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相談室(No.6201〜6300)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

ご相談メールの投稿はこちらからお願いします。

なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

6300 07/02/01 M.T. ホルモン療法副作用について 浜口
6299 07/02/01 H.M. ホルモン剤と骨粗しょう症について 浜口
6298 07/02/01 KK 左胸のしこり 浜口
6297 07/02/01 PET−CTの結果について(HPNo.2650-8) 浜口
6296 07/02/01 I.B.  人間ドックで 浜口
6295-1
6295-2

6295-3
07/02/01
07/07/17
07/11/05
術中照射について
細胞診について
血液検査の結果について
浜口
加藤
清水
6294 07/02/01 N、T 病理の結果 浜口
6293 07/01/31 M  乳がん検査について 浜口
6292 07/01/31 YK 確定診断について 浜口
6291 07/01/31 K  ホルモン療法について(HPNo.6281-2) 浜口
6290 07/01/31 K  胸のしこりについて 浜口
6289-1
6289-2
07/01/30
07/02/01
K.T. 術後治療に関して
再発、転移に対する効果
徳田
浜口
6288 07/01/30 T.k ホルモン療法開始時期について 徳田
6287 07/01/30 B  再発率について(HPNo.6162-4) 徳田
6286 07/01/30 y.k この歳(17)で乳癌が有り得るのでしょうか? 徳田
6285 07/01/30 M.T.  乳管拡張といわれました 徳田
6284 07/01/30 TN ホルモン治療について 徳田
6283 07/01/29 手術の傷跡に出来たしこり 徳田
6282 07/01/29 T   非浸潤癌手術後の妊娠 徳田
6281-1
6281-2
07/01/29
07/01/31
K 術後の痛みについて
ホルモン療法について
徳田
浜口
6280 07/01/29 M・M ノルバデックスのリスクについて 徳田
6279 07/01/29 k m 肺転移後の治療選択について(HPNo.6098-5) 徳田
6278 07/01/28 S・A 授乳について 千島
6277 07/01/28 X   骨シンチで再検査 千島
6276 07/01/28 W   乳頭からの分泌について 千島
6275 07/01/28 T   ホルモン療法の開始時期について 千島
6274 07/01/28 N.S   乳がん検診 千島
6273 07/01/28 乳ガンの症状としての痛み 千島
6272 07/01/28 M  左乳房のしこり 千島
6271 07/01/28 S.O. 複数のしこりの手術について 千島
6270 07/01/28 H  若年性乳がんについて(HPNo.5607-3) 千島
6269 07/01/27 R.S.  首にあるころころしたものについて 徳田
6268 07/01/27 抗がん剤 徳田
6267 07/01/27 術後の生活について(HPNo.6162-3) 徳田
6266 07/01/27 H.K. 今後の治療について(2)(HPNo.6234-2)  徳田
6265 07/01/27 M.S. ノルバデックスと精神科系薬の併用について 徳田
6264-1
6264-2

6264-3
6264-4
07/01/27
07/03/01
07/04/01
07/08/16
Y.S.  バネ式針生検の結果待ちです
術前化学療法とセンチネルリンパ節生検法について
センチネルリンパ節生検とゾラについて
局所再発
徳田
吉田
加藤
6263 07/01/26 T  浸潤癌の可能性について 徳田
6262 07/01/26 M   投薬治療について 徳田
6261 07/01/26 K  乳がん転移予後について 徳田
6260 07/01/26 F   ハ-セプチンについて 徳田
6259 07/01/26 K.M.  抗癌剤治療の必要性 徳田
6258 07/01/26 m.k 細胞診の必要性と信頼度 徳田
6257 07/01/26 I.M.  術後の傷跡について 徳田
6256 07/01/26 Y 組織診による播種についてのご相談 徳田
6255 07/01/25 CK   DCIS 千島
6254 07/01/25 N  痛み止め 千島
6253-1
6253-2

6253-3
6253-4
07/01/25
07/03/26
07/04/14
07/11/04
R.F.  しこり(のう胞)についてのご相談
のう胞が腫瘍に姿を変える事はありますか?
良性のしこりがあり、経過観察状態です
エコーでの診断結果について
千島
片山
鈴木
清水
6252 07/01/25 C  副作用 千島
6251 07/01/25 M.T. 進行がんが骨に転移しました 千島
6250 07/01/25 Y.M.   ばね指の治療について 千島
6249 07/01/25 M.S 充実性乳腺 千島
6248 07/01/25 S子  ホルモンレセプター陰性のホルモン療法について 千島
6247 07/01/25 K  温存で大丈夫ですか? 千島
6246 07/01/25 M ホルモン療法 千島
6245 07/01/25 B   術後の治療について(HPNo.6162-2) 千島
6244 07/01/25 M.M 術後部位の腫れ(HPNo.6183-2) 千島
6243 07/01/25 M 細胞診が出来ない場所(HPNo.5911-2) 千島
6242 07/01/25 A.M.  前癌病変摘出後の治療について 千島
6241 07/01/25 M  薬剤アレルギー 千島
6240 07/01/25 N・K 非浸潤性乳癌と再発 千島
6239 07/01/25 のう胞 千島
6238 07/01/25 OC  病理結果と術後療法について 千島
6237 07/01/25 A、M リンパ浮腫について 千島
6236 07/01/25 M  術後の抗癌剤治療について 千島
6235 07/01/25 K   乳がんの再発について 徳田
6234-1
6234-2
07/01/25
06/01/27
H.K.  今後の治療について
今後の治療について(2)
徳田
徳田
6233 07/01/25 T.M. 良性腫瘍摘出後のしこりとエクボ症状について(HPNo.6048-3) 徳田
6232 07/01/25 M  術後の不妊治療について 徳田
6231 07/01/25 MM 肺転移後の治療について 徳田
6230 07/01/25 K  乳がん手術後の妊娠、授乳について 徳田
6229 07/01/23 S.N. 乳頭からの分泌液について 徳田
6228-1
6228-2
07/01/23
07/02/04
A.S 病理検査の聞き方
術後療法の選択について
徳田
浜口
6227 07/01/23 K   ホルモン療法について 徳田
6226 07/01/18 SS 非浸潤癌について 俵矢
6225 07/01/18 T  副作用 俵矢
6224 07/01/18 K  アリミデックスの副作用でしょうか?(HPNo.3338-2) 俵矢
6223 07/01/15 IY  ハーセプチンの術後補助療法について 俵矢
6222 07/01/15 K.K 針生検の必要性について 俵矢
6221 07/01/15 K.H 術後の乳房のしこり 俵矢
6220 07/01/15 貧血 俵矢
6219 07/01/15 T.K. 術後の治療について 俵矢
6218 07/01/15 O.S. 腫瘤が多発している場合に考えられる病名と診断方法について 俵矢
6217 07/01/13 M 術後の放射線治療 俵矢
6216 07/01/13 のんのん 乳癌術後の妊娠について 俵矢
6215 07/01/13 R.Y.  モントゴメリー腺について 俵矢
6214 07/01/13 M.T.  今後の治療について 俵矢
6213 07/01/13 S  ホルモン剤の治療について 俵矢
6212 07/01/11 M.I 術後療法について 俵矢
6211 07/01/11 I.A.  細胞診について 俵矢
6210-1
6210-2

6210-3
6210-4
6210-5
07/01/11
07/01/18
07/02/18
07/02/22
07/05/31
M  妻の乳癌治療について
妻の乳癌治療について(2)
妻の乳がん治療について(3)
妻の乳がん治療について(4)
妻の乳癌治療について(5)
俵矢
俵矢
川本
吉田
浜口
6209 07/01/11 M 術後補助療法について(2)(HPNo.6040-3) 鈴木
6208 07/01/11 Y.F.  局所再発について 鈴木
6207 07/01/11 K  腕のむくみについて 鈴木
6206 07/01/07 M・M 乳ガンの症状について 鈴木
6205 07/01/07 S.S  術後の治療について(HPNo.5144-3) 鈴木
6204 07/01/07 A  治療後の不妊 鈴木
6203 07/01/07 CM 骨シンチについて 鈴木
6202-1
6202-2
07/01/07
07/01/11
T  乳頭からの分泌物
乳頭からの分泌物(2)
鈴木
鈴木
6201 07/01/07 A  エコーでの異状について 鈴木

 

 

No.6300】  07年02月01日  M.T.   
ホルモン療法副作用について

昨年12月に乳房温存術を受け一週間前から今後5年間のタスオミンを服用しております。あと月一回のゾラデックスの注射を2年という治療方針です。が、最近目がかすみ、首から肩にかけて苦しいほどの圧迫感というかひどい肩こりで辛いのです。何か薬を飲んで変だと感じたら主治医に話すよう言われておりますが、この症状は薬の副作用によるものでしょうか? 我慢しなければいけないのでしょうか? なにぶん病院は遠方にあり、次回は2月末の受診です。悩んでいます。こちらの先生にお聞きしたくメールいたします。よろしくおねがいします。

女性ホルモンを抑える治療を行っていますので、最も多い副作用として更年期障害の様々な症状が出現します。更年期障害の症状で全て説明可能と考えますが、症状が悪化するようであれば受診したら宜しいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.6299】  07年02月01日  H.M. 
ホルモン剤と骨粗しょう症について

63歳、独身。1年半前「浸潤性乳管がん」で手術、抗がん剤(EC)、放射線(25回)を行い、現在ホルモン剤”アリミデックス”を服用して1年が経過しました。服用し始めて半年頃から、手のこわばりや関節痛を自覚しております。それと今とても心配なのは、1月24日の「骨密度検査」の測定結果は(骨密度:.589 、 若い人との比較値 57%、同年代比較した値 86%)でした。ホルモン治療を受ける1年前に検査を受けましたが、医師からの指摘はありませんでしたが、前回と比較すると、もともと平均値より下で、1年間で1割程度数値が下がっておりました。現在、骨粗しょう症の治療薬”ボナロン”を飲んでみてくださいとのことで28日分を処方され、朝一番に多めの水で服用しております。医師はホルモン剤を”ノルバデックス ・フェアストン”に変えることも考えられるとのことです。
この結果で、骨粗しょう症であれば、ホルモン剤を変更し、プラス骨粗しょう症の薬を服用すれば、ある程度緩和されるのか判りません。同時に服用したほうが良いのか、長期にわたるので、再発のリスクと年齢も考えて副作用の危険の方も心配です。よろしくお願いいたします。

骨密度が若年成人比70%以下の場合、骨粗鬆症の診断となります。アリミデックスはノルバデックスに比較し、乳癌再発予防効果が高いことはわかっていますが、また骨折等の骨関連合併症が多いのも事実です。術後抗癌剤治療を受けられているとのことですので、再発低リスクではないと考えますので、再発リスクを重視して、ボナロンやカルシウム製剤等を併用しつつアリミデックスを続行し、骨粗鬆症が更に進行するようであれば、やはりノルバデックス等への変更を考慮することになると考えます。(文責 浜口)

 

No.6298】  07年02月01日  KK
左胸のしこり

33歳既婚で未出産です。2ヶ月程前に左胸にしこりがあるのに初めて気づきました。ちょうど今月集団検診が予定されていたため、それを受けてきた所(触診のみです)、「おそらく良性の脂肪のかたまりでしょう」と診断されました。先生に「マンモグラフィによる検査を受けた方が良いですか」とお聞きしたところ、「念のためエコーをお奨めします」とのお返事でした。そこで乳腺外科のある病院の予約を取ろうとしたのですが、どこも非常に込み合っており、やっと3週間先に初診の予約を取ることができました。そこで、診察に先立って2点ほど質問をさせて頂けないでしょうか。
1)最初に気付いたときから既に3ヶ月以上たってしまいますが、もっと早く診てもらえる病院を探さなくて大丈夫でしょうか。
2)エコーの検査をすすめられたのですが、マンモグラフィによる検査は受けなくても大丈夫なのでしょうか。

他の方が既に質問されており、質問が重なってしまっていましたら申し訳ありません。検診を受けた際は「良性でしょう」と言われ安易に考えていたのですが、本頁のいくつかの質問も見させて頂き、触診にて良性だろうと言われても、詳細な検査をして見ると違う場合なども拝見し、心配になり質問させて頂きました。ご回答をどうぞ宜しくお願い致します。

1)良性の脂肪のかたまりを疑う腫瘤で、その後も変化が無い様であれば、3ヶ月後でも問題ないのではないでしょうか。
2)既に腫瘤が存在しており、精査目的であれば超音波検査でよいでしょう。(文責 浜口)

 

No.6297】  07年02月01日  K 
PET−CTの結果について(HPNo.2650-8

HPNo.2650で質問させていただいています。いつも適切なアドバイスありがとうございます。39才、閉経前です。H16.7に左乳房温存手術+センチネル生検をしました。H16.10に放射線療法(50グレイ)を行い、現在はホルモン治療(リュープリン+アリミデックス)をしています。腫瘍径25×8mm、リンパ節転移なし、ER(2+), PgR(2+), HER2(3+), Grade 2。現在、再発、転移なし。
8月にPET−CTを受けました。結果は、再発や転移を疑う集積は認められないということでした。ただ、「右肺下葉に多発性小嚢胞を認めます」という記載がありました。これは、今後右肺に転移する前兆ということなのでしょうか? 乳ガンとなにか関係があるのでしょうか?

乳癌とは特に関係ないのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.6296】  07年02月01日  I.B.
人間ドックで

人間ドックで乳腺症と診断されました(超音波検診)。経過観察とのことです。マンモグラフィは、まだしたことがありませんが、した方が良いでしょうか?

乳癌検診では40歳以上でマンモグラフィを撮影することが推奨されています。もしも40歳未満で特に症状がないのであれば必要ないのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.6295-1】  07年02月01日  K
術中照射について

2年前に、非浸潤性乳管癌のため温存術のみで、既に初回治療を終えております。先日、手術瘢痕からの穿刺吸引細胞診で再発が認められ、局所・全身の広がりの検査を待っているところです。今回の局所治療の選択に当たり、カンファレンスの折に主治医に希望として話してみようか迷っていることがあるため、ご相談させて頂きます。
初回治療では、全身療法については「非浸潤のため」必要がないとのことで行っていません。ただ、放射線照射につきましては、膠原病(シェーグレン症候群)があり副作用についての情報が非常に少なく大変迷いましたが、私の希望で行っておりません。放射線照射には外からだけではなく中からあてる術中照射というものが有ることを、最近になって知りました(癌の専門雑誌で)。この術中照射は短期に治療でき、膠原病患者としては表面的には通院に使う体力など体に負担が少なく、確実にたたけるならと、あこがれてしまいますが、実際には、外から照射と比較した場合、副作用について、一般の方のケースでもよろしいので、早期と特に晩期の副作用について、どういうものが有るか・出る時期・副作用への対処について、おわかりになる範囲でよろしいのでお教え下さい。再発や膠原病では適用にならないなどの情報もございましたら、併せてお教え下さい。初回では、「術側は左側でC領域、癌の大きさは6mm×7mm Tis N0 M0 Stage0 コメド型」でした。よろしくお願い致します。全摘は厭いません。

乳房温存術後の局所再発予防には、術後乳房照射を行うのが現在の世界の標準治療です。欧米で術中照射と術後照射の比較を行う臨床試験が行われていますが、現時点では観察期間が短く局所再発率などについて議論できる段階ではありません。日本国内でも臨床レベルで行っている施設は、私の知る限りはないのではないかと考えます。乳房温存手術は基本的には術後照射を前提にした治療ですので、照射を回避したいのであれば、乳房切除も考慮してよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.6295-2】  07年07月17日  K
細胞診について

今年2月に術中照射についてご回答頂いた者です。細胞診断ではClassXでしたが、手術(全摘)の結果は、癌細胞が見つからず細胞診の読み過ぎということでした。今後は半年後に乳房のエコーと、胸部のレントゲン・採血を行うことになっております。今回に関しては再発ではありませんでしたが、相変わらず反体側の乳癌の罹患には注意を払う必要は有ると認識しておりますが、今回のことがあり、反体側に癌の疑いがもたれ、細胞診を提案された時に、いきなり太針生検をお願いしたいと今から考えてしまっています。細胞診は必ず受けなければならないものですか? 検査の位置づけが良く理解できなくなってしまっています。なお、今回の細胞診の結果については、当時の主治医は、他の画像検査(全身のPET・乳房MRI(造影剤有り)と矛盾するとのことで、他の医療機関にも意見を求めてくださいましたこと(そちらでもClassXの結果を頂いたこと)、また、治療をかねてのくりぬき手術もご提案下さいましたが、初めのご相談の通り膠原病があるために、癌であった場合にその先の治療をどうするか悩み抜いた末に、自分自身で全摘手術を選択致しましたことを申し添えます。

病状によっては最初から細胞診ではなく、針生検を行う場合もありますので、お願いしても宜しいかと思います。(文責 加藤)

 

No.6295-3】  07年11月15日  K
血液検査の結果について

毎日、こちらのサイトで勉強をさせて頂いております。ありがとうございます。前回、今年7月に2度目のご相談をさせて頂きました者です(HPNo.6295)。先日、膠原病科での定期の診察の折、採血・採尿がございましたが、血液検査のデータの中で、CPKという検査項目の値が237有りました。これまでの採血の中ではせいぜい2桁止まりでしたが、いきなりこの数字が出ました(3桁は膠原病になって初めてです)。
質問は、乳癌の治療経過中(手術・放射線・薬物を問わず)CPKという検査項目が上がる事がある場合、どのような時に上昇することがあるか、一般的な話として教えてください。なお、抗体検査等一部の検査は外部に出して頂いているため、全ての評価を待ってるい状態で、膠原病で新しい動きがあったかどうか総合的な評価は今月末に伺うことになっていますが、それまでの間、自分の体の中で今何が起きつつあるのか、少しでも多くのことを知っておきたいために書き込みをさせて頂きました。先日の診察の中では最近激しい運動をしなかったか聞かれましたが、心当たりが全く無く、また、先生からは胸(心臓)に痛みがないか、盛んに問われました。(こちらも有りません。ただ、体のどこかをつかんだ時に痛みを感じたらすぐ教えて!!と言われています。)(先月中旬に術後6ヶ月の診察がありましたが、健側の超音波では膿胞が1個有る事を指摘されたのみで肺のレントゲンも異常はなく、採血(殊にCEA・CA15−3)は基準値の範囲内でした。)
ご多用中のところ大変恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

CPKは筋肉や心臓にある酵素で、異常値を示す場合、心筋梗塞などの心臓の病気や筋肉の病気が疑われます。基準値は上限は確か200だったと思うので、今回の検査値は若干基準値を超えたのみで、乳癌診療から見ると心配ないように思います。膠原病については筋肉にも影響ある場合があるので、そちらの方はなんとも言えません。(文責 清水)

 

No.6294】  07年02月01日  N、T
病理の結果

このサイトを知ってから毎日見て参考にさせていただいております。現在55歳です。私は47歳の時、平成11年3月に左乳がんで温存して放射線、ホルモン剤を6年した後、去年10月に局所再発で全摘しました。その時の病理結果で、初発の時は浸潤癌でしたが、リンパ節に転移がなかったこと、今回は乳管内に収まっていたこと(非浸潤と考えて)から、HER2(3+)でしたが、術後は何もしないでよいことになりました。今後は反対側の胸の癌のリスクが高いそうで、気になるのはもし右胸に新たにがんができた場合、今回と同じようにHER2(3+)になるのでしょうか。それとも毎回違うと考えてよいのでしょうか。HER2+はよくないと思うので、気になります。お忙しい中、いつも迅速なご解答には本当に頭が下がる思いです。よろしくお願いします。 

新たに乳癌が発生した場合には、HER2タンパクの発現は前回の乳癌と一致する訳ではありません。適切な治療を受けられており、あまり心配されないで宜しいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.6293】  07年01月31日  M 
乳がん検査について

30歳女性です。乳がん検査についてお伺いします。12月に乳がん検診を初めて受けたところ、左乳房にしこりが見つかりました。先生には、「おそらく良性だろうけど、しっかりした検査を」と言われました。その後別の医院で、今月マンモグラフィと超音波を受けたのですが 、「超音波でのしこりの形が卵を立てたような形で、悪性の場合に見られる形でもあります。詳しく調べましょう」と言われ、本日細胞を取る検査を受けました。結果はまだですが、今日の検査時に「しこりにはしっかり刺さりましたが、しこりが硬く細胞が取れませんでした。もしかしたら小さい細胞が取れているかもしれないので、これで検査してみましょう」と言われました。細胞が取れていなければ、当然次の胸を切ってしこりを取る検査をするようになりますが、今回のようなことは臨床ではよくあることなのでしょうか? 命が大切なのは十分分かっていますが、胸を切ること、その痕が残ることを軽く考えられているような気がします。セカンドオピニオンを受けたほうがよいのでしょうか? お返事宜しくおねがいします。

乳癌の診断をつけるためには顕微鏡による病理学的検査が不可欠です。乳房のしこりが見つかり乳癌の可能性があれば、マンモグラフィや超音波検査の他にしこりの一部を検査に提出する必要があります。体に負担の少ない方法から行っていくのが一般的で、まずは細い針で細胞を吸引して採取する細胞診を行い、それで診断困難な場合には少し太めの針生検を行い、それでも診断困難であれば手術で腫瘍を取り出します。細胞診のみで診断が困難なケースは臨床の現場ではしばしば遭遇し、特に硬癌などの硬い乳癌では細胞が取りにくいことがあり珍しいことではないと思います。乳腺外来はどこの病院でも混雑しているようであり説明が不十分になることもあるかも知れませんが、検査の方法は特に間違いないのではないでしょうか。まずは細胞診の結果を待ってから、納得いかなければセカンドオピニオンを考えたらどうでしょう。(文責 浜口)

 

No.6292】  07年01月31日  YK
確定診断について

14年前、28歳で左乳房の癌で全摘、その後2年ノルバデックスとUFTの内服をしていました。先日右乳房から血性の分泌液があり、(単孔)細胞診をしてもらいましたが、がん細胞は出ませんでした。触診ではしこりは触れず、昨夏のマンモグラフィの検診でも異常はありません。「MRIをしてみて、異常がなければ又半年後に分泌液の細胞診をしてみましょう」とのことでした。乳管造影検査をするなら別の病院にかからなければ出来ませんが、半年後ではなく、近いうちに行ったほうがよいでしょうか? 今回腫瘍マーカーなどの血液検査はしていません。分泌液は下着に着くほどではなく、絞ってにじむ程度が1週間ほど続いています。乳がん以外で血性の分泌液がでることもあるのでしょうか? 前の手術から時間もたっており、主治医も代わっています。がん細胞が出なかったからといって癌でないとも言い切れないようです。ご意見をお聞かせください。

乳頭血性分泌の原因としては乳腺症、乳腺炎、乳頭腫や乳癌などが考えられます。乳汁細胞診で乳癌が正しく診断できる可能性は30%程度との報告もありますので細胞診でがん細胞がでなくても癌が潜んでいる可能性は否定できません。血性分泌が続くようでしたら一度専門医を受診し乳汁中CEA検査、乳管造影などの検査を受けることをお勧めします。(文責 浜口)

 

No.6291】  07年01月31日  K
ホルモン療法について(HPNo.6281-2)

乳がん全摘手術後初めて外来診察を受け、ホルモン療法としてフェマーラ錠を処方されました。私は44歳で閉経前なのですが、帰宅して調べたところ、この薬は閉経後の人対象だとありましたが、問題ないのでしょうか? 医師に病理検査の結果を聞いても「早期だから大丈夫」といって詳しく説明してもらえません。リンパ節転移もないし、再発の心配も少ないから、定期健診と年に一度のPET検査をしたらいいといわれています。薬については2週間後の診察の時に聞いてみたほうがよいでしょうか? 飲んでも大丈夫ですか?

閉経前後の場合には採血で女性ホルモンレベルをチェックすることをお勧めしますが、ご指摘のようにフェマーラは閉経後乳癌が適応であり、ホルモンレベルで閉経前が明らかであればタモキシフェンやLHRHアゴニストがよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.6290】  07年01月31日  K 
胸のしこりについて

28歳、既婚、1歳の子供がいます。去年7月の健康診断で左胸にしこりが見つかり、超音波で調べてもらったところ良性の腫瘍とのことでした。そのときはあまり心配してはいなかったのですが、その後12月頃母乳に混ざって血液のようなものが出てきて、近くの病院で細胞診の検査と超音波の検査をしてもらいました。超音波では、やはり癌らしきものは見当たらず、細胞診の結果はclass2ということで、今のところ癌ではなく乳腺症ではないかとのことでしたが、また3ヵ月後に再度検査する様にとのことでした。そして今現在やはり母乳に混じって血液のようなものがでています。癌ではないのかと、とても心配です。良性の腫瘍が悪性になることもあるのでしょうか。また、このまま様子をみていてもよいのか、それとも専門の病院に受診したほうがいいのか、悩んでおります。いかがでしょうか。

乳頭血性分泌等の異常分泌を認めた場合、乳腺症や乳腺炎の他に乳頭腫や乳癌などが原因としてあげられます。検査法としましては細胞診の他、乳汁中の特殊なたんぱく質を調べる乳汁中CEA検査、乳管造影、乳管内視鏡などの検査が鑑別に有用ですが、最終的な診断は分泌乳管を切除し病理学的に検査しなければつきません。血性分泌が続くようでしたら一度専門外来受診をお勧めします。(文責 浜口)

 

No.6289-1】  07年01月30日  K.T.
術後治療に関して

40歳既婚、子供なしで、12月に右乳房円状部分切除術による温存手術をうけました。病理検査の結果、「充実腺管癌  ステージT、リンパ節転移なし (手術時センチネルリンパ節生検による)、ホルモン治療の有効性 ER(+)PgR(+)、HER2 0、癌の浸潤径 2センチ以下、脈管浸襲 軽度 、 核異型度 1、切除断片陰性」という結果がでました。
1) 放射腺のみの治療を行い、その後妊娠を試みるため、ホルモン治療、抗がん剤治療等おこなわなかった場合、どれぐらいのリスクがあがりますか?
2) 主治医は、脈管侵襲が軽度ではあるがあったため、化学療法(CAF)の話もされましたが、この病理検査の結果からそこまでする必要があるのでしょうか?
3) ホルモン治療は通常5年とのことですが、3年でも効果がありますか?

ご解答よろしくお願いします。

1)10年の再発率は、20%程度です。
2)化学療法により再発率は半分になります。
3)タモキシフェンであれば3年でも効果はありますが、5年に比して効果は下がります。(文責 徳田) 

 

No.6289-2】  07年02月01日  K.T.
再発、転移に対する効果

先日は迅速な回答ありがとうざいました。HPNo.6289で一度質問させていただいたのですが、私の病理結果は「充実腺管癌、ステージT、リンパ節転移なし、ホルモン治療の有効性ER(+)PgR(+)、HER2 0、癌の浸潤径2センチ以下、脈管侵襲 軽度、核異型度1、切除断片陰性」です。放射線治療とホルモン治療をおこなうことで、再発、転移阻止に効果がありますか?(化学療法をしなくても) 何度も申し訳ありません。よろしくお願いします。

ホルモン感受性早期乳癌に対するタモキシフェン5年間投与により、再発リスクは47%、死亡リスクは26%軽減する効果が期待できます。(文責 浜口)

 

No.6288】  07年01月30日  T.k
ホルモン療法開始時期について

昨年4月に温存術、6月〜8月にかけて放射線療法を受けました、現在45歳です。ホルモン感受性あり(70%)、HER2 +です。グレード1で術後補助療法は選択しませんでした。しかし、最近になってタモキシフェンだけでも服用しようかと思うようになっています。そこでお伺いしたいのですが、今からでは時期が遅いのでしょうか? 主治医からは、「無治療でも再発リスクは低いので、自分で選択すればよい」と言われて、あまり積極的にホルモン療法をすることを考えませんでした。アドバイスをよろしくお願いします。

タモキシフェンの開始時期が術後9ヶ月でもよいかとの質問ですが、はっきりしたデータはないと思います。副作用との兼ね合いですが、もともと副作用の少ない薬剤ですので、服用しないより、メリットがあると思います。(文責 徳田) 

 

No.6287】  07年01月30日  B 
再発率について(HPNo.6162-4)

迅速なご回答ありがとうございました。42才、閉経前で未婚、妊娠出産経験はありません。昨年10月に1.5cmの浸潤性乳管癌を部分切除で摘出しました。病理検査の結果、センチネルでリンパ節転移0/7でホルモン感受性+、断端−、HER2−、1.5cmのうちの1.0cmがgrade3でした。脈管侵襲は明らかでないとのことです。術後に放射線を25回(50d)を受けました。現在ゾラデックス2年+タモキシフェン5年を開始しました。私の再発率は、乳房内再発と遠隔転移それぞれどれくらいを覚悟すればよろしいでしょうか。本当は一番先に伺いたかったのですが、勇気が出なかったのです。お忙しいことと存じますがよろしくお願いいたします。

乳房内再発は、2-3%、10年の遠隔転移再発は、12,3%と思います。(文責 徳田) 

 

No.6286】  07年01月30日  y.k
この歳(17)で乳癌が有り得るのでしょうか?

大変初歩的な質問で失礼かもしれませんが、お答えして頂きたくメール致しました。自分は高校生なのですが、重い鞄をかけてるからか、右肩に違和感ができ、それが最近胸の痛みになりつつあります。最初は疲れかな、と気にもしなかったのですが、寝る時に胸をおさえていないと寝れず、いつも胸の不快感を感じるように…。たまにしこりのようなものも感じます。若年層からも乳癌は起こりえると聞いていますが、まさか自分が となかなか相談できず、困っています。この歳(17)で乳癌が有り得るのでしょうか? もしよろしければですが、教えて頂けると幸いです。

20歳未満の乳癌患者さんは、きわめてまれです。(文責 徳田) 

 

No.6285】  07年01月30日  M.T. 
乳管拡張といわれました

お忙しいところ恐れ入ります。2週間前の検診にて、「乳管拡張の疑いがある。6ヵ月後の経過観察が必要」とのことでした。診察を受けた方がいいのでしょうか? また受けるなら、やはり外科でしょうか?

主治医の指示のとおりにすべきと思います。受診するのであれば、乳腺専門医をおすすめします。(文責 徳田) 

 

No.6284】  07年01月30日  TN 
ホルモン治療について

手術後の治療で「@ゾラデックス2年の後、ノルバデックス5年か、Aゾラデックス2年とノルバデックス5年の併用にするか、2種類あるがどちらにしますか?」と、主治医から選択するように言われました。@とAの場合、副作用、再発率等どう違いますか。また、どちらの治療法がよいでしょうか?

併用が標準的で、順次投与は、あまり行いません。(文責 徳田) 

 

No.6283】  07年01月29日  T
手術の傷跡に出来たしこり

左乳がん(粘液ガン)にて昨年9月27日温存手術とセンチネルリンパ節生検、その後放射線50グレイ照射、現在ホルモン療法中です。1月18日に乳房の手術キズあとにしこりを発見、超音波検査を受けました。主治医曰く、大きさは9ミリ、これは水が溜まったものと思う、水でいいでしょう。また来月見せてください、との事。取り敢えず安心はしましたが、やはり不安な気持ちは完全にはぬぐえません。ご多忙のところ恐縮ですが、以下の質問にご回答お願いいたします。
1) しこりがガンではないと100%合理的に否定したいのですが、そのためには超音波以外に検査を受ける必要がありますか。それはどんな検査でしょうか。
2) キズあとに水が溜まる事はあるものだと聞いた事があるのですが、よくある事なのでしょうか。
3) このしこりは、進行の早い乳がんが再発した等の心配はないでしょうか?

1) 超音波で液体のたまったのう胞であれば、それだけで十分と考えますが、不安があるのであれば、針を刺して吸引細胞診を行えば良いと思います。
2) よくあります。
3) のう胞であれば再発ではありません。(文責 徳田) 

 

No.6282】  07年01月29日  T 
非浸潤癌手術後の妊娠

24歳でシコリを発見し、診断からすぐに温存手術を受けました。3cmの非浸潤癌、リンパ転移なしで、放射線を受けました。ホルモン治療は副作用がきつく、今は定期的に診察のみです。ホルモン治療をストッップしてから半年になりますが、まだ生理はきません。以前、手術前まで不妊治療を行っていました。年齢的に若いので再発の可能性が高いと言われました。妊娠を望んでいるのですが、自然妊娠が難しいので、また婦人科に行こうと思っています。排卵誘発剤などは、癌再発に影響するのでしょうか?

ホルモンの大きな変動のある妊娠ですが、乳がんの予後に影響与えないとされています。非浸潤癌であればなおさらです。したがって、排卵誘発剤についても同じです。さらに、最近では、女性ホルモンをあまり増加させない方法も開発されています。(文責 徳田)  

 

No.6281-1】  07年01月29日  K
術後の痛みについて

2週間前に乳房全摘とリンパ節郭清手術をうけたのですが、上腕の内側や腋の下、腕の付け根の背中側が服にすれて、ひりひりしてかなり不快です。これは異常ではないのでしょうか? 麻痺した感じより、ひりひり感の方がつらいです。どれ位したら落ち着きますか? 何もしなければ痛みはありません。

手術操作の影響です。6ヶ月から1年程度で落ち着きます。(文責 徳田)                           

 

No.6281-2】  07年01月31日  K
ホルモン療法について

乳がん全摘手術後初めて外来診察を受け、ホルモン療法としてフェマーラ錠を処方されました。私は44歳で閉経前なのですが、帰宅して調べたところ、この薬は閉経後の人対象だとありましたが、問題ないのでしょうか? 医師に病理検査の結果を聞いても「早期だから大丈夫」といって詳しく説明してもらえません。リンパ節転移もないし、再発の心配も少ないから、定期健診と年に一度のPET検査をしたらいいといわれています。薬については2週間後の診察の時に聞いてみたほうがよいでしょうか? 飲んでも大丈夫ですか?

閉経前後の場合には採血で女性ホルモンレベルをチェックすることをお勧めしますが、ご指摘のようにフェマーラは閉経後乳癌が適応であり、ホルモンレベルで閉経前が明らかであればタモキシフェンやLHRHアゴニストがよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.6280】  07年01月29日  M・M
ノルバデックスのリスクについて

現在41歳。2005年12月に左全摘出をし、ノルバデックス・リュープリンで治療中です。先日術後1年の検査で、血液検査、胸部X線・マンモグラフィー共に異常なしで、一安心致しました。しかし、婦人科検診も受けるように勧められ、受診したところ、エコーで子宮内膜に異常が診られ、そのまま内膜を一部掻爬して検査しましたが、「一応悪いものは出ませんでしたが、検体が小さすぎたので3ヶ月ごとに検査をしていきましょう」と言われました。3ヶ月ごとに検査をしなければならないほど癌を疑われているのか、今後癌になる可能性が高いのか・・・不安で仕方ありませんし、乳癌の再発と同時に子宮体癌の心配もしていくのかと思うと、とても落ち込みます。
本やインターネットで調べると、ノルバデックスによるリスクには、数値にばらつきがあって、どれを信じてよいのかわかりません。婦人科の医師には「ノルバデックスは続けないといけませんよ」と言われましたが、両方のリスクを考えると、今のままのホルモン治療を続けていていいのか不安です。ご意見をよろしくお願いいたします。

ノルバデックスによる子宮体癌の増加は報告されていますが、そのリスクより、乳癌の再発防止のメリットの方がはるかに大きいので、標準的に使用されています。(文責 徳田)                           

 

No.6279】  07年01月29日  k m
肺転移後の治療選択について(HPNo.6098-5)

何の治療をするか迷った末、ハーセプチン単独投与を選び、12月25日から毎週投与をしています。今週ハーセプチン投与から1ヶ月で胸部レントゲンを撮り、この一ヶ月では、縮小も進展もしていない状況です。下記について教えてください。
1) ハーセプチンの効果を1ヶ月で判断するのは早いでしょうか?
2) 進展してないということは、効果ありと考えて良いでしょうか?
3) ハーセプチンで縮小や消滅は望めるでしょうか?

以下、ハーセプチンで効果が無いとなった場合の次の治療について
4) ナベルビンとタキサン系抗がん剤を比較すると、ナベルビンのほうが副作用が軽いとどこかで聞いたのですが、本当でしょうか?
5) 原則的にナベルビンは、アントラサイクリン系とタキサン系の薬剤を使用したあとに使うことになっているとのことですが、なぜでしょうか?
6) 副作用が軽いのであるならば、ナベルビンから使用したいのですが、希望すれば行えるのでしょうか?
7) まだ無症状なので、ホルモン療法(ゾラデックス+アロマターゼ阻害剤)でも効果が見込めるでしょうか?

よろしくお願い致します。

1) 効果は2ヶ月みればわかるという報告がありますが、変化がないのであれば変更する必要はありません。
2) 悪化していなければ、副作用が問題なければ継続すべきです。
3) HER3+の最初の治療では、患者さんの35%程度で腫瘍の大きさが半分以下に縮小するとの報告があります。
4) 副作用にもいろいろあり、薬剤により異なります。また、患者さんにより反応も異なり、一概に軽いとか重いとかいえません。
5) アントラサイクリンとタキサンの治療後の患者さんを対象に試験が行われ承認されたからです。したがって、はじめに使った場合のデータは乏しいのです。
6) 健康保険の適応外となりますので、主治医に相談してください。
7) ホルモン受容体が陽性であれば、効果は期待できます。(文責 徳田)

 

No.6278】  07年01月28日  S・A
授乳について

現在5歳と生後7ヶ月の子供がいる31歳主婦です。14日に左胸(腋の下に近い部分)に7p程のしこりがあるのに気づきました。 しこりは大きく、触れると痛みます。乳頭の陥没や茶褐色の乳汁は無しです。10月初め頃から違和感はあったのですが、現在生後7ヶ月の赤ちゃんの授乳期間中ということもあり、お乳でおっぱいが張ってしこりになっているものだと思い込んでいました。しかし授乳後もそのしこりは消えません(現在まだ生理はありません)。
10月以前はあまり気にならなかったので、ここ何週間かでこんなに大きなしこりができたのでしょうか? 乳癌でしょうか? 25日にKクリニックに検査予約をしていますが、あと10日間もあるので、その間にしこりがどんどん大きくなるんじゃないかと、とても不安です。悪性か良性か・・・どちらにしても 「赤ちゃんへの授乳は止めたほうがいいでしょうか?」(15年4月にマンモグラフィー・超音波検査をしており、左右どちらか忘れてしまったのですが、その時は石灰化がありました。)

1) 25日の検査日まで待っていてもしこりが大きくなったり、悪化したりしないか?
2) 良性か悪性かどちらにしても授乳をし続けていても赤ちゃんに害はないのか? 赤ちゃんへの授乳は止めたほうがいいでしょうか?
3) 上記からの文面では判断できないとは思いますが、何の病気だと思われますか?

お忙しいとは思いますが、何卒よろしくお願いいたします。

メールの日付が2005年10月15日になっていますが・・・。
いずれにしても、10日間の間で病状が急激に悪化する事はないので心配いらないと思います。血性分泌などを認めず、通常の母乳が出ているようならば授乳は続けても良いと思います。「硬くしこった感じ」や「圧痛」は、授乳に関係したものの可能性が高いと思います。25日の検査を必ず受けるようにしてください。(文責 千島)

 

No.6277】  07年01月28日  X  
骨シンチで再検査

母の体の事で相談お願いします。今54歳で、48歳の時に乳ガンの手術をしています。悪性度は分かりませんが、ステージ1で、全摘ではなく腫瘍を切除し、リンパの転移はなかったのですが、一応リンパも何個か取ったようです。術後も放射線を1年半か2年くらいあてていますが、体に負担が大きかったので、3年の予定のところ、残りは薬を飲む事になりました。定期検診を続けていたのですが、今回の骨シンチで腰のところが一部黒くなりました。肋骨も一カ所黒いです。MRIの予約を入れたのですが、心配でたまりません。一年前の骨シンチでは異常なしです。今回もお腹のエコーや肺レントゲン、腫瘍マーカーは異常なしでした。ただ、腫瘍マーカーには反映されない事もあると先生はおっしゃっています。母はひどい鬱病で、ふだんからほとんど布団の上で寝ています。だから「腰が弱っているのかな?」とも思いたいとこなのですが・・・。本人はもう真っ青で、今まで以上に起きていられなくなりました。初期でも転移の可能性は高いのですか? あと、黒くなっている事に関して転移以外に考えられる事は何でしょうか? 不安でいっぱいです。教えて下さい。

加齢変化などで骨転移がない場合でも、骨シンチで陽性所見を認めることがあります。全身に多数の陽性所見を認める場合は明らかに転移と考えますが、腰椎や肋骨に1〜2ヶ所程度の場合は偽陽性の場合もあるので、確定診断にはMRIを行います。現時点では心配しすぎないほうが良いと思います。あと、現在の状況を神経科の先生に相談して、うつ病のケアを十分に受けるようにしてください。あなたのお母様の場合、乳癌よりもむしろうつ病のほうが重症だと思います。(文責 千島)

 

No.6276】  07年01月28日  W 
乳頭からの分泌について

去年胸のしこりが気になってマンモグラフィをうけ、線維腺腫と言われました。20歳と22歳で出産し、今は25歳です。母乳終了から、たまにですが少し乳頭を絞ると母乳のような分泌があります。検査当時は気にしていなかったので医師にも聞かなかったのですが、色々調べていたら異常なのかなと心配になりました。検査を受けて線維腺腫と診断されているので、この分泌は気にしなくていいのでしょうか?

授乳後も数年間にわたって、乳頭から白色の分泌物が続くことは少なくありません。線維腺腫と分泌物も無関係だと思います。基本的に「両側乳頭からでる白色の分泌物」は、乳癌と関係ないので経過観察でよいと思います。(文責 千島)

 

No.6275】  07年01月28日  T 
ホルモン療法の開始時期について

昨年4月に温存術、6月〜8月にかけて放射線療法を受けました、現在45歳です。ホルモン感受性あり(70%)、HER2 +です。グレード1で、術後補助療法は選択しませんでした。しかし、最近になってタモキシフェンだけでも服用しようかと思うようになっています。そこでお伺いしたいのですが、今からでは時期が遅いのでしょうか? 主治医からは、「無治療でも再発リスクは低いので、自分で選択すればよい」と言われて、あまり積極的にホルモン療法をすることを考えませんでした。アドバイスをよろしくお願いします。

腫瘍の大きさ、リンパ節転移の有無によっても状況が異なると思います。HER2が陽性なのも少し気になります。一般的には術後できるだけ早い時期に補助療法を開始するのが望ましいのは確かです。しかし、ホルモン療法に関しては、しばらく時間が経ってから開始しても効果がある可能性が示されています。ホルモン剤を追加することでどの程度再発予防効果があるのか、もう一度主治医と相談してみてはいかがでしょうか。(文責 千島)

 

No.6274】  07年01月28日  N.S 
乳がん検診

40歳・子供3人です。毎年12月前後に職場の乳がん検診(触診・マンモ)を受けて4年くらいになります。今回職場の検診を申し込み忘れ、ちょうど40歳になったため市の指定医に検診を受けたところ、触診で左胸に5.5×5センチのしこりがあると指摘され、良性とも・悪性とも言われませんでした。毎月自分でも検診をしていますが、コロコロとしたしこりはなく、脇と胸の間の奥のほうに塊があるように感じます。自分ではこれがしこりとは分かりませんでしたし、3年半前に左胸に違和感を感じ、乳腺専門医に検診を受けたところ、「しこりはないよ」という回答でした。生理前には腋の下が張って痛みを感じることがよくあります。妊娠中には副乳が両腋に4〜5個できたりもしました。マンモグラフィーの結果は市の検診のため1ヶ月かかるので「結果は1ヵ月後」と言われ、はっきりした回答は得られませんでした。癌の可能性はあるのでしょうか? 5×5.5センチで悪性であれば明らかに進行がんだと思われます。今まで毎年検診を受けていたのに見逃されていたとすれば、乳がん検診に疑問を感じたりもします。また、結果をまたずに早急に専門医に受診したほうがいいでしょうか? お忙しいとは思いますが、よろしく回答お願いしたします。

触診で「しこりがありますね」という表現をよく耳にしますが、「しこり」の意味には「乳腺全体を硬く触れる(乳腺症)」という場合もあれば、「クリッとした腫瘤を触れる(良性)」という場合もありますし、「不整な硬い腫瘍(乳癌)」を意味することもあります。つまり「しこり」という言葉は正式な医学用語ではないので、触診する医師によって用い方が異なっています。触診で「乳癌によるしこり」を疑う場合は、マンモグラフィを撮らずにその場で医療機関を紹介することになるので、貴女の場合も「乳癌以外のしこり」の可能性が高いのだと思います。心配ならば早めに指定医の先生に問い合わせてみてください。(文責 千島)

 

No.6273】  07年01月28日  M
乳ガンの症状としての痛み

58歳です。昨年の7月にエコーで乳ガン検診を行い、異常なしでしたが、3ヶ月ほど前から右乳房下あたりに鈍痛を感じるようになり、また右脇下も時々チクチク痛むようになりました。脇の下は腫れて、はいなく押さえても痛みはありません。右乳房下の痛みは凝ったような痛みで、体を動かしたりした時に感じます。心配で乳房にしこりがないか何度も触ってみるのですが、特にしこりはないようです。しこりはなくても乳ガンの症状として痛みがある場合もあるのでしょうか。乳ガンの症状としての痛みがあるとしたら、どのような痛みでしょうか。よろしくお願いします。

乳癌が発見されるきっかけの90%以上は「しこり」によるものです。「痛み」がきっかけとなって乳癌が発見されるのは、全乳癌患者さんの3%程度です。大きな乳癌は痛みを出すこともありますが、超音波で見えないような乳癌ならば痛むことはほとんどありません。また、仮に乳癌があっても脇の下から肩、背中に痛みが放散することはありません。もし、乳房痛が気になるようならば、一度マンモグラフィによる検診も受けておくことをお勧めします。(文責 千島)

 

No.6272】  07年01月28日  M 
左乳房のしこり

10ヶ月の子がいて授乳中です。その子を妊娠中の時に、左乳房の乳首の下、乳輪のところにしこりを見つけました。すぐに病院に行き、注射で組織検査をしましたが、がん細胞は見つかりませんでした。その3ヵ月後にもう一度病院に行ったのですが、胸が臨月前ということもあり、しこりがわかりにくかったようで、「授乳後に来てください」とのことでした。出産後7ヶ月を過ぎたころ、左胸のしこりが痛くなり、また病院に行きました。マンモはできなかったのですが、エコーではしこりは前の時と大きさも変わっていなかったので、また授乳が終わったら来て下さいとのことでした。今のところ生理はないのですが、1ヶ月に1,2回数日間、授乳をするとしこりが痛く感じます。おっぱいがたまっていると、そこの部分を触ると痛さを少し感じます。おっぱいを飲ませると痛さはなくなるのですが・・・。近くの病院には乳腺を専門にやっている病院がないので、外科の先生ではその痛みが何であるかわからないようです。もっと検査をしたほうがよいのか教えてください。宜しくお願いします。

授乳に伴う痛みの変化は、乳癌の症状と関係ないので心配する必要はありません。あなたの場合、腫瘤は増大傾向を認めず、細胞診でも悪性細胞は認めなかったようなので、経過観察でよいと思います。(文責 千島)

 

No.6271】  07年01月28日  S.O.  
複数のしこりの手術について

昨年秋、会社の成人病検診の超音波で、乳房のしこりについて再検査を勧められました。再度超音波を受けたところ、やはりのう胞とは違う細胞のしこりがあり、「多分線維腺腫か乳腺症では」とのことで、病院を紹介され、次のような再々検査を受けました。
1)超音波・マンモグラフィー・触診 →1〜1.5cm程のしこりが2つあることが判明。画像を見る限り悪性には見えず。
2)細い針検査 → 検査レベル3〜3aで判断つかず
3)太い針検査 → 浸潤乳がん、T期でしょうとの診断
4)骨シンチ・胸部レントゲン・腹部超音波・CT・血液検査 → なんとしこりは3つ存在、CTの画像にはっきり、サイズは1〜1.5cm、他への転移は見当たらない

自分で触っても、しこりのようなものは「1つあるかな」くらいにしか前も今でもわからないのに、検査が進むにつれ思ってもいなかった結果が出てショックでした。2つのしこりが癌と判明した時点で、サイズが小さいこともあり、なんとか温存手術をと考えていましたし、担当の先生も「温存希望であればMRIもしますよ」と、おっしゃっていました。その後CTで3つ明らかになって、温存は難しいと言われました。しこりの位置は3つともD領域だと思われますが、温存手術は不可能でしょうか?
お忙しいところ申し訳ございませんが、ご回答宜しくお願いします。

画像を拝見しないと正確な診断は出来ませんが、すべての腫瘤がD領域に限局しており、美容的に乳房の形を保つことが出来る場合は温存術も考慮することがあります。ただ、3つの腫瘍に連続性がなく、明らかな多発病変である場合には、A,B,C領域にも微小乳癌が存在する可能性があるので、温存術の適応には注意が必要です。最終的には、あなた自身の「温存術希望」が強いのであれば、まずは乳房を温存して、最終病理結果を見てから追加切除を検討するのも良いと思います。(文責 千島)

 

No.6270】  07年01月28日  H 
若年性乳がんについて(HPNo.5607-3)

8月、9月にご質問させていただいたHです。現在、放射線治療が終了し、2ヶ月が過ぎました。ホルモン治療なし、経過観察中です。いつも相談にのっていただき、ありがとうございます。家族性(遺伝性)乳がんについてお伺いします。
私の場合、31歳で(35歳以下で)若年性乳がんにあたると思うのですが、母も乳がんになっている為、家族性(遺伝性)乳がんではないでしょうか? もしも遺伝子に異状がある場合は、卵巣がんになる可能性もあると聞きます。実は1年前から卵巣腫瘍を持っています。エコーと血液検査のみ(CT・MRはなし)で、ほぼ良性であろうというお話ですが、その情報を聞いてみて不安になりました。卵巣がんは症状がはっきりせず、とってみないとわからないと聞いたので・・・。そして気がついた時には進行していると。私のような高リスクの場合、卵巣腫瘍を摘出すべきなのかどうかと考えています。
婦人科の医師には乳がんを患ったことは話していますが、「乳がんとは関係ないので大丈夫でしょう」との答えです。現在3cmほどです(片側に二つあります)。発見から1年経過して、1つが2つに増えました。腫瘍マーカーは変化なし、多少大きくなっているようです。子宮ガン検診も今の所問題なしです。腹水はややあるそうですが、問題ない程度だそうです。
ネットの遺伝相談で遺伝子検査のことを聞いて見ましたが、一度検査するべきだと言われたものの、20万ほどかかると言われ断念しました(無料のところもまだあるかもしれないと言われましたが、どこかわかりません)。先生のご見解を教えて下さい。外科の主治医が直接「若年性乳がん」と言ったわけではない為、こちらからはお話がしにくく相談させていただきました。
1) 私の場合は家族性乳がんにあたりますか?もしそうなら、今後どのようなことに気をつけるのか教えて下さい。
2) 卵巣がんになりやすいのでしょうか?
3) 乳がんが再発、もしくは新しくできやすいのか?
4) なぜ若年は高リスクなのか?
5) 現在無治療で、3月に初めてCT(肺・肝臓)の検査・腫瘍マーカー、8月にPET検査をする予定です。この治療法でいいですか?
6) PET検査は普通は全身ですか? (全身であれば、卵巣のがんかどうかも、みてもらえますよね?)

沢山ご質問させていただき、すみません。よろしくお願いします。

1) 家族性乳癌とは、第一度近親者(親、兄弟姉妹、子供)に本人(発病者)を含めて3人以上の乳癌患者がいる場合、あるいは第一度近親者に本人を含めて2人以上の乳癌患者がいて、いずれかの乳癌が@40歳未満の発病、A両側性乳癌、B多臓器の重複癌のいずれかを満たしている場合と定義されています。貴女の場合は後者に該当します。家族性の乳癌すべてに遺伝子異常が発見されるわけではなく最終的には遺伝子診断を行わないと、本当に乳癌の危険遺伝子を持っているかどうかはわかりません。貴女も指摘しているように、遺伝子検査は診断料も高いうえ、「遺伝性乳癌」と診断された場合でも、メリット以上にデメリット(結婚、出産、保険等)も多いので、遺伝子診断は慎重に受けるほうが良いと思います。
2) 家族性乳癌のうち約半数にBRCA1、BRCA2遺伝子の異常があると言われています。この中でBRCA1遺伝子は卵巣癌を併発するリスクが高い(40〜60%)と考えられています。ただし、貴女の卵巣腫瘍は、婦人科の先生の対応から推察する限りでは、卵巣嚢腫などの良性腫瘍(MRIなどで判別可能)なのではないでしょうか。婦人科の先生が良性と判断するのならば、手術で切除する必要はないと思います。
3) 同側・対側性の乳癌のリスクは残ります。遺伝子リスクが無くても、健康者の6倍近くで2回目の乳癌を発症する危険があると考えられています。このような人がタモキシフェンというホルモン剤を服用すると、将来の乳癌発症を約50%抑制するとの報告もあります。ただし、0.5〜1%程度で子宮体癌を誘発するので注意が必要です。最近は子宮への影響が少ないラロキシフェン(骨粗鬆症の治療薬)も、乳癌予防効果があることがわかっています。ただし、妊娠・出産などにも影響するので、ホルモン剤を使用する場合はデメリットについても十分理解してから行うようにしてください。
4) 若年者は閉経までの期間が長いので、女性ホルモンの影響を継続して受けることになります。また、女性の平均寿命85.4歳までの時間も長いので、ひとたび乳癌を再発した場合は「乳癌関連死」になる確率が高くなりますし、2回目、3回目の乳癌になる可能性もあると思います。その他、若年性乳癌では「まさか乳癌?」と受診・発見が遅くなって進行してから見つかる場合があり、予後を悪くしている一因とも言われています。しかし貴女の場合は非浸潤癌なので、今回の乳癌に関しては「治癒」した可能性が高いと思います。再発の心配をするよりは、新たな乳癌の早期発見に努めることが大切だと思います。
5) 前述のように、貴女の場合は「非浸潤癌」なので全身検査の必要性は低いと思います。むしろマンモグラフィや乳房超音波などの「新たな乳癌」の早期発見に努めるべきでしょう。
6) PETは卵巣癌を含め、全身に多重癌がないかを検査するのにある程度は有用ですが、「がん検診目的」での保険適応はありません。自費になると5万円以上はかかるうえ、早期癌(1cm以下の癌や粘膜内癌)の発見は難しいので、婦人科検診を含めた一般検診を1年ごとに受けるほうが有用と考えます。(文責 千島)

 

No.6269】  07年01月27日  R.S. 
首にあるころころしたものについて

左全摘&脇窩リンパ節かく清、ハーセプチン&タキソール4ヶ月後1年半です。現在アリミデックスを内服しております。年末頃から、左鎖骨のくぼみに米粒状のころころしたものに気づきました。はっきりと触れることもあれば、時には分からなくなったり、柔らかくぼーっとした形状に変化することもあり、また、触っていると鈍い痛みを感じることもあります。寒さのせいか、患側上腕の痛みや脇の下のむくみ、肩関節痛などがあり、それが原因かと思っていたのですが、本日、近い場所に更に1個と、首筋にも1個あることに気づきました。次回受診までに1ヵ月ありますので、不安な思いでおります。先生のお考えをお聞かせください。

がんのリンパ節転移の可能性は否定できません。1ヶ月心配しているより、すぐに主治医に相談すべきでしょう。(文責 徳田)

 

No.6268】  07年01月27日  H
抗がん剤

62歳の女性です。毎年乳癌検診を受けており、1昨年9月にマンモグラフィーも撮って異常なしでしたが、丁度1年後の昨年9月痛みでしこりに気付き、10月に左乳房温存手術をうけました。結果大きさ1.5×2.0(T1)リンパ節(N1) (2a)と説明を受け、抗がん剤治療(FEC)を3週間おきに4回受けましが、吐き気や白血球低下など副作用に苦しみました。ホルモン受容体(−)のため、再発、転移を考えたとき、この後タキソールをするべきか(主治医は副作用のリスクを考えれば今はしない方がいいではないかと)迷っています。すぐ放射線治療に入ったほうがいいか、このような場合の判断は何ですればいいでしょうか? 先生のご意見をお聞かせ下さい。よろしくお願いいたします。

タキソールを追加した方が、再発率は減少します。副作用は、FECとは異なりますので、耐えられないようなら、そこで考えたらいかがでしょうか。(文責 徳田)

 

No.6267】  07年01月27日  B
術後の生活について(HPNo.6162-3

お忙しい中、ご回答ありがとうございました。HPNo.6245で相談させて頂いたBです。3つ疑問がございます。
1) ゾラデックス2年+タモキシフェン5年の間、大豆製品(納豆・豆乳)が大好きで毎日1回は頂いていたのですが、やめたり控えたほうが良いのでしょうか。
2) 女性ホルモンを抑えて去勢レベルになると肌や髪、爪がぱさぱさになると思うのですが、コラーゲンやプラセンタを飲んではいけないでしょうか。(友人に勧められましたが、プラセンタは心配です)
3) ゾラデックス2年+タモキシフェン5年服用で、太らないように気をつけたり、ダイエットの必要があるのでしょうか。現在身長158cm47kg、一度もダイエットしたことはありません。

お忙しい中くだらない質問ですが、よろしくお願い致します。

1) 大豆に含まれるイソフラボンのことを心配されているのだと思います。乳がんの患者さんにとって本当に悪いのか、許容範囲はどの程度なのか、まだよくわかっていません。わからないのであれば、控えておいた方がよいでしょう。
2) これもデータがありません。わからないのであれば、使用しない方がよいと思います。
3) このホルモン療法で、太ったら効果が下がるとの報告はありません。しかし、他の成人病のことを考えると、肥満には注意すべきでしょう。(文責 徳田)

 

No.6266】  07年01月27日  H.K. 
今後の治療について(2)(HPNo.6234-2) 

昨年12月に手術をして 現在仕事をしております(事務職)。可能であれば妊娠を希望しておりますので、ホルモン治療を受けないとなると、日々の生活で注意すべき点がありましたら教えていただければ幸いです。水泳をはじめてみようかと思っております。どれくらいの期間をあければ可能でしょうか? 今後再発を早期で発見するには、どれぐらいの期間で、定期的にどんな検査をうければいいでしょうか? そして、先生の個別の意見で結構ですので、出産するにあたって、より安全で適切な方法があれば教えていただきたく存じます。

日常生活で注意する点はとくにありません。定期的な検査については、病気の状況により違いますので主治医にご相談いただくのがベストです。(文責 徳田)

 

No.6265】  07年01月27日  M.S.
ノルバデックスと精神科系薬の併用について

いつも拝見させていただき、勉強させていただいております。 とても参考になります。ありがとうございます。 私は放射線治療後、ノルバデックス単独(20ミリ)のホルモン治療を始めた者です。乳癌告知と同時に、心療内科にてデパス(一日1.5ミリ)とパキシル(20ミリ)を服用しております。ノルバデックスとこれらの精神科系の薬を平行して服用してよいか、作用に弊害がないか(それぞれの効き目が薄れるとか、長く併用することによって副作用が出るなど)、教えていただけますか?

パキシルは、ノルバデックスの効果を減少させる可能性があります。(文責 徳田)

 

No.6264-1】  07年01月27日  Y.S. 
バネ式針生検の結果待ちです

初めてお便りします。私は35歳既婚、5歳の子供がおります。2007年1月13日に健診のためA病院でマンモグラフィーをとりました。その後「影があるので超音波を」といわれA病院に行ったところ、超音波をとる前の問診で乳がんの疑いがあることを告げられました。超音波の結果、腫瘍が右胸乳頭近くの右上にみられましたが、触診ではわかりづらい位置のようでした。形などからほぼ悪性ではないかと告げられ、場所的に乳房温存は難しいとのことでした。A病院は通院に時間もかかることもあり、セカンドオピニオンも行いたかったので、乳腺外科のあるB病院へ行きました。B病院でも触診ではわからず、マンモと超音波をとった結果はA病院とほぼ同じ回答でした。石灰化が密集してあり、腫瘍も3センチ以上あるとのことでした(超音波の結果だけなので正確な大きさはわからないとのことでした)。ただ、B病院では最初に化学療法を行い、その後様子をみながら手術を行うという方法を勧められました。乳がんは比較的ゆっくり進行する癌でもあり、術前化学療法のメリットも説明を受けました。来週にはCTを撮る予定です。それで質問ですが、
1) 2年ほど前に左胸に違和感を覚えてB病院を受診していました。その際マンモ、超音波、触診をしましたが、異常はありませんでした。今回も2年前のマンモを見せて頂きましたが、特に石灰化はありませんでした。2年間で3センチも腫瘍が大きくなることはあるのでしょうか? ある場合は乳がんでも進行が速い癌なのではないのでしょうか? それなら術前化学療法ではなくて、早急に手術するべきなのでしょうか? また超音波の画像は見ていないのですが、見せてもらったほうが良いのでしょうか? もし急遽手術をという場合、A病院の方が速く手術が受けられます(B病院は速くても3月だといわれました)。
2) CTの際に、私は小児喘息だったので造影剤は使えないといわれたのですが、その分癌の広がりは確認しづらくなるのではないでしょうか? 転移を見逃す割合が高いのならば、造影剤を使うことは絶対にできないのでしょうか?
3) 針生検の結果待ちの間、どのような情報を集めておくべきでしょうか?

長くなってしまいましたが、宜しくお願いいたします。  

1) まだ、がんとの確定診断がなされていないようですので、まず、それをはっきりさせるべきです。また、3cmというのは腫瘍の浸潤径かどうかはわかりません。乳管内のひろがりかもしれません。術前化学療法か手術先行かは、腫瘍の増殖の速さで決めるのではなく、乳房を温存したいかどうかによると思います。
2) CT検査で造影剤を使用しないと診断能力は低下します。副作用のリスクをおかして造影剤を使用するより、超音波やMRIなどの他の画像診断を併用すればよいと考えます。
3) まず確定診断の結果が出てからだと思います。針生検の結果ががんだとしても、浸潤がんか非浸潤がんかによっても治療方針は大きく異なります。(文責 徳田)

 

No.6264-2】  07年03月01日  Y.S. 
術前化学療法とセンチネルリンパ節生検法について

以前HPNo.6264で相談したものです。その節はすぐご回答頂き、ありがとうございました。針生検の結果待ちの不安の中、速やかな回答はそれだけで安心させていただきました。その後針生検の結果は、残念ながら浸潤乳がん。ステージUa(転移がなければ)、ホルモン受容体は陽性、ハーツーは0と診断されました。大きさは3センチ弱、右乳頭の真上あたりです。「腫瘍の大きさから手術後にも抗がん剤治療が必要なので、術前化学療法を行うことにより実際の治療効果を判定できるし、腫瘍が小さくなれば整容性の優れた手術ができる可能性がある」との説明を受け、先日1回目の抗がん剤の投薬を行いました。そこで質問ですが
1) 化学療法はCE+タキサン療法です。「3週間に1回エンドキサン600mg/m2 、エピルビシン80mg/m2 を3週間に1回、合計4回。その後ドセタキセル70mg/m2 3週間に1回、合計4回」の約6ヶ月間です。こちらの化学療法は閉経前35歳の私にとって効果は期待できるのでしょうか。効果が出ない場合は他の薬もあるのでしょうか。
2) リンパ節の転移はCTの結果からみると見受けられないとのことですが、私は造影剤が使えないので心配は残ります。術前化学療法を行った場合は、センチネルリンパ節生検は行えないのでしょうか? 手術をしてリンパ節転移が疑われる場合は腋かリンパ節郭清になってしまうのでしょうか。 

宜しくお願いいたします。

1) 術前化学療法にはいろいろな薬剤が使用されていますが、どの方法でも70~80%以上の効果が期待できます。腫瘍が増大するなど効果がない場合、一般的には他の方法に変更することはせず、直ちに手術を行うようにいたします。
2) 術前化学療法を行った場合、センチネルリンパ生検は行わず化学療法に反応せず残っている癌の程度を調べるため郭清を行なうのが普通です。(文責 吉田)

 

No.6264-3】  07年04月01日  Y.S. 
センチネルリンパ節生検とゾラについて

前回HPNo.6264でご相談させていただいた者です。その節はありがとうございました。現在CE+タキサン療法の3回目の化学療法が終わったところです。4回目が終わった後、超音波をとり、腫瘍が小さくなっていたらその後のタキサン療法に移っていく予定です。前回の質問で術前化学療法を行った場合、センチネルリンパ節生検ではなくリンパ節かくせいが普通だとのご回答でしたが、主治医に確認したところ、術前化学療法をした場合でもセンチネルリンパ節生検を行うといわれました。状況によるのでしょうが、やはりリンパ節かくせいをした場合の後遺症を考えると今から不安が残ります。そこで質問ですが
1) 術前化学療法をした場合、センチネルリンパ節生検を行える割合はどの程度なのでしょうか? 例えば、3cmの腫瘍がどれほど小さくなれば等の指標はあるのでしょうか?
2) 化学療法を行う時に、子宮を守るために「ゾラ」という注射を毎回お腹にしています。基本的には1ヶ月に1回との事でしたが、化学療法にあわせて3週間に1回しています。主治医からも「特に問題はない」といわれていますが、毎回こちらから「ゾラ」の注射の件を切り出さないと忘れられているようです。この注射の重要性はどの程度なのでしょうか?

宜しくお願いいたします。

1) どれだけ小さくなればという指標はありません。実際には化学療法施行前の転移の有無や施行後の評価等を参考にしながら、行うかどうか決定していくことになります(海外で臨床試験が始まっておりますが、現段階では明確な適応基準はありません)。
2) 将来の妊娠に備えて、卵巣保護の目的でされているのだと思います。治療効果上での重要性は、現在の所確認されていません。(文責 加藤)

 

No.6264-4】  07年08月16日  Y.S. 
局所再発

お世話になっております。HP.No.6264です。先日も質問させて頂いていますが、再度ご質問させて頂きます。先日主治医に手術の際「、センチネル生検でリンパ節に転移があっても腋窩郭清はしないで手術後放射線を腋窩に照射する」という治療について伺ったところ、賛成しかねるとの返事でした。理由としては、以前は乳がんは全身病という考えもあったが(早期の乳がんでも微小な転移が存在していることがある、局所再発率と生存率は違う、等)、最近は局所再発をきちんと防ぐことが重要だという考えがあるとのこと。そのためにはやはりセンチネル生検で転移があったら腋窩郭清を行う方を勧めるとのこと。放射線は予防である、とのことでした。リンパ浮腫は自己コントロールである程度の悪化は防げるが、再発は防ぎがたいという話でした。そこで質問ですが、
1) 最新は局所再発率と生存率は関係あるという流れなのでしょうか。
2) センチネル生検でリンパ節に転移があった場合、放射線照射だけの治療は局所再発率を高めてしまうのでしょうか。

同じような内容の質問を繰り返してしまいますが、宜しくお願いいたします。

特に最近になって局所再発率と生存率について議論されているわけではないと思いますが、貴女の場合術前に抗がん剤治療をすでに施行しており、センチネル生検の是非やその対応についても決まった方法はないと思います。同様のケースで腋窩郭清を省略し放射線治療のみで行うのと、腋窩郭清施行した場合とを比較した試験の結果が今後出るかもしれませんが、現段階ではセンチネルリンパ節に転移が認められれば、腋窩郭清施行するのが一般的だと思います。(文責 谷)

 

No.6263】  07年01月26日  T 
浸潤癌の可能性について

家内(40歳)が市の乳がん検診で引っかかり、細胞生検を経てマンモトーム生検で非浸潤ガンと診断されました。そして今回センチネルリンパ節生検で、リンパ等に転移しているか調べて参りましたが、このセンチネルリンパ節生検で、例えば非浸潤ガンでなく、もう少し進行したガンと言われる可能性は何パーセントくらいあるのでしょうか? 家内も、かなり心配しております。一応、マンモトーム生検時に行われたエコーでも、「多分リンパは大丈夫でしょう」と言われてはいるのですが・・・。どうぞ宜しくお願いいたします。

センチンルリンパ節生検で転移が認められる確率は、施設によりますが、5%以下です。リンパ節転移があったら、浸潤がんということになります(理論的には、非浸潤がんは転移しないはずです)。(文責 徳田)

 

No.6262】  07年01月26日  M  
投薬治療について

現在65歳になりますが、5年前に左乳がんの温存療法摘出手術と左脇リンパ節切除手術を行いました。手術後は抗癌剤の点滴治療を3週間おきに4回、その後放射線治療を1ヶ月間毎日行いました。その後は毎日1錠の『アリミデックス』を5年間飲み続けて下さいという担当医の指示により、継続して飲んで現在に至っています。現在まで特に再発の兆候はなく、至って健康であると感じていますが、先日担当医から「5年間たって再発はないので、ここで薬の服用は止めてもいいのだけれど、念のため今後も再発の恐れは「0」ではないので、別のホルモン剤(錠剤)を飲んだらどうか」と勧められました。私としては現在の症状も何もないこと、また費用的な負担(月7,000円程度)や副作用の懸念を考えると新しい薬を飲む事は避けたいと思いますが、どうしたらよいでしょうか。アドバイスを頂きたくメール致しました。

アリミデックスのあとに何を飲むのかわかりませんが、標準的ではありません。しかし、アリミデックスにしても5年がよいのか10年がよいのかは、まだ結論がでていないのも事実です。(文責 徳田)

 

No.6261】  07年01月26日  K 
乳がん転移予後について

私の従姉妹(54歳)の病状についてご相談したく、メールいたしました。幼き頃より仲がよく、今とても心配な状況で、これから私に何が出来るのかと・・・。数年前に左側の乳房を手術、この1月10日にもう片方の乳房も手術。その際リンパも採ったということでした(リンパを幾つくらい採ったかはわかりません)。肝臓にも転移がみられるそうです。これからは肝臓の局所にスポット的に集中治療するそうです。私には心配させまいとしてか、あまり詳しくは言ってくれませんので、これくらいの情報しか申しあげられないのですが、かなり深刻な状況だということは間違いないみたいに感じます。率直に、あとどのくらいの予後が残されているのでしょうか? あまり時間がないようでしたら、予定を組み替えてでも何かしてあげたい、悔いのないように私に出来る事をしてあげたいのですが・・・。少ない情報で申し訳ありません。ヨロシクお願い致します。

肝臓の転移の状況がどの程度かわかりませんので、難しいですが、一般的に乳癌再発後の生存期間は、2−3年です。(文責 徳田)    

 

No.6260】  07年01月26日  F 
ハ-セプチンについて

二年半前に脇の下に二個のしこりができ(三センチ)、リンパ節に24個転移して、右胸全摘手術の後、抗がん剤を4ク―ル受け、その後一年ぐらいフルツロンを服用し、そのあとでハ―セプチンを三週間に1度受け、これを一年間続けました。その後胸のレントゲンとマンモグラフィを受け、今のところ転移はありません。このあと三ヶ月に1度病院で様子を見ている状態ですが、このままハ―セプチンを続けた方が良いでしょうか。先生は試験的に行ったものなので一年で良いと言っていますが、何しろリンパ節への転移の数が多かったので心配です。

今のところ、術後のハーセプチンは、1年でよいとされています。1年以上投与しても効果が高いという証拠がないからです。(文責 徳田)

 

No.6259】  07年01月26日  K.M. 
抗癌剤治療の必要性

65歳の母のことで初めて相談します。20年ほど前に子宮筋腫から子宮全摘しているので、閉経しています。毎年やっている乳癌検診で、昨年1月に初めて右胸に1センチのしこりがあると指摘されました。その後、多忙で病院に行くのが遅れ、11月に行ったときには、たった10ヶ月余りでしこりは2センチ強に大きくなっていました。その後すぐの12月下旬に右胸温存手術をしました。病理結果は「浸潤癌、充実腺管癌、腫瘍の大きさ2cmで、そこから足(?)のようなものが出ているので、端から端までは5センチといわれました。断片は+、ホルモン感受性は両方とも−、HER2は0(+−0という意味でしょうか)、リンパ節転移0/2、核異型度3」でした。来週から放射線治療が始まる予定ですが、ホルモン感受性が(−)ということでホルモン治療はできません。私としてはリンパに転移がないという時点で、抗癌剤治療は必要ないと安易に考えていたのですが、予想外にホルモン療法が使えないという事で、かなりショックでした。
主治医の先生と治療法を相談する際、放射線治療の後に抗癌剤治療を行うかどうかで、先生はう〜んと考え込んでしまいました。「やってもやらなくてもあまり大して変わらないんだよなぁ」とぼそっとおっしゃってはいましたが、迷うところをみると、絶対にやらなくても大丈夫というほどではないようです。私も、抗癌剤を使った時の副作用などの体の負担も心配ですが、万が一再発してしまった時に、出来ることをやっておけばよかったという後悔はしたくはありません。そこで、相談ですが
1) ゆっくり進むといわれている乳がんですが、10ヶ月あまりの間に1センチ強も大きくなることってあるのでしょうか? もしかして進行が早い特殊な癌とかあるのでしょうか?
2) 母のような病理結果や年齢等を考慮すると、放射線治療後は抗癌剤治療をした方がよろしいでしょうか? するとしたら、どういう抗癌剤が適当と思われますか? また副作用がひどくても我慢してやるべきなのでしょうか?

以上です。大変お忙しい事とは思いますが、宜しくお願いします。

1) お母様の場合は、そのようです。なかには増殖の速い癌もあります。
2) 10年の再発率は30%程度です。抗がん剤を使うと20%程度に減少します。アンスラサイクリンを含む標準的な治療がよいと思います。通常は十分耐えられますが、副作用がひどければ量を変更するなり、対応すればよいと思います。(文責 徳田)

 

No.6258】  07年01月26日  m.k
細胞診の必要性と信頼度

39歳です。2年前の検診から、マンモとエコーで右胸に5mm大の腫瘤があるとの診断をうけています。その後半年おきにエコーで経過観察を行い、大きさに変化はなかったので安心していましたが、先日再度マンモをとったところ、前回よりはっきりと白い影が写りました。何かがあるのは間違いないようなのですが、先生は希望するなら細胞診をしてもよいとのこと。ただ他で色々聞くと細胞診は癌にあたらないと良性とでてしまうとのことで、腫瘤の場合の細胞診の信頼度というのは、どの程度のものなのでしょうか。また細胞診をすることによって正常な細胞を傷つけてしまうようなことはないでしょうか。それと2年大きさが変化しない癌というのもあるのでしょうか。

超音波を使って穿刺すればよいと思います。ただし、あたっても15%程度偽陰性になることがあります。
採血と同じような針を使いますが、採血のとき正常な細胞の傷害が問題になりますか?
2年間変化しない癌はまれです。(文責 徳田)

 

No.6257】  07年01月26日  I.M. 
術後の傷跡について

いつも参考にさせて頂いています。母親(63歳)は、3年ほど前に乳癌で右胸を全摘しています。術後の治療はアリミデックス服用のみです。現在の所は、再発もなく順調です。母親は肥満体型な為、傷跡が当初より引きつった感じでした。先日、いつもより激しい運動を行った所、少し痛みを感じ、夜になるとうっすらと内出血しているように、傷跡に沿って青くなっていました。激しい痛みはないようなのですが、放置していても問題ないでしょうか。
また、よく傷跡が痒いと言っています。皮膚再発に見られるような発疹などはなく、皮膚表面はきれいなのですが、再発の可能性はありますか(検診の際に主治医に聞く様に言うのですが、いつも忘れているようです)。お忙しい所、申し訳ありませんが、宜しくお願いします。

多少皮膚と皮下組織との間に癒着があり、運動によりそれがはがれて内出血したものと思います。放置していて結構です。傷の痒みは、傷跡の疼きの一種と考えます。(文責 徳田)

 

No.6256】  07年01月26日  Y
組織診による播種についてのご相談

乳がんの診断を受けてしまいました。心配の種は、この診断を出した組織診をMRIより先にやったということです。組織の針を刺して3週間もした後にMRI、そしてこのMRIの結果、場所を特定してから手術ということなのです。これでは組織診の針で播種が起きていれば手遅れではないかと思うのですが、大丈夫でしょうか? お忙しい中を大変恐縮ですが、どうか宜しくお願い申し上げます。

大丈夫です。乳がんにおいて、ご心配なような報告はありません。(文責 徳田)

 

No.6255】  07年01月25日  CK 
DCIS

私は去年6月に23歳で8mm位の石灰化発見、マンモトームの結果DCISで、温存手術の後、放射線をしました。その後病理の結果、ホルモン共に高い反応なので、リュープリンを月に一度打っています。先日、病院で超音波の後に『手術と放射線の影響で炎症を起こしています』と言われました。これはこのままほっておいてよいのですか? それと、炎症性で再発とたまに耳にしますが、DCISからもそういう場合がありますか?

炎症性乳癌の症状は乳房が赤く腫れ上がるのが特徴で、「超音波検査で初めて発見される」ということはありません。貴女の場合はおそらく術後・放射線による変化なのだと思います。少なくとも主治医が慌てていないのならば、経過観察でよいのだと思います。(文責 千島)

 

No.6254】  07年01月25日  N 
痛み止め

いつも参考にさせて頂いています。去年夏に局所再発して縦隔リンパ節にも転移がありました。皮膚が赤くなり小さなボツボツができるタイプで、タキソールを4ヶ月しましたが、「途中からゼローダも併用」、年末の検査ではリンパは縮小しましたが、胸は悪化していました。今は潰瘍が沢山できています。年末からはナベルビンをしています。再発した時から胸の痛み「針で刺したような痛みや、じ〜んとした痛み」がありましたが、年末あたりから頻繁に痛むようになりました。眠れるし我慢できる痛みですが、ロキソニンを飲んだら少し楽になりましたが、効能時間が六時間なのでいまいちでした。主治医に話すと、「ロキソニンや普通の痛み止めは長く使うと胃に穴があいたりするから、次はモルヒネ系になる。慣れたら圧倒的にこちらの方が副作用が少なくてよい。」と言われました。
1) また違う痛み止め「ナイキサンカプセル」を処方されましたが、ロキソニンと何か違うのですか? ロキソニンより薬の持続性が長い気がしますが・・・。
2) やはり普通の痛み止めは何ヶ月くらい飲み続けたら胃がだめになるのですか?
3) 次はカンプトと言われています。初発治療でAC療法はしました。ハーセプもホルモンも陰性。後どのような抗がん剤がありますか?

1・2) ロキソニンよりも痛みを抑える効果が高いといわれています。胃炎や胃潰瘍が出来るまでは個人差があります。早い人では数日で胃潰瘍を合併するので必ず胃薬を併用するようにしてください。
3) 保険適応になるのは、点滴薬ではCPT-11(カンプト)、ドセタキセル、メソトレキセート(CMF療法)、マイトマイシン。内服薬ではTS-1などがあります。(文責 千島)

 

No.6253-1】  07年01月25日  R.F.
しこり(のう胞)についてのご相談

今まで3度、マンモグラフィとエコーをした事があります。初めて受診したA病院で、のう胞の存在を指摘されました。しかしその時は触ってわかるようなサイズのしこりはありませんでした。その数ヵ月後に、手で触れてわかるしこりを発見し、B病院に行き、ここでもマンモグラフィとエコー検査をし、「のう胞です」と診断されました。その数ヶ月後、A病院から、1年たったので診察に来るように言われ行った際も、エコーとマンモグラフィ検査をし、ここでものう胞と診断されました。その時に腫瘍マーカーの検査もしましたが、異常はありませんでした。気になるのは、いろんなサイトで見ていると、しこりがあった場合、そのしこりに針を刺して中身を調べる、という事が書いてあるのに、私はそれをした事がないという事についてです。のう胞に異常がないという事は、マンモグラフィやエコーのみで診断がつくものなのでしょうか。出来れば針は刺したくないですが、心配です。

のう胞とは乳腺内に分泌液がたまったところです。まれに、のう胞内にキノコ状の腫瘍が生えてくることがありますが、超音波で異常が無ければ心配ないと思います。手で触るような大きなのう胞の場合は、一度針を刺して中の液体を抜いてみても良いと思います。(文責 千島)

 

No.6253-2】  07年03月26日  R.F.
のう胞が腫瘍に姿を変える事はありますか?

A病院でのう胞と診断されてから1年半経過していたため、経過観察のため検査をする事にしました。今回は、初めて乳腺専門のC病院に行きました。ここでもマンモグラフィとエコーをしました。更に今回初めて細胞診をしました。今結果待ちです。以前から「のう胞」と診断されていたしこりは、一度も消えずにずっと私の左胸に存在していたのですが、今回の診察で、エコーの時に「のう胞は無い」と言われました。しこりの存在は先生にもはっきり認識してもらっていますが、それが「のう胞ではない」と言われたんです。のう胞が消える事もあるのは知っているのですが、私の胸からは、以前のう胞と言われたしこりは一度も消えた事はありません(大きさは1cmぐらいなので、明らかに分かる)。なので、びっくりしました。ただ確かに、以前のう胞と診断された時に先生がエコー中に画面を私に見せながら「これがのう胞ですよ」と教えてくれた時のような映り方をする部分が、今回の検査では無かったので、「のう胞が無い」と言われるのも全く納得が出来ないわけではないのですが・・・。
私は、気になったので、「のう胞じゃない」と言われた時に、「じゃあ前にのう胞と言われていたこのしこりは何ですか?」と言いました。先生は「のう胞は消える事がありますよ」と言いました。「前ののう胞は消えて、新しく別のしこりが出来た」と捉えているような印象を私は受けましたが、私ののう胞と診断されたしこりは一度も消えていません。月1回どころか、月に何回も、そのしこりの存在は確認しながら過ごしていました。ここで質問させていただきたいのは、
1) のう胞だったしこりがのう胞ではなくなり、腫瘍に変化する事があるのかどうか?
2) 針を刺されてしこりの中身をとられた時(細胞診?)、その場で「この形なら大丈夫だと思う」と言われたのですが、細胞を診断する前から「大丈夫そうだ」とか、ある程度判断出来るものなんでしょうか?
3) 細胞診をしたのは昨日です。今日になってしこりを触ってみると、今までより大きくなっているような気がします。こういう事は普通によくある事でしょうか。あるとしたら、それは、特に異常ではないのでしょうか。心配です。

よろしくお願いいたします。

1) やはりのう胞が消失し、新たなしこりができたか、のう胞内に何らかの原因で出血をおこしたり、内容の性質が変化して濃くなり、いわゆる濃縮のう胞となって、画像上の見え方が変化したなどの可能性が考えられます。
2) お話からは定かではありませんが、「この形」というのがエコー上の形のことかもしれません。また、穿刺したときに黄色調の透明な液体が引けたときなど、その様子から「大丈夫そうだ」とある程度判断できる場合もあります。
3) 若干炎症を起こしたか、内部に出血を起こして少し膨らんだ可能性はあると思います。(文責 片山)

 

No.6253-3】  07年04月14日  R.F.
良性のしこりがあり、経過観察状態です。日頃気をつける事は?

前回の質問は【No.6512】です。いつもご丁寧なアドバイスをありがとうございます。前回の診断の結果、クラス2という事で、6ヶ月毎にフォローするという話になりました。大きくなったと感じていたしこりも、元の大きさに戻ったと思います。今回ご相談したい事は、
1) 発症リスクを下げるために、日頃の生活(食生活や睡眠等)の中で、気をつける事べき事や心がけた方がいい事などがあれば教えて下さい。
2) クラス2のしこりがある胸を揉んだりする事は、あまり良くありませんでしょうか? 何か悪影響はありますでしょうか?

宜しくお願い致します。

特に注意することはありません。強いていえば、この腫瘤に対して過敏になりすぎるのは控えた方がいいでしょう。ごく普通に過ごしましょう。(文責 鈴木)

 

No.6253-4】  07年11月04日  R.F.
エコーでの診断結果について

いつもお世話になっております。前回の質問は【No.6571】です。前回検査を受けてから半年が経過しておりましたので、検査に行ってきました。あまり病院を変えるのも良くないかなとは思いつつ、前回行った病院が遠かったので、また近くの別の病院に行きました。ちなみにずっと昔からあるしこりは、今もあります。初めにしこりがあると伝え、マンモグラフィ・エコーをやっていただきました。マンモグラフィには特に異常はありませんでした。エコーでの質問ですが、
1) 手で触れるとはっきりとしこりがあるのに、エコーには映らず、先生にも問題ないと言われました。しこりがあるのに映らないという事もあるのでしょうか。映らない=悪性を疑うものではないと解釈して良いのでしょうか。
2) 私がはっきりと認識しているしこりは、昔のう胞と診断されています。確かにエコーにもはっきりとのう胞の映り方をしていました。今もあるのはその時のしこりだと,
自分では思っているのですが(ずっとあったので)、のう胞がつぶれて水は抜けたけれども、しこりとして残るという事はあるのでしょうか。
3) 手で触れて認識しているしこりとは別に、3ミリぐらいの、のう胞かどうかはっきり区別のつかないものがあると言われました。しかしこのサイズで悪性腫瘍の心配はないような事を言われ、結局1年後にフォローするという事になりました。細胞診等をする必要は無かったのでしょうか。

宜しくお願い致します。年齢は28歳です。

1) “しこりがあるのにエコーに映らない”ということはよくあることです。“エコーに映らない=悪性を疑うものではない”は、原則としてその通りだと思います。
2) のう胞は中に水が入っているからしこりとして触れるのであって、水が抜けたのう胞がしこりとして触れることはありません。
3) 3mmのしこりでは、正確な診断は難しいですし、正確な穿刺も難しいと思うので、経過観察が勧められます。どうしても心配ならば、検診の間隔を短くしてもらってはどうでしょうか。(文責 清水)

 

No.6252】  07年01月25日  C 
副作用

抗がん剤治療をやめてホルモン治療にする事にしたのですが、副作用はどちらの方が身体的にも精神的にも楽ですか。こんなに苦しいなら、治療なんてしないで死んでしまった方がいいです。

一般的にはホルモン剤治療のほうが副作用は少ないと言われています。ただし年齢(特に閉経前)によっては更年期症状が強く出る場合があるので注意が必要です。 抗癌剤も副作用予防をきっちり行えば、辛さはかなり軽減することができます。一度、抗癌剤の副作用について、セカンドオピニオンで腫瘍内科(抗癌剤専門の内科)に相談してみるのも良いと思います。(文責 千島)

 

No.6251】  07年01月25日  M.T.   
進行がんが骨に転移しました

2003年、53歳の11月末、乳ガンが肝臓に転移し、血管を圧迫するまでに肥大した状態で見つかりました。その後、入院し、化学療法タキソール、ホルモン剤ノルバテックス(2005年4月よりアリミデックスに変更)を2006年8月まで続けました。その結果肝臓の腫瘍は小さくなり、乳房の腫瘍はほとんど分からなくなるまでになりました。しかし、CT検査で、少し肝臓の腫瘍が大きくなっているということで、8月末よりホルモン剤を変えてみることにして、アロマシン錠を飲み続けました。しかし、エコーで更に腫瘍が大きくなっているということで、抗ガン剤を変えることにしたのですが、この時、自分の判断で、なるべく副作用のきつくない、長く続けられるものということで、CMFを選びました。その後のエコーでは、少し小さくなったようだということだったのですが、1月の骨シンチとMRIの検査で、背骨の七番目の肋骨の付け根に疑わしい影があり、主治医は「転移でしょう」ということでした。これから整形外科や主治医と相談して、治療方針を決めます。質問ですが、3年間抗ガン剤が効いたことを幸運と考え、ここで骨に転移したことは当然の結果と受け止めるべきか、それとも、もっと別の選択があったのか、色々考え悩んでいます。例えば、タキソールの後、CMFでなく、もっと強い抗ガン剤で腫瘍をたたいた方が良かったのか、今更後悔しても仕方がないのですが、先生のお考えをお聞かせ下さい。今後の治療についても教えて頂けると嬉しいです。現在は日常生活に何の支障もなく、痛いところもありません。この状態が出来るだけ長く続くことを祈るのみです。言いたいことを一方的に書きましたが、よろしくお願いします。 

まず、今までの治療を後悔する必要はありません。再発乳癌で使う薬に決まった順序はありません。強い薬、弱い薬を病状や自分の生活環境に合わせて、順次選んでいけばよいと思います。これからも体力・気力と相談しながら点滴薬と内服薬を使い分けていくようにしてください。今回、骨転移が新しく見つかったのであれば、痛みや病的骨折の予防としてビスフォスフォネート製剤の点滴(月に一回)を追加してみるのも良いと思います。骨転移部位の痛みが強いときには放射線照射が有効です。(文責 千島)

 

No.6250】  07年01月25日  Y.M.  
ばね指の治療について

64才。1年前に右乳房温存術後、AC療法、放射線治療が終了し、アリミデックス服用に切り替わってから5ヵ月後より、右手に引き続き左手が腱鞘炎になりました。左右両拇指ともにばね指になりつつあり、仕事、家事に支障をきたしております。痛みも強く不安です。この相談室を読んだところ、アリミデックスの副作用の可能性もあると知りました。もしその場合は薬を変えるのがよいか、ばね指の手術を受けるのがよいか迷っております。何かよい方法があれば教えていただきたいです。

再発リスクやホルモンレセプターの発現状況にもよりますが、貴女のように手術適応となる「ばね指」の場合は、アリミデックスを中止してタモキシフェンへ変更するほうが良いと思います。(文責 千島)

 

No.6249】  07年01月25日  M.S 
充実性乳腺

人間ドックのマンモグラフィで、「充実性乳腺 要観察」という診断を受けました。これはどういうものですか? 41歳で、7歳と3歳の子どもがいます。エコーも受けたほうがいいのでしょうか? がんになる可能性もあるのでしょうか? よろしくお願いします。

おそらく乳腺組織の密度が高く、マンモグラフィでは腫瘤が発見しづらいということではないでしょうか。そのような場合、超音波を併用するほうが早期乳癌発見に有効と考えられています。(文責 千島)

 

No.6248】  07年01月25日  S子 
ホルモンレセプター陰性のホルモン療法について

昨年1月に告知を受け、2月より術前化学療法(FEC+タキソール)の後、10月に右全摘し、術後、胸骨リンパ・胸壁・鎖骨上下リンパに放射線を照射(25回)しました。ホルモンレセプターが両方陰性(感受性5%未満)のため、ホルモン療法はやらないものと思っていましたが、経過観察と定期検診を行ってくれることになっているクリニックの先生(執刀した主治医ではない)に、「陰性でも、もしかしたら効果があるかもしれないからノルバを服用してはどうか」と勧められました(卵巣機能を止めるゾラ等はしないで・・・)。先生が見せてくれた本には、両方陰性でも効果は10%ほど期待できるようなことが書かれていました。しかし、ホルモン療法にも子宮体がんのリスクが高くなるなどのリスクがあると聞きますし、メリットとデメリットを比較して、どのように決断すればよいか迷っています。私のような場合にホルモン療法を行う意味があるのか、先生方にご意見をいただければと思っています。よろしくお願いします。
 ★病理結果★(年齢35歳)
癌の種類:充実腺管がん、リンパ節転移:0/20(レベルVまで)(術前化学療法で消滅したと思われる)、リンパ管・静脈侵襲:なし、ホルモンレセプター:ともにマイナス (5%未満)、HER2:1+、グレード:3

以前は化学反応によってホルモンレセプターを測定していたので、10%程度で偽陰性(本当は陽性なのに検査上は陰性になってしまうこと)になっていました。偽陰性の場合にはホルモン剤が有効なので、ホルモンレセプターが陰性でも10%程度で効果があると言われていました。しかし、最近は組織染色によってホルモンレセプターを測定するので、より正確に陽性、陰性を区別することができるようになりました。組織染色で陰性となった場合、ホルモン剤の効果はほとんど期待できないと考えられています。(文責 千島)

 

No.6247】  07年01月25日  K 
温存で大丈夫ですか?

先月末に術前に非浸潤癌という診断で、乳腺葉区切除手術を受けた40歳の主婦です。実は術前は非浸潤と診断されて、また術前の検査でリンパへの転移もないと言われていたのですが、実際手術を受けてみたら、非浸潤の中に0.5cmの浸潤性微小乳頭癌がいくつかあり、一つのリンパ節への転移もありました。主治医曰く、「異形度1、エスロトゲン、プロゲステロン陽性、脈管浸襲 軽度 1y1」で、今後はFEC100を3クールとタキソテールを3クール行う予定です。
ところで質問なのですが、温存した乳房にいつまでたっても水のようなものがたまり(4,5日に一回は抜きに行っていますが)、硬くなって違和感があるのですが、この症状はいつまで続くのですか? また、23個中1個のリンパに転移が見られたのですか、温存で大丈夫なのでしょうか? 微小性乳頭癌はリンパに転移しやすいということですが、他のリンパに転移している確率はどれぐらいですか? 今のところ鎖骨などに気になるぐりぐりはありません。抗がん剤投与後は放射線、ホルモン治療を行う予定ですが、温存した乳房の状態が今ひとつスッキリせず、不安です。

切除した乳腺の範囲によっては、切除部位にリンパ液が貯留することがあります。1週間くらいで落ち着く場合もありますが、数週間続く場合もあります。
一般に浸潤性微小乳頭癌はリンパ管へ浸潤しやすくリンパ節転移の頻度が高いと言われています。浸潤性微小乳頭癌に高度なリンパ管侵襲、多数のリンパ節転移を伴っている場合には、乳房温存術を避けるべきだという意見もあります。貴女の場合、転移リンパ節以外に23個のリンパ節を郭清しているのであれば、他のリンパ節に癌が遺残している可能性は低いと思います。(文責 千島)

 

No.6246】  07年01月25日  M
ホルモン療法

お忙しいところ大変すみません。母についてご相談させて頂きたく思います。どうぞよろしくお願い致します。去年末、61歳の母が非浸潤性乳管癌と診断され、右乳房の全摘出手術をしました。リンパには転移がなく、術後の検査(摘出した乳房をスライスして顕微鏡でみる検査)の結果も非浸潤性に変わりはなく、またホルモン受容体が陽性と言われました。今後の治療について、ホルモン療法をしたほうがいいとのことでした。勧められた薬はノルバデックスです。もしくはアリミデックスで、先生は前者のノルバデックスが母にはいいのではということなのですが、まず、ホルモン療法をやったほうがいいのかどうか、とても迷っています。どの薬であれホルモン療法をする際副作用があること、またやったほうがいいと思うけれど、副作用がいやでやらない人もいると言われ、母と共にとても不安になりました。同じく乳ガンの非浸潤性乳管癌と診断され手術した友人は別の病院に通っていたのですが、担当の先生には「非浸潤だしリンパにも転移がないから、ホルモン療法はやらなくていい」ときっぱり言われ、やっていないと聞きました。非浸潤性でリンパへの転移もなく術後の検査でも非浸潤との結果でしたが、それでもホルモン療法はやったほうがいいのでしょうか? また、やるとなった場合、アリミデックスは骨や関節への、ノルバデックスは子宮癌の発生率が高まるというようなリスクがありますが、どう考え選んだらよいのか・・・。とても不安がっている母に対して自分も一緒に考えてあげたいのですが、副作用などのリスクは私には代わってあげることができないので、正直一言一言ものすごく悩みます。ご相談にのっていただけないでしょうか。どうか、よろしくお願い致します。

今回の右乳癌については、98%以上の確率で治癒しているのでホルモン療法の意義は少ないと思います。ただし、通常の人に比べると左乳癌を新たに発生するリスクが高いので、「乳癌の発生予防」という意味でホルモン療法を行う場合もあります。ただし、年齢が高くなればなるほど、「発生予防の効果」よりも「副作用の危険」のほうが大きくなる可能性があるので、主治医とよく相談してから内服を開始するようにしてください。(文責 千島)

 

No.6245】  07年01月25日  B 
術後の治療について(HPNo.6162-2)

ご回答ありがとうございました。42才、閉経前で未婚、妊娠出産経験はありません。今年10月に1.5cmの浸潤性乳管癌を部分切除で摘出しました。病理検査の結果、センチネルでリンパ節転移0/7、ホルモン感受性+、断端−、HER2−、1.5cmのうちの1.0cmがgrade3でした。主治医の先生に伺ったところ、脈管侵襲は明らかでないとのことです。結局ホルモン治療を選択しようと思うのですが、2つ質問がございます。
1) ゾラデックス2年+タモキシフェン5年とゾラデックス2年+AC療法では効果は同等なのでしょうか。また転移再発率の違いはどれぐらいでしょうか。
2) ホルモン療法は4割の人に効き目があり、抗癌剤は3割の人に効き目があるというのは本当でしょうか。

1) 直接比較した臨床試験のデータが無いのでわかりません。化学(AC)療法を行った場合、タモキシフェンを追加投与することのほうが多いと思います。化学療法施行後も閉経していない場合には、ゾラデックスを追加投与する場合もあります。
2) 年齢や病理組織所見、ホルモンレセプターの発現状況によっても異なってくるので、一概にホルモン療法が4割、化学療法が3割とは言えません。(文責 千島)

 

No.6244】  07年01月25日  M.M
術後部位の腫れ(HPNo.6183-2)

06/12/25 に 「術後の浸出液について」で質問したM.Mです。母の浸出液も減り、今では抜かない程度になりました。抗がん剤治療も2クール目の投与を終えました。ところが、1週間前くらいから、手術を受けた左胸の辺りが赤く腫れてきました。正月ごろ(2クール目1回目の投与後)にもちょっと赤くなっているように見えたのですが、さほど気にはしていませんでしたが、ここ数日で見るからに赤くなっているようです。昨日通院した際には、エコーで見た限り、血が溜まっているようだということで、その血液を何らかの検査に出しているそうです(私と母は遠方で離れているので、母の話をそのまま書いています)。どのような事態が考えられますか? 教えてください。熱もあるようですので、何らかの炎症症状でしょうか? まだ術部の内側では傷が癒えてないので、抗がん剤の影響で化膿などしてきたりしているのでしょうか? 素人考えを並べて申し訳ありません、よろしくお願いします。

抗癌剤の副作用で白血球が減少し、皮下に残っていた滲出液に細菌感染が起きた可能性も否定できません。「何らかの検査」は細菌培養かもしれません。細菌感染であれば排膿が必要になります。もう一度主治医に確認してみることをお勧めします。(文責 千島)

 

No.6243】  07年01月25日  M
細胞診が出来ない場所(HPNo.5911-2)

ご相談後、掛かりつけの乳腺クリニックで、部分的マンモグラフィーを撮りました。エコーも合わせた結果、乳腺が集まったので、しこりの様に触れるとの事。私としては、細胞診ではっきり診断して欲しかったので、その旨を伝えると、「この場所の細胞診は止めましょう、刺激したくないので」と、言われました。外側上部のしこりは既に2回の細胞診をし、次回3度目の細胞診をする予定なので、なぜ内側のしこりの細胞診がダメなのか直接質問したのですが、「ここ(内側)は、ダメ!」と少し高圧的に言われ、それ以上質問は出来ませんでした。
1) 外側の細胞診は問題なくて、胸部内側の細胞診は危険なのでしょうか?
2) 外側の細胞診を約10ヶ月の間に3度もするモノなのでしょうか? それなら針生検や摘出手術をした方が手っ取り早いと思いますが、針生検や摘出手術の見た目以外の後遺症やリスクはありますか?

厚かましいとは存じますが、宜しくお願い致します。

1) 内側腫瘤でも細胞診は可能です。
2) 腫瘤の大きさにもよりますが、針生検による「後遺症」はありません。(文責 千島)

 

No.6242】  07年01月25日  A.M. 
前癌病変摘出後の治療について

39歳、主婦(出産経験なし)。2006年11月下旬に乳頭からの出血があり、近くの婦人科クリニックで、触診、エコー、マンモグラフィ、分泌物の細胞診をやりました。結果はしこりもなく、細胞診の結果も心配ないとのことで、3ヶ月後に再検査ということでした。しかし、その後も出血が止まらないため、市内の総合病院の乳腺外科を紹介していただき、12月上旬に乳管造影を行いましたが、入り口部分に腫瘍があるとのことで、造影剤があまり注入できないようでした。また同時に腫瘍マーカーの検査を行った結果、CEA1000以上だったので、乳管内視鏡検査を省略し(乳管が通常よりも細く、また腫瘍が乳頭近くにあり内視鏡が入らないかもしれないということでした)、乳管腺葉区分切除術による検査をすれば、良性か悪性かの判断ができるとのことで、1月4日に切除しました(2ヵ所に腫瘍があり、全部摘出したとのこと)。1月15日に結果が分かり、「前癌病変」(癌だとははっきりいえない)ということでした。2〜3割の確率で再発が考えられるため、念のために放射線療法を5〜6週間勧められました。ホルモン療法もあるが、まだ若いため、副作用を考えると放射線治療のみでよいだろうとのこと。また、しばらく放射線治療もやらずに経過観察する方法もあるとのことでした。
そこで以下の質問があります。
1) 「前癌病変」とはどういうものなのか。
2) 放射線治療をしたほうが良いのか。
3) このような段階で、セカンドオピニオンで他の意見を聞いても問題はないのか。

1月19日までに今後のことを決めることになっているため、お忙しいところ誠に恐縮ですが、御回答いただければ幸いです。よろしくお願いします。

1) 乳管内乳頭腫が考えられます。
2) 病変の広がりにもよりますが、明らかな悪性病変が無ければ放射線照射は省略しても良いと思います。
3) 最近、病理組織診断専門のセカンドオピニオンもあるので、一度主治医に相談すると良いと思います。(文責 千島)

 

No.6241】  07年01月25日  M
薬剤アレルギー

リンパ節に転移あり。右乳房全摘。抗がん剤タキソール点滴中、アレルギー反応が出た。症状は呼吸困難になり、手足が赤くなるアレルギーを防ぐ点滴をした後のタキソールの点滴だった。点滴のボトルの上1cm空いたぐらいで具合いが悪くなった。飲み薬では完治は難しいか? 造影剤のヨウドアレルギーもある。

いろいろな薬剤に対してアレルギーがあるようなので、「飲み薬なら大丈夫」と言う保障はありません。主治医から抗癌剤の再発予防効果と副作用のリスクについて、もう一度説明を受けることをお勧めします。(文責 千島)

 

No.6240】  07年01月25日  N・K
非浸潤性乳癌と再発

4年半前に乳頭からの血液分泌で非浸潤性乳癌と診断され、右胸の皮下乳腺全摘出手術(乳頭温存)を受けました。術後の治療は特に行っていませんが、半年に1度の定期健診だけは行っています。今日、全摘した右胸の下の方に、軟骨のようなコリコリしたしこりのようなものを見つけました。ちなみに先月の16日に定期健診に行って血液検査とエコーをしてもらったばかりですが 、異常なしで帰されました。非浸潤性乳癌で全摘をしていても、再発することってあるのでしょうか。

乳頭が残っている場合、乳頭周囲に局所再発する可能性があります。また、皮下乳腺の一部か残っていれば、その部分に再発することも稀にあります。乳頭下や肋骨に重なった部分は超音波で描出しにくいので、もう一度主治医に相談してみることをお勧めします。(文責 千島)

 

No.6239】  07年01月25日  G 
のう胞

以前、乳腺症で乳腺の一部を切除しました。2回目の定期検査で「両胸に3、4ミリの のう胞があります」と言われましたが、痛みもないし問題ないと言われました。人に話すと「のう胞」の中にガンが隠れていることがあると聞いたのですが、本当ですか? また1年後に検査に行く予定をしていますが、先に調べた方が良いのでしょうか? 「のう胞」があることによって起こる問題はありますか? 何故出来るのですか? 自然に治りますか? 34歳未婚です。

臨床的に3〜4mmの嚢胞内に癌が見つかる事はありません。5mm以下の嚢胞ならば1年後の検査でよいと思います。(文責 千島)

 

No.6238】  07年01月25日  OC
病理結果と術後療法について

いつも拝見させていただいております。33歳、妊娠希望です。12月に右乳房温存手術を終えました。
病理結果
(1)sizu:20×20mm
(2)硬癌 f:(+) s:(−) p:(−) w:(−) ly:(−) v:(−)
(3)組織学的異形度:グレード2(スコア6)
(4)Node involvement:n(−)、total 0/5
   Sentinel lymph nodes(-) 0/5
(5)Related lesion:mastopathy with fibrosis,cysts and apocrine metaplasia
(6)コメント:比較的限局した病変で策状ないしは充実性小胞巣を形成する癌細胞が線維性結合織の増生を伴い浸潤性に増殖しています。
(7)ER(+)90%以上  PgR(+)90%以上  HER2(-)
(8)切除断端:陰性

中間リスクということで、今後の治療として放射線治療50グレイ、ホルモン療法を予定しています。(抗がん剤はどっちでもいいというので、しないことにしました。)
質問なのですが
1) 温存の場合放射線治療が必須なのは承知していますが、局所再発10%を抑えるためというのは、90%は不要な治療をしているようで仕方ありません。ホルモン感受性がかなり高いと思われるので、ホルモン療法だけで、この10%を抑えると考えるのは安易でしょうか?
2) 十分な安全域で切除している場合は放射線を省略している施設もあるとのことですが、十分な安全域とはどのくらいをいうのでしょうか?
3) 浸潤癌の場合、波及度がすべて(-)ということはあるのでしょうか? g:は当然(+)ということですよね?
4) グレードは、それぞれスコアがどのくらいで上がっていくのでしょうか?
5) (4)の意味を教えて下さい。センチネルのみと聞いていたのですが、5個も切除しているうえにドレーンも入っていたので郭清したのでは?と不安です。
6) (5)の意味を教えて下さい。
7) ホルモン療法ではリュープリン2年後ノルバデックス5年となると妊娠するには厳しい状況になるかと思われるのですが、リュープリン2年のみで終了させるのは危険でしょうか?あるいはノルバデックスのみ5年(or3年)のほうがいいのでしょうか?リュープリン2年後ノルバデックス1年も可能ですか?
8) リュープリンの場合は子宮内膜症にも適応がありますが、(内膜症の疑いありなので)ゾラデックスとの違いはありますか?
9) PgR(+)90%以上ですと、黄体機能不全で使用する薬剤で癌細胞が増殖する可能性がありますか?

10%の再発を恐れることよりも、妊娠の可能性がなくなっていくことのほうが不安でなりません。よろしくお願いします。

1・2) 一般に放射線治療は局所再発を三分の一に抑えると言われています。ただし、切除断端から腫瘍までの距離が十分(1cm以上)あれば、放射線照射を行わない場合もあります。
3) f(+)は脂肪組織へ浸潤していることを示します。g(+)は乳腺内にがん細胞がとどまっていることを示しています。つまりgから始まってがん細胞がどこまで浸潤しているかを示す記号と考えてください。
4) 通常はGrade1から3の間で分類します。
5) 術者によってセンチネルリンパ節生検の方法が異なりますが、通常1個から数個(一定の決まりは無い)のリンパ節を切除して検査を行います。一般的にドレーンは挿入しません。
6) がんの周囲に乳腺症を伴っているということです。
7) 閉経前乳がんで効果が高いのはゾラデックス(またはリュープリン)2〜3年投与+ノルバデックス5年投与と言われています。ただ、妊娠希望があるのであれば、自分のライフプランに合わせて投与期間を調節する場合もあります。
8) ゾラデックスとリュープリンは、ほぼ同等の効果を示します。
9) プロゲステロン製剤がPgRに直接作用する事はありません。(文責 千島)

 

No.6237】  07年01月25日  A、M
リンパ浮腫について

浮腫についてお尋ねします。10年前に乳ガンで左側温存手術、今年6月に右側全摘手術をしました。リンパ節はレベル2まで郭清しましたが、転移はありませんでした。去年末までにEC療法を済ませました。一見では浮腫があるかどうか分からないのですが、腕がはって重く、びりびりと痛みがあります。この程度でもリンパ浮腫の治療は出来ますでしょうか? それとも自己マッサージで様子を見た方がよいのでしょうか? 両胸を手術しているので、どうしても両腕に負担がかかってしまいます。どのタイミングで治療を始めたらよいか、お教え下さい。

リンパ浮腫の予防のためにマッサージを行うこともあります。ただし、正しい方法でマッサージを行わないと、逆効果になることがあるので注意が必要です。悪化させないためには信頼できる施設(リンパ浮腫治療室)で講習を受けるか、リンパドレナージュセラピストの資格を持った理学療法士、看護師に指導を受けるのが良いと思います。(文責 千島)

 

No.6236】  07年01月25日  M 
術後の抗癌剤治療について

術前化学療法にてタキソテール4回、その後FEC4回を投与したものです。リンパ節転移があったため、術後にタキソールを12回投与しましょうと言われました。エビデンスがないのはわかっているのですが、病院のほうから「しておいたほうがいい」と言われました。ホルモン陽性の為、その後ホルモン療法をするのですが、転移があった場合は、ホルモン療法か抗癌剤か、どちらを選択したほうがよりいい治療となるのでしょうか。多量の抗癌剤が体に負担がないのかも不安です。

ホルモンレセプターが陽性の乳癌であれば、ホルモン療法で代用することもできると思います。タキソテール3ヶ月、FEC3ヶ月を投与した後にタキソールを3ヶ月投与しても、どの程度の効果が期待できるかのデータはありません。また、どの程度の副作用(体への負担)があるかも不明です。主治医がタキソールの追加投与を選んだ理由をもう一度確認してから治療を始めるようにしてください。(文責 千島)

 

No.6235】  07年01月25日  K 
乳がんの再発について

妻(32歳)が1昨年の6月に乳癌(ステージ3b)といわれ、左乳房全摘手術後、抗がん剤、放射線治療とやってきました。あいにく腹膜、卵巣への転移が1年後にみられ、再発後の治療をしているところです。腹膜、卵巣への転移は抗がん剤(錠剤)のおかげで縮小し効果が得られているのですが、左首のリンパへの転移が激しく(しこりが多数ある)、また背中にかけて皮膚が赤紫色に変色し、ここ何日かは左腕がしびれて、まともに動かせない状況にあります。痛み止めでオキシコンチンを毎日5錠ほど飲んでいます。主治医からは2週間ほど前診察を受け、神経にがん細胞が悪さをしてるという事で、飲み薬の種類を変え最後の飲み薬療法としてヒスロンH(妻はホルモン療法の感受性がないタイプ)を試行するという事で現在にいたっていますが、日に日に左腕の痺れをもらす妻を見ていると、とてもやるせない気持ちになります。今の状況を勘案し、今後の治療法として違う化学療法へ変更し早期に対処したほうがいいと思われますが、どうかご教授のほど宜しくお願いします。正直なところ神経に害を及ぼして腕が動かなくなるという事が、症例としてあるのでしょうか? また治る見込みはあるのでしょうか?

ホルモン感受性がない場合、ヒスロンHは、効果はありません。現在の抗がん剤で頚部のリンパ節転移が増加したとすると、効果はなくなっているということです。次の抗がん剤に変更すべきです。頚部のリンパ節転移が腕に行く神経に浸潤すると麻痺することがあります。(文責 徳田)

 

No.6234-1】  07年01月25日  H.K. 
今後の治療について

私は大阪府に住む44歳の独身女性です。昨年12月5日に乳癌の手術をしました。温存手術を希望して摘出した細胞の結果、「腫瘍の大きさは1.5cmで、転移の可能性は9割無いでしょう」との事でした。リンパ節の転移もありませんでした。しかし、温存手術の場合その残りの1割の取り残しの可能性の為に、術後に放射線治療及び、ホルモン治療をしなければなりません。しかし、私は15歳の頃から難病と言われているSLE(膠原病)にかかっており、皮膚がかなり弱く、検査の結果、放射線科の先生は放射線治療は避けた方がよいとの事でした。そして、ホルモン治療の事ですが、ホルモン治療は約5年間続けなければならなく、その間は閉経状態になってしまい、妊娠できない状態になってしまいます。治療が終わったときには49歳になってしまします。私には婚約者がいて、できればその人との子供を産みたく、時期的に今を逃せば、可能性は無に等しくなってしまいます。今、ホルモン治療をするかしないかで私の人生が大きく変わってしまう事になると思います。先日の検診の時に、先生に妊娠希望の事を告げると、「妊娠はホルモン治療と全く逆の作用を促し、もし癌細胞が残っていたらその細胞の活動を活発にしてしまいます。子供にはほとんど影響はありませんが、母体にはかなりのリスクが伴います。癌の再発は危険なもので、死を覚悟しなければならないですよ」との事でした。私は、癌がもし再発すると、またその腫瘍部分だけを取り除けば良いと考えていましたが、再発がそんなに怖いものだと思っていませんでした。私が現在手術後の治療として選択できるものは、放射線照射はできないと言われたので、ホルモン治療しかありません。はたしてホルモン治療で必ずしも再発を防げるものなのでしょうか? そして再発するという事が、それほど危険で死に結びつくものなのか?教えて下さい。また、現在取り残しの可能性がある癌細胞が発見できる最先端の医療技術は無いものでしょうか?
お忙しいことと思いますが、ご返事お待ちしております。

ホルモン療法の効果が期待できるとすると、再発率は、使用しない場合に比べて40-50%減少します。しかし、再発が0%になるわけではありません。残念ながら、局所ではなく、全身の再発が起こった場合は、現在の治療法では、完全になおすのは極めて困難です。局所の残存乳腺の再発は、最初の手術の時と同じようにはやく発見して切除すればよいのです。全身再発ではないので、命にかかわりません。(文責 徳田)

 

No.6234-2】  07年01月27日  H.K. 
今後の治療について(2)

昨年12月に手術をして 現在仕事をしております(事務職)。可能であれば妊娠を希望しておりますので、ホルモン治療を受けないとなると、日々の生活で注意すべき点がありましたら教えていただければ幸いです。水泳をはじめてみようかと思っております。どれくらいの期間をあければ可能でしょうか? 今後再発を早期で発見するには、どれぐらいの期間で、定期的にどんな検査をうければいいでしょうか? そして、先生の個別の意見で結構ですので、出産するにあたって、より安全で適切な方法があれば教えていただきたく存じます。

日常生活で注意する点はとくにありません。定期的な検査については、病気の状況により違いますので主治医にご相談いただくのがベストです。(文責 徳田)

 

No.6233】  07年01月25日  T.M.
良性腫瘍摘出後のしこりとエクボ症状について(HPNo.6048-3)

【No.6048】でご相談させていただきました、35歳未婚女性です。何度も長文申し訳ありません。
1月12日に良性と思われる腫瘍を摘出し、病理検査の結果、線維腺腫でした。乳輪に沿って切開し、右上部内側にあった34×28×18mmの腫瘍を摘出しました。手術後、ガーゼがとれてから触ってみると、傷口から3、4cm離れたあたりにまたしこりがあり、しかも脂肪を寄せたり、しこりを持ち上げると、まるで乳がんのようにしこりにそって、はっきりエクボ症状が出るのです。しこりに皮膚が貼り付いているような気がします。脂肪が少ない胸なのではっきりわかるんです。担当医には聞きましたが、後遺症だと言います。しこりは線維腺腫まではくっきりとしておらず、でも明らかにしこりという感じで、2、3cmくらいの大きさに感じます。位置も摘出した腫瘍と少しずれているような気がしたり微妙です。大学病院で、担当医はいつもバタバタして診察の時間が充分とれないため、触診はいつもしないですし、心配いりませんと、まともに聞いてくれませんでした。それでも「診察室にあるエコーで何かないか見てほしい」と言って見てもらいましたが、何もないとは言いませんでしたが、疑わしいものはありませんと言われました。(その部分だけちょっと見ただけです)
摘出した腫瘍は乳輪から多分5mmくらい離れていて、少し無理をして乳輪に沿って切開し、トンネルを掘るように摘出したとのことです。だからニキビができるのと同じだというようなことを言われました。どのくらいで治るのか聞いたら、治るとしても1、2年とか言われました。お聞きしたいのは、
1) 良性腫瘍の摘出で、こんな後遺症はありますか。
2) もし手術の後遺症でしこりができているのだとしたら、エコーでは何か写るのでしょうか。 だとしたら、明らかに悪性かどうかの違いはわかるのでしょうか。検診など
で、第三者が見た場合わかるのでしょうか。

摘出した腫瘍が大きかったので、その影に悪性のものが隠れていたのではないか、と思ってしまうのです。背骨の痛みが消えなかったり、腰の下もずっと違和感やしびれがあり、整形外科でも検査中で、左にも11mmの腫瘤があるため不安でたまりません。二ヶ月も苦しんできたのに、摘出しても不安が抜けないなんてつらいです。

1) 摘出手術で組織に傷をつけたわけですから、それが治る過程で肉芽組織という硬い組織ができます。それは、6ヶ月から1年でやわらかくなります。
2) 肉芽組織とがんは、超音波などの画像診断により区別可能です。(文責 徳田)

 

No.6232】  07年01月25日  M 
術後の不妊治療について

術後の不妊治療について、相談させてください。2003年12月左温存(当時35歳)。腫瘍1.6×1.1、リンパ節転移なし。ER(+)、PgR(+)、grade2、Her2(2+)。現在38歳です。術後、放射線25回、リューブリン2年(2005年12月終了)、現在ノルバデックス治療中です。昨年末、3年検診も異常なしとの事で、主治医の方から「妊娠の希望があれば、年齢的にもそろそろ考えても良い」と言っていただきました。ただ、妊娠となるとノルバデックスを止める事となり、やはり不安だと言うと、「治療を一旦中断して、排卵誘発剤で卵子を取り出し、凍結させ、ノルバデックス終了の2年後体外受精する。」と言う方法を提案していただきました。卵子を取り出すための期間は、1ヶ月ほどだそうです。以前から妊娠しにくく、不妊治療をしておりました。
1) 排卵誘発剤で、再発の危険は高まるのでしょうか?(婦人科の先生は、エストロゲンが高まる期間は2週間だけなので、問題ないそうですが・・・。)
2) ノルバデックスを止めてすぐ不妊治療に入っても、問題ないのでしょうか?
3) ぜひチャレンジしてみたいとは思いますが、乳がんの方でそういう話は、あまり聞いたことが無いので、大丈夫なのでしょうか? そういう事例はありますか?

本人の希望で決定する問題かもしれませんが、非常に悩んでおります。宜しくお願いいたします。

1) 最近では、ノルバデックスやレトロゾール(閉経後の乳がんに用いられるホルモン剤)などを使用した、エストロゲンをあまりあげないで行う誘発法があります。
2) 不妊治療を含めて妊娠するということは、乳がんの再発のリスクは高めないとされています。
3) あります。お話で問題と思われますことは、卵子の凍結保存は、まだ確立していないことです。卵子を採取して、受精させ、受精卵を保存するのが一般的です。(文責 徳田)

 

No.6231】  07年01月25日  MM
肺転移後の治療について

初めて相談させていただきます。一昨年9月に左乳がんにて温存手術しました。病理結果「充実腺管癌 NGー3 no(0/3)er(+) pgr(-)  her-2(+3)」。術後放射線療法の後、uft-eとアリミデックス服用。昨年10月、一年検診で肺転移が確認され、今月17日に一回目のハーセプチンの投与を開始しました。「この後ホルモン剤を変更して、しばらく様子みて、ハーセプチンの効果が期待できないようならタキサン系抗がん剤と併用します」と説明をうけました。年齢は53歳、閉経しています。
お聞きしたいのは、ハーセプチンはどれくらいで効果が出るものでしょうか。アリミデックスが効かないのに、他の薬で効くものでしょうか。乳がんの抗がん剤はたくさんあると聞いてますが、順番にやって皆効かなかったらと不安になります。今は骨に転移は無いようですが、脳のMRIはやはり早めに撮ってもらう方が良いでしょうか。主治医は術後の抗がん剤治療はしなくても良いという方針だったようですが、今となっては納得出来ません。いろいろ書きましたが、宜しくお願いします。

1)ハーセプチンの効果は、8週程度で評価できるとされています。
2)アリミデックス投与中の再発ですので、現在あるホルモン剤の効果はあまり期待できないと思います。やはり抗がん剤を考えるべきです。
3)ハーセプチンは、脳転移に効果はないので、一度は調べておきましょう。(文責 徳田)

 

No.6230】  07年01月25日  K 
乳がん手術後の妊娠、授乳について

9年前に乳がんになり乳房切除術、腋かリンパ節郭清を行いました。その後3年間フルツロン600mg/日内服、現在は特に治療はしていません。41歳で、現在妊娠中で す。もうすぐ出産になりますが、出産後の授乳について教えて頂きたいと思います。授乳は普通に行って良いのでしょうか?

普通に行って問題ありません.(文責 徳田)

 

No.6229】  07年01月23日  S.N. 
乳頭からの分泌液について

現在33歳、出産経験ありです。昨年5月頃消化器科でドグマチールを処方されました。その際にドグマチールは乳汁分泌があると言われておりましたので、本当に乳汁が出るのかと乳首を絞ってみると、左の乳首からは明らかな乳汁。しかし右の乳首の一箇所からは緑色の分泌液が出てきました。色は抹茶の粉の様な色です。すぐに病院へ行き、マンモ、超音波、分泌液の検査、血液検査(CEA2.5)をしましたが、何も問題が無いと言われました。それでもその緑の分泌物が気になるので、先生に質問攻めをしたら、尿検査をする時に尿に浸して蛋白や糖や出血を診る細長い検査の紙を出してきて、それに分泌液を付着させて、「分泌液中に血液は混じっていないとだろ」と言われました。それに、これ以上の検査はできないと言われました・・・。
検査を受けてからも、ちょくちょく乳首を絞って確かめているのですが、やはり絞るたびに緑色の分泌液が出てきます。結局この分泌液は何でしょうか? 色から考えると膿の様な気もするのですが、ずっと膿が出続けるという事はありえるのでしょうか? 乳房や乳首自体は、痛み、しこり、かゆみ、引きつり等他の症状は全くありません。
質問が長くなりまして申し訳ありません。ご回答よろしくお願い申し上げます。

乳腺の分泌液です。緑がかった色を呈することもよくあります。膿ではありません。心配する必要はないと思います。(文責 徳田)

 

No.6228-1】  07年01月23日  A.S
病理検査の聞き方

12/22日に左乳房全摘手術を受けました。T期だろうということなのですが、「詳しい事は病理検査の結果を見てからでないと」と言われています。今日このHPに出会ったのですが、皆さんのご相談の文面の中に英語や数字がたくさん出てきてびっくりしています。1/25日に術後2回目の診察があり、たぶん病理の結果がでていると思うのですが、相談をする時に役に立つよう、どんなことを聞いておけばよいか教えてください。よろしくお願いいたします。

腫瘍の大きさ(浸潤の大きさ)、組織型、組織学的な悪性度、リンパ管や血管への浸潤の程度、リンパ節転移の有無、ホルモン受容体、HER2タンパク、なにもしない場合の予後、追加治療の選択肢と効果などです。(文責 徳田)

 

No.6228-2】  07年02月04日  A.S
術後療法の選択について

HPNo.6228でお世話になりました。病理の結果は「乳頭線管癌、大きさ1.5*1.3*0.6と0.6*0.6*0.6の浸潤癌、核異型度3、脂肪浸潤+、リンパ血管浸潤−、切除断端−、リンパ節0/4、センチネル0/4、ホルモン両方とも+、ハーツーは−」とのことでした。年齢は42です。今後の治療ですが、ノルバデックス単独またはノルバと(ゾラデックスまたはリュープリン)どちらでもと言われましたが、説明で後者の方が効果的ということで、後者を選びました。次はゾラデックスかリュープリン3ヶ月製剤どちらを使うかという選択で今回迷っているのですが、「ゾラデックスは世界的に使われていてデーターもたくさんあり、安全性も高い。でも薬剤代がかかる。注射が痛い。一ヶ月に一度の注射。リュープリン三ヶ月製剤は日本で作られた薬で、薬に関するデーターが少ない。しかし治験に登録すると薬剤代が無料になる。注射による苦痛がない。3ヶ月に一度の注射。両方とも主な副作用は同じで、薬剤の働きも同じ。治験はいつでも降りられる。」との説明でした。その時決めきれず、2/7に治験コーディネーターの方の話を聞くことになっています。リュープリンSRについて質問できるようにいろいろ調べようとしましたが、あまり情報が得られませんでした。
1) 糖尿病になりやすい、副作用が強くでるなどはHPにかかれているのを目にしましたが、本当ですか? 
2) 治験しているということは、「安全でない、効果が低いかもしれない」ということでしょうか?
3) 30年は生きたいと思っています。体に優しいほう、効果のある方を重視して選びたいと思っています。他に情報があれば教えてください。
4) 最後になりましたが、この治療はエビデンスに基づいていますか?核異型度3がひっかかっています。

決めきれず悩んでいます。よろしくお願いいたします。

乳癌治療薬として後発品であるリュープリンはゾラデックスに比較するとデータの蓄積が少ないのは事実であり、それが心配であればゾラデックスを選択したらよいでしょう。しかし、効果や安全性についてはほぼ同等であると考えられるので厚生労働省の認可もおりている訳ですからリュープリン選択でもよいでしょう。糖尿病についても頻度は不明ですが症状の増悪や発症が報告されていますが、リュープリン特有の副作用であるかどうかは不明です。核異型度3ということですので、化学療法も一つの選択肢となるかも知れませんので、主治医に相談してみればよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.6227】  07年01月23日  K 
ホルモン療法について

49歳、去年1月胸のしこりに気付き病院へ行きました。マンモ、エコー、CT、生検等を経て乳がんと診断されました。「大きさ3p強、核異型度1、HER-2(+3)、ホルモンレセプター陽性」という結果でした。その後、術前にFEC4クール、タキソール+ハーセプチン4クールをして、温存手術が終わり、放射線療法30回もやっと終りました。
この後はホルモン治療になります。12月の血液検査では閉経状態だと言われましたが、主治医は抗がん剤の影響で一時的に閉経状態になっている可能性もあるといいます。私は閉経していればAI剤でいいと思っていましたが、主治医は一時的な閉経かもしれないのでゾラ+ノルバデックスを薦めます。年齢的なもの、7ヶ月抗がん剤をしたこともあって卵巣機能は停止してるのではと思います。それとHER-2強陽性の場合、ノルバデックスはあまり効かないと聞きます。今現在、閉経状態と出ているのですからAI剤でいいのではないでしょうか。卵巣機能については3ヶ月毎くらいに調べてもらって、もし卵巣機能が戻るようなことがあれば、そのときにゾラを使ってもらって、ゾラ+AI剤と言うわけにはいかないでしょうか。
自分では閉経だと思いますので、今はゾラは使いたくありません。最後にもう一度お聞きしたいのですが、HER-2強陽性の場合ノルバデックスの効き目はどうなのでしょうか?
よろしくお願いします。

閉経前にAI剤を使用すると卵巣腫大を起こす可能性があります。化学療法後の無月経の評価は、確立していません。また、HER2陰性に比してHER2陽性では、ノルバデックスの効果は弱いですが、ゾラ+ノルバデックスについては、弱いという報告はありません。ゾラ+AIの補助療法での有効性は確立していません。以上から、主治医の意見に賛成です。(文責 徳田)

 

No.6226】  07年01月18日  SS
非浸潤癌について

43才です。セカンドオピニオンを受けた現在の病院に変え、針生検の結果、comedo 石灰化を含むDCIS、ER(0)、PGR(0)、Her2(3)、核異型score2です。腫瘍は28×12×26_ですが、周囲にもっと広がっているそうです。リンパ節転移なしです。主治医からは、前病院でのCT、MRIを見て「温存をがんばらない方がよい、全摘も考えた方がよい」と言われ、その後現在の病院でMRI、超音波検査を受けました。1/9に手術方法を決める事になっていたのですが、温存が可能か再度超音波を受け、検討したいとの事で、1/16に手術方法を決める事になっています。自分では温存は無理と言われると思っていたので皮下乳線全摘で1期再建(エキスバンダ)のつもりでいたのですが、温存可能と言われれば温存したい気もあります。温存後美容的に自分が納得しない場合や断端陽性の場合は再手術もあると聞いています。そこでお聞きしたいのですが、
1) 非浸潤癌は放射線の効きが悪いという資料を見た事があるのですが、そうでしょうか? (温存+放射線は浸潤癌と同じ効果でしょうか)
2) comedoである事が手術法を決める上で考慮する事はありますか? また組織診上、注意すべき点はありますか?
3) 温存か全摘かを決める上で、他に主治医に確認すべき事はありますでしょうか?

以上、長くなりましたがよろしくお願い致します。

1) 非浸潤癌に対する乳房部分切除後に放射線照射行うと、行わない場合に比べ局所再発(温存した乳房内への再発)率が半分くらいになります。遠隔転移再発率(低いですが)や生存率には差はありません。多くの場合局所再発をコントロールするために放射線療法を加えたほうがよいと思われます。
2)3)範囲がかなり広いということと、コメド型が出ているので、術後の切除標本の検査でどこかに浸潤癌が含まれている可能性もありそうです。乳房切除に加えてセンチネルリンパ節生検を行うかどうかなどについても検討が必要かもしれません。温存か全摘かを決める上では、乳房自体の大きさと病変の大きさの相対的な割合も重要な要素になりそうです。温存した場合にどのくらいの変形になりそうかも主治医の先生にお聞きになって、判断の要素としたらよいかと思います。あまり大きくない乳房で、切除範囲が大きいと、温存術よりも全摘をして再建したほうが見た目がかえってきれいになる場合もあります。(文責 俵矢)

 

No.6225】  07年01月18日  T 
副作用

抗がん剤治療は副作用が色々とありますが、太る事もありますか。主治医の先生に尋ねましたが、答えて頂けませんでしたのでお聞きしたくメールしました。どうしたら太らないように出来るか、どうしたら痩せるかを知りたいのですが、教えて下さい。お願いします。

抗がん剤直接の作用で太ることはあまりありませんが、吐き気やアレルギーの予防目的でステロイド剤が投与されることが多く、ステロイド剤の影響で太ることがあります。ステロイドは食欲を増進させる効果があり、太ることがあります。抗がん剤治療中はあまり「痩せよう」とするのは望ましくないと思いますが、「食べすぎ」には気をつけましょう。(文責 俵矢)

 

No.6224】  07年01月18日  K 
アリミデックスの副作用でしょうか?(HPNo.3338-2)

以前に術後治療と子宮筋腫のことについて相談させていただいたものです(HPNo.3338)。その節は有難うございました。その後、子宮と両方の卵巣も摘出し、現在はノルバデックスをアリミデックスに変えて服用中です。最近になって少し気になっているのが、不正出血とまではいきませんが、うっすらとしたおりものがあることです。子宮も卵巣もない状態で、副作用としてありえるのでしょうか? よろしくお願いします。

アリミデックスの副作用としておりものは記載されています。子宮、卵巣がなくても膣分泌物がおりものとして出ることは十分に考えられます。主治医にもお話しになって、ご心配ならば婦人科の先生にみてもらってはいかがでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.6223】  07年01月15日  IY 
ハーセプチンの術後補助療法について

9月に左胸全摘手術をしました。60歳。リンパ節かく清をし、「ホルモン感受性なし、ハーツー3+」ということでした。只今、CEF3週間×4サイクルが終わったところです。臨床試験としてハーセプチンとタキソールの併用治療をする事になったのですが、FISH法で検査して効かないタイプならタキソールのみの治療になるようです。ハーツー3+でもFISH法は必要なのですか? ハーツー3+でもハーセプチンが効かないという事はあるのでしょうか? 抗癌剤との併用なので、心臓への副作用を考えて、確実に効くかどうか調べるのでしょうか? ハーセプチンの効果を先生から話を聞いた後なので、今更使えないとなると不安です。よろしくお願いします。

HER2 3+(IHC法)であれば、FISH法も陽性である確率が非常に高いです。通常の臨床であれば(現在は進行再発乳がんに関して)HER2(3+)の結果だけでハーセプチンの適応ありと判断します。しかし、相談者さんは臨床試験に参加しているので、その臨床試験の要件でFISH法も行うことになっているのかもしれませんね。主治医の先生に聞いてみてください。(文責 俵矢)

 

No.6222】  07年01月15日  K.K
針生検の必要性について

35歳の既婚、妊娠出産経験なしの者です。妊娠を希望しています。乳癌と診断されたのですが、教えて頂きたい事がございます。
・2004年の健診で右乳房BD(乳輪より下半身方向に1cm以内)に1cmののう胞内に1mmの腫瘍を指摘される。
・3ヶ月おきに2回行った細胞診の結果は「悪いものはなかったが、腫瘍が小さすぎて取れなかった可能性がある」と言われる。
・半年ほどでのう胞内の水が抜けて、定期診察は不要で、1年に1度の健診で良いと言われる。小さくはなったが、まだあるとの事。
・2006年9月に前回のう胞があった付近とD(乳輪より1cm以内)の2箇所にしこりを見つける。
・転居の為、別の病院で受診する。妊娠を希望している旨お話しする。
・エコーを撮って下さった先生にお聞きした大きさは、BDにあるのは3.4mm、Dにあるのは4.1mmで、薄いグレーぽく写っているとの事。診察を受けている医師は、MRI画像で見ると5mmの大きさとおっしゃっていました。
・2006年12月にBDにある腫瘍をエコー画像から悪性と思われると診断されました。エコー画像では、腫瘍は乳腺の前方境界線と後方境界線を突き破って存在しているところから悪性と思われる診断されました。MRIでは良性・悪性の診断がつかないとの事。最近になって気づいた右のわきの下にある数個のしこりは「リンパではないか?触りすぎて腫れてしまったんじゃないか」と言われています。

9月の発見から4ヶ月も経ってしまっていて、確定診断が欲しかったので、「細胞診などの組織検査をして頂きたい」とお願いしたのですが、先生の方針で、「針を刺しても腫瘍に当たらない場合もあるし、針で刺したところから癌が糸状に伸びることもある。細胞診で良性と出ても、取れなかった部分に癌があるかもしれない。妊娠を希望しているなら、経過観察でいくよりも手術した方がいいのではないか」と言われました。診断を受けた病院は内視鏡手術をする病院です。(日にちを変えて、再度細胞診をお願いしましたが無理でした)
「手術は下乳輪線にそって半周切り、皮膚をはがし吊り上げて、内視鏡を入れる。腫瘍はBDとDとそれぞれひとつずつ取る。切り取った部分にはセルロースを入れる。セルロースは徐々に乳組織にかわっていく。この内視鏡手術では取り残しがないから、抗がん剤も必要ない(私の腫瘍が小さいからそうおっしゃったのかもしれません)。この内視鏡手術で腋窩郭清して、リンパ浮腫がおこった人はいない。うちではリハビリを教えていない。」と、おっしゃいました。

質問ですが
1) 私の症状ですと、細胞診または針生検をせずに、内視鏡手術に臨むのは妥当なのでしょうか?
2) 先生のお話ですと、たとえば転院して細胞診または針生検をして結果が良性と出ても、心配で手術をした方がよいのではないかと思ってしまいます。患者が希望すれば、良性でも手術はして頂けるものなのでしょうか? また良性と結果が出れば、手術の必要なしと安心してもよいものなのでしょうか?
3) このくらいの腫瘍の大きさの場合、リンパ節に転移することはないのでしょうか?
4) 内視鏡以外の手術をした場合でも、腫瘍を取った部分にセルロース等を入れるのでしょうか? セルロースは安全なものなのでしょうか?
5) 私の腫瘍のサイズですと、妊娠を希望しているという理由で、抗がん剤を省略できるのでしょうか?(術後の病理結果で要不要の判断がされると思っていたのですが)
6) 内視鏡手術ですと、リンパ浮腫はおこらないものなのでしょうか?

以上ご教授のほど、よろしくお願い致します。

のう胞性腫瘤を呈する病変で比較的頻度の高いものとして、乳管内乳頭腫という良性病変や、のう胞内乳がんなどがあります。
このような病変の場合、細胞診や針生検では癌か否かの鑑別診断が難しいことが多いので、診断するために切除生検を行うこともしばしばあります。また「のう胞内乳がん」は非浸潤がんであることが多いので、リンパ節転移をみることは少なく、抗がん剤を必要とするケースも少ないと思います。
ただし、あなたの場合が先述したケースかどうかは文面からだけでは判断しかねるところがありますので、主治医の先生によくお聞きになってください。
内視鏡手術については、私自身行っていないので、すみませんがお答えすることができません。手術の細かい方法が執刀する先生によって違うので、主治医にお聞きになるのが一番よいです。(文責 俵矢)

 

No.6221】  07年01月15日  K.H
術後の乳房のしこり

12月末に放射線治療25回を終え、現在ホルモン治療(ゾラデックス2年+タモキシフェン)を行っております。放射線治療中に気づいたのですが、手術した辺りがしこりのように固くなっており、先日主治医に確認したら「大丈夫です」との事でした。術後三ヶ月になりますが、まだ腫れているのでしょうか? 感覚も鈍い感じがします。それと、放射線治療後の皮膚の肉割れがひどいのですが、ローションなど塗ってもよいでしょうか? 皮膚の日焼けは、どれくらいで目立たなくなりますか? 以上、宜しくお願いいたします。

乳房手術後の傷のまわりは、感覚が鈍くなるのは通常の経過ですので心配ありません。また温存療法後の乳房内は通常術後、放射線照射後に硬くなり、数ヶ月から一年くらいの経過でやわらかくなっていくものです。硬いしこりが大きくなったりしたら注意が必要なので主治医に相談しましょう。放射線照射後の皮膚炎については、赤みやひりひりは、そろそろよくなってくるころですね。赤黒い色素沈着は、個人差があって、一年くらい残っている方もいらっしゃいます。ローションについては、放射線の先生か、主治医、皮膚科の先生と相談してみてください。(文責 俵矢)

 

No.6220】  07年01月15日  R
貧血

術後、四年半になる32歳です。ノルバデックス服用中ですが、半年前から生理が始まり、出血量が激しく、子宮は異常なかったのですが、貧血になってしまいました。Hbが14から8になり、近くの医院で鉄剤と静注をしてもらっています。ノルバデックスを飲む意味があるのかな?と思うのですが、5年まで少しなので続けたほうがいいのでしょうか。よろしくお願いします。

貧血がかなり重症なので、婦人科検診や胃カメラ、大腸カメラなどの消化器の精密検査なども行い、ほかに貧血の原因がないかをまず調べたほうがよさそうです。そのうえで今後どうするか考えましょう。まずは、ノルバデックスをもらっている主治医の先生に相談しましょう。(文責 俵矢)

 

No.6219】  07年01月15日  T.K.
術後の治療について

初めてメールをします。よろしくお願いします。
2006年12月8日に左乳房全摘手術を受けました。1pの大きさでしたが、切った断面からガン細胞が見つかったため全摘になりました。非浸潤や浸潤のガンがいくつもあったようです。ホルモン受容体はER+7 PR+8、核異型度はグレード1、年齢は48歳で閉経前、リンパ節転移は3個採ってありませんでした。右乳房には石灰化がパラパラとありましたが、何もしていません。今はノルバデックスを服用しています。治療はノルバデックスを5年続けて、薬を変えて5年と言われました。ここでお尋ねしたいのですが、同時にLH−RHアゴニスト製剤もすると思っていたのですが、しないと言われました。私の今の状態では、しないほうがいいのでしょうか。するしないでは生存率は違いますか。LH−RHアゴニスト製剤をしない理由はなんだと思われますか。

現在のところ術後補助療法としてのLH-RH単独、ノルバデックス単独、両方の併用のうちどれが最も生存率がよいかについては、直接的なエビデンス(根拠)はまだ示されてはおりません(今後どれかがよいというデータがでてくるかもしれませんが)。St Gallenのガイドラインを参照すると、ホルモン感受性乳がんで、低リスク群に対する治療としては、ノルバデックス単独あるいはLH-RHアゴニスト単独あるいは無治療が推奨されております。相談者さんは文面をみると(HER2がわかりませんが)低リスクに入りそうなので、ガイドラインどおりの治療を主治医の先生がお勧めしたのでは? LH-RHアゴニストを使用した場合、ノルバデックス単独に比べ、副作用は多くなります。そのことも考えられているのではと思います。主治医の先生にも質問してみてください。(文責 俵矢)

 

No.6218】  07年01月15日  O.S.
腫瘤が多発している場合に考えられる病名と診断方法について

35歳、未婚、出産経験はありません。昨年の春に人間ドックの乳房検診(超音波エコー)で、両胸(特に右)に腫瘤が多発している事がわかり、マンモグラフィ、一カ所比較的サイズの大きい物に関しては針生検(細胞診)を受けましたが、それだけでは判断不能との診断でした。その為、3ヶ月に一度検診を受けています。一応、線維腺腫ではないかとの診断がありました。
先日、セカンドオピニオンを他の病院の先生にもお願いしたのですが、同じく「エコーとマンモグラフィ(こちらの先生によると、マンモグラフィでも塊が見えるとの事…)だけでは良性悪性の判断が出来ないので、MRIで危険箇所を絞り込んでから、こちらでも針生検を行いましょう。」との事でした(現在MRIの順番待ちをしている最中です)。心配なのは腫瘤の数が非常に多い点で、本人としては以下の点が不安です。(両方のお医者様から、両胸(特に右側)に数え切れないくらい沢山の乳腺症と腫瘤が確認できると言われています。)

1) 乳腺症(線維腺腫、他)以外の何か全く別の病気を考える必要はないのでしょうか?
2) 悪性腫瘍との見分けが難しくなってしまうのではないか→悪性との見分けを付ける為に、他にはどんな検診を受けるべきでしょうか? 私の場合、腫瘤の数が非常に多い為、良性と悪性が見分けられる様、見落としのない検査を受けたいので、エコー、マンモグラフィ、MRIの様な目で見る検査だけでは不安が残ります。

文章が長くなりましたが、ご意見をお伺いできれば幸いです。よろしくお願いいたします。

腫瘤が両側に多発しているとのことなので、乳腺症の一部であるのう胞や、線維腺腫が多発している可能性が頻度的には最も高そうです。お若い方の中には、そのような方もしばしばいらっしゃいます。そのような乳房内に癌が発生すると、散らかった部屋で探し物をするようなものですから確かに見つけにくいこともあります。しかし全ての腫瘤について細胞診や針生検をするのは現実的でないですから、やはり現在されているように画像の検査で怪しいところがある病変について調べていくのが現実的でしょう。経過観察は画像の検査をこまめにしてもらうのがいいかなと思います。画像の検査だけでなく、自己検診もしっかり行ってください。(文責 俵矢)

 

No.6217】  07年01月13日  M
術後の放射線治療

温存療法には、放射線治療がついているのは、よく理解しています。DICSの一部には、放射線治療を行わなくても、局所再発が少ないものがあると読みました。断端陰性かどうかではない、別の判断基準があるのでしょうか? 放射線治療により、心臓に放射線があたると聞かされ、怖くなってしまいました。よろしくお願いいたします。

DCIS(非浸潤性乳管がん)に対する温存治療後の放射線照射は、温存して残った乳房内に再発する確率を低下させるといわれています。心臓に放射線が当たる可能性は考えられますが、あたる量はわずかです。DCISの温存治療後の局所再発率に影響を与える因子としては、切除断端が陽性か陰性かが最も重要ですが、腫瘍径の小さい症例や、核異型度が低い症例では比較的局所再発率が低いことが知られています。主治医の先生とよく相談なさって決めてください。(文責 俵矢)

 

No.6216】  07年01月13日  のんのん
乳癌術後の妊娠について

初めてメールします。受診してご相談する勇気がなく、メールでご相談させて頂きます。39歳です。乳癌の疑いで検診を定期的に受け、42歳で確定診断を受け(0期)、温存手術を受けました。39歳で結婚を延期し、現在未婚です。可能であれば妊娠したい旨、主治医には当時から伝えています。2年間のリュープリン注射が昨年8月終了。妊娠しても可能と言ってはいただいたのですが、現在44歳、月経はまだありません。治療も終了し、やっと結婚してもいいかなと思うようになったのですが、かなり高齢でありハイリスク状態の妊娠は、はたして可能なのでしょうか? Drは希望を持たせる為、妊娠可能と言ってくださった思いもします。思い切って婦人科受診も考えていますが・・・。何卒よろしくお願い申し上げます。

現在のあなたの年齢と、まだ月経が再開していないことを考えると、すくなくとも現時点で妊娠する可能性はゼロではありませんが、低いと思います。44歳という年齢を考えると今後月経が再開しても、妊娠のご希望が叶えられるかどうかは微妙かもしれません。しかし、とにかく妊娠のご希望が強ければ、早めに婦人科の先生に一度相談なさってみてください。(文責 俵矢)

 

No.6215】  07年01月13日  R.Y. 
モントゴメリー腺について

現在31歳未婚です。乳輪の事で相談させてください。乳輪に白いプツプツが20歳頃からかなりの数あります。痛み・かゆみなどは全くありません。ネットで調べてモントゴメリー腺というものだと分かったのですが、妊娠していないのにモントゴメリー腺が数多くでるのは珍しいことなのでしょうか? 抗生剤で治療したいと思うのですが、皮膚科と乳腺科、どちらを受診するのがよいでしょうか?

モントゴメリー腺は乳輪に開口するアポクリン汗腺の一種です。これが見た目に目立つ方もいらっしゃいますが、これ自体は病気ではないので治療の必要はありません。炎症があるときは、痛みがあったり赤くなったりします。それがなければ心配ないでしょう。ご心配ならば乳腺科か皮膚科かはいずれでもよいでしょう。(文責 俵矢)

 

No.6214】  07年01月13日  M.T. 
今後の治療について

はじめてメールします。38歳、既婚、出産経験なしです。2006年1月頃、下着にほんの少し血が付着しているのに気付きました。左乳頭に黒い点が付いていました。4月に近くの外科を受診し、超音波、マンモグラフィー、分泌物の細胞診をし、6か月の経過観察になりました。その後、7月初めに乳頭から今までにないくらいの出血があり、大学病院の乳腺外科を受診しました。先生は悪性を疑い「良性であっても手術が必要になるだろう」とのことで、エコーと乳管造影MRIをしました。7月末の結果は「両側拡張乳管、両側乳腺のう胞。PapilomaかDCISであるかは明らかでない。」とのことで、6か月後にエコー&マンモグラフィーの経過観察になりました。その後、分泌物は少なくなりましたが、10月に入り、また多く出血するようになりました。今度は、先生は外科生検をしたほうがいいでしょうとのことで、12月末に行い、今週の病理検査の結果を待っています。分泌物のみで、しこりはありません。生検前の説明で“乳管内乳頭腫/鑑別乳管内がん“、「悪性であっても治ります」との先生の言葉に少し安心しましたが、生検まで血性分泌物が1年位続いているのと、乳癌は早いうちから全身にまわることがあると聞き、心配です。検査結果を聞く前に、知識を得、心づもりをするつもりですが、こちらで相談したくメールしました。もし、乳癌であった時の手術・治療方法をお教え願えたらと思います。よろしくおねがいいたします。

しこりをつくらず乳頭の血性分泌のみで見つかるがんは、一般的に比較的早期のがんが多いので、治る可能性は高いといえますね。乳がんであった場合には追加手術を行い、その結果に応じて術後の補助療法(ホルモン療法や放射線療法など)を考慮することになると思います。最初の切除で十分に病変が切除されていれば、追加切除を行わないこともあります。結果がでたらよく相談なさってくださいね。(文責 俵矢)

 

No.6213】  07年01月13日  S 
ホルモン剤の治療について

よろしくお願いいたします。83歳の母が乳がんになり、すでにステージ4とのことで、手術・放射線治療はありませんでした。抗がん剤治療後(よく効いた)ホルモン剤治療となり、アリミデックス(よく効いた)、タモキシフェン(効かなかったと思う)、ゼロータ(効かなかったと思う)、アロマシン(比較的効いたと思う)、フェマーラ(効かなかったのではないかと思う)、ヒスロンH(効かなかったのではないかと思う)という経過です。
現在はステージ5で、多数の骨への転移があると思われると共に、左顔面のしびれで感覚がありません。口半分から食べ物がこぼれてしまう状況で、左まぶたも半分ふさがっています。右鎖骨が骨折しているのか、布団に横になると痛くてできず、右肩に負担がかからないよう、いすに座って寝たり、こたつに頭を乗せ左向きで寝ています。
教えていただきたいのですが、治療に使えるホルモン剤等は、上記以外にはないものでしょうか。また、漢方薬などで適当な薬がないものでしょうか。また、鎖骨・片肩あたりの骨折の痛みで、片方の肩・鎖骨が痛まない適当な寝る器具等の方法がないものでしょうか。よろしくお願い申し上げます。

ステージは4までで5はありませんが、かなり進行した状態ということですね。
現在閉経後乳がんの患者さんに適応のあるホルモン療法剤としては上記のほかにはフェアストンというお薬があります。タモキシフェンと系統の似ているお薬です。使用して効果があるかはやってみないとわかりませんが、残念ながらこの状況だとあまり効果がない可能性も高そうです。
痛みでかなりつらいようですね。鎮痛剤は何か処方されていますでしょうか。がんによる痛みにはオピオイド(麻薬の仲間)などがよく効きます。また骨転移の痛みには、ビスフォスフォネート製剤の点滴や放射線照射も効果があります。お母様の場合鎖骨が骨折して偏移がある(ずれている)ことが痛みを増強しているようなので、可能ならば偏移を戻して固定する治療も考えうると思います。どの治療を選択するとよいかは、症例症例によって異なりますので、主治医の先生にお話してみてください。(文責 俵矢)

 

No.6212】  07年01月11日  M.I
術後療法について

35歳、右乳房全摘後、放射線25回照射しました(切除断端陰性)。術前にAC、タキソテールを済ませております。HER2−、リンパ8/8転移あり、ホルモン受容体ー、大きさ4.5センチでした。エビデンスが無いのはわかっているのですが、再度化学療法を受ける予定です。主治医はFEC後ゼローダ一年とのことですが、最初のACが良く効いていたので再度ACと思っていたのですが、どうなのでしょうか? 他に選択肢があればとも思うのですが・・・。お忙しいところ申し訳ありませんが、アドバイスをお願いします。  

確かに相談者さんのような場合に術後抗がん剤をしたほうがいいかということについて、明らかな指針はありません。アントラサイクリン系の抗がん剤(ACのAやFECのE)は、副作用として心筋障害が有名です。心筋障害の出現は、今までに投与されたアントラサイクリン系抗がん剤の総量がある一定の許容量を超えると増えることが知られています。A(アドリアマイシン)よりもE(エピルビシン)のほうが心筋障害が少なく、許容量が多いので、主治医の先生はEを選択されたのかなと思います。AもEも同系統のお薬なので効果は期待できると思います。ホルモン感受性マイナス、HER2マイナスであれば、抗がん剤を中心とした治療になりますね。(文責 俵矢)

 

No.6211】  07年01月11日  I.A. 
細胞診について

初めてご相談させて頂きます。マンモグラフィーで乳がんの可能性を指摘され、その後エコーと細胞診をやった結果、 非浸潤ガンと診断されました。その後温存手術をやり、病理検査の結果、浸潤ガンが含まれており、リンパ節の転移も見られました。細胞診をやる前までは、視触診でも異常なしと言われた程わからないシコリだったのですが、細胞診をやった後からシコリが目立つようになり、乳房も張ってきました。また、内出血もあったようで、しばらく青あざのようなものが残っていました。
1) 細胞診で、非浸潤ガンが浸潤ガンになる可能性はあるのでしょうか?
2) 1ヶ月位でリンパ節に転移する事はあるのでしょうか?
3) また、非浸潤ガンと浸潤ガンとでは、マンモグラフィーの映像に違いはあるのでしょうか?
4) 主治医には、かなり前からいた浸潤ガンだと言われたのですが、別のお医者様に聞いたところ、細胞からは、新しいか古いかは判断できないと言われました。どちらが正しいのでしょうか?

文面から判断する限り、病変の大部分は乳管内病巣(非浸潤がん)で、一部に乳管の壁を破って浸潤した病巣(浸潤がん)が含まれていたということだと思います。細胞診のあとにしこりが大きくなったのは、おそらく針を刺したので内出血が起こって、それが触れたのだと思います(たんこぶのようなものですね)。
リンパ節転移は、一ヶ月で起こったと考えるより最初からあったと考えるほうが自然です。腋窩リンパ節転移に関しては画像診断ではないと判断されていても、実際手術で切除し、病理学的検索にて転移が確認されることもしばしばあります。
癌にもいろいろなものがありますので、非浸潤癌か浸潤癌か、マンモグラフィーや細胞診から判定できる場合もありますし、術前には判断が不可能な症例も多々あります。
癌がいつごろに発生したかを知るのは困難です。マンモグラフィで発見されて、非浸潤癌だと診断されていたということなので、マンモグラフィで広範に石灰化を認める病変だったのかもしれません。石灰化が完成するまでにはある程度の時間が必要なので、主治医の先生はかなり前からあったと表現されたのかもしれませんね。(文責 俵矢)

 

No.6210-1】  07年01月11日  M 
妻の乳癌治療について

よろしくお願いいたします。妻(33歳)が年明け早々の1/5にS病院で乳癌(ステージ2b〜3b)と宣告されまして、いま非常に悩んでおります。
右乳房のしこりは5cm弱(一番大きいもの、複数あり)+リンパ腺への転移あり、鎖骨の上にはまだ腫瘍はなし、全身への転移は未確認(未検査)。
妻は今年の9/1に長男(生後4ヶ月)を出産しまして、その後右胸のしこりに気づき、はじめは昨年の11月頃にN病院で診察を受けたのですが、そちらでは細胞検査から陽性ではなかったため、発見も遅れ、今回の宣告は非常にショックなものでした。妊娠中、出産後に適切な病院にかからなかったことと、自分の知識不足を今更ながら非常に後悔しております。
S病院では6ヶ月(3週間×4+薬をかえ1週間×12)の抗がん剤投与のあと、手術といわれており、また抗がん剤の副作用から妻の実家(福岡)での治療がいいのではと言われております。福岡であれば病院は小倉にある北九州市立医療センターを考えております(妻は子供を連れて、実家での治療を希望しております)。自分としましては妻もまだ若く、進行も早いことから、すぐにでも治療(抗がん剤投与等)を始めることを一番優先したいと考えております。いま悩んでいることは下記になります。
1) 病院を変えると、また一から追加で検査を行ってから抗がん剤投与となるものなのでしょうか? だとすれば、とりあえずは早急にS病院で治療開始すべきか悩んでいます。
2) 病院をS→北九州にした場合、治療方針は引き継がれるのでしょうか? それともまったく変更されるものなのでしょうか?
3) 今回の場合、抗がん剤と転移の検査はどちらを先にするべきなのでしょうか?
4) 九州より東京の病院(自分で調べる限りだと癌研有明病院がよいと思いました)で、妻には負担がかかるが実施すべきか悩んでいます。→あくまでイメージですが、東京の病院のほうが最新状況や競争などもあり、また病院移動など融通も利くので、いいのではと思っているためです。
5) 九州で抗がん剤治療、手術は東京(有明病院)という選択も考えているのですが、懸念はあるでしょうか?→例えば病院の連携とか、医師の本気度とかの問題があり、病院は当初から一貫させたほうがいいものなのでしょうか?
6) ホルモンの陽性、陰性はまだ検査していないようなのですが、その場合でも抗がん剤をすぐに実施すべきなのでしょうか?(妻は授乳してから、しこりも急激に大きくなっており、術前はホルモン治療を行うという方法もあるでしょうか? ホルモン治療も転移ガンに抗がん剤と同等の効力があると思っての質問です)

以上、よきアドバイスがあれば、よろしくお願いいたします。

相談者様は東京にお住まいなのでしょうか。東京にお住まいと仮定してお答えさせていただきます。
1)治療方針について
文面から判断するかぎりS病院の先生の方針通り、化学療法(抗がん剤)を先行させたほうがよいと思います。化学療法の内容はおそらくACあるいはEC終了後タキソールを提示されたのだと思いますが、それでよいと思います。遠隔転移の検査(CTなど)やホルモン感受性の検査(針生検)については通常化学療法を行う前に行うものと思います。ただし、もしホルモン感受性であったとしても、術前ホルモン療法を行うより術前化学療法を行うほうが一般的であると考えます。
2)病院の選択について
治療に関しては東京であっても九州であっても同等の治療を受けられるものと思います。
それよりも問題は、小さなお子さんを抱えての治療になるので、ご家族の支えがどれだけ期待できるかということになると思います。化学療法中は家事や育児を誰かが助けてあげないと、奥様ひとりでこなすのは無理だと思います。もしどなたかの家事育児のサポートが期待できるのであれば、東京で加療なさってよいと思います。ご主人のお仕事も多忙で、親族や友人などの家事や育児のサポートが期待できないのであれば、少なくとも赤ちゃんがもう少し大きくなるまでは、奥様のご実家のある九州での治療もよいかもしれません。
3)病院の途中変更について
途中で事情があって病院を変更した場合も、前の主治医からのきちんとした紹介状があって連絡がとれていれば、まず心配はないと思います。ただし主治医に内緒で変更したり、あまり短期間に何回も病院を変えるような場合は連絡の不行き届きが起こることもあるかもしれません。また術前化学療法と手術は基本的に一連のものなので、術前化学療法を九州で行って、手術だけ東京でというのはあまり得策とは思えません。もし最初九州で治療を受けた場合には、手術が終わって術後の治療方針も決定したら、そのころは少し赤ちゃんの様子も落ち着いているでしょうし、主治医と相談してご主人と一緒に暮らせるように東京で治療を引き継ぐというほうが得策のように思います。(文責 俵矢)

 

No.6210-2】  07年01月18日  M 
妻の乳癌治療について(2)

お忙しいところ、ご丁寧なご回答大変ありがとうございます。
先日、9日にS病院で一刻も早く治療を開始したいというこちらの要望を主治医の先生にご相談し、病院を九州に変更した場合には若干タイムロスが発生してしまうことから、10日にS病院で抗がん剤の1回目の投与と血液検査(腫瘍マーカー)を実施しました。現在は妻の母親が自宅に子供の世話などで九州→東京に来てくれており、また子供は預けられるときは一時保育に預けております。
抗がん剤は、「◆ファルモルビシン 130mg ◆5-FU 650mg ◆エンドキサン 650mg」で、いわいるFECといわれるものと思います。
今後は、「◆15日にA病院でセカンドオピニオン ◆23日にS病院で転移検査(胸部、腹部、骨盤CT、骨シンチ)◆31日にS病院で抗がん剤(2回目)」を予定しており、主治医の先生とも相談のうえ、2/上に北九州の病院へ変更することを検討しています。主治医の先生はこちらの不安や悩みをこちらの立場で考えて頂ける方で非常に信頼しております。
追加でアドバイス頂きたいことがあるのですが、
1) 早期治療を優先し、既に東京のS病院で治療を開始しており、今後は九州に戻る予定なのですが、術前化学療法と手術の一連性も考慮した場合、どちらの病院で手術を実施したほうがメリットがありますでしょうか(S病院or九州or東京の他病院)
2) 今回FECを実施しておりますが、AC、ECだと効果があったが、FECだとあまり効果がなかった例などはあるのでしょうか(基本的にFECのほうが薬が1つ多い分、ECよりはFECのほうが優れていると素人的には考えてしまうのですが。)
3) 今回の投与量は結構多いと思っているのですが、一般的に抗がん剤は多いほうが効き目も強いものなのでしょうか(妻は身長:148cm、体重:41kgです)
4) 抗がん剤が全く効かなかったが、ホルモン療法がすごく効いたという前例はあるのでしょうか(今回の抗がん剤投与は正解だと思っているのですが、抗がん剤が効かない場合も懸念しています)
5) 転移検査(CT等)で転移が発見できないような難しいケースもあると聞いたのですが、PET検査は有効でしょうか。また時期はいつ頃が適切なものなのでしょうか。
6) 抗がん剤の効果は一般的に何回目くらいで出てくるものなのでしょうか。また、効果の確認の検査はどのくらいの周期でどのような検査になるのでしょうか。
7) 抗がん剤の副作用は一般的に投与数が多くなればなるほど強くなるものなのでしょうか。また、AC/EC(3W毎)と、その後のタキソール(1W毎)では、一般的にどちらが副作用が強いものなのでしょうか。

以上、長文となり、大変恐縮なのですが、アドバイスのほどよろしくお願いいたします。

1) この場合どちらで手術したほうがいいかは、現在のS病院の主治医の先生は「信頼できる方」ということなので、家庭の事情や病気の性質などを考慮してよくお話なさって決めるのが一番よさそうに思います。
3) FEC 90あるいは100を行っているようです。適切な支持療法を行えば多すぎる量ではないと思います。
2) Cが含まれているかどうかより、Eの量のほうが効き目に影響します。タキサンが追加されるのかによっても違います。十分な量のEpirubisinが使用されており、効果については問題ないのではないでしょうか。
4) そういう場合も考えうると思いますが、術前ホルモン療法のデータはあまり多くはないですが、術前化学療法の奏功率を比較すると、化学療法の方が高いと思われます。
5) PET検査に関しては、今の状態であれば保険が利くので3万円程度で受けられます。主治医と相談して受けてもよいかと思います。ただし、1cm以下の転移巣は検出率が低くなりますし、必ずしも全ての転移を発見できるわけではありません。
6) 抗がん剤の効果は早い人では初回投与後2−3週から現れると思います。この場合は腫瘍を触知できる状態だと思いますので、基本的に効果判定は毎回の腫瘍の触診で行うだろうと思います。腫瘍が順調に縮小していれば画像の検査は抗がん剤終了後に行う場合が多いと思いますが、施設によって違うと思うので主治医に確認してください。
7) 抗がん剤治療が長くなると、体も多少弱ってくるので、倦怠感や骨髄抑制(白血球の減少)などは強く出ることが多いと思います。吐き気などはあまり変わらないように思います。ACのほうがタキソールに比べて吐き気は強いと思います。また3週毎投与なので最初の一週間くらいの倦怠感はタキソール毎週療法より強いかもしれません。タキソール毎週投与は少量ずつ分けて投与する方法なので、吐き気や骨髄抑制などは軽めに済むと思います。(文責 俵矢)

 

No.6210-3】  07年02月18日  M 
妻の乳癌治療について(3)

アドバイス大変ありがとうございました。また、お礼のお返事が遅くなり、大変失礼&申し訳ありません。長文で大変恐縮ですが、追加でアドバイスを頂きたいと存じます。何卒よろしくお願いいたします。以前のmailと若干内容が重複いたしますが、進展と現状を先に述べますと、病院を変更することによるデメリット(年齢も若く癌の進行が早いので治療を遅らせることによる全身への転移)を懸念し、東京のS大学病院でFEC100を2回完了しております(1回目:1/10、2回目:1/30)。主治医の先生には1/9診察時、治療をどちらで受けるかをまだ決めかねているが、上記デメリットをお話したら、快くこちらの気持ちと要望を聞いてもらえ、治療を開始して頂けました。また、転移検査と病理、腫瘍マーカーもS大学病院で実施して頂き(1回目のFEC投与後)、下記のとおりでした。
【検査結果(東京S大学病院)の概要】
病理学の結果は、nuclear gradeは核異型:2、核分裂:3でgrade3、ホルモンとHER2は陰性ということでした(ホルモンに関しては以外な結果でした。やはり選択できる治療が多いという意味では陽性のほうが望ましい?)。癌はscirrhous carcinomaと書いてあり、硬癌のようです(あくまで細胞をとった一番大きい腫瘍とのことですが)。壊死性背景(壊死しているほうがあまりよくないのでしょうか?)に悪性細胞を認めると書いてありました。腫瘍マーカーはCEA:1.9、CA15-3:73.4、シフラ:2.5、NCCST439:3.5、CSLEX:4.8、BCA225:160、1CTP:5.7と書いてあり、主治医の先生からはCA15-3と1CTPが基準値を超えていると説明がありました。腫瘍マーカーはあくまで参考データとのことでした。転移は肝臓、骨はなし、肺が5mm程度の影が2個あるので、転移の疑いありだが、正確には細胞を取って調べないとわからない、また現時点では抗がん剤投与中に大きさを経過観察とのことでした。転移の疑いはあるが、治療方針(抗がん剤)は基本的に変わらないとのことでした。
その後、妻の父がショックもあってか、脳梗塞で倒れてしまったこともあり、色々と悩んだあげく、S大学病院に紹介状を書いてもらい、2/6に北九州の医療センターのM先生に外来で受診して、今後九州で治療をしたい旨を伝え、現在に至ります。追加でアドバイス頂きたいことがあるのですが、
1) 上記の病理結果から、この癌の悪性度は一般的にどの程度なのでしょうか。(細胞が壊死しているほうが悪性なのでしょうか?また、Her2は陰性のほうが良性なのでしょうか?ホルモンは治療法が増えるので、陽性のほうが一般的にはいいのでしょうか?)
2) ホルモンとher2陰性の癌は遺伝子による可能性が高いのでしょうか(癌が何を栄養に増殖するのかメカニズムが不明です)。また、遺伝子を調査し治療する手法はあるのでしょうか。
3) ホルモン、her2陰性の癌のほうが、一般的に抗がん剤が効くケースが多いのは本当でしょうか。
4) 腫瘍マーカーなどの検査結果から、肺転移の信憑性はどの程度と受け止めればよいのでしょうか(ステージ4と受け止めるべきでしょうか)。
5) 治療方針は、転移の被疑ありで抗がん剤となりますが、問題ないでしょうか。
6) S大学病院では、FEC100のあとはタキサン系の抗がん剤を1回/1週間とのことだったのですが、医療センターは1回/3週間とのことでした(病院で使用している商品名【タキソールorタキソテール】も異なるようです)。色々調べた感じだと、副作用の軽減と効果、いずれも若干は1回/1週間のほうが優れているように思えてしまうのですが、両者の詳細な違い(メリット、デメリット)と、どちらが最新(最近)の治療なのか教えて下さい。(方針上、医療センターでは1回/3週間しかできないとのことでした)
7) 現時点では延命治療ではなく、手術は治療の選択肢として考えることは出来ますか? また、その場合、一般的に乳房もリンパも全摘出でしょうか。
8) 病理の細胞取得は1回目の抗がん剤投与後になってしまったのですが、癌の性質変化による検査結果の変動は懸念すべきでしょうか。
9) FECの治療において、周期3Wの変動と投与量の変動がどの程度発生すると、治癒効果に影響を与えるものなのでしょうか。(病院が変更となり、また非常に混雑している病院なので、周期と投与量が若干変更になる可能性を懸念しています。また、副作用が少々あっても投与量を変更せず、完遂することが効果を最大限にすると聞きました。)
10) 妻はもともと風邪など引きやすく、すぐ熱がでる体質なこともあり、元々あまり免疫力がないことを懸念し、「生源」という健康補助食品(バイオファーメンティクス)を飲ませています。成分に大豆イソフラボンが含まれているのですが、ホルモン陰性であることもあり、継続しようかと思っています。大豆イソフラボン摂取によって、乳癌の進行が早まった症例はあるのでしょうか。それとも、影響がないと言い切れない(不明)ということなのでしょうか。

質問ばかりで大変恐縮ですが、何卒、よろしくお願い申し上げます。

1) nuclear gradeは核異型:2、核分裂:3で、grade3が病理学的悪性度分類です。ホルモン陰性、ハーセプテスト陰性(triple negative症例と言い、最近乳ガン治療で話題になっています)は、ガンの性格的に今後検討が必要なtypeです。明確な臨床データーは出ていません。細胞が壊死しているほうが悪性度が高く、Her2は陰性のほうがガンの性格的にはよく、ホルモンは治療法が増えるので、陽性のほうが一般的にはいいと考えて頂いてよいと思います。
2)3) ホルモンとHER2は密接に関連していますが、分子レベルのコトであり不明な点もまだ多いです。現時点でこれらの遺伝子を調査し、治療する手法は臨床では行われていません。
4) 今後の画像評価で明らかになってくると考えます。現時点のメール内容では分かりません。
5) 術前化学療法で抗癌剤選択されており問題ないと思います。万が一転移であっても、やはり優先治療は抗癌剤です。
6) タキサンは3週に1回投与と毎週1回投与を3回で1週お休みの2つの投与方法に分けられますが、術前化学療法で使う薬剤と投与方法を決めている施設も多いようです。ちなみに当院ではタキソテールの3週に1回投与を4回です。効果に関してはどちらも大きな差は認められず、副作用もやはり個人差があり優劣はつけがたいと思います。医療センターは1回/3週間とのことなので、投与して、どうしても副作用が強い場合は1回/1週間に変更してもよいと思います。
7) 現時点では術前化学療法であり、抗癌剤が終了すれば手術になります。縮小度合いによりますが、乳房温存術の選択枝はあります。しかし乳癌(ステージ2b〜3b)腫瘍5cm弱(一番大きいもの、複数あり)+リンパ腺への転移ありとのコトなので、リンパ節郭清はしなくてはならないでしょう。
8) 癌の性質変化による検査結果の変動は絶対にないとは言い切れませんが、現在の治療方針は変わりませんので、懸念はしなくてもよいと思います。
9) FECの投与量は病院間の連携が問題なければ変わらないと思います。副作用の関係で投与量を変更する場合は20%減量します。副作用の程度にもよりますが、1回投与量を減らさずに副作用が強く出て結局何週間も投与できないのでは全体の投与量が減りますので、担当の先生と相談した方が良いと思います。
10)イソフラボンは乳ガンの予防に有効と言われていますが、食生活はバランスが大切です。乳ガンに良いからと言って、そればかり食するのも考え物です。大豆イソフラボン摂取によって、乳癌の進行が早まった症例はないと思います。(文責 川本)

 

No.6210-4】  07年02月22日  M 
妻の乳癌治療について(4)

お忙しいところご回答ありがとうございます。【No.6327】(07年02月18日)で質問させて頂いたMです。追加でお聞きしたいことがございます。大変恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
1) triple negative症例は、最近の乳ガン治療で話題になっているとのこと(明確な臨床データは出ていませんとのこと)ですが、一般的(標準的)には予後(再発率)や治癒率は悪いのでしょうか?(それとも不明になるのでしょうか?)
2) triple negativeは年齢的に若年が多いのでしょうか? また、明確な臨床データは出ていないということは、最近増加傾向な症例で有効な治療方法が明確でないということなのでしょうか?(抗がん剤が最大限に効いたと仮定して、完治の可能性はあると希望をもってもいいものでしょうか)
3) 初回時でのステージ4と再発時のステージ4とでは、治癒率や予後には差があるのでしょうか?(感覚的には初回でのステージ4の方が、完治する確率は高いと思っていたのですが・・・)
4) リンパ節郭清は覚悟しているのですが、センチネルリンパ郭清ができる可能性はあるのでしょうか? それともリンパは全部摘出でしょうか?(リンパ節郭清は腕が上がりづらくなるような情報もありましたので、懸念しています)

お忙しいところ、何度も申し訳ありません。よろしくお願いいたします。

1) 昔はER(-)、PgR(-)、HER2(+)の乳癌の予後が最も悪かったわけですが、ハーセプチンの登場により状況がかわり、現在ではER(-)、PgR(-)、HER2(−)の治療成績が一般的には悪いことになっています。
2) triple negativeの症例は若年者に多い傾向があります。最近症例が増えてきたというより、注目され始めたということでしょう。勿論抗がん剤で完治する可能性はあります。
3) これについては正確なデータがなく分かりません。ステージ4が完治というのは現在でも難しいと思いますが、抗がん剤を使用していない初回時の方が薬剤に反応し易いということはあるかも知れません。
4) センチネルリンパ節の生検はリンパ節転移があるかどうかを調べるもので、リンパ節転移のある方は通常郭清(全部取ること)を行ないます。(文責 吉田)

 

No.6210-5】  07年05月31日  M 
妻の乳癌治療について(5)

HPNo.6354(07年02月22日)でご質問させて頂いたMです。お忙しいところ恐縮ですが、再度アドバイス頂きたいことがあります。おかげさまで妻は東京の病院で1/10、1/30に2回のFEC、その後九州の病院で2回のFEC100、5/22に3回目タキサンまで完了し、下記のとおり腫瘍縮小が確認されているようです。(残りは6/12のタキサンで術前化学療法は終了)
【確定診断時(H19.1月)】
◆右乳房のしこりは5cm弱(一番大きいもの、腫瘍は複数あり)+リンパ腺への転移あり(複数で鎖骨下まで)
◆ステージは2b〜3bとのこと
◆鎖骨の上にはまだ腫瘍はなしだが、胸骨のほうまで広がりが見える(多発性)。左乳房は異常なし。
◆病理学の結果はnuclear gradeは核異型:2、核分裂:3でgrade3。ホルモンとHER2は陰性(triple negative)。scirrhous carcinoma(硬癌)。転移は肝臓、骨はなし、肺が5mm程度の気になる影が2個あり(癌かの特定不明)

【FEC100_4回完了時(H19.4月)】
◆画像上は右乳房のしこり(3cm弱に縮小)+リンパ節(1個半位)のみになった。その他の腫瘍は画像上は消失。
◆今後の予定は、6月末にMRI、CT、骨シンチの検査。早ければ6月中に入院→手術予定。温存可であれば温存、その後、毎日放射線を1ヶ月以上当て続ける。ただし、検査の結果で転移が見られなければ、放射線後の抗がん剤は現時点では予定なしとのこと。

私は東京在住、妻のみ九州で治療(妻もpositiveな性格で、細かいことは質問しない)のため、私も主治医の先生に質問する機会がないため、下記についてアドバイス頂きたいと存じます。
1) ステージの考え方ですが、初期診断で2b〜3b、その後術前化学療法で縮小していて、手術後の病理結果で良くなっている場合、一般的に予後などを予測するステージは初期or手術での病理、どちらが適用されるのでしょうか。
2) 手術は温存可であれば、温存でも問題ないのでしょうか。もともと多発性だったので、若干不安があります。
3) 放射線は温存の場合のみ必要となるのでしょうか。それとも全摘の場合でも必要なのでしょうか。また、実施効果と副作用等の懸念について教えてください。
4) 東京での診断、セカンドオピニオンのときは、手術後も抗がん剤になるかもしれないと言われていました。現時点の予定で、放射線後治療を何もしないことが一般的なのか、再発率が上がるのではと心配です(術前化学療法が効いているから、必要ない?)。抗がん剤はしなくても大丈夫でしょうか。また、抗がん剤をするなら、なんという薬になりますか。
5) triple negativeで抗がん剤(FEC)も結構効いていると認識しているのですが、術前化学療法で効いているので、予後も一般的に良いと理解して問題ないでしょうか。
6) St. Gallen Conferences 2007でtriple negativeについて新情報がありましたが、読んでみても私のような素人ではよく理解できませんでした。(アルキル化剤【←これはFECに入っている?】、シスプラチン、gefitinib、dasatinibというwordがあり、これらが有効であると読み取れました) 今後一般的な受けられる治療として何が変わるのか、何が変わる見通しがあるのか、何か情報があったら教えて下さい。

1) 基本的には治療前のステージで考えてよいでしょう。
2) 乳房温存手術により局所再発のリスクは増加しますが、生存率には影響ないと考えますので、それを理解した上であれば、可能であれば温存手術を行ってもよいでしょう。
3) 鎖骨の周囲や胸骨の裏にあるリンパ節は通常の手術で完全に取り除くことは困難であり、もし治療前の画像所見で広範なリンパ節転移を認めるのであれば、乳房切除後でもリンパ節に対する照射も考慮してよいのではないでしょうか。
4)6) 術前にアンスラサイクリン及びタキサンを含んだ治療を施行しており、術前及び術後化学療法としては十分な治療が行われており、現時点では更に上乗せ効果がある薬剤は確立されていません。
5) 術前化学療法が効いて病理学的に癌組織が消失した場合には生存率もよいと報告されています。(文責 浜口)

 

No.6209】  07年01月11日  M
術後補助療法について(2)(HPNo.6040-3)

HPNo.6199で回答をいただいたものです。その節はありがとうございました。前回の相談の際、私の勘違いがあったので訂正させていただき、お手数ですが再度回答をいただきたく、メールいたしました。悪性度1というのは非浸潤がんだから、という意味であって、がんの顔つきで判断したものではないそうです。さらにハーセプチンも、非浸潤がんということで調べていないので「0」だそうです。病理標本は8本か10本のスライスで確認してありました。そこで、
1) 悪性度、ハーセプチンがはっきりしなくても、前回いただいた回答は変わりませんか?
2) 8本か10本のスライスで本当に非浸潤がんと判断して大丈夫ですか? 微小浸潤がんの存在を否定できるのでしょうか?

以上2点、教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

前回の回答と変更ありません。微小浸潤癌の存在に関しては、しっかりとした病理医が診断しているのであれば十分な標本、検体ではないでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.6208】  07年01月11日  Y.F.
局所再発について

よろしくお願いいたします。39歳、2005年11月左温存。腫瘍1.5センチ、リンパ節転移なし。グレード2、Her2(2+)。断端5ミリ以内陽性。放射線25回、電子3回すみ。現在リューブリンとノルバで治療中ですが、先日のマンモで不安になったため、お聞きしたいと思います。
術後一年検診(CTと腫瘍マーカー)で異常はなく、ほっとしていたところですが、マンモを半年以上撮ってなかったこともあり、今回リューブリンにあわせて撮ったところ、私の素人目には手術前と同じく白く光ったような部分がある写真でした。主治医はしばらく見たあと、触診をしましたが、「大丈夫」とのことでした。主治医は、マンモ読影の認定医でもあるし、信頼はしているのですが、白く光った部分が気になるし(右は特に何もなかった)、乳房の縫った部分が硬くなっていて、例えしこりがあったとしてもわからない感じなのです。血液検査はしていません。局所再発とは、どうしたらわかるのですか? 情報が足りないかもしれませんが、この状態で局所再発の可能性がありますか?

主治医がレントゲンをみて、大丈夫とういのであれば心配ないのではないでしょうか? その、白く写ったものが何なのか、質問されては如何ですか? 手術した側というのは、MMGをとると、どうしても引きつれや、変形、乳腺が白く写る等の変化はあるものです。局所再発は、やはり画像検査が主体になります。MMGを見ていないので、なんともコメントのしようがありませんので、主治医と相談されるのがよろしいかと思います。(文責 鈴木)

 

No.6207】  07年01月11日  K
腕のむくみについて

乳癌で乳房温存手術から(リンパ節切除も)1年8ヶ月が経過しています。薬はアロマシンを飲んでいます。2ヶ月程前に手首が腫れ、腕がむくみだし、数日前には肘の辺りに大きな腫れ物ができ、かなり痛みました。これもすべて手術の後遺症なのでしょうか? 何か楽になる方法はないのでしょうか? 術後の検査は3ヶ月に1度程度しています。12月の検査では異常無しでした。骨シンチの検査もしましたが、異常なしでした。仕事がダンス教師なので、痛みもむくみにも困っています。むくみに対する改善方法をぜひ教えて下さい。宜しくお願いいたします。

ひとえに後遺症といえるかどうかは難しいのですが、手術でリンパ節郭清をしたことが災いになるのは、可能性が高いでしょう。腕のむくみに関してですが、これはなかなか改善が難しいです。同じように手術しても、むくむ人と、そうでない人がいます。これ以上、悪くしないようにすることの方が賢明ですので、マッサージ、腕を高くして休むなどの工夫をしましょう。サポーターをリハビリ科などで作ってくれるところもありますが、あまり著効しないようです。(文責 鈴木)

 

No.6206】  07年01月07日  M・M
乳ガンの症状について

32歳、未婚です。少し前から、左胸の横、脇の下、ちょうど骨の部分が、手で押すと(よく腕とか)どこかにぶつけたような感じで痛みます。何もしなければ痛みはありません。シコリその他、乳房、乳首の変化は見られません。胸なので少し不安になりメールいたしました。宜しくお願いいたします。

以前から、乳房の痛みに関しては、この相談室でも種々相談が寄せられていますので、ご参考にして頂ければと思います。乳房、脇の下とかの痛みはよくあることで、月経周期やストレスなどで、乳腺の張りが痛みとして感じることが多々ありますので、あまり過敏にならなくてもよろしいかと思います。痛みだけで、しこりを自覚しないのであれば、もうしばらく様子をみてはいかがでしょうか?もし、痛みがひかない、しこりを自覚するなど、不安が強ければ乳腺外科の受診を勧めます。(文責 鈴木)

 

No.6205】  07年01月07日  S.S 
術後の治療について(HPNo.5144-3)

HPNo.5144でお世話になった者です。三たびご相談致します。昨年11月に転院し、12月1日に乳房全摘術(右乳房胸筋温存)を受けました。病理検査結果:組織型(invasive lobular carcinoma,一部papillotubular carcinoma),断端(+),浸潤(f),ly(3),v(0),n(+)(25/25),ER(+)10%以上,PgR(+)10%未満,HER2(−),grade1(3点),核異型細胞スコア(2点),核分裂像スコア(1点)。以上の結果から、今後の治療法としてどんなものがあるでしょうか。化学療法を行うとすれば、以前アレルギーの出た薬剤もあるのですが、どの薬剤を選択するのがよいでしょうか。アドバイスをよろしくお願いします。

術前に化学療法をされているので、もう化学療法は必要ありません。お疲れさまでした。ただ、リンパ節転移が高度であるので、腋窩、胸壁、胸骨傍、鎖骨上に放射線照射が勧められます。照射により再発が少ないことがわかっています。放射線の副作用にもよりますが、その前後で併用もしくは、照射後にホルモン療法が必要になります。この場合、閉経前か閉経後かの判断が必要になります。月経の有無だけではなくて、採血で女性ホルモンの量を測ってから治療法を選択された方がよいでしょう。術前にフェマーラを内服されていますが、本来は閉経後に内服する薬ですので、閉経後と判断されたのだと思います。前回の回答のように、術前にホルモン療法というのは推奨されていませんので、術前化学療法から手術、放射線、ホルモン療法の流れに乗って、術後に投与するものとして回答します。閉経後と判断するのであれば、タモキシフェンよりアナストロゾール(アリミデックス)、レトロゾール(フェマーラ)が推奨されます。閉経されていなければ、LH-RHアゴニストを2年間注射とタモキシフェンの5年内服です。(文責 鈴木)

 

No.6204】  07年01月07日  A  
治療後の不妊

4年前34歳の時に手術をして、3年間はフルツロン3錠とエンドキサン一錠のみとタモキシフェン2錠、現在はタモキシフェンのみです。再発の心配はおそらくないが、年齢もあるし予防の為にと服用してきました。命がある事に感謝しなければならないと思う反面、エンドキサンとの相互作用で4年近く生理がなく、子供を持つ可能性が完全に絶たれたのかと心配しています。医師には最初の頃若いので戻るだろうと言われていたのが、今では難しいかもしれないと言われてしまいました。可能性の話でいいのですが、38歳でも閉経してしまうでしょうか。

化学療法と閉経に関しては、CMFという治療法での報告があり、CMFをうけると平均68%で閉経するという報告があります。年齢別にみると40歳未満であれば、40%、40歳以上であれば平均76%で閉経します。閉経するか否かは、年齢とシクロフォスファミド(エンドキサン)の総投与量にかかっています。今回の場合、術後補助療法でのフルツロン、エンドキサンの併用データはありませんので、はっきりしたことは言えません。今後、生理が発来すれば、妊娠は可能ですし、催奇形性の問題もありません。ただ、タモキシフェンの内服中は催奇形性の問題がありますし、内服終了後も、3〜6ヶ月は妊娠を避けた方がよいでしょう。(文責 鈴木)

 

No.6203】  07年01月07日  CM
骨シンチについて

初めてご相談させて頂きます。2年前に全切除手術を受けました。T期で、リンパへの転移なし、血管やリンパ管への侵襲も無し、悪性度2、HER2陰性です。リュープリン注射を受けつつ、半年に一回、骨シンチや血液、超音波等の一通りの検査を受けており、今月中旬にもまた検査を受ける予定です。骨シンチでは打ち身などで影が写るということですが、12月上旬にバドミントンで転び、年末にはスキーで転び、膝や肘をぶつけてしまいました。スキーでは、他の場所もぶつけているかも知れませんが、よくわかりません。こんな状態ではどこに影が出てもおかしくないので、今月の骨シンチはキャンセルして、3ヶ月後位に改めて受ける方がよいのでしょうか? あまり余計な被爆をしたくないのですが・・・。お手数をお掛けしますが、宜しくご回答お願いいたします。

被爆の問題でしたら、骨シンチによる被爆は体内で半減していきますので殆ど軽視できます。ただ、打撲、骨折でも影が映ることはありますし、3ヶ月くらいしてからでも残りますので、あとは主治医と相談して下さい。(文責 鈴木)

 

No.6202-1】  07年01月07日  T 
乳頭からの分泌物

私は26歳です。独身で、結婚歴はありません。つい10日ほど前、お風呂に入っているとき左胸の乳首に黒いぽつんとしたものがついていたので、ホクロかな?と思い、触ってみたら消えてしまいました。その時試しに絞り出すような感じで、ギューッとしてみたら、黒い液体が出てきました(左側のみ)。そのときは風邪を引いていて薬(カロナール)の副作用かと思っていましたが、まだ出てきます。少しトロリとした感じのが…。数年前はアビリットを飲んでいて、母乳みたいなのがピューピュー出てきたことがあります。今は飲んでないので出てこなくはなりましたが…。今でも、強く絞り出すようにすると黒いのが少し出てきます。これはなんなのでしょうか?教えてください。
関係あるかどうかは解りませんが、私は今胃潰瘍なので、毎日ムコスタとチーカプト、ついでに寝付きが悪いのでゼストロミンを飲んでいます。それと、田舎に住んでるので近くに大きな病院がありません。辛うじて町内に産婦人科やレディースクリニックがあるだけです。こういう所にいっても大丈夫なのでしょうか? お忙しいとは思いますが、教えてください。お願い致します。

恐らく乳頭からの分泌物ですが、念のため出来れば乳腺外科で検診を受けることをお勧めします。薬剤性の可能性もありますが、黒い?分泌物であれば、若干の出血をしていることも考えられるので・・・。産婦人科、レディースクリニックでも、乳癌検診してくれますが、やはり専門性がでるところですので、乳腺外科を訪ねることは可能でしょうか?(文責 鈴木)

 

No.6202-2】  07年01月11日  T 
乳頭からの分泌物(2)

先ほどはご丁寧な回答、ありがとうございました。前回、メールに書き忘れたことがあったので、もう一度質問させて下さい。
風邪薬でカロナールを飲んだと書きましたが、それと同時にマイスリー(5ミリグラム)も飲みました。病院で、「具合いが悪すぎてなかなか眠れないから、即効性があってハングオーバーしないのを下さい」と言ったら、それを処方されました。結局、それを飲んだのものの、5時間くらいしか眠れなかったので、それ以降は飲んでいません。ですが、それを飲んでから、おっしゃる通り乳頭から黒い液体が出るようになりました。(ただ、自分でぎゅーっと絞り出さない限りは出てきませんし、痛みもありません)。マイスリーとカロナール、チーカプトやムコスタの飲み合わせが悪くて、こんな副作用が出たのでしょうか?
昨日、電話帳でなんとか見つけた乳腺外科へ電話したら、「今月いっぱい全ての時間で予約がうまっています」と言われたので、どこで見てもらえばいいかを聞いたら、産婦人科ではなく外科と言われ、少し拍子抜けしてしまいました。外科ならなんとか行けそうなので、近々行くつもりではありますが(生理前や生理中に行っても大丈夫でしょうか?)、もし本当に乳癌なんて言われたら…と思うと、正直言って非常に怖いです。もし仮に外科でも理由が解らなくて乳腺外科へ行かなければならなくなったとして、そんなに何日も何日も放っておいて大丈夫なものでしょうか?
お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

あまり過敏にならず、乳腺外科、一般外科の受診をして下さい。何日も何日も・・・殆ど、病状に変化はありません。受診の時期はいつでも構いません。副作用に関しても、可能性は否定できませんが、因果関係は少ないと思います。
生理的に分泌物がでることもあるので、あまり神経質になるのはやめましょう。身体に悪いですよ。(文責 鈴木)

 

No.6201】  07年01月07日  A 
エコーでの異状について

初めてメールを出します。今日検診をしてきました。去年検診した時はのう胞うがあり、乳腺症だと言われました。そして今日はマンモングラフィもしたのですが、マンモは異常なしだったのですが、エコーで「のう胞の下に黒く線になっている」と言われ、異常を指摘されました。本当に異常なのでしょうか?

この、<嚢胞の下に黒く線になっている>というコメントだけでは、何ともお答え出来ません。恐らく、何ら問題ないものと考えますが、画像を見られませんので、判断に悩みます。 (文責 鈴木)

 

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