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相談室(No.3301〜3400)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。ご相談内容は  info@kbcts.gr.jp   まで、メールでご連絡下さい。なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 
 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

3400 05/01/17 K.T.  鎖骨の下辺りに約2cm程のしこりがあります 徳田
3399 05/01/17 M.U ホルモン療法の副作用について 徳田
3398 05/01/16 T.K 乳管腺葉区分(区域)切除術 千島
3397-1
3397-2
05/01/16
05/02/21
baza 骨転移後の腹部と足の腫れ
腹水
千島
麻賀
3396 05/01/16 IK 経過観察中の線維腺腫について 千島
3395-1
3395-2
05/01/16
05/01/23
K.O.  しこりのようなものについて
しこりのようなものについて(2)
千島
浜口
3394 05/01/16 T  しこりについて 千島
3393 05/01/16 M  乳がん患者の食事について 千島
3392 05/01/16 花水木 乳がん検査 徳田
3391 05/01/16 S.A 断端陽性について 徳田
3390 05/01/16 M.C.  術後の痛みについて 徳田
3389 05/01/16 B   昨年の健康診断で 徳田
3388 05/01/16 ゆき 骨転移の治療法(HPNo.3136-2) 徳田
3387 05/01/15 T.M. 乳首の違和感、及び乳腺外来 徳田
3386 05/01/15 M.Y 骨シンチについて(HPNo.2367-3) 徳田
3385 05/01/15 T  今後の治療について 徳田
3384 05/01/15 H・S 摘出生検の結果がでました(No.3298-3) 徳田
3383-1
3383-2
05/01/15
05/01/17
k m リンパ節転移の処置について
リンパ節転移の処置について(2)
徳田
徳田
3382 05/01/15 S.I. 白血球減少 徳田
3381 05/01/15 Y.W. 骨転移について(HPNo.2964-2) 徳田
3380 05/01/15 H 抗がん剤とホルモン剤の併用について 徳田
3379 05/01/14 H.Y.  右胸の乳首の感覚 徳田
3378 05/01/14 Y  生理が戻りました 徳田
3377 05/01/14 M.P.   非浸潤性乳管癌の乳房温存手術後の治療について 徳田
3376 05/01/14 F.F ハイリスクとは?(HPNo.2590-4) 徳田
3375 05/01/12 S.Y. 左胸下内側の癌について 徳田
3374 05/01/12 K.S. 過去に乳頭から分泌物 徳田
3373-1
3373-2

3373-3
05/01/12
05/01/21
05/01/31
母の乳がんについて
母の乳がんについて(2)
母の乳がんについて(3)
徳田
浜口
川本
3372 05/01/12 S.Y. 粘液癌・再発後の治療方針について(HPNo.2900-2) 徳田
3371 05/01/11 S.M.  左胸部から左腋下の痛みについて 徳田
3370 05/01/11 MIHO 鎖骨、胸部の放射線治療は必要か? 徳田
3369 05/01/11 E.A.  妊娠中の乳癌について(HPNo.3253-2) 徳田
3368 05/01/10 mm 腰痛、検査について 千島
3367 05/01/10 Ito 乳癌でしょうか? 千島
3366 05/01/10 NK 乳頭からの黄色分泌物について 千島
3365 05/01/10 H・S クラスV その後について(HPNo.3298-2) 千島
3364 05/01/10 M.E. 鎖骨胸部の放射線治療の必要性 千島
3363 05/01/10 N.S. CEAの上昇について 千島
3362 05/01/09 N.T. 外科生検について(HPNo.1914-2) 千島
3361-1
3361-2

3361-3
05/01/09
05/01/31
05/02/16
N.A 遠隔転移疑い状態での薬物療法について
遠隔転移の場合の治療について
遠隔転移の場合の治療について(2)
千島
川本
麻賀
3360 05/01/09 K.O 右腋下のしこりについて 千島
3359 05/01/09 F.F 術後の治療及びフォローについて(HPNo.2590-3) 千島
3358 05/01/09 M.K. 線維腺腫 千島
3357-1
3357-2

3357-3
05/01/09
05/01/14
05/01/16
Y.N. 手術後の病理検査とその後の治療方針について
手術後の病理検査とその後の治療方針について その2
全摘出の再手術の時期について
千島
徳田
徳田
3356 05/01/09 Y.S 胸の奥の痛みについて 千島
3355 05/01/09 Y.I. 手術後の化学療法について(No.3267-2) 千島
3354 05/01/06 K 抗癌剤治療について(HPNo.3057-3) 千島
3353 05/01/06 k m 放射線治療 千島
3352-1
3352-2
05/01/05
05/07/25
KA ホルモン療法中の健側の石灰化
ノルバディックスの副作用以上に再発・健側予防に有効?

清水
3351 05/01/05 R.K. リンパ節郭清
3350-1
3350-2

3350-3
3350-4
3350-5
05/01/05
05/04/06
05/06/10
06/01/01
06/04/15
S 頚部のしこりと胸痛  
今後の治療について
再発、転移の可能性
肝機能低下、胸部X線検査異常陰影について
CT検査の結果

鈴木
福間

鈴木
3349 05/01/05 Y.T. 線維腺腫の痛みと今後の選択肢について
3348 05/01/03 C.M.  放射線照射の時、金属版を忘れられてしまいました(HPNo.3167-2)
3347 05/01/03 K・T 術後補助療法、抗ガン剤を受けるべきか?
3346-1
3346-2

3346-3
3346-4
3346-5
05/01/03
05/02/23
05/03/14
05/04/01
05/04/12
T.K 切開下組織生検について
免疫染色について
リンパ節の切除の方法について
今後の治療について
放射線治療について

石川
稲葉
清水
鈴木
3345-1
3345-2
05/01/03
05/01/23
M.M 切除範囲とセンチネル生検について
切除範囲とセンチネル生検について(2)

浜口
3344 05/01/01 T.K.  しこりと分泌液について
3343 05/01/01 N 肺転移
3342 05/01/01 y.z 術後の治療方針について
3341 05/01/01 K.K.  このしこりは何でしょうか? 
3340 05/01/01 Y.T. しこりについて
3339 04/12/30 YK 左胸上部の痛み
3338-1
3338-2
04/12/30
07/01/18
K  筋腫や生理
アリミデックスの副作用でしょうか?

俵矢
3337 04/12/30 T.M. 乳癌の骨髄転移について
3336 04/12/29 M.T. 穿刺吸引細胞診後の痛みと腫れ 須田
3335 04/12/29 alice 大きくなった胸のしこり 須田
3334 04/12/27 S.Y. 右脇下のしこりと痛みについて 須田
3333-1
3333-2
04/12/27
05/02/05
Y.N 乳房のピリピリと痛み
乳首全体の痛みについて
須田
西川
3332-1
3332-2
04/12/27
04/12/29
K.T 微熱と乳癌の関係は?
微熱と乳癌の関係は?(2)
須田
須田
3331 04/12/27 IY  再発防止目的の卵巣機能抑制について(3)(HPNo.3172-3) 須田
3330-1
3330-2

3330-3
04/12/27
04/01/09
05/02/16
A.T.  骨・肝転移の治療について
肝・骨転移 化学療法について
転移化学療法について
須田
千島
麻賀
3329 04/12/26 ゆき  乳腺のう胞症 須田
3328 04/12/26 S.U. 右乳首の痒みと分泌物 須田
3327 04/12/26 N.N  治る見込みのない乳房切除について(HPNo.3261-2) 須田
3326 04/12/25 CY 石灰化について 須田
3325 04/12/25 AT 細胞診の時にできた血腫について 須田
3324 04/12/25 T.A. 再発乳がんのリンパ節転移(HPNo.3299-3) 須田
3323 04/12/24 H.W.  県の集団検診で左右の乳房にカテゴリ 3 の石灰化と診断されました 須田
3322 04/12/24 M.I 病理結果について(HPNo.3245-2) 須田
3321 04/12/24 MAI  アリミデックスの副作用について 須田
3320 04/12/24 N.I. 左胸の内部が痛みます 須田
3319 04/12/24 M  穿刺吸引細胞診について 須田
3318 04/12/24 Y・I 転移についての相談 須田
3317 04/12/24 M.Y 手術方法について(HPNo.2825-3) 須田
3316-1
3316-2
04/12/23
04/12/30
MY カテゴリー3
エストリールと乳癌のリスク
須田
3315 04/12/23 H.M. 乳腺線維腺腫 須田
3314-1
3314-2
04/12/23
05/01/23
Y.Y. 授乳期以外の乳腺炎について
授乳期以外の乳腺炎について(2)
須田
浜口
3313 04/12/23 A  術後の治療について 須田
3312 04/12/23 ceo 左乳首の痒みと痛み、皮剥けについて 須田
3311-1
3311-2

3311-3
04/12/21
05/02/12
06/05/15
S.S. サードオピニオン
アレデイアについて
腫瘍マーカーの急激な上昇と今後の治療について
須田
福間
俵矢
3310-1
3310-2
04/12/21
05/11/03
Y  非浸潤がんのステージについて
ゴルフ
須田
石山
3309 04/12/21 S.I.  肝臓・骨転移について(HPNo.3279-2) 須田
3308 04/12/21 M 46  左乳腺腫瘤に関して(HPNo.3125-2) 須田
3307 04/12/21 T.A 再発乳がんのリンパ節転移(2)(HPNo.3299-2) 須田
3306 04/12/20 みか 細胞診の誤診について  首藤
3305-1
3305-2
04/12/20
05/01/01
ON  術後の抗がん剤治療について
抗がん剤の選択について
首藤
3304 04/12/20 A.M. しこりの痛み 首藤
3303 04/12/20 Y.Y. ホルモン治療について 首藤
3302 04/12/20 H.M.  テスト切除の後(HPNo.3186-2) 首藤
3301 04/12/20 M・Y 嚢胞のムチンについて 首藤

 

 

 

No.3400】 05年01月17日    K.T. 
鎖骨の下辺りに約2cm程のしこりがあります

初めまして。お忙しい所、申し訳ございません。私は18歳の学生です。先日、左の鎖骨の下辺りに約2cm程のしこりを発見し、病院で検査を受けました。触診と通常のレントゲン(マンモグラフィではない)の結果、それはしこりではなく骨であるとの事でした。「骨の形は必ずしも左右対称では無いので大丈夫だ」と言われたのですが、診察を受けた後も、その部分が気になってしまい、押したり触ったりしていたところ、腫れてしまいました。麻痺して、感覚がありません。見た目では分からないのですが、触ると確かに右胸よりも左胸の方が全体的に腫れていて、突っ張るような感じがします。時々、重い鈍痛があり、左腕を下ろすと脇に異物感もあります。他にもしこりがあるんじゃないか、癌なのではないかと、とても不安になります。病院で診ていただいた際に、マンモグラフィやエコーなどの診察を一切受けていなかったので心配です。再度、他のお医者さんで診て頂いた方が宜しいでしょうか? その際に、マンモグラフィやエコーなどで検査をした方がいいのでしょうか? 分かりにくい質問で大変申し訳ありません。ご回答いただけたら幸いです。

鎖骨の直下ですので、マンモグラフィーは必要ないと思います。骨ではなく腫瘤性のものであれば超音波が有効です。乳腺のあまりない部分ですので、年齢を考えても乳癌は否定的です。(文責 徳田)

 

No.3399】 05年01月17日    M.U
ホルモン療法の副作用について

こんにちは、いつもこのHPで勉強させていただいてます。私は昨年7月に乳房温存術を受け、現在4週に一度のゾラデックスの注射と毎日ノルバデックス20rを1錠服用しています。治療が落ち着いたので、海外旅行を計画しています。そこで質問なのですが、飛行機に乗り気圧が変わることでおこるかもしれない副作用や、注意することなどありますか? 同じく水圧についても疑問があります。ホルモン療法中のスキューバダイビングは、危険でしょうか? 治療を始めてもうすぐ半年ですが、今のところ副作用はほとんどありません。自分で調べてみたのですが、答えが見つかりません。お忙しいところ、このような質問ですみませんが、お答えいただけたら幸いです。よろしくお願いいたします。

飛行機、ダイビング、特に問題ないと思います。(文責 徳田)

 

No.3398】 05年01月16日    T.K
乳管腺葉区分(区域)切除術

こんにちは。40代女性です。年末に非浸潤癌と診断され、手術が必要になりました。いくつかの病院で意見を伺ったところ、まず乳管区域切除手術をし、病理検査いかんで全摘、又は先生によっては皮下乳腺切除をするとういことで、意見がほぼ一致しました。この乳管区域切除という手術は難しいものなのでしょうか? ある先生に、「これは相当技術が要るのであまりやる人が無く、上手くない人がやると形が悪くなる。」と言われ、当初予定していた病院を考え直そうかと迷っています。もし、失礼ながらどなたにして頂いても取る部分は同じ(縫い方などはあるでしょうが)ならば、移らずに手術を受けようと思います。ご意見いただければありがたいです。

乳管腺葉区分(区域)切除術は、血性乳頭分泌物を認める症例で、種々の検査でも乳癌と良性疾患(乳管内乳頭腫)の鑑別が困難な場合に適応となります。病変が良性の場合や、癌が小さい時にはこの術式だけで根治する可能性もありますが、非浸潤癌の場合は複数の腺葉に及んでいることが多く、このような単一腺葉だけの切除では不十分なことも少なくありません。乳癌の根治手術に際してはマンモグラフィ、MRI、CT等の画像所見から、あらかじめ病巣の広がりを診断しておき、必要に応じて乳腺を扇状もしくは円状に部分切除します。その後の病理検査で、術前画像診断以上に癌が広範な場合には、追加手術としての乳腺全摘を考慮します。(文責 千島)

 

No.3397-1】 05年01月16日    baza
骨転移後の腹部と足の腫れ

知人が4年程前に乳癌の手術をしましたが、3年位で再発し、骨転移しています。詳しいことは分かりませんが、最近は寝ていても息苦しい事があったり、腹部や足が腫れているそうです。手先や足もしびれる事があります。この腹部や足の腫れは引かないのですか? 簡単ですが、何か分かることがあれば宜しくお願い致します。

腹部全体が腫れているようならば腹水の存在が疑われます。原因が腹水の場合は肝臓転移を伴っている可能性があり、転移などの原因で肝臓が腫大すると、下半身からの血流(下大静脈)を圧迫して下肢にむくみを生じます。(文責 千島)

 

No.3397-2】 05年02月21日    baza
腹水

以前HPNo.3397で質問させて頂いたものです。知人の、その後なのですが、最近になって、お腹の腫れがひどくなり、足も腫れてパンパンになり、息苦しいし、嘔吐が激しいので、入院になりました。お腹の水は、入院と同時に抜いたそうです。水は、抜くとまた溜まると聞きますが、そうなのですか? 顔や手が黒くなってきて、友人とかにも会いたがりません。副作用が出すぎているとかで、2週間1回の抗癌剤を2回休んでいるようなのですが、抗癌剤というものは、休んでも大丈夫なのでしょうか? 休んでいると、癌が広がるような気がしますが・・・。

1)腹水は抜いてもまた溜まってきます。抜けばいいというものではありません。腹水による症状が強いときに抜きます。
2)抗癌剤の効果はもちろんきちんと決められたときにやる方が効果があるに決まっています。ただ、今はやれるような状態ではないので、このようになっているのだと思います。(文責 麻賀)

 

No.3396】 05年01月16日    IK  
経過観察中の線維腺腫について

こんにちは。32歳女性です。昨年5月に検診で見つかった乳首より2センチくらい上の位置にある1cmの線維腺腫(エコー、マンモ、細胞診での診断)の4回目の経過観察に、本日行ってまいりました。担当医は「大きくなる性質のものではないので良かったですね」とのことでしたが、今までのエコー画像を見せていただくと、5月にはコロッとした丸い輪郭のシコリだったもの(1cm×1cm×0.5cm)(6月は5月と変化なし)が、9月には扁平な形になり(横幅は変わらず縦幅が半分くらいの薄さになった)、今回は更にその半分の薄さになっておりました。担当医はエコー画像を見て、「まわりに押されてだんだん分かりにくくなってきたね、反応性のものかもしれないね、そうだったらほっておいてよいけれど、もし授乳後に(現在妊娠9ケ月です)シコリが残っているようだったら、良性のシコリでしょうから引き続き経過観察しましょう」とおっしゃったのですが、『反応性』『まわりに押されて』という言葉の意味がよく理解できず、「心配ないということですか」と聞くと、「出産、授乳共に何の問題もないから安心していいですよ。念のため半年後にまた見せてください」とのことでした。
「線維腺腫=コロッとした丸いシコリ」という認識だったのですが、私のようにだんだん平べったく(薄く、小さく)なっていくこともあるのでしょうか? 病院は乳腺を専門に扱っているところで、担当医は乳癌学会専門医と紹介されておりましたので、充分信頼しているつもりなのですが、出産を間近に控え、つい悪い方へ考えてしまいます。心配のあまり9月頃他の乳腺外科でもみてもらったところ、線維腺腫という診断にまちがいないでしょうと言われました。8ケ月間の経過観察中で大きくなっていないというのは、悪性の可能性はないと考えてよいでしょうか?「半年後に再度経過観察」で、妥当だと思われますでしょうか? お忙しいところ申し訳ございませんが、ご助言くださいませ。

線維腺腫の中には妊娠時に大きくなる物もありますが、あなたのように大きさに変化がない(むしろ小さくなる)場合は経過観察でよいと思います。あなたの場合は妊娠9ヶ月とのことなので、授乳準備のために乳腺全体が過形成となっています。線維腺腫の形が変わったのは、腫大した周囲乳腺に線維腺腫が圧迫されたためだと考えられます。「半年後に再度経過観察」というのは妥当な判断だと思います。(文責 千島)

 

No.3395-1】 05年01月16日    K.O.
しこりのようなものについて

ご質問させていただきます。27歳です。一週間程前に、右胸下の、ちょうど下着のワイヤーがあたる部分の、みぞおちのすぐ隣あたり(剣状突起の右隣あたりでしょうか)に、しこりのようなものを見つけました。普段からチェックしているわけではなかったため、いつ頃から出来ていたのか、それとも、もともとあったものなのかは不明です。また、その部分の骨が僅かにもり上がっているようです。形は縦楕円です。丁度ワイヤーがあたる部分です。長さ2センチ、幅5ミリくらいでしょうか。入浴前に衣服を脱いで、手を上に上げた状態で、たまたま鏡を見ながら見つけました。左側の状態と見比べましたが、その盛り上がりが右側だけにあり、気になります。しこりのようなものの状態は、胸の大きさが小さいので立ったままでは骨と区別がつかず分かりづらいですが、仰向けに寝て、指を上下にそっと移動させながら確認すると、直径3〜4ミリ程の丸い小さな袋のようなものがあるようで、柔らかくクリクリと動きます。近日中に病院に行き、診察等を受ける予定ですが、それまで気になって仕方がないので、ご回答いただけたらと思います。ちなみに、このような症状は始めてです。関係があるか分かりませんが、半年程前にストレスから胃潰瘍・急性胃炎になり、5〜6キロ痩せました。現在、症状は漢方薬で大分良くなりました。また、思い当たることといえば、4〜5ヶ月程前に買った下着のワイヤーが合わず、ワイヤーがちょうど、しこりのようなものがある部分に当たって痛かったです。当たっているせいか、いつもその部分がピンク色になっていました。痛いですが、そのしこりのようなものを見つけるまでは週に4日程付けていました。下着のワイヤーの接触が原因で、このような症状がでることはあるのでしょうか。

形、大きさから考えると乳腺線維腺腫や皮膚に由来する腫瘤(粉瘤)などが考えられます。線維腺腫の場合、3cm以上に成長すると摘出の対象となりますが、あなたのように下着が当たって痛みを伴う時は2cmくらいでも摘出することがあります。また、粉瘤は皮膚由来の腫瘤なので、乳房に限らず体中の皮膚に出来てくる可能性があります。腫瘤の表面に小さな「へそ」のようなくぼみを伴っていることがあり、ここから中へ細菌が侵入すると、あかく腫れ上がって強い痛みを伴うので、腫瘤を切開して内容物(膿)を外に出す必要があります。いずれにしても、一度外科を受診して診断を受けるようにしてください。(文責 千島)

 

No.3395-2】 05年01月23日    K.O.
しこりのようなものについて(2)

ご丁寧なご回答、ありがとうございました。先日、大学病院の乳腺内分泌外科で診断を受けました。触診のみで、盛り上がっている部分については、‘右側だけ’に少しもり上がりがあったので、気になっていたのですが、「骨です。」と言われました。そして、その「骨」の上にある、柔らかくクリクリと動くもの(へそのようなくぼみはありませんでした。)については、特に触診されませんでしたが、「下着のワイヤーが当たっていることで、炎症を起こしているのでしょう。」とのことでした。クリクリと動くものについては、合わない下着のワイヤーが接触している時に、圧迫されるため痛いと感じる時がありますが、下着をはずして触ってみた時には痛みはありません。「下着をワイヤーのない、体に合ったものにすることが解決になります。他は問題ありません。」とのことでした。ご回答では、乳腺線維腺腫や皮膚に由来する腫瘤(粉瘤)が考えられるとのことですが、別の病院でも診断を受けてみた方がよいのでしょうか。とても気になります。(前回の、症状に対する説明が不足していたら申し訳ございません。)
お忙しいところ大変恐縮ですが、ご回答いただけたらと思います。どうぞ宜しくお願いします。

恐らく心配ないでしょう。変化があれば受診したらいいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.3394】 05年01月16日    T 
しこりについて

私は今19歳なのですが、中学生の頃から左右の胸にしこりができ、少しずつ大きくなっていき、左は5p位、右は3p位にまで大きくなってしまいました。ここ5年くらいは大きさに変化はありませんが、出来始めのころから自分は癌なのだろうかと不安に思っています。しこりは少し動き、動かすと少し痛みがあります。しこりの大きさに伴って胸の大きさも左右でかなり違うので、それもコンプレックスになっています。乳腺症かな・・・とも思うのですが、それがどういった症状なのかよくわからないので教えてください。また、乳がんの可能性はあるのでしょうか。

年齢、時間経過から考えて乳癌は否定的なので安心してください。乳腺症の定義自体が広くて曖昧なのですが、専門的に言うと「乳腺の正常な発育・成熟・退縮過程から逸脱した状態であるが、治療が必要なほど病的ではないもの」ということになります。たとえば、「しこり」がないにもかかわらず乳房が痛い、月経前後に乳腺が張ってくる、乳頭の先から透明な分泌物が出てくるなども、「乳腺症」の一症状と考えます。多くの人は、これらの症状を「病的なもの」と考えますが、医学的には生理現象の一つで、「症状が少し強く感じられる状態」に過ぎません。若い女性の乳房で発見される「しこり」としては、線維腺腫という良性腫瘤があります。小さくて増大傾向のない線維腺腫は乳腺症の範疇に入れる場合もありますが、あなたのように3cm〜5cmの腫瘤を形成し、見た目でも乳房の大きさが左右で異なるようならば、一度乳腺専門医の診察を受けるようにしてください。(文責 千島)

 

No.3393】 05年01月16日    M 
乳がん患者の食事について

術後補助療法として、今後ゾラテックス3.6mgデポを月に1回2年間、及びTAM、TORを1日に1回5年間服用していく予定ですが、これらの治療は女性のホルモンの作用を抑制し、癌の増殖を抑える為のものですが、健常者にとって、大豆イソフラボン、ビタミンE、ローヤルゼリー、カルシウムなど女性ホルモン分泌を正常に保つのに有効な物は、ホルモン療法を行う者にとっては逆にとらない方がよいのでしょうか? 私は朝晩、健康の為にACEジュース(アセロラジュース200cc、赤ピーマン1/2個、小麦胚芽20g、にんじん130g、はちみつ少々をミキサーにかける)を飲んでいますが、小麦胚芽がビタミンEを多く含んでいるので、今後ホルモン療法しながら、飲んでいいのかわかりません。また、夫婦生活は可能ですか? 女性ホルモンが乳癌には良くない為、そのような行いは女性ホルモンを分泌させて、乳癌になりやすくなるのでしょうか? よろしく、ご解答をお願いいたします。

イソフラボンにはタモキシフェンと同じような作用があり、乳癌に対しては抑制的に働くと推察されていますが、確実なことは判っていません。ビタミンEは乳癌との関連は否定的です。ローヤルゼリーにいたっては含まれている成分が一定でないため、乳癌との関連は全くもって不明です。いずれにしても「過剰摂取」にならない程度で食べる分には問題ないと思います。また、夫婦生活に関しては全く問題ありません。かえって日常生活のリズムを「病気の発見以前の状態」に戻すことは大切なことです。ゾラデックスを用いていると、膣が乾燥して性交痛などを伴うことがあるので、不都合がある場合は看護師もしくは主治医(婦人科医)に相談してみてください。(文責 千島)

 

No.3392】 05年01月16日    花水木
乳がん検査

健康診断でのマンモグラフィー検査の結果、両乳房に石灰化があり、カテゴリー3との診断で乳腺外科の診察を勧められ、紹介状とフィルムを頂きました。乳腺外科のある病院を探し、初診では触診、マンモグラフィー、超音波検査をしました。医師は、リンパ腺が腫れているのが気になるとおっしゃり、次回の受診の予約を入れて下さいましたが、次回の医師は外来が甲状腺担当の初診とは違う医師でした。2回目の診察では、前回の超音波検査の結果、嚢胞があり水がたまっているが心配はなく、又、マンモグラフィーの結果は、左の石灰化が気になるのでマンモトーム検査をするとの説明でした。リンパ腺の超音波検査を2月初旬、マンモトーム検査を3月初旬に行うとのことでした。(予約がいっぱいで、この日になってしまうとのことです。)
患者数が多く、お忙しいのはわかりますが、担当医が変わってしまったこと、マンモトームフィルムは6枚撮影した内2枚だけを光に透かして見て下さるだけで、フィルムを見ながらここがこうだからこうですとか説明して下さらない等、これから先のことを考えると、この病院・医師にお願いして大丈夫なのだろうかと、とても不安になります。
1) マンモトーム検査が3月とのことです。その間に転移してしまう可能性はないのでしょうか。一般的に、良性・悪性の結果を出すまで、何ヶ月もかかるものなのでしょうか。
2) 初診の際の「リンパ腺が腫れている」という言葉がとても気になります。リンパ節転移があると、リンパ腺は腫れるものなのでしょうか。
3) 病院の体制がよくわからず受診し、初診の医師で診察して頂きたかったのですが、この病院で最後まで診察して頂いて大丈夫なのかと、これから先のことを考えると不安と心配でいっぱいになります。(看護士さんに聞いたところ、初診の医師は忙しいので、よほどのことがない限り担当医はこれからも変わらないとのこと) 結果がどうあれ、自分の納得のいく治療を気持ちよく受けたく思い、できればマンモトーム検査をする前に転院をと考えたりもしますが、何回も放射線を浴びたり、今までの検査結果を無駄にはしたくありません。一般的に転院したい場合、診断書・フィルム等をお借りすることは可能でしょうか。

以上、初歩的な質問で申し訳ございませんが、お答え頂けたら幸いです。来年の3月まで、この問題を抱えて毎日過ごさないといけないかと思うと、とても不安です。

1) ごく初期の癌の可能性を否定するためにマンモトームを行うわけですので、3月でも心配ないと考えます。
2) 転移があるとリンパ節ははれる場合が多いです。しかし、転移がなくてもはれている場合も多いのです。あなたの乳腺の病変を考えると転移の可能性は少ないと思われます。リンパ節の超音波所見でもある程度評価できますので、担当医によく説明を聞いてください。
3) 転院のために、紹介状の準備や、画像を借りることはもちろん可能なはずです。担当医に申し出てください。(文責 徳田)

 

No.3391】 05年01月16日    S.A
断端陽性について

38歳、昨年9月に右乳房1/4切除の温存手術をしました。生検結果は浸潤性乳管癌、pT1a、EIC(十)、グレード2、ERとPgR:陽性 後のオペでは、ypTisPNoでステージ1です。核異型度中等度、壊死あり、篩型、切除断端陽性(範囲0・5cm大)との結果をえて、放射線30回を照射しました。わずかとはいえ、DCISの遺残が気になります。術後の療法はノルバデックスDだけです。今後は再建も考えているのですが、癌の遺残部分を切除し再建の方がいいのではないか?と思うのですが、癌は乳頭側に残りこれ以上の切除になると乳首の欠損が起こりうると言われました。残す価値はあるのではないか?との意見に・・・先生はどう思われますか? それと、ノルバデックスだけの経口だけで大丈夫でしょうか?

すでに放射線照射もされており、顕微鏡的なレベルの非浸潤癌組織を的確に切除できるかどうか不明です。局所再発の可能性は30%程度であり、予後に影響を及ぼす可能性は低いですから、再発したらそのときに切除するのでよいと思います。現時点では、ノルバデックスを続けるべきです。(文責 徳田)

 

No.3390】 05年01月16日    M.C. 
術後の痛みについて

2002.3.1.48歳の時、乳癌で右乳房を取りました。早3年になりますが、今だに肘上の腕から、特に腋の付け根の痛みが続いています。以前から不眠症ぎみで眠りが浅く、落ち込むと、さらに痛みと不眠に耐える日々です。痛みには個人差が有り、まったく病まない人もいると聞きますが、なおの事何故に・・・っと。痛みには、これという治療法が無いとネットでありましたが、無いのでしょうか? 月に1度の検診に行きますが、経過を診るだけで痛みに対しては何も解決せず、気休めとしか思えない薬は今だに飲んでいます。季節柄、北国に住んでいますので、この所の冷え込みは半端ではありません。気は落ち込むばかりです。何とか痛みの軽減になる方法は有りませんか? 本当にやり切れなく、悩んでいます。痛んでいる所の神経を切る事も、感覚が無くなっても、痛みに耐えるよりいいかな・・・っと思うほどの毎日です。痛みが続いているので、下着のブラも出来ず、オシャレとは無縁の数年を過ごしています。何か良いアドバイスをお願い致します。

あなたほどの痛みを訴えられる方を経験したことがありませんので、どのように対処したらよいのかわかりません。局所の知覚神経が原因なのかどうか、神経ブロックを試すために、ペインクリニックに相談してみてはいかがでしょうか。(文責 徳田)

 

No.3389】 05年01月16日    B 
昨年の健康診断で

初めまして、31歳、独身です。昨年11月の健康診断で乳がんエコー検診を受けた際に、「のう胞 疑あり」で「経過観察」となっていました。左胸のワキ近くにシコリがあるのがわかります。検診の時も、その部分をなんどもエコーを当てていたのはわかりました。腕を上げて触ってみると、自分でもわかります。大きさは2〜3cmくらいでしょうか。押えても痛くはないです。コロコロやっても移動はしていないようです。「経過観察」ということだったのですが、他の病院で見てもらった方がよいのか、同じ検診を受けた病院で、もう1度その後の経過を見せた方がいいのでしょうか? 次の健診は今年の11月にあります。エコーでわからないことがマンモでわかるということも、あるのでしょうか? 今回エコーだったのですが、マンモを受けるべきなのかエコーでも良いのかは病院で判断されるのですか? 宜しくお願いします。

単純なのう胞は、原則として経過観察でよいと思います。エコーではわからないことがマンモグラフィで見つかることもあります。両方行うのがベストです。(文責 徳田)

 

No.3388】 05年01月16日    ゆき
骨転移の治療法(HPNo.3136-2)

昨年11月11日に初めて質問させて頂いた、ゆきです。その節は大変お世話になり、ありがとうございました。あれからCMFを一回受けたのですが、副作用がきつく、年末年始は中止していました。昨日、病院へ行った所、NCC−ST−439が2500になっていました。現在、骨以外の転移は見られません。主治医によると、骨転移が進んでいる状態でしょうか・・・ということでした。私は現在、身体の痛みはほどんどなく、寝るときに仰向けになると腰椎周辺に違和感がある程度です。そこで、ご相談ですが、私は今後どのような治療を受けるべきか悩んでいます。痛みがないのに体力を落としてまでも抗がん剤投与を受けるべきか、それともホルモン療法が使えるタイプのがんなので、まだ使っていないヒスロンを服用してみるか・・・。現在の治療は月1回のゾラデックス注射、2週間に1回のビスフォナール投与です。主治医は、マーカーが高いので何か手をうったほうがいいでしょうとの事でした。自覚症状があまりないので、どうしてもどんな治療にも踏み込めません。薬の副作用が怖いのです。ヒスロンは血栓症が怖いし、抗がん剤は元気な細胞までダメージを受けるし、本当に頭でっかちになってしまいます。先生、どうかよいアドバイスを宜しくお願い致します。

骨転移だけですので、命にすぐ影響を及ぼす状態ではありません。したがって、副作用の少ない治療、ホルモン感受性があるのであればホルモン療法が第一選択です。
今までどのような治療をされたのかわかりませんが、まず、タモキシフェン+ゾラデックス、これが無効であれば、まだ臨床研究の段階ですが、ゾラデックス+アロマターゼ阻害剤(アリミデックス,アロマシン)を考えます。(文責 徳田)

 

No.3387】 05年01月15日    T.M.
乳首の違和感、及び乳腺外来

初めまして、25歳、出産未経験の女性です。約1週間くらい前から乳首にむずむずとした違和感を感じるようになりました。自分で触って調べたところ、しこりのようなものは見つかりませんでした。現在、生理前なので、その影響もあるかと思い様子を見ているところです。しかし、これまで生理前にこの様な感覚を覚えたことは一度もなく、少々不安に思っています。生理が終わった後も続くようであれば(実際、生理は遅れているのですが)、一度病院に行って検査をしてもらおうと考えています。昨年より私は単身、スイスに住み始めました。そこでお聞きしたいのですが、英語で「乳腺外来」は何と言ったらいいのでしょうか。フランス語圏に住んでいるので、もしフランス語も教えて頂けると幸いです。そして、この様な症状があり、乳ガンの検査を受けたい時には、どの様な検査をお願いしたら良いのでしょうか。病院は町医者等ではなく、市で一番大きな総合病院に行く予定です。どうぞよろしくお願い致します。

英語ではbreast surgeon, breast disease specialistなどですが、ヨーロッパでは、婦人科が担当する場合もあり、病院のreceptionでご自分の症状を説明すれば、どのsectionに行けばよいか指示があると思います。(文責 徳田)

 

No.3386】 05年01月15日    M.Y
骨シンチについて(HPNo.2367-3)

HPNo.2367で大変お世話になりましたM.Yです。一年前の骨シンチで、仙骨周辺に集積が認められ、転移か炎症反応か、半々の確率との事で、この一年不安な気持ちで毎日過ごしてきました。特に症状もないまま一年経ち、また骨シンチの検査が行われ、昨日結果が出ましたが、前回とほぼ一緒とのことでした。集積は相変わらず見られるが、他は特に集積が見られないとのこと。一年経って変わっていないので、あまり心配することはないと言われたのですが、疑いは晴れず・・・、複雑な心境です。もし転移であっても、一年で変化がないということはあるのでしょうか? それとも、進行が単に止まっていると考えられるのでしょうか? 今までこの検査を5回行った中、前回、今回とだけ異常が発見されてしまっただけに不安は大きいです。お忙しい中、お手数お掛けします。どうぞご回答の方、よろしくお願いいたします。

転移であっても、発育がゆっくりであれば変化しないこともあります。しかし、一般的には、そこ以外にでてきたり、進行します。したがって、転移の可能性は低くなっていると思います。(文責 徳田)

 

No.3385】 05年01月15日    T 
今後の治療について

初めて相談させていただきます。43歳未婚。ES プラスマイナス、プロゲステロン プラス。今年1月で術後マル2年たちました。温存でステージ2、リンパ節転移なし、大きさ3センチ弱で、術後放射線25回。その後ゾラを2年間で、2月で終了予定。注射半年後副作用が強く出て、タモキシフェンの飲み薬に変え、婦人科で子宮体癌の検査をしたところ、子宮内膜増症と診断。飲み薬の方があわなかったので、ホルモン療法にもどり、2月で終了予定です。体がんはホルモン療法の間は心配ないと言われました。外科の先生は、「タモキシフェンはあなたは飲めないから、治療はなにもしない」との事です。このまま何もしないのはとても不安なのですが・・・。ホルモン注射をあと1年延長とかは意味がないのでしょうか? よろしくお願いいたします。

ゾラデックスの最適な投与期間は、まだ確立していません。副作用との関係から2年間から5年間が一般的です。(文責 徳田)

 

No.3384】 05年01月15日    H・S
摘出生検の結果がでました(HPNo.3298-3)

HPNo.3298でお世話になりました。摘出生検の結果、良性と診断が出て、本当は飛び上がって喜ぶべきなのでしょうが、@診断の結果が、「悪性ではない」というもので、病名のようなはっきりしたものが無いこと、A乳腺外科ではなく、小さな町立病院の外科医であること(しかも若い)、Bしこり付近の全てを摘出した訳ではなく、部分的に切ったと言われたことが心配で、またこちらに相談にきました。取り残しのしこりは無いはず、とのことでしたが・・・。
「専門の病院でセカンドオピニオンを考えたらいいのか悩んでいます。」と言った時に、「気持ちは分かりますよ!でも今は切ったばかりで触診判断は無理だし、1ヶ月後超音波で見てから、必要があるようならセカンドの準備をしますよ」と、前向きだったことには救われました。嫌な顔されたらどうしよう、と心配だったので・・・。「でもセカンド行くつもりなら、生検の前だったら良かったね」とのことで、ちょっとガックリ。もう既に遅しですよね。生検したあとでは、セカンドはあまり意味がないのでしょうか? もしかして転移していたらと思うと、良性でも手放しに喜べません。でも、しこりが無い以上、調べる方法がないのですよね? 次の超音波まで1ヶ月。その間に転移することはないのでしょうか。クラスVの摘出生検の良性は信じていいものなのか、教えて下さい。

切除後でも他の医師に相談することはかまいません。術前の画像、切除した病理組織のスライド、報告書をかりて、受診してはいかがでしょうか。(文責 徳田)

 

No.3383-1】 05年01月15日    k m
リンパ節転移の処置について

センチネルリンパ節生検を実施し、センチネルリンパ節に転移があった場合の処置について教えてください。臨床的に腋窩にリンパ節を触れない患者が、センチネルリンパ節に1個のみ転移があった場合に、郭清を省いて照射で対応しようとするのは、術後の経過にリスクが大きいでしょうか? 又、リンパ節をlevel2まで郭清するというのは、どの程度(範囲)の郭清をするという事でしょうか? この場合のlevelは、何段階あり、それぞれどのような違いがあるのでしょうか?

郭清をしないで放射線照射すればよいという報告はまだありません。現在試験中です。
脇の外側から、内側へlevel 1, 2, 3とわけます。2は、肩の真ん中あたりになります。level 3まで転移があると再発のリスクがあがります。また、全体での転移の数も大きな予後因子です。(文責 徳田)

 

No.3383-2】 05年01月17日    k m
リンパ節転移の処置について(2)

ご返信ありがとうございます。センチネルリンパ節に1個のみ転移があった場合に、郭清を省いて照射対応するのは、現在試験中ということですが、現在までの試験段階の治療成績のデータは、郭清時と比較し、どのような差が出ているのでしょうか?

大規模な無作為化比較試験の成績はまだ公表されていません。(文責 徳田)

 

No.3382】 05年01月15日    S.I.
白血球減少

母の件で相談させて頂きます。去年11月に全摘出手術を終え、今年から通院による化学療法(エピルビシンとタキソテール)が始まりました。先週2クール目の点滴をして、今週白血球の数を調べたところ1700まで下がっていました。上げる注射を2回したのですが、上がるどころか1600に下がっていました。
1)1クール目の時は4000台に上がったのに今回は上がらなかった事は、何か問題や体調不良が関係しているのでしょうか? 
2)また、副作用が出れば薬が効いているという関係はあるのでしょうか? 

ご返答、宜しくお願い致します。

1)白血球増加因子の注射も、骨髄の血液の元になる細胞の準備ができていないと、成熟した白血球がすぐには増えてきません。抗癌剤の影響が蓄積されてきているのだと思います。
2)副作用と効果とは関係しません。(文責 徳田)

 

No.3381】 05年01月15日    Y.W.
骨転移について(HPNo.2964-2

昨年、HPNo.2964で丁寧な回答をいただき、ありがとうございました。母(64歳)の抗癌剤も終わりホッとしていたのですが、先日(1/5)の骨シンチ検査で黒い影が1つあったみたいで、転移ではないかと不安に思っております。その黒い影は右の鎖骨にあり、鎖骨の骨を触っても痛みはないそうです。1/25のCT検査をしないとはっきりした事が分からないそうなのですが、毎日が不安で不安でたまりません。
1)骨シンチで、ガン転移以外で黒い影が映ることもあるのですか?
2)転移だった場合、予後はどれくらいなのでしょうか?
3)手術が終わってから1年以内に骨転移した場合、悪性度の高いガンなのでしょうか?

これからも母には長生きしてほしいと思っておりますが、転移の事を考えると、とても心配です。お忙しいところ申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願い致します。

1)良性の骨病変でも陽性にでることがあります。
2)骨のみの転移では、命にかかわる転移ではないので、予後は良好で、8−9年共存されるかたもおります。
3)手術前に見えていなかったとすれば、増殖のスピードは速い癌と考えられます。(文責 徳田)

 

No.3380】 05年01月15日    H
抗がん剤とホルモン剤の併用について

いつも読ませていただいています。温存手術をして、その後放射線25回、ホルモン療法(ゾラデックス)と抗がん剤(エンドキサン+テラルビシン4回の予定)を平行してしています。腫瘍は2.5センチ、リンパ節転移なし、グレード3、ホルモン陽性、39歳です。卵巣機能が温存される確立が高くなるとのことで併用し、主治医からこの方法をとっても抗がん剤の効果は変わりなく、病期から見て併用することは問題ないと説明を受けました。
HPNo.3363の答えで
1) 2002年のアメリカ臨床腫瘍学会で、Intergroup 0100 という臨床試験の結果が発表されました。これによると術後の比較的早期な乳癌患者へはホルモン剤と化学療法剤を同時併用しないほうが、再発予防効果が高いという内容でした。
というのを読んだのですが、どの程度効果が下がるのでしょうか? また同じ日にホルモンの注射、抗がん剤の点滴をするのはよくないのでしょうか?

化学療法との併用を検討したのは、タモキシフェンです。ゾラデックスについては検討されていません。抗癌剤の2次的な効果として卵巣機能の抑制がありますので、ゾラデックスの併用は問題ないと考えます。また、ゾラデックスを併用することにより、化学療法にともなう不妊のリスクを軽減できるかもしれません。(文責 徳田)

 

No.3379】 05年01月14日    H.Y.
右胸の乳首の感覚

右胸の乳首が、足がしびれて感覚がなくなった時のように、触っても触っているのかよくわからないようになっていたのですが、これは一時的なもので、よくあることなんですか? それとも何かの前触れなのでしょうか??

あまり拝見したことのない症状ですので、念のために専門医の診察をうけられてはいかがでしょうか。(文責 徳田)

 

No.3378】 05年01月14日    Y 
生理が戻りました

乳がん術後の治療で生理をとめる注射(タモ・・・)を2年間しておりましたが、治療後6ヶ月で再度生理になりました。
1) こういった場合、リスクが増えたと考えるべきなのでしょうか。現在41歳で、5年間のノルバデックス服用をしております。(抗がん剤、放射線治療は手術後にいたしました。)
2) このまま生理が続くと、更年期障害の症状(ほてり)は緩和されていくのでしょうか。

1) 生理をとめる注射はおそらくゾラデックスと思いますが、どのくらいの期間投与するのが良いのかはまだ決まっていません。今までの報告では、2年以上が良いようです。
2) 骨粗しょう症を含めて緩和されます。(文責 徳田)

 

No.3377】 05年01月14日  M.P.  
非浸潤性乳管癌の乳房温存手術後の治療について

非浸潤性乳管癌の乳房温存手術後の治療についてお教えください。昨年11月15日に乳房扇状温存手術を受けました。12月21日の病理検査の結果は、noninvasive ductal carcinomaで、Ia cribriform〜flatでした。断端陽性(3ヶ所、それぞれ1mm、2mm、3mm)でしたので、主治医の先生に放射線治療とタモキシフェンの内服を受けるよう言われました。しかし、放射線科の医師に、乳房局所の再発を完全に制御したければ、断端陽性の場合、追加切除をするのが標準的な治療方法であり、全摘のほうがbestと言われました。非浸潤性癌であっても再発した場合、その半数は浸潤性になると聞いているので、現在、放射線治療を受けるのか全摘にするのか大変迷っています。そこで、専門家でいらっしゃる先生方のご意見を伺えたらと存じます。Comedo carcinomaは浸潤しやすいとお聞きしましたが、cribriform〜flat typeはいかがでしょうか?このtypeは非浸潤性乳管癌の亜分類の中で悪性度が高いものですか?それとも低いものですか?大胆の質問になり申し訳ございませんが、もし私が先生の大切な人でしたら、放射線治療それとも全摘、どちらをお勧めになりますか?大変お忙しいところ恐縮ではございますが、率直なご意見を頂けたら幸いに存じます。お返事をどうぞよろしくお願い申し上げます。

非浸潤癌でも、断端陰性にするのが原則です。ただし、追加切除が即全摘ということではなく、温存をねらってよいと思います。すなわち、断端が陰性になれば全摘しなくても良いということです。非浸潤癌の亜分類にはいろいろありますので主治医にお尋ねください。一般的にご承知のようにComedo typeはその他のtypeより再発しやすいという報告が多いようです。しかし、断端を十分にとれば、亜分類の影響はあまり考えなくてもよいとされています。(文責 徳田)

 

No.3376】 05年01月14日   F.F
ハイリスクとは?(HPNo.2590-4)

先日は早々のご丁寧な回答をありがとうございました。残念ながら私の病理結果にはHYPERPLASIAという表記だけでなく「Fibrocystic changrs , Predominantly Non-Proliferative But Associated with Atypical Duct Hyperplasia and Atypical Lobular Hyperplasoa」となっていました。こちらで相談されている多くのもっともっと大変な方々に対して、私の場合まだ乳がんと言われたわけではないので申し訳なく思いますが、医師があまりにも「ハイリスク、ハイリスク、必ず5年以内に発症する」と言うので、とても敏感になってしまっています。「たぶんこれはガンです」と言われて、取り出した物が上記ような物だったのですが、この時点で悪いものは取っても、乳房自体の土壌すべてがハイリスクだと解釈すればいいのでしょうか?(肝硬変の中に肝臓ガンが出来るのと同じようなものですか?)ー(質問)
MRI検査の造影剤に関しては造影剤ナシもしくは他の検査で診てもらうように致します。またのアドバイスお願い致します。

ご理解のとおり、残っている乳腺自体が癌になりやすいということです。したがって、定期的な検診が必要です。(文責 徳田)

 

No.3375】 05年01月12日   S.Y.
左胸下内側の癌について

初めまして、閉経前、47歳主婦です。左胸の内側下にしこりを感じて、マンモグラフィーや細胞診の結果、癌と判明。12月24日に告知を受けて、今月20日に乳房温存手術を受けることになりました。 しこりの大きさは2センチ以上あり、ステージ2です。センチネルリンパ生検もする予定です。今一番気になっているしこりの位置で、体験談を読んでも同じ位置の方が見つかりません。温存でも中央に近いので、手術跡は目立ちますか? 心臓に近いのも不安です。放射線治療もすることになるのですが、大丈夫でしょうか? 手術前にはきちんと主治医の先生からお話があると思うのですが、入院までの毎日が長く、不安が募るばかりです。よろしくお願いします。

たしかに、胸の中央に近くなるとケロイドになりやすいといわれていますが、執刀医はご存知と思います。術後、残存乳腺に放射線照射をする際に、心臓にかからないようにするので心配する必要はありません。(文責 徳田)

 

No.3374】 05年01月12日   K.S. 
過去に乳頭から分泌物

相談お願いします。26歳女性です。5年ほど前に右乳頭に痒みと黄色分泌物があり、1年ほど続きました。同時期にアトピー性皮膚炎で、顔面や手足に痒みと同じような黄色分泌物がでていました。顔面、手足の方は皮膚科からの軟膏をぬり、出たりおさまったりを繰り返し、半年程で分泌物、痒みもおさまりました。乳頭にも同じ軟膏を塗っていました。それ以降は分泌物はありませんが、変形して陥没乳頭になりました。もともと右乳房の方がわずかに大きいです。分泌物や痒みがでたのは、はじめは顔面からでした。乳がんの家族歴はありません。掻き傷ができるとそこから分泌物がでるような格好だったので、これもアトピー性皮膚炎によるものなのかと思ったりしていましたが、場所が場所だけに不安をかかえていました。現在症状がないのですが、病院で調べてもらったほうがいいでしょうか? 乳がんでしょうか?

乳頭のただれで見つかる癌もまれですが、あります。年齢的にも癌は考えにくいですが、心配しているより一度専門医を受診しましょう。(文責 徳田)

 

No.3373-1】 05年01月12日    N
母の乳がんについて

お忙しい所、申し訳ありません。母の乳がんの事で聞きたい事があります。12月にステージTと診断され、12月28日に手術をしました。0.8oのガンでしたが、ピンポン玉位取ったそうです。そのあとの検査が1月8日に出たのですが、陽性が出て、乳房全体に非浸潤ガンが広がっていると言われました。その為再手術になりました。この様なケースはよくある事ですか? 幸い、リンパに転移はしていないという事でしたが、だからといって遠隔転移はしていないという事ではないのですか? ステージ1でも遠隔転移しているケースはありますか? それと、傷跡がパンパンに腫れて、すごく堅い物体が乳房の中にあります。先生は心配無いと言いますが、術後の経過があまり良くない様に思うのですが・・・。宜しくお願い致します。

浸潤癌の部分が少なく、大部分が非浸潤癌で、乳腺全体に広がっている方も少ないですが、おられます。予後に影響をおよぼす腫瘍の大きさは浸潤径で測定しますので、非浸潤部分の大きさは予後に影響しません。ステージ1というのは、遠隔転移は現時点ではないということです。転移があれば、ステージ4ということになります。手術から2,3ヶ月は、中の傷あとは硬くなりますが、次第にやわらかくなります。(文責 徳田)

 

No.3373-2】 05年01月21日    N
母の乳がんについて(2)

以前HPNo.3373で質問をさせていただいたNです。お忙しい中、ありがとうございます。また、質問があります。14日に再手術をしました。手術の後、先生に説明を受けました。まず、最初の診断ではガンが0.8ミリのステージT、リンパ節転移無しだったのですが、再手術の時聞いたのは、乳房に思った以上にガンが広がっており、大部分を取ったとの事、そしてまた病理検査の結果次第、全摘出になるとの事でした。母は進行が早いのでしょうか? 何よりもショックだったのが、もう一度深く検査をしていった所、リンパにごく小さい物が転移していると言われました。つまり、ステージTでは無かったという事なのでしょうか? リンパに転移した場合は、抗がん剤しか治療法は無いのでしょうか? 抗がん剤でリンパ節にあるガンは消えるのですか? 例えば、一つのリンパに転移したという事は、他のリンパや臓器に転移していると考えた方がいいのでしょうか? 担当の先生からは、その事については何も聞いていませんし、まだ調べていません。今は、再手術の時に取った部分の病理検査待ちの状態なので、話は進んでいません。そんな間に、どんどん進行しているのじゃないかと、心配でなりません。ご返答の方、宜しくお願い致します。

リンパ節転移がある場合、 病理学的進行度はステージIIAになります。リンパ節転移のある患者さんは無い患者さんに比べ再発のリスクは高いので、一般的には術後抗がん剤投与が勧められます。しかし、リンパ節転移の状況や、ホルモン感受性、年齢等の因子を考慮し、ホルモン療法で再発予防をしていくことも可能かもしれませんので、病理結果がでたら主治医と相談して下さい。(文責 浜口)
 

No.3373-3】 05年01月31日    N
母の乳がんについて(3)

今日、再手術の結果を聞きに行きました。まず、乳頭直下に多少のガンが残っていると言われました。先生は、「@その部分に放射線をあてるか A温存でその部分だけ取るか B全摘出するか」と、おっしゃっています。それを家族で相談して決めてくださいと言われました。母はリンパ節に転移しているので、どちらにしても抗がん剤はすると思うのですが、何が最善の方法かわかりません。母は乳房の中に少しでもガンが有る事が不安なので、全摘出を望んでいるのですが、先生はあまり勧めてはいないようです。そして、今日ノルバデックスというホルモン剤も飲み始めました。抗がん剤治療をするならば、全摘出をするまででもないのでしょうか?再発のリスクを少しでも下げるには、どの方法がいいですか? 教えてください。お願い致します。

乳房温存手術の切除断端にガンが少し残っており、今後どのような治療を選択すればよいのか?という質問ですが、術後の治療には大きく分けて全身治療(抗ガン剤やホルモン治療)と局所治療(放射線治療)があります。局所治療(放射線治療)で残っていたガン細胞は死滅させることは出来ると思います。放射線を照射しても残った乳腺にガンができる可能性は数%存在しますが、その再発は患者さんの予後(今後の寿命)には影響しません。ですからもし同じ側の乳房に再発してもそのしこりを切除すれば、問題ありません。乳房を残す意志があって乳房温存手術をお受けになったと思いますし、追加切除か放射線照射でガンが残っている不安は解決されると思いますが、いかがでしょうか。もし乳腺を全摘出すれば乳腺への再発はなくなりますが、皮膚などに再発する可能性もあります。全身治療(抗ガン剤やホルモン治療)に関してもノルバデックス(ホルモン治療)を飲みはじめていらっしゃるようなので、今後抗ガン剤について担当の先生にご相談なさってはいかがでしょうか。(文責 川本)

 

No.3372】 05年01月12日    S.Y.
粘液癌・再発後の治療方針について(HPNo.2900-2)

以前、HPNo.2900で回答していただきまして有難うございました。乳房内再発でCT・MRI施行し、結局2個の腫瘍が見つかり、11/30に腫瘍の摘出を行いました。病理の結果は、やはり前回と同じ粘液癌でした。また、女性ホルモンも調べてもらい、閉経状態ではないとのことで、アリミデックスからフェアストンに変更になりました。現在治療としてフェアストンの内服のみなのですが、化学療法・内服治療・ホルモン治療の必要はないのでしょうか? 以前の治療は、放射線25回、抗がん剤点滴6回、ゾラデックス注2年、フルツロン2年、ノルバデックス20mg5年服用していました。また、粘液癌は予後がよく、転移・再発が少ないといわれる割に、私の場合5年未満で乳房内に再発してしまい、納得できないのですが、粘液癌とはそんなものなのでしょうか? 粘液癌・再発後の治療方針について教えていただきたいのです。よろしくお願いいたします。

乳房内の再発は、予後に影響をおよぼすような転移再発ではないので、悪く考える必要はないと思います。再発ではなく、残っていた乳腺に新たにできたのかもしれません。したがって、今回、早期に発見できたのであるとすれば、フェアストンのホルモン療法のみでよいと思います。(文責 徳田)

 

No.3371】 05年01月11日  S.M. 
左胸部から左腋下の痛みについて

はじめまして。35歳、一児の母親です。3ヶ月前から左胸部・左肩と左の腋下に鈍い痛みを感じる時があります。常に痛みがあるわけでもなく、しこりもあるわけでもありませんが、気になっています。はじめ肩こりだと思い、内科に受診し、肩こりを和らげる薬をいただき内服していましたが、症状が改善しないので乳がんを意識するようになりました。何かアドバイスがありましたらお願いします。

しこりもなく乳癌の可能性は少ないと思われますが、念のため、一度検診をうけてはいかがでしょうか。つらい検査ではありませんから。(文責 徳田)

 

No.3370】 05年01月11日  MIHO
鎖骨、胸部の放射線治療は必要か?

放射線治療、ホルモン療法についてアドバイスをお願い致します。術前 : CEF-T療法 、手術 : 左乳房全摘出2004/12/03 リンパ節11個摘出1個転移、 所見:GRADE1 乳管がん
軽度の核異型と核分裂像を有する腫瘍細胞が著明な粘液産生を示す。断端:陰性、腫瘍:4×1.3p大、リンパ管侵襲像が散見される、ER2+ PgR+/- 、P53:- 、術後:タスオミンD錠ー5年予定 、放射線鎖骨胸部50Gy予定、 46歳、閉経前。アドバイスを頂きたいのは筋腫が3つあり、子宮体がんのリスクが高くなるのかどうかという点と、放射線の必要性です。よろしくお願い致します。

タスオミン(タモキシフェン)と子宮体癌の関連は指摘されていますが、頻度は低く、それより乳癌再発防止のメリットのほうが高いと考えられています。現時点では、腋窩リンパ節転移が4個以上の場合、リンパ節や胸壁に放射線を照射するのが一般的です。(文責 徳田)

 

No.3369】 05年01月11日  E.A. 
妊娠中の乳癌について(HPNo.3253-2

1)妊娠発覚と同時にシコリを自分で見つけました。妊娠と癌の因果関係はあるのでしょうか? 今回の妊娠により癌ができたのか、それとも今まで気づかなかった癌が、たまたま妊娠中にみつかっただけなのでしょうか?
2)ホルモン有効との結果が出ました。妊娠中はホルモンのバランスが通常とは異なると思いますが、妊娠中はホルモンの影響で更に他の臓器に癌ができやすいといったことはありますか?
3)29歳で乳癌になりました。私のような体質の者はこれから先、他の臓器も含み癌になりやすいのでしょうか。
4)妊娠中に癌が見つかったことで、胎児が小児癌になりやすいとか、癌体質が遺伝する可能性はありますか?

素人じみた質問で申し訳ありませんが、ご回答頂ければ幸いです。どうぞ宜しくお願いいたします。

1)乳癌は、妊娠と関連の強い癌のひとつです。また、妊娠により一過性に乳癌のリスクが高くなる可能性もあります。しかし、あなたの場合どのように影響を及ぼしている
かはわかりません。
2)妊娠と関連する癌として子宮癌がありますが、乳癌ができたからといって、子宮癌ができやすいわけではありません。
3)ほかの癌のリスクが上がることはありません。一般の乳癌の方と同じです。以前は、妊娠期の乳癌はたちが悪いといわれていましたが、最近の報告では否定的です。
4)胎児に先天奇形が多くなるとの報告はありません。癌については、乳癌の母親のお子さんと同じリスクです。女の子の場合、乳癌のリスクが少し上がります。(文責 徳田)

 

No.3368】 05年01月10日  mm
腰痛、検査について

いつも拝見しております。1年2ヶ月前、左胸温存手術を受け、リンパ転移無し、グレード2、ホルモンレセプタープラス、HER2+2、硬癌、当時35歳のステージ1でした。術後は、放射線、ホルモン療法でリュープリン注射のみでしたが、心配になり2ヶ月前からノルバデックスも追加してもらいました。その時、1年検診でCT、骨シンチに異常はありませんでしたが、検診後3週間頃から左腰痛が1週間ぐらい続き、その後気にならなくなりましたが、またここ1週間同じ所が痛いです。動いている時は気にならないのですが、じっとしていると鈍痛が続きます。痛みがあると、骨転移ではと不安です。ノルバデックスの副作用と考えられますか? 骨シンチ後、3週間で再発の痛みの可能性はありますか? 不安ですが、今後どのような検査をすれば良いでしょうか? お忙しいところ申し訳ありませんが、お願い致します。

確かに骨シンチでは発見しにくいタイプの骨転移病変もありますが、通常骨転移による腰痛は持続的、または徐々に増悪する痛みとなります。症状の増悪、軽快を繰り返す場合は整形外科的な腰痛の可能性が高いと思います。閉経後に使うホルモン剤(アロマターゼ阻害剤)と違い、ノルバデックスは骨痛などの副作用は少ないと言われています。今後も腰痛が改善しないようならば、整形外科(もしくは通院中の乳腺外科)で腰椎X線かMRI検査を受けてみてはいかがでしょうか。(文責 千島)

 

No.3367】 05年01月10日   Ito
乳癌でしょうか?

はじめまして。先日21歳になったばかりです。乳癌の家族歴はありません。二年前(もっと前からかもしれませんが)、左胸にしこりというか、ごつごつした平べったいものがあって、押すと痛むので気になっています。生理前後は特に張って、痛みも強くなります。一番最近の生理の時、今まで鈍痛という感じだったのが、ずきずき痛むようになりました。乳癌では痛みを伴わないと聞いていますが、進行したものは痛むこともあると知り、二年以上もほったらかしてあるので心配になりました。上記のような症状で、乳癌という可能性はあるでしょうか? 検査に行こうと思っても、最悪のことを考えると恐ろしくて躊躇しています。

19歳でしこりに気が付いて、2年間経過しても目立った増大傾向はないようなので、まず乳癌は否定してよいと思います。病状経過を見る限り、線維腺腫という良性のしこりが一番考えられます。線維腺腫ならば定期的に経過観察をして、3cm以上の大きさになった時点で手術による摘出を考えます。いずれにしても、痛みを伴うしこりがあるのならば、「乳癌ではない」という確認の意味でも、一度乳腺専門医の診察を受けることを勧めします。(文責 千島)

 

No.3366】 05年01月10日   NK
乳頭からの黄色分泌物について

30歳の女性です。24歳の時、第1子出産、4ヶ月授乳。27歳の時、第2子出産、1年半授乳。授乳を終える頃には子供が乳首を噛み、裂けて痛みを感じていました。それから、乳首に痒みや黄色い分泌物が出始め、下着にはりつくこともあります。あまり気にしていなかったのですが、気がつくと、こういう状態が約2年。治りそうになっては、かさぶたになるという繰り返しです。数ヶ月前に婦人科検診を受けましたが、乳癌検査は30歳半ばになっていないし、マンモグラフィー検査は受ける必要がないと言われ、やりませんでした。それも、今現在アメリカに住んでおり、何処で見てもらったらいいのかわからず、結局検査を受けたのは、第2子を産んだ婦人科院です。多分、乳癌で手術を受けることになるとしても、アメリカになると思うので、とにかく不安がいっぱいです。どうしたらいいのでしょうか??? 
右の乳首だけ(少し張りを感じる)で、左胸と比べると、少ししこりのようなものがある気もします。授乳後は、特に胸が小さくなってしまい、乳癌とは関係がないと思っていましたが、なかなかタダレが治らないので、気になりはじめました。乳癌になりやすい体質とは考えられないし、親族にもいないし。とりあえず、婦人科院でマンモグラフィー検査を受けてみようとは思いますが・・・。前述の通り、相談できる人もいません。よろしくお願いします。

現時点では乳頭に傷はないのでしょうか? 明らかな傷がないのであれば、乳頭から出てくる「黄色分泌物」による症状と考えます。透明性のある黄色乳頭分泌物は多くの女性で認め、血のような赤い(血性)分泌物でなければ、あまり病的意味は持ちません。もし心配ならば、乳腺専門医を受診して、マンモグラフィや超音波検査などと共に、乳頭分泌物の性状を診てもらうようにしてください。(文責 千島)

 

No.3365】 05年01月10日   H・S
クラスV その後について(HPNo.3298-2)

先日、先生より返答頂きました。ありがとうございました。心配した造影剤の副作用は軽い熱感のみでホッとしました。さて、四日に生検を受けてきました。13日抜糸、18日検査結果を聞きに行きます(13日にわかるようなら、その時に教えて下さるようですが)。今はもう祈るしかない状態です。実際、摘出したものは、クリーム色の1pX2pくらいのものと、手術中に爪にカチっとひっかかるような?触れ方をしていた固い感じの3〜4ミリの粒状の血のかたまりのようなものの合計二つを術後に見せてもらいました。
今後についてお聞きしたいのですが、良性だった場合は今後も注意深く様子を見る事になるでしょうが、悪性だった場合の今後の流れを知りたいのです。MRIに写っていなかったと言うことは転移は無いということでしょうか? クラスVの時に悪性である確率はどのくらいなのでしょうか?
担当医に以前聞いた時、「もし悪性で乳癌となった場合、脇の横のリンパは必ず取ってしまわないと・・・との事でしたが、たぶん温存で乳房は残せるでしょう。」との事。内視鏡的手術というものも方法としては存在するようですが、実際にできるのは限られているのですよね(しこりの場所・実施している病院)? もし今回、生検で全部が取りきれてるなら、リンパだけ取る手術ですむのか、また乳房を切開する必要もあるのでしょうか。術後、何日ほどで日常生活に戻れるものでしょうか。家事や車の運転など・・・。もうママさんバレーのようなスポーツは出来なくなってしまうのでしょうか。良性である事を祈りつつ、悪性だった場合の事もある程度つかめていた方が気持ち的に安心できます。いろいろとお聞きしましたが、どうぞよろしくお願い致します。

ご説明いただいた摘出標本の状況からは、良・悪性の判定は難しいと思います。細胞診でClassVの場合、施設によっても多少異なりますが、乳癌である可能性は30〜50%位です。乳房のMRIは乳房内の病変に対して行っている検査なので、転移の有無に関しては診断できません。全身転移については「乳癌」の診断がついてから、他の検査法を用いて行うこととなります。もしあなたの腫瘍が悪性であった場合、切除断端まで癌が及んでいれば改めて乳腺の追加切除を行う必要がありますが、今回の手術で癌が完全にとりきれているようならば、手術ではなく放射線照射で代用できる可能性もあります。リンパ節切除に関しては、病変が利き腕側の右であり、ママさんバレーをされているということを考えれば、センチネルリンパ節生検法という新しい手術法を試してみるのもひとつの選択肢だと思います。この方法も、現時点では標準治療ではなく医学研究の段階なので、施行可能な医師、施設に限定があります。もし「追加手術」が必要となれば、この手術を受けることが可能かどうかを主治医に尋ねてみてください。いずれにしても、現段階では乳癌と決まったわけではないので、組織結果が出るまでは過剰な心配を避けて、できるだけ心身ともにリラックスする用に心がけてください。(文責 千島)

 

No.3364】 05年01月10日   M.E.
鎖骨胸部の放射線治療の必要性

放射線治療についてアドバイスお願い致します。術前CEF-T療法、手術 左乳房全摘 2004/12/3 所見 乳管がん(粘液参生) 断端 陰性 腫瘍 4×1.3p大 リンパ節1/11(一つ転移) リンパ管侵襲散見 P53・- ER2+、 PgR+/- 術後 抗エストロゲン5年間服用予定 放射線予定 46歳 閉経前 。 放射線を勧められていますが決心がつきません。また、薬も飲んでいません。術後の治療法についてアドバイスをお願い致します。

現在推奨されている乳房切除術後の放射線治療は、1. 乳癌の大きさが5cmを超えるか、癌が直接皮膚や胸壁へ浸潤しているもの、2. 腋窩(わきの下)リンパ節転移が4個以上、このどちらかの条件を満たす症例と考えられています。この基準にあてはまる症例での放射線治療による再発予防効果は、欧米でのデータでは胸壁などの局所再発を約半分に減少し、生存率を約10%改善するといわれています。あなたの診断を見てみると、腫瘍は4cm(皮膚浸潤がないと仮定すると)、腋窩リンパ節転移は1個ということなので、放射線照射推奨基準からは外れることになります。ただ、この基準を外れたら放射線照射を絶対に行わないというわけではなく、胸壁再発等の危険があれば放射線照射を追加する可能性も十分にあります。放射線治療で一番問題になる有害事象は上肢のリンパ浮腫ですが、腋窩リンパ節切除を行った症例で術後放射線治療を行うと、約10%で上肢のリンパ浮腫を生じるといわれています。手術、放射線、抗癌剤。いずれの治療法においても、必ず効果と副作用(有害事象)の両面を持っています。あなたが放射線治療を行うにあたっては「再発の予防と左上肢リンパ浮腫の予防」。このどちらが自分にとって重要なのかを考えながら、治療法を選択するようにしてください。(文責 千島)

 

No.3363】 05年01月10日   N.S. 
CEAの上昇について

40歳既婚、2003年1月右乳癌で全摘しました。病理結果、乳頭腺管癌、リンパ節転移無し、ホルモンレセプターER(+)PgR(−)、HER2(3+)でした。術後はAC4クール後、ホルモン療法(ゾラデックス、ノルバデックス)をしていました。2004年5月頃よりCEA値が上昇し始め、PET、骨シンチ、腹部CT、婦人科検査をしましたが、異常はみつかりませんでした。9月にはCEAが20を超えたため、ノルバデックスからアリミデックスに変更し、消化器系の検査、頭部MRI、胸部CTをしました。胸骨近くに疑わしき点があったため、再度PETをしましたが、異常はみつかりませんでした。現在自覚症状はありません。喫煙もしません。CA15−3、NCC−ST439は正常値です。11月にはCEAが34になり主治医に抗ガン剤の治療を始められないか聞いたところ、「ターゲットが見えないので」とおっしゃって慎重です。セカンドオピニオンを求めた病院の先生には、原因究明が第一だが、「(1)CMFをしながら様子をみる。(2)EC→タキソール」と提案されました。ハーセプチンは、費用がかかる、使い始めるとなかなか止められないといった理由で、「もう少しあとまでとっておく」と言われました。そこでお聞きしたいことは、
1) 抗ガン剤をする時は、「ホルモン療法を中止し、3ヶ月程度ホルモン薬の影響がきれるまで待ってから開始する。」と言われました。ホルモン療法と化学療法は並行して行わない理由は理解しましたが、3ヶ月も待つのは不安です。この無治療の時間は必要なのでしょうか?
2) アンスラサイクリン系の薬は使う量に上限があると聞いています。ACの後にECをするのは大丈夫なのでしょうか?(Aはテラルビシンを使用しました。)
3) 私のような場合、他にどのような選択肢がありますか? アリミデックスに変更後も値が上昇しているという状態でホルモン療法は他に何かありますか?

今の状態が、マーカー値でしかわからない再発だとしたら、このチャンスを逃さず、しっかり治療をして後悔のないようにしたいと思っています。長くなってしまいましたが、よろしくお願いします。

1) 2002年のアメリカ臨床腫瘍学会で、Intergroup 0100 という臨床試験の結果が発表されました。これによると術後の比較的早期な乳癌患者へはホルモン剤と化学療法剤を同時併用しないほうが、再発予防効果が高いという内容でした。CEAが上昇してきている状態でホルモン治療から化学療法へ切り替える場合、「どのくらい間隔を空ければよいのか」という決まった休薬期間はありません。現在、ホルモン剤を投与しているにもかかわらずCEAが上昇しているのであれば、3ヶ月間のインターバルは長すぎると思います。
2) Aという記号はドキソルビシン(アドリアマイシン)という薬の頭文字を表しています。テラルビシンはドキソルビシンと同じアントラサイクリン系薬剤に属しますが、本当の意味でのAC療法とは異なります。ドキソルビシンとほぼ同等と考えられているアントラサイクリン系薬剤はエピルビシン(E)となります。あなたの場合、エビデンスで効果があるといわれているドキソルビシン(もしくはエピルビシン)を投与していないので、もう一度エビデンスに沿った治療をやり直すというのならば、心臓毒性がドキソルビシンより出現しにくいと言われている、エピルビシンを使ったEC療法を行うのもひとつの選択肢だと思われます。ただし、テラルビシンで950mg/m2(総投与量で約1300mg)ドキソルビシンで500mg/m2(総投与量で約700mg)、エピルビシンで900mg/m2(総投与量で約1300mg)を超えると心毒性が強く出るといわれているので、既にテラルビシンの投与を行っている場合は、心毒性を避けるためにEC療法は除いて、タキサン系抗癌剤(タキソールまたはタキソテール)から治療を開始するのも良いのではないでしょうか。
3) アリミデックスを使用する場合、体中の内分泌環境が閉経状態にないと効果がありません。通常、閉経前でゾラデックスを使用している人は、人工的に閉経状態を作っているので、ゾラデックスの投与を中止すると卵巣機能が回復し、月経が再来しなくても内分泌環境は閉経前状態に近くなっており、アリミデックスの効果が十分に発揮されていない可能性があります。閉経前に用いるホルモン療法としては、ゾラデックス、タモキシフェンの他に、ヒスロンHなどのプロゲステロン製剤もありますが、これらの薬剤は再発・転移が確定したときに使用することになっています。また、他のホルモン療法剤と比べて副作用も多いので注意が必要です。(文責 千島)

 

No.3362】 05年01月09日   N.T.
外科生検について(HPNo.1914-2)

前にHPNo.1914で術後の補助療法についてお伺いした者です。その節にはご丁寧な御回答、ありがとうございました。お蔭様で自分の乳がんの状況について理解でき、大変参考になりました。
○経過
1)2002.11. 左乳房1cm程度のしこり、右乳房5mmしこり
2)2003.7.  左 細胞診クラス5、乳がんと診断、MRIの結果しこり以外にも多発性あり。右 細胞診クラス2、良性と診断。
3)2003.9.  左 皮下乳腺全摘手術受ける。 右 経過観察。
       左乳房病理検査の結果、非浸潤ガン、病気0期、リンパ節転移無し(センチネル)、ホルモンレセプター陽性、核異型度2。
    
○現在の問題点
左は解決できたのですが、
右乳房
2003.8.  2mm×5mm 細胞診クラス2
2004.6.  6.2mm×4.3mm   クラス2
2004.12. 6.2mm×4.8mm   クラス3
2004.12.のエコーの画像が前2回と少し変化あり。MRIの結果、DCISかセンイのかたまりか不明。

○質問事項
主治医は外科生検か経過観察ということでした。迷いましたが、外科生検を選択しました。私の選択は順当でしょうか。又、外科生検にあたっての注意点を教えて下さい。どうぞよろしくお願いします。

細胞診でClassV、超音波では時間とともに形状変化があるならば、切除生検を受けるのが妥当と考えます。おそらく局所麻酔での手術と考えますので、大きな問題はないと思います。強いて注意すべき点といえば、組織結果が出るまでは過剰な心配はせずに、できるだけ心身ともにリラックスする様に心がけてください。(文責 千島)

 

No.3361-1】 05年01月09日   N.A
遠隔転移疑い状態での薬物療法について

はじめまして、相談いたします。40歳、子供3人の主婦です。先月、自分で右乳房の右側に硬い小豆大と米粒大のしこりを4個見つけ検査を受けたところ、マンモグラフィーと細胞検査でCOMEDOとのことで、乳がんと告知を受けました(乳房の痛みや脇等のリンパ節にしこりや違和感はなく、他にも体調不良等の自覚はありません)。 また、転移に関し、骨には異常なかったのですが、肝臓に疑いがあり、CTの再検査(5mm間隔)を受けました。主治医の先生の診断では、「これでも遠隔転移ははっきりせず、これ以上の検査は難しい」でした。
・肝臓:一箇所3cmの大きさの平たいものが写っているが、がん転移とは言い切れない。
・肺:今回は5mmのものが一箇所写っているが、これもがん転移とは言い切れない。(放射線医は転移だろうと言う)
通常、これ以上は調べることはできないものなのでしょうか?

また主治医の先生の治療方針は、「転移の可能性もあるので、薬物療法を行って(タキソールを3ケ月、ハーセプチンが効くようであれば使う)、その内2ケ月で転移可能性部の縮小状況により、 転移か否かを判定し、その後の治療を考えよう」でした。転移の可能性がある限り、抗がん剤使用もやむを得ないものでしょうか?(白血球減少や吐き気、脱毛などの副作用はやむを得ないのでしょうか?) なお、主治医の先生の薬物治療のお考えは、以下のようでした。私には妥当性はわかりませんが・・・。@タキソール:週に一回を3W繰り返し1W休み(できれば2年投入)AEC?:2W入院して、60を投入(ハーセプチンが使えればECは使わない)

以上、あいまいな情報で申し訳ありませんが、 ご助言をお聞かせいただければありがたく存じます。

乳房内の病巣がコメド型の非浸潤癌のみならば、原則的に遠隔転移は起こしません。肺や肝臓の病変と乳癌を関連づけるのならば、コメド型非浸潤癌の一部に「転移の能力がある浸潤癌の部分」が含まれていることを証明する必要があります。もし、組織学的検査で「浸潤部を伴う乳癌」と診断されたなら、その次のステップとして遠隔転移の検査に進みます。現段階で問題となるのは、5mmの肺病変よりも3cmの肝臓病変ということになるので、順番としては肝臓の検査から進めるのが妥当と考えます。CT以外で有用な画像診断としてはMRIや腹部超音波検査があります。超音波検査でも「転移を疑う腫瘤」を認める場合は、肝臓に針を刺して組織を採取し、「乳癌の転移」を確認します。組織検査で肝臓転移が否定的な場合、5mmの肺病変はしばらく経過観察でよいと思います。肺病変に関してですが、今後も増大傾向を認めるようならば、次のステップとして胸腔鏡下で腫瘤切除(全身麻酔の手術)を行います。
また、この他の転移診断法としてはPETという全身検査があります。体の中に1cm前後の癌が存在すると、その部分に放射線物質が集積して陽性となります。肝臓の腫瘤が転移ならば陽性となる可能性が高いと思います(肺に関しての診断は難しいかも知れません)。この検査は簡便でよいのですが、検査可能な施設が少ないことや、「癌がありそうだ」ということがわかっても、「乳癌からの転移なのか」という質的診断まではできないことなどの欠点があります。最終的には前述の組織学的検査をあわせて検査を行っていく必要があります。
質問文からの情報が少ないため想像でしかコメントできませんが、コメドタイプの乳癌(非浸潤癌?)で、肝臓にある3cmの扁平な影と肺にある5mm結節一箇所(いずれも組織学的診断は無い)ということならば、抗癌剤を開始する前にもう少し検査を進め、客観的に遠隔転移を証明する必要があると思います。「抗癌剤=毒」であることは周知のことと思います。抗癌剤は、「転移の可能性が低いまま試しに使ってみる薬」ではありません。ここには記載されていない「転移の診断根拠」があるのかもしれないので、もう一度主治医に十分な説明を受けることをお勧めします。(文責 千島)

 

No.3361-2】 05年01月31日   N.A
遠隔転移の場合の治療について

以前ご相談させていただいたN.A(子供3人、主婦、40歳)です。先月、自分で右乳房の右側にしこりを4個(合わせて4cm)見つけ、検査を受けたところ、乳がんとわかりました。更に本日、CT、MRI、エコー及びPET検査の結果、遠隔転移有(肝臓 42mm×19mmをはじめ2箇所/ 肺5mm程度のもの数箇所)との診断を受けました。今後、乳房部のがんの一部を手術で取り、それを調べ、効果のある薬(抗がん剤、ホルモン療法、ハーセプティン)を決定し、縮小すれば、乳房部の手術を行うことと致しました。
1) このような病状、いわゆるステージWですが、一般的に完治する可能性はどのように考えればよろしいのでしょうか? 現在肝臓や肺に自覚症状は全くありませんが、一般的に今後症状が出て、普通の生活をすることは困難になるものなのでしょうか?
2) 病院の手術待ちの関係で、上記がんの一部をとる手術は1ケ月先になる可能性もあると聞いておりますが、がんが大きくなり、治療が困難になるリスクがとても高くなることはありませんでしょうか?
3) この待ち期間にて、自分自身で何かできることはありませんでしょうか?

ご意見を賜りますよう、何卒よろしくお願いいたします。

1) 遠隔転移がある場合は全身治療(抗ガン剤、ホルモン治療)が第一選択になります。抗ガン剤がとてもよく効いた場合は転移の病変がなくなることもありますが、抗ガン
剤で転移病変が小さくはなるがなくならない場合は、抗ガン剤の投与が継続されることになります。抗ガン剤の効果は投与前に正確には判断できません。ですからやってみてどの位効果があるか判定しないと今後の経過はわかりません。
2) 一部とる手術が必要な治療はホルモン治療やハーセプチンです。針生検でもしこりの組織は採取可能ですし、外来でもできる手技です。抗ガン剤に関して言えば、一部と
る手術をしなくても治療可能と考えます。担当の先生に聞いてみてはいかがでしょうか。
3) もし時間があるのであれば、乳癌患者さんの会などで色々な話を聞いてみるのも良いかも知れません。1人で考え込んでしまうのは良くないので、機会を見つけて自分の
悩みを相談することが良いと思います。(この相談室はそういった悩みを相談したり意見交換の場でもあると思っています)(文責 川本)

 

No.3361-3】 05年02月16日   N.A
遠隔転移の場合の治療について(2)

以前よりご相談させていただいているN.A(40歳)です。昨年末の乳がん発覚時点で、既に遠隔転移(肝臓 4cm×2cmをはじめ3箇所/ 肺5mm程度のもの数箇所。生検結果は、悪性度3、Her2はマイナス、エストロゲン/プロゲステロンはプラス)があり、現在、ホルモン療法(ノルバとゾラ)を行っています。現在自覚症状はなく、可能な限り通常の生活を長く続けるための治療を行いたいと思っています。主治医の先生とは、現在のホルモン療法を効果が確認できれば可能な限り続け、効果がなくなってきたら抗がん剤を使う方針で治療を進めていますが、この選択について、ご意見をいただければありがたく存じます。何卒、よろしくお願いいたします。

現在の治療を行っていくことが、あなたの希望にかなっていると思います。(文責 麻賀)

 

No.3360】 05年01月09日   K.O
右腋下のしこりについて

初めてメールさせていただきます。右腋下のしこりについてご相談させてください。29歳、妊娠4ヶ月の者(初妊婦)ですが、一ヵ月半〜二ヶ月ぐらい前から腋の下にしこりのようなものがあります。ちょうど妊娠が判明した頃からです。始めは押したり触ったりすると痛みがかなりあったのですが、今は痛みはまだ減ったものの、押したり触ったりすると痛みます。腋の下をぎゅっと締めても少し痛みを感じます。しこりは、腋下の上のほうから下のほうに2〜3の楕円形のしこりが連なっているような感じです。妊娠のことで掛かっている産婦人科の先生に相談したところ、「乳癌は痛くない」と一蹴されてしまい、そのままになっているのですが、私としては今後のこともあり気になっています。また今回しこりを感じているのが右側なのですが、しこりを感じる10日ぐらい前に右手を火傷し、しばらくジクジクしていたり、更にそこを犬にひっかかれたりしたので、そのことも関係があるのかも知れないとも思っていますが、いかがでしょうか。お忙しいところ恐縮ですが、ご意見いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

妊娠を契機に大きくなってきているとすると副乳の可能性もありますが、「火傷と引っ掻き傷の病歴」や「しこりの形状」を考えると、炎症性のリンパ節腫大が一番考えられると思います。右手の傷が完治してもしこりが小さくならない時は、念のために外科で診察してもらうことをお勧めします。(文責 千島)

 

No.3359】 05年01月09日   F.F
術後の治療及びフォローについて(HPNo.2590-3)

以前相談させていただいた者です(HPNo.2590−1,2)。先だってお答えいただいたfibrocystic diseaseというのは記載されていず、HYPERPLASIAという記載があります。これは異型上皮という意味だそうですが、今後かなり気をつけて観察を要するものなのでしょうか?(質問)
実は術後4ヶ月目にタモキシフェンの服用を言われました(リンパも取っていませんし、ホルモンレセプターに関しても何も言われていません)。子宮ガンのリスクなど耳にしますので服用を躊躇っていたのですが飲まずに後悔してもと思い術後5ヶ月少しして飲み始めることにしましたが、いかが思われますか?(質問)
飲み始めてまだ一ヶ月ですが、今のところ顕著に現れる副作用は生理が止まったことのみです。今月フォローアップの検査(マンモ・エコー・MRI)があります。そのMRI検査ですが、造影剤を入れるのと入れないのとではかなり精密度が違ってきますか?(質問)
造影剤を入れるととても気分が悪くなるので出来れば使いたくないのですが・・・。アドバイスいただければ幸いです。

Hyperplasiaだけならば問題はありませんが、異型を伴うAtypical hyperplasiaならば、発癌リスクは通常の人と比べて4〜5倍程度といわれています。このように乳癌高リスク群でタモキシフェンを服用した場合、30〜40%程度で浸潤癌の発生を抑制するといわれています。ただし、子宮体癌の発生も2〜3倍増加(発生率は0.5%前後)するので注意が必要です。MRI検査で診断率を上げるためには、やはり造影剤が必要になります。ただし、MRIは検査機械の性能でかなり診断率が変わってくることもあり、MRIが絶対的に優れているというわけではありません。もし造影剤で気分が悪くなるのであれば、アレルギー等の心配もあるので、主治医にその旨を伝えて他の検査法で代用するほうが良いと思います。(文責 千島)

 

No.3358】 05年01月09日   M.K.
線維腺腫

私は今18歳ですが、胸にしこりがあり病院に行ってみたところ、線維腺腫であると言われました。レントゲンやエコー検査の結果、そのしこりには血流があると言われました。しこりに血流があると、何かよくないことに繋がったりしますか? また、お医者さんは手術でとることを勧められましたが、私のしこりの大きさはφ15.5×30.6mmあり、手術するには、全身麻酔で1週間くらい入院することになると言われました。このくらいのしこりの大きさになると、やはり全身麻酔で手術するのが一般的なのでしょうか?

線維腺腫は良性のしこりで、癌化することは稀と考えられています。また、年齢が高くなるにしたがって増大が止まり、閉経後には萎縮してしまうことが多いので、3cm以下の場合は手術をせずに経過観察とするのが一般的です。「超音波所見で血流がある=悪いもの」ではありませんが、血流が多い線維腺腫はこれからも増大し続ける可能性があるので、あなたのように18歳の時点で3cmを超えているのならば、外科的切除の適応になると思います。ただ細胞検査で線維腺腫が確認されているのならば、今すぐ切除する必要はないので、数ヶ月間経過観察してから手術を決めても遅くないと思います。通常、3cm程度の線維腺腫なら全身麻酔を使わずに、局所麻酔による「日帰り手術」で十分に切除できると思います。(文責 千島)

 

No.3357-1】 05年01月09日   Y.N.
手術後の病理検査とその後の治療方針について

43歳、既婚、出産経験2度あり。3×5cmの癌を12/10に温存手術にて摘出しました。リンパ節は3個摘出しただけです。1/5の病理検査の結果で、幸運にもリンパへの転移もなく、非浸潤癌であることが判明しました。しかし、31片に分割された切片の1つ(一番外側の下部の部分)に癌の陽性反応がでました。治療方針として、@再手術による全摘出か、A温存のまま放射線&ホルモン治療か・・・の2つの方法があると聞きました。放射線は25回+5回(陽性反応がでたと思わしき部分)に照射するとのことです。どちらを選択すればいいか迷っております。お忙しいかとは思いますが、よきアドバイスをいただければと思っております。よろしくお願い致します。

非浸潤癌の組織型にもよりますが、手術での切除断端が陽性でも放射線照射+ホルモン剤などの適切な処置を行えば、残存乳房に再発しない可能性も十分にあります。仮に再発したとしても、早期に発見してその時点で再切除を行えば、生命予後には影響しないと考えられています。現時点での全摘手術に抵抗があるようならば、とりあえず放射線照射を受けて、十分な経過観察をしながら様子を見ていくのも選択肢だと思います。ただし、非浸潤癌の中でもコメドタイプの癌が広範に残っている可能性がある場合は、私も乳腺全摘術をお勧めするようにしています。(文責 千島)

 

No.3357-2】 05年01月14日   Y.N.
手術後の病理検査とその後の治療方針について その2

先日はお忙しい中、丁寧にご回答いただきありがとうございました。本日来院し、私の癌はコメドタイプである(広範には残っていないとのことですが) とお聞きしましたので、乳腺全的術をしていただくようにお願いいたしました。再手術の日取りが、処々事情がございまして、3月1日か3日に決まったのですが、6週間ほど後になります。その間に残っているかもしれない癌が浸潤癌へ移行したりするのでしょうか?それとも、その程度の期間であれば大丈夫でしょうか? 現在1月6日より、ホルモン剤であるNOLVADEX D 20mgを毎日、朝、1錠服用しております。お忙しいとは思いますが、よろしくご回答のほど、お願い申しあげます。

推測でしか申し上げられませんが、6週間程度で浸潤癌になることはないと思います。(文責 徳田)

 

No.3357-3】 05年01月16日   Y.N.
全摘出の再手術の時期について

先日はお忙しい中、丁寧にご回答いただき有難うございました。1/12に来院し、私の癌はコメドタイプである(病理の結果より広範には残っていないとのこと) とお聞きしましたので、乳腺全摘出術をしていただくようにお願い致しました。再手術の日取りが、処々事情がございまして、3月1日か3日に決まったのですが、6週間ほど後になります。その間に残っているかもしれない癌が浸潤癌へ移行したりするのでしょうか? それとも、その程度の期間であれば大丈夫でしょうか? 何をおいても、もっと早くするべきでしょうか? 現在1月6日より、ホルモン剤であるNOLVADEX D 20mgを毎日朝1錠服用しております。お忙しいとは思いますが、よろしくご回答のほど、お願い申し上げます。

推測ですが、6週間程度で非浸潤癌が浸潤癌になることはないと思います。(文責 徳田)

 

No.3356】 05年01月09日   Y.S .
胸の奥の痛みについて

精神的なものだとしたらお恥ずかしいのですが・・・。12月15日、左胸の腫瘤とその周囲の石灰化部分の細胞診の結果、がん細胞が認められ、たぶん1期の乳がんでしょうと診断されました。早期と思われること、病院の予約がいっぱいの事もあり、2月14日に手術ということになりました。1月17日にMRIの検査をしてからということですが、温存できると思うといっていただきました。しかし暮れ頃から、しこり周辺の圧痛と乳房ではない胸の奥というか背中に近いところが痛むようになり、転移ではないかと心配でなりません(この病院で7年間毎年人間ドッグを受け、今回初めて要精密検査となりました)。17日までほうっておいて大丈夫でしょうか?

病期Tの乳癌があって、胸の奥から背中が痛くなることはないので、あまり心配しすぎないようにしてください。乳癌の診断がついてから手術までが長いので、精神的に辛いかもしれませんね。手術前に倒れてしまってはどうしようもないので、ストレスが強く、不眠、食欲低下等がある場合は、主治医、看護師に相談してカウンセリングや投薬等の適切な処置を受けるようにしてください。(文責 千島)

 

No.3355】 05年01月09日   Y.I.
手術後の化学療法について(HPNo.3267-2

こんにちは、12月14日にHPNo.3267で、術後補助療法についてお尋ねし、お返事をいただいたY.I.です。その節は、明確なご回答、本当に有難うございました。先生からのお返事を、主治医や執刀医の先生方にも見ていただき、科学的根拠に基づいた化学療法を受けたいという要望を伝えたところ、今後の治療について、再検討していただくことになりました。1月11日に入院して放射線治療を再開することになっており、放射線治療に専念するため、内分泌療法(ゾラ・タスオミン)は一時中断することになりました。化学療法は、放射線治療終了後に再開することになります。現在の治療は、副作用も少なく、日常生活にもほとんど支障なく過ごせるため、化学療法の再開については抵抗がありましたが、将来後悔しないために、先生のおっしゃる「きちんとしたevidenceのある術後化学療法」を受ける決心がつきました。背中を押していただいて、本当に有難うございました。ところで、今回は、evidenceのある術後化学療法について教えていただきたいと存じます。私の場合(47歳、硬癌、しこりの大きさ2.0センチ、ステージ3-a、リンパ節転移レベル2(15/7)、ER+、PR+、3月に右乳房温存手術)は、標準的な化学療法は、AC+タキソールとなるのでしょうか? また、どのくらいの期間の投与が必要となるのでしょうか? お忙しいところ恐縮ですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

欧米の臨床試験結果から考えると、リンパ節転移陽性乳癌の術後補助療法としては、AC(またはEC)+タキソール、FEC(またはFAC、CAF、CEF)などの記号で表される治療が、比較的再発予防効果が高いと考えられています。A=ドキソルビシン、E=エピルビシン、C=サイクロフォスファマイド、F=5-フルオロウラシルなどは、投与する抗癌剤の頭文字を表しています。あなたがAC+タキソールをエビデンスに沿って投与するならば、抗癌剤の投与量はA=60mg/m2、C=600mg/m2、タキソール=175mg/m2(mg/m2とは体重と身長から計算された体表面積あたりの投与量)を3週間隔で投与していきます。ACを4回、タキソールを4回投与するので、治療終了までおよそ6ヶ月間かかる予定となります。ただし、使用する抗癌剤がエビデンスと同じでも、一回投与量や投与間隔、投与回数が異なると、期待するだけの再発予防効果が得られないと考えられています。治療開始に当たっては、抗癌剤の種類と同時に詳しい投与スケジュールについても確認しておくことが重要です。(文責 千島)

 

No.3354】 05年01月06日   K
抗癌剤治療について(HPNo.3057-3)

昨年はお返事を頂きありがとうございました。申し訳ありませんが、また伺いたいことがあります。2004年11月から術前抗癌剤投与(EC)を始め、12月末に2回目を終えました。副作用により常に胃腸がもたれている状態です。3回目投与前に、抗癌剤により腫瘍が縮小しているかを確認するためにエコー、MRI検査を希望しました。縮小していないようであればクール数の変更をしたい旨を伝えたところ、主治医は8クール全てをしないのであれば他の病院で治療をうけてもらってもかまわないと言いました。この病院の方針に従って最後まで抗癌剤を受けるべきか、また細胞検査から全ての検査を行う別の病院へ変わるべきか悩んでいます。患者には自分の意見を言う権利はないのでしょうか?お忙しいところ申し訳ありませんが、宜しくお願いいたします。

基本的に腫瘍が縮小しているならば、初めに計画した化学療法を継続します。ひどい副作用が出現しない限りは、途中でクール数、投与量、投与間隔を変更することはありません。また、腫瘍が増大してくる場合は、治療計画からの脱落ということになるので、抗がん剤を変更するか手術を前倒しにするかの選択になります。この場合、確立された方法がないので、主治医と患者さまで相談して決めることになります。一般的には手術治療へ切り替えることが多いようです。あなたの主治医が勧めている化学療法は、エビデンス(欧米での臨床試験の結果)に沿った標準的な治療法だと思います。しかし、エビデンスに沿っていれば「Yes」、これから逸脱していれば「No」というわけではありません。治療を受けているのはあなた自身なのです。もし治療方針に疑問があるのならば、主治医にあなたの意見を相談するべきだと思います。それでも納得できない場合は、他の施設でセカンドオピニオンを受けるのもよいでしょう。いろいろな意見を聞いた上で、現在の治療を継続するか、自分なりのオプションを施すかを決めれば良いと思います。最終的には自分で納得できる治療を選択するようにしてください。(文責 千島)

 

No.3353】 05年01月06日   k m 
放射線治療

1月下旬に手術を受け、その後放射線治療を行う予定です。手術を行う病院(他県のガンセンター)が自宅から少し離れているので、放射線治療は近くの病院で行うか、手術を受ける病院で行うか迷っています。自宅近くの病院で放射線治療を行う際は、どこの病院がいいかの選択にも知識がないので不安があります。下記の点について、ご意見をお聞かせくださいますよう、お願いいたします。
1)放射線治療を行う病院を探す際、設備的にどのような設備が必要でしょうか?
2)放射線医師や技師により、放射線治療の効果に差が出るでしょうか?
3)放射線医師や技師の優秀さを見分ける判断基準は何かありますか?
4)県内のガンセンターが、手術を行うガンセンターより近くにあります。ガン専門でない病院より、ガンセンターの方が設備的、技術的に確かでしょうか?
5)その他何か留意事項がありましたら、教えてください。

よろしくお願い致します。

乳房温存術後の放射線治療には、通常4MV〜6MV(放射線の強さ)のX線を用います。放射線治療のためには、通常のレントゲン検査よりも強力なX線を発生させる機器が必要です。地域の基幹病院やがんセンター系の病院なら、通常は放射線治療の設備があると思います。ただし乳房を温存する場合、乳腺の切除量や癌の広がりによっては、電子線という特殊な放射線を用いることがあります。電子線治療の施設を備えている病院は、大学病院などの先端医療施設に限られています。術後に主治医から病理結果の説明を聞くときに、その後の放射線治療計画についても相談するようにしてください。聞くところによると、放射線治療も手術と同じくらい医師による「腕の差」が出るそうです。施設選択には「放射線治療を専門としている医師が常勤しているか」がひとつの目安になるのではないでしょうか。(文責 千島)

 

No.3352-1】 05年01月05日   KA
ホルモン療法中の健側の石灰化

2002年11月左乳房全切除したものです。その手術当時からこのHPに出会えていればよかったなと思っています。当時46歳、リンパ節転移無し、2a期。断片陰性、ハ−ツ−テスト陰性、ホルモンレセプタ−陽性。生理がありました。「ホルモン療法がとてもよく利くので、本当に良かったです(ER陽性、PGR陽性と思います)」という説明でゾラテックスの治療をし、2年間の最後の注射が終了したところです。ここで質問いたします。術後2年を経過したところで、マンモグラフィ−で健康な右側に石灰化がみられ、一つ腫瘍もみられました。様子を見ましょうと言うお話でしたので、カテゴリ−3という区分になるのかなと思います。すっきりしたいと申し出て、予約が空いている2月中旬にマンモト−ムの検査をする予定です。主治医は、「あなたの場合、ここまで検査する必要性があるかどうかわかりませんが、白黒決着はつきます。最悪、がんなら再発ではないので安心ですね。」と言われました。 ホルモン療法をしていたことは、乳がんになりにくい状況だと理解していたのですが、がんの可能性はありえるのでしょうか?2003年11月左乳房再建、2004年11月乳輪乳頭再建してきて、やっと前向きに進めるかなと思った矢先でしたので、落ち込んでいます。よろしくお願いします。

一般に乳癌で手術された方の対側乳房に別の乳癌ができる可能性は、通常の6倍といわれております。確かにホルモン療法によってこの確率が下がることが証明されておりますが、やはり通常乳房に比して乳癌にかかりやすい環境であることは否めないものと思われます。文面から拝察するに貴女の場合は乳癌である可能性はそれほど高くはないのかもしれませんが、今後マンモトームをお受けになる予定とのことなので、その際納得のいく結果が得られるものと思います。(文責 谷)

 

No.3352-2】 05年07月25日   KA
ノルバディックスの副作用以上に再発・健側予防に有効?

HPNo.3352でご相談したKAです。その節は、本当にありがとうございました。マンモト−ムの結果は、「石灰化は良性」とのことで、まずは安心でき、ホッとしています。その後、無治療でしたが、5月中旬に生理がきたので、ノルバディックス20mgを処方されました。左耳に水が入った感じが時々するようになりました。重い副作用は無いものの、再発と健側乳房の予防のためには子宮体がんの増加の危険より有効と考えるべきでしょうか? それは数値で表すとどのようなものでしょうか? 覚悟が決まっておらず、飲み忘れることがあります。主治医から、「貴女のがんは、ほとんどが非浸潤がんであったが、ホルモンの反応が強陽性なので使わないのはもったいない」という説明がありました。お忙しい中、よろしくお願い致します。

子宮体がんの正確な発生率は知りませんが、全年齢通して1000人に1〜2人くらいでしょうか、国立がんセンターのwebでは発生率の最も高い50歳代で10万人あたり15?20人とあります。米国でのノルバデックス(TAM)の乳癌予防試験でTAM投与群は偽薬群に比し子宮体がんが2倍増えると言われています。一方、反対側の乳癌の発生率は年0.7%、10年間で7%あります(乳癌を手術した人1000人中70人は10年以内に反対側乳癌になるという計算です)。TAMがこれを低くすることは知られていますが、正確な数字はいろいろな因子があって正確には把握できません。更に、TAMはその方の再発のリスクに対して再発の予防効果が加わります(これも数字は状況によって異なります)。これらの数字から米国では、TAMによるmeritの方が、demeritより大きいと判断しています。KAさんの場合、ほとんどが非浸潤癌で、多分リンパ節転移はなかったのでしょうから、乳癌の再発のリスクは低いので、期待されるTAMの効果は反対側の乳癌の予防であり、心配される副作用は子宮体がんです。前述の数字からは対側乳癌の予防効果の方がやや勝っているように思いますが、その差はそれほど大きくありません。となると、あとはKAさんの考え方で、対側の乳癌は定期的な検診で見つければ良いと考えてTAMを内服しないのか、TAMを内服して定期的な婦人科検診を受けるか(その場合でも定期的な乳房検診は必要ですが)の選択だと思います。(文責 清水)

 

No.3351】 05年01月05日   R.K. 
リンパ節郭清 

初めて相談させて頂きます。昨年11月末に右乳房の乳癌がわかり、1月上旬に手術予定です。32歳、未婚(出産経験なし)、病期:2。胸部レントゲン・上腹部エコー・骨シンチ・MRの結果、遠隔転移なし。術式 : 腫瘍部分くりぬき、リンパ節(レベル1、2)郭清予定(センチネルリンパ節生検は適さない)。私は、仕事でアロマセラピーのマッサージをしており、腕を酷使するため、主治医からは、術後はリンパ浮腫のリスクを避けるため仕事は辞めるべきだと言われています。仕事が大好きでずっと続けていきたいので、絶望的な気持ちです。腫瘍経が3cm位ありますし、郭清した方が転移の判断が確実で、また治療方針の決定に必要だという事はわかるのですが、仕事を諦めたくないのです。
1)郭清を少しでも少なくする方法はないのでしょうか。【No1974−1】にあるように腫瘍経3cmの場合、リンパ節転移のある可能性が40−50%なら半数の人に転移がないわけですから、少しでも郭清を少なくするために、例えば【No1205−1】にあるように、術中にレベル1をサンプリングして判断するという方法は適さないのでしょうか。
2)レベル2まで郭清した場合、マッサージのような腕を長時間使う仕事は全く出来なくなるのでしょうか。1人のお客様に対して、平均1時間位は腕を前後左右に大きく動かし続けますが、今後、腕の運動はどの程度まで可能でしょうか。またMLDなどでケアすることによって、仕事を続けられないでしょうか。

お正月中に大変申し訳ありませんが、是非ご助言を頂きたく宜しくお願い致します。

まず第一に、乳癌に対する治療としての郭清という観点から考えるに、貴女の場合若年性乳癌であり腫瘍径3cmということですので、通常腋窩郭清の省略は危険が大きいと考えます。センチネルまたはサンプリングのみというのは再発の危険性が大きいため、また腋窩リンパ節転移に対する情報が不十分になり今後の治療方針をたてるのが困難になるため好ましくないと考えます。一方で術後の上肢の動きやむくみが郭清の程度や範囲とどの程度相関するかですが、これは必ずしも一致するわけではないと私は考えております。以上より、まず治療に関しては郭清範囲を縮小するなど再発の不安要素を高めるようなことはせず、術後の上肢へのケアを徹底することでお仕事に復帰できるよう頑張って頂くのがよろしいかと思います。私が診させていただいている患者さんのなかにも美容師など上肢をよく使うお仕事の方が何人もいらっしゃいますが、通常通りの手術のあとも、ほとんどの方が術前と同様にお仕事をお続けになっておられます。貴女にとって仕事が生きがいであるという事を今一度主治医の先生にはっきりとお伝えし、きちんとした治療とお仕事への復帰の両立を目指されるのがよいのではないでしょうか。(文責 谷)

 

No.3350-1】 05年01月05日   S
頚部のしこりと胸痛 

はじめまして。45歳主婦(出産経験有り)です。今年5月に右胸に圧痛を覚え、乳房内側にしこりがあるのを見つけました。8月に右乳腺部分切除・センチネル生検(リンパ節1ヶ切除)・温存で手術しました。結果は、硬癌、大きさ2x1.9、悪性度3、スケールT1・N0・M0、エストロゲン受容体陽性、HER2受容体1です。9月より放射線25回照射、11月よりゾラデックス、ノルバテックスをしてます。
1)9月中ごろより、頚部リンパ節左右にこりこりとしたシコリ(耳下腺のはれも感じます)、右脇下の腫れ(静脈のはれ、リンパ節のはれと、それぞれの医師が指摘)
2)11月頃よりじんじんとした右胸の圧痛、右肩、右背中の痛み、関節のきしみを感じます。これらは、日常生活に不便なほどではありませんが、仰向けになると痛みを強く感じます。(特に胸痛)

12月のレントゲンでは、肺に異常は認められませんでした。不安な毎日を送っています。これらの痛みは治るでしょうか。他に検査をした方がいいでしょうか。よろしくお願いします。

多くの方が乳腺の術後乳房から同側の肩、背中などにしばらく痛みを感じておられます。これは、乳房摘出の方にも温存術の方にも当てはまります。特に寒くなってくると、これがより顕著にあらわれるようです。貴女の場合は直接拝見していませんのではっきりしたことは申し上げられませんが、これから数ヶ月あるいは半年かけて徐々に軽快していく類の痛みなのかも知れません。適度な運動がさらに回復のお手伝いをしてくれるかもしれません。これらを参考に主治医の先生によくお聞きになってください。(文責 谷)

 

No.3350-2】 05年04月06日   S
今後の治療について

HPNo.3350で相談させていただいた者です。現在ゾラデックスを6回打ち、ノルバデックスは飲み始めて半年になります。今年の夏ごろから、ゾラデックスが3ヶ月に一度になる予定を聞きました。ゾラデックスの利きめは28日毎と聞いていましたので、3ヶ月に一度で大丈夫なのでしょうか。また、定期検診(腫瘍マーカー、エコーなど)をしていませんが、私の場合、T1・N0・M0の場合、どのくらいの頻度で検診を受けたら良いのでしょうか?よろしくお願いいたします。

Zoladexの3ヶ月に一度の投与の件ですが、内容量の大きな3ヶ月製剤が保険承認される見通しです。そうすれば、3ヶ月に一度で、同等の効果をもたらしますので、恐らく、主治医はそのことを言っているのだと思います。術後の検診ですが、アメリカのガイドライン、日本のガイドラインでも年1回のMMGのみの検査で十分であると推奨されています。他の検査はルーチン検査(定期検査)としては推奨されていません。この背景には、早く再発病変をみつけても予後の延長には結びつかないという過酷な現状があります・・・。症状が発現してから、しこりを自覚してから、次の検査でも遅くはないということです。しかし現実には、患者さんの不安感をとりのぞく目的もあり、半年から一年で検査を行っているのが現状である施設が多いと思いますので、主治医と相談の上、検査を計画していただいたらどうでしょうか。(文責 鈴木)

 

No.3350-3】 05年06月10日   S
再発、転移の可能性

HPNo.3350で相談させていただきましたSです。しびれ、右胸痛(日常生活に支障のない痛み)が、現在も続いています。5月28日に左乳房の乳輪すぐ下に、米粒ほどのしこりを見つけました。5月30日に、両胸、右脇のエコーをしたところ、不安な影があるけれども、小さくてよくわからないので、様子をみる事になりました。
1)再発、転移の可能性はあるでしょうか。
2)4週間後の診察まで、そのままにしてよいでしょうか。

去年の11月胸レントゲン、2月骨シンチ、5月血液検査、異常なしでした。不安な思いで過ごしています。ご意見を聞かせていただければ幸いに思います。

乳輪直下に米粒大のしこりができることは正常な方でも決して少なくはありません。再発でない可能性は十分あります。検査できないような大きさとのことです。また万が一再発でも普通は急に大きくなることはありません。4週後検査というのは決して遅い再検査ではないと思います。(文責 福間)

 

No.3350-4】 06年01月01日   S
肝機能低下、胸部X線検査異常陰影について

HPNo.3350で相談していただいたSです。去年11月より、ホルモン治療(ノルバテックス、ゾラデックス)を始め、今年8月よりゾラデックスからリュープリンに変わりました。ずっと、体のしびれ、右胸痛、倦怠感が続いています。また、2ヶ月ほど前からは、今までになかったジンジンとした腰痛があります。日常生活を送るのが精一杯という状態です。12月に人間ドックを受診したところ、「肝機能の低下(r-GTP55、AST36)、胸部X線検査異常陰影 右肺、右乳腺石灰化」を指摘されました。これらは問題のあることでしょうか? 次回受診が3月ですが、それまで待っていてもいいでしょうか? よろしくお願い致します。

まず肝機能異常についてですが、data上は軽度の異常と言えますが、以前の数値との比較が重要となって参りますので、主治医の先生に早々にご相談されるのがよいと思います。また胸部X線の異常陰影につきましては、新しい病変が生じた可能性もあり、やはり主治医の先生に早々にご報告されるのがbetterと考えます。いずれにせよ3月まで待たずに一度主治医の先生にご相談なさってください。(文責谷)

 

No.3350-5】 06年04月15日   S
CT検査の結果

3350で相談して頂いているSです。とても勇気づけられています。ありがとうございます。CT検査をしたところ、両側肺尖の軽度炎症性変化・右中葉下葉間膜の軽度肥厚・炎症性変化疑いと、診断されました。右胸の圧迫感や痛みは、この為でしょうか。これは、問題のない事ですか。完治することなのでしょうか? また、私は子宮筋腫で、4年前に子宮を摘出しています。ホルモン療法をしている場合、卵巣などの婦人科検診は、どう対処したらいいでしょうか? よろしくお願い致します。

右胸の圧迫は、このCTの所見によるものではありません。このCT所見は古い炎症の名残を見ているもので、症状はありませんし、身体に悪い影響もありませんので、このまま放置して下さい。婦人科検診は、子宮摘出しているのであれば、ホルモン療法に関連するのは子宮体ガンですので、あまり神経質にならなくても良いかと思います。心配であれば、年1回受けられた方がよいでしょう。(文責 鈴木)

 

No.3349】 05年01月05日   Y.T.
線維腺腫の痛みと今後の選択肢について

38歳・出産経験無しです。‘04.9月〜左の乳首だけに今までにないかゆみを毎日感じていました。11月に入り、症状は胸の奥から左の脇の下まで、ズウーンと常に感じる痛みに変わりました(触らなくても痛い)。つい胸に手が行ってしまうほどになったので、某成人病センターにて受診しました。触診・超音波・細胞診で、Dr.は「乳腺症かな?」と。2週間後の検査結果は「線維腺腫だったよ」との事でした。主訴「痛みがどーにかならないか?」。再度うかがうと、ホルモン系の薬は副作用があるからと、ロキソニンでしのぐようにとの事でした。そして経過観察を申し受けました。この2ヶ月間、強弱はあるものの常に痛みます。生理や排卵日に関係ない周期です。再診の際にDr.より、「ここにシコリがある、大きさの変化をみるように」と言われました(乳首の外側、奥の方で素人にはわかりにくい部位です)。小指の第1関節位の大きさで、シコリというには柔らかいもので、いくら触ってもみつけられない日もある、というモノでした(私はBカップ程度の大きさです)。が、3日前、奥の方がとても痛くて眠れませんでした(触ると更に痛い)。翌朝、皮膚のすぐ下に(痛むのでしっかり触れないですが、卵の黄身位の大きさ)シコリがあるのが自覚できます。以前のような脇の下の痛みは無く、シコリだけが痛いです。歩くだけで響くような状態です。Drに、「痛みがあるのは悪いモノでない証拠ですから」と言われていたし、私が線維腺腫の患者の中でも痛みに過敏なのかもしれないのですが・・・。私にはどのような選択肢がありますでしょうか? 傷跡・凹み・術後もなお痛みがある等を考えると、摘出が最良の選択肢なのか判断できません。ご助言よろしくお願い致します。

症状から拝察するに、乳腺症による痛みなのかと考えますが、しこりは線維腺腫であったとのことですので、あるいは乳房痛を伴う乳腺症と線維腺腫が合併しているのかもしれません。ただ、前回受診されたあと痛みは増しておられるようですので、近日中に再度受診なさって、もう一度主治医の先生とよく相談される必要がありそうです。私も乳房痛を強く伴う乳腺症に対して抗女性ホルモン剤を使用することは賛成しかねると考えており、処方したことはありません。ただ、摘出しても痛みが変わらない可能性もありうると思いますので、今後の方針はよく検討してから行う必要がありそうです。(文責 谷)

 

No.3348】 05年01月03日   C.M. 
放射線照射の時、金属版を忘れられてしまいました(HPNo.3167-2

こんにちは。又お世話になります。11月にリンパ節のことで相談をお願い致しましたC.M.と申します。その際はありがとうございました。今は乳房に放射線治療を12回受けたところなのですが(私はリニアック、外照射です)、28日の照射の時、金属板を忘れられ照射されてしまいました。技師さんが慌ててバタバタと部屋に飛び込んできて、私もいつもの照射中の音がしないことで初めて気づきました。27日にはスイッチを入れても作動せず、3回もやり直しされて不安な気持ちを持ちました。これって、体に大丈夫なのでしょうか? 恐て呆然としてしまい技師さんには聞けませんでした。放射線医師の診察は新年の5日なので、とても不安です。通院に片道1時間運転していますので、疲れてしまっていて体調はどんどんダウンしているのですが、特に28日、29日はだるく、息切れもして、横になってテレビをみるのもしんどい状態でした。金属板なしで照射されたことが原因でしょうか? 教えてください。よろしくお願い致します。

温存療法後の放射線治療中とのこと、しかも通院に片道一時間もかかるとのこと、さぞかし大変なことであろうとお察し申し上げます。さて照射中金属板を忘れられたとのことですが、技師さんもその後それに気づいておられるわけですからまず問題ないはずですが、心配であれば直接電話ででも技師さんにお聞きになるのは如何でしょうか?そのときの詳しい状況とそれにより何か不都合が生じる可能性があるかなどをお聞きになれば、必ず丁寧に説明してくださるはずです。今のように不安な状態のままでは今後の治療にも影響がでるかもしれませんし、何より貴女自身余計お疲れになってしまいますから。今後の治療もがんばってください。(文責 谷)

 

No.3347】 05年01月03日   K・T
術後補助療法、抗ガン剤を受けるべきか?

「38歳、2センチのガンで温存療法、リンパ転移なし、ガンの顔つきはおとなしい方ではない、ホルモン陰性」でした。術後に放射線治療をして、予防ではホルモン療法が受けられないので、リスクを考え、抗ガン剤(CMF療法)6クールを受けようと思っていますが、私の場合は抗ガン剤の効果はどうなんでしょうか。また、抗ガン剤を否定するコメントをよく目にします。受けたことによって、かえって再発してしまうことがあるのではと心配です。よろしくお願いします。

現在の考え方では、ガンの顔つきがおとなしいほうではないこと、ホルモン陰性の二点で術後の補助療法は抗癌剤が推奨されることとなります。術後の追加治療ですので抗癌剤の効果判定はできませんが、これらの抗癌剤が再発するリスクを減らすというはっきりとした証拠(エビデンス)があり、もしこれを受けられる環境であればお受けになることをお勧めします。抗癌剤を受けたことによってかえって再発するなどと言うことはいわれておりません。(文責 谷)

 

No.3346-1】 05年01月03日   T.K
切開下組織生検について

初めてメールさせていただきます。兵庫県神戸市在住、48歳です。平成13年から年1回の乳ガン検診を受けています。平成13年に触診とエコーを受け、右乳房にしこりを指摘されました。平成14年も同じ検診機関でエコーを受けたときに、「昨年より少し違う場所にしこりができているようなので」ということで細胞診を受けましたが、採取量が少なかったため判定不能でした。平成15年は別の検診機関で触診のみ受けました。平成16年10月4日に平成15年と同じ検診機関でマンモグラフィーを受け、3ケ月以内に要受診ということになりました(平成16年になって、しこりが自分でもはっきり触知できるようになっています)。平成16年10月30日に外科(乳腺専門医ではありませんが)を受診し、マンモグラフィー、エコー、細胞診を受けました。マンモグラフィー、細胞診では異常が見られませんでした。その後、大きくなっていないかを観察するために、12月25日にエコーと細胞診を受けました。エコーでは判定が不明瞭な部分があるので、「いつまでも大丈夫ということで放置していて、あとで悪いものであってはいけないので、細胞診の結果を見て、切開して検査をしてみてはどうか」と言われました。次回1月7日受診予定で、細胞診の結果は、そのときにわかります。切開検査をする場合、できればマンモトーム検査を受けたいと思うのですが、今、受診している施設では受けることができません。近隣では、神戸市東灘区のK病院でマンモトーム検査を受けることができるようです。今の主治医に紹介状を書いていただいて、乳腺専門外来を受診すべきかどうか、迷っています。しこりの位置は右乳頭に近接して、自分から見てやや右上部に横1cm×縦2cmぐらいで触知できます。生理の周期であまり感じが変わるようなことはありません。話は少し変わりますが、私、子宮腺筋症があり、1月22日にUAEを受ける予定になっています。UAEを実施してくださる放射線科医に確認したところ、切開下検査から1週間ぐらいあければ、UAEには影響ないだろうとのことです。術前に生理開始日を調節したかったので、同施設の婦人科医と相談して、現在ドオルトンを服用しています(約14日間の予定)。乳腺の検査は、もし急がなくてよいようなら、UAE後、少し落ちついてから受けたいと思うのですが、いかがなものでしょうか。年1〜2回の細胞診、エコー、マンモグラフィーでの経過観察では不十分なのでしょうか。よろしく、お願いいたします。

次回来院時の細胞診の結果で、もしclassWまたはXとのことなら、何はともあれ手術を念頭において更に必要な検査を進めるなどなさった方がよいと思います。しかしそれ以外の結果であったなら、UAEを先に行って、落ち着いてから乳腺の検査(生検)を施行するので十分と思います。またあなたの場合しこりをはっきり触知できるようですので、さらに検査をするのであればマンモトームでなくしこりを摘出する生検の方が、診断は確実でありかつ良性疾患であればそれで治療にもなりますので、よいと思います。経過観察ではいけないのかどうかは直接診察してくださっている主治医の先生によくお聞きください。(文責 谷)

 

No.3346-2】 05年02月23日   T.K
免疫染色について

以前HPNo.3346でお世話になりました。その節はどうもありがとうございました。2月4日に生検を受け、本日、結果を聞きに行きました。主治医が緊急手術で、代診の先生にお聞きしたのですが、「多分良性と思われるが、100%良性とは言えないので、免疫染色の検査をする」との事、結果は3月4日の診察でわかります。このような場合に考えられる検査内容と、そこからどのようなことがわかるのでしょうか。採取した検体は1×2cmぐらいと思われます。お忙しいところおそれいりますが、どうぞよろしくお願いいたします。

病理組織検査で乳癌かどうかあやしい場合に、さらに免疫染色の検査をします。乳癌に特有なER,PgR、HER2/neu,CEA,などを調べて白黒をつけようとします。(文責 石川)

 

No.3346-3】 05年03月14日   T.K
リンパ節の切除の方法について

HPNo.3346でお世話になりました。度々質問して申し訳ありません。リンパ節の切除について教えて頂きたくメールしました。リンパ節をレベルTまで取って、術中、病理診断をし、陰性であれば、そこまで、陽性であればレベルUまで切除するという方法と、腋下リンパ節を脂肪ごと切除する方法とは、どのように違うのでしょうか。手術の方法について、詳しく教えていただければありがたいです。どうぞよろしくお願いいたします。

脇の下のリンパ節を切除する事により、脇の下から上腕、脇腹の辺りにかけて軽いしびれが術後残ることがあります。また腕にむくみがくることがあります。これらは手術により脇の下から脇腹の知覚を司る神経の一部が切れたり、リンパ管が切れることにより生じてきます。これらの症状を少なくするには、なるべく切除するリンパ節の数が少なければいいわけですが、少なければ転移に関する情報があまり得られないし、局所の治療効果が落ちることも考えられます。そのため一部のリンパ節のみをとって(脂肪ごとではなく)手術中に調べて、そこに転移があれば残りのリンパ節をとり、なければそれ以上リンパ節をとらないというのがセンチネルリンパ節生検という方法です。この方法では通常の脂肪ごと一塊にしてレベル2までリンパ節をとる通常の方法と比べて、腕のしびれやむくみは少ないとされています。メールにあるようなレベル1をとってその結果でレベル2をとるかどうか決めるという方法でも、レベル1をとる際に脂肪ごと一塊にしてとれば、通常のやり方と腕のしびれやむくみは変わらないと思います。(文責 稲葉)

 

No.3346-4】 05年04月01日   T.K
今後の治療について

HPNo.3346でご相談させていただいたものです。いつも丁寧なご回答、ありがとうございます。3月15日に右乳房四半切除、右腋窩リンパ節郭清を受けました。浸潤性乳頭腺管癌、T2、N検査中、M0(骨シンチ、肝CTは今週検査予定です)。組織の悪性度はおとなしめ、ER(+)、PgR(+)です。3月で主治医が退職されるので、4月6日から次の主治医の診察が始まります。今後の治療についてですが、術前の外科生検でほぼ腫瘍がとりきれているということで、四半切除で、放射線照射なし、ホルモン治療を前の主治医は考えておられました。月経についてですが、1月22日にUAEを受けたあと、少量の出血が3月初めまであり、それ以前は、1月まで、やや不順でしたが、毎月ありました。私の場合、どのような治療が標準であるか、アドバイスお願いいたします。検査結果がまだのものがあり、申し訳ないのですが、新しい主治医の診察を受ける際の参考にさせていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

第一に、たとえ腫瘤が取り切れていても、乳房温存療法の後に放射線治療を行なうことは標準治療とされています。閉経前でER(+)PR(+)で、T2ならば、ゾラデックスで2年間生理を止めてノルバデックスを5年内服するというホルモン療法か、化学療法を行なってからノルバデックスを5年内服等が推奨されています。どちらかと言うと、リンパ節転移がなければ前者、あれば後者が推奨されると思います。(文責 清水)

 

No.3346-5】 05年04月12日   T.K
放射線治療について

HPNo.3346でお世話になっています。いつもありがとうございます。4月6日に診察していただいた結果、リンパ節の転移は0/11、リンパ管の浸潤はないということでした。生理について、現在の状況を説明したところ、4月7日からノルバデックスD錠が処方されました。放射線治療については、主治医からの提案はありませんでした。次回の診察は5月11日です。それまでに検尿、血液検査の指示がでており、腫瘍マーカー等を検査するものと思われます。私の場合、標準治療からすこしはずれているようにも思われますが、主治医は経験のある乳腺専門医なので、何かお考えがあるのかもしれません。術前に別の施設の先生に、四半切除でリニアックなしについてご意見をうかがったときに、それは、多発性でないと考えてではないかということでした。お伺いしたいのですが、次回の診察のときにこちらから放射線治療について主治医のご意見をお聞きすべきでしょうか。現在の施設にはリニアックがないので、治療開始時期は少し遅くなる可能性もあります。お忙しいところ恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いいたします

やはり標準的な治療を受けるべきであると思います。残存乳房への局所再発率は30-40%もあるのですから・・・。確かに、そのことは予後には影響しませんが、また癌が再発するということはあまり気分よくありません。放射線をあてても7-8%の再発率は残るので、主治医はその率がどちらでも同じと考えているのか、もしくは、反対側への乳癌の発症もないと考えていらっしゃるのかもしれません。(片方に乳癌ができれば反対側にも出来やすくなります。ので、反対側への放射線を当てないのはおかしいという先生もいらっしゃいます・・・)。しかし、残存乳腺への照射はガイドラインでもうたわれていますので、経験のある専門医とはいえ、治療法には疑問が残ります。一度、相談されてはいかがですか?(文責 鈴木)

 

No.3345-1】 05年01月03日   M.M
切除範囲とセンチネル生検について

2歳の主婦です。先日24日に左乳房に変形細胞腫体の検査結果が出て、クラスXの判定を受けました。ところが、「組織学的検査を要す」と判定書に記述があったため、腫瘍そのものを摘出して再度検査をするとのことで、27日に局部麻酔による摘出手術を受けました。当初は周囲2cmを切除すると伺っていましたが、実際は周囲5cmにも及びリンパ節まで達しました。手術直後、「リンパも取ったので、周辺組織も含め、がん細胞が見つからなければ終了です」とのことでした。ところが、本日の検診では仮に見つからなかったとしても、全身麻酔によるセンチネル生検をする必要があると云われました。

1)なぜ切除範囲が広がったのか?
2)なぜセンチネル生検を行うのか?そもそもセンチネル生検とは何か?

お忙しいところまことに恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

あくまでも私が直接携わったわけでないので、推測でのお話であることをまずお断りします。貴女のケースでは細胞診にてclassX(悪性の診断)が出ているのにもかかわらず、さらに腫瘍の生検を行っていることから、主治医は臨床的には悪性の確定診断がつけられなかったのではないかと思います。その生検の際、予定よりも切除範囲が拡大したというのは、その生検の所見で腫瘍周囲やリンパ節にも拡がっている可能性を否定できなかったのではないかと思います。ただリンパ節は一部しか摘出できていないため、やはりセンチネル生検は必要だと後に検討されたのでしょう。なおセンチネル生検とは、腫瘍の近傍に色素または放射性物質をあらかじめ注射した後それが達したリンパ節をまず摘出し、そのリンパ節がもっとも転移しやすいリンパ節と考えられることを利用し、摘出されたリンパ節に転移がみられなければ腋窩リンパ節の郭清を省略しようというものです。以上は私の推測ですので、やはり主治医の先生によく説明していただくことをお勧めいたします。(文責 谷)

 

No.3345-2】 05年01月23日   M.M
切除範囲とセンチネル生検について(2)

先日はご回答いただき大変参考になりました。ありがとうございました。セカンドオピニオンの一環として、本日がんセンターの方に伺い、色々と確認をすることが出来ました。承ったご説明の要旨は以下の通りです。
@ 切除範囲が広かったため、リンパの流れが途絶えている可能性が大きく、センチネルを行っても意味がない。
A 従って、当方が希望するならば標準的処置であるリンパ節切除を行う。
B 但し、異型度がグレード3なので、「飛んだ考えだが・・」という前置きがありましたが、微小転移の不安を絶つならば、Aを行わず抗がん剤(EC療法)を一気にしてしまうのも方法のひとつと。

特に、女性ホルモン感受性が低く、且つグレード3なので、こういう場合は抗がん剤治療が推奨されているとのことですが、Bを行うのは抵抗があります。実際、医療の現場ではBを行うのは決して稀ではないのでしょうか? PETドッグ上、微小転移はその限りではないことは承知してますが、転移はもちろん認められておらず、グレード3だからといってBを選択するのはやはり飛んだ考えなのでしょうか? 実際、グレード3と判定されるのは何割ぐらいなのでしょうか? お忙しい中、申し訳ありませんが、よろしくお願い申し上げます。

International Breast Cancer Study Groupの1998年の報告によれば、組織学的グレード3と判定されたのは34%でした。組織学的グレードの判定は判定を行う病理医により多少異なる可能性もありますが、グレード2,3はハイリスク群に分類されますので、グレード3であれば術後化学療法による再発、死亡リスクの軽減が期待でき、選択を考慮すべき治療法のひとつと考えます。(文責 浜口)

 

No.3344】 05年01月01日   T.K. 
しこりと分泌液について

現在25歳です。2歳の娘がおり、断乳をしてからもうすぐで1年です。最近、左胸の上部に1cm程度の楕円形のしこりを感じるようになり、気になっています。痛みは特にないのですが、搾ると左胸からのみ濃い黄色の分泌液が出てきます。病院に行こうにも痛みはないし、なかなか時間もとれないので、放置している状態なのですが、不安でメールさせていただきました。お手数おかけしますが、よろしくお願いします。

断乳後まだ1年ということ、しこりのある左乳房からのみ黄色乳頭分泌があることなどより、そのしこりは乳瘤である可能性が強いように思われますが、もちろん直接拝見したわけでもないのであくまで類推です。やはり一度乳腺外科を受診なさって下さい。(文責 谷)

 

No.3343】 05年01月01日   N
肺転移

8月に温存法で手術をしたのですが、抗がん剤が合わなくて一回でやめました。12月になってから咳が出始め、なかなか止まりませんでした。検査の結果、肺に転移しているみたいです。抗がん剤治療をすれば治るのでしょうか? どれくらい生きられるのでしょうか?

直接拝見していない上、経過の詳細もわかりませんのではっきりしたことは申し上げられませんが、肺へ転移したとなると、かなり厳しい今後の経過を想定しなければならないことは確かです。術後の病理結果、ホルモンレセプター・HER2などの感受性の有無や肺転移の程度など色々な要素から今後の治療方針をたてることとなると思います。今後の見通しも含め、主治医の先生とよく相談なさって下さい。(文責 谷)

 

No.3342】 05年01月01日    y.z
術後の治療方針について

はじめまして。51歳の女性(出産経験あり)です。今年の8月に右の乳首からの少量の出血と小さなしこりを見つけました。すぐに二ヶ所の病院にて検査(マンモ・超音波・細針穿刺吸引細胞診・乳管内造影)を受けましたが、癌細胞はないとのことで、様子をみることになりました。3ヵ月後に再度受診し、しこりが大きくなっているので切除して検査することになり、その結果、髄様癌との診断でした。腫瘤の大きさ 1.0×0.8cm、組織型 髄様癌、組織学的悪性度 3、リンパ管浸潤 0、血管浸潤 0、ERマイナス、PR プラス1、切除断端 マイナス。先日、入院してセンチネルリンパ節生検を受け、同時に右乳房を切除しました。センチネルの結果、リンパ節には転移はありませんでした。乳房を残して放射線治療という選択肢もあったのですが、5週間(25回)通院するのが困難な状況で、思い切って乳房は切除した次第です。今後の治療のことでご相談したいのですが、主治医の先生からはホルモン治療を薦められています。このまま治療しないという選択肢もあるというお話しでした。私は48歳の時に閉経し、更年期障害がひどくて、今まで3年間ホルモン補充療法を受けてきました。もしホルモン治療を受けるなら、今までと逆のことをやるわけですから副作用が気になります。
1) 私のような状況で、何も治療をしないということは可能でしょうか?
2) ERがマイナスですが、ホルモン治療の効果は期待できるのでしょうか?
3) 副作用は更年期の症状が出るのでしょうか?他の症状は?
4) 抗癌剤の必要性はないのでしょうか?

説明がわかりにくいかもしれませんが、よろしくお願い致します。

1) 組織学的悪性度がgrade3と高いですが他の因子はいい結果となっており、PRが(+)という点からタモキシフェンによるホルモン治療単独または抗癌剤の使用後タモキシフェンの使用というのが、現在での一般的な術後の補助療法になります。しかし貴女の場合、更年期障害でホルモン補充療法を行っているとのことですので、タモキシフェンなどの抗女性ホルモン剤の使用は、副作用とのバランスを考えて使用するか否か決定されることになると思います。
2) 一般にERまたはPRのどちらかが陽性であれば、ホルモン治療の効果は期待できるとされております。
3) タモキシフェンの副作用の多くは仰るとおり更年期障害様症状です。あと頻度は低いですが、重大な副作用として子宮体癌や血栓症などが指摘されております。
4) 上記のとおり抗癌剤の使用も選択肢に入ってくることになります。ホルモン剤の副作用も含め主治医の先生とよく相談されたうえ、今後の方針をたてて下さい。(文責 谷)

 

No.3341】 05年01月01日    K.K. 
このしこりは何でしょうか? 

25歳の女性です。相談よろしくお願いします。2日前に体を洗っていて左腋下に0.5mm大のしこりのようなものを見つけました。触れても痛みはなく虫刺されのように赤く、先端が白く膿を持っていました。触れると、肉の内側が硬くつまめる状態です。皮膚科にかかりましたが、「治らない。大きくなったら切りましょう。これは外科かな?」と、副乳の話もしていましたが、実際よくは理解できませんでした。私は、22歳で卵巣嚢腫の開腹手術をし、悪いところだけ取り除いています(腫瘍は赤ちゃんの頭大の大きさだったそうです)。また、23歳で3cm大の子宮筋腫もあるとのことで、経過観察中の身です。最近、甲状線腫とも診断され(定期検診で可)、自分の体に自信が持てなくなりました。このしこりは何でしょうか? こんなに婦人病になっているので、今後、乳癌にかかるのではないかと不安です。また、副乳、葉状腫瘍についても詳しく教えていただけませんか?

まず文面の内容から0.5mm大のしこりとあるのは0.5cm大の間違いでしょうか? 皮膚科の先生が直接診察されて「治らない。大きくなったら切りましょう。」と言われたとのことで、粉瘤のような腫瘤を想像しましたが、私は直接拝見しておりませんのでそれ以上のことはわかりません。また、卵巣嚢腫や子宮筋腫の女性が乳癌になりやすいということはないと思いますので、必要以上に心配されることはないと思います。副乳とは、乳房以外の部位に乳腺組織や乳頭のような皮膚の色素沈着がみられもので、多くは腋窩付近に見られます。もちろん放置しても問題はありません。また葉状腫瘍とは増大傾向の強い腫瘍の一種で、良性のものも悪性のものもあります。(文責 谷)

 

No.3340】 05年01月01日    Y.T.
しこりについて

春頃からしこり(7ミリ位)で経過観察しているものです。最初はマンモグラフィー、エコーをして、針で吸引もして異常なしでしたが、12月の検診で3ミリ大きくなっており、自分自身しこりのある側の腕がだるく、肘を曲げると骨の上に白いしこりが見えて気になっています。来年診察をうけますが、心配で相談させていただきます。大きくなったしこりはやはり摘出して検査してもらった方がよいでしょうか? 腕や脇がつるのや腕のしこりは骨転移の可能性もあるのでしょうか? お教えください。

経過観察されているしこりの詳細がわかりませんが、おそらく線維腺腫または乳腺症などの良性腫瘍との診断のもと経過観察されているのだと思います。もしこのしこりが悪性であったとしても、同側の腕のだるさや骨の上のしこりとはまず直接の関係はないと考えられますので、腕・腋がつることや腕のしこりは乳腺のしこりとは別のものと考えてよさそうです。また骨転移が白いしこりとなって見えることはまずありません。ただ良性のしこりでも増大傾向がはっきりしている場合には摘出した方がよい場合もありますので、摘出するべきか否かは主治医の先生とよくご相談なさってください。(文責 谷)

 

No.3339】 04年12月30日    YK
左胸上部の痛み

以下の心配にお答えくださると有り難く存じます。左胸上部の鎖骨の少し下(指4本分くらい)が痛みます。これまでも軽い痛みを覚えたことがあるのですが、今回は特にひどいように思います。こういう痛みを感じるようになったのは、更年期治療を始めてからです。50歳で一年前半前から更年期治療のため、ホルモン療法をしております。薬は、エストラーナ(貼り薬)とプロベラで、エストラーナを一日置きに貼り、6回貼ったところから、毎日一錠プロベラを服用します(問題はプロベラを飲み忘れることが多いことです)。乳癌の罹患率がホルモン治療で増すことは知っていますが、様子をみながらと思って続けてきました。担当医とも相談すべきですが、ご意見を伺えれば幸いです。

直接拝見しておりませんので詳しいことはわかりませんが、鎖骨の少し下の痛みがまず乳腺の痛みかどうかということになると思います。もし乳腺でないとすると、肋骨や肋間など胸壁の痛みということになります。また場合によっては狭心症など心臓由来の痛み、または肺に由来した痛みということもあります。乳腺の痛みだとすると、ホルモン治療の影響は十分に考えられますが、これは乳癌が発生したというより、正常乳腺がホルモン治療によりなんらかの影響を受けて生じた痛みの可能性の方が高いと思われます。いずれにせよ、まず担当医にご相談いただき、適した専門医を受診されることをお勧めします。(文責 谷)

 

No.3338-1】 04年12月30日    K 
筋腫や生理

よろしくお願いいたします。3月で術後3年になります。リンパ節10個以上転移有り、HER−2対応でハーセプチンも投与しました。2年間のゾラ注射が10月で終わったのですが、12月より再び生理が始まりました。3センチの子宮筋腫もできています。乳癌再発防止のため子宮卵巣切除という選択はどうお考えになりますか。45歳で、子供はおりません。

リンパ節(多分同側腋窩リンパ節のことと思います)転移10個以上とのことなので、他の病理結果などはともかく、再発率はある程度高いと考える必要があります。もちろんそれを踏まえ主治医の先生とよく相談されてゾラデックス、ハーセプチン等を使用してきたのだと思います。一方で、以前は乳癌術後の後治療として卵巣摘出がしばしば行われておりましたが、最近その頻度が減少した背景にはタモキシフェンをはじめとする抗エストロゲン剤の開発とその進歩があり、貴女の場合もゾラデックスの2年間投与が行われたということになります。3センチの子宮筋腫があるとのことですが、現時点で筋腫自体がもし貧血の原因になるなど手術適応があるのだとすれば、子宮摘出の際に同時に卵巣も摘出していただくのがよいと思います。しかし筋腫が今悪さをしていないとすると、私見ではありますが、あえて手術をするのはどうかと思います。筋腫の今後の動向とも関与してきますが、この問題は専門医の間でもおそらく意見の分かれるところだと思います。結局、手術をどの程度の負担と考えるかということで決定されることになります。(文責 谷)

 

No.3338-2】 07年01月18日    K 
アリミデックスの副作用でしょうか?

以前に術後治療と子宮筋腫のことについて相談させていただいたものです(HPNo.3338)。その節は有難うございました。その後、子宮と両方の卵巣も摘出し、現在はノルバデックスをアリミデックスに変えて服用中です。最近になって少し気になっているのが、不正出血とまではいきませんが、うっすらとしたおりものがあることです。子宮も卵巣もない状態で、副作用としてありえるのでしょうか? よろしくお願いします。

アリミデックスの副作用としておりものは記載されています。子宮、卵巣がなくても膣分泌物がおりものとして出ることは十分に考えられます。主治医にもお話しになって、ご心配ならば婦人科の先生にみてもらってはいかがでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.3337】 04年12月30日    T.M.
乳癌の骨髄転移について

初めてメールさせていただきます。乳癌で骨髄に転移してしまった場合、脳内出血をおこしてしまうことは、よくあることなのでしょうか? また脳の中でもそういった原因で出血の起こりやすい場所はありますか? 骨髄に転移してしまった場合、治療法はやはりホルモン療法や抗癌剤治療になるのでしょうか、骨髄抑制の副作用などは、その場合どうなるのでしょうか。一度にたくさん質問してしまいましたが、どうしても知りたいのです。どうかよろしくお願い致します。

乳癌の骨髄転移は進行再発したケースで時にみられます。この骨髄とは、骨の中心部にあり主に造血にかかわっております。よって転移などにより骨髄が異常をきたすと、血球数または血球そのものの異常などがみられることがあります。これにより血小板数が減少すると出血傾向が生じてくることがあり、脳内出血など全身のいろんなところで出血が起きうることになります。脳のなかで特にこれが原因で出血を起こしやすい部位というのは聞いたことがありませんが、おそらく一般の脳内出血の部位と同じと考えられます。骨髄転移に対する治療として特別な方法というのは特にありませんので、治療をするとすればご指摘のとおりホルモン治療、抗癌剤治療などの全身療法が主になりますが、特に抗癌剤については骨髄抑制に十分に留意して投与することになります。(文責 谷)

 

No.3336】 04年12月29日    M.T.
穿刺吸引細胞診後の痛みと腫れ

はじめまして。右胸に2cmのしこりがあります。痛みなど自覚症状はなかったのですが、先日穿刺吸引細胞診の後、入浴直後に針をさしたところに痛みを感じ(お恥ずかしいことに我が家ではお風呂のお湯をうすめながら3日間使用していました。うっかり3日目の汚れたお湯につかってしまいました)、すぐに水で洗ったのですが、その後右のわきの下や腕、背中が痛くなり、腫れて少ししびれた感じになりました。症状は1週間ほどで緩和しましたが、それでも無自覚症状だったのが、やはり腋の下がしくしく痛んだり、腋の下や腕はまだ少し腫れています。右乳房もちょっとはったような感じで、熱をもったような痛みのようなものをたまに感じます。細胞診断の結果はクラス4で、初期の乳管癌という診断でしたが、ばい菌がはいったことにより炎症性乳癌になることはありますか? 主治医には痛みや腫れがでたことは話し、問題ないですと言われたのですが、汚れたお湯のお風呂にはいったことは言わなかったのです。その後再度同じ検査を行い、その日は入浴をしなかったところ、上記症状は今回はありませんでした。今回の結果はクラス5でした。不衛生なことをしてしまい心配です。どうぞよろしくお願い致します。

直接診察しないとはっきりした事は申し上げられませんが、メール内容より推測する限り、穿刺吸引細胞診後、穿刺部に感染を起こしたのかもしれませんが、症状が軽快しているようなので、問題はないと思います。炎症性乳癌は感染によって起こるのではなく、乳癌が皮下のリンパ管に広がって発赤・腫れ等の症状が出現します。従って、ばい菌によって炎症性乳癌になるという事ではありません。この件に関しては大きな問題ではないと思いますので、前向きにがんばってください。(文責 須田)

 

No.3335】 04年12月29日    alice 
大きくなった胸のしこり

一年半前に胸にしこりをみつけました。21歳です。びっくりして病院へ行くと良性ということがわかりました(細胞摂取もしました)。それから一年後また再診すると少し大きくなっていて、2.5cmほどになっていました。3cmを超えると切除したほうがよいと言われ、今とろうか迷っています。しかも、胸に痛みがあります。その周辺も痛みますし、骨も痛む気がします。とても怖いです。乳がんは痛みはないといいますが・・・。しこりは右にあるのですが、左胸に比べて右は小さいです。これも何か関係しているのでしょうか。

左右の乳房の大きさと胸のしこりの発生とは関係ありません。乳腺の腫瘤が1年半前より大きくなっていて、現在2.5cm大との事、私共の施設では年齢25歳以上で、腫瘍の大きさが2cm以上ある場合は、原則として生検(手術によって腫瘍を取り出し、顕微鏡で調べる事)をすることをお勧めしています。一般に25歳以上で乳癌が発生している事、また、そのしこりが癌であった場合、2cm以下であればstage1の可能性が高い事が根拠になっています。生検を行うかどうかも含めて、貴女の現在の状況を最もよく把握してくださっている主治医の先生と相談し、納得のいく選択をしてください。(文責 須田)

 

No.3334】 04年12月27日    S.Y.
右脇下のしこりと痛みについて

はじめまして。一ヶ月半ほど前から右脇下のしこりと痛みを覚え、え不安な毎日を送っています。年齢は33歳で、子供は一人です。29歳の時に出産しました。お乳はたくさん出ていたのですが授乳がうまくいかず、子供はほとんどミルクで育てました。右脇下(脇毛が生える場所のちょうど真ん中あたり)に指で触れると分かるくらいの1pくらいのコロコロした感じのしこりがあります。鏡で見てみるとプクッと腫れているのが分かります。触ると痛みがあります。触らない時は痛みは感じません。先月生理が来た時には腫れも痛みも少し目立たなくなりました。しこりだけは触ると分かりましたが・・・。症状が少し治まったのであまり深く考えないでいようと思っていたら、3日ほど前からまた症状があらわれました。現在、生理の10日前です。7か月前にミニ人間ドッグに入った時、触診のみの乳ガン検査を受けましたが、異常なしでした。乳房に明らかなしこりや分泌物がなくても乳ガンになることがあると聞いたので不安になり、先日婦人科の病院に行ったのですが「乳ガン検査は外科に行って下さい」と言われました。せっかく勇気をふりしぼって行った婦人科で診てもらえなかったので、また改めて外科に行くのが怖くて仕方ありません。私の症状から、乳ガンの可能性はありますか?

直接拝見しないと分かりませんが、メール内容から判断して、乳癌は否定的だと思います。右腋窩の腫瘤は、「鏡で見てみるとプクッと腫れているのが分かる」との事から、皮膚近傍のごく表面にあるものと推測されます。おそらく腋窩にできた「粉瘤」のようなものだと思います。良性のもので心配はありませんが、乳癌でない事を確認するためにも、一度外科を受診してください。乳腺外科、又は外科で取り扱います。(文責 須田)

 

No.3333-1】 04年12月27日    Y.N
乳房のピリピリと痛み

よろしくお願い致します。41歳、出産未経験です。乳房の内側(正面から見て谷間の部分)が、ピリピリと痛みを感じます。生理まで約1週間〜10日です。先月も似たようなピリピリ感を感じました。外側など、特にしこりや分泌など、症状はありません。マンモグラフィー検査は受けたことはなく、年に1回の触診検査しか受診した事がありません。よろしくお願い致します。

直接診察しないとはっきりした事は申し上げられませんが、おそらく月経周期に伴う症状だと推測されます。厚生労働省も40歳以上でのマンモグラフィー併用検診を勧めていますので、これを機会に一度マンモグラフィー検査を行ってみるのもいいかもしれません。(文責 須田)

 

No.3333-2】 05年02月05日    Y.N
乳首全体の痛みについて

よろしくお願い致します。HPNo.3333にて、別件ご回答頂きました。41才・未出産者です。乳首の痛みについて相談させてください。生理まで二週間ほどです。一週間ほど前から、乳首の表面がひりひりと感じ、多少の痛みがあります。表現がうまく出来ないのですが、内部からも痛みを感じる気がします。ひりひり感は、下着がすれて痛いような感じがしますが、下着の有無にかかわらず痛いです。また、乳房が張っている感じもします。出血や傷などはありません。2月中旬に、「マンモグラフィ」の検診を受けますが、痛みが継続しているので終日気になり、こちらに相談させていただきました。乳頭の癌もあるようでので、気になっております。どうぞよろしくお願い致します。

乳頭や乳房の疼痛があり癌が心配で外来受診される方が多いですが、一般的には乳腺症であることが多いと思います。41歳であることから乳腺症の好発する年齢でもありますので、検診にてよく見ていただいてください。乳頭周囲に出現するPaget病という特殊な癌もありますが、まずは乳腺外科の受診をおすすめします。(文責 西川)

 

No.3332-1】 04年12月27日    K.T
微熱と乳癌の関係は?

マンモグラフィーで即、乳癌と診断されました。2.5cmくらいの大きさとの診断です。自分でも中心から放射状に広がっているのがわかる画像です。1月11日に手術が決まっています。MRIとCTは1月5日に予定されています。お医者さんに報告するのを忘れていましたが、微熱があります。腋の下検温で一番高い時で37度です。夜9時頃になると36.2度位に下がります。思い出せば、春か夏ごろにも微熱がありました。あまり気にしていなかったので、続けて検温しませんでした。自分の平熱は36度だったと思います。私の乳癌は左ですが、その乳房に発赤はないのですが、手で触ると明らかに右より熱を帯びています。病院へ行って診ていただいたほうがよいでしょうか。手術まで待てばよいのでしょうか。病院がすこし遠方の為、迷っています。

微熱と乳癌とは、一般に関係はありません。貴女の年齢が分かりませんが、閉経前であるとすれば、排卵後は高温期になりますので、37℃の体温があっても不思議ではありません。生理的な現象の一つです。12月29日から1月3日までは年末年始の休暇に入り、病院の機能が一年で一番低下している時期になります。このまま状態に変化がなければ、1月5日の検査時に主治医に報告する事でよいと思います。(文責 須田)

 

No.3332-2】 04年12月29日    K.T
微熱と乳癌の関係は?(2)

早速の回答をありがとうございました。今日は日曜日なので無理かと諦めていました。お忙しいところ誠に恐れ入りますが、また質問させてください。私は49歳で7月に月経があり、それ以後はなく閉経かと思っていましたら、今月18日に月経になりました。左乳房の熱感は集団検診時の今月15日にも少しありました。無知の故に、二次検診時にあまり気にとめていませんでした。圧迫しても左程痛みがありません。今は夜中ですが熱が下がりません。せっかく回答いただいたのに申し訳ありません。癌のある左の乳房だけ熱いのは何故でしょうか。炎症性乳癌ではないかと、とても気になります。やはりこの年末に病院へ行っても何の治療法もないのでしょうか。

前回のメールには、「乳房に発赤はない」との事でしたので、ご心配のような炎症性乳癌は否定的だと思います。年末年始はどの病院も救急対応という事になりますが、症状が軽快しないようでしたら、一度病院でご相談下さい。直接診察してもらって不安を取り除く事も大切かもしれません。主治医の先生を信頼して前向きに治療に取り組まれるよう願っています。(文責 須田)

 

No.3331】 04年12月27日     IY 
再発防止目的の卵巣機能抑制について(3)(HPNo.3172-3)

HPNo.3172で回答いただいたIYです。卵巣摘出を希望しようと思っていましたが、また検討しなければならないことが出てきました。私の父方が大腸がんで亡くなっている者が多く(祖母、父2回、叔父4人中2人)、私自身大腸がんのリスクが高いかと思います。女性ホルモンは明らかに大腸がんを抑制すると聞き、乳癌再発リスクを少しでも減らす(卵巣摘出)か、大腸がんの発症抑制を選ぶ(卵巣を残す)か決めかねています。近く主治医に相談しますが、もし先生のご家族でしたらどちらを薦めますか?

女性ホルモンが大腸がんの発症を抑制する事は、閉経後ホルモン補充療法の場合で報告されていますが、そのメカニズムはよく分かっていません。現時点では、LH-RHアナログ製剤を使用し、卵巣を残す方針としたほうがよいと思います。(文責 須田)

 

No.3330-1】 04年12月27日     A.T. 
骨・肝転移の治療について

現在42歳。00年10月に左乳房全摘リンパ節郭清術を受け、その結果、レセプターは ER(−)PGR(+) Her2(0)、リンパ節(0/35)でした。その後ノルバデックスを服用しました。04年3月、肝臓に腫瘍(2.4cm)1箇所、右肩、右仙骨、左腸骨に集積が認められ(RI,PETより)、4月よりPTXをウィークリー法で受けています。現在8クール終了し、6クールの段階で肝腫瘍は0.8cmに縮小。他の発現ナシ。骨については変わらずでした。血液抑制、肝機能低下は見られず、マーカー、ICTPは正常値内です。現在の副作用は、手足舌のしびれ、脱毛、無月経です。転移による自覚症状はありません。PTXが有効との判断で、現在の治療を続けられるところまで続けるつもりですが、PTX耐性のできるということと骨に対する治療を考え、遅からず次の薬の選択をしなければなりません。主治医は、ゼローダ、あるいはドセタキセル、骨に対してはまだ薬を使わなくていいという考えですが、このほかのアントラサイクリン系 メソトレキサート、サイクロフォスファミドなど数ある薬剤からどういう基準で薬を試してゆけばよいのでしょうか。使用の順位があるものなのでしょうか。また 新薬ゾメタは1月から保険診療内で使えるものですか。アレディア同様に溶骨性のあるもののみに対しての奏効、使用が認められるものなのですか。骨に対する治療はどのタイミングで始めるものなのでしょうか(例えば痛みがでてから、集積が強くなって等)。薬のことはなかなかむづかしいので、主治医からその選択を迫られてもすぐに答えが出せません。ご教示いただけると有難いのですが、よろしくお願いいたします。

転移再発乳癌に対する化学療法は、一般的にはアンスラサイクリン又はタキサンを中心とした薬剤の組み合わせを中心に実施されています。具体的には、AC(ドキソルビシン+シクロフォスファミド)、CAF(シクロフォスファミド+ドキソルビシン+5FU)、AT(ドキソルビシン+パクリタキセル)、CMF(シクロフォスファミド+メトトレキサート+5FU)等があります。アンスラサイクリンを含む組み合わせと、CMFのような含まない組み合わせでは、アンスラサイクリンを含む併用療法の方が生存率で優れているとされています。又、タキサン系について、ACとATの比較では、奏効率、生存期間で有意差がなく、AT、ドキソルビシン、パクリタキセルの比較でも、生存期間で3群間に有意差を認めなかったという報告があります。しかし、タキサンを一次療法で実施した場合に関する臨床報告がまだ少なく、その有用性が証明されているとはいえないため、アンスラサイクリンとの併用は推奨されていません。従って転移再発乳癌の一次化学療法としては、アンスラサイクリン、又はタキサンを含む治療が推奨されています。次に一次療法に対して耐性となった場合のその後の治療(二次化学療法)についてですが、一次療法で使用されなかったアンスラサイクリン系薬剤、又はタキサン系薬剤が推奨されており、その奏効率は20〜30%です。それ以外の薬剤としてのゼローダですが、二次療法の標準薬として位置づけるには、まだエビデンスが不足しており、心機能が悪くアンスラサイクリン系薬剤が使用できない場合や、静脈投与の困難な場合に使用が勧められています。次にビスフォスフォネートについてですが、骨転移を有する乳癌において、生存には寄与しないが、転移に伴う合併症(疼痛、病的骨折、脊髄圧迫症状、高カルシウム血症等)の頻度を減らし、その発症を遅らせるというエビデンスがあり、溶骨性骨転移を有する症例に対して、他の全身治療と共にアレディア90mgを4週間毎に投与する事が推奨されています。アレディアは保険診療で使用できますが、ゾメダは少し先になりそうです。主治医の先生と十分ご相談し、前向きに病気と取り組むためにも、納得のいく治療法を選択する事が大切です。(文責 須田)

 

No.3330-2】 05年01月09日     A.T. 
肝・骨転移 化学療法について

12/27 HPNo.3330でご回答いただきました。ありがとうございます。12/22 CTを受け、結果0.8mmの大きさ変わらず。(9月CT)他臓器発現なしでした。エコーでも大きさは変わらずでしたが、前回(9月)より像がやや不鮮明でした。またマーカーは、TPA (98) CEA(2.6) CA15-3(12.6) NCC(<1.0)。「腫瘍の大きさの縮小はないが、骨にもあり(骨破壊は今のところなし、逆に硬質化傾向)、マーカーの値も正常値内での動きであるので、今の薬剤、量で、あとAクール「PTX120mg・Weekly+デカドロン2mm(1回目にショックをおこしたため最低量で漸減し、今は2mm)+クロールトリメトン10mg+ザンタック50mg」と、主治医との相談で決めました。ただ、いくつかの選択肢の説明のなかで疑問に思うことがあり、ご相談申し上げます。
1)今後の薬剤選択について
@タキサン系 ドセタキセルをマンスリーで(3週休薬)+経口ステロイド剤を2,3日服用 又は Aアンスラサイクリン系と提示されました。ドセタキセルも同じ(PTXと)タキサン系ならば、weeklyの方が、副作用あるいは効果(投与期間が短い方が有効)において良いのではないか?
(主治医の回答)以前そういうことも言われていたが、ドセタキセルについてはあまり変わらないと現在はみられているのでマンスリーで行なう。
2)現在の奏効について
5クール目あたりまで2クールごとに約30%の腫瘍縮小があったが、ここ3クールでの動きがない ということは・・・・
(主治医の回答)再発において0になることは、確率的には確かではないが数%(一桁)なので、「縮小・変わらず」は同じ評価。なので現在は奏効とみなす。

1)2)は標準的見解でしょうか。それとも違う認識もあるものでしょうか。

3)アレディアの使用は急ぐ状態ではないので、今のところ開始していませんが、(今月にPET)を受け、その状態も考慮し、決める予定です。その際、副作用以外、決定に際し医師に確認すべきことは何でしょうか。使用決定要素は @自覚症状、A検査(PET ICTP X線?)、他に何かありますか。そこで、また@Aにも問題がなければ、先送りの選択をしても良いのでしょうか。骨の再発がわかってかれこれ1年になりますので、どんなものかと素人ながら考えてしまいます。よろしくお願い申し上げます。

1)現時点でのエビデンスでは、ドセタキセルは3週間に一度の投与が良いと考えられています。ただし、白血球減少などの副作用が強く出るので注意が必要です。
2)報告にもよりますが、骨、肝臓に再発した乳癌を完全に消失させられる可能性は5〜10%程度と考えられています。つまり再発乳癌治療において、第一目標は「悪化(大きく)させないこと」となります。もちろん縮小するにこしたことはありませんが、長期間不変状態が続く場合も、やはり治療効果があると考えます。
3)アレディアは、骨転移によって骨が溶け出すのを防ぐ効果が高いと考えられており、抗癌剤と併用で骨痛、骨折等の合併症の発現を遅らせることができます。X線写真で骨溶解像を認めるようならば、自覚症状がなくても投与開始のきっかけになると思います。ただ、「どの時点で投与を中止すべきか決まっていない」、「長期間にわたると副作用が心配」、「薬剤費が高額」ということを考えれば、「自覚症状なし」で「病状不変」の状況ならば、アレディア投与を先送りにするのも選択肢だと思います。(文責 千島)

 

No.3330-3】 05年02月16日     A.T. 
転移化学療法について

HPNo.3330にて質問させていただきました。その節はありがとうございました。1月中旬にPETCTを受け、骨、肝臓の集積が消失しているとの結果がでました。昨年10月〜腫瘍マーカー、1CTPは正常値内です。現在、PTX(120mg/週)3週1休、10クール目です。副作用は、手足先の痺れ、手の浮腫、無月経、そのほか因果関係は明確ではありませんが、慢性胃炎症状が少しあります。肝機能低下、血液抑止はありません。10クール終了後、脳MR、腹胸部CT、腫瘍マーカー、骨マーカーの検査を行い、主治医と今後を相談する予定ですが、基本的な治療方法を理解したく質問、相談させていただきます。画になっていたものが見えなくなり、マーカーの動きが正常値内となって、薬剤の効果はどのように判断していくものなのでしょうか。それに伴なう抗がん剤の選択・用法はどのように考えていけばよいのでしょうか。

1) 現在のPTXは10クール目です。奏効は認められますが、薬剤耐性の見極めは、どのようになされるものなのでしょうか。また、効いてる薬は続けるのセオリー通り、PTXの続行は選択の高い順位となるものでしょうか。
2) 薬剤変更となった場合、奏効のあったタキサン系が2次のものとなりますか。それとも他の系列のものを試した方がよいのでしょうか。現在の副作用は容認できる程度のものですが、浮腫の不快感が増加傾向にあります。
3) 骨の転移像が消失しています。予防的にアレディアの使用もあると他の相談者の回答にありましたが、私のような症例の場合、そのような積極的投薬はどうでしょうか。
4) この時期、一旦休薬も考えられるものでしょうか。

よろしくお願いいたします。

1) もし画像上すべての転移巣が消失しているのなら、消失後2サイクル同じPTXを行い、その後は休薬して経過観察するのが良いと考えます。画像で所見が進行しているのなら薬剤変更が選択されるべきでしょう。効果はあるがまだ完全には消失していない場合、どこまで同じ治療を行うかの判断は難しいところです。可能なかぎり継続することが基本とは思いますが、一旦治療を中止して2カ月後にCTを行い、進行している所見があれば抗癌剤治療を再開するというのも一つの方法と思います。
2) 今まで使わなかった薬剤が候補となります。Docetaxelも候補の一つと思います。
3) アレデイアの使用は効果があると思います。
4) パクリタキセル10サイクルを行っていますので、上に述べた様に効果があるのであれば一旦休薬して経過観察するのも良いと思います(進行していれば薬剤変更すべきですが)。(文責 麻賀)

 

No.3329】 04年12月26日     ゆき
乳腺のう胞症

はじめまして。私は28歳の主婦です。先日の乳がん検診で、「右乳腺のう胞症」要経過観察12ヶ月と診断されました。先生の前のお話しによると、のう胞症の人は、全く疾患のない人達に比べると乳がんの発症率が4倍になるとあり、1年に一度の検査で大丈夫なのかと心配になりメールしました。1年後の検査の前に赤ちゃんも欲しいと考えておりますし、この病気が分っている中での妊娠についても不安です。のう胞症自体の治療はないのでしょうか? 癌になる可能性があるものを、このまま放っておいて大丈夫なのでしょうか? とても心配で夜も眠れません。ご解答お願い致します。

乳腺のう胞から必ず乳癌が発生するというのではありません。乳腺のう胞を持っている人(乳腺のう胞が発生する環境を持った人)と持っていない人を比較した場合、のう胞を持っているグループの方が、一生の間に乳癌を発生する確率が高いということです。のう胞を摘出したからといって、乳腺のう胞が発生する環境をすべて取り去った訳ではないので、乳癌が発生しないという事にはなりません。従って、乳腺のう胞が発生する環境を持った人は、放っておくのではなく、定期的に検診を続ける必要があるのです。主治医の先生の指示通り、検診を続けましょう。(文責 須田)

 

No.3328】 04年12月26日     S.U.
右乳首の痒みと分泌物

こんにちは。初めてメールします。29歳、未婚の女性です。もう10ヶ月ほど前からになると思うのですが、右の乳首に痒みを感じ始めました。半年くらい痒みの状態が続き、その後どちらかといえば透明な分泌物がカサカサな状態で下着につき始めました。痒みは続いています。1.5ヶ月ほど前に総合病院の外科を検診し、分泌物とマンモグラフィの検査をしましたが、どちらも異常は無いとの結果でした。が、ここ1ヶ月ほど前より分泌物に血液が混ざり始め、検査の結果が異常なしとの内容だったので、皮膚炎かと思い抗ヒスタミン剤を塗りガーゼを当てて10日ほど様子を見ましたが、分泌物はなくなりません。再度乳腺外科で検査を受けたほうがいいのでしょうか? ちなみに父方も祖母も母方の祖母も乳がんにかかっています。ご回答いただけたら幸いです。

「ここ1ヶ月ほど前より分泌物に血液が混ざり始め、検査の結果が異常なしとの内容だった」との事ですが、「異常なし」ではなく、「悪くない」という事です。授乳期以外に乳頭分泌が認められる場合は、精査が必要です。推測の域を出ませんが、メール内容から判断する限り、乳管内乳頭腫だと思われます。乳頭分泌は乳腺の疾患ですから、皮膚炎等の治療をしても治りません。乳腺外科で再度、細胞診、乳管造影、乳管内視鏡、マイクロへクトミー等、乳管の病変の精査をお願いしましょう。(文責 須田)

 

No.3327】 04年12月26日     N.N
治る見込みのない乳房切除について(HPNo.3261-2)

以前、進行した乳がんのこと(No.3261)で相談させていただいたN.Nです。実はその結果が出たので、ご意見をいただきたいと思います。左胸のしこりが皮膚まで達し、体液や血がしみだしていて、腰痛悪化のため受診しました。診断はかなり進行した乳がんで、骨盤、右肩に転移があるとのことでした(肺、肝臓には今のところ転移は見られないとのこと)。「よって治る見込みはない。これからの治療方針としては、基本的日常生活ができる期間を先延ばしすることが目的となる」と言われました。まず、ホルモン療法の開始。タスオミンD錠を一日一錠内服。同時に、骨転移の為、今現在歩行時に若干痛みがあるので、4週に1度の間隔で点滴投与。痛みや骨がもろくなるのを抑えるためのものだそうです。この治療をして、どのくらい生存年数、月数が延びるものでしょうか。この治療は、生きている限り続くものですか。効果がなくなると、そこで終わりということでしょうか。また、左胸のしこりをどうするかですが、「しこりをとっても病気が治るというわけではないので、必ずしもしなさいとは言えない」と言われました。ただ、「傷が化膿しないように気をつけたりしなければならないのが煩わしければ、手術をしてもいい」と、私の判断に委ねられました。「これから実施するホルモン療法、もしくは放射線治療(実施するかどうかは未定)により、しこりが小さくなることがあるので、傷も小さくなる可能性はある。それも薬が合えばで、確率としては半々と考えられる。」とのことです。やっぱり手術はした方がいいのでしょうか。しこりをほおっておくと癌が一層進行しますか。もし、した方がいいとしたら、時期は早急ですか、それともホルモン療法、放射線治療用の経過を見てからでもかまいませんか? よろしくお願いします。

T4N?M1、stageWの乳癌治療という事になります。個々の状況により、どの治療方法がベストであるかはケースバイケースですが、いろいろな選択肢が考えられます。
1)手術を行う事を前提に、術前に、腫瘍の縮小とステージダウンをねらって強力な化学療法(例えば、AC-T)を行う。
2)現在の症状が命にかかわることはないと考えられるので、ホルモン療法を中心に、骨転移に関しては、症状の軽減と骨転移による病的骨折等の合併症の出現を遅らせる為に点滴(アレディア)を行う。
3)乳癌が皮膚まで達し、体液や血液が染み出し、その為の処置を行う事による日常生活の質の低下を考えると、ホルモン療法、放射線治療の経過を見て、局所のコントロールの為に適当な時期に手術を行う。
4)手術を行わない場合は、内分泌化学療法でコントロールできればよいのですが、コントロールできない場合は、ホルモン療法、化学療法共に、1次、2次、3次と、使用する薬剤を選択していき、更に抗体療法(ハーセプチン)を合わせて行う。

以上のように、色々な方法がありますが、私の個人的意見としては、いずれの時期にか、局所のコントロールという意味で、手術を行った方がよいと思います。主治医と十分ご相談の上、納得のいく方法を選択し、前向きに治療に臨まれるよう応援しています。(文責 須田)

 

No.3326】 04年12月25日     CY
石灰化について

初めて相談します。先日、乳がん検診で要精密検査となり、2方向のマンモグラフィを受けました。エコーもやりましたが、エコーの方は何も見えなかったようです。説明によると右胸に石灰化があり、ただ上半分が多くて、それだけならそんなに問題がない(ような言い方でした)が、下半分にも少しあるので、「悪性の疑いがあり」という診断でした。その石灰化が気になるのならば取る事も出来るが、私が受診した病院では、その時点ではそれを取る機械がないので、他所の病院を紹介しますと言われました。その病院ではここ2〜3ヶ月のうちにその機械が入るそうで、「すぐ取らないのなら半年後に受診してください」と言われました。お聞きしたいのは、石灰化があるとわかった時点で取ってしまった方がいいのかどうか? 石灰化が見つかった後、これからどのように進んでいくのか? 半年間、このまま何もせず放っておいていいものなのか? 再度、他のお医者さんで診て頂いて(できれば石灰化を取り除くことができる機械がある病院で)判断を仰いだ方がいいのか? わからない事だらけで迷っています。教えてください。よろしくお願いします。

マンモグラフィーの判定は、カテゴリー分類で行います。【カテゴリー3】は、良性の可能性が非常に高いが、悪性も否定できず、追加検査が必要。結論が出ない場合は、6ヵ月後に再検査(マンモグラフィーで石灰化が増加していないかどうか等)をすることになると思います。【カテゴリー4】は、乳癌に典型的な形態ではないが、悪性の可能性が高い病変で、細胞診や生検を含めた精査が必要となります。貴女の場合、「悪性の疑いがある」との事、メール内容から推測する限りでは、カテゴリー4だと思われますので、続けて細胞診や生検(組織を手術で採取して顕微鏡で調べる)を行う必要があります。【カテゴリー3】なのか、【カテゴリー4】なのか、主治医の先生によく伺って、納得のいく治療方針を選択してください(文責 須田)

 

No.3325】 04年12月25日     AT
細胞診の時にできた血腫について

二ヶ月前に細胞診を受けました。その際、血管にあたってしまったようで、すぐに胸の一部が膨れ始め、痛かったので圧迫してもらい、二時間くらい冷やしました。その後本来のしこりとは別に6センチくらいの大きさのしこり(血の塊だと思う)を感じ、皮膚は真っ青になりました。皮膚の色こそ本来の色に戻りましたが、摘出生検でとった本来のしこりとは別に、まだ筋のような固いしこり(3センチくらい)に触れます。時々痛み、ブラをすると摘出生検(一ヶ月前)の時にできた乳輪の傷口から乳頭に向かって、ひきつれたようにへこんだりします。主治医の先生に聞いたら、血腫だと思うとのことでした。ただ、その先生はその血腫そのものをエコーなどでみたわけではなく、触診のみです。また、摘出生検をしてくれたのはその先生ですが、細胞診後にその先生にかかったので、血腫ができる前の胸の状態は写真の画像のみしかご覧になっていません。このまま様子をみていてもいいのでしょうか。摘出生検のときには、血腫は見えたりするものなのでしょうか。時々へこんだままになる乳輪や、もう片方との乳輪の色の違いを見ると、とても不安になります。ぜひ、アドバイスをお願いします。

一般に細胞診で起こる血腫については、出現後およそ1〜2週間で落ち着いてきます。貴女の場合、細胞診から生検までの期間はどのくらいだったのでしょうか? 細胞診の結果を見てから生検の予定を立てて行ったとすれば、2週間程度は経っているはずですし、おそらく摘出時には細胞診時の血腫は、ほとんど消失していたと思われます。また、摘出時に創の下に新しく血腫ができたことも考えられます。3cmほどのしこりがまだあるとの事ですが、可能性としては、@血腫によるもの A摘出生検時の瘢痕によるもの B乳腺の病変によるもの 等が考えられますが、@Aについては、時間の経過と共に落ち着きますので心配はいらないと思いますが、Bの可能性がある場合は、再度検査を行うか、又は引き続き経過観察が必要です。
病変の場所や大きさ、数等が個々によって様々であり、手術操作もそれによって異なってきますので、美容的な面に関しては百人百様です。主治医の先生に貴女自身の状況をよく聞き、今後についてご相談下さい。(文責 須田)

 

No.3324】 04年12月25日     T.A.
再発乳がんのリンパ節転移(HPNo.3299-3)

HPNo.3307、3299でご回答を頂き整理がついてきました。深謝いたします。ここで代替療法については科学的根拠がない(論文などの発表がないことだと思いますが)ことで選択の余地がないように感じさせられました。しかし母のように健康的に衰えた高齢者のQOL(生活の質)維持を含めて考慮した場合、免疫を強化して延命を図ることは、重要だと思えてなりません。たとえば発病前(まだ進行しない)癌があるならば、そこには発病(または進行)を抑えている免疫の力を感じますし、化学療法のなかでも現状の抗がん剤、放射線については癌を叩くと同時に酷く免疫をも叩くデメリットを感じます。免疫療法なども始まっている今日、このような色々な治療法によるメリット、デメリットを知り、比重を何に置くかという本人の人生観も含めた総合的見地からの医療の選択をしたいものですがいかがでしょう。ご助言を頂ければ幸いです。

2004年度版日本乳癌学会編の「科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドライン 薬物療法」によりますと、代替療法について以下のように解説されています。
「いわゆる民間療法は、ある種の植物や人工合成物の服用、気功や運動療法等、様々なものが宣伝されていて、120種以上あると言われている。そして普及率48〜87%との調査もあるように、癌患者の多くがこれらの治療を取り入れている。経済的にも莫大な費用がつぎ込まれ、2000年の国内の漢方市場だけを取り上げても実に2兆円を越えると報告されている。乳癌治療においても、代替医療は患者主体に行われ、医療現場と無関係な事も多く、その実態を十分把握できないのが現状である。しかもその使用根拠がはっきりせず、効果、安全性が明確になっていない。科学的根拠に基づいた情報としての代替医療を検証した結果、現在のところ、乳癌において代替医療を推奨するだけの根拠がない。」とあります。
我国で乳癌治療を行っている大部分の医師は、この乳癌診療ガイドライン(薬物療法)に沿って、患者さん又はご家族に説明をしているのが現状です。ただし、ガイドラインの中にも書いてあるように、がん患者の多くの方が、この代替療法を取り入れているのも、また現状です。場合によっては治療の妨げになり事もありますので、使用する場合は、主治医と十分ご相談下さい。(文責 須田)

 

No.3323】 04年12月24日     H.W.
県の集団検診で左右の乳房にカテゴリ 3 の石灰化と診断されました

妻に関する相談です。妻は33歳(出産経験なし)ですが、県の集団検診で子宮がん検診と乳がん検診(視触診とマンモグラフィー)を受診しました。結果、子宮がんについては異常なし、乳がんについて視触診では異常なしですが、左右の乳房にカテゴリ3の石灰化があるので「受診し医師の診断を受けてください」との結果が出ました。この結果を受けて妻がひどく落ち込んでおり、病気としてのがんの可能性に加え、妻の精神的な疲労の方も心配です。診断結果が出てから2ヶ月程度経過しますが、落ち込んでいる妻を発起させて、1日でも早く精密検査を受けさせた方が良いのでしょうか。また、石灰化と言われても、結局がんではない良性(という表現が正しいかわかりませんが治療の必要も無い)のものという可能性もあるのでしょうか。沢山質問して恐縮ですが、今回は左右両方の乳房に石灰化という検診結果でしたが、そのように両方の乳房に同時期に見つかるという事もあるのでしょうか。

まず乳房撮影写真の判定で「カテゴリー3」の意味についてですが、「良性、しかし悪性を否定できず」、具体的には、良性の可能性が非常に高いが、稀に悪性(癌)の場合もありえるという事です。従って、カテゴリー3の石灰化の場合は、癌でない事を確認するためにも、超音波検査・吸引細胞診・生検等の精密検査が必要になってきます。左右同時にカテゴリー3というケースも、少ないですが稀ではありません。不安を取り除く意味からも、なるだけ早く精密検査を受けたほうがよいと思います。(文責 須田)

 

No.3322】 04年12月24日     M.I.
病理結果について(HPNo.3245-2)

HPNo.3245で相談した M.I.です。先日は早々のご解答ありがとうございました。再度質問をさせていただきます。現在、前の病院のプレパラートを取り寄せ、比較検討中です。細胞の顔つきは手術した後の標本と同じとのことです。前の病院では、悪性(クラスX)と判断されていた顔つきですが、今の病院では、「癌ではないでしょう」とのことです。同じ顔つきで、こんなに正反対の結果がでることがあるのでしょうか? 私としては非常に心配なので優秀な病理専門医に診てもらいたいのです。プレパラートと病理標本は同じですか? それはとったしこりとか細胞のことでしょうか? こういう場合は何を持参するのでしょうか? 
お忙しいところ申し訳ありませが、よろしくお願い致します。

この場合のプレパラートとは、顕微鏡観察用の2枚のガラスに閉じ込めた細胞又は組織の標本のことです。お母様の場合、細胞診、組織診、両方のプレパラートがあると思われます。メール内容からの推測ですが、昨年夏、その後2回、今年10月、及び手術時と、少なくとも5回分が存在します。病理の専門医にお願いする場合は、これらのプレパラートを比較検討して結論を出してもらう為に、主治医に、これすべてのプレパラートを借り受ける事と、病理医への紹介状を書いてもらう事が必要になってきます。納得のいく治療を受ける事が最も大切ですから、主治医と充分ご相談下さい。快く紹介状を書いてくださるはずです。(文責 須田)

 

No.3321】 04年12月24日     MAI 
アリミデックスの副作用について

初めまして、宜しくお願いします。64歳です。6月に左乳房外側上部しこりが見つかり細胞検査の結果、クラスVでした。7月1日部分切除、リンパ転移なし、リンパ節切除、術後10月1日より25回の放射線照射をしました。ホルモン受容体陽性のため8月20日よりアリミデックスを服用しておりますが、10月末頃より右目に結膜炎が発症、眼科でクラビット点眼液を処方していただき治療しておりますが、いまだに改善されません、くすりの副作用でしょうか? このまま服用してもよろしいでしょうか、また副作用の少ない、よい薬はありますでしょうか。宜しくお願いします。

アリミデックスの副作用として結膜炎は出現しませんので、両者は無関係だと思います。その他の副作用があまり激しくなければ、このまま服用を続けたほうがよいと思います。ただし、術後補助療法は、あくまでも再発予防のためであり、効果と副作用のバランスを考えながら行う事になります。副作用の出方は個々によって違いますので、主治医の先生と充分ご相談下さい。(文責 須田)

 

No.3320】 04年12月24日     N.I.
左胸の内部が痛みます

以前から本当にたまになのですが、左胸が痛むときがありました。ただ、ここ最近は1週間以上寝ている時、特に左胸の内部が傷みます。ちょうど乳頭の真下位に、中から刺すような、と言うよりは、重い鈍痛があると言う感じです。触ると痛いです。腫れているような感じもします。左胸のみの痛みで、自分で触ってみてもしこりがあるような、ないような、あまりはっきり断言できません。原因として、このような痛みを伴う乳房の病気は何が考えられますでしょうか? また、私は現在生理不順が原因で女性ホルモン剤を飲んでいます。新しい薬に変えた時期と症状が強くなった時期が、どうも重なっているような気がします。以前はプレマリン、ノアルテンでしたが、現在はプレマリンとプロヴェラです。関連性がある可能性はありますでしょうか? もしある場合は、この薬の服用をやめたほうがよいでしょうか? どうぞよろしくお願いします。

一般に、胸痛を訴える方がいた場合、重大な病気として心臓(狭心症、心筋梗塞等)、肺疾患があります。目が覚めるほどの痛みであるとすれば、一度、循環器科での診察が必要です。乳房痛は胸痛に含まれるもので、前記のものと区別は出来ませんが、痛みとしては、「気にすれば痛いが、日常生活に不便なほどではない」程度のものです。ただし、貴女の場合、女性ホルモンを使用しているので、それに伴う乳房痛も考えられます。循環器科の診察で心配ないとの確認があれば、ホルモン剤の影響かもしれませんので、処方されている婦人科の先生にご相談下さい。また、「しこりがあるような、ないような」との事ですので、乳癌でないという事を確認するためのも、一度、乳腺外科での受診をお勧めいたします。(文責 須田)

 

No.3319】 04年12月24日     M 
穿刺吸引細胞診について

先日、都立病院で検査を受けました。マンモグラフィと超音波検査の結果、穿刺吸引細胞診を行いましたが、しこりが動いて細胞がうまく採れなくて、結局はっきりした結果は出ませんでした。「がんでない」とは言い切れないので、3ヶ月後に超音波検査をして様子を見ましょうということになりました。「もしがんであっても、現在1p程度なので、急に大きくなることはないでしょう」というお話でした。細胞がうまく採れなくて結果が出ないというような事は、よくあることなのでしょうか? 穿刺吸引細胞診というのは、たまたま上手く細胞が採れて、それが悪性の場合に、はっきりと【悪性】と判定ができるが、【100%良性】と判定するための検査ではないということなのでしょうか? このまま3ヶ月後の検査を待つべきか、他の病院で検査を受けてしこりの正体がはっきりする可能性がどのくらいあるのか、お考えを伺えれば幸いです。よろしくお願いいたします。

ご質問のような事は、どこの医療機関でもよくある事です。癌の細胞があれば、そのしこりが癌であるという事は言えますが、癌細胞が採れない場合は、良性の場合と、細胞診で病変部の細胞が採れていない場合があります。従って、細胞診で採れた細胞が良性であっても、病変が良性であるとは断定できず、何回か繰り返し細胞診を行ってフォローする必要があります。何回行っても良性であったとすれば、それだけ良性の確率が高いという事になります。悪性か良性か、正体をはっきりさせるためには生検(手術でしこりを切除し、病理検査を行う)を行えばいいのですが、デメリットとして、創(傷)が残ります。ご心配であれば、生検も含めて主治医とご相談し、納得のいく選択をしてください。現在の病院には言い辛いということであれば、他の医療機関でセカンドオピニオンを求めるのも一つの方法かもしれません。(文責 須田)

 

No.3318】 04年12月24日     Y・I
転移についての相談

50歳、出産経験有り、3年前から検査をしていて『乳腺症』と診断され、今年11月にしこりを発見、12月中旬にステージT、リンパに転移なしと診断されました。しかし、手足のしびれ(感覚が無い感じ)が続き(検査をした日位から)、背中の痛み、腰の痛み、鼠径部の痛み(指で押すと痛い)を感じます。 骨シンチグラム検査では、骨に転移はしていないと言われました。 1週間後に手術です。リンパに転移無しと言われましたが、この様な症状が出るので心配でなりません。ご回答の方、宜しくお願いします。

骨シンチで、骨転移(-)との事、直接診察していないのではっきりした事は申し上げられませんが、「手足のシビレ、背中の痛み、腰の痛み、鼠径部の痛み」等の症状については、骨転移による症状の出現と考える事は否定的です。整形外科的な原因があるかどうか主治医に相談して、整形外科に紹介してもらうことをお勧めいたします。(文責 須田)

 

No.3317】 04年12月24日     M.Y.
手術方法について(HPNo.2825-3)

こんにちは。9月以降2度ほど相談させていただいているものです。いつも丁寧な回答、本当に感謝しています。はじめ血性分泌で受診し乳管内乳頭腫と診断され、3ヵ月後の検診で出た診断は癌でした。出血が続くので、一通りエコー、乳管造影、MRI、分泌物の細胞診(クラスV)、小さいしこりがあり最後に穿刺吸引細胞診でクラスXが出てしまいました。非浸潤癌で、最終的に本当に癌かは切らないとわからないとのことです。20日付けで掲載された「みかさん」と言う方の症状とほぼ同じです。ただ、セカンドオピニオンは受けていますが、まだ乳頭腫と言われたわけではないし、次のステップは針生検、手術だとは思っています。その切り方について、ご質問させて下さい。画像では乳頭直下より外側に扇状に3センチほど広がっている状態で、くりぬき法で4分の1(もっと?)切除をして断片などを調べるそうです。
1)本当に次は4分の一切除しか方法は無いのでしょうか。太い針をさして癌と診断された場合はあきらめますが、できればもっと小さい手術で癌か乳頭腫か確定診断してほしいと思ってしまいます。
2)また、みかさんの回答の中にある乳頭腫のための”乳管切除”と言うものは同じ手術の事なのですか?
3)要全摘となった場合、再建を前提とした皮下乳腺全切除という術法は考慮に入れられるでしょうか。また、どの乳腺外科でもお願いする事は出来るのでしょうか。

再三で申し訳ありませんが、お答えいただければ幸いです。

乳管造影・MRI等の画像を拝見しないと詳しい事は分かりませんが、「扇状に3cmほど広がっている」とは、乳管造影の所見だと推察されます。乳頭分泌物の細胞診で Class Vであれば、一般的には乳管腺葉区分切除を行う事になりますが、貴女の場合、小さな腫瘤(場所はどこでしょうか?)があり、これを吸引細胞診で検査すると Class Xで乳癌だったとの事、主治医の先生は、おそらくこの病変をひっくるめて切除する方針で、四分の一乳腺切除を選択されたのだと思います。私の経験から判断しても、予後等を考慮すると妥当な選択だと思います。1/4切除は、乳管腺葉区分切除に比べて少し大きめになります。また、状況によっては皮下乳腺全切除術になる可能性もないとは言えませんが、いずれの切除範囲にするかは、非浸潤癌の広がりによって、ある程度決まる事になります。貴女の現在の状況を最もよく把握してくださっている主治医と再度ご相談し、分かり易い説明を受け、納得のいく治療を選択してください。病気と闘う意欲を持つためにも、納得して治療に臨むことが大切だと思います。
次に再建についてですが、まず切除を行ない、時間を置いて再建を行う方法と、同時に行う方法があります。再建を形成外科に依頼する場合は、多くの施設では2回に分けて行っています。その医療機関で再建を施行しているかどうかについては、主治医に伺ってください。(文責 須田)

 

No.3316-1】 04年12月23日     MY 
カテゴリー3

11月19日に市の乳癌検診(触診とマンモグラフィー)を市立病院で受けました。「結果3.悪性を否定できず」で、要精検となりましたが、石灰化は明らかに良性でした。腫瘤は単発であり、1×1mmの大きさで境界明瞭、円形・楕円形というのは2人共通の読解結果ですが、濃度については含脂肪と等濃度になっていました。乳腺の評価は不均一高濃度です。夜も寝られないほど不安です。現時点で悪性の可能性はどの程度なのでしょうか。

腫瘤の大きさは本当に1×1mmでしょうか? 1×1mmであるとすれば、触診でも超音波でも認識できない大きさであり、小さすぎて良・悪性の判定は非常に困難です。吸引細胞診も、「腫瘤が大きくなってから行いましょう」という事で、定期的(3〜6ヶ月毎)に診察し、大きくなった時点で再度精密検査をする事になります。マンモグラフィーでカテゴリー3であれば、乳腺外科で精検を行う事になりますので、その時の主治医に充分説明を伺って下さい。(文責 須田)

 

No.3316-2】 04年12月30日     MY 
エストリールと乳癌のリスク

12月23日HPNo.3316でカテゴリー3の検査結果についてお教えいただきました。ありがとうございます。精密検査を受けて、結果幸いに異常なしとのことでした。年1回の検診をすすめられましたが、肩こり、のぼせなど更年期障害の症状があるため、エストリールを閉経後(45才)から服用しています(現在52歳) 。女性ホルモンが活発化すると乳癌のリスクが高くなると聞きました。我慢できる程度なら服用は止めたほうがいいのでしょうか? 婦人科の先生は弱いホルモン剤だし個人差があるのでなんとも言えないといわれます。よろしくお願いします。 

更年期障害の諸症状に対しホルモン補充療法(HRT)はしばしば行われる治療法です。ご指摘のとおり、乳癌の発生には女性ホルモン(エストロゲン)の関与が以前から知られており、理論的にはHRTによりいくらか乳癌になりやすいという可能性は否定できないと思います。しかし多くの報告にてもHRTが明らかに乳癌発生のリスクを高めるという証拠はなく、HRTを必要以上に敬遠することはないと思います。今後の服用に関しては、今の症状と併せて婦人科の先生とよく相談なさってください。(文責 谷)

 

No.3315】 04年12月23日     H.M. 
乳腺線維腺腫

こんにちは。私は未婚の27歳会社員です。以前右乳房にしこりを発見し乳腺線維腺腫と言われました。大きくなるようなら手術をと言われました。ここ1ヶ月、その部分に痛みを感じます。いつもではなく不意にズキンとします。ひょっとして大きくなったのかと触ってみたのですが、変わらずでした。乳腺線維腺腫には痛みはないと聞きましたので、ひょっとして悪性かと心配しております。放っておいてよいものでしょうか? それともやはり病院に行くべきでしょうか? アドバイス、よろしくお願いいたします。

外来診療を行っていると、稀ですが30歳以下の乳癌も見受けられますが、以前よりある腫瘤で、大きさにも変化がないのであれば、乳癌は否定的だと思います。ただし、直接診察していないので、推測の域を出ません。乳癌でない事を確認するためにも、一度、乳腺外来、又は外科を受診して、ご相談下さい。(文責 須田)

 

No.3314-1】 04年12月23日     Y.Y. 
授乳期以外の乳腺炎について

はじめまして。40歳2児の母です。1週間ほど前に左胸の乳輪直下にしこり(2センチくらいの感触でした)を発見しました。今までよく自分で乳房をさわり、異変がないかをチェックしていたのですが、しこりに触れたことはなく、突然しこりが出現したように感じました。翌週乳がん検診を控えていたのでそのまま様子を見ていたところ、一昨日の夜その部分が赤くなり、腫れているのを発見しました。今日乳がん検診をキャンセルして乳腺外科で見ていただいたところ、マンモグラフィーとエコー、および視触診の結果「がんのことはあんまり心配しないでいいでしょう。乳腺炎ですね。」と言われました。「化膿しているが、まだ全部が膿みというわけではないので、切るとしてももう少し先。投薬で様子を見て、その様子しだいで切開したほうがいい」ということだったのですが、切らずに薬だけでよくなる可能性はあるのでしょうか? また、炎症性乳がんが心配なのですが、私のような所見で炎症性乳がんである可能性はありますか? 年末年始に夫の実家に帰省する予定ですが、大丈夫でしょうか? いろいろお聞きして申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

専門の乳腺外科でマンモグラフィー・エコー・視触診を行ない、「がんのことはあんまり心配しないでいいでしょう。乳腺炎ですね。」と言われているとの事ですので、ご心配のような炎症性乳癌は否定的です。40歳という年齢から判断すると、おそらく授乳中ではないと思いますので、化膿性乳腺炎が考えられますが、一般的に投薬では治りにくく、いずれ切開することになるかもしれません。年末年始にも通院が必要な場合もありえます。全国的に病院も年末年始の休暇に入りますので、その間の事も含めて主治医の先生とご相談し、治療しましょう。(文責 須田)

 

No.3314-2】 05年01月23日     Y.Y. 
授乳期以外の乳腺炎について(2)

HPNo.3314でご回答いただきましたY.Yです。再度気になることがあり、メールをさせていただきました。授乳期以外の乳腺炎は切開しなくてはならない場合が多いと初回の診察で言われたのですが、結局投薬のみ(抗生物質と化膿止め)で症状が落ち着いたため、そのまま様子を見ることになり、計3回4日分ずつ同じ薬を処方されました。1月14日に「これで診察は終わりで構いません。変化があるようなら来てください」と言われました。診察の終了時には、化膿してやわらかくなっていたしこり部分が硬結して痛みはほとんどなくなり、赤みもお風呂上りなど以外は見られないようなのですが、現在はまた左の硬結部分が柔らかく変化しており、症状のあった左側の乳房だけになんとなく違和感を感じています。痛みというほどのものではないのですが、どうしても何も感じない右に比べると、重いような熱っぽいような感じがしています。お風呂上りには相変わらず乳輪のまわりが赤くなります。どうしても炎症性乳がんが気になって仕方がないのですが、このような所見で炎症性乳がんである可能性は考えられますか? 前回の相談時にも書きましたように、マンモグラフィーとエコー、視触診を受けました。その後も数度エコーを見ていただきました。炎症性乳がんは、マンモやエコーでもそれとわかるものなのでしょうか? 乳腺外科の主治医は「この部分に関しては乳がんではない」とおっしゃるのですが、何度も乳腺炎と診断されて、やっぱり炎症性乳がんだったという人の体験をインターネットで拝見したので、とても心配しています。はっきり炎症性乳がんの可能性を否定するにはどのような検査を受ければいいのでしょうか?お聞きしたいことを整理すると、
1)私のような症状で炎症性乳がんの可能性はどの程度あるのか。 
2)マンモとエコーで炎症性乳がんかどうかは診断できるのか。特有の所見があるのか。 
3)炎症性乳がんかどうかをはっきりさせたいときは、どのような検査を受ければいいのか。 

以上3点です。お忙しいこととは存じますが、ご回答よろしくお願い致します。

炎症性乳癌とは皮下のリンパ管に癌細胞が入り込んで浮腫、炎症を引き起こし、乳房の腫脹、疼痛などの症状を引き起こします。乳腺外科の先生が大丈夫と言うのであれば、あまり心配しないで宜しいと思います。しかし、マンモグラフィやエコーでは腫瘍が指摘できないようなケースがあることもありますので、どうしても確認したいのであれば、気になる部分の組織を採取して病理検査で調べる以外にないでしょう。(文責 浜口)

 

No.3313】 04年12月23日     A 
術後の治療について

「31歳、2B期、温存、リンパ15個中1個転移あり」ですが、術後の治療としてホルモン治療をしています。他の病院でみてもらったら、抗がん剤治療をしていない事を不思議がっていました。抗がん剤もした方がいいですか? また、喉に異物感があり、声ガレがたまにあります。これはゾルティックスの副作用ですか? 来月の注射する時まで不安なので、教えてください。

貴女の場合、ホルモン治療を行っているので、おそらくホルモンレセプター陽性だと思われます。リンパ節転移陽性(1/15)という事ですので、標準的な術後補助療法としては、ホルモン療法と化学療法(抗がん剤)を行います。ただし、術後補助療法は、あくまで再発予防が目的ですから、効果と副作用のバランスを考え、個々の状況をみながら行う事になります。何か事情があるのかもしれませんので、あなたの状況を最も把握してくださっている主治医の先生と充分ご相談し、納得のいく治療を選択してください。なお、ゾラテックスの副作用に嗄声(声ガレ)はありません。(文責 須田)

 

No.3312】 04年12月23日     ceo 
左乳首の痒みと痛み、皮剥けについて

初めまして、28歳の既婚の女性です。妊娠経験はまだありません。ここ数年慢性的に時々、左乳首の中がちくちく刺すような痛みがあります。触ってみたり押してみたりしても痛みはなく、つれる感じもありません。昨年12月に念のため乳がん検診をしましたが異常はなく、内科でも胸部のレントゲンをとりましたが異常は見当たりませんでした。特に痛くなるのは、とても疲れた時や食事をお腹いっぱい食べた後などですが、それ以外でも一日に数回痛くなります。一回の痛む時間は長くはなく「ちくちくっ」と突然刺すように痛む程度です。また、この冬から左乳首の皮が乾燥肌の皮剥けのように剥けてきて、時々かゆみもあります。皮膚代謝が悪くなったような感じで皮剥けの皮膚でカサカサ硬い肌触りです。赤くなったりはしていません。オロナインを塗りつづけると皮剥けも落ち着き、かゆみも和らぐのですが、このちくちくする痛みと皮剥け、痒みは関連してなにか一つの病気である可能性はあるのでしょうか? 病院を受診したほうが宜しいのでしょうか? よろしくお願いいたします。

直接診察していないので、はっきりした事は申し上げられませんが、メール内容から判断する限り、乳癌は否定的です。皮膚科でご相談下さい。(文責 須田)

 

No.3311-1】 04年12月21日     S.S.
サードオピニオン

HP拝見し、ぜひ質問させていただきたくメール致しました。宜しくお願い致します。41歳、既婚、閉経前です。11月19日に左乳癌により全摘手術済みです。腋窩リンパ節も郭清しました。主治医より簡単な診断結果をいただきました。しこりの大きさ 3cm位、リンパ節転移個数 4個(全12個中)、ホルモンを食べて成長するタイプ、細胞の核のグレードは2、細胞の表面の形は金平糖型、ステージはUb、術前に他に転移は認められませんでした。
以上の結果を元に術後の再発防止として、「@抗がん剤はタキソール4ヶ月(3週毎1週休み)、続けてCEF(1回注射後3週休み)を4ヶ月行う。Aホルモン療法を行う。Bハーセプチンの治療も行う。」と指示され、現在タキソールの1クールの2回分、リュープリンの注射を1回行いました。実はCEFの副作用が気になり(タキソールはほとんど副作用を感じません)、先日、違う医者へ主治医の診断結果を持ってセカンドオピニオンを伺いに行きました。その医者曰く、「詳しい病理の結果を見た訳ではないが、あなたの場合、再発予防でタキソール+CEFの両方はやり過ぎ。こちらの病院ならタキソールかCEFのどちらか片方と、ホルモン、ハーセプチンで様子を見る。術前に転移は無いのを確認しているのだし。」との事でした。以下が質問です。
1) 簡単な診断結果で判断がつきにくいかもしれませんが、主治医の抗がん剤の指示は適切と思われますか。6年前に大腸がんを患いましたが、完治しています。この件も関与しているのでしょうか。あと「CEFは副作用が強いから、タキソールから始める」と、主治医が決めたのですが、やる順番で効果に差はないのですか。
2) セカンドオピニオンの医者の指示はどうですか。その医者はタキソールでもCEFでも、どちらでも片方という感じだったのですが、ホルモンとハーセプチンを併用するなら、どちらを推奨されますか。ただ、すでにタキソールが始まってしまいましたが・・・。
3) もしCEFを拒否するなら早めに告げるべきでしょうか。その場合タキソールをもう少し長く行うべきでしょうか。
4) 実際に再発防止でタキソール、CEFの組合せはあるのでしょうか。確かにあまり目にしたことが無いような気がします。

以上、長くなりましたが、どうぞよろしくお願い致します。

アンスラサイクリンとタキサン併用の場合の術後補助療法については、長期間の観察が必要とされるため、まだ推奨すべきエビデンスレベルの高いデーターは公表されていませんが、現在大規模な臨床試験が進行中です。この臨床試験(NSAPP B-30)では、アンスラサイクリンとタキサンを4クールずつ使用し、併用か順次投与かをトライアル中です。主治医の先生は、このトライアルを参考に、おそらくリンパ節転移(4/12)を考慮して併用を指示されたのだと推測されます。セカンドオピニオンの医師のように、どちらか一方を選択するという考え方もあると思います。また、化学療法の次にホルモン療法を行ない、ハーセプチンは、再発した場合の治療にとっておくという考え方もあります。いずれにしても術後補助療法は、あくまで再発予防が目的ですから、当然効果と副作用のバランスを考えながら行うことになります。主治医と相談の上、治療方針を決定してください。病気と闘う意欲を持つためにも、納得のいく治療を受ける事が大切です。(文責 須田)

 

No.3311-2】 05年02月12日     S.S.
アレデイアについて

HPNo.3311では大変お世話になりました。現在タキソール全4クール中、第3クールが始まったところです。本日、主治医より、「リンパ節に4個転移があるため、骨転移の可能性が大きく、それを阻止するため、4週に1回アレディアの点滴をしたほうが良いが、どうしますか?」と聞かれました。主治医に意見を求めた所、やった方がいいとの事なので、承諾して帰宅しましたが、どうも釈然としないので、又こちらでご質問させていただく事にしました。
1)そもそも骨転移予防の為にアレディアを使用する例はあるのでしょうか。主治医はアメリカで乳房再建等も学ばれていて、アメリカ的な(積極的?)治療が好みのようです。 
2)保険は適用されるとの事ですが、通常1回につき料金はいかほどなんでしょうか。以上細かい事まですみませんが、お返事お待ちしています。最初の治療が2/12からなので、その前にご回答いただければ、大変ありがたいです。

日本では基本的には骨転移がある方にアレディアをもちいることになります。しかし欧米では骨転移の予防ということでアレディアを補助療法として用いる治療が試され、有用であるとの報告もあります。申し訳ありません。休日ですので費用に関する確認がとれません。主治医にご確認ください。(文責 福間)

 

No.3311-3】 06年05月15日     S.S.
腫瘍マーカーの急激な上昇と今後の治療について

以前No.3311お世話になった者です。又よろしくお願いします。3月の血液検査で肝臓への転移が発覚しました。FISH法にてハーセプチンが適用になるか調べる間に3回腫瘍マーカーを調べましたが(3/18,4/5,4/25)、NCC−ST-439が210→290→490、CA15-3が39.6→50.4→75.4、BCA225が220→240→330と急激に上昇しています。ハーセプチンは使用が決定しましたが、心機能の検査等でまだ治療が開始されません。私としては最初はハーセプチンの単独投与で様子を見たく思うのですが、そんな猶予はもはやないでしょうか。最初から抗がん剤を併用すべきでしょうか。また4/25の腫瘍マーカーは他のクリニックで行い、SLXのマーカー値も出て94と大変高いのが気になりました。肺がんの時に上昇するマーカーのようですが、肺転移が疑われるのでしょうか。実はずっと咳が続いています。4/5のCT検査時では、画像上は肺転移は確認されておりません。以上です。よろしくお願いします。

S.S.さんの場合、肝転移があるので、ハーセプチン単独よりも抗がん剤を加えたほうがよいかと考えます。SLXは、乳がんではあまり上昇しない腫瘍マーカーです。CTで肺の腫瘍がないのであれば、肺がんは否定的だと思います。腫瘍マーカーは擬陽性もあるので、主治医の先生によくお聞きになってください。
咳が続く場合、肺のリンパ管にがんが転移するがん性リンパ管症ということも考えられますが、それだけでなくアレルギー性の咳や喘息なども考えられます。これも主治医の先生にお聞きになってみてください。(文責 俵矢)

No.3310-1】 04年12月21日     Y 
非浸潤がんのステージについて

53歳の主婦です。2002年5月に浸潤性乳がんのステージ3と診断され、抗がん剤治療後、2002年9月に乳房摘出手術を受けました。手術時の病理検査では、非浸潤性の乳管部のがんと判定されました。
1) この結果は、抗がん剤の効果により浸潤性のがんが非浸潤がんに変わったと解釈できますか?
2) 非浸潤性のがんであっても、最初の判定のステージ3が生きるのでしょうか?

以上、よろしくお願いいたします。 

メール内容から推測して、おそらく2002年5月の時点では、浸潤性、非浸潤性乳癌の両方があったのですが、術前の抗がん剤治療が浸潤癌に奏功して消失させたのだと考えられます。9月には、抗がん剤の効果が少なかった非浸潤癌が、まだ残っていたのだと思います。従って、stage Vの、術前化学療法治療症例という事になります。(文責 須田)

 

No.3310-2】 05年11月03日     Y 
ゴルフ

いつも迅速・丁寧にご回答いただき本当に有り難うございます。04/12にHPNo.3310でご相談した54歳主婦です。左乳房全摘手術後、アリミデックス服用して3年になります。散歩は出来るだけやるようにしていますが、そろそろ運動も始めたいと思っています。ただ、手術でリンパも19個取っていますので、左腕を使うゴルフなどはやらない方がよいのでしょうか? 普段から荷物も左では極力持たないようにしています。手術の影響で胸の筋肉の引きつれは日に何度も感じます。尚、右利きです。よろしくお願いします。

一応リンパ節郭清をされ、注意すべき事には怪我と指先の化膿、虫刺され、ひどい日焼け、上腕中心のリンパ浮腫のリスクです。運動自体は問題がないので、ゴルフに行き、日焼けや怪我、虫刺されに注意すれば、運動自体は可能です。でもいきなりコースに出るのではなく、練習場で少しずつ慣らしてからの方が、より良いと思います。(文責 石山)

 

No.3309】 04年12月21日     S.I. 
肝臓・骨転移について(2)(HPNo.3279-2)

以前、母の肝臓転移かどうかについて相談させて頂いたNo.3279です。その後担当医に聞いたところ、肝臓の影が乳がんからの転移かどうか確かめるための検査は行わず、今月から始めた抗がん剤治療6クール終了後にCTで見るとのことでした。しかし骨への転移は明らかだと言われました。現在、母は退院し来年から2クール目が始まりますが、骨に転移していてもどこも痛くないというのですが、これから痛みや何か症状が出てくるのですか? 今の抗がん剤(エピルビシンとタキソテール)が効いていれば症状は出てこないのですか? また、もしこの抗がん剤が効用していたと分かったら、6クール終了後は何も治療は無くなるのでしょうか? その場合、またすぐ骨や肝臓の転移が進行し始めたりするのではないかと、とても不安です。ご返答宜しくお願いします。

骨転移の場合、必ずしも痛みを伴うとは限りません。ケースバイケースで、今後痛みの出る場合もあれば、出ない事もあります。エピルビシンは副作用として心筋毒があり、治療に限度がありますが、仰る通り、効けば症状は出てきません。日本乳癌学会編の乳癌診療ガイドラインでは、溶骨性骨転移を有する乳癌に対して、パミドロネート(90mg)は、骨転移に伴う合併症(疼痛、病的骨折、脊髄圧迫症状、高カルシウム血症)の頻度を減らし、その発症を遅らせるという事で、4週間毎の投与を推奨しています。お母様の状態を一番よく把握して下さっているのは主治医の先生ですから、不安がある場合は、納得がいくまで充分ご相談下さい。(文責 須田)

 

No.3308】 04年12月21日     M 46  
左乳腺腫瘤に関して(HPNo.3125-2)

HPNo.3125でお答えいただいたM 46です。先日は迅速なご回答をいただき、ありがとうございました。大変参考になりました。その後、乳腺科のある診療所にて一ヶ月程の経過観察をして、12/15にS病院へ転院しました。10/25から12/6まで診療所に通院して、視触診・乳頭分泌物細胞診にて経過観察。左乳輪下にあるしこりは徐々に小さくなり(10/25は4センチ大だったのが、11/21以降は2X1.5センチ)、乳頭分泌物細胞診は5回全て良性class II(当初、血性だった分泌物は、透明な黄色い液に変化)、量も徐々に少なくなり、12/7を最後に出なくなりました。診療所の主治医の診断は、「しこりが一ヶ月半の間に4センチから2センチと小さくなったのは、左乳頭下に腫瘍と嚢胞があり、嚢胞部分は分泌となって外に出たせい。でもしこりが良性か悪性かはわからないので、腫瘍切開の外科手術をしたほうがいい」と勧められました。
前回の相談室から「次は穿刺吸引細胞診、それでも診断がつかなかった場合は切除による組織診」と教えていただいていたので、当方から外科手術の前に穿刺吸引細胞診や組織診をしてほしいと何度かお願いしたのですが、主治医から「腫瘍に注射針を刺し、もし悪性だとリンパに広がる可能性があるから危険。とにかく入院して腫瘍切開の外科手術をしましょう」と言われ・・・、今までの検査データーをもってS病院に転院しました。
12/15にS病院にて、今までの症状・診療の経過を聞かれ、検査データー(診療情報提供書、10/25撮影分マンモグラフィーとエコーの画像、5回の分泌物細胞診検査報告書)をもとに、腫瘍のある左胸の視触診。 S病院の主治医からは、「腫瘍が左乳頭下にあり、柔らかいですね。画像で診ても腫瘍は丸いし、たぶん良性でしょう。ただし、腫瘍の検査は今までしていないので、確認のために検査をしましょう。穿刺吸引細胞診は痛いし、何回も針でさすのもどうかと・・・。どうせやるならマンモトーム生検をやることをお勧めします。これなら腫瘍の90%を吸収できるので、良性腫瘍の場合はこれでOK。もし悪性だったら、もう一度、大きめに切開しないとなりませんが、それは組織を顕微鏡で検査すればはっきりとするから。」と言われ、来年1/6にマンモトーム生検をすることになりました。
S病院のドクターはとてもお忙しそうで、マンモトーム生検のパンフレットと説明・同意書を渡され、「よく読んで、1/6に署名して持ってきて下さい」と言われ、看護師に血液検査の指示を出し、慌ただしく去っていきました。詳しいことを聞きそびれ少々不安になっているので、お手数をおかけしますが下記の質問にお答えいただければ幸いに存じます。
1) 私の場合、マンモトーム生検はやはり必要ですか。また、左乳腺腫瘤の検査として、穿刺吸引細胞診をやらずに(省略して)、すぐ「超音波ガイド下マンモトーム生検」をやるという選択で良かったのでしょうか?
2) 超音波ガイド下マンモトーム生検の説明・同意書の内容は下記の通り。
・現在の診断名・病状、推測される原因 : 左乳腺腫瘤。
・手術・治療・検査・処置などの内容、期待される効果、予想されるリスク : 超音波で病変部分を確認しながら局所麻酔後に太い針を刺して病変部分の組織を一部吸引し、病理検査へと提出します。術後、出血、血腫、感染のリスクがあります。
・代替的方法の有無、内容 : 切開生検、手術を選択する場合もあります。

予想されるリスクに「血腫」とありますが、それはどういった症状ですか? また、代替的方法に「切開生検、手術を選択する場合もあります」となっていますが、どういった場合、そちらの方法に切り替えられるのでしょうか?

以上、お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願い申し上げます。

診療所の主治医、S病院のドクター共に、「しこりが良性か悪性か分からないので、細胞ではなく組織をとって、よく調べましょう」とお話されています。診療所の主治医は、組織を採取する方法として、「手術により腫瘍をすべて取り除いた上で、顕微鏡で検査しましょう(切開生検、手術)」と言っていますが、この場合、手術によって手術創の残る事がデメリットとなります。S病院のドクターは、「超音波ガイド下マンモトーム生検で腫瘍の90%を取り、顕微鏡で検査しましょう」と言っているのです。この場合、手術創はほとんど出来ませんが、10%の腫瘍が残るというデメリットがあります。また腫瘍を吸引して取り除く時に、稀ではありますが、血管を傷つけて出血し、血の塊(血腫)が出来る事があります。メリット、デメリットを充分理解した上で、どちらの方法で組織検査を行うかについて、もう一度主治医とご相談下さい。納得のいく治療を受ける事が大切です。(文責 須田)

 

No.3307】 04年12月21日     T.A 
再発乳がんのリンパ節転移(2)(HPNo.3299-2)

No.3299ご回答、心からお礼申し上げます。こちらの情報不足でしたので、もう少しお知らせして、質問もさせていただきます。12年前が右乳房・リンパ節・筋肉切除、5月の再発は左乳房・リンパ節切除(術後検査でリンパ内転移1つ)(筋肉を温存)、12月に左の腋に転移有りです(母が触っても分からない大きさ)。5月からの術後ホルモン療法薬はアリミディックスです。その他に服用の薬として、10年程度前から高血圧、コレステロール、めまい、不安、5月からリウマチ薬です(ステロイドのプレドニゾロンは0.5錠でしたが、転移があってからは中止です)。
当方としては癌の進行を遅らせ、QOLをある程度確保する方向であれば、あえてここから化学療法によるダメージを避けたいし、代替療法も取り入れることも考えて迷っています。質問ですが
1) 転移があったことはホルモン療法で抑えきれなかったと考えますが、今後好転する可能性はどの程度でしょうか。
2) 79歳の高齢者が転移(二つ目)の現状で、「レセプタ陽性の場合の化学療法は、たとえリンパ節転移があってもその意義は少なく・・・」との回答でした。これは化学療法をしても効果が薄いと解釈しましたが、だとすれば母に対する化学療法はどんな意味を持つのでしょうか。メリットとデメリットをどう考えたらよいでしょうか。
3) 転移部位の腋窩リンパ節郭清をしないで抗がん剤・放射線をするメリットはなんでしょうか。
4) HER2過剰発現が確認された転移性乳癌にハーセプチンという薬の情報がありましたが、血清HER2タンパク測定は地方総合病院でも可能でしょうか。

お手数を掛けますが、よろしくお願いします。

1) 12年前の右乳癌の左乳房再発という事ですが、異時性の多発乳癌、つまり12年前は右の乳癌で、今回は新たに左に乳癌が発生したという事ではないでしょうか。また、お母様の場合アリミデックスを使用していたとの事ですので、おそらくホルモンレセプター陽性の癌だと思われます。残念ながら12月に腋窩に転移とありますので、アリミデックスでは抑えきれなかったという事だと推測されます。アリミデックスに抵抗性の転移性乳癌に関して、アロマターゼ阻害薬の中でもアロマシンが有効との報告があります。病状安定以上の奏効率が24.3%あり、試してみる価値があるかもしれません。
2) ホルモンレセプター陽性であれば、一般的には、まず第一選択としてホルモン療法から行います。ホルモン療法も第一、第二、第三とあり、それでも効果がないときは、化学療法へと移行していく事になります。
3) 5月に「左乳房・リンパ節切除」との事ですので、おそらく腋窩リンパ節はすでに郭清しているのではないでしょうか。郭清を行った後に再発が起こっているとすれば、局所には放射線治療で、全身的には内分泌化学療法ということになると思います。
4) HER2に関してですが、たとえその病院では無理であるとしても、検査機関に依頼すれば測定可能だと思いますので、主治医にご相談下さい。HER2蛋白(3+)又は(2+)であれば、ハーセプチンの使用が可能になります。 なお、代替療法についてですが、現時点では乳癌治療において代替療法を推奨するだけの科学的根拠がありません。(文責 須田)

 

No.3306】 04年12月20日     みか
細胞診の誤診について 

先日大学病院にて検査したところ、エコーと刺吸引細胞診でClass 5が出、しこりのない非浸潤癌といわれて手術することになりました。手術法が納得いかなかったのでセカンドオピニオンを受けにいったところ、マンモグラフィーと太い針の生検をしてくれて、乳頭腫で良性と思われるので乳癌手術はしないとのこと。先生によると、非浸潤癌の細胞と乳頭腫の細胞は非常に似ているから間違えやすいとのこと。しかし、最初に癌告知を受けた時に、医師に、「乳頭腫だと思っていたので3日後に手術と突然いわれても気持ちがどうしてよいかわからないので、少し時間をください」と言ったところ、「いいですが、癌と早くわかったことを感謝して、早くしたほうがいいですよ。乳頭腫の疑いはまるでなく癌です。」と医師は言ったのです。なので思ってもみない明答ですが、不安でたまりません。今後どのようにしたら、この不安は消えるのでしょうか? また、血性の分泌物が最初少しあり、1回目の細胞診後、それが多量になり、触れると飛び散る量になっていましたが、2度目の針生検で乳管を破ってしまったらしく、ほとんど出血しなくなりました。稀に押すと黒すんだ血が少しだけでることがある程度です。いったいあの血は乳房の中にたまっていっても大丈夫なのでしょうか? また乳頭腫の治療とは、どんな方法があるのでしょうか? 教えてください。お願いします。

とても難しいお話だと思います。まず細胞診と太い針の生検(マンモトームでしょうか?)で採取できる細胞の数ですが、これは圧倒的に生検の方が多いです。したがって理論上はセカンドオピニオンの先生の方が正しい可能性があります。しかし乳管内の病変(乳管内乳頭腫や非浸潤癌などです)は、ご指摘の如く組織診断が大変困難なことがよくあり、たとえばマンモトームで採取された組織でも、対象が乳管内病変だと誤診率が10%位あるといわれています(実際は癌であるのに、良性と診断してしまうのが10%くらいある、ということです)。もちろん少ない細胞の数で正確に診断されることも多いです。治療ですが、良性の乳頭腫の場合でも腫瘍のある乳管全体を局所麻酔下に切除して(乳管切除術といいます)腫瘍全体を切除することが原則です。切除しなければ乳頭よりの分泌が続きますし、特にあなたの場合、2つの施設で判断がはっきりと分かれているわけですから、正確な診断を得るためにも最低限乳管切除は行うべきだと思います。(文責 首藤)

 

No.3305-1】 04年12月20日     ON 
術後の抗がん剤治療について

はじめまして。母親の乳癌の治療についてご相談したく、メールを送らせていただきました。母は53歳、閉経後で、今年11/25に左乳房全摘、リンパ節郭清手術をしました。直径2.5cm、リンパ節転移なし、硬癌、ステージU、ホルモンレセプター プロゲステロン(+)、遠隔転移なしと言われました。今後の補助療法として、ホルモン療法と抗がん剤治療をすすめられました。主治医は抗がん剤は初めから強いもの(EC療法)を使うとおっしゃっておりますが、副作用等のリスクを負ってまで抗がん剤治療を受けた方が良いのか悩んでおります。ホルモン療法は受けようと考えておりますが、今後の再発の可能性も含めて、母の今の状態で抗がん剤を実施するべきか、何かアドバイスがございましたら宜しくお願い致します。

以前はリンパ節転移無しとなれば再発リスクも低い、として積極的治療の枠からはずれていたものです。しかしその後リンパ節転移のないグループでも再発してくることが分かってきました。「リンパ節転移なし、されど再発リスクの高い群」を見分けるひとつの指標として、ザンクト・ガレンのコンセンサスというのがあります。お母さまの場合、直径(=切除した腫瘍のひろがり、浸潤部として)が2cm以上だというところでAverage Riskに入り、この場合@ホルモン療法単独、またはA化学療法のあとにホルモン療法、の2通りが推奨されます。どちらを選ばれるかは担当の先生とよくご相談されたほうがよいのですが、基本的に担当の先生が一番お母さまの状態を分かってらっしゃるはずですし、化学療法を選択されたのであれば何らかの理由があると思います。たとえば細胞のGradeはどうだったのでしょうか? Gradeも3などと高い場合にはやはり化学療法を含んだ方がよいかもしれません。 
抗癌剤に関しては、副作用の少ない内服の抗癌剤などは”有効である”というエビデンスがなく、やはり化学療法を行うのであれば、ご指摘のようなEC療法など、エビデンスのしっかりとしたものになると思います。(文責 首藤)

 

No.3305-2】 05年01月01日     ON 
抗がん剤の選択について

No.3305で母の件についてお答えいただきました。ご丁寧な返答、大変有り難うございました。アドバイスを元に、母は主治医と相談した結果、抗がん剤を受けることに決めました。新しく得た情報として、HER2(-)、GradeVとのことでした。前回も申し上げた通り、主治医はEC療法をすすめておられます。前回のご相談の際、GradeVだった場合はエビデンスのしっかりしたEC療法等になると伺いましたが、EC療法は副作用が強いとのことです。EC療法とCMF療法は、その治療効果に大きな差がないと聞いています。そこで、母はもし副作用が少ないCMF療法でいけるならば、そちらを受けたいと考えており、判断しかねているようです。あとは本人の意向だと思うのですが、もし何か選択の際のアドバイスがございましたら宜しくお願い致します。分かりにくい質問で大変申し訳ありません。

まず最初に、抗癌剤の副作用の程度は個人差が比較的大きく、よってこれはEC療法にもCMF療法にも当てはまることです。ですから、お母様がこれからいずれの抗癌剤を使用するにしても、まずやってみなければどの程度の副作用が出るかはわからないことを念頭に置くべきです。お酒の強い人もいればものすごく弱い人もいて、これらもお酒を飲んでみないとわからないといったことと似ている様に思います。ただ一般に、脱毛、白血球減少、嘔気・嘔吐などのこれらの副作用はやはりEC療法の方がCMF療法に比べ明らかに頻度が高く、症状も強く出るケースが多いと思われます。またEC療法には、CMF療法にはあまりない心毒性という副作用もあります。一方で、EC療法8サイクルはCMF療法6サイクルとほぼ同等の治療効果という報告もありますが、EC療法またはAC療法がCMF療法と同等かそれ以上とする報告もあり、一般的に術後化学療法としてはアンスラサイクリン(AまたはE)を含む治療をまず推奨しております。お母様は53歳とまだ若くていらっしゃいますので、他に問題がなければEC療法をトライしてみるのも一法かとは思いますが、脱毛は必発なのでカツラを用意しておいた方がよいかもしれません。もちろん治療が終了すればまた生えてきます。以上のことなどを参考に再度御家族でよく検討された上で、主治医の先生と最終決定なさってください。(文責 谷)

 

No.3304】 04年12月20日     A.M.
しこりの痛み

はじめまして、26歳の女性です。左胸の下の付け根あたりに2センチぐらいのしこりがあり、気づいたのは7年位前です。3年ぐらい前に病院でマンモグラフィー・触診・・しこりに針を刺して細胞を取って検査をしました。異常はないということで、また1ヶ月か3ヶ月したら(どちらか忘れてしまいました)来てくださいと言われましたが、その時は仕事が忙しく病院に行けませんでした。去年の10月に出産経験ありです。最近しこりが気になって、どのぐらいの大きさか確認したりしていました。大きさは特に変わってないような気がします。この頃しこりの辺に針をちくちく刺すような痛みが1日に何回かあるのですが(気にして触っていると余計痛くなるような気がします)、病院を受診したほうがよいのでしょうか? それともこのままほっといて、特に問題はないのでしょうか?

3年前から大きさが変わっていないというのでしたら、おそらく良性の腫瘍だと思いますが、現在あなたが通院可能な状態なのでしたら、一度受診されることをおすすめします。(文責 首藤)

 

No.3303】 04年12月20日     Y.Y. 
ホルモン治療について

28歳で既婚、出産経験はありません。乳房温存手術を受けて2年たち、今後の治療について相談にのっていただきたいと思います。
・ 14年9月 右乳腺葉状腫瘍と診断
・ 14年10月 乳房円状切除術。手術の結果、乳癌(充実腺管癌)と診断。腫瘍:縦2.5cm×横2cm×高さ2.5cm safety margin 約2〜3cm。右腋窩リンパ節郭清の追加必要
・ 14年11月 Ia、Ibリンパ節郭清。摘出リンパ節には転移なし。Ia:0/11 Ib:0/7。HER-2 test 陰性、ホルモンレセプター(ER.PgR)不明。

ホルモンレセプターが不明という診断でしたが、ホルモン治療をすることになりました。 リュープリン(3.75g)4週間毎→2年間(16年11月終了)、フェアストン(40)1錠/1日→5年間。フェアストンを14年11月〜15年10月まで服用、15年11月〜現在までフェノルルン10mgを2錠/1日服用。現在まで約3〜4ケ月毎に乳腺エコー、血液検査、約半年毎にCT、RI、腹部エコー検査を受け、異常なし。当初、内服薬を5年間服用する予定でしたが、主治医の先生が、注射と一緒に2年間でやめようとおっしゃいました。注射をやめて数ヶ月で生理がもどり、妊娠可能とのことです。通常は5年間服用するのだが、私の年齢(出産)とホルモンレセプターが不明という理由から、内服薬も2年間で終了しようか、ということです。

1) 本当に内服薬を2年間でやめていいのでしょうか。5年間服用したほうがいいのでしょうか。また、3年間、4年間という選択肢はないのでしょうか。
2) 5年間服用した場合、何か副作用があるのでしょうか。
3) 5年間服用した場合、妊娠しにくく、又は妊娠できなくなったりすることはあるのでしょうか。

以上、3つの質問、よろしくお願いいたします。私は、子どもよりも自分の体を優先的に考えたいと思っています。出産は33歳くらいでもいいと思っていますが、遅くなっても子どもはほしいです。

基本的に同じSERMであるノルバデックスを対象としてお答えします。
1) ノルバデックスを術後2年間で終了した場合と5年間飲み続けた場合の比較試験があり、その場合5年間のほうが良い成績であったことから、現在では5年間内服が推奨されています。比較は2年と5年ですから、その中間に関してはデータが無く、エビデンスに乏しいということになります。
2) 2年間内服から5年間に延長した場合でも、長期投与に限って増加したという副作用はありません。
3) 長期投与後の方が妊娠しにくかった、というデータはありません。

ホルモンレセプタが不明ということですが、最近は免疫組織学的手法(免疫染色)で陽・陰性を診断することが多いです。組織型が充実腺管癌で腫瘍も2cm以上あるのですから、標本ブロックを再切して免疫組織染色でレセプタを再検すればよいので、「不明」ということはないように思います。女性の卵子は男性の精子と違い薬剤による傷害はほとんど無く、薬物が身体から出て行ったあとに排卵されれば正常な分娩につながります。ノルバデックスの場合、体内から完全に排泄されるまで6週間かかるといわれていますので、妊娠の場合は終了後少なくとも2ヶ月以降が良いと思います。(文責 首藤)

 

No.3302】 04年12月20日     H.M. 
テスト切除の後(HPNo.3186-2)

11月にHPNo.3186で相談させていただいた者です。丁寧な御回答、ありがとうございました。テスト切除は12月7日に済み、昨日抜糸が終わり、手術方法の説明も受けました。手術は年明け一番ということで連絡待ち、それまで通院の予定はないのですが、気になることがあります。しかし相談することもできず困っております。は昨日久しぶりに入浴したとき患部をさわってみますと、切開したそばが大きなしこりになっていることです。以前は自己診断しても分からなかったくらい何もありませんでした。これは試験切除後、あたりまえのことなのでしょうか? 病気の急変とかで、すぐ通院しなければいけないということはないのでしょうか? 病院も予約なしでは一日がかりですし、放って置いてよいものなら安心なのですが、お教えくださいませ。

可能性としては手術後の血腫(血のかたまり)や異物反応による肉芽(にくげ)など、あまりご心配のいらないものであると思いますが、やはり気になるのでしたら一度病院を受診された方がよいと思います。(文責 首藤)

 

No.3301】 04年12月20日     M・Y
嚢胞のムチンについて

はじめまして。33歳未婚、出産経験はありません。数年前から検診で乳腺症の疑いありとの診断を受けていたので、今年乳腺専門のところに2箇所診察に行きました。1つめのところは当日に触診、エコー、レントゲンを撮り、最後に先生がエコーとレントゲン写真を見て【多々に渡り石灰化がある乳腺嚢胞】との診断を受けました。確かにレントゲン写真を見せていただくと、ポツポツとたくさん白い石灰化したものがありましたが、心配ないとの事でした。念の為もう1箇所診察に行き、触診、エコー、レントゲンに加え、乳腺症の一部分に白く写るところがあるので、そこの細胞をとってもらいました。とった細胞はゼリー状の透明なもので、一般に言われている嚢胞の中にある水っぽくはありませんでした。結果はムチンがあり、病的な細胞があるが、癌は見つからなかったとの事でした。そして今日3ヶ月後の検診という事で軽い気持ちで行ってきたのですが、前回と同じ所の細胞をとったのですが、前回の倍以上のゼリー状の細胞がとれ、ドロドロした乳白色をしていました。エコーで見たところ、確かに前回より袋の中の白っぽいものが大きく見えました。先生曰く、3ヶ月でこれだけとれることは癌の可能性が十分あり得ると・・・(細胞の活発化が考えられるので)。そこの部分だけ今日触診してもらった段階で、痛みがありました(生理後1週間)。

1)触診ではしこりは見当たらない段階で、もしこれが癌であるとしたら早期発見になるのでしょうか?
2)先生がやたらと【ムチン】とおしゃるのですが、ムチンがあるという事は癌になる可能性はどれくらいなのでしょうか?

結果は来週なのですが、心配で仕方がありません。大変お忙しいと思いますが、お分かりになる範囲でご回答いただけますでしょうか?

おそらく担当の先生は、乳癌のうちの特殊型である「粘液癌」を心配されているのだと思います。これは豊富な粘液(ムチン)の中に癌細胞が浮遊している状態の特殊な乳癌です。しかし粘液が貯留するものとしては、他にMucinous Retention Cystというものがあります。10〜30代に多く、こちらは良性です。鑑別にはやはり細胞診なのですが、一回の細胞診では両者の鑑別が100%つかないこともあり、経過を見て生検して診断を得ることがあります。(文責 首藤)