・。症状が発現してから、しこりを自覚してから、次の検査でも遅くはないということです。しかし現実には、患者さんの不安感をとりのぞく目的もあり、半年から一年で検査を行っているのが現状である施設が多いと思いますので、主治医と相談の上、検査を計画していただいたらどうでしょうか。(文責 鈴木)
【No.3716】 05年04月06日 H
MRIの検査について昨年11月にしこりが見つかり検査をしています。触診では99%悪性ではないと言われ、その後超音波検査を2回、マンモグラフィーを1回しています。細胞診もしましたが、判定不能とのことでした。昨日超音波検査をした結果、大きさはほとんど変わっていませんでした。はっきりとした診断を受けていない状況で、次回はMRIの検査をしましょうと言われました。医学書等を読むと、MRIは悪性と診断された後にする検査だと書いてありました。この状態でMRIの検査を受けてもいいでしょうか。今回受けた超音波検査で、前回マイナスだった石灰化像がプラスになっていました。痛みも少し強くなっているようです。
ご指摘のとおり、MRIは乳癌の広がり診断にその有用性が報告されていますが、良悪性の鑑別にも有用であることがあります。一般に乳癌は血流が豊富であるのに対して、良性腫瘍では血流が乏しいため、MRIでも区別がつくことがあります。しかし、MRIでの良悪性の診断は擬陽性となることが多く、悪性診断の特異度は37-97%とばらつきがあります。したがって、あくまでも良悪性の鑑別にMRIを用いるのは、参考程度にすべきであると考えます。最終的には、組織学的な検査、具体的には、太い張針での組織診、もしくは、摘出での組織診が必要になります。この半年近くの経過で、サイズに変化がないのであれば、まず心配ないと考えますので、相談されてはいかがでしょう。乳房の痛みと石灰化が明らかになったとのことですが、超音波で発見できる石灰化は大きくて、一般的に乳癌でみられる微細な石灰化は、超音波では見にくいのが現状ですので、今回見られた石灰化も、痛みと同様にあまり心配ないと思います。石灰化についてはMMGの所見が大事になります。(文責 鈴木)
【No.3715】 05年04月06日 Y.T.
脇の下の痛み28歳、女性です。半年位前から右腕の違和感(痛み、重たさ、指の動かしにくさ)と右胸の痛みがあり、乳がんだと困るので外科で見てもらい、エコーを撮りました。結果は特に異常が無いとのことでした。ホルモンの関係、もしくは子供(3歳)がいるので抱いたりする筋肉痛ではないかと言われました。半年たった今でも以前と同じ症状と、胸(乳輪の直ぐ上)にしこりを見つけました。そして脇の下が痛みます。これは乳がんの症状なのか、とても心配です。
まず、あまり心配ないように思いますが、しこりを見つけられたというのであれば、今一度、超音波をしてみてはいかがでしょうか? 乳腺が痛む、脇の下が痛む、つれる、違和感があるといった症状は、日常、よく遭遇する症状のひとつです。大体は、ホルモンの影響やストレスなどによって、乳腺のはりが起こって、そういった症状を感じることがあります。あまり、痛みと乳癌を結びつけずに接した方がよいと思います。そのしこりも、恐らくは乳腺症といって、乳腺がところどころ、硬い、柔らかいといった性質をしているためにしこりとして感じているのではないかと思います。ただ、先にも書きましたが、絶対ではありませんので、一度、検査を受けてはいかがでしょう。(文責 鈴木)
【No.3714-1】 05年04月06日 k.s
再発の確率についていつも参考にさせて頂いています。術後1年と2ヶ月になる者です。しこりの大きさ1.3センチ、リンパ節転移なし、切除もなし(センチネルリンパ節生検)です。病理検査で断端陽性の為、放射線を30回受けました。現在、ホルモン治療中です(手術時49歳)。私のような場合の再発率はどれくらいでしょうか。再発のことが頭から離れないので、よろしくお願いします。
具体的に細かな数字で、K.Sさんが再発の可能性が何%とは言えるデータがありません。恐らく、大きさ、リンパ節転移の有無、ホルモン感受性、年齢とかから考慮するに、一般的には局所の再発率は、7-8%です。リンパ節転移がなくても、おおまかに10%くらいは、再発のリスクがあります。心配するのも無理はないと思いますが、あまり数字ばかりにとらわれるのではなく、察するにしっかりとした治療を受けておられるようですから、やるべきことはやったということで、結果は自ずとついてくるのではないでしょうか? 心配しすぎるのも、神経使いますし・・・(文責 鈴木)
【No.3714-2】 05年04月29日 k.s
造影剤アレルギーについてHPNo.3714で相談させて頂いた者です。造影剤アレルギーについて教えて下さい。今までMRI1回、CT2回受けて、毎回手の甲に広範囲ではないですが蕁麻疹がでたので、術後1年の検査時には造影剤なしでCTを、MRIは情報が半分くらいしか得られないとの事で当日に中止になりました。骨シンチのときは少々赤くなった程度です。放射線科の先生によると、もし次回造影剤を使ったときはアレルギーが強く出ることがあるという事でした。主治医の先生は造影剤なしでも撮って欲しかったようです。定期検査でMRIはどうしても必要なのでしょうか?アレルギーがある場合、これからも完璧な検査が受けられないのでしょうか。
術後の定期検査にCTやMRIはよく用いられます。これは体への影響が比較的少なく、また受ける側にとっても苦痛の少ない検査である半面、情報量が比較的多いからです。またその際、新たな影(たとえば再発のしこりなど)がもしできてきた時に、周囲組織とのコントラストをよりはっきりさせるために造影剤を用います。ところがこの造影剤にアレルギーのある方は比較的多くいらっしゃって、私自身の診療の際にも造影剤を用いないで(”単純CTなどといいます”)CTやMRIを施行することがしばしばあります。やはり一度でもアレルギー反応が出た方には、ときにショックなど強い形で現れることもありますので、原則として造影剤は使用しない方がよいと考えます。ただ造影剤が使用できないからといって乳癌術後の経過観察が不十分になるといったことはなく、それは主治医の先生が十分にフォローしてくださると思いますので、あまり心配せず主治医の先生に任せてよいと思いますよ。(文責 谷)
【No.3713】 05年04月06日 恵美まま
乳首の湿疹・分泌物についてはじめまして、現在30歳の二児の主婦です。次女を出産してから2年半程立ちますが、いまだに乳首を絞ると白色・黄色の母乳の様な物が出るので、先日乳癌検診を受けました。あと私はアトピーで、何年も前から乳首に症状があるので、それも見て頂きました。マンモの結果は、しこりなどは無しとのことでした。後は分泌物と湿疹の細胞診をしてもらい、本日結果が出ました。どちらも良性とのことでしたが、先生は一ヵ月後ぐらいに、また細胞診をした方がいいとのことです。一回では出ない場合もあるとの事です。ただ湿疹が治っていたら良いみたいなことを言っていました。ただ私の乳首の湿疹は長女を生んだ5年ほど前から治ったり出たりの繰り返しで、ずっとアトピーと思っていましたが、これがパジェット病の可能性もあるのでしょうか?薬を塗ると治るのですが、またすぐ痒くなります。あまり湿疹の事は気にしていなかったので、今とても心配になってきました。もう一度細胞診を受けたほうがいいでしょうか?文章が長くなり申し訳ありませんが、先生のお返事お待ちしています。よろしくお願い致します。
恐らく、アトピーによる湿疹の可能性が高いものと思われます。Paget病の恐れは、心配されなくて良いでしょう。分泌物に関しては、量が多いとか、血性であるとかでなければ、心配はいりません。(文責 鈴木)
【No.3712】 05年04月06日 U.K.
妊娠中の乳輪下膿傷こんにちは。相談、よろしくお願いいたします。32歳です。只今、妊娠5ヶ月目に入ったところですが、妊娠三ヶ月目くらいから左胸の張りを感じ、しばらくすると、痛み、赤味、赤黒味が出てきたので、妊娠4ヶ月目の時点で通っている産婦人科に診てもらい、1週間はフロモックスとダーゼン(抗生物質と消炎剤?!)で様子を見ました。しかし、経過がよくならなかったので、そのまま病院内の外科に回り、その場で切開、膿を出しました。その後、消毒にほぼ毎日通っていますが、まだ膿が溜まってしまったりして、その都度、傷を開いて膿を出したり、注射器で吸い取ったりし、治りにくい状況が続いています。薬は抗生物質のみの服用になりました。上の子が今、2歳4ヶ月なのですが、その時の妊娠、授乳、断乳時には特にトラブルは起きていません。
このまま妊娠を継続しながら治療を続けることに不安を感じるのと、完治しない場合、手術が必要とのことで、その場合は出産後になるのだと思いますが、乳首も切除しなくてはならない可能性もあると言われ憂鬱な気持ちです。今後に予想される長期的な治療方法に関してアドバイスあれば教えていただきたく、よろしくお願いいたします。確かに、治療に難渋する病気です。治療法も、切開、排膿したり、手術したりと様々です。大概は、急性の乳腺炎であれば、保存的に切開、排膿したり、抗生物質を投与したりしながら経過をみますが、慢性になり、再発、再燃を繰り返すようであれば、手術療法も考慮します。手術としては、以前1970年頃は全乳頭切除も報告されましたが、最近では、選択的に異常を来している乳管を、膿瘍(膿のたまり)とともに切除するのが一般的であるようです。長期になることも予想されますが、あせらず治療を続けて下さい。出産後の授乳に関しては両論ありますが、最近では授乳を中止して、搾乳、射乳させる傾向です。(文責 鈴木)
【No.3711】 05年04月04日 R
化学療法を受けた方が良いのでしょうか?(HPNo.3684-2)教えていただいた卵巣機能を保つ方法を主治医に話してみようと思います。私は術後からCA15-3が30〜60代、NCC-ST-439が18〜25程で経過していました(画像診断上異常なし)。高値のままでは再発の可能性が高いとのことで、今回化学療法を受けることになりました。元々高値な人もいるということで、私としては出産の希望もあり、治療を受けたくなかったのですが・・・。やはり何も治療せずでは危険なのでしょうか? 化学療法を受けた方が、私の場合よいのでしょうか? 今さら迷っているわけではないのですが、他の先生の意見も聞きたいので、よろしくお願いします。
術後4年目に行なう化学療法というのは、あまり聞いたことがありません。腫瘍マーカーが高いだけでなく上昇したとか、どこかに再発が見つかったとかであれば理解できますが、腫瘍マーカーが高いというだけならば、手術直後に治療を行なうのが良かったのではないでしょうか。4年間、腫瘍マーカーが高値にも関わらず元気にされてきたのであれば、このままでもいいような気がします。何らかの理由で今回治療するのであれば、前回お話しした、ZoladexかReuplinで卵巣機能を保護することをお勧めします。(文責 清水)
【No.3710】 05年04月04日 M.T.
乳腺線維腺腫について集団検診で左胸乳房にしこりが見つかり、先日精密検査を受けてきました。エコー、マンモグラフィー、細胞診を行い、乳腺線維腺腫と診断されました。要精検の連絡が来て以来、色々な本を読んだのですが、より正確な結果を得るためには針生検がよいと聞きました。今回の細胞診の結果を信じて、本当に半年に一度の定期検診だけでよいのか、それとも針生検も受けておいたほうがよいのか、一般的なご意見を教えてください。
エコー、マンモグラフィー、細胞診で繊維腺腫と診断されれば99%間違いないと思います。より正確な診断というのならば、針生検でも100%ではありませんから摘出してもらうのが良いのではないでしょうか? 一般的には経過観察ですが、ご自分が納得いくかどうか問題で、納得いかないならば針生検か摘出生検をお勧めします。(文責 清水)
【No.3709】 05年04月04日 S.K.
再発治療について初めてご相談申し上げます。3年前に左乳房1期がんになり、温存療法で手術をしました。結果1.5cmの硬がん、リンパ節に1個の転移がありました。治療は放射線25回、抗がん剤(エピルビシン、シクロフォファミド)を4回行いました。ホルモン受容体は陰性でした。今回、前回摘出した脇に再発(細胞診の結果クラス5でした)、左乳房全切除術をしました結果、浸潤性、しこり3cm×3cmのがんで、大部分は乳管内にありましたが、一部にわずかな間質浸潤ありとのことでした。ホルモン療法も陰性で、放射線治療もできず、このまま治療なしでいくとの診断になりましたが、今後、転移を考えると非常に不安になっています。転移の確率は30%だと言われました。後は、こまめに検査を続けていくしかないのでしょうか? ご回答よろしくお願い申し上げます。
今回の再発は乳房内再発ですから、乳房切除で特に問題ないと思います。全身再発のリスクは初回手術後で補助療法後の状況と同じです。(文責 清水)
【No.3708】 05年04月04日 N
断端陽性について(HPNo.3690-2)HPNo.3690で質問させていただいた者です。早々のご回答ありがとうございました。私の癌はしこりをつくらずに乳管の中を這うように広がっていたようで、1度目の手術で取った細胞を病理検査した結果、9個に切ったうち、乳頭から数えて3番目〜9番目にまで癌細胞があり、約20日後に全摘手術を行いました。あるサイトで、1回の手術で癌を取りきれずに断端陽性であった場合、癌をばらまいてしまい姑息的だ、という記述がありましたが、そうなんでしょうか? 「姑息的」というのは、「一度に癌を取りきれないで、もう一度手術したり、他の治療を追加で行うことが」という意味です。説明がへたですみません。とても気になります。先生はできれば温存したいという考えから、先に検査のための手術をされたはずですが、思った以上に癌が広がってたので、話し合った結果、全摘をしたのです。それでは最初から全摘したほうが良かったということですか?
切除断端陽性が姑息的ということはありません。一昔前はがん組織にメスを入れることは癌細胞をばらまいてしまうのでやってはいけないことと言われていました。しかし、それはイメージの世界の話で何のエビデンスもありません。乳房温存療法が行なわれるようになったのは、癌細胞を全て取り切ることと予後は関係ないということが証明されたからです。もちろん取り切ることにこしたことはありません(その方が乳房内再発が減少しますから)が、断端陽性をそんなに深刻に考えることはありません。非浸潤癌の診断はとても難しくデリケートです。確実に診断することが大切で、診断がついて初めてその広がりに言及するのですから、初回の手術が部分切除で、断端陽性のため全摘したという経過は満点の経過だと思います。(文責 清水)
【No.3707】 05年04月04日 A.K.
乳癌について昨日、ある癌専門病院乳腺外科で、癌ですと言われて、手術をしますと、いきなり言われました。元々は、区の乳がん検診で左側乳房に石灰化ありで要検査になり、その病院を訪れました。触診では見つかりませんでした。第一回目では、マンモグラフィと超音波をやりました。第二回目では、超音波で影らしきものが映り、超音波で見ながら細胞診の検査を行いました。第三回目は昨日で、6時間待たされて、癌ですから手術と言われました。何の説明もありませんでした。早期ですからとは言われましたが、説明もなく手術と言われても納得できません。癌と言われたら手術以外方法がないのでしょうか? 宜しくお願いします。
メールの内容からはMMG検診で石灰化が見つかり、細胞診で癌細胞が見つかった、と解釈します。触診で触れないとなると非触知乳癌で早期乳癌だろうと思います。早期乳癌の治療が手術であることに間違いありません。説明不足については、納得いくまで主治医の先生に話を聞いてください。(文責 清水)
【No.3706】 05年04月03日 T
病理診断について初めてメール致します。2003年に右乳房切除術をしました。その後、化学療法(CE)を6クール、終了後にゾラデックスを四週に一度、ノルバデックスを毎日経口しています。治療については、主治医の先生がとても素晴らしい方で、あまりにも「おまかせ」していて・・・、少しは自分自身でも勉強しなきゃ!と思い、病理診断の結果を、パソコンからプリントアウトしていただきました(術後2年も経って・・・)。
ER;−.PgR;2+.HER;−.p53;−.MIB−<10% 。サイズは35mm×35mm。リンパ節転移は無し。グレード2。INVASIVE LOBULAR CARCINOMA(ATYPICAL LOBULAR CARCINOMA)。浸潤性小葉癌。
1)MIB−<10%というのは何ですか?
2)浸潤性小葉癌というのは、やはり、再発のリスクが高いのでしょうか?
3)エストロゲンレセプターが陰性でも、ノルバデックスは有効なのでしょうか?
お忙しいとは存じますが、よろしくお願いいたします。1) MIBとは細胞が増殖期にあるときに出現する蛋白で、昔はKi-67とも呼ばれていました。これが多いということは増殖能が高い腫瘍ということになります。10%以下ということは増殖能が低い腫瘍ということです。
2) 浸潤性小様癌の再発のリスクは浸潤性乳管癌と同じと言われています。
3) エストロゲンレセプターが陰性でもプロゲステロンレセプターが陽性であれば、ノルバデックスは有効です。しかし、最新のデータではノルバデックスを2〜3年内服した後で、アロマターゼインヒビター(アリミデックス、アロマシン)に変えて通算5年内服する方がノルバデックス5年より再発のリスクが減少すると言われています。(文責 清水)
【No.3705】 05年04月03日 S
全摘の放射線治療術前化学治療後1月に全摘しました(腫瘍径も大きく、ハイリスクです)。最近になり手術の傷跡のすぐ下に赤い大きなできものができたため切除することになりました。病理の結果が悪性であれば、そのあと私が希望すれば放射線治療をしてもよいと言われたのですが、してもしなくてもよいものなのでしょうか? また、手術から2ヶ月以上も経過していても放射線をかけることは有効なことでしょうか? 本来なら術後すぐのほうがよかったのでしょうか? どうぞよろしくお願いいたします。
摘出した腫瘍が乳癌の再発であれば、放射線治療をした方が良いと思います。術後にすぐ放射線治療をするかどうかは議論があるところです。(文責 清水)
【No.3704】 05年04月03日 N
胸のしこりについて先日縄跳びをしていたら、やけに左胸に痛みを感じ、2日ほど様子をみていたのですが、その間胸の発育する時の痛みに似ている痛みがして、乳首のところにしこりができていました。日々しこりが大きくなっているように感じます。そして、右胸に比べると大きく腫れているか?張っている?感じです。見た目にはそれ以上、特に異常は見られません。乳首を中心にしこりの部分が痛くて、何もしていなくても痛いです。最近痛みが激しくなってきました。そして押したり、触ったりすると痛いです。そのせいで眠れないこともあります。今までにこんな症状はなく、生理もまだきていないです。ご返答をお願いします。
メールの内容からは原因はわかりません。乳腺外来を受診することお勧めします。(文責 清水)
【No.3703】 05年04月03日 A.M.
葉状腫瘍 境界型について乳腺線維腺腫との診断で、平成15年3月3日、局所麻酔で日帰り手術を受け摘出いたしました。病理検査でも良性の葉状腫瘍との診断でした。そして、術後の腫れがひいた頃に、また同じ場所に小さなしこりがある事に気付きました。しかし、また同じものなら日帰り手術で簡単に取れると素人判断し、様子をみておりました。そうするうちに1年半後から徐々に大きくなるスピードが早まり、2年経たない内に前回摘出した大きさ以上になりました。そこで受診してみたら、先生の方が驚かれ、前回摘出した組織を再検査されたそうです。結果は良性の葉状腫瘍であったとの事。そして平成17年3月14日に、全身麻酔で摘出いたしました。術後の病理検査では「葉状腫瘍の境界型」と言われ、再発したら小さくても乳房は全摘出しましょうとの事で、今後半年事に受診する事になりました。良性とばかり思っておりましたので、「境界型」といわれてもその時にはピンとこなくて、何も質問できないまま帰りました。帰宅後に気になり始めたのですが、「境界型」とは、悪性度も含まれている事なのでしょうか?「境界型」について教えていただけますと幸いです。
葉状腫瘍は増殖速度が速いこと、再発しやすいことが特徴の比較的珍しい腫瘍です。再発の間隔は早い人では3ヶ月くらいで、遅い場合は数年間隔のこともあります。従って、初回の摘出で葉状腫瘍と診断された場合は定期検診が必要で、再発した場合はできるだけ速やかに手術することが勧められます。小さいうちに手術をすれば局所麻酔の手術で済みます。組織学的には良性、境界型、悪性に分かれます。良性から境界型、悪性になるほど再発の間隔が短くなり、悪性の葉状腫瘍は転移することがあります。しかし、組織学的な悪性度と、実際の悪性度は一致しない例があるので注意が必要です。悪性で何回も再発を繰り返す場合は乳房切除も考慮されます。境界型と診断された現在できることは、定期的な検診を欠かさないことです。(文責 清水)
【No.3702】 05年04月03日 K・O
乳首の出来物についてはじめまして。20歳の未婚女性です。昔からというか気付いた頃には乳頭の横に小さな出来物がありました。それは小さな乳頭のようで触ると堅く、力を入れて触ると痛さがありました。でも昔からのことで特に気にもせずにいたのですが、それが今日下着を外してみるとその場所にかさぶたがありました。何だろうと思って爪で引っ掻いて見たところかさぶたが取れたのですが、その取れた場所が白くなっており、ちょうどにきびのような感じでした。膿かと思い搾り出すように力を入れましたら植物の種のような小さな白い塊が出てきたのです。指で潰して見ると水気はありませんがベタベタした感じでした。その後は膿のような白い液体が少し出ましたが、あとは血が滲むばかりでした。とりあえず消毒し、お風呂でも濡らさないように注意しました。現在白い塊が出てから1時間ほど経っているのですが、その部位はまるでクレーターのようになっています。昔脂肪の塊だと友人に言われたことがあるのですが、本当にそうなのでしょうか? 何か病気の疑いが少しでもあれば、不安なので病院行きたいと思っております。このような場合はどのような病院に行けばいいのでしょうか。今回のこの白い塊が何なのかと合わせて答えていただけると幸いです。お忙しい中であると思いますが、よろしくお願いいたします。
悪性のものではないと思いますが、念のために乳腺専門医か、皮膚科への受診をお勧めします。(文責 清水)
【No.3701】 05年04月03日 T
再発乳がんにおける治療法について平成13年6月に妻の乳がんが見つかりました。腫瘍の大きさは3aで乳房温存手術をしました。脇の下のリンパ節には1個の転移がありました。術後化学療法としては、CMFを6クール行いました。その後平成15年5月に両肺への転移が見つかり、タキソールを12周連続投与しましたが効果がなく、次にAC療法を6クール投与したところ、効果があり、PET検査でもFDGの集積は見られませんでした。平成16年2月からは、アロマターゼ阻害剤のアルミデックスを服用すると共に、LAK療法にも取り組んできましたが、この3月に行ったPET検査で、右の肺野と縦隔リンパ節それぞれ1カ所にFDGの集積が認められました。腫瘍の大きさは1a大です。なお、この間の腫瘍マーカーの検査では、直前の検査でもCEAが1以下、CA15−3が10という数値でした。AC療法以降1年間動かないでいた転移巣が動き出したものの腫瘍の大きさが1a大という状況の中で、すぐに抗がん剤治療すべきかどうか考えております。ご意見を伺えれば幸いです。また、仮に化学療法を行うとした場合、考えられる抗がん剤はどのようなものがあるのでしょうか。なお、ハーセプチンは適用外です。さらに、腫瘍マーカーが極めて低いという状況の中で、動き出した2カ所の転移巣を3次元定位放射線治療で対応することは延命という観点で効果があるのではないかと考えておりますが、意味のないことでしょうか。併せてご意見を伺えれば幸いです。
CMF,Taxol,AC療法を行なっていると、後はTaxotere(ドセタキセル)、Capecitabine(ゼローダ)等が効果の高い薬として残っています。今回の再再発でもわかるように、一度再発した乳癌を根治させることは大変難しいのです。いたずらに癌を叩くことだけを考えるのではなく、癌と共存する方法を模索するのもひとつの考え方です。その考えでいくと、まだ症状が無い現在はもう少しアリミデックスで様子をみるという考えもあります。申し訳ありませんが、肺の三次元定位放射線治療については知識がありません。(文責 清水)