M.K. 会員紹介 手術後のページ 乳癌関連情報 公開市民フォーラム 相談室HOME


相談室(No.3101〜3200)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。ご相談内容は  info@kbcts.gr.jp   まで、メールでご連絡下さい。なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

[前のページ] [次のページ]

No

日 付

名 前

件  名

担 当

3200 04/11/30 K.K.  術後の状態について(HPNo.3122-4) 加藤
3199 04/11/30 t.s   乳がんの検査について 加藤
3198 04/11/28 T  乳房の石灰化について 加藤
3197 04/11/28 ELMO 骨の検査 加藤
3196 04/11/28 Y・Y バジェット病や乳ガンということはあるのでしょうか? 加藤
3195 04/11/28 F  1ヶ月の間にマンモを4回受けた事について 加藤
3194 04/11/28 H テラルビシン 加藤
3193-1
3193-2
04/11/27
04/12/12
M.S. 放射線治療を省く場合のケ−スについて
ゾラデックスとリュ−プリンの違いについて
加藤
清水
3192 04/11/27 M.H. マンモトームについて 加藤
3191 04/11/27 K.U. 乳頭分泌物について 加藤
3190 04/11/27 M.M. ホルモン治療と抗ガン剤治療について 加藤
3189 04/11/27 ch 再発後の治療について 加藤
3188 04/11/27 DQQ  現在の治療の副作用でしょうか?(HPNo.2388-9) 加藤
3187-1
3187-2
04/11/27
04/12/03
K.Y 多発性乳がん
放射線治療後について
加藤
鈴木
3186-1
3186-2

3186-3
3186-4
3186-5
04/11/27
04/12/20
05/04/09
05/09/25
06/07/07
H.M. 手術法について
テスト切除の後
ホルモン療法について
ホルモン療法について(2)
浮腫みについて
加藤
首藤
鈴木
浜口
石川
3185 04/11/25 K.M. 術後の胸のかたさについて 加藤
3184 04/11/25 M.T.  乳輪の変化について 加藤
3183 04/11/25 N.M. 乳首のできものについて 加藤
3182 04/11/25 KY 乳がんの転移について 加藤
3181 04/11/24 S  術後の治療について(HPNo.2796-2) 加藤
3180 04/11/24 M.S. ホルモン療法の薬について(HPNo.2584-6) 加藤
3179 04/11/24 M.Y.  エコーで腫瘍あり 加藤
3178-1
3178-2
04/11/24
04/11/27
Y.Y 術後補助療法について
術後補助療法について(2)
加藤
加藤
3177 04/11/24 K.I.  不正出血について 稲葉
3176 04/11/24 H  乳輪付近のしこりについて 稲葉
3175 04/11/24 A.Y. 傷の治りについて(HPNo.2432-4) 稲葉
3174 04/11/24 N  乳腺腫瘤について 稲葉
3173 04/11/23 M.S.  腫瘍マ−カ−とアルミデックスについて 稲葉
3172-1
3172-2

3172-3
3172-4
04/11/23
04/12/15
04/12/27
05/02/12
IY 再発防止目的の卵巣機能抑制について
再発防止目的の卵巣機能抑制について(2)
再発防止目的の卵巣機能抑制について(3)
骨転移について
稲葉
首藤
須田
福間
3171 04/11/21 S.M. 病院による治療方法の違い 稲葉
3170 04/11/21 M 主婦検診の結果について 稲葉
3169 04/11/21 T.D. 術後治療について 稲葉
3168-1
3168-2
04/11/21
04/11/24
S  検査結果について
検査結果について(2)
稲葉
加藤
3167-1
3167-2
04/11/21
05/01/03
C.M. リンパ節について
放射線照射の時、金属版を忘れられてしまいました
稲葉
3166 04/11/21 E.T 陥没乳頭について 稲葉
3165 04/11/21 AK  乳がんの手術について 稲葉
3164 04/11/20 P  反対側の乳房に癌 稲葉
3163 04/11/20 K.Y.  乳輪の分泌液 稲葉
3162-1
3162-2
04/11/20
04/12/03
K2 しこりについて
しこりについて(2)
稲葉
鈴木
3161 04/11/20 zuzu  腫瘍マーカーの数値及びCEFのクールについて(HPNo.2845-5) 稲葉
3160 04/11/20 みどり ホルモン剤について 稲葉
3159 04/11/20 Y.A. 乳がんの疑いありと診断。しこりが大きく、膿がでます。 稲葉
3158-1
3158-2
04/11/19
04/11/28
KM 術後補助療法について
悪性度(顔つき)と再発率との関係等
稲葉
加藤
3157-1
3157-2
04/11/19
04/11/23
k m 乳癌診断 リンパ節切除
乳癌診断 リンパ節切除(2)
稲葉
稲葉
3156 04/11/19 chiaki しこりについて(HPNo.2997-2) 稲葉
3155 04/11/19 m,m 内側癌、HER2検査の予後 稲葉
3154-1
3154-2
04/11/17
04/11/21
Y.S.  乳がん手術後の胸水について
乳がん手術後の胸水について(2)
片山
稲葉
3153 04/11/17 E・I 術後補助療法について 片山
3152 04/11/17 T.I. 石灰癌について 片山
3151 04/11/17 A.T. 今後のフォローについて(HPNo.3078-4) 片山
3150 04/11/17 Rの母 術後治療について(HPNo.2952-2) 片山
3149 04/11/17 N  胸の大きさ 稲葉
3148 04/11/17 M.H. 乳ガン術後の放射線治療について 稲葉
3147 04/11/17 術後補助化学療法について 稲葉
3146 04/11/16 G  摘出した方がいいのでしょうか? 稲葉
3145 04/11/16 術後の妊娠について 稲葉
3144 04/11/15 H  10年くらい前からあるしこり 片山
3143 04/11/15 kuni しびれについて(HPNo.2580-3) 片山
3142 04/11/15 E.N. 母の胸のしこりについて 片山
3141 04/11/15 リンパ腺について 片山
3140 04/11/15 Y.C   非浸潤癌の補助療法について(HPNo.3064-2) 片山
3139 04/11/15 A.O. 乳首のできもの 片山
3138 04/11/14 A.T. その後の検査結果について(HPNo.3078-3) 片山
3137 04/11/14 S. C. I ゾラデックスについて 片山
3136-1
3136-2

3136-3
04/11/13
05/01/16
05/01/19
ゆき 骨転移
骨転移の治療法
転移性乳癌の治療について
片山
徳田
浜口
3135-1
3135-2
04/11/13
04/11/15
T.T.  抗ガン剤の種類
髄様癌
片山
片山
3134 04/11/13 S  手術を受けるべきか迷っています 片山
3133 04/11/13 T.K.  化学療法の選択について 片山
3132-1
3132-2
04/11/13
04/11/19
M.W. リンパ節切除とセカンドオピニオンについて
治療方針について
片山
稲葉
3131 04/11/13 N.S 乳輪下膿瘍について 片山
3130 04/11/12 S.K 石灰化・リンパ抽出 片山
3129 04/11/12 K.I.  今後の治療法について(HPNo.1638-2) 片山
3128 04/11/12 H.T. タモキシフェン副作用の継続期間(HPNo.2809-2) 片山
3127-1
3127-2

3127-3
04/11/12
04/11/15
04/12/09
C.O.  ノルバテックスとアロマターゼ
抗がん剤による血管の炎症
アリミデックスの副作用について
片山
片山
清水
3126 04/11/12 Y  マンモトーム生検について 片山
3125-1
3125-2
04/11/11
04/12/21
M 46 乳頭血性分泌に関して
左乳腺腫瘤に関して
片山
須田
3124 04/11/11 Y 摘出したいのですが3(HPNo.3100-3) 片山
3123 04/11/11 saki子 高齢の祖母の手術法の選択について 片山
3122-1
3122-2

3122-3
3122-4
3122-5
3122-6
3122-7
04/11/09
04/11/12
04/11/14
04/11/30
04/12/06
04/12/09
04/12/15
K.K.  卵巣のう腫
乳頭からの分泌物について
乳頭からの分泌物について(2)
術後の状態について
補助治療について
放射線について
健側の自己検診について
片山
片山
片山
加藤
鈴木
清水
首藤
3121 04/11/09 Y.I.  乳腺線維腺腫について(2)(HPNo.3092-2) 片山
3120 04/11/09 ARE  術後三ヵ月です 片山
3119 04/11/09 T  告知から手術までの期間について 片山
3118 04/11/08 MEW 乳腺腫 石山
3117 04/11/08 poron 肺転移の判断について 石山
3116-1
3116-2
04/11/08
04/11/11
K.Y 乳癌手術までの期間について
セカンドオピニオンについて
石山
片山
3115 04/11/08 MY 悪性度(HPNo.2998-4) 石山
3114 04/11/08 F.K. ゾラデックスとノルバデックスについて(HPNo.1767-3) 石山
3113-1
3113-2

3113-3
3113-4
04/11/07
04/11/13
04/12/05
04/12/14
K  これからの治療は?
今後の治療について
CAF6クールを終えました
ホルモン療法
石山
片山
鈴木
清水
3112 04/11/07 T  肝機能について(HPNo.2872-5) 石山
3111 04/11/07 Y.A.  乳首からの透明な液、しびれについて 石山
3110 04/11/07 クリス 胸のしこりと痛みについて 石山
3109 04/11/06 zuzu 小豆くらいの腫れ物から出血(HPNo.2845-4) 石山
3108 04/11/06 Y 摘出したいのですが・・・(2)(HPNo.3100-2) 石山
3107 04/11/06 A.T. 乳がん専門医のいる病院、クリニックを教えて下さい 石田
3106 04/11/06 T  乳腺症 石山
3105 04/11/06 MY 術後の補助療法の選択(HPNo.2998-3) 石山
3104 04/11/06 T.K リュープリンの投与期間について 石山
3103 04/11/06 H 抗がん剤について(HPNo.3081-2) 石山
3102 04/11/06 PAN 放射線後の化学療法 石山
3101 04/11/05 A.T. 妊娠中の乳頭からの出血(2)(HPNo.3078-2) 石山

 

 

 

No.3200】 04年11月30日   K.K. 
術後の状態について(HPNo.3122-4)

19日、温存、センチネル0/4です。術側の手を上に挙げると、センチネルの為の腋の傷から乳房にかけて「ピン」というスジが張り痛いです。一本のスジだと思っていたのですが、腋の傷から二又に胸の上部と下部に分かれています。そしてそのスジ上に二つ、しこりが触れるのです。これはそっとしておいたほうがよいのか、それともリハビリでストレッチをかけたほうがよいのでしょうか。
それから乳房は見た目はきれいですが、触ってみるとボコボコと硬いかたまりが触れます。抉り取った場所の近くです。今はきれいな形ですが、後で変形してしまいませんか? 抉った後、脂肪と乳腺を寄せて縫った・・と説明を受けていますが、しこりのあった部分が触ると柔らかいです。その周りが瘤のように硬くなっています。中で縫ったものが取れていたりしませんか? 乳房が青黄色くなっていますが、内出血のなごりでしょうか? 知覚鈍磨の部分があります。特に乳頭の部分です。問題はありませんか? 手術をした病院に電話をかけて聞きましたが、よくわからないようです。外来に行くまでの事でもなさそうですが、やはり気になります。何度も電話をするのも気が引けてしまいますので、申しわけありませんが宜しくお願いします。

スジは血栓性静脈炎によるものだと思います。数週間で自然に治まっていきます。そっとしておいても大丈夫です。変形については、これから時間が経つと出現してくることもあります。中で縫ったものは滅多なことでは取れないように思います。変色は出血の名残で、時間がたてば元に戻ります。知覚鈍磨は手術の影響によるものと思われます。(文責 加藤)

 

No.3199】 04年11月30日    t.s  
乳がんの検査について

母の右胸上部外側に小豆大の硬いしこりが見つかりました(しこり以外の症状は今の所特にありません)。都内のガン専門病院に行き、初診が終わり次回診察まで約二週間ほど日にちがあきました。今年六月に父を胃がんで亡くしている為、家族が神経質になっていることもあり、ガン専門病院の次回診察をまたず、自宅近くの町医者で胸に針を刺し細胞を採取しました。その結果はまだ出ていません。細胞採取が終わってから知人に言われたのですが、がん細胞だった場合、一旦針を刺して細胞をいじると、がん細胞が活性化するとの事でした。とても危険なことで、やってはいけないとの事でした。これは致命傷になりますか?どの程度活性化するのでしょうか?宜しくお願いします。

一昔前はそういわれた時代もあったようですが(?)、現在ではそうではないことが確認されています。診断には細胞採取が必要となりますので、ステップとしては避けられないものです。ご心配されずに、細胞診の結果をお待ち下さい。(文責 加藤)

 

No.3198】 04年11月28日    T
乳房の石灰化について

初めてご相談させていただきます。36歳、3人の子供を産んで授乳はしていました。現在は下の子が2歳7ヶ月なので、もう1年半以上前に授乳は終えています。健康診断でマンモグラフィーを初めて受けたところ、「右外上部石灰化とあり、判定はCで、軽度の異常を認めます。」とありました。触診では特に異常はないといわれていました。石灰化というのはどういうことなのでしょうか? また、病院へ行って検査などしたほうが良いのでしょうか? 申し訳ありませんが、何も知識がないもので、ご回答の程よろしくお願い致します。

マンモグラフィーの判定は通常1から5までの5段階で行います。C?というのはまた違う(検診などでの)分類だと思います。精検を要すという結果であれば、マンモグラフィーの読影が可能な病院へいかれるのが宜しいかと思います。乳房の石灰化は一般的によくみられるもので、ほとんどのものは異常ありませんが、一部に乳がんに伴って出現するものがあります。(文責 加藤)

 

No.3197】 04年11月28日    ELMO
骨の検査

はじめまして、34歳既婚者です。私は去年10月に右乳腺全摘出をしました。Ubリンパ転移ありでした。ホルモン依存性だったので、今はホルモン治療(ゾラとノルバデックス)をしてます。閉経させているので更年期症状(ホットフラッシュ)があります。最初は体が熱くなり汗をかくぐらいだったのですが、めまいに始まり、ここ最近では肩から背中が痛かったり、だるかったりするのです。背中が痛いのはひょっとして転移・・・?とか不安になったりしますが、薬の副作用のせいでしょうか? ホルモンバランスが崩れているからでしょうか? 先月1年検査をしたのですが、採血、胸部レントゲン、左乳マンモだけでした。担当医に骨シンチはしなくてもいいと言われていたのですが・・・。ちなみに検査結果は異常なしでした。やはり骨の検査はした方がいいでしょうか? 不安になりメールさせていただきました。

ホルモンバランスによる影響も考えられますが、痛みが次第に強くなってきたり、しばらく続くようであれば検査を考慮することもありますので、受診なさってみて下さい。(文責 加藤)

 

No.3196】 04年11月28日    Y・Y
バジェット病や乳ガンということはあるのでしょうか?

5年くらい前より、乳首にニキビのようなものができて、潰すと脂肪のようなものが出てきていました。その間二度出産しました。今の状態は以前のようにニキビのようなものはなくなりましたが、段々新しい皮膚が中から出てきたような状態で、変色した部分だけ少し堅い状態です。乳首にかすのようなものがついていたりするので、それを取ったりしているうちに裂けたようになって出血したりします。これはバジェット病や乳ガンということはあるのでしょうか。マンモグラフイー、エコーでは異常がないとの事でした。その部分だけを摘出してガンかどうか調べるという方法もあるのでしょうか。お忙しいと思いますが、ご意見をお願いします。

お話の内容からは、パジェット病や乳がんの可能性は低いと思います。乳頭部のびらん(赤くただれたような状態)があれば、擦過細胞診や生検をすることによって診断を行うことになります。(文責 加藤)

 

No.3195】 04年11月28日    F 
1ヶ月の間にマンモを4回受けた事について

この1ヶ月の間にマンモグラフィーを4回(3ヶ所の病院にて)も受けてしまいました。石灰化が見つかり、最初の病院では良性と言われたのですが(姉が舌癌、母が胃がん(亡)、叔母が大腸がん、乳がんの為、姉が神経質になり、乳腺専門と、うるさく3ヶ所の病院を回ることになりました)、結果は乳腺線腫でした。4回もマンモを受け、逆に癌になる心配はありませんか?

4回のマンモグラフィーによって、がんになるということはありませんのでご安心下さい。セカンドオピニオンの際は写真も貸し出せますので、今後そのような機会があるときには借りていかれるとよいと思います。(文責 加藤)

 

No.3194】 04年11月28日   H
テラルビシン

いつも読ませていただいています。また、質問にもお返事いただき有難うございます。ずいぶんと不安を解消させていただきました。またわからない事があるのでお願いします。化学療法を始めました。「エンドキサン」というのと「テラルビシン」というものでした。エンドキサンは自分の持っている本を見るとよくのっていますが、「テラルビシン」というのは見当たりません。「アドリアシン」というのと同じようなものなのでしょうか?効き目などに変わりはないのでしょうか?

テラルビシンはアドリアシンと兄弟のような薬です。効果などはあまり変わらないと考えられますが、データが少ないのが現状です。(文責 加藤)

 

No.3193-1】 04年11月27日   M.S. 
放射線治療を省く場合のケ−スについて

前回お友達の件で(HPNo.3173)で相談させて頂いた者です。回答ありがとうございました。今回は私自身の件で質問があります。(35歳未婚 今年11/4左温存手術+センチネル転移無し 腫瘍1.6センチ 病理結果12/8)

1) たちの良さそうなガンは放射線を省くケ−スがあると聞きました。たちの良さそうなガンのガイドラインがあるのでしょうか?(たとえば予後良とされる粘液ガンとか乳頭腺管とか) 私はセカンドオピニオンの病院で手術を決めましたが、最初の病院で、「35歳ハイリスクの為、一番きつい抗がん剤を打たないといけない」と言われたため、私の検査結果がどんなガンでも放射線、抗がん剤は必要と認識していました。
2) 妊娠を望まれる方で省略する事もあるそうですが、それは患者の強い希望により、ということでしょうか。放射線に関しては赤くなったり、ただれたりと聞いておりますが、温存後出産されている方もおられるので、手術した胸は授乳できない等、妊娠を望む方の放射線治療は不具合があるのでしょうか?
3) 術後3ヶ月以内の放射線治療は有効と認識していますが、私は12/8病理検査結果の為、年末年始を挟むのですが、主治医は途中に(年末/年始)空白があっても別に問題ない。又続けてを希望なら1月からでもいいとの事ですが、放射線治療は続けてしないと効果が期待できないということはないのですか?
4) 放射線をしなかった場合の局所再発のとき、再度同じ温存手術は可能でしょうか。(腫瘍が取りやすい形で出来た場合ですが、今は私の胸は部分的にくぼむが、ほぼ元の形に近いだろうと言われてます。)2度目はどうしても変形は免れないと思いますが、局所再発では全摘の選択しかないのでしょうか。又センチネルを取っているので、再発ならCT、MRIに脇リンパ転移の形跡がなくてもリンパ節郭清は免れないのでしょうか?

長々すみません。宜しくお願いします。

1) 米国などのガイドラインでは一部の組織型を別に記載しているものもあります。ただ、放射線を省いてもよいサブグループがまだ明確に判っていない(高齢者を除く)のが現状ですので、原則としては照射になります。日本では各施設が独自に適応を決めていることが多いと思います。抗がん剤については病理結果等を参考に考えていくことになると思いますが、出産をお考えになられているのでしたら、種類や投与方法も慎重に検討する必要があります。
2) 照射を行うかどうかは、最終的には患者さんと相談の上で決めることになります。照射した乳房からの授乳は難しくなります。温存、照射後に出産なさった方は沢山いらっしゃいますが、治療後の出産をお考えなら前述の抗がん剤のこともありますので、担当医へ早めに伝えておかれた方が宜しいかと思います。
3) 原則としては続けた方がよいですが、多少の空白はあまり問題とならないでしょう。照射開始の時期は多少遅れても影響はありませんので、続けてが宜しければ、年が明けてからでも構わないと思います。
4) 再発の状況により温存も可能だと思います。必ずしも全摘しなければならないということはありません。同様にリンパ節郭清を必ず行わなければならないということもありません。(文責 加藤)

 

No.3193-2】 04年12月12日   M.S. 
ゾラデックスとリュ−プリンの違いについて

HPNo.3193でお世話になった者です。いつもわかり易い回答で感謝しております。今回病理検査の結果が出ました。私、35歳、未婚、今年11/4手術。左温存+センチネル、腫瘍1.5x1.5、リンバ転移無し、乳頭腺管癌、グレ−ド1(B&R1 N−SAS1)、ハ−ツ(−)、HR(+)。今後の治療:来年より放射線25回、今月よりタモキシフェン(5年)+ゾラ(2年)。ゾラデックスと主治医がおっしゃったのでリュ−プリンは?と伺いましたが、長々と話していてそのままになってしまいました。調べてもゾラとリュ−プリンの違いがわかりません。私の知るところ、「ゾラはとにかく太る」とあり、リュ−プリンが太らなければリュ−プリンがいいのにと思います。(告知後食事を変え体重をキ−プしているとの思いがありまして・・158cm、49s)

1) ゾラとリュ−プリンは、ほぼ同じ薬なのでしょうか? 製薬会社が違いますが、リュ−プリンの説明には副作用、体重増加はなかったです。
2) ゾラの体重増加は食欲が増進してでしょうか? もしくは代謝が悪くなってとの理由でしょうか。
3) 病院により製薬会社のからみで使う薬を決めているのでしょうか? リュ−プリン+タモキシフェンが保険適用にならないとかあるのでしょうか?

副作用は個人差があるのに体重増加想定で質問させて頂いていますが、もちろん太ってもホルモン療法を受ける意義はあると思いますが、気になるので宜しくお願いします。

1) ゾラデックスとリュウプリンはいずれもLH-RH analogueと呼ばれる薬剤で、薬効的には同じ薬剤です。ゾラデックスは英国の会社が開発した長さ1cmくらいで鉛筆の芯くらいの太さの固まった薬で、少し太い注射針を使って腹部の皮下に入れます。後は、そこから薬が少しずつ溶け出して約4週間効果が持続します。一方リュウプリンは日本の会社が開発した薬で液状になっています。比較的細い針で、お尻かお腹の皮下に注射します。効果は同じように4週間持続します。
2) ゾラデックスによる体重増加は急激な閉経状態になってしまう女性ホルモンの変化からくると考えられているので、ゾラデックスでもリュウプリンでも同じだと思います。
3) 確かに同種同効の薬剤ですから、病院によってはどちらか一種類しか採用していないところもあるかもしれません。保険適応関して言えば、リュウプリンは閉経前乳癌に適応があり、添付文書に”術後補助療法については安全性有効性が確認されていない”という注釈がついています。ゾラデックスは再発乳癌にも術後補助療法にも適応が通っているので、保険の立場からは術後に使えるのはゾラデックスということになります。また、世界的な臨床試験の多くはゾラデックスで行われているので、直接のevidenceはゾラデックスしかないことになります。しかし、リュウプリンも術後補助療法の国内外の試験を終わらせて、近々術後補助療法でも使えるようになるはずです。(ついでに3ヶ月製剤の試験も行って、同時に3ヶ月製剤の保健適応もとれる予定のようです。そうなると、通院が3ヶ月に一度にすることができるようになります。)(文責 清水)

 

No.3192】 04年11月27日   M.H. 
マンモトームについて

一週間前にマンモトーム検査を受けました。内出血が大きく広がり、痛みは少しだけですが、このまま検査結果が出る日まで何もしなくても大丈夫でしょうか?マンモトームは癌細胞を撒き散らす可能性があると知り動揺しています。結果が悪性の時は、血管またはリンパから外へ広がった心配はあるのでしょうか。漠然とした質問で済みませんが、宜しくお願いします。

マンモトーム後の出血は時々見られます。次第に吸収されていくので大丈夫です。がんの場合でも、血管やリンパ管から外へ広がり転移が増えるようなことはないと思われますので、ご安心下さい。(文責 加藤)

 

No.3191】 04年11月27日    K.U. 
乳頭分泌物について

突然のメールを失礼致します。ご相談させていただきたく、お願い申し上げます。現在36歳の主婦です。2000年4月に第一子を出産し、2002年4月まで母乳のみで育てました。半年ほど前まで量は少なくなっておりましたが、絞ると母乳が出ていました。その後は徐々に減り、現在は黄身がかったクリーム色や半透明の分泌物が少量出るのみとなりましたが、一昨日そのうちの一つに(両方の乳頭、どちらも沢山の穴から分泌物が出ます)血液が混ざっておりました。しこりは感じませんが、分泌物に血が混じるのは、どんな病気の可能性があるのかお教えいただきたく、ご相談致しました。 お忙しいところ、申し訳ございません。お返事をいただきたく、お願い申し上げます。

血液が混じるのは特にご病気でない場合もあれば、乳管内乳頭腫や乳がんの場合(割合は少ないです)もあります。外科(乳腺外科)を念のため一度受診なさることをお勧めします。(文責 加藤)

 

No.3190】 04年11月27日    M.M.
ホルモン治療と抗ガン剤治療について

11月4日に左乳房切除手術をした73歳の母の今後の治療方針について相談します。病理検査の結果、湿潤性乳ガン、グレード3、(4.0×2.5センチ)、ER陽性、PGR陽性、HERー2 SCORE 0、リンパ節転移あり、LEVEL T:2/14 LEVEL U:0/6 LEVEL V:0/2という説明を受けました。主治医からは抗ガン剤治療にするかホルモン治療にするかの方針の折りに家族で相談し決めるようにいわれました。本人は抗ガン剤治療での脱毛、吐き気という副作用を好まずホルモン治療を希望していますが、それぞれの治療法のメリット、デメリットを教えてください。また、どういった薬を選択すべきか教えてください。

御高齢の方への術後補助療法としての抗がん剤の有用性は実ははっきりとしていません。
最近65歳以上、ホルモン反応性陽性、リンパ節転移陽性の方の術後補助療法としての抗がん剤の有用性についての臨床試験の結果が報告されました。片方の群はタモキシフェンのみ、もう片方の群は抗がん剤とタモキシフェンを投与したところ、抗がん剤投与群において再発率は若干低かったものの、生存率はほぼ同じという結果でした。この結果から、現在はタモキシフェンよりも有用だと思われる薬剤(アロマターゼ阻害剤)があることも考え合わせると、抗がん剤によるメリットはあまり期待できないかもしれません。おっしゃるように抗がん剤には一般的に脱毛、吐き気などの副作用が伴いますので、デメリットの方が多くなる可能性もあります。抗がん剤の使用にあたっては、がんのタイプをもとに、実際には年齢だけで決めるのではなく、健康状態(他の御病気の有無も含めて)や治療中の周囲の支持体制なども考慮して決定します。抗がん剤治療にするかホルモン治療にするかではなくて、ホルモン治療だけにするか、あるいはこれに抗がん剤治療を追加するかという選択になります。抗がん剤治療を追加するかどうかは前述した様々な要素を考慮し、もちろん御本人の希望も尊重して検討される必要があるかと思います。(文責 加藤)

 

No.3189】 04年11月27日    ch
再発後の治療について

初めまして。41歳、子供二人を持つ主婦です。よろしくお願いします。平成11年12月に37歳で左胸全摘手術をしました。病理は浸潤性(硬がん)、15×13mm、ホルモンER(+)PGR(+)ハーツー(−)リンパ節転移あり(3/21)。術後は点滴抗ガン剤はなく、ノルバデックス、UFTを服用しましたが、2年後に主治医が変わり、UFTが終わったのと同時にゾラデックスを始めました。その後、術後4年目に入った今年の1月に多発性肝転移、多発性骨転移が見つかりました。2月より2週に1回のタキソテールとビスフォナールで治療を開始しました。肝臓の腫瘍は1ヶ月後からエコーで確認できなくなり、3ヶ月後のCTでは見えなくなり、現在もCT、エコーでは確認できない状態です。9月に骨シンチをしたところ、見えなくなっている箇所もありますが、前回(1月)とほぼ変わらず、進行はしていないと言われました。とりあえずタキソテールは10ヶ月という予定だったため、主治医より希望の治療はありますかと聞かれました。骨は変化に時間がかかるといわれれますが、特に副作用のない現在の治療を続けるべきか、又は他のより良い新しい治療はないものかと思案をしております。先生方のご意見をお聞かせ下さい。よろしくお願いします。

治療は副作用が少なく、かつ効果的なものが一番です。副作用が特になく、効果も持続している現在の治療を続けられるのがベストなように思います。副作用が出現したり、効果が見られなくなったときに他の選択肢を考慮されればよいでしょう。(文責 加藤)

 

No.3188】 04年11月27日    DQQ 
現在の治療の副作用でしょうか?(HPNo.2388-9)

HPNo.2388でお世話になりました。7/1右温存手術を終え、25回の放射線・2週に1回アドリアマシン10CC・UFT1回1カプセルを飲んでいます。本日、照射後の検診で放射線外来に行って来ました。右乳房が浮腫んでいるような感じと、右を向いて寝た時の圧迫感と痛みについて聞いてみました。放射線の影響と外科の先生がおっしゃっていましたが、ちょっと長すぎるので炎症を起こしているかも・・・と言われました。私の体は大丈夫なのでしょうか? 後2日位前から息苦しい感じと、鼻が急に詰まった感じがあるのですが、これは現在の治療の副作用でしょうか? なんとも調子が今一で気分が落ち込みがちです。症状は担当の先生には訴えていますが、あまり真剣には聞き入れてもらえず困っています。アドバイスお願いします。

乳房の症状は手術、放射線治療の影響もあると思われます(発赤や痛みの増強がなければ大丈夫でしょう)。息苦しい感じと鼻の詰まった感じは、副作用であることもありますので、続くようであれば担当医に再度伝えた方がよいと思います。(文責 加藤)

 

No.3187-1】 04年11月27日    K.Y
多発性乳がん

39歳、既婚、出産経験なしです。9月に手術を受け、3日前に放射線治療が終了しました。病理結果は粘液がん、多発(すべて粘液がん)で、4個のがんを摘出しました。腫瘍の大きさは、1.6x0.6 1.2x1.1 1.0x0.8  1.0x0.7(cm)の4つです。ホルモンレセプターは、ER+、PR+、HER2−、リンパ節転移なし(0/15)、骨転移なし。多発でしたが、部分切除で温存していただきました。腫瘍自体はそう大きくはなく、ステージ1と言われましたが、4つもできてしまったことが気になります。多発の場合、再発や転移の可能性など、予後は悪くなるのでしょうか? 現在はゾラディクスとノルバディクスの服用をしております。あと、病理結果の腫瘍の大きさが書かれた、それぞれの横に、fとgという記載があったのですが、これは何を表しているのでしょうか? またew(−)という記載もあるのですが、これは何を表しているのでしょうか? お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。

ステージ1で多発の場合、予後にはあまり影響を及ぼさないと思われます(粘液がんは一般的に予後はよいです)。fは脂肪、gは乳腺、ew(-)は端にがんが見られないことを表しています。(文責 加藤)

 

No.3187-2】 04年12月03日    K.Y
放射線治療後について

先日は迅速なご返答を頂き、どうも有難うございました。先日とは別件で質問させて下さい。一週間前に放射線治療が終了したばかりなのですが、この時期に照射していた場所に、また乳がんがでてくるということは、ありうるのでしょうか? 実は、手術の傷痕のやや上部にしこりが触れるのです。ただ、思い当たるのが、手術後に内出血があったところと一致します。内出血が治ったところが手術の傷痕のように硬くなるということは、あるのでしょうか? お手数ですが、よろしくお願い致します。

温存療法後の残存乳房への乳癌の発生率は40%くらい見られます。それを制御する目的で、術後に25回前後の放射線照射を行うのですが、そうすると、7%くらいにその確率は減少します。ただ、そのリスクを加味しても、生存率は全摘の場合と比較して、差は見られないので、現在の温存術が行われている所以です。術後の傷のあたりが硬くなるとのことですが、これはよく見られます。時期がたてばもとの乳房と同じくらいに柔らかくなる方もいれば、硬さが残る方もいます。あまり心配になされない方が良いかと思います。(文責 鈴木)

 

No.3186-1】 04年11月27日    H.M.
手術法について

二週間前に針を刺しての検査の結果、癌細胞が出て手術待ちです。腫瘍は1センチ以下で、手術方法を決めるためにも試験切除をするように言われています。私としましては温存法が全摘出よりほんの少しでも再発のリスクがあるなら全摘出を望むのですが、方法を決めるのは先生なのでしょうか? 素人考えで申し訳ありませんが、温存法で出来るといわれても、全摘出をしたほうが、より再発や転移に関して安心な気がします。全く結果に差はないのでしょうか? また同じことがリンパ節切除についても言えると思います。昨年、主人を大腸がんで亡くし、(潜血反応があってすぐ通院したのですが)その転移の恐ろしさを目の当たりに見ておりますので、どうにかして再発、転移を防ぎたいと思います。60代半ばですので全摘出やリンパ節を取ってしまっても、乳房をなくすこととか、術後の生活面でのデメリットには耐えられるし、支障はないと思われます。先生方のご意見をお聞かせいただきたいと存じます。

温存術と切除術で比較すると、遠隔転移、生存率において差は認められません。リンパ節においても同様で、摘出は転移を予防する効果はないとされています。大きく切除した方が安心なようにお感じになられると思いますが、数多くの臨床試験の結果からは否定的です。温存後の乳房には、またしこりができる(乳房内再発)ことがありますが(5-10%)、切除後でもできることはあります。リンパ節摘出後の腕のむくみは日常生活に大きな影響を及ぼしてしまいます。
最終的に決断する権利を持つのは勿論手術を受けられる方です。少しお時間がかかっても、メリット、デメリットをよくご理解なさったうえで慎重に決められた方が宜しいかと思います(手術は行ってしまうと取り返しがつきませんので)。私たちは前述した臨床試験の結果から、術後の様々な影響を考え必要かつ最小限の手術をお勧めすることがあります。しかし、それによってむしろ気持ちの上で術後不安を抱かれるようなことはあってはならないと思っています。価値観は人それぞれで、中には切除を希望される方もいらっしゃいますし、手術を最小限の切除から始めて、その結果により何回か追加して行うことも可能です(最終的には切除になることもあります)。あせらずにご納得のいくまでよく相談なさってみて下さい。(文責 加藤)

 

No.3186-2】 04年12月20日    H.M.
テスト切除の後

11月にHPNo.3186で相談させていただいた者です。丁寧な御回答、ありがとうございました。テスト切除は12月7日に済み、昨日抜糸が終わり、手術方法の説明も受けました。手術は年明け一番ということで連絡待ち、それまで通院の予定はないのですが、気になることがあります。しかし相談することもできず困っております。は昨日久しぶりに入浴したとき患部をさわってみますと、切開したそばが大きなしこりになっていることです。以前は自己診断しても分からなかったくらい何もありませんでした。これは試験切除後、あたりまえのことなのでしょうか? 病気の急変とかで、すぐ通院しなければいけないということはないのでしょうか? 病院も予約なしでは一日がかりですし、放って置いてよいものなら安心なのですが、お教えくださいませ。

可能性としては手術後の血腫(血のかたまり)や異物反応による肉芽(にくげ)など、あまりご心配のいらないものであると思いますが、やはり気になるのでしたら一度病院を受診された方がよいと思います。(文責 首藤)

 

No.3186-3】 05年04月09日    H.M.
ホルモン療法について

昨年12月、HPNo.3186でご相談した者です。温存手術を選択し(2cm切除)、リンパ節への転移もなく、3月末には放射線も完了しました。この度の検診で、先生からホルモン療法が効くタイプのものだからとノルバデックスD20mgを服用するよう言われました(朝1錠)。心配なのは10年位後に子宮体癌になるリスクが高くなると言われた事です。今67歳ですが、80才近い高齢になって、また手術もいやですし、と言って乳癌の再発も困ります。その薬を飲んだ時と飲まなかった時の乳癌と子宮体癌の発病可能性はどのくらいか、データーはないのでしょうか? おおよその数値でもわかればお教えください。又、薬局でもらった副作用の紙に「体重増加」とありました。知人にホルモン異常だとかで、ものすごく太っている人がいます。そのような可能性があるということでしょうか? 太れば癌にはならなくても他の成人病になりかねません。いろいろなリスクを考えてもその薬を服用したほうがよいのでしょうか? 先生のお考えをお聞かせいただければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。

子宮体癌のリスクは、わかりやすく言えば、内服しない方が、1000人に1人が発症するとしたら、内服している方は1000人に2-3人という確率です。これは、子宮体癌になるマイナス点と、乳癌の再発、反対側の乳癌の発症を抑えるというプラス点を天秤にかけた結果、プラス点の方が大きいので、ホルモン療法の最大手として君臨しているわけです。もしそのことが気になるのであれば、アロマターゼ阻害薬という種類のホルモン剤がでており、閉経後はこのホルモン剤の方が、ノルバデックスより再発予防効果が高いことは証明されています。子宮体癌のリスクはありませんが、ノルバデックスに比較して、関節痛の頻度は高くなります。薬剤には何らかの副作用はついてまわりますので、プラス点、マイナス点をよく説明を受け、納得してから治療をお受け下さい。また体重増加は極端なものではありません。知人の方のホルモン異常とは別に考えたほうが良いでしょう。いずれにしても、相談者の場合、ホルモン療法は行った方が確実にメリットがあります・・・。(文責 鈴木)

 

No.3186-4】 05年09月25日    H.M.
ホルモン療法について(2)

HPNo.3186で4回めのご相談です。術後、放射線も終わり、4月からノルバデックスDというホルモン剤を使っています。先日、新聞で、肺がんがホルモンに関係があって、「婦人科の手術をしたあと、ホルモンを調節するために服用した人が、何年か後に肺がんになる確率が高い」とありました。私が使っている薬は関係あるのでしょうか? 主人を肺がんで亡くした経験から、肺がんだったら、まだ乳癌の方がいいと思ってしまいます。前回の質問の時、お答え頂いたアロマターゼ阻害薬というのも主治医に相談いたしましたが、「私は60代後半でアロマターゼの方が子宮がんになる率も少なく、服用期間も短く利点は多い。しかし、私は非浸潤がんなので、新薬よりデーターの多いノルバデックスDの方が良い」という結論になりました。先生も少々躊躇していらっしゃいましたし、途中で変える事も出来るということでしたが、そのアロマターゼのほうではどうなのでしょうか? なにしろ素人考えで心配ばかりして申し訳ないのですが、先生との面談日が終わったばかりで、次は三ヶ月後なのです。毎日、疑心暗鬼で服用しているのもいやですが、次の面談日まで服用をやめてしまうのも問題ですし、悩んでおります。次の面談時の心づもりの為にも、ご意見を伺いたいと存じます。肺がん(他の癌でも)と乳癌のホルモン療法との事で、現在分かっていることをお教えください。 

女性ホルモンが肺がんのリスクを上昇させるのではないかということが問題になっていますが、女性ホルモンと拮抗的に作用するノルバデックスが肺がんのリスクを上昇させるという報告はありません。浸潤癌であれば、タモキシフェンを2-3年目にアロマターゼ阻害剤に変更するメリットがあると報告されていますが、再発リスクの低い非浸潤癌であれば現在の治療でよいと考えます。悩んでいるのであれば、3ヶ月待たずに主治医に相談に行かれた方がよいでしょう。(文責 浜口)

 

No.3186-5】 06年07月07日    H.M.
浮腫みについて

以前にHPNo.3186でご相談を何回かした事があります。1年半前の手術(リンパ節の転移なく、非浸潤癌)で、放射線治療の後、1年と少し前よりノルバデックスD20mgを1錠ずつ服用して現在に至っております。年齢は3月で68歳になりました。半年位前よりいつも診て頂いている内科の先生に『むくみがありますね』と言われています(血圧が高めなので、ひと月に一度通院しております)。『血液検査、尿検査、心電図の検査の結果は、むくみが出るような兆候は無いので、今度癌の検診に行ったとき主治医の先生にホルモン剤でむくむことがあるかどうか聞いてごらんなさい』と言われました。早速、次の検診で『もし、今服用しているお薬の可能性があるなら、種類を変えることは出来ませんか?』と伺ったのですが、主治医の先生がお休みで代診の先生でしたので、決定してはいけないとでも思われたのでしょうか、どうもご説明がはっきりせず、結局そのまま服用し続けております。その後半年の間に2回検診があったのですが、主治医の先生はお休みで、毎回違う先生が代診で診て下さいます。またお聞きしても同じ事かと思い躊躇しておりますが、最近浮腫みが少しひどくなってきたようです。内科の先生に腎臓の検査をしてくださる病院を紹介してもらおうかとも思っておりますが、その前に服用の薬との因果関係がありやなしやを、もう少し教えて頂けないでしょうか。先日新聞にもありましたように、薬の副作用は一筋縄ではいかないことは承知しておりますが、骨がもろくなる、子宮がんになる率が上がる、非浸潤癌にはデーターがよい、などなど、メリット・デメリットを並べられても、素人はどうしてよいか混乱するばかりです。私の場合、浮腫みとお薬の関係はどう考えた方がよいのでしょうか。素人考えで「お薬の為なんだわ」と放っておいて、重大な病気の兆候だったりしたらと思うと、とても心配です。
1)浮腫みと服用薬との関係 2)薬の種類を変えることのデメリット についてお教えください。

1) ノルバデックスD20mgの服用で、体重増加はありますが、浮腫がでるということは普通考えられません。
2) ご自身でもご指摘のように、薬の副作用は一筋縄ではいかないことも事実なので、疑わしいときには薬の種類を変えることは当然のことと言えます。非浸潤癌ですし、68歳という年齢から、アロマターゼ阻害剤に変えるのは、合理的と考えます。(文責 石川)

 

No.3185】 04年11月25日    K.M.
術後の胸のかたさについて

はじめまして。現在35歳未婚です。今年6月下旬に左胸の温存手術をうけました。硬癌(充実腺管癌)でリンパを17とりましたが、転移は0でした。その後23回の放射線治療を終えて現在ホルモン剤、月に一度のホルモン注射をしています。今はほてりがきつい時もありますが、体調は普通です。ただ、胸の固さがいっこうにとれず、気になっています。医師からは自然に吸収されていくからと言われたので何回も聞くのがためらわれてしまいますが、術後5ヶ月たったのにと悩んでいます。ちょうど乳房の上の方だし、胸ももともと小さいので、それも原因なのでしょうか? 放射線のあとの色素沈着もベビーオイルを使ってためしていますが、なかなか取れません。時間がかかっても乳房は柔らかくなるのでしょうか? まだ5ヶ月なので焦りすぎかなとも思うのですが、鏡をみるたびに辛くなり、質問させていただきました。

乳房が柔らかくなるには時間がかかると思います。焦らずにもう少しお待ちになってみてください。ただ、個人差がありますが、硬さがある程度残ってしまうこともあります。(文責 加藤)

 

No.3184】 04年11月25日    M.T. 
乳輪の変化について

初めまして。インターネットでリンクしている間にこのサイトを見つけました。最近とても不安なのでメールにて質問させて頂きます。
私は20歳で事務員をしております。ここ数週間の間に起こったことなのですが、2週間程前に左の乳輪の周り(乳首だったかもしれません)が、とても痛むようになりました。熱を持っていて少し腫れた感じでした。そこで知り合いのDrに一度診てもらったのですが(その方は外科です)、「自分は専門じゃないから詳しくはわからないけど、多分乳腺炎じゃないかと思う」と言われ、抗生物質と塗り薬を頂きました。数日抗生物質と塗り薬をしていたところ、痛みも収まり、腫れも徐々に消えました。そして今日お風呂上がりに鏡を見て驚いたのですが、左の乳輪がまだ少し赤いのは前からなのですが(右は赤くなっていません)、両方の乳輪が違和感を感じる程大きくなっているのです。母に見せても「大きくなっている」とのことでした。体重が減っているために胸が小さくなり(痩せるのは胸からって聞きましたし)、そのため乳輪が大きく見えるようになったのかもしれないとも思ったのですが、とても不安です。これは乳癌と関係があるのでしょうか? 大きな病院で診てもらった方が良いのでしょうか? 文章が下手で申し訳ありません。返事をよろしくお願いします。

お話の内容からは乳がんと関係のないように思います。ただ不安を解消する意味でも、一度受診されてみてはいかがでしょうか?(文責 加藤)

 

No.3183】 04年11月25日    N.M.
乳首のできものについて

こんばんは。こんな夜中に突然申し訳ありません。私はこの春から社会人になった21歳未婚女性です。実は1週間ほど前に、左乳首に突然針で刺したような小さなキズができ、それが日に日に広がり鋭い痛みを伴うようになりました。一応婦人科を受診したのですが、まだ結果が出ていません。乳首の痛みのせいか首筋から脇に掛けてリンパが腫れているといわれ、お医者様からはたぶん乾燥がひどくなっただけだろうと言われました。塗り薬をもらい毎日塗っていたのですが、いっこうに治る気配もなく、2日程前から、右の乳首にも同じようなキズができてジクジク痛み広がり始めました。ストレスのせいだとも言われ、触診していただいたところ、しこりはないのでおそらく乳癌ではないだろうといわれたのですが、毎日心配で眠ることが出来ません。乳癌やパジェット病のおそれはあるのでしょうか?他の病院も回ってみたほうがいいのでしょうか?お願いします。教えてください。

お話の内容からは、乳がんの可能性はまずないだろうと思います。ただ心配を解消するためにも、一度外科(乳腺外科)を受診されてみてはいかがでしょうか?(文責 加藤)

 

No.3182】 04年11月25日    KY
乳がんの転移について

乳がんの転移についてご質問します。妻が5年前に手術(温存)をしました。大きさは3cmほどでリンパ節に一個の転移がありましたが、ホルモン療法と放射線治療を受け、抗がん剤治療はありませんでした。先日2年ぶりに子宮体部の細胞診をしたところ、レベル?が2−から2+にあがったとかで、ホルモン剤の服用をやめるように言われたようですが、これは転移の兆候でしょうか? 子宮への転移はあまりないということですが・・・。ホルモン剤の影響で数値が上がるということはありますか? またホルモン剤の服用をやめると再発の可能性は増えますか? お手数ですが、ご回答いただければ幸いです。

転移の兆候というわけではないように思います。ホルモン剤の影響もあるのかもしれません。ホルモン剤の服用は原則5年間ですので、そろそろ終了であると思います。数ヶ月の服用期間の短縮はそれほど影響を及ぼさないと考えられます。(文責 加藤)

 

No.3181】 04年11月24日    S
術後の治療について(HPNo.2796-2)

04年09月08日 No.2796で質問させていただき、2回目です。その節はお世話になり、ありがとうございました。39歳、既婚、出産経験なし、ステージV、しこりの大きさ5センチ強、リンパ節転移1個、遠隔転移なし、骨転移なし、ホルモンレセプター陰性、HER2 +3。EC3クール、タキソテール2クール終了、タキソテール1クールを残し、1月に手術することになりました。EC3クール終了したところで検査した結果、しこりは半分ほどまで小さくなり、腋の下のしこりはなくなりました。浸潤部分は小さくなっているものの、非浸潤部分が広範囲にあるとのことで、手術は温存か全摘かまだ未定です。全摘の場合のみ放射線25回照射とのことです。それをもって一応の治療は終了とのことですが、悪性度の高い進行ガンなので、治療が終わり、何もしないで再発・転移を恐れじっと待つのがとても心配です。かと言ってホルモン療法もできません。何か軽いものでも引き続き治療を続けていくことはできないのでしょうか。例えば経口抗癌剤等はいかがなものでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。

治療が終了すると、一つの新たな不安が訪れることがあると思います。おっしゃるように経口抗がん剤等を続けることも可能です。ただ、それが再発を抑える力があるかどうかはわかっていません(不利益の方が多い可能性もあります)。ハーセプチンも現在保険の上では術後投与が認められていません(海外では現在多くの臨床試験が行われており、近い将来認められるかもしれません)。薬から離れて、生活習慣等に目を向けたりすることも一つの立派な療法かもしれません(高価な療法を行うことが必ずしもよいとは限りませんので・・・)。(文責 加藤)

 

No.3180】 04年11月24日    M.S.
ホルモン療法の薬について(HPNo.2584-6)

HPNo.2584でお世話になった者です。いつも丁寧にご回答いただき有難うございます。ホルモン療法で「ホルモン注射+ノルバデックス」と書いてある方が多いのですが、私は「ホルモン注射+フェアストン」です。42歳で閉経前です。フェアストンでも問題ないのでしょうか?よろしくお願いします。

原則としてフェアストンは閉経後が適応となっています。ただ、問題はないように思います(主治医に確認されてみて下さい)。(文責 加藤)

 

No.3179】 04年11月24日    M.Y.
エコーで腫瘍あり

はじめまして。40歳の主婦です。先日の健康診断で乳腺のエコーを受けました。結果は「左脇乳腺領域外に6ミリの腫瘍、要精密検査」とのことでした。以前から(一年前)脇の下6センチ程の所に米粒大の「つるり」とした感触のしこりを自分で見つけ、昨年の健康診断や婦人科、整形外科で触診して貰った所、口を揃えて「乳腺の範囲ではない場所であり、皮下に出来た物で脂肪腫でしょう。心配いりません。」とのことでした。マンモグラフィでは映る場所ではありません。今現在は昨年より大きくなった感じです(今年は触診はしていません)。精密検査を受けたいのですが、乳腺外科のあるS医科大学まで検査を受けに行こうと思っています。私の考えは大げさでしようか? 先生のアドバイスお願い致します。(2年前からピルを服用、4年に渡り抗不安剤、抗鬱剤、睡眠薬、胃薬を服用しています。)

お話を伺う限りでは乳がんの可能性は低いように思います。ただ、おっしゃるように一度乳腺外科を受診の上、ご安心されるのが宜しいかと存じます。(文責 加藤)

 

No.3178-1】 04年11月24日    Y.Y
術後補助療法について

今後のホルモン補助療法の薬について悩んでいます。
乳癌の病理検査の結果は硬癌で、しこり1センチ強(非浸潤性と聞いていますが、あまりそれに安心していません)、悪性度1、ホルモンレセプターERマイナス、PRプラス(高濃度)、リンパ節転移なし(センチネルリンパ生検)、年齢39歳。温存療法の後、放射線治療、現在タモキシフェンを服用6ヶ月目です。生理の様子が以前と違ってきており(さらさら、および後半褐色になる)、また生理日以外の腹痛がきついため婦人科で検診を受けた結果、子宮内膜が厚くなっているとのこと。「タモキシフェンのせいだろうが、特に薬はやめなくていい。定期的に検査していこう。」と婦人科の先生はいいます。しかし当初からこのタモキシフェンには抵抗があり、すでに症状が出ているのもあって、5年も飲み続けるのに自信がありません。また、もともと子宮体ポリープができやすく一度切除しているのもあって、子宮体癌がとても心配です。乳癌の主治医からは代わりの薬としてはゾラデックス3年を言われています。ただ、この薬は体癌の心配はないものの、強い副作用等があると聞いています。
そこで、先生に教えていただきたく思います。まず、ゾラデックスですが、私の乳癌の場合、そこまでしないといけないのでしょうか、何もしないというオプションもあると本で読みましたが、それはリスクが高いのでしょうか? 3年と言われているのですが、2年だと効果がみられないのでしょうか? また、ゾラデックスをやめた後、生理が戻らないこともあると聞きました。どれぐらいの確率でそれは起こるのでしょうか? それと副作用が出た場合、それは最初だけで、体が薬に慣れれば症状は軽くなるのでしょうか。それとも、ずっと続くのでしょうか? また反対に、もしタモキシフェンを引き続き飲むことにした場合、子宮内膜はどんどん厚くなり続けるのでしょうか? それとも、こういった症状にはピークがあって、ある程度でおさまるのでしょうか? 唐突ですが、今から抗がん剤というのも選択の一つに入るのでしょうか(これは主治医はおっしゃっていません)。再来週に診察で、そのときに決めると思います。診察時間が限られていてゆっくり話せないのが実情で、こちらにたくさん伺わせていただいて申し訳ありません。でも迷っています。治療効果とリスクのバランスを理解して、今できるベストな治療をと思っています。何卒よろしくおねがいします。

術後療法はおっしゃるように利益、不利益を考慮した上で決定されるのがよいと思います。ただ、不利益は治療を開始してみないと明確にならないこともあり、決定が難しいことが多々あります。Y.Yさんの病理結果からは(硬癌は浸潤がんですので、そう仮定します)、再発率は大変低いと思われます。例えば100人中補助療法を何も行わなかった人が8人再発し、補助療法を行った人が6人再発するとします。そうすると100人中補助療法によって恩恵を被れる人は2人ということになります。再発のリスクが高い人ほど恩恵を被れる率が高くなり、リスクの低い人は率が低くなります。このことを踏まえた上で治療を続けるかどうか考慮する必要があると思います。以降順に返答させていただきます。ゾラデックスは2年だと効果がないということはないと思います。生理の戻らない率は年齢にもよりますが、1-2割程度でしょう。副作用は投与初期だけに見られる場合と、しばらく続く場合があります。閉経による症状ですと、しばらく続く可能性があります。内膜の肥厚はある程度のところで落ち着くと思います。抗がん剤も選択肢の一つに入らないわけではありませんが(悪性度が高い場合や、もっとしこりの大きさが大きい場合に考慮されることが多いと思います)、前述したバランスをご理解の上でということになります。概してホルモン療法よりも抗がん剤の方が副作用等の不利益が大きくなります。薬による早期閉経の可能性もあります(以上は浸潤がんの場合での話で、非浸潤がんであればまた別の話となります)。(文責 加藤)

 

No.3178-2】 04年11月27日    Y.Y
術後補助療法について(2)

HPNo.3178でお返事いただきました。大変ありがとうございます。硬癌か、非浸潤か、肝心なことをはっきり書いていなくて申し訳ありません。もらっていた病理検査の結果を追記させてください。(英語なのではっきわかりません、私が硬癌とかいたのは、solid typeを硬癌と解釈したからです)。もしこの結果が非浸潤であれば、お手数ですが、非浸潤の場合のご回答もいただけないでしょうか? 2度手間になって申し訳ありません。よろしくお願いします。

adenocarcinoma of the breast ER(-), PgR(+), Her2 score 0
-macro; rt D., 15x13mm
-micro; duct carcinoma in situ (DCIS),
grade 1 (low grade, solid type) necrosis(-) ly(-) v(-) surgical margin (-)
-nodes; level I 0/5 (sentinel 0/3, non-sentinel 0/2)
pTis, n0, stage0
術中病理;sentinel node:negative, surgical margin; negative

検査結果は硬がんではなく非浸潤がんです(よい結果です)。duct carcinoma in situ(DCIS)は乳管内がんで、非浸潤がんを表します。ちなみにsolid typeは硬がんではなくて、非浸潤がんの中でも充実性のタイプという意味です。grade1はおとなしいタイプのものを表します。非浸潤がんであれば遠隔転移を起こすことも無く、命に関わってくることはまずありません(前がん病変ともいわれています)。全摘をした場合は補助療法は一般的に必要なく、温存の場合は放射線、タモキシフェンをどうするかといった問題がでてきます。Y.Yさんの場合は放射線はすでに終了されていますので、タモキシフェンをどうするかといった問題が残ります(もちろん抗がん剤は必要ありません)。タモキシフェンは温存療法後、乳房内に再びがんができるのを予防する効果があります。臨床試験では、温存療法後2群に分け片方はタモキシフェン5年間内服、もう片方は偽薬を内服し、5年後の乳房の再発率(対側の発症を含めて)を調査しました。タモキシフェン服用群では8%、非内服群では13%の発症率でした。100人のうち5人が発症を抑制できたことになります。ただ、タモキシフェン服用は副作用(子宮体がん、血栓症など)もあり、生存率へも恐らく影響しないため、難しい選択かもしれません。実際米国では約半数の人しか服用を選択していないというデータもあります。私の意見では、あまり副作用が強ければ内服は無理されなくてもよいような気が致します(その場合もゾラデックスは特に必要ないように思います)。(文責 加藤)

 

No.3177】 04年11月24日    K.I. 
不正出血について

タキソテール1回目が終わり、前回の生理から2週間でまた出血があります。今までは生理と生理の間に排卵出血が3日ほどはあったのですが、始まりは同じ時期だったので心配していなかったのですが、今日現在2週間止まらず量も少なくはありません。これは抗癌剤の副作用ですか? また子宮ガン系を疑った方が良いのでしょうか?

タキソテールなどの抗がん剤は卵巣機能を抑制する作用があります。このため月経周期に乱れがでて不正出血が出ている可能性はあります。ただ婦人科の疾患を除外した方がよいので、一度婦人科の診察を受けることをお勧めします。(文責 稲葉)

 

No.3176】 04年11月24日    H  
乳輪付近のしこりについて

はじめまして。私はもうすぐ28歳になります。3日ほど前に、朝起きて、右胸上部内側の乳輪部分とその外側の境界付近に、触ると痛む「しこり」を見つけました。目で見て、少し赤く湿疹のように見え、少し盛り上がっています。その湿疹の中心を上から触ると約1センチ弱の丸っこい「しこり」が、かなりしっかりとした硬さで確認できます。押さえると痛みます。インターネットで色々調べ、乳がんやその他の病気ではないかと心配しています。鏡の前で、両方の乳房を確認したところ、「しこり」のある右乳房の方がやや下(1〜1.5センチ)にあるように見えます。分泌物はありません。治る傾向がなければ、いずれは病院へ行こうと思っています。今この時点で、早急に病院で診察を受けるべきでしょうか? ご回答の程、宜しくお願い致します。

お話しからすると癌の可能性は少ないように思えますが、なるべく早く専門医の診察を受けて下さい。(文責 稲葉)

 

No.3175】 04年11月24日    A.Y.
傷の治りについて(HPNo.2432-4)

以前HPNo.2432で相談させていただいた者ですが、今回、傷の治りについて気になることがあり、またメールさせていただきます。
今年1月に行った温存手術(腫瘍部分のみを広範囲で切り取った)の傷跡ですが、手術後すでに10ヶ月も経っているのに未だに瘡蓋ができています。外科と放射線科でのチェックアップの時にそれぞれ尋ねてみましたが、何度も瘡蓋ができて自然に治るとの説明でした。上の皮膚を縫合していないようなので(テープで留めてありました)、傷口が少し開いたような形になっていて、そのところどこに瘡蓋ができているのです。傷口そのものは5cmほどですが、私の場合、痩せている上に腫瘍がお乳の膨らみの部分ではなくかなり上のほうでしたので(筋肉に近い部分)、それも影響しているのでしょうか? また放射線治療の影響で傷が治りにくいということもありますか? あまりにも治りが遅い気がして心配になっています。夏に日本でたまたま見ていただいた医師からも、やはり傷の治りがかなり遅いことを指摘されました。日本では小さな傷口でもきれいに縫合されている場合が多いように思うのですが・・・。傷口をご覧になっているわけではないので難しいとは思いますが、何か問題があるということはないでしょうか? 傷の治りが遅いことの原因に何か考えられますでしょうか? お忙しいところ恐れ入りますがよろしくお願いいたします。

放射線照射後は傷の治りは多少遅くなります。かさぶたができたりするのは自然な経過と思われます。傷口そのものが少し開き気味になっていることが治りが少し遅くなっていることに影響しているかも知れません。また糖尿病などがあると傷の治りは悪くなります。(文責 稲葉)

 

No.3174】 04年11月24日   N 
乳腺腫瘤について

乳腺腫瘤について教えてください。42才、3児の母です。健康診断で触診では異常なしでしたが、超音波検査を行ったところ、乳腺腫瘤の疑い、乳腺のう胞と診断されました。3ヵ月後に再検査を受けてくださいとのことです。なぜ再検査が3ヵ月後なのですか? すぐに再検査をしてはいけないのですか? また健診は生理になってすぐだったのですが、生理と関係あるのですか? 腫瘤と癌は違うのですか? よろしくお願いします。

腫瘤とはしこりを指しています。しこりには腫瘍(何らかの細胞が増殖したもの)と腫瘍以外(炎症などの反応で硬くなることもあります)でできることがあります。腫瘍の中には良性(放っておいても問題ないもの)と悪性(放っておくと転移などして命にかかわるもの)があり、悪性の腫瘍が癌というわけです。ですから腫瘤イコール癌ではありません。嚢胞とは水などが溜まった袋状のものですが、生理後など一時的に数が増えることもあります。変化をみるために3ヶ月後といわれたのだと思います。(文責 稲葉)

 

No.3173】 04年11月23日    M.S.
腫瘍マ−カ−とアルミデックスについて

私のお友達の件ですが、その方がコンピュ−タお持ちでないため、私よりご質問させていただきます。その方は60代の方で去年5月15日に全摘出されていますが、その後抗がん剤はされず、アルミデックスをされています。今月腫瘍マ−カ−が上がり、大変ご心配され来月PET検査が予定されています。アルミデックスは骨が弱くなると読んだ記憶がありますが、特に今の主治医からは骨粗鬆症予防のための薬等処方なく、全摘した方と反対側の腕がとても痛むそうです。そこでお伺いしたいのですが、
1)腫瘍マ−カ−が上がる=再発なのでしょうか。もちろんPETで再発が見つからない事もあると思いますが。
2)腕の痛みはアルミデックス服用によるものなのでしょうか?
3)骨粗鬆症の予防のお話がないとき、患者から主治医に依頼すべきなのでしょうか?

どうか宜しくお願いいたします。

1)腫瘍マーカーは再発で上昇することが多いです。ただ再発がなくても軽度上昇(喫煙などでCEAが高くなるなど)する事もあるので、腫瘍マーカーが上昇して再発が疑われる場合は他の検査で確認することが必要です。PETも100%わかるわけではありません。病変が5mm以下の場合はまだまだ検出できないことが多いようです。
2)腕の痛みがアリミデックスによるものか、他の原因によるものかはわかりません。アリミデックスは関節痛とか筋肉痛のことが多いようです。
3)確かにアリミデックスは長期に服用した場合、骨に対する影響があると言われています。ただアリミデックスと一緒に骨粗鬆症の薬を投与すれば予防できるのかどうかはまだわかっていません。この点に関しては今後検討すべき問題と思われます。(文責 稲葉)

 

No.3172-1】 04年11月23日    IY
再発防止目的の卵巣機能抑制について

2年前(35歳)乳房切除術。しこりの大きさ3cm弱、腋下リンパ節転移1個、ホルモンレセプター(+)でした。補助療法はEC4クール、続いてリュープリン(24回)、4ヶ月前よりノルバディックス追加(エビデンスが得られたためとのこと) です。リュープリン投与はあと1回で終わります。今後出産予定はないので再発リスクを下げることを最優先にしたいと思っていますが、今後も卵巣機能を抑制したほうがリスクは下がりますか? 放射線照射などで永久に卵巣機能を抑制した場合のデメリットは出産出来ない、骨粗しょう症のリスクの他に何がありますか? 再発防止目的での卵巣摘出あるいは照射は、現在日本で行われていますか?

年齢35歳で3cm弱のしこり、リンパ節転移1個の状況なら、術後の補助療法は化学療法後タモキシフェン(これにリュープリンやゾラデックスなどのLH-RHアゴニストを追加してもいいし、追加しなくてもいい)が推奨されています。ですから現在おこなっている治療は問題ないと思います。今後も仰るとおり卵巣機能を抑制した方が再発を抑える点で望ましいのですが、その場合放射線照射や手術を行うということは現在はあまり行われていません。放射線の場合卵巣に照射すると腸へも照射されますから放射性腸炎や穿孔といった合併症の危険性があります。補助療法の目的で卵巣機能の抑制を考える場合、現に再発しているわけではない、化学療法や内分泌療法で十分卵巣機能が抑制されている可能性がある、今後手術や放射線照射などの完全な卵巣機能の廃絶をしなくても再発するとは限らないなどの理由から手術は過剰治療であると思われます。リュープリン終了後はタモキシフェン5年間継続するのがいいと思われます。(文責 稲葉)

 

No.3172-2】 04年12月5日    IY
再発防止目的の卵巣機能抑制について(2)

HPNo.3172で回答いただいたIYです。術後のホルモン療法の歴史は卵巣摘除術からはじまり、その後若年者が妊娠を希望した場合に配慮し、薬剤によるホルモン療法が主流になってきていると理解しています。卵巣機能を抑制したほうが再発を抑える点で望ましいのが分かっているなら、出産を終えている者には永久に卵巣機能を抑制したほうがよいように思えます。生涯LH−RHアナログ製剤を投与し続けるわけにもいきませんので、切除か照射を考えたいのです。現在のホルモン療法は、閉経後のかたはタモキシフェン、閉経前の者は薬剤で閉経状態にしてタモキシフェン投与と理解しています。月経が再開してしまっては、ホルモン療法としては不十分ではないですか? なぜ現在卵巣摘除術はあまり行われていないのですか? 私はもともと月経周期は規則正しく、EC4クールしている間も月経は止まりませんでした。リューブリン終了後閉経するとは思えません。

出産後の永久的卵巣機能抑制ですが、Addison Wesley社発行のDr Susan Love's Breast BookでDr Loveが乳癌発症ハイリスクな方に対して同じような考えを述べています。現在のホルモン療法ですが、最近の考え方としてホルモンレセプタ陽性の閉経後の方に対してはアロマターゼ阻害剤を使用する傾向にあります。現在タモキシフェンを内服されている閉経後の方でも、途中でアロマターゼ阻害剤に変更された方が良いというデータもでてきています。閉経前の方の月経再開ですが、基本的に月経再開された方と化学療法後閉経状態になられた方を比較すると、ホルモンレセプタ陽性の場合、閉経された方のほうが再発率が低いことが分かっています。また月経再開された場合のホルモン療法ですが、リンパ節転移陽性で化学療法後月経再開された方で比較すると、化学療法後にLH−RH投与を追加するとホルモン療法を施行しなかった場合より再発率が低く、さらにLH−RHとタモキシフェンを併用した場合はさらに再発率が低下するというデータが欧米ででています(このレポートではタモキシフェン、LH−RHアナログともに5年間の投与となっています)。基本的には上述のホルモン療法で以前行われていた卵巣摘除術と同等の効果が得られるのですが、仮にこのような長期のホルモン療法を行った後も閉経せず、かつ再発のリスクの高い方に対しては外科的切除も一つの選択肢かもしれません。(文責 首藤)

 

No.3172-3】 04年12月27日    IY
再発防止目的の卵巣機能抑制について(3)

HPNo.3172で回答いただいたIYです。卵巣摘出を希望しようと思っていましたが、また検討しなければならないことが出てきました。私の父方が大腸がんで亡くなっている者が多く(祖母、父2回、叔父4人中2人)、私自身大腸がんのリスクが高いかと思います。女性ホルモンは明らかに大腸がんを抑制すると聞き、乳癌再発リスクを少しでも減らす(卵巣摘出)か、大腸がんの発症抑制を選ぶ(卵巣を残す)か決めかねています。近く主治医に相談しますが、もし先生のご家族でしたらどちらを薦めますか?

女性ホルモンが大腸がんの発症を抑制する事は、閉経後ホルモン補充療法の場合で報告されていますが、そのメカニズムはよく分かっていません。現時点では、LH-RHアナログ製剤を使用し、卵巣を残す方針としたほうがよいと思います。(文責 須田)

 

No.3172-4】 05年02月12日    IY
骨転移について

HPNo.3172で回答いただいたIYです。いつもありがとうございます。結局、LH-RHアナログ製剤を継続することになりました。先日1年に1回行っているCTと骨シンチの結果がでました。肺、肝臓は問題ありませんでしたが、骨シンチで頭頂、頚椎、恥骨に集積がみられました。今後は腫瘍マーカーと半年に一度、骨シンチで経過をみようと言われました。骨転移か、との問いには、「生理的な集積かもしれないから骨転移だとは言い切れない」と言われました。骨転移の診断のためには、「マーカーがあがる、痛みがでる、集積がふえる、他臓器に転移がみられる」等を総合的に判断するとのことでした。
質問です
1)骨シンチで集積がみられただけでは骨転移の診断はできないのですか。
2)骨転移しているなら、LH-RHアナログ製剤を継続しても意味が無いと思うのですが、いかがですか。
3)骨転移には放射線、ビスホスホネートなどの治療をし、QOLを維持すると理解していますが、どの時点で行うのですか。

動揺して主治医に聞けませんでしたので、参考にさせてください。来月の受診の際に主治医とは話します。

以前のご質問も拝見しました。たしかに骨シンチ単独では骨転移の有無は正確には診断できません。骨転移以外にたとえば打撲や外傷による骨折、炎症などで集積がでます。しかしシンチで集積のある部位、あるいはその数分布でおおよそ転移かどうか推定します。また継続して検査をして集積する部位が増加するかどうかは、骨転移があるかどうかの診断の助けになります。頭頂、頚椎、恥骨の集積の場合は、転移なのかその他の原因なのかわかりません。積極的に検査をするのであれば、たとえば頸椎のMRIの検査などをすると診断できる可能性が高いかと思います。もし転移であれば、IYさんのいわれるようにLH―RHは無効ですので、薬剤の変更の必要がでてきます。(文責 福間)

 

No.3171】 04年11月21日    S.M. 
病院による治療方法の違い

はじめまして。今日 母が乳癌という診断を受けてきまして、ショックと、これから完治するためにと思い、いろいろ検索していたところ当サイトを見つけメールさせていただきました。S病院で9月の健康診断の結果が11月になって分かり、陽性再検査は12月といわれました。結果と同時に乳首から膿のようなものが出てきて検査をしましたが、S病院ではバジェット病かも? 不安でしたので、先週K病院に行ったところ今日検査結果が出て乳癌と診断されました。触っただけでは分からない血管のところにあるそうです。知り合いにY病院がいいと聞き、週明けに行ってみようかと思っていますが、いくつもの病院にかかることはどうなのでしょうか? やはり病院によって治療方法、再発防止確率とか違いますか? 教えていただきたいと思います。

複数の病院にかかり診断してもらうというのは問題はありません。但し乳癌を専門に診療している医師が常勤でいる病院が望ましいと思います。病院によってはホームページなどをみると治療方法や成績などが公表されているところもあるようです。乳癌を専門に診療している医師がいる病院であれば治療方法や成績は特別な治療(マンモトーム生検やセンチネルリンパ節生検など)などを除けば特に差はないと思われます。(文責 稲葉)

 

No.3170】 04年11月21日    M
主婦検診の結果について

はじめまして。37歳で、11歳と8歳の子供がいる主婦です。昨日主婦検診を受け、とても気になる事があるので質問させてください。昨年の11月に超音波検診で初めて再受診になり、大学病院で触診・超音波・マンモの検査を受けました。主婦検診では、丸い画像が(大きさは忘れました・・)写っているのに、大学病院では気になる画像はないようで、でも、主婦検診に送り返す用紙には乳腺腫瘍と書いてあったと思います。今年も又、同じ場所に大福の断面図のような形で写っていました。検診結果が送られて来たら大学病院に行くつもりでいますが、去年病院では気になる画像がないと言っていたのにやはりあるとなると、見落とされていたのか?と不安です。もし悪いものだったら1年間ほっといたらかなり進行してしまっているのでしょうか・・。場所は左胸上外側です。自分で触ってみてもしこりのようなものは感じないのですが。まとまりのない文ですみません。

恐らく大学病院の先生は、しこりは写っているが癌を疑わせるようなしこりは認められないという意味で、気になる画像無しといわれたのだと思います。メールの内容からすると去年のしこりは嚢胞などで経過観察とし、今年認められたしこりの影は去年と同じで変化が無いのではないかと予想されます。検診結果が出たら大学病院へ行って検査をしてもらい、先生からきちんと結果を説明してもらうのがいいと思います。(文責 稲葉)

 

No.3169】 04年11月21日    T.D.
術後治療について

初めまして、もうすぐ65歳になります。9月初めに右乳癌の手術をしました。悩んだ末に胸筋温存乳房切除と腋窩郭清を選択しました。腫瘍は、1.6センチ、1.3ミリ×2ミリの浸潤あり、リンパ節転移なしで早期のようです。執刀医は私の不整脈{発作性頻脈症から時に心房細動へ移行}を心配して下さって、2,3%の成績アップなら抗がん剤の心臓への影響を考えて、術後何もしなくて良いのではとの見解です。主治医からは、少しでも再発予防の為にCMFをすすめられています。ホルモンレセプターはマイナスです。10% negativeとカルテにありました。循環器の専門医に相談しましたら、私と一緒に抗癌剤を検索して下さって、心臓の機能障害なのでまあ大丈夫かなと言われましたが・・・。私は体力がありません。とにかく神経質でとても恐がりです。すぐ動悸がして、このところストレスで期外収縮が頻発しているので、化学療法に心臓が耐えられるかと心配です。又、再発予防の為に何もしないのも心配で、少々悩みすぎてまいっております。術後治療をどうすればいいのか、どうぞご意見をお聞かせ下さい。よろしくお願いいたします。

リンパ節転移が陰性でもホルモンレセプターが陰性であれば、補助療法、この場合は抗癌剤による化学療法を行うべきとされています。通常抗癌剤はアンスラサイクリン系薬剤を含んだ組み合わせで行うことが多いのですが、アンスラサイクリン系はある一定量がいくと心毒性の発生率が上がるといわれ、心臓の合併症がある方には避けた方がいいと思われます。そうなるとCMF療法ということになります。しかし、閉経後でしこりの大きさが1.6cmで浸潤部が1.3×2mmということ、不整脈が頻発していることを考えると無治療という選択肢もあると思われます。(文責 稲葉)

 

No.3168-1】 04年11月21日    S 
検査結果について

お忙しいところ申し訳ありません。現在32歳、出産経験なしの女性です。3月にたまたま受けた婦人科検診で左側乳房にしこりがあると指摘されましたが、「年齢的にも触れた感じとしても恐らく心配はないでしょう」ということで再検査にはならず、念のため来年の検診でエコー等の検査を受けておいた方が良いとアドバイスされました。その後も、自分ではしこりを触れることは出来なかったのですが、不安だったので乳腺外来のある病院で触診、マンモ、エコーを行いました。触診の結果はしこりは触れず、マンモも乳腺が発達しているため、殆ど何も映らない状態でしたが、検査結果には、右側(当初しこりがあると言われていたのと反対側)の乳房に腫瘤が認められる、という技師さんの意見が添えられていました。エコーでは、やはり右側の乳房に2つの腫瘤が認められ(乳頭のすぐ下と内側の2箇所)、それぞれ7mm・5mmほどのものでした。そのうちの5mmの方は扁平の腫瘤で、良性と思われるという診断でしたが、7mmの方はエコーで見ると縦長で、周囲が少しぼやけたような感じのものでした。形(縦長)としては悪性の可能性が高いとのことで、その後エコー下での細胞診を行いましたが、結果は脂肪の組織しか出てこなかった、とのことでした。ドクターは、「細胞診ではしこりの一部の細胞しかとれないため、とった細胞とは別の細胞が悪性である可能性も捨てきれない。しこり全てを生検でとってしまえば不安は減るが、身体に傷が残るので、自分としてはそれはしたくない」とおっしゃっていました。
結局3ヵ月後に再度エコー検査を行うことになりましたが、良性とも悪性とも判らない今の状態は正直なところ不安です。ドクターの判断をそのまま受け容れて良かったのか(信用していない、ということではなく)、3ヶ月ほおっておいて良いものか・・・。縦長の腫瘤を見たときに、とても怖くなりました。以前見たサイトで「典型的な悪性の・・」という縦長のエコー写真の記憶があるからです。こちらで相談すべきでない事柄かもしれませんが、やはりこういった形状の腫瘤は悪性の可能性が高いのでしょうか。何かお話いただけることがありましたらお聞かせください。

エコーで縦長のしこりという所見は癌のときに認められる所見の一つです。ただ必ずしも認められるというものではありません。癌の診断には細胞診か組織診で癌細胞が証明されなければ診断がつきません。もし今回のしこりに関して癌かどうか心配であるなら、しこりを取って組織診断を付ける以外確実な方法はないと思われます。(文責 稲葉)

 

No.3168-2】 04年11月24日    S 
検査結果について(2)

No.3168で御相談させて頂きました者です。御回答ありがとうございました。前回の質問と重なってしまいますが、再度御質問させていただければ幸いです。ちなみに乳腺外科の初診は9月初め、細胞診は11月初めに行いました。
1) エコー下で行った細胞診の結果
脂肪しか出てこなかったということなのですが、こういった結果は良く見られるものなのでしょうか。(しこりに当たらなかったということなのか心配です)
2) 再検査の時期について
主治医には悪性の可能性はどれくらいあるのかということを聞けなかったのですが、3ヶ月後の再検査と考えると随分先だなあ・・という感じがします。一度の細胞診しかしておりませんが、3ヵ月後に再検査をした後に診断がつかなければ組織診の相談をしても良いと思われますか? 3ヵ月後というのは遅いと思われますか? 次回の再検査はエコーのみの予定です。もしここで再び細胞診ということになれば、その1〜2週間後に行われることになると思います。
3) 診断名について
主治医は「恐らく○○だと思うが、悪性の所見もあるし、念のため再検査」などということはおっしゃいません。「悪性でないのなら何だろう?何もおっしゃらないのは悪性の可能性が高いから?」と悪い方に考えてしまいます。色々な御相談を拝見すると、「恐らく○○」の部分を伝えられている方が多いような気がして、この状況が余計に不安です。主治医に聞いていいものか悩んでいます。通常は細胞診などすれば、「恐らく」の部分はDrとして推測できるものなのでしょうか。うまくまとめられず申し訳ありません。

1) 良く見られます。
2) 3ヵ月後は適切な時期のように思います。
3) 実際に画像を拝見していないのでなんとも申し上げられませんが、エコー像でがんと紛らわしいものは時々見受けられます。小さいものの質的診断は画像上難しいことはよくありますが、「恐らく」の部分をそれとなくお聞きになってみてはいかがでしょうか?「恐らく」の部分がないから悪性の可能性が高いということはないように思います(明言されなかったのは御不安のないようにとの配慮からのような気もします)。(文責 加藤)

 

No.3167-1】 04年11月21日    C.M.
リンパ節について

初めまして。長野県在住の49歳、未婚です。9月中ばに右乳頭付近にしこりをみつけ、住まいの近くの病院で細胞診など行ないましたが、グレーということで東京でしこりを全摘してみたところ、癌細胞が見つかりました。浸潤性乳がん、大きさ3.5×2.5cm、グレード2、ER(3+)、PgR(3+)、HER2無し、スコア0でしたが、幸いなことにcarcinomaがいずれも剥離面から1ミリ以上離れており、完全に取り切れているということです。ただ、しこりの摘出だったため、リンパ節の検査をしておらず、手術から43日めにセンチネル生検をいたしました。今はその結果待ちの状態なのですが、医師から、「リンパ節陽性の場合、結果的に温存手術を行った訳だから放射線をかけるときリンパ節にも照射すれば良い、リンパの廓清はしない方が良い。」と言われました。本などを読むと、再発の場合リンパへの照射がのっていますが、初回からというのはあまり無いように思えます。どちらが良いのでしょうか? またリンパへ照射する場合、広範囲になるため心配です。放射線医が常勤している地方の病院でも大丈夫でしょうか? 又癌が大きかったため、高リスクということで補助療法も勧められています。私は13歳に急性腎炎をしておりますので、普段でも疲れやすかったり、塩分をとりすぎると顔がむくんだりします。抗癌剤によって腎臓がダメージを受けることがとても恐いです。アドバイスをお願い致します。

大きさが3.5cmの浸潤癌、グレード2であれば、この場合の標準治療は乳房温存手術+乳房への放射線照射又は乳房切除であろうと思います。センチネル生検に関しては標準的な治療ではありません。現時点では長期的な成績は出ておりません。しかし実際は専門施設で行われているのが現状です。私のいる病院でもセンチネルリンパ節生検は行っていますが、適応がしこりの大きさが3cm程度までとしています。センチネルリンパ節生検はセンチネルリンパ節陽性の場合は残りの脇の下のリンパ節を郭清するのが原則で、放射線照射で大丈夫という根拠は全くありません。センチネルリンパ節陽性の場合、リンパ節を郭清するか、あるいは放射線照射で大丈夫なのかは米国で臨床試験が現在進行中で結果はまだ出ておりません。ですから現時点でセンチネル陽性の場合、放射線照射で良いといえる科学的データは出ていないのです。従いましてセンチネル陽性ならば郭清をお薦めします。センチネル陰性なら、脇の下のリンパ節に関しては無治療のまま経過観察でいいと思いますが、大きさが3.5cmという点が少し気になります。乳房のしこりについてですが、断端から1mm以上離れているとのことですが、断端の判定はまちまちで、欧米などでは剥離面に癌が出ていなければ陰性とすることもあります。日本では1mm以上とか、もっときつく5mm以上無いと断端陰性と判定しないという考えもあります。個人的にはもう少し断端に関して周囲を追加切除してもいいかも知れないと考えますが、放射線照射を行うことで追加切除はしないという考えもあります。補助療法は原則的にはやるべきであろうと思われます。リンパ節転移がある場合はもちろん、リンパ節転移がなくてもしこりの大きさやグレードから補助療法を行った方がいいと思います。腎機能がどの程度か血液検査などで調べて、問題なければ補助療法はやるべきと考えます。(文責 稲葉)

 

No.3167-2】 05年01月03日    C.M.
放射線照射の時、金属版を忘れられてしまいました

こんにちは。又お世話になります。11月にリンパ節のことで相談をお願い致しましたC.M.と申します。その際はありがとうございました。今は乳房に放射線治療を12回受けたところなのですが(私はリニアック、外照射です)、28日の照射の時、金属板を忘れられ照射されてしまいました。技師さんが慌ててバタバタと部屋に飛び込んできて、私もいつもの照射中の音がしないことで初めて気づきました。27日にはスイッチを入れても作動せず、3回もやり直しされて不安な気持ちを持ちました。これって、体に大丈夫なのでしょうか? 恐て呆然としてしまい技師さんには聞けませんでした。放射線医師の診察は新年の5日なので、とても不安です。通院に片道1時間運転していますので、疲れてしまっていて体調はどんどんダウンしているのですが、特に28日、29日はだるく、息切れもして、横になってテレビをみるのもしんどい状態でした。金属板なしで照射されたことが原因でしょうか? 教えてください。よろしくお願い致します。

温存療法後の放射線治療中とのこと、しかも通院に片道一時間もかかるとのこと、さぞかし大変なことであろうとお察し申し上げます。さて照射中金属板を忘れられたとのことですが、技師さんもその後それに気づいておられるわけですからまず問題ないはずですが、心配であれば直接電話ででも技師さんにお聞きになるのは如何でしょうか?そのときの詳しい状況とそれにより何か不都合が生じる可能性があるかなどをお聞きになれば、必ず丁寧に説明してくださるはずです。今のように不安な状態のままでは今後の治療にも影響がでるかもしれませんし、何より貴女自身余計お疲れになってしまいますから。今後の治療もがんばってください。(文責 谷)

 

No.3166】 04年11月21日    E.T
陥没乳頭について

先生方はじめまして、こんばんは。22歳の女子です。ちょっと不安な事があってインターネット検索していたところ、こちらのホームページに出会いました。いきなりで申し訳ないのですが、相談させてください。数ヶ月前から左の乳頭だけ陥没してきました。日によってはそんなに陥没していない時もありますが、やはり左だけ陥没している事が多いです。以前は両方とも普通でした。今現在、右の乳頭は普通です。刺激を与えると突起してくるので仮性だと思います。インターネットをしていた所、「以前は普通だったのに途中から陥没した場合乳がんの可能性がある」という情報を目にして、とても不安になりました。胸が時々痛い時があって、春先に病院で触診してもらったときはまだ陥没もしていなく、様子を見てもいいのではないかと言われ、安心していたのですが、今とても不安です(今も胸が時々痛い時はあります)。乳房の大きさなのですが、左の方が少し大きいです。下着に圧迫されてかなぁと最初は思っていたのですが、癌の可能性はあるのでしょうか。はっきりとしたしこりはないと思います。失礼な文章があったら申し訳ありません。どうか宜しくお願いします。

乳頭の陥凹は乳癌の症状として挙げられますが、他にしこりといった症状を伴うことが多いです。年齢が22歳と若いということなどから考えても、乳癌の可能性は少ないと思われますが、念のため乳癌専門医の診察を受けて下さい(文責 稲葉)

 

No.3165】 04年11月21日    AK 
乳がんの手術について

27歳の女性です。私は先日右胸にしこりがあるのを確認し、昨日病院でマンモグラフィとエコーでしこりを確認してもらい、細胞をとって、今良性か悪性かの返事をまっているところです。しこりの大きさが2.6cmあり、「良くても悪くてもしこりを取る手術をしましょう」と先生に言われました。良性だった場合も、やはりしこりは取り除かなければいけないのでしょうか?

検査には偽陰性といって、癌であるけれでも必ずしも癌という所見が出てこないことがあります。触診、マンモグラフィー、エコーとも癌を検出する率は85〜90%ぐらいです。もちろんいくつもの検査をやることによって、見落としを減らしているわけです。細胞診も癌であっても癌という結果が出てこないことが10%程度でしょうか、あります。ですから他の検査で癌が疑われるような場合は細胞診で陰性であっても、組織検査がすすめられ確定診断をつけた方がいいのです。お話しからすると良性であれば恐らく線維腺腫だろうと思いますが、線維線腫と区別が難しい腫瘍に葉状腫瘍があり、これは良性が殆どですが、中には境界型や悪性があり、とってみないと診断がつきません。一般的に線維線腫が疑われれば摘出しないことが多いのですが、3cmを越えるものなどは葉状腫瘍やまた急に増大するタイプの線維線腫なども考えられますので、摘出の適応になると思います。但し、絶対的な適応ではありませんので、患者様の希望で経過をみたいということになることもあります。(文責 稲葉)

 

No.3164】 04年11月20日    P 
反対側の乳房に癌

こんにちは 48歳の主婦です。8年6ヶ月前に右乳房の癌が見つかり手術いたしました。その時は、「良く見つけたね。」と言われるくらい小さくて、手術の結果も1期だということでした。リンパにもいっておりませんでした。が、先日左乳房に主治医の触診でしこりが見つかり、細い針を刺して細胞を吸引して調べた結果、Vと言われました。先生が、脂肪しか取れなかったようなのでもう一度検査と言うことで、その結果はWと言われました。癌に違いないと言うことで年内に手術をしていただこうと思っておりますが、10年過ぎれば安心だからと定期健診を受けてきて、9年目で・・・、とても不安です。再発か転移で状況が変わってくると聞いておりますが、現時点では先生もわからないと言われました。小さいとは聞いておりますが、明日手術入院の手続きと、再度お話を聞きにいく事に致しております。少しでも速い方がいいんでしょうね?

右乳癌の手術を受けて8年6ヶ月後に左乳癌が見つかったというわけですが、恐らく左側は右とは別の新たに発生した乳癌と思います。他に内臓転移やリンパ節再発がなく、いきなり初再発として反対側の乳房に転移が出現するというのはかなり珍しいと思います。癌であればきちんと手術をされるのがよろしいと思います。今すぐというわけではありませんが、年内には手術をされるのがよろしいと思います。(文責 稲葉)

 

No.3163】 04年11月20日    K.Y. 
乳輪の分泌液

はじめまして。私は30歳未婚で、母は5年前(当時52歳)に乳ガンの手術を受けております。最近、右の乳輪から透明の液体が出ているのを見つける事がよくあります。水滴のように二、三カ所から出ていて、目立った粘り等はありません。乳頭は今のところ特に気づいた事はありません(いつも服に触れているのでなんとも言えませんが)。ふき取ると、それ以上出てくる事はありません。色々調べたのですが、乳輪からの分泌液に関しての情報がなく、また、現在海外在住で分泌液がいつも出ている訳ではないので、診察を受けた方がいいのかどうか迷っております。乳輪から分泌液が出るのはよくある事なのでしょうか?よろしくお願いします。

乳頭からの分泌液が白色や透明であれば、あまり癌の可能性はないと思います。血性や黒褐色の分泌液の場合は、なるべく早く精査をした方が良いと思います。白色、透明であっても長く続くようであれば、一度精査を受けてもよろしいと思います。(文責 稲葉)

 

No.3162-1】 04年11月20日    K2
しこりについて

いつも拝見させていただいています。4月に乳腺症と診断されました。触診・エコー・マンモグラフィーで4ミリのしこりです。黒い○の形でした。内容物と形からガンではないとのことで、半年後の経過観察という診断でした。11月に再度受診し(エコー・マンモ)、形状に変化がないとのことで、今後は1年毎でよいと言われました。形状から良性だといわれているのですが 私としては細胞も調べていないのに、本当に1年毎の経過観察でいいのかなと不安です。4ミリくらいのしこりは調べにくいのでしょうか。また カルテには所見ありとなっており、リンパ節肥大と記入されていました。ガンなのではないかと心配です。私としては調べていただき、結果として良性であったとしても摘出したいと思っています。このような状態の場合、どうするのが適切なのでしょうか。お忙しいとは思いますが 宜しくお願いいたします。

触診、画像検査で良性と考えられても、確定診断を得るためには、細胞診や組織診が必要です。ご本人が良性であっても摘出希望であれば、摘出手術をされてきちんと確定診断をつける方がよろしいと思います。(文責 稲葉)

 

No.3162-2】 04年12月03日    K2
しこりについて(2)

HPNo.3162でお世話になりましたK2です。回答ありがとうございました。再度質問をさせていただきたいと思います。エコーにて黒いもの(4ミリ)が映ったのですが、先生のお話からのう胞ではないようです。のう胞ではないということ&明らかなしこりの場合は乳がん以外は考えられないのでしょうか。細胞診を希望しましたが、「やれないこともないが、しこりを触れない状態であり、所見としても異常なしとなっているので(マンモとエコー・触診)そこまでやらなくても大丈夫」と言われました。定期的に観察していけば良いのではないかとのことでした。今後もお世話になると思うので、そこまで先生に言われたら、「でも心配なので細胞診をしてください」とは言えませんでした。ただ、「様子をみていて、大きくなったときには病気が進行しているということになるので、それでは絶対後悔する。今現在せっかく小さい状態で見つかったのに・・・」とも考えてしまいます。私の考えは大げさなのでしょうか。病院によって症状による対応が異なることは、わりとあるのでしょうか。また、このような場合はどうしたらよいのでしょうか。別の病院を受診したほうが良いのでしょうか。横浜市でしこりを触れなくてもエコーなどで確認できた場合、エコー下で細胞診をしていただける病院はありますか。教えていただければと思います。長々と書いてしまい申し訳ありません。お忙しいところ恐れ入りますが、宜しくお願いいたします。

僕も個人的には4mmであれば経過観察すれば良いと思います。少なからずとも癌の可能性(形、周囲との関係など)があれば、超音波で穿刺すべきですが、その必要がないと判断されたのであれば、経過観察すればよいのでは? ただ、どうしても不安であれば、穿刺することも一考ですが、細胞診で十分細胞が採取できなかった時に良悪性の判断がつかずに、どうするかという問題が発生しますので、そのことも考えられてはいかがでしょうか。そうはいっても穿刺をというのであれば、主治医にお願いすれば良いでしょうし、どこの乳腺外科でも対応は可能です。嚢胞でないから、イコール乳癌というのは考えすぎです。何といっても4mmですから・・・。そこだけ、乳腺の組織がまだらだとか、もやもやしているだけかもしれませんし、分泌物が固まってしこり状になっているかもしれませんしね。あまり、過度に神経質にならないほうがよさそうですが。いずれにせよ、ご本人の納得される検査、治療をお受け下さい。(文責 鈴木)

 

No.3161】 04年11月20日    zuzu 
腫瘍マーカーの数値及びCEFのクールについて(HPNo.2845-5)

お世話になります。お忙しい中、ご丁寧な回答に感謝しております(HPNo.2845で相談した者です)。再度質問させていただきます。宜しくお願いいたします。
先日、(2924のQ&A腫瘍マーカーの必要性について)「・・・現在の自分の状態を知るために腫瘍マーカーを定期的に測定することは意味があると思います。」と回答されていました。早速、主治医に定期的な測定を申し出ました(手術前平成16、5.7 腫瘍マーカーのみ存在)。
術前の腫瘍マーカー(5月7日)は下記の通りです(手術5月11日)
NCC−STー439 5.7、 BCA−225 75.7、 CA−15−3  39.9、 ICTP 7.7、 CEA 107.3、 AFP <5.0、 CA−199 <5.0

今回の検査結果(11月1日)は下記の通りです。
BCA−225 66.3、 CA15−3 35.6

質問
1) 上記の数値からどのように判断すればよいのでようか?  また、検査はBCA−225,CA15−3以外にマーカーを測るものがあるのでしょうか?(主治医は腫瘍マーカーを重要視していません。今回強くお願いして測って頂きました)
2) 局所再発について10月22日に診察があり、次回の診察が12月3日です。1ヶ月以上診察がないので不安です(診察の申し出をしましたがダメでした)。大丈夫でしょうか? 腫瘍が更に増えて10個以上あります。「枯れている」ではなく「乾いている」とのことでした。どう言う意味でしょうか?「壊死」と理解していいのでしょうか?(乾しぶどうのような状態です)
3) 11月17日、3回目のCEF投与(エピルビシン110mg、エンドキサン790mg)でした。11月30日の骨シンチ、CTの結果を見て今後どうするか話し合ってみましょうとのことです。なんて答えれば良いのか悩みます。適切なアドバイスお願いいたします。

1) まだ癌の勢いはある程度あると思われますので、治療は継続された方がいいと思います。他に計るとしたら、CEAだと思います。
2) 次回の診察は12月で良いと思います。乾いているというのは壊死ではなくて、出血や膿が出ていないという意味ではないでしょうか。
3) 申し訳ありませんが、今後どのようにしたらいいかについて判断しかねます。どのように主治医の先生と話すべきかについても同様です。検査で進行が認められれば、他の治療法に変更するのも一つの方法ですし、CEFを6回ぐらいまで続けるというのも一つの方法と思います。進行がなければ、CEFをもう少し続けるのがよいと思います。(文責 稲葉)

 

No.3160】 04年11月20日    みどり
ホルモン剤について

手術後の治療について、「無治療か、やるとすればホルモン療法ですね」と言われました。「ホルモン療法をすると決めたら、タモキシフェンを使うか、アルマターゼを使うかを考えましょう。」と言うことでした。2つの薬の違いを教えてください。私は57歳で、乳がんはステージ1・温存術・リンパ節転移なしでした。

タモキシフェンは抗エストロゲン剤といわれる薬剤で、乳癌細胞内にあるエストロゲン(女性ホルモンの一つ)受容体(いわゆる鍵穴のようなものです)とエストロゲンの結合を阻害します。こうすることによってエストロゲンに依存する細胞増殖因子の分泌を抑制して、乳癌細胞の増殖を抑えるというものです。閉経状況にかかわらず有効です。副作用は軽く、無月経、嘔気、性器出血などがあります。一方、アロマターゼ阻害剤といわれる薬剤は副腎での男性ホルモンからエストロゲンへの合成(閉経後は卵巣でなく、副腎で男性ホルモンから女性ホルモンに変換することによって、女性ホルモンが作られます)する際に必要なアロマターゼという酵素を阻害して、血液中や乳癌細胞内のエストロゲンを低下させて、乳癌細胞の増殖を抑えるものです。閉経後の方のみに有効で、副作用はほてり、嘔気、食欲不振、関節痛などです。57歳ですからどちらも適応です。タモキシフェンが最も標準となる基本的な治療法ですが、最近はアロマターゼ阻害剤を用いた方がタモキシフェンより再発を抑える効果があるというデータが出てきております。(文責 稲葉)

 

No.3159】 04年11月20日    Y.A.  
乳がんの疑いありと診断。しこりが大きく、膿がでます。

はじめまして。36才、5才の子供を持つ者です。一昨日検査を受け、乳がんの可能性が高いと言われました。今年の冬あたりから右側の乳房にしこりを見つけ、大学病院の外科(乳腺専門ではありません)を受診したところ、触診で「たぶん癌ではなく、乳腺症だろう」と言われ、それ以上の検査や治療はなく、そのままにしていたら、自然にしこりがなくなったのです。しかし、春頃から今度は左側の乳房にしこりと痛みを感じるようになり、また同じ外科(担当医は違いました)を受診し、レントゲンとエコー検査を受けました。その結果、癌の心配はなく、乳腺症と診断され、数日分痛み止めが出ただけ。癌でなかったことに安心し、その後しこりが大きくなり、痛みが続いたのですが、放置してきました。しかし、最近、常に痛いという状態となったため、乳腺専門外科のある病院で、レントゲンとエコー検査を受けました。その結果、乳がんの可能性が強いと診断され、細胞を取るために太い針を刺されました。すると、膿みがたくさん出てきて、細胞がなかなか取れないとのこと。何度も膿みをしぼり出し、細胞を取りましたが、膿みが多いので、正しく採取できたかわからない、一週間後、再検査をすることになるかもしれないと言われました。しかし、乳がんでこんなに膿みが出るのは珍しいということなので、「もし全部膿みだったら、がんの可能性は減りますか?」と尋ねると、「乳首からばい菌が入って膿んだ場合は、乳首の周りにしこりができる。あなたの場合は外側の下のほうにしこりがある。これはかなり珍しいケース」と言われました。さらに、膿みをしぼり出した後も、エコーで影が映っているので、がんの可能性は否定できないとのことです。この症状、先生はどう思われますか? やはり、がんの可能性が高いでしょうか? それなら、なぜ6月に検査した時、発見されなかったのでしょう? 現在しこりはとても大きく、10cmはあるかと思います。このくらいになってしまうと命に関わってくるのでしょうか? ご意見を伺わせて下さい。よろしくお願い申し上げます。

乳癌で膿が溜まることはあまり多くはありません。またメールにもあるように膿の溜まる状態(膿瘍といいます)、膿瘍は乳頭周囲にできることが多いのも事実です。内容からすると膿瘍の可能性の方が高いと思われますが、乳癌の可能性がないわけではありません。エコーで残っている影の部分の組織検査などして、確定診断に至るのが良いと思われます。針の検査で癌の所見が出ないからといって、癌が完全に否定されたわけではありません。きちんとした診断をまずつけることが大事と思われます。もし癌であったら10cmというのは進行した部類に入りますが、感染が加わっている場合、見かけ上しこりが大きく触れることもあります。(文責 稲葉)

 

No.3158-1】 04年11月19日    KM
術後補助療法について

現在70歳の母についてお伺いします。1月前に左胸に1.5cmと2.5cmの腫瘍がみつかり、細胞診の結果クラスXの乳がんと判明しました。すぐに全摘手術をおこない、検査の結果リンパ節21個のうちレベル1に2個転移がみつかりました。ERとPRは共に+で、HER2は−でした。医師はホルモン療法(アリミデクス)でいいだろうとのことでした。
質問ですが
1) 無再発期間と5年生存率は、私の母の場合、抗がん剤治療を選択するのとホルモン療法を選択するのとでどのくらいかわりますか。
2) 医師はCMFは効かないのでうちではやらない、するとすればACだ言いますが、これは一般的なことなのでしょうか。
3) 医師は老人は抗がん剤の効きが悪いといいますが、これは事実ですか。私は減量や投与期間の開きすぎが原因だと思うのですが。
4) 私個人としては、ACもしくはCMFを標準量・標準クール完遂するため、冬季をはずして3月くらいまではアリミデックスとメシマ(医薬品)でいき、その後化学療法をしたらと思うのですが、どうでしょうか。
5) 最後に先生個人としては患者のQOLも含めてどのような治療がよいとお考えになりますか。

以上よろしくお願いします。  

高齢者では、補助療法において化学療法の再発を抑える効果が若年者ほど差がないと言われています。また副作用などの点から内分泌療法を行うことが多いと思われます。正確に70歳の女性でリンパ節転移が1個の場合、化学療法と内分泌療法で無再発期間や5年生存率にどの程度差が出るかはわかりません。またCMFが効かないということはないと思います。CMFとACを比べた場合、ACはCMFと同等またはそれ以上の効果が期待できるというのが科学的なデータから得られた結論です。ACは副作用がCMFに比べ強いため、その点も考慮して選択せねばなりません。私個人の考えではQOLを考えて内分泌療法(アリミデックスやタモキシフェンなど)で経過をみて、化学療法はあまり選択しないと思います。(文責 稲葉)

 

No.3158-2】 04年11月28日    KM
悪性度(顔つき)と再発率との関係等

HPNo.3158 KMです。先生のご判断をもとに再度通院しているがん専門病院の医師2名に治療方針を尋ねてみました。A医師はQ0Lと年齢を考慮してアミリデックスの投与のみ、B医師は必ずしも70歳を超えているので化学療法の効きが悪くなるとういエビデンスはないので、悪性度(顔つき)が最高の5だとういこと考慮し、最初に多少QOLが落ちたとしても、ACかCMFを行ったほうが後悔しないのではとのことでした。そこで再度質問させていただきたいのですが、
1) 悪性度(顔つき)と再発率の相関はかなりあるのでしょうか。
2) 冬季は化学療法を標準量・標準間隔で行うのは、夏期より完遂率がおちるということはないのでしょうか。
3) 私としてはホルモン療法でいき、腫瘍マーカーを1月ごと計測し上昇傾向であれば、その時点でACを施行しようと思うのですが、いかがでしょうか。

再度よろしくおねがいします。

1) 悪性度が高い方がやはり再発率は高くなります(悪性度の評価は一般的には3段階です)。
2) 特にそのようなことはないと思います。
3) 腫瘍マーカーを一ヶ月ごとに測定し上昇してから・・・は、つまり再発が見つかってからということであると存じますが、術後に行う抗がん剤投与とは、大分意味合いが変わってきます。術後投与は完治を目指して行いますが、再発後はQOLの改善(延命)が主たる目的となります(再発を早期に見つけ、早期より治療することの有益性ははっきりとされておりません)。(文責 加藤)

 

No.3157-1】 04年11月19日    k m
乳癌診断 リンパ節切除

私の妻(37歳)に乳癌の疑いがあります。これまでの状況は下記のとおりです。

11月5日(金)、本人が右乳房にしこりを発見。11月7日(日)、市内の乳腺外来がある病院を受診。担当の先生は、日本乳癌学会の専門医です。視触診・レントゲン(マンモグラフィー)・エコー(超音波)・針生検(4本)・採血を行いました。この時の先生の見解は、「ほぼ乳癌と思われる。腫瘍は3cmを少し超えるくらいの大きさで、手術と放射線治療が必要となる見込み」と言われました。11月16日(火)、検査結果を聞きに病院へ行きました。病院が生検の診断を依頼した機関の判断は下記のとおりです。「針生検4本のうち1本に、ほぼ乳癌と思われるものがあるが、今回の針生検では、はっきり乳癌とはいえない。局所麻酔で腫瘍を取り、詳しく調べないと、乳癌かどうかはっきり判断できない。腫瘍の大きさは、2.3cm。」
病院の先生の意見は、以下のとおりです。「触診、エコー、マンモグラフィーでは、ほぼ乳癌とおもわれるが、局所麻酔で腫瘍を取り、詳しく調べた方がいい。マンモグラフィーに微細石灰画像がある。非浸潤ガンの可能性が高い。乳房内の腫瘍は1箇所。腋の下のリンパ節に、しこりがあるが、柔らかいので、転移ではないと思われる。病気は、2期とのことです。(2期のaかbかの問いには、2期aと思われるとの回答。)」

11月19日(金)に、外来で局所麻酔による腫瘍の摘出を行うこととなりました。約一週間後に結果がわかるとのことです。現在診察を受けている病院では、針生検で乳癌の判定がつきませんでした。乳癌の判定は難しいのでしょうか?現在かかっている先生は、手術が必要となった場合は、万全を期すために、センチネル生検を行うよりもリンパ節切除を推奨しています。私の妻のケースではリンパ節を切除したほうがいいのでしょうか?リンパ節を切除した場合にリンパ浮腫が発症する確立はどの位なのでしょうか?

針生検で必ず乳癌の診断がつくとは限りません。今回のように触診や画像検査で乳癌が強く疑われ、針生検で乳癌の確定診断に至らなかった場合は、しこりを局所麻酔下で摘出し、組織診断をきちんとつけるべきであると思われます。
センチネルリンパ節生検は標準的な治療法ではありません。長期的な成績は出ておりません。しかし、乳癌の専門施設では既に数多く行われているのが現状です。一般的に腫瘍径2〜3cm以下、触診や画像検査で脇の下のリンパ節を認めないもの、患者様から同意が得られたものといった条件で行われていることが多いようです。センチネルリンパ節生検がいいか通常のリンパ節郭清がいいかは判定できかねますが、もしやるのであれば、担当医師から十分な説明(標準治療ではないことなど)を受け、納得され、また数多くのセンチネルリンパ節生検を行っている施設でやるのがいいと思います。通常のリンパ節郭清を行った場合、リンパ浮腫の頻度ですが、一般的には10%程度といわれています。(文責 稲葉)

 

No.3157-2】 04年11月23日    k m
乳癌診断 リンパ節切除(2)

ご返信ありがとうございました。センチネルリンパ節生検の危険性(転移の見逃し)は高いのでしょうか? 又、先日、別の先生に見ていただいたのですが、乳管内ガンの可能性が高いといわれました。来週その先生のところで、再度針生検を行うことになりました。この先生のところは患者さんが多く、手術待ちは2〜3ヶ月くらいになるということでした。乳ガンの進行は遅いので、手術が2月か3月になっても問題ないと言っていました。37歳と、乳ガン患者としては若い方ですので、ガンの進行が心配です。手術まで2〜3ヶ月空けてしまっても問題ないのでしょうか?

センチネルリンパ節生検での転移の見逃しは大体2〜3%程度です。手術までの期間ですが、診断がついてから手術までできれば1ヶ月以内が望ましいのですが、専門施設では2〜3ヶ月待ちという施設もあるようです。文献的には診断から治療まで3ヶ月を越えると予後に差が出るという報告があります。日常臨床では2ヶ月以内に手術というのが妥当であると思います。(文責 稲葉)

 

No.3156】 04年11月19日    chiaki
しこりについて(HPNo.2997-2)

HPNo.2997で質問させていただいた者です。こんな質問で恐縮ですが、相談してから次の検査までしこりを気にするのはやめようと思い、ずっとしこりに触れずに一ヶ月が過ぎ(しこりに気付いたのは10/7です。)、最近なんとなく右胸の下にできていたビー玉くらいの大きさのしこりを触ってみたところ、しこりがなくなったのか上にあがったのか、右胸下のしこりがわからなくなりました。一ヶ月でしこりがなくなったりするのでしょうか?移動したりするのでしょうか?教えてください。

嚢胞などですと、1ヶ月程度で小さくなったり、手で触れなくなったりすることもあります。また可動性があるしこりでは、位置がずれた様に感ずることもあります。(文責 稲葉)

 

No.3155】 04年11月19日    m,m
内側癌、HER2検査の予後

いつも拝見しております。気になる事があります。相談させてください。1年前に左側温存手術を受けました。リンパ転移無し、ステージT、35歳。しこりの位置が内側の上部ですが、外側に比べて予後は良くないのでしょうか? ガンの種類は硬癌です。やはり全身に広がりやすいのでしょうか? HER2検査は補助療法に影響しないので調べていないと言われましが、気になります。今からでも簡単に調べられないものなのでしょうか? 放射線後、ホルモン注射のみです。ノルバテックス追加は、生理が戻らない可能性が高くなるので勧められませんでした。宜しくお願い致します。

しこりの位置により予後に差がでるというデータはありません。位置よりもリンパ節転移の有無や癌細胞の核異型度やホルモンレセプターの状態、年齢などの因子が予後に関係します。組織型については以前は考慮することもありましたが、現在は治療方針などの決定に当たってあまり重要視されません。HER2検査は現在の所、保険上は再発した場合にのみ認められている検査です。HER2が強陽性の場合に用いるハーセプチンも再発乳癌で認められているので、補助療法時に特に調べると言うことは必ずしも必要ではないと思います。術後の補助療法ですが、St.Gallenの補助療法コンセンサスの考えに基づいて考えます。文面からすると閉経前、ホルモン反応性、n0 ですから、しこりが2cmを越えるもの又は核異型度がグレード2〜3であれば、average riskに相当し、しこりが2cm以下かつ核異型度がグレード1であれば、minimal riskです。minimal riskならノルバデックス単独ないしは無治療。average riskならホルモン注射+ノルバデックス、又は化学療法後ノルバデックス、又はノルバデックス単独、又はホルモン注射単独であります。このうち一番推薦されるのはホルモン注射+ノルバデックスになります。(文責 稲葉)

 

No.3154-1】 04年11月17日    Y.S.
乳がん手術後の胸水について

2003年1月に母が乳がんの手術をしました。そのときも何度か相談させていただいたのですが、最近また心配なことがありましたので、ご相談させていただきます。2003年1月に乳がんの手術後、タキソールとハーセプチンの抗がん剤治療、その後放射線治療を1月ほどしました。今は経口薬を飲んでいます。その後再発もなく最近まで普通に生活をしており、ほっとしておりました。そのおかげで私も妊娠をして来年2月2日に出産を控え12月に実家に帰る予定です。しかし11月10日、母が入院してしまいました。その2週間前に病院に薬をもらいに行った際にせきがひどいのでレントゲンを取ってもらい、影があるが放射線の影響だろうということで咳止めの薬をもらいました。その後もせきがひどく息も苦しいので、11月10日に診察したところ胸水がたまっていて700cc抜き、そのまま入院しました。ガンの転移かと心配していたところ、胸水の検査の結果5段階の3、胸水は悪性のガンによるものではなく放射線の影響による肺炎だろうということでした。5段階の3というのが気になります。これからガンが進行していくということでしょうか? それともこのままだと大丈夫思ってもいいのでしょうか?
また、せきの症状はステロイド(?)を使うほどでもないので、せき止めと感染症予防の抗生物質を投与されています。せきは治ることはなく当分続くだろうと言われています。薬のせいか食欲もなく、だるくて咳もひどいので、もうしばらく入院することになりました。放射線の影響ということは、ずっと肺炎のような症状で生活をしなければならないのでしょうか? それとも体の状態や薬によっては改善されるのでしょうか? これから先はどういう治療をしていくのでしょうか? 私の出産で症状が悪化したりしないか心配です。

もとの乳癌のステージが不明ではっきりしたことは申し上げられませんが、術後の治療内容からするとかなり進行していたのでしょうか? 胸水がクラスVとのことで、確かに炎症の影響によるものの可能性もありますが、癌性胸膜炎による場合もあり、もう少し経過を見て繰り返し検査をしてみる必要があると思います。放射線の影響であるとすれば少し時間はかかるかもしれませんが、症状は少しずつ改善していくと考えます。(文責 片山)

 

No.3154-2】 04年11月21日    Y.S.
乳がん手術後の胸水について(2)

たびたびの質問ですみません。2003年1月手術時の説明の時、ステージはU、硬がんと言われました。しこりはなく石灰化したものがあり、早期ですから大丈夫ですよと言われていましたが、手術をしてみたらリンパに10個以上の転移があるとのことで、タキソールの投与と放射線を5週間、その後ハーセプチンを受けることになりました。結局最終的なステージはどうだったかは聞いていません。再発の可能性は50%と言われていたので、今回の胸水はとても不安です。胸水を抜いて1週間で退院はしたのですが、退院時、少し水があるので苦しくなったら病院にきてくださいと言われました。退院してから薬のせいか食欲もなく眠気がとれないそうです。軽い背中痛、頭痛などもあるようで、心臓や脳の方も心配になってきました。心臓は心電図やエコーをとったようですが、脳の検査もした方がいいのでしょうか? 胸水はずっと出続けるのでしょうか? また、放射線の影響なら普通1年後ぐらいに出るものと言われました。2年目の今になって影響が出るというのはあまりないことなのでしょうか? だとしたらガンの転移の可能性が大きいのでしょうか?

胸水の原因が癌によるものか、他の原因によるものか、胸水の細胞診結果が出ないと分かりませんが、リンパ節転移が10個以上あったと言うことを考えると、癌による可能性も考えなくてはいけないと思います。癌の再発によるものであれば、胸水がまた増えて抜くことが必要になるかも知れません。場合によっては持続的に胸に管を入れて胸水を抜くことになることもあります。ただ胸水の原因は心臓などに原因があることもありますので、心電図や心エコーといった検査をすることによってわかると思います。背中の痛みや頭痛があるとのことですから、念のため骨転移、脳転移の有無を検査で調べた方が良いと思います。(文責 稲葉)

 

No.3153】 04年11月17日    E・I
術後補助療法について

はじめまして。非浸潤癌と診断され、先日手術を受けました。結果としては、手術ですべて取りきれているという診断を複数の先生よりいただきました。今後の治療について相談したいのですが、以下の3種類を選択肢として示されました。

1.放射線照射+ゾラデックス・ノルバデックス2年間
2.ノルバデックス3年間
3.無治療

同じような診断を受けた方にはどのような治療を勧めているのでしょうか。ちなみに私は28歳・既婚、これから子供もほしいと思っています。ご回答よろしくお願いいたします。

非浸潤癌に対する最適の治療法はいまだ確立していないとされています。すべて取りきれているとすれば補助療法はいらないことになりますが、一方温存術を施行した場合は放射線照射により乳房内再発が約半数になるとされます。そこであなたの場合は温存術を受けられていて、断端陰性の非浸潤癌と仮定すると、病巣の広がり(大きさ)・断端の余裕・組織学的悪性度などをよく検討して残存乳房への照射を考慮するということになると考えます。(文責 片山)

 

No.3152】 04年11月17日    T.I.
石灰癌について

49歳です。検診で乳癌がわかり、見つかった病院での説明があまり良く理解できなかったので、セカンドオピニオンを受けた病院で治療中です。9月に左乳房の乳癌のくりぬき手術をいたしました。手術後の病理所見に腫瘍の大きさ1.7X1.8センチ、リンパ節転移の数0/1、エストロゲン受容体+、プロゲステロン受容体+、HER2受容体−、組織型「石灰癌」と書かれてありました。医師から、「おとなしいタイプの癌でよかったですね。」と言われました。現在の治療は放射線治療2グレイX30日、ゾラデックス3.6G/月を2年の予定で、現在2回目の投与終了しています。放射線治療後、経口ホルモン剤が追加されるものと思われます。石灰癌という言葉は組織悪性度ではどのくらいの所に位置するのでしょうか。もう一つですが、左乳房のCTの画像を見せていただきましたが、腫瘍は一個はっきり白く見えましたが、その他に色調は明らかに腫瘍よりは暗いのですが、灰色がかった白い斑点状のものが沢山写っていました。これは癌とは違うものなのでしょうか。なかなかお忙しい先生で、お尋ねするのに気を遣ってしまい、聞きそびれていますが、予後について大変気にかかっております。よろしくお願いたします。ワ・ィ?.t・ネ・、g

石灰化を伴った癌という意味だと思われ、それはその部分で癌が壊死におちいり石灰沈着が起きたためか、あるいは分泌物の石灰化による現象と考えられます。それ自体が癌の悪性度を表す指標とはならないと思いますが、微小石灰化で見つかる非浸潤癌の予後は大変良好です。CTで見えた白い斑点状のものもこの石灰化巣をあらわしている可能性があります。(文責 片山)

 

No.3151】 04年11月17日    A.T.
今後のフォローについて(HPNo.3078-4)

HPNo.3078でお世話になっています。いつもご回答頂き、本当にありがとうございます。クラスVaはやはり乳頭腫の可能性が高いということですが、2件の病院で超音波検査を受け、さらに1件ではマンモグラフィー、乳管造影までしても何も写らないということは、まだ病変が小さい可能性が高いのでしょうか? 乳輪部を圧迫するマッサージで炎症が起こってクラスVとなった可能性も考えられますか?(最初の出血から1ヶ月が経ちますが、現在は一切触っていないため、出血が続いているかどうかわかりません。)
また今後のフォローとしては、定期的に出血があるかどうかをチェックし(授乳中は難しくなることが予想されますが)、あれば細胞診を行い、また同時に超音波などで見ていくことがベストでしょうか? 乳管内視鏡なども有効でしょうか? たびたび申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

病変が小さかったり、背が低かったりして分かりにくい可能性はあると思います。炎症によってクラスVとなった可能性も多少あると思いますが、実際に標本を拝見していませんし、コメントできません。乳管内視鏡は症例によっては有効な検査法だと思います。(文責 片山)

 

No.3150】 04年11月17日    Rの母
術後治療について(HPNo.2952-2)

先月HPNo.2952「妊娠中の乳癌について」でご相談させていただき、有難うございました。その後の経過と再度のご相談をよろしくお願い致します。10月11日に妊娠19週で中絶し、10月18日に右胸全摘術を行い、先日術後結果が出ました。
大きさ:2.6×2.5×2.0 
種類:乳頭腺管癌 
浸潤度:f0、ly0、v0 リンパ節転移0/31
ホルモンレセプター(ER):陰性 
HER-2:陰性
核グレード:グレードV
最終的な病期:ステージUa (術前はステージIIbと判定されていました。)

現在39歳、閉経前で、治療後に第2子出産を希望しています。再発防止の治療について、かかりつけの医師にはホルモン剤が効かないので化学療法(薬は未決定)で行うと言われました。ただ、病理の結果からは選択として「無治療」もありえると言われました(再発率の軽減なしを覚悟のうえで)。「無治療」を選択してしまってもいいのでしょうか? 化学療法を行う場合、AC、CEFはCMFと比べ11%改善するとのことですが、ACとCEFの副作用の差はどのくらいあるのでしょうか? 子育て(2歳)をしながら治療を受けたいので、なるべく副作用の弱いものを使用したいと考えています。

T2(大きさ2−5cm)、ホルモンレセプター陰性、核グレードVという点でanother risk ということになり、やはり化学療法が勧められることになります。標準的にはアントラサイクリン系(A:アドリアマイシン、E:エピルビシン)を含んだ治療となります。
ACは3週ごとに4−6クールと回数に幅があり、CEFもすべて静脈注射で3週毎に行ったり、Cを経口摂取にして6クール行ったりと、やり方にいろいろあって単純には比べられません。薬剤数が少なく、またクール数の少ないもののほうが、やはり副作用は少なくなるはずですが、実際には体表面積あたりの投与量の差により一概には言えません。(下図参照) (文責 片山)

 

No.3149】 04年11月17日    N 
胸の大きさ

はじめまして。30歳女性です。現在3ヶ月の赤ちゃんを母乳で育てております。正面を向いて鏡の前に立って見ると胸の高さが違います(左右の乳首を結んだ線が斜めになります)。右の方が低く胸と乳首も右の方が大きいです。一年前に(その時は小さいしこりが気になって)乳癌検診を受けましたが問題はなく、一年後に一応検診に行くことにはなっています。妊娠してから胸の大きさの違いに気づきました。癌の疑いは高いのでしょうか? 胸は大きい方が下にさがるのでしょうか? 現在母乳育児中であり、とても心配になって相談させていただきました。よろしくお願いします。

左右の乳房の大きさが違うのは正常でもよくみられます。特に授乳期であれば違いがでて当然です。癌の疑いは高くないと思われますが、ただ癌の場合も可能性としては否定できないので一度専門の医師の診察をお勧めします。(文責 稲葉)

 

No.3148】 04年11月17日   M.H.
乳ガン術後の放射線治療について

65歳になる母ですが、ごく早期の乳ガンが両胸に見つかり、11月16日に手術予定です。温存手術のため術後放射線治療をする予定なのですが、年末と正月休みが入るため、放射線治療が途中1週間ほど抜けてしまうので、どうせなら正月休み明けからスタートしたらいいのではと主治医に言われました。気持ち的には早く当ててもらう方がいいのではと思うのですが、効果的にはどちらを選択するのがベターなのでしょうか? 4年前私(37歳)も乳ガン手術を受けており、私は正月休みを挟みながら術後3〜4週間くらいしてから受けました。主治医の先生は相談しましょうとおっしゃっています。よろしければ先生のご意見お聞かせ下さい。宜しくお願い致します。

温存療法において術後の放射線治療の開始時期について、術後3ヶ月程度以内であれば開始時期が早くても遅くても特に差はないと考えられます。ですから、年末年始が入るなら、開始が年明けからでもよろしいのではないでしょうか。(文責 稲葉)

 

 

No.3147】 04年11月17日   Y
術後補助化学療法について

33才、子供2人(8歳と1歳)。9月に乳がんと分かり、右乳房温存手術をうけました。病理検査の結果、腫瘍の大きさは1.8p、ホルモンレセプターはマイナス、HER1プラス、リンパ節にはエコーでの画像には写らなかったが、病理検査で11個中1個転移のあることがわかりました。術後、放射線療法2グレイ×25回が終了し、現在医師より補助療法として化学療法をすすめられています。病院で行っている治療マニュアルの中で比較的副作用が少ない再発予防率40%程度のCMF療法と、副作用がきついといわれている(個人差はあります)が再発予防率50%程度のAC(EC)療法かの選択を告げられました。正直、年齢も若くホルモンレセプターもマイナス、転移もあるので、高リスクなのかなと思います。私の場合どちらが適しているのでしょうか? また何か決め手となるようなデーターや情報があれば教えて頂きたくメールさせて頂きました。ご回答よろしくお願いいたします。

33歳で、リンパ節転移が1個あり、ホルモンレセプターがマイナスであれば、補助療法は化学療法が適応になります。仮にリンパ節転移がなかったとしても、年齢が33歳ということや、ホルモンレセプターがマイナスということから化学療法の適応になります。使う薬剤はACとかEC、又は5-FUを加えたCAF、CEFといったアンスラサイクリン系薬剤を含んだものが推奨されています。これは欧米の補助療法のコンセンサスであるSt.Gallen(ザンクトガレン)のコンセンサスに基づいた考えです。またこのアンスラサイクリン系薬剤の組み合わせが終了した後にタキサン系(タキソール・タキソテール)の薬剤を投与するやり方なども米国では行われています。最近はタキサン系薬剤のリンパ節転移陽性例に対する術後の補助療法での有用性が言われており、我が国の乳癌学会の乳癌診療ガイドライン薬物療法の中でも言われています。現在日本で行われているリンパ節転移のある方の乳癌術後補助療法としてNSAS・BC-02という臨床試験がありますが、これはAC又はEC後にタキサン系を行う方法とタキサン系のみ行う方法を比較する試験です。どうしても脱毛がいやという場合はCMFとなるでしょうが、現在は少なくともAC又はECなどのアンスラサイクリン系薬剤を行うのが良いと考えられます。(文責 稲葉)

 

No.3146】 04年11月16日   G 
摘出した方がいいのでしょうか?

39歳です。子供は二人います。今年の7月中頃、脇の下に枝豆大のシコリを見つけました。年齢的な事もあるし、結婚してからの9年間、検査というものを受けた事もなかったので、シコリを見つけた翌日乳腺クリニックに行き調べていただきました。検査は触診とエコーとマンモグラフィーです。シコリの大きさが1.6センチあり、形も良くないという事で、病理検査をするべく注射器でシコリ部分から何かを採取して検査をしました。結果は陽性でした。この先半年に一度検査をしましょうと言われています。病院に行ってからも、脇のシコリ部分に痛みを感じます。触ると痛いのは勿論、何もしなくても鈍い痛みを感じます。シコリも気のせいか、少し大きくなったように感じます。最初は注射器を刺したせいで痛むのかと思っていたのですが、既に3ヶ月以上経っても痛むという事に不安を感じます。半年経っていないのですが、早目に又受診した方が良いのでしょうか? 義母は陽性でもいずれは悪性になる可能性があるのだから、今のうちに摘出した方がいいといいます。それは可能なのか、又そうした方がいいものなのか、判断できません。長くなってしまいましたが、御意見をお聞かせいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

注射器の検査というのは恐らく穿刺吸引細胞診検査のことと思われます。通常結果が陽性ということは癌細胞がでたことを意味するのですが、主治医から半年後に再検査を言われているところを考えますと、癌細胞がでたのではないと思われます。ただ、触診や画像検査で明らかに良性と断定するには気になる所見があるので、再検査(経過観察)ということになったのだと思われます。自分で触って大きさが変化したり、痛みが続く様なら、別に半年待たずに、すぐにもう一度診てもらうのでよろしいと思います。また細胞の検査で診断がつかないようでしたら、組織検査を行い(摘出して)きちんと診断をつけるというのも一つの方法です。(文責 稲葉)

 

No.3145】 04年11月16日   S
術後の妊娠について

私の妹は35歳です。右胸にがん細胞があり、抗がん剤治療の後、温存法で手術しました。その後30日間放射線治療し、現在ホルモン治療をしています。術後半年経っています。妹は結婚と子供を望んでいます。抗癌剤やホルモン治療をやった後でも妊娠や出産は出来るのでしょうか? もし出来るのであれば、治療後どれくらい経てば安全に出産できるのでしょうか? 生まれた子供に後遺症などは残らないのでしょうか? 妹は子供が大好きなので、是非とも子供を作らせて上げたいのです。現在の治療を止めたほうがいいのでしょうか?

一般的に妊娠や出産は乳癌術後の再発リスクを上げる方向に働きます。ですから、乳癌の再発を抑えるという意味では妊娠はあまりいいことではありません。従って、再発のリスクがどの程度あるかによって、妊娠の及ぼす影響は異なってくると思います。これは個々の患者様によって異なりますので、妊娠が望ましいか望ましくないかは変わってくると思います。抗がん剤やホルモン治療の後では月経が止まることがあります。この様な状態であれば妊娠は不可能です。抗がん剤やホルモン治療後、月経が回復してくる場合もあります。年齢によっても違いますが、30代半ばなら、抗がん剤治療後月経が回復するのは4割程度でしょうか。ホルモン治療(月経を止める注射など)は、治療終了後6〜7割程度月経が回復するといわれています。ただ、月経が再開したとしても、どの程度妊娠できるかどうかははっきりとしたデータはありません。また抗がん剤やホルモン剤は動物実験で動物の胎児に奇形を生じさせることがわかっています。もし妊娠可能であったとしても治療終了後ある程度の期間たってからの方が良いと思われます。妊娠は治療終了後少なくとも1年程度たってからの方がいいと考えられますが、これも科学的な根拠があるわけではありません。乳癌術後の出産はいろいろと考えなくては行けない側面があるので、一概にこうする方が良いと簡単に結論が出ない問題です。治療を継続するかどうかの問題も含めて患者様と配偶者、家族と主治医がよく話し合って結論を出すのが良いと思われます。(文責 稲葉)

 

No.3144】 04年11月15日   H 
10年くらい前からあるしこり

53歳になる母の右胸にしこりがあります。でも、そのしこりは10年も前からあって、その当時は米粒位の大きさで、今は大豆を半分にしたぐらいの大きさになっています。触っても痛みは全然なくて、分泌物のようなものもないみたいです。でも、4〜5日前から生理前のような乳房が張るような痛みがあると言っていますが、母は2〜3年前に生理があがってもうありません。それなのに乳房が張ると言うのは、やっぱりオカシイですか? 以前テレビで見た事がありますが、触りすぎて刺激を与えていると、しこりが大きくなるというのは本当ですか? お願いだから病院へ行ってと母に言っても、検査が怖いらしくて絶対行ってくれません。「10年以上も前からあるしこりだから、癌ならもっと悪くなっているでしょ?」と、母は言いますが、どう思いますか? 母と似た症状で乳癌じゃない乳房の病気ってありますか?

10年前からあって大きさもほとんど変わっていないようなので、まず悪性のものは考えにくいと思います。また閉経後もしばらく乳房の張りをうったえる方はいらっしゃいます。あまり気にして一か所を刺激しすぎたり、炎症性の変化に刺激を与えるとそれが悪化することは考えられますが、いわゆるしこりが大きくなることはないと思います。しかしやはり一度病院での検査をお勧めします。(文責 片山)

 

No.3143】 04年11月15日   kuni
しびれについて(HPNo.2580-3)

以前HPNo.2580で質問したものです。温存手術後断片陽性だったため放射線を25回受け、その後リューブリンとノルバで治療中です。術前にタキソテールを受けてから両手足の先にしびれが生じていましたが、5月に終了後依然として残っています。鬱気味なので神経症状かとも思ってみたりしましたが、このところ1ヶ月半ほど前から術側の親指・中指・薬指に特に強く感じ、親指にいたっては洗濯バサミではさむときに力が入りにくい状態です。また、術側ではないですが、いつも注射をしていた手首から親指にかけてひねるような動作をするときに痛みがあり、1ヶ月ほど変りません。また、このところ左足も動かしにくいような気がします。私は病院に通いだすと(特に抗がん剤をすると)鬱になりやすいので、再発治療はなるべく負担のないようにしたいし、急いで検査、治療をするより痛みがつらくなるまで普通にしていたいという気持があります。心配だけど怖いというところです。わたしのようなタイプの患者でも再発の場合早期に対処した方がよいのでしょうか。延命率や治癒率に違いはでるのでしょうか。閉所恐怖症なのでMRIやガンマナイフはできません。

しびれなどの神経症状はタキソテールの副作用の可能性が高いと思われますが、心配されているよりも念のため再発のチェックをしてみてはいかがしょうか? 骨シンチグラムやCTスキャンであれば、MRIよりも比較的閉鎖感のない検査ができるかと考えます。(文責 片山)

 

No.3142】 04年11月15日   E.N.
母の胸のしこりについて

私の母の事で相談させてください。母は63歳ですが、数年前にしこりを発見し、今ではゴルフボール大の大きさになっていることを先日告白されました。母は乳がんであった場合、怖いので検査すら行きたくないと言っております。4、5年かけて大きくなったらしいのですが、体調不良などは訴えていません。このように長い間放置していて、特にしこり以外の症状がない場合は乳がん以外の良性のしこりという事もありえるのでしょうか? それともやはり乳がんの疑いが高いのでしょうか? 良性のしこりの場合もあるのだと説得して検査だけでも受けさせたいと思うのですが・・・。漠然とした質問で申し訳ないのですが、ご教示お願いいたします。

年齢的に考えて、嚢胞症のような良性の腫瘤も考えられますが、ゆっくりと増大するタイプの癌ももちろん否定できません。あなたのおっしゃるように説得して是非検査を受けていただくようにと思います。(文責 片山)

 

No.3141】 04年11月15日   Y 
リンパ腺について

はじめまして。リンパ腺の事についてお聞きしたいのですが・・・。13年前に出産しまして、2ヶ月ほど母乳でした。忙しさから自分で母乳を止めてしまい、その後、乳首の周りから脇のところから背中の方までが触るだけで痛みがあり、しこりの様に硬くなっています。乳腺科、内科、外科、婦人科に行ってみましたが、何処も悪くないという診断でした。でも、いつでも違和感が抜けず、いろいろ調べて、もしかしてリンパ腺の炎症ではと思う様になりました。そのような場合、何科に行けばいいのでしょうか?

乳房X線撮影装置(マンモグラフィー)があり、できれば乳腺を専門とする外科医のいる病院を受診されることをお勧めします。(文責 片山)

 

No.3140】 04年11月15日   Y.C 
非浸潤癌の補助療法について(HPNo.3064-2)

以前HPNo.3064ご相談させていただきま.した。その際はご回答ありがとうございました。非浸潤性乳管癌と診断され乳房全摘術を受けました。その後病理検査の結果で、ホルモンレセプター(−)、HER2 (3+)、核異型度2でした。主治医の先生より、希望があれば経口抗がん剤3年とヒスロン2年、もしくはヒスロンのみをとの説明を受けました。非浸潤癌で全摘術を受けている場合、補助療法は不要との資料が多いようですが、行った場合としない場合では、どの程度の違いがありますでしょうか。ご回答よろしくお願いします。

全部が非浸潤癌であれば確かに術後補助療法は必要ないと考えます。ただし病理学的に全部を完全に検査しきれるわけではなく、複数の割面から全体像を推定することになります。ひとつHER2は浸潤部で判断すると思われるので、3+という結果が出ているということは一部に浸潤巣がある可能性があります。この場合ホルモンレセプターが陰性ですから化学療法が推奨されることになります。(文責 片山)

 

No.3139】 04年11月15日   A.O.
乳首のできもの

はじめまして。ご相談させてください。26歳主婦です。4日ほど前に右側乳首にニキビのような膿んでいるできものを1つ見つけ、乳首からの分泌物も無く、痒みも無いのですが、触ると痛みがあったので皮膚科で診察していただきました。結果は『細菌感染』ということでした。診察後、また自分で色々調べていたのですが、『パジェット病』という病気を知りました。『パジェット病』はただの湿疹等と見分けがつきにくいと・・・。そこでご質問させていただきたいのですが、私は診察していただいて『細菌感染』と言うことで(看護婦さんとのお話の中で乳腺炎?とおっしゃってたように思います。その前後の話は聞いてないのですが・・・)抗生剤(服用(5日分)、軟膏)をいただきました。
1) 今回診察では『痒い?』とは聞かれましたが、その他は特に何も聞かれたり検査したりということは無かったのですが、視診と触診のみで判断できるものなのでしょうか? ちなみに私は痒くはなく、触ると痛いです。今日でお薬を飲み始めて2日経ちました。見た目はそんなに変わっていませんが(膿んでる部分が少し大きくなったような気もしますが・・・)、触っても痛みはなくなりました。
2) これは治ってきているということなのでしょうか?
3) パジェット病というのは一度『細菌感染』等と診察されれば、心配しなくても良い病気なのでしょうか? それとも、今の状態が完治するまでは可能性はある病気なのでしょうか?

お忙しい中、申し訳ありませんが、またご回答よろしくお願いいたします。

お話を聞いているだけで、拝見していないのではっきりとは申し上げられませんが、乳頭周囲の乳輪部のぶつぶつとしたところのひとつがにきびのような状態になっているのだとすると、モンゴメリー腺という腺組織の炎症が一番考えられるかもしれません。炎症であるとすれば痛みが取れてきたのは治ってきているひとつの徴候と考えられます。パジェット病は乳頭の一部が糜爛となって湿潤していることが多く、そこからの細胞診検査を行ったりします。典型的なものは見た目でかなり疑えますので、ご心配でしたら一度乳腺外科を受診なさってください。(文責 片山)

 

No.3138】 04年11月14日   A.T.
その後の検査結果について(HPNo.3078-3)

質問No.3078でお世話になっています。その後の検査結果についてご相談させてください。細胞診を2回(別々の病院で)受けたのですが、”クラスVa”と”良性”という異なった結果になりました。超音波および乳管造影では、乳頭腫などの明らかな病変は検知できませんでした。結局様子をみるしかないと思うのですが、2ヵ月後に出産予定のため、不安に思っています。そこで以下をお聞きしたいのですが:
1) 出産後、赤ちゃんに母乳を与える前に分泌物の検査をした方がいいですか?(異常な細胞が含まれている母乳を与えることによる影響はありますか?)
2) さらに授乳期に入ると微量の出血はわかりにくくなると思うのですが、定期的に分泌物や超音波の検査をした方が良いのでしょうか?
3) もし出産後も明らかな出血が続いた場合は授乳をあきらめて、さらにいろいろな検査を進めた方がいいのでしょうか?

ご回答よろしくお願いいたします。

母乳中に血液をはじめとする異常な細胞が含まれていても赤ちゃんには影響は無いものと考えますが、乳管造影の検査は陰性ではあるものの、ClassVaは乳管内の良生腫瘍(乳管内乳頭腫)の可能性が高く、その場合乳管切除を含めた外科的処置をしないと出血が続いてしまうことになります。(文責 片山)

 

No.3137】 04年11月14日   S. C. I 
ゾラデックスについて

43歳です。昨年12月に温存手術をし、放射線治療を受け、3月からゾラデックスを月1回注射しています。生理は4月からありません。避妊する必要はあるのでしょうか? また、最近足の爪が痛みもなくはがれてきた(2箇所)のですが、これは副作用ですか? よろしくお願い致します。   

添付文書に、「動物実験で流産もしくは分娩障害が認められており、また他のLH-RH作動薬による流産の報告があるため、治療中はホルモン剤以外の避妊法を用いること。」とあります。排卵が100%止まるとは限らないため、ピルなど他のホルモン剤以外の避妊(コンドームの使用など)が必要になります。また爪がはがれるという副作用の記載は一応ありません。(文責 片山)

 

No.3136-1】 04年11月13日    ゆき 
骨転移

はじめまして。宜しくお願い致します。
私が33歳の、2000年6月に浸潤性乳管がん(グレード高・ホルモンレセプター陽性・ハーセプト+1)と診断されました。当時、リンパ節、肝臓、肺、骨への転移はありませんでした。補助療法として、温存した乳房への放射線療法、その後ホルモン療法(ゾラデックス注射)をしていましたが、2001年の8月に腰椎L4に遠隔転移を起こし、転移部に放射線照射、その後タキソールの投与をして腫瘍マーカーが正常範囲にもどり、経口抗がん剤のフルツロンを服用していましたが、半年後にはまたマーカーが上がりました。今度はエンドキサン錠に変更し、効果が現れマーカーの方も下がり始めましたが、また半年もするとマーカーは上がり始めました。その間も検査をしましたが転移を認められるものはありませんでした。それでも納得のいかなかった私は都内でPET検査を受けると骨盤に集積が見られたのです。そして2003年の10月、左仙腸骨に2回目の転移をしてしまいました。その時の治療も放射線照射、ホルモン剤のアロマシン錠、ゾラデックスは当初より継続、ビスフォナールの投与を今もしています。マーカーも少し下がり気味になりました。ところがまた半年もするとNCC-ST439が800になり、再度骨シンチをすると腰椎L3、右仙腸骨に転移がわかりました。そこで今後の治療法としてはどんなものが考えられますでしょうか?主治医は前回効果があったタキソールを勧めます。セカンドオピニオンでは骨への効果があるCMFとビスフォナールを勧められました。今回3度目の骨転移なので内臓に転移をしない為、現状を維持する為、運良く完治できるようにする為にはどうしたら良いでしょうか? また、CMFの投与の仕方はどのようなものでしょうか? 副作用はタキソールより穏やかと聞きましたが、どのようなものがありますか? 長々と申し訳ありませんでした。ぜひアドバイスをよろしくお願い致します。現在、私は37歳です。

タキソールは確かに前回効果があったのですが、逆に、使ったのに新たな転移が出てきたとも考えられます。同じタキサン系でタキソテールも選択肢のひとつになると考えます。CMFは通常月に2回の点滴(1日目と8日目にメソトレキセート、5−Fuを投与)、その2週間エンドキサンを服用。その後2週間休薬し、これを6クール行います(点滴は全部で12回になります)。副作用は骨髄抑制、吐気、嘔吐、脱毛などで、確かに比較的マイルドではあります。また無月経も6割くらいに見られます。またアントラサイクリンはまだ使用されていないようなので、AC、ECやCAF、CEFといった治療が次なる選択肢として考えられ、3rdラインとしては経口薬のゼローダがあります。(文責 片山)

 

No.3136-2】 05年01月16日    ゆき 
骨転移の治療法

昨年11月11日に初めて質問させて頂いた、ゆきです。その節は大変お世話になり、ありがとうございました。あれからCMFを一回受けたのですが、副作用がきつく、年末年始は中止していました。昨日、病院へ行った所、NCC−ST−439が2500になっていました。現在、骨以外の転移は見られません。主治医によると、骨転移が進んでいる状態でしょうか・・・ということでした。私は現在、身体の痛みはほどんどなく、寝るときに仰向けになると腰椎周辺に違和感がある程度です。そこで、ご相談ですが、私は今後どのような治療を受けるべきか悩んでいます。痛みがないのに体力を落としてまでも抗がん剤投与を受けるべきか、それともホルモン療法が使えるタイプのがんなので、まだ使っていないヒスロンを服用してみるか・・・。現在の治療は月1回のゾラデックス注射、2週間に1回のビスフォナール投与です。主治医は、マーカーが高いので何か手をうったほうがいいでしょうとの事でした。自覚症状があまりないので、どうしてもどんな治療にも踏み込めません。薬の副作用が怖いのです。ヒスロンは血栓症が怖いし、抗がん剤は元気な細胞までダメージを受けるし、本当に頭でっかちになってしまいます。先生、どうかよいアドバイスを宜しくお願い致します。

骨転移だけですので、命にすぐ影響を及ぼす状態ではありません。したがって、副作用の少ない治療、ホルモン感受性があるのであればホルモン療法が第一選択です。
今までどのような治療をされたのかわかりませんが、まず、タモキシフェン+ゾラデックス、これが無効であれば、まだ臨床研究の段階ですが、ゾラデックス+アロマターゼ阻害剤(アリミデックス,アロマシン)を考えます。(文責 徳田)

 

No.3136-3】 05年01月19日    ゆき 
転移性乳癌の治療について

早速のお返事、ありがとうございます。先生からの回答にあったように、ホルモン療法はどちらも受けました。効果は、目をみはるようなものではありませんでした。なぜかというと、術後補助療法でゾラデックス+タモキシフェンを受けましたが(その時点では転移はありませんでした)、しかし1年後に腰椎転移、そしてタキソール(4クール)を投与しました。効果が有り、腫瘍マーカーが正常範囲にまで下がりましたが、半年を待たず腫瘍マーカーが上昇してしまい、その後、経口抗がん剤のフルツロン、効果がなくなるとエンドキサン錠と変更して行きました。その間もゾラデックスは継続していました。タモキシフェンは副作用に耐えられず、中止。その後、左仙腸骨に転移をして、その時はゾラデックス+アロマシンを受けました。でも、先ごろ右仙腸骨に転移がわかり、その後の治療のことで迷っているんです。
次の治療法として、主治医から提示されているのは、ヒスロンの服用、または抗がん剤投与です。現在、腫瘍マーカー(NCC−ST−439)が2500で、痛みは殆どなく、ごく自然に日常生活を送っています。なので、副作用に苦しんでまで抗がん剤をする必要があるのか、ヒスロンにしても血栓症、血圧の上昇など揚げられているようで心配です。ゾラデックスをするようになってから、コレステロール値の増加、高血圧症に悩まされています。かといって、やはりゾラデックス+ビスフォナールだけでは、このがんの勢いは抑えきれないのでしょうか? よろしくお願い致します。

転移性乳癌の治療の場合、ホルモン療法で効果があった後に病状が進行したのであれば他のホルモン剤を使用し、効果がないのであれば、抗がん剤治療を考慮するというのが一般的です。ホルモン療法の効果が不十分であるのであれば、アンスラサイクリンやカペシタビンなどによる化学療法も選択枝としてあげられると思います。副作用については個人差がありますので一概には言えませんが、副作用と生活の質の両方を考慮して治療を選択していかなければならないと考えます。(文責 浜口)

 

No.3135-1】 04年11月13日    T.T. 
抗ガン剤の種類

妻(41歳)が乳ガンの全摘手術(左のみ)、センチネル生検を受けて3週目になります。今日病理検査を聞きに行ったところ、全体の3割が浸潤ガン、全体=2cm、うち浸潤部分1.1cm、悪性度3、リンパの転移は3個中0個でした。術後にホルモン療法と化学療法を受けるよう勧められ、抗ガン剤はACかCMFから選択するよう言われました。妻にはどちらの抗ガン剤が向いているのでしょうか?

標準的にはACで、その場合ホルモン療法は化学療法終了後に受けることになると思いますが、脱毛などの副作用が多少弱いほうがということであればCMFも選択肢の一つになると考えます。またもしハーセプテストが行われていて3+であれば、やはりACのほうが推奨されることになります。(文責 片山)

 

No.3135-2】 04年11月15日    T.T. 
髄様癌

お返事ありがとうございました。先の病理検査結果で、髄様癌と言われました。何か悪い癌なのでしょうか?特別な治療が必要なのでしょうか?何度もすみませんが、よろしくお願いいたします。

典型的髄様癌は比較的予後が良好であるとされます。逆に非典型的なものは少し予後が不良ということになります。いずれにしても前回お答えしましたようにACをはじめとする化学療法(その後ホルモン療法)が推奨されると思います。(文責 片山)

 

No.3134】 04年11月13日    S 
手術を受けるべきか迷っています

初めまして。24歳で未婚、出産歴はありません。中学生ぐらいから両方の胸にしこりがあります。異常ではないと思い放置していました。しかし、しこりがだいぶ大きいようなのと、安心したかったので、近くの市立病院に行き、診察してもらいました。マンモグラフィーと超音波検査、細胞診の結果、悪性ではなく、乳腺線維腺腫の疑いと診断されました。右側は1.5cmと小さく、何の処置もいらないと言われましたが、左は3.5cmとやや大きいので、取った方がいいと言われました。でも、今の大きさのままなら取らなくてもいいし、取らない人もいるから、取るかどうかは自分の判断に任せると言われました。今なら傷口もあまり目立たないとは言われましたが、やはり手術は怖いし、しなくても良いと言われると逃げ腰になってしまいます。先生には、まだ若いから将来もっと大きくなってしまい、取らざるをえなくなってから取るともっと傷口が大きくなってしまうから、急ぐことはないが取ることを勧めると言われました。そう言われると大きくなってから取るのも嫌だし今のうちに取るにこしたことはないのかなぁと思い、迷ってしまいます。自分で決めなければならないことなのですが、ご意見を聞かせて頂きたくメールしました。また、手術をすることによるデメリットはありますか? 取ったあとポッカリ穴があいて水がたまるなどの問題はないのでしょうか? お返事よろしくお願いします。

お話をうかがって、かなり長い期間ある腫瘤であり、検査結果からしてまず良性の線維腺腫で、経過観察でよろしいと考えます。確かに左側が大きいのでこの後もしも短期間に急速に大きくなると次第に取りづらくなることはありますが、少し経過をみて考えてよいと思います。
手術ではかなり大きな線維腺腫を摘出しても変形はさほど目立たない事が多いです。良性の間質性の腫瘤の場合、周囲に圧排性に発育していることが多いからだと考えられます。(文責 片山)

 

No.3133】 04年11月13日    T.K.
化学療法の選択について

直径約1.6センチの乳がんで、リンパ節転移はありませんでした。8月に温存手術を受け、腋窩リンパ節も切除しました。その後、ホルモンレセプターが陰性であったため、ホルモン療法は選択できず、放射線のあと化学療法一本で治療することになりました。そこで質問があります。以上の経過から、抗がん剤は、「マニュアルではワンランク上のものを使うのが普通だが、リンパ節転移もないので弱い抗がん剤でもいいようにも思う、どうしますか」と主治医から言われています。副作用のレベルがずいぶん違うようですが、どちらの選択をしたようがよいか迷っています。いいアドバイスがあれば教えてください。よろしくお願いします。

弱い抗癌剤とはCMF(サイクロフォスファマイド、メソトレキセート、5−Fuの併用)のことで、ワンランク上とはAC(アドリアマイシン、サイクロフォスファマイドの併用)、EC(エピルビシン、サイクロフォスファマイドの併用)やCAF、CEF(前2者に5-Fuを併用)のことであると仮定してお話させていただきます。CMFは1970年代からGold standardとされてきた化学療法で、再発を24%くらい減少させる効果があるとされます。副作用としては吐気、嘔吐、といった消化器症状や骨髄抑制、脱毛などですが、確かにアドリアマイシンやエピルビシンといったいわゆるアントラサイクリン系といわれる抗癌剤よりも若干弱いようです。また年齢によりますが、閉経前の患者さんではサイクロフォスファマイドの副作用により約6割の方が閉経状況になります。CMF6クール(点滴12回/6ヶ月)とAC、EC4回(3週間ごと、短い期間で終る)の効果がほぼ同等といわれ、総じてアントラサイクリンを含むやり方のほうが、CMFで再発を逃れられなかった患者さんのさらに11−12%を救ってくれるというデータがあります。主治医の先生がおっしゃるように現在ではアントラサイクリンを含むやり方のほうが標準となってきており、またハーセプテストが陽性であればアントラサイクリンが推奨されることになります。(文責 片山)

 

No.3132-1】 04年11月13日    M.W.
リンパ節切除とセカンドオピニオンについて

はじめまして。30歳・既婚・子供なしの兵庫県明石市在住の女性です。10月初めに右胸の乳頭右下付近のしこりに気づき、総合病院の外科を受診しました。エコー・MRIの結果、良性腫瘍だろうということで、11月初めにしこり部分(2cm未満)を摘出しましたが、病理検査の結果、ガンだったので、再度手術が必要とのことです。先生の話によると、早期ガンで、検査結果次第では温存(くり抜き)手術が可能とのことです。手術の際にリンパ節も切除するといわれましたが、リンパ節への転移は、切除しないと調べられないのでしょうか? リンパ浮腫等の後遺症も心配ですし、出来ることならリンパは残したいのです。また、その病院には乳腺専門の診療科がなく、普通の外科での診察です。その病院なら、早くて11月末には手術が出来るらしいのですが、乳腺科のある病院だと手術まで1〜2ヶ月かかることもあると聞きました。しこりの摘出のために一度メスを入れているので、手術は出来るだけ早いほうが良いそうです。セカンドオピニオンも含めて、家族と相談して決めて下さいとのことですが、やはり専門の乳腺科のある病院のほうが良いのでしょうか?良いアドバイスをお願いします。

センチネルリンパ節生検といって、アイソトープや色素を注入することによって、癌から一番初めに流入するリンパ節を同定して摘出し、迅速診断で転移のあるなしを判定して、転移がない場合はそれ以上の郭清を行わないという術式を採用している施設もあります。現在の主治医の先生にセカンドオピニオンも含めて相談されるとよろしいと思います。(文責 片山)

 

No.3132-2】 04年11月19日    M.W.
治療方針について

HPNo.3132ではお世話になりました。良性と診断され、摘出したら悪性ということだったので、乳腺科でセカンドオピニオンを受けてきました。そこでの診察の結果、「抗がん剤(EC)の後、手術をして、その後また抗がん剤(タキソール?だったかな)治療をしましょう」と言われました。初めにしこりの部分だけは摘出しているとはいえ、その周辺にがん細胞が残っているのに、すぐに手術しなくても大丈夫なんでしょうか? なんとなくですが、腋も腫れているような気がします。どんどん転移していったりしないのでしょうか? 乳がんというと、まず手術というイメージがあり、主人や親に「手術は2月になった」というと、「そんなんで大丈夫なの?」と言われ、心配になってきました。手術は早いほうが良いのでしょうか? よろしくお願いします。

何度もメールして申し訳ありません。ガンと宣告され、セカンドオピニオンを受け、一度はその病院でお世話になると決めたのですが、まだ悩んでいるので、相談に乗っていただきたいのです。良性と診断され、腫瘍を摘出したのち、病理検査でガンと診断されました。最初に行っていたA病院での治療方法は、「取り残しているであろうガン細胞とリンパ節を手術で取り除き、その後放射線療法を行う。転移があれば必要に応じて抗がん剤・ホルモン療法を行う」というものです。次のS病院は、抗がん剤を使用した後、手術で取り除き、その後抗がん剤と放射線療法(転移の有無にかかわらず)というものです。A病院に対しては「たったそれだけでいいの?」、S病院に対しては「そこまでしなくちゃならないの?」と感じました。S病院では、マニュアルに沿った治療法という感じでした。A病院では、早ければ月末には手術が出来るそうですが、S病院は大きな病院で、手術の予定も多いみたいです。S病院での術前抗がん剤投与は必要なのでしょうか?手術待ちのあいだの対策のような気がしてなりません。どちらのほうが良いのでしょうか。どうか良きアドバイスをお願いします。

しこりが2cm未満で脇の下のリンパ節が触れなければ、早期の癌と考えられます。そうであれば、術前に抗がん剤を投与する(術前化学療法)やり方は少しやりすぎの治療という気がします。通常通り、温存手術(追加切除とリンパ節郭清、場合によればリンパ節はセンチネルリンパ節生検も適応になるかも知れません)を行って、温存乳房に放射線療法、手術の病理結果によって、術後補助療法の適応になれば、補助療法を行うというやり方で良いように思えますが、診察しておりませんので再度主治医の方とよく相談されることをお勧めします。(文責 稲葉)

 

No.3131】 04年11月13日    N.S
乳輪下膿瘍について

初めまして。私は、現在35歳で未婚、妊娠暦もありません。28歳の時に左胸の乳輪下膿瘍と診断され、切開しました。1998年6月のことです。穴がふさがるまで2ヶ月以上かかりました。その2、3ヵ月後に再発、翌年の4月にも再発して、2000年1月に4度目の切開後、2月に手術(袋の一部を除去)を受けました。しかし、2002年元旦及び10月、2003年8月に再発、そして昨日8度目の切開をしました。再発する度に抗生剤を飲み結局効かずに麻酔を打って切る、この繰り返しが一生続くのかと思うととても不安で憂鬱になります。あまり繰り返す場合は乳腺外科で診てもらう方が良いと聞きましたがどうなのでしょうか? 初回から総合病院の形成外科で診てもらっているのですが。 又、そのような専門外科の場合、何処へ行ったらいいのでしょうか?よろしくお願い致します。  

乳輪下膿瘍は難治性で治療に苦労することもよくあります。乳頭の陥没はありますか?その場合、炎症の治まっている時期にその形成術をあわせて行うことで根治した症例は数例経験したことがあります。ケースバイケースであなたの場合がこれに相当するかどうかはわかりませんが、主治医の先生とよく相談してみてください。(文責 片山)

 

No.3130】 04年11月12日    S.K
石灰化・リンパ抽出

45歳です。5年ほど前に触診で「乳腺症」の診断を受け、国立病院外科を受診しました。そのときにはマンモと超音波、以後年に一度ずつ超音波で診断してもらって心配なしが続いていました。今年10月に他の機関の人間ドックでマンモをとってもらったところ、結果が、「右 石灰化(カテゴリー2)・左 脇下リンパ節抽出(カテゴリー2)」「上記の所見を認めます。特に心配有りませんが,年に一度の検診をおすすめします」という報告でした。心配ないとはいうものの右も左も聞いたことのない用語で、心配で眠れなくなりました。石灰化およびリンパ抽出とはどのような状態なのでしょうか? 人間ドックを行ったのは検診センターで、治療の機関ではないのですが、1年後の検診で大丈夫でしょうか? また、受診するならがんセンターのようなところがいいでしょうか? よろしくお願いします。

マンモグラフィーのカテゴリー分類で、カテゴリー1は異常なし、カテゴリー2というのは所見はあるが、良性の変化という意味で、まず心配いりません。石灰成分の沈着が見られるのが石灰化で、リンパ節抽出とは腋下のリンパ節が描出されているということで、悪性を疑わせる所見ではありません。ちなみにカテゴリー3でもほぼ良性であるが悪性も否定できないというニュアンスになります。4は癌の疑い、5は癌という5段階の評価です。私自身画像を拝見していないのでコメントできる立場ではありませんが、通常1年後の検診で大丈夫と思います。(文責 片山)

 

No.3129】 04年11月12日    K.I. 
今後の治療法について(HPNo.1638-2)

以前HPNo.1638でご回答いただきました。有難うございました。01年の鎖骨上リンパ節転移の際、左の脇の奥に腫瘍らしきもの(1センチほど)が認められた。しかし、触診では触れず、摘出手術はできなかった。02年夏に胸の表面の局所再発後アリミデックス+リュープリンに変更し、半年後の04年2月、局所再発の腫瘍(半年で大きさは変化なし)を摘出し、放射線治療を25日間受けた。5月のCT検査では、脇の奥のしこり(リンパ節?)は大きさは変わらず、他の内臓にも異状はなかった。ただし、アリミデックスとリュープリンの処方は保険適用から外れるとのことで、アリミデックスのみの処方となった。8月の血液検査ではホルモン量(エストラジオール)は10以下で、閉経状態と見られるとのこと。10月のCT検査で内臓には異状はなかったが、脇の奥のしこりが大きく(2センチほど)なっているのが判明。また、エストラジオールは15.3に上がっていた。薬はアリミデックスからアロマシンに変更した。

1) 今回の治療法としてホルモン療法がいいのか、化学療法がいいのか。それぞれ具体的にはどういう薬が選択肢としてあげられるか。他にどんな治療方法が考えられるか。
2) エストラジオール値が上がっているが、閉経状態とみていいのか。閉経後のホルモン剤を使用するにあたり、許容範囲なのか。
3) 脇の奥のしこりは取ったほうがいいのか(主治医はかなり難しい手術になるので、否定的な意見だった)。放射線、内視鏡手術等、他の方法はないのか。また手術にしろ、放射線治療にしろ、リンパ浮腫のリスクはかなりあるのか。

以上ご意見をお聞かせ下さい。どうぞよろしくお願いいたします。

1) 術後8年、再発後3年という年月がたっており、一応局所・リンパ節という軟部組織で生命に即かかわらない部位の再発と考え、ホルモン療法の切り替えを第一に考えられてよろしいかと思います。それで効果がなかった場合、化学療法ということになります。以前勧められたアントラサイクリン系の抗癌剤を含んだ多剤併用化学療法が1stラインとなると思いますが、ハーセプテストが陽性であればハーセプチンという選択肢も出てきます。
2) 年齢がまだ47歳とお若いので今後生理が戻ってくる可能性もあり、その場合、ホルモン療法としてLH-RHアゴニスト(リュープリン、ゾラデックスなど)も再度選択肢となり得ると思います。
3) 場所や深さなど個人差があって一概には言えないと思いますが、主治医の先生がおっしゃるように、腋下はかなり深くて難しいことも多く、取りきれる可能性も少なく、手術的に手をつけるのはあまり考えにくいと思います。私の患者さんで局所のコントロールをする目的で腋下リンパ節再発に対して放射線療法を行い、ほぼ完全に消えてしまって腕の浮腫も全くないかたもいらっしゃいます。(ちなみにこのかたは全身療法はCEF→ホルモン療法でした) (文責 片山)

 

No.3128】 04年11月12日    H.T.
タモキシフェン副作用の継続期間(HPNo.2809-2)

HPNo.2809(04年09月14日)では、ご回答いただき有難うございました。もうひとつ質問をお願いします。あのときすでに副作用が激しかったため、タモキシフェンの服用は中止していました。その後、ホルモン剤はいっさいやっていない状態なのですが、中止後三ヶ月以上たった今でも、脱毛など副作用と思われる症状が続いています。これまでの服用期間は約10ヶ月です。質問ですが、タモキシフェンの服用期間約10ヶ月程度の場合、中止後どのくらいの期間、副作用は続くものでしょうか。一般的な例がわかりましたら教えてください。また、ジェムザール+ハーセプチンの影響もわかれば教えてください。よろしくお願いします。

タモキシフェンによる脱毛の副作用は0.1−5%未満とされます。私自身ジェムザールの使用経験がないのではっきりとは申し上げられませんが、脱毛は抗癌剤による副作用の可能性が大きいと思います。(文責 片山)

 

No.3127-1】 04年11月12日    C.O.
ノルバテックスとアロマターゼ

51歳、2cmの乳癌でリンパ節に一箇所転移しておりました。抗がん剤治療中に生理がとまってしまいました。乳癌の手術後、抗がん剤治療も終わり、放射線治療と同時にホルモン治療を始めますが、医師よりノルバテックスにするのかアロマターゼにするのか問われています。副作用も含め違いを教えて下さい。またアロマターゼの薬の中でステロイド系と非ステロイド系の薬はどう違うのか教えて下さい。

標準的にはノルバデックスで、副作用などで投薬継続ができない場合はアロマターゼ阻害剤(アリミデックス)も可という事になっています。しかし最近大規模のトライアルでアリミデックスの方がノルバデックスよりも成績が良いとされ、今後この投与順が変わってくる可能性があります。
ノルバデックスでは子宮に対する悪影響、血栓症など、アロマターゼ阻害剤では骨に対する悪影響が一般的に言われています。アロマターゼ阻害剤は閉経後乳癌に対する治療薬です。51歳でいらっしゃるので、また生理が戻ってくる可能性もあります。
アリミデックスなどの非ステロイド系アロマターゼ阻害剤は間接的にアロマターゼを阻害するため、その作用は可逆的でしたが、アンドロゲンと同様にステロイド骨格を有するステロイド系アロマターゼ阻害剤はアロマターゼのアンドロゲン結合部位に強固に結合し、非可逆的にアロマターゼを不活性化するという作用機序の差があるとされます。(文責 片山)

 

No.3127-2】 04年11月15日    C.O.
抗がん剤による血管の炎症

先日は早速のご回答を頂き感謝しております。しかも1:54a.m.のご返答で大変恐縮しております。
10月4日を最後に抗がん剤を中止いたしました(結局計5クールしました)。7月26日の抗がん剤点滴で右の手の甲が腫れ、いまだに痛みがあり、右手全体に時々痺れたような、リンパ液が溜まったようになり、8月16日の点滴で右手首から上に20センチくらい血管が浮き出し痛く、9月27日足に点滴し、足首や甲が腫れ上がり、ジンジン痛くて一週間くらいベッドから出ることが出来ませんでした。現在も少し改善された程度です。医師より血管の炎症であるといわれ、イドメシンを頂きましたので塗っております。後遺症を残さずに、どのくらいの期間で治るものでしょうか?急いで治したいのですが、どうすればいいのでしょうか?ご回答を宜しくお願い致します。

血管痛は様々な抗癌剤で起こる頻度の高い副作用です。実際の状況を拝見していないのではっきりしたことは申し上げられませんが、急性期であればリバノール湿布やステロイド剤の全身投与などの治療が考えられ、かなり時間もたっている現在では、今行われている保存的な治療で様子を見ていくしかないと思います。(文責 片山)

 

No.3127-3】 04年12月09日    C.O.
アリミデックスの副作用について

以前にも質問をさせて頂いたものですが、私は現在、アリミデックスを服用しております。骨、関節等に副作用があると聞きました。もろくなった骨に対してよい薬がもうすぐ保険の適用にになるそうですが、その薬について教えて下さい。自分がどんな検査をして、どうなったときに服用すべきでしょうか?教えて下さい。

確かに、アリミデックスを術後補助療法で内服した場合、ノルバデックス(Tamoxifen)を内服していた患者さんに比べて骨折等の骨関連事象が多かったことがわかっています。だからといって、アリミデックスを内服している方全員の骨が脆くなるという訳ではありません(というより、そこまで長期のデータがなく不明だということです)。大阪大学の野口先生が、日本人でアリミデックスを内服している方の骨密度を調べましたが、短期間では大きな変化はなかった、と報告しています。私の個人的な考えでは、閉経後の方はただでさえ骨が脆くなっていく訳ですから、アリミデックスを内服している方には定期的に骨密度を測定してもらい、下がっているようであれば、ビスフォスフォネート製剤(ベネット、ボナロン等)を骨粗鬆症の治療薬として内服してもらっています。新しい薬というとエビスタ(Raloxifen)のことかと思いますが、この薬はSERMといって広い意味でノルバデックスの仲間です。ノルバデックスとアリミデックスの併用は良くないことがわかっていますから、お勧めできない組み合わせです。(文責 清水)

 

No.3126】 04年11月12日    Y 
マンモトーム生検について

マンモトーム生検についてお聞きします。6ミリほどの良性だと言われているしこりですが(細胞診も問題なし)、もう一度はっきり調べてもらうためマンモトームを希望しています。マンモトームでこのくらいの大きさのものだと、摘出生検と同じくらいの精度ですか? また三割負担でおいくらくらいかかるのでしょうか? よろしくお願いします。

6mmという非常に小さいしこりであり、その存在部位・固さなどにもよりますが、マンモトーム生検を含めた生検自体がなかなか難しいと思います。主治医の先生とよくご相談ください。マンモトーム生検は平成16年4月から乳腺腫瘍画像ガイド下吸引術として保険適応となっており、ある病院に尋ねましたら、3万2−3千円とのことでしたが、病院によって多少の差はあると思います。(文責 片山)

 

No.3125-1】 04年11月11日    M 46
乳頭血性分泌に関して

乳頭血性分泌に関して少々判断を仰ぎたいことがあり、メールをさせて頂きます。
46才で出産経験なし。10/23から左の乳頭より血性分泌があり、10/25に乳腺科のある診療所を受診しました。本日までに2回診察(視触診、乳頭分泌液細胞診、マンモグラフィー、超音波)を受け、左乳頭下に3センチのしこりがあるといわれました。現在のところ「悪性だと乳ガン、良性だと乳管内乳頭腫の可能性が一番高い。まだはっきりしないので、乳頭分泌液の細胞診を繰り返して行い、経過を見ましょう」との診断です)。
丁寧に診て頂けるのは有り難い(シルバー世代の外科医)のですが、今の段階で「ガンだと乳房もリンパもすべて取る乳房切除術」と言い切られ、ちょっと心配です。下記の質問にご返答下さいますようお願い申し上げます。

1)乳頭分泌液の細胞診を繰り返すのは、どのくらいの期間、何回くらい必要なのでしょうか? 
2)「穿刺吸引細胞診をすると(針を刺すことになり)リンパに転移する可能性があるので、その検査をする場合、翌日にでも手術ができる準備をしてから。悪性だとガンが乳頭から下にいっているので乳房もリンパもすべて取らなければならない乳房切除術となる。」と言われました。乳頭下にある3センチのしこりが悪性だったとしても、乳房温存術を考慮に入れて検査して頂ける可能性はないのでしょうか? 
書籍やインターネットでは、「針生検や細胞診のためにしこりに針をさすと、がん細胞が飛び散ったり転移したりするので、針を刺したらただちに手術しないといけないといわれることがありますが、この説はさほど根拠がなくあまり気にする必要はない」や、「片側性で血性分泌の場合には乳管内腫瘍や乳癌の可能性がありますので、検査が必要です。まずはマンモグラフィ、超音波検査で腫瘍の有無を確認し、更に分泌物の検査(細胞診、乳汁中CEA測定)を行い、必要であれば乳管造影やMRIなどの検査を行うというのが一般的ではないでしょうか。」とのお医者様の記載がありました。
3)早期に他の検査(穿刺吸引細胞診、分泌液中CEA測定、組織診、乳管造影、乳管内視鏡、MRI等)をする必要はないのでしょうか?

お忙しいところ恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます。

1)実際に画像も拝見しておりませんし、細胞診の結果がClassTであったのかVであったのかなどによっても異なると考えられ、一概には言えないと思います。
2)3)私見ですが、やはり次は穿刺吸引細胞診だと思います。そのしこりから乳頭分泌物が出ているとしても、必ずしも分泌物と穿刺の細胞診の結果が一致するとは限らないからです。分泌液中CEAもある程度参考にはなると思います。

それでも診断がつかなかった場合は切除による組織診ということになると思いますが、いずれにしても、もし乳頭下のしこりからの血性乳頭分泌であるのならば、これを取らない限り出血は止まらないことになります。乳管内乳頭腫などの良性疾患だった場合はこれで治療は終了します。乳癌であった場合、非浸潤癌で取りきれている可能性もあれば放射線療法併用で温存術の選択肢もあると思います。(文責 片山)

 

No.3125-2】 04年12月21日    M 46
左乳腺腫瘤に関して

HPNo.3125でお答えいただいたM 46です。先日は迅速なご回答をいただき、ありがとうございました。大変参考になりました。その後、乳腺科のある診療所にて一ヶ月程の経過観察をして、12/15にS病院へ転院しました。10/25から12/6まで診療所に通院して、視触診・乳頭分泌物細胞診にて経過観察。左乳輪下にあるしこりは徐々に小さくなり(10/25は4センチ大だったのが、11/21以降は2X1.5センチ)、乳頭分泌物細胞診は5回全て良性class II(当初、血性だった分泌物は、透明な黄色い液に変化)、量も徐々に少なくなり、12/7を最後に出なくなりました。診療所の主治医の診断は、「しこりが一ヶ月半の間に4センチから2センチと小さくなったのは、左乳頭下に腫瘍と嚢胞があり、嚢胞部分は分泌となって外に出たせい。でもしこりが良性か悪性かはわからないので、腫瘍切開の外科手術をしたほうがいい」と勧められました。
前回の相談室から「次は穿刺吸引細胞診、それでも診断がつかなかった場合は切除による組織診」と教えていただいていたので、当方から外科手術の前に穿刺吸引細胞診や組織診をしてほしいと何度かお願いしたのですが、主治医から「腫瘍に注射針を刺し、もし悪性だとリンパに広がる可能性があるから危険。とにかく入院して腫瘍切開の外科手術をしましょう」と言われ・・・、今までの検査データーをもってS病院に転院しました。
12/15にS病院にて、今までの症状・診療の経過を聞かれ、検査データー(診療情報提供書、10/25撮影分マンモグラフィーとエコーの画像、5回の分泌物細胞診検査報告書)をもとに、腫瘍のある左胸の視触診。 S病院の主治医からは、「腫瘍が左乳頭下にあり、柔らかいですね。画像で診ても腫瘍は丸いし、たぶん良性でしょう。ただし、腫瘍の検査は今までしていないので、確認のために検査をしましょう。穿刺吸引細胞診は痛いし、何回も針でさすのもどうかと・・・。どうせやるならマンモトーム生検をやることをお勧めします。これなら腫瘍の90%を吸収できるので、良性腫瘍の場合はこれでOK。もし悪性だったら、もう一度、大きめに切開しないとなりませんが、それは組織を顕微鏡で検査すればはっきりとするから。」と言われ、来年1/6にマンモトーム生検をすることになりました。
S病院のドクターはとてもお忙しそうで、マンモトーム生検のパンフレットと説明・同意書を渡され、「よく読んで、1/6に署名して持ってきて下さい」と言われ、看護師に血液検査の指示を出し、慌ただしく去っていきました。詳しいことを聞きそびれ少々不安になっているので、お手数をおかけしますが下記の質問にお答えいただければ幸いに存じます。
1) 私の場合、マンモトーム生検はやはり必要ですか。また、左乳腺腫瘤の検査として、穿刺吸引細胞診をやらずに(省略して)、すぐ「超音波ガイド下マンモトーム生検」をやるという選択で良かったのでしょうか?
2) 超音波ガイド下マンモトーム生検の説明・同意書の内容は下記の通り。
・現在の診断名・病状、推測される原因 : 左乳腺腫瘤。
・手術・治療・検査・処置などの内容、期待される効果、予想されるリスク : 超音波で病変部分を確認しながら局所麻酔後に太い針を刺して病変部分の組織を一部吸引し、病理検査へと提出します。術後、出血、血腫、感染のリスクがあります。
・代替的方法の有無、内容 : 切開生検、手術を選択する場合もあります。

予想されるリスクに「血腫」とありますが、それはどういった症状ですか? また、代替的方法に「切開生検、手術を選択する場合もあります」となっていますが、どういった場合、そちらの方法に切り替えられるのでしょうか?

以上、お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願い申し上げます。

診療所の主治医、S病院のドクター共に、「しこりが良性か悪性か分からないので、細胞ではなく組織をとって、よく調べましょう」とお話されています。診療所の主治医は、組織を採取する方法として、「手術により腫瘍をすべて取り除いた上で、顕微鏡で検査しましょう(切開生検、手術)」と言っていますが、この場合、手術によって手術創の残る事がデメリットとなります。S病院のドクターは、「超音波ガイド下マンモトーム生検で腫瘍の90%を取り、顕微鏡で検査しましょう」と言っているのです。この場合、手術創はほとんど出来ませんが、10%の腫瘍が残るというデメリットがあります。また腫瘍を吸引して取り除く時に、稀ではありますが、血管を傷つけて出血し、血の塊(血腫)が出来る事があります。メリット、デメリットを充分理解した上で、どちらの方法で組織検査を行うかについて、もう一度主治医とご相談下さい。納得のいく治療を受ける事が大切です。(文責 須田)

 

No.3124】 04年11月11日    Y
摘出したいのですが(3) (HPNo.3100-3)

HPNo.3100のものです。いつもお返事ありがとうございます。マンモグラフィーを貸してもらい、大学病院でも診察していただきました。大学病院では、「リンパ節だよ。そりゃ絶対とはいわないけど。でも、これは摘出するほどのものでもないし、うちだったらこれは問題にしない!でも心配であれば、安心感というためにマンモトームをしてもいいよ。」とおっしゃったので、「します!」といって予約してきました。(先生は爆笑しておりましたが)
そこで質問ですが、リンパ節にマンモトームをした場合、やはり、リンパ節は腫れるのでしょうか? リンパ節に傷ができると、しばらくは近くのリンパも腫れたりするものですか?

部位やマンモトームで取る範囲にもよるでしょうが 、やはり多くは一過性の腫脹はおこると思います。(文責 片山)

 

No.3123】 04年11月11日    saki子
高齢の祖母の手術法の選択について

祖母(80歳)の手術・治療法について、参考意見を伺いたくお願いします。穿刺細胞診(クラスX)にて確定、腫瘍径は1〜2cm、術前ではT期と診断されました。機能検査は問題なく手術可能。リンパ郭清はセンチネルリンパ生検による予定。「温存術(扇状)+放射線照射」を提示されましたが、放射線治療のデメリットや切除断端陽性の場合を考えると、最初から「乳房切除術」を受けるか選択に迷います。放射線について、年齢からは、5週間の通院の負担、皮膚のトラブルや風邪や体調不良などで治療が中断するケースも懸念します。その場合、本人も再発不安を抱えることとなります。将来再発の場合は年齢的に今よりも治療が困難になるので、乳房内再発は回避したい、かつ、なるべく体力的に負担の少ない治療法を選びたいと考えています。
1)手術自体は、温存と全摘で術創の回復や後遺症など、どの程度の差があるものでしょうか。(リンパ郭清の要素の方が大きいと思いますが、これはセンチネル生検次第に委ねる。)
2)温存なら放射線治療セットとして、総合的にどちらが負担・リスクが少ないと考えられるでしょうか。
3)術創がケロイド状になる体質ですが、術後放射線治療に支障はないでしょうか。

主治医との最終的な話は入院後の予定ですが、祖母自身も納得できるように私たちのフォロー説明が必要なので勉強中です。よろしくお願いいたします。

乳房の大きさと腫瘤の大きさ、その位置との関係や切除する範囲、また確かに創部のケロイドになりやすさなどの個人差があり一概には言えませんが、総じて温存術のほうが侵襲も少なく回復も早いとは思います。ただ術後早期のリハビリなどで、全摘の場合でも遜色のない動きを得ることが多いことも事実です。(文責 片山)

 

No.3122-1】 04年11月09日    K.K.  
卵巣のう腫

友人の事です。昨年乳癌の温存手術を受け、放射線の後、抗ホルモン剤の服用を続けています。今日一年検診を受けたらエコーで7センチの影があり、「卵巣のう腫の疑いあり」と言われたそうです。ガンは最大が1.9cm、硬癌Vb、ホルモン受容体プラス3、ハーツープラス1だったそうです。乳癌の転移で卵巣癌というのはありますか? 抗ホルモン剤の副作用という事はありえますか? 7cmは開腹しての切除の対象となりえますか? 乳癌から少し逸れてしまいましたが、宜しくお願いします。数日後乳癌の手術をするので、人事ではありませんでした。

乳癌の転移先として多いのは骨、肺、肝、脳などであり、卵巣にしかも単独にというのは稀だと思います。服用されているのがノルバデックスであるとすれば、副作用として子宮筋腫が0.1%ほどあるとされますが、卵巣のう腫は考えにくいと思います。
卵巣のう腫に対しても大きく開腹せずに腹腔鏡下手術も行われているようです。手術の適応としては、様々な状況から転移・再発が疑われ、診断のための手術というのは考えられると思います。(文責 片山)

 

No.3122-2】 04年11月12日    K.K.  
乳頭からの分泌物について

HPNo.3122でお答えを頂き、有難うございました。左胸の乳がん摘出手術(温存)を間近に控えておりまして、一通りの検査(マンモ、針生検、分泌物検査、エコー、MRI)が終わっています。しこりは1.8cm、針生検の結果はクラスX、分泌物はVでした。MRIで、「乳腺全体にちらちら白いものがあるけれど、そういう乳腺の人もいる」という説明でした。ただ、摘出する時は、そのちらちらと、後で自分で見つけた6mmのしこり(エコーでは悪いものとは考えられないが大きいしこりの傍にある)が同じ画像なので、ちらちらを少しと6mmも大きいものと一緒に摘出して細胞検査をするとの事です。
正常な右胸から10年前より絞ると乳汁が出ます。出るのに気付いたのは授乳が終わって10年以上もたってからです。左は出なかったのですが、今回こういう事があったので無理矢理に絞ると小さくポツン・・と薄黄色のものが出るので検査をして貰ったのですが、先ほど気になって、また絞ってみると五箇所くらいから黄色くてビタミン剤のような色のやや粘液っぽい液が出ました。かなり強く絞らなければ出ません。乳汁もそうですが、一度絞ると時間をおかなければ出てきません。
1) MRIの白いちらちら・・というものは、どういったものが考えられますか?
2) 乳頭から無理矢理に絞ると液が出る・・というのは正常では考えられない事ですか?
3) 右の乳汁、左の分泌物は絞らないほうがいいのですか? 又、左のものが悪性だったとしたら、絞ることでその乳腺全体にがんを広げてしまったり、出てきた分泌物を触ったりしたことで、癌が別の場所で繁殖するという事はありますか?

1) 実際に画像を拝見していないのではっきりとは申し上げられませんが、石灰化か乳管内進展の小さい病巣が描出されているのかもしれません。
2) 乳腺は分泌臓器でありますから、病変がなくても強く絞れば液体が滲むように出るということはあります。
3) 絞ることが直接がんを広げてしまうことはないと思いますが、手術を控えてあまり強くいじっていると、感染を起こして手術時に影響が出ることのほうが心配です。そっとしておきましょう。(文責 片山)

 

No.3122-3】 04年11月14日    K.K.  
乳頭からの分泌物について(2)

ご回答ありがとうございました。MRIの画像に写っているのが「石灰化か乳管内進展の小さい病巣の抽出」ということですが、
1) MRIに石灰化は写らない、と聞いたのですが、写る事もあるのですか?
2) 乳管内進展の小さな病巣とは、具体的に何が考えられるのですか?
3) もし悪いものだとすると大きいしこり以外に別の種類のがんが乳管に広がっていると考えるのですか。それなら何故「温存」になるのですか。取り出したものを検査して、全摘の再手術になるのでしょうか?

1)2) MRIは乳癌の乳管内進展の描出に優れているとされ、石灰化は乳管内進展を示唆する指標のひとつですから、間接的にちらちらとした画像というのがそのような所見をあらわしている可能性を考えました。実際の画像を見ていないのでこれ以上は分かりません。
3) 乳管内進展があっても取りきれる、あるいはほぼ取りきれていると考えられる場合、放射線療法併用による温存術は可能と考えます。永久標本の結果で温存した乳房に癌が遺残した可能性が高い場合、その量や広がりの問題もあると思いますが、放射線療法に委ねるか、再手術を考慮するかという選択が必要になる場合も時にあると思います。(文責 片山)

 

No.3122-4】 04年11月30日    K.K.  
術後の状態について

19日、温存、センチネル0/4です。術側の手を上に挙げると、センチネルの為の腋の傷から乳房にかけて「ピン」というスジが張り痛いです。一本のスジだと思っていたのですが、腋の傷から二又に胸の上部と下部に分かれています。そしてそのスジ上に二つ、しこりが触れるのです。これはそっとしておいたほうがよいのか、それともリハビリでストレッチをかけたほうがよいのでしょうか。
それから乳房は見た目はきれいですが、触ってみるとボコボコと硬いかたまりが触れます。抉り取った場所の近くです。今はきれいな形ですが、後で変形してしまいませんか? 抉った後、脂肪と乳腺を寄せて縫った・・と説明を受けていますが、しこりのあった部分が触ると柔らかいです。その周りが瘤のように硬くなっています。中で縫ったものが取れていたりしませんか? 乳房が青黄色くなっていますが、内出血のなごりでしょうか? 知覚鈍磨の部分があります。特に乳頭の部分です。問題はありませんか? 手術をした病院に電話をかけて聞きましたが、よくわからないようです。外来に行くまでの事でもなさそうですが、やはり気になります。何度も電話をするのも気が引けてしまいますので、申しわけありませんが宜しくお願いします。

スジは血栓性静脈炎によるものだと思います。数週間で自然に治まっていきます。そっとしておいても大丈夫です。変形については、これから時間が経つと出現してくることもあります。中で縫ったものは滅多なことでは取れないように思います。変色は出血の名残で、時間がたてば元に戻ります。知覚鈍磨は手術の影響によるものと思われます。(文責 加藤)

 

No.3122-5】 04年12月06日    K.K.  
補助治療について

幾度か質問させて頂き、その度に丁寧なお答えをありがとうございます。19日に左乳房の温存手術を受けております。
結果
・しこりの大きさ 1.2×1.2
・リンパ(センチネルリンパ節) 0/4
・組織型 乳頭腺管癌
・エストロゲン受容体 2プラス
・プロゲステロン受容体 2プラス
・HER2受容体 2プラス
・悪性度 T
・断端マイナス
・年齢42才

以上のことより、主治医より、「無治療、又はタモキシフェン5年間服用。放射線6週間」との説明がありました。知り合いの乳腺外科の先生にセカンド・オピニオンをお願いした所、私のような条件の人はその先生のところ、そしてガンセンターでは放射線はやらないそうです。今の病院では「温存の人は必ず放射線」と聞いていたので、少々困惑しています。私の胸にはすでにチタンチップも埋め込まれています。今の病院の先生を信頼しているので、こちらで治療を受けるつもりですが、「放射線は受けるもの」・・と思い込んでいたので戸惑っています。無治療を決断する勇気は無いので、放射線とタモキシフェン治療を拒むほどの強い意志はありません。ですが、その程度の決め方(自分自身の)でよいものなのでしょうか。

非常に癌の悪性度が低く、ガイドライン、コンセンサス会議などで唱えられている治療は、無治療もしくはタモキシフェン5年。それと放射線照射です。放射線については、まだ照射しないというのは一般的ではありませんし、科学的な確証がありませんので、一部の施設や、臨床試験などを除いて行うべきではないと考えます。今後は、放射線を照射しない症例のselectionが大事になるかと思いますが、今はまだその段階でありません。(文責 鈴木)

 

No.3122-6】 04年12月09日    K.K.  
放射線について

乳がん経験者の方のお話で「食道がんになってしまったけど、昔乳がんの時に放射線治療をしていたので、食道がんに有効・・と言われている放射線が使えない。」というのがありました。私の病理結果では放射線は使わない・・というセカンドオピニオンを聞きましたので動揺しています。今の病院では「温存は全て放射線」と言われていたので、「しない」という事があるとは思いませんでした。乳がんの再発予防の為にするつもりでしたが、将来、やっかいなガンに罹ってしまった時に「やらなくても良かった」放射線を受けていたが為に重篤な場面で放射線が使えないのは・・。と悩んでいます。乳がんで放射線治療をすると将来食道がんなどの放射線治療は不可となりますか? 放射線治療は副作用の他に前記のような事由で将来困ることはありますか?

乳房温存療法では放射線治療をすることが標準治療です。確かに、乳癌の手術で助かった方が食道癌になることもあります。食道癌になった上で、手術できず放射線治療になることもあります。しかし、その確率は非常に低いと思います。乳房温存療法後に放射線治療しなかった場合の乳房内再発率は約30%です。私の考えでは稀な病気になることを考えるより、今の病気の治療を優先して考えた方が良いと思います。もちろん、30%の乳房内再発のriskを構わないと思うならば、放射線治療をしないという選択肢もありますし、そんなに放射線治療を嫌うならば乳房切除という選択肢もあります。良く考えてください。食道癌の放射線治療以外に乳房温存療法の放射線治療が障害になる例ということになると、とっさには思いつくものはありません。要するに、同じ場所に二度放射線治療はできないということで、照射の仕方を工夫すれば食道癌であっても全くかけられないという訳ではないと思います。(文責 清水)

 

No.3122-7】 04年12月15日    K.K.  
健側の自己検診について

度々の身勝手な質問に丁寧にお答え頂き、ありがとうございます。先月左胸温存手術をし、リンパの転移もなく、来年から放射線及びホルモン治療を控えております。さて、こういう病気に罹ってしまうと反対側も気になります。手術が終わり補助療法も決定したので、落ち着いて右胸を触ってみると、ぷよぷよしている塊を2つ、こりこりしている小さなしこりを一つ見つけてしまいました。反対胸も気にして触っていたつもりですが、意識がどうしても患側に引っ張られてしまって冷静に健側を調べる事が出来なかったように思います。異常があれば診て頂くのが基本だと思いますので、明日にでも手術をした病院の外来に行こうと思いますが、自己検診でどういうものがあれば受診すべきなのか解りません。神経質になりすぎるのは良くない・・と分かっていますが、どうする事が適切な考え方なのか、判断できないのです。こんな事ばかり繰り返していたら、乳がんではなく別の病気になってしまいそうです。初発の時、毎回毎回検査の結果を待つ度、手術を待つ間、病理がでるまで・・と苦しんで苦しんで、いっそこのまま死んでしまいたい・・と思いつめてやっとここまでたどり着いたはずなのに、まだまだ苦しんで過ごしていかなくてはならないのか・・と気が狂いそうです。これを「どうにかして欲しい」といったところで仕方ないのは解っているのですが、術後はどこまでどうフォローをすれば適切なのでしょうか。お分かりになる範囲で教えて下さいますでしょうか。お願いします。

反対側の乳房に関しては、やはり主治医のDrにまずご相談されるのが一番と思います。また、乳癌という大きな問題に直面されたのですから、色々とご心配されるのも当然ですね。多くのかたは術後は同じような悩みを持ってらっしゃると思いますし、あまりお一人で悩むよりも、たとえば同じ経験をされた患者さんの会のようなものに参加されてはいかがでしょうか?自己検診に関しては、たとえば月一回、日を決めて行うといった方法はいかがでしょうか。(文責 首藤)

 

No.3121】 04年11月09日    Y.I. 
乳腺線維腺腫について(2)(HPNo.3092-2)

ご返事ありがとうございました。うれしかったです。最近、そのシコリ部分だけに限らず、腕の内側や、胸の外側(腋の近く辺り)に痛みを感じるのですが、これって大丈夫なんでしょうか。現時点は医者にかかっていません。放っておいても大丈夫なのでしょうか。何度もすみません。宜しくお願いいたします。

しこりの大きさは変化していないでしょうか? 線維腺腫で腕の方まで痛みが出ることは考えにくく、おそらくしこりを強く意識されているのでそのような感覚があるのだと思われますが、一度主治医の先生に相談して変化がないかどうかを診ていただいては如何でしょうか。(文責 片山)

 

No.3120】 04年11月09日    ARE
術後三ヵ月です

術後三ヵ月です。重たい物は一生持てないのですか? 衣装ケースの出し入れとか、腕立て伏せとか、絶対やらない方がいいですか? 無理してやったらどうなりますか?

常識的な日常生活の範囲である程度の重さのものを持つことはよろしいと思います。ただ患側上肢の怪我や火傷には注意してください。浮腫(むくみ)がくると治りにくいこともあります。(文責 片山)

 

No.3119】 04年11月09日    T 
告知から手術までの期間について

9月初めに左胸のシコリに気づき、22日女性外来クリニックを受診しました。エコー・マンモから、その場で穿刺吸引細胞診を受け、結果クラス3。このクリニックではこれ以上検査ができないということで、大きい病院を紹介され10月6日受診。左胸針生検をうけ、右には石灰化がみられるとうい事で8日にマンモトーム生検。19日に結果を聞いた所、右は良性の石灰化、左は非浸潤がん0期。広がりをみて全摘か扇型切除になると説明を受けました。MRI検査は11月12日です。次の診察は17日予約。29日入院・30日手術仮予約しました。大きい病院で有名な医師だからでしょうか、いくら早期ガンでも告知から6週間も開いて進行しないのでしょうか。告知されて1.2週間後に手術という方が一般的のような気がして心配です。もう1つ気がかりなのは2年前にPBCと確定診断を受け治療中です。無症候性で肝機能はr−GTP以外は落ち着いています。ただマンモトーム生検を受けた時出血がなかなか止まらず、止血に30分位かかりました。今回別々の病院ですが、PBC治療を受けている大学病院で治療を受けた方がいいのか迷ってます。大学病院の医師にはどこで治療を受けてもいいですよと言われました。ただただ不安で質問しました。よろしくお願いします。

非浸潤がんの場合もちろん一概には言えませんが、進行が非常にゆっくりの場合が多く、進行がんとなるのに数年以上かかることもあると言われます。手術をあまりに急ぐよりも、MRIなどで病巣の広がり診断を慎重に行って臨むのがよろしいと思います。肝機能障害はもちろん手術を受ける患者様にとって不利な要素のひとつですが、絶対的非適応とはならず、慎重に止血を行えばまず安全に行えると考えます。主治医の先生に不安をぶつけてよく説明を受け、納得なさって治療を受けてください。(文責 片山)

 

No.3118】 04年11月08日    MEW
乳腺腫

38歳、子供2人の主婦です。8月頃から右乳頭より血性分泌物があり、9月24日に乳腺外科を受診、マンモグラフィー、エコー、CEA(分泌物)、細胞診の検査をしました。XP上は異常はなく、エコーで乳管内に膿胞が見られ、中が白く写っていました。10月6日に結果を聞いた所、CEA値が少し高い、細胞診は検体不足のため結果が分かりませんでした。結局12月に再検査ということになりましたが、このまま待っていて大丈夫なのでしょうか? 私としては、細胞診では埒が明かず、マンモトームなどの検査の方が結果が出やすいのでは?と素人判断で考えています。受診した病院ではマンモトームはしていないので、セカンドオピニオンをお願いした方がいいのではと思っています。生検は、傷や乳房の変形のことを考えると、まだ決心がつきません。ご教授お願いいたします。

血性分泌はやはり気をつけるべきですが、マンモトームよりも、まずのう胞の穿刺吸引細胞診が可能ならやる価値はあると思いますが。小さすぎて外部からわからないのであれば、そのようなスケジュールでやむをえないと思います。12月もはっきりしなければマンモトームも考慮すべきと思います。(文責 石山)

 

No.3117】 04年11月08日    poron
肺転移の判断について

友人の肺転移の疑いのことでご相談します。手術時点で36歳、手術したのは左側乳房です。2002年8月に乳癌の手術をしました。大きさは8cm、胸筋まで切除し、リンパ節にも転移がありました。その後、ずっと抗癌剤治療を行い、最近はタキソテールを使っていました。10月になって肺に陰が見つかり、転移が疑われています。右肺下葉にMRI、CTで1.5〜2cmの陰があるということです。転移なのか、風邪を引いていたこともあり炎症によるものか、あるいは原発性なのか、判断しきれないので、まず10日間抗生剤を使用してからCTを撮り、消えていないようだったら切除の手術を行うことになったようです。切って細胞を調べないとはっきりわからないとのことですが、別の医師からは、転移の場合切ると癌細胞を刺激して予後が悪くなるから切らないほうがよいとも言われたそうです。もし、原発性だったら切除しないと命にもかかわります。このような時、手術をしないで転移の確認はできないのでしょうか。情報が少なくて申し訳ありませんが、わかる範囲で結構ですのでよろしくお願いします。

すべての肺病変で出きるわけではありませんが、気管支鏡検査で、擦過細胞診や気管支から肺生検をする場合があります。またMRやPET検査も補助診断として有用かもしれません。(文責 石山)

 

No.3116-1】 04年11月08日    K.Y
乳癌手術までの期間について

初めて相談させて頂きます。37歳、既婚、子供なしの主婦です。10月の最終週に胸にしこりを見つけ、10月30日(土)に病院で検査を受け(細胞も取りました)、11月6日(土)に乳癌であるとの診断を受けました。癌は1.5cm程度で、第T期とのことですが、リンパ腺等への転移は判明しないとのことでした。来週CT等の精密検査をして、18日(木)に手術を受ける予定です。お伺いしたいのは、このような場合には、通常このようなスケジュールなのか、つまり、18日(木)までに間が開きすぎていて、この間に転移してしまう等のリスクがあるのではないか、という点です。主治医の先生はかなりの症例を見られていて信頼しているのですが、逆にお忙しい先生なので気掛かりです。ご教示頂けますと幸いです。それと、手術までの間、日常生活を送る上で注意すべき点(運動、食事など)はありますでしょうか?

乳がんの発育速度を考えるとそれほど心配はないと思いますし、ある程度の医療機関の手術予定はどこでもそのような事が多く、二ヶ月以上先まで手術予定がいっぱいという病院もあると聞いています。注意は風邪を引かない事ぐらいでしょうか。(文責 石山)

 

No.3116-2】 04年11月11日    K.Y
セカンドオピニオンについて

No.3116にてご相談させて頂いたK.Yです。迅速にご回答頂き有難うございました。セカンドオピニオンについて伺いたく、改めましてメール差し上げました。11月6日(土)に第T期の乳癌と診断された際、手術は急いだ方が良いとの医師のお話でしたので、手術の日取りを約2週間後の18日に即決しました。その際の医師のコメントは以下のとおりです。
・1.5cm程度の乳癌がある。
・第T期なので切除する方法がベストだ。
・乳房はできるだけ温存する。
・特に難しい手術ではないので、悩むより早く処方した方がよい。
・リンパは手術の際に必要だと判断したら切除する。
・免疫療法などは確立された方法とは言えない。
・セカンドオピニオンを聞いたとしても結論は変わらない。

私としては先生のお話に納得しお任せすることを決めたのですが、知り合いから、
・手術をすると決める前に、手術の方法、手術をした場合の問題点(後遺症など)、胸のかたちがどうなるのか等々、細かく説明があってしかるべきだ。
・セカンドオピニオンを聞いても結論が変わらないとのコメントは少し横暴で、むしろ患者の不安を取り除くべく、セカンドオピニオンにも前向きに対応してしかるべきだ。
・手術代等の説明がないのはおかしい。(→差額ベッド代等の入院費用の説明は受けました。)
などとの指摘を受け、とにかくセカンドオピニオンを聞くよう勧められました。

まだ、18日になるまでの間に、CT等の精密検査を受け、診察の機会もありますので、その際にセンチネルリンパ生検等の説明を受けようと考えていたのですが、言われてみれば、6日の医師のコメントは簡単すぎるような気もします。確かに極めてクールな対応であったのも気になると言えば気になります。一方で、患者に乳癌を宣告した日にそこまで細かい説明をするものなのかという気もします。今からセカンドオピニオンを聞くには、スケジュール的に18日の手術をキャンセルせざるを得なくなる可能性も高く、かえってリスクが高まるのではないかということも気になります。極めて少ない情報で、いろいろと考えが錯綜しており、大変恐縮なのですが、このような時には、何を重視して、どのように判断すれば良いのかご教示頂けませんでしょうか? 宜しくお願い申し上げます。

今後のことを考えますと、やはりDrとの信頼関係が一番だと思うので、多少手術を延期してでもセカンドオピニオンを得て、充分納得された上で治療を受けるべきだと思います。(文責 片山)

 

No.3115】 04年11月08日    MY
悪性度(HPNo.2998-4)

術後の化学療法について御質問させていただいた者です。毎回本当にありがとうございます。またひとつ質問させてください。よろしくお願い申し上げます。悪性度について悩んでいます。術前の組織検査ではNG1と言われていたのですが、術後は3になり、とても動揺しています。いろいろ本もよんだのですが「悪性度は予後を左右する」「生存率は1は100%。2は75%、3は50%」という記述もありました。予後に関わる大きい因子はリンパ、HR、腫瘍径とはよくありますが、悪性度もかなり深刻に受けとめる因子なのですか。海外のエビデンスでは、2センチ以下、リンパ(−)、ホルモン(+)でも悪性度3は抗がん剤使用ということは、やはりかなり悪い結果なのでしょうか。また、病理の判断そのものを他病院でやってもらうということは意味がありますか。術前と術後で1から3に変わったということで、前と後では情報量が違ったからかとは思うのですが、抗がん剤(+ホルモン)に踏み切る前にもう一度確かめたい気持ちがあるのですが・・・。不安が片時も頭を離れません。どうぞよろしくお願いいたします。

核異型度(NG)はまだ統一した基準がなく病理医により診断に違い出る事もあるので、やや主観的であると思われます。リンパ節転移は転移のあるなしで判断できるので、より客観的です。一つの因子にとらわれても仕方ないので納得できる治療を受けるべきで、決められない時はsecond opinion を求めて他の医療機関に相談に行くのも方法かもしれません。(文責 石山)

 

No.3114】 04年11月08日    F.K.
ゾラデックスとノルバデックスについて(HPNo.1767-3)

昨年HPNo.1767で回答して頂いたものです。39才、腫瘍2センチ、リンパ節転移なし、悪性度は不明。右乳房温存手術後、放射線治療、ホルモン治療をし、ゾラデックスによる副作用(のぼせ 不眠 汗疹)がひどくなり10回で中断、その後70日目に生理が戻り、3回目の生理がきました。今現在はノルバデックスのみ服用してます。
1)ゾラデックスを中断していますが、また開始する場合、あと14回すべきですか。また継続できなくても効果はあるのでしょうか。
2)ノルバデックスのみで生理があると治療になっていないのでしょうか。
3)ノルバデックスのみでゾラデックスをしないと再発率は上がりますか。

以上 宜しくお願いします。

再発防止の治療ですので、副作用が我慢できないほどであれば中止し変更するのが普通です。何回で効果が出るのかは判っていません。ノルバデックスは作用機序が違うので単独でも十分治療になっています。両者の併用で、CMFという化学療法と同等とという比較試験の結果があるので、多少再発の可能性が高くなりますが、わずかであると考えます。(文責 石山)

 

No.3113-1】 04年11月07日    K 
これからの治療は?

43歳、既婚、子供三人おります。今年7月に右胸全摘手術を受けました。いまいち自分のがんの性質等がわかっていないのですが、初診の段階では、腫瘍は2cm程が1つだったのが、手術前の検査で数ミリのものがもう一つあったみたいです。リンパ転移は1/16でした。現在、CAF治療(6クール)を受けておりますが、それもあと1クールで終わります。この後はどのような治療が行われるのでしょうか? ホルモン受容体がどうなのかも聞かされていないのですが…。それと、いろんな掲示板を拝見すると、CMFの治療を受けられている方が多いように思えるのですが、がんの種類によって薬も違うのでしょうか? CAFは、けっこうきつい薬だと聞かされたのですが…。がんの性質が悪いから強いものをしているのかなって思ってしまって不安です。よろしくお願いします。

最近の大規模試験の結果でCAFがCMFよりすぐれた成績という事が判ったのですが、前者は脱毛・心毒性などの副作用が強いので、CMFも好まれて使われています。今後はホルモン感受性があればホルモン剤投与が有効と思います。ホルモン感受性などの検査結果は主治医に詳しく聞いた方がいいと思います。(文責 石山)

 

No.3113-2】 04年11月13日    K 
今後の治療について

先日CAF治療の最終クールを終えてまいりました。今後の治療として、ホルモン受容体が+という事で来月からホルモン療法(飲み薬1日1錠を5年間、1ケ月に1回注射)をおこなっていくそうです。薬の名前が覚えられなかったのですが、アのつく名前を2種類言われたのですが、そのうちの長いほうの名前を使うと言われました。副作用として関節痛が起こるかもしれないという事で、ひどいようなら、もう一つの短い名前に変更しましょうという事でした。注射はどのような物かは聞きませんでした。
生理が止まるという事はわかったのですが、他に身体的にどのような副作用が起こるのか心配です。それとHER-2が3と言われたのですが、あまりいいものではないですよね。再発しやすいんでしょうか?抗がん剤治療でなんとかなると思って頑張って受けたのに…。主治医の言われるとおりの治療を受けるのが一番いいのだろうけど、今後の副作用や起こりくるだろう出来事がどんなものなのか不安です。

1ヶ月に1回の注射はLH-RHアゴニスト(ゾラデックス、リュープリンなど。骨痛、ほてり、肝機能障害などの副作用)で、1日1錠の飲み薬はノルバデックスD,タスオミンDなどの抗エストロジェン剤(血栓症、肝機能障害、子宮への影響などの副作用)を使用するのが一般的かと思われます。また閉経状態と考えられる場合はアロマターゼ阻害剤であるアリミデックスの使用を考慮する場合もあります。
HER-2 3+はHER-2蛋白の過剰発現を意味し、確かに予後不良因子のひとつですが、あなたの受けたCAF療法が効きやすかったという意味合いもあります。また万一将来再発があった場合、ハーセプチンという薬を使うことができます。(文責 片山)

 

No.3113-304年12月05日    K
CAF6クールを終えました

11月初めに無事CAF6クールを終えました。点滴をした左手の肘の内側と手首の(甲の方)の血管がつっぱる感じがして痛いのですが、このままにしておけば自然と治ってくるのでしょうか? 4クール目にも同じような症状が出たので血管の掃除?をする点滴を受けたのですが、それから後も痛みは少しでしたが残っていました。我慢できないほどの痛さではないのですが、外来へもしばらく行かないのでどうしたものかなっと思いましてお尋ね致しました。よろしくお願いします。

抗癌剤による血管炎の名残?か、腋窩郭清に伴う手のつっぱりかはっきりしませんが、抗癌剤の投与ルートであれば、時間かかりますが、少しずつ良くはなってくるようです。郭清に伴うものであれば、あまり治りは良くないかもしれません。温めて血行をよくしたり、マッサージするのが良いでしょう。(文責 鈴木)

 

No.3113-404年12月14日    K
ホルモン療法

ホルモン療法として今日初めて薬をもらいました。私が用事で行けなかったので主人に取りに行ってもらったのですが、アリミデックス錠1mgを40日分いただきました。インターネットで調べると、アリミデックスは閉経後の方に使用されると書いてあるのですが、私は43歳で、まだ閉経前です。といっても抗がん剤治療で今現在は生理は止まっていますけど・・・。生理は2クール目まではあって、9月にあったのが最後です。閉経前でもアリミデックスで良いのでしょうか? それから、私の勝手で診察が3月1日まで行けないのですが(薬だけ来月またもらいます)、その時にお腹に注射をすると聞いているのですが、それまでに生理になってもいいのでしょうか? それから、入院時に子宮の検査をした時に違う組織があると言われ再検査をしたのですが、結果は絨毛?が多く、年明けくらいにまた検査した方がいいと婦人科の先生に言われたのですが、外科の先生には1年後でもいいでしょうと言われています。ほっといていいのかな〜っと不安なのですが、3月に診てもらった方がいいでしょうか?

生理が止まっていれば閉経と考えます。ですから、43歳でも閉経後となります。正確には女性ホルモンの値を測ってもらえばいいのですが、ゾラデックスを使うならば、間違いなく閉経状態になりますから、アリミデックスを内服できます。ゾラデックスはきっちり4週間に一回打たないと効果ありません。都合が悪い場合、プラスマイナス一週間のずれは許容されています。婦人科の問題は婦人科の先生の指示に従うべきだと思います。(文責 清水)

 

No.3112】 04年11月07日   T 
肝機能について(HPNo.2872-5)

以前HPNo.2872で質問しました。ノルバデックスを一月中止し、ゾラデックスだけして肝機能を調べました。中止前よりあがりAST60.ALT69.r−GTP64でした。来月肝エコーをすることになりました。コレステロール中性脂肪は普通です。主治医は、ホルモン治療をしている人は食べ過ぎるからといいます。でも157cm50sです。やせてきています。今月もゾラデックスだけしました。肝エコーで何を調べるのですか? 転移ですか? 不安からまたパニックになり、抗不安薬レスタスにたよりはじめました。手術前は全部正常値でした。肝機能がこのままあがると、どうなりますか?

勿論肝転移があることも調べられるわけですが、それよりも急性肝炎や胆石などでも肝機能の数値が異常になることもあるので、それらを調べる目的です。あがればどうなるといっても、薬の副作用という事であれば、薬を休むか中止するか、薬の種類を変えればいい事だと思います。(文責 石山)

 

No.3111】 04年11月07日   Y.A. 
乳首からの透明な液、しびれについて

初めてメールさせて頂きます。35才、既婚、子供なしです。今年3月に友人(50歳)が乳癌で亡くなりました。亡くなる直前までいろいろ話を聞いていたので、ちょっと耳年増になっています。その友人の事もあったので、9月に市の婦人科検診を受けました。超音波とマンモを受けたのですが、10月に結果がでて、超音波は異常認めず、マンモは腫瘍性病変(右)とのことでした。亡くなった友人が、「病院名を気にせず、最初からがんセンターと名のつく所へいけばよかった」と言っていたので、すぐ連絡し、1回目は外来の触診のみ、先週は超音波とマンモをもう一度受けました。その時にマンモで乳房を圧迫される時に少量の透明な液体が右の乳首からでて、マンモのガラスが濡れてしまいました。来週の月曜日に結果を聞きに行くのですが、昨日の夜から右手が軽く痺れてきたので、とても不安になり、このメールを送らせて頂く次第です。肩のこりは特別ないのですが、どのような結果が予想されるでしょうか?お急がしいところ申し訳ございませんが、宜しくお願いします。

乳腺疾患と右手の痺れは余り関係ないように思いますが。乳頭分泌は時々あることもあり、ほとんどが良性です。血液が混ざる時には乳頭腫か乳癌を疑います。結果は、余り心配しすぎないで聞きに行って下さい。(文責 石山)

 

No.3110】 04年11月07日    クリス
胸のしこりと痛みについて

始めまして。26歳の未婚、出産歴ナシの女性です。少し長くなりますがご了承下さい。以前から生理の前になると胸が張るように痛くなる事があります。8月の終り頃、生理に関係なく左胸が痛み出し、触ってみると少し硬い感じがしたので、9月下旬に大学病院の外科で触診・マンモグラフィー・超音波(エコー?)検査を受けました。結果は「特にしこりのような物は見当たらない。乳腺症ではないか」と言う事でした。半月経った10月半ば頃、ふと右胸の乳輪を見ると、少し腫れている感じでした。その後、胸の脇(特に右胸の)辺りが痛み出し、再度病院へ行ったのですが、特に異常は無いと言う事で、痛み止めの薬を貰いました。服用中に生理が始まり、痛みも少し治まってきたので薬は止めて様子を見ています。昨日、お風呂で石けんを付けた手で自己検診をしたのですが、右胸の乳輪にしこりのようなものを見つけました。今まで触っていた時はまったく気がつかなかったので、驚いてしまいました。右胸の脇はまだ少し痛みますが、しこりの辺りはそんなに痛くありません。乳頭からの分泌物もありません。今、まだ生理中です。
ひと月前に病院で検査をしたばかりなのに、こんな症状が出てきて正直焦っています。とても不安です。上のような症状から、どのような事が考えられるでしょうか?また、再度、病院で検査を受けた方が良いでしょうか? お手数ではありますが、どうかアドバイスをお願い致します。

乳輪部には様々なしこりができることが多く、良性のものがほとんどですが、症状が変われば再度受診する事をお勧めします。(文責 石山)

 

No.3109】 04年11月06日   zuzu
小豆くらいの腫れ物から出血(HPNo.2845-4)

お世話になります。お忙しい中、ご丁寧な回答に感謝しております。再度質問させていただきます。宜しくお願いいたします。短期間の再発で動揺しています。主治医に今後の方針を伺ってみたところ、CEFを6回投与するとのことです。現在2回投与しましたが、小豆大の腫瘍は少しずつ大きくなっています。主治医の話では、「枯れてきている」とのことです。しかし、現在「出血」と「膿」がガーゼに付着し、痛みは「pein]の方ではなく[sore]の方です。

質問
1) 局所再発と病理学的証明を知りたいのですが、主治医にどのように話し、どのような資料(自己保存用の)を請求すればよいのでしょうか?
2) 先日(10月25日3056のQ&A)の回答に、「乳癌の再発形式として、このような前胸部の皮膚再発(転移)は珍しくはありません。」とありましたが、これはどういう意味なのでしょうか?
(1)手術で取り残しがあったのか?
(2)癌細胞が奥の方にあったのか?
(3)「枯れている」=「壊死」と理解してよいのでしょうか? 
(4)膿、出血、痛みを訴えても医師の立場からは珍しくないので診察(対処)してもらえないのか?(医師との温度差を感じる)
(5)上記(4)のような場合、どのような処置が適切なのか? 
3) CEF投与後、日帰りで手術をするとの説明ですが(7〜8個ある)、どのような手術をするのか想像がつきません。

1) 診療情報開示を求める事でそれは見られると思いますが、病院ごとにその手続きが決まっていますので、医事課などの事務の方に聞くか、ホームページを公開している病院なら、そこに書かれている事もあります。
2) CEF二回目ではまだ効果が出ない事もあるので、もう少しやるべきです。局所再発がどのようなものかは、実際に皮膚所見や触診で病巣の深さなどを見ないとなんとも原因は判りませんし、想像で判断は無理です。枯れているという表現は医学的でなく我々にも分りませんが、皮膚転移の場合は当初赤みがあり、それが赤みが消えて薄い茶色になってきたということかもしれません。診察をしていないので分りませんが、不満があれば主治医に言うか、明確な返事がなければ、second opinionを求めて、他の医療機関の専門医の意見を聞くべきと思います。
3) 病巣の範囲が分りませんので、どういった手術になるのかは分りませんが、広い範囲なら植皮なども必要で、入院の手術になるはずです。従って日帰りというのであれば狭い範囲で取れるという意味だと思います。(文責 石山)

 

No.3108】 04年11月06日   Y
摘出したいのですが・・・(2)(HPNo.3100-2)

HPNo.3100のものです。お答えいただいて有難うございました。たしかに脇の近くではありますが、はっきりまだ乳房内です。リンパ節とはそんなところにもあるのでしょうか? これは転移? それとも悪性リンパ腫?などとも考えるのですか? すみませんが、よろしくお願いします。

乳房内リンパ節と言うのもありますが、乳房の外上部は乳腺も腋窩に入り込む様に伸びている事も多いので、専門医が診察をし、触診で判断し、マンモグラフィーで形態を見て、超音波で内部の情報を得て、最終的には穿刺吸引細胞診をして判断するというのが検査の段取りです。(文責 石山)

 

No.3107】 04年11月06日   A.T.
乳がん専門医のいる病院、クリニックを教えて下さい

私は三重県の津市に住むA.T.です。乳がん専門医のいる病院、クリニックを探しています。私は一度専門のところで検査をしたいと思っております。どうか教えてください。近鉄でも車でもどちらでも行けます。あと母が8年前に乳がんの手術をしました。成功しましたが、今は上腕浮腫で悩んでおります。そこは専門ではないからか浮腫自体をご存知ではなく、最近母は浮腫専門のクリニックを探しています。一度浮腫になったら治りにくいというのは調べて知っていますが、少しでも細くなればと・・・。また、その浮腫自体が再発の浮腫でないか、検査をしなければいけないとも思っております。三重県にはおそらく浮腫専門の病院、クリニックはないと思います。愛知県、奈良県、岐阜県あたりでどこかいい病院、クリニックはないでしょうか? どうかよろしくお願いします。 

三重県では市立伊勢総合病院、三重大学病院内分泌外科 、愛知県では愛知がんセンター乳腺内分泌外科、愛知医大病院乳腺内分泌外科、名古屋医療センター、名南病院等です。浮腫については可成り多くの施設が専門としていますが、名古屋、東海地方には見つかりません。東京だと広田内科クリニック(03ー5313ー5820)http:/www.mukumi.com/ 、後藤学園付属第2臨床施設(03ー5753ー3941) http:www.lifence.ac.jp/ が有名です。リンパ浮腫については他にも多くのホームページがありますので、それで探せば見つかるかも知れません。 (文責 石田)

 

No.3106】 04年11月06日   T 
乳腺症

はじめまして。私は今41歳です。10年前に閉経しました。昨年、市の乳がん検診を受けましたところ触診でひっかかり、精密検査を受けるようにいわれました。自分で触ってもあまりわからなかったのでまさかと言う思いでしたが、すぐ病院にいき、エコーとマンモグラフィ検査を受けました。診察の結果、乳腺症といわれました。今年、市でも40歳以上はマンモグラフィの検査が出来るようになったので、早速受けました。まだ検査結果は出ていませんが、この頃胸が急に痛くなることがあるのです。月経があれば何の心配もしないのですが(月経時は少し痛みを感じるときがあったので)、今の状態では(閉経したので)とても気になります。何か良いアドバイスないでしょうか? どうぞ宜しくお願いいたします。

31才で閉経ですか?筋腫で手術とかでなく自然閉経でしょうか?筋腫で手術なら卵巣は残っていますので、乳腺はその卵巣の影響で月経があるときと同じように痛くなったり張ったりする事があっても良いのですが。痛みだけで乳がんということは少ないので、検査の結果に従って腫瘤や石灰化などがなければ安心して良いと思いますが。(文責 石山)

 

No.3105】 04年11月06日    MY
術後の補助療法の選択(HPNo.2998-3)

HPNo.2998でお答え頂いた者です。いつも本当にありがとうございます。手術の病理結果が出たのですが、47歳、9×8ミリ、断端−、HR+(50〜75%)、ly−、v−、NG3、硬癌でした。主治医は、ホルモン療法と放射線でいいとのことでした。私はNGが3を重く受け止め、リンパ陰性、ホルモン陽性でも、ハイリスクに入り、化学療法対象者になるのではないかと思い、ホルモン療法だけでいいのか心配です。主治医は化学療法を希望するのであれば、ACをやると言われました。アンスラサイクリン系は、リンパ陽性の場合と思っていたのですが。CMFを選択して、終了後タモキシフェンというのは、考えられないのでしょうか。抗がん剤は念の為にやろうというようなものではないことはわかっているのですが、最善の選択をしたいと思い、どうしたらいいのかわかりません。よろしくお願いいたします。

海外のエビデンスではNG3であれば化学療法が選択される事が多いと思います。ACとCMFでは予防効果は同等と考えて良いと思いますが、前者に心毒性、脱毛、後者は投与法が色々ありますが治療期間が長くなることが多いように思います。(文責 石山)

 

No.3104】 04年11月06日    T.K
リュープリンの投与期間について

平成14年10月に1/4温存手術をうけ、1.2p、充実腺管癌、リンパ節転移なし、ホルモン+、悪性度2、年齢40歳、切除した部分に転々と広がっていて、T2N0M0でした。術後はCMF、リュープリン、ノルバデックスを同時に始め、CMF終了後、放射線を行い現在に至っております。幸い2年目の検査も異常なしでした。リュープリンをやめるか、続けるかで迷っています。血液検査の結果は、閉経前という事でしたが、実際注射をやめても生理が戻らない人もいるということで、いったん注射は止め、様子を見ることになりました。先生方の間でも意見が分かれるらしく、もし戻った時は自分で決めなければいけませんが、ご意見お聞かせくださるようお願いいたします。

40才代前半では半分以上の方が月経が戻るといわれています。月経の有無よりも、場合によれば血中エストロゲン濃度を見て判断する場合もあるようです。医師が決める事ではなく、ご本人がそこは決めれば良いと思います。一般的にリュープリンは術後再発予防では二年で止める事が多い様に思います。(文責 石山)

 

No.3103】 04年11月06日   H
抗がん剤について(HPNo.3081-2)

HPNo.3081で質問しました。教えていただき、有難うございます。リンパ節への転移はありませんでした。AC4サイクルだけでOKということなのでしょうか?

再発予防の治療は何種類もあるので、各施設で慣れた方法でやる場合が多く、AC4サイクルとCAF6サイクル、CMF6サイクル、AC−Tなど様々なものがあります。それぞれ有効率、副作用などわかっていますので、それぞれ説明を受けて選択すれば良いと思います。(文責 石山)

 

No.3102】 04年11月06日   PAN
放射線後の化学療法

はじめまして。今59歳、腫瘍1.8cmで8月に1/4切除温存手術をしました。リンパその他転移なし、局所再発あり、ホルモンレセプター(−)、これは浸潤性でしょうか? 術後、放射線60グレイ30回、10月に終了しました。現在化学療法を薦められています。AC療法(薬名はまだ聞いていません)と言われていますが、Aをエビルビシンに換えることはできるでしょうか? また、化学療法は放射線後すぐのほうがいいのでしょうか。どのくらい空けてもいいのか知りたいのですが、よろしくお願いいたします。

ここに書かれた内容が矛盾が多く確認が必要ですが、8月に手術して再発がもうあるのでしょうか。ずいぶん早い様に思いますが。AC、EC療法はそれぞれ良い点悪い点があります。いずれも主治医にもう一度確認してください。(文責 石山)

 

No.3101】 04年11月05日   A.T.
妊娠中の乳頭からの出血(2)(HPNo.3078-2)

質問HPNo.3078でお返事いただいた者です。ありがとうございました。実はさっそくS病院の乳腺外来を受診し、超音波では問題なかったのですが、分泌物の細胞診もお願いし、その結果をまっています。血性の分泌物はその時はなかなか出てこず、必死になって少し出したのですが、少量では検査の精度は下がるのでしょうか? 他の場所から出た分泌物も一緒に採取していました。また結果としては、クラスUぐらいまでなら安心していいのでしょうか? 受診した先生は「無理して出さなくてもまたの機会でもいいよ」という感じだったので、不安に感じています。またこのページの過去の回答例を読んでも、HPNo.2690やHPNo.2554の方のように、妊娠中の生理現象(血乳)とされている場合がありますが、乳頭腫やがんではなく、そのような可能性も十分あるのでしょうか? 重ねての質問、恐縮ですが、よろしくお願いしたします。

細胞診はその鑑別のためにやっているわけですので、可能性はいずれにもなりうるとしか言えないと思います。量の多さにはあまり関係ないと思います。細胞診のUまでは良性、Vは乳頭腫を想定しています。(文責 石山)