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相談室(No.3201〜3300) |
このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。ご相談内容は info@kbcts.gr.jp まで、メールでご連絡下さい。なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。
当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。
目 次
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No
日 付
名 前
件 名
担 当
3300 04/12/18 S 「癌細胞あり」と言われました 首藤 3299-1
3299-2
3299-304/12/18
04/12/21
04/12/25T.A 再発乳がんのリンパ節転移
再発乳がんのリンパ節転移(2)
再発乳がんのリンパ節転移首藤
須田
須田3298-1
3298-2
3298-304/12/18
05/01/10
05/01/15H・S クラスV
クラスV その後について
摘出生検の結果がでました首藤
千島
徳田3297 04/12/18 zuzu タキサン系とハーセプチン(HPNo.2845-7) 首藤 3296 04/12/18 T.T. エコーとマンモグラフィー 首藤 3295 04/12/17 T.T アレディアについて 首藤 3294 04/12/17 T.F. 胸筋へ浸潤している乳癌 首藤 3293 04/12/17 TK ホルモン感受性と予後について 首藤 3292 04/12/17 T.A. 乳腺症・乳腺のう胞・乳腺乳瘤について 首藤 3291 04/12/17 A.Y. 授乳中の乳房の痛みと分泌物について 首藤 3290 04/12/17 TM 授乳中のしこりについて 首藤 3289-1
3289-204/12/17
05/02/10M.T. アメリカでの治療
アメリカでの治療(2)首藤
吉田3288 04/12/17 M.K. 脇の下のしこりについて 首藤 3287 04/12/17 OS 右乳首のしこりについて 首藤 3286 04/12/17 M.W. 抗がん剤の副作用について 首藤 3285 04/12/17 グンスポ 術後の化学療法について 首藤 3284-1
3284-204/12/17
04/12/18Izumi 取り残しの可能性
取り残しの可能性(2)首藤
首藤3283 04/12/16 K 充実腺管がん 首藤 3282 04/12/16 F.H. 乳腺線維腺腫について 首藤 3281 04/12/16 Y.H 右乳房の腫瘍に痛みがあります 首藤 3280 04/12/16 Y.N. 男性乳ガンの可能性 首藤 3279-1
3279-2
3279-3
3279-404/12/15
04/12/21
05/01/31
05/04/12S.I. 肝臓転移について
肝臓・骨転移について
局所再発
抗がん剤終了後首藤
須田
川本
首藤3278 04/12/15 IY 再発防止目的の卵巣機能抑制について(HPNo.3172-2) 首藤 3277 04/12/15 K.K. 健側の自己検診について(HPNo.3122-7) 首藤 3276 04/12/15 YN 再検査 首藤 3275-1
3275-2
3275-304/12/15
05/02/08
05/03/30まこ 微細石灰化カテゴリー3
石灰化の場所が痛むことはあるのでしょうか?
分泌物について首藤
矢吹
清水3274 04/12/14 S 非浸潤癌の治療について 清水 3273 04/12/14 T.O 腫瘍マーカー、ホルモン注射について(HPNo.2381-3) 清水 3272 04/12/14 k 乳首のかゆみについて 清水 3271 04/12/14 uji 乳頭からの出血 清水 3270 04/12/14 Y.N 二つの診断結果(HPNo.2983-2) 清水 3269 04/12/14 ISHI 今後の治療に関して 清水 3268 04/12/14 K.M. 術後の治療方法について 清水 3267-1
3267-2
3267-304/12/14
05/01/09
05/03/30Y.I. 手術後の補助療法について
手術後の化学療法について
術後の化学療法について清水
千島
清水3266 04/12/14 M.M. 化学療法の無作為臨床試験 清水 3265 04/12/14 H.I 骨転移では? 清水 3264 04/12/14 K.O. 術後補助療法について 清水 3263 04/12/14 Y.Y. 乳腺線維腺腫 清水 3262 04/12/14 K ホルモン療法(HPNo.3113-4) 清水 3261-1
3261-204/12/13
04/12/26N.N 進行した乳がんと言われたら
治る見込みのない乳房切除について清水
須田3260 04/12/13 M.Y. タモキシフェンの服用量と副作用 清水 3259 04/12/13 daka 妊娠初期のマンモについて 清水 3258 04/12/13 H 病理検査の結果について(HPNo.3048-2) 清水 3257 04/12/13 T.S. ホルモン療法の第2選択について 清水 3256 04/12/13 S.K 両乳房のかゆみとただれについて 清水 3255 04/12/12 K.T. 骨転移について(HPNo.3067-2) 清水 3254 04/12/12 N.A 乳がんの肺転移について 清水 3253-1
3253-2
3253-3
3253-4
3253-504/12/12
05/01/11
05/02/04
05/03/06
05/06/25E.A. 妊娠中の非浸潤性癌、産後の治療について
妊娠中の乳癌について
手術から放射線治療の期間について
非浸潤性の骨転移について
フェアストンについて清水
徳田
川本
石山
石川3252 04/12/12 さき 胸部レントゲン写真について 清水 3251 04/12/12 A.M. 授乳中の無痛性のしこりについて 清水 3250 04/12/12 K.O. 乳腺線維腺腫の疑いと乳腺のう胞症 清水 3249 04/12/12 M.S. ゾラデックスとリュ−プリンの違いについて(HPNo.3193-2) 清水 3248 04/12/12 N 左右の乳頭の状態について 清水 3247 04/12/12 Y.M. パジェット病について 清水 3246 04/12/10 zuzu 肋骨転移とハーセプチン(HPNo.2845-6) 清水 3245-1
3245-204/12/09
04/12/24M.I. 2度のクラスXと手術結果について
病理結果について清水
須田3244 04/12/09 NA 初めて検診を受けました 清水 3243 04/12/09 QQT 手術後の膿について 清水 3242-1
3242-204/12/09
04/12/18A.T. のう胞について
のう胞について(2)清水
首藤3241 04/12/09 Y.I. 乳がん検診結果について 清水 3240 04/12/09 A.K わきの下のしこりについて 清水 3239 04/12/09 CO アリミデックスの副作用について(HPNo.3127-3) 清水 3238 04/12/09 N 乳房異常と腰痛の関連 清水 3237 04/12/09 M 癌の進行速度について 清水 3236 04/12/09 K.K. 放射線について(HPNo.3122-6) 清水 3235 04/12/06 K.K. 補助治療について(HPNo.3122-5) 鈴木 3234-1
3234-204/12/06
04/12/09S.T. 乳癌による転移は考えられますか?
病理診断について鈴木
清水3233 04/12/06 N 左脇の下から肘にかけて違和感があります 鈴木 3232 04/12/06 クローバー 骨転移について 鈴木 3231-1
3231-204/12/06
04/12/10Miwa 母の乳癌について
母の乳癌について(2)鈴木
清水3230-1
3230-204/12/05
04/12/06k m カテゴリー5
カテゴリー5(2)鈴木
鈴木3229 04/12/05 SUZUKA 胸全体に痛みがあります 鈴木 3228 04/12/05 M.F. 術前化学療法後のセンチネルリンパ節生検について(HPNo.2972-2) 鈴木 3227 04/12/05 K.K. CAF6クールを終えました(HPNo.3113-3) 鈴木 3226 04/12/05 KK 抗がん剤治療のサイクル(クール)数について 鈴木 3225-1
3225-204/12/05
04/12/12YY 乳ガン手術法の選択と予後
センチネル生検で転移を見逃した場合鈴木
清水3224 04/12/05 M.I. 胸のしこり 鈴木 3223 04/12/05 A・T 全摘でも胸膜にしこりができますか? 鈴木 3222 04/12/05 Izumi 抗がん剤について 鈴木 3221-1
3221-204/12/05
04/12/18A.A. 術後補助療法について
首の付け根のしこりについて鈴木
首藤3220-1
3220-204/12/03
04/12/06H.I. 乳頭からの血性分泌だけですが・・・
乳頭からの血性分泌だけですが・・・(2)鈴木
鈴木3219 04/12/03 Y マンモグラフィの検査結果 鈴木 3218-1
3218-204/12/03
04/12/09R.M. 石灰化のみられるしこり
石灰化のみられるしこり(2)鈴木
清水3217 04/12/03 K.H. 乳腺腫瘤について 鈴木 3216 04/12/03 K2 しこりについて(HPNo.3162-2) 鈴木 3215 04/12/03 K.Y. 放射線治療後について(HPNo.3187-2) 鈴木 3214 04/12/03 A.K. 粘液を産生する癌について 鈴木 3213 04/12/03 K.I ホルモン療法(卵巣への放射線)について 鈴木 3212-1
3212-204/12/03
05/03/01MOMO 薬に弱い体質の補助療法について
薬に弱い体質の補助療法について(2)鈴木
石川3211 04/12/02 MS 複数個のしこりについて 鈴木 3210 04/12/02 T, Y 乳管内乳頭腫なのですか? 鈴木 3209 04/12/02 T 妻の健康診断結果について 鈴木 3208 04/12/02 TH 乳首下の痛みについて 鈴木 3207 04/12/02 A 生検後について 鈴木 3206 04/11/30 A.K 石灰化について 加藤 3205 04/11/30 K.K. 肝転移のラジオ波焼灼 加藤 3204 04/11/30 T.N. 左脇の下の痛みについて 加藤 3203 04/11/30 K MRI検査について 加藤 3202 04/11/30 IW 左乳腺腫瘤の疑いと言われました 加藤 3201 04/11/30 T.K. 乳首の変色について(パジェット?) 加藤
【No.3300】 04年12月18日 S
「癌細胞あり」と言われましたはじめまして。突然ですが、相談させて頂きたくメール致します。私、41才の主婦です。今年の初め、右側乳房の脇近くにしこりを見つけました。1cm位だったと思います。2月の初めに総合病院で診察して頂いた所、乳癌ではないとの事でした。マンモグラフィーと超音波、触診でした。念のため半年後にまた診ましょうとの事。ちょっと遅れて9月に行った所、触診で大丈夫そうだから、超音波だけで良いでしょうと言われ、超音波検査。2週間後に検査結果が出ますと言われましたが、諸事情の為、11月に聴きに行った所、しこりが大きくなっているので、全部採ってしまうか細胞検査をするかと、選択を迫られました。全部とってしまうと、癌だった場合、後の治療が難しくなると言われ、細胞検査を選択。2週間後の結果で、癌細胞ありと言われました。そのままマンモグラフィーと肺、腹部のX線を撮り、明日CT、MRの検査を致します。主治医は今年中にも手術をした方が良いと言っております。最初から癌細胞だったのではと思ったり、こんなに時間が経ってしまって転移しているのではと思うと、心配でなりません。また、家族は他の所でもう一度検査したらどうかと言っております。他の所で陰性と出る事があるのでしょうか?何も判らないので、お答え頂けたら幸いです。
癌細胞あり、と診断された標本を他の施設にSecond Opinionとして借りることは可能でしょうが、おそらく細胞の診断に差があっても「異型細胞」「癌の疑い」レベルの診断と思います。これらの場合でも確定診断としてはやはり切除術が必要となってくる可能性が高いと思います。 (文責 首藤)
【No.3299-1】 04年12月18日 T.A
再発乳がんのリンパ節転移79歳の母が、5月に12年目の乳がん再発(25mm位のスキルス)で乳房とリンパ節切除をしました。術後検査で、転移は近いところのリンパに一つありました。術後治療は、高齢のためと、これ以上転移の可能性が低いということで、抗がん剤、放射線治療はやらず、ホルモン療法のみでした。3ヵ月後にCT検査で異常なく、7ヶ月目にCT→MRIで、リンパ節に転移があるとのことです。今度の転移での治療は、抗がん剤と放射線治療とのことです。切除は手が上がらなくなる可能性があるので、やらないほうが良いとのこと。高齢であることや副作用を考えると、この治療方針について迷いがあります。
1)抗がん剤と放射線治療は、延命(治癒)効果がどの位期待できるものでしょうか。
2)切除したら、どのような問題がありますか。
3)痛みを和らげるなどのほか、何もしない場合の余命はどの程度ですか。
お手数かけますが、ご意見をお願いいたします。12年目の乳癌再発とのことですが、部位は同側乳房ですか? とすると12年前に温存術を受けられたということでしょうか。近いところのリンパ節とは「センチネルリンパ節」かと推察いたします。
1) リンパ節転移のある乳癌に対する化学療法の有効性はすでに認知されていますが、基本となるデータは70才以下の方々を対象としたものです。お母さまの場合、ホルモンレセプタ陽性の癌であると思いますが、腫瘍のハーツー遺伝子の状況も分かれば、今後の薬剤の選択肢が拡がるかもしれません。
基本的に高齢者の初発乳癌に対する治療ということで述べさせていただくと、リンパ節転移陽性の場合でもホルモンレセプタが陽性であれば、第一にホルモン療法となります。おそらく今回はアリミデックスやアロマシンといったアロマターゼ阻害剤が処方されていると思います。高齢者に対する術後化学療法は、もっとも有意義なのは基本的にホルモンレセプタ陰性の場合で、レセプタ陽性の場合の化学療法は、たとえリンパ節転移があってもその意義は少なく、ホルモン療法が第一選択となります(Diseases of the Breast 3rd Ed Lippincott pp1333)。
放射線治療はおそらく腋窩リンパ節郭清の代わりとして行うものですから、切除・放射線療法共に基本的に延命効果とは関係ありません。7ヶ月後の検査が腋窩リンパ節なのか、それともどこか離れた場所のリンパ節なのか分からないのですが、遠隔転移としても、やはり内分泌療法がFront Lineとなります。
2) 切除=腋窩リンパ節郭清 ということだとすると、一般的には腕の挙上にリハビリが必要なことと、郭清の範囲や、個人差によりますが腕のむくみなどが後遺症として考えられます。
3) 具体的な数字をお答えするのは困難だと思います。ただしお母様の場合、前述のごとくホルモン療法を1st LineとすればQOLにそれほどの負担もかからず、かつある程度の効果が期待できると思います。(文責 首藤)
【No.3299-2】 04年12月21日 T.A
再発乳がんのリンパ節転移(2)No.3299ご回答、心からお礼申し上げます。こちらの情報不足でしたので、もう少しお知らせして、質問もさせていただきます。12年前が右乳房・リンパ節・筋肉切除、5月の再発は左乳房・リンパ節切除(術後検査でリンパ内転移1つ)(筋肉を温存)、12月に左の腋に転移有りです(母が触っても分からない大きさ)。5月からの術後ホルモン療法薬はアリミディックスです。その他に服用の薬として、10年程度前から高血圧、コレステロール、めまい、不安、5月からリウマチ薬です(ステロイドのプレドニゾロンは0.5錠でしたが、転移があってからは中止です)。
当方としては癌の進行を遅らせ、QOLをある程度確保する方向であれば、あえてここから化学療法によるダメージを避けたいし、代替療法も取り入れることも考えて迷っています。質問ですが
1) 転移があったことはホルモン療法で抑えきれなかったと考えますが、今後好転する可能性はどの程度でしょうか。
2) 79歳の高齢者が転移(二つ目)の現状で、「レセプタ陽性の場合の化学療法は、たとえリンパ節転移があってもその意義は少なく・・・」との回答でした。これは化学療法をしても効果が薄いと解釈しましたが、だとすれば母に対する化学療法はどんな意味を持つのでしょうか。メリットとデメリットをどう考えたらよいでしょうか。
3) 転移部位の腋窩リンパ節郭清をしないで抗がん剤・放射線をするメリットはなんでしょうか。
4) HER2過剰発現が確認された転移性乳癌にハーセプチンという薬の情報がありましたが、血清HER2タンパク測定は地方総合病院でも可能でしょうか。
お手数を掛けますが、よろしくお願いします。1) 12年前の右乳癌の左乳房再発という事ですが、異時性の多発乳癌、つまり12年前は右の乳癌で、今回は新たに左に乳癌が発生したという事ではないでしょうか。また、お母様の場合アリミデックスを使用していたとの事ですので、おそらくホルモンレセプター陽性の癌だと思われます。残念ながら12月に腋窩に転移とありますので、アリミデックスでは抑えきれなかったという事だと推測されます。アリミデックスに抵抗性の転移性乳癌に関して、アロマターゼ阻害薬の中でもアロマシンが有効との報告があります。病状安定以上の奏効率が24.3%あり、試してみる価値があるかもしれません。
2) ホルモンレセプター陽性であれば、一般的には、まず第一選択としてホルモン療法から行います。ホルモン療法も第一、第二、第三とあり、それでも効果がないときは、化学療法へと移行していく事になります。
3) 5月に「左乳房・リンパ節切除」との事ですので、おそらく腋窩リンパ節はすでに郭清しているのではないでしょうか。郭清を行った後に再発が起こっているとすれば、局所には放射線治療で、全身的には内分泌化学療法ということになると思います。
4) HER2に関してですが、たとえその病院では無理であるとしても、検査機関に依頼すれば測定可能だと思いますので、主治医にご相談下さい。HER2蛋白(3+)又は(2+)であれば、ハーセプチンの使用が可能になります。 なお、代替療法についてですが、現時点では乳癌治療において代替療法を推奨するだけの科学的根拠がありません。(文責 須田)
【No.3299-3】 04年12月25日 T.A
再発乳がんのリンパ節転移(3)HPNo.3307,3299でご回答を頂き整理がついてきました。深謝いたします。ここで代替療法については科学的根拠がない(論文などの発表がないことだと思いますが)ことで選択の余地がないように感じさせられました。しかし母のように健康的に衰えた高齢者のQOL(生活の質)維持を含めて考慮した場合、免疫を強化して延命を図ることは、重要だと思えてなりません。たとえば発病前(まだ進行しない)癌があるならば、そこには発病(または進行)を抑えている免疫の力を感じますし、化学療法のなかでも現状の抗がん剤、放射線については癌を叩くと同時に酷く免疫をも叩くデメリットを感じます。免疫療法なども始まっている今日、このような色々な治療法によるメリット、デメリットを知り、比重を何に置くかという本人の人生観も含めた総合的見地からの医療の選択をしたいものですがいかがでしょう。ご助言を頂ければ幸いです。
2004年度版日本乳癌学会編の「科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドライン 薬物療法」によりますと、代替療法について以下のように解説されています。
「いわゆる民間療法は、ある種の植物や人工合成物の服用、気功や運動療法等、様々なものが宣伝されていて、120種以上あると言われている。そして普及率48〜87%との調査もあるように、癌患者の多くがこれらの治療を取り入れている。経済的にも莫大な費用がつぎ込まれ、2000年の国内の漢方市場だけを取り上げても実に2兆円を越えると報告されている。乳癌治療においても、代替医療は患者主体に行われ、医療現場と無関係な事も多く、その実態を十分把握できないのが現状である。しかもその使用根拠がはっきりせず、効果、安全性が明確になっていない。科学的根拠に基づいた情報としての代替医療を検証した結果、現在のところ、乳癌において代替医療を推奨するだけの根拠がない。」とあります。
我国で乳癌治療を行っている大部分の医師は、この乳癌診療ガイドライン(薬物療法)に沿って、患者さん又はご家族に説明をしているのが現状です。ただし、ガイドラインの中にも書いてあるように、がん患者の多くの方が、この代替療法を取り入れているのも、また現状です。場合によっては治療の妨げになり事もありますので、使用する場合は、主治医と十分ご相談下さい。(文責 須田)
【No.3298-1】 04年12月18日 H・S
クラスVはじめまして。今、大変動揺しております。うまく説明できるか不安ですが、書きます。7月に町の健康診断で右胸に2カ所に小さなしこりがみつかり、超音波とABCとかいう注射器で細胞をとる検査をしました。結果はクラスU。3ヶ月後にまた検査をと、少し遅くなりましたが11月に再診し、またABCをやりました。結果はクラスV。マンモグラフィーは、生理前だったからか、うまくとれなかったようです。近日、造影剤を使ってのMRIをとります。そして1/4に生検します。実際に摘出になります。目下の心配は、造影剤の副作用と生検についてです。その先の事は結果がでてから考えようと思います。また、もし癌で手術する場合、お金はいくらくらいかかるものなのでしょうか。教えて下さい。神奈川県・33歳・既婚・子3人。
MRIの造影剤はマグネビストなどが一般的で、軽い副作用(背部痛、熱感、発疹、悪寒、頭痛、鼻出血など)が0.1〜1%の頻度です。非常に稀ですが、ショック様症状も報告されています。
乳癌手術を目的とした入院費用は、おおざっぱですが手術保険点数約23000点を含んで入院期間8日として、おおよそ合計保険点数 6〜80000点=6〜80万円 の3割負担となります。(文責 首藤)
【No.3298-2】 05年01月10日 H・S
クラスV その後について先日、先生より返答頂きました。ありがとうございました。心配した造影剤の副作用は軽い熱感のみでホッとしました。さて、四日に生検を受けてきました。13日抜糸、18日検査結果を聞きに行きます(13日にわかるようなら、その時に教えて下さるようですが)。今はもう祈るしかない状態です。実際、摘出したものは、クリーム色の1pX2pくらいのものと、手術中に爪にカチっとひっかかるような?触れ方をしていた固い感じの3〜4ミリの粒状の血のかたまりのようなものの合計二つを術後に見せてもらいました。
今後についてお聞きしたいのですが、良性だった場合は今後も注意深く様子を見る事になるでしょうが、悪性だった場合の今後の流れを知りたいのです。MRIに写っていなかったと言うことは転移は無いということでしょうか? クラスVの時に悪性である確率はどのくらいなのでしょうか?
担当医に以前聞いた時、「もし悪性で乳癌となった場合、脇の横のリンパは必ず取ってしまわないと・・・との事でしたが、たぶん温存で乳房は残せるでしょう。」との事。内視鏡的手術というものも方法としては存在するようですが、実際にできるのは限られているのですよね(しこりの場所・実施している病院)? もし今回、生検で全部が取りきれてるなら、リンパだけ取る手術ですむのか、また乳房を切開する必要もあるのでしょうか。術後、何日ほどで日常生活に戻れるものでしょうか。家事や車の運転など・・・。もうママさんバレーのようなスポーツは出来なくなってしまうのでしょうか。良性である事を祈りつつ、悪性だった場合の事もある程度つかめていた方が気持ち的に安心できます。いろいろとお聞きしましたが、どうぞよろしくお願い致します。ご説明いただいた摘出標本の状況からは、良・悪性の判定は難しいと思います。細胞診でClassVの場合、施設によっても多少異なりますが、乳癌である可能性は30〜50%位です。乳房のMRIは乳房内の病変に対して行っている検査なので、転移の有無に関しては診断できません。全身転移については「乳癌」の診断がついてから、他の検査法を用いて行うこととなります。もしあなたの腫瘍が悪性であった場合、切除断端まで癌が及んでいれば改めて乳腺の追加切除を行う必要がありますが、今回の手術で癌が完全にとりきれているようならば、手術ではなく放射線照射で代用できる可能性もあります。リンパ節切除に関しては、病変が利き腕側の右であり、ママさんバレーをされているということを考えれば、センチネルリンパ節生検法という新しい手術法を試してみるのもひとつの選択肢だと思います。この方法も、現時点では標準治療ではなく医学研究の段階なので、施行可能な医師、施設に限定があります。もし「追加手術」が必要となれば、この手術を受けることが可能かどうかを主治医に尋ねてみてください。いずれにしても、現段階では乳癌と決まったわけではないので、組織結果が出るまでは過剰な心配を避けて、できるだけ心身ともにリラックスする用に心がけてください。(文責 千島)
【No.3298-3】 05年01月15日 H・S
摘出生検の結果がでましたHPNo.3298でお世話になりました。摘出生検の結果、良性と診断が出て、本当は飛び上がって喜ぶべきなのでしょうが、@診断の結果が、「悪性ではない」というもので、病名のようなはっきりしたものが無いこと、A乳腺外科ではなく、小さな町立病院の外科医であること(しかも若い)、Bしこり付近の全てを摘出した訳ではなく、部分的に切ったと言われたことが心配で、またこちらに相談にきました。取り残しのしこりは無いはず、とのことでしたが・・・。
「専門の病院でセカンドオピニオンを考えたらいいのか悩んでいます。」と言った時に、「気持ちは分かりますよ!でも今は切ったばかりで触診判断は無理だし、1ヶ月後超音波で見てから、必要があるようならセカンドの準備をしますよ」と、前向きだったことには救われました。嫌な顔されたらどうしよう、と心配だったので・・・。「でもセカンド行くつもりなら、生検の前だったら良かったね」とのことで、ちょっとガックリ。もう既に遅しですよね。生検したあとでは、セカンドはあまり意味がないのでしょうか? もしかして転移していたらと思うと、良性でも手放しに喜べません。でも、しこりが無い以上、調べる方法がないのですよね? 次の超音波まで1ヶ月。その間に転移することはないのでしょうか。クラスVの摘出生検の良性は信じていいものなのか、教えて下さい。切除後でも他の医師に相談することはかまいません。術前の画像、切除した病理組織のスライド、報告書をかりて、受診してはいかがでしょうか。(文責 徳田)
【No.3297】 04年12月18日 zuzu
タキサン系とハーセプチン(HPNo.2845-7)心のこもった回答ありがとうございました。HPNo.3246で相談させていただいた者です。引き続き相談させていただきます。よろしくお願いいたします。
1) 腫瘍径は13×11pと、主治医から頂いた資料にはそう記入されています。何がどう変なのか教えて下さい。
2) 5月31日〜8月4日までCEF投与(3クール目からPamidronate併用)4クール。Pamidronate投与は予防的投与でした。局所再発は左乳房全摘した箇所の皮膚再発で、今回CEF再開、3クール後、骨シンチで右肋骨転移2ヶ所と左肩甲骨転移1箇所です。
3) 術前治療でpaclitaxelは3クール(3週投与1週休む/120r×3)でした。necrosis状態になり(1月28日〜4月8日まで投与)5月11日の手術日まで出血、膿、痛みに非常に苦しみました。paclitaxelの効果はあったのでしょうか?
4) ハーセプチン ハンドブックによると、「タキサン系抗がん剤を投与するときは、ハーセプチンの後に点滴します(6ページ参照)」と説明があります。現在、私はタキソールの後にハーセプチンを点滴しています。主治医に質問すると、明快な回答を頂くことが出来ませんでした。この順序でも大丈夫でしょうか?
5) 上記で説明しましたようにPamidronate投与は予防的投与をしたにもかかわらず、短期間で骨転移が発見された現時点で、再度Pamidronateを今回投与するメリットはあるのでしょうか? これに変わる薬があれば教えて下さい。
6) 皮膚再発した所が痛みます。出血、膿がひどいです。 @フランセチンパウダー+アズノールゲンタシン、 Aプロスタンディン軟膏 のどちらを使用すればより効果的でしょうか?
*12月6日タキソール(250)、ハーセプチン(250)、Pamidronate(500)
*12月15日タキソール(250)、ハーセプチン(250)投与しました。
アドバイス宜しくお願いいたします。1) HPNo.3246拝見しました。おそらく単位がcmかmmかが分からなかったということでしょう。
3) 術前化学療法の効果は、切除した癌細胞のダメージを病理組織学的に判定することができます。日本乳癌学会発行の乳癌取り扱い規約で「組織学的効果判定基準」というものがあり、Grade 0〜3までに分類されています。その結果を主治医の先生に伺ってみてはどうでしょうか?
4) ハーセプチンとパクリタキセル併用療法の第V相臨床試験ではハーセプチン投与直後にパクリタキセルが投与するようにデザインされ、その結果安全性が認められているわけですから、ご指摘の如くハーセプチン→タキソールの順番で行うのが正しいと思います。
5) Pamidronateの性格として、抗癌剤のように直接癌細胞を叩くわけではなく、破骨細胞(もともと骨に存在する正常な細胞で、骨を溶かす細胞)の働きを抑えるものですし、臨床的にも鎮痛作用があるわけですから、化学療法との併用で、ある程度のメリットがあると思います。
6) どちらも効果的と思いますが、アズノールゲンタシンのように抗生剤の含まれたものは長期使用で皮膚炎などを起こしやすいので、皮膚の保護という観点からはアズノール単独をおすすめします。(文責 首藤)
【No.3296】 04年12月18日 T.T.
エコーとマンモグラフィー先日乳がん検診でマンモグラフィーをとってもらい、写真を見ると、左乳房に何かしこりのような丸い跡が見つかりました。先生がエコーをとってくれましたが、「エコーでは見つからないですね」とのことで、「良性だろうから心配ないが、念のために3ヵ月後にまた検診に来るように」とのことでした。マンモグラフィーには跡が見えるのに、エコーではしこりが見つからないというのは、どういうことなのでしょうか。また、良性という事はどうして判断されたのでしょうか。触診しても、骨としこりの区別がつかず、自分ではよくわかりません。お答えをいただけたら幸いです。
実際に左乳房内に何もなくて、マンモグラフィでは丸いものが見えて、かつ超音波では異常ない、ということであれば、乳腺の重なりで一見腫瘤のように見えたのかもしれません。乳ガン検診マンモグラフィは一部の地域では2方向とるのですが、1方向のみの撮影では一見腫瘤のようにみえても実際は乳腺が重なって強調されたものと、真の腫瘤像との鑑別が困難なこともあります。したがってDrのコメントも「良性腫瘍だろう」ということではなく、「異常ない」というニュアンスであったと推察されます。(文責 首藤)
【No.3295】 04年12月18日 T.T
アレディアについてアレディアについてお尋ねしたいのですが、よろしくお願い致します。アレディアの点滴を2週に1回受けるのと、4週に1回とでは量は同じでも何か違いがあるでしょうか。また、カルシウムのサプリメントを毎日少量摂るのはかまわないでしょうか。
アレデイアは乳癌溶骨性骨転移に対する治療法として、1ヶ月に一回90mgを点滴することができます。しかし厚生労働省の指標では90mgを少なくとも4時間かけて点滴することとなっています。化学療法外来などで行う場合、かなりの時間的負担となってしまうため、簡便的に月二回、一回45mgずつで、2時間点滴で行っている施設もあります(ただし、45mgでも厚生労働省指標としては4時間で点滴となっています)。このほうが外来で受けやすいわけです。90mgを2時間で行っている施設も国内にはありますが・・・、うわさでは(いいかげんですみません)特に問題ないようです。しかし前述のごとく厚生労働省指標をあまり無視もできないため、とりあえず患者さんの負担を考えて45mg 2週ごと 月二回 として行っているところがあるのです。ご質問の内容はおそらく前述のことであろうと思いますが・・・、90mgの月二回投与はおそらく保険請求の点からみても通常は行われないと思います。45mgx2にした場合の、骨転移に対する抗腫瘍効果は分かっていません。ただし、臨床効果(骨の痛みなど)からみると90mg>60mg>30mgの順で、やはり90mg投与が一番疼痛緩和効果が強かった、というデータがでています。(文責 首藤)
【No.3294】 04年12月18日 T.F.
胸筋へ浸潤している乳癌こんにちは。初めて相談させていただきます。離れて住んでいる65才の母ですが、今年9月に右乳房外上部しこり3.5センチ、胸筋へ浸潤しているステージT4、Vbの局所進行乳癌、腋窩リンパ節にも転移している可能性ありと診断されました。転移は見つかっていません。術前化学療法で癌を小さくし胸筋より離してから手術との事で、CEF4クールが終了。検査の結果、しこりは小さくなったが胸筋から離れなかったので、胸筋を少し削って全摘すると説明されたようです。現在AC1クール目、その後手術の予定、術後はAC+タキソール、ホルモン療法を行う予定です。
1) 標準のCEFがあまり効果がないという事は、他の抗癌剤もあまり期待ができないのでしょうか?
2) 胸筋を少し削っての手術というのは、極端な変形はあるのでしょうか?(肋骨が浮き出るような術後になるのでしょうか?)どんな後遺症が考えられますか?
3) 母の記憶では5年前にしこりを発見、2年前には他人が乳房の引きつれを確認できるほどになっていたようです。担当の先生には「勘違いでしょう」と一笑に付されましたが、進行が遅い癌とは考えられないでしょうか?抗癌剤の効きが悪いのも、進行が遅い事と関係はありますか?
4) 担当の先生は乳腺専門ではなく、専門医を尋ねるのであれば交通の便が悪くなってしまいます。しかし術前に専門医にセカンドオピニオンをお願いしたほうがいいでしょうか?
直接先生の話を聞いたわけではないので中途半端な情報しかありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。1) しこりが縮小しているところからみて、CEFはある程度の効果があったと思います。一つの方法の化学療法が効果的であった場合、途中で他の抗癌剤にSwitchしても良好な反応がみられることが多いという報告があります。
2) おそらく腫瘍の底の大胸筋を一部腫瘍と共に切除するということでしょうが、腫瘍の大きさにもよりますが、一般的な非定型的乳房切断術とくらべて極端な変形や特別な後遺症はおこらないと思います。
3) 5年前のしこりが乳癌であれば、比較的ゆっくりとした進行かもしれません。しこりは小さくなったということであれば、ある程度抗癌剤は効いていると思います。
4) 疑問に思われることが多いのでしたら、専門医にセカンドオピニオンを受けられることをお勧めします。(文責 首藤)
【No.3293】 04年12月18日 TK
ホルモン感受性と予後について私の乳癌につきましてご相談させてください。以下につきまして、よろしくお願いします。
閉経後乳癌で、乳管内進展が大部分で一部浸潤した乳頭腺管癌ですが、リンパ節転移が3個ありました。すでに化学療法はCAF6クール終了しており、ホルモンレセプターが、ER+100% 、PgR +60% HER2 はスコア0で、現在ノルバデックスを服用しております。気になっていることがありますので、教えてください。私の癌はホルモン感受性がとても高いようなのですが、ホルモン感受性が高すぎるということは予後には影響しないのでしょうか? ホットフラッシュがとてもひどくて毎日辛いのですが、薬が効くと思って毎日一生懸命飲んでいるのですが・・・。ずっと気になっているので是非教えてください。よろしくお願いいたします。最近の傾向としてホルモンレセプター陽・陰性は、免疫組織学的手法で判定することが一般的となってきました。この場合、全体の細胞の5%以上(欧米では1%以上としているところもある)が陽性であれば「レセプター陽性」として扱われます。ER100%というのはおそらく免疫学的手法の結果かと思うのですが、予後に関していえばホルモンレセプター「陰性」は、「陽性」よりも予後が悪い傾向にあります。ホットフラッシュはノルバデックスの副作用の中で最も治りにくく、かつやっかいなものです。何年間服用されているか分かりませんが、閉経後ということですし、副作用・再発予防の2点からもアロマターゼ阻害剤に変更されるのもひとつの選択肢ではないかと思います。主治医の先生に一度ご相談されてはいかがでしょうか?(文責 首藤)
【No.3292】 04年12月18日 T.A.
乳腺症・乳腺のう胞・乳腺乳瘤について33歳既婚、子供なしの女性です。 定期健診で、乳腺症・乳腺のう胞・乳腺乳瘤の疑いありと診断され 、要経過観察で、3ヶ月後に再検査と言われました。生理とは関係なく時々痛みがあり、生理前は特に張ります。胸から腋の下にかけて、痛かった時もあります。現在は症状は特にありません。子供を産んだことがないのに、乳瘤というケースもあるのですか? 3ヶ月後と言わず、違う病院で再検査を受けたほうがいいのでしょうか?
おそらく乳腺乳瘤ではなく、「乳腺腫瘤の疑い」ではないでしょうか。3ヶ月後に超音波検査を受けられたらよろしいかと思います。(文責 首藤)
【No.3291】 04年12月18日 A.Y.
授乳中の乳房の痛みと分泌物について37歳主婦で、1歳3ヶ月の子供にまだ授乳しています。月経はまだありません。右胸の乳輪の輪の右下辺りが軟骨程度にしこりのようになっており(直径3cm程)、何もしていなくても軽く痛いですが、押したり、授乳したりすると少し痛みを感じます。押すと、その辺りの穴からは、母乳とは違った薄いミルクティー色の、味も母乳とは違う分泌物が出ます。これは何でしょうか? 受診したほうが良いのでしょうか? また、こちらの胸の母乳を飲ませると、必然的にそのミルクティー色のも与えてしまうことになると思うのですが、こちらの胸は止めておいたほうが良いのでしょうか? お忙しいところ恐れ入りますが、教えていただきたく、お願い申し上げます。
ミルクティー色の母乳は、正常な母乳に何かが混ざったものかもしれません。一度専門医を受診されることをおすすめします。それまで右は搾乳だけにして、左から授乳されてはいかがでしょうか?(文責 首藤)
【No.3290】 04年12月18日 TM
授乳中のしこりについて2ヶ月半の子供を持つ29歳です。先日授乳中に左胸に米粒大のしこりをみつけ、産院で診てもらったところ、「乳腺が詰まっているのでしょう」と言われました。座ったまま簡単に診ただけで、まだ不安が残るので、外科に行こうと考えているのですが(なかなか子供も預けられず、すぐにというわけにはいきませんが)、授乳中でも細胞診などできますか? その後の授乳に影響はないでしょうか。母乳しか飲ませたことがなく、授乳は少なくとも1歳過ぎまでは続けたいのですが、もし治療が必要となれば、授乳できなくなるのではないかと心配です。
授乳中のしこりで最も多いのは乳瘤(Galactocele)といった乳汁の貯留が原因のことが多いですが、もちろんご心配のような腫瘍であることも100%否定できません。基本的には専門医に触診、超音波検査などで確認された方がよいと思います。(文責 首藤)
【No.3289-1】 04年12月18日 M.T.
アメリカでの治療アメリカに在住する47才です。40歳から毎年マンモグラフィーを同じ大学病院で受けています。先日、そのマンモグラフィの結果、Microcalcification(日本語では、微細石灰化の意味だと思いますが、以下私の解釈の間違いがあるといけないので、英語を使用させていただきます。)が左胸数箇所に点在しているのが見つかり、Stereotactic Core needle Biopcyを行いました。Fine needle Aspiration Biopcyにしなかった理由は、とても小さく、奥深いところにあるからだそうです。その結果、Benign(良性)と診断されましたが、それにもかかわらず、悪性になることを懸念して、それを取り除く手術をしたほうがいいと言われました。局部麻酔で、切込みを入れてとるようです。3週間後にその専門医にその手術の説明を聞くことになっています。それで質問ですが、
1) Stereotactic Core needle Biopcyでは、その石灰化の部分を全部摘出していないのでしょうか?
2) この相談室の先生方の回答を見る限り、石灰化で良性と診断された場合は、その経過を見るようになっておりますが、私の場合はなぜ摘出手術をしなくてはならないのでしょう? ほかからの転移のものと考えられるのでしょうか?
3) 乳がん患者が多いアメリカと日本の治療法の違いを分かっている範囲で教えていただけませんか?
以上よろしくお願いします。1)&2) 日本でもMicrocalcificationの分類は、米国のBreast Imaging Reporting And Data System(BIRADs 通称バイラズ)を元にカテゴリ分類をして、生検が必要か否かを診断しています。Core Needle Biopsyで今回の生検の目的である部分の石灰化の部分がしっかりと取れていて、その結果が良性であるならば、それ以上の生検が必要とは思えません。そこのところをもう一度しっかり説明を求めてはいかがでしょうか。基本的にはCoreで採取した検体を、X線撮影して目的の石灰化が本当に入っているかどうか確認しながら生検してゆくものだからです。あるいは病理組織検査の結果、特に乳管内病変の場合などは少ない量の検体では良悪性の判断に迷うことがあり、追加切除が必要なことがあります。
3) 治療法といっても手術・化学療法・ホルモン療法・放射線療法など多種多様ですが、基本的に大きな指標としては大差無いと思います。現在の日本の乳癌治療は欧米のデータをChartとして航海している印象がありますし。それよりも広い米国内で西と東海岸で結構意見が違ったり、またヨーロッパ諸国は米国と特に化学療法の方法などに違いがみられます。(文責 首藤)
【No.3289-2】 05年02月10日 M.T.
アメリカでの治療(2)HPNo.3289でお世話になったものです。その節は有難うございました。Core Needle Biopsyの検査結果は以下の通り報告がありました。
fibrocystic changes 、columnar cell hyperplasia 、radial scar 、microcalcifications in columner cell hyperplasia 、no carcinoma in situ, or invasive, is idenitfied
石灰化に関しては前にも書きましたが、良性でした。アメリカでも良性の場合はその後のフォローアップでよいということでしたが、Dr.がここで気になったのが radial scar の部分だそうです。良性のようであるが悪性に変わるかもしれないということで、Dyewire Excional Biopsyでその部分と周りの組織をとりました。これは摘出生検で摘出手術とはちがうのでしょうか? マンモグラフィ上での radial scar とは日本語で何なのでしょうか? いろんなサイトや本で調べているのですが、今ひとつ自分の中で理解できません。こちらの医者は聞けば説明をしてくれるので、前準備として日本語で理解したうえで、この検査結果を聞きたいと思っておりますので、上に書いた検査結果の言葉も含め説明していただけませんでしょうか? 検査結果から想定できる治療法のオプションとして、どんなものがあるのでしょう。以上、宜しくお願いいたします。Radial Scarは放射状瘢痕のことで、前に行った小手術や加齢による変化によることが多いようです。小さな癌が存在している可能性がありますので、摘出生検をして調べておくのは良いでしょう。記載してある病変はいずれも良性のものであり、乳腺症を形成する部分病変です。経過観察たけで十分で、現在治療する必要はないと考えます。摘出生検は調べることを目的とします。実際に行うことは同じこともありますが、摘出手術は腫瘤の切除を目的とし治療の意味合いが強くなります。(文責 吉田)
【No.3288】 04年12月17日 M.K.
脇の下のしこりについてはじめまして、今晩は。脇の下のしこりについてネットで調べていたところ、御研究会のページを見付け、相談させて頂きたくメール致しました。先月から総合病院に通っているのですが、原因がいまいちはっきりしない状況のようなので心配です。
これまでの経過
10月下旬 : 脇の下が腫れる(生理前のせいかと思い、生理後まで様子を見る事に)。生理中も腫れと痛みが増す。
11月 4日 : 生理が終わった後も腫れも痛みも引かなかった為、病院へ(8月末に猫に噛まれていた事を思い出し、「猫ひっかき病」の可能性もあるのではと伝える)。抗生物質を処方される(薬名は控え忘れ)。
11月 9日 : 腫れも痛みも引かなかった為、再度病院へ。抗生物質と消炎剤を処方される(フロモックス錠100mg・バザロイン錠10・シラブル錠60mg)。血液検査をお願いする。
11月16日 : 腫れも痛みも引かなかった為、再度病院へ。CT検査:腫れの部分に3cm位のはっきりした影。周囲にぼけた影も出ているので、腫瘍性ではなく炎症性のものだろうとの診断。抗生物質と消炎剤を処方される。(クラリス錠200・バザロイン錠10・シラブル錠60mg)。血液検査の結果:問題無し
11月24日 : 腫れも痛みも引いたが、しこりが残っている。しこりに直接針を刺して細胞を採って検査するとのこと。血のような物が出ると言われていたが、実際は膿が出た(膿を抜いたので、しこりも少し小さくなった)。抗生物質を処方される(クラビット錠100mg)。
12月 1日 : 腫れも痛みも引いたが、しこりが残っている。細胞検査の結果、悪性の細胞は見付からず、問題無し(菌の検査の結果はまだ出ず)。抗生物質を処方される(クラビット錠100mg)。2週間様子を見て、小さくならなかった場合は、12/15にしこりに1cm位の穴を開けて膿を掻き出すと予定される。(11/24の注射で膿が出た為、リンパ腺ではなく皮脂腺の腫れではないかとのこと)
12月 8日〜14日 : 抗生物質無し。腫れと痛みがまたぶり返す。
12月15日 : 腫れと痛み(しこり自体に痛みは無い)。局部麻酔をし膿を出す筈が、今回は膿が出なかった為、再度細胞検査へ。抗生物質を処方される(クラビット錠100mg)。菌の検査の結果、陰性。検査書類上では『猫ひっかき病』の可能性は無くなったとのこと。
今後の予定は、12/22までは処方された抗生物質を飲み、12/23〜は薬無しで、年明け1/5に今回の細胞の検査が良性であって、しこりが丸ごと摘出出来るようであれば、出来れば取ってしまいたいとの事でした。膿が出たり出なかったり、再度細胞検査に回されたりという事が心配です。1度目の細胞検査で良性だったものが2度目に悪性に変わる事はあるのでしょうか? もしも癌であれば、痛みが出るようになったら他にも体重減少や食欲減退等、他の症状が出る筈だから心配無いだろうと家族は言うのですが、本当に心配無いものでしょうか?(これらの症状は無く、癌の家系でも無いのですが) また、セカンドオピニオンも考えてみた方が良いのでしょうか? お手数をお掛けして申し訳ありませんが、アドバイスを頂ければ幸いです。よろしくお願い致します。どのような性状の「腫れ物」であるかがはっきりしないのですが、ご相談の内容からすると難治性のリンパ節炎(リンパ節の炎症)ではないかと思います。治療の経過で膿が出ているようですし、リンパ節の炎症としてもあまり矛盾が無いように思います。一般論ですが、細胞診は繰り返しの検査で診断が変わることはあります。理由は一回で採取できる細胞数はそれほど多くないからです。しっかりした診断にはやはり担当のDrのいわれるようにその部分を切除して、組織検査を行うことだと思います。(文責 首藤)
【No.3287】 04年12月17日 OS
右乳首のしこりについてはじめまして。35歳の主婦です。子供は9歳と6歳で、母乳で育てました。1週間前に右乳首が痛く、乳首を挟んでみるとにきびがつぶれたかのように白い液(母乳より少しドロっとしたもの)がでてきて、最後に血も出ました。次の日も少し挟むと血が出ました。それ以後は円柱の様な小さいしこりが乳首下にあります。2日後生理が始まりました。5日後乳腺外来で、超音波では乳首があるからわからず、マンモグラフィでもうっすらとだけこれかな〜と思われる細い線が映っているだけでした。しぼっても何も出ないので検査が出来ず、「考えられるとしたら乳管内乳頭腫だろうから、又出たときは来て下さい」と言われました。乳がん検診は1年に1回受けるようにしますが、このまま何もなければ1年後まで様子を見ても大丈夫なのでしょうか? 何度も炎症を起こして、分泌物が出たら手術でしこりをとることになるのでしょうか? わたしは生理前になると吹き出物が出やすく、ホルモンのバランスが崩れます。今現在とても忙しく、ストレスもありそういったことが原因になるのでしょうか? お忙しいところ申し訳ございませんが、ご回答お願いいたします。
内容をうかがうと、おそらく分泌物が乳頭の中の乳管(ミルクの通る管)の中で停留して固まったものかと思います。血性乳頭分泌がある場合、乳癌であるのは約20%程度で、他の原因としてはご指摘のような乳管内乳頭腫などがあげられます。乳頭を強くつまんで最後にやっと血が出るような場合は前述のような腫瘍の可能性は低いと思います。気になるようでしたら一度専門医の診察をお受けください。(文責 首藤)
【No.3286】 04年12月17日 M.W.
抗がん剤の副作用について現在、術前抗がん剤治療中です。11月25日に1回目の抗がん剤(EC)を行いました。吐き気・頭痛・倦怠感・脱毛などの副作用は、ひと通りおこりました。投与から2週間後、視界にチラチラとねじれたベルトのようなものが見え、20分ほどで消えました。閃輝暗点だと思うのですが、これは抗がん剤によるものなのでしょうか? また、放置しておいてもよいのでしょうか。
厚生省コードではEpirubicin、Cyclophosphamideともに、ご指摘の「閃輝暗点」のような副作用は公示されていません。症状が続くようであれば一度眼科あるいは神経内科を受診されることをおすすめします。(文責 首藤)
【No.3285】 04年12月17日 グンスポ
術後の化学療法について姉50歳、閉経前右乳房全摘出手術後についてご相談します。 癌の種類 硬がん、リンパ節転移2/23、ホルモン受容 エストロゲン+ プロゲステロン+ 、悪性度V、術前検査骨シンチで骨盤および尾?骨周辺にカゲがあり、何日かしたらMRIで調べてみるとのこと。肝臓・肺等、内臓には今のところ転移なし。現在術後ドレーン抜去後浸出液がたまり、何回か注射にて抜いています。12月2日手術しました。昨日摘出物の病理結果の説明がありました。12月17日の退院日までに今後の治療を決めて欲しいといわれ、迷っています。Drの説明によると、治療はベットの都合で1月から始まるそうなのですが、アントラサイクリン系またはタキサン系の抗がん剤を2回/月で6ヶ月、または1回/3Wで4.5ヶ月(外来通院にて点滴予定)。そこでお聞きしたいのは
1) アントラサイクリン系とタキサン系で、どのような違いがあるのでしょうか? 本人は脱毛やある程度の副作用は覚悟しています。姉のようなタイプの癌にはどちらが効果があるのでしょうか?(もちろんやってみないと分からないところはあると思います)
2) 4.5ヶ月と6ヶ月、期間的に長くやったのと短期間でやるのと、どのような違いがあるのでしょうか?
3) リンパ転移(2個)、骨転移(まだ不明)があったということは、全身のどこかに転移している可能性はあるということでしょうが、抗がん剤の投与である程度の予後は期待できるのでしょうか。
4) 抗がん剤投与中も仕事をしたいとの本人の希望がありますが、可能なのでしょうか。
5) 閉経前と言うことで抗がん剤投与により今後閉経しますか、そうなった場合更年期障害のような症状が現れるのでしょうか。
家族も長い戦いになることは覚悟しています。また受診している病院のDrも信頼しています。しかし何が一番いいのか、アドバイスいただければと思い、ご相談いたしました。よろしくお願いします。1) アントラサイクリンはDNA合成に関与するトポイソメラーゼという酵素の働きを阻害して細胞死においやり、タキサン系はやはり細胞分裂に関与するチュブリン合成に働いて細胞を死においやる薬剤で、作用機序がかなり異なります。推察ですが、6ヶ月行う方法はCAF,CEFなどのアントラサイクリン系を含む方法で、3週ごと行うのはAC、ECといったアントラサイクリン系かあるいはタキサン系単独ではないかと思います。最新の情報ではアントラサイクリン系を最初に行って、途中からタキサン系にSwitchする方法や、アントラサイクリン+タキサン併用のTAC療法などが注目されていますが、未だ確立したものではありません。したがってお姉様に対してどちらが良い、ということは現段階では言えません。タキサン系の副作用は脱毛、白血球減少といった一般的なものに加え、ドセタキセルではむくみ、パクリタキセルでは指先のしびれなどの感覚異常が認められます。
2) 3週ごと4.5ヶ月では合計6回、2回/月で3ヶ月はおそらく二回の点滴で1回終了という数え方だと思いますので、双方ともに6回(クール)ということではないかと思います。
3) リンパ節転移の有無は、今後の再発の可能性の有無を予測する重要な要素の一つです。リンパ節転移のある方に対する術後化学療法の有効性は認知されています。
4) 重篤な副作用がない限り可能です。
5) お姉さまのご年齢から考えて、特にエンドキサンなどのアルキル化剤を含んだ化学療法が行われた場合、閉経される可能性が高いと思います。この場合、ご指摘のような症状が起こることもあります。しかしホルモンレセプタ陽性の場合、化学療法で無月経となった場合のほうが再発率が低くなるのも事実です。(文責 首藤)
【No.3284-1】 04年12月17日 Izumi
取り残しの可能性58才。1年前、全摘。リンパ節の摘出は1/8、顔つきは普通、補助療法はAC、タキソール。その後、断端部にプラスと出たため放射線療法を行いました。現在ホルモン剤内服中。全摘の場合、術中迅速診断で病理検査は行わないものでしょうか。主治医の説明だと、「豆腐のように崩れやすいもので、取りきれるものはとった、できる限りのことはやった」ということでした。未だに取り残しがあったのではないかと気になります。このようなことはよく起こることなのでしょうか。充分な補助療法も行っているし、これで再発したらあきらめるしかないのかなとも思いますが・・・。「早く見つけても遅くみつけても同じ。やることは変わらない」と内科の先生には言われて、頭で理解していても何となく納得いかない思いです。答えにくいこととは思いますが、先生のお考えをお聞かせいただければありがたいです。よろしくお願い致します。
乳房切断術(全摘術)の場合に切除断端を常時迅速病理検査で確認するということはあまりありません。メールから推察するに、元の腫瘍がかなり大きく、または広範囲な壊死(組織が死んでいるところ)を含んだ腫瘍か、腫瘍周囲のリンパ管や静脈にたくさん癌細胞が入っている状態ではなかったかと思います。(文責 首藤)
【No.3284-2】 04年12月18日 Izumi
取り残しの可能性(2)ありがとうございました。広範囲の壊死を含んだ腫瘍というのは予後にどのような影響があるのでしょうか。教えてください。
浸潤癌の場合の予後推測因子としては、リンパ節転移の有無、腫瘍の浸潤部の大きさ、細胞のグレード、ホルモンレセプタの陽・陰性、年齢などで総合的に判断することが多いです。一般的には腫瘍が大きくなるにつれて腫瘍の一部に壊死像がみられるようになってきます。(文責 首藤)
【No.3283】 04年12月16日 K
充実腺管がん充実腺管がんと言われました。どんなタイプのがんなのでしょうか? たちの悪いタイプなのでしょうか? 現在は、しこりを小さくしてから手術を行うために化学療法をしています。
癌細胞が乳管の外に飛び出している(浸潤している)ものを浸潤性乳管癌といいますが、そのうちの一つで特に珍しいのもではありません。浸潤性乳管癌には、他に乳頭腺管癌、硬癌などがあります。以前は乳頭腺管癌<充実性腺管癌<硬癌の順にたちが悪くなるといわれていましたが、最近では癌そのものの広がりの大きさとか細胞の顔つき(グレード)、ホルモンレセプタの陽性度などで総合的に悪性度を判断することが多くなりました。したがって充実性腺管がんだといって特別たちが悪いということではないですから、がんばって治療を受けてください。(文責 首藤)
【No.3282】 04年12月16日 F.H.
乳腺線維腺腫についてお尋ねします。胸に1cm位のしこりがあり受診した結果、乳腺線維腺腫と診断されました。それから1年ほどたつのですが、痛みが続くので、摘出しようか迷っています。デメリットとかありますか? 摘出以外で痛みをとる方法はないのでしょうか?
まず、痛みの原因が本当に線維腺腫に由来するものであれば摘出も良いのですが、そうでなかった場合、相変わらずの乳房痛と、皮膚創と、引きつれる感じなどの違和感だけが残ってしまうかもしれません。しこりの部分が当たって痛い、というのであれば切除した方がよいかもしれませんね。1cmの大きさで線維腺腫と診断がついた場合には、おそらく医師はあまり積極的に切除を薦めないと思います。1cmのしこりを取るといっても皮膚切開は2cm以上は必要ですし、また腫瘍の部位も問題で、乳頭のすぐ近くや、乳頭の下の部分では切除の範囲が小さくても乳房の変形がおこりやすいと思います。マンモトームで小さな腫瘍を切除する方法もありますが、行っている施設は今のところ限られています。(文責 首藤)
【No.3281】 04年12月16日 Y.H
右乳房の腫瘍に痛みがあります私は23歳の会社員です。2年前に右の乳房に腫瘍を発見し、検査を受けました。触診、マンモグラフィ、エコー、細胞診の検査の結果、良性の腫瘍だろうということで、今は6ヶ月に一度の検診(触診、エコー)で経過を診てもらっています。その後の検診でも医師からは特に指摘を受けていませんが、最近腫瘍のある方の乳房が何かのひょうしに痛みを感じる様になり心配しています。医師には、痛みの事を話しましたが、ホルモンバランスの関係だろうと言われました。確かに生理前に頻繁に痛むようにも感じられるのですが、ズキンと痛みが大きいので進行しているからなのではないかと不安です。こういう症状は一般的なのでしょうか。また、仮に良性腫瘍でも、取る場合はどんな手術方法なのでしょうか。
基本的に腫瘍の成長に伴う痛み、というのはあまりありません。乳房痛に関してはあなたのDrがおっしゃるようにホルモンによるものが一般的でしょう。細胞診をされて良性腫瘍と診断がついているのであれば、それほど神経質になる必要はないと思います。ただし良性腫瘍と診断されても急に大きくなってきたり、さわった感じがごつごつしてきた、といった「変化」があれば、予約日よりも早めに受診されることをおすすめします。手術方法としては局所麻酔による外来手術が一般的です。また最近は比較的小さなものであればマンモトームによる切除を行っている施設もあります。(文責 首藤)
【No.3280】 04年12月16日 Y.N.
男性乳ガンの可能性今日は。自分は25歳男性で、現在ニューヨークに住んでいます。三日ほど前、シャワーを浴びている時に、左乳首の真裏に直径2センチほどのしこりを発見しました。たんこぶのような感じで、触ると少し痛みがあります。また、これは高校生の頃から少し気になっていたのですが、左胸が右胸よりも少し大きいのです。心配になったので、とりあえず近くの外科の先生に診てもらったところ、『稀なケースだが、乳ガンの可能性は十分にあり得る。』と言われました。その先生に専門医も紹介していただいたのですが、こちらの健康保険に入っていないため診療費がばか高く、今の自分の経済力ではとても払えません。なんとかお金をかきあつめて一刻も早く診てもらおうと努力していますが、それまでに自分でもできるだけ多く情報を集めたいので、今回メールさせて頂きました。御多忙の事と存じますが、どうか良きアドバイスを御願いします。尚、自分の症状としては、先述した乳首の真裏の痛みを伴うしこり以外、脇の下のしこりや、乳頭からの分泌物などはいまのところ見受けられません。ただ、食生活は、こちらに来てからはお世辞にもいいとは言えるものではありません。また喫煙歴は10年ぐらいです。ストレスもいろいろたまってると思います。とりあえず今は、胸の腫れに効くと言うツボをマッサージしながら、臨戦態勢をととのえて行こうと思っています。
男性乳癌は全乳癌症例の約1%と、頻度の多いものではありません。確定診断にはNeedle Biopsy(注射針をしこりに刺して細胞を採取して調べる)や、Core Needle Biopsy(もう少し太い針状のもので組織をより多く取る)、Open Biopsy(局所麻酔して組織をしっかり取る)などが必要です。検査の順番としてNeedle Biopsyを最初に行うのが普通です。もし乳癌と診断がついた場合、診断以後の根治手術、術後の治療法などは基本的に女性乳癌と同じです。メールから推察するに、高校生の頃からの左右差が左胸のしこりによるものであれば、乳癌というよりも女性化乳房の可能性が高いと思います。成人されてから目立ってくる背景として常備薬の中に女性化乳房の原因となるものがある(たとえば胃潰瘍治療薬スルピリド・ドグマチールや高血圧治療薬、睡眠剤など)ことや肝機能低下、まれに女性ホルモンを産生する腫瘍(肺腫瘍など)などがありますが、若年の頃からのものであると基本的に特発性・つまり原因不明のことが多いのです。日常診療で比較的多いのは内服薬に起因する成人の女性化乳房で、この場合は薬の変更・中止などで止まることが多いです。特発性であれば特に治療の必要もなく、どうしても疼痛などに悩む場合切除することもあります。男性乳癌と女性化乳房の違いはなかなか困難なこともあるのですが、おおざっぱに言うと女性化乳房のほうが触診して柔らかい印象、男性乳癌はやはり「硬さ」が目立ちます。New Yorkの医師が何を根拠に乳癌の可能性が十分にある、といったのかは分かりませんが、やはりここは多少費用がかかっても専門医の診察を受けられた方がよいと思います。New Yorkは他の米国の田舎のわけの分からない都市と違って、Sloan−KetteringからColumbia、Cornell、NYUと乳癌の名医が大勢ひしめいているところです。あなたがManhattanにお住まいなら、世界的権威があなたの半径4Km以内に10人はいます。(文責 首藤)
【No.3279-1】 04年12月15日 S.I.
肝臓転移について先月母の手術が終わり、病理検査の結果、脇下リンパ節多数転移及び鎖骨上まで転移しているとのことでした。また術前に行ったCT検査の結果、肝臓に気になる影があると担当医から言われましたが、放射線の先生は転移ではないと意見が食い違ってるそうです。肝臓の影が乳癌からの転移かどうか、どうすれば確実に分かるのですか? 現在、エピルビシンとタキソテールの抗がん剤治療を始めました。この抗がん剤が効いているかとても心配です。
肝臓転移はCT検査でも指摘されますが、そのほかに超音波検査あるいはMRIが有効であることがあります。一つの検査で確定診断が困難なときは複数の検査の結果を総合的に判断するのがよいと思います。(文責 首藤)
【No.3279-2】 04年12月21日 S.I.
肝臓・骨転移について以前、母の肝臓転移かどうかについて相談させて頂いたNo.3279です。その後担当医に聞いたところ、肝臓の影が乳がんからの転移かどうか確かめるための検査は行わず、今月から始めた抗がん剤治療6クール終了後にCTで見るとのことでした。しかし骨への転移は明らかだと言われました。現在、母は退院し来年から2クール目が始まりますが、骨に転移していてもどこも痛くないというのですが、これから痛みや何か症状が出てくるのですか? 今の抗がん剤(エピルビシンとタキソテール)が効いていれば症状は出てこないのですか? また、もしこの抗がん剤が効用していたと分かったら、6クール終了後は何も治療は無くなるのでしょうか? その場合、またすぐ骨や肝臓の転移が進行し始めたりするのではないかと、とても不安です。ご返答宜しくお願いします。
骨転移の場合、必ずしも痛みを伴うとは限りません。ケースバイケースで、今後痛みの出る場合もあれば、出ない事もあります。エピルビシンは副作用として心筋毒があり、治療に限度がありますが、仰る通り、効けば症状は出てきません。日本乳癌学会編の乳癌診療ガイドラインでは、溶骨性骨転移を有する乳癌に対して、パミドロネート(90mg)は、骨転移に伴う合併症(疼痛、病的骨折、脊髄圧迫症状、高カルシウム血症)の頻度を減らし、その発症を遅らせるという事で、4週間毎の投与を推奨しています。お母様の状態を一番よく把握して下さっているのは主治医の先生ですから、不安がある場合は、納得がいくまで充分ご相談下さい。(文責 須田)
【No.3279-3】 05年01月31日 S.I.
局所再発前回のご返答、有難うございました。また少し気になる点があるのですが、母が2ヶ月前に左胸全摘出手術をしたのですが(母の腫瘍はちょうど乳首の所です)、最近同じ左側の、鎖骨よりだいぶ下辺りに、1センチも及ばないほどの小さなしこりみたいなものを発見しました。主治医に見てもらったところ、「こんなに早く再発することはないし、もし出るなら腫瘍のあった乳首あたり、いわゆるメスの入った傷口辺りだ」と言われました。全摘をして、こんなに早く再発することはないのでしょうか? やはり主治医の言う通り傷口付近に出るのでしょうか? また、母は骨に薄い影があると言われていますが、全く痛みもなく、このままの状態で抗がん剤6クール終了後はどのような治療をしていくのですか? 痛みなどの症状が出なければ、放射線や再び抗がん剤治療は行わないのですか? ご回答、宜しくお願いします。
同じ左側の鎖骨よりだいぶ下辺りに1センチも及ばないほどの小さなしこりに関しては、穿刺吸引細胞診を行うことで診断がつくと思います。外来でも出来る簡単な検査なので(針を刺すので多少の痛みを伴いますが)、どうしても気になる場合は、担当の先生に検査の相談をしてはいかがでしょうか。
前回No.3279-2でお答えされているようにお母様の状態を一番よく把握して下さっているのは主治医の先生です。エピルビシンは心毒性もあり治療に限度がありますし、骨転移に対してパミドロネートを使用する事もあります。今後の治療に関して不安がある場合は、主治医に納得がいくまで相談されることを勧めます。(文責 川本)
【No.3279-4】 05年04月12日 S.I.
抗がん剤終了後以前、母の事で相談させて頂いたHPNo.3279です。先月末に抗がん剤6クールが終りました。特に痛みや症状は出ていないようで、母はとても元気に生活しておりますが、これは効果が効いて進行していないのかなと不安でありながら願っております。もし、今回の抗がん剤が効いて骨などの転移が消失又は小さくなった場合でも、進行性乳がんでは一般的にまた再発する期間はどの位なのでしょうか?ご返答宜しくお願い致します。
一度緩解した転移部位が再燃する時期はさまざまで、一般的にどのくらいということはできません。1〜2ヶ月ごとの外来受診されることをおすすめいたします。(文責 首藤)
【No.3278】 04年12月15日 IY
再発防止目的の卵巣機能抑制について(HPNo.3172-2)HPNo.3172で回答いただいたIYです。術後のホルモン療法の歴史は卵巣摘除術からはじまり、その後若年者が妊娠を希望した場合に配慮し、薬剤によるホルモン療法が主流になってきていると理解しています。卵巣機能を抑制したほうが再発を抑える点で望ましいのが分かっているなら、出産を終えている者には永久に卵巣機能を抑制したほうがよいように思えます。生涯LH−RHアナログ製剤を投与し続けるわけにもいきませんので、切除か照射を考えたいのです。現在のホルモン療法は、閉経後のかたはタモキシフェン、閉経前の者は薬剤で閉経状態にしてタモキシフェン投与と理解しています。月経が再開してしまっては、ホルモン療法としては不十分ではないですか? なぜ現在卵巣摘除術はあまり行われていないのですか? 私はもともと月経周期は規則正しく、EC4クールしている間も月経は止まりませんでした。リューブリン終了後閉経するとは思えません。
出産後の永久的卵巣機能抑制ですが、Addison Wesley社発行のDr Susan Love's Breast BookでDr Loveが乳癌発症ハイリスクな方に対して同じような考えを述べています。現在のホルモン療法ですが、最近の考え方としてホルモンレセプタ陽性の閉経後の方に対してはアロマターゼ阻害剤を使用する傾向にあります。現在タモキシフェンを内服されている閉経後の方でも、途中でアロマターゼ阻害剤に変更された方が良いというデータもでてきています。閉経前の方の月経再開ですが、基本的に月経再開された方と化学療法後閉経状態になられた方を比較すると、ホルモンレセプタ陽性の場合、閉経された方のほうが再発率が低いことが分かっています。また月経再開された場合のホルモン療法ですが、リンパ節転移陽性で化学療法後月経再開された方で比較すると、化学療法後にLH−RH投与を追加するとホルモン療法を施行しなかった場合より再発率が低く、さらにLH−RHとタモキシフェンを併用した場合はさらに再発率が低下するというデータが欧米ででています(このレポートではタモキシフェン、LH−RHアナログともに5年間の投与となっています)。基本的には上述のホルモン療法で以前行われていた卵巣摘除術と同等の効果が得られるのですが、仮にこのような長期のホルモン療法を行った後も閉経せず、かつ再発のリスクの高い方に対しては外科的切除も一つの選択肢かもしれません。(文責 首藤)
【No.3277】 04年12月15日 K.K.
健側の自己検診について(HPNo.3122-7)度々の身勝手な質問に丁寧にお答え頂き、ありがとうございます。先月左胸温存手術をし、リンパの転移もなく、来年から放射線及びホルモン治療を控えております。さて、こういう病気に罹ってしまうと反対側も気になります。手術が終わり補助療法も決定したので、落ち着いて右胸を触ってみると、ぷよぷよしている塊を2つ、こりこりしている小さなしこりを一つ見つけてしまいました。反対胸も気にして触っていたつもりですが、意識がどうしても患側に引っ張られてしまって冷静に健側を調べる事が出来なかったように思います。異常があれば診て頂くのが基本だと思いますので、明日にでも手術をした病院の外来に行こうと思いますが、自己検診でどういうものがあれば受診すべきなのか解りません。神経質になりすぎるのは良くない・・と分かっていますが、どうする事が適切な考え方なのか、判断できないのです。こんな事ばかり繰り返していたら、乳がんではなく別の病気になってしまいそうです。初発の時、毎回毎回検査の結果を待つ度、手術を待つ間、病理がでるまで・・と苦しんで苦しんで、いっそこのまま死んでしまいたい・・と思いつめてやっとここまでたどり着いたはずなのに、まだまだ苦しんで過ごしていかなくてはならないのか・・と気が狂いそうです。これを「どうにかして欲しい」といったところで仕方ないのは解っているのですが、術後はどこまでどうフォローをすれば適切なのでしょうか。お分かりになる範囲で教えて下さいますでしょうか。お願いします。
反対側の乳房に関しては、やはり主治医のDrにまずご相談されるのが一番と思います。また、乳癌という大きな問題に直面されたのですから、色々とご心配されるのも当然ですね。多くのかたは術後は同じような悩みを持ってらっしゃると思いますし、あまりお一人で悩むよりも、たとえば同じ経験をされた患者さんの会のようなものに参加されてはいかがでしょうか?自己検診に関しては、たとえば月一回、日を決めて行うといった方法はいかがでしょうか。(文責 首藤)
【No.3276】 04年12月15日 YN
再検査会社の健康診断の結果「右乳管拡張疑像」と、再検査の封書が同封されていました。この場合、どの医療機関へいったらよろしいでしょうか。またその際は、大きな総合病院とかのほうがいいでしょうか。お忙しいところ、お手数ですが教えてください。今日、診断結果が届いてかなり動揺しています。明日にでも病院へいってこようと思っています。
乳管拡張とはミルクの通る管が通常よりも拡がっているということで、それだけで急を要するということではありません。おそらく超音波の所見でしょうから、今後は乳房触診、マンモグラフィ等が次のステップと思います。乳腺外科、乳癌専門医の項目を開示しているお近くの病院をインターネット等で検索されると良いと思います。(文責 首藤)
【No.3275-1】 04年12月15日 まこ
微細石灰化カテゴリー3先日乳がんの検診でマンモグラフィーを受けたところ、右乳房上に集簇性の微細石灰化カテゴリー3との診断でした。その後、エコーの検査では、「しこりが無いのでがんではありません」と言われました。細胞診を希望すると、「石灰化はあるが細胞が増えていないので必要ありません」と言われました。集簇性の微細石灰はしこりができる前の超早期がんと認識しておりましたので、このまま過ごしていても大丈夫かどうか心配です。
マンモグラフィでのカテゴリ3はおおざっぱに言うと、実際に取ってみると約5〜10%ぐらいが癌であると考えます。このパーセントが高いかどうかというところですが、少し時間をおいて約半年後ぐらいに再度マンモグラフィをとって石灰化の変化を再検するのも一つです。また最近の傾向として集ぞく性の石灰化はなるべく生検する方向にあるのも確かです。方法としてはフックワイヤーなどの目印を入れての生検か、マンモグラフィ併用のマンモトームがあります。一度マンモグラフィを持参されて専門医をお訪ねになってみてください。(文責 首藤)
【No.3275-2】 05年02月08日 まこ
石灰化の場所が痛むことはあるのでしょうか?HPNo.3275で質問させて頂きました。その後専門医を受診し、近日中にマンモトーム生検を受けることになりました。先月から、生理が終わってからも乳房痛があり、触らなくても時々ズキンという感じで痛みます。場所はちょうど石灰化のあるところなので気になり、今回の先生に尋ねたところ、「乳腺の腫れが見られるが心配するものではない」と言われました。また、左乳房にはのう胞が数個あるが、それも心配するには及ばないとのことです。気になるのは、2ヶ月前に撮ったマンモグラフィーを前回の病院から借りずに受診したため、先生には見比べていただくことができませんでしたが、当初の石灰化の数より増えた気がします。また、前回は無かった場所に数個の石灰ができていました。先生にこのことを話しそびれてしまい、今になって気になっています。石灰化の場所が痛むことはあるのでしょうか? また、新たに石灰化ができたということは、がんの確立が高いのでしょうか? 恐縮ですが、御回答をお願い致します。
まず、痛みのある所に、必ず癌がある訳ではない、と言う事をもう一度確認してください。痛みはむしろ乳腺症など、ホルモンの影響で現れる事が多いのです。石灰がある場所が必ずしも痛むとも限りません。石灰の場所が痛むか痛まないかは本来あまり心配な事ではありません。炎症や熱や膿を持つ様な状態で無い限り、貴女の担当医が言うように痛みについては無駄に心配し過ぎない様にして頂きたいと思います。
また、前回のMMGと比較出来なくて増えているのかも知れない、とご心配なのでしたら、前医に貴女自身で連絡すれば普通すぐに貸してくれる筈なので、申し出てみてはいかがでしょうか。石灰の性質を見てみない事には新たに出来た物が癌かどうかは分かりません。(増えたからと言っても必ずしも癌である、とは言えません。)むしろその事をきちんと検査の際、マンモトームの担当医師にお話なさって下さい。(文責 矢吹)
【No.3275-3】 05年03月30日 まこ
分泌物について先日2度のご質問をさせて頂きました。マンモトーム検診は良性で乳腺症、一年後の検査ということで安心したのですが、3週間後の今も右乳房が痛みます。生検後の痛みだろうと思っておりましたが、先日下着に黄色いシミができており、つまんでみたところ右乳房のほぼ中央から黄色い半透明の分泌物がでてきました。それも乳腺症のせいかと思い、数日たってまたつまんでみると、やはり同じようにでてきます。中央の1ヶ所のみ、いつもきまったところです。乳腺症のせいでしょうか? もうひとつ御質問させて頂きたいのですが、生検でとった石灰化にはがん細胞がなくても残った石灰化にがんがあり、生検の刺激で増殖することもあるのでしょうか? よろしくお願い致します。
黄色い半透明の乳頭分泌物であれば、乳腺症に伴う分泌物と考えて良いと思います。血液が混じるようでしたら、一度分泌物の細胞診検査をお勧めします。マンモトームの検査は、石灰化の範囲が同じ組織であるという原則で、その一部を切除して検査するものです。ですから、生検部以外に癌がないという保証はありません。今後も石灰化の病巣を、定期的な検診で経過を見る必要があります。生検の刺激で増殖するということは原則としてありません。(文責 清水)
【No.3274】 04年12月14日 S
非浸潤癌の治療についてはじめまして。伺いたい事があります。一般的なお話でいいので、教えていただけないでしょうか? 33歳の既婚です。出産経験はありません。5年ぐらい前から乳房の乳首の脇当たりにしこりがありました。そのしこりは、ずっと良性でした。今年に入り、そのしこりより3センチぐらい上に新たにしこりができ、新しいしこりが短期間で大きくなったので、その部分だけ摘出手術をしました。病理結果は、良性腫瘍と癌が混じった「非浸潤癌」でした。その結果、もともとあるしこりも摘出した方がいいという事となり、3分の一(温存手術)、摘出いたしました。その病理の結果も乳管内の「非浸潤癌」でした。ただし、最初のしこり事体は「良性」で、最初に摘出したしこり付近にあったものが、「非浸潤癌」。乳管内にわずかの癌の取り残しが考えられるとの事でした。その後の補助療法を伺った所、放射線治療、抗ガン剤(抜け毛はすくないタイプ)、ホルモン療法だと言われました。ホルモン薬が効くタイプかどうかは、現在調べ中です。
1) 再手術をすることが最善策なのか?が知りたい。それとも補助療法だけで大丈夫なのか? 主治医としては、まだ若いので今後を考えると再手術をした方が良いとの事。
2) 非浸潤癌は、放射線はするとは聞いた事がありますが、抗ガン剤は「必要ない」と他の記事などでは見た事があります。ホルモン療法や抗ガン剤は、本当に必要なのでしょうか? これをしなければ、予後はよくないのでしょうか?
お忙しい中とは思いますが、ご回答よろしくお願いします。1) 非浸潤癌で、切除断端に癌があった場合どうするかという質問と解釈しました。通常の浸潤癌であれば、放射線治療でOKですとなります。それは、再手術するよりも、全身の再発に対する治療の方が優先されるからです。しかし、非浸潤癌の場合、全身再発のリスクがない分、局所治療が大切になります。きっちり追加切除して断端陰性とすべきという考え方があります。しかし、どこまで切除したら良いのでしょう。(もう既に三分の一切除している訳ですから)究極は乳房切除ということになります。非浸潤癌は乳房切除すれば根治できる病気です。一方、乳房温存を望むのであれば、一カ所くらいの断端陽性は放射線治療でコントロールできるだろうし、最悪、コントロールできずに残ったとしても、定期的に検診していて早めに乳房内再発を見つけ切除すれば、命に関わることはないだろうという考え方もあります。根治を望むのか、乳房温存を望むのかの問題だと思います。
2) 非浸潤癌で、乳房温存した場合、放射線治療は必須です。放射線治療しないと高率に乳房内再発することが知られています。一方、ホルモン療法も乳房内再発を予防するという目的と反対側の乳癌の発生の予防の目的で使われます。放射線とホルモン療法の併用は放射線単独とあまり効果に差がないと言われています。また、ノルバデックスで子宮体癌の発生が増える等のリスクもありますから、よく考えて選択すべきです。ちなみに乳房切除すればどちらも不要です(反対側の予防のためならばホルモン治療を選択しても良いですが)(文責 清水)
【No.3273】 04年12月14日 T.O
腫瘍マーカー、ホルモン注射について(HPNo.2381-3)いつも読ませていただき、大変参考になります。ありがとうございます。私は、5月にNo.2381で質問をさせていただいたものです。その節は丁寧なお答えをいただき、ありがとうございました。おかげさまで落ち着いた気持ちで手術に望み、現在に至っております。手術は乳房扇状部分切除術で、リンパ節転移は、なしでした。その後放射線治療後、ホルモン療法(ノルバデックス)を続けています。先日、6ヵ月後の検査で腫瘍マーカーの一つの数値が上がっていました。NCC−ST−439が4.8から14.0、CEAは2.5、CA15−3は11.0、 IAPは281でした。主治医の先生のお話では、私はノルバデックスではまだ生理が完全には止まっておらず、血液検査の日が生理日と重なっていましたが、それが原因でNCC−ST−439の数値が上がったのではないかということでした。このまま生理が止まらないならホルモン注射(ゾラデックス)が必要と言われました。同時に行った腹部エコーや乳腺エコー、子宮体がん、子宮頸がんの検査は異常なしでした。また、私は以前から子宮筋腫もあり、最近の診察では直径5cm×7cmぐらいもののと、小さなものがいくつかあるとのことでした。乳がんの手術を受けた病院とは違う産婦人科の先生のお話では、「子宮も卵巣も全部とってしまった方が子宮筋腫にも乳がんのためにも良い」と勧められました。長くなり、申しありませんが、4つ質問があります。
1) 腫瘍マーカーのNCC−ST−439の数値の14.0については、生理の影響だろうと言われ、再発・転移の心配はないと言われましたが、このまま経過観察でよいのでしょうか。
2) 生理が完全には止まっていないことや子宮筋腫のためには、ホルモン注射はやはり必要なのでしょうか。
3) ホルモン注射とはどのようなものなのでしょうか。また、それに伴う身体的影響はどんなものなのでしょうか。
4) 子宮筋腫の治療のためと乳がんの再発防止のために子宮や卵巣を全部取ってしまったほうが良いと言うのは本当なのでしょうか。
お忙しいところ誠に申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。1) 申し訳ありません、NCC-ST-439を普段使っていないので、偽陽性の原因等について知りません。私はCEAとCA15-3を使っていますが、この両者は正常範囲内なので心配ないかなと思います。NCC-ST-439を使い慣れている先生が生理の影響だろうとおっしゃっているのならば、それを信じて良いのではないでしょうか。
2) 詳しい病理結果が不明なので何とも言えませんが、閉経前で、リンパ節転移(-)、ER(+)と考えると、組織学的悪性度によって推奨ガイドラインは変わります。Grade1ならばノルバデックスですが、Grade2以上だと、ゾラデックスで生理を止めてノルバデックスを内服することが推奨されます。
3) ホルモン注射というのはLH-RH analogue(商品名はゾラデックスもしくはリュウプリン)で、4週間に一回注射することで生理を止めます。その身体的影響は、急激に閉経状態になりますから更年期障害が起きます。ただし、この薬による閉経は可逆性がありますから、更年期障害が強くて辛い場合は投与を中止することで生理が戻って、更年期障害は軽くなります。
4) 生理を止めることが有効ですから、両側の卵巣を切除するのも一つの方法です。薬で生理を止めるのと、卵巣を切除して生理を止めることの大きな違いは、可逆性があるかないかです。前述したように薬で生理を止めた場合は投与を中止すれば生理は戻りますが、手術で生理を止めるともう後戻りはできません。しかし、何年も薬を使うことを考えると、手術の方がcostはずっと安くなります。従って、お勧めはひとまずは薬で生理を止めて、更年期障害があまり強くなく、耐えられる範囲であれば、手術的に卵巣を切除することが良いと思います。卵巣を切除することが子宮筋腫の治療になるかどうかは婦人科の先生に相談してください。(文責 清水)
【No.3272】 04年12月14日 k
乳首のかゆみについて36歳男性、3年前に大腸がんを手術しました。経過は良好ですが、ここ数ヶ月左側の乳首に違和感を覚えます。常に敏感で痛がゆく、大きさも違うような気がします。乳輪の黒ずみもあるような気がします。しこり等は感じられませんが不安です。ちなみに現在心療内科でトレドミン錠とメイラックス錠を処方されています。AHCCも飲んでいます。妻はアレルギー性皮膚炎のようなものだと思っているようですが、なんとなく不安なまま医者に行く前に相談してみたいと思ったので、どうぞお返事ください。
メールの内容からは悪性疾患の存在は否定的に思いますが、主治医の先生に相談され、必要あれば、皮膚科を受診されたら良いのではないでしょうか。(文責 清水)
【No.3271】 04年12月14日 uji
乳頭からの出血現在妊娠7ヶ月、出産経験有り、28歳主婦です。先日入浴中に乳房をマッサージしていたところ、白い分泌液に混じって出血が少しありました。出血するのは左のみです。出血イコール乳癌と考えてしまうので、とても心配です。この場合は婦人科ではなく外科を受診したほうがよいのでしょうか。また、妊娠中でも乳癌検診は可能なのでしょうか。宜しくお願い致します。
乳頭血性分泌で癌である可能性は20%くらいです。良性の乳頭腫の可能性が最も高いのですが、妊娠中には特に病変がなくとも出血することがあります。触診でしこりを触れるようであるならば心配ですが、そうでなければ、ひとまず外科を受診して、分泌物の細胞診を行ってもらえば、癌でないことを確認できると思います。妊娠中の場合は原則としてMMGは撮りませんが、検診は可能です。(文責 清水)
【No.3270】 04年12月14日 Y.N
二つの診断結果(HPNo.2983-2)以前No.2983で相談致しましたものです。その節はありがとうございました。結局近くの病院で検査(触診、エコー、マンモ)してもらったところ、エコーに黒やまだらの扁平な丸い影が左5個右1個見つかりました。形からして乳腺症であると言われましたが、マンモの石灰化に線があり、よくないので全身麻酔による細胞診を行うと言われ、すぐ入院手続きをしました。そこは乳腺専門科のある病院ではなかったので、念のためすぐに専門医のいる病院で事情を説明して調べてみたもらったところ(胸部、背部のX線、マンモ、エコー、触診)、結果は乳腺症との診断で、切る必要はなく経過観察でよいと言われました。結果に困惑している旨を伝えると、すぐに大学病院へのセカンドオピニオンをすすめられました。大学病院では持ってきたマンモの読影と触診してもらい「悪性の可能性は低い、良性の石灰化」と言われました。この診断結果の違いはどうしたらよいでしょうか。最初の病院では手術の手続きをしているし乳房もかなり切るように聞いているので、とても迷っています。局部麻酔ではしこりがわかりにくくなるので全身麻酔をするとも言われました。(そうなんですか?) でもあとの二つに病院では悪性と見られるしこりはないとはっきり言われました。最初の病院にこの事実を説明すべきなのか、念のため細胞診を受けたほうがよいでしょうか。
初診の病院、専門医の病院、大学病院の3カ所で見てもらって、2カ所が良性で手術の必要なしと判断しているのであれば手術しなくても良いのではないかと思います。まして、石灰化の病巣を切除するのは局所麻酔でするのが普通です。どうしても心配ならば、マンモトーム生検がお勧めです。(文責 清水)
【No.3269】 04年12月14日 ISHI
今後の治療に関して初めて相談させて頂きます。45歳未婚です。乳頭腺管癌との事で、9/13に手術し、左乳房全摘、リンパ節郭清、腫瘍の大きさは3cmでした。書いて頂いた診断書にはT3a,N3,M0とあり(意味はよくわからないのですが)、腋のリンパ節には転移はありませんでした。但し、肋軟骨の下のリンパ節が腫れて転移が疑われるとの事で、手術後鎖骨から逆L字形に放射線を25回照射し終わった所です。癌のタイプは3段階中2番目の悪さですが、ホルモンレセプターは陽性で、ホルモン療法が良く効くタイプだそうです。17日(金)から次の治療が始まりますが、先生の所見としては2つ方法があり、
1)化学療法(CAFを週1回2週間連続で打って2週間休み×6ケ月)、その後ホルモン療法(タモキシフェン服用)
2)ホルモン療法だけ(毎週1回注射を4回打って2年間は生理を止めて、5年間ホルモン治療薬を服用)
どちらも同等の治療で、統計的には変わらないとの事でした。であれば、出来れば副作用の強い化学療法は避けたいのですが、胸のリンパ節に転移が(まず確実に)あるだろうと思われるのに、ホルモン療法だけで全身に点在しているかもしれない癌細胞を叩けるものなのでしょうか? やはり抗がん剤の方がいいのでしょうか? それとも、一応CAFをやってみて、あまりに副作用がひどい場合は中止して、Aの方法に切り替えるという事も選択肢に考えられますか? 担当医はどちらかというと@を薦めるとの事でした。また、腋のリンパ節に転移がないのにVAというのは、胸のリンパ節に転移がある方が性質が悪いと言うことですよね。私の場合の再発の可能性はどれ位で、生存率は何%位でしょうか? 本来なら担当医に聞くべきなのでしょうが、人気があり忙しい先生なので、なかなか質問する事も思うに任せられません。お忙しいところ申し訳ございませんが、アドバイス頂けるとうれしいです。よろしくお願いいたします。問題は傍胸骨リンパ節転移(肋軟骨の下のリンパ節:以下PS)があるかどうかです。多分エコー検査で腫大したリンパ節を指摘されたのでしょう。通常は腫れていないリンパ節なので、腫大しているというだけで転移が疑われます。しかし、本当に転移かどうかは切除しないとわかりません。治療としては放射線治療で良いのですが、問題はご指摘の通り、PSに転移がある場合は予後が不良であるということです。ですから、現時点ではCAF+ホルモン療法が推奨されると思います。CAFを行う前から副作用を心配するより、一度やって、耐えられない副作用であれば中止することも可能です。但し、1クールでも脱毛は完全脱毛します。再発率については、PS(+)とすれば20〜30%見込んだ方が良いと思います。(文責 清水)
【No.3268】 04年12月14日 K.M.
術後の治療方法について以前、母が乳癌とわかり手術、転移の検査結果待ちとのメールをしたK.M.と申します。検査結果、家族同伴での術後の治療方法について説明があり、その方法と薬の種類について悩んでおり、再度ご意見をお聞きしようと思いました。手術の内容からご説明すると、病名:左乳癌、 手術:部分切除、リンパ節全摘出、 手術日:11月30日、 検査結果:リンパ節転移摘出17個中3個、ステージIIb、グレード3、腫瘍の大きさ1.4cm×2.5cmくらい、その他、骨、肺、肝臓の遠隔転移現時点では見られず。医師から薦められている治療方法:ホルモン治療アリミデックス1日1錠を5年間ーこれは決定しております。抗がん剤点滴治療6回、CAF(エキドキサン、アドリア系、5−FU)もしくは内服治療(エンドキサン、5−FU系)を2年間。
治療方法について悩んでおります。医師は、「抗がん剤CAFを点滴にすると最初の2,3年はつらいが、今後の再発の可能性が10%低くなる。錠剤にすると今後の2,3年は内服なので楽だが、再発の可能性が高いため再発の時にはつらくなる」と、少しでも再発の可能性が低くなる抗がん剤点滴を薦めています。母は髪の毛が抜けるのは絶対にイヤとのこと、また最初の2,3年が自分にとっては数年後よりも大切で、再発は抗がん剤を点滴し髪をなくした方でも可能性はあるので、来るときはだれにでもくるので「運」だと、少しあきらめと「自分はないだろう」という期待もあり、悩んでいるのだと思います。家族はグレード3とのことなので、少しでも再発の可能性が低くなることを期待しているのですが、やはり治療を受けるのは本人で、抗がん剤は副作用も人によっては強いと聞きます。またCAF療法ではアドリア系の薬は脱毛の副作用がある人もいると聞きます。脱毛がない方法でと内服でアドリア系をなくしたものがとも思いますが、実際のところ確認されている副作用としてエンドキサンと5−FUの内服で脱毛はないのでしょうか? またアドリア系を服用しないことで再発の可能性(今までの結果などから)は大きく異なるのでしょうか? 母は大阪で、私は東京に住んでおり、説明が直接聞けませんでした。母がメモを取った内容、また医師の方からいただいた書面の内容から上記検査結果を記載しましたが、欠けている点もあるかと思います。なにとぞご教示いただけると助かります。よろしくお願いします。お母さんの年齢とER,PR,Her2の結果があるとより良いのですが、主治医の先生がCAF、アリミデックスを勧めているので、そんなに高齢でない閉経後のER(+)と考えて回答します。標準治療としてはCAFが推奨されます。CAFでは90%以上の方が脱毛します。ですから治療開始時にはカツラを用意してもらいます。しかし、治療が終了すれば元通りに回復します。エンドキサンと5-FUでも若干脱毛はありますが、カツラをかぶるほどひどい脱毛にはなりません。確かに女性にとって脱毛というのは不快な副作用で、お母さんの気持ちも理解できます。ただ、それは乳癌の再発ということの恐ろしさを実感していないからだと思います。確かにCAFを行ったからといって100%再発しなくなる訳ではありません。でもできるだけ再発の確率を低くする努力をしておいた方が、後で後悔しないで済むのではないでしょうか。再発のリスクを下げるためにはCAFを行うことをお勧めします。どうしても脱毛が嫌だということであれば、CMFが勧められます。エンドキサン+5-FUよりは確かなevidenceがありますから。ERが強陽性であればアリミデックス単独でもよいかもしれません。(文責 清水)
【No.3267-1】 04年12月14日 Y.I.
手術後の補助療法についてはじめまして。47歳、硬癌、しこりの大きさ2.0センチ、ステージ3-a、リンパ節転移レベル2(15/7)、ER+、 PR+で、3月に右乳房の温存手術をしました。手術後の補助療法について、ご質問申し上げます。術後3週間目から、ホルモン療法(ゾラとタスオミン)、化学療法(1週間に一度のタキソールの投与)と放射線治療を同時に開始したところ、タキソール3回目、放射線を7回照射した時点で、重篤な副損傷を起こしてしまいました。具体的な症状は、高熱と、放射線照射部位のひどいやけどの症状で、1週間、抗生剤の点滴を受け、脇下を切開し、チューブを挿入し廃液するなど、手術時よりもずっと痛くて辛い思いをしました。その後、白血球の数も2000まで低下したため、結局、タキソールは1クール(当初の計画は4クール)で、また放射線照射は7回(当初の計画は25回)で中断し、ホルモン療法と内服療法(エンドキサンとユーエフティー)を続けております。6月からは仕事にも復帰し、最近では、ホットフラッシュのほかには、目立った副作用もなく元気に過ごしており、白血球数も3000〜4000台に回復したため、中断していた放射線治療を1月から再開することにしました。放射線科の医師は、すでに7回照射しているので、今回は20回照射するとの説明を受けました。私としても、化学療法も放射線療法も中途半端にしかやっていないため、予後について大変不安であり、放射線だけでも最後までやりたいと思っていましたが、No.3148の乳ガン術後の放射線治療について、稲葉先生が、「温存療法において術後の放射線治療の開始時期について、術後3ヶ月程度以内であれば開始時期が早くても遅くても特に差はないと考えられます。」とお答えになっていらっしゃいました。私の場合は、すでに術後10ヶ月もたってから放射線治療をすることになりますが、治療の効果はあるのでしょうか? また、抗がん剤についても、内服だけの治療で良いのでしょうか? 主治医は、私の場合はホルモン治療がよく利くタイプであるからと説明してくれていますが、予後のことを考えると、とても不安です。どうぞよろしくお願いいたします。
まず最初に、術後に放射線と化学療法と内分泌療法を行わなければいけない時、同時に行うことはあまりお勧めできません。理由の一つには、今回の様に副作用がでたとき、どれが原因かわからなくなってしまうこと、また治療効果についても、化学療法と内分泌療法は別々に行った方が予後が良くなることが確認され、内分泌療法と放射線治療の併用も、乳腺組織の線維化が強くなるので望ましくないと言われています。原則として化学療法、放射線、内分泌療法の順番がお勧めです。術後10か月経ってからの放射線治療は、術直後に放射線治療をした場合に比べて乳房内再発の確率が若干高くなるでしょう。しかし、放射線治療をしなかった場合に比べたら遥かに低い確率ですから、今からでもかけるべきです。術後補助療法としてTaxol単独というのは標準的な治療とは思えませんし、エンドキサン、UFTの組み合わせも、再発治療ではevidenceがありますが、術後補助虜法としてのevidenceは乏しい治療の様に思えます。リンパ節転移の個数を考えるときちんとしたevidenceのある術後化学療法をお勧めします。しっかり術後補助化学療法を行って、それからホルモン療法だと思います。(文責 清水)
【No.3267-2】 05年01月09日 Y.I.
手術後の化学療法についてこんにちは、12月14日にHPNo.3267で、術後補助療法についてお尋ねし、お返事をいただいたY.I.です。その節は、明確なご回答、本当に有難うございました。先生からのお返事を、主治医や執刀医の先生方にも見ていただき、科学的根拠に基づいた化学療法を受けたいという要望を伝えたところ、今後の治療について、再検討していただくことになりました。1月11日に入院して放射線治療を再開することになっており、放射線治療に専念するため、内分泌療法(ゾラ・タスオミン)は一時中断することになりました。化学療法は、放射線治療終了後に再開することになります。現在の治療は、副作用も少なく、日常生活にもほとんど支障なく過ごせるため、化学療法の再開については抵抗がありましたが、将来後悔しないために、先生のおっしゃる「きちんとしたevidenceのある術後化学療法」を受ける決心がつきました。背中を押していただいて、本当に有難うございました。ところで、今回は、evidenceのある術後化学療法について教えていただきたいと存じます。私の場合(47歳、硬癌、しこりの大きさ2.0センチ、ステージ3-a、リンパ節転移レベル2(15/7)、ER+、PR+、3月に右乳房温存手術)は、標準的な化学療法は、AC+タキソールとなるのでしょうか? また、どのくらいの期間の投与が必要となるのでしょうか? お忙しいところ恐縮ですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
欧米の臨床試験結果から考えると、リンパ節転移陽性乳癌の術後補助療法としては、AC(またはEC)+タキソール、FEC(またはFAC、CAF、CEF)などの記号で表される治療が、比較的再発予防効果が高いと考えられています。A=ドキソルビシン、E=エピルビシン、C=サイクロフォスファマイド、F=5-フルオロウラシルなどは、投与する抗癌剤の頭文字を表しています。あなたがAC+タキソールをエビデンスに沿って投与するならば、抗癌剤の投与量はA=60mg/m2、C=600mg/m2、タキソール=175mg/m2(mg/m2とは体重と身長から計算された体表面積あたりの投与量)を3週間隔で投与していきます。ACを4回、タキソールを4回投与するので、治療終了までおよそ6ヶ月間かかる予定となります。ただし、使用する抗癌剤がエビデンスと同じでも、一回投与量や投与間隔、投与回数が異なると、期待するだけの再発予防効果が得られないと考えられています。治療開始に当たっては、抗癌剤の種類と同時に詳しい投与スケジュールについても確認しておくことが重要です。(文責 千島)
【No.3267-3】 05年03月30日 Y.I.
術後の化学療法についていつも大変お世話になります。HPNo.3267で術後の補助療法についてご相談申し上げたY.I.です。先生方からのアドバイスに勇気付けられ、先月術後10ヶ月目にして、放射線治療を終えました。現在は化学療法を受けるため入院中です。ACを3週間ごとに4回投与し、その後タキソテールを投与する予定ですが、3月8日に第1回のAC投与後、白血球が1700、好中球40%まで低下し、3週間たっても改善しないため、2回目のAC投与ができない状況にあります。主治医からは、「術後の補助療法であるため、白血球を上げる注射等の治療はやりません」と言われました。また、私は、昨年3月の手術後にタキソールを1クールした時、骨髄抑制が激しくて化学療法を断念したことから、今度のACも投与量を75%にしたのですが、それでも白血球が下がり、なかなか回復しません。そこで今後の治療方針として、次のうちから選ぶように言われました。
1) 60%くらいまで投与量を減らす。
2) 1回目と同じように75%量の抗がん剤を投与するが、投与の期間を3週間ではなく、もっとあける。
HPNo.3267で、千島先生から「使用する抗癌剤がエビデンスと同じでも、一回投与量や投与間隔、投与回数が異なると、期待するだけの再発予防効果が得られないと考えられています。治療開始に当たっては、抗癌剤の種類と同時に詳しい投与スケジュールについても確認しておくことが重要です。」というアドバイスをいただきましたが、再発予防効果を考えると、私は、どちらを選んだらいいのでしょうか? また、白血球を上げる治療を行って、通常の投与量・間隔の化学療法を行うということは、やはり難しいことなのでしょうか? お忙しいところ誠に恐縮ですが、今週中に主治医に回答する必要があります。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。難しい問題ですね。私の考えでは、投与量を減らす、投与期間を空ける、に加えて、白血球を増やす注射を使うという選択肢もあると思います。どれがよいかは決めかねますが、再発の確率を低くしたいというのが第一希望であれば、3番目の白血球を増やす注射を使うという選択肢が良いと思います。その根拠は、ACは量が減ると効果が下がること、ACを3週に一回投与するのと白血球を増やす注射を使いながら2週に一回投与するのでは後者の方が再発が減少したというデータがあること。この二つの事実を考えると3番目の選択肢が良いように思います。(文責 清水)
【No.3266】 04年12月14日 M.M.
化学療法の無作為臨床試験9月末に乳癌が見つかり、現在関西方面で行われている無作為臨床試験に参加して、術前抗癌剤治療中の40歳です。年明けに手術予定です。今、この試験を抜けて、より納得のいく治療を受けるべきか思案しています。アドバイスをお願い致します。
★臨床試験の概要
化学療法 @ 術前EC・術後weeklyタキソール 各4クール
A 術前weeklyタキソール・術後EC 各4クール
術前にどれだけ腫瘍が縮小するか見る試験とのことで、私はAが当って、タキソールが先行しました。投与量は134rで現在3クール目ですが、2クール終了時エコーで計測したところ、38oあった腫瘍が11oまで縮小していました。今も少しずつ小さくなっています。
★術前検査でわかっている病理
・ステージVa ・腋窩リンパ節転移あり N2(MRIでは2,3個写っていました)・ER(+)・PgR(+)・HER2(2+)・核異形度2 ・その他遠隔転移なし(肺に多少あやしい影はあるそうです)
★質問事項
1) ECとタキソールを使用することについては全く異存はないのですが、私のようなハイリスク患者にとって各4クールというのは少ない気がします。この試験では副作用を考慮して4クールの設定になっているようです。悔いを残さない治療をするために、各6クールしっかり受けた方がいいと思うのですが、いかかでしょうか。
2) 当初タキソールが先行したことに対して不安がありました。標準的には、リンパ節転移陽性の場合AC・ECの後に追加でタキソールという認識ですが、抗癌剤の順番というのは意味があることなのでしょうか? 2クールでかなり著明な効果が出ているので、術前抗癌剤としてはこれでよかったのかなと考えていますが…。
3) 原発巣にこれだけ効果が出ているということは、既に全身に散らばっているであろう癌細胞はかなり消滅していると考えてよいでしょうか。予後はある程度期待できるでしょうか。
4) 再発・転移した際には、この2つの抗癌剤はもう使用できないでしょうか。(例えばハーセプチン+タキソールのような使い方は…)
5) リンパ節転移の個数が不明ですが、わかっている私の病理で再発率・5年生存率・10年生存率がある程度予測できたら教えて下さい。
試験に参加することも患者としての責務であることは理解しているのですが…。お忙しいところ大変恐縮ですが、どうぞよろしくお願い致します。臨床試験に対する理解の深さに敬服いたします。臨床試験に参加したからにはそのルールを守ることが要求される一方、自分の意志で同意を撤回できる自由があるのも臨床試験です。
1)Taxol4クールというのはweekly投与ですから、12週投与と理解しています。現時点でweeklyで12週、3週に一回投与法で4クールというのは標準的な投与量だと思います。ECについては議論があるところですが、ECとTaxolを組み合わせる時は3週に一回投与で4クールが標準的です。CEF単独の時は6クールが標準的です。
2)Taxolが先かECが先か、それを調べるのがこの試験の目的ではないでしょうか。欧米ではECが先行する試験が多く組まれていますが、どちらが先が良いかの答えはでていないと思います。ただ、現在最も勧められる術前化学療法は両者を術前に行う治療法です。
3)原発巣に効果が出ていれば全身に散らばっているかもしれないがん細胞にも有効と考えられます。しかし、正確には、縮小しただけではその効果は不十分で、原発巣が病理学的に消失しないと有効とは言えないということになっています。
4)術前術後に使って死ななかった細胞が再発で現れたと考えるので、原則的には使っても効果がないだろうということになっています。しかし、全く使えない訳ではありません。
5)病理学的な検索ができていないので正確なデータではありませんが、腋窩リンパ節転移が陽性ということになると30%近い再発率を予想します。5年で80、10年で70%くらいの生存率でしょうか。(文責 清水)
【No.3265】 04年12月14日 H.I
骨転移では?初めてメールいたします。43才です。昨年2月に左乳房の温存手術を受け(ガンは1.6p・リンパ節転移なし)、その後30回の放射線治療を終えました。現在はホルモン療法で、タモキシフェン5年間服用とリュープリン2年間(来年3月まで)です。肥満防止の為、ジョギング(7〜10km)を続けています。定期検診も今まで全く異状なく、先月の血液検査でも腫瘍マーカーに異状は見られませんでしたが、その少し前から右の腰骨に痛みが出てきています。先日、主治医にそれを伝えはしたのですが、来年2月に定期検診がある為、今月に検査を入れることは私から断ってしまいました。更年期症状の一つであれば良いのですが、骨転移の可能性があるのでしょうか。仕事が忙しい為、検査を理由に会社をなかなか休めません。年明け早々検査をした方が良いのでしょうか。よろしくお願いいたします。
乳癌の手術後に腰痛が起こると全ての方が転移ではないかと思いますし、主治医もそれが心配になります。転移の可能性は常にあります。ですから、仕事もお忙しいでしょうが、なんとか時間を作って検査をすることをお勧めします。実際には違うことが多いのですが...。(文責 清水)
【No.3264】 04年12月14日 K.O.
術後補助療法について初めまして。術後の補助療法についてご相談したく、アクセスさせていただきました。私は45才、閉経前です。先月、右乳房全摘しセンチネル生検をしたところ、リンパにも転移が認められ郭清しました。病理検査の結果は
1)大きさ 1.9センチ 浸潤しているところ
2)組織型 一般的な乳がん(多分硬がんか?)
3)リンパへの転移 9本中1本 大きさ2ミリ
4)グレード 3 、ホルモンレセプターはER,PgRともに+
主治医が提案した術後補助療法は3通りあって、@AC+タキソール6ヶ月(各4サイクルずつ) AACのみ3ヶ月(4サイクル) Bゾラデックス2年(1ヶ月に1回皮下注射)。いずれの場合も終わってから(または平行して)ホルモン剤(たぶんノルバデックス)を5年間服用するということです。
主治医は@のAC+タキソールが標準的な治療でお奨めであること、ACのあとにタキソールを追加しても再発率が下がるのは5パーセント以下であるということ、ACとゾラデックスは再発抑制効果は同じであるということを伝えました。私は一般的に抗がん剤より副作用が少ないと言われているBのホルモン療法を選択したいのですが、1本であれ転移があったこと、グレードが3という結果を重く受け止めていて、この選択でよいのか自信が持てません。来週、医師との面接があるので、アドバイスよろしくお願いいたします。選択の一番難しいカテゴリーです。このカテゴリーのSt.GallenのguidelineではChemo+TAM+/-GnRH(OA)、GnRH(OA)+TAM+/-chemoとなっています。現在の標準治療にまだTaxaneは含まれませんから、標準はA,Bとなり、A,Bの比較は、AC4とCMFはほぼ同等、CMFとZoladex+Tam(ノルバデックス)もほぼ同等ということから、A,Bは効果ということからはほぼ同等と考え、後は副作用の差で決めることになります。@のAC4+Taxol4は現在行われている臨床試験でAC4より再発を抑える力は強いことが証明され、近々標準治療としてガイドラインに載るのではないかと言われています。確かに、治療効果からだけ考えると@がお勧めだと思います。(文責 清水)
【No.3263】 04年12月14日 Y.Y.
乳腺線維腺腫初めまして。宜しくお願いします。34歳、既婚、出産経験2回です。既往歴は帝王切開2回、喘息(最近は全く起きない)、アトピーです。半月前に2センチの腫瘍の摘出を致しました。乳首から脇へ2センチほど離れたところにある腫瘍でした。術前の検査で、悪性の疑いは低かったのですが、腫瘍が大きめだったことと、日帰りの局所麻酔で行えるということで、摘出しました。術中、術後2週間は良好で、術後の生検でも陰性ということで「乳腺線維腺腫」という診断を下され、安心していたところ、術後2週間後から胸の下、下着が当たるところに痛みを感じ、その日は何も気にしなかったのですが、その翌日、幅5ミリ程度の索状物が、傷口から肋骨の一番下まで一筋きれいに伸びているのに気づきました。大きなミミズが皮下にいるように盛り上がり、全体に痛みがあります。すぐに病院へ行き診てもらったのですが、何なのかは不明。外科の医師4人、整形の医師3人とも、「見たことがない」、「悪性のものではない」ということでした。何もしなくても多少の痛みがあり、腕を上げるとその索状物はかなりつっぱり、痛みも増強します。痛みが和らぐであろうということで、ノイロトロピン特号の静脈注射をしております。確かに痛みは楽になりました。でも、このしっかりと肌から盛り上がる索状物は、ビジュアル的にとても気になります。まだ若いですし・・・。今の所の医師の見解からは、このまま注射で様子を見て、索状物の摘出は、傷が大きくなるのでしないほうがいいということです。でも、最初に私が気づいてから5日で、肋骨まで伸びていた索状物は、今は腹部にまで伸びています。とにかく、この見た目、この痛みを一生味わうのは辛すぎます。これは何なのか、どうしたらよいのか、もし宜しければご助言をお願いします。
メールの内容から察するにモンドール病だと思います。乳腺腫瘍(癌、良性腫瘍を問わず)を手術した後に時々見られますし、原因不明でできることもあります。症状は乳房から側腹部にかけてか、腋窩から上腕にかけての皮下に数cmから、十数cmの長さの有痛性の索状物ができます。病態は皮下の細い静脈の血栓性静脈炎で、経過は無治療でも数週間で自然治癒します。治療は痛いときに鎮痛剤を処方するだけです。間もなく良くなりますから心配しないでください。(文責 清水)
【No.3262】 04年12月14日 K
ホルモン療法(HPNo.3113-4)ホルモン療法として今日初めて薬をもらいました。私が用事で行けなかったので主人に取りに行ってもらったのですが、アリミデックス錠1mgを40日分いただきました。インターネットで調べると、アリミデックスは閉経後の方に使用されると書いてあるのですが、私は43歳で、まだ閉経前です。といっても抗がん剤治療で今現在は生理は止まっていますけど・・・。生理は2クール目まではあって、9月にあったのが最後です。閉経前でもアリミデックスで良いのでしょうか? それから、私の勝手で診察が3月1日まで行けないのですが(薬だけ来月またもらいます)、その時にお腹に注射をすると聞いているのですが、それまでに生理になってもいいのでしょうか? それから、入院時に子宮の検査をした時に違う組織があると言われ再検査をしたのですが、結果は絨毛?が多く、年明けくらいにまた検査した方がいいと婦人科の先生に言われたのですが、外科の先生には1年後でもいいでしょうと言われています。ほっといていいのかな〜っと不安なのですが、3月に診てもらった方がいいでしょうか?
生理が止まっていれば閉経と考えます。ですから、43歳でも閉経後となります。正確には女性ホルモンの値を測ってもらえばいいのですが、ゾラデックスを使うならば、間違いなく閉経状態になりますから、アリミデックスを内服できます。ゾラデックスはきっちり4週間に一回打たないと効果ありません。都合が悪い場合、プラスマイナス一週間のずれは許容されています。婦人科の問題は婦人科の先生の指示に従うべきだと思います。(文責 清水)
【No.3261-1】 04年12月13日 N.N
進行した乳がんと言われたらN.Nと申します。ぜひ、以下の疑問にお答えいただきたいです。自分のせいではあるのですが、忙しさにかまけて乳房の異常を知りながら2ヶ月ほどほっておきました。その為、がんが乳房の皮膚まで進行して出血し、乳首が陥没した段階で病院にかかりました。マンモグラフィ検査は患部を一層痛めるということで、やめになり、いきなり局所麻酔の上、針を刺して細胞を採取されました。この検査は、エコーやレントゲンをしていないのにすぐすることはないと、いずれかのHP上の記載をみたのですが、私の場合肉眼でその異常が確かめられたから致し方なかったのでしょうか。針による検査の次には、肺、肝臓、骨に転移がないかのため、エコーと骨シンチを行うことになりました。ちなみに、MRIやレントゲン検査は全くしていません。検査の時の注意事項として、医師から、朝から何も食べないよういわれたので、水は良いですかと質問したら、「良い」といわれました。その後、検査の予約窓口でもう一度受付の方から注意事項の説明があり、水もダメといわれました。その時、担当医師には水は良いといわれたと話したら、受付の方にそれはおかしいと言われました。これは、医師が単に他の検査と勘違いをしてとっさに良いと言ったのでしょうか、それとも(悪く勘ぐれば)かなり状態が悪いので検査は形だけで、精度は求めていないのではないかと不安が募っています。これらのことから、医師への信頼が揺らいでいます。わたしは、どうすればいいでしょう。病院は専門外来のある、私の居住地の周辺では「乳がんの治療の中核」となっている医療機関です。抽象的な質問で申し訳ありませんが、どうかアドバイスをお願いします。
メールの内容からするとかなり進んだ乳癌のように思います。進んだ乳癌だから精度を求めないのではなく、進んだ乳癌だからこそ無駄な検査を省いて、できるだけ早く治療に繋げようとしているように思います。行っている検査、省いている検査は標準的だと思います。検査前の飲水については、多分エコー検査の前の話だと思いますが、何故腹部エコー検査の前に食事や飲水が禁止されるかというと、胃の中に大量の水分や食物があると、胃の後ろにある膵臓やリンパ節等がきれいに見えなくなってしまうのです。今回の検査の最大の目的は肝臓の転移の有無を調べることですから、主治医の先生からすると、肝臓を調べるのに多少の飲水は構わないと考えたのだと思います。一方、検査技師さんからすると、腹部エコー検査をするということは、肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、リンパ節等全ての検査をするつもりですから、飲水はしないでくださいということになります。ちょっとした見解の相違です。こういう見解の相違が生じるのは好ましいことではありませんが・・・。(文責 清水)
【No.3261-2】 04年12月26日 N.N
治る見込みのない乳房切除について以前、進行した乳がんのこと(No.3261)で相談させていただいたN.Nです。実はその結果が出たので、ご意見をいただきたいと思います。左胸のしこりが皮膚まで達し、体液や血がしみだしていて、腰痛悪化のため受診しました。診断はかなり進行した乳がんで、骨盤、右肩に転移があるとのことでした(肺、肝臓には今のところ転移は見られないとのこと)。「よって治る見込みはない。これからの治療方針としては、基本的日常生活ができる期間を先延ばしすることが目的となる」と言われました。まず、ホルモン療法の開始。タスオミンD錠を一日一錠内服。同時に、骨転移の為、今現在歩行時に若干痛みがあるので、4週に1度の間隔で点滴投与。痛みや骨がもろくなるのを抑えるためのものだそうです。この治療をして、どのくらい生存年数、月数が延びるものでしょうか。この治療は、生きている限り続くものですか。効果がなくなると、そこで終わりということでしょうか。また、左胸のしこりをどうするかですが、「しこりをとっても病気が治るというわけではないので、必ずしもしなさいとは言えない」と言われました。ただ、「傷が化膿しないように気をつけたりしなければならないのが煩わしければ、手術をしてもいい」と、私の判断に委ねられました。「これから実施するホルモン療法、もしくは放射線治療(実施するかどうかは未定)により、しこりが小さくなることがあるので、傷も小さくなる可能性はある。それも薬が合えばで、確率としては半々と考えられる。」とのことです。やっぱり手術はした方がいいのでしょうか。しこりをほおっておくと癌が一層進行しますか。もし、した方がいいとしたら、時期は早急ですか、それともホルモン療法、放射線治療用の経過を見てからでもかまいませんか? よろしくお願いします。
T4N?M1、stageWの乳癌治療という事になります。個々の状況により、どの治療方法がベストであるかはケースバイケースですが、いろいろな選択肢が考えられます。
1)手術を行う事を前提に、術前に、腫瘍の縮小とステージダウンをねらって強力な化学療法(例えば、AC-T)を行う。
2)現在の症状が命にかかわることはないと考えられるので、ホルモン療法を中心に、骨転移に関しては、症状の軽減と骨転移による病的骨折等の合併症の出現を遅らせる為に点滴(アレディア)を行う。
3)乳癌が皮膚まで達し、体液や血液が染み出し、その為の処置を行う事による日常生活の質の低下を考えると、ホルモン療法、放射線治療の経過を見て、局所のコントロールの為に適当な時期に手術を行う。
4)手術を行わない場合は、内分泌化学療法でコントロールできればよいのですが、コントロールできない場合は、ホルモン療法、化学療法共に、1次、2次、3次と、使用する薬剤を選択していき、更に抗体療法(ハーセプチン)を合わせて行う。
以上のように、色々な方法がありますが、私の個人的意見としては、いずれの時期にか、局所のコントロールという意味で、手術を行った方がよいと思います。主治医と十分ご相談の上、納得のいく方法を選択し、前向きに治療に臨まれるよう応援しています。(文責 須田)
【No.3260】 04年12月13日 M.Y.
タモキシフェンの服用量と副作用47歳。妊娠出産経験はありません。今年3月に左胸の腫瘍がステージ2の浸潤性乳管癌と診断され、4月半ばに左胸を胸筋は残して全摘しました。5月末から9月初めまで、2週間おきにAC を4回、タキソールを4回という化学治療を受け、10月からタモキシフェンを服用し始めました。生理は、それまでは毎月定期的にありましたが、ACを2回終えた後、6月の終わりにストップしました。ご相談したいのはタモキシフェンについてです。1日20ミリグラムを服用していますが、のぼせと共に不眠に悩まされています。遅くまで眠れず、やっと眠れたかと思うと夜中に何度も目が覚め、以前は普通に8時間眠れていたのが、5〜6時間しか眠れません。また、以前は食後にはよく眠くなったものですが、それもなくなりました。鬱状態ではありません。しかし、主治医には睡眠薬か抗鬱剤を勧められています。
1) 1日20ミリグラムは一般的な処方量でしょうか。私は小柄です。
2) のぼせと不眠は、ホルモンの劇的な変化による一時的な症状だと思いますが、どれくらい続くものでしょうか。睡眠薬や抗鬱剤の服用以外に、和らげる療法はありませんか。1) ノルバデックス1日20mgは体の大きさにかかわらず標準的です。(1日40mgまで認められています。)
2) ノボセと不眠は、おっしゃるとおりホルモンが急激に減少したための現象だと思います。閉経後数ヶ月で徐々に回復する場合が多いのですが、長く続く方もいらっしゃいます。抗鬱薬、漢方薬などが症状緩和に使われます。ゾラデックスやリュウプリン等による閉経であれば薬を止めることで回復しますが、抗がん剤による閉経の場合は回復しないことが多いので、対症療法しかないと思います。ノルバデックスは服用した方が良いのですが、一旦中止してみて症状が改善するようであれば、効果と副作用のバランスで考えて、ノルバデックス中止も考える必要があるかもしれません。(文責 清水)
【No.3259】 04年12月13日 daka
妊娠初期のマンモについてはじめまして。人間ドックで、「乳がんの再検査を受けるように」との結果でしたので、先日初めてマンモを受けました。検査前に「妊娠の有無」を聞かれなかったので、そのまま検査を受けたのですが、妊娠している可能性があります。妊娠初期のマンモの影響について教えていただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
妊娠中であれば原則としてマンモグラフィー検査は行いません。しかし、主に放射線を浴びるのは乳房だけで、若干の散乱線(周りに散らばる放射線)の子宮への影響が心配されます。しかしその量はわずかなので、胎児への影響はほとんどないと思います。(文責 清水)
【No.3258】 04年12月13日 H
病理検査の結果について(HPNo.3048-2)以前HPNo.3048で、妻(33歳、子供なし)のことで一度ご質問させていただきました。その際はご回答ありがとうございました。ところで、1ヶ月ほど前に手術後の病理検査の結果が出たのですが、そのことでご質問があります。結果は、腫瘍の大きさは2p弱、リンパ節転移0/14、遠隔転移なし。グレード3。充実腺管ガンのT1cn0m0でステージは1期。腫瘍はあまり広がっていなくて、手術できれいにとり切れているとのことでした。また、手術後の補助療法はホルモン療法になりました。それと、ハーセプチンという抗ガン剤が良く効くと言っていました。ただ、その時にリンパ管侵襲・血管侵襲について聞いたところ、「それは気にしなくていいです。そんなことを気にしていてもドツボにはまるだけですよ。ただ、これは湿潤ガンということです」と言われました。結果については教えてくれなかったのですが、思わしくないような感じでした。そこでご質問があります。
1) リンパ管侵襲・血管侵襲はもし悪くてもあまり気にするようなことではないのでしょうか? それとも、湿潤ガンの人はみんなリンパ管侵襲・血管侵襲が悪いのですか?インターネットでは遠隔転移の可能性が高くなると書かれていましたが…。
2) ハーセプチンが良く効く人は予後が悪いとも書かれていたのですが、そうなのでしょうか? その時はてっきり薬が効くのだからいいことなんだろうと思っていたのですが…。
3) 以上のことから、再発率はどれくらいでしょうか?
お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。1) リンパ管侵襲、血管侵襲はないにこしたことはないのですが、主治医の先生がおっしゃるように、予後因子(再発を予見する因子)としてはあまり強いものではありません。
2) ハーセプチンがよく効く人というのは、Her2が強陽性ということだと思います。Her2も予後因子の一つですが、それ単独では再発を予見する力はあまり強くありません。奥様の場合はリンパ節転移がないので、予後は良好で、10年生存率は90%くらいだと思われます。しかし、St.Gallenのガイドラインでは35歳未満の乳癌症例には化学療法が推奨されています。T1N0M0で予後が良さそうなので、ついつい脱毛等の副作用の強い治療を躊躇してしまうのですが、Her2が強陽性であればAC,CEFなどのアンスラサイクリン系抗がん剤が有効なので、心を鬼にして、しっかり抗がん剤治療をすることをお勧めします。(文責 清水)
【No.3257】 04年12月13日 T.S.
ホルモン療法の第2選択について年齢は44歳です。5年前にステージ1の乳がんで、乳房温存手術を行いました。転移は無く、5年間ノルバテックスを飲んでいましたが、今年8月に頸部リンパ節転移(遠隔転移)と診断されました。この3ヶ月間、ゾラテックス+ノルバテックスのホルモン療法をしてきましたが、最近頸部が少し腫れてきました。また腫瘍マーカーも上がっているので、薬を変えてみようかと主治医に提案されています。できれば抗がん剤はやりたくないので、できるだけホルモン療法でいきたいのですが、どのような選択があるか教えてください。閉経前ですが、アリミデックスは使えるのでしょうか?
原発巣のER、PRはどうでしょうか? 陽性であれば、ゾラデックス+アリミデックスもしくはアロマシンという選択肢もありますし、卵巣摘出して閉経させてアリミデックスもしくはアロマシンという考え方もあると思います。(文責 清水)
【No.3256】 04年12月13日 S.K
両乳房のかゆみとただれについて初めまして、こんにちは。HPの相談室を拝見させて頂き、何らかのアドバイスがいただければと思い、メールをお送りしました。20歳女性です。出産経験はありません。今年の夏あたりから、右の乳輪にかゆみが生じました。暑い季節だったということもあり、汗でかぶれたのだろうとあまり真剣に考えていませんでしたが、よくなるどころか今度は左の乳輪にもかゆみが生じました。乳輪とその周りが、どちらもかぶれて変色しています。また、かきむしったからか、乳輪から黄色い分泌液が下着に付着していることもあります(乳首からの分泌は全くありません)。一時期はとてもひどかったのですが、最近少し落ち着いてきたように思えます。しかし完全に治る気配が見られないので、不安になって相談させて頂きました。「パジェット病」や「炎症性乳癌」、「乳腺炎」なのではないかと、とても不安です。皮膚科に診てもらうべきでしょうか、それとも婦人科に行くべきでしょうか? ご多忙中かと思いますが、お返事を頂けると幸いです。よろしくお願いいたします。
メールの内容からすると、乳頭部湿疹だと思います。乳頭分泌はないとありますが、少量の分泌物に乳頭乳輪の皮膚がかぶれてしまうもので、10代後半から20代前半に多くみられます。一見パジェット病に似ていますが、細胞検査をすると違うことがわかります。皮膚科か乳腺外科がお勧めです。(文責 清水)
【No.3255】 04年12月12日 K.T.
骨転移について(HPNo.3067-2)10月24日に質問させていただいた者です。その節は早速お返事をいただきまして有難うございました。その後、主治医に話しましたところ、セカンドオピニオンをすすめられ、後日そのようにしたいと申し出ました。私は他の病院でのセカンドオピニオンを希望したのですが、主治医が検討した結果、同じ病院内の整形外科で、前回とは別の医師の意見を求めることになりました。11月19日に9月の検査で最も強く出た場所のより詳しいMRIとCT検査を受けましたが、「前回より影が薄くなっており良くなっているようで、転移であれば影が薄くなることはありえないことで、もっとひどい痛みが出るはずです。」ということでした。ただ、現在も腰に違和感と鈍痛があり、骨盤、上背部、胸骨にジワジワとした痛みが出たりします。又、11月より両手両足にチリチリとした痺れ感があるのですが、「心配ないでしょう。」と言われています。精神的なものからの症状なのかも知れませんが、痺れの症状は良くないと書かれた本を目にした事があり、麻痺が起きるのではないか不安でおります。次回は1月12日に骨シンチの予定ですが、様子を見ていてもて良いでしょうか。(私としては他の病院を改めて受診することも考えています。主治医からセカンドオピニオンのすすめはありましたが、現在受診している病院がガン専門であるためか、検査資料を借りて他の病院にセカンドオピニオンを求めることはなかなか困難であると思われます。) 骨転移の骨形成について教えていただきたいのですが、それによって骨転移の判断が困難になることはないのでしょうか。
検索をしていましたら次のような報告を目にし、お尋ねしました。 東邦大学大森病院第一放射線科 津布久雅彦先生 306定例会「骨転移の画像診断 骨シンチグラフィーを中心に」の文中に、「骨転移は、造骨型(骨形成型) 溶骨型(骨融解型) 骨梁間型に分類される。」という部分があり、溶骨型、骨梁型については理解できたのですが、造骨型(骨形成型)が解らず質問させていただきました。もう一度前後を読み直し、造骨型(骨形成型)は骨形成が亢進するため骨シンチでの集積が強くなると理解しました。お忙しい中、申し訳ございませんでした。宜しくお願い致します骨転移の診断は難しいのです。特に、10年過ぎての再発となると再発の可能性も否定できないし、再発でない可能性も否定できません。私個人の考えは主治医の先生と同じで時間をかけて診断するしかないと思います。幸い無病期間が長いので、万が一転移だったとしてもそんなに急速に悪化することは考えにくいと思います。どうしても心配な場合、セカンドオピニオンも良い方法だと思いますし、PETもお勧めの診断法の一つだと思います。確かに転移が進行して痺れがでることがありますが、メールの内容からはそのような痺れではないように思えます。”骨転移の骨形成”というのが、造骨性転移のことだとしたら、特別診断が困難になることはありません。(文責 清水)
【No.3254】 04年12月12日 N.A
乳がんの肺転移についてはじめまして。現在50歳の母の乳がんについてお伺いします。1年5ヶ月前に乳がんと診断され、左乳房切除術を受け、当時脇下のリンパ節の転移は1個。数ヶ月間抗がん剤治療を行いました。その後、特に異変はなく過ごしていたのですが、先々月(10月)頃から切除部分の痛み、腕のしびれを感じはじめ、先月(11月)にはその痛みも増し、それに加え腕全体が浮腫み、咳がでるようになったということで、検診したところCT検査を実施することに。その結果、肺への転移が確認されました。まだ初期の段階とのこと、そこでご相談なのですが、
1) みなさんの相談内容によると、手術後から再発(転移の確認)までの年数が3年後、5年後と様々です。私の母の場合1年あまりで再発。この年数の違いは、がんの進行、生存率に影響するのでしょうか?
2) 肺への転移で通常行われる治療法とはどのようなものなのでしょうか? それは何ヶ月間の治療が目安ですか? その治療法で母にかかる負担も教えていただきたいです。
3) これから乳がんと上手に向き合っていくために心得ておかなければならないことはありますか?
私は現在学生で、母と離れた土地で下宿しています。そばにいることができない分、心配で仕方ありません。お忙しいところ誠にに恐縮ですが、質問に答えていただけたら幸いです。1) 手術して再発するまでの期間をDisease Free Interval(DFI)(無病期間)と呼んで、乳癌の悪性度の指標の一つです。おっしゃる通り、一年での再発は悪性度が高い乳癌、増殖の早い乳癌と考えられます。
2) 転移性乳癌の治療を考えるときには原発巣の病理所見が大切です。特に、ホルモンレセプターの状況、Her2蛋白の過剰発現の有無は治療法の決定を左右する情報です。もう一つは術後補助療法に何をどのくらい使ったかです。詳しい情報抜きに考えると、DFIが一年ということになると、ホルモンレセプターは陰性でHer2陽性の可能性が高いのではないかと考えます。術後の補助療法として標準であればACかCEFといったアンスラサイクリン系薬剤を使ったと考えると、Taxan系の薬剤とハーセプチンの併用が考えられるのではないでしょうか。治療期間は治療効果によって異なりますし、副作用については実際にどのような薬を使うのか聞いた後で確認した方が良いと思います。
3) 再発して一番不安に思っているのはお母さん本人です。これからの治療は決して楽なものではありません。しかし、お母さんが元気で少しでも長く生きてもらうためには、主治医の先生とよく話し合って(例え遠くにいても必要な時はそばに飛んでいってあげてください)、お母さんにとって最も良い治療を一緒になって考えてあげてください。治療に伴って一喜一憂するようになりますが、お母さんが不安になる気持ちを理解してあげて、支えになってあげてください。(文責 清水)
【No.3253-1】 04年12月12日 E.A.
妊娠中の非浸潤性癌、産後の治療についてはじめて質問いたします。30歳、既婚、初産の妊娠30週です。妊娠発覚と同時に右乳房のしこりを自分でみつけました。良性との診断で妊娠17週、局所麻酔で8ミリのしこり切除しました。病理検査の結果、乳菅内乳頭腫との診断、念のため数名の先生に聞くと言われ、1週間後に「意見は割れたが悪性(非浸潤性)」と言われました。妊婦ということもあり、A大学病院に転院し、24週で全身麻酔にて追加手術をしました。結果的には温存でしたが、術前には広がっていれば全摘と言われていました。病理検査の結果、非浸潤性・ステージゼロだと言われました。現在妊娠中なので、3ヵ月後の出産後、ホルモン療法5年(有効とのこと)と放射線40日の治療で、抗癌剤は使用しなくてよいと言われました。不安で眠れない日々が続いていますので、低レベルな質問ですが、ご回答いただければ幸いです。宜しくお願いいたします。
1) 非浸潤性はリンパに転移することはないからリンパはとっていないと言われましたが、本当に転移することはないのですか? 骨、すい臓なども超音波では転移はないと言われましたが、不安です。
2) 一度目の手術の時、とったシコリを指で触りました。その後悪性だと分かったのですが、指などから転移することはないですか?
3) 術後、お産を待つため3ヵ月治療ができませんが、その間に転移・再発することはありませんか?
4) 抗がん剤はなぜ必要ないのでしょうか?
5) 術後10年の再発率、生存率を教えてください。
6) 乳癌の雑誌に「術後も体のどこかに癌が潜んでると考えるべき」と書いてありましたが、非浸潤性でもそのように考えるべきですか?
7) A大学病院での追加手術中の顕微鏡の病理検査では癌は見つからなかったと言われました。しかし2週間後のホルマリンの結果では非浸潤性の癌が見つかったと言われました。これはどういうことなのでしょうか?
8) また手術した右乳房から妊娠30週の現在母乳が出ています。がん細胞が残っていたとしても、母乳をあげても問題はないのでしょうか?
自分が死ぬ事を考えてしまいます。とても不安です。どうぞ宜しくお願いいたします。基本的に非浸潤癌ですから安心してください。胎教のためにも安心して心穏やかに赤ちゃんを育ててください。
1) 非浸潤癌というのは乳管の内側の細胞が癌化して乳管内に増殖しているが、乳管外にはでていない状態の癌です。乳管の外には血管やリンパ管があり、一旦がん細胞が乳管外へ浸潤すると、とたんに転移の危険性がでてくる訳です。従って、乳管内に癌が留まっている非浸潤癌では転移の心配はありません。ですから、腋窩リンパ節郭清をしないのが標準的治療です。
2) もちろん指先から転移する等という心配は無用です。
3) 非浸潤癌ですから転移の心配はありません。
4) 転移の心配がないからです。
5) 乳癌による死亡を対象とした生存率ということであれば、ほぼ100%です。他の病気や事故等の可能性はありますから、30歳の方の死因を問わない10年生存率は95%くらいでしょうか。
6) 「術後も体のどこかに癌が潜んでると考えるべき」というのは浸潤癌の話で、非浸潤癌では当てはまりません。
7) 手術中の検査では癌がなく、術後の検査で非浸潤癌とでたこと:
手術中は術中凍結迅速診断と言って、切除した標本を急速冷凍して固めて薄く切って染色して検査します。早くできるのですが、固定も不十分、薄く切るのも難しく、染色ののりもあまりよくありません。明らかな浸潤癌かどうか等という検査ではそれでも診断可能ですが、良悪性の鑑別が難しい例や非浸潤癌の診断は正確にできないことがあります。また術中は代表的なところを1〜2枚しか調べません。一方、術後の病理検査は標本をホルマリン固定して、きっちり薄切して、きちんと染色します。更に、非浸潤癌が疑われていれば、標本全部を細かく切って浸潤があるかどうか調べします(全てを調べてどこにも浸潤がない場合に非浸潤癌と診断できるのです)。検査結果が異なった理由がご理解頂けたでしょうか。
8) 授乳については、原則的には問題ないと思います。しかし、気持ち的には癌になった乳房からでるmilkは何となく赤ちゃんには飲ませたくないなという感じになることが多いようです。出産後早期に放射線治療を行えば、患側は授乳できなくなる可能性が高いです。術後の放射線治療は同側にもう一度乳癌ができる可能性を低くしますから是非かけた方が良いと思いますが、そこにホルモン療法を加えてもあまり変わらないというデータもあります。ホルモン療法についてはまた主治医の先生とよく相談してみてください。また、もし、ホルモン療法を行う場合は、最近のデータでは、放射線治療とホルモン療法も同時に行わない方がよい言われています。(文責 清水)
【No.3253-2】 05年01月11日 E.A.
妊娠中の乳癌について1) 妊娠発覚と同時にシコリを自分で見つけました。妊娠と癌の因果関係はあるのでしょうか? 今回の妊娠により癌ができたのか、それとも今まで気づかなかった癌が、たまたま妊娠中にみつかっただけなのでしょうか?
2) ホルモン有効との結果が出ました。妊娠中はホルモンのバランスが通常とは異なると思いますが、妊娠中はホルモンの影響で更に他の臓器に癌ができやすいといったことはありますか?
3) 29歳で乳癌になりました。私のような体質の者はこれから先、他の臓器も含み癌になりやすいのでしょうか。
4) 妊娠中に癌が見つかったことで、胎児が小児癌になりやすいとか、癌体質が遺伝する可能性はありますか?
素人じみた質問で申し訳ありませんが、ご回答頂ければ幸いです。どうぞ宜しくお願いいたします。1) 乳癌は、妊娠と関連の強い癌のひとつです。また、妊娠により一過性に乳癌のリスクが高くなる可能性もあります。しかし、あなたの場合どのように影響を及ぼしている
かはわかりません。
2) 妊娠と関連する癌として子宮癌がありますが、乳癌ができたからといって、子宮癌ができやすいわけではありません。
3) ほかの癌のリスクが上がることはありません。一般の乳癌の方と同じです。以前は、妊娠期の乳癌はたちが悪いといわれていましたが、最近の報告では否定的です。
4) 胎児に先天奇形が多くなるとの報告はありません。癌については、乳癌の母親のお子さんと同じリスクです。女の子の場合、乳癌のリスクが少し上がります。(文責 徳田)
【No.3253-3】 05年02月04日 E.A.
手術から放射線治療の期間について妊娠中の乳癌について(No.3253)にて質問させて頂きました。たびたび恐縮ですが、ご回答いただければ幸いです。どうぞ宜しくお願いいたします。2004年10月29日、妊娠24週で手術を受けました。術後、「非浸潤性で癌は取りきれたと考えていい、放射線は予防的にやる」と主治医から言われました(ちなみにホルモンの飲み薬も5年やります)。本などをみると、放射線は術後12週以内に行うのが望ましいとありますが、お産を待つため、18週後くらいから放射線を始めることになります。術前に「手術はお産の後でもいいですが、心配でしょうからやりましょう」と言われたこともあり、素人ながら何となく大丈夫だとは思っています。でもやはり不安は大きいので、他の先生のご意見を伺いたいです。
1)微細な癌が残っていたとして、これらが放射線を待つ間、浸潤性にかわったり、悪さをしたりする可能性は高いでしょうか。
2)18週おくことに問題はないのでしょうか。
ご回答、宜しくお願いいたします。1)微細なガンが放射線を待つ間に大きくなって浸潤癌になることはないと思います。悪さもしないと思います。放射線で耳かき1杯位のガン細胞はたたくことが出来ます。
2)確かに12週以内が望ましいですが、妊娠中なので、この期間に関しては仕方がないことだと思います。心配しすぎると体にも良くありませんし、安心してお産に備えて下さい。(文責 川本)
【No.3253-4】 05年03月06日 E.A.
非浸潤性の骨転移についてHPNo.3253で何度かお世話になりました。またよろしくお願いします。出産を終え、術後17週から放射線を始めました。その後、エストロゲンを邪魔する薬を飲む予定です。主治医には、「非浸潤で癌は取りきれた。放射線は予防的にやる。癌の悪性度は低い。」と言われました。外科的には断端陰性ですが、放射線医の見解だと断端陽性ということになっています。外科では5ミリ以下は陰性、放射線では1ミリでもあれば陽性となるようで、私の場合は2ミリとのことでした。放射線医に「非浸潤性でも骨に飛ぶことがあるので骨の検査をしましょう」と言われ、かなり動揺して不安で仕方がありません。
1) エストロゲンを邪魔する薬(なんちゃってエストロゲン)の副作用はありますか。また女性ホルモンを止める薬ではないんですよね?
2) 非浸潤でも骨に飛ぶことは本当にあるんですか?リンパ節には転移していないと言われています。骨に飛ぶなら、非浸潤ではないような気がするんですが・・。
ご回答お願いいたします。非浸潤癌と言うのは診断が難しく、病巣のすべての場所で乳管を破っていないということになるので、どんなに詳しく調べても100%浸潤巣がないとは言えず、そういう表現になります。再発の可能性は0でないとしか言えませんから、骨単転移の検査は一応した方が良いと思います。抗エストロゲン剤は多分クエン酸タモキシフェンで、月経が止まる事は少ないと思います。副作用は、更年期様症状のほてり、のぼせ、肝障害、子宮体癌の増加の可能性(非常に低い)、などですが、詳しいことは処方されてから薬局で説明を聞いても良いと思いますが、かなり安全な薬だと思います。5ミリo以内という表現は何が5oなのか確認した方が良いと思います。説明に矛盾があります。(文責 石山)
【No.3253-5】 05年06月25日 E.A.
フェアストンについてHPNo.3253で何度かお世話になりました。またよろしくお願いします。現在30才、平成17年2月17日出産。妊娠中に乳癌が見つかり、妊娠中の10月に手術。結果は非浸潤性乳管癌でした。産後に放射線30回しました。現在、フェアストン40を毎朝1錠飲んでいます。5年飲む予定です。以下、質問です。
1) フェアストンは閉経後の女性に投与されるとありますが、閉経していない30才の私に何故投与されたのでしょうか。
2) 子宮体癌の可能性を上げると言われ、検査をしました。どのくらいの確率であがるのでしょうか。また、乳癌の予防の方が子宮ガンのリスクを上回るため投与されていると理解して大丈夫でしょうか。
3) フェアストンによる効果を教えてください。1) フェアストンは保険上、閉経後にのみ適応があります。タモキシフェンと類似構造で作用機序は同じです。タモキシフェンは閉経後にも適応があります。
2) 子宮体癌の可能性が高くなるといわれますが、その確率は数%ぐらいではないでしょうか。おっしゃるとおり、乳癌再発予防の方が子宮癌のリスクを上回るため投与が推奨されています。
3) フェアストンはタモキシフェンよりも子宮体癌の発生増加の報告が少ないと言われています。作用機序はエストロゲンに対するレセプターでの拮抗作用であり、そのほかにインスリン様成長因子の情報伝達の阻害によっても細胞の増殖を抑えることも示唆されています。(文責 石川)
【No.3252】 04年12月12日 さき
胸部レントゲン写真について初めまして、HPを拝見しメールさせていただきました。お忙しい中恐縮ですが、お時間がありましたらご相談に乗っていただきたいことがあります。30歳の主婦で、まだ子どもはおりません。今年始め、左胸からだけ少量の分泌物があるのに気付きました。乳白色でカスのようにわずかに乳首についているもので、初めは皮膚がはがれたものと思っていました。病院に行ったところ、潜在性高プロラクチン血症ということで、薬を飲み始め、現在分泌物はなくなりました。特に目立った胸の異常もありません。ところが、先日会社の健康診断で胸部レントゲン写真を撮ったところ、左胸の乳首あたりで肋骨が重なり合って映ってしまい、重なっている部分が白くなっているといわれました。写り方によっては白くなるとのことで、問題ないと思われるが2週間後に再検査を受けるようにと言われています。祖母が乳ガンでしたので、レントゲンに写った左胸の乳首の陰と分泌物のことが気になっております。胸部レントゲン写真で白く写った陰がある場合、乳ガンなども考えられるのでしょうか? その陰と分泌物との因果関係は何かあるのでしょうか? また、現在、排卵促進と黄体機能保全の為、クロミッドとデュファストンを服用しています。このような、ホルモン補充治療を続けた場合の危険性についても教えていただければと思います。乳腺外科で見ていただきたのですが、混んでいるため予約が1ヶ月先までとれませんでした。どちらかで相談に乗っていただけないかと思い、メールいたしました。お忙しい上、このような相談が数多く寄せられていると思い、申し訳ない気持ちでおりますが、どうぞ宜しくお願いいたします。
胸部レントゲン写真に乳頭が白く写ることはよくあることで、医学生等が肺癌と間違えたりします。乳癌が胸部レントゲン写真に写ることはありません(もし写るなら、わざわざマンモグラフィーを撮らなくても良くなります)。ですから、分泌物と陰の関係もありません。乳頭分泌は高プロラクチン血症であれば乳癌とは関係ありません。心配であれば、分泌物の細胞診を行ってもらって、がん細胞がないことを確認されたら良いと思います。閉経後の更年期障害に対するホルモン補充療法については乳癌の発生のリスクが高いのではないかという議論が続いていますが、不妊治療の場合にはそのような心配はありません。(文責 清水)
【No.3251】 04年12月12日 A.M.
授乳中の無痛性のしこりについて4ヶ月の子供を母乳とミルクとで育てております。左右共に無痛性のしこりがあります。出産直後は、乳頭の亀裂や母乳不足などから度々乳腺炎をおこしました。そんな苦痛がなくなる産後1ヶ月の頃から無痛性のしこりができ、4ヶ月になる今も持続しております。大きさには変化を感じません。いろんな角度から母乳を与えてはみるのですが、効果がありません。マンモグラフィーと超音波を受け、医者からは「たぶんミルクカストだから大丈夫。でも来年になっても無くならなければ、ドレナージしなきゃ」と言われました。
1)そのようなしこりは、母乳を与えなくなると自然に無くなるということはあり得ないのでしょうか?
2)悪性化する可能性はありますか?
3)放っておくと、第二児の授乳に問題がありますか?
回答の程、よろしくお願いいたします。メールの内容からはgalactocele(乳瘤)が最も疑われます。
1)自然に消失することもあります。
2)原則として悪性化することはありません。
3)次の授乳に影響することはありません。(文責 清水)
【No.3250】 04年12月12日 K.O.
乳腺線維腺腫の疑いと乳腺のう胞症2週間程前に健康診断を受けました。乳がん検診ではエコーで見てもらったのですが・・・結果、「乳腺線維腺腫の疑いと乳腺のう胞症。定期的に検査をして経過を見てください。」と書かれていました。私の母が9年前に乳がんの手術を受けております。放っておいて良いのでしょうか?不安です。
乳腺線維腺腫、乳腺嚢胞いずれも良性疾患ですから、まず心配ないと思います。ただし、あくまでもエコー検査の結果ですから、100%大丈夫とは言えません。そこで、念のために定期的な検査をしてくださいということになります。放っておくのではなく、自己検診をし、定期検査(初めて言われたのであれば3ヶ月後くらいに再検査)をするのです。どうしても心配ならば、混んでいて多少待つことを覚悟して専門医を受診することをお勧めします。(文責 清水)
【No.3249】 04年12月12日 M.S.
ゾラデックスとリュ−プリンの違いについて(HPNo.3193-2)HPNo.3193でお世話になった者です。いつもわかり易い回答で感謝しております。今回病理検査の結果が出ました。私、35歳、未婚、今年11/4手術。左温存+センチネル、腫瘍1.5x1.5、リンバ転移無し、乳頭腺管癌、グレ−ド1(B&R1 N−SAS1)、ハ−ツ(−)、HR(+)。今後の治療:来年より放射線25回、今月よりタモキシフェン(5年)+ゾラ(2年)。ゾラデックスと主治医がおっしゃったのでリュ−プリンは?と伺いましたが、長々と話していてそのままになってしまいました。調べてもゾラとリュ−プリンの違いがわかりません。私の知るところ、「ゾラはとにかく太る」とあり、リュ−プリンが太らなければリュ−プリンがいいのにと思います。(告知後食事を変え体重をキ−プしているとの思いがありまして・・158cm、49s)
1) ゾラとリュ−プリンは、ほぼ同じ薬なのでしょうか? 製薬会社が違いますが、リュ−プリンの説明には副作用、体重増加はなかったです。
2) ゾラの体重増加は食欲が増進してでしょうか? もしくは代謝が悪くなってとの理由でしょうか。
3) 病院により製薬会社のからみで使う薬を決めているのでしょうか? リュ−プリン+タモキシフェンが保険適用にならないとかあるのでしょうか?
副作用は個人差があるのに体重増加想定で質問させて頂いていますが、もちろん太ってもホルモン療法を受ける意義はあると思いますが、気になるので宜しくお願いします。1) ゾラデックスとリュウプリンはいずれもLH-RH analogueと呼ばれる薬剤で、薬効的には同じ薬剤です。ゾラデックスは英国の会社が開発した長さ1cmくらいで鉛筆の芯くらいの太さの固まった薬で、少し太い注射針を使って腹部の皮下に入れます。後は、そこから薬が少しずつ溶け出して約4週間効果が持続します。一方リュウプリンは日本の会社が開発した薬で液状になっています。比較的細い針で、お尻かお腹の皮下に注射します。効果は同じように4週間持続します。
2) ゾラデックスによる体重増加は急激な閉経状態になってしまう女性ホルモンの変化からくると考えられているので、ゾラデックスでもリュウプリンでも同じだと思います。
3) 確かに同種同効の薬剤ですから、病院によってはどちらか一種類しか採用していないところもあるかもしれません。保険適応関して言えば、リュウプリンは閉経前乳癌に適応があり、添付文書に”術後補助療法については安全性有効性が確認されていない”という注釈がついています。ゾラデックスは再発乳癌にも術後補助療法にも適応が通っているので、保険の立場からは術後に使えるのはゾラデックスということになります。また、世界的な臨床試験の多くはゾラデックスで行われているので、直接のevidenceはゾラデックスしかないことになります。しかし、リュウプリンも術後補助療法の国内外の試験を終わらせて、近々術後補助療法でも使えるようになるはずです。(ついでに3ヶ月製剤の試験も行って、同時に3ヶ月製剤の保健適応もとれる予定のようです。そうなると、通院が3ヶ月に一度にすることができるようになります。)(文責 清水)
【No.3248】 04年12月12日 N
左右の乳頭の状態についてはじめまして。webでこのような充実した相談室があってほっとし、お尋ねしたくメールをお送りします。現在38歳、既婚、出産経験なしですが、数年前から右の乳首だけが時々とてもかゆくなり、見てみると乳頭部分の皮がカサカサしてむけてしまっているということが頻繁にあります。この数日もまたそのような状態なのですが、今回は左の乳首にも変化があり心配しています。乳首の一部が、なんというか粒のようになって出ていたので(直径0.5mmくらい)、取れるかなと思いつまんでみたら、いぼのようにくっついている組織でした。色は乳首より少し明るくて、ピンク色です。この左の方は、痛みやかゆみはないのですが、こういう変な形のものができたのは突然で、また初めてなので、とても不安に感じています。これはこのまま放っておいて良いのでしょうか?どうぞよろしくお願いします。
右の乳頭に関しては、パジェット病の心配があります。左の乳頭に関してはsoft fibromaというイボのような組織の可能性が高いように思えます。いずれにしても、専門医を受診することをお勧めします。(文責 清水)
【No.3247】 04年12月12日 Y.M.
パジェット病についてこんにちは、23歳未婚女性です。一年以上前から乳首に痒みがありました。良くなったり悪くなったりを繰り返して、半年位前から右乳首だけが痒くなり、掻いているうちに右だけ乳首が大きくなってしまいました。最近になって乳首の下の乳輪が5ミリくらい常にかたくなった状態で、乳首の回りは痒く何をつけていいか分からないのでワセリンを塗っていたのですが、朝塗ると夕方あたりには汁がかたまったのが下着とこすれて取れて、また痒くなるといった状態です。多分パジェット病かなと思うので病院には行こうと思うのですが、パジェット病は早く治さないと死に至りますか? 去年夏の乳がん検診で右の乳房に乳腺腫瘤の疑いといわれマンモもやりましたが、まだ何なのか分からないということで経過観察です。それも何か関係が有るのでしょうか? 病院に行くまで痒みを抑える為に何か乳首に塗っておきたいのですが、市販のもので何かありますか?あと、絶対に塗ってはいけない薬はありますか? お忙しいとは思いますが、心配なので回答宜しくお願いします。
メールの内容から察するには、パジェット病より乳頭部湿疹の可能性が高いように思います。パジェット病はとてもおとなしい病気ですから死に至ることはまずありません。いずれにしても早めに病院を受診することをお勧めします。かゆみを抑えるためには、通常の湿疹のかゆみ止めで大丈夫です。(文責 清水)
【No.3246】 04年12月10日 zuzu
肋骨転移とハーセプチン(HPNo.2845-6)お世話になります。お忙しい中、いつもご丁寧な回答に感謝しております。再度質問させていただきます。宜しくお願いいたします。「11月30日の骨シンチの結果で今後の治療を決めましょう」との主治医の話でした。現在、(皮膚転移腫瘍が日々増えている状態です)があり、CEF3回投与。骨シンチの結果(12月3日)、肋骨に転移発見。主治医の説明は下記の通りです。CEFを中止し、ハーセプチン、タキソール、パミドロネートを12月6日から投与するとのことです。
質問
1) 上記の薬が現時点で必要なのでしょうか?
2) ハーセプチンはよく効くとの主治医の説明ですが、「よく効く」とはどのように解釈すればよいでしょうか? 術前にタキソールを投与しているのですが、再度のタキソール投与は大丈夫でしょうか?
3) 現在他の臓器に転移していませんが、今後臓器に転移した場合、(上記の薬を既に使用してしまえば・・・)どんな薬が予定できますでしょうか?
4) 「平成16年11月30日やっと国の認可がおりた」との主治医の話ですが、その薬がどんな薬(抗がん剤?)なのかお分かりでしたら教えて下さい。
5) 先日(10月25日HPNo.3056のQ&A)「乳癌の再発形式として、このような前胸部の皮膚再発(転移)は珍しくはありません。」とありましたが、具体的に説明していただけますでしょうか?(10月22日〜現在まで診察がありません、不安です。)*12月8日にセカンドオピニオン予定しています経過が長いので整理させてください。48歳、既婚、出産経験なし。* paclitaxel neo-adjuvant chemotherapy 3コース、今年5月左全摘手術。腫瘍怪13×11?、皮膚浸潤あり、異型度3、硬癌、T4b、N3(+)、n=21/27、鎖骨上窩転移(+)、胸骨傍転移(+)、ER(+) PgR(±) HER2 (3+)。術後補助療法はCEF4クール(120、110、100、90と量が変わる)。CEF終了2ヶ月後に局所皮膚再発。CEF再開、3クール後骨シンチで肋骨転移。経過を見る限りかなり厳しい悪性度の高い乳癌のように思います。
1) 肋骨転移が局所再発と同じ場所でしょうか?そうであれば、肋骨転移は遠隔転移ではなく局所浸潤と考えられます。そう考えると、全身化療でなく局所に放射線治療をするという考え方もあります。根治を目指して全身化療をするのであればハーセプチンが治療の中心になると思います。
2) Her2(3+)ということが、ハーセプチンがよく効くということです。術前治療でどのくらいpaclitaxelを使ったのか、その効果はどうだったのかで、paclitaxelをもう一度使うか、Docetaxel(タキソテール)を使うかが選択肢だと思います。
3) ハーセプチンとの組み合わせでは、paclitaxel,docetaxel,capecitabine(ゼローダ)が使えます。これらを使い切ると、保険が通らない薬としてナベルビン、カルボプラチンなどを考えます。
4) 11月30日で考えられるのはPamidronate 90mgが乳癌の溶骨性骨転移に適応がとれたということだと思います。
5) リンパ節転移が多い乳癌、腫瘤径が大きい乳癌、脈管侵襲の強い乳癌等では乳房切除後に前胸壁の皮膚に局所再発する例が多くみられます。特にリンパ節転移が多い乳癌で多いので、そのような例の乳房切除後には放射線治療が勧められています。お返事が遅くなってセカンドオピニオンの後になってしまって申し訳ありません。私の考えを述べさせて頂ければ、どのような治療を選択したとしても、かなり厳しい乳癌だと思います。それだけに主治医の先生との相性が大切だと思います。自分の考え方に理解を示してくれる主治医と出会えることが一番大切なことではないでしょうか。(文責 清水)
【No.3245-1】 04年12月09日 M.I.
2度のクラスXと手術結果について母の1.8センチの腫瘍についてです。しこりは2年半ほど前からあり、某大学病院でエコーにより線維腺腫と言われ、半年毎に経過観察しておりました。昨年の夏に細い針で細胞検査をしたところクラス5と出たのですが、その後太い針で2度ほど再検査をしたところ問題なし、保留となり、今年の10月に再度太い針で調べたらやはりクラス5、今度は間違いなく癌だということでした。発見が遅れたことによる不信感で転院し、先日違う病院で手術(温存、リンパ郭清)をしました。ところが、病理結果は腫瘍が癌であるとは認められないとの報告でした。癌ではないに越したことはないのですが、2度もクラス5が出ているだけに釈然としません。一体何を信じればいいのか、どうにか納得のいくように確認する方法はないのでしょうか? 乳がんは長い予後観察が必要だと言われています。このままで後に大変なことにならないか心配でなりません。ご意見をお聞かせください。宜しくお願いいたします。
またまた難しい問題です。最初に細胞診を行ったときにクラス5がでたにもかかわらず、すぐに手術をせずに太い針(core needle biopsyだと思います)で確認し、手術しなかったというのは、外科の先生が他の所見から考えてクラス5の診断に納得できなかったからだろうと推察します。二度目のcore needle biopsyでクラス5(?)で手術に踏み切ったのも、確かに二度もクラス5がでてしまうと、やむを得ないと思われます。手術をした病院の先生は細胞診、組織診を術前に確認したのでしょうか? そこでもう一度checkできたように思います。経過はさておいて今後の対応ですが、現在の主治医にお願いして、今回の標本と前の病院の標本を比較検討してもらい、どちらの答えが正しいのか、その答えをもらうことです。病理の診断が違っていたのかもしれませんし、針を刺した先生と手術した先生が違う訳ですから、違う場所を手術した可能性も否定できません。とにかく事実をはっきりさせることが肝要です。(文責 清水)
【No.3245-2】 04年12月24日 M.I.
病理結果についてHPNo.3245で相談した M.I.です。先日は早々のご解答ありがとうございました。再度質問をさせていただきます。現在、前の病院のプレパラートを取り寄せ、比較検討中です。細胞の顔つきは手術した後の標本と同じとのことです。前の病院では、悪性(クラスX)と判断されていた顔つきですが、今の病院では、「癌ではないでしょう」とのことです。同じ顔つきで、こんなに正反対の結果がでることがあるのでしょうか? 私としては非常に心配なので優秀な病理専門医に診てもらいたいのですが、もしご存知でしたら教えていただけますか? プレパラートと病理標本は同じですか? それはとったしこりとか細胞のことでしょうか? こういう場合は何を持参するのでしょうか?
お忙しいところ申し訳ありませが、よろしくお願い致します。この場合のプレパラートとは、顕微鏡観察用の2枚のガラスに閉じ込めた細胞又は組織の標本のことです。お母様の場合、細胞診、組織診、両方のプレパラートがあると思われます。メール内容からの推測ですが、昨年夏、その後2回、今年10月、及び手術時と、少なくとも5回分が存在します。病理の専門医にお願いする場合は、これらのプレパラートを比較検討して結論を出してもらう為に、主治医に、これすべてのプレパラートを借り受ける事と、病理医への紹介状を書いてもらう事が必要になってきます。納得のいく治療を受ける事が最も大切ですから、主治医と充分ご相談下さい。快く紹介状を書いてくださるはずです。(文責 須田)
【No.3244】 04年12月09日 NA
初めて検診を受けました初めてメールします。34歳です。先日乳がんの検診に行き、触診、マンモグラフィー、エコーの検査を受け、8oのしこりが確認されました。病院の先生がおっしゃるには、「良性のしこりである可能性が大きい。一生良性のままのこともあるし、突然悪性に変わることもある。しばらく経過を見させてもらって、3ヶ月後にもう一度検査にきてください。」とのことでした。私には、この「3ヶ月後」というのがとても不安です。しこりがあっても、すぐには良性か悪性か判断がつかないものなのでしょうか。それとも、もっと詳しい検査方法があるのでしょうか。
しこりが良性か悪性かの診断をするのは容易ではありません。確かにしこりを全て切除してしまえば必ず良性か悪性かわかるでしょうが、切除せずになんとか診断しようとするから大変なのです。主治医の先生がおっしゃっているのは、”良性のしこりの可能性が高い”ので心配ないが、念のために”3ヶ月後”に診せてくださいということだと思います。切除せずに診断する場合はこのくらいの慎重さが必要だと思います。8mmのしこりがどの検査で診断されたのかわかりませんが、どうしてもすぐに白黒つけたいのであれば、細胞診の検査をしてもらうか、しこりを切除してもらうかだと思います。(文責 清水)
【No.3243】 04年12月09日 QQT
手術後の膿についてはじめまして。センチネルリンパ手術後、一ヶ月以上たっているにもかかわらず、手術後しばらくの間出血がひどく、ばい菌が入ったとのことで、傷口が膿んでしまいました。ここ二週間ほど、消毒液をぬるために通院するのみで、いまだに放射線治療も実施されていない状態です。そのため、一ヶ月間風呂に入ることができず、又、神経が過敏になっているせいか食事も美味しくいただけません。更に、痛みから睡眠も満足にできません。そこで、アドバイスをいただきたいのですが、
1) ほかにも、そのようなケースは存在するのでしょうか?
2) 再手術の必要性は?
3) 手術当時の乳がんは初期の段階でしたが、転移、その他の症状を引き起こす可能性はあるのでしょうか?
4) 当方58才で、精神的にも参っているので、早く他の処置を施して頂きたいのですが、暫くは消毒液をつけるままで傷が治るのを待つ他ないのでしょうか?
宜しくお願い致します。1) 創が化膿することはないことではありませんが、あまり頻度は高くないです。
2) いつまでも治らないようならば、再手術というか、外科的に傷をきれいにして再縫合することもあります。
3) 創の治癒の遅延と癌の進行とは原則として無関係と考えます。
4) 一度化膿した傷を治す場合は、根気よく消毒を続け、その間に自分の体が持っている傷を治す力を利用するのです。根気がいります。治癒の見込みがない場合は外科的処置を考えます。(文責 清水)
【No.3242-1】 04年12月09日 A.T.
のう胞について御助言の程、お願い致します。35歳、既婚、子供(一歳)一人を持つものです。先日、主婦検診でエコーの乳がん検査を受けました。その時は医師はおらず、三週間後に結果が郵送されてくるとのことでした。その日のうちに乳房をさわってみたところ、乳首の真上3センチのところに5ミリ程の球状の、ころころ動くしこりを見つけ、すぐに乳腺外科で診察してもらうと、触診で「のう胞でしょう。エコーで検査するとはっきりするでしょう。後日検査に来られますか?」と言われました。私としては、すぐエコーをしてもらい、はっきりさせたかったのですが、子供をなかなか預けることができず、先生に先日主婦検診でエコーの検査をしたことをお話すると「その検査結果が出て、要精検だったらまた来てください。そんなに心配しなくて大丈夫。」と言われました。やはりエコーで診なければ、のう胞という診断は難しいのですか? のう胞でも、のう胞内にガンが潜んでいるということもあると聞きます。詳しい検査をした方がよいのでしょか? 主婦検査の結果が出るのには、まだ2週間以上もあり不安です。お忙しいところ申し訳ありませが、よろしくお願い致します。
”のう胞”というのは、乳管の一部が拡張してその中に水(分泌液)が溜ったものです。触診では、水が大量に溜っていれば固いしこりとして触れますし、中等度に水が溜っていれば弾力のあるしこりとして触れますし、水が少なければしこりとして触れません。水の量は生理の周期によって異なります。一方マンモグラフィー(MMG)では境界明瞭な腫瘤陰影として写ることもありますが、写らないことも多いです。エコーでは水の量によらず腫瘤陰影として描出されます。更にエコーでは、のう胞がただの水の溜まりなのか、袋の中にポリープ状の腫瘤(癌や乳頭腫)がないか等、のう胞の中の様子も診断できます。ですから、”のう胞”の診断にはエコーが一番適していることがおわかり頂けると思います。乳腺外科の先生がおっしゃる通り、主婦検診の結果を見て要精検であれば、再度乳腺外科を受診することをお勧めします。(文責 清水)
【No.3242-2】 04年12月18日 A.T.
のう胞について(2)HPNo.3242でお世話になったものです。御丁寧な回答、ありがとうございました。やっと乳癌検診の結果が出て、エコーでの所見はないということでした。触診でしこりがあるのに(のう胞でしょうと言われました)エコーでうつらない場合もあるのでしょうか? 検診の2日後にしこりに気付いたのですが、検診時にはしこりはなかったということでしょうか? 今も大きさは変わっていないようですが、しこりはあります。とりとめのない質問で申し訳ありませんが、再度お答え頂きたく思います。よろしくお願い致します。
のう胞は前述の回答のように液体の貯留ですから、基本的に超音波検査で描出されるはずです。触診上しこりのように感じても、超音波で腫瘤としての所見がないのであれば、正常な乳腺の一部が腫瘤のように触れている可能性があります。(文責 首藤)
【No.3241】 04年12月09日 Y.I.
乳がん検診結果についてはじめまして。お忙しいところすみません。先日、私の嫁が乳がん検診を受けた結果、視触診では異常なしでしたが、マンモグラフィ−では2人の読影医の結果は、A医(乳腺の構成 不均一、FAD、カテゴリ− 3)、 B医(乳腺の構成 高濃度、しゅ瘤、カテゴリ− 3) でした。早速、専門医に診てもらいにいくつもりですが、以上の事より、この先どのような検査となっていくのでしょうか? 又、この結果でどのようなことが想像、予測されますでしょうか? よろしくお願い致します。41歳。始めてのマンモグラフィ−を受けました。
メールの内容からは、部分的に高濃度に写ったマンモグラフィーで、B先生は腫瘤があると判断し、A先生は(FAD)局所的非対称性陰影と読影されたのだと思います。通常、検診マンモグラフィーは一方向撮影です。一方向撮影の長所は、一枚の写真に全ての乳腺を写し込めること、被爆が少ないことですが、欠点は、挟んだ乳房に厚みがあるので重なり合った組織がだぶって写ってしまうことです。ですから、お嫁さんの例のように、部分的に高濃度に写った場合、癌などの腫瘤が隠れているのか、正常乳腺が重なってたまたま濃く写ったのかの判定が難しいのです。そのような場合にカテゴリー3と診断されます。このような例の場合、二次精検病院ではまず二方向のマンモグラフィー検査を行います。この検査だけでも、正常乳腺の重なりであれば、異常ないことが判明します。 更に追加して超音波検査を行えば、本当に腫瘤があるのか、正常乳腺の重なりなのかがはっきりします。この時点で腫瘤があると判断されれば、細胞診、組織診と腫瘤の鑑別診断へと向います。(文責 清水)
【No.3240】 04年12月09日 A.K
わきの下のしこりについてはじめてメールします。過去にもわきの下のしこりについて質問があったようですが、状況が少し異なるようなのでメールさせていただきました。しこりに気が付いたのは半年くらい前です。右わきの下で、右腕を上げると目で確認できるくらいの小豆大のしこりが脇の内側、腕の付け根のあたりにあります。痛みはありません。現在独身で年齢27才、出産も妊娠経験もありませんが、乳がんの疑いはあるでしょうか? 回答よろしくお願いします。
メールの内容からは乳癌の可能性は低いように思います。あまり心配しないで、乳癌の専門医(これからは”広告のできる乳腺専門医”になります)を受診してください。(文責 清水)
【No.3239】 04年12月09日 CO
アリミデックスの副作用について(HPNo.3127-3)以前にも質問をさせて頂いたものですが、私は現在、アリミデックスを服用しております。骨、関節等に副作用があると聞きました。もろくなった骨に対してよい薬がもうすぐ保険の適用にになるそうですが、その薬について教えて下さい。自分がどんな検査をして、どうなったときに服用すべきでしょうか?教えて下さい。
確かに、アリミデックスを術後補助療法で内服した場合、ノルバデックス(Tamoxifen)を内服していた患者さんに比べて骨折等の骨関連事象が多かったことがわかっています。だからといって、アリミデックスを内服している方全員の骨が脆くなるという訳ではありません(というより、そこまで長期のデータがなく不明だということです)。大阪大学の野口先生が、日本人でアリミデックスを内服している方の骨密度を調べましたが、短期間では大きな変化はなかった、と報告しています。私の個人的な考えでは、閉経後の方はただでさえ骨が脆くなっていく訳ですから、アリミデックスを内服している方には定期的に骨密度を測定してもらい、下がっているようであれば、ビスフォスフォネート製剤(ベネット、ボナロン等)を骨粗鬆症の治療薬として内服してもらっています。新しい薬というとエビスタ(Raloxifen)のことかと思いますが、この薬はSERMといって広い意味でノルバデックスの仲間です。ノルバデックスとアリミデックスの併用は良くないことがわかっていますから、お勧めできない組み合わせです。(文責 清水)
【No.3238】 04年12月09日 N
乳房異常と腰痛の関連以前より乳房のひきつれ等があり、乳腺外科を受診しようと思っていろいろ病院を調べ、近隣のがんセンターに決め、やっと行くことにしました。かなりほおって置いたので状態がよくないのですが、春先父を病院で亡くしたため、病院が一層怖くて門をたたくことができないでいたのです。そのうち腰痛がでできて、特にこの2、3日ひどくなりました。内臓の疾患で腰痛が出ることがあると聞いたことがあるので、乳房異常との関連も考えました。しかしがんセンターには整形外科がありません。受診の第二候補の赤十字病院は外科の中に乳腺外科があり、もちろん整形外科もあります。ただ、こと乳がんの手術数などはがんセンターの方がダントツに多いので、どちらを受診すべきか迷っています。県内の乳がんの手術の80パーセント近くががんセンターで手術を受けています。
二つの病院の内部の状況がよくわからないので適切なadviceはできませんが、一般論として、もし腰痛の原因が乳癌であるならば、整形外科がなくても、がんセンターで診断治療は可能だと思います。もし、腰痛の原因が乳癌と関係ないならば、乳癌の治療後腰痛専門の整形外科病院を受診されたら良いのではないでしょうか。何はともあれ、まずは、がんセンターで乳房の引きつれの原因を調べてもらうことが先決だと思います。(文責 清水)
【No.3237】 04年12月09日 M
癌の進行速度について母のことでの相談です。11月半ばマンモグラフィで9ミリのガンがみつかりました。その後手術の予約を入れたのですが、混んでいるため2月10日とのことです。母は大きくなるのではという不安でいっぱいです。待てないようなら他を紹介しますとも言われたそうなんですが、ガンの進行は2か月でどの程度なのでしょうか。今週母と一緒に担当医の所へ診察に行く予定ではいるのですが・・・。
とても困った問題です。できるだけ早く手術するのにこしたことはないのですが、どこの病院も入院待ちが多いのが現状です。癌の進行速度は患者さん一人一人皆違うので、あなたのお母さんの場合がどうなのかはわかりません。しかし、一般的には乳癌の進行速度は、他の癌に比べて、そんなに早くないと考えられています。どうしても進行速度が心配であれば、早く手術できる他の病院を紹介してもらうしかないと思います。(文責 清水)
【No.3236】 04年12月09日 K.K.
放射線について(HPNo.3122-6)乳がん経験者の方のお話で「食道がんになってしまったけど、昔乳がんの時に放射線治療をしていたので、食道がんに有効・・と言われている放射線が使えない。」というのがありました。私の病理結果では放射線は使わない・・というセカンドオピニオンを聞きましたので動揺しています。今の病院では「温存は全て放射線」と言われていたので、「しない」という事があるとは思いませんでした。乳がんの再発予防の為にするつもりでしたが、将来、やっかいなガンに罹ってしまった時に「やらなくても良かった」放射線を受けていたが為に重篤な場面で放射線が使えないのは・・。と悩んでいます。乳がんで放射線治療をすると将来食道がんなどの放射線治療は不可となりますか? 放射線治療は副作用の他に前記のような事由で将来困ることはありますか?
乳房温存療法では放射線治療をすることが標準治療です。確かに、乳癌の手術で助かった方が食道癌になることもあります。食道癌になった上で、手術できず放射線治療になることもあります。しかし、その確率は非常に低いと思います。乳房温存療法後に放射線治療しなかった場合の乳房内再発率は約30%です。私の考えでは稀な病気になることを考えるより、今の病気の治療を優先して考えた方が良いと思います。もちろん、30%の乳房内再発のriskを構わないと思うならば、放射線治療をしないという選択肢もありますし、そんなに放射線治療を嫌うならば乳房切除という選択肢もあります。良く考えてください。食道癌の放射線治療以外に乳房温存療法の放射線治療が障害になる例ということになると、とっさには思いつくものはありません。要するに、同じ場所に二度放射線治療はできないということで、照射の仕方を工夫すれば食道癌であっても全くかけられないという訳ではないと思います。(文責 清水)
【No.3235】 04年12月06日 K.K.
補助治療について(HPNo.3122-5)幾度か質問させて頂き、その度に丁寧なお答えをありがとうございます。19日に左乳房の温存手術を受けております。
結果
・しこりの大きさ 1.2×1.2
・リンパ(センチネルリンパ節) 0/4
・組織型 乳頭腺管癌
・エストロゲン受容体 2プラス
・プロゲステロン受容体 2プラス
・HER2受容体 2プラス
・悪性度 T
・断端マイナス
・年齢42才
以上のことより、主治医より、「無治療、又はタモキシフェン5年間服用。放射線6週間」との説明がありました。知り合いの乳腺外科の先生にセカンド・オピニオンをお願いした所、私のような条件の人はその先生のところ、そしてガンセンターでは放射線はやらないそうです。今の病院では「温存の人は必ず放射線」と聞いていたので、少々困惑しています。私の胸にはすでにチタンチップも埋め込まれています。今の病院の先生を信頼しているので、こちらで治療を受けるつもりですが、「放射線は受けるもの」・・と思い込んでいたので戸惑っています。無治療を決断する勇気は無いので、放射線とタモキシフェン治療を拒むほどの強い意志はありません。ですが、その程度の決め方(自分自身の)でよいものなのでしょうか。非常に癌の悪性度が低く、ガイドライン、コンセンサス会議などで唱えられている治療は、無治療もしくはタモキシフェン5年。それと放射線照射です。放射線については、まだ照射しないというのは一般的ではありませんし、科学的な確証がありませんので、一部の施設や、臨床試験などを除いて行うべきではないと考えます。今後は、放射線を照射しない症例のselectionが大事になるかと思いますが、今はまだその段階でありません。(文責 鈴木)
【No.3234-1】 04年12月06日 S.T.
乳癌による転移は考えられますか?はじめまして。28歳で、今年3月に乳房温存手術をして無治療のままでいることにしました。前の日までなかったのですが、昨日反対側の乳輪に1cmくらいのしこりをみつけました。なんだか腫れ上がっているようで、触ると多少痛いのですが、乳癌による転移は考えられますか?
無治療でいることはともかくとして、反対側の乳房に転移することはありますし、反対側の乳癌が新たにできることもあります。症状からは関係なさそうに思いますが、一度、超音波、レントゲンを撮って、専門医に診てもらってはどうでしょうか?(文責 鈴木)
【No.3234-2】 04年12月09日 S.T.
病理診断についてご回答ありがとうございました。左のしこりはなくなりました。先日他院にセカンドオピニオンに行って、プレパラートをもって診てもらってから今後の治療を決めることにしました。その結果、どうやら乳癌ではなく良性の乳頭腫というものでした。全く違う病理になってしまいました。どちらの病理が本当かどうかはっきりしませんが、私としてははっきりさせたいと思っています。癌が少しでもあったならきちんとした治療をしなくてはいけないと思いますし、全く良性でしたら、わざわざつらい治療を受ける必要はないと思っています。どうしたらいいのでしょうか? きちんとした結果はどこに出せば確実でしょうか?
難しい問題です。病理診断の現状についてはいろいろお話したいことがあるのですが、ここではおいておいて、現実的な話としては、主治医の先生に診断が異なったことをお話しして、3rd opinionを受けるか、異なった診断をした病理医同士で検討してもらって最終診断をつけてもらうのがよいと思います。(文責 清水)
【No.3233】 04年12月06日 N
左脇の下から肘にかけて違和感があります知り合いの女性ですが、以下の様な症状が出ている様です。どのようなことが考えられるか、コメント頂けたら幸いです。
<症状>
左脇の下から肘にかけて(脇の下から肘までの真ん中まで)ですが、手を挙げると筋が浮き上がる。その筋は細いが、触るとニキビなどを触った位の痛みがある。触らないときは違和感がある程度です。
宜しくお願い致します。乳腺とは関係なさそうですね。あまり病的なものではないと思いますが、心配あれば一度、乳腺外科、それで何もなければ整形外科を受診して下さい。(文責 鈴木)
【No.3232】 04年12月06日 クローバー
骨転移についてはじめまして。クローバーと申します。骨転移について、ネットで調べていくうちにそちらさまにたどりつきました。私の母は六年前に乳がんになり、二年前に背骨への再発転移がみつかりました。現在は、肝臓と背骨に癌が転移しており、治療は飲み薬(癌と痛み止めその他で、30粒ほど飲んでいます)、放射線治療をしています。今年の夏ぐらいから背中の痛みを訴え、あっというまに状態が悪化していきました。放射線治療をしてから、背中の痛みは以前ほどひどくはないのですが、嘔吐がとまりません(5回から10回ほど毎日吐きます)。食事の量も、一人前の五分の一も食べられず、せっかく食べても吐いてしまうので、まったく栄養がとれません。一か月で10sほど痩せました。2週間ほど前に入院したのですが、吐き気が止まらないので治療できないと言われ、1週間で帰されました。現在は通院です。「他の骨に癌が転移されているかたは、こんなに吐くのだろうか?」という疑問と(一応検査の結果、肝臓以外の内臓には転移がみられないとのこと)、「骨癌の治療は飲み薬しかできないのか?」という疑問があります。正直、現在かかっている医者に対して、このような状態なのに、入院させてもらえないことに非常に憤りと不信を抱いています。転院を考えているのですが、実際にどう動いていいのかわからないというのが現状です。初めてのメールで長々とすみません。色々とアドバイスをしていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
嘔吐される原因はいろいろあるかと思います。飲んでいる痛み止めの副作用、骨転移の進行に伴い血中のカルシウムの上昇に伴うもの、もしかして抗癌剤を飲んでいたらその副作用もありそうです。ほか、脳転移でも吐かれることはあります。骨転移だけでは、基本的には抗癌剤ではなく、ホルモン療法が効くのであれば、ホルモン療法をまずスタートさせ、効果が乏しければ抗癌剤を投与します。ただ、他に肝臓に転移があるのであれば、やはり抗癌剤が主体になると思います。それと、HER2というタンパク質をもっている乳癌であれば、それの働きをおさえる点滴の治療法もあります。いくつか、治療法のoptionはありそうですので、あきらめずにやられてはいかがでしょう。とは言っても、転院を希望とのことですが、直接、乳腺外科のある病院を訪ねられてはいかがですか? 何も資料もいりません。あとは、こちらから先方に、手術の状況や治療経過について問い合わせをするので、変に気を遣わずに受診されてはどうでしょう。後悔のない治療法を提供してもらってください。ひとつご理解して欲しいのは、今の病気は残念ながら完治するというのは難しいです。であれば、外来通院できるのなら基本的には外来で治療していく、症状の緩和を目指しながら上手に付き合えるように治療していくというのがスタンスだと思いますので、主治医はその辺のことを考えてくれているのかもしれませんよ。(文責 鈴木)
【No.3231-1】 04年12月06日 Miwa
母の乳癌について初めて相談させていただきます。よろしくお願いいたします。母は現在56歳。乳癌との診断により、今年の3月、近くの総合病院にて左胸全摘の手術を受けました。ステージは3a、リンパは12個摘出のうち、8個に転移していました。その後、抗ガン剤治療、ホルモン療法を受けておりましたが、先月、副腎への再発、鎖骨上部のリンパへの転移との診断を受けました。私が海外に住んでいるため、母は私にあまり心配かけてはいけないと思い、本当のことを言えないでいるようですが、兄から聞いたところによると、肺・鎖骨上部リンパへ転移しているとのことでした。乳癌発見・手術から1年も経っていないという、あまりの転移の早さに本当にショックです。これだけ早いということは、とても進行度の早い癌と言うことですよね?
手術や治療等、最初から現在に至るまで主治医は外科の先生です。今回の再発・転移で、色々と不安を感じた母は、主治医の先生に話し、一番近く(高速を使って、家から1時間くらい)の癌センターへ相談に行きましたが、そこで言われたことは、「手術をするわけでもなく、薬だけでの治療になるから、どこの病院でもあまり大差は無い。これからずっと付き合っていかなければいけない病気なのだから、何かあったときのためにも今まで通り近くの病院で治療を続けるのが良いでしょう」とのことだったそうです。そこで相談に乗っていただいた先生は、乳腺外科の先生です。母は主治医の先生との間にあまりわだかまりを作らない方が良いのでは、とも思い、今まで担当していただいた外科の先生にまた継続して診てもらうしかないと考えているようですが、私は薬だけの治療になるならば、尚更外科の先生ではなく、専門の先生に診てもらった方が良いのでは?と思っています。現在私は、結婚して海外に住んでいますが、3月の手術の時には帰国していました。今回の再発・転移が分かり、近々また帰国する予定なのですが、その時、母と一緒に専門の先生の話を聞きに行ったりしたいと思うのですが、
1.癌センターの先生が言われたように、専門の先生に診てもらうより近くの病院で治療を続ける方が良いのでしょうか?
2.見方を変えれば、もう特別な治療の手立ては無いと言うことでしょうか?
3.先に述べたように、私は海外に住んでいるため、詳しい病状データは現在手元にありませんが、現在の母の病状から考えられること、今後の治療法、余命等、分かる範囲で教えていただけますでしょうか?
主人が外国人のため、日本で暮らすは大変だと思っていたのですが、母の病状によっては、日本に戻って一緒に、もしくは近くに住みたいと思っています。お忙しい中申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。海外に住んでいらっしゃって、心配であること察します。癌センターで治療を受けるか、近くで受けるかですが、非常に難しいと思います。癌センターの方が、治療の専門性、手段は若干の利があるように思いますが、これから長い戦いになりますし、抗癌剤ということになれば、毎週という投与方法になるかもしれません。その時に、体力的な問題、時間的なことを考えると、近くの方が良いということもあると思います。いずれにせよ、主治医へのわだかまりとか、気遣いとかは不要ですし、後悔のない治療をうけて下さい。個人的には、やはり乳腺外科の専門性を生かした方が良いのではと思います。今後、仮に薬剤の効果がないとかなった時に、新規の薬剤の臨床試験であるとか、日本では使えない薬剤とか、一般の病院ではできない治療法の選択肢があるのも事実ですので、乳腺外科の方が良いと考えます。特別な治療法がないということはありません。たくさんの治療法、薬剤もありますし、薬剤に反応が比較的良いのも、この乳癌の特徴です。乳癌は再発した時の平均余命は33ヶ月というデータがあります。ただこれは、術後の抗癌剤の投与の有無、転移先の状況、ホルモン感受性の有無などによって大きく変わります。あまり予後のことなど考えずに、長い目で一緒に戦ってはいかがですか? 今後は、まずホルモン療法の変更、骨を強くする点滴など(ビスフォスフォネート剤)を行うと思います。ただ、やはり術後1年で病気が出現してきたという事実は病気の早さを物語っていますので、ホルモン療法には効き目がないと判断して、抗癌剤への切り替えも必要でしょうし、現実は病気の勢いはあるかもしれませんので、病気を治すというより、症状の出ないように、上手に付き合えるような治療法が当面の目標です。日本への移住などは、僕の方からコメントできませんが、今後の治療はいろいろ大変な面もありますので、一緒に住まわれて、協力しながら治療を受けたらいかがかとは思います。他、HER2という特殊の蛋白質を持っている乳癌であれば、その働きを抑える治療法(毎週の点滴、ハーセプチン)もありますし、方法はいろいろありますので、あきらめずに治療を受けて下さい。(文責 鈴木)
【No.3231-2】 04年12月10日 Miwa
母の乳癌について(2)先日、「母の乳癌について」のメールさせていただきました。お忙しい中、早速お返事いただき誠にありがとうございます。とても参考になりました。そして、諦めずに頑張ろうという力を与えていただきました。ありがとうございます。先生からのお返事を読ませていただいて、新たにお伺いさせていただきたくメール致しました。度々申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
癌センター・乳腺外科の先生は、「近くの病院の方が良いでしょう」とのことで、結局は、今までの主治医・外科の先生宛にその旨手紙を書き、話しは終わったそうです。先生のお返事からは、乳腺外科の先生の方が良いように思われますが、その乳腺外科の先生が「薬だけの治療だから、どこでもあまり大差は無い」とおっしゃられると、その先生にはお願いしたいと言う気持ちにはなれません。
私は主人と相談の上、日本へ帰り母と一緒に頑張って治療を受けることを決めました。ただ、先にも書きましたが、癌センターの先生を信頼し、どうかお願いします、と言う気持ちにはなれません。実家は岐阜なのですが、関東や関西方面の腫瘍内科など専門科のある病院へ一度話しを聞きに行くだけでも行きたいと思っています。母も、私が一緒に行ってくれるのなら行きたい、誰かが一緒に行ってくれるのなら、今は行く元気があると言っています。でも、もし都市の専門科のある病院で話を聞き、そこで治療を続けたいと思っても、先生からのお返事にもあったように、一週間に一回の通院となると、岐阜から通うのは不可能だと思われますか?金銭的なことではなく、これからの本人の体力面が心配です。もちろん、本人でないと分からないことだとは思いますが、今まで診てこられた一般的なご意見で構いません。不可能でしょうか?近くの病院でも、抗ガン剤の投与が本人に合っておらず、普通の暮らしが出来なかったり、癌の進行を遅らせることが出来ないなら、遠くても通いながら、少しでも長く普通の暮らしが出来る方が良いのでは?と思っています。
長々と、家庭の事情まで含めて申し訳ありません。その他、考えられる治療・通院手段等も含め、お返事いただけると幸いに存じます。よろしくお願い申し上げます。なんとお答えしてよいかわかりませんが、お母さんとよく相談して、納得いく治療法を選択してください。そのためには、遠くの病院へ通院することも考えてよいのではないでしょうか。(文責 清水)
【No.3230-1】 04年12月05日 k m
カテゴリー5妻が(閉経前36歳女性)本日、乳癌の診断を受けました。浸潤癌(充実腺管癌)カテゴリー5、病期:U期、腫瘍は一つに固まっている状況ではないので、大きさの判定は受けていません。右乳房、外側(9:00から11:30)に癌があるということです。現在のところリンパ節転移の兆候なし。来週から、肝臓、肺、骨などへの転移有無を確認するために、何度か通院し検査を実施する予定です。手術予定は1月下旬、乳房温存術で、術中にセンチネル生検実施、術後に放射線実施。ホルモン剤適用可能な場合は、ホルモン剤5年使用。ホルモン剤使用できない場合は、その時に治療方法を考えましょうということでした。
1)充実腺管癌とは、どのような癌でしょうか?
2)カテゴリー5とは、悪性度が高いのでしょうか?
3)手術まで2ヶ月弱ありますが、この期間に転移してしまう可能性は高いでしょうか?
4)妻のケースで、温存手術、センチネル生検のリスクは高いでしょうか?
5)ホルモン剤が使用できない場合は、どのような治療が考えられるのでしょうか?
6)予後の状況はどのように推測できるでしょうか?
お手数をおかけいたしますが、早急なご回答をお願いいたします。充実腺管癌というのは浸潤癌の一種で、日常よく遭遇する癌の種類です。ぎゅっとつまった腫瘍細胞が周囲に膨張性、圧排性に発育するのが特徴です。特に予後が悪いとか、良いとかいうものではありません。カテゴリー5というのは、マンモグラフィの診断や超音波で使う用語で、癌を強く疑う所見を認める時に使います。悪性度の指標ではありません。手術までの期間は、混んでいる施設であればそのくらいはかかってしまいます。国立がんセンターは3ヶ月くらいかかることもあるそうです。もし、がんセンターの治療成績が悪いというのであれば別ですが、そういうことはありませんので、あまり転移のことは心配されなくてよいでしょう。温存か否かは、ご本人次第です。温存すれば残りの乳房に局所再発する確率が、放射線照射しても7%くらい残ります。そのリスクを背負えれば温存で良いのではないでしょうか? 温存でも全摘でも、生命予後は同等ですので、そのリスクさえ、ご本人がクリアできれば温存でよいと思います。センチネルは大分あちこちの施設で行われ、成績も出てきましたが、まだ長期の成績が明らかでありませんが、やはりむくみ、手の挙上といった面では良い成績です。可能な施設であれば、それも一考です。リスクはセンチネルでマイナスでも数%のリンパ節転移が奥に潜んでいることと、術中にセンチネルリンパ節の転移の有無の確認が病理的に限界があり、術中マイナスとしても、よく調べたら、そのセンチネルリンパ節に転移が見られることもあります。閉経前でホルモン剤が使用できる場合では、内服5年と、生理を止める注射を2年用いるのが標準です。使用できない場合は抗癌剤になります。予後に関しては、リンパ節転移の状況、腫瘍の大きさ(特に浸潤癌の部分)−これは術後に病理組織で調べるーにより変わってきますので、今は明確にお答えできません。(文責 鈴木)
【No.3230-2】 04年12月06日 k m
カテゴリー5 (2)ご返信ありがとうございました。今後の検査を経て、転移がない場合は1月下旬に手術ということになります。手術治療に向けての準備として、日常生活において気をつけることや、取り組んだほうがよいことなどないでしょうか? 私としては、食事睡眠は当然配慮する必要があると思いますし、普段全く運動をしていないので、本人がストレスを感じない程度にウォーキング等するほうがいいような気がするのですが、いかがでしょうか? 手術や場合によっては抗がん剤治療も考えられるので、体力消耗が大きいのではないかと考えています。元気なうちに少し体を動かし、多少なりとも体力向上を図るということが、術後や抗がん剤治療後に有用でしょうか?
変に力まず、よく食べ、体を動かし、くよくよしない。体力勝負ではありますが、今、ひとときの運動で、あまり大きな効果が出るとも思いませんが。気持ちがそのように前向きであるのが、一番と思います。応援しています。がんばって下さい。(文責 鈴木)
【No.3229】 04年12月05日 SUZUKA
胸全体に痛みがあります初めてメールします。30歳です。前回の生理3日後ぐらいから胸全体に痛みがあります。左右両方です。痛みは生理前に胸が張るのと同じような痛みですが、胸が揺れると痛いです。痛みの範囲は鎖骨の下あたりから乳首の辺りや胸の谷間あたりも押さえると痛いのです。うつ伏せに寝たり、横向きに寝たりしても痛みます。ブラジャーをしていると痛みがマシなので、眠るときもブラジャーをしています。症状は1週間近く続いています。乳癌の疑いはあるのでしょうか? また、病院にいくなら何科になるのでしょうか?
乳癌の可能性は低いと考えます。乳腺症といって、硬い乳腺と柔らかい乳腺が混在しているといえば理解しやすいでしょうか、これは人それぞれの乳腺の顔つきで、病的なことではありません。このような方は、生理の前になると乳腺が張り、痛みます。これが特徴的な症状です。癌のリスクが高まるわけではありませんので、ご心配なく。もし受診されるのであれば、乳腺外科です。過度に神経質にならず、受診されて下さい。(文責 鈴木)
【No.3228】 04年12月05日 M.F.
術前化学療法後のセンチネルリンパ節生検について(HPNo.2972-2)こんにちは。以前PETのことでご相談させて頂きました。ウィークリーでのタキソール+ハーセプチンの投与12回が終了し、来週手術なのですが、本日主治医から手術法についての簡単な説明があり、発見時3cm以上の腫瘍(私は4cm)の場合で術前抗ガン剤を使用した場合は、基本的にはセンチネルは行わず、レベル2程度(20個くらい)のリンパ郭清をするということでした。理由を尋ねたところ、
■術前抗ガン剤を使った場合、センチネルリンパ節および転移のあるリンパがマーキングされにくくなり局所再発のリスクが残ること
■リンパ浮腫の後遺症は、多く見積もって10%未満であること
などでした。
私としてはリンパ浮腫を一番恐れています。またこの病院にかかる1年半前からしこりを自覚していたのですが、その時は他院で問題ないと判断されてしまった経緯もあり、その間にリンパ節経由でまだ微小ながんが他に回ってしまっているのなら、脇のリンパ郭清をしてもしなくても同じではないかと考えています。(リンパ転移があるかどうかは初診時不明とされていましたが、PETでは移っていませんでした。主治医は悪性度は割に低いかもしれないと考えています) 主治医の進める手術法がベターでしょうか? ご意見、お願いいたします。術前抗癌剤の後のセンチネルに関しては明確に答えられるデータがありません。ただ、リンパ節も抗癌剤の効果がでて、転移のあったものが消えたりしますので、取り込みが少なくなることは予想できます。個人的にも、郭清の方が良いのではないかと思います。ただ、レベル2まで行わなくても、術中に病理で調べながら、レベル1までの郭清にするというオプションはあるのではないでしょうか。リンパ節転移があるかもしれないものをそのまま放置した場合、仮にそれが将来大きくなればリンパ浮腫の原因にもなりますので、センチネルもしくは郭清は必要と考えます。(文責 鈴木)
【No.3227】 04年12月05日 K.K.
CAF6クールを終えました(HPNo.3113-3)11月初めに無事CAF6クールを終えました。点滴をした左手の肘の内側と手首の(甲の方)の血管がつっぱる感じがして痛いのですが、このままにしておけば自然と治ってくるのでしょうか? 4クール目にも同じような症状が出たので血管の掃除?をする点滴を受けたのですが、それから後も痛みは少しでしたが残っていました。我慢できないほどの痛さではないのですが、外来へもしばらく行かないのでどうしたものかなっと思いましてお尋ね致しました。よろしくお願いします。
抗癌剤による血管炎の名残?か、腋窩郭清に伴う手のつっぱりかはっきりしませんが、抗癌剤の投与ルートであれば、時間かかりますが、少しずつ良くはなってくるようです。郭清に伴うものであれば、あまり治りは良くないかもしれません。温めて血行をよくしたり、マッサージするのが良いでしょう。(文責 鈴木)
【No.3226】 04年12月05日 KK
抗がん剤治療のサイクル(クール)数について初めてご意見を伺います。今年の8月末に乳がんのために右乳房全摘手術を受けた後、10月1日より下記抗がん剤治療を受けております。この際、医師からは標準の6クール受けるべきであると言われました。私本人はできれば3クール程度で止めたいと思っています。そこで、(1)3クールと6クールの効果の違いはどの程度か、(2)6クール受けるべきか否か、についてご意見を伺えれば助かります。宜しくお願い致します。埼玉県川口市在住、51才女性。
乳がん: 右乳房乳首近くに発生。直径4cm、広がり11cm、リンパ節は12個切除し、1個が陽性。また、ER(-)、HER-2(10%)。
抗がん剤治療: 1クール<点滴1回(Endoxan, ファルモビシン)、UFT経口(3回/日、14日間)、制酸剤(3回/日、21日間)、制吐剤(1回/日、21日間)>3サイクルと6サイクルの比較のデータはありません。化学療法の最適なサイクル数は、今までの臨床試験の成績から明らかにされています。つらいとは思いますが、治癒を期待できるチャンスですので、最後までがんばって下さい。リンパ節転移を有する症例であれば、エンドキサン、ファルモルビシンに加え、タキソールを3週毎、4回の投与をするメニューが、一番再発率が低いようです。実際の臨床では毎週の12回投与を行うことが多くなっています。なお、UFTに関しては、補助療法において、はっきりとした有用性は科学的に証明されていませんので、投与は疑問が残ります。主治医とご相談下さい。(文責 鈴木)
【No.3225-1】 04年12月05日 YY
乳ガン手術法の選択と予後はじめまして。36歳の乳ガン患者です。12月中旬から入院し、癌摘出手術を受ける予定です。主治医からは、温存手術か全摘手術か、腋窩リンパ郭清かセンチネルリンパ生検か選んでよいと言われ、非常に迷っています。ご相談にのっていだたければと思います。これまでの状況は、「針生検、MRI、超音波、マンモグラフィーにて癌確定、クラスV、腫瘍径約2.2cm ただし超音波で2cm程度の腕のようなものがある(??)、ホルモンレセプター マイナス(予後にはマイナス)、ハーツーレセプター マイナス(予後にはプラス)、触診・超音波でリンパ節転移はなし」です。術後補助療法としては抗ガン剤半年、温存療法の場合は、抗ガン剤後に放射線照射が行われると言われています。
1) 温存手術+放射線療法を行った場合の局所再発の確率は10%程度とありますが、この局所再発がおこった場合、遠隔転移もおこりやすいのでしょうか? 結果、生存率に差が生じるのでしょうか?
2) リンパ節郭清をすることは、全身転移の予防になりますか? またこれをセンチネル+腋窩放射線照射で替えることはできますか? 「リンパ節転移の有無は予後診断の重要な因子であり、術後補助療法の選択に影響を与える、しかし治療的効果は薄い」ともききました。私の場合、ホルモンレセプターがマイナスであり、また年齢が比較的若いことから、リンパ節転移がなくても強い抗ガン剤が選択されると思われます。診断的意味が低い場合、治療的意味がどの程度かが郭清を選択するか否かの判断材料になると思いますが、治療効果はどういったものなのでしょうか? センチネルでリンパ節転移を見逃した場合は、全身転移もおこりやすいのでしょうか?
3) 超音波で見えた腕のようなもの(?)は、腫瘍径に加算されますか? 全摘出手術のほうがよいのでしょうか?
ながながとすみませんが、お答えお待ちしております。どうぞよろしくお願い申し上げます。局所再発がおこれば遠隔転移を起こしやすいということはありません、ですから、予後には影響しないのです。リンパ節郭清は全身転移の予防にはなりません。センチネル+腋窩照射で替えることに関しては科学的な根拠、確証がありませんので、行うべきではありません。腋窩に関してはリンパ節転移が4個以上あるようであれば、腋窩、鎖骨上、胸骨傍に放射線を照射します。この方が再発率が低いからです。腋窩リンパ節を郭清することで、乳癌を治すという意味合いは多くありません。予後因子の確認のために行う、つまり、言い方がきつくなりますが、センチネルにせよ、郭清にせよ、転移がある症例は再発のリスクが高くなります。転移の有無の確認ととらえた方が理解しやすいでしょうか? 超音波でみえた腕のようなもの?????イメージがわきにくく答えになりません。大きさは、最終の病理結果で浸潤癌の大きさで決めますから、大きさに関してはまだ不確定です。センチネルに関してはまだはっきりとした長期の成績は出ていませんが、やはり郭清に比べて、むくみ、手の挙上など機能の面でポジティブのようです。察するに、十分、温存手術が可能ではないかと思います。かつセンチネルが可能な施設であれば、温存+センチネルがいかがかと思いますが。(文責 鈴木)
【No.3225-2】 04年12月12日 YY
センチネル生検で転移を見逃した場合先日HPNo.3225で回答していただいたものです。丁寧なお返事、深く感謝しております。センチネル生検について、今一度教えてください。
1) センチネル生検でリンパ節転移を見逃した場合、予後に影響しますか? 全身転移がおこりやすくなり、生存率が下がるのでしょうか? 見逃す確率も5〜10%程度あると伺いました。この場合、数ヶ月或いは数年後に脇下リンパ節が腫れてくるのだと思いますが、その時点で切除すれば、予後には影響しないのでしょうか?
2) センチネルでリンパ節転移を見逃したとしても術後の抗ガン剤で癌細胞が死んでしまう可能性はないでしょうか? 楽観的すぎるでしょうか? 私の場合、ホルモンレセプター マイナス(予後にはマイナス)、ハーツーレセプター マイナス(予後にはプラス)、悪性度 グレード3(予後にはマイナス)ですので、再発の確率が高く、術後に抗ガン剤の点滴を行うと言われています。1) センチネルリンパ節生検(以下SLNB)でリンパ節を見逃した場合という状況がわかりません。確かにSLNBは5%程度の偽陰性があります。それは、SLNBを行った後で腋窩郭清をして確認されたことで、腋窩郭清を行わなければ見逃したかどうかはわかりません。従って、SLNBだけ行った場合では見逃しているかどうかわかりませんから、見逃した場合の予後も不明としか言いようがありません。見逃した場合は後日腋窩リンパ節が腫れてくる可能性が高いと思われます。その時点で郭清して予後がどうなるかは、そのような報告はないのでわかりません。SLNBの5%の偽陰性のリスクを心配するならばSLNBは行わない方が良いと思います。
2) 確かに、SLNBでリンパ節転移がなかったとしても、ER(-), Grade3では術後の補助療法として化学療法が推奨されます。SLNBで見逃したリンパ節があると言うことは、言い換えれば全身にがん細胞が散っている可能性があるということで、抗がん剤でリンパ節転移が消失しないということは、全身に散った細胞も死なないということですし、抗がん剤がリンパ節転移を消滅させてくれるならば、全身に散った細胞も殺していると考えられます。(文責 清水)
【No.3224】 04年12月05日 M.I.
胸のしこりはじめまして。神奈川県在住ではありませんが、お時間がありましたらお返事をいただければと思います。37歳、独身の女性です。出産経験もありませんが、3年前に子宮筋腫の開腹手術をしました。体型としては太めですので、胸も大きいのですが、普通に触るぶんにはしこりなどに触れることはないのですが、うつぶせに寝ていると、胸の中が小さな砂利の上に寝転がっているようなザラついたような異物感があります。靴の中に砂利が入ったまま歩いているような感じです。その上、両乳首の周辺が痒くて、右側は形状がボコボコとイビツな上に、小さなイボのようなものができていました。老人性のイボのようなものです。先日つぶしてみたら黄色い液体のあと血がでましたが、数日したら消えたようです。産婦人科で触診を受けたら異常なしという診断でしたが、別の科で見てもらったほうがいいのでしょうか? よろしくお願いいたします。
乳腺が、ごつごつしている方、ざらざらしている方、よくいらっしゃいます。恐らく、そうではないかと察します。それと乳頭のかゆみも良く見られます。かさぶたのようになり、治りが悪ければ乳腺外科の受診を勧めます。それと、乳癌検診であれば、超音波、マンモグラフィも併用でされた方がよいかと思います。特に乳房が大きい方では、触診のみでの判断は難しいことがありますので・・。あまり心配されずに、一度、乳腺外科の受診を勧めます。(文責 鈴木)
【No.3223】 04年12月05日 A・T
全摘でも胸膜にしこりができますか?10月13日左胸乳房全摘・リンパ節切除しました。2センチ以下のものですが、悪性度が高く、乳首に近いのでそうなりました。結果は、グレードT・リンパ(−)・ホルモン×・悪性度3で、フルツロンカプセルを1日3回飲んでいます。しかし、先週あたりから、傷の近くの胸膜がずきずきしたり、しこりを感じます。手術間もないのに、こんなことってあるんでしょうか?
まず、フルツロンからですが、この薬剤の必要性は疑問があります。ガイドラインにもありますが、術後補助療法として、内服の抗癌剤の有用性ははっきり証明されていませんので、今一度、主治医とよく相談されてはいかがでしょうか? 胸膜がずきずき?しこり?・・・胸膜というのは肺の表面にあるので、症状が伝わりにくい感じですが、術後間もないのであればあまり心配されず、日柄のものとお考え下さい。もし、その症状が続く、ひどくなるのであれば検査されてはいかがでしょうか?(文責 鈴木)
【No.3222】 04年12月05日 Izumi
抗がん剤について初めてご相談させていただきます。34歳独身です。11月12日に右胸内側下部の温存手術を行いました。大きさは2.2cm、ホルモンレセプター陽性、術中のセンチネルリンパ節生検では、リンパ節転移なし(0/2)とのことで、術後は放射線+ホルモン療法と思っておりましたところ、昨日、術後初めての診察の際に、術後の病理検査にて、センチネルリンパ節以外のリンパ節に転移があったとのこと(3/6)。それにより、抗がん剤をすすめられました。そこで質問させてください。
1)抗がん剤は受けた方が良いのでしょうか? 今後子供を産みたいとも考えておりますので、抗がん剤により生理が止まったままになってしまうこともありうると聞くと、やはり受けたくないのですが・・・。
2)放射線+ホルモン療法だけではダメなのでしょうか? 放射線は取り残したかもしれないガンを焼くものと思っておりますが、その放射線治療の際に、腋にも放射線をあてると思うのですが、それではダメなのでしょうか?
3)抗がん剤を受けるとしたら、私の場合何の抗がん剤が考えられますでしょうか? また副作用を教えてください。
4)仕事に支障があるため脱毛は避けたいのですが、脱毛しない抗がん剤は、脱毛してしまう抗がん剤に比べて、やはり効果が少ないものなのでしょうか?
申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。いろいろ悩まれているとは思いますが、抗癌剤は必要だと考えます。抗癌剤を行わない人に比べて、CMFという薬の組み合わせ(脱毛なし、白血球減少、若干の嘔気)をすれば、24%の再発軽減率があります(1000人が再発するとしたら、240人はCMFで救済してくれます)。CMFよりアドリアマイシンという薬剤を含んだ組み合わせ(アドリアマイシンとエンドキサンー副作用は白血球減少、吐き気、倦怠感、爪の変化など)では、240人にさらに120人の上乗せで、再発率の軽減があります。さらにアドリアマイシン+エンドキサンに追加してタキソールという薬を使うと、さらに220人、救い上げてくれます。CMFは大体6ヶ月、アドリアマイシン+エンドキサンで4ヶ月、タキソールを含むものは7ヶ月くらいかかります(副作用は白血球減少、脱毛、手足のしびれ、爪の変化などーいずれも回復します)。後者の2つとも脱毛は必発ですが、終了後半年くらいで、もとに戻ります。放射線照射は腋窩リンパ節が4個以上転移している場合は、腋窩、鎖骨上、胸骨の脇も一緒に乳房を含めて照射します。この方が再発率の低いことがわかっています。3個であれば、乳房だけの照射です。ホルモン療法は2年間の注射(生理、止まりますので妊娠しません)と5年間の内服が標準ですが、この二つの組み合わせはCMFと同じくらいの再発軽減率があります。CMFで使うC(エンドキサン)でも卵巣機能は抑えられ、そのまま閉経される方もいます。非常に難しい問題ですので、主治医、パートナー、家族とよく相談されて下さい。何かあれば、またご相談下さい。(文責 鈴木)
【No.3221-1】 04年12月05日 A.A.
術後補助療法について初めまして、今年6月に右乳房温存手術を受けました。40歳、既婚、子供なしです。
術後の病理検査の結果 : 浸潤性乳管ガン(硬ガン)、しこりの大きさ 約1センチ弱(右乳房、内側のやや下側)、リンパ節転移なし、ER、PgR ともに陽性、断端陰性
T1N0M0ですが、核異型度(悪性度)がグレード3で、ハイリスクとのことで、現在ゾラ+ノルバで治療中です。期間は両方とも2年と言われていますが、ノルバは5年の服用が標準と聞いております。主治医に尋ねたところ、2年で標準ですと言われました。5年服用しないと影響があるでしょうか? ちなみに母が異時性両側乳がんで、両乳房摘出しています(初回25年前、2回目8年前)。また、大豆イソフラボン等のサプリメントを服用することに関して、いろいろな考えがあるようですが、どうお考えになるかご意見を教えて頂きたく思います。それと術後の検査についてですが、そろそろ半年になるので全身検査をしたほうが良いのでしょうか? 主治医には、もう少し後でもいいのではと言われました。以上、よろしくお願い致します。ノルバデックスの内服期間は5年です。2年より5年の方が再発を抑える確率が高いことは、科学的に証明されていますので、今一度、相談されてはいかがですか? 大豆イソフラボンに関しては、明確な答えはありません。通常量であれば問題ないと思います。術後の検査に関しては、ガイドラインにも示されていますが、年一回のマンモグラフィのみで十分です。他の検査(腹部超音波、レントゲン、骨シンチ、PET、など)を受けることは、勧められていません。検査をすれば早く見つかり、病変のコントロールはしやすくなりますが、それで、生存率が良くなるというわけではなく、何か自覚症状が出てからでも、結果的には同じであるという根拠に基づいています。とは言っても、心配でしょうから、現実の外来では、年一回の検査を施行している実情はありますし、患者さんもそれを希望することが多いようです。主治医とよく相談の上、判断なさって下さい。(文責 鈴木)
【No.3221-2】 04年12月18日 A.A.
首の付け根のしこりについて先日術後補助療法等について質問をさせていただいたものです(HPNo.3221)。あれから主治医とも相談し、昨日骨シンチと造影CTの検査を済ませてきました。実は1週間ほど前に、術側(右)の首の付け根(鎖骨から指1本ほど上の部分)に二つ並んでしこりがあるのに気が付きました。胸にあったしこりとよく似た、平たいボタンのような感じです。昨日は主治医に会っていませんし、風邪を引いていたので(風邪でリンパが腫れることもあると聞いていたので)、このしこりについて主治医はまだ知りません。私はまだ術後半年ですし、手術時脇の下のリンパに転移はありませんでした。それでも遠隔転移等を起こすことは考えられるでしょうか? 初発の乳がんの位置が内下側であったということも気になります。結果は来週の予定です。過剰反応し過ぎかもしれませんが、CTが終わったときに放射線科の医師から、「この後主治医の診察に行くか?行かないなら予約は取ってあるか?」と聞かれたことも気になってしまいます。今までそんなことを聞かれたことはなかったので・・・。風邪でリンパが腫れる場合と転移の場合と、腫れ方に違いがあるのでしょうか? このしこりが乳がんの転移の可能性はあるとお考えになりますか? ちなみに首のしこりは触っても痛み等はありません。お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。
Stage から推察させていただくと、腋窩のリンパ節転移もないようですし、鎖骨上リンパ節へ転移する可能性はかなり低いと思います。(文責 首藤)
【No.3220-1】 04年12月03日 H.I.
乳頭からの血性分泌だけですが・・・約半年くらい前から乳癌の疑いで大きい病院にかかっております。そもそも乳頭を絞ると赤茶色の血液が出たのが始まりでした。生体検査も数回しましたが、毎回クラス3でした。シコリも全くありません。マンモグラフィーもエコーもMRIも全く異常なしとのこと・・・。ずっと担当して下さっているお医者様は、血管内に癌が出来ている可能性があると最終的に言われました。しかし、セカンドオピニオンとして別の病院の見解は、「殆ど心配ないと思われるが、定期的に検査はしたほうがいい」とのことでした。赤茶色の血液は癌である・・・と、ネット上では必ず書いてありますし、担当医の先生も非常に癌を懸念されております。もし本当に血管内癌だった場合はこれからどういう症状が出てくるのでしょうか? 又、血管内に癌が出来る乳癌とはどういう癌なのでしょうか? 素人でも血管内に癌が出来れば転移する可能性が非常に高いと想像されますが、どうなのでしょうか?。
血性乳汁分泌でclass3であれば、その乳汁が出ている乳管を同定して、その領域を切除することを勧めます。それで病理検査をして、癌か否か調べるべきです。血性乳汁分泌物の60%くらいは良性の腫瘍で、20%くらいが癌ですので、ネットに書いていることは必ずしも・・・。それと、血管内のがんではなくて乳管内の腫瘍ですよ。乳管内に留まっていれば、その手術だけで治りきることもありますし、半年も前からかかっていて解決しないのであれば、早いうちに他院で乳腺外科医の診察、治療を受けられることをお勧めします。(文責 鈴木)
【No.3220-2】 04年12月06日 H.I.
乳頭からの血性分泌だけですが・・・(2)実は最近は乳頭の2ヶ所から血液が出るようになり(絞らないと出ませんが)、もう一方の乳頭からもしぼれば少量ながら出ます。ガンセンターの担当医は、「乳頭の2ヶ所から血が出るのは、むしろ癌の疑いは薄くなった」と言いました。しかし、G医大は、乳房の両方から出ようが・・・乳頭の二箇所から出ようが、特に何とも言いません。細胞診では、もう一方の乳房の乳頭からの血液はクラス2でした。G医大の担当医は、左と右とは血液が出る原因が違うのだと思う・・・と言います。先生は同じ乳頭の2ヶ所からの出血や、もう一方の乳房からも出血があるという点をどうご判断なさいますか? この点に関してもご意見をお聞かせ下さい。
G医大の担当医は、「半年に1回ぐらいずつ検査をして様子を見ていきましょう」と言いながら、次回は1月7日に来なさい・・・と言われました。1月7日に先生が言われるとおり、乳管の一部を切除して病理検査をしましょうとG医大の担当医が言わなければ、こちらから病理検査はいらないのかお聞きしてみようと思います。
では、両方の乳房の乳頭から出血するということと、右の乳頭の2ヶ所から出血するということに対する先生のご判断をお待ちしております。お忙しいのに本当にすみませんが宜しくお願い申し上げます。確かにひとつの乳頭の二カ所から分泌があるのであれば教科書的には、良性の可能性があります。しかし、class3というのは、要精密検査の対象だと思います。もう一方の乳房は絞れば出る・・程度のものは、あまり心配なくて、乳腺症によるものではないかと感じますが。Class2のほうはともかくclass3の方は先日、僕が提案した方法がよいと思いますけど。(文責 鈴木)
【No.3219】 04年12月03日 Y
マンモグラフィの検査結果はじめまして。先日、乳ガン検診でマンモグラフィを受けた際に、画像の左胸の上部分にピー玉サイズが二つ並んでいるような白い陰が写っていました。触診では異常なしの診断だったので細胞診は難しいということで、その後の再検査でMRIを受けました。その結果ではしこりが写っていなかったらしく、癌ではないという診断だったのですが、マンモグラフィで写ってMRIで写らないということがあるのでしょうか? 担当の医師にも聞いてみたのですが、乳腺の専門医ではなかったためか、あいまいな回答で、癌ではないというものの、マンモグラフィに写ったものの原因も分からず、今だに不安な気持ちです。癌ではないとすれば、どういった病気が考えられますか? すみませんが、どうか教えてください。
マンモグラフィでは正常の乳腺の中に、石灰化やしこりを見つけますので、明らかに悪性という以外は難しいことも多々あります。そのビー玉サイズのものは、正常の乳腺の一部を見ていた可能性もありますね。専門医でないのであれば、不安でしょうから、一度、別の施設で検診されてはいかがでしょうか?(文責 鈴木)
【No.3218-1】 04年12月03日 R.M.
石灰化のみられるしこりしこりに気がつき、マンモグラフ、超音波検診を受け、右に1.8×0.8×0.8のしこりと、さらに小さめの二つのしこりがくっついていると診断されました。周囲に石灰化が見られるそうで、専門医は、しこりを外科手術で取りましょうとのことです。まず、針やマンモトームなどで生検をし、悪性かどうか見極めるものと思っていたのですが、いきなり手術というのは、どうなのでしょうか? シンガポール在住なので、日本語で相談にのっていただけるのは大変ありがたいです。よろしくお願いいたします。
まず、診断の順序としては、細胞診、組織診ということになります。組織診も、太い針で、超音波を見ながら採取する場合と、ご存じのように石灰化にむけてマンモトームを行う方法があります。それでも診断つかないときに外科切除ということになります。まず、外科切除の前にもうワンステップあるように感じますが・・・。悪性の可能性が、仮にあったとしても、その順序がreasonableだと思いますよ。(文責 鈴木)
【No.3218-2】 04年12月09日 R.M.
石灰化のみられるしこり(2)お返事ありがとうございます。こちらの医師が外科手術を勧めた理由を聞いてみると、
1) 針での組織診だと、たまたま刺したところが良性ということしか判らない。
2) マンモトームでも可能だが、お互いに近くにある3箇所を取るとなると、切除してすべて取るのと傷も同じくらいの大きさになる。
3) マンモトームでは90%ガンかどうか判定できるのに対し、切除なら100%の判定ができるとのことでした。
個人的には良性なら無理に切除しなくても良いのでは、と感じているのですが、この医師は疑わしいものは取ってしまおうということらしいです。日本では、このようなケースでは一般的にどういう対応が普通なのでしょうか? また、先生ならどうなさいますか? 色々細かい質問ですみません。お時間のあるときにお答えいただけたら幸いです。日本でもしこりがあればすぐ手術を勧める先生もいらっしゃいますが、前回鈴木先生がお答えのように、まずは穿刺吸引細胞診という場合が多いと思います(ご本人が積極的に手術を希望されれば話は別ですが)。1)2)3)の理由も最もなことですが、私からみると少し古い言い訳のように思います。日本にいらっしゃったら、即セカンドオピニオンをお勧めするところです。100歩譲って考えたとして、あなたが癌年齢(40歳代後半から50歳代前半)であって、触診所見でかなり癌の疑いが濃く、細胞診の診断にあまり自信なく、マンモトームの経験も少ないので、早く確実に診断しようとして手術を勧めていると考えれば合点がいくかもしれません。診断や治療の方法は国によって事情が異なることがあります。その国の事情に合わせるか、自分の考えを貫いて自国で検査するかのどちらかでしょう。(文責 清水)
【No.3217】 04年12月03日 K.H.
乳腺腫瘤について未婚で出産経験のない31歳です。先日、会社の健康診断で触診とマンモグラフィー検査を受けた結果、右乳房の内側にしこりがみられるとのことで、「要精密検査」との通知がきました。触診では認められなかった、小さい腫瘤のようです。痛みもありませんし、自分でもしこりを感じることはありません。10日後に再検査の予約をしたのですが、不安で不安でたまりません。マンモグラフィー検査で腫瘤が認められて再検査ということは悪性の可能性が高いのでしょうか。貴ホームページやインターネットで調べていても、マンモグラフィー検査→細胞検査で判断するというのが主流のようですので、悪い方に悪い方に考えてしまいます。アドバイスの程、どうぞよろしくお願いいたします。
文面からでは何とも回答に苦慮しますが、マンモグラフィで所見があればすべて乳癌などということはありませんし、良性の腫瘤もたくさんあります。不安な気持ちは察しますが、あわてないで、しっかりと乳腺外科で検査を受けて診断してもらって下さい。もし、仮に何かみつかることがあっても、非常に小さくて見つかったのですから、良い方に考えましょう。また、何かありましたらアクセスして下さい。(文責 鈴木)
【No.3216】 04年12月03日 K2
しこりについて(HPNo.3162-2)HPNo.3162でお世話になりましたK2です。回答ありがとうございました。再度質問をさせていただきたいと思います。エコーにて黒いもの(4ミリ)が映ったのですが、先生のお話からのう胞ではないようです。のう胞ではないということ&明らかなしこりの場合は乳がん以外は考えられないのでしょうか。細胞診を希望しましたが、「やれないこともないが、しこりを触れない状態であり、所見としても異常なしとなっているので(マンモとエコー・触診)そこまでやらなくても大丈夫」と言われました。定期的に観察していけば良いのではないかとのことでした。今後もお世話になると思うので、そこまで先生に言われたら、「でも心配なので細胞診をしてください」とは言えませんでした。ただ、「様子をみていて、大きくなったときには病気が進行しているということになるので、それでは絶対後悔する。今現在せっかく小さい状態で見つかったのに・・・」とも考えてしまいます。私の考えは大げさなのでしょうか。病院によって症状による対応が異なることは、わりとあるのでしょうか。また、このような場合はどうしたらよいのでしょうか。別の病院を受診したほうが良いのでしょうか。横浜市でしこりを触れなくてもエコーなどで確認できた場合、エコー下で細胞診をしていただける病院はありますか。教えていただければと思います。長々と書いてしまい申し訳ありません。お忙しいところ恐れ入りますが、宜しくお願いいたします。
僕も個人的には4mmであれば経過観察すれば良いと思います。少なからずとも癌の可能性(形、周囲との関係など)があれば、超音波で穿刺すべきですが、その必要がないと判断されたのであれば、経過観察すればよいのでは? ただ、どうしても不安であれば、穿刺することも一考ですが、細胞診で十分細胞が採取できなかった時に良悪性の判断がつかずに、どうするかという問題が発生しますので、そのことも考えられてはいかがでしょうか。そうはいっても穿刺をというのであれば、主治医にお願いすれば良いでしょうし、どこの乳腺外科でも対応は可能です。嚢胞でないから、イコール乳癌というのは考えすぎです。何といっても4mmですから・・・。そこだけ、乳腺の組織がまだらだとか、もやもやしているだけかもしれませんし、分泌物が固まってしこり状になっているかもしれませんしね。あまり、過度に神経質にならないほうがよさそうですが。いずれにせよ、ご本人の納得される検査、治療をお受け下さい。(文責 鈴木)
【No.3215】 04年12月03日 K.Y.
放射線治療後について(HPNo.3187-2)先日は迅速なご返答を頂き、どうも有難うございました。先日とは別件で質問させて下さい。一週間前に放射線治療が終了したばかりなのですが、この時期に照射していた場所に、また乳がんがでてくるということは、ありうるのでしょうか? 実は、手術の傷痕のやや上部にしこりが触れるのです。ただ、思い当たるのが、手術後に内出血があったところと一致します。内出血が治ったところが手術の傷痕のように硬くなるということは、あるのでしょうか? お手数ですが、よろしくお願い致します。
温存療法後の残存乳房への乳癌の発生率は40%くらい見られます。それを制御する目的で、術後に25回前後の放射線照射を行うのですが、そうすると、7%くらいにその確率は減少します。ただ、そのリスクを加味しても、生存率は全摘の場合と比較して、差は見られないので、現在の温存術が行われている所以です。術後の傷のあたりが硬くなるとのことですが、これはよく見られます。時期がたてばもとの乳房と同じくらいに柔らかくなる方もいれば、硬さが残る方もいます。あまり心配になされない方が良いかと思います。(文責 鈴木)
【No.3214】 04年12月03日 A.K.
粘液を産生する癌について初めてメールさせていただきました。先日、マンモグラフィ検査と超音波検査を受けました。気になっていたしこりは線維腺腫だといわれましたが、その他に不整な嚢胞があり、マンモグラフィの微細石灰化像と一致していたこともあって穿刺吸引細胞診を受けました。その結果「粘液を背景に細胞が重積して悪性を強く疑う。粘液を産生する乳管内癌が考えられる」ということでした。大きさは1cmくらいということでした。ただし、細胞診では正確な(?)判断ができないので、その部分を取り出してきちんと検査をしておきましょうと言われました。「癌といってもこれは確実に治療できますから心配は要りません」といわれましたが、心配です。この癌の性質について教えていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。30歳未婚・出産経験なしです。
粘液癌を疑っているものだと考えます。Pureな粘液癌と、浸潤癌の一部が粘液産生している場合があります。前者では予後良好ですが、後者は一般の浸潤癌と同様に、大きさ、リンパ節転移の有無、核の異型度、ホルモンレセプターの有無、年齢などによって予後が検討されます。Pureなものであれば腋窩リンパ節も省略できる可能性もありますので、まず、腫瘍の辺縁を2cmくらい離して腫瘍を切除し、病理を確認し、その後に浸潤癌であれば腋窩リンパ節郭清を改めて行う、もしくは、センチネルリンパ節生検が可能な施設であれば、一緒に行ってみてもいいのではないでしょうか? いずれにせよ、pureな粘液癌か、否かが問題となります。(文責 鈴木)
【No.3213】 04年12月03日 K.I
ホルモン療法(卵巣への放射線)について今までゾラを打ち、生理をとめ、ノルバを飲んでいました。今現在はゾラをやめても、生理が止まっている状態です。血液検査をしたところ、生理が止まっているか否か微妙な数値との事。45歳で、CMF4クール、放射線25回もやっているので、生理が止まってもおかしくないという状況です。今回、卵巣に放射線をかけて生理を止める方法を問いかけられています。まわりでは、あまり聞かないのですが、その選択の短所、長所、今現在その方法が行われているか否かの状況を教えてください。
ゾラデックス、その後のノルバデックスは標準的な治療ですが、治療後に生理の発来する症例について、どうするか、再びゾラデックスを使うのかなどの明確な答え、科学的に検証された成績がありません。ゾラデックスは術後2年というのが標準的です。卵巣照射は一般的ではありませんし、ゾラデックスで卵巣照射と同等の効果が期待できるのですから、あまりお勧めしません。卵巣照射の短所は、やはり骨盤内の別の臓器にもかかりますので、腸炎、腸閉塞などの危険があると考えられます。(文責 鈴木)
【No.3212-1】 04年12月03日 MOMO
薬に弱い体質の補助療法についてはじめまして、46歳・独身・出産暦なしです。以前から乳腺症と診断されており、毎年検診を受けておりました。去年11月頃から乳腺のしこりが大きくなってきて痛みも少しあった為、かかりつけの乳腺クリニックで検査をしましたが、乳腺症がひどくなっているのだろうとのことで乳腺症を治療する薬を処方され、本来は6週間の服用を副作用の為、乳腺のしこりは残ったまま3週間で中断しました。副作用は、不正出血、乳房のはり、身体のだるさ等でした。3ヵ月後に診察に来るよう言われ、今年3月に診察を受けたところ乳がんが見つかりました。腫瘍は血腫と混在していて、ぎゅっと凝縮して3.8×3.5、乳頭腺管癌、リンパ転移 2/12、ホルモン依存有り、U期bと診断され、5月に非定型乳房切除を行いました。術後、肝機能がずっと思わしくなく、主治医は手術の時のMMCの影響だろうとの所見で、本来なら抗癌剤の点滴、およびホルモン剤服用の補助療法を行うべきところ、体質的に無理であろうということで、補助療法は何もしておりません。私のような症例では、再発転移の度合い、また再発した場合の治療はどのようになるのでしょうか。主治医には再発する前からそんなことを考える必要はないと言われ、詳細を聞くことがはばかられます。11月の乳腺症の治療が妥当なものだったのかどうかも疑問に思っています。(その時点で癌があったのではないか?) セカンドオピニオンをどうかよろしくお願い致します。
腫瘍の大きさが38x35mm、リンパ節転移2個、ホルモン感受性あり、閉経前?ですので、標準的な治療は化学療法、ホルモン療法の併用です。それもアドリアマイシンを含んだ治療法がベストと考えます。術中のMMCは、科学的に効果は証明されていませんし、必要なかったと考えます。再発の度合いからですが、リンパ節転移が2個ですので、10年間、再発がない確率は75%くらいです。肝機能に関しては、術前がわかりませんので、なんとも言えません・・。術後に悪化されたのであればMMC、麻酔薬の影響などが考えられると思います。11月の乳腺症の治療ですが、これもその時の画像があればわかりやすいと思いますので、強くコメントできませんが、乳癌は実際、そのころからはあったものと考えるのが妥当だと思います。乳腺症に対する治療ですが、これは賛否両論で、悪性ではありませんし、経過観察、鎮痛剤が一般的で、そのほか、ダナゾールというホルモン剤の内服を6週間行うのが通常ですが、やめればまた再発をします。肝機能次第ですが、しっかりと治療されて、治癒を目指すべきだと思います。手術をされて半年以上すぎていますので、これから補助療法という選択肢はありませんが、主治医に聞くことをはばかるのでは、誰のための治療かわかりません・・。ご本人の納得される治療を受けて下さい。セカンドオピニオンも一つではないでしょうか?(文責 鈴木)
【No.3212-2】 05年03月01日 MOMO
薬に弱い体質の補助療法について(2)昨年12月に相談させていただいた者ですが、その節は丁寧なご説明をありがとうございました。肝機能は手術以前は一度も悪くなったことはありませんでした。アルコールにも強く、毎晩ビール1缶350ml飲んでいました。手術後はもちろん完全禁酒しており、今後も控えるつもりです。ところで、ここ2、3ヶ月の血液検査では、肝機能はGOT・GPTともに30前後で安定しています。現在も補助療法は一切行っていません。先日の定期検診の際に、主治医に「肝機能が安定してきたので、ホルモン剤を前回よりも量を減らして飲んでみたいのですが。」と相談しましたところ、これ以上量を減らして飲んでも効果がないと言われました。前回の服用はノルバデックスを1日1錠でした。私の癌のホルモン依存度は75〜85%でHER-2(+1)だそうです。手術後すでに9ヶ月経過していますが、このままてよいものでしょうか。今は、自分でできることをと思い、食事療法や免疫療法等を模索している状況です。先生のご意見をよろしくお願いいたします。
量を減らしても、服用しないよりはいいように思えます。(文責 石川)
【No.3211】 04年12月02日 MS
複数個のしこりについてお世話になります。 今年8月に温存手術を受け、左乳房1/4切除、リンパ節転移なし。 退院と同時に、放射線治療25日間行い、現在はホルモン療法(ゾラテックス注射を今月で3回済。)を2年間行う予定です。当初しこりが5個確認されました(左乳房に大きさは2センチ以下)。しこり(ガン細胞)がひとつの場合と複数個(5個)の場合では、治療過程や今後の再発などの可能性に違いがあるのでしょうか? 治療のガイドラインとの言葉を何度も耳にしますが、このガイドラインの想定は、複数個も入っているのでしょうか? 主治医の話では、乳房の一房の中におさまっていると表現されていました。お願い致します。
ガイドラインは薬物療法のみ作製されており、手術に関してはまだ途中です。乳癌学会の出している温存療法のガイドラインでは複数個であれば、温存の適応ではないとしていますが、少しずつ施設により違いがあり、われわれのところでも、一つの領域で取りきれるのであれば、温存は可能としています。再発のこと、治療のことで違いはいかがかということですが、この複数の病変のつながりはいかがなものでしょうか?つながっていて、それも浸潤癌であり、全体として2cmを超えれば、抗ガン剤も一つの選択肢にはいると思いますが、一つ一つが独立しているのであれば、一番大きな腫瘤を対象に、抗ガン剤、ホルモン療法の必要性を検討すればよいでしょう。(文責 鈴木)
【No.3210】 04年12月02日 T, Y
乳管内乳頭腫なのですか?はじめまして。私は、陥没乳頭と乳汁分泌が乳がんの症状にあてはまっていて、自分が乳がんではないかと思って母に相談したら、10代はありえないっていわれました。インターネットで自分の症状に近い病気を探したら、乳管内乳頭腫かもしれないってわかりました。でも、どんな病気かわからなくて、相談しました。私はたぶん中学の頃から乳汁分泌で粉か白い液体のようなものがちょっとでたりしていました。みんなそうだと思ってあまり気にしていなかったけれど、そうでないってことがわかって最近ちょっと心配しています。下着にちょっと色がつくぐらいです。血はでていないです。それから、たまに多分生理前が多いけど、乳輪のまわりが痒くなったりします。胸の中がズキズキするような痛みもたまにあります。私は、乳がんなのですか?それとも乳管内乳頭腫ですか?10代の乳管内乳頭腫ってありえるんですか?もし、なっていたら手術しなきゃいけないんですか?
理論的には乳管内乳頭腫は起こりえますが、神経質にならなくていいのではないでしょうか。痛み、色の付いていない分泌物、痒み、どれをとってもあまり心配の症状ではありません。分泌物が乳輪にふれて少し湿疹のようになっているのではありませんか?乳管内乳頭腫は広がった乳管の中にできる良性の腫瘍です。しこりは触れることが少なく、分泌物でみつかることが多いものです。超音波が有用で、必要に応じて細胞の検査をします。それでも癌の可能性が否定できないときにはその部分を切除します。外からの情報だけでは不安はつのるばかりですから、あまり心配であれば乳腺外科を受診されて下さい。(文責 鈴木)
【No.3209】 04年12月02日 T
妻の健康診断結果について初めてメールさせていただきます。専業主婦(41歳)、2児(7歳と2歳4ヶ月)の母である妻の健康診断の結果についてご相談があります。11月初旬に、私が生活習慣病検診を受診するにあたり、妻も一緒に受診しました。その時にMMG撮影をオプションでつけました。視触診時に、左の乳房を何度か確認するように触診し、しこりがあるように感じられると話され、受診票を見て、「MMG撮るならその結果を踏まえましょう」といわれ、結果が先日届きました。視触診の所見は「硬結」、判定は右V左Vで、MMGは右T左Tとのことで、総合判定は2次検査(精密検査)を要するとのことでした。妻が病院に電話で判定の意味を確認したところ、視触診の判定Vというのははっきりしないことを意味し、MMGのTは異常なしを意味すると言われ、2次検査では超音波による確認とのことです。妻はがんなのでしょうか?心配でなりません。一般論でもかまいませんので、その可能性、危険性を教えていただけませんでしょうか?ちなみに、妻の母親は乳がんで亡くなっております。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
視触診のVというのはあまり使わない言葉だと思いますが、MMGでカテゴリーTとされたのであれば、まず心配ありません。視触診で硬い乳腺を触れてあたかもしこりのあるように感じられたのでVをつけたのではないでしょうか? 心配であれば超音波をされてはいかがでしょうか? 母親が乳癌であれば他の人より乳癌のリスクは高くなりますが、過度に神経質にならず、一年に一回の検診と、毎月の自己触診を心がけて下さい。(文責 鈴木)
【No.3208】 04年12月02日 TH
乳首下の痛みについてはじめてお便りします。35歳、子供は12歳、11歳です。先日外科へ乳がん検診に行きました。このとき痛みも伝え、視診、触診していただき異常ないとのことでした。しかし痛みは治まらず、信頼している先生なのに痛むと不安になります。痛む場所は右乳首の下、脇辺りの2ヶ所です。脇は最近はじめたゴルフのせいかなと思うのですが、乳首の下は、圧迫したり物が触れたり腕がぐりっと当たったりした時、胸が成長するときのような痛みです。もう一度検査に行ったほうがいいでしょうか?ちなみに検査は2週間前に行きました。乳首の下の痛みは夏ごろから感じています。不思議なのは、痛いはずの場所をさわって特定しようと思っても痛くなく、ひょうしにズキンと痛いのです。
症状を聞きますと、乳腺症といって、硬い乳腺と、柔らかい乳腺が混ざり合うといえばわかりやすいでしょうか?そのような乳腺の特徴をお持ちであると考えられます。病的なことではありません。人それぞれの乳腺の顔つきです。症状としては、生理の前に乳腺のはり、痛み、引きつれ、を感じ、生理が始まると軽減するといった特徴があります。そのときにごつごつした硬い乳腺を触れます。痛みの程度は人それぞれで、少し痛いから、階段を上がるときに揺れると痛いなど、様々です。そのまま、経過観察でかまいませんが、今回の検診が視触診だけですので、超音波、マンモグラフィも撮れば確実です。あまり心配されずに一度時間をみつけて受診されてはいかがですか?(文責 鈴木)
【No.3207】 04年12月02日 A
生検後について3日前に良性の線維腺腫(触診、エコー、マンモグラフィー、細胞診による診断上)の摘出生検をうけました。海外在住のため、全身麻酔でうけました。翌日は37.5℃の微熱がでましたが、今は下がりました。この熱は生検すると出るものなのでしょうか。溶ける糸で縫った上には白いテープ、その上に透明のシール(水にぬれないように)がはってあるだけです。白いテープは血がにじみ出ているけど、1週間後にしか先生に見てもらえず、貼りかえることもありません。血が付着したままです。日本ではどのような処置をするのでしょうか。傷の周りは、なんとなく赤かったのが黄色くなってきて、少しだけ熱を持っています。傷の痛みは少しずつ収まり始めました。このまま様子を見ていてもいいのでしょうか。術後の問診も「また来週」と言っただけで、特にないまま、不安です。「no cancer」と言ってくれていたけれど、摘出する際にある程度わかるものなので
しょうか。日本の事情などを教えていただけたらと思います。よろしくお願いします。若干の発熱は仕方ないかな・・と思います。38度を超えるとかでなければ、様子をみて良いでしょう。日本では、よほど大きな腫瘤でなければ外来で、局所麻酔で行います。大概は抜糸を不要にして、傷の上をボンドのようなもので覆って、翌日から入浴です。患者さんには、発熱、我慢ならない痛みであれば、来院をするように伝えます。ので・・今までの経過としては問題ないものと考えます。No cancerとのことですが、肉眼的にある程度の判断はつきますが、確実ではありませんので、最終判断は病理の結果をまってということになります。もしくは、術中に迅速病理検査に提出すれば、悪性か、良性かの判断はつくことがありますので、そのような対応であった可能性はあります。まずは、良性であったのだから・・・御安心ください。(文責 鈴木)
【No.3206】 04年11月30日 A.K
石灰化について私は32歳で2歳になる子供がいます。約1年前の乳癌検診を受けたときに石灰化が見られました。半年後に超音波検査、最近超音波検査とマンモグラフィーの検査を受けました。どちらの検査も一年前と変わりはありませんでした。ただ、石灰化の出方が、乳腺にそっていること、ギザギザがあるようなものも見えることから、「はっきりさせるためにマンモトーム生検を受けてみてもいいかもしれません」と言われました。検査を勧められるということは、やはり乳癌の可能性もあるのでしょうか? またこの検査はあまり体に負担はかからないのでしょうか? よろしくお願いします。
マンモトーム生検はしっかりと適応を決めて行う検査です(多少なりとも体に負担がかかります)。マンモグラフィーの判定について、がんの可能性も含めてよくお聞きになった上で決められた方がよいと思います。(文責 加藤)
【No.3205】 04年11月30日 K.K.
肝転移のラジオ波焼灼以前ご相談させていただいた者(47歳)です。再度お伺いいたします。
【治療歴】
・ 初回:2001年秋 右乳房部分切除、腋窩郭清。病期:Vb、リンパ節転移9/27、ER(-)/PgR(+)、HER2(-)
・ 補助療法: 01年11月〜放射線療法(2 Gy×23回)、CMF(6クール) ゾラデックス(〜03年10月終了)、ノルバデックス(〜03年11月中止)
・ 再発:03年11月 胸膜播種→フェアストン(40 mg×3錠/day)に
・ 04年3月 フェアストン+アリミデックス(1 mg/day)併用に
・ 04年7月初旬 アリミデックス単剤に変更
・ 04年11月:CTで肝臓に転移(小2個)→追加検査(MRI(造影剤)およびエコー)で15ミリ1個と確認、骨シンチで胸骨に集積(2箇所)、心配した腰と脳は異常なし →アリミデックス奏功しているので、継続。
【症状他】
・ 胸水貯留:03年12月より増加、04年6月下旬約1.5リットルをピークに減少、9月にはほぼ消失(一度も抜去せず)
・ 腫瘍マーカー:CEA=9.7/CA15-3=124をピーク(04年6〜7月)に減少、10月現在4.5/77、1TCP=4.8
・ 胸痛、呼吸苦は波があるが、最近はやや緩和、時折腰痛
先日、追加検査を担当した消化器内科の医師より、肝転移に対してラジオ波焼灼を勧められました。「薬物と異なりほぼ確実に叩ける」由、早めの決断を促されています。乳腺外科の主治医は「悪くはないが、一般的ではない。すでに全身に転移している以上、全身療法が重要、局所治療は疑問」とのこと。なお、消化器内科の担当医は、肝臓疾患において全国でもトップレベルの先生で、手技も一流だそうです。そこで質問ですが、
1) ラジオ波焼灼を受けるべきでしょうか。受けた場合、予後はどの程度改善されるのでしょうか。
2) 胸水や腫瘍マーカーの改善から、肝臓も縮小傾向にあると考えるのは楽観的にすぎるでしょうか。
3) 「肝転移発見からの余命は平均半年」と何かで読みましたが、どうお考えでしょうか。
以上、よろしくお願いいたします。1)私も主治医と同じ意見です。予後改善効果があるかどうか疑問です。
2)前回のCT所見にもよりますが、同様に改善傾向にあると思われます。
3)余命は個人差があります。肝転移でも治療が奏効すればもっと長い時間が期待できると思います。(文責 加藤)
【No.3204】 04年11月30日 T.N.
左脇の下の痛みについてはじめまして。ホームページを拝見し、御相談させて頂きたくメールをしました。
35才(女)既婚ですが、子供はいません。3週間程前から、左脇の下から左胸の上部が少し痛みます。生理の1週間程前だったので、そのせいかと思い様子をみていたのですが、生理が終わって1週間経っても痛みはひきません。10日程前は腕を下ろすと、左だけ脇の下がなんとなく腫れている様な気がしました。ここ4日ぐらいは胸というより、主に脇の下が痛みます。しこりなどは無いのですが、右にくらべると上腕の筋がやや張っている様な感じで、腕を上げて筋を押すと「左より張っている感じでやや痛む」のです。実は、丁度1年前に首にしこりをみつけ、発見後1週間に首のしこり部と、今回痛みのある部分と同じ「左脇の下から胸にかけて」に酷い痛みが出たので、すぐに内科へ受診しました。血液検査と触診で「リンパが腫れているが、問題ないでしょう。このまま様子を見てください」と言われ、抗生物質を頂きました。薬で痛みは大分治まったので、そのまま「問題無し」との事でしたが、首のしこりはまだ残ったままです。その後、耳鼻科や内科や皮膚科へかかる際、必ず首のしこりを診て貰うのですが、触診で問題ナシと診断されています。脇の下と胸の痛みは、不安だったので婦人科へも行き、乳腺をエコーで診てもらいましたが異常ナシでした。今年の4月に子宮筋腫の切除手術をし、血液検査/尿検査/胸部レントゲンなどの手術前検診をしていて、問題ナシでした。今回の脇の下の痛みについて、上記経緯からどんな事が予想されますでしょうか? 首のしこりは、まだあるのですが、脇の下の痛みと関係があるのでしょうか? しこりは無くても、乳癌の疑いなどあるのでしょうか? 常に異常ナシと言われますが、痛みが再発した今、不安です。何科でどんな検査を受ければ良いのか、教えて頂けると幸いです。長々とすみません。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願い致します。特に異常がなくても、腋の下の痛みは時々見られるものです(首のしこりとの関係は?です)。乳がんの可能性は低いように思いますが、一度受診(外科、乳腺外科)をお勧めします。視触診とマンモグラフィー、超音波などの検査があります。(文責 加藤)
【No.3203】 04年11月30日 K
MRI検査について宜しくお願いいたします。9月の終わりに片方の乳頭部から出血があり、10月にマンモと超音波をとりました。特に異常は無く、念の為別病院で超音波のみとり、そこでも異常無しでした。11月に入り以前から予約済だった病院で、今までの経過を話した上での診療をしていただいた結果、もう一度マンモと超音波、そしてしこりをつくらないガンも、造影剤をMRIも必要といわれました。
1)マンモの画像を持ち出せない場合、やはりもう一度とらなければならないでしょうか? 10月11月と胸部X 線や歯医者などX線を何度もとっており、被爆の心配は大丈夫か気になります。
2)私は解熱剤などの薬に過敏症が有り、不整脈も多少有り、造影剤を使う事が怖いのですが、その旨を話した所、造影剤は必要と言われてしまいました。私の様に一度きりの出血以外症状が無い場合、MRIの検査は本当に必要なのでしょうか? 又、造影剤無しの検査では、あまり意味が無いのでしょうか? MRI検査はそこの病院ではなく、そこの親病院で受けなければならず、自宅から車で三時間程かかります。わかりづらい文章ですが、宜しくお願いいたします。1)通常マンモグラフィーを借りることは可能だと思います。おっしゃるように被爆の影響もありますので(ほとんど問題にならないとは思いますが)、何度も同じ検査を受けることは必要時以外避けられた方が宜しいでしょう。
2)一度きりの出血で、検査で異常所見がない場合にどうしてもMRIが必要ということはありません。まして造影剤に対して御不安があれば、検査を受けることについてもう一度相談された方がよいと思います。(文責 加藤)
【No.3202】 04年11月30日 IW
左乳腺腫瘤の疑いと言われましたお忙しい中、申し訳ございません。宜しくお願いいたします。33歳既婚で、子供はいません。先日組合の健康診断で乳がん検査エコーを受けました。もともと左胸が痛むことがよくあり、そのことをエコー担当の先生に伝えた所、乳線症かもしれませんと言われました。そして結果が、左乳腺腫瘤の疑いとの事でした。一緒に写真も添えてあったのですが、黒い部分が写っています。しこり=黒い部分=乳がんなのでしょうか? よく左だけ痛くなり、わきの下も痛みがあったりもします。また左の方が大きいです。病院の予約まで日がありすぎて不安でなりません。どうか宜しくお願いいたします。
確かにしこりは黒く写ることが多いですが、乳がんであることは少なく、嚢胞(水がたまったもの)などであることがほとんどです。あまりご心配なさらずに予約日をお待ち下さい。(文責 加藤)
【No.3201】 04年11月30日 T.K.
乳首の変色について(パジェット?)始めまして。私は未婚・出産経験なしの50歳です。若い頃から生理不順で、数ヶ月に1回というのが普通で、ここ数年は年に2〜3回、最近は1年以上空いておりますので、閉経と思っております。早速ですが、昨日左右両乳首の表面に薄茶色く変色した箇所があるのに気付きました。痒みや痛みや出血等の特別なことは記憶にありません。尚、昨年12月のマンモグラフィー&触診では異常なしでした。一年で乳首の一部が変色するほど乳房パジェット癌は進行するのでしょうか?心配致しております。よきアドバイスをお願いいたします。
お話の内容からは、パジェット病の症状ではないように思われます。ただ、前回の検診から約一年になりますので、安心を得るためにも一度受診をお勧めします。(文責 加藤)