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相談室(No.4401〜4500)

このページは乳がんに関 する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

ご相談メールの投稿はこちらからお願いします。

なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

4500 05/10/19 K.Y. 微細石灰化について 福間
4499 05/10/19 T.Y.  区の検診でひっかかりました 福間
4498-1
4498-2
05/10/19
05/10/23
Y.F  ゾラデックスとリュープリンの違いについて
ゾラデックスとリュープリンの違いについて(2)
福間
須田
4497 05/10/19 H  検査結果について 福間
4496 05/10/18 T.T.   細胞診の結果について 坂本
4495 05/10/18 S・A 大きなしこりについて 吉田
4494 05/10/16 R.I 骨転移について(HPNo.4047-2) 吉田
4493-1
4493-2
05/10/16
06/01/09
M.S. 乳がん検診の結果について
低エコーという所見
吉田
俵矢
4492 05/10/16 M 左乳房の痛みについて 吉田
4491 05/10/16 P,O ホルモン治療について 吉田
4490 05/10/16 りり しこりについての相談です 吉田
4489 05/10/15 F.K. Ncc-st439と骨転移について(HPNo.1767-4) 阿部
4488 05/10/15 M  乳がん検査の結果と経過観察について 阿部
4487 05/10/15 W.K. 腹水について(HPNo.4158-4) 阿部
4486 05/10/15 K・K  アリミデックスについて 阿部
4485 05/10/15 H  化学療法の必要性について教えてください 阿部
4484 05/10/15 R  乳がん診断から治療までの期間は? 阿部
4483 05/10/15 I.K 乳腺線維腺腫と妊娠について 阿部
4482 05/10/15 A.M.  炎症性乳がんではないかと不安です 阿部
4481 05/10/15 y、s 検査結果について 阿部
4480 05/10/15 W.K. 肝機能低下(HPNo.4158-3) 阿部
4479 05/10/15 H.H 針生検について 吉田
4478-1
4478-2
05/10/15
06/03/26
T.T.  ハーセプチン治療に関して
再発予防のハーセプチン治療
吉田
片山
4477 05/10/15 Y.I.  血性の分泌としこり 吉田
4476 05/10/15 A・N 人間ドックの結果について 吉田
4475 05/10/15 Y.T.  術後の運動について 吉田
4474 05/10/15 K.S.  術後の患部について 吉田
4473 05/10/15 H  検査結果 吉田
4472-1
4472-2
05/10/15
05/10/15
Y/n 乳房の痛みと発赤
乳房の痛みと発赤(No.2)
吉田
清水
4471 05/10/15 U.T 乳首のかゆみと痛み 吉田
4470 05/10/15 A.U 術後抗がん剤の種類について 吉田
4469-1
4469-2
05/10/15
05/11/20
H.S. 術後の治療について
放射線治療について
吉田
石川
4468 05/10/12 KY ホルモン療法について(HPNo.4310-2) 吉田
4467 05/10/12 H  肺転移の症状を教えてください 吉田
4466 05/10/12 M.O.  乳腺炎 吉田
4465 05/10/12 A  しこりについて 吉田
4464-1
4464-2

4464-3
4464-4
05/10/12
06/03/24
06/04/02
06/05/09
E.N.  しこりの大きさと悪性度について
タキソールによる骨髄抑制とG-CSFの利用
術後半年の局所再発
タキソール継続か中止かの判断について
吉田
片山
加藤
4463 05/10/12 T.U.  超音波検査の結果、カテゴリー3 吉田
4462 05/10/12 なお 化学療法について(HPNo.4102-5) 吉田
4461 05/10/10 M.H. 乳腺線維腺腫 西川
4460 05/10/10 S.N.  しこりについて 西川
4459 05/10/10 I.F 93才になる母の乳がん治療について 西川
4458 05/10/10 N.S. 摘出生検結果について 西川
4457 05/10/10 M.K. ホルモン療法について 西川
4456 05/10/10 E.K. 乳頭からの分泌物と胸の張りについて 西川
4455 05/10/10 妊娠は、あきらめたほうがいいですか? 西川
4454-1
4454-2

4454-3
4454-4
4454-5
4454-6
4454-7
05/10/04
05/10/29
05/11/13
05/12/08
05/12/13
06/01/05
06/01/30
CE 転移性乳がん(肺転移)について
転移性乳がん(肺転移)について(その2)
転移性乳がん(肺転移)について (その3)
転移性乳がん(肺転移)について (その4)
転移性乳がん(肺転移)について その5
転移性乳がん(肺転移)について その6 
転移性乳がん(肺転移)について その7 痛み他
矢吹
片山
加藤
清水
清水
俵矢
千島
4453 05/10/04 M.K 炎症性乳がん? 矢吹
4452 05/10/04 S.F ホルモン治療薬について 矢吹
4451 05/10/02 放射線治療と母乳について 川本
4450 05/10/02 K.K. 石灰化について 川本
4449-1
4449-2
05/10/02
05/10/27
S.K. 腫瘍マ−カ−について
腫瘍マ−カ−について(2)
川本
比嘉
4448 05/10/01 underware and breast health 緒方
4447 05/10/01 K.K. 乳腺症と乳癌の関係について 緒方
4446 05/10/01 S 胸のしこりについて 緒方
4445 05/09/29 A.K.  閉経直前のタモキシフェン服用について 緒方
4444 05/09/29 遺伝について 緒方
4443 05/09/29 N  転移でしょうか? 浜口
4442 05/09/29 T.M. マンモグラフィについて 浜口
4441 05/09/29 しこり切除の術後について 浜口
4440 05/09/25 FUSについて 浜口
4439 05/09/25 M.M.  内視鏡下乳腺手術について 浜口
4438-1
4438-2

4438-3
4438-4
05/09/25
09/02/06
10/10/12
12/08/28
AYY 白血球についてご相談いたします
術後5年のホルモン療法について
フェマーラと骨粗鬆症
フェマーラとボナロン錠と抜歯について
浜口
俵矢
加藤
清水
4437 05/09/25 M  乳癌患者の食事について 浜口
4436 05/09/25 S 乳管内乳頭腫について 浜口
4435 05/09/25 R.O  卵巣がんとの関係について 浜口
4434 05/09/25 H  レーザー脱毛 浜口
4433 05/09/25 H.Y.  マンモグラフィーの結果について 浜口
4432 05/09/25 H・M ホルモン療法について(HPNo.3186-4) 浜口
4431 05/09/25 H.I.  マンモグラフィの結果(乳腺石灰化) 浜口
4430 05/09/25 S.T. 治療と入院の時期について 浜口
4429 05/09/25 H.T 術後治療について 浜口
4428 05/09/25 M  タキソールの副作用でしょうか? 浜口
4427 05/09/24 N.K ハーセプチン治療について 浜口
4426 05/09/24 O.S. 手術について 浜口
4425-1
4425-2

4425-3
05/09/24
05/09/29
05/11/20
HF 放射線の効果について
放射線治療の効果について(追加)
白血球について
浜口
浜口
石川
4424 05/09/24 m 術後の化学療法について 浜口
4423 05/09/22 抗癌剤の種類と選択について 浜口
4422 05/09/22 M.E 術後の化学療法について 浜口
4421 05/09/22 M マンモトーム検診について 浜口
4420 05/09/22 K.T. マンモグラフィーの結果 浜口
4419 05/09/21 MM MRI検査についてお尋ねします 浜口
4418 05/09/21 A.A 病院選びについて 浜口
4417 05/09/21 H  術後の乳房について 浜口
4416 05/09/21 しこりの生検について 浜口
4415 05/09/20 H.S. 放射線照射後の乳腺の状態について 徳田
4414 05/09/20 K.Y. リンパ再発について 徳田
4413 05/09/20 M  母の胸のしこりについて 徳田
4412 05/09/18 M3   術後療法について 徳田
4411 05/09/18 Y.K 男性の乳がんについて 徳田
4410 05/09/18 H.M. 25年前の乳腺線維線種? 徳田
4409 05/09/18 M・T 再発転移について 徳田
4408 05/09/18 N.H.  マンモグラフィの結果 徳田
4407 05/09/18 A.A. センチネルリンパ生検の影響について 徳田
4406 05/09/18 K.K.  骨転移 徳田
4405 05/09/18 N 術後療法について(2)(HPNo.4384-2) 徳田
4404 05/09/18 K.T ラジオ波での治療について(HPNo.4329-2) 徳田
4403 05/09/17 IH 術後の治療法について(HPNo.4354-3) 徳田
4402 05/09/17 K  乳ガン検診の結果 徳田
4401 05/09/17 K.W.  アンスラサイクリン系とハーセプチンについて 徳田

 

 

 

No.4500】 05年10月19日     K.Y.
微細石灰化について

初めて相談させていただきます。先月、右乳房の側面側に1.5センチ角のしこりに気がつき、マンモ・超音波・細胞診の検査をしたところ、良性の乳腺線維腺腫との診断がつきましたが、マンモにより、しこりの内部かその周辺に、帯状(細かい砂上の線)に広がる微細石灰化が見つかりました。主治医はこの石灰化が悪性なのか判断がつきにくいというだけで、特に次の指示はありませんでした。私としては、また針を刺して石灰化の細胞を取って調べるなら、腺腫と石灰化部分を摘出して白黒つけたいのですが、
1)マンモトーム等で石灰化の良し悪しを調べるべきなのでしょうか。
2)私のような所見では摘出する必要はないのでしょうか。この微細石灰化は悪性の疑いが強いのでしょうか。
3)摘出生検をした場合、傷の大きさや胸の陥没があるのかどうかも気になります。

とりとめもない質問ですが、どうぞよろしくお願いします。

ご返事が遅れ誠に申し訳ありません。マンモグラフィで見つかった1.5cmしこりとその近くにある石灰化をどうすればいいかとのご質問です。もしお話通り細かい石灰化が線状に並んでいるのであれば、やはり厳重に経過観察するか、切って調べるのが原則だと思います。ただ石灰化の位置と線維腺腫の位置が一致するかどうかはわかりません。マンモグラフィは2方向で撮影するので、2方向とも一致するのであれば線維腺腫内に石灰化があるということになります。その場合には、おっしゃるとおり線維腺腫を切除するかたちでの生検でもいいかと思います。もし両者が一致するかどうか不明な場合には、石灰化を目当てにマンモトームをするのがいいかと思います。小さな傷で(4mm程度)確実な診断ができます。(文責 福間)

 

No.4499】 05年10月19日     T.Y. 
区の検診でひっかかりました

突然の質問で失礼しますが、よろしくお願いします。36歳、出産歴有りです。先日区の検診の触診で、しこり・へこみ、エコーで影が映りました。後日病院に受診したところ、マンモグラフィーには何も映らないのですが、やはり触診ではしこりがあり、エコーでは黒い影が映りました。その後、MRIでの造影検査を受けることになりました。緊急性はないが、今取れる一番早い予約日(2週間後の日)に必ず検査を受けて下さいと言われました。しこり、影の位置は乳輪の真下側のあたりで、検査後、自分でさわってみても、しこりを確認することはできませんでした。不安で仕方ありません。どのようなことが考えられるのでしょうか?

マンモグラフィで見つからないものがエコー、触診で見つかることはあります。検診で調べた方がいい(要精査)と言われた方のうち乳ガンが見つかる割合は数%です。お手紙だけではそれが何かはわかりませんが、診断がつかない状態が一番辛いものです。MRI検査はかなり混んでいる検査です。2週間後のMRI検査は早いほうだと思います。きちんと受けてください。(文責 福間)

 

No.4498-1】 05年10月19日     Y.F 
ゾラデックスとリュープリンの違いについて

現在ゾラデックスを月1回腹部に注射しています。主治医からリュープリンの話(3ヶ月に1回で良いので、負担が少なくなるからということ)を聞きました。子宮への影響(子宮がんに注意するように言われています)などは全く変わらないのでしょうか?  

返事が遅れまして申し訳ありません。ゾラデックスの直接効果は卵巣に対してあります。子宮より卵巣への影響です。3ヶ月製剤でも卵巣への影響、ひいては乳癌に対する効果は同じだと思われます。尚、ゾラデックスが子宮ガンの発生を多くするというわけではありません。ノルバデックスを併用していたりする場合には注意するという意味だと思います。また乳ガンの方は子宮体ガンや卵巣ガンのリスクがやや高くなりますので、婦人科検診を受けるのは大切だと思います。ゾラデックスも3ヶ月有効な製剤を開発しつつあります。(文責 福間)

 

No.4498-2】 05年10月23日     Y.F 
ゾラデックスとリュープリンの違いについて(2)

ご回答大変ありがとうございます。もう一つだけお聞きしたいのですが、別の機関で相談したところ、『ノルバデックス(タモキシフェンのことですよね)を併用してないのは全く間違っている。基本的な治療ですから、きちんと処方してもらわないといけません』と言われました。実際のところはどうなのでしょうか?

ホルモン受容体陽性閉経前の転移性乳癌では、LH-RHアナログ(ゾラデックス、リュープリン)と外科的卵巣摘出術は同等の治療効果があり、またLH-RHアナログとタモキシフェン併用療法は、LH-RHアナログ単独より無増悪期間、及び全生存期間が良好であるとの報告があります。閉経前のホルモン感受性早期乳癌の術後療法では、「タモキシフェン、ゾラデックス、タモキシフェン+ゾラデックス、内分泌療法なし」の4群比較では、ゾラデックスが投与されている群で無病生存期間の延長が認められています。
貴女の場合、もし転移再発乳癌であるとすれば、「タモキシフェン+ゾラデックス」の併用が推奨されますが、転移再発乳癌でない場合(早期乳癌で、術後療法としてゾラデックスを使用する場合)は、タモキシフェンを追加してもしなくても同等の効果であるという事になっています。主治医と充分に相談し、納得のいく治療を受ける事が大切だと思います。(文責 須田)

 

No.4497】 05年10月19日     H 
検査結果について

41才、既婚、出産経験1回、痩せ型、親族に乳がんなし。8・22 人間ドックにて触診は異常なしでしたが、超音波検査の結果、左乳房のう胞の疑い、線維腺腫の疑い、右乳房乳腺腫瘤の疑いで要再検査になりました。9・5 国立医療センターの乳腺外来にて、触診、マンモグラフィ検査:異常所見なし。9・28 同医療センターにて再度超音波検査:左乳房異常なし、右乳房についてもしこりと呼べるほどではなく大丈夫だろう、ただ乳頭の真裏なので見えにくいかも・・・という事でした。お医者様は、「心配ならMRI検査をしてみますか?」と、おしゃっておりましたが、「たぶん結果は変わらないと思うので、3ヶ月後に触診のみの検査でいいでしょう」と言われました。
1) のう胞、線維腺腫は、ひと月でなくなってしまうものですか?
2) 乳頭の真裏だと発見しづらく、自己検査でも見落としてしまいがちなのですか?
3) やはり、私の様な場合でも、MRI検査を受けておいた方が安心なのでしょうか?

お忙しい中、申し訳ございませんが、回答宜しくお願い致します。 

返事が遅れまして申し訳ありません。1カ月前に指摘された線維腺腫、嚢胞がなくなることはないと思いますが、大きさによっては生理周期で見えにくい場合もあります。また嚢胞は多く見つかるので、あえてすべて伝えない場合があります。今回の場合はどうかはわかりません。確かに乳頭の裏のしこりなどは超音波検査などで見つけづらい場合があります。自己検診でも同じことがあります。自己検診よりは、マンモグラフィや超音波検査の方がより病変の発見率は高くなります。ご質問内容ではMRI検査の必要はないように思いますが、MRIで他の検査で見つからないものが見つかることも確かです。心配であれば検診という意味合いで受診する意味はあるかと思います。(文責 福間)

 

No.4496】 05年10月18日     T.T. 
細胞診の結果について

70歳の母の乳房腫瘍についてアドバイス下さい。2005年9月初旬、自己検診でしこりが見つかり、以下のような検査を受けました。
@マンモグラフィー ACT B超音波 CMRI(造影剤) D細胞検査(細い針) E細胞検査(太い針)
先生の所見は@ABCは、ほぼ乳癌の疑い、DEではクラスUではっきりしない結果でした。そこで9月29日に手術をしました。取り出した腫瘍を術中に病理検査し良性なら腫瘍摘出で終了、悪性なら乳癌としての処置をしますとの事でした。しかし、結果的に顕微鏡で見ても良性、悪性の判断がつかないとのとこで、腫瘍摘出のみでした。病理でも見た事もない細胞だとの事です。良性・悪性の判断がつかない組織とは何でしょうか? 結果がでるまで3週間との事ですが、もし悪い病気だったら進行しないか心配です。また、結果が再び「鑑別困難」と診断されたら、患者側はどのように対処すれば良いでしょうか? セカンドオピニオンも考えていますが、検査結果などは見せてもらえるのでしょうか? 母にとって最良の治療方法を探してあげたいと、私達姉妹も必死なのです。お忙しいとは思いますが、どうぞよろしくお願いします。

お母様のしこりに対し、主治医の先生がほぼ乳癌を疑っているが細胞の検査でははっきりしないということで、組織学的な検査目的で生検をされたということですね。ご心配な気持ちは良くわかります。術中の病理診断では良悪の判断の付かない病変も多くありますので、手術中この結果を受けて腫瘍摘出のみにとどめたのは主治医の先生の適正な判断かと思います。術後に摘出した病変を詳細に検討する事で必ず良悪何らかの結果がでると思われますが、結果はもう出たのでしょうか?結果がどうであったかによってアドバイスも異なってきます。検査結果は当然見せてもらえると思いますので、結果をお聞きになってから、主治医と相談されてはいかがでしょうか。もちろん主治医の先生とご相談の上、ご不明な点があればまたメールをください。ご返事お待ちしております。(文責 坂本)

 

No.4495】 05年10月18日     S・A
大きなしこりについて

現在5歳と生後7ヶ月の子供がいる31歳主婦です。左胸(腋の下に近い部分)に7cmくらいのしこりがあります。9月の終わりくらいから違和感はありましたが、現在授乳期間中の為母乳がたまってできたしこりだと思い込み、気にしていませんでした。 しかし授乳後もそのしこりは消えず、14日くらいからしこりが痛みだしました。だんだん大きくなっている気もします。母乳が張って大きくなっているのか、しこりが炎症をおこして腫れているのか、左右の大きさは2倍ほど違います。10月25日に乳腺外科の予約をとりましたが、あと10日間もあり、その間に悪化するのではないかと不安です。(以前平成15年4月に乳腺外科で検査したときは石灰化があり、気にしなくても良いと言われました。) 現在生理はまだありません。完全母乳で、特にしこりのある左胸の母乳がよくでています。乳頭の陥没や変色した乳汁はありません。
1) 25日の検査日まで待っていても、しこりが大きくなったり、悪化したりしないか?
2) 良性か悪性かどちらにしても、授乳をし続けていても赤ちゃんに害はないのか?
3) 上記からの文面では判断できないとは思いますが、何の病気だと思われますか?

お忙しいとは思いますが、よろしくお願いいたします。

1) 恐らく大丈夫と思いますが、確証はありません。
2) たとえ悪性腫瘍であっても伝染病ではありませんので害はありません。
3) 想像ですが、母乳のたまったのう胞の可能性が大きいように思います。(文責 吉田)

 

No.4494】 05年10月16日     R.I
骨転移について(HPNo.4047-2)

HPNo.4047で相談したものです。その節はありがとうございました。肩甲骨に骨転移の疑いありで、現在、ビスフォスフォネートで治療中です。治療の副作用も無く、骨の痛みも全く感じず、腫瘍マーカーも正常値を保って体調は良好です。質問ですが、骨の転移が確定的と想定して、転移場所を激しく使う運動(バレーやバトミントンなど)は骨には支障をきたしますか?(骨折などのトラブルは起こりますか?) また、肩甲骨ですが、骨転移が最初に起こりえる場所として、可能性はやはり高いでしょうか? 普通、最初は骨の転移は身体の中心部を支えている骨に行く事が多いと聞きました。ご意見、どうぞ宜しくお願い致します。

骨の転移が確定的である場合、転移の状況にもよりますが、激しい運動は骨折などの原因となります。骨転移は胸椎、腰椎などにおこることが多いですが、肋骨や四肢骨、骨盤などが初発部位となることも稀ではありません。勿論肩甲骨か初発ということもありますが、頻度的には高くありません。(文責 吉田)

 

No.4493-1】 05年10月16日     M.S.
乳がん検診の結果について

はじめてメールいたします。45歳の主婦です。実は病院で乳がん検診を受けておりますが、今回エコーで、「右脇の乳腺が開ききっている、しこりは見当たらないが悪性も疑えないという所見が出ているため、三ヵ月後に再検査しましょう」と言われました。悪性の疑いがあるなら組織をとるのかと聞いたところ、今回はいいとのことでした。乳がんというとしこりという感覚でいたので、そのようなことでがんの疑いがあるのに今ショックを受けています。マンモグラフィーの結果は何も言われませんでした。そして、両乳頭の分泌物(色は透明、少量)は細胞診で異常なしとのことです。先生は、要注意とのことで三ヵ月後の検診を決められたのか、それともがんの疑いをもっておられるのか、いろいろ考えると憂鬱になります。もう一度詳しく聞いたほうがよいのか、他の医療機関で受診しようか迷っています。三ヵ月後にがんだとわかったらどうしようという思いでいっぱいです。マンモグラフィーを受ける間隔は、もう少しあけたほうがよいのでしょうか? また、受診した時は右脇の痛みがあり、それに連動して乳腺が痛みました。しかし、一週間近くたって脇も乳腺もすっかり痛みは消え、筋肉痛かと思っていたのです。エコーでもその痛い部分をずっと当てて観察されていたように思いました。それが、所見に影響したのではとも思います。ご回答よろしくお願いいたします。

メールの記載より超音波で乳管の拡張が観察されたのでしょう。実際に診察していると何らかの異常所見のあるひとは沢山おります。このような時、癌の疑いが高ければ更に検査をすすめます。疑いが低い場合は様子観察し、間をあけて再検査をしてみます。あなたの場合は3ヶ月待って再検査を受ければ十分だど思います。マンモグラフィーも短期間では変わりはないと思います。もし仮に乳癌だったとしても正確に診断してから治療すれば問題ないと考えます。しかし、しこりの出現など異常に気がついたら、早めに受診しましょう。どうしても心配ならば、他の機関を受診するのも止むをえないと思いますが・・・。(文責 吉田)

 

No.4493-2】 06年01月09日     M.S.
低エコーという所見

以前HPNo.4493でお世話になった者です。その後、やはり心配で乳腺専門医のおられる他の病院で昨日受診してまいりました。その結果、以前指摘された乳腺の拡張はなかったのですが、エコーで右乳房の上の部分に6mmぐらいの乳腺のふくらみが発見されました。先生は、それが単なる乳腺のふくらみか、触診では分からなかったしこりであるのか、また脂肪が入りこんでいるのか、三ヵ月後また変化を診ましょうとおっしゃいました。それは、以前から多分あったのだが、指摘されなかったのだろうとも言われました。そして、カルテに「低エコー」と記載されました。これは、どういう所見なのでしょうか? あまり心配しなくてよいと言われましたが、やはり気になります。マンモグラフィーでは、両乳房に良性の石灰化があるとのこと、分泌物は今回ありませんでした。触診では触れなくても、その部分がしこりになっていることもあるのですか? また、悪性ということもあるのでしょうか? 再度お手数かけますが、ご回答よろしくお願いいたします。

最近の画像検査は機械がよくなったので、かなり細かいところまで見えるようになりました。ですから、触れない「がん」もかなり発見されるようになりました。しかしそれと同時に「がん」でない病変も多くみつかり、これを日々「がん」の可能性が高いかどうか見分けているわけです。「がん」の可能性がもし高い「かたち」をしていれば、針の検査などをすすめることになりますし、「がん」の可能性が低そうな「かたち」をしていれば経過を観察します。ですから、この場合は「がん」の可能性が低いと判断されているのでしょう。文面から判断できるのはこのくらいなので、主治医の先生にもお聞きになってみてくださいね。(文責 俵矢)

 

No.4492】 05年10月16日     M
左乳房の痛みについて

初めてご相談させていただきます。41才既婚で、出産経験は33才の時に一回、母乳とミルクの混合で、断乳は1才8ヶ月でした。3〜4日前から胸全体を何かに押し当てた後、左乳房だけ痛みが残る感じがあり、乳がんの自己診断方法に従って乳房全体を触ってみると、左乳房の乳頭より2〜3cm上の部分を押すと痛みがあることがわかりました。片方の乳房だけ、というのがとても気になります。しこりのようなものは、左右ともにないようです。2年前に乳がん検診でマンモグラフィと触診を受けた時には、1〜2mmの小さな石灰化がいくつかあるが、心配ないでしょうと言われ、触診も異常ありませんでした。普段、生理前に胸が張ったりする自覚はほとんどなく、生理痛も軽く、生理は28〜30日周期で順調です。最終月経は9月30日から5日間でした。
1) 乳がんの自己診断を見ると「痛みのないしこりがあったら専門医へ」とあるのですが、乳がんの心配や、それ以外に考えられることはありますか?
2) やはり心配ならすぐ受診した方が良いのでしょうか? その場合は婦人科ではなく乳腺外科が良いですか?
3) 様子を見るとしたらどのようなことに気をつけて見れば良いのでしょうか?

よろしくお願い致します。 

1) 乳房の痛みで一番多いのは乳腺症です。そのほか乳腺炎、乳房の皮下にできたものや打撲や筋肉痛といったことも考えられます。乳癌でも稀に痛みを伴うものあります。
2)3) 痛みの状況やしこりの出現に気をつけて、様子を見てかまいませんが、一ヶ月ぐらいたっても痛みの状況がかわらなければ、乳腺の専門外来を受診した方が良いでしょう。(文責 吉田)

 

No.4491】 05年10月16日     P,O
ホルモン治療について

2003年10月 浸潤性乳管癌、年齢現在55才、左乳房全摘、腫瘍経2cm、断端ー、リンパ転移なし、グレード1、ホルマン感受性あり。術後すぐタモキシフェンを1年服用し、生理がなかったため年齢的にも閉経していると思いアリミデックスを1年間服用しました所、先日2年ぶりに生理が来てしまい戸惑っております。
1) 閉経前後の薬としてタモキシフェン又はアリミデックス、どちらの薬を服用した方が宜しいでしょうか。やはりタモキシフェンに戻った方が宜しいでしょうか。
2) タモキシフェンを服用した場合、血液検査で閉経を確かめてすぐアリミデックスに切り替えても宜しいでしょうか。
3) アリミデックスは閉経後の薬と聞いておりますのに、まだ完全に閉経していない状態で1年間服用いたしました。その間は無治療となる訳でしょうか。再発の危険性はありますでしょうか。心配です。

1) 理論的には閉経期には血中のエストロゲンを調べて、低下していることを確認してアリミデックスの使用を決めるべきだと思います。閉経期にはホルモンバランスが悪く、間歇的に生理がくる様になりますが、あなたのように2年ぶりという方もいてもおかしくはありません。しかし年齢的にも血中エストロゲンは低下傾向にあることは確かで、タモキシフェンに戻す必要はなく、アリミデックスの服用を続けて良いと思います。
2) 勿論問題はありません。
3) アリミデックスは主に脂肪組織におけるエストロゲン産生を抑制して乳癌の発育や再発を抑制いたします。閉経が不完全であってもこの作用は残りますので、全く無効ということはありません。もともと再発のリスクは低い乳癌であると思いますので、気にしなくてもよいでしょう。(文責 吉田)

 

No.4490】 05年10月16日     りり
しこりについての相談です

はじめてメールいたします。30代後半です。1年ほど前から胸にしこりがあることに気づき、近所の外科で、触診、マンモ、エコーで3ヶ月おきに診ていただいてきました。その結果しこりはひとつではなく何個もあり、乳腺症ということで経過観察ということでした。先日3ヶ月の検診の時期がきましたので、前から自分で確認できたしこりが硬く、少し大きくなったような感じがしたので、その旨を先生に伝えたところ、いつもの検査をした後に、「乳腺症だと思いますが、とてもご心配されているようなので、そのしこりをとってはっきりさせましょう」と言われました。外来でしこりをとれるということで、「2センチくらい切りますので、5センチくらいのキズが残ります。」と言われました。しこりは、触っているうちに先生もどこにいったかわからなくなってしまうので、「もし外来手術の時にわからなかったら延期します。」といわれました。この手術は細胞診検査というものとは違うものですよね?(針をさす?) 良性が悪性かはっきりさせる方法は、この外来でのしこりの摘出が一番いいのでしょうか? キズを作らずにはっきりさせる有効な検査方法はないのでしょうか? しこりの大きさは5.5ミリくらいだそうです。話がまとまらなくてすみません。ご回答よろしくお願いいたします。

しこりを切り取って調べる方法は、生検と言って組織診断(最終診断)を付けるために行うもので、しこりに針を刺し細胞を検査する細胞診とは異なります。細胞診は稀に針を刺す部位がズレてしまったり、細胞が取れなかったりして正しく診断ができないことがあります。しかしあなたの様な状況でしたら、まず細胞診を行うのが一般的と思われます。主治医と良く相談してみてください。(文責 吉田)

 

No.4489】 05年10月15日     F.K.
Ncc-st439と骨転移について(HPNo.1767-4)

2年前にHPNo.1767等で回答頂きました。39歳時、腫瘍2センチ、リンパ節転移無し、悪性度不明、右乳房温存手術、放射線治療、ホルモン治療(ゾラ、ノルバ)、2004年5月更年期症状大のためゾラ10回で中止、同年8月より生理があります。今現在ノルバのみ服用中です。先日、主治医よりNcc-st439の値が上昇中ということで、CTと骨シンチをしましたが、異常なしでした。
(マーカー値): 2004/6月 3.3、 10月 6.5、 12月 9.8、 2005/3月 17.1、 6月 15.8、 9月 13.7

1) Ncc-st439とは、具体的にどういうマーカーなのでしょうか? 骨転移と関係が大きいのでしょうか?
2) ゾラを中止した頃よりマーカー値が上昇しているのですが、生理と関係ありますか?
3) 今まで3ヶ月に一度の採血が、マーカー上昇に伴い、次回2ヶ月後の11月なのですが適当でしょうか? 
4) 今後もマーカー値が上昇していくと画像診断上と合わせて骨転移の可能性が高くなるという事でしょうか?
5) もし骨転移ならば他のマーカー値ICTP値も上がりますか?
6) 転移後の治療としては、ホルモン感受性有りなので、またゾラをする事が一番の治療法になるのでしょうか?ゾラの副作用が怖いです。他の治療法はないのでしょうか?
 
以上、No.4449と重複する点もありますが、ご回答宜しくお願い致します。

1) NCC−ST439は正常値は7までとされていますが、実際は14まで問題ないとする考え方もあります。経験的な話になりますが、NCC−ST439が上昇したときには確かに骨病変が認められる傾向があると思います。
2) NCC−ST439と生理との関係は不明ですが、経験的に季節変動は大きいと思います。(勿論、変動しない方もいらっしゃいますが)
3) 腫瘍マーカーが上昇してきた時には1〜2ヶ月に一回採血することがあります。保険的には月1回しか認められていませんし、ずっと上がり続けているわけでもないようですから、2ヶ月に一回でも問題はないと思います。
4) 必ずしも骨転移とは限りませんので、他の部位も含めてフォローが必要です。
5) 1−CTPは骨の代謝マーカーで、骨転移の指標になります。この代謝マーカー自体も特に理由がなく変動することもありますので、これだけで一喜一憂するのは考え物です。
6) 治療中断後半年以上経過しての再発であれば有効な可能性はあります。それ以上短い間ですと、元々あまり効いていなかった可能性が高くなります。必要に応じて化学療法に切り替えたり、追加することがあります。

これは腫瘍マーカー全体に言えることですが、腫瘍マーカーがちょっと高いから絶対に転移再発が起こっているわけでもないし、腫瘍マーカーが正常値だから何処にも転移・再発していないとは言い切れません。あくまで補助診断の一つと考えていただいて、CTやシンチで問題がないのであれば、今の治療の継続をお勧めします。ただし、腫瘍マーカーが鰻登りに上昇しているときは、やはり何かが起こっているようです。(阿部)

 

No.4488】 05年10月15日     M 
乳がん検査の結果と経過観察について

はじめてメールさせていただきます。よろしくお願いいたします。若い頃からあった右側の小さなしこりが年齢とともに気になりはじめて5年前に診察していただきました。楕円でころころと動き、エコー検査でも穿刺をして細胞診でも良性でした。それから定期健診を半年ごとに行ってきました。そのうち、左側にもしこりができ、エコーや穿刺でも良性だったのですが、大きくなったので気になり昨年12月にマンモトーム生検を受けました。その1週間前にCT検査を受けたのですが、その結果が造影剤が両胸とも赤く染まり、血流が多くなっているので、癌の疑いがありという結果だったそうです。しかしマントームの結果は良性で、大丈夫でしょうということでした。しかしCTの結果は無視できないので今年の9月にエコーとマンモグラフィー 、MRIの検査をうけました。しかし結果は、詳しいことはわからないらしいのです。こんなに検査を受けてもわからないということはあるのでしょうか。それから、このまま経過観察でいいのかとても不安です。セカンドオピニオンを受けた方がいいのでしょうか。先生はどのようにお考えになられますか。両側に複数のしこりがあり左側はマンモトーム生検のところが3分の1程のこっています。左胸の外側が痛みがあり違和感があります。経過観察をしている内に手遅れになったりするのではないかと考えると不安でたまらなくなります。

すべての検査が同じ結果を示唆してくれれば全く問題はありませんが、しばしば一つだけ外れてしまうということがあります。お尋ねの件では、CTだけが外れているわけですね。他の検査では両側に多発腫瘤があり、一部をマンモトーム生検したところ良性だったということであれば、線維腺腫もしくは乳腺症の一部を考えたいところです。検査の中で一番価値の高いものは適切に採取・処理された組織検査だと思います。マンモトームで得られた組織が良性で、そのほかの大部分の検査が悪性を示唆しないのでしたら、引き続き画像診断でフォローされるのが実際的だと思います。線維腺腫も乳腺症も閉経なさると徐々に目立たなくなってきます。ご心配でしたら、セカンドオピニオンを受けられるのも良いでしょう。(阿部)

 

No.4487】 05年10月15日     W.K.
腹水について(HPNo.4158-4)

昨日、肝機能低下についてメールさせてもらったばかりの者です。超音波をしたところ腹水がたまっていることが分かりました。これからCT検査及び腹水の細胞診を検査し、結果次第ハーセプチン治療を始めると言われましたが、まだ肝機能が回復していない為すぐには治療に入れないとも言われました。その間にどんどん進行していくことに恐れています。もし今後ハーセプチンが効けば、少なからずの延命効果は期待できますか?

お返事が遅くなり申し訳ありません。肝転移・肝機能低下・腹水貯留という状態からは肝不全の状態ではないでしょうか? いずれの薬剤もある程度の全身状態が保たれていないと、厳しいことがあります。理論上はハーセプチンが有効であれば延命できるはずですが、病勢との兼ね合いもありますので断定しかねます。(阿部)

 

No.4486】 05年10月15日     K・K 
アリミデックスについて

母が2年半近くアリミデックスのみを服用しています。最近関節が痛いとか、腫れる、疲れるといいます。75歳で、左乳房全摘、リンパ節転移があり腋下リンパ節切除しました。ホルモン受容(―)でした。中等度の僧帽弁狭窄もあり十数年服薬治療を続けていて、抗ガン剤は副作用がひどく、内服できなくなり止めました。今の所、転移もなく、三か月に一回通院しています。一般状態もよく、本人もできるなら服薬に関して疑問があり、副作用があるなら止めたいと言っています。医師に相談しましたが、まだ2年半だしと言っています。果たして続ける意味があるのか、ご意見をお聞かせ下さい。

ホルモン感受性が陰性の場合のホルモン療法の有効性は概ね10%です。アリミデックスは比較的副作用の少ない薬剤ですが、もし不都合が生じるようでしたら、他のアロマターゼ阻害剤に変更するという方法もあると思います。(阿部)

 

No.4485】 05年10月15日     H 
化学療法の必要性について教えてください

37歳、未婚です。温存手術をして、本日、病理結果が判明しました。「大きさは2.0×1.5、センチネルリンパ節生検で0/1で転移なし、 グレード2 、ホルモン受容体陽性、年齢>35才 」という内容を告げられました。放射線治療は病院の方針で、完全に取り切れているとの事でしないとの事です(癌専門病院で主治医も大丈夫との事なので、これは納得しています)。私としては上記の内容なら補助療法はホルモン剤治療のみかと思ったのですが、主治医は、「大きさが2センチでぎりぎり、ステージ1、グレード2、35才以上だが年齢が若い」との理由で、化学療法を併用するかどうかと聞いてきました。化学療法なら、アドリアマイシンとエピルビシンで半年間との事です。いやであればしなくても良いが、転移が出た後でやらなかった事を後悔するのならやっても良いとの事です。化学療法も併用してやった方が良いのか悩んでいます。

St.Gallen2005によればIntermediate riskですから、化学療法を行うという選択肢もあります。最終的にお決めになるのはご本人ですが、未婚の方ですので今後、結婚・出産なども考えることがあると思います。一度再発・転移を生じた場合は根治させるのが難しいことをご理解の上で、主治医の先生とよくご相談なさってください。(阿部)

 

No.4484】 05年10月15日     R 
乳がん診断から治療までの期間は?

お忙しいところ、すみません。私、42歳、9月22日にステージ2bの浸潤がんと診断されました。しこり大きさは4cm、リンパ腺に転移ありです。他の病院で1度相談したいと思い、現在の主治医に紹介状とデーターを頂きたいと相談いたしましたところ、生検検査を先週に行い、まだその結果が来週にならないと出ないとの事、その結果が出たら紹介状を書いてくださるとの事です。そういたしますと、かれこれ癌と診断されてから1ヶ月もたってしまいますが、治療が遅れても平気なのでしょうか? とても心配です。 

乳癌の診断には少なくとも細胞診、できれば組織診が必要です。一般的には細胞診で数日から一週間、組織診で1週間から10日前後判定までに時間を要しますから、自前のラボのない施設では仕方がないことかも知れません。乳癌の診断から治療開始までの時間を気になさっているようですが、細胞診では時間が多少開いても問題はないと言われています。いずれにしても全体の評価ができないと治療方針も立てられません。セカンドオピニオンを求められた側も曖昧な返答しかできなくなりますので、あせらないでください。最近の傾向としては、術前化学療法を施行して乳癌が抗癌剤に反応するタイプか否かを見極めてから手術をするという施設も増えてきました。メリットは自分に合った抗癌剤を見つけられて、抗癌剤の効き具合によっては乳房温存も可能になると言うことですが、デメリットとしては、もし抗癌剤が有効でなかった場合、その間に癌が育ってしまうと言うことです。(阿部)

 

No.4483】 05年10月15日     I.K
乳腺線維腺腫と妊娠について

29歳、子供1人です。検索エンジンでこの様なHPを見つけ、とても悩んでいる時にこうして相談に乗っていただける先生がいらっしゃる事に大変感謝します。私の左胸には、11年前(18歳の時)よりしこりがあります。
■検査暦■
1) 24歳の時、初めて検査。検査内容:触診・マンモ・エコー。結果は良性の線維腺腫なので、大きくなる等変化がなければ放っておいてよいとの事。以降そのまま放置。
2) 26歳の時、第1子出産後、しこりの傍にもう一つ同じようなしこりが出来たので、気になって乳腺外来のある別の病院へ。検査内容:触診・マンモ・エコー。結果は良性。その後は半年に一回の定期検査になり、2年ほど通ったが、引越しにより中断。
3) 29歳(今年1月)、転居先(現在)です。2)の時よりも大きさが一回りほど大きくなっているのが気になり、地元の総合病院の外科へ。検査内容:触診・マンモ・エコー・注射器による細胞診(細い針の注射器と、太い針の注射器を2本刺して採りました)。結果は、良性の線維腺腫なので心配いらないという事で、1)の病院同様、しこりに変化があったらまた来るように言われ、特に定期検査も言われませんでした。不安だったので、『取ってしまわなくてもいいのでしょうか?』と聞きましたが、先生は、乳房の形も変わるし、取る必要はないとおっしゃいました。ちなみにしこりの大きさは、一つは2センチ、もう一つは1センチ程です。しこりを取りもせず、定期検査も行かず、大丈夫なのだろうかと、線維腺腫と診断がついたものの、100パーセント安心できないまま、あれから9ヶ月がたちました。

そしてここからが相談なのですが、先日、嬉しい事に第2子の妊娠が判明しました。それで左胸の線維腺腫のことが不安になってきたのです。あれから9ヶ月、定期検査もしてないし、しこりも取ってないので、もし、万が一、このしこりの一部に隠れて癌があったとしたら・・・。この妊娠によって、その癌が悪化して進行してしまうんではないかと・・・。考えすぎですか?
1) 摘出生検無しでの線維腺腫の診断は、どのくらい正確なんでしょうか?
2) この妊娠が及ぼす線維腺腫への影響はありますか? 妊娠したことにより、ホルモンの影響で癌化するってことはありますか?
3) また、私はこの先どうしたらよいかのアドバイスも頂きたいです。妊娠が安定期に入ったら、乳腺外来のある違う病院へ行き、もう一度しこりの検査をしたほうがよいですか? その際は妊娠の安定期に入ったら切除した方がよいですか?

長文、および乱文になってしまったことをお詫びすると共に、先生のお考えをお聞きできたらと思います。お忙しいところすみませんが、どうぞよろしくお願い致します。

1) 摘出生検無しの診断についてですが、「太い針での注射器」の意味が不明ですが、もしコアニードルバイオプシーと呼ばれる検査であれば、細胞診ではなく組織診ですので、摘出生検とほぼ同格の精度があります。もし、細胞診のみでご心配でしたら、一度ご相談されてはいかがでしょうか?
2) 妊娠で癌化することはまず考えなくても良いと思います。もし、癌化するのであれば、最初からどこかに癌細胞が紛れていたと考える方が自然でしょう。ただ、乳腺の組織全体が妊娠の影響を受けますので、多少大きくなる可能性は否定できません。
3) 2cmぐらいの腫瘤でしたらあまり心配はいりません。3cmを超えるようでしたら摘出されるのも一つの方法でしょう。

細胞診で線維腺腫と診断されていても、急速に増大した場合は葉状腫瘍の可能性も否定できません。葉状腫瘍は大部分は良性ですが、稀に悪性もありますので大きな腫瘍は切除をお勧めします。(阿部)

 

No.4482】 05年10月15日     A.M.
炎症性乳がんではないかと不安です

28歳女性、7月に初めての子供を出産し、現在搾乳にて授乳中の者です。9月の終りに気づいたのですが、@左胸が右胸に比べ大きくなっている A左胸の外側(脇側)が腫れている B全体的に湿疹ができ、毛穴が目立ち、かさついている C左腕がしびれる・・・という状態です。総合病院の外科に行ったところ、視触診はほとんどせず(授乳中でわかりにくいとのこと)、超音波検査を受け、しこり等おかしなところはないので大丈夫だと言われました。胸の腫れについては、授乳中だからではないかと、要領を得ない回答を貰いました。左腕のしびれは、乳腺は関係ないとのことで、神経内科へ回されました。不安であったため、後日日本乳がん学会の認定専門医のいる病院で再度診察(マンモグラフィー、超音波検査)を受けましたが、異常はないとの診断でした。ここでも触診はなく、脇の下をちょっとだけ触られました。数日たちますが、左胸に全く改善はなく、腫れ、湿疹などの症状から炎症性乳がんではないかと不安です。
1) 炎症性乳がんも、マンモや超音波で判断できるのでしょうか?(マンモグラフィーの画像は授乳中のためか真っ白でした。)
2) お医者さんも、その可能性まで考えて診断しているのでしょうか?
3) 腕の痺れは本当に関係ないのでしょうか?(がんの兆候で腕のしびれもあると、国立がんセンターのHPに出ているのですが…)

言葉足らずなところがありましたら申し訳ありません。回答をお願いします。

1) 炎症性乳癌もマンモグラフィでは、梁柱の肥厚など独特の所見が出てきます。また、超音波でも皮膚の肥厚や健側乳房とのエコーレベルの差などで疑われると思います。
2) 外科系の医師や乳腺の専門医でしたら赤く腫れている乳房を見れば、必ずその可能性も考えるはずです。
3) 乳癌やその転移リンパ節が腋窩の神経に影響を与えれば、しびれを生じることは充分あり得ます。

今回の件に関しては授乳中のため診断に難渋する可能性はありますが、授乳中の方の乳房に左右差が生じることはよくあります。もしかしたら乳腺炎の様な状態になっているのかも知れませんね。2カ所で一通りの検査を受けられたのであれば、発想をかえて一度助産師など授乳中の乳房管理に長けている方にご相談されてはいかがでしょうか?(阿部)

 

No.4481】 05年10月15日     y、s
検査結果について

ご相談したいことがあり、メールさせていただきました。よろしくお願いいたします。アメリカで生活しております。一ヶ月ほど前に小豆大のしこりを右胸上部に見つけて、本日検査してもらいました。最初の癌科の先生は、「触診で違うと思うけれど、心配なら念のためマンモと超音波をやってきてください。」とのことで、検査をしていただきました。結果は、レントゲンは何も写っていませんでした。超音波も何も見えないとのことでした。「針で組織をとるには小さすぎてうまくさせないと思うので、このままか、なくなればそれでいいし、もし大きくなったら、また来てください」との結果でした。レントゲンと超音波の先生も触って、「違うんじゃないかな」と言っていらっしゃいましたが・・・。もしも悪いものでしたら、ほおっておいても平気なのでしょうか? 悪性度の高いものだと、小さくても転移してしまうのではないでしょうか? なんともすっきりしない結果で、どうしてよいかわかりません。触った感じは、8ミリくらいの豆といったところなのですが、小さすぎて、超音波、マンモ両方とも写らないことはあるのでしょうか? なんでもないので写らなかったのか? それなら安心なのですが・・・。良いアドバイス、よろしくお願いいたします。

視触診では何らかの腫瘤を触れるのに、マンモグラフィや超音波などの一般的な画像診断では異常がないということは時々見受けます。年齢や乳房全体の状態が判りませんので可能性のありそうな事柄を列挙します。
1) 脂肪が瘤状になった場合(脂肪腫ではなくて)は、触診では若干の硬さがあるのに超音波では周囲の脂肪と差がありませんし、レントゲン(マンモグラフィ)でも異常所見は呈しません。
2) 乳腺の量が多い場合はレントゲン(マンモグラフィ)では拾えないことがありますが、この場合は超音波でフォローできるはずです。超音波でも判別し難い症例もありますが、比較的稀です。
3) 小さな乳癌でも転移することはあり得ますが、癌の顔つき(核異型度など)で異なります。

今回のお尋ねの件では触診された3名の専門家もあまり乳癌を疑ってはいらっしゃらないようですし、レントゲンも超音波も反応しないのであれば経過観察で良いと考えます。(具体的には1〜2年に一回のマンモグラフィ・超音波と、月一回の月経後の自己触診でいかがでしょうか?)(阿部)

 

No.4480】 05年10月15日     W.K.
肝機能低下(HPNo.4158-3)

以前、腫瘍マーカーの件で相談させてもらったものです。先月辺りから体が非常に疲れやすくなり、喉が異常なほど渇き病院に行ったところ、肝機能が低下していると言われました。点滴をし、だいぶ体が楽になったのですが、これは肝臓転移による原因で肝機能が低下してしまったのでしょうか? もしそうだとすると、だいぶ肝臓への転移が進んでいるという事なのでしょうか? 食欲もあり、普通に生活しております。ご返答、宜しくお願い致します。

肝転移が存在し肝機能低下と説明されているのでしたら、転移が進行している可能性も否定できません。食欲もあり、普通に生活できているそうですが、異常な喉の渇きがある場合は何らかの理由で血管内が脱水になっている可能性があります。採血・腹部超音波などをお勧めします。(阿部)

 

No.4479】 05年10月15日     H.H
針生検について

40歳主婦です。先月右乳房に2センチ位のしこりがありA病院で細胞診をしたところ、「よく取れなかったが、たぶん大丈夫。2ヶ月後に来るように」と言われました。すぐB病院の乳腺外科も受診。細胞診で陽性と言われました。それで患者会の方に相談したところ、A病院の先生は乳腺の専門で信頼できるといわれ、再度A病院を受診。針生検をして陰性がでたので、しこりだけ取って調べることになりました。しこりを調べれば、はっきりすると思いますが、それまで不安です。針生検の信頼性はどうなんでしょうか?

針生検(細胞診)は細胞が採れていれば有効な診断手段となりますが、細胞が取れない場合はあてになりません。乳癌でも硬癌などの場合は、細胞があまり採れず偽陰性とることがよくあります。しかし細胞診で陽性であった場合、その信頼性は高く、95%以上は悪性だと思います。(文責 吉田)

 

No.4478-1】 05年10月15日     T.T. 
ハーセプチン治療に関して

初めてメールします。乳がん治療中である母(63才)の件で相談いたします。今年5月末に左乳房温存術を受け、「ステージ3a リンパ節転移4/29 ホルモンレセプタ陽性、悪性度Grade3」との結果が出ました。放射線治療を終え、AC タキソールの化学療法がはじまりました。先日担当の先生にハーセプチンの有効性を聞いたところ、3割程改善の見込みがあること、心臓への毒性があること、1年で300万ぐらいかかることを聞きました。
1)金額的に負担を減らせる方法はあるのでしょうか。
2)ハーセプチンの有効性はどれほど期待できるのでしょうか。
3)今後の治療方法に関して何アドバイスをいただきたい。
以上宜しくお願いいたします。

1)ハーセプチンを一年続けたら300万ぐらいになるでしょう。現在ハーセプチンは再発乳癌には保険適用があり、3割負担の人で月7万から4万で、高額医療の負担軽減の措置も受けられると思います。
2)ハーセプチンはハーツー(HER2:増殖因子のレセプター)の発現のある乳癌でなければ効果は期待できません。HER2陽性の場合、抗がん剤と組合せることにより、抗がん剤単独のものよりも約2倍の奏功率があるとされています。(タキソテール単独の双効率 34%, タキソテール+ハーセプチンの奏功率 61%)
3)ホルモンレセプターが陽性ですので、化学療法が終わりましたら、アロマターゼ阻害剤によるホルモン治療を受け、もしも再発したらHER2を調べた後にハーセプチンの使用を考えるのが良いと思います。(文責 吉田)

 

No.4478-2】 06年03月26日     T.T. 
再発予防のハーセプチン治療

HPNo.4478で質問させていただいたものです。その後ハーセプチン治療の希望を先生にお願いしたのですが、タキソールとハーセプチンを一緒にするより抗がん剤治療終了後にハーセプチンをするということになりました。「一緒にやるほうがいいのでは?」との問いに、副作用の軽減との回答でした。ハーセプチンを受けさせてもらえることにとりあえず納得しましたが、抗がん剤治療も終わりに近づき、また不安になりメールさせていただきました。ハーセプチン単独でもそれなりの効果は期待できるのでしょうか?

ハーセプチンは日本ではまだ再発乳癌でしか適応が通っていません。単独使用でも効果は認められますが、単独での奏功率20%程度に対し、併用すると40%を超えるといわれています。また参考までにBCIRG 006 のトライアルの中間報告によれば、術後補助療法としてアドリアシン、エンドキサン後にタキソールを加えるAC→Tとこれに加えてハーセプチンを1年加える AC→THを比較すると、平均観察期間23ヶ月で4年生存率が73%対84%という差が出ました。ただ併用すると副作用も強くなり、心毒性はAC→T 群で0.86%に対し、AC→TH 群で2.62%と増加していました。(文責 片山)

 

No.4477】 05年10月15日     Y.I. 
血性の分泌としこり

29才未婚です。1ヶ月程前に左胸の乳首から血性の分泌物がありました。それを気にしていたためか、両胸全体に神経痛のような痛みを感じるようになりました。先日、近くの乳腺外来で分泌物の細胞診(分泌物をガラスプレートにとりました)と超音波検査を受けたところ、細胞診はU、超音波では左胸にしこりはみられませんでした。しかし、何の症状も感じなかった右胸にしこりがあると言われました。太っているので、もともと乳腺が開き気味なのかもしれないけれど、写真も撮った方が良いということで、マンモグラフィは来週受ける予定です。左胸は様子を見ましょうと言われました。現在、左胸の分泌は乳首をつまむと血性のものが少し出てきます。右胸は先にも書きましたが、気にしてよく触ってしまうせいか、神経痛のような痛みを感じます。両胸それぞれ違う症状です。どのような病気なのか心配です。

右乳房のしこりについては検査して見ないと何であるか見当がつきません。年齢と痛みがあることより、乳腺症の可能性が高いと思いますが・・・。左の血性分泌物については、いつまでも続くようでしたら、分泌物のCEAの測定や乳管造影など、さらに検査を追加することが必要でしょう。乳管内乳頭腫など良性の病変が考えられますが、小さな乳癌のこともあります。(文責 吉田)

 

No.4476】 05年10月15日     A・N
人間ドックの結果について

2ヶ月前に人間ドックを受けました。「マンモグラフィーにも所見なし」ということでほっとしていたのですが、先日、「別の人の結果を記載した」と連絡がありました。そして、今日新たに検査結果が届き、「左中下部含脂肪腫瘤陰影 処置不要」とありましたが、本当に大丈夫なのでしょうか。よろしくお願い致します。

マンモグラフィの含脂肪腫瘤陰影というのは良性の所見です。大丈夫です。(文責 吉田)

 

No.4475】 05年10月15日     Y.T. 
術後の運動について

初めてお便りさせて頂きます。いつも興味深く拝見しております。30代の主婦です。一つお聞きしたいことがあるので、よろしくお願いします。私は5月に右乳癌で温存手術をし、25回の放射線後、リンパの転移が無いため、ノルバデックス服用とゾラデックスを月に一本注射しております。術前はスポーツしていたため、体重を維持しておりましたが、術後職場には復帰したものの、激しいスポーツは右腕と患部が痛むため、やっておりません。このところ、お腹の贅肉が気になり、体重も3キロ増加してしまいました。そこで、質問なのですが、お腹にゾラデックスを打っていても、腹筋をやりこんでもいいのでしょうか。気のせいか、ゾラデックス注射後はお腹か妙に膨らんでいるようで、腹筋するのが怖いのですが・・・。ご返答お待ちしてます。

ゾラテックスは皮下に打つことになっていますので、腹筋をしても問題はないと考えます。しかし出血などを起こす可能性がありますので、打った当日は静かにしていた方が良いでしょう。(文責 吉田)

 

No.4474】 05年10月15日     K.S. 
術後の患部について

50歳。5月下旬、石灰化でマンモトームの後、手術。非浸潤癌で、8月放射線50グレイが終了しました。一応、ホッとしているところですが、最近手術した左脇にかけて硬くなっていたところが、夕方になると少し腫れてきて、むくんできます。他人がさわると、硬く腫れて感じるとのこと。私自身も、少し痛みがあります。9月の検診時、先生に少し硬く痛みもあると申しましたが、段々良くなるとのこと。12月に検診があるのですが、気になり我慢できる痛みですが、夕方になると腫れができ、朝は割合すっきりしています。予約を入れて先生に問うことにすごくためらいを感じますが、このような症状というのは、何が考えられますか。実は手術に至るまで、いろいろな疑問があり、その都度先生には答えていただきました。マンモトームで血腫ができました。血腫は小さいとの説明。その際、マーカー(癌があるとことが解るように)を打ち込みました。それが手術の際、マーカーがはずれて血腫の中にあり、位置は大きくずれていました。でも、「計算してきちんと癌はとります」との説明。その血腫のせいで、たぶん傷は大きくなりました。血腫は脇のほうでした。癌はブレストの中央よりでした。そんなことが影響しているのでしょうか。そのことを含め、担当医に問うことはなかなかできませんが、本当は私が担当医に聞いて判断することなのですが、12月まで様子を見るべきものなのか、メールで質問させていただきました。

術後照射の影響で残した乳腺が炎症を起こしているのではないかと思われますが、実際に診察しないと何であるかは判りません。放射線の影響は時間がたてば軽快していきます。症状が強くなるようでしたら早めに受診してください。(文責 吉田)

 

No.4473】 05年10月15日     H 
検査結果

41才、既婚、出産経験1回、痩せ型、親族に乳がんなし。8・22 人間ドックにて、触診は異常なし、超音波検査の結果、左乳房のう胞の疑い、線維腺腫の疑い、右乳房乳腺腫瘤の疑いで要再検査になりました。9・5 国立の医療センターの乳腺外来にて触診、マンモグラフィ検査:異常所見なし。9・28 同医療センターにて再度超音波検査:左乳房異常なし、右乳房についても、「しこりと呼べるほどではなく大丈夫だろう、ただ乳頭の真裏なので見えにくいかも」という事でした。お医者様は、心配ならMRI検査をしてみますか?とおしゃっておりましたが、たぶん結果は変わらないと思うので3ヶ月後に触診のみの検査でいいでしょうと言われました。
質問ですが・・・
1) のう胞、線維腺腫はひと月でなくなってしまうものですか?
2) 乳頭の真裏だと発見しづらく、自己検査でも見落としてしまいがちなのですか?
3) 触診、マンモ、エコーで異常所見が無い場合でもMRIで見つかる様なケースもあるのでしょうか?
お忙しい中申し訳ございませんが、回答宜しくお願い致します。 

1)のう胞、線維腺腫は共に自然消退することはあるとありますが、一ヶ月ではなくならないと思います。しかしこれらの所見が軽度である場合、「異常所見」として可能性はあります。
2)その通りです。乳頭が邪魔をして見落としがちです。
3)MRIの解像度が良くなり、癌病変の広がりなどがかなり正確に判定できるようです。実際に経験はありませんが、MRIが乳癌発見の契機となることもあると思います。しかしこの様な場合でも、マンモグラフィやエコーでも何らかの所見はあると思います。(文責 吉田)

 

No.4472-1】 05年10月15日     Y/n
乳房の痛みと発赤

丁度1週間前に、市の検診で触視診とマンモを受けました。触視診では(ー)となっていましたが、マンモの結果は約3週間後です。現在、後5日程で生理開始予定ですが、2,3日前より左乳房が張って、弱い痛みと微熱を感じるようになりました。また、今朝鏡の前に立った時、左乳房外側上方表面にうっすらとですが、1.5cm四方赤みを帯びているのを発見しました。マンモの結果が出るのはまだまだですが、かなりの不安を感じています。どんな事が、考えられるのでしょうか? 41歳既婚、出産は33歳時に1回、但し、この7,8月と2ケ月間、妊娠していましたが流産し、その後の最初の生理が9月21日から約6日間ありました。どうか宜しくお願い致します。

妊娠していたこともあり、まず考えられるのは乳腺炎です。しかし頻度的には稀ですが、似たような症状ではじまる乳癌(炎症性乳癌)もありますので、一度乳腺外来を受診して見てください。(文責 吉田)

 

No.4472-2】 05年10月20日     Y/n
乳房の痛みと発赤(No.2)

早速のご丁寧な回答、ありがとうございました。その後、生理は未だ始まっていないため、相談させて頂いた左乳房に加え、右も若干の乳房痛が有ります。赤みは先週ほど気にならない程度にひきました。そこで、御回答に関し再度確認させて頂きたいのですが、10月5日にマンモの撮影を受け、下記の相談をさせて頂いたのが撮影から丁度一週間後の10月12日なのですが、たった1週間前であっても撮影当時には反映されていない事があるのでしょうか。他のご相談で、『炎症性乳癌もマンモグラフィでは、梁柱の肥厚など独特の所見が出る』とお伺いし、私に戴いた御回答内の、「しかし頻度的には稀ですが、似たような症状で始まる乳癌(炎症性乳癌)もありますので、一度乳腺外来を受診して見てください。」というのは、後2週間ないし3週で来るマンモの結果を待ってから、乳腺外来の受診を決めても良いのでしょうか。何度も申し訳ありませんが、どうか宜しくお願い致します。

「1週間前であっても撮影当時には反映されていない事があるのでしょうか。」というご質問は、「炎症性乳癌だった時に一週間前のマンモグラフィーに異常所見が出るか」という意味だとすると、炎症性乳癌であれば一週間前のマンモグラフィーでも異常所見は出ると思います。基本的には、せっかく検査したのですからマンモグラフィーの結果を待つことをお勧めしますが、マンモグラフィー受診時にはなかった所見(乳房の発赤)がおきたのですから、早目に乳腺外来を受診することもよいと思います。(文責 清水)

 

No.4471】 05年10月15日     U.T
乳首のかゆみと痛み

一週間ぐらい前から左の乳首がかゆくなり始め、三日後位からブラジャーに少し黄ばんだ染みが付くようになりました。よく見ると乳首から透明な液体が付いているように見えます。お風呂に入るとかゆみを増し、時々痛みも出てくるようになりました。オロナイン軟膏などを塗っていましたが、良くなる気配がありません。一ヶ月前に乳がん検診を受けましたが、異常なしと言われました。これは乳腺の病気なのでしょうか?私は28歳で出産経験はありません。お忙しいとは思いますが、よろしくお願いします。

メールに記載されている症状からは、何かにかぶれて炎症をおこしているように感じます。しかしこのような症状ではじまる癌(ページェット病)もありますので、いつまでも治らないようでしたら、念のため乳腺外来を受診してみたらよいでしょう。(文責 吉田)

 

No.4470】 05年10月15日     A.U
術後抗がん剤の種類について

34歳女性。8月4日に乳房温存手術(1/4扇状切除)+センチネル生検で手術しましたが、リンパ節転移が認められ、結果リンパ節郭清(レベル1、レベル2)をしました。 病理結果は、腫瘍径1.4×1.2(主腫瘍、浸潤性、硬がん)と0.7×0.7(娘核、一部浸潤あり)の二つ、切除断端(−)、リンパ侵襲(−)、静脈侵襲(−)、ホルモンレセプター(+)、  HER2(1+)、リンパ節転移1/18、組織学的悪性度グレード2でした。  9月6日より放射線治療25回、今週に終了予定であくる10月14日より抗がん剤治療(CEF6クール)したのち、ホルモン療法LH+RHアナログを2年と抗エストロゲン剤を5年いたします。
そこで質問したいのですが、ハイリスクの私としましても再発防止のためより強力な抗がん剤治療(EC+Tのようなタキサン系を追加)をしたいのですが、主治医はそこまで強いのを使わなくてもいいとおっしゃいます。(何度もお願いしたのですが)
1) CEFでもEC+Tと同じくらい効力はあるのでしょうか?
2) それともCEF+Tの方がより強力なのでしょうか? もしそうならCEF終了後、Tを追加することをもう一度お願いしてみようかと思っています

お忙しいところ申し訳ございませんがご返答のほどよろしくお願いいたします。

効果は一般的にCEF、EC+T、CEF+Tの順にたかくなると思いますが、どのような間隔で何回やるのかでも異なってきますので一概はいえません。あなたの乳癌はホルモンレセプター陽性であり抗がん剤治療の後、ホルモン療法の予定がありますのでCEFで十分な感じいたします。しかしどうしてもTをという希望であれば、副作用の強くなることを覚悟してTを追加すべきでしょう。主治医と良く相談して納得したうえで治療を受けてください。(文責 吉田)

 

No.4469-1】 05年10月15日     H.S.
術後の治療について

初めてメールさせていただきます。43歳、子供はいません。9/14に右乳房温存手術(4分の1切除)を受けました。術中迅速センチネルリンパ節生検で転移なしとの事で、脇の下は切っていません。いただいた病理の結果は下記のとおりです。
病理組織学的診断:Right breast conserving surgery: Papillotubular carcinoma with predominant DCIS and focal scirrhous carchinoma  *See cytology report No.146576
所見: Specimenは右側乳房温存療法材料で、別紙の如く51piecesとして切り出す。#1−#42:右乳腺本体で、背景には強い乳腺症の像が目立つ。また、#14−#16,#18−#19,
#21−#22,#24−#25,#27,#31−#33に上記の如き浸潤性乳管癌の像を見る。病巣中心部分ではDCISの像が主体に観察され、周囲には強い硬性浸潤を見る。また、#16ではtubular carcinoma様の増生巣が観察される。#43-#45,#51:術中迅速診断・凍結戻し材料「センチネル」0/3 。#46-#50:術中迅速診断・切除断端凍結戻し材料:乳頭側には癌浸潤は見ない。→ ly(−),v(−),ductal spreading(+++),f(+),s(−) Surgical margin, negative、核グレード:1(2+1=3)、核異型スコア=2点、核分裂像スコア=1点

となっております(スペル違う所があれば、すみません)。読んでもよくわからないのですが、先生のおっしゃるには、ER、PgRは+との事で、ノルバッテクッス5年、リューブリン2年、来年になって早々、放射線照射を30回という治療方針でした。正直、術後の治療のフルコースのようで、びっくりしています。この結果を見て、ステージはTでしょうか?それともUaですか?5年生存率、10年生存率はわかりますか?また、診断書にt2(T2<3cm),No,Moと書いてあるのですが、どういう意味でしょうか?次回診察が来月中旬なので、こちらで聞かせていただきました。お忙しいところ、申し訳ありません。何卒、宜しくお願いします。

レポートにT2、N0、M0との記載があり、stageはUaと思われます。t2は組織学な腫瘍の大きさ、T2は肉眼的な大きさ、N0はリンパ節転移なし、M0は遠隔転移なしの意味です。このような状態ですと、5年生存率は85〜90%、10年生存率は75〜80%とされています。しかし生存率は10年以上前の症例の集計をもとに計算したもので、現在ではもっと良いような感じがしております。あなたが受けようとしている治療はごく標準的なものであり、しっかりと治療を受けるようにしてください。(文責 吉田)

 

No.4469-2】 05年11月20日     H.S.
放射線治療について

HPNo.4469でお世話になりました。今日の受診で聞いたところ、保険会社の診断書にはt2(T2<3cm),No,Moと書かれていて、ステージはUaと思っていたのですが、ステージTだとおっしゃいました。現在はノルバテックス一日2錠5年、リュープリン2年の治療です。来年から放射線の予定だったのですが、今日になり放射線をやるかやらないかを自分で決めて下さいと言われました。次回先生の診察は1月中旬なので、それまでに決めなくてはなりません。ただでさえ小さくなった胸が、もっと小さくなるとか、硬くなるとか言われると、正直悩みます。温存手術=放射線治療をしなくてもいいのでしょうか?宜しくお願いいたします。

T2ならステージはUaと思います。局所・乳腺内の再発率が減少するので、温存手術後放射線治療をするのが一般的です。絶対的にしなければいけないということではありません。条件が揃っていれば、温存手術後放射線治療しない症例もあります。主治医の先生に訊ねてみたらいかがですか。(文責 石川)

 

No.4468】 05年10月12日     KY
ホルモン療法について(HPNo.4310-2)

HPNo.4310にて相談させて頂きました。回答ありがとうございました。抗癌剤は9月で終わり、これからホルモン療法の予定です。結局生理は8月迄あり、9月からはきていません。初歩的な質問かもしれませんが、36才という年齢でも、この場合ゾラデックスは打たないのでしょうか?

抗がん剤の影響で卵巣機能が低下して生理がとまっている可能性があります。年齢的にやがて生理はもどってくることが多いと思います。再発の可能性が高い場合には、当然ゾラテックスも併用すると思いますが、可能性が低い場合はタモキシフェンの服用だけでも十分でしょう。よく主治医と相談して下さい。(文責 吉田)

 

No.4467】 05年10月12日     H 
肺転移の症状を教えてください

4ヶ月前に術後1年検査異常なしで安心していたところ、2週間ほど前から痰がからみ不安になっています。(左乳房全摘手術後、AC4クール+タキソテール4クールを受け、現在タスオミンを服用中) 肺転移の症状を教えてください。よろしくお願いします。

肺転移は初期の段階では無症状のことが多く、症状の出現以前にCTなどで発見されることが多いと思います。転移が進行するに従って咳や痰が多くなり、やがて息苦しさなどが出現します。痰に血が混ざることもあります。4ヶ月前の検査で異常なければ、肺転移である可能性は低いと思います。しかし何時までも症状が軽快しない様でしたら、主治医に相談し再検査を受けるべきでしょう。(文責 吉田)

 

No.4466】 05年10月12日     M.O.
乳腺炎

右脇胸あたりに1pほどのしこりを感じ、乳腺外来を受診しました。触診と超音波で、乳腺炎と診断されました。毎年乳がんの検診は受けていましたが、出産後5年も経ってしこりを発見し、授乳中も乳腺炎になったのにはびっくりしました。超音波の診断では、「黒くなっている部分が伸びる(変形する)ので、癌とかではないです」と言われました。痛みや乳頭からの分泌物はないのですが、いかがでしょうか?

乳腺炎と乳癌は、時として見分けがつかないことがあります。超音波の所見では確かに乳腺炎かも知れませんが、しこりが存在するのであれば、やはり細胞診などを行い乳癌でないことを確かめておくべきでしょう。(文責 吉田)

 

No.4465】 05年10月12日     A 
しこりについて

私の妹はまだ13歳ですが、右胸の外側上部にしこりがありました。最近見つけたそうで、大きさは1センチくらいで、触れてみたところ、丸っこくコロコロと動く感じでした。あまり固くないような気もしました。痛みはなく、乳房などには異常はみられないようです。これは何でしょうか。乳癌など、関係していますか? あと線維腺腫ということもありますか? もし線維腺腫の場合、手術はいるのでしょうか? よろしくお願いします。

線維腺腫の可能性はあると思います。1cmノ線維腺腫であれば、まず様子観察で十分です。もし大きくなる様でしたら手術が必要になってきます。診断をつけることが大切ですので、乳腺外来を受診すると良いでしょう。(文責 吉田)

 

No.4464-1】 05年10月12日     E.N.
しこりの大きさと悪性度について

初めて質問させていただきます。
<これまでの経過>
7/29 会社人間ドック検診時、エコーで1.2p(その後細胞診でクラスX)
8/8  現在の病院 エコーで腫瘍径1.5p〜  MRI、骨シンチ、マンモMR
9/14 右胸温存手術+センチネルリンパ節生検査実施
<病理結果10/6>
腫瘍径2.8p、充実腺管がん、断端(-)、波及度:脂肪、血管、リンパ管侵襲ともに(-)、リンパ節転移なし、ER、PgR、HER2ともに(-)、悪性度3
実は主治医から術後すぐに「2pなかったから」と聞いて安心していました。しかし病理結果では2.8pにもなっていて、8/8から9/14の間に腫瘍径が倍近くになっています。

1) 術中にみても正確な大きさはわからないものなのでしょうか?
2) 悪性度3なので、やはり短期間に大きくなる種類の腫瘍だったと考えるべきなのでしょうか?
3) 悪性度3というのは再発・転移しやすいとのことですが、全体として悪性度1.2.3の比率は、それぞれどれ位の%で分散しているのでしょうか?
4) また悪性度1の場合と3の場合では、再発・転移率はどの程度違ってくるのでしょうか?
5) 今後の処置としてCEを3週毎4クールと、その後放射線と言われています。これは上記のような状態では標準治療でしょうか?

一旦は気を取り直して、手術も受けて前向きになっていたのですが、ステージが上がることで、またかなり不安になってきました。以上、よろしくお願いいたします

質問順お答えします。
1) 術中や術前検査の大きさは肉眼的な大きさであり、顕微鏡的な大きさである病理検査の大きさとは当然差か出てきます。癌細胞は肉眼では判りませんので、この位のズレはよくあります。
2) 悪性度というのは組織グレードのことだと思いますが、1,2のものに比べたら、短期間に大きくなる可能性はあったと思います。
3) 悪性度(組織グレード)をどのような分類法によって分類したかによって分布は異なってきますので、一概には言えませんが、2が半数近く、1と3が20〜30%ずつ位でしょう。
4) 同じステージで悪性度(組織グレード)を比べた場合、やはり3は、1,2より再発転移を起こす可能性は高くなるでしょう。あなたの状態でしたら数%でしょう。
5) 標準的だと思います。(文責 吉田)

 

No.4464-2】 06年03月24日     E.N.
タキソールによる骨髄抑制とG-CSFの利用

以前HPNo.4464で質問させていただきました。手術後にCEを4クール実施(H16.10〜H17.1)、その後ウィークリータキソールを現在実施中で、第5回まで終了したところです(ウィークリータキソールは少しでも再発率を下げたいという私の希望で実施しています)。タキソールの実施状況は以下の通りです(体表面積は1.66です)。白血球が低いため2回減量しています。「17.2.6---白血球2400--130mgで実施、 17.2.13--白血球2100--130mgで実施、 17.2.20--白血球1400--実施せず、 17.2.27--白血球2200--120mgで実施(減量)、 17.3.6---白血球1700--120mgで実施、 17.3.13--白血球1400-- 110mgで実施(減量)、 17.3.20--白血球1200--実施せず」

1) タキソールについてですが、毎回白血球が低く、実施できない週も何度かありました。G-CSFを注射してでも毎週タキソールをしたほうがよいのでしょうか?
2) G-CSFは保険が効かないと聞いていますが、1回の注射で値段はおいくらするのでしょうか?
3) G-CSFを注射するとなると、どういうスケジュールでするものなのでしょうか? G-CSFは1回だけで白血球が上がるのか、それとも三日ほど連続して毎日する必要があるのでしょうか?

1) もちろん予定通りに投与できることが理想ではありますが、基本的には休薬・減量にて対処し、G-CSF製剤の予防的投与は行わず、以下のような適応に従って使用するのが原則です。
2) 癌化学療法時の好中球減少の副作用に対して、好中球1000/mm2未満で発熱のある場合、または好中球500/mm2未満であれば保険で投与可能です。薬価が1回12,000−13,600円程度で、その他の薬や検査によって異なりますが、3割負担であれば全体の合計の3割が支払額になります。
3) 1回だけでも上昇する場合もあり、好中球数5000/mm2以上に増加したら中止ということになっています。(文責 片山)

 

No.4464-3】 06年04月02日     E.N.
術後半年の局所再発

HPNo.5097と4464で質問させていただきました。前回のタキソールの回答、ありがとうございます。実は本日エコー検査したところ、術側の傷跡のあたりに2.1センチ程度のしこりがみつかり、細胞診を実施しました。結果は来週ですが、気になる点について、以下の質問をさせてください。
1) 放射線はまだですが、私のような病理結果で、術後半年で同じところに再発することがあるのでしょうか?
2) 病理結果では断端陰性だったのに、今回の細胞診で悪性だった場合は、以下どのように考えるべきでしょうか? 手術時にはまだ分からない大きさだったのが、今になって大きくなってきたのでしょうか? つまり、前回手術時検査では発見できないくらいの小さな腫瘍が、半年で2.1センチになるのでしょうか? それとも現時点のエコーで2.1センチということは、半年前の手術時にもはっきりとわかる大きさだったのではないのでしょうか?
3) 悪性だった場合、全身を検査する必要はあるのでしょうか?
4) 多臓器への転移があった場合、手術はしないのかと思うのですが、その場合の治療法は何になりますか? 術後にCE4クール終え、現在ウィークリータキソール実施中(12回の予定のうち6回を現在まで終了)。

以上。よろしくお願いします。

1)頻度は少ないですが、可能性はあります。
2)手術時にはまだ小さかったものが大きくなってきた可能性があります。
3)悪性だった場合はおっしゃるように全身を検査する必要があります。
4)EC、タキソール以外の抗がん剤が候補に挙げられます。(文責 加藤)

 

No.4464-4】 06年05月09日     E.N.
タキソール継続か中止かの判断について

いつもお世話になります。前回の細胞診ではクラスUということで、主治医からは「心配いらない」との回答をいただきました。今回はタキソールの継続か中止かについて相談させてください。その後タキソールを9回まで投与しましたが、8回目から右手の甲に発疹が出てきました。9回目の投与は予定通り実施しましたが、その後発疹がひどくなり、かゆみで夜中に目が覚めたり、とにかくかゆく、皮膚科を受診してステロイドの軟膏を塗っていました(10回目は発疹がひどく延期しています)。その皮膚科で、タキソールの副作用で発疹、関節の赤み等から膠原病になった症例があるとのことで膠原病の検査(血液検査)をしました。結果は膠原病にはなっていないが、タキソールを投与している間は継続して見ていく必要があると皮膚科では言われています(現在はかゆみはなく、皮膚がむけている状態です)。タキソールは残り3回なのですが、今回の発疹のかゆみ、手の皮がぼろぼろにむけて膠原病も心配する必要があるのと、もともと白血球がかなり低いので、体にはかなりの負担をかけているのかなと思うと、もう中止したほうが良いのかどうか、とても迷っています。そこでお聞きしたいのは、タキソールを12回投与するのと9回投与で終わりにするのとでは、生存率や再発率等にどれほど影響してくるのかということです。再発転移したときに後悔したくないので、12回やり遂げないとという気持ちと、体への影響を考えると中止すべきかなという気持ちの間で揺れ動いています(参考までにタキソールの後は放射線を予定しています)。以上、よろしくお願いします。

右手の甲の発疹がタキソールの副作用の可能性が強いこと、発疹自体増悪し自制内ではなくなっていることなどより、タキソールの中断はやむを得ずかと考えます。12回投与の予定が9回で終了ということになり、仰るとおり効果がやや減ずる可能性はありますが、それがどの位効果が減ずるのかは未知数です。(文責 谷)

 

No.4463】 05年10月12日    T.U. 
超音波検査の結果、カテゴリー3

乳がん検診にてマンモグラフィー(2方向)・超音波検査を受け、マンモグラフィーでは異常なく、超音波にて腫瘤像形状性病変ありとの診断を受けました。細胞診検査でカテゴリー3、線維腺腫との診断でした。細胞診をしたのは左だけです。「右 11*7*4mm cyst。左 15*13*7mm 形状整・境界明瞭辺縁平滑・内部低エコー不均質・R/O脂肪」と書いてありました。3ヶ月後に再検査とありますが、様子を見てもいいのでしょうか。それとも、セカンドオピニオンを受けたほうがいいでしょうか。先生のご意見をお聞かせ下さい。

基本的には3ヶ月後再検で良いと思いますが、細胞診がカテゴリー3(クラス3?)というのが気になります。もしクラス3であれば、生検やコアーニードルなどで組織確認する必要があると思います。セカンドオピニオンを受ける必要はないと思いますが、今かかっている施設を早めに受診するようにしたら良いでしょう。(文責 吉田)

 

No.4462】 05年10月12日    なお
化学療法について(HPNo.4102-5)

いつも、わかりやすいご回答ありがとうございます。前にも相談させていただいたように、今、乳がんの術後補助療法として、CEF療法を受けています。1日目、8日目投与して、2週休みを4クール受ける予定ですが、疑問点が2つあります。
1) 本などには標準的な治療として、6クールとよく書かれているのですが、4クールの予定なのですが、効き目に差が出てきてしまったりはしないのでしょうか? こちらから主治医にお願いして6クールにしてもらった方がいいのでしょうか?
2) 今3クール目にはいった所ですが、4000あった白血球が3000に下がってしまった為、2週連続で点滴を延期していますが、こんなに先延ばしにしてしまっていいのでしょうか? 白血球を増やす注射をして点滴を受けていらっしゃる方もいますし、予定通りにやらなくて効き目があるのか・・・と、心配になってしまいます。 主治医は「生きている間にやればいいぐらいの気持ちで大丈夫ですから・・・」と、心配させないためかおっしゃっていましたけれど・・・。 よくわからないぶん心配です。お忙しい中申し訳ないのですが、アドバイスよろしくお願いします。

1) EF4クールと6クールでは当然6クール行ったほうが効果は高いと考えます。副作用等で続けることが困難である場合を除いて、6クール行うのが標準的です。主治医の先生にお願いしてみてください。
2) 白血球減少が著明な場合、抗がん剤の投与を1〜2週延ばすことは良くあります。しかし、あなたの言われるように、あまり延ばすと効果も低くなってしまいますので、出来るだけ予定通りやるのが原則です。白血球3000以上であればクールの二回目の点滴はそのまま行い、発熱や白血球減少が顕著となった場合には白血球を増やす薬を使用するのが一般的と思います。(文責 吉田)

 

No.4461】 05年10月10日    M.H.
乳腺線維腺腫

6年前に乳腺線維腺腫と診断され、手術で2個(大きい方は2cm程度でした)とりました。それ以降、また少しずつ同じ場所でしこりが育ち、6年前と同じくらいの大きさになっています。病院で触診、超音波の結果、同じ乳腺線維腺腫と言われました。噂で、「妊娠すると小さくなる」と聞いた事があるのですが、本当でしょうか。すぐにでも子どもが欲しいと思っていて、先に手術をして取るべきか、小さくなる可能性があるなら、このまま様子をみようか迷っています。是非お返事を頂けたらと思います。よろしくお願いします。

線維腺腫の再発か新たにできたものかわかりませんが、増大傾向にあるならば摘出しても良いかと思います。妊娠との関連性については、はっきりしたものは無いと思います。自然経過で縮小する方もいらっしゃいますが、心配されているのでしたら摘出を相談されてはいかかでしょうか。(文責 西川)

 

No.4460】 05年10月10日    S.N.
しこりについて

28歳主婦です。2005年3月に第1子を出産し、母乳は4ヶ月ほどで終りました。2005年6月初め、入浴中に右乳房の下、内側に1.5cm程のしこりを発見しました。つるつると良く動いて、楕円形のように感じました。急いで近くのレディースクリニックへ行きました。そこでは超音波検査をしていただき、「確かにしこりがありますので、これを機に大病院で検査していただいたらどうでしょうか」ということで、紹介状を手に大病院へ行きました。乳腺外科ではなく外科でしたが、乳腺に詳しい先生に診ていただきました。そこでは、触診、超音波検査、マンモグラフィー検査をしていただきました。その後、医師より「確かにしこりはありますが、エコーでは黒くぬけてきてないし(ガンだと真っ黒に鮮明に映るという事でした)、ガンの疑いは無いです。が、細胞検査もされますか?どうされます?」と言われたので、していただくことにしました。その結果は、異常無しでした。今後、どうすればいいのか全く説明もなくカルテをしまわれたので、「今後はどうしたらいいですか?」と質問をしたところ、「1年毎に検査されたらどうでしょうか」という回答でした。
大丈夫だと思いつつも、病名も教えていただけなかったし不安でしたので、すぐに違う病院へも行ってみました。ここも、外科ですが乳腺の特殊外来をされている先生に診ていただきました。そこでは触診、超音波検査で「ガンの疑いはありません。線維腺腫ですね。」と言われました。「摘出したいのですが?」と申し出たところ、「全く問題ないし、取る必要の無いものを取らなくてもいいと思います。心配でしたら1年ごとに検査してください。」と言われました。
それから2ヶ月後、左乳房の真中にこりこりしたものを見つけ、また病院へ。二回目に行った病院へいったのですが、触診、超音波検査の結果、「乳腺症です」と言われました。とりあえず安心はしておりますが、しこりがあること自体が不安です。病院へ行っても、なかなか聞き辛い事もありますので、どうか以下の質問にご回答いただけたら幸いです。
1) この検査方法による診断結果は良性ですが、大丈夫でしょうか? 子供はもう一人欲しいと考えており、妊娠中、悪性に変わらないか不安です。摘出してもらえないのですが、大丈夫でしょうか?
2) 線維腺腫、乳腺症のしこりは、今後ガン化しますか?
3) しこりが出来たということは、乳がんになりやすいですか? ならない場合もありますか?
4) どの病院も1年ごとの検査で十分とおっしゃいますが、1年サイクルの検査で大丈夫なのでしょうか?
5) マンモグラフィーは、年何回が限度でしょうか?

宜しくお願い致します。

一般的に20歳代の方は乳腺が発達していますので、超音波検査がよろしいかと思います。細胞診にて良性と出ている場合、100%ではないですが他の検査結果と総合判断して良性と考える場合は経過観察でよろしいかと思います。線維腺腫、乳腺症は基本的にがん化しませんが、将来的に乳房内に癌の発生するリスクは、無い方よりもやや高いと言われています。よって定期的な検診をお勧めしますが、20歳代、30歳代のマンモグラフィによる検診は現在のところ推奨されておりません。また、良性疾患の定期検査については決まったものは無いですが、初めて診断された場合は状況にもよりますが、半年〜1年後に一度確認後、変化が無いようでしたら1年毎でよろしいのではないでしょうか。腫瘤摘出を強く希望する場合は主治医によく話をしてください。(文責 西川)

 

No.4459】 05年10月10日    I.F
93才になる母の乳がん治療について

初めてご相談をいたします。ケアハウスに入所中の92歳(11月で93歳)の母ですが、9月上旬に左の乳房に卵大のしこりが見つかり、細胞診の結果、悪性腫瘍と言われました。皮膚にもかさぶた様に出てきており、胸筋にも達しているとのことです。腫瘍マーカーは4種類検査をして、その内1つに出ていると言うことです。MRI、CTの結果はまだ出ていません。DRは、「すぐにも手術をしなければ破裂する」と言われます。母は現在要介護5、ほぼ寝たきり(食事の時は車椅子に乗せてもらっています)、一回の食事に1時間から2時間かけて食べさせてもらっています。苦痛などは感じていないようです。手術をしなければ、病状はどのように展開するでしょうか。手術をすることで、体全体にどんなダメージを受けるでしょうか。点滴や導尿、食事の介助など、望めない入院生活の影響など、却って命を縮めることになるのではないかと心配をしています。ご意見をお聞かせいただければ幸いです。

皮膚や胸筋に達する乳癌は通常は化学療法の適応ですが、年齢からその適応ではなく、よほど進行が早い場合は手術を検討してもよろしいかと思われますが、一般的には進行が遅いと考えられます。質問の内容からするとADLはけっして良い状態ではないようですので、比較的全身に影響の少ないホルモン治療を選択されてはいかがでしょうか。しかし、効果は時間がかかりますし、ホルモン療法の効果が望めるタイプであるかは検査をしてみないとわかりません。進行が早い場合は、腫瘍からの出血などが出現する可能性があります。その場合は摘出なども選択の一つとして考えなければならないと思います。主治医とよく相談してください。(文責 西川)

 

No.4458】 05年10月10日    N.S.
摘出生検結果について

2日前にしこりの摘出をしました。結果は1週間後ということでしたが、病理が混んでいるとのことで、2週間待ちになりました。手術は思ったより楽で、術後も特に辛さはありませんが、結果がとても気になります。病変は2×1.5で、見た目は白い脂肪の塊のようなものでした。術中、「下にも硬い部分があるので一緒にとりましょう」と、少し深い所までとってくださったようです。先生は、「たぶん大丈夫だと思いますよ」と言って下さいましたが、病変を見ただけで、ある程度判断できるものでしょうか。また白いぷにぷにした腫瘍は何である可能性があるのでしょう。分かる範囲で教えてください。

見た目だけでの正確な診断は困難だと思いますが、切除時の腫瘤の周囲に存在する被膜がある程度保たれている場合や、柔らかい腫瘤は良性を考えることが多いです。乳腺症を合併していると固い乳腺組織が認められることがあります。しかし例外も多く存在しますので病理結果を待ちましょう。(文責 西川)

 

No.4457】 05年10月10日    M.K.
ホルモン療法について

5月に乳がんの手術をしました。早期のTisと言われました。術後は薬は飲まなくても良いと言われたのですが、昨日検診に行き、飲んだ方がよいのではないかと言われました。5年間服用して、その間は子供が産めないとのこと。薬は5年間服用しないと効果はないのでしょうか。また、もう少し短い期間の薬はないのでしょうか。まだ33歳、結婚前です。薬を飲まなければいけないのか迷っています。

Tisということは非浸潤性乳管癌(DCIS)と診断されたのでしょう。DCISにはいくつかタイプがあります。また、切除時のDCISの広がりなども参考にして、術後の補助療法(ホルモン療法)を検討していきます。5月に手術をされて、最近になって治療の話になったのは何か理由があったのだと思います。主治医とよく相談してください。(文責 西川)

 

No.4456】 05年10月10日    E.K.
乳頭からの分泌物と胸の張りについて

お忙しい中、このような質問をさせていただき申し訳ございません。26歳、既婚、3歳男児の母です。出産を経験して3年が経ちますが、未だに両方の胸から母乳のような(薄いクリーム色のような)分泌物が出ます。乳房を圧迫させると出ます。以前近所の婦人科で相談をしたのですが、その内止まるとしか言われませんでした(触診・乳腺の検査等はせず)。脇の下や胸を触っても、しこりのようなものは見当たらないのですが、これは何かの病気の症状なのでしょうか。また、生理の前後にかけて両方の胸が張り、脇の下から胸にかけて突っ張るような状態で、時々鈍い痛みも感じます。資料等を見ると、乳癌検診は30歳から受診できるとありますが、26歳でも乳がん検診は受ける事は出来るのでしょうか? それと、昨年から右の卵巣が腫れており、「卵巣脳腫」と診断を受けていますが(直径4.5cm程あると言われました)、これが胸の張り等の原因に繋がるのでしょうか?お忙しい中、申し訳ございませんが、ご返答をお願いいたします。

出産後の乳頭分泌については多少は個人差があり必ずしも異常とは限りませんが、ホルモン異常などの可能性も否定はできませんので、担当の婦人科でご相談ください。また、生理前後の乳房の張りは生理的なものですので、その程度により痛みを感じる方がいらっしゃいます。痛みがすべて悪性を意味するものではありません。20歳代の検診は行われていませんので、乳腺外科のある病院での診察を受けてください。卵巣嚢腫と乳房の張りは関連性はないと思われます。(文責 西川)

 

No.4455】 05年10月10日    K
妊娠は、あきらめたほうがいいですか?

34歳、既婚です。3年前に温存手術をして、3月に骨転移がみつかり、現在は抗がん剤投与をしています。術後は放射線、抗がん剤、ホルモン治療を行っていたのですが、やはりこの先、妊娠できる状態にはならないのでしょうか? また抗がん剤中でも転移することはありますか? 最近、首のリンパが痛むので気になります。宜しくお願いします。

術後のホルモン療法は継続中ですか。また、使用中の抗がん剤の内容、骨転移の状況などの状況により違いますが、一般的に骨転移のみであればホルモン療法やビスフォスフォネート剤の併用がよろしいと思います。妊娠については骨転移のコントロール、治療経過により可能性はありますが、今後の治療経過により考えていかなければなりませんので、主治医とよく相談してください。首のリンパ節の痛みですが、必ずしも転移とはかぎりませんので、よく調べてもらってください。(文責 西川)

 

No.4454-1】 05年10月04日    CE
転移性乳がん(肺転移)について

はじめまして、質問を幾つかしたいので宜しくお願いします。
■私の乳がん歴■
○ 平成14年4月 乳がんの診断を受ける(1.5p×1.5p以下)。すぐに入院し温存療法にて手術。見張りリンパに一個癌細胞あり(私の年齢50歳)。
○ 癌の位置 右乳房の内側下3pの場所
○その後の治療 放射線治療 5日間×5週間=25日間、 ゾラデックス2年間=24回、血液検査・レントゲン検査 年間3回
○ 平成17年4月 血液検査において腫瘍マーカー問題なし(私の年齢53歳)
○ 平成17年8月 血液検査において腫瘍マーカー異常に高いとの事
○ 平成17年9月 CT検査・骨シンチ検査 翌週肺転移の診断を受ける(1p位の物3個) 右胸骨にも転移ありとの事
○ 平成17年9月 血液検査を経て、まずホルモン療法を試してみるとの事で、アリミデックスを3ヶ月服用の指示を受ける
○ 平成17年9月 その後タンが出て、空咳も毎日続いている (胸骨の右側に腫れがあり、反対側の胸骨も痛みがあります。)

質問
1) 乳がんが、右乳房の内側下3pの場所にあった為に、転移が早かったのでしょうか?
2) 肺の癌細胞の大きさが1p位との話ですが、わずか4ヶ月位でその大きさになるのでしょうか?
3) 一番心配なのは他への転移ですが、その可能性はどれ位の確立であるのでしょうか? あるとすれば、どのあたりでしょうか?
4) 今の私の状態でアリミデックスの使用は、最新の治療として妥当な事なのでしょうか?
5) 癌細胞が無くなる事もある、と先生が言っていましたが、ありえるのでしょうか?
6) アリミデックスは3ヶ月様子を見ると言っていましたが、この薬の効きが悪かった場合、次はどの様な方法が考えられるのでしょうか?
7) 胸の腫れているあたりと、背中の右後ろあたりが痛いのですが、転移と関係があるのでしょうか?
8) 私は、すごく落ち込んでいます。目の前も真っ暗で何もする気が起きません。それは死を考えてしまうからですが、15年〜20年と長く生きる事は今の私の状態で可能なのでしょうか?
9) 今通っている病院よりも近くに県立がんセンターがあるのですが、紹介状を貰って移った方が良いのでしょうか?
10) 今からどの様な点に注意をして日々生活をしたら良いでしょうか?

※色々と質問をしてすみません、宜しくお願いします。こういう質問できる場を作って頂き、本当にありがとうございます。

1) 頂いた情報が限られているため、何とも言えませんが、場所によって転移の早い遅いは関係ないとされています。年齢的に閉経前の発症の方が、閉経後に発症なさった方よりもやや予後が悪いとされます。頂いていない情報とは、@ホルモン療法に対する感受性(ホルモン受容体の情報:ER,PgR)AがんのHER2蛋白の発現状況 Bがんの核異型度 Cリンパ管浸潤、血管浸潤の有無、などで予後を占う事が出来ます。今までの治療歴から推測するとホルモン受容体が陽性なのでしょう。これらの状態はどうであるか、担当医から説明は受けていらっしゃるでしょうか? また、リンパ節転移が陽性の患者さんでは例え1つしか転移がなくても外来で手術後に抗がん剤治療を行うの方が近頃の標準治療と言えます。術後に抗がん剤治療を行わなかった理由については担当医にお確かめください。
2) がんが目に見える大きさになるには、1cm以上の大きさにならないと画像での診断はなかなか難しいと思います。1cm以上の大きさになる速度は個人差があり、一概にどの程度の期間でどの位大きくなるか、決まりはありません。ただ、がん細胞の分裂、増殖する時間が短いものでは、早く大きくなる可能性があるのでしょう。
3) 今ある症状から考えると、胸骨など、骨に転移が現れている可能性も考えられます。また、肺の中以外では胸膜といって、肺を包んでいる膜の部分に転移を起こす事もあります。他に肝臓、脳などへ転移する場合があります。どこか一箇所の臓器に転移が見つかった時点で、私の教室では肺、肝臓、骨、脳を一通りチェックして現状を把握するようにしています。転移した部位によっては治療方針が変わる可能性が少しですがありますので。他の臓器をいつ、どのようなタイミングで調べるべきかについては担当医とご相談ください。
4) 上述しました様に他の臓器の転移状況が不明ですので何とも言えませんが、ホルモン受容体が陽性であれば、身体生命状態に直ちに危険な状況でなければ、ホルモン治療を施すのは原則論としては誤ってはいません。しかし、貴女が咳や呼吸困難などの症状が強ければ、担当医の言う3ヶ月を待たずに治療方針を見直すタイミングになるかも知れません。治療方針の転換とは、すなわち抗がん剤の全身投与を意味します。症状が激しければ早急に抗がん剤治療へ切り替える事も検討されるでしょう。
5) 理論上はない、とは言えませんが、がん細胞が身体の中に1個も存在しなくなった、と証明する事は難しいでしょう。ですが、画像診断上全く見えなくなるケースは時折存在しますので、期待を捨てないでください。
6) 質問1)で答えた要素、HER2淡白が過剰発現(2+〜3+)している患者さんなら、ハーセプチンという薬剤を使用する適応があります。少し高価ですが、がん細胞の増殖するスピードを抑制する事が期待できます。勿論、質問4でお答えした様に、抗がん剤の全身投与との併用が前提です。
7) 質問3でお答えしました通りです。担当医に骨転移の検査を申し出てみても良いと思います。しかし、結果がわかっても、現段階では治療方針は余り大きくは変わらないと思います。(ホルモン治療の成果を見る。)
8) 何事も治療の効果次第ですが、癌を患い、転移、再発と戦っている方は少なくありません。中には非常に長い経過で、根気よく治療を継続して長期間普通の生活を続けられている方もいらっしゃいますので、期待は捨てないようにしましょう。それから、がん治療を受けている患者さんは、皆さん同じようなお気持ちに捕らわれる事が少なくありません。そしてそれらを、担当医(外科医)に全て何とかして貰う事が出来ない場合もあるでしょう。そのような時は、出来るだけ早めにカウンセリング等を含め、神経精神科医に受診される事をお勧めします。がん治療は適切なカウンセラーの指導の下、常に精神状態を良い所に保つ事も長く継続していく秘訣だと言われています。特に病状に関する不安感から、免疫力が低下したり、うつ状態になってしまい、思考能力が落ち、正しい判断が出来なくなったりする事は、治療を継続するに当たり、またご自身の生活の質を保つ意味でも不利益となります。余り落ち込みや不安が激しい場合は、早めに受診をお考えになって下さい。
9) 今回ご質問にお答えした内容で不十分でしたら、別の病院で意見して頂くのもよろしいでしょう。どちらへ通うべきかは、最終的には患者さんご自身でお選びになるものですので、ここではあちらへ行くべきだ、とか、こちらに通い続けるべきだ、とは申し上げかねます。ただし、病院を選ぶに当たっては、標準治療を提供して頂ける十分な知識と経験(また設備など)の他に、◎通いやすい事 ◎担当医と十分なコミュニケーションが取れる事、などは大切な条件です。これらの事を十分ご家族を含めてお話し合いになって、移るかどうかをお決めになった方が良いでしょう。
10) 質問8にも述べましたが、余りふさぎ込んで免疫力が落ちては元も子もありません。 良く睡眠をとり、適度に運動して、体重は過度に増やさぬよう気をつけて下さい。食事は栄養のバランスを考え、脂肪や動物性蛋白の過度の摂取は控えて下さい。(時々がんだから栄養を付けさせないと、と高カロリーの食事を勧める方がいらっしゃいますが、どちらかと言えば誤りです。) ストレスを適度に発散させて、笑顔で過ごす事を心がけてみて下さい。そして、それが、どうしてもとても困難な時は、神経科医によるカウンセリングを含めて、受診や投薬を受ける事も前向きに検討してみて下さい。(文責 矢吹)

 

No.4454-2】 05年10月29日    CE
転移性乳がん(肺転移)について(その2)

前回HPNo.4454でお答えを頂いた者です。今回もよろしくお願い致します。10月12日に予約で主治医に幾つか質問しましたので、前回の分に追記させて頂きます。「ホルモン受容体 ER+ PgR+、Her2 +4.3、浸潤性乳がん、硬がん。腫瘍の大きさについて質問したところ、カルテには正確な記述がなく、触視診で2.4×2.4(前回1.5×1.5と記入しましたが)とのこと」

質 問
1) Her2は、0 1+ 2+ 3+の4種類と認識しているのですが、+4.3という事はあるのでしょうか?
2) アリミデックス服用1ヶ月目で、「ハーセプチンはお値段高いですが、どうですか?」との問いについて。アリミデックスで3ヶ月様子を見ると前回言っていたのと、アリミデックスの効果の有無も確かめずに言われたので少々面くらいました。そして、「始めたら一生です」とも言われました。このタイミングは通常なのでしょうか? すぐに始めた方がよいでしょうか? そして一生なのでしょうか?
3) 現在、咳が時々でるのと、10月12日前後に少し血痰が数回でました。10月26日左の耳が音のこもった様な感じになり、それが収まると、今度は頭が重いような、まるでネットを頭に被せている様な感じになったのですが、何が原因と考えられるでしょうか? この症状一つ一つは何を意味しているのでしょうか?
4) アリミデックスを飲み始めた後、少ししてから、最初胸の中央よりやや右寄りが腫れていたのですが、少しずつ右脇のほうへ移動したように感じられ、胸の中央の腫れが少し萎んだ気がします。2〜3日前には、首の右横辺りにコリコリした物を感じ、癌が移動したのかと思いましたが、これは何なのでしょうか?
5) 順序として、アリミデックス⇒アロマシン⇒アレディア、又は、アリミデックス⇒CEF、又はAC・EC⇒ハーセプチン+タキサンとインターネットで読んだのですが、私の現状態からすると、この二種類の流れは全く無視をして、アリミデックス⇒ハーセプチン+タキサン(ハーセプチン単独かどうかは聞いていませんが)がよいのでしょうか?
6) タキソールとタキソテールは、全く別の物なのでしょうか? 効能も全然違うのでしょうか? 別の物だとしたらハーセプチン+何にしたら良いでしょうか?
7) 10月12日の予約検診で、血液を採取し「副作用を調べます」と言われたのですが、それのみの検査で良かったのでしょうか? 標準として・・・。
8) 私の現状態から、2005年10月現在の最新の治療法、及び最新の治療薬というのは存在しているのでしょうか?

幾つも質問してすみません宜しくお願いします。

1)7)HER2はIHC法で0、1+、2+、3+で、2+の場合FISH法で+、−の判定をすることになっています。検査法や結果については納得いくまで主治医にお尋ねください。
2)8) ハーセプチンはいったん開始して治療効果があった場合、なかなかやめるタイミングがとりづらい薬剤です。現在アリミデックスが奏功している(あるいは少なくとも悪化していない)のであれば、今少し続けてみるのもひとつの選択だと思います。
3)4) 血痰は肺の病巣が関係している可能性はあると思います。そのほかの症状についてはよく分かりません。主治医の先生と相談し、胸部や頭頚部などのCTを含めた検査をしてみるべきかもしれません。
5)6)8)進行再発乳癌の場合、ひとつのガイドラインとして、ホルモン療法感受性乳がんに対しては1次ホルモン療法→2次ホルモン療法と進み、それが効果をなくした場合、化学療法という流れがあります。アリミデックスが効果なしと判断された場合、ハーセプチンが効きそうな場合はタキサン系(タキソールとタキソテール)との併用は効果のある治療法です。(文責 片山) 

 

No.4454-3】 05年11月13日    CE
転移性乳がん(肺転移)について(その3)

前回HPNo.4454でお答えを頂いた者です。今回もよろしくお願い致します。
1) 2002年4月に手術、その後に放射線、ゾラテックスの注射2年(2004年4月頃まで)。この質問の欄でお答え頂いたように、何故抗がん剤を同時に服用させて頂けなかったのかを質問したところ、「その頃はそういう情報はなかったから」と言われました。本当にその様な情報はなかったのでしょうか?
 ※術後療法の推奨として、ゾラテックスの注射2年、ノルバデックスの服用5年が良いとの情報
 ※主治医は、ゾラテックスの注射の終わり頃「抗がん剤を飲んだ方がいいんだけどな〜」と呟いていたが、処方はしてくれませんでした。
2) HER2の結果で、+4.3と前回の診察でお答え頂いた件で、HER2は、「0 +1 +2 +3」の四種類ではないのでしょうかとお聞きしたところ、「私が言ったのはFISH法だからですよ」と言われていましたが、FISH法は+2の時に、+、−の判定で、+4.3という数字は出るのでしょうか?
3) 4)のFISH法の場合に+4.3という数字があるとした場合、FISH法のこの数値でハーセプチンは効力があるのでしょうか? 又、推奨できる数字はプラス幾つ以上でしょうか?
4) 腫瘍マーカーの数字が、4月、8月10月と次の様に推移しているのですが、現在アリミデックスのみの服用ですが大丈夫でしょうか? (CEA 3.4 → 12.5 → 24.5 CA15-3 27.5→104.0→251.2) 8月の数字で転移が発覚しました。11月9日は血液検査はしませんでしたが、胸の中央あたりが痛いので、痛み止めを頂きました。アリミデックスは11月9日にも1ヶ月分頂いてきましたが、上記の腫瘍マーカーの数字の場合、次の薬に変えた方が良いのでしょうか? 又、薬を変えるタイミングは、何時が良いでしょうか? (数値は上がっていますが、現在のアリミデックスが効いている気がするのですが・・・) アリミデックスは11月9日にも一ヶ月分頂いてきましたが、上記の腫瘍マーカーの数字の場合、次の薬に変えた方が良いのでしょうか? 又、薬を変えるタイミングは、何時が良いでしょうか? (数値は上がっていますが、現在のアリミデックスが効いている気がするのですが・・・) 上記の腫瘍マーカーの数値の場合、他の薬をやっても手遅れになる事がりますか? 主治医はハーセプチンを考えているようですが、私は次にアロマシン、その次にレトロゾール、そしてハーセプチン+ナベルビンと考えているのですが、どうでしょうか?(ナベルビンがタキソール、タキソテールよりも効果が期待出来ると何かで読みましたので・・・) いつも質問が多くなってすみません、何とか自分の病気を克服したいと思っていますので、よろしくお願い致します。 

1) 抗がん剤を同時に服用することの有用性については、はっきりとしていないと思います。
2)3) FISH法はシグナル比で結果が表わされます。2以上を陽性とし、ハーセプチンの適応となります。
4) 次回の検査でマーカーが更に上昇しているなら、ハーセプチン+タキサンを考慮したいところです。(文責 加藤)

 

No.4454-4】 05年12月08日    CE
転移性乳がん(肺転移)について(その4)

前回HPNo.4454でご相談させて頂いたものです。今回もよろしくお願いいたします。10月12日CT検査、10月21日結果次第でハーセプチン+(タキソール又はタキソテール)の予定の様です。
1) 9月7日からアリミデックスを服用していますが、11月29日から生理が4日間位きてしまいました。このままアリミデックスを服用していても問題はないものでしょうか? 問題があるとすればどんな事があるでしょうか?
2) ハーセプチンと併用する場合、タキソールとタキソテール、どちらが推奨されているのでしょうか?
3) アリミデックスが効いていない場合は、他のホルモン剤ではなく、ハーセプチン+(タキソール又はタキソテール)にすぐに移行した方が良いのでしょうか?
4) ナベルビンは、今日現在まだ保険適用外なのでしょうか?
5) ハーセプチンとナベルビンの併用は、ハーセプチン+(タキソール又はタキソテール)に比べ、奏功率はどちらの方が勝っているのでしょうか?

1) アリミデックスは閉経後乳癌の治療薬で、卵巣機能が残っていると逆に卵巣からのエストロゲンを増加させるというデータが有ります。ですから、生理が有ったことを主治医の先生にお話しして、ゾラデックスを再開してもらうか卵巣摘出することをお勧めします。
2) ハーセプチン+タキソール、ハーセプチン+タキソテール、どちらも単独の場合より有効であることが証明されていますが、両者の比較をしたデータはないので効果についてはどちらが良いか分かりません。後は副作用の違いで決めることになるのでしょうか。タキソールの特徴的な副作用は手足のしびれで、タキソテールは全身の倦怠感です。脱毛、白血球減少は共通です。
3) アリミデックスで一時的にでも効果があったのならばアロマシン、フェアストンの高容量投与、もしくは来年4月以降ならフェマーラ等の内分泌療法を使い続けることが推奨されます。しかし、アリミデックスが全く効果ないのであれば、内分泌療法には反応しないと考えてハーセプチンの出番になると思います。但し、アリミデックスの効果の有無を判定するには3ヶ月以上の投与が必要です。内分泌療法の場合、投与の初期にフレア現象といって一過性に増悪することが有ります。その場合は遅れて効いてきますので、焦って薬を代えないように注意してください
4) ナベルビンは乳癌に保険適応になりましたから、タキサンとハーセプチンの併用が無効になったときのハーセプチンの相棒として有用な選択肢のひとつになります。
5) ハーセプチン+タキサンとハーセプチン+ナベルビンの比較データは有りません。しかし、ナベルビン単独の効果はタキサンほど高くないので、タキサンの併用を先に行って、ナベルビンを後ろにまわす使い方が一般的です。しかし、ナベルビンの特徴に脱毛が少ないというのが有るので、脱毛がどうしても嫌だという場合に、ナベルビンを先行するという選択肢はあると思います。(文責 清水)

 

No.4454-5】 05年12月13日    CE
転移性乳がん(肺転移)について(その5)

毎回、丁寧なお答え有難う御座います。No4454でお答え頂いている者ですが、続けて質問させて頂きたいので、宜しくお願い致します。
1)「【No.4722】 05年12月08日 転移後の治療方法について」のお答えの中で、「肺転移のある乳癌で2年半元気に生存しているということは、かなりいろいろな治療がされたことが想像されます。」と記されていますが、肺転移のある乳癌では、2年半元気に生存することは容易ではないという事なのでしょうか?  つまり、割と早く亡くなる可能性が大きいという事なのでしょうか? 5年又は10年と生存することは、並大抵な事ではないのでしょうか?
2)背中の中央辺りが、いつもジワーと(鈍痛)痛いのですが、これは何から来る物と想像されますか? 転移の可能性も考えられますか?
3)胸の中央からその左右にかけて、ずっと痛みが続いているのですが、何が原因と想像されますか? 転移の可能性も考えられますか? (うっすらとですが、膨らんでいる様な感じなので、胸水が溜まっているのでしょうか?)

再発後生存期間の中央値という指標があります。再発と診断された方が、どのくらい生存できるかを示す一つの指標ですが、実際の再発後生存期間は短い方(数ヶ月)から長い方(十年以上)まで様々なので、短い方から長い方を順番に並べて真ん中の方の生存期間を中央値として一つの指標にします。現在の中央値は約2年半と言われています。このデータは既に亡くなった方から得られたデータであり、現在の医療の恩恵を受けられている方は含まれません。ですから現在再発治療中の方ではもう少し長くなっていることが予想されます。また、この数字はあくまでも指標であり、一人一人異なることを理解してください。(文責 清水)

 

No.4454-6】 06年01月05日    CE
転移性乳がん(肺転移)について(その6)

毎回、ありがとうございます。HPNo.4454でお答え頂いている者ですが、今回も宜しくお願い致します。
1) 9月に肺転移が発覚した時は、8月、9月、10月と続けて血液検査をしていたのですが、11月、12月と二ヶ月は血液検査はしませんでした。毎月々の血液検査は必要ないのでしょうか?(12月は、CT検査のみを行いました)
2) 11月30日から四日間生理があり、12月21日診察時に、その旨をお話をした所、「アリミデックスは効いてないみたいですね」と言われ、「ゾラデックスを2〜3ヶ月やって様子をみましょう」との事。その際、胸の中央の継続的な痛みを訴えたら、ボルタレン錠とセルベックスカプセルを処方していただきましたが、アリミデックスはゾラデックスと一緒には処方出来ないとの事。ボルタレン錠とセルベックスカプセルは毎日食後3回、ゾラデックス月一回を3ヶ月(2006年2月まで)、この方法で転移した癌が大きくなってしまうとかの、手遅れになるようなことはないのでしょうか? 適切な方法なのでしょうか?
3) CT検査で胸の中央上に白い塊が写っていて、その部分が常に痛みを感じるのですが、この痛みを取る方法は、ボルタレン錠とセルベックスカプセル以外にはないのでしょうか?
4) 胸の中央の痛みの部分が以前よりも上に移動(3p位)しているみたいです。このまま頭の方にいかないか、とても心配ですが、大丈夫でしょうか? 移動を止める方法はあるのでしょうか?
5) ハーセプチン+タキサン系を一日でも早くやった方がと思うのですが、2月、3月でも問題は無いでしょうか?
6) ハーセプチンを使う時は、ハーセプテストをすることは通常の様ですが、そのテストとはどういうものなのでしょうか? もし今の病院でハーセプテストをやらないようであれば、やって戴く様にお願いをした方が良いでしょうか?

5)6) HPNo.4799を拝見すると、Her2陰性と記載されています。これがハーセプテストの結果だと思います。これが陰性であればハーセプチンの効果は期待できないので、ハーセプチンの適応外となります。他の治療法を検討することになります。
3)4) 胸の中央上というと、胸骨などの骨や、リンパ節、胸壁など考えられるのですが、どれなのでしょう。文面からはわからないのでお答えは難しいのですが、痛みを止めるお薬は最近よいお薬がたくさんありますので、主治医の先生と御相談なさってみてくださいね。
1) ある腫瘍マーカーが高値を示した場合は、治療経過をみるために参考になります。治療前から高値でない場合は、あまり参考にならないので、ひんぱんに採血せず間をおいてもよいと思われます。あなたの場合はどうなのか、腫瘍マーカーの値や推移を主治医の先生にお聞きになってみてくださいね。
2) 「生理」が排卵を伴う通常の生理であるのか、不正性器出血であるのかが、一回の生理では判断が難しいことがあります。アリミデックスを使用しているということは、アリミデックス開始時点では生理がなかったということになりますが、その時点で自然閉経後であったのか、抗がん剤の前治療歴があって、その後閉経状態にあったのかも考えなくてはなりません。血液検査などでホルモン状態をチェックするのも判断の助けになるかと思います。もし閉経前のホルモン状態であるならば、ゾラデックスを使用するのがよいかと思います。そのあたりをよく主治医とお話しになってください。(文責 俵矢)

 

No.4454-7】 06年01月30日    CE
転移性乳がん(肺転移)について その7 痛み他

毎回、ありがとうございます。HPNo.4454でお答え頂いている者ですが、宜しくお願い致します。
1) 両方の腋の下辺りと、胸骨の上部(CT検査で白い影のあった部分)が常に痛みを感じます。ボルタレン錠とセルベックスカプセル(2005.12/12から)を毎食後一日3回服用していますが、ここ1〜2週間位効いていないみたいに、常にジンジンと痛むのですが、原因は何だと思われますか? 又、薬を変えるとすれば何という薬が良いと思われますか?
2) この痛みは、転移の進行が促進しているのでしょうか?
3) 前回の質問のお答えの中で、生理が「排卵を伴う通常の生理であるのか、不正性器出血であるのか」という事でしたが、排卵を伴う通常の生理で、2005.2月、6月、8月、11月にもありました。転移の発覚は9月で、アリミデックスはその時から服用していました。しかし12月の予約の時に11月に生理があった事をお話したら、ゾラデックスを打ってしばらく様子をみましょうと言われ、12月と1月に打ちました(2005.2月、6月、8月にあった事は以前にお話してありました)。その時点でアリミデックスを終了し、ゾラデックスのみです。今の私の状態で(肺に転移)ゾラデックスのみで大丈夫でしょうか? ゾラデックスは、術後に2年間やって2004年に終了しています。
4) 今回は、何回位ゾラデックスを打てば良いと思われますか?
5)  他の薬を併用しなくても、問題はないのでしょうか?

転移による痛みだとすれば、一般の痛み止めが効かない場合はモルヒネ製剤などの麻薬系鎮痛剤が必要になります。ただし、この相談室では診察も出来なければ実際の画像を見ることも出来ません。前回の回答にもありますが、「胸の中央、胸骨上部の白い部分」と言っても、それが骨なのか腫瘤なのか、ましてやCT写真が単純撮影なのか造影撮影なのかによっても画像が異なってきます。実際の画像を拝見できない現状では疼痛の原因にも言及できません。ここに記載されている多くの回答からもわかるように、転移乳がんの治療は多岐に及び、症例によっても治療法が大きく異なります。また、選択する治療法によって異なる副作用、症状が出現することもあり、なかなか一般論として話をするのは難しいのです。医師からの正確な情報(紹介状)ではなく、貴女からの不確かな所見や情報だけで治療法の助言を行うことは、貴女にとって不利益な治療につながるかもしれません。一番大切なことは、主治医とのコミュニケーションを十分に取りながら、貴女にとって最適な治療法を「皆」で選択していくことだと思います。「皆」という言葉には、貴女、主治医、家族、看護師など、治療に関わっている全ての人々が含まれます。まず貴女がすべきことは、ここで記載している事と同じ質問を主治医にしてみることです。そしてその答えが上手く理解できなければ家族や看護師に同席してもらい、自分が解りにくかったところを補足説明してもらってください。それでも納得がいかなければセカンドオピニオンを受けるのも良いと思います。この相談室で結論の出ないやり取りを繰り返しているよりは、目の前に座っている主治医との時間を大切にするようにしてください。
最後に一般的な助言をさせていただくと、もし夜眠れないとか不安が強くふさぎ込みがちであるというのなら、神経科の先生にカウンセリングを受けるのも良いと思います。このような状態で「不安」「抑うつ」になるのは決して珍しい事ではなく、貴女だけが特別というわけではありません。転移再発したがん患者さんの半分近くは、何かしらのカウンセリングを必要としているのです。(文責 千島)

 

No.4453】 05年10月04日    M.K
炎症性乳がん?

37歳、未婚です。ここ2、3日、右乳房が痒く、乳房の脇の方に2センチほどのミミズ腫れが二つできました。現在生理中なので自己診断もできないのですが、2年ほど前に、胸がとても痛くてエコー検査を受けたところ、「乳腺症」と診断されました。それ以来、乳がんの検診は受けていません。最近左脇の下に時折痛みがありますが、しこりはありませんでした。来月早々にレディースドッグを受診予定ですが、炎症性乳がんの疑いがあるのであれば、レディースドッグを待たず診察を受けるべきでしょうか?

診察させて頂かない事にはハッキリとは言えませんが、二年前の検診で大丈夫であっても、今がんがない、と言う保障には全くなりませんし、逆に今あるミミズ腫れとおっしゃっているものががんではない、と言う保障も出来ません。来年早々とは、つまり3ヶ月以上先を指しますね? そこまで待つ意味が果たしてあるのでしょうか? もし3ヵ月後の検査の結果がんがあった場合、3か月も放置しておいた場合、ご自分で後悔なさらないのでしょうか? ご自分で気になっている症状が現れているのに、受診を先延ばしにする理由があるのでしょうか? 勿論何でもないかも知れません。繰り返しますが、診察をしない事には、3ヵ月後で良い、と言う保障も出来なければ、今が危険な状態であるとも、確かな事は何も申し上げられません。簡単にお済ませになりたい気持ちは分からなくはないのですが、こう言ったWeb上での質問では限度があります。これでは何の解決にもならないと思います。すぐに外科受診をお勧めします。ご自分の身体はご自分で守るように心がけてください。(文責 矢吹)

 

No.4452】 05年10月04日    S.F
ホルモン治療薬について

2002年8月に、47歳時、ステージUa で左乳房全摘し、今年無事に丸三年を過ぎました。ゾラデックスを2年とタモキシフェンを3年服用しました。ゾラ注終了後1年近く生理がないので、今年6月よりアリミデックスに変わり服用していたところ、昨日(9月26日)生理がきてしまいました。年齢的にも(50歳)もう生理はないだろうと思っていたのですが、このままアリミデックスを処方して頂いてかまわないのでしょうか?お尋ねします。 

まずは担当医か、お近くの婦人科医に受診することをお勧めします。年齢的にも、過去の治療によって卵巣機能はかなり抑制されている筈ですが、予測に反し意外に抑制されていない場合があるかも知れませんので、血液検査を受け、血中のエストラジオール値など、ホルモンの値を調べて貰う必要があります。これではっきりと閉経の状態にあるかどうか判断出来ますので、閉経状態であればアリミデックスを継続する事は問題ないはずです。稀に閉経前の状態にホルモン環境が戻ってしまっていたなら、別のホルモン治療薬(主にはクエン酸タモキシフェン)などへの変更がありえます。また、ご本人はてっきり生理と思い込んでいても、本物の生理ではない可能性があります。たとえば子宮内膜の炎症やポリープ、珍しいものでは子宮内膜がんなど、様々な婦人科疾患が隠れている可能性も、決して否定は出来ません。一人で「生理なのだろう」と自己判断は禁物です。すぐに主治医の先生に受診なさるか、婦人科医をお尋ねになって下さい。(文責 矢吹)

 

No.4451】 05年10月02日    S
放射線治療と母乳について

乳がんではないのですが、4年前に悪性リンパ腫を患い、治療で胸部と腹部に放射線を照射しました。放射線照射により、乳腺が破壊され母乳の出が悪くなることはあるのでしょうか。

乳腺が破壊されてということではありませんが、母乳の出は悪くなる可能性はあると思います。詳しい情報がないので明確なことが言えず申し訳ありません。(文責 川本)

 

No.4450】 05年10月02日    K.K.
石灰化について

突然のメールで失礼しますが、妹のことで相談があります。宜しくお願いします。妹(33歳、4歳の子どもがおり、完全母乳で育てました)が、人間ドッグのエコーで左の胸に7ミリの石灰化がみつかったと診断されました。乳腺外来の診察を薦められたとのことですが、この場合、どういった病気が考えられますでしょうか? 母が3年前に乳癌を患い、再発、転移を繰り返しながら、現在も治療中で頑張っております。昨年大腸がんで父を亡くし、辛い思いもしてきましたので、ここで妹にも何かあったら・・・と思うと不安で一杯です。宜しくお願いします。

人間ドッグのエコーで左の胸に7ミリの石灰化があり、それがどのような病気であるか?という質問ですが、石灰化は微細な石灰が集まっていることもありますし、微細な石灰の形によっても診断が変わってきます。7ミリの石灰化が単独の石灰(粗大な石灰化)なら良性病変である可能性が高いと考えます。線維腺腫などで粗大な石灰化を作ることがあります。微細な石灰が集まっている場合は、よく調べないといけない場合もあります。不安な気持ちはわかりますが、悩んでいても先には進みませんので、まずは乳腺外来を受診し、正確な診断をつけることが大切だと考えます。(文責 川本)

 

No.4449-1】 05年10月02日    S.K. 
腫瘍マ−カ−について

教えてください。36歳の妻ですが、3年ほど前に乳がんと診察され下記のような経過となっています。
・ 乳房温存療法にて左房の組織を削除(がん腫瘍3.1cm、リンパに1本転移が見つかりました)
・ 放射線療法を実施(一ヶ月)
・ 生理など止める薬を毎月投与(二年間)
リンパに転移が見つかりましたが、上記内容で治療していくことになりました。また、飲み薬の中に抗がん剤作用が含まれる薬がありましたが、品名を忘れてしまいました。
・ 昨年12月に乳房再検の手術を実施
現在に至ります。しかし、今回腫瘍マ-カ-の検査を実施したのですが、検査結果が気になります。というのは、【CEA-S】2004.12月 4.5、 2005.9月 5.1、 【NCCST439】 2004.12月 1.2、 2005.4月 4.2、 2005.9月 18.6 と、数値が上がってきています。主治医は、「数字が上がっているのかわからない? 再発or転移している可能性もあるかもしれない?ないかも知れない」と、結構あいまいな発言がありました。正直何もなければいいのですが、上記数字を見てどのような考えがありますか? 又、上記数値は正常範囲を超えているのでしょうか? インタ−ネット上ではなかなか詳しく情報が無いので、大変申し訳ございませんが、ご回答いただけませんでしょうか?

腫瘍マーカーの上昇についての質問ですが、まず正常値はCEA: 0-5.0、NCCST439:0-7.0 です(施設によって若干の変動はありますが)。CEAは正常値を少し上回った数値、NCCST439は正常上限の2倍くらいの値です。主治医は定期的な全身検査(胸部レントゲン、腹部の超音波またはCT、全身骨シンチグラムなど)で遠隔転移のチェックをしていると思いますので、腫瘍マーカーの値だけで治療が大きく変わることはないと考えます。遠隔転移より先行して腫瘍マーカーが上昇することもありますし、画像で遠隔転移があっても腫瘍マーカーは変化しないこともよくあります。ですから今後も腫瘍マーカーを測定し、画像と総合して判断していく必要があります。PET検査で転移が見つかることもありますので、主治医に尋ねてみてはいかがでしょうか?(文責 川本)

 

No.4449-2】 05年10月27日    S.K. 
腫瘍マ−カ−について(2)

ご返事ありがとうございました。やはり今からでもすべての検査を実施していったほうがいいですか? 先日、乳房再建の方の先生に聞きに行きました。結果としては、しばらく様子を見たほうがいいのでは?ということになりました。「今回いろいろ検査し遠隔転移がもし見つかっても、数年たってから見つかっても治療内容は変わらない(結局抗がん剤をしていかないといけない)。確かに腫瘍マーカーの数字が上がりましたが、そんなに気にするほどまでの数字ではない。」と、話がありました。毎日の生活の中で、びくびくしながら日々生活していくのは大変です。気が参ってしまいます。主治医に話をしても結構あいまいな話をしますので、妻が不安になります。そんな場合どうしたらいいでしょうか? 又、PET検査などして最悪遠隔転移などあった場合、治療内容としてはどの様な治療がありますか? 通常ですと抗がん剤治療が普通だと思っていますが・・・。大変申し訳ござませんが、再度教えてください。

「心配で気が参りそう!」とのお気持ちが書かれていましたが、やはり主治医に気持ちを伝え、検査を希望されたら良いのではないでしょうか(検査で何もなければ少しでも安心できると)。PETも再発チェックには有効な検査の一つですので、検討するのも良いかと思います。もし転移が見つかってしまった場合は、やはり化学療法(タキサン系、ハーセプチンなど)が中心の治療になります。(文責 比嘉)

 

No.4448】 05年10月01日    A 
underware and breast health

マンモトーム生検の結果、ゼロ期の非浸潤性乳管がんとの診断を受けました。当面の治療予定は、10月27日(MRI,CT)、11月1日手術です。以前、ワイヤー入りのブラジャーの着用が乳房の血流を阻害し、ひいてはがんを引き起こす恐れがあると聞いたことがあります。更に、これを着用してコンピューターを操作すると、電磁波の影響と相まって、その危険度が増すとか。この真偽をお教えいただけますか。現在、週日は一日10時間あまりコンピューターでの作業にあたり、手持ちの下着はワイヤー入りのものばかりです。がんの診断を受けた以上、これ以上症状を悪化させる恐れのあるものは出来る限り排除してゆきたいと考えています。

あり得ません。乳房の血流、電磁波と乳癌との因果関係は証明されていません。(文責 緒方)

 

No.4447】 05年10月01日    K.K.
乳腺症と乳癌の関係について

はじめてお便りします。よろしくお願いいたします。50歳主婦です。更年期と共に生理も乱れはじめ、乳房に違和感を覚えました。違和感とは、乳管内にホルモンがツンツン湧き出てくる感じと、乳房がジンジン、ヒリヒリする感じでした。3年前より家の近くの総合病院外科でマンモグラフィーと超音波を受け、乳腺症と診断され、年一回の検診を続けていました(マンモ/超音波)。しこりは触れるがよく動くし、癌は痛くないし、ホルモンバランスの乱れだから経過観察ということです。ところが4年目の先日同病院受診、たまたまいつもと違う先生に診てもらったら、触診で癌の疑いが高いということで、すぐにマンモグラフィ−をとり、超音波を見ながら針で細胞を採りました。後日結果を聞きに行くと、間違いなく癌で、グレイド5でした。しかも癌の大きさは5センチ強で、3期aでした。リンパ節転移はないとのことです。1センチの癌に成長するのに何年もかかると聞きますし、乳癌は比較的進行が遅いとも聞きます。この一年でこのような事があるのですか。即手術と言われましたが、この病院には乳腺専門医がいらっしゃらないことがわかり、乳腺専門医を探してセカンドオピニオンに行こうと思っています。

お便りだけでは、何ともいえません。御自分でさわった感じがここ数年変化がないのであれば、この1年で触れない大きさのしこりが5cmになることは一般的にはあり得ません。信頼できる医師を見つけるのも1つの選択肢です。(文責 緒方)

 

No.4446】 05年10月01日    S
胸のしこりについて

36才、2児の母です。7月の始め頃から左胸外側が少し張ったような痛みがあり、7月中旬に産婦人科で触診をして頂きました。触診ではしこりは見当たらず、胸の痛みも少し痛い程度だったので、取り合えず様子を見ていたのですが、先週人間ドッグの婦人科検診でしこりがあると言われました。当日頂いた検査成績表には、「乳腺硬結、精密検査要す」と書かれています。ドックの触診の前にマンモグラフィー検査もしましたが、正式に検査結果がでるのは2週間程かかると病院から言われました。しこりがあると言われ、今も少し左胸が痛いので、2週間待つのが不安です。早めに受診したほうがいいでしょうか? それとも2週間ぐらいなら、もし悪い症状であっても、ドックの結果を待ってから再検査したほうがいいでしょうか? 宜しくお願い致します。

おそらく乳腺症に伴う痛みでしょう。心配ないことがほとんどです。検査成績の意味は、「乳腺(おっぱい)の硬結(硬いところ)があるので、念のため検査もしておきましょう」です。乳腺症は、生理の周期に伴う女性ホルモンの影響で乳腺が張ったり、痛んだりするもので、治療の必要のないことがほとんどです。ドックの結果を待って受診して下さい。あせらないでも大丈夫です。(文責 緒方)

 

No.4445】 05年09月29日    A.K.
閉経直前のタモキシフェン服用について

49歳の母のことで相談します。今年8月に両側乳がんで両乳房を全摘出し、リンパ節・他臓器転移なしとのことで、現在はホルモン療法(タモキシフェンと、月に一度お腹に注射)を行っています。しかし母は主治医に内緒で、勝手にタモキシフェンの服用をやめています(服用したのは術後一度だけ)。タモキシフェンによる子宮頸がんの可能性をネットで知り、中途半端な知識でそうしています。母は乳がん発覚前から閉経気味で、年に1〜2回生理があるかないかの状態でした。閉経した方用に処方されるタモキシフェンでないホルモン剤なら服用してもいいと言っていますが、主治医に言い出せないようです(主治医は「厳密にまだ閉経していない」ということで、タモキシフェンを選択したとのこと)。月に一回の注射もしているし、生理が常にきている人と同じタモキシフェンを服用するのは・・・というのが母の言い分です。果たしてこのままで良いのでしょうか?
娘が主治医の言う通りにするよう言っても聞かないので、こちらで回答をいただければ、母も諦めがつくと思うのです。問題があるようなら、即、タモキシフェンを服用させますので、お忙しいところ恐縮ですが、どうか回答をお願いします。

ありゃりゃ。内緒はいけません。お母さんの勘違いを正すのも娘の仕事ですね。まず、閉経後の方の場合、タモキシフェンの服用で、子宮頚がんでなく子宮体がんの割合が増すことは事実です。タモキシフェンの長期内服により、子宮体癌のリスクは年間約0.2%増加します。このことは子宮体癌にかかる人の割合がトータルで2%程度増加し、子宮体癌死亡が最終的に0.5%程度増加することを意味します。タモキシフェンの効果により乳癌死亡が5〜10%減少するため、総合的に判断するとタモキシフェンを内服する方が圧倒的によりよい結果をもたらすと言えます。さらに、閉経前の方の場合、子宮体癌が増加するという明らかなデータはありません。お母さんの現在の状態は、閉経とはいえないので(注射で閉経状態になっている)、主治医の先生のお考えがあっています。タモキシフェン飲んで下さい。そして、子宮がん検診を受けるようにして下さい。(文責 緒方)

 

No.4444】 05年09月29日    M 
遺伝について

初めてご相談させていただきます。2年前、私の母が長年放置していた乳房のしこり(8×4pと4×2pのもの)を診てもらいに病院へ行ったところ、炎症性乳がんと診断されました。骨への癒着もあり、抗がん剤治療後、同年10月下旬に手術を行いました。手術後の経過もよく、その後の放射線治療も副作用なく、調子よく過ごしていました。ところが昨年6月、腰椎への転移で2度目の放射線治療を受けましたが、肝臓に転移してしまい、そこからは本当にあっという間に亡くなってしまいました。現在私は26歳で、乳がん検診で今のところ異常はみつかっていません。乳がんの本を読むと、家族性乳がんは若年性のものが多く、進行も早いので死亡率が高いと書いてありました。母の母(祖母)も卵巣がんで、母と同じ51歳で亡くなっています。ある程度の遺伝の覚悟はしていますが、乳がんの遺伝の中でも炎症性乳がんの遺伝というのはあるのでしょうか? お忙しい中、申し訳ありませんが、ご意見いただきたく思います。よろしくお願いします。

お母様を亡くされた悲しみ、お察しします。さて、確かに乳癌の危険群として、家族内(母、姉妹)に患者さんがいる方があげられます。家族性乳癌の定義は、「第一度近親者(親、兄弟姉妹、子供)に、発端者を含めて3人以上の乳癌患者がいる場合」、あるいは「第一度近親者に発端者を含めて2人以上の乳癌患者がいて、いずれかの乳癌が、@40歳未満の若年性乳癌、A同時性・異時性両側乳癌、B同時性・異時性多臓器重複癌のどれかを満たす場合」となっています。そして、そのような御家族にはBRCA1または2という遺伝子に異常がある場合が多いことがわかっています。これらの遺伝子に異常がある家族性乳癌の方の特徴は、本で読まれたように「若年性のものが多く、進行も早いので死亡率が高い」ことがいえます。ですから厳密にはMさんは家族性乳癌の家系にはあてはまりません。さらに、炎症性乳癌が遺伝して、その患者さんの子供にも炎症性乳癌が発症するとはいわれていません。Mさんが心がけることは、他の人より少し乳癌になる率が高いので早くから(20代)マンモグラフィや超音波検査を含めた健診を1年に1回受けることです。(文責 緒方)

 

No.4443】 05年09月29日    N 
転移でしょうか?

30才、右乳ガン、去年12月に手術し、しこり1.5センチほど、ステージ1、悪性度2〜3、リンパ節転移なし、断端陰性、ホルモン有効でした。一月から四ヶ月AC療法をして放射線治療、今はノルバを飲んでいます。先週の水曜日の夜、急に寒気がして37度くらい熱が出て、右顎下内側のところが痛くなりました。寒気と微熱はすぐなくなったものの、右顎下内側はどんどん痛くなりました。ちょうど旅行先でした。主治医がお休みなので、お世話になった口腔外科で診察してもらいましたが、リンパ節が腫れて肥大している単純なリンパ節炎か菊池病、ウィルス的なもの、乳ガンからのリンパ節転移と言われ、抗菌剤を飲んでいます。不安なので回答お願いします。

発熱等の炎症所見があり、リンパ節腫脹も炎症性の腫脹の可能性が高く、乳癌の転移の可能性は非常に低いと考えます。(文責 浜口)

 

No.4442】 05年09月29日    T.M. 
マンモグラフィについて

お忙しいところをすみません。現在、マンモグラフィについて勉強中のものです。撮影する際、注意することがいくつかありますが、豊胸手術をされた方やペースメーカーを入れている方の撮影時に、“破裂”や“破損”といった症例はあるのでしょうか。また、これらは基本的に禁忌なのでしょうか。その他に、注意する点があれば教えていただきたくメールをしました。宜しくお願いします。

豊胸手術で生食バッグを入れている患者さんなどは、ご指摘の通り破裂の危険はあり、原則的には施行しない方がよいですが、石灰化病変などがあり、マンモグラフィ施行のメリットがデメリットを上回ると判断した場合は施行してもよいかも知れません。ペースメーカーについてもやはり破損の危険はあり、特にコードの部分が断線することがしばしばあるようで、原則禁忌と考えてよいでしょう。(文責 浜口)

 

No.4441】 05年09月29日    K
しこり切除の術後について

27歳、8月半ばにしこり切除の手術をしました。しこりの大きさがおよそ3センチで、左胸の内側上部に横傷になったのですが、手術から一週間後の抜糸で数日後に出血し、二度目の縫合をしました。それからまた一週間後に抜糸をしましたが、また数日後に出血しました。で、三度目は溶ける糸を使い、埋没法で縫合して頂いたのですが、それから一週間が過ぎたら、やはり傷口が開いてしまいました。傷口の半分は塞がってますが、残りの半分(1.5センチ)はボタンのように丸く空いて、中が見える状態です。先生の見解は、「浸出液が出ている限りは、こちらが表面を塞ごうとしても、身体が嫌がって出そうとしてしまうので、もう、このまま自然に傷が付くのを待って、おそらく傷が隆起してくると思うので、ヒフが出来てから、今度は傷口が目立たないように綺麗に縫い合わせる方がいいだろう」とのことでした。手術から1ヶ月以上も過ぎて、傷がまだドロドロとした状態で浸出液が出続けているというのは、今更ながら、手術が上手くいってないのでは?と疑わざるを得ないのですが、こういったケースは起こりうるものなのでしょうか?(ちなみに、過去に、腕と指を縫ったことがありますが、傷は普通に付いていました。) ご回答を宜しくお願いいたします。

乳腺は血流の豊富な臓器であり、術後に出血を起こすことはありえます。また、貯留した浸出液や血腫に細菌がつくと傷の治癒が遅れ、浸出液の出る状態が長期に及ぶこともありえます。失敗というよりは起こりうる合併症の範囲内と考えます。(文責 浜口)

 

No.4440】 05年09月25日    R 
FUSについて

8月初旬より右にしこりを感じ、針穿刺をしました。結果、右はW、偶然見つかった左がXでした。左右共に10月中旬に温存術をしよう!となっています。大きさは1センチほどです。昨日、切らずに出来るFUSという治療法を知りました。まだ、試験中のようですが、切らずに出来るなら・・・と思っています。難しいものですか? 試験に協力?すれば、治療費もいらないようですが、安全性はどうなのでしょうか?

FUSは体にメスを入れることなく超音波を使って癌細胞をやっつける治療法で、確かに魅力的な治療法です。早期の小さな乳癌に対しては高い効果があり、今後普及していくかも知れませんが、現在のところは長期的な安全性や効果が確認されていませんので、あくまでも試験段階の治療です。私の知る限りでは、日本では宮崎のブレストピアなんば病院にしかないと思いますが、興味があれば問い合わせてみると宜しいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.4439】 05年09月25日    M.M.
内視鏡下乳腺手術について

細胞診で粘液貯留嚢胞と診断されました。良性か悪性かを見極めるために、外科切除生検を勧められているのですが、のう胞摘出に内視鏡手術は適応しますでしょうか。内視鏡手術では、のう胞が破れて粘液が周囲に広がる可能性などはありませんか? 切除生検は傷や形の面で心配がありまして、同じようにきちんと取り除けるのであれば内視鏡でと考えております。宜しくお願いします。

基本的には乳腺の内視鏡手術は保険の適応がなく、どこの病院でも行えるという治療ではありません。大きさにもよりますが、のう胞であれば通常の手術でも局所麻酔下に小さなキズで行うことができますので、内視鏡手術は不要でしょう。(文責 浜口)

 

No.4438-1】 05年09月25日    AYY
白血球についてご相談いたします

白血球についてご相談いたします。2004年3月左乳房全摘(手術時48歳)。EC4クール後、2004年7月からホルモン療法中(ゾラデックスおよびノルバデックス)。8月の検査で白血球数が2,900と低く心配です。今後どの程度回復するものか、ご相談いたします。術後一年から、血液検査は3ヶ月に一度になりましたが、毎月血液検査をして経過を見る方がよいでしょうか。現在、特に疲れやすいということはありません。ご意見お聞かせください。病期等、次のとおりです。IIa (2a )、リンパ節転移なし、腫瘍径4センチ、乳頭腺管癌、ER(+) PGR(+)、HER マイナス。2004.3-6月 EC 4クール終了、2004年7月からゾラデックス(2年予定)、ノルバデックス(5年予定)。ホルモン療法開始後の白血球数推移は次のとおりです。2004.8月 2,900、 2004.10月 4,000、 2004.12月 3,200、 2005.2月 3,600、 2005.5月 3,700、 2005.8月 2,900。健康時でも、2000年(3,900) 2001年(4,600) 2002年(3,300) 2003年(4,400)というように、白血球数は必ずしも高くはありませんでした。EC投与時は次のような数値でした。2004.4月 3,300 - 1,400(最低値)、 2004.5月 3,600 - 1,800、 2004.6月 3,900 - 1,300。

白血球数は個人差があり、また全身状態によっても鋭敏に変化します。特に自覚症状がなければ3ヶ月に1回の血液検査で問題ないでしょう。(文責 浜口)

 

No.4438-2】 09年02月06日    AYY
術後5年のホルモン療法について

2005年9月にNo.4438でご相談させていただいた者です。その節はありがとうございました。2009年3月に術後5年となり、今後のホルモン療法を検討する時期となりました。今後どのような選択肢が考えられますでしょうか。アドバイスをお願いいたします。2004年7月よりノルバデックスを服用。2006年6月にゾラデックス終了。2007年3月ノルバデックスをアロマシンにスイッチすることを検討していましたが、骨密度検査により骨粗鬆症(Tスコア マイナス3.3)であることがわかりスイッチせず。2008年6月骨密度(Tスコア)はマイナス2.7でした。2009年2月現在ノルバデックスを服用中。ボナロン錠も服用中。閉経しています。骨粗鬆症のリスクがあるため、このままノルバデックスを継続する方が良いでしょうか? その場合は、今後何年くらいを目安に服用することになりますでしょうか? アロマシンにスイッチすることは考えられますか? この場合も何年くらい服用することになりますでしょうか? または、ホルモン薬の服用を終了ということになりますでしょうか? ホルモン療法の継続で再発が少しでも押さえられるのであれば、前 向きに検討したいと思います。どうぞよろしくお願いします。

閉経していらっしゃるということなので、お薬を今後継続するならば、ノルバデックス継続よりもアロマターゼ阻害剤に変更して5年間がよろしいかと思います。ただし、骨密度が低めなので、骨粗鬆症のお薬を併用しながらのほうがよさそうです。(文責 俵矢)

 

No.4438-3】 10年10月12日    AYY
フェマーラと骨粗鬆症

2009年にHPNo.8695でご相談させていただいた者です。その節はありがとうございました。術後5年となった2009年7月よりフェマーラを服用開始し、1年がたちました。間接痛などは特にありません。骨密度が低いためボナロン錠を服用中ですが、念のため7月に骨密度を計ってもらったところ、骨密度(Tスコア)がマイナス3.5になっていました。(2009年フェマーラ服用開始時はマイナス2.8/ 2010年1月はマイナス2.6でした。) 骨粗鬆症のリスクが心配です。このままボナロン錠を服用しながらフェマーラを続けてよいものでしょうか。2Aで、リンパ節転移はありません。アドバイスをお願いいたします。

続けてもよいと思いますが、手術結果から考慮すると、再発率の差はそれほど大きくありません。副作用のリスクが御心配であれば、中止も選択肢の一つになるでしょう。(文責 加藤)

 

No.4438-4】 12年08月28日    AYY
フェマーラとボナロン錠と抜歯について

2010年10月HPNo.4438-3で、また、2009年2月にHPNo.4438-2でご相談させていただきました。その節はありがとうございました。その後、ボナロン錠を服用しながら、2009年7月からフェマーラの服用を続けています。2004年左全摘、2A, リンパ節転移なし。現在56歳。骨密度は2012年7月現在、Tスコア マイナス3.5です。今日は、フェマーラと抜歯のことについてアドバイスをいただきたくご相談いたします。
術後から、歯科にて月1回のメンテナンスを受けていますが、歯根が割れている歯があり、なるべく抜歯しないように治療をしていただいていました。4月末から歯根の回りに炎症が起きており、先日歯科医の先生から抜歯を検討する時期にきているというお話がありました。歯科医の先生にはフェマーラとボナロンを服用していることをお伝えしており、抜歯のためにボナロンを休薬することが可能かどうか関係の先生に確認をして欲しいと言われています。フェマーラの副作用(骨粗鬆症)のためにボナロンを服用をしている訳ですが、ノルバデックス服用時も含めると、ボナロン服用は2007年からになります。抜歯のためにはボナロンを抜歯前3ヶ月休薬、抜歯後1ヶ月(?)休薬が望ましいとのことです。

1) ボナロンを休薬して、フェマーラを続けることは可能でしょうか? そのようにした場合、骨粗鬆症のリスクはどのようになりますか?
2) フェマーラとボナロンを休薬して、一定期間ののちに再開することは可能でしょうか?
3) この機会にフェマーラを中止するという選択肢もありますか?

アドバイスをよろしくお願いいたします。

1) ボナロンを休薬して、フェマーラを続けることは可能です。そのようにした場合の骨粗鬆症のリスクは、短期間の休薬ですから問題ありません。
2) フェマーラとボナロンを休薬して、一定期間ののちに再開することは可能です。一定期間というより、治療が終了すれば可能です。
3) 他の理由がなければ、この機会にフェマーラを中止するという選択肢はないと思います。(文責 清水)

 

No.4437】 05年09月25日    M 
乳癌患者の食事について

初めてお便りします。51才。今年1月に温存手術。病理の結果は、センチネル生検で0/3でマイナス、ホルモン感受性プラス。ハーツープラス1、悪性度1、断端陰性で、浸潤径は4x1.5x1。術後放射線治療、閉経していますのでアルミデックスを服用中です。同じ病院で知り合った方と、患者会で知り合った方、お二人とも転移再発するまで甘いもの、肉や脂っこい食事を続けていたと聞きました。主治医は、肥満がある患者には食事指導をし、ダイエットを勧めます。私は元々やせ形で、特に肉食が好きではありませんでしたが、その知り合い2人の話しや雑誌等に載っていた「癌細胞は、甘いものや動物性タンパク、高脂肪を好み増殖する」という記事を読んだりしているうちに、癌の転移再発や新たに癌になる事の恐怖から、玄米菜食プラス魚に切り替えました。骨密度が心配なので、ヨーグルトと牛乳のみ毎日とっていました。体重が減ったので、卵は週に1回ほどとるようにしておりますが、161センチで40キロは、かなりやせ過ぎだと思います。でも恐くて、肉も甘いものも油脂も捕ることが出来ません。出来合いのお惣菜も塩分や添加物が恐いので、あまり利用しません。野菜を洗い、皮を向き、カットし、煮物などでいただく作業は、フルタイムで仕事し、家族の介護もする日常では、時々めんどうで食べるだけでも疲れを感じてしまいます。家族も友人も、私をノイローゼだと言います。血圧、血糖値、コレステロール値が正常であるなら、普通に食事し、正常体重に増やした方がいいでしょうか? なお乳癌の主治医は、今のところ諸検査で心配な点はないので、体重は問題にしません。どうぞよろしくお願い申し上げます。

肥満は乳癌発生のリスクファクターであり、高脂肪食も乳癌のリスクファクターであるとの報告もありますが、そうでないとの報告もあります。乳癌再発に関しては食事が関与する可能性は更に低いと考えられ、現在肥満であれば気をつけるべきでしょうが、痩せているのであれば、アリミデックスによる適当な補助療法も行われていますので、あまり心配しないでよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.4436】 05年09月25日    S
乳管内乳頭腫について

29歳・未婚です。乳管内乳頭腫で治療を受けています。できやすい体質なのか、左右両方ともに分泌物があり、治療を受けています。小さいものについては3〜6か月に1度乳管内視鏡で取っていますが、この度右に1.2センチのしこりがみつかり、手術を勧められています。分泌物の細胞診はVA、1.2センチのしこりについても針生検を行った結果、VAでした。将来癌になることが心配ですので、手術を受ける方向で検討していますが、やはり早いうちに手術を受けた方がいいのか、傷の大きさはどの程度になるのか、乳房の形は変わってしまうのか、傷痕はその後目立たなくなるものなのか・・・が気になっています。また、手術の方法についても、入院した上で全身麻酔で行うのと、局所麻酔で日帰り手術で行うのとの2通りを提示されていますが、どちらにしたらよいのか迷っています。やはり、全身麻酔の方がリスクが大きいのでしょうか。ちなみに、アレルギー体質で、食物アレルギー、アトピー、花粉症などがあります。また、現在バセドウ病でも治療中で、手術による甲状腺クリーゼのリスクなども気になっていますので、ご教示いただけたらと思っています。お忙しいとは思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

乳頭分泌を伴う乳管内乳頭腫に対する手術は、正式には乳管小葉区域切除といって、腫瘍とその腫瘍が存在する乳腺を区域的に切除します。麻酔に関するリスクは全身麻酔と局所麻酔でそれ程差はありませんが、一般的には切除範囲がかなり大きくならない限り、局所麻酔で日帰り手術が可能です。皮膚切開については、乳輪に沿った切開(約半周)が目立ちにくいですが、病変が乳頭から遠い場合には放射状に切開を追加する場合があります。大きな変形はしにくく、キズもだんだん目立ちにくくなりますが、中には肥厚性瘢痕になり、赤く太くなってしまうこともあります。バセドウ病については、コントロール良好であれば、あまり心配しないで安全に手術可能でしょう。(文責 浜口)

 

No.4435】 05年09月25日    R.O
卵巣がんとの関係について

2005年3月に右温存術、センチネル生検にてリンパ2個摘出、転移なし、腫瘍径3cm(乳管内)、浸潤は1箇所に1ミリのみ、ホルモンレセプター陽性です。HER2は、浸潤部分が少ないため判定できないそうです。放射線治療の後、7月からノルバデックスを服用しています。4月の子宮癌検診では、子宮、卵巣共に異常なしでしたが、昨日の検査で、エコーにて卵巣に3cm程の腫れがあると言われました。悪性ではなさそうとのことですが、これはノルバデックスによる副作用と考えられますか? 乳癌患者は卵巣がんにもなりやすいとの事で、とても不安です。乳癌、ホルモン治療と卵巣について教えて下さい。

ノルバデックス治療中に卵巣腫大の出現は0.02%と低く、副作用の可能性は無いわけではありませんが低いと考えます。治療は続行して、卵巣については経過観察で宜しいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.4434】 05年09月25日    H  
レーザー脱毛

脇のレーザー脱毛を検討しております。昨年、全摘手術、脇のリンパは取っています。脱毛は開業医で行う予定です。病院へ問い合わせたところ、可能かどうかは主治医の判断を仰ぐようにと言われました。しばらく主治医に会う予定もありませんので、こちらで教えていただければと思います。よろしくお願いします。

乳癌術後のレーザー脱毛のデータは調べた限りありませんので、はっきりはわかりませんが、リンパ節郭清をしているのであれば、レーザー脱毛後に正常の人に比較して上腕浮腫や感染を起こすリスクが高いと思われ、あまりお勧めはできません。やはり主治医に相談して決めて下さい。(文責 浜口)

 

No.4433】 05年09月25日    H.Y. 
マンモグラフィーの結果について

友人が集団健康診断を受けた結果についてご相談します。マンモグラフィーを初めて受けた34歳未婚女性ですが、診断結果に左右石灰化とだけ書かれていたようです。本人は何のことかわからず、そのままにしていたのですが、石灰化と診断を受けたら、一度精密検査を受けたほうがいいのですか? それとも定期的に検査を受ける程度でいいのでしょうか? アドバイスお願いします。

検診の結果であれば、石灰化などの所見以外に精密検査の必要があるかどうか書かれていると思いますので、それに従えばよいでしょう。一般的には石灰化には良性の場合と悪性を疑う場合がありますが、両側に同様の石灰化があるのであれば良性の可能性が高いです。(文責 浜口)

 

No.4432】 05年09月25日    H・M
ホルモン療法について(HPNo.3186-4)

HPNo.3186で4回めのご相談です。術後、放射線も終わり、4月からノルバデックスDというホルモン剤を使っています。先日、新聞で、肺がんがホルモンに関係があって、「婦人科の手術をしたあと、ホルモンを調節するために服用した人が、何年か後に肺がんになる確率が高い」とありました。私が使っている薬は関係あるのでしょうか? 主人を肺がんで亡くした経験から、肺がんだったら、まだ乳癌の方がいいと思ってしまいます。前回の質問の時、お答え頂いたアロマターゼ阻害薬というのも主治医に相談いたしましたが、「私は60代後半でアロマターゼの方が子宮がんになる率も少なく、服用期間も短く利点は多い。しかし、私は非浸潤がんなので、新薬よりデーターの多いノルバデックスDの方が良い」という結論になりました。先生も少々躊躇していらっしゃいましたし、途中で変える事も出来るということでしたが、そのアロマターゼのほうではどうなのでしょうか? なにしろ素人考えで心配ばかりして申し訳ないのですが、先生との面談日が終わったばかりで、次は三ヶ月後なのです。毎日、疑心暗鬼で服用しているのもいやですが、次の面談日まで服用をやめてしまうのも問題ですし、悩んでおります。次の面談時の心づもりの為にも、ご意見を伺いたいと存じます。肺がん(他の癌でも)と乳癌のホルモン療法との事で、現在分かっていることをお教えください。 

女性ホルモンが肺がんのリスクを上昇させるのではないかということが問題になっていますが、女性ホルモンと拮抗的に作用するノルバデックスが肺がんのリスクを上昇させるという報告はありません。浸潤癌であれば、タモキシフェンを2-3年目にアロマターゼ阻害剤に変更するメリットがあると報告されていますが、再発リスクの低い非浸潤癌であれば現在の治療でよいと考えます。悩んでいるのであれば、3ヶ月待たずに主治医に相談に行かれた方がよいでしょう。(文責 浜口)

 

No.4431】 05年09月25日    H.I. 
マンモグラフィの結果(乳腺石灰化)

40歳主婦、9歳の女の子が一人います。現在、夫の仕事の関係で海外(南米)駐在中です。先日一時帰国の際に人間ドックで受けたマンモグラフィの結果が、「両側乳腺に区域性石灰化(カテゴリー4)を認めます」との判断で、「乳腺石灰化は、場合により悪性を呈することもありますので、精密検査が必要です」とのコメントでした。視触診検査では、異常なしとの判定です。痛みやしこりなどの自覚症状は有りません。また、家系にも乳がんはじめ、ガンになった者はいません。結果が来たのが、駐在地に戻って来てからでしたので、どうすべきか迷っています。マンモグラフィーを受けたクリニックに電話して詳細を聞こうとは思いますが、その前にすみませんが、次のことを教えて下さい。
1) 乳腺の区域性石灰化とはどのような状態でしょうか?
2) カテゴリー4とは、どの程度の状態のことでしょうか?
3) 精密検査は具体的にどのような検査をするのでしょうか?
4) 米国(マイアミ、ヒューストン、ニューヨーク)で精密検査を受けられる病院を、もし可能でしたら教えて頂きたいのですが。

以上、ご回答を頂ければ、大変幸甚に存じます。

1,2) 乳腺に石灰化を起こしてくる病変には、良性から悪性(癌)まで、さまざまなものが考えられます。大きな石灰化は良性と考えてよいのですが、微細な石灰化は癌のことがあるので注意が必要です。微細な石灰化の場合は、その形と分布によりカテゴリー1-5に分類します。1,2は良性、3は良性と考えられるが悪性の可能性否定できず、4は悪性の可能性大、5は悪性となります。区域性というのは、解剖学的に乳腺の区域に一致した広がりを示す石灰化で、早期の乳癌などでみられることが多く、精密検査が必要になります。しかし、一般的には両側に同時に乳癌ができる可能性は非常に低く、両側に同様の石灰化ができているのであれば、乳腺症などによる石灰化の可能性も考えられます。
3) まずは超音波検査等により腫瘍の有無をチェックし、あれば細胞診や針生検により診断をつけます。もし腫瘍がない場合には、マンモトーム生検というマンモグラフィ下に行う針生検により組織を採取し診断をつけることになると考えます。
4) 申し訳ありませんが、わかりません。(文責 浜口)

 

No.4430】 05年09月25日    S.T.
治療と入院の時期について

治療と入院についてご相談させて頂きます(年齢:56歳)。9月の初旬、胸のしこりに気づき、近医を受診し、乳がんでステージ2と診断されました。その後、手術目的の為、国立の有名病院を紹介され受診しました。紹介状を持参していたこともありますが、精密検査を10月下旬、治療方針や入院はその後ということになりました。検査や手術、入院も順番待ちで、空きがないそうです。私はこのまま10月下旬以降まで、何もせずに待っていて大丈夫なのでしょうか? 他の病院を受診したほうがよいのでしょうか? 不安でどうしたらよいのかわかりません。よろしくお願い致します。

患者さんの多い病院では当然手術までの期間が長い傾向にあり、長いところでは2-3ヶ月ということもあるようです。乳癌が発生してからしこりとしてわかるまでには長い時間が経っていますので、入院待ちの期間に急激に進行してしまう可能性は非常に低く、信頼できる病院であれば待っていてもよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.4429】 05年09月25日    H.T
術後治療について

以前メールさせていただいたことのあるものです。6月に右乳房全摘手術を受け、ほぼ非浸潤がんのため、無治療かホルモン治療と言われました。7月よりゾラデックスを受け、明日からノルバデックスを服用するすることになりました(通常は併用が標準治療らしいのですが、子宮がんリスクがひっかかり単独治療をしていましたが、婦人科検診を受け、婦人科の先生に相談してノルバデックスも併用することに決めました)。36歳、転移はなしです。
Her2用に作製した標本では、ほとんどがDCIS papillo-tubularで、microscopicな間質浸潤を認めました。浸潤部がわずかなので、nuclear gradeはつけられれませんでした。Her2:1+<10%、ER:≒95%>>10%、PgR:60%>>10%  Her/neu score-,ER+,PgR+ という所見でした。治療としてはこれでよいと思っているのですが、浸潤部がわずかでも、やはり浸潤がんになるのでしょうか? 0期であると思っていたのですが・・・。再発や転移とかは、あまり考えなくてもよいのでしょうか? あと両手の薬指の第一関節が痛みます。外科でレントゲンをとってもらったところ、特に異常はないようなのですが、注射と何か関係のある可能性は考えられますか? お忙しいところ申し訳ありませんが、お答えいただければ幸いです。

浸潤部がわずかでもあれば分類上は浸潤癌ということになりますが、再発、転移のリスクは低く現在の治療でよいと考えます。関節痛もしくは骨痛は、ゾラデックス、ノルバデックス共に副作用として1%未満ですがあるようです。(文責 浜口)

 

No.4428】 05年09月25日    M 
タキソールの副作用でしょうか?

今年4月13日に左全摘の手術をしました。47歳です。手術前は2.5cmほどの腫瘍で、リンパ節転移なし(触診、エコー、CTにより)と言われていましたが、手術後の病理結果では、腫瘍の大きさ2.3x1.5x1.6cmで硬癌、脂肪までの拡がり、ly2+、vo-、核異型度2、断端-、リンパ節転移11/24でした。術前のCTと骨シンチに異常なしでした。ホルモン感受性は、ER-、PRG+、ハーセプテスト-です。5月19日よりEC+Tの抗がん剤治療が始まり、ウイークリータキソール3回目(8月25日)まで遅れることなくきました。9月初めから関節痛、筋肉痛、手足のしびれと共にそけい部の痛み、腰痛、座った時にあたるお尻の骨の痛み、仰向けに寝たときの尾てい骨の痛み、動作にあわせて腰とお尻の痛みなどがでてきて、次第にひどくなっています。9月8日の4回目のタキソールまで行いましたが、5回目、6回目は中止となりました。主治医は副作用によるものといいますが、念のため来週骨シンチとCTを行ないます。
1) タキソールでこのような副作用は出ることがありますか?
2) 副作用でなければ骨転移でしょうか?
3) 骨転移だとしたらEC+Tに効果がなかったということですが、今後どのような治療法が考えられますか?

どうぞよろしくお願いいたします。

1) タキソールの副作用による筋肉痛、関節痛は軽度のものも含めると、約50%の人に起こると言われており、また骨痛は約20%の人に起こると言われています。しかし、多くの場合は軽度であり、投与後2-3日で発症し、数日内に改善します。
2) 副作用の可能性が高く、骨転移による症状の可能性は低いと考えます。
3) 他の抗癌剤やホルモン剤に変更し、状況に応じて、ビスフォスフォネートや放射線療法の併用を検討することになります。(文責 浜口)

 

No.4427】 05年09月24日    N.K
ハーセプチン治療について

毎回丁寧なご回答ありがとうございます。わたしの妻(34歳・乳がん、肝臓・肋骨に転移)がタキソールとハーセプチンの治療をしております。今後ハーセプチンのみの治療になった場合、単独でハーセプチンを使うタイミングはどのようなタイミングがよいのでしょうか? 又、ハーセプチン単独になった場合、妊娠できますか? 子供を作ってもよいのですか? 教えてください。よろしくお願いします。

タキソール、ハーセプチンで効果があるのであれば、基本的には治療を続けるべきですが、治療変更のタイミングは癌が消えるか、治療が効果なくなった時です。しかし、画像上腫瘍が消失しても必ずしも細胞レベルで癌が消失したとは言えませんので、治療変更のタイミングは非常に難しいのが現状です。また、ハーセプチンと妊娠については、動物実験では胎児への影響はなかったようですが、臨床レベルでは安全性は確率されてはおりません。妊娠しても大丈夫とは言えません。(文責 浜口)

 

No.4426】 05年09月24日    O.S.
手術について

27歳、独身です。2年前に線維腺腫と診断されました。それから6ヶ月単位でエコーの診察を受け、大きさ等問題がなければ、そのままで経過を見ていました。しかし、今年の6月の診察の際、少し大きくなっているとのことで細胞診を受けました。結果は良性で、経過を見ることになりましたが、最近は生理前は勿論ですが、時々しこりが痛みます。細胞診の時に針を刺された後一時感じた同じ痛みです。先生に尋ねると、しこりがある場所が乳首の近くだからということでした。「妊娠、授乳をすればなくなるから、早くそうして下さい」と言われましたが、簡単にはいかず、細胞診も死ぬほど痛いので、手術して欲しいと言いましたが、とってもまたできるから、意味がないと言われました。結婚も控えていますが、子供はまだいいかなと思っていますし、悪性に変わるかもしれないという不安と検査の恐怖を考えるとすっきり手術して欲しいのですが、やはり手術はしないほうがいいのでしょうか?また、少ししこりが大きくなったような気がします。病院の予約もとれません。

診断、治療の目的で手術は可能ですし、多少のキズが残ることに納得できるのであれば手術しても良いと思います。(文責 浜口)

 

No.4425-1】 05年09月24日    HF
放射線の効果について

私は骨転移ありで手術が出来ません(脳、臓器には転移ありません)。タキソールやハーセプチンをしばらく続けていましたが、タキソールは効果がなくなり、ハーセプチンは心機能低下で中断して5ヶ月がたちます。現在はゼローダ単独で6クール目です(その他アレディア、リュープリンです)。6月から30回、放射線をやりました。そのおかげで、結構大きくて高さもあった腫瘍は、現在では、ほぼ平らになりました。そこで質問させて下さい。初歩的な質問で申し訳ありません。胸の腫瘍への放射線の効果とは、どの位持続するものなのでしょうか? この状態でずっと続いてくれたらと思う毎日ですが、いつかまた大きくなり始めたら・・・という不安が常にあって、お尋ねしました。宜しくお願い致します。

放射線治療は骨転移に対する治療でしょうか? もし、骨転移に対する治療であれば、その治療効果は一般的には症状緩和の効果を期待する治療であり、腫瘍の増大を防ぐ治療はやはりホルモン療法や抗癌剤に期待することになります。(文責 浜口)

 

No.4425-2】 05年09月29日    HF
放射線治療の効果について(追加)

今回お聞きしたいのは、胸に出来た腫瘍への放射線の効果の持続期間についてです。左胸に出来た腫瘍に放射線30回あてました。放射線が終わって2ヵ月半がたちます。宜しくお願い致します。

胸にできた腫瘍というのは胸骨や肋骨への転移のことだと理解したのですが、違いますか? もしそうであれば、骨転移に対する放射線治療の寛解持続期間は平均12-24ヶ月程度と言われており、総照射線量が多いほどその寛解期間が長く持続する傾向があるとの報告もあります。胸にできた腫瘍というのが乳癌そのもの、もしくは局所の再発のことであるならば、治療効果の持続期間は放射線治療よりも、同時に施行している化学療法やホルモン療法の効果に左右されると考えます。(文責 浜口)

 

No.4425-3】 05年11月20日    HF
白血球について

宜しくお願い致します。白血球の数値についてお聞きしたく思います。現在ゼローダを飲んで8クール目になります。その他リュープリンと骨転移のため、アレディアをしています。月に一回血液検査で白血球を調べていますが、3000台前半が多いのです。多くてもたまに4000をちょっと超える程度です。治療開始から1年半たちますが、平均してずっとそうです。「体温と同じで、平熱が低い人がいれば、高い人もいる。急激に下がったわけでなく、平均してそうなので、HFさんの場合は心配はない」と、主治医には言われましたが、これは病に対する抵抗力が弱ってきている、という事とは違うのでしょうか?

白血球数値の推移ですが、病に対する抵抗力が弱ってきているということではありませんので、ご安心ください。(文責 石川)

 

No.4424】 05年09月24日    m
術後の化学療法について

一ヶ月ほど前に右乳房の温存手術をしました。ご意見を伺いたく、メールを差し上げます。40歳、閉経前、グレードUa、@しこりの大きさ1,3cm×1,7cm A硬がん B切断断面− CER,PgRともに3+ D核異型度2、核分裂像3 EHER2/neu2+ Fリンパ節転移7/14でした。CE+Tの化学療法、放射線療法、その後ホルモン療法を勧められています。リンパの転移も多く化学療法は避けられないと思うのですが、このメニューで進めてよいのか判断がつきかねています。他の治療法が考えられるのならば、参考にお聞かせください。

適切な治療であると考えます。再発リスクを低下させるためには術後の補助療法が非常に重要ですので、頑張って下さい。また、HER2が免疫染色で2+であればFISHという方法で遺伝子発現レベルをチェックしておくと、場合によってはハーセプチンの使用も選択枝となりますので、チェックしておくことをお薦めします。(文責 浜口)

 

No.4423】 05年09月22日    Y
抗癌剤の種類と選択について

術後治療についての質問をさせていただきます。「59歳、閉経、ステージUa、全摘、リンパ節転移なし、ホルモン受容体マイナス」という状況で、術後治療でCMFを予定しております。色々調べてみると、CMFと同様の効果がみられるというUFTがあるそうですが、点滴で行うCMFに比べ、UFTは比較的副作用も弱いようなので、同じ効果があるならばUFTを選択できたらと思っております。
1) 私の様な状況で、UFTでの治療は先生から見るとあまり勧められないのでしょうか?
2) 参考までに私の様な状況で仮に無治療だった場合は、再発率はどれぐらいでしょうか?  無治療の場合は、やはり再発は免れないでしょうか?
3) 化学治療も調べると色々と選択枝がある様ですが、一般的に目にするACとCMFの選択の基準は、どのボーダーライン(病理検査の結果)が基準になるのでしょうか?
4) CMFは、「脱毛がかつらが必要になる程にはならない」と本で見ましたが、全部抜けてしまう事は考えなくて良いのでしょうか?

次回の外来日から、きっと術後治療が始まると思いますので、それ以前に少しでも自分の中で術後治療について理解をしておきたいと思っております。お忙しいとは存じますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

1) 日本で行われた臨床研究の結果で、リンパ節転移陰性の乳癌に対してUFTによる術後補助化学療法は投与群で非投与群に比べ5年生存率を約2%延長する効果がありました。
2) 無治療のリンパ節転移陰性乳癌全体で10年間で再発する可能性は20%前後と考えます。
3)4) リンパ節転移陰性でリスクの高い患者さんの場合は、アンスラサイクリンを含んだ化学療法(ACなど)かCMFが薦められます。前者は後者に比べ5年生存率で約3%よいですが、後者は脱毛などの副作用は少なく、それらを考慮してどちらを選択するかということになります。(文責 浜口)

 

No.4422】 05年09月22日    M.E
術後の化学療法について

初めてご相談させて頂きます。60歳ですが、7月中旬に乳癌の手術をして頂きました。乳房温存法でセンチネルリンパ節生検により、リンパ節も残っております。術後の病理検査の結果はステージ1で、大きさは16×4.5×19mm、アポクリン癌という珍しいタイプの癌ということでした。このタイプの癌はホルモン療法は効かないそうで、抗がん剤投与の選択しかないようですが、私の場合には、それも必要はないでしょうとの診断でした。目下、25回の放射線治療の後半ですが、私より小さかった癌の方でも抗がん剤の投与を受けている方もいることがわかり、何も無しの私としましては甚だ不安な気持ちで過ごしております。本当に化学療法の必要はないのでしょうか? 主治医の診察はだいぶ先ですので、今日思いきってご相談させて頂きました。どうぞよろしくお願い致します。  

アポクリン癌は乳癌の特殊型に分類され、乳癌全体の0.1-1.5%を占めており、ホルモン受容体陰性のことが多くホルモン療法の適応とならないことが多いですが、経過は通常の乳癌と差はないと報告されています。術後補助療法の選択も基本的には通常の乳癌と同様に考えられ、ホルモン受容体の発現、リンパ節転移の有無、腫瘍径、組織学的悪性度、年齢などを考慮して決定することになります。術後化学療法は副作用も強く、再発リスクの高い患者さんには有用ですが、再発リスクの低い患者さんにはメリットよりもデメリットが大きいため適応にはなりません。(文責 浜口)

 

No.4421】 05年09月22日    M
マンモトーム検診について

以前もご相談させていただいたものです。石灰化が見つかり大学病院で切開し組織検査をと話がありましたが、セカンドオピニオンを相談し、今別の病院で一から検査をしてもらうよう予約をとっています。マンモグラフィーの後、間違いなくマンモトームを行うと思いますが、まだ来月まで待たなければならず、少し不安です。というのはマンモトームで石灰化はどのくらい取れるものなんでしょうか? 私の場合は12時方向から1時方向に何十個もみえていた記憶があります。もしマンモトームを行って、悪性の場合すべてとることはできないのでしょうか? やはり悪性と診断の場合は全摘しかありませんか? いまから少し不安です。  

乳癌でみられる石灰化は癌の分泌物や壊死した部分をみているのであって、その周囲にも癌が存在しています。マンモトームの目的は癌に随伴して起こるような石灰化を目印にして、その周囲の組織を採取し診断をつけることであり、99%確定診断可能と言われています。石灰化を全て取りきっても癌が取りきれる訳ではありません。乳癌だった場合、石灰化の数が多くても範囲が狭ければ乳房温存手術は可能です。(文責 浜口)

 

No.4420】 05年09月22日    K.T.
マンモグラフィーの結果

先日職場の婦人科検診でマンモグラフィーを撮影したところ、白く浮き出るような腫瘍上のものはみられませんでしたが、縦方向の画面では異常がなかったものの、横方向につぶした画像で、乳首の部分が陥没したようなもの(黒く何も写っていない)が撮影されて、精密検査を受けるよう言われました。自覚症状・違和感その他は全くありません。これが、癌その他の病気である可能性があるのでしょうか。

一般的には、癌などの病変であれば2方向どちらでも写る事が多く、一方向のみで認められるものであれば、乳腺の重なりなどの正常範囲の所見であることが多いです。癌の可能性は低いと考えますが、一度精密検査を受けて、超音波などでしこりがないか確認しておけば安心ではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.4419】 05年09月21日    MM
MRI検査についてお尋ねします

はじめまして。42才・未婚です。乳癌の検診を受け始めて2回目の診察で、二年前しこりが見つかり、検査(触診・マンモグラフィーエコー・細胞診)を受けました。このしこりが見つかる前にホルモン治療を3ヶ月間受けていました。結果は、右線維腺腫・左右良性石灰化という診断で、心配はないが6ヶ月に一度の検診をするということで、その後も検査を重ねてきました。今回の受診の際、念のため細胞診の検査を行ったところ、細胞の量が検査量に達してなかったということで再検査になりました。この際に、主治医の先生からも「癌の疑いがあるというわけではなてので安心してください」と言われました。結局、石灰化もあるのでMRIの検査の方がいいだろうということで検査しました。MRIの検査は、別の病院で受けて、後日主治医のところに結果がFAXで送られてくるそうです。結果は、悪性の疑いありの診断で、主治医は癌の確率は50%といいました。その病院では、検査が細胞診までしか行っていないので、現在は次の検査、生検(組織検査)を受けられる病院の診察待ちになっています。その結果を聞いてから(9/14)、乳癌について色々と調べました。それでこのサイトを見つけ、ご相談のメールを致しました。まだ組織検査をしていない時点でご相談するのはと思いましたが、MRIの結果を聞いてからは、食事もあまり喉を通らず、夜もなかなか眠れず、毎日涙ぐむばかりです。もともと、「この後は1年ごとの検診にしましょう」と主治医からも言われていたこともあり、ショックが大きかったです。
ご質問ですが、MRIで癌の可能性があるというのは、どこまでなのでしょうか。ほぼ癌だと思っていた方がよいのでしょうか。MRIの検査をする前の触診・マンモグラフィー・エコーでは特に異常なし、今後の診察を、「細胞診の検査結果で、6ヶ月から一年にのぱしてもいいですね。」という話をしておりました。主治医からは、「じっくり診察を受けたい病院を選んでください」とリストを頂きました。必ず名前のあがっている先生に診察を受けるようにと言われ、次の検査を受けるのが、医師の不在もあり26日以降、かなり出張などで忙しい先生みたいで、電話で確認したら「急な出張もあるので近くになったらまた確認してください」と言われました。主治医からは、この一ヶ月くらいで急にしこりが大きくなったりしないからと言われましたが、本当に大丈夫なのでしょうか? 仕事の関係もあり、ある程度の心構えをしておきたいと思っております。長くなりましたが、よろしくお願い致します。

実際に画像を拝見したわけではありませんので、癌の可能性がどの程度あるかについてはわかりません。しこりの部分が癌の可能性、石灰化の部分が癌の可能性、また、その両者が癌の可能性のいずれかだと思いますが、まずはやはり怪しいと考えられるところの組織をとって顕微鏡で調べるのが先決でしょう。急に大きくなる心配はないでしょう。(文責 浜口)

 

No.4418】 05年09月21日    A.A
病院選びについて

2ヶ月前に胸のシコリを発見し、乳がんという告知を受けました(37歳既婚、子供あり)。主治医からは温存治療をすすめられました。他の病院では全摘をすすめられました。シコリの大きさ(2センチ)と、もうひとつのシコリの大きさを考えれば、温存しても形がかなり悪くなるのであまり意味がないというものでした。明日、主治医の薦める温存治療を積極的に行っている病院にいくのですが、あまり周囲から良いうわさは聞きません。私としては乳房を是が非でも残したいというより、むしろできればリンパ郭清のセンチネルリンパを積極的に行っている病院で手術をしてもらいたいのですが、隣の県のがんセンターなので、待っている間にがんが広がってしまったらという不安と、しっかり調べなければという気持ちで揺れています。アドバイスいただけますか。

2箇所に癌があるのでしょうか? 厚生労働省の研究班のガイドラインによれば、2箇所であっても近くにあって、乳房の形が保たれるようであれば、温存術は可能です。また、温存術を強く望むのであれば、術前に抗癌剤治療をして腫瘍を小さくして温存術を目指す方法もあります。しかし、最終的にはメリット、デメリットを考慮した上で、ご本人がどうしたいかで決めたらいかがでしょうか。
センチネルリンパ節生検についてですが、手術前に明らかなリンパ節転移がないのであれば、やる価値は十分にあると考えます。現時点ではどこの病院でもできるというわけではありませんが、手術を待つ間に癌が進行してしまう心配はあまりないですから、まずは主治医に相談して、センチネルリンパ節生検の希望があることを話してみたらいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.4417】 05年09月21日    H 
術後の乳房について

今年3月にステージTの乳癌をセンチネルリンパ節生検で手術し、放射線治療を受けました。現在はホルモン剤のみ服用しております。リンパ節に転移は無く、術後順調に回復しているのですが、手術していない乳房に比べると手術をした乳房がいつも暖かく感じます。痛みや痒みはありません。このような状態は手術後では普通のことなのか、もし普通ではそのようなことが無いのであれば、どのようなことが考えられるのか教えていただきたく、宜しくお願いいたします。54歳です。

手術した乳房の軽度の熱感やむくみなどは、手術及び放射線治療の影響で起こっても不思議ではありません。経過をみて宜しいのではないでしょうか。乳房が強く赤くなったり、痛みを伴うようであれば、局所再発などの可能性もありますので、主治医に相談しましょう。(文責 浜口)

 

No.4416】 05年09月21日    K 
しこりの生検について

乳房のしこりに気づき、乳腺外来を受診いたしました。先生はおそらく良性だとおっしゃいましたが、「腫瘍の形と厚さが気になるので、摘出生検をしましょう」ということでした。後で調べたところ、最近では針生検が主流であると知りました。そこで伺いたいのですが、もし癌であった場合、どちらの生検が後の治療に繋がる観点から有効でしょうか。針では見逃しがあるのでしょうか。摘出してしまうと治療方針がたてにくいとも聞きました。両方の利点とリスクを教えていただけませんか。よろしくお願いします。

とれた組織の量が多ければ多いほど情報量が多くなり、適切な診断がつきやすくなりますが、キズは大きくなります。一般的には針生検は小さなキズで組織を採取することが可能ですが、診断をつけるのに適当な標本が採取できない可能性もあり、癌を癌、または良性病変を良性と正しく判断できる確率は90%前後と言われています。また、しこりの一部をとるため、しこりはなくなりませんので、引き続き経過をみる必要がある場合もあります。しかし、もしも癌であった場合には、外科的生検後に比較して切除範囲が小さくてすむ傾向にあると言われています。外科的生検では、当然キズが大きくなりますが、しこり自体を全て取りきることが可能ですので、ほぼ100%診断確定が可能であり、良性であれば、その後のfollow upは不要です。(文責 浜口)

 

No.4415】 05年09月20日    H.S. 
放射線照射後の乳腺の状態について

妻の件でご相談いたします。昨年7月右内側乳癌で温存手術しました。断端陰性、腫瘤経2.3センチでした。術後、放射線を25回実施しました(昨年10月初旬終了)。昨年12月頃から、創部と、手術したほうの外側が広範囲に固くなってきました(創部に関しては、ぽっこりと固くなっています)。主治医の先生からは、たびたび(12月、2月、5月頃)超音波でみてもらっていますが、創部も外側にもしこりはなく、乳腺が放射線の影響で固くなっているだけなので心配ありません、とのことでした。また今年7月にCT検査をしたのですが、その際もしこりは全然写っていません、とのことでした。術後1年3カ月たつのですが、こんなに長い間固いのが治らないものなのでしょうか。お忙しいところ申し訳ございませんが、ご意見賜りたく、よろしくお願いします。

患者さんによっては,放射線により皮膚や内部が固くなる方がいます。放射線で内部までいわば火傷するわけですから、段々やわらかくなっていきますが、中には時間がかかる方がいます。一方、再発の可能性もまったくないわけではないので、注意深く観察していくことも必要です。画像上疑わしい所見があれば、細胞診や組織診をすべきです。(文責 徳田)

 

No.4414】 05年09月20日    K.Y.
リンパ再発について

お世話になります。治療方法で悩んでいます。9年前に左乳房全摘して、脇のリンパにはなく無治療。その5年後に鎖骨上リンパ(手術で切除)が腫れ、ノルバデックス+ゾラで治療。更に2年後に局所再発(手術で切除)、ノルバデックスをアリミデックスに変更。半年前に卵巣に放射線照射をし、今はアリミデックスのみ服用。最近、4年前の再発時にも確認されていた脇の奥にあったリンパが腫れてきて左腕がだるく、腕の動きが悪くなってきています。かなり奥にあるようで触診で触れません。治療法の変更を考えていますが、@アロマシンで様子をみる、あるいはA化学療法(AC・CAF)をする。左腕の状態は今はまだ痛みや痺れはないのですが、かなり違和感があります。この状態で、ホルモンでゆっくり治療する余裕はないような気もします。
1) それでもホルモン療法をしたほうがいいのか?
2) 化学療法を選択し、しこりが小さく、あるいは画像上消えたとして、化学療法の後、アロマシン等ホルモン療法には変更できないか?

アドバイスを戴けたらと思います。

1) リンパ腺の腫大が転移によるものかどうか確認するのが第1です。超音波で見えるのであれば、細胞診をするべきです。悪性であれば、局所再発だけですから、切除+放射線、そして、全身療法は、アリミデックスをアロマシンに変更する、というのが、私の考えです。アロマシンの効果がわからないので、切除はあとでもよいかもしれません。いずれにせよ、命にかかわるものではないので、化学療法は、まだ使う必要はないと思います。
2) 化学療法後にホルモン療法を変えて効果を維持することも可能ですが、前述のように化学療法を始めるかどうかが考えどころです。(文責 徳田)

 

No.4413】 05年09月20日    M 
母の胸のしこりについて

はじめまして。ご意見伺いたくてメールしました。私の母(54歳)は、右胸外側上部に12年ほど前からしこりがあります。最初見つけた時は米粒くらいの大きさで、今は大豆くらいの大きさになっています。痛みや分泌物はないみたいです。12年もなんともないからといって安心していたのですが、しこりが1センチくらいになるまで10年程かかって、その後、急に大きくなると人から聞いたのですが、それは本当ですか? 癌が12年もの間、どこにも転移もせず、1センチ程になるまで徐々に成長するのでしょうか? そう言う事を人から聞いて、正直ショックをうけています。本当は母を病院に連れていけば早いのですが、母は大の病院嫌いで、私が「お願いだから病院で検査してもらって」と言っても全然聞いてくれません。自分で乳房の病気について調べてみたのですが、54歳の母が線維腺腫や乳腺症という可能性はあるのでしょうか? 線維腺腫や乳腺症は、20代や30代の人の病気だと聞きました。母は閉経していますが、閉経している女性が線維腺腫や乳腺症になったりしますか? もしも乳がんではなかったとして、他に考えられる乳房の病気ってありますか? 質問ばかりですみません。よろしくお願いします。

12年前からあるものだとすると線維腺腫が最も考えられると思います。閉経まではある程度発育しますが、閉経すると、発育はとまります。問題は、本当に前からある腫瘤なのかということです。新しくできたものなら、専門医を受診してください。(文責 徳田)

 

No.4412】 05年09月18日    M3 
術後療法について

術後療法についての質問です。先日の他の方への回答の中に、「ゾラデックス+ノルバデックスが標準です。ゾラデックス+アリミデックスのほうが良いという根拠はありません。」と書かれているのを読んで不安になりました。私は昨年7月に手術を受けたのですが、「ゾラデックス+フェアストン」の治療を受けています。手術時は42歳、全摘、ホルモン感受性あり、リンパの転移はありませんでした(多分、ステージTだと思います)。この治療法で大丈夫なのでしょうか? よろしくお願いします。

フェアストンは、ノルバデックスとおなじ抗エストロゲン剤に属する薬です。ゾラデックスと併用した場合、ノルバデックスと効果は同じかどうかの比較はありませんが、単剤同士では、ほぼ同等の効果です。(文責 徳田)

 

No.4411】 05年09月18日    Y.K
男性の乳がんについて

32歳の男性です。男性の乳がんについて教えてください。最近右腋下にしこりを見つけました。触るとこりこりした感じで、つまんでもしこりをつまめず、皮膚だけつまめます。乳房などには、異常はありません。乳がんのしこりは、押すと痛いなどの特徴はないのでしょうか? よろしくお願いします。

男性の場合、乳腺は乳頭直下にしかありませんので、乳癌の可能性は低いと思います。腋窩のリンパ節かもしれません。いずれにせよ、専門医に見ていただいたほうが安心できるでしょう。(文責 徳田)

 

No.4410】 05年09月18日    H.M.
25年前の乳腺線維線腫?

このHPを見つけ、藁にもすがる気持ちです。私は48歳、出産2回(27歳と29歳の時)、最近15年ぶりの健康診断で、乳房触診は異常なしですが、マンモグラフィーにて、「L(左)・A(内側上部)【腫瘤】(疑)・長径2〜3cm・円形・楕円形・小棘状・高濃度」と記入されていました。「精密検査が必要です」との事。実は、独身の23歳頃に、自己診断でしこりが手に触れ、慌てて病院で受診しましたが、出産して母乳をあげれば、多分無くなるでしょうとのことで、しばらく忘れていました。30歳の頃、気づけば全くしこりが無くなっていたので、安心し、専業主婦でしたので、健康診断もしていませんでした。今回の健康診断で指摘された所とほぼ同じ場所で、現在は自分で触ってみても全く解りませんが、過去の線維腺腫と考えられますでしょうか? それとも同じような場所に腫瘍ができたと考えた方が良いでしょうか? 超音波と細胞診もあわせて受けてくださいと、電話予約の際に言われました。乳腺外科が無く、普通の外科(マンモはこの病院でした)ですが、他に乳腺外科のある病院でも診ていただく方が良いでしょうか? 来週しか予約が取れず、悶々としております。お忙しい中、申し訳ありませんが、アドバイスいただけたら幸いです。よろしくお願いいたします。

マンモグラフィの所見の記載からは、線維腺腫とは言い切れません。乳腺専門医を受診しましょう。(文責 徳田)

 

No.4409】 05年09月18日    M・T
再発転移について

2005年1月温存手術を受け(腫瘍2*2、リンパ節転移2/11)、放射線治療(30回)後、ゾラとノルバデッツクスでホルモン治療中、43歳です。7月に術後の検査で胸部レントゲン・血液検査を済ませました。検査の結果は何もなかったのですが、ここにきて1週間くらい軽い咳がでます。強くはないものの、背中や腰も痛みます。単なる腰痛や風邪だと思いたいのですが、やはり気になります。来月のゾラ注射の際、医師に相談しようとは思いますが、主治医ではありません。早めに主治医に診ていただくべきでしょうか? 術側の腕のリハビリで整体に通っていますが、胸腺や鎖骨、腋のしこりを指摘されました。これは「コリ」によるものなのでしょうか。もしも再発転移であれば、どのような(硬いとか、動かないとか)しこりですか? またどのような症状がでるのでしょうか? 再発・転移の判断は検査をしなくては出来ないものですか? 腫瘍マーカーの数値にでないタイプもあると聞きましたが、PETやMRIなど患者の希望で受けるとなると保険はききませんよね? 再発の場合、早くに発見されても遅くても予後に変わりはない、と聞きますが、このまま10月まで待つべきか、それまでに診察を受けるべきか、アドバイスと再発時の症状について教えて下さい。宜しくお願いいたします。

早めに主治医に相談するほうが安心できると思います。整体師の診断がどのようなものかわかりません。胸腺など通常では触知できません。やはり、主治医に診察してもらいましょう。最終的に、再発や転移の診断は、検査をしないとわかりません。(文責 徳田)

 

No.4408】 05年09月18日    N.H. 
マンモグラフィの結果

定期健診でマンモグラフィの結果が出ました。左乳房の乳腺の評価が不均一高濃度、所見が腫瘤(単発)、カテゴリーが3で、総合判定は要精検です。この結果をどう理解すればいいのでしょうか?

超音波検査を含めた精密検査が必要ということです。もちろん可能性は低いですが、癌の存在も否定できないからです。(文責 徳田)

 

No.4407】 05年09月18日    A.A.
センチネルリンパ生検の影響について

センチネルリンパ生検についてお聞きいたします。検診(触診、マンモグラフィ、エコー、細胞診)の結果、腫瘍1.4cm、リンパ節転移の可能性は低い早期乳がんと診断されました。治療法としては、温存手術とセンチネルリンパ生検を勧められました。担当医は、「3つ程度のリンパ節をとるのであれば、日常生活には支障がない」とおっしゃっておりましたが、私はダンス講師を仕事としており、腕の上下左右の運動に障害をきたすのではないかと、不安を感じております。センチネルリンパ生検をすると腕は元のようには動かなくなるのか、だとすれば、どの程度腕の運動に影響するのか、あるいは元に戻るとすれば、どのくらいの期間がかかるのか、わかる範囲でお教えいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

通常のセンチネルリンパ節生検では、上肢の運動障害などはほとんどありません。(文責 徳田)

 

No.4406】 05年09月18日    K.K. 
骨転移

35歳の主婦です。1年前に温存で乳がんの手術をしました。今年8月に背骨と恥骨に骨転移があると言われました。症状はありません。普通に生活を過ごせるのは、後どれ位の期間があるのでしょうか? 子供達がまだ小さいので、動ける間にやれるだけの事はやってあげたいのですが・・・。まだ初期の段階で、治療はホルモン療法のみです。MRIでは背骨のみ写り、骨シンチでは恥骨だけが写りました。平均的でも結構なので教えていただけると嬉しいです。

骨転移だけでは、すぐに命には影響ありません。骨以外に転移が出現しなければ、3年以上普通に生活できると予想します。(文責 徳田)

 

No.4405】 05年09月18日    N
術後療法について(2)(HPNo.4384-2

お返事、ありがとうございます。この内容について更に確認の質問ですが、よろしくお願いします。
1) この10年間の再発率というのは、『私の場合』でしょうか?
2) 抗がん剤とホルモン療法、両方行うというホルモン療法は、卵巣機能抑制とタモキシフェンの併用のことでしょうか?
3) 実は主治医から聞き漏らしていたのですが、A(E)C+Tの抗がん剤の後タモキシフェンを内服しましょうと言われてました。この場合はどうなのでしょうか?
4) 脱毛の少ない抗がん剤とは具体的にどのような組み合わせがあるのでしょうか?その効果とは何%くらいですか?

1) お知らせいただいたあなたの予後因子から推定しました。
2) ホルモン療法は、卵巣機能抑制とタモキシフェンの併用の場合です。
3) AC+Tで閉経すれば同じですが、そうでなければ、多少弱いと思います。
4) CMFです。おそらくAC+Tより数%程度劣ると思います。(文責 徳田)

 

No.4404】 05年09月18日    K.T
ラジオ波での治療について(HPNo.4329-2)

8月にご相談させて頂き、お返事有難うございました。その後、MRI・CT・骨シンチグラムの検査をして、リンパや骨等に転移なしと結果が出ました。私の場合石灰化が広範囲に及んでいる為、温存は無理なので、全摘出して再建すると言うのが標準の治療のようです。多分非浸潤癌だということなので、全摘出すれば治るのでしょうけれど、出来れば乳房を残したいという希望を医師にお話ししたところ、ラジオ波の治療も可能だと言ってくれました。ただ、広範囲に石灰化が及んでいる為に、何度かに分けて焼くことになりそうです。ラジオ波で焼いた後にどの様な治療をするか調べるために、昨日マンモトーム生検をしました。その結果次第で、癌細胞の悪性度が低ければラジオ波での治療をと考えていますが、私の様な患者は、やはり命を第一に考えて全摘出をした方が良いのでしょうか? ラジオ波で焼いて乳房を残した場合の再発率は何パーセントくらいでしょうか? 色々とインターネットや本で調べている内に(非浸潤癌の治療は確立されていない)と言うことを知りました。自分で治療法を決定すると言うことは、本当に不安で一杯です。どうか、アドバイスを宜しくお願いいたします。

切除せずにすべてが非浸潤癌である、どこにも浸潤しているところがないということは証明できません。ラジオ波の治療は、まだ確立していません。特に、どこまで癌が広がっているのかを切除以外の方法で正確に評価する手段がない現状では、完全に癌が焼けたかどうか判断できません。ラジオ波の後の再発率は低いようですが、新しい治療法ですので、観察期間がまだ不十分で、評価できません。癌が再発しても局所であれば、またラジオ波などで焼けば、予後には影響しないと理論的には考えられますが、根拠はありません。たとえば、乳房温存術後の放射線照射は、局所再発を減らす方法ですので、放射線を照射しないと局所再発率は上がりますが、予後は変わらないと思われていました。しかし、無作為化試験を集めて解析してみますと、最終的には予後にも差がでるようです。(文責 徳田)

 

No.4403】 05年09月17日    IH 
術後の治療法について(HPNo.4354-3

HPNo.4354にて質問させていただいた31歳の主婦です。現在の私の治療法について今一度不安になったので、また相談させていただきたいと思います。とりあえず私の解るだけの病理結果は、「右乳房全摘手術、硬ガン、腫瘍1.5x1.0、リンパ節転移なし、ER− PR+、HER−2(+1)、グレード2 」です。主治医の先生は、中間リスクだと言われました。予定の治療法は、「ACを3週間空けの4サイクル+ホルモン治療(ゾラ2年+タモキシフェン5年)」になっております。8月31日にACの一回目の投与をして、二回目は9月21日の予定になっています。こちらの相談室や他の質問箱などを見ていると、私に似たような病理結果でも、もう一つ抗癌剤をふやしたり(AC+タキサン+ホルモン 、またはAC6サイクル+ホルモンなど)しておられる方が意外と多いので、自分の治療法が不安になってきました。ましてや私のホルモン感受性は、ERー PGR+で、少し弱いため心配です。私の病理結果をみたかぎり、「AC4サイクル+ホルモン(ゾラ+タモ)」は適しているでしょうか? 私的には少しでも再発率は下げたいと思っていますが、抗癌剤による副作用も心配なので、自分の病理結果に適した程度の平均的な治療法が知りたいのです。先生、ぜひアドバイスをお願いします。 

腋窩リンパ節転移陽性では、AC4サイクルよりもタキサンを追加したほうが、再発が少ないことが示されています。タキサンによる副作用は、ACに比較すると軽いので、少しでも再発率を下げたいとお考えであれば、タキサンを追加してはいかがでしょうか。再発予防なのですから、つらければ、途中でやめればよいのです。(文責 徳田)

 

No.4402】 05年09月17日    K 
乳ガン検診の結果

お忙しいところ申し訳ありません。先日、乳がん検診に行ったところ、昨日、「左乳腺のう胞」「右乳腺腫瘤」の異常が見られるため、精密検査を受けてください、との結果が返ってきました。恐ろしくなり、今日、某がんセンターに検査に行ってきたのですが、マンモグラフィーと触診では特に異常はみられず、「3週間後に再度超音波検査に来てください」としか言われませんでした。3週間後の検査で、結果が出るのは事実上1ヶ月先だと思うと気が遠くなりそうで、明日、もともと検診に行った病院にもう一回行こうかと思っているのですが、今日の明日だと、マンモグラフィーも受けられないのでしょうか? 先生に「ガンですか」って聞いたら、あいまいに「このままなら多分大丈夫」って言われて、ちょっと安心したのですが、先ほどの投稿に、エコーでは見えてもマンモでは見えないことはよくある・・・という記述を見て、余計不安になっています。急にこんなことになり、昨日の夜から不安で不安でまったく寝れず、仕事に行く意欲もわきません。宜しくお願い致します。

超音波やマンモグラフィーは、初診でもその日のうちに検査できる施設が多いと思います。心配ならそのような施設に相談しましょう。受診の前に照会して確認しておけば安心でしょう。(文責 徳田)

 

No.4401】 05年09月17日    K.W. 
アンスラサイクリン系とハーセプチンについて

いつも参考にさせていただいております。早速ですがご意見を伺いたいと思います。
1) ハーセプチンは現在、再発、転移のみに使用できる薬という認識でよろしいですか? HER2強陽性の場合、術後リンパに転移があれば、転移するリスクが高いという事ですので、再発した場合完治は困難である以上、術後使用することの有効性はあると思うのですが。
2) 「ハーセプチンとアンスラサイクリン系の併用、または、アンスラサイクリン系を以前使用した場合、ハーセプチンを使用すると心障害の発現率が高い」とのデーターがあることを知りました。WASH OUT期間のデーターもまだ出ていないとの事。現在アンスラサイクリン系の治療が推奨されている中で、術後アンスラサイクリン系の抗がん剤を使用した場合、再発の時には必ずハーセプチンは使用できるのでしょうか?

1) 最近、4つの大規模な無作為化比較試験の途中経過が発表されて、術後のハーセプチンが、再発のリスクを約50%減らすことが示されました。
2) アンスラサイクリンの心筋への障害は、蓄積性ですので、残っている可能性はありますが、ハーセプチンによる心毒性は、通常の補助療法で使用するアンスラサイクリンの総量では増加しません。(文責 徳田)