M.K. 会員紹介 乳癌検診予定表 手術後のページ 乳癌関連情報 相談室HOME


相談室

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 なお、個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。ご相談内容は  info@kbcts.gr.jp   まで、メールでご連絡下さい。
なお当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

 

目 次

[前のページ] [次のページ]

No

日 付

名 前

件  名

担 当

1800 03/09/06 K.M.   乳腺内科についてお聞きします 麻賀
1799 03/09/06 H.N 脇の下の膨らみについて 麻賀
1798 03/09/06 N.M. 海外で乳がん検査を受ける場合について 麻賀
1797 03/09/06 N.A. 葉状腫瘍でした 麻賀
1796 03/09/04 A.I.  治療半ばでの転院は可能でしょうか? 麻賀
1795 03/09/04 N.I.  再発乳癌の治療法について(10) 麻賀
1794-1
1794-2
03/09/03
03/09/11
M.T.  乳房温存療法後の補助療法について
温存手術後の放射線治療について
麻賀
麻賀
1793-1
1793-2
03/09/03
03/10/01
M.Y.  妊娠・授乳中の細胞診について
経過観察
麻賀
須田
1792 03/09/03 T.K 一連の治療と抗癌剤の副作用について 麻賀
1791 03/09/03 S.H.  妻の乳ガン 再発 転移について 麻賀
1790 03/09/03 M.O. しこりの悪性化について 麻賀
1789 03/09/03 R.T.  両乳首の分泌液について 麻賀
1788 03/09/03 T.S 乳癌の疑いはあるでしょうか? 麻賀
1787 03/09/02 ふじ 乳頭腺管癌について 麻賀
1786 03/09/02 T ステージTの再発率について 麻賀
1785 03/09/02 K.M.  乳首のただれについて 麻賀
1784-2 03/09/01 K・M 乳房温存療法後について(2) 清水
1784-1 03/09/01 K・M 乳房温存療法後について 清水
1783 03/09/01 M.T  肝転移後の治療について 麻賀
1782 03/09/01 T.F.  脇の下のしこりについて 麻賀
1781 03/09/01 N.N 術後補助療法について(2) 清水
1780 03/09/01 C 血管侵襲について 清水
1779 03/09/01 F.M. 脇の下のしこりについて 清水
1778 03/09/01 NAO 石灰化 清水
1777-1
1777-2
03/09/01
03/09/06
S.K. 妊娠中の検査について
妊娠中の検査について(2)
清水
麻賀
1776-1
1776-2
03/09/01
03/09/09
M 20歳です。癌の可能性は?
乳腺症でした
清水
麻賀
1775 03/08/31 K.S. 病気かどうかわかりませんが不安です 清水
1774-1
1774-2

1774-3
1774-4
03/08/31
03/09/23
03/09/27
03/10/04
K.T.  乳輪下膿瘍
乳輪下膿瘍(2)
乳輪下膿瘍(3)
乳輪下膿瘍(4)
清水
須田
須田
須田
1773 03/08/31 haru 乳がん(2期)の術後 清水
1772-1
1772-2

1772-3
03/08/31
03/09/08
07/07/06
M.K UFTより副作用の少ない薬は? 
乳癌の肺転移?
リンパ浮腫について
清水
麻賀
片山
1771 03/08/31 E 大豆製品について 清水
1770 03/08/31 なな 乳がんでしょうか? 清水
1769-1
1769-2
03/08/31
03/09/01
G.M. 摘出生検はしましたが・・・
摘出生検はしましたが・・・(2)
清水
麻賀
1768-1
1768-2
03/08/31
03/09/01
M.I. センチネルリンパ節生検→リンパ節転移
再度質問させていただきます
清水
麻賀
1767-1
1767-2

1767-3
1767-4
1767-5
1767-6
03/08/31
03/09/13
04/11/08
05/10/15
05/11/16
09/12/01
F.K.  術後治療について
術後の放射線治療の時期について
ゾラデックスとノルバデックスについて
Ncc-st439と骨転移について
HER2(+3)について
骨シンチ集積について
清水
麻賀
石山
阿部
加藤
俵矢
1766 03/08/31 K 乳がんでの死亡率について 清水
1765 03/08/29 M.N.   超音波検査所見について 清水
1764 03/08/29 F.H. 両乳房のしこり 清水
1763 03/08/29 N.A. 細胞診について 清水
1762 03/08/27 M.W. 17歳です 清水
1761 03/08/27 S.T. 細胞診の頻度 清水
1760 03/08/27 Y.K. 右乳腺のう胞 清水
1759 03/08/27 Y  乳頭からの分泌物 清水
1758 03/08/27 H.U 左右胸のしこり 清水
1757 03/08/24 N.N  術後補助療法について 清水
1756 03/08/24 ヒロ 胸の皮膚にある脂肪の塊について 清水
1755-1
1755-2
03/08/23
03/08/27
乳がん治療薬について
乳がん治療薬について(2)
清水
清水
1754 03/08/22

N.I.

再発乳がんの治療法について(9) 清水
1753 03/08/22 R 左乳房にしこりがあります 清水
1752-1
1752-2

1752-3
1752-4
03/08/22
03/08/27
03/09/27
05/01/24
m.y 術後の補助療法について
術後の補助療法について(2)
両側性乳癌について
腫瘍マーカーの臨床的意義について
清水
清水
須田
浜口
1751 03/08/21 HK 胸の痛み 清水
1750 03/08/21 Y.S. 16歳の高校2年生です 清水
1749 03/08/21 mieko   脳への転移について 清水
1748 03/08/21 A.C. たくさんの小さなしこりと分泌物 清水
1747 03/08/20 T.O. 12歳です 清水
1746 03/08/19 H 脇の下のできもの 清水
1745 03/08/17 K 左胸のひきつれと痛みについて 清水
1744 03/08/17 M.T. 薬の副作用について 加藤
1743-1
1743-2
03/08/15
03/08/17
A  左胸のしこりについて
左胸のしこりについて(2)
加藤
清水
1742 03/08/15 M.K. ホルモン療法について 加藤
1741 03/08/15 O.S. ホルモン剤 加藤
1740 03/08/15 toshi 左右の腋の下のリンパ腺の腫れについて (現在妊娠20週です) 加藤
1739 03/08/15 R.K 葉状腫瘍の術後について 加藤
1738 03/08/15 ゆみ 術後補助療法について 加藤
1737 03/08/15 M.N. 左胸の外側にしこり 加藤
1736 03/08/15 U.N.  CMFでの点滴薬と飲み薬について 加藤
1735 03/08/15 リンパ管侵襲 加藤
1734 03/08/14 T,T 義母が乳がんと診断されました 加藤
1733 03/08/14 T.T ホルモン療法について 加藤
1732 03/08/12 S.E.  乳癌の転移について 加藤
1731 03/08/12 K.Y.  補助療法について 加藤
1730 03/08/12 M.M.  術後の治療法について 加藤
1729 03/08/12 C.M. 摘出検査について 加藤
1728 03/08/09 A.K.  乳がんの疑い? 加藤
1727 03/08/09 Y 乳頭からの分泌物 加藤
1726-1
1726-2

1726-3
03/08/09
03/11/01
03/12/27
A 今後の検査、治療について
抗癌剤と生理
放射線照射の影響について
加藤
徳田
吉田
1725 03/08/09 kei ホルモン剤の再開について 加藤
1724 03/08/09 一部切除と全摘出について 加藤
1723 03/08/08 M.M. 右腋下のしこり 加藤
1722 03/08/07 K.A 乳房のしこりについて 加藤
1721 03/08/07 H   骨転移について 加藤
1720 03/08/07 S ゾラデックス投与中の妊娠について 加藤
1719 03/08/07 S.K ホルモン療法の副作用でしょうか? 加藤
1718-1
1718-2
03/08/07
03/08/09
MON 抗がん剤で悩んでいます
抗がん剤で悩んでいます(2)
加藤
加藤
1717 03/08/07 K・M カルシウム沈着について 加藤
1716 03/08/06 E.S.  2度の生検で良性だったが・・・ 加藤
1715 03/08/06 K・H 肺転移(癌性胸膜炎)について 加藤
1714 03/08/06 kt 乳がんの再発・転移 加藤
1713 03/08/06 ST 術後の補助療法について 加藤
1712 03/08/05 R 良性という事でしたが・・・。 加藤
1711 03/08/05 mayumi 乳輪下膿瘍 加藤
1710 03/08/05 N.S.   左脇下の違和感について 加藤
1709 03/08/04 K.K.  右乳房のしこりと左脇のリンパ節のしこりについて 加藤
1708 03/08/04 Y しこり切除後の治療 加藤
1707 03/08/02 yoko 術後の治療と状態について 片山
1706 03/08/01 M.T 今のところ治療法は無いと言われました 片山
1705 03/08/01 H.J. 胸水の貯まる原因について 片山
1704 03/07/31 M.H 陥没乳と石灰化病変 片山
1703 03/07/31 S   乳首からの分泌液 片山
1702 03/07/31 Y 再発の心配について 片山
1701 03/07/31 Y・H 術後の療法について 片山

 

No.1800】 03年09月06日 K.M. 
乳腺内科についてお聞きします

いつもご多忙の中、貴重な時間をさいて患者の質問にお答えいただき、心より感謝申し上げます。今日はアメリカでは手術は外科で、術後療法は乳腺内科とわかれているそうですが、日本ではまだ少ないと思います。名古屋近辺で乳腺内科医を探すにはどういう方法があるか教えていただきたいのです。よろしくお願いいたします。 

乳腺内科というのは乳癌の薬物療法(主として抗がん剤)を専門に行っている診療科と思います。私の知っている限りでは国立癌センター中央病院にありますが、他ではあまり聞きません。名称は違うかもしれませんが、乳癌の薬物療法を専門に行っている診療科があるとすれば愛知がんセンターあたりではないでしょうか。(文責 麻賀)

 

No.1799】 03年09月06日 H.N
脇の下の膨らみについて

未婚の33歳です。お忙しいところ大変恐縮ですが、教えてください。乳がんの医学書なんかを読んでいますと、「脇の下の腫れ」にも注意というようなことが書いてあります。普通、左右の手のひらの手相(線?筋?)が違うように、左右の脇の下の筋の線も違う場合も正常でしょうか??右の脇の下の筋の線が左と比べて少なく、筋と筋の間が少ない分、膨れている感じで、しこりというよりは、プヨプヨといった少し膨らんでいる感じです。触っても痛くありません。この場合、不正常で脇の下の腫れという部類に入るものでしょうか?? お手数ですが、教えて戴けるとありがたいです。宜しくお願い致します。

この文章から私にはあなたの脇の下のイメージがわきません。また実際に触診してみないとわかりません。脇の下のふくらみが気になるのであれば、念のため専門医を受診したらどうでしょうか。(文責 麻賀)

 

No.1798】 03年09月06日 N.M.
海外で乳がん検査を受ける場合について

初めて相談させていただきます。現在、中国の上海に住んでおります。昨年と今年初めの人間ドック(日本で受診)で、超音波検査の結果、乳腺症だと診断され、定期的な検査が必要と言われました。その後、3月末に上海在住となりました。6月と8月の生理前に、左側乳房に痛みがありました。以前は、両乳房とも同じような場所にいくつかのしこりがあったのですが、いま、左側乳房の1つのしこりがとても気になっており、一度、詳しく検査した方がいいのではと考えています。
Q1: 上海にも日本人医師、あるいは優秀な中国人医師がたくさんいらっしゃると思いますが、やはり日本に帰国して検査をした方がよいでしょうか。
Q2: もし、上海在住の日本医師あるいはご存知の中国人医師がいらっしゃれば教えていただけないでしょうか。海外に住んでいると日本以上に情報は様々で、ある種、振り回されてしまうところがあります。できれば、日本在住の専門の医師の方々のアドバイスを頂きたく存じます。
Q3: 乳がんかどうかの検査をする場合、超音波である程度のことがわかるのでしょうか。それともマンモグラフィのある病院を訪ねたほうがよいのでしょうか。あるいは、いきなり細胞を採取して検査をした方がやはり確実なのでしょうか。

お返事のほど、よろしくお願い申し上げます。

1) 現地にも専門医がたくさんおられると思いますので、評判を聞いてよいところを受診したらどうでしょうか。よくわからないのであれば日本に帰国して検査することもよいと思います。日本に帰国して検査をした方が良いかどうかはあなたが決める問題と思います。
2) 申し訳ありませんが、上海のことは私にはよくわかりません。
3) 触診、マンモグラフィ、超音波を行うのが良いと思います。その結果により細胞診などの検査が必要です。(文責 麻賀)

 

No.1797】 03年09月06日 N.A.
葉状腫瘍でした (
HPNo.1654-5)

いつもお世話になっております。先週、針生検の結果がでました。ClassUで、葉状腫瘍でした。良性でも摘出は必要とのことで、今月末に日帰りで手術を受けます。再発した場合、悪性を伴っていたら全摘になると言われました。再発を防ぐためにはどんなことを心がけて生活していけばいいのでしょうか。最初に行ったクリニックから紹介された総合病院で手術を受けていた場合、「全摘したら良性だった」・・・などということが起こっていたかと思うとぞっとします。私の場合はセカンドオピニオンではなく4th、5thでした。今後もし、乳癌の診断を受けたら、「針生検をして下さい」とお願いするべきなのでしょうか。三か月間乳癌だと言われていたので本当につらかったです。医師の方も看護士さんもいろいろな方がいらっしゃいました。勉強になりました。この経験を生かして、仕事の合間になりますが、今後は乳癌に関するボランティア活動に参加しようと思っています。これからもどうかよろしくお願いいたします。

私どものところでも細胞診や針生検で良性の葉状腫瘍と診断しましたが、腫瘍を摘出したところ悪性の葉状腫瘍であったということを経験していますので、腫瘍を摘出して正式な組織診断をしておいた方が良いと思います。患者さんの立場から再発を防ぐための心がけといったものは特にありません。担当医が腫瘍を摘出する際にある程度の正常な乳腺部分をつけて取ることが重要です。(文責 麻賀)
 

 

No.1796】 03年09月04日 A.I.
治療半ばでの転院は可能でしょうか? (HPNo.1559-7)

こんにちは。現在、いくつかの病院にセカンドオピニオンを聞いてまわっています。それで、現在の主治医のスキルに疑問を持ち、セカンドオピニオン先の病院に転院を希望しましたところ、先方の病院ではどこも私の受け入れを拒否するような姿勢を取られてしまいました。というのは、今の病院で術前投与、手術、術後投与8ヵ月を、すでに行っているので、治療の途中から患者を受け取るのは、治療方針が違うのでやりにくいとのことなのです。
そんな状況で、先日行ったA病院で、ある先生が「うちでやるか」と言ってくれたので、ついその気になり主治医の先生には転院すると申し出てしまいました。しかし、A病院で次の診察の時に、違う先生にあたり、その先生は部長で、先の先生より上の立場で、少し考えが違い、途中で変わるなんてとんでもないという考えの方でした。そうなってしまうと、転院も出来ない、今までの病院にも戻れないという状況になってきてしまいました。もちろんまだ受け入れてもらえないことが決ったわけではないのですが。どちらかに受け入れてもらわないと困るので悩んでいます。新しい病院に仮に行っても、最初からそこにいた患者さんを優先するような言い方でしたので、仮に転院しても不安です。しかし今の主治医にも疑問を持っています。というのは、鎖骨と腋下リンパ節への転移(しこり)を筋肉だといって検査してくれないからです。セカンドオピニオン先の先生に言うと全員がしこりだと言います。主治医の紹介状には「再発の兆候無し」と書いてあります。私が何度言っても筋肉だと言います。病状は決して楽観視できるものではなく、どの先生も一刻を争うといわれました。現在の病院は大学病院で、癌専門の病院への転院を希望しています。このような状況の場合どのようにしたらよいのか、アドバイスがありましたらお願い致します。また、転院はそんなにしにくいものなのでしょうか。患者の希望では出来ないのでしょうか。病院が受け入れ拒否する場合もあるのでしょうか。出来るのでしょうか。とても焦っています。

あなたがセカンドオピニオンを求めている点は何なのでしょうか。現在の治療方針の何が問題になっているのかがよくわかりません。一般的には現在の病院から他の病院に転院することは可能だと思います。(文責 麻賀)

 

No.1795】 03年09月04日 N.I. 
再発乳癌の治療法について(10
) (HPNo.1260-10

No.1260で相談させて頂いている者です。今回もよろしくお願いいたします。先生のNo.1650-3に対するご回答を見て、質問させていただいたのですが、乳癌の肝転移後の予後は平均5-6ヶ月とは本当でしょうか? また、抗がん剤を使用しても余命には影響しないというのは本当でしょうか? 母は去年の10月頃、乳癌の再発(骨、肺、肝)が発覚し、現在パクリタキセル 7クール目に入り、腫瘍マーカーの値も落ち着き、画像上の転移も消えました(点状の肝転移も)。現在、去年の10月から11ヶ月経過しております。先生は母の予後に関し、どのように思われますでしょうか? 母は今抗がん剤を使用しているのにもかかわらず、日常生活を普通に過ごし、外出・仕事もこなしています。私は、母は抗がん剤を使用したことで、再発したガンを克服したのではないかと前向きに考えています。先生のお考えをお聞きしたくご連絡しました。よろしくお願い致します。ご返事お待ちしております。

乳癌肝転移後の予後はさまざまです。肺、骨などに転移があり、さらに肝転移が見つかると予後が悪いことが多く、早いと2-3カ月ということもあります。肝転移が初発して他の部位に転移がないと、私の経験では前にも書きましたように13年生存した方もいますし、8年生存中の方もいます。それらすべての肝転移の方の肝転移後の50%生存期間が約6カ月といったところです。あなたのお母様の場合は平均を超えているということになります。現在の抗がん剤は以前と比べかなり効き目が良くなっています。しかし、それは奏効率(腫瘍縮小効果)はよくなっていますが、再発後の生存期間にまで影響を及ぼすものではないと考えられています。ただし上で述べたようなことは数年前のデータであって今治療されている方の治療効果は今後示されてくるものと思います。(文責 麻賀)

 

No.1794-1】 03年09月03日 M.T.
乳房温存療法後の補助療法について

先月、乳房温存療法した34歳、未婚の者です。腫瘍は1cm程度、断端転移(−)、腋下リンパ節に1つ転移あり、ホルモンレセプター(両方+)、グレードは1、浸潤ガンでした。再発率は20%といわれました。先日、先生より、「ホルモン療法(ゾラデックス2年、TAM3年)は必ずするが、抗がん剤はガイドラインだとしたほうがいいが、排卵抑制のリスクを考えると悩むところです。」と言われました。来週には両方するか、ホルモンだけにするか返事をすることになってます。将来、子供がほしいと思っていますが、再発のことを考えるとなかなか結論がでません。意見を聞かせてください。

ホルモン治療か、抗がん剤治療か、その両方を行うかの選択ですが、将来子供が欲しいという点がなかなか難しいところです。通常なら抗がん剤治療かホルモン治療かのどちらかでも良いと思います。もし再発予防に重点を置くなら、リンパ節転移がある点を考慮して抗がん剤治療→ホルモン治療を勧めます。ホルモン治療のTAMは一般的には5年ですので、その間は妊娠はできません。かなり長い期間となります。抗がん剤のみならCAF(CEF)でよいと思いますので、6カ月程度で済みます。そのあたりを決断の参考にしたらどうでしょうか。(文責 麻賀)

 

No.1794-2】 03年09月11日 M.T.
温存手術後の放射線治療について

8月5日に温存手術をうけた34歳、独身です。前回No1794で質問しましたが、意見を参考にさせていただき抗がん剤をすることに決めました。今日からゾラデックス(2年)をはじめ、併用で9月22日からCEFを3週毎に6クールする予定でいます。2年後に月経が戻ると信じることにしました。明るい未来を夢見ています。ところで、入院時に断端が(−)だったら放射線はやらなくていいと聞いていたので、(−)という結果を聞いてやらなくていいんだと思っていました。今日、抗がん剤をすることを決めた際、放射線を抗がん剤の途中にやる方法もあるといわれ、即答で断ったのですが、本などを読むとやっぱりやるべきなのかと考えてしまいました。腫瘍は1cm程度、リンパ節転移1つあり、グレード1、断端(−)、ホルモンレセプター両方(+)、手術後からすでに5週すぎており、やるとしても6週以上過ぎると思います。やったとして、効果はどれくらいあるのでしょうか。

私どものところでは温存治療の時には断端が陰性であっても放射線をかけています。かけることによって乳房内再発率を減少させることが出来るからです。開始時期ですが、術後6週以上経っていてもかまわないと思います。(文責 麻賀)

 

No.1793-1】 03年09月03日 M.Y.
妊娠・授乳中の細胞診について

初めてメールさせて頂きます。今年5月に出産を終えた29歳の主婦です。出産後の入院中から両乳首がカチカチになり、マッサージを受けていましたが、改善しないまま、子供も嫌がって直母ができないまま退院しました。3日後、同じ病院内の母乳外来への予約を入れての退院でした。予約の日までに搾乳を自分で行うことになっていましたが、それが不充分だったようで、3日後には両乳房(特に左側)が赤く腫れ、乳腺炎の一歩手前と言われました。抗生物質などは飲まずに、その日からほとんど毎日通院をしてマッサージをうけ、家では搾乳を続けていました。途中、自宅と外来時に1回ずつ、左から血乳が少しでましたが、助産師さんも産科も先生もともに「炎症の傷跡でしょう」とのこと。その後、6月中旬に断乳を決心して、7月中旬に最後に母乳外来に行きました。その時、母乳は止まっているでしょう、とのことだったのですが、また今度は右側から血乳が少しでたので、1ヶ月後くらい、母乳が止まっているかを再度確認して、気になるようだったら外科を受診してみても・・・と言われました。
やはり気になっていたので、8月中旬に胸を触ってみたところ、分泌物や母乳はでてこないようでしたが、右胸の乳首の下側にしこりを感じ、病院で触診、エコー、マンモグラフィーをしました。結果以下のとおりでした。
@ 触診では、しこりはあるが癌のものとは違う気が・・・とのこと。
A エコーでは2センチほどのしこり。良性特有の境目が明瞭なものよりは、少しゴツゴツしている。
B マンモフラフィーでは異常なし

癌の可能性は低いですが、断定はできないので細胞診をしましょう、とのことで、本日その結果を聞いてきました。クラスV(の確かa)ということでしたが、細胞を見た担当者の所見では良性では?とあったそうです。先生によると、例えばポリープのような、悪性ではない細胞の変化かもしれないが、やはり断定はむずかしい。良性といってしまってもいいのだけれど、時間をかけてみないと分からない部分もあるので経過観察と言われました。結局3ヶ月後に再度エコーとマンモグラフィーを受けることになりました。細胞診でクラスVということですが、その先の検査(組織診断)はやらなくて大丈夫でしょうか? また、癌でないとすると、どのような病名が考えられるのでしょうか? 自分としては、乳腺炎を起こしたことによる良性のものだと思いたいのですが・・・。長々と分かりづらい説明で申し訳ございません。どうしても不安だったのでご相談させて頂きました。

妊娠・授乳中の細胞診はやや過剰診断される傾向があります。妊娠・授乳の影響で細胞に変化が起こっているためと思います。組織診断を行い、現時点で診断を確定する方法もありますが、画像所見では良性が考えられ、細胞診所見も以上のようなことを考えると時期を置いてもう一度同じ検査を行うことが妥当であろうと思います。(文責 麻賀)

 

No.1793-2】 03年10月01日 M.Y.
経過観察

その後、しこりの大きさなどは変化がない様なのですが、時折、右胸が全体的に張っているような感覚があります。(母乳は止まっているのですが、以前断乳中に母乳を溜めていた時に似たような感覚もします) 特に、夕方など疲れている時に感じるようです。 2週間ほど前に、出産後はじめての生理がきました。生理が終わったら治まるかな?と思ったのですが、その後もやはり違和感を覚えるので、前回行った病院を念の為受診しました。触診のみだったのですが、「右胸に新たなしこりなどはできていないし、やはり3ヶ月後に再診、ということで良いでしょう、ただし乳頭からの分泌物や新たなしこりがあれば来て下さい。」と言われました。しこりの良性・悪性が決定できていないので心配なのですが、現在の胸の違和感はホルモンか何かの関係からくるものなのでしょうか?

メールを拝見する限り、腫瘤の大きさに変化がないこと、新しいしこりがないこと等により、私も主治医のおっしゃる「3ヵ月後に再診」でよいと思います。おそらく良性の腫瘍(線維腺腫、又は葉状腫瘍)であり、「胸の違和感」は、月経周期に伴うものだと思います。
ただし、前回の細胞診で Class V だったこと、現在2cmの腫瘤があること、年齢が29歳であること、そしてあなた自身の精神状態等を総合的に考えると、組織診断を行って、現時点で診断を確定する方法を選択することもやむを得ないかもしれません。あなた自身の心配の程度を主治医に相談し、一番良いと思われる方法を選択してください。(文責 須田)

 

No.1792】 03年09月03日 T.K
一連の治療と抗癌剤の副作用について

はじめて相談させていただきます。硬癌です。温存療法で手術をしました。しこりの大きさは2.1cm、リンパ節転移なし(センチネル生検のみ)、ホルモン受容体 ER(+) PgR(+) HER(−) T2N0M0と診断され、核異型度はグレード2。その後、CEF6クール(C=900mg、E=90mg、F=900mg点滴)を受けました。化学療法の後、放射線治療を30回。年齢は36歳です。以上が、私の病気の状態です。ここで、質問ですが…
1) しこりの出来た部分が内側(鎖骨の下の方)の為、リンパの流れを考えると多少のリスクがあると言われましたが、そういう事は、あるのですか? センチネル生検で取ったリンパがとても大きかったとも言われましたが、どういう意味なのでしょう?
2) 抗癌剤を受けて、5クール目まであった生理がぴったりと止まってしまいました。抗癌剤を終えて2ヶ月半たちましたが、まだ生理が戻りません。 このまま閉経の可能性は高いのでしょうか?
3) 私の治療は、過剰治療ではないでしょうか?
4) 再発・転移の率は、どのくらいだと思われますか?

私の書いた情報だけでは、分かりづらいかもしれませんが、分かる範囲で教えてください。お願い致します。

1) 私どもの病院のデータでは、同じ進行程度であれば内側に占拠する乳癌の方が外側に占拠する乳癌より予後が悪いです。ただそうでないというデータもあるので、見解は必ずしも一致していません。センチネルリンパ節が大きかったという意味はよくわかりません。転移のあるなしには直接関係がないと思います。
2) 一般的に抗がん剤を投与すると生理がとまります。生理がとまることは乳癌の再発予防の観点からすると良いことです。あなたは36歳と若いので、しばらくすると多分生理は再び来ると思います。
3) 病期二期の乳癌術後再発予防としてはホルモン治療、抗がん剤治療などいくつかの方法がありますが、CEF6サイクルは過剰治療とは思えません。
4) 10年の再発率は15%程度と思います。(文責 麻賀)

 

No.1791】 03年09月03日 S.H.
妻の乳ガン 再発 転移について

平成12年3月左乳房全摘出(リンパ節2個転移)。平成13年5月胸壁に局所再発。同年6月より7ケ月間ハーセプチンとタキソテール。胸壁に放射線。同年10月胸骨に転移。平成14年11月骨盤、肋骨に転移(放射線)。平成15年2月肝臓転移(1個)、ラジオ波で焼く。同年8月2.5センチの肝腫瘍をラジオ波で焼く。同年7月よりゼローダ服用。現在1センチの別の肝腫瘍あり。      
      
質問1 最初の肝臓転移からの平均余命。 
質問2 ゼローダの有用性(特にハーツー陽性に対し)
質問3 主治医はもう使える抗ガン剤はないとの考えであるが、他に対応策は何かないか。
質問4 今後の病気の進行について。よろしく御教授願います。 

1) いままでどのような抗がん剤が使われていたかなどにもよりますが、一般的には6カ月程度です。しかし、これにはバラツキがあります。私の経験では早ければ2-3カ月という方もいましたし、13年生きられた方もいます。
2) ゼローダは現時点ではアンソラサイクリン(アドリアマイシン)とタキサン(タキソール、タキソテール)に効果が無くなった患者さんに使われることになっています。まだ日本では発売されたばかりなので、その評価は未知数です。ゼローダの効果とHER2陽性との関連についてはよくわかりません。HER2陽性であればハーセプチンとの併用が良いと思います。
3) 骨と肝に転移があるので、やはり全身治療である抗がん剤が治療の主体になります。まずはゼローダでどうなるのかを調べ、その後不応になれば今まで使わなかった抗がん剤を使うのが良いと思います。
4) これだけの情報では何ともいえません。主治医に聞いてみるのが一番と思います。(文責 麻賀)

 

No.1790】 03年09月03日 M.O. 
しこりの悪性化について

38才の男性です。15才くらいの時から両乳房の下にしこりがあります。直径2センチくらいのものです。当時、近所の外科医に診てもらいましたが、誰にでもあるもので気にする必要はないと言われました。その後20年以上経過しましたが、今だにこのしこりは存在しています。外科医に診てもらってから特に気にせず過ごしてきましたが、最近このしこりが両方とも外側にすこし移動したような気がします。左側のしこりが右側より大きくなった気もします。このしこりのせいなのか、たまに乳房が痒くなることもあります。20年以上あるものなので心配する必要はないと思いますが、突然悪性のものに変わることはあるのでしょうか?

多分女性化乳房症と思います。女性化乳房症は男性に出来る乳腺組織の腫大です。相対的なエストロゲン過剰により起こるものです。しかし、男性にも乳癌がありますので乳腺科を受診して検査しておいた方が安心です。(文責 麻賀)

 

No.1789】 03年09月03日 R.T. 
両乳首の分泌液について

こんにちは。26歳独身です。出産経験はありません。実は三年程前に両乳首が痒くなり、掻いて、乳首の付け根、クルッと一周、傷にしてしまい病院に行きました。傷から分泌物が出ていたので、念の為、乳癌の検査(触診)もしましたが問題なく、乳首に湿疹ができていると言われ塗り薬(ステロイド)をもらいました。いったんは治ったのですが、その後また痒くなり掻いて傷になり、それも前回より酷い症状で、薬の本を見てみたらステロイドの副作用である事が解りました。中から薬が出尽くすまで三ヶ月位、ものすごく痒くて、毎日沢山の液が出ました。その後も2、3度痒くなり、掻いて傷になりましたが、何もしないでも一週間程で治っていました。そして、もう一年以上、その症状はなかったのですが、今年の6月の終わりに、まず右の乳首が痒くなり、掻いて又、乳首の付け根が傷になったんです。でも、一週間程で治り、そしたら今度は左の乳首が痒くなり、掻いて傷になり、これも一週間程で治り、そしたら又、右がなって・・・、今回はなかなか治らず、しかも今回初めて、傷が乳輪と乳首自体にまで広がってしまいました。乳首は全体ですが、乳輪は乳首に近い所、三分の一位の範囲です。そうこうしてるうちに左も又なってしまい、、左の方も右と同様、乳首、乳輪にも広がってしまいました。今回は痒みは最初のうちだけでした(一週間程前に、痒くなったりしましたが)。今はもう、お風呂に入ると、しみて痛いし、服があたっても痛いです。毎日沢山の液が出ます。その液は見た目は透明ですが、ティッシュでふき取ると少し黄色いし、服についたら、まっ黄色です。乳輪も乳首も見た目は赤く、その中に赤い小さな湿疹みたいな物が沢山あり、何箇所かは、それがつながって大きいテンになっています。液は、丸二ヶ月経った今でも沢山出ます。というか出っぱなしです。出ている液は、三年前の時と全く同じです。ただ、今回は痒みもないし、範囲も乳首の付け根だけじゃなく、乳首、乳輪にもひろがってしまったので、とても心配です。これは乳癌ですか?病院に行った方がいいでしょうか?どこに行けばいいのでしょう?乳癌の検査は痛いのもありますか?お返事、よろしくお願いします。本当に心配なんで、お返事下さい。お願いします。

お話の内容からすると乳癌ではないようです。湿疹と思いますので皮膚科を受診するのが良いと思います。そこでPaget病という乳癌かどうかについてよくお聞きになったらよいのではないでしょうか。もし、乳癌の可能性もあるというなら乳腺外科でも見てもらえばよいと思います。(文責 麻賀)

 

No.1788】 03年09月03日 T.S
乳癌の疑いはあるでしょうか?

はじめまして。21歳、独身です。3週間前から左脇に違和感と左胸のつったような症状が出て、外科でエコー検査を受けた所、特に癌の疑いは無いとのことでした。他に、婦人科で触診も受けましたが、やはり癌の感じでは無いというこで、乳腺からくるホルモンのバランスの変化が影響しているのではないかということでした。取りあえず様子を見て、二週間後に乳癌検査(マンモ)を受けることになったのですが、ここ、4、5日程背中がつったような痛みも感じるようになり、癌の心配がないかとても心配です。

あなたの今の症状は私もホルモンのバランスの変化が影響していると思います。しかし、念のためマンモグラフィを撮影してみることは良いことと思います。(文責 麻賀)

 

No.1787】 03年09月02日 ふじ
乳頭腺管癌について

44歳女性です。右乳房にしこりがいくつかあり、乳腺外科で触診、マンモグラフィー、超音波、CT、穿刺細胞診(4箇所)の検査を受けました。その結果classWとXで、「非浸潤癌で乳頭腺管癌。乳房内に散らばりやすい。」との説明を受けました。ところがインターネットで乳がんの組織学的分類を調べたところ、乳頭腺管癌は浸潤性乳管癌に分類されていました。非浸潤癌で乳頭腺管癌というものもあるのでしょうか?

乳頭腺管癌は浸潤性乳管癌です。非浸潤癌ではありません。非浸潤癌には乳管癌と小葉癌があります。非浸潤性乳管癌と聞き違えたのではないでしょうか。(文責 麻賀)

 

No.1786】 03年09月02日 T  
ステージTの再発率について

いつも参考にさせていただいております。38歳、右硬がん2センチ弱、リンパ節転移なし、ホルモンレセプターER、PR共にプラス、HER−2マイナス、悪性度3でした。10〜15年間の再発率については、主治医から「放射線とホルモン療法をやって20%、抗がん剤をプラスすると15%」と聞きました。現在は抗がん剤は受けずに、放射線とホルモン剤(注射2年と内服5年)を受けています。こちらの掲示板ではNo.1767の回答にあるように、腫瘍径2cmでリンパ節転移なし、ホルモンレセプター陽性であれば再発率は10%以下という風に説明されていますが、この10%と20%の違いがよくわからないので、教えていただければ幸いです。再発率20%について、再度主治医に確認した時には、「あなたはまだ若い(38歳)し、増殖スピードの速いタイプ(悪性度3)なので、ホルモン療法をやっても20%の再発率です」という説明でした。それ以上は、お忙しそうだったので聞けずに終わりました。腫瘍径2cm弱で、リンパ節転移なし、ホルモンレセプター陽性、HER−2マイナスであっても、10%と20%の違いは出てくるということなのでしょうか?お忙しいところを恐縮ですが、再発率の違いについて、教えていただけませんでしょうか。よろしくお願いいたします。

腫瘍径2.0cm以下、リンパ節転移なし、ホルモンレセプター陽性例の10-15年再発率は10-12%程度と思います。あなたの場合は若年であること、悪性度3なので、主治医は少し低めにお話したものと思います。再発率については病院間で統計の出しかたや予後調査の仕方が多少異なっていますので、その様な違いが出てくるものと思います。(文責 麻賀)

 

No.1785】 03年09月02日 K.M. 
乳首のただれについて

初めて相談させていただきます。私は23歳で1ヶ月程前に初めて出産をしました。妊娠中に突然40度の発熱と乳房の刺すような痛みにおそわれ、産婦人科に行ったところ乳腺症との診断でした。その後薬で熱は下がったものの、右乳房の痛みは出産後も治りませんでした。最近おっぱいの出が悪くなったら痛みはなくなり、しこりもなくなりましたが、乳首のただれだけは全く治りません。妊娠でおっぱいが急激に大きくなったせいで乳首が擦れてただれたのだと思いあまり気にしていなかったのですが、皮膚科で出された薬を塗ってもずっと治らないので不安になってきました。インターネットで調べたら乳がんの可能性もあることを知り悩んでいます。症状を詳しく説明させていただきますと、乳頭というよりは乳輪の部分がただれて薄い皮が常にむける状態で、黄色っぽい分泌液が乳輪からにじみ出てきます。それが下着にくっついてはがすたびに血が出ます。その部分の乳輪がむくんだように変形していて不安です。今乳房にしこりはありませんが、どうでしょうか?また、もしも病院で検査した方が良いとしたら、どこの病院に行けば良いのか分からないので教えてください。長くなり、質問ばかりですみませんが、どうかよろしくお願いいたします。

乳頭のただれを引き起こすタイプの乳癌はPaget病といいますが、この場合、通常は乳頭のただれで始まり乳輪から始まることは少ないです。症状から見ると乳輪部の湿疹であろうと思います。心配であれば念のため乳腺外科を受診してください。(文責 麻賀)

 

No.1784-1】 03年09月01日 K・M
乳房温存療法後について

温存手術から1ヶ月半も経つのに未だに胸に水?が溜まります。抜いてもまた溜まり、脇の痺れも更に強く感じて不安になります。いずれ良くなるからと言われ続けても先が見えなくて・・・。事務系では無い職場への復帰は大丈夫なんでしょうか?リンパ転移は1ヶだったのですが、それでも危険度は同じですか? では、よろしくお願いします。


1) 閉経前ですか、後ですか?
2) ”胸に水”というのはしこりをくり抜いたところにですか?
3) 脇の下のリンパ節を切除したところですか?レントゲンで肺の外にたまる胸水の事ですか?
4) 手術後の治療は何をしていますか?
5) 残った乳房に放射線治療はしていますか?
 

No.1784-2】 03年09月01日 K・M
乳房温存療法後について(2)

説明不足で失礼しました。
1) 閉経前です。
2) くりぬいた所です。
3)  リンパ液と思いますが血も混ざってるようです(赤いので)
4) CEF 4クールとノルバテックスです。
5) CEFが終わってからの予定です。

先週も3回(毎回100cc)抜きましたが、すぐに戻るので疲れました。なので今は諦めて溜まるに任せる気になりました。これは珍しいケースなんでしょうか?では、宜しくお願いします。

乳房温存療法でしこりをくり抜いた後にリンパ液が貯まる事は珍しい事ではありません。通常はしこりをくり抜いた後は、周りの脂肪組織や乳腺組織で埋めるようにします。そうすればリンパ液が貯まる事は少なくなります。しかし、腫瘤が大きく、くり抜いた穴が大きい時に、無理をして周りの組織を寄せると変形が強くなる事があります。その場合はしこりをくり抜いた後をそのままにして、生理食塩水を注入する事があります。それと同じで、人間の体は穴があるとそこには自然にリンパ液が出てきて穴を埋めようとします。ですから、リンパ液が貯まる事は心配する必要がありませんし、抜けばまた貯まるのですから、パンパンに張って痛いのでなければ、そのまま抜かずに様子を見た方が良いと思います。(文責 清水)

 

No.1783】 03年09月01日 M.T
肝転移後の治療について (
HPNo.1650−3

状況が変わりましたので、再度ご質問したい事があります。その後、モルヒネ等の内服薬と月一度のホルモン注射で様子を見ながら仕事(事務)にも毎日行き、日常生活も動作はゆっくりですが普通にしていました。しかし、先日の血液検査で肝機能の数字が高くなり、肝転移のようです。痛みも出てきたようです。先生からは抗ガン剤(もしくは放射線?)を投与するように言われたみたいですが、本人が治らないのに延命するだけなら髪の毛が抜けたりやせ細っていくのが嫌と言い、断ったようです。内服薬の抗ガン剤を服用していくようです。姉の行っている病院は大学病院で、余命に関することは一切言わない様です。そこで、質問ですが、
1) 私がインターネットで肝転移について調べると、乳癌が肝転移すると余命は肝転移が発見されてから平均5ヶ月と書いてあるのを見ました。これは本当ですか? 他にも、肝転移するとよくないと書いてありました。そんなに深刻な状態なのですか? 末期癌になるのでしょうか?
2) 先生から言われている治療の抗ガン剤(もしくは放射線?)投与を拒否して内服薬でいくのと、余命はどれくらい変わりますか? 本人が拒否している場合、家族はどうしてあげるのが良いのかわかりません。治療するように勧めた方が良いのでしょうか? 何か良い方法があれば教えて下さい。どうぞ、よろしくお願い致します。

1) 乳癌の転移が骨や肺などにあり、さらに肝臓にも転移が始まったとなると予後はかなり悪いです。肝転移が発見されてからの予後は平均5-6カ月といったところでしょうか。しかし、これにはかなりのバラツキがあります。もっと早いこともありますし、長いこともあります。ただ肝機能の数字が高くなったというだけでは肝転移とは断定できませんが。
2) 先生から言われている抗がん剤が何であるのかがわかりませんが、標準的な抗がん剤(点滴?)でも内服薬(抗がん剤)でも余命にはあまり影響しないと思います。
3) 本人が標準的抗がん剤を拒否しているのなら、それを尊重してやったほうが良いと思います。(文責 麻賀)

 

No.1782】 03年09月01日 T.F. 
脇の下のしこりについて

30歳、子供が2人、現在下の子に授乳中です。出産後、副乳が腫れて痛んだりしましたが、授乳して腫れが引いた頃に左の脇の下に1cmほどの丸いしこりがあるのに気づきました。乳がんが脇の下のリンパに転移するとしこりができるらしいですが、最初から乳房ではなく脇の下のほうに癌ができることもありますか? 乳房の方には特に異常は感じられないので、もしそうなら大丈夫かなぁなんて思っていますが・・・。いろいろインターネットで見てみましたが、乳房の異常についてはたくさんあっても、脇の下のしこりについてはあまり書かれていなくて困っています。乳房に異常がなく、脇の下だけなら特に心配はいらないのでしょうか。お忙しいところ申し訳ございませんが、アドバイスよろしくお願いします。

乳房にはっきりした大きさの癌が無いにもかかわらず、脇の下のリンパ節転移が目立つタイプの乳癌がまれにあります。あるいは脇の下に近いところに乳癌が出来ることもあります。脇の下のしこりが気になるのであれば専門医を受診するのが良いと思います。ただ話の内容からすると副乳の部分の腫れがまだ残っているのではないかと思われますが。(文責 麻賀)

 

No.1781】 03年09月01日 N.N
術後補助療法について
(2) (HPNo.1658−3

No.1658で相談させて頂いた者です。ありがとうございました。このような場があることを心から感謝しております。お忙しいのに何度も申し訳ありませんが、また質問させて下さい。化学療法については主治医から提案があれば受けるつもりでいましたが、自分からすすんで受けようという気にはなかなかなれません。ですので、主治医に相談するならゾラデックスかリュープリンかなと考えています。ただ、6月20日手術でしたので、既に術後2ヶ月経過していますし、次の外来(10月)を待っていれば4ヶ月経過ということになります。術後補助治療は早ければ早いほどよいのですよね?術後4ヶ月経ってからのゾラデックス(orリュープリン)追加は有効でしょうか?それとも今すぐ外来の予約をいれるべきでしょうか。よろしくお願い致します。

ゾラデックスかリュウプリンを選択されたのは良い選択だと思います。それと、前回書き忘れましたが、ガイドラインの推奨では、ノルバデックスはご指摘の通り5年です。話は戻って術後補助療法の開始時期ですが、おっしゃる通り、術後補助療法は早く始めるにこした事はありません。しかし、通常でも温存療法を行って、術後放射線治療が終わってから始めたとすると2か月くらいはすぐに過ぎてしまいます。治療開始が術後2か月か4か月かでそんなに差が出るとは思いませんが、後はあなたの気持ちです。病院によって診療のシステムが違うので予約以外で診察してもらう事が大変なことなのかどうかわかりませんが、自分で悩んで決めた事ですし、先生にお願いするという事であれば10月まで待たずに早めに予約を入れて先生と相談された方が良いのではないでしょうか。本当はこのような相談室に相談するのではなく、主治医の先生にいつでも何度でも相談して納得して治療してもらえるのがbestなのでしょうが、医師と患者さんのお互いの気持ちが噛み合ない場合がある限り、この相談室は頑張っていきます。(文責 清水)

 

No.1780】 03年09月01日 C (HPNo.1535-4
血管侵襲について

現在、EC3クール目です。リンパ節転移はなしなのですが、血管侵襲が強い(レベル2)のが心配です。血管侵襲は予後因子にはいっているのでしょうか?今後の補助療法(タキサン等)を考える時に考慮に入れるべきですか?よろしくお願いします。

現在、術後補助療法のガイドラインでは血管侵襲は考慮されていません。ということは予後因子としての力は弱いということです。どういう風に理解したら良いかというと、一見、血管侵襲があると、あたかも血行性の転移が多くなるような印象を与えますが、実際には余り関係ありません。血管侵襲(血管の中に癌細胞がいる所見)が顕微鏡で見えたとしても見えなかったとしても、癌細胞がかなり高頻度で血液の中を流れていることは証明されています。ですから、癌が血管の中に入る事は当たり前と考えて(これが乳癌が全身病と考えられる由縁です)、血管の中に入る事を心配するのではなく、血管の中に入った癌細胞が生きているかどうかが問題なのです。癌細胞は血管よりリンパ管の中の方がはるかに入り易く、脇の下のリンパ節には多くの癌細胞が流れ込んでいます。そこで、リンパ節転移が起きているか起きていないかは、流れ込んできた癌細胞をあなたのリンパ球が殺していてくれるかどうかにかかっています。つまり転移がなければ、あなたのリンパ球はあなたの体にできた癌細胞を殺す力があるということで、そのリンパ球は体中を巡って癌細胞を見つけ殺してくれる、その結果、血液の中に入った癌細胞は生きて転移を起こす事はできないと考えられています。如何でしょうか、血管の中に癌細胞があるかどうかの所見より腋窩リンパ節に転移があるかどうかの所見の方が重要であるということをわかって頂けたでしょうか。しかし、これは理論的な話であって、実際はそれでも生き残る細胞がいるかもしれないのです。ですから、手術後の全身の補助療法が重要になってきます。腋窩リンパ節転移がないにもかかわらずEC療法を選択されたということは賢い選択だと思います。現時点でこの後にTaxanを加えるかどうか悩ましい所です。基本的にE(A)C->Tはリンパ節転移があった人で有効性が証明されているだけで、リンパ節転移がない人に対して有効かどうかはわかっていません。これは臨床試験をしていないのでわかっていないということで、臨床試験をして有効性が否定されたという事とは違います。ですから、あとはあなたの判断だと思います。リンパ節転移がない人で有効性が証明されていなくても、自分としては再発をしないためにできる事は全てやろうと考えるのであれば、ECの後にTaxanを加える事を考えては如何でしょうか。それとも、現時点の標準的治療で良いと考えるのであればECのみで終わりしても良いと思います。(文責 清水 )

 

No.1779】 03年09月01日 F.M.
脇の下のしこりについて

お忙しいところ申し訳ございませんが、回答よろしくお願いします。現在30歳、3歳と3ヶ月の2人の子供がいます。下の子はまだ授乳中です。出産後、脇の下の副乳が腫れて痛んだりしたことはありましたが、授乳すると腫れも痛みもなくなりました。最近になり、左側の脇の下にのみ1cmほどの丸いしこりがあるのに気がつきました。痛みは全くありません。腕を上げるとそこだけぽこんと盛り上がっています。全く痛みがないため、ばい菌が入ったとか、副乳とかではないと思うのですが、いかがでしょうか。乳がんのしこりは痛みがあるものなのでしょうか。また、母乳を止めてミルクにしたほうがいいかと悩んでおります。よろしくお願いします。

授乳を止める前に専門医を受診してそのしこりが何であるか診てもらって下さい。脇の下という事であればリンパ節でしょうか?脇の下に近い乳房であれば乳瘤でしょうか?いずれにしても文面からは何なのかはわかりかねます。(文責 清水)

 

No.1778】 03年09月01日 NAO
石灰化

32歳、独身です。人間ドックで右胸の上部に微細石灰化がありました(マンモ)。その後エコ−で見たら石灰化らしいところも見られないし、触診でも大丈夫でしたが、3か月後に診察してくださいとのことでした。 今後癌になる可能性はあるのでしょうか。あと、エコ−で確認できないのはどうしてなのでしょうか。

マンモグラフィによって発見される微細石灰化は、これからマンモグラフィ検診が普及するにつれ問題になると思います。微細石灰化といっても全て悪性という訳ではなく、明らかに良性のもの、良悪性の鑑別の難しいもの、明らかに悪性のものがあります。その判断は難しいので、マンモグラフィで微細石灰化を指摘されたら速やかに専門医を受診する事をお勧めします。参考までに、マンモグラフィで指摘された微細石灰化のうち、明らかな良性の石灰化は触診やエコーでは何も所見がない事が多いです。明らかな悪性の石灰化は触診かエコーで異常を指摘される事が多いです。問題は良悪性の鑑別が必要な石灰化で、この中に触診やエコーでは異常所見が指摘できない極めて早期の癌が含まれています。このような極めて早期の癌を診断するのは極めて難しいのです。積極的に診断するならば、stereotacticにマンモグラフィを撮りながら石灰化の部分を穿刺して細胞診を行うか、マンモトームという器械で、太い針をそこの部分を狙って穿刺し、吸引しながら組織を切除する方法をとります。もう一つはしばらく経過観察してマンモグラフィを3〜6か月で繰り返し行い、石灰化の所見が変化するかどうかみます。良性の石灰化は変化しませんが、悪性の石灰化はだんだん増えてくるので、その時点で生検を行います。それでも基本的には極めて早期の乳癌ですから、手遅れになる事は少ないと思います。もう一つ大切な事は、微細石灰化がマンモグラフィに写る頻度に比べて、そのような極めて早期の癌が発見される可能性は極めて低いというのも現状です。だからといって極めて早期の癌を見逃すことは許されないし、そうかといって癌でない人をやたらに切開する事も慎まなければいけないし、マンモグラフィで石灰化をみた医師の悩みはそこにあるのです。そうなると、マンモグラフィの石灰化の所見をどう読むかが重要だと言う事に気付かれると思います。そこで、現在日本では乳癌検診学会を中心に全国でマンモグラフィ読影の講習会と試験を行っていて、マンモグラフィをきちんと読める医師を養成し、全国に公表しています。もし、少し勇気があったら、あなたの主治医にマンモグラフィの試験を受けているかどうか聞いてみて下さい。もちろん、試験を受けていなくてもマンモグラフィをきちんと読める先生がたくさんいる事も事実です。試験が嫌いなのはあなたばかりでなく医師も同じですから。(文責 清水)

 

No.1777-1】 03年09月01日 S.K.
妊娠中の検査について

はじめまして、29歳、現在妊娠6か月です。今年の3月頃に左胸にしこりを発見し、総合病院で検査をしていただきました。マンモでは問題がなかったのですが、エコーで悪性が疑われたため、細胞検査を行いました。その結果、ミルクみたいなものが出てきて、結果は問題ないということでした。ただ気になるのでとろうと相談をしていた矢先に、妊娠してしまったので産後になりました。しかし、エコーで良性の形でなかったことと、細胞診で、「良性でも実は悪性だった」という話も聞くのと、妊娠中は進行が早いという事が心配になり、8月、さらに大きな病院でもっと詳しい検査をお願いしました。やはりエコーでは良性といえないそうですが、3月の検査で1.1ミリだったしこりは今回は1.3ミリでほとんどかわらないため、定期的に様子見となりました。それでも気になるので麻酔をかけ、太めの針で細胞をと検査をしました。張っているため、うまくとれたかは微妙なようでした。妊娠中で判断がつきにくいらしく、なかなか検査結果がでません。やはり妊娠中の判断は難しいのでしょうか?またエコーとマンモではどちらが信用性が高いのでしょうか?今思えば針でなく、とってしまえばよかったです。どうぞよろしくお願いします。

確かに妊娠中のしこりの検査は難しいです。触診は正常乳腺が張っていて分かりにくいし、レントゲンは妊娠中はできれば避けたいし、どうしても必要で撮影したとしてもその所見は読みにくいし、最も頼りになるエコーは逆に正常でも異常があるように見えてしまうのです。そこで、どれかの検査で気になる所見があれば細胞診を行う事になります。細胞診が信用できるかどうか難しい判断ですが、私は精度の高い検査だと思っています。しかし、細胞診も信用できないとなると、後は太い針を使った生検か、麻酔をかけて切開してしこりを切除する生検です。医師はそれまでの検査の結果を総合的に判断し、次の検査の侵襲の大きさを考慮して、次の検査を勧めるかどうかを決めます。その時にあなたがどのくらい心配しているか、切除する事をどのくらい嫌がっているかも参考にします。検査の主役はあなたですから、遠慮せずに自分が納得いくまで検査をする事が大切です。(文責 清水)

 

No.1777-2】 03年09月06日 S.K.
妊娠中の検査について(2)

再度お聞きしたく、お手数ですがよろしくお願いいたします。今回針生検の結果がでて、線維性のもので悪性のものはなかったので、出産後にまた診察をとなりました。今回気になるのが、
1) 妊娠前の細胞診ではミルクのようなものがとれたそうですが、今回の生検では線維の増殖がみられるという結果でした。生検で針をさしたのは一回で、うまくとれたか微妙だった感じでした。たとえば、針がしこりにあたってなく、しこりちかくの細胞をとった場合は線維がとれるのでしょうか?線維という結果はしこりに当たったと思っていいのでしょうか?細胞診と生検でこのように内容物が違う事はあるのでしょうか?
2) 傷が残ったりはまったく気にならず、100%安全という結果が欲しいので、本当はとってしまいたいです。ただ、局部麻酔は精神的につらかったので、次回はぜひ全身麻酔にしたいのですが、妊娠中は出来ないのでしょうか?眠ったままで手術するのは、やはり全身麻酔しかないのでしょうか?出産後の授乳中では摘出は難しいでしょうか?
3) 今回の生検はエコー下のコアニードルというそうです。気になるのは、もしも悪性だった場合、この検査で悪性の細胞が飛び散ってしまう事もあるのでしょうか? 妊娠中でも影響がないのだったら全身麻酔ですぐにでもとってしまいたいという希望は可能なのでしょうか?
 
何度も申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。

1) 針生検で線維性の増殖が見られるという結果は、良性であっということで、一応安心してよいのではないでしょうか。線維性の増殖という結果だけでは腫瘍にあたっていたのかどうかはわかりません。しかし、この段階ではあたったものと考えておくしかないでしょう。細胞診は細胞を見るものであり、針生検は組織を見るものなので、肉眼的に見ての判断はあまり参考にならないと思います。
2) 乳癌の可能性が高いというならともかく、今までの検査結果では良性の可能性が高いので、妊娠中の全身麻酔はリスクが大きいのでやめたほうが良いと思います。
3) エコーガイド下の針生検の方がより腫瘍に当たる確率が高いので、この検査を受けるのが良いと思います。(文責 麻賀)

 

No.1776-1】 03年09月01日 M
20歳です。癌の可能性は?

初めてメールさせていただきます。1ヶ月ほど前から左胸に違和感を感じ(張った感じ)ていました。ここ1週間ほど前から痛みを感じるようになり、脇のあたりがはれてきたのです。乳首の下あたりも右に比べて硬く、しこりになっているような気がするんです。しこりのかたちははっきりしていなく、押したりしなくても痛みを感じます。心配になって外科で診察してもらったのですが、エコーなどの結果が出るのが1週間後なんです。心配のあまりご飯を食べられません。そして最近では左の背中もつったように痛くなってきました。正直いって、わたしはがんの可能性が高いと思われますか?背中が痛いのはがんが転移してしまったのでしょうか。ちなみに私の家計ではがんになった人はいないそうです。

お話を伺った感じでは癌の可能性は低いように思います。心配されているお気持ちは解りますが、検査結果が出るまではどうにもできません。次の受診日に必ず受診して結果を聞いて下さい。(文責 清水)

 

No.1776-2】 03年09月09日 M
乳腺症でした

先日相談させていただいた20歳の女性です。検査の結果、乳腺症とのことでした。レントゲンやエコーにはしこりは写っていなかったそうです。ほっと一安心なのですが、生理2日前に検査を行ったということもあり、正しい結果がでたのか少し不安が残ります。乳腺症という診断がでたのにもかかわらず、その後がんが見つかるということはあるのですか?念のため、違う病院でも検査を行ってみたほうがいいですか?生理が終わった今、乳房や脇の痛みは和らいできたように思えます。

良い結果が出てよかったと思います。良い結果が出たとなると今度は違う心配が出るものです。もし何か乳房にしこりを感じるようであれば、また病院を受診した方が良いと思いますが、そうでなければ、この結果を信じて6カ月あるいは1年後に同じ病院でまた検査してもらったらどうでしょうか。(文責 麻賀)

 

No.1775】 03年08月31日 K.S.
病気かどうかわかりませんが不安です

先日40度の熱で数日間休養を取りました。何らかのウイルスによる発熱との診断でした。その後急に背中に痛みを感じました。その痛みが左胸の外側のほうにまで感じるようになり、いまは左の腕の内側まで痛みを感じています。痛みはどちらかというと皮膚の表面のような感じです。感覚としてはすりきずのひりひりした 感じでもあります。それが引っ張られるような痛みで時々激しく痛みます。痛みが左半分だけのことも不安です。こちらに相談してよろしかったでしょうか?不快な痛みが気になります。

詳しく書いて頂いているのですが、申し訳ありませんが一度病院を受診してくださいとしか言いようがありません。それだけの痛みがあるのですから、病気かどうかと考えているより病院へ行った方がよいと思います。ただ、もし、乳房から腋窩に向かって皮下に痛みのある細い索状物があるようなら、モンドール病が考えられます。(悪い病気ではありません。)(文責  清水)

 

No.1774-1】 03年08月31日 K.T.
乳輪下膿瘍

乳輪下膿瘍と診断され初診で切開しました(酷かったらしくデジカメで撮影されました・・・)。一週間フィルターを指して膿を排出し、その後10日ほどガーゼをつめていたのですが、その間に再びしこりが出来て、細胞検査?の結果、少し膿が混ざっているとのこと。その炎症が治まってから根治術を考えていたのですが、いまひとつ納得がいかずに手術を延期してしまいました。陥没乳頭でないので様子をみてもいいですよという意見もあり困惑したためです。現在痛みもなく(右乳房にしこりはありますが)普段通りに過ごせます。「こういう時期に決断しにくいでしょう。」と手術を勧める先生もおっしゃっていました。今後は週イチで2ヶ月ほど通院して下さいと言われています。今後の治療はどんなものになるのでしょうか?

まず第一に、診断ですが、陥没乳頭でないこと、初発であることを考えると乳輪下膿瘍と断定して良いかどうかの疑問があります。しかし、見て診断した医師を信用するとして、乳輪下膿瘍の手術適応は医師によって異なると思いますが、私は炎症を起こす頻度で決めています。乳輪下膿瘍は基本的は炎症性疾患で悪性疾患ではありませんから、抗生物質や切開排膿などの処置で良くなります。ですから、無理に根治手術をお勧めしません。(もう一つお勧めしない理由は、私の手術が下手なのかもしれませんが根治手術を行っても再発する事があるからです。)但し年に何回も炎症起こして、その度に病院通いを強いられるようであれば、根治手術をお勧めします。今回は乳輪下膿瘍としても初回ですし、他の原因の膿瘍も否定できないと思うので、急いで根治手術する事はないと思います。手術をするのであれば炎症が治まっている時にした方が良いと思います。(文責  清水)

 

No.1774-2】 03年09月23日 K.T.
乳輪下膿瘍(2)

再度ご相談いたします。切開後、膿の排出中に新たにできたしこりは悪性ではなく、抗生物質を数週間服用しましたが、2週間で数ミリほどしか小さくなりませんでした。現在は当初の傷口(切開した)から少しずつ膿が出るので、毎日自宅消毒(リバノールガーゼにて)し、週1度診察(消毒)に通っています。同じ病院内に数名の乳腺外来の医師がいらっしゃったので、担当医以外のお話を聞いたところ、「悪性ではないので時間はかかるけれど様子をみては?」ということで、その方向で考えていたのですが、担当医は初診から手術を勧められるので、考えあぐねています。セカンドオピニオンとして他院を受診する場合、現病院の紹介状が要るらしく、それもなんとなく患者からすれば分が悪いような気持ちがあり、二の足を踏んでいます。抗生物質を止めた後、傷口附近にたまに痛みを感じることと、しこりのある右肩がやや凝る感じがある以外、普段通りの体調です。アドバイスをお願い致します。

乳腺膿瘍は、一般に、他の部位の膿瘍よりも抗生物質等の保存的治療では治りにくく、時間がかかります。あせらずに、根気よく、治療を続けてください。ただし、軽快する傾向がなく、治療に時間がかかりすぎる場合は、膿瘍の切除も含めて考えなければならないことは多々ありますので、主治医と充分相談の上、治療方針を決定して下さい。なお、セカンドオピニオンに関してですが、主治医に、セカンドオピニオンを受けたい旨、素直にお願いすれば、一般的には快く紹介状を書いてくれるはずです。いずれにしても後悔のない、納得のいく治療を受けられるよう願っています。(文責 須田)

 

No.1774-3】 03年09月27日 K.T.
乳輪下膿瘍(3)

アドバイスをありがとうございました。ただ時間が掛かりすぎる場合"と申しますと、一般にどのぐらいの期間を指すのでしょうか。2,3ヶ月を目安にしていたのですが、ここ1ヶ月の症状を自分なりに分析したところ、生理前の一週間に炎症(活動期?)を感じ、若干しこりが大きくなっていく感じがします。このまま様子をみても少しずつではありますが、悪化の傾向にあるというのが正直な気持ちです。今後ともよろしくお願い致します。

経過をみるということは、少なくとも最初の状態より悪くなっていないということが前提です。「悪化の傾向にある」のであれば、外科的な治療(手術)も検討する必要があると思います。主治医とよく相談なさってください。(文責 須田)

 

No.1774-4】 03年10月04日 K.T.
乳輪下膿瘍(4)

二週間ぶりの診察でしこりの大きさはあまり変わりなく、膿が出ていた場所を再度切開しフィルターを深めに指しこむ処置をしました。少し膿が出たそうです。しこりは和らいでいるようですが、切開後4日経っても出血の量が多く、フィルターの周囲にレバー状に血液が凝固し自己消毒がとてもやりづらいです。見えにくい部位でもあるのでフィルター口に付着したレバー状の血液は放置したまま消毒→ガーゼ貼付処置でもいいのでしょうか。毎日通院して消毒してもらえばいいのですが、休診日になるためそのような状態でいることが不安です。教えてください。

フィルター出口付近についたレバー状の血液は、可能な限り綿棒などで除去するようにしたほうが良いと思います。除去することによって再出血するようならば、皮膚切開部からの出血が考えられますので、ガーゼの上から圧迫していていれば自然に止血します。(文責 千島)
 

 

No.1773】 03年08月31日 haru
乳がん(2期)の術後

はじめまして。私の母(60歳)の乳がん手術後の治療法についてご質問させていただきたく、メールしました。母は先月乳首の陥没及び乳首からの出血に気づき、県立病院の外科を受診したところ、乳がんであると診断されました。30年ほど前に乳腺炎にかかったせいで、もともとしこりがあったため気づくのに遅れてしまったのですが、手術前の診断では、病気は2期で、乳首の周囲に大きさ3.3センチの腫瘍、リンパ節は触れない、遠隔転移は認められないとのことでした。腫瘍の位置的に乳房温存療法は好ましくない、とのことで、胸筋温存手術が行われました。現在、術後の経過は非常に良好で、リハビリも順調に進んでいるという状態ですが、先日病理結果が出て、乳頭性管がん 大きさ約4×2センチ リンパ節転移 11個中0 ホルモン感受性 ER(+)  浸潤は乳腺内のみ  悪性度 1(HER-2についてははまだ結果がでていない) 切除断面(−)とのことで、術後の治療はホルモン療法のみ、アリミデックス 1ミリグラム/日 ということになりました。そこでご質問させていただきたいのですが、
1)  術後の治療として、ホルモン療法のみ、というのは妥当なのでしょうか? 放射線治療などは必要ありませんか?
2)  乳がんはリンパ節に転移がない場合でも再発の可能性があるそうですが、もしがん細胞が体内に残っていた場合、ホルモン療法のみで完全に消滅させることは可能ですか?
3)  アリミデックスの副作用はどんなことありますか?    
4)  再発の可能性はどの程度だと考えられますか?

お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。

1)  閉経後、4x2cm、リンパ節転移なし、ホルモンレセプター陽性であれば、ガイドラインでは"Tamoxifen +/- 化学療法”ですから、ホルモン療法をしなさい。化学療法を加えた方がいいかどうかは不明ということです。ヨーロッパでの臨床試験でノルバデックスよりアリミデックスの方が再発を抑える力が強いという事が昨年証明されましたが、今年のSt.Gallenのmeetingではアリミデックスを標準治療とするのはまだ時期早尚(比較試験のデータがまだ5年までのデータしかないという理由で)ということで、子宮体ガンや血栓症のリスクがある人以外には標準治療としてはノルバデックスを推奨するということでした。ですから、お母さんの場合は標準的治療ではありませんが、新しいevidenceのある知見を基にした治療法であると考えられます。乳房切除後の放射線治療は腋窩リンパ節転移が4個以上ある場合は手術後胸壁に放射線治療した方が良いといわれています。お母さんの場合は腋窩リンパ節転移がないという事なので、不要だと思います。

2)  ガン細胞を完全に消滅させることが可能ですかと聞かれれば答えは”はい”で、ガン細胞を完全に消滅させる事ができますかと聞かれれば答えは”いいえ”です。体の中でガン細胞と薬がどう戦っているか見てきた人はいないわけで、いろいろな実験や臨床試験から想像しているのです。ホルモン療法行うと再発が減るという事は一部の患者さんではホルモン療法が細胞を完全に死滅させる事ができたという事です。

3)  アリミデックスというお薬は体の中で男性ホルモンから女性ホルモンを作る酵素の働きを選択的に阻害して、体の中の女性ホルモンを少なくするように働き効果を発揮します。ですから、更年期障害様の副作用(のぼせ、ほてり、おりもの等)が主です。それ以外で現在心配されているのは、ノルバデックスとの比較試験で、骨折等の骨関連事象が多かったということです。女性ホルモンが骨粗鬆症に関係している事はよく知られていますが、その女性ホルモンを減少させるので、骨粗鬆症になりやすいのではないかと心配されています。(まだ長期followのデータは出ていませんから真偽のほどは不明です)ですから、アリミデックスを内服する時は念のために骨塩量や、骨代謝マーカーなどの定期的なcheckをお勧めします。

4)  10%以下と考えます。ちょっと難しい話をします。相対生存率という概念があるのですが、60歳のお母様が70歳の誕生日を迎える可能性はどのくらいと考えますか?もう少し解り易く言うと、今年お母様が同級会に出席したとして、10年後(70歳の時)にまた同級会を開いたとすると、その時参加者(生存していれば全員参加するとして)はどのくらいいると思われますか?正確なデータは持ち合わせていませんが、90% (40人のクラスとして10年後の出席者が36人)よりは少ないのではないでしょうか。ということはお母様の相対生存率は100%以上というという事になります。言い換えると、脳卒中、心筋梗塞、事故等の現在予期しない原因で死亡する確率より乳癌再発の確率の方が低いということです。お母様の場合はアリミデックスをきっちり5年間内服する事が現時点ではbestの選択だと思われますし、それで絶対再発しないとは言いませんが、他の病気で死ぬ事を考えていないのならば、定期検診だけを欠かさないようにして、再発の事は忘れて生活しても良いのではないかと思います。(文責  清水)

 

No.1772-1】 03年08月31日 M.K
UFTより副作用の少ない薬は?

はじめまして。初めてメールします。2001年12月12日に医療センターで乳房全摘OPを受けました。しこりの大きさは6cm×5cmでした。リンパ節転移が4/37。ホルモンレセプターは(−)、治療としてCE療法を6クール受けた後、現在UFTを1年服用しております。別の病院でUFTより副作用の少ない薬が出たと聞いたのですが、その薬品名が未だに思い出せない次第です。そこでこちらで問い合わせればと思いメールしました。担当医は「知らない」との返答でした。薬品会社等の繋がりがあるとは思いますが、よろしくお願いします。現在35歳の専業主婦です。2000年11月に一人目を出産。妊娠中の5月に右腋のリンパにしこりをみつけたが、「副乳」と診断される。2000年12月28日41℃の熱発を伴う乳腺炎になり、マッサージを産婦人科で受ける。その後毎月の様に乳腺炎で苦しみました。桶谷式マッサージも何度も行きましたが、効果は無く、2001年2/8右乳房に大きなしこりを発見。翌日産婦人科に行ったところ、「良性だよ!こんなによく動くし!!大丈夫!!」と、ただ触診を受けました。桶谷式マッサージの助産婦さんの紹介でマンモを開発された方のところで診てもらい、翌日病院を紹介され悪性と診断。ずっと母乳で育ててきたのですが、この場合子供に癌の悪いものが移ってないか心配です。それから、これを見られた女性でしこりがある方は迷わず乳腺外来を受診して下さい。私のような人が一人でも少なくなるよう体験談を書きました。

貴重な体験談とアドバイスを有り難うございます。回答ですが、薬屋さんとの繋がりを抜きにしても、UFTより副作用が少ないという新薬はありません。ただ、もしかしてと思うのはTS-1と呼ばれるUFTの進化形の新薬があります。確かにUFTで出やすい副作用を抑えているのですが、副作用が少ない新薬ではなく、副作用が少ないので主成分である5-FUをたくさん投与して効果を高めようとしているので、かなりきつい薬です。しかし、この薬はまだ乳癌の治療には使えません。もう一つの経口抗ガン剤の代表”フルツロン”の進化形の新薬ゼローダ(Xeloda:一般名カペシタビン)がこの7月に新発売されました。これもTS-1と同じで副作用を抑えてより腫瘍に選択的に多くの5-FUを投与しようと考えています。3週投与1週休薬という投与法になっていることをみてもきつい薬だという事がわかると思います。この薬は日本で開発された薬なのですが、今まで飲み薬の抗ガン剤については見向きもしなかったアメリカが、アドリアマイシン、タキサン等が無効になった患者さんに勧める薬として日本より早く認可したという事で話題(逆に言うと何故日本では発売が2年も遅れたのかという疑問も出ている)になり、一部の先生は”ついにアメリカも日本式抗がん剤の良さを認めた”というような発言をして、”今まで虐げられていた他の経口抗ガン剤も世界的に認められた”というような言い方をされる先生もいらっしゃいますが、ゼローダが米国で認可された理由はきちんとした臨床試験を行って有効性が認められたからであって、だからといって、他の経口抗ガン剤も同様に有効であるとは言えないと思います。ちなみにこの薬は再発乳癌でアドリアマイシン系の薬剤が効かなくなったときに使う薬として認可されていますから、現時点では術後補助療法には使えません。(文責  清水)

 

No.1772-2】 03年09月08日 M.K
乳癌の肺転移?

先日はご丁寧なお返事ありがとうございました。私が聞いたのは、TS−1でした。再度質問したい事が出来ましたので宜しくお願い致します。7月末より咳き込みがあり、近隣の病院で風邪薬を処方されておりましたが、1ヶ月以上咳が続くのでレントゲン・CT・喀痰検査を実施しました。レントゲン・喀痰検査の結果は異常なかったのでが、CTで異常が発見されました。画像診断医と胸部外科医が診たところ、左肺に1cmの白い陰がありました。GGOと診断されました。これが肺癌なのかどうかわからないとの返答。乳癌のOPをした患者にGGOはよくみられるとの事ですが、本当なんでしょうか?私は転移なのかどうか不安でメール致しました。担当医の診察が来週の木曜日なのですが不安で不安でたまらなく、メールしました。私の弟は23歳で肺癌(腺癌)の為死亡しています。遺伝だと言われればそれまでなのですが・・・。

CTのこの陰影が乳癌の肺転移か、肺がんか、それ以外のものであるのかはこれからの検査で決められることです。もちろんこのような陰影が癌で無かったということも多くあります。担当医によく聞いてみるのが一番です。(文責 麻賀)

 

No.1772-3】 07年07月06日 M.K
リンパ浮腫について

HPNo.1772にて相談させて頂いたM.Kです。No.1772-2について、白い陰は、結局CT検査をすると無くなっておりました。3ヵ月後2つの病院で検査したので、間違いなく無くなっておりました。今回の相談は、術後5年6ヶ月になるのですが、全摘した右手の中指・薬指・小指が腫れだしてきました。夜になると、手の甲がパンパンになり、例えるなら、ドラえもんの手の様です。5/30から腫れ出して、いつもなら翌日くらいには腫れがひくのですが、今回は腫れがひきません。右利きなので、歯を磨くのも歯ブラシを上手く握れない状態になり、6/7主治医の診察を受けました。腋・首のリンパを触られて腫れてる気配もなく、血液検査でも炎症の所見はみられないので、来週火曜日にエコーをする事になりました。結果は、6/21に出るとの事。それまでに、この腫れが少しでもひけばと思います。
1) 腕のマッサージは、指先から腋にかけてするものでしょうか?リンパドレナージを検索すると、腋から指先へとなっております。どちらが有効なのでしょうか?
2) ハドマーの購入も考えているのですが、これも有効なのでしょうか?
3) 腫れてる部分は、温めるべきか、冷やすべきか?

この3点を質問させて頂きたいです。それ以外は年末に検査した時点では転移など無いとの所見です。お忙しい中、よろしくお願い致します。

1) リンパ浮腫の場合、リンパ流を中枢にもどす事が重要ですので、抹消(指先など)から腋窩方向にマッサージする事が基本です。
2) ハドマも有効な機器です。
3) 炎症をおこしている場合は冷却が有効です。(文責 比嘉)

 

No.1771】 03年08月31日 E
大豆製品について

いつも拝見させていただいております。ただ今術後の経口薬としてノルバテックスを服用して1か月がすぎました。副作用として更年期症状があげられておりますが、更年期にはイソフラボンが含まれる大豆製品がよいと伺いましたが、抗エストロゲン剤を飲みながらエストロゲンと同じ働きをする大豆製品を食することは乳癌の抑制と反する事なのでしょうか。またビタミンCを摂るようにアドバイスを友より頂きましたが、いかがでしょうか。主治医に食事の制限等はされておりませんが、気をつけることはありますでしょうか。よろしくお願いいたします。

イソフラボンについてはよく聞かれるのですが、私の知る限りでは、米国の代替療法の研究所から、イソフラボンは更年期障害に有効であることが証明されたという報告があり、その論文の中で乳癌患者さんに対しての影響については不明であると書いてありました。ですから、乳癌の患者さんがイソフラボンを摂取する事が危険なのか安全なのかは不明という事になります。それではつれない返事だと思うので、私見を書かせて頂きます。”風が吹けば桶屋が儲かる”式の理論ですが、日本人は昔から欧米人に比べて多くの大豆製品を摂取しています。それなのに日本人の方が乳癌発生が少ないという事は、イソフラボンの影響はあまり大きくないと考えて良いのではないでしょうか、また、もしイソフラボンが女性ホルモンと同じ作用があって、乳癌患者さんによくないという事であれば、みそ汁、納豆、豆腐等の代わりに肉や魚を中心としたタンパク質を摂る事が勧められることになります。なんか変ではありませんか? 
ビタミンCは万病に効くといわれていますから悪い事はないと思いますが、どんなにたくさん摂取しても摂り過ぎた分は尿中に排泄されてしまいますから、必要充分な量で良いと思います。食事については特別のアドバイスはありません。ごく当たり前のことで、栄養のバランスを考えた食事をして頂く事、ノルバデックス内服中は太りやすいのでカロリーオーバーに注意する事です。でもこの当たり前の事が一番難しいのかもしれません。(文責 清水)

 

No.1770】 03年08月31日 なな
乳がんでしょうか?

初めまして 私は27歳の結婚3年目の主婦です。子供もいません。ここ2日、左胸が張るような、また生理前の張る感じとは違う痛みがあります。自分で触る限り、特にシコリ・手を上げた時に形の変化のような物はないと思うのですが・・・。特に胸の下、ちょうど胸の形にそって痛み?張る?感じがあります。生理が終わって約1週間になります。妊娠かな?と思ったのですが違うようです、家族・親戚にも乳がんになった人はいません。検査を受けた訳ではありませんが、昔からホルモンバランスが悪いような気がします。生理も毎月ありますが、周期が27〜35日と色々です。お忙しいと思いますが宜しくお願いします。

メールの内容からすると、ホルモンバランスの崩れからくる乳腺症で、乳癌である確率は低いと思います。あまり心配せずに一度専門医を受診する事をお勧めします。(文責 清水)

 

No.1769-1】 03年08月31日 M.I.
摘出生検はしましたが・・・

34歳の主婦です。今回は摂取したしこりについての不安が膨らんできた為、相談させていただきます。左乳房内側下方に1p程のしこりがあり、良性か悪性化の判断がつかぬ為、8月中旬に摘出生検をしました。病院は小規模で乳腺専門外科はなく、外科で、担当医と手術医が違う状況でした。術前に手術医が触ってもしこりがみつからず、私に、「どこか自分でわかる?」と言われてから不安があり、しこり部分に印のようなものをつけたのですが、あまり慎重さを感じられませんでした。結果は線維腺腫で、周りに乳腺症がみられるとの事でした。結果が悪性ではなく、その時は安堵感でいっぱいでしたが、今現在は不安で仕方ありません。その原因は、傷からそれている横の内側に同じ様なしこりがあり、これが本来取るはずのもので、手術時に摂取したものは乳腺や、乳菅をまるく削った物ではないのだろうかなどと考えているからです。 傷の部分は乳腺が堅い状態になっています。抜糸後にしこりがある事を手術医に話すと乳腺を束ねたからという説明で、しこりは残るかもしれないと言われました。摘出検査をしたのに、しこりが残るというのは納得がいかないのですが、すぐにでも別の病院でみていただいた方がよろしいでしょうか。又文中にもありますように線維腺腫を乳腺からつくり出す事はできるのでしょうか。厄介な質問ですがどうぞ宜しくお願い致します。

私たち専門医(不適当な表現かもしれませんので”私”に代えます)が手術をしても、小さい腫瘤だと、初め取るつもりだった腫瘤を取り損ねてしまうことが絶対にないとは言えません。ですから、エコーやレントゲンを見ながら印を付けたり手術前にいろいろ工夫をしますし、手術室でしこりがわからなくなれば恥も外聞もなく中止することもあります。そのように充分注意をしていても、手術後、傷のそばに別の腫瘤が見つかればドキドキして、すぐにレントゲンやエコー検査を行います。その結果、何でもない事もあれば、確かに取り損ねたと考えられる場合もあります。(その場合は謝罪してもう一度切除をさせて頂きます。)ですから、できれば同じ病院でもう一度レントゲン、エコー検査をしてもらうのが良いのではないでしょうか。そうすれば前回の検査の所見と比較して取り残しなのか別のものなのかが確認できると思います。検査を嫌がるようであれば病院を代えた方がよいと思います。正常乳腺組織から線維腺腫を作る事はできません。その病理結果も信用できないということになると、病理標本のプレパラートを借りてセカンドオピニオンを受けることになります。(文責 清水)

 

No.1769-2】 03年09月01日 M.I.
摘出生検はしましたが・・・(2)

先日は回答ありがとうございました。再度の相談お願いします。摘出生検後の腫瘍を摘出した辺りですが、一般的にどの様な状態になり、それが続くかを知りたいのですが、例えば乳腺が堅くなるとか、しこりの様な物が一時的に出来る等・・・。私は左乳房下内側の約1pのしこり摘出後、乳腺を束ねたという事になっていますが、現在は傷下の乳腺の様な横長の物が堅く触れ、その横内側に、先日相談しましたしこりの様な物がある状態です。宜しくお願いします。

腫留の摘出生検後は摘出した部分が固くなってシコリを触れるようになるのはよくあることです。それがシコリを取り残したためか、シコリは摘出されているのであるが摘出した後の乳腺が固くなったのかの区別は触診では分かりません。一般的には数ヵ月後には摘出した周囲の乳腺は柔らかくなりますので、その頃にもう一度病院を受診して、触診や超音波などを行い区別するのが良いと思います。(文責 麻賀)

 

No.1768-1】 03年08月31日 M.I.
センチネルリンパ節生検→リンパ節転移

始めまして。59歳になる私の母のことについてご相談いたします。母は、右乳首付近に出来たしこりについて6月に診察を受け、乳癌の診断を受けました。MRIや超音波検査などの結果、リンパ節への転移が認められず、癌自体の大きさが小さい(1p×1p以下)とのことで、リンパ節の廓清を行わず、癌部分のみの切除、およびセンチネルリンパ節生検を行いました。その際、リンパ節1つのみを取り出しました。8月の上旬のことです。その結果は以下の通りでした。
●病名 右乳房 浸潤性硬癌
●大きさ 9ミリ×8ミリ 手術で全てを取りきり、放射線治療等の必要はないそうです。
●癌の悪性度 1
●リンパ節への転移 有(術前の検査では転移は認められなかったのですが、取り出したリンパ節を4分割した所、そのうちの3部分から癌細胞が見つかったとのことでした。)
●ホルモンレセプター エストロゲン、プロゲステロンともに+

この結果、9月半ばに再入院し、リンパ節廓清のための手術を受ける事になりました。癌自体が小さく、術前検査で転移が認められなかったので、比較的楽観して考えていた所にリンパ節転移を告げられ、母はかなりショックを受けているようです。最終的な治療の方針は、廓清したリンパ節を検査してから、それによって決まるとのことでした。先生は、「おそらく、内服の抗がん剤とホルモン治療を行うが、薬の強さなどは結果を見て見ないと分からない。」と、おっしゃっていました。その結果は多分9月末以降だと思います。6月から何度も病院に足を運び、一度は入院もしたのに、まだキチンとした結論がでていない状態に、母はかなり精神的に疲労しているようです。一体どれくらい悪いのか分からないまま、色々な文献やインターネット上の情報を見ているのは、私も大変不安な気持ちです。そこで、今後予測される治療とその後の副作用などについて、もう少し詳しく知りたいと思っています。病院では母も私も動揺してしまって、余り詳しい事がお聞きできなかったので、いくつか質問をさせていただきます。(前置きが大変長くて申し訳ありません)
1) 癌が小さいのに、リンパ節の転移が認められたと言う事は進行度が早いと言う事になるのでしょうか?
2) リンパに転移していると生存率がうんと低くなるというのは本当ですか?
3) リンパ節に転移していた場合、他にどんな所への転移が考えられるのでしょうか?
4) 抗がん剤の種類によっては、ひどい吐き気や脱毛などの副作用があると聞きます。内服の抗がん剤でもそのような強い副作用があるものなのでしょうか?
5) 母はまだ働いているのですが、リンパ節廓清手術後にどのくらいで社会復帰できるようになるのでしょうか? また、その後の抗がん剤の副作用で働く事が困難になることもあるのでしょうか?
6) 抗がん剤はどれくらいの間服用し続けるのでしょうか?
7) 苦し紛れですが…術前検査でリンパ節転移が見つからなかった事や、悪性度が1だった事は、少しは楽観できる要素になるのでしょうか? リンパに転移してからそれほど時間がたっていないとか、他の箇所への転移の可能性が低いとか……そういう判断は出来ないのでしょうか?

不勉強ですので、あいまいな事ばかりですみません。ですが、ここ数ヶ月のあいだ精神的に不安な日々がずっと続いていて、その上、次の入院までまだ半月以上、その結果は更に先です。その後もどのくらい治療が続くのか分からないので、私も嫌な気持ちですが、母はもっとつらい気分だと思います。気休めでも、ちょっとでも良い状態に考えられるような要素があればいいのになぁ・・・と言うのが本音です。勝手を申し上げますが、今の状態で分かる事だけでも教えていただければ幸いです。長々と申し訳ありません。よろしくお願いいたします。

1) はい、その通りです。
2) はいその通りです。約20%くらい低くなると思います。
3) リンパ節に転移があると言う事は、全身への転移のriskが高いと言う事で、転移しやすい場所は決まっていません。全身転移で頻度の高い場所としては、鎖骨上のリンパ節、肺、骨、肝臓、胸膜などがあります。
4) 内服の抗ガン剤は副作用は強くはありません。但し、有効であるという証拠もありません。よく出てくるSt.Gallenのガイドラインでは確かに”Tamoxifen(ノルバデックス)+ 化学療法”となっていますが、ここでいう化学療法というのは飲み薬の抗ガン剤ではなく、注射による抗ガン剤のことです。
5) リンパ節郭清後はほとんどの方が、手術前の仕事や、スポーツに復帰できます。但し約30%くらいの方に、仕事やスポーツには無関係に手術した方の腕がむくんでくる事があります。復帰できる時期は仕事の内容等で変わってきますが、手術の侵襲は大きくないので、術後1〜2週間で復帰できる方もいます。しかし、手術した方の腕が充分上まで伸ばせるようになるには平均で3か月くらいかかります。内服の抗がん剤であれば副作用で働けなくなることはあまりないと思います。注射の抗がん剤であれば働けなくなることもあり得ます。
6) 内服の抗がん剤の使い方は知りません。何のevidenceもないので、その先生がいいと思うまでです。1年という先生も、2年という先生も、5年という先生もいるようです。一生という先生もいるかもしれません。
7) 今、お母さまが置かれている状況を正確に判断して、どうするかを決めなければいけない状況で、少しでも良い話を見つけたいというお気持ちはわかります。しかし、厳しいようですが、そのような判断は正しくありません。その理由は、再発を予測する因子(予後因子)というのはたくさんありますが、それぞれの予測する力が違います。何と言ってもリンパ節転移があるかどうかが最大の予後因子と言われています。転移があれば悪性度はほとんど関係ありません(転移があるという事は、組織学的悪性度にかかわらず充分悪性度が高いという事です)。リンパ節転移がなかった場合にはじめて、次の悪性度の高い、低いが関係してくるのです。ですから、心を鬼にして、悪性度が高いと思って、次の治療を考えて下さい。蛇足ですが、センチネルリンパ節生検はリンパ節転移のない人の腋窩郭清を省略する事を目的としています。ですから、通常センチネルリンパ節生検を行った場合は、手術中に摘出したセンチネルリンパ節を迅速病理診断に出して転移の有無を確認し、転移があれば引き続き腋窩郭清を行い、転移がなければ郭清を省略するという形をとる事が多いと思います。また、考え方としてセンチネルリンパ節に転移があれば悪性度高いという事がわかるので、腕がむくむriskを犯して腋窩郭清をする事は止めて、あとはきっちり化学療法を行うという考え方もあります。(文責 清水)

 

No.1768-2】 03年09月01日 M.I.
再度質問させていただきます

先日「センチネルリンパ節生検→リンパ節転移」でご回答いただいた者です。ご丁寧にどうもありがとうございました。たびたび申し訳ありませんが、またいくつか質問をさせていただきたきたいので、よろしくお願いいたします。
1) 先日の質問4)の回答で「内服の抗ガン剤は副作用は強くはありません。但し、有効であるという証拠もありません。よく出てくるSt.Gallenのガイドラインでは確かに”Tamoxifen(ノルバデックス)+ 化学療法”となっていますが、ここでいう化学療法というのは飲み薬の抗ガン剤ではなく、注射による抗ガン剤のことです。」とのことですが、全身転移のリスクの高い母の治療としては、内服の抗がん剤は妥当ではないのでしょうか?注射による抗がん剤の方が効き目が強いと言う事ですか?そのような治療を病院に希望した方が良いのでしょうか?
2) 母は数ヶ月前から、がんのある右側の首や肩、肘の関節が痛み、腕が十分上げられないと言っています。そのせいで夜も熟睡できないようです。このような症状はがんに関係あるのでしょうか?骨への転移なども考えられますか?腋下に腫れなどはないので、お医者様はただの五十肩だろうとおっしゃっていますが心配です。
3) いまでも上記のように腕が上がらない状態なのですが、リンパ節を廓清すると、その後は更にそういう症状が酷くなってしまう事もありうるのでしょうか?

お忙しい中、たびたび恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

1) 注射による抗がん剤は再発予防効果が明確にされているということです。内服による抗がん剤の再発予防効果は明確にされていません。
再発のリスクが高い方の術後抗がん剤治療は、通常注射による抗がん剤です。
2) 首や肩、肘の痛みが直接癌に関連のある症状とは思えません。術後からのものであればセンチネルリンパ節生検でも腋窩のリンパ節は幾つか摘出しますので、そのあたりに若干の疼痛が出ることはありますが。骨転移が心配なら担当医に相談して検査してもらえばわかります。
3) リンパ節郭清を行えばそれほど高い頻度ではありませんが、首や肩、肘の痛み以外にも上腕内側のシビレ感や疼痛、腕の挙上障害などが出ることがあります。また腕の腫脹が起こることもあります。(文責 麻賀)
 

 

No.1767-1】 03年08月31日 F.K.
術後治療について

年齢39歳、7月に右乳房温存手術を受けました。腫瘍の大きさ2センチ、リンパ節転移無し、ホルモンレセプター陽性でした。今後の治療として放射線治療、ホルモン治療としてゾラデックス2年 投薬5年を予定しています。抗癌剤治療は、主治医から絶対必要とは言われておりませんが、今後の再発率を考えた場合不安です。私の場合は抗癌剤治療は必要でしょうか?またその際の再発率を教えて下さい。宜しくお願いします。

St.Gallenのガイドラインで、閉経前、腋窩リンパ節転移なし、ホルモンレセプター陽性という群の術後補助療法が一番難しいのです。まず、この群は更にリスク分類が必要です。LOW RISK(再発の危険が少ない群)として腫瘤径が2cm以下、ホルモンレセプター陽性、組織学的悪性度がgrade 1、35歳以上と規定されており、この群であれば再発のriskは低いので、無治療もしくはTamoxifenの内服が勧められています。low riskの条件を一つでもクリアーできない場合は卵巣摘出か薬物閉経療法(ゾラデックス、リュウプリン)+/-Tamoxifen、Tamoxifen +/- 化学療法、もしくはこれらの組み合わせとなっています。ですから、何でもありということです。具体的にF.Kさんの場合は組織学的悪性度が不明ですが、 もしGrade 1であれば充分すぎる治療法ですし、Grade 2,3だったとしてもガイドラインに沿った治療法の一つだと思います。ホルモン療法と化学療法の比較と言う事であれば、ゾラデックス2年+ノルバデックス5年はCMF療法とほぼ同等の効果が得られると言う事になっています。しかし、標準的な化学療法であるAC、CAF、CEF等のAnthracycline系の治療とホルモン療法の比較試験はないので、そこの比較はできません。もう一つの見方とすれば、副作用の差で、短期間集中して行う化学療法の副作用と、ホルモン療法による更年期障害の副作用の辛さの比較になると思います。腫瘍径2cmでリンパ節転移なし、ホルモンレセプター陽性であれば再発率は10%以下だと思います。(文責 清水)

 

No.1767-2】 03年09月13日 F.K.
術後の放射線治療の時期について

以前[1767]で回答頂き、ありがとうございました。年齢39歳、7月上旬に右乳房温存手術をし、リンパ節転移無し、ホルモンレセプター陽性、腫瘍2センチでした。現在ゾラデックス2年、ノルバデックス5年を始めたところです。術後に皮下出血を起こし、未だに右乳房の傷口当たりが茶褐色の為、放射線治療が受けられない状態です。主治医からは「10月中旬頃に放射線科に連絡を取りましょう」と言われました。放射線治療は、術後どれくらいまでに始めたら有効なのでしょうか。あまり期間が開きすぎたら意味がないのでしょうか。遅れた為に再発率は上がりますか。宜しくお願いします。

放射線治療は術後8週目くらいまでに開始した方が良いといわれていますが、これ以上遅れることで効果が悪くなるかどうかは、はっきりしていないようです。あなたの場合のように創部の状態が照射を行うのに良くないのであれば遅らせても仕方ないと思います。創部の状態がよくなり次第照射を行うことでよいと思います。(文責 麻賀)

 

No.1767-3】 04年11月08日 F.K.
ゾラデックスとノルバデックスについて

昨年HPNo.1767で回答して頂いたものです。39才、腫瘍2センチ、リンパ節転移なし、悪性度は不明。右乳房温存手術後、放射線治療、ホルモン治療をし、ゾラデックスによる副作用(のぼせ 不眠 汗疹)がひどくなり10回で中断、その後70日目に生理が戻り、3回目の生理がきました。今現在はノルバデックスのみ服用してます。
1)ゾラデックスを中断していますが、また開始する場合、あと14回すべきですか。また継続できなくても効果はあるのでしょうか。
2)ノルバデックスのみで生理があると治療になっていないのでしょうか。
3)ノルバデックスのみでゾラデックスをしないと再発率は上がりますか。

以上 宜しくお願いします。

再発防止の治療ですので、副作用が我慢できないほどであれば中止し変更するのが普通です。何回で効果が出るのかは判っていません。ノルバデックスは作用機序が違うので単独でも十分治療になっています。両者の併用で、CMFという化学療法と同等とという比較試験の結果があるので、多少再発の可能性が高くなりますが、わずかであると考えます。(文責 石山)

 

No.1767-4】 05年10月15日 F.K.
Ncc-st439と骨転移について

2年前にHPNo.1767等で回答頂きました。39歳時、腫瘍2センチ、リンパ節転移無し、悪性度不明、右乳房温存手術、放射線治療、ホルモン治療(ゾラ、ノルバ)、2004年5月更年期症状大のためゾラ10回で中止、同年8月より生理があります。今現在ノルバのみ服用中です。先日、主治医よりNcc-st439の値が上昇中ということで、CTと骨シンチをしましたが、異常なしでした。
(マーカー値): 2004/6月 3.3、 10月 6.5、 12月 9.8、 2005/3月 17.1、 6月 15.8、 9月 13.7

1) Ncc-st439とは、具体的にどういうマーカーなのでしょうか? 骨転移と関係が大きいのでしょうか?
2) ゾラを中止した頃よりマーカー値が上昇しているのですが、生理と関係ありますか?
3) 今まで3ヶ月に一度の採血が、マーカー上昇に伴い、次回2ヶ月後の11月なのですが適当でしょうか? 
4) 今後もマーカー値が上昇していくと画像診断上と合わせて骨転移の可能性が高くなるという事でしょうか?
5) もし骨転移ならば他のマーカー値ICTP値も上がりますか?
6) 転移後の治療としては、ホルモン感受性有りなので、またゾラをする事が一番の治療法になるのでしょうか?ゾラの副作用が怖いです。他の治療法はないのでしょうか?
 
以上、No.4449と重複する点もありますが、ご回答宜しくお願い致します。

1) NCC−ST439は正常値は7までとされていますが、実際は14まで問題ないとする考え方もあります。経験的な話になりますが、NCC−ST439が上昇したときには確かに骨病変が認められる傾向があると思います。
2) NCC−ST439と生理との関係は不明ですが、経験的に季節変動は大きいと思います。(勿論、変動しない方もいらっしゃいますが)
3) 腫瘍マーカーが上昇してきた時には1〜2ヶ月に一回採血することがあります。保険的には月1回しか認められていませんし、ずっと上がり続けているわけでもないようですから、2ヶ月に一回でも問題はないと思います。
4) 必ずしも骨転移とは限りませんので、他の部位も含めてフォローが必要です。
5) 1−CTPは骨の代謝マーカーで、骨転移の指標になります。この代謝マーカー自体も特に理由がなく変動することもありますので、これだけで一喜一憂するのは考え物です。
6) 治療中断後半年以上経過しての再発であれば有効な可能性はあります。それ以上短い間ですと、元々あまり効いていなかった可能性が高くなります。必要に応じて化学療法に切り替えたり、追加することがあります。

これは腫瘍マーカー全体に言えることですが、腫瘍マーカーがちょっと高いから絶対に転移再発が起こっているわけでもないし、腫瘍マーカーが正常値だから何処にも転移・再発していないとは言い切れません。あくまで補助診断の一つと考えていただいて、CTやシンチで問題がないのであれば、今の治療の継続をお勧めします。ただし、腫瘍マーカーが鰻登りに上昇しているときは、やはり何かが起こっているようです。(阿部)

 

No.1767-5】 05年11月16日 F.K.
HER2(+3)について

HPNo.4489にて回答頂きました。2003年7月 39歳時 右乳房温存手術、腫瘍2センチ、リンパ節転移なし、ホルモンレセプター両方+、悪性度不明、HER2(+3)、放射線治療後、ホルモン治療(ゾラ、ノルバ)。ゾラは、24回中10回で中止(副作用大の為)。現在はノルバのみ服用中です。HER2(+3)であると先日の受診の際に、代替医師に教えて頂き、大変ショックを受けました。不安が大きくなり、動揺しています。宜しくお願い致します。悪性度も聞いたのですが、カルテに記入していないと言われました。Nccst-439マーカー値 9月は13.5でした。
質問事項
@ HER2(+3)という事は、悪性度も高い可能性が高いのでしょうか? 再発率は、どれ位になりますか?
A 今服用中のタモキシフェンは、効果が有るのでしょうか? 代替医師から、もしかしたらアロマターゼの方が良いような事を聞きましたが、どうなんでしょか?(ゾラで偽閉経にしても保険適用外ですと)
B 再発転移した際は、ハーセプチン治療になるのでしょうか? 分子標的治療は抗がん剤よりも副作用が抑えられるそうですが、髪は抜けますか? 費用はどれ位ですか?
C ハーセプチン単独よりも+タキソールの方が61%効果が上がるとネットで調 べたのですが、どうなんでしょうか?   
 
以上 宜しくお願い致します。

@ HER2陽性であれば、悪性度は一般的に高いと考えられます。再発率は陰性の方よりも高くなりますが、大きな差ではありません。
A おっしゃるようにアロマターゼ阻害剤のほうが効果的な可能性があります。ただ、閉経が使用条件になりますので、ゾラの注射が必要となります。
B ハーセプチンを使用する可能性は高いと思います(ホルモン治療も選択肢の一つになります)。脱毛は一般的にありません。費用は一回の治療につき2-3万円程(保険によって変わります)になります。
C その通りで、単独よりも併用の方が効果は高いです。(文責 加藤)  

 

No.1767-6】 09年12月01日 F.K.
骨シンチ集積について

6年前(39歳時)に右乳房温存手術を受け、何度かご相談をさせて頂きました(No.1767-1〜1767-5)。乳管癌、腫瘍2cm、ER+、PgR+、Her2(+3)、リンパ節転移なし、ステージU。放射線治療50グレイ、ゾラデックス10回(副作用多大な為 中止)、ノルバデックス4年半服用(子宮体がん検査で異形細胞が見つかり中止)、現在無治療です。
マーカー値 CEA  CA-15-3   BCA225   1CTP  NCC-ST439 異常なしです。
2009年10月、骨シンチで左の背中に集積が見られた為、主治医の指示で緊急CTを行いましたが、結果異常なしでした。
1) 通常CT検査で異常なく、骨シンチに集積ありという状態は、どういう事なのでしょうか?
2) 明らかな骨転移が認められた場合、骨シンチの画像上で解る大きさは、どれ位のものでしょうか?
3) 骨転移の場合、痛みは、転移してからどれ位の期間で現れるものでしょうか?
4) 転移後の治療は、ゾラデックス、ノルバデックスのホルモン治療になりますか? ハーセプチンもホルモンと合わせて行いますか?

1) 骨シンチで異常がでても、骨の溶解や硬化がなければCTで映らないこともあります。部位によってはMRIも有用な検査かと思われますし、PET検査を検討してもよいかもしれません。
2) 骨シンチは、骨の代謝をみているので、どの程度の大きさで写るとは言えません。場所や転移の性質にもよります。
3) 骨転移があっても、神経のそばでなかったり、骨の変質度合いが少ないと痛みがでないこともあります。これも場所にもよるので、どのくらいたつと痛むというわけではないです。
4) 痛みがないのであれば、さしあたってホルモン療法の再開のみで経過をみてもいいかもしれません。ハーセプチンを使う場合は、抗がん剤も一緒に使うことを検討することが多いかと思います。転移再発の治療は、個々のケースで治療法も異なってきますから、主治医の先生と、まずはよくお話なさることをお勧めします。(文責 俵矢)

 

No.1766】 03年08月31日 K
乳がんでの死亡率について

はじめまして、こんにちは。私の友人の母親が乳がんとのことで、私も気になるので、相談にのってもらえないでしょうか。 現在の医療の技術では、乳がんによる死亡率はどれくらいなのでしょうか。個人差や癌の進行状況によって違いはあるとは思いますが、だいたいの目安になればと思いますので。あとは、どのくらいの割合で治るのか、などもお願いします。よろしくお願い致します。

乳癌の死亡率を語る時にはやはり病期やリンパ節転移の有無で考えた方が良いと思います。あえて乳癌全体での死亡率と言う事であれば、30〜40%くらいと認識しています。(文責 清水)

 

No.1765】 03年08月29日 M.N.
超音波検査所見について

人間ドックの乳房検診結果についてご相談します。乳房触診:異常なし、 乳房超音波:左右内部エコー不均一で経過観察(1年後人間ドック受診)との指示です。「内部エコー不均一」はガンの所見だと思いますが、このまま1年様子を見ることでいいでしょうか。乳腺外科を受診するべきでしょうか。しこり等の自覚症状はまったくありません。(39歳・未婚)

乳房検診の結果が文書で来るだけで、それについての解説がないので誤解を招くのだと思います。経過観察と言う事は癌ではないと言う事です。では、何故”内部エコー不均一”で、癌ではないのでしょうか?実は、超音波検査で”しこりの影”があって、その”しこりの影”の内部エコーが不均一であれば、その”しこりの影”は癌を疑い、すぐに要精検となります。しかし、今回の表現の”左右内部エコー不均一”というのは、”しこり”ではなく、乳腺全体の所見が不均一という意味で使っているのだと思います。(”内部エコー”と言う言葉は”しこりの影”がある場合に使う言葉なので、こう言う使い方は不適切ではあります)だから”1年後人間ドック受診”ということになるのだと思います。ですから、まず心配はないと思いますが、本当にそうかどうかはわかりませんし、printミスということもあり得ます。ですから、まずは、人間ドックを受けた所に、乳房検診結果の所見の確認とその意味を問い合わせてみたらどうでしょうか。それでも納得できないか、もしくは心配であれば乳腺外科を受診する事をお勧めします。(文責 清水)

 

No.1764】 03年08月29日 F.H.
両乳房のしこり

32歳、出産未経験者です。3年ほど前から両乳房の外側下方に2cmほどのしこりがあります。大きさは変わらないのですが、左乳房のしこりは両手を上げてみると外観からもわかるくらい盛り上がっています。時々、左乳房が痛むことがあります。何かの病気を疑う症状なのでしょうか?また受診をするとしたら、何科に行くのが良いのでしょうか?お教え頂ければ幸いです。よろしくお願い致します。

3年前からあるしこりで大きさが変わっていなければ悪性である可能性は低いと思います。しかし、しこりを自覚しているのであれば専門医を受診する事をお勧めします。原則として乳房の診察は外科が行っています。しかし、地域によっては産婦人科の先生が行っている場合もあります。良い先生を選ぶのにはご近所の方の人づての情報が確かかもしれません。役所に聞いて乳癌検診を行っている病院、医院を紹介してもらう方法もあります。しかし、この方法に欠点がある事は朝日新聞の読者であればわかると思います。(文責 清水)

 

No.1763】 03年08月29日 N.A. 
細胞診について (HPNo.1654-4

いつもお世話になっております。先日はわざわざメール、恐れ入ります。乳癌の治療でいろいろと相談にのってくださり、ありがとうございます。おかげさまで、一期再建の良い先生に会うことができ、治療の場を移しました。実は、手術の覚悟を決めていたのですが、乳癌の診断自体がくつがえってしまい、とてもとまどっています。今ごろになって「良性かもしれない」と言われました。お考えをお聞かせいただけませんでしょうか。6月中旬、初めて行ったKクリニックでは細胞診の結果ClassWでした。乳腺外科専門の先生の診断です。6月下旬、Kクリニックから紹介された社会保険F病院の細胞診ではClassXの診断でした。7月下旬、G病院へ、上記F病院の検査結果をすべて持っていきました。このとき、主治医は、超音波の検査結果を見ながら、「おそらく浸潤しているでしょう」と言いました。8月中旬、G病院の主治医に一期再建の医師のところへ行きたいと申し出て、紹介状を依頼しました。このとき、口頭でも説明はあったのですが、依頼した紹介状の診断はClassUでした。G病院では超音波検査、腫瘍マーカー、心電図、心肺機能、レントゲン検査、血液検査を受けました。細胞診、生検は受けていません。現在、一期再建の医師のところで生検を行い、今はその結果待ちです。W、X、U・・・と三箇所の医療機関で診断が異なる場合があるのでしょうか。良性なら私にとってはうれしいことですが・・・。G病院では初診から一か月も経って、なぜ今ごろClassUと言われるのでしょうか。言われる前にもう手術の予約もしておりましたし、手術のための検査も受けていました。先生のご意見をお聞かせくださいませ。どうかよろしくお願いいたします。

先日、相談室質問番号1761で細胞診は精度の高い検査だとお話したばかりで、この質問は辛いです。言い訳をする訳ではないのですが、”きちんと行われれば”と書いてあったと思います。どういう意味かと言うと、大分前に一度書いた事があるのですが、細胞診の検査が”きちんと行われる”ためにはいくつかの条件があります。1)針を刺す医師の技量:正確に腫瘤を穿刺する必要があり、小さいしこり等で穿刺が難しいと判断すればエコー下に行うか、MMGでstereotacticに行うなどの配慮をする。2)穿刺した細胞はすぐに固定する:穿刺してプレパラートに吹き付けた細胞はすぐに乾燥して診断不能になってしまうので、穿刺後いかに素早くアルコール液で固定するかが大切。そのためには検査技師が同席していて穿刺するのがbetterです。3)資格を持った細胞検査技師がいる:最初のscreeningは細胞検査技師が行うので、試験を受け合格して資格を持っている検査技師がscreeningしないとエラーが起きる可能性があります。4)細胞診の診断ができる病理医がいる:最後の診断は病理医が行いますから、病理の先生の技量が大きく影響します。以上の4つの条件が全て揃って、はじめてきちんとした細胞診ができるのです。ですから、誰が見ても癌であるという症例であれば問題ないのですが、ちょっと難しい症例では病院が変わる毎に細胞診の結果が変わる事もあり得ます。意見が分かれた時は生検して確定診断をつけるのがbetterです。ですから、現在の選択は間違っていないと思います。G病院の先生の結果が何故1か月もかかったのかはわかりません。(文責 清水)

No.1762】 03年08月27日 M.W.
17歳です

確か1年程前だったのですが、腋の下に、直径1センチ弱のしこりができました。そのまま1年過ぎましたが、大きさは変わっていません。たまに痛むときもあったのですが、最近ではありません。このしこりができたころから腋毛を抜くようになったのですが、これが原因でしょうか? 親にも言い出せないでいるのですが、やはり病院を受診したほうがよいのでしょうか。

メールの内容から悪いものではないと思います。まず、ご両親に相談して、学校が休みの時にでも一度病院へいって診てもらって下さい。(文責:清水)

 

No.1761】 03年08月27日 S.T.
細胞診の頻度

5月頃から、胸のしこりで乳腺外科にかかっているものです。25歳です。胸にはしこりが多発しているそうです(のう胞、線維腺腫)。その中で2つのしこりを細胞診しました。一つは形がいびつ、一つは縦横比が気になるとのこと、結果は2つとも良性でした。私はネットなどで情報を見すぎてしまい、細胞診=ガンというイメージがあって、検査結果のでるまでの期間、精神的に参ってしまっていました。今後もしかしたら、また細胞診の機会が何度かあると思います。毎回びくびくしてしまいそうで、先が思いやられます。そこで質問です。エコーでは診断がつかず、細胞診になるというケースは珍しくないことなのでしょうか? 私のケースのような良性のしこりを持っている方は多いのでしょうか?

エコーやレントゲン(マンモグラフィー(MMG))検査は画像検査といって、超音波やレントゲンを使ってしこりの部分を映し出し、癌の場合どのような影になるかを考えて、影を比較をして診断しています。例えれば、人の横顔を影絵にして男性か女性かを見分けているようなものです。大体は髪型や目鼻立ちで区別が付くでしょうが、長髪の男性や、skinheadの女性など、間違える場合もあると思います。一方、細胞診というのは直接しこりの中の細胞を取ってきてガン細胞かどうか見ますから、きちんと行われれば、画像診断よりはるかに診断精度は高い検査です。前の例えで言えば、影の向うの人に針を刺して細胞を取り出し、染色体を調べて男性か女性かを区別する事になります。ですから、エコーで診断が付かず細胞診を行う事はよくある事です。では、そんなに診断精度が高いのならば全てのしこりを細胞診で検査すれば良いと考えられますが、細胞診は画像検査と違って、針を刺す痛い検査ですし、頻度は少なくても気胸という合併症もあります。ですから無闇矢鱈に穿刺はしません。エコーやMMGで大丈夫だと思えば穿刺はしないで、触診、エコー、MMGのいずれかの検査(今回はエコー)で気になるところがあれば、積極的に細胞診を行います。ですから、細胞診=癌ではなく、細胞診をする事で癌と確定診断する反面、癌でないと診断もできるわけですから、細胞診を行って安心すると考えて下さい。細胞診を行って結果が出るまでに通常は一週間くらいかかります。その間ドキドキするのは、受験したあと結果発表までドキドキするようなもので、やむを得ないと思います。20歳代の方の乳腺にできるしこりの代表が線維腺腫ですから、かなり多くの方が線維腺腫をもっておられます。(文責 清水)

 

No.1760】 03年08月27日 Y.K.
右乳腺のう胞

2月中旬に右乳房のしこりを日帰りで除去しました。傷口はしだいに平坦になってきましたが、寝返りやちょっとした動きで痛みというか、違和感をおぼえます。先日、人間ドックで乳房のエコーをしました。結果は右乳腺のう胞と書かれていました。しこりはすべて取り、生検も良性でした。受診する必要はありますか?41歳、未婚、フルタイムで働いています。

傷の痛みは手術の影響でやむを得ないと思います。エコーで乳腺のう胞であれば心配ないと思いますが、手術の影響も考えられるので、前回手術した病院へ行って相談されては如何でしょうか。(文責 清水)

 

No.1759】 03年08月27日 Y
乳頭からの分泌物

こんにちは。31歳独身、出産経験はなく、主婦をしている者です。先日、自己検診をしていたら、右側一ヶ所から透明な汁が少量出ました。その後、週に一回程度で様子をみていますが、圧迫時に白いカスのようなものが乳管から所々少し出ます。妊娠もしていないのに出るのはおかしいのでしょうか? このような、透明の分泌物が一箇所から出たり、乳白色の固形物が出たりするのはなぜでしょうか? 教えてください。ちなみに私は眠れないとき、不安になったときなど、ひどいときには精神安定剤をたまに飲んでいます。関係ありますか? お忙しいところすいませんが、ご返信お願いいたします。

妊娠していない時に乳頭から分泌物が出る事は珍しいことではありません。分泌液が透明であったり白色の乳汁様で、量が多くない時はあまり心配しなくても良いと思います。また、乳汁様な分泌物が乾燥して白いかすのようなものが乳頭にたまる事もよくある事で、心配ありません。ただし、分泌液が血液のようであったり、暗赤色、黒色の時は病院を受診して検査を受ける必要があります。精神安定剤の内服で乳汁分泌が亢進する事もよくある事で、心配ありません。(文責 清水)

 

No.1758】 03年08月27日 H.U 
左右胸のしこり

27歳、経産婦です。今、2人目妊娠5ヶ月です。中学生の頃ぐらいから左右の乳房に3〜4センチのしこりがあります。つかむと痛いです。他の症状はないのですが、大きいのでとても気になります。いつもそのことばかり考えてしまいます。検査に行くのは出産後のほうがいいでしょうか?

”中学生の頃からあるしこり”であれば、急いで病院へ行く事はないと思います。妊娠中は触診も分かりにくいですし、レントゲン検査も避けた方がよいので、診断にかなり制限があります。妊娠中に急速に大きくならなければ経過を見て、出産、授乳後、落ち着いたところで一度病院を受診してはいかがでしょうか。(文責 清水)

 

No.1757】 03年08月24日 N.N 
術後補助療法について (HPNo.1658-2

以前にもお世話になりました。ありがとうございます。40歳閉経前、T2N0M0、ステージ2A 、腫瘍径3センチです。6月温存手術、(センチネルリンパ節生検の上リンパ節郭清省略) 7〜8月放射線25回、術後2ヶ月にしてようやく今後の治療方針を聞いてきました。ER,PgR共に陽性と言う事で、ノルバデックスを3年服用する事になりました。他の治療法についてはなんの説明もありませんでした。つらい化学療法も痛い注射も免れて喜んで帰ってきたのですが、だんだん心配になってきました。St.Gallenのガイドラインによれば、腫瘍径3センチあれば、TAM+化学療法、もしくはTAM+LH−RHアナログではないでしょうか?(核異型度は聞いていませんが、おとなしい性質のものだという様に聞いています)。この相談室を見ても、明らかに私よりローリスクと思われる方の多くが化学療法を受けていられるようですし、最近のNO.1752のご回答を読むと不安です。もちろん化学療法など受けたいはずがありませんし、ゾラデックスなどの痛い注射もやらずに済めばそれに越した事はありません。主治医は腫瘍径よりも私が若い事を気にされていたようでした。腫瘍径はあまり気にする必要はありませんか? こんなこと気にする必要はないと思いながら、私の病院の乳がんの生存率が他院より若干低い事まで気になってきました。ノルバデックス3年(本当は5年がいいんですよね?)だけで安心してよいものでしょうか?(次の外来は2ヵ月後です)。よろしくお願い致します。

大変良く勉強されていると思います。St.Gallenのガイドラインではおっしゃる通りです。ガイドラインとは何かというと、現時点で考えられる最も再発のriskを小さくする標準的治療だと言う事です。確かに、リンパ節転移がなければ再発のriskは低く、腫瘍径はあまり強い予後因子とは考えられていません。しかし、それでもガイドラインが治療を奨めているということは、術後補助療法を行った方が再発のriskはより小さくなるということです。N.Nさんにとってガイドライン通りの治療をしたら絶対再発しないかと言えばそうではありませんし、ガイドラインを無視しても再発しない事もよくある事です。どちらにしても再発しなければ問題ないのですが、万が一再発した時、手術後にきちんとした補助療法を行っていないと自分の気持ちの中に後悔の念が生じてくるのではないでしょうか。短期間で終わるが副作用の強い化学療法を選ぶのか、期間は長いが比較的穏やかな治療のホルモン療法を選ぶのか、一長一短はありますが、是非主治医の先生とよく話し合って、自分の納得のいく治療法を決めて下さい。(文責 清水)

 

No.1756】 03年08月24日 ヒロ
胸の皮膚にある脂肪の塊について

初めてメール差し上げます。31歳、既婚の出産経験者です。左胸に一年ほど前にニキビのような吹き出物が出来、つぶれて中から白い物と芯のような透明の物が出ました。そこが暫くして赤く脹れ上がり固いしこりのような物が出来てしまいました。大きさは、長さが1.5pくらいで、幅が1pくらいです。特に痛みも何も感じません。乳癌は皮膚にも出来ると聞いて、もしかしたらそうじゃないかと思うと不安で仕方が有りません。お答えいただければ有難いです。よろしくお願い致します。

メールの内容からすると癌ではないと思いますが、一度病院へ行かれて診察をお受けになる事をお勧めします(文責 清水)

 

No.1755-1】 03年08月23日 N  
乳がん治療薬について

49歳の女性です。9年経過して、今年再発しました。局所再発でペット検査、その他骨シンチ、CT、血液検査、調べられる限りの検査をした結果異常なしで、一応癌はとり切ったと判断されました。念のために予防として2年間アリミデックスを服用することになりました。アリミデックスは閉経後の薬だとインターネットに書いてありました。まだ閉経前なのですが、この薬を飲んで効果はあるのでしょうか?ペット検査では、乳腺症ということがわかりました。

おっしゃる通り、アリミデックスは閉経後の方が使う薬です。ですから閉経前であるならば、保険診療上も不適切ですし、また、閉経前の方に有効だというevidenceもないので保険外の診療としても不適切だと思います。乳房切除術後9年目の局所再発で、切除して取りきれていて、他に再発がないというのであれば、局所再発した部位への放射線治療が勧められると思います。乳房温存療法後の乳房内再発で、他の再発がなければ、乳房切除が第一選択で、再乳房温存を希望すれば、腫瘤摘出のみでfollowするか、ER(+)であればTamoxifenの内服が勧められると思います。(文責 清水)

 

No.1755-2】 03年08月27日 N  
乳がん治療薬について(2)

ご回答ありがとうございました。乳房切除術後の再発なので、放射線治療が妥当というところなのですね。薬であればアリミデックスよりもタモキシフェンの方が適切なのでしょうか。最初の手術での病理結果は、リンパにはがん細胞はなく(0/20?)、術後2年間 ノルバデックスを服用しました。アリミデックスをこのまま2年間飲み続けると、その薬の持つ副作用だけが予想され、癌の予防効果はないというデメリットはあってもメリットはないということなのですね。具体的にどんな副作用があるのでしょうか? 1週間飲んだ時点では口が渇く、舌がひりひりするのが顕著です。主治医は、アリミデックスを飲む以外に、強いて言えば何もしないという選択もあると言われました。私としては、何もしないという方法が希望なのですが・・・。

”アリミデックスよりノルバデックスの方が適切”というのではなく、アリミデックスは閉経前の方では使えない(有効であるというデータはない)のに対して、ノルバデックスは閉経前の方でも有効である事が証明されているので、閉経前であればノルバデックスしか選択肢はないと思います。閉経後の方ではアリミデックスの方がノルバデックスより効果が高い事が証明されていますし、ノルバデックスも閉経前と閉経後では閉経後の方が効果は高いので、再発の場合、手術か薬物(ゾラデックス、リュウプリン)で閉経させてから、この2剤のどちらか(最近ではアロマシンを含めた3剤から)を使う事が多いです。乳房切除後の局所再発が局所に限局した再発なのか、全身再発の前兆なのかを判断するのはとても難しい事です。局所に限局した再発と考えて、切除と放射線治療だけで根治した方もいれば、同じ治療後、全身に次々と再発が出てきた方もいます。局所に限局した再発であると考えれば、放射線治療をしてその後なにもしないという選択肢になるでしょうが、全身再発の一部であると考えれば、放射線治療後、手術か薬物で閉経させてからノルバデックスかアリミデックスかアロマシンを内服するのがbetterだと考えます。アリミデックスは新しい薬なので副作用についてはまだ未知の部分があります。現在分かっている範囲ではノルバデックス同様な更年期障害様の副作用があります(ノルバデックスよりいくらか程度は軽いようです)。骨への影響(骨粗鬆症)が懸念されているが、まだ長期データがないのでなんとも言えない、というところです。(文責 清水)

 

No.1754】 03年08月22日 N.I.
再発乳がんの治療法について(9) (
HPNo.1260-9

たびたびNo.1260で相談させていただいています。今回もご回答よろしくお願い致します。母(60歳)は再発乳がんの治療として、パクリタキセルを6クール終了しました。今月から7クール目が始まりました。主治医は6クール終了時点で、肝臓、胸のCTを実施した結果をみて、「(がん細胞は)肺は無くなったよ。肝臓も無いといえば無い。だけど、血液で全身にまわっているから、8クールまで頑張ろう。」といわれました。パクリタキセルを開始した当初は「6クール」と聞いていたのですが、治療中に「あっち(欧米?)では8クールが主流だから…こんなに効いているから頑張ろう」と言われました。現在、母は7クール目に入り、顔・腕のむくみ、しびれ、疲労感等の副作用が強くなってきており、家族としては、ガンもなくなったのだし、6クールと8クールの効果があまり変わらないようであれば、6クールで止めさせたいと思っています。先生のお考えをお聞かせください。8クール行う必要があるのでしょうか?

タキソールが効いて良かったですね。さて質問へのお答えですが、再発乳癌に対して抗ガン剤が有効であった場合、いつまで続けるかは議論がある所で、結論はありません。つまり、CT等の画像上や腫瘍マーカーが下がったからといって、体の中のガン細胞が無くなったとは言えないので、できるだけ(副作用等で続けられなくまで)続けると言う考え方と、一定の効果が上がったら止めて、もし再燃したらまた治療すれば良いと言う考え方があります。お母様の場合、効果があって、副作用がきつくなってきたのなら、どちらの考えでも止め時かもしれません。私の個人的な意見では、米国の有名な病院の先生の真似ですが、腫瘍マーカーが下がりきった後、もう3回やって止めるというのを一つの目安にしています。(文責 清水)

 

No.1753】 03年08月22日 りこ
左乳房にしこりがあります

28歳、既婚出産経験者です。先月からピルを飲み始めたのですが、今月に入り左乳房にしこりを見つけました。先月乳癌の検査もしたのですが、その時は触診だけでしたのでもしかしたら小さなしこりがあったのかもしれません。左のわきの下にも小さなしこり(ビー玉より少し小さめ)ができていました。乳房の方は、かなり大きくてとても心配です。ピルはやめましたが、ホルモンのバランスが崩れただけでしょうか?とても不安です。よろしくお願いいたします。

例え先月の乳癌検診で異常がなかったとしても、ピルを飲んでいようといまいと、しこりに気付いたら速やかに専門医を受診して下さい。(文責 清水)

 

No.1752-1】 03年08月22日 m.y
術後の補助療法について

初めまして。44歳、内科医です。よろしくお願いします。今年の8月11日に左乳房温存術+腋渦リンパ節サンプリング(転移なし)施行しました。病理の結果が非常にめずらしいタイプで管状癌(pure type)径1cm弱とこれとは別に硬癌(径7o)が1つで合計2つ見つかりました。文献上でも管状癌は比較的1側多発、両側多発の確率が高いと言われているために私の場合もこれに当てはまったわけです。凍結標本ではmargin(−)でした。まだホルモンレセプター等の結果は出ていません。主治医はこの後radiationと内服でホルモン剤か抗癌剤でいきましょうとの事でしたが、私としては乳癌が全身病であると言う説や管状癌の性質を考慮するとまだミクロのレベルで癌が残存している可能性もありこの際きっちりとchemotherapyもivで行った方が良いのでは?とも思ってしまいます。その辺の所が私も専門外なので良く分かりません。アドバイスよろしくお願いいたします。

ホルモンレセプターの状態がわからずに術後の補助療法を決める事はありません。もう一つ、組織学的悪性度が補助療法を決めるのに必要です。St.Gallenの乳癌術後のguidelineではリンパ節転移がなく、1cm以下で、ER(+)で組織学的悪性度がgrade1ならば無治療、それ以外は閉経前では化学療法を推奨しています。また、米国のNIHのguidelineでは1cm以上の乳癌はリンパ節転移状況、閉経状況、ホルモンレセプターの状況に関わらず多剤併用化学療法をすべきであると推奨しています。ヨーロッパもアメリカも推奨する化学療法はAnthracycline系(Adriamycin(アドリアシン)、Epirubisin(ファルモルビシン)など)を用いた、AC、CAF、CEF、ECなどです。私はm.y.さんの考え方は正しいと思います。現在は、乳癌の術後補助化学療法については、ここでしっかりした治療をすることで治癒させる可能性が高くなると考えて、副作用(脱毛、好中球減少、嘔気等)を心配して軽い治療をするのではなく、しっかりした治療をするのがbetterと考えられています。(文責 清水)

 

No.1752-2】 03年08月27日 m.y
術後の補助療法について(2)

先日は、お忙しい中、アドバイスありがとうございました。 日々の激務の中、沢山の質問に誠心誠意されていらっしゃる姿を見て、同業者として真剣に見習おうと思っています。ところで、申し訳ありません。もう1つ教えてください。私の場合、管状癌と硬癌の多発でしたが、メインは管状癌で、オペの際、偶然に径7oの硬癌が発見されました。ご承知の通り管状癌は乳癌の中でも比較的おとなしいタイプとされています。で、こちらはER、PgRとも(−)でした。もう1つの硬癌のホルモンレセプターはまだ出てないのですが、もしこちらが感受性(+)だった場合(そういうことは、あるのですか?)、どの様な治療がベターですか? 私としては、癌の性質から言って硬癌をメインの癌と考えて治療した方がいいのかなーとも思うのですが‥。主治医はivでのchemotheraphyを積極的には勧めず、経口での抗癌剤でいいのでは?とおっしゃっています。私の様なケースでは治療法の選択によってどの程度の再発率や予後の改善があるのでしょうか?私も仕事を持っている身なので、あまり差がないのであれば副作用のない方が助かりますが、ただいろいろな文献等を読むと経口の抗癌剤の効果は?ですよね。どうなんでしょうか? 本当にお忙しい中、申し訳ありません。アドバイスお願いいたします。

管状癌というのは硬癌によく似ていて、浸潤する癌細胞が全て高分化な管状構造を取っている場合にこの病名が使われます。二つ癌があって一つが管状癌、一つが硬癌という場合もあるでしょうが、硬癌が二つで、一つはちょっと分化が良いだけと考える事もできます。いずれにしても、硬癌をmainの癌と考えて治療するというのは正しい考え方だと思います。治療はやはり欧米のguidelineに沿った治療法が勧められます。guidelineの根拠になっているのは、EBCTCGという世界中の乳癌術後補助療法のRCT(無作為割付け比較試験)の結果を集めてmeta-analysisした報告(evidence level 5という最高のevidence)で、それによると腋窩リンパ節転移がない方(各10000人)を対象とした、無治療の場合と多剤併用化学療法(この場合はCMFが中心)を行った場合の比較で、10年生存率で6.5%の差(p=0.0002)があったということです。その後CMFとCAF,CEF,AC等のAnthracycline系薬剤を使った場合の比較で更に3~4%の差がついたということで、現在のguidelineでは Anthracycline系薬剤が標準治療となっています。あとは考え方で、脱毛や吐き気、仕事ができない等のdemeritに対して、わずか数%のmeritでは割に合わないと考えるのか、数%でも再発のriskが減少する事が重要で、そのために短期間の副作用には耐えると考えるかだと思います。残念ながら、経口抗ガン剤ではそのようなはっきりしたevidenceがないので、良いとも悪いとも言えないのが現状です。(文責 清水)

 

No.1752-3】 03年09月27日 m.y
両側性乳癌について

先日は丁寧な回答、ありがとうございました。今回は両側性乳癌の相談です。前回の左乳房に関しては現在補助療法として放射線とホルモン療法施行中です。さて、どうも右側にも径5,6oの硬いtumorが触れます。管状癌の両側多発の可能性を考えると、こちらも悪性の確率が高いと思われます。さてその場合ですが、こちらも温存療法が可能かどうか?という事と、この場合の術後の放射線は両側同時に照射するのですか?それとも左側が終わってからなのでしょうか?お忙しい所申し訳ありません。教えてください。

乳房温存療法は可能です。両側同時に照射するというよりは、照射野が異なるので、同じ日に両側を続けて左右に照射することになると思います。
両側同時照射の件ですが、特に問題はないようです。教科書的(外来にもある青い教科書)にはやっていけないとも、やった方が良いとも書いてありません。気をつける点は、当然のことですが、mild line でのoverlap、また鎖骨上を照射する場合は、脊髄でのoverlapを考慮することです。
文献上は両側乳癌という検索をすると照射時期がずれているものも含まれてきてしまいます。しかし、明らかな乳房の浮腫の増大、美容上の問題点は、片側乳癌に比べて増大するということはないとのことです。mild lineで4cm程度overlapした症例も含まれておりましたが、明らかな副作用の増大はないようです。ただこれらは同時ではなく、時期がずれている症例も含まれていますので、やはり同時に行う場合は、細心の注意が必要かと思います。設備の整った注意深い技師さんのいる施設なら大丈夫だと思いますが。 Fung et al  Red journal 1997 38(5) 959-,  De la rochefordiere et al   Red journal 30(1) 35-
ついでですが、治療成績、長期予後も片側乳癌と比べて変わらないようです。ただ遺伝的要素のある両側乳癌は、そうでもないものに比べて予後不良、この場合、放射線は再発防止に欠かせないようです。(遺伝的要素を持つ乳癌は放射線感受性が高いようです) もし、その患者さんが遺伝的要素を持つ方でしたら、放射線をお勧めしなければなりません。  Red journal 2000 48(7) 95  (文責 須田)

 

No.1752-4】 05年01月24日   m.y
腫瘍マーカーの臨床的意義について

以前お世話になったHPNo.1752です。術後1年6ヶ月経ちました。元気なのですが、ちょっと気になることがあります。骨破壊のマーカーの1CTPが、平成16年8月4.8、今回平成17年1月で5.5でした。これって有意な上昇ととるべきなのでしょうか? その他の腫瘍マーカー、ALP LDH等は全く異常ありませんでした。もう少しマーカーの推移を詳しく書かせていただきます。2003年11月 1CTP3.5 2004年2月 3.7  2004年8月 4.4  2004年11月 4.8  2005年1月 5.5と少しずつ上昇しています。去年の8月の骨シンチはWNLでした。お忙しいところ本当に申し訳ありません。どうぞよろしくお願いいたします。

1CTPは骨転移などにより骨の破壊が起こった際に血中に放出される微量の分子であり、骨転移マーカーとして利用されておりますが、その感度は必ずしも高くありません。3.5→5.5を有意な上昇とは言いきれないでしょう。もし、今後も上昇傾向が続くようであれば、再度骨シンチやPETによって骨転移をチェックしたらいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.1751】 03年08月21日 HK
胸の痛み

27歳です。こ一ヶ月ほど胸の違和感を感じ、最近になって胸の外側部分や時には胸の上の方に痛みを感じるようになりました。くしゃみや咳をしたときなどズキンズキンと痛みます。乳癌の症状に痛みを感じるというのを聞いたことがないのですが、そういった症状が出ることがあるのでしょうか?

乳癌でそのような症状が出る事は稀だと思います。(文責 清水)

 

No.1750】 03年08月21日 Y.S.
16歳の高校2年生です

はじめまして。この前、テレビ番組で乳がんのドキュメンタリーがありました。それは『わきの下にしこりができていて・・・』というものでした。今、いろいろなサイトを見て調べてみたのですが、全部『わきの下のしこり』ではなく、『乳房のしこり』ということでした。本当に、わきの下のしこりは乳がんなのでしょうか?もし本当だったら、わたしも乳がんかもしれません。いま、直径1センチもないくらいの大きさなのですが、恐くて親に相談できません。何が原因なのか教えていただきたいので、よろしくお願いします。

一般論として、16歳で乳癌というのは極めて稀な事だと思います。乳癌の最初の症状として”乳房のしこり”というのが圧倒的に多い事は事実です。しかし、それ以外の症状として、乳頭の引きつれ、乳頭からの血性分泌物、乳頭表面のびらん、脇の下のしこりなどの症状で乳癌が見つかる場合もあります。逆に、脇の下にしこりがあったら何を考えるかということになります。医師が考えるのはまず、そのしこりがリンパ節かどうかです。リンパ節でなければ、脇の下の毛穴の毛嚢炎、脂肪腫、粉瘤等を考えます。また、リンパ節であれば、悪性か良性か考えます。良性の代表的なものは”猫引っ掻き病”といって、猫を飼っていると脇の下のリンパ節が大きく腫れてくることがあります。その他には爪や手に怪我があってその炎症のためにリンパ節が腫れたもの等を考えます。最後に悪性のリンパ節腫大として乳癌の転移、悪性リンパ腫等を考えます。主なものでこれだけの病気がありますから、脇の下にしこりがあるからといって乳癌だと決めつけるのは早計です。まずは医師の診察を受けて下さい。(文責 清水)

 

No.1749】 03年08月21日 mieko
脳への転移について

はじめまして、私は49歳で、2年前に右乳房全摘、リンパ節転移13個で、抗がん剤、放射線治療をして現在ノルバテックスを服用しています。術後の検査も今まで異常もなく、元気に過ごしています。9月と10月にマンモと骨シンチの検査をしますが、脳の検査は今まで受けたことがありません。乳がんは脳にも転移しやすいと聞いていますが、大丈夫でしょうか?また転移があった場合、治療できるのでしょうか?病院では患者さんが多く、主治医に詳しく聞くことができません、よろしくお願い致します。

乳癌が脳に転移しやすいという表現が適切かどうかわかりませんが、脳に転移する事は珍しいことではありません。心配であるならば、遠慮せずに主治医の先生にお願いしてCTかMRの検査をしてもらえば良いと思います。現実には脳の検査を定期的に行う病院は少ないと思います。その理由は、最初に転移する場所としてはその頻度が低い事、脳は硬い頭蓋骨に囲まれているため、脳転移がおこると、比較的早くから手足がしびれたり動かなくなったり、うまくしゃべれない等の脳の異常を示す症状が出てきます。症状が出てからでも診断は遅くない事、症状が出てからでも治療が可能なので、敢えて定期的な検査をしないのだと思います。一昔前は脳に転移したらもうおしまいと考えられていましたが、現在はガンマナイフ(もっと新しければサイバーナイフ)という治療があり、もちろん転移ですから根治はできませんが、元気な状態で普通の生活が送れる時間が長くなっています。(文責 清水)

 

No.1748】 03年08月21日 A.C.
たくさんの小さなしこりと分泌物

はじめまして、27歳の独身女性です。定期的に通っているクリニックがあるのですが、お休みを取られていて相談できないのでメールさせていただきます。4年前に母が乳癌からの骨への転移で亡くなっています(乳癌が発症したのは38歳時だと思われます)。私も4年前に右乳房の張りと分泌物に気づき、乳腺クリニックを訪れました。張っている部分は右乳房の右のほうにあり、しこりというよりは、長く筋張っている、という感じでした。分泌物は、その張っている部分ではなく、乳首の下あたりを刺激すると出る感じで、コーヒー色だったり、もっと血に近い色だったりでした。クリニックではマンモ、エコー、分泌物の細胞診などを行い、結果、クラス2で乳腺症、定期的に検査をということでした。細胞診も、エコーで見ながらさす時、「しこりというよりは液体が溜まった乳管がしこりに感じられる」とのことでした。その後も6ヶ月に一度は検査をしているのですが、クラス3が出たことが2度あり、再検査や細胞診のセカンドオピニオンに回すとクラス2に戻るという不安な状態です。また、マンモでも石灰化が見られたりしています。私の最近の心配は、そののう胞のような小さな米粒大のしこりが増えているような気がすることです。一つのしこりが大きくなるというよりは増殖している感じです。それが増えている周辺は、乳房のような柔らかい脂肪がなく、ごろごろごつごつしています。私は皮膚がとても薄く、そのごろごろとしたもの達は、皮膚の真下に感じられます(乳首の下5cm平方くらいの広さにわたってごろごろと凹凸があります)。私は胸がとても大きく(Fカップ)、柔らかいので、年齢の割にはとても垂れているのですが、日中のサポート力の高いブラジャーを外すと、胸の重みなのか分泌物が出てきます。また、夜にうつぶせに寝てパジャマを汚したという毎日です。ただ、それは毎日ではなく、突然たくさん出て、突然止まります。生理前に特別増えるといわけではなく、逆に生理初日から排卵までの間に多い気がします。また、やってはいけないと思いつつやってしまうのが、入浴時に絞ってしまうことです。出切ってしまえばのう胞がなくなるのでは?などと思い、きつくおすと、栓になっていた十数個の小さな塊とともに分泌物が勢いよく出ます。最初はウーロン茶のような色で、その後は鮮血になったりします。刺激するのはよくないとわかっているのですが・・・。その先生はずっと前ですが、私のような症状を治すには、右乳房を全部とってしまう他ないとおっしゃっていました。4年分の診察で覚えているところと最近気になることを書いたので、支離滅裂になってしまいましたが、何かわかることがあれば、お答えいただけると幸いです。よろしくお願いいたします。

メールの内容からすると、まず、年齢、症状から考えて癌の可能性は低いと思いますし、MMG、US、細胞診とかなり綿密に検査をされているので、現在の状態としては安心して良いのではないでしょうか。不安な気持ちもわかりますが、一つの検査が終わる毎にその結果を信じるしかないと思いますし、それでも不安が残るならば繰り返し検査をしてもらったら良いと思います。但し、初めのうちはものすごく心配していた方が、喉もと過ぎれば何とやらで、検査を繰り返しているうちだんだんマンネリ化して検診を止めてしまう方が時々いらっしゃいます。現在は大丈夫でも今後の事はわかりません。つまり、現在の血性分泌が乳腺症によるもだとしても、今後そこに癌が混じってくる可能性は否定できません。したがって、これからも、定期的な検査を根気良く続ける事は必要だと思います。”乳房を取ってしまうしかない”という発言は、どうしても不安を解消したいならばの極論で、本気で考えているとは思いません。(文責 清水)

 

No.1747】 03年08月20日 T.O.
12歳です

胸にしこりみたいのがあるのです。大きくなるからあるのですか(胸が大きくなるから・・)??友達もあるっていってますけど・・心配です。教えてください!!生理はまだです。

初潮前(生理が始まる前)に胸にしこりができるのは、もうじき生理が始まってこれから女性になるという徴候の一つである場合が多いです。まずはお母さんに相談して、お母さんの時はどうだったか聞いてみて下さい。お母さんもそうだったということであれば、心配ありません。でも、お母さんも小さい時の事は忘れてしまっている事がありますから、お母さんと相談して、学校が休みのうちに一度乳腺の専門の先生に相談に行って下さい。特別に恐い検査はなく、話を聞いて、診察するだけで大体分かると思います。(文責 清水)
 

No.1746】 03年08月19日 H
脇の下のできもの

ここ数ヶ月前から気になってきたのですが、脇の下にできもののようなものができており、そこを軽くおすと痛みを感じます。以前は汗防止スプレーを使用しておりましたが、それが原因なのでしょうか。それ以来スプレーを使用していないのですが。一度検診をすべきなのでしょうか。アドバイス戴ければ幸いです。

脇の下のしこりで、押すと痛みがあるのは通常は脇の下の毛穴にばい菌が入って炎症を起こしている事が多いです。悪いものの心配は少ないと思いますが、やはり病院を受診した方が良いと思います。(文責 清水)

 

No.1745】 03年08月17日 K
左胸のひきつれと痛みについて

現在31歳です。2人出産をして、2人とも母乳で育てました。昨年あたりから、引きつれを感じていました。今年の頭に、市民検診で乳がんの検診をしてもらい「ひきつれがある」と、医師に言いましたところ、手で上下に挟んで「大丈夫」と言われました。今まで他の病院では、すごく丁寧に4本の指で触診していただいていたんですが、今回はとても簡単に終わってしまったので不安に感じていました。ところが、最近痛みが出てきて他の病院で診察してもらったところ、「乳がんは認められない」と言われ、痛み止めをいただきました。2週間分ですので、今様子を見ているのですが、おとといあたりから縦に筋のような硬いものが当たります。結構痛みが強くなっているので、病院でエコーなどをしてもらったほうが良いのか悩んでいます。筋状の硬いしこりみたいなものは何でしょうか?やはり、病院に行ったほうが良いんですか?教えてください。

メールの内容から推察するに、モンドール病だと思います。モンドール病と言うのは、痛みのある(特にそこを伸ばすような動作をした時)索状物が乳房から脇の下方向または乳房からおなかにかけてできる病気で、原因は皮膚の下にある細い血管の血栓性静脈炎だと言われています。痛みのひどい時は痛み止めを飲んでもらいますが、通常は2ー3か月で自然治癒します(Kさんの場合は少し経過が長いようですね)。この病気はレントゲンでもエコーでも診断できません。この病気を知っている医師が診ればすぐにわかる病気です。ちなみに、当院での一年間の乳腺疾患の初診の患者さんで、"乳房の痛み”だけを主訴に来院された方の約6%がモンドール病でした。直接診察したわけではないので一度乳腺疾患の専門の医師の診断を受けて下さい。(文責 清水)

 

No.1744】 03年08月17日 M.T.
薬の副作用について

今年1月手術(リンパ節4個転移、ホルモン陽性)、抗癌剤(CEF6クール)治療後アリミディックスを服用しています。関節痛等の副作用が強く主治医に相談したところ、「痛みがあっても続けたほうが良い、そのうち身体がなれてくる」ということでしたが、日増しに立ったり座ったりの動作、手の強張り、指、肩、肘、手首、膝、股関節等の痛みが強くなってきています。身体がなれてくると言うことはどういうことなのでしょうか? またこれらの副作用とうまく付き合いながら生活していく対処法などありますか? また、薬を変えていただくとしたら、どのような薬があって、どのような副作用を持っているのでしょうか? また、何も服用しない場合の再発率はどのくらいでしょうか?

体が慣れてくるとは、その薬を飲んでおこった変化に体が対応してくるという意味だと思いますが、もちろん対応ができない場合もあります。アリミデックスの関節痛は女性ホルモンの量が減少することにより発生するものです。少し服用を続けるとおさまってくる方もいますし、そうでない方もいます。副作用が強いようなら変更、中止を考慮しますが、変更するのであれば、同じホルモン剤でタモキシフェン(ノルバデックス)という薬があります。ただ他の更年期のような症状などが出現する可能性もあります。まずタモキシフェンに変更して、それでも副作用が強いようなら中止という順序でも良いかと思います。ホルモン治療を行わなかった場合、再発率は数パーセント増加する可能性があります。(文責 加藤)

 

No.1743-1】 03年08月15日 A
左胸のしこりについて

19歳です。体型はふつうですが、見た目は痩せ型かもしれません。私の左胸の乳首の下の位置に2〜5mmくらいの大きさのコリコリした感じのしこりみたいものがあります。それがはっきりわかるのは生理1週間前ぐらいからです。見た目はなにも変わらず、痛くもありません。もしかしたら乳がんでは・・・と心配です。お答えいただければありがたいです。

乳がんであることはまずないと思いますが、一度診察を受けられてみてはいかがでしょうか?(文責 加藤)

 

No.1743-2】 03年08月17日 A
左胸のしこりについて(2)

お返事ありがとうございました。まだ診察に行く勇気がでないので、またお聞きします。この場合、乳がん以外にどんな病気が考えられますか?乳腺腫瘍などでしょうか? 診察に行くのは、痛くなったりしこりが大きくなってからのほうがよいでしょうか? また、私ぐらいの年齢でこのような症状があった人は聞きますか? 乳腺が関係しているのでしょうか? 診察する場合はどのような病院に行けばよいのでしょうか? よろしくお願いします。

2〜5mmの大きさのしこりで、生理の前にハッキリするしこりというと事であれば、乳腺症が最も考えられます。次に乳腺線維腺腫でしょうか。年齢からして乳癌の可能性は低いと思います。19歳の方で同じような症状で来院される方もいらっしゃいます。乳腺症と言うのは生理の周期に合わせて乳腺がしこったり、痛くなったりするのが特徴ですから、”乳腺が関係している”という事になると思います。行く病院はやはり乳腺専門の医師のいる病院が良いのでしょうが、そのような病院が近くにないか、どこに専門の医師がいるかわからない時は、まずは外科か産婦人科の開業の先生で、乳癌検診を行っている先生に相談し、必要があれば専門病院を紹介してもらうようにしてもらうと良いと思います。(文責 清水)

 

No.1742】 03年08月15日 M.K.
ホルモン療法について

27歳の主婦です。2年前の春に右の副乳に良性のしこりがあり、外来で手術しました。その後の検査で悪性だったことがわかり、再度リンパ節を取る手術をしています。リンパ節には異常がなく、しこりの大きさは2〜3cmほどです。術後はゾラデックスを2年投与する予定でしたが、主治医より5年に延ばすと言われています。私自身、子どもも早くほしいのですが、5年必要なのでしょうか?最初の予定では、2年のゾラデックス投与、その後、3年のタモキシフェンを服用するつもりでした。

現在のところ、ゾラデックス2年投与を5年に延ばすことによる明確な治療効果の上乗せはわかっていません。また、タモキシフェン内服中も妊娠はできませんので、これからの出産のことも含め、よく主治医と話し合ってみてはいかがでしょうか?(文責 加藤)

 

No.1741】 03年08月15日 O.S.
ホルモン剤

妻は48歳、末期の乳がんで、ホルモン剤のヒスロンを2錠2回飲んでいます。副作用でお腹がはってきて、胃を圧迫し食欲がでません。ヒスロンの服用を止めたら進行が早くなる心配はないでしょうか。お腹の大きいのは脂肪といわれましたが、脂肪も少なくなりますか。少しでも楽になればと思い・・・。よろしくお願い致します。

中止によって進行に影響を及ぼす可能性もありますが、症状がおさまるのであれば考慮すべきでしょう。ただ、症状が副作用によるものかどうか主治医に確認されてからでも良いと思います。(文責 加藤)

 

No.1740】 03年08月15日 toshi  
左右の腋の下のリンパ腺の腫れについて (現在妊娠20週です)

現在30歳、3年前に帝王切開で出産経験ありです。現在妊娠20週ですが、2週間前くらいから左右の脇の下にしこりを発見しました。腕を上げると盛り上がりが分かり、触るとこりこりして、ひっぱるとしこりが皮膚と一緒に体から離れます。左は胸側に1cmくらい押すと少し痛いです。右は痛みは無く、同じくらいの場所に同じ大きさの物が1つ、あとは毛根がある窪み付近のリンパ節にそって1.5cm、2cmくらいの腫れがあります。何処に行けばいいか分からず、近所の整形外科に診てもらったら、検査無しで、すぐ総合病院の整形外科を紹介され、受診しました。そこで、医師から、「妊娠中であるから生検もCT・MRIもやめときましょう。」と言われ、「最近腕を怪我しましたか?」と聞かれたので、右人差し指の主婦湿疹が切れて出血した事をいいました。(その場では忘れていましたが、2週間くらい前に、今年初めて腋を剃って、何もつけずに不衛生なまま処理した記憶があります)
医師は、「細菌が入ったかも知れないし、悪性の物かもしれないから3週間後くらいにまた受診してください。」との事でした。とても不安になったのでインターネットで色々調べたら、乳癌の可能性も心配になってきたので、同じ病院の乳腺科を受診しようか迷っています。大きさも、毎日触っていると大きくなったような気がするし、小さくなったような気がするし、育児と妊娠が重なり心配でストレスがたまっています。もし、悪性リンパ腫・乳癌であったら、妊娠を継続しながら治療は可能ですか?3週間後と言われましたが、しこりが大きいので早めに再受診したほうがいいですか?長文になりました。最後まで読んで頂いて本当に有難うございました。もし、アドバイスが頂けたらとても嬉しいです。

お話を伺う限りでは乳がんの可能性はあまりないと思いますので、不安を解消する意味からも乳腺科を受診されてみてはいかがでしょうか? 3週間待って整形外科を受診されるよりも良いと思います。(文責 加藤)

 

No.1739】 03年08月15日 R.K
葉状腫瘍の術後について

39歳です。葉状腫瘍の術後について教えて下さい。今年に入ってから左胸のしこりに気付き、摘出手術を受けました。針生検、MRでは悪性ではないという事でしたが、取ってみて調べるまで良悪の判断がつかない状態で、マンモグラフィーでは、「最悪の場合、肉腫かもしれない」と言われたこともありました。結局、術中の迅速検査、また摘出後の細胞検査でも葉状腫瘍という結果でした。手術は乳輪に沿って切り、腫瘍を摘出して、無事に終わった次第です。傷跡の方も綺麗で、問題ありません。ただ、最近になって時々、手術した方の胸がズキッと疼くことがあります。そこでお訊ねしたいのですが、
1)再び出来やすい腫瘍という説明を受けたのですが、どれくらいの期間、また頻度で再発するものなのでしょうか?
2)再発する場合、悪性になることもありますか?
3)胸が疼くような感じは、良くない兆候でしょうか?

飲酒はしませんが、喫煙者です。それがこういう病気に大きく関係があるかどうかも、併せてご回答頂けたらと思います。どうぞ宜しくお願い致します。

1) 再発の頻度は10-20%程度といわれています。期間は2年前後が多くなっています。
2) まれですが再発を繰り返し、徐々に悪性化するケースもあります。
3) 良くない兆候ではないと思いますが、そういったことでしこりが見つかることもあります。
葉状腫瘍の術後であれば検査を受けられてみてはいかがでしょうか?喫煙と葉状腫瘍の関係はあまりないと思います。(文責 加藤)

 

No.1738】 03年08月15日 ゆみ
術後補助療法について

ゆみ(51歳)と申します。昨年8月に自分でしこりを発見し、病院で検査を続け、今年2月に乳がんの告知を受けました。セカンドオピニオンを求めた病院で、術前化学療法(アドリアマイシンとタキソテール)を3週ごとに6クール受けました。化学療法を始める直前まで生理はありましたが、化学療法後はなくなりました。閉経したものと思われます。しこりは触診でもかなり小さくなったと言われ、超音波でも小さくなっていました。7月28日に右乳房全摘手術を受けました。病理の結果、化学療法の効果判定は、意外にも1aでした。医師は、残った細胞に関してのデータですと教えてくれましたが、病理結果報告書に「腫瘍細胞は良好なviabilityを示している」と書かれており、術後の化学療法でも同じ抗がん剤を使うのが果たしていい方法なのかどうか迷っています。ちなみに病期はIIIA、細胞核異型度は2、リンパ節転移は3 /14、ER±20%、PRは−100%です。術後は抗がん剤を変えるべきかどうか、ご意見をお聞かせいただければ幸いです。

アドリアマイシンとタキソール(AT)を6クール受けられたとすると、ある程度両方の薬剤ともしっかり投与されたということが考えられます(量にもよりますが)。アドリアマイシンは心臓への影響があり、総投与量に制限があります。また腫瘍があまり縮小していない?ことや、病理結果からも薬を変更されてもよいのではないかと思います。(文責 加藤)

 

No.1737】 03年08月15日 M.N. 
左胸の外側にしこり

21才の女性です。現在生理中なのですが、横になった状態で胸を触ると左胸の外側にしこりのようなものができていました。生理中なので触るともちろん痛いのですが、今までは全く気がつきませんでした。母方にがんの経験をした人がたくさんいるので、不安で仕方ありません。これは何なのでしょうか?もし診察を受けた方がいいとすれば、どのような病院に行けば良いのでしょうか? 返信宜しくお願いいたします。

21歳で乳房のしこりというと一番頻度の高いものは線維腺腫です(ビー球のようにころころとしています)。もちろん良性のしこりです。乳がんである可能性はほとんどないと思います。診察は乳腺外科あるいは外科で宜しいでしょう。(文責 加藤)

 

No.1736】 03年08月15日 U.N. 
CMFでの点滴薬と飲み薬について

盆休みで、2回目の点滴が一週間のびたのですが、2週間分の飲み薬<エンドキサンP・セルベック>の服用は、残り1週間分を2回目の点滴にあわせるべきでしょうか??? よろしくアドバイス御願いします。

あわせてよいと思います。ただ、続けて飲んでしまっても構いません。あまり影響はないと思います。(文責 加藤)

 

No.1735】 03年08月15日 K
リンパ管侵襲

リンパ管侵襲とその予後について教えて下さい。手術後の病理結果でリンパ管侵襲がかなり強いと言われました。そのため、術前化学療法を行ったにも関わらず、術後の追加投与及び胸壁への放射線照射が予定されています。ただし、リンパ管に入った微少転移はどんな治療法でも効果は低いと言われました。

@ リンパ管侵襲は、重要な予後因子には挙げられていないと思いますが、侵襲が強ければやはり予後に大きく影響するのでしょうか?
A 本来、化学療法は全身療法だと理解していました。なのに、なぜリンパ管に入ったがん細胞には効果が低いのでしょうか?
B リンパ管侵襲が強いというケースはよくあることなのでしょうか?それとも珍しいケースなのでしょうか?他に効果的な治療法はないのでしょうか?

以上、よろしくお願いします。

@ リンパ管侵襲が強いと、局所再発が増加することが知られています。ただ、やはり予後に大きく影響を及ぼすのはリンパ節転移です。
A リンパ管をトンネル、自動車をがん細胞に例えるとわかりやすくなるでしょうか?トンネルの外から車を攻撃するのはなかなか容易ではありません。同様に、乳管内のがん細胞も攻撃しにくいことが知られています。
B リンパ管侵襲が強い方は時々いらっしゃいます。それほど珍しいわけではありません。手術結果にもよりますが、私も抗がん剤と放射線治療を勧めさせて頂くことになると思います。(文責 加藤)

 

No.1734】 03年08月14日 T,T
義母が乳がんと診断されました

こんにちは。はじめてメールします。実は、先日義母が乳がんと診断され驚いています。しかも来週入院、手術というのです。家族もまったく理解できず、父も他界しているので母が一人で説明を聞いているようです。話によると、ステージ5だというのです。しかしどの情報をみても4までしかなく、???です。乳がんについての冊子を医者からもらったといっているので、確かに癌らしいんですが、見た目もほとんどわかりません。やはり、かなり深い癌なのでしょうか?そうだとすると他の臓器以外にもリンパや骨にも転移している可能性は高いですよね?入院してから詳しい説明があると思うんですが・・・。はっきりしない情報ですみません。よろしくおねがいします。

ステージ5というのはありませんので、おそらく細胞診(細い針をしこりに刺して細胞を取ってくる検査)の検査結果だと思います。乳がんであれば5であることが多いですが、これはがんかそうでないかの検査であって、たちの良い悪いを表すものではありません。また、しこりのできる深さも転移には通常影響を及ぼしませんので御安心ください。(文責 加藤)

 

No.1733】 03年08月14日 T.T
ホルモン療法について

初めてご相談させていただきます。41歳、閉経前。7月15日左乳房温存手術。腋かリンパ節郭清。放射線治療。検査結果は、腫瘍7mm、グレード1、リンパ節転移なし(0/17個)、 静脈浸襲、リンパ管侵襲なし、ホルモンレセプターは、エストロゲン+、プロゲステロン−。ホルモン療法について、ノルバデックス服用を勧められました。 服用期間は2年〜5年で状況をみて決めるとの事です。 検査結果から、ローリスクグループに入ると思うのですが、再発のリスクはどれ位ですか。ローリスクグループでは、補助療法なし、またはTAMが推奨されるとのことですが、どちらを選ぶかの判断はどこでするのですか。服用した場合の再発予防の効果と副作用のデメリットと、どちらが多いのでしょうか。子宮体がんの発生率は15年後で6%と聞きましたが、わざわざ子宮体がんのリスクをおう必要はあるのでしょうか。 服用期間は長いほどリスクは高いのでしょうか。 また、更年期症状と聞きますが、生理はとまるのですか。よろしくお願いします。

再発のリスクは2-3%以下だと思います。リンパ節転移陰性の方をさらに詳しく腫瘤径で分類する考え方もあります(1cm未満、1-2cm、2cmをこえるものに分けられます)。1cm未満の方の予後はかなりよく、基本的には補助療法は行わないことが多くなっています(riskに応じて行うこともあります)。もともと再発のriskが低い方は補助療法を行わなくともほとんどの方は再発しませんので、施行により得られる利益は少なくなります。補助療法なし、あるいはTAMを選択するはっきりとした判断基準はないのですが、患者さんの希望、腫瘤径、年齢、リスク因子、副作用などを踏まえた上で総合的に判断しています。副作用は患者さん一人ひとりで異なりますので、一概に効果と天秤に計るのは難しいですが・・・。ノルバデックスは服用期間が長くなるほど子宮体がんの発生率は上昇します。また、生理が止まることもあります。ノルバデックスを服用してみて副作用が特に出現しなければ続けるという選択肢もありますが、Tさんの手術結果からは補助療法なしでも
宜しいのではと思います(温存手術をなさった際の断端のがんの状況によっても変わってくる可能性はありますが)。(文責 加藤)
 

No.1732】 03年08月12日 S.E. 
乳癌の転移について

始めてメールさせていただきます。私の母なのですが、昨年9月に乳癌(」a)と診断されました。EC4回の後、12月に乳房、リンパ節を全摘出しました。術後、放射線を胸部30回、首リンパ25回照射。タキソール4回投与。今年6月脇腹に湿疹が出、骨及び局所転移と診断。ゼローダを7月中より始めたのですが、7月末から脇、脇腹にかけて腫れはじめ、背中がつり、痛みが出始めました。強い圧迫感と、肩甲骨付近の痛みがあるようです。腕が60°ほどしかあがらず、むくみも出てきました。歩くのも辛いようです。夜も眠れないほどなので、7/23よりモルヒネを処方されましたが、吐き気がひどく、痛みもあまり改善されません。今は10mgを4時間ごとに飲んでいるのですが、痛みはあまりひきません。吐き気はおさまっているようです。尿の出も悪いとのこと。これらをふまえての質問なのですが、
1) 背中のツレ、脇腹の湿疹は癌の転移によるものか、または抗癌剤や放射線の副作用なのか。
2) 圧迫感による痛みを和らげる方法はないか
3) 代替療法として、クロレラ、フコイダン、アガリクスなどを取り入れたいが、抗癌剤との併用などで問題はあるのか。(主治医は断固反対しています。)
本人も、原因のわからない痛みと不眠で、日に日に体力も落ち、不安も解消されません。何か少しでも知識を得たいので、御回答いただけると本当にありがたいです。よろしくお願いします。

1) 転移によるものの可能性が高いと思います。
2) 現在使用されているモルヒネの他に、抗炎症鎮痛剤、ステロイド剤、神経的な薬剤などを使用できます。モルヒネを適切な量で投与し、これらを上手く組み合わせていくことになると思います。
3) 抗がん剤との併用のデータはありませんので、すみませんが何とも申し上げられません。(文責 加藤)

 

No.1731】 03年08月12日 K.Y.
補助療法について

はじめてご相談します。3年前に大きさが2・6cm、悪性度4(医師はそうおっしゃいました)で、右乳房を全摘し、腋下リンパ節もとりました。補助療法は、ホルモンレセプターが陽性なのでゾラデックスになりました。当初は2年間投与ということだったのですが、「あなたはハイリスクのグループに入る」ということで、更に一年追加して、今月丸3年の注射を終了しました。今後ノルバデックスを新たに飲み始めた方がいいのでしょうか? 医師は「ゾラデックス」と「ゾラデックス+ノルバデックス」の治療効果は同等と言われます。子宮たい癌の副作用のことも考え、私はゾラデックスのみを選択したのですが、この補助療法だけでよかったのかやはり不安です。どうぞよろしくお願いします。

ノルバデックスを新たに飲んだ場合の効果ははっきりしていません。ゾラデックス終了後の閉経状況によってもその効果は変わってくるものと思われます。副作用のことも考慮なさって決定されたことであれば、この治療法でよかったと思います。(文責 加藤)

 

No.1730】 03年08月12日 M.M.
術後の治療法について

今後の治療について悩んでいます。私は34歳、未婚。6月に右乳房の腫瘍摘出し、硬癌と診断されたため、7月右乳房温存術を受けました。ステージUa、リンパ転移2/13、ホルモンレセプター(+)、術中摘出した病巣からは多数の非浸潤癌と、少なくとも3箇所の浸潤癌があり、「多発に注意」とカルテに記されていました。現在リニヤック中(50グレイ予定)、その後化学療法を薦められています。主治医からは、@CAF、ACMF、Bタキサン系いずれかとホルモン療法を提案されています。未婚であり、できれば卵巣機能に影響の少ない薬剤を…と思っています。最近、LH-RHアゴニストも化学療法と同等の生存率があると聞きました。私にもLH-RHアゴニストは使えるのでしょうか?効果は化学療法と同じなんでしょうか?

単に再発率を可能な限り下げるという観点からは、化学療法(@あるいは@+B)を行い、その後ホルモン治療(閉経になればタモキシフェン、ならなければLHRHアゴニスト+タモキシフェン)が考慮されます。ただ、これからの出産を考えると話は変わってきます。ご存知の通り抗がん剤には卵巣機能抑制作用があり、機能が永続的に廃絶されてしまう可能性があるからです。おっしゃるように化学療法の内容によってはほぼLHRH(+タモキシフェン)と効果は変わらないとするデータもありますが(最近LHRHの方がよいとする報告もありましたが、CMF単独療法との比較です)、文頭にお話した治療法と比較すると若干の効果の低下はあると考えられます。この効果の低下と出産をどのようにお考えになるかだと思います。
なお、小規模の臨床試験ですが、昨年アメリカの腫瘍学会でLHRHを使用した卵巣機能保護についての報告がありました(Ovarian protection with goserelin during chemotherapy for early breast cancer:long term results of a phase Ustudy)。これは、化学療法を行う際に同時にLHRHを用いながら行ったところ、86%の方が一年以内に月経が再来したというものです。5年後に一人の患者さんが正常出産されたそうです。通常の化学療法の閉経率よりかなり良い数字であり、他にも同療法の有用性の報告がいくつかあります。化学療法を行うのであれば、予めLHRHを使用しておくことをお勧めします。(文責 加藤)

 

No.1729】 03年08月12日 C.M.
摘出検査について

31歳の主婦です。しこりを自覚し、近くの病院で検査を受けています。触診では線維性のものだろうと言われたのですが、超音波で見ると良くないとのことで、針で吸引する細胞診を受けました。結果は良性、問題ないでしょうと言われました。念のために一ヵ月後に様子を見るのでと、もう一度超音波検査を受けました。すると、やはりあまりよくないように見えるとのことで、細胞診をもう一度、結果は良性、でもやっぱりわからないのでしこりを摘出して検査したいと言われました。よく状況もわからないまま外来手術の予約を入れたのですが、こういった流れはよくあることなのでしょうか? 1センチほどのしこりの場合、どれくらいの傷跡が残るのでしょうか? 抜糸まで10日ぐらい、痛みもかなり続くのでしょうか? 丁寧な説明がなく、このまま同じ先生にお願いしていいのかと不安を感じています。300床ほどの病院で、乳がん専門外来ではないです。針での細胞診もなんでもないような言い方をされていましたが、痛みをかなり感じたので・・・。摘出では技術によって傷跡に差が出るものなのかも、お伺いしたいです。

線維腺腫の超音波像は、がんと判別が難しいことがあります。細胞診も100%信用できるものではありませんので、摘出生検の運びとなったのでしょう。検査にてがんが否定できないとき、生検をさせていただくことはあります。ただ最終的には患者さんの意思を考慮して決定しますので、相談の上、経過をみることも可能だと思います。また、針生検といって少し太めの針をさして組織を採取する方法もあります(コア−ニードルやマンモトームなど)。摘出生検の傷跡はしこりよりもやや大きめになると思います。痛みは個人差がありますが、一般的にそれほど長く続くことはありません。傷跡は体質にもよりますが、技術によって多少の差はでます。あせって検査する必要はありませんので、納得した上で受けられることが望ましいと思います。もう一度主治医と相談なさってみてはいかがでしょうか?(文責 加藤)

 

No.1728】 03年08月09日 A.K.
乳がんの疑い?

45歳、2回出産経験があります。10年ほど前から乳首を押すと、透明、少し白い色の水分が結構出ます。昨日、なんとなく乳房を軽く押したら、やはり大量の水分と少し血が乳首についていました。乳がん健診は4年ほど前に受けました。触診ですが、乳がんの疑いのしこり等はないと言われましたが・・・。

あまりご心配ないものと思いますが、これを機に検診を受けられてみてはいかがでしょうか? 外科あるいは乳腺外科で宜しいかと思います。(文責 加藤)

 

No.1727】 03年08月09日 Y 
乳頭からの分泌物

はじめまして、31歳独身女性です。今、こちらのサイトを拝見しておりました。今日、自己検診をしていた際、片方の乳頭を2回程、指で圧迫したところ透明な液が出ました。どちらかというとさらっとした感じです。その後も何度か圧迫しましたが、今のところ出ていません。以前、2年前にも自己検診で乳頭を圧迫した際に血性分泌物がでました。片方で、一ヶ所のみからでしたので不、安も感じ乳腺科のある総合病院へ行きました。エコーとマンモグラフィ、さらにエコーと通常の放射線、入管造影をしました。拡張部分があるとのことでしたが、他は異常なしとのこと、経過観察でした。その後毎年乳癌検診に行っていますが、特に異常なく来ました。今年も五月に乳癌検診に行った矢先です。以前に乳頭から血性分泌があったので、過剰に不安になっています。まして今まで透明液な分泌は見た事もありませんでした。癌とかの異常な兆候なんでしょうか?不安です。教えてください。

透明な分泌液は通常心配なものではありません。がんの兆候となることは少ないので御安心ください。乳管拡張症は、乳管の周りが線維化(硬くなることです)するため乳管が圧迫され、狭窄ないし閉塞し、乳管内に脂肪の豊富な濃縮物や細胞が貯留することによって起こります。左側の変調は人間の体ですので何かつながりがあるのかもしれません???(文責 加藤)

 

No.1726-1】 03年08月09日 A 
今後の検査、治療について

初めてメールします。私の乳がん経過です。
15.2.12 初診(超音波、レントゲン、マンモ)
15.2.14 細胞針検査
15.2.21 乳がん確定(2p)
15.3.12 乳がん温存療法手術
15.3.20 リンパ節転移3ヶ T1 N1 M0  乳頭腺管ガン
15.4.1〜15.4.30 放射線治療(50.4グレイ)
15.5.7 第1回抗癌剤治療  CEF療法 6クール(4週に1回 あと2回)

以上が主治医が予定した乳がん初診から治療までです。再発・転移をしない為には、今後はどのような検査、治療が必要なのでしようか?(手術後の検査は抗癌剤治療の副作用の為の血液検査しかしていません。)

再発・転移をしないための治療は、もしホルモン反応性があるなら抗がん剤のあとにホルモン治療を行うことでしょう。検査については、現在行っている血液検査と定期的な乳房のチェック(マンモグラフィーや超音波)は必要ですが、他の検査(レントゲン、超音波、CT、骨シンチなど)は特に必要というわけではありません。定期的に行うことが多いですが、御希望によりどちらも選択できると思います。(文責 加藤)

 

No.1726-2】 03年11月01日 A 
抗癌剤と生理

前回はありがとうございました。治療は終りということになりました。今はとても調子が良いです。私は43歳、独身ですが、抗癌剤の途中から生理が止まって(3ヶ月目)いて、主治医はもう少し様子をましょうと言うのですが、心配です。生理が無くなると言う事は、私の身体にどのような影響があるのでしょうか?

抗癌剤により卵巣機能が抑制されて、閉経状態になるということです。更年期が早くなったということになります。(文責 徳田)

 

No.1726-3】 03年12月27日 A 
放射線照射の影響について

いつもありがとうございます。2週間ほど前に人間ドックで心電図をとりましが、同室性収縮異常と言われました。内科医は心電図データを診て首を傾げていましたが、症状がない限り大丈夫との事。乳がんの放射線照射の影響で乳房とか脇の下の感覚がまだおかしいのですが、それが関係しているのでしょうか?

同室性は上室性のことでしょう。乳癌術後の放射線は出来るだけ心臓とか肺にはかからない様にいたしますので、関係はないと思います。(文責 吉田)

 

No.1725】 03年08月09日 kei  
ホルモン剤の再開について

ご相談、お願いいたします。現在45歳、抗がん剤治療及びホルモン剤ゾラデックスにより閉経状態。ゾラデックスは2年間いたしました。乳癌手術より三年を経過し、この一年間はホルモン剤タモキシフェン服用のみの治療をしてきましたが、関節痛に悩まされ、3ヶ月間ホルモン剤の服用を中止していました。最近になり症状も落ち着いてきましたので服用を再開したいのですが、休薬による副作用の心配があります。主治医からは5年の服用を勧められ、あと1年服用予定です。今後1年間服用するのと止めてしまうのとでは大きなリスクがありますか?服用再開による副作用の心配とを考え迷っています。ご助言をお願いいたします。

タモキシフェンを4年で中止した場合と5年続けた場合の比較データはないかと思いますが、大きな差はないでしょう。関節痛がひどく、日常生活にも支障をきたすようなら中止もやむを得ないと思います。(文責 加藤)

 

No.1724】 03年08月09日 Y
一部切除と全摘出について

43歳の女性です。7月上旬に乳ガンの宣告を受けました。3pのしこりが左乳房にあり、8月中頃に手術を受ける予定となっております。主治医はMRIでの検査で、乳房内に転移が見られなかった場合でも、手術中にMRIで発見できなかったような小さい転移が見つかった場合は、主治医の判断により、その手術中に私に再確認することなく乳房の全摘出を行うとの説明を受けました。しかし、一部切除も全摘出も再発の確率はほぼ一緒だと聞きました。このような、急遽その場で全摘出をするという方法に不安を感じています。全摘出にはメリットがあるのでしょうか? また、セカンドオピニオンを受ける場合、発見から時間がたってしまい、ガンが進行してしまうのではないかと心配になり、躊躇しています。手術まで1週間程度しかないのですが、受けた方がよろしいでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。

部分切除と全摘出の再発の確率がほぼ一緒といえる場合は、あくまでも部分切除で、ある程度がんがしっかり取り除けた場合と想定されます。がんがたくさん残っている場合には、その確率が変わってくる可能性があります。また、乳房内再発(残っている乳房にがんのしこりができてしまうこと)も不充分な部分切除では確率が高くなります。主治医はあらゆる可能性を想定して、がんがまわりに広がっている場合の話をしたのでしょう。ただ手術中に方式の変更をしなくても、まず部分切除で手術を受けられてから、その結果をみて追加切除あるいは全摘出することもできます(その場合は手術を2回うけることになります)。手術中の診断が難しい場合もあり、そのような治療の順序で行うことがあります。全摘出を必ずしもその場で行う必要はありませんので、主治医に相談なさってみてはいかがでしょうか?手術はやり直しがきかず、充分納得された上で受けられた方がよいと思います。がんが急に進行することはありませんので、少し時間がかかっても、あせらずに納得できる治療法を選択することが大切です。セカンドオピニオンを受けられてもよいと思います。(文責 加藤)

 

No.1723】 03年08月08日 M.M.
右腋下のしこり

今朝、痛みを感じ気がついたのですが、右腋下のくぼみの辺りに1cm弱のしこりがあり、触ると痛みを感じます。普通に腕を下ろした状態だと腋に違和感と多少の痛みがあります。物を取るときはちょっとつっぱった感じもします。一度病院で診て頂いたほうがいいのでしょうか?受診するとしたら何科がいいのでしょうか? 29歳 女性(独身)

御心配ないものと思いますが、処置が必要となることもありますので、受診することをお勧めします。外科で宜しいかと思います。(文責 加藤)

 

No.1722】 03年08月07日 K.A
乳房のしこりについて

妻のことで気になることがあり、相談します。妻の左右の乳房の脇に近いところに、それぞれピンポン玉より少し小さいくらいの大きさのしこりがあります。私は乳ガンなのではと心配しています。妻は、「自分の父親も皮下脂肪が堅く固まって、手術をして切ったことがあるので、遺伝だから乳ガンではない」と言っています。妻は26才で妊娠経験はありません。どのように対処したらいいでしょうか。よろしくお願いします。

お話を伺う限りでは、乳がんである可能性は低いと思います。しかし御心配なら一度病院を受診されてはいかがでしょうか?外科あるいは乳腺外科が担当の科となります。(文責 加藤)

 

No.1721】 03年08月07日 H  
骨転移について

初めまして、55歳の母の事で御相談させていただきます。20年前に右胸の乳癌で全摘手術をうけました。その後、特に異常なく過ごしてきましたが、昨年の職場検診でALPがやや高値で、1ヶ月後に再検しましたら正常範囲内だったそうです。今年5月にはALPが2倍位、高値で再検しましたが、下がっておらず、肝臓の精密検査をしても異常なく、骨シンチを施行しましたら右胸骨にmetaがあるのが見つかりました。20年前からかかりつけの乳腺外科の先生の話では、20年もたっているからそんなに急に癌が進行する事はないとの事、ホルモン療法と抗癌剤を4週前から服用しています。そこで、お聞きしたいのは、
1) 本当に、内服で様子をみていていいのでしょうか?2週間毎の診察ですが、内服で効果が見られないときは点滴をしたらいいといわれたそうですが・・・。
2) 20年たっているから急に進行するものではないとの事なのですが、このような例はありますか?
3) 詳しいことが分からないのでお答えしにくいとは思いますが、予後はどうでしょうか?

1) 基本的に副作用の少ない治療から開始しますので、現在の治療で宜しいかと思います。
2) 20年後に再発することも稀ですがあります。確かに再発までの期間が長い方は一般的に進行は遅いです。
3) 短い期間で病状が悪化することはないと思います。胸骨のみの転移であれば適切な治療により治癒する可能性もありますので、希望を持って頑張って下さい。(文責 加藤)

 

No.1720】 03年08月07日 S  
ゾラデックス投与中の妊娠について

はじめまして、私は32歳で、現在ゾラデックスを投与して4年目になります。将来妊娠を考えておりますが、あと1年、治療が終了して体が落ち着いたら子供をと考えております。主治医からはゾラデックス投与中は生理は無いけど、排卵はあるから注意するようにと言われておりますが、実際に妊娠してしまうことがあるのでしょうか?また妊娠してしまった場合は、異常妊娠などになってしまう可能性もあるのでしょうか?

ゾラデックス投与によって生理はとまりますが、100%排卵が抑えられるわけではありません。異常出産の可能性もありますので、治療中はピル以外の方法で避妊する必要があります。(文責 加藤)

 

No.1719】 03年08月07日 S.K
ホルモン療法の副作用でしょうか?

初めて相談させていただきます。46歳、2月に右全摘出手術を受けました。病理の結果は、リンパ節への転移なし、ホルモンレセプターはプロゲステロン、エストロゲン共にプラス、核の異型度2と説明を受けました。その後、ゾラデックスとタスオミンのホルモン療法を続けています。身体、特に顔が火照る、足がうっすらとしびれている、という症状が初期のうちからありました。これは仕方のないことだなと思っておりましたが、6月のはじめの頃から、喉に何か引っかかっているような感じと舌の違和感が治りません。耳鼻科の診察を受けて、甲状腺が少しはれているといわれ、主治医に相談いたしましたところ、そんなに心配ならと甲状腺のエコーの検査と血液検査を受けました。双方とも異常なしということでした。ホルモン療法の副作用として主治医からお聞きしたり、ネットで調べたりした中に”喉の閉塞感”を見つける事が出来ませんでした。乳がん関連のホームページの書き込みで同じような症状の方を見つけましたが、何か他に原因があるのではないかと心配です。これは副作用ではないのでしょうか?更に何か検査が必要でしょうか?手際の悪い相談となってしまいました。お答えをいただければ幸いに存じます。

治療中にのどの閉塞感を訴えられる方は時々いらっしゃいます。他に特に原因がありませんので、副作用の一つと考えられます。何か原因がある可能性は低いと思いますが、症状が続くようであったり悪化するようであれば検査について相談なさってください。(文責 加藤)

 

No.1718-1】 03年08月07日 MON
抗がん剤で悩んでいます

御相談させて下さい。妻は45才、7月25日に乳がんで全摘手術を行い、8月1日に退院しました。主治医より今後の補助療法として、CMFあるいはECの化学療法を勧められています。検査結果は、@癌の大きさは14mm、Aリンパ節への転移は無し(0/10個)、Bgrade3、Cホルモンレセプター陰性 です。主治医は、CMFとECの特色やデメリットを説明した上で、どちらかと言えばECを推薦しておりました。そして、次回12日の診察時に自分の選択を伝えた上で(抗がん剤を打たないという選択もありますが・・・)、化学療法がスタートします。
A. CMFとECでの生存率の差は、3−5%(だからECを勧める)
B. ECでは完全に脱毛
C. ECは3ケ月の短期で終了するのがメリット
との説明でした。が、他の情報を見ると
T.CMFとECの効果は同じ
U.CMFの6サイクルと3サイクルは同じ
V.早期の1期とは言え、grade3は悪質のガンである
W.全摘とは言え、安全を選んで放射線治療も行っておいた方が安心
ともあり、CMFとするかECでいくか?今、妻は非常に悩んでいます。そこで恐縮ですが、是非ご意見をお聞かせください。あるいはすでに同様の情報が掲載されているようでしたらお知らせください。よろしくお願い申し上げます。

T(A): CMF6サイクルとEC4サイクルの効果はほぼ同じとされています。5年での再発率、生存率で約3%の差があるのはCEF(CAF,FEC,FAC) を6サイクル行った場合です。
U: CMFの6サイクルと3サイクルがあまり変わらないとする報告もありますが、同じと言い切ることはできないでしょう。あくまでも標準は6サイクルです。
V: 言葉の定義になりますが、grade3だから悪質のがんであるとはいえないように思います。病期1期では、たとえgrade3であっても、ほとんどの方は再発しません。
W: 全摘後の放射線はリンパ節転移が多い、皮膚や筋肉へ浸潤がみられるなどの手術結果の際に考慮します。今回の結果では必要ないと考えます。

また、HER2蛋白はお調べになったのでしょうか?もし蛋白が発現している場合はECを選択する一つの理由になり得ます。そうでない場合はECとCMFの効果はほぼ同じですから、投与期間、副作用等で決定されればよいでしょう。吐き気に関しては、ステロイドを使用することによりかなり抑えられるようになったと思います。ただECでは脱毛はほぼ必発であり、これを避けるならばCMFになると思います。最近の傾向としては欧米のガイドラインもあり、ECを使用することが多くなってきています。(文責 加藤)

 

No.1718-2】 03年08月09日 MON
抗がん剤で悩んでいます(2)

早速にご返答をありがとうございました。 追加で質問をさせてください。
@ 病院からは、CMF6サイクルとEC4サイクルでの選択との話がありました。CEFについては特に話はありませんでしたが、データ結果の程度により使用基準があるのでしょうか。あるいはこちらから希望をだせば受けることができるものなのでしょうか。
A grade3だからといって悪質ではないとの説明は、とても明るい話です。このgradeについては、補助治療を検討する際に最優先ではない基準データとして考えてよろしいのでしょうか。
B HER2蛋白は説明は受けましたが問題は無かったと認識しています。そんなことで、どうも話の内容をきちんと理解していないのですが、この点の考慮は加味しなくてよいのかと思います。
C 欧米のガイドラインでECの傾向とのことですが、素人には単純に脱毛のあるECは同じ効果なら避けたいとは思います。ですが治療的にはECの方が総じて有利なのでしょうか。
以上、よろしくお願いします。

@ CEFはリンパ節転移陽性の方に用いている場合も多く、このあたりは症例によって医師の選択にも幅があるところでしょう。もちろん御希望されれば受けることは可能だと思います。
A リンパ節転移がない場合には低リスク群、高リスク群に分類されますが、grade3は高リスク群に入る条件の一つとして挙げられています。年齢、しこりの大きさ、ホルモンレセプターとともに補助療法選択の際に考慮すべき事項の一つです。ただ、おっしゃるようにこの3項目と比較し、最優先させる事項ではないと思います。
C ガイドラインではアンスラサイクリン系を含むものが推奨されてはいますが、まだ古典的なCMFも残る場所はあるとされています。脱毛を避けるのであればCMFでよいと思います。ECが有利な可能性はあってもほんのわずかでしょう。(文責 加藤)

 

No.1717】 03年08月07日 K・M
カルシウム沈着について

31歳、既婚、9ヶ月の子供がいます。先日、初めて乳がん検診を受けました。触診、エコーは問題なかったのですが、マンモグラフィーによるレントゲン撮影では、左右とも全体的に多数細かいカルシウムの沈着が見られるので、拡大して撮ってみたところ、「両方とも淡いような感じなんだけど3ヵ月後に再検してみましょう。」との事でした。先生は今の段階では何とも言えませんとのことでした。自覚症状は全くありません。出産後、数日してから両胸が急激に強く張りすぎて、夜は胸を冷やす処置を取りましたが、その後母乳の量は不良で、1ヶ月間はミルクと混合だったのですが、1ヶ月を過ぎる頃にはほとんど出なくなってやめてしまいました。カルシウムの沈着(石灰化)について、母乳がほとんどでなかったことと関係があるのでしょうか?体質的なものなのでしょうか?両方の胸に広範囲にわたって、石灰化してる場合、乳腺症、乳癌の可能性が高いのでしょうか?

石灰化は明らかに良性のもの、良悪性の鑑別が必要なもの、悪性が疑われるものに分類されます。通常両側に広範囲に石灰化が存在する場合は良性のものです。分泌物の結晶化による石灰化で、どちらの原因も考えられます。お話を伺う限りでは乳がんの石灰化の可能性は低いと思いますので、御安心ください。(文責 加藤)

 

No.1716】 03年08月06日 E.S.
2度の生検で良性だったが・・・

フランスに住む者です。乳がんのことでこの4ヶ月頭がいっぱいです。相談させてください。マンモで分散化していない少しスキピュラを伴うようにみられなくもない石灰化あり。エコでは右11時のところに最高1cm以下の像あり。非触知。エコ−下の太い針の生検をしました。エコー像が9ミリ以下で、うまくさせたか確信できないというコメントつきで良性でした。私の希望で、もう一度今度は12gaugeのもっと太い針で2度目の生検。最初のが4つ、後のが5つの見本取りでした。2度目も良性。確信がもてないということで主治医は全身麻酔の日帰りの外科生検をしなくてはいけない言われました。私は良性なのに胸にメスの形を残したくないのですが・・・。それで、このまま自分で良性と決めて、数ヵ月ごとにエコで大きくなっていないか確かめることにしました。何年も前から身体の調子が悪く、首も肩も腹部も、押すと痛い感じ。深い呼吸をすると肺も痛い気がします。54歳ですが、45歳より9年間HRTをしています。HRTはやめたほうがいいですか。だめなら弱いエストリオールはのんでいいですか。乳がんの専門書などを何冊も読んで自分ではガンのつもりでしたが、ここで良性の結果で、こうきめました。間違っていますか。太い針検査をしてくれた医者は、2度して良性なら間違いはないって言ってました。乳房が小さいのと右上7cm、11時の位置のためマモトームはできなかったのです。よろしくお願いします。

2回の針生検で良性との結果であり、通常は良性のものと考えます。しかし非触知で大きさが数ミリの部分の組織を針生検で正確に取れているかどうかが問題となります。主治医はそのことも踏まえて摘出生検を勧めたのでしょう。摘出生検は確定診断が可能ですが、メスの傷跡が残ります。生検を避ければ数ヶ月ごとにフォローする方針となりますが、心配な状態が続くことと、乳がんであった場合後悔することになるかもしれません(ただ小さい乳がんが命にかかわってくることは稀です)。結局はそのしこりが乳がんであるリスクを考慮した上で、ご自身が納得できる選択をするしかないと思います。主治医にがんである可能性をもう一度お尋ねしてみた上で決められてはいかがでしょうか?。HRTはがんと診断されない限り続けても構わないと思います。(文責 加藤)

 

No.1715】 03年08月06日 K・H
肺転移(癌性胸膜炎)について

57歳の母のことで相談させていただきます。51歳で左乳房・腋下リンパ節切除術をうけました。詳しいことは教えていただけなかったのですが、その際私だけが医師に呼ばれ「リンパ節に11個の転移あり」といわれました。その後、2年間ホルモン剤と抗がん剤の服用。
今回、呼吸困難を訴え受診したところ、胸水貯留、「癌性胸膜炎」と言われ入院、とりあえず胸水を1g抜きました。見た目は血性ではなく尿のようだったらしいです。その後のレントゲンで「あと2g残っているが利尿剤で自然に抜くようにしましょう」とラシックスが処方されました。癌の治療に関しては入院後アリミデックスを処方されています。胸水の細胞診の結果もまだですし、全身転移の有無を調べるエコーやCTの検査もこれからなのですが、以前のログを見せていただいて、「多量の胸水が貯まる等の命にかかわる症状」とあったのが気になって・・・。
1g抜いて、残2g・・・これは多量の部類に入り、母自身は呼吸も楽になり元気なんですが、急変もありうる重篤な状態なのでしょうか? 癌性胸膜炎といわれた時点で、母は治療を拒否し、ホスピスへの入所を願いましたが、主治医に「必要になればホスピスへの紹介状も書きます。でも、今はホルモン剤と静脈注射での抗癌剤治療をして、がんばりましょう」と説得されたようです。私自身、医師とコンタクトを取る時間的な余裕がなく、母の言葉だけからの話になります。これから検査段階なので、明確なお答えはしずらいこととは思いますが、今の段階で母の状態としてはいかがなものなのでしょうか? 半年後にどうこうということも考えられますか? 一般的なことで結構です。

今後の御病状についてですが、現在の情報だけでは判断は難しいと思います。半年後の状況も申し訳ございませんが何ともいえません。一般的に再発が判明してからの余命は平均2−3年といわれています。ただ、10年以上お元気で頑張っていらっしゃる方もおりますので、希望を捨てず頑張って下さい。(文責 加藤)

 

No.1714】 03年08月06日 kt
乳がんの再発・転移

現在64歳ですが、1986年に乳がんのため左乳房全摘手術を受けました。病巣は20ミリ程度の早期発見ということで、術後は放射線治療、ホルモン・化学療法等はまったく無治療で、その後の17年間を異常なく推移してきました。ところが本年3月ごろ、突然手術痕周辺の神経に違和感を感じ、いったん納まりましたが、数ヶ月後に腕を持ち上げたり、手術痕に力がかかるような姿勢を取ると軽い痛みを感じるようになりました。平常の姿勢では痛みを感じることはなく、また、部位を手で圧下しても痛みを感じません。先月末に、大学病院外科で検査を受けたところ、
a. 腫瘍マーカー:すべて正常
b. 胸部のCT:異常認められず
c. 骨シンチ:腰椎1箇所に疑わしいスポットあり、要MRI検査
という結果となり、現在MRI予約待ちです。

[質問1] 上記の状況では、乳がんの再発・転移を強く疑うべきでしょうか。
[質問2] 術後15年、20年でも再発・転移はあるそうですが、頻度はどの程度でしょうか。
[質問3] 再発・転移の診断が確定した場合、5年生存率はどの程度でしょうか。
手術時のホルモン依存性、リンパ節転移状況等は現在のところ不明ですが、著名施設のため当時のデータは保存されていると思われます。

よろしくお願いいたします。

1)  胸部の違和感、痛みは再発でなくとも起こることがあります。また、骨シンチは偽陽性(異常がなくとも黒く写し出されてしまうこと)がたびたび認められます。よって再発を強く疑うまでには至らないと思います。
2)  再発される方の約9割は5年以内に認められ、10年以降に認められる方は1-2%以下とされています。さらに15年、20年ではごく稀です。
3)  万が一再発であったとしても(17年後に骨への再発と仮定すると)5年生存率は高いと思われます。しばらく時間をおいてから再発が見つかった方の進行はゆっくりであることが多いからです。

お話を伺う限りでは再発の可能性は低いように存じます。あまり悲観的にならずに検査結果をお待ち頂ければと思います。(文責 加藤)

 

No.1713】 03年08月06日 ST
術後の補助療法について

はじめまして。現在の補助療法に不安がありメールさせて頂きました。42歳、子供2人(13・11才)有、閉経前です。1ヶ月前に右乳房温存手術を受け、病理結果は、腫瘍は1pの硬癌、リンパ節転移有(2/8)、ホルモンレセプターER陰性・PGR陽性、悪性度3でした。今は、
1.放射線治療中(総量50グレイ予定)
2.抗がん剤 静注 アリドマイシン 2週毎/1年間  経口 5−FU 内服中
3.ホルモン治療 タモキシフェン 内服中です。
質問は、医師より標準治療と説明を受けましたが、抗がん剤の選択は、他の多剤併用と比較して効果は如何なものでしょうか。自分では、後々後悔のないよう最善の治療を希望しています。また、ホルモン治療も同時に行っていますが、効果はあるのでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。

まず抗がん剤についてですが、現在は多剤併用療法が一般的で、アドリアマイシンを2週に1回一年間単独投与するデータはないと思います。経口剤も補助療法としての有用性ははっきりと認められていないのが現状です(同時に内服されているのでしょうか?)。ホルモン剤は昨年の国際学会にて抗がん剤の治療後に投与するほうが成績がよい(再発が少ない)ことが確認されており、現在では一般的に抗がん剤の投与終了後に開始します。また、抗がん剤には卵巣機能抑制作用があり、閉経前の方は抗がん剤投与後の閉経状況も確認する必要があります。もし月経があるようなら必要に応じてLHRHアナログ剤(ゾラデックス)の投与も考えなければなりません。最善の治療ということでしたら、CEF(またはFEC,CAF,FAC)を6サイクル投与後ホルモン療法5年(月経があるようならLHRHアナログ剤による閉経療法も併用)を考慮します(タキサン系の抗がん剤の追加投与も候補となり得ます)。(文責 加藤)
 

No.1712】 03年08月05日 R
良性という事でしたが・・・。

40歳の出産経験者・既婚です。自分で5〜7ミリのしこりを見つけ、触診・エコ−・マンモ・細胞診まであり、悪い物では無いと診断されました。3ヶ月後に検診という事です。お伺いしたいのは、良性であった場合、今のところ5〜7ミリですが、このままにしていてもいいのでしょうか? しこりがあること自体が、触るたびに不安材料になっています。悪性つまり癌になることもあるのでしょうか? 父が皮膚がん・母が舌癌です。家系的に癌の人がいるので、癌になりやすいこともあるのでしょうか? しこりが悪化しない為に、民間療法等を始めたほうがいいのでしょうか?よろしくお願いいたします。

しこりが良性の場合、原則的に切除する必要はありません。しかし、しこりが大きい場合や徐々に大きくなる場合、悪性が否定できない場合などは切除することがあります。また、患者さんの希望で切除することもあります。良性のしこりが悪性になることはありませんので、御安心ください。家系的にがんの方がいらしても、しこりががん化しやすいこともありません。民間療法をされることは必要ないと思います。ただどうしてもしこりが不安の元になってしまうようであれば切除という選択肢も考慮されますので、御相談なさってみてはいかがでしょうか?(文責 加藤)

 

No.1711】 03年08月05日 mayumi
乳輪下膿瘍

私は陥没乳頭ではないのですが、乳輪下膿瘍と似た症状があります。数日前に急に出来たのですが、病院に行って手術したほうがいいのでしょうか?出来ることなら病院へ行きたくないので、放っておいて自然に治ることはあるのでしょうか?

すぐに手術ということはありませんので御安心ください。ただ初期の適切な治療が、今後のことを考えるとよいこともあります(乳輪下膿瘍は繰り返すことがあります)。自然に治ることはありますが、できれば受診されることをお勧めします(お気持ちはわかりますが・・・)。(文責 加藤)

 

No.1710】 03年08月05日 N.S.
左脇下の違和感について

お忙しいところお尋ねします。現在36歳、3人目の子供の授乳中です(既に1歳半なので授乳は寝る前だけです)。 この4月ごろから左脇下と胸の間に違和感を覚え、触ってみるとしこりのようなものを感じ、押さえるとかすかに痛みを感じます(ややはれぼったい感じもします) 。6月に最寄の外科医を訪ね、触診とエコー検査をしていただきました。結果は、わきの下にしこりは確かにあるが(胸のほうにはどうやらなかったようです)、比較的浅い場所にあり?、すぐにどうこうと言うものではなさそうなので、しばらく様子を見ましょうとのことでした。先生いわく、リンパ腺がはれるとこんな風になることもあるので・・・ということでした。もともと出産時には副乳が両脇に数個でき、授乳をはじめるまでは腫れたりすることもありました。(そのときもこの病院で診察してもらいました。)
現在、状態はあまり変化せず、腫れぼったい感じがあったり、なかったりと続いています。病名としては何が考えられるのでしょうか?症状が変わらないので、再度検診をうけたほうがよいでしょうか。よろしくお願いします。ちなみに昨年の12月に職場で乳がん検診を行い、その際は授乳中だったので、触診でひっかかり、エコーとマンモグラフィーを撮影しました。結果は「乳腺が開いているけれど授乳中なのでまあいいでしょう。」という結果でした。

触れるものは、副乳(乳腺)あるいはリンパ節などが考えられます。正常でも触れることはありますし、異常な所見とは限りません。ご心配ないものと思いますが、症状が続いているのであれば、安心を得る意味で検診を受けられてみてはいかがでしょうか?(文責 加藤)

 

No.1709】 03年08月04日 K.K. 
右乳房のしこりと左脇のリンパ節のしこりについて

はじめまして。私は26歳の主婦で4ヶ月の子供の母親です。出産直後より1つの右乳房の腫瘤に気づき、12月、2月と超音波検査をし、MRIを受け、乳腺のう胞症と診断されましたが、腫瘤はそれから2つ増えてしまいました。心配で夜も眠れず、乳の出も悪くなったので乳を止めましたら、それから2週間吐き気が続き、精神的にも何をする気も無くなってしまいました。大分具合は良くなったのですが、昨日今度は左わきの下奥のほうにコリコリした1cmぐらいの良く動くしこりを見つけてしまい、大変不安です。左胸は今まで何もしこりはないように感じていましたが、内側に1ミリほどの小さなしこりを感じる気がします。おととい発熱(37.5分)したのですが、それとわきの下のしこりは関係有るのでしょうか? また、大変心配したので、癌が発生してしまったのでしょうか? お忙しい中すみませんが、宜しくお願いいたします。

腋の下であればリンパ節を触れることがあります。発熱と関係している可能性もありますが、特に異常がなくても触れることはあります。数週間様子をみて、しこりがまだ触れるようなら受診されてみてはいかがでしょうか?お話を伺う限りでは乳がんである可能性は低いと思います。のう胞があっても乳がんになりやすいということはありませんので、御安心ください。(文責 加藤) 

 

No.1708】 03年08月04日 Y
しこり切除後の治療

はじめてご相談申し上げます。よろしくお願いします。41歳。出産1回・流産1回。約2年前から右乳首から時折出血がありました。乳腺外来で、マンモグラフィーで見てもらいましたが、異常は見つからず、しこりもなく、医師からは、1年後、検診を受けるように言われました。その後も時折、特に重い荷物を運んだときや生理前など出血がありましたが、自分で触診していてもしこりは見当たりませんでした。一年経った今年の四月、夫の転勤で神奈川県に転居したので、別の病院で見てもらいましたが、マンモと乳菅造影剤でも原因がわからず、3ヵ月後に再診するように言われました。そして7月、自分で乳首に硬いしこりを見つけ、早速、病院で日帰り手術で切除してもらいました。手術中に、切除した4ミリ程度のしこりを病理検査に出して、転移性の無い早期ガンということで、乳首もちゃんと残っています。しこりも小さく、発見が早くてよかったといわれましたが、自分では、2年間も血が出ていたので、決して早いとは思わないし、右腕になんとなくしびれた感じがずっとあったので、もう別のところに転移しているのではないかと心配なのですが、お医者様は、患部も多めにとったし、転移性も無いから全身検査も、放射線治療の必要も無いとおっしゃいます。本当にこれで大丈夫でしょうか? また、乳首に出来ていたのに、検査で造影剤を入れた際に悪い細胞が広がったのでは?と、素人考えですがいろいろ不安です。右腕のしびれも関係ありますか?どうぞよろしくお願いします。

転移性のない早期がんということで、おそらくがんが乳管の中に留まっている非浸潤性乳管がんであったと思われます。乳管の外に出ていないので、リンパ節や他の臓器に転移することはなく、病変部の切除で治るものです。通常乳管の外に出て浸潤性乳管がんになるまで数年はかかるといわれていますので、2年の経過でも決して長いものではありません。非浸潤性乳管がんの場合、通常全身検査は必要とせず、切除後の放射線治療は病理検査の結果を考慮した上で決定します(必要ないと判断されたのだと思います)。造影剤によりがん細胞が広がることはありませんし、右腕のしびれも関係ないものと思いますので、御安心ください。今回の御病気は早期発見によりしっかり治ったと思われますので、今後は定期的に検診をお受けになればよいでしょう。 (文責 加藤)

 

No.1707】 03年08月02日 yoko
術後の治療と状態について

私は42歳、(去年の)9月に乳癌の全摘出手術をしました。進行度は一期の初期で、癌の大きさは2センチ弱が一番大きかったようです。そのまわりにもいくつかの癌があると聞きました。リンパ節転移は腋こう、鎖骨下もマイナス。ホルモン依存性はエストロゲンがマイナス、プロゲステロンがプラス。組織型は浸潤癌、乳頭。脈管侵襲でリンパ管が1プラス、静脈が0ということでした。私も説明されても良く分からず、癌であることだけうけとめていたのですが、先生のお話だと温存ではなかったために全て取りきれていることや、ホルモンがあまり関与していない癌であること。そして一番良かったのはリンパへの転移がなかった事が幸いしていたので、「抗がん剤や放射線治療、ホルモン剤治療も必要ないでしょう。」と言われ毎月健診には必ず行っていますし、3ヶ月に一回腫瘍マーカーやレントゲンも行ってもらって、今のところ異常なしという状態です。私としては非常にありがたい事なのですが、こういう治療方法もあるのでしょうか?またべつの話ですが、家に帰り、小さい子供がいる為に手を酷使してしまい、退院した頃より手が挙がらなくなって、痛みを覚えるようになってので、再発かと思い整形に行って診てもらったら「四十肩」と言われてしまい、退院した頃の運動をこまめにやってくださいね!と言われてしまいました。特にこの不安定な天気の時期に調子が悪く困っています。こんなことってあるのでしょうか?どうぞよろしくお願いいたします。

St.GallenのConferenceによれば、ER and/or PgR陽性で、リンパ節転移がなく、年齢や腫瘍径などからminimal/low riskというグループになり、補助療法無し、またはTAM(抗エストロジェン剤)が推奨されることになります。ですから補助療法なしで経過観察という選択肢もあるわけです。プロゲステロンレセプターが陽性とのことで、ある程度ホルモン治療も有効な可能性があります。
季節の変わり目とか梅雨時に腕や肩の関節が痛んだり、動きが以前より悪くなることは再発とは関係なくよくあることです。整形外科の先生がおっしゃるようにリハビリの運動をこまめにやっていただくのが大事かと思います。(文責 片山)

 

No.1706】 03年08月01日 M.T
今のところ治療法は無いと言われました

44歳、既婚、子供2人、流産2回。よろしくお願いします。5年前から両乳房の外側が痛みだし、生理前になると張って、特に痛みます。昔から平らな餅のような大きなしこりはありましたが、検診などで異常なしと言われていたので 特に気にしていませんでした。最近、何もないのが普通だと訊き驚いています。4月、A病院外科を受診、触診とレントゲンで乳腺症と診断されましたが、定期的な受診も必要ないでしようと言われました。同月、B病院乳腺外科を受診、超音波検査で乳腺症と、左乳房外側に乳腺のう胞0.3×0.6がありました。「大きくなったら針を刺して細胞検査をしましょう。一年に一度の検診でいいと思いますよ。小さいので治療法はありません。」との事でした。将来、大きくなったり、癌になったりするのではと不安もあり、他院への受診を考えています。できれば小さいうちに切除してほしいのですが・・・。

乳腺症の一つの表れとしての乳腺嚢砲症が将来大きくなることはありますが、癌化することはまず無いと思います。ケースバイケースと思いますが、0.3×0.6(cm?)のしこりに針を刺して細胞診の検査をするのは至難の業だと思います。切除は主治医の方針と本人の希望によると思いますので、よく相談なさって下さい。(文責 片山)

 

No.1705】 03年08月01日 H.J.
胸水の貯まる原因について

私の親戚が乳癌の癌性胸水にて入院中です。胸水の貯まる原因について教えてください。また、血行性転移なのか、リンパ行性転移なのかも教えてください。

癌が胸腔内に進展し、リンパ液が逃げ場を失って溢れ出してきたためと考えられます。リンパ行性転移の可能性が高いと思われます。(文責 片山)

 

No.1704】 03年07月31日 M.H
陥没乳と石灰化病変

31歳。出産経験有(11ヶ月の子)。自覚症状は全くないのですが、総合検診を受けました。結果「超音波は所見なし」「マンモグラフィーで両胸に石灰化病変」。紹介状を手に乳腺外来に行きました。石灰化病変は両胸、広範囲のようです。先生は細胞診(?)をすすめようとしていたようですが、胸を診て「陥没があるんだね」「だったら様子をみましょう。」とおっしゃり、胸も柔らかくシコリもないので3ヵ月後の再診となりました。陥没乳だと石灰化しやすいということなのでしょうか?また、先生はカフェインの摂取を控えるようにとおっしゃいました。カフェインは乳腺症によくないのでしょうか?それとも乳癌によくないのでしょうか?どちらの(乳腺症と乳癌)可能性があってカフェイン摂取を制限したのかが知りたいです。結局病名を告げられなかったので・・・。私も、癌かも知れないんだという気持ちで頭の中が真っ白だったので、聞き逃してしまいました。申し訳ありません。宜しくお願いいたします。

没乳頭だから石灰化が多いということはないと思います。実際に画像を見ていないのではっきりしたことは申し上げられませんが、主治医の先生は乳腺症による石灰化像とお考えになったのだと思われます。FDA(米国食品医薬品局)によれば、乳腺症、乳癌とカフェインとの関連は証明されていないということになっています。(文責 片山)

 

No.1703】 03年07月31日 S 
乳首からの分泌液

乳首から白と透明の液が出て、たまに激しいかゆみと乳房の張りがあります。28歳で、出産の経験はありません。20歳の頃から子宮内膜症と卵巣脳腫と診断されて、最近では癒着が原因で下腹部が痛みます。これまでにプラノバールやナサニール等のホルモン治療をし、現在はアンジュ28を飲んでいます。薬等との関係はあるのでしょうか?

アンジュ28の副作用としては吐き気、乳房痛、頭痛、不正出血などがあるといわれますが、乳頭からの分泌物やかゆみは記載がなく、他の原因が考えられます。一度乳腺外科を受診されることをお勧めします。(文責 片山)

 

No.1702】 03年07月31日 Y
再発の心配について

68歳です。昨年秋に右胸のリンパ節を含む全摘をしました。二期とのこと、腫瘍は4センチ弱、ホルモン感受性なし、HER2が3+、リンパ転移なし、CMFを6クール。再発が気がかりです。二期の5年生存率70パーセントと聞いております。HER2強陽性の場合、生存率はとても少ないのでしょうか?再発を防ぐ術はないのでしょうか?

5年生存率70%というのはとても少ないということではなく、生存される方のほうが多いということです。CMFをされたということで、再発率は25%下げられたと考えます。(文責 片山)

 

No.1701】 03年07月31日 Y・H
術後の療法について

7/3に右摘出した38才、閉経前です。子供は1人おります。以下のご相談をお願いします。
病理の結果を聞いたところ、通常型の硬がんとのことで、病理診断は以下の通りでした。
f, ly3, v0, n(+)「1/5」
大きさ:25mm×13mm ・ 広がり:f (+)・ 脈管侵襲:ly3, v0 ・ 断端:頭側断端にリンパ管侵襲あり。
リンパ節:Level-T(0/3) Level−U(0/3)  sentinel (1/2)
「microscopic grading」
tubule formation:3 nuclear pleomorphism:3 mitotic count:3

近日、この内容での先生のアドバイスがいただける予定ですが、この場合、治療としてどのような方法が考えられますか?抗がん剤等、副作用が心配でしたので、先に相談させていただきました。硬がんはとても良くないとのことで、心配です。このような結果の場合の5年、10年の生存率はどのくらいでしょうか? また、上記アンダーラインの部分の意味が分からないので教えてください。以上よろしくお願いします。

ホルモンレセプター状況が不明ですので明確にはお答えできませんが、陰性の場合は化学療法、陽性の場合は化学療法+ホルモン療法ということになると思います。組織学的には浸潤性乳管がんのとき、乳頭状腺管がん、充実腺管がん、硬がんの要素のうちどれが一番多いか、ということを目安としており、硬がんイコール悪いということではありません。5個のリンパ節を調べたうち、一個に転移が認められ、悪性度はやや悪いということを意味しており、5年生存率は80%前後と考えられます。(文責 片山)