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相談室

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。ご相談内容は  info@kbcts.gr.jp   まで、メールでご連絡下さい。なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

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名 前

件  名

担 当

3000 04/10/12 Y.N. 術後の治療法について 麻賀
2999 04/10/12 zuzu 小豆くらいの腫れ物(HPNo.2845-3) 麻賀
2998-1
2998-2

2998-3
2998-4
2998-5
04/10/12
04/11/03
04/11/06
04/11/08
05/11/26
MY  DNA診断による術前化学療法
術後の治療法
術後の補助療法の選択
悪性度
骨シンチの結果について
麻賀
石田
石山
石山
稲葉
2997-1
2997-2
04/10/12
04/11/19
chiaki 乳房のしこりについて
しこりについて
麻賀
稲葉
2996 04/10/12 H  今後の病状と治療について(HPNo.2366-3) 麻賀
2995-1
2995-2
04/10/12
04/10/14
K.Y. のう胞内の水の細胞検査について
疑陽性について
麻賀
麻賀
2994-1
2994-2
04/10/12
04/10/25
minako エコーでもマンモグラフィーでも
経過観察
吉田
石川
2993 04/10/12 M.I 左脇下のしこりについて 吉田
2992 04/10/12 kaorin 再発乳癌の治療法について 吉田
2991 04/10/12 とも 検査結果について 吉田
2990 04/10/12 術後治療について 吉田
2989 04/10/12 H.M. 乳がんの疑い 吉田
2988 04/10/12 Sato 再発、転移の可能性 吉田
2987 04/10/12 C.K 線維腺腫の手術について 吉田
2986 04/10/12 N.K. 定期検診の間隔について 吉田
2985 04/10/12 再発の不安について 吉田
2984 04/10/11 C.S. 点滴に患側の腕 吉田
2983-1
2983-2
04/10/10
04/12/14
Y.N. 石灰化
二つの診断結果
吉田
清水
2982 04/10/10 T  治療法について(HPNo.2872-3) 吉田
2981 04/10/10 のりこ 転移性について 吉田
2980 04/10/10 M.S. 精密検査の時期について(HPNo.2886-2) 吉田
2979 04/10/10 sojet  術後補助療法について 吉田
2978 04/10/10 トンコ 妊娠の可能性 吉田
2977 04/10/10 H.M. 乳がんの疑い 吉田
2976 04/10/10 M.S 放射線について 吉田
2975 04/10/09 A.I. 乳腺症と妊娠について教えてください 吉田
2974-1
2974-2
04/10/09
04/11/03
P  一ヶ月以上続く左胸の痛み
検査結果について
吉田
石田
2973 04/10/09 Y.M. 化療中の生理について 吉田
2972-1
2972-2
04/10/09
04/12/05
M.F PET検査の有用性について
術前化学療法後のセンチネルリンパ節生検について
吉田
鈴木
2971 04/10/09 A.N ホルモン療法前の検査(HPNo.2472-4) 吉田
2970 04/10/09 キンモクセイ 術後療法と妊娠について 吉田
2969 04/10/09 Akane 乳管内乳頭腫 吉田
2968 04/10/08 risu ホルモン療法の経過について 吉田
2967 04/10/08 Y・S 乳首からの出血について 吉田
2966 04/10/08 T  診断について 吉田
2965 04/10/08 M.O. dose-dense chemotherapy 吉田
2964-1
2964-2

2964-3
04/10/08
05/01/15
06/02/11
Y.W.  乳がんの術後治療について
骨転移について
骨転移について(2)
吉田
徳田
川本
2963 04/10/08 hiro 乳房の内側にできた癌の予後 吉田
2962 04/10/08 IM 再手術は必要でしょうか? 吉田
2961 04/10/08 minco 術後の治療選択 吉田
2960 04/10/08 M.Y. 炎症性乳癌について 吉田
2959 04/10/07 S.H. 乳ガン 肝転移後から黄疸発生の期間について 吉田
2958 04/10/07 YN 男性の乳首の痛みについて(何科を受診したら良いのでしょうか?) 吉田
2957 04/10/07 W.F. PET画像診断について 吉田
2956 04/10/06 M・Y 乳管内乳頭腫について(2)(HPNo.2825-2) 清水
2955 04/10/06 Tsubame しこりの痛みについて 清水
2954 04/10/06 yu 乳癌再発肝臓に転移 清水
2953 04/10/06 k.t 病理結果について 清水
2952-1
2952-2
04/10/06
04/11/17
Rの母 妊娠中の乳癌について
術後治療について
清水
片山
2951 04/10/06 かおり 石灰化について 清水
2950 04/10/06 yama 胸のしこりについて 清水
2949 04/10/05 H  足の痛みについて(HPNo.2178-8) 福間
2948 04/10/05 S.M. 乳頭と乳輪の境目 福間
2947 04/10/05 ozawa 乳房温存について 福間
2946 04/10/05 MARI フェアストンについて 福間
2945 04/10/05 H.S.  乳頭下膿瘍について 福間
2944 04/10/05 K  検査結果について 福間
2943 04/10/05 yoko 乳輪の痒みについて 福間
2942 04/10/05 H.W. 茶褐色の分泌液 福間
2941 04/10/05 C.H.  乳癌の診断について(セカンドオピニオンのタイミングについて) 福間
2940 04/10/05 AT 血流のあるのう胞について 福間
2939 04/10/05 つばさ ホルモン療法について(HPNo.2810-2) 福間
2938 04/10/03 M.T 乳頭陥凹について 清水
2937 04/10/03 emi 術後転移について 清水
2936 04/10/03 chart 病期と治癒率、補助療法の妥当性(3)(HPNo.2880-3) 清水
2935 04/10/03 Y.T. 胸のしこりについて 清水
2934-1
2934-2
04/10/03
04/10/08
K  乳首からの出血
検査結果について
清水
吉田
2933 04/10/03 F  乳がん治療中の不正出血について 清水
2932 04/10/03 poko 授乳中の検査について 清水
2931 04/10/03 A.T 術後の治療について 清水
2930 04/10/03 KM 母の乳がん(転移)についての相談です 清水
2929 04/10/02 HIRO タキソールの投与回数 清水
2928-1
2928-2
04/10/02
04/10/20
M,S 断端陽性なのですが・・・
浸潤性小葉癌について
清水
石川
2927 04/10/02 N.Y. 術後検査&転院について 清水
2926 04/10/02 rikyo 副作用との関係について 清水
2925 04/10/02 jari 右脇の下の腫れとシコリ 清水
2924 04/10/02 あっこ 腫瘍マーカー検査の必要性 清水
2923 04/10/02 HE 術後療法について教えてください 清水
2922 04/10/02 じゅん パジェット病でしょうか? 清水
2921-1
2921-2

2921-3
04/09/30
04/10/02
04/10/03
N.B.  胸についての相談
しこりについて
何科で受診すればいいのでしょうか?
清水
清水
清水
2920 04/09/30 TO  再発率について 清水
2919 04/09/30 T・Y 乳汁分泌 清水
2918-1
2918-2
04/09/30
04/10/02
M.O. 胸のしこりについて
乳癌検診での結果について
清水
清水
2917 04/09/30 IMA 乳癌検診について 清水
2916 04/09/30 Y.S がん告知されました 清水
2915 04/09/30 TODA   ハーセプチン治療について 清水
2914 04/09/30 G.Y. 乳頭からの出血(HPNo.2737-3) 福間
2913 04/09/30 K.K 術後補助療法について 福間
2912 04/09/30 w.k. 脇の下のリンパの腫れについて 福間
2911 04/09/30 F.S.  乳がん術後補助療法について 福間
2910 04/09/30 ST 組織学的悪性度について 福間
2909 04/09/30 zuzu  鎖骨上窩転移は予後がかなり悪いのでしょうか?(HPNo.2845-2) 福間
2908 04/09/30 Y.M. 乳房温存療法と膠原病との関係についての質問 福間
2907 04/09/30 S.I. 乳汁分泌について 福間
2906 04/09/30 Y.O 低容量ピルと黄体ホルモンについて 福間
2905 04/09/30 HH 乳がんの治験について 福間
2904-1
2904-2
04/09/30
04/10/02
A.N.  乳頭からの分泌液について
両胸にカルシウム?
福間
清水
2903 04/09/30 satomi しこりの違いについて  福間
2902 04/09/29 A.A 母(70歳)の乳がんについて 福間
2901 04/09/29 T子 CT検査の結果について(HPNo.2287-2) 福間

 

 

 

No.3000】 04年10月12日    Y.N.   
術後の治療法について

2003年11月に左乳房全摘手術をしました。51歳です。診断結果は次のとおりでした。
大きさ1cm、浸潤型、StageI、核異型度 G2、リンパ節転移:1a+1b(0/6):(0/6)、ホルモン受容体:ER(+)、PgR(+)。術後2週間目からゾラデックスのみの治療を開始して現在に至ります。術後当初は化学療法も希望したのですが、その必要はないと言われました。2004年1月から生理がありません。9月に主治医よりタスオミンD錠を併用することを勧められました。理由は再発防止効果が高いことが実証されてきたからとのことです。服用は術後早ければ早いほど効果があるということでした。子宮ガンになるリスクを考えても、服用するメリットの方が大きいと言われました。術後1年も経ってからタスオミンを服用しても、はたして効果があるのかどうか、ただ子宮ガンになるリスクだけを負う事になるのではないのか心配で、その治療法を受け入れるかどうか迷っています。今回の治療法変更についてご意見をお聞かせください。

術後の再発予防の治療としてホルモン治療を行うのは妥当な選択と思います。今までZoladexを使っていてそれを継続治療していくが、さらに術後1年目近くなってからタモキシフェンを追加投与することに意味があるのかという質問と解釈します。Zoladex単独よりZoladexとタモキシフェンを併用する方が効果が高いと思います。私の見解ですが、術後1年目からでもタモキシフェンを併用する方が再発予防効果が高いと思います(データとしてその様なものはないと思いますが)。(文責 麻賀)

 

No.2999】 04年10月12日   zuzu  
小豆くらいの腫れ物(HPNo.2845-3)

お世話になります。お忙しい中、ご丁寧な回答に感謝しております(HPNo.2845で相談した者です)。再度質問させていただきます。
今年5月に左乳房全摘手術後、5月31日からCEFの投与(4クール)が始まりました。CEFの基本は6クールなのに何故4クールなのか主治医に伺ったところ、clitaxel neo-adjuvant chemotherapyを受けたから4クールで、それを受けなければ6クールだとのことでした(本人納得していません)。8月4日CEF投与は終わり、現在ホルモン療法(ゾラ+ノルバ)中です。ところが、左全摘したところに9/30日頃から小豆くらいの腫れ物が4〜5個でき、左鎖骨上及びリンパ並びに左肩が腫れて非常に痛みます。主治医の話では、皮膚にガンがまた現れてきたと言っておられます。(私のガンはそんなタイプだと話されます。) 意味がよく分かりません。8月27日にCT撮影をした時点では、「ガン(胸骨膀リンパ節の)がありそうでない、う〜ん、小さくなったかな?」と主治医は話されていました。1ヵ月後上記のような腫れ物が現れるや、CEFが効いていなかったと言って、10月6日からまたCEF投与が始まりました。主治医の説明が一定していない様な気がしてなりません。アドバイスお願いいたします。なお、左肩は、整形でアルツヒアルロンサン注射をしていただき、70%ほど痛みが緩和されました。

PaclitaxelをNeoajuvantとして行ったので術後治療としてのCEFを4サイクルにしたという意味でしょう。そのようにすることもあります。CEF終了後2カ月後と短期間に再発が起こっているので、他の抗癌剤に変えてみるのも良いと思います。しかし、担当医はCEFの投与回数が少なかったのでもう一度CEFを行い、再発巣に対する反応をみて今後の方針を立てようと思っているのかも知れません。担当医とよく相談の上、今後の方針を決めてください。(文責 麻賀)

 

No.2998-1】 04年10月12日   MY 
DNA診断による術前化学療法

3日後に温存手術を受けます。47歳、閉経前。画像と組織診によると1cmの大きさで、HER2はマイナス、HRは±、リンパの腫れは認められません。但し、センチネルの結果により郭清になるということです。また、リンパに一つでも転移があり、HRも陰性であれば、抗がん剤治療を受けることになるとも言われました。がんセンターで、術前化学療法が遺伝子診断により効果があったというニュースを知りました。「もし抗がん剤を使うことになるなら、効果のある方法で、また術前なら効果も確認できるし」と、今手術を目前に控え、踏み切れない気持ちになってしまいました。術前にセンチネルのみ行い、その結果転移があれば遺伝子診断を受けて、先に化学療法をするということはどうなのでしょうか。手術によるHRの感受性を病理で検査しないとホルモン剤投与になる可能性もあるので、やはり私の場合、手術はまず必要ですか。手術したあとで遺伝子診断というのはできるのでしょうか。あとで後悔が残らないように、今最善の方法、納得した方法で向かいたいと思います。時間がないのですが、よろしくお願いいたします。

今、癌研究会病院でおこなわれている術前抗癌剤治療の臨床研究では、抗癌剤治療の効果(乳癌の縮小効果)と抗癌剤との関連を遺伝子を調べることで検討しようとするものです。抗癌剤の効果と遺伝子の関連はまだ明確なものではありません。この臨床試験を行い、結果は数年後に出ると思います。一般的に術前抗癌剤治療を行う方は腫瘍の大きさが2.0cm以上とか3.0cm以上とかの方で、あなたのように1.0cmでは術前抗癌剤治療は行わないのが普通です。腫瘍の小さい方の場合は、術前抗癌剤治療が過剰治療になる可能性があるからです。まず手術を行い、その病理結果によりどのような術後薬物治療を行うのかを決めていくのが良いと思います。(文責 麻賀)

 

No.2998-2】 04年11月03日   MY 
術後の治療法

HPNo.2998でお答え頂いた者です。ありがとうございました。手術は無事済み、今、病理結果待ちです。センチネルの結果、リンパ転移は−、また断端も−でした。術前では、1cm、NG1ということから、リンパが(−)なら化学療法は避けられると思っていたのですが、病理の結果次第では化学療法もありえると言われました(ERは術前では±でしたが)。病理でどんな結果が出ると(ER−以外)、化学療法の対象になるのでしょうか。増殖因子の速度、静脈侵襲の有無などでしょうか。また、術前にも、「多分乳管に沿って行かないで、そこで留まっているタイプ」と言われましたが、術後にも「乳腺に沿っていってなかった」と言われました。これは、がんの病理的分類では、どんな種類のがんだと考えられるのでしょうか。今はただ結果を待っているしかないのかもしれませんが不安です。特に今回質問させていただいた事が、一体どういうことなのかと不安です。どうぞ、よろしくお願いいたします。

一般的には化学療法を行うにはRisk groupでHighに入るものです。その中には年齢30以下、ER-、 リンパ節転移+、腫瘍径2cm以上(1cm以上とすることもあります)、組織的に悪性度が高いもの(細胞の分化度Grade分類)等です。乳管内にとどまる、所謂 非浸潤癌は化学療法の適応から外れます。(文責 石田)

 

No.2998-3】 04年11月06日   MY 
術後の補助療法の選択

HPNo.2998でお答え頂いた者です。いつも本当にありがとうございます。手術の病理結果が出たのですが、47歳、9×8ミリ、断端−、HR+(50〜75%)、ly−、v−、NG3、硬癌でした。主治医は、ホルモン療法と放射線でいいとのことでした。私はNGが3を重く受け止め、リンパ陰性、ホルモン陽性でも、ハイリスクに入り、化学療法対象者になるのではないかと思い、ホルモン療法だけでいいのか心配です。主治医は化学療法を希望するのであれば、ACをやると言われました。アンスラサイクリン系は、リンパ陽性の場合と思っていたのですが。CMFを選択して、終了後タモキシフェンというのは、考えられないのでしょうか。抗がん剤は念の為にやろうというようなものではないことはわかっているのですが、最善の選択をしたいと思い、どうしたらいいのかわかりません。よろしくお願いいたします。

海外のエビデンスではNG3であれば化学療法が選択される事が多いと思います。ACとCMFでは予防効果は同等と考えて良いと思いますが、前者に心毒性、脱毛、後者は投与法が色々ありますが治療期間が長くなることが多いように思います。(文責 石山)

 

No.2998-4】 04年11月08日   MY 
悪性度

術後の化学療法について御質問させていただいた者です。毎回本当にありがとうございます。またひとつ質問させてください。よろしくお願い申し上げます。悪性度について悩んでいます。術前の組織検査ではNG1と言われていたのですが、術後は3になり、とても動揺しています。いろいろ本もよんだのですが「悪性度は予後を左右する」「生存率は1は100%。2は75%、3は50%」という記述もありました。予後に関わる大きい因子はリンパ、HR、腫瘍径とはよくありますが、悪性度もかなり深刻に受けとめる因子なのですか。海外のエビデンスでは、2センチ以下、リンパ(−)、ホルモン(+)でも悪性度3は抗がん剤使用ということは、やはりかなり悪い結果なのでしょうか。また、病理の判断そのものを他病院でやってもらうということは意味がありますか。術前と術後で1から3に変わったということで、前と後では情報量が違ったからかとは思うのですが、抗がん剤(+ホルモン)に踏み切る前にもう一度確かめたい気持ちがあるのですが・・・。不安が片時も頭を離れません。どうぞよろしくお願いいたします。

核異型度(NG)はまだ統一した基準がなく病理医により診断に違い出る事もあるので、やや主観的であると思われます。リンパ節転移は転移のあるなしで判断できるので、より客観的です。一つの因子にとらわれても仕方ないので納得できる治療を受けるべきで、決められない時はsecond opinion を求めて他の医療機関に相談に行くのも方法かもしれません。(文責 石山)

 

No.2998-5】 05年11月26日   MY 
骨シンチの結果について

昨年2998番で、何度もお世話になりました。すがる思いで、ご相談させていただきました。本当に感謝しております。手術から1年たち、ゾラとタモキシフェンを服用しています。定期検査の肝臓、肺のCT、マンモは問題ありませんでした。が、骨シンチの結果について、お聞きしたいことがあります。よろしくおねがいいたします。読影の先生のコメントは、「フォローお願いします」とありました。写真を見ますと、胸骨のところに一箇所、黒い丸が写っていました。胸骨柄と胸骨体の継ぎ目(?)のところらしいです。主治医の先生は「大丈夫でしょう。MRIの必要はありません。1年後にまたシンチ撮ればいいです。」とのことでした。でも、あの黒い丸はなんだったのかと、落ち込んでしまいました。炎症などがあるとシンチに出てしまうと聞いていますが、胸骨あたりは傷めた覚えはありませんし、痛みもありません。転移以外にも、この部分が黒くでることは他に何が考えられるのでしょうか? MRIは年内はいっぱいで、来年にならないと予約が取れないと言われました。どこかで早くMRI検査をして、はっきりさせるのが一番なのだろうとは思いますが、それも怖い気がしています。すっかり気分がふさいでしまっています。どうか、よろしくお願い申し上げます。

骨シンチで転移以外に集積がみられるとしたら、炎症や骨折などが考えられます。特にぶつけたといったことが無ければ、MRIやCT(骨条件で)を撮ってみて病変があるのかないのか、きちんと確認しておいた方が良いと思います。仮に転移だとしても、早く見つければ治療の選択が広まるので、詳しい検査をすることをお勧めします。(文責 稲葉)

 

No.2997-1】 04年10月12日    chiaki
乳房のしこりについて

38歳、出産の経験もありません。昨年7月、左の乳房にあった大きなしこりが痛く、検査をしたところ、結果は良性のしこりで、「大きな袋や小さな袋が左の胸、右の胸にもたくさんありますね。半年に一度検査をしましょう。」と言われて、それから二度再検査をし、いずれも異常はありませんでした。左のしこりは大きいので、自分で触ってわかるしこりだったのですが、右胸のしこりは、自分で触っても、いまいちどれがしこりかわからなかったのです。が、最近になって、右下のほうにしこりがあるのが分かるのです。検査してから2ヶ月しか経っていないし、検査には行きたくないし、自分でしこりを見つけたから気になってしまうし・・・。検査を3回もしているから行きたくないのです。つぎの再検査は3ヵ月後の1月です。それまで病院に行こうかどうしようか迷っているのですが、気にしすぎでしょうか?

多分文面からすると嚢胞内溶液が増えてきて、シコリとしてはっきりしてきたのではないかと思います。来年の1月でよいと思います。担当医に連絡して相談してください。(文責 麻賀)

 

No.2997-2】 04年11月19日    chiaki
しこりについて

HPNo.2997で質問させていただいた者です。こんな質問で恐縮ですが、相談してから次の検査までしこりを気にするのはやめようと思い、ずっとしこりに触れずに一ヶ月が過ぎ(しこりに気付いたのは10/7です。)、最近なんとなく右胸の下にできていたビー玉くらいの大きさのしこりを触ってみたところ、しこりがなくなったのか上にあがったのか、右胸下のしこりがわからなくなりました。一ヶ月でしこりがなくなったりするのでしょうか?移動したりするのでしょうか?教えてください。

嚢胞などですと、1ヶ月程度で小さくなったり、手で触れなくなったりすることもあります。また可動性があるしこりでは、位置がずれた様に感ずることもあります。(文責 稲葉)

 

No.2996】 04年10月12日    H 
今後の病状と治療について(HPNo.2366-3)

お願いします。いまの現状ですが、
・6月 CA15-3 111  CEA 13.5  9月 CA15-3 183
・骨転移の経過 8月 腸骨・大腿骨は変化なし。頭蓋骨2個あったのが消えましたが、新たに1個できました。
・8月 今までと同じ抗がん剤2クール行ないました。抗がん剤の3週間前に39度近い熱を1週間出しまして、その時、抗核抗体検査で80倍の陽性とでましたが、膠原病科では大丈夫といわれました。
・抗がん剤を始めてから生理は時々でしたが、今年の1月から全くありません。
・今月もう一度腫瘍マーカーと肺の検査をします。もしも高くなっているようなら、抗がん剤の薬の変更のことも考えることになっています。肝臓は大丈夫でした。
 
質問ですが
1) 骨髄転移もあります。前回その説明をしていただきましたが、以前血液内科の先生から骨髄線維症?の疑いのような事も言われました。骨髄に転移の場合、必ず線維化するのでしょうか? 線維化することによって、造血機能の低下が起こるのでしょうか?
2) 現在、白血球血小板貧血は正常値ぎりぎりですが、骨転移とあわせて、ホルモン剤だけではなく抗がん剤との併用が必要でしょうか? それともホルモン剤だけでもよいでしょうか?
3) 骨転移用のビスフォスフォネートですが、先生からその薬の事は出ていません。私なりに調べましたら、乳がんでは適応外、高カルシウム血症?とあったように記憶がありますが、この薬はそうでしょうか? また、先生にはどのように聞いたらいいでしょうか?
4) 今回、抗がん剤投与の前に不明熱がでたので、いままで点滴は両方手術してリンパをとっているので、鎖骨下に作って行っていましたが、今回は腕から行いました。そうしたら、2クール終わってからですが、静脈炎をおこしました。今後、もしもビスフォスフォネートなどが使えるとなった時の点滴が心配です。静脈炎は、抗がん剤だからなったのでしょうか?
5) 骨転移、骨髄転移が進むのもこわいのですが、抗がん剤をすることによっては、肺、肝臓の転移を少しでも抑えることはできるのでしょうか? 
6) 抗核抗体検査の80倍のほうは、そのままにしていていいのでしょうか?
 
長々と、わかりにくいところもあるかもしれません。支離滅裂で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

1) 骨髄転移で必ず線維化がおこるものではありません。線維化が起これば造血機能が低下すると思います。
2) 一般的には骨転移には病状の進行がなければホルモン剤だけで良いと思います。病状の進行があれば抗癌剤の併用を考えるべきでしょう。現在抗癌剤を使用しているなら、これを継続して、病状の進行があれば薬剤を変えるのが良いと思います。
3) ビスフォスフォネートはおっしゃるように現時点では高カルシウム血症の薬です。ただ骨転移に有効であることは認められています。まもなく保険的にも承認されると思います。
4) 抗癌剤の投与で静脈炎はおこりやすくなります。静脈炎の程度が強いのなら鎖骨下からの方が良いと思います。
5) 抗癌剤の投与で肺や肝臓の転移の進行を抑えることは出来ると思います。
6) 抗核抗体検査については私にはよくわかりません。(文責 麻賀)

 

No.2995-1】 04年10月12日    K.Y.
のう胞内の水の細胞検査について

初めてご相談させて頂きます。私は20代後半の女性です。先日、片胸につるりとした触感の2cm位のしこりを発見し、診察を受けたところ、超音波診断で両胸に複数ののう胞があると言われました。マンモグラフィを撮った後、一番大きく、唯一自覚のあったのう胞の内容物の水を抜き、細胞の検査を行ったところ、疑陽性という結果が出たということでした。
1) 疑陽性とはどのようなものなのでしょうか。私のような場合は、どういった事が考えられますでしょうか。
2) 私のように複数ののう胞がある場合は、より一層乳癌等の病気を警戒しなければならないのでしょうか。より頻繁に定期検診等をする必要があるのでしょうか。
3) のう胞が複数あるというのは体質ということですが、何もせずに消滅したりするものでしょうか。また日頃注意しなければいけない事などあるのでしょうか。

診察して頂いている先生を信頼しているのですが、動揺してしまって冷静に話を聞けていないのと、色々な先生方の御意見を伺いたくてメールさせて頂きました。このようなウェブサイト、そして相談のコーナーは、患者の皆さんにとって、また悩んでいらっしゃる方々にとって、本当に心強いものだと思います。お忙しい所、申し訳ございません。宜しくお願い致します。

1) 疑陽性とは癌を疑うような細胞が出たということです。このような場合は嚢胞の中に腫瘍があり、これが癌である場合、癌や腫瘍はないにもかかわらず、ただ単に嚢胞内容液中の細胞が変性を起こしているため疑陽性になってしまう場合もあります。
2) 嚢胞があるから乳癌になりやすいとはいえません。念のため年1回程度検診はした方が良いかもしれません。
3) 嚢胞の内溶液が吸収されて嚢胞がはっきりしなくなるときはあります。嚢胞が出来ること自体は確かに体質ですから気にしても仕方ないと思います。特に日頃注意することはないと思います。(文責 麻賀)

 

No.2995-2】 04年10月14日    K.Y.
疑陽性について

迅速なご回答、どうも有難うございました。申し訳ございませんが、疑陽性という検査結果などについて、もう少々伺いたく再度ご質問させて頂きます。
1) 前回のご回答で、「これが癌である場合、癌や腫瘍はないにもかかわらず、ただ単に嚢胞内容液中の細胞が変性を起こしているため疑陽性になってしまう場合もあります。」とあったのですが、これは癌で「ない」場合でも、嚢胞内容液中の細胞が変異を起こして疑陽性という結果が出る事がある、という事でしょうか? もしそうだとしたら、陰性と同じで危険はないという事でしょうか。また、そのようなケースで疑陽性となることは、よくある事なのでしょうか。
2) この疑陽性という結果を受けて、検査結果より1か月後に再度超音波検査をすることになっているのですが、そこで内容液を抜いたしこりの箇所を診察してみて、大きくなっていなければ問題ないのでは、というお話でしたが、その他に今回の疑陽性という結果を受けて、通常どのような検査の方法が考えられるでしょうか。
3) もし嚢胞内に癌があると確認された場合は、どのような処置が考えられるでしょうか。
4) 嚢胞に癌ができるというのは多いケースなのでしょうか。
5) 腫瘍とはどういうものでしょうか。

とても不安なのでたくさん質問して申し訳ありませんが、ご回答、お待ち致しております。宜しくお願い申し上げます。

1) 癌でない場合も疑陽性になることがあります。その後の検査結果で悪性所見がなければ結果として陰性と同じと考えてよろしいです。
2) 再度超音波ガイド下の細胞診を行うとか、嚢胞を摘出して組織診断により診断を確定することです。
3) 乳癌としての治療が行われます。
4) それほど多くはありませんが時々あります。癌の場合は非浸潤性乳管癌といって乳癌の初期の段階であることが多く、治療により完全治癒が得られることが多いです。
5) 癌以外の腫瘍というと乳頭腫が最も多いです。これは良性の腫瘍です。摘出のみで、その後の治療は必要ありません。(文責 麻賀)

 

No.2994-1】 04年10月12日    minako
エコーでもマンモグラフィーでも

はじめまして。37歳、既婚、子供無しの者です。先日、乳腺外来で触診、マンモグラフィー、エコーの検査を受けました。その際、エコーで左乳首の下あたり(乳輪の所)に気になる所見があった為、エコー技師の方が先生に見せた所、「見た限りでは良性ですので、気にしなくていい。ただ、しこり(良性)が他にあるので、半年後に又受診して下さい」と言われました。が、その後、出来上がってきたマンモグラフィーの画像を見ると、エコーで確認したのとほぼ同じ場所に小さな石灰化があったのです。そして「先程、半年後と言いましたが、少し気になるので3ヵ月後に再受診して下さい」と言われてしまいました。そんな状態なのに3ヵ月後でいいのか、とても不安です。3年前にも他院でマンモを受けた事があるのですが、その時は左胸全体に石灰化が散らばっていましたが、今回の画像ではその一部を除いて、全てなくなっていました。それで、「この石灰化もなくなるのではないか」と思いたいのですが、エコーとマンモと両方に所見があるという事は、良くない可能性が高いのでしょうか? しこりは全く触れません。

「良性と思うが石灰化があるので、念のため3ヵ月後に再診しておこう」という医師の考えはよくわかります。あまり気にしなくても良いと思います。悪性である可能性は高いとは言えません。言われたとおり3ヵ月後に受診して下さい。(文責 吉田)

 

No.2994-2】 04年10月25日    minako
経過観察

HPNo.2994です。先日は迅速なご回答、有難うございました。3ヶ月後まで待てず、お願いして、初診より2週間で細胞診を行いました。念入りにエコーで確認した所、石灰化と共に小さなしこりがあり、形からして癌の可能性が高いと言われ、エコー下の細胞診では、針を刺しながら「ごりごりしている、プラス(悪性?)っぽい」と言われました。結局、病理結果では『良性』という事で、ひとまずは胸をなでおろしたのですが、「いびつな形をしているので今後も経過観察していきたい」との事で、3ヶ月後に再診です。
1) この相談室でもあったと思うのですが、新たに悪性のものが出来る場合を別として、一旦『良性』と判断されたものが、悪性になる可能性は極めて低いのではないのでしょうか? 細胞診では、よく患部に刺さらなかった為、悪性を良性とされた等あるようですが、今回に限っては、エコー下で確認しながら刺したので、九分九厘大丈夫だと言われました。
2) 万一、良性が悪性に変わるとしたら、その確率はどれくらいですか?
3) 形がいびつ」というのは、そんなにも注意しなければいけないのでしょうか?
4) 私は以前の石灰化が殆どなくなっていました。このいびつなしこり(触診では触れず)がなくなる事はないのでしょうか?

以上、長々と申し訳ありません。よろしくお願いいたします。

1) 良性のものが悪性に変化する可能性は極めて低いと考えられます。細胞診では病変部がちゃんと採取できたかが問題となります。エコー下で確認しながら採取したので、その可能性は極めて低いと思います。
2) 良性が悪性に変わる確率は極めて低いとしか言えません。
3) 「形がいびつ」というのは癌の特徴の一つなので、細胞診で良性と診断されても念のため注意が必要です。
4) このいびつなしこり(触診ではふれず)がなくなる事はありえます。(文責 石川)

 

No.2993】 04年10月12日    M.I.
左脇下のしこりについて

はじめまして。昨日(10/9)初めて、左脇の下に何かを挟んでいるような違和感がありました。同じ場所に、ひと月ほど前から疼痛を感じていたのですが、筋肉痛と思い気にしていませんでした。自分で触ってみると、左脇下のくぼみにそら豆ほどの塊があるのが分かります。ここのホームページに書いてあったように、2・3本の指の腹で押さえると、塊はころころと動き、痛みも増します。何も触らなくても、何かを挟んでいる違和感と、疼痛があります。このような症状の場合、どのようなことが考えられますか。また、近所には内科しかないのですが、受診するならどのような病院がいいのですか。しこりが気になり心配です。どうか宜しくお願いいたします。

腋の下のリンパ節が腫れているのでしょう。痛みがあることから炎症を起こしているのでしょう。乳癌はまず考えなくても良いと思いますが、外科を受診して下さい。どのような病院でもいいでしょう。(文責 吉田)

 

No.2992】 04年10月12日    kaorin
再発乳癌の治療法について

60歳母の再発乳癌について質問します。平成14年に右乳房乳癌と診断されました。大きさ5cmでリンパ、鎖骨にも転移したステージVbとの診断から、まず抗がん剤(タキソテール等)を投与、これが非常によく効き、癌が消えたと診断されたのですが、念には念をということで、右乳房を全部取りました。術後の顕微鏡診断でも癌は見つかりませんでした。その1年後、左リンパに再発。再発ということで手術は行わず、ホルモン剤も効かないということで、前回のタキソテールより少し弱い抗がん剤を服用しています。この抗がん剤も効いているようで、癌は少し小さくなっているようです。

1) 再発癌には、やはり手術はあまり効果がないのでしょうか? リンパ転移とはいえ、まだ他の転移は見られないので、素人考えには取ったほうがいいのではと思ってしまいます。
2) 主治医はタキソテールは結局効いていなかったという判断のようで、今は少し弱い薬を使っているようですが、一度完全に消えたのなら、また使ってみてもいいのではないでしょうか?
3) リンパへの転移は大きさは最大でも2cm程度ですが、複数個見られるようです。主治医は、「再発したということが問題で、個数はあまり関係ない。」とおっしゃいますが、そうなのですか?

以上、長くなりましたが宜しくお願いします。

1) 1年前の手術では、現在再発のみられる箇所は郭清(リンパ節をとること)したのでしょうか? もししていないならば取った方が良いと思います。しかしこの場合は専門家の間でも意見の分かれるるところです。
2) 完全に消えていなかったから再発したのです。他の抗癌剤が効かなかった場合には、延命効果を期待してタキソテールまた使うこともありますが・・・。
3) リンパ節の陽性個数は再発・転移が起こり易いか否かの指標です。再発の場合はあまり意味を持ちません。(文責 吉田)

 

No.2991】 04年10月12日    とも
検査結果について

はじめまして。宜しくお願い致します。32才、既婚、子供ひとりです。4年前に右乳に良性のしこりが出来て、1年に1度の検査を勧められ、翌年の検査では問題なし。その後結婚・妊娠・出産をし、その間2年間は検査を受けていません。1カ月程前に左乳に4年前と同じような1cm程の楕円のしこりを見つけました(右乳のしこりは断乳後になくなっていました)。初診の時のマンモでは「何もうつっていない」と言われ、念のため・・で受けたエコーでは、やはりしこりがうつっていたので細胞診を受けました。
再診の時に担当医が休みだった為、代診で日本乳癌学会認定医の先生に診てもらう事ができて、新たにマンモに石灰化が発見され(1cmのしこりの細胞診は細胞が取れていませんでした)、「石灰化にしては大きいので、たぶん乳腺症の石灰化でしょう。」という事でしたが、「細胞診をしてもまた取れないかもしれないのでMRIを受けましょう。」という事で、造影MRI検査を受けました。先日結果を聞きに行ったところ(再診の時の先生に・・)、「グラフが穏やかにあがっているので良性でしょう。」という事でした。「細胞診はもう1度やらなくて平気ですか?」と質問したところ、「悪性の所見ではないので大丈夫です。3カ月後に大きくなっていないかなど、もう1度みましょう。」ということになりました。良性で良かった!と思うのですが、何だかスッキリしません。たぶんそのしこりが何であるかをハッキリと聞かなかったせいだと思います。石灰化はバラバラといくつかあり、1つがいびつで大きかったです。角もあったので私は悪性なのでは?と不安で仕方がなかったのですが、先生曰く「良性でも増殖力が強いものはいびつで角があるのもあるから。」という事でした。先生の事はとても信頼しているのですが、いくつか聞けなかった事をこちらで質問させてください。
1) MRIのグラフがどうであれば悪性なのでしょうか? 緩やかなのはあきらかに良性と考えていいのでしょうか?
2) 乳腺症の石灰化はどうしてできるのでしょうか? 半年前まで授乳(1年半)していて、断乳後、乳房は妊娠前とかなり変わりました。生理前に張る事もなくなり、普段も柔らかい(張りがない)状態で、私は乳腺症が治ったのかと思っていたのですが、違うのでしょうか? まだ強く押すと多少の母乳が出ます。
3) そろそろ二人目を・・と考えているのですが、この状態で妊娠するのは、マンモの検査などが受けられなくなるので、もう少し待った方がいいでしょうか?

どうぞ宜しくお願い致します。

1) MRIのグラフとは、腫瘤の造影性をみるダイナミックスタディのことかと思います。急峻な立ち上がみられれば悪性を疑うとされています。穏やかなのは良性を考えますが、詳しくは主治医に確かめてください。
2) 乳腺症の石灰化は分泌物がたまって石灰化するものが多いと思います。現在の状況は、出産を契機に乳腺症が軽快したしたのもと考えます。
3) 粗大な石灰化が散在している状態で、乳癌が存在する可能性は極めて低いと思います。妊娠しても良いと思います。もう少し待っても状況は変わらないと思います。(文責 吉田)

 

No.2990】 04年10月12日    K
術後治療について

はじめまして、妻(38歳)の乳がん手術後の治療についてお伺いいたします。今年4月に乳がんが発見され、6/28に左乳房全摘いたしました。実は、手術前のPET検査にて、脊椎(7番目)に丸い影らしいものがあり、主治医からは、「転移なのかわからないが、現段階では、骨シンチでは何も問題はないので、このまま様子をみましょう」と言われ、手術をうけました。術後は CA(E)(エンドキサン+ファルモルビシン):3週間に1度点滴(4回)済んだところで、今週5回目の予定だったのですが、主治医より話があるとのことで、お伺いしたところ、脊椎の影らしいものが、やはり骨転移(術後3ヶ月と言うのは、進行が早いのでしょうか?)だと言うこと、影が少し大きくなっていることと、現在の抗癌剤をタキソテールに変更するとのこと、またこれからの治療も厳しいものだと聞きました。現在妻は元気で、脊椎の痛みなどありません。そんなに、これから厳しい状況になるのでしょうか? 骨転移だとすると、ほかに治療はないのでしょうか? 不安でたまりません。リンパ節に転移は5個ありました。また、これからの治療にビスフォスフォネートの点滴もするとのことでした。

術前より骨転移は存在したものだと思います。進行が早いかどうかは分かりませんが、リンパ節転移か5個陽性であったことを考えると、手術時には既に進行した状態であったと言えます。このような場合抗癌剤とビスホネート剤の点滴で治療し、肺や肝臓、脳などに異常が出てこないかどうかを定期的に検査し さらに骨病変の推移も検査していくことになるでしょう。ハーツーの発現の有無を調べ、陽性であればハーセプチンも使用することになります。またホルモンレセプターが陽性であれば、ホルモン療法も有効です。骨転移が疼痛を伴うような場合は放射線治療という手もあります。骨転移だけであれば、治すことはできませんが、長い間骨転移進行を食い止め、癌と共存しながら元気に暮らせることは多いです。いずれは厳しい状況になるかも知れませんが、その時期がくるのを少しでも遅らせることが重要です。(文責 吉田)

 

No.2989】 04年10月12日    H.M.
乳がんの疑い

何度も恐れ入ります。一日ドックで乳がんの疑いが出た者ですが、また質問してもよろしいですか? その後いてもたってもいられず、病院にTELしてマンモグラフィの結果を聞いたのですが、異常なしと言われました。が、どう考えてもおかしいと思える兆候があり、私の中では疑いが消えません。と言うのは、前回述べたしこり(細長い筋状、長さ2センチ)の真裏の背中の痛み(凝り)に加えて、右手が痺れているような感じ、右脇の違和感(厚みが増したような)、そして右足の付け根のリンパも腫れているような気がするのです。よく今までこの異変に気がつかなかったものだと思います。どれもこれも、そういえば・・・と後から思いついたものばかり。いかに自分の体に耳を傾けていなかったかという事でしょう。そこで質問ですが、さらに詳しい検査をするとなると、エコーということになるのでしょうが、マンモグラフィに現れなくてエコーで乳がんが見つかるパターンは多いのでしょうか? マンモグラフィでもエコーでもわからない乳がんというのもあるのでしょうか。マンモグラフィは縦に乳房をはさんでの一枚ずつでしたが、信用度はどれくらいのものでしょうか? 右手の痺れは物が握れないほどではなく、じわっとした感じですが、これが乳がんのせいだとしたら、かなり進行してると言えるでしょうか? 乳がんが発見された時に、すでにリンパや他の場所に転移している割合はどれくらいでしょうか。またたくさん質問してしまいました。申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

マンモグラフィでにつからずエコーで見つかるものもあります。特に乳腺組織の多い若年者に多いと思います。頻度は5%前後かと思います。マンモグラフィとエコーでも分からない乳癌も、頻度は低いですがあります。斜め一方向のマンモグラフィの信用度は十分とはいえませんが、高いでしょう。乳癌でリンパ節の転移が著明である場合、上肢の浮腫を来たします。もし乳癌だとすれば進行したものの可能性はあります。乳癌発見時にすでにリンパ節転移を起こしているものは約1/3位で、他の部位に転移が認められるものは5%以下だと思います。心配しているよりは、週明けにも乳腺外来を受診することを勧めます。(文責 吉田)

 

No.2988】 04年10月12日    Sato
再発、転移の可能性

お世話になります。7月に温存手術を受けました。術後、放射線治療、現在ホルモン治療を受けています。ホルモン受容体は両方とも+でした。放射線治療は8月の中旬に終ったのですが、未だに傷口が赤くはれています。病院にも行き、水を抜いてもらい、抗生物質を服用したのですが、いっこうによくなりません。しばらく経過をみたほうが宜しいでしょうか? 尚、病理結果は「invasive ductal cancer、papolotubularcarcinoma、inf(f+)、v-、ly−、ew-、n0=0/3 grade1」だったのですが、再発率、遠隔転移の可能性というのはどのぐらいのものでしょうか? 腰や肩の痛みが慢性的にあります。前からあるのですが、やはり転移のことを考えると非常に気になります。お忙しい中、お返事よろしくお願いします。

放射線治療後も傷口が赤かったり、水がたまることはありますが、やがて治ります。放射線の影響もあり、落ち着くまで2-3ヶ月かかるかも知れません。再発率、転移の可能性は、共に5%以下でしょう。(文責 吉田)

 

No.2987】 04年10月12日    C.K
線維腺腫の手術について

はじめまして。24歳、既婚、子供は1人います。胸の痛み(チクチク)としこりを見つけ、2日前に病院へ行きました。触診、エコー、マンモ、細胞診をして、病名は「線維腺腫」だと言われました。1センチぐらいのしこりだそうです。良性だけど2人目を産むなら手術をしたほうがいいと言われ、手術をする予定ですが、麻酔は局部麻酔なんですよね? 手術の時間と術後の傷跡、痛み、すぐに家事、育児をしても大丈夫か教えて下さい。お願いします。

1cm位の線維腺腫の手術は通常局麻です。手術時間は部位にもよりますが、30分から1時間位で、傷跡は2−3cmでしょう。術後に出血を起こして血腫を造る様なことが無ければ、痛みは軽度でのことが多く、術後2−3時間ぐらい安静が必要ですが、家事も育児も可能です。(文責 吉田)

 

No.2986】 04年10月12日    N.K.
定期検診の間隔について

50歳。2年前のマンモグラフィ検診では異常なしでしたが、今回マンモグラフィ検診で右胸に石灰化が見つかりました。ばらばらに散らばったものが3個ほどです。念のために診てもらったエコーでは異常はなく、散らばったものなので良性でしょうとのことでした。このまま放っておいてもいいものでしょうか? 石灰化が悪性化することはないのでしょうか? どのくらいの間隔で定期検査を受けたらいいでしょうか? 12年前に子宮、卵巣を全摘出し、以来継続してプレマリンのみを服用しています。影響はあるのでしょうか?

実際のマンモグラフィを診ないと何とも言えませんが、メールの様子から多分良性の石灰化なのでしょう。念ののため半年後位にもう一度検査を受けることをお勧めします。どの位の間隔で検診を受ければ良いのかは一概には言えませんが、月に一回自己検診を行っていれば、年一回の定期検診で良いと思います。(文責 吉田)

 

No.2985】 04年10月12日    M
再発の不安について

42歳。昨年、リンパ郭清、左乳癌の1/4切除手術を受けました。結果は、90%以上の断片にがん細胞がありました。取り切れていないため、再手術または放射線という選択のうち、主治医の「局所再発があっても、遠隔転移や寿命には関係ない。QOLを考えて残した方がいいのではないか。」との話で、迷った結果、残した胸の放射線治療を受け、後、AC4回T6回の抗ガン剤治療を終え、現在はホルモン治療をしています。病理の リンパ転移 0、 solid tubular carcinoma で comedo pattern(+)、 nuclear atypia: severe 等考えて、局所再発は近い将来あると考えられますか? 再発した場合、手術前の早い段階で血管から遠隔転移する事はありますか? 今から左乳房切除の手術はできますか? 治療も一段落し、取り越し苦労の様ですが、放射線を選択した後で病理がとても悪い種類だと聞かされ、子供の事等考えると朝まで眠れないのです。ご回答、宜しくお願いします。

近い将来局所再発する可能性はありますが、頻度は低いと思います。病理の結果は良いとはいえませんが、放射線治療をやり、AC+Tをしてホルモン治療を行っているのですから、あまり心配はないと考えます。今から乳房切除は勿論可能です。しかし切除するのは局所再発が明らかになってからでも遅くないでしょう。手術前の早い段階で遠隔転移を起こすことはありますが、極めて稀です。同様に温存後の乳房内再発巣から遠隔転移を起こす可能性もありますが、これも現実的には無視してよい位の可能性に過ぎないと思います。乳がんの手術を行った人のうち、何割かは再発転移をおこして不幸な転移をたどりますが、これは乳房を切除していたとしても同じと考えられます。(文責 吉田)

 

No.2984】 04年10月11日    C.S.
点滴に患側の腕

いつも拝見しています。03年に温存手術、放射線、化学療法。ハーセプチンの単独投与を始めたのですが、回数が多くなりそうなので点滴に患側の腕も使うことをすすめられています。現在むくみはありませんが、少し心配です。大丈夫でしょうか? よろしくお願いします。

乳癌を行った側の腕は、リンパの流れが悪く傷つけると炎症を起こし易い状況にあります。ですから点滴などは出来るだけ避ける様にしているわけです。しかし絶対的なものではなく、注意して行えば問題はありません。時々私も行うことがあります。(文責 吉田)

 

No.2983-1】 04年10月10日    Y.N.
石灰化

はじめまして、38歳独身女です。母(63歳)が乳がんになり遺伝子上リスクが高いと聞くので同じ左胸が気になるので一通り検査をしてもらいましたところ、血液、尿、胸部CTなど異常はなかったのですが、マンモグラフィで石灰化がみつかりました。
80%は異常ないだろうと言われましたが、念のためエコー検査を受けるように言われました。それが私の都合と病院の都合で2ヶ月先なんです。別の病院で早めに見てもらった方がよいでしょうか・・・。よろしくお願いします。

どのような石灰化なのかがわかりませんが、CTで異常がないことなどから、たとえ癌であっても初期のものと思われます。2ヶ月先でも良いとおもいますが----.(文責 吉田)

 

No.2983-2】 04年12月14日    Y.N.
二つの診断結果

以前No.2983で相談致しましたものです。その節はありがとうございました。結局近くの病院で検査(触診、エコー、マンモ)してもらったところ、エコーに黒やまだらの扁平な丸い影が左5個右1個見つかりました。形からして乳腺症であると言われましたが、マンモの石灰化に線があり、よくないので全身麻酔による細胞診を行うと言われ、すぐ入院手続きをしました。そこは乳腺専門科のある病院ではなかったので、念のためすぐに専門医のいる病院で事情を説明して調べてみたもらったところ(胸部、背部のX線、マンモ、エコー、触診)、結果は乳腺症との診断で、切る必要はなく経過観察でよいと言われました。結果に困惑している旨を伝えると、すぐに大学病院へのセカンドオピニオンをすすめられました。大学病院では持ってきたマンモの読影と触診してもらい「悪性の可能性は低い、良性の石灰化」と言われました。この診断結果の違いはどうしたらよいでしょうか。最初の病院では手術の手続きをしているし乳房もかなり切るように聞いているので、とても迷っています。局部麻酔ではしこりがわかりにくくなるので全身麻酔をするとも言われました。(そうなんですか?) でもあとの二つに病院では悪性と見られるしこりはないとはっきり言われました。最初の病院にこの事実を説明すべきなのか、念のため細胞診を受けたほうがよいでしょうか。

初診の病院、専門医の病院、大学病院の3カ所で見てもらって、2カ所が良性で手術の必要なしと判断しているのであれば手術しなくても良いのではないかと思います。まして、石灰化の病巣を切除するのは局所麻酔でするのが普通です。どうしても心配ならば、マンモトーム生検がお勧めです。(文責 清水)

 

No.2982】 04年10月10日    T 
治療法について(HPNo.2872-3)

以前HPNo.2872で質問しました。肝機能は60台までさがってきました。1つきだけノルバデクス中止になりました。ゾラデクスはしました。主治医は両方したほうが再発しないといいますが、前回の回答では、無治療かノルバとのことでしたが、だるいとか、吐き気とか、頭重かん、不安感いろいろでてきて主治医のいうゾラデクス3年+ノルバデクス5年がベストですか。37歳です。

再発を防ぐという意味ではベストな方法です。しかしだるさ、吐き気等の副作用がつよければ中止すべきでしょう。抗癌剤やホルモン剤の治療は効果と副作用のバランスをみながら行うべきです。ゾラテックスだけでも効果は十分あります。(文責 吉田)

 

No.2981】 04年10月10日    のりこ
転移性について

はじめまして。初めてご相談させていただきます。妹のことでご相談させてください。妹(26才)は、9月に温存法で乳がんの手術を受けました。腫瘍サイズは1.8cm×1.8cm程度、ステージは1でした。手術後に、摘出したリンパの中の2つに悪性細胞が見つかりました(顕微鏡で見ないとわからない程度)。現在、今後の術後治療の方針を迷っているところです。病院では、抗ガン剤+ホルモン剤を薦められましたが、抗ガン剤までやる必要があるのかです。というのも、妹がしこりを見つけたのは3年ほど前で、その後ずっと大きさが変わらず、本人も良性だと思いこんでいたのです。3年ほっておいても今回程度の大きさにしかならなかったことを考えると、転移性は低いと考えても大丈夫でしょうか? よろしくお願いします。

3年間しこりの大きさが変わらなかったとしても質が“良い”癌とは言えません。現実にリンパ節に転移を起こしています。病院の勧めに従って抗癌剤をする必要はあるでしょう。(文責 吉田)

 

No.2980】 04年10月10日    M.S.
精密検査の時期について(HPNo.2886-2)

HPNo.2886です。先日はお忙しい中、お返事頂きありがとうございました。その後、細胞診の結果を詳しく聞いたところ、完全に左乳頭からの分泌物はクラスV、右はTという事で、予定通りMRIの検査を受けました。結果は左に良性とも悪性ともとれる所見が出たので、卵巣・子宮の手術が終わって、退院してから(10月19日に手術予定)生検してみましょう、という事になりました。ただ、先日先生から教えていただいた乳管内造影、内視鏡も是非受けておきたかったので、その旨を現在の先生に話したところ快く資料などを貸して下さり、本日、両胸の細胞診、エコー、乳管内造影、右胸のCEA(左は分泌物が微量すぎてできませんでした)を別の病院で受けてきました。結果は下記の通りでした。

1)細胞診 : 左右ともクラスU
2)CEA 左のみ):400ng-1000ng/ml(左も血液が混ざっていました)
3)エコー : 左(乳頭上方に不整な乳腺の肥厚と血管の増生を認める)、右(特に異常なし)
4)乳管造影 : 左(乳管内に3mm×2.6mmの病変が見られる)、右(明らかな異常なし)

後日、乳管内視鏡を使って精密検査をする事になったのですが、今回の病院の先生も、「万が一悪性であっても、まだ極初期なので卵巣・子宮の治療を済ませてからやりましょう。」と言われました。そこでお聞きしたいのですが、このような状態で1ヶ月〜2ヶ月おいておいても大丈夫なのでしょうか。婦人科の方の入院は良性であれば10日くらいの予定です。だらだらと書いてしまって申し訳ありません。よろしくお願いします。

乳頭分泌で見つかる乳癌は乳房に明らかなしこりを作っていない限り初期のものです。1-2ヶ月おいても問題はないでしょう。(文責 吉田)

 

No.2979】 04年10月10日    sojet
術後補助療法について

妻(34歳、閉経前、子2人)のことで質問します。妻は、8月末に乳癌の手術を受け、現在放射線治療をしています。先日、医師から「タモキシフェン5年間、もしくは無治療」という術後補助療法の説明がありました。なお、分かっているデータは、腫瘍10×8ミリ、リンパ節転移なし、ホルモン陽性、グレード1とのことですし、他の所見も良好とのことです。インターネットで事前に調べて35歳未満ということで、AC若しくはゾラデックス+タモキシフェンというのを覚悟していたので、予想外の説明に喜んでいるのですが、2つの方向で不安と迷いが出てきました。ひとつは、閉経前だとタモキシンだけではあまり効果がないと聞いているので、ゾラデックスを使わなくても大丈夫かという不安です。もう一つは逆に、あまり効果がないのなら、副作用もあることだから無治療のほうが良いのではという迷いです。そこで質問は、ゾラデックスを使わなくても大丈夫だろうかという質問です。タモキシフェンだけでも10年生存率等に大きな効果があるのでしょうか。また,妻の場合のタモキシフェン服用は全身療法というよりも,局所再発を予防するためだという意味にとれる説明が医師からあったので、そのように理解して良いかという点を質問したいと思います。

奥様の乳癌のような場合は、ほとんどの医師は手術後「無治療かタモキシフェン5年」という方針をとると思います。もともとこのような乳癌は大変予後が良好であることより、無治療と薬を使ったものを比較しても生存率に差が出ません。ソラデックスを使用するのは少しオーバーと思いますが、使用すればより確実です。タモキシフェンは局所再発だけではなく全身療法の意味も十分ありますが、遠隔転移の頻度が低いのでその有用性を示す根拠がないということでしょう。(文責 吉田)

 

No.2978】 04年10月10日    トンコ 
妊娠の可能性

はじめまして。29歳既婚者ですが、妊娠経験はありません。先日左わきから10cmほど下で、乳房の横のあたりに小豆のようなしこりがあるのを発見し、翌日乳腺科で検診しました。結果はまだわかりません。そこで気になるのですが、万が一乳がんの場合、妊娠するようなことは避けるべきなのでしょうか。実は3ヶ月ほど前から子作りに励んでおり、妊娠を心待ちにしているのですが、今のところまだなようです。それから、線維腺腫であっても、妊娠することによって悪性に変わったり、別の病気になったりすることはあるのでしょうか。ご回答よろしくお願いします。 

乳癌である場合は妊娠はさけるべきです。妊娠によるホルモン環境の変化が乳癌の発育を促進することと、乳癌の治療に様々な薬剤を使用しなければならないからです。線維腺腫が妊娠により癌化したり、他の病気になることはありません。(文責 吉田)

 

No.2977】 04年10月10日    H.M.
乳がんの疑い

初めてご相談させていただきます。私は36歳女性、既婚、子供二人です。おととい一日ドックで受診した際、触診で去年はなかった右胸のしこりを指摘されました。乳頭よりやや上外側の奥で、細長い筋のようなこりこりです。長さは2センチくらいです。マンモグラフィーもしましたが、結果は他の検査と共に三週間後にしかわかりません。そういえば半年くらい前から、背中の肩甲骨のあたりの一部分が痛むような、凝ったような感じがしていましたが、ちょうどしこりの真裏に当たる部分だと気づき、ぞっとしました。乳がんで、そういう痛み方をする場合があるのでしょうか? もう進行しているということでしょうか? それと、マンモグラフィーはすぐ結果が出るものだと思うのですが、3週間も待たなければいけないでしょうか? 心配で心配で、何も手につきません。あとひとつ、もし乳がんなら、あまり触ってはいけないと聞いたのですが、本当でしょうか。たくさん質問して申し訳ありません。よろしくお願いいたします。

乳癌でも痛みを伴うことがありますが、しこりの裏側が痛い場合は乳癌の痛みでないことが多いようです。マンモグラフィーは直ぐにできますが、読影に時間がかること、他の検査結果と合わせて診断する必要があることなどの理由で時間がかかるのでしょう。乳癌であっても触っていけないことはありません。待つしかありません。(文責 吉田)

 

No.2976】 04年10月10日    M.S
放射線について

8月から9月にかけて、乳房温存手術後の放射線療法を受けました。 以前に本で『放射線を照射した瞬間に消えてしまい、残存、蓄積などという問題は無い』と書かれてあったので、子ども(幼児5歳児)を連れて毎日通いました。 その後、放射性同位元素を使って行うPETなどの講演を聞きました。その際、X線、CTであびる放射線は、その強さと撮影範囲によるが、撮影部はPETの3倍くらいとのお話と、検査後放射線元素が1〜2時間残っているので、乳幼児にはあまり近づかないこと、感受性が強いので距離が近いほど危険であるというようなお話がありました。 照射する場合と、注入する場合では違うのかなと思いつつ、子どもへの影響が心配です。 放射線療法直後に幼児と接触したことで(しかも何日も)、幼児に悪影響がある可能性について教えてください。 杞憂であればありがたいのですが・・・。

照射する場合と放射性同位元素を注入する場合はちがいます。放射性同位元素はいわば放射能の発信源です。ですから放射性同位元素を注入する場合はあなたの言うような注意が必要です。照射は発信源がらでてきたものを患部にあてるだけなので特別な注意は必要ありません。子供さんをつれて通っていたとしても何の心配もありません。(文責 吉田)

 

No.2975】 04年10月09日    A.I. 
乳腺症と妊娠について教えてください

41歳の主婦です。昨年4月に結婚し、今年5月から不妊科の先生の指導によるタイミング法を試みていますが、まだ妊娠しておりません。実は昨年11月に区の乳癌検診(マンモグラフィ)を受診したところ乳腺症との結果がでました。念のためすぐにT病院で超音波による診察を受けましたが、「悪性ではないが乳腺症の場合、乳癌の発見が遅れることがあるので、定期的に検診を受けるように」とのことでした。前回の検診から1年近くが経過したため、8月末に通院している不妊科と同じO病院で、乳癌検診のためのレントゲンを撮ったところ2つの白い影があり、その病院の医師の「一度検診を受けているT病院で診てもらいなさい」という言葉に従って、数日後、借りたレントゲン写真を持参の上、T病院で診察を受けました。持参した写真をみる限り乳癌の疑いがあるということで、再度レントゲンと採血検査、さらにCT検査を受けました。その結果とりあえず「現時点で悪性の所見はないが、乳腺症の石灰化または良性j腫瘍の判断は微妙」とのことでしたが、乳腺のしこりが広くあるため細胞採取の検査ができず、不安です。さらに同じ医師から「妊娠することで乳癌にとってよくないエストロゲンが分泌され、妊娠はリスクがあるので、よく考えてください」と言われました。やはり、できれば子供は欲しく、年齢を考えて一刻も早く妊娠したいと思う反面、完全に悪性ではないという結果が得られないだけに、妊娠に向けての治療(最終的には体外受精になると思います)を躊躇してしまいます。そこでつぎの質問に対するご回答をお願いいたします。
1) わたしのような乳腺症の症状の場合でも、マンモトームによる検査ではっきりした結果を得られるのでしょうか?
2) 妊娠による乳癌の発生や増殖の確立は高いのでしょうか?
3) 妊娠した場合は、頻繁に乳癌検査をしなくてはならないといわれましたが、実際はどの程度の間隔で診てもらうべきでしょうか?また検査による胎児への影響等はいかがでしょうか?

以上、どうぞよろしくお願いいたします。

1) マンモトームであれば乳腺症があってもはっきりした結果は得られるでしょう。
2) 妊娠により乳癌の発生率が高くなることはないでしょう。しかし既に乳癌があった場合、その増殖は速くなることが多いと思います。
3) 妊娠した場合、特に頻回に乳癌の検査をする必要はないと考えます。検診も3−4ヶ月おきで十分でしょう。胎児への影響を考えマンモグラフィなどのX線検査は控えたほうがよいでしょう。(文責 吉田)

 

No.2974-1】 04年10月09日   P 
一ヶ月以上続く左胸の痛み

年齢41歳、独身です。一ヶ月ほど前から左の乳房が痛みます。もともと生理前には張りや痛みがあり、始まると痛みを感じなくるのですが、今回は痛みがおさまりません。時々ズキズキする感じで、何もしなければ痛みは無いのですが、手で押してみるとかなり痛みを感じます。しこりは無いようです。
1) これらだけでは判断できないと思いますが、どのような病気が考えられますか?
2) 一週間後に人間ドックに行く予定です。その際に触診とマンモグラフィを受けるつもりですが、この検査で癌であるかどうかわかるのでしょうか? この結果はその場ですぐわかるものなのでしょうか?
3) ドックの検査と乳房外来等の検査とでは、画像検査の結果の読影力の差があるものでしょうか?

宜しくお願いします。

1) 乳腺症が最も考えられます。
2) 触診とマンモグラフィで判断がつく癌は多いですが、100%ではありません。結果は急げばその場で分かりますが、ドッグ検査の場合、結果は後になることが多いと思います。
3) 施設により差はあると思いますが、最近はマンモグラフィ読影の標準化が進み、その差はなくなってきました。(文責 吉田)

 

No.2974-2】 04年11月03日   P 
検査結果について

HPNo.2974で紹介させていただいたものです。先日は回答ありがとうございました。その後、乳腺外科のある病院で触診とマンモグラフィの検査を受け、「特にしこりはないようだが、かなり乳腺が硬くなっている」と言われました。マンモグラフィの結果は特に問題なし、検診は一年後ぐらいで良いとの事でした。その5日後に人間ドックで触診だけ受けると、下の所にざらつきがあるのでマンモグラフィ等の検査を受けるように言われました。胸を縦に触ると何も感じないのですが、横に触ると乳房の下の位置に確かに何かを感じたのです。その6日後に生理が始まると共に一ヶ月続いた痛みも消え、今はそのざらつきのような何かも小さくなったように思えます。しかし問題なしと言われた5日後に、そのような所見。しこりになる前には石灰化が現れると考えていたのですが、5日前に撮影した時に写らないものなのでしょうか? または、ものすごく進行が早いのでしょうか? 前回マンモは100%ではないと回答を頂きましたが、現在の状況は問題なしと考えて良いのでしょうか? それとも何か別の検査を受けた方が良いのでしょうか? どう判断して良いのか悩んでいます。宜しくお願い致します。

おそらく乳腺症の状態と考えられます。生理の前後で所見は相当異なります。私どもでは何らかの自覚症状で来院した場合は、マンモグラフィ−で乳腺症の所見であれば、念のため3ヶ月後に再診し診察するようにしています。 (文責 石田)

 

No.2973】 04年10月09日    Y.M.
化療中の生理について

昨年11月に乳がんと診断される。51歳、閉経前。12月〜2月、術前化療・DOC:3週一投4回。途中1月に生理あり。今年3月に温存手術。術後補助療法として放射線治療(治療中タモキシフェン服用)とCMFを6サイクル予定。現在4サイクル終わった時点で生理があり、抗がん剤が効いていないのではと心配している。些細な内容とは思いますが、よろしくお願いいたします。

化学療法の効果と生理の有無が明らかに関連するとした報告ははないと思います。気にしないで治療を続けてください。(文責 吉田)

 

No.2972-1】 04年10月09日   M.F
PET検査の有用性について

こんにちは。私は33歳で、1か月前に針生検で乳ガンと診断され、現在術前抗ガン剤(タキソールとハーセプチン)を毎週受けています。胸部CTや触診で腫瘍は約4cmと言われています。先日PET検査も受けたのですが、PETでは乳ガンすら検出されず、このレントゲンだけをみるとガンはないと判断されても仕方ない、と医師に言われました。PETが完全でないことは理解しますが、乳ガンは特にPETが苦手とする部位でもなく、また4cmの大きさになっていても検出されなかったということに非常に疑問を感じます。この結果をみると、他臓器に転移がないということすら信用できないのですが、こういったことがあるのでしょうか? ご回答、よろしくお願いいたします。

PETによる乳癌原発巣の検出率は80%以上で大変優れたものです。しかし乳癌の種類(小葉癌など)や多発病変ではPETで検出しにくいことがあると報告されております。PETは基本的に癌の組織が正常組織よりも糖代謝が盛んである性質を利用しております。術前の化学療法が効果的で癌が消退ぎみであれば当然検出されないと思います。検出されないのはむしろ望ましい結果ではないでしょうか・・・。(文責 吉田)

 

No.2972-2】 04年12月05日   M.F
術前化学療法後のセンチネルリンパ節生検について

こんにちは。以前PETのことでご相談させて頂きました。ウィークリーでのタキソール+ハーセプチンの投与12回が終了し、来週手術なのですが、本日主治医から手術法についての簡単な説明があり、発見時3cm以上の腫瘍(私は4cm)の場合で術前抗ガン剤を使用した場合は、基本的にはセンチネルは行わず、レベル2程度(20個くらい)のリンパ郭清をするということでした。理由を尋ねたところ、
■術前抗ガン剤を使った場合、センチネルリンパ節および転移のあるリンパがマーキングされにくくなり局所再発のリスクが残ること
■リンパ浮腫の後遺症は、多く見積もって10%未満であること
などでした。
私としてはリンパ浮腫を一番恐れています。またこの病院にかかる1年半前からしこりを自覚していたのですが、その時は他院で問題ないと判断されてしまった経緯もあり、その間にリンパ節経由でまだ微小ながんが他に回ってしまっているのなら、脇のリンパ郭清をしてもしなくても同じではないかと考えています。(リンパ転移があるかどうかは初診時不明とされていましたが、PETでは移っていませんでした。主治医は悪性度は割に低いかもしれないと考えています) 主治医の進める手術法がベターでしょうか? ご意見、お願いいたします。

術前抗癌剤の後のセンチネルに関しては明確に答えられるデータがありません。ただ、リンパ節も抗癌剤の効果がでて、転移のあったものが消えたりしますので、取り込みが少なくなることは予想できます。個人的にも、郭清の方が良いのではないかと思います。ただ、レベル2まで行わなくても、術中に病理で調べながら、レベル1までの郭清にするというオプションはあるのではないでしょうか。リンパ節転移があるかもしれないものをそのまま放置した場合、仮にそれが将来大きくなればリンパ浮腫の原因にもなりますので、センチネルもしくは郭清は必要と考えます。(文責 鈴木)

 

No.2971】 04年10月09日    A.N
ホルモン療法前の検査(HPNo.2472-4)

HPNo.2472でご相談申し上げ、その節は丁寧なご回答をありがとうございました。メール後、ファルモルビシンとエンドキサンの量を70−700mlにし、投与サイクルを5週間毎にしましたが、その後も白血球が700まで落ち、高熱で入退院を繰り返しました。結局、当初予定していた4クールのECは3クールで中止、その後に予定していたタキソール4クールも中止になりました。今月からホルモン療法に切り替える事になりました。つきましては、ホルモン療法前の検査について、ご質問させてください。私は抗癌剤2クール目を最後に生理が止まりました。主治医に「妊娠は100%ありません。生理不順で遅れているのか、閉経したのか、調べていただけないでしょうか?」と、お願いいたしました。返答は、「手術で卵巣を摘出してみなければ、閉経かどうかは分からないので、月経を止めるお薬も2年間併用します」との事でした。ここの質問の中に、血液検査で女性ホルモン量を調べた旨の相談者さんがいらっしゃいました。私は、白血球の数値を調べるために頻繁に血液検査をしていただいていますが、血液検査ではホルモンの有無を判別できない患者もいるのでしょうか?(病院の規模は大きく、都内の国立大学付属病院です) 閉経しているか否かは不明でも、2年間アゴニスト製剤をしておくのは一般的ですか? お忙しいところ、たびたびの質問で申し訳ありません。ご回答をどうか宜しくお願い申し上げます。

女性ホルモンを調べることは可能だと思います。しかし化学療法を受けた後に生理が止まっているのは卵巣機能低下していることを意味しますので、女性ホルモンを測定したところで生理が遅れているのか閉経なのかは判断が難しいと思います。ただ42−3歳ですと、この後生理がもどる可能性は十分にあります。化療が十分に行えなかったのであれば、アゴニスト製剤を使用して女性ホルモンレベルを下げたままにしておくほうがbetterだと思います。一般的かどうかは分かりませんが、使用する医師は多いでしょう。(文責 吉田)

 

No.2970】 04年10月09日    キンモクセイ
術後療法と妊娠について

はじめまして。標記の件でご相談させてください。私は2004年5月に石灰化による非浸潤癌で左胸くりぬき法にて温存手術した38歳既婚者です(子供ナシ)。放射線治療を33日した後、ノルバテックスを2年間服用するよう主治医から指示されて服用中です。

1) 年齢が38歳ということで妊娠をあせってしまうのですが、ノルバテックスを1年間で止めた場合、再発率はやはり上がってしまうのでしょうか? 2年間飲み続けると40歳になってしまい、その後果たして妊娠出来るのか心配です。
2) 不妊治療をした場合、エストロゲンの注射等女性ホルモン剤を打つことになると思いますが、2年経てば注射を打ったとしても再発は問題ないのでしょうか? それとも何年経っても女性ホルモン剤の注射はしない方が安全なのでしょう か?

どうぞアドバイスを宜しくお願いします。

1) ノルバテックスは通常5年服用することが推奨されています。1年でやめればそれだけ再発率は高くなるでしょう。しかし非浸潤癌であったのであれば局所再発の可能性はあっても、遠隔転移の可能性は極めて低いはすです。どのくらい再発率があがるかは不明です。
2) 女性ホルモンの注射は乳癌の再発たけではなく、新たな乳癌ができる危険性も高くいたします。二年たてば大丈夫ということは言えません。

安全を確実に考えれば出産を諦めざるを得ないと考えますが、あなたのような状況でもノルバテックスを1年で中止し、妊娠出産をしている方は沢山いると思われます。よく主治医と相談してください。(文責 吉田)

 

No.2969】 04年10月09日   Akane
乳管内乳頭腫

はじめまして。年齢は23歳です。乳管内乳頭腫の手術を受けるべきか迷っています。一年半程前、胸のしこりを見つけ、検査を受けました。その時は良性の乳腺腫ということでした。最近しこりも大きくなり痛みも出てきたので、病院を変え検査を受けました。乳頭から血液の混じった分泌物があり、乳管内乳頭腫であろうとの診断でした。乳管内乳頭腫はそのままにしておいても治ることはないとの事なので、手術する事を決めました。ガンの可能性もあるとのことです。マンモテックの数値がかなり高かったからです。しかし、正確な診断はできないからと、細胞診も針生険もしていません。もしかしたら・・・で手術を受けるのは不安でなりません。傷もしこり部分から乳輪にかけてかなり大きくなり、将来授乳ができなくなる事を説明されて、手術を受けるべきか迷っています。よいアドバイスがあれば宜しくお願いします。

手術をうけなければ癌の可能性を完全には否定できないと思います。メールの状況から考えて手術は必要であると思います。(文責 吉田)

 

No.2968】 04年10月08日   risu
ホルモン療法の経過について

40才女性既婚です。2年前に左右の温存手術後、本年6月に右乳房のみ、非浸潤癌の術後乳房内再発となりました。全摘をすすめられましたが、どうしても切るのが躊躇され、ホルモンレセプターが陽性でしたので、ひとまずノルバデックスとゾラデックスを始めました。まだ、3ヶ月目なのですが、このところ、右胸がチクチクというか、モゾモゾするような感覚が続いています。切るべきところをホルモン療法に走った手前、始めたばかりとはいうものの気になります。副作用でもそのような様子はあまりないようですし、急に癌が大きくなるのではと心配です。ホルモン療法におけるこのような様子は、どのように判断すればよろしいでしょうか。抽象的な質問で恐縮ですが、ご助言いただければと存じます。よろしくお願い申し上げます。

メールの様子から再発巣は切除〔生検)し非浸潤癌であったものと推察されます。レセプターが陽性でありホルモン療法は少なくとも癌細胞の発育を止めるのには効果があると思います。定期的に検査を行い、再発がまた見られた場合に全切除するようにしたら良いと思います。残っているかも知れない癌細胞が急に動くとは思われませんが、右乳房の違和感が何時までも気になるようでしたら、切除するよう方針を変更したら如何でしょう。(文責 吉田)

 

No.2967】 04年10月08日    Y・S
乳首からの出血について

初めまして。29歳未婚女性です。10ヶ月ほど前から、左乳首より出血があります。すぐに乳腺外科を受診し分泌物の細胞診をしましたが、クラス1でした。超音波・マンモでも異常はなく、しこりもありませんでした。原因がわからず、とりあえず押して痛い所に針を刺して細胞診をしましたが、これも1でした。心配ないと言われましたが、毎月生理前になると出てきます。押すとじわっと出る程度で、下着や乳首の先に直径1ミリ位の粉状?のものが何粒かついています。量や出ている期間は減ってきているのですが、なかなか止まりません。痛みも多少あります。出ている乳管は一箇所じゃないように思います。6ヶ月に再び受診した所、乳輪の真下が黒っぽく写っていて、硬くなっていると言われ、針を刺してみると、血がひけてきました。細胞診の結果はまた1で、何らかの原因で炎症を起こしているのだろうと言われました。その1ヵ月半後くらいに、その硬かったところにコリコリとしたしこりのようなもの(触った感じでは直径5m位で、乳輪自体が腫れているようにも思えます)を見つけ、慌てて病院へ行くと、またまた分泌物の細胞診をし、乳腺症かもと言われました。結果はまた1で、「様子を見ましょう」と言われました。コリコリはしこりの形にはなっていないそうです。いつまでたっても原因がわからず、とても怖いです。先生は、もっとたくさん出血すれば(1cc以上)詳しく分かるけど・・・とのことでした。出血が始まる1ヶ月前から、乳首と乳輪に美容クリームを塗り、強く押すというマッサージを毎日していました。同時に筋トレも始め、少し胸が大きく柔らかくなったと思った頃に出血しました。何か関係ありますか? 長くなってしまいましたが、宜しくお願いします。

乳首より血性の分泌物がみられる場合、乳癌を念頭に検査をしなければなりませんが、メールの様子ではマッサージと筋トレの影響があるものと思われます。しばらく中止して様子をみてください。ブララジャーをしないでジョギングをしていた方が、乳首より出血するので、私の外来に来たことがあります。検査をしたのですが癌は見つからず、ジョギングを中止したら出血はとまりました。5年経ちますが乳癌はありません。(文責 吉田)

 

No.2966】 04年10月08日    T
診断について

初めて相談させていただきます。先日超音波で影が映り、乳腺科のある大学病院で細胞診を受けました。癌細胞は出なかったものの、「影の形が気になるので、2ヵ月後に再診したほうが良い」と医師に言われました。癌ではないのか、腫瘍が小さくてうまく細胞がとれなかったのか判断がつかないそうです。このまま同じ病院で診てもらうか、別の病院に行ってみようか迷っています。どうぞ、ご助言お願い致します。

細胞診で細胞が取れないということはよくあります。別の理由があるのならともかく、このことだけで病院を変える必要は全くありません。(文責 吉田)

 

No.2965】 04年10月08日    M.O.
dose-dense chemotherapy

おたずねします。化学療法で、dose-intensityではなく、dose-dense chemotherapyが重要だと聞きますが、よく判りません。どのようなことなのでしょうか。乳癌の治療において、とくに重要だお聞きしますが、乳癌の治療で何か良い成績が出ているのですか。化学療法で白血球がかなり低下しますが、それでも化学療法を続ける方が良いのでしょうか。できるだけやさしく教えてください。よろしくお願いします。

一定量の抗癌剤を投与する場合、一回量を少なくして長い期間投与した場合より一回量を多くして短期間に投与した場合のほうが効果があるのは確かであり、投与量強度(dose intensity)を出来るだけ保つことが重要とされています。dose dense chemotherapyはいわばこのdose intensityの考え方をエスカレートさせたもので、従来3週ごとに投与していたものを 白血球減少など副作用出現頻度が高くなることを覚悟で、さらに投与間隔を短く(2週毎)した方が効果があがるとするものです。この方法は「考え方」としてはよいと思いますが。副作用が強く、あまり実際には行われていないようです。(文責 吉田)

 

No.2964-1】 04年10月08日   Y.W.
乳がんの術後治療について

初めまして。私は31歳の主婦です。母(64歳)の乳がんについてご相談させて下さい。4月末に手術(温存)をしました。
病理結果: @腫瘍2cm Aリンパ転移なし(リンパはとりました) Bグレード2 Cホルモンレセプター ER(-)PgR(-)

6月に網膜剥離になり、術後の治療が少し遅れたのですが、現在CAF3回と放射線治療25回が終了したところです。これから3週間に1回CAFを3回する予定です。質問させていただきます。
1) リンパ節転移がないのに抗がん剤をする場合もあるのでしょうか?
2) 手術する前に肝臓のエコーと肺のレントゲン(どちらも異常なし)は撮りましたが、まだMRIと骨シンチ検査をしていません。遅すぎるということはありませんか?
3) 最近、よく咳をしています。放射線治療との関係はあるのでしょうか? それとも肺がんになっているということも考えられますか?
4) 網膜剥離になり術後治療が遅れましたが、治療への影響はあるのでしょうか?

本当は私が主治医の先生にお聞きしたいのですが、母と遠く離れて住んでいますので、一緒に病院へ行くことができません。お忙しいところ大変恐縮ですが、どうぞよろしくお願い致します。

1) 勿論あります。ホルモンレセプターが(−)であり、大きさが2cm、グレード2であれば術後の補助療法として行うことが多いと思います。
2) 遅すぎるということはありません。現在の状況を正確に把握するためにも検査をしてください。
3) 放射線治療により肺におそらく軽い炎症を起こすことはよくあります。おそらくその為の咳だと思います。長引くようであればCTなどの検査を行うことをすすめます。
4) 治療に影響があるか否か正確なところはわかりません。実質的には影響はないと考えて良いと思います。(文責 吉田)

 

No.2964-2】 05年01月15日   Y.W.
骨転移について

昨年、HPNo.2964で丁寧な回答をいただき、ありがとうございました。母(64歳)の抗癌剤も終わりホッとしていたのですが、先日(1/5)の骨シンチ検査で黒い影が1つあったみたいで、転移ではないかと不安に思っております。その黒い影は右の鎖骨にあり、鎖骨の骨を触っても痛みはないそうです。1/25のCT検査をしないとはっきりした事が分からないそうなのですが、毎日が不安で不安でたまりません。
1)骨シンチで、ガン転移以外で黒い影が映ることもあるのですか?
2)転移だった場合、予後はどれくらいなのでしょうか?
3)手術が終わってから1年以内に骨転移した場合、悪性度の高いガンなのでしょうか?

これからも母には長生きしてほしいと思っておりますが、転移の事を考えると、とても心配です。お忙しいところ申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願い致します。

1)良性の骨病変でも陽性にでることがあります。
2)骨のみの転移では、命にかかわる転移ではないので、予後は良好で、8−9年共存されるかたもおります。
3)手術前に見えていなかったとすれば、増殖のスピードは速い癌と考えられます。(文責 徳田)

 

No.2964-3】 06年02月11日   Y.W.
骨転移について(2)

以前、HPNo.2964で質問させて頂きました。丁寧なご回答、ありがとうございました。私の母〔64歳〕が平成16年4月に乳がんとわかり、5月に手術をしました。私が知っている検査結果ですが、リンパ節転移はなく、腫瘍は2cm、HER2はマイナス、ホルモンセプターはどちらもマイナス。その後、術後治療としてCEFを6回。平成17年1月に骨シンチにて右鎖骨辺りに黒い影が見つかり、詳しくCT撮影で検査をしたところ、主治医からは大丈夫ですとの事でしたので、この一年間元気に過ごしてまいりました。ところが、平成18年1月の骨シンチに同じところに黒い影がありました。その影は大きくもなっていないそうですが、やはりがんの転移の可能性は高いのでしょうか? それと最近、股関節・腰が少し痛いという事で整形外科に行ったそうです。レントゲン撮影と診察の結果、坐骨神経痛との事でしたが、やはり骨転移も疑ったほうがいいのでしょうか? 骨シンチでは腰、骨盤、大腿骨等の黒い影はありませんでした。お忙しい中、大変恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

平成17年、18年の骨シンチで同じところに黒い影があり、大きくなっていないとのこと。抗ガン剤終了後に骨シンチ検査をして1年間治療しなくても影が変わらないのであれば、転移の可能性は低いと思います。坐骨神経痛の診断で骨シンチでも異常なし、骨転移は心配しなくて良いと思います。(文責 川本)

 

No.2963】 04年10月08日   hiro
乳房の内側にできた癌の予後

ご相談お願いします。右乳首の内側の乳癌のため、温存手術しました。大きさ2.5センチ、リンパ節転移なしでした。乳房の内側にできたものは予後が悪いと聞きましたが、どうなのでしょうか? 教えて下さい。

乳癌の出来た場所により予後が異なるということは昔よく言われました。これは胸骨の脇を走るリンパルートを経て癌細胞が全身に拡がる可能性が想定されていたからだと思われます。しかし手術あとに全身化学療法やホルモン療法を行うことが一般的となった最近では、明らかな差を認めるとする報告はみられません。あまり気に留めなくてもいいと思います。(文責 吉田)

 

No.2962】 04年10月08日    IM
再手術は必要でしょうか?

今57歳、2002年10月左乳癌手術、42x45、多発性、わきの下リンパ節転移1個、ハーツー+3、ホルモン感受性は(ー)と境界域(+)で、全摘出、リンパ郭清、続いてCE療法12回、フルツロンとアリミデックス服用。2003年12月再発、鎖骨下リンパ節転移3センチ、1月8日よりハーセプチン+タキソール、2月PETで一回り小さくなる。5月PETで、「針でついた位小さくなる」を確認。8月20日PETで、少し下のリンパ管に2センチに再再発。ハーセプチン+タキソテールに変える。そのときパラパラと点在する癌あり、また、リニアック照射中。今後リニアックで取りきれない癌は手術すべきでしょうか。しない方がいいのでしょうか。また、未承認薬も含めて、どのような抗癌剤をどんな順番に使っていけばいいか、お教えください。

HER2 3+の乳癌では今の所、ハーセプチン+タキサンが最良の化学療法です。最良と考えられる化学療法をすでに受けている方に、今後どの様な抗癌剤を使えばよいのかはわかりません。とにかく効果がないと判断された場合、いままでに使用したことのないアンスラサイクリンやMTX、ビノレルビンなどの薬剤を逐次使用していくのが良いと思います。とり切れない癌を手術すべきかどうかは迷うところですが、遠隔転移が見られず局所を完全に取りきれるならば手術をして、全身化療を続けるのも良いでしょう。(文責 吉田)

 

No.2961】 04年10月08日   minco 
術後の治療選択

初めて相談いたします。42歳独身、8月30日に温存手術(腋窩リンパ節郭清1群のみ)。結果、2.2×1.5cm、充実腺管癌、リンパ節転移ナシ、断端陰性、リンパ管浸襲有り、静脈浸襲ナシ、核グレード2、ER中等度陽性、PR高度陽性、HER2(陰性:1+)、分化度が高く、増殖が穏やかなホルモン受容体の乳癌との診断をうけました。今後の治療方針について
@化学療法・・・CA(E)(エンドキサン+ファルモルビシン):3週間に1度点滴(4回)
Aホルモン療法・・・LH−RHa+TAM(ゾラデックス月に1度注射、3年間)+(タモキシフェン内服、5年)
と説明を受けましたが、@については必要性は低く、本人の意思に任せるとのことでした。ただ、リンパ管浸襲有りと 2cm以上のハイリスク群という点から主治医の観点では施行を薦めるが、この様な場合殆どの人が施行しない方を選ぶのだそうです。抗がん剤のデメリットを考えると、したくないのですが・・・、再発や遠隔転移を考えると判断がつきません。また@とAについての副作用について教えてください。9月27日より放射線治療を開始、終了後@A開始のようです(同時に?)。よろしくお願いいたします。

あなたの様な乳癌には、主治医より示された@Aの方法は妥当なものでしょう。Aだけよりも@とAを(同時ではなく逐次的に行う)行った方が再発する危険性は少なくなりますが、それだけ副作用も強くなります。@の副作用としては脱毛、悪心、嘔吐、白血球減少と、それに伴う発熱などがあります。これらの副作用の程度は個人差がありますが、ステロイドや制吐剤の使用により悪心、嘔吐などはかなり防げます。しかし治療期間中の脱毛は覚悟しなければならないでしょう。Aでは生理が止まり、ほてりなどの更年期様の症状が出現します。またタモキシフェンの長期服用は子宮ガンの発生頻度がやや高くなることも報告されています。まず@をやってみて、辛くて仕方がなかったら、途中でやめてAだけを行う様にしてみてはどうでしょう。(文責 吉田)

 

No.2960】 04年10月08日   M.Y. 
炎症性乳癌について

はじめてメールさせて頂きます。私は28歳独身女性なのですが、8月中旬より検査、9月中旬に炎症性乳癌と診断されました。現在、術前6ヶ月間に抗がん剤投与を3週間サイクルで行うという治療をしています。現在までに別の大学病院から現在治療中の大学病院を紹介され、そこで治療をうけています。ご相談したい事は、炎症性乳癌は非常に症例も少なく、今の担当のお医者様をどの程度信用して治療を任せていいのか、だんだん不安になっている事です。セカンドオピニオンという制度があるのも知っていますが、すでに治療も進んでおり、今更という気もします。手術前までには何軒か他もお医者様の意見も聞いてみたいと思っているのですが、治療が始まってしまっていても問題ないのでしょうか? また、できれば炎症性乳癌の症例を経験されたお医者様に相談したいのですが、そういったお医者様を探すにはどうすればよいのでしょうか?

炎症性乳癌は比較的稀であり、予後的にもきびしい疾患です。かなり乳癌を行っている施設でも年に2−3例でしょう。現在受けている治療で良いかどうか不安であれば、その旨を主治医に告げてセカンドオピニオンうけることは問題ないと思います。炎症性乳癌の治療は、まずアンスラサイクリンとタキサンを使用した化学療法を行い、それから手術、放射線治療などの局所療法を行うことが一般的です。その意味であなたが受けている治療は妥当なものと想像できます。炎症性乳癌を特に多く扱っている施設は思いつきません。セカンドオピニオンを求めるのであれば、乳癌を多く扱っている施設の先生と言うことになると思います。(文責 吉田)

 

No.2959】 04年10月07日   S.H. 
乳ガン 肝転移後から黄疸発生の期間について

平成13年4月再発(全摘出後1年で)。ハーツー強陽性。平成15年2月肝転移発現。ラジオ波、血栓、動注ためす(使用抗ガン剤ナベルビン)。平成16年9月ジェムザール全身投与(3回)、しかし、st−439マーカー9月9日現在1012と漸増変わらず。主治医の考えは、ナベルビンもジェムザールも無効という見方。9月現在、左副腎にも転移認める。肝臓が予後決定因子といわれている。今後、抗ガン剤等ききめないとした場合、黄疸はどのくらいのちに、発現されるでしょうか。あくまで私見で結構です。那覇市立病院の外科の研究論文(平成11年8月)で、肝転移発生から2年の生存率はゼロとありましたが、今はどれくらいもつもでしょうか。

肝転移から黄疸発生までの期間は、転移巣の状況によりいろいろですので、一概にはいえません。抗がん剤か無効な場合は6ヶ月から1,2年でしょう。肝転移出現の生存率が現在どの位かについても正確にはわかりません。しかしタキサン系などの薬剤を投与しながら2年以上元気な方もいますので、2年生存率が0ということはないと思います。(文責 吉田)

 

No.2958】 04年10月07日   YN. 
男性の乳首の痛みについて(何科を受診したら良いのでしょうか?)

おじいちゃんが1ヶ月ほど前から乳首の痛みを訴えています。現在、糖尿病を初め、狭心症、高血圧症などで通院しているのですが、男性の乳首の痛みという事で、どこへ相談したら良いのか考えあぐねています。触ってみたら、大体4〜5センチくらいの直径の腫れが乳首を中心として有るようです。77歳の老人なのですが、年齢に関係なく女性化乳房症になるのでしょうか? 乳がんを疑ってみる方が良いのでしょうか? 痛みが伴っているので非常に気になります。ご回答の程、よろしくお願い致します。

女性化乳房は若年者に多いですが、高齢者でもかなりみられます。とくに高血圧などの薬を服用している方に多いようです。通常の乳腺外科を受診するようにしてください。乳癌を合併していることもありますから、きちんと検査してもらってください。(文責 吉田)

 

No.2957】 04年10月07日   W.F. 
PET画像診断について

8月上旬にPETによる検査を受けたところ、「左乳房が右に比べわずかにFDGの集積度が強くみられますが、悪性を示唆する所見ではありません。」との事でしたが、他に癌ではなくFDGが異常集積する原因があるのでしょうか? 3年前左乳房の乳腺摘出(のう胞)をしました。また、最近では右乳房にのう胞があります。MRIやCT検査もしましたが、腎臓や子宮にものう胞ありとの所見があり、のう胞が出来やすい体質なのでしょうか? ご回答のほど、よろしくお願いいたします。既婚、子ども2人、48歳、体重40Kg、身長147cm。

FDGは糖代謝の盛んな組織にとりこまれる傾向があります。PET検査で癌が見つかるのは癌組織が他の組織よりも糖代謝が盛んであるという性質を利用しております。従って炎症などでもFDGが集積することはよくあります。あなたの場合 左乳腺を摘出したことと関係ありそうですが、確信はもてません。念のためもう一度乳房の診察を受けることをお勧めします。(文責 吉田)

 

No.2956】 04年10月06日   M・Y
乳管内乳頭腫について(2)(HPNo.2825-2)

先月、2825で乳管内乳頭腫について質問させていただいたものです。丁寧なご回答、どうもありがとうございました。今回も宜しくお願いいたします。私は34歳未婚、先月左胸から血性分泌があり、細胞診の結果クラスUで、乳管内乳頭腫と診断されました。その後分泌物が止まったせいもあり、造影剤での検査はしていません。初めて分泌物があったのも生理直前だったのですが、今月も生理直前(1〜2日前)になって、その時以来無かった血性分泌物がわずかに出るようになりました。そこでまた質問させて下さい。
1) 病院の先生は、3ヵ月後の生理後に検査に来れば、それまでの診察はいらないとおっしゃったのですが、微量とはいえ現在の出血はほおっておいても大丈夫なのでしょうか?
2) 乳管内乳頭腫はいずれは手術で取ったほうがいいのでしょうか。腫瘍はマッチの頭くらいの大きさと言われました。それともこのまま様子を見るだけで治る場合もありますか? どうせとるなら3ヶ月も待たずに…と思ってしまいますが。
3) 分泌物は生理前に出やすい、という関係はあるのでしょうか。

ご多忙のところ誠にお手数ですが、宜しくお願いいたします。

1) 乳管内乳頭腫と確定診断がついていれば3か月後でも良いように思いますが、細胞診だけで乳管内乳頭腫と断定するのは難しいのではないでしょうか? 私の個人的意見は、出血があった時は繰り返し細胞診を行うのがよいと思っています。
2) 乳管内乳頭腫を手術する理由は、ひとつは乳管内癌を完全に否定できないため、もう一つは乳管からの出血を止めるためです。乳管内乳頭腫が自然に治ることはまずありません。稀ですが、乳頭近くの乳頭腫の時、分泌物と一緒にころっとでてきて治った例はあります。
3) 乳頭からの分泌は、生理前に多くなるのが普通です。(文責 清水)

 

No.2955】 04年10月06日   Tsubame
しこりの痛みについて

はじめまして。掲題についてご相談させて頂きます。現在シンガポールに在住、40歳独身女性です。2年ほど前、健康診断で触診の際に胸にしこりがあると言われ、その後エコーを撮ったところ、「左胸の11時と10時の位置に最大で0.57cmのcystsが4つあるが良性と思われる。」との診断を頂きました。但し月に一度程度は自己検診をし、年に一度は検診を受ける方が良いとの事でした。そして昨年の健康診断では別の病院だったのですが、胸については「何もなし」と結果をもらっており、「あれ?しこりは消えちゃったのかな?」と思いつつ、そのまま気にせず忘れていたのですが、最近左胸の下半分の中心よりやや外側の部分がズキンズキンと痛む事があります。右の乳房と押さえて比べてみると、痛む場所の方がやや張ったような気がしますが、しこりがあるのかどうかもよくわかりません。しかしひどい時は一日中痛んでいます。我慢できない痛みではないのですが、不安なので、2年前の診断のメディカルレポートを持って一度病院に行こうかと考えていますが、日本語でも医学用語はよく解らないのに、英語で説明されても完全に理解できるかどうか不安ですので、是非教えて下さい。

1) 10時または11時の位置とは、痛みを感じている位置(左胸の下半分の中心よりやや外側)と同じところでしょうか?
2) 乳癌には痛みは伴わないと聞いていますので、別の病気の可能性が高いでしょうか? またその場合、手術あるいは投薬のみ等、どの程度の治療が必要になる可能性がありますでしょうか?

日本の医療に比べ、シンガポールは何でもすぐ切ってしまい、日本のように内科的な治療方法はあまり得意ではないように感じます。(外科の水準はわりと高いとは言われておりますが・・・) この程度の記述ではお答えしにくいとは思いますが、何かアドバイス頂ければ幸いです。以上宜しくお願い致します。

1) 通常10時11時というのは乳房を時計に見立てて表現した場合の言い方で、そうすると左の場合は、乳頭の真上よりやや内側ということになり、痛い場所とは一致しません。
2) その通りで、メールの内容からは乳腺症が最も考えられ、乳癌の可能性は低いように思います。乳腺症は生理前になると痛みを伴って乳腺が部分的に硬くなったり、部分的に水が溜まったり、全体が腫ったりするのが特徴で、画像診断(MMG, US)を行って乳癌の存在が否定されれば、通常は何も治療はしません。(文責 清水)

 

No.2954】 04年10月06日   yu
乳癌再発肝臓に転移

年は57歳です。1997年5月12日左乳房全摘出・リンパ線切除、左乳首の付け根に小豆粒大の悪性腫瘍・リンパに2個飛んでいました。1999年1月、1年8ヶ月後、局所再発、米粒大、切除後コバルト照射、通院、投薬。2003年7月、ヒスロンH200を服用していましたが、肝臓に腫瘍を3個確認、マーカー73。
ヒスロンH200を服用一時マーカ値が下がることもありました。その後ノルバデックス、アロマシンを服用するも、薬の効果はなしと診断。上記の薬服用中に肌の色の異常、歯茎の激しい痛みを感じていました。
現在は昨年7月に承認されたばかりのNK450を朝と夜4粒ずつ服用を始めて3週目に入りましたが、吐き気、自分でたってるのが不安な感じ、関節の痛みなどが日一日と強くなっています。アロマシン服用中からの肌色の異常が、この薬を服用を始めてから、激しい勢いで皮膚の変色がすすんでいます。黄色を帯びた赤褐色です。手が一番酷い色で、次は足です。体全体も黄緑です。勿論顔も赤道色です。再発転移なので、助かるとは思っていませんが、その日が来るまでは、旅行とか趣味を楽しむ生活をおくりたいと思っています。この肌色の異常はなぜ起こったのですか? とてもとても嫌ですし、血とか細胞に異常が起きているのかとも思うし、どこまで変色が進むのかと、恐ろしい思いです。以前の肌色になるにはどうしたらよいのでしょうか? 今服用中の薬をやめたら、もとの肌色にもどる可能性はありますか? いままで薬の服用が長かった人は一気に腫瘍が増殖することがあるらしいと聞きましたが、その点はどうなのでしょうか? 一気に増えたとしたら、私の場合はあと何ヶ月くらい元気でいられるのでしょうか? 沢山の質問になってしまってすみません。宜しくお願いいたします。9月2日の腫瘍の大きさは、1.9と1.3と1.0でした。9月29日の血液検査結果、肝臓は勿論ほかのチェック箇所すべて異常なしです。マーカー値はまだ聞いていません。

Nk-450はNR-450でゼローダのことだと思いますが、手や足の変色はゼローダに特有の副作用である”手足症候群”です。体全体の黄緑色は分かりませんが、ヒスロンHを長く内服していると赤ら顔になってきます。手足症候群はゼローダを休めば回復します。”薬の服用が長かった人は一気に...”ということはありません。肝転移だけで、それも一年経って2cm弱のものが3個であれば、まだまだ生きられると思います。
最近のデータではER陽性乳癌の再発治療の第一選択はアロマターゼインヒビター(アロマシン、アリミデックス)と言われています。 また、ゼローダも、最近でこそタキサンと併用で使うと良い等と言われていますが、原則はアドリアシンやタキサンを使って無効な場合に投与することになっています。メールの中にアドリアシン、ファルモルビシン、テラルビシン、タキソール、タキソテールといった薬の名前がないのが気になります。主治医の先生とご相談の上、納得のいく治療を進めてください。(文責 清水)

 

No.2953】 04年10月06日   k.t
病理結果について

先日わかりやすい返事を頂きありがとう御座いました。主治医に聞いてみた所、「体の負担になるのでホルモン剤(LH-RHアゴニスト)は必要ないの事。生理の事は婦人科へ行って下さい」「抗がん剤、ホルモン剤を飲んでください。」と言われ納得出来ず別の病院へ行ってみたら閉経、生理不順を判断するには採血で分かるのこと。その結果でLH−RHアゴニストの判断する事を説明してくれました。セカンドオピニオンを受けるため、病理結果の資料を頂きましたが読めないので訳していただきたいと思っています。そして予後のことがわかりましたら教えて下さい。よろしくお願いします。
 L−EC:invasive ductal ca.(pap.?),2.5cm,s(+),f(-),ly0,INFβ,ew(-),n1 HER2/neu1+  ER;(+)、PgR;境界域 

左(L)乳房の乳頭乳輪下(E)から外上部(c)にかけて2.5cmの大きさの浸潤性乳管癌(invasive ductal ca)があり、その亜分類では乳頭腺管癌(pap?)が考えられる。皮膚浸潤(切除した皮膚まで癌細胞が広がっている)を認める(s(+))が脂肪組織への浸潤は認めない(f(-))。リンパ管侵襲も少ない(ly0)、腫瘤の辺縁の浸潤形式(inf)は(α:圧排増殖、γ:硬性浸潤、β:その中間)中間で、切除標本の背面に癌の露出(ew)はない(ew(-))。腋窩リンパ節は一群リンパ節に転移を認める(n1)。Her2/neu(-,1+,2+,3+の4段階)は1+(ちなみにハーセプチンが使えるのは2+以上)でエストロゲンレセプター(ER)、プロゲステロンレセプター(PgR)(通常は1,+/-, +, ++, +++)はともに+/-(境界域)で内分泌療法の効果はあまり期待できない。リンパ節転移の数が分からないのですが、t2,n1α(リンパ節転移が1〜3個)とすると、補助療法を何もしないと25~30%程度の再発率だと思います。(文責 清水)

 

No.2952-1】 04年10月06日   Rの母
妊娠中の乳癌について

39歳で第2子を妊娠中18週目ですが、1ヶ月位前にしこりを発見し、先週の超音波検査の結果、右胸上部内側に3.2×2.1の悪性腫瘍(T2)及びリンパ節腫大1つ(N1)により乳癌のステージUBと診断されました。細胞診の結果待ちの状態です。お腹の子はあきらめ、遠隔転移検査・乳癌の手術が好ましいと告げられました。

1) 乳癌手術を先行してから出産という方法は不可能ですか?
2) 妊娠が乳癌の進行を早めると言われましたが、具体的に時間的余裕はどのくらいありますか?
3) 今の状態でセカンドオピニオンを考える時間がありますか?
4) 中絶手術後どの位で乳癌手術が出来ますか?
5) ステージUBで遠隔転移の可能性はどのくらいありますか?

以上をご相談致します。どうぞよろしくお願いします。

大変に難しい状況だと思います。
1) 第2子で現在18週ということになると、お腹の子はあきらめるというのが常識的な判断かもしれません。しかし、せっかく授かった命を大切にしたいという思いもあるはずで、その場合、胎児の臓器形成の完成をまって、全身麻酔下に手術をする方法があります。胎児の臓器が形成される正確な数字は忘れましたが、確か24週くらいではなかったかと思います。婦人科の先生にその時期を確認して、その時期を過ぎたら直ぐに手術をして、その後に出産ということも可能です。しかし、その間に乳癌が進行するリスクはあります。私の経験では40歳台の第一子妊娠の例でそのようにして、出産後放射線治療を行った方がいます。今もお元気です。
2) 妊娠状態はエストロゲンが高いレベルですので、乳癌の増殖を促進すると考えられています。しかし、個々の癌の増殖速度も、エストロゲンへの依存度も異なるので、その時間的余裕は一定ではなく、分かりません。
3) あると思いますし、難しい問題なので、した方がよいと思います。
4) 中絶手術をすれば直ぐにでも手術は可能だと思いますし、そうしなければ、中絶した意味がなくなります。
5) 25〜30%くらいだと思います。(文責 清水)

 

No.2952-2】 04年11月17日   Rの母
術後治療について

先月HPNo.2952「妊娠中の乳癌について」でご相談させていただき、有難うございました。その後の経過と再度のご相談をよろしくお願い致します。10月11日に妊娠19週で中絶し、10月18日に右胸全摘術を行い、先日術後結果が出ました。
大きさ:2.6×2.5×2.0 
種類:乳頭腺管癌 
浸潤度:f0、ly0、v0 リンパ節転移0/31
ホルモンレセプター(ER):陰性 
HER-2:陰性
核グレード:グレードV
最終的な病期:ステージUa (術前はステージIIbと判定されていました。)

現在39歳、閉経前で、治療後に第2子出産を希望しています。再発防止の治療について、かかりつけの医師にはホルモン剤が効かないので化学療法(薬は未決定)で行うと言われました。ただ、病理の結果からは選択として「無治療」もありえると言われました(再発率の軽減なしを覚悟のうえで)。「無治療」を選択してしまってもいいのでしょうか? 化学療法を行う場合、AC、CEFはCMFと比べ11%改善するとのことですが、ACとCEFの副作用の差はどのくらいあるのでしょうか? 子育て(2歳)をしながら治療を受けたいので、なるべく副作用の弱いものを使用したいと考えています。

T2(大きさ2−5cm)、ホルモンレセプター陰性、核グレードVという点でanother risk ということになり、やはり化学療法が勧められることになります。標準的にはアントラサイクリン系(A:アドリアマイシン、E:エピルビシン)を含んだ治療となります。
ACは3週ごとに4−6クールと回数に幅があり、CEFもすべて静脈注射で3週毎に行ったり、Cを経口摂取にして6クール行ったりと、やり方にいろいろあって単純には比べられません。薬剤数が少なく、またクール数の少ないもののほうが、やはり副作用は少なくなるはずですが、実際には体表面積あたりの投与量の差により一概には言えません。(下図参照) (文責 片山)
 

 

No.2951】 04年10月06日   かおり
石灰化について

はじめまして。現在28歳・出産経験2回・末子5歳・授乳期間共に2ヶ月間です。この数ヶ月両胸の痛みがあり(自分ではしこりはわかりません)、母親に相談した所、一度乳腺外科へ行くよう進められ、8月末に受診しました。行なった検査内容はマンモグラフィーのみです。触診の際に医師が“痛むのはこの辺じゃないですか?少ししこりの様なものがあります”とおっしゃられました。レントゲン写真を見せていただくと、片方の胸の先端のほとんどが真っ白に写っておりました。以下医師の説明。「この白い部分が写っている写真1枚だけを見ると、まず乳がんの可能性が非常に高いと言えます。が、別角度の写真を見ると真っ白には写っていないので、まず安心しました。ですが片側の胸に散らばって白い点々が写っていますよね?これが気になります(石灰化についての説明を受ける)。とりあえず3ヵ月後にもう一度受診して下さい。この点々が増えて繋がっていればもっと詳しい検査が必要です。」との事でした。お聞きしたい事は

1) 石灰化とは何故起こるのですか?健康な方でもあるのですか?
2) 8月の時点では白い点々はバラバラにありました。繋がると何故乳がんになるのですか?
3) 前回の受診から1ヶ月ちょっとが経過し、医師からは3ヶ月後と言われているのですが、今行ってもあまり変化はわからないですか?気になるので早く受診したいのです。
4) 授乳を止めてから約4年半経ちますが、今でもたまに胸を強くつまむと母乳?(半透明)がほんの少し出ます。因果関係はないですか?
5) 大阪の高槻近辺で乳腺外科はどこが良いですか?

母子家庭なもので自分の体が資本です。気になって気になって仕方ありません。以上ご返答御願いします。

1) 乳腺、乳管内にカルシウムが沈着、分泌されて固まったものが、マンモグラフィー上石灰化として白い点状に写ります。石灰化は健康な方にも起こります。マンモグラフィー上の石灰化にはいろいろな種類があって、良性の石灰化であることが多いのですが、一部、癌に伴って出現する石灰化があります。特に、触ってしこりがない人で、マンモグラフィー上の石灰化だけから非常に早期の乳癌が発見されることがあるので、マンモグラフィー検診が盛んになるにしたがって、マンモグラフィー上の石灰化が注目されるようになってきたのです。マンモグラフィー上の石灰化は、石灰化の大きさ、形状、分布から、明らかに良性の石灰化、良悪性の鑑別を必要とする石灰化に分けられます。
2) ”白い点が繋がると癌になる”ではなく、もしも白い点(石灰化)が癌によるものであれば、癌が広がっていく時に石灰化も広がっていくはずです。ですから、石灰化が広がっていくようであれば、その石灰化は癌による石灰化の可能性が高いということになります。
3) メールの内容からは、今回のばらばらした石灰化は良性の石灰化に属するものだと思うので心配ないと思います。主治医の先生が3か月後とおっしゃったのは”念のために”という意味だと思います。
4) 授乳を止めて5〜6年くらいは、搾ったときに母乳のような白色の分泌が見られるのは正常な現象です。
5) 申し訳ありません、大阪の地理に詳しくないのでよくわかりません。(文責 清水)

 

No.2950】 04年10月06日   yama
胸のしこりについて

57歳、女性です。今日、入浴中に左胸、乳首左上に縦7cm、横5cmくらいのしこりを発見しました。若い頃より一年に一度くらいは吐き気を伴うめまいをおこし、貧血の診断を受け点滴をしていました。ここ数週間、めまいが立て続けに来たり、吐き気がありました。どのような病気が考えられるでしょうか?

57歳で乳房内にしこりを触れたら、乳癌を初めとして様々な病気が考えられますが、まずは急いで乳癌かどうかの検査が必要です。大至急病院を受診して下さい。乳房のしこりとめまいの関係はないと思います。(文責 清水)

 

No.2949】 04年10月05日   H 
足の痛みについて(HPNo.2178-8)

以前心配していた頸部リンパ節については、痩せている人は触ることのできる領域リンパ節で一安心していたのですが、2週間ほど続く足の痛みについてご意見をお願いします。右足だけがだるく、痛みが続いています。おしりの右側を叩いてみたり、右足付け根も痛く、太股を揉んだり叩いたり、ふくらはぎや足首も押すと痛気持ちいいと言う表現が合う感じです。骨転移の症状かと心配です。2ヶ月前にした骨シンチでは異常なしでしたが、骨シンチでも転移がわからない事もあると聞きます。「更年期障害で、関節の痛み」とありますが、右足だけというのが当てはまらないように思え、相談させていただきます。駅まで30分の道のりは、右足に痛みではないにしろ違和感がありつつも歩く事ができたり、背中を叩いてみましたが背中には痛みがありませんでした。ただ、右足全体が痛くだるい感じが2週間ずっと続いています。よくよく考えると右側のおしりの骨盤あたりも痛いような感じもしてきました。先日主治医に診ていただきました。「鼠径部のリンパ節は腫れていないし、臨床的には今のところ転移を疑う症状はないのでは・・・、整形外科も視野に入れて様子を見てみたらどうか。」と言う話しになっています。足のだるさは疲れるとありましたが、今までに腰痛なんて一度もなかった事を考えると、こんな時期に整形外科でお世話になるような病名なんてありえないと自分では考え、骨転移を疑ってしまいますが、リンパ節転移がない人の再発が1年以内に痛みが出る事もあるのでしょうか? N0の人は3〜5年目に肺に出る人が多いと本で読み、骨転移はN0で2以下の人は初発では希のデーターを読みました。本当でしょうか?
どうか宜しくお願い致します。 HPNo.2178で相談させていただいている者です。32歳、両側手術しています。抗ガン剤はやっていません。ゾラテックスのみを2月からやっています。

骨シンチを2月前に施行していて異常がなければ、現在の症状が骨転移の可能性は低いものだと思います。症状が出る前の骨転移のある時期は骨シンチで検出できなくて、MRなどの検査でやっとわかる場合があります。またもむと楽になるとか、たたいても痛くないとかといった症状は骨転移を強く疑わせるものではありません。ゾラデックスによる閉経状態で更年期様の症状も考えられます。できれば整形外科や子宮卵巣の検診もかねて婦人科受診をおすすめします。(文責 福間)

 

No.2948】 04年10月05日   S.M.
乳頭と乳輪の境目

はじめまして。少し気になる事がありますので、お答え頂ければ幸いに思います。36歳、出産経験なしです。いつの頃からか、乳頭と乳輪の境目の左四分の一くらいに、1mmくらいの粒々がたくさん集まった様な、変なものがあります。集まった塊は、1cm四方位です。色は乳頭や乳輪と同色で、痛みはほとんどありません。やわらかい物です。でも、その為か、乳頭の左の方が少し欠けているように思います。何か悪い出来物かなと思ったりします。病院へ行った方がいいでしょうか? 産婦人科か皮膚科でしょうか? 分かりにくい説明ですが、どうかよろしくお願いいたします。

mailの内容からすると、乳輪に本来存在するモントゴメリー腺ではないかと思います。その一部が目立っているのではないかと思います。しかしmailだけではわかりませんので、できれば乳腺外科、乳腺科を標榜している病院を受診してください。(文責 福間)

 

No.2947】 04年10月05日   ozawa
乳房温存について

初めてメールさせて頂きます。どうぞよろしくお願いいたします。8月末に乳がん告知を受けまして、その後CT・MRI等検査を受けましたが、転移等はないという事で、少し安心しております。ただ、がん(大きさ1×1.2cm)が、乳輪から2.1cmくらいしか離れていないというお話でした。「がんを切除する際、2cmくらい大きめに切るので、ぎりぎりのラインなので、形成外科にも行って相談してください」とのことですので、今度行くのですが、こんな場合、やはり乳頭ごと切除を覚悟しないといけないでしょうか。身内に相談したところ、「取り残しがあっては大変だから残すよりは・・・」と言われています。どうぞ先生のご意見もお聞かせ願います。

乳房温存術では癌の位置は温存術の適応に関係ありません。乳頭直下の乳腺まで切除する必要がありますが、周囲の乳腺組織を寄せることで形成が可能です。MRIなどの検査により乳癌が乳頭内の乳管に向かい進展(癌が乳頭を引き込んでいる浸潤状態では無理ですが)しているのであれば、乳頭の中の乳管を切除する必要がありますが、乳頭の形を温存することは可能だと思います。(文責 福間)

 

No.2946】 04年10月05日    MARI
フェアストンについて

40歳女性です。片方の乳房を全摘出し、リンパ節への転移は見られなかったので(ホルモンレセプター 2+)、リューブリン注射2年、フェアストン5年服用と言われています。フェアストンは閉経後に服用の薬ということで、リューブリンで生理を止め、体を閉経後状態にするということなのですが、2年注射し終え、生理が再び戻ってきてしまい、体が閉経後の状態でなくなった場合、閉経後の薬であるフェアストンを残りの数年間、服用を続けることに疑問を感じています。その時点で、普通は違う薬に変わるのでしょうか? それともフェアストンで問題ないのでしょうか? どうか、この疑問にお答えください。

フェアストンは適応は閉経後ですが、保険適応以外ですが閉経前にも使用可能です。40歳ですのでゾラデックス使用後生理が再開する可能性がありますが、フェアストン継続でもいいかと思います。(文責 福間)

 

No.2945】 04年10月05日   H.S. 
乳頭下膿瘍について

まず乳がんではなく、乳頭下膿瘍についての質問であることをお詫びいたします。29才、既婚、子供なし。昨年の6月ころに発症。今はやりの胸に貼るイプのブラジャーでかぶれてしまい、何度かかきむしり、ただれ、汁が出てきていた状態から、左胸の乳頭下にしこりができました。そこで2度の細胞診の結果、癌ではないとの診断を受けました。痛みと赤みがあり、抗生物質をいただいたのですが、繰り返すので、直接胸を5ミリくらい切開し膿を出していただきました。もともと長引く病気だときいていたので、気長に清潔に皮膚を保とうと思っているのですが、アトピーもあるせいか夜中にかきむしったりして繰り返しています。幸い膿がたまってくると、前回の切開部分がはじけて、そこから膿がでます。しかし乳首に3ミリくらいパックリ割れている部分があり、そこが直接乳腺と繋がっているようで、膿かミルクの固まった物なのかわかりませんが、出てきます(昔は割れてなかったのです)。そういう場合はその部分の乳腺をとるか、割れているところ縫ったりしたほうがいいのでしょうか? このままでいても、割れている限り完治しないのでしょうか? 既婚ですが、まだ子供がおらず、今後授乳する際に不安です。お手数ですが、教えていただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。

実際に診なければわからないことだと思います。アトピーでブラ装着により湿疹ができ、それが契機で炎症が広がったと思われます。そのような場合に乳腺の深さまで炎症や化膿が及ぶようなことは少ないと思います。陷凹乳頭などはあるのでしょうか? 陷凹乳頭があるようであれば、それの治療が必要になります。なければアトピーとしての治療になるかと思います。前者であれば乳腺外科と皮膚科、後者であれば皮膚科受診をおすすめします。(文責 福間)

 

No.2944】 04年10月05日   K 
検査結果について

こんにちは、27歳、2児の母です。先日左胸にしこりを見つけて近くの外科に行き、触診では、「乳腺が硬くなっているだけだと思うが、念のためマンモグラフィーとエコーをとりましょう」と言われました。エコーでは腫瘤が見つからず、「脂肪の塊」とのことでしたが、レントゲンで「少し白い影が見えるが、はっきりした形ではない。乳腺が硬くなっているところが写っているだけだと思うが、腫瘤の疑いと書いてあるから、念のため3ヵ月後にまた来て下さい」と言われました。レントゲンで写るのはガンだけでしょうか? 良性の可能性はないのですか? 細胞診などしていないのですが、3ヶ月ほうっておいても平気なのでしょうか? この場合、乳がんの可能性は高いのでしょうか? 子供がまだ小さいので、不安でいっぱいです。

マンモグラフィなどの写真を見たわけではありませんので確かなことはいえません。マンモグラフィにはいろいろなものが写ってきます。はさんで写真を撮りますので、乳腺が重なって少し白い陰が見えることはよくあることです。どの検査もそうですが、マンモグラフィには多くのものが写ってきます。検査をすると明らかに癌とわかるものは数少ないものです。それ以外に癌が隠れている可能性があるので、注意して経過をみなければならないものもあります。また念のため経過をみる場合もあります。エコーで写っていないとのことですので、おそらくは病変を見落とさないために念のため3ヶ月後の再検査と主治医の先生は予定されたのだと思います。(文責 福間)

 

No.2943】 04年10月05日   yoko
乳輪の痒みについて

はじめまして。私は20代前半、未婚、出産経験なしです。数年前から乳輪、乳首の痒みに悩まされています。また、だんだん乳輪が大きくなってきて不安です。現在右が直径5cmくらい、左が4cmくらいです。なかなか病院に行く勇気が出ず、何科に行けばいいのかわからずで、困っています。痒みがひどく掻き毟ってしまい、裂傷になった時に一度だけ皮膚科に行きましたが、痒み止めの薬を貰っただけでした。
症状は以下の通りです。
・左右(特に右)の乳輪が乾燥してカサカサする。
・常に痒みがある
・乾燥をましにするためクリームやローションを塗ると痒みはおさまるが、また時間がたつとカサカサしてきて痒みが出る。
・掻いて炎症をおこした場所が色素沈着して、どんどん乳輪が大きくなっていく。
最初に症状が出たのは3年前の夏です。乳輪のガンのようなものもあると聞いて不安に思っています。これは何か病気なのでしょうか? 病院に行く必要があるとしたら何科に行けばいいのでしょうか? 所在地は大阪です。よろしくお願いいたします。

乳頭に湿疹やかぶれなどがなくて、乳輪だけの病変で両側性のものであれば、乳癌である可能性はかなり低いと思われます。アトピーなどはないのでしょうか? アトピーが背景にある人では、その様な症状がでることがあります。アトピーがなくても、かゆみがあり掻いている内に慢性化することは多くあります。受診先はまず皮膚科がいいかと思います。男性医師がいやだといわれる方もいらっしゃいます。女性外来という女性医師が女性だけを診るという外来があります。もしよければそのような外来を受診されればいいでしょう。(文責 福間)

 

No.2942】 04年10月05日    H.W.
茶褐色の分泌液

はじめまして。33歳未婚、出産経験なしです。10年前より両乳房の嚢胞症で、数は両方で4〜9個くらいで推移しています。先日左乳頭一箇所より茶褐色の分泌液が出、細胞診の結果『U』、エコー・マンモグラフィー共に異常なしとの診断を受けました。原因は不明、ただし心配無用との事でしたが、このまま放置していいのか不安です。他の医師の診断を仰ぐべきか、このままで良いのか、それとも他の検査をして貰うべきか、判断に困っています。是非先生のご意見を伺いたいのですが、宜しくお願い致します。

茶褐色の乳汁分泌があった場合には基本的に精査をします。検査で異常がなかった場合でも、数ヶ月ごと定期検査をした方が安全だと思われます。精査の方法は病院により異なりますが、乳管造影、乳管内視鏡、MRIなどを併せて行うことも多いかと思います。(文責 福間)

 

No.2941】 04年10月05日   C.H.  
乳癌の診断について(セカンドオピニオンのタイミングについて)

先日母が乳癌の診断を受けました。エコー検査、マンモグラフィー検査、針生検の後、そう診断されたらしく、細胞レベルでは5(癌として早期のものらしい。よくわからないのですが、でもこれが細胞診というものなのでしょうか?)との事で、この後さらにMRI等の諸検査で、より癌の広がり、大きさなどを確定していくとの事でした。しかし先生の説明が丁寧でなかったらしく、あまり気が進まない様だったので、それだったらセカンドオピニオンを求めたらと助言したのですが、どうやら、「うちで手術する気がないんだったら、今後の検査をここでするのは無意味だね」と言われたらしいのです。通常セカンドオピニオンを求める時というのは、どの検査結果のタイミングででるのでしょうか? いろいろなサイトを見る限りでは、MRIなどの検査後で最終的に癌の状況を把握して治療方法を提示された後の段階でも十分意味のあるものだと思うのです。ご意見をお聞かせください。

診断・治療に十分に納得して医療を受けるのは患者さまの権利です。その1つの手段としてセカンドオピニオンがあります。医師にはわかりやすく説明する義務があると思いますが、主治医の説明がわかりやすくなく、自分で納得できなければセカンドオピニオンを受けてください。どの時期でもセカンドオピニオンは可能です。ただ多くの病院ではMRIなど検査は混んでいて、無理に頼み込んで検査予約をするといった側面があります。また手術の準備も枠になんとかおしこんでいるといった側面があります。主治医からするとそのような反応になったのではと思います。(文責 福間)

 

No.2940】 04年10月05日    AT
血流のあるのう胞について

はじめまして。現在32歳で産後2ヶ月、授乳中です。9月に入って右胸の内側上部にしこりを感じ、先日外科で乳腺エコーをしてもらいました。気にしていたしこりは、「マッサージか何かで乳腺を傷つけてしまい、断裂してしまった乳汁がたまっているだけ」とのことでしたが、他にのう胞が10個程度みつかり、そのうち2コが血流の見られるのう胞であるため、しばらく定期的に検査をすることになりました。2週間後、1ヵ月後、3ヵ月後と、とりあえず検査するようですが、授乳中ということもあり、今すぐハッキリした診断ができないとのことで、まずは2週間後の検査の結果によってということになりました。血流のあるのう胞は必ずしもガンということではないのでしょうか? 血流が見られる場合でガンではない場合は、他に何が考えられるのでしょうか? それともうひとつ、現在悪露が今だにとまらず、先週、産婦人科でプレマリンとアドクノンを5日分処方されました。1錠飲んだだけでウソのように血が止まったので怖くなり、飲むのを1回でやめてしまいましたが、昨日からまた悪露がひどくなり、産婦人科に電話したところ飲むように言われました。外科の先生にはこの薬のことを話していないのですが、残り5日分を飲んでも、のう胞に影響はないでしょうか? 授乳をしているので、のう胞や薬がとても気になりメールさせていただきました。アドバイスのほど、よろしくお願いいたします。

授乳期間は乳房の働きが最も活発なときです。乳房が大きくなることでもわかるように、乳房の水分貯留に加え血流が豊富になります。ですから授乳期間中のエコーなどの検査は難しくなります。血流のあるのう胞の件ですが、血流がのう胞周囲にあるのか、のう胞内にあるのかで意味が異なります。のう胞内に血流があれば、それはのう胞以外のものである可能性がでてきます。その場合にはいろいろな検査が必要になります。主治医にご確認ください。なおプレマリンとアドクノン服用中に授乳していいのかどうかについては産科の先生に確認する必要があります。(文責 福間)

 

No.2939】 04年10月05日    つばさ
ホルモン療法について(HPNo.2810-2)

タモキシフェン副作用の相談にお答え頂き、ありがとうございます。先日mailしました様に、現在4週間服用を休止しています。ホルモン療法を継続していただくよう主治医に話すつもりです。主治医は抗ガン剤という選択もあると提示されたのですが・・・。アリミデックスは、私のように周経期にある者には使えないのでしょうか。

手術前から生理不順になる54歳の方であればそろそろ閉経かと思います。血中の女性ホルモンの測定などを通して閉経を確認できればアリミデックスは使用可能になります。また化学療法を行うと閉経状態になると思われます。(文責 福間)

 

No.2938】 04年10月03日   M.T
乳頭陥凹について

はじめまして。私は24歳独身女性です。お忙しいところ大変申し訳ありませんが、一点ご相談したいことがあってメールさせて頂きました。実は、私は中学生の頃から右の胸の乳房が陥没しております。今後結婚して子供を育てる時などの不安はあったのですが、病院にもいかずにそのままにしてきてしまいました。しかし、今日、乳がんについてのHPを見たときに、「乳房のくぼみ」という言葉が目にとまって、急に不安になってきてしまいました。分泌液なのかはわかりませんが、その陥没したところに白いものがたまることがあります。私はずっと垢か何かだろうと簡単に考えていました。これは何か乳がんと関係があるのでしょうか? すぐに病院に行った方がいいでしょうか? お手数をおかけ致しますが、何卒宜しくお願い致します。

メールの内容からは先天的な陥没乳頭で、乳癌に伴う乳頭陥凹とは異なるように思います。陥没したところに溜まる白いものも乳腺からの分泌液が溜まって乾燥したもので心配ないと思います。24歳では乳癌検診の対象年齢ではありませんが、一度専門医を受診(急ぐ必要はないと思います)し、よく話を聞いて納得してくだ下さい。(文責 清水)

 

No.2937】 04年10月03日   emi
術後転移について

初めてご相談させていただく21歳学生です。今年54歳になった母親の術後の進行が気になっています。母は、3年前に乳がんになりました(がん家系ではなく)。両方の乳房に癌が発見され、乳首は残す手術をしました。しかし現在、腰への骨転移、リンパへの転移があります。肉眼でも分かるできものがあるのが胸に見られ、再発との診断があり、今のところ右胸への放射線を毎日行っていますが、左の胸下にも同じようなできものがあることと、最近、咳き込むようになってきたことで、肺転移も考えられています。内服薬としては、アリミデックス・ベネット・エンドキサン・ユーエフティ、痛みが激しいときは、ボルタレンサポを使用してます。2週間くらい前には、カテーテルを腎臓に両方入れました。おそらくリンパ転移の影響で、肥大してしまったのではと思っています。病理検査の結果がかなり良くなく、母の命の不安も抱いています。

  CEA  CA15−3 NCCST439 BCA225 
2001年10月 5.2  14 4.2 50
2003年10月 12.7 300 6.3 450
2004年4月 38.3  300 7.4 790
2004年8月 47 300 21 1000

毎日の生活については味覚障害、吐き気、頭痛、腰付近の痛み、リンパのつれる痛みです。自宅では、ほとんどがベットの上での生活ですが、意識もはっきりしていますし、テレビも見ています。
再発は去年の春頃、転移は、去年の夏ごろに腰の骨へ、たしか三箇所ほどあったと思います。その後、リンパ節へ転移し、現在は肺・腎臓にも転移している状況です。エストロゲン・プロゲステロンレセプターの状態は担当医に伺わないとわかりません。術後は、右・左両方への放射線を片方ずつ行い、薬も服用していました。後は、定期的な検査、腫瘍マーカー等です。数日前の診断では、胃・肝臓はきれいとのこと、しかし、肺にはやはり水がたまっているみたいです。腎臓のカテーテルは今のところ順調ですが(つまってはいない)、やはり痛みは消えません。右胸への放射線ももうすぐ終わりますが、左胸下あたりのできものが少し大きくなったように思えます。右胸側のリンパがつれているようで、右首筋も痛み、中にできもののようなしこりがあるきがすると言っていました。母はかなり弱気になっています。一箇所ではなく、頭痛、吐き気、腰の痛み等複数の痛みが襲うからだと思います。何か、痛みを緩和する方法はないのでしょうか。たくさん質問してしまって申し訳ないです。今あるこの状況で、先生が分かること、今後考えられること、余命など、出来る限りを正直に教えていただけませんか。分かりづらい点も多々あると思いますが、お願いいたします。

メールの内容からは、手術後2年で再発され、再発治療後1年経過していますが、腫瘍マーカーの値を見る限り治療にはほとんど反応していません。厳しいようですが余命は1年ないのではないでしょうか。痛みに関してはモルヒネを積極的に使うことをお勧めします。また骨転移による痛みであればビスフォスフォネート製剤(アレディア等)が有効ですし、抗不安薬等の投与も考えてみてはいかがでしょうか。現在までどのような治療がされたかは不明ですが、メールの内容からは状況がかなり厳しく、積極的な治療を行う時期は過ぎたのではないかと思われます。そうであれば、緩和医療の適応を考えて、これからは遠い先のことを考えるより一日一日を大切にする必要があり、治療で治すことを考えるより、残された日々をどのようにするかを考えることの方が大事な時期にさしかかっているのではないでしょうか? 家族の皆さんが後で後悔しないように、よく考えて下さい。いずれにしても、主治医の先生と連絡を取って、お母さんの病状説明を聞いて、今後の治療をどうしていくか、よく相談されることをお勧めします。(文責 清水)

 

No.2936】 04年10月03日    chart 
病期と治癒率、補助療法の妥当性(3)(HPNo.2880-3)

再度お願いします。私の妻の癌は乳首より2センチ程内側にありました。わきの下のリンパ節には転移はなかったのですが、胸骨傍リンパ節への転移について担当医から何も説明がなかったということは、胸骨リンパには転移していなかったということでしょうか?  また、TNM分類とtnm分類のどちらを病期として目安にしたらよいものなのですか? 何回もすみませんが、宜しくおねがいします。

通常は乳癌でエコー検査を行う時に胸骨傍リンパ節腫大の有無をcheckします。その結果は主治医の先生に聞いて下さい。胸骨傍リンパ節は欧米の比較試験で、切除しても予後に影響がないことがわかって、現在は切除することはありません。TNMとtnm分類では、通常の病期分類としてはTNM分類が用いられます。術後の補助療法を決める時はTNMやtnmの病期分類ででなく、n(リンパ節転移の有無)を単独で用います。(文責 清水)

 

No.2935】 04年10月03日   Y.T. 
胸のしこりについて

はじめまして。私は、25歳の未婚の女性です。今年の8月に右胸に痛みを感じ、9月中旬に総合病院の乳腺外来で受診しました。触診の時点でしこりが確認でき、エコーによりしこりが約5センチの大きさになっていると診断され、その後、細胞診を受けました。一週間後、細胞診の結果は良性ということで、「おそらく乳腺線維腺腫ではないか」という、あいまいな診断を受けました。3ヶ月間様子を見ましょうということなのですが、このまま腫瘍を残しておいて大丈夫なのでしょうか? また、時々両胸と、右胸と右腋の間に針で刺したようなチクチクとした痛みを感じます。この痛みについても、「何も問題はない」とドクターから言われたのですが、併せてとても心配です。ご回答、宜しくお願い致します。

申し訳ありませんが、状況がよくわかりません。5cmのしこりを自分では気付かなかったのですか? 細胞診で線維腺腫と診断されても、5cmの大きさがあると葉状腫瘍の可能性も否定できません。現在自分でしこりを自覚できるならば、少しでも大きくなる傾向があれば3か月待たずに早めに再診されることをお勧めします。痛みについては主治医の先生がおっしゃるように心配ありません。(文責 清水)

 

No.2934-1】 04年10月03日   K 
乳首からの出血

先日お風呂上がりにシャツに付いた鮮血を見つけ、左乳首一部から出ていることに気づきました。血はすぐに止まりましたが、翌日触診とマンモを受け、しこりも無く、特に異常はありませんでした。念のため超音波の予約をして帰りましたが、3週間も先なので出血した事が不安でたまりません。先生が指で押したところ出血はありませんでしたが、前日の出血の後、黒っぽい血の固まりの後がありました。その次の日には、血の固まりはとれましたが、黄色っぽいような、白っぽい様な脂肪の塊の様なものが、出血部の近くにあります。どうして出血したのか、わかる範囲で良いので、ご回答お願いいたします。40歳、子有りです。

乳頭からの血性分泌で一番頻度が高いのは乳管内乳頭腫という良性の腫瘍です。後は、乳癌、乳腺症等で、頻度は高くないのですが、一番心配なのが乳癌です。触診とマンモグラフィーで異常なければ、ひとまずは大きな乳癌の可能性は否定できますから、あとは触知できない微小な癌があるかどうかの検査になります。出血が続けば、分泌物の細胞診を繰り返すことが最も簡便で確かな診断法です。その次は乳管造影、乳管内視鏡等を行い、どうしても小さい癌の存在が否定できない時は乳管腺葉区域切除を行います。(文責 清水)

 

No.2934-2】 04年10月08日   K 
検査結果について

HPNo.2934、「乳首からの出血」で相談した者です。その後、待てずにマンモをした病院とは別の病院に出向き超音波のみをしてもらった所、少し乳管が開いているが、出血する程ではないので、特に異常無いとのことでしたが、乳管が開いているとは何を意味しているのでしょうか? それと怪我をしたかの様に血が出たのは、やはり異常ないと言われても心配なのですが、他の検査も必要でしょうか? 血の出た患部の近くに白っぽい、黄色ぽい、かさぶたの様な物が最近取れたのですが、傷から出血したということは考えられるでしょうか? 宜しくお願いいたします。

超音波検査で乳管が開いている所見はよくみられるもので、乳腺症のことが多いようです。出血が続くようでしたら乳管造影なとの検査が必要でしょう。勿論かさぶたがとれて出血したことも考えられます。(文責 吉田)

 

No.2933】 04年10月03日   F 
乳がん治療中の不正出血について

一年前に乳がんの為、右胸を除去し、その後CMF療法をうけ、フルツロンとノルバデックスを服用していましたが、術後一度も生理がこないので閉経とみなし、2ヶ月前頃からアリミデックスに変更になりました。1ヶ月ほど前、子宮ガンの検診を受け、子宮頸がん、体ガンとも異常なしと言われました。今日生理の最後みたいな出血がありました。もう一度検査を受けたほうがいいでしょうか?

一か月前に婦人科の検査を受けているのならば、様子を見ても良いように思いますが、出血が続くようであれば再受診をお勧めします。(文責 清水)

 

No.2932】 04年10月03日   poko
授乳中の検査について

はじめまして。現在32歳で、9月はじめに第1子を出産したばかりです。授乳中に左胸にしこりのあることに気づき、検査を受けようと思うのですが、やはりマンモグラフィーの検査は必要でしょうか。X線を受けた後は授乳が出来なくなるのでしょうか? それとも、しばらくたったら授乳しても良いのでしょうか。また、もし乳がんと診断された場合、授乳中で普段のおっぱいと違う状態なのですが、手術に影響はないのでしょうか。断乳してしばらくたってから手術を受けたほうがよいのでしょうか? また、乳がんと診断されて手術した後でも、出産、授乳は可能なのでしょうか? 最近しこりに気づいたばかりで分からないことだらけなのですが、ご回答いただければ幸いです。よろしくお願いします。

授乳中でもマンモグラフィーは可能です。しかし、読影はしにくいので、超音波検査を併用することをお勧めします。万が一乳癌だった場合でも手術に影響はありません。乳癌手術後の妊娠は再発のリスクが高くなると言われていますが、不可能ではありません。手術した方の乳房の授乳はできなくなります。(文責 清水)

 

No.2931】 04年10月03日   A.T
術後の治療について

9月中旬に右胸全摘(右胸に多数腫瘍があったため)を致しました。36歳、ステ-ジ2a、リンパ転移無し、ホルモンは一つが陰性、もう一つが境界域と言われ、ホルモン治療が効くがどうかわからないとの事。ノルバデックスD 20mgと、5-FU錠100mgが処方されました。「副作用が強くでたら薬をかえましょう」と言われました。薬をもらっていろいろ調べたところ、抗ガン剤は飲むより、複数の抗ガン剤を合わせて点滴する治療のほうが効果があるとありましたが、私の場合も点滴治療したほうがよいのではないでしょうか? 今の病院では骨に転移してるかどうか調べることが出来ないそうで、後日、他の病院で検査することになっているのですが、主治医の話だと、転移していることはないと思うから、別に検査しなくてもいいようなことを言われました。検査しなくても大丈夫な事なのでしょうか?

確かに内服の抗癌剤の有効性は証明されていません。抗癌剤を使うなら、おっしゃる通り有効性が証明されている点滴による治療の方がお勧めです。しかし、副作用はかなり強いです。骨転移の検査は手術後すぐにはしないことが多いです。しかし心配ならば主治医の先生に話して検査してもらって下さい。(文責 清水)

 

No.2930】 04年10月03日   KM
母の乳がん(転移)についての相談です

はじめまして。母は53歳です。H12.5に右乳房を切除、右のリンパ腺も少し手術しました。H16.5頃より左足を引きずるようになり、尿失禁、胸の痛み、咳などもあり受診、CTなどとったところ腫瘍のようなものが移っていました。結果、脳転移・肺腫瘍・骨転移とのことで、現在ガンマ治療をし、脳の腫瘍もとりあえず小さくなり、経過観察していますが、骨への転移がかなりすすんでいるのか、はじめの先生より、肺がんだったら6ヶ月と言われました。とても信じられず、痛みのコントロールをしていますが、現在1MSコンチン錠10mgを3錠1日2回服用していますが、膝などの痛みがあり、H16.9末にMSコンチン錠30mg1錠追加されました。痛みが消えたとしても、記憶など神経にさわらないのかと不安に感じています。抗がん剤の点滴も3回ほど終了しましたが、母はどうなっていくのでしょうか。とても不安です。先生は年単位では考えられませんとお答えになりましたが、もし目安としてわかれば、母と向き合い、楽しく、また喧嘩などして、共に過ごせたらと思っています。ぜひご意見お願いいたします。

モルヒネ(MSコンチン)が記憶等の神経にさわることはありません、痛みを取る一番いい薬ですから、しっかり内服してもらって下さい。現在のお母さんの状況はかなり厳しいと思います。主治医の先生がおっしゃるように年単位では考えられないと思います。痛みを初めとした癌がもたらす様々な症状を上手にコントロールして、先のことより今を大切にして、一日一日を大切にお母さんと向き合ってあげて下さい。(文責 清水)

 

No.2929】 04年10月02日   HIRO
タキソールの投与回数

6月中旬に左胸全摘、サイズ2.5cmほか2個あり。硬癌、グレード2、センチネル生検0/4、ER(+)、PR(+)、HER2(2+)、l(+)、v(2+)、AC4クールが終了したところです。私から希望してタキソールの投与をお願いいたしました。その後、ホルモン治療が始まる予定です。今回は、主治医の先生から提示されたタキソールのレジメンについてお伺いいたします。私は、ウィークリー3週間のあと1週休み、それを4クール行うのが標準かと思っておりましたが、主治医の先生からは、3クール全9回で行うと言われました。1回の投与量は80mg/m2だそうです。全体の投与量が同じならば、効果は同じだとのことでした。3クール全9回というのをあまり見ないのですが、このレジメンは標準なのでしょうか。ご意見をよろしくお願いいたします。

”AC followed by Taxol”の場合、AC4サイクルしてタキソール4サイクルが標準で、タキソールをウィークリー投与する場合は70~90mg/m2を12週連続投与するのが標準です。連投がきつい場合、3週投与して1週休みを入れることがありますが、術後補助療法であれば、できるだけ短期間に集中的に投与した方が良いので、12週連続投与をお勧めします。(文責 清水)

 

No.2928-1】 04年10月02日   M,S
断端陽性なのですが・・・

毎日のようにこの相談室を拝見させていただいてます。以前から気になっていたことなのですが、質問させていただきたく思います。45歳、閉経前です。5月に右乳房温存術をしました。しこりの大きさ8mm、断端陽性、リンパ節転移なしでした。かなり広範囲に残っていたようなのですが(肉眼的不明、顕微鏡で見ないとわからない位の大きさらしいです)、追加切除もなく術後3週間から放射線治療にはいりました。照射30回、最後の5回はブーストです。そして現在ノルバデックスを1日2回飲んでいます。術後の補助療法は以上です。No2911のF,Sさんの先生のご返事を読ませていただいたところ、断端陽性の場合は追加切除が必須のように書かれていましたが、追加切除をしないと、再発の確率は高くなるのでしょうか? この事は、以前から気になっていたものでしたので、先日主治医に聞いてみたところ、「放射線治療をしたから大丈夫」との事でした。一般的にはどうなんでしょうか?   

断端が陽性といっても、その程度が問題です。広範囲に断端陽性であれば、さすがに乳房内再発率は高くなりますが、1~2箇所の断端陽性は一般的には放射線治療でコントロール可能です。しかし、断端陽性で乳房内再発を恐れるのであれば、主治医の先生に話して再切除してもらったら良いと思います。最も断端陰性でも乳房内再発は起こる(放射線治療をして5%くらい)ので、乳房内再発をゼロにするためには乳房切除しかありません。本当は、手術を受ける前に、乳房温存療法の長所欠点をよく聞いて、理解して、自分の意志で術式を決めるのがベストだと思います。先生が温存で大丈夫だからと言ったので温存にしたというのが一番悪いパターンで、そのような場合、後になって本当に大丈夫なのか心配になってくることが多いようです。(文責 清水)   

 

No.2928-2】 04年10月20日   M,S
浸潤性小葉癌について

どうも有難うございました。過去の相談室を読んだり、関連のサイトを見たりしていて不安もピークになり、メールしました。今年の5月に右乳房温存術をしました。恥ずかしことですが、自分の病名を知ったのはつい最近のことです。invasive lobular carcinomaをインターネットで調べたところ、浸潤性小葉癌とでていました。それが私の病名でしたが、この病気は日本では特殊型のようで、この相談室でもあまり見かけません。すみませんが浸潤性小葉癌について少し教えてください。
1)  この病気はしこりになりにくいらしいのですが、私の場合8mmのしこりになっていました。これは結構進んだ状態だったのでしょうか?               
2) リンパ管、ly(+)でしたが、遠隔転移の可能性はどのくらいになりますか?(リンパ節転移は0/7でした)
3) この病気で断端陽性は、やはりかなり危険なことでしょうか?

よろしくお願いいたします。

1)  8mmのしこりは小さいほうです。腫瘤の大きさだけから考えればstageTに該当すると思われます。
2) リンパ管侵襲ly(+)でしたが、リンパ節転移は0/7でセンチネルリンパ節転移は無かったと考えられます。したがって一般的に再発率は5年で5〜10%、10年で15〜20%とする施設が多いようです。
3) 断端陽性は、やはり局所再発率も高くなり、要注意です。(文責 石川)

 

No.2927】 04年10月02日   N.Y.
術後検査&転院について

初めてご相談します。昨年12月に乳癌の手術を受けました。35歳、病期はUb、リンパ節転移、遠隔転移はなく、ホルモンレセプターはマイナスでした。右2箇所にしこりが広がっており、温存でなく、全摘出を選択しました。術後CMF化学療法を6ヶ月、現在は経口抗がん剤(フルツロン)を飲んでいます。お伺いしたい点は2点あります。
1) MRI、RIなどは定期的にとらなくてもよいとよくお伺いしますが、胸部レントゲン、血液(マーカー)検査はどのぐらいの頻度で検査するのがよいのかとい
うことです。
2) いまのところ何もないのですが、再発が起こった場合、病院を変えるということはできるかということです。また、そのような場合、どのような手続きをとればよいのでしょうか? 現在かかっている病院は普通の外科なのですが、再発が起こった場合、症例も多い乳腺専門の病院の方がいいのではないかと考えています。

1) 術後の腫瘍マーカー検査、胸部レントゲン検査の頻度は病院によって、主治医によってまちまちです。それぞれの先生が自分なりの腫瘍マーカーの採血基準(細かい先生は毎月採り、全然採らない先生もいますが、平均は3か月に一度くらいでしょうか)を持っていますが、あなたの希望を入れて決めたら良いと思います。
2) 特別な手続きはありません。現在の主治医の先生に正直に転院したい旨を話して、診療情報提供書を書いてもらえばOKです。(文責 清水)

 

No.2926】 04年10月02日   rikyo  
副作用との関係について

今年7月、乳癌の骨転移による再発のため、現在ハーセプチンとタキソールのウィークリー投与+アレディアの組み合わせで治療中です。ホルモン受容体(−)のためホルモン療法は行っていません。教えて頂きたいのは生理との関係なのですが、今の治療を始めてからも先月は予定通りでしたが、今月はありませんでした。しかもここ2週間ほど、一日に何回も更年期症状のようなほてりがあり、抗癌剤の副作用と関係があるのか、それとも婦人科の病気を疑ったほうがよいのでしょうか。投与後数日は腹部が痛むときはありますが、タキソールの副作用だと思うのですが・・・。今日主治医に聞いてみましたが、「今の治療に関する経験があまりないのでよく分からない」と言われてしまいました。現在妊娠の可能性はありません。婦人科にかかる時間が今日なかったので、こちらに相談させて頂きました。よろしくお願いします。

おっしゃる通り、タキソールの副作用だと思います。主治医の先生とご相談下さい。(文責 清水)

 

No.2925】 04年10月02日   jari 
右脇の下の腫れとシコリ

初めまして。33歳既婚女性、子供なしです。5.6年前から右脇の下がぷっくり全体的に腫れていて、さわると中にしこり?のようなものがありました。現在も変わらず同じ状態です。場所は、右脇の下のくぼみから少し下あたりで、鏡にむかって右腕を上にばんざいすると腫れもわからなくなるのですが、腕を横に平行にすると、明らかに左脇にはない肉の腫れがぼこっと現れます。さわるとぷよぷよしていますが、よくさわると中の方にしこり?らしきものがあります。リンパ腺?なのか、周りの肉と境目がわからないシコリなのですが・・・。生理前に胸が張る痛みと同じように痛くなり、ズキズキとより腫れたようになります。生理が終わると痛みも消えますが、ぷくっとした膨らみと中のシコリは変わらずそこにあります。最近、年齢的に乳癌を気にするようになって、そのぷくっと腫れている右脇をよくよく観察してみると、その腫れの頂点の皮膚部分が直径2.3ミリぐらい、うっすらですがへこんでいるように鏡に映りました(顔の口元のエクボほど深くへこんでいませんが、その部分の皮膚をよせるとよけいへこみます)。乳ガンの転移?だとして、腋の腫れにも皮膚がへこみますか? また乳癌での脇の下のシコリやリンパ腺の腫れなどの特徴(堅さや大きさ、手で触ってわかるものなのでしょうか?)を詳しく教えて下さい。どうぞよろしくお願い致します。

メールの内容からは副乳が最も考えられます。心配していないで、不安を取り除く為にも、是非乳腺専門医を受診して下さい。(文責 清水)

 

No.2924】 04年10月02日   あっこ
腫瘍マーカー検査の必要性

33歳女性。6/22に乳房温存手術を受けましたが、断端陽性と判明。7/15に再手術を受け、現在抗癌剤中(ファルモルビシンとエンドキサン)。9/30に4回目予定です。早速お聞きしたいのですが、主治医に腫瘍マーカーの検査をお願いするのですが、「する必要が無い」という様な回答で、調べて頂けません。何故する必要が無いのかまでは聞けず、悩んでいます。私としては、色んな情報が欲しいのですが、現在は必要無いのでしょうか?

術後補助化学療法中の腫瘍マーカーの必要性ということになると、主治医の先生は治療中だから必要ないと考えているのかもしれません。私個人は化学療法中もマーカーはcheckしますし、患者さんの希望があれば、月一回(保険診療上は月一回の腫瘍マーカー検査は認められています)であれば断る理由はないと思います。乳癌の手術後に腫瘍マーカーが必要かということになると、欧米のguidelineでは推奨されていません。その理由は、腫瘍マーカーを定期的に測定しても測定しなくても術後生存期間に差がないというevidenceに基づいています。ですから、腫瘍マーカーを定期的に測定して、再発を早く見つけて早く治療したら助かるという理由で腫瘍マーカーを測定する意味はないということです。しかし、現在の自分の状態を知るために腫瘍マーカーを定期的に測定することは意味があると思います。(文責 清水)

 

No.2923】 04年10月02日   HE
術後療法について教えてください

乳がんの告知を受け、術前抗がん剤療法としてCEFを6回受けました。年齢は36歳です。石灰化が4.5cmの範囲に広がっていたため全摘となり、以下の病理結果が出ました。大きさ3センチの浸潤性乳管癌(全体の10パーセントのみが浸潤/抗がん剤が効いたようです)、リンパ節転移2/18、悪性度3、FISH陰性、ホルモンレセプターER PGR共陽性。今後は放射線とホルモン療法を行うと主治医から説明がありましたが、タキサン系の抗がん剤を追加する必要はないのか疑問です。 タキサン系を追加したほうが再発率や生存率が良くなるのなら治療に耐えるつもりですが、どうなのでしょうか。またホルモン療法に関しては、FISHが陰性でホルモンレセプターが共に陽性、そして閉経前なのでノルバデックスとゾラデックスを行うとのことですが、このホルモン剤が最良なのでしょうか? よろしくお願いいたします。

術前化学療法を行った時に術後補助療法をどうするかについての定説はありません。ですから、術後補助療法としてホルモン療法を行うか、ホルモン療法に別の化学療法を加えるかは患者様の希望と主治医の考え方によると思います。ひとつの考え方としては、治療早期に集中的に化学療法を行うという考え方があります。例えば、術前化学療法としてCEF等のアンスラサイクリン系薬剤単独より、タキサン系薬剤を併用したほうがp-CR率(癌が消えてしまう確率)が高いとか、術後化学療法もアンスラサイクリン系薬剤単独よりタキサン系薬剤を併用(同時または順次)する方が術後再発率が低くなることが知られています。私個人の意見としては、術後にタキサン系薬剤を使う考え方を推薦します。もう一度主治医の先生とよく話しあって下さい。閉経前のホルモン療法としてはゾラデックス+ノルバデックスは標準的です。しかし、この問題も、閉経後のホルモン療法としてノルバデックスよりアリミデックスの方が再発を抑える力が強いことがわかっているので、ゾラデックスを使って閉経させてアリミデックスを使うという考え方もあります。(文責 清水)

 

No.2922】 04年10月02日   じゅん
パジェット病でしょうか?

はじめまして。この頃自分の胸の状態がとても気になり、こちにメールさせて頂きました。私は未婚で、26歳です。子供もいません。気になる状態は、こちらのHPNo.2858にある相談のパジェット病というのに少し似ているような気がします。私の場合は、白い小さなぶつぶつが皮膚の下、乳頭を囲むようにできています。以前は下側にしかなかったのに、最近気づいたときには、もう周りを囲んでいました。感触は固めで、そのぶつぶつのせいで乳頭が少しいびつな形になっています。乳頭自体もちょっとでこぼこ気味な感じです。かゆみは時々あります。痛みは生理前〜生理が終わるくらいまでで、触らなくても痛い時があります。分泌液等はありません。20代でも癌になる人がいると聞き不安です。関係ないかもしれないのですが、私の叔母が乳癌で亡くなっているのも不安のひとつです。病院にしても、この症状で乳腺科や婦人科に行っていいものか迷っています。パジェット病の可能性はありますでしょうか? ご意見お聞かせ下さい。よろしくお願い致します。

乳頭を囲むようにできる白いぶつぶつは乳輪腺で心配なものではありません。パジェット病というのは乳頭の表面がびらん状態(じくじくした感じ)になるのが特徴です。メールの感じからはパジェット病の心配はなさそうですが、不安を取り除く意味からも乳腺専門医の受診をお勧めします。(文責 清水)

 

No.2921-1】 04年09月30日   N.B.
胸についての相談

19才 男。中学生ごろから両胸と乳輪が大きくなりだして、ずっと悩んでいたのですが、最近、胸にシコリがあることに気付きました。触っても痛みはありません。過去の投稿を見させてもらったのですが、かなり気になっているので、直接相談させてもらいました。こういった状態が自然に治るということはあるのでしょうか? 最初、胸に脂肪が付いてるかと思い、痩せてみたりとかしたのですがよくなりません。

女性化乳房症だと思いますが、いつまでも良くならない場合、隠れた病気(睾丸腫瘍、kleinfelter症候群など)がある場合がありますから、きちんと病院受診することをお勧めします。(文責 清水)

 

No.2921-2】 04年10月02日   N.B.
しこりについて

睾丸腫瘍、kleinfelter症候群などの発生率とはどの程度のものなんでしょうか?

いずれも稀な疾患です。私の25年の乳腺外来の経験でそれぞれ1例ずつです。しかし、難治性の女性化乳房症では考えておかなければいけない疾患の一つです。(文責 清水)

 

No.2921-3】 04年10月03日   N.B.
何科で受診すればいいのでしょうか?

何度もすいませんが、病院の診察代、何科に診察してもらえばいいか教えてもらえますか? あと、自然に治ったりするものでしょうか? 胸のシコリの固さは脂肪ではないんですが、この物質は何なのか教えてください。

診察代は初診料が数百円、あとはどのような検査をするかで料金は変わります。健康保険は使えますから保険証を忘れないで下さい。専門は乳腺外来ですが、前回の相談者が女性ばかりの外来で大変恥ずかしい思いをしたと話していましたから、初めは外科で診てもらってもよいかもしれません。私が心配しているような病気であれば泌尿器科が専門です。自然に治ることが多いのですが、あなたの場合、治りにくいようなので、専門医の受診をお勧めしています。診察しているのではないので何とも言えませんが、女性化乳房症であれば”物質”は乳腺組織です。(文責 清水)

 

No.2920】 04年09月30日    TO
再発率について(HPNo.2872-2)

1年前温存、乳頭腺管癌、ホルモンプラス、ハーツーマイナス、ステージ1、グレード1、リンパマイナス。主治医には、「37歳年齢だけ気になる。抗がん剤は、希望するならします。あとは経口抗癌+ゾラデクス、か ノルバ+ゾラか自分で決めるように。」と言われました。知識もなく、ノルバ+ゾラを選びました。ゾラだけでもいいと言われましたが、どれが私の場合よかったのか、いまだに不安になります。5年後には42歳になるので生理は戻りませんと言われました。いつがきたら治ったと思えるのでしょうか。再発率など、今の治療法でいいのか、アドバイスお願いいたします。

”温存,乳頭腺管癌、ホルモンプラス、ハーツーマイナス、ステージ1、グレード1、リンパマイナス”であれば、St.Gallenのguidelineでは無治療かノルバデックスです。ゾラデックス+ノルバデックスは十分な治療だと思います。5年後に生理が戻るかどうかは不明です。再発率は10%以下だと思います。今回の乳癌に関して言えば、術後10年経って再発がなければ、まず治ったと考えてよいということになります。しかし、37歳の方が10年後に生きている確率は決して100%ではありません。心筋梗塞、くも膜下出血、交通事故、飛行機事故、テロ、狂牛病、鳥インフルエンザ...あげればきりがない位私達は危険な状況下で生きているのです。今の状態であれば、乳癌の再発で死亡する確率と、その他の病気や事故で死亡する確率は同じくらいか、かえって、乳癌の再発の確率の方が低いくらいかもしれません。であるならば、きちんとした治療と検診を続けてさえいれば、もう治ったと考えて生活しても良いのではないでしょうか。(文責 清水)

 

No.2919】 04年09月30日  T・Y
乳汁分泌

初めまして。43歳の主婦です。乳汁分泌のことでお聞きしたいことがあります。5年前一連の検査で乳腺症と診断され、その後経過観察で半年に一度エコー検査を受けています。またH16年6月にはエコー、マンモ、針生検を行い、これからは1年ごとの検査で良いとの診断を受けました。ところが、9月5日起床時にパジャマの右胸あたりに2センチくらいの茶色のシミがあり、もしかしたら昨夜の夕食の準備中に調味料でも付いたのかとも思いましたが、匂いが無かったので心配になってしまいました。分泌物?らしきものはその後出ていませんが、いろんなHPを見ると茶色の分泌物は血性でがんの恐れもある・・・と記載されていたので、病院で検査をうけることにしました。ただ検査時には分泌がなかったのでエコーのみの検査となり、エコー検査上は異常は在りませんでした。

1) 分泌物が出ていなければ乳管造影検査はできないのか?
2) 検査は次に分泌物がでるまで待っていても遅くは無いのか?
3) 1度出て、暫く(1〜3ヶ月ほど)経って出るということもあるのか?
4) もしガンの場合は、その間も進行しているのか?
5) このまま分泌物が出なければエコー検査を受けていればよいのか?
6) 1度だけ出て、止まってしまうこともあるのか?

以上についてお聞きしたいのです。取り留めのない文章で、大変恐縮なのですが、心配で悩んでいます。是非よろしくお願いします。

1) 分泌物が出ていないと乳管造影はできません。
2) マンモグラフィー、エコーで明らかな癌の存在が否定されていれば、次回の分泌物がでたときに検査すればよいと思います。
3) あります。癌の場合は出血が続くことが多いです。
4) たしかに、癌であれば時間がたてば少しずつ進行するでしょう。しかし、実際には、その間に出血を繰り返しますから、細胞診を繰り返すか、場合によっては積極的に手術をして癌である診断を下すことになるでしょう。
5) 分泌物がなければ分泌物の検査はできませんから、通常の検診になります。40歳代であれば、自己検診とマンモグラフィー検診がbetterだと思います。
6) 一度だけで止まってしまうこともよくあります。その場合、乳腺症であることが多く、癌や乳管内乳頭腫は考えにくいです。(文責 清水)

 

No.2918-1】 04年09月30日  M.O. 
胸のしこりについて

私は30歳、既婚、1児の母親です。24歳の時に妊娠して、妊娠中にしこりを発見し、専門医の診察を受けました、妊娠中だったのでエコーでの検査となり、はっきりとしこりが写っていたので細胞を針をさしてとり、その時は悪性のものではないとのことでした。その後5年以上たって今年、市から乳癌検診の葉書が来たことと、娘が幼稚園に行き始めたこともあって検診をうけたところ(転勤したので前の病院ではありません)、マンモグラフィーとエコーで左右に1つずつしこりが発見されました。両方とも1.3cmほどのものでした。4ヵ月後に再受診するように言われ今日行ってきたのですが、左の胸のしこりが前の時にはエコーではっきりみえたのに今回は写らず、先生も探しておられるようでした(今回はエコーのみでした)。結局それがどういうことなのか聞けないまま診察も終わってしまい、次は半年後に来るように言われました。左のしこりはどうなってしまったのでしょうか? もし悪いものになっているのでしたら、半年も待って大丈夫なのでしょうか? 小さい子供もいるので不安でしかたありません。ご意見を伺えたらと思います。宜しくお願いいたします。

エコーで腫瘤像が消えてしまうことはよくあることですが、癌の場合はそのようなことは絶対ありません。ですから、消えてしまうような腫瘤像は良性と考えて構いません。半年後の再検で十分だと思いますが、その間の自己検診は怠らないで下さい。(文責 清水)

 

No.2918-2】 04年10月02日  M.O. 
乳癌検診での結果について

はじめまして、わたしは30歳、1児の母親です。乳癌検診での結果について、どうしても不安なので教えていただきたくてメールしました。24歳の時に妊娠をして妊娠中に胸にしこりを発見し検査(妊娠中なのでエコーでした)をしたところ、はっきりとしこりが写っていたため、針で細胞を抜いて検査していただきましたが、悪いものではないと言われました。それからなかなか病院にも行けずにいたのですが、30歳になり市から乳癌検診の葉書がきたことと、娘が幼稚園に行き始めたのもあって検診に行きました。以前からしこりがあることをお話すると、マンモグラフィーを撮るように言われとりました、みせていただくと、私も目にもはっきりわかるほどの白いものが写っていました。その後でエコーでもみてもらい説明をうけたところ、左右の乳房に1つずつ1.3センチほどのしこりがあるとのことでした(わたしがエコーをみても、はっきりと写っていました)。その時は線維腺腫との診断を受け、細胞を取るほどではないだろう(5年前からあるとしたら大きくなっていないので)とのことで、4ヵ月後にまた受診するように言われました。そこで4ヶ月(実際には5ヶ月近く)たった先日受診したのですが(今度はエコーのみでした)、右のしこりは4ヶ月前と変わらずあったのですが、左のしこりがエコーでは写らなかったのです。先生もかなり長い間探しておられるようでしたが、結局はっきりとみつからず、以前のように計測もできませんでした。その時に先生にお聞きしたいことは沢山あったのですが、結局エコーのあとは診察室に呼ばれず帰されてしまったので、不安だけが募っています。先生には、「何度も悪いけどまた6ヵ月後に見せてほしい」と言われました。その時先生がしきりに5年前はどちらのしこり(妊娠中はしこりはどちらかの乳房だけだったので)の細胞をとったのかと聞かれたのですが、その時は左(写らなくなったほう)だと思ったのですが、今となってははたしてどちらだったのか自信がありません。
1) しこりは消えることはあるのでしょうか?
2) 先生が何度もまだ若いから切ってとるにはしのびない、とおっしゃっていたのですが、どういう意味でしょうか?
3) わたしが胸に触れると沢山ごろごろしたものにふれるのですが、先生はそれは乳管の切れ端だとおっしゃったのですが、だとしたら皆さん触れるものなのでしょうか?
4)  次の受診は6ヵ月後の来年の4月半ばなのですが、そんなに待っても大丈夫なのでしょうか?

とにかく毎日不安でしかたがありません。もし悪いものの可能性が少しでもあるのでしたら、ちょっとでも早くなんとかしたいので、是非私の質問にお答えいただきたく思います。お忙しいのに大変恐縮ですが、宜しくお願いいたします。

1) エコーでしこりの影が消えることはよくあることです。
2) 線維腺腫であれば良性のしこりで、癌化することもないので、通常は切除しないことが多いのです。ただし、高齢者や、癌の疑いが完全に否定できない場合は切除します。若い人の場合、悪性である可能性が低いのに切除するのは忍びないという意味ではないでしょうか?先生に直接聞いて下さい。
3) 乳房の形も固さもひとりひとり皆違います。乳腺がごろごろ触れる人もいますし、何も触れない人もいます。要は自分の乳腺はどういう乳腺なのか、検査で異常ないと言われた時に自分の正常な状態をしっかり把握することです。あとは、その状態を基準にして異常があるかどうかよく自己検診して下さい。
4) メールの内容からは心配ないと思います。それでも心配ならば、6か月待たずに受診して下さい。次回の受診が6か月後というのは、その間に異常がなければ6か月後で良いですよと言う意味で、6か月間来てはいけないということではありません。(文責 清水)

 

No.2917】 04年09月30日  IMA
乳癌検診について

他の方たちの相談の件名を拝見しまして、このようなご相談はこちらには該当しないかもしれないと思いましたが、他にいろいろ検索してみたのですが、なかなか質問できるところがありませんでしたので、ぜひ教えていただきたくメールいたしました。私は現在37歳です。今年5月に男の子を出産しました。初産です。年齢的なこと、また肥満気味なこと、出産年齢も遅く、乳がんになりやすいタイプに当てはまる部分が多いので、市の触診だけでなく、もっと正確にわかる検査を受けてみたいと思っています。子供を授かり、自分の健康管理をしっかりしなくてはと強く思うようになりました。近くの市立病院の外科に乳腺甲状腺専門の先生がいらっしゃるらしいので受診してみたいと思っているのですが、まだ産後4ヶ月という事もあり、早すぎるだろうかという思いもあります。ちなみに母乳は最初のころ少し出たものの、現在はほとんど出ません。乳首をつまむと少しにじむ程度です。生理は産後3ヶ月から再開しています。もし検査を受けるとしたら、産後どのくらいで受けるのがベストでしょうか? お忙しいところ恐れ入りますが、ぜひ教えてください。よろしくお願いいたします。

産後の検診開始時期は授乳が終了して生理が始まったらOKです。原則として生理前の受診は避けて下さい。(文責 清水)

 

No.2916】 04年09月30日  Y.S
がん告知されました

乳がんの本でこちらの相談室を知りました。既婚、子供なし、41才です。右胸のしこりが気になり、9月6日にエコー、マンモグラフィー、細胞診を受け、9月22日に結果がでました。クラスXの乳がんと告知されました。トータルの治療を考え、先生から放射線科のある病院の紹介状をもらいました。帰る際、看護師さんから一度針をさしたので急いで行ったほうがよいと教えられ、9月24日に別の病院の診察を受けました。その病院ではもう一度細胞診を受けるようにと言われ、その結果とこれから受ける造影剤CTの結果は10月8日です。まだまだ先なので、先生から詳しい話が聞けるまで不安で心配の毎日です。

1) がん細胞が血液を通じて骨へ到着する事があるそうですが、細胞診でもれたものは大丈夫でしょうか? (最初に受けてから20日以上が過ぎたので心配)
2) クラスXの結果が二度目の検査で変わる事はありますか?           
3) 手術は結果が出てすぐ受けられなくても大丈夫ですか? (私が望んでも、予約がたくさん入っているらしいので)
4) しこりに痛みがなかったのに痛くなり、右肩のはりと右耳の周りが痛く感じます。関係ありますか?

よろしくお願いいたします。 

1) 細胞診を行ったから、針を刺したから細胞が散って再発する、ということはありません。一昔前、穿刺吸引細胞診を行っていなかった時代と、ほぼ100%細胞診が行われている現在を比べて、手術後の再発が多くなったということはありません。逆に見逃しが減ったというmeritがあるだけです。ですから、針を刺したから急いで手術を行わなければいけないということもありません。もちろん、病気の性格上、早いにこしたことはありませんが...。
2) 細胞診の診断が変わることはありえます。しかし、触診、マンモグラフィー、エコーの結果が全て癌を疑っているような場合は、まず変わらないと思います。最初の病院でclass5が出ていて、画像診断も間違いなければ再検査は不要と思います。しかし、病院によっては他の病院の検査結果は信用しないという病院もありますので、再検査をすることもあるようです。痛い思いがいやならば、前の病院のプレパラート(細胞を吹き付け染色してあるガラス)を借りて診てもらうことも可能です。
3) 乳癌の手術は一週間を争う手術ではありませんので、急ぐ必要はありません。しかし、早いにこしたことはありません。精神的なことを考えても早い方が望ましいと思いますが、病院の事情もあるので、可能な限り早くするということでしょうか。あまり待つようなら、早く手術をしてくれる病院を考えることも必要ですが、手術のみならず、他の治療等も含めて総合的に判断して下さい。
4) 診察はしていませんが、癌と告知された方の大部分の方が訴える症状のひとつです。その方達の大部分は治療の終了とともに症状は消失しているので、まず心配ないと思います。しかし、気になったら受診するのが原則です。(文責 清水)

 

No.2915】 04年09月30日  TODA  
ハーセプチン治療について

HER2が3+で、ハーセプチンの加療を考え中ですが、ハーセプチンのみの場合と化学療法を併用する場合との効果の比較は、現時点でどのくらい研究が進んでいるのでしょうか。できれば副作用の少ないハーセプチン単剤での治療を希望したいのですが、病院によっては単剤での治療を受け入れてくれないところもあるのでしょうか。

ハーセプチンの治療は再発乳癌が原則です。欧米では、ハーセプチン単独とハーセプチン+抗癌剤(タキソール、タキソテール等)の併用を比較して後者の成績がよかったこと、ハーセプチン単独使用後悪化してから抗癌剤併用した場合と比べても最初から併用した方が成績が良かったことから、原則は併用療法ということになっています。しかし、ハーセプチン単独でも20%位の有効例があること、単独の場合は副作用が少ないことから、原則を理解し、成績が少し悪くなることを理解した上でハーセプチン単独から始めることも可能だと思います。自分の考え方をはっきり話せば、病院は受け入れてくれると思います。(文責 清水)

 

No.2914】 04年09月30日  G.Y.
乳頭からの出血(HPNo.2737-3)

以前HPNo.2737でご相談したものです。返答ありがとうございました。質問よろしくお願いします。検査の結果、触診、エコー、マンモグラフィでは異常は見当たらず、気になるしこりもなし。ただ細胞診の結果、「癌の疑いがある」と出ました。再検査として今月末に「乳管区域切除」を行うことになりましたが、最近乳頭の下あたりにしこりのようなものを感じるようになり、とても気になっています。
1) 先生に見てもらったほうが良いのでしょうか? まだ大きくなる可能性はありますか?
2) そのしこりが出血する乳管内にあったとして、手術をするのに妨げにはなりませんか?
3) 細胞診で「癌の疑いあり」と出ても良性の可能性があると言ってましたが、何故ですか? 確立は?
4) 大きな病院のため一回の検査or結果を知るのに時間がかかり、自分で出血を発見してからあっという間に3、4ヶ月たってしまいました。早期発見が早期でなくなるのではと心配です。
5) 生理不順で、5月を最後に4ヶ月ありません。1年前婦人科に通っていて、薬で(ルトラール・クラミット・ストレキュア)起動させてパラパラ来ましたが、3ヶ月以上なければ来て下さいと言われています。今のこの状況の時、どうすれば良いですか?

乳頭下のしこりは、今回の出血に関係がある可能性はあります。もし出血している乳管と別方向の部位に出現したもので、手術までに時間があるようであれば、一度主治医に診てもらった方がいいと思います。時間がなく、また出血乳管に近いようであれば、それはとりきる範囲に含まれると思われますので、手術時に主治医に相談すれば良いでしょう。細胞診は不確実な部分がありますので、癌の疑いとういことしかいえないと思います。
大きな病院で検査に時間がかかるのは、患者さまにとり大きな問題です。検査でしこりがないと思われること、多くの乳癌は急には大きくならないことから、少しは安心されても良いかと思います。婦人科の検診は乳腺手術が終わって、診断が確定してから受診してください。(文責 福間)

 

No.2913】 04年09月30日   K.K
術後補助療法について

術後補助療法について、よろしくお願い致します。42歳、7月に充実腺管がんと診断され、乳房部分切除+腋窩郭清術を受けました。現在、放射線治療計26回を終了したところで、RIとCTの検査後、補助療法が始まりますが、まだ決めかねております。
 <病理検査結果>  リンパ節転移なし、腫瘍径1.7cm、ホルモンレセプター共に陽性、グレード2、HER-2陰性

主治医には化学療法のあとホルモン療法がいいと言われております。化学療法はフルツロン+CPAを勧められております(副作用も少ないとのこと)。化学療法の副作用が心配で気が進みません。ホルモン療法に比べ、化学療法は一生の無月経になる確率が高いことも心配です。化学療法の選択枠として、上記フルツロン+CPA、フルツロンのみ、ホルモン療法のみもあるそうですが、フルツロンはデーターがあまりないようで、フルツロンのみというのは意味がないのでは? できれば、化学療法なしでホルモン療法だけが希望ですが、この選択は危険でしょうか? ご回答どうぞよろしくお願いします。

リンパ節転移なし、腫瘍径1.7cm、ホルモンレセプター共に陽性、グレード2、HER-2陰性とのことです。HPNo.2910の方と同じ様な質問です。40歳代で、組織学的悪性度grade2ですので、術後補助療法は必要になります。その1つとして化学療法を考慮してもおかしくはありません。フルツロン+CPA治療ですが、AC療法の様な大規模の研究がなされたわけではありませんが、報告ではCMF療法と同等の効果があるとされています。副作用は脱毛、食欲不振、白血球減少などがありますが、注射よりは軽度な印象があります。化学療法を受けるのであればフルツロン単独ではなく、ACなどの化学療法や、少なくもフルツロン+CPA療法を受けることをおすすめします。尚、化学療法以外の選択枝として閉経状態にするLH−RH阻害剤+ノルバデックスやフェアストンといった組み合わせもありえます。(文責 福間)

 

No.2912】 04年09月30日   w.k.
脇の下のリンパの腫れについて

8月18日に乳がんを告知され、右胸に3センチ以上のしこりと、右脇の下にリンパの腫れ、胸壁にもリンパの腫れがあると言われました。リンパへの転移の可能性もあるとの事です。1週間後の22日から、抗がん剤 acf の投与を始めました。最近、右のリンパの腫れが増し、左脇の下のリンパも痛みを感じます(ごろごろした感じ)。主治医にも診てもらっていますが、原因がはっきりしないので、とても不安です。両脇のリンパの腫れは、どのような原因で腫れるのでしょうか? 左にもがんが有るのでしょうか? アドバイス宜しく御願い致します。

リンパ節の腫れを伴う乳癌に関するご質問です。右乳癌で右の脇の下にリンパの腫れがある場合には何かの感染とかで腫れる場合もあるのですが、リンパ節に癌の転移がある可能性も十分にあると考えて、検査・治療を勧めた方がいいと思います。幸い化学療法が開始されています。いくつかの抗ガン剤を組み合わせて、しこりなどが小さくなってくると思います。直接診察していないので、左リンパがどうかに関してはわかりません。主治医とご相談下さい。(文責 福間)

 

No.2911】 04年09月30日   F.S. 
乳がん術後補助療法について

初めてメールさせて戴きます。現在44歳閉経前。TIB NO MO ステージIということで、8月11日温存部分切除、センチネルリンパ節切除を行いました。その後病理の結果が出て、今後の治療方針も示されたのですが、そのことについてお伺い出来ましたらと思うのですが、宜しくお願い致します。

【病理の結果】
1.しこりの大きさ 8mm 広がりがあり、取り残しあり−再手術必要
2.ホルモンレセプター 陽性
3.HER2 2+
4.センチネルリンパ節2個取って、内1個に転移有り。
5.悪性度 1

【今後の治療方針】
1.再手術−取り残し分
2.抗がん剤治療 AC 3週間に1回を4回点滴、そのあとT(タキソール) 毎週1回を12回、 上記と並行してホルモン治療(リュープリン)1カ月1回2年間注射
3.抗がん剤終了後
 【1】ホルモン療法: フュアストン 1日1個5年間服用
 【2】 放射線治療、 5週間25回

《質問事項》
1.私の病理結果から見て、上記の治療方針は如何でしょうか。妥当でしょうか? 担当の先生からは後日相談にのりますと言われましたが、本などでいろいろと調べては見ましたが、何が良いのかよくわからなかったので。
2.補助治療と言われるもののすべてを行うようですが、こんなに沢山行って身体には問題ないのでしょうか?
3.プロポリスとアガリクスを現在飲んでいますが、このまま飲み続けて大丈夫でしょうか。また飲んでいることを担当の先生にお話したほうが良いでしょうか。

お忙しいところたくさんの質問で大変恐縮ですが、何卒宜しくお願い致します。また間も無く結論を出さなくてはならないので、出来ましたら早目のご回答を戴けましたら幸いです。

ご返事が遅れ誠に申し訳ありません。まず切除断端陽性ですので、原則として再切除、再手術が必要になります。また温存するのであれば放射線治療を行うことになります。
化学療法とホルモン療法に関してですが、ほぼフルコースの治療となり、量的なことで心配されるのは当然だと思います。リンパ節転移があった場合、主治医の勧めている治療は乳腺専門医の勧める治療法の1つだと思います。リュープリンに関しては、44歳の方に化学療法を行うと閉経状態になることが多いので、必要かどうかは化学療法をしながら生理の状態を見ていき、必要であれば使うというのでもいいかもしれません。またリンパ節郭清を行うと思いますので、リンパ節転移がさらに数ヶ以上見つかればフルコースの治療を行った方がいいのではないでしょうか?
なおリンパ節転移が少ない場合(1ヶ)、リュープリン+フェアストンなどのホルモン療法のみという選択枝もあります。それに加え、抗ガン剤を行うかどうかは主治医と相談なさるべきだと思います。
アガリスクやプロポリスに関する併用の是非に関してはデータがありません(米国で健康食品の再評価を国単位ではじめたところです)。個人の経験ですが、女性ホルモンレベルを高めるような健康食品は避けた方がいいかと思います。なお主治医にはできれば伝えてください。(文責 福間)

 

No.2910】 04年09月30日   ST
組織学的悪性度について

妻(35才、子3人)のことについて質問します。妻は8月末に乳癌の手術(温存)を受け、9月末から補助療法を受けることになっています。担当医から腫瘍1センチ以下、リンパ節転移ナシ、遠隔転移なし、ホルモンレセプター陽性、グレード3と聞かされています(来週、詳しい説明がある予定です)。グレード3でなければ、ミニマムリスクで補助治療の省略も考慮できるが、悪性度が3なので、AC療法を実施する予定である旨、担当医から予告されています。AC療法を実施すること自体に異存はないのですが、グレード3というのが気になっています。インターネット等で調べても、悪性度が再発率や生存率にどの程度影響するのかという点があまり書かれていません。担当医に直接聞くこともできますが、妻が同席しているため、極めて悲観的な結果になるのならと、聞くことに躊躇しています。組織学的悪性度というのは、リンパ節への転移等と比べて、どの程度予後に影響を与えるものと理解すればよろしいのでしょうか?

乳癌治療の世界的な合意形成をし治療法を提唱するSt.Gallen Meetingというのがあります。そこでの標準治療の内容が、主治医の言われるていることです。リンパ節転移なしで、腫瘍径1cm以下、ホルモンレセプター陽性だけであれば、補助療法も省略できる可能性があります。35歳で若いこと、組織学的悪性度garde3とのことから、提唱では補助療法が勧められています。組織学的悪性度はリンパ節転移などと同等な重要な予後因子とされ、実際に生存率などに差がでることが報告されています。尚、奥様と同伴で主治医の説明を受けられても悲惨な話にはならないと思います。(文責 福間)

 

No.2909】 04年09月30日   zuzu
鎖骨上窩転移は予後がかなり悪いのでしょうか?(HPNo.2845-2)

お忙しいところ、再度相談させていただきます。先日、主治医に「鎖骨?」のことを伺ったところ、鎖骨上窩とのことでした(転移が鎖骨上窩、胸骨膀でした)。先日、「リンパの流れですが、乳癌→腋窩→鎖骨下の腋窩ルートと、乳癌→胸骨膀があります。胸骨膀リンパ節に転移があると予後が良くない・・・」との相談室の先生のコメントを拝見しましたが、私の場合は鎖骨上窩なので予後がかなり悪いのでしょうか? また、喉を使う仕事をしておりますので、PS+SCの照射で声が出なくなるのではないかと懸念しております。その点も含めてアドバイスお願いいたします。

鎖骨上窩に転移がある場合は、前回の回答でもお話したように同部は放射線治療や手術治療の対象になります。放射線治療であれば喉の方に影響が出る可能性があります。喉を使うお仕事であれば、CTなどでリンパ節転移の状況を確認し手術治療を選択するのも1つかと思います。ともかく化学療法を組み合わせて治療することが大切かと思います。(文責 福間)

 

No.2908】 04年09月30日   Y.M..
乳房温存療法と膠原病との関係についての質問

現在46歳(未婚)で、6年前に皮膚筋炎・多発性筋炎にかかり、一年間のステロイドによる治療を受けました。その後は一切治療もなく症状もありませんが、最近乳癌の告知(左1.6cmの第1期)を受け、乳房温存療法を希望したところ、膠原病の既存症がある場合は、放射線治療により後遺症が発生するリスクがあるので、外科医から全摘手術も提案されました。外科医の勧めで診察を受けた放射線科の医師自身は、全く膠原病患者の症例をもたず、外国や国内の文献や資料に基づく話だけで、放射線照射については賛成とも反対とも言えないとのことでした。膠原病といえども、その中でもさまざまな種類があり、リュウマチは問題ないようですが、強皮症などの患者の場合、放射線照射部分が壊死したり、腺維化する可能性があるとのことでした。
癌が既に大きいか、または広範囲にちらばっているような、全摘手術以外方法がない場合には受け入れざるを得ませんが、放射線のリスクだけを優先し、その少ないリスクを案じて最初から健康な部分まで全て切除してしまうのは納得いきません。病理検策の結果、運良く断端陰性が保証され、残存乳房に癌の残骸が無い場合には照射を省略する場合もあることを知りました。このリスクに関するご意見をお伺いしたいと思います。また、FUSという超音波を照射して癌を焼き殺す治療もあるようですが、子宮や卵巣と違い乳癌の場合は動くので、きちんと的をしぼった照射が難しいのではないかといわれましたが、この点についてもご意見をお伺いできれば幸いです。基本的には、やはりメスをいれたくないのが正直な気持ちです。どうぞ宜しくお願いいたします。

膠原病の内でもSLE、強皮症、皮膚筋炎・多発筋炎などの患者さまは放射線治療後15%以上の割合で遅発性有害事象が出現するとの報告があり、膠原病の患者さまでは温存後放射線治療は相対的禁忌だとされています。しかしそれほどの傷害が出現しないとの報告もあります。放射線治療医の先生がいわれることは正直なご意見だと思います。膠原病のかたに放射線治療を多く行った医者は多くはないと思います。温存後の放射線治療受けられるのであっても、そのリスクを十分に納得して受けられることをおすすめします。なお欧米では乳房全体に照射しない方法も普及しつつあります。
一方、乳房の温存術でも切除断端に癌が残らないように大きめに乳房を切除し、放射線治療を行わない治療も日本では行われ、良好な成績を出されている病院も多くあります。まずはMRIなどの検査で安全に癌を切除する範囲を知ることが大切かと思います。FUSはうつぶせの姿勢で施行しますので、体動によるずれの問題はないかと思います。現在治験段階の治療法です。宮崎のブレストピアなんば病院で施行しています。(文責 福間)

 

No.2907】 04年09月30日   S.I.
乳汁分泌について

41歳、一児の母です。出産は32歳の時です。家にいる時にはブラジャーをつけていないのですが、昨年の冬頃から、乳首に直接当たる下着の部分が茶色っぽく変色することが気になっています。両側です。乳首を押して分泌物が出ることはなく、しこりも痛みもありませんが、たまに左側の乳首がかゆくなることがあります。病気を疑うようなことではないでしょうか? 一度、受診したほうがいいでしょうか?

乳首を押して分泌物がでないとのことですが、やはり下着が茶色に変色するようであれば同色の乳汁分泌がでている可能性があります。その場合には病気が隠れている可能性もあります。乳腺専門医受診をおすすめします。(文責 福間)

 

No.2906】 04年09月30日   Y.O
低容量ピルと黄体ホルモンについて

はじめまして。39歳女性です。内膜症治療のために医師から低容量ピルを勧められて、現在服用しています。服用し始めてとても調子が良いので、このまま続けていきたいのですが、乳がんの発生リスクが高くなることを考えると、とても心配です。また現在乳腺線維腺腫もあるので、こちらの方も心配です。最近内膜症などの治療に”黄体ホルモン”というものがあることを知りました。これは低容量ピルと比べて乳がんの発生リスクは低いのでしょうか? ご回答の程、よろしくお願い致します。

日本での低容量ピルと乳癌発癌リスクとの関連をみた統計はないのですが、欧米ではいくつかの研究があります。関連がないとの研究もあります。一方関連があるとのデータを出している研究では、ピル服用開始年齢が早いほど、また服用期間中ないしその後数年間の乳癌発症リスクは1.5倍程度高くなるというデータがあります。一応ピルを服用されている方、されていた方は乳癌検診を定期的に受診された方がいいと思います。
なお黄体ホルモン製剤の件ですが、ピルはエストロゲンホルモンと黄体ホルモンからなります。黄体ホルモンなどの容量が高い場合には、ピルによる乳癌発症リスクが高くなることが知られています。(文責 福間)

 

No.2905】 04年09月30日   HH
乳がんの治験について

妻(39才)のことで教えてください。2003年7月乳がん右全摘術後、CEFを6クール終了。その後、ノルバを服用中(5年間)です。ホルモンはPGの若干陽性です。HER2は陽性2+。病理的には転移・再発しやすいようですが、最近医師指導型の治験が各所で行われているようです。治験そのものは、あくまで人体実験とは思いますが、それを受けることにより、今後の治療等への影響はあるのでしょうか? たとえば、ハーセプチン等・・・。治験そのものへの参加の注意点等、お教えいただければと思います。

治験は新しい治療が患者さまのために有用かどうか、科学的に検証することが目的です。治験は重篤な副作用や長期間の無効な治療で、患者さまに不利益にならないようデザインされています。また企業主導の治験も公正を期したものですが、医師主導の治験は、より中立的な立場で治験をくめる利点があります。また欧米である程度結果の出た新治療法を日本に導入するための治験も多く含まれます。治験に参加するにあたり他の治療法の選択枝がないかどうか、その治療による副作用など十分に理解した上で治験に参加する必要があります。同意書、説明書を十分に読み、医師の説明を聞き、納得してから治験に参加してください。(文責 福間)

 

No.2904-1】 04年09月30日   A.N.
乳頭からの分泌液について

初めてお便りをさせていただきます。現在6歳を筆頭に3人の子供がいます。一番下は2歳です。末子が2歳の誕生日に断乳をして8ヶ月になりますが、膿のような濃い黄色い分泌液とお乳が少量出ます。特に左の方が出ます。気になっているせいか、胸に痛みがある気がします。自己検診をしてみましたが、しこりらしきものは発見出来ませんでした。乳がんだったらと、とても心配です。よろしくお願いします。年齢は27歳です。

断乳後1−2年間は乳汁がでることがあります。濃いどろっとしたチーズのような乳汁がでることがあります。こげ茶や黒色、あるいは血のような分泌でなければ基本的に心配はいりません。しかし念のため乳腺専門医受診をおすすめします。(文責 福間)

 

No.2904-2】 04年10月02日   A.N.
両胸にカルシウム?

こんばんは。2週間前に触診、細胞診、マンモをしました。触診、細胞診では異常なしでした。段乳してから2年8ヶ月、この頃両胸が痛み出し、乳首から母乳、黄色い膿が出てきました。マンモをしたところ両胸数箇所にカルシウムらしきものがあるということでした。カルシウムとは何ですか?と聞いたのですが、「超音波検査をしないと分からない。悪性か良性かも調べないと分からない」の一点張りでした。超音波の検査は混んでいるということで、11月半ばです。まだ27歳という年齢、子供も3人とも幼いし、もし癌だったらこのように遅くても大丈夫か、不安で仕方がありません。昨日このようなことを聞き、あまりのショックで食事が取れなくなってしまいました。患者はとても不安です。この場合セカンドオピニオンをする方法も考えたほうがいいのでしょうか? よろしくお願いします。

マンモグラフィーで”カルシウムらしきもの”というのは、所謂微小石灰化のことでしょうか? 微小石灰化であれば、明らかに良性の石灰化、悪性を強く疑う石灰化、良悪性の鑑別が難しい石灰化の3つに分けられます。その点をもう一度主治医の先生に尋ねられたらいかがでしょうか? 超音波検査が一ヶ月以上先だと言うことは、あまり悪性の心配をしていないのではないでしょうか。納得いく説明がないようであれば主治医を変えることも視野に入れて考えてみては如何でしょうか。(文責 清水)

 

No.2903】 04年09月30日   satomi
しこりの違いについて 

普段は生理開始期前後にあるような乳房痛と張りや硬直感が、排卵期に当たる時期(おおよそ)に片方だけあり、気になって乳癌の自己検診をしてみると、外側、乳房の始まる位置に指の腹を少し押さえながら上下に這わせると、いくつものぼこぼこという感触があります。少し乳首側にも同じようにあり、はっきり触れるものも2、3あるようです。筋が膨らんでいるような感じで、形ははっり感じ取れません。痛みのない方は筋状のものに触れるだけです。現在は痛み始めから10日経ち、生理はまだですが、痛みや張りも引いてきました。このぼこぼこするものはしこりなのか、それとも他の原因からなるものなのか、いまいちよくわかりません。一般的に乳癌のしこりとはどの様なものなのでしょうか? あと、今回のこのような症状から疑われる病気があれば教えてください。よろしくお願いします。

乳房は排卵時期から生理が始まる前まで、ホルモンの影響で乳房の水分貯留などが著明となりむくんできます。その時期に触ると生理後にはないいろいろなもの、つぶつぶしたもの、しこりというほどはっきりしないのに硬いもの(硬結)などが触ります。それはいわゆる乳腺症と呼ばれていたものです。乳癌のしこりの典型的なものは石のように硬いといわれているのですが、典型的なものばかりではありません。自己検診の重要性がいわれているのですが、自己検診は生理開始後10日目に行うといいといわれています。手で触らない早期乳癌発見のためには、マンモグラフィやエコー検査が必要となります。(文責 福間)

 

No.2902】 04年09月29日   A.A
母(70歳)の乳がんについて

母(70歳)の乳がんについてお尋ねします。2ヶ月ほど前にしこりに気づき、近くの総合病院にてマンモを行い、疑い濃厚とのことで、検査専門病院において1ヶ月前に針生検を行った結果、1.5×1.5cmの乳がんである確定診断がでました。直ちにがん専門病院に行き、10月下旬には手術を控えています。骨シンチ・エコー・血液検査・CTなどで、転移はないとのことです。2ヶ月前には、私が触って感じた大きさは1〜2cm、総合病院へ行ったときは少しだけ腫れているように感じました。その後1週間ほどで腫れがひいたのですが、1ヶ月前に針生検を行ってから現在に至るまでに、大きさが3〜4cmほどになってしまったように感じます。しこりは、針生検直後は尖るように腫れてきて、現在は丸みを帯びて、全体的にかなり大きく腫れてきているようです。本人も腫れに気づいており、腕の上げ下げの際につれるような感じがあり、また、時々ズキズキと患部が痛むとのことです。主治医にみてもらったようですが、なんでもないとおっしゃっていたようです。ただ、現在の主治医は針生検後に触診していますので、2ヶ月前のしこりの触感を知りません。大きさの変化を知っている私としては、この腫れの原因が何であるのか不安です。針生検によって患部が炎症したのか、内出血した結果なのか分かりません。お教え下さい。また、手術まであと1ヶ月以上ありますが、この間、がん細胞の増殖など悪化の危険はないのでしょうか、お教え下さい。 

乳癌が体積として2倍の大きさになるのに平均200日かかるといわれています。それはあくまでも平均なので短期間で大きくなるものもありますが、針生検直後に腫れたとのこと、おそらくは針生検時の出血による血のたまり(血腫)だと思います。しかし腫れは徐々に引くものです。大きくなるようであれば主治医にご相談ください。手術までの待機期間が長いのは不安なものです。待機期間に内分泌療法などを行っている病院もあります。それも主治医に相談ください。(文責 福間)

 

No.2901】 04年09月29日   T子
CT検査の結果について(HPNo.2287-2)

以前にも質問させていただいた者です。その節は御回答ありがとうございました。今年1月のPET検査で胸部に集積が出た為、造影剤を使用した胸部CT検査を受け、結果、異常所見はないと言われました。今月に入って念のためということで、再度胸部CT検査を受けました。今回は単純撮影のみでした。結果は細かいツブ状のものが認められるが、気管支炎の跡ではないかとの説明を受けました。今年の1月頃、咳が何日か続きましたので、その時気管支炎に罹っていたのでしょうか。自分で思い当たるのはその時くらいです。何ヶ月経っても気管支炎の跡がCTの画像に写ることがあるのでしょうか。腫瘍マーカーは正常です。肺転移などの兆候では?と不安も抱いております。考えすぎでしょうか。御回答宜しくお願いいたします。

PETは全身の検査ができ、普通の検査で見逃すような病変を発見できる検査です。たとえば胸の奥の方(縦隔)、リンパ節転移の発見には有用だといわれています。しかしPET検査も万能ではありません。5−10mm以下の病変はPETで発見困難だといわれています。 PETで異常があればMR、CTなどの検査で確認することになります。現時点でCTで異常があるのは肺の粒上の病変とのことです。その小さな病変はPETではおそらく発見困難だと思われます。小さな病変が何かはわかりませんが、肺炎や気管支炎などのあとが長期間CTで見られることがあります。いずれにせよCTで、その病変が大きくなるか小さくなるか(消失するか)、再確認することが必要かと思われます。(文責 福間)