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相談室(No.5901〜6000)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

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なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

6000 06/11/10 N  ノルバデックスD服用二週間です (HPNo.5826) 比嘉
5999 06/11/10 ao ステージWの治療について(2) 比嘉
5998 06/11/10 H.Y.  薬について 比嘉
5997 06/11/10 I.K. 栄養補助食品について 比嘉
5996-1
5996-2
06/11/10
06/11/13
T  術後の脂肪壊死について
脂肪壊死について(2)
石山
石山
5995-1
5995-2
06/11/10
06/11/28
K.K. 腫瘍マーカー
PET-CT
石山
加藤
5994 06/11/10 YUUYU 生検について 石山
5993 06/11/10 K  左乳首の痒みとただれについて 石山
5992-1
5992-2

5992-3
06/11/10
06/11/11
06/11/16
Y.K. 骨転移後の痛みの発現
骨転移後の痛みの発現(2)
骨粗しょう症の骨シンチ
石山
石山
片山
5991 06/11/10 O.M.  これからの状態と治療について 石山
5990 06/11/08 F.F タモキシフェンの中止について 石山
5989 06/11/08 N.T 乳腺のう胞について 石山
5988 06/11/08 C 粘着癌?の検査について 石山
5987-1
5987-2

5987-3
5987-4
06/11/08
07/02/25
07/05/21
07/06/25
Y.I.  未分化の癌について
未分化癌の抗癌剤の効果と手術について
未分化癌の術後について
未分化癌の術後について(2)
石山
吉田
徳田
石川
5986 06/11/08 G.O 乳首が痛みます 石山
5985 06/11/08 Y.K. 今後の治療について 石山
5984 06/11/07 T.N. カルシウムのつぶについて 石山
5983 06/11/07 U  治療法 石山
5982 06/11/07 A.N. 非浸潤癌について(HPNo.5474-4) 石山
5981 06/11/06 F.T 考えられる治療の方法・術前の放射線について 石川
5980 06/11/06 T.T. 病理組織学的検査について 石川
5979-1
5979-2

5979-3
5979-4
06/11/06
08/08/18
08/12/16
10/02/16
Y.N ホルモン療法中の味覚・睡眠障害
ホルモン療法中の子宮内膜増厚
ホルモン療法
ホルモン療法中のサプリメントについて
石川
石川
片山
鈴木
5978 06/11/06 Y.R.  術後一年の局所再発について 石川
5977 06/11/06 M.O 両腋窩小リンパ節に・・・ 石川
5976 06/11/06 IY ハーセプチンの治療について(HPNo.5722-4) 石川
5975 06/11/06 MS  ホルモン補助療法(ノルバデックス5年) 石川
5974-1
5974-2

5974-3
5974-4
5974-5
06/11/06
06/12/11
06/12/19
06/12/27
08/06/25
J.K. 乳がんの化学療法と手術について
抗がん剤はもうしなくていいですよと言われましたが・・・
抗がん剤はもうしなくていいですよと言われましたが・・・(2)
病理結果は切除断端陽性でした
乳癌治療後の生活不安
石川
清水

須田
清水
5973-1
5973-2
06/11/06
06/11/08
乳腺症
乳腺症(2)
石川
石山
5972-1
5972-2
06/11/06
06/11/28
moto リンパ節の郭清について
希望を持ちたくて
石川
加藤
5971 06/11/05 T  膝の痛み 石川
5970 06/11/05 M  乳首について相談です 石川
5969 06/11/05 YM 再発時の検査と治療法について 石川
5968 06/11/04 K.S.  高齢者ですが、抗癌剤治療は? 阿部
5967 06/11/04 F.K.  無治療の進行乳がん 阿部
5966-1
5966-2
06/11/04
06/11/07
K  骨シンチ
骨シンチ結果(2)
阿部
石山
5965 06/11/04 おかあさん ハ-セプチン 阿部
5964 06/11/04 N.Y.  ゾラデックス中止のタイミングについて(HPNo.5267-2) 阿部
5963 06/11/04 カビ菌による体の反応について 阿部
5962 06/11/04 O  再発今後について 阿部
5961 06/11/04 E K 術後ホルモン療法の服用期間・また終了後の再発率について 石川
5960 06/11/04 N.F.  転移性乳がんについて 石川
5959 06/11/04 H.M.  年1回の検診で良いのでしょうか? 石川
5958 06/11/04 病理検査の結果 石川
5957 06/11/04 T.I. 乳房再建をおこなった時の再発について 石川
5956 06/11/04 A.A. 骨転移の可能性 石川
5955 06/11/04 Y.T.  治療経過中についての質問 石川
5954 06/11/04 KK ホルモン治療について(HPNo.3948-4) 石川
5953 06/11/04 K.T. ジェネリック医薬品について(HPNo.5749-3) 石川
5952 06/11/04 リンパ節郭清後、患部のはれについて 石川
5951 06/11/02 cocoa ホルモン療法中の体の不調について  石川
5950 06/11/02 K.O. 検査時期について 石川
5949 06/11/02 U.K. 乳頭の分泌液と脇の痛み 石川
5948-1
5948-2

5948-3
06/11/02
07/02/18
07/02/22
Y.S 乳管内乳頭腫の疑い
乳管内乳頭腫の手術について
術式について
石川
館花
吉田
5947 06/11/01 H  骨髄抑制に伴う抗癌剤の投与量について(HPNo.5280-3) 石川
5946 06/11/01 S.O. 今後の治療について(2)(HPNo.5693-2) 石川
5945-1
5945-2

5945-3
06/11/01
06/11/11
06/12/17
O  術後の薬物治療について
再発率について教えてください
ホルモン治療について教えてください
石川
石山
5944 06/11/01 M.K.  マンモトーム検査後の血腫について 石川
5943 06/10/31 S   腋下の痛みについて 麻賀
5942 06/10/31 K.F. マンモトームと外科的生検 麻賀
5941 06/10/31 ADHと月経周期調整剤の服用について 麻賀
5940 06/10/31 N.K  脳転移について 麻賀
5939 06/10/31 N   悪性の可能性 麻賀
5938 06/10/31 S. 骨転移について 麻賀
5937 06/10/30 R.N.  抗癌剤の投与期間はあるのですか? 麻賀
5936 06/10/30 K.Y.  手術後のホルモン治療中です 麻賀
5935 06/10/30 K.H. 手術時期について 麻賀
5934-1
5934-2
06/10/30
06/11/01
K   抗癌剤治療の必要性
抗癌剤
麻賀
石川
5933 06/10/30 chai ハーセプチン治療について 麻賀
5932 06/10/30 H  左胸の違和感について 麻賀
5931 06/10/30 マンモ画像の「白い点」(HPNo.5899-2) 麻賀
5930-1
5930-2
06/10/29
06/11/02
K.K   のう胞内の腫瘍について
のう胞内腫瘍の摘出術について
麻賀
石川
5929 06/10/29 M  乳房下部線維腺腫 麻賀
5928-1
5928-2
06/10/29
06/12/02
K  肝機能障害について
予定通り行えない抗がん剤について
麻賀
首藤
5927 06/10/29 Y.K. 細胞診ClassU 麻賀
5926 06/10/29 H  乳頭・乳輪の痛みについて 麻賀
5925 06/10/29 R.S. 今後の治療方法について 麻賀
5924-1
5924-2
06/10/29
06/11/16
K  骨転移
再発転移について
麻賀
片山
5923-1
5923-2
06/10/29
06/11/02
U.Y. 転移予防について
転移予防について(2)
麻賀
石川
5922-1

5922-2
06/10/29

06/11/04
H  乳がん手術後の薬物療法選択と、判断材料としての検査の有効性について
今後の治療について
麻賀

石川
5921-1
5921-2
06/10/29
06/11/01
K.T.  ホルモン治療を受けたほうがいいでしょうか?
今後の治療について
麻賀
石川
5920 06/10/27 A  ステージWの治療について 麻賀
5919 06/10/27 M. T がんと診断されたら、乳房はあまり触らないほうがよいのですか? 麻賀
5918 06/10/27 N.N. 治療法の選択 麻賀
5917 06/10/27 K.M. ステロイドとホルモン療法について 麻賀
5916 06/10/26 M・A 粘液がんについて 麻賀
5915-1
5915-2
06/10/26
06/10/29
H.O 細胞診の必要性
細胞診をするにあたって
麻賀
麻賀
5914 06/10/26 C   細胞診結果判別不能での妊娠について(HPNo.5875-2) 麻賀
5913 06/10/26 E.A. 術後の補助療法 麻賀
5912 06/10/26 H・H  乳房のただれ・かゆみについて 麻賀
5911-1
5911-2
06/10/25
07/01/25
乳がんの出来る位置について
細胞診が出来ない場所
麻賀
千島
5910 06/10/25 S  乳がんに関するご相談です 麻賀
5909 06/10/25 再発率に関して 麻賀
5908 06/10/25 母の乳がん転移、下半身麻痺の治療について 麻賀
5907 06/10/25 M.K.  悪性の可能性 麻賀
5906 06/10/25 みどり 手術後のかゆみについて 麻賀
5905 06/10/25 K.S.  乳房のしこり 河原
5904 06/10/25 M  乳腺のう胞にポリープ? 河原
5903 06/10/25 H.A. 鎖骨上リンパ節再発後の治療について 河原
5902 06/10/25 K.T. 術後の補助療法について(HPNo.5749-2) 河原
5901 06/10/25 K.K 上腕の腫れ 河原

 

 

 

No.6000】  06年11月10日   N 
ノルバデックスD服用二週間です (HPNo.5826-2)

HPNo.5826で相談させていただきました。再度、お聞き致します。アドバイスを参考に、結局ホルモン療法を試してみることとし、ノルバデックスDを朝一錠服用しはじめました。服用4日目から体全体が熱っぽく、37度〜37.5度の微熱が一週間続いています。主治医の先生は、「発熱は考えにくい」とおっしゃるのですが、どうなのでしょうか。顔がほてるわけではなく、汗が出るわけでもなく、ただ、体の芯が常に熱いのです。我慢できないほどではないのですが、微熱とはいえ、一日中連日となると辛いです。これは問題にならないほどの軽い副作用なのでしょうか。

回答が遅れまして申し訳ありません。ノルバデックス内服による発熱は主治医の先生の言われているように考えにくいと思います。1〜2ヶ月内服が可能であれば、様子をみてはいかがでしょうか。やはり症状が続いて生活に支障がでるようであれば、薬剤の変更も考慮しないといけませんので、主治医と御相談ください。(文責 比嘉)

 

No.5999】  06年11月10日   ao
ステージWの治療について(2)

以前より時折ご相談させて頂いている妻(42歳)のステージW治療で相談です。
約1年半前にホルモン療法を開始し、おかげさまで、乳部/肺の腫瘍は検査では確認できない状況になっており、副作用も軽度のホットフラッシュ程度で普通の生活を 続けております。しかし、先日、主治医から、ゾラデックスは24回(2年間)のため、 以降は飲み薬のみで行きましょうと言われました。現在まで、薬の治療が奏効しているため、ゾラを止めることに不安があります。
1) ゾラデックスは、なぜ24回までなのでしょうか。止めることで女性ホルモンが再び増加し、がんを目覚めさせることにはならないでしょうか。女性ホルモン増加を何らかの検査で確認できるのでしょうか?その結果、再びゾラデックスを開始することはできるのでしょうか? また、生理が戻ったとすると、がん治療にとって、まずいことととらえ、何らかの対策をとるべきなのでしょうか?
2) ノルバデックスも、服用期間制限があるのでしょうか? その場合、以降の薬はアリデミックスが候補になるのかと思います。これは閉経後の薬と認識しているのですが、ゾラを止めた結果、生理が戻っても使えるのでしょうか?
3) 今後のホルモン療法計画について、ご意見をいただければ、ありがたく存じます。

【現在までの治療】
ホルモン療法を2005年2月より実施中。 ・ゾラデックス (月一回、腹部に注射)・ノルバデックスD20(毎日服用)

【治療開始時(がん告知時)のがんの特性と腫瘍】(2005年2月)
がんの特性・・・・・ ・悪性度:3 ・エストロゲン:+  ・プロゲステロン:+  ・HER2:− (1.29)
腫瘍の大きさ    
・乳部:小豆大のしこりが数箇所、あわせて4cm以上   ・肺:5mm程度の腫瘍が右肺外側に数箇所(CTとPETで確認)   ・肝臓:5mm程度の腫瘍が数箇所(他に4cm×2cmの腫瘍もあったが、後日、良性の血管腫と判明)   (腫瘍マーカ)  ・CEA:0.9、CA15-3:5.3、NCCST439:7.5

約半年後の腫瘍(2005年8月)  
腫瘍の大きさ・・・ ・乳部:MRIで確認できず  ・肺:CTで確認できず  ・肝臓:5mm程度の腫瘍が数箇所(2005年6月にMRIにて前回と変化無しを確認)  
(腫瘍マーカ)   ・CEA:0.9、CA15-3:5.7、NCCST439:1.4

【現在(約1年半後)の状態】(2006年9月)  
腫瘍の大きさ・・・ ・乳部:触診で異常なし  ・肺:検査せず  ・肝臓:検査せず 
※MRIやCTは、血液検査に異常はないため、実施不要とのこと  
腫瘍マーカ・・・ CEA:0.8、CA15-3:2.2、NCCST439:1.0 
その他、肝機能値など血液検査に異常値はなし。

以上、よろしくお願いいたします。

回答が遅れまして大変申し訳ありません。
1) ゾラデックスの使用は2〜3年が一般的で、それ以上の期間に関しては骨粗鬆症の問題や効果の程度が明らかではないなどの問題があります。生理が戻ることで病勢進行が心配になると思いますが、今後の画像検査などで病勢進行があった場合は、ゾラデックス再開も一つの案と考えます。
2) ノルバデックスも通常は5年間の内服が一般的で、それ以上に関して効果は明らかではありません。アリミデックスは御指摘の通り閉経後の方に効果が高いと言われています。ゾラデックスとアリミデックスの併用に関しては、現時点では有効とされる根拠はありません。
3) 現在の薬剤が無効になってきた場合、ホルモン治療であればヒスロンH(合成黄体ホルモン剤)が選択される可能性が高いと思います。(文責 比嘉)

 

No.5998】  06年11月10日   H.Y. 
薬について

以前、閉経後はアリミデックスの使用が一般的であると伺いました。今年の1月からノルバデックスを処方されており、のみ始めた以降から生理がとまっています(現在55歳)。主治医の先生は、「生理がとまるというのは、閉経の現象のひとつで、完全に閉経したと考えるには1年ほど様子をみる必要がある。」とおっしゃっていました。
来年の1月に血液検査を行い、ホルモンの状態を見るとのことですが、それまでノルバデックスを飲み続けていても問題ないでしょうか。アリミデックスへの変更を考えていただいたほうがよいでしょうか。

閉経後はアリミデックスの使用が一般的になりましたが、閉経かどうか判断に悩むケースも少なくありません。1月の採血結果を参考にされてからアリミデックスへ変更されても問題ないと思います。(文責 比嘉)

 

No.5997】  06年11月10日   I.K. 
栄養補助食品について

62歳です。7月に全摘手術を終え、現在アリミデックスを服用しています。術後、いろいろな人から、プロテインとかプルーンをすすめられます。大豆は乳がんにはよくないと言う人もいます。主治医の先生には1月後でないとお会いできないものですから、この相談室にお伺いしました。飲んでも、よろしいでしょうか?

大豆食品を多くとる人は乳癌の発症は少ないと言われています。しかしサプリメントなどでとった場合に乳癌の発症が減るという証拠はなく、逆に大豆イソフラボンのサプリメントはエストロゲンと構造が似ているので乳癌になる可能性が高まるのではないかと指摘されています。サプリメントでの服用はお勧めしません。(文責 比嘉)

 

No.5996-1】  06年11月10日   T 
術後の脂肪壊死について

教えてください。温存手術のあとの脂肪壊死の頻度は、どれくらいの割合で起こるのでしょうか? 又、温存術の場合、壊死の起こりやすい場所や、触診での感じ方、エコー画像の見え方など教えてください。また術後にすぐにできることもあるのでしょうか? お忙しい中恐れ入りますが、宜しくお願いします。

術式によって大きく変わります。また手術だけでも起こりますし、放射線照射で更に頻度は増します。頻度は分りませんが、術後半年くらいまでが多く、その後減ってくる印象があります。(文責 石山)

 

No.5996-2】  06年11月13日   T 
脂肪壊死について(2)

再び質問をお願いします。
1) 脂肪壊死とは脂肪組織内に起こるのでしょうか? 乳腺組織にも起こりうるのでしょうか? 放射線も受けて半年が経過しましたが、徐々に肉が柔らかくなってはいるものの、所々に塊のような感じがあります。もちろん縫合した直下は線にそって硬い気がします。
2) 脂肪壊死がエコーで写る時は、境界線ははっきりとしたものでしょうか? エコーで特徴的なものがあれば教えてください。

お忙しい中恐れ入りますが、宜しくお願いいたします。

温存術を施行した場合、欠損した乳腺組織を充填するのに脂肪組織を寄せる場合もあり、脂肪組織がどこにあるかは手術した医師しか分りませんので、手術した医師に聞くしかないでしょう。エコーではその点を考えて脂肪か乳腺かを判断しますが、術後の脂肪壊死は時に癌のようにも見えますので、エコーで鑑別は難しいです。(文責 石山)

 

No.5995-1】  06年11月10日   K.K. 
腫瘍マーカー

昨年11月、乳がんT期(腫瘍径1.7cm、er・pgrとも+、HER23+)で乳房温存手術、自費でハーセプチン単独治療を続けているものです。8月の血液検査で、(CEAが0.9、NCC‐ST‐439が2.7、CA15-3が7.5、1CTP3.9)いずれも基準値以内でした。10月初旬から、腰と両足のももの外側の出っ張った部分(大腿骨?)が痛く、主治医にお願いしてMRI(腰椎のみ)をとりました。結果は異常なしだったのですが、その後も、両足のももの外側の出っ張った部分の違和感が続いており、股関節もよく音が鳴るようになりました。11月の血液検査で、(CEAが1.0、NCC‐ST‐439が3.3、CA15-3が8.7、1CTP4.4)いずれも基準値以内ですが、上昇しています。特に1CTPは上限値になり、足の件もあるので心配です。主治医は「1CTPは腎臓の機能が低下しても上がるし、更年期症状でも上がるから」といいますが、骨シンチをしたほうが良いでしょうか? 前回3月に実施して異常がなかったため、主治医はあまり骨シンチをしたくないようなのですが。また、採血の日に生理が来ていたのですが、そういう影響もあるのでしょうか? 長くなりましたが、お教えいただけるようお願いいたします。

症状があり心配なら骨シンチを受けた方が良いと思います。月経は関係ないと思います。(文責 石山)

 

No.5995-2】  06年11月28日   K.K. 
PET-CT

HPNo.5995でお世話になったものです。アドバイス通り主治医に相談して、PET-CTを受けましたが、骨盤に3箇所異常所見がでてしまいました。12月にMRIを予約しましたが、約2週間近く開いているため、大変不安な状態で、またご意見が伺えればと思いメールしました。
「@左大殿筋のFDGの強い集積(悪性腫瘍が疑われる)。A骨盤左側に集積増加域がある(腸管の生理的集積?)。B左仙腸関節に骨硬化性病変がある(同部のFDG集積は淡くなっている)。」 PETCTは精度が高いとの話を聞いたことがあり、ほぼ転移と考えて間違いがないのでしょうか? 左足の痛みについては、日によってあったりなかったり、痺れを感じたり感じないときがあります。また、昨年11月に手術を受け、今までI期と言われてきましたが、こんなに早い段階で転移となれば、嫌な話ですが一般的に余命はどれくらいなのでしょうか? もっと強い気持ちでいなければと思いますが、今はとても無理そうです。長くなりましたが、ご意見を頂ければと思います。

PET-CTを用いても正確に診断を行うことが難しい場合もありますので、MRIの結果をお待ち下さい。転移性乳がんの予後は一般的に2-3年前後といわれていますが、最近は治療薬も進歩しており、もっと期待できることも考えられます。(文責 加藤)

 

No.5994】  06年11月10日   YUUYU
生検について

8月に会社の検診でマンモグラフィを受診した結果、乳腺の石灰化が認められ、要精密検査となりました。9月に乳腺専門科に再度マンモグラフィを受診したら、右の乳房にカテゴリー3もしくは4とみられる石灰化があり、大きな病院を紹介していただきました。紹介して頂いた病院では、エコー、マンモグラフィ、マンモトームの検査をやりました。10月にマンモトームの結果がわかり、良性でも悪性でもない前癌病変と診断されました。先生は「今後、経過観察していくか、マンモトームで採取した周りはわからないので、4センチ位切開して、周りの細胞も確認する方法とあるけど、どうする?」と選択肢を求められました。このような質問は予期していなかったのと、私としては早くどちらかはっきりさせたかったので、その時は即外科生検の予約をしてしまいました。ですが今になり、疑問点や不安が出てきております。特に傷が残るのに抵抗を感じております(もし良性だったら傷だけが残るし‥)。私のような結果の場合、通常はどのような今後の指示を患者になさるのでしょうか?

当然の疑問です。傷の大きさ、部位など、やり方は様々ですので、主治医と良く相談して下さい。(文責 石山)

 

No.5993】  06年11月10日   K 
左乳首の痒みとただれについて

神奈川県大和市に住む36才の妊婦です。よろしくお願いします。33才の時に左乳房に癌が見つかり、手術をしました。癌が小さかったので、手術をして癌を取り、放射線治療をしました。その後は特に転移もなく、普通に生活しています。今年はじめて妊娠をしました。現在7ヶ月です。最近左乳首がかゆくて、薬をぬっても効きません。毎晩かゆくて、乳首がただれてしまい、膿のような液体が下着についてしまいます。妊娠したせいだと思っていますが、左乳首だけがかゆいので、手術した影響なのか、それとも再発する兆候なのか不安です。早めに病院でみてもらったほうが良いでしょうか? よろしくお願いします。

3年前に乳癌の手術をしたわけですから、当然外来通院をされているのではないでしょうか。当然主治医にすぐ見せて、検査をお勧めします。通院していないのであれば、なおさらすぐにかかって下さい。(文責 石山)

 

No.5992-1】  06年11月10日   Y.K. 
骨転移後の痛みの発現

お忙しいところ恐縮です。骨シンチに異常があるようで、ご質問します。9月に検査して、手術側肋骨1箇所に小さな影があるようで、12月に再検査です。手術は6年前ですが、もし骨転移であるとすると、痛みはいつ頃から出てくるものでしょうか? お手数ですが、よろしくお願いします。

骨シンチは外傷や生理的にも黒く出るところがあるので、転移とは限りません。(文責 石山)

 

No.5992-2】  06年11月11日   Y.K. 
骨転移後の痛みの発現(2)

ご回答ありがとうございました。
1) 今回は肋骨です。生理的に黒く出るところは関節あたりだと思いますが、肋骨にも出ることはあるでしょうか?
2) 骨転移の痛みの出現時期は、個人差が大きいということでしょうか?

よろしくお願いします。

乳癌の発育速度は千差万別ですから、痛みの時期は分りません。肋骨は肋軟骨移行部が黒くなる事があります。(文責 石山)

 

No.5992-3】  06年11月16日   Y.K. 
骨粗しょう症の骨シンチ

ご回答ありがとうございました。もう一点お聞かせ下さい。
骨粗しょう症の骨シンチ検査での反応は、「肋骨では肋軟骨移行部が黒くなる事がある」ということですが、専門の先生が見れば違いは判別できるものでしょうか? よろしくお願いします。

その他の部位(特にほかの肋骨)との比較や腫瘍マーカー、臨床症状(痛みや叩打痛など)との総合判断になると思います。 (文責 片山)

 

No.5991】  06年11月10日   O.M.
これからの状態と治療について

今年8月に一度メールの返事を頂いたものです。その後ですが、左胸の巨大な癌は動脈への注射により小さくなりました。本当に驚くほど小さくなり、お母さんも喜んでいました。ただ、転移が多く、乳癌の次に肺へ、肺の次に胆嚢へと動脈へ抗癌剤を投与しました。今までの抗癌剤ではもう効き目はないそうです。最後の治療となったわけですが・・・。今は、もう治療が出来ないといわれています。1週間程前に突然痙攣を起こしました。脳への転移が見つかりました。左胸の癌がさらに大きくなり、腫れ上がっています。鎖骨にもしこりがあるのか、大きなアメが入っているかのように、いくつもぼこぼこして皮膚の色も変わってきています。胸に溜まった水を抜く為、8月からずっと管を通していますが、今抜けているのを見ると、真っ赤になってしまいました。量もあまり抜けません。見た目に比べ食欲はあるようで、かなり食べます。先日の痙攣の後、口の周りの感覚が麻痺しているのか、言葉のろれつが旨く回らないけど、もともとおしゃべりが好きなので、良く話をしてくれます。今はまだ座って話も出来ますが、痙攣を起したとき意識が全くなくなっていたことに、かなり恐怖感が出来てしまい、話している途中にパニック状態になってしまいました。体中ではありませんが、赤いいぼのようなものがいくつも出来ていて、かなり気にしています。主治医の先生も「後から治るから・・・」と本人に言うだけで。お母さんとしては、死ぬかも知れないと言う恐怖に絶えられないのでしょう。どんな言葉を掛ければ良いのか、私自身も辛いです。腹水が溜まり出し、おなかが丸くなってきました。痙攣を起した為、ICUにずっと入っているので、何かあってもすぐ対応してもらえるので安心はしていますが、本当にほかに治療法はないのでしょうか? 脳転移には放射線治療が良いと効きましたが、体力的にもたないのでしょうか? 血糖値が下がりすぎるので治療が出来ないのでしょうか? 詳しい事は私にはわかりませんが、今月いっぱいはまだ大丈夫ですよね・・・。痛みは全くでていないし、食事だって自力で取れているし、まだまだ生きられますよね。どうして良いかわからないんです。何か言葉を下さい。

大変お気の毒ですが、こうなると対症療法で苦痛を取るしかないのかもしれませんが、動脈内投与というのは一般的でないので、ホルモン療法、放射線療法などはやれるのでしょうか? (文責 石山)

 

No.5990】  06年11月08日   F.F
タモキシフェンの中止について

2年ほど前にご相談させていただいたものです。その節はご丁寧な回答をありがとうございました。アメリカにてガンの疑いを持たれ摘出手術(生検?)をしましたが、結果ガンではなく「Fibrocystic changrs , Predominantly Non-Proliferative But Associated with Atypical Duct Hyperplasia and Atypical Lobular Hyperplasoa」という病理結果でした。ハイリスクということでタモキシフェンを処方され約2年飲んでいますが、この度日本へ帰国となりました。日本とアメリカの医療見解の違いがあるかと思いますが、私のような場合、日本でも今後タモキシフェンを処方していただいたほうがいいでしょうか? お忙しいところよろしくお願いいたします。

タモキシフェンを飲む理由が見つかりません。一般的には癌の再発予防で飲みますが、癌でなければ普通は飲みません。アメリカでは、乳癌の再発でなく発生予防(癌でない人)にタモキシフェンを飲ませる事はある様ですが、日本では一般的ではありません。癌であれば別です。(文責 石山)

 

No.5989】  06年11月08日   N.T
乳腺のう胞について

初めてご相談いたします。毎年乳がん検診を年1回受けています。2004年の受診時より右のう胞との診断を受けましたが、年1回の検診でいいとの事でした。今回は2年間ほど変化なく、「のう胞があるので念のため細胞診をしましょう」とのことで検査しました。本日結果を確認に行ったところ「細胞希少により不可」と書かれていたようですが、確認が出来なかったと言われました。また、前回のエコーより形が変わったようだとも言われました。マンモグラフィーは異常なしでした。よってMRI検査をする事になりました。
1) のう胞の大きさ(1cm)は変わってないが形が変化している(横長細いのから少し縦に突起がある)のは、癌化したと考えられるのでしょうか。
2) 母も以前同じように細胞診で確認出来なかった時は一ヶ月後に再度細胞診をしましたが、今回MRIをするのは悪性の可能性が高いのでしょうか。細胞診→生検と細胞診→MRIにどのような違いがあるのでしょうか。
3) 細胞診の時に黄色の液体が出ていると言われたが、それでも確認出来ないものですか。

MRIまで少し時間があるので心配でメールしました。どうぞ、よろしくお願い致します。

のう胞内に隆起性病変があるのか、壁の不整があるのかなどが悪性所見と言われていて、縦横比が変化することは関係ないと思います。ただ、のう胞でなく充実性腫瘤であればMRIをやるべきだと思います。(文責 石山)

 

No.5988】  06年11月08日   C 
粘着癌?の検査について

初めてメールさせていただきます。宜しくお願い致します。先日検診をうけたところ、のう胞と石灰化が2,3箇所ずつ発見されました(両方右胸です)。のう胞の方は水を抜いて細胞診にまわした結果、クラスUで良性でしたが、その横の石灰化部分がマンモ(上横2方向)とエコーでは判断がつかないとの事でした。ぼんやりと1p位の円形にまとまりつつある感じの微石灰化で、乳管と乳管の間付近にあります。「良性だと思うが、乳腺が乱れて見えるのが気になる。もしこれが癌なら多分、粘着癌だと思います。3ヶ月後まで様子を見ていてもいいと思うが、気になるなら今度マンモトームで生検をします」との先生のコメントでしたので、早めに知りたいと思い、生検をお願いしました。来週受けるのですが、今更ながらに「粘着癌(粘液癌?)だった場合、マンモトームで針を入れて細胞を取る事により広がらないのか?」という事が気になってきました。特に怪しい部分は6mm位のものらしいのですが…。通常、検査で広がる事はないとされているようですが、この場合は生検ではなくMRIを先に受けるべきでしょうか? 今、MRIをやってもあまり意味はないと先生に言われましたが、MRIで判断できる大きさや種類は限られているのでしょうか? どういった特徴から粘着癌だと思われたのかもよくわかりませんが、ネットで調べてみた限りタチが悪そうなので、今考えても仕方ないと思いつつ、不安です。

粘液癌であろうと思うのですが、特殊型に属するもので、一般的な乳癌のなかでは予後は悪くなく、悪性度は低いと思いますが・・・。画像診断ではあくまでも推定で、組織診断ではじめて診断できることですから、マンモトームを受けた方が良いと思います。(文責 石山)

 

No.5987-1】  06年11月08日   Y.I. 
未分化の癌について

42歳の主婦です。12歳と8歳の子供がいます。今年9月に右腋下のリンパ節を生検したところ、原発不明癌といわれ、その後いろいろ検査したところ、転院した病院で、11月6日の病理診断により、右腋下のリンパ節にある癌細胞が未分化であることがわかりました。
現在、他の臓器にはどこにも癌の原発は見つかりませんが、乳がんとして11月20から抗がん剤治療を始めることになりました。未分化の癌は進行が早く、悪性度が高いと聞きましたが、予後はどうなのでしょうか。また、未分化の癌細胞には、どのような抗がん剤が効果があるのでしょうか。抗がん剤の効果があったと仮定して、その後、手術で残りのリンパ節を取ることは可能でしょうか。未分化の癌についてのデータがあまりなく、不安でたまりません。よろしくお願いいたします。

おっしゃる通り、未分化な乳癌のデータは少なく、データはありませんが、化学療法はよく効くと言われています。ただ病理診断所見が、特殊染色など色々検査したかどうか、確認するべき事がまだあるのでは。病理医のセカンドオピニオンを「坂元記念クリニック、乳腺病理アカデミー」というクリニックが出来たので、主治医に相談して一度見てもらったほうが良いと思いますが。http://www.a-bp.net/ がアドレスです。(文責 石山)

 

No.5987-2】  07年02月25日   Y.I. 
未分化癌の抗癌剤の効果と手術について

【No.5987】未分化の癌についてで、質問いたしました。この経過と今後の手術などについて、再度アドバイスをいただきたく、メールさせていただきました。42歳、12歳と8歳の子供がいます。前回も早々にアドバイスをいただきまして、ありがとうございました。お礼が遅くなり失礼いたしました。
その後、11月24日から3週間ごとにCEFを4回行い、リンパ節の腫れが縮小傾向になったので、2007年2月よりタキソール毎週に変更し、現在タキソール2回を終了したところです。現在は都内のT医学部付属病院に転院して、外来で抗癌剤治療をしていただいていますが、最初は近所の救急指定病院の乳腺外科で検査をしていました。その最初の病院でリンパ節生検していただいたことにより、未分化細胞癌であることがわかりました。しかし、どこから細胞が転移してきたのかわからない原発不明でした。転院したT医学部付属病院で、さらに検査をしたのですが、結局、原発はわからなかったため、いちばん可能性の高い乳がんのリンパ節転移として、CEF抗癌剤治療を始めました。病院を転院してからかなり間があいていたので、2月16日に最初にかかっていた乳腺外科の先生にも抗癌剤投与後の経過をエコーで見ていただいたところ、無数にあったリンパ節の腫れが、脂肪の塊との区別が難しいくらいにまで消滅していることがわかりました。
そこでご相談なのですが、最初の病院の乳腺外科の先生は、今後の手術で右乳房全摘出が標準治療になるとのお話でした。しかし、2月21日にT医学部付属病院の先生に、手術についてお聞きしたところ、現在乳房にはしこりが見当たらないので、乳房の全摘出には意味がないとのお話でした。だから手術はリンパ節を中心に染色しながら、がん細胞を切り取る手術になるとのことでした。私としては、やはり乳房を切らないほうが良いのは当然なのですが、今後の再発の可能性も含めて、全摘出の方が良いのかどうか、決断できすにおります。現在かかっているT医学部付属病院での手術になりますが、今回はじめて2人の先生のご見解が分かれたので、手術についてのアドバイスをいただけると助かります。まことに勝手なのですが、手術が3月半ばに迫ってきていますので、出来るだけ早めにアドバイスをいただけると助かります。よろしくお願い申し上げます。

腋窩リンパ節に原発不明癌が存在した場合、乳癌として治療することはよくあります。手術する場合も乳房に病変がなければ、リンパ節だけとって様子を見ていく場合のほうが多いようです。標準的な方法というのはありませんが、わたしもリンパ節を切除し更に詳しく検討し化学療法を加える方が良いと思います。(文責 吉田)

 

No.5987-3】  07年05月21日   Y.I. 
未分化癌の術後について

HPNo.5987 「未分化の癌について」で、以前2回にわたりアドバイスをいただきまして、ありがとうございます。上記の経過と今後について、再度アドバイスをいただきたく、メールさせていただきました。43歳主婦、12歳と9歳の子供がいます。2006年9月、右腋の下のリンパ節を生検したところ、未分化細胞の原発不明癌といわれ、その後検査をしても、どこにも原発巣は見つかりませんでした。最初の細胞の病理診断結果のコピーです。
(所見)
「リンパ節内に充実性、胞巣状に増殖する腫瘍を認める。腫瘍細胞は核小体の明瞭で類円形ながら経度の大小不同や多形性の見られる核と比較的幅広い胞体を有し、上皮様の形態、配列を示す。核分裂像が目立ち、多いところでは8−10個/HPF程度見られる。腺管形成や粘液産生、角化や細胞間橋形成といった特定の細胞分化葉見られない。低分化、ないしは未分化な癌の転移の可能性が高いと思われる。」

免疫染色では、「ER陰性、PgR陰性、CK7陰性、PgR陰性、TTF−1陰性、CD5陰性、CAM5.2陰性、TTF−1陰性、EBER-ISH陰性」でした。免疫組織化学はScore0。転院した医学部付属病院で、乳がんのリンパ節転移ということにして、11月24日から3週間ごとにCEFを4回行い、リンパ節の腫れが縮小傾向になったので、2007年2月よりタキソール毎週に変更し、2007年3月初めまでにタキソール5回を終了した後、3月27日に、右腋下のリンパ節のみを15個切除しました。15個のうち3個は既に癌細胞が死滅しており、1個はまだ癌細胞があったそうです。しかし、術後の病理診断でも原発巣が特定できず、現在の症例のどんな細胞とも似ていないといわれています。とても珍しいようです。術後も同じ医学部付属病院の外来で、タキソールを毎週しており、5月18日現在で9回目が終わったところです。後3回行い、全部で12回タキソールをしますといわれています。血液検査の結果はいつも良好(白血球4000以下になった事がない)で、予定通りにタキソールを投与しています。今回の手術では、右腋の下のリンパ節のみの切除で、乳房には傷をつけておりません。そのため、今後は放射線照射をしましょうと言われています。そこでお聞きしたいのですが、
1) 私のように抗癌剤がよく効くタイプであっても、リンパ節に4つ以上の転移があった場合の予後はどうなのか。
2) 結果的には乳がんの抗癌剤の効果があったので、乳房にしこりなどが見つからない場合でも、原発巣は乳がんと考えられるのか。
3) 放射線を、どの部位に、どの程度の量をあてたほうが良いのか。
4) これまでの抗癌剤の効果や今後の放射線治療で、今後の再発率や転移などの確立をどのくらい軽減できるのか。

お忙しい中、大変恐縮ですが、アドバイスをよろしくお願いいたします。

1) 乳がんで、ホルモン受容体陰性、腋窩リンパ節に4個以上転移がある場合の10年の再発リスクは、50-60%と考えられます。
2) 抗がん剤の感受性だけでは、原発巣とは言い切れませんが、可能性は高いと思います。
3) 照射するとすれば、乳房および鎖骨上リンパ節に50グレイ
4) 乳がんであるとして、再発リスクを約50%程度減少させると予測されます。(文責 徳田)

 

No.5987-4】  07年06月25日   Y.I. 
未分化癌の術後について(2)

以前、HPNo.6687 「未分化癌の術後について」で、アドバイスをいただき、ありがとうございます。今後について、またアドバイスをいただきたく、メールさせていただきました。43歳主婦、12歳と9歳の子供がいます。2006年9月、右腋の下のリンパ節を生検したところ、未分化細胞の原発不明癌といわれ、その後検査をしても、どこにも原発巣は見つかりませんでした。最初の細胞の病理診断結果のコピーです。
(所見)
「リンパ節内に充実性、胞巣状に増殖する腫瘍を認める。腫瘍細胞は核小体の明瞭で類円形ながら経度の大小不同や多形性の見られる核と比較的幅広い胞体を有し、上皮様の形態、配列を示す。核分裂像が目立ち、多いところでは8−10個/HPF程度見られる。腺管形成や粘液産生、角化や細胞間橋形成といった特定の細胞分化葉見られない。低分化、ないしは未分化な癌の転移の可能性が高いと思われる。」
免疫染色では、「ER陰性、PgR陰性、CK7陰性、PgR陰性、TTF−1陰性、CD5陰性、CAM5.2陰性、TTF−1陰性、EBER-ISH陰性」でした。免疫組織化学はScore0。
転院した医学部付属病院で、乳がんのリンパ節転移ということにして、11月24日から3週間ごとにCEFを4回行い、リンパ節の腫れが縮小傾向になったので、2007年2月よりタキソール毎週に変更し、2007年3月初めまでにタキソール5回を終了した後、3月27日に、右腋下のリンパ節のみを15個切除しました。
以下は、3月27日の術後の病理診断のコピーです。
(所見)右腋窩皮膚・皮下切除検体、6.2×3.2×1.8cm大、皮膚は4.2×0.9cm大。肉眼的には病変は明らかでないため、全割標本を作製して観察した。
リンパ節:2Level l上部 1/6(2個はViableな腫瘍成分は見られないが完全な壊死に陥っている)、 Level l下部 0/1、 Level l深部 0/4、 Level ll  0/4(1個にはfoamy macropahgesの集簇が観察されるが、Viableな腫瘍細胞ははっきりしない)。 Total(1/15)、ただし治療に伴い壊死に陥ったと思われるものを含めれば、Total(4/15)。

しかしながら、術後の病理診断でも原発巣が特定できないまま、術後も外来でタキソールを毎週し、6月4日に全12回目が終わりました。今回の手術では、右腋の下のリンパ節のみの切除で、乳房には傷をつけておりません。そのため、現在は放射線照射をしています。全25グレイと言われており、6月20日現在7回目が終わったところです。

そこでお聞きしたいのですが、
1) 癌細胞は、今回の手術で取りきれているのでしょうか。
2) 放射線射程が25グレイは標準なのでしょうか。
3) 25グレイの射程で、今後の予後がどのくらいよくなる可能性があるのでしょうか。
4) 放射線射程の後は、経過観察になるかと思いますが、私の場合、ホルモン療法はしなくても良いのでしょうか。

お手数ですが、よろしくお願いいたします。

1) 腋窩より遠くのリンパ節に転移していれば、まだ残っている可能性があります。
2) 乳房温存手術後では放射線照射は2グレイx25回が標準と思います。そう考えると少ないように思えます。尋ねてみられたらいかがでしょうか。
3) 乳癌としたら、病巣はかなり小さいと考えられるので、かなりの治療効果が期待できると思います。
4) ER陰性、PgR陰性なので、ホルモン療法は有効でないと予想されるので、普通行いません。(文責 石川)

 

No.5986】  06年11月08日   G.O
乳首が痛みます

初めて御相談させて頂きます。32歳の男ですが、朝起きると左の乳首が痛みだしました。乳首を上から少し押さえると、かなり痛みます。鏡で見ると少し痛い方が腫れています。症状は痛みと腫れ以外はありません。ネットで色々見ましたが、女性の話ばかりなので、お忙しいとは思いますが、宜しくお願い致します。

服用中の薬剤によって起こる女性化乳房の可能性もありますが、乳癌の可能性は0ではないので、乳腺外科にかかられることをお勧めします。(文責 石山)

 

No.5985】  06年11月08日   Y.K.
今後の治療について

いつも参考にさせていただいてます。患者(妻33歳、6歳・3歳の子供あり)16年4月右乳房切除、腫瘍径4.0×1.5 充実線管癌 no(Ax0/12 Ic0/3 ER(-) PgR(-) HER2 3+ 。術後EC4クールを実施、半年おきの検診をしておりました。1年半経過ごろ、半年ごとの検診で17年10月ごろからCEA上昇(毎月1.5から2上昇で、1月の下記手術予定の直前で8.8でした)、12月胸部CTで右肺に単発で薄い影を発見。原発の可能性が高かったため1月に右下葉切除予定でしたが、入院後の確定診断の為の頭部MRで多発性脳転移(約20数個)発見。手術中止で、3日後には全脳照射2.2G×23日行い、少し遅れてHER2(3+)なのでハーセプチン毎週点滴行いました。結果、奏功し、脳転移はすべて消滅!!肺も縮小傾向にあり。CEAも5.4まで下降しましたが、5月ごろから再度上昇。検査で骨シンチ異常なし、頭部MR異常なし、胸部・腹部CTは肺は若干大きくなったかな?程度で、その他、肝臓など異常なし。様子見るが、8月にCEAが10を超えてきたため、ハーセプチンにタキソテール追加(3週で1週休みで1クール)するも、9月CEA上昇(約13)、その後3クール終了、マーカー15まで上昇。先週行った胸・腹部CTの結果、気になる結果が・・・。肝臓に確定はできないがうっすら陰と、肺に新たに小さな影が・・・。やはりハーセプ+タキソテールは効きがよくないタイプか?薬剤変更検討中!! 2ヵ月後、年末にもう一度CT予定していますので、ナベルビンにしたいが薬剤を大切に使う意味で同系のタキソールでつなぐか・・・?それとも早々に違うタイプのナベルビンに変更すべきか? 妻は母親も乳がんで今の本人と同じ33歳で亡くしており、子供も小さいので、何とか助けてやりたいと思ってます。よろしくお願いします。

やはりナベルビンに変えるべきと思います。副作用は血管炎ぐらいで使いやすい薬だと思います。これでダメならゼローダ、TS1、タキソテールなどがあります。(文責 石山)

 

No.5984】  06年11月07日   T.N.
カルシウムのつぶについて

初めてメール致します。母が先日モンマグラフィー検査を受けたら、乳房にカルシウムのつぶが3ヶ見つかりました。それは、そのままにしておいて良いのか、それとも取った方が良いのでしょうか。宜しく御願いします。

大きさにもよりますが、一般的に3個の石灰化なら、あまり悪性は考える必要はないと思います。(文責 石山)

 

No.5983】  06年11月07日   U 
治療法

右乳房内再発をし温存で残していましたが、三年たち再発してしまい全摘しました。大きさは1センチ少しだったのですが、リンパ管までいっていたみたいです。HER2が(3+)で、現在ハーセプチンとタキソールの組み合わせで治療をうけています。ハーセプチンを6ヶ月、タキソールを4クールです。今3クールの終わりですが、ハーセプチンはそのくらいで終わっていいものなのか、お聞かせ下さい。

再発の場合、適切な回数は分りません。ハーセプチンはそのくらいで止めて、次ぎに何か起こったときに再開しても良いと思います。 (文責 石山)

 

No.5982】  06年11月07日   A.N.
非浸潤癌について(HPNo.5474-4)

HPNo.5474でご質問させていただきました。手術の結果は以下のとおりで、やはり非浸潤癌でした。
診断:Breast,left(BD),wide excision:
Ductal carcinoma in situ,low grade,cribriform and micropapillary types, associated with calcifications
所見:55g 8.5×4.8p 皮切なし。
DCIS cribriforb type:#6-16 一部乳頭状病変に進展する。5×1.5×2.8pに渡る。
内側断端:0.5p(#16) 腹側断端:1.3p(#13) 頭側断端:0.3p(#12)
背景は繊維化間質、萎縮と正常小葉の混在。
pap:#12&14(乳頭部) Biopsy site:#11
Estrogen receptor:40% nuclear positive Progesterone receptor:40% nuclear positive
Membrane immunoreactivity for Her-2:1+

1) 「コメドタイプではないので、おとなしい癌です」と言われましたが、癌の性質として、本当にそうなのでしょうか。
2) 約10p切開しましたが、切った所が硬く盛り上がっています。元のように戻るには、どのくらいかかりますでしょうか。
3) 今後は放射線治療を予定しておりますが、放射線治療をしない場合のデメリットはどんなことがありますか。「頭側断端が0.5pならば放射線治療を省いても良かった」と言われました。
4) 放射線治療プラス他の治療も行った方が良いのでしょうか。

以上、ご意見をお聞かせください。よろしくお願いいたします。

comedoは非浸潤癌でも悪性度は高いと言われています。縫合糸の種類にもよりますが、3ヶ月くらいでしょうか。断端5mmなら癌陽性と考えられ、放射線をする事で局所再発が減るというメリットがあります。内分泌療法は考えた方が良いと思います。(文責 石山)

 

No.5981】  06年11月06日   F.T
考えられる治療の方法・術前の放射線について

まだ細胞の決定的な結果が出てないのですが、不安で不安でたまらないため、お話をうかがいに参りました。よろしくお願いいたします。
47歳(閉経前・生理は順調)(子供は小学六年・小学二年)、結構大きなシコリを夏くらいから見つけていたのですが、まさかと思い検診をいたしませんでした。近くの外科(消化器外科・腫瘍外科の担当の先生)で、エコー⇒マンモグラフィを受けました。「2cm弱のしこり、そのまわりに石灰化が広がる」というものでした。その後、『MRI』で、そのしこりの大きさはもう少し大き、 しかも胸壁に達する(T2〜3 N1疑)ということが分かったので、専門病院に転院いたしました。専門病院では、MRIの画像の処理の方法が違うので、わかりにくいとは言われましたが、エコーにて、乳房のしこりと怪しい部分(そのまわりも張りがあるので)をはかり(7×8くらいだと思いました)、腋のリンパの腫れも確認しました。針生検は胸のしこり部分と腋の腫れているとされるところの二ヶ所(結果は11/8に出ます)。手術は二ヶ月先の順番待ちで、その前に放射線を使う事になるというような事をおっしゃっていましたが、あまりに勉強が追いつかず、わからないことが多いので、お教えください。
1) 放射線でしこりを治めるのだと思うのですが、どのようなものを使うと予測されますか? イチカバチカのようで怖いです。すぐにでも放射線の治療は始めてもらえるものでしょうか? 前のお医者様からの「胸壁に達し」というのが怖いです。
2) 新しい病院、第一回目は、マンモグラフィもはっきり取れない・・とかいう事で、自分の状況がよくつかめませんでした。『リンパもいくつか腫れてるねぇ・・』とエコーを見ながら言い、リンパにも針生検を行いましたが、「腫れてるね=転移している」と言うことなのでしょうか?

全摘出、リンパも胸壁も取ってしまっても・・(とにかく再発の可能性を少しでも減らしたい)という覚悟はありますが・・予後は悪そうですか? わかりにくい質問で申しわけありません。ご返答いただけたらありがたいです。

1) 術前治療としては、化学療法が一般的です。放射線の治療をするとすれば、標準的な放射線で、Linacのことが多いと思います。すぐ放射線の治療は始めてもらえると思いますが、当事者でないのでわかりません。
2) リンパ節が腫れている場合、腫れていない場合に比べて、転移している確率が高くなります。

治らないという意味ではありませんが、進行している状態のように思えます。不安で辛いと思いますが、どうぞ頑張ってください。(文責 石川)

 

No.5980】  06年11月06日   T.T.
病理組織学的検査について

初めて相談させていただきます。2年前47歳のときに左乳癌で胸筋温存乳房切除術を受けました。腫瘍は3cm、リンパには2個、ERは10%、PRは5%、HER2は3だと聞いています。術後、ACを4回とタキソールを4回し、今はタスオミン錠を服用しています。教えて頂きたいことですが、診断書の病理組織学的検査の欄に(u?v?a?スペルがはっきりしないのですが)Invasive ductal ca.(scirrh?vs ca.).f.hi.intra ductal spreading +と書いてありましたが、これはどういう意味なのでしょうか? 悪性度とか再発率とかわかるのでしょうか? 術後2年の検査では異常なしでしたが、ホルモンの感受性が低いのと、HER2(3)が気になっています。よろしくお願いいたします。

組織型が浸潤性乳管癌(硬癌)、腫瘍の周囲脂肪織への浸潤あり、腫瘍の乳管内進展(+)ということだと思います。悪性度や再発率と関係してきます。HER2が3(+)だと悪性度は高いことになります。(文責 石川)

 

No.5979-1】  06年11月06日   Y.N
ホルモン療法中の味覚・睡眠障害

初めてご相談させて頂きます。
17年4月に46歳で、浸潤性乳管がん(硬がん)、大きさ10mm、Grade2、脂肪浸潤、リンパ節転移は陰性で、胸筋温存乳房切除術を受け、現在ゾラデックス・ノルバデックスでホルモン療法中です。開始2ヵ月頃から更年期症状が徐々に出始め、昨年11月より桂枝茯苓丸・アモバンを服用していましたが、先月初より舌が苦く、味覚障害があり、先月末、漢方の服用を止め、アモバンをレンドルミンに切替えて頂きましたが、解消しません。味覚障害は女性ホルモンの減少によるものでしょうか? 漢方等の影響でしょうか? 苦味を消す為に、おやつに手が行き、体重も増加傾向です。眠剤も合わないのか、5時間程度で目が覚めてしまいます。7時間は睡眠を取りたいのですが、どんな薬を処方してもらえばいいのでしょうか? 主治医には予約診察でも2時間待ちの状況でなかなか相談しづらく、耳鼻科・神経内科への受診のタイミングが計れません。お忙しい中、ご回答宜しくお願いいたします。

女性ホルモンの減少による味覚障害は聞いたことがありません。漢方等の影響は考えられなくはありません。睡眠薬ですが、個人によって合う合わないがあります。担当医と相談してください。(文責 石川)

 

No.5979-2】  08年08月18日   Y.N
ホルモン療法中の子宮内膜増厚

いつも このサイトを拝見し参考にさせて頂いております。2回目の質問ですが、今年1月、婦人科の検診で子宮内膜増厚との指摘がありましたが、悪性所見なく経過観察となりました。6月の検診でも内膜厚の変化なく、子宮内膜ポリープの切除(良性)のみを行いました。婦人科からはノルバデックスの服用に関しての指示はありませんでした。乳腺外科には報告が遅れ、先日8月14日に1月からの経緯を口頭で説明しましたが、婦人科の資料を揃えて9月4日に再度受診し、「結果によってはノルバデックスを中止」と言われました。ホルモン療法を中止するのはとても不安ですが、今は子宮内膜増厚がある以上、子宮に対する処置を優先するべきでしょうか。婦人科は近医を受診しましたが、子宮ガンに強い医療機関を受診すべきだったのでしょうか。何もわからない中、不安です。お忙しいなか、よろしくご解答お願いいたします。

乳癌も大きさ10mm、Grade 2, リンパ節転移なし、術後3年以上の無再発なので、子宮に対する処置を優先するべきと考えます。可能なら、受診している乳腺外科の病院にある婦人科にかかるのがベストと考えます。(文責 石川)

 

No.5979-3】  08年12月16日   Y.N
ホルモン療法

再度お世話になります。3度目(No.5979.8230)の相談ですが、12月初旬の婦人科検診で、
子宮膣部、頸管部 クラスU
子宮体部内膜 endometrium in early secretory phase
内膜腺は拡大して、核上核下に空胞が見られる。上皮に異型はない。
間質は浮腫状である。分泌初期の内膜像で、悪性所見はない。

以上の所見で、子宮内膜掻破を薦められておりましたが、採血でFSH 5.66 E2 996の高値があり、婦人科の回答待ちになっております。(以前は内膜増殖症と聞かされておりましたが、この所見で増殖症ではなかったと言われました。) 婦人科も混乱気味の様子です。外科にはまだ話せてはおりませんが、10月・11月と生理が2日しかなく、以前からの肥厚や飲み続ける不安・閉経に向かっているであろうとの予測から、乳腺外科と相談の上、12月5日からノルバデックスは休薬しております。これは、どの様な状態なのでしょうか。不安な日々が続いており、よろしくご解答頂きます様、お願いいたします。

術後3年半以上無再発で経過しておられますし、ノルバデックス投与中に子宮内膜増殖症が認められた場合には、投与を中止するなどの処置対応をするほうが良いと考えられますので、とりあえず休薬して婦人科の処置を優先させるのがよろしいかと考えます。(文責 片山)                                                              

 

No.5979-4】  10年02月16日   Y.N
ホルモン療法中のサプリメントについて

このサイトをいつも参考にさせていただいております。タモキシフェン服用中のサプリメントに関してご相談させてください。来る4月で5年を迎え、まだ閉経に至らずタモキシフェン終了を目前に控えております。安易な思いから、昨年11月初旬から1カ月大手メーカーのフィッシュコラーゲンを飲んでしまいました。蕁麻疹が出たため中止しましたが、外科の1月中旬の採血で、FSH 13.48 E2 1360でした。主治医は、「タモキシフェン服用中はE2は高値になるよ」と気にならない様子でしたが、本日 採血結果と共に婦人科診をしたところ、「E2が高すぎる」「卵巣が腫れている」との指摘でした。婦人科でも再度採血し、結果待ちの状況です。外科にも婦人科にもサプリメントの件は言い出せずにおります。やはり、サプリメントが卵巣を刺激して腫れて、E2も高値になったのでしょうか。E2の高値が続いた場合、乳腺にも影響が出るのでしょうか。今だ蕁麻疹も続いており、軽率な事をしたと深く反省しております。自分がまいた種で心配になってしまい、お手数をおかけし申し訳ございませんが、ご解答下さいます様、よろしくお願いいたします。

フィッシュコラーゲンの女性ホルモンに対する影響は、殆ど考えなくて良いと思いますし、女性ホルモンが高値だからといって、必ずしも卵巣が腫れるわけではありませんが、確かに女性ホルモン値が高すぎるように思いますので、婦人科の先生の指示を仰いで下さい。
女性ホルモンの乳腺に対する作用ですが、乳癌は増殖するために女性ホルモンをエネルギーにすることが多いこと、そして、元の乳癌がホルモン感受性「あり」ならば、血液の中にあるかもしれない癌細胞は、女性ホルモンをエネルギーにするので、再発のリスクが高くなることは推測されます。しかし、間もなく無再発で5年経過するわけですので、神経質になる必要はありません。
まずは、婦人科の返事を待つこと、それで何か治療の必要なものがあれば、婦人科の治療を優先すること、その後、タモキシフェンの内服を終了させること、この順番で如何でしょうか?(文責 鈴木)

 

No.5978】  06年11月06日   Y.R. 
術後一年の局所再発について

昨年3月乳がんと診断。発見時腫瘍は4p近くありましたが、術前化学療法(EC4クール・タキソール12回)により最終的には1.5pになり、10月に温存手術をしました。リンパ転移は、術前はひとつははっきり手に触れたとのこと。術後病理では2個のリンパ転移がありました。先生が仰るには胸の腫瘍にはかなり効いたはずだが、それでもリンパに2個あったということは、もしかしたらもっと転移があったのかもしれない、とのことでした。その後温存部と鎖骨に放射線を計60グレイ照射。ホルモン感受性マイナス(核異型度3・ハーセプチンマイナス・断端陰性)のため、UFTを服用していました。ちょうど一年後である先月10月、術側乳房に腫瘍を見つけました(エコー上は1.5cm位)。細胞診の結果クラスX。これから全身検査をする予定です。自分では再発、特に一年での再発がどういう事を意味しているのか、ある程度理解しているつもりです。質問なのですが、初めの腫瘍は右乳房外側斜め下、今回の腫瘍は内側斜め上と、術創と離れたところにあります。これは再発というより別な腫瘍と考えられるでしょうか?(最終的には病理結果だと思いますが) 術前化学療法では原発巣には効果があったと思われますが、一年後に1.5cmにもなる新たな腫瘍というのは、ここにはあまり効き目がなかったということなのでしょうか? ホルモンマイナスのため化学療法となると思いますが、タキソールは効き目がなかったと解釈したほうがいいのでしょうか? 
長くなりましたが、よろしくお願いします。

再発というより別な腫瘍という可能性は考えられます。一年後に1.5cmにもなる、新たな腫瘍ができたということは、この腫瘍には効き目がなかったと思います。すなわち、タキソールは効き目がなかったと考えます。(文責 石川)

 

No.5977】  06年11月06日   M.O
両腋窩小リンパ節に・・・

乳がん検診で、「右低エコー域、右のう胞、両腋窩小リンパ節各2ヶ」と診断結果が届きました。自分なりに調べましたがよくわからず、ただただ不安になっています。一体どういう意味なのでしょうか? 母が肺ガンだった事もあり、癌にはかなり敏感になっています。お忙しいところ申し訳ありませんが、回答いただけますよう、よろしくお願いいたします。

右低エコー域、右のう胞、両腋窩小リンパ節各2ヶ、どれもすぐ乳癌に結びつく所見ではありません。要精密検査となっていなければ、心配ありません。検診担当者の指示に従ってください。(文責 石川)

 

No.5976】  06年11月06日   IY
ハーセプチンの治療について(HPNo.5722-4)

HPNo.5722-3で相談いたしました。丁寧なご回答、毎回ありがとうございます。術後化学療法にハーセプチンを使う事になりました。ただいま、CEF3週間に1度4回の治療中です〔1回目終了〕。その後、タキサン系3週間に1度4回の抗癌剤を予定しております。ハーセプチンは抗癌剤治療終了後、1年間毎週投与するとのことです。
1)ハーセプチンはタキサン系と併用すると効果が高いと本で読みましが、抗癌剤終了後で良いといわれました。併用と単独投与は、どちらが優れているのですか? また、どちらが一般的なのでしょうか?
2)ハーセプチン治療をするのには、タキサン系抗癌剤〔タキソール、タキソテール〕は、どちらが良いのでしょうか?
3)タキサン系抗癌剤は3週間に1度より、1週間に1度の方が副作用は少なくすむと言われたのですが、治療的にはどちらが効果的なのでしょうか?

自分でも、これからの治療を頑張って行きたいと思います。副作用の事もあるとは思いますが、一番効果の高い抗癌剤治療の仕方を教えていただければと思います。お忙しいとは思いますが、よろしくお願いします。

1)ハーセプチンはタキサン系抗癌剤と併用すると確かに効果は高く、併用されることの方が多いようですが、抗癌剤終了後も単独で投与されています。最近の傾向として、同時にではなくて順次投与することも行われています。
2)タキソール、タキソテールに明らかな優劣はないと思います。
3)こちらも明らかな差はなく、同等と考えられます。

有効な抗癌剤と投与の方法は、個々によって異なります。実際に施行してみないとわからない一面もあります。(文責 石川)

 

No.5975】  06年11月06日   MS 
ホルモン補助療法(ノルバデックス5年)

いつも大変お世話になっております。9月末に温存で手術を受け、10月に病理結果がでました。現在、放射線治療1週目です(全体照射24回、追加照射9回の予定)。「年齢42歳、非浸潤乳管癌(ステージ0)、腫瘍の大きさ2.1センチの他、0.3センチと0.4センチのもの合計3箇所、HER2陰性、顔つきグレード1、断端近接、ホルモンレセプター強陽性」です。主治医の方針は、放射線治療後、ホルモン補助療法(ノルバデックス5年)の予定との事です。私としては、このホルモン療法の副作用が怖く、服用したくない気持ちが強く、想像するだけで気分が悪くなります(吐き気が起こり、実際に吐く事もあります)。精神安定剤がまだ手離せないのは、副作用のあるノルバデックスを5年も服用する時が刻一刻と迫っているからだと思い、精神的にかなりプレッシャーになっているからだと思っています。ノルバデックス服用は、非浸潤乳管癌では標準治療でしょうか? 反対側の乳癌の予防という意味合いはよく理解しているつもりですが、やはり反対側に乳癌ができる可能性はかなり高いのでしょうか? 放射線治療後、無治療という選択は危険でしょうか? お忙しい所恐縮ですが、どうぞ教えてください。

一般にホルモン療法の副作用はあっても軽微なものが多いようです。非浸潤乳管癌では乳管内進展がみられることが少なくなく、乳腺全摘なら原則として治療は要リませんが、温存の場合は放射線治療、ホルモン補助療法など術後治療が行われます。ホルモンレセプター強陽性なので、ホルモン療法の適応があります。ホルモン療法は、閉経の有無によって使用薬剤が違ってきます。放射線治療後、無治療という選択はありえますが、再発のリスクが高くなることは考えられます。(文責 石川)

 

No.5974-1】  06年11月06日   J.K. 
乳がんの化学療法と手術について

はじめてメールさせて頂きます。私は35歳未婚です。今年7月に乳癌と診断されました(グレード1、ホルモン陰性、HER2+1)。8月から術前化学療法でFEC治療(ファルモルビシン146mg 、エンドキサン730mg、5FU730mg、私の体重50kg身長153cm)を4クール終わりました。次は手術といわれています。そこで今、不安と疑問に思っていることですが・・・、抗がん剤のガイドラインなどみると、FECは6クールが標準治療のようですが、4クールでは不十分なのではないか? 4cmぐらいのしこりが2.5cmくらいになり、エコーで腋のリンパも膨らんでいてリンパ節転移の可能性が高いといわれていましたが、今は膨らみは分からなくなったとのことです。主治医の先生は、「劇的に効いていないので、後2回やっても大してかわらない。今手術したほうが良い。」とのことです。私としては脱毛以外特に副作用を感じないで生活ができたので(または抗がん剤の量が不十分なので、あまり副作用がなかったのか?)、しこりがもっと小さくなるまで抗がん剤を続けたいという気持ちもあり、戸惑っています。遺伝子の感受性治験に参加していて、パクリタキセルは感受性なしという診断もでていますが、治験をはずれて標準治療に変えたほうがよいのでしょうか? 恐れいりますが、ご教授よろしくお願いいたします。  

FECの4クールで著効がみられないとすると、主治医の先生の言われるように、後2回やっても大して期待できないので、化学療法を変えるか、手術するかということになります。薬剤に対する感受性、副作用も個人差が大きいので、副作用がなかったからといって、量が不十分だったとは言えません。遺伝子の感受性治験でパクリタキセルは感受性なしという診断を信じると、タキサン系薬剤も奏功しにくことになります。術前化学療法には、これ以上期待できないように思います。(文責 石川)

 

No.5974-2】  06年12月11日   J.K. 
抗がん剤はもうしなくていいですよと言われましたが・・・

以前HPNo.5974で初めて相談した35歳J.Kです。早々にご回答頂き、有難うございました。その後、決心がつき、11月初旬に手術をうけました。詳しい病理結果はこれからですが、今日、化学療法の先生には術後の抗癌剤は必要ないと言われました。術前にFEC治療(3週毎4回)を行ったので、タキサン系(ドセタキセル)の治療をするものと思っていたのですが・・・。タキサン系の治療をしなかった場、再発リスクが高くなってしまうのではないでしょうか?
今わかっている私の病状:
右乳癌 T2N1?MO、ステージUA〜B(手術前所見)、グレード1、ホルモン感受性 陰性、HER2(1+)、遺伝子感受性 パクリタキセル感受性なし。
広がりについて:腋窩リンパ節転移の可能性があるとされていました。
手術は部分切除術でリンパ節(レベルIまで)郭清、(0/11)で転移がなかったことはわかっているようです。

私の年齢と乳房温存していることから、術後の化学療法をするべきでしょうか? 私の場合、薬物療法は抗癌剤しかないと思うのですが、再発した場合に癌に耐性がつかないようとっておくという考え方もあるのでしょうか? 経口の抗癌剤はどうなのでしょうか? 薬を飲んでいると気分的に安心するのですが・・・。放射線治療が必要かについては、これから外科の先生とお話があると思いますが、術後の治療が全くないとなると、なんだかとても不安です。術前の化学療法4回だけで、全身に微小転移しているかもしれない癌を消しきれているのか心配です。どうかご教授ください。よろしくお願いいたします。

二つ疑問があります。遺伝子感受性の治験で薬物治療の制限はないのでしょうか。もう一つは治療前に腋窩リンパ節転移があったらしいというのは細胞診か組織診で確認できているのでしょうか。もし間違いなく治療前に腋窩リンパ節転移があったのならば、術前化学療法後の手術で腋窩リンパ節転移がなかったということは術前化学療法が良く効いたと考えられます。もちろん原発巣と転移巣の両方が消えてしまうのがbestですが、原発巣と転移リンパ節のどちらが消えた方がよいかというと、リンパ節転移が消えた方が予後は良いというデータがあります。術前化学療法を行った場合、術後治療をどうするかという問題に関しては、現在の段階でエビデンスはありません。したがって患者さんと相談しながら決めることになります。術前化学療法というのは乳癌が全身病であって、全身の薬物療法が治療の中心であると考えているわけですから、その考え方に立てば術後にタキサン系の抗がん剤を投与するというのは理にかなっていると思います。また術前治療でアンスラサイクリン(FEC、AC等)とタキサンを併用する場合、両者を術前に投与しても術前術後に分けて投与しても効果は同じということは証明されています。年齢も若いので、私個人としては術後のタキサンをお勧めしたいと思います。耐性ができるからとっておくという考え方はありません。経口抗がん剤も選択肢の一つだと思います。経口抗がん剤(ゼローダもしくはTS-1)単独の術後補助療法のエビデンスはありませんが、考慮する価値はあります。またゼローダはドセタキセルと併用するとドセタキセル単独よりが有効というデータがあるので、併用という考え方もあります。放射線治療は必須です。(文責 清水)

 

No.5974-3】  06年12月19日   J.K. 
抗がん剤はもうしなくていいですよと言われましたが・・・(2)

ご回答有難うございます。再度の質問になりますこと、お許しください。
@治験での薬物治療の制限について
このまま治験の計画どおり進めるなら、私は「術後化学療法をしない群」にあたると思いますが、治験をはずれて標準治療を受けるべきか悩んでおります。説明文書では「手術で取った腋かリンパ節に転移が認められた場合、術後に予防的化学療法を行う。術前にパクリタキセルを受けた方はFEC治療を行う。術前にFECを受けている方は術後に3週毎のドセタキセル治療を予定する。」と書かれています。手術前に化療担当の先生とお話した時は「術後に危険因子があれば行う」と言っていました。
A腋かリンパ節転移があったかどうかについて
治療前にリンパLN穿刺生検を行いました。エコーで見ながら腋に注射針位の針を刺して細胞(リンパ液?)を取った。癌細胞は(−)だが超音波で1センチ位膨らんでいるのが分かるし、肺CTにも腋の腫れが映っているので可能性が高いと外科の先生は言っていました。腫れが癌の転移によるものでない場合でも抗癌剤治療によって小さくなることもあるのでしょうか? 癌転移でないとしたら抗癌剤後も腫れたままなのでしょうか?

やはりタキサン系治療をしたい気持ちが強くなっていますが
1) 最後のFEC治療から約2ヶ月経過してしまいますが、期間があいてしまうと治療効果がうすれてしまいますか? 脱毛していた髪が生え始めてきています。前回の薬の効果がきれないうちに次の治療を早く行ったほうがよいのですか?
2) あえてタキサンの治療をした場合のデメリットはありますか? 副作用の他に例えば他臓器の癌を発症してしまうなど。
3) 化学療法を先行した場合、放射線治療の開始が数ヶ月後になると思いますが、放射線治療は開始が遅れるとよくないと本で見たのですが、化学療法と放射線治療のどちらを先に行うのがより再発を防ぐことができるのでしょうか?

お忙しい中に唐突な質問ばかりで申し訳ありません。どうかご教授よろしくお願いいたします。

1) タキサン系抗癌剤治療開始するのであれば、理論上なるべく早急に施行するのがより良いと考えられますが、実際のところ明らかな規定やエビデンスはなく、また正月を挟むことともなりますので、あまりnervousにならず施行するタイミングは主治医の先生とよくご相談のうえでよいと思います。
2) ドセタキセルの副作用として、骨髄抑制、悪心、嘔吐、脱毛などに加え、倦怠感、無力、胸腹水、爪の変化、流涙、味覚障害、聴覚障害などが指摘されております。多臓器への発癌性は指摘されておりません。
3) 乳癌診療ガイドラインでは、放射線照射と化学療法はどちらを先行させても予後に影響しないことになっております。しかし35歳と若年であり、ホルモン感受性が陰性であることなど、局所再発の抑制より遠隔転移再発の抑制をより重視という観点に立てば、化学療法先行がbetterであると考えます。(文責 谷)

 

No.5974-4】  06年12月27日   J.K. 
病理結果は切除断端陽性でした

いつも相談させて頂いております。HPNo.5974です。術後の病理結果が出たのですが、また不安と疑問があるので教えて下さい。どうぞよろしくお願いいたします。術前化学療法で、手術は温存です。病理結果は次のとおりです。
<診断>
1.(Partial mastectomy)
Adenocarcinoma solid-tubulare of the right breast,with slight lymphatic permeation,status post chemotherapy.
2.All nodes,negative for cancer,status post chemotherapy(0/11=0/9+0/2)
3.ER:−、PgR:−、HER2:0

<所見>
Surgical margin positive for cancer.
内側:(#26,28)intraductal carcinoma fociで断端陽性。
外側:本体(#5,7,10)はintraductal carcinoma fociおよびinvasionで断端陽性。追加切除標本にはcarcinoma はみられない。
Histological therapeutic effect:Grade 1a
浸潤巣消失部が腫瘍の中心部にみられるが全体の1/3未満。リンパ節転移(0/9)。転移消失部を疑う所見は認めない。

<質問>
1) 切除断端が一部陽性なのですが、放射線治療で大丈夫とのことです。再手術の必要はないでしょうか?
2) 術後も抗癌剤をするべきか悩んでおりますが、断端陽性なので、やはり行ったほうがよいですか? 化学療法の先生は「リンパ転移がないので必要ないですよ」、外科主治医は「術前の効きがGrade 1aで弱いので術後のタキサンも考慮の余地はありますが、難しい選択です」とのこと。看護師さんに相談したら「この病院では、断端陽性だから追加に化学療法をするということは基本的にはないですね」といっていました。先生方は、リンパ転移なしでも断端陽性だから追加化学療法をすすめることもありますか?
3) 断端陽性の場合、局所的治療の放射線を先行したほうがよいでしょうか? その後にタキサン系化学療法をしても効果に差はないですか? 

術後の治療をどうしたらよいのか、本当に毎日悩んで途方にくれています。たびたび申し訳ございません。どうかご教授ください。

1) 部分切除した組織の断面を顕微鏡で調べた時、癌細胞が断面又は断端から5o以内に見られる場合を「切除断端陽性」といい、温存療法後の乳房内再発を予測する為の重要因子となります。広い範囲に断端陽性が確認された場合は、追加切除や乳房切除術が推奨されますが、断端陽性であっても狭い範囲だった場合は、追加切除する時もありますが、標準的放射線治療に更に照射を追加する方法が妥当と考えられています。
2) 貴女の場合は狭い範囲での断端陽性だと推察されますので、追加の化学療法ではなく、追加の照射という事になります。
3) 放射線と抗がん剤の両方が必要な場合、「放射線を先行させる、抗がん剤を先行させる、同時に行う」の3通りが考えられますが、どのやり方でも、局所再発や遠隔転移、死亡率に差が認められなかったと報告されています。貴女の場合は「リンパ節転移なし、内分泌非反応性」なので、一般的には術後化学療法をしない群に属しますが、あえて行うとすれば、術前に化学療法を行っているので、タキサン系の何を使用するかは、主治医と相談の上、方針を決定してください。(文責 須田)

 

No.5974-5】  08年06月25日   J.K. 
乳癌治療後の生活不安

2年前に乳癌と診断され、何度かご相談したHPNo.5974のJ.K.です(06/11/06)。先生方に頂いた回答を参考に、主治医とよく相談し、納得のいく治療ができたと思います。相談室のおかげです。有難うございます。現在は3ヵ月ごとの健診を受けています。特に異常はないのですが、気になっている事があるのでまた相談させて下さい。
1) 検診血液検査の結果 @白血球の数値が低い。毎回4000前後。  A貧血気味。ヘモグロビン毎回1000前後。先月から鉄分(フェロミア)を処方。
2) これまでの経過  抗癌剤FEC治療:4クール 2006/8、 右乳房温存手術 2006/11、 放射線治療:25回 2007/1 。

抗癌剤や放射線治療から身体が回復していないという事でしょうか? 現在、歯科医にインプラント治療を薦められていますが、身体がよい状態になってからのが良いでしょうか? また、インプラント手術するとMRIなど癌の治療や検査に支障があるでしょうか? 歯科医にも病気の事を話し、当然相談している事なのですが、不安なので、こちらの先生方のご教授頂きたくメールいたしました。宜しくお願いいたします。

白血球数については個人差が大きいので、4000前後でも全く心配ありません。貧血も、どこかに出血があるとか、徐々に下がっているというのでなければ心配ないと思います。いずれにしても主治医の先生が貴女の状態は一番良く把握しているのですから、一度相談されたら如何でしょうか。インプラントの素材が問題ですが、最近のインプラントが金属製ということはないのではないでしょうか。金属製でなければ全く問題ありません。歯科の先生に相談されるのが一番だと思います。(文責 清水)

 

No.5973-1】  06年11月06日   U 
乳腺症

この前、胸に小さいしこりがあるのを見つけ、産婦人科の先生に見てもらったら乳腺症と診断されましたが、インターネットなどで調べたところ、30〜40歳に多くみられると書いてあったり、痛みをともなう事が多いとありました。私は24歳で子供一人ですが、この歳でも乳腺症になりますか?

24歳でも乳腺症になります。(文責 石川)

 

No.5973-2】  06年11月08日   U 
乳腺症(2)

たびたびすみません。この前乳腺症についてご相談したのですが、今、1センチくらいのしこりがあるのですが、このしこりは治療しなくても、いずれ自然になくなるんでしょうか? あと、しこりがだんだん大きくなる事ってありますか? 教えて下さい。

画像上、形、大きさ、廻りの形態が変化するか慎重に経過をみた方が良いと思います。大きくなる場合でも良性悪性の両方があります。(文責 石山)

 

No.5972-1】  06年11月06日   moto 
リンパ節の郭清について

現在34歳で、6歳・9歳の子供がいます。10月初旬外科的生検にて Invasive ductal carcinoma, scirrhous type, f(+), ductal spread(+〜++)、ly(+〜++)、v(-)、nuclear grade 1,margin(+) という結果でした。ホルモンレセプター等は未検査です。しこりの大きさはエコーで見た限り、9×7ミリ程度でした。腹部CT、骨シンチ施行しいずれも明らかな異常はありませんでした。11月8日に皮下乳腺全摘術+TE挿入予定です。腋下リンパ節の腫脹もないため、センチネル生検も予定をしています。ただ、何度かこちらの相談にも出てきたように、生検後のセンチネルの信頼度が気になります。主治医の先生は、その病院の生検後の正誤率は90%です、という事でした。私の場合、再発リスクは中等度以上かと思いますが、リンパ節転移の有無で術後治療に大きく差が出るのでしょうか。リンパ浮腫のこともあり、リンパ節郭清に対し迷っています。リンパ節転移の有無に術後治療が影響されないのなら、センチネル陽性でも郭清する必要があるのかということです(陰性といわれても間違うこともあることですし)。また、術後化学療法、治療は何をするのが標準でしょうか。よろしくお願いいたします。

一般的にはセンチネルリンパ節生検の正確さは95%以上と考えられます。センチネルリンパ節生検で転移陽性なら、リンパ節の郭清は行うのが標準で、行った方がよいと思います。リンパ節転移個数により、術後再発のリスクが異なり、術後治療に違いが出てきます。またホルモンレセプター、HER2などの結果も治療法に影響がでます。現在の手術ではリンパ節の郭清をしたからといって、上肢がひどい浮腫になる確率はかなり少ないと思います。術後化学療法、治療はリンパ節転移、ホルモンレセプター、HER2などの結果によるので、術後に主治医にご相談ください。(文責 石川)

 

No.5972-2】  06年11月28日   moto 
希望を持ちたくて

前回HPNo.5972でお世話になりました。ありがとうございました。お蔭様で無事手術を終えることが出来ました。予定の手術を行ったところ、術中の病理診断でセンチネル陰性と言われたのに、その後の検査で3mmの浸潤があったということでした。この事で、私以上に家族がショックを受けております。主治医からは「化学療法後、シリコンへの入れ替え時に腋下リンパ節郭清、乳頭切除(断端陽性だったため)を行いましょう」と言われております。センチネル3mmの転移は、他の腋下リンパ節まで転移している可能性はどの程度でしょうか。またセンチネル生検が行われる以前、腋下リンパ節に転移なしと言われた人にも、センチネル陽性だった人が病期Tとして含まれているのですよね? T期とU期の生存率の開きに少々ショックを受けてしまい、愚問と知りつつ質問させていただきました。主治医の先生は信頼しております。これからの治療も頑張りたいと思います。

3mmの転移があった場合の正確なデータはありませんが、他のリンパ節への転移率は多くても30%を超えることはないでしょう。しこりの大きさ、悪性度、リンパ管侵襲などの結果によっても左右されます。(文責 加藤)

 

No.5971】  06年11月05日   T 
膝の痛み

2月に左右両方全摘手術しました。両方ホルモン感受性プラスで、現在ノルバテックスを服用しています。最近右の膝が痛くて、長く歩いていると痛みがひどくなり、動いていない時でも、ふくらはぎが筋肉痛のような痛みがあり、骨転移かと心配しています。透析もしているので透析の影響かも判らないから、来週一応整形外科を受診する予定です。膝に転移する事があるのですか? 単純なレントゲンでもわかりますか?

膝に転移することは極めて稀です。単純なレントゲンではわからないことが多く、骨シンチ、MRI、CT検査をすることがあります。(文責 石川)

 

No.5970】  06年11月05日   M
乳首について相談です

私は28歳になります。結婚は24歳で、3年間ほど不妊治療を行っていますが、妊娠はまだです。以前から生理前などに乳首の掻痒感が軽度あり、その時は老人の落せつのような感じでポロポロと乳首や乳輪の皮膚が落ちます。痛みはありません。現在不妊治療のため、クロミットを飲んで3日目です。右の乳首の軽い掻痒感があり、見てみました。乳首の付け根の辺りにぽつぽつとした毛穴のようなものがありますよね。そこが数箇所膿化疹のようになっており、さらに硬くなっています。見た感じが、いかにもニキビのように膿がたまっている様な所が1箇所あり、そこを軽く押すと排膿しました。脂肪の塊のようなものと、少量の出血、あとは乾燥するまで浸出液がごく少量でした。痛みは排膿時の時だけで、あとは刺激によるものだけです。
乳首の皮膚が弱く、気になって触っているとすぐにピリッと亀裂が入ってしまいます。シャワーが直接当たってヒリヒリとすることもあります。今回は生理前ではないのですが、乳首の落せつがあり、排膿の時にいろいろと触っていたので、亀裂も数箇所、ほんの小さなものですができました。また、右乳首の付け根に3ミリくらいのいぼの様な物が2〜3個出来ており、以前婦人科の先生に診てもらいましたが心配ないとの事でした。
私は看護師です。沢山の乳癌の患者様を診てきました。自分の事になってとても心配です。少数でも乳首の癌がある為、今回心配でメールさせていただきました。お忙しいところ、大変申し訳ありませんがよろしくお願い致します。

乳癌ではないように思います。皮脂腺の炎症か皮膚炎のように考えます。心配でしたら、一度乳腺専門医の診察を受けたらいかがでしょうか。(文責 石川)

 

No.5969】  06年11月05日   YM
再発時の検査と治療法について

2001年にも相談させていただいた際、丁寧にご回答いただき大変お世話になりました。今回再発したため、今後の検査・治療について質問させてください。2001年7月35歳で出産経験なし、乳頭腺管癌ステージIa 20x18mm リンパ(0/17)など転移なし、Grade 2、EIC+ ER 38(+) PRG 220(+)で、右胸左下1/4を切除、放射線5クール、ノルバデックスを計3年服用しました。3年でやめてしまったのは、生理がとまり妊娠ができなくなるのが不安だったことが大きな原因です。一ヶ月ほど前に手術痕の下あたりに小さい5-7mm ぐらいのしこりができ、調べると陽性で再発とのこと。肺のレントゲンでは何もみつからず、これから胸のMRI、腹部CT、骨シンチの検査予定です。
1) 転移の有無をしっかり確認したいのですが、上記の検査に加えPET検査を受けることは意味がありますか? もしくは他の検査や方法をすすめられますか?
2) 手術は部分麻酔くりぬき法でも大丈夫だと先生にいわれ、私も希望ですが(美容と部分麻酔の点で)、それは標準的で病状にあっていると思われますか?(転移がないとわかったとして) 病理の結果によって、後日より広い範囲を切除という方法もとれるものでしょうか? しこりは身体の中心に近く(右胸の左端)、切除した部分でほとんど脂肪もない位置です。何をどう考慮にいれて手術方法を決めるべきでしょうか?
3) もし局所再発だとしても、薬物療法をうけなければ再々発の危険が高いですか? 年齢的に遅いのですが(現在41歳)子供がほしく、生理はほぼ正常ですが、今年にはいり2度自然流産(ごく初期の段階で)して、急がなければと思ったところで再発してしまったので、あきらめて薬をとるべきか、あきらめないとしたら再々発にどのぐらいのリスクがあるものなのでしょうか。

以上、長くなりましたがどうぞ宜しくお願いいたします。

1) PET検査にも長所と短所があります。異常があっても、異常と出ないことも少なくないのです。MRI、CT、シンチの画像検査と血液検査(腫瘍マーカー等)で全て異常が無ければ、お薦めできません。
2) 標準的で病状にあっていると考えます。
3) 局所再発のみとしても、再々発の危険は少なくなく、薬物療法を受けたほうがよいと思います。治療を何もしないとすると、再々発のリスクは50%以上と考えます。(文責 石川)

 

No.5968】  06年11月04日   K.S. 
高齢者ですが、抗癌剤治療は?

乳癌の抗癌剤の検索をしていまして、こちらに辿り着きました。初めて投稿させて頂きますが、よろしくお願いいたします。私は67歳の女性です(来る12月で68歳です)が、先月(9月20日)左乳房全摘出手術を受けました。腫瘍の大きさは1.7×0.9センチほどです(他に小さいのが一つ)。Grade2 切除断端- ER+ PR- HER2 2+〜3+。尚、センチネルリンパ節生検を受け、転移が認められず、リンパ節は切除していません。これから抗癌剤の投与をする予定です(日にちは未定)。その後、ホルモン療法も受けたいと思います。そこで教えて頂きたいのですが、私の場合 AC(アドリアマイシン、シクロホスファミド)8回とT(パクリタキセル)を3〜4週間隔でするとのことです。その後ホルモン療法を5年間、とのことです。病院の判断がこれで適切なのだとは思いますが、病理検査によって色々なお薬があるようですので、果たして?と言う気持ちも少し有ります。私の場合の先生のご見解は如何なものでしょうか? ご教示、よろしくお願い申し上げます。

あくまで文面からの判断ですが、腫瘍が2個とハーセプチンが2+〜3+と言うことで、補助療法をしっかり行うことになったと思います。一度再発転移を生じると、その後の完治には難渋することが多いので、今のうちに補助療法として可能な事をすべて行うと考えると現在の予定になります。個人的には暦年齢を考えると、もう少し控えめな治療でも良いように思います。副作用も個々でかなり差がありますので、実際にACを開始しても、途中で支障があるようでしたら、Tを使用せずに内分泌療法に移行することも可能です。主治医の先生とよくご相談下さい。(文責 阿部)

 

No.5967】  06年11月04日   F.K. 
無治療の進行乳がん

初めてお世話になります。どうぞお教えください。
2年前の7月に、左乳房に4.8センチのがんがあることがわかりました。もちろん、精密検査と治療を薦められましたが、がん治療に対するトラウマがひどく、お断りしてしまいました。その後、いわゆる民間療法を色々と試し、自分では共存してきたつもりでしたが、今年になって突起が現れ、それがこの夏に潰瘍となって広がりました。9月には潰瘍から液が染み出るようになり、熟れすぎたトマトのようです。また、乳房自体がおサルのおしりのように真っ赤になり、熱を持ってひりひり痛みます。時折ひどく痛んで、鎮痛剤を飲まないと眠れないときもあります。これは炎症性乳がんに進行したということでしょうか? がんはすでに10センチ以上、潰瘍は3センチから4センチ程度になっています。こんな状態になってもなお、手術・抗がん剤治療は恐ろしく、漢方薬に望みを託して漢方外来に予約を入れましたが、有名病院の為、2ヶ月も先です。それまでは街の漢方薬局で処方してもらって繋ぐつもりです。あと最低でも2年は働かないとけじめがつかない事情があるので、それも積極的治療を受けなかった理由の一つですが、こうなると余命を知って対処しなくてはいけないと思うようになりました。炎症性乳がんだった場合、余命はどの程度とお考えでしょうか?炎症性乳がんの死亡率が高いのは、転移が早いからでしょうか?そんなことより、まずは主治医を見つけなさいと叱られるのは承知の上で、お尋ねしております。51歳です。

最初は5cm程度の乳癌との共存を目指していらしたようですが、・・・。恐らくリンパ管に入り込んで炎症性乳癌の形になっていると思いますが、感染も伴っているかも知れません。炎症性乳癌の5年生存率は10%と通常の乳癌よりも低い傾向にありますが、後2年働く希望がおありでしたら、まずは一般的な治療を受けてみて下さい。民間療法をいろいろ試されたようですが、効果が出なかったわけですし、漢方薬に関しても現状では限りなく疑問です。
乳癌自体の性質を確認しなくては使えない薬剤もあります。抗癌剤投与も最近は外来で施行することが多く、脱毛以外の副作用対策も充実していますので、お仕事・投薬の内容にもよりますが、働きながらの治療も可能です(脱毛の少ない薬剤もあります)。(文責 阿部)

 

No.5966-1】  06年11月04日   K 
骨シンチ

以前より何度かご相談させていただきました。ありがとうございます。
妻は今年で乳がん手術後丸6年になります。昨日、定期健診で「問題なし。1年後来て下さい。」との事で、帰ろうとした所、「ちょっと待って、この6ヶ月で胸をぶつけたことはありますか?」ということで、骨シンチ画像の手術した左胸近くの肋骨に異変があるようでした。診察中は気づかないような小さなものだったのかもしれませんが、非常に不安に思っています。妻は6ヶ月ほど前に転んで、足の指を剥離骨折するほどでしたが、痛さのあまり胸をぶつけたかどうか記憶があいまいです。骨シンチ画像は打撲でも同じように写ると聞いていますが、骨シンチ画像の見た目での判断は明白なものでしょうか? もう一度2ヵ月後に骨シンチ検査を受けることになっています。念のための再検査ということでしょうか? 主治医はあまり詳しい話しをしてくれない人です。どうかアドバイスお願いします。

骨シンチは、擬陽性も多い検査です。ご本人が忘れてしまっているような打撲でも反応します。また、仮に肋骨に転移があっても、脊椎・大腿骨などのように特にQOLに著しく影響を与える部位ではありませんので、念のための再検査で 、問題はないと思います。(文責 阿部)

 

No.5966-2】  06年11月07日   K 
骨シンチ(2)

HPNo.5966でご相談させていただいたものです。いつも適切なアドバイスをいただき、ありがとうございます。多忙な主治医に十分な質問ができない中で、この相談室は心強いものがあります。私も骨シンチについていろいろ調べてみましたが、骨シンチの診断精度は高く、骨シンチ異常=ほぼ骨転移と思い込み、精神的に非常に参っていました。ところでお手数をおかけし恐縮ですが、もう3点ほどご質問させてください。かかりつけの病院は地元の旧国立病院です。ここの病院の画像の診断体制は、専門医である放射線診断医が、骨シンチ画像を診断をして主治医にレポートで報告し、患者の前で主治医の診察だそうです。
1) 骨の打撲と骨転移あるいは正常集積の識別は、専門医である診断医でも難しいものでしょうか? 画像診断能力にたけた放射線診断医の先生が見誤る、見落とす、あるいは見解が異なるということがあるでしょうか? すでにご相談した内容ですが、放射線診断医の診断レポートやその他検査(血液検査、CT、MRI)結果は異常なしだったからこそ、主治医もいったんは 「異常なし、次は一年後」と判断されたと信じています。
2) その他の検査が正常であっても、骨転移が見つかることはありますか?
3) HER2の記事を見かけますが、この検査はいつ頃から始まったのでしょうか?これが陽性だと転移の確率が高いということですが、6年間無事だということは陰性という事になるのでしょうか?(がんデーターは主治医からもらっていません) 妻の手術は2000年11月で、きちんと検査されているか心配です。気休めかもしれませんが、妻の場合、病期2b、リンパ節転移1個、ホルモン治療のみで転移の心配はあまりしなくてもいいと言われた記憶があります。

1) 骨シンチは可能性はあるけれど絶対転移とも言えませんし、補助診断として単純エックス線診断やMRIなどを総合して診断する事が必要です。外傷でも陽性になります。
2) すべての医学的検査で100%という検査はありません。誤差は必ずあります。検査がすべて正常でも骨折してはじめて分る転移もあります。
3) HER2検査が日本で保健適応となったのは、たしか2002年頃だったと思います。HER2は調べないと分らない事です。憶測で言っても意味はありません。(文責 石山)

 

No.5965】  06年11月04日   おかあさん
ハ-セプチン

43歳主婦。今日すべての検査を終え、その結果が、左乳房AC領域に3cm大の浸潤性乳癌、左腋窩に長径12mm大のリンパ節転移あり。あとHAR2が+3ということでした。これを踏まえ、今後の治療は、抗がん剤投与を半年、その後手術ということになりました。私が不安なのは、HARが+3でハ-セプチンを使わなくても大丈夫かどうかです。先生からは一週間に一度点滴をすることも、金額が一回に六万円もすることも説明を受けましたが、詳しく教えてほしいのです。お願いします。

ハーセプチンを補助療法に併用すると再発率が低下するという報告はよく聞きますが、ご存じのようにハーセプチンは保険適応上補助療法としては認められておりません。腫瘍径が3cmを超えてリンパ節転移もありますので、通常の抗癌剤を用いた術前化学療法を行い、その後手術という流れで特に問題はないと思います。 主治医の先生と充分コンタクトをとって、納得のいく治療を選択してください。(文責 阿部)

 

No.5964】  06年11月04日   N.Y. 
ゾラデックス中止のタイミングについて(HPNo.5267-2)

以前 HP No.5267でご相談させて頂いた者です。前回はご丁寧な回答ありがとうございました。
前回の補足:
2003年7月(この時点で33歳・未婚・妊娠出産経験なし)、右乳癌(tubular adenocarcinoma)乳房円状部分切除術(T2 N1 M0 U期B)リンパ節郭清術(レベルT、U)、乳頭側断端陽性のため術後放射線照射(30回)→その後CEF6クール終了。リンパ節転移 レベルT=4/11、レベルU=0/2、センチネル2/2、ホルモンレセプター ER(−) 測定値1.9 PR(−) 測定値4.3 しかしホルモンレセプターを染色法にて再検査した結果が陽性となる(測定値は不明)。術後からゾラデックス1年半(2年の予定が副作用がきつかったため1年半で中止)、その後、ノルバデックス服用に切り替え。術前術後いつ検査しても完全な正常値(常に1.0>)であったNCC-ST-439のみが上昇してきた為、2006年5月15日からゾラデックスとノルバデックスの併用を開始しました。その後、NCC-ST-439の値が下記のように変化しました。2006年5月 26.3、 2006年6月 15.7、 2006年8月 7.3、 2006年9月 7.2。このような下降傾向を示し、まもなく基準値(7.0以下)まで下がりそうな状態です。
元々常に1.0>であったことから考えると、まだ安心はできないかもしれませんが、主治医はノルバデックスに追加したゾラデックスの効果が出たのだろうとおっしゃっています。術後に2年打つ予定であったゾラデックスを副作用がきついために1年半で中断した経緯もあり、今回のゾラデックスの再開で副作用を心配しておりましたが、やはり倦怠感や頭痛、めまいやホットフラッシュや吐き気などの副作用がかなりあります(ツムラ当帰芍薬散を処方していただき少し楽になりました)。主治医は、副作用のこともあるので、NCC-ST-439が基準値に入ったらゾラデックスを中止してみようとおっしゃるのですが、私はゾラデックスの再開により腫瘍マーカーが明らかに下がってきているのであれば(今の治療に再発や転移防止の効果があるなら)できるだけ続けたいと思っています。
ホルモン療法は、がん細胞を攻撃して死滅させるというよりは、増殖をおさえるものだと読んだことがあります。この相談室の回答の中にも、この点に関して「乳癌があっても、それ以上に増殖・進展し続ける事をブロックして、大きくならないようにする」という記載があります。もしそうであれば、打つのをやめると、また元に戻ってがん細胞が増殖してしまうのではないかと不安です。もし副作用が対処できる程度のものであれば、NCC-ST-439が基準値に入ったとしてもゾラデックスを続けた方がいいと思われますか? それとも一度中止して、またNCC-ST-439が上がるようであればその時点で再開する方がよいのでしょうか?(ちなみに画像検査は術後3年半にあたる来年の年明けに予定しています)
お忙しい中申し訳ありませんが、ご意見をお聞かせいただけますでしょうか。よろしくお願い致します。

ゾラデックス中止のタイミングですが、とても悩ましいですね。一般に再発・転移などで薬剤を使用して有効であったと思われる場合、画像やデータが正常化した後、どの程度継続すれば良いのか、明確な指標はないと思います。年明けの画像診断でどこにも再発の疑いがないと納得されてから中止されるという方法はいかがでしょうか? 次回、万一再上昇した場合は、PETーCTなどで再度転移巣の検索が必要になります。
個人的経験ですが、NCC−ST439のみが上昇しても画像に問題がないため経過観察をしていると、また正常化する方もいらっしゃいます。いずれにしても治療のメリットと副作用などのデメリット、腫瘍マーカーだけにとらわれずに画像診断も駆使して総合的に判断してください。 貴女の状況を最も把握しているの主治医と充分ご相談の上、納得のいく治療を受ける事が大切だと思います。(文責 阿部)

 

No.5963】  06年11月04日   k
カビ菌による体の反応について

38歳、乳がんによる術後2年になります。今は、3ヶ月に一度のリュープリンとノルバデックス、UFTを毎食後服用しています。今回相談したいことは、先日食べた「もち黒米」に青かびが混じっていたと報告されました。青かびの種類はpenicillium sp、カビ数は2.3×1000000cfu/g。2年前の病理検査ではリンパ節転移があり、年齢的にもハイリスクだと言われてきましたが、このようなカビ菌を短期間のうちに食べてしまったことによる転移の危険性はありませんか?

青カビを食した事によるリンパ節転移の増加と言う話は存じ上げておりません。ただ一般論として、お餅に青カビが生えた場合などは、一般的な注意として召し上がらないようにする程度の配慮は必要かと思います。(文責 阿部)

 

No.5962】  06年11月04日   O 
再発今後について

6年前、36歳の時に乳癌で全摘手術を受けました。HER2・・+1 ホルモン・・どちらもマイナス。リンパ節転移が4個あり、アドリアマイシン?(赤い液体でした)と5FU、タキソテールをそれぞれ4クールずつ受けました。タキソールはアレルギー症状が出て使用できませんでした。2年間はフルツロン服用、現在閉経。
2年前、40歳の時に胸骨傍リンパ節に転移、皮下にも転移がみつかり、ゼローダを服用(1年間は縮小しました)。その後ナベルビンを3クール点滴致しましたが、皮下転移部分の大きさが3センチに増大した為、今年の5月から放射線治療54グレイを行い、現在は皮下、リンパ節ともにエコーでは確認できていない状態までになりました。先月よりアリミデックスを服用中です。他に抗がん剤治療はしておりません。
しかし、先月の血液検査で、マーカーCA15−3の数値が今までは10以下だったものが30.5になり心配しています。CEF、ICTPは異常なし、肝臓もエコーでは異常なし。主治医の先生は、様子をみて、8月に胸のCTを撮っているので、次は2月に撮りましょうとのことですが、
1) 6年間1度も上がったことがないマーカーが上がっているのに、2月まで待っていいのか不安なのですが、大丈夫でしょうか?
2) 現状で、アリミデックスだけの治療でいいのでしょうか?
3) これからの治療、肺転移などが見つかった場合、放射線治療ができるのでしょうか?
4) まだ使用できる抗がん剤があるかどうかも教えていただけたらと思います。

再発が厳しいということは承知しているつもりですが、子供もまだ小さい為、どうにか共存しながらでも生きていきたいと思っております。お忙しいところ、すみませんがよろしくお願い致します。

1) CA15−3が少し上昇したそうですが、同じ頃に行ったCT・エコーでの異常もないようですので、経過観察が良いと思います。転移・再発病変が同定できなくて腫瘍マーカーのみが鰻登りに上昇する場合には、ご本人とよく相談した上で抗ガン剤などを使用することもあり得ますが、腫瘍マーカーのごくわずかな上昇だけで慌てて追加治療を行う必要はないと思います。6年間経ってからの腫瘍マーカーの上昇ですので、仮に再発があっても急激な悪化は少ないですから、自覚症状に変化がなければ半年後の検査で特に問題はないと思います。気になるようであれば、合間に腫瘍マーカー検査を追加してもらう方法もあります。
2) ホルモンレセプターが陰性ですので、一般的には積極的な内分泌療法の適応にはならないと思います。明らかな再発が確認されていない以上、たった1回の腫瘍マーカーのわずかな上昇のみで、積極的な追加治療は行わなくても良いと思います。
3) 同一部位に繰り返し照射することは通常は行いません。
4) まだ使用されていないものとしては、点滴加療の場合はCMF・プラチナ製剤も可能かも知れません。また、経口剤としてTS−1があるようです。海外で使用していても日本では未承認の物もありますし、今後も新しい薬剤が出てきます。

貴女の状況を最も把握しているのは主治医の先生です。不安や疑問点がある場合は、ご相談の上、充分な説明を受け、納得のいく治療を選択することが大切です。(文責 阿部)

 

No.5961】  06年11月04日   E K
術後ホルモン療法の服用期間・また終了後の再発率について

お世話になります。1ヶ月ほど前に相談させていただいてから3回目になりますが、宜しくお願いいたします。 母の術後についてですが、病理結果をふまえ、ステージUb(一部血管浸潤あり)でした。放射線25回+5回も終え、ホルモン療法で内服し始めて3週間になります。どちらも今のところひどい副作用はありません。「順調にいってますよ」とだけ言われたそうです。治療を始める際にホルモン療法5年と聞かされ、つい先日の診察で「2年半ほどで結構ですよ」と言われ、母が戸惑っております。何故5年から2年半に変更があったのか。また、そんなに早く切り上げてしまったあとの再発リスクは高くならないのでしょうか? お忙しいと思いますが、お返事頂ければ幸いです。

ホルモン療法は2年よりも5年間行った方が再発は少ないという報告があり、近年は5年間続ける場合も少なくありません。(文責 石川)

 

No.5960】  06年11月04日   N.F. 
転移性乳がんについて

母〔53歳〕のことで相談させてもらいます。平成14年乳がんとわかり、7月に乳房・右リンパ節覚せいをしました。リンパ節転移があり、ステージWでした。手術後、化学療法をし、4年間、再発・転移なく元気に過ごしていました。しかし、今年7月に右肺に転移〔5〜8ミリが6個、一番大きいがん細胞は11ミリ〕が発見されて、内服薬を投与。1ヵ月後に、がん細胞の大きさは縮小してはなく、ほとんど変わりなし。一番大きいがん細胞が、11ミリから12ミリに増大していたとのことで、別の内服薬を現在飲んでいます。そこで質問です。
1) もちろん個人差はあることは承知ですが、乳がんの肺転移の場合、余命はどのくらいといわれているのでしょうか。
2) 肺のがん細胞の大きさが5ミリから8ミリというのは大きいですか、小さいですか。
3) 1ヶ月に1ミリ大きくなっているということは、進行がはやいのですか。
4) 現在、ゼローダ、アロマシン、エンドキサンの3種類を内服しています。今後、インフルエンザが流行する季節になりますが、インフルエンザの予防接種をうけても大丈夫でしょうか。

たくさん質問して申しわけありません。教えてください。

1) 個人差もあり、化学療法などの効果により違ってきますが、最短半年ぐらいとお答えしています。
2) 肺の腫瘍の大きさで大、中、小の定義がはっきりしていませんが、5ミリから8ミリというのは1cm以下なので、一般的は小さい方と言えるのではないかと思います。
3) 進行が早いとは言えないと思います。
4) インフルエンザの予防接種をうけてもふつうは大丈夫と考えます。(文責 石川)

 

No.5959】  06年11月04日   H.M. 
年1回の検診で良いのでしょうか?

今年2月に結婚し、現在32歳です、10月20日に人間ドックを受け、今日結果が来ました。そこで、子宮ガンで化生細胞あり、細胞診U、とありました。経過観察ということで、特に二次検査ということは書かれていませんでしたが、このまま書かれているとおり年1回の検診で良いのでしょうか? 乳がんの方は、エコーも触診も異状なしという結果でした。こういう検査も初めてで、これから子供も考えているので、教えてください。お願いします。

細胞診U、二次検査不要ということなので、次年度の検診で良いのではと個人的には考えますが、婦人科ではないので責任を持った返事ができません。検診担当者にお聞きください。(文責 石川)

 

No.5958】  06年11月04日   K
病理検査の結果

はじめて相談させていただきます(47歳)。子供が二人おります。昨日病理組織検査報告書をいただきました。「左AC,18×18,結節型,invasive carcinoma,suspicious of small cell carcinoma,f,ly1,v1,n(−),sentinel LN(O/6),断端(−)TNM分類:T1,NO,MO,stageT、核グレード:Grade3,核異型スコア:2,核分裂像スコア:3点、免疫染色の結果:ER(−)、PgR(−),HER2 Score 0」という結果ですが、普通の乳癌ではない、多数の核分裂像(25個/HPF)とアポトーシスを認めるとの事で、担当の先生も始めてのケースだそうです。化学療法(FEC100)(weeklyパクリタキセル)を行い、放射線治療は半年後から、との説明をいただきました。
1) 普通の乳癌でないが、乳癌の抗がん剤で良いのでしょうか?(小細胞癌は肺がん?)
2) 良いとすれば、(FEC100)(weeklyパクリタキセル)は適切でしょうか?
3) このような症例は、他には無いのでしょうか? 有るとすれば生存率は?

お忙しいところ申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

1) 病理組織型が特殊ですが、乳癌に変わりはなく、乳癌の抗癌剤で良いと思います。小細胞癌は肺がんだけでなく、食道など他臓器の癌でもみられます。
2) いろいろな化学療法が考えられますが、(FEC100)(weeklyパクリタキセル)もそのひとつです。
3) このような症例もありますが、数が少ないので生存率はよくわかっていません。(文責 石川)

 

No.5957】  06年11月04日   T.I. 
乳房再建をおこなった時の再発について

私は二年前に全摘手術をして、1年半近くをなんとか無事にクリアーしました。今32歳です。そして来月、東京の乳房再建専門の先生のところでシリコンによる乳房再建を行う予定です。予定ではエキスパンダー+シリコンとのことです。そこで質問なのですが、同じ乳癌患者の知り合いに、乳房再建手術をすると眠っていた癌細胞を起こしてしまうことがあると聞きました。乳がん手術のときや、放射線をあてると癌細胞が動き出すとは本で見たことがありますが、乳房再建で手術を行うときも、眠っている癌細胞を起こすことになることがあるのでしょうか? もしそうならば、再建手術をするということは再発率をあげることになるかもしれないということになりますのでしょうか? 来月に再建手術が控えております。心配ですので、先生がたの意見を聞かせてもらえないでしょうか?

乳房再建手術で眠っていた癌細胞を起こしてしまうことはないと思います。ただ乳房局所に再発した場合、わかりにくくなるという点はあると思います。(文責 石川)

 

No.5956】  06年11月04日   A.A.
骨転移の可能性

50歳です。右側乳房温存で手術して、今年の12月で6年です。術後療法、放射線とタモキシフェン、大きさ1.5センチ、リンパ転移無し、ホルモン感受性+、リンパ管、血管侵襲なし、グレード2、硬癌です。ここ最近骨盤の左側に痛みがあります。立ち上がる時、軽くズキンとします。座っている時、寝ている時は痛みません。歩いている時もあまり痛く有りません。腰をねじると痛みます。軽い痛みなのですが、気になってしかたがありません。病院に行こうと思っているのですが、来月6ヶ月検診なので、その時でいいかと思い、行ってないのです。骨転移の場合、どのような痛みなのですか? 動いていても、動いていなくても痛いのですか? 痛みのある日とない日が有るのですか? メカニズムなど教えて下さい。最近知人が私と同じ位の病期、早期にもかかわらず、7年目に骨転移おこし全身転移で亡くなりました。そのショックから抜けだせずにいるのですが、自分が心配でなりません。私位の病期でも骨転移の可能性はありますか? 宜しくお願いします。

骨転移の場合、動くときのほうが痛みが出ることが、またいつも痛むことが多いようです。骨転移の可能性が無くはないので、来月まで待たず受診することををお薦めします。(文責 石川)

 

No.5955】  06年11月04日   Y.T.
治療経過中についての質問

突然のメールをお許し下さい。ネットワーク上でQ&Aがありましたので、私も質問させて頂きたくメールさせて頂いております。母が2か月前に乳がんであると診断されました。大きさは6cmM3N0M0 stageUB 肺肝臓骨への転移所見は無い状態でした。現在抗がん剤治療を行っていますが、エンドキサン及びファルモルビシンを点滴及び服用中です。2サイクル目の治療期に入り、GPTが200となり肝機能の薬も服薬しているようですが、未だに100以上あります。私は遠方に住んでおりまして電話で様子をうかがう事しか出来ないのですが、母は病院勤務ということもあり、定期的に血液検査を行っています。実家は田舎にあるもので、専用の病院に高速1時間をかけて治療に行っています。電話で主治医にGPTの数値を伝えてはいるようなのですが、「自分の勤務病院で薬を出してもらいなさい。下がるのを待ちましょう。」という事でした。
そこで質問です。副作用で肝機能障害が続いた場合(現在16日間)、肝臓の病気を併発したりしないのでしょうか? また術前の抗がん剤治療中、全てのサイクルが終わるまでの間に原病巣(乳がん)が多臓器へ転移してしまう危険性は無いのでしょうか? 母は主治医にむやみに質問して、煙たい患者だと思われたく無い様で、自分で聞けないようです。今回の肝機能の数値は肝臓への転移とは考えなくて良いのでしょうか? 実家に帰れれば直接主治医の先生に私から伺いたいのですが、そうも行かず、母もそんな事はやめてくれと申します。どうぞ、ご質問にお答えいただけるようでしたらお願い致します。信憑性の薄い情報もあるインターネット上で、こちらのサイトであれば真剣にお答えいただけるのでは無いかとメールさせて頂きました。どうぞよろしくお願い申し上げます。

副作用で肝機能障害が続いた場合、肝臓の病気を併発したりすることはありえます。肝機能障害と他臓器転移とは直接の関係は無いと思います。肝転移で肝機能の数値が悪くなることはあります。肝転移はCTや超音波検査をすれば、すぐわかります。(文責 石川)

 

No.5954】  06年11月04日   KK
ホルモン治療について(HPNo.3948-4)

昨年からお世話になっています。HPNo.3948です。今年1月に化学療法AC+Tを終え、TAM(フェノルルン錠)を朝夕内服しています。その後、主治医から聞いていた病理結果が違っていたこと等、報告させていただきます。
リンパ転移 3/6、核異型度 3、核グレード 3、FISH検査をし、プラスと出ました。核分裂像(2/10HPF)→2(7-8/10HPF)。
質問ですが、
1) HER2(+)はホルモン剤効かないと以前こちらで教えていただきましたが、1年近く内服してますが、このままいかがなものでしょうか?
2) TAM+ゾラテックスorリュープリンしなくていいのでしょうか? 化療中に生理がなくなり、今に至っています。

よろしくお願いします。  術後、おかげさまで1年半になります。

1) HER2(+)だとホルモン剤が効きにくい傾向があるという報告はあります。現在のところ、HER2(+)だからといって、ホルモン療法しないということはありません。
2) 化療により閉経を来たしたため、ゾラテックスやリュープリンは不要と考えられているのではないでしょうか。正確には、血中ホルモンを測定することにより閉経の有無が判定できます。(文責 石川)

 

No.5953】  06年11月04日   K.T.
ジェネリック医薬品について(HPNo.5749-3)

HPNo.5902です。いつもご多忙中ご回答ありがとうございます。ホルモン療法で、ゾラテックスの他にタモキシフェン20mgを5年間服用すべく開始しました。主治医は、「先発品よりも安価、有効成分は変わらない」との理由からジェネリックを処方され、当院では同医薬品を服用している患者のほとんどがジェネリックを利用しているとの事から、突然でたいした予備知識のなかった私も大勢にならってジェネリックを服用し始めました。が、以下の不安事由が生じましたので、できることなら相談室の先生の御意見を伺いたく思います。
『薬局で購入後持ち帰り、薬袋を棚に保管、服用時に取り出し、パッケージ裏面を押し破って1錠出したところ、パッケージ中で4つに割れていた。4つの破片を合わせても全形(20mg)にならない。購入時から服用まで通常以外の取り扱いはしていない。購入時に取り扱いに関する注意などは聞いていない。』薬局に問い合わせたところ、「先発品とは添加物が異なる、そもそも脆いのでノルバテックスは添加物で表面を硬くするコーティングがなされているが、ジェネリックにはそれがない。今回のような割れた事例は初めて聞くが、卓上にこぼれていた少量の水分に触れて溶けてしまったという例を知っている。」との事でした。有効成分は変わらないとしても、通常の取り扱いによって破損するような薬は、品質に問題があるといえるのではないかと思います。医師によっては、先発品とジェネリックを比較して有効成分上は同じでも完全に同一とはいい切れない等の理由からジェネリックは使用しない方もいらっしゃると聞きます。価格は安価なほうがいいのですが、品質を最も大切に考えたいと思います。ジェネリックは信用して服用できるのでしょうか。ご回答頂ければ幸いです。

ジェネリック商品(後発品)は先発品と全く同じではありません。主成分は同じでも、製造方法も異なり、剤形やコーティングなどが違うので、効き目が大きく変わっている可能性があります。先発品は再審査などでいろいろなデータ、ノウハウを蓄積し、使用経験を重ねているので、安全性・効果に対する安心感はあります。(文責 石川)

 

No.5952】  06年11月04日   M
リンパ節郭清後、患部のはれについて

術後、約二週間経ちましたが、(手のむくみなどではなく)傷口とわきの下の間が傷口に沿って同じぐらいの長さ(約12センチ)でぷっくり腫れてしまいました。特に痛みなどはありませんが、リンパ液の通路がふさがっている状態のようで心配です。  

リンパ液貯留の可能性があります。感染を起こすといけませんので、診察を受けてください。(文責 石川)

 

No.5951】  06年11月02日   cocoa
ホルモン療法中の体の不調について 

47歳です。2002年2月からリュープリンを2年間、並行してノルバデックスを2005年10月まで服用していました。その後アロマシンに変更になり、現在も服用しています。2005年10月に変更になったのは、対側乳がんになり、ノルバデックスが効いていないのではとの判断です。アロマシンに変わったとたん、それまで止まっていた月経が半年間ほど戻ったり(今はまた無くなっています)、体重が驚くほど増えたり、にきびがたくさんできてなかなか治らなかったりと不調です。何をしても改善しないので、おそらくホルモンバランスが崩れているせいではないかと思うのですが、ホルモン治療中の私でも婦人科の治療が受けられるでしょうか。エストロゲンを補充するような治療はしないと思いますが、更年期障害に良いとされている漢方薬やイソフラボンなどはホルモン療法の妨げにはならないでしょうか。

ホルモン治療中でも婦人科の治療は受けられます。ノルバデックスなどの治療を受けていたりしますので、是非、受けた方がよいと思います。漢方薬やイソフラボンなどはホルモン療法の妨げにはならないと思いますが、婦人科医も乳癌治療の妨げにならないように十分考慮してくれるはずです。(文責 石川)

 

No.5950】  06年11月02日   K.O.
検査時期について

33歳、1児の母です。10月初めに腫瘍の摘出手術を受け、結果良性とのことで一安心しておりましたが、その後乳頭からの出血で細胞診とマンモテックの検査をし、これも陰性でした。しかし、「この結果は完全なものではないし、一つの管からの出血なので乳管造影の検査をしたほうが良いでしょう」と言われました。出血しているのだから早い方が良いでしょうとのことでしたが、1ヶ月先まで予定があり、乳管造影の検査が先延ばしになってしまいます。細胞診とマンモテックの結果は、あまり信用できないのでしょうか。生理前に出血することもあるとも言われました。先日生理になりましたが、絞れば出血します。予定を変更してでも早く検査を受けるべきか迷っています。よろしくお願いします。

乳癌でも細胞診とマンモテックの結果が悪性とでないことは珍しくありません。乳管造影の検査は慌てて受ける必要はないと考えます。(文責 石川)

 

No.5949】  06年11月02日   U.K.
乳頭の分泌液と脇の痛み

25歳です。最近乳頭から血がでて大学病院に行きました。マンモグラフィや細胞の検査を受けました。先生の話では、年齢的に考えれば乳癌の可能性は半々で、1ヶ月後の検査結果がでるまで何とも言えないとのことでした。その後、五日間分泌液を採取し、また検査をするそうです。2ヶ月前から痒みと茶色の分泌液があり、脇の下がしばしば痛みます。昨日、分泌液を採取しようとしたところ、かなりの出血があり、不安でご連絡させて頂きました。

1) 症状からみれば、乳癌の可能性が高いのでしょうか。
2) 1ヶ月の検査期間は普通なのでしょうか。
3) もうひとつ病院に行くべきでしょうか。(現在の先生には言うべきではありませんか。)
4) 千葉県成田市在住ですが、近くに病院はありますか。
5) 検査を待つまでに何かできることはないのでしょうか。

お忙しいところ申し訳御座いませんが、宜しくお願い致します。

1) 乳頭からの分泌・出血は乳癌だけでなく、乳管内乳頭腫は、乳腺症などでもみられます。
2) 乳頭腺管癌などの乳癌の可能性は否定できません。
2) 1ヶ月の検査期間は普通とも考えられます。
3) 結果が出るまで待つべきです。
4) 大きな病院、乳腺科がある病院ならどこでも大丈夫です。
5) 特にありません。(文責 石川)

 

No.5948-1】  06年11月02日   Y.S
乳管内乳頭腫の疑い

HPを拝見させて頂きまして、はじめてメールをさせて頂きます。現在、心配なことがありまして、ご相談させて頂けますよう、何卒よろしくお願い致します。
私は27歳、未婚です。どこまで詳細にご説明すれば良いのか分からず、ここに至るまでの経緯から説明させて頂きます。長文になりまして大変申し訳ございません。4〜5ヶ月前より、ブラジャーに黄色い染みが付いて、乳首からの分泌物に気付きました。左の乳首からのみ、量はそんなに多くないのですが黄色透明の分泌物が出ており、やっとですが、先々週に乳腺外来のある病院で検査を受けました。マンモグラフィーとエコー検査を行ったところ、石灰化やしこりも無く、まず問題ないでしょうということでした。しかし、マンモグラフィーの検査で乳房を圧迫した際に、今までにない量の分泌物(ティ-スプーン一杯ほど?)があり、色も今までより濃く(茶色透明)、少しですが血も混じっていたため、分泌物の検査を行いました。1週間後の先週、結果が出まして、「検査結果はクラス3の疑陽性で、乳管内乳頭腫の疑いがある」と言われました。また、「とりあえず経過観察。何も無ければ3ヶ月後に再検査。今の色と違う色の分泌物が出たら、また診察に来てください。」と言われたのですが、診察後3日たって、ブラジャーにごく少量ですが、血がついておりました(その後、乳首を絞ったところ、分泌物はまた黄色透明でした)。そのため、今週末に再度診察に行こうと思っているのですが、その前に、3点、ご相談したいことがあります。

1) マンモグラフィーとエコー検査では何も見つからず、分泌物の検査でクラス3が出る、ということから考えられる病気は、乳管内乳頭腫のみなのでしょうか?
2) インターネットで調べると、「乳管内乳頭腫とは乳管に出来る良性腫瘍」と書いてあるものが多いのですが、「悪性だと、早期でも乳腺全摘手術もある」と書いてあるものもあります。悪性の乳管内乳頭腫というものもあるのでしょうか? それとも、悪性だと乳頭腫ではなく、乳がんということなのでしょうか? 自分に乳がんの可能性があるのか、とても心配です。
3) 良性か悪性かを見極める方法は、乳管造影検査になるのでしょうか? 乳管造影検査は、造影剤+マンモグラフィになると思いますが、先般行ったマンモグラフィが、叫んでしまった位あまりにも痛かったのと、また、頻繁の撮影は発ガンの可能性もあるということで、心配です。

大丈夫だと思っていただけに、診断を受けた際には病名にあまりにも驚いてしまい、お医者さんに質問すら出来ませんでした。診察まで1週間気が気ではなく、お忙しいところご迷惑をおかけ致しまして大変申し訳ございませんが、何卒、よろしくお願い致します。

1) 乳管造影は乳管内乳頭腫のみではなく、乳癌、乳腺症なども考えられます。
2) 乳管内乳頭腫が悪性化することもあります。この場合、乳癌ということになります。
3) 乳管造影は乳管内腫瘍が存在するかどうかをみる検査で、良性か悪性かは、手術で採った組織の病理学的検査で判定します。数回のマンモグラフィー撮影での被爆量はたいしたことないので、発ガンの可能性はまず心配しないでよいと思います。乳管造影は受けるべきと考えます。(文責 石川)

 

No.5948-2】  07年02月18日   Y.S
乳管内乳頭腫の手術について

昨年11月に、「乳管内乳頭腫の疑いがある」ということで、HPNo.5948でご相談させて頂いたものです。もう一度ご相談させて下さい。
その後、かかっていた病院から大学病院を紹介され、再度エコーをとったところ、分泌物の出る左乳首の真下あたりに2cmサイズのしこりがみつかりました。そこで再度分泌物の細胞診、また、しこりに直接針を刺して行う細胞診を行ったところ、どちらも「クラス2」という結果で、「乳管内乳頭腫」という診断を受けました。担当医より、「良性だから問題はないが、2cmとサイズも大きく、また、このまま放っておいても分泌物はとまらないので、手術による切除をお勧めします」と言われました。乳頭腫の手術については、ネットで調べたところあまり記述も無く、お手数をおかけ致しますが、再度質問をさせてください。
1) 今までのマンモグラフィ、細胞診、エコーのみで、「乳がんの可能性はなく良性」と確定できるものなのでしょうか?
2) 前回質問させて頂いた際に、「乳頭腫が悪性化して乳がんになる可能性がある」というお答えを頂いていたのですが、その可能性を考えると、良性でも手術での切除は必須なのでしょうか?
3) 「手術をすると、将来母乳が出なくなる可能性もある」と言われました。手術ではしこりのみ取るのではなく、乳腺も切除するのでしょうか?
4) 内視鏡手術が出来れば、胸自体には傷が残らないので、その方法が良いと思っていたのですが、通院している病院では内視鏡手術は行っていません。ただ、「手術は乳輪の部分に沿って切開を行うため、傷跡は目立たなく、内視鏡手術と傷自体はそんなに変わらない」と言われました。しかし、やはり胸を切ることには抵抗があるのですが、本当に傷跡は目立たないのでしょうか? また、胸の形が変形したりはしないのでしょうか?

お忙しいところご迷惑をおかけ致しまして大変申し訳ございませんが、何卒、ご回答頂けます様、よろしくお願い致します。

1) 「可能性はなく」ではなく「可能性は少なく」でしょう。確定は難しいことです。
2) 乳管内乳頭腫は前癌状態と考えることが多いのです。癌の前に切除を勧める事はよくあります。
3) 乳腺腫瘍は乳腺の中に出来るもの。乳腺の一部は切除されるのです。場所が乳頭に近い場合に、母乳の出方に影響することは考えられます。
4) 乳輪に沿って手術が出来るなら傷は目立たないでしょう。なお、ご希望の内視鏡手術は難しいものではありません。しかし一般の乳腺外科医では無理です。乳輪から離れた場所に病気があったり、乳輪周囲の創では手術するための視野が不十分なときにはお勧めです。内視鏡手術のトレーニングを受けた乳腺外科医は探せば簡単に見つかりますよ。(文責 館花)

 

No.5948-3】  07年02月22日   Y.S
術式について

お返事有難うございました。4)について、もう1つだけ質問させてください。腫瘍の位置によって、内視鏡手術と、通常の手術、お勧めがあるようですが、私の場合、「腫瘍は乳頭の真下にある」と言われています。その場合は、どちらの術式が適しているのでしょうか…?
度々お手数をおかけ致しまして申し訳ございませんが、何卒、ご回答よろしくお願い致します。

どちらでも可能と思われますが、どちらの術式が適しているかは実際にあなたを診察しなければわかりません。内視鏡の手術を行っている病院で相談してください。(文責 吉田)

 

No.5947】  06年11月01日   H 
骨髄抑制に伴う抗癌剤の投与量について(HPNo.5280-3)

宜しくお願い致します。5月9日に「今後の治療」についてご相談させて頂きましたHです。今回はナベルビンの量、効果についてご相談させて頂きたく思います。
その後、錠剤の抗癌剤を試しましたが、さほど効果もなく、9月からナベルビン(+ハーセプチン)を始めました。現在投与5回目終了です。腫瘍自体への効果はまぁまぁで、マーカーも下がりつつありますが、白血球低下がひどく、全く予定通りに投与できないことに悩まされています。今までは38ミリグラムで投与。一度白血球が1500になった時は、ノイアップ注をして、その際は減量して32ミリグラムでやりました。しかし相変わらず低いことが多く、一時は500まで下がりました。主治医も「ちょっと量を減らさなければいけないですね」と言われ、「白血球が戻ったら20ミリグラムでやりましょう」と、かなりの減量を提案されました。20ミリグラムだと、毎週やったとしても月80ミリグラムで、通常38ミリグラムの約2回分にしかなりませんが、そうなると効果はぐんと下がってしまうのではないかと心配しております。
主治医には「ナベルビンでここまで下がる人はめずらしい」と言われました。私はできるだけ予定通りにやりたいのですが、予定通りやるためには減量するしか方法はないのでしょうか。主治医は「白血球を上げる注射を何度も使用するのは、あまりすすめない」と言っています。また、私は身長がかなりあるのですが(体重は48)、薬の減量はどういった基準で決めるのでしょうか。

薬剤の量が多いほど効果が高いと考えられますが、逆に副作用も大きくなってしまうのが原則です。そこで最大限の効果、最小限の副作用を目標として、適量を決めたいのですが、なかなかむ難しいのが現状です。
予定の薬剤量を施行するためには減量するしか方法はないと思います。投与薬剤量は身長と体重から算出した体表面積で決めますが、薬剤の減量を決める基準はないように思います。今までの治療歴(化学療法歴)、個人の感受性、全身状態など、いろいろなことを考慮して決めていると思います。(文責 石川)

 

No.5946】  06年11月01日   S.O.
今後の治療について(2)(HPNo.5693-2)

HPNo.5693で相談をさせていただいたS.O.です。いろいろ、ありがとうございました。
FEC100を1回投与したのですが、あまりにも副作用がひどく出てしまいました(主治医の先生もびっくりするくらい)。「ハーセプチン+タキソール12回でも、十分再発防止の効果はあると考えられる。これ以上、身体に負担を掛ける方が害がありそうだから、化学療法は終了しよう。」ということになりました。わたしも、本当に副作用がつらかったので、やめたい気持ちが強かったです。
主治医の先生は、最初、CEFとタキサン系の化学療法を勧めて下さったのですが、自分でいろいろ調べていくうちに、HER2が3+のため、恐怖心が増してしまい、ハーセプチンの投与を相談して、やっていただきました。今後ハーセプチンのみを単独で1年間ということについては、主治医の先生は、私の場合はそこまで行う必要はないとの見解でした。経口抗がん剤のフルツロンについてですが、術後の予防効果としてのデーターがほとんどないので、勧められないとのことです。やっても気休め程度ではないかとのことでした。私のような場合、フルツロンを服用することはどうなのでしょうか? 副作用のことなども含めて、フルツロンのことを教えてください。今後は無治療で、経過を診ていくとのことです。HER2が3+だからといって、かならず再発するわけではないですよね?
私としても、主治医が言うようにフルツロンは標準的ではないのかなと思いますが、母を乳がん〜7年後に肺転移で亡くしているので、再発転移に対してとても不安が大きいのです。できることはやって再発を防止したいのです。ハーセプチンを術後に再発予防として用いることは、保険適用でないことは理解しております。確かに、今後、1〜2年再発防止のために、ハーセプチンを使ったら、経済的に破綻してしまいます(海外では無病生存率に高い効果が出ているという記事を本で読みました)。いくら海外の方が良い治療を受けられるからといって、海外に行くことはできません。読みあさったいろいろな本や、またインターネットの情報から、私のようにHER2が3+の場合、ハーセプチンの効果が大きいのではないか…と取りつかれたように思い込んでしまいました。
情報がさまざまに得られる現状の中で、実際転移がなくても術前からハーセプチンを用いた治療は随分行われているのではかと思いますが…。また、術後の再発防止にも…。ちなみに、私の主治医からは保険適用でないからとのことで、断られました。ハーセプチンが、転移再発乳がんでしか使えないという制約の中、このことについて、述べることがタブーであるかの印象を感じます。これほど多く効果があると本などに書かれている以上、早くHER2強陽性でホルモン依存性のないたちの悪い患者が制約を受けることなく、ハーセプチンを日本のどこの病院でも使える日が早くきて欲しいと思います。効果があるといわれている薬を使えないことは、大変ストレスが大きいです。
再発する場合もあるし、ない場合もある、くよくよしてもしかたがないと思うのですが、気になってしまいます。主治医の先生には何でも相談でき、本当に信頼しているのですが、他の意見も伺いたくて相談させていただきました。よろしくお願いします。

代謝拮抗剤(5FU系統)のフルツロンは乳癌に適応ありますが、有効というエビデンスに乏しく、服用はあまり推奨できないと考えます。副作用は重篤なものは経験したことがありませんが、骨髄抑制、下痢、嗅覚脱失、精神神経障害(白質脳症)などがあげられます。おっしゃるとおり、HER2が3+だからといって、かならず再発するわけではありません。5年以上、無再発の方々もたくさんおられます。(文責 石川)

 

No.5945-1】  06年11月01日   O 
術後の薬物治療について

いつも拝見いたしております。2年前に痛みとしこりを感じ乳腺科受診しましたが、マンモと超音波の結果良性と言われておりました。今年の夏に再受診した結果、5ミリ程だったものが大きくなっており、細胞針の結果クラス5と言われました。手術先を紹介され、9月にセンチネル生検で手術して、先日病理結果が出ました。(47歳浸潤径12ミリ 波及度f++ 脈管侵襲ly+ 切除断端陰性 リンパ節n0 0/4 核異型度NA:2、MI:1→NG:1 ER+ PgR+ HER2:0) 脈管侵襲は癌の比較的そばで、軽度で中リスクということです。ノルバデックス5年間服用のみを薦められ、飲み始めたところです。ホルモン療法のみと抗がん剤プラスした場合の再発率の違いと先生のお考えをお聞かせ下さい。再発の不安と抗がん剤プラスのリスクと、どちらも不安です。また、癌が腋に近い場所にあったこと、春過ぎあたりに痛んでいたこと、脈管侵襲があったことでも微小転移の確率が高いのではないかというのも、自分で不安にかられております。脈管侵襲のたちの悪さは如何なものなのでしょうか。お忙しい中申し訳ございませんが、あわせてお願いいたします。

抗がん剤をプラスした場合、再発率は数%程度低下すると思います。脈管侵襲がひどいほど、再発の可能性は高くなると考えられています。しかし、脈管侵襲は病理組織学的に判定しますが、特殊染色をしないと判定は難しく、実際はそこまでして判定することは多くありません。リンパ節転移の方が再発と深く関連しています。noなら脈管侵襲のことはあまり気になさらないでいいように思われます。(文責 石川)

 

No.5945-2】  06年11月11日   O 
再発率について教えてください

HPNo.5945で質問させていただきました。回答頂き、ありがとうございました。お忙しいところ恐縮ですが、再度お願いいたします。再発率を伺っても、どちらに転ぶか神のみぞ知るとか、前を向いて…などと色々思うのですが、やはり気になります。ホルモン治療も再発の運命にある人の4人に一人しか効果がないという文面などをみると、なおさらです。ノルバデックスのみの服用でいく予定でおります。よろしくお願いいたします。

ホルモン剤の効果は確かに25%くらいかもしれませんが、かなり辛い抗がん剤でも50、60%ですから、その辺のことを良く考えて決められたら良いと思います。(文責 石山)

 

No.5945-3】  06年12月17日   O 
ホルモン治療について教えてください

HPNo.5945で質問させていただきました。お忙しい中、お返事頂きありがとうございます。いつも拝見させていただいております中で不安になってきたものですから、質問させてください。主治医の先生は、40代前半とかもっと若い方達は注射もうたなくてはいけないけど、私の場合はノルバデックスDだけで大丈夫だといいます。「生理はきちんきちんと有りますが、量は少なくなってきています。」と申しあげたところ、「それなら卵巣機能も低下してきているので、尚、飲み薬だけで良いと思う。」といわれたのですが、こちらの相談室のご返答を拝見していると、本当にノルバデックスだけで良いのだろうかと不安になります。 
薬を飲み始めて1ヶ月半になりますが、生理は一度いつもより遅れてきましたし、量も少なく、以前は3日程あったのが、今回は2日程で終わっています。ノルバデックスだけでも効果はあるのでしょうか。診察日まで2ヶ月ほどあり不安です。

47歳で閉経前ということですので、タモキシフェン(ノルバデックス)にLH-RHアゴニスト(ゾラデックス、リュープリンなど)を追加するべきかどうかという問題です。主治医の先生は、貴女が再発リスクが比較的低いことや、年代的に閉経に近く、女性ホルモンレベルが低いとご判断されて、タモキシフェンのみにされたのだと思います。もちろんタモキシフェン単独でも充分に効果は期待できると思います。(文責 谷)

 

No.5944】  06年11月01日   M.K.
マンモトーム検査後の血腫について

3週間前に、両乳房、マンモトーム検査を受けました。検査から1週間後、担当医より、検査結果は「乳腺症」と診断を受け、ほっとはしているのですが、左乳に、「血腫ができた。放っておけば治る。」と言われました。止血がうまくいかなかったのか(?)、内出血がひどく、その内出血はようやく目立たなくなってきましたが、血腫による痛みは変わらず、軽く乳房を押したり、走って乳房がゆれたりすると痛みます。この血腫は、このまま放置しておいて大丈夫なのでしょうか? この痛みは、後どれ位続くと予想されますでしょうか? お忙しいところ恐縮ですが、ご回答お願いいたします。

その血腫は、感染(滅多に起こりませんが)しなければ、このまま放置しておいて大丈夫と思います。痛みは、まだ数週間続く可能性があります。(文責 石川)

 

No.5943】  06年10月31日   S
腋下の痛みについて

41歳です。9月末頃両胸複数のしこりと、右腋下の腫れと痛みに気付き、乳腺外科でマンモと超音波検査をしました。結果は、「超音波を診る限り悪いものではく、脂肪の塊や水が溜まっているよう。リンパが少し腫れているけど、これは他の原因でも腫れるので。本来なら細胞検査するのだけれど数が多すぎて大変なので、3ヶ月後超音波検査をして変化があれば細胞採って検査する。」とのことでしたが、腋下の腫れと痛みが続いています。また2年程前から生理時、右肩が疼くような痛みが起こるのと同じような痛みが続いています。この痛みと腫れの原因は、どの様な事が考えられるのでしょうか。次回検査(1月)以前の受診は必要でしょうか。また、受診は乳腺外科でよいでしょうか。よろしくお願いします。

1)原因はホルモンバランスの乱れだと思います。
2)予定どおりの乳腺科(乳腺外科)の受診でよいです。(文責 麻賀)

 

No.5942】  06年10月31日   K.F.
マンモトームと外科的生検

乳頭より血性分泌があり、乳腺外科にて乳管内乳頭腫または乳がんの可能性を指摘されました。確定診断のために外科的生検を予定していますが、最近、マンモトームという生検方法もあることを知りました。体への負担や残るであろう傷あとや変形などの点からすると、マンモトームのほうが望ましいのでは…と思われるのですが、
1) 生検方法の選択の基準
2) 各生検方法の長所と短所

について教えていただけると幸いです。よろしくお願いします。

1) 乳頭腫の大きさやマンモトームにどれだけ経験があるかによって違いが出ると思います。
2) 生検は病変を確実に摘出できますが、マンモトームでは乳頭腫の大きさにもよりますが病変の採取が不確実になることもあると思います。(文責 麻賀)

 

No.5941】  06年10月31日   S
ADHと月経周期調整剤の服用について

40歳、未婚です。約2ヶ月前にマンモグラフィーで微細石灰化の所見あり、専門病院で試験切除の結果、ADHと診断されました。来月(診断から3ヶ月)第1回目の経過観察の検査を予定、その後は6ヵ月毎の経過観察を指示されています。来月、旅行と生理が重なるため、新EP錠(メチルエストレノロン・エチニルエストラジオール錠)を6日間服用して生理時期を早めたいのですが、問題ありますでしょうか? もちろん新EP錠を恒常的に服用するということではなく、過去には10年以上前に1度服用したことがあるだけで、今回も、この1回だけの服用を希望しているだけなのですが、それでも重大な影響を及ぼすということが有り得るのでしょうか? もしそうであれば、他に月経周期調整の方法はありますか? どうしても生理時期をはずしたいので、アドバイスお願い致します。

ADHは癌ではありませんが、将来癌に移行する可能性を持った病変です。ホルモンを含んだ薬剤の服用はよくありません。ご質問の今回のみならどうかという点についてはよくわかりませんが、現にADHがあるのでやめたほうが無難でしょう。月経周期を調整するほかの方法については、私にはわかりません。(文責 麻賀)

 

No.5940】  06年10月31日   N.K 
脳転移について

ご返答いつも感謝しております。妻(35歳、未出産)が乳がんで(現在ステージW、抗がん剤治療約1年半)、先月脳転移が発覚しました。肝臓へ転移したものが大きく危険だったため、当初は「放射線と抗がん剤の相性が良くない」ということで放置しておきました。ゼロータを服用したところ肝臓の腫瘍が非常に小さくなり、数値も安定したため、脳転移への治療を開始しました。全頭照射を4週間行いましたが、MRIで診たところ一向に腫瘍が小さくなっておりません。逆に脳幹部に出来たものが1cmだったのが1.5cm位になってしまいました。放射線は1〜2ヶ月後に効果が出てくるという見解と、放射線が効かない腫瘍ではないかと言う見解を聞かされました。脳幹部の腫瘍は非常に危険だといわれ手術も出来ないと言われましたが、そうなのでしょうか? 脳には数箇所の転移が見られます。又、骨髄(背骨周辺?)にも転移が見られます。どうしたら良いのでしょうか? 精神的に大変苦しんでおります。どうぞよろしくお願いします。

脳転移については担当医の見解通りと思います。もう少し経過を見てみることが大切です。(文責 麻賀)

 

No.5939】  06年10月31日   N 
悪性の可能性

36歳、子供3人です。しこりが左胸に二つあり、エコーとマンモグラフィーにはっきり写り、悪性の可能性が高いと言われています。細胞診の結果、1センチのしこりはクラス3b、6ミリのしこりはクラス3aでした。腫瘍マーカーは正常でした。「1センチのしこりが悪性の可能性が高いので、次は大きい病院でMRIと生検(組織診)をしてください」と言われました。悪性の可能性7割と言われました。細胞診の結果クラス3bというのは、やはり悪性の可能性のほうが高いのでしょうか? 生検して結果悪性となるのは何%くらいですか? 確定する為に生検するのであって、良性となる確立は低いですか? 今度大きい病院に行きますが、不安でたまりません。よろしくお願いします。

細胞診の結果で3bというのは悪性の可能性があります。3bはいろいろなことを含んでいますので、この結果からあまりあれこれ考えても仕方がないです。組織診断をして診断を確定するのがよいです。(文責 麻賀)

 

No.5938】  06年10月31日   S.
骨転移について

7月末に浸潤性小葉癌で片側乳房を温存手術しました。ステージUbで8月下旬よりAC4回し、今後タキソール12回、放射線、ホルモン剤の予定です。1ヶ月程前から、患側の背中や鎖骨、腕の関節、足の指の付け根などに ふと微かな痛みを感じるようになり不安です。原因はどんなことが考えられますか? 主治医に相談して、骨シンチをすることになっていますが、もし転移していた場合、特別な治療法は無いのでしょうか? 主治医からは、治療計画は変わらないと言われたのですが、そうなると生存率はどのくらいですか?

1)症状から疑われるものはちょっと思いつきません。念のため骨シンチを行ってみることはよいでしょう。
2)骨転移があっても麻痺などの症状がなければ薬物治療が中心となります。(文責 麻賀)

 

No.5937】  06年10月30日   R.N.
抗癌剤の投与期間はあるのですか?

初めてメールを差し上げるのですが、よろしくお願いいたします。
弟(53歳)のことですが、3年前の5月に、4,5cmの乳癌を摘出し、その後、放射線、ホルモン剤、抗癌剤と治療し、3ヶ月に1回の定期通院を行っていました。今年5月の検診にて、肝臓に転移している事が分かり、6月から3週間に1回の抗癌剤を投与しています。手術が出来ないと言われました。最近では熱が持続しているようで、10月5日には抗癌剤の点滴が出来ず、10月12日のKT37.2℃、白血球が8000台だったので投与できたそうです。3週間の内1週間位正常の生活が送れる状態のようです。1週間抗癌剤が遅れた事により、腫瘍マーカーも上昇したようです。このまま何時までも抗癌剤の投与ができるものなのでしょうか。やはり長く続ける事は体力的にも無理な場合もあるのでしょうか。

肝臓に転移があるのなら抗癌剤治療を行うのがよいと思います。抗癌剤を行うには投与前に血液所見が投与基準に達していなければなりません。2週間にわたって投与基準に達しなければ投与量を減らすか、違う抗癌剤にするか、抗癌剤以外の方法を探すかのどれかになると思います。(文責 麻賀)

 

No.5936】  06年10月30日   K.Y.
手術後のホルモン治療中です

閉経前、50歳の女性の質問です。今年5月に手術をして、6月の生理中に一回目のリュープリンの注射を受けた(その後、生理にはなっていない)。放射線治療後、9月に二回目の注射をし、ノルバデックスの服用を始めたが、10月から、つわり様の胃重を感じ始める。この場合、排卵は無く、妊娠の可能性も無いのでしょうか? 市販の妊娠検査では陰性の様です。(ムカムカ感はノルバデックスの副作用?)

リュウプリンを打っているので妊娠することはありません。胃の不快感はノルバデックスの可能性があると思います。(文責 麻賀)

 

No.5935】  06年10月30日   K.H.  
手術時期について

私は32歳で、子供が3人います。乳首からの血性分泌により、10月27日に細胞診の結果、悪性と出ました。11月1日にMRIをする予定です。先生がいうには、「初期の癌で、非浸潤性癌だろうけど、乳首から悪い血が出てきているから、全部乳房をとったほうがいいと思う」と言われました。「若いから残せるように考えてもいくけれど、最後は本人に任せます」と言われました。こんな場合は本当に全部とってしまった方が安全でしょうか。それと主治医の先生は、「手術は時間があいても大丈夫。1ヶ月くらい手術待ち」といいましたが、親戚の看護婦サンが、「若いから、すぐ進行して転移するから病院紹介してあげる」と言っています。そこならすぐ手術してもらえるそうです。急いだほうがいいですか。私はMRIの検査を待って考えたいのですが、どうですか。

1)MRI検査で広範囲に広がっていれば全摘出がよいですが、広がりが少ないなら温存できると思います。
2)手術までの時間があっても大丈夫です。MRI検査の結果を待って方針を決めたほうがよいと思います。(文責 麻賀)

 

No.5934-1】  06年10月30日   K 
抗癌剤治療の必要性

左下部乳癌手術後退院。エストロゲンレセプターは陰性、リンパ転移無し、ほぼ100%切除。大きさはT2。癌の性格グレード3、それが気になるので、手術後の再発予防としてTS1を4週2週休のサイクルで2年間やるとの事。副作用のリスクがあっても、やはり飲んだ方が良いでしょうか?

あなたの乳癌の状態から考えると抗癌剤治療が必要です。ただTS-1を再発予防に使うことは余りありません。(文責 麻賀)

 

No.5934-2】  06年11月01日   K 
抗癌剤

お答え大変有難うございました。新たにお聞きしてもよろしいでしょうか? 普通はどのような抗がん剤を使用するのですか?教えて下さい。お願いします。

おそらく再発の中リスク・グループには入るので、化学療法としてはAC,CAF,CEF,CMF療法などが行われるのが標準だと思います。(文責 石川)

 

No.5933】  06年10月30日   chai
ハーセプチン治療について

ハーセプチンハンドブックというのを読んでいたところ、タキサン系抗がん剤を投与する時は、ハーセプチンの後に点滴すると書いてありました。私はパクリタキセルから点滴しているのですが、問題はないですか?

ハーセプチンをはじめて投与するときには、ハーセプチンの副作用を見るために先にハーセプチンを投与しますが、2回目以上はどちらを先に投与しても問題ありません。(文責 麻賀)

 

No.5932】  06年10月30日   H 
左胸の違和感について

7〜8年位前から左の腕の付け根のあたりに、たまにキューッとした違和感を感じることがありました。昨年10月に二人目を出産したのですが、そのくらいの時期から左胸の脇に近い方になんとなく違和感を感じるようになりました。触ってみても特にしこりなどはなく、見た目も右胸と同じです。二人の妊娠初期に両胸に湿疹ができ、猛烈なかゆみを伴いました。一年経った今も乳輪の周辺に色が薄茶色に残っています。また10年以上前から乳頭にかゆみがあり、皮膚科で塗り薬をもらっていたのですが、ここ1〜2年はかゆみが強くなってきています。以上の症状は乳がんを疑う症状のうちのひとつでしょうか?上手く“違和感”を表現することができず申し訳ありません。アドバイスをお待ちしております。よろしくお願いいたします。

いずれも乳癌を疑う症状とはいえません。(文責 麻賀)

 

No.5931】  06年10月30日   C
マンモ画像の「白い点」(HPNo.5899-2)

HPNo.5899です。さっそくのお答え、ありがとうございます。僅かですが腫瘤増大が気になったので、マンモグラフィー検査をして来ました。気になる部署の少し奥に、小さな白い点が映っていました。すわ!と焦りましたが、その外科の先生は「それ(白い点)が一つではなく、沢山なら癌の可能性もある。」と、1ヶ月後のエコー再検査を予約しました。1ヶ月後にその「点」が増えていない様に願うばかりで落ち着きませんが、それは放っておいても大丈夫なのですか? 点が一つなら大丈夫なのでしょうか? 僅かとはいえ腫瘤増大も気になります。

白い点が何のことかわかりませんので、お答えしようがありません。(文責 麻賀)

 

No.5930-1】  06年10月29日   K.K 
のう胞内の腫瘍について

35歳の既婚・出産経験無しです。現在結婚して半年になります。何点か教えて頂きたい事がありまして、メールをさせて頂きます。
2004年6月に、健康診断の乳房エコーで、右乳房の下乳輪線の下部に初めてのう胞が発見されました。乳腺外科で診察して頂いたところ、大きさは5、6ミリで、のう胞内に1ミリのでっぱりがあると診断されました。マンモグラフィでは、悪いものは見当たらないとのことでした。細胞診の結果は良性でしたが、「水が抜けた様子がないので、乳管内乳頭腫ではないか。腫瘍が1ミリと小さいので、細胞自体が採取出来なかったかもしれない」とも言われました。その後は3ヶ月毎の診察になり、のう胞・でっぱりとも大きさは変わらず、2度目の細胞診も結果は良性でした。半年から9ヶ月程経ち、のう胞が無くなっていることに気がつきました。診察の結果は、「組織液が吸収されたのでしょう。大きさは小さくはなっていますが、まだあります。」と言われました。その後は自己検診と1年毎の診察になりました。
2006年9月、うつぶせ寝をしていた時、右胸にズキっと痛みがあり、右乳房に2箇所のしこりがあることに気がつきました。今回気がつくまでの間、自己検診することをすっかり忘れていました。転居の為、別の病院の乳腺外科で診察して頂いたところ、1箇所(ここではAとさせて頂きます)は、以前よりあったのう胞で、大きさは5、6ミリ、腫瘍が1ミリくらいであるとのこと。もう1個所(B)は、乳輪腺の下部外側付近にあり、こちらについては、のう胞のようですが特に言及されませんでした。
今までののう胞について経緯と、妊娠・出産を希望している旨を担当医に伝えましたところ、「Aののう胞内の1ミリの腫瘍は良性っぽいけど、あなたも長くこののう胞と付き合っているようだし、このまま度々定期検診にくるのも大変でしょう。出産を希望しているようなら、摘出した方がよいのでは。妊娠してエストロゲンが分泌されると腫瘍は大きくなります」と言われました。内視鏡手術になり、下乳輪腺に沿って、メスを入れるとのことでした。私としましては、良性で摘出をしなければいけないような状態(大きさ)でなければ、できれば傷を残したくありません。次の予約がかなり先なので、こちらの先生に何点か教えて頂きたい事がございます。
1) Bののう胞は触ったり、うつぶせ寝をしていると痛みがあるのですが、のう胞は痛む場合があるのでしょうか? 別の病気ではないかと心配しています。痛みがある場合の治療方法は何かあるのでしょうか? 針で内溶液を抜くなど?
2) Aののう胞内腫瘍は良性っぽいと言われたのですが、発見時より2年以上経過しても大きさが変わらないという事は、良性と考えてよろしいのでしょうか? 今回の病院では細胞診をしていないのですが、5、6ミリののう胞で、腫瘍が1ミリという大きさで、良性・悪性をはっきりさせられる検査方法は何でしょうか?
3) 良性腫瘍でも摘出が必要なのはどのような場合ですか? 大きさが何センチ以上になったら摘出するというのがあるのでしょうか?
4) Aののう胞内の現在1ミリの腫瘍は、妊娠するとどの位の大きさになりますか? その大きさは良性でも摘出術の対象になりますか?
5) 良性の場合は、妊娠中の胎児・母体への悪影響はありますか? 悪性の場合、胎児・母体にどのような影響がありますか? 妊娠中は手術・投薬等が出来ないと思うのですが、悪性腫瘍により胎児に障害等何らかの影響がでるのでしょうか?
6) 摘出した場合、妊娠まで、どのくらいの期間をおいたらよろしいでしょうか? 妊娠時に乳房が張ると痛みがありますか? 授乳時に痛み等、不都合が生じますか?
7) 私の症状で、妊娠・出産を希望している場合に、先生も摘出するのがベストだと思われますか?
8) のう胞を持っている者は持っていない者と比較して、乳癌になりやすいそうですが、どの位の間隔で検査・受診をしたら良いのでしょうか?
9) 現在、レーザー脱毛をしているのですが、のう胞がある付近にレーザーをあてると悪影響がありますか?

以上長くなりましたが、ご教授頂けますと幸いです。どうぞ宜しくお願い致します。

1) 嚢胞は痛むことがあります。超音波下に嚢胞内溶液を抜けば、痛みは消える可能性があります。
2) 多分良性だと思います。大きさだけで悪性、良性を判断することは困難です。超音波下に1mmの腫瘍部分の針生検や細胞診を行う方法があります。
3) 悪性の可能性が否定できない場合は、良性腫瘍と思われても摘出することがあります。大きさが何cm以上になったら摘出しなければならないという基準はありません。良性腫瘍の摘出は相対的なものです。
4) 妊娠して大きさが大きくなる可能性はありますが、必ず大きくなるとも限りません。
5) 良性でも悪性でも、この腫瘍自体が胎児へ影響するはないと考えます。妊娠中に手術をすれば、いろいろな薬剤が使われますので、胎児への影響はあります。
6) 摘出して1カ月以上たてば妊娠しても問題ないです。
7) 妊娠・出産の時には手術や薬剤の投与は行いたくありません。胎児への悪影響の可能性があります。今の時点で摘出して安心しておくのもよいと思います。
8) 乳癌になりやすいと明確にはいえないと思います。私どもでは嚢胞の方にその病変のために検診するようには勧めていません。
9) 関係ないと考えます。(文責 麻賀)

 

No.5930-2】  06年11月02日   K.K 
のう胞内腫瘍の摘出術について

HPNo.5930で相談させて頂きましたK.Kです。早急なご回答、ありがとうございました。心より御礼申し上げます。のう胞内腫瘍の摘出術について、質問させて頂けますでしょうか? 担当医より摘出する場合には、下乳輪腺に沿って半周切り、内視鏡手術によって果実の一房を取るような感じで摘出すると言われております。のう胞の大きさは5、6ミリで、腫瘍(良性っぽいと言われていますが、不明)が1ミリ程度です。そこで質問ですが、
1) 乳房が小さいのですが(Aカップ)、摘出後、へこんだような感じになるのでしょうか? へこんだような感じになる場合、希望すれば再建等の対象になるのでしょうか?
2) 術後の安静期間はどの程度でしょうか? 仕事(デスクワーク)へはどの程度で復帰できますか?
3) 運動(ダンス)は、術後どの位経過したら可能ですか?

度々の質問で申し訳ございません。ご教授頂けますと幸いです。こちらのような相談室がございますと、患者も不安を解消できますし、心の安定へとつながります。大変有難いことだと思っております。長く続けて頂けたらと願っています。先生方、お忙しいお仕事のかたわら相談にのって頂きましてありがとうございます。どうぞお身体ご自愛下さいませ。

1) 嚢胞全体の摘出術になりますが、よっぽど嚢胞が大きくなければ、摘出後の変形は軽微なのが普通です。
2) 激しい運動さえしなければ、術後の安静期間は要りません。すぐ仕事(デスクワーク)に復帰できます。
3) 運動(ダンス)は、術後1〜2週で可能と考えます。(文責 石川)

 

No.5929】  06年10月29日   M 
乳房下部線維腺腫

先日、健康診断で乳房下部線維腺腫と診断されました。その時は心配ないと医師に言われ、特に気にしていなかったのですが、最近、微かなひきつるような違和感があり、不安を感じています。線維腺腫とは何でしょうか? 手術が必要でしょうか? 癌と関係あるのでしょうか? 教えてください。お願いします。

乳腺線維腺腫は乳腺にできる良性の腫瘍です。この腫瘍自体は放置しておいても問題ありません。しかし、線維腺腫と診断するために摘出する場合もあります。また細胞診で線維腺腫と診断されていても、腫瘍の増大傾向が認められたりすれば摘出しておくほうが安全でしょう。(文責 麻賀)

 

No.5928-1】  06年10月29日   K  
肝機能障害について

初めてご相談させて頂きます。55歳女性(閉経)です。7月28日に乳がんが見つかり、その後の検査でUb、リンパ節のみ転移ありと診断されました。9月5日より術前化学療法(CAF)を始め、ただいま2クールを終えた所ですが、1クール目に39度の熱が続き、抗生剤を飲みました。その影響もあるのか肝臓が悪くなり、GOTが285、GPTが506まで上がってしまいました。グリチロンを処方され、その後GOTが33、GPTが65までさがり、2クール目は一週遅れで行いました。
今回3クール目を行う予定でしたが、また口内炎ができ微熱(37度5分)がでたので、抗生剤を飲み血液検査をしたところ、GOTが103、GPT151で、AL−P324、LDHが241で中止となりました。最近、色素沈着がひどく、手が黒っぽくなって、微熱も続いています。抗生剤の服用の影響で肝臓の値が高くなるのかと、今は飲んでいません。グリチロンは1クールのあとからずっと服用しています。今までの所見で、乳がんは少し小さくなり、リンパ節は触れずとの見解でした。毎回、肝臓の数値が悪く一週遅れたりするのですが、抗がん剤の効き目はうすれないのでしょうか。また、肝臓の様子はどのようになっているのでしょうか。どうぞ宜しくお願いいたします。

抗生物質のために肝機能が悪くなのであれば、抗生物質を変えたらどうでしょうか。担当医と相談するのがよいと思います。規定の投与日に抗癌剤が行えないと、効果が落ちる可能性はあります。ただ肝機能が投与するのに十分な値になっていなければ、延期することはやむを得ません。術前抗癌剤治療が継続困難であれば、手術を先行させることも考慮しておいたほうがよいかもしれません。(文責 麻賀)

 

No.5928-2】  06年12月02日   K  
予定通り行えない抗がん剤について

HPNo.5928で質問させていただきました55歳の主婦です。抗がん剤CAF3クール(肝機能障害の為遅れながら)を終了、4クール目を行おうとしたところ、肝機能はGPT70でなんとか出来そうでしたが、白血球2600、好中球数890で1500に満たない為延期になりました。3クールが終わったので、乳がんの超音波を行い、大きさを調べたところ、最初2.2cmが今回2.3cmになっていました。先生は、「特に大きくなっていないので、抗がん剤の効き目がないわけではない」とのことで、引き続きあと3クールCAFを行い、その後タキサン系に移る予定になっています。
毎回徐々に白血球の回復も遅くなり、肝臓の方はグリチロンを飲みながらなんとか抗がん剤を続けておりますが、癌が小さくなっていないので、このままこの治療を続けていいのか心配です。予定通り抗がん剤を行えないので、その影響もあるのでしょうか。他に治療があるのでしょうか。リンパ節の転移があるため、全身に流れているであろう癌の状態はどのようになっているのでしょうか。どうぞ宜しくお願いいたします。

もう少し腫瘍の大きさを観察することが大事だと思いますが、やはり徐々に大きくなるのであれば、今までのCAFによる副作用のことも考えて、早めにタキサン系をはじめるという選択肢もあると思います。(文責 首藤)

 

No.5927】  06年10月29日   Y.K.
細胞診ClassU

初めて相談させていただきます。よろしくお願いします。40歳。20歳頃よりしこりのようなものがあり、生理前痛みがありました。2年前乳腺外来受診し、乳腺症と診断されるが、特に治療はしませんでした。今年健康診断にて左乳房腫瘤と言われ、受診し細胞診をした結果ClassUで、「線維腺腫と考えられるが 細胞集魂の一部に異型の強い細胞を認める。ただし乳腺症でもこのような細胞が見られることはある。」とのことでした。またエコーでは2年前と大きさは変わっていないそうです。マンモグラフィではしこりは写りませんでした。
医師からは、確定診断のため局所麻酔での切除を薦められ、日程を組んできたのですが、やはり乳房に傷をつけるのに抵抗があり 調べたら針生検があることを知りました。このようなケースは針生検では不十分なのでしょうか? 悪性である可能性はどの位でしょうか? 以上、よろしくお願い致します。

多分悪性ではないと思いますが、診断確定のため組織検査が必要と思います。摘出ではなくて針生検でもよいと思います。ただ針生検より摘出のほうがより正確な診断ができると考えたので、担当医は摘出を勧めたものと思います。担当医とよく相談してください。(文責 麻賀)

 

No.5926】  06年10月29日   H 
乳頭・乳輪の痛みについて

40歳、15年前出産経験あり。2日前より右側乳頭・乳輪の痛みがとれません。私は右側乳頭が陥没しておりましたが、昨日より乳頭が出できました。鏡で両方の胸を見ても変わりはなく、乳房にしこり的なものもなく、汁のようなものも出てこないのですが、乳頭・乳輪の痛みが気になり、メールさせていただきました。8月に乳がん検診は受診し、異常は見られないとのことでした。もしよろしければ、回答お願い致します。

乳房の痛みは種々の理由で起こります。文面から見ると特に問題ないように思われます。 (文責 麻賀)

 

No.5925】  06年10月29日   R.S.
今後の治療方法について

私の母親は(本人曰く)5,6年前に突然できたしこりが最近気になったので、2ヶ月前に検査に行ったのをはじめに、細胞検査、MRIなど検査した1.2週間後に結果を聞きに行くという流れで、未だに色々な検査、検査ではっきりとした治療方法を説明してもらっていません。検査の結果、組織診もマンモグラフィーも「V」で、しこりは悪性の腫瘍だと言われました。MRIの結果、肺や肝臓には転移してないが、リンパに疑わしいものがあり、更なる検査としてPET検査を来週受ける予定です。
先生に今後の話を聞くと、腫瘍内科の判断で決まり、最近は手術はしない方向(化学療法)になっているとの事でした。母の年の63歳という事や、リンパ転移の疑いも含めて「ぎりぎりだなぁ」と何度か言っていました。組織診断は、ER(+)、PgR(−)、HercepTest:Score 2+。素人的な考えでは、2ヶ月以上も検査、結果の繰り返しで、その間にも癌は進行しないものなのか、今がとても元気なだけに薬物療法で健康な細胞も弱ってしまうことに不安もあり、本当に手術をしない方向に医学は向かっているのか(調べてみても、一般的には手術をしてからの化学療法・ホルモン療法といった治療が多い)、年齢でどのような判断に影響があるのか、手術できない状態はあるのか、セカンドオピニオンを求めた方がいいのか、研究材料にされていないか等々、不安ばかりです。患者の決意がないと何も始まらないのはわかっていますが、母へのアドバイスも含め、少しでも何かが見えればと思い、メールしました。長々と申し訳ありませんが、是非よろしくお願いいたします。

検査が2カ月にわたるとのことですが、そのことでその後の経過が悪くなるということはないと考えます。病状把握を十分に行うことは必要です。
手術をしない方向という意味がちょっと不明確ですが、文面から推察すると手術を行ってから抗癌剤治療という従来の方法ではなく、抗癌剤治療(化学療法)を先に行ってから手術を行うということではないでしょうか。この方法は最近行われるようになった方法で、従来の方法にないいくつかの長所があります。担当医とよく相談して決めてください。(文責 麻賀)

 

No.5924-1】  06年10月29日   K 
骨転移

相談室に来られる方(本人家族)は、日々不安、いやそれ以上の恐怖を抱えておられると思います。私も勇気付けられたり、さらに不安になったりと、非常に精神不安定な状態ですが、この相談室が精神的なよりどころであることに間違いはありません。
ところで一般的に骨転移は、早期発見しても、症状が出てから治療しても効果(延命効果)は同じと言うことですが、と言うことは逆に言えば治療の効果は無いに等しいということでしょうか?早く転移を見つけてしまうと長期間精神的に痛めつけられるだけなのでしょうか? そもそも乳がんになったら多少の治療効果のばらつきはあるにせよ、運命はすでに決まっているのでしょうか? 積極的な検査は無意味でしょうか? 転移の恐怖におののいて、いつもこのことばかり考えています。乳がんは治る可能性が高いと言われている一方で、このような記事も見られます。先生の見解をいただけたら幸いです。

 骨転移にかぎらず、一般的に転移を早期(小さいうち)に発見して治療を開始しても、症状が出てから治療を開始しても、乳癌が発見されてから死亡にいたるまでの期間に差はないとされています。転移が画像上で発見されてしまうような大きさになれば、小さいといっても体内に存在する癌細胞の量は多く、現在の治療法では根治することができないと考えられます。このような考え方で、現在は再発・転移の治療方針が決められています。しかし、この考え方のベースとなる臨床試験のデータは、5-10年前に行われたものです。ハーセプチンなどの分子標的治療薬と抗癌剤との組み合わせで、再発後の生存期間にも影響を与える薬剤が出ています。また新規の抗癌剤治療の開発も行われており、再発してもその再発後の生存期間を延長させられる薬剤が出れば、この考え方に変化が起こるものと思います。
 乳癌はその癌の持っている生物学的な悪性度で、その後の予後(再発するかどうか)が大きく左右されるのは確かです。実際に患者さんを見ていて、いつも実感するところです。(文責 麻賀)

 

No.5924-2】  06年11月16日   K 
再発転移について

HPNo.5924でご相談した者です。ご回答ありがとうございました。先生のご回答は「乳癌はその癌の持っている生物学的な悪性度で、その後の予後(再発するかどうか)が大きく左右されるのは確かです。実際に患者さんを見ていて、いつも実感するところです。」と言うことでした。皆さんの相談の回答を拝見すると、リンパ節の転移の数も大きな要素であるとも言われていますが、私の妻の場合、6年前手術、乳がんの大きさ3cm程度、リンパ節転移1個でした。癌の悪性度は伺っていないのですが、病期Ub?でリンパ節転移1個と無しでは、どれくらいのリスクの差があるのでしょうか? もちろんたくさんのファクターがあって一概には言えないと思いますが、10年再発転移の確率で、どれくらいの差があるのでしょうか? それともやはり癌の悪性度に左右されるほうが大きいのでしょうか? 先生のご見解をいただけたら幸いです。

確かに悪性度などの因子で差があるとは思いますが、癌研究会付属病院の1990−1999年の10年間の症例で4000例を越す患者さんのデータによれば、StageUの5年、10年生存率はそれぞれ91%、79%であったとのことです。また、リンパ節転移個数では0の方と1個の方で、5年生存率はそれぞれ96%、94%、10年生存率はそれぞれ92%、86%であったとのことです。(文責 片山)

 

No.5923-1】  06年10月29日   U.Y.
転移予防について

相談室をいつも参考にさせていただいております。2004年7月(28歳)に乳がんと診断され、術前化学療法を経て、2005年3月に手術、その後放射線治療を行いました。手術後の病理結果は、Her2(1+)、ER(weak)、PgR(-)、核異型度(2)、ly(-)、v(-)、n(0/20)、stage(UB)でした。治療開始前の触診で、腋下リンパ節に腫れが2〜3つ確認されております(腫れていないものの転移はしているリンパが、他にもあったのではないかと想像しています)。現在、リュープリン注射とタモキシフェン服用をしております。
そこで質問させていただきたいのですが、今の状況で追加できる転移予防のための治療(治験など)として、ハーセプチン点滴の他に何かありませんでしょうか? 抗癌剤など副作用があっても、効果が期待できるものがあるなら詳しく知りたいと思っています。
御多忙のところ大変恐縮ですが、御回答いただけますよう、よろしくお願い致します。

術前抗癌剤治療後の手術所見のうち残っている癌病巣の大きさの記載がありませんが、少し残っている場合と仮定して考えてみます。術前抗癌剤治療もかなり行われるようになって、いろいろなことがわかってきました。腫瘍が完全消失している場合には、その後の予後はよいのですが、腫瘍が残っている場合の再発率はかなり高いのです。残っている場合には、何らかの術後治療が必要と考えられ始めました。術前治療として、通常はアンソラサイクリンとタキサンが使われますので、それ以外の薬物治療ということになります。あなたのようにホルモン感受性があればホルモン治療を行うのがよいと思います。ホルモン感受性がない場合は抗癌剤治療ということになります。ゼローダ+エンドキサンの内服とか、ナベルビンとかが試験として行われ始めようとしています。まだどの程度の効果があるのかはわかっていません。ハーセプチンは、あなたの場合、HER2が陽性ではないので効果はありません。(文責 麻賀)

 

No.5923-2】  06年11月02日   U.Y.
転移予防について(2)

HPNo.5923で質問させていただいた者です。早々の御回答、どうもありがとうございました。
私の場合、残念ながら術前治療で腫瘍が消滅しませんでした(治療前の腫瘍径:約5cm、抗癌剤治療後の腫瘍径:約1cm、手術後の検体検査:乳管内に留まるものを含め、約4cm×3cmの範囲に癌細胞が残存)。「腫瘍が残っている場合の再発率はかなり高い」とのこと、やはり今の段階でできるだけのことはやっておきたいと強く感じます。ホルモン治療と抗癌剤治療を両方並行して、というのは、術後治療として適さないのでしょうか? ホルモン感受性があまり強くはないようなので、ホルモン治療しかしていない現状に不安があります。度々申し訳ございませんが、御回答いただけますよう、よろしくお願い致します。

ホルモン治療と抗癌剤治療を両方並行して行うことはあります。術後治療としては、同時に行わないで順次に施行するのが現在の傾向です。(文責 石川)

 

No.5922-1】  06年10月29日   H 
乳がん手術後の薬物療法選択と、判断材料としての検査の有効性について

はじめて、相談お願い致します。私の年齢は44歳で、3人の出産経験有です。今までの経過からお伝えします。
H14,8・・・左乳頭奥に痛みを感じ、乳腺科にてマンモ・超音波・触診を受け、8ミリの線維腺腫であろうと言われるものを、左乳頭を横に脇側の所に発見。痛みは、薬を飲むわけでもなく治まりました。
H15,4・・・町の検査、超音波にて5ミリ。
H16,5・・・左胸に痛みを感じ、権威であるとされる病院の乳腺外来にて、マンモ・超音波・触診を受け、8ミリと少し上に3ミリのが見受けられるが、線維腺腫であろうと言われました。痛みも治まる。
H18,7・・・定期検査的に受診、大きさは8ミリ・3ミリ、エコー上やや大きく、形状が丸みを帯びているのがやや気になるが、線維腺腫であろう。形状が丸みを帯びていること・閉経までに成長する可能性が有る事・脇で取りやすいことなどから、8ミリに付いて細胞検査の手術を受け、結果非常におとなしいpap-tub癌と告知される。     
H18,8,22・・・3ミリを含めての温存法にて手術。
H18,9/20〜10/24・・・5週間の放射線療法。
手術結果としては、Low riskと診断(リンパ節転移=陰性/腫瘍径=2cm以下/グレード=1/脈管浸潤=無し/HER2/neuの過剰発現・遺伝子増幅=無し/年齢44歳)
切除した癌細胞の核異型度=低い、エストロゲン受容体=有

ただし、入院中に行ったRI検査に於いて、胸骨・腰椎に集積が見られると言われました。打撲等の覚えは無いのですが、この間の冬ころから右腰がたまにチクンと痛む時があります。3月迄勤めており、疲れてしばしばテーブルの所で腰掛けたまま寝てしまう事がありましたし、昔から余り腰は丈夫ではありませんし、7月に肋間神経痛になりましたが、何か関係があるでしょうか? なお、RI検査の有効性はどの程度なのでしょうか?
薬の選択に付いて、主治医からは「Low riskであるので、ホルモン療法で十分だろう。ただ、再発の可能性があること・年齢が若いこと・手術結果から骨転移は考えにくいが、RIの集積がやや気になることなどで、抗がん剤の選択もありかも」と言われております。ホルモン剤の後では、抗がん剤の効きが悪くなるので、よく考えるようにとも。
判断材料がもっと欲しく、24日に腰椎・胸骨のレントゲンを撮り、異常は見られませんでした。腫瘍マーカーも調べています。27日にMRIを受けます。それで異常が無ければ、ホルモン剤の選択をしても良いのでしょうか? PET検査も考慮していますが、有効性はどうでしょうか? 長くなりましたが、よろしくお願い致します。

骨のRI検査(骨シンチグラフィ)は転移でなくとも集積が見られることがよくあります。MRIでどのような所見なのかを見てから転移かどうか判断すべきでしょう。PET検査も転移かどうかの判断に役立つと思います。
再発予防の治療としては、Low riskなので無治療かホルモン治療となります。ホルモン治療でよいと思います。骨の病巣が転移であれば、ホルモン治療から治療を開始するのがよいでしょう。(文責 麻賀)

 

No.5922-2】  06年11月04日   H 
今後の治療について

先日は、ご回答頂きまして有難うございました。27日の腰椎のMRIは、異常は見受けられないとの診断でした。腫瘍マーカーに付いては、未だでないと言う事で、6日の診察時に分かると思います。以上がその後の現状ですが、再度下記の質問にお答え下さいますようお願い致します。
1) 腫瘍マーカーで異常無しと言われたら、PET検査は受ける必要は無いでしょうか?
2) 友人が最近、健康診断的にPET検査を受け、3ヶ所に集積を認め、内1ヶ所は子宮で(2度帝王切開出産 の経験有です。)、婦人科の検査を受けましたが、異常無しとの結果でした。また、一般的に胸骨・膀胱に集積を見やすいとも聞きますので、有効性についてもう少し詳しく知りたいのですが。
3) 術後2ヶ月が過ぎ、放射線治療は済んだものの、その間にもホルモン療法を併用されている方もおられ、これから更にPET検査を受けていたら(他の病院にて検査となります)、薬物療法開始として遅いのかなとも思います。 
4) HPNo.5924の方のご相談で、いくら小さくても画像上に写る様ならば、症状が出てからの治療と生存期間は変わらないとの事ですが、PETではごく微小な細胞レベルの検査ができるようですが、もし検査を受けて腰椎に集積が見られたとして、その段階で化学療法を選択しても、結果は同じでしょうか? 
5) 癌の持つ生物学的悪性度とは、私のように長期間線維線腫と診断され、余り変化が無く、Low riskと診断された場合、低いと考えて良いのでしょうか? 
6) ホルモン療法の前に化学療法をしないと、効きが悪いといわれましたが本当でしょうか? 

以上、よろしくお願い致します。

1) 腰椎のMRIで異常なく、腫瘍マーカーも正常値なら、PET検査は受ける必要は無いと考えます。
2) CT、シンチ、超音波検査などでわかる病巣が、PET検査で判らない場合もあり、またその逆の場合もあります。逆の場合は極めて少ないと思われます。したがって、CT、シンチ、超音波検査などの画像検査で、さらに腫瘍マーカーでも異常ないときにはお薦めできないことになります。
3) 薬物療法開始として遅いということはないと思います。 
4) 同じと思います。
5) 低いと考えて良いと思います。 
6) それはないと考えます。(文責 石川) 

 

No.5921-1】  06年10月29日   K.T. 
ホルモン治療を受けたほうがいいでしょうか?

現在、39歳です。2005年12月 約3cmの乳ガン発見。2006年1月より術前化学療法開始 (FEC100 4回、タキソテール4回)。2006年7月 温存手術 (0.7x0.9x1.5mmの腫瘍摘出、リンパ節転移1つ(3つ摘出)、グレード1。手術後化学療法(FEC100、タキソテールをそれぞれ1回)。ホルモンレセプター弱陽性 (ER 1+ 2+(10%、20%))(PgRマイナス)

主治医の意見は、「ホルモン感受性が弱いので、ホルモン治療の副作用を考えると、ホルモン治療はデメリットのほうが大きいのではないのか。5年間ホルモン治療をしたところで、再発可能性は1%下がるぐらい。」とのことでした。ホルモン治療は、ホルモンレセプターが20%以上であれば行うというのがガイドラインだそうですが、私の場合は丁度ボーダーラインで、微妙な位置との事です。思い切ってホルモン治療は受けずに、このまま経過観察(6ヶ月ごと)としても安全なのかどうか迷っています。私の再発可能性はどのくらいなのでしょうか? また経過観察にした場合、6ヶ月ごとだと不安なので、3ヶ月ごとにお願いしても良いものでしょうか? ホルモン治療を受けたほうがいいでしょうか? 以上、宜しくお願いいたします。

術前抗癌剤治療後手術を行い、病理検査で乳房に癌が残っており、リンパ節転移も1個あったということですね。ホルモン感受性は10%以上が陽性となりますが、PgRが陰性でもあり、あなたの場合ホルモン感受性はUncertainと判定されます。ホルモン治療がよく効くともいえません。ただ、術前抗癌剤治療を行ってもリンパ節転移が消えておらず、何らかの術後治療が必要だと思います。私が担当医であればホルモン治療剤を5年間内服することを勧めます。経過観察は6カ月ごとでよいと思います。(文責 麻賀)

 

No.5921-2】  06年11月01日   K.T. 
今後の治療について

早々のご回答ありがとうございます。何らかの術後治療が必要だとの事ですが、術後化学療法(FEC100 1回、タキソテール1回)は、それには当てはまらないのでしょうか? ホルモン療法を5年間行った場合の私の再発率というのは、行わない場合とかなり違うのでしょうか? 宜しくご回答くだされば幸いでございます。宜しくお願いいたします。

術後化学療法(FEC100 1回、タキソテール1回)は、術後治療に当ります。ホルモン療法を5年間行った場合、行わない場合と再発率はかなり違ってくると思います。(文責 石川)

 

No.5920】  06年10月27日    A 
ステージWの治療について

以前より時折ご相談させて頂いている妻(42歳)のステージW治療で相談です。 約1年半前にホルモン療法を開始し、おかげさまで、乳部/肺の腫瘍は検査では確認できない状況になっており、副作用も軽度のホットフラッシュ程度で普通の生活を続けております。しかし、先日、主治医からゾラデックスは24回(2年間)のため、 以降は飲み薬のみで行きましょうと言われました。 現在まで薬の治療が奏効しているため、ゾラを止めることに不安があります。
1) ゾラデックスは、なぜ24回までなのでしょうか。止めることで女性ホルモンが再び増加し、がんを目覚めさせることにはならないでしょうか。女性ホルモン増加を何らかの検査で確認できるのでしょうか? その結果、再びゾラデックスを開始することはできるのでしょうか? また、生理が戻ったとすると、がん治療にとって、まずいことととらえ、何らかの対策をとるべきなのでしょうか?
2) ノルバデックスも、服用期間制限があるのでしょうか? その場合、以降の薬はアリデミックスが候補になるのかと思います。これは閉経後の薬と認識しているのですが、ゾラを止めた結果、生理が戻っても使えるのでしょうか?
3) 今後のホルモン療法計画について、ご意見をいただければ、ありがたく存じます。

【現在までの治療】
ホルモン療法を2005年2月より実施中。 ・ゾラデックス(月一回、腹部に注射) ・ノルバデックスD20(毎日服用)

【治療開始時(がん告知時)のがんの特性と腫瘍】(2005年2月)
・がんの特性・・・悪性度:3 エストロゲン:+ プロゲステロン:+  HER2:− (1.29)
・腫瘍の大きさ
1)乳部:小豆大のしこりが数箇所、あわせて4cm以上
2)肺:5mm程度の腫瘍が右肺外側に数箇所(CTとPETで確認)
3)肝臓:5mm程度の腫瘍が数箇所(他に4cm×2cmの腫瘍もあったが、後日、良性の血管腫と判明)
・腫瘍マーカ・・・CEA:0.9、CA15-3:5.3、NCCST439:7.5

【約半年後の腫瘍】(2005年8月)  
・腫瘍の大きさ
1)乳部:MRIで確認できず
2)肺:CTで確認できず  
3)肝臓:5mm程度の腫瘍が数箇所(2005年6月にMRIにて前回と変化無しを確認)  
・腫瘍マーカ・・・CEA:0.9、CA15-3:5.7、NCCST439:1.4

【現在(約1年半後)の状態】(2006年9月)  
・腫瘍の大きさ・・・乳部:触診で異常なし 、肺:検査せず、 肝臓:検査せず  
・MRIやCTは、血液検査に異常はないため、実施不要とのこと
・腫瘍マーカ・・・CEA:0.8、CA15-3:2.2、NCCST439:1.0  
・その他、肝機能値など血液検査に異常値はなし。

以上、よろしくお願いいたします。

1) ゾラデックス24回というのは再発予防のときに投与する期間です。再発予防で投与するときはターゲットになる病巣がないので、試験の結果から24回がよいとなっています。あなたのように現に再発病巣があるのなら、効果のある間は投与して問題ないと思います。
2) ノルバデックスも投与期間に制限はありません。効果のある間は投与を継続してよいです。効果がなくなったら抗癌剤治療などへ変更すべきでしょう。
3) さらにホルモン治療にこだわるのであれば、ゾラデックスを投与して閉経後状態にして、閉経後薬剤であるアロマターゼ阻害剤を使う方法が試験として行われているようです。その有効性はまだ証明されていません。理屈上はよいとは思われます。この方法は保険適応にはなっていません。(文責 麻賀)

 

No.5919】  06年10月27日    M. T
がんと診断されたら、乳房はあまり触らないほうがよいのですか?

がんと診断されたら、乳房はあまり触らないほうがよいのですか? 非触知なもので、本当にしこりがないのかどうか気になり、何度か触ってしまいました。 針生検をしていますが、まさか触ったことで、浸潤したりするのでしょうか? 手術までは、まだずいぶん日にちがあります。

腫瘤がはっきり触れているのであれば強くもんだりこすったりはしないほうがよいと思います。文面に書かれている程度のことは問題ないと考えます。(文責 麻賀)

 

No.5918】  06年10月27日    N.N. 
治療法の選択

37歳、DCISで、腫瘍から2cm離して乳房部分切除術。病理結果は、8mmの良性腫瘍の中に4mmの癌細胞、ER(+)PgR(+)、悪性度1、HER2(2+)。主治医からは、「@ゾラ2年・ノルバ5年 Aゾラ2年 B無治療」の中から治療方法を選択するように言われていますが、迷っています。副作用と再発リスクを考慮すると、Bの無治療を選択したいと思っていますが、年齢的なことを考えると不安もあります。先生方ならどの治療法を勧められますか?

乳房への照射は行う必要はあると思います。薬物治療はあえて行う必要はないと思います。(文責 麻賀)

 

No.5917】  06年10月27日    K.M. 
ステロイドとホルモン療法について

乳がんに皮膚筋炎を併発し、一時は全く動けなくなりましたが、現在は自宅療養にて皮膚筋炎からくるADL低下に対するリハビリ中です。この8月に乳房全摘出をいたしました。生検の結果は、抗がん剤にもホルモン療法にもとても反応はよいとのことなのですが、主治医との相談でホルモン療法にしようと考えています。
ここからが、ご相談なのですが、現在50歳です。この7月まで、だいたい一ヶ月に一度、生理はありました。ところが皮膚筋炎治療にステロイド(プレドニン)を使用し始めてから、一度あったきりで、それ以降生理がありません。(プレドニンは一日60ミリから開始し、現在は30ミリ使用しています)
これは閉経したと考えたほうがよいのでしょうか? 閉経する、しないで、使用する薬が違うので悩んでおります。ご存知のとおり、プレドニンの副作用に生理が止まるというものがあり、どのように考えればよいかご助言いただきたく、メールいたしました。どうぞ宜しくお願いいたします。

閉経後かどうかを調べる方法として、血液中の卵胞刺激ホルモン(FSH)とエストロゲン値(E2)を測定する方法があります。しかし、閉経期の微妙なところの判定は難しいようです。このようなときには、最初の2-3年はタモキシフェンを服用し、後の2-3年にアロマターゼ阻害剤を服用する方法もあります。(文責 麻賀)

 

No.5916】  06年10月26日    M・A
粘液がんについて

今月全摘手術をした母(58歳)のことでご相談します。よろしくお願いいたします。
病理検査より、「リンパ転移なし、ホルモン受容体マイナス、腫瘍の大きさ約3cm、脈管侵襲なし、がんの顔つき1、HER2は未検査」と主治医より聞きました。癌の種類は特殊がんの粘液癌だそうです。転移の少ない、予後のよい癌と聞いておりますが、ザンクトガレンのリスク分類によると中リスクになり、ホルモン療法ができないため、抗がん剤の治療が必要になるかと思いますが、主治医より積極的な抗がん剤の治療をすすめられませんでした。粘液癌は術前の抗がん剤の治療ができないと何かで聞いたことがあります。粘液癌は術後も効果が薄いのでしょうか?
転移の可能性が低いからかとも考えられますが、粘液癌の生存率(再発リスク)、またもし癌の種類(粘液癌)により、他に比べて術後の治療に違いがあれば、どのようなものか教えてください。

乳癌の組織型のうち粘液癌は通常型の浸潤癌に比べ再発率など若干低く、予後がよい傾向を認めるのは確かでしょう。しかし、浸潤癌ですから再発・転移を起すことももちろんあります。
1) ホルモン感受性がないので、術後再発予防として抗癌剤を行っておくのがよいと思います。
2) 粘液癌でも術前抗癌剤治療を行っています。私の経験ですが、粘液癌の術前抗癌剤治療でpCR(癌の完全消失)が得られた方がいます。(文責 麻賀)

 

No.5915-1】  06年10月26日    H.O
細胞診の必要性

ご質問させていただきたいことがあります。よろしくお願いします。
先日、30歳も過ぎたことだしと(33歳、未婚)自覚症状は全くなかったのですが、乳がん検診をうけました。触診ではしこりはなかったものの、超音波検査で右に1センチの腫瘤がみつかり、再検査となりました。そのとき、医者の所見に「caか?乳管内進展か。血流なし。」と書いてありました。画像は、横に長い楕円形で黒く写っておりました。再検査でマンモグラフィをとったのですが、境界のはっきりとした、まんまるの円が写っておりました。乳腺と色が同じで、白く写っておりました。先生は、「おそらく線維腺腫であるが、細胞診(注射機で細胞をとる)をやりましょう。」と言われました。超音波でだいたい良性か悪性かわかるとの情報を得たのですが、細胞診をされたということは、やはり悪性の可能性が高いのでしょうか。心配で心配で眠れません。よろしくお願いします。

乳腺に腫瘤がある場合、診断を確定するために細胞診は最低限必要なものです。ぜひ検査を受けてください。(文責 麻賀)

 

No.5915-2】  06年10月29日    H.O
細胞診をするにあたって

HPNo.5915で、細胞診の件でご質問したものです。ご回答ありがとうございました。検査にあたり質問なのですが、
1) 細胞診をうけるにあたり、腫瘍部分を注射することにより、万が一悪性だった場合、悪化しないのか?
2) マンモ&超音波である程度、悪性か良性か判断がつくとのことだったのですが、画像としてはどんな違いがあるのでしょうか?
3) 線維腺腫やのう胞の場合でもマンモに画像が写るのでしょうか?

まずは、検査をうけるのが一番というのは理解しているのですが、不安です。教えていただけたら幸いです。よろしくお願いします。

1) 悪性化することはありませんし、また癌細胞が飛び散って転移を起すこともありません。
2) マンモグラフィも超音波も、悪性・良性の特徴的所見があります。ただいくら特徴的所見があるからといって、画像だけて診断を確定することはできません。
3) マンモに写る場合もありますし、写らないこともあります。(文責 麻賀)

 

No.5914】  06年10月26日    C  
細胞診結果判別不能での妊娠について(HPNo.5875-2)

HPNo.5875で質問させていただいた者です。今日細胞診の結果を聞いてきました。結果は判別不能とのことです。もう一度エコーをとってみて、先生からは「もう一度細胞診をしてもいいし、生検をすることもできるけど、形からも癌である可能性は低いから、3ヶ月後にもう一度検査する程度でいいと思うよ。」とおっしゃっていただきました。前回は否定されていましたが、線維腺腫の可能性が高いそうです。自分ではこの方針でいいと思っているのですが、これから妊娠を望んでいるので、2点お聞きしたいと思います。
1) はっきりと良性でないと診断がないまま妊娠しても大丈夫でしょうか? すぐに妊娠を望むなら、生検をしてはっきりさせたほうがいいのでしょうか?
2) もし妊娠中の検査で乳癌が発見されたら、初期でも安定期でも子供はあきらめないといけないのでしょうか?
 
何度もすみませんが、よろしくお願いします。

1) 細胞診で判定不能であるが画像から悪性が否定できる場合は、良性のものと判断することは実際にはよくあることです。ただ確定診断がほしいなら、針生検で確定するのがよいと思います。
2) 妊娠中に乳癌が発見されても、妊娠の継続→出産は以前考えられていたほど深刻に考えなくてもよいと考えられています。しかし、流産、奇形児の可能性が高くなることはありえます。(文責 麻賀)

 

No.5913】  06年10月26日    E.A.
術後の補助療法

1ヶ月前に乳腺部分切除+腋窩リンパ切除を行い、切除断片4割面で5mm以内(乳管内成分)に、がん細胞が残っている状態です。引越しで、病院の転院などで術後の治療を何もしないままになっています。直ぐ術後補助療法を行わないと、どんどんがん細胞が広がっているのでしょうか? このままでいくと術後2ヵ月後ぐらいからの治療になりそうで心配しております。もっと早くできるように手配した方が良いのでしょうか? どのようにした方がいいのか教えて頂けたら幸いです。よろしくお願い致します。

とりあえず乳房照射が必要でしょう。術後2カ月頃からの治療開始でもよいと思います。(文責 麻賀)

 

No.5912】  06年10月26日    H・H 
乳房のただれ・かゆみについて

色々調べていた所、相談ができる貴HPに行き着きました。よろしくお願い致します。
今年、31才になりました。未婚です。出産経験はありません。ここ何年か、乳房の痒みに悩んでいます。最初のうちは痒みだけで、しばらくすると治まっていたのですが、今年に入ってから、血の混じった膿がブラジャーにつくようになりました。『乳腺下膿症』というのに近いような気がしたのですが、読んでいくと違うような気もします。かゆみ・ただれ・膿という症状が両胸にあります。乳癌で調べると、かゆみの伴うことが書いてある所見は見当たらないのですが、こういう症状は、ありますでしょうか?

乳頭のびらんのための症状と思います。このような症状をきたす疾患としては、乳頭部の湿疹による場合が多いと思います。しかし、Paget病という乳癌であることもあります。一度乳腺科で見てもらうのが良いと思います。乳輪下膿瘍は乳頭下に膿瘍を形成する疾患で、発赤や腫瘤を形成します。(文責 麻賀)

 

No.5911-1】  06年10月25日    M
乳がんの出来る位置について

39歳、未出産です。1年半ほど前に人間ドックのエコーにて、右胸外側上部にのう胞の診断。半年ほど前に乳腺専門クリニックにて、マンモ2方向、エコー、細胞診で、多分良性との事。1年ごとの検診のつもりでしたが、3週間ほど前から右胸内側上部にしこりを発見。このしこりなのですが、体の中央から約5cm程右よりで、鎖骨と乳首の高さの半分の所にあります。判り難いと存じますが、とにかく、マンモグラフィーで挟めるか、挟めないかの位置に出来ています。生理が終わってもしこりが消えないので、クリニックに電話したのですが、混んでいて2ヵ月後にしか予約が取れないとの事です。2ヶ月も待つのは精神的につらいので、しこりが出来た事をお話したのですが、「半年前のマンモにも写ってないし、多分、脂肪か何かじゃないか? 写らない場所には乳がんは出来ない」と、言われました。マンモグラフィーで挟めない位置には乳がんは出来ないのでしょうか?胸のぷよぷよしてる場所に出来ているので、他に予約が取れる病院があれば、とっとと行ってしまおうかとも思っています。ご多忙と存じますが、よろしくお願い致します。

ご指摘の場所にも乳癌ができると思います。ただあなたの気にしているものが乳腺の腫瘍なのかどうかはわかりません。(文責 麻賀)

 

No.5911-2】  07年01月25日    M
細胞診が出来ない場所

ご相談後、掛かりつけの乳腺クリニックで、部分的マンモグラフィーを撮りました。エコーも合わせた結果、乳腺が集まったので、しこりの様に触れるとの事。私としては、細胞診ではっきり診断して欲しかったので、その旨を伝えると、「この場所の細胞診は止めましょう、刺激したくないので」と、言われました。外側上部のしこりは既に2回の細胞診をし、次回3度目の細胞診をする予定なので、なぜ内側のしこりの細胞診がダメなのか直接質問したのですが、「ここ(内側)は、ダメ!」と少し高圧的に言われ、それ以上質問は出来ませんでした。
1) 外側の細胞診は問題なくて、胸部内側の細胞診は危険なのでしょうか?
2) 外側の細胞診を約10ヶ月の間に3度もするモノなのでしょうか? それなら針生検や摘出手術をした方が手っ取り早いと思いますが、針生検や摘出手術の見た目以外の後遺症やリスクはありますか?

厚かましいとは存じますが、宜しくお願い致します。

1) 無い側腫瘤でも細胞診は可能です。
2) 腫瘤の大きさにもよりますが、針生検による「後遺症」はありません。(文責 千島)

 

No.5910】  06年10月25日    S 
乳がんに関するご相談です

初めてご相談させていただきます。52歳の主婦です。どうぞよろしくお願いいたします。
9月16日にエコーにて2.5cmの乳がん、細胞診にてクラス3と判定が出ました。同時に甲状腺にもしこりがあり、細胞診にて判断不能との事でした。紹介されました総合病院に行き、マンモグラフィー、エコーにて3cm、針生検にてステージ2b、髄様癌、ホルモン療法不適合、抗がん剤は効きにくいとの事でした。11月10日、温存または場合によって全摘手術、リンパ節レベル1まで郭清の予定でございます。CTを手術後に取るそうです。MRIは撮らないそうです。お聞きしたいことは「針生検まででステージ2b」とおっしゃったのですが、
1) CTにて遠隔転移が見つかればステージ4になるのでしょうか? ステージ4では、普通は手術でなく抗がん剤ホルモン療法が中心と本に書いてありましたが、手術前にCTなどの検査をしなくても良いのでしょうか?(持続性の痛みなど、気になる症状が何点かありますので…)
2) 髄様癌でも抗がん剤が効くこともありますでしょうか?
3) 甲状腺の方は半年後(細胞診から数えると8ヶ月ぐらいになりますが)まで様子を見るとの事ですが、そんなに先まで検査しなくても大丈夫でしょうか?
4) 自分の癌について知っておきたいのですが、カルテのコピー、それが無理でしたら病理検査のコピーだけでも頂くことは出来ますでしょうか?

主治医の先生にお会いできるのが7日で、それまでお聞きすることが出来ませんので、申し訳ありません。どうぞよろしくお願いいたします。

1) CTで遠隔転移が見つかればStage4です。できるなら手術前にCTを行っておくほうがよいです。
2) 髄様癌でも抗癌剤は効果があります。
3) 細胞診で判断不能であっても画像で悪性が疑われないものと思います。半年後でよいと思います。
4) 借りるために病院により多少の違いがありますが、多分借りられると思います。(文責 麻賀)

 

No.5909】  06年10月25日   K
再発率に関して

今月、片側全摘の手術を受けました。リンパ節はレベルVまでの郭清です。術後AC4クール、タキソール12回の予定です。ホルモン感受性も陽性なので、その後はホルモン療法も予定されています。リンパ節への転移が多かった(21/26)ことから、再発・転移の心配が頭から離れず、不安な日々を送っております。ステージVCだと思います。化学療法を受けることで再発率をどの程度低下させることが出来るのか、検索してみたのですが見つけることが出来ませんでした。自分なりに「免疫療法」などの勉強もしていますが、標準療法が大切だと思い、まずこれを乗り越えたいと思っています。

10%程度の再発率の低下が得られるものと思います。(文責 麻賀)

 

No.5908】  06年10月25日   D   
母の乳がん転移、下半身麻痺の治療について

57歳の母のことで相談したいことがあります。4年くらい前に乳がんになり、右胸の手術をして、その後リンパ節に転移し、抗がん剤治療を行いました。先月9月に右脇のリンパ節と脊椎転移がありましたので、放射線治療を1ヶ月くらいしました。その後、今月7日くらいに歩行困難になり、神奈川県内の病院に入院しました。現在下半身麻痺の状態で、ベッドに寝たきりです。意識ははっきりしており、治療法があれば本人もやる気です。下半身麻痺状態になって2週間経ちますが、手術など下半身の症状を改善させる方法はございますか? どうぞよろしくお願い致します。

麻痺になって2週間たっているので、麻痺が改善する可能性は少ないと思います。車椅子での訓練をするほうがよいと思います。(文責 麻賀)

 

No.5907】  06年10月25日   M.K. 
悪性の可能性

46才です。市の検診で初めてマンモをやって、しこりが見つかりました。超音波にも写っていました。大きさは1aぐらいで、画像を見ても、先生は「悪性かわからない」といいます。本当なんでしょうか。「画像を見れば、90%悪性がわかる」と本に書いてありましたが、どうなんでしょうか。悪性の可能性があるのですか? 心配でたまりません。よろしくお願いします。

画像だけで乳腺腫瘍の診断ができるわけではありません。担当医によく説明を聞いてください。(文責 麻賀)

 

No.5906】  06年10月25日   みどり
手術後のかゆみについて

いつも相談させて頂きありがとうございます。母(64歳)は、5ヶ月前に左胸全摘出手術をしました。手術の傷跡が気になるようで、四六時中さすっています。特に痛みはないとのことですが、「最初は鉄板が入っているような感じ、最近はなんとなくかゆいから」という理由で、いつも胸をさすっています。手術前はあまりしこりを触らないほうがいいと読みましたが、術後の胸もいつもさするのはよくないのでしょうか? 来月が5ヶ月ぶりの定期検診です。気になるので回答を宜しくお願いいたします。 

術後の胸の掻痒感を訴える方は時にいます。原因はさまざまです。術後の胸を触っても問題ありません。(文責 麻賀)

 

No.5905】  06年10月25日   K.S. 
乳房のしこり

はじめてメールします。38歳の主婦です(3歳と5歳の子供がいます)。二人とも母乳育児です。もともと生理前など乳房が張りやすいほうでした。9月中旬に右の乳房の外側がやや固くなっている気がして、定期的に受けている乳がん検診もかねて受診しました。超音波では特に異常はないが、念のためということで、しこりに針を刺し組織診をしました。結果、異常なく、のう胞だろうということで、また1年後受診するよう言われました。
10月になり、生理が終わって1週間たった4日頃、やはり右側乳房の今度は上側にかなり固い大きめのしこりを感じ、別の病院の乳腺外科を5日に受診しました。先生はしこりの大きさに驚いて「いつから?」とたずねられたのですが、「ここ2,3日です」と答えると、「うーん」と困ったようでした。超音波、マンモグラフィー、胸部レントゲンを受けましたが、どれも異常はありませんでした。ただ、腫れている右の乳房の乳腺はかなり白くマンモには写っていました。先生は頭をひねられて、「肉腫かも」と言われました。その後腫れている部分に針を刺し組織をとり、また乳腺炎の疑いもあるからということで血液検査も受けました。帰宅後、その夕方から悪寒がして発熱(38度ほど)しましたが、病院から出されていた抗生剤(フロモックス)を飲んでいたせいか、翌日には熱は下がりました。今日7日になっても熱は出ておらず(薬は飲み続けています)、ただ乳房は熱っぽくしこりも大きいままです。長くなって申し訳ありません。質問ですが
1) 授乳期でもないのに乳腺炎になりますか?
2) 肉腫は2,3日で急に大きくなることもあるのでしょうか? (9月の超音波では問題なしとされました)
3) 肉腫だった場合も発熱するものでしょうか?

組織診や血液検査の結果が出るのに1週間ほどかかるといわれ、その間不安でたまりません。セカンドオピニオンを聞きにいこうにも連休中で動きが取れません。乳房の腫れと痛みが多少ある程度で、そのほかはまったく元気です。お忙しいと思いますが、どうぞよろしくお願いします。

とうに結果は出てしまってますね・・・。遅くなりまして申し訳ございません。乳腺外科の先生が悩まれるくらいですから、稀な状況だったことが伺われます。授乳期でもないときに乳腺炎になることはあります。状況から考えるに、もっとも可能性の高いのは乳腺炎ではないかと思うのですが・・・。急激に大きくなるといっても数日で明らかに大きくなるような腫瘍は、癌にも肉腫にもないのではないかと。治療経過と病理検査が答えをだしてくれるのでしょうが・・・。(文責 河原)

 

No.5904】  06年10月25日   M  
乳腺のう胞にポリープ?

昨日、人間ドックで乳房の超音波をお願いしました。2年前も左胸に2つののう胞がありましたが、昨年の検査では消えていました。そしてまた今年の検査では、のう胞が4つに増えていました。大きさは全部3ミリ程度でしたが、そのうち2つののう胞の中に、まん丸の小さなポリープ(いぼ)が見えると言われました。先生のお話では、1年後また検査すればいいとのことでしたが、母が20年前に乳がんをしているので心配です。がんの疑いはないのでしょうか。乳腺外科に行ったほうが良いですか。よろしくお願いします。

回答させていただきます。3mmほどののう胞の中の小さなイボとのことなので、かなり小さなものですね。ただ、それくらいに小さなものですと、本当にイボなのか、イボのように見えるだけなのかさえも判別は難しいと思います。どういう形のイボなのかが問題なのですが、文章だけからは分かりません。検査をされた先生が経過観察でよいと言われたのであれば、そう問題はなさそうと判断されたのだと思うのですが・・・。(文責 河原)

 

No.5903】  06年10月25日   H.A.
鎖骨上リンパ節再発後の治療について

58歳です。3年前の2003年10月左乳房全摘手術を受け、その後の病理検査により(腫瘍3cm以上、リンパ節転移5個、ホルモン反応陰性、HER-2++)、術後治療としてCE4クールを受けました。術後1年目の2004年11月よりアロマシンを服用。「(ホルモン反応陰性なので)効かないかも知れないが、何パーセントかの人には効いている。何も治療しないというのも…可能性にかけましょぅ」ということでした。
術後2年半目に当たる今年3月末、定期検診として血液検査、エコーに加えPET-CTを受けましたが、再発・転移はありませんでした。その1ヵ月半後、自分で右鎖骨上に小さなリンパ節の腫れを見つけ、検査してもらったところ癌細胞が見つかり、抗がん剤治療が始まりました(この時、再度CT、骨シンチ、血液検査を受けましたが、他に再発・転移等は見つかりませんでした)。治療開始時の説明では、2週間毎にタキソール+ハーセプチンを6〜8ヶ月間、その後追加でハーセプチンを1年間ということでした。リンパ節は2ヶ月目(4回目)には触れても判らないほどになりました。4ヶ月目(8回目)を終えた時点での効果確認検査(エコー、CT)でリンパ節は消えていました。以上が経緯ですが、3点ほど相談させてください。
1) リンパ節が消えたことが確認されましたが、今後も予定どおりタキソール+ハーセプチンの治療を続けたほうがよいのでしょうか。続けることで副作用がひどくなったり、癌細胞に抗体ができるのではと心配です。
2) タキソールが終わった後の治療として、ゼロータを服用しましょうと言われました。かなり長い期間になるようです。まだ転移していない時期から服用し始めたほうがよいのでしょうか。その場合、この薬が効いているかどうかをどう判断するのでしょう。再々発・転移が判ってからの治療ではいけませんか。アロマシンを飲んでいて効かなかったこともあり(抗がん剤直前まで服用)、躊躇しています。
3) 予防として放射線治療をお願いしたほうがよいでしょうか。また「電子照射」というものがあることを最近知ったのですが、通常のものとどう違うのかお教えください。

よろしくお願いいたします。

回答させていただきます。
1) 再発治療に対し効果があったようですね。ただ、効果のあった治療を今後どうするべきかは大変難しい質問です。いずれも強いお薬ですから、今後継続していくことで何か不都合が出てくる可能性は否定できません。いろいろな意見があるのでしょうが、私だったら、ハーセプチンのみに切り替えて、リンパ節が再び大きくなってこないかをエコーで追跡すると思います。
2) ゼローダを服用するというのもひとつの手です。ただ、ご相談のなかにもありますが、効果の指標になる病変が消えてしまいましたので、ゼローダの効果はなかなかはっきり分からないでしょう。早いうちに再々発すれば、効果は優れなかったのだろう、ということになります。また、一般に再発治療は、「消えた=体内からの癌細胞消滅、あるいは、消えた=画像上見えないだけ」なのかは区別がつきませんので、いつまで続ければよいのか、医師にも分からないのが実情です。
3) 放射線照射は手術と同様、“局所”の治療です。再発癌は全身病と捉えるのが一般的です。リンパ節の腫れ、痛みが抗がん剤で抑えきれないなどの場合には、“局所”治療としての放射線、手術治療が考慮されると思います。今はそういう時期ではないのでは、と思われます。(文責 河原)

 

No.5902】  06年10月25日   K.T. 
術後の補助療法について(HPNo.5749-2)

HPNo.5749です。先日は、ご回答ありがとうございました。再度相談お願いします。9月27日乳房温存手術を終え、以下の病理結果が出ました。「センチネルリンパ節生検陰性0/1、浸潤ガン、顕微鏡での大きさ1.4cm、断端陰性、脈管侵潤なし、核異型度グレード1、ホルモン感受性陽性、HER2スコア0」の結果より、抗がん剤の必要なしと主治医から告げられました。また、「術後補助療法として、ガンの広がりがあまりなく、取り切れたと考えられる事から、放射線治療は必須ではない。もしかけるとしたら、5週間乳房全体に照射する。ホルモン療法としてタモキシフェン5年間服用、ZD9393 3.6mgデポを2年間投与」との事です。再発、転移への不安から、以下、相談室の先生のご意見を伺いたい次第です。
1) 抗がん剤は不要、でよいのでしょうか? (正直なところ、センチネルリンパ節を1つしか取ってないので、陰性と言われても不安です)
2) 私の場合、放射線治療はどの程度有効と考えられますか? ガイドラインにて、乳房温存術を受けた患者は放射線治療が必要、断端陰性でも安易に省略すべきではないと読みました。主治医は、「温存術と言っても一概にくくれない、あなたの場合は広がりがあまりなかったので必須ではない」と言われました。
3) 少しでも有効性があるのなら放射線治療を受けたいとも考えます。その場合、5週間乳房全体への照射という方法は適当なのでしょうか。

主治医とよく話し合い、治療方法を決めていきたいと思いますが、以上について、アドバイスよろしくお願い致します。

私の意見を述べさせていただきます。
1) 相談内容にある病理結果でしたら、抗がん剤投与よりはホルモン療法をお勧めします。
2)3) あなた自身が放射線治療を受ける方がよいのか、受けない方がよいのかは分かりません。ガイドラインに従うのが一般的でしょうが、最近では(非浸潤癌などに対して)Van Nuys Prognostic Index(VNPIスコア)というものを参考に、放射線照射の省略を試みている先生もいらっしゃるようです。そういうスコアも参考にはなるのでしょうが、放射線照射を“しない”ことに強い不安があるようでしたら、受けてみられてはいかがでしょうか。(文責 河原)

 

No.5901】  06年10月25日   K.K
上腕の腫れ

上腕の腫れと痛みについてご相談します。センチネル生検、乳房温存手術をうけ、転移はなく、リンパ郭清はありません。術後2週間頃、急に脇にピンポン玉大の腫れができ、同時に上腕肩近くに腫れと痛みがあり、上下運動は大丈夫なのですが、健側に腕がいかなくなりました。脇のこぶの液はセンチネル生検の傷に水がたまったとかで抜いていただいて、今は小さなこぶがあります。
1) 上腕の腫れと痛みはリンパ浮腫とは関係ないのでしょうか。普通のリハビリを2週間近くがんばりましたが全く良くならず、浮腫の治療をした方がいいのでしょうか。
2) これから放射線治療が始まりますが、腕の腫れがますます悪化しないか心配です。治療時期を遅らせたほうがいいでしょうか。

よろしくお願いします。

回答させていただきます。
1) 今回はリンパ節郭清は必要にならなかったとのことなので、主治医の先生が言われるような一時的な術後変化と思われます。浮腫の治療は置いておいて、もう少し様子を見られてはいかがでしょうか?
2) 痛みが強くなってきたというのが少し気になります。皮下に貯まった水に感染したという事態も考えられます。発熱などはないのでしょうか?主治医の先生に診ていただいてください。(文責 河原)

 

 

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