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相談室(No.5101〜5200)

このページは乳がんに関 する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

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なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

5200-1
5200-2
06/04/17
06/05/14
K 打撲について
今後の治療について
鈴木
俵矢
5199-1
5199-2
06/04/17
06/04/19
N.N. 左脇下の痛みについて
左脇下の痛みについて(2)
鈴木
首藤
5198 06/04/17 ruri 右胸のしこりについて 鈴木
5197 06/04/17 M.W. アリミデックスの副作用と栄養補助食品について 鈴木
5196-1
5196-2
06/04/17
06/04/19
S.M ゾラデックス終了後の治療について
ゾラデックス終了後の治療について(2)  
鈴木
鈴木
5195 06/04/17 N.N. 抗がん剤の選択について(HPNo.4850-3) 鈴木
5194 06/04/17 T.A 乳腺嚢胞症の疑い 鈴木
5193 06/04/17 S.A. しこりの奥の痒み 鈴木
5192 06/04/17 A.S. 乳腺腫瘍の切除手術について(HPNo.5069-2) 鈴木
5191 06/04/17 H ホルモン療法と子宮体癌について 鈴木
5190 06/04/17 K.U 乳腺線維腺腫と子宮内膜症の関係について 鈴木
5189-1
5189-2
06/04/15
06/04/27
H.O.  術後補助療法と切除について
乳房温存手術について
鈴木
須田
5188 06/04/15 Y  術前化学療法後の手術前の針生検について 鈴木
5187 06/04/15 S CT検査の結果(HPNo.3350-5) 鈴木
5186 06/04/15 K.S.  精密検査結果について 鈴木
5185 06/04/15 K.M.   線維腺腫? 鈴木
5184 06/04/15 悪性葉状腫瘍 鈴木
5183-1
5183-2

5183-3
06/04/15
06/05/05
06/07/31
T.H. 2つの石灰化について
マンモグラフィーの結果を聞きました
経過観察中の2度目の結果
鈴木
須田
加藤
5182-1
5182-2
06/04/15
06/04/19
t 今後の治療について
今後の治療について(2)
鈴木
首藤
5181 06/04/14 N.S 乳首からの出血(HPNo.5083-3) 鈴木
5180 06/04/14 抗がん剤治療は最後まで受けるべきか? 鈴木
5179 06/04/14 Y  微小性浸潤ガンについて(2)(HPNo.5016-5) 鈴木
5178 06/04/14 P  脇の下の腫れ 鈴木
5177-1
5177-2
06/04/14
06/05/27
N.G.  生検について 
病理結果とセンチネルの失敗について
鈴木
徳田
5176 06/04/12 M.J. 再発乳がんの治療について 清水
5175-1
5175-2
06/04/12
06/04/27
I.M.  胸のしこりについて
細胞の検査について
清水
須田
5174 06/04/12 C子 再発の可能性について 清水
5173 06/04/12 S.I. 術後補助療法終了を迎えるにあたり質問です 清水
5172 06/04/12 M  微細円形石灰化 清水
5171 06/04/12 F.S.  針で刺すような痛みについて(HPNo.5025-3) 清水
5170 06/04/12 Y  乳がんの内視鏡手術について 清水
5169 06/04/12 Y.K. 細胞診の結果3bの意味すること 清水
5168 06/04/12 Y  ノルバデックス+アゴニスト製剤について 清水
5167 06/04/10 R  UFT−Eについて 清水
5166 06/04/10 mm ホルモン療法と卵巣切除について 清水
5165 06/04/10 A.S しこりの痛み 清水
5164 06/04/10 R  肝臓に転移している段階での手術 清水
5163 06/04/10 T  乳癌皮膚メタのケアについて 清水
5162-1
5162-2
06/04/10
06/09/25
FT  今後の治療について
ホルモン治療について
清水
徳田
5161-1
5161-2
06/04/10
06/05/07
U 手術後の治療方針について
放射線治療中の症状について
清水
須田
5160 06/04/10 S  右全摘後内側の断端が陽性DCIS 有り、その後の治療法を教えていただけないでしょうか 清水
5159 06/04/10 線維腺腫に関して 清水
5158-1
5158-2
06/04/10
06/04/14
まぐろ 手術前化学療法今後の見通し
手術前化学療法今後の見通し(2)
清水
鈴木
5157 06/04/10 y.y ホルモン療法 清水
5156 06/04/10 K.E. 浸潤性乳管ガンと痛み   清水
5155 06/04/10 N.T 再発後の検査方針について 清水
5154 06/04/10 R.N.  今後の治療について 清水
5153 06/04/10 K.H.  筋状のしこり 清水
5152 06/04/10 Y 乳がん治療後の不妊治療について 清水
5151 06/04/08 微小性浸潤ガンについて(HPNo.5016-4) 清水
5150 06/04/08 Y.A.  今後のホルモン療法について 清水
5149 06/04/08 N.F 薬の副作用について 清水
5148 06/04/06 K  乳首から黄色い分泌物がでます 清水
5147 06/04/06 Y.O.  ホルモン治療について 清水
5146-1
5146-2
06/04/06
06/04/27
N子 手指の痺れ
漢方について
清水
須田
5145 06/04/06 Y.M.  発熱について 清水
5144-1
5144-2

5144-3
5144-4
06/04/06
06/10/18
07/01/07
08/11/07
S.S 術前化学療法について
術前の治療について
術後の治療について(2)
骨転移治療について
清水
舘花
鈴木
浜口
5143 06/04/06 W.S. StageUで治療を行わなかった場合の余命を教えて下さい 清水
5142 06/04/04 S・H 77才になる母の卵大のしこりについて(HPNo.4959-4) 加藤
5141 06/04/04 H  CT検査(HPNo.4198-4) 加藤
5140 06/04/04 U  化学療法とホルモン療法の併用について 加藤
5139 06/04/04 YY 今後の治療について(3)(HPNo.5065-3) 加藤
5138 06/04/04 M  母の状態について 加藤
5137-1
5137-2

5137-3
06/04/04
06/06/07
06/07/10
T.K.  右脇下のしこりについて
母の術後経過について
母の術後治療について
加藤
福田
石川
5136 06/04/04 S  抗がん剤の減量について 加藤
5135 06/04/04 M  予後について 加藤
5134 06/04/04 アルコールはどうして乳がんのリスクを高めるのでしょうか? 加藤
5133 06/04/04 J.I.  術後の治療等について 加藤
5132 06/04/02 TT   膵臓の痛み(HPNo.5091-4) 加藤
5131-1
5131-2

5131-3
06/04/02
06/05/15
06/05/31
Y.K 確定から2ヵ月放置しておくのは問題ないのでしょうか?
核異型度について
抗がん剤治療の再検討について
加藤
俵矢
浜口
5130 06/04/02 E.T.  再発予防のためのハーセプチン治療について 加藤
5129 06/04/02 AK 針生検について 加藤
5128 06/04/02 s  術後、これからの治療法について 加藤
5127-1
5127-2

5127-3
06/04/02
06/04/08
06/04/18
S.A.  胸筋合併切除術について
胸筋合併手術について(再)
抗がん剤治療について
加藤
清水
首藤
5126 06/04/02 E.N. 術後半年の局所再発(HPNo.4464-3) 加藤
5125 06/04/01 IN 術後補助療法について 加藤
5124 06/04/01 H.Y.  乳がんの再発とCEA値 加藤
5123 06/04/01 SK タキソールの効果と今後の治療について(HPNo.4990-3) 加藤
5122 06/04/01 S.T.  治療前の検査結果について(HPNo.4871-2) 加藤
5121 06/04/01 N  腫瘤が消えた? 加藤
5120 06/04/01 T.K フェアストンというホルモン療法について 加藤
5119 06/04/01 HL 抗がん剤の効果なし 加藤
5118 06/04/01 肋骨が左右違ってきました 加藤
5117 06/03/31 M  ゾラデックスの追加について 片山
5116 06/03/31 Y.T 手術後の治療について 片山
5115-1
5115-2
06/03/31
06/04/08
S.F.  病理の結果より
転移の可能性
片山
清水
5114 06/03/31 O 術後の治療とCT検査について 片山
5113 06/03/31 Y.Y.  ノルバデックス(HPNo.5004-2) 片山
5112 06/03/31 M.T. 右手のしびれ(HPNo.4315-3) 片山
5111-1
5111-2

5111-3
06/03/26
06/04/08
06/04/17
MF 乳腺腫瘍疑と言われました
細胞診検査
細胞診の結果
片山
清水
鈴木
5110 06/03/26 M  授乳中の左乳首の痛み 片山
5109 06/03/26 TT   ティーエスワンについて(HPNo.5091-3) 片山
5108 06/03/26 T.T.   再発予防のハーセプチン治療(HPNo.4478-2) 片山
5107 06/03/26 H.S.  ドグマチール 片山
5106 06/03/26 F  乳管拡張について 片山
5105 06/03/25 M.O.  しこりについて 片山
5104 06/03/25 R 脇の痛みについて 片山
5103 06/03/25 TT  肝臓転移への漢方治療について(HPNo.5091-2) 片山
5102-1
5102-2
06/03/25
06/04/02
今後、妊娠を望むには
今後の術後治療について
片山
加藤
5101 06/03/25 Y 病理結果が出ました(HPNo.5016-3) 片山

 

 

 

No.5200-1】 06年04月17日    K
打撲について

昨年乳がんの手術をし、腫瘍径1.7cm、センチネルリンパ節生検0/3、ER・PGR+、HER2強陽性で、ハーセプチン単独で補助療法を行っています。先日、背骨を強打し、かなり痛みます。骨に転移しないかと心配です。どうなのでしょうか? ちょっとのことでも不安です。

骨に関しては、検査をしてみないとなんとも言えません。主治医に相談し、レントゲン、骨シンチなどを行ってみてはいかがでしょうか? それより、ハーセプチン単独の補助療法は疑問が残ります。病理結果がすべて記載されていませんので、なんとも言えませんが、ハーセプチンの効果は、術後補助療法として抗癌剤の投与を通常行った後での、追加効果として認められたものですので、抗癌剤の投与を行っていないのであれば、如何なものかと思います。ホルモン療法も併用で行っているのでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.5200-2】 06年05月14日    K
今後の治療について

先日は、早速回答いただき有難うございました。打った箇所は痛くなくなりましたが、左の肩甲骨下ぐらいのあばら骨付近がさわると痛かったり、痛くなかったりしています。主治医は触診後、「問題ないと思うけど」と言っていますが…。先日データをきちんと書きませんでしたが、36歳で、17年11月に左乳房温存手術(結果:腫瘍径1.7cm、断端−、ER・PGRとも+、HER2が3+)、通院の都合で転院、12月にセンチネルリンパ節生検(0/3)、1〜2月に25回の放射線治療後、年齢的に子供を持てるぎりぎりのチャンスと思い、悩んだ結果、ホルモン療法より期間が短く、副作用が軽いハーセプチン単独の治療を自費で選択しました。ただ、1月の生理終了以降、生理が来ず、婦人科を受診したところ、子宮内膜が薄い、触診・エコーで卵巣・子宮には出来物は見当たらないとのことで、子宮頸がん・子宮たいがんの検査も行おうとしたところ、器具が入らず、子宮頸がんの検査のみすることとし、現在結果待ちです。薬によって生理を戻すことは乳がん治療に影響を及ぼすとのことですが、どの位のリスクを負うことになるのでしょうか? また、子供はあきらめて標準治療のホルモン療法にした場合、術後半年位になりますが、問題はあるでしょうか? また、ハーセプチンと併用した方が良いのでしょうか? お答えいただければありがたいです。

あばら骨に関しては、いつも同じところが痛いということでないなら、骨転移の可能性は低いと考えます。経過をみていいのではないでしょうか。
現在のところの標準治療としては、ホルモン療法単独あるいは化学療法後にホルモン療法だと思います。ただしHer2過剰発現がある乳がんに対してはハーセプチン治療を術後補助療法として投与する臨床試験が進行しています。現在のところ、よい結果が得られています。この臨床試験はいずれも化学療法との併用を前提として組まれており、術後補助療法としてのハーセプチン単独治療あるいはホルモン療法との併用に関してはまとまったデータがない状態で、どのように使用するのがよいかはまだ結論が出ていません。標準の術後ホルモン療法は、LH-RHアナログ(リュープリンやゾラデックス)2年+タモキシフェン(ノルバデックスやタスオミン)5年内服です。LH-RHアナログを2年間やった後に月経が再開する確率は大雑把に言って8割くらいです。月経が戻って、さらにホルモン療法の後、どのくらいの確率で妊娠できるかに関してのデータはないのが現状です。
補助療法をおこなわず早めに妊娠してしまうという方法が、「妊娠」だけから言えばもっとも確実な方法になりますが、特にホルモンレセプター陽性なので、どの程度と推し量ることは難しいですが、病気には悪影響を与えると思います。「術後補助療法をやって、そのあと妊娠にトライするが妊娠しなかったら仕方ない」くらいに、もし考えられるのであれば、2年間は補助療法(化学療法の併用も考慮)を行い、その後に妊娠を考えることもあなたの年齢ならば可能だと思います。「出産」と「病気」とをどうとらえるか、あなたとあなたのパートナーの考え方がもっとも重要になってきます。そのあたりをよくお考えになって、主治医ともよく相談して治療をお考えください。(文責 俵矢)

 

No.5199-1】 06年04月17日    N.N.
左脇下の痛みについて

6歳と1歳8ヶ月の子を持つ31歳主婦です。実は1ヶ月程前から左脇下に痛みがあります。腫れもなく、我慢が出来ないほどの激痛でもなく、触ったところしこりもありません。分泌物もありません。様子をみていたのですが、少し前から肩甲骨の辺りにも痛み(違和感)があります。まだ病院には行っていないのですが、なんだか怖いし、下の子が小さいのもあり、躊躇しています。どのような病気が考えられますか? ちなみに子供は二人ともほとんど授乳できずでした(分泌が悪く、搾乳でもわずかな量だったため)。特に、左胸からはほとんど授乳できませんでした。また、3ヶ月前より生理時の経血の量が極わずかで、黒っぽいものになっています。これもなにか原因になっているのでしょうか? 子宮ガンの検診は4ヶ月程前に受けたばかりで、陰性でした。何かアドバイスをいただけると幸いです。よろしくお願いします。

殆ど病気とは関係ない症状の様です。乳腺症といって、乳腺の構造が、硬いところと柔らかいところが混ざり合う人がいます。ホルモンのバランスで乳腺、脇の下などの痛み、つれを感じる人がいます。恐らく乳腺症ではと思いますが、心配であれば、躊躇する前に乳腺外科の受診をして下さい。(文責 鈴木)

 

No.5199-2】 06年04月19日    N.N.
左脇下の痛みについて(2)

速やかなご返答、ありがとうございます。乳腺症は、このまま放置しておいても治りますか? 時々痛みを感じる程度なのですが、放っておくと悪化するのでしょうか。

乳腺症であれば基本的に加齢と共に症状が改善されていきますが、ご心配であれば乳腺専門医の診察を受けられることだと思います。鈴木先生と同意見です。(文責 首藤)

 

No.5198】 06年04月17日    ruri
右胸のしこりについて

初めてメールします。よろしくお願いします。27歳・未婚で、一ヶ月前に右胸のしこりに気づきました。乳首の外側でビー玉が2個くっついたような細長い形で、脇に向かって伸びたようにあります。3cmはあるように思い、先日病院にかかりました。触診・エコー・細胞診・マンモグラフィを行い、石灰化が見られますと診断されました。一週間後に検査結果を聞きにいくと、乳がんのようですが、きちんと調べるために生検をしたいので入院をしてくださいと言われました。「セカンドオピニオンを考えていただいてもいいです」とも言われ、頭の整理がつかず混乱しています。両方の祖父も血液のがん・肺がんと、がん家系のため、かなり不安です。10年前にも乳腺症の手術をしていただいた方ですが、どうするべきですか。

細胞診で乳癌と出たのであれば、可能性は高いのかもしれません。周りとも相談して、しっかりとした診断、治療を行って下さい。乳腺外科での治療を強く望みます。若年でもありますし、セカンドオピニオンでも良いのではないでしょうか? 乳癌のようです・・・というコメントが気にはなります。特に紹介状がなくても、次の病院で対応可能ですので、しっかりとした気持ちで受診して下さい。(文責 鈴木)

 

No.5197】 06年04月17日    M.W. 
アリミデックスの副作用と栄養補助食品について

アリミデックスの服用を開始しました。副作用についてお尋ねします。主治医からは骨粗しょう症しかないように聞いていますが、こちらで他にも関節炎、子宮への影響を知りました。副作用は他にもありますか? 飲まなくなれば消失するのでしょうか? また、健康補助食品を摂り始めたのですが、かまわないでしょうか? お忙しいところ申し訳ありませんが、宜しくお願いします。

どのような薬剤であれ、副作用は起こります。1%に満たない副作用で、食欲不振とか、嘔気とか、眠気、発疹などがあります。作用と副作用のバランスで薬剤の投与は行うので、ご自身が、副作用の方が気になれば、投与は止めるべきです。副作用は止めれば良くなりますし、副作用のことを加味しても、再発抑制の効果の方が高いですから、継続されることを勧めます。健康補助食品は、特に制限ありません。ただ、癌に効くとか言われているものは、不確実なものが多いので気をつけましょう。(文責 鈴木)

 

No.5196-1】 06年04月17日    S.M
ゾラデックス終了後の治療について

2004年7月に右胸全摘手術を受けました。現在43歳、リンパ節転移なし、ホルモン感受性ありでした。現在ゾラデックスとフェアストンによる治療を行っております。ゾラは2年間の予定ですので、あと数回で終わります。私の年齢だと生理が戻る確率が高いと言われました。そこでご相談ですが、ゾラ終了後の治療はどのようなものがよろしいのでしょうか? フェアストンは閉経後が対象の薬だと聞いております。もし生理が戻った場合は別の薬に変えたほうが良いのでしょうか? またそのタイミングを教えてください。

ゾラデックスとフェアストンの併用療法に関しては疑問ありです。やはりフェアストンではなく、ノルバデックスではないでしょうか? ゾラデックス終了後は、生理の戻ったときの治療に関してはっきりとした明確なデータがありません。続けたほうが良いのか、中止して良いのか、続けるのであればいつまでなのかといった・・・。実際の臨床では、今一度、ゾラデックスを再開して生理をとめるのが一般的です。フェアストンの使用に関しては、主治医にしっかりと相談しましょう。不明確であれば、他院の受診を勧めます。(文責 鈴木)

 

No.5196-2】 06年04月19日    S.M
ゾラデックス終了後の治療について(2)

No.5196で質問した者です。ご回答いただき、ありがとうございました。「ゾラデックスとフェアストンの併用療法に関しては疑問ありです」とご回答いただきましたが、これまで1年半ほどこの治療をやってきましたが、効果が期待できないということでしょうか? これからでもノルバデックスなどに替えるべきでしょうか? また生理が戻ってからノルバに替えると言うのは治療上の効果はありますか? 何度も申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

ゾラデックスで閉経状況に持って行き、閉経後に用いるフェアストンを使用するというのは、理論上は合っているように思われますが、St.Gallenの会議でも、閉経前のホルモン療法は、ノルバデックスが推奨されていますので、フェアストンを閉経前に用いるのは疑問が残りました。ノルバデックスを用いていて、再発したとかであれば、オプションとしてのゾラデックス、フェアストンはあると思いますが・・・。効果に関しては、全くデータがなく不明確、不確実です。これからでもノルバデックスに変えるべきではないでしょうか? ゾラデックスを終了後に生理が戻って来た場合ですが、これに関しては、今一度、生理をしっかり止めた方がよいでしょう。これもはっきりしたデータはありません。再度、ゾラデックスを投与すべきか否か、もし投与するなら何年なのか・・・。実地の臨床では、生理が続く間は、ゾラデックスを投与し続けています。生理が戻ってから、ノルバデックスだけで投与するより、やはりゾラデックスと併用が良いと思います。(文責 鈴木)

 

No.5195】 06年04月17日    N.N.
抗がん剤の選択について(HPNo.4850-3)

HPNo.4850でお世話になりました。現在FEC療法2回目終了しました。今後の抗がん剤をどうするか悩んでいます。1回目は外来にて点滴し、帰宅後、嘔吐が20分から30分毎にあり、水分摂取できず、手足がしびれ、過呼吸になり入院。2回目は入院治療しましたが、安定剤やカイトリルなど色々対策を練っていただいたのですが、丸1日嘔吐、1週間は食事がとれませんでした。主治医と腫瘍内科医より、「副作用が辛ければFECをやめてタキソールを4回するか、あと1回我慢するか」決めるよう言われました。私の場合、年齢やリンパへの転移があり再発のリスクが高いことや、FECを2回でやめた時の生存率のデータがないことから、「やらないよりは、やった方が」と、先生からは話がありました。薬の量も多いし、きついので、何らかの副作用は仕方ないと思いますが・・・。お忙しい中恐縮ですが、ご意見よろしくお願いします。ちなみにher2陽性でした。

確かに病気の状況からすれば、FECとタキソールの組み合わせがベストだとは、思います。後は、あくまでも予防的、補助的な治療法であるということを念頭に入れながら、副作用と、本人の病気を治そうという気持ちの天秤ですので、本人が選択すればいいのですが・・決められないのでしょうから、主治医にまかせてはいかがですか?書かれているように、タキソールに変更するというのも選択肢です。その後、HER2陽性であれば、ハーセプチンの投与を1年間継続するのが良いでしょう。(文責 鈴木)

 

No.5194】 06年04月17日    T.A
乳腺嚢胞症の疑い

会社の健康診断で乳腺嚢胞症の疑いがあると診断され、病院に行きました。予約したにもかかわらず2時間も待たされ、おまけに診察といえば、「紹介状の左右嚢胞7ミリ、6ミリ1個ほか多数」と書かれた「多数って何が多数なの?」と私に質問され、おまけに「心配ならマンモグラフィとエコーとりますか?」と聞かれました。心配だから受診しているのに・・・。悲しくなって、何も検査せずにかえってきました。改めて他の病院を受診したほうがいいでしょうか? 胸が張るような感じがして、この2ヶ月ほど痛みがあるのですが・・・。どうしたらいいでしょうか? くだらない質問ですみません。教えてください。

乳腺嚢胞・・・まったく心配いりません。嚢胞を持っている方、たくさん、たくさんいます。ただ、嚢胞が集まって、一箇所に集中して存在する様な時には、早期の乳癌であることがありますので、精密検査が必要になります。胸のはり、痛みも、乳腺そのものが、ホルモンバランスのくずれで、痛んだり、張ったりしているためで、特に病的な症状ではありません。初診に行かれた病院ではなく(これが乳腺外科であっても)、別の乳腺外科を受診してはいかがでしょうか? それと、待ち時間に関してですが、乳腺外科の外来は、慢性的に、全国どこでも待ち時間が長時間になります。専門医志向、大病院志向なのではと思います。私の方からもお詫びします。今一度、別の病院で受診して下さい。(文責 鈴木)

 

No.5193】 06年04月17日    S.A. 
しこりの奥の痒み

お世話になっております。別件で質問です。最近しこりの奥(皮膚の表面ではなく)が痒く感じられます。毎日ではありませんが、よくばい菌が入ると白血球が戦って、そのばい菌の死骸が膿となって出ることがあります。その時に痒くなったことを思い出し、これは良い方向なんだと楽観的に考えてしまいました。ガン細胞が死滅すると良性に変わると聞いたことがあるのですが、私の場合来月手術を控えており、細胞組織検査で良性に変化していることをイメージしております。このきっかけとなったことは、ホリスティック医学を勧められている医師のホームページを読んだことでした。「病は気から」ということで、気持ちをリラックスして明るく考えるようにしました。この痒みは何ら根拠のないものといえるかもしれませんが、お忙しい中、このような質問で申し訳ございませんが、宜しくお願致します。

以前の質問内容が不明ですので、はっきりわかりませんが、癌細胞が死滅しても良性にかわることはありません。しこりの奥が痒く感じる・・・あまり、病的な所見、症状ではないように思います。(文責 鈴木)

 

No.5192】 06年04月17日    A.S. 
乳腺腫瘍の切除手術について(HPNo.5069-2)

お世話になります。先日、乳腺の腫瘍細胞診の検査結果が出て、良性の腫瘍と言われましたが、大きさが6.4センチで大きいので、やはり、早期に手術で摘出が必要といわれました。その手術が全身麻酔で入院一週間ぐらいと言われたのですが、このページで色々見ても、手術は部分麻酔が多いようですが、どうしてなのでしょうか? またほおっておくと、やはり問題があるのでしょうか? すいませんが教えてください。

6.4cmというと、大きい腫瘍ですので、外来、日帰りで、しかも局所麻酔となると、お互いにストレスがあるでしょうから、全身麻酔が安心ではないでしょうか?入院は1週間も必要ないかもしれません。良性と診断されたのであれば、早期に手術は必要ないと思いますし、本人が、美容的に心配にならなければ、そのまま放置するという手段もあります。気になるとか、大きくなってきたとかいうのであれば、手術しかありません。(文責 鈴木)

 

No.5191】 06年04月17日    H
ホルモン療法と子宮体癌について

昨年3月センチネルリンパ節生検で左乳房温存手術を行い、放射線治療と現在はソシゲーン錠を朝晩服用しています。今月子宮ガン検診を行ったところ、子宮体癌擬陽性ということで精密検査を勧められました。今月末に乳腺外科の外来予約があるので、その時に主治医に相談してから検査をしようと思っているのですが、それまでタモキシフェンを飲み続けていることが不安になり、相談させていただきました。自分自身は不正出血の自覚は無かったのですが、子宮入り口のただれと出血があるそうです。手術した時点では閉経後半年だったために、血液検査をした結果タモキシフェンを服用することになりましたが、それから1年たったのでアリミデックスに変更して頂く事は可能でしょうか。また今回検査をしていただいたのは近くのクリニックで、できれば再検査もそちらでお願いしたいと考えているのですが、先々のことを考えると手術をしていただいた同じ病院の婦人科の方が良いのでしょうか。信頼していた主治医も3月で別の病院に移られたとのことで、とても不安です。よろしくお願いします。

ソシゲーン(クエン酸タモキシフェン)・・・ノルバデックスのジェネリック医薬品だと思いますが、これは、内服しない方に比べて、内服している方が子宮体癌のリスクが増えます。そのリスクを加味しても、再発リスク、反対側の乳癌の発症のリスクを抑える効果の方が大きいので、術後補助療法としての有用性があります。今回のように、子宮体癌の心配があるのであれば、内服を中止して、婦人科の結果を待ってはいかがでしょうか? いずれにしても疑いがかけられたのであれば、言われるとおりにアリミデックス、アロマシンなどのアロマターゼ阻害債への変更がベストだと思います。婦人科はご自身が通いやすいところで構わないと思いますし、もし治療が必要になれば、現在の乳癌を見て頂いている病院の婦人科が良いのではないでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.5190】 06年04月17日    K.U
乳腺線維腺腫と子宮内膜症の関係について

私は、よく乳首の周りが痒くなり、たまたまかいていたら、左胸に小豆大の固めのしこりに触れました。心配になり、近くの産婦人科で乳がん検診を受診したところ、悪性の可能性は低いと言われましたが、まだ心配で乳腺科を受診しなおしました。マンモグラフィは異常なし、超音波では悪性の見え方ではないが、触れるものが固いので、念のためということで注射器で細胞を採って調べました(生検ていうんでしたっけ?)。「悪性ではなく線維腺腫ではないかと思います。大きさを見ていくので、3ヶ月後にまたきてください。」という事でした。そのときは何の事かわからず、そうですかと帰ってきましたが、線維腺種を調べたところ、痛みはないと書いてありました。私の場合、痛みがたまにあるのですが、本当に線維腺腫なのでしょうか? 乳腺症もしくはがんの可能性はないのでしょうか? 私は子宮内膜症の卵巣チョコレート脳腫の治療で、低容量ピルを服用中です。低容量ピルを飲み始めてからずっと胸がはり、痛みもありました。ホルモンの薬は乳房の腫瘍を大きくすると聞きました。今ピルを服用し続けるかどうか悩んでいます。ピルを服用し続ける事により、線維腺腫や乳腺症ががんになる可能性はあるのでしょうか? 線維腺腫が大きくなったら、とってしまえばそれで済むのでしょうか? 腫瘍をとった場合、母乳を与える機能などは破壊されないのでしょうか? よろしければアドバイスをお願いいたします。

線維腺腫は悪性化しませんし、2cmくらいで、大きくなる傾向は止まると言われています。ただ、線維腺腫と似た腫瘍で、葉状腫瘍という腫瘍があり、これは大きくなるのが特徴ですので、何回か超音波で大きさの経過観察はしてもらった方がよいでしょう。大きくなる傾向がなければ、そのまま放置していただいて構いません。乳房の痛みは、線維腺腫とは関係なく、ピルを内服していることで、乳腺が張ったりするための症状ですので、心配いりません。乳腺症もわかりやすく言えば、乳腺が、硬いところと柔らかいところが混ざり合う・・・そんなニュアンスで考えて頂ければいいと思います。これも癌化しませんが、ホルモンの関係で、痛んだり張ったりするのが特徴です。病的と考えないで、乳腺がそういった特徴をもっているということだけです。線維腺腫は外来で、3ヶ月後に経過観察というのが一般的ですので、神経質にならずに、次回の受診で良いでしょう。腫瘍を取っても、乳頭の直下になければ、母乳を与えることに影響はありません。線維腺腫・・・と診断したのであれば、経過観察、放置です。年齢的に癌の可能性が否定できない場合、大きくなる場合、本人が心配になる場合に切除します。(文責 鈴木)

 

No.5189-1】 06年04月15日    H.O. 
術後補助療法と切除について

46歳の女性です。腫瘍1.3cmでT期で、浸潤性乳癌です。術後補助療法としてノルバデックスとゾラデックスを勧められました。ホルモンレセプターは陽性です。体質的に弱く神経質なので、人工的に作り出した閉経、更年期障害に一人で耐える自信がありません。ゾラデックスの効き目が8割と聞きました。その副作用もネットでみる限り辛そうです。来年から念願であったダンスの学校に入学したいと考えています。その後は募集がなく、年齢的にも最後の挑戦になると思います。骨に副作用の出る薬は入れたくありません。子宮筋腫もありますが、針灸で無事やって来れました。漢方に漢方抗がん剤があると聞きました。ノルバデックスと漢方抗がん剤を使用しゾラデックスを使用しなかった場合、再発率はどれくらい違ってくるのでしょうか。途中でゾラデックスをやめることも可能なのでしょうか。また手術前なのですが、病院によって3〜4cm切るというところと5〜6cm切るというところがあるのですが、腫瘍くりぬき法は他の温存手術に比べどれ位再発率が違ってくるのでしょうか。術後取り残しについては組織片を調べるということでは同じだと思うのですが・・・。以上、よろしくお願いします。

漢方薬単独、zoladex、nolvadexと漢方薬との併用についての効果、再発率に関しては全くデータがありませんので、明確なお答えはできません。冷たいことを言うようですが、ダンス学校に行くことの方が大事なのか、長生きすることの方が大事なのかは、個人の判断ですので、ご自身でよくお考え下さい。ホルモン療法を始めて、あまりに副作用が強ければ、治療を休むことも可能ですので、まずは、確立した治療を選択された方が良いと考えます。呈示されている病理所見では2種類のホルモン療法の併用が最も効果的なのは明らかな事実です。切除範囲は施設により若干の違いがあるのが現状ですが、くり抜きでも、しっかりと切除出来ていて、局所に取り残しがなければ、他の温存手術と再発率は変わりません。(文責 鈴木)

 

No.5189-2】 06年04月27日    H.O. 
乳房温存手術について

前回はご返答ありがとうございました。今回は手術の整形的な事についてお願いします。I期で、円状に切除するらしいのですが、胸のサイズは小さいほうです。ある病院では切り取ったあとのへこみを修正するために上下の脂肪を縫い付けるのだそうです。やせているほうなので、背中の脂肪は持ってこれないみたいです。ある病院は、あとで肉が盛り上がってくるので、切った後は何もしないほうが引きつれがなくて良い」ということでした。引き攣れは日にちが経てばどうしても出てくるものなのでしょうか? また術後疼痛に苦しむ方がいると聞きました。手術方法によって痛みの出方に違いがあるのでしょうか? 以上、よろしくお願いします。

乳房円状切除の場合、腫瘤から安全域を2cm取った場合、直径が [2cm + 腫瘍径 + 2cm]となり、少なくともφ4cm以上の欠損が大胸筋の前面まで出来ます。従ってサイズの小さい方では、「へこみ」が出来る事になり、乳腺欠損部に周囲の脂肪組織を補填して美容的再建を行う場合があります。整容的な面に関しては、腫瘤(癌)の大きさ、発生している場所、乳房の大きさ等により、それぞれの患者さんで異なってきますので、主治医によくお話を伺って下さい。創の引きつれ(創傷の治癒)、術後の疼痛に関してもケースバイケースで、様々です。患側の腋窩から上腕にかけての疼痛及び知覚障害については、腋窩リンパ節を郭清した場合、知覚神経である肋間上腕神経を切断するために発生しますが、神経を温存しても大差ないという報告もあります。ただし、センチネルリンパ節生検によって腋窩郭清をしなくてすむ場合は、このようなことが避けられます。いずれにせよ主治医の先生に充分お話を伺い、納得のいく治療を受ける事が大切だと思います。(文責 須田) 

 

No.5188】 06年04月15日    Y  
術前化学療法後の手術前の針生検について

昨年8月に、左乳房の内側にしこりを見つけ、マンモグラフィーではB領域に25.6oのしこりがあり、石灰化がみられる。超音波では「A〜B領域に、20mm×18mm×13mmと26mm×21mm×17mmの低エコー結節が認められる」とのことで、B領域について針生検をおこない、浸潤性乳管癌と診断されました(ステージUa、ER(−)、PgR(−)、Her2(3+))。しこりが乳頭に近かったことから、温存を目指して術前化学療法を行うことになり、センチネルリンパ節生検後(1つにisolated tumor cell(+),pNO(i+))、化学療法(CEF→タキソテール)を行い、まもなく手術する予定です。CEF終了後のマンモグラフィーでは、B領域にあったしこりがなくなり、超音波では、4×5×3mm、6×5×4mm、7×6×3mm、8×7×3mmとなっていました。また、タキソテールを2回(全4回のうち)行った後、超音波のみしていただいたところ、A領域、A/B領域、A/C領域に12×7×2mmまでの低エコー結節が4個認められ、これらの領域は比較的明瞭な部分とやや不明瞭な部分が見られ、内部エコーは均一のものから、やや不均一のものまで認められるとの診断でした。そこで、質問したいのですが、B領域のしこりは針生検で癌であるという確定診断をしているのですが、その他のしこりについては針生検をしておらず、マンモグラフィーでもはっきり写っていなかったため、癌であるかわからないのではないだろうかという疑問が生じてきました。主治医の先生は、その他のしこりについては、CTなど行った上で、最小限の範囲で切除するとのことです。最小限の範囲がどのくらいになるのかの説明はまだ受けていませんが、その他の針生検をしていない部分のしこりも癌とみなして切除するとなると、切除部分がかなり広くなるのではと心配です。そこで、針生検をしていない部分のしこりについて、手術前に針生検をしていただこうかと迷っているのですが、化学療法後の生検だと正しい判断ができるのかどうか、ご意見を賜りたくお願いいたします。(文章が長文になってしまい申し訳ありません。)

化学療法後の針生検では、診断が難しいこともあります。特に化学療法が良く効いている場合は尚更です。ただ、文面から、非常にしっかりとした施設で治療をされているという印象を受けますので、ここは、主治医の先生を信頼されて良いのではないでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.5187】 06年04月15日    S
CT検査の結果(HPNo.3350-5)

3350で相談して頂いているSです。とても勇気づけられています。ありがとうございます。CT検査をしたところ、両側肺尖の軽度炎症性変化・右中葉下葉間膜の軽度肥厚・炎症性変化疑いと、診断されました。右胸の圧迫感や痛みは、この為でしょうか。これは、問題のない事ですか。完治することなのでしょうか? また、私は子宮筋腫で、4年前に子宮を摘出しています。ホルモン療法をしている場合、卵巣などの婦人科検診は、どう対処したらいいでしょうか? よろしくお願い致します。

右胸の圧迫は、このCTの所見によるものではありません。このCT所見は古い炎症の名残を見ているもので、症状はありませんし、身体に悪い影響もありませんので、このまま放置して下さい。婦人科検診は、子宮摘出しているのであれば、ホルモン療法に関連するのは子宮体ガンですので、あまり神経質にならなくても良いかと思います。心配であれば、年1回受けられた方がよいでしょう。(文責 鈴木)

 

No.5186】 06年04月15日    K.S. 
精密検査結果について

45歳(女)です。年に1度の健康診断の触診で2004年秋にしこりがあると言われ、その時は乳腺症疑B判定で精密検査なしでした。2005年秋にC判定となり、2月にマンモグラフィーとエコーの検査を受けました。左乳房左上部に5×6oの乳房腫瘤疑が1個、左乳房に4×3oの乳腺嚢胞が1個、乳腺石灰化が左乳房上部に見られるとの結果が来ました。マンモグラフィーは問題ないので、超音波検査を3ヵ月後に受けてくださいと言われましたが、今の段階で、より詳しい組織検査などは必要ないのでしょうか? 3ヶ月このまま放置しておいて心配はないのでしょうか? 自分で触診してみてくださいとも言われましたが、しこりの存在がわかった今も、自分ではその存在を触って確認する事はできません。検査を受けた所は健康診断専門の設備ですので、これ以上の詳しい検査はできません。とても不安なのですが・・・。よろしくお願いします。

心配であれば乳腺外科を受診して下さい。左上の腫瘤疑いの病変を、検診機関の責任で良性、悪性を判定するものではありませんので・・・。一般的には、非常に小さく、腫瘤か否かはっきりしないような病変は、3-6ヶ月後に再検査するのが通例です。(文責 鈴木)

 

No.5185】 06年04月15日    K.M. 
線維腺腫?

初めてメールさせていただきます。現在20歳ですが、昨年胸にしこりを感じ病院へ行きました。そこでは年齢的なこともあり、線維腺腫と診断され経過を見ていくことになったのですが、その後引越しをしてしまい以前掛かっていた病院へ行くことができず、引っ越した先で新たな病院を探すことができていません。そんなことをしている間に以前しこりがあるのか無いのかわからない程度だったのが、今では完璧に触れることができるようになってしまいました。さらに、今までは抑えると痛かった程度でしたが今では触らなくても痛むようになってしまいました。癌の可能性もあるのでしょうか? また、線維腺腫が大きくなると手術する可能性もあると言われたのですが、どの程度大きくなると手術しなくてはいけないのでしょうか。

線維腺腫に関して、どれくらい大きくなったら手術するという明確な答えはありません。一つ前の質問に葉状腫瘍に関しての記載がありますので、ご参考にされていただけたらと思いますが、線維腺腫と似た形態を示す腫瘍に葉状腫瘍という物があります。これは急速に大きくなるのが特徴です。線維腺腫だと思っていたら、葉状腫瘍だったということもあります。癌の可能性は殆ど無いでしょうが、大きくなる傾向の線維腺腫は切除した方が良いでしょう。(文責 鈴木)

 

No.5184】 06年04月15日    M
悪性葉状腫瘍

悪性葉状腫瘍について伺いたくメールさせて頂きました。31歳未婚で、2006.1に内視鏡下で右葉状腫瘍摘出術を受けました。病理の結果が悪性葉状腫瘍であり、わずかの確率で遠隔転移をし、遠隔転移した場合は有効な治療がないため、乳腺全摘を勧められました。セカンドオピニオンの医師より、病理の結果、腫瘍の断端が露出している箇所があり、取りきれているかどうかは手術をした医師でないとわからないという説明を受けました。後日、主治医に確認したところ、それは非常に難しい問題だと言われ、はっきりとした答えはもらえませんでした。手術に至るまでの経過としましては、3年程前にしこりに気づき、総合病院にてエコー、針生検で線維腺腫と診断されました。2005の春頃からだんだん大きくなっている感じがしたため、2005.10に再受診したところ、大きくなっているので摘出した方が良いと言われました。内視鏡下で摘出できるところがあるので、行ってみてもいいのではないかと言われ、大学病院で手術を受けることに致しました。大学病院でもエコー、針生検、右乳房のMRIの検査をし、良性葉状腫瘍という診断のもと切除を受けました。お伺いしたい点は下記になります。
1) 今手術をしなかった場合、局所再発時に手術を行った場合のデメリット(遠隔転移の可能性があることを除く)
2) どのくらい局所再発しなければ、再発は免れていると考えられるか
3) 悪性葉状腫瘍の局所再発までの平均期間
4) 悪性葉状腫瘍の遠隔転移した場合の平均余命
5) 今後、出産の希望もあり、乳腺全摘しなかった場合で妊娠中に再発した場合は、胎児にはどういった影響があるか

乳房再建にも抵抗があり、どうしても現段階で乳腺全摘には踏み切ることができません。しかし、再発時に遠隔転移をしてしまったらという不安もあります。お忙しいとは存じますが、ご返答の程よろしくお願い致します。

葉状腫瘍に関してですが、乳癌に比べてデータに乏しく、明確にお答え出来ません事、ご容赦下さい。
1)腫瘍の断端が露出している箇所があるとしても、現在、残っている乳腺に腫瘍が残存しているか否かは不明ですし、どのあたりが断端露出の部位なのかが不明ですので、手術で切除する場所の同定に困難があるでしょうから、現在の手術よりは、局所再発時に手術の方が、病変を切除するという意味では確実性があります。ただし、葉状腫瘍は再発を繰り返すことで、悪性度が増すという報告もありますので、現在、腫瘍がないかもしれませんが、全摘をするという選択肢も考えられます。局所再発が遠隔転移出現の指標にはなりませんが、悪性度が増すにつれ、遠隔転移の可能性も増します。遠隔転移すれば有効な治療法がない現在、葉状腫瘍の治療は局所を確実に切除するというのが原則です。
2)、3) 局所再発までの平均期間は、良性で32ヶ月、悪性で22ヶ月という報告があります。
4)遠隔転移をした場合の余命に関してはデータがありません。米国で100例あまり、葉状腫瘍をまとめた報告があります。悪性葉状腫瘍の5年生存率は82%、10年生存率は42%と報告されています。この100例あまりは99%が切除断端陰性です。
5)妊娠中に再発した場合、直接、胎児に影響は無いと思いますが、やはり急速に大きくなることがありますので、出産前に手術に追い込まれることも考えられます。

まとまりがありませんが、個人的には、現在、部分切除か全摘かで悩まれるより、長期に予後を考えた場合、局所をしっかりと切除した方が良いと思います。(文責 鈴木)

 

No.5183-1】 06年04月15日    T.H.
2つの石灰化について

40歳、既婚者、子供2人です。2月初旬に月経前困難症と診断され、生理前にホルモン注射をしました。その次の日から猛烈に打った方の左腕と左胸が痛み、3月の生理が終るまで痛みは取れませんでした。今月3日に市民病院の外科を受診したところ、「触診でしこりは触れないが、念の為にエコー検査をしましょう」と言われ、行ないました。すると左乳房に石灰化が2つ見つかり、6ミリと5ミリの大きさでした。エコーの画像で見た石灰化の様子は、白い丸の中に黒い点がある様に見えました。見様によってはドーナツ型みたいな感じです。また両腋のリンパが腫れているとの事で、マンモグラフィーも撮りました。マンモの画像はまだ見ていません。先生の予約の空きがなく、まだ結果が聞けません。母は性質の悪い乳がんで亡くなりなっており、非常に辛い気分です。やはり乳がんの可能性が高いのでしょうか?毎年乳がん検診を受けていますが、いつも「両方ともに乳腺症が見受けられます」と言われていました。乳房の痛みは昔から時々左が痛んでいました。長々とすみませんでした。

超音波でしっかりと映る石灰化、それも6mm、5mmということであれば、乳癌の心配はまずありません。良性の石灰化と考えます。乳癌の石灰化は、超音波で見えることもありますが、非常に小さく、微細石灰化といわれます。1mmに満たない石灰化ですので、心配ないと考えます。乳房の痛み、腕の痛みも、ホルモン注射に伴う乳腺の変化によるもので、これも心配いりません。(文責 鈴木)

 

No.5183-2】 06年05月05日    T.H.
マンモグラフィーの結果を聞きました

【No.5183】で「2つの石灰化」について相談をさせて頂いた者です。回答ありがとうございました。その後乳腺科の先生にマンモグラフィーの結果を聞きました。カテゴリー3でした。マンモでは5つの石灰化がみつかり、いずれも丸くはっきりとした形で、大きさは1mm以上ありました。しかしエコーで写っていた5ミリと6ミリの石灰化は見当たりませんでした。先生は非常にのんびりとした口調で、「お母さんの事もあるから(乳がんで亡くなっている)気になるだろうけど、そんなに急いで生検しなくても良いと思う。取り合えず3ヵ月後に再度エコーとマンモグラフィーをしてみよう」と仰いました。「乳がんの可能性は高いですか?」と尋ねると「このマンモの画像を見たら、どの先生も白に近いグレーと言うだろうね」と答えられました。先日の回答では良性の石灰化とあったので安心してしまった私ですが、またまた不安な気持ちで一杯になっています。またマンモグラフィーでは、同じ左の乳房の別の場所に、白くうっすらとした丸いしこりらしきものも写っていました。先生は触診で「この辺りにある影だけれども触れないし、乳腺症の可能性の方が大だね」と仰いました。3ヵ月後のエコーとマンモグラフィーでも大丈夫でしょうか? そしてマンモグラフィーのカテゴリー3とは、どういう状態を示しているものでしょうか? 何度も質問して申し訳ありませんが、宜しくお願いします。

マンモグラフィーでカテゴリー3になった所見は、「白くうっすらとした丸いしこりらしきもの」によるものだと思いますが、主治医の触診では腫瘤がなかったということなので、おそらくFAD(局所性、非対称性陰影)でしょう。カテゴリー3とは、「良性、しかし悪性を否定できず」という事で、良性の可能性が非常に高いが、悪性も否定できないので、超音波などの追加検査を行う事になります。貴女の場合、すでにエコーでの検査を行っていて石灰化以外に所見がないという事ですので、3ヵ月後にエコーとマンモグラフィーを行う事でよいと思います。(文責 須田)

 

No.5183-3】 06年07月31日    T.H.
経過観察中の2度目の結果

HPNo.5183で、エコーで写る2つの石灰化についてご相談した者です。先日は丁寧なご回答をありがとうございました。今回は経過観察になり、2度目のエコーとマンモの検査を行いました。結果は、エコーでは5ミリと6ミリの石灰化が、6ミリと8ミリの大きさになっていました。今回のマンモでは左右非対称ではなく、両方とも同じ様に乳腺の状態が写っており、前からあった5つの石灰化のうち、一つが少し大きく横長になっていました。先生は「いずれも特に変化は見られず、良性のしこりと判断、今後は年に1度の定期健診でも宜しいでしょう」と仰いました。「細胞診もせず、本当にそれで良いのでしょうか?」とお尋ねしたところ、「問題なし」との回答でした。ホッと胸を撫で下ろしたものの、疑心暗鬼な自分も存在します。担当の先生は乳腺の専門医でいらっしゃるので、今までの経験でその様に診断されたのだと思います。勿論、今後も自分で定期的に触ってみて、何か異常があればいつでも来てくださいと仰いました。そこで質問です。
1) 私の様な状態で、実はガンであるのに見落としていた、などといったケースはある事なのでしょうか?
2) 心配なら別の病院で再度一から検査を受けた方が宜しいのでしょうか?

お忙しいのに度々申訳ありませんが、どうぞ宜しくお願いします。

1)  ないとは断言できませんが、稀だと思います。
2)  1年後の受診を指示されたということは、あまり御心配されなくても大丈夫だということだと思います。主治医を信頼されているのであれば再検査は必要ないようにも思いますが・・・。(文責 加藤)

 

No.5182-1】 06年04月15日    t
今後の治療について

現在44歳(子供2人)、3月15日に左乳房温存手術を受けました。断端陰性、リンパ管、血管への浸潤なし、ホルモンレセプター陰性、ハーセプチンレセプター陰性で、今後放射線治療を受けることになっています。主治医には「ホルモン剤(多分ゾラデックス)を注射して生理をとめた方がいいかも」と言われましたが、効果はあるのでしょうか? 少し変ったパターンなので症例を調べて決めるとの事なのですが、次回診療までに他の先生の意見を伺いたいと思いメールさせて頂ました。有効な治療があれば教えていただければと思います。よろしくお願いします。

腫瘍の大きさ、組織学的グレード、リンパ節転移の有無に関するコメントがないので、詳細は省略しますし、少し変わったパターンということがよくわかりませんが、ホルモン受容体陰性であれば、2005年のSt,Gallenのリスク分類からすれば、intermediate risk、もしくはhigh riskに入ります。であれば、化学療法が必要になりますし、ホルモン療法は効果ありませんので、必要ありません。(文責 鈴木)

 

No.5182-2】 06年04月19日    t
今後の治療について(2)

お世話になります。HPNo.5182で回答いただき、ありがとうございました。腫瘍の大きさは2.3cm。センチネルリンパ節生検を受け、転移なし、グレード1です。化学療法との事ですが、どのようなものを、どの程度(期間)になるのでしょうか?

アンスラサイクリン系という赤い薬剤を主体とした数種類の抗癌剤を3週に一回、計6回点滴投与するものなどが考えられます。主治医の先生とよくご相談ください。(文責 首藤)

 

No.5181】 06年04月14日    N.S
乳首からの出血(HPNo.5083-3)

前回は、お忙しい中ご回答いただき、ありがとうございます。HPNo.5083です。あの後、放射線(25回)とホルモン治療(タスオミンD錠)を始めました。先日外来で「手術の傷口が固いのでマッサージをしなさい」と言われました。お風呂でマッサージをして乳首をつまむと、どす黒い血が出てきました。その後何日かマッサージをして乳首をつまむと同じように出血します。これは、どういうことが考えられますか? すぐに外来の医師に相談したほうが良いですか? 乳がんの可能性を疑い始めたころ、乳汁、出血が乳首から出ていました。放射線医師は、問題ないんじゃないかと言っていますが、このまま放射線治療を受けても問題はないですか? ご回答のほど、よろしくお願いします。

閉経後でしょうか?そうであれば、アリミデックス、もしくはアロマシンがベストチョイスではないでしょうか?タスオミンだけというのは今後のアリミデックス、アロマシンへのswitchを考えられているのでしょうか?
出血ですが、まず、問題ないでしょう。術後間もないので、手術時の操作により残った古い血液とかが分泌されている可能性があります。あまり続くようであれば、主治医に相談して検査してもらいましょう。(文責 鈴木)

 

No.5180】 06年04月14日    S
抗がん剤治療は最後まで受けるべきか?

いつも参考にさせて頂いています。今回母(58歳)のことで相談させて頂きます。昨年10月に乳房温存手術、リンパ節郭清しました。リンパ節転移はなく、ステージ2、ホルモン受容体 陰性、HER2 3+で、現在抗がん剤治療中です。ECを4クール、現在ウイークリータキソール3クール目の2回目を行ったところです(予定ではEC6クールだったのですがECでの副作用がひどく、4クールで終了し、タキソールに変えました)。
1) タキソール3クールの1回目を行ったあとからから手先のしびれが始まりました。本で読んだのですが、タキソールの副作用のしびれは、ひどくなると、タキソールが終わっても後遺症としてずっと残るとのことですが、どの程度まですすむと後遺症として残るものなのでしょうか?
2) タキソールは4クールまで行う予定でしたが、「しびれの副作用がひどい場合は、3クールで終了しましょうか?」と先生が言ってくれました。ただ再発も心配です。やはりタキソール3クールと4クールでは、再発率はかなり変わるものでしょうか?

お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いします。 

タキソールの後遺症ですが、ゆっくりではあるものの、殆どの症例はよくなります。その場合、半年以上かかることも稀ではありません。3クールと4クールとで、再発率について比較検討したデータはありませんので、明確には答えられませんが、あくまでの再発予防として治療していたのであれば、副作用のために途中で中止されるのは仕方のないことです。補助療法ですので、安全に遂行することも大事な要素です。いままで頑張ったので、きっと良い結果がもたらされるでしょうから、無理をしないで、中止されてはいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.5179】 06年04月14日    Y  
微小性浸潤ガンについて(2)(HPNo.5016-5)

度々ご質問をしてしまい、すみません。主治医からは、非浸潤がんの中に直径0.1mmの大きさの浸潤がんがあると説明がありました。乳がんがどのように進行していくのか、私は全然分からないのですが、食い込んでいる深さが0.1mmということではないようです。これでも、非浸潤がんに近い病期となるのでしょうか? 微小浸潤がんというと、ごく小さいがんがいくつか散らばっているということも考えられるのでしょうか? 何度もすみませんが、ご回答よろしくお願いします。

5016-4の回答がすべてではないかと思うのですが、患者さんにとっては非浸潤癌と浸潤癌とでは天と地なのかもしれませんが、5mm間隔の病理検索で、たまたまその面に0.1mmの浸潤癌があったのですから、ほとんど非浸潤癌に近いものと考えればいいでしょう。小さい癌がいくつか散らばっていることも可能性としてありますが、かなり確率的には小さい話です。あまり神経質にならずに・・・過ごされて下さい。(文責 鈴木)

 

No.5178】 06年04月14日    P  
脇の下の腫れ

30歳の主婦です。出産経験はありません。4日前から両脇が痛み、触ると小豆大の腫れのようなしこりがあり、2日後には左にあった腫れが引き、右の小さかった腫れが少し大きくなっていました。去年の年末に乳頭から半透明の分泌物が出たので乳腺科の専門医に診てもらい、検査もしてもらったけれど、異常はありませんでした。子供の頃からアレルギー性鼻炎で、首の後ろのリンパ線が腫れていたことは何度かあります。ちょうど喉と鼻の炎症が今ひどくて、そのせいでリンパ線が腫れたのかと思っていましたが、こんな両脇に腫れが出来たのは初めてで、不安です。腫れはゴリゴリとはしていなくて、堅くもなく、ちょうど炎症したニキビのような感触です。押すと痛みがあります。左の腫れはほとんど引いて、今は右側に2つあります。病院で診てもらったほうがいいでしょうか?その場合、何科にいけばよいでしょうか?

何か、炎症が起きたのか不明ですが、文面からは殆ど心配ないように思います。腫れていたものが今は消失してということなので、一時的なもので、乳癌とは関係ないでしょう。もし受診されるのであれば、乳腺外科を勧めます。(文責 鈴木)

 

No.5177-1】 06年04月14日    N.G. 
生検について 

2月末に人間ドック専門医療機関で左乳房下に1つマンモにて発見されましたが、その後結局乳腺外科にて、左乳房横のしこりをエコーにて発見され、細胞診、生検で確定診断されました。
1) 生検を行う前までは、左下の脇がカアーッと熱くなる症状はなかったのですが、生検後10日間になりますが、リンパが腫れたような熱を持った感覚が続くのはどういう症状でしょうか?
2) 「生検結果の診断は」とお聞きしましたら、「ガンです」と、他のグレードやガンの種類などはいっさい情報がなかったのですが、生検の結果では、ガン以外の情報は何がわかるのでしょうか?
3) 人間ドック医療機関にて、触診は異常なし、近所の外科に行って二人の医師に触診をしてもらった時も異常なしでしたが、今回乳腺外科の医師が触診した時は、「ここにあるよ」と、私もしこりを手ではっきりわかる位の大きさでわかりました。この間1ヶ月で、急にしこりが大きくなって触れるほどになっているのか心配です。近所の外科のエコー診断では1センチくらいと言われていたのですが、最終的に1.5センチの大きさと診断され、これも短期間に大きくなっていることに驚き、不安を増大させています。

このような不安な気持ちで、2ヵ月後しか手術予定があかないという状況です。よろしくお願いします。

1) 生検後、脇の下が熱くなるような症状ですが、これは特に乳癌とは関係ありません。生検そのもので、一時的に反応性に脇の下のリンパ節が腫れることがあるので、もしかしたら、そのような状況を感じられているのかも・・・。
2) 摘出生検か、針生検かにもよりますが、摘出生検では、乳癌か否か、乳癌の場合、その組織型、組織学的グレード、ホルモン受容体の有無、HER2蛋白の有無などが確認されます。
3) 人間ドッグの触診は、あまりあてにしないでよいと思います。急に大きくなることは考えにくいので、短期間に増大しているわけではありません。しっかりと触診すれば最初からはっきり触れていたのではないでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.5177-2】 06年05月27日    N.G. 
病理結果とセンチネルの失敗について

前回HPNo.5177でお世話になりました。5月初旬に左胸温存、センチネルリンパ手術を行い、先日病理結果が出ました。結果は、全く考えていない状況でした。
(1)センチネル生検は、術中検査では転移0でしたが、結果的に3つリンパをとったうち、1つに2ミリの微細転移がある
(2)術前診断では乳管ガンで、非常に一般的なガンの種類だと言われましたが、結果的に「硬ガン}との診断

質問
1) このような術前術後の診断に開きがあるのは、そんなに頻繁にありますか?

また、後日病理結果コピーいただきましたが、英語辞書ではわからない部分が多いので教えてください。
2) Invasive ductal carcinoma(scirrhous carcinoma)、 f,ly(-),v(-) Surgical margin:negative・・・とは?
3) あきらかな脈管侵襲像、乳管内進展増は認めないが、腫瘍辺縁部に、atypical ductal hyperplasia が散見される・・とは?   
4) 断端マイナスといわれましたが、腫瘍から切断断端までの距離は、深部側1mm 皮膚側3mm、頭側10mm、その他の方向も10mm以上が保たれている。なお背景に高度な blunt duct adenosis,sclerosing adenosis,apocrine adenosis が認められる・・・とは、どういう意味でしょうか?
5) このような結果において、医師は再手術をまず提示されましたが、即入院も無理なようで(3週間は待つ)、脇のリンパの病理も手術後3週間後という現実にたじろいでいます。化学療法をすぐしていく方向に決断しましたが、どうでしょうか?

長々とすみません。ありがとうございました。

1) 術中検査は、大急ぎで調べるので、最終結果と異なることは時々あります。
2) 浸潤性乳管癌(硬癌)、脂肪組織への浸潤あり、リンパ管侵襲なし、血管侵襲なし、切除断端陰性、ということですが、やはり主治医から解説していただくべきものです。
3) 癌ではないが、多少異型性のある乳管の上皮細胞の増殖がみられるということです。
4) 癌以外の部位に乳腺症の所見があるということです。
5) 腋窩リンパ節郭清をしても病期は、おそらく変わらないと思います。したがって、腋窩リンパ節転移陽性として、化学療法を行うことは賛成です。ただし、HER2検査や、ホルモン受容体検査の結果も確認してから治療戦略をたてるべきです。(文責 徳田)

 

No.5176】 06年04月12日    M.J.
再発乳がんの治療について

再発乳がんについてご相談したく存じます。これまでの経過は以下のとおりです(現在53歳)。
1)1996年9月に右乳房摘出。リンパ節転移は1個。ホルモン受容体陽性(ER、PgRとも陽性)、Her2陰性で、術後5年間、ノルバデックスを服用。
2)以後9年間、マーカー(CA15−3、CEA)は正常値内。
3)2005年10月の検査でCA15−3が正常値を超えて72となり、12月には108、1月には136と上昇。胸膜に転移していました。
4)まず12月からノルバデックスを服用。1月からはゾラデックスも併用。2月のCA15−3は172、3月は182、4月が198と高い状態が続いている(上がり方は緩やかになっているようにも思いますが)ので、4月初めからノルバデックスとゾラデックスを中止し、ゼローダに切り替えました。

質問なのですが、
1) ゼローダをゾラデックスと併用することは出来ないのでしょうか。
2) できればホルモン療法を続けたいと思っていたので、ヒスロンHについて主治医に尋ねたところ、副作用のことを考えて、ヒスロンHではなくゼローダを選んだとのことでした。ヒスロンHのリスクは大きいのでしょうか。
3) 放射線治療という選択肢はあるのでしょうか。

以上、どうかよろしくお願いいたします。

1) ゾラデックスを使ったということは閉経前であると考えます。最初の治療がノルバデックス+ゾラデックスというのもちょっと疑問ですが、それはそれとして、通常は次の治療はアロマターゼ阻害剤(アリミデックスかアロマシン)+ゾラデックスが標準的治療だと思います。その理由はホルトバジー先生の再発乳癌の治療指針というのがあって、ER,PR陽性乳癌の再発の場合はホルモン療法から始め、できるだけホルモン治療を続け、どのホルモン療法も効かなくなったら化学療法に切り換えるというものです。ゼローダは通常は第3次治療の化学療法薬ですから、最初から使うお薬ではありません。
2) 是非ホルモン治療を続けるべきです。ですから、まずゾラデックスを続けるか、もしくは手術で卵巣を切除して閉経させることが肝要で、その後閉経後に使えるアロマターゼ阻害剤を使います。ヒスロンHも良い薬で3番目くらいには登場しますが、肥満、血栓症という副作用があり、ちょっと使いづらい薬です。
3) 胸膜の再発には放射線治療は向きません。胸膜の再発に良く行われるのは抗がん剤の胸腔内投与です。(文責 清水)

 

No.5175-1】 06年04月12日    I.M. 
胸のしこりについて

41歳独身のOLです。昨年夏頃に、右胸の外側にしこりをみつけました。何となく痛みはありますが、気にしてないと痛みを忘れている感じです。しかし、生理前になると、もともと胸が張って痛みも結構有る方でしたので、同様にしこりも痛みます。今年になってから、少ししこりが大きくなってきた気がします。大きさはピンポン玉小といった感じで、グリグリしています。乳ガンではないかと恐くて病院へ行けません。独り暮らしで、親も他界しておりません(ちなみに一等親内でガンの人はいません)。とても不安なのでメールさせていただきました。乳癌の可能性はあるでしょうか? 宜しくお願いいたします。

しこりを見つけたらまず病院へ行きましょう。怖がっていても何も始まりません。乳ガンが心配だからこそ病院へ行くのです。勇気を出してください。(文責 清水)

 

No.5175-2】 06年04月27日    I.M. 
細胞の検査について

No.5175で相談させていただいた者です。あの後すぐに乳腺外来の予約をとって診察していただき、細胞をとって検査しました。鶏卵程の腫瘍が見られ、中に水がたまっているとの所見でした。かなり水がたまっているらしく、検査の時、針をさしたらサラサラした液体が流れました。本日、検査結果を聞きに行ったところ、一応良性だが、前回採れた細胞が少なかったので(少ない細胞で良性とするのは不安だということらしいのですが・・・)再検査となり、また細胞をとりました。少ない細胞で良性でも、たくさん細胞を採って再検査したら悪性ということは有り得るのでしょうか? また1週間、不安な気持ちで過ごさなければなりません。宜しくお願いいたします。

もともと細胞診の検査は、どこの施設(病院)で、どんな先生が行っても、一回の検査で確実に腫瘍細胞が取れるわけではありません。まして、のう胞性の病変では、内容液の中の細胞成分は少なく、たくさんの細胞は採れません。従って何回か細胞診を行って、何回細胞診を行っても良性であれば、その病変は癌ではない確率が高くなるという事です。1回めの細胞診で良性との結果ですので、次回の結果も悪くない確率は高いと考えられますが、決定ではありません。ご不安な気持ちはわかりますが、癌でない事を確認するためにも結果を待って判断するしかありません。(文責 須田) 

 

No.5174】 06年04月12日    C子 
再発の可能性について

私は平成17年10月、46歳当時(閉経前)、右乳房温存手術(センチネルリンパ節生検)を受けました。術後病理診断の結果は、粘液癌、腫瘍サイズ18×11×9ミリ、グレード1、核異形度対象外、段端−、ハーセプテスト1+、センチネル−、ER+、PgR+でした。その後、放射線25回受け、現在はリュープリンとアリミデックスの治療を受けています。抗ガン剤治療は不要とのことで受けていません。このような場合、再発の可能性はどの程度と考えれば良いでしょうか? また、私のような場合、術後ホルモン療法はどのくらいの期間続けるのがよいのでしょうか?(リュープリン2年といわれているのですが、その時点で生理が戻れば、アリミデックスも使う意味がなくなると思うのですが、その時点ですべて止めても良いのでしょうか?)

2cm以下の粘液癌であれば、まず再発は考えにくいです。あるとすれば極めて稀に術後10年以上経ってから手術創の近くや首のリンパ節に再発が現れることがあります。ですから原則として無治療でよいと思います。現在46歳では2年後に閉経している可能性は五分五分ですから、閉経せず生理が再開すればアリミデックスを中止しなければいけませんし、アリミデックスを続けるのであればリュープリンも続けなくてはなりません。はっきり言って今の治療はあまりお勧めできません。たとえ稀だとしても再発が心配だから何か術後補助療法を行いたいというのであれば、単純にノルバデックス5年内服がいいのではないでしょうか。主治医の先生ともう一度相談することをお勧めします。(文責 清水)

 

No.5173】 06年04月12日    S.I. 
術後補助療法終了を迎えるにあたり質問です

お世話になります。術後補助療法を終了となる今について照会です。よろしくお願いいたします。41歳、閉経前、2000年10月10日右全摘です。
病理結果: 
t2a no ホルモン感受性あり(+)(+)、侵潤性乳管癌 硬がん、f(+)s(−)v(−)ly(−)、 n (−){0/12]  サージャーマージン(−)、乳腺外周囲脂肪組織へのスキルスな浸潤が目立つ、浸潤性乳管癌をみる。皮膚への浸潤なし。あきらかな脈管侵襲は認められない。イントラダトカルスペーデングは、ほとんどない。lnl{0/8} LNlb {0/4}、グレードとHER2 は不明です。
術後補助療法:
右下内側に腫瘍径3センチ以上。腫瘍径が大きいという理由から、化学療法。術後CMF6クール、2ヶ月後には生理なし。3年後に血液検査で閉経。2001年4月よりノルバデックス5年内服(2006年3月で終了予定)。

今後の術後補助療法について質問します。
1) 今のところ、血液検査やCT等に異常は認められません。これで術後補助療法を終了しようと思いますが、ノルバデックス5年内服後、4月からレトロゾールの内服について教えてください。私のような場合、術後補助療法を継続した方がいいのでしょうか。
2) 病理結果では、グレードとHER2 については不明です。この機会に、グレードとHER2 について病理を確認し、その結果により、術後補助療法レトロゾールを継続するかどうか考えた方がいいのでしょうか。

1) リンパ節転移がなかったこと、現在閉経前であることを考えると、レトロゾールの適応はないように思います。
2) 最悪グレードが3であってもノルバデックス5年が推奨されると思います。Her2陽性であれば、化学療法がCMFよりCAFの方が良かったかなと思えますが、もう過去のことですし、5年無事経過したこと、ER,PR共に陽性であることを考えると、Her2は陰性だった可能性が高いと思います。この時点でグレードとHer2でレトロゾールの適応を決めることはありません。ノルバデックス5年後のレトロゾール内服はER and/or PRが陽性でリンパ節転移があった方が一番の適応になります。(文責 清水)

 

No.5172】 06年04月12日    M 
微細円形石灰化

私は5歳の娘がいる35歳主婦です。先日「人間ドッグ」を受けました(去年より毎年受けようと決めています)。「両側 微細円形石灰化」という記載結果が送付されてきました(マンモグラフィ)。超音波では異常は認められませんという結果でしたが・・・。「一年後に再検査を受けて下さい」と記載があっただけでした。ネットなどで調べると「癌」の初期などではないのかなあ?など憶測してしまい、最近びくびくした毎日を送っています。昨年は特に異常がなかったので、余計にいろいろ考えてしまいます。ネットでいろいろ検索してみても詳しくは判りません。もし宜しかったら、いろいろと教えて戴けると助かります。くよくよ考える毎日もとても疲れてしまいます。

実際にマンモグラフィーを見ることができないのでなんとも言えませんが、正確には微細円形石灰化がどのように分布しているかが問題です。しかし、分布のしかたを問わず両側性にある微細円形石灰化は通常“明らかな良性石灰化”です。ですから、一年後でOKなのです。心配ないと思いますが、どうしても心配であれば遠慮なく受診されたところに問い合わすべきだと思います。(文責 清水)
 

 

No.5171】 06年04月12日    F.S. 
針で刺すような痛みについて(HPNo.5025-3)

お世話になります。以前No.5025でご相談させていただきました。ありがとうございました。今年2月に乳腺線維腺腫と診断され、5月まで経過観察中です(29歳、出産経験なし)。ここ3日ほどの話ですが、線維腺腫のできた場所(右胸の右上)とは違い、下の方で針で刺すようなチクチクとした痛みが20〜30秒続き、気になっています(何度か触ってみたものの、しこりと呼べる状態のものはわかりませんでした)。痛みは1日に2回ぐらいで我慢できないほどでもないのですが、夜寝る前の横になった状態だったり、自転車をこいでいる最中だったり、次はいつ襲ってくるのか、本当は悪性なのではないかと不安になります。ちょうど生理の1週間程度前(25日目)なので、その影響かもしれませんが、これまでも生理前の痛みはあっても、もっと全体的に押すと痛んだり張ったりするだけで、今回のような痛みは初めてだったこと、前回ご相談したように細胞診で二相性が見られないと言われたこともあり、5月のエコーまで待つべきか悩んでいます。いろいろと調べると、線維腺腫に痛みを伴うことはほとんど無いと書かれていますが、針で刺すような痛みは他にどのような病気の可能性が考えられるのでしょうか? 5月を待たずに早めに受診したほうが良いのでしょうか? ご回答いただきますよう、よろしくお願いいたします。

線維腺腫が痛みを伴うことはあまりないように、乳癌もまた痛みを伴うことはあまりありません。痛みを伴う乳腺のしこりであれば乳腺症が最も多く、その他乳腺炎、モンドールなど続きますが、大部分は原因のわからない痛みが多いようです。心配でしたら5月まで待たずに受診されたほうが良いと思います。(文責 清水)

 

No.5170】 06年04月12日    Y 
乳がんの内視鏡手術について

お忙しいところ申し訳ありません。最近、初期段階の乳がんがある事がわかり、先生には温存手術を強く薦められたのですが、最近傷跡が少なくすむということで内視鏡手術の方法があることを知りました。私的には、まだ年齢も26歳ということもあり、傷跡が少ない方法をとりたいのですが、先生に反対されました。内視鏡手術の知識に欠けているので、どの方法をとったら良いのか判断できない状況です。宜しければ、ご意見頂けますでしょうか? 何卒宜しくお願いいたします。

しこりの大きさや、存在部位などでそれぞれの手術法のメリットは違ってきますが、内視鏡下に手術する方法もあります。欠点は手術が難しく、時間がかかることですが、傷は目立たないところに置くことができます。一度内視鏡手術を行っている先生のお話を聞かれたらよいと思います。乳がんの内視鏡手術があまり普及しないのは、普通に手術しても傷を丁寧に縫合すれば術後の傷はあまりひどくならないからだと思います。(文責 清水)

 

No.5169】 06年04月12日    Y.K. 
細胞診の結果3bの意味すること

半年前に乳癌検診を受けた際、超音波検査で5ミリほどの影があり、「乳腺症のようだが、念のため半年後にまた超音波検査を受けるように」と言われました。今年3月末に再度超音波検査を受けたところ、半年前とほとんど変化はないが、母が乳癌で亡くなっていることもあり、細胞診をしてみましょうということになりました。結果は3b。4に近いので針生検をした方がいいというコメントが付いているとのことでした。そして今日、針生検を受けました。針の形状からマンモトーム生検だと思います。ところが、医師が患部がよく分からないようなのです(前回と同じ医師ですが、場所は前回のクリニックから先生の勤務する大学病院へと変わっています)。私に「この辺でしたよね」と聞きます。「乳腺症のようにしか見えないのですが、細胞診の結果が悪いので、取り敢えず取ってみます」 患部が小さいのと、私が痩せていて胸が薄いのとで、大変苦労していたようですが、何とか組織を取ったようです。最後に「これで確定できなかったら、MRIやCT検査をして、総合的に判断しましょう」と言われました。細胞診の結果は信頼に足るものでしょうか。生検で確定できなかった場合、それ以上の検査をする必要はあるのでしょうか。アドバイスをいただけると幸いです。

以前にも書きましたが、細胞診の検査というのは、医師がしっかり細胞を吸引して、速やかにアルコール固定液で固定して、細胞診のスクリーナーがきちんとスクリーニングして、病理の医師が診断する。これだけの過程がきちんとできれば診断率は90%以上です。それでも細胞診は組織診と違って、細胞の顔つきと繋がりだけで診断しますから、class 3だとかclass 3bなどという疑診がでるのはやむを得ません。細胞診で疑いになれば組織診で確定診断するのが普通です。組織診でわからないものがMRやCTで診断できるとは思えません。MRやCTは所詮画像診断ですから。(文責 清水)

 

No.5168】 06年04月12日    Y 
ノルバデックス+アゴニスト製剤について

43歳・未婚・出産経験なし。去年6月に温存手術を行ない、その後2回取り残しがあるという事で追加手術をし、計3回の手術を行ないました。11月の手術後の治療は、抗癌剤CMF療法を12回投与するという事で、今週やっと終了した所です。これからの治療のホルモン療法に加えての皮下注射アゴニスト製剤についてお伺いしたいのです。これからノルバデックスDを服用する事になっているのですが、皮下注射をするべきなのか、しないで良いものなのか悩んでおります。抗癌剤の影響で、現在生理は止まっております。主治医の先生は、しなくてもいいかなぁ〜と言われ、考えておいて下さいと言われました。効果的に、してもしなくても良いぐらいのものなのでしょうか? 皮下注射をした方が再発を押さえる効果が高くなるのでしょうか? アゴニスト製剤の皮下注射を行なった場合のリスクは、どのようなものがあるのでしょうか?
浸潤小葉癌、リンパ節転移(0)、浸潤径12mm(術後25mm)、ER(+)、HER−2(1+)、 PGR(+)、ly(0)、sly(0)、V(0)、f(+)、乳管内進展の程度(+)です。お忙しい所すみません、宜しくお願い致します。

ノルバデックス+アゴニスト製剤(LH-RHアゴニストのことだと思いますが)の組み合わせが、乳癌の再発を抑える力はCMFとほぼ同等であること、CMFで閉経していることを考えると、アゴニスト製剤は不要ではないかと思います。CMFを行った後にノルバデックスを追加することは再発の減少に有効であるというデータが最近発表されました。しかし、更にアゴニスト製剤上乗せした場合にどうなるかのデータはありません。上乗せ効果があったとしてもわずかではないかと推測します。アゴニスト製剤を使うリスクは注射の痛み、まれに皮下出血を起こす程度で、あまり大きなリスクはありません。(文責 清水)

 

No.5167】 06年04月10日    R 
UFT−Eについて

2月に両方の胸の全摘手術をしました。左のリンパ節に8個の内に2個、右に1個に転移が有り、現在UFT-Eを使っています。透析をしているので副作用の強い抗がん剤は使えず、副作用の少ないUFT顆粒をこれから2年飲む事になっています。最近この薬を使うのは少なくなっていると有りましたが、なぜ少なくなって来ているのでしょうか。何か問題でも有るのですか? UFTに変わる薬は有るのでしょうか?

UFTが最近あまり使われなくなってきたのは、今はやりのエビデンスがないからです。UFTが発売された頃(今から30年くらい前)は、抗がん剤といえば、再発転移の方に使用して病巣が半分以下になってそれが4週間続けば有効と判断し、そのような例が30%もあれば、それだけで癌に有効と保険適応になっていて、UFTには術後補助療法のデータがないのです。日本ではそのような薬を術後補助療法で有効かどうか確かめることなく長く使用されていたのです。術後補助療法で有効かどうかは、きちんとした比較試験を行ってみないとわかりません。ですから現在なら、もしそういう試験結果であれば、再発乳癌の治療のみにしか使えず、術後補助療法に有効かどうかはきちんと比較試験をして、その結果を出さないと認可されません。ですから最近は海外で比較試験が行われ、術後に使用して再発が減ったというエビデンスのある治療法が推奨されるのです。透析を行っているということは確かにハンデになりますが、主治医の先生と透析の先生でよく相談してもらえば、使えない抗がん剤はほとんどないと思います。ただ、投与する時間と透析の時間を調整する必要があります。年齢、閉経状況、ER、PRの状況等を加味して、もう一度、再発のリスク、抗がん剤の効果、抗がん剤の副作用、透析の影響を総合的に判断して治療計画を立てることをお勧めします。(文責 清水)

 

No.5166】 06年04月10日    mm
ホルモン療法と卵巣切除について

46歳 三人の子供がおります。3月10日右側温存手術をし、現在放射線治療中です。当初より、エコーで左側にも良性しこりがあり切除予定でしたが、術中診断で病理医より100%癌と診断され、センチネルリンパ生険をしましたが、その後、病理解剖で良性と診断されました。右側は病理解剖の結果、T期、ER(3+)PGR(3+) HER−2(0)大きさは 9×5×10mm、リンパ節(−)で、切除した周りへの浸潤などもないということでした。今後、ホルモン療法で五年間の飲み薬と2年間の注射が標準的な治療であるとの説明を受けました。ただ、15年ほど前に子宮内膜症で半年間の薬物療法をし、その後、さほどの激痛もなく過ごしてきましたが、ここ数年婦人科検診で、子宮内膜症、腺筋症、子宮筋腫(4cm)などと診断され、一年ほど前より、チョコレート嚢腫で左卵巣が4cmほどに腫れていると言われました。我慢できないほどの痛みはなく、特に治療をせずにきました。今回、卵巣を切除すれば2年間の注射は必要ないとの説明をうけました。卵巣がん、子宮がんの心配もあり、内視鏡での手術を考えています。卵巣、または卵巣と子宮を切除した場合、2年間の注射(リューブリン)とでは、どのような長所短所があるのか、お伺いできればと思います。よろしくお願いいたします。

2年間のリュープリン投与と卵巣摘出の差は治療期間、コスト、侵襲、可逆性の有無です。卵巣摘出の手術はかかっても一週間くらいでしょうし、コストも安いです。ただし、やはり手術ですから体に侵襲が加わります(大きくはありませんが)。また可逆性がありません、つまり元には戻りません。一方リュープリンは二年間かかります(最近は3ヶ月製剤ができたので、以前のように毎月必ず通院して注射ということはなくなりましたが)し、二年間のコストも一回の手術代より高くなると思います。しかし、手術という侵襲がないことと、可逆性、つまり閉経させたら思いのほか更年期障害が強かった等という場合に注射を止めれば元に戻すことができるという特徴があります。乳癌を治療している医師から見れば卵巣は目の敵ですから、卵巣の病気があればここぞとばかりに切除を勧めるという基本的な習性があります。私のお勧めは2-3ヶ月リュープリンの治療を行って閉経による副作用を確認し、閉経による症状が強くなければ卵巣摘出の手術に踏み切るという方法です。(文責 清水)

 

No.5165】 06年04月10日    A.S
しこりの痛み

先月乳がんと診断され(U期A)、来月に手術を控えております。場所は乳腺の真下になるのですが、触れると痛みがあり不安です。痛みは2週間前位からで、それまでは特に気になる事はありませんでした。生理に関係あるのかとも思いましたが、反対側の乳房には張りなどもなく普通の状態です。主治医との診察にはまだ間があり、それまでの期間に深刻な症状に進んだりはしないかと心配しております。痛みの強いしこりもあるのでしょうか?

2a期の乳がんであれば通常痛み等はあまりありませんし、生理に関係ある痛みが片側だけなことはよくあることですから、心配ないように思います。乳がんと診断されて手術までの間というのは患者さんが一番不安になる時期ですから、遠慮せずに主治医を訪ねて不安をぶつけたら良いと思います。(文責 清水)

 

No.5164】 06年04月10日    R 
肝臓に転移している段階での手術

はじめまして。メールにてご相談させて頂きます。先月、母(48)が進行性乳がんと診断されました。直接医師の話を聞いた父によると、一年に一度くらいの割合で癌検診を受けていたようなのですが、陽性と判断されなかったようで、本人がどうも体調がおかしいということで精密検査を行った結果、既に肝臓に転移(2cm)していたそうです。今でも血液検査では反応が無いのです。専門的なことはよくわからないのですが、精密検査をしないとわからないような見えにくいところで、癌はどんどん広がっていたようです。書籍やネットで調べると、この情報だけで母の病期は既にステージWのようです。たいていのものには、遠隔臓器に転移している場合は手術は行わない、「延命治療」しかしないという書き方がしてあります。しかし、担当医師の治療方針は、抗がん剤の効果を見て可能な時点で手術ということでした。「もっと高齢なら手術はしない段階だけど、若くて体力もありそうだし手術する方向でいこうか」ということのようでした。そして、一週間前に一回目の抗がん剤が投与されました。今のところ、特に副作用もあらわれず、また、癌による苦痛も無いようで、元気に自宅で生活しています。これは、抗がん剤の効果があれば、完治は無理でもまだまだ望みがある、と希望をもってよいのでしょうか?先日母と会った際にも、特に痩せた風もなく、父から知らされなければまず母が病気にかかっていることなど気づかなかったと思います。
直接診断して頂かず、メールでの相談のみでお答えを要求するのは筋違いかと思うのですが、父や母、担当医師に直接聞くには、私は家を離れ過ぎていて、どのように切り出すべきかわかりません。母自身は、告知の瞬間はさすがに頭が真っ白になっていたようだと父が言っていました。現在は開き直っているというか、「なるようにしかならない」と口で言い、強がっているようです。本当は一番不安で怖いのは母自身のはずなのですが、本人がそれを家族に見せまいとしている以上、私もある程度それに合わせるべきかと思うのです。「乳癌や子宮癌みたいに女性特有の病気って、手術すれば治るって聞いたよ」とか、「友達のお母さんの知り合いで、ステージWで手術して、今も元気にしてる人いるらしいよ」などと、軽い調子で会話の中に何気なく励ますような内容を混ぜているのですが、あえてこんなことをしない(病気のことには触れない)方がいいのか、それとも、同じように癌に冒されながらも元気にしておられる方の本やビデオなどを見せるのがいいのか、本当に迷っています。それについても、もしよろしければアドバイス頂けないでしょうか?よろしくお願いします。

お母様の状況はよくわからないので手術等コメントできませんが、主治医の先生がよく考えて行っている治療だと思うので、副作用が出ていないことを喜んで、あとは効果が出ることを祈るだけだと思います。お母様の励まし方は、お母様の性格を良く知っているご家族である皆さんの方がよくご存知なのではないでしょうか。ただ一つ言えることは、目先のことだけ考えないことです。一昔前のように正直に話すと本人がショックを受けるから本人には内緒にしようという対処の仕方は、結局本人が疎外感を感じてしまいメリットはないと思います。私は、家族なのですから隠し事はなくいたわりの気持ちをもって接してあげることが一番ではないかと思います。(文責 清水)

 

No.5163】 06年04月10日    T  
乳癌皮膚メタのケアについて

はじめまして。某総合病院にて看護師をしているものです。皮膚メタで自壊している状態の方がいるのですが、どのような皮膚のケアをする必要があるでしょうか。現在浸出液が多く、酸臭がしています。治療としては、化学療法を行っています。

局所転移の進行した状況はやっかいです。これといった決定的な治療法はありません。もちろん全身治療が最優先され、その効果があれば改善しますが、抗がん剤に大きな効果が期待できなくなると、患者さんのQOLの改善のために局所を何とかしてあげないといけないのです。放射線は一時的に良いのですが、後で組織壊死がひどくなりもっと悲惨な状況になるので、あまりお勧めはしません。局所的に使う抗がん剤を含んだ軟膏というと5?FU軟膏しかありませんが、あまり効果は期待できず、基剤もよくないので扱いにくいです。私たちのグループで滲出液を吸収する基剤を工夫したアドリアシンを含む軟膏を作りましたが、基剤が手に入りにくい等の欠点があります。創面の腐敗物をきれいにする目的でタンパク分解酵素を含む軟膏(エレース、リフラップ等)も有効なことがあり、リフラップにアドリアシンを混ぜた軟膏も作ったことがあります。におい対策としてメトロニダゾール軟膏を作成して、一時的ですがにおいが良くなったことはあります。また看護師さんの工夫で活性炭を創部において脱臭効果を得ていたこともあります。また、更に進行すると出血対策も必要になり、アビテン等の止血剤や時にはホルマリンを使って組織を固定して止血したこともあります。いずれにしても看護師さんの手厚いケアが一番の治療です。入院にしても外来通院にしても、患者さんの状況を良く考えて皆さんでいろいろ工夫してあげてください。(文責 清水)

 

No.5162-1】 06年04月10日    FT 
今後の治療について

はじめて質問させて頂きます。私は38歳の主婦です。2月に乳房温存手術とセンチネルリンパ節生検(陰性)を受けました。病理の結果は、充実腺管がん、腫痕径(2.0cmx2.0cmx2.5cm)、切除断片(-)、波及度(fat:5(+))、 リンパ管侵襲(+ly1-2)、 血管侵襲(+v1)、ER(+90%)、PgR(+90%)、悪性度(2)、HER2/neu(c-erbB2)(+1)、 リンパ転移(0)、進行度Ua(T2N0M0)でした。今後の予後治療としては化学療法、放射線療法、ホルモン療法を確定ではないですが行う予定です。今は化学療法を始めたばかりです。化学療法はFEC療法で3週ごとに4クール行う予定ですが、主治医の先生としてはFEC療法を6クールして終了するか、予定通り4クール行い、その後、薬を替えて(たぶんタキソールだと思います)4クール行って終了にするか、まだ検討中のようです。タキソールはやった方がよいのでしょうか。化学療法をやりすぎた場合どうなるのでしょうか。また、再発率、生存率なども教えていただけますでしょうか。よろしくお願い致します。

現時点で腋窩リンパ節転移のない例にタキサンを併用した大きな試験がないので、タキサン併用の効果があるかどうかはわかりません。リンパ節転移陽性例では有用だというエビデンスがあるのだから、リンパ節転移がない場合でも有用だろうと考えてタキサンを加えるか、エビデンス通りにFEC6クールにするかの判断ですが、個人的には後者をお薦めします。化学療法をやりすぎれば、副作用だけで効果が得られないということになります。閉経前、n0、ER(+)、Grade2、Her2(1+)、ly(+), v(+)だと10年生存率で85-90%くらいでしょうか。お勧めはFEC等のアンスラサイクリン系の化学療法+ホルモン療法(LH-RH analogue + Tamoxifen)です。(文責 清水)

 

No.5162-2】 06年09月25日    FT 
ホルモン治療について

以前HPNo.5162で質問させて頂いた38歳の主婦です。今年2月に乳房温存手術を受け、その後化学療法(FEC6クール)、放射線治療を行い、ホルモン治療を始めて3週間ほどになります。今後治療を行う上で少し不安があり、いくつかご質問させてください。
病理結果:
充実腺管がん、腫痕径(2.0cmx2.0cmx2.5cm)、切除断片(-)、波及度(fat:5(+))、 リンパ管侵襲(+ly1-2)、血管侵襲(+v1)、ER(+90%)、PgR(+90%)、悪性度(2)、HER2/neu(c-erbB2)(+1)、リンパ転移(0)、進行度Ua(T2N0M0)
1) 術後、腫瘍マーカー、腹部エコー、放射線治療の際、胸部CTはとりましたが、胸部X線、MRI、骨シンチ等は行っていません。主治医の先生は来年2月にひと通りの検査を考えられているようですが、まだ先の話で少し不安です。検査を行う必要はないのでしょうか。
2) 主人の勧めもあり、PET検査を次週受けることにしました。脳・胃など検査困難な部位もあると聞いています。1)と重なりますが、他の検査をする必要はないでしょうか。また、PET検査はどのくらいの周期で受けたほうが良いのでしょうか。
3) 抗癌剤治療中に生理が止まり、血液検査の結果、閉経状態であるということからホルモン治療はアリミデックスを服用しています。タモキシフェン等を使われている方が多いようなのですが、どのような違いがあるのでしょうか。
4) 手足のむくみがひどく、アリミデックスを服用してからは関節痛もあります。手足のむくみは抗癌剤の副作用なので、時期がくれば治ってくるだろうということで様子をみていますが、抗癌剤治療が終了して、もう3か月になります。こんなに続くものなのでしょうか。

お忙しいところ申し訳ございませんが、よろしくお願い致します。

1) 乳癌術後の定期検査として、残存乳腺と対側乳腺のマンモグラフィおよび超音波検査を年一回行うことがすすめられています。しかし、その他の検査は、症状があってから行っても遅くないと考えられています。
2) PET検査による乳癌術後の定期的な検査の有用性は確立していません。その他の検査で異常所見があり、再発かどうかはっきりしない場合に行うのが一般的です。
3) 閉経後では、アリミデックスの方が効果が高いとの報告があり、むしろアリミデックスが標準的です。
4) 副作用が遷延する場合もあります。薬剤はもう体内にはないわけですから、回復を待ちましょう。(文責 徳田)

 

No.5161-1】 06年04月10日    U
手術後の治療方針について

初めてお便りします。妻(43歳)が3月3日に温存手術をうけ、現在25回の放射線治療中です。腫瘍の大きさ1.7cmで、センチネル生検では転移なしとのことで、リンパ節郭清はしていません。術後の検査結果はグレード1、ホルモン感受性は2種類とも強陽性、HER2は陰性でしたが、センチネルに100マイクロの腫瘍が認められたとのことでした。この点についての主治医の説明は、「生検時は2ミリスライスで検査しているため、それ以下の腫瘍は発見できない事があるが、微小転移なので転移なしと考えてもよい」と言うような感じでした。今後の治療について、医師からはホルモン療法(卵巣の働きを止める腹部への注射2年と内服薬5年)を薦められているようです。本人は、再発リスクが低いとの医師の説明に安心し、そこまでする必要があるのかと疑問に思っているようです。私は微小転移の事が気になっており、リンパ節郭清(あるいはリンパ節への放射線治療)は必要ないのかとの疑問があります。また、手術前後とも頻繁に微熱が出ている事や、首のリンパ腺が少し腫れているようなのも心配です(医師の診察では特に心配いらないと言われていますが)。先生のお考えをお聞かせ頂ければ幸いです。

センチネルリンパ節生検(SLNB)で発見される微小転移の取り扱いに関するご質問と考えます。まず始めにSLNBについて確認させてください。SLNBとは、massiveなリンパ節転移のない場合の腋窩リンパ節郭清を省略し、郭清に伴う上肢の合併症を予防しようという方法です。通常の腋窩リンパ節郭清で切除されたリンパ節は全て、最大割面と呼ばれるリンパ節の割面の面積が最大となる面でリンパ節を二つに分割し、その面にがんの転移があるかどうか見て転移の有無を判定しているので、ここでいうMassiveな転移というのは最大割面に転移があるという意味です。術後の治療法を決めるガイドライン等でリンパ節転移陰性例というのは、正確には最大割面で転移がないと判定された例という意味で、そのような大雑把な扱いでもリンパ節転移があるかないかの違いによって予後に大きな差があるのです。ですから、リンパ節転移がないと言われたのに再発した等という例も少なからず見受けられ、そのような例の中には、最大割面に表れない転移があった可能性もあるのです。実際転移がなかったと判定された全てのリンパ節を細かくきって調べると25-30%くらいに小さな転移が見つかると言われています。そこで、SLNBですが、SLNBは切除するリンパ節が1-2個のことが多いので、施設によっては最大割面のみならず多数切片で転移を調べます。その結果微小転移と呼ばれる小さい転移(時にはリンパ管の中を流れている一個の癌細胞)を見つけることが可能になりました。しかし、SLNBが行われるようになって海外でも10年経っていません。ですから、この微小転移が予後にどのような影響を及ぼすのか?影響のある転移の大きさはどのくらいか?など、また答えの出ていない問題がたくさんあります。最近の考えは大きさが2mmを境にして、それより小さい微小転移は転移なしと同じ扱いでよいのではないかという意見が出始めています。私個人では微小転移のケースは確定したエビデンスがないので、患者さんの考え方で治療を選択していただいています。奥様の場合100μということであれば、主治医の先生がおっしゃるようにあまり心配ないと考えますし、ましてや郭清の必要はありません。リンパ行性の転移だけが乳癌の転移でないと考えれば、念のために副作用の少ないホルモン療法を選択することで再発のリスクを更に低くしてくれるのではないでしょうか。(文責 清水)

 

No.5161-2】 06年05月07日    U
放射線治療中の症状について

HPNo.5161で相談させていただいた者です。術後の放射線治療25回のうち18回が終わったところですが、頻繁に微熱が出ることと、手術した方の腋の下がかなり腫れていることが気になります。このような事は、よくある事なのでしょうか。気にせず放置してよいのでしょうか。

放射線治療の場合、できるだけ治療部分に照射野を合わせて行いますが、どんなに工夫しても照射野に治療対象外の臓器がやむを得ず入ってしまう場合があります。このような場合、有害反応が起こります。その一つとして、やむを得ず照射野に肺が入った場合、放射線肺炎を誘発することがあります。治療開始2ヵ月後頃より出現し、咳・発熱・息切れ等の症状が出ますが、胸部X線上、淡いすりガラス状、又は斑状陰影の所見がみられますが、ステロイドの投与で症状は回復します。また、腋窩の腫れについてですが、腋窩に近い部分のリンパの流れが、手術や放射線照射の影響によって悪くなっているのだと思われます。大部分は、放射線治療後6ヶ月程で落ち着いてきます。放射線肺炎かどうかのチェック、及び腋窩の腫れについて診察が必要ですので、放射線科を受診して、ご相談下さい。(文責 須田)
 

 

No.5160】 06年04月10日    S 
右全摘後内側の断端が陽性DCIS 有り、その後の治療法を教えていただけないでしょうか

よろしくお願いいたします。46歳。23歳で出産あり(1人)、不妊治療にて子宮内膜症の手術とかなりのホルモン治療を受けました。また切迫流産:早産の危険が高く、リトドリンの点滴治療も行っておりました(これらは大学病院にて受けました。現在かかっている病院は、この治療を行っていただいた大学病院では有りません)。平成4年7月右C領域に乳管内腫瘤にて部分切除(その頃の内容ははっきり残っておりませんでした)。平成11年12月切除近傍に嚢胞性病変あり扇状切除:intraductal papilloma〜DCIS、ductal spread+微小浸潤の可能性+でした。その後平成18年1月にDCISと浸潤性乳管癌と石灰化の増大を認め、3月右乳房全摘、リンパ1郭清を行いました。 
「組織診断はInvasive ductal caltinoma、papillotubular caltinoma、で大きさ1〜2cm 、浸潤度g:+ f s p w:ー 、nuclear grade:1 、surgical margin:positive、 リンパ節転移1a(0/8)、 StageTTNM分類pT1c、pN0、M0、  ER:positive非浸潤部50〜75%陽性 浸潤部30〜50%陽性 染色体弱い、 PgR:positive(DCIS)非浸潤部50〜75%陽性 浸潤部陰性 negative(inbasive)、 HER2:1+ 一部の細胞膜に陽性ですが連続性はありません。」との事でした。
右乳房を全摘したのですが、胸の中心側に当たる断端にDCISを認められたということです。左側の乳房に関しては 術後まだ検査を行っていません。右乳癌に関して完全に切除できていない状態となったのですが これから先の治療法はどのような選択肢が有るか、アドヴァイスいただけると幸いです。現在私の主治医は「乳腺がどこまで広がっているか解らないので、様子を見ながら腫れてくるようだったら再検査し切除:または放射線治療: 左の乳房にあった場合も切除という方法では?」と、お話いただきましたが、長い年月をかけて確実にADHからDCISそしてIDCに変わっていくので 何か良い治療法は無いものかと思い御相談のメールを送りました。よろしくお願いいたします。

右乳房全摘していて、癌の浸潤度がgのみなのに切除断端が陽性という所見は理解できません。手術した先生が明らかに内側の乳腺を残したというのであれば、その部分を追加切除すれば良いと思いますが、通常の乳房切除の手術で乳腺の一部を残すということは考えにくいです。乳腺が残っていれば術後でもその部分が盛り上がって見えますから、すぐわかります。もしそうでないとなると、病理組織の切片を作成する際に正確に断端が評価できない状態だったのではないかと推察します。しかし、病理の先生からすれば標本上の切除断端に癌組織が見られれば断端陽性という所見を書くのはやむを得ないと思います。一番良いのは外科の先生と病理の先生で、本当の切除断端の状況はどうかよく再検討してもらうことです。それがかなわず、外科の先生が全ての乳腺を切除したと自信があるのであれば、病理で断端陽性と書かれても気にしなくてよいと思います。経過から推察して広範囲なDCISをベースにした乳癌で早期に治療できていますから、乳房切除が最も効果のある治療法で、術後補助療法はなしか、念のためと対側乳癌のリスクを減らすためにホルモン療法を加えるかどうかだと思います。(文責 清水)

 

No.5159】 06年04月10日    H
線維腺腫に関して

15歳の娘のことでご相談します。去年7月に線維腺腫の手術を2箇所しました。「初めて受診した時より、しこりが大きくなっているし、5a以内なので日帰りの局部麻酔でできる」ということでした。そして先日半年後の検診で、新たに2個のしこりがエコーでみつかりました(3aと2〜3_)。来月生検検査をして、悪性か良性かの結果をみて又手術をする(良性でも)ようなニュアンスでした。毎年手術をしてとらないといけないものなのでしょうか? 生検検査もとても痛いようで、2〜3_の小さいしこりのもしないといけないのでしょうか?どうぞよろしくお願いします。

初回の時は経過を見て大きくなってきたから手術したのでしょうか。原則として、若年者で増大する傾向がない線維腺腫であれば手術しなくても良いと思います。線維腺腫が多発することは多くはありませんが、珍しくはありません。細胞診で悪性が否定されたら、経過を見るのが良いと思います。ただし、急速に増大し、多発する葉状腫瘍という線維腺腫に似た腫瘍がありますから、その場合は大きくなる前に手術が必要です。主治医の先生とよく相談してください。(文責 清水)

 

No.5158-1】 06年04月10日    まぐろ
手術前化学療法今後の見通し

46歳の会社員です(夫、娘 中2,小4)。去年9月に左胸にしこりを感じ、近くの病院で検査、そこらからの紹介で現在大学病院で治療中。当初はCE法、その後パクリタキセル→手術の予定でしたが、骨転移がみつかり、現在月1回アレディアの投与と、パクリタキセルを週1回(3回の後1回休み)投与しています。胸の腫瘍は劇的ではありませんが、小さくなりました。「全身治療になったため、手術の予定はない!」と今日先生に言われ落ち込んでいます。パクリタキセルは回数は未定、うまく長くつきあっていくしかないと言われましたが、他に方法がないのでしょうか。先の事を考えると、不安で苦しくてしかたありません。よろしくお願いします。

手術前に転移が見つかったということになると、再発乳癌と同じ治療になります。CEは終わっているので、次ぎはタキサンで、パクリタキセルを使い始めていれば、まずはパクリタキセルを効果がある間は使い続けることになると思います。現時点での治療法としてはbestだと思います。原発巣(胸のしこり)のER、PRやHer2等の検査が済んでいれば原発巣を手術する意味はありませんから、原発巣は痛み等の症状がなければ手術せず、薬の治療効果を見るためにそのままにしておきます。ただし、どうしても気になるから、切除して欲しいという希望があれば局所麻酔で切除することは可能です。基本的には主治医の先生がおっしゃるように“うまく長くつきあっていく”ことが大事になりますが、精神的にきついことも十分理解できます。病院によってはカウンセリング等のサポートを行うスタッフをおいているところもありますから、一度相談してみては如何でしょうか?(文責 清水)

 

No.5158-2】 06年04月14日    まぐろ
手術前化学療法今後の見通し(2)

HPNo.5158です。お忙しいところ、早速のご回答をいただきありがとうございます。私の書き方がよくなかった為、現在までの経過で少し違っているところがありましたので、再度質問させていただきます。当初は骨転移の疑いがなかった為、CE法→パクリタキセル(週1回の3回投与1休み)の予定でした。最初の投与の為の入院、検査で骨転移がみつかり、急遽CE法を止め、最初からパクリタキセルの投与となりました。理由としてはCE法は回数制限があること、なお普段の白血球数が少ないこともあげられました(普段は3000前後)。全身治療となったため、回数制限のないパクリタキセルがよいと判断されたようです。既に5クール(15回)の投与が終了しました。この2ヶ月白血球数の戻りがよくないため、2週間おきの投与になっています。3回投与1休みに比べ治療効果は低くなるものなのでしょうか。また初めから3週に1回のものを投与することはできないのでしょうか。また、手術なくしてパクリタキセルをどのくらい続けられるものなのか、今後に不安を抱きます。今は痛みもなく、通常の生活を送ることができます。ただ髪、まゆ、まつげが無いのを除けば・・・。よろしくお願いします。

白血球の低下がどれほどなのかにもよりますが、やはり、長期に上手につきあっていくというのが現状ですので、一回の治療で無理するのではなく、長く治療できることの方がベストですから、2週休んでも、続けてはいかがでしょうか? 3週に1回の治療も、白血球の下がりは毎週投与と変わりませんので、ご本人の通い勝手とかで、毎週が辛いようであれば、3週に1回というのも選択肢です。ただ、毎週の治療で、長く続けて・・とはいいましたが、あまりに投与間隔が空くのは、効果の面から良くありませんので、そうであれば、別のメニューで長く続けられる物を選択することも必要になるかもしれません。副作用さえなければ、ずっと毎週投与は可能です。頑張って下さい。マイペースで、無理のないように、時には気分転換で、旅行したり、おいしい食事をしたり・・。(文責 鈴木)

 

No.5157】 06年04月10日    y.y
ホルモン療法

いつも参考になります。温存手術を受け、病理が3.5×1.5、リンパ転移無し、グレード3、ERー PgR+(30%)、HER2陰性で、化学療法CE×4回終了。現在放射線25回+追加ブースト5回中です。今後ホルモン療法タモキシフェン+リュ―プリンの予定ですが、ご意見おねがいします。私の場合でもリュ―プリンも併用したほうがいいのでしょうか?

St Gallenのガイドラインでは、ホルモン感受性があるがあまり強くなく、中間リスクで、閉経前ですから、リュープリンの併用が勧められると思います。更年期障害等の副作用が強いようであれば中止しても大丈夫かな…と言うところだと思います。(文責 清水)

 

No.5156】 06年04月10日    K.E. 
浸潤性乳管ガンと痛み  

25歳の女の子の母です。浸潤性乳管ガンと言われ、今検査中です。ホルモン受容体マイナスで、ホルモン療法は不可とのことです。ハーセプテストは2+で、FISH検査の結果待ちですが、当初から胸、乳房が痛いと言っております。もぎとられる様な痛みらしいです。普通乳がんは痛みがないと言われていますが、我慢できずにいます。病院で痛み止めのロキソニンを処方してもらいましたが、効果ありません。今もタオルなどで胸をしめつけるようにしていますが、痛みを和らげるにはどうしたらよいですか?

大変心配ですね。痛みを和らげるには痛み止めを増やすか、強くしてもらうか、治療を早く始めてもらうしかないと思います。検査結果を聞くこととは別に、早めに病院へ行って対応してもらってください。(文責 清水)

 

No.5155】 06年04月10日    N.T
再発後の検査方針について

7年前に右乳房温存手術をしました。現在38歳独身です。去年秋に腰痛により腰椎への骨転移が発覚、現在アレディアとゾラデックスで月1回治療しています。病理の結果は、浸潤性乳管がん、リンパ転移なし、しこり2センチ、ER+,PGR+,HER2陰性です。再発発覚後の検査は、以下の通りです。「 ・毎月CEA,CA15−3,1CTPのマーカー検査 ・再発発覚時にCT(肺・肝臓・腰椎) ・3ヶ月たったところでCT(腰椎) ・触診は先月CEAがあがったので初めてした ・脳については自覚症状がでてからというのでやってない ・マンモやエコーはやってない」
質問ですが、再発後の検査方針は患者の状態により人それぞれとは思いますが、私の場合はどうなのか教えてください。
1) 脳の検査は、再発を機に一度調べる必要はないのでしょうか?(専門クリニックのためMRIはありません、CTはあります) 初発の頃に調べたきりのような気がしており、気になります。
2) 骨転移の効果を見るのに、画像検査の頻度はどの程度でしょうか?1回確認し化膿してきていたので、しばらく見なくてもいいと主治医はいいますが、2月CEAが若干あがったので次回CTを撮る予定なのですが、被爆もあるので3ヶ月ごとでは多いでしょうか?
3) 骨転移には放射線が効くともいいますが、放射線をした方がいいと判断するのはどんな場合ですか? 痛みの程度、場所、骨の状態について教えてください。
4) 現状肺や肝臓には画像上何もありませんが、検査の頻度はどのくらいでよいですか?

以上、すみませんがよろしくお願い致します。

基本的な考え方として、何のために検査をするのか考えてください。A)再発を見つけるためですか? B)QOLを高めるためですか? C)長生きするためですか? A)の理由であればいろいろな検査を頻回に行う必要があります。C)の理由は否定されています。つまり、早く再発を見つけて早く治療しても、症状が出てから見つけて治療しても変わらないと言われています。B)の理由であれば、自分が今の状態をどの程度知りたいか、その知りたい範囲で検査をしてもらえばよいということになります。つまり、自覚症状がなければよしとするのか、これからの生活を考えるために今自分がどうなっているか調べたいのかです。
1) 通常、脳の検査はあまり頻回に行いません。その理由は、脳は固い頭蓋骨に囲まれている組織で、比較的転移の症状が早期に現れやすいので、日頃の状態を診察することで十分対応できます。何か転移を疑う症状があった時に検査するのが一般的です。
2) 骨の検査も難しいのです。CTでわかるのは石灰化した骨で、骨が壊れていればそこに転移があるらしいことはわかりますが、造骨型の転移だとわかりませんし、化骨したからといって治っているとはいいきれないのです。RIは最初の転移を探したり、他に新しい転移が増えたかはわかりますが、治療中の部位が良くなっているか悪くなっているかの判定はできません。MRが比較的良いのですが、それでも治療効果と所見が一致しないこともあります。ですから、自覚症状と腫瘍マーカーの値と、画像所見で総合的に判断するしかないのです。症状、マーカーに変化ないか、良くなっていれば画像診断は短くても6-12ヶ月おきくらいで、後は症状、マーカー等に応じて行うのが一般的ではないでしょうか。
3) 骨転移に対する放射線治療の目的は痛みを取ることです。ある一カ所の骨転移部位の痛みがどうしても鎮痛薬でコントールできないというときは、部位を問わず放射線治療を行います。
4) 自覚症状、腫瘍マーカーに変化なければ半年から一年程度で行うか、もしくは行わなくてもよいかもしれません。(文責 清水)

 

No.5154】 06年04月10日    R.N. 
今後の治療について

現在47歳、平成15年7月右乳がんの手術(温存)を受け、リンパ節転移ありで、化学療法=エンドキサン、アドリアシンを4回(15年9月〜11月)、タキソール4回(16年4月〜6月)、放射線=2グレイ×25回(15年9月〜10月)、ホルモン治療=リュープリン3.75×24回(16年1月〜17年12月)、ノルバディクスD20mg=2年5ヶ月服用中(15年12月〜)。化学治療(タキソール)を始めて、抹消神経障害が出ています。両足が痺れて痛く、医師からツムラ芍薬甘草湯を処方してもらっています。痛い場所は狭まってきてはいますが、なかなか取れません。ここ3日間薬をすべて止めていた所、痺れが軽減しました。このままノルバディクスを中止すると、どのようなリスクがありますか?治療として続けなければいけないのでしょうか?

タキソールによる末梢神経障害(手足のしびれ)は少しずつ範囲を狭めながらも一年以上続く方も結構いらっしゃいます。しびれが良くならない原因にノルバデックスが関与しているとは思いにくいのですが。ノルバデックスを途中で止めるリスクは、再発のリスクが高くなることです。閉経前でリンパ節転移ありであるならば、できればノルバデックスはエビデンス通り5年間内服したいところですし、もし閉経しているならばアロマターゼ阻害剤にスイッチしたいくらいです。いつもお話ししていますが、治療の継続は再発のリスクの大きさと副作用の重さで相対的に判断します。再発のリスクの大きさがどのくらいかはっきり解らないことが患者さんにも医師にも悩みの種なのです。通常は過去の多数例のデータから推測してお話しているのです。(文責 清水)

 

No.5153】 06年04月10日    K.H. 
筋状のしこり

2・3日前に気がついたのですが、右腋(胸側)に長さ5cmくらいの筋状のしこりのようなものがあります。特に痛みはありませんが、気になっています。来月中旬に乳がん検診(触診・超音波)を受けるのですが、それを待たずに早急に受診したほうがいいでしょうか。アドバイスをお願いいたします。

Mailの内容からはモンドール病が疑われます。モンドール病であれば自然に治ってしまう病気ですから、来月の乳癌検診の時にはなくなっているかもしれません。急ぐ必要はないと思いますが、何であるかを確かめるためには早めの受診をお勧めします。(文責 清水)

 

No.5152】 06年04月10日    Y
乳がん治療後の不妊治療について

2001年(24才)に右乳房全摘手術を受け、2年間リュープリンのホルモン治療をしました。術後3年がたった頃に、主治医から妊娠しても大丈夫と言われました。1年半たったのですが授からず、婦人科に相談に行ったところ、「ホルモン誘発剤、hmg注射、hcg注射を使ってタイミング療法をしていきましょう」と言われました。この治療を行ってもよいのでしょうか? お忙しいところ申し訳ありませんが、ご回答よろしくお願いします。

手術後にホルモン療法したということはERかPRが陽性だったと思われます。したがって、妊娠が全く再発のリスクにならないとはいえません。しかし、術後4年半経っているとなると、再発のリスクはかなり下がっていると思います。乳癌の再発のリスクが少しあることをご理解いただければ妊娠可能です。そうであれば、不妊治療は普通に行ってよいと思います。不妊治療より妊娠そのものがリスクなのですから。(文責 清水)

 

No.5151】 06年04月08日    Y
微小性浸潤ガンについて(HPNo.5016-4)

HPNo.5016のYです。いつもご協力いただいてありがとうございます。担当の先生に病期を聞いた所、T1micとのことです。色々ネットで調べてみたのですが、T1micという表現はあまり使われていないようなのですが、普通のT1a〜T1cクラスよりもよいのでしょうか?よくないのでしょうか? あるサイトでは、少数のがん細胞が周辺組織に広がっているが、0.1cm以下の微小浸潤または微小転移とのことで、微小浸潤は、浸潤ガンなので仕方ないのですが、微小転移って、よくないことなのではないのかなと考え心配しています。先生は0期に近い1期だと説明していましたが、他のクラスでは4期以外で転移という表現がされていないのに、T1でもmicだとよくないのかなと考えてしまっています。ちなみに、f+g+だということが自分から質問して分かり、先生は「浸潤ガンだったらだいたいの人はこの二つは+になる」と言っていましたが、本当なのでしょうか。あとERとPGRは共に++だということが分かりました。これはとても良い結果だと思うのですが・・・。カルテの最後にはLow riskと書いてあったのですが、以前お送りしました今までの私の病理結果と合わせていただいて、10年生存率はどの位だと思われますか? 本当にlow riskなのでしょうか・・・? 年齢のことなども踏まえて、すみませんがご回答お願いします。

T1micはUICC(国際対癌連合)の分類に出てくる表現で、0.1cm以下の微少浸潤を伴った非浸潤癌のことで、微少転移ではありません。微少であっても浸潤があればDCIS(非浸潤癌)ではないのでT1に分類されますが、浸潤が0.1cm以下であれば予後が非浸潤癌並みに良いのでT1micと別に分類したのです(主治医の先生のおっしゃる0期に近い1期)。非浸潤癌(DCIS)の場合も、厳密に言えば検索した範囲内(標準的には5mm間隔の標本検索)に浸潤がないということであって絶対に浸潤がないというわけではありません。しかし、5mm間隔の標本検索で浸潤巣が見つからず非浸潤癌と診断された癌には再発転移はほとんど見られないというのが現状です。ですからT1micは5mm間隔の標本上にたまたま浸潤巣が見つかってしまった非浸潤癌とも考えられるのです。gは乳腺(gland)、fは脂肪組織(fatty tissue)のことで、浸潤が及んでいる範囲を示します。乳癌は乳腺から発生しますから、浸潤があればすべてg+になります。f+はなる場合とならない場合がありますそれは浸潤の広さより、その人の乳腺構造の違いによるところが大きく、予後に対する影響は軽微です。St. Gallenのリスク分類によれば確かに貴女の場合は年齢の因子(35歳未満)でintermediate riskになりますが、ガイドラインのリスク分類は通常の浸潤癌を対象にしたものですから、私の考えでは、T1micであれば予後は良好と考え、10年生存率は95%以上だと思います。術後の治療は原則的には無治療でよく、念のためにホルモン療法(Zoladex+Tamoxifen)を行い、副作用が強かったり、妊娠希望であれば直ちに治療中止でよいのではないかと思います。(文責 清水)

 

No.5150】 06年04月08日    Y.A.
今後のホルモン療法について

こちらで何度かご意見を伺ったことのあるアメリカ在住の49歳です。2年前に温存手術をして放射線治療を受けました。リンパ節転移がなかったため、抗がん剤はせずホルモン療法(タモキシフェン服用)のみを続けていましたが、今年1月に創の近くにDCISが見つかり先月全摘手術をしました。そのあと今後のホルモン療法についてドクターと話しをしたところ、タモキシフェンからアリミデックスに変えてみましょうということになりました。私の場合タモキシフェン服用後生理が止まってまだ1年ほどで、血液検査の結果でもまだ完全に閉経しているとはいえない値がでているので、再発とはいえ、閉経後に効果のあるホルモン剤に切り替えてよいのかどうか迷っています。こちらでは遠隔転移などが見られない限り、LH−RHアゴニスト剤を使用しないので、多分卵巣機能そのものは止まっていないのだと思います。もうしばらくタモキシフェンを服用した後でスイッチするということでは危険なのでしょうか? タモキシフェン服用中の局所再発の場合、やはり何らかの形ですぐにでもホルモン剤を変えたほうが良いのでしょうか? 私のような場合、他にどんな再発予防の術後療法が考えられますか? ご意見をお聞かせ願えますでしょうか? よろしくお願いいたします。

DCISとしての局所再発と全身転移のリスクは別に考えたほうがよいと思います。DCISの局所再発は乳房切除で治療は終了ですから、それに関して術後治療は不要だと思います。治療が必要だとすれば、対側乳癌の発生の予防だと思います。今回のタモキシフェン(TAM)からアリミデックス(AR)への変更は、最初の手術の術後補助療法として、最近TAM内服2〜3年後にアロマターゼ阻害剤へスイッチする方が、TAM内服5年より再発が減少するというエビデンスがでてきたので、TAMからARへスイッチしようという話ではないでしょうか。しかし、おっしゃるとおり、アロマターゼ阻害剤を使用する場合、閉経(生理が止まっているだけではなく卵巣機能が停止していること)を確認しないと、逆にエストロゲンを増加させてしまうと言われています。ですから、日本ではアロマターゼ阻害剤に変更することが望ましいが、血液検査などで閉経が確認できない場合はLH-RHアゴニスト製剤(ゾラデックス、リュープリン)を併用することが多いです。また、最初の乳癌の再発のリスクがあまり高くない場合、ER.PRの陽性度が高い場合はノルバデックスの継続でも構わないと思いますし、ノルバデックス5年内服後にアロマターゼ阻害剤フェマーラ(letrozole)5年で、ER陽性乳癌の5年目以降の再発を減らしたというデータもあります。(文責 清水)

 

No.5149】 06年04月08日    N.F
薬の副作用について

はじめてメールさせて頂いております。73才になる母についての相談です。3年前に乳がんになり、右胸を全摘出しました。その後、定期的な検査、ホルモン療法をしています。最近、本人が臭いを感じなくなったと申しており、また家族も気がつくほど、「こんな臭いもわからないの?」と驚くこともあります。UFT-E顆粒 100mg/0.5g/包 を一日2回計4包を3年間、服用していますが、薬局で頂く、お薬情報シートの副作用欄に「臭いがわからなくなった」と記載されており、母本人は、副作用だから仕方ないのかしらと言います。このクスリはよく乳がんの方に使われていると聞いていますので、顕著に臭いがわからないという副作用が出やすいのか、耳鼻科へ相談すべきか、混乱しております。アドバイス頂けると大変助かります。よろしくお願いします。

においがわからなくなったのはUFT-Eの副作用の可能性があると思います。主治医の先生に相談し、必要があれば耳鼻科で検査をしてもらったほうが良いと思います。最近はUFT-Eを乳癌の手術後に使うことは少なくなってきたと思います。また、UFT-Eはホルモン療法のお薬ではなく化学療法のお薬で、手術後に使う場合は通常は2年程度が標準的です。(文責 清水)

 

No.5148】 06年04月06日    K 
乳首から黄色い分泌物がでます

中学3年生です。最近乳首から黄色い物が出ます。夜になるとかゆくなるらしく、かいてしまっていて血が出たりします。親に言うのは恥ずかしいので言っていません。病院に行った方がいいのでしょうか。もし家で治療の方法があれば良いのですが・・・。

高校生〜大学生くらいに多いのですが、乳頭からの分泌液が増えて、それによって自分の乳頭の皮膚がかぶれてしまうのです。分泌液そのものは生理的なもので心配ありません。皮膚科を受診して、塗り薬をもらうことをお勧めします。(文責 清水)

 

No.5147】 06年04月06日    Y.O.
ホルモン治療について

アリミデックスを飲み始めて半年になります。関節の痛み、硬直があります。先日左の指があまりにも痛むので近所の病院に診てもらうと、腱鞘炎(バネ指)と言われました。薬との因果関係はあるのでしょうか。よろしくお願いします。

アリミデックスの内服を始めて数ヶ月目頃から見られる手指(時には膝や足)の関節のこわばり、痛みは比較的よく見られる副作用の一つです。ばね指なのか、薬の副作用なのかの判断は難しいですが、薬との因果関係は濃厚です。(文責 清水)

 

No.5146-1】 06年04月06日    N子
手指の痺れ

去年4月に乳房温存術 、リンパ節転移なし、1.4センチ、術後は25回放射線。ホルモンが共に+のため、8月からゾラデックス注とタスミオンを服用しています。しばらくの間、副作用らしきものは寝汗がひどいくらいでしたが、今年の1月、寝汗が出なくなってきたと同時期ころから、両手指(1〜4指)がしびれ始め、近所の整形外科を受診したところ、『手根管症候群』と言われました。ホルモン療法の副作用とは考えられますか? 薬剤を変更することは可能で、それによって改善されますか?

手根管症候群はホルモン療法の副作用ではありません。しかし、ホルモン療法で閉経させた場合、更年期症状の一つとして手指の痺れやこわばりが現れることがあります。治療を始めた時期や両側性であることを考慮すると、手根管症候群というより閉経による症状の可能性が高いように思います。その場合、体が閉経状態に慣れてくると自然に治る場合もあるので、あまり辛くなければ治療を継続したほうがよいと思います。非常に辛いのであれば、薬の変更を考えてもらってください。1.4cm、リンパ節転移なしの乳がん術後で変更するとすれば、ゾラデックスを中止してタスオミン単独治療にするかどうかだと思います。(文責 清水)

 

No.5146-2】 06年04月27日    N子
漢方について

No.5146でホルモン療法中の手指の痺れについて相談したものです。更年期障害の症状のひとつということなので婦人科を受診して相談したところ、当帰しゃく薬散を処方されましたが、注意書きをよく読むと、『排卵を誘発し、排卵障害を治療するお薬です』と言う記述がありました。ホルモン療法中であることはお話し、処方していただいたのですが、気になります。このまま飲み続けても大丈夫でしょうか?

当帰しゃく薬散が更年期障害の症状を改善するのは、プロゲステロンの分泌をマイルドに促す作用によるものですが、エストロゲンに対する作用は良くわかっていないようです。“ツムラ”の医薬品に関するお客様相談窓口は 03-3221-9700 です。不明な点は、ご相談下さいとのことです。(文責 須田)

 

No.5145】 06年04月06日    Y.M. 
発熱について

現在、50代の母親が抗癌剤治療をしております。ご相談したいのは、発熱についてです。6年前に乳がんを全摘し、5ヶ月前より発熱が続き、3ヶ月前の検査で再発と診断されました。先ずは3種類の抗生物質が投与され、その次に抗癌剤治療になりました。抗癌剤タキソテールを毎週1回連続3週し、そして1週の休みを1クールとして現在4クールが終わりました。腫瘍マーカーは半分になり、X線のレントゲンでもよくなっていると確認されました(3クール終了時)。しかし、発熱は依然として続いている状況です。解熱剤が切れると38度まで上がります。主治医は腫瘍熱としてみているようで、X線のレントゲンによる残りの白い影がなくなると熱もなくなるだろうと言っています。もし腫瘍熱でない場合は、何かの炎症や感染症の可能性もあるのでしょうか。熱の原因を少しでも突き止める検査はないのでしょうか。もし腫瘍熱でない場合の処置はどのようになるのでしょうか。内容に不十分がございましたら教えていただければ幸いでございます。何卒宜しくお願いいたします。

発熱の原因は様々で、簡単に原因を突き止める検査法はありません。発熱の原因の多くは感染症による炎症ですから、通常は呼吸器、泌尿器、耳、鼻、子宮、卵管などに炎症があるかどうか検査をします。また炎症の場合は発熱以外に、感染している臓器特有の症状を伴う(例えば呼吸器であれば咳や痰など)ことが多いので、それらによっても診断可能です。検索可能な範囲で炎症所見がない場合で、体内に腫瘍がある場合に腫瘍熱を考えます。まったく原因がわからない場合、不明熱という病名があるくらいですから発熱の診断は難しいのです。炎症があれば抗生剤の治療が有効ですし、腫瘍熱であれば抗がん剤などの原因治療が重要ですが、対症療法としてナイキサンなどのNSAIDが有効なことがあります。発熱というのは辛く、体力を消耗しますから、原因が不明でも対症療法として解熱治療が望まれます。(文責 清水)

 

No.5144-1】 06年04月06日    S.S
術前化学療法について

妹(年齢40歳,閉経前)のことでご相談いたします。腫瘍の大きさ8p、右腋窩リンパ節転移あり、ホルモン感受性あり。現在、術前化学療法で治療中です。抗癌剤副作用の白血球減少は注射で改善していたのですが、腹痛と吐き気が辛いということで、CEを3クールで中止し、タキソール120mlに変更しました。現在はタキソールの1回目投与が終わったところです。CE3クール終了後のMRI検査の結果では、main massの径が18mmから10mm大に縮小。全体の広がりは83×33×43mmから15×20×27mmに縮小。主治医は「そんなに辛い思いまでしてCE療法をすることはない。他に薬はある」ということでタキソールに変更になったのですが、副作用は確かに軽いけれども、果たしてタキソールだけでいいのか、せっかくCEで縮小効果があったのだから、もう少し頑張ってCEを続けたほうがいいのではないかと、本人は迷っているようです。アドバイスをいただけますでしょうか。どうぞよろしくお願いします。

術前化学療法の治療レジメンでEC4クール行ったあとでタキソール4クール(毎週法なら12週投与、120mgという量は毎週法だと思います)行う方法は、現時点でエビデンスレベルの高い治療法です。確かにECで腫瘍の縮小が見られるならば、頑張って4クール行ったほうがよいと思います。ただし、その判断は副作用の程度と天秤にかけて考えます。(文責 清水)

 

No.5144-2】 06年10月18日    S.S
術前の治療について

HPNo.5144で相談させていただいた者です。結局ECを3クールで中断し、タキソール(毎週法4クール)に変更しました。タキソール終了後のMRIの結果では、51×20×27mm(前回記載した15×20×27mmはタイプミスでした)が、30×17×27mmに縮小。続けて投与予定でしたが、副作用(足の痺れ)のため中止し、8月よりホルモン薬(フェマーラ)による治療を開始。約2か月後のMRIの結果では、腫瘍の大きさに変化なしでした。4月から8月は生理がなかったのですが、9月に生理になりました。先日再びECを開始したのですが、投与中、顔・首などに蕁麻疹が出現し中断しています。教えていただきたいことは、
1) ECではアレルギー反応が出てしまいましたが、他に効果の期待できる抗癌剤はあるでしょうか。
2) 術前のホルモン療法は一般的なのですか。フェマーラの術前服用の有効性は、どんなものなのでしょうか。

以上、よろしくお願いします。

術前化学療法は、EC(4サイクル)のあとにタキソールかタキソテール(いずれも4サイクル)を行う、いわゆるEC+Tという方法が勧められている為、ECが3クールできていればかなり頑張ったといえよう。つまりECで副作用があったからTになったというより、ECが3サイクルまで終わったから、残り1回のECを無理せず、次の段階のTに進んだと考えたほうが良い。なお、術前に引き続き内分泌療法を行うことに関しては、現在は推奨すべき研究成果は出ていない。よって、何らかの状況で手術に踏み切れない場合でなければ、また手術不能の乳癌でなければ、「術前化学療法→手術→(場合によっては放射線治療)→ホルモン剤の効くタイプの乳癌なら内分泌療法。」と進むのが一般的。(文責 館花)

 

No.5144-3】 07年01月07日    S.S
術後の治療について(2)

HPNo.5144でお世話になった者です。三たびご相談致します。昨年11月に転院し、12月1日に乳房全摘術(右乳房胸筋温存)を受けました。病理検査結果:組織型(invasive lobular carcinoma,一部papillotubular carcinoma),断端(+),浸潤(f),ly(3),v(0),n(+)(25/25),ER(+)10%以上,PgR(+)10%未満,HER2(−),grade1(3点),核異型細胞スコア(2点),核分裂像スコア(1点)。以上の結果から、今後の治療法としてどんなものがあるでしょうか。化学療法を行うとすれば、以前アレルギーの出た薬剤もあるのですが、どの薬剤を選択するのがよいでしょうか。アドバイスをよろしくお願いします。

術前に化学療法をされているので、もう化学療法は必要ありません。お疲れさまでした。ただ、リンパ節転移が高度であるので、腋窩、胸壁、胸骨傍、鎖骨上に放射線照射が勧められます。照射により再発が少ないことがわかっています。放射線の副作用にもよりますが、その前後で併用もしくは、照射後にホルモン療法が必要になります。この場合、閉経前か閉経後かの判断が必要になります。月経の有無だけではなくて、採血で女性ホルモンの量を測ってから治療法を選択された方がよいでしょう。術前にフェマーラを内服されていますが、本来は閉経後に内服する薬ですので、閉経後と判断されたのだと思います。前回の回答のように、術前にホルモン療法というのは推奨されていませんので、術前化学療法から手術、放射線、ホルモン療法の流れに乗って、術後に投与するものとして回答します。閉経後と判断するのであれば、タモキシフェンよりアナストロゾール(アリミデックス)、レトロゾール(フェマーラ)が推奨されます。閉経されていなければ、LH-RHアゴニストを2年間注射とタモキシフェンの5年内服です。(文責 鈴木)

 

No.5144-4】 08年11月07日    S.S
骨転移治療について

HPNo.5144で相談に乗っていただいたS.Sです。今年9月のペットCTの結果、頸椎,胸椎,腰椎,仙椎,両側腸骨,坐骨,恥骨,両側上腕骨,肩甲骨,多数の肋骨,両側大腿骨など広範囲に骨転移が見つかりました。腫瘍マーカー CA15−3,NCC−ST−439共に高い数値が出ています。

【最終相談時以降の経過】
2007年1月15日〜2月26日まで放射線治療(右鎖骨+胸壁 2Gy×30日)。
3月 化学療法 タキソテール(3週×1) + ゼローダ(2週内服・1週休薬)を施行。タキソテールの量が多い為,1回目のゼローダは様子を見て2クール目より併用。
5月 副作用が強く出た為,6クール予定を4クールで終了し,ナベルビン(25mg,毎週法)+ ゼローダ(25mg,毎週法)を6クール施行。
10月 ホルモン療法 ゾラデックス28日毎,ノルバテックス内服。

【現在】
ゾラデックス続行中,ゾメタ28日毎,フェアストン朝3錠内服(ノルバテックスから変更)。
肩甲骨骨折の痛みのため,放射線を1回行っています。

【相談したいこと】
主治医は,このままゾメタとホルモン療法(フェアストンを3か月継続)で様子をみようと言っているそうです。妹は,再発までの期間が2年未満と短い点,そして抗癌剤治療の開始期間があまり遅れると,病状が進みすぎて2番目,3番目の抗癌剤をトライできなくなると本で読んだことがあるということで,内臓転移のことを考えても,ホルモン療法ではなく抗癌剤治療のほうがよいのではないかと悩んでいます。ご意見をいただけますでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。

再発・転移した乳癌を完全に治すことは難しく、治療の目標は治癒ではなく、生活の質(QOL)を保ち、できるだけ長く腫瘍の進行を抑え、現在の体調を悪化させず維持していくことです。一般的にはホルモン療法に比較して抗癌剤治療は腫瘍を縮小させる効果は高いものの、かならずしもそれが生存期間の延長につながるわけではありません。ホルモン療法は腫瘍縮小効果では劣るものの、副作用は少なく生存期間に差がなければ化学療法よりもメリットは大きいと考えます。現在のホルモン療法で病状が進行していないのであれば、治療を続行することをお勧めいたします。化学療法は病状が進行した時に考慮したらよいと考えます。(文責 浜口)

 

No.5143】 06年04月06日    W.S.
StageUで治療を行わなかった場合の余命を教えて下さい

StageUで治療を行わなかった場合の余命を教えて下さい。首のところのリンパにも転移しています。

一般的にはStage 2の乳がんの10年生存率は70〜80%程度で、余命という表現はしません。また首のところのリンパ節に転移があるならばstage3bだと思います。その場合、10年生存率は50%を切ると思います。(文責 清水)

 

No.5142】 06年04月04日    S・H
77才になる母の卵大のしこりについて(HPNo.4959-4)

ご回答ありがとうございました。 たびたび経過報告を交え質問させていただきますことをお許しください。腫瘍が大きく、ホルモン剤の結果待ちの間に進行したらもったいないとのことで、そのまま切除することになりまして、3月28日に無事手術を終えました。結果、幸いにも、みはりをはじめとするリンパに転移はなく、予後も順調で、4月3日に退院の運びとなりました。先生がご返信をくださったおかげで、安心して見守ることができました。本当にありがとうございました。質問ですが、担当医の方は今後、ホルモン剤を用いた治療をお考えのようです。
1) 一般的にこのようにリンパに転移のない症例では、再発の確率はどのくらいなのでしょうか?きちんと定期健診を受けていれば、わりと安心していてよいのでしょうか?
2) 素人にはホルモン剤は女性器にしか効果をもたらさないイメージがあるのですが、再発するとしたら、やはり乳がんが多いのでしょうか?それとも違う臓器に突然がんができたりもするのでしょうか?
3) 先生は比較的副作用の軽い抗がん剤にとして、どのようなものを薦められますか?

よろしければ教えてください。

1) 10-30%位です(他のリスク因子に影響されます)。
2) 再発は乳房や近くのリンパ節におこる場合、他の臓器(骨、肺、肝臓など)におこる場合があります。
3) ホルモン感受性があるのでしたら、抗がん剤治療は勧めないと思います。(文責 加藤)

 

No.5141】 06年04月04日    H 
CT検査(HPNo.4198-4)

妻の件で、いつも大変お世話になっております。HPNo.4198でご相談しているものです。先日CTをとりました。結果は、8カ月前と大きさは変わっていないとのことで、主治医の先生は、「転移や悪いものであるとしたら8カ月も経過しているので、大きくなっているか変化があるはず。変わっていないので、転移とかの心配いらないでしょう」とのことでした。ただ、原因はいろいろあるので特定はできないとのこと(放射線の反対側の肺でした)。また追加検査もいらないとのこと。ご相談ですが、このまま放っておいて大丈夫でしょうか。風邪とかの炎症性のものでも長い間影が消えないことがあるのでしょうか。ゾラテックス注射、そろそろ予定の2年を迎えようとしてますが、後1年延長することのメリットはありますか。以上、よろしくお願いします。

主治医の指示通りでよいと思います。ゾラデックス延長のメリットは現段階では不明です。(文責 加藤)

 

No.5140】 06年04月04日    U 
化学療法とホルモン療法の併用について

CEF療法をしています。ほかにホルモン剤(アロマシン)エンドキサンを服用しています。化学療法とホルモン剤療法の併用は良くないと聞きましたが、どうなのでしょうか?

おっしゃる通り原則的には同時併用はしません。術後補助療法においても、再発での治療の場合においても、順々に投与します。主治医にご相談ください。(文責 加藤)

 

No.5139】 06年04月04日    YY
今後の治療について(3)(HPNo.5065-3)

忙しいのに、いつも迅速にお答え下さり、ありがとうございます。前回の診察で、抗がん剤治療の場合、ACかCMFのどちらかを選択するようにとのことでした。どちらが、身体に負担の少ない治療でしょうか? 嘔吐、脱毛など、副作用の違いはどうでしょうか? 脱毛が気になります。データー的にはどうでしょうか?どちらが一般的に使用されているのでしょうか?

ACは3週間に1回投与を計4回(12週)、CMFは4週間に2回投与を計6回(24週)行います。嘔吐、脱毛などの副作用は一般的にACの方が強いです。特に脱毛については、ACではほとんど全部抜けますが、CMFでは抜けても少しであることが多いです。効果はほぼ同等とされていますが、HER2陽性の場合はACのほうがよいとされています。ガイドライン上ではAを含むものが推奨されており、最近ではACを選択する場合が多くなってきています。(文責 加藤)

 

No.5138】 06年04月04日    M 
母の状態について

ご相談させてください。母は61歳です。先日、母は胸のつるような痛みと張りが気になり、外科を受診し、触診して頂いたそうです。その際、しこりがあるとは言われなかったようですが、急いでエコーの予約をしてくださいと言われたそうです。又、「乳がんは、1、2日ほっといただけで、進行するから」と言われ、その後、何の説明もないまま乳がんのビデオを見させられたと・・・。これは、乳がんの診断が触診だけで、できたということなのでしょぅか?とても心配でメールさせて頂きました。

乳がんが1、2日で急に進行することはありませんのでご安心下さい。診断は視触診で明らかなこともありますが、通常はマンモグラフィー、エコー、細胞診、組織診などを組み合わせて行います。あせらずに検査結果をお待ちください。(文責 加藤)

 

No.5137-1】 06年04月04日    T.K. 
右脇下のしこりについて

何ヶ月か前から右脇に約1cmの長方形型のしこりがあります。気付いたきっかけは、皮膚が弱いためか脇が痒くなり触った時でした。普段の生活に全く支障はありませんが、乳がんができてリンパに転移しているのかと不安です。24歳なので、年齢的には乳がんになる可能性は低いかもしれませんが、昨年の秋に母(53歳)が乳がんであることが分かったので、私も乳がんになりやすい体質だと思います。乳腺外科に行けばはっきりするのですが・・。乳がんの可能性は高いでしょうか。

メールの内容からはご心配ないように思います。腋の下のリンパ節は、特に異常がなくても触知することがあります。ただ、不安を解消するためにも一度受診されてみてはいかがでしょうか?(文責 加藤)

 

No.5137-2】 06年06月07日    T.K. 
母の術後経過について

以前、右下のしこりについてお聞きしたHPNo.5137の者です。ご回答頂きまして有難うございました。今回は母のことで質問させて頂きたくメールを差し上げました。母が乳がんと診察をされてから約6ヶ月間術前治療(タキソール等)を行ってきました。1.5cmあったしこりは手術前には5mmほどになり、脇のリンパ転移も大分消えたとのことでした。先月温存治療の手術を受け、来週に詳しい結果を聞く予定です。母は53才、閉経、3人出産しております。両親の家系にがんの人はいませんでした。右胸を手術し、術後12日で退院しました。液はもうほとんど出ていないので、しばらく液を取る必要はないとのことでした。術後の通院の際、先生から簡単にお話をして下さいました。母曰く、レベル3で、胸は0、脇は1と言われたそうです。レベル3と言うのは脇のリンパ腺をレベル3まで取ったと理解してよろしいでしょうか。その場合、転移の範囲が広いのでしょうか。来週の結果を聞いてから術後の治療方法が決まるのですが、それ以前に上記の話を聞いたので気になって不安です。現時点でどのような可能性が考えられますでしょうか。どうぞ宜しくお願いいたします。

ご質問の、「レベル3と言うのは脇のリンパ腺をレベル3まで取ったと理解してよろしいでしょうか。その場合、転移の範囲が広いのでしょうか。」については、推量でお答えするより 主治医にお聞きになるのが一番です。手術前に化学療法を受けられましたので、手術後には化学療法を行わないのが通常です。温存手術ですから、温存した乳房への放射線治療が必要です。また、ホルモンレセプターが陽性で、ホルモン療法の効果が期待できる場合、ホルモン療法を5年間お受けになることをお勧めします。(文責 福田)

 

No.5137-3】 06年07月10日    T.K. 
母の術後治療について

お忙しいところいつも質問にお答えいただいて有難うございます。先日、母(54歳、閉経、3人出産)の病理結果が分かり、術後治療はホルモン療法(カプセル)のみとの事でした。術前治療(抗がん剤治療タキソール12クール・赤い液4クール)を受け、約1.5cmあった胸のがんはほぼなくなり、リンパの転移は1/21でした。術後に放射線治療と思い込んでいたのですが、ホルモン治療のみで大丈夫なのでしょうか。放射線治療があるのと無いのとでは生存率はどれくらい変わってくるのでしょうか。母はあまり病理結果を覚えて帰ってきませんでした。娘としてはガンのタイプやグレードを知りたかったのです。少ない情報ではありますが、術後治療として最適であるかお教えくださいませ。放射線治療が少しでも有効であれば先生にお願いしたいと思っております。

手術方法が乳房温存術なら、術後に放射線治療を行うのが一般的です。術後の放射線治療で、かなり局所(乳房内)再発の可能性は減ると考えられます。術前にかなり化学療法を施行しているようなので、術後治療はホルモン療法のみなのだと思います。病理結果が詳しくわかりませんので、やはり主治医に会って、説明を受け、直接聞いたほうがよいと考えます。

 

No.5136】 06年04月04日    S 
抗がん剤の減量について

今年1月に乳がん告知を受け、現在術前抗がん剤治療中です。FEC:3(または4)週間毎4クール・タキサン系:ウィークリー12クールの予定です。 現在FEC2クール終了しています(1回目2月23日 2回目3月31日)。抗がん剤の減量のデメリットについてご相談があります。私は、1回目の投与前に白血球値が低くて1回目は減量(80%)で投与しました。白血球値を何度か検査した結果をみると、もともと3000前後しかなく、好中球も1000前後だったので、そういう体質なのだろうということで、中止するかどうするか主治医と相談して、点滴当日の採血の結果好中球が1500なければ減量でやるということで1回目は減量になりました(2年前はこの量が標準だったとの説明を受けました)。白血球減少の副作用の度合いをみて、2回目からの投与量を考えるとのことでした。
<投与量>ファルモルビシン92mg、エンドキサン765mg、5−FU 765mg(身長161cm 体重52kg 年齢35歳)

1回目を終えて2週間後、ちょうど白血球減少がピークのとき(1400くらいでした)くらいに、奥歯の親知らずにかぶさっている歯茎が少し痛み、そのせいかはわかりませんが、頭痛もあったので主治医に伝えたところ、歯科を受診して状況が悪ければ抗がん剤中止も有り得ると言われました(頭痛は細かい手作業をやったので肩こりからきたものだと自分では思っているのですが)。歯科で抗生剤を処方してもらい大事には至らなかったのですが、このことと白血球減少と併せて、主治医は気になっているらしく、今回白血球が4800(好中球58%)あったのに減量でやるほうがいいと言われて減量で点滴しました。今後も減量で進める考えのようです。また、1回目投与後に風邪もひいてしまったので、2回目の投与が2週間延期になりました。減量でやっても前回出た副作用がひどくなって継続できないかもしれないと言われたので、副作用が前回よりひどくなって中止になるより80%で最後のクールまでできるほうがいいのかなという思いと、我慢できないほどの副作用ではなかったので、ちょっとでも効き目が高い治療を選んだほうがいいのか悩んでいます。80%と100%で、そんなに再発率がかわらないのなら、主治医の言うとおり安全策をとったほうがいいのかなとも思います。 このような場合、どのように判断すればいいのでしょうか?80%に減量したときと100%投与できたときとで、どれくらいどのような違いがあるのでしょうか?再発した時に、あのときやっぱりこうしていればと後悔したくないので、減量するにしてもきちんと納得したいと思っています。是非アドバイスお願いします。

白血球減少による投与量減量はやむを得ないと思います。80%に減量しても、投与サイクルをできるだけ遵守する方がベターな気がします。減量による効果の違いは明らかではありませんが、大きな違いはないでしょう。主治医の方針通りでよいと思います。(文責 加藤)

 

No.5135】 06年04月04日    M 
予後について

33歳です。妊娠9ヶ月の時に乳癌がわかり、すぐに帝王切開し、化学療法を始めました。しこりは3.5センチ、充実腺管がん、リンパ節転移は不明(エコー上はなし)、異型度3、ER-、PGR-、Her2(FISH)−です。治療はECを4クール終わり、ウイークリーでタキソールを始めたばかりです。EC2回目の時、エコーで2.3センチくらいになりました。3回目の後、自分ではまた更に小さくなったように感じたのですが、4回目の後は少し大きくなってきている感じがしました。タキソールを打つ前にエコーで見てもらったところ、2回目の後と変わらないということでした。この後、温存術、放射線の予定です。異型度がとてもひっかかっていて、のちに転移するのではないかと思うと、はやくOPEしてもらいたい気持ちです。10年生存率というのは、どのようになると思われますか。お返事よろしくお願いします。

化学療法の効果によって変わります。もし手術の結果がん細胞が消失していれば、80%以上期待できると思います。消失していない場合、リンパ節転移の数などによって変わってきます。(文責 加藤)

 

No.5134】 06年04月04日    M
アルコールはどうして乳がんのリスクを高めるのでしょうか?

いつもサイトで勉強致しております。『たとえビール一杯(250ml)でも、毎日飲むと乳がんになるリスクを10%高める』といった文章をよく目にします。肝臓がんならアルコール摂取がよくないのもわかりますが、どうして乳がんのリスクを高めることになるのでしょうか。ホルモンバランスに影響を及ぼすのでしょうか。お忙しいところ申し訳ございませんが、ご回答いただけましたら幸いでございます。

アルコール摂取はリスク因子の一つとする研究結果がありますが、その直接的な原因はわかっていません。ただ、他の生活スタイル等が関連している可能性もあり、その結果に?とする意見もあります。(文責 加藤)

 

No.5133】 06年04月04日    J.I. 
術後の治療等について

術後の治療等について教えてください。46歳、出産経験はありません。左乳頭乳管癌で、発症時は腫瘍径8cm、stageV、生検の結果:t3m0n0 浸潤性 gradeV 異型度V ホルモン感受性陽性 her2感受性陽性(ハーセプテストでは陰性であったが、FISH法で陽性)でした。腫瘍が大きい為、術前化学療法としてFEC×4クールとタキソテール×4クール行ないました。手術前にはかなり小さくなり、今年1月に全摘術と第2レベルまでのリンパ郭清をしました。腫瘍の病理検査では、異型度V、悪性度は化学療法のため細胞の変性が著しく判定不能、リンパへの転移は認められないとのことでした。術後FECを2クール行い、現在はホルモン療法でアリミデックス1mg/日を飲んでいます。
【リンパへの転移について】
リンパへの転移はみられないという結果ですが、化学療法の影響で細胞の変性が著しく悪性度の判定もできないということからみれば、「最初からリンパにとんでいなかった」と考えるより「リンパにとんでいたが、化学療法によって消えた」と考えるべきなのでしょうか?そう考える場合、検査上は引っかからなくても体のどこかにミクロの癌が転移しているかもしれないのでしょうか?そう考えると放射線はしなくてもいいのでしょうか。発症時腫瘍径が8cmもあったし…。
【ホルモン療法について】
まず、「ホルモン療法をやっても、やらないのと比較して7%しか効果が無いがやりますか」と言われました。その後、アリミデックスは閉経後、ノルバテックスは閉経前の人が使用するとの簡単な説明がありました。この点について、私は本や他院の患者さんの話し等からホルモン療法は標準的な治療と思っていたのですが、先生がおっしゃるように、やってもやらなくてもそんなに差が無いのですか?また、他院では腹部注射をしている方もいるようなのですが、注射については説明がなく、初めから選択枝になかったです。私は、抗がん剤投与3回目から生理が止まりましたが、本当にアリミデックスで良いのでしょうか?もし生理が復活したら薬は変わりますか。
【今後のフォローアップについて】
米国では、術後の検査は意味が無いとするものもあるようですが、私はなるべく早く発見できれば、それだけ治療効果が高いと考えています。主治医は1年に1回検査すればいいと言っています。ですので1月に手術してから肺のレントゲン以外何も検査していません。このまま1年もほおっておいて大丈夫なのでしょうか。再発や転移のことを考えると心配です。
【術創について】
誰かのブログで術創がきれいになるよう医者から塗り薬をもらっているというのを目にしたことがあります。本当にそんな薬があるのでしょうか。わかれば薬品名を教えてください。
 

リンパ節転移については、どちらの可能性も考えられます。ただ、抗がん剤が腫瘍並びにリンパ節に効果的であったなら、ミクロのがんにも効果的であったと考えられます。乳房切除後の放射線照射に関しては、日本の施設では、まだ慎重に適応を決定している所が多いと思います。特にリンパ節転移の数が少ない場合は海外でも賛否両論があります。ホルモン療法の効果は感受性の度合いによって変化します。感受性が低い場合、あまり効果は期待できません。閉経状態を確認し、閉経後であればアリミデックスでよいですが、そうでなければ治療を変更する必要があります。おっしゃるように術後の定期的なCT、骨シンチ等の検査の有用性は証明されておらす、ガイドライン上でも無症状であれば検査は特に推奨されていません。遠隔転移を数ヶ月早く見つけても、その後の経過を大きく変えることはできないからです。ただ、実際には1年に1回程度行う場合もあります。薬は一般的には使用しませんが、ケロイドに対して使用する場合があります。(文責 加藤)

 

No.5132】 06年04月02日    TT 
膵臓の痛み(HPNo.5091-4

HPNo.5109で相談したものです。昨日ティーエスワン飲用から5日目ですが、膵臓あたりが急激に痛みだし、横にもなれなく、油汗が出たようです。肝臓転移から膵臓への転移も急激に進行する場合がありますか?骨転移から肝臓転移に移り、色々悩み考えてしまっての胃炎等とも考えられるでしょうか? 早期に医師に相談したほうがいいでしょうか?

膵臓への転移はあまりみられないですが、薬の副作用などの可能性も否定はできませんので、おっしゃるよう早めに医師に御相談下さい。(文責 加藤)

 

No.5131-1】 06年04月02日    Y.K
確定から2ヵ月放置しておくのは問題ないのでしょうか?

43歳、出産経験はありません。昨年5月に胸の精密検査を受けたところ、「気になる石灰化がありますが、まあ問題ないでしょう」と言われていたのですが、今年1月中旬に左胸のしこりに気づき、細胞検査の結果、3月13日に乳がんの告知を受けました。大きさは1.7cm、CTやMRI検査の結果、他への転移はないと言われましたが、手術の予定がベッド待ちで、5月12日になっています。リンパの腫れはありませんが、腋の下がうずくような感じもあり(多分、気にするあまりの幻覚なのだと思いますが)、あと1か月半が不安です。これから他の病院へ移っても検査でやはり同じ時期になってしまうだろうと思うと、せっかく近くにあるので今かかっている大病院に委ねるのがベストだと思っています。確定から2ヵ月間、放置しておくのは問題ないのでしょうか。よろしくご教示くださいませ。    

手術までの期間はどうしても1-3ヶ月程度お待ちいただくことが多いのが現状です。通常乳がんは時間をかけて姿を現してきますので、その期間はほとんど問題にならないと思います(違和感もおそらくがんによる症状ではないでしょう)。あせらすにもう少しお待ち下さい。(文責 加藤)

 

No.5131-2】 06年05月15日    Y.K
核異型度について

HPNo.5131でお尋ねした者です。43歳、閉経前です。4月27日にセンチネルリンパ節生検にて手術を受け、リンパ節には転移が見られなかったようです。病理検査の結果が出たのでお尋ねします。所見に「組織学的にはscirrhous patternを主体としたinvasive ductal caecinomaで、組織学的範囲は1.5×1.7cm。腫瘍細胞の核異型が目立つケース」とあり、核異型が目立つというのは「nuclear grade:3+3=6」との記載のことだと思うのですが、これは相当悪性度の高い腫瘍と考えてよいのでしょうか。今後の再発・転移が心配です。また、母の妹がいわゆるスキルス胃がんで亡くなっているので、スキルス・パターンという言葉にも驚いていますが、これはどのような意味なのでしょうか。今後、今月の23日からAC−Pを4コース、その後は温存手術だったため放射線、更にホルモン治療を予定しています。よろしくご教示ください。

がんの組織を顕微鏡でみた時の「かたち」を分類して、線維成分が多い組織型を「スキルス」と呼んでいます。スキルスパターンをとる乳がんは、他の組織型よりもリンパ節転移の頻度が若干高いことが知られていますが、乳がんの場合、他の組織型にくらべ飛びぬけて予後が悪いというわけではありません。胃がんのスキルスと乳がんのスキルスがんは直接の関係はありません。乳がんの再発のしやすさは、核異型度のみならず、ほかの因子も考慮して考えます。AC−paclitaxelに引き続き、ホルモン、放射線は効果のある治療だと思います。(文責 俵矢)

 

No.5131-3】 06年05月31日    Y.K
抗がん剤治療の再検討について

HPNo.5131などでお世話になった者です。当初、抗がん剤治療はAC−Pを予定しており、5月23日にACの1回目を投与しました。このほど主治医から「カンファレンスの結果、ACのみにとどめ、Pを行わないという選択肢があるので、自分でも検討してほしい」と言われました。その理由として、
1)リンパ節転移がなかったので、そこまで強い治療をする必要がないのではないか。
2)必要以上に抗がん剤治療をすると、二次性がんを発症するリスクが出てくる。
3)ホルモン療法が有効なタイプなので、より長くホルモン療法をする(5年〜10年)ことによって、再発リスクは軽減できる。
を挙げておられました。

自分としてはnuclear gradeが3+3=6と高い数値だったことに引っかかっているものの、いずれにしても素人では判断できずに困っています。ご意見を聞かせていただければと思います。

病理結果からは恐らく中等度リスクと考えられますので、化学療法を施行するのであれば、高リスクに比較してパクリタキセルの上乗せ効果は低いと考えます。ホルモン感受性であれば、主治医の先生の治療方針でよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.5130】 06年04月02日    E.T.
再発予防のためのハーセプチン治療について

初めてメールさせていただきます。乳がんの妻の件でご相談申し上げます。45才、3子出産(第3子目は29才で出産)。2/5に右乳房右上部にシコリを発見し、2/13に地元のガンセンター受診し、細胞診で乳がんと診断され、3/7に温存療法をうける。3/29に主治医より病理検査結果・治療方針の説明を受けた。
【病理検査結果】
@サイズφ20mm→T期、 Aダルマ型で充実腺管癌と粘液癌の2つの癌の合体型、 B転移なし→見張リンパ・リンパ管・血管OK、 Cホルモンレセプター→陰性(2種類とも)、 D核異型度→3(悪性度高い)、 EHER-2→陽性3 との結果でした。
【治療方針】
ホルモン療法がとれないので、@化学療法(EC療法4回、ドセタキセル療法4回)で半年、A放射線25回、以降は治療せずに検査のみとの説明を受けました。HER-2→陽性3なのでハーセプチン療法はとれませんかと質問したところ、「薬との相性は非常に良いものの、転移再発していない癌に対しては処方できないようになっている。したがって現段階では使えない」との回答でした。また法律違反になるとも言われました。HER-2強陽性患者に対し、ハーセプチンとタキソールなどの併用奏効率が高いとお聞きしています。

悪性度の高さ(再発率)・ホルモン療法が効かないことから、再発・転移予防の為、最善の治療をと考えています。
@ 再発・転移予防のためのハーセプチン療法は受診可能でしょうか。
A 可能とすれば、九州(福岡近郊)での医療機関をご紹介いただけませんか。
B 治療に要する費用はどのくらいでしょうか。
C 化学・放射線療法を実施後は検査のみとの説明でしたが、再発有無の検査だけでは心配でなりません。予後の治療法はないのでしょうか。

以上 よろしくお願い申し上げます。

@ 可能ですが、保険制度上あくまでも自費でということになります。
A 申し訳ありませんが、こちらでは分かりません。乳腺外科を標榜している総合病院などに問い合わせてみてください。   
B ハーセプチンのみの価格で初回十数万円、2回目以降6-8万円程度かかります(体重によって変わります)。ただ、他の抗がん剤の治療費は別途かかります。
C ホルモン受容体が陰性ですから、ハーセプチンを行わなければ放射線で治療は終了となります。(文責 加藤)

 

No.5129】 06年04月02日    AK
針生検について

自分でもわかる1.2センチのしこりをマンモグラフィーで検査。診断がつかず、それ以来1年、3ヶ月ごとに針生検を受けています。毎回、悪性でないとのことですが、検査による痛みも激しく、検査後は痛みが一週間続きます。そのせいかどうか判りませんが、白血球が10000以上になりました。現在下がって8400。このまま3ヶ月ごとに針生検を続けるべきでしょうか。しこりは、触診ではがんらしくないと言われています。胸に少し痛みを感じる時はあります。よろしくお願いします。

御病状にもよりますが、3ヶ月ごとの針生検をこのまま続ける以外にも選択肢はあるように思います。1年間しこりの大きさが全く変わらないというのであれば悪性の可能性は低くなり、必ずしも針生検でフォローする必要はありません。また、しこりを摘出すれば検査はもちろん不要になります。毎回検査時の痛みもおありになるようですし、担当医に再度相談をお勧めします。(文責 加藤)

 

No.5128】 06年04月02日    s
術後、これからの治療法について

いつも拝見させていただいております。35歳主婦、8歳と6歳の子供がいてます。1月、乳がん検診で石灰化が見られる為、要精密検査になり、乳腺科のある病院に行きました。しこりはなく、エコー検査では何も写らなかったのですが、マーモグラフティでは石灰化像が確認できました。石灰化は左胸外側上部に、1箇所5ミリほどで、カテゴリー3。95パーセント良性と言われましたが、心配ならと細胞診を勧めて頂き、結果は悪性・・・でした。MRI、骨シンチ、CTスキャン、腫瘍マーカーは異常が無く、3月20日に乳房温存法の手術を受けました(リンパはそのままです)。術中迅速診断は陰性でした。来週に病理結果がでますので、まだ治療方針は決まっていません。主治医の先生から「tisまたは、ステージ0期だろう。だけど年が若いので、抗がん剤の使用も考える」と言われました。
@ 抗がん剤は必要ですか? 放射線は必要ですか?
A 非浸潤がんは、完全に取りきる事が出来れば100パーセント完治できますか? 再発が気になります。
B 子供は2人とも女の子です。遺伝がとても心配です。遺伝したら、私の症状より進んだ症状が出るのでしょうか?(私は非浸潤ですが、浸潤がんなど) また、発症年齢が早くなりますか? 

長々とすいませんでした。よろしくお願い致します。

@ 非浸潤がんであれば抗がん剤は行いません。放射線は原則として必要ですが、リスク因子等を考慮し最終的に決定します。
A ほぼ完治が見込めます。ただ、温存療法を選択された場合は、ある程度乳房内再発のリスクは残ります。
B 血縁者に罹患者がいないのであれば、遺伝のリスクはさほど高くないでしょう。進んだ症状で、またより若い年齢でということは必ずしもありません。(文責 加藤)

 

No.5127-1】 06年04月02日    S.A.
胸筋合併切除術について

はじめてお便りします。早期乳がん発症してから一年半で局所再発し、今度は全摘出となります。その手術方法ですが、今は一般的ではない筋肉を全部とる方法で手術をすると説明を受けました。筋肉にガンが及んでいる場合のみ切除するらしいのですが、私の場合筋肉まで及んでいるとは言われていませんが、ゆくゆく筋肉に及んだら何年か後に再手術となったら大変なのでと、最初からこの方法を進められました。筋肉を取るということは、自転車・車のハンドルを握ることもできなくなるのでしょうか。私には幼い子供がおりますので、どのくらい不便になってしまうのでしょうか。ご意見をお聞かせ下さい。宜しくお願い致します。

おそらく手術時にもし筋肉にも及んでいたら・・・という仮定での話しであって、最初から筋肉を全部とるということではないと思います。主治医に再度確認されてみてはいかがでしょうか?(文責 加藤)

 

No.5127-2】 06年04月08日    S.A.
胸筋合併手術について(再)

No.5127で質問した者です。ありがとうございます。私が通ってる大学病院の主治医の先生は「筋肉に及んでいたら・・・」という説明はされませんでした。最初からいわゆるハルステッドを進めてきました。私はその時点で納得できず、筋肉を残して下さいと申しました。(今は一般的でなく、およそ100年前の方式らしく、アメリカ・ヨーロッパでは封印されているようです。)勿論筋肉に及んでいる場合はこの方式になると思いますが・・・。いろいろとインターネットでみると、ハルステッドを強引に進める医者はやめたほうがいいとか、近藤誠医師の本では「ハルステッド手術は若い医師のトレーニング」と書かれていました。一ヶ月後に手術の予定ですが、主治医の先生は、私がそんな昔の手術を・・・といったことが気に入らなかったのか、「やりたくなければやらなくて結構です」と言われました。もう一度主治医と話しあって手術方式を頼むか、もし受け入れられなければ他の病院へ変えることも検討してます。見解をお聞かせ下さい。宜しくお願い致します。

私も原則としては(筋肉に及んでいなければ)筋肉を切除する方法はお勧めしません。それは大胸筋を切除した後の手術後の傷はかなり醜形になりますし、大胸筋を切除したことによる機能障害(自転車に乗れないことはありませんが、何かと不自由なようです)もあります。私も貴女と同感で、ハルステッドの手術は、良い手術でしたが“そんな昔の手術”だと思います。主治医の先生の対応をお伺いした感じではセカンドオピニオンを受けることをお勧めします。ちなみに、前回手術後は放射線治療をしましたか?もし、していないのであれば、もう一度部分切除して放射線治療という選択肢もあると思います。(文責 清水)

 

No.5127-3】 06年04月18日    S.A.
抗がん剤治療について

HPNo.5127でお世話になった者です。いつもありがとうございます。先日セカンドオピニオンを受けてきました。ハルステッド手術については疑問をもたれており、その医師からの提案として、「抗がん剤を6ヵ月して、その効果をみてから縮小手術をしたほうがいいのでは」と勧めれらました。その医師は抗がん剤の専門医であるそうで、また主治医のこともご存知でした。その医師の抗がん剤を用いての提案は、FEC(500/100/500/m2)×4を3週間ごとで3カ月、そしてTXT(75/m2)×4を3週間ごとで3カ月、又はTXL(80/m2)×12を毎週、効果を見て縮小手術(日帰り)ということでした。そこでFECですが、三種類の強力な薬剤の量ですが、見るからにちょっと多いのではと思いました。私は初めてなので副作用がどんなのかは想像できませんが、その医師も「○○医師、びっくりすると思いますよ」と言っていました。明日セカンドオピニオンの報告を、主治医に今後の相談もかねて予約をとりました。薬剤の量は調整することは可能なのでしょうか。その人によって違うとは思いますが、ご意見を賜りたくお願い申し上げます。

FEC療法はE:エピルビシンの量にしたがってFEC60,75,100と行われています。データ的にはエピルビシンの効果は、少ない量から始まって90〜100mg/m2までは投与量を上げるほど効果も上がることが分かっています。しかし100mgあたりからは頭打ちで、それ以上投与量を上げても副作用が強くなるばかりで効果は上がらないことも判明しています。したがって心臓疾患など、特別なリスクが無いかぎりFEC100が現状ではもっとも理想的な化学療法と思いますし、小生の施設に限らず、乳腺専門医のいるところでは一般的に行われつつある方法だと思います。実際に行う時は、治療の対象となるかたの血液・非血液毒性(副作用)の現れ方をふまえて薬剤量を調整することが基本です。(文責 首藤)

 

No.5126】 06年04月02日    E.N.
術後半年の局所再発(HPNo.4464-3)

HPNo.5097と4464で質問させていただきました。前回のタキソールの回答、ありがとうございます。実は本日エコー検査したところ、術側の傷跡のあたりに2.1センチ程度のしこりがみつかり、細胞診を実施しました。結果は来週ですが、気になる点について、以下の質問をさせてください。
1) 放射線はまだですが、私のような病理結果で、術後半年で同じところに再発することがあるのでしょうか?
2) 病理結果では断端陰性だったのに、今回の細胞診で悪性だった場合は、以下どのように考えるべきでしょうか? 手術時にはまだ分からない大きさだったのが、今になって大きくなってきたのでしょうか? つまり、前回手術時検査では発見できないくらいの小さな腫瘍が、半年で2.1センチになるのでしょうか? それとも現時点のエコーで2.1センチということは、半年前の手術時にもはっきりとわかる大きさだったのではないのでしょうか?
3) 悪性だった場合、全身を検査する必要はあるのでしょうか?
4) 多臓器への転移があった場合、手術はしないのかと思うのですが、その場合の治療法は何になりますか? 術後にCE4クール終え、現在ウィークリータキソール実施中(12回の予定のうち6回を現在まで終了)。

以上。よろしくお願いします。

1) 頻度は少ないですが、可能性はあります。
2) 手術時にはまだ小さかったものが大きくなってきた可能性があります。
3) 悪性だった場合はおっしゃるように全身を検査する必要があります。
4) EC、タキソール以外の抗がん剤が候補に挙げられます。(文責 加藤)

 

No.5125】 06年04月01日    IN 
術後補助療法について

閉経前で50才になります。今年2月23日に乳癌の温存手術(腋郭リンパ節切除)を受けました。術前化学療法を昨年の7月14日より半年間受け(前半はEC療法で、後半はパクリタキセル )、初診はエコー・マンモ・細胞診により、3.2pの単発性の乳癌で、リンパ節転移なし、肝臓・腎臓・骨転移なし、ホルモン受容体陽性ということで、化学療法後に温存手術をということになりました。私には化学療法が良く効いたのか、前半のEC療法で8oに縮小し、後半では、副作用が辛くて、全12回のコースのうち10回だけの投与で終了し、その結果、ガン細胞は消え、エコーには写らず、約1ヵ月後のヘリカルCTにも写りませんでした。私は、出来れば手術をせずに、経過観察をと強く望んだのですが、主治医の、「ミクロの世界だから、患部を切除し病理検査で決着をつけたら、その後も、安心出来るのではないか」との説得に応じて、センチネルリンパ節生検と合わせての手術に同意しました。その後、インフルエンザにかかり、予定の術日より1ヵ月後に手術をし、術後の合併症や蜂か織炎などに苦しみながら、3月20日に病理検査の結果の説明を受けました。 結果は、@組織型:硬癌 Aリンパ節転移:+(1/8) Bハープテスト:2+ C切除断端:陰性 D大きさ:0.15p Eグレード:1 Fホルモン受容体:両方ともに陰性、癌の顔つきも良いので、術後補助療法必要なし、経過観察で、3ヵ月毎に1回の通院(6ヵ月後に検査)を2年間と説明を受けました。ホルモン受容体が、陽性から陰性に変わるものなのでしょうか? 術後補助療法を受けなくてもよいのでしようか? 手術前日のインフォームドコンセントで術後の治療法を尋ねた時は、「あなたは、ホルモン受容体が陽性だから、おそらくホルモン療法をすることになるでしょう。病理検査の結果によっては併用治療もありえます。」とのことだったのですが、手術をした後にホルモン受容体が陽性から陰性に変わることなどあるのでしょうか? リンパ節転移陽性で、ホルモン受容体が陰性の場合でも、術後の治療を受けなくてもよいのでしょうか? 主治医の話では、手術の前に化学療法を受けているから補助療法は必要ないのだと言うのですが・・・。また、温存療法の場合の術後は、放射線療法をするのが一般的だということを最近知ったのですが、主治医は、最初から放射線療法はしないと言っていました。しなくても良いのでしょうか?術後補助療法など、しなくてもすむのなら、それに越したことはないのですが、どうしても不安が残ります。長くなってしまいましたが、宜しくお願いいたします。

化学療法によってホルモン感受性が変化することはあります。どのくらい感受性があったかにもよりますが、おっしゃるようにホルモン療法を行うことも考えられます。また、放射線療法も一般的には行う場合が多いです。主治医に再度相談なさってみてはいかがでしょうか?(文責 加藤)

 

No.5124】 06年04月01日    H.Y. 
乳がんの再発とCEA値

お世話になります。2005年10月11日に乳がんの手術をしました。大きさは2cm、ER+、PGRー、ハーセプチンーでした。センチネル生検はリンパ節転移無しでした。アリミデックスを退院後すぐに飲み始め、10月21日より放射線治療を受けました。抗がん剤は飲みませんでした。手術前のCEAは2.6、CA15−3は5でした。その後1月5日の検査では、CEAは3.4、2月6日の検査では4、13月23日に検査では5.2に上昇していました。CA15−3は4や3です。お医者様は再発の可能性があるという意見です。という事はホルモン剤が効いていないという事でしょうか? 又、この数値で再発の場所を見つける事は可能なのでしょうか? よろしくお願いいたします。

再発ではない可能性もあります。再発とすればアリミデックスは効果が期待できないことになります。数値で再発の場所を見つけることは不可能ですので、各種検査が必要になります。(文責 加藤)

 

No.5123】 06年04月01日    SK
タキソールの効果と今後の治療について(HPNo.4990-3)

HPNo.4990にて回答をいただいたSKです。遠方に住む母の乳がんについて、よろしくお願い致します。以前、抗がん剤をアンスラサイクリンに変更するということでしたが、担当医にタキサン3回投与で無効と断定できるのかを質問したところ、「6回投与後じゃないと効果の断定はできない。しこりは確かに大きくなっているが、リンパの大きさが変わっていない。続けられるのであれば、6回投与した方がいいと思います。」と言われました。そこで、母はタキサンを残り3週続けることにし、その後の状態でアンスラサイクリンを考えるということになりました。しかし、今日(3月28日、タキサン4回投与)になって更にしこりの増大が気になるとのこと。検査をしたわけではないので、はっきりと増大が認められたわけではないのですが・・・。明日から担当医が出張で、本人も診察(超音波検査)していただくまでに日にちがありすぎて不安とのこと、今回も下記質問にご回答いただけますよう、よろしくお願い致します。

1) タキサンは全6回投与しない限り、効果の判断ができないものでしょうか。
2) タキサン3回投与後に0.5cmの増大が認められた場合、明らかに無効とは言えないのでしょうか?
3) 担当医に「しこりとリンパには別々の抗がん剤が効くこともある」と言われたのですが、現時点(しこり増大・リンパ変化なし)でリンパには有効とみてよいのでしょうか。
4) アンスラサイクリンに変える場合、「FECを3週毎」と言われたのですが、通常は何クールくらい行うのでしょうか。
5) 今回の場合、このままタキサン(残り2週)を続けるべきか、アンスラサイクリンに変更するべきか、どちらが賢明でしょうか。先生ならどちらを推奨されますか?

1) 主治医の言うように、6回後の判定でよいと思います。
2) 明らかに無効とはいえないと思います。
3) 有効とすべきかどうかは難しいところです。
4) 4クール位です。
5) もう少しタキサンを続けてみてもいいと思います。(文責 加藤)

 

No.5122】 06年04月01日    S.T. 
治療前の検査結果について(HPNo.4871-2)

HPNo.4871でお世話になりました。現在、術前化学療法で治療中です(タキソテール3回終了。今後タキソテール1回、EC4回の予定です)。乳がんの診断を受けた時点では、私は病気に対しての知識がほとんどありませんでした。しかし治療については、医師から説明を受け納得して行っております。こちらのサイトを読ませていただいて、自分の乳がんの詳しい結果を知らなさ過ぎるのではと思い不安になっています。治療に入る前の検査は「組織診(針を刺して4回組織を取っていました)、マンモグラフィ、CT、MRI、血液検査」でした。今、私が知っている情報は「がんの大きさ、顔つきがいいがん、ホルモンが両方陽性、HER2は0、ステージはTとUの間くらい」ということだけです。
@ 治療前に行った検査で、私が医師から聞き忘れている情報は何かありますか。
A 顔つきがいい、悪いというのは、どういったことなのでしょうか。
B リンパ節への転移は、抗がん剤治療が終わった後でも調べることはできますか。
C 術後化学療法より術前化学療法の方が局所再発率が高いと何かで読んだのですが、どれくらいのものなのでしょうか。

申し訳ありませんがお教ください。

@ 特にないと思います。充分な情報を得られています。
A 顔つきがいい=転移しにくい、悪い=転移しやすいという意味です。
B 調べることはできます。ただ、抗がん剤治療が奏効すれば、もともとあったかもしれない転移が消失する可能性はあります。
C もともとしこりの小さい方の局所再発率はあまり高くはないようですが、しこりの大きい方で、小さくなった後の温存術後は1.5-2倍位になるという報告があります。(文責 加藤)

 

No.5121】 06年04月01日    N  
腫瘤が消えた?

48歳の主婦です。2年前、人間ドックの超音波検査で5ミリ程の乳腺腫瘤が2つ見つかり、専門の病院で細胞診を2回しましたが、良悪判定不能でした。マンモグラフィー、MRIでは良性だろうということで経過観察になりました。半年後の細胞診では良性、その後3ヵ月、半年ごとにエコー検査を受けていましたが、1ミリ程大きくなっているとのことでしたが、この度引っ越しで病院を変わり、紹介状を頂いて別の病院を受診しましたところ、触診、エコー検査でも腫瘤が消えていると言われ驚いています。何もしなくても腫瘤が無くなることはあるのでしょうか? エコー検査の技術的な問題で見落され、映らなかったのではないかと不安です。

良性の小さな腫瘤が消失することはあります。今後エコーで経過観察していけばよいと思います。数年間大きさが変わらないしこりは通常良性であり、あまり心配されなくてもよいでしょう。(文責 加藤)

 

No.5120】 06年04月01日    T.K
フェアストンというホルモン療法について

以前質問させていただき、ホルモン療法に積極的な意味があるというコメントを頂き、とても元気が出ました。ありがとうございました。さて、今回は家内はその後、ホルモン剤を変えてフェアストンというお薬に替えました。理由は前回に申しましたように骨粗鬆症にかかり深刻な痛みを発症したことが原因ですが、その薬を服用してから早くも、膣の臭いがきつくなったことと、おりものが多く赤く血の色が出ている時もあります。全体的に性器の部分がかすれた様子で、すれるととても痛いのです。いただいたガイドブックには、「子宮に対する作用については体癌を発症させる結果は出ていないが弱いエストロゲン作用を及ぼし子宮体癌の報告もある」と書かれています。副作用の例として性器出血などの例がありますが、今後継続したらいいのか、検討の余地があるのか教えてください。

現在の御病状にもよりますが、副作用が日常生活にどのくらい影響を及ぼすかによって、継続を検討する余地はあると思います。副作用が辛い場合、変更について考慮されてみてもよいでしょう。 (文責 加藤)

 

No.5119】 06年04月01日    HL
抗がん剤の効果なし

以前、「タキソールの標準回数について」教えていただいたHLと申します。その際はありがとうございました。今回CEF4回、タキソール5回目終了、しこりが小さくならず、タキソール効果なしとの事で、次回からタキソテールに変更になりました。タキソール3回目くらいから、しこりのある右胸がちくちく痛みだしました。癌と痛みは関係ないのでしょうか? タキソールが効かなくて、タキソテールが効くことはあるのでしょうか? また、タキソテール1回の投与で効果はすぐ現れますか?(タキソールのように5回も投与して効果がなかった、にはなりたくないので・・・) どうぞ宜しくお願います。

痛みと効果について、直接的な関係はあまりないように思います。タキソテールが効くこともありますが、1回の投与で効果を判定することは難しいでしょう。投与方法にもよりますが、効果判定にはもう少し時間が必要です。(文責 加藤)

 

No.5118】 06年04月01日    S
肋骨が左右違ってきました

去年の暮れに左乳がん、病期Tで左乳房全部を切除しました。腋窩のリンパ節郭清、リンパ節転移無しでした。手術の傷は、左肋骨のところから脇にかけて、横15センチ位あります。最近になって、右の肋骨より左の肋骨の方が出てきたように思います。趣味でクラシックバレエを習っているのですが、レオタードを着ると、肋骨の左右の段差がよくわかります(胸のふくらみは、パットで補正しています)。左は乳腺のみの切除で、筋肉は綺麗に残っています。運動機能には、別に支障はありません。主治医の先生は、「人間誰でも左右に差があるものです」と言われました。でも以前は、レオタードを着たとき段差はありませんでした。乳房全部切除した場合、肋骨が出てくるといったことがあるのでしょうか?段々と左の肋骨が隆起してくるのではと心配です。よろしくお願いします。

手術の後、肋骨の隆起が目立つようになることは時々あります。お話の内容からは心配ないように思いますが、もし痛みが伴ったり隆起が増してくるようなことがあれば、再度主治医に伝えたほうが宜しいでしょう。(文責 加藤)

 

No.5117】 06年03月31日    M 
ゾラデックスの追加について

3月で術後2年となり、現在ノルバデックスを服用しています。術前、術後とECを4クール、タキソテールを6クールしました。ECを3回行って生理は止まりました。そのためタキソテール終了後アリミデックスを服用していましたが、昨年7月に生理があったため、ノルバデックスに変更しました。その後45歳という年齢と、不順だったためゾラデックスは見合わせていましたが、先月、今月と化学療法前と同じように生理がありました。ゾラデックスの追加について主治医に確認した所、術後2年経過している今から追加して、明らかによいというデータはないし、再発の兆候もないのだから必要ないのではないかと言われました。そこで質問なのですが、
1) 主治医の言うとおり、生理が以前のように戻ったとしても、ゾラテックスの追加は必要ないのでしょうか。
2) もし再発を抑制することが考えられ、追加するのであれば、期間はどれくらいが適当になるのでしょうか。
3) 過去の質問に一部参考となるものがあったかと思いますが、ノルバデックスからアリミデックスに途中で変更した場合の効果が高いとのことですが、アリミデックスを1年2ヶ月服用してからノルバデックスに変更という場合は、生理が止まったら、もう一度変更した方がいいのでしょうか(ゾラデックスの追加の有無に関係なく)。病理の結果は、ステージ3a、リンパ節転移4/14、浸潤性小葉癌、Her2 −、ホルモン感受性両方 +。術前でしこりがほとんど消失したといわれたものの、自分では厳しい結果かなあと思っているので、できるだけのことはしておきたいという気持ちがあります。よろしくお願いいたします。

1) 確かに補助化学療法後の、しかも術後2年たったゾラデックス投与はデータもなく難しいところだと思います。原発巣のHER2の過剰発現・増幅がある場合は、タモキシフェン(ノルバデックス)の効果が低下する可能性があり、そのような場合にゾラデックスで卵巣機能を抑制する意義はあるかもしれませんが、あなたの場合HER2(-)ということなので、そのことは当てはまらなくなります。
2) 2〜3年間ということになると思います。
3) サンクトガレンのコンセンサスレポートではゾラデックスとアロマターゼ阻害剤(アリミデックスなど)の併用は現在検討中で、副作用などでノルバデックスの併用ができない場合には容認されるとなっていますが、日本ではアロマターゼ阻害剤は閉経後乳癌にのみ適応となっています。エビデンスはないと思いますが、再度閉経と判断されたらアリミデックスに変更してよろしいと考えます。参考までに閉経後患者に対するアロマターゼ阻害剤の使用法としては、@アロマターゼ阻害剤(アリミデックス、フェマーラ)単独5年間投与、Aノルバデックス投与2〜3年後にアロマターゼ阻害剤(アロマシン、アリミデックス)にスイッチし、合計5年間投与、Bノルバデックス5年投与終了後にアロマターゼ阻害剤(フェマーラ)を追加、という3つの治療法が有効であるとされています。(文責 片山)

 

No.5116】 06年03月31日    Y.T
手術後の治療について

よろしくお願いします。35歳、既婚、子供が1人です。石灰化から左胸乳ガンと判明し、しこりの大きさ1.3センチで、早期ということで先月温存手術をしました。病理検査の結果、「浸潤性乳管癌」でグレード2、リンパ節転移なし、骨転移なし、HER2(+)でした。主治医からは今後の治療について、抗ガン剤治療を3週間に一度を6回、その後放射線治療を25回、そしてホルモン療法を5年間と言われています。早期だということだったのに抗ガン剤治療が必要と言われ、副作用で脱毛等があると聞き不安になっています。そこでお尋ねしたいのですが、
1) 私の場合、再発率はどの程度の確率でしょうか。また、抗ガン剤治療をやった場合とやらない場合では再発率はどの程度違いがあるのでしょうか。
2) 抗ガン剤治療ではどのような薬での治療がベストでしょうか。また、脱毛の副作用がない薬での治療はできないのでしょうか。
3) ホルモン療法はやはり5年間必要なのでしょうか。今後妊娠することは可能でしょうか。

1)2) EBCTCG(Early Breast Cancer Trialists’Collaborative Group)のoverview によれば、多剤併用化学療法群の未治療群に対する再発リスクの減少の推定値は、50歳以下のリンパ節転移陰性例の10年生存率で77.6%対71,2%となっています。ただし、これにはいろいろなリスク因子の差が含まれています。後日のホルモン療法を勧められているので、2005年のサンクトガレンのコンセンサスレポートによって内分泌療法反応性のIntermediate risk と考えると、内分泌療法単独か化学療法→内分泌療法が推奨されると思います。そして内分泌反応性の患者さんへの適切な化学療法としてAC4サイクルを挙げています。またCMF療法のほうが若干脱毛の副作用が少なくなると思われます。
3) タモキシフェン(ノルバデックス)の投与期間は、2年間よりも5年間のほうが効果があったことが臨床試験から示されています。(文責 片山)

 

No.5115-1】 06年03月31日    S.F.
病理の結果より

主治医には笑われそうで聞きづらいので、ここでお聞きしたいと思いました。先月、センチネルリンパ生検の乳房温存手術を受けました。リンパ転移はなく、術後も経過良好なのですが、職場に復帰したところ、周囲より「若いから、細胞も元気だから、あまり活発に動かないほうがいいよ」と言われ、以前私の入社前に乳がんで亡くなった職員がいた事を知らされました。病理結果の中で、グレードがVである事と、Her-2が+3である事を思い出して、体を動かしすぎると進行が早かったりするのかな・・・などと心配になってしまいました。現在の治療は、ホルモン受容体が+であったため、タモキシフェンとゾラデックス注射、そしてこれから放射線照射が始まります。今のところ副作用はあまり出ていないので、見た目全く変わらず、外回りの仕事のため動かざるを得ないので、かえって周囲が心配をしている状態です。年齢は40歳です。気にせず動いていて良いんですよね? 変な質問ですみません。よろしくお願い致します。

あまりにじっとしすぎていて動かないのでは、気分もめいるし仕事や生活にも張りやリズムが出てこないと思います。ことさらに無理をして体を疲れさせることはありませんが、今まで通りに過ごしていただければ良いし、趣味や適度な運動でリラックスするのも大事だと考えます。(文責 片山)

 

No.5115-2】 06年04月08日    S.F.
転移の可能性

No.5115でご回答頂きましたSFです。他の皆さんのご質問を読ませていただいていて、センチネルリンパ生検でのリンパ転移が0の場合でも、転移の可能性はあるのだと思うと、(他の諸条件はあるのでしょうが)やはり不安になってしまいます。万が一再発した場合、リンパ経由でないルートからの転移という事になるならば、どのようなルートが考えられるのでしょうか? 実は、術前・術後と1回ずつ頭痛を伴わない「閃輝暗転」があり、今、眼科を経て、脳外科にもかかっています。また、放射線科のCTで肺に影が写り、主治医とはこれから相談する予定ですので、まだ何とも言えませんが、ビンゴだったとしたら、生検での見落としという可能性はあるのですか?

癌の転移経路にはリンパ行性転移(リンパ管、リンパ節を経由して全身に広がっていく転移)と血行性転移(血管に侵入して血管を経由して全身に広がっていく転移)の二つのルートがあります。ですから、乳癌の場合、腋窩リンパ節に転移がなくても再発する可能性はあります。しかし、腋窩リンパ節に転移があることと他の内臓に転移があることにはある程度の相関がありますから、腋窩リンパ節を切除してそこに転移があるかどうかを調べ、転移がある場合は全身転移のリスクが高いと考えて全身への抗がん剤治療を行いますし、腋窩リンパ節転移がない場合は大雑把には全身転移のリスクが低いと考えます(正確なリスク分類はもう少しいろいろな因子を加えて判定しますが)。センチネルリンパ節生検が行われるようになった時代背景には、一昔前は腋窩リンパ節に癌が転移をするから、そこを切除郭清していたのですが、最近は転移があるかどうかを知る目的で切除するので、センチネルリンパ節だけを切除して、転移がなければ他のリンパ節を切除しないようにしようと考えたのです。「閃輝暗転」は心配ないと思います。CTに映る影は確かに心配です。しかし、CTにはいろいろな病気が影になって映るので、それだけで転移と決め付けるわけにはいきません。一つずつ順番に検査を進めていくしかありません。(文責 清水)

 

No.5114】 06年03月31日    O
術後の治療とCT検査について

術後の治療についてお尋ねします。40歳、閉経前。昨年8月に右乳房温存手術+センチネルリンパ節生検をし、放射線治療25回を終え、現在ホルモン治療(ノルバデックスD 1日1回1錠+リュープリン注射1ヶ月に1回)中です。腫瘍の大きさは1.5×1.5×0.8cm、Stage1、Her2(2+)、 ER(+)(ほぼ全てが陽性性)、PgR(+)(約90%が陽性)、 grade3、リンパ節への転移はなしとのことでした。先日の婦人科検診で、子宮の内膜が厚くなっているので注意が必要とのことで、様子をみることになりました。主治医は薬の副作用としては早すぎると言われ、治療を続けていますが、今後現在の治療が受けられなくなったらと不安です。そのような場合、子宮に負担の少ない薬(現在のノルバデックスからアリミデックスへ)への変更は可能なのでしょうか? 現在リュープリンで閉経状態にありますので、私のようなHer2(2+)の場合、アリミデックスに変更した方が有効なのでしょうか? また、術後のCT検査では一般的に造影剤を使用するのでしょうか? 主治医から半年に1回は行うと言われましたが、CTと造影剤による副作用が心配です。以上の2点について、よろしくお願いします。お忙しいところ時間をとりましてすみません。

HER2/neuの検査にはIHC法とFISH法があり、IHC法で(3+)が過剰発現・増幅となり、(2+)ではFISH法を行って陽性のみがハーセプチン治療の対象となります。HER2/neuが過剰発現・増幅している症例ではノルバデックスの効果が低下する可能性があるとされます。あなたの場合は微妙で、FISH法まで行ってみないとわからないといえますが、HER2/neuが過剰発現・増幅している患者に対してはノルバデックスの投与中に卵巣機能抑制を併用することで利点が得られる可能性があるとされ、今の治療はこのような観点からは理にかなっていると考えます。閉経前患者に対して卵巣機能抑制とアロマターゼ阻害剤(アリミデックスなど)を併用することは現在検討中で、サンクトガレンのコンセンサスレポートでは副作用のためにノルバデックス投与ができない患者さんの選択肢としては容認されるとなっていますが、日本ではアロマターゼ阻害剤は閉経後乳癌のみが適応です。
単純CT検査でもかなりの情報をうることができますが、造影剤を使うことにより特に肝臓などの実質臓器で、血管との同定や腫瘍部の濃染像により、診断のための情報がさらに増える利点があります。(文責 片山)

 

No.5113】 06年03月31日    Y.Y. 
ノルバデックス(HPNo.5004-2)

HPNo.5004で相談させていただきました。ホルモン治療が始まって4週たちました。お蔭様で、まだ更年期の症状もなく普通の生活をしております。ノルバデックスを飲み始めて特に気になりだしたのですが、喉に何かつかえたような感じがします。薬の関係で、そのような症状になるのでしょうか?

ノルバデックスの消化器系の副作用として、悪心・嘔吐や食欲不振などの症状が0.1−5%未満の頻度で報告されており、喉につかえたような感じというのが、これに当てはまる可能性はあると思います。(文責 片山)

 

No.5112】 06年03月31日    M.T.
右手のしびれ(HPNo.4315-3)

HPNo.4315で質問させていただいた者です。2006年2月にタキソール4クールを終え、その後ホルモン治療が始まりました(ゾラデックス/リュープリン注射+タスオミン剤服用)。1ヶ月前にゾラデックスを打ち、つい先週リュープリンに変えてもらって打ったばかりなのですが、リュープリン注射4〜5日目くらいから手(特に右)がしびれるようになりました。ずっとしびれているわけではなく、パソコン操作等でマウスをいじるなど、手を使っている時に特に強く感じるように思います。程度は、しびれて動かせないというわけではなく、ピリピリしてヒンヤリ冷たい感じがします。しびれが始まったのと同時期に右脇下も少し痛みを感じ始めたので、もしかしたら浮腫かとも思ったのですが、腕が腫れているような様子はありません。更年期障害による血行不良であれば仕方ないのですが、一番の心配は、再発・転移です。次回のCT検査は6月なので、それまで時間があり不安になりましたので、こちらで質問させて頂きました。どうぞご回答の程、よろしくお願いいたします。

添付文書によれば、ゾラデックスやリュープリンの神経系の副作用として、しびれなどの知覚異常が5%未満あり、あなたの症状もその可能性はあると思います。ただ手のしびれは、血行障害や頚椎症など他の原因がある場合もありますので、主治医の先生に相談してみてください。(文責 片山)

 

No.5111-1】 06年03月26日    MF
乳腺腫瘍疑と言われました

ネット検索でたどり着きました。どうぞよろしくお願いします。年齢は40歳、出産2回(18歳・13歳)、子供は6ヶ月くらいまで母乳でした。健康診断で「乳腺腫瘍疑」と言われ、外科で超音波とマンモグラフィーをやりました。石灰化が写っていると言われました。しこりは乳首の下部分にあり、大きさは1cmと1.1cmと言われました。縦横のサイズを教えてくれたのか、2個あるのか、これ以上は怖くて聞けませんでした。痛みというほどのものは感じませんが、授乳していた頃、おっぱいが残っているような感じというか、圧迫されたような、重いような感覚を乳首周辺に感じることがあります。『水が多いから悪性の可能性は低い』と言ってくださいましたが、のう胞と考えてよいのでしょうか? 細胞検査をするように紹介状とレントゲンを渡されました。友人が7年前に乳癌で亡くなっているので、怖くてたまりません。どうぞよろしくお願いします。

「水が多い」ということから、確かにのう胞の可能性が高いと思います。 まれにのう胞内に乳頭状のしこりがあって、そこからの分泌物や出血した血液を蓄えている場合がありますので、細胞診検査をということだと思います。いずれにしても良性の場合が多いので、恐れずに検査を受けてください。(文責 片山)

 

No.5111-2】 06年04月08日    MF
細胞診検査

No.5111でお世話になりましたMFです。先日はどうもありがとうございました。怖がらずに細胞診検査に行けました。かかりつけの外科に紹介いただいた病院で、マンモグラフィー超音波と細胞診検査をやりました。超音波のときに反対の胸(右)にもしこりが見えたので、「右もしこりですか?」と聞いたら、「右はのう胞だから心配ないです。左は細胞を取って検査します」と言われました。「左はのう胞じゃないんですか?」と聞くと、「違います」と言われました。(かかりつけの病院はお水が多いと言っていたのですが、ここでは言われませんでした。) 怖くなってしまい、ここからの記憶ははっきりしていないのですが、「癌ですか?とか、悪性ですか?」とお尋ねしたと思います。先生は「大丈夫とか、念のための検査です」と言っていたと思います。細胞は石灰化の近くを3回取りました。二人の先生で「やわらかいでしょ」とか言っていました。触診の時には「これ今までもあったでしょう?ビー玉みたいなのですよ」と言われました。検査結果が出るまで1週間以上あり、悪いほうばかり考えてしまっていて怖いです。大きさは変わっていなくて、1個でした。良性の腫瘍は「のう胞」の他、どんなものがあるのでしょうか? また他のご相談者の方の質問を拝見していると、良性と言われ、数ヶ月後の検査で悪性だった・・・という方のご質問を見つけて怖くて仕方がありません。乳がん検査はすぐに安心できるものではないのでしょうか? 結果を待てば良いのですが・・・。申し訳ございません。どうぞよろしくお願いします。

良性の腫瘍はのう胞以外にたくさんあります。頻度も多く、代表的なものが“のう胞”、“乳腺症”、“線維腺腫”です。“のう胞ではない”、“石灰化”、“今までもあった?”、“ビー玉みたい”、“やわらかい”等のkey wordをつなげると線維腺腫の可能性が高いように思われます。もちろんどのような検査法も100%確実という診断法はありません。ですから、どのような検査をお受けになってもすぐ安心とは考えず、ひとまず安心と考えてください。たとえ良性と言われても、心配であれば切除することまで考えても良いと思います。現時点では細胞診の結果を待つことが最善だと思います。(文責 清水)

 

No.5111-3】 06年04月17日    MF
細胞診の結果

いつもお世話になります。HPNo.5111でお世話になっています。細胞診の結果を聞きにいきましたら、「判断不良」ということでした。3回針を刺したのですが、取れた細胞の数が少なすぎてわからないそうです。本日初めて乳腺外科の先生が今までのレントゲンを見て下さいました(今までは乳腺外科の専門ではないそうで、乳腺外科専門の先生は週1に来るそうです)。「癌や悪性の可能性は80−90%で、超音波ではのう胞の中に怪しい影があるけれど、これは石灰化が写っているのだろうと思う。マンモグラフィーの石灰化は線維腺腫が治ったものでしょう」という結果でした。「このまま半年後に超音波検査をしましょう。またしこりが大きくなった時は来てください」ということでした。半年もそのままにして、心配ないでしょうか? 夫と相談した結果、判断不良という事は結局、細胞診の結果は出ていないと思い、乳腺外科専門の先生のいる病院でもう一度検査をお願いしたいのですが、すでに超音波2回、マンモグラフィー2回、細胞診1回予約してあります。また同じ検査をして体に影響は大丈夫かな?と心配しています。私としては安心したいのでしこりを取ってしまいたいのですが・・・。このような場合、どのようにする方法が一番良いでしょうか? 何度もお手数をおかけしまして申し訳ございません。どうぞよろしくお願いします。

癌や、悪性の可能性が80-90%というのであれば、経過観察という手段は疑問が残ります。腫瘍の切除をして、しっかりと診断していただいた方が確実ではないでしょうか?検査は、特に身体への悪影響はありません。それより、しっかり確実に診断してもらいましょう。今、受診しているところで切除をお願いしにくければ、他院を受診してみるのがよいでしょう。特に紹介状が必要なくても構わないところもありますし、情報はこちらから問い合わせしますので、気にされずに受診して下さい。(文責 鈴木)

 

No.5110】 06年03月26日    M  
授乳中の左乳首の痛み

お忙しい所、恐れ入ります。34歳、2歳の子供がいます。今アメリカに住んでおりまして、2ヵ月後の帰国です。半月くらい前から左の乳首が痛く、腫れていて、皮下にしこりのようなものがいくつかあるようです。もうすぐ2歳になる子供がいますが、寝るときは、まだおっぱいがないと寝ることができません。授乳後のトラブルを考えて、帰国後には卒乳させる予定です。すぐにでも病院に行ったほうがいいのでしょうか。2ヶ月後の帰国を待って病院に行っても大丈夫でしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。

お話をうかがう限りでは、やはり乳頭直下の炎症性の硬結の可能性が高いと思いますが、実際に拝見していないのではっきりしたことは分かりません。念のために乳腺外科を受診してください。 (文責 片山)

 

No.5109】 06年03月26日    TT  
ティーエスワンについて(HPNo.5091-3)

HPNo.5091で相談させていただいた者です。本日病院での診察結果+1で、ハーセプチン使用は不可能でした。今後の処方としてティーエスワン25が出されました。ネツトなどでも調べましたが、いまいちピンときません。どのようなものでしょうか?また漢方などで田七人参等は併用可能でしょうか?ご回答宜しくお願いします。

ティーエスワンは代謝拮抗薬系の抗癌剤であるテガフールと、これを分解する酵素を阻害することによって抗癌剤を高濃度維持して抗腫瘍効果を高め、また消化管での副作用を少なくする成分も配合された薬です。今のところ対象はアントラサイクリン系およびタキサン系の抗癌剤を含む抗癌剤治療後の増悪または再発例ということになっており、4週間服用し2週間休薬するというスケジュールで投与します。手術不能または再発乳癌を対象とした臨床試験の成績は奏功率21.8%であったとのことです。田七人参などの漢方の併用は問題ないと考えますが、定かではありません。(文責 片山)

 

No.5108】 06年03月26日    T.T. 
再発予防のハーセプチン治療(HPNo.4478-2)

HPNo.4478で質問させていただいたものです。その後ハーセプチン治療の希望を先生にお願いしたのですが、タキソールとハーセプチンを一緒にするより抗がん剤治療終了後にハーセプチンをするということになりました。「一緒にやるほうがいいのでは?」との問いに、副作用の軽減との回答でした。ハーセプチンを受けさせてもらえることにとりあえず納得しましたが、抗がん剤治療も終わりに近づき、また不安になりメールさせていただきました。ハーセプチン単独でもそれなりの効果は期待できるのでしょうか?

ハーセプチンは日本ではまだ再発乳癌でしか適応が通っていません。単独使用でも効果は認められますが、単独での奏功率20%程度に対し、併用すると40%を超えるといわれています。また参考までにBCIRG 006 のトライアルの中間報告によれば、術後補助療法としてアドリアシン、エンドキサン後にタキソールを加えるAC→Tとこれに加えてハーセプチンを1年加える AC→THを比較すると、平均観察期間23ヶ月で4年生存率が73%対84%という差が出ました。ただ併用すると副作用も強くなり、心毒性はAC→T 群で0.86%に対し、AC→TH 群で2.62%と増加していました。(文責 片山)

 

No.5107】 06年03月26日    H.S.
ドグマチール

2年前に右胸全摘出をし、その後ホルモン療法を受けています(ノルバディックス服用、リューブリン注射)。昨年9月、引越しの疲れからパニック状態になり、地元の神経科にかけこみ、ドグマチールとデパケンRを5ヶ月飲みました。主治医にも相談せず、勝手に薬を飲んだことが悔やまれます。ドグマチールは乳がんには禁忌なのではないでしょうか?

ドグマチールはうつ状態や胃・十二指腸潰瘍に適応のある薬で、褐色細胞腫という別の腫瘍には禁忌となっていますが、乳癌には禁忌とはなっていません。乳頭からの乳汁分泌の副作用が時にあります。一応主治医の先生に薬を飲んでいることを話し、またこれはされたかもしれませんが、神経科の先生にも乳癌の術後であることを話して総合的に治療を進めてください。 (文責 片山)

 

No.5106】 06年03月26日    F
乳管拡張について

先日、人間ドックの乳房超音波検査の結果、「両側乳腺嚢胞」と「両側乳管拡張」とあり、右乳管と両乳房の嚢胞は心配ないですが、左乳管の拡張は精密検査が必要との検査結果が届きました。ちなみに自覚症状はありません。なるべく早くに医療機関で受診したいと思っているのですが、診療予約が3週間後と少し先なので、乳管拡張というものがどういったものなのか、全くわからず不安でなりません。ネット検索もしてみたのですが、よくわかりませんでした。乳がんなどの可能性があるということなのでしょうか?それとも全く別の病気の可能性でしょうか?また精密検査はどういった事をする可能性がありますか?お忙しいところ恐縮ですが、回答頂けると幸いです。よろしくお願い致します。

乳管の拡張は、乳腺の年齢的な変化に伴う乳腺症のひとつの現われであることが多いですが、まれに乳管の中に乳頭腫という良性のしこりや早期の癌があって、それが拡張の原因になっている場合があり、要精密検査ということだと思います。マンモグラフィーというレントゲン検査や再度超音波検査を行い、何かターゲットとなるものが見つかれば細胞診の検査や、局所を一部取っての組織検査が必要になる場合もあります。(文責 片山)

 

No.5105】 06年03月25日    M.O. 
しこりについて

36歳の主婦です(子供1人)。1年前、右乳房の2つのしこりのうち、1つは細胞診で線維腺腫、もう1つはマンモ・超音波のみで乳腺症と診断されました。半年後に超音波のみの検査で、変わりないので異常無しとされていました。先日、以前とは別の病院で定期検査のつもりで受診したところ、マンモ・超音波のみで2つとも乳腺症と診断されましたが、(以前の結果は伝えずに検査しました)それとは別にもう1つしこりがあると言われました。レントゲンを見せられると、1年前に線維腺腫と言われていたしこりと同じ場所でした。そして問題のないしこり(線維腺腫)は写ってないと言われました(触診で1センチあります)。超音波でも写っていないのか聞くと、「乳腺症として出ています」とのこと。「レントゲンに写っているのはおそらく別のしこりです」と言われました。レントゲンで計ると1、8センチで筋肉の奥のほうにあるので、触診ではわからない、超音波でもうつってないとのこと。大きさ・深さから判断して、場所が同じでもおそらく別物なのでMRIをしてみましょうと言われました。触診で1センチの線維腺腫がレントゲンに写らないことがあるのでしょうか? もし別のしこりがあれば、例え同じような場所でも2つ写るものではないのでしょうか? 奥にあるしこりは超音波では写らないのでしょうか? 問題のしこりは乳腺ではないから調べる必要があるようなことを言っていました。線維腺腫は乳腺なのですか? 私にはしこりが同じ場所に1つしかなく、別物と説明されてもピンときませんでした。やはりMRIをやる必要があるのでしょうか? MRIでは同じ場所でも2つとも写りますか? MRIで良性か悪性の判別がつくものでしょうか? それとも1年前と同じ病院にもう一度検査に行ったほうが良いのでしょうか? お忙しいところ恐れいりますが、ご回答願います。

周囲の乳腺と濃度が近いため、乳腺組織の中にできる線維腺腫がレントゲン(マンモグラフィー)で写らないことはよく経験します。従って2つあっても1つしか写らなかったり、両方とも写らないこともあると思います。超音波はしこりがある場合かなり有力な検査ですが、深い場所にある場合分かりにくいこともあります。MRIは画像情報を増やす観点からかなり有力だと思います。(文責 片山)

 

No.5104】 06年03月25日    R
脇の痛みについて

35歳、既婚、子供なし。現在しこりで通院中です。1年半ほど前に右乳房に7mmのしこりを見つけ、自分で病院を受診しました。触診、マンモグラフィー、超音波の結果、何もなく、念のため細胞診をしていただきましたが、三ヵ月後の診察の際に何も無いとの結果を頂きました。次回は半年後の診察、その際も前よりもしこりの部分が白く薄れてきてるとのことで、「このままだと消えてなくなるでしょう、次回は一年後でいい」とのことでした。ちょうど半年経ったのですが、一年待つのは不安だと思い、先日受診したところ、前と顔つきが変わっているとのことでした。白っぽかったところが黒くなり、形が少し変形してきているとのことで、再び細胞診をしてもらいましたが、結果は異常なしでした。それでは100パーセント安心は出来ないとのことで、生検手術をすることになったのですが、その日を境に右の脇の筋がつっているような、筋肉痛のような感覚がしてきて、とても気になります。PCのしすぎや、日曜大工でノコギリなどをよく使いますが、普段から筋肉痛などあまり気にならないので、ちょっと心配です。気のしすぎかもしれませんが・・・。仮に悪性だった場合、7mmのしこりでも脇に転移する可能性はあるのでしょうか? 脇の超音波もたくさんしてもらっているので大丈夫だと思いたいのですが、もしかしたら超音波に写らない癌だったり?と、一人で心配を膨らましてしまっています。生検まであと二週間あるので、その間に悪い細胞が進行したらどうしようと不安でたまりません。今日は専門の先生がお休みなので、病院には聞けず、ネットサーフィンしていたところ、こちらへたどり着き、メールさせていただきました。お忙しい中申し訳ございませんが、お返事いただけると幸いです。よろしくお願いいたします。

もしも乳癌であった場合、もちろん小さいしこりでも腋下リンパ節に転移する可能性は少ないながらありますが、2週間で病状が急速に進行してしまうことはまずありませんので、生検までお待ちになって大丈夫だと思います。(文責 片山)

 

No.5103】 06年03月25日    TT 
肝臓転移への漢方治療について(HPNo.5091-2)

HPNo.5091で相談したものです。分かり易い解説、ありがとうございました。現在一番最初に乳癌の手術をした病院に検体ブロックの貸し出しを依頼しています。内臓器官だけにサプリメント等はどうかと思うのですが、漢方の中に田七人参というものがありました。成分にゲルマニウムがあり、強力な脱水素能力があって癌細胞を酸化させ活動を停止させる効果があるとありました。現在の一般生活上、飲用しても問題ないでしょうか?

飲用しても問題ないと考えますが、効能効果や逆に服用したことによる病気への影響・副作用についてはよく分かっていないと思います。(文責 片山)

 

No.5102-1】 06年03月25日    A
今後、妊娠を望むには

初めてご相談いたします。32歳、未婚、出産歴なし。1月に左乳房にしこりを発見し、触診・マンモグラフィー・エコー検査で判断がつかず、針生検でクラスVbでしたので、2月1日に細胞診の為に局所麻酔下にて摘出。その結果、乳がんと診断されました。その時点で転院し、3月8日に乳房温存で取り残し腫瘍の摘出とセンチネルリンパ節生検手術をうけました。術前のRET/CT検査では多臓器や骨への転移は見当たらなかったそうです。腫瘍の大きさは1.5センチ、充実腺管癌、リンパ節転移なしのステージT。ホルモンレセプターは陽性でした。その他の詳しい結果はまだ聞いておりません。今後の治療方針はまだ確定していないのですが、主治医の先生からは早期乳がんではあるが年齢が若いということもあり、放射線とホルモン療法に加え、抗がん剤治療も併せて行った方が良いでしょうと言われています。現在はまだ、どの治療も始まっていません。私の気持ちとしては、抗がん剤による白血球の低下や脱毛などの副作用が気になるし、結婚も出産も諦めたくないのです。そこでご質問ですが、
1)やはり抗がん剤の治療も受けたほうがいいのでしょうか。
2)卵巣機能を残す為にホルモン治療をまずやって、その後に抗がん剤治療を始めましょうと言われたのですが、その方法は妥当なのでしょうか。
3)納得して治療方法を選択する為に、セカンドオピニオンは必要でしょうか。

本を読んだりネットで検索したり勉強してはいるのですが、なかなか自分にあった方法は何か?を見出せずにいます。主治医の先生を信頼していますが、不安が拭えません。ご助言をお願い致します。

1)ザンクトガレンのコンセンサスガイドラインでは Intermediate risk となり、同じER+,PgR+でも、染色細胞の割合や染色強度により内分泌反応性と判断されれば内分泌療法が大前提となり、内分泌反応性不確実の場合は抗癌剤療法の併用を考慮することになります。
2)タモキシフェンと抗癌剤療法を併用する場合は、抗癌剤療法→タモキシフェンの順序となります。LH-RHアゴニストと抗癌剤療法との併用は問題ないとされています。
3)主治医の先生とのお話で踏み切れない場合はセカンドオピニオンも含め、充分に納得して治療を受けられることが大事だと思います。(文責 片山)

 

No.5102-2】 06年04月02日    A
今後の術後治療について

お返事有難うございました。詳しい病理結果がでましたので、そちらを踏まえた上でのご担当先生のご意見を伺いたくメールしました。新たに私が把握した結果は、ホルモンレセプターが両方とも強陽性であったということ、HER2スコア陰性(0)、ガンの顔つきは悪くない(グレード1)ということ。まずは放射線治療で、その後にホルモン療法でと言われました。
1) 併用せず、時期をずらすことで全身に回ってしまったかもしれないがん細胞に対しての予防効果が薄れてしまうって事は無いのでしょうか。
2) ホルモン療法で使う薬は「強めの薬を」と言われたのですが、考えられるとしたらどのようなお薬でしょうか。副作用も強いのでしょうか。
3) 術側肩甲骨上に小さな(2〜3mm)腫れを見つけたのですが、「術後に腫れるのはよくあること。まず心配しなくてよいでしょう。」と言われましたが、よくあることなのでしょうか。

度々で申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

1) 時期をずらすことによる予防効果の減少は問題になりません。
2) 月経を止める皮下注射(LH-RH agonist)とタモキシフェンの組み合わせになると思います(アロマターゼ阻害剤との組み合わせは臨床試験中です)。副作用の発現には個人差がありますが、ほてり等の更年期症状が最も多くみられます。
3) 御心配ないでしょう。(文責 加藤)

 

No.5101】 06年03月25日    Y
病理結果が出ました(HPNo.5016-3)

HPNo.5016のYです。先日、病理結果が出ました。3つ取ったセンチネルリンパ節は転移なし、乳管内癌(非浸潤癌)1.5×0.8×1.6cmとのことでした。その乳管内癌の中に0.1mmの浸潤癌があったとのことです。微小浸潤型の乳頭腺管癌、核異型度は1、HER2は0、ER+、PgR+、リンパ節・血管伸襲は共になし、ステージは0期に近い1期とのことです。放射線治療と2年間ゾラデックスとタモキシフェンのみの治療で、抗がん剤治療はやらなくてもよいとのことです。私は年齢がまだ若いのですが、リスクの点で抗がん剤治療をしなくても私の病状では大丈夫なのでしょうか。年齢が若いことがとても心配です。また、上記の大きさのしこりがあっても非浸潤がんで、その中に小さい浸潤がんがあったとのことなのですが、そういったこともあるのでしょうか。そして、2年の治療後妊娠が可能だという説明を受けましたが、これらの治療で妊娠しにくくなったりすることはあるのでしょうか? お忙しい所すみませんが、ご回答よろしくお願いします。

ザンクトガレンのコンセンサスガイドラインによると、限りなく Low risk に近い Intermediate risk ということになると思います。今回のガイドラインでは内分泌反応性について細かく分類され、ER+,PgR+で、染色強度も強くホルモンレセプターレベルが高い方では内分泌療法が大前提の治療となり、染色細胞の割合が少なかったり、染色強度が弱い場合は内分泌反応性不確実となって、内分泌療法単独での治療効果に限界があることから化学療法の併用を考慮することになるとあり、この辺を主治医の先生と相談することになると思います。稀ではありますが、ゾラデックスやタモキシフェンによる月経非回復、無月経という副作用はあります。(文責 片山)

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