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相談室(No.4901〜5000)

このページは乳がんに関 する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

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なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

5000 06/02/27 K.Y.  術後のホルモンおよび化学療法について 麻賀
4999 06/02/27 非浸潤ガンのホルモン療法について 麻賀
4998 06/02/27 M.O 胸のしこりと痛みについて 麻賀
4997 06/02/27 N  わきのしこりについて 麻賀
4996 06/02/25 T  病理検査及び術後治療について 麻賀
4995 06/02/25 yuko 治療方針について 麻賀
4994-1
4994-2
06/02/25
06/05/14
K.K.  ホルモン療法の選択について
アロマシン後
麻賀
俵矢
4993 06/02/24 M.S. 乳房の痛みについて 麻賀
4992 06/02/24 M.I.  潜在性乳がん 麻賀
4991 06/02/24 K.H. 放射線治療について 麻賀
4990-1
4990-2

4990-3
06/02/24
06/03/20
06/04/01
SK 抗がん剤の種類、投与の間隔・回数について
治療法ならびに手術について
タキソールの効果と今後の治療について
麻賀
清水
加藤
4989 06/02/24 N.K.  乳ガンと診断されました 麻賀
4988 06/02/24 MT 若年の乳癌発病について 麻賀
4987 06/02/24 H  CT検査(HPNo.4198-3) 麻賀
4986 06/02/24 B 腫瘍マーカー上昇(HPNo.4372-6) 麻賀
4985 06/02/24 E.K.  病理検査の結果について 麻賀
4984 06/02/24 T  放射線治療について 麻賀
4983 06/02/22 みか 血性の分泌物 麻賀
4982 06/02/22 S.K.  右胸上部外側にしこりがあります 麻賀
4981 06/02/21 S  切除について 吉田
4980 06/02/21 H  乳がん検診でしこりが見つかりました 吉田
4979-1
4979-2

4979-3
4979-4
06/02/21
06/08/13
07/12/18
13/01/20
ホルモン療法について
ホルモン療法について(2)
ホルモン療法について(3)
タモキシフェンの10年投与について
吉田
清水
俵矢
俵矢
4978 06/02/21 IM 水泡? 吉田
4977 06/02/19 H.H 5年経過後の薬について 吉田
4976-1
4976-2
06/02/19
06/02/22
SS 抗がん剤治療を始めるまでの期間
抗がん剤治療中の過ごし方
吉田
麻賀
4975-1
4975-2
06/02/19
06/03/11
S  乳がん治療後の妊娠
乳がん治療後の妊娠(2)
吉田
石山
4974 06/02/19 Y.M. 放射線治療は本当に必要ないのですか? 吉田
4973-1
4973-2

4973-3
06/02/19
08/10/06
08/10/21
ホルモン療法について
リュープリンについて
リュープリンのやめ方
矢吹
鈴木
4972 06/02/19 いずみ 病院のかかり方についての相談 矢吹
4971 06/02/19 C.N 放射線治療 矢吹
4970 06/02/19 D.K. 治療方針について 矢吹
4969 06/02/19 K   胸のしこりについて 吉田
4968 06/02/19 K.T 腫瘍マーカーについて 吉田
4967 06/02/19 T  病理結果について 吉田
4966 06/02/17 U  しこりと石灰化 吉田
4965 06/02/17 S   抗がん剤投与前の血液検査について 吉田
4964 06/02/17 I・K 腋の下のしこり 吉田
4963 06/02/17 N.T. 両側性乳癌の術後治療について 吉田
4962 06/02/17 Y.N 乳腺のう胞について 吉田
4961 06/02/15 H.Y.  paget病で HER2(3+) 吉田
4960 06/02/15 T.T ホルモン療法中です 吉田
4959-1
4959-2

4959-3
4959-4
06/02/15
06/02/19
06/03/07
06/04/04
S・H 77才になる母の卵大のしこりについて
77才になる母の卵大のしこりについて(2)
77才になる母の卵大のしこりについて(3)
77才になる母の卵大のしこりについて(4)
吉田
吉田
石川
加藤
4958 06/02/15 Y.H.  術後の治療について(2)(HPNo.4590-2) 吉田
4957 06/02/15 HAKO 乳首についてご相談させてください 吉田
4956 06/02/14 y.y  白内障について 吉田
4955 06/02/14 E.N.  術後の治療について(HPNo.4823-2) 吉田
4954 06/02/14 R 右乳房のしこり 吉田
4953-1
4953-2
4953-3
06/02/14
06/08/07
06/08/07
K 術後の抗がん剤治療について
タモキシフェンのベネフィット
乳がんの種類について
吉田
鈴木
鈴木
4952 06/02/14 M.S. NCC-ST439上昇時の治療について 吉田
4951 06/02/11 K.B. アロマターゼ阻害剤について 西川
4950 06/02/11 H  CT検査(HPNo.4198-2) 西川
4949 06/02/11 HER-2強陽性について 西川
4948 06/02/11 T.N 乳がんの骨転移の状態把握 都築
4947 06/02/11 Y.T. 食生活について 都築
4946 06/02/11 N.N. 非浸潤癌、HER2陽性について 都築
4945 06/02/11 N.F.  PETについて教えてください 都築
4944 06/02/11 M.I. 骨・リンパ節に転移 都築
4943 06/02/11 Y  石灰化 川本
4942 06/02/11 E.T 良性?腫瘍について 川本
4941 06/02/11 AーG インフルエンザにかかってしまいました 川本
4940 06/02/11 Y.W. 骨転移について(HPNo.2964-3) 川本
4939 06/02/11 K&M 超音波検査での腫瘤画像について 川本
4938 06/02/11 M・T 再手術について 川本
4937 06/02/10 ET  非浸潤癌治療について 舘花
4936 06/02/10 TM  アルミデックスに変えたのですが… 舘花
4935 06/02/10 T  温存か全摘かの選択について 舘花
4934 06/02/10 N.M.  クラス3(HPNo.4156-2) 緒方
4933 06/02/10 N.F. 5ミリの石灰化について 緒方
4932 06/02/10 E.S. 乳腺腫瘍について 緒方
4931 06/02/10 E.R. 乳癌検診について 宮本
4930 06/02/10 T  乳頭の腫れ 宮本
4929 06/02/10 N.N. 非浸潤性乳管癌の治療 宮本
4928 06/02/10 T.Y パジェット癌について 宮本
4927 06/02/10 Y 郭清せず 宮本
4926 06/01/30 S.J マンモグラフィー 千島
4925 06/01/30 肺転移 千島
4924 06/01/30 F.K. 16ヶ月の娘のしこり 千島
4923 06/01/30 H.T. 乳癌の診断について 千島
4922 06/01/30 C.M. HER-2陽性について 千島
4921 06/01/30 Y  健康補助食品の併用について 千島
4920 06/01/30 K  治療後の妊娠について 千島
4919 06/01/30 H.K. 化学療法による味覚障害? 千島
4918 06/01/30 S.M 乳房の痛み(HPNo.4650-2) 千島
4917 06/01/30 S.Y.  乳がん肝転移の肝機能改善について 千島
4916 06/01/30 A.I.  乳首の皮膚の痒みについて 千島
4915 06/01/30 M.K. パジェット病(乳房) 千島
4914-1
4914-2
06/01/30
06/02/15
N.O. 乳房のしこりと発赤について
炎症性乳癌について
千島
吉田
4913 06/01/30 CE 転移性乳がん(肺転移)について その7 痛み他(HPNo.4454-7) 千島
4912 06/01/28 N.H.  硬がんについて 千島
4911 06/01/28 E.U. 左乳癌 (温存手術後、残存乳房再発)について 千島
4910 06/01/28 A、K ホルモン療法の期間について 千島
4909 06/01/28 R.M. 分泌物がまた現れるようになりました(HPNo.2193-5) 千島
4908 06/01/28 yuka 術前化学療法後の手術方法について 千島
4907 06/01/28 N.K 腫瘍マーカー 千島
4906 06/01/28 S  アリミデックスとアロマシンについて  千島
4905 06/01/28 K.Y.  多発性脳転移の治療について 千島
4904 06/01/28 S.C 抗がん剤の選び方 千島
4903 06/01/28 ハナ 遠隔転移を疑ったほうがいいのでしょうか? 千島
4902 06/01/28 H.Y. ホルモン療法について(HPNo.4883-2) 千島
4901 06/01/28 アリミデックスの副作用について 千島

 

 

No.5000】 06年02月27日    K.Y. 
術後のホルモンおよび化学療法について

術後のホルモン療法と化学療法について、ご意見をいただきたくメールします。32歳、未婚、出産経験なしです。2006年2月に左乳房温存手術を受け、乳頭腺管癌と一部硬癌が共存し、大きさは1.8cm(T1)、腋リンパ節転移は5個中1個、ER/PgRともに+、Her2は3+でした。多臓器への転移は今のところ見つかっていません。術後は、局所への放射線治療と、ホルモン療法ゾラデックス3年、抗がん剤フルツロン(ドキシフルリジン)2年と言われています。点滴などによる抗がん剤でないことに不安を感じ、主治医に聞いてみましたが、点滴による抗がん剤の有効性に比べ、ホルモン剤などの効果の方が実証されているという考えにもとづいているとのことでした。他の患者さんでは進行度によって点滴剤を使われているようですので、私の病状や状況に合わせて考えていただいているのだと思うのですが、年齢や癌のタチから考えて、よりきつい抗がん剤を使った方がよいのではないかということが気がかりです。質問は、以下のとおりです。
1) 私の場合に考えられる一般的なホルモン療法と化学療法をお聞かせください。
2) 一般的な方法と、上述の方法とでは、転移可能性はどれくらい差があると考えられますか。
3) あえて点滴剤を使わない理由として考えられることがあれば教えてください。
4) セカンドオピニオンを他の病院に求める場合、病院選びについて注意すべきことがあればお聞かせください。

病状に関する追加情報としては、2000年に非浸潤性乳管癌で右乳房温存手術を受けており、子宮内膜症と筋腫があります。よろしくお願いいたします。

1) ホルモン療法はゾラデックス+タモキシフェンとなりますが、HER2が陽性ですので効果はあまりない可能性があります。化学療法はAC(アドリアマイシン、サイクロフォスファマイド)→パクリタキセルなどのアンソラサイクリン→タキサンがよいと思います。
2) フルツロンの投与が、標準的な方法と比べどのくらいの差があるのかはわかりません。ただフルツロンの再発予防投与の有効性は明らかにされていません。
3) 点滴剤を使わない理由は私にはわかりません。副作用が少ないということでしょうか。
4) 乳癌治療に実績のある病院を選んだらどうでしょうか。(文責 麻賀)

 

No.4999】 06年02月27日    A
非浸潤ガンのホルモン療法について

40歳、未経産です。非浸潤ガンですが、放射線治療に加え、ホルモン治療を勧められています。乳房温存療法を受けました。腫瘤は9ミリ×7ミリで、その周囲2.5センチほどの切除部分の病理結果では、明らかなcarcinomaの残存は指摘できないとのことでした。乳房内再発を2分の1以下にするという理由で放射線治療を勧められ、これについては、温存療法の説明時に聞いていたので承諾しました。ところが、その後の診察で、エストロゲン受容体+、プロゲステロン受容体+なので、ホルモン治療を5年間毎日続けるように言われ、ノルバデックスを処方されてしまいました。ノルバデックスは乳房内再発の危険性を半分にし、反対側の乳房の乳がん発生を半分にする、世界的に認めらた乳ガンの薬で、信頼度が高く、5年間続けないと効果が出ないとのことでした。胃の不快感、子宮体ガンの若干の増加、肝炎、脂肪肝など危険性の副作用はあるが、骨粗鬆症の予防にはなると言われました。主治医からの説明の後、自分でも副作用について調べると、生理不順や無月経症など、その他更年期障害と同様の副作用が現れるとのことでした。40代での出産を考えているので、できればノルバデックスの服用をやめたいと思うのですが、やめられる可能性はありますか。主治医からは、乳房内再発をおさえることが重要だとの説明は受けましたが、乳房内再発の可能性が半分になるといわれたまま、その半分の具体的な数字を聞く機会を逃してしまいました。一般的にいって、非浸潤ガンの場合、ノルバデックスの服用でどのくらいの割合で再発をおさえられるのでしょうか。以上2点についてお答えいただけますと幸いです。よろしくお願い致します。

1) 非浸潤癌で断端陰性とのことですから、通常量(50Gy)の放射線照射でよいと思います。照射は行うのが一般的です。非浸潤癌に対して術後薬物療法の明確な基準はありません。ER+PgR+の癌では非浸潤癌でもホルモン治療剤(あなたの場合はノルバデックス)の服用を勧める医師が多いです。乳房内再発率の減少、対側乳癌の発生予防、あるいは非浸潤癌でも、まれには遠隔転移を起すことがあるなどがその理由です。
2) あなたのように断端陰性で照射を行ったかたにノルバデックスを服用した場合としない場合でどのくらいの再発率の差があるのかはよくわかりませんが、あったとしてもごくわずかでしょう。妊娠、出産を考えているのなら、ノルバデックスの服用は行わないという選択肢もあると思います。

以上は私の見解です。実際にどうするのかは担当医とよく相談の上決めてください。(文責 麻賀)

 

No.4998】 06年02月27日    M.O
胸のしこりと痛みについて

26歳(女)です。突然の質問ですが、宜しくお願い致します。右乳房にしこりがあるように感じられたので、先月総合病院の外科(乳腺外来)を受診しました。他の大学病院の外科から週一で出張に来て下さっている先生が担当でした。触診、マンモグラフィー、エコーを受けました。まず、触診では「しこりは感じられない」という事でしたので、安心しましたら、マンモグラフィーでは、右乳房下部に1.5センチ程の白いしこりのようなものが映っていました。エコーでは確認できませんでした。診断は「腫瘍があるが、良性か悪性かはもっと検査しないと分からない。MRIを受けるか、3ヶ月後に再度マンモグラフィーを受けるかだ。」という事でした。すぐには決断できないでいると、「迷うなら他の病院で診てもらうのもいい。紹介状を書くので。」と言われ、書いてもらいました。すると、「これは宛名のない紹介状だから、自分で専門医を探しなさい」と言われ、驚きました。地方なので、乳腺専門の病院は他にないからです。とても傷つきました。エコーの時も、乳房をかなりグリグリ乱暴に扱われ、必死に我慢しましたが、帰宅後少し痛みました。今一ヶ月経ち、生理が近いためか、しこりを押すと痛みます。受診前には生理が来ても痛む事はなかったので、受診で悪化したような気がして心配です。近くに専門医がいないので、乳がんの本を買って読んだりしています。「乳腺症」でも、しこりや痛みがあると聞きました。私のしこりは触っても動いたりはしません。「乳腺症」の場合でも、マンモグラフィーに映るのでしょうか? また、「乳腺症」が所謂「良性の腫瘍」なのでしょうか? 長くなりましたが、ご回答宜しくお願い致します。

1) 今いろいろな医師の見解を聞いてから方針を自分で決定する方法が行われています。そのような点を考え担当医は紹介状を書いたのだと思います。
2) 乳腺症でもしこりを触れたり、痛みもあります。
3) 病理学的(顕微鏡所見)には乳腺症は良性の腫瘍ではなく腫瘍様病変です。(文責 麻賀)

 

No.4997】 06年02月27日    N
わきのしこりについて

初めてメールをさせていただきます。21歳の女性です。半年前くらいに、わきのくぼみのやや奥に1pほどのしこり見つけました。普通に触ってもわかります。硬さは基準がよくわからないのですが、どちらかというとやや硬い方かと思います。形は完全な球状ではない気がします。また、それは痛みを伴うもので、特に気になって押したり、さわったりしてしまった後は熱を持ち、ものすごく痛みます。数日間続いています。なかなか病院にも行けない日々が続いています。これはどんな病気が考えられるでしょうか?よろしくお願いします。

毛嚢炎とか粉瘤などが考えられます。これらは悪性の疾患ではありません。病院を受診し、見てもらったほうが良いです。(文責 麻賀)

 

No.4996】 06年02月25日    T 
病理検査及び術後治療について

初めまして。私は45歳(閉経前)で既婚、二人の子供がおります。昨年11月に自己診断にてしこりを見つけ、病院へ行ったところ乳がんと診断されました。12月中旬に右乳房温存、センチネル生検手術を受け、現在術後療法の抗癌剤FECの3クール目を終えたところです。私の病理結果は、硬癌3.5cm(浸潤癌1.6cm),悪性度1,リンパ管+,血管−,センチネルリンパ節迅速病理で−、永久切片で微小癌+,断端+5mm以内,ホルモン感受性ER+PgR+,HER2は0という事でした。術後療法は抗癌剤FEC6クール,放射線25回+追加照射5回,ホルモン療法ゾラデックス2年,タモキシフェン5年です。質問させて頂きたい内容は以下の通りです。

1) 硬癌3.5cm(浸潤癌1.6cm)と、二つの大きさが示されていうのはどういう事でしょうか?
2) センチネル生検の迅速病理で−のためリンパ節を覚せいしていませんが、永久切片で微小癌が見つかったという事はたくさんリンパ節に転移してる可能性もあるという事でしょうか?
3) この病理結果から、私はステージとしてはどれにあたりますか?
4) 術後療法はフルコースという感じですが、私の場合これで適切でしょうか?
5) 似たような年齢、似たような症例の同じ病室だった人がゾラデックス1年でした。私は2年ですが、何によって違いがでるのでしょうか?
6) 私は抗癌剤の副作用が強く、点滴後1週間ほどは吐き気がかなりひどい状態です。そのほかにもいろいろと理由があり、抗癌剤を5クールでやめたいと申し出たら、主治医に却下されました。抗癌剤は5クール受けるのと6クール受けるのとでは効果の差はかなり大きいのでしょうか?

以上主治医の先生なかなか聞きづらいので、ご回答よろしくお願いします。

1) 腫瘍の全体の大きさが3.5cm、浸潤癌の部分が1.6cmです。
2) センチネルリンパ節に微小癌(2mm以下)が見つかった程度では、普通は残りのリンパ節には転移がないことが多いです。
3) StageUBです。
4) リンパ節転移がありますので、FEC6サイクルでよいと思います。
5) ゾラデックスは普通は2年間投与です。
6) 6サイクル行って治療効果がどうであったかというデータは出ていますが、5サイクルではどうかという試験が行われていませんので、なんともいえません。(文責 麻賀)

 

No.4995】 06年02月25日    yuko
治療方針について

初めて相談いたします。36歳既婚。8歳、4歳の子供がいます。2005年10月中旬に胸にしこりを発見し病院へ行ったところ、線維腺腫と思われるので3ヵ月後に来るように言われました。自分でも3ヶ月前に比べしこりがかなり大きくなっているのはわかりましたが、指示どおり2006年1月に再度診察を受けました。その時先生より細胞診をするか切除して検査するか問われたので、切除を選び、2月6日に局部麻酔で切除しました。切除の際に、葉状脳腫の疑いもあるため、しこりより大きめに切除されました。細胞検査の結果、浸潤ガンで、しこりの大きさは1.5×1.5×2.0センチ、グレード3と言われました。ただし切除した部分の、しこり(ガン)の部分以外の周囲の肉片からは、がん細胞は検出されなかったとのことでした。脈管侵襲0、ホルモン受容体はどちらもマイナス、HER2は2+でした。再度CT検査をしたところ、肺、肝臓、その他リンパ節も含め、CTでは転移は確認できないとの事でした。
本日セカンドオピニオンで別の病院へ行きましたが、最初の病院でも言われましたが、再手術をし、乳房内の組織をもう少し広範囲に切除、リンパ節のサンプル手術をした後に放射線、抗がん剤等の治療方針を決めると言われました。先生に、一度手術をした後は2から3週間を目安に再手術したほうが良く、早いほうが良いと言われました。その病院は3月3日に手術が可能だそうです。その病院は規模も大きく設備も整っておりますが、乳がん手術の症例が年間40例程度との事で、少ないような気がし不安があります。ただ本やインターネットに載っている病院は、かなり順番を待たなければならないようなので迷っています。一回手術をした場合に再手術する時は、いつぐらいまでの時期に行ったらよいのでしょうか。また症例が年間40例の病院というのは大丈夫なのでしょうか。

1) 摘出生検後のいつまでに再手術(根治手術)をしなければならないのかは、はっきりしていません。早いところでは2-3週間くらいで、長いところでは2カ月くらいではないでしょうか。
2) 年間の症例数が40例でも問題ないと思います。(文責 麻賀)

 

No.4994-1】 06年02月25日    K.K.
ホルモン療法の選択について

40代主婦です。たびたびお世話になっております。今回はホルモン療法の選択についてご相談します。
・2001年11月、右乳房部分切除、リンパ節郭清(転移9個)。残存乳房放射線照射、化学療法(CMF6クール)、ホルモン療法(ゾラデックス、ノルバデックス)。 2003年10月、胸膜転移、胸水貯留→フェアストン+アリミデックス (改善せず:2004年夏頃最悪:マーカーCEA=11/CA15-3=125) 。 2004年7月、アリミデックス単剤に→症状その他改善。 2004年11月、肝臓、胸骨に転移→症状ほとんどないため、アリミデックス継続。 2005年6月、マーカー3.5/53から上昇に転じる。 2006年1月、マーカー12.5/98→アロマシンに変更。(肝・腎機能の数値は正常)。

質問です。
1) 2005年11月(マーカー7.5/74時)に別の医師のセカンドオピニオンを受けたところ、「アリミデックスで十分コントロールできている。焦って変える必要なし。ちなみに次の選択はヒスロン」とのことで、主治医の見解と異なります。主治医の方針に従ってよいでしょうか。
2) 主治医は、「効果判定のため3ヶ月ほど必要。だめな場合、さらに次の選択肢として新薬レトロゾルもしくは抗がん剤」とのことですが、この方針はいかがでしょうか。
3) ここ1ヶ月ほど、胸や首の痛みが増悪、腰の痛みと疲労感も出てきました。ホルモン剤の変更直後は一時的に症状が悪化することもあると主治医から説明を受けたのですが、そう理解してよいでしょうか。

以上、よろしくお願いいたします。

1) 腫瘍マーカーが上昇しているのでアロマシンに変更したほうがよいです。
2) レトロゾールはホルモン剤ですので、ホルモン剤2剤が効かなくなっていますので抗がん剤のほうがよいと思います。
3) 胸や首の痛みが悪くなっている原因はよく分かりません。薬剤そのものの副作用である筋肉痛などのためである可能性もあります。(文責 麻賀)

 

No.4994-2】 06年05月14日    K.K.
アロマシン後

今年2月にご相談した者です(HPNo.4994)。その節はありがとうございました。再びお尋ねいたします。重複しますが、経緯を再掲します。
・2001年11月、右乳房部分切除、リンパ節郭清(転移9個)。ER=31/PgR=500/HER2=0。残存乳房放射線照射、化学療法(CMF6クール)、ホルモン療法(ゾラデックス、ノルバデックス)。
・2003年10月、左胸膜転移、胸水貯留→フェアストン+アリミデックス。(改善せず:2004年夏頃最悪:マーカーCEA=11/CA15-3=125)
・2004年7月、アリミデックス単剤に→症状その他改善。
・同11月、肝臓、胸骨に転移→症状ほとんどないため、アリミデックス継続。
・2005年6月、マーカー3.5/53から上昇に転じる。
・2006年1月、マーカー12.5/98→アロマシンに変更。
・同5月、マーカー15.8/130、胸部レントゲンにより胸水貯留確認(今回は右胸に0.5〜1?、まだ抜くほどではない)、肝・腎機能、貧血は正常。

自覚症状としては、4月頃より特に臥位時に息苦しさと動悸を覚え、寝つきが悪くなっているほか、首、のど、肩、右脇の痛みがあります(ロキソニンとマイスリー服用)。駅の階段を上るのがやや難儀ですが、昼間、タテになっている分にはほとんど支障ありません。今回、薬の変更も検討されましたが、マーカーの上昇率が若干緩やかになったため、もう1ヶ月アロマシンで様子を見たいとの私の希望をいれていただきました。来月、やはりアロマシンの効果がないことが明らかになった場合についてご質問します。
1) 主治医は「体力があるうちにタキソールを使って、落ち着いたらまたホルモン療法に戻る可能性もある」と言われましたが、抗がん剤を先延ばしにしたい私の意向を汲んで、「ヒスロン or レトロゾル→タキソール→ナベルビン→TS−1 or ゼローダ」というラインを提示されました。この方針はいかがでしょうか。
2) 胸腔穿刺のタイミングは?
3) 2年ほど前から、丸山ワクチン(継続中)、自律神経免疫療法(福田・安保理論によるハリ治療:継続中)、温熱療法(ハイパーサーミア:昨年いったん中止)を、それぞれ別の医師のもとで受けています。こうして悪化している以上、どれも効果がなかったものと考えるのが論理的でしょうか。
4) ロキソニンが効かなくなってきているように思います。次はどのような薬が考えられるでしょうか。

長文、申し訳ありません。よろしくお願いいたします。

1) 階段を上がるときに苦労するということと、臥位で息苦しさがあるという症状は胸水によるものではないかと思います。胸水があって、このような症状があれば、早めの効果が期待できる治療ということで、私も主治医の先生と同じように抗がん剤をまずお勧めするのではないかと思います。しかし、ご本人が抗がん剤を望まれないとなると、主治医の先生と同じような治療ラインをお示しすると思います。Kさんはまだアントラサイクリン系の抗がん剤(アドリアマイシン、ファルモルビシン)を含む治療はやっていないのであれば、抗がん剤としてはCAFやCEFなどアントラサイクリンを含む治療もラインに加えることができると考えます。
2) 胸水をぬく時期は、胸水による症状がかなりひどく、胸水を抜くことによって改善が期待できる場合です。ですので、胸水のたまっている量と、臨床上を参考にして決めます。胸水は一時的に抜いてもまたすぐたまるので、たまって症状が出ればまた抜くということになると思います。
3) 最初に胸水が貯留してから2年以上経過していて、最近悪化はみられるものの他に転移もでてきていないので、これまでの治療が奏功した結果だと思います。アリミデックスもアロマシンも臨床試験の結果、進行再発乳がんや、原発性乳がんの再発予防に効果ありという結果が出ています。しかしこの効果、アリミデックスやアロマシンなどの効果だとかんがえるべきでしょう。
4) ロキソニンなどの消炎鎮痛薬が効かなくなった場合は、消炎鎮痛薬に加えオピオイドの使用を検討することになります。

主治医の先生にお話してみてください。(文責 俵矢)

 

No.4993】 06年02月24日    M.S. 
乳房の痛みについて

私の母ですが、2月8日から左乳房が痛いと言います。乳首もチクッと痛むし、左脇も痛むし、時には右も痛いときがある。母は74歳で病院嫌い、また我慢強く、めったに痛くても痛いと言わない性格なので、よっぽどなことではないかと心配でなりません。自分で湿布をして、がまんできないほどの痛みではないからと言っています。もともと胸はぺったんこで、しこりはないと言っています。家庭の医学書などを読むと、乳ガンではなく、乳腺炎なのでしょうか? やはり通うとすると、大学病院の乳腺外科が良いのでしょうか?

乳房に異常がなくても乳房が痛むという方はよくいます。ホルモンのバランスの乱れと考えられています。それ自体は治療の対象とはなりません。しかし、この症状とは別に乳房に腫瘍が存在する可能性は否定できませんので、念のため病院を受診して検査を受けられたらどうでしょうか。(文責 麻賀)

 

No.4992】 06年02月24日    M.I. 
潜在性乳がん

以前、母の潜在性乳がんの件で質問をさせていただきました。母は12月19日に腋リンパのみ切除手術を行いました。18個のリンパを一緒にとって、他に転移はみられませんでした。2月始めから抗がん剤の投与を行っています。三週間おきに通院です。薬は乳がんの標準的なものだと聞いています。そろそろ2回目の投与の時期になります。やはり髪が抜け始めて、本人は相当のショックをうけています。母の手術の3日後に父が亡くなったり、ストレスも多いようです。原発が見つかっていない潜在性乳がんの場合、抗がん剤の投与が本当に効果があったのかどうか、どうやって判断をするのでしょうか? 髪が抜け、食欲がない状態で、このまま効果があるかどうかわからない抗がん剤を続けていいものか?心配になってきました。以前、ここで脇のリンパの切除をして、その後全身治療を・・・とアドヴァイスをいただきました。その時は納得したのですが、本当にこれでよかったのか不安になります。例えば3回の予定の抗がん剤を2回に減らすと再発の可能性はどれくらい高くなるのでしょうか?ホルモン療法の効くタイプだと聞いています。そちらの方の治療だけではダメでしょうか?また、先日自分の血液を採取して免疫力を栽培し、再度本人に戻すという治療方法を見ました。保険適用ではないので自己負担で300万円程度と言っていましたが、この方法は母の場合、効果があるのでしょうか?いろいろ質問を羅列してしまいましたが、よろしくお願いいたします。

1) 術後再発予防のため行っているので、効果を直接評価することはできません。10年後に再発が起こらなければ効果があったと判断します。
2) リンパ節転移があったのですから、抗がん剤治療は行ったほうがよいです。
3) 投与回数は効果を確かめるための臨床試験を行って決められているので、回数を減らしたらどうなのかという質問には正確に答えられません。
4) ホルモン治療も選択肢の一つと思います。担当医と相談してください。
5) 免疫療法は有効性がはっきりしません。(文責 麻賀)

 

No.4991】 06年02月24日    K.H.
放射線治療について

31歳主婦です。3歳の子供が一人おります。去年1月に温存で手術を受けて、断端は陰性でしたが、その手前2ミリのリンパ管の中に癌がいました。HER-2は強陽性、しこりは3.5センチ、腋のリンパは1つありました。グレードは(2,3,3)でした。抗がん剤治療ECをして、その後タキソール&ハーセプチンを投与して、現在はハーセプチンのみを続けています。温存術の場合、放射線治療を行うということが本などで書かれていますが、主治医から放射線を行うことによって「悪化する可能性が高い」、「新たな癌を作る」と言うことをいわれて、放射線をしていません。放射線を行わないほうが良い場合と言うのは、どのような場合なのでしょうか? 私の場合、このまま放射線をしないほうが良いのでしょうか?ご意見をお聞かせください。

乳房温存治療を行った場合は術後に乳房照射を行うのが一般的です。放射線を行わないという場合はあまり考えられません。放射線をかけることで悪化する病気を持っている(皮膚筋炎など)方では、例外的ではありますが放射線をかけません。(文責 麻賀)

 

No.4990-1】 06年02月24日    SK
抗がん剤の種類、投与の間隔・回数について

左乳頭下に2.1cmの癌があります。脇下のリンパ節も大きいのが1つ、小さいのが2つ肥大しています。担当医の見解としては、「リンパ節への転移の可能性が高い」とのこと。ただ、「手術して開いてみないとはっきりとは言えない」ようです。現在、術前化学療法として、タキサン系の抗がん剤を投与しています。毎週投与を3回、その後1週あけて、再び毎週投与を3回。これが1コースだと言われました。当初の予定では、その後2週あけて手術だったのですが、最近になって「抗がん剤が効いていたら、しばらく抗がん剤治療を続けます」とのこと。効き続ける限り抗がん剤(いずれもタキサン系)を打つようで、4コース(全24回投与)くらいは続けるようです。
1) タキサン系使用後、アンスラサイクリン系を使用したほうが奏効率が高いと聞いたことがあるのですが、タキサン系のみでも変わらないですか?
2) 毎週投与となると、体力や免疫力の低下は激しくないのでしょうか?(まだ1度しか投与していないので、数回続けると、どこまで低下するか分からないのですが)
3) 毎週投与を24回繰り返しても大丈夫なのでしょうか?(3週に1度の投与が一般的なようですが・・・)
4) 同じ種類の抗がん剤を24回も投与して、効き目はあるのでしょうか?手術を延ばしてでも、抗がん剤治療を続けた方が良いのですか?

以上です。どうぞよろしくお願い致します。本来なら担当医に直接伺いたいのですが、患者は私ではなく母なのです。また、遠く離れて住んでいるため、病院に付き添うこともできません。今は、こちらの相談室が私にとって唯一の不安解消の場です。

1) 普通はタキサンとアンソラサイクリンを行います。そのほうが奏功率が高いです。
2) 一回の投与量を減らしているので体力の低下は気にしなくてよいと思います。
3) 24回くりかえしても体力的には大丈夫と思います。
4) 通常はタキサンとアンソラサイクリの両方を行います。同じ抗がん剤だけで行う術前抗がん剤治療は、このごろあまり行われなくなったと思います。(文責 麻賀)

 

No.4990-2】 06年03月20日    SK
治療法ならびに手術について

以前、HPNo.4990にて回答をいただいたSKです。今回も、遠方に住む母の乳がんについて質問させてください。1回目の抗がん剤(タキソール)投与の際、癌組織を採取して検査をしました。結果、ホルモン療法と抗体療法が効かないタイプとのこと。また、タキソールを週1で3回投与した後、しこりが大きくなった(本人曰く、硬く腫れている)ように感じて受診。超音波検査をし、担当医は「確かにしこりは大きくなっている。タキソールが効いていないのかもしれません。違う抗がん剤(アンスラサイクリン系)に変更するか、それとももう手術しますか?」とおっしゃいました。そこで、以下の質問にお答えいただければ幸いです。ちなみに、母は51歳。更年期障害が出てきた頃で、閉経しそうな状態でした。抗がん剤投与までは、月経が毎月あったり1ヶ月飛んだりと不順。抗がん剤投与し始めてからは、月経なしです。
1) ホルモン療法と抗体療法は、どう違うのでしょうか。(今まで同じだと思っていました)
2) ホルモン療法と抗体療法が効かないタイプの場合、手術前後の治療は、抗がん剤と放射線治療のみになるのでしょうか。(通常は術後にタモキシフェン等を処方されると思うのですが)
3) 放射線治療の効果が出ないということもあるのでしょうか。
4) タキソール投与後、2週間ほどはしこりに変化がなかったのですが、その後大きくなっていました。進行したとみてよいのでしょうか? また、そんなに早くしこりが大きくなる(進行する)ものでしょうか?
5) アンスラサイクリン系の抗がん剤も効かなかった場合、さらに進行・手遅れとなることはないでしょうか。手術と迷っているのですが・・・。(アンスラサイクリン系は3週に1度の投与と言われています)
6) タキソールは3回(3週)投与の時点で「効いていない」と判断されましたが、アンスラサイクリン系は投与後どのくらいで効果を判断できますか。
7) 「次回からの抗がん剤は4つくらい混ぜて投与します」と言われましたが、どのような混合薬が考えられますでしょうか。

長くなってしまい申し訳ありませんが、どうかよろしくお願い致します。

1) ホルモン療法が有効かどうかはER,PRで検査し、抗体療法が有効かどうかはHer2で検査されたのだろうと思います。意味も治療法も全く異なります。
2) その通りで、化学療法が中心になります。タモキシフェンはERもしくはPRが陽性でホルモン療法が有効であると判断された場合に使います。
3) 放射線治療は乳房温存療法を行った場合に温存した乳房内の再発を抑えるために行います。その他では乳房切除した場合で腋窩リンパ節転移が多い場合は放射線治療した方が良いと言われていますが、副作用とのバランスで考えます。放射線治療に全身の再発を抑える力はありませんから、化学療法が中心です。
4) その通りだと思います。
5) 確かにアンスラサイクリンが効かなければその分だけ手遅れになります。しかし、ここで手術をすれば当然術後にアンスラサイクリンを使うことになります。術後に使う場合、アンスラサイクリンが効いているかどうかはわかりません。それならば、多少のリスクがあっても、ここはアンスラサイクリンをchallengeすることをお勧めします。術前に抗がん剤を使うメリットの一つは、薬がその患者さんに有効かどうかがわかることですから。
6) アンスラサイクリンも2クール(3週間x2)位は使わないと有効かどうか判定しづらいです。しかし、1クール(3週間)後に明らかに増大しているようであればその時点で手術に変更になると思います。
7) アンスラサイクリンは通常はCAF,CEFなど3つの薬を混ぜることが多いです。Cはサイクロフォスファミド、Fは5-FUです。(文責 清水)

 

No.4990-3】 06年04月01日    SK
タキソールの効果と今後の治療について

HPNo.4990にて回答をいただいたSKです。遠方に住む母の乳がんについて、よろしくお願い致します。以前、抗がん剤をアンスラサイクリンに変更するということでしたが、担当医にタキサン3回投与で無効と断定できるのかを質問したところ、「6回投与後じゃないと効果の断定はできない。しこりは確かに大きくなっているが、リンパの大きさが変わっていない。続けられるのであれば、6回投与した方がいいと思います。」と言われました。そこで、母はタキサンを残り3週続けることにし、その後の状態でアンスラサイクリンを考えるということになりました。しかし、今日(3月28日、タキサン4回投与)になって更にしこりの増大が気になるとのこと。検査をしたわけではないので、はっきりと増大が認められたわけではないのですが・・・。明日から担当医が出張で、本人も診察(超音波検査)していただくまでに日にちがありすぎて不安とのこと、今回も下記質問にご回答いただけますよう、よろしくお願い致します。

1) タキサンは全6回投与しない限り、効果の判断ができないものでしょうか。
2) タキサン3回投与後に0.5cmの増大が認められた場合、明らかに無効とは言えないのでしょうか?
3) 担当医に「しこりとリンパには別々の抗がん剤が効くこともある」と言われたのですが、現時点(しこり増大・リンパ変化なし)でリンパには有効とみてよいのでしょうか。
4) アンスラサイクリンに変える場合、「FECを3週毎」と言われたのですが、通常は何クールくらい行うのでしょうか。
5) 今回の場合、このままタキサン(残り2週)を続けるべきか、アンスラサイクリンに変更するべきか、どちらが賢明でしょうか。先生ならどちらを推奨されますか?

1) 主治医の言うように、6回後の判定でよいと思います。
2) 明らかに無効とはいえないと思います。
3) 有効とすべきかどうかは難しいところです。
4) 4クール位です。
5) もう少しタキサンを続けてみてもいいと思います。(文責 加藤)

 

No.4989】 06年02月24日    N.K. 
乳ガンと診断されました

42才の女性です。乳ガンと診断されて2週間になります。左の乳房でした。セカンドオピニオンで大学病院に行き、新たに右乳房にも乳ガンと疑われるしこりが発見されました。転移の可能性はあるのでしょうか? 来週、右乳房の超音波による検査をして、次は4週間後にと言われましたが、その間に進行したりしないのでしょうか?

左の乳癌から右の乳癌に転移を起すこともありえますが、普通は右と左別々に乳癌になることが多いです。その辺を含めて現在検査中と思います。担当医の指示に従い、よく検査してみることです。(文責 麻賀)

 

No.4988】 06年02月24日    MT
若年の乳癌発病について

私の友人(19歳)が胸のしこりを採取して検査した結果、乳癌かどうか、グレーだと診断されました。そして、1ヶ月様子を見ると言われたそうです。
1) 19歳という若さでも乳癌にかかりますか?
2) もし乳癌であった場合1ヶ月様子を見ている間に進行してしまいませんか?

お手数ですが、以上のことにお答えいただければ幸いです。

1) 9歳でも頻度は少ないですが乳癌はあります。
2) 様子を見るということは、現時点で担当医は乳癌とは考えていないと思います。1カ月で進行するとは思えません。(文責 麻賀)

 

No.4987】 06年02月24日    H 
CT検査(HPNo.4198-3)

HPNo.4950でご回答いただいたものです。放射線治療は一昨年の10月に行いました。昨年7月のCT検査は、放射線後9カ月たっていました。9カ月たっても放射線の影響はありますか。もし昨年7月のCT検査で肺転移が疑われたら、もっと早く(2月後とか)再検査をすべきでなかったでしょうか。昨年7月、影について特に問題ないといわれて安心していたのですが、改めて昨年影があったので、少し早めにCTをしてくださいと言われ、心配です。よろしくお願いします。

1) 9カ月たっていても放射線の影響は出ます。
2) CT検査はある程度の間隔を置いて検査しなければ、その変化が分かりません。担当医の指示に従えばよいと思います。(文責 麻賀)

 

No.4986】 06年02月24日    B
腫瘍マーカー上昇(HPNo.4372-6)

No.4372 からお世話になっているものです。いつも丁寧なご回答をいただき、ありがとうございます。2005年10月、3ミリの非浸潤性小葉癌で温存手術を受けた際の病理組織内に小さな癌が多発しているのが見つかりました(中には浸潤性発育を始めているものもあった)が、追加手術はせず、30回の放射線治療(12月21日終了)を行いました。術後1週間目からノルバデックス服用開始、12月27日から月1回のリュープリン注を開始しました。腫瘍マーカー検査は2回行っており、術前の9月の検査では CEA=2.8 CA 15-3=18 NCC-ST-439=5.6 でしたが、12月27日の検査で CEA=2.0 CA 15-3=15 NCC-ST-439=60 と NCC-ST-439の値が著しく上昇していました。これは 再発、または転移の可能性が高いということでしょうか。今日(2月21日)再検査をし、結果を見てCT等の諸検査を行う予定だそうですが、こんなにも短期間での大きな変化は異常な進行の早さを示しているのではと、とても不安です。主治医は「放射線とかの影響で一時的に上がっただけかもしれない。」とはおっしゃいましたが、癌以外でこんなに数値の上がることはあるのでしょうか。お手数をおかけし申し訳ありませんが、ご回答よろしくお願いいたします。

腫瘍マーカーの上昇が認められますので再発の可能性があります。マーカーの推移を見ることと、CTや骨シンチなどを行い全身のチェックを行うことがよいと思います。(文責 麻賀)

 

No.4985】 06年02月24日    E.K. 
病理検査の結果について

母の事なのですが、15年前に右胸を全摘出し、今年1月に左胸に乳癌が発覚して全摘出しました。本日その病理結果がでました。充実腺癌12o・リンパ節転移無し・リンパ管ly3・核異型2/3・分裂3/3です。治療はAC4クール3週毎・タキサン4クール3週間投与1週間休みです。15年前の乳癌の治療は飲み薬だけでしたので、本人は今回の抗がん剤で髪の毛が抜けることをとても嫌がっています。できるならしたくないとまで言っています。抗がん剤をしなっかた場合、どの程度で再発があるのでしょうか?また病理結果からみて今後の予後は悪いのでしょうか?お忙しいと思いますが、よろしくお願いします。

1) 抗がん剤治療を行うと、5-10%の無再発生存率の上昇が期待できます。
2) 腫瘍が大きくはなく、リンパ節転移もないことはよいのですが、Ly3とグレードが高いのが気になります。20%程度の再発の危険性はあるように思います。(文責 麻賀)

 

No.4984】 06年02月24日    T  
放射線治療について

教えてください。現在放射線治療を受けています。
1) 一般的に乳がんの放射線治療は50グレイとか60グレイといいますが、その差はどうしてできるのでしょうか? 腫瘍の大きさ?切った場所?腫瘍のあった深さ?・・・
2) 放射線治療の効果というものが3ヶ月〜24ヶ月と、ある本に書いてありました。これは年数が経過すれば局所再発する可能性が高くなるということですか?
3) 照射後のアイシングですが、これは冷やす時間に比例して炎症も少なくなるのでしょうか? まったくアイシングをしない医療機関もあるというので、その効果は明らかではないのでしょうか?
4) 炎症時の塗り薬は炎症が出る前に患部に塗るべきでしょうか?
5) 脇の下に当たっているようです。皮膚が赤くヒリヒリします。本来脇の照射はありません。脇に当たる事によってリンパ浮腫などの後遺症が心配です。これは仕方のないことですか?
6) 照射が始まってから微熱が続くのですが、普通でしょうか?
7) 毎週の白血球の検査が、スタート時より2000も上がりました。上がったまま維持しておりますが、このようなケースもありえますか? またこの治療中では、他の血液数値は変化は無いのでしょうか?

宜しくお願いします。

1) 乳房部分切除の乳腺断端に癌が出ている、あるいは接近している場合は60Gyとなります。そうでない時は50Gyです。
2) 治療効果が現れてくるのが3-24カ月ということです。局所再発は放射線に抵抗性の癌細胞が数年から十数年たってから現れてきます。
3) アイシングの効果については明確にはされていません。アイシングして気持ちがよければ行うという程度です。
4) 塗り薬を炎症が出る前から行うことについても、いいのかどうかよく分かっていません。
5) 脇に放射線が当たればリンパ浮腫になりやすくなります。腫瘍のあった位置によってはどうしても脇に放射線が当たってしまうことがあります。
6) あなたの現在の微熱の原因はよく分かりません。一般的に傷が治っていく過程で微熱が出ることはあります。
7) 通常は照射を行うと若干の白血球の減少が起こります。現在白血球が少し増えている理由はよく分かりません。(文責 麻賀)

 

No.4983】 06年02月22日    みか
血性の分泌物

未婚、出産経験なしの30歳です。一年ほど前に、左胸の乳頭の窪みに小さなかさぶたがついているのに気付き、乳輪あたりを少し強めに押してみたところ、最初は黄色っぽい薄い分泌液が滲んできて、続けて絞るように押してみたところ、血のまじったような茶色っぽい薄い分泌液がでてきました。気になってしばらく絞りましたが、強めに絞ると滲んでくる程度。後日見てみると、絞っても滲んできませんでした。その4,5ヶ月にまた、たまたま絞ってみたら同じように分泌物が滲んできました。血性の分泌物は乳ガンの可能性があるとネットで知り、怖くなっています。もし乳がんである可能性があるのなら、分泌物は途切れなく出るのですか? 私のように何ヶ月おきかに出る場合もあるのでしょうか。また、乳がんである可能性はあるのでしょうか・・・。

この文面の症状からは乳癌の可能性は低いと思います。心配なら病院に受診して、みてもらってください。(文責 麻賀)

 

No.4982】 06年02月22日    S.K. 
右胸上部外側にしこりがあります

私は33歳・出産暦なし・既婚者です。一年半程前から気になっていたしこりが少し大きくなったような気がして、乳腺外科の先生がいる病院に行きました。マンモグラフィー・エコー・MRI・細胞診をし、結果多分線維腺腫だと思う?との事でした。ただ4cm近いので摘出した方が良いと言われましたが、細胞診の結果が言われなかったのでちょっと不信感が出てしまい、本当に取った方が良いのか悩んでいます。触るとコリコリしていますが、4cmもあるのかな?とも思います。大きさとは、触ったよりも大きい場合があるのでしょうか? 実際しこりはあるので、やはりとった方が良いのでしょうか? お忙しいと思いますが、先生方のご意見お聞かせください。宜しくお願いいたします。

1) 細胞診の結果を直接担当医に聞いて見てください。細胞診の結果で線維腺腫と断定できないのであれば、針生検を行って診断を確定するのがよいです。
2) 線維腺腫と診断が確定できれば、一般的には切除する必要はありません。ただごくまれには線維腺腫の一部に癌を認めることがあります。腫瘍を経過観察して、増大傾向があれば切除して診断を確定する必要があります。あなたの場合は4.0cmと腫瘍がやや大きいですから、摘出して腫瘍の全てを組織検査して悪性部分がないことを確認しておくのもよいでしょう。
3) 線維腺腫の場合、触った感じより実際の腫瘍が大きいことがあります。(文責 麻賀)

 

No.4981】 06年02月21日    S 
切除について

34歳の主婦ですが、先日しこりがみつかったため、近所の開業医の先生(ご年配)に見ていただきました。症状として、しこりが1cm、つまむと少し痛みがあり、乳頭から茶色の分泌物があり、レントゲンではしこりのまわりにもぽつぽつ小さいのがあり、気になるとのことでした。早速日帰り手術で取ってしまおうと先生が言うのですが、インターネットを見ると、CTやMRIなど十分な検査の後、手術すると、多くのホームページに記載されていますが、十分な装置もないような開業医でいきなり取ってしまうのはとても不安です。開業医でしこりを取った後、転移など同時に検査をしないのかも不安です。また、開業医で十分取りきれるのか、取り残しの検査など十分できるのかも不安です。開業医での手術前に、大きな病院へ相談したほうがいいのか、それとも日帰り手術で取ってから組織などを調べて、その後大きな病院へ行くべきなのか、順序がわかりません。最後に統計的にこの症状での癌の可能性について教えてください。回答しづらい質問とは思いますが、一生の問題なので質問いたしました。何卒ご回答のほど、宜しくお願いいたします。

そのしこりが乳癌であるか否か診断をつけるには、触診、超音波、マンモグラフィ、更に細胞診を行うのが一般的です。しこりをいきなり日帰り手術で取ってしまうのは間違いではないですが、性急な感じがいたします。乳癌であった場合のことを考えて、切除前に大きな病院を受診したほうが良いと思います。開業の先生に紹介状を書いてもらえればbetterです。しこりと褐色の分泌物がみられることより、乳癌である可能性は50%ぐらいはある様に思います。(文責 吉田)

 

No.4980】 06年02月21日    H 
乳がん検診でしこりが見つかりました

2月16日、乳がん検診でしこりがみつかり、精密検査を受ける事になりました。MRIと針で細胞を見る検査ということです。しこりは9ミリと言う事で、先生は、もしガンだとしても早期だから・・・と言われました。その後、本で調べていると、しこりの大きさに関係なく、リンパへの転移で決まると書いてありました。どのくらいの割合で、リンパへの転移があるのでしょうか? また、今、授乳中です。授乳すると赤ちゃんに影響がありますか? 検査の10日前くらいに、おっぱいの周りのリンパのラインが凄く痛く、3日ほど続きました。その時にリンパに転移したんじゃないかと不安です。

しこりの大きさとリンパ節転移の有無は確かに一致しないこともありますが、大きなしこりではリンパ節に転移している頻度が高くなります。1cm弱の乳癌で転移がみとめられるのは、10%前後のように感じています。授乳は問題ありませんが、乳癌であった場合は治療のために中止しなければなりません。通常リンパ節に転移を起こしても痛みを伴うことはありません。あまり心配せずに検査を受けましょう。(文責 吉田)

 

No.4979-1】 06年02月21日    M
ホルモン療法について

45歳、閉経前です。昨年12月に乳房温存手術を受け、腫瘍が同じ側に2つありました。1つはinvasive ductal carcinoma、腫瘍径10×8mm、2つ目はmicro invasive carcinoma、腫瘍径2.5×2.5mm、共にGrade 1、ly(-)、v(-)、 断端陰性、ER(+)、PgR(+)、HER2スコア0、リンパ節転移なしで、術後放射線(2グレイ×25回)を終了しました。術後補助療法として、主治医はLH-RHアゴニストの2年間投与を勧めてくれていますが、私はゾラデックスの副作用がとても心配で、ノルバデックス5年間でも良いのではないかと思います。ノルバデックスは子宮内膜、子宮体ガンのリスクが高まるとも聞きましたが、婦人科の定期健診を受けていれば良いと思うのですが・・・。どちらの薬にするのか迷っています。

メールの記載よりlowerリスクの乳癌と考えて良いと思います。この場合ノルバテックス5年の服用で十分と思われます。あなたの主治医は、より完璧を期すためにLH-RHアゴニストの併用を勧めたのでしょう。LH-RHアゴニストは生理が止まって更年期様の症状が出現することもありますが、それほど強い副作用はありません。よく主治医と相談して決めてください。(文責 吉田)

 

No.4979-2】 06年08月13日    M
ホルモン療法について(2)

いつも拝見させて頂いています。以前HPNo.4979(45歳、閉経前です。昨年12月に乳房温存手術を受け、腫瘍が同じ側に2つありました。1つはinvasive ductal carcinoma、腫瘍径10×8mm、2つ目はmicro invasive carcinoma、腫瘍径2.5×2.5mm、共にGrade 1、ly(-)、v(-)、 断端陰性、ER(+)、PgR(+)、HER2スコア0、リンパ節転移なしで、術後放射線(2グレイ×25回)を終了しました。術後補助療法として、主治医はLH-RHアゴニストの2年間投与を勧めてくれていますが、私はゾラデックスの副作用がとても心配で、ノルバデックス5年間でも良いのではないかと思います。ノルバデックスは子宮内膜、子宮体ガンのリスクが高まるとも聞きましたが、婦人科の定期健診を受けていれば良いと思うのですが・・・。どちらの薬にするのか迷っています。)で相談させて頂き、大変参考になりました。
46歳、閉経前で病理の結果Low riskの乳がんという事で、2月末よりノルバデックスのみ服用してきました。最後の生理が1月末で、以来昨日まで生理はありませんでしたが、今日7ヶ月ぶりに生理が始まりました。ノルバを服用してから生理がなかったので、6月に閉経確認のため血液検査をして頂き、「FSH 19.33 E2 10未満で微妙なところ」だと言われました。服用前はゾラデックスの副作用を心配していましたが、生理が戻るようであればその方が心配になってきました。このままノルバデックスだけで良いものか、生理が戻るようであればゾラデックスを追加した方が良いのか、ご相談いたします。よろしくお願い致します。

術後low riskの方の術後補助療法としてノルバデックスが有効なのは生理の有無を問いません。もちろん、ゾラデックスを併用することで再発のリスクが更にいくらか減少すると思いますが、更年期障害の症状、骨粗鬆症の問題等の副作用と、low riskで再発の危険性が低いこととの関連で考えると基本的にはノルバデックスの継続で良いと思います。(文責 清水)

 

No.4979-3】 07年12月18日    M
ホルモン療法について(3)

いつも拝見してとても参考にさせて頂いています。以前HPNo.4979で相談させて頂きましたが、またよろしくお願い致します。
47歳、Low riskの乳がんという事で、2006年2月末より1年9ヶ月ノルバデックスのみ服用してきました。体の倦怠感、毎夕食後のホットフラッシュが辛く、去年の8月より生理はなくもう1年以上経っているので、閉経(今年の10月の血液検査でFSHが8.44 E2が10未満でした。)とみなして、先日の診察でノルバからアルミデックスに変更していただきました。しかしアルミデックスの骨への影響が心配で骨密度を測って頂いた所、腰椎、脊椎の値が平均以下でした。私としては骨粗鬆薬であるラロキシフェンを服用するのが良いと思うのですが、ラロキシフェンだけを今後服用していくのはいかがなものでしょうか? なお3年前に胃切をしており、今年に入ってから10kgほど体重が落ちて、PET-CT、胃カメラ、甲状腺等の検査をして頂きました。異常ありませんが、体力に自信がなく、アルミデックスやフェマーラの副作用がとても心配です。いっそ無治療という選択もあると思いますが、対側乳房に経過観察の集族性の石灰化もあり悩んでいます。お忙しい中誠に恐縮ですがアドバイス、よろしくお願い致します。

ラロキシフェンは、浸潤性乳癌の発生率を下げることが知られており、あたらしく発生する乳癌を予防するために有用かもしれないと言われております。しかし既に乳がんにかかった人の再発を抑制する効果がどのくらいあるかについてはわかっておりません。相談者さんのように既に乳がんにかかっている方の再発の抑制を目的として、さらに骨そしょう症の進行を防ぐ目的ならば、引き続きノルバデックスを飲むのがよいと思います。アロマターゼ阻害薬をつづけるのか、ノルバデックスに戻すかについてはメリットとデメリットがありますので、主治医とよくご相談なさってください。(文責 俵矢)

 

No.4979-4】 13年01月20日    M
タモキシフェンの10年投与について

いつも参考にさせて頂いています。以前No.4979でご相談させて頂き、大変勉強になりました。現在52歳、閉経、LuminalAタイプで、去年2月に5年間のノルバデックス服用が終わりました。対側に経過観察の集簇性石灰化(ほとんど変化無し)があります。ところで、先月のSABCS2012で、タモキシフェンの10年投与の方が再発、死亡の減少とのリポートがありました。子宮内膜癌のリスクよりも、またあと5年タモキシフェンの服用で少しでも再発率を低下できるなら、今からでもTAMを服用したいのですが、如何なものでしょうか? なお骨粗鬆薬のエビスタの服用は続けております。ぜひご意見をお聞きしたいです。よろしくお願い致します。

術後補助療法としてTAMの10年内服が、5年内服よりも再発、死亡リスクが低かったという結果が報告されておりました(ATLAS試験)。この試験の対象患者さんのなかには、リンパ節転移陽性の患者さんなど相談者さんの病状より再発リスクが高い患者さんも多数含まれております。この結果をうけて、再発リスクが高そうな患者さんに関しては、10年内服することもよさそうに思います。再発リスクの低い患者さんに関しては、子宮内膜がんの発症や血栓症のリスクの増大に比較して、なおメリットがあるかどうかは微妙なところがあるように思います。相談者さんの場合は、現在52歳で、生理がないとのことなので、アロマターゼ阻害剤を5年間服用する治療も選択肢にはいってくると思います。TAM5年のあと無治療かアロマターゼ阻害剤5年かTAMの内服を続けるかに関しては、主治医とよく相談のうえ決定してください。(文責 俵矢)

 

 

No.4978】 06年02月21日    IM
水泡?

先日、検診したところ「水泡」があると言われました。その後、マンモグラフィは撮りましたが、結果が出るのに三週間もかかり、気になりメールをしています。どんなものか、今後の処置、対処法はどうすればいいのか、教えて下さい。

「水泡」とは、おそらく「のう胞」のことだと思います。よくあるもので、大部分は良性のもので放置しても問題はありません。しかしある程度の大きさのものでは細胞診などの検査をすることもあります。(文責 吉田)

 

No.4977】 06年02月19日    H.H
5年経過後の薬について

44歳のときに、stage1、2cmのしこりが左胸に見つかり、乳房温存手術を受けました。リンパ節郭清をしました。リンパへの転移は、0でした。閉経前です。術後治療は、ノルバデッツクス5年服用のみです。主治医は、5年間服用したら、無治療のようなことをおっしゃっていますが、5年後は、薬は飲まなくてよいのでしょうか? もし服用するなら、どのようなお薬がよいのでしょうか? 6月で3年目を迎えようとしています。よろしくお願いいたします。

ノルバテックスは5年間服用した場合、明らかに再発は低くなりますが、それ以上服用しても再発が減るか否かはわかりません。2年後、あなたが閉経していればアロマターゼ阻害剤を服用することも考えられます。しかし、「2cm、リンパ節転移0」乳癌では、ノルバテックスは5年で十分と考え、何もせず経過観察することが多いでしょう。(文責 吉田)

 

No.4976-1】 06年02月19日    SS
抗がん剤治療を始めるまでの期間

43歳です。乳房温存術を2月8日に受けました。大きさ25mmで、センチネルで2個中1個見つかり、リンパ節郭清をしました。病理検査の結果がまだなのですが、抗がん剤治療と放射線治療が4月頃から予定されています。退院後は、左上腕の痺れと軽度の鈍痛、年齢のせいか体力低下から倦怠感があります。医療職に従事しておりますが、リンパ郭清後についての周囲の知識と理解が乏しく、無理を強いられそうで仕事の復帰について不安があります。3月から仕事復帰を迫られているのですが、4月からの抗がん剤治療を始めるまでの期間の過ごし方について、アドバイスを御願いします。また、乳癌がんは左乳房に多いように見受けられますが、何か理由があるのでしょうか?

いろいろ不安でしょうが、特に何かをしなくてはならないと言う事はありません。どうしても患側の腕を庇いがちですが、庇いすぎると動きが悪くなります。お風呂などでよく温まり、肩関節をほくすように運動してください。あまり神経質にならず、自然の回復を待ちましょう。乳癌は特に左が多いということはないと思います。(文責 吉田)

 

No.4976-2】 06年02月22日    SS
抗がん剤治療中の過ごし方

お忙しい中、早速の回答ありがとうございました。神経質になっている自分に気付きました。もう一つ相談があるのですが、乳癌の抗がん剤治療の場合は、通院(3週間に1回の投与)で予定されていますが、看護師の仕事を続けながら治療したほうがよいのか、思い切って休職をしたほうがよいのか不安があります。副作用の程度は人それぞれであることは、知識としては知っていても事務職とは違い肉体労働なので、どうすればよいのかわからないのです。仕事は無理だという人もいて混乱しています。申し訳ありませが、ご教授御願いします。

看護師の仕事は肉体的な労働であると同時に、とっさの判断を迫られる仕事です。一般的には抗がん剤治療中は休職したほうが無難です。ただ抗がん剤治療の副作用の出方は人さまざまです。血液検査に大きな異常を認めず、精神的な状態も充実しているのであれば仕事をすることもよいと思います。(文責 麻賀)

 

No.4975-1】 06年02月19日    S  
乳がん治療後の妊娠

以前に何度かお世話になっております、カナダ在住の女性です。昨年5月に右胸に2個の腫瘍を発見し、6月に部分切除手術を行い、8月から10月にかけて抗がん剤(AとC)を4回打ちました。完全に取り切れていないのでは?との懸念から、11月に全摘出の手術を行い、残した大胸筋の下にコヒシブシリコンを同時再建にて入れました。腫瘍のタイプがエストロゲン陽性のため、12月からタモキシフェンの服用が始まりました。4回目の抗がん剤(10月18日)に生理が止まり、それ以降は止まったままです。生理が止まってからは、首から上が熱くなったり、おなかが痛かったりして、体調の変化を感じています。
1) 腫瘍内科医は「生理は戻ってくるだろう」と言いますが、既に4ヶ月が過ぎました。通常戻ってくる場合は、どのくらいの期間が必要なのでしょうか。
2) 42歳の年齢は妊娠には遅すぎますが、可能ならば一人でも産みたいと思います。抗がん剤やタモキシフェンによる後遺症が子供に現れることはありますか。

以上、お手数ですが、ご意見をお聞かせ下さい。よろしくお願い致します。

1)生理が戻るか否かは個人差が大きく、一概には言えません。1年たって戻る人も稀ではありません。またタモキシフェンの服用でも生理が止まってしまう人もいるようです。しかし年齢と抗癌剤の量を考えますと、生理は戻ると思いますが---。
2)抗癌剤やタモキシフェン投与中でなければ、後遺症が出現することはないとされております。(文責 吉田)

 

No.4975-2】 06年03月11日    S  
乳がん治療後の妊娠(2)

お忙しいところ失礼致します。何度も申し訳ありません。再度お尋ねさせて下さい。
1) 生理が戻って欲しいのでタモキシフェンの投与を止めたいと思うのですが、やはり続けるべきでしょうか? 飲み始めは12月13日ですので、3ヶ月くらい飲んだことになります。
2) 同時再建をしたシリコンの形を変えた方がいいと美容整形医が仰っています。乳首をつけるときに取替る予定でいるようですが、この一年のうちに2度も全身麻酔を打ち、これ以上打ちたくないのが正直な気持ちです。麻酔による体へのダメージはありますか?

以上 回答の程、何卒よろしくお願い致します。

1) すべて治療法は患者さんが決める事ですから、ご自分で嫌な事は嫌と言って止めるのは自由です。ただタモキシフェンの再発予防効果が最も発揮されるのが5年間というのが、世界中で知られている事実です。
2) 全身麻酔によるダメージというのはないと思いますが、何を心配してダメージと考えられているのか・・・。(文責 石山)

 

No.4974】 06年02月19日    Y.M.
放射線治療は本当に必要ないのですか?

患者は私の祖母で74歳です。乳癌のステージV、皮膚浸潤癌です。リンパ節16箇所中5箇所に転移が認められると言われました。ホルモン治療と抗がん剤を使い、放射線治療はいらないと言われました。放射線治療は本当に必要ないのですか? 以上のことをお聞きしたく、メールさせていただきました。

乳癌の治療には、乳房に対する局所療法と、肺転移や骨転移などの遠隔転移に対する全身療法があります。手術や放射線療法は局所療法で、ホルモン療法や抗癌剤は全身療法(勿論局所にも有効ですが)となります。皮膚に浸潤した乳癌であり、手術は乳房全切除が行われたものと思います。皮膚浸潤が取りきれていないと考えられる場合は放射線を追加することもありますが、通常放射線療法は必要ないでしょう。リンパ節転移がかなり認められますので、遠隔転移再発を念頭に抗癌剤やホルモン剤としたのでしょう。もし将来局所再発が起これば、その時は放射線療法が有効です。(文責 吉田)

 

No.4973-1】 06年02月19日    A
ホルモン療法について

いつも参考にさせていただいております。2004年3月に、50歳で左乳房温存手術を受け、術後組織検査で、浸潤性乳管癌、しこり1cm、断端陰性、リンパ節転移なし、HER2:0、ER・PRとも陽性(80%以上)ということで、現在までノルバデックスを服用しています。当時、血中ホルモン値を調べていませんでした。2006年1月、アリミデックスに変えたいと思い、お願いしてホルモン値を調べてもらったところ、Sエストラジオ 267、プロゲステロン 0.5、FSH 13.22、 LH 7.66 となり、完全に閉経していないので、このままノルバデックスを続けるよう言われました。ノルバデックスを服用する前は、ほぼ規則正しく生理はありましたが、服用後現在まで、生理は全くありません。このページの相談内容で、「卵巣機能が正常である場合は、乳癌診療ガイドライン(薬物療法編)でもゾラデックス(またはリュープリン)を併用することが推奨されています。」という解答を拝見し、52歳で完全に閉経していないのだから、手術した50歳の時は生理がきちんとあったので、卵巣機能が正常と考えて、ゾラデックス(またはリュープリン)を併用すべきだったのではないかという疑問が生じてきました。次回の主治医の診察は3ヶ月先になります。今のところ検査上、再発などの兆候はないということです。今後のホルモン療法について、おたずねします。
1)今からでも、ゾラデックス(またはリュープリン)を併用したほうがよいでしょうか?
2)今後アリミデックスに変える場合、検査のタイミングのはかり方を教えてください。
3)このまま5年間ノルバデックスを服用するのと、閉経が判明したら、すぐアリミデックスに変更するのとでは、治療成績からみてどちらが良いですか?

1) 恐らく主治医の先生は50歳の時点でタモキシフェン(ノルバデックス)服用を開始する事で、年齢的にはそう遠くない間に閉経状態を迎える事を期待していたのだと思います。しかし質問者の方はタモキシフェン服用にも関わらず、思いの外卵巣機能が維持されたまま現在に至っているのだと思われます。もっと若年の方であれば、迷わずゾラデックス、リュープリンなどを併用していたとも推察します。またゾラデックス等を使用中に、必ずしも併行してタモキシフェンを飲まなくてはならない、と言う訳でもありません。(ゾラデックスを2年使用後にタモキシフェン服用へ乗り換える場合もあり、どちらが絶対に正しいと言うものではありません。)
では、現時点でゾラデックス等を乗せた方が良いのか?と言う事については、難しい所です。通常であれば約2年間の使用をお勧めするのですが、恐らく貴女の場合は今から使用するとした場合、半年も使用すれば完全に閉経状態になり、次はアロマターゼ阻害薬へ移行する事になるのではないでしょうか。術後すぐからゾラデックス(ないしリュープリン)を使用しなかった方に、中途から併用した方がより良い結果を生むのかどうか、と言うデーターはありません。その点をふまえ、主治医に直接相談なさって下さい。
2) 卵巣機能のチェックのタイミングは特に決まりがある訳ではないので、これも体調や何かのきっかけのある時に適宜測定すれば良い、と思われます。主治医にお願いして2〜3ヶ月ごとにでも測って頂くのはどうでしょうか?
3) 閉経状態を迎えた患者さんの場合はタモキシフェンよりもアリミデックスの方が明らかに治療効果が優れているとのデーターが出ましたので、中途からの変更はむしろ推奨されています。(文責 矢吹)

 

No.4973-2】 08年10月06日    A
リュープリンについて

前回の相談をしてから、すぐ右大腿骨が痛みだして歩行も困難になりました。2006年5月に骨転移(大腿骨と肋骨)と診断され、ホルモン剤を変えました。現在、アリミデックス、リュープリン(3ヶ月製剤)、ゾメタの治療を行っています。この治療の組み合わせは、当時この相談室でずっと勉強していて、当時の主治医は抗がん剤を薦めたのですが、ことわって自分で選択したものです。いまでは、骨シンチでも放射線科から骨転移の指摘を受けないほどに回復しました。痛みもなく、走れますし、毎日運動もしています。今回ご相談したいのは、リュープリンをいつやめるか、です。現在55歳です。平均の閉経年齢は50歳と思いますが、わたしは前回のとおり、50歳のとき閉経状態ではありませんでした。いったんやめて3ケ月目に女性ホルモンを調べればよいといわれていますが、現在、リュープリン3ヶ月製剤を3ヶ月ごとに投与しているのを、徐々にのばして、4ケ月ごと、5ケ月ごとというように、伸ばしながら60歳くらいまで続けられないかと考えているのですが、どうでしょうか? 先生方のご支援がなかったら、現在のわたしはなかったと思っています。感謝しております。

リュープリンの投与期間を徐々に延ばすというのは、効果の点から疑問が残ります。先生の言われるように、投与を中止して、3ヶ月後に女性ホルモンの値を見て考えればよろしいと思います。(文責 鈴木)

 

No.4973-3】 08年10月21日    A
リュープリンのやめ方

HPNo.4973で相談したAです。今回もよろしくお願いします。
武田製薬で聞いたところ、リュープリンには最初の1か月はLHRHを過剰刺激してエストロゲンを上昇させるので、4−5月と延ばしながら投与するのは奨められないとのことでした。やはり、最終投与後から3か月目をスタート地点として、半年くらいを目安に、女性ホルモンを測りながら、E2が30を超えた時点で再投与するのがよいということでした。血液検査は外注なので、どうしても1か月先にしか結果がわかりません。その間約4か月半ほど空くことになってしまいます。その間にもし進行したら?という思いは拭いきれません。初発の治療時に自分の不勉強を自覚していますので、納得のゆく選択をしたい。ちなみに、母の閉経時の年齢は60歳でした。妹は53歳ですが閉経前です。家系的に閉経が遅いと思います。リュープリンをやめたあと進行したケースで、再投与した場合、再び効果が期待できますか? それともホルモン剤の変更が必要になりますか? 先生の場合なら、どう判断されますか?

リュープリンを中止した後、再再発を認めた場合は、その部位と程度にもよると思いますが、その時点でE2を測定して高値であれば再度リュープリンを投与して経過を診る、低値であれば化学療法導入などが選択肢にあがってくると思われます。(文責 谷)

 

No.4972】 06年02月19日    いずみ
病院のかかり方についての相談

30歳、既婚、子供一人です。現在妊娠6ヶ月です。左乳房にしこりがあり、1年前に触診、マンモ、エコー、針を刺す検査(細い針と太い針と、続けて2本採りました) 。その結果、良性の線維腺腫なので問題ないと言われました。検査したのは乳腺専門医ではなく、市民病院の外科です。こちらの相談室を拝見すると、線維腺腫と診断された方は大抵、半年なり1年なりの定期検査で経過観察と言われているようですが、私は経過観察とも何も言われなかったので、1年前以来、定期検査をしておりません。今現在、妊娠6ヶ月と言う特別な状況にあり、悪性化してないか、とても不安を感じております。私のような場合、不安を取り除くにはどうしたらよいでしょうか? 1年前と同じ病院へ行き、自分から経過を見てもらうように申し出ればいいのか、でもその場合、医師のほうから経過観察を言われなかったのに、自分から申し出るのはちょっと言いにくいです。それとも乳腺専門医がいる違う病院へ行き、一から検査し直して貰うのが良いのでしょうか。 (隣の市にがんセンターがありますが、そこの乳腺外科は紹介状がない人以外は受け付けていないので、直接行っても診てもらえそうにありません) 現在妊娠中ということで、とても悩んでいます。アドバイス、よろしくお願い致します。

お話は良く分かりました。乳腺の良性腫瘍は必ずしも乳腺外科専門医でなくとも一般的な外科医師であれば管理出来なくてはならない疾患の一つです。ただし、乳房を専門に扱っていない先生の場合、良性と判断した時点で診療は終了、と考える傾向が確かにある様に思います。ご心配なさっているように病変が“悪性に変わる”と言う考え方は必ずしも医学的に正しいとは言えませんが、前回の検査が、新たな病気が今後発生しない事を保証した訳でもありません。
乳房に良性でも異常所見があった場合、今後の「検診」(自治体の検診では40歳代以上で隔年に触診とMMGを推奨していますが、30歳代の場合は自己検診、ないし、自分自身でエコーやMMGを受診なさって頂く以外に方法がありません。)でも、「有所見(画像診断や触診で異常ありとされる事)」になる確率は高いと思います。
1〜2年に1度程度、経過の観察を出来るだけ同じ施設で行って頂ける事をお勧めしております。乳房の健康を確認する意味でも、定期的に同じ施設に受診しフォローを受けて頂きたいと思います。
いきなり別の施設に出向いた場合は、1から同じ検査を行い(恐らくは細胞採取まで)やり直す事になるであろう事と、前回の検査所見との比較が出来ないので余りお勧めではありません。どうしても病院を変えたいのであれば、前医での検査所見を全て借用する形での「情報提供」を行って頂く方が、新たに貴女をご覧になる医師もとても助かるでしょう。貴女自身のご負担もその方が少ないと思います。くだけた言い方をすれば、もっとウマの合いそうな医者のいる病院へ鞍替えするのは悪い話ではありませんが、ご妊娠中で動きが取りづらい事を考えると、無理に癌専門病院を選んで受診する必要はないでしょう。(恐らく専門医の下には同じような悩みを抱えた方が殺到していると思われますので、万一受診される場合は、例え紹介状を持って行っても、まず一日中待つ覚悟が必要です。)専門医の立場としては、どうしてもこちらで拝見しなくてはまずい状況と言われたのでなければ、一般外科医師の管理の下にいて頂いて差し支えないと考えてます。(文責 矢吹)

 

No.4971】 06年02月19日    C.N
放射線治療

42才、未出産、主婦です。2001年春に1.6センチの癌がみつかり、温存手術を受けました。放射線治療やノルバデックス、フルツロンを服用してきました。先日定期検診のエコーで術側に4ミリのしこりが発見され、細胞診の結果「脂肪」ということでした。ただ、主治医の意見では画像からみると癌に思われるということで、2カ月後に再度エコーをすることになりました。PET検査という方法もあるということでしたが、PETでも5ミリ以下の場合は正確な診断ができない時もあると聞き、いろいろ悩んでいます。2カ月経過観察というのは妥当な方法なのだろうとは思いますが、小さいがんを診断する方法はないのでしょうか? PET、MRI、またはしこりを摘出するなどでしょうか? また、がんと診断された場合、手術するか放射線治療をするかは腫瘍の様子を診て考えるということでしたが、同じ場所に2度放射線治療をしても副作用などはないのでしょうか?よろしくお願いします。

画像を拝見していないので、何とも言えませんが、それだけ小さい陰影では一見“癌の再発”の様に見えてもそうでない場合が少なくないので、慎重に経過を眺める、と言う態度にならざるを得ないのもやむを得ない様に思います。確かに細胞診結果だけでは安心出来ませんが、その位小さな病変ですと、更に確実な組織診断を求めるのであれば、次の段階として針生検が挙げられますが、これは小さな病変では的に当てるのが相当難しく、ヒットしない可能性が高くなります。通常であれば、主治医の先生のおっしゃる様に経過観察が妥当だと思いますが、どうしても心配で悪性を否定して欲しいのでしたら、局所麻酔下での切開生検になってしまいます。(つまり“しこりと思われている陰影の部分”の摘出、と言う意味になりますね。) そこまでする必要性が高いと認められる画像なのかどうか、どうしてもご心配なら他医に画像を見て貰うと言う(所謂セカンドオピニオンに出向く)のも一つの方法ですが、いかがでしょう? そこまでする必要が余り高くはないので、経過観察なのではないでしょうか? 主治医の先生にこの点をご相談なさってみてください。
また、癌の再発再燃であった場合は、他の臓器に転移、再発を認めず、乳房局所のみに病変が存在するのであれば、原則は局所切除が原則です。手術的に切除が難しいような広がり方をしていたり、他の臓器転移を伴う場合は全身化学療法(抗癌剤投与)が優先されるべきでしょう。一度放射線照射を行っている部位には、多くの放射線を照射す事は通常余り行いません。(放射線皮膚障害を起こす危険性が高いためです。) 放射線治療は第一選択とは言えないのではないでしょうか。(文責 矢吹)

 

No.4970】 06年02月19日    D.K. 
治療方針について

59歳の母の治療方針についてご意見をお聞かせ頂きたく存じます。H15年10月に左胸全摘手術を受け、その後CEF6クールとタキソテール6クールを受けました(炎症性乳癌、ホルモン陰性、ハーセプテスト強陽性)。H17年6月にリンパと肝臓に再発。ハーセプチンを毎週とタキソテールを3週おきの投与で、11月の検査ではCT上では癌は見えなくなりました。同じ治療法を続けたところ、今年2月の検査でも、CTにも映っていないしリンパの腫れもないとのことで、しばらくはハーセプチンのみの投与でも良いのではないかとの主治医の提案がありました。現在の治療法で効果が持続しているのならば、このままタキソテールも続けたほうが良いのではないかと思うのですが、いかがでしょうか? 幸い、本人は副作用も軽く、白血球の低下による感染にさえ気をつければ、あとは日常生活は普通に送れる状態です。タキソテールに耐性ができるまで、このままでいくのが良いのか、ハーセプチンのみを投与して、またがんが出てきたときに抗がん剤を選んで使うほうがよいのか迷っています。お忙しい中申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

ご質問の件、主治医の先生のご意見、娘さんのご意見双方とも正しいと思います。先生は半年以上投与し、画像上の病変が消失しているので、身体へのご負担を考えてハーセプチンのみになさってみてはいかがか、との言葉と存じます。ただ、化学療法はどの程度行ったら中断しても良いかは、本当のところ正解がないものですので、ご心配の向きもごもっともだと思います。著しく不利益と考えられる副作用が出現しなければ、ずっと継続しておいてよろしい、と言う考え方は広く知られる所です。そう考えますと、このままご希望通りに継続する事は、本来支障はない筈です。この事をふまえ、継続のご希望について、今一度主治医の先生と良く相談されてみてはいかがでしょうか。(文責 矢吹)

 

No.4969】 06年02月19日    K 
胸のしこりについて

結婚前から気になっていたことなのですが、私の胸には結構大きなしこりがあります。特に生理前になると、その胸が張ってしこりが痛くなります。乳がんチェックを自分でしようと思うのですが、そのしこりが大きいので、今一小さなしこりとか見つけられないし、そのしこりが悪性だったりするのかなって不安になってしまいます。中学校のはじめぐらいからしこりがあったのですが、それからずっと消えてないように思います。友達はもうなくなったという子が多いです。ちなみに私は23歳なのですが、産婦人科に行ってホルモン検査をしてもらったところ、お乳のホルモン数値が高い?みたいなことを言われたのですが、それと何か関係があるのでしょうか。簡単でいいので教えてください。お願いします。

乳腺症であると思います。乳腺症自体は心配ないものてすが、乳癌が発見しにくくなりますので注意して下さい。お乳のホルモンとは直接関係ないと思います。年齢に従って、ホルモンバランスが安定してくると軽快する傾向があります。(文責 吉田)

 

No.4968】 06年02月19日    K.T
腫瘍マーカーについて

2004年12月に右乳房温存手術を受け、その後25回の放射線治療を行い、現在は毎日アリミデックスを1錠飲んでいます。術後半年間は毎月、その後は2ヵ月に1回、血液検査を受けてきました。昨年12月20日の検査でCEAが9.9に上昇し(それまでは、2.5〜4.4でした)、1月6日の検査で5.5に下がりました。骨シンチ、胸のレントゲン、マンモグラフィー、エコー、胃カメラ、腹部エコー等々・・・みな異常なしでした。しかし、2月8日の検査で再び7.2に上昇しました。来週、胸のCT、検便、CEAの検査を受ける予定です。主治医は「転移や再発だったら、CEAが右肩上がりに上がっていく」とおっしゃいます。このようなCEAの変化は、どのような事が考えられますか? 原因がわからない状態で不安で一杯です。どうぞよろしくお願いいたします。

確かに転移や再発であれば右肩上がりに上がっていきます。CEAが軽度上昇し、そのまま変わらないことは時々経験いたします。原因不明のことが多いですが、喫煙者に多い様です。いずれにしても慎重に経過観察しなければなりません。(文責 吉田)

 

No.4967】 06年02月19日    T 
病理結果について

はじめまして、下記の文章内容の解説と質問をお願いします。(誤字がありましたらすいません)

Diagnosis
Invasive ductal carcinoma scirrhous type,right breast No metastasis,lymph nodes n(-) 〔SN 0/7〕

切除された乳腺は別図のように全割して本体標本1−6、20時方向追加切除標本1−6を切り出しました。腫瘍は本体標本3に見られます。(浸潤部の大きさ9×5×5mm)腫瘍細胞は類円形の異型核を有し、N/C比は高く、増加した結合組織内に浸潤しながら増殖をしています。nuclear grade 1 (nuclear atypia score 2,number of mitotic figure score 1)と考えます。わずかに脂肪浸潤が見られますが、脈管侵襲やリンパ節転移は認められません。ER(+),PgR(+),HER−2(スコア1+)

1) 私の場合は術中に迅速診断をしており、追加切除があるということは断端が陽性だったのでしょうか?
2) センチネルリンパ節生検とは2〜3個の節を切除して検査と考えておりましたが、7個取ったということでしょうか? またセンチ生検で10個以上のリンパ節を取ることもありえるのですか?
3) 年齢が33歳、未婚であり、中間リスクにあたります。温存術式にしていただきました。今後の治療ですが、先生ならどの補助療法をお勧めされますか?
4) 若年性乳がんのこの先の経過と予後については、どうお考えでしょうか?
5) PET検査をすれば骨シンチ検査は必要は無いでしょうか?
6) HE×40という顕微鏡細胞の写真があったのですが、これ(HE)は何なのでしょうか?

長々と申し訳ありませんが、自分の病気を正しく理解し勉強していきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

1) 記載されたことからは断端が陽性であったのかどうかは分かりません。おそらく迅速診断で断端陽性であり、追加切除をして断端陰性にして手術を終えたのではないですか?
2) 7個生検したと書いてあります。センチネル生検では2〜3個のことが多いですが、極まれに10以上となることもあるでしょう。
3) タモキシフェンの5年間服用とLH-RHアゴニストの2年間投与を勧めます。
4) 同じ広がりであれば、若年者の乳癌は非若年者にくらべ予後が悪い印象をもっています。
5) 骨転移の発見にはPETの方が有用であることが多いと思いますが、骨シンチでなければ描出できない転移も存在いたします。
6) HEとはヘマトキシリンーエオジン染色のことで、通常の病理標本の染色法です。(文責 吉田)

 

No.4966】 06年02月17日    U 
しこりと石灰化

41才・既婚・子供2人(中学生)です。05年8月、企業の乳がん検診でしこりを指摘されました。マンモグラフィーで左胸の乳首外側にしこり(0.7cm)と石灰化が見つかり、超音波検査・細胞診を受けました。結果は『今回の検査では悪いものは出なかった』とのこと。要経過観察で、6ヵ月後の06年1月にマンモグラフィーと超音波検査を受けました。同じ場所に、変わらない大きさで、しこりと石灰化が見られるとのこと。今度は針生検を受けることになりました。毎日、不安でなりません。しこりが変わらず存在しているという事は、悪性の可能性が高いのでしょうか? 細胞診と針生検では診断率が違うのでしょうか? ご深刻な質問が多いなか恐縮ですが、宜しくお願い致します。

大きさが変わらないということで、悪性の可能性が高いわけではありません。細胞診と針生検では診断率は違い、針生検の方がはるかに正確です。あまり心配しないで検査を受けてください。(文責 吉田)

 

No.4965】 06年02月17日    S 
抗がん剤投与前の血液検査について

今年1月に乳がんの告知を受け、今日(2/15)から術前抗がん剤治療のはずでしたが、投与前の血液検査の結果、白血球中の好中球が1000を切っているとのことで、投与は見送られました。しかし、体調は何処も悪くなく、自覚症状というようなものは思い当たりません。1月の検査時は白血球5400好中球76%という数値でした。白血球が減少するには、どのような理由が考えられるのでしょうか? 主治医は何故かわからないと言っています。(病状:右3センチ大の腫瘍 リンパ節転移ある疑い ホルモン剤は効かないタイプのものとのこと)

体調が何処も悪くないのであれば、原因として頭痛薬などによる薬剤アレルギーなどが考えられますが、よく分かりません。再検査してください。(文責 吉田)

 

No.4964】 06年02月17日    I・K
腋の下のしこり

12月末に出産しました。12月半ばに右腋下のちょうどわき毛が生えている所に1.5cmほどのしこりを見つけました。痛みはありませんが、2ヶ月たっても無くなりません。わき毛の処理は秋以降していないので、処理中に雑菌が・・とも考えられません。乳房部分にしこりはありません。といっても授乳中ですので、乳腺の中だとわかりませんが・・・。父を肺ガンで亡くしているし、初産が33歳で、今は36歳という年齢もあり不安です。乳がんの可能性はありますか?

この部位でも副乳に出来た癌や乳腺のリンパ節転移などの可能性は否定できません。念のため一度調べてもらって下さい。(文責 吉田)

 

No.4963】 06年02月17日    N.T.
両側性乳癌の術後治療について

現在、49歳女性です。初潮13歳。2002年5月(45歳時)右乳癌(R-C,T2N0M0: stage IIA)にてBp+Ax Sol-tub ca., T2,f,ly2,v0,NG2,ew(+)(上端末梢側、乳管内病変) ER(-), PgR(3+) , HER2(2+) 。adjuvant Txとして、CMF6サイクル(2002/6/6-12/26)の後、LH-RHa(LPL3.75mg s.c.x37回;2003/1/15-2005/12/21)+TAM内服中。2005年12月12日(49歳時)、本人自覚により受診、2006/1/17温存術。センチネルにより、腋窩部郭清伴わず 粘液癌 T1c(1.5cm),F,ly0,v0,Nuclear grade 1,ew(-)(最短で12mmの部位に浸潤癌) SN(0/1) ER(+)(AS7),PgR(+)(AS6),HER2(1+)
明日から放射線照射(25回)の予定です。今後のadjuvant Txについて悩んでおります。よろしくご指導をお願いいたします。

2005年の乳癌はlower risk癌です。放射線後のadjuvant TXについては何もしないかTAMですが、TAM服用中に出現した乳がんですので意味がないでしょう。閉経後であればアロマターゼ阻害剤を使用が良いと思います。(文責 吉田)

 

No.4962】 06年02月17日    Y.N
乳腺のう胞について

先週、健康診断で乳房超音波を受けた結果、「乳腺のう胞疑」「乳腺症疑」との診断で再検査を受けることになりました。今日、乳腺外来を受診し、マンモグラフィと再度超音波検査を受けたのですが、超音波の結果「のう胞が見当たらない」と言われました。超音波検査の前に、マンモグラフィでかなり強く胸を挟んだのですが、マンモでのう胞がつぶれるという可能性はあるのでしょうか? また、他の理由で先週あったのう胞がなくなる、ということはあるのでしょうか?

乳腺のう胞は、袋の中に水が溜まっているようなもので、内部の水分が吸収され自然に消えてしまうものもあります。マンモグラフィでのう胞が潰れてしまうこともあるかもしれません。消えてしまったものは気にしなくても良いでしょう。(文責 吉田)

 

No.4961】 06年02月15日    H.Y.
paget病で HER2(3+)

初めてメールいたします。66歳です。右乳頭の痒みがおさまらず、皮膚科を受診。軟膏がでましたが治癒せず、「厄介な病気の可能性も捨てきれないので」と組織検査を受けました。その結果、乳房paget病と言われ、乳腺外科のある病院を紹介されました。そこでマンモグラフィをとりました。その結果、広範な微小石灰化像=がん細胞の拡がりの可能性があるということで、右乳房全切除、リンパ節レベル1郭清の手術を受けました。一ヵ月後病理の結果がでました。
病名:右乳がん、組織型:paget病、腫瘤径:記載なし、リンパ節転移:なし(0/9) 、核異型度:(N-SAS):V、 HER2蛋白スコア:3+、 エストロゲン受容体:陰性、プロゲステロン受容体:陰性、切除断端:陰性。
主治医からは、「非浸潤がんの部類だし、取ってしまったから経過観察でいきます」と言われました。ほっといたしましたが、帰宅後HER2とはなんでしょうと本を見たり、相談室の内容を読んで見たりしていますが、悪い要素のように思えます。paget病でHER2(3+)は再発とかの悪い要素なのでしょうか。教えていただきたく、お願いいたします。

通常の乳癌でHER2 3+であれば予後が悪い要素と考えられますが、非浸潤癌(paget病)で乳房全切除をおこなっていれば経過観察で大丈夫でしょう。(文責 吉田)

 

No.4960】 06年02月15日    T.T
ホルモン療法中です

現在47歳。2004/12 乳房温存療法、StageU-Aとの診断。2005/1から25回に分けて50Grayの放射線治療。2005/3 ゾラデックスとタオスミン錠のホルモン療法中です。生理は2005/2以降なし。夫ときちんと話して避妊は続けてきましたが、今月、避妊に失敗しました。主治医には、もし妊娠が判明しましたらご相談したいと思っております。最終的な判定は産婦人科の受診ですが、今の時点での質問は
1)ホルモン療法中とそうでないときの妊娠の可能性はどれだけ違うか?
2)市販の妊娠検査薬での判定は可能か?
3)生理がないので産婦人科へいくタイミングは何時がよいか?

以上、宜しくお願いします。

1)ソラテックによるホルモン治療中であれば、卵巣機能は低下しており、妊娠する可能性はほとんどないと思います。
2)勿論可能です。
3)避妊に失敗とありますが、つわりなど妊娠の兆候はあるのでしょうか?もしあるのなら産科を受診してください。(文責 吉田)

 

No.4959-1】 06年02月15日    S・H
77才になる母の卵大のしこりについて

77才になる母についてです(子供二人出産有りです)。片方の胸の外側上部に卵大のしこりが見つかったといいます。昨年暮れに見つけ、痛みや分泌物などは全く無いといいます。すぐに受診するよう言いましたが、遠地に一人住まいなので、とても心配です。本人の妹が癌で亡くなっていますし、癌である可能性はとても高いと思いますが、このくらいの年齢、またしこりの大きさで乳腺炎など他の病気のこともあるのでしょうか?また癌であった場合、このくらいの大きさになると転移の可能性はどのくらいなのでしょうか?勉強不足な質問で申し訳ございませんが教えてください。 

何かをぶつけたなど外傷の既往がなければ、乳癌の可能性は高いと思います。乳癌の転移はしこり大きさよりも腋の下のリンパ節へ転移しているかどうかに関係します。しかし卵大であれば、既に転移している可能性も数%はあると思います。(文責 吉田)

 

No.4959-2】 06年02月19日    S・H
77才になる母の卵大のしこりについて(2)

即刻がんセンターにて検査をしてもらったところ、先生の予想通り乳癌との診断でした。
1) 転移については現在検査中のようですが、もし腋の下のリンパ節へ転移していたとしたら、また転移していないとしても、術後の生存率は一般的にどのくらいなのでしょうか?
2) 発見したかかりつけの内科医の方は、心配しないように思いやってくださってと思いますが、「年齢的に進行は遅いので、手術は急がなくても3月末頃で良いし、抗癌剤は副作用に身体が耐えられないので使わない方が良い」とのアドバイスだったそうです。お医者様によってご意見はさまざまでしょうが、高齢の場合、一般的にどのような治療が施されるのでしょうか? また最近注目されていて効果の期待される新しい方法など、あれば教えていただけませんでしょうか?

1) 10年生存率はリンパ節転移のない場合で85〜90%、転移がある場合は転移個数によって生存率は低下いたしますが、程度が軽い場合60〜70%でしょう。
2) 一般的にいって、まず手術を行い、腫瘍がホルモンに感受性のあるものではホルモン剤を服用いたします。感受性のない場合は抗癌剤の治療ということになりますが、これは病気の程度と本人の体力を考慮して、どのような抗癌剤を使用するかを決めます。高齢だからといって特別な方法はありません。(文責 吉田)

 

No.4959-3】 06年03月07日    S・H
77才になる母の卵大のしこりについて(3)

ご回答頂き、ありがとうございました。とても心強く参考にさせていただいています。その後引き続き検査を続けましたところ、本当におかげさまで、腰椎を含め転移なしとの結果が出ました。卵大にしてはかなり幸運なんでしょうかね・・・。3月10日にホルモン剤で癌を小さくできるかの検査があり、20日に入院、28日に温存療法で癌と一部のリンパを取る手術が決まったそうです。ただし「呼び込みリンパ」とかいうものに転移しているかは、開けてみないとわからないという説明だったそうです。母は地元の小、中、大学などで日舞クラブの師範や文化の国際交流などで、この歳で活発に踊りを教えています。質問ですが、
1) 一般的にホルモン剤で小さくなるとしたら、卵大がどの位になるのでしょうか? また即日結果が出るのですか?
2) 「呼び込みリンパ」と普通のリンパは違うものなのですか? またリンパを取ったことで、踊りを教えたりすることに(腕の上げ下ろしなど)とても障害が残るのでしょうか? 本人はリハビリを怖がって気落ちしているのですが・・・。
3) 手術にあたって医師の方に確認をしておく大切なことなどあったら、教えていただけませんでしょうか?

お答えいただければ幸いです。どうぞ宜しくお願い致します。

1) 一般的にホルモン剤に対する反応は個人個人で異なります。どのぐらい小さくなるかは、やってみないとわかりません。即日に結果は出ません。
2) 「呼び込みリンパ」ではなくて、みはりリンパ節のことだと思います。センチネルリンパ節ともいって、腫瘍からのリンパ流が最初に到達するリンパ節のことです。このリンパ節をとっても、踊りを教えたりすること(腕の上げ下ろしなど)に障害が残ることはありません。
3) 知りたいこと、わからないことを遠慮なく担当医に聞いてください。(文責 石川)

 

No.4959-4】 06年04月04日    S・H
77才になる母の卵大のしこりについて(4)

ご回答ありがとうございました。 たびたび経過報告を交え質問させていただきますことをお許しください。腫瘍が大きく、ホルモン剤の結果待ちの間に進行したらもったいないとのことで、そのまま切除することになりまして、3月28日に無事手術を終えました。結果、幸いにも、みはりをはじめとするリンパに転移はなく、予後も順調で、4月3日に退院の運びとなりました。先生がご返信をくださったおかげで、安心して見守ることができました。本当にありがとうございました。質問ですが、担当医の方は今後、ホルモン剤を用いた治療をお考えのようです。
1)一般的にこのようにリンパに転移のない症例では、再発の確率はどのくらいなのでしょうか?きちんと定期健診を受けていれば、わりと安心していてよいのでしょうか?
2)素人にはホルモン剤は女性器にしか効果をもたらさないイメージがあるのですが、再発するとしたら、やはり乳がんが多いのでしょうか?それとも違う臓器に突然がんができたりもするのでしょうか?
3)先生は比較的副作用の軽い抗がん剤にとして、どのようなものを薦められますか?

よろしければ教えてください。

1)10-30%位です(他のリスク因子に影響されます)。
2)再発は乳房や近くのリンパ節におこる場合、他の臓器(骨、肺、肝臓など)におこる場合があります。
3)ホルモン感受性があるのでしたら、抗がん剤治療は勧めないと思います。(文責 加藤)

 

No.4958】 06年02月15日    Y.H. 
術後の治療について(2)(HPNo.4590-2)

昨年11月に質問をいたしましたところ、ご回答を頂きありがとうございました。
1) その後、FECの治療が終わり(3週間毎6回)放射線治療が始まりますが、断端が陽性であったことから、放射線治療後再発の可能性を低くするためには、再手術が有効ではと思っていますが、どうなのでしょうか。担当の先生は、そこまでする必要はないと言っておられます。
2) それ以外の治療法は、たとえば追加の抗がん剤療法などはないのでしょうか。 
3) 前回質問の仕方が悪かったかもしれませんが、組織学的悪性度3、HER2+3というがんの性状は、生存率は低くなるのでしょうか。この指標をどのように捉えてよいのか悩んでいます。

お忙しいところ、不躾な質問の仕方で恐縮ですが、どうぞご返事をよろしくお願いします。

1) 温存術が始められたころは断端陽性の人によく再手術をすすめましたが、この頃では断端陽性の程度が軽度である場合そのまま様子を観察し、程度がひどい場合に限り再手術を行う施設が多いようです、確かに再手術をすれば局所再発の可能性は低くなりますが、主治医と良く相談してください。
2)3) 大きさやリンパ節転移の有無にもよりますが、HER2 3+、組織学的悪性度3とういうのは、そうでない乳癌に比べて再発可能性が高いと考えられます。既に化学療法をしているようで、追加するとすればタキサン系のものがありますが、そこまでしないことの方が多いでしょう。(文責 吉田)

 

No.4957】 06年02月15日    HAKO
乳首についてご相談させてください

28歳、独身です。乳首のことで相談させてください。ここ1ヶ月くらい乳首が痛いといいますか、なんか服にすれたりすると違和感があります(ノーブラの時)。ちなみに、よく寒くなると(寒い所にいたりすると)乳首がたちますよね?そんな感じで、服に片方の乳首が当たる感じがして違和感があります(いつも乳首がたってるわけではないです)。ひどく痛むというよりも気になる程度なのですが、気になると余計に気になってきます。片方の乳首だけです。分泌物などもでないですし、腫れや、しこり、他に症状はありません。寒さのせいなのでしょうか? それとも何か悪い病気なのでしょうか? このような事ってあるのでしょうか? 気になってしまい精神的に神経質になってしまいました。ご返事宜しくお願い致します。

何が原因なのかわかりません。分泌物や腫れ、しこりなどがなく表面にも異常がなければ、そのまま様子を見ていてください。違和感が強くなったり、分泌物や腫れがみられれば乳腺外来を受診するようにしてください。(文責 吉田)

 

No.4956】 06年02月14日    y.y 
白内障について

いつも拝見させていただいています。先日コンタクトレンズを作りに眼科に行ったのですが、軽い後嚢下白内障があると言われました。以前は言われたことがなかったので、素人なりに調べると、アトピーなどステロイドの副作用でなる場合があると知りました。昨年11月温存後、現在CE投与中なのですが、抗癌剤の投与の中に吐き気を押さえるステロイドが入っていて、そのせいでなったのか、無関係なのか気になっています。

ステロイド剤の副作用に確かに白内障というのはあります。しかし頻度的には少なく、通常、抗癌剤の吐き気止めとして使用されている量では起こらないと思います。ステロイドによる他の副作用が出現している場合は関連が有るかもしれません。主治医によく聞いてみてください。(文責 吉田)

 

No.4955】 06年02月14日    E.N.
術後の治療について(HPNo.4823-2)

HPNo.4823で術前化学療法について回答いただいたものです。その後セカンドオピニオンで違う先生に診察してもらい、意見を聞いて、今年1月中旬にセンチネルリンパ温存手術をしました。今回は術後の治療についてアドバイスをお願いします。病理結果は、左側12mm、非浸潤がんと浸潤がんの中間、リンパ節転移なし、ER(+)PgR(+)、核異型度2、 右側10mm、硬がん、リンパ節転移なし、ER(+)PgR(+)、核異型度3 、閉経前です。治療方法として、@LH-RHアゴニスト製剤 + タモキシフェン + 放射線 A抗がん剤 EC 4回 + @の二通りがDr.から話されました。両側にがんがあるということ(転移ではない)や、がんの大きさが小さい、リンパ節転移なしなどを考えると、Dr.の意見も分かれるところだというというお話で、なかなか方向を決めることができませんでした。再発予防を考えると抗がん剤の使用も必要かと思いましたが、現在の自分の生活状況を維持していきたい、抗がん剤による副作用の為にまたつらい思いをするのは自分としてはきついものがあるかと思い、@にしようと考えていますが、この選択について意見をいただきたい。また、抗がん剤を使った場合とホルモン療法では、再発防止の割合がどのくらい違うのか、わかりましたら教えていただきたい。

@にするか、EC+@にするかは迷いますが、記載されているような状況では@をきちんと行えば十分であると思います。ホルモン剤とホルモン剤に抗癌剤を加えた場合の再発防止の割合は、正確には分かりませんが、貴方の様な場合、@だけでも90%以上、抗癌剤を加えた場合だと92〜94%以上ぐらいになると感じております。(文責 吉田)

 

No.4954】 06年02月14日    R 
右乳房のしこり

27歳です。数ヶ月前に右胸の胸の谷間の付け根の当たりに、1cmほどのしこり(硬く、乳首に向かい長方形球である)が出来、痛みは伴いませんでした。現在は2cmほどのしこりになり、痛みを伴います。これは乳腺症だと思いますが、このしこりはドンドン大きくなるものでしょうか?痛みは取れるのでしょうか?

右乳房のしこりが乳腺症とは限りません。線維腺腫かもしれませんし、乳癌や葉状腫瘍かもしれません。乳腺外来を受診して何であるかを確かめてくたさい。乳腺症であれば、ある程度の大きさで止まりますし、痛みは生理の周期によって強くなったり弱くなったりします。(文責 吉田)

 

No.4953-1】 06年02月14日    K
術後の抗がん剤治療について

31歳、子供無し、既婚、ハワイ在住です。去年仰向けで読書中に偶然しこりに触れて、その後手術でシコリを取って病理に出した結果、乳がんを告知されました。CTスキャン・ボ−ンスキャン・マンモグラフィ・エコ−の結果、他に転移は無く、一週間前にセンチネルリンパ生検とシコリのあった部分の追加切除の手術をしました。手術は日帰りでした。次の日結果を聞きに行くと、リンパの転移は無し(5つ取った)、追加切除した部分(皮膚も少しとったと言っていました)のガンは無しでした。今の私の左胸は普通の人となんら変わりは無いと言ってもらってうれしかったです。手術は温存だったので、放射線治療をすすめられました。抗がん剤も若いからやったほうがいいだろうと言われました。来週はスペシャリスト達に会って詳しく話を聞く予定です。シコリの大きさは1.6センチ・グレ−ドは3(アメリカは4段階でした)・リンパ、その他臓器の転移無し・ホルモン感受性ネガティブ・31歳。この場合、抗がん剤治療は必ずなのでしょうか?
告知後、たくさん本を読みました。食生活もすべて変えました。漢方とかノニジュ−ス(自分で作ってます)など東洋医学も興味があり、信用してるので色々とやっています。本を色々読むと、抗がん剤も必ず効くわけではなく、私の場合目に見えるがん細胞はもう無いから、効いているのかも確かめられないし、でも副作用は必ずあるし、それによって、もしガンが再発した場合は戦えなくなってしまうのではないかという不安があります。あと、抗がん剤が信用できません。こちらの主治医は二回目の手術前は、もしリンパに転移があった場合、絶対に抗がん剤は必要だと言っていました(強い口調で)。でも術後は絶対からすすめるに表現が変わっていて、言い方もやさしかったです。これはもう私の人生観で決める問題なのかなと受け取りました。日本の先生の意見も聞いてみたくてメ−ルしました。よろしくお願いします。ちなみに将来は出産希望です。

リンパ節転移が(−)でも、ホルモン受容体が陰性、グレード2~3、31歳であれば、術後照射は勿論のこと、抗がん剤も行った方が良いと思います。抗がん剤は必ず効くわけではありませんが、術後の再発を明らか減らします。再発・転移は目に見えない癌細胞が全身に飛び散り、やがて大きくなり検査で見つかるものです。術後補助療法として抗がん剤を使用するのは、この目に見えないがん細胞を殺すのが目的です。術後の抗がん剤治療を追加するようになって、再発が少なくなったと実感しております。後は、あなたの人生観で決めてください。(文責 吉田)

 

No.4953-2】 06年08月07日    K
タモキシフェンのベネフィット

こんにちは。二度目の相談です。32歳、既婚、子供なし(アメリカからです)。以前、術後の抗がん剤治療について相談をさせていただきました。その後、抗がん剤(AC4ク−ル)を受け、今は放射線治療中です。卵巣保護の為、抗がん剤治療中だけゾラデックスを注射してもらいました。そのせいなのか、抗がん剤のせいなのか、まだ生理はありません(5月が最後の点滴)。
手元にある病理のコピ−からです。「INVASIVE DUCAL CARCINOMA(Cancerizaion of the lobules)。最大腫瘍径1.6センチ。断端陰性。リンパ転移なし。胸壁、脈管への侵入はなし。grade3。poorly differentiated(9/9)。ER6%(borderline) PgR1%(NEGATIVE)」
手術をしたドクタ−は、私のホルモンリセプタ−はネガティブだと言いました。抗がん剤治療を受けるにあたって、二人の抗がん剤ドクタ−からオピニオンを取ったのですが、最初に会ったドクタ−もホルモンはネガティブだから、ホルモン治療はしないで抗がん剤を勧めると言いました。そして、セカンドオピニオンのドクタ−から抗がん剤治療を受けたのですが、このドクタ−は、6%あればホルモン治療をする意味があると言います。5年間タモキシフェンを飲むように勧められています。ちなみにゾラデックスは勧められていません。6%の感受性で私の病理の結果だと、タモキシフェンを服用するメリットはあるのでしょうか。ドクタ−には、何度かこのことは相談しましたが、副作用よりも、ガンを根治させることが重要だと言うことと、私の場合はハイリスクだということ、6%の感受性は、治療を受けるには充分だと言います。でも、2人のドクタ−からはネガティブだと言われたのも気になりますし、出来れば子供も望んでいるので、治療に踏み切れずにいます。ご意見よろしくお願いします。

2005年のSt.Gallenのミーティングによるリスク分類では、ホルモン療法に関して、内分泌反応性不確実というカテゴリーに入り、intermediate riskになり、推奨されている治療法は抗癌剤の後のホルモン療法になりますので、タモキシフェンの内服が推奨されます。妊娠に関しては、主治医、partnerとの相談だと思いますが、個人的には、少なくとも当初の2年間は治療に専念するべきだと思います。(文責 鈴木)

 

No.4953-3】 06年08月07日    K
乳がんの種類について

乳がんの種類について。INVASIVE DUCAL CARCINOMAとなっているのですが(浸潤性乳管癌?)、
「In situ component:Ductal carcinoma in situ grade3(Cancerizaion of the lobules) In situ tumor comprises approximately 10% of the entire tumors mass and extends,superficially 3mm beyond the invasive component」の意味を教えてください。小葉に発がんしているということでしょうか。乳管と小葉の両方に乳がんがあるということでしょうか? ご意見よろしくお願いします。

全体は浸潤性乳管癌ですが、細胞異型がグレード3の非浸潤癌が、全体の10%程度にみられ、浸潤癌のところから3mmくらい皮膚側に広がっていると書いてあります。中心部が浸潤癌で周囲に一部非浸潤癌のところがあるということだと思います。Cancerization of lobulesはよくわかりません。小葉の中にも非浸潤癌の一部があるとのことかと思いますが、これは主治医に確認をして下さい。(文責 鈴木)

 

No.4952】 06年02月14日    M.S.
NCC-ST439上昇時の治療について

上記についてご相談させて頂きたく存じます。お忙しいところ申し訳ございませんが、どうぞ宜しくお願い申し上げます。現在42歳です。39歳の2002年10月に左乳腺温存手術+リンパ節郭清を受け、T2N0M0でした。腫瘍マーカーのNCC-ST439の値が、昨年5月=1、10月=9.4、12月=26、1月=37と上昇中です。CEAは1.3〜1.4で安定しており、NCC-ST439だけが上昇しております。

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腫瘍径  占拠部位 左C  2.3×1.8 リンパ節転移0/12(センチネルリンパ節 2コ) ER +(70%) PG +(70%)  HerbB2 +
病理組織診断報告書10/25、2002
病理診断 non-invasive carcinoma, suspected of lobular carcinoma
所見
frozen section diagnosis
1.乳腺組織中にN/C比高い異形胞巣を認めます。carcinomaと考えます。
2.二層性腺管ある乳腺組織です。
3.二層性腺管ある乳腺組織です。
4.(1の追切):二層性腺管ある乳腺組織です。
paraffiin section diagnosis
1.乳腺腺管、腺房中に充実性〜不整管腔状をなすcarcinomaを認めます。lobular carcinomaを疑います。
2.二層性腺管ある乳腺組織です。
3.1カ所の腺房にて核腫大異型を認めます。carcinomaを否定できません。
4.二層性腺管ある乳腺組織です。

病理組織診断報告書10/31,2002
病理診断 invasive ductal carcinoma/papillotubular carcinoma irregularなmass形成した乳腺です。ここには拡張したduct中に、主に(くさかんむりの下に師という字)状、一部充実性、ないしcomedo様の形態をなすcarcinomaが増生しています。一部には微小石灰化も形成されています。その所々で基底膜の破綻と間質への浸潤が観察されます。脂肪組織浸潤は認められません。少数のリンパ管浸潤が疑われます。切片情報断端陽性が疑われます。リンパ節はセンチネル0/2,level1,0/10計0/12で転移を認めません。g T2n0とします。
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術後の治療は、放射線治療30回とリュープリン20回+ノルバデックス1日2回服用です。月経は昨年7月に戻りました。9月の骨シンチ、腹部エコー、胸部CT、乳腺エコー、マンモグラフィでは異常ありませんでした。12月に頸部エコーと頸部CTを行い、異常は認められませんでした。1月に骨シンチ、腹部エコー、胸部と骨盤のCT、MRI、をして異常無しだった為、PET検査を行いましたが、異常はありませんでした。主治医は、画像上見つからないこととマーカーの値のみで化学療法を行うことに迷っておられるようで、フェアストンに替えようか、とのお話もありますが、このような場合はやはり、ホルモン療法の変更で様子を見た方が宜しいでしょうか。 又、化学療法になる場合は、どの方法が適しているのでしょうか。助言を頂けましたら、幸いです。

メールの記載より再発のリスクが高い乳癌ではないようですし、CTや骨シンチ、PETなどで異常が見つからないのであれば、ST-439の上昇だけで乳癌の再発を考え化療を行うのは性急な気がいたします。CEAは正常値内ですが、再発乳癌で上昇することが多いCA15-3、BCA225などはどうなのでしょう。ST-439は乳癌の他に、肺癌、大腸癌、胆道系の癌でも上昇し、頻度的には少ないですが良性疾患でも高値を示すことがあます。CA125やCA19-9はどうなのでしょう。もうしばらく様子をみて、ST-439が更に上昇するようでしたら、ACやECといったアンスラサイクリン系の化療を行うことをお勧めします。ホルモン療法をフェアストンに変えるのはあまり意味がない様に思います。(文責 吉田)

 

No.4951】 06年02月11日    K.B.
アロマターゼ阻害剤について

乳癌の妻を持つ夫からです。妻の状態は以下のとおりです。発覚:2005年3月19日〜。がんの種類:ホルモンの受容体陰性(あり)、HER2+3、リンパ管腫あり、右乳房 5cm大、腰骨L1転移あり。治療経過:EC→タキソール+ハーセプチン→手術→ホルモン療法(ゾラデッィクス)+ハーセプチン。質問内容:今度、アロマターゼ阻害剤?を使用する予定ですが、副作用も含めて、使用する方がよろしいでしょうか? このまま、ゾラディックスとハーセプチンの治療方法でよろしいでしょうか?

年齢と生理の有無がわかりませんが、ゾラデックスを使用されたことから閉経前状態であるのでしょう。お書きいただいた情報の「ホルモンの受容体陰性(あり)」は受容体が陰性か陽性かわかりません。現在の年齢とホルモン受容体の状況より判断しないと答えが難しいです。術前、術後のハーセプチン療法を開始されているようですので、ハーセプチンは継続されて、閉経後でしたらアロマターゼ阻害剤の併用、閉経前でしたらゾラデックス+タモキシフェン+ハーセプチンがよろしいと思います。また、アレディア(骨転移あるため)の併用も検討してはいかがでしょうか。(西川)

 

No.4950】 06年02月11日    H 
CT検査(HPNo.4198-2)

HPNo.4198ご相談したものです。昨年7月にCT検査をし、「肺に少し炎症がみられるが、特に問題ありません」とのことでしたが、今月肺のレントゲンをとるようにとのことで受けました。結果は異常なしでしたが、主治医から、「ちょっと早いけど、昨年7月のCTでちょっと肺に影があったので、来月CTをとってください」とのことでした。昨年特に問題はないとのことで、安心していたのですが、どのように考えたら良いでしょうか。マーカーは3カ月おきに実施しておりますが、いずれも正常値でした。よろしくお願いします。

術後の肺転移検索として行われたものと考えられます。施設により差はあると思われますが、乳癌においては肺、胸膜転移の出現の確認は胸部レントゲン検査や胸部CT検査が行われています。検査の頻度については半年から1年おきに検査する施設が多いのではないでしょうか。術後に放射線治療は行われていますでしょうか?もしも行われていらしたら、その為に肺の一部に炎症が起きることがありますので主治医に確認してみて下さい。(西川)

 

No.4949】 06年02月11日    K  
HER-2強陽性について

いつも拝見し、勉強させていただいております。妻の乳ガンについてお伺いします。2004年6月に手術をしました。当時36才、腫瘍径25×8mm、ER(2+)、PgR(2+)、HER2(3+)、Grade 2、f(+)、ly1、術後放射線(2グレイ×25回)。現在リュープリンとアリミデックスのホルモン治療を受けています。お伺いしたいのは、2005年のザンクトガレンの国際会議でのガイドラインの変更についてです。No.4922のご回答の中で、「HER2陽性でリンパ節転移が無かった乳がん患者さんは、HER2陰性でリンパ節転移が1−3個あった乳がん患者さんと同程度の再発率があると考えられています。」とあり、少々とまどっています。妻は、幸いにもリンパ節転移がなかったので、ホルモン療法がベストだと思っていたからです。まもなく術後2年を迎え、リュープリンをやめる予定になっています。
1) ホルモン療法で、HER2強陽性のがんは、死滅するということはないのでしょうか? ホルモン療法をやめてしまうと、活発に増殖するのでしょうか?
2) ホルモン療法後の抗ガン剤という選択はあるのでしょうか?
3) 妻の癌は再発・転移率というのは、どのくらいになるのでしょうか?

長々と、申し訳ありませんが、ご回答よろしくお願い申し上げます。

ザンクトガレン国際会議でのガイドラインによると、奥様は腋窩リンパ節転移なし、病理学的腫瘍径が2cm以上、グレード2、HER2:3+、35歳以上よりintermediate riskに分類されると思います。よって現在の推奨される治療方法はTAM±LH-Rha 単独、または化学療法およびTAM±LH-Rhaと考えられます。すでにホルモン療法を開始されており、2年経過し再発兆候が無ければ、予定通りホルモン療法単独での治療がよろしいと思われます。今後3年間の内服ホルモン治療が推奨されますが、現在アリミデックスは閉経後に対し適応となっておりますので主治医とよく相談されて下さい。ご質問の内容については、ホルモン療法単独に対する不安が見受けられますが、前にご説明したようにホルモン療法単独での治癒も十分に期待できますので安心して下さい。治療終了後にガンが活発に増殖するという証拠はありません。また、ホルモン療法後の化学療法は現在のところエビデンスがありませんので、今から化学療法を行わなくてよいと思います。10年生存率については2期であることから約80%位と考えられます。今後も主治医とよく相談の上、治療をお続けください。(西川)

 

No.4948】 06年02月11日    T.N
乳がんの骨転移の状態把握

家族の治療に対する疑問点です。左乳がん摘出手術の1年後、急に左股関節が痛み検査に行ったところ、骨への転移との事でした。血液検査の結果を聞いたのですが、深刻度が分からず、教えてください。
・CA 通常5のところ53
・CA15−3 通常27のところ75
・ICTP 通常5.5のところ15.9
なお、骨シンチの結果、多数の転移がわかりました。今後の治療の考え方を教えてください。現在、股関節は放射線治療中です。通常生活をするには整形手術の方法が適するという話も伺いました。ガン進行状況を示す数値などは伺っていませんが、どのようなものでしょうか。楽観できる状況ではないと言われました。

腫瘍マーカーは、再発・転移などで上昇する人もいれば、変化しない人もいます。上昇する人では、その後の治療の効果判定になり得ます。治療としては、骨転移の痛みに対しては放射線治療が適します。放射線により骨硬化も期待できますので、骨折の予防にもなります。また、骨破壊を抑制するビスホスフォネート剤の点滴治療などもあります。手術に関しては、骨折をおこす危険がある場合に行われることがあります。主治医の先生に整形外科の先生を紹介してもらい相談なさってください。癌の進行、状況を予測する数値はありません。画像診断もあわせて判断すべきだと思います。主治医の先生とよく相談なさってください。(文責 都築)

 

No.4947】 06年02月11日    Y.T.
食生活について

昨年、乳癌と診断されてから、いつも興味深く拝見しております。とりあえず、術後何事もなく良好に推移しております。ただ。このサイトを拝見していますと、10年、いやそれ以上油断のならない病気であることも理解しております。そこで質問なのですが、再発転移と食事についての関連性についての多くの書物を読みすぎて、極端に反対論を唱えるものが数多く、混乱しております。この点も含めて最近気になることを質問させて下さい。
1) 乳癌にかかった患者は、乳製品を一切口にしてはいけないのでしょうか? 牛乳が癌を作ると公言しているものもありますが・・・。(抗癌食物として特に牛乳やヨーグルトを薦める説もあるようで・・・) ちなみに、私は乳製品は大好物です。術後控えておりますが・・・。
2) 粗食が奨励されていますが、玄米雑穀ご飯を毎日続けることは、少なからず効果が期待できるでしょうか?
3) 私は右乳癌でしたが、最近右手の指や手のひらに、痺れを感じます。仕事で書き物が多いのですが、使いすぎでしょうか? それとも・・・、心配です。
4) ゾラの注射をし始めてから、お腹が膨らみ始めたように感じます。気のせいでしょうか?
5)手術創は、まだ1年くらいなら痺れや痛みは普通でしょうか? 冬を迎え、更にひどくなったようです。
6) 夜中過ぎまで起きていると女性ホルモンが活発になると聞いたのですが、根拠はあるのでしょうか?

つまらない質問ですが、よろしくお願い致します。

手術が無事に終わり、経過良好とのこと、何よりですね。
1) 乳製品をいっさい口にしてはいけないという事はありません。しかし、動物性脂質をとりすぎるのはよろしくありませんので、一般的に牛乳なら、200mlをめどにお勧めしています。
2) がん患者さんにとって全粒食は良いとされております。野菜、果物、栄養素のある穀物をバランスよく摂取されてください。
3) 腋窩リンパ節郭清をされてますと、長く仕事をしていると疲れることがあります。無理のかからない程度にお仕事されてください。少しむくみがあるようでしたら、リンパマッサージをなさってください。
4) ゾラを注射したところが少し硬くなることはあるかも知れませんが、膨らむことはないと思います。
5) 傷は術後半年から1年は、瘢痕といって硬くなります。放射線治療をすると乳房全体が硬くなり、やわらかさが戻るのには、1?2年かかります。人によっては、痛みやつっぱりを感じることがあります。天候が悪いときや、寒い日に傷が痛むこともあります。少し、暖めてあげると楽になりますよ。
6) 深夜に仕事をする女性に乳癌が多いという報告がありますが、あまり気になさらなくて良いかと思います。(文責 都築)

 

No.4946】 06年02月11日    N.N.
非浸潤癌、HER2陽性について

37歳、閉経前。非浸潤性乳管癌と診断され、温存手術を受けました。8mmの良性腫瘍に4mmの癌があり、腫瘍から2cm離して切除、断片−、センチネルリンパ節生検−、ER+、PgR+、HER2(2+)、悪性度1、放射線治療・ゾラデックス2年・ノルバデックス5年の治療予定。
1) 主治医は、HER2が(2+)だが、非浸潤でホルモン陽性なので特に心配はないとの事。しかし過去の相談室の回答に、HER2は浸潤部で判断するので、HER2(3+)の場合、一部浸潤している可能性があると回答されていました。私のDCISの診断には、万全を期すため複数の病院の病理医が関わったと主治医から聞いています。私の場合HER2(2+)なので、一部浸潤している可能性は無いのでしょうか?
2) 再発しやすいでしょうか?
3) 非浸潤癌でも再発の可能性を低くするため放射線は有効だが、そこにホルモン療法を加えてもあまり変わらないというデータがあるそうですが、健側乳房の発癌を抑える為にもホルモン療法をするべきでしょうか?

1) まず、HER2というのはガン細胞の細胞膜に発現する蛋白のことで、癌の浸潤、非浸潤とは関係ありません。
2) 現在のところ、HER2の過剰発現がDCISにおいて予後と関係するかは、はっきりわかっていません。現在、DCISの再発に関係あるとされているのは、大きさ、グレード、切除断端からの距離、ER、年齢などです。
3) ホルモン剤を治療に加えると対側乳癌の発症を低下させる効果はありますが、その効果は大きいものではありません。対側乳癌の発生を予防するという目的でホルモン治療をするのではなく、少しでも再発の危険性を下げたいのであれば治療をお受けになってください。(文責 都築)

 

No.4945】 06年02月11日    N.F.
PETについて教えてください

51歳の主婦です。健康診断で再検査となり、マンモおよびエコーに5ミリの石灰化がみられました。小さいため組織をとるのが難しいということで、6ヶ月後再度マンモとエコーをとることになったのですが、このままほおっておいていいものか、不安があります。また総合病院ではありますが、乳腺外科はなく、消化器外科の専門であることも気になります。PETも試してみたいと考えているのですが、5ミリで結果がでるものか教えてください。なお左胸内側下で奥のほうなので触診ではわかりません。よろしくお願いします。

PETでは5mmの石灰化病変は多くの場合うつりません。ご自身の様な状況の方には診断価値はあまりないと思います。5mmの石灰化(形状が不明ですが…)ですが、もし、その5mmがエコーで腫瘤として見えているのであれば、針を刺し細胞のチェックをする事も可能かと思います。
マンモグラフィにおける石灰化は、良性のものから悪性のものまで様々です。悪性の石灰化だとしても、ごく初期の癌(非浸潤制乳管癌)のことが多く、半年ぐらいあけないと変化がわからないぐらいです。半年後に経過観察し、石灰化が増えていたり、形がいびつになっていたりしたらマンモトームや外科的生検を行い、その時点で診断をつけても良いかと思います。(文責 都築)

 

No.4944】 06年02月11日    M.I.
骨・リンパ節に転移

現在31才。4年前に左乳癌になり全摘しました。術後の経過良好でしたが、去年6月頃から再発し、骨・リンパ節に転移が指摘されました。7月からゼローダ(3クール)・アレディア使用開始。12月から血小板が減少し始め、アレディアも中止しました。現在は輸血をしても8000〜1万前後です。もう輸血以外に手立てはないと言われていますが、他にできることはないかと悩んでいます。何かアドバイスをお願いします。

血小板減少に対しては血小板輸血以外に方法はないと思います。血小板の値が8000~1万という値はかなり低いので、値が落ち着くまで輸血する事をお勧めします。ゼローダの副作用に骨髄抑制がありますので、休薬について主治医とご相談ください。(文責 都築)

 

No.4943】 06年02月11日    Y  
石灰化

お忙しいところ失礼します。先生にお聞きしたいことがあります。片側の胸が少し張っていて、時々しみるような軽微な痛みがあったたため、近所の大学病院の乳腺専門医に診察してもらったところ、「触診・エコーとも異常なし・マンモグラフィーでも異常はないが、少し石灰化が見られるので様子を見ましょう」と言われました。痛みの原因は不明とのことでした。精密検査は勧められなかったのですが、石灰化と聞いたことで、とても怖くなってしまいました。石灰化はがんの前兆なのでしょうか(その時は怖くてきけませんでした)。できてしまった石灰化(がんの原因なら)は、なくすことはできないでしょうか。よろしくお願いします。

乳腺の石灰化は良性の乳腺症でも診られますし、明らかなガンの石灰化は、形、分布の仕方が良性の石灰化とは異ります。質問内容から判断して、明らかなガンの石灰化ではないように思います。経過ををみて石灰化の数や形が変化するようなら、そのときに精密検査を行っても全く遅くは無いと思います。日常の外来で同じような状況の患者さんをたくさん診ていますし、同じように経過を診ています。心配しないで次回の外来を受けてください。そしてもう1つの質問ですが、できてしまった石灰化はなくすことはできません。(文責 川本)

 

No.4942】 06年02月11日    E.T
良性?腫瘍について

25歳未婚です。MMG、USで、左の乳房に9ミリから3センチの腫瘤が4つあることがわかりました。おそらく良性でしょうとのことで、経過観察中です(3ヶ月)。細胞診は行っていません。今後行うべきでしょうか? 3センチという大きさは摘出したほうがベターでしょうか。

左に大小不同の腫瘤が4つあり、おそらく良性とのこと。3ヶ月後の再診で画像所見に変化が出たり、大きくなっているようなら、細胞診などの病理組織診断をしたほうが良いと考えます。3cmのしこりは画像で良性であっても、念のために病理診断をつけたほうが安心かもしれません。良性と診断されて摘出するかどうかは担当医と患者の相談です。同じ大きさのしこりでも、気になる人とそうでない人がいますから。3cmのしこりなら、ある程度気になる大きさなので、摘出してもいいかもしれませんね。まず担当医と相談してください。(文責 川本)

 

No.4941】 06年02月11日    AーG 
インフルエンザにかかってしまいました

昨年10月に左の胸を全摘しました。シコリの大きさは3センチくらいで、13個リンパをとり、転移は1個。悪性度は1、ホルモン感受性はアリということです。EC療法を4クール終えました。年明けに白血球の数値があまりに低かったので、一週間遅れでタキソール?12回というものを始め、2回目が終わったところでインフルエンザになってしまいました。山を越え、私としては次の週に三回目をするまでには大丈夫のような気がするのですが、先生曰く、「二回で一クールを終え、一週間休んでニクール目をしましょう。しっかり体調を戻して、それから」。体調不良で投与が遅れたりすることはよくあることだそうですが、私の場合、転移再発リスクが低いほうとはいえないと思うので、一回でも抗がん剤が少ないと、とても不安です。先生は、「休んでいる間に癌細胞が増えるとか、どうとか、誰にも判らないことを心配しても仕方がない」と言われるのですが、不安です。投与量をふやしてもらうとか、策はあるのでしょうか。教えてください。

ご心配な気持ちは十分わかりますが、担当医はA-Gさんの体調を把握して決められたのだと思います。1回の抗ガン剤の休薬が致命的な結果を生むとは思えません。どうしても投与量が気になるようなら、全体の総投与量は12回の量と同じにしてもらうことを担当医に聞いてみてはいかがですか? 長い治療期間です。スケジュール通りにいかない患者様もたくさんおられます。(文責 川本)

 

No.4940】 06年02月11日    Y.W. 
骨転移について(HPNo.2964-3)

以前、HPNo.2964で質問させて頂きました。丁寧なご回答、ありがとうございました。私の母〔64歳〕が平成16年4月に乳がんとわかり、5月に手術をしました。私が知っている検査結果ですが、リンパ節転移はなく、腫瘍は2cm、HER2はマイナス、ホルモンセプターはどちらもマイナス。その後、術後治療としてCEFを6回。平成17年1月に骨シンチにて右鎖骨辺りに黒い影が見つかり、詳しくCT撮影で検査をしたところ、主治医からは大丈夫ですとの事でしたので、この一年間元気に過ごしてまいりました。ところが、平成18年1月の骨シンチに同じところに黒い影がありました。その影は大きくもなっていないそうですが、やはりがんの転移の可能性は高いのでしょうか? それと最近、股関節・腰が少し痛いという事で整形外科に行ったそうです。レントゲン撮影と診察の結果、坐骨神経痛との事でしたが、やはり骨転移も疑ったほうがいいのでしょうか? 骨シンチでは腰、骨盤、大腿骨等の黒い影はありませんでした。お忙しい中、大変恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

平成17年、18年の骨シンチで同じところに黒い影があり、大きくなっていないとのこと。抗ガン剤終了後に骨シンチ検査をして1年間治療しなくても影が変わらないのであれば、転移の可能性は低いと思います。坐骨神経痛の診断で骨シンチでも異常なし、骨転移は心配しなくて良いと思います。(文責 川本)

 

No.4939】 06年02月11日    K&M
超音波検査での腫瘤画像について

以前も相談させて頂いた、36才、出産経験なしの女性です。先日、乳がん検診の再検査を受けてきたのですが、最初に簡単な問診があり、その際に最初の検診の際の超音波検査の画像をプリントしたものを見ました。非常にはっきりと黒い影が写っており、その形が、「超音波による典型的な乳がん画像」として、以前ネット上で見たことのあった腫瘤のものによく似ていました。その問診の際には画像に関する説明は全く無く、その後、再度超音波検査(最初の画像を見ながら、非常に念入りに見ていました)とマンモグラフィー検査を行い、結果は一週間後に出るとのことでしたが、最初に見た画像にショックを受けてしまいました。やはり、乳がんの可能性が高いと思った方がよいのでしょうか。

ご心配なお気持ちはわかりますが、質問内容から癌かどうかを判断することはできません。再診の時に担当医から説明を受けてください。お力になれず申し訳ございません。(文責 川本)

 

No.4938】 06年02月11日    M・T
再手術について

44歳、子供2人(19歳、17歳、2人とも帝王切開)、閉経前です。1月6日に右乳房部分切除術を受けました。術中のセンチネルリンパ節生検(6個)で陰性だったため、リンパ節廓清はしていません。しこりの大きさは約1cmで、別の病院で組織検査のときに切除してあったため、直径5cmくらいを円柱状に切除しました。病理検査の結果は、浸潤性乳管癌、断端から5mmくらいの所に1箇所癌細胞あり、ly2、v0、ER(−)、PgR(+)、グレード2、HER2(−)、波及度(f)、でした。今後の治療として、@再手術で乳房切除後、化学療法+ホルモン療法 A化学療法+ホルモン療法+放射線療法(追加有) のどちらかを選ぶように言われて迷っています。
1) @とAでは再発率に違いはありますか?あるとしたらどの位ですか?
2) 先生は@とAではどちらの治療方法の方がより効果的であるとお考えになりますか?
3) 化学療法、ホルモン療法では、どのような薬を使うのですか?

お忙しいところ恐縮ですが、治療法を決める上で参考にしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

1) @とAでは再発率に差はあります。乳房切除してしまえば再発する乳腺がないので原則的に再発はしません。乳房温存術は切除断端に癌がなくても放射線照射後に、4-10%再発するといわれています。質問内容では「断端から5mmくらいの所に1箇所癌細胞あり」ということなので明らかな断端陽性では無く、追加照射部位から再発例はあまり無いので、放射線追加照射で十分対応可能と考えます。
2) 上記の理由からAです。
3) 化学療法はエンドキサン、アドリアマイシン系、タキサン系の薬剤を点滴で使用します。薬剤選択、投与間隔は施設によっても異りますので主治医に質問してください。ホルモン療法は化学療法後に使用しますが、化学療法の影響で閉経してしまうコトもあり、その状況を診て、注射で生理を止める薬剤(LH-RHアゴニスト)を4週に1回使用または内服薬(タモキシフェン、アロマターゼ阻害剤)(1錠/日を原則的に5年間)を使用したりします。状況で異なりますので主治医に相談してください。(文責 川本)

 

No.4937】 06年02月10日    ET 
非浸潤癌治療について

非浸潤癌の治療についてご相談します。42歳 9歳の子供が1人おります。健康診断で右胸に線維腺腫の疑いということで、近くの病院でマンモグラフィーと超音波下の細胞診断を受けました。その結果、右胸の腺腫には問題がないとのことでしたが、左に気になる石灰化が認められるとのことで、マンモトームを来週受けることになりました。超音波ではしこり等が認められないため、可能性は乳腺症と癌(非浸潤癌)が五分五分と言われました。以前から、左は月経周期に伴う痛みが右よりも強くあるため乳腺症かなあとは思っていたのですが、癌の可能性があると言われ動揺しております。もし非浸潤癌と診断された場合の治療法についてお伺いしたいことがあります。HP等で検索すると、マンモグラフィー下の石灰化で発見された非湿潤癌については、一生放置しても湿潤癌に変化する可能性のない癌もかなりの割合で含まれている可能性が考えられるとありましたが、治療せずに経過を観察するということも選択肢として考えられるのでしょうか? それとも患部を摘出してしまったほうが、やはり安全なのでしょうか? しこりのある癌とは違って石灰化している部分を全て摘出することは、場合によってはしこりのある癌の摘出よりも乳房へのダメージは大きいと聞いたりしますが、いかがなものなのでしょうか?

非浸潤癌と確定診断されたら、手術治療を受けるべき。ただし一般的に、リンパ節郭清や術後抗癌剤治療は受けないですむ。(場合によってホルモン剤の内服が勧めれれることがある) 時間がたつと浸潤癌になると予想され、いつ浸潤が始まるかはわからない。癌と診断された以上、一生浸潤しない可能性にかけてはまずい。生死を賭け事にするようなもの。非浸潤癌で見つかれば、まだ早期がん。大きさは無関係に手術でも治る癌。ただし、温存術の場合は放射線治療を追加することが条件。なお、場合によっては予後の悪い浸潤癌のほうが、予後の良い非浸潤癌より傷が小さいことは少なくない。癌の大きさでなく、性格によってこの差は生じる。とにかく、診断をつけていただこう。ところで、非浸潤癌には乳管癌と小葉癌があるが、今回は非浸潤性乳管癌と仮定し回答した。(文責 館花)

 

No.4936】 06年02月10日    TM 
アルミデックスに変えたのですが…

はじめてお便りいたします。妻は9年前に温存療法にて、右胸右側の乳ガンを手術いたしました。ステージもUということで、リンパ切除・放射線等でしたが、8年目の再発、ショックでした。その後しこり部分の切除もあったのですが、全摘という決断をしました。そのときも「他には考えられない、あるとしても確率は5%」と言われたのですが、乳管内にあることがわかりました。したがって確率の悪い方悪い方にあたっています。その後ホルモン療法を受けてアロマシンを服用していましたが、極端に関節痛がひどくなり、骨密度が減少し、そのための薬も常用しています。そこで他の薬に替えてもらうようお願いし、アリミデックスに替えて3ヶ月たちました。副作用としては、骨密度は戻りつつあるのですが、子宮におりものが出て、臭いもきつくなりました。もっとひどくなるのか心配です。またその後手術をした傷口に、赤い、ご飯つぶ程度の軟らかい膨らみが消えないので気になっていましたが、先日その部分を切除して生検にかけました。結果は出ていませんが、これも体質的なことなのでしょうか?

薬の副作用がきつい場合、また症状に現れなくとも検査所見などから副作用が明らかな場合、やはり薬の変更をすべきと判断することは少なくない。内服のホルモン剤は、まだ他にもタモキシフェン、トレミフェン等があり、そろそろレトロゾールの発売も決まった様子。まだ手はある。また、米粒大の膨らみが何なのか、結果によって次の手が変わってくる可能性がある。いずれにせよ、乳癌に対して我々は、他の癌より戦うべき武器を多く持っており、慌てず、結果を待って、主治医と治療作戦を検討すべき。(文責 館花)

 

No.4935】 06年02月10日    T 
温存か全摘かの選択について

48歳、既婚です。腫瘍大3センチ、リンパ節転移ありです。術前化学療法CAF6クール+毎週タキソール12回終えて、2月中旬手術予定です。担当医から術前化学療法で腫瘍が少し小さくなったため、温存か全摘か手術方法を選択してと言われ、迷っています。母には、「残しては再発する可能性があるので、絶対全てとったほうがいい」と強く言われていますが、自分では温存の方が手術が小さくなるので回復が早く、すぐに仕事にも復帰できるのではと考えますが、どうでしょうか? どう選んでよいのか困っています。よろしくお願いします。

まず、再発する可能性は、温存術のみだけだと高いのは事実。術後、放射線治療をほぼ連日、5〜6週間受けることができなければ、原則的に温存術は勧めない。全摘ならば、放射線治療は確かに不要。しかし、温存術のつもりでいても、切除した乳腺を手術中に顕微鏡検査し、癌が残っていると判断されれば、その場で全摘に変更されることも十分あり。次に仕事の復帰は、今回の場合は腋の下のリンパ節を十分切除(郭清という)すると予想され、回復にかかる時間はあまり差がないのでは。しかし、現在は残せるものはできるだけ残す方針が主流で、十分な追加治療(今回は放射線治療)を受ければ、予後に差がないとされている。(ただし、放射線治療を受けても、癌のできた乳房に再発する可能性が0になるのではない) 今回のような場合、我々は、あくまでも可能ならまず温存術を勧めるが、放射線治療を受ける(ほぼ連日の通院となる)ことができるのが前提の上。(文責 館花)

 

No.4934】 06年02月10日    N.M. 
クラス3(HPNo.4156-2)

以前HPNo.4156にて、カテゴリー4の質問をした者です。前回(7月)には太い針で組織をとり、ガン細胞はないという結果でした。半年経ち、エコーでみたら、やはり硬癌の疑いあり。細い針で細胞をとり、結果はクラス3ということでした。エコーの影が気になるそうです。医師からはMRIをすすめられましたが、授乳中なので、3ヶ月後のエコーということになりました。医師からは、「もしかしたら、授乳をやめたら小さくなっていくものかもしれないし・・・。」と言ってもらいました。授乳回数の多い方の乳房にできているのです。が、白黒つかない状態に、苦しくなっています。
1) 授乳をやめてでも、MRIをうけるべきでしょうか。
2) 癌の疑いは高いと思われますか?

よろしくお願いします。

授乳中は、乳腺が発達していて血のめぐりもいいので、普通に撮影したときとはMRIの結果が異なります。針生検で悪性の診断がついていないのであれば、授乳が終わって落ち着いてから検査をすればいいでしょう。細胞診も授乳中はあまりあてにはなりません。ですから、答えは、
1) 授乳をやめてでも、MRIを受けるべきではない。
2) 癌の疑いは低い。
です。(文責 緒方)

 

No.4933】 06年02月10日    N.F.
5ミリの石灰化について

51歳の主婦です。マンモグラフィーとエコーで5ミリの石灰化がみつかりました。奥の方であることと、5ミリと小さいため、成分検査も針が入れられないということで半年後の検査となりました。再度出向きPETのことも聞いてみたのですが、無駄だろうということでした。このまま観察するしかないのかということと、もし悪性だった場合転移は心配ないのだろうかという不安があります。どのくらいの大きさから検査できるのか、半年でどのくらい大きくなるのか、何センチまでなら安心か、教えてください。どうかよろしくお願いします。

石灰化で問題になるのは細かい石灰化(微細石灰化といいます)病変がまとまっている場合です。5ミリの範囲に微細石灰化が集まっている場合、組織学的検査(そのもの自体や一部を取って調べる)で診断をつけるか、そこまでする必要がない(まず良性と考える)場合は、短期間(4から6カ月)で再度検査をして比較することになります。5ミリの大きさの石灰化は問題ないのでほおっておきます。悪性を否定できない場合、小さい範囲でも奥でも生検といって手術で切除して診断をします。また、マンモトームという特殊な検査もあります。「このまま観察するしかない」のではなく、しばらく様子をみても大丈夫であるからと考えて下さい。一般的に、病状が進行しない位の間隔で様子をみます。また、石灰化の数や広がり具合を観察するので「半年でどのくらい大きくなるのか、何センチまでなら安心か」ということではありません。もう一度、半年経過を見てよい根拠を、ご自身が納得するまで主治医の先生に聞いてみてはどうでしょうか?(文責 緒方)

 

No.4932】 06年02月10日    E.S.
乳腺腫瘍について

初めて質問させていただきます。34歳、既婚、子供なしです。ドックの乳がん検診で触診と乳腺エコーを受けました。結果は「乳腺腫瘍の疑いと乳腺症」とのことで、精密検査を受けるようにとのことでした。すぐ精密検査を受けようと思っていますが、乳腺腫瘍という病気とは癌のことなのでしょうか。触診では、しこりはないと言われていました。時々胸が痛むので、いろいろ質問したのですが、そのときは乳腺症だと思いますとのことだったのですが、結果が乳腺腫瘍の疑いがプラスされていたので、かなり心配になっています。また、ドックを受けた病院は乳腺科はないので外科になりますが、乳腺科のある病院で受診したほうがよいのでしょうか。すみませんが、よろしくお願いいたします。

癌ではありません。恐らく、触診ではしこりは触れないが全体がごろごろして乳腺が張っている状態なのではありませんか?生理前に痛みを伴うことがあり、これを一般的に乳腺症と習慣的に呼びます。このときに超音波検査をすると一部が腫瘤(腫瘍、しこり)などに見えることがあります。超音波を用いた検診では、よく遭遇するパターンです。あまり心配することはないと思いますが、指示には従って下さい。乳腺科のある病院か、乳腺専門医のいる外科で精密検査を受けた方が安心で確実でしょう。(文責 緒方)

 

No.4931】 06年02月10日    E.R. 
乳癌検診について

34才独身です。左腋下が痛くて、乳癌だったらどうしようと思い、病院に行きました。触診で診てもらって、次にマンモグラフィーの検査を受けました。自分では左ではないかと思っていたのですが、右にしこりのようなものがあると言われました。先生は「病的なものとは違うと思うが、念のためエコーの検査を受けておいたほうがいい」と言われました。検査の予約がいっぱいで、1カ月半後にエコーの検査を受けるのですが、ものすごく不安です。触診もマンモグラフィーも、先生によって診断が違うケースがあるとインターネットに書いてありました。私が行った病院は後でわかったのですが、乳癌学会(ちゃんとした名前は忘れました)で認定されている乳腺専門医ではありませんでした。乳腺専門医と認定されている先生と、されていない先生とでは、何か違うのでしょうか? その病院でとったマンモグラフィーをお借りして、きちんと乳腺専門医のいらっしゃる病院で再度診てもらおうかなぁと思っているのですが、まだ腫瘍があると言われたわけでもないのになぁ・・・とも思います。ただ、会社の同僚で毎年のように乳癌検診を受けていらっしゃったのに乳癌が転移して亡くなった方がいて、その方が生前、「毎年受けていたのにこんなこともあるから、おかしいと思ったらいろいろな先生に診てもらったほうがいい」とおっしゃっていたのを思い出してしまいます。とにかくものすごく不安です。まともな質問になっていなくてすみません。

学会が定める乳腺専門医は経験年数も多く、かつ専門医試験に合格した先生になります。また、乳腺認定医は診療経験が数年あり、学会より認定を受けた先生です。一応、細かく分けてはおりますが、皆様一般の方は、学会より認定された先生も専門家に含めて考えるのが良いかと思います。また、マンモグラフィーも検診読影資格医がインターネットに掲載されていますので、参考になさるのが良いかと思います。現在乳腺の診療に携わっている先生は、多くは、これらの資格をお持ちですが、お持ちでないからと言って、劣るとも言えません。試験を受けない先生や、申請をしない先生がいらっしゃるからです。しかし、皆様が、相談やセカンドオピニオンを求めるときには、専門医や認定医やマンモグラフィー読影資格者は目安になると思います。お書きになっている通り、ご心配であれば、初診医の先生に資料をお借りして、専門の先生にご相談するのがいいと思います。どうぞ、お大事になさって下さい。(文責 宮本)

 

No.4930】 06年02月10日    T   
乳頭の腫れ

26歳、妊娠・出産・授乳経験はありません。時々、乳頭に痛みや痒みがあったのですが、特に気にすることもなかったのですが、ここ一年くらい乳頭が大きく腫れてきました。硬くて表面がぼこぼこしています。特に右が目立ちます。分泌物は無いです。ここ一年、特に刺激を受けたわけでもありません。いろいろ自分で調べたのですが、乳頭の腫れについては見つけられませんでした。回答、宜しくお願いします。

年齢的に女性ホルモンの分泌量が増加する年頃で、乳頭や乳輪が大きくなったり色素が濃くなってくる(ピンク色から茶色っぽく)事もあります。拝見しないと、心配ないのかどうか解りませんので、ご心配でしょうが、一度乳腺の専門の先生にみて頂く事をお勧めいたします。ぜひ、受診をしてみて下さい。お大事に。(文責 宮本)

 

No.4929】 06年02月10日    N.N. 
非浸潤性乳管癌の治療

37歳、閉経前。昨年末、非浸潤性乳管癌が発見され、腫瘍から2cm離して乳房円状部分切除術を受けました。ER(+)、PgR(+)。放射線療法とノルバデックス5年、ゾラデックス2年の予定です。主治医からは、「年齢が若いことも、ハー2が少し高いことも、非浸潤癌の為、あまり心配ない」と言われましたが、それでも放射線療法をした方が良いのでしょうか? 非浸潤癌に放射線療法はどれほど効果があるのでしょうか?

非浸潤性乳管がんであっても、乳房内は、リンパや血流が網の目に張り巡らされているため、乳房内の局所再発を抑えるために放射線療法を行います。ただし、非浸潤がんの中でもがん細胞がおとなしい場合(核の異型が低い)は放射線療法を行わない場合もあります。よく主治医の先生と相談なさって下さい。お大事にして下さい。(文責 宮本)

 

No.4928】 06年02月10日    T.Y
パジェット癌について

29歳主婦、7歳と4歳の子供がいます。今現在の症状は、常に痒みがあり、黄色い汁が乳首から出てきます。黄色い汁は、かさぶたのように固まります。右乳房だけに症状があります。最初の出産の時、初めて乳首がただれはじめましたが、授乳のせいだと思い、皮膚科でアンダーム軟膏を処方してもらいました。一度はそれでおさまったのですが、また、ただれ始めて、今度は産婦人科で診察を受けたのですが、皮膚科を受診するように言われて、皮膚科でステロイド軟膏を処方されました。塗っている間は少し治まるのですが、薬の効き目もだんだんと悪くなっています。塗らなければ下着から服まで黄色い汁が染み出てしまう程です。掻き傷が膿んでしまい、痛みもあります。アトピー性皮膚炎を持っているのでアトピーの症状だと思っていたのですが、テレビでパジェット癌の事を知り、とても不安になりました。パジェット癌か皮膚炎であるかは、どういうふうに診断されるのですか。それと、右乳首に2ミリほどのイボのようなものがタダレと同時期くらいにでき、今だに治りません。

皮膚が弱かったり、アトピー性皮膚炎がある方は、よく、乳頭がブラジャーでこすれたり、乾燥して、皮膚がただれ、黄色い液がでる事があります。これは、乾くと固まるので、ムリにはがしたりすると、またそこが出血したり、黄色い液がでたりしますが、これは皮膚が傷ついているだけですので、あまり心配はいりません。一方、パジェット病は赤くただれて、血がにじむ事が多くあります。通常パジェット病はステロイド軟膏で良くなりません。ステロイド軟膏で良くなるようならばパジェット病ではないと考えて良いと思います。しかし、状態を拝見しないと診断がつきませんので、ご心配でしょうが、一度専門の病院にみて頂く事をお勧めします。お大事にして下さい。(文責 宮本)

 

No.4927】 06年02月10日    Y
郭清せず

独身、38歳女性です。左乳輪部分に浸潤がん1.8cmがあり、乳首は何とか残して(希望して)、一週間程前に温存手術をしました。リンパの転移は無いだろうということだったので、郭清はしないで下さいと主治医に頼み、了解して頂きましたが、術後の結果はリンパに4個以上あったようです。主治医からは、「希望通り郭清はしておりません」と言われました。術後の治療は、乳房の取り残し部分に放射線治療を、それと出来れば化学療法を・・・といわれましたが、化学療法はやらずに他の治療にしたいと思っております(放射線はします)。自分で希望したことですので、他には無い治療になると思います。やはり再発、生存などに大きく影響するのでしょうか。リンパのその後は・・・?リンパの治療は放射線でいけるか・・・? 誠に勝手な患者ですが、考えをお聞きしたいです。宜しくお願い致します。

手術、お疲れさまでした。手術時にリンパ節を摘って調べる目的は、がん細胞が、乳房内にとどまらず、リンパや血流に乗って全身に広がっている危険性の程度を知るためです。生命の延長や、再発を抑える意味はあまりありません。リンパ節転移の個数が多い方は、がん細胞が全身に広がっている可能性が高く、将来再発する可能性が高いため、再発を予防する目的で術後に抗がん剤を用いた治療を行います。リンパ節に放射線治療を行っても、そこの部位の転移再発を抑える事はできますが、遠隔転移(肺、骨、肝臓など)の転移は抑える事はできません。その為に、抗がん剤を用いた全身の治療をして、再発の予防をはかります。
リンパ節転移が4個以上あると再発の危険性が高くなりますので、年齢がお若い事を考えると、化学療法(抗がん剤)による全身の治療をされた方が良いと思います。よく主治医の先生と相談なさって、今後の治療方針を決めて下さい。お大事に。(文責 宮本)

 

No.4926】 06年01月30日    S.J
マンモグラフィー

43歳、出産経験なしです。2年ほど前から乳がん専門医に半年毎に検診を受けています。現在のところ、両胸に数個ののう胞と、左胸に乳腺線維腺腫1センチ大があります。来月、1年に1回のマンモグラフィーを受ける予定ですが、この2ヶ月くらい乳腺が異常に張り、強い痛みを感じ、肩、脇の下、鎖骨下が、日に数回うづきます。お伺いしたいのは、指でころころと動く線維腺腫があり、また、生理前の痛みを伴った張りのある乳房の状態で、マンモグラフィーで強くはさむことは組織的に大丈夫なのでしょうか? 予約日が生理前のその最悪な状態と重なってしまうことから不安を感じています。また、検査日をずらすということは、2週間以上は予約が取れないので、最近の症状からして、やはり痛みを我慢しても検査を受けた方が良いのかどうか? 線維腺腫はつぶれたりはしないのですか? 宜しくお願いします。

マンモグラフィで線維腺腫が破裂することはありませんので安心してください。検査による痛みが強い場合は月経前を避けて検査するのが良いと思いますが、なかなか希望通りに検査日が巡ってくるとは限りませんので、通常は月経周期に関係なく検査を行っています。十分に圧迫して撮影できれば、月経前だからといって乳がんの発見率が下がることは無いので安心してください。(文責 千島)

 

No.4925】 06年01月30日    N 
肺転移

肺転移についておたずねいたします。肺に転移したら片肺におこることが多いのか? 影は一カ所だけか、多発性に現れるのか? 両肺におこることが多いのか? 画像に現れてくる特徴を教えて下さい。

乳がん手術後の肺のX線写真で両側多発性に腫瘤を認めた場合は、第一に乳がんの肺転移を疑います。ただし、片肺単発の場合もあり、このような場合は新しく出来た「肺がん」との鑑別が難しいため手術で切除することもあります。結局、乳がんの転移か否かの診断は、X線写真、CT、腫瘍マーカー等を総合的に判断して行います。(文責 千島)

 

No.4924】 06年01月30日    F.K.
16ヶ月の娘のしこり

16ヶ月の娘の右乳首のあたりに、直径1.5〜2センチくらいのしこりを3週間ほど前に見つけました。触っても痛がる様子もなく、左にはしこりはありません。ちなみに母乳は発見後1週間ほどでやめました。念のため専門医ではありませんが医者に見せ、エコーをするように言われました。しかし予約できる日が2,3週間後ということで、その医師は専門医に相談したところ、「この歳でエコーで検査するのはまれで、きっと乳腺のつまりか何かで、経過観察でいいだろう」と指示を受けたようです。しかしその指示をした医師は診察したわけでもないですし、なんだか不安で、ここへ相談させていただきました。考えられる病気は何か、他の医師のところへ行ったほうがいいかなど教えていただければ幸いです。

原因はあまり良く分かっていませんが、乳幼児で一時的に乳腺が腫大している状態と考えます。時々見かけることがありますが、通常は経過観察のみとしています。(文責 千島)

 

No.4923】 06年01月30日    H.T.
乳癌の診断について

先日検診にて乳癌と言われました。触診とマンモグラフィー、超音波エコーでした。しこりは2センチが一箇所と、小さいのが一箇所あると言われ、すぐに手術をしなければいけないとの事です。MRIを受けてきました。検査結果はまだですが、細胞診もマントーム生検も受ける指示がないのは癌であることがはっきりしているからでしょうか? セカンドオピニオンも気にしていますが、先生は早い方がいいというニュアンスでした。患者さんで違うところにかかっている間に広がっていたこともあったとおしゃっていました。生検もしないで手術するのは普通ですか?

基本的に、病理診断(細胞診か組織診)を無くして手術に臨むことはありません。画像はあくまで間接的な所見であり、「悪性のように見える良性疾患」という場合もしばしば認めます。おそらく、これから手術になるまでの間に何かしらの病理診断が行われるものと思います。もしくは、手術の最中に簡易組織診断を行って「がん」を診断するのかもしれません。次の診察のときに担当医に確認してみてください。1−2週間程度手術が遅くなっても急激に乳がんが悪化することはありませんので、診断過程に納得がいかない場合にはセカンドオピニオンへ行くのも一つの選択肢だと思います。(文責 千島)

 

No.4922】 06年01月30日    C.M.
HER-2陽性について

52歳です。この12月初めに乳房温存療法で9ミリの乳癌を切除し、現在、放射線治療を受けています。センチネルリンパ節生検でリンパ節転移がないことが確認され、ホルモン感受性も陽性 (ERとPgRとも)、悪性度は2?(主治医がもう一度病理の医師と確認して次回の外来の時に言ってくれる)でした。そして、HER-2(ハーツー)は3+で、染色の色がかなり濃かったということでした。それで、主治医は、ホルモン療法の前に抗がん剤治療(アンスラサイクリン系 のエピルビシン)を受けるように薦めました。私としては、できることなら抗がん剤治療を受けず、ホルモン治療だけで済まされないかと悩んでいます。2005年のザンクトガレンの国際会議で、初めて、再発、転移リスク分類の要因に加わったこのHER-2 陽性というのは、これ一つが加わっただけで化学療法を行なった方がいい程重要なリスク要因なのでしょうか? ハーセプチンは、現在のところ転移以外の場合には保険が適用されなくて、非常に高額ということなので、この治療のことは考えていません。52歳、腫瘍径9ミリ、リンパ節転移なし、ホルモン感受性が陽性の乳癌でも、主治医が薦める抗がん剤治療を考えた方がいいのでしょうか? 悩んでいますので、アドバイスをお願いします。

今までの臨床研究からHER2陽性でリンパ節転移が無かった乳がん患者さんは、HER2陰性でリンパ節転移が1−3個あった乳がん患者さんと同程度の再発率があると考えられています。そのため、2005年のザンクトガレンコンセンサス会議では中程度再発リスク群に分類されたと考えられます。提示されている病理所見から概算すると、これから先10年間での貴女の乳がん再発率は20%程度と考えられます。術後にホルモン剤治療のみを受けた場合は6.5%程度の再発予防効果が期待できます。主治医が推奨している抗がん剤(AC療法)治療を受けると、ホルモン剤療法のみの場合と比べて2.5%程度再発予防効果が上乗せになって9%程度まで上昇します。つまり再発率は約半分まで低下することになります。この抗がん剤の上乗せ効果(=2.5%)と、抗がん剤の副作用(脱毛・嘔気・高額医療費等)のバランスを考えて、治療を受けるか否かの選択をすれば良いと思います。医学的に考えると2.5%という数字は大きいと判断するため、担当の先生は貴女に化学療法を勧めているのだと思います。(文責 千島)

 

No.4921】 06年01月30日    Y 
健康補助食品の併用について

以前もお世話になり、有難うございます。昨年11月末に温存後、現在CEの抗がん剤治療中なのですが、この後、放射線とホルモン療法5年の予定です。副作用を軽減するために漢方薬と糖鎖に着目した健康補助食品を併用していますが、一般的にみてこの併用に問題はないのでしょうか? 放射線の時は併用してはいけない漢方成分があると聞いたのですが・・・。宜しくお願いします。  

漢方薬や健康食品(特に糖鎖・キノコ系)の中には、肝臓で代謝されるときに抗がん剤などの薬物と競合するものがあり、予想外の肝機能障害を起こすことも少なくありません。私の外来では、抗がん剤治療中に「未知の成分」を併用することは「原則禁止」でお願いしています。(文責 千島)

 

No.4920】 06年01月30日    K
治療後の妊娠について

私は現在32歳、既婚です。昨年5月で2年間のゾラの治療を終え、妊娠を希望ということもあり昨年9月でノルバテックスの中断をしました。そして今年1月に生理が戻りました。担当医は一度生理が戻れば薬もぬけ妊娠が可能とおっしゃいましたが、3年間薬を飲んできたということもあり、とても不安です。薬はどれだけで体から抜けるものなのでしょうか? また、担当医は「妊娠してから婦人科へ受診すればいいでしょう」との事ですが、今後どうしたらよいか、よろしくお願いいたします。

定期的にタモキシフェンを服用している場合、血中薬物濃度の半減期は20.6から33.8時間といわれています。しかし、タモキシフェンは血中と腸管の間で吸収と排泄を繰り返すため、完全に体内から消失するためには最低でも2週間以上はかかると考えられています。貴女の場合は服薬中止から4ヶ月以上経過しているので、現時点でタモキシフェンが妊娠に影響を与えることはないと思います。婦人科受診に関しては、一度検診を兼ねて「かかりつけ」を作っておくと良いと思います。(文責 千島)
 

 

No.4919】 06年01月30日    H.K.
化学療法による味覚障害?

エンドキサン、アドリアシンの投与を4回を受けた3日後に、突然味覚障害になってしまいました。2日間ほど舌がぱさぱさと乾燥したような違和感があり、塩分以外の味が全てわからなくなってしまいました。その後意外とすぐ回復し、完全ではないのですが、ほぼすべての味がわかるようになりましたが、これも抗癌剤による副作用なのでしょうか? 先日偶然テレビで、抗癌剤治療中の乳癌患者さんが副作用により味覚障害になってしまっている、と言っているのは見かけたのですが、本などで調べてもそのような副作用の事例は出ていません。つまりこれは珍しい症状ということなのでしょうか? あと2回抗癌剤投与を受けることになっていますが、味覚障害が悪化する可能性はあるのでしょうか? 又、これが副作用であるならば 化学治療後には回復するということなのでしょうか? そう願っているのですが、どういうことなのか教えてください。よろしくお願いします。

「味覚障害」は比較的頻度の高い副作用です。恐らくこれから先の2回でも出現すると思います。化学療法終了後には徐々に軽快してきます。(文責 千島)

 

No.4918】 06年01月30日    S.M
乳房の痛み(HPNo.4650-2)

先日質問させていただいたものです。 処方された漢方薬を年末で飲み終えて、12月末にマンモグラフィーを再度やりました。固くなっていた乳房がだいぶ軟らかくなっていて、マンモ画像上異常なしでした 。更に2週間後のほうがよくわかるとのことで、2週間後の1月17日にエコーをしました。 所見のあったしこりのようなものが、前は1p強あったのに、小さく半分以下?くらいになっていました。 念のため細胞診をしましたが、先生が「心配いらないから、結果は1ヶ月後にでも聞きにきて」とのことでした。3月には退職するので3月ではだめですか?といったら、今ダイエットをすすめられていて、その様子もみたいとのことで2月の半ばになりました。一時に比べて痛みは緩和してきております。生理前から生理中が一番強く痛みを感じ(生活に支障はありません)、他の時はたまに痛いくらいです。気になることなのですが、所見があったのが左側の乳房の脇側の上(乳頭から脇よりに斜め3〜4p上)だったのですが、左のブラジャーの下の部分があたるところがピリピリ痛みます。骨が痛いのかなと押してみたのですが、骨ではないようですし、皮膚にも変化がないです。しこりもないです。たまにある乳房の痛みのような感じもします。ブラジャーのワイヤー部分がきついものの時に強く感じます。ゆるいものの時は全く痛みがないわけではないですが、違和感?があります。乳腺症でもこの辺に痛みが出ることはあるのでしょうか? 先生にその胸を伝えたら、気にすることはないとのことでしたが、痛みがあると気になります。長々となりましたが、まだはっきりしてないので心配で質問しました 。

診察してくださった医師が経過観察で良いということなので、次回の診察まで経過観察していて良いと思います。(文責 千島)

 

No.4917】 06年01月30日    S.Y.
乳がん肝転移の肝機能改善について

母(65歳)についての質問です。乳がんステージ4で、現在肝臓の腫瘍が6センチとなっております。11月→12月の肝機能は、ALP(518→1408)、GPT(46→566)、GOT(74→66)、γGTP(59→363)となっているそうです。自覚症状は、倦怠感、身体のかゆみ、腹部のしこりです。黄疸は、まだ出ておりません。現在一人暮らしですが、倦怠感は一週間前くらいからひどくなり、歩くのも億劫な状態です。担当医は抗癌剤治療を進めておりますが、母は体力に自信が無いのと、副作用に対する恐怖から躊躇しております。肝臓だけを治療しても意味のない事は、この相談室を拝見しているので、承知しております。しかし、肝臓の腫瘍が致命的と見られることから、何か肝機能を上げる方法はないでしょうか? 担当医からは、ラジオ波、肝動注などは、乳がんの肝転移に関しては効果がないと言われました。母は、ガンが身体にあってもいいから、だるさをなんとかしたいそうです。肝庇護薬はどうでしょう?急がなければ、手遅れになりそうで心配です。肝機能を上げる方法がないか、お考えをお聞かせください。よろしくお願いいたします。

肝機能障害の原因が転移腫瘍のようなので、倦怠感を改善するのは難しいと思います。肝腫瘍を小さくするためには抗がん剤の投与が必要になるかと思います。今まで抗がん剤を使用していない場合は、高い確率で抗がん剤の効果が期待できると思います。最近は副作用を防ぐ薬もいろいろと開発されているので、比較的安全に抗がん剤の投与を行うことが出来るようになっています。全身状態が不良になると、逆に抗がん剤の副作用で命に関わるような状態になるといけないので、主治医と相談しながら適切な抗がん剤を選択していくようにしてください。(文責 千島)

 

No.4916】 06年01月30日    A.I.
乳首の皮膚の痒みについて

胸の痒さに悩んでいます。特に、乳首の周りが痒いのです。昼間はそうでもないのですが、特にお風呂上りなどに痒くなります。パジャマのせいかと思って変えてみても、特に変化はありません。乳首は、寝ている間に掻いているのか、皮が剥けてしまっています。お風呂に入ると、ふやけから皮が取れ、血がうっすらにじみ出ることも。これは、パジェット病や乳がんのような病気なのでしょうか。それとも皮膚炎なのでしょうか。たまにブラジャーに黄色い汁のようなものが、固まって2,3粒付いていることもあるのですが・・・。病気かとも思うのですが、そういえば、足や手にも湿疹が出てみたり、また、胸も左右が同じように起こるので、何かアレルギーや、ストレスかな・・・とも考えたり。ただ、あまりストレスを感じる環境にいないので、悩んでいます。ご意見、お聞かせください。

ホルモンのバランスや皮膚の乾燥などで、「乳頭が痒い」という女性は少なくありません。貴女もおっしゃるように、両側同時にパジェット病が発病する可能性は極めて低いと思います。経過観察をしても良くならないようならば、皮膚科の先生に相談してみてはいかがでしょうか。 (文責 千島)

 

No.4915】 06年01月30日    M.K.
パジェット病(乳房)

友達が、先日乳頭から汁が出て病院に検査に行った所、パジェット病と言われ、手術して乳房を取った方が良いと言われそうです。乳房を取らずに治療する事が出来ますでしょうか。

パジェット病は乳頭付近から出現する乳がんの特殊型です。乳頭付近に限局しているときは、乳頭・乳輪と周囲乳腺のみの部分切除を行うこともあります。ただし血性分泌物を伴っているような場合には、乳房内に広範な病変を伴っていることもあるので注意が必要です。この場合は乳房切除術(+乳房再建)ということになります。(文責 千島)

 

No.4914-1】 06年01月30日    N.O.
乳房のしこりと発赤について

私は現在40歳、未婚、出産経験なしの女性です。2004年冬、初めて乳房に激痛を覚え、両乳頭から血のような膿が出、特に右側がひどかったので病院に行って検査してもらったところ悪性の細胞はないと言われ、そのままにしました。その後針を刺したところが1ヶ所傷となって残りました。昨年12月両乳房に痛みを感じ病院に行ったところ、右の乳房を押さえたら血液交じりの膿が出て、左乳房には直径6センチの硬いしこりがあって乳房がパンパンに張った感じだったので、エコー検査をして針を刺してみました。膿が採取されたので乳腺膿瘍だろうということで、その場で左乳房を切開して膿を出したのですが、それから約1カ月、今また昨年末と同様に左乳房がパンパンにはって、しこりも大きくなって、更に乳房が真っ赤になって熱も持っています。かなりの痛みがあり、左わきの下を押さえてみると小さな真ん丸い感じのしこりがあり、押さえ方によっては位置が変わるような感じなのですが、これは果たしてなんの病気なのでしょうか? 乳癌ではないですか? ちなみに私は両方共に陥没乳頭で、陥没乳頭の人は乳腺炎にかかりやすいと聞いたことが有りますが・・・。

一般的に乳腺炎は再発を繰り返す事が多いといわれています。経過から推察すると、乳腺炎とそれに伴う脇の下のリンパ節腫大と考えます。炎症性乳がんの場合、細菌感染とは違うので、切開しても膿が出てくるようなことはありません。いずれにしても、症状が強いようなので、すぐに担当医に相談するようにしてください。(文責 千島)

 

No.4914-2】 06年02月15日    N.O.
炎症性乳癌について

先月29日、乳房が痛むので軽く押さえていたら膿が出てきました。このまま膿を出しきってしまおうと思い、ティッシュを傷口に当てて乳房を押さえていたら、まもなく膿から血に変わり、時折小さな血の塊のようなものも混じって出てきて、なかなか止まらず、翌早朝病院に行きました。エコー検査の結果、膿がたまっている様子はもう無く、炎症しかみえないということでした。念のため生検をうけ、この日から4日間抗生物質の点滴に通い、その後は投薬治療に変えました。今月6日生検の結果を聞きにいきましたら、乳腺穿刺はclass? リンパ節穿刺もclass?と言う結果で、乳房の発赤も腫れもだいぶ治まり、痛みもかなり和らぎました。しこりはやや小さくなった感じですが、相変わらず存在していたので、もう少し薬を飲み続けたほうが良いかもしれないということで、更に1週間薬を飲み続けました。しかしその後症状は少しも改善しませんでした。今日の診察では、あまり長期間抗生物質を服用することもできないので、投薬は打ち切り、様子を見ることに、ただ再度生検をすることになりました。そこで質問ですが、前回良性と言う結果が出ているのに、再度やって違う結果が出ることがあるのですか? また抗生物質を飲んでも改善しない炎症が炎症性乳癌である確率はどの位あるのでしょう? 最後に炎症性乳癌だった場合、一般的にどういう治療法があるのでしょうか?どうかお教えください。よろしくお願い致します。

炎症性乳癌は皮下のリンパ管に癌が浸潤し皮膚が発赤してくるもので、生検で見つからないことはないと思います。従って炎症性乳癌である確立はほとんどないと考えていいでしょう。しかし炎症性の腫瘤に乳癌が隠れていることは時々あります。再度生検を行うのは良いと思います。炎症性乳癌の治療は一般的に化学療法(抗がん剤)と放射線照射を行い、それから状況によって手術を行うといったところです。(文責 吉田)

 

No.4913】 06年01月30日    CE
転移性乳がん(肺転移)について その7 痛み他(HPNo.4454-7)

毎回、ありがとうございます。HPNo.4454でお答え頂いている者ですが、宜しくお願い致します。
1) 両方の腋の下辺りと、胸骨の上部(CT検査で白い影のあった部分)が常に痛みを感じます。ボルタレン錠とセルベックスカプセル(2005.12/12から)を毎食後一日3回服用していますが、ここ1〜2週間位効いていないみたいに、常にジンジンと痛むのですが、原因は何だと思われますか? 又、薬を変えるとすれば何という薬が良いと思われますか?
2) この痛みは、転移の進行が促進しているのでしょうか?
3) 前回の質問のお答えの中で、生理が「排卵を伴う通常の生理であるのか、不正性器出血であるのか」という事でしたが、排卵を伴う通常の生理で、2005.2月、6月、8月、11月にもありました。転移の発覚は9月で、アリミデックスはその時から服用していました。しかし12月の予約の時に11月に生理があった事をお話したら、ゾラデックスを打ってしばらく様子をみましょうと言われ、12月と1月に打ちました(2005.2月、6月、8月にあった事は以前にお話してありました)。その時点でアリミデックスを終了し、ゾラデックスのみです。今の私の状態で(肺に転移)ゾラデックスのみで大丈夫でしょうか? ゾラデックスは、術後に2年間やって2004年に終了しています。
4) 今回は、何回位ゾラデックスを打てば良いと思われますか?
5)  他の薬を併用しなくても、問題はないのでしょうか?

転移による痛みだとすれば、一般の痛み止めが効かない場合はモルヒネ製剤などの麻薬系鎮痛剤が必要になります。ただし、この相談室では診察も出来なければ実際の画像を見ることも出来ません。前回の回答にもありますが、「胸の中央、胸骨上部の白い部分」と言っても、それが骨なのか腫瘤なのか、ましてやCT写真が単純撮影なのか造影撮影なのかによっても画像が異なってきます。実際の画像を拝見できない現状では疼痛の原因にも言及できません。ここに記載されている多くの回答からもわかるように、転移乳がんの治療は多岐に及び、症例によっても治療法が大きく異なります。また、選択する治療法によって異なる副作用、症状が出現することもあり、なかなか一般論として話をするのは難しいのです。医師からの正確な情報(紹介状)ではなく、貴女からの不確かな所見や情報だけで治療法の助言を行うことは、貴女にとって不利益な治療につながるかもしれません。一番大切なことは、主治医とのコミュニケーションを十分に取りながら、貴女にとって最適な治療法を「皆」で選択していくことだと思います。「皆」という言葉には、貴女、主治医、家族、看護師など、治療に関わっている全ての人々が含まれます。まず貴女がすべきことは、ここで記載している事と同じ質問を主治医にしてみることです。そしてその答えが上手く理解できなければ家族や看護師に同席してもらい、自分が解りにくかったところを補足説明してもらってください。それでも納得がいかなければセカンドオピニオンを受けるのも良いと思います。この相談室で結論の出ないやり取りを繰り返しているよりは、目の前に座っている主治医との時間を大切にするようにしてください。
最後に一般的な助言をさせていただくと、もし夜眠れないとか不安が強くふさぎ込みがちであるというのなら、神経科の先生にカウンセリングを受けるのも良いと思います。このような状態で「不安」「抑うつ」になるのは決して珍しい事ではなく、貴女だけが特別というわけではありません。転移再発したがん患者さんの半分近くは、何かしらのカウンセリングを必要としているのです。(文責 千島)

 

No.4912】 06年01月28日    N.H.
硬がんについて

いつもこちらを拝見しております。最初の診断では非浸潤癌という画像診断でしたが、病理結果はゴマ粒状のものがリンパにくっついていた硬癌でした。最初の診断とあまりにも違いすぎて少し不信感が生まれてしまいました。結果、硬癌、リンパ転移(12/15)、脈管(−)、ホルモン感受性(−)、HER2(3+)という大変ショックな結果でした。
1) こんなにも最初の診断と違いすぎることは、あったりするものでしょうか。
2) 治療は抗がん剤治療(CEF4クール、タキソテール12回)で適当なのでしょうか。転移は、レントゲン上やエコーや血液検査ではないようだと言われましたが、最初の診断と違いすぎるので、だんだん本当に転移はないのか不安になってきました。これだけで他への転移はないといえるのでしょうか。術前、術後に骨シンチや肝臓CTなどはやっておりませんが、細かいところまでわからないのに、上記の抗がん剤治療に進んでよろしいのでしょうか。CEFが終わった時点で骨シンチや肝臓CTを撮るらしいのですが、治療が始まる前に調べてもらったほうがよろしいのでしょうか。
  
このような結果では5年生きられるか不安です。精神的に不安定になっております。ご意見をお聞かせいただけば幸いです。よろしくお願いいたします。

貴女の乳がんには浸潤部と非浸潤部が混在していたのだと思います。おそらく非浸潤癌部分の組織所見はコメドタイプ(もしくはそれに準じた高度異型タイプ)であったものと推察します。このタイプの非浸潤癌は、進展範囲が広くなるにしたがって1mm以下の微小浸潤部を作ってくることがあります。このような微小浸潤部は手術前の画像や針生検では発見するのは難しいと考えられています。また、しこり自体が大きい場合は、しこりの中に組織型の不均一性があり、術前診断と術後診断が異なる場合も少なくありません。医師に対する不信感をなくすためにも、術前診断の経過と術後病理所見との相違について主治医から説明していただくようにしてください。おそらく納得のいく説明を受けられると思います。そうすれば、治療にも前向きに臨めるのではないでしょうか。
そして気持ちが落ち着いたならば、「これから先にどのように治療していくか」について積極的に考えるようにしてください。まずは術後の化学療法ですが、一般的に再発リスクが高い乳がんの場合は、FEC(3週毎x6)、CEF(CAF)(4週間毎x6)、EC(3週毎x4)→タキサン(3週毎x4または1週毎x12)、FEC(3週毎x3)→タキサン(3週毎x3)などの化学療法を用います。この場合も治療の種類、回数、間隔だけではなく、各抗癌剤の投与量も重要な因子となってきます。ある程度は各施設でのオプションもありますが、CEFx4回+タキソテールx12回の点滴治療がオプションの範囲であるかどうかは賛否両論があると思います。やはりここで一番問題となってくるのが各抗癌剤の投与量だと考えます。もう一度主治医から説明を受けて、治療法に納得がいかない場合は、セカンドオピニオンを希望するという方法もあると思います。また、日本での使用は保険上問題があるのですが、HER2(3+)乳がんの場合は術後化学療法にハーセプチンを加えたほうが良いとの報告があるので、その辺についても主治医に相談してみてはいかがでしょうか。
貴女の場合、手術よりも術後治療のほうがはるかに重要な役割を担ってきます。これから先の治療を受けるにあたっては、焦って訳が分からないまま治療を開始するのではなく、1・2週間くらい治療開始が遅れても、自分が納得できる最適な治療選択するようにしてください。(文責 千島)

 

No.4911】 06年01月28日    E.U. 
左乳癌 (温存手術後、残存乳房再発)について

今回このサイトを拝見させていただき、運営されている皆様方に感謝しております。患者や家族にとって、少しでも前向きに病気と戦うために勇気を与えてくださる事に感謝いたします。御相談させていただきたくメールさせていただきます。
私の妻が1998年に乳癌となり温存手術をしました。その際は非浸潤癌で左乳腺部分切除術+腋リンパ節郭清術を施行しました。その時の病理診断は T=2.0×1.5cm non-invasive ductal carcinoma (tis), n0, ER(+)33 fmol/mg, PgP(+)370fmol/mg 乳腺切除断端にて、頭側断端に小さな乳管内病変を認めました。術後に本人の意思もあり、放射線療法は行っておりません。癌の種類も悪性度は強くないとのお話を頂きました。05年1月に微細石灰化を認め、残存乳房再発を疑い精査しましたが、確定診断にいたらず経過観察に。06年1月に左乳房硬結を自覚したため、core needle biopsy にてintraductal carcinoma と診断されました。病変の広がりから、左残存乳房切除となります。組織検査所見でもN/Cの増大した1相性を示す異型細胞が乳管内に増殖しており、間質への浸潤はなく前と同じく非浸潤癌で Malignacy (+) との診断です。先生からは前の取り残しの可能性が高いとの事でお聞きしています、病変の広がりもあり、乳房切除にて近く手術を予定しています。以上が現在までの状況です。( お聞きしたいのは以下の点です )

1)がん細胞の悪性度が、前回と同じである可能性が高いのか。
2)病変が広がっている点で、他への浸潤や転移の可能性が高いのか。
3)上記に記載内容から、全切除後での再発は高いのか。
4)ステージでは何期にあたりますか。
5)直ぐに手術した方が宜しいですか。

以上 お手数ですがよろしくお願いいたします。

非浸潤性乳管癌にも組織亜型と異型度分類があります。今回ご提示いただいた組織所見には記載がないので、前回の病変との比較は難しいと思います。前回の切除から8年目の再発であることを考えると、比較的おとなしいタイプの非浸潤癌が考えられると思います。ただし、非浸潤癌の範囲が広い場合は一部に浸潤巣を形成している場合があるので、切除した標本は綿密に検査しておく必要があると思います。もし、最終病理検査結果も非浸潤癌だけならば、病期は0(ゼロ)の早期乳がんとなるため再発転移の可能性は1%未満となります。(文責 千島)

 

No.4910】 06年01月28日    A、K
ホルモン療法の期間について

3年前、37歳のときに部分切除を受けました。StageIIAの診断で、術後は化学療法、残存乳房に対して放射線治療を受け、ホルモン療法はゾラデックス皮下注です。現在まで経過は良く、再発の兆候はみられません。ゾラデックスは標準的には2年間の投与でよいと言われましたが、無治療の状態になってしまうのがとても不安で、現在まで続けてもらっています。今後ゾラデックスを続けても、これ以上予後を向上させることはできないのでしょうか? 何か他に使ったほうが良いと思われる薬剤はありますか? 無治療になっても定期的に受診していれば大丈夫なのでしょうか。よろしくお願いいたします。

ゾラデックスの投与期間は2年から3年間が一般的です。それ以上の継続が直接乳がんの再発予防につながるかどうかは判っていません。ホルモン療法はゾラデックス単独よりもタモキシフェンを併用するほうが効果は高いと考えられていますが、少ないとはいえ子宮体癌の誘発などの副作用もあるので、乳がんの再発リスクと副作用のバランスを考えながら服用する必要があります。タモキシフェンを服用する場合は術後5年間が推奨されています。(文責 千島)

 

No.4909】 06年01月28日    R.M.
分泌物がまた現れるようになりました(HPNo.2193-5)

HPNo.2193でご相談申し上げた者です。どうか、またお願い致します。その後、血性分泌は止まっておりましたが、昨年11月26日、そして昨日1月24日には、はっきりとした分泌物により、下着にしみが出来ておりました。ベージュ色の下着のため定かではありませんが、今回は黄緑色?のような色でした。昨年12月2日に、人間ドッグにてマンモグラフィーを受診、【両側微細円形石灰化。カテゴリ2。散在性石灰化】とのことでした。円形とありますが、一部、素人目にもいびつな形のものが沢山ありました。先生のお話では、いびつなものも見られるけれど、前回(2004年9月受診)のマンモグラフィーとの比較で、集中の具合に変化が見られないため、今回の結論になったとのことでした。「@実姉が乳がんで亡くなったこと。A当初の分泌物が血性であったこと。Bそして、分泌のある右側にのみ、生理に関係のない痛みが当初から続いていること」から、改めまして、今出来る他の検査につきまして、ご相談申し上げる次第でございます。今回の人間ドックで腫瘍マーカーCEAが2.8だったため、CA19-9、シフラ、CA15-3の再検査となりましたが、ひとまず基準内とのことでした。万が一、しこりの触れない乳がんだった場合、現時点で判別する方法はございますでしょうか。乳腺症のため、全体的にしこりのような感じがします。何度もお聞きして申し訳ございませんが、MRIという検査は、どういう状態の時に受けるものなのでしょうか。どうかよろしくお願い申し上げます。

マンモグラフィ読影は非常に難しく素人目でいびつな形に見えても、認定資格を持っている医師が「微細円形」と言っているのならば、微細円形の石灰化だと思います。通常、散在性の微細円形石灰化はカテゴリー2で良性と判断します。現時点で行う検査は乳頭分泌物の細胞診、分泌物中のCEA値、乳管造影、乳管内視鏡、MRIなどがあると思います。出来るだけ体に優しい検査ということになれば、乳頭分泌物の細胞診、分泌物中のCEA値、MRIが良いと思います。(文責 千島)

 

No.4908】 06年01月28日    yuka
術前化学療法後の手術方法について

前にも質問させていただきましたが、55歳で、去年5月に浸潤性乳管癌と診断され、術前化学療法を特に目立った副作用もなく、1月20日に終えました(AC4クール+T4クール)。術前の生検にて、「HER2 3+、ホルモンレセプター両方陽性、原発の大きさ5cm、リンパ節転移は画像上見られない」という状態でした。現在はまだ評価待ちの状態なのですが、次に診察を受ける時はきっと手術のお話になると思います。私の癌は乳頭付近にあり、明らかに正常の側の乳頭より病側の乳頭は膨らんでいる感じがあります。化学療法を終えましたが、しこりは小さくはなったものの完全に消失したわけではありません。化学療法前からあった皮膚浸潤が少し色が薄くなったことと、5cmから1.5cm位に減少したという効果が見られています。そこで、化学療法前にも主治医の先生からお話はあったのですが、温存療法が可能であるとおっしゃっています。私のほうとしては再発をできるだけ避けたいので、むしろ全摘してほしいですし、乳首の大きさが違うのも、とても気にかかるところです。(それに乳房がなくなったところで私の生活の質はまったくかわりません)(先生はかなり温存に力を入れておられるようです)
そこで質問なのですが、
@ 私のような場合であっても、全摘と温存で、予後、再発の確率は全く変わらないのでしょうか?
A 無理して温存して、もしも局所再発した場合は、やはり予後は局所再発しない場合より悪いのでしょうか?
B 一般的に、1000人新患が来たときに何人再発するのでしょうか?(50%くらいですか?) また、それは手術法の選択の左右する結果でしょうか?
C 全摘すると必ず再建が必要なのでしょうか?

長々とすみません。差し迫って決断しなくてはいけないのに、相談する相手もおらず悩んでおります。どうぞよろしくお願いします。

術前化学療法後に温存手術を行った場合、通常の温存手術に比べて再発率は高くなるといわれています。文面から推察すると、貴女の乳房には皮膚変化が残っているようなので、その部分は手術で切除するほうが良いと思います。どの位の確率で再発するかは、どの程度安全域をとってがんを切除するかにもよりますので、一概に何%とは言えません。術前にMRIなどを用いて、十分に乳房内の遺残がんを検索してから術式選択をするようにしてください。乳房を切除するか温存するかは、主治医ではなく貴女の希望で決めることです。再発への不安が強いようならば、貴女の気持ちを主治医に相談して、もし納得が出来る説明をいただけるようならば、改めて温存手術を選択すれば良いと思います。仮に乳房切除術を受けても、無理に乳房再建をする必要はありません。これから先の貴女の人生で、もし「再建したほうが充実した生活を送れる」というのであれば、再建手術を受けるようにすれば良いと思いますし、「生活の質はまったくかわりません」というのであれば、再建手術は意味のないことだと思います。(文責 千島)

 

No.4907】 06年01月28日    N.K
腫瘍マーカー

現在34歳、未婚。乳がんが転移(肝臓、肋骨)し、毎週タキソール+ハーセプチンの治療をしています。昨年8月から開始して、今月(1月)腫瘍マーカーが上がってしまいました。先生は、「今度CTを撮って、異常があれば抗がん剤を変えてゆく」と言うのですが、タキソール+ハーセプチンがもう効かないということなのでしょうか? まだ半年しかしておらず、「タキソール+ハーセプチンの治療が現在では最有力である」という話しも聞いていたので、これが効かないということは危険なのでしょうか? 先ほど病院で聞いたばかりなので、焦って質問させていただいておりますが、ご意見をお聞かせ下さい。

腫瘍マーカーは採血時期によっても多少の変動があるので、自覚症状やCT所見と合わせて病状を判断したほうが良いと思います。仮にタキソール+ハーセプチン治療の効果が弱くなってきたとしても、ナベルビン、カペシタビンなどの抗癌剤もハーセプチンとの併用効果があるので、これらの薬剤を試してみてはいかがでしょうか。(文責 千島)

 

No.4906】 06年01月28日    S 
アリミデックスとアロマシンについて

2004年10月に左乳房摘出手術をし(リンパ節は3本とりました)、術後に抗がん剤治療を行い、昨年1月に終了、現在はホルモン療法を受けています。ホルモン剤はアリミデックスを毎日1錠服用しています。この薬の副作用として、骨粗しょう症の危険性もあるとのことなので、薬を飲む前に骨量の検査をしたところ、同年齢(60歳)での比較では多いほうとのことでした。しかし、昨年秋頃から、右腕が痛くなったり、右手親指がバネ指になり、1回は注射で治りましたが、又再発し、現在もその症状は続いています。そこで、昨年10月に再度同検査をしたところ、少し骨量は減少しているものの、治療の必要までにはなっていないということでした。ただ、私としては右腕が痛かったり、バネ指が慢性化した状態になっているのは、年齢のせいなのか、薬の副作用なのかわからず、不安です。
今年1月定期検診のときに、その旨、主治医に申し上げたところ、「では薬を変えてみようか」ということで、アロマシンを服用することになりました。質問ですが
@ ホルモン療法は治療なのか、予防なのか、どっちなんでしょう? どのホルモン剤にも何らかの副作用があり、通常の薬と違って、服用することで症状が軽くなるのとは違うため、何となく毒薬を飲んでるような気がしてしまいます。
A アリミデックスについて。この薬を服用していて具体的な違和感は感じていませんが、骨粗しょう症になったらどうしようという不安があります。この薬を服用しながら、骨粗しょう症の予防薬を飲むという方法は意味があるでしょうか?
B アロマシンについて。この薬の副作用として、高血圧、肝臓病、腎臓病などの危険があるようですが、そうでしょうか? 私は高血圧の持病があるため、この薬についても不安ですし、抜け毛、色素沈着なども言われており憂鬱です。

私としては、ホルモン剤は飲みたくないという気持ちと、飲まなくてはという気持ちとの葛藤です。もしAが可能ならば、アリミデックスの方がまだ良いかなと考えていますが、どのように考えたらよいか悩んでいます。よろしくお願いします。

文面から推察する限りでは、ホルモン剤は再発予防のために使用しているものだと思います。おそらく右手親指のバネ指や関節痛はアリミデックスによる副作用だと思います。アリミデックスとアロマシンは作用機序が非常に良く似ており、作用・副作用ともに同じ系列の薬に分類されています。骨粗鬆症の予防薬(ビスフォスフォネート製剤)を服用しながら継続することも可能ですが、関節痛などが続くようならば、作用機序の異なったタモキシフェン系のホルモン剤に変更することも一つの方法だと思います。(文責 千島)

 

No.4905】 06年01月28日    K.Y.
多発性脳転移の治療について

ネットで見て初めてメールします。妻32歳(子供2歳半・5歳)が、1年10ヶ月前に右乳房全摘及びリンパ節かくせい、予防の為3ヶ月抗がん剤治療、その後経過良く半年おきに定期健診。昨年末、血液検査でCEA上昇、前回2が6くらい、追加検査で胸部CTに薄い影、同病院で呼吸器受診しましたが、影からすると原発のおとなしいタイプに多い影とのこと。どっちにしろ癌の確立が高い為、今月20日に手術予定で入院、確定診断の為撮った頭部MRで多発性脳転移発覚!! 脳幹にも小さいのがあるため、急遽19日より20−25回で全能照射開始。25日より前回手術の結果からホルモンは−ですが、ハーセプ3+と分かり、ハーセプチン開始しました。以上経過です。ハーセプチンはタキサン系とあわせるといいとありますが、全脳照射と併用は可能ですか? その後経過によりますが、サイバー・ガンマナイフ系検討中で、あとできれば免疫療法などできないかと考えています。その他治療にご助言頂ければ幸いです。

残念ながらハーセプチンは脳転移巣に対しては無効と考えられています。脳転移に対しては転移巣が3cm以下で、数が少ないようならばガンマナイフやサイバーナイフなどの放射線的外科治療が良いと思います。ただし、現在既に全脳照射による放射線治療を行っているようなので、脳転移の数が多い場合は副作用の関係から適応が難しくなるかもしれません。肺転移に関してはハーセプチンが適応になると思いますが、現状からすればタキサン系との併用よりもハーセプチンの単独投与から開始するほうが良いと思います。(文責 千島)

 

No.4904】 06年01月28日    S.C
抗がん剤の選び方

お忙しいところ申し訳ありませんが、質問させていだたきます。1/10に左乳房温存手術とリンパ節郭清を行いました。50歳、閉経前です。病理の結果は、「・組織型:乳頭腺管癌主体で、硬性浸潤を伴います(Pap:Sci=3:2) ・大きさ:肉眼的(13mm大)顕微鏡的(21×13×15mm、そのうち浸潤巣は15×13×12mm) ・切除標本の額面所見:F(f) ・額面肉眼分類:中間型 ・WHO分類:Invasive ductal carcinoma ・脈管侵襲:ly(2)v(0) ・リンパ節転移:Level 1(1/6) ・核異型度:NSAS-BCで、Nuclear atypia:Score2、Mitosis:Score1ですので、Nuclear Gradeは1となります ・その他:とり切れています ・ER(+)PgR(+) ・HER2 0 」でした。主治医から、リンパ節に転移があるので、化学療法CEFを6クール、タキソールを毎週投与で12回、その後ホルモン治療というお話を伺いました。そこで、様々な書物や、こちらの掲示板、乳がん患者さんの治療報告などを読みましたが、抗がん剤の種類をどのように決定したらよいのか思い悩んでしまいました。CEFとECでは回数も違うし、タキソールもあわせて行わなければならないのか、疑問は増すばかりです。現在の私の病理からすると、主治医の選択は妥当なのでしょうか? 一般的に何を基本として抗がん剤の種類を選ぶのでしょうか? よろしくお願いいたします。

使う抗癌剤の投与量にもよりますが、CEFを6コース行った後にタキソール毎週12回を投与する方法は、あまり一般的な投与法とはいえないと思います。術後補助療法はあくまでも予防的化学療法なので、「予防効果と副作用」のバランスが重要となります。必要以上に投与する必要はないのですが、不十分な投与でも予防効果が減少してしまいます。一般的にはFEC(3週毎x6)、CEF(CAF)(4週間毎x6)、EC(3週毎x4)→タキサン(3週毎x4または1週毎x12)、FEC(3週毎x3)→タキサン(3週毎x3)などを用います。この場合も種類や回数、間隔だけではなく、各抗癌剤の投与量も重要な因子となってきます。ある程度は各施設でのオプションがあるので、もう一度主治医とよく相談してみるようにしてください。(文責 千島)

 

No.4903】 06年01月28日    ハナ
遠隔転移を疑ったほうがいいのでしょうか?

私の母のことなのですが、現在54歳です。40歳の時に乳癌になり、全摘しました。2年ほど薬を飲み、今まで再発もなく元気に過ごしていましたが、最近になって残された胸も乳癌になり、現在病院の空きベット待ちです。その間色々検査してもらい、しこりの大きさは1.2センチとのことで、リンパにはおそらく転移は無いだろうとのことですが、全身を調べてもらった結果、肺に影があると言われました。ただ小さく、お医者様もよくわからないみたいで、おそらく転移ではないと言っています。今後乳癌の治療をしながら、肺も注意して見ていくようなことになりました。母はあまり心配していないようなのですが、私のほうがどうも気になりメールしました。お聞きしたいのですが、やはりこの場合、遠隔転移を疑ったほうがいいのでしょうか? お忙しいと思いますが、よろしくお願いします。

大きさが1.2cmの乳がんで、はっきりとしたリンパ節転移がないのであれば、おそらく肺の病変は今回の乳がんとは関係ないと思います。主治医の言うとおり経過観察していけばよいのではないでしょうか。(文責 千島)

 

No.4902】 06年01月28日    H.Y.
ホルモン療法について(HPNo.4883-2)

No.4883の質問をさせていただいた者です。お忙しい中お答えいただき、ありがとうございます。主治医に問い合わせたところ、ノルバデックスの服用に直ちに変更になりました。しかし、後日ある書物に「ノルバデックスは、閉経前ではゾラデックスと併用すると効果的」ということが書いてありました。今回ノルバデックスのみの処方だったのですが、単独の服用でも十分といえる場合もあるのでしょうか。主治医にも聞いてみるつもりですが、先生のお考えもお教えいただきたいと思い、メールさせていただきました。よろしくお願いいたします。

貴女の年齢にもよりますが、50歳前後で閉経が近い年齢ならば、一度FSH、E2などのホルモン値を計測してみてはいかがでしょうか。その結果で卵巣機能が正常である場合は、乳癌診療ガイドライン(薬物療法編)でもゾラデックス(またはリュープリン)を併用することが推奨されています。(文責 千島)

 

No.4901】 06年01月28日    T
アリミデックスの副作用について

乳癌の治療の後、アリミデックスを服用しています。11月より2ヶ月半服用して、特に副作用もなかったのですが、一週間前より、急に今まで無かったおりものが出始めました。ホルモンの関係でそうなる場合もあるのでしょうか? 病院に行くべきでしょうか? おりものは白っぱいもので、かゆみはありませんが、量は多いです。宜しくお願いいたします。

二通りのことが考えられます。一つ目は卵巣機能の問題です。もし、ホルモン剤治療の前に抗癌剤治療を受けていて、その治療がきっかけで閉経しているようならば、卵巣機能が徐々に回復してきておりものが多くなった可能性があります。この場合はアリミデックスの効果が十分に発揮されない可能性があります。二つ目はホルモン剤の影響です。アリミデックスで体内の女性ホルモンが低下すると、膣が乾燥して雑菌が付きやすくなります。この場合は雑菌による感染症でおりものが多くなります。一度主治医に相談してみましょう。(文責 千島)

 

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