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相談室

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 なお、個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。ご相談内容は  info@kbcts.gr.jp   まで、メールでご連絡下さい。
なお当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

2700 04/07/30 K.K. ハーセプチンの術後再発防止効果について 徳田
2699 04/07/30 M.Y. 67歳の母 徳田
2698 04/07/30 MA 乳癌手術後の化学治療について 徳田
2697 04/07/30 TN   子宮筋腫の摘出について 徳田
2696 04/07/30 F 術後の補助療法について 徳田
2695 04/07/29 S.Y.  脇から腕にかけての痛みについて 徳田
2694 04/07/29 K.F. オーストラリア在住 徳田
2693 04/07/29 mariko 術後治療に関して 徳田
2692 04/07/29 IM 左胸の左下にできた柔らかいシリコンのような固まりについて 徳田
2691 04/07/29 A、N 白血球減少と抗癌剤(HPNo.2472-3) 徳田
2690 04/07/29 M・A 乳頭分泌液について 徳田
2689-1
2689-2

2689-3
04/07/28
04/08/25
05/02/18
A.S. 高齢者の化学療法の危険性について
高齢者の化学療法について
今後の治療について
徳田
川本
麻賀
2688 04/07/28 M・S 5ミリのしこり 徳田
2687 04/07/27 megu マンモトームについて 徳田
2686 04/07/27 N.T 術後1年です 徳田
2685-1
2685-2
04/07/27
04/08/19
K.H. ハーセプチンの効果、及び投与条件について
抗がん剤投与への準備について&乳がん検査で分かる他の部位のがん
徳田
緒方
2684-1
2684-2
04/07/27
04/08/08
hiro 温存術後の治療について
術後の化学療法について
徳田
浜口
2683 04/07/27 M.N. 乳児の胸のしこりについて 徳田
2682 04/07/27 M.I. 男性の癌について 徳田
2681 04/07/26 takako   手術したのに痛いのですが・・・ 徳田
2680 04/07/26 S  乳首の湿疹に関してのご相談です 徳田
2679 04/07/26 J.K. 術後の痛みとリハビリ 徳田
2678 04/07/26 K.T. 18年前の乳癌の再発 徳田
2677 04/07/25 BD 皮膚転移の局所療法(HPNo.2447-3) 徳田
2676 04/07/25 MI 術後化学療法4クール(HPNo.2111-3) 徳田
2675 04/07/25 W.I.  検査について 徳田
2674 04/07/25 りん 片胸が痛い 徳田
2673 04/07/23 S.S. 術後ののう胞について 徳田
2672 04/07/23 K.Y.  不安いっぱいです 徳田
2671-1
2671-2
04/07/23
04/07/29
A,K 術後の化学療法と今後の検査について
術後の化学療法と今後の検査について(2)
徳田
徳田
2670 04/07/23 A.F. 両胸のしこり 徳田
2669 04/07/22 AM 73歳の母について 徳田
2668 04/07/22 R.E 乳頭血性分泌について 徳田
2667 04/07/22 R 線維腺腫について 徳田
2666 04/07/22 DQQ 今後の相談U(HPNo.2388-7) 徳田
2665 04/07/22 ami  乳首のかゆみと腋の下の痛み、しこり?について 徳田
2664 04/07/21 みちこ 化学療法後の体中の濃い大きなしみを少しでも改善する方法は? 徳田
2663-1
2663-2
04/07/21
04/07/23
eriko 乳首の痛み
乳首の痛み(2)
徳田
徳田
2662 04/07/21 H.E 術前療法の効果・触診とエコーの違い 徳田
2661 04/07/21 Y.S.  悪性葉状腫瘍について 徳田
2660 04/07/21 WB 組織診について 徳田
2659 04/07/21 ななこ 要精密検査 徳田
2658 04/07/20 H.H 術後注意することについて 徳田
2657 04/07/20 DQQ 今後の治療について(HPNo.2388-6) 徳田
2656 04/07/20 M  乳頭の腫れと痛み 千島
2655 04/07/20 T stage2Aの術後療法について  千島
2654 04/07/20 kuzira 再発乳癌の治療(HPNo.2569-3) 千島
2653 04/07/20 M.S.  乳癌の診断(HPNo.2584-4) 千島
2652 04/07/20 H・E 抗癌剤治療について 千島
2651 04/07/20 ATS 脇の下(上部)のしこりについて 千島
2650-1
2650-2

2650-3
2650-4
2650-5
2650-6
2650-7
2650-8
04/07/18
04/07/30
04/08/19
04/08/25
04/10/25
05/06/10
06/08/15
07/02/01
K  手術を受けるのですが、不安です
術後のしこりが気になります
病理の結果と今後の治療法について
ホルモン療法について
放射線の治療中です
肋骨の痛みについて
検診内容とハーセプチンについて
PET−CTの結果について
徳田
徳田
緒方
川本
石川
福間
清水
浜口
2649-1
2649-2
04/07/18
04/09/27
M.R 手術の痕はどのように残るのでしょうか?
のう胞について
徳田
清水
2648 04/07/18 ゆーたん 乳輪腺の腫れについて 徳田
2647 04/07/18 マミ  ホルモン治療の期間について 千島
2646 04/07/18 E.K 乳頭腫切除(HPNo.2527-2) 千島
2645-1
2645-2
04/07/18
04/09/29
Y.M. 術後療法について
化学療法について
千島
福間
2644 04/07/18 F.T. 乳ガン転移についての相談(HPNo.2232-6) 千島
2643 04/07/18 もえぎ 術後のマンモ検査について(HPNo.2567-3) 千島
2642 04/07/17 R.A AC療法の間隔について(HPNo.2534-3) 千島
2641 04/07/17 Y.F. 右胸のしこり 千島
2640 04/07/17 M.S. 癌性髄膜炎のその後(HPNo.2136-2) 千島
2639 04/07/17 K.H 乳頭乳輪のいたみ 千島
2638 04/07/17 M.T.  細胞診について 千島
2637 04/07/17 S.M.  乳首の部分的な変色について 千島
2636 04/07/12 F.T.  乳ガン転移についての相談(HPNo.2232-5) 千島
2635 04/07/12 BD 抗癌剤の選択について(2)(HPNo.2447-2) 千島
2634-1
2634-2
04/07/12
04/07/18
M.M. 女性化乳房
女性化乳房(2)
千島
千島
2633 04/07/12 I.M. 特殊型の乳がんについて 千島
2632 04/07/12 M.I. 術後療法について(HPNo.2111-2) 千島
2631 04/07/12 I.M.  肝機能について 千島
2630 04/07/12 H.I.  症状、治療法以外の質問 千島
2629 04/07/12 M.S. 乳癌の診断(HPNo.2584-3) 千島
2628-1
2628-2
04/07/11
04/07/17
M.W. 乳腺の症状について
乳腺の症状のことで相談です(2)
千島
千島
2627-1
2627-2

2627-3
04/07/11
05/01/24
05/05/12
M.S. 針生検について
乳管内乳頭腫について
穿刺吸引細胞診後の出血について
千島
浜口
徳田
2626 04/07/11 もんがらかわはぎ 再発乳がんの治療について 千島
2625 04/07/11 NE 乳房検診について 千島
2624 04/07/11 H  頸部リンパ節転移とは?(HPNo.2178-7) 千島
2623-1
2623-2
04/07/11
04/08/04
ホルモン療法について
ホルモンレセプターについて
千島
浜口
2622-1
2622-2
04/07/11
04/07/17
M.E. 術後、病理診断が割れています
術後病理診断について/照射開始時期について
千島
千島
2621-1
2621-2
04/07/11
04/07/18
Yuki 葉状腫瘍について
葉状腫瘍について教えてください(2)
千島
千島
2620 04/07/11 a.k 乳房のしこりについて(2)(HPNo.2545-2) 千島
2619 04/07/11 S  微細石灰化について 千島
2618 04/07/11 N.K. 乳輪下膿瘍(HPNo.2387-2) 千島
2617-1
2617-2
04/07/10
04/07/17
RM 右胸のかたまりのようなもの
右胸のかたまりのようなもの(2)
千島
千島
2616 04/07/10 K.Y. 集団検診で要精検になりました 千島
2615 04/07/10 Y.K.  腋のしこりについて 千島
2614-1
2614-2
04/07/07
04/08/11
R S マンモグラフィ検診
再検査について
千島
浜口
2613 04/07/07 K.N.  術後のケロイド 千島
2612 04/07/07 あっこ がん細胞の増殖速度について 千島
2611 04/07/07 F.F 手術に関して(2)(HPNo.2590-2) 千島
2610 04/07/07 さつき 腋窩リンパ節再発には手術しか?(HPNo.2577-2) 千島
2609 04/07/07 M.S. 乳房のしこりの相談(2)(HPNo.2584-2) 千島
2608 04/07/05 C.R. 乳がんの骨転移について 千島
2607-1
2607-2
04/07/05
04/07/11
K/M ホルモン療法について
ホルモン療法について(2)
千島
千島
2606 04/07/05 くまごろー DCISの術後療法について 千島
2605-1
2605-2
04/07/05
04/07/23
nk 術後の化学療法について
非浸潤癌について

徳田
2604-1
2604-2
04/07/05
04/09/14
P-K 授乳後のしこり
授乳後のしこり(2)

西川・福田
2603 04/07/05 M.K 術後の自己検診について
2602 04/07/05 M.T. 乳輪直下に小さなしこりがあります
2601-1
2601-2
04/07/03
04/08/04
MM 61歳の母について
術後の治療について

浜口

 

 

 

No.2700】 04年07月30日  K.K.
ハーセプチンの術後再発防止効果について

こんにちは。術後補助療法についてご質問させていただきます。38歳、リンパ節転移6個、ステージ2の後半、ホルモン療法陽性です。現在術後補助療法ACを終了いたしました。私はもともと白血球が3000程度しかなく、このACに関しても白血球数が回復するのを待ち、4週ごと4回、7割投与でした。これからタキソールを予定しております。前半ACの7割投与も足りなかったのではないかと気になりますし、リンパ節転移の数も多いので、より効果の高い術後療法をということで標準以上のものを希望しています。本で読んだところ再発乳がんの方に対してタキソールとハーセプチンの併用で相乗効果があるということを知りました。もしハーセプチンのレセプターがあればこれは再発予防にも効果があるのでしょうか。あるとしたら保険適用はどうなっているのでしょうか?自費で行う場合、タキソールの部分も自費になってしまいますか? どうぞよろしくお願いします。

ハーセプチンの術後再発防止効果については、まだ結論がでていません。したがって、保険適応ではありません。自費で使用するとタキソールも含めてすべて自己負担になると思います。(文責 徳田)

 

No.2699】 04年07月30日  M.Y.
67歳の母

遠方に住んでいる母の事でお尋ねいたします。母は今年3月末に温存手術を受け、その際リンパの切除もしました。しこりは1.5cm、組織検査の結果、断片に浸潤なし、リンパ節転移なしと説明を受けました。その後放射線治療を終え、ホルモン剤を経口投与しています。6月の3ヶ月検診の超音波検査の際、血液の塊らしいものがあると言われ、自然に吸収されるようなら問題なしとのことでした。そして今月の検診でもやはり塊がそのままのようで、レントゲンを撮ったと言うことです。この場合どのような事が考えられますか?次回検診は来月末ですので、それまでとても不安です。よろしくお願いいたします。

血液の塊なら問題ありません。残存乳腺の再発が一番問題で、その鑑別が重要です。疑わしければ細胞診などを行うべきです。(文責 徳田)

 

No.2698】 04年07月30日   MA
乳癌手術後の化学治療について

はじめまして。ベルギーに駐在しておりますが、先日、妻(47歳、162cm、50kg)が乳癌と診断され手術を行いました。慣れない地で言葉の問題もあり、今後の治療について悩んでいます。これまでの経緯につきましては、以下のとおりです。
今年の6月上旬、左の乳房にしこりがあることに気がつき、触診、マンモグラフィ、エコー、生体検査の結果、7月9日に乳癌と診断されました。手術に先立ち、血液検査、MRI、心電図、超音波、アイソトープの検査を行い、7月17日に手術を実施しました。乳房温存法にて腫瘍を1個、センチネルリンパ節を4個切除しました。本日7月28日、癌専門医より検査結果と治療法について説明がありました。腫瘍1個のみで他になし、サイズは2cm、活動的ではない、マージンはクリア、センチネルリンパ節4個切除、リンパ節への転移なし、その他臓器への転移なし、ホルモンレセプター陽性、リンパ節の組織検査の結果はグレードU(histologic grade U)。
以上からの判定結果は、pT1cpN0M0、即ちステージT。生存率90〜85%位とのこと。治療としては、放射線治療6週間、ホルモン治療5年間が不可欠。しかしながら、腫瘍2cm及びリンパ節の組織グレードUという結果から、化学療法の必要性についても検討するよう説明がありました。方法: 手術後4週間目より開始し、3週間毎に抗がん剤を注入、合計4回。その後放射線治療。効果: 生存率が僅か2〜4%改善するのみ。副作用:吐き気(薬あり)、脱毛、疲労・倦怠感。効果のわりに副作用が大きく、医師としてどちらがよいとはいえない。やるかやらないか本人が決めるしかない。これまでの事例では20〜30%の人がやっているとのこと。来週早々(8月1日)に結論をだすよう指示を受けております。唯一頼りのホームドクターも長期夏休みであり、困っております。申し訳ありませんが、仮に、先生の奥様あるいはご家族の方が同じ状況だとされたら、先生は化学治療を受けさせるでしょうか?副作用、特に白血球減少によるリスクの大きさは?リンパ節への転移がないといいながら、組織グレードUとはどういうことでしょうか?リスクは?最終的には我々で決めますが、至急アドバイスの程よろしくお願い申し上げます。

リンパ節転移陰性でも10年で20%程度再発します。どの様な方が再発するのかを見てみると35歳未満、腫瘍の大きさが2cm以上、histological grade 2以上(histological grade は、段階で、3がもっとも悪性度が高い)、ホルモンレセプター陰性のどれかひとつでもあてはまる方がハイリスクになります。再発してから治癒を期待するのは大変です。私は、抗がん剤の副作用よりメリットの方が大きいと考えています。副作用に耐えられないようなら途中で中止すればよいのです。また、抗がん剤もいろいろな組み合わせがありますので、主治医と相談してみてください。(文責 徳田)

 

No.2697】 04年07月30日   TN
子宮筋腫の摘出について

いつも、大変参考にさせていただいております。私は2年前に乳癌(Her2陽性、エストロゲン++、リンパ節転移10個以上)で全摘手術後、ハーセプチンなどの抗癌剤治療を終え、現在はゾラ、フェアストンのみです。軽い腰痛と左下腹部の違和感があり、産婦人科へいきました。片側の卵巣が少し腫れているようなので、生検にまわしています。しかし子宮筋腫(粘膜下筋腫)3cmのものも発見しました。2年前に検査したときには無く、その後はゾラで月経を止めていたのに、いつ頃できたのでしょうか? また婦人科の先生は『投薬で大きくしないようにすればいい』とおっしゃいましたが、ホルモンレセプターも陽性ですし、乳癌の質からして、この際、子宮全摘出(卵巣も)した方がよいのではないかと考えています。よろしくお願い致します。40代、子供無し。

子宮筋腫がいつできたのかはわかりません。詳細は婦人科医に質問されるとよいと思いますが、現在の大きさ、ゾラデックスで生理がないことを考えると手術適応はないと思います。ゾラデックスを使用していれば卵巣摘出の必要はありません。(文責 徳田)

 

No.2696】 04年07月30日   F 
術後の補助療法について

43歳、閉経前です。7月6日に左乳房に温存術を受けました。乳首近くに8mmのしこり、硬癌(一部に粘液癌)、ステージ1、グレード3、エストロゲン・プロゲステロン受容体いずれも陽性、リンパ節転移なし。現在放射線療法(50グレイ)中、ホルモン療法(タキモキシフェン)中。

@ 閉経療法をどうするか・・・副作用があるので、できることならしたくないが、ホルモン療法の効果がどれくらい変わるのかによって考えたいので、教えてください。注射薬によるものを勧められていますが、放射線を卵巣に照射する方法もあると本でよみましたが、どうなのでしょうか。また、ホルモン療法の効果自体もはっきりと知りたいので教えてください。
A 抗がん剤をどうするか・・・大きな副作用があるためしたくありませんが、再発率や生存率が大きく変わるのであれば受けようと思います。教えてください。

@ 注射による閉経療法を併用したほうが再発率は低下します。注射による閉経療法は、中止すれば卵巣機能は回復しますが、放射線照射では回復しません。
A 抗がん剤+閉経療法+タモキシフェンと閉経療法+タモキシフェンの比較はありません。抗がん剤と閉経療法+タモキシフェンは同等という報告があります。(文責 徳田)

 

No.2695】 04年07月29日   S.Y
脇から腕にかけての痛みについて

数日前から脇の下から腕にかけての筋が張る様に痛く、真っ直ぐ腕を上に上げることが苦痛です。脇の下も何となく腫れている様な気がしますが、右の脇下は、3年半前の乳癌の手術で切除しているので、比較することが出来ません。脇の下を押すと少し痛みもあります。2か月位前にも同じ様なことがあり、乳癌のホームページで相談したところ、「痛みと癌とは関係しない」との回答でした。その後、しばらくして症状も消えてしまいました。ただ、5月に左頚部リンパ節への転移がわかり、放射線治療を終えたばかりで、また同じ様な症状が出てしまったので心配です。私の場合、3年半前に右乳癌の手術を受け、しこりの大きさ1.5cm、リンパ節転移17個中2個でした。術後、経口の抗癌剤2年、ホルモン剤5年(現在も服用中)ということで治療してきましたが、今回、転移がみられたということで、4週毎にリュープリン注射を受けています。まだ3回ですが・・・。今、一番心配なのは、脇の下のリンパに転移してはいないかということです。昨年11月にマンモも撮り、特に異常はなかったのですが・・・。腫瘍マーカーも上がってはいません。痛みの原因は何なのでしょうか?考えられることがありましたら、教えて下さい。

左の頚部のリンパ節転移に対して放射線治療を受けられたとのことで、その影響がまず、考えられますが、脇のリンパ節の転移なども否定できません。やはり、主治医に相談して超音波などの画像検査をしておきましょう。(文責 徳田)

 

No.2694】 04年07月29日   K.F.
オーストラリア在住

はじめまして。現在30歳、妊娠31週です。数週間前ほどに右脇下にしこりを発見し受診しました。多分乳房組織だろうが、念のためエコーし、その結果で細胞診を行うということでエコーを受けました。
The right axillary lump is noted to be a lymph node measuring 16mm in maximum length and 5mm in thickness. There is a 3mm cyst present in the axillary tail. At approximately 8 o'clock and 7cm from the nipple,there is aslightly lobulated hypoechoic lesion measuring 12x7x9mm.Some blood flow was seen in this area with colour Doppler.
Conclusion
There is a focal hypoechoic lesion seen at 8 o'clock and 7cm from the nipple that is indeternate in nature. It may be nomal brest tissue, but in the presence of an axillary lymp node, assessment by a breast specialist with a view to biopsy is suggested.
という結果でした。この結果から何か悪いものという感じはありますか?細胞診をしたほうがいいと勧められるのはなぜですか?妊娠中は診断が難しいと言っていましたが、細胞診でははっきりわかるのですか?細胞診で診断がつかない場合、組織診となるのでしょうか?そうなると出産後が望ましいですか?母乳で育てたいのですがそれは可能ですか?語学力が不十分の為か明確に理解できてない気もします。ご回答、アドバイス、よろしくお願い致します。

右乳房の8時の方向(外側下)、乳頭から7cm離れた部分に腫瘤陰影が認められますが、超音波では、良悪の鑑別がつかないとのこと。リンパ節の腫大もあり、乳腺専門医を受診して、組織を調べるべきとのこと。細胞診で診断がつかなければ組織診になりますが、一般的に、妊娠中でも可能です。また、その後の授乳も可能です。(文責 徳田)

 

No.2693】 04年07月29日   mariko
術後治療に関して

6月30日に乳房温存術の手術を受け、術後治療として注射によるホルモン治療と25日間の放射線療法を受けます。がん細胞は採りきれており、リンパ節転移もなかったのに、これほどの治療は必要なのか少し戸惑っております。

リンパ節転移がなくても10年で約20%の方は、再発をします。そのようなリスクのある方は、なんらかの予防策をしておくべきです。あなたがリスクが高いのかどうかは主治医に質問してください。乳房温存術後の残存乳腺への放射線治療は、標準的です。(文責 徳田)

 

No.2692】 04年07月29日   IM 
左胸の左下にできた柔らかいシリコンのような固まりについて

31歳の主婦です。子供はいません。10日ほど前に身体の側面からやや前の部分、かつ、左胸のふくらみが終ったあたりに、直径2〜3cmのふくらみ(柔らかい固まり)があるのを見つけました。水を入れたビニールを貼り付けて入れたようにプニプニとした感覚です。外側から見ても判りませんが、触ると柔らかいシリコンが入っているようです。去年の12月に乳がん検診(触診)を受けていますが問題はありませんでした。このような症状について何が考えられるのか、様子を見ていてよいものか、何もわからないのでぜひ教えていただきたくメールいたします。よろしくお願いいたします。

お話から、分泌物のたまった風船のような”のう胞”かもしれません。大部分良性の疾患ですが、念のために専門医を受診してください。(文責 徳田)

 

No.2691】 04年07月29日   A、N
白血球減少と抗癌剤(HPNo.2472-3)

HPNo.2472でご相談させていただいた42歳、ステージUの患者です。その節は的確なアドバイスを有難うございました。アドバイス通り、主治医にお願いをし、7月はじめよりECの治療を始めました。3週間ごとEC4クールが終わったらタキソール4クール、終了後はホルモン治療を5年間受ける予定になっています。ところで、ご相談なのですが、投与前4600あった白血球は、投与1週間目で1600に下がりました。ノイトロジン100を注射していただいたのですが、その4日後、高熱が出て受診したところ、900に落ちており、緊急入院をしました。連日ノイロトジン100を注射し(合計6本打っていただきました)、白血球が4600まで上がったところで退院して、今日(退院後5日目です)、外来で検査したところ、2600まで下がっていました。本来でしたら今日は2回目の点滴予定日でしたが、受ける事が出来ませんでした。主治医は、「量を減らしましょう。それでも副作用があるようでしたら、さらに減らしましょう。それから投与の間隔をあけましょう」とおっしゃり、次回は初回から数えて5週間後の8月10日になりました。量を減らす事の有効性や、期間があく事の有効性を何度も尋ねてみたのですが、毎回、「大丈夫」とおっしゃるだけで、素人の私が理解できる説明は受けられませんでした(主治医に不満はありません。患者数が多いので、説明する時間を作っていただけないのだと思います)。プロの医師が大丈夫とおっしゃるのですから、効果があるのは確かなのでしょうが、どれくらい減らしても、また、どれくらい期間をあけても、薬効を認める標準的な指標はあるのでしょうか?定量を予定通りに投与しても、100人中100人に薬効があるわけではない・・・とも承知しています。私の場合、さらに効果が少なくなるのでは・・・と不安にもなりますし、4月に手術をしてから、受けた治療はECの1回だけ。無治療期間が長引くことに焦燥感があります。
質問なのですが
1)ECはどれくらいの割合まで減らしても薬効が認められますか?
2)投与期間の間隔は、どれくらいまであけても薬効が認められますか?
3)ホルモン療法と並行して化学療法は出来ませんか?
4)白血球の減少を伴わない薬剤への変更を申し出たいのですが、そのような抗癌剤はありますか?

不安にかられて、文章の脈絡がなくなってしまったかも知れません。愚問をお許しください。お忙しいところ恐縮ですが、アドバイスいただけますよう、どうかよろしくお願い申し上げます。

1) ECの初回投与量がわかりませんので、お答えできません。安全に行えるまで減量するのが原則です。あくまで、再発予防の治療ですから、重篤な副作用があるのに無理し
て行うべきではないと思います。
2) 1.と同じです。通常予定日よりさらに4週以上遅れるようであれば、治療は中止すべきです。
3) ホルモン療法にもよりますが、タモキシフェンの場合、化学療法と併用すると効果が低下します。
4) 白血球減少の少ない、抗がん剤の組み合わせもあります。(文責 徳田)

 

No.2690】 04年07月29日   M・A
乳頭分泌液について

初めまして。私は29歳の主婦です。現在妊娠9ヶ月になります。ずっと気になることがあったのでメールさせていただきました。妊娠6ヶ月頃から左の乳頭から血性の分泌液がでるようになり、9ヶ月の今現在もまだ出ます。おまけに2週間程前から左だけでなく右の乳頭からも出てくるようになりました。初めて出たときにビックリして、現在通院している産婦人科の先生に相談したところ、「それはたぶん血乳といって妊婦さんにはたまにあることだから」と私が心配しているよりも全然あっさりと言われました。でも特に検査をしてもらったわけではなく、私にとっては今でも不安です。本やインターネットなどで調べてみると、血性の分泌液が出るということは、乳がんの可能性もある。とよくかいてありました。やはり可能性はあるのでしょうか?妊娠中に詳しく乳がんかどうかを調べることは出来るのでしょうか?

妊娠中に乳汁分泌がみられるかたの20%が血性であるといわれており、産婦人科の先生がおっしゃるとおりと思われます。ご心配であれば、超音波診断は、妊娠中でも可能ですので、乳腺専門医を受診してください。(文責 徳田)

 

No.2689-1】 04年07月28日   A.S. 
高齢者の化学療法の危険性について

75歳の母が乳癌の宣告を受けました。潰瘍が皮膚を突き破っており、ステージ4と言われました(リンパ転移への疑いあり)。病院に行ったのは今回が初めてです。7月23日に針生検をしましたが、22日にすでに抗がん剤投与が決まっていました。29日から3週間ごとに3回エンドキサンとファルモルビシンを静脈注射、その後タキソールを投与と言われましたが、調べていくうちに色々な副作用が書いてあるのをみて恐ろしくなり、ご相談させていただきました。特に母が高齢なため、薬によるショックなど、なおさら心配です。

1) 母のような誰がみても癌だとわかるような症状の場合、抗がん剤投与しか方法はないのでしょうか?
2) 抗がん剤投与の場合、副作用を出来るだけ軽減できる方法はあるのでしょうか? 健康食などは効果があるのでしょうか?アガリクスや紫ルペ、メシマコブなどを試しても大丈夫でしょうか?
3) 抗がん剤しか方法がない場合、できるだけ早く始めた方がいいのでしょうか?
4) 副作用は、いつ頃が一番つらいですか?病院まで電車で2時間弱かかりますので、体調変異なども考えて、近くのホテルとかに泊まることを考えたほうがいいでしょうか?

今は、まだ、日常生活において問題なくすごせる状況です。ですから余計に抗がん剤による体へのダメージが心配です。本人は、副作用についてどれ程覚悟があるのか、娘に心配をかけまいとムリをしているのか定かではありませんが、頑張るといっています。抗がん剤投与までに主治医に確認すべきことを教えてください。無知なために伝え忘れたりして、大切な母を失いたくありません。母がこんなになるまでにしたのは、私の責任だと悔やんでも悔やみきれません。気が動転してしまって読みづらい内容で申し訳ございません。心配で心配でたまりません。よろしくお願いいたします。

1)  ステージ4の乳癌ということは、がん細胞が全身に広がっているということですから、薬物療法しか方法はありません。治療しなければ結果はあきらかなので、耐えられる程度の副作用であれば治療を受けるべきと思います。しかし、薬物療法は、抗がん剤だけではありません。ホルモン療法や抗体療法もありますので、それぞれの効果、副作用を主治医から説明してもらって治療法を選択してはいかがでしょうか。
2)  もちろん、副作用を軽減する方法はいろいろあります。健康食品の効果は証明されていません。むしろ、抗がん剤の作用を増強する場合もありますので、併用すべきではないと考えます。
3)  時間がたつと、それだけ進行することになります。
4)  エンドキサンとファルモルビシンは、よく使われる薬剤です。投与量にもよりますが、一般的には、通院で治療可能です。一番つらい吐き気は、午前中に投与して、起こるとすれば夕方ごろからです。患者さんそれぞれで反応が違うので、一度受けて、その副作用の程度で判断してはどうでしょうか。(文責 徳田)

 

No.2689-2】 04年08月25日   A.S. 
高齢者の化学療法について

No2689で質問した者です。前回アドバイスいただいたお陰で、7月29日にEC静脈治療を始めることができました。ありがとうございました。幸いにも見た目の体調は、あまり崩しておらず(脱毛はいたしましたが)、今日8月19日に2回目の予定です。そこで、治療を進める中で再度教えていただきたく、メール差し上げました。

1)1回目の静脈注射の1週間後に血液検査をしたところ、白血球が6100から2100に、好中球が70.1から59.1に減っていました。白血球等は、3週間の間にまた元に戻るのでしょうか?バナナや野菜が良いということで、ジュースにしたりして少しずつ飲んでいますが、他に良い方法があるのでしょうか? 2回目以降では、もっと白血球等が減りやすくなるのでしょうか?
2)抗がん剤で腫瘍が縮小は、見た目にも明らかなようで、入院手続きをしておくように言われました(入院は少し先になるようですが)。術前化学療法の場合、どういう目安で手術になることが多いのでしょうか(腫瘍の大きさ、体力など・・)? 化学療法は、術前にしても術後にまたするものなのでしょうか?ホルモン受容体は共に陰性です。

よろしくお願いします。

1)次回の抗ガン剤治療までには白血球は上昇すると考えます。抗ガン剤投与後は1週間から10日で骨髄抑制がピークに達します。その後はまた上昇しますので、神経質にならずに普段どおりの生活を心がけてください。食生活もバランスのとれた食生活が良いです。2回目以降も白血球は低下することが予想されますが、程度に関しては個人差もありますのではっきりは判りません。

2)腫瘍の縮小する程度で手術を検討します。抗ガン剤が非常によく効いてしこりがなくなってしまう場合も、少数ではありますが報告されています。その場合は手術しなくてもよいコトもあります。抗ガン剤を投与しても、これ以上しこりが小さくならない場合は手術になります。まずは主治医に状態をお聞きになることが良いと考えます。術前化学療法後に手術を受け、その後に抗ガン剤を投与する場合もあります。たとえば腋窩リンパ節が陽性であった場合などです。どのような場合で術後も抗ガン剤投与が必要なのかも主治医にお聞きすることをお勧めします。(文責 川本)

 

No.2689-3】 05年02月18日   A.S. 
今後の治療について

HPNo.2689で質問をした者です。いつも丁寧なご回答、ありがとうございます。再度質問させていただく前に前回からの経過を申しあげます。75歳母のことです。初診時には状況はかなり悪化しており、抗がん剤投与をしました。2004年7月29日からEC3回、タキソテール7回(白血球の減少から3週間からWEEKLYに変更、10/7(3週分), 10/28、11/18、11/25、12/16、1/6、1/13)投与し、2005年1月13日(木)に当初の予定回数を終了しました。突き出ていた潰瘍も11月25日にとれ、皮膚が再生してきております。腫瘍は、12月16日の投与の頃には手ではわからないほどになり、主治医も「よく効いている」と言っていましたが、1/6,1/13は予定通り投与しました。2月10日のMR画像は、放射線医でも分かりにくいほど(以前の画像と説明を受けて、この部分かもと言う程度と主治医から聞きました。)縮小しています。主治医によると、画像ではわからないが、細胞レベルで癌細胞が残っているかもしれないとのことです。
1) 今のところ体調に変化はありませんが、原発癌が縮小している間でも他器官への転移はあるのでしょうか?
2) もし転移があった場合、治療はどのようなものがあるのでしょうか? 抗がん剤は種類を変えると何回か投与を続けられるのでしょうか? 抗がん剤は、休薬すると耐用性がでて効かなくなるのでしょうか?
3) 現時点で転移等が確認できない場合、しばらく定期的な検査等で様子を見ることはできるのでしょうか? それとも手術等が必要でしょうか?
4) 手術の場合、切除範囲はどのくらい必要でしょうか?(元あったと考えられる部分と、その周囲+腋窩リンパ節、または原発のあったところをいくらか・・など)

メールだけで十分な資料のないままで申し訳ありませんが、ご教授くださいますようお願いいたします。

1) 原発癌がこのようになっているときに、普通は遠隔転移は起こらないと思います。
2) もし、遠隔転移がはっきりしたのであれば、抗癌剤の種類を変えるということだと思います。
3) 画像で消えたと思っても細胞レベルでは残っていることもあります。手術して完全消失なのか、まだ遺残があるのかを見ておくことは、今後の治療方針を決める上でも大切と思います。
4) 乳房の全摘とリンパ節の郭清を行うのが良いと思います。(文責 麻賀)

 

No.2688】 04年07月28日   M・S
5ミリのしこり

はじめまして。35歳独身女性です。生理終了直後の7月17日に乳ガン検診でエコーをした所、左胸に5ミリ程のしこり?があると言われました。自覚症状は全くありませんし、自分で触ってもどこだかわかりません。とりあえず今すぐどうこうなると言う訳では無いとの事で、3ヶ月後に再び健診を受ける事になりましたが、大丈夫でしょうか。ちなみに乳ガン家系ではありません。医師は、「もし大きくなって気になる様でしたら外科の乳腺科に行ってみて下さい。」との事ですが、どうなのでしょうか。今年2月にマンモで検査した時は異常なしだったのですが、まだ半年しかたっていないのに、突然5ミリものしこりが出来るものなのでしょうか。今回はエコーだけの診断で、他の検査はしていません。歳も30半ばなので、何があってもおかしくないと思い不安でなりません。宜しく御願いいたします。

エコーの病変をマンモでは同定できないこともありますので、突然できたわけではないと思います。いずれにせよ、専門医の診察を受けましょう。(文責 徳田)

 

No.2687】 04年07月27日   megu
マンモトームについて

マンモグラフィの検査の結果、微細石灰化が発見され、マンモトームの検査を受けるのですが、4点質問させていただきたいことがあります。

@ マンモトームの検査の前に再度マンモグラフィを撮りますか? 以前に撮ったマンモグラフィは2ヶ月前になります。検査前に再度マンモグラフィを撮って、微細石灰化が減っていれば、検査が延期になって経過観察になるかなと期待しているのですが・・・。
A もし良性だった場合、微細石灰化が減ったり、なくなったりすることはありますか?
B もし悪性だった場合、微細石灰化は増え続けるものなのでしょうか?
C マンモトームのあと消毒に通う必要がありますか?

検査を控えて疑問がでてきました。お手数をお掛けいたしますが、どうかよろしくお願いいたします。

@ もちろん、変化していれば再考の根拠になります。
A あります。
B 一般的には増加します。
C ご自分で消毒すれば通院の必要はありません。(文責 徳田)

 

No.2686】 04年07月27日   N.T
術後1年です

はじめまして。私は昨年7月右胸温存手術を受けました。ステージUb、リンパ節1/16、硬がん、核異型度1、閉経後、女性ホルモン受容体ER+、PgR+、HER2(1+)で、CMF6クール、放射線25回を終えました。先日1年目の検査をクリアしたところですが、質問が2つあります。
1) 1月半ばからアリミデックスを服用していますが、飲み始めて一ヶ月しないうちに膝が痛み始めました。現在、しゃがむ時かなり痛むほか、しばらく腰掛けていて立ち上がるときも痛みます。さらに右股関節と左手首も動かすと痛むようになりました。普通の歩行時は痛くありません。主治医は薬とは無関係で、気になるならば整形外科へと言われます。私は薬の副作用ではないかと思っていますが、検査であちらこちらのX線写真を撮りたくない心境です。薬を飲むのをやめることも怖いです。どうしたらよいでしょうか?
2) この1年で骨シンチを3回受けました。私のかかっている病院では術後2年間は半年ごとに受けるそうですが、そんなに頻繁に受けても大丈夫でしょうか?再発の症状が出てからでもということが書かれた本もあり、不安です。

よろしくお願いします。 

1) アリミデックスの副作用に骨関節の障害があります。整形外科的な異常がなければ、副作用の強さにもよりますが、薬剤を変更することも考えてはどうでしょうか。タモキシフェンという選択肢もあります。
2) 骨シンチを3回受けても放射線の被爆量は問題ありません。症状がでてから検査して再発を見つけても、症状が出る前に見つけて治療しても予後には関係ないというデータがあります。骨転移に関しては、症状が出る前に開始したほうが良い治療もありますので、私は積極的に検査しています。どちらが不安が大きいのでしょうか。(文責 徳田)

 

No.2685-1】 04年07月27日   K.H. 
ハーセプチンの効果、及び投与条件について

1) はじめまして。35歳、未婚で出産経験無しです。私は、今月中旬に乳がん+腋下リンパ節転移有り(クラス:5、病期:Va)であることが分かり、今月末か来月頭から抗がん剤投与を受けることになっています。半年程度の抗がん剤投与の後、温存法により癌の部分を切除することになっています(現在2.9cm*2.7cmの大きさのしこりがあるそうです)。また、ホルモン治療は効かないガンだそうです。医療に携わる友人複数から、「ハーセプチンという良い抗がん剤が出来たので、良かったね」ということを言われました。ただ、ある医師の先生の説明では「ハーセプチンは再発がん等に対しては使用を認められているが、術前の投与に対しては国の許可がおりていないので使用ができず、このケースに対しては使用できない。個人的に投与すると保険が効かないので莫大な治療費になる。あるいは治験に参加するしかない。」と言われました。私としては、私の乳がんに効くなら、また卵巣の保護に役立つなら、とにかく最善の治療をしていただきたいと思っています。また、将来には可能ならば結婚して出産したいと思うので、卵巣をできるだけ保護したいと思います。ただ、あくまで再発を低く抑える事を優先し、弱い抗がん剤の使用は避けた方が良いと、先生の説明をお聞きして思いました。上記の場合、ハーセプチンはどのような効果、利点があるのでしょうか? また最近、米国などの臨床で効果があると認められた抗がん剤に対し、「国内での治験及び臨床を待たずに患者への投与を許可する方針になってきた」と新聞で読みました。時期については記事にありませんでしたが、私の場合、ハーセプチンの投与は可能になるでしょうか?この辺について教えてください。よろしくお願いします。

2) 次の診察は明後日なのですが、もう一つ心配な事があってご相談させてください。今回の検査では、胸と脇の下の細胞診、マンモグラフィーとエコー、触診に加え、CT検査も行いました。CTは胸上部から下腹部までをみていたように思います。胸のわきの下のリンパ以外には転移無し、と言われましたが、CTでは下腹部よりも下はみていません。実は今回病院に検査に行った発端は6月の頭から胸が張った事によるものなのですが、丁度その頃から左ひざが痛んでいます(今回乳がんは左胸)。その2週間ほど前(5月中旬)に水泳の途中でやや無理をして腰が痛くなったので、原因は腰をかばったせいかな?と思っていましたが、いつまで経っても腰も膝も治りません。腰が痛くなったのは初めてなので、これがどういうタイプの痛みなのか自分でも分からないのですが、乳がん(腋かリンパ節転移あり、乳がん共に病期:Va)からの転移が、膝にも転移したという可能性はありますか?病院で調べてもらったほうが良いのでしょうか?どうぞよろしくお願いします。

1) ハーセプチンの適応は、HER2蛋白が陽性であることが必須です。あなたの腫瘍がそうであるか、まず主治医に確認してください。陰性であれば使用する意義はありません。
2) 乳癌は骨に転移しやすい癌です。膝関節に転移することはあまりありませんが、術前化学療法をするのであれば、念のため検査しておいたほうがよいでしょう。(文責 徳田)

 

No.2685-2】 04年08月19日   K.H. 
抗がん剤投与への準備について&乳がん検査で分かる他の部位のがん

1)先日もご相談させていただいた者です。8月の始めに第一回目の抗がん剤投与を行いました。EC(エピルビシンとエンドキサン)を投与したそうです。腕から点滴で投与したのですが、点滴の間中も流れが悪いと言われ、点滴の針の周りが赤く腫れました。すぐに見ていただいて液漏れでは無い事は確認してもらいました。血管が細くて入りにくいとの事です。血管周りがダメージを受けたそうで、今も赤くあざになっていて、軽く押すと痛い状態になっています。一週間後にも担当医の先生に診ていただいたら、次回は様子を見てもう一方の腕から点滴を行うけれど、それでも腫れるようだったら、二日程入院して点滴用の管を取り付ける必要があるかもと言われました。点滴を受けるまであと10日間くらいありますが、点滴が入りやすくする為に何かできることは無いでしょうか?運動とか、体重を減らすとか、何でも結構です。教えてください。手術はできるだけしたくない(怖い)ので、普段の生活で何かできればと思います。

2)7月頭に、マンモグラフィ、血液検査、細針細胞診、CTスキャン、骨シンチ(全身)を行った結果、乳房と腋窩リンパ節にがんが見つかりました。骨シンチの結果として、骨への転移は無い事を教えていただきました。基本的な質問で申し訳ないのですが、上記検査で分かるガンはどこの部位のがんなのでしょうか?胃がん、肺がんなどへの転移は、上記検査では分からないのでしょうか? 「CTスキャンである程度がんの有無くらいは見えているのでは?今年の検診は不要かな?」と考えていたのですが、上記の乳がん検査では検査できていないとのことでした。乳がんは他の部位への転移が起こり易いと聞きます。他にも転移しているのかも?と考えると不安になりました。CTスキャンで見えているのは、どういうガンなのでしょうか? PETだと、全身のガンの有無が分かるのでしょうか? どうぞよろしくお願いします。

1)血管の太さは個人差があるので初めから大変な人は結構います。点滴が入りやすくする為には、たとえば蒸しタオルで直前に腕を暖めておくことや、むくまない事を前提にですが、水分をよく摂って脱水状態にならないようにする、などの工夫程度の事柄しか有りません。

2)手術の前に抗ガン剤を使用する術前化学療法の情報を集めるための検査でしょう。腋窩のリンパ節に転移があるので、術前化学療法で腫瘍を小さくして温存術ができる可能性を増やします。他の臓器に転移している場合、手術よりも全身の治療を優先します。微妙に違いますが、肺、肝、骨に乳がんは転移し易いため、まずそれらに転移がなければ胃、腸、脳などに最初に転移することはありません。CTと骨シンチで肺と骨の転移を否定したのでしょう。CTで肺に転移がないのなら肺がんもありません。PETも万能でないので、今は乳がんの治療に専念しましょう。主治医の先生に検査の目的をよく聞きましょう。(文責 緒方)

 

No.2684-1】 04年07月27日   hiro
温存術後の治療について

はじめまして。43歳、子ども二人の主婦です。このような相談室があったことを、心から感謝しています。1年半前に、初期の乳がん、1×0.8で、左胸温存手術を受けました。病理の結果は、リンパ節15個とった中に、1個+でした。補助療法として、月1回のゾラデックスと放射線を受け、順調にきています。がんそのものは、割とおとなしい性質のものだったそうですが、リンパ節転移がなかった友達と同じ治療で大丈夫なのか、心配になります。リンパ節転移が、治療方針、予後を左右するとも言いますが、プラス1はどう考えられているのでしょうか。主治医の先生は認定医で、とてもいい先生です。

リンパ節転移陽性ですので、陰性に比べて再発のリスクはあがります。個人的には抗がん剤治療→ホルモン療法が現在の標準と考えております。(文責 徳田)

 

No.2684-2】 04年08月08日   hiro
術後の化学療法について

HPNo.2684で相談したものです。有難うございました。先日受診した際に、先生にお話しましたら、確かにそういう流れになって来ているとのことでした。そして、「今からでもやっておいた方が無難かなー。」というお答えを、データーを含めて話してくださいました。私のように1年半経過したものでも効果はあるのでしょうか。また、今行っているゾラデックスに薬をプラスする方法も、化学療法と同等の効果があるともお聞きしました。リンパ節に1個の場合、判断が難しいともおっしゃっていました。データー的には、再発の可能性が今よりも25パーセント抑えられるとのことでしたが、正直とても迷っています。できれば化学療法の他の選択はないでしょうか。経口薬で今より少しでも効果を上げられるものがあれば、ご紹介ください。とにかく今はとても元気で、心身ともに充実しています。また、自分で行ってきた仕事も拡張する予定でいました。すぐに化学療法となりましたら、早い方がよいのでしょうか。12月くらいなら仕事も落ち着いていいのですが・・・。わがままな質問、申し訳ありません。突然の治療法の違いでとてもとまどっています。ご意見よろしくお願いします。

術後に行う再発予防の化学療法は基本的には術後早期に行います。時間がたってから行っても効果があるかについては、そのような比較試験のデータはなく不明です。また約2年経過すると再発のリスクはほぼ半分になると考えると、現在行っているホルモン療法続行でよろしいのではないでしょうか。もしホルモン療法を選択するのであれば、ゾラデックスに経口剤でタモキシフェンを追加することにより、上乗せ効果が期待できますので、主治医の先生に相談してみたらよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.2683】 04年07月27日   M.N.
乳児の胸のしこりについて

8ヶ月の女の子(身長68センチ、体重7240グラム)の胸のしこりについて教えてください。4日ほど前に左胸の乳りんの辺りにこりこりとする物があるのに気がつきました。右胸はこりこりしていません。さわっても痛がるわけでもないのですし、見た目はしこりがあるようには見えないのですが、触ると確かにしこりがある感じです。また、しこりのせいか少し乳首が陥没してるようにも見えます。女の子ですし、気になり近くの小児科に見てもらいましたが、ホルモンの影響かなと言われ、特に検査はありませんでした。しこりの大きさは直径2センチくらいです。1ヶ月くらい様子を見てと言われましたが、その間なにもしないで大丈夫でしょうか?乳児でも乳がんの疑いはあるのでしょうか?すごく心配しています。外科へ行った方がいいのでしょうか? 教えてください。

新生児期には、母体からの女性ホルモンの刺激のために乳腺の増殖がみられます。通常は、生後2−3週で徐々に小さくなります。お子さんではそれが、まだ残っているのかもしれません。あるいは、乳腺の刺激となる女性ホルモンが何らかの原因で高いのかもしれません。乳癌の可能性はありませんが、内分泌専門の小児科医の診察をおすすめします。(文責 徳田)

 

No.2682】 04年07月27日   M.I.
男性の癌について

男性、22歳です。2年ほど前から、右胸にコリコリしたしこりが出来ました。成長期にみられるものとしては時期的に遅いと思い、インターネット等で色々調べて、ホルモン異常の可能性が高いと書いてありましたが、念のため近くの病院に診察を受けに行きました。診断結果はやはりホルモン異常で、数年経てば消える人もいれば、一生消えない人もいる。というものでした。さらに半年たって一回り大きくなったので、他の病院に診察を受けに入ったのですが、同様のことを言われました。こちらの先生は非常に親切な方で、腫瘍との違いについても教えて下さいました。話では、「腫瘍だともっと境界線がはっきりしないようなもので、あまり動かないものだ。それは脂肪内だけでなく、筋細胞にくっつくからである。筋細胞に到達すると、全身に回るのが早いから気をつけなくてはいけない。特に男性は、脂肪が薄いから、女性よりはるかに危険だ。症例は非常に少ないが。このコリコリがそのうち悪性にかわるときがあるならば、もっと硬くなって動かなくなって、凹凸になってきて境界線がなくなってくるときだから、触っててそんな感じになったかなと思ったら、また診察を受けにきなさい。」というものでした。調べたところ、男性の乳がんは1/10万ほどの非常に確率が低く高齢者のケースが多いとありましたので、問題はないとおもわれます。しかし最近、触るとまだプヨプヨと動くものの、以前は丸い形状だったものが不特定の形に変化してきました。これは病院に行くタイミングなのでしょうか?また、治り始めている兆候なのでしょうか? 病院に行くべきかどうか、悩んでいます。恐らく、何度行っても同じ診断でしょうし、以前教えてくださった話から推測すると、自分で触ってて、気づいた頃にはもう遅い可能性が高いような気がします。ただのホルモン異常と診断されたものに、こんなに気を使うのは変でしょうか?男性ですし、そんなに胸に気をつかってるのも面倒くさいです。恐らく何度診察をうけても、納得しないような気がします。何度行っても同じ悩みを繰り返し持つでしょう。その都度、定期的に病院に行くべきなのでしょうか?それだけ症例が少なければ見逃されても仕方ないような気がしますし、親切に教えてくださる先生でも、適当に流されてる気がします。何でもいいので、アドバイスをいただけると幸いです。現在の症状としては、形状が変わってきた(なんとなく境界線らしきものはある、ひょうたん状)事と、押すとちょっとだけ痛むこと、横に広がってきていること。硬さは基準がわかりません。どうぞよろしくお願いいたします。

乳癌かどうかは、画像や細胞診で診断可能です。お話の内容から可能性は少ないようです。ホルモンの異常とすると、その原因が問題です。睾丸や副腎の腫瘍など、乳腺以外を調べる必要があります。腫瘤については、美容的に気になるような大きさで、小さくならないのであれば切除も考慮してよいと思います。いずれにせよ、再度専門医にご相談ください。(文責 徳田)

 

No.2681】 04年07月26日   takako  
手術したのに痛いのですが・・・

はじめまして、よろしくお願い致します。7月7日に左乳癌で扇形切除の温存手術を受けました。手術前、腫瘍があった所がいつも痛かったのですが、手術後3週間になりますが、徐々にまた腫瘍があった所に痛みを感じるようになりました。癌がまだ残っているように思えて恐くてたまりません。癌が残ってる可能性もあるのでしょうか?これからの治療予定としては、リンパ腺に1個の転移が見つかりましたので、3週間に一度の抗がん剤をする予定です。そうなると、もし癌が残っていても抗がん剤の治療で癌を死滅させる事ができるのでしょうか?それとももう一度摘出手術をしなければならないのでしょうか。主治医の手術前の説明ですと、残っていた場合はもう一度手術を繰り返す場合もあるとの事でしたが、私の様な抗がん剤の治療をする場合はどうなのでしょうか?金曜日にリンパ腺の転移の宣告をうけて、ショックで主治医の先生に聞く事をを忘れてしまいまして、更にここに来て痛みも増してきまして、不安でたまりません。教えて下さい。

癌を切除しきれているかどうかは、やはり主治医に質問してください。痛みがあるからといって癌が残っているわけではありません。乳腺も切っているわけですから、傷の痛みはあってもおかしくありません。傷の痛みであれば次第に軽減してきます。(文責 徳田)

 

No.2680】 04年07月26日   S
乳首の湿疹に関してのご相談です

初めまして。25歳の女性です。何ヶ月か前から右の乳首に痒みを感じました。その後カサカサになり、日焼けの後の様に皮がベロベロと捲れてくる様になりました。そしてその皮を剥くと、何か液状のものが出てくるようになりました。ジワジワと液状のものが出てくるので、それが下着に付いて固まり、ますます酷くジュクジュクの状態が続いています。その内、左の乳首もカサカサで皮が剥けるという同じ症状になってきました。右の乳首は左側に比べると大分腫れていて、硬くなったままの状態で、中心のお乳が出てくる所(?)も左に比べて塞がってしまっている様に思います。この様な症状が初めてだったので、どちらの病院に見せたら良いのか分からず、以前より煩っていた手湿疹の症状に似ていたので(カサカサになり皮を剥くと液状のものが出てくる、痒みがある)、皮膚科を受診した所、ステロイドの入ったお薬を出されました。しかし、女性にとって敏感な部分でもありますし、現在子供を作ろうと思っている所で、ステロイドを塗るというのはちょっと抵抗があります。それにまだ25という年齢ですが、乳がんの事も気になります。どちらの科で見て頂くのが良いのか、乳がんの心配は無いのか、どの様な対処法が適切なのか・・・。どうかご助言頂けると助かります。宜しくお願い致します。

乳頭にステロイド軟こうを塗るのは妊娠の障害にはならないと考えます。皮膚科の先生は、乳癌のことも念頭においておられると思いますが、心配なら、直接質問してみましょう。質問しにくければ一度、乳腺専門医を受診してください。(文責 徳田)

 

No.2679】 04年07月26日   J.K.
術後の痛みとリハビリ

2月にステージVAの乳癌告知を受け、抗がん剤治療後、5月に左胸の乳房温存手術を受け、転移が見られた脇のリンパ節も切除しました。今は術後の抗がん剤治療中です。術後2ヶ月を過ぎて腕の動きはすごく良くなりましたが、脇の下や後ろ側の硬く強いしめつけ感と肩甲骨周囲の痛みに悩まされています。「リハビリで改善されるんだ!」 と、一日2回のリハビリは欠かさずやろうと心がけていますが、時々痛みが増す感じがあるし、少し我慢してでも脇を伸ばしたりするほうがいいのか、この痛みが和らぐ時が来るのかなあ?と不安に思いながらやっている状態です。肩甲骨周囲の痛みを訴えられる方は多いのでしょうか?時々マッサージなども取り入れたほうがいいのでしょうか?ご回答、宜しくお願いします。

時々おられます。マッサージなど症状が軽快するのであればどんどん取り入れてよいと思います。また、術後の抗癌剤の副作用に末梢神経障害や、関節症状などがないかどうか主治医に質問しておきましょう。(文責 徳田)

 

No.2678】 04年07月26日   K.T.
18年前の乳癌の再発

6月の健診で76歳の母のレントゲンに影があるということでCT検査をしたところ、肺に3つ小さな腫瘍が見つかりました。PET検査をしたところ、18年前の乳癌(当時は癌になる可能性が大とのことで筋肉は残して乳房を切除しました)の転移と診断されました。術後10年を超えたということで一安心と診察されていたので、非常にとまどっております。

1) 術後何年経とうとも再発ということがあるのでしょうか?
2) どの部位に転移しようとも乳癌由来のものは乳癌として治療を受けると説明されました。肺癌とどのように違うのでしょうか?
3) 恐らくホルモン療法になるだろうといわれましたが、どの薬が合うか調べるために組織をとる(つまりはほとんど手術に近い)ことも考えられると言われました。母は入院はもう真っ平といい、自覚症状もなにもないのでこのままでも構わない(つまり薬も不要)と言いますが、入院せずに治療をしていく可能性、およびその考えられるリスクについてお教えください。 

以上どうぞ宜しくお願いいたします。

1) ありえます。術後30年、32年の再発の患者さんを治療しております。ただし、確率は経過とともに少なくなります。30年後の再発の患者さんはきわめてまれです。
2) 乳癌の治療薬の適応になります。また、乳癌では手術から再発までの期間が長ければそれだけおとなしいということが知られていますので、あらたにできる肺癌とは違います。
3) ホルモン療法の感受性は、腫瘍組織で調べます。最初の手術のときの組織で調べてあればいいのですが、それがない場合には転移巣で調べます。ただし、転移巣の入手が困難なときは、感受性ありとして治療します。効果がなければ治療法を変えます。薬物療法は、入院する必要はありません。(文責 徳田)

 

No.2677】 04年07月25日  BD
皮膚転移の局所療法(HPNo.2447-3

過去HPNo2447でご相談させていただき、有難うございました。母の病状ですが、胸部皮膚転移がやや悪化しているとの判断から、タキソテールを追加することになりました。抗癌剤による全身療法が中心となりますが、今後改善が見られない場合、局所療法も検討したいと思います。現在は5FUの軟膏を使用していますが、他にどのような治療法が考えられますでしょうか。温熱療法は局所なら保険適応で、皮膚など体表面には有効と聞きました。凍結療法も皮膚がんの治療法としてあるようですが、乳がん皮膚転移でも適応なのでしょうか。ご助言いただけますよう、宜しくお願い致します。

前回の担当者ではありませんので、状況がよくわかりません。局所療法としては、放射線療法が確立しています。5FUの軟膏の有効性は明らかではありません。また、温熱療法の有効性も同様です。しかし、表在の病変で評価がすぐに可能ですので、副作用に気をつけながら試してみても良いと思います。乳がんの皮膚転移に対しての温熱療法、凍結療法は、私の知る限り保険適応ではないと思います。(文責 徳田)

 

No.2676】 04年07月25日  MI
術後化学療法4クール(HPNo.2111-3

お礼が遅くなり、申し訳ございません。病期ですが、私の勘違いでUAでした。主治医の説明によると、心疾患があるためにAC療法ではなく、タキソールを選択したとの事です。先日の治療時に主治医と相談した結果、リンパ節転移がないため4クールで終了しましょうと言う事になりました。「以前に4クールで合格点だと聞きましたが、何点くらいですか?」と主治医に聞きましたら、「60点くらいかな」と言われたのが引っかかります。一般的にもリンパ節転移がない場合の術後化学療法で4クールとは、成績がその程度なのでしょうか?何度も申し訳ございません。宜しくお願い致します。

補助化学療法は、4-6クール行うのが標準的です。4クールと6クールで効果に差があるかどうかは薬剤によって異なります。タキソールでは比較した成績はありません。(文責 徳田)

 

No.2675】 04年07月25日  W.I.  
検査について

20年以上前から左胸にしこり(乳腺症…触診だけの診断)があります。今月はじめ(生理前)激痛があり、5日に乳腺外科でマンモ(片方×2)4枚、エコー検査、組織診を受けました。結果は乳腺症でしたが、組織診を受けるようにとのことです。検査予約をしましたが、結局、胸に傷をつけたくなくて検査の予約をキャンセルしました。ちょっと担当医と気まずい感じになってしまいました。5年前に、懇意にしていた個人病院の内科で乳房のエコー検査をしてもらった(乳腺症の診断)ことがあったので、20日ごろ相談したところ、新たにエコー検査をして、「大きさがそんなに変わっていない。心配ならがんセンターを紹介する」と言われて、28日検査に行く予定です。その他に今月整形外科で肩のレントゲン2枚、歯科医で歯の全体のレントゲン1枚を取っています。心配なのは、28日に多分またマンモ、エコー検査、細胞診などをすると思いますが、体への影響はないのでしょうか。教えてください。

マンモグラフィー(乳房X線撮影)の2回程度は、許容範囲内です。しかし、撮影しないですむのであれば、それにこしたことはありません。最初の先生に2nd opinionを受けたいのでということで貸し出しをお願いしてはどうでしょうか。(文責 徳田)

 

No.2674】 04年07月25日  りん
片胸が痛い

はじめまして、出産経験を2度している30才です。1週間ほど前から右胸の乳首がとても痛くなりました。そのあと、下のほうを中心に全体的に痛くなりました。朝起きた時や腕がぶつかった時に特に痛く感じます。何もしなくても、じんじんして重たい感じです。生理予定日をすでに過ぎています。初めは生理前だし・・・と思っていましたが、日に日に痛みが強くなるのと、片方だけ痛いので気になります。見た目は何も変わりません。6月に乳癌検査をしてもらい、異常はありませんでした。でも、もしかして?とも思い、病院に行こうか迷っています。よろしくお願いします。 

乳腺の炎症の可能性もあり、専門医の診察をおすすめします。(文責 徳田) 

 

No.2673】 04年07月23日  S.S.
術後ののう胞について

こんにちは。宜しくお願いいたします。2月末に乳管内乳頭腫の手術を致しました(線維腺腫の摘出も)。先日、術後初めての検診で超音波の検診をして、結果を聞きにいくと、のう胞?というものが出来ていると言われました。「水がたまった状態なので、手術する必要はない、大きくなったら針で水を抜くことが出来る、それで癌になるということはめったにない」と聞きましたが、手術後このようなものがすぐに発見されることは良くあるのでしょうか? 手術後なので仕方ないのかと思っていましたが、乳房を押すと少々痛い気がしています。そのことを伝えましたが、大して気にもとめていない様子で、何のコメントもありませんでした。この痛みはのう胞によるものなのでしょうか?この程度の症状で病院を変えて検査する必要はないでしょうか?また半年後超音波検査と言われたのですが、それまで放っておいて大丈夫なのでしょうか?せっかく手術までしたのに、また何か出来ていると聞いてがっかりしています。よろしければのう胞について教えてください。また、注意すべき点があれば教えて下さい。宜しくお願いいたします。

分泌物のたまった風船のようなものがのう胞です。一般的には癌とは関連しません。手術のためにできることもあります。経過観察でよろしいと思います。(文責 徳田)

 

No.2672】 04年07月23日   K.Y.  
不安いっぱいです  

私は24才で未婚、出産経験はありません。2〜3ヶ月前から右乳房が張って大きくなった気がしていましたが、それほど気にしていませんでした。ここ1〜2週間前から少し熱感があるのと、さらに乳房の張りを感じ、性行為や生理前のせいかなと思っていたのですが、今回は片方だけだし、しこりも感じます。以前から両胸によく動くしこりはあったので、あまり気にしていませんでしたが、最近右乳房の血管が青く透けていて1p大の青あざもできています。時々痒みと、生理前に胸が張ったときのような痛みを感じます。乳頭からの分泌物はありません。病院にいこうか迷っていますが、悪いものだったらどうしようと怖くて悩んでいます。何か情報をいただけたらと思い、お便りしました。宜しくお願いします。

文章のみではよくわかりませんので、やはり、一度専門医を受診しましょう。(文責 徳田)

 

No.2671-1】 04年07月23日   A,K
術後の化学療法と今後の検査について  

48歳、5月下旬に胸筋温存、左全摘手術を受けました。術後の病理検査で、浸潤性管状腺癌、リンパ節転移1個(34個中)、大きさ2×2、ER陽性、グレ−ドUb、HER2受容体3ヶでした。閉経前です。術後3週間から、化学療法としてファルモルピシン、エンドキサンの点滴を3週間おきに受けています。現在2回目を終えた所です。
1) 化学療法は4〜6回といわれていますが、私の場合、再発を防ぐには4回か6回か、どちらがいいのでしょうか。
2) 1回目の点滴後、血液検査をほぼ3日おきに7回やりました。その間、4度目の検査で白血球が1800に下がり、ノイアップを3日連続で打ち、6度目の検査で4600に上がりました。今回も点滴後13日目ですが、もう4度調べています。血液検査はこんなに何度もやらなければいけませんか。私としては、白血球が下る10日目頃から上るまでの2〜3回でいいのではと思いますが、一般的にどうなのでしょうか。
3) 術後、まだ骨シンチや腫瘍マーカーの検査を一度も受けてませんし、説明も聞いていません。これらは、いつ頃受けるのがいいのでしょうか。また、今後どのような検査を、どの位の間隔で受けていけばよいのでしょうか。
4) 現在の化学療法後、ホルモン療法をやるといわれましたが、詳しくは聞いていません。今後はどんな治療法が考えられますか。

以上、長くなりましたが、宜しく御願いします。

1) ファルモルビシンとエンドキサンの組み合わせのみをつづけるのであれば6回のほうがよいと思います。
2) 一般論はありません。患者さんそれぞれの状況によります。一番大切なことは重篤な副作用を起こさないことです。
3) やはり主治医と相談する事項と思います。
4) ホルモン受容体陽性ですので、閉経前とすれば、卵巣機能抑制剤+タモキシフェンと思われますが、これも抗癌剤のあとの閉経状況によっても変わってきます。主治医に詳しく聞いてください。(文責 徳田)

 

No.2671-2】 04年07月29日   A,K
術後の化学療法と今後の検査について(2)  

HPNo.2671で相談したものです。お忙しいなか回答有難うございます。申し訳ありませんが、もう一度お聞きします。

1について) ファルモルピシンとエンドキサンのみを続けるのであればとありますが、ほかに、どんな抗がん剤の組み合わせがありますか。ファルモルピシンとエンドキサンを4回やって、次に他の抗がん剤をということでしょうか。
3について) もう少し具体的に、例えば先生の所では、術後患者に対して、どのような検査を定期的にやっていらっしゃるのか、教えて下さい。

私がかかっている病院は、総合病院ですが乳腺外科はなく、主治医は消化器が専門で、乳腺の専門医は現在いないそうです(私が入院する少し前に転院したそうです)。主治医を信頼していない訳ではありません。主治医は手術の腕もよく、検査等もこちらから申し出れば、快く手配してくれます。抗がん剤も相談にのってくれると思います。だからこそ情報が知りたいのです。どうか宜しく御願いします。

1) その後にタキソールを追加したほうが、ファルモルビシンとエンドキサン4回よりおそらくよいと思います。
3) 胸部レントゲン、骨シンチ、腹部超音波、腫瘍マーカーの採血を6ヶ月毎、マンモグラフィー、乳房を含めた表在の超音波を1年毎に行っております。(文責 徳田)

 

No.2670】 04年07月23日   A.F.
両胸のしこり

今25歳の女性です。中学生のころ、胸のふくらみと共にしこりができ、今も10センチ弱のしこりがあります。触ると痛いです。今まで、みんなあるものだと思っていたのですが、乳癌の発見は、しこりからもあると聞き、相談しました。両胸に同じようにあります。十年間、他の症状は見られません。

乳腺の実質とおもわれますが、一度、専門医を受診しておきましょう。(文責 徳田)

 

No.2669】 04年07月22日   AM
73歳の母について

私の母は73歳で、6月にしこり(自分では2,3cmといっています)を発見し、不安に思い病院(癌研付属病院)に行き、乳がんと診断されました。その後、色々と内臓等の検査が進み、検査結果では問題ない結果が得られていたのですが、最後に膵臓と脾臓に怪しいものがあり、最終的には膵臓は問題なし、しかし、脾臓には乳がんの転移があるとの最終診断でした。色々と本等で見ても、肺や骨や脳への遠隔転移はよく書かれていますが、脾臓への転移は書かれていません。本当に脾臓への転移などはあるのでしょうか? また、治療は手術ではなく、抗がん剤で行い、「がんは無くならないが体に持ったままでの生活となる」と聞きました(私は母とは別居で距離が離れているため、これらの情報は兄からの又聞きなので不明瞭なことをお許しください)。私としては悪いほうに考えてしまうのですが、なぜ手術はしないのでしょうか?これは、手術をしても意味がない末期であると考えるべきなのでしょうか?(兄は、先生の説明を聞いてすっきりした、特に余命**ヶ月というようなことは無いから安心しろ、と言っていましたが・・・。)また、このような状態、並びに治療での症例では、どのくらい生きられるのでしょうか? 不安は膨らむばかりです。宜しく御願い致します。

乳癌の脾臓単独の転移は、きわめてまれです。転移と判断する根拠はどのようなものなのでしょうか。最終的には脾臓の腫瘍の組織を調べてみないと診断がつかないように思われます。転移と診断すると転移性乳癌ということで原発巣を手術する意味はありません。脾臓に癌が残ってしまいますし、脾臓にまで癌細胞がとんだということは、それ以外の肝臓や肺などにも今は見えなくても癌が存在する可能性が高いからです。したがって、全身療法が主体になります。転移性乳癌の予後は、平均2−3年です。(文責 徳田)

 

No.2668】 04年07月22日   R.E
乳頭血性分泌について

はじめまして。37歳(子供2人)の主婦です。今年の2月に乳頭から血性分泌があり、病院で検査をしました。分泌液の細胞診、マンモグラフィー、超音波、MRIでは異常が認められず、乳管造影では、乳管から入ってすぐに乳管が途切れた映像が出ていました。主治医の先生は乳管のすぐ近くに乳頭腫があるようだとの診断をされ、手術をした方がよいとのことでした。しかし、私自身がすぐに決心できなかったことや、分泌液の量も少なく、初めに気がついた時よりも色が薄くなってきたこと、癌を疑うようなものは何も出ていないことなどを踏まえ、経過観察で3ヶ月後に診ていただくことになりました。それから1〜2週間後には分泌液が血性から透明になり、3ヶ月後の6月に受診した時にも血性ではなく、このまま変化がなければ様子を見ていてよいとのことでした。それからずっと、分泌液は出るものの、透明か黄色っぽいもので、量も乳頭を強く圧迫して少量出るくらいでした。ところが、3日前から急にまた血性になってしまい、とても不安です。血性分泌液が出るのはいつも同じ乳管からのようです。ほかに一箇所、分泌液の出る乳管があるのですが、それは最初乳白色でだんだん透明になっていきました。いずれも強く圧迫して少量出る程度です。

1) 乳管内乳頭腫がある場合、常に血性の分泌液が出るわけではないのでしょうか。(透明になったり血性になったりするのでしょうか。)
2) 乳頭腫ではなく、癌であるという可能性もあるのでしょうか。
3) 再び血性になってしまったということは、もう手術するしかないのでしょうか。

1) 透明だからといって、血液がないわけではありません。薄まっているだけの可能性もあります。
2) 血性乳汁分泌の50−60%は乳頭腫ですが、20−30%は乳癌です。
3) やはり、切除して癌を否定しておくべきと思います。(文責 徳田)

 

No.2667】 04年07月22日   R
線維腺腫について

はじめてメールします。31歳の未婚の女性です。ご相談したいことがあります。6月の初旬にしこりを発見し、乳腺外科を受診しました。エコー、マンモグラフィーを行った結果、エコーから5mmぐらいの大きさのしこりがあることがわかりました。その形から、おそらく「線維腺腫」ということで、半年後、経過観察のため受診するように言われました。その後、不安だったので、細胞診を行ってもらったところ、クラスUという結果でした。先生は、しこりが大きくならなければ、半年後また受診してくださいとおっしゃり、特にしこりをとることまでは必要ないという感じでした。今ならしこりも小さいので、とるなら早いほうがいいと思うのですが、この検査結果からとらなくてもいいのかとも思ったりもします。5mmぐらいのしこりを取る場合、傷はどれぐらい残るものなのでしょうか?先生の手技によって、傷の大きさは異なるのでしょうか?他の病院に受診して、いろいろと聞いた方がよいものでしょうか?よろしくお願いいたします。

切除するとすれば、傷の大きさは2cm程度でしょう。不安であれば、主治医にお願いして資料をそろえてもらって、セカンドオピニオンを得ましょう。(文責 徳田)

 

No.2666】 04年07月22日   DQQ
今後の相談U (HPNo.2388-7)

HPNo.2388です。ご回答ありがとうございました。アドリアマイシンとフルツロンの組み合わせは標準的ではないとの事、アドリアマイシンと放射線は同時期にはやらないほうが良いとの事ですが、この組み合わせでは十分な効果が出ないでしょうか?本日CTにて放射線の位置決め、明日から開始の予定です。アドリアマイシンは23日に一度、以後2週間に一度、一年間と言われましたが、終わってからの放射線では1年度と言うことになってしまいますが・・・。また同時だとどのような副作用が起こる予測ができますか?病理の結果も納得出来ず、治療にも納得できない状況で、どんどん進んでいく現状です。明日からの放射線はどうしたら良いのでしょうか?

このまま流されるのではなく、自分の体のことなのですから、納得するまで主治医と話し合うべきです。(文責 徳田)

 

No.2665】 04年07月22日   ami 
乳首のかゆみと腋の下の痛み、しこり?について

初めまして。他の方の内容も参考にさせていただきました。34歳、出産経験なしの主婦です。1年程前から右の乳首だけがかゆくなることが有り、衣服の上や下着の上からなど、こするようにして掻いたりしていました。乳首の皮がうす〜くむけて引っ張るとすぐに取れます。ちょうど日焼けした皮がむけるような感じです。分泌物はなく、冬場はカサカサしたようになり、右わきの下のリンパのあたり?も痛くて、しこりのように腫れているような感じです。以前、風邪を引いたときに先生についでにわきの下のリンパのことを言って見ていただいたところ、リンパ節?と言われ、手に怪我をしましたか?と聞かれましたが覚えがなく、「風邪のせいもあるでしょうし、大丈夫でしょう」と言われました。私の場合、母が乳がんで他界しており、4年前に乳がんの検査をしたときは異常がなく、その後、乳首のカサカサが出る前(1年半くらい前)に乳がんの簡単な検診を受け、異常なしと言われました。ただ、常に両方の乳房が硬く、全体にコリコリした感じです。もちろん生理の1週間前になるといつも以上に硬くなり、ピリピリ痛いほどです。自己診断では乳房にしこりらしいものはないのですが、全体にコリコリしていて乳腺が触って分かるような感じなんです。病院に行きたいのですが近所に専門医がなく、忙しいことも手伝ってなかなか機会がありません。このようなケースの場合、まず乳がんを疑うべきなんでしょうか?

お話から推測すると、頭のかゆみはおそらく、知らない間に少量分泌されている分泌物が乾燥して乳頭の皮膚を刺激して起こるのではないかと思います。また、乳房全体の硬さは、お若いので、乳腺実質が硬いためと思います。いずれにせよ、乳癌を疑う内容ではないようです。すこしでも不安があるのであれば、忙しいとは思いますが、時間をさいて、専門医の診察をうけるべきです。(文責 徳田)

 

No.2664】 04年07月21日   みちこ
化学療法後の体中の濃い大きなしみを少しでも改善する方法は?

術前化学療法として昨年12月より今年4月まで、EC4回とウイークリータキソールを12回行い、手術を行いました。化学療法で顔、手足の色が茶色に変色し、特に顔は、大きなしみがたくさんできてどす黒く、未だに全く薄くなる様子もありません。主治医は、そのうち時間をかければ薄くなるといいますが、人から見えるところなので、胸の傷よりも今は顔の変色のほうが辛くて涙が出ることもあります。先日化粧品会社の方から、美白やしみ専用の化粧品類をつかわないと残ったままになってしまうので、早くお手入れをしたほうがよいといわれました。また、ビタミンCその他の美白のサプリメントで内側からもケアをしたほうがよいのではと言われました。紫外線によるしみとは違うわけですが、抗がん剤でできたしみも、化粧品やサプリメントの摂取で、多少は改善が早くなる可能性はあるのでしょうか。切実な悩みなので、少しでも良いことがあれば行いたいのです。 

私の経験では、皆さんだんだん薄くなっていくようです。ビタミンCなどのサプリメントがそれを早めてくれるかどうかは不明です。(文責 徳田)

 

No.2663-1】 04年07月21日   eriko
乳首の痛み

はじめまして、海外に住んでいる女性、31歳ですが、実は先週あたりから、左の乳首だけが少し腫れたような感じで、触れると少し痛みを感じます。触れなければ痛みは感じませんが、例えば洋服を着る際、下着をとったり、つけたりする際に触れると、先の方が普段とは違う感覚を、左側だけ感じるのです。痛みも、激痛とか、我慢できない、という痛みではありません。どんな痛みかを説明するとしたら、それは例えば、皮膚のどこかが炎症を起こしている時に感じる様な類の痛みです。心配する事はないのかもしれませんが、こんなことは生まれて初めてなので、少し心配しています。どんな病気の可能性があるでしょうか。病院に行って診てもらった方がいいでしょうか。日本語が通じないので、なんとなく行きづらく、まずはこちらに相談のメールをしようと思いました。どうぞよろしくお願い致します。

乳頭の皮膚の問題なのか乳頭内に病変があるのかわかりませんので、やはり乳腺専門医を受診しましょう。(文責 徳田)

 

No.2663-2】 04年07月23日   eriko
乳首の痛み(2)

返事をありがとうございます。感謝します。こちらで”乳腺専門医”を探したいのですが、英語ではなんと呼ぶのでしょうか? 辞書でも調べたのですが、わからなくて困っています。例えば産婦人科医のことをGynecologistといいますが、乳腺専門医にもそういった名称があったら教えていただけないでしょうか。どうぞよろしくお願い致します。

"breast surgeon"あるいは"breast specialist"でしょうか。(文責 徳田)

 

No.2662】 04年07月21日   H.E
術前療法の効果・触診とエコーの違い

今年4月乳がんの告知を受けた35歳主婦です。しこりの発見は、1歳半の子供に授乳期間中のことでした。告知時点の触診では、しこりは4センチ強、リンパ節は触れるが固定していない(乳がんの転移か乳がんのために腫れているのかわからない)とのことで、術前療法でCEFを6クール後手術と治療方針が決まり、現在5クール終了しました。主治医の触診の結果では2クール終了後から効果があり、4クール終了時には計測不可といわれるくらいやわらかくなったのでほっとしていました。しかし3クール終了時に受けたエコーでは、しこりの大きさはそれほど小さくなっていないようでした。エコーの先生は、どこまでが癌か、あなたのしこりは判断が難しいタイプだといわれました。癌のタイプのためわかりづらいのだそうで、触診の結果のほうが信用できるから薬は効いていると思って大丈夫だとのことでした。一方マンモグラフィーの石灰化も術前から見られたのですが、現在も変わらず見られるようです。これについては癌自体に抗がん剤が効いたとしても石灰化はそのまま残るものであると説明されました。そこで教えていただきたいのですが、触診ではしこりは小さく(やわらかく)なっているのにエコーでしこりの大きさを測るのが難しい癌または乳房のタイプとはあるのでしょうか。また、抗がん剤が癌自体に効果があったとしても石灰化は残るというのは正しいのでしょうか。よろしくお願いいたします。

術前化学療法の効果判定法はまだ確立していません。少なくとも進行していなければ予定の治療を終了すべきです。石灰化も残ることがあり、癌が存在する場合と消失している場合があります。(文責 徳田)

 

No.2661】 04年07月21日  Y.S. 
悪性葉状腫瘍について

はじめまして。左乳房にしこりがあり、だんだん大きくなり去年の8月に手術をし、しこりだけを切除しました。病理検査の結果は「悪性葉状腫瘍」とのことでした。その後は定期健診で問題なかったのですが、今年6月に自己触診でしこりを発見し、再度日帰り手術で切除しました。その病理検査でも「悪性葉状腫瘍」でした。主治医の先生から「放射線治療をしてみましょう」と言われたのですが、効果はあるんでしょうか? 悪性葉状腫瘍はコレといった治療法がないと、セカンドオピニオンをした先生にも言われたのですが・・・。それと、「再発の場合、余命2年半」だと聞いたのですが、本当ですか? 私は再発しても、そのつど切除すればいいと考えていましたので、非常にショックをうけています。小さい子供2人をかかえていますので、なんとか一番いい治療法はないか・・・、メールで失礼ですが、返答よろしくお願いします!!

悪性葉状腫瘍にも悪性度の段階があると思います。短期間にどんどん増殖するタイプや、ゆっくり増殖するタイプなどです。再発を予防する治療法はないので、切除できる再発であれば外科的な治療がよいと思います。(文責 徳田)

 

No.2660】 04年07月21日  WB
組織診について

はじめまして、43歳女性です。左乳房にしこりが2つあり、先日、乳腺外科にてマンモ、エコー、細胞診を受けました。細胞診の結果は、上部外側がクラスUと下部内側が乳腺症とのことですが、主治医の話では、「下部内側のしこりが細胞診で針を刺したときの感触とエコーでのしこり形状が、いびつ(かさを被っているような形)、数年前ならこのようなしこりの形の患者さんは手術で切り取っていた。特にしこりの形から悪性の可能性が高いので、組織診を受けるように。」とのことです。細胞診の結果は100%ではないと聞いていますが、乳腺症との結果でも組織診を受けたほうがいいのでしょうか。

乳腺症の可能性があるということで、確定診断をつけて乳癌を否定するために組織診を行うのです。少しでも悪性の可能性が考えられるときは組織診をしておきましょう。(文責 徳田)

 

No.2659】 04年07月21日  ななこ
要精密検査

初めまして。38歳の主婦です。8歳と3歳の子供がいます。昨日、乳がんの検診を受けてきました(触診のみ)。絞るとまだ母乳(白い分泌物なので、自分ではそう信じていました)が出る旨を伝えたところ、出産後3年でまだ出るのはおかしいと言われ、実母が乳がん体験者であるため、別の病院でマンモグラフィーの検査を受けるようにと言われました。触診でしこりはなく、「念のため、安心料だと思って受けてきたら」と医師に勧められました。毎年、同じ時期に受けていますが、昨年は「もう絞らないで」と言われ、しばらく触っていなかったのですが、自分でも、いつまで出るのだろう・・・ということで、確認の意味で、1ヶ月ないし、2ヶ月に1度は、なにげに絞って、まだ出る・・・とは思っていました。なんら疑問には感じていなかっただけに、今、すごーく不安にかられています。子供への授乳は母乳オンリーの時期はなく、ミルクとの混合で、上の子は8ヶ月で断乳、下の子は6ヶ月であまり出なくなりつつも、1日1回は8ヶ月まで飲ませていました。今、搾ると、ダラダラと母乳が出る程度です。その出る量は昨年から変わっていないように思います。やはり、まだ母乳が出るのはおかしいのでしょうか?しこりがなくても、癌の可能性はあるのでしょうか?また、検査的にはマンモグラフィーのみでいいのですか?教えて頂きたく、よろしくお願い致します。

乳汁様のものがでるのは、乳癌とは関連ありません。ホルモンの影響が考えられるので、しぼるような刺激はしないほうがよいでしょう。検査としては、お若いので超音波もしておきましょう。(文責 徳田)

 

No.2658】 04年07月20日  H.H
術後注意することについて

昨年6月に左乳房温存手術を受けた45歳、閉経前です。今回お聞きしたいのは術後の注意で、手術した方の手で重いものをもったり、締め付ける時計とかは、しないようにということと、紫外線に当たらないように等の注意がありましたが、何故でしょうか?手術から1年たっていますが、これから一生、そのことは守って、手術した方の手で重いものを持たない方がいいのでしょうか?水泳をしていますが、支障等ありますでしょうか?宜しくお願いいたします。

腋窩のリンパ腺を切除しているとリンパの流れが悪くなって、むくむ可能性があるからです。一般的には、水泳、テニスなどのスポーツも問題ありません。腕がだるくなったり、少し太くなったりしたらやりすぎと考えて調節すればよいでしょう。リンパ腺の切除の程度にもよりますので、主治医によく質問しましょう。(文責 徳田)

 

No.2657】 04年07月20日 DQQ 
今後の治療について(HPNo.2388-6)

HPNo.2388でお世話になっています。先日13日に退院して、昨日外来を受診して病理の結果を聞きました。術後の迅速検査などを含め家族への話しでは、「癌の中では珍しい髄様癌で転移も無く、再発などのリスクも少なく、術後の放射線で十分でしょう」ということでした。それを信じてとても明るい気持ちになり前向きに行こうと思っていましたが、昨日の話では、リンパへの転移が4個中1個の転移・ホルモンレセプター陰性・ステージUA 核異型度3と言う結果に愕然となりました。この結果は何を示しているのでしょうか?再発・転移がしやすいと言うことでしょうか?昨日からフルツロン一回1錠・二週間に一度アドリアマイシンを静脈注射・21日から25回放射線をかける予定です。この組み合わせの副作用はどんな感じでしょうか?核異型度3の意味がわかりません。手の打ちようが無いと言うことですか?担当の先生とはゆっくり話せ無いのが現状で、不安でしかたがありません。お忙しいとは思いますが、よろしくお願いいたします。

リンパ節転移が1つあったということは再発リスクが5年間で30%程度あるということです。逆に言うと70%は再発しないということです。あなたが再発するかどうかはあとになってみないとわかりません。再発するとしても、どこにでるかわからないので全身療法をおこないます。全身療法した人としない人ではあきらかに再発率が違います。したがって、あなたの状況では、全身療法を術後行うのが標準的です。どのような全身療法かというと、ホルモン受容体が陰性ですので、ホルモン療法は適応になりませんから、抗癌剤治療ということになります。あなたが予定している、術後の抗癌剤治療としてのフルツロンとアドリアマイシンの併用は標準的ではありません。アドリアマイシンと放射線療法は副作用のため一般的に同時には行いません。放射線療法は局所療法ですから、抗癌剤治療が終了してからでよいと考えます。
核異型度は癌細胞のたちの悪さを示すもので、3段階あります。3というのは一番たちが悪いということです。しかし、それよりもリンパ腺の転移のほうが再発の予測因子としてはおおきいので、きちんと全身療法をすればあまり気にしなくてもよいと思います。(文責 徳田)

 

No.2656】 04年07月20日  M 
乳頭の腫れと痛み

はじめまして。相談室を読ませていただいて、私も心配になってきたのでメールさせていただきました。二週間ほど前から乳首に痛みを感じるようになり、そのときは押さえると痛い程度だったのですが、今では何もしてなくても痛い状態です。日に日に腫れあがって、元の3倍ほどの大きさになってしまいました。そうなる原因もわからず、どこの病院に行ったらいいのかもわからず困っています。ちなみに産後5ヶ月、母乳は2ヶ月ほどで止まり、その後は完全ミルクです。2人産んだのですが、2度とも乳腺炎になりかけました。それが原因でしょうか?それと痛みを感じだしたのと同時期に、胃の痛みとひどい抜け毛もありました。現在は少し治まっていますが・・・。よろしくお願いいたします。岐阜県、32歳です。

症状から推察するに、何かしらの炎症が乳頭全体に起きているようです。「授乳時に乳児に乳頭を噛まれた」などの外傷がなかったようならば、乳頭だけに炎症が起きてくる原因がよく分かりません。胃痛、脱毛との関係は少ないと思いますが、お近くの(乳腺)外科で相談してみるようにしてください。(文責 千島)

 

No.2655】 04年07月20日   T
stage2Aの術後療法について 

HPNo.2632の質問に関連してお伺いいたします。私はこの方と同じ病期stage2Aでした。ゾラテックスを2年間注射してきました。あとどのくらい延長するかは9月の血液検査の結果をみてからとのことです。他にタモキシフェンの服用をしています。フルツロンは術後2年で服用を中止しました。私は担当医の方針で、ホルモン療法のみで治療してきました。ただ2632の御質問の方のように同じ病期でも化学療法をされる方もいらっしゃいますが、再発予防としての化学療法は必要なのでしょうか。またHPNo.2111-1の御回答でstage2Aは再発のリスクとしてはminimal riskとありましたが、これはどのような意味なのでしょうか。御回答宜しくお願いいたします。

病期UAの中にも、腫瘍が2cm以下でリンパ節転移がある場合と、腫瘍が2cmをこえて5cm以下でリンパ節転移がない場合とがあります。将来の再発に一番関係深いのがリンパ節転移の有無と考えられているので、リンパ節転移の状況によっても術後の補助療法に多少の違いがでてきます。貴女がおっしゃるminimal riskというものは、スイスで2年に一度開催される、「乳癌の初期治療に関する国際会議」で決められた「転移再発の可能性が低い症例群」というグループに入ります。このグループに入る条件としては、@腫瘍の大きさが2cm以下、A乳癌細胞の異型度が最低ランクの1と判定、B乳癌細胞のホルモン剤に対する感受性が認められる(ホルモンレセプターが陽性)、C乳癌の罹患年齢が35歳以上と、この4つの条件を全て満たしていなくてはなりません。これを考えると病期UAの乳癌はminimal riskとはなりません。ただしminimal risk以外の症例では全て抗癌剤治療を施行するわけではないので、リンパ節転移を認めない病期UAの症例では、患者さま自身と主治医の間で抗癌剤の効果と副作用について十分相談してから、抗癌剤の適応を決定することになります。(文責 千島)

 

No.2654】 04年07月20日   kuzira
再発乳癌の治療(HPNo.2569-3)

三度目の相談になります。よろしくお願いします。炎症、局所再発、反対の胸にも先日のCTで1cmの腫瘍がみつかりました。先生は、「手術はしないし、今のところ放射線もしない。」と言われました。治療はハーセプチン、アレディアをしてます。新薬も使用してしまい、現在、タキソールはしたから、タキソテールをするか、何もしないわけにいかないから、昔からある薬をするか飲むかと言われています。保険適用内でしたら、選択肢はタキソテールしかないのでしょうか?炎症は上半身の前、後まで広がっています。着るものもかぎられてきます。このまま、まだ広がっていくのでしょうか?現在、今までの抗がん剤が効かないので、治療に前向きになれません。新薬まで使用しても効かない場合は、どうするのでしょうか?

点滴治療薬ならばドセタキセル(タキソテール)、CPT 11(カンプト、トポテシン)、メソトレキセートなどの治療薬があります。貴女の場合はホルモン治療を行っていないようですが、もし乳癌細胞にホルモン剤感受性があるようならば、内服抗癌剤と組み合わせながら治療していく方法もあります。再発乳癌では「この方法が一番」という治療がありません。患者様の病状や進行度、家族・仕事を含めた社会背景を考えながら、点滴または内服治療で最適な方法を選択していくことになります。そのために医師は、看護師、薬剤師、ケースワーカーなど多くの医療スタッフの協力を得ながら、「乳癌治療チーム」を作って診療に臨みます。どうしても主治医に聞きにくいことや聞き忘れてしまったこと、精神的な悩みなどがあるようならば、思い切って看護師の方に相談してみるのも良いのではないでしょうか。医師とは全く異なった観点から貴女のことをサポートしていただけるかもしれません。(文責 千島)

 

No.2653】 04年07月20日   M.S. 
乳癌の診断(HPNo.2584-4)

HPNo.2584で相談した者です。2軒目の病院で行った細胞診の結果を最初の病院に持っていったところ、クラス5で乳癌と診断されました。非浸潤性の乳癌だろうと言われたのですが、これはどういうものでしょうか?しこりの大きさは2センチ弱あります。全摘出になると言われていますが、温存は無理なのでしょうか?去年の10月の受診では異常はなかったのですが、急に癌になることもあるのでしょうか?よろしくお願いします。

初めの病院で乳癌と診断されたと言うことですね。非浸潤癌というのは早期乳癌で、転移の可能性が極めて少ない(原則的には転移しない)癌なので、手術で完全に切除してしまえば99%以上の確率で治癒する病変と考えられています。ただ非浸潤癌の特徴として、画像で描出される大きさよりも広範囲の乳腺へ拡がっている可能性があるため、数年前までは乳腺全摘出術の適応と考えられていました。しかし、現在はMRIやCTなどによる「拡がり診断」の技術が進んできているので、乳房温存術を受けられる症例も増えてきています。貴女の場合は2cmの腫瘤形成性の非浸潤癌のようなので、状況によっては乳房温存術が可能かもしれません。主治医とよく相談して術式を決定するようにしてください。(文責 千島)

 

No.2652】 04年07月20日   H・E
抗癌剤治療について

あいまいな内容で申し訳ありませんが、ご相談いたします。知人の母(57)が、3月に左乳房の乳癌(5p)の温存手術をいたしました。抗癌剤を服用していましたが、肝臓への転移が分かりました。HER2発現が認められたので、ハーセプチンの投与を1週間に1度受けることになりました。肝臓なのでOPEはしません。管を通してピンポイントで癌を攻撃するので副作用は少ないと説明を受けました。自費になるし、延命治療ではないかと、本人に負担になるのではないかと悩んでいます。ハーセプチンを投与して、癌が縮小するものかどうか、ここまできて完治するのか、投与しなければ余命はどれくらいかという点をお尋ねいたします。はっきりしない点が多くて申し訳ありませんが、よろしくお願いします。知人(36・女性)は癌の家系で、母の親姉妹は60代で癌で亡くなっています。70歳以上の方はいないそうです。1年に1回癌検診を受けるだけで大丈夫なのでしょうか。それについてもアドバイスをお願いします。

術後にどのような化学療法を受けていたかによっても今後の治療法が変わってくると思います。ただHER2が陽性であるということなので、肝転移治療にハーセプチンが有効と考えられます。ハーセプチンはもともと一般の抗癌剤と比較して、全身に対する副作用は少ないと考えられています。にもかかわらず、ハーセプチンの副作用を軽減するために肝臓へ管を入れてピンポイントで癌を攻撃する治療(肝動脈内注入治療?)を選択する意味が良くわかりません。ハーセプチンは静脈からの全身投与が原則の薬です。ピンポイント治療などのように特殊な使い方をして治療費が自費になってしまうと、薬剤費と処置料でおそらく毎週10万円近くの出費が必要となってしまうのではないでしょうか。もし術後に抗癌剤の内服治療のみで治療をしていたのならば、おそらくハーセプチンの全身投与でも20〜25%、さらにハーセプチンとパクリタキセルという抗癌剤を併用すれば45〜50%の腫瘍縮小効果が期待できます。まだまだ保険診療内で十分な治療効果が期待できるので、現在の病状について主治医とよく相談しながら、経済的な意味も含めてより適切な治療法を選択するようにしてください。
癌と遺伝についてですが、同じ臓器に癌が発生して初めて家族性癌と診断されます。もう一度、親族の方々がどのような癌で死亡したのかをよく調べて、今後はどのような注意が必要なのか、検診施設などで開かれている「がん相談窓口」で指導を受けるようにしてください。(文責 千島)

 

No.2651】 04年07月20日   ATS
脇の下(上部)のしこりについて

お忙しい中恐れ入りますが、相談させてください。現在米国在住、35歳(出産未経験)です。10日ほど前から突然ぽこんとしこり(2cmぐらいのもの)が、右脇下の中央より上部(胸より遠い方)に出来ました。しこりは硬くもなく、柔らかくもなくという感じです。楕円形で、その部分だけ突起しています。手を頭の後ろにやると目立つような感じで、日常生活に支障がある程ではありません。痛みは感じられません。生理は3週間ぐらい前にありました。本日主治医に触診してもらったところ、胸には何ら問題は見られないし、脇の下も何も異常は認められないと言われました。ちなみに体型はやせ型です。気のせいか右肩の方のこり及び腕のだるさを多少感じます。リンパの腫れでしょうか?宜しくお願い致します。

こればかりは診察させて頂かないとなんともいえません。脇の下(腋窩)と言っても範囲が広いので、「中央より上部(胸より遠い方)」がどの部分に当たるのかがよく分かりません。大きさが2cmで「しこり」の部分が突起していると言うことなので、深い部分のリンパ節や腫瘍は考えにくく、皮膚表面の腫瘤などが考えられます。腋毛が生える部分なら、腋毛の根部に炎症を起こしている可能性もありますが、痛みや発赤を伴わなければ否定的です。その他として、体のどの部分に起こってきても不思議ではない皮膚の腫瘤として脂肪腫や粉瘤等も考えられます。少なくとも主治医が診察しても乳房や腋窩に異常がないとおっしゃるのなら、しばらく経過観察をして、痛み、発赤、増大傾向等を認める時に、再度診察してもらうようにしてはいかがでしょうか。(文責 千島)

 

No.2650-1】 04年07月18日   K 
手術を受けるのですが、不安です

37才の主婦(子供8才、3才の2人)です。左胸上部外側にしこりがあり、乳腺外来で検査をうけました。結果は、大きさ約1cmクラス5の悪性のがん ER;1 PgR;2 HER2;3+ です。手術は、くりぬき術とセンチネル生検を行うことになりました。検査は、エコーとマンモグラフと針生検のみです。RI、CT、MRIなどしなくても大丈夫なのでしょうか?ちょっと不安になり、質問をさせていただきました。よろしくお願いします。

腫瘍の大きさが1cmと小さく、リンパ節がなさそうであることから、、遠隔転移がすでに確認できる状況とは思えません。したがって、それらの検査は必須ではありません。乳腺内での広がり診断のためにMRIなどの画像診断が有用であるとの意見もありますが、絶対的なものではありません。(文責 徳田)

 

No.2650-2】 04年07月30日   K 
術後のしこりが気になります

No.2650で質問させていただいています。7/20にくりぬき術とセンチネル生検を行いました。日帰り手術で、7/24に通院で最初の診察を受けました。腫れや内出血があるものの、特に異常はなく、まだ検査結果がでていないので、次回の診察日は8/2です。内出血は、まだひどいのですが、腫れはだいぶとれました。気がつくと、センチネル生検を行った傷跡のすぐ下に3cm位のしこりのような固いものがあります。これは、リンパが腫れているのでしょうか。主治医は、手術前にはリンパの腫れは確認できないといっていたので、手術で転移がおこったとは考えられますか。よろしくお願いします。

手術で転移が起こるとは考えにくいです。手術の影響と考えられますので、主治医にお尋ねください。(文責 徳田)

 

No.2650-3】 04年08月19日   K 
病理の結果と今後の治療法について

HPNo.2650で質問させていただいてます。いつも迅速な回答、ありがとうございます。7/20左乳房部分切除術とセンチネルリンパ節生検を行いました。術前では、放射線治療だけでもいいかなという話でしたが、病理の結果が出て、放射線治療を受けた後、補助療法も考えましょうということになりました。結果が悪いのでしょうか?(術前では1cm位のしこりといわれていたから?) 結果は以下の通りです。通常考えられる治療法を教えて下さい。
  癌巣 25x8 mm
  Invasive ductal carcinoma of the left breast
  pab-tab > scirrhous ca.  (←これは、どういうことでしょうか?)
  f(+), ly1, v0, n0 [0/1].
  Differentiation or tubular formation: 2
  Pleomorphism: 2
  Hyperchromatic and mitotic nuclei: 2
  ER: 2+ PgR: 2+
  HER: 3+
  37才(子供2人)
「リンパ管侵襲が見られますが、明らかな脈管侵襲は認められません。」という部分がありました。私はセンチネル生検しかしておらず心配です。これは、どういうことでしょうか。よろしくお願いします。 

Kさんのがんは、全身補助療法の中で内分泌療法の効果が期待できる、ホルモン感受性があるタイプのがんです。病理の結果だけでは、抗ガン剤による全身補助療法は必要なさそうですが。
pab-tab > scirrhous ca.←これは、乳頭腺管がんの部分が硬がんの部分より多いということです。また、「リンパ管侵襲が見られますが、明らかな脈管侵襲はみとめられません。」というのは、がんと一緒に切除した乳腺の中で細かいリンパ管にがん細胞が入り込んでいるが、細かい血管にがん細胞は入り込んでいないということです。術後の治療を考える際には、リンパ節転移の有無の方がずっと重要です。リンパ管侵襲の有無では決定しませんので心配は無用です。(文責 緒方)

 

No.2650-4】 04年08月25日   K 
ホルモン療法について

HPNo.2650で質問させていただいてます。ご回答いただいた通り、ホルモン療法を受けることになりました。ゾラデックス+アリミデックスによる治療です。通常はノルバデックスを使うのではないのでしょうか? アリミデックスという選択はノルバデックスよりも有効なのでしょうか? ご意見をよろしくお願いします。

ゾラデックスとノルバデックスを併用することで単剤よりも効果があるとの報告があります。しかし今の段階ではゾラデックスとアリミデックスを併用し効果があるという十分なデータは示されてないように思いますが、今後、データが蓄積され標準的な治療の組み合わせになる可能性は十分にあります。ゾラデックスにノルバデックスを併用した場合にノルバデックスにより子宮に副作用が出現したり、更年期様の症状が強く出現し、ノルバデックスの継続使用が危惧される場合に、ゾラデックスを残してアリミデックスに変更する治療法も考えられます。(文責 川本)

 

No.2650-5】 04年10月25日   K 
放射線の治療中です

HPNo.2650で質問させていただいています。いつも適切なアドバイス、有難うございます。37才、閉経前、子供8才と3才です。7月に左乳房温存手術+センチネルリンパ節生検をしました。補助療法は、ホルモン治療(ゾラ+アリミデックス)と放射線(治療中、2グレイ×25回の予定)です。腫瘍径25×8mm、ER(2+)、PgR(2+)、HER2(3+)、 Grade 2、f(+)、ly1、v0、n0[0/1] LN level1:(0/1)

1) 病理の結果、「Carsinomaが下方の剥離面より1mm離れている箇所があります(写真では5カ所)」とあり、 断端陰性ではあるものの、まだ癌が残っているのではないかと心配です。どう思われますか? また、放射線で乳房内に残ったガン細胞は死滅するのでしょうか?
2) リンパ管侵襲がみられる」とあり、(腫瘤経が25ミリあったのに、センチネル生検だったので)、本当にリンパ節に転移がなかったのか心配です。センチネル生検の信頼性というのはどれくらいあるのでしょうか? リンパ節は1つしか取っていないようです。腫瘤の大きさ等を考えるとリンパ節に追加ブーストした方が良いのでしょうか?
3) 月に一度ゾラテックスを注射していますが、2,3ヶ月に一度注射すればよい薬があるそうですが、それについて教えて下さい。
4) HER2強陽性や年齢なども考慮して、再発や転移の可能性はどれくらいで しょうか。

お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

1) まだ癌が残って いる可能性があると考えます。しかし、放射線照射を行うので、乳房内に残ったガン細胞が死滅することは十分期待できます。
2) センチネル生検の信頼性というのはかなり高く、私共の成績では94%ぐらいの確実性があります。リンパ節に追加ブーストした方が良いかどうかは考え方、医師によって変わってきます。私は上腕浮腫が怖いので、腋窩に放射線照射するくらいなら、手術によるリンパ節郭清を勧めます。
3) 2,3ヶ月に一度注射すればよいホルモン剤が開発中ですが、まだ認可・発売されていません。
4) HER2強陽性、年齢、n0(?)、t?、f、ly1再発・転移などを考慮すると、再発・転移率は5年で10%前後、10年で20%前後と考えます。(文責 石川)

 

No.2650-6】 05年06月10日   K 
肋骨の痛みについて

HPNo.2650で質問させていただいています。いつも適切なアドバイスありがとうございます。37才、閉経前です。H16.7に左乳房温存手術+センチネルリンパ節生検をしました。H.16.10に放射線療法を行い、現在はホルモン治療(ゾラ+アリミデックス)をしています。腫瘍径25×8mm、リンパ節転移なし、ER(2+), PgR(2+), HER2(3+), Grade 2。最近、患側の胸骨、肋骨の痛みがひどくなりました。以前から胸骨は痛かったのですが、手術と放射線の影響だと思っていました。最近、肋骨の痛みが出てきました。熱を持っている時もあります。放射線を受けていた範囲よりも外側の肋骨も痛いです。押したり、腕を上げたりすると結構痛いです。H.17.3に術後初めて腫瘍マーカーをはかりました。CEA1.3、CA15−3 16、ALP236。放射線による骨折だと思っていましたが、ALPの値が高いので転移なのかと心配しています。どう思われますか。もし行うとしたら、どのような検査が必要なのでしょうか?宜しくお願いします。

放射線治療や手術を行うと術後に手術した側の痛みを訴える方がいらっしゃいます。骨転移がなくても、骨シンチをして肋骨に集積をみることはよくあることです。しかし痛みも強いようですし、できれば肋骨の単純レントゲン写真、CTなどで確認するのも1つです。主治医にご相談ください。(文責 福間)

 

No.2650-7】 06年08月15日    K 
検診内容とハーセプチンについて

HPNo.2650で質問させていただいています。いつも適切なアドバイスありがとうございます。39才、閉経前です。H16.7に左乳房温存手術+センチネル生検をしました。H16.10に放射線療法(50グレイ)を行い、現在はホルモン治療(リュープリン+アリミデックス)をしています。腫瘍径25×8mm、リンパ節転移なし、ER(2+), PgR(2+), HER2(3+), Grade 2。現在、再発、転移なし。

1) 術後2年になりますが、診察時にはエコーはしません。主治医は腫瘍マーカーも意味がないと言います。1年前にエコー、マンモ、PETを検査して以来、検査というものはしていません。今回、術後2年ということで、来週、PET-CTをやることになりましたが、感度がよいのでエコーやマンモをやる必要がないとのこと。検査は、この程度でよいのでしょうか。
2) 今後の治療は当初2年の予定のリュープリンが5年にのびました。リュープリンを5年も打ち続けても大丈夫なのでしょうか。
3) 術後2年の間に、ザンクトガレンのガイドラインが変更になり、HER2強陽性という因子がいつも気がかりでした。サンアントニオでは、HER2陽性の早期乳癌患者の術後補助療法としてのハーセプチン使用は無再発生存率を改善させるという報告がされました。現在の治療を続けるよりも、(保険適用外ですが)ハーセプチンを1年間投与した方がよいのではと考えています。しかし、現在の治療で2年間再発・転移なしできているし・・・。ハーセプチンへの変更はどう思われますか?

1) ASCOのガイドラインでも一年に一度のマンモグラフィーは推奨されています。乳房内再発、対側乳がんのチェックにはマンモグラフィーのほうが良いと思います。全身の検査としてはPET-CTが良いと思いますが、健康保険が利かない問題があります。腫瘍マーカーは意見が分かれるところです。米国のように、その検査を行うことがその患者さんの予後の改善に役立つかという視点では、役立たない、だから不要という結論になります。しかし、現在の状態を知りたければ、検査する意味はあると思います。
2) リュープリン5年の大きな問題点は骨粗しょう症です。定期的な骨密度の検査が必要になります。それ以外は特に問題ないと思います。私の不勉強でしょうか、リュープリン5年の新しいevidenceを知りません。
3) 難しい問題です。確かに貴女のようにHer2(3+)の患者さんの術後にハーセプチンを抗がん剤と共に使うと、抗がん剤だけの場合と比べて再発を半減させられるという結果が得られていますが、術後2年経過後でもハーセプチンを使った方がよいというevidenceはありません。しかし、たとえリンパ節転移がなくともHer2(3+)は予後不良因子であることを考えると、たとえ2年後であってもハーセプチンを使ってみるという選択肢もあります。しかし使うのであれば抗がん剤との併用ということになりますから、当然副作用も大きくなります。思案のしどころだと思います。主治医の先生とよく相談してくださいし、納得できる方法を選択してください。(文責 清水)

 

No.2650-8】 07年02月01日    K 
PET−CTの結果について

HPNo.2650で質問させていただいています。いつも適切なアドバイスありがとうございます。39才、閉経前です。H16.7に左乳房温存手術+センチネル生検をしました。H16.10に放射線療法(50グレイ)を行い、現在はホルモン治療(リュープリン+アリミデックス)をしています。腫瘍径25×8mm、リンパ節転移なし、ER(2+), PgR(2+), HER2(3+), Grade 2。現在、再発、転移なし。
8月にPET−CTを受けました。結果は、再発や転移を疑う集積は認められないということでした。ただ、「右肺下葉に多発性小嚢胞を認めます」という記載がありました。これは、今後右肺に転移する前兆ということなのでしょうか? 乳ガンとなにか関係があるのでしょうか?

乳癌とは特に関係ないのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.2649-1】 04年07月18日   M.R
手術の痕はどのように残るのでしょうか?

32才の未婚女性です。出産経験無しです。ご相談させていただきたく、メールを致しました。5/22に健康診断で乳房エコーをとりました。結果、右乳腺内のう胞性病変で要精密検査とあり、二つの病院で診ていただきました。6/30に一つ目の内科・放射線科でエコーをとり、乳輪線(上部内側)の下辺りに、5〜6ミリののう胞があり、のう胞内に1ミリ程度のでっぱりがあると言われました。「通常のう胞は水で出来ているので問題ないが、でっぱりがあるので、それが悪性のものかどうかは現時点では小さすぎてわからない。3ヵ月後に来てください」と言われました。男性近親者の数名が癌でもあり、3ヵ月後の診察で大丈夫か不安になり、セカンドオピニオンを求めて、7/6に総合病院の乳腺外科で診察していただきました。マンモグラフィでは悪性らしきものは見当たらないとのことでした。エコーでみた後に、針で刺して細胞をとって検査をして頂きました。「針で刺したけれども、水が抜けた様子はない。乳管内乳頭腫ではないか。」言われました。7/14に細胞診の結果が出まして、「悪性なものは見当たらなかった。ただ細胞が取れなかった場合もあるし、針で刺しても水が抜けなかったので、また3ヵ月後に来てください。そんなに心配しなくてもいいですよ。ご自分でも時々触って大きさを確認してみてください。」と言われました。検査結果に安心できずにいます。何点か質問をさせて頂きたいのですが、よろしくお願い致します。

1. マンモグラフィがうまく撮れなかったのか、右胸は4〜5回ほど撮影されました。放射線量は問題ないのでしょうか? 7/6以降右胸全体に違和感・圧迫感があります。
2. のう胞を針で刺しても、水が抜けない状態は異常なのでしょうか? こののう胞又は乳管内乳頭腫は、どれ位の大きさになったら、摘出するものなのでしょうか?
3. のう胞を頻繁にさわっていて(毎日)、大きくなることはありますか?
4. のう胞内のでっぱりが癌で、細胞がとれていなかった場合、3ヵ月後の検査で大丈夫なのでしょうか?
5. でっぱりが癌だった場合、どのような手術になりますか? 執刀位置、傷跡、乳房全体を摘出することになるのでしょうか?

3月に扁桃腺摘出手術を受けたり、レーザー脱毛により毛膿炎ができたりで、昨年から体調を悪くし、かなりの量の薬を服用しています。のう胞との因果関係はわかりませんが、出来ていた事にも全く気が付かず、次から次へと体調が悪くなり、不安です。また、3ヵ月間、悪性の可能性があることを覚悟しながら生活したらよいのか、気にせずにいたらいいのか、心のバランスも不安定です。お忙しいところ、大変恐縮ですが、ご教授よろしくお願い致します。

1. 放射線の被爆量としては、一般人としても許容範囲内です。
2. 濃縮された液がたまったものですと、粘度が高く吸引できないことがあります。乳管内乳頭腫と考えられれば良性ですので摘出する必要はありません。
3. まずありません。
4. 悪性であるとしても、そのような短期間で急速に増大することは起こりにくいと思われます。
5. 5-6mmで、のう胞内に限局しているとすれば小さな切除ですみます。全摘は、まずする必要はありません。(文責 徳田)

 

No.2649-2】 04年09月27日   M.R
のう胞について

NO.2649で質問をさせて頂いたM.Rです。迅速な回答を頂きまして、ありがとうございました。9/21に3ヵ月後の再診に行ったのですが、何点か質問がございます。6/30の診察では、のう胞の大きさは6ミリで、中に1ミリのでっぱり(白く写っていました)があり、でっぱりは乳管内乳頭腫ではないかとの事でした。細胞診の結果は悪性ではなかったのですが、小さすぎて細胞を採れていないこともあるとのことで、3ヵ月後の再診になりました。今回(9/21)はエコーの結果、6/30と大きさは変わらないので、細胞診はしないとの事で、また3ヵ月後に再診となりました。今回は石灰化かな?と言われ、他にも石灰化が複数見られるとの事でした。H.Pを拝見しますと、のう胞内に悪性腫瘍ができることもあると知り、心配です。
1) 石灰化とは何でしょうか?悪いものなのでしょか?
2) 細胞診もしてもらえば良かったのではないかと後悔しているのですが、私のケースで最良の検査方法は何でしょうか? 細胞診、マンモトーム、エコー検査だけで良かったのでしょうか?
3) 3ヵ月ごとの検査を続けて、将来、のう胞内の良性腫瘍(乳管内乳頭腫か石灰化か不明)が悪性に変わる事もあるのでしょうか?
4) 3カ月ごとの検査は何年間くらい続ければいいのでしょうか? 腫瘍が大きくなって、悪性になるのを待っているような気がするのですが。
5) のう胞はどれ位の期間で6ミリ位になるのでしょうか?
6) 今後考えられる治療方法は何でしょうか?
7) 万が一悪性であることも考慮して、セカンドオピニオンを求めた方が良いような症状でしょうか?

お忙しいところ恐れ入りますが、ご教授お願い致します。

1) 石灰化というのは乳腺の中にカルシウムが沈着したものです。いろいろな原因がありますが、その中に乳癌に伴う石灰化があるので注意が必要です。しかし、嚢胞内の出っ張りが石灰化となると悪いものの可能性は低いと思います。
2) 嚢胞内の小さい病変を検査するのであれば、細胞診が一番確実だと思います。
3) 良性腫瘍が悪性に変わることはありません。最初に良性か悪性かの確定診断するのが難しいのです。
4) 最初の3ヶ月で大きさが変わらなければ、悪性の可能性は低くなるので、その後は徐々に検診間隔を広げても良いかもしれません。
5) 嚢胞は一晩で数センチになることもあります。徐々に大きくなるものではありません。
6) 3ヶ月で大きさが変わらなければ、このまま経過を見ても良いと思います。
7) 万が一の悪性を心配するならば、セカンドオピニオンを考えるより、もう一回細胞診を行ってはどうでしょうか。それでも心配ならば摘出するのがよいと思います。(文責 清水)

 

No.2648】 04年07月18日   ゆーたん
乳輪腺の腫れについて

はじめまして。33歳既婚の女性です。まだ出産経験はありません。最近乳輪腺の1箇所が大きくなり少し腫れていて、つまんでみるとしこりのように中に小さいのですが、かたくなっています。少し衣服がこすれたりすると、かすかな痛みもあるようになりました。しこりが多少大きくなっているような気がしたので、つまんでみたら、突起状のところから脂肪のようなものが出てきました。液状ではなく真っ白いラードのようなもので、血などは混じっていませんが、結構な量でした。これはただ乳輪腺が脂肪でつまったものでしょうか?それとも悪い病気でしょうか?これから出産も考えているのでとても心配です。やはりきちんと病院で調べた方がよいのでしょうか?

ご診断のとおりと思います。まず心配ありません。(文責 徳田)

 

No.2647】 04年07月18日   マミ
ホルモン治療の期間について

初めまして、マミと申します。私は現在リュープリンを2年間の予定で注射していますが、あと2回で予定の24回を迎える事になっています。そこでこのまま2年でリュープリンを終了するべきか悩んでいます。私は年齢が現在38歳、硬癌でリンパへの転移が5つありました。術後は抗癌剤CEFを3週ごとに8回点滴しています。実際リュープリンが終了すれば生理が戻ってくる可能性があるのに、やめてしまって良いのでしょうか?やめないで続けた場合はどの位の期間続けたら良いのでしょうか?出来ればご意見をお聞かせ頂ければ、幸いです。宜しくお願い致します。

リュ-プリンやゾラデックスなどの至適投与期間については十分なデータがありません。現在はっきりと分かっているのは、「2年から5年の期間で投与すると明らかな乳癌再発抑制効果が認められる」ということです。しかし「2年投与で十分なのか」、「5年投与のほうで効果が高いのか」についての結論は分かっていません。貴女の場合、CEFを8コース施行した後にリュ-プリンを2年間続けているので、すでに閉経状態になっている可能性もあります。一度リュープリンを中止して月経再来の有無を確認するか、中止数ヵ月後に血中性ホルモン(エストロゲンやFSH)を測定して卵巣機能を調べてみてはいかがでしょうか。(文責 千島) 

 

No.2646】 04年07月18日   E.K
乳頭腫切除(HPNo.2527-2)

HPNo.2527で相談させていただいた者です。お答えいただき有難うございました。切除する方がいいとのお答えをいただいたので、もう一度先生とも話しをして、切除することにし、昨日手術を受けました。切除した部分を見せてもらい、これが乳腺でこれがのう胞で、との説明を受けました。私の勝手な思い込みで、乳頭腫のある小さな部分を切除するものと思っていたのですが、見せてもらったものは2.5cm×1.5cmくらいの大きさで驚きました。乳頭腫を切除するということは、乳腺も切除するということなのでしょうか。乳頭腫があるのう胞の部分だけを取るということは無理だったのでしょうか。その場では先生に聞くことができなかったので、自分自身が納得するためにも教えていただけたらと思います。 

手術治療へ同意する前に、切除範囲、傷の大きさ、合併症などについて主治医から十分な説明があったものと思います。その繰り返しになってしまうかもしれませんが、一般的な手術方法についてもう一度説明いたします。病変が乳管内乳頭腫の場合は、その乳頭腫を含む乳腺区域を切除(乳管腺葉区域切除)という手術を行います。この手術は局所麻酔・外来通院で行いますが、乳腺全体の1/8〜1/5程度を切除するため、傷も乳房変形も腫瘤を摘出するだけの場合に比べて大きくなります。一方、のう胞内乳頭腫の場合は症状・大きさによって術式が異なってきます。血性乳頭分泌物を伴うような場合には、乳管内乳頭腫に準じた手術を行うこともありますが、のう胞が限局して乳頭分泌物もないような場合は、のう胞だけを摘出する術式となります。この時はのう胞壁を破らないようにするために、周囲に正常な乳腺組織をつけて、のう胞を取り囲むようにして少し大きめに切除します。(文責 千島) 

 

No.2645-1】 04年07月18日   Y.M.
術後療法について

現在受けている治療について疑問に思うところがありますのでメールいたしました。温存手術の4週間後、化学療法(CMF・6サイクル)といわれ、2サイクル終了した時点ですべての病理検査がわかり、化療を中止して放射線治療に変更しました。放射線治療は全体照射25回・部分照射8回。その終了1週間後に化療を再開するのですが、放射線治療後から化療までのインターバルの期間はどのくらいあったほうが良いのでしょうか。教えていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

どのような病理所見・経緯をもって術後化学療法中に放射線治療へ変更になったのかは不明ですが、放射線照射が終了していれば、1週間後に化学療法(特にCMF療法)を再開しても問題ないと思います。(文責 千島) 

 

No.2645-2】 04年09月29日   Y.M.
化学療法について

7月18日、HPNo.2645で相談したものです。
・3月5日 左乳房温存手術 ・4月、5月にCMF化療 ・6月7月に33回の放射線治療 ・8月4日、放射線治療1週間後から化療再開。
次週11日、白血球の数値が2100の為、化療中止。白血球を上げる飲み薬セファランチン末1%を2週間服用。途中17日に血液検査するも数値は上がらず2100。この後、次月の予約まで様子を見るということになりました。9月8日の血液検査では以前より数値が落ち2000。主治医は「放射線の副作用で数値が下がったのでしょう」といわれました。お薬を服用しても回復せず、計画通りに化療が進まず、期間をひと月も空けていいのか不安になります。体調は悪くなく食欲はあり、睡眠も支障なく眠れます。質問ですが、
1) 服用薬以外に白血球を上げるにはどうしたらいいか?
2) 化療の間隔はどのくらい空けてもいいのか?
よろしくお願いいたします。

長期にわたる化学療法、手術、放射線治療あるいはストレスなどが化学療法中の白血球減少の原因になります。化学療法の間、あまり期間はあけないようにするのが原則です。今後CMFを再開しても同じような状態が続くようであれば、薬剤を減量するか薬剤を変更することになると思われます。現在体調がいいようなので、現状はそのままの状態を維持してください。なおG−CSF製剤で白血球を一時的にあげる方法がありますが、一時的な効果です。(文責 福間)

 

No.2644】 04年07月18日   F.T. 
乳ガン転移についての相談(HPNo.2232-6

ご回答ありがとうございました。
1) 原発乳癌の組織型について、回答の中に、浸潤性乳管癌(硬癌)とありましたが、私の組織型は充実腺管癌で、一部切片には、浸潤性管状腺癌の微少な遺残が認められていたそうです。この組織の場合も回答していただいた内容と同等のことが考えられるのでしょうか。先日、主治医ではない先生にお話を伺ったのですが、胃のことよりも乳ガンからの転移が重大なことである。原発は、ホルモン受容体が(+)でも胃の組織が(−)に変化する場合もあるとの内容のことを言われました。やはり、原発と今回の組織の染色体に関してもう一度調べてもらう必要がありそうですか。
2) HER2タンパクが+1でもあればハーセプチンが有効と考えてよいのでしょうか。
3) 骨シンチでみられた影についてですが、転移であった場合、抗ガン剤治療か放射線治療かの選択はどのような状況、症状で決めていくのでしょうか。
教えてください。よろしくお願いします。

1) 胃生検の所見も充実性腺管癌であったということでしょうか?それならば乳癌の胃転移の可能性が高いと思います。ホルモンレセプターに関しては、きちんとした免疫染色を行えば、通常は原発巣と転移巣での発現は一致することが多いようです。しかし、もともとの一つの乳癌も「同じ細胞」の集団ではなく、腫瘍の場所によって細胞形質が異なっているので、ホルモンレセプター発現が弱い部分の乳癌細胞が転移した可能性は十分にあります。その場合は検査結果に不一致が出ても不思議ではありません。
2) HER2蛋白発現が1の場合は、ハーセプチンの効果はあまり期待できないので「適応外」と考えられています。
3) 貴女の場合は他の臓器転移も伴っているので、まずは全身療法(放射線以外の治療)を優先させるほうが良いものと思います。骨転移に対する放射線治療は、転移による疼痛の軽減には効果を発揮しますが、骨転移を消失させてしまうほどの効果は期待できません。貴女の場合は転移再発乳癌の中でもかなり特異で治療の難しい症例なので、一度専門医のセカンドオピニオンを受けてみてはいかがでしょうか。セカンドオピニオンを受けることは、決して「主治医の誠意を無にする」ものではありません。(文責 千島) 

 

No.2643】 04年07月18日   もえぎ
術後のマンモ検査について(HPNo.2567-3)

いつもお世話になっております。HPNo.2567でお世話になりました。今日、月に1回の検査に行って参りました。石灰化の部分と異型乳管過形成の病巣(?)部分の摘出手術後は順調とのことで、エコー検査をしまして、こちらも大丈夫とのことでした。「月に1回というペースで、もう検査しなくてもいいです」と言われ、来月はお休み。9月にMRIをしてみましょうと言われましたが、最初の検査のMRIのときに、初めてでもあったのですごく恐怖心があり中断してもらったりしたので、「閉所恐怖症ではないと思うが、MRIは怖い。」といいました。そしたら、マンモをしましょうということになりました。前回(手術前)のマンモの検査はなんともなかったのですが、今は手術した乳房下部が固くなっています。押すと痛いのですが、固さはかなりあり、主治医はこの固さは残るかもしれないと言っています。こんな固さの部分をはさむ検査が出来るんですか? 「痛いですが」というと、痛いですが我慢してと言われました。検査に必要ならば仕方ないのですが、こんな固いままはさんでしまってなんともないのでしょうか?

病理組織検査の結果にもよりますが、単に異型乳管過形成のみであれば、1ヶ月ごとに検査を行う必要はないと思います。組織検査の結果、一部に非浸潤性乳癌(乳癌の初期像)が含まれており、さらに切除した部分以上に拡がっている(切除断端陽性)の場合には、頻回の検査が必要ですが、それでも1ヶ月ごとというのは、検査が頻回過ぎて効率が悪いように思います。術前のマンモグラフィでは所見がなかったとのことなので、術後のマンモグラフィでも手術後の変化以外は所見が見つからないことと思います。ただし、現時点で「異常なし」のマンモグラフィを撮影しておけば、これからの経過観察中に乳癌が発症した場合、マンモグラフィを比較検討することで、乳癌の早期発見に役立つことと思います。手術後の瘢痕(硬くなっている部分)があっても、マンモグラフィは撮影可能なので安心してください。いずれにしてもマンモグラフィは3ヶ月から1年毎でよいのではないでしょうか。(文責 千島) 

 

No.2642】 04年07月17日   R.A
AC療法の間隔について(HPNo.2534-3)

度々の質問、失礼致します。以前、「1回目から2ヶ月間隔が空いてしまうのですが…」という質問をさせて頂きましたが、病院側より「他に優先の患者さんがいる」などの理由により、2回目を未だに受けられません。結局3ヶ月空いてしまうと思うのですが、効果はもとより投与法としては問題は無いのでしょうか?また、2ヶ月以上間隔が空いている今の体調としては、普通の人と変わらない状態に戻っていたりするのでしょうか?もしくは、やはりまだ白血球などが不安定な体調なのでしょうか? 何事に関しても主治医より詳しい説明が頂けず、むしろ不安に陥ってしまうような態度ばかりとられてしまうのですが、現在の状況で、他の病院に変更して治療を続行するということはできるのでしょうか?

最近は抗癌剤投与の間隔を短くして、2週間ごとに投与したほうが、3週間ごとの投与よりも効果が高いと言われています。ましてやAC療法での投与間隔が3ヶ月間も空いてしまっては、術後補助化学療法としての効果も定かではありません。前回の質問時のように、お母様が体に不調を訴えているならばまだしも、「他に優先の患者さんがいる」などの理由で化学療法を延期することはあり得ないと思います。3ヶ月間も化学療法を延期するからには、身体的副作用などでお母様自身に何かしらの理由があるはずです。もう一度主治医に説明を受けるのが一番ですが、それが難しいようならば、主治医に紹介状を作成してもらってセカンドオピニオンを受けるのも良いのではないでしょうか。(文責 千島) 

 

No.2641】 04年07月17日   Y.F.
右胸のしこり

はじめまして。26歳女性です。最近右胸の乳首直下に自分で触った感じでは3cm位のしこりを見つけました。丸くなくて、四角い感じです。全く動きません。触った感じは、ざらざらしているような感じです。痛みも無いし・・・。生理前になると歩けなくなるくらいに胸が張って(毎月のことなのですが・・・)、その時に右手を上げる(ばんざいをする)と、その部分がポッコリとでてきます。でも、生理が終わると手を上げても出てきません。座って触るより寝てさわった方がわかりやすいのですが、しこりの部分を撫でてもあまりわかりません。つまんだ方がよくわかります。やはり病院で検査してもらった方がよいでしょうか?なんだか恥ずかしくて行く気になりません。しかもまだ、癌の好発年齢でもないし・・・。少し悩んでいます。

性周期によって症状が変わるのであれば、月経前に腫大した正常な乳腺(乳腺症)の一部を触れている可能性が高いと思います。乳腺症によるしこりには、「表面が顆粒状(ザラザラしていて)で、周囲乳腺との境界が不明瞭な平べったいしこりとして触れることが多く、指でつまむことは出来ても指先でなでるとわかりにくくなる」という特徴があります。一見、貴女のしこりの特徴と極めて似ていると思われますが、26歳でも乳癌の可能性はゼロではないし、むしろ30歳以前の乳癌症例も少なくありません。一度乳腺外科を受診して、超音波やマンモグラフィ検査を受けることをお勧めします。(文責 千島) 

 

No.2640】 04年07月17日   M.S.
癌性髄膜炎のその後(HPNo.2136-2)

半年程前に姉の乳癌からの転移で癌性髄膜炎の相談をした者です(No.2136)。その節はありがとうございました。その後放射線治療のお陰で嘔吐、頭痛等は改善され、現時点で意識障害等の症状もなく普通に生活しておりますが、最近切除した乳房のあたりにポツポツといぼみたいなのができ、病院に行ったところ乳癌の再発と診断されました。今後の治療で悩んでおり、再度ご相談する次第です。
1.3年前に抗がん剤治療はしました。アドリアマイシン(?)と何かを半年間投与。抗がん剤治療は2度目と云う事もあり、副作用の方が強くて、あまり効果は期待できなと言われていますが、本当でしょうか?その他の抗がん剤はどうでしょうか?
2.その時に放射線治療はしておりませんが、今から行なって放射線治療の効果は期待できますか?
3.再発の乳癌にホルモン療法は有効でしょうか?

今のところ、癌性髄膜炎、胸のいぼ以外にめぼしい転移の症状はありません。無意味な事はさせたくないと思っている反面、少しでも延命できればとも思っています。お手数をお掛けしますがよろしくお願いします。

1.乳癌に対する抗癌剤はアドリアマイシン(アンソラサイクリン系抗癌剤)以外にもタキサン系の抗癌剤など多くの種類があり、2回目の治療でもかなりの効果が期待できます。
2.ボツボツが出来始めてから放射線を当てても、完全に消し去るのは難しいかもしれません。抗癌剤でボツボツが縮小するようならば、放射線を組み合わせることで皮膚再発をコントロールできる可能性があります。
3.初めに手術したときの乳癌がホルモン療法剤に対する感受性を持っていれば、今回の皮膚再発に対しても効果があるかもしれません。ただし、今までどのホルモン療法剤をどのくらい使用したかによっても効果の発現率が変わってきます。これらの治療も、脳転移がどの程度コントロールされているかによって選択基準が変わってきます。前回の回答でもあったように、脳転移に対しては抗癌剤が効きにくいので、脳転移の進行が早いようならば、あまり強い抗癌剤治療でボツボツと戦っても、副作用に苦しむだけで、あまり意味がないかもしれません。もう一度主治医から今後の予想される経過や、抗癌剤の効果と副作用のバランスに説明していただき、お姉さまにとって最良の治療を選択するようにしてください。(文責 千島) 

 

No.2639】 04年07月17日   K.H
乳頭乳輪のいたみ

ご相談させていただきます。52歳の主婦です。4-5日前から洋服が触れると乳頭が痛み、暑さのせいで炎症でも起きたのかと消毒したり、家にある軟膏(皮膚炎)をぬっておりますが、よくなりません。よく見ると乳輪にいぼのようなふくれたものがあり、2−3個かたまって、それも痛みがあります。乳首に近いものは大きく痛いように思えます。左右両方にありますが、前からあったようにも思うのですが、痛んだりしなかったので、あまり気にしたことがありませんでした。乳腺症といわれたことはあります。やはり外科の診察を受けたほうがいいでしょうか? 宜しくおねがいいたします。

「イボのように膨れたもの」はモントゴメリー腺と呼ばれる汗腺(汗を分泌する器官)の一つで、女性の乳輪には必ず存在します。ボツボツの大きさにはかなり個人差もありますし、同じ人でも年齢や時期によって目立つ時と目立たない時があるようです。この部分に細菌が進入すると炎症を起こし、痛みを伴って腫れ上がることがありますが、乳がんとは関係ありませんのでご安心下さい。貴女の場合は、まだ感染が起こっている状況とは思えませんが、症状がひどくなるようならば乳腺外科、もしくは皮膚科で診察を受けるようにしてください。(文責 千島) 

 

No.2638】 04年07月17日   M.T.
細胞診について

こんにちは。突然失礼します。先日4月から診ていただいていたしこり(6ミリ位)のエコーとしこりの形がいびつに変化しているとのことで、針を刺す細胞診をしました。嚢胞と思っているしこりでしたが、さしてみると、左右2箇所とも中身が水ではなかったらしく、検査技師の方は、「悪いものがでるかもしれません。もし出なくても切りとって調べた方がいいですね。」とおっしゃっていました。結果をお聞きしましたら、先生は、(大丈夫、大丈夫)とおっしゃってくださって、ほっとはしたものの、検査技師の方の言われた言葉が気になります。2ヶ月後に又エコーにいきますが、それまでに生検で切り取って検査していただいた方がよいでしょうか?検査技師の方と先生の言葉が違っていてとまどっています。どうぞアドバイスをいただきたいと思います。細胞のクラスなどは何も伺っておりません。43歳、既婚、子供2人です。宜しくお願い致します。

細胞診の結果は、以前はT〜Xの5段階評価(パパニコロウのクラス分類)で診断し、V以上が治療の対象となっていました。その中でもWは「悪性の疑いが強い」、Xは「悪性」と判定していました。しかし、これらの判定基準が明確とはいえなかったため、2004年6月から「正常あるいは良性」、「(良・悪性の」鑑別困難」、「悪性の疑い」、「悪性」の4段階評価に変わりました。貴女の場合、主治医が「大丈夫」と言うからには、細胞診の判定は「正常あるいは良性」であったものと考えられますが、念のためご自身でも主治医に確認するようにしてください。一般に、超音波やX線検査の結果を、医師以外の職種(検査技師、看護師等)が直接患者様に話をすることはありません。もし技師の方が「悪いものがでるかもしれません。もしでなくても切りとって調べた方がいいですね。」等のような不用意な発言をして、不必要に患者様の不安を煽ったのであれば、これは病院の教育・指導に問題があります。普通に考えれば、技師の発言より病理結果に基づいた医師の診断を信じるべきだと思います。2ヵ月後の検査のときにも同じようなトラブルがあるようならば、他の患者様のためにも主治医から検査技師へ注意していただくようにしてください。(文責 千島) 

 

No.2637】 04年07月17日   S.M. 
乳首の部分的な変色について

はじめまして。27歳未婚です。2ヶ月前に左側乳首の周りが漂白剤で脱色したかのように、色が抜け落ちていることに気づきました(真っ白ではありませんが、明らかに周りと比べて色が薄くなっています)。その部分だけ少し膨れているような気がしますが、乳首からの分泌物や痒みは全くありません。以前から左乳房全体的に、チクチクした痛みが断続的に起こることがあります。生理前や、ストレスがたまったとき、疲労したときに特にひどいような気がするので、ホルモン状態によるのかと思っていましたが、乳首の色が変わっているのが気になり相談させてもらいました。乳房のしこりなどは無いように思います。専門の医師の診察を受けるべきなのか、またどの診療科に行くべきなのか、アドバイスをお願いします。

月経前には体内の女性ホルモン値が高くなり、乳腺組織にうっ血が起こって「乳房の張り」を感じたり、乳頭周囲の皮膚に痒みやチクチクした痛みを感じたりすることがあります。これらは性周期における女性ホルモン量の変化に伴って起こってくる場合が多く、乳房が赤く腫れあがったり明らかなしこりを作っていたりしなければ、しばらく経過を観察して良いと思います。拝見していないのではっきりしたことは言えませんが、乳頭周囲の色が薄くなっていることに関しては、あまり病的な変化とは思えません。症状が広がってくるようならば、乳輪周囲の皮膚疾患の可能性があるので、一度皮膚科で相談してみてください。(文責 千島) 

 

 

No.2636】 04年07月12日   F.T.
乳ガン転移についての相談(HPNo.2232-5

HPNo.2232で相談させていただいたものです。再度相談をさせてください。よろしくお願いします。

2004.3〜現在までの経過:
ホルモン療法を開始し、3ヶ月半ほど経過しました。3月の時点で、胃、脈絡膜転移(物がゆがんで見える・大きさが小さく見える等)、反回神経麻痺(左の声帯麻痺)、息苦しさ、首をいつも絞められているような症状がありました。4月のCT検査(胸・腹部)で新たに胃の後方(膵臓の近く)と胸の縦隔の部分に影が出てきていました。また、6月に骨シンチを行ったところ胸の部分に3カ所影が出ていました。骨に関しては、今まで検査をしたことがなかったので、これまでの状態がどのようであったのか比較することはできません。大きく息を吸ったり、咳をすると時々痛みが感じられます。
腫瘍マーカー ST439( 異常値にあるマーカーはST439だけです。):昨年12月(120)→今年3月(130)→4月(140)→5月(110)→6月(87)
     
腫瘍マーカーは少しずつ減少しているようですが、今まで体に出ていた症状については、大きく進行することなく、また改善もせず、小康状態といった感じです。しかし、CT、骨の検査の結果を考えると症状は進行しているのかとも考えてしまいます。主治医の先生は、そろそろ抗ガン剤も考えて行かなくてはならないかなとも話しています。

今後の治療方法について
抗ガン剤治療をしていく時期にきているのか、ホルモン療法が効果があるようなら、ホルモン療法を続行していくのか、ご意見をお聞かせください。抗ガン剤治療により、首を絞められているような状態、眼のゆがみ等少しでも緩和されるのであれば、抗ガン剤治療をうけたほうがいいのかとも考えていますが、初発の時に行った抗ガン剤の副作用がつらかった経験から、躊躇しています。抗ガン剤治療を腫瘍内科で受けられればベストかと思いますが、現在お世話になっている病院にはありません。せめて、乳腺専門のある病院で抗ガン剤治療を受けた方がやはりよいのでしょうか。主治医の先生は外科で、乳腺専門ではありません。いろいろ質問にも誠意を持って答えていただいており、転院ということも迷います。また、脈絡膜転移に関しては、症状が進行するようなら放射線治療になると聞いていますが、抗ガン剤治療と眼への放射線治療は平行して行ってよいのか(現在お世話になっている病院には放射線治療の施設がないので、他の病院で放射線治療を行うことになります)。脈絡膜転移の症状が進行していないのであれば、抗ガン剤治療を先に行い、経過をみていくのか。骨シンチの結果ですが、ICTPというマーカーを調べれば、胸の箇所の影について、はっきり転移であるとわかるのでしょうか。長々書き、わかりづらい箇所があったかと思いますが、ご意見をお聞かせください。よろしくお願いします。

転移再発している部位が典型的ではなく、原発乳癌の組織型が浸潤性乳管癌(硬癌)であることを考慮すると、今回の他臓器転移が本当に乳癌からの転移なのか疑問が残ります。前回の回答にもあったように、腹腔内に幅広く転移しやすい乳癌の組織型は浸潤性小葉癌が多いと言われています。今回のエピソードが乳癌の転移なのか、それとも他の癌が原因なのかを判定する一つの方法として、ホルモンレセプターやHER2タンパクなどの免疫染色があります。12年前の標本と今回採取した胃からの生検標本での染色所見が一致するようならば、12年前の乳癌が原因と考えられます。逆に所見に違いがあるようならば、乳癌以外の病気が原因である可能性が高いと思います。また、もしHER2タンパクが陽性ならば、トラスツズマブ(ハーセプチン)という薬が奏効するので、抗癌剤を使用する前にハーセプチンを使うのも良い選択肢だと思います。通常、抗癌剤の使用中に放射線を使うと副作用が強く出る可能性があるので、放射線科の医師は併用には慎重です。TCTPは骨転移発見の補助にはなりますが、確定診断が出来るほど乳癌に特異的ではありません。(文責 千島) 

 

No.2635】 04年07月12日   BD
抗癌剤の選択について(2)(HPNo.2447-2)

前回HPNo.2447でご相談させていただき、ありがとうございました。その後ハーセプチン単剤投与で5週経過しましたが、CEAも7.1から5.9へと下降傾向にあります。但し左胸の皮膚転移は直径7−8センチのまま変化なく、鎖骨部分に新たな発赤があります(本人は痒いといっていますので、汗疹かもしれません。医師も検査しないと転移かどうか不明といいます)。医師は、ハーセプチンに加えてタキソテールも追加しようというのですが、この段階ではそのほうが良いのでしょうか。私は腫瘍マーカーが落ちてきているので、もう少し様子をみてもいいようにも思います。皮膚転移が消えるまでタキソテールも投与し、消えたらすぐタキソテールをやめてもらうようにした方が良いのでしょうか。また、タキソテールを投与するにしても、脱毛予防のクールキャップがないということなのですが、用意してある病院は少ないのでしょうか。ご意見伺えますよう、宜しくお願い致します。

タキソテールを追加するかは難しい選択です。年齢66歳ということでさほど問題にはなりませんが、糖尿病で手足の神経障害、早期腎症を合併しているようですし、タキサン系の抗がん剤による末梢神経障害の副作用が強く出る可能性も否定できません。再発乳がんの治療は、進行させないことが第一目標となります。お母さまも採血では腫瘍マーカーが下がり続けているようですし、皮膚転移の増大が明らかでなければ、現状を維持するのも選択肢の一つだと思います。クーリングキャップについてですが、婦人科の化学療法では現在も使用している施設があるようですが、効果の程が定かではないので、乳がんの化学療法では殆んど使わなくなっているのが現状だと思います。かえって、かつら(ウィッグ)をうまく利用する方が、好きな髪型に出来ておしゃれにもなりますし、精神的にも満足度が高いという話をよく耳にします。乳腺専門の外来ならば、ウィッグについてのパンフレットが準備してあると思うので、担当看護師に聞いてみてはいかがでしょうか。(文責 千島) 

 

No.2634-1】 04年07月12日   M.M.
女性化乳房

現在二十代真中の男です。思春期の頃から徐々に胸が大きくなってきました。乳首も軟らかく女性のような感じです。いろいろ調べた結果、女性化乳房だろうと思います。しこりもあります。押すと痛いです。また睾丸も小さく3cmぐらいで、本体も(なんて表現してよいのかわからないですいません)小さいです。前々から気になってはいましたが、状態が状態だけに恥ずかしく親とかにも話してはいません。しかしネットで調べていたところ、女性化乳房だとクラインフェルタの可能性もあるとか見ました。さすがにこれだけの不安を持ち続けたまま生きていくのは辛いので、病院へ行こうと思います。
ここまで、親にばれずにきているので、このまま誰にもわからず診断してもらいたいと思っています。今の国民保険は親の扶養なんですが、保険証をもって病院へいっても親にはばれないでしょうか?あとあと保険で誰がいつ病院へいったとか、通知は届かないでしょうか?また東京付近でよい病院がありましたら、教えてほしいです。乳がんのサイトなのにちょっと違う内容かもしれませんが、よろしくお願いします。誰にも相談できず、本当に困っているのです。

女性化乳房の原因には、@思春期に伴うもの(25%)、A薬剤による副作用(25%)、B原因不明(25%)、C肝硬変や低栄養、D精巣機能低下症、E甲状腺機能亢進症、F慢性腎不全などがあります。この中で、貴方の病歴から考えやすいのは、@思春期に伴うものということになります。これらの他に、肥満がある場合には偽女性化乳房症といって、視覚的に女性の乳房様に見える場合があります。Klinefelter(クラインフェルター)症候群は染色体異常による疾患で、性染色体が通常2本のところ3本(XXY)になっていることが原因です。特徴としては、高身長で痩せ型、精巣が非常に小さいのが特徴です。精巣は長さが1〜1.5cm、幅も1cm以下のものが多いといわれています。血中のホルモン値を測定すると、下垂体ホルモンのFSH・LHが高値で、男性ホルモンのテストステロンが低値であることが特徴的です。他人や友人に知られるのは苦痛かも知れませんが、両親に知られることは全く問題ないのではないでしょうか。むしろ単に女性化乳房症ならば親に隠すような病気ではないし、染色体異常症ならば親にこそ相談して対処していくべき問題です。思い切って両親に相談してみれば、かえって気持ちがスッキリして、乳房に関する不安やこだわりも少なくなる場合もあります。一人で悩みを抱え込むよりは、信頼できる人に相談することをお勧めします。(文責 千島) 

 

No.2634-2】 04年07月18日   M.M.
女性化乳房(2)

お返事大変ありがとうございます。少しまた質問させてください。よろしくお願いします
1) 偽女性化乳房症もしこり(乳腺?)があるのでしょうか? 現在は体脂肪23%ぐらいで軽肥満です。小学校高学年ぐらいの頃から中学生までは今よりも太っていました。高校の時から体育会系で体を鍛えだしたので、筋肉も結構あり、女性化乳房みたいなんですけど、軽い感じなので、それほど目立ちません。かがんだりすると、胸が下にたるむので目立ちますが、立っている分には筋肉もあるので、さほど目立ちません。だからプールや海も何とか大丈夫な感じです。
2) 精巣というのは、睾丸のことですか?それとは別のもの?自己診断できるものでしょうか?教えてください。また自分は痩せ型ではないです。身長も160台前半と低いです。もし精巣が睾丸のことなら、上とは該当しないので可能性低いかもしれませんね。そうだったら女性化乳房の見た目がさほど気にならないのであれば、このままでも大丈夫でしょうか?
3) ちょっと複雑な家庭環境で、親に話す事は出来ない状態です。たしかに話せてすっきりできるなら、今頃すっきりしていると思います。それが出来ないから困っているのです。やはり親の扶養の保険証を使うとわかってしまうのですか?一人で解決する為に、働いてお金もためました。

1) 偽女性化乳房症の場合は乳腺組織の増殖は伴いません。しかし、貴方が触れているしこりが乳腺由来のものかどうかは診察してみないとわかりません。貴方の記載を見ていると、体脂肪率も23%で、筋肉してうの体、立位ではあまり目立たないとのことなので、本当に女性化乳房があるかどうかも判断しかねます。
2) 精巣=睾丸です。英語では両者とも testis と書きます。もちろん自分で触知することが出来ます。精巣の大きさについては3cmあれば問題ないと思います。しかし、女性化乳房だけならば問題ないかもしれませんが、低身長(遺伝性でなければ)などもあるようなので、心配ならば専門医による診察と内分泌機能検査を受けてみてはいかがでしょうか。
3) 保険証の記載については残念ながらよく分かりません。病院の受付で尋ねてみてください。(文責 千島)

 

No.2633】 04年07月12日    I.M. 
特殊型の乳がんについて 

初めまして。この4月に右胸を全摘、月に一度のリュープリン注射とノルバデックス服用中です。39歳、T1N0M0、Stage1、センチネルの結果よりリンパ郭清なし、ホルモンレセプター陽性、HER2蛋白陰性。右胸には小葉癌と粘液癌が同時に出来ていました。いずれも2cm以内です。いずれも特殊型で同時に2つということで、補助療法がこれだけでいいのか不安が残ります。基本的にリンパ転移がないので、抗がん剤は必要ないでしょうと言う主治医からの説明でしたが、セカンドオピニオンを求めたく、メールさせて頂きました。宜しくお願いいたします。

同時多発なのか、一つの腫瘤に両方の組織型が含まれていたのか。いずれにしても通常型の浸潤性乳管癌を含まない小葉癌と粘液癌のみの病変ということですね。2つの特殊型乳癌病変であっても、術後補助療法に関しては通常型浸潤性乳管癌と同じに扱います。St. Gallen のガイドラインに従えばリンパ節転移陰性、2cm未満、ホルモンレセプター陽性、年齢は35歳以上。細胞異型度は不明ですが組織型が小葉癌と粘液癌、ホルモンレセプターが陽性なので、それほど細胞異型度が強いとは思えません。これらのことを考慮すれば再発低危険群に含まれるので、術後補助療法はホルモン剤治療で良いと思われます。その一方で、アメリカNIHのガイドラインに従えば、「1cm未満の乳癌の場合は化学療法の必要はない」とコメントしているので、1cm以上の病変については化学療法も考慮するということになります。術後補助療法は使用する抗癌剤の再発抑制効果と副作用のバランスで決める必要があります。これらの情報について、主治医と十分なコミュニケーションをとることをお勧めします。(文責 千島) 

 

No.2632】 04年07月12日    M.I.
術後療法について(HPNo.2111-2)

こんにちは。HPNo.2111で相談させていただいたものです。一月より化学療法(タキソール点滴、フルツロン経口)を続けてまいりました。白血球5000前後保ちながら3クール終了し、現在4クール目に入ったところです。リンパ節転移がなかったが、予防的に4〜6クール化学療法する予定でしたが、主治医から、「4クールで終わるか、6クールまでするか」と、選択を迫られています。白血球の減少など副作用が比較的少ない方なので、出来れば6クールを勧めると言われておりますが、化学療法後の全身倦怠感、痛み、精神的苦痛が多いため、6クールする必要があるか悩んでおります。化学療法を続けることにより体力低下→免疫低下につながるのでは?と素人ながらに心配しております。4クールでも合格点ではあると主治医から説明は受けておりますが、先生方のご意見伺いたく、お忙しいところ恐縮に存じますが、宜しくお願い致します。

前回の回答でも術後補助療法に化学療法を選択するべきか、ホルモン療法を選択するべきかについてのアドバイスがあったと思います。現在の乳癌治療では、タキソール+5’-DFUR(フルツロン)による治療は、標準的な術後化学療法とはいえません。そもそも腫瘍の大きさが3.1cm、リンパ節転移陰性の場合、病期はUBではなくUAになります。主治医とお母様の間で、病気や治療法についての理解に多少のズレがあるようです。病理結果と病期を再確認するとともに、どのような理由(主治医の方針? 臨床試験の一部?)でタキソール+5’-DFUR(フルツロン)という術後化学療法を選択したのか?予想される再発予防効果は具体的にどのくらいなのか?4コースと6コースでは効果・副作用はどのくらい違うのか?等を、もう一度主治医から十分な説明を受けて、今後の治療方針を決定してはいかがでしょうか。もしお母様だけでは不安ならば、貴女も一緒に説明を受けることをお勧めします。(文責 千島) 

 

No.2631】 04年07月12日    I.M. 
肝機能について

はじめまして、お聞きしたいことがあります。五年前に乳癌の手術をしました。先日の血液検査で肝機能の検査が悪く、今までもあまりよくなかったのですが、今回一番悪い値がでていて、ASTが182、ALTが343、ガンマーGTが382でした。腫瘍マーカーCEAは1.6、CA15-3は6.5と標準値でした。安静にということで今は自宅でゆっくりすごしていますが、転移という可能性もあるのでしょうか?ホルモン剤を服用していましたが、半月前にやめています。

AST、ALT、γ‐GTPの結果だけでは判定できませんが、以前からも肝機能は悪かったということなので、一番可能性があるのは薬剤性肝障害か、ホルモン剤(タモキシフェン?)による脂肪肝が考えられると思います。主治医から副作用についての説明はありませんでしたか?(文責 千島) 

 

No.2630】 04年07月12日    H.I.
症状、治療法以外の質問

今年の4月に乳癌の手術とリンパ節転移の検査の手術をしました。術後の治療はホルモン療法のみ、月1回通院していますが、主治医に聞きそびれてしまいました。リンパ節の手術で脇の下に傷があるので、ムダ毛処理が傷の部分は怖くて今のところできません。脱毛またはシェーバー等を使用しても傷は大丈夫でしょうか?それと傷に制汗スプレーを使用してもしみないでしょうか?お忙しいところすみませんが、回答お願い致します。

リンパ節転移の検査とは、センチネルリンパ節生検のことでしょうか?4月に手術を受けたということなので、手術当時に傷が化膿したなどの合併症がなかったのならば、脱毛、シェーバーや制汗スプレーを使用しても問題ないと思います。もし発赤、むくみ等が出現するようならば、これらの使用を中止して主治医に相談してみてください。(文責 千島) 

 

No.2629】 04年07月12日    M.S.
乳癌の診断(HPNo.2584-3)

HPNo.2584で相談した者です。予約までが不安でしたので、別の病院を受診しました。マンモグラフィーは異常無しでしたが、超音波に正常でない物が映るということで、しこりと分泌物の細胞診をしました(しこりの細胞診は2本針を刺しました)。その結果クラスVbで乳癌と言われました。超音波で見るとしこりの大きさは1.8cmぐらいとのことでしたが、自分で触るともっと大きいような気がします。手術を薦められています。医師の説明では来週の月曜日に再診、水曜に入院、金曜に手術はどうかといわれています。去年の秋には異常無しでしたし、6月に受診した際も最初に検診をした医師は、触診と超音波で「黒い物がある」と言っただけで、一ヵ月後の検査でも大丈夫でしょうと言っていました。このまま昨日受診した病院ですぐに手術を受けたほうが良いのでしょうか?それとも最初の病院も受診するべきでしょうか?最初の病院は込んでいるようで、知人の話によると、手術も順番待ちになることがあるそうです。頭の中が真っ白で何も手に付かない状態です。お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いします。

ClassVbというのは、「乳癌の疑いあり」ということで、乳癌と決まったわけではありません。乳癌の治療は、マンモグラフィ、超音波、細胞診のすべての検査で「乳癌以外の病気は考えられない」と診断された時に手術となります。貴女の場合は、マンモグラフィで「異常なし」、超音波では「黒い物(?)」、細胞診で「乳癌疑い」ということで、どの検査をとってみても乳癌としての確定診断がついていません。通常は、外来での針生検もしくは切開生検で、組織学的に乳癌細胞を確認してから入院手続きを行います。どの検査結果が根拠となって乳癌と診断したのか?何(治療?診断?)の目的で入院するのか?どのような手術を予定しているのか?手術以外の検査、治療法はないのか?・・・曖昧な部分が多すぎるのではないでしょうか。いずれにしても入院予約をした医師と貴女自身とのコミュニケーションが不足しすぎているように感じます。少なくとも今の状態で水曜日(7月14日)に入院するのは無理があるように思えます。もし心配ならば、予約外で前の病院を受診してみてはいかがでしょうか。他の病院で「手術を勧められている」といえば、予約がなくてもすぐに診察してくれることと思います。焦っていろいろな病院を渡り歩くのではなく、前医でも今の主治医でもよいので、もっと自分の病気と治療の必要性について、十分な説明を受けるほうが良いと思います。(文責 千島) 

 

No.2628-1】 04年07月11日    M.W.
乳腺の症状について

はじめまして。ホームページを拝見させていただきました。現在、28歳で既婚、出産の経験はありません。親族で乳がんにかかった人も、ガンの遺伝も皆無です。2週間前くらいから、右胸の一部分に痛みを感じました。たまにちくちくと痛み、痛みがないときでも押すと痛みがあります。気になって、乳腺クリニックで検診(マンモグラフィーと超音波)をうけたところ、「乳頭から12時の部分に1〜2cmの腫瘍がある」と診断され、乳腺症、乳腺線維腺腫の良性が疑わしいが、ごくまれに悪性の葉状腫瘍の可能性もあるとのお話でした。クリニックでは、あまり実感がなかったのですが、いろいろ調べていると、良性の可能性が大きいとはいえ、気になるのが本音です。クリニックで細胞とっての検査を進められましたが、料金があまりに高く(8万円)、悩んでいます。確定診断のためには必要なのはわかっているのですが、正直躊躇してしまっています。どこの病院でもそんなにするもんなんでしょうか? そして良性だった場合、治療の必要がないそうなのですが、実際鈍痛があるので、放っておくのも嫌な気持ちもあります。治療法などは全くないのでしょうか?そろそろ子供がほしいので、子づくりも考えていたのですが、放っておくと影響はあるのでしょうか?お忙しいところ申し訳ありません。周りに相談しにくいことで悩んでしまっていますので、教えていただけたら大変嬉しく思います。

確かに葉状腫瘍では10%程度で悪性の場合がありますが、そのほとんどは5cm以上の巨大なもので、比較的急速に増大してきます。葉状腫瘍の好発年齢は40歳代ですが、若い人の葉状腫瘍では良性のことが多いと考えられています。28歳女性、初めて発見された1〜2cmの乳腺腫瘤だけで、葉状腫瘍を疑う根拠があまりはっきりしません。さらに、単に診断のために行う細胞検査で治療費が8万円もの高額になるとは考えにくいと思います。もう一度良く主治医とよく相談してみてはいかがでしょうか。(文責 千島) 

 

No.2628-2】 04年07月17日    M.W.
乳腺の症状について(2)

返答ありがとうございました。「28歳女性、初めて発見された1〜2cmの乳腺腫瘤だけで、葉状腫瘍を疑う根拠があまりはっきりしません。さらに、単に診断のために行う細胞検査で治療費が8万円もの高額になるとは考えにくいと思います。もう一度良く主治医とよく相談してみてはいかがでしょうか。」とのご返答頂きました。確かに費用の点ではかなり悩んでしまっています。私の勘違いでもあったのですが、私が推奨された8万円かかる検査というものが、「針生検」で細胞診ではなく、「組織診」でした。申し訳ありません。本来少々の痛みではあったが、乳腺外科が少ないとのことと、紹介状がないとなかなか見て頂けないことをしり、よく本にも紹介されているところにいきました。精密検査のところまでは考えていなかったので、自由診療制をとっているところに行きました。お医者様がいうには、単なる線維腺腫か葉状腫瘍かの判別のためには針生検の方が、より正確に判断できるので、細胞診よりは組織診がよいとの話でしたが。より詳しい確定診断のためのようです。ただ、あいまいなまま放置しておくのも心配です。保険の適用のきく病院にいくか、近所の病院で大学病院への紹介状を書いていただきたいのですが、近くの病院の何科にかかったら乳腺外科を紹介していただけるのかがわからず困っています。やはり、期間が長いのを承知で初診で大学病院に行くしかないのでしょうか? 一度、「針生検」の必要を推奨されると、どうしても気になってしまい、保険の適用がきく細胞診だけでも大丈夫なのかどうか、不安もあります。次の検査をどうするか判断できず、困っています。どうすればいいのでしょうか?

一般保険診療では、全国共通で検査・手技等に対する診療報酬が決められています。参考までに貴女が受けると考えられる検査・手術に関する診療報酬を記載しておきます。ちなみに、ご本人が負担するのは下に示す診療報酬の30%のみということになります。
1.針生検による組織検査総計:18,390円 (自己負担金:5,517円)
内訳:手技料(材料費を含む)=6,200円、病理組織検査料=8,800円、病理組織診断料=2,550円、局所麻酔料=120円、診察料=720円
2.乳腺腫瘤(5cm未満)摘出に伴う手術・検査総計:3,8910円 (自己負担金:11,673円)
内訳:手技料(材料費を含む)=26,600円、病理組織検査料=8,800円、病理組織診断料=2,550円、局所麻酔料=240円、診察料=720円
以上となります。これをみても8万円と言う検査料はかなりの高額と考えられます。少なくとも当院で同様の検査・治療を行った場合は、上記の料金に内服抗生物質1日分が加算される程度です。貴女がどちらにお住まいなのかは分かりませんが、「乳腺外科」という標榜がなくても、中規模以上の病院ならば、外科の中で乳腺専門の先生がいらっしゃる所が多いはずです。病院へ連絡して、「乳腺専門の先生はいらっしゃいますか?」、「外科に乳腺外来はありますか?」などと聞いてみれば、受付でも情報を教えていただけることと思います。病院によっては紹介状がなくても診察していただけるので、そのことについても受付に尋ねてみてください。もしどうしても紹介状が必要ならば、近所の開業医の先生にその病院宛ての紹介状を作成してもらっても良いのではないでしょうか。(文責 千島) 

 

No.2627-1】 04年07月11日    M.S.
針生検について

40歳主婦です。6年前に乳がん検診で乳頭異常分泌を指摘され(左右両方)、定期的に乳汁検査等をしています。半年前エコーをし、穿刺吸引細胞診をした結果、クラスVでしたが、主治医がエコーの画像からみても乳腺症のようなので様子をみてみようという事でした。6月に穿刺吸引細胞診をしたら、またクラスVで、病理医はしこりを摘出したらどうかと言われたそうで、主治医よりどうするかは自分で決めてほしいと言われました(主治医は前回同様乳腺症の疑いの方が強いような気がするけど、万が一ガンではないとは言い切れないという意見)。いろいろ考えた結果、太い針で行う針生検(マンモトーム)を提案したら、大学病院にあるようなマンモトームが一体化した医療機器はないけど、麻酔をして穿刺吸引細胞診の針より太い針での検査はできるということで、9月にすることになりました。
1) この針生検は確実に結果が出るのか
2) またクラスVだった場合、摘出した方がいいのか
3) 摘出する場合、入院しなくてはいけないのか

以上3点について、ご意見をお聞かせ下さい。私は、右は14年前に線維腺腫で、左は5年前に乳汁検査でひっかかり(クラスV)、生検し、両方の乳房にメスをいれた経験上、なるべく再度メスをいれたくないという思いが強いので迷っている次第です。よろしくお願いします。

1) 超音波下で病変部に確実に当たれば診断に信頼性がありますが、病変部位が同定しにくいようならば診断の信頼性も低くなります。
2) 病変に確実に当たっていると仮定すると、針生検は組織による最終診断なので、良悪性の判断がほぼ決定すると思います。悪性ならば再手術、良性ならば経過観察ということになります。
3) 組織診断の信頼度、病変の広がりにもよって異なります。この件に関しては主治医に相談するのが一番です。(文責 千島) 

 

No.2627-2】 05年01月24日    M.S.
乳管内乳頭腫について

7月にHPNO.2627で相談したものです。あれから定期的にエコーや穿刺吸引細胞診を行っていたのですが、細胞診の結果がずっとクラスVでした。12月にエコーで確認した際、病変が認められたので(しこりの形の変形)生検することになり1月4日にいたしました(右乳房)。組織検査の結果、乳管内乳頭腫と乳腺症と病理医の判断が下った訳ですが、乳頭腫が切除断端に認められたのでしこりが残っており、残存乳腺に乳頭腫が再発する可能性があると言われました。
1)取り残しのしこりがガンという可能性はあると思われますか?
2)乳頭腫が何回も再発する度に生検しなければいけないのでしょうか?

検査結果を聞くのに2時間も待ち、おまけに極度の緊張感のため先生の説明を聞くのがやっとで、質問する気力さえありませんでした。説明不十分で理解しがたいとは思いますが教えて頂けたらありがたいです。よろしくお願いいたします。

乳頭腫自体は良性疾患であり、残った乳房に癌がある可能性は低いと考えます。切除断端に病変が認められても必ず再発する訳ではありませんので、follow upで宜しいと考えますが、乳頭腫から癌が発生することもありますので、再発が疑われた時は生検が勧められます。(文責 浜口)

 

No.2627-3】 05年05月15日    M.S.
穿刺吸引細胞診後の出血について

前回HPNo.2627でお世話になったものです。その際には早急に回答をいただきありがとうございました。また質問なのですが、3月初旬の定期検査(マンモ、エコー)の際に左乳房に気になるしこりがあったので穿刺吸引細胞診をした結果、クラス3で、病理医はガン細胞は認められないということでした。細胞診をした翌日から血性の分泌物が出始めて(日頃から乳頭から黄色い分泌物が出ているが、出血は違う乳管から出ている)、細胞診の結果を聞いた時に主治医に尋ねたら、長く続くようであれば考えようということでした。それから1ヶ月出続けて1週間は出なくなったのですが、また出始めて現在に至っています。
1) 穿刺吸引細胞診をしたあと出血が続くということはよくあることなのでしょうか?
2) 次回の検診は6月なのですが、早急に診察してもらった方がよいと思われますか?
3) 出血の際の検査は、乳汁の細胞診以外にどんな検査が有効なのでしょうか?

今までにも何回か出血したことはありましたが、1週間位で止まっていました。今回はあまりにも長期間出続けているので、少し心配になって質問させていただきました。教えていただけたら助かります。よろしくお願いいたします。

1) 他の乳管を穿刺の針が傷つけた場合、出血することもあります。
2) 診察を受けるべきです。
3) 乳管造影、内視鏡、MRI、分泌液中のCEAの測定などが乳管内の病変の検査に用います。(文責 徳田)

 

No.2626】 04年07月11日    もんがらかわはぎ
再発乳がんの治療について

はじめて相談させていただきます。現在、44才既婚女性、出産経験なし。15年前、右乳がん、T2N0M0、Stage2A、局所切除+RT60gy、その後Nolvadex20mg/day 2yrs服用。6年前、左乳がん、T2N1M0、Stage2B、乳腺部分切除+リンパ節廓清、+RT50gy、術後、CMF5サイクル、Nolvadex20ng/day 6か月服用(膠原病疑いの為中止)。病理の結果、2.0×1.5cm、リンパ節転移1コ、ER+,PgR-,her2/neu++,グレード2でした。5年前、CMFが終わった頃、皮膚筋炎を発病。筋肉症状が無く、皮膚症状のみ。ステロイド治療、現在プレドニドロン12.5mg/隔日、服用。今年1月、左乳がんが再発、今の所、局所再発。ER+,Pgr-,her2/neu++,4×4(エコー)。2月よりハーセプチン毎週点滴、リュープリン注射、フェアストン40mg/day服用、加えて、3月よりゼローダ朝夕3錠ずつ服用、現在に至る。再発乳がんは大きくなるスピ−ドがとっても早く、ハーセプチンをはじめる頃には、皮膚まで広がって、所々赤くなっていました。ハーセプチンとゼローダで、現在は、エコーではよくわからないくらい随分小さくなり(触った感じでは、かたまりはまだあります)、皮膚症状も3分の1ぐらいまでに小さくなってきました。ゼローダの副作用としては、皮膚筋炎の皮膚症状が少し強く出てきたり、手足のカサカサ、皮がめくれる、水泡ができる程度です。主治医からは、これなら手術が出来そうだということで、全摘手術を勧められています。植皮もしなくてすむだろうとのこと。私はできたら全摘手術を避けたいこともあって、このままの状態が維持できればそれでもいいかなと、安易に思っているところがあります。

1. このまま手術をしないで、ハーセプチンとゼローダを続けることは可能でしょうか?
2. 可能だとすれば、どのくらいの期間可能だと予測できますか?
3. 全摘手術をした方がいいのでしょうか?(手術は避けられないでしょうか?)
4. 皮膚筋炎を持っていても、手術した方がよいのでしょうか?
5. 手術する事のメリットは?
6. 手術しないと、どのようなことが予想されるのでしょうか?
7. 手術の他に選択肢はないのでしょうか?
8. 手術の他に選択肢があるとすれば、どんな選択肢があるのでしょうか?

長くなりましたが、どうか、ご意見をお聞かせください。よろしくお願いします。

1. 局所再発だけで病変切除が可能ならば、副作用等を考えると手術を受けられるほうが良いのではないでしょうか。抗癌剤だけでの経過観察では、いずれ乳がん細胞が抗癌剤耐性を獲得する可能性があります。
2. 症例にもよりますが、抗癌剤の前治療歴もあるようですし、カペシタビン(ゼローダ)の奏効期間は約8ヶ月、トラスツズマブ(ハーセプチン)は3〜18ヶ月といったところだと思います。ただし、貴女の場合はハーセプテストが2+なので、FISH法で遺伝子増殖が起きていることを確認する必要があります。もし、FISH法で遺伝子増幅を認めないようならば、ハーセプチンの効果はほとんど期待できません。
3. 再温存術を施行しても、皮膚浸潤を伴うような乳がんならば、再々発の可能性が高いと思います。しかし、全摘術を受けるかどうかは、最終的にあなた自身が決定することだと思います。
4. 抗癌剤での効果には限界があるので、手術可能なうちに病変を切除するのは有効な治療法と考えます。
5. 現段階ではあくまで局所コントロールのためだけです。
6. このまま放置をしていれば、いずれは再増殖して皮膚浸潤、胸壁浸潤等を起こし、切除不能乳がんになります。その時に抗癌剤の効果も期待できない場合は、2〜5年で生命にかかわる臓器症状が出現してくると考えられます。
7.8. 他の抗癌剤、ホルモン療法剤の投与が考えられます。放射線は一度使用しているので胸壁照射の適応は難しいと考えます。(文責 千島) 

 

No.2625】 04年07月11日    NE
乳房検診について

はじめまして。宜しくお願い致します。40歳、既婚女性です。今まで乳房検診は触診しか受診したことがありません。自分で触ってみて、筋なのか、しこりなのかわからないこと、強く触り過ぎたり、排卵日過ぎなので痛みがあるのか、そんな初歩的なことがわかりません。そのような状況のなか、次回、超音波かマンモグラフィーのどちらで調べたらいいのか迷っております。マンモグラフィーにつきましては「50歳以下だと乳腺が発達・脂肪が未発達の為、陰影が写りにくく、ガンと正常乳腺の見分けがつきにくい」と書いた文も読み、かといって超音波の精度との違いもわかりません。今はどちらの検査方法がよいのでしょうか。

体格が痩せていて、乳腺組織が硬く触れるような人ではマンモグラフィでの検診効果が低くなるのは事実です。もし、乳がん検診の方法を選択できるような施設で検診を受けるならば、貴女の体格、乳房の大きさ・硬さを考慮して、検診医に相談してみるのが良いと思います。(文責 千島) 

 

No.2624】 04年07月11日 H 
頸部リンパ節転移とは?(HPNo.2178-7)

No2178で質問させていただいている者です。大変申し訳ないのですが、再度質問させてください。両方のリンパ節転移陰性、リンパ管侵襲陰性でも頸部リンパ節転移はあり得ますか? 2週間ほど前から右横の首筋に5,6ミリのつるんとした米粒よりやや大きい柔らかい粒と、そのすぐ横にも米粒より小さな硬いつぶがあります。鎖骨のくぼみにはそういうものはありません。口内炎や虫歯もないですし、風邪をひいているわけでもないです。今までにこんな事もなかったです。耳鼻咽喉の本を見ると首の横、後ろの方のリンパ節の腫れは胸腹の癌からの転移とあり、これが頸部リンパ節転移かと・・・。鎖骨上リンパ節を触れなくても頸部リンパ節に出てくる事は、臨床として出てくるのでしょうか? 鎖骨下のリンパ節は手で触れる事はできますか? どうか宜しくお願い致します。

転移の可能性はゼロではありませんが、原発巣の手術時にはセンチネルリンパ節、腋窩リンパ節のいずれにも転移もなかったようなので、頚部のリンパ節が乳癌の転移の可能性は少ないと思います。頸部リンパ節は、特に病気のない人でも普通に触知することが多いので、あまり心配はいらないと思います。いずれにしてもインターネットでのやりとりだけでは、直接貴女を診察させていただいたわけではないので、何一つ確実なことは言えないのが現状です。身体的に心配な症状がある場合は、まず主治医に相談するのが得策だと考えます。(文責 千島) 

 

No.2623-1】 04年07月11日  Y 
ホルモン療法について

こんにちは。とても悩んでいます。今年5月に右胸にしこり2cmということで、温存療法の手術を受けました。後の病理検査の結果、リンパ節転移なし、しこり3.2cm、乳管内に乳頭に向かってひげが数本見つかりました。悪性度は2で、何癌かはまだ聞いていません。術後補助療法のことで悩んでいます。私は47才、8月で48才になります。乳がん手術の半年前に、子宮筋腫で全摘手術を受けております。そこで、放射線とゾラデックス+タモキシフェンか、放射線と抗がん剤+タモキシフェンの選択をせまられています。年齢的に閉経間近ということで、ゾラデックスの適応は、どのように考えたらいいのでしょうか? 抗がん剤のほうが効果的でしょうか? アドバイス、お願いします。

ゾラデックスを使用目的は卵巣機能を抑制することにあります。女性ホルモンの性周期がなくなった人に使用しても全く意味がありません。一般的に婦人科における閉経の定義は、「1年以内に月経が存在した人を閉経前と呼ぶ」ということになっています。貴女の場合も手術前に月経を認めていたようならば、現時点では閉経前ということになります。もし、閉経状況が気になるようならば、内分泌検査を行ってホルモン学的にも閉経が近のかどうか調べてみるのも良いのではないでしょうか。エストラジオール値が20〜30pg/ml以下(完全な閉経期には10 pg/ml以下)、FSH値が15mIU/ml(完全な閉経期には50mIU/ml以上)となっていればゾラデックスの投与は必要ないと思います。また、貴女が化学療法を受けた場合、ほぼ確実に閉経すると思われるので、化学療法を受けることによる間接的な「ゾラデックス効果」を期待することも選択肢の一つだと思います。(文責 千島) 

 

No.2623-2】 04年08月04日  Y 
ホルモンレセプターについて

HPNo.2623でお世話になり、ありがとうございました。治療方針が決まり、ゾラデックス2年とタモキシフェン5年、放射線と治療が始まっています。私のホルモンレセプターを聞いてみたところ、エストロゲン(−) プロゲステロン(+)ということでした。エストロゲン(−)ということは薬は効くのでしょうか?2つとも(+)の人に比べてどうなのでしょうか?断端陽性ということもあり、心配しています。よろしくお願いいたします。

エストロゲンレセプター(ER)もしくはプロゲステロンレセプター(PgR)のどちらかが(+)であれば、ホルモン療法の対象となります。ホルモン療法有効率は報告により多少異なりますが、ER(+), PgR(+)で約70%、ER(-), PgR(+)ではやや低くなり30-60%くらいです。(文責 浜口)

 

No.2622-1】 04年07月11日  M.E.
術後、病理診断が割れています

初めまして。41才の会社員です。6/15に乳房温存手術を受けました。先週、正式な病理の結果が出たのですが、病理医2人の間で「浸潤がん」「硬化性腺症」と診断が割れています。病巣の大きさは1cm以下で、断端陰性。がんと解釈した場合でも、リンパ節転移の可能性は非常に低いとのことです(私の希望で、リンパ節切除は行っていません)。
主治医からは、「非常に境界的なものなので、放射線照射を行うかどうか考えてみてください」と言われました。判断に迷うところなので、主治医の意見を求めてみたところ、「この状態に対して放射線を照射するのは過剰治療となるおそれがあり、照射から受ける利益よりも副作用が大きいと思われる。したがって非照射とし、その代わり、エコー等で厳しく経過観察を続けてはどうでしょうか」というものでした。筋の通った考えだと思う一方で、照射を省略することに対して不安も残ります。ご意見をお聞かせいただけますか?また、主治医に質問すべきポイントがあれば、アドバイスいただければ何よりです。よろしくお願いいたします。

問題のしこりは2001.9に発見(左乳房内、3mm)以来、経過観察を続けてきたものです。発見から約2年は細胞診クラス1−2の間を往復。2003.11と2004.3に2回連続でクラス3。2004.5にクラス5との結果が出たため、乳がんとの診断。生検は行わず、翌月に手術となりました。腫瘤の周囲に1cmの余裕をつけて切除しています。この腫瘤については、たまたま担当病理医2人の見解が割れたわけではなく、「10人いれば5人は良性と判断し、5人は悪性と判断するような境界性の強い病変である」との説明を受けました。術前に細胞診クラス5が出ていて、「がん確定」と腹をくくっていただけに、この結果は嬉しいながらも意外なものでした。照射や他の補助療法を行わないことを不安に感じる原因は、主にこの点にあるようです。「クラス5でも乳がんでない場合がまれにある」とは聞いていますが・・・。No.1118の方の相談とかなり似通った点も多いのですが、あえてご相談させていただいた次第です。また、左乳房内には他に2つのしこり(クラス2および3)があったため、これらも同時に切除した結果、術後病理検査では各々「良性のしこり」「硬化性腺症」との診断でした。

硬化性腺症は、一見浸潤がんとも見える盛んな小管腔形成性の増殖を見せることから、乳がんの中でも「硬がん」と間違われやすい病変と言われています。がんと硬化性腺症では今後の治療も大きく異なるので、判定の難しい病変ならば乳腺病理専門の先生(癌研究会癌研究所乳腺病理部が有名)へセカンドオピニオンをお願いしてみるのも良いのではないでしょうか?。(文責 千島) 

 

No.2622-2】 04年07月18日  M.E.
術後病理診断について/照射開始時期について

No.2622では早速のご回答をいただき、本当にありがとうございました。
「判定の難しい病変ならば、乳腺病理専門の先生(癌研究会癌研究所乳腺病理部が有名)へセカンドオピニオンをお願いしてみるのも良いのでは」とのコメントをいただきました。実は、私が治療を受けている病院では、癌研に術後病理診断を依頼しており、今回の「浸潤がん/硬化性腺症」も癌研病理部による診断でした(部署までは確認しませんでしたが、素直に考えれば乳腺病理部と思われます)。ということは、
Q1) これ以上白黒をつけることは難しい可能性が高いのでしょうか?無論、主治医とは十分に話し合うつもりですが、ご意見をいただければ何よりです。
Q2) また、仮に何らかの方法で「浸潤がん」との診断が確定した場合は、放射線治療が必要になると思いますが、化学療法が先行しない場合、術後何週間以内に照射を開始すればよいのでしょうか?乳癌学会の温存療法ガイドラインには「6週間以上の待機は好ましくない」とありますが、カナダ医師会のガイドラインは12週以内を推奨、こちらの「相談室」内でも6週、8週、6ヶ月(これは化学療法先行の場合?)、こだわらず傷が完治してから等、いろいろな回答があるので、どう考えればよいか迷ってしまいます。お手間を取らせて申し訳ありませんが、コメントをいただけましたら幸いです。

A1) 癌研の病理部でも意見が割れる病変ならば、少なくとも日本の中では「これは明らかに浸潤癌です」と言い切る病理医はいないと思います。
A2) 切除断端で明らかに1cm以上の正常部分を含めて切除されているようならば、この病変に対しての放射線治療は必要ないかもしれません。もし病変が「明らかな浸潤癌」と確定した場合で放射線治療を行う場合は、貴女がお調べになった通り、6〜8週間以内に開始するのが望ましいものと思います。いずれにしても放射線による副作用&再発予防効果について主治医と相談してみてください。(文責 千島) 

 

No.2621-1】 04年07月11日  Yuki
葉状腫瘍について

初めてご相談させていただきます。乳がんではないのでこちらにご相談させて頂くのは間違っているのかも知れませんが、失礼をお許しください。早速ですが 1年半ほど前から右乳房にしこりがありましたが、特に痛みなども無く、気にならなかったので放っておいたのですが、昨年夏ごろから急に大きくなり始めたようで、昨年11月に大学病院の乳腺外来を受診しました。その日のうちにエコーとマンモグラフィと、しこりに直接針を刺す(?)検査をしました。後日結果を聞きに行ったところ、良性の葉状腫瘍(5段階の2)と言われ、経過観察で3ヵ月後再受診となりました。今年4月に再受診したところ、確実に大きくなっていると言う事で、切除した方が良いと言われました。でも良性なのに切除するということに抵抗があったので、先生にお話しましたが、「良性とはいえ取った方がいいとですよ。」とのお話でした。「7月までに決心して来てくださいね。」と言われ、来週再受診です。未だに決心が付かないまま、今日お風呂上りに「このしこり、そんなに大きいかなぁ?」と自分でギュっと引っ張るようにして大きさを確かめていたら、突然乳首の先からカレーのような色の液体が出てきました。これはいったい何でしょうか? もし、しこりから出ているならば、もっとギュっギュと絞って出し切った方がいいのでしょうか? このような分泌物が出るのは、葉状腫瘍の症状の一つとして良くあることなのでしょうか? 是非教えてください。また、しこりは触らなくても胸を見ただけで「ここ!」と指差せるくらいハッキリしています。良性だとハッキリしているのに切除した方が良いと言うその理由が私には理解できないのですが、しこりは良性でも取ってしまうべきなのでしょうか? 出来ることなら切除はしたくないと考えています。このまま残しておくと、どのような不具合があるのでしょうか?ちなみに、しこりは右乳房で体の中心側にあり、大きさは直径3×4センチを少し超えていて、しこりの中にも血流があるそうです。痛みは全く無く、リグリとした硬いしこりです。34歳、独身、未婚、出産経験無しです。  

葉状腫瘍や線維腺種のような良性腫瘍でも、増殖傾向を示して3cm以上になった場合は手術を考慮します。特に葉状腫瘍は、経過観察していても縮小することはないので、組織診断などで葉状腫瘍という診断がついたら手術で摘出する必要があります。また、葉状腫瘍は5cm以上に成長すると10%程度で悪性葉状腫瘍となり、多臓器へ転移することがあるので注意が必要です。葉状腫瘍と乳腺分泌物の直接的な関係は分かりませんが、通常葉状腫瘍と乳管は交通していないので、液体も腫瘍内から出てきているわけではないと思います。分泌物の原因として考えられることは、腫瘍が大きくなって周囲の乳管を圧迫し、乳腺内に貯留した分泌物が乳頭から排出されている可能性もあります。いずれにしても、症状に変化が生じたならば、一度主治医に相談してみることをお勧めします。(文責 千島) 

 

No.2621-2】 04年07月18日  Yuki
葉状腫瘍について(2)

HPNo.2621です。早速のお返事、ありがとうございます。未だ切除するかどうかは悩むところですが、木曜日に検査に行き、再度現在の大きさを診て頂こうと思います。そして、またこのまま何もせず温存することが可能かどうか、もう一度確認してみたいと思います。お薬などで散らしたり治したりする方法が無いのかも伺うべきでした。私は15年前から膠原病の治療もしていますが、葉状腫瘍は膠原病とは全く関係ないのでしょうか?膠原病と関係があったり、飲んでいるお薬の副作用などによって体に腫瘍が出来る可能性などは無いのでしょうか?レイノー症状がひどくて、たびたび指先に潰瘍が出来ますが、「潰瘍」と「腫瘍」は全く別のものでしょうか?お時間ございましたら、教えていただきたいです。

前回の質問内容から判断すると、私も腫瘍切除の適応だと考えます。特に葉状腫瘍が疑われるのであれば、温存しておいて良いことはないと思います。また、現時点では葉状腫瘍を確実に小さくする薬もありません。葉状腫瘍は「異常細胞の過剰増殖」なので、膠原病のような「体の免疫機構」に関係する内科的疾患とは関係ありません。また、ステロイドホルモンなどの副作用で発生してくるものでもありません。そもそも潰瘍(胃潰瘍や皮膚潰瘍)というものは、正常組織が欠損した部分が凹んでいるものであり、異常細胞が増殖して盛り上がった腫瘍とは根本的に全く違うものです。強いて似ている部分と言えば、どちらも最後に「瘍」という文字が付くところくらいです。(文責 千島) 

 

No.2620】 04年07月11日  a.k
乳房のしこりについて(2)(HPNo.2545-2)

NO.2545で相談させていただきました。アドバスのとおり、乳腺外科にかかりました。触診、マンモグラフィー、細胞診を行いました。注射器で採った細胞の見た目は、残乳ではないということでした。2週間後の今日、結果がでて、class2と言うことでした。その場で、よく聞けなかったのですが、これは乳腺線維腺腫なのでしょうか。それとも違うものなのでしょうか。今後は経過観察ということで、3ヶ月後の受診を薦められました。確かに当HPでも、class2は良性とのことですが、「細胞診は2針なので、他の個所は分からない」との診察された先生の話です。かといって、とったりする必要はないとの事。良性で良かったものの、不安は払拭できませんでした。今後、悪性化する可能性はあるのでしょうか。しこりはこのままでよいのでしょうか。他の病院の受診したい気持ちがありますが、同じ見解でしょうか。まとまりのない相談で申し訳ありません。またアドバイスいただければ幸いです。

ClassUの細胞が採れていたからといって線維腺腫に限りませんが、少なくとも細胞診では異常細胞は採取されていなかったということです。画像所見が分からないのではっきりしたことは分からないのですが、文章から察する限り主治医は乳がんを考えていないようなので、3ヵ月後の再受診でも心配ないように思います。(文責 千島)

 

No.2619】 04年07月11日  S
微細石灰化について

初めまして。今日、月経前の乳房のしこりが痛くてどうしようもないので、近所の市立病院の乳腺外来を受診しました。「月経前の痛みは仕方無い」と言われたのですが、その後、マンモグラフィーと触診、エコーをして頂き、結果、微細石灰化している箇所がありますと診断され、いきなり手術して除去しましょうと言われました。いきなりな事にとても驚いて、日程をいつにしますか?との問いに、「家族と相談するので時間を下さい。」としか言えませんでした。とりあえずその担当医の方が仰るには、「再度マンモグラフィーで石灰化している部位を特定して針を刺し、その状態で、その部分に局所麻酔をして切除して組織を調べます」という事だったのですが、これはどういう検査・処置なのでしょうか? 混乱した頭で本屋に行き、それらしい本を買って自分なりに調べた所、その前段階の検査もある様で、ますます混乱してしまいました。自分で見た所(医師ではないのでおおよそですが)石灰化の大きさはマンモグラフィーの像で1〜2センチ、横に円状に拡がり、右乳房・右側から腋の下にかけての位置でした。マンモグラフィー左右計4枚(上方・側方)から、右のみに現れている像でした。痛みはなく、しこりもなくエコーでもなにも発見されず、マンモグラフィーによる像だけでの診断でした。悪性と断定されての処置なのか、それともそれが分からないから全部取ってみての検査なのか、とりあえずガンだからと言われたので、それなりの所見があった事なのでしょうが、他に方法はないのか、経過観察できない程の物なのか(今週手術する?とか、少なくとも来月には…と言われたので)、調べれば調べる程分からなくなり、困っています。来週の月曜には日程を決めなくてはなりません。家族に相談した所、セカンドオピニオンを求めた方がいいとも言われました。急な事で大変申し訳ないのですが、どうしていいか本当に分かりません。どうぞ宜しくお願い致します。

石灰化病変についての詳しい情報は分かりませんが、貴女のマンモグラフィにはカテゴリー4または5の石灰化病変が写っているようですね。マンモグラフィ検診を行った場合、撮影された写真は5段階評価で判定されます。通常1、2は「正常」もしくは「明らかな良性石灰化」として精密検査の必要はありません。3以上の判定になったときには何かしらの追加検査が必要となります。3は「良性であるが、悪性も否定できない」(がんの確率は20%以下)、4は「悪性の疑い」(がんの確率は50%〜60%程度)、5は「悪性の可能性が高い」(がんの確率は90%以上)と判定されます。微細石灰化が超音波で確認できる場合は針穿刺による細胞検査を行うこともありますが、一般的には超音波での確認は困難で、何かしらの方法で石灰化部分の乳腺組織を切除して、がんの有無を判定しなくてはなりません。乳腺組織を採る方法としては、X線下で乳腺内に太い針を刺して組織を吸引する方法(マンモトーム)や、X線下で石灰化近くにワイヤーを刺して、それをガイドにて皮膚切開を行い、少し広い範囲で乳腺を切除する方法(フックワイヤー法)などがあります。それぞれの方法に利点と欠点があるので、どの方法で検査をするかは、主治医と相談の上決定してください。マンモグラフィの石灰化の判定にはある程度の経験が必要で、「マンモグラフィ読影認定資格」の有無によっても判定の正確さが異なってくるので、今も手術を受けることに納得が出来ないようならば、マンモグラフィと紹介状を持ってセカンドオピニオンへ行くのも一つの選択肢だと思います。(文責 千島)

 

No.2618】 04年07月11日  N.K. 
乳輪下膿瘍(HPNo.2387-2)

前回の相談で「乳輪下膿瘍」であるとのご解答をいただきました。良性疾患ということで少し安心しています。今回相談したいのは、「もし手術をするとしたら」ということ なのですが、
● 入院日数は通常どれくらいなのでしょうか
● 手術・入院費用はどれくらいなのでしょうか
● 麻酔は部分ですか、全身ですか?
● 関東県内でどこかそのような手術を安心して任せることのできる病院がありましたら教えていただきたいのですが…

よろしくお願いします。

乳輪下膿瘍の手術は局所麻酔で行うため、日帰り手術が可能です。簡単な方法としては、膿を出して自然に肉が盛り上がってくるのを待つ切開排膿術があります。また、膿が止まらなくなって慢性化した場合や、再発を繰り返すという難治性の経過をとる場合には、膿瘍周囲の乳管を含めて切除する根治手術の適応になります。手術の方法は各施設で多少異なっており、「これが全国標準」といった術式はありません。気をつけなくてはいけない事は、乳輪下膿瘍の原因となる病変が複数個存在している場合もあり、せっかく根治手術を受けても再発する場合があります。いずれにしても手術効果と合併症、再発のリスクについて、主治医から十分な説明を受けてから手術を決めるようにしてください。(文責 千島)

 

No.2617-1】 04年07月10日   RM
右胸のかたまりのようなもの

はじめまして、35歳未婚(出産経験なし)です。6月25日の会社の健康診断(検診センター)で右胸に2箇所、かたまりのようなものを指摘され、再検査を受けるよう言われました(超音波)。今、生理前なので、生理が終わり次第再検査を受けようと思いますが、とても不安で精神的にまいっています。そのせいか、生理前の胸の張りがほとんどなくなり、生理が遅れてしまったのでは?という感じです。触った感触では、右胸の張りが左よりなく、乳首も左が少し硬い感じなのですが、右は柔らかいです。これは精神的なものなのか、乳がんの症状なのかはわかりません。このまま生理が終わるのを待ってから再検査を受けるべきでしょうか?生理予定日は7月8−9日頃なのです。

正常卵巣機能を保っている女性では、月経の開始日は排卵から約14日目と決まっています。今回の月経に限っては、発来の遅れと精神的ストレスはあまり関係無いように思います。「右胸の張りが左よりなく、乳首も左が少し硬い感じ」というのも精神的ストレスとは関係ないですし、ましてや「乳がんの症状」ではありません。乳房の精密検査は、乳腺の張りが一番少ない月経終了から1週間くらいに受けるのが理想的ですが、不安が強くて早く結果が知りたいようならば、月経周期にこだわらずに精査を受けても問題無いと思います。(文責 千島)

 

No.2617-2】 04年07月17日   RM
右胸のかたまりのようなもの(2)

HPNo.2617で相談させていただいたものです。早速7月10日乳腺外来を受診し、マンモ、エコー、エコーで確認しながらの細胞診検査をして、診断は「乳腺線維腺腫」でした。3cmくらいに大きくなった場合、切除が必要とのことです。とりあえず今夜は安心して眠れそうです。しかし、経過観察が必要とのことで質問があります。しこりは2-3個、乳頭の近くにあるのですが、
1) がんになる可能性はどのくらいでしょうか?
2) 大きくなった場合、必ず切除が必要なのですか?
3) 日常生活で気をつけることはありますか?

以上、よろしくお願いいたします。

1) 線維腺腫の中から乳癌が発生してくることは極めて稀と考えられています。
2) 上記のように、癌化することは極めて少ないので、絶対的な手術適応ではありません。通常、@初診時で5cmを超えているもの、A徐々に大きくなって3cm以上のもの、B急激に大きくなるもの、C40〜50歳以上でも大きくなるもの、D痛みを伴うもの、E画像・細胞診断で癌との区別が難しいもの。これらの症状を認めれば切除を考慮します。
3) 日常生活で特に気をつけることはありませんが、あまり気にしすぎて「しこり」をしょっちゅう触ったり、揉みほぐしたりするようなことは控えてください。(文責 千島) 

 

No.2616】 04年07月10日   K.Y.
集団検診で要精検になりました

6月に集団検診で要精検になりました。触診では触れなかったようですが、マンモグラフィで右の乳房に1.6cmの石灰化が見つかったようです。病院で超音波診断をしたところ、左の乳房にも1cmくらいのしこりが見つかりました。「超音波の画像では良性だと思うが、細胞診をしておきましょう」とのことで、「画像ではこの辺」と、触診しながら両乳房から注射器状の器具で採取しました。検査結果は、「良性とも悪性とも結果が出なかった。次は、切開して生検をしてみるか、このまま少し様子を見て見るか。どっちにします?」と聞かれ、返答に困っていると、「それでは、発見から3ヶ月様子を見るということで、9月にもう一度超音波で診て生検をやりましょう」ということになりました。あと2カ月このまま過ごすのか、セカンドオピニオンを選択すべきなのか迷っています。先生は、緊急性のない良性腫瘍か、単なるしこりという見方のようですが、放置してよいのか不安です。

もともと右は非触知石灰化病変、左は1cmの小病変とのことなので、「画像ではこの辺」という感覚で細胞診を行っても正確に検査が行われたとは思えません。明らかに画像診断上良性疾患が考えられるのならば良いのですが、悪性病変が否定できないような病変ならば、右の病変に対してはX線透視下でのマンモトーム生検(太い針で組織を抜き取る)を、左の病変に対しては超音波下の細胞診を行って病理学的診断をする必要があると思います。セカンドオピニオンへ行く前に、一度主治医と相談してみてはいかがでしょうか。(文責 千島)

 

No.2615】 04年07月10日   Y.K.
腋のしこりについて

乳腺外科のある病院に行き、エコーの結果、乳腺には特に何も見られないが、右腋の下のしこりは3個ほどあるとのこと。抗生剤で様子を見ましょうとのことで、2週間服用しました。その後いったんしこりは小さくなったのですが、薬をやめて2週間後また、しこりが大きくなってきてしまいました。薬をやめる時の診察で、マンモを受けたいと申し出てマンモを受けました。やはりしこりは腋にあるとのことでした。左にも見られるとのことでした。自分でさわると左にはしこりが触れませんが・・・。また前のエコーでは、首の方にも小さいのがあるそうです。右胸のリンパのしこりのためか、右胸がぴりぴり痛いことがあります。右胸だけ違和感もあります。あと2週間後に病院に行き、「しこりが大きくなっていたら、切りましょう。」とのことでした。エコーにもマンモにもうつらない癌はあるのでしょうか?また、首のしこりは転移の可能性もあるのでしょうか?たぶん腋のしこりを切って調べることになると思うのですが、どのような手術なのでしょうか。すぐに手術できるのでしょうか。もし悪性であったら、その後すぐに胸の手術になるのでしょうか?右胸は少したれてきているような気がしますが、見た目は変わりありません。分泌物などはありません。よろしくお願いします。

わきの下のリンパ節腫大のみで発見され、超音波やマンモグラフィでは全く所見がない乳がんを「潜在性乳がん」と言います。珍しい症例ではありますが、臨床では時々見かけることがあります。ただ、通常がんのリンパ節転移は抗生物質の投与で小さくなることはありません。特に痩せている女性では、病気がなくても頚部、腋窩部(わきの下)、鼠径部(足の付け根)のリンパ節が触知します。しかし、わきの下のリンパ節が今後も再増大するようならば、乳がんの転移以外でも「リンパ節の病気」の可能性が否定できないので、病理学的検査が必要になると思います。いきなり切開することに抵抗があるようならば、注射針でリンパ節の細胞を抜き取る「細胞診」という検査を受けてみてはいかがでしょうか。もし摘出生検を受ける場合でも、局所麻酔(歯を抜くのと同じ麻酔)でわきの下に2〜3cmの切開をおいてリンパ節を摘出します。通常は30分位の手術で外来通院のまま手術を受けることが出来ます。(文責 千島)

 

No.2614-1】 04年07月07日   R S
マンモグラフィ検診

はじめまして。先日、区のマンモグラフィーによる乳がん検診の結果、右の胸に石灰化が見られ、「良性だが悪性を否定できない」ということで、精密検査を受けるように言われました。視触診では異常はないとのことでした。大学病院の乳腺外科で診察を受け、先生はもう1人の先生と一緒にレントゲンをご覧になって、大丈夫でしょうとおっしゃって、一応エコーをしましょうとおっしゃったのですが、私はその場で診ていただけるのかと思いましたが、2週間先の予約になってしまいました。2週間も不安な気持ちのままでいるのはとてもつらいのですが、予約の日まで待つべきなのでしょうか?別の病院をたずねてもいいものでしょうか?おかしな質問で申し訳ございませんが、なんとも落ち着かない気持ちなのでご意見を伺えればと思います。よろしくお願い致します。
40歳で既婚。子供が1人おります。産後より1年に1度視触診で検査を受けています。今回初めてマンモグラフィーを受けました。2週間後にエコーを受けた場合、ちょうど生理の前で胸が張っている頃だと思われます。そのような状況で検査を受けても支障はないでしょうか。申し訳ございませんがよろしくお願い致します。

マンモグラフィ検診では、撮影したX線写真を5段階評価で分類し、カテゴリー1、2は正常範囲、3以上を所見ありと判断します。おそらく貴女のX線写真は「良性だが悪性を否定できない」という所見があるようなので、マンモグラフィ-検診の カテゴリー3 に属する石灰化が見つかったのだと思います。一般にカテゴリー3の石灰化の場合、早期乳がんの隠されている可能性は20%以下なので、2週間で急激に悪化することはないと思います。通常、カテゴリー3の石灰化病変は3〜6ヵ月後に再検査を行い、石灰化の量や面積が増えていなければ6ヶ月から1年毎の経過観察とします。(文責 千島)

 

No.2614-2】 04年08月11日   R S
再検査について

7月の初めにHPNo.2614で相談を申し上げたものです。エコーの予約日まで3週間ありましたので、やはり不安で、悩んだのですが、近所の病院に乳がん検診センターがあり、かなりベテランの先生がいらっしゃることを知り、マンモグラフィーの写真を持って行ってみました。すぐその場で写真を見て、触診、エコーもしていただけました。その先生は異常はないので1年に1度の検診は欠かさずにとおっしゃって、現在の様子を図に書いて丁寧に説明してくださいました。その後、予約してあったエコーも受け、そちらの先生は半年後にエコーだけしましょうとおっしゃったので、予約を入れました。カテゴリー3の場合、3ヶ月〜半年後に再検査を行うとお教えいただいたと思うのですが、半年後にエコーを受けに行くということでいいのでしょうか。お忙しいところ申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。

悪性を疑う所見がないのでしたら、半年後の超音波検査で宜しいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.2613】 04年07月07日   K.N. 
術後のケロイド

はじめまして、宜しくお願い致します。33才の女性です。約3年半前に線維腺腫でしこりの摘出手術を受けました。乳首の回り外側半分を切ったのですが、傷口にケロイドが徐々にでき、固くなっています。お風呂で体を洗うときも痛く、そして何かに触れると痛いので、いつでもブラジャーをつけていないといけません。そしてたまにですが、傷口がズキンと痛みます。どうしたら良いでしょうか?

肥厚性瘢痕が出来ているようですね。もともと傷跡が残りやすい体質の方は、手術直後からトラニラストという内服薬を飲んだり、フルドロキシコルチドいうステロイドホルモン含有テープを張って傷の盛り上がりを予防する方法があります。あまり痛みや盛り上がりが強い場合は、皮膚科か形成外科の先生に相談してみてはいかがでしょうか。(文責 千島)

 

No.2612】 04年07月07日   あっこ
がん細胞の増殖速度について

33歳女性、既婚。腫瘍(1.8cm)を周り1cmで切除して貰い、迅速病理で断端陽性でも正式な病理診断結果が出てから再考するという事を手術する前に主治医と話しをして、6/22に乳房温存手術を受けました。術後、執刀医より説明が有り、迅速病理の段階で断端陽性と判明。そして、正式な病理診断結果が出て、やはり断端陽性で有った事と、周辺にも取り残しが有った事を改めて知らされました。そこで、一度メスを入れてしまった後のがん細胞の進行速度と、手術をする前の進行速度を知りたいと思い主治医に聞いてもご存知無かったので、お分かりになる方がいらっしゃればと思いメールさせて頂きました。やはり、メスが入った事により癌細胞が活発化してしまうのでしょうか? 7/15に再手術を控えており、放射線も抗癌剤も受ける事が出来ない為、それまでに体中に転移してしまわないか等、不安で仕方がありません。宜しくお願い致します。

基本的にがん細胞の生物学的性質が、メスによる物理刺激で変化するとは考えにくいので、がん細胞の増殖速度には変化はないと思います。以前は、腫瘍を体に残してくる手術をした場合は、残存腫瘍が転移しやすくなるという考えがありましたが、現在は遺残細胞と転移形成の因果関係は証明されていないので、1ヶ月弱の手術インターバルならそれほど心配する必要はないと思います。(文責 千島)

 

No.2611】 04年07月07日   F.F
手術に関して(2)(HPNo.2590-2)

No.2590でご相談させていただいた者です。お忙しい中、ご丁寧な説明、ご回答を頂き、ありがとうございました。先日主治医より連絡があり、病理結果を言われました。腫瘍自体の悪性は否定されたのですが、再度マンモを撮り手術で取った病巣の奥を調べたいとのことです。病理結果のリポートはとても分かり難く、日本で診断していただいたら個人差はあるもののどのようなことに相当するのか分からず、又不安になっています。特に「線維性嚢胞の変化。変則的な小葉状の過形成の少数の焦点が識別され注意。」が気になります。前回の質問で説明不足でしたが、ご回答の「視触診、マンモグラフィ、エコーなどで悪性を疑ったため」の通りで、それプラス細胞診もしておりました。ただ細胞診の結果も、悪性反応も良性反応も出なかった為、2日後に全身麻酔による腫瘍摘出手術を実施され、「たぶんガンでしょう」と言われていたのにリンパに関する説明もなく、そして取らなかったことに疑問を抱き不安になっていたわけです。こちらの医師は遺伝を非常に重要視するようで、私の場合、母と伯母が乳がんをしているため、とても神経質に診てくださっているようです(母が患ったことにより2倍、この度の腫瘍を私自身が持ったことで4倍のリスクがあると言われてしまいました)。今回もまた次回のマンモ撮影後にならないとなんとも言えないのでしょうが、言葉の壁があるぶん微妙なニュアンスが理解出来ず、又余計な心配をしてしまいます。上記した「線維性嚢胞の変化。変則的な小葉状の過形成の少数の焦点が識別され注意。」が、もしお分かりになりましたら、参考になるご説明をいただけないでしょうか?よろしくお願いいたします。

おそらく貴女が説明を受けた病理所見は、fibrocystic disease と記載されていたのだと思います。これは加齢による女性ホルモンの不均衡から生じる非腫瘍性の変化と考えられます。つまり、生理的な乳腺の退行性変化(老化)からやや逸脱して入るものの、臨床的には正常範囲に入るので治療の必要がないものと解釈されます。小葉の過形成もそれ自体は病的ではなく乳腺症の一症状と考えられますが、その中に不整な形の細胞が含まれている時には、乳がんの発生母地となることがあるので注意が必要です。貴女の場合は、お母さまと叔母さまに乳がんの既往があるため、主治医も気にされているのだと思います。当面、リンパ節郭清などの追加治療は必要ないと思いますが、マンモグラフィや超音波を用いた定期検査は受けていく必要があると思います。(文責 千島)

 

No.2610】 04年07月07日   さつき
腋窩リンパ節再発には手術しか?(HPNo.2577-2)

先日HPNo.2577で相談させていただいたものです。実は状況が変わりまして、再度アドバイスいただけませんでしょうか?
本日、母が主治医の触診を受け、あまりにも腋窩リンパ節が大きく(5pくらい)なっているのに驚き、「急遽、来週手術をするべきだ、このまま放っておくと大変なことになる。」と言われたそうです。前回触診をしてもらったのは2ヶ月前で、その時は、「このまま抗癌剤で治療を続けて様子をみましょう。」ということだったのですが、そんなにこの2ヶ月くらいで大きくなってしまうものなのでしょうか? エコーやCTの検査はせず、即、手術をしようということになったそうです。また、放射線治療の話を出すと、「癌が散ってしまうからだめだ。手術しかない」と。再発癌では手術をあまりせず抗癌剤で治療をするものだと思っていたのですが、部位によるのでしょうか?やはり手術で摘出するしかないのでしょうか?申し訳ありません、どうかアドバイスをください。

初回手術時の手術所見、病理学的検査結果が不明なので断定的なことは言えませんが、リンパ節転移が明らかに大きくなっているのならば、現在受けている治療ではがんのコントロールは不十分なのかもしれません。通常、初回手術でもリンパ節切除(郭清)は行うことが多いのですが、今回見つかったリンパ節は初回手術で切除しないような特殊な部位に出現しているのでしょうか?それとも初回手術時はリンパ節は切除しなかったのでしょうか?もし、再発部位が手術可能な腋窩リンパ節だけであるのならば、手術治療も選択肢の一つかもしれません。しかし、お母さまの場合は、もともと鎖骨上リンパ節にも転移があったようですし、今回の手術でがん病巣がすべて切除出来るかどうかは微妙なところだと思います。いずれにしても、初回手術時の所見、病理学的検査結果をもとに、手術、抗癌剤、ホルモン剤による治療のリスク&ベネフィット(治療効果と治療によって生じる不利益)について、主治医から十分な説明を受けることをお勧めします。再発乳がんの治療は、「これが一番!」と決まった治療法はありません。生活の質(社会生活での活動性、経済性)と治療効果のバランスを考えて、主治医と十分にコミュニケーションをとりながら、患者さま自身の生活に最も適したオーダーメイドの治療メニューを作っていくことが重要なことだと思います。(文責 千島)

 

No.2609】 04年07月07日   M.S.
乳房のしこりの相談(2)(HPNo.2584-2)

先日HPNo.2584で相談をした者です。詳しい検査まであと1ヶ月ほどあるのですが、とても怖がりの性格で、食事ものどを通らないほどです。ネットで検索をすると、診察を受けていても見落としがあるようなことも書いてあります。しこりの大きさも4,5センチぐらいの横に広がったような感じですし、何よりも超音波で黒い物があるといわれて不安で不安でたまりません。超音波で黒い物が映っている場合、悪性の可能性は高いのでしょうか? しこりのある右の乳首から黄色っぽい分泌物もありますが、押すと出る時と出ない時があります。左側は白っぽい分泌物で、右の分泌物に連動して押すと出ることが多いようです。とても心配で他の病院を受診してみようかとも思うのですが、診断や検査は即日でできるものでしょうか? それともこのまま待っていても大丈夫でしょうか? 今診察を受けている医師は予約が込んでいて、これ以上の早い診察は難しいようです。お忙しいところ何度も申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

前回の回答にもあるように、「黒い物」というだけでは嚢胞(液体の貯まり)なのか、腫瘤(しこり)なのかはっきりしたことはいえません。少なくとも食事がのどを通らないほど心配しているよりは、主治医の先生にもう一度相談してみる方が良いのではないでしょうか?貴女が今、これほど精神的に苦しんでいるのを知れば、主治医の先生も親身になって相談に乗ってくれることでしょう。主治医とは十分にコミュニケーションをとる事が大切です。わからない事があればもっと気楽に質問しても良いのではないでしょうか?(文責 千島)

 

No.2608】 04年07月05日   C.R.
乳がんの骨転移について

私の母(48歳)は37歳のときに乳がんになり、左胸とリンパをとりました。そして3年前に骨転移が確認され、背骨に放射線をあて治療しました。抗がん剤やホルモン治療はその後、継続しているのですが、ここ一年で頸椎と骨盤の一部に再発してしまったため、抗がん剤とタキソテールの化学治療を行っています。数値は下がってきているようで効いてはいるようなんですが、現在は10センチほど身長も縮み、神経痛と骨の痛みのため、動くことが困難になり筋肉が落ちてしまっています。また、最近は少しは歩行はできるようになり、身の回りのことは多少はできるようになったのですが、相変わらず背中や肩甲骨の辺りが痛いといいます。さすると気持ちいいので、主治医の先生は、「筋肉が弱っているから筋肉痛で痛いので骨が悪くなっているのではない。」といいます。筋肉が作られるときは痛みも伴うのでしょうか。乱文になってしまいましたが、どうか回答の方、お願いします。

骨転移の痛みのコントロールにはビスフォスホネート製剤の点滴が良いと考えられています。貴女のお母様が苦しんでいる「肩甲骨周囲の痛み」の原因が何かは不明ですが、主治医がおっしゃるような「筋肉痛」であるならば、市販の鎮痛剤でも効果があると思いますので試してみてはいかがでしょうか。一般的には、筋肉が形成される時にこのような痛みが生じることは少ないと思います。(文責 千島)

 

No.2607-1】 04年07月05日   K/M
ホルモン療法について

昨年7月左乳房温存手術を受けました。46才。子供2人。腫瘍サイズ1,8cm 硬ガン、ホルモンレセプター2つとも陽性。リンパ転移が1つあった為CEF4クール、同時期にゾラ開始。抗ガン終了後、放射線治療。現在は月1のゾラのみです。相談はゾラの期間についてです。1年検診では特に問題は無いのですが、主治医から『ゾラ、いつまでやりますか?』と聞かれました。冬場、副作用?なのか関節痛が酷く、訴えた時にも『じゃ、1回、止めてみようか?』と言われ悩みました。が、結局、次回の時に『ホルモン陽性だから続けた方が良いね。後1年はやりましょう」との事。普通は2年ですよね? なのに今回は「10月で止めようか?」と言われ悩んでいます。「お金も大変だろうし、既に不用かも?」との事。抗ガンだけで閉経の可能性も高いとは聞いてますが、「結局、ハッキリとは分からない事だろうから自分の判断で」と言われても、そんなに早く終わって良いのでしょうか?「1年、戻らなければ閉経、戻ったらやり直しになるけど」とも言われては不安だし、以前、別な先生の時には「最近は5年の方が良いというデータが上がってる」とも・・・。流石に5年は長いですけど、1年って?大丈夫なんですか??
もう1つお聞きしたいのは、術後の患部が5月に急な発熱後、腫れあがり、元々、引きつれていた患部が更に引きつれました。「形成に行って治して貰って下さい」との話だったのですが、「やっぱり、もう1年くらいしてから治した方が良いかも・・・。再建手術とかは2年経ってから、が再発を考えた場合、云々・・・」 再建では無いんですけどね。それでも待った方が良いですか? 標準を基準にしたり、無視したりで判断を任されても・・・。どうか、意見、見解の程をお聞かせ下さい。宜しくお願いします。

40歳以上で化学療法を施行した場合、化学療法の種類にもよりますが60〜70%程度で閉経するといわれています。ゾラデックスは卵巣機能を抑えるための薬で、乳癌細胞へ直接作用するわけではありません。もし化学療法で閉経しているようならば、主治医の言うようにゾラデックスを使用する意味はなく、薬剤費で散財している可能性もあります。ゾラデックスの投与を中止して、月経が再来するようならば治療を再開するのも一つの案かもしれません。

発熱、発赤が術後の乳腺炎ならば問題ありませんが、患部が術後10ヶ月も経過してから腫れあがる場合は炎症性乳癌タイプの再発を否定する必要があります。炎症症状が続く時には注意が必要です。確かに乳房温存術後の形成術を施行すると乳房内再発を発見しにくくなる可能性はあります。術後どの程度の時期をおいてから乳房形成を行うべきかの標準はありませんが、切除標本の病理学的所見で再発リスクが少ないようならば、あまり手術の時期にこだわる必要はないと思います。術後2年以内の乳房内再発は生存率の低下と関係している可能性があるので、2年以上経って創部の形状が安定した時点で手術の適否を決定すれば良いのではないでしょうか。いずれにしても主治医とコミュニケーションを充分にとって判断するようにしてください。(文責 千島)

 

No.2607-2】 04年07月11日   K/M
ホルモン療法について(2)

早速の丁寧な回答、有難う御座いました。例の無い事では無いと知り安堵しました。
もう1つ、お聞きしたいのですが、「白血球の数」についてです。抗ガン治療中、下がっても翌週には回復してましたが、最後の時に3000に落ちてから戻りません(上がっても3400)。この前は2800でしたが「問題は無い、そのうち戻る」と、ばかり。私は何度も”何故下がったままなのか”を聞いてるんですが・・・。(以前は5〜6000有ったのです) 些細な事なのかも知れません。でも余計な不安なら取って頂きたいと思うのです。何度も申し訳ないですが、宜しくお願いします。 

抗癌剤の治療を受けると、治療開始前に比べて白血球数が少なくなる人が結構あります。がん細胞が死滅したのと同じように、骨髄の血液産生細胞もかなりのダメージを受けているので、このようなことが起こっても不思議ではありません。ただ、3,000/mm3 程度の白血球があれば、日常生活には不自由しないはずなので、「自分の体内で、白血球数の基準値が変わった」と思うようにしてください。(文責 千島) 

 

No.2606】 04年07月05日   くまごろー
DCISの術後療法について

はじめまして。母のことで相談させていただきたくメールいたしました。母は現在48歳、今年の4/9に右胸の内側上から乳頭のあたりまで1/4程度切除する乳房温存手術を受けました。その後5/26から6/29まで放射線治療を受け、7/6の診察時にホルモン治療をするか否かの選択をしなくてはいけない状況です。そこでいくつかお伺いしたい事があるのです。まず、母の病理の結果は以下の通りです。
-----------------------------------------------------------------------
locus A (extent:20mm in diameter)
intraductal component:cribriform, papillary intermediate nuclear grade
ly(-) v(-)
comedo necrosis(+) calcification(+) lymph nodes Level1(-) 0/7
resectedend negative for cancer (least 10mm)
ホルモンレセプター ER(+) pgR(+)
-----------------------------------------------------------------------

1) 病理の結果で『comedo necrosis(+)』とあったのは、どういう意味なのでしょうか? また、この結果から癌のどのような性質が分かるのでしょうか? それから、主治医より『悪性度2』と言われたのですが、これはどの程度気にすべきなのでしょうか?
2) 主治医からは『ホルモンは任意です』と言われており、現在非常に悩んでいます。DCISにホルモン剤を使用した場合、どれくらい有効性があるのでしょうか?(再発率がどの程度下がると考えればよいですか?)
3) 母は以前、心臓で生じた血栓が脳にいくことによる一過性脳虚血発作を起こしており、循環器専門内科医からバファリンを、脳外科医からはバイアスピリンを処方されていました(手術前から現在までは服用していません)。母のような場合、ホルモン剤との併用は問題ないのでしょうか?また、血栓の生成に影響の少ないホルモン剤というのはあるのでしょうか?
4) また1999年に母は子宮筋腫のため子宮+左卵巣を摘出しています。この状態は、ホルモン療法選択の折『閉経後の患者』と考えればよいのでしょうか?

長々となってしまいましたが、どうぞよろしくお願いいたします。

1)comedo necrosis(コメド壊死)を伴う乳がんは、面疱型乳管内癌と言われ、組織学的に乳管内に拡がったがん細胞の中心部に壊死が生じ、石灰化(カルシュウムの沈着)を形成している状態を示します。このようなコメド壊死を伴う場合は、術前に診断していた以上にがんの進展範囲が広いことが多いと言われています。コメド壊死を伴うような病変は通常細胞異型が強く、細胞学的悪性度は2か3となる場合が多いようです。「悪性度2」というだけでは、それほど重要な意味は持ちませんが、術後化学療法の適応などを決める場合に、乳癌の発症年齢、腫瘍の大きさ、ホルモンレセプター発現状況やリンパ節転移の有無などとあわせて参考にします。

2)貴女のお母様の非浸潤癌の診断が、綿密な病理学的検索の結果で診断されているのであれば、リンパ節や遠隔臓器に再発する可能性は1%以下と考えられます。つまり術後のホルモン療法は、再発予防というよりは同側および対側乳房に新たな癌が発生してくるのを予防するという意味合いの方が強くなります。タモキシフェンというホルモン療法剤を5年間内服すると、約50%の確率で乳癌の新規発生を予防できると考えられています。ただし、タモキシフェンの内服による血栓症合併や子宮体癌の誘発という不利益もあるので注意が必要です。ホルモン剤を内服するか否かは、そのメリットとデメリットについて、主治医から十分な説明を受けてから決めるようにしてください。

3)血栓症の危険があり、既に閉経している女性の場合はアロマターゼ阻害剤というホルモン療法剤が適応になります。ただし、アロマターゼ阻害にもタモキシフェンのような予防効果があると期待されてはいますが、その効果は完全には証明されておらず、今後の臨床試験の結果が待たれるところです。

4)アロマターゼ阻害剤の効果を期待するためには、卵巣機能が十分に低下していることが必要です。貴女のお母様の現在の年齢にもよりますが、少なくとも右の卵巣が残っているようなので、FSHやエストラジオールなどのホルモン値を計測して内分泌学的に閉経していることを確認する必要があると思います。(文責 千島)

 

No.2605-1】 04年07月05日   nk
術後の化学療法について

はじめてご相談させて頂きます。42歳、子供一人です。6月中旬にマンモグラフィを受けた結果、右の乳房に石灰化が広範囲(2cm以上)に見られ、十中八九、「非浸潤癌」だろうと言われました。MRIなどの精密検査はまだこれからなのですが、手術そのものより、私が恐れているのは術後の抗がん剤治療です。主人と二人で自営業を営んでおりますので、抗がん剤の副作用で寝たきりになってしまうのでは・・と考えると不安で仕方ありません。乳房を全摘すれば抗がん剤治療はやらなくてもすむのでしょうか?先生はタチの良い癌だから命に別状は無いと言われましたが、私の様に非浸潤癌の可能性大でも精密検査の結果、悪性の癌と言う事もあるのでしょうか?その場合はやはり抗がん剤治療は免れないのでしょうか? 先生は脇の下を触診してリンパへの転移はなさそうと言われましたが、自分でよく触ってみるとグリグリしているものが両方の脇の下にあります(これは昔からあるのですが・・・)。またインターネット等で見ておりますとマンモグラフィで石灰化が見つかった場合、早急にMRIや細胞診、生検等を行うとありますが、私の場合はまだこれからで、混みあっている事もあると思いますが、検査が終わり先生の再診を受けるのが7月中旬頃になってしまうのですが、それまで放っておいても大丈夫でしょうか? またサプリメント(ビタミン類、ミネラル、ローヤルゼリー、クロ酢)などはやめた方が良いのでしょうか? とりとめの無い質問で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

マンモグラフィ上非浸潤癌の可能性が強いとのことですので、まず今後の診断が待たれるところです。非浸潤癌の術後治療に関してはまだ統一された見解はありませんが、術後の補助療法はおこなわず経過を観察していくだけのケースが多いと思われます。ですから、もし貴方が癌であったとして手術をお受けになるとしても、術後の病理結果が非浸潤癌であったとすると術後に抗癌剤治療を受けない可能性が強いと思います。また抗癌剤治療についてですが、その抗癌剤の種類によっても異なりますが、脱毛を除き、ほとんど副作用らしい副作用のない方も多くいらっしゃるので、まだ癌の診断のついていない現段階で抗癌剤の副作用を心配するのは杞憂かもしれません。腋下のリンパ節についても、両側に昔からあるリンパ節であればまず転移との関連はないと考えてよいと思います。また7月中旬に一通りの結果がそろうということであれば、決して遅すぎることはありません。サプリメントはいずれにしても影響はないと考えられますので、あえてやめる必要はないと思います。(文責 谷)

 

No.2605-2】 04年07月23日   nk
非浸潤癌について

No.2605でご相談させて頂いた者です。その節はお忙しい中、丁寧なご回答、ありがとうございました。先週、細胞診を行いました結果、やはり癌でした。マンモグラフィで、「非浸潤癌でしょう」と言われておりましたので、「非浸潤癌ですか?」と尋ねたところ、私の様に広範囲に広がっている(4cm)場合は浸潤癌になっている事もあるといわれました。そこでお聞きしたいのですが、マンモグラフィでの非浸潤癌疑いでも、手術してみたら浸潤癌だったという事もあるのでしょうか?その場合の悪性度の様なものはどの程度なのでしょうか?センチネルリンパ節生検を行うとの事ですが、リンパ節に転移している事もあるのでしょうか?手術は大変混雑しており、1ヶ月以上待ちとの事で、「そんなに放っておいても平気なのですか?」とお尋ねしたところ、私の場合は大丈夫との事でした。しかし先週、細胞診をしてから、気のせいか石灰化のしこりが大きくなっている様な感じもします。本などを見ても4cmもあるとだいぶ進行している事が書かれており、もし浸潤癌で4cmのしこりだったら・・・と不安は募る一方です。今まで腹部の超音波検査、骨シンチの結果は異常なしでした。今週中にはMRIを行います。やはり現段階では、まだどんな種類の癌で、悪性度や進行度などはわからないものなのでしょうか?手術後の病理結果が出なければ確定診断が出ないという事はわかっていますが、手術日も決まってないので不安で仕方ありません。よろしくお願いします。

マンモグラフィでの非浸潤癌疑いでも、手術してみたら浸潤癌だったという事はよくあります。マンモグラフィーはあくまで画像診断ですから。だからといって悪性度が高いわけではありません。浸潤癌であればリンパ節転移の可能性はあります。悪性度、進行度は、手術の結果次第です。現時点でいえることは、遠隔転移はなさそうということです。(文責 徳田)

 

No.2604-1】 04年07月05日   P-K
授乳後のしこり

はじめまして、お世話になります。先日左胸にしこりを感じて、外科を受診いたしました。レントゲン、超音波、触診共に異常ありませんでした。このときに右胸の気になるところをお伝えするのを忘れてしまい、何もないものだと思って帰りました。先日自己検診を行ったところ、少し前にエコーで、「ホルモンの関係で硬くなっている」といわれた箇所『右胸の』あたりが、こりこりしていることに気づきました。前回の検査から幾週間もたっていませんが、心配性なもので、『気になったらすぐ来てね・・・』といわれたのを思い出し、行って参りました。結果、触診で、「授乳後の方はこのぐらいこりこりとたくさん硬結しているので、自然な現象です、検診でも引っ掛ける対象にはなりません。」とのことでした。私は授乳は一年以上しており、卒乳後、二年近くたちました。23歳で出産いたしました。このしこりは心配ないでしょうか?触った感じは、平べったいような、丸い感じです。三ヵ月後に再度受診いたします。19歳で線維腺腫の摘出をしています。

主治医の先生が仰るとおり、授乳後の乳腺の硬結はしばしばみられます。乳腺炎の名残であったり乳瘤の跡であったりし、その部分は他の部位よりも硬く触れますが、まったく問題のないものです。貴方の場合、きちんと専門医を受診なさっておられますので、まず心配いらないと思います。(文責 谷)

 

No.2604-2】 04年09月14日   P-K
授乳後のしこり(2)

No2604でお世話になったものです。よろしくお願いします。今日、生理中ですが、何気なく、左胸をさわったら、外側にこりこりしたものが、たくさんはっきり感じました。とんがったような感じのしこりです。6月末に外科受診の際にも、そのこりこりは指摘されまして、授乳後の硬結らしかったのです。触れば触るほど、しこりのように感じてしまいます。左胸は生理前、生理中には結構しこりになります。毎月内側下部の同じところが、かたいしこりになっていますが、生理後には消えます。9月9日に外科の予約を入れていただきました。しこりに気づくまえに予約しましたので、少し時間があいてしまいますが、それまで待っていても大丈夫でしょうか。それとも、今月中に受診すべきでしょうか。お忙しい中、どうかご意見をお聞かせ頂けますこと、よろしくお願いします。

生理前、生理中に乳腺が硬くなり生理後数日してから柔らかくなる変化は正常のホルモン変化による影響と考えられます。乳腺症がある方は症状が強く出る方がいらっしゃいます。9月の検診を受けられることで心配はないと思われますが、受診される時期としては生理後のほうがよろしいかと思われます。(文責 西川・福田)

 

No.2603】 04年07月05日   M.K
術後の自己検診について

いつも拝見させていただいております。私は33歳、既婚、出産経験はありません。昨年秋に左乳房全摘(胸筋温存)手術をいたしました。センチネルリンパ節生検で転移はなかったため、リンパ節郭清は行いませんでした。病理の結果は非浸潤性乳癌で、術後の治療はせずに、半年に一度の定期健診のみで、お蔭様で元気に過ごすことができています。主治医の先生からは一ヶ月に一度自己検診をするようにといわれているのですが、術側の方をどのように観察をしたらよいのかよくわからないでいます(主治医の先生は目に見えてすぐわかるとおっしゃっていたのですが・・・)。私自身、皮膚がとても敏感であるため、ときどき胸や背中にニキビのようなものがでたりするので、それが再発の症状のようにみえてしまうことがあります。そこで、
1) 局所再発の場合は手術跡のどのあたりにできるのでしょうか。(傷の上なのか、その周囲なのか、少し離れたところなのか)
2) 形状はどのようなものなのでしょうか。(水ぶくれのようなものか、ニキビのようなものなのか、赤みをおびているものなのか)
3) それは発見した後、急激に大きくなったり、増えてくるものなのでしょうか。
4) その部分は痛みやかゆみなどが伴うものなのでしょうか。

いろいろな症状があるかとは思いますが、だいたいで結構ですので、参考までに教えていただきたく、よろしくお願いいたします。

1) 局所再発の場合、手術創そのものやその周囲に生じることがほとんどです。
2) 多くは硬いしこり(米粒のような感じ)として触れることが多いですが、これに感染が加わると赤くなったり水泡を形成したりすることがあります。
3) 1ヶ月で倍くらいになるものもありますが、通常はもう少し緩徐に増大します。
4) 多くは痛みやかゆみなどの症状がなく、強く押さえると鈍い痛みがある程度のように思います。(文責 谷)

 

No.2602】 04年07月05日   M.T.
乳輪直下に小さなしこりがあります

32歳、女性です。右胸の乳輪直下に推定直径3ミリくらいのしこりというか、粒のようなものを感じます。押すと少し痛いです。このようなところに癌ができるということはありますか? また他の病気だとしたら何が考えられますか。2年程前に出産、1年程前に断乳しておりますが、乳首をしぼると乳白色の汁が少し出ます(両方の胸です)。これはお乳なのでしょうか。それとも何か病的なものなのでしょうか。実は最近集団検診でマンモグラフィの検査を受けましたが、そのしこりに気付いたのは検診の5日後くらいでしたので、検査結果(まだ出ていません)で何もなくても実は癌だった、ということはありえますか?心配です。よろしくお願いします。

乳輪直下に直径3mm程度のしこりを触知するとのこと、粉瘤、乳瘤、乳輪下膿瘍などが考えられます。癌の可能性は低いように思いますが、100%否定しきれないので乳腺外科を受診していただきたいと思います。また断乳後1年経っていても、乳汁の分泌がみられることは決して珍しくありませんので、乳白色の汁は乳汁と考えてよいと思います。マンモグラフィに写らない癌もしばしばありますので、マンモグラフィ検診で異常なしとの結果であったとしても、しこりを感じた場合やはり乳腺外科を受診するべきだと思います。(文責 谷)

 

No.2601-1】 04年07月03日   MM
61歳の母について

はじめまして、私の61歳になる母の事なのですが、地元のN病院で2004年6月28日に乳ガンと診断され、29日に乳房のみのMRI、今日骨に転移がないかどうか検査するのですが、大きな病気は今まで家族には無かったので心配です。しこり自体は10年前の乳ガンの集団検査で乳腺症といわれた頃からなのですが、半年前は自身で触れ2センチ程度だったのに対し、急に大きくなってきたので検査に行ったようです、現在は4.5センチと診断されたようです。急に短期間で大きくなったりすることがあるのでしょうか。また触診では筋肉には転移していないようだと言われたのですが、同じ乳房の中にもう一つ小さな腫瘍があるようです。自覚症状としては、腰痛のみで食欲も普段どおりにあり、体がだるいとかそういった症状も全くありません。腰痛の程度はたいしたことがないと言っているので、定年退職後の運動不足から来ているのではないかと、私も含め思ってはいるのですが、やはり心配です。7月5日に家族も含めた説明があるのですが、どの様な状態が考えられるのか、どの様な治療が良いのでしょうか。また手術は今のところ7月12日に入院し、翌日に右の乳房の全摘出と脇のリンパ切除とのことです。それから最後に伺いたいのですが、AHCCという健康食品が効果があるとインターネットで見つけたのですが、主治医に相談といった事は可能なのでしょうか。文章が未熟で読みづらいと思いますが、よろしくお願いします。

お母様の乳癌の診断に、ご家族の方々皆様が気遣っておられる様子が窺えます。4.5センチの大きさの乳癌ということですが、肝臓、肺、骨、脳などの全身への転移やリンパ節転移の有無が、今後の方針を大きく左右することになります。7月5日にご説明があるとのこと、その際よく主治医の先生からご説明をお聞きいただきたいと思います。なおAHCCなどの健康食品については、主治医の先生にご相談されることはもちろん可能ですが、効果に関しましてはあまり根拠が認められておらず、今後の使用に関しましてはよく検討頂いたうえでお使いいただくようにして頂きたいと思います。(文責 谷)

 

No.2601-2】 04年08月04日   MM
術後の治療について

HPNo.2601で母についてご相談させていただいた者です。7月13日に予定どおり手術を行い、遠隔転移は幸い無かったのですが、リンパに3つ転移がありました、今後は8月10日より抗ガン剤を(5−FU、ファルモルビシン、エンドキサン)を3週ごとに4回、その後タキソールを同じく4回とのことです。腫瘍が4.5センチと大きかった事と、胸筋の一部に食い込んでいた事をあわせて考えると、抗ガン剤の投与は覚悟しているらしいのですが、私としては副作用が心配です、緩和する方法があれば教えていただけませんでしょうか。それから、抗ガン剤の投与が済んだ後はどの様な治療になるのでしょうか。

抗がん剤の副作用は、骨髄抑制、消化器症状、脱毛をはじめ多岐にわたりますが、その症状には個人差があるため、症状に応じて主治医の先生と相談し、症状を緩和する薬剤を使用していくのがよいでしょう。抗がん剤が終了したら再発がないかをチェックしながら、ホルモン療法が有効であればホルモン療法を、ホルモン療法が無効であれば抗がん剤治療もしくは経過観察ということになると考えます。(文責 浜口)