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相談室(No.5001〜5100)

このページは乳がんに関 する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

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なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

5100 06/03/25 F.H.  抗がん剤について 片山
5099 06/03/24 N.S.   全身転移 片山
5098 06/03/24 一時的な胸の小さなしこり 片山
5097 06/03/24 E.N.   タキソールによる骨髄抑制とG-CSFの利用(HPNo.4464-2) 片山
5096-1
5096-2

5096-3
06/03/24
06/07/05
12/03/12
KA  転移の治療について
再発後の治療について
ゾメタの治療再開時期について
片山

石川
5095 06/03/24 H.M.   ホルモン療法と抗ガン剤併用について 片山
5094 06/03/24 Y.M 術後の痛みについて 片山
5093 06/03/22 Y.Y マンモグラム読影所見および結果について 片山
5092 06/03/22 M.M. 乳腺線維腺腫 摘出について 清水
5091-1
5091-2

5091-3
5091-4
06/03/22
06/03/25
06/03/26
06/04/02
TT   肝転移後の治療について
肝臓転移への漢方治療について
ティーエスワンについて
膵臓の痛み
清水
片山
片山
加藤
5090 06/03/21 M 乳がんの種類、状態の診断 片山
5089 06/03/21 Y.K. 乳頭から茶色の分泌物 片山
5088 06/03/21 B  人間ドックの結果について 片山
5087 06/03/21 S  豊胸術後の乳房のしこり 片山
5086 06/03/20 YM 妊娠について 清水
5085 06/03/20 SK 治療法ならびに手術について(HPNo.4990-2) 清水
5084 06/03/20 A  温存手術でできないものでしょうか? 清水
5083-1
5083-2

5083-3
06/03/20
06/03/21
06/04/14
N.S 術後の治療について
術後の治療について(2)
乳首からの出血
清水
片山
鈴木
5082 06/03/20 Y 補助療法の選択について 清水
5081-1
5081-2
06/03/20
06/03/22
you 放射線治療の後遺症について
放射線治療の後遺症について(2)
清水
片山
5080 06/03/20 S.K. タキソテールによる体液貯留について 清水
5079 06/03/20 k.k 針での検査について 清水
5078 06/03/20 A  一年経って(HPNo.3642-4) 清水
5077 06/03/20 M 放射線科の受診について 清水
5076-1
5076-2

5076-3
06/03/19
06/05/05
06/05/07
UD 数値から見る乳癌の性格は?
今後の治療法は?
脳腫瘍は、転位?
須田
須田
5075 06/03/19 N.B.  ホルモン治療中の肝機能低下などについて 須田
5074 06/03/19 P.M.  分泌物について 須田
5073 06/03/17 R.K. 術後の治療について 須田
5072 06/03/17 I.K.  炎症性乳癌 須田
5071 06/03/17 AYA 再発でしょうか?(HPNo.2163-3) 須田
5070 06/03/17 Y・S 乳がん検診で言われたこと 須田
5069-1
5069-2
06/03/17
06/04/17
S  乳腺腫瘍摘出手術について
乳腺腫瘍の切除手術について
清水
鈴木
5068 06/03/17 OT  リンパ、骨への転移について 清水
5067 06/03/17 N  ナベルミンについて 清水
5066 06/03/17 N.M.  乳頭からの茶色の分泌物 清水
5065-1
5065-2

5065-3
06/03/17
06/03/22
06/04/04
Y.Y 今後の治療について
今後の治療について(2)
今後の治療について(3)
清水
片山
加藤
5064 06/03/13 i-mi HER2、放射線照射跡などについて 石山
5063 06/03/13 N   肺転移 石山
5062 06/03/13 A  乳癌の可能性 石山
5061-1
5061-2
06/03/13
06/03/17
H.M. 腫瘍マーカー
腫瘍マーカーについて(2)
石山
須田
5060 06/03/13 N.N.   手術後の抗がん剤治療について(HPNo.4850-2) 石山
5059 06/03/13 C.M. 乳癌、小細胞癌について 石山
5058 06/03/12 S  非浸潤性乳管癌 石山
5057 06/03/12 K.Y. 骨転移疑におけるPET検査について 石山
5056 06/03/12 T   今後の治療について 石山
5055-1
5055-2
06/03/12
06/05/05
Y.K.  細胞診後の痛みについて
治療方法について
石山
須田
5054 06/03/12 R.M. マンモトーム生検時に業者が立ち会うものでしょうか? 石山
5053 06/03/12 N.N. 摘出生検後のセンチネル生検について 石山
5052 06/03/12 Y.Y 術後の化学療法について 石山
5051 06/03/12 N.O ホルモン剤について 石山
5050 06/03/12 A・K 非浸潤ガンの手術について(HPNo.3959-3) 石山
5049 06/03/12 C  両乳腺陰影増強 石山
5048 06/03/12 T.Y 乳腺線維腺腫の切除について 石山
5047 06/03/11 Y.H.  術後の検査について 石山
5046-1
5046-2
06/03/11
06/03/12
M  術後治療について
術後治療について(2)
石山
石山
5045 06/03/11 H.M. 乳房Pagetの治療法について 石山
5044 06/03/11 S.S 抗がん剤感受性テスト 石山
5043 06/03/11 I・E 乳頭付近の痛みについて 石山
5042 06/03/11 S 乳がん治療後の妊娠(2)(HPNo.4975-2) 石山
5041 06/03/10 H.K.  豊胸後の痛みについて 石山
5040 06/03/10 Y.O. のう胞内非浸潤ガンについて 石山
5039 06/03/10 Y  乳房のしこり 粉瘤について 石山
5038 06/03/10 T・T 術後の補助療法の選択について 石山
5037 06/03/10 H.M.  肺転移について 石山
5036 06/03/10 F  抗がん剤の投与期間について 石山
5035 06/03/09 S.A.  乳腺腫でした 石山
5034 06/03/09 Y  非湿潤性癌の放射線療法について 石山
5033 06/03/09 I.E.  12歳の娘について 石山
5032 06/03/08 A・K 脇の下の痛みについて 石山
5031 06/03/08 A.S 良性のしこり除去について 石山
5030 06/03/08 N.S.  抗がん剤治療について 石山
5029 06/03/07 R.M. MRIで血性分泌の箇所が同定されました(HP2193-6) 石川
5028 06/03/07 H.L タキソールの標準回数について 石川
5027 06/03/07 t m 左胸のしこり 石川
5026 06/03/07 K  左胸のくりくりしたしこり 石川
5025-1
5025-2

5025-3
06/03/07
06/03/17
06/04/12
F.S. 線維腺腫と妊娠について
しこりの“二相性”について
針で刺すような痛みについて
石川
須田
清水
5024-1
5024-2
06/03/07
06/03/19
Y.K 術後の治療について
術後の治療について(2)
石川
須田
5023 06/03/07 S.M. 胸の痛みと肋骨転移の症状 石川
5022 06/03/07 km 転移後の抗がん剤治療について(HPNo.4583-2) 石川
5021-1
5021-2
06/03/07
06/03/09
Y.S しこりと腰痛
しこりと腰痛(2)
石川
石山
5020-1
5020-2
06/03/07
06/03/09
yume 胸の痛みについて
胸の痛みについて(2)
石川
石山
5019 06/03/07 H.N. 浸潤性小葉癌と非浸潤癌 石川
5018 06/03/07 S・H 77才になる母の卵大のしこりについて(3)(HPNo.4959-3) 石川
5017 06/03/04 yumi ホルモン療法について 石川
5016-1
5016-2

5016-3
5016-4
5016-5
5016-6
06/03/04
06/03/19
06/03/25
06/04/08
06/04/14
06/04/17
Y  免疫低下について
若年者乳癌
病理結果が出ました
微小性浸潤ガンについて
微小性浸潤ガンについて(2)
微小性浸潤ガンについて(3)
石川
須田
片山
清水
鈴木
鈴木
5015 06/03/04 Y.O. リンパ節のがん細胞について 石川
5014 06/03/03 S 乳腺線維腺腫? 石川
5013 06/03/03 Y.K.  線維腺腫について 石川
5012 06/03/03 O 超音波検査 石川
5011 06/03/03 N.I.  再発乳癌の治療法について(HPNo.1260-13) 石川
5010-1
5010-2
06/03/03
06/03/11
Y.I.  微細石灰化について
微細石灰化について(2)
石川
石山
5009 06/03/01 Y.T.  病理検査と手術後の治療方針について 石川
5008 06/03/01 K.M. 免疫療法について 石川
5007 06/03/01 M  軽い痛みが続いています 石川
5006 06/03/01 Y わきの下のリンパ節の腫れ 石川
5005 06/03/01 F 術後の化学療法について 石川
5004-1
5004-2
06/03/01
06/03/31
Y.Y.  ゾラデックス治療について
ノルバデックス
石川
片山
5003 06/03/01 妊娠を希望する術後療法について 石川
5002 06/02/27 Y 乳腺症のしこりについて(HPNo.4814-2) 麻賀
5001-1
5001-2
06/02/27
06/03/17
K.M.  乳腺以外のしこりについて
乳腺以外のしこりについて(2) 
麻賀
須田

 

 

No.5100】 06年03月25日    F.H.
抗がん剤について

2月の終わりに左乳房の温存手術を受けました。55歳(閉経)です。今後の治療として、抗がん剤→ホルモン療法→放射線の予定です。抗がん剤はファルモルビシンかテラルビシンのどちらかを使用するとのことなのですが、違いはなんでしょうか? 効果が大きいのはどちらでしょうか? また、併用はしなくても大丈夫でしょうか? 下記に病理組織学所見をのせておきますので、返信をいただけたら幸いです。よろしくお願いいたします。
<病理組織学所見>
検体は左乳腺組織及びリンパ節です。肉眼的に腫瘍が2ヶ所見られ、乳首側より@、Aとしました。
@ 好酸性の細胞質をもつ腫瘍細胞が間質へ硬性浸潤を示すアポクリン癌の像を主体に認めます。乳首側に向かって乳管内進展がみられ、軽度のリンパ管侵襲も伴っています。
A N/C比の増大した腫瘍細胞が小胞巣・策状に浸潤する癌の所見です。広範な乳管内進展や脈管侵襲は明らかではありません。unclear gradeは核異型:2 、核分裂:3でgrade3です。切除断端は陰性です。

リンパ節はレベル2まで郭清されており、レベルT:1/6、レベルU:脂肪織のみです。センチネルリンパ節は術中迅速診同様陽性(1/2)です。免疫染色は@ER(−)、PgR(−)、HER-2:score1、AER(+)、PgR(+)、HER-2:score2です。

ともに同じ抗生物質系のアントラサイクリン系の抗癌剤であり、テラルビシンは一般名塩酸ピラルビシン (THP)で、アドリアマイシン(DXR)から半合成されて作られ、DXR耐性細胞にも有効とされます。ファルモルビシンは一般名塩酸エピルビシン(EPI)でDNA合成阻害により作用します。抗腫瘍効果や心筋障害・骨髄抑制・脱毛などの副作用はほぼ同じと考えられますが、乳癌の術後補助療法としてはDXRやEPIとサイクロフォスファミド(CPA)を併用したAC,EC療法や、それに5−FUを加えたCAF,CEF療法が頻用されています。副作用の点からもファルモルビシンとテラルビシンの併用はしません。(文責 片山)

 

No.5099】 06年03月24日    N.S.  
全身転移

先週母が腰が痛くて立ち上がれなくなり、そのまま入院、乳癌と診断されました。今日説明を受けたのですが、1〜4のステージのうちのステージ4。胸のしこりは6センチ。肺と肝臓、首のリンパ等に転移していて、それが腰に来て立ち上がれなくなったそうです。今、すでに10回の放射線治療が始まっていて、数日後から抗がん剤を投与するそうです。その間に痛み止めの薬の量を調節できるようになって、放射線治療が終わったら1週間に一度の通院になり様子をみるそうです。そして、胸の6センチの癌を手術するよりも、先にほかにやらなければならない治療がたくさんあるとの事でした。5年後の生存率は20パーセントと言われました。母は乳癌でないかと2年前から気づいてはいたものの、入院保険などに入ってないことで言い出せなかったという大ばか者です。これから使う抗がん剤は高額医療の申請が受けられて月7万円と今日聞きました。父も体が弱く、私の収入だけではどうにもならない状態で、母も病気よりも支払いを気にしてしまっています。とにかくめまぐるしい1週間で、この先どうしたらいいのか、母はどのくらい生存できるのか、本当に歩けるようになるのか。通院でいいのか。支払いが不可能な場合は治療が受けられないのか。相談と言うよりも、誰かに聞いてもらいたかったというのが今の私の心境です。こんな意図違いのメールでもうしわけありませんが、何かアドバイスがありましたらよろしくお願いします。

お母様の病状はかなり厳しいと考えられ、心中お察し申し上げます。確かに高額医療費として7万数千円以上かかった場合は戻ってくる制度がありますが、それ以外にも当然かかる費用があり、ご家族の負担は大変です。保険によってさまざまな補助制度を設けているものもあり、また病院によっても支払いの方法など異なる場合もありますので、まずは病院のソーシャルワーカーの方に相談してみてください。(文責 片山)

 

No.5098】 06年03月24日    K
一時的な胸の小さなしこり

こちらの相談室で過去の回答を調べてみましたが、似たような症状が見つからなかった為、質問させて下さい。28歳・未婚・小さい頃から胸に大きめのしこりをよく確認しています(触ると確認出来るので、ずっとあったかもしれません)。

3/19(3/20 1時過ぎ): 寝る間際に左乳房の下方、やや内側に、隆起した小豆大くらいのしこりが1つある事が発覚。(乳首が2つになったのかと思ったくらいの大きさ・感触で、眠いにもかかわらずかなり驚きました。) 硬さ、弾力としては、茹でた枝豆やグミのような感じに思えました(大きなしこりよりもやや硬めで、弾力があるように感じました)。しばらくしたら隆起(腫れ?)は治まり、乳房の中に入った感じになるが、明らかに周りのしこりとは違う大きさ・硬さのしこりが確認出来る(眠かったのでそのまま就寝)。
3/20: 状態は回復せず。インターネット等で、どんなのものの可能性があるのかや、乳腺外来のある病院などを調べる。
3/21: 行ってみようと思った病院は祭日はお休みなので、病院へは行かず、もう1日様子を見る事に。朝に触った感じでは、まだその小さなしこりはあったが、その後は触り過ぎもよくないと思い、触らず就寝までに至る。
3/22(本日): 朝、病院へ行く前に確認するも、しこりが見つからなくなる。その近辺には少し大きめのしこりはある。大きなしこりと合体してしまったのか、消失したのかはわからないが、小さいしこりはまったく確認出来なくなる。

始めは吹き出物か何かかと思いましたが、痛みも痒みもありませんでした。隆起時に確認はしていませんが、周りの肌の色との違いもありません。くぼみ等も確認出来ず。少々触りすぎてしまったのか、しこり近辺にやや張る感じの痛みはあります(生理前のせいもあるかも知れませんが)。こんなに短期間に膨らんだり、なくなったりする線維腺腫などや、乳癌のようなものもあるのでしょうか。病院に行ってみようと思ったのですが、あまりに短期間のうちにしこりがなくなってしまい、拍子抜け?した感じで、やっぱり吹き出物か何かだったのではないかと、本日、病院へ行くのもためらってしまいました。(小さなしこりが確認出来ず、説明もしにくかったという理由もありますが。) 以上のことから、どのような症状の可能性があるのか、ご回答を頂けないでしょうか。どうぞ宜しくお願い致します。

拝見していないのではっきりしたことは分かりません。悪性の可能性は低く、生理に伴った症状のように思いますが、ためらっていないで是非一度乳腺外科のある病院を受診なさってください。(文責 片山)

 

No.5097】 06年03月24日    E.N.   
タキソールによる骨髄抑制とG-CSFの利用(HPNo.4464-2)

以前HPNo.4464で質問させていただきました。手術後にCEを4クール実施(H16.10〜H17.1)、その後ウィークリータキソールを現在実施中で、第5回まで終了したところです(ウィークリータキソールは少しでも再発率を下げたいという私の希望で実施しています)。タキソールの実施状況は以下の通りです(体表面積は1.66です)。白血球が低いため2回減量しています。「17.2.6---白血球2400--130mgで実施、 17.2.13--白血球2100--130mgで実施、 17.2.20--白血球1400--実施せず、 17.2.27--白血球2200--120mgで実施(減量)、 17.3.6---白血球1700--120mgで実施、 17.3.13--白血球1400-- 110mgで実施(減量)、 17.3.20--白血球1200--実施せず」

1) タキソールについてですが、毎回白血球が低く、実施できない週も何度かありました。G-CSFを注射してでも毎週タキソールをしたほうがよいのでしょうか?
2) G-CSFは保険が効かないと聞いていますが、1回の注射で値段はおいくらするのでしょうか?
3) G-CSFを注射するとなると、どういうスケジュールでするものなのでしょうか? G-CSFは1回だけで白血球が上がるのか、それとも三日ほど連続して毎日する必要があるのでしょうか?

1) もちろん予定通りに投与できることが理想ではありますが、基本的には休薬・減量にて対処し、G-CSF製剤の予防的投与は行わず、以下のような適応に従って使用するのが原則です。
2) 癌化学療法時の好中球減少の副作用に対して、好中球1000/mm2未満で発熱のある場合、または好中球500/mm2未満であれば保険で投与可能です。薬価が1回12,000−13,600円程度で、その他の薬や検査によって異なりますが、3割負担であれば全体の合計の3割が支払額になります。
3) 1回だけでも上昇する場合もあり、好中球数5000/mm2以上に増加したら中止ということになっています。(文責 片山)

 

No.5096-1】 06年03月24日    KA  
転移の治療について

2年3ヶ月前に手術を受けました。左胸1.8cmの腫瘍で、乳房を温存しました。リンパ節21本中3本に癌細胞があり、放射線治療と抗がん剤を1クール行いました。ホルモンレセプターは陽性だったためノルバデックスとゾラデックスデポでの治療を受けていましたが、術後1年CTで右肺上部に腫瘤が映っていて、その段階では血管が映っている可能性もあるとの事でした。最近の検査で、前は1個だったものが2個映っているので転移と考え、ホルモン療法が効かない為打ち切り、EC療法が始まります。ホルモン療法の効き目が弱かったと言うことでしょうか? EC療法(エピルビシン、エンドキサン)のエピルビシンは検索してもあまり出ていません。前回の時白血球の減少がひどかった為、今回も覚悟していますが不安です。47歳です。

エピルビシンはアドリアマイシンと同じ系列のアントラサイクリン系の抗生物質から派生した抗癌剤です。アントラサイクリン系の抗癌剤は再発乳癌の治療において、補助化学療法に使われていなければファーストチョイスになると思います。やはり骨髄抑制による白血球減少や脱毛等の副作用はありますが個人差もあり、また吐き気などを抑える薬など支援療法剤も充実して来ていますので、是非頑張って治療を受けられてください。(文責 片山)

 

No.5096-2】 08年07月05日    KA  
再発後の治療について

HPNo.5096にて相談させていただきました。肺に転移して治療が変わるときでしたので、頂いた回答はとても励みになりました。ありがとうございました。
飲み薬はノルバデックスからアリミデックスに変わり、点滴もEC療法の後タキソール24週と終わらせることができました。2個あったものが1つは消えて、もう一つは半分の大きさになりました。この治療が終わって1年8ヶ月経っています。この間アリミデックスの服用とCT、腫瘍マーカーの検査を受けています。今回撮ったCTで半年前に撮った時よりも大きくなっているのでアロマシン錠25mgを90日分処方されました。90日後にCTを撮ります。腫瘍マーカーの数値は問題ないと聞いています。アロマシン錠はPCで検索してもあまり出ていません。アリミデックスと似た副作用があると説明は受けているのですが、効能の違いはどのようなものでしょうか? お忙しいところ申し訳ありません。

アロマシンもアリミデックスと同様アロマターゼ阻害剤に分類される薬剤であり、効能も副作用もアリミデックスとほぼ同様とされております。ただ化学構造がアリミデックスと違いステロイドに似ているためステロイド系アロマターゼ阻害剤などとよばれますが、臨床的には他のアロマターゼ阻害剤とあまり差はないとされております。しかしアリミデックスが無効になったのちにもアロマシンが効くケースも認められており、このことより、主治医の先生もアリミデックスからアロマシンに変更されたのだと思います。一方副作用に関しても、ほてりなどの更年期様症状や関節痛などの骨粗しょう症様の症状などが見られることがあることも、アリミデックス同様です。アロマシンで肺の腫瘤が再び縮小してくれることを願っております。(文責 谷)

 

No.5096-3】 12年03月12日    KA  
ゾメタの治療再開時期について

以前5096(2006,3,24)及び8093(2008,7,5)にて相談させていただきました。温存手術から8年2ヶ月が経ちました。その為、経過をお知らせするにも文が長くなる事をお詫びいたします。骨を強くする治療ゾメタの治療再開時期について教えていただきたく、メールいたしました。ホルモン療法を受けていて右肺に転移が認められたのでEC療法をした時点の相談から4年近く経ちます。右肺の腫瘤は2009,6に胸クウ鏡での手術にて取りました。その時点での、他での再発はありませんでした。2010,1 背骨、左骨盤に再発、ゾメタを開始しました。 2011,4 前頭葉に再発し、ドセタキセルも開始しました。その間、歯科治療が必要となり、ゾメタを3ヶ月休み、右下奥2本抜歯しましたが、歯茎の治りが悪く、その後口腔外科に掛かり現在に至っています。「顎骨壊死」と診断され、現在はこれは止まっていますが、「ゾメタを始めると広がる可能性がある。骨転移しているので治療のためゾメタを再開してはどうか?」との口腔外科の先生のお話でした。担当医からは、緩和医療と告げられていますが、「骨折をおこしそうな所は無いが、抗癌剤はゾメタと併用する事によって効きが良くなるかどうか分からない。歯茎の状態も良くなって来ている。歯周病を起こしているので、ゾメタをはじめてよいものか?」とのことです。ジェムザールの点滴をしましたが、初回全身に発疹が出たため、現在ハラヴェンの点滴をしています。なお、点滴治療と口腔外科は別の病院ですが、診察時に聞いたことを伝えています。以上が現在の状態ですが、ゾメタを開始した方が良いのか逡巡しています。治療期間が長く、言葉が足らない部分も多々あると思いますが、宜しくお願い致します。

骨転移があるのでゾメタ点滴を早く再開したいのはやまやまですが、まだ顎骨壊死のリスクはあるように思います。あとはリスクと効果を天秤にかけて、どちらを選択するかの決断だと思います。(文責 石川)

 

No.5095】 06年03月24日    H.M. 
ホルモン療法と抗ガン剤併用について

いつもこの相談室の回答を参考にさせて頂いております。私は今月温存手術をしました。年齢は30歳です。2期の癌でした。術前化学療法でしこり(2センチくらい)はなくなり、現在は放射線治療、ノルバデックスを服用しております。手術結果、リンパ転移なしでしたが、切除した細胞の中に、0.1ミリくらいのガン細胞があったみたいです。今現在、私の体の中には癌はないそうです。そこで、今後再発予防の為もあってか、もう少し抗ガン剤をやったらどうかと言われ、悩んでいます。もしすると、放射線治療、ホルモン療法、抗ガン剤治療と全て重なります。その抗ガン剤がハーセプチンだとすると、私の体には効き目があるのでしょうか? ホルモン療法との併用は効き目が下がったりしないのでしょうか? 宜しくお願いします

ハーセプチンは今のところ日本では保険上は再発乳癌の治療にしか使えません。また組織検査でのハーセプテストが陽性であることが前提となります。そして確かにHER2/neuの過剰発現している症例では、ノルバデックスの効果が低下する可能性があるとされています。(文責 片山)

 

No.5094】 06年03月24日    Y.M
術後の痛みについて

現在33歳の女性で、未婚、出産経験なしです。約2年前に会社の健康診断で、左胸に約1cmのしこりがみつかり、細胞診の結果乳癌であることがわかり、半月後に温存手術を受けました。病理診断では、T期で、リンパ節転移は無し、受容体陽性、切離断端にガン細胞はなしという事です。悪性度もかなり低いため、術後の放射線治療も患者の選択可ということで、やらない選択をしました。ホルモン治療は必須ということで、ゾラ2年、ノルバ5年をする計画でしたが、まもなく2年が経ちます。半年ごとの検診でも再発の傾向も無く、まもなくゾラデックスを終えることが出来そうです。ノルバテックスの服用は続けています。質問ですが、二年経って完全にとはいかないまでも、左胸にも肉が付いてきて、かなり大きさは左右対称になってきましたが、そのせいか未だに傷跡にちくちくした痛みや、左胸全体に圧迫されたような痛みがあります。きちんと検査しているのですが、再発を心配してしまいます。大丈夫でしょうか? また、ゾラデックスを終えて、生理が元通り来るかどうかも心配です。そのまま閉経してしまう人もいると聞きました。そして、現在治療のせいで更年期障害的な症状(特にホットフラッシュがひどい)があるのですが、もし生理が戻っても、ノルバテックス服用の影響でまだ続くのでしょうか? 一度にたくさんの質問をしてすみません。返答よろしくお願いいたします。

ゾラデックスの副作用、月経の回復遅延は0.1-5%くらいとされます。ほてりは30%弱あるとされ、かなり頻度の高い副作用です。ノルバデックスによるほてりは5%未満と頻度は低くなりますが、まだ続く可能性はあると思います。左胸に対する検査(触診、マンモグラフィー、超音波)を定期的に受けられているのだと思いますが、これを継続してください。(文責 片山)

 

No.5093】 06年03月22日    Y.Y
マンモグラム読影所見および結果について

初めてメールします。よろしくお願いします。私は、57歳閉経(昨年)後の主婦です。閉経直前、左乳房から透明の分泌物が少しありました。いまでも、時々左乳房にわずかな痛みがあります。この度健康診断のマンモグラフィによる検査で、左右乳房に微細小円形硬化散在(良性)の報告書をいただきました。しこりは、自己検診でも見当たりませんし、検診時、医師による触診でも「異常なし」です。専門の科を受診したほうがよいのでしょうか。

実際のマンモグラフィーを拝見していないのではっきりとは言えませんが、おそらく微細小円形の散在性の石灰化(?)が見られ、良性との判断だと思われますので、報告書の指示に従っていただければよろしいかと思います。基本的には定期的に検診を受け、月一回の自己検診をして、異常に気がついた場合は検診を待っていないで医療機関を受診するということになると思います。(文責 片山)

 

No.5092】 06年03月22日    M.M. 
乳腺線維腺腫 摘出について

私は今18歳で、1年前くらいに乳腺線維腺腫と診断されました。前回の定期検査で、その前の検査よりも腫瘍が大きくなっていることが分かりました。先生によると3.6cm→4.2cmになっているということで、来月摘出手術をすることに決めました。外来での手術だと聞きましたが、手術の詳細をまだ聞いていないので、詳しく知りたいのと、手術の時に痛みはありますか?(局所麻酔だと聞いたので、無いとは思うのですが・・・。) お忙しいのに申し訳ありませんが、お願いします。

線維腺腫の手術の概略は、まず手術室に入って、上半身を脱衣して手術用のベッドに仰向けになります。手術中は血圧と心電図をモニターしますので、血圧計のカフを腕にまいて心電図のコードを胸につけます。切開する部分を広めに消毒した後で、切開する部分(4.2cmのしこりであれば4cm位の長さ)に局所麻酔をして、麻酔が効いて痛みがないことを確認して(触っている感じはわかります)手術を始めます。手術中は原則として痛みは余りありませんが、神経に直接触った時などは麻酔が効いていても痛むことがあります。痛みがあるときは我慢せずに、執刀している先生もしくは付き添っている看護師さんに伝えてください。痛み止めの麻酔を追加してくれます。手術中は時間の経過が長く感じるかもしれませんが、30分〜45分程度の手術です。手術後は傷を消毒し、ガーゼなどで覆って終わりです。多分先生から切除した標本を見たいかどうか聞かれますので、見ておきたければ先生に言って見せてもらってください。そういうものは絶対に見たくないという方は、その旨を予め先生に伝えておくと良いと思います。最後は痛み止め、化膿止めなどをもらって帰ります。術後の通院などは先生の指示に従ってください。(文責 清水)

 

No.5091-1】 06年03月22日    TT 
肝転移後の治療について

現在48歳(彼女)が約五年前に乳癌を発症、左脇のリンパも切除しました。昨年腰への転移が発覚、抗がん剤で痛み等は治まったのですが・・・。今年1月の検査ではこれといって平行状態だったのですが、3月に入り、肩のこりと右わき腹下に激痛があり、深夜に胸が締め付けられるほどの痛みがありました。3月17日に現在の病院に受診するも肝臓に転移しているとのこと、約3cmあると、また10数個の極小もあり。治療法としては抗がん剤(ハ−セプチン)を用い、薬だけらしいのですが、素人考えですが現に3cmのものがわかっているのなら切除し、その後抗がん剤で抑制等になるのでは?と考えています。肺、心臓には何もなく正常です。血液検査後、腹部エコーで発覚しました。切除なしで抗がん剤だけでいいのでしょうか? また肝臓にサイバーナイフ治療は、今の段階では不可能でしょうか? よろしく解答のほど、お願いします。

乳がん再発で骨と肝臓の転移ということで、かなり厳しい状況だと思います。乳がんの肝臓の転移は原則として手術はしません。その理由は、CTやエコーなどの検査でわかるものが十数個あるというということは、見えない大きさのものがまだたくさんあるので、手術をしてもすぐにまたそのほかの転移巣が増大してきて、やがて肝臓全部を取らなければならなくなってしまいます。もうひとつは、今回、骨の転移の後しばらくして肝臓に現れたように、今後どこに現れてくるかわかりません。まだ見えないところに潜んでいるがん細胞を叩くには、現在見えている病巣を小さくできる薬を全身に使うことが一番です。ですから、病巣を切除することを考えるより、その病巣を治療の目安としておいて、その病巣を小さくできる薬を見つけてその治療をすることが、ひいては他の臓器の転移に対する治療に結びつくと考えるのです。ただし、その病巣が原因で痛みや出血等が起きていたり予想されるときは、その病巣のみを外科的な方法や放射線などを利用して治療(サイバーナイフ、ラジオ波、TAE等)することもあります。ハーセプチンが使えるということは運が良いと思います。今までの経過はわかりませんが、ハーセプチンと抗がん剤をうまく組み合わせて肝臓の転移が小さくなる治療を見つけてもらってください。(文責 清水)

 

No.5091-2】 06年03月25日    TT 
肝臓転移への漢方治療について

HPNo.5091で相談したものです。分かり易い解説、ありがとうございました。現在一番最初に乳癌の手術をした病院に検体ブロックの貸し出しを依頼しています。内臓器官だけにサプリメント等はどうかと思うのですが、漢方の中に田七人参というものがありました。成分にゲルマニウムがあり、強力な脱水素能力があって癌細胞を酸化させ活動を停止させる効果があるとありました。現在の一般生活上、飲用しても問題ないでしょうか?

飲用しても問題ないと考えますが、効能効果や逆に服用したことによる病気への影響・副作用についてはよく分かっていないと思います。(文責 片山)

 

No.5091-3】 06年03月25日    TT 
ティーエスワンについて

HPNo.5091で相談させていただいた者です。本日病院での診察結果+1で、ハーセプチン使用は不可能でした。今後の処方としてティーエスワン25が出されました。ネツトなどでも調べましたが、いまいちピンときません。どのようなものでしょうか?また漢方などで田七人参等は併用可能でしょうか?ご回答宜しくお願いします。

ティーエスワンは代謝拮抗薬系の抗癌剤であるテガフールと、これを分解する酵素を阻害することによって抗癌剤を高濃度維持して抗腫瘍効果を高め、また消化管での副作用を少なくする成分も配合された薬です。今のところ対象はアントラサイクリン系およびタキサン系の抗癌剤を含む抗癌剤治療後の増悪または再発例ということになっており、4週間服用し2週間休薬するというスケジュールで投与します。手術不能または再発乳癌を対象とした臨床試験の成績は奏功率21.8%であったとのことです。田七人参などの漢方の併用は問題ないと考えますが、定かではありません。(文責 片山)

 

No.5091-4】 06年04月02日    TT 
膵臓の痛み

HPNo.5109で相談したものです。昨日ティーエスワン飲用から5日目ですが、膵臓あたりが急激に痛みだし、横にもなれなく、油汗が出たようです。肝臓転移から膵臓への転移も急激に進行する場合がありますか?骨転移から肝臓転移に移り、色々悩み考えてしまっての胃炎等とも考えられるでしょうか? 早期に医師に相談したほうがいいでしょうか?

膵臓への転移はあまりみられないですが、薬の副作用などの可能性も否定はできませんので、おっしゃるよう早めに医師に御相談下さい。(文責 加藤)

 

No.5090】 06年03月21日    M
乳がんの種類、状態の診断

1週間ほど前「検査の結果乳がんです。早期の癌と思われるので、しこりの周辺2センチを切除する乳房温存術で手術します。」と言われ、来月手術を予定しています。告知されてはじめて乳がんについて調べ始め、このサイトを見つけました。手術説明書には「術中迅速診断で全部切除の可能性は5%。転移を調べるためリンパ節郭清。術後は放射線治療、抗がん剤又はホルモン剤治療」とあり、一般的な方法と理解(?)しましたが、自分の癌の状態については、しこりの大きさが5mm位ということぐらいでよく分かっていません。癌の種類(浸潤がんとか非浸潤がんとか)、状態(ステージ、転移等)は、いつ判明するのでしょうか。術後にわかることなのでしょうか。また、術前、術中(センチネルリンパ節生検など)にいろいろな検査方法や手術方法があるようですが、癌の状態や医療機関によって異なるのでしょうか。しこりの生検の病理データをもらい、セカンドオピニオンを受けることはいかがでしょうか。主治医に手術前にもう一度お話を伺おうかと思いましたが、相談室を見つけましたのでご相談申し上げます。知識もなく、説明の時は気も動転していて、「癌だから手術する」ことは当然だと思っていたくらいでした。

診断は生検(組織検査)でつけられたのでしょうか? そうであれば少なくともとった部分に関しては浸潤癌か非浸潤癌かの判定はつけられると思います。(穿刺吸引)細胞診での診断ですと、そこまでは判明していないと考えます。ステージはセンチネルリンパ節生検などによって検索するリンパ節転移状況をふまえて術後に判明します。また術中迅速診断で術式をその場で全切除に変更するのではなく、最終的に全割の病理標本の検索を行って再度検討することも多いと思いますので、主治医の先生と手術前にもう一度よく相談して治療法を決められることをお勧めします。(文責 片山)

 

No.5089】 06年03月21日    Y.K. 
乳頭から茶色の分泌物

37歳、未婚、出産経験なしの女性です。最近、寝ているときに着ていた服の左胸あたりに茶色っぽいシミがついていることがありました。何か汚れがついたのかと思っていたのですが、たまたま昼間にうたた寝をした後、服が汚れていることに気付き、左の乳首あたりを押したりつまんだりしてみたところ、茶色っぽい分泌物がでてきました。古い血液と体液が混じっている感じの色で、右からは同じようにしても何も出てきません。ちょうど半月ほど前に会社で乳房の超音波検査をうけ、右は線維腺腫があると言われたのですが、左については特に所見はありませんでした(昨年は両方に乳腺のう胞との所見がありました)。やはり、病院で検査を受けた方がいいのでしょうか? また、どんな病気の可能性がありますか? ご回答いただければ幸いです。

乳頭からの分泌物がある場合、それに対して細胞診検査や分泌物中の腫瘍マーカー(CEA)の検査などができますので、病院での検査をお勧めします。血性の分泌物の場合、もちろん乳癌の一症状のこともありますが、乳管内乳頭腫という良性の腫瘍や乳管拡張症による症状であることが多いと考えます。(文責 片山)

 

No.5088】 06年03月21日    B  
人間ドックの結果について

昨年のドックの触診でしこりが有り、マンモと超音波を受けましたが、異常なしと言われました。しかし今年のドックでマンモを受けたところ、微細な石灰化の集積を伴った半球状等濃度陰影と診断されました。これは乳がんと言うことでしょうか。又検査を受ける時期と生理とは関係がありますか? 42歳既婚、子供2人。

実際に画像を拝見していないので分かりませんが、少なくとも更に精密検査を受けなければいけないけれども、イコール乳癌ということではありません。今回検査で得られた所見と、検査を受けられた時期との関係は無いと思いますが、検診(特に触診)を受けられる時期は生理が始まって終る直前から直後くらいが望ましいと考えます。(文責 片山)

 

No.5087】 06年03月21日    S 
豊胸術後の乳房のしこり

28歳女性です。脂肪注入による豊胸手術を受けたのですが、乳がん検診の時にしこりと間違われないか、とても不安になってしまいました。手術した医師によれば、「画像を見ると乳がんのしこりとは明らかに違い、区別ができる」「疑わしき場合には再検診になり、実際に乳がんで悪性ならば、脂肪の石灰化やしこりとは区別でき、必ず発見できる」と言われたのですが、本当でしょうか。お教えください。

豊胸術後の乳房に対する検診では、それを受けていない方と比較して、豊胸術のやり方や乳腺の量などの個人差はあるものの、本来無いものが挿入されているのですから、一般的にはしこり自体が分かりにくくなることは事実だと思います。私自身の最近の経験では、脂肪注入による豊胸術後の方で、注入された脂肪組織が萎縮してそれがしこり様に触れましたが、逆にその原因が分かっているために鑑別がついた方がいらっしゃいました。(文責 片山)

 

No.5086】 06年03月20日    YM
妊娠について

いつも、この相談室の的確な先生方の回答を参考にさせていただいています。私は2002年3月に左乳房温存手術をいたしました。リンパ転移3、ホルモン感受性有り、ノル
バ服用5年、ゾラデックス2年終了。年齢は43歳です。今はまだ不定期ですが、生理がゾラ終了後1年して始まりました。私は子供がおらず、どうしても出産したいというのが
希望でした。しかし今からの年齢では不妊治療も必要でしょう。不妊治療をするとなると排卵誘発剤など病気に良くない治療をする事になると思います。そこで伺いたいので
すが、
1) リンパ転移があっても妊娠し、出産後の経過のいい例があるのか?
2) そういう学術結果でパーセンテージなどがあるか?
3) やはり不妊治療は乳癌患者には適さないのか?

私の主治医は妊娠に反対していますが、EBMなどはっきりした確認できるものがあるのでしょうか? 宜しくご回答の程、お願いいたします。

乳がんと妊娠の問題はデリケートで難しい問題です。再発のリスクを正確に評価しなければいけないこと、また患者さん及びご家族の人生観が、どのような場合よりも強く影響します。正解はないと思いますので、時間をかけて、主治医、看護師さん、セカンドオピニオン(この相談室が少しでもお力になれたらと思います)、御家族でよく相談して、どちらかの結論をだしてください。
1) 私自身はリンパ節転移のあった方で術後妊娠された方の経験はありません。リンパ節転移のない方では数人いらっしゃいます。その方々も皆さん大変悩んで決断されましたが、幸いなことに、妊娠出産して不幸な転帰をとった方はいらっしゃいません。なかには一大決心をして妊娠に挑戦したが、やはりできなかったという方もいらっしゃいます。
2) 乳がんの手術後に妊娠を希望される例というのは、もともとあまり多くはないのでEvidenceとなるべきデータはあまりありません。私の知る限り、あまり多数例の報告ではありませんが、術後妊娠は乳がんの予後に影響しないという報告があります。つまり、再発する人は妊娠してもしなくても再発するし、再発しない人は妊娠してもしなくても再発しないというデータです。貴女が妊娠を避けて乳がんの再発なく50歳を迎えた時、子供を作らなくてよかったと思うのか、再発しないならあの時妊娠にchallengeすればよかった思うのか、妊娠に挑戦して子供ができ、後で再発した時、子供を作らなければよかったと思うのか、それでも私は子供が欲しかったのだから後悔はしないと思うのか、よく考えてみてください。開き直って、最悪の場合自分は子供の成長を見届けられないかもしれない、それでもどうしても子供が欲しいと考えるならば、その覚悟ができるのであるならばchallengeしてはどうでしょう。
3) 不妊治療そのものがリスクと考えるより、現在のホルモン療法を止めることのリスクと妊娠に伴うリスクが高いと思います。現在の治療は5年が目途だと思いますが、すでに術後4年経過しています。43歳という年齢も微妙ですが、ノルバデックス内服中は妊娠できませんから、それを考えると、ここまできたならノルバデックスの内服を5年間完遂して、そこからのchallengeでは如何でしょう。そうすると、一年遅れることで妊娠の可能性は少し下がるかもしれませんが、ホルモン治療中止のリスクはなくなります。参考になりましたでしょうか?また主治医の先生とよく相談してください。(文責 清水)

 

No.5085】 06年03月20日    SK
治療法ならびに手術について(HPNo.4990-2

以前、HPNo.4990にて回答をいただいたSKです。今回も、遠方に住む母の乳がんについて質問させてください。1回目の抗がん剤(タキソール)投与の際、癌組織を採取して検査をしました。結果、ホルモン療法と抗体療法が効かないタイプとのこと。また、タキソールを週1で3回投与した後、しこりが大きくなった(本人曰く、硬く腫れている)ように感じて受診。超音波検査をし、担当医は「確かにしこりは大きくなっている。タキソールが効いていないのかもしれません。違う抗がん剤(アンスラサイクリン系)に変更するか、それとももう手術しますか?」とおっしゃいました。そこで、以下の質問にお答えいただければ幸いです。ちなみに、母は51歳。更年期障害が出てきた頃で、閉経しそうな状態でした。抗がん剤投与までは、月経が毎月あったり1ヶ月飛んだりと不順。抗がん剤投与し始めてからは、月経なしです。
1) ホルモン療法と抗体療法は、どう違うのでしょうか。(今まで同じだと思っていました)
2) ホルモン療法と抗体療法が効かないタイプの場合、手術前後の治療は、抗がん剤と放射線治療のみになるのでしょうか。(通常は術後にタモキシフェン等を処方されると思うのですが)
3) 放射線治療の効果が出ないということもあるのでしょうか。
4) タキソール投与後、2週間ほどはしこりに変化がなかったのですが、その後大きくなっていました。進行したとみてよいのでしょうか? また、そんなに早くしこりが大きくなる(進行する)ものでしょうか?
5) アンスラサイクリン系の抗がん剤も効かなかった場合、さらに進行・手遅れとなることはないでしょうか。手術と迷っているのですが・・・。(アンスラサイクリン系は3週に1度の投与と言われています)
6) タキソールは3回(3週)投与の時点で「効いていない」と判断されましたが、アンスラサイクリン系は投与後どのくらいで効果を判断できますか。
7) 「次回からの抗がん剤は4つくらい混ぜて投与します」と言われましたが、どのような混合薬が考えられますでしょうか。

長くなってしまい申し訳ありませんが、どうかよろしくお願い致します。

1) ホルモン療法が有効かどうかはER,PRで検査し、抗体療法が有効かどうかはHer2で検査されたのだろうと思います。意味も治療法も全く異なります。
2) その通りで、化学療法が中心になります。タモキシフェンはERもしくはPRが陽性でホルモン療法が有効であると判断された場合に使います。
3) 放射線治療は乳房温存療法を行った場合に温存した乳房内の再発を抑えるために行います。その他では乳房切除した場合で腋窩リンパ節転移が多い場合は放射線治療した方が良いと言われていますが、副作用とのバランスで考えます。放射線治療に全身の再発を抑える力はありませんから、化学療法が中心です。
4) その通りだと思います。
5) 確かにアンスラサイクリンが効かなければその分だけ手遅れになります。しかし、ここで手術をすれば当然術後にアンスラサイクリンを使うことになります。術後に使う場合、アンスラサイクリンが効いているかどうかはわかりません。それならば、多少のリスクがあっても、ここはアンスラサイクリンをchallengeすることをお勧めします。術前に抗がん剤を使うメリットの一つは、薬がその患者さんに有効かどうかがわかることですから。
6) アンスラサイクリンも2クール(3週間x2)位は使わないと有効かどうか判定しづらいです。しかし、1クール(3週間)後に明らかに増大しているようであればその時点で手術に変更になると思います。
7) アンスラサイクリンは通常はCAF,CEFなど3つの薬を混ぜることが多いです。Cはサイクロフォスファミド、Fは5-FUです。(文責 清水)

 

No.5084】 06年03月20日    A 
温存手術でできないものでしょうか?

現在、二度目の乳がん手術を待つ間にいろいろなことを考え、不安に陥っております。お忙しいとは思いますが、疑問に答えをいただければ不安も解消するのではと思い、メールしました。平成13年夏、左乳房にしこりが見つかり、温存手術をしました。大きさは1.8センチ×1.2センチでした。注射針によるクラス3の擬陽性、ステージ1ということでした。手術中の検査では、やはりガンであったということでした。温存手術は、乳房がいくらか小さくなったという程度のあまり大きくとらなかったものでした。術後、放射線治療を受け、その後3年間、「ノルバデックスD 20ミリグラム」を一日一回飲みました。その後定期健診の時にも何事なく過ぎましたが、4年半過ぎたこの前、3月3日の検診の際、今度は右乳房に1.6センチ×0.8センチのしこりがみつかり、注射針による検査の結果、クラス5ということでした。この右乳房のしこりは、実は先回よりもずっと前の平成6年に乳腺炎と診断された場所とほぼ同じか、近い場所でした。今回は、前回の主治医が退職ということで、別の病院の別の医者にみていただいたのですが、「前回よりは大きく切ります。もし、乳腺にの方まで行っていれば、乳房を全摘します。」と言われました。今回のしこりは前回とは別物ですとは言われておりますが、PET診断しますということでした。これは転移の可能性があるということではないのでしょうか。また、なんとか温存手術でとお願いしたいと思うのですが、これは無理なのでしょうか。私自身としてはわがままだとは思いますが、乳房がなくなって惨めな思いで暮らすよりは命がなくなるほうがいいかもなどと時折思ったりもします。4月5日入院の予定です。なんとか3月中にご返事いただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。

現在の乳房温存療法の基準はマンモグラフィーやエコーで癌の広範囲な広がりの所見がなければ 3cm以下の腫瘤径であれば乳房温存療法が可能です。1.6x0.8cmであれば温存療法が十分可能だと思います。PETは便利な検査ですが保険の縛りが多く、いつでも誰でも検査できるという訳ではありません。乳癌の術前だと保険で検査できます。深い意味はないと思いますので、検査しておいて損はないと思います。(文責 清水)

 

No.5083-1】 06年03月20日    N.S
術後の治療について

去年の4月、わきの下のしこりを感じ病院に行き検査をしたところ乳がんと分かりました(乳房1cmのしこりとリンパ節に転移ありでUa)。病院が混んでいて手術が2ヶ月待ちのため、先に術前化学療法AC+Tを半年しました。今年2月に乳房温存手術とリンパ節郭清をしました。乳房のがん細胞は消失していましたが、リンパ節23個のうち1個がん細胞が見つかりました。3月末に担当医と今後の治療を相談するのですが、どのような治療方法がありますか?ホルモン感受性乳がんだと聞いています。

術前化学療法(AC->T)で原発巣は消失したが、腋窩リンパ節には癌が残ってしまったということであれば、術後は内分泌療法が必要だと思います。年齢がわかりませんが、閉経後であればAI(アロマターゼインヒビター;アリミデックス、アロマシン等)5年かTAM(タモキシフェン;ノルバデックス等)2,3 年後AIにswitchというのがお勧めで、閉経前であれば、LH_RH(ゾラデックス、リュープリン)+TAMがお勧めです。(文責 清水)

 

No.5083-2】 06年03月21日    N.S
術後の治療について(2)

先日ご相談させてもらったHPNo.5083のN.Sです。詳しい内容も記載しなかったのに、すぐに回答いただきありがとうございました。私は37歳、既婚、2児の母親です。お忙しいところすみませんが、再度質問をさせて頂きたいのですが、よろしくお願いいたします。
1) 術前化学療法で、ACの2回目で生理が止まりました。前回の回答で術後は内分泌療法が必要とのことでしたが、閉経後と考えていいのですか?
2) 乳房温存手術は、術後放射線治療が必要と本に書いてありましたが、私の場合は不要なのですか?
3) 腋窩リンパ節に癌が残ってしまったということは、全身に転移する可能性もあると考えなくてはならないのですか?

お忙しいところお手数ですが教えてください。

1) 1年間生理が止まっていれば閉経後とも考えられますが、まだお若いので再開する可能性もあるかと思います。血中のE2 Level の測定なども参考になる場合もあります。
2) 残存した乳房側の方に関しては癌の遺残、多中心性発生などの情報がありませんので、基本的には術後照射が必要と考えます。
3) 逆にいうと、腋下リンパ節転移が無くても全身転移する可能性は0ではありません。その可能性を少しでも低くするための全身補助療法だと思います。(文責 片山)

 

No.5083-3】 06年04月14日    N.S
乳首からの出血

前回は、お忙しい中ご回答いただき、ありがとうございます。HPNo.5083です。あの後、放射線(25回)とホルモン治療(タスオミンD錠)を始めました。先日外来で「手術の傷口が固いのでマッサージをしなさい」と言われました。お風呂でマッサージをして乳首をつまむと、どす黒い血が出てきました。その後何日かマッサージをして乳首をつまむと同じように出血します。これは、どういうことが考えられますか? すぐに外来の医師に相談したほうが良いですか? 乳がんの可能性を疑い始めたころ、乳汁、出血が乳首から出ていました。放射線医師は、問題ないんじゃないかと言っていますが、このまま放射線治療を受けても問題はないですか? ご回答のほど、よろしくお願いします。

閉経後でしょうか?そうであれば、アリミデックス、もしくはアロマシンがベストチョイスではないでしょうか?タスオミンだけというのは今後のアリミデックス、アロマシンへのswitchを考えられているのでしょうか?
出血ですが、まず、問題ないでしょう。術後間もないので、手術時の操作により残った古い血液とかが分泌されている可能性があります。あまり続くようであれば、主治医に相談して検査してもらいましょう。(文責 鈴木)

 

No.5082】 06年03月20日    Y
補助療法の選択について

お忙しい時間を割いて相談にのっておられる先生方の姿勢にいつも感動しています。41歳閉経前、浸潤性乳管がん(硬がん)の温存手術後、現在放射線治療中。病理の結果は、M0N0T1(11mm)、リンパ転移0/7、波及度g,f(脂肪浸潤が高度だが乳管内進度は比較的軽度)、ly0, v0, grade2, ER+, PR+, Her2 :1+ です。放射線後の補助療法につき、選択肢が多すぎて困っているので相談させていただきます。どうぞよろしくお願いします。
1) 「Grade2」によってザンクトガレンの中リスクに該当しますが、補助療法選択にあたって、このことをどのように考えるべきでしょうか。進行が早いということなので、転移を防ぐべく化学療法を用いることを検討すべきでしょうか。
2) TAM+LH-RHとCMFでの10年後生存率に有意差はないと言われますが、Adjuvant !Onlineで私の与件を入力してみると、更に両者の併用で数値が上がっています。どのような場合に併用(化→ホ)を検討する必要(ないし価値)があるのでしょうか。
3) ある程度のエビデンスがあり極端に副作用が強すぎないものという条件の場合、先生でしたら、薬剤名や期間を含め、どのような治療が望ましいとお考えでしょうか(標準的治療を行っている臨床系の病院と仮定)。
4) ホルモンのみの場合、従来型のTAM+LH-RHと最近話題のLH-RH + AI、どのような理由で、どちらを(薬剤名含めて)お勧めになりますか。

1) 大変良く勉強されていて感服いたします。おっしゃる通り、ガイドラインで最も幅の広いグループに属しています。もしGradeが1ならば、minimal riskで無治療でもよいのですが、Grade2なので、化学内分泌療法の適応に入ります。しかし、治療を考える上で、ER,PRの陽性の程度がどのくらいかが一つ大事な因子になります。免疫染色法で調べているのであれば、Allred scoreなどを利用して、陽性の程度(定量化した値)が解ると良いと思います。AllredでERもPRも7?8点(8点満点)の強陽性であれば内分泌療法だけでも良いかもしれませんが、さもなければ化学療法を加えることをお勧めします。
2) 先ほどお話ししましたように、ER,PRが強陽性であれば内分泌療法単独でも治療可能ですが、そうでなければ、化学療法を併用することが勧められます。
3) 化学療法としてはAnthracycline系のお薬(アドリアシン、ファルモルビシン等)を用いたAC,FEC等が標準的ですが、Her2が1+ということを考えるとOld but good noughと言われているCMFも、脱毛がないというmeritで有力な候補に挙がってきます。副作用を考慮しなければFEC->LH-RH+TAMがbest regimenでしょうか、脱毛を極端に嫌うなら二番手としてCMF->LH-RH+TAM をお勧めします。もし、ER,PRが強陽性であればLH-RH+TAMのみでも良いと思います。
4) 基本的には41才であれば、LH-RH+TAMだと思います。その理由は、まだLH-RH+AIのevidence(SOFT trial等)がでていないこと、理論的にはLH-RH+AIも可能で、St Gallenのコンセンサスでも括弧付きで推奨されていますが、貴女の病理結果であれば敢えてLH-RH +AIにchallengeしなくとも大丈夫ではないかと思います。2-3年後のTam->AIへのswitchという手もありますし、その頃までにはもう少しこの領域のevidenceが増えていると思いますので、そこでもう一度考えては如何でしょうか。(文責 清水)

 

No.5081-1】 06年03月20日    you
放射線治療の後遺症について

お忙しい中、ご相談致します。患部の周りに直径5センチくらいの楕円形の硬さがあり、注射吸引したところ、20〜30ccくらいの黄色の半透明ものが採れ、生検で、癌はでませんでした。放斜線治療の後遺症で、脂肪の変性とのことでした。1年過ぎても、まだ直径1センチくらいのしこりがあります。このままにしておいて、吸収されるのでしょうか? 吸収されなくても心配ないのでしょうか? また癌に変化しないのでしょうか? 気になります。先生のお考えをお知らせください。よろしくお願い致します。

乳房温存療法でしこりをくりぬいた後に固いしこりができて、心配で針を刺したら水だったというのはよくあることです。傷の治り方にいろいろあって、水がたまって治る場合、固い瘢痕組織になる場合、柔らかく治る場合等です。水がたまって治る方の場合は、吸収されずにそのままのことが多く、水がたくさんたまって痛みが出た時に時々穿刺して水を抜きます。時間と共に吸収される方もいます。まれに、細菌感染を起こして膿んでしまうことがあります。その場合は切開して膿を出します。このように少し厄介ですが、がんの再発を起こしやすいことはありません。しかし、再発の有無を触診で見分けにくいので、定期的なマンモグラフィー、エコー検査は必要です。(文責  清水)

 

No.5081-2】 06年03月22日    you
放射線治療の後遺症について(2)

お忙しい中、お答えいただき有難うございます。お蔭様で、今のところ細菌感染はありません。それから説明不足ですみません、水がたまっているというよりは、ゼリー状の物が出たのですが、今回のお答えに変わりありませんか?

術後の組織の反応によるリンパ液などの貯留と考えられますので、多少個人差があったり、時間と共に内容が少し濃くなってゼリー状になったと考えられ、心配はいらないと思います。定期的な経過観察を続けてもらってください。(文責 片山)

 

No.5080】 06年03月20日    S.K. 
タキソテールによる体液貯留について

よろしくお願いします。術後、リンパ節転移の再発患者です。ハーセプチン+タキソテール(ウィクリー投与)4クールを終えたところです。3クールの終り頃から、両足全体がパンパンに腫れた感じで重く、階段を上るのに足が重たく、息が苦しくて何度も休みながら上る状態です。投与前から5kgほど体重が増えました。胸も痛いし、怖いので今治療を中止しています。涙も一日中流れっぱなしです。治療をやめればむくみはとれていくと言われましたが、毎日まめに歩くくらいで何もしていません。利尿剤など処方してもらったほうが良いですか? 最後の点滴が2月27日だったので、まだ17日しかたっていませんから、このまま様子を見るべきでしょうか? どんどん太ってしまうのではないかと焦ります。むくみの出た患者さんは、どのくらいで解消されていますか? 運動、食事など気を付けることがありますか? また、ハーセプチンは半年しかたっていないので1年と言われていますが、いつごろ再開するべきでしょうか? 現在、腫れたリンパは消えています。

実際に診ていないので何とも言えませんが、タキソテールによるむくみの可能性が高いと思います。タキソテールを中止して利尿剤等の治療が必要ではないかと思います。息が苦しい原因として、胸水や心嚢水が溜まっている可能性はないでしょうか? 胸のレントゲン検査はしていますか? もしそうであれば、タキソテールの副作用の可能性が高いと思います。タキソテールの副作用でのむくみは軽度のものから重篤なものまであり、重篤になると命に関わります。ちなみに、タキソテールの前投薬としてステロイドの飲み薬もしくは注射をしていますか?(文責 清水)

 

No.5079】 06年03月20日    k.k
針での検査について

はじめてメールします。前から気になっていた胸の痛みの原因が知りたく、大学病院の乳腺外科に行き、エコーを受けました。エコーは専門技師が見てくれました。いくつかのしこりが見つかり、その周りにまばらに石灰化?と思われるものが見つかりました。専門技師は、「まばらに石灰化のようなものが見えるから、はっきりわからない。乳腺症かもしれないが・・わからない。」とあいまいな回答でした。先生が後日エコーの結果を見て、悪性の疑いがあれば、来週エコーでみながら針で検査するとのことでした。子供がいる可能性があり、今回はマンモグラフィーはやらないことになりました。針で検査の後、悪性だと周りに飛んだりしてよくないみたいなことが書いてあるのを見て、不安になりました。また、針を刺すことによって、悪性でないのに悪くなったりすることがないか心配です。あとで痛んだり、血が出たりするのでしょうか。いろいろすいません。よろしくお願いします。

一つの提案は、石灰化はマンモグラフィーの方がよくわかりますから、妊娠の可能性が否定できたら一度マンモグラフィーを撮ることをお勧めします。妊娠が確定したら、針による細胞診をお勧めします。 針を刺すことで、広がったり、悪性に変わるという心配はありません。針を刺すので多少の痛みや少しの出血はありますが、通常の採血や注射と同じ程度と考えてください。(文責 清水)

 

No.5078】 06年03月20日    A
一年経って(HPNo.3642-4)

お世話になっております。HPNo.3642で相談した者です。二度目の相談より、自分で分かる範囲では頂戴しましたご回答にありましたような異変が幸いなかったので、予約通り半年待ち、先日一軒目の病院を受診しました。その際、前回(8月)に行ったエコーのレポートを貰いました。次の通りです。★検査結果(「右」乳管拡張:あり、リンパ節腫大:なし、乳腺あばた様エコーパターン、CD領域内に15mm大のlowechoic mass lesion 乳腺症の変化か? 前回同様明らかな腫瘍像はみられず)(「左」乳管拡張:あり、リンパ節腫大:なし、乳腺あばた様エコーパターン、明らかなmass lesionは認められず)★コメント 明らかな腫瘍性病変をみとめない。右乳腺腫瘤(乳瘤 のう胞疑い)経過観察中。今回、ドクターは問診と触診で、「乳腺症だと思います。切るのはやめましょう。乳腺が複雑に入り組んでいるというか・・・。大きくなっていないようです。半年か一年おきに経過観察しましょう。妊娠しても大丈夫。途中でみせてください。」と言われました。二件目の病院と診ている乳房の場所が違うかもしれませんが、どちらのドクターも経過観察とされたので、どちらも大丈夫なのかな、とほっとしました。が、その後、頂いたエコーレポートを読むうちに、色々考えるようになりました。どのように解釈したら宜しいでしょうか。もっと色々検査をお願いするべきでしょうか。最近気がついたのですが、排卵時や生理日近くに乳首に乳かすが少し溜まるのですが、左右で少し違うようです。左は入浴時にこするとよく取れるのですが、右はあまり溜まらず、ニキビのように小さく盛り上がっていることがあります。押すと脂肪のようなものがでます。どうぞ宜しくお願いします。

エコーのレポートを読む限り、現時点では安心してよいと思います。引き続き経過を見てもらってください。乳頭の表面のニキビのような盛り上がりはよく見られることで、心配ありません。(文責 清水)

 

No.5077】 06年03月20日    M
放射線科の受診について

昨年4月にステージTで左乳がんの手術しました。その後5週間に渡る放射線治療。現在はリュ‐プリンを3ヶ月に一度とエコーと血液検査を受けています。ご相談はその時あわせて放射線科も受診せねばならず、丸一日の通院になり、大変苦痛な事です。乳腺外来だけではいけないのでしょうか。放射線科の医師はホットフラッシュがあるかとか、いつも同じ質問です。受診の意味があるのでしょうか。ホットフラッシュはありません。皮膚の状態もしみが増えただけで変化ありません。ご回答よろしくお願いします。

放射線科の先生が診察をするのは、治療後の経過を観察するためです。放射線治療は治療終了後に遅れて副作用がでることもあるので、治療終了後一年くらい経過を見る先生が多いようです。ほとんどの場合貴女のように特に異常がない場合が多いので、診察を自分の主治医にしてもらい、異常があった場合のみ放射線科を受診するようにしている方もいらっしゃいます。(文責 清水)

 

No.5076-1】 06年03月19日    UD
数値から見る乳癌の性格は?

初めてメールいたします。2005年5月、右胸が大きくなったような気がして意識して触ったところ、硬いしこりがあることを認識、そういえば数ヶ月前に何気なく触ったときにもあった事を思い出し、検査を受けました。「マンモには写らなかったので、おそらく良性のしこりでしょう」と言われ、念のため生検してもらったところ癌だったので、6月に部分切除、7月に腋窩リンパ節郭清致しました。「しこりの大きさ-2.5p、ホルモン感受性-マイナス、Her2-3、核異型度-3、硬癌、リンパ節転移-4こ」でした。8月からFECを3週間おきに4回、タキソールを3週間おきに4回する予定でしたが、タキソールは2回で治療を打ち切りました。今年になり切除部分への放射線治療を25回終了したところです。質問は、「1)ホルモン感受性のある癌とない癌の違い 2)上記数値から見える癌の性格について」です。自分の癌の性格を知ることで、これから癌と付き合うための心構えが出来ればと思いますので、よろしくお願い申し上げます。47歳、既婚、出産歴2回です。

乳癌の予後因子には、臨床病理学的因子と生物学的因子がありますが、主治医の先生は、これらを考慮に入れて術後補助療法を決定したのだと思います。それぞれの予後因子については下記の通りですが、疑問点などがありましたら、遠慮なく主治医の先生に伺ってください。病気と前向きに付き合うためにも納得のいく治療を受ける事が大前提です。
1)臨床病理学的予後因子
 1.腋窩リンパ節への転移個数が多いほど、生存曲線が悪くなってきます。
 2.腫瘍径については、2cm以下、2.1〜5cm、5cm以上と分けると、やはり大きいものほど生存曲線が悪くなってきます。
 3.組織学的異型度についても生存曲線に有意差があり、異型度の数が多くなるほど悪くなります。
2)生物学的予後因子
 1.ホルモンレセプターに関しては、ER陽性群が陰性群に比べて、有意に予後が良好です。
 2.HerU蛋白陽性例は、陰性例に比べて、有意に予後が悪い。(文責 須田)

 

No.5076-2】 06年05月05日    UD
今後の治療法は?

5076でお世話になりましたUDです。3月21日に骨シンチと血液検査をしたところ、骨シンチは異常なしだったのですが、血液検査で腫瘍マーカーの数値が、37.2と高くなっておりました。前回1月の検査では正常値だったのですが、5月2日に再度血液検査とCTを行う予定です。乳癌の再発の場合と、他の癌の場合とあると思うのですが、今後の治療は、どのようなものになるのでしょうか? 教えていただければ、心強く思います。

腫瘍マーカーの上昇という事ですが、乳癌転移の多くは、骨・肝・肺です。骨シンチでは異常は認められなかったという事なので、肺又は肝転移の可能性が高いと思われます。乳癌の転移再発に対する薬物療法は、基本的にはホルトパギーらの治療方針が一般に受け入れられています。転移再発が確認されると、転移臓器、転移の程度、ホルモンレセプターの有無、無病期間、年齢、閉経状況等のリスク評価を行ない、更にホルモン感受性あり&生命を脅かす転移がない場合は、一次ホルモン療法から開始、効果判定を3〜6ヶ月で行なって、効果が認められない時は二次ホルモン療法に移ります。同様に効果判定を行って、効果がない場合は、三次ホルモン療法、抗体療法(ハーセプチン)、化学療法と行っていきます。基本的な考え方はこのようになっていますが、ホルモン剤、化学療法剤の選択については、主治医と充分にご相談下さい。(文責 須田)

 

No.5076-3】 06年05月07日    UD
脳腫瘍は、転位?

HPNo.5076でお世話になりましたUDです。4月21日に血液検査をしたところ癌胎児性抗原の数値が、37.2と高くなっておりました。CA15-3、NCC-ST439の数値は共に正常値でした。骨シンチ検査の結果も異常なし、5月2日に再度の血液検査とCTでの検査を受ける予定になっておりましたが、頭痛、ふらつき感、吐き気がひどいので、脳外科にて検査をしていただいたところ、「左小脳の脳幹に近い部分にゴルフボール大の腫瘍があるのが原因と思われるので、サイバ-ナイフで腫瘍を小さくしましょう」と言われています。11日に治療予定なのですが、これは乳癌の転移による腫瘍と考えられるのでしょうか、今回この事で、CT検査および血液検査は延期となっております。医療機関も異なるのですが、11日の治療を受けるということに問題はないのでしょうか、お教え下さい。

今回脳神経外科に受診された際、乳癌の既往のお話をされていれば、脳神経外科の先生は乳癌の転移である可能性を考えになられて、乳腺外科の先生にご連絡をされていると思います。CEA(癌胎児性抗原)が37.2とかなり上昇しており、経過より推測するに脳転移の可能性は十分に考えられると思います。脳転移の場合、抗癌剤やホルモン剤の効果はあまり期待できず、サイバーナイフ等の治療を受けることになると思われますが、いずれにせよ11日の治療をお受けになる前に、必ず乳癌の主治医の先生によくご相談なさってください。(文責 谷)

 

No.5075】 06年03月19日    N.B.
ホルモン治療中の肝機能低下などについて

初めて相談させていただきます。妹(46歳)、未婚、出産経験なし。昨年10月末に右胸全摘手術をしました。浸潤性乳管癌、乳頭線管癌。腫瘍1.1×0.9 (乳管内進展を含めると1.9×1.1×1.1)。ER+ PR+、Her2はスコア1+、neuは−。脈管侵襲 軽度、リンパ節 0/12、タンパク過剰なし。悪性度 2、核異型度 2。スコア判定 1プラスでした。12月よりノルバデックス1錠を飲み始め、今年1月にγGTPが52、3月にはγGTPが84に上っています。以前に肝数値の異常は全くありません。4月末まで経過観察か、そのままノルバデックス1錠を飲み続けております。肝機能低下も心配ですが、医師がノルバデックス以外を勧めないのも不安です。上記、病理検査の結果におきまして、ノルバデックスのみの治療で万全なのでしょうか。また、飲み続けていて肝機能には支障がおこらないのかも心配です。ご意見をお聞かせ頂ければ幸いです。

46歳なので、閉経前だと思われます。リンパ節転移なし、ER(+)、PGR(+)、Grade 2ですので、ザンクトガレンのリコメンデーションではaverage/ハイリスク (2005年では、intermediate risk)となり、ホルモン療法としては、@LH-RHアゴニスト(リューブリン、ゾラテックス) Aタモキシフェン単独 、又は@+Aが推奨されています。術後補助療法は、あくまでも再発予防の為に行うものですから、効果と副作用のバランスを考えながら進めていく事になります。また、肝機能に関しては、定期的に採血し、チェックしながら進めていきますので、あまり心配はないと思います。主治医の先生とご相談しながら、納得のいく治療を受けて下さい。(文責 須田)

 

No.5074】 06年03月19日    P.M. 
分泌物について

37歳、既婚、2児の母親です。本日、主人の職場を通して申し込んだ人間ドックを受けて参りました。乳癌検診もあったのですが、触診とエコーをやりました。結果が出るのは、しばらく先のようです。下の子が今月初めに2歳になったのを機に、それまでぐずった時にあげていたおっぱいもやめ、断乳しました。その後の乳房の手入れとして、母乳を搾り出していたところ、先ほど右の乳房の一箇所から、カフェオレ色の分泌物が出るのを発見して、「乳癌かも・・・」と少し動揺しております。授乳自体はほとんど左側の乳房のみで、右は出が悪かったので手入れをほとんどしていませんでした。右の乳頭は4〜5箇所から乳汁が出るのですが、一箇所を除いてはミルクのような分泌物が出ていました。このような状況ですが、人間ドッグの結果を待たず専門科を受診したほうが良いでしょうか・・・。

断乳後も母乳の分泌があることもありますが、貴女の場合、血性の乳頭分泌(カフェオレ色)と考えられますので、乳癌でない事を確認し不安を取り除く為にも精査が必要です。乳腺外来を受診し、細胞診及び分泌物のマンモテック(分泌液中のCEA)等の検査を受ける事をお勧めいたします。(文責 須田)

 

No.5073】 06年03月17日    R.K.
術後の治療について

いつも拝見しております。お忙しいところお手数ですが教えてください。28歳、未婚、出産なし、2月に温存方法で手術をしました。ホルモンー陽性、her-2 陰性、悪性度1、腫瘍の大きさ1.0x0.8cm 断片陰性。手術中のセンチネルリンパ節検査は陰性でしたが、病理検査結果で1mmほどの腫瘍がありました。主治医は微小転移のため、特に気にすることはないと言ってます。
1) この微小転移はないものと考えていいのですか?
2) この場合のステージは、1または2aのどちらになるのですか?
3) 術後の治療方法として放射線5週間、ホルモン治療2年の注射のみ、または2年注射+5年のホルモン剤の服用のどちらかを選択してくださいと言われれましたが、これは妥当でしょうか? 具体的な薬名は言われませんでしたが、どのような薬が適当でしょうか?

すみませんが教えてください。

1) 一般にセンチネルリンパ節の転移径が2mm以下を微小転移としています。手術後リンパ節の多数の連続切片による詳細な病理検査を行えば、術中迅速診断が陰性であっても術後に潜在性転移陽性となる症例は、理論的には増加する事になります。現時点では、潜在性転移の予後因子としての意義は明らかではなく、術後補助療法の指標とすべきではないと考えられています。このような意味合いで、主治医の先生は、「特に気にする事はない」と言われたのだと思います。
2) Stage Uaという事になります。
3) ホルモン陽性ですので、LH-RHアナログの注射(リューブリン、ゾラテックス)+ 5年間のタモキシフェンの組み合わせが一般的です。主治医と充分にご相談下さい。(文責 須田)

 

No.5072】 06年03月17日    I.K.
炎症性乳癌

よろしくお願いします。昨年、炎症性乳癌と診断され、術前化学療法の後、手術しました。病理結果は、リンパ節転移が消失し(0/17)、胸にはミクロ所見にてE領域の乳管内に1個の腫瘍細胞とリンパ管内に腫瘍細胞が浮遊して残っていました。病変の範囲は1.5cmでした。その他の腫瘍細胞はありませんでした。ly:1+、v:−、ホルモンや悪性度やハーツーは調べられないほど腫瘍細胞が小さかったとのこと。術前化学療法をやる前は、ホルモンはプラス、ハーツーはマイナス、悪性度は2でした。この病理結果で、予後は良好と考えて良いですか?

一般に炎症性乳癌は皮膚の糜爛性発赤・浮腫・硬結を示し、急速に増大する予後不良の乳癌とされています。頻度は浸潤性乳癌の0.5〜5%と言われており、病理学的には真皮リンパ管内に腫瘍塞栓を認めます。化学療法と局所療法等の複合的な治療を行いますが、化学奏効が奏効した症例では、良好な予後と長期生存が報告されています。アンスラサイクリンを使用した多剤併用化学療法により完全奏効が得られた症例、部分奏効が得られた症例、それ以外の症例での5年無病生存率は、70%、35%、27%となっています。貴女の場合、リンパ管内に腫瘍細胞が残っていたとの事ですので、再発に関しても油断は禁物です。ER(+)との事ですので、ホルモン剤の5年間使用等、補助療法をしながらのフォローが必要です。主治医と充分にコンタクトをとり、納得のいく治療を受けて下さい。(文責 須田)

 

No.5071】 06年03月17日    AYA
再発でしょうか?(HPNo.2163-3

HPNo.2501でご相談させていただいた者です。その節はお世話になりました。また気になることがありましたので、ご相談させていただきたくメール致しました。頬杖をついていて何気なしに顎の辺りを触っていたら、奥歯の下辺りにビー玉位のしこりを見つけました。触るとコロコロと動きます。少し時間を置いて再度触ろうと思っても、しこりに触れない事もあります。少し前まで歯痛があったことと関係があるのでしょうか? それとも再発でしょうか? 纏まりのない文面になってしまいましたが、宜しくお願い致します。

顎下腺の腫瘍、リンパ節等が触れているのかもしれません。はっきりした事は診察しないと分かりませんので、耳鼻科を受診して、ご相談下さい。(文責 須田)

 

No.5070】 06年03月17日    Y・S
乳がん検診で言われたこと

最近、市で行っている乳がん検診を受けました。もちろん初めてです。触診で左の上に何かあると言われました。念のためにX線をその場で撮影しました。何でもない人は触診だけで済みます。とてもショックでした。結果がでるまで不安で仕方ありません。先生はたぶん乳腺・・・何とか言っていましたが・・・パニックになって話もろくろく聞けませんでした。特に自覚症状もありません。32歳、子供二人。アドバイス宜しくお願い致します。

我国での乳癌検診は、視触診による検診だけでしたが、平成12年より、当時の厚生省が、40代、50代でマンモグラフィーによる検診を開始し、現在は2つの方法で行われています。貴女の場合32歳ですので、従来の視触診による検診を受けられたのだと思います。この方法では、触診で固いものが触れれば、マンモグラフィー・超音波検査などの精検を行う事になります。貴女が行ったマンモグラフィーでは、腫瘤像や石灰化像があるかどうかをみて、評価する事になります。精検を行って乳癌でない事を確認するという意味合いもありますので、あまり神経質にならず、結果をお待ち下さい。疑問に思うこと、不安に思うことなどは、事前にメモをして、結果説明の時に納得のいくように伺ってください。(文責 須田)

 

No.5069-1】 06年03月17日    S  
乳腺腫瘍摘出手術について

不安の中、このページを発見し、メールさせていただきました。今、更年期のホルモン療法を始めて11ヶ月。療法を始める前にあった乳腺の腫瘍が最近大きくなり、乳腺外科に行ったところ、検査の結果、悪性ではないが大きいので手術で取った方が良いと言われました。ホルモン療法のせいなのかと思い、不安です。更年期の薬は続けても大丈夫でしょうか。また術後はどのくらいで仕事に復帰できるのでしょうか。手術以外の方法はないのでしょうか。不安がいっぱいです。(46才)

女性ホルモン補充療法を行って大きくなる乳腺のしこりは、原則として切除が勧められます。大きくなった原因がホルモン補充療法かどうかは、可能性はありますが、正確なところは不明です。手術が終わって結果が出るまでは、ホルモン療法の薬は休んだほうが良いと思います。腫瘤を切除するだけであれば日帰りか、大事をとっても一泊入院くらいですから、手術が終わって、早ければ翌日から、遅くとも2〜3日もすれば仕事に復帰できると思います。手術がどうしてもいやだということであれば、Core Needle Biopsy(針生検)で代用することも可能ですので、主治医の先生に相談してみてください。(文責 清水)

 

No.5069-2】 06年04月17日    S  
乳腺腫瘍の切除手術について

お世話になります。先日、乳腺の腫瘍細胞診の検査結果が出て、良性の腫瘍と言われましたが、大きさが6.4センチで大きいので、やはり、早期に手術で摘出が必要といわれました。その手術が全身麻酔で入院一週間ぐらいと言われたのですが、このページで色々見ても、手術は部分麻酔が多いようですが、どうしてなのでしょうか? またほおっておくと、やはり問題があるのでしょうか? すいませんが教えてください。

6.4cmというと、大きい腫瘍ですので、外来、日帰りで、しかも局所麻酔となると、お互いにストレスがあるでしょうから、全身麻酔が安心ではないでしょうか?入院は1週間も必要ないかもしれません。良性と診断されたのであれば、早期に手術は必要ないと思いますし、本人が、美容的に心配にならなければ、そのまま放置するという手段もあります。気になるとか、大きくなってきたとかいうのであれば、手術しかありません。(文責 鈴木)

 

No.5068】 06年03月17日    OT 
リンパ、骨への転移について

70歳の母のことでご相談いたします。触診、マンモグラフィで乳頭付近に2センチ強くらいの乳がんがあると診断され、現在検査中です。診察の際、医師がリンパ節を触診し、「リンパ節は腫れてないから大丈夫」と言っておりました。触診でリンパ節に転移しているかどうかまで分かるものなのでしょうか? 術後の顕微鏡などの検査で転移はハッキリするものだと思っていたのですが、触診で顕著な腫れがないというのは何を意味するのでしょうか。転移の程度が低い可能性があると解釈できるのでしょうか? また、本人は時々体のあちこちがチクチクと痛いと申します。骨への転移を心配しているようです。特に右肩付近は一ヶ月以上も痛みが続いているようです。整形外科でとるレントゲンでは「水がたまっている」という診断だったそうです。まさかそのときは乳がんとは思ってもいなかったので、ごく普通の一般的なレントゲン撮影でした。一般的なレントゲン撮影では骨への転移は分からないものなのでしょうか? 現在の病院での検査項目の中には骨シンチは含まれておりません。いずれも今後徐々に分かっていくことだと思うのですが、次の診察日までまだ日があり、不安な気持ちで日々過ごしております。よろしくお願いいたします。

ご指摘のとおり、腋の下のリンパ節転移の有無は顕微鏡検査で最終判断します。しかし、触診だけでも、硬く腫大したリンパ節を触知することで腋の下にリンパ節転移があることを疑うことができる場合があります。ですから、主治医の先生がおっしゃっているのは、“触診でわかる明らかなリンパ節転移はありません。しかし、小さい転移があるかどうか、正確な判断は手術後病理検査をしないとわかりません。”という話を短くお話したのだと思いますし、もっと穿った見方をすれば、癌だといわれてショックを受けているお母さんに、良い情報として腋の下のリンパ節は腫れていないと話して、少しでもshoskをやわらげようとしてくれたのかもしれません。骨シンチは手術前に必ず行わなければいけない検査ではありませんが、症状があるのであれば、主治医の先生にお話して骨シンチを行うことをお勧めします。(文責 清水)

 

No.5067】 06年03月17日    N 
ナベルミンについて

はじめてご相談申し上げます。妹の治療のために、いつも参考にさせていただいております。妹は乳癌で左右両方のリンパをとっており、現在骨・肝臓に転移しています。質問ですが、先日ナベルミンを腕から点滴したところ、静脈炎を起こしてしまいました。そこでこれから鎖骨下に血管ポートを作り、今後ポートから点滴をすることになりました。ナベルミンは静脈炎を起こしやすいと聞きましたが、ポートを使えば静脈炎は起きないでしょうか? また、ナベルミン投与のとき、とにかくすばやく注射で入れて、すぐに多量の生理食塩水で早く点滴を落として流しましたが、やはりポートを使った場合でも同じような注意が必要でしょうか。またはもっと良い方法がありますか? よろしくお願いいたします。

ご指摘のとおり、ナベルビンは点滴した血管に静脈炎を起こしやすいので注意が必要です。きちんとした投与法を行っても静脈炎を起こしたのであれば、中心静脈へポートを入れて投与する方法が勧められます。中心静脈へポートを使って投与すれば、中心静脈は太さも太く血流も多いので、静脈炎を起こす心配はないと言われています。中心静脈にポートを留置することは、ナベルビン投与のためだけでなく、今後の妹さんの様々な点滴治療時にも使えるので、妹さんの治療による負担を軽減させる良い方法だと思います。(文責 清水)

 

No.5066】 06年03月17日    N.M. 
乳頭からの茶色の分泌物

39歳、2児の母親です。昨年10月頃、右乳頭から茶色の分泌物がありました。自分で調べていて、乳頭をつまんでしぼった時に出ました。婦人科を受診しましたが、そのときは出なくて、様子をみてくださいと言われました。その後時々茶色の分泌物があります。どの程度までは大丈夫なのでしょうか。再受診したほうがよいでしょうか。自然に出る事はなく、つまんで絞った時に少量で、同じ1箇所から時々です。他にしこりなどはないようです。白い分泌物は他の箇所からは毎回出ます。

白い分泌物は子供さんが入学するくらいまで続くことは良くあるので心配ありませんが、茶色い分泌物は検査が必要です。茶色い分泌物が続くようであれば、乳腺外科もしくは一般外科への受診を強くお勧めします。最低限マンモグラフィーの検査をしたほうが良いと思いますし、受診時に分泌物があれば、細胞検査もできますし、場合によっては超音波検査も勧められます。(文責 清水)

 

No.5065-1】 06年03月17日    Y.Y
今後の治療について

1月30日、左胸温存手術を致しました(46歳)。現在、放射線治療中です(計25回)。ステージ2a(2,3cm)で、手術中、摘出標本の検査結果もリンパ節の転移は0でしたが、細胞分裂?が2という事で、念には念をと抗がん剤治療(3週間に1回、計4回)を勧められています。副作用など、とても気になります。ホルモン療法では、だめでしょうか? 皆さん検査結果が凄く詳しいのですが、コピーなど先生にしていただけるのでしょうか?

まずは、先生から病理結果のコピーなり、詳しい説明書をもらいましょう。そして、その結果からどのような術後補助療法があるのか、その治療法の効果と副作用について説明を受けることが大切だと思います。ホルモン療法が有効かどうかは、あなたの乳がんのER(エストロゲン レセプター),PR(プロゲステロン レセプター)の状態が陽性であるかどうかで変わってきますし、できたらHer2という検査結果もあると術後補助療法を決める参考になると思います。主治医の先生がホルモン療法でなく抗がん剤を勧めているということはER,PRが陰性なのかもしれません。その場合は腫瘤径が2cm以上だと中リスクですから抗がん剤治療が勧められます。抗がん剤治療を受けるかどうかは、効果と副作用のバランスを考えてあなたが判断しなければなりません。(文責 清水)

 

No.5065-2】 06年03月22日    Y.Y
今後の治療について(2)

HPNo.5065でお世話になりました。昨日、先生より病理検査のメモを頂きましたので、記します。1月30日左胸温存手術、25回放射線治療終了、46歳、浸潤性乳管癌(乳頭腺管癌)、腫瘍径 2,3×2,0×1,0cm、リンパ節転移 −、脈管浸潤 −、ホルモンレセプターER +、PgR +、HER2 -、腫瘍の悪性度 2。 今後どのような薬を使用した治療が適していますでしょうか? 副作用が気になります。

腫瘍径が2cmをわずかに超えており、悪性度が2、ER(+),PgR(+)ですので内分泌療法反応性の Intermediate risk となり、内分泌療法を基本に考えることになると思います。しかし、ER(+),PgR(+)であっても染色細胞の割合が少なかったり(10%未満)、染色強度が弱い場合は内分泌反応性不確実となり、化学療法の併用を原則とすることになります。このあたりを主治医の先生とよくご相談になって治療法を選択されると良いと思います。(文責 片山)

 

No.5065-3】 06年04月04日    Y.Y
今後の治療について(3)

忙しいのに、いつも迅速にお答え下さり、ありがとうございます。前回の診察で、抗がん剤治療の場合、ACかCMFのどちらかを選択するようにとのことでした。どちらが、身体に負担の少ない治療でしょうか? 嘔吐、脱毛など、副作用の違いはどうでしょうか? 脱毛が気になります。データー的にはどうでしょうか?どちらが一般的に使用されているのでしょうか?

ACは3週間に1回投与を計4回(12週)、CMFは4週間に2回投与を計6回(24週)行います。嘔吐、脱毛などの副作用は一般的にACの方が強いです。特に脱毛については、ACではほとんど全部抜けますが、CMFでは抜けても少しであることが多いです。効果はほぼ同等とされていますが、HER2陽性の場合はACのほうがよいとされています。ガイドライン上ではAを含むものが推奨されており、最近ではACを選択する場合が多くなってきています。(文責 加藤)

 

No.5064】 06年03月13日    i-mi
HER2、放射線照射跡などについて

以前相談させてもらいましたi-miです。昨日一年検診を受けて異常なしでしたが、再度病理検査のことを尋ねたところ、ホルモン感受性はプラス、ハーツは調べていないと言われました。
1)非浸潤癌ではハーツ蛋白は調べないのが普通なのでしょうか?
2)放射線照射跡は一生残ると言われました。特に体が温まると四角く赤みが浮かびます。かゆみもあり、このまま治らないものなのでしょうか?
3)乳首直下の切除のため乳首が癒着していますが、それを治すのは陥没手術になるから保険がきかないと言われました。乳癌手術の後遺症のためとは言えないのでしょうか?

素朴な質問で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

非浸潤癌ではHER2の意味はないと言われていて、調べることはできますが、治療の役には立たない様です。もっとひどい方は、体が温まった時でなく常に赤黒くしみのように残る方もいます。その程度であれば治るか、薄くはなると思います。うちの病院の患者さんたちはビタミンCで良くなったと言っていたので、一度試してみて下さい。別に美容外科ではないので、乳腺外科の先生で手術できる場合もありますし、それよりもマッサージや乳頭を毎日引っ張ったりする事で変形が治った方もいますので、患者さん同士で一度、話す機会があれば良いと思います。(文責 石山)

 

No.5063】 06年03月13日    N 
肺転移

肺に転移した時ですが、画像において何か特徴的なものは現れますか? 影の特徴など。

我々は外科医で解答しているので、本当の所は慣れた放射線科医の方がしっかりしたお答をしてくれるとは思います。乳腺外科としては、多発している肺腫瘤で乳癌の患者さんであれば、普通の乳腺外科医は肺転移と診断すると思います。納得が行かない場合は、レントゲンは、どこの病院でも比較的簡単に借りられます。しっかりした放射線科(診断部門)のある病院にセカンドオピニオンとして行かれて下さい。(文責 石山)

 

No.5062】 06年03月13日    A 
乳癌の可能性

初めてメールします。一か月程前からずっと右胸に痒みを感じています。掻きすぎて、かさぶたもできました。触ってみると1センチほどのしこりも見つけてしまい、私は19才ですが、19才でも乳ガンの疑いはあるでしょうか? 不安で仕方がありません。教えていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。

日本で最年少の乳癌は10才代でもありますが、それくらいの方で、おそらくしこりがあっても99%線維腺腫という良性のしこりだと思います。とにかくしこりは乳腺外科でも乳腺科でもよいので、専門の医師に診てもらい、ついでに痒い所も診てもらって下さい。おそらく線維腺腫とそれ以外のかゆみは皮膚科に行って下さいという事になると思います。心配ないので、安心するためにも、恥ずかしいかもしれませんが、ぜひ受診して下さい。(文責 石山)

 

No.5061-1】 06年03月13日    H.M. 
腫瘍マーカー

CEAの数値が4.2まで上がってしまいました。癌以外でも数値が上がる事はあるのでしょうか? もしあるとしたら、どういう場合でしょうか?

CEAの値は検査施設や会社にもよりますが、5以下が正常で、4.2で心配してもしようがないと思いますが。上がるのは乳癌以外では、大腸癌や高齢者、喫煙者、それ以外の悪性腫瘍ですが、それらのデーターは異常値を示したという方々のデーターです。乳癌患者であれば、そんな事を心配されるのであれば、CA15-3の値があがっているかどうか確認してから心配した方が良いと思います。(文責 石山)

 

No.5061-2】 06年03月17日    H.M. 
腫瘍マーカーについて(2)

ありがとうございます。主治医の先生にはCA15-3は正常値なので、胃癌か大腸癌の可能性があるので血液の再検査後、精密検査と言われました。オペ後、胃と大腸はまだ一度も検査をした事がありません。乳癌のケモはあくまでも乳癌の再発や遠隔転移を予防するものであって、他の癌には効果がないと考えてよろしいのでしょうか?

効くものもあれば、効かないものもあります。例えば経口抗がん剤であるTS1は、保険上では胃癌、乳癌に適応があります。また、多剤併用療法では、乳癌、胃癌、大腸癌等、それぞれの癌に対して工夫された組み合わせで抗がん剤が使用されていますので、他の癌に対してはエビデンスがなく、お勧めできません。(文責 須田)

 

No.5060】 06年03月13日    N.N. 
手術後の抗がん剤治療について(HPNo.4850-2)

HPNo.4850にてお世話になりました。不安に思っていた事も丁寧に答えてくださり、とても感謝しております。無事2月16日に左乳房切除、リンパ節郭清し、抗がん剤治療、放射線治療、ホルモン療法をする予定です。病理結果にて、リンパ15個中15個にガン細胞があり、悪性度も3との事でした。抗がん剤はFEC療法を3クール、タキソールを3クールです。この療法は、どのようなケースに使われるのでしょうか? やはり生存率は低いのですか? 再発率は高いと言われました。また、抗がん剤の副作用もきついと主治医に聞き、治療するのが怖いです。今、治療をしないとどうなりますか? 副作用も若い人の方がきついというのは、あるのでしょうか? まさか自分が乳癌治療のフルコースを受けるとは予想しておらず、第二の告知のようなショックを受けました。と同時に自分の状態を正確に把握し、少しでも前向きに治療に臨む為、今回も相談しました。どうぞよろしくお願いします。

この治療は今の世界のエビデンスの治療としては最強の組み合わせです。副作用もそれなりですが、乳がんの治療に慣れた施設であれば危険はないと思います。更にここには記載がないのですが、HER2の状況によっては海外では陽性患者に対してハーセプチン療法も良い成績です。HER2はどうだったか、また再考しても良いかもしれません。(文責 石山)

 

No.5059】 06年03月13日    C.M.
乳癌、小細胞癌について

はじめて相談させていただきます。45歳、既婚、子供はいません。24歳の頃から35、6歳のころまで不妊治療を続けましたが、38歳で早発閉経と診断され、ホルモン剤を服用していました。2年程服用しましたが、あまり変化がありませんでしたので服用を中断しました。それから4年後、H16・12月、44歳で乳癌の告知を受けました。告知を受ける3ヶ月前には、マンモグラフィ検査の結果、異常なしとの結果に安心していました。ところが、乳癌検診3ヶ月後で、3cmの乳癌が発見されました。組織検査の結果、原発小細胞癌と診断され、手術日までにさらに1.5cm大きくなってしまい、温存の予定が全摘出となってしまいました。転移については、2個のリンパ節転移だけでした。あまり症例がないとのことですが、予後について、いろんな情報を知りたいと思います。肺小細胞癌については、いろんな情報がありますが、乳癌の小細胞癌については、なにをどう調べたら良いのか分からなく、相談させていただきました。よろしくお願いします。

乳癌取り扱い規約にもありませんので我々も分りません。まずその診断が正しいのか、もし戴けるのであればその病理診断の根拠となったプレパラートとか病理組織のブロックを借りてきて、しかるべき施設の病理部にもう一度診ていただいたほうが良いような気がします。症例報告でも学会ではあまり聞いた事がありません。もし調べたければ、http://www.healthy.pair.com/ のアメリカの癌の検索サイトがあるので、small cell cancer, breast cancer と入力して検索して下さい。(文責 石山)

 

No.5058】 06年03月12日    S 
非浸潤性乳管癌

毎日拝見させていただいております。42才、既婚、子供は二人(14才、10才)、閉経前です。昨年12月に非浸潤性乳管癌と告知され、2月に広範囲の石灰化がありましたが、医師に無理矢理お願いし、1/4切除、乳房温存療法にて手術しました。病理組織は非浸潤性乳管癌、リンパ節転移なし、HER2 1+、 核異型度 3、ホルモン受容体はどちらも陰性、切除断端陽性。現在、放射線照射をしています。放射線治療が終わると投薬なしで、10年間の検査の予定表を医師よりいただきました。
1) 非浸潤性乳管癌の再発の可能性はどのくらいでしょうか?
2) もし再発した場合、手術をし、当然病理組織を調べていただくと思いますが、ホルモン受容体は変わってくるのでしょうか?
3) 再発が何年間なければ乳房再建できますか?

以上三点です。よろしくお願いします。

非浸潤癌で遠隔転移はほとんどありません。ただし温存術を行って断端陽性の場合は、放射線照射を行っても、乳房内再発のリスクが少しあります。その中から将来遠隔転移に結びつく場合が考えられます。再発時にホルモン感受性が陰性になる事は時に経験しますが、陰性が陽性になる事はないと思います。再建時期に決まりはありません。乳房温存ですので、再建の必要なないと思いますが。(文責 石山)

 

No.5057】 06年03月12日    K.Y. 
骨転移疑におけるPET検査について

いつも拝見させていただいております。私43歳、2004年11月に左乳房全摘手術、術後療法CEF、現在ノルバデックス服用、ゾラデックスのホルモン療法中です。2月初め、左胸に痛みがあったためX線写真を撮りましたが異常は見られず、念のため骨シンチを受けたところ肋骨に集積が見られました。CTでは異常はみられず、PET検査を受けたところ、やはりわずかな集積が見られるとのことでした。1月にスキーで転倒し、左半身を打撲した記憶があります。骨シンチでは骨に炎症などがある場合も集積がみられるとのことですが、PET検査においても骨の炎症が集積として現れることはあるのでしょうか。現在痛みは引いているのですが、骨転移の確立は高いのでしょうか。

PETで骨が陽性に出るかどうか良く知りませんが、炎症でも陽性に出ると言われていて、癌とは限りません。骨シンチでは骨折などが陽性に写ることがあります。(文責 石山)

 

No.5056】 06年03月12日    T 
今後の治療について

お忙しい所、お世話になります。私の妻の事でご相談をお願いします。55歳です。今までの経過は以下の通りです。昨年1月26日に右乳房切除(ステージ2) 、リンパには転移なし。一年間薬と、血液検査を2カ月に一回していました。ところが丁度一年の定期健診の朝、右肩胸側の骨のくぼみの所にしこりを見つけ、その日に切り、検査は悪性でした(ぶどうくらいの1cmくらい) 。その日にC T検査をしましたが、肺の周りに4~5個の針状のものが写っていたようです。先生は3週間に一度の点滴を打つと言われましたが、本人は副作用の中の脱毛が嫌だといいます。それで(ゼロータ錠300)の薬を飲み、血液検査をする。これが今までの経過ですが、今飲んで10日目です。相談ですが、点滴を打たず、薬だけでの治療はどうなのでしょうか? その時の血液検査では、どういう結果が出るのですか? 又点滴はやはり打ったほうがいいのですか? 針状のものとは初期の段階ですか? 脱毛の途中など見るに忍びないと思うのですが・・・。宜しくお願いします。

ゼローダは本来注射の抗がん剤が無効だった方に適応がある薬剤ですので、再発の最初から使ってどれほどの効果があるのかは海外のデータしかなく、おそらく4,50%の有効率と思います。一般的にはアドリアマシン系の点滴の抗がん剤が最初に行われます。針状と言われてもリンパ節なのか、場所は腋窩、鎖骨下か、縦隔なのか、それとも胸膜転移なのか、肺転移なのか、それぞれ意味が違います。主治医にもう一度良くお聞きになったほうが良いと思います。(文責 石山)

 

No.5055-1】 06年03月12日    Y.K. 
細胞診後の痛みについて

検診で乳がんと診断され、来月手術の予定です。先日、細胞診の翌日ですが、ズキンズキンと数分ですが下着をはずしたくなるほどの痛みが出ました。内出血による痛みだと思うのですが、これ自体は心配ないでしょうか。

細胞診で出血することは時にあり、痛みもそのせいと思います。一週間で収まる事が多いですが、続く時は、痛み止めなどを処方していただくと良いかもしれません。(文責 石山)

 

No.5055-2】 06年05月05日    Y.K. 
治療方法について

いつも参考にさせていただいています(前回5055)。治療方法について、ご相談させてください。病理検査の結果、大きさ以外はすべて国際基準でのlowに該当するとのことでした。術前のお話で、私の癌はぱらぱらと広範囲にあるタイプということで2cmを超えていたのですが、転移性は低いけれど温存は難しいということで、全部とりました。術中のリンパ検査は0で郭清はせず、病理結果も(みなさんほど詳細なものではないのですが)、「血管侵襲なし、リンパ節転移なし、異型軽、ホルモン感受性効くタイプ、her2陰性」でした。この結果からホルモン剤を合わせた治療でもよいと言われました。自分としても抗がん剤はできれば使いたくないので、ホルモン剤治療をお願いしようと考えているのですが、大きさの点だけが Intermediate risk に属しているというだけでも、抗がん剤を合わせた方がより効果が期待できるという考えはあるのでしょうか。ホルモン剤は癌細胞が生存しにくい状態にするもので、抗がん剤は癌細胞に直接働きかけるもの、と思っているのですが、この理解は正しいですか。よろしくお願いします。

Intermediate risk グループに対する治療の考え方ですが、St.Gallen の治療方針に従うと、術後薬物療法の選択は、内分泌療法の反応性に基づいて、更に次の3つのグループに分けて考えます。
@ 内分泌反応性のグループは、ホルモン療法単独で治療することが前提となります。
A 内分泌反応性不確実なグループは、原則としてホルモン療法と化学療法を併用する事になります。
B 内分泌非反応性のグループは、化学療法を行います。

貴女の場合は、「ホルモン感受性効くタイプ」との事ですので、前記@のグループに属し、ホルモン療法単独での治療が前提となります。このグループに化学療法を併用するかどうかの具体的な基準は、St.Gallen の治療方針には明記されておりませんが、再発の相対的なリスク、年齢、忍容性(毒性)、社会経済的な問題、患者さんの希望を考慮して決める事になります。リンパ節転移が陰性であっても、腫瘍グレードが高い、或いはリスク因子が多数あってホルモン療法単独では充分な効果が期待できないと思われる場合は化学療法の併用となります。貴女の場合は、病理学的腫瘍径が2cm以上であるという以外はリスク因子がないので、ホルモン療法単独でも充分な効果が期待できると思いますが、あくまでも決定するのは患者さん自身ですから、不安点、疑問点を主治医の先生とご相談の上、納得のいく選択をしてください。
ホルモン依存性乳癌は、エストロゲン(女性ホルモン)が乳癌の増殖・進展に重要な役目を果たしています。ホルモン剤は、「癌細胞が生存しにくい状態」という事ではなく、「乳癌があっても、それ以上に増殖・進展し続ける事をブロックして、大きくならないようにする」という事です。(文責 須田)

 

No.5054】 06年03月12日    R.M.
マンモトーム生検時に業者が立ち会うものでしょうか?

いつも大変お世話になっております。この度、マンモトーム生検を受けることになりましたが、【業者の都合】で検査日が変更となりました。検査の際、業者が器具を取り扱うのでしょうか。外科医師、看護師以外の人間が検査室内に入ることになると思うのですが、そういうものなのでしょうか。お忙しいところ申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願い致します。

マンモトームの器械を新たに導入する場合、器械の使用法をアドバイスしてもらうために、業者が立ち会う事があります。操作は医師が行うはずです。(文責 石山)

 

No.5053】 06年03月12日    N.N. 
摘出生検後のセンチネル生検について

初めてご相談します。48歳、既婚、子供1人です。以前からあった右乳房のシコリを昨年4月に乳腺専門医に診ていただきました。マンモ、エコー、細胞診を受けましたが、細胞診では良性で重度の乳腺症と出ました。しかしエコーの診断では悪性の可能性が高いので、はっきりさせるため摘出生検を受けました。結果はやはり悪性で、摘出生検から約2週間後に温存手術とセンチネルリンパ節生検を受けました。手術前の説明で摘出生検でシコリがなくてもセンチネルできるのか質問しましたが、「乳腺のリンパの流れはすべて乳首に集まり、同じリンパ節(センチネル)に流れるので、シコリがなくても問題なく、精度は90〜95%程度」と聞いていました。病理結果は1.6cmの浸潤性硬癌、ER+、Pgr+、HER2 0、リンパ管+、血管−、悪性度1、断端−、センチネル−(リンパ節郭清せず)でした。放射線50グレイ照射を受け、現在ホルモン療法中(ノルバデックス5年、ゾラデックス2年の予定)です。手術後も順調に回復し、仕事や趣味のスポーツなど充実した生活を送っております。
ところが先日ネットのあるサイトで、「摘出生検後のセンチネル生検は勧められない。摘出生検でリンパの流れが大きく変わり、センチネル生検をする意味が無い程精度が下がる」と書かれていました。たいへん驚いています。そこでお聞きしたいのですが
1) 摘出生検後のセンチネル生検は、どの程度の精度と考えたらよいのでしょうか?
2) 精度が低い場合でも、このままリンパ節の郭清はするつもりがないのですが、その場合現在のホルモン療法のみで適切な治療でしょうか?

長々と書きましたが、よろしくお願いいたします。

確かにそう言われていますし、センチネル自体が新しい治療なので、十分そのリスクは聞いた上での術式選択と思いますが違うのでしょうか? 理論上は、腫瘤の部位によってはセンチネルが可能という場合も考えられますし、根本的に内胸リンパ節の問題が解決されていませんので、色素法やRI法など、まだわからないことがたくさんあります。主治医に聞いてみて下さい。(文責 石山)

 

No.5052】 06年03月12日    Y.Y
術後の化学療法について

たびたび参考にさせていただいてます。三ヶ月前に温存手術を受け、病理が3.5×1.5、リンパ転移無し、グレード3、ERー PgR+(30%)、HER2陰性で、シコリが大きかったのとグレード3で、化学療法CE×4回を薦められました。先日終了して、来週から放射線25回+追加ブースト5回の予定です。調べるうちに化学療法でもCMFやCAFやタキソールなど色々ありますが、CEでよかったのか心配になっています。CEは新薬とききますが、効果の違いや私の場合CEでよかったのか? 追加でタキソール系もしたほうがいいのか? アドバイスお願いします。後、ホルモンレセプターが弱いのですが、主治医からはタモキシフェン(5年)+リュ―プリンを薦められています。この選択でいいのでしょうか? 放射線とホルモン療法は併用するのが一般なのでしょうか? 色々すいません。宜しくおねがいします。

タキサンを今後投与するAC-T、EC-Tなどの方が再発率は更に下がると言われていますが、n0であればそれほどの差はでないと考えられ、現在の治療が良いと思いますが。ホルモン剤は投与した方が良いと思いますし、放射線と併用しても問題はありません。(文責 石山)

 

No.5051】 06年03月12日    N.O
ホルモン剤について

去年温存手術をし、術後放射線線治療。現在ノルバを服用し始めて4ヶ月です。最初の2ヶ月は何も症状は無かったのですが、ここ2週間、頭痛、倦怠感、関節痛、めまいに苦しんでいます。特に肩こりがひどく、その為吐き気がしばしばあります。主治医は、骨密度を上げる為の薬を処方し、様子を見ましょうとの事でした。この薬名はベネットです。毎日服用する事への不安がございます。他のホルモン剤にかえても、同じような症状がでるのでしょうか? 5年間、ひたすら我慢するしかないのでしょうか?アドバイス宜しくお願い致します。

SERMS という部類のホルモン剤はフェアストンなどが他にありますが、いずれも閉経後の乳癌が対象です。また閉経後であれば、アロマターゼ阻害剤に属するホルモン剤もあります。(文責 石山)

 

No.5050】 06年03月12日    A・K
非浸潤ガンの手術について(HPNo.3959-3)

3959で相談したA・Kです。一年以上さまざまな検査をして、三週間ほど前に、乳腺腺葉切除をし、非浸潤ガンと判明しました。手術は今月中にする予定です。手術の詳しい話は14日に説明されることになっていますが、今の段階で説明されたことについて、相談したいことがありメールしました。主治医の先生は、乳房切除(胸筋温存乳房切除術)をすすめています。かなり広範囲に砂をちりばめたようにガンがあるためです。しかし、乳房扇状部分切除で放射線・ホルモン治療も可能だが・・・と言っていました。再建術も、同時にしても、2〜3年してからでも、どちらでもいいとのこと。それぞれ個人差はあるとは思いますが、体に負担を最小限に抑えられるとしたら、どう自分で判断したらよいか不安です。それぞれの長所、短所は本にいろいろ書いてありますが、実際どうなのでしょうか。

画像や手術所見がない状態で判断は難しいので、詳しくは分りませんが、温存術を施行した場合、取り残しが出ることを心配して胸筋温存乳房切除を勧めている様に思います。多少の取り残しは、術後放射線照射で治せる可能性がありますので、どちらでもかまわないと言うことでしょう。ただし温存術後の乳房内再発のリスクファクターはやはり取り残しなので、100%安全とは言えません。(文責 石山)

 

No.5049】 06年03月12日    C 
両乳腺陰影増強

28歳独身。健康診断でマンモグラフィー検査の結果、両乳腺陰影増強と書かれていました。判定はCで軽度の異常。診断に年一度のマンモグラフィーとかいてありました。これは癌になりやすいのでしょうか?

28歳なら高濃度に写りますので、癌になっているとか、なりやすいと言うわけではありません。ただしマンモグラフィーは40歳以上の検診にしか有効性がないというデータもあり、毎月一回の自己触診と、必要があれば超音波の検査も有効です。(文責 石山)

 

No.5048】 06年03月12日    T.Y
乳腺線維腺腫の切除について

31歳女性、出産歴なし。18歳くらいより乳房にしこりをみつけ病院にいったところ、心配ないとのことでしたので、ずっと放っておきました。以来しこりの大きさは自分で気が付くほどの変化は感じていません。先日念のために2回目の検診にいったところ、乳腺線維腺腫と診断され、2センチあるので切除を勧めると担当のお医者様に言われましたが、同時に害のあるものではないので取らなくてもかまわない、自分で決めてくれと伝えられ、どうしたものか判断がつかず迷っています。心情的には手術は避けたい気持ちですが、必要なら手術することもいといません。どちらでもいい、と言われたので迷っています。アドバイスよろしくお願いします。又、今回穿刺吸引細胞診を受けたのですが、その際いままで経験したことのないくらい尋常でない激痛でした。細胞診がこれほどの激痛とは聞いたことがなかったし、普段私は注射は全く平気ですので、これだけ痛みを感じたのは異常なのではないかと心配です。この点についてご意見いただければ幸いです。

線維腺腫に癌を合併する事はほとんどなく、通院が面倒なら手術、時々通院して検査できるなら手術しないと考えれば良いと思います。痛みは部位個人差により、感じ方は様々です。皮膚に痛点と言う場所があり、たまたまそこにあたれば激痛を感じる事もあります。(文責 石山)

 

No.5047】 06年03月11日    Y.H.
術後の検査について

よろしくお願いします。2005年5月23日に左乳腺部分切除術とセンチネルリンパ生検を受けました。現在35歳3ヶ月で、子供が2人います。その際の病理で、種類:adenoid cystic carcinoma、しこりの大きさ:1.5センチ、病期:ステージ1、リンパ節転移:(ー)、ホルモンレセプター:ER(ー) PR(ー)、断端;(ー)、HER2 neu=c-erb-2:発現なし、リンパ管侵襲:0、血管侵襲:0 と診断されました。その後放射線治療のみを受け、1〜3ヶ月ごとに診察、次の診察は術後1年目となります。その際に検査を受けるのですが、医師からは「血液検査 胸部CT 腹部超音波エコー、マンモグラフィー検査でよい」と言われました。左側の首すじが張るような感じはありますが、触診では異常ないと言われます。その他については現在体調も良いのですが、骨シンチやPETなど、ほかの検査は必要ないのでしょうか?よろしくお願いいたします。

adenoid cystic carcinomaという乳がんは聞いた事がないのですが。それ以外の要素で再発リスクはかなり低いですが、年一回ぐらいは骨シンチぐらいはやった方が良いと思いますが、症状が出てから治療しても変わらないというデータもありますので、今の主治医の言われることが妥当かもしれません。(文責 石山)

 

No.5046-1】 06年03月11日    M  
術後治療について

初めて相談させていただきます。43歳既婚・子供2人(11歳・7歳)です。昨年12月中旬、検診にて「乳がんの疑いあり」と診断され、精検・細胞診を受け確定、1月31日に右乳房温存手術を受けました。現在放射線治療(25回)を行い、3月14日に終了する予定です。細胞検査の結果によると「浸潤性乳管癌、硬癌」であり、腫瘍の大きさ2.5x1.5センチ、ステージ2、グレード2、リンパ節転移なし、ホルモン感受性陽性ということでした。今後の治療についてですが、主治医によると、「通常のアメリカでのガイドラインでは年齢・病理の検査結果からすれば、抗癌治療とホルモン療法を行う様になるのですが、あくまでも抗癌治療は予防治療にしかすぎず、行ったからといって再発・転移しないとは限らない。その再発リスクと副作用を考えあわせると、あなたの場合はホルモン療法だけでもいいのではないかと思いますが、どうしましょうかね。」ということでした。私としては、やはり副作用は多少辛くても再発リスクの少ない治療を選択したいと思うのですが、(実際、副作用がどれほど辛いものかは本当にはわかってはいないとは思いますが)抗癌治療とホルモン治療を併用した場合とホルモン療法のみの場合とでは、再発リスクに差はさほどないのでしょうか? 一般的には私程度ですと、どのような治療になるのでしょうか? お忙しいところ申し訳ありませんが、どうかアドバイス、よろしくお願いいたします。

行う抗がん剤によって再発予防効果は違います。昔からやられているCMFという抗がん剤3種の組み合わせは、ホルモン剤2種の組み合わせ(ゾラデックスとタモキシフェン)と同等の効果と言われていますが、抗がん剤には更に強力なものがあるので、再発予防効果は大きくなります。ただそれに伴い副作用は、脱毛、白血球減少、吐き気などがきつくなります。 (文責 石山)

 

No.5046-2】 06年03月12日    M  
術後治療について(2)

早速の回答ありがとうございます。抗癌剤治療につきましては、もし行うのであればEC(AC)療法と聞いています。エビルビシン(もしくはアドリアマイシン) + シクロホスファミドを3週間に一回、4サイクルの予定です。これは、回答されたものとはまた違う抗がん剤と思うのですが、いかがなものなのでしょうか? よろしくお願いいたします。

各施設でやり慣れた抗がん剤の組み合わせがあると思います。それぞれ利点欠点がありますので、今の主治医に良く聞いてください。(文責 石山)

 

No.5045】 06年03月11日    H.M.
乳房Pagetの治療法について

55歳の女性です。右乳頭部に昨年11月にただれができて、出たり消えたりしていました。この度、検査でPagetとの診断を受けました。進行はしていないそうですが、念のためMRIを受けることになっています。進行していないPagetの治療法ですが、「一般には単純切除だが、乳頭部を除去して再建する方法も考えられる」との説明を受けました。Paget自体の頻度が少ないので確たる治療法が定まっていないのかもしれませんが、治療法についてはどのように考えるべきでしょうか。教えて下さい。部分切除の範囲はどのように決まるのでしょうか。医師の主観ですか? またPagetは乳房に出来る腺癌なのでしょうか? しこりはないので、切除範囲を決めるのに腺癌だと範囲を決めかねるように思いますが・・・。お忙しい中、恐縮ですが教えて下さい。

Pagetは乳癌の一種ですが、腺癌とは異なります。実際は乳管に沿って広がる(つまり乳腺内に入りこむ)事が多く、切除範囲を決めるのは困難で、最初から乳房切除を選択すこともあります。術中迅速病理診断で取り残しの有無を見ながらやることは可能です。(文責 石山)

 

No.5044】 06年03月11日    S.S
抗がん剤感受性テスト

抗がん剤感受性テストというのがあることを知りました。抗がん剤は標準療法を希望するつもりです。術後の抗がん剤なので、効果の有無がわかりにくいこと、出来る限り再発を防ぎたいという思いがあるので、受けてみたいと思いましたが、有効性のデータが薄いということまでは知りました。保険適応でないということらしいのですが、金額はいくら位するのでしょうか? また検査結果が出るまでの平均日数など教えて頂ければと思います。また主治医にこのようなテストを希望することは失礼にあたらないのでしょうか? 御教授お願いします。

感受性試験はいくつかありますが、保険が効きませんし、その信頼度も今一つです。一般的な検査ではないと思います。私達の施設でも今はあまり役立たず止めました。金額は最近の相場はちょっとわかりません。数種類の方法があると思いますので、金額はまちまちです。(文責 石山)

 

No.5043】 06年03月11日    I・E
乳頭付近の痛みについて

今年に入った頃から左乳頭付近が痛くて、服が触れているだけで痛いという症状がずっと続いていて不安です。特にしこりや赤みもなく、若干乳頭が腫れている感じがするくらいしか外傷はありません。乳腺外科を紹介されていったのですが、触診だけで乳腺症ということを言われました。しかし、生理が終わってからも痛みは続いており、夜には熱を持ってしまうほどの痛みがあるため、しっぷを貼らないと夜も熟睡できません。明らかに乳腺症とは違う、何か炎症を起こしたような痛みなのですが、やっぱり乳腺症なのでしょうか? 違う病院に行ったほうが良いのでしょうか? よろしくお願いします。

年齢にもよりますが、乳頭の炎症も考えられますが、赤みもないとの事で、乳頭付近という事は乳頭そのものではないのですね。少なくとも年齢によりますがマンモグラフィーとエコーぐらいは受けた方が良いと思います。 (文責 石山)

 

No.5042】 06年03月11日    S
乳がん治療後の妊娠(2)(HPNo.4975-2)

お忙しいところ失礼致します。何度も申し訳ありません。再度お尋ねさせて下さい。
1) 生理が戻って欲しいのでタモキシフェンの投与を止めたいと思うのですが、やはり続けるべきでしょうか? 飲み始めは12月13日ですので、3ヶ月くらい飲んだことになります。
2) 同時再建をしたシリコンの形を変えた方がいいと美容整形医が仰っています。乳首をつけるときに取替る予定でいるようですが、この一年のうちに2度も全身麻酔を打ち、これ以上打ちたくないのが正直な気持ちです。麻酔による体へのダメージはありますか?

以上 回答の程、何卒よろしくお願い致します。

1) すべて治療法は患者さんが決める事ですから、ご自分で嫌な事は嫌と言って止めるのは自由です。ただタモキシフェンの再発予防効果が最も発揮されるのが5年間というのが、世界中で知られている事実です。
2) 全身麻酔によるダメージというのはないと思いますが、何を心配してダメージと考えられているのか・・・。(文責 石山)

 

No.5041】 06年03月10日    H.K.
豊胸後の痛みについて

大手美容外科で、乳腺下でテクスチャーというので豊胸して半年たちます。授乳後しぼみ、少しボリュームをと思い、120ccだけ入れました。毎月、左側が生理前2週間ぐらい、ひどい時は3週間ほど、乳頭左から基底部が痛みます。生理が終わって、しばらくすると治まります。原因は何でしょうか?

このホームページは乳癌治療のホームページで、美容外科のことは専門外ですのでお答えできません。施行医に良く相談された方が良いと思います。(文責 石山)

 

No.5040】 06年03月10日    Y.O. 
のう胞内非浸潤ガンについて

初めてご相談させていただきます。63才の母ですが、2年少し前からあった胸のしこりを2月24日に手術で切除しました。毎年検査もしており、手術前にも細胞をとって検査しましたが、良性のものと言われ安心していました。しかし、切除したものを調べたところ、のう胞内非浸潤ガンと診断されました。大きさは2ミリだったと言われました。これから放射線治療のみを5日間×5回、行う予定になっています。再発予防の為と聞いています。のう胞内非浸潤ガンは転移はしないのでしょうか? 他の部分もガンがないかみてもらったほうがいいのでしょうか? 既にガン部分は切除しているし、今から他の病院でみてもらっても、データのみになってしまうので、あまり意味はないでしょうか? よろしくお願い致します。

一般的に転移再発の可能性は非常に低いと言われていますが、統計的には非浸潤癌でも温存した場合は、放射線をかけた方が乳房内再発は少ないというデータがあり、追加の意義があります。遠隔転移についてもゼロとは言えないので検査は定期的にした方が良いと思いますが、それも意味がなく症状が出てから治療しても変わらないというアメリカのデータもあります。良く相談して下さい。(文責 石山)

 

No.5039】 06年03月10日    Y 
乳房のしこり 粉瘤について

先日、胸の谷間にしこりを感じ、乳腺科を受診しました。マンモグラフィーとエコー検査の結果、しこりは、4ミリの粉瘤と診断されました。特に治療する必要はなく、清潔を心がければ、普通の生活をすればいいとの事でしたが、粉瘤というものは、ガン化することはないのでしょうか? また、手術で除去する必要性はないのでしょうか? よろしくお願いいたします。

癌化はしません。感染した場合は切除する事もありますが、基本的には最初は抗生剤投与で治る事が多いと思います。 (文責 石山)

 

No.5038】 06年03月10日    T・T
術後の補助療法の選択について

初めてご相談します。41歳、主婦、既婚、14歳と10歳の子供がいます。今年の1月に左胸全摘出手術を致しました。左胸乳首下に2.7×2.7×1.8mmの不整形な悪性腫瘍、ClassV、リンパ節転移なし、UA期と言われていました。先日3月3日、病理結果が出て硬癌、ホルモン感受性あり(ER+ PgR+)、センチネルリンパ節生検転移なし、リンパ7個サンプリングのうち転移なしでしたが、悪性度グレード3、脈管浸潤ありということで、全身治療を勧められました。リンパ管に浸潤していたため、リンパ節転移なしとは出たが1個ぐらいはあったかもしれないと言われました。中間リスク群ということで、担当医に「ホルモン治療単独でいくか、抗癌剤(CAF)+ホルモン治療でいくか3月15日までに決めてきてください」と言われました。「では抗癌剤をした方が良いのですか?」と聞くと「中間リスク群のその手前は低リスク群だから、そういうわけとも言えない。ホルモンだけでもいいかなあ・・・」と、なんともはっきりしません。どちらが良いか大変悩んでいます。またホルモン治療は、閉経前のためノルバテックスとゾラデックスかリュープリンのどちらかということで、ゾラデックスとリュープリンはどちらが良いのでしょうか? またリュープリンは3ヶ月に1回の注射もできるそうですが、1ヶ月に1回のものと比べてどのようなものでしょうか? ご返事、どうぞよろしくお願い致します。

ホルモン治療は副作用が少ない替わりにCAFほどの再発予防効果はありませんので、年齢的には当院ではCAFをお勧めしています。ゾラデックスとリュープリンはどちらも効果は変わらないと思いますが、落ちついたらリュープリンの3ヶ月製剤は通院回数や医療費の点でメリットも大きいと思います。(文責 石山)

 

No.5037】 06年03月10日    H.M.
肺転移について

肺転移巣のダブリングタイムについて知りたいのです。出来れば未治療の場合のデーターがあれば最良ですが・・・。宜しくお願い致します。

ダブリングタイムに付いては原発巣のものは2ヶ月から6ヶ月、長いものでは数年という事もあると言われていて、ほかの癌に比べてゆっくり発育します。転移巣のダブリングタイムはばらつきが激しく、無治療で転移を見るデータはないので、はっきりとしたデータはないと思います。最近ではダブリングタイムの研究は実際の臨床にあまり役立たず、下火で、最近の発表などなくなりました。参考までに以下のホームページにアクセスし、breast cancer pulmonary metastasis doubling time のキーワードで検索すると、新しいデータが出るかもしれません。 http://www.healthy.pair.com/  (文責 石山)

 

No.5036】 06年03月10日    F 
抗がん剤の投与期間について

抗がん剤治療についてアドバイスがいただきたくメールしました。今年1月下旬にしこりを発見、2月17日に右乳房の温存手術を行い、来週より術後の放射線治療に入ります。主治医より放射線治療後の補助療法として、抗がん剤投与3週間×4クール(約3ヶ月)を考えていると言われましたが、私の腫瘍の病理結果からして、それは適当な期間なのでしょうか。短いに越したことはないのかもしれませんが、ホルモン療法だと5年と聞いていたので、そんな短期間で大丈夫なのかという変な不安が出てきている状態です。また、話をした時点では抗がん剤の名前までは言われていないのですが、もし使用されるとしたらどのようなものが考えられますでしょうか。以下は私の乳がんプロフィールです。癌の種類:浸潤性乳管がん(充実腺管がん)、 ステージ:1期〜2a期の間くらい(告知時は2a期)、 腫瘍の大きさは2センチ×1.8センチ(告知時は2.3センチ×1.9センチ)、 切除断端:陰性、 腋窩リンパ節転移:センチネルリンパ節生検にて陰性(リンパ節の郭清はしてません)、 多臓器転移なし:脳・肝臓・肺・骨(CTで肝臓に嚢胞が見つかったが、あまりに小さいので、1ヵ月後に再度CTで経過を見る)、 ホルモンレセプター:両方陰性、 HER2レセプター:+ひとつ(陰性とほぼ同等だと思ってくださいと言われました)、 組織学的悪性度:グレード3

どんなプロトコールか分らないのではお答えのしようもありません。それぞれのプロトコールで、すべて過去の効果と副作用のデータから投与回数と投与量、期間が決まっていますので不安はないと思います。ホルモンレセプターが陰性ですので、ホルモン療法の治療期間と比べても仕方がないと思います。(文責 石山)

 

No.5035】 06年03月09日    S.A.
乳腺腫でした

神奈川に住んでいます。35歳主婦、6歳の子供がいます。10年ほど前、乳腺腫と診断され、3cmほどでしたので温存方法でくりぬき、脇のリンパ腺も切除しました。放射線治療も、「万が一とのことがあるから受けようね」と言われて、受けました。抗がん剤は飲んでいませんが、どうなんでしょう? ガンでなくても放射線治療はするのでしょうか? 怖くて、今までその先生にも聞けないままでいました。聞いて、ガンでなかったら笑われそうだし、ガンだったら落ち込みそうですし・・・。先日他の事で近所のお医者に行きましたら、「放射線治療を受けたの? ガンだったんじゃないの?」と言われました。主治医の病院では、「もう10年も経ったから再発は無いよ」と言われ、特に一年の大きな検査もなくなりました。今後はどのようにして検査を行えばよいのでしょうか。人間ドックですか? それとも専用の検査があるのでしょうか? 自発的に申し込むか、町の乳癌検査に申し込んだ方が良いのでしょうか? 迷っています。WEBで検索しても、乳癌はヒットするのですが、乳腺腫はヒットしないので、ずっと一人で悩んでいました。けれど、温存法とか放射線治療とか、やったことは同じなので、痛みは一緒なのではと思っていますが・・・。時々、左半身が痛くなって、何も出来なくなる時もあります。腰痛も出ます。それから子供を産んでからは、傷が痛み出す事が出てきて、「自分でいいかげんにしたリハビリがいけなかったのかなぁ・・・。何かいいリハビリ場所はあるのかしら・・・、いまからでも間にあうのかしら?もう、痛みは取れないのかしら?」などと考えることがしばしばです。10年もたって今更ですが、よろしくお願いします。

乳腺腫という病名は存在しませんので、告知がどうだったか、10年も経っていて記憶も定かでない部分もあると思います。受けた治療が間違いなければ、乳がんだったかもしれませんし、実は違ったのか、この内容だけでは分りません。現在の症状も関係があるかも知れませんので、もう一度検査を受けられた方が良いと思います。現在の病院ではっきりしないのであれば、乳腺外科のある病院に行って事情を話して検査を受ける事も出来ると思います。それで大丈夫であれば、自治体の乳癌検診を受けられれば良いと思います。(文責 石山)

 

No.5034】 06年03月09日    Y  
非湿潤性癌の放射線療法について

初めて質問させていただきます。50歳・既婚・子供2人です。検診で、右胸に石灰化(カテゴリー4)を指摘され、乳腺専門外科で生検を受けたところ、非湿潤性小葉癌と非湿潤性乳管癌との混合型と診断され、2月14日に乳房温存手術を受けて、乳房を4分の1切除しました。さて、ご相談したいことは、今後の治療のことで、主治医はホルモン療法のみで放射線療法は予定していないとの事なのですが、色々な乳がんのホームページなどで調べると、ほとんどの場合、乳房温存の時は非湿潤性癌であっても、放射線療法を受けるようにでています。このまま主治医の方針通りホルモン療法のみでいって良いものなのか、それとも、主治医に不安なのでという事を言って、放射線療法を受けるようにしたほうが良いものなのか、とても迷っております。申し訳ありませんが、先生の場合でしたら、どのようにされるか、お教え願えますでしょうか。何卒宜しくお願い致します。

非湿潤でなく非浸潤性乳管癌の事だと思いますが、確かに放射線療法をした方が再発は減らせますが、放射線療法の副作用もあり、50歳の方であれば受けるメリットとデメリットを考えると、どちらでもいい事になります。(文責 石山)

 

No.5033】 06年03月09日    I.E.
12歳の娘について

病院にいったのですが、不安なのでご意見をいただきたく、メールしました。私の娘なのですが、12歳(小学6年生)で、月経は11歳の時に始まり、もう1年以上たちます。他の子より多少成長が早いのか、結構胸も大きいです。「2日ほど前から胸が痛い」と娘から昨夜聞きました。見てみると、乳房の中心(乳輪回り)が直径10cmほど赤く(ピンク程度)なり、腫れていました。ずっとズキズキする痛みがあり、触ると顔を歪めるぐらいに痛いみたいです。触ると硬く、特に上部が硬く、パンパンに腫れていたそうでした。微熱も37.3〜5℃あり、心配なので、早速近くの婦人科に行ってきました。先生の診断は、「『虫刺されの可能性あり』『周期的に月経前なので、その症状かも?』様子を見るしかない」との事でした。炎症反応を調べるというので、採血をして、結果は炎症反応有りとのことでした。結果、「炎症ですね」と言われ、原因も何もわからずじまい・・・。抗生物質と痛み止めの薬をもらい、また4日後に病院です。娘は虫とか刺されていないし、痒みとかもなかったと言います。確かに虫に刺されたあとのようなものもありません。12歳ぐらいの子では、乳腺炎などの心配とかは無いのでしょうか? 様子・経過をみるしかないというのはわかるのですが・・・。どうも虫刺されという診断に納得がいかなく心配で相談しました。他の可能性はないのでしょうか?他の病院をあたった方がいいのでしょうか?それとも経過を見て、4日後にいったほうがいいのでしょうか?長くなり申し訳ございません。よきアドバイスをいただけたらと思います。よろしくお願いします。

乳腺炎であるのは間違いないでしょうが、一般的には抗生剤や消炎剤を投与して経過を見ます。時には切開排膿などの外科的処置も必要になります。乳腺外科に行かれる事をお勧めします。(文責 石山)

 

No.5032】 06年03月08日    A・K
脇の下の痛みについて

只今、妊娠5ヶ月の妊婦です。ここ一週間ぐらい前から右脇下が痛みます。触ると、小さいしこり?のようなものがあります。妊娠によるホルモンの変化からくるものなのか、全く別ものなのか心配です。触って痛いものはリンパ節の炎症とか雑誌には書いてあるのですが・・・。よろしくお願いいたします。

専門医は触診である程度の事が分るので、乳腺外科の受診をお勧めします。リンパ節や粉瘤、副乳など色々の可能性があります。(文責 石山)

 

No.5031】 06年03月08日    A.S
良性のしこり除去について

40歳です。昨日一年ごとに受けている乳房検査を受診してきました。5年ほど前から左内側の下部に4〜5pのしこりがあり、定期的に受けてきたものです。当初、針で刺す細胞検査を行い、良性である事が分かりました。2年ほど半年毎の検査で、その後1年毎の検査となり、そのたび医師からの答えは経過観察でした。すき焼きの煮込んだ時の脂身のようなものなので癌化することはないとの答えも中にはあり、多少なりとも安心はしていましたが、今回は『切った方がいいね』との事でした。切った後の傷跡や、凹み、攣れ等を考えると不安でいっぱいです。医師には、「どうしても切らなくてはいけないものか」とも聞きました。答えは、『不安材料を残しておくよりも、切って本来のあるべき機能にしたほうがよいのでは』との事です。言われてみれば納得もするのですが、傷跡などの事を考えると判断がつきません。どうしたらよいでしょうか。

組織検査は、摘出だけではないので、マンモトームやコアニードルバイオプシーなど摘出以外の方法もあります。傷が気になる方は、それ以外の方法をお聞きになったほうが良いと思います。(文責 石山)

 

No.5030】 06年03月08日    N.S.  
抗がん剤治療について

1月末に乳癌の乳房温存手術を受けました。早期発見だったので腫瘍の大きさも1センチ以下でした。病理検査の結果、リンパ節転移もなく、がんのグレードも1でしたが、ホルモンの感受性がマイナスでした。最初はホルモン治療を予定しましたが、意味がないので放射線治療をした後、抗がん剤治療薬はACより弱いECを使う予定と言うことでした。今、放射線治療をうけています。ホルモン感受性がないという事は、ホルモン感受性があるがんより予後が悪く、中リスクになるということでした。抗がん剤治療を受けるべきか迷っています。主治医は、いろいろ聞くと、わたし次第と言うことでした。再発は10パーセントと言われましたが、10パーセント以下の人には抗がん剤治療を薦めないと書いてある本もあります。また、手術や放射線治療により、今まで休眠状態だったがん細胞が活発になるので、そのときの抗がん剤治療が効果的ともネットにのっていて、放射線治療の後何もしないのも不安です。T期のがんでもホルモン感受性がない場合、抗がん剤治療を受けるのが標準治療なのでしょうか。教えていただけたらと思います。

ザンクトガレン乳がん会議というのがあり、そこでは一応抗がん剤投与が推奨されていますが、患者さんの希望も勿論考えて、無治療という選択肢もあります。おそらく再発率は10%以下ですが、それを高いと思うか低いと思うかの違いと思います。いずれにしても抗がん剤治療で人が死ぬほどの副作用はないので、当院であれば年齢にもよりますが、抗がん剤治療をお勧めしています。(文責 石山)

 

No.5029】 06年03月07日    R.M.
MRIで血性分泌の箇所が同定されました(HPNo.2193-6

HP2193のR.M.でございます。またお願い申し上げます。2月20日、明らかな血性分泌があり、分泌物の細胞診とマンモテックを、また、医師からの指示でMRI検査を受けました。以前からエコーで乳管拡張を指摘されていましたが、今回MRIにより、乳管拡張している箇所が【蜂の巣状】になっているとの事、更にエコー下針生検(でよいのでしょうか?普通の注射針で細胞を採りました)を受け、結果待ちです。今まで勉強してきたつもりでしたが、いざとなるとよくわかりません。
1) まず、乳管拡張について、文字通り乳管が通常より拡がっていると思っていたところ、先生が説明してくださった図では、乳管の上皮の細胞が増殖(蓮根のように)しているように描かれました。乳管の壁(=上皮?)の部分の細胞が増殖しているということでしょうか。図では、2本の平行線を管として描き、下の線(=下側の上皮)の細胞が内側(=上側)に向かって増殖しているように描かれていました。乳管が狭くなるように思えるのですが、【蜂の巣状】とはどういうことですか。
2) 細胞診では、血液のみで、細胞は採れませんでした。針生検の結果が良かったとしても、悪い細胞に注射針があたらなかった場合を考え、更に確定診断をつけたい気持ちがあります。次の診断は乳腺切除となってしまうのでしょうか。乳管造影の確定度はどの程度でしょうか。CT検査というのは、適していますでしょうか。
3) 実姉(乳がん)のことがあります。また、最初の分泌から2年が経過しています。先生は、更なる確定診断の検査をどのようにお考えになりますか。
4) 20才のときに、甲状腺腺腫(検査数値は正常でしたが、だんだん大きくなってきたため、美容上(見た目)の理由により)で手術を受けております。高プロラクチン血症による血性分泌の可能性はありますか。
5) お世話になっている病院では、乳腺内分泌外科となっています。内分泌と乳がんは関係があるのでしょうか。

お忙しいところ沢山の質問で申し訳ございませんが、どうかご教示くださいますようお願い申し上げます。毎日、サイトを拝見しております。

1) ご説明の内容が、申し訳ありませんがよく理解できません。蜂の巣状は拡張した乳管が多数あるということだと思います。
2) 次の診断のための検査は、乳管造影、太い針による生検(core needle biopsy)か、局所麻酔下に行う乳腺部分切除(open biopsy)などがあります。乳管造影でかなりのことがわかります。病変が数mmと小さいことが予想されるので、CT検査は不適と思います。
3) さらなる確定診断の検査は乳管造影、太い針による生検、乳腺部分切除の順に考えます。
4) 高プロラクチン血症による血性分泌の可能性はまずないと考えます。
5) 乳がんもホルモン依存性腫瘍なので、内分泌と関係しており、甲状腺、副腎などと同じく乳腺・内分泌科を標榜して、担当することが多いのです。(文責 石川)

 

No.5028】 06年03月07日    H.L
タキソールの標準回数について

去年11月に告知を受け、現在術前化学治療でFEC4回を終え、タキソール3回目が本日終了です。しこりの大きさ3.5cm、現在は2.5cm、触診確認、グレード3、ホルモンレセプター共に陰性、年齢33歳。治療当初、タキソールは3回投与で1回休みのはずだったのですが、しこりがあまり小さくならない事とFECの時から副作用が全く無かった事で、「休みを取らず続けて投与しましょう」と提案されました。ちなみに海外では休みナシで投与してるからとの事でした。続けて投与する事は標準的な事なのでしょうか? 休まず投与した方がいいのでしょうか? どうぞ宜しくお願い致します。

続けて投与する場合も、休みを入れて投与する場合もあります。どちらが良いか悪いかははっきりしていません。タキソールの3回投与で1回休みのように、休みを入れて投与する場合の方が一般的に行われているように思います。副作用がなければ、続けて投与する方法は短い治療期間で多くの抗がん剤が投与でき、奏功率が高くなる可能性もあると考えます。(文責 石川)

 

No.5027】 06年03月07日    t m
左胸のしこり

37歳、出産歴なし。2年前会社の健康診断でガン検診をした所、マンモで左右石灰化がみられ再受診を言われました。その後病院で、マンモ・エコー・左右MRIの検査をしました。今は6ケ月ごとの通院ですが、MRIの時もそうでしたが、いつも検診に行く度に何やら疑わしきものを発見されます。つい先日も6ヶ月検診で受診した所、左胸のエコーの映像が丸くなく、縦長っぽい感じに映し出されていました。しこりもあると言われ、その部分を押されると痛いのです。その場で細胞診をしたのですが、結果は2週間後なので、毎日気が気じゃありません。通常乳腺症とかのエコー画像は丸っこい形で、ガンと思われるものは形がいびつなのでしょうか? 医師からも「MRIまですれば通常はわかるんだけどね」と言われました。今妊娠を希望し婦人科にも通院しており、乳房検査の数日前から生理を起こす薬を服用しています。元々かなりの生理不順です。順調に生理のある人と不順な人とでも何か違いはありますか? この先仮に妊娠した場合に、何か影響はありますか? 検診時、生理の前だと何か通常とは違う変化がみられますか?

通常乳腺症とかのエコー画像は丸っこい形で、ガンと思われるものは形がいびつなのが一般的です。順調に生理のある人と不順な人とでも、はっきりした違いはないように思います。妊娠した場合でも、あまり影響はないと思います。検診の時、生理の前だと乳腺が腫大して異常がわかりにくい傾向は認められます。(文責 石川)

 

No.5026】 06年03月07日    K 
左胸のくりくりしたしこり

25歳です。1週間ほど前に、急に左胸のくりくりしたしこりに気づき、本日(土曜日)乳腺外来で診察してもらいました。触診の後、エコーと細胞診、マンモグラフィーを行いました。触診とエコー、細胞診は先生が続けて行い、「乳首から下3センチのところに、1センチ程度の腫瘍があります。良性の線維腺腫でしょう」とおっしゃいましたが、マンモグラフィーは別の部屋でレントゲン技師の人が行いました。その場で、マンモグラフィーの画像を先生は見ておらず、「総合的な結果は1ヵ月後にお話します」と言われました。その先生は月に一回、午前中しか外来にいらしておらず、他の日は別の先生だからということもあるのでしょうが、そんなに時間がかかると、心配でなりません。先生が最初におっしゃった、線維腺腫というのを信じて大丈夫でしょうか? 一ヶ月この気持ちを持ち続けるのはつらいです。別のところで調べたほうがいいでしょうか? また、マンモグラフィーと細胞診で注射(?)をしてから、そこのしこりを押さえると痛いのです。何もしなければ痛くは無いのですが・・・。何か炎症でも起こしたのでしょうか? 教えてください。

線維腺腫であること、癌でないということを確診するために、細胞診、マンモグラフィー検査を行っています。だからその結果が出るまで、はっきりとした診断はできません。その結果を待つべきです。別のところで調べてもらっても、二度手間と考えます。細胞診で針を刺しますから、その後少し出血などして腫れたり、炎症を起こして痛みがでることは考えられます。(文責 石川)

 

No.5025-1】 06年03月07日    F.S. 
線維腺腫と妊娠について

初めてメールをさせていただきます。2ヶ月ほど前に右胸に7ミリほどのしこりができ、乳腺外科専門医の開業する病院で触診、エコー、細胞診を受けたところ、クラス3という結果。すぐに県内の大学病院を紹介され、触診、エコー、細胞診、マンモグラフィーを受けた結果はクラス2で、線維腺腫との診断でした。現在は3ヶ月の経過観察中ですが、毎日しこりを触っては不安な気持ちになります。今年で30歳になり、2,3年以内に子供が欲しいと思っていたところだったので、以下2つのことが気になっています。
1) 先月撮ったマンモグラフィーは真っ白で何も映りませんでした。もし妊娠したら検査の手段が制限され、悪化した場合に発見や治療ができるのかが不安です。そのようなことはないのでしょうか。
2) 線維腺腫の状態で授乳をすることはできるのでしょうか。また、乳癌の場合はどうなのでしょうか。

よろしくお願いいたします。  

1) 妊娠したらX線の検査(マンモグラフィー、CT)はできないので、超音波検査や細胞診検査が主になると思います。診断がしにくくなるのは事実ですが、ちゃんと診断も治療もできるはずです。
2) 線維腺腫の状態で授乳をすることはできます。また、乳癌の場合も可能です。(文責 石川)

 

No.5025-2】 06年03月17日    F.S. 
しこりの“二相性”について

以前No.5025で大変お世話になりました。ありがとうございました。ここ2ヶ月ほどで右胸の7ミリのしこりについて2つの病院で検査を受け、乳腺線維腺腫との診断で現在経過観察中です。1回目の触診、エコー、細胞診を受けた結果がクラス3だった理由が「細胞に二相性が見られない」ということでした。そのときに先生は「簡単に言うと良性の特徴が見られないこと」とおっしゃっていたのですが、ショックと緊張のあまり、それ以上質問することもできませんでした。すぐに大学病院を紹介されて再度同じ検査をしたところ、クラス2になりました。二相性というのはどういったものなのでしょうか。細胞診のときの注射針の位置の違いなどによって、見られたり見られなくなったりするものなのでしょうか。また、一度線維腺腫と診断されても、それが覆る可能性は高いのでしょうか。ひと安心はしたものの、やはり心配です。よろしくお願いいたします。

正常な乳腺、又は良性病変の場合、乳管上皮とその外側に筋上皮細胞が存在し、これを細胞が二相性に配列しているといいます。顕微鏡で見て、そのような二相性が認められない時は、何か異常があるのではないかと考えます。細胞診では、組織診(生検)とは異なり少ない細胞で判定するため、結果が覆る事はあり得ます。従って、次の検査は腫瘤を手術的にとって調べる事(生検)になります。主治医と充分コンタクトを取り、納得のいく治療を受けて下さい。(文責 須田)

 

No.5025-3】 06年04月12日    F.S. 
針で刺すような痛みについて

お世話になります。以前No.5025でご相談させていただきました。ありがとうございました。今年2月に乳腺線維腺腫と診断され、5月まで経過観察中です(29歳、出産経験なし)。ここ3日ほどの話ですが、線維腺腫のできた場所(右胸の右上)とは違い、下の方で針で刺すようなチクチクとした痛みが20〜30秒続き、気になっています(何度か触ってみたものの、しこりと呼べる状態のものはわかりませんでした)。痛みは1日に2回ぐらいで我慢できないほどでもないのですが、夜寝る前の横になった状態だったり、自転車をこいでいる最中だったり、次はいつ襲ってくるのか、本当は悪性なのではないかと不安になります。ちょうど生理の1週間程度前(25日目)なので、その影響かもしれませんが、これまでも生理前の痛みはあっても、もっと全体的に押すと痛んだり張ったりするだけで、今回のような痛みは初めてだったこと、前回ご相談したように細胞診で二相性が見られないと言われたこともあり、5月のエコーまで待つべきか悩んでいます。いろいろと調べると、線維腺腫に痛みを伴うことはほとんど無いと書かれていますが、針で刺すような痛みは他にどのような病気の可能性が考えられるのでしょうか? 5月を待たずに早めに受診したほうが良いのでしょうか? ご回答いただきますよう、よろしくお願いいたします。

線維腺腫が痛みを伴うことはあまりないように、乳癌もまた痛みを伴うことはあまりありません。痛みを伴う乳腺のしこりであれば乳腺症が最も多く、その他乳腺炎、モンドールなど続きますが、大部分は原因のわからない痛みが多いようです。心配でしたら5月まで待たずに受診されたほうが良いと思います。(文責 清水)

 

No.5024-1】 06年03月07日    Y.K
術後の治療について

術後のゾラデックス治療についてお尋ねします。1月に左乳房温存手術を受けました。49歳で閉経前です。病理検査の結果、浸潤性小葉癌で、切除断端は陽性、リンパ節、遠隔転移は見られませんでした。ER(+)PgR(+)HER2(−)、病期UAで、治療方針としては、放射線治療を25回+5回、ノルバデックスDの服用を5年、ゾラデックスを2年と言うことでしたが、血液検査の結果ゾラデックスに有効な値が10しかなく、5以下であればゾラデックスが使えないと先生からお話がありました。このままゾラデックスを使い、途中で閉経になった時にはどうなるのでしょうか。なるべく抗がん剤は使いたくないのですが・・・。宜しくお願い致します。

ゾラデックスを使うと普通使用中は月経はなくなります。使用後、月経が戻る人と戻らない人があります。年齢が高いほど月経が戻らず、閉経になる確率が高くなります。(文責 石川)

 

No.5024-2】 06年03月19日    Y.K
術後の治療について(2)

HP5024でお世話になりました。再度、術後の治療についてお尋ねします。私の場合、TNM分類でT2.N0.M0で、中リスクの癌と言われましたが、ゾラデックスが使えない場合、他にどのような治療方法が考えられますか(化学療法、ホルモン療法等)。又、それぞれにどのようなリスクがありますか。

貴女の場合、リンパ節転移(-)で、ER(-)、PGR(-)、腫瘍径2cm以上ですから、ザンクトガレンのリコメンデーションに従うと、ハイリスクグループという事になり、化学療法が推奨されています。現時点ではアンスラサイクリンを含む治療が一般的で、AC、EC、CAF、FAC、CEF等があります。副作用の発現は人によって様々ですが、脱毛・吐気・白血球減少などがあり、効果と副作用のバランスを考えながら治療を勧めていく事になります。詳細については主治医の先生に良く伺って、納得のいく治療を受けて下さい。(文責 須田)

 

No.5023】 06年03月07日    S.M.
胸の痛みと肋骨転移の症状

一昨年の7月に右胸全摘手術を受けました。リンパへの転移はなく、現在ホルモン療法を受けています。ご相談は、一ヶ月前から左胸が痛いことです。痛みが急に始まり、咳をしたり左腕に体重をかけると痛く、お風呂に入ったリ姿勢を伸ばしている時には痛みは軽減されます。痛む場所は左脇下や乳首の下辺りです。2月下旬の腫瘍マーカーは正常でした。肋骨や肺の転移を心配しています。肋骨や肺の転移の場合、どのような症状がでるのでしょうか? よろしくお願いします。

腫瘍マーカーは正常でも、転移している場合があります。肋骨など骨の転移の症状はまず痛みです。痛みの出る前に骨シンチやCT、MRI検査などでわかることがほとんどです。肺の転移の場合は、初期にはほとんど症状はありません。ひどくなると、咳き、血痰、呼吸困難などが出現します。これもX-P、CT検査で容易にわかります。(文責 石川)

 

No.5022】 06年03月07日    km
転移後の抗がん剤治療について(HPNo.4583-2)

HPNo.4583でご相談させていただきましたものです。その節は丁寧なご回答いただき、ありがとうございました。とても参考になりました。結局CTの結果は、温存手術した乳房内にいくつかの再発と肝臓にも数個の転移、それから頭痛が気になって脳も検査したところ、30個近くも転移がありました。ガンマナイフの照射を受け、こちらはMRI検査でかなり少なくなっており、経過は良好とのことです。全身の治療として、前回ご回答にあった通りタキソールを三週続けて一回お休みというクールで受けており、今4クール12回終えたところです。CA15−13が一時300まであがってたのが、3クール終えたところで143になっており、CTでも肝臓の腫瘍はかなり小さくなり、小さいものはなくなってるとのことで、効果は出ているようです。本や患者仲間からの情報では、転移治療の場合抗がん剤がきいてるかぎり、それを続けて耐性がでてきたりして効かなくなったら、また違う抗がん剤なりを使うと思っていたのですが、主治医の話では、再発の抗がん剤治療は12回が一区切りで、休薬して、またCTなどでみて、腫瘍が大きくなったら次の方法を試みるのはどうかと提案されました。しびれや倦怠感などの副作用はあっても、特に大きなものもないし、白血球もそれほど減少もしないので、せっかく効果がでているのに辞めるのは不安な気がします。現在150mlの量を毎週やっているので、少なくして続けるのはと聞いたのですが、減らしてしまうと意味がないと言われました。やはりせっかく効果が出ているし、続けていないと他への転移が心配だと訴えたところ、やっと、「それではもう少しやりましょうか」と言われ、続けることになりました。なんとなく腑におちない気がして、転移したこともあり、この病院に不信感をどうしても感じてしまい、転院したほうがいいのかなと悩んでいます。でも同院の脳外科の医師はとても信頼できるし、ずっとお世話になるつもりなので難しいです。お忙しいところいつも申し訳ありませんが、ご回答、よろしくお願いいたします。

タキソールを4クール12回終えて、とても有効だった場合、抗がん剤がきいてるかぎり、それを続けて耐性がでてきたりして効かなくなるまで使う方針の医師、抗がん剤治療は一区切りで、休薬してまたCTなどでみて腫瘍が大きくなったら次の方法(再度タキソールか、別の薬剤)を試みる医師の2種類いるようです。どちらがよいのかは、わかっていません。主治医が間違っているというわけではないと思います。転院は慎重に考えた方がいいように思います。(文責 石川)

 

No.5021-1】 06年03月07日    Y.S
しこりと腰痛

2003年4月に自分でしこりを発見し、乳腺外科で経過観察中の44歳、既婚、子供ありです。最初の診察ではマンモグラフィー、エコー、触診で、自分で見つけたしこり以外にも左右に沢山のう胞があるらしく、一応良性かなと言うことで、3ヶ月おきのエコーの検査を受けております。一度、先生が怪しいと思われたのか、針でしこりを刺して検査されました時、中が水ではなく、充実?している、悪性っぽいと言われましたが、異常なしでした。その後もエコーを3ヶ月ごとに繰り返しますが、先生は大丈夫、大丈夫と言われています。前回の去年の夏から、もう6ヶ月毎でいいのではとのことで、今次の検査待ちです。そこで気になるのが、2週間前からの腰の痛みです。今まで全く腰痛の経験がないのです。朝方が特に寝返りをうったりすると、結構な痛みでした。4日くらいで随分ましになったのですが、テニスに行ったりすると、またぶり返しまして、どちらかというと寝ている時が痛く、何かで読んだのですが、骨転移は夜間痛とのこと。このサイトでも、しこりが小さくても悪性のときもあるし、転移もあると載っていますので、大変不安になってきました。おまけにいつも28日周期の生理も14日で来たりして不安です。もし次回のエコーでまた異常なしでも、生検をお願いした方がよいのでしょうか? しこりは大きさは変わっていない気がしますが、沢山あるのう胞も調べたわけではないので不安です。長々と申し訳ありません。どうぞご回答、宜しくお願い致します。

骨転移は夜間に限った痛みではありません。きちんと経過観察・検査されているように思いますので、次回のエコーでまた異常なければ、生検の必要はないと考えます。(文責 石川)

 

No.5021-2】 06年03月09日    Y.S
しこりと腰痛(2)

早速お返事ありがとうございます。すみません、もう一つ聞かせて頂きたいのですが、しこりが1.1センチ四方くらいで、ほとんど大きさが2年間も変わらない場合でも転移したりする場合はあるのでしょうか? よく何年も変わらなかったのに、調べてみると悪性だったというお話をお聞きしますので、少し心配です。本当にすみませんが、宜しくお願い致します。

乳癌の悪性度、転移のしやすさは、大きさだけでは判断できない事もあります。(文責 石山)

 

No.5020-1】 06年03月07日    yume
胸の痛みについて

はじめまして。相談に乗っていただきたくメールを書きました。43才女性、既婚、8歳の子供一人。線維腺腫のできやすい体質らしく、この15年ほど両胸に多いときでは7個ほどしこりができたり、なくなったりしています。半年に一度専門医に触診、エコー、マモグラフィーで診察してもらっています。前回は12月末にマモグラフィーをとり、右胸に石灰化が見られるが、2人の専門医により悪性ではないと判断されました(半年後に再度マモグラフィーをとるという手はずになっています)。また11月に触診、エコーをとったときは、やはり右胸に5,6個のかなり大きめなものも含め線維腺腫が発見されましたが、これも問題ないとされました。ところが、この2月半ばから右胸乳頭を中心に水に沁みたと思ったら痒みを感じるようになり、そして最近は電気がぴりっと走るような痛みを感じるようになりました。しこりの部分を触ると痛みもあります。生理前だから張っていると思ったのですが、始まってもあまり変わりません。それも右胸だけです。一度絞ってみると、黄色から緑色の汁が複数箇所からそれなりの量あふれてきましたが、その後はでてきませんし、絞らずに出てくることもありません。しこりは乳頭のほぼ真下、あるいはそのまわりに集中してあります。どういったことが考えられるでしょうか。6ヵ月後の検診を待たずに受診するべきでしょうか。どうぞよろしくお願いします。

乳腺に腫瘍などの疾患がなく正常でも、生理的な乳頭分泌がみられることがあります。病的なものは、搾らなくても、いつも、それも一箇所から分泌物が認められることがほとんどです。このことから考えると病的なものではなさそうに思えます。しかし、しこりがあるということなので、もしやっていなければ、細胞診・針生検を施行しておいた方がいいかも知れません。(文責 石川)

 

No.5020-2】 06年03月09日    yume
胸の痛みについて(2)

回答ありがとうございます。それからずっと見てもらっている外科医を受診したのですが、エコーで見る限り、しこりはすべて液体ののう胞らしいのですが、やはり細胞診・針生検を行ったほうが安全でしょうか。生理が終わって数日すると痛みは軽減したように思いますが、やはり時々チリチリしたものを感じるような気がします。お手数ですが、よろしくお願いします。

のう胞は基本的に良性ですので、エコーで内部に隆起がなければ経過観察で良いと思います。一度は細胞診はやっておいて方が良いかもしれません。(文責 石山)

 

No.5019】 06年03月07日    H.N. 
浸潤性小葉癌と非浸潤癌

多くの質問に対して丁寧にお答えになっているこのサイトの先生方のご努力に深く頭が下がる思いです。さて、家内の乳癌について質問させて頂きたいと思います。
年齢:45歳、浸潤性小葉癌、センチネルリンパ生検(0/1, pN0, i-)、nuclear grade2、ER(2+)、PgR(3+)、HER2(-)、g+ f+ s-、ly0、v0、margin(+)、1x0.8x1.2cm、total 3.7x1x2.1cm、lymphocyte infiltrate(2+)、in situ spread(2+) 断端in situ ca.陽性のため追加手術施行し、margin(close)、nuclear grade1、ly0、v0、g- f- という結果でした。以下お聞きしたいと思います。
1) 追加手術により皮膚側は断端陰性になったようですが、奥の方は筋肉ぎりぎりまで取り、こちらも断端陰性とのことです。しかし、組織的に見ると筋肉側ぎりぎりまで癌細胞が確認されていたようです。この場合、筋肉にまで癌細胞が浸潤してしまうということはないのでしょうか。
2) 上述のように浸潤性小葉癌と非浸潤癌が混合しており、放射線治療後、ホルモン療法の予定です。非浸潤癌部分が乳管内にかなり進展しており、一応追加手術により断端陰性となっていますが、完全に取り切れているのか不安です。ブースト照射とホルモン療法で転移再発率はどの程度の割合になるのでしょうか。
3) いずれもly0ではありますが、lymphocyte infiltrate(2+)はどのように理解すればよろしいのでしょうか。
4) 非浸潤癌部分については乳管に沿って進展していると説明されたのですが、これは非浸潤性乳管癌と理解してよろしいのでしょうか。

以上、よろしくお願いいたします。

1) 組織学的に切除した部位ぎりぎりまで癌細胞が確認されたとすると、その部分に再発が起こらないとは言い切れません。
2) 一般的に、乳管内に非浸潤癌部分の残存が完全に否定できないので、放射線治療、ホルモン療法などを行うわけです。ブースト照射とホルモン療法で再発率がかなり低くなることが予想されます。詳しくは(数字的なことなど)担当医にお聞きください。
3) lymphocyte infiltrate(2+)は、リンパ球が腫瘍の周囲に比較的多いということで、予後が良いという所見のひとつに考えられています。
4) 浸潤性小葉癌の部分もあるとのことなので、一部でも浸潤があれば非浸潤性乳管癌とはいえません。(文責 石川)

 

No.5018】 06年03月07日    S・H
77才になる母の卵大のしこりについて(3)(HPNo.4959-3)

ご回答頂き、ありがとうございました。とても心強く参考にさせていただいています。その後引き続き検査を続けましたところ、本当におかげさまで、腰椎を含め転移なしとの結果が出ました。卵大にしてはかなり幸運なんでしょうかね・・・。3月10日にホルモン剤で癌を小さくできるかの検査があり、20日に入院、28日に温存療法で癌と一部のリンパを取る手術が決まったそうです。ただし「呼び込みリンパ」とかいうものに転移しているかは、開けてみないとわからないという説明だったそうです。母は地元の小、中、大学などで日舞クラブの師範や文化の国際交流などで、この歳で活発に踊りを教えています。質問ですが、
1) 一般的にホルモン剤で小さくなるとしたら、卵大がどの位になるのでしょうか? また即日結果が出るのですか?
2) 「呼び込みリンパ」と普通のリンパは違うものなのですか? またリンパを取ったことで、踊りを教えたりすることに(腕の上げ下ろしなど)とても障害が残るのでしょうか? 本人はリハビリを怖がって気落ちしているのですが・・・。
3) 手術にあたって医師の方に確認をしておく大切なことなどあったら、教えていただけませんでしょうか?

お答えいただければ幸いです。どうぞ宜しくお願い致します。

1) 一般的にホルモン剤に対する反応は個人個人で異なります。どのぐらい小さくなるかは、やってみないとわかりません。即日に結果は出ません。
2) 「呼び込みリンパ」ではなくて、みはりリンパ節のことだと思います。センチネルリンパ節ともいって、腫瘍からのリンパ流が最初に到達するリンパ節のことです。このリンパ節をとっても、踊りを教えたりすること(腕の上げ下ろしなど)に障害が残ることはありません。
3) 知りたいこと、わからないことを遠慮なく担当医に聞いてください。(文責 石川)

 

No.5017】 06年03月04日    yumi
ホルモン療法について

いつも参考にさせていただいています。右温存で、病理結果は「大きさ3.5×1.5  HER2− ER−PgR+ グレード3」。4回のCE療法が終わり、来週から30回の放射線に通います。その後推進される標準的なホルモン療法は何ですか? ER+PgR+とER−PgR+では効果の違いは? よろしくお願いします。

閉経前ならLH-RHアゴニスト(ゾラデックス、リュープリン)、閉経後ならアロマターゼ阻害薬だと思います。 ER+PgR+とER−PgR+では、前者の方がホルモン剤の効果が高いことが予想されます。(文責 石川)

 

No.5016-1】 06年03月04日    Y 
免疫低下について

28歳ですが、最近乳がんの診断を受けました。今の所多臓器に転移は見当たらないとの事ですが、今から1年前位に、家庭のことでひどく悩み、不眠がちになり、しょっちゅう風邪をひいては薬を飲んで治し、またすぐにひいてしまうといったことが数ヶ月続いていました。その時免疫力がかなり低下していたと思います。この時の事を思い出し、数年後転移のがんが出てくるのではないかと心配でしかたありません。今の所しこりの大きさは2.1cmとのことです。今月手術をする予定ですが、今後のことが心配です。ご回答よろしくお願いします。

1年前位の悩みごと、不眠、かぜ薬の服用は、再発にはまず関係がないと考えてよいと思います。しこりの大きさは2.1cmとのことで、比較的早期に相当するのではないでしょうか。完治されることを願っています。(文責 石川)

 

No.5016-2】 06年03月19日    Y 
若年者乳癌

先日、温存手術を受け、術中迅速検査ではリンパ節転移は無しとのことでした。詳しい結果はまだ病理の結果が出ていないので分からないのですが、手術後病室に先生が来た時に「年が若いから(28歳)、浸潤ガンだったら抗がん剤治療をするかもしれない」と言われました。
1) 年が若いというのは、とてもリスクが高いのでしょうか? 私くらいの年齢で乳がんになった人でも、10年再発せず元気に過ごしていらっしゃる方はいるのでしょうか?(周りの乳がんを克服した方は全て50代〜60代の方ばかりなので・・・。)
2) 年齢のことでリスクが高いから抗がん剤治療をするということなのでしょうか? まだはっきりとしたしこりの大きさは分かりませんが、超音波では2.1センチとのことですが、組織検査でしこりの三ヶ所ほどの組織をとってみたところ非浸潤ガンの可能性があると言われました。ネットで色々調べてみましたが、しこりがある場合、すでに浸潤ガンとよく見ます。
3) しこりがある程度の大きさでも非浸潤ガンということもあるのでしょうか? 私の父が、他臓器のガンで抗がん剤を服用していましたが、三年後に再発し、入院中の抗がん剤が体に合わなかったらしく、入院で抗がん剤治療をして一週間もたたないうちに他界してしまいました。そんな父の姿を見ていたので、抗がん剤に対しては、効く人には効くけれど効かない人には全く効かないのでは・・・という不信感もあります。
4) 乳がんの抗がん剤は色々種類があるのですか? また、抗がん剤の効く、効かないは、親子の体質で一致するのでしょうか?(父が抗がん剤が効かなかったので、私も効きにくいとか・・・) 全く違うお話しですが、知人が秋田の玉川温泉に行ったほうがいいと言われ、行ってみようかな・・・と思っています。
5) 今から便秘を防いだり、ストレスをためないようにすることで再発を防げたりはするのでしょうか・・・。
6) 手術前には、抗がん剤のお話は先生から聞いていなかったのですが、術後数時間たってから病室に来た時に先生から抗がん剤のお話をされました。ホルモン療法が効くか効かないか、血管に浸潤しているかどうかは、手術して数時間で分かるものなのでしょうか? 手術が終わってすぐ主人が先生にお話を聞いた時は、断片にガンは無く、センチネルリンパ節も転移なしとのことだったのですが、数時間たって病室に先生が来たときに先生の様子が変わっていて、若いから抗がん剤を使うかもとのことだったので心配です。手術中、手術直後の病理の検査は一般的にどのようなことまでするのでしょうか? 詳しい結果は二週間後とのことですが・・・。

色々すみませんが、ご回答よろしくお願いします。

1)2) 35歳以下の乳癌は若年者乳癌に分類されますが、ザンクトガレンコンセンサスガイドラインでは、35歳以下の若年者乳癌はハイリスク因子で、術後化学療法の適応になり、アンスラサイクリン系を含む多剤併用療法や、更に逐次交代療法が推奨されています。化学療法、内分泌療法、放射線療法を行う事によって再発が抑制され、生存率の改善効果は明らかです。私共の施設でも、10年再発せずに元気で過ごされている方はいらっしゃいます。
3) 例えば、のう胞内癌のような場合、しこりがある程度の大きさでも非浸潤癌ということはあります。
4) アンスラサイクリン系を含む多剤併用療法、タキサン系など、いろいろな種類があり、使用してみなければ効果の「ある、なし」は分かりません。
5) 直接は関係ありませんが、ストレスをためず、前向きに過ごす事は大切だと思います。
6) 術後の摘除標本の検査は1〜2週間はかかります。センチネルリンパ節等の術中検査はありますが、手術直後の検査はありません。若年者乳癌という事で、抗がん剤の使用を勧められたのだと思いますが、疑問点、不安に思う点は、主治医の先生にお聞きになってください。納得のいく治療を受ける事が大切です。(文責 須田)

 

No.5016-3】 06年03月25日    Y 
病理結果が出ました

HPNo.5016のYです。先日、病理結果が出ました。3つ取ったセンチネルリンパ節は転移なし、乳管内癌(非浸潤癌)1.5×0.8×1.6cmとのことでした。その乳管内癌の中に0.1mmの浸潤癌があったとのことです。微小浸潤型の乳頭腺管癌、核異型度は1、HER2は0、ER+、PgR+、リンパ節・血管伸襲は共になし、ステージは0期に近い1期とのことです。放射線治療と2年間ゾラデックスとタモキシフェンのみの治療で、抗がん剤治療はやらなくてもよいとのことです。私は年齢がまだ若いのですが、リスクの点で抗がん剤治療をしなくても私の病状では大丈夫なのでしょうか。年齢が若いことがとても心配です。また、上記の大きさのしこりがあっても非浸潤がんで、その中に小さい浸潤がんがあったとのことなのですが、そういったこともあるのでしょうか。そして、2年の治療後妊娠が可能だという説明を受けましたが、これらの治療で妊娠しにくくなったりすることはあるのでしょうか? お忙しい所すみませんが、ご回答よろしくお願いします。

ザンクトガレンのコンセンサスガイドラインによると、限りなく Low risk に近い Intermediate risk ということになると思います。今回のガイドラインでは内分泌反応性について細かく分類され、ER+,PgR+で、染色強度も強くホルモンレセプターレベルが高い方では内分泌療法が大前提の治療となり、染色細胞の割合が少なかったり、染色強度が弱い場合は内分泌反応性不確実となって、内分泌療法単独での治療効果に限界があることから化学療法の併用を考慮することになるとあり、この辺を主治医の先生と相談することになると思います。稀ではありますが、ゾラデックスやタモキシフェンによる月経非回復、無月経という副作用はあります。(文責 片山)

 

No.5016-4】 06年04月08日    Y 
微小性浸潤ガンについて

HPNo.5016のYです。いつもご協力いただいてありがとうございます。担当の先生に病期を聞いた所、T1micとのことです。色々ネットで調べてみたのですが、T1micという表現はあまり使われていないようなのですが、普通のT1a〜T1cクラスよりもよいのでしょうか?よくないのでしょうか? あるサイトでは、少数のがん細胞が周辺組織に広がっているが、0.1cm以下の微小浸潤または微小転移とのことで、微小浸潤は、浸潤ガンなので仕方ないのですが、微小転移って、よくないことなのではないのかなと考え心配しています。先生は0期に近い1期だと説明していましたが、他のクラスでは4期以外で転移という表現がされていないのに、T1でもmicだとよくないのかなと考えてしまっています。ちなみに、f+g+だということが自分から質問して分かり、先生は「浸潤ガンだったらだいたいの人はこの二つは+になる」と言っていましたが、本当なのでしょうか。あとERとPGRは共に++だということが分かりました。これはとても良い結果だと思うのですが・・・。カルテの最後にはLow riskと書いてあったのですが、以前お送りしました今までの私の病理結果と合わせていただいて、10年生存率はどの位だと思われますか? 本当にlow riskなのでしょうか・・・? 年齢のことなども踏まえて、すみませんがご回答お願いします。

T1micはUICC(国際対癌連合)の分類に出てくる表現で、0.1cm以下の微少浸潤を伴った非浸潤癌のことで、微少転移ではありません。微少であっても浸潤があればDCIS(非浸潤癌)ではないのでT1に分類されますが、浸潤が0.1cm以下であれば予後が非浸潤癌並みに良いのでT1micと別に分類したのです(主治医の先生のおっしゃる0期に近い1期)。非浸潤癌(DCIS)の場合も、厳密に言えば検索した範囲内(標準的には5mm間隔の標本検索)に浸潤がないということであって絶対に浸潤がないというわけではありません。しかし、5mm間隔の標本検索で浸潤巣が見つからず非浸潤癌と診断された癌には再発転移はほとんど見られないというのが現状です。ですからT1micは5mm間隔の標本上にたまたま浸潤巣が見つかってしまった非浸潤癌とも考えられるのです。gは乳腺(gland)、fは脂肪組織(fatty tissue)のことで、浸潤が及んでいる範囲を示します。乳癌は乳腺から発生しますから、浸潤があればすべてg+になります。f+はなる場合とならない場合がありますそれは浸潤の広さより、その人の乳腺構造の違いによるところが大きく、予後に対する影響は軽微です。St. Gallenのリスク分類によれば確かに貴女の場合は年齢の因子(35歳未満)でintermediate riskになりますが、ガイドラインのリスク分類は通常の浸潤癌を対象にしたものですから、私の考えでは、T1micであれば予後は良好と考え、10年生存率は95%以上だと思います。術後の治療は原則的には無治療でよく、念のためにホルモン療法(Zoladex+Tamoxifen)を行い、副作用が強かったり、妊娠希望であれば直ちに治療中止でよいのではないかと思います。(文責 清水)

 

No.5016-5】 06年04月14日    Y 
微小性浸潤ガンについて(2)

度々ご質問をしてしまい、すみません。主治医からは、非浸潤がんの中に直径0.1mmの大きさの浸潤がんがあると説明がありました。乳がんがどのように進行していくのか、私は全然分からないのですが、食い込んでいる深さが0.1mmということではないようです。これでも、非浸潤がんに近い病期となるのでしょうか? 微小浸潤がんというと、ごく小さいがんがいくつか散らばっているということも考えられるのでしょうか? 何度もすみませんが、ご回答よろしくお願いします。

5016-4の回答がすべてではないかと思うのですが、患者さんにとっては非浸潤癌と浸潤癌とでは天と地なのかもしれませんが、5mm間隔の病理検索で、たまたまその面に0.1mmの浸潤癌があったのですから、ほとんど非浸潤癌に近いものと考えればいいでしょう。小さい癌がいくつか散らばっていることも可能性としてありますが、かなり確率的には小さい話です。あまり神経質にならずに・・・過ごされて下さい。(文責 鈴木)

 

No.5016-6】 06年04月17日    Y 
微小性浸潤ガンについて(3)

いつもご協力頂いて本当にありがとうございます。すみませんが、先日、正式な病理の結果のコピーを頂いてきたので再度質問させて下さい。お忙しい所、すみません。組織所見で、核異型スコア2、核分裂スコア1(2個/10HPF)、核グレード1。HER2は強、中、弱陽性部全て0%。ここまではよかったのですが、Neuroendocrine feature:synaptophysina(‐)、chromogranin A(‐)。この単語は何を意味するのでしょうか? マイナスとプラス、どちらの方がいいのでしょうか? 腫瘍は乳管内をcribriform、papillaryに増生するDICS(広がり1.5×0.8×1.6cm)が大部分です。#30で筋上皮の確認できない数個の微小浸潤腺管がみられ、脂肪組織に入っています。以前、微小浸潤が0.1mmと言いましたが、0.1cm以下の間違いでした。数個の微小浸潤があると、生存率的にはどのように思われますか? 普通の浸潤がんと同じ位になってしまうのでしょうか? あと、組織診断でlymphocyte infiltrateと書いてあるのですが、これはプラスとマイナスどちらの方がいいのですか? そして、断端は‐だったみたいなのですが、微小浸潤ということもあり、しこりから離れて取ったのが1cmだけで大丈夫なのかなと心配しています・・・。「ごく小さながんが残っているのかな、もう少し広範囲に取った方がよかったのではないかな」と考えています。全体的に、年齢のこともふまえて10年生存率はどの程度かと思われますか? 何度もすみませんが、ご解答よろしくお願いします。

neuroendocrine features、chromogranin A、これは腫瘍の性格を診断するもので、通常は行いませんし、予後に関係する因子ではありません。我々も必要時のみに行いますので、主治医に行った意図を聞いてはいかがでしょうか?
Lymphatic infilyrateもリンパ管浸潤を示すものでマイナスの方が良いです。殆どがDCISであった訳ですから、あまり細かなことに悩まされないほうが良いのでは?それと、微小浸潤という言葉ですが、これは微小の癌が広がっているということではなくて、DCISの中に、小さな、微小な浸潤癌が存在していたということです。予後に関しては、DCISに微小浸潤癌が混在していた場合でのはっきりした10年生存率のデータはありません。浸潤癌のリンパ節転移なしでの10年生存率が90%ですので、それ以上ではないでしょうか?断端は1cmあれば充分です。(文責 鈴木)

 

No.5015】 06年03月04日    Y.O.
リンパ節のがん細胞について

母(61歳)の乳がんのことで相談させていただきたいと思います。今年2月10日に乳がんの手術をし、温存はできませんでしたが、センチネル生検の迅速病理で−のためリンパ節を郭清しませんでした。しかし、術後の切除物の検査の結果では、LEVEL1(1/1)ということでした。そして、3月9日から抗がん剤の治療が始まることになりました(CE3週おき、4回とのことです)。
1) センチネルリンパ節は「見張り役」で、そこにがん細胞が見つからなければ、リンパ節に広がってないというお話だったと思うのですが、そういうわけではないのでしょうか?
2) LEVEL1というリンパ節は、センチネルリンパ節よりも乳房に近いところにあるリンパ節なのでしょうか?
3) 手術前はセンチネル生検の迅速病理で+だった場合、リンパ節を郭清するというお話だったのですが、今回、LEVEL1でがん細胞が見つかったのに、再度手術をしなくて大丈夫なのでしょうか? 再度メスを入れることになってしまいますが、リンパ節をとってしまったほうが安心のような気がするのですが、そういうものではないのでしょうか?

私自身の知識が不足しているために、非常にわかりにくい文章になってしまっているかと思いますが、ご教授いただければ幸いです。

1) センチネルリンパ節は「見張り役」で、そこにがん細胞(転移)がなければ、他のリンパ節に広がってないという確率は99%近いとされています。ただセンチネルリンパ節を飛び越して、もっと遠くのリンパ節に転移する跳躍転移(skip)も稀にあると言われています。
2) LEVEL1というリンパ節はセンチネルリンパ節よりも乳房から遠いリンパ節です。
3) 再度手術をしてリンパ節郭清をする場合もあります。代わりに化学療法、ホルモン療法、放射線療法を行う場合もあると思えます。(文責 石川)

 

No.5014】 06年03月03日    S
乳腺線維腺腫?

ホームページを拝見して、参考にさせていただいております。20代後半です。出産後、授乳中に乳腺炎になり、一度切開をした関係で、1年に1度乳がん検診を受けるよう指示され、2年ほど前から受けています。昨年の検診で8ミリくらいの、自分ではわからないしこりがエコーでみつかりました(切開したところとは別の場所)。線維腺腫かもということで、経過観察になり、半年後にマンモグラフィー、エコー、細胞診をいたしました。細胞診の結果は、マイナス(細胞なし)とのことでした。年令的にもおそらく乳腺線維腺腫との診断でした。三ヵ月後エコーを受けてくださいと言われました。細胞診の時に、先生が「硬いな、細胞なしででるかもしれない」とおっしゃっていたのですが、細胞なしとは、細胞が取れていなかったということなんでしょうか? 悪性の細胞がないという意味なのでしょうか? つまらない質問で恐れ入りますが、教えていただけると幸いです。病院では、質問する余裕もありませんでした。

上皮細胞が取れていなかったという意味だと思います。したがって、悪性細胞は見つからなかったということになります。(文責 石川)

 

No.5013】 06年03月03日    Y.K. 
線維腺腫について

46歳の主婦。2年ほど前から左乳房に大豆大のしこりがあり、ころころよく動きます。乳腺外来で、細胞診とマンモの結果、良性の線維腺腫と診断され、一年ごとの経過観察となりました。先日、人間ドックのエコーの検診で左胸にも小さなしこりがあると言われ、また乳腺外来を受診しました。前回とは別の先生がエコーを見て「左(線維腺腫)の方が悪そうな顔をしている。真っ黒になっているし、形がいびつだし、中に白い部分もある。でも大きさも変わっていないし、細胞診もしているから大丈夫でしょう」と言われました。なんだか急に不安になり、ネットで調べると「癌の場合、真っ黒に抜ける」と書いてありましたが、線維腺腫でもそのような事があるのでしょうか? 癌の場合、2年も大きさが変わらないと言う事もあるのでしょうか? どうぞ宜しくお願いたします。

線維腺腫でもあります。癌の場合、2年も大きさが変わらないことは普通考えられません。(文責 石川)

 

No.5012】 06年03月03日    O
超音波検査

よろしくお願いします。乳頭から分泌物があったため、触診、超音波検査をしていただきました。異常はなく、乳がんの可能性はないということでした。その2つの検査だけで、確実に判るものなのでしょうか? 乳腺症などの病気もわかるのですか?

触診、超音波検査だけでなく、乳頭分泌物の細胞診、場合により乳管造影検査も行うのが一般的です。乳腺症などの病気はわかりません。(文責 石川)

 

No.5011】 06年03月03日    N.I.
再発乳癌の治療法について(HPNo.1260-13)

HPNo.1260で度々相談させて頂いています。今回もよろしくお願いいたします。現在62歳になる母ですが、H11,6月に左乳房の切除術を受け、今年で7年が経とうとしています。その間、乳癌が再発し、ホルモン剤と抗がん剤を繰り返し行ってきました。H11,6月 左乳房切除術。H14末に肝・骨転移が認められる。H15.2月以降、パクリタキセル8クール実施。腫瘍マーカー、CT画像上でも正常となる。すぐにマーカーが動き出して、CT上、肝の陰影が濃くなる。H16初め、抗がん剤FEC開始。主治医より8クール勧められるが、体力的に6クールで終了とする。CT上、肝の腫瘍も無くなり、マーカーも正常値となる。その後1年8ヶ月の間、ホルモン剤を内服しながら定期検査を行ないつつ、マーカ-も落ち着いていました。その間、日常生活も不自由なく送れていたのですが、去年末に、血液検査でマーカーの値が上昇し、CTで2cmの肝腫瘍が確認されました。そして今年H18,1月から再度抗がん剤CEFを始めることになりました。以上、母の経過なのですが、質問があります。
1) 今の薬が効かなかった場合、次の薬はどのようなものがあるのでしょうか?
2) 母の癌はホルモンの陽性が強いプラスなのですが、ホルモン剤の治療はどうでしょうか?
3) このように、再発乳癌が再燃して、定期的に治療を繰りかえすことは覚悟しているのですが、まだまだ抗がん剤のとの戦いは続けなければいけないのでしょうか?
4) 今回の治療は前回のものと同じFECですが、効果は期待できるのでしょうか? 前回の抗がん剤治療で抗体をもった癌の再燃なら、効果は難しいのではないか、心配です。主治医はなぜもう一度同じ抗がん剤を選択したのでしょうか?先生はどう思われますか?
5) 前回注射時には、痺れや体が熱くなるような感じがあったのですが、今回の注射時にはそれがありません。治療効果と関係があるのでしょうか?
6) 今回治療中の血液検査で白血球の減少が今のところ見られないのですが、治療効果と関係があるのでしょうか?
7) 今回の治療開始時から、舌の中央下部に1cmくらいのしこりを見つけました。痛みや出血はありません。再発乳癌と関係があるのでしょうか? 乳癌の舌転移も考えられるのでしょうか?先生のお考えをお聞かせください。

お忙しいところ、よろしくお願いいたします。

1) パクリタキセル、CEFの後は、CMFやHER2/neu 3(+)ならハ−セプチン、ナベルビン、パクリタキセルと同じタキサン系薬剤のタキソテール、内服のゼローダ、TS1 などが考えられます。
2) ホルモン・リセプター陽性の場合、ホルモン剤は副作用も少なく、是非とも行いたい治療です。
3) 抗がん剤のとの戦いを続けるかどうかは、本人或いは家族が決める問題です。
4) 前回FECが効いているようなので、今回も効果が期待できる可能性があります。薬剤耐性出現の問題もあり、やってみなければわかりません。
5) 治療効果とは必ずしも関係が無いように思えます。
6) 白血球の減少も、あまり治療効果と関係が無いように考えます。
7) 乳癌の舌転移は稀有なので、考えにくいと思います。(文責 石川)

 

No.5010-1】 06年03月03日    Y.I.
微細石灰化について

34歳、3児の母です。3年8ヶ月程前、乳がん検診で微細石灰化が見つかり、経過観察を続けてきました。その後1年半、変化がなくきましたが別の場所にしこりが見つかり、乳腺外科のある病院に変えました。そこで2年3ヶ月間、両側の微細石灰化としこりの経過観察を続けてきました。経過観察中の昨年8月に3人目の子を出産しました。産後約3ヶ月目に検診を受け、微細石灰化変化なし、しこりは乳腺が発達していて確認できませんでした。そのときに主治医から「産後の急激なホルモン変化に反応してこないので、微細石灰化はガンの可能性は低いと思われます」といわれ、安心していました。しかし、その4ヵ月後(産後約7ヶ月)に受診してみると、右の微細石灰化が増えていると言われました(しこりは見あたりませんでした。産後の乳腺の変化で消えたのかもと言われました)。1ヵ月後にマンモトーム生検をする予定になっています。主治医より「マンモトームをしてガンとでるのは5〜10%と程度」との説明を受けました。微細石灰化が増えてきても良性の可能性もあるのでしょうか?以前カテゴリー3と言われましたが、微細石灰化が増えたことによってカテゴリーは上がるのでしょうか?数年変化がありませんでした。年齢的に若いこともあり、ガンとは考えにくそうでしたが…数年を経て突然増えた石灰化…やはりガンの可能性が高いのでしょうか?産直後の急激なホルモン変化には反応しなかったのに、その後変化したのは、やはりその(ホルモン)影響も考えられますか?唐突な質問で申し訳ありません。ガンなのか、それとも良性の可能性も多く残されているのか、精神的に落ち着きません。ご回答をよろしくお願いします。

微細石灰化が増えてきても良性の可能性はあります。微細石灰化が増えたことによって、カテゴリーは上がる場合も有り得ます。石灰化の数だけでなく、その形状や分布状態などを考慮して、カテゴリーを決めています。妊娠など、いろいろなホルモン環境の変化が影響したことは十分考えられると思います。あくまでも万が一のことを考えてマンモトーム生検行うように思えますが・・・・。(文責 石川)

 

No.5010-2】 06年03月11日    Y.I.
微細石灰化について(2)

お忙しい中、お返事、本当にありがとうございます。お手数ですが、再度質問させてください。微細石灰化は、両側とも集族性があります。右の増えた箇所は、その集族性の部分でです。微細石灰化が集まっていて、それが増えてくるとガンの可能性が高いとネットなどで見ますが・・・。それでも良性の可能性もありますか?(前回の質問で経過観察の期間、分かりづらい書き方をしてしまいました。すみません。経過観察は最初の病院で1年半、今の病院で2年3ヶ月、通算3年8ヶ月ほど続けています。) よろしくお願いします。

可能性を心配するよりも、増えているのが事実なら、マンモトームによる生検をした方が良いと思います。(文責 石山)

 

No.5009】 06年03月01日    Y.T.
病理検査と手術後の治療方針について

初めてご相談いたします。61歳。2月9日左乳房乳癌により乳房全切除手術を受けました。その際、センチネルリンパ節生検陰性だったので、リンパ節郭清はしませんでした。本日(2月28日)病理診断結果と治療方針の説明を受けましたが、帰宅してから理解できていない点が出てきました。本ページにてお教えいただきたく、メールさせて頂きます。よろしくお願いします。
(病理検査結果)
腫瘍径:1.7x1.4x1.4cm、ひろがり:8.5x4.8x1.5cm、組織型:浸潤性乳管癌・硬癌、切除断片:陽性、リンパ節転移:陽性、センチネル:0/5、レベル1:1/1、組織学的異型度:2、 脈管侵襲:陰性、ホルモン感受性:陽性、HER2:2+/陽性。
お尋ねしたい件
1) センチネル生検が陰性だったのに、レベルTが1/1ということはどのようなことでしょうか?
2) 他のリンパ節への転移の心配はないのでしょうか? また再度リンパ節郭清の手術はしなくともよいのでしょうか?
3) 化学療法「CEx4」の後、内分泌療法5年と言われました。HER2陽性なので、ハーセプチンの使用はしなくとも良いのでしょうか?

1) センチネル生検が適切に行われなかったか、極めて稀ですが跳躍(skip) 転移といってセンチネルリンパ節を飛び越して、その先のリンパ節に転移したことが考えられます。
2) 他のリンパ節への転移の心配は当然あります。したがって再度リンパ節郭清を行う場合が有り得ます。また代わりに化学療法などを行う場合もあると思われます。
3) ハーセプチンの使用の適応は、HER2:3(+)陽性で再発乳癌に限られています。免疫組織化学的方法のHER2:2(+)陽性には3(+)が含まれていることがあるので、蛍光抗体法(FISH法)で調べることが推賞されています。(文責 石川)

 

No.5008】 06年03月01日    K.M.
免疫療法について

メールにて失礼いたします。家内(昭和21年生)が、2000年6月に乳がんを手術しました。手術当時、既に肺に転移しており、手術直後から抗がん剤の治療を現在にいたるまで続けています。特にこの2年間の治療内容は、タキソールの点滴及びゼロータを内服しており、この結果、免疫力が低下し、2006年2月にカリニ肺炎になり、約2週間入院いたしました。そこで、お聞きしたいことは、副作用があまりないといわれている免疫療法を候補に考えていますが、上記のような病状の場合、免疫療法は有効なのでしょうか? また関東地方では、どのような病院などがあるのでしょうか? 以上よろしくお願い申しあげます。

乳癌では特に免疫療法はまだ有効なものは殆ど無く、一般的ではありません。また保険も効かず、極めて治療費が高くなります。だからお薦めできません。個人病院で免疫療法を行っているところはあるようですが、よく知りません。(文責 石川)

 

No.5007】 06年03月01日    M 
軽い痛みが続いています

47歳、既婚です。妊娠・出産経験はありません。去年の年末頃から右乳首が痛くなり、その後生理の7日〜10日前頃からは、とても痛むようになりました。キッカケは入浴時に使うナイロンタオルで大き目の乳首を傷付けた事が始まりだったと思います。それまでも時々同じような事はあったのですが、今回は痛みが長引き、しかも全体的にも痛いような?気がしています。痛みは奥の方がチクチクしたり、表面的に突っ張ったような時もあります。胸自体はペちゃで殆ど乳房がないので、シコリとかグリグリとか触っても余り解らず無いと思います。ただ乳首が昔から異常に大きく色も悪く、潜在的に何か病気なのかも?と不安になったりもしています。そろそろ閉経も近いせいもあるのでしょうか?生理は今のところ何とか乱れずに来ていますが・・・。乳房が無いので、マンモグラフィーとか検査出来ないだろうと思います。ペちゃなので乳癌とは無縁と思っていましたが、男性にもあると言う事ですので気になっています。気にしすぎで押したり触ったりするので、余計に痛み(圧痛)があるような気もしないでもないのですが・・・。やはり診て貰った方が良いのでしょうか? 血族に乳癌の人は1人も居ません。

乳癌で右乳首が痛くなることは極めてまれです。乳頭に糜爛がなく、分泌物がなければ、パジェット病(乳癌)ということもないと思います。乳首のかたち、色、大きさは人様々です。何も異常はなさそうですが、いい機会なので、一度受診してみてはいかがでしょうか。(文責 石川)

 

No.5006】 06年03月01日    Y
わきの下のリンパ節の腫れ

29歳、未婚、出産経験なしの女性です。3週間ほど前にわきの下に痛みのない小さなコリコリとしたものがあるのに気がつき、乳腺外来もやっている個人の外科医院を受診しました。わきの下を触診してもらったところ、しこりはリンパで、炎症性のものでしょうとのことでした。「一緒に乳がんの検診もしておきましょう」とのことで、視触診をしてもらいましたが、乳がんの心配はありませんということでした。リンパの病気もあるので、血液検査もしておきましょうということで血液検査をし、抗生物質を出してもらい、1週間飲みました。大きくも小さくもなっていない感じでしたが、1週間後の診察では問題ないでしょうということでした。「血液検査の結果も、乳がんのマーカーも陰性で、悪性リンパ腫の心配もありませんので、やはり炎症性のものと考えられます。」という事で、また2ヵ月後に受診するようにとのことでした。炎症性のもので放っておいても大丈夫だと言われ安心したのですが、乳がんで乳房にしこりはつくらないが、わきの下のリンパ節の腫れで見つかるものもあるというのを見たりして、ちょっと心配になっています。リンパ節が腫れる場合、炎症性のものと、悪性のものが原因で腫れる場合とでは、触った感じや大きさに違いがあるのですか? 見ていただいた先生は乳癌学会認定医の先生なのですが、エコーとかマンモグラフィーとかはしていないのですが、もっと検査してもらったほうがいいのでしょうか? 先生のおっしゃるとおり心配要らないものなのでしょうか? 先生は、触診だけで炎症性のものとそうでないものの区別がつくものなのですか? 宜しくお願いします。

リンパ節が腫れた場合、炎症性のものと、悪性のものが原因で腫れる場合とでは、触った感じや大きさに違いはないと考えた方が無難です。したがって経過をみたり、場合によっては細胞診や生検をすることもあります。触診ではわからない乳癌もあるので、エコーとかマンモグラフィーはしておいたほうが安全です。(文責 石川)

 

No.5005】 06年03月01日    F
術後の化学療法について

36歳(閉経前)で既婚、一人の子供がおります。昨年12月に自己診断にてしこりを見つけ、病院へ行ったところ、乳がんと診断されました。今年2月9日に右乳房皮下乳腺全摘術、センチネルリンパ節迅速病理で−、センチネル生検手術を受けました。病理結果は3.1cm、悪性度3で、ホルモン感受性の結果はまだでていないとの事です。術後療法として、抗癌剤EC6クールをすすめられています。治療後妊娠できなくなるかもしれませんと言われ、躊躇したところ、卵巣の機能を守るために100%の可能性ではないがと言って、ゾラデックスの注射を4週間に1回されました。そこで質問です。ゾラデックスの注射と抗癌剤EC6クール併用は、妊娠希望の場合の標準的な治療なのでしょうか? ガンの再発転移という可能性から考えて危険はないのでしょうか? よろしくお願いします。

ホルモン感受性(−)の場合、ゾラデックスの注射は標準的な治療ではありません。化学療法の際に卵巣の機能保護の効果があったという報告があるので使用されたのでしょう。ゾラデックスの注射でガンの再発転移が促進されることはないと考えます。(文責 石川)

 

No.5004-1】 06年03月01日    Y.Y. 
ゾラデックス治療について

はじめてメールいたします。私48歳、2005年10月に左胸全摘手術をしました。病理結果、EC療法4クールが終わり、ゾラデックス2年、ノルバデックス5年のホルモン療法に入りました。まだ閉経前ですが、年齢的にもゾラデックスを2年受けている途中で閉経する可能性があります。それでもゾラデックスを受けなければいけないのでしょうか? また閉経したことが分かる検査があるのでしょうか? なにぶんにも高額な治療なので、少しでも軽減できれば有難いのです。よろしくお願い致します。

標準的というか推奨される治療法の説明は受けても、必ずそれに従わなければいけないということはないと思います。体質・副作用などのこともあり、個人によって考えも違いますので、治療法が異なってもいいのではないでしょうか。その場合、その利点と危険性について十分説明を受け、納得することが必要です。したがって絶対ゾラデックスを受けなければいけないということはないと考えます。主治医とよくご相談してみて下さい。閉経したかどうかは、投与終了後にホルモン検査をすればわかると思われます。(文責 石川)

 

No.5004-2】 06年03月31日    Y.Y. 
ノルバデックス

HPNo.5004で相談させていただきました。ホルモン治療が始まって4週たちました。お蔭様で、まだ更年期の症状もなく普通の生活をしております。ノルバデックスを飲み始めて特に気になりだしたのですが、喉に何かつかえたような感じがします。薬の関係で、そのような症状になるのでしょうか?

ノルバデックスの消化器系の副作用として、悪心・嘔吐や食欲不振などの症状が0.1−5%未満の頻度で報告されており、喉につかえたような感じというのが、これに当てはまる可能性はあると思います。(文責 片山)

 

No.5003】 06年03月01日    K
妊娠を希望する術後療法について

私は現在39歳、既婚、未出産です。乳がんの術後療法についてお伺いします。昨年皮下乳腺全摘の手術を終え、病理の結果がでました。「・腫瘍の大きさ 45×23mm ・ER(3+) PGR(1+) HER2(3+) ・Grade2 ・f(+)、ly2 ・リンパ節 0/2個中(陰性)」 ザンクトガレンの表でいきますと中リスクになりますが、妊娠を希望しています。どのような術後療法がよろしいでしょうか? 治療を終える頃の年齢も気になっています。よろしくお願いします。

ご指摘のように、St.GallenのRcommendationではintermediate riskになり、「腫瘍の大きさ 45×23mm ・ER(3+) PGR(1+) HER2(3+) ・Grade2 ・リンパ節 0/2個中(陰性)・閉経前」から、Tamoxifen内服±LH-RHアゴニスト注射か、化学療法後→Tamoxifen内服±LH-RHアゴニスト注射が推奨されています。どちらも薬剤による閉経の危険性は有り得ます。主治医とよくご相談ください。(文責 石川)

 

No.5002】 06年02月27日    Y
乳腺症のしこりについて(HPNo.4814-2)

先月HPNo.4814で、米粒大のしこりのことでお尋ねしたものです(両方の乳房に数個ずつあります)。あれから病院で検診(触診、マンモグラフィー、エコー)を受けました。結果、「エコーで触れていないので乳腺症でしょう」との事でした(以前の検診時から乳腺症は指摘されていました)。また、医師からは、「これから大きくなったり増えたりする事もあります」と言われており、実際検診後に月経が1度来てから、さらにしこりが増えたような気がします。検診は次回は半年後で、「その間に何か大きなしこりが出来たりしたら、すぐ来たほうがいいですね?」と聞いたら、「そうですけど、その可能性はまず無いと思うなぁ」と笑っていました。ここでお尋ねしたのは
1) 乳腺症のしこりのイメージはゴロゴロしたようなイメージなのですが、私のような米粒や仁丹のようなしこりもあるのでしょうか?
2) この先、しこりが増えた時に半年後まで待っていいものなのか、急いで病院に行ったほうがいいしこりなのか、自分での判断の目安?方法?はあるのでしょか?
3) ビタミン剤のサプリメント(ビタミンE配合)を飲んでいますが、関係はあるのでしょうか?

このしこりの他にも、のう胞や石灰化部分(細胞診で良性との事)もあり、何かと心配です。また、のう胞は細胞診はしていないのですが、したほうがいいのでしょうか? どうぞ、よろしくお願いいたします。

1) そのように触れるものもあります。
2) 今までと変わった感じがあるとき病院を受診したらどうでしょうか。
3) ビタミン剤やサプリメントはホルモンバランスに影響を与える可能性がありますので、関係があるかもしれません。

乳腺症がある人は、のう胞や乳腺に石灰化部分を認めることがよくあります。(文責 麻賀)

 

No.5001-1】 06年02月27日    K.M. 
乳腺以外のしこりについて

42歳、既婚、出産、妊娠経験はありません。一ヶ月前、定期健康診断のマンモグラフィで左胸に不均一な影が見つかり、エコーで見たところ、触診ではわからない乳腺以外の場所にしこりがあると判定されました。細胞をとり、まもなく結果がでるのですが、ネットなどで調べても乳腺以外のしこりについての記述が見当たりません。ある程度覚悟をしておきたいので、考えられる事例を教えてください。今まで痛み、違和感を感じたことはありませんでしたが、健康診断の結果が届いた後は、子供のころ乳房が大きくなり始めたときに感じた痛みと同じような痛みや、左肩のだるさ、脇の下の重苦しい痛みがあります。

マンモグラフィと超音波で異常が見つかったが、乳腺ではなく、また触診ではわからないものはなんであるかという質問です。乳房内リンパ節がもっとも考えられると思います。(文責 麻賀)

 

No.5001-2】 06年03月17日    K.M. 
乳腺以外のしこりについて(2)

ご回答ありがとうございました。この「乳房内リンパ節」のしこりがあった場合、覚悟をしたほうがいい状況なのでしょうか。

「乳房内リンパ節」とは、字の通り乳房内にあるリンパ節で、それ自体は癌とは別のものです。また、「乳房内リンパ節がある場合、乳癌がどこかに存在しているか」というご質問かと思いますが、両者は関係ありません。(文責 須田)
 

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