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相談室(No.10001〜No.10100)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

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なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

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目 次

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No

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名 前

件  名

担 当

10100-1
10100-2
11/03/01
11/03/07
術側の反対側の胸について
術側と反対側の胸にある影について(2)
俵矢
徳田
10099 11/03/01 今後の治療について(2)(HPNo.10089) 俵矢
10098 11/03/01 リンパ管浸潤 俵矢
10097 11/02/25 M.S. 術後治療の選択について(3)
10096 11/02/25 M.T.  乳癌の乳児への影響
10095 11/02/25 今後の治療について(HPNo.10072)
10094 11/02/25 息苦しさを解消する方法はないのでしょうか?(HPNo.9055-3)
10093 11/02/22 術後治療の選択について(HPNo.10086)
10092 11/02/22 N  ノルバデックス服用による体重増加について
10091 11/02/22 B  胸のしこり
10090 11/02/22 K.T.  再発転移後の治療について(HPNo.9899) 
10089-1
10089-2
11/02/20
11/03/01
今後の治療について
今後の治療について(2)

俵矢
10088 11/02/19 Y.K. ホルモン剤副作用・骨密度低下について
10087 11/02/19 M タモキシフェン服用中です
10086-1
10086-2

10086-3
11/02/19
11/02/22
11/02/25
M.S. 術後治療の選択について
術後治療の選択について(2)
術後治療の選択について(3)


10085-1
10085-2
11/02/19
11/05/02
分泌液 細胞診の結果
乳頭からの出血

久保内
10084 11/02/19 ノルバテックス服用中の生理
10083 11/02/16 S.S. 次の抗ガン剤について 高橋
10082 11/02/16 左鎖骨上にしこりについて   高橋
10081-1
10081-2
11/02/16
11/06/11
M.K. 放射線治療を行うべきか?
良性乳腺腫の悪性化について
高橋
高橋
10080 11/02/16 S  水の袋について 高橋
10079 11/02/13 K.N. 経口薬について 高橋
10078 11/02/13 エコーとMRIの違い 高橋
10077 11/02/13 抗がん剤の効果について 高橋
10076 11/02/12 H 今後の治療について 高橋
10075-1
10075-2

10075-3
11/02/12
11/03/05
11/05/02
FEC副作用
タキソテールについて
抗がん剤の副作用でしょうか?
高橋
俵矢
久保内
10074 11/02/12 Y.M 骨転移の治療について 高橋
10073 11/02/08 Y.N タモキシフェン終了後の治療について 首藤
10072-1
10072-2
11/02/08
11/02/25
S  閉経していなかった場合の治療法について
今後の治療について
首藤
10071 11/02/08 再発率について(HPNo.9979) 首藤
10070 11/02/07 S.W 関節痛 首藤
10069 11/02/07 乳がん検診 首藤
10068 11/02/07 KM   骨・肝臓転移の治療について 首藤
10067 11/02/07 U 分泌物について(HPNo.10057-2) 首藤
10066 11/02/04 T.T.  太針生検 首藤
10065 11/02/04 F.O. 浸潤性小葉癌 首藤
10064 11/02/03 Y.N. 休薬 首藤
10063 11/02/03 石灰化 首藤
10062 11/02/03 G  乳癌と食事について 鈴木
10061 11/02/03 M  術後化学療法について 鈴木
10060 11/02/03 A.T. 抗がん剤でダメージを受けた卵巣の治療方法について 鈴木
10059 11/02/01 A.O. 術後のホルモン療法について 鈴木
10058-1
10058-2
11/02/01
14/10/23
術後の化学療法について
タモキシフェンと蕁麻疹
鈴木
清水
10057-1
10057-2
11/01/31
11/02/07
今後の治療
分泌物について
鈴木
首藤
10056 11/01/31 A.M. 骨転移の今後の治療について 鈴木
10055 11/01/31 U  気になるしこり 鈴木
10054 11/01/27 S.A 今後の治療について 清水
10053 11/01/27 MK シビレと浮腫みについて  清水
10052 11/01/27 服用薬について 清水
10051 11/01/24 T.N. 浸潤性の小葉ガン(2.5cm)と診断されました 清水
10050 11/01/24 M.H 病理診断結果について 清水
10049 11/01/21 I  ゾラディックスの追加 加藤
10048 11/01/21 局所再発か傷跡か? 加藤
10047 11/01/21 肺の結節について 加藤
10046-1
10046-2

10046-3
10046-4
10046-5
10046-6
11/01/21
11/06/29
12/04/23
13/02/03
14/10/23
16/10/12
S.A. ホルモン療法の開始時期
術後の不妊治療
出産後の授乳、ホルモン治療について
非浸潤がんのホルモン治療
術後の不妊治療
やはり再発でしょうか?
加藤
俵矢
斎藤
浜口
清水
高橋
10045 11/01/21 K   今後の治療について 加藤
10044 11/01/21 k m 胸部CT検査 加藤
10043 11/01/21 抗がん剤による筋肉痛とむくみについて 加藤
10042 11/01/21 エル 腫瘍マーカー 加藤
10041 11/01/21 I  ハーセプチン治療について 清水
10040 11/01/21 M.T. 腋の痛み 清水
10039 11/01/21 K 胸のむくみ(HPNo.9533) 清水
10038 11/01/18 Y.E. 5年終了後の治療について(2)(HPNo.10029) 久保内
10037 11/01/18 H.N. 温存でいいのか悩んでいます 久保内
10036 11/01/18 H  今後の治療方法 久保内
10035-1
10035-2
11/01/18
11/06/28
再発後について
再発後について(2)
久保内
徳田
10034 11/01/18 造影剤でのアレルギー反応について 久保内
10033 11/01/16 FEC副作用(味覚障害・口舌炎・むくみ)について(HPNo.10006) 斎藤
10032 11/01/16 放射線治療(HPNo.10014) 斎藤
10031 11/01/16 O.T.  ホルモン剤終了後について(HPNo.8653) 斎藤
10030 11/01/16 今後の治療について 斎藤
10029-1
10029-2
11/01/13
11/01/18
Y.E. 5年終了後の治療について
5年終了後の治療について(2)
久保内
久保内
10028 11/01/13 J・M 経口抗がん剤、ホルモン剤と飲酒について(HPNo.9894) 久保内
10027 11/01/13 不正出血があります 久保内
10026 11/01/12 母の乳癌について(HPNo.9879-5) 斎藤
10025 11/01/12 現在の治療について 斎藤
10024 11/01/12 母(63歳)の乳癌について 斎藤
10023 11/01/12 M.T. 不安です 斎藤
10022 11/01/12 A.S. 非浸潤ガンの術後について 斎藤
10021 11/01/12 再検査 斎藤
10020 11/01/09 S  しこりについて(HPNo.8166) 矢吹
10019 10/12/31 Y.K. 術後の補助療法について 須田
10018 10/12/31 S.Y.  パクリタキセル 須田
10017 10/12/31 K.F. 術後の乳がん治療 須田
10016 10/12/31 M.N 術後補助療法等について(その2)(HPNo.9955) 須田
10015 10/12/31 I  乳頭の痛み 須田
10014-1
10014-2
10/12/31
11/01/16
S  グレード3
放射線治療
須田
斎藤
10013 10/12/26 抗癌剤の必要性(HPNo.9871-2) 川本
10012 10/12/20 FEC副作用について(2)(HPNo.10006-3) 大西
10011 10/12/20 授乳期の石灰化 緒方
10010 10/12/20 Y.K. センチネルリンパ節生検採取の個数について 西川
10009 10/12/14 Y.A. ホルモン治療(2)(HPNo.9947) 大西
10008 10/12/14 M  FEC副作用について(HPNo.10006-2) 大西
10007 10/12/14 C.M 術後療法について 大西
10006-1
10006-2

10006-3
10006-4
10/12/14
10/12/14
10/12/20
11/01/16
病理検査結果について
FEC副作用について
FEC副作用について(2)
FEC副作用(味覚障害・口舌炎・むくみ)について
大西
大西
大西
斎藤
10005 10/12/14 N.S. 非浸潤性乳管癌のホルモン治療は無駄ですか?(2)(HPNo.10002) 大西
10004 10/12/12 H  マンモトーム生検査の結果(HPNo.9978) 大西
10003 10/12/12 ポート(HPNo.9916-5) 大西
10002-1
10002-2
10/12/09
10/12/14
N.S.  非浸潤性乳管癌のホルモン治療は無駄ですか?
非浸潤性乳管癌のホルモン治療は無駄ですか?(2)
大西
大西
10001 10/12/07 S.S.  精密検査 石山

 

No.10100-1】  11年03月01日  T 
術側の反対側の胸について

一年前に右胸温存手術を受け、リンパ転移なしでした。放射線治療後、現在ホルモン治療中です。手術の数日前に反対の左胸にも影があることを知らされましたが、「今回は右の手術のみです」と言われ、その時は何も言えず、左は不安なままでした。その後半年以上たっても、左側については医師から何も言われないので、こちらから聞いたところ、「ではMRIとってみましょう」とのことで、検査しました。MRIでは数値も高めなので悪性の可能性が高いが、よく分からないので、エコーをと言われ、来週とる予定です。ずっと不安なままなのに、主治医は「ホルモン治療もしているし」と、急いで検査する様子ではありません。そこでお聞きしたいのですが、反対側もがんだった場合、ホルモン治療をしているので、そのまま様子を見て手術しないで済むということはありますか? また、右はホルモン治療がよく効くタイプだが、反対側はそうでない場合などもあるのか教えてください。

反対側に組織検査で明らかながんがあった場合は、右の場合と同じで、手術などの治療を考えることになります。反対側に乳がんがあった場合、右と同じホルモン陽性のこともありますし、そうでない場合もあると思います。乳腺の病変の中にはがんだけではなく、良性のものもたくさんあります。特に小さかったり、画像所見がはっきりしないものは、急いで結論をつけるより、良性のものかがんなのか、間違えないようにじっくり診断をつけることの方が大切な場面がよくあります。ご心配でしょうが、主治医とよく相談のうえ、検査の結果を待ちましょう。(文責 俵矢)

 

No.10100-2】  11年03月07日  T 
術側と反対側の胸にある影について(2)

NO.10100で術側と反対側の胸にある影の件で相談させていただいた者です。検査の結果、悪性ではないとのことで、一安心しております。

1) その際に言われたのですが、私くらいの年齢(37)だと、影が大きくなったり小さくなったりすることがあるとのことですが、どういうことなのでしょうか?
2) もうひとつお聞きしたいのですが、病気が見つかる前に手足の脱毛(光脱毛)に通っていました。手術から1年、放射線治療から10ヶ月ほど経過したので、そろそろ再開したいと考えているのですが、リンパ浮腫などに影響したりしないでしょうか?

以上2件について、ご回答よろしくお願いします。  

1) 良性でも、ホルモンの影響を受ける場合は、形状が変化することはあると思います。
2) 脱毛をにより、感染のチャンスが増すのであれば、控えた方がよいと思います。腋窩リンパ節郭清の方法にもよりますが、リンパ浮腫の予防は、術後1年で無用というわけではありません。ほぼ一生、注意が必要です。(文責 徳田)

 

No.10099】  11年03月01日  N
今後の治療について(2)(HPNo.10089-2)

先日はとても判り易いご丁寧なお返事ありがとうございました。昨日、思い切って自分が希望していた病院へ行って参りました。マンモグラフィ、エコー、突刺吸引細胞診検査をやって戴き、少しエコー技師の方にお咎めされてしまいましたが、以前の病院でのMRI検査報告書を見ながら検査されていました(ウチの資料ではないし、貸し出し資料でもないので、参考までにと、見ていらっしゃいました) その後乳腺外来医師による診察(今後の予定等)がありました。「細胞診断がなければ何にもわからないし、答えられないけどね。わからないけど、DICSか乳管内乳頭腫、このどちらかかな、とは思っていますが、わかりません。来週ですね、ただ、そんなに心配しなくていいから。」とのことでした。私は何もないとは思っていないし、全摘出も覚悟しているのですが、少し先生のお言葉を聴いて心が落ち着きました。帰宅後疑問がわきあがってしまいました。

1) 今まで1月初めと、1月終わりのレディース検診にて、触診があり、どちらの方も、「何もありません、いいですね。」と仰っていたにも係わらず、昨日のエコー技師は、何もないはずの右胸を2.3回触って、「右は何も言われてないんだよね?」「はい」「おかしいなぁ」と、結局極小のしこり?か何かの存在を見つけ、左胸同様、組織採取。結果、「一週間後にはっきりするけど、右は問題ないと思います。」と仰って頂き、まずは安心ですが、こんな小さなしこりや、今まで触診でしこりが確認されなかった問題の左胸も、このエコー技師先生にかかると、触知できるのか、それともしこりが大きくなってるから? でも、右なんてめちゃくちゃ小さいし、左も8ミリ。触診される方により違ってくるのでしょうか? また、もし触診される方にレベルの差があった場合、見落としもあるのでは?と不安がよぎりました。なので、触知できるしこりがある場合、DICSの可能性はなくなってしまうのでは?と、心配です。
2) 「マンモグラフィーで検出出来なくてエコーで検出出来るものは 浸潤性であり、マンモグラフィーでのみ検出されるものは 非浸潤性である」と書いてある書物があったのですが、本当でしょうか? やはりDICSの可能性はないのでは?と不安です。

以上です、あと1週間、出来る範囲で知識を入れて診断に望みたいと思いますが不安です。

1) たしかに、検査を受けているときの技師さんの言葉や行動は気になるものだと思いますが、基本的にはあまり気にする必要はありません。最終的な結果を聞くまでは、心配だとは思いますが、取り越し苦労をせず待っていましょう。
2) そういうものもありますが、違うものもありますので、一概には言えません。(文責 俵矢)

 

No.10098】  11年03月01日  Y
リンパ管浸潤

昨年5月に温存手術を行い、その後、放射線治療、ホルモン療法を続けています。術後の病理検査で、「大きさ 1.0x1.1x1.0cm リンパ節転移なし T1cN0MX (Stage 1a) 」とのことでした。主治医から、リンパ管にがん細胞が1つだけこぼれていたと言われました。治療方法を見直す必要はありますか? がん細胞が1つだけ・・・というのは、まったく見つからなかった場合と比較して、予後に影響しますか? 当初の病理報告書では、明確なリンパ管浸潤は認められない・・という表現でした。細胞 1つだけ・・というのは、どういう認識でいれば良いのでしょうか? 宜しくお願いします。

リンパ節を詳しくみたら、リンパ節にわずかにがんの転移が見つかったか(微小転移と呼んでいます)、もしくは、腫瘍周囲のリンパ管の中にがん細胞がわずかにみえたか(リンパ管侵襲と呼んでいます)いずれかと思われますが、ホルモン陽性ならば、おそらく治療を見直さなくてはならない可能性は低そうです。ただし、この文面だけからは、そうであると断言はできません。主治医の先生にきちんと聞いてみるのがいちばん確実と思います。(文責 俵矢)

 

No.10097】  11年02月25日  M.S.
術後治療の選択について(3)(HPNo.10086-3)

ご回答、ありがとうございました。ホルモンレセプターが1%でもあれば効果があるかもしれない、という程度なのですね。谷先生がエストロゲンレセプターを「不明」としてアジュバントオンラインで調べていただいたところ、化学療法のみと比較してホルモン治療を追加すると2パーセントの上乗せとのことです。長い期間の副作用や治療費を考えると迷います。

1) 前回と質問が重なるかもしれませんが、1%は「陽性」にはならないのでしょうか。また、アジュバントオンラインで数値が反映されるのならば1%で、(されないのであれば陽性として)調べていただくと再発率の結果はどのくらい変わるのでしょうか。1%でもあればホルモン療法を行うことが標準治療だから、と主治医には化学療法の後にホルモン療法をするように言われていますが妥当なのでしょうか。
2) NCCNのガイドラインを見ると、化学療法の後に放射線治療を行うように書かれています。もう放射線治療をしていますので、変更はできませんが、ガイドラインにそう書かれていると言うことは何か根拠があると思います。効果や副作用などに影響するのではないかと心配です。

よろしくお願いします。

1) 2009ザンクトガレン会議に照らし合わせますと、前回お答えしましたようにER1%は陽性と判断します。言いかえれば、2009年を境にそれまではホルモン陰性と判断していたものが、それ以降はホルモン陽性の判定になるということです。もちろん測定法が変化したとか、患者サイドの条件が変わったということではなく、われわれのホルモン感受性に対する考え方が少し変化したということです。ですから、たとえばERが50%以上の方であれば、ホルモン治療は十分の効果が期待できると考えられますが、ERが5%ならば期待もかなり薄くなり、1%ならばさらに薄くなるというのは、以前でも現在でも変わらず事実です。ただ可能性が低くても少しでも効果ある可能性があれば、それを「ホルモン感受性あり」としよう、という考え方になったとお考えください。2009年を境にER1%の方に急にホルモン治療が効果あるようになったわけではありません。よって、主治医の先生がERが1%でもあればホルモン治療が標準治療だからというのは正しいし妥当な選択ですが、それを選択するか否かは貴女の選択ということになります。このようにホルモンステータスがもともと微妙でありますので、Adjuvant! Onlineの数字もあまり気にされず、参考程度にとどめられるのがよろしいかと思います。
2) 乳癌術後に化学療法と放射線療法の双方を施行する場合、先に化学療法を施行することが多いのは事実であると思います。一般に全身療法である化学療法を、局所療法である放射線療法よりも先に施行する方がベターというように表現されます。ただ実際はどちらが先でも大差はないというのが一般的な見方です。よって、もし化学療法をお受けになるのなら、放射線療法が終わってからで十分であると考えます。(文責 谷)

 

No.10096】  11年02月25日  M.T.
乳癌の乳児への影響

いつもありがとうございます。33歳で乳癌発覚、浸潤径2cm以上、多発、リンパ節転移ありで、術前化学療法を行いました。乳癌発覚直前まで子供に授乳していたため、子供は私のがん細胞を飲んでしまったことになると思うのですが、健康面の問題はないのでしょうか? よろしくお願いします。

もし乳汁の中に癌細胞が含まれていて、それをお子さんが飲んでしまったとしても、まったく影響はありません。ご安心ください。(文責 谷)

 

No.10095】  11年02月25日  S
今後の治療について(HPNo.10072-2)

いつも拝見させていただいております。前回はNo.10072でのご解答、ありがとうございました。先日受けた婦人科検診の結果は次の通りでした。
子宮頸がんの細胞診の結果は、毎回クラス1で問題なかったのですが、体癌のほうがクラス3になっていました。半年前の検査ではクラス2、その一年前はクラス1ですが、それ以前は2回ほどクラス2になった事があり、半年毎に検査を受けていました。子宮の内膜の厚みもあるということで、外来で少し広範囲に内部を掻き取る検査(正式な名前はわかりませんが)をし、2週間後に結果が出ます。結果次第では入院して内視鏡検査になるそうです。2004年9月から6年間ゾラとリューブリン+フエアストンで治療をし、現在はフェアストンのみの服用です。生理もずっとないので閉経かと思っていましたが、昨日から出血が始まっています。ただ、これは生理なのか検査によって内膜が傷ついたのか判らないのですが、下腹部痛もあり、生理の再開かとも思います。前置きが長くなってしまいましたが、質問は次の点です。

1) 子宮体癌の細胞診がクラス3です。このままフェアストンを飲み続けてよいのでしょうか?
2) リューブリンをやめて一年半以上経って生理が再開する事はあるのでしょうか?
3) もし子宮体癌だった場合、乳癌の治療法に変更が出ますか?
4) 生理の再開は乳癌の再発に影響がありますか?

以上よろしくお願いします。

1) そのまま服用で問題ないと思います。
2) ありうると思います。
3) もし子宮体癌の診断になったすれば、婦人科の指示に従うことになります。フェアストンも中止となるかもしれません。
4) リュープリンをやめた段階で生理の再開の可能性は当然考えており、生理の再開が乳がんの再発率を高めると考える必要はありません。(文責 谷)

 

No.10094】  11年02月25日  C
息苦しさを解消する方法はないのでしょうか?(HPNo.9055-3)

No.9055-1,2でご回答いただいた者です。関連して再度お願いします。
2010.5.7〜2010.10.22 ナベルビン2w1休 9クール半。2010.7首リンパ1ヶ所小さい腫れ見つかる。マーカー上昇のため、薬剤変更。2010.11.4〜タキソール6w1休 現在、2クール−2まで終了。マーカーは1ヵ月後正常範囲に下がったが、2ヶ月後は上昇。1月の超音波で、首リンパは画像では見えるが、かなり小さくなり、主治医が触っても触れないくらいになった。1月末に、急に呼吸が苦しくなって早朝に目覚め、緊急で主治医に肺のレントゲンを撮ってもらう。前回12月の撮影時と比較して、腫瘍の大きさ、胸水の量も若干量で変わらず、この胸水の量で苦しくなることは、まずないと言われる。気管が若干腫れており、咳もあった為、2ヶ月前に喉カゼをひいたときに効いた薬をもらって、その時は苦しさも収まった。利尿剤ラシックスも処方された。2月半ばから、階段の昇りや坂道が息苦しくなり、一気には上がれなくなった。ゆっくり歩いたり、安静時でも、時々苦しくなる時もあり。咳はたまに出る程度。3月上旬に肺のCTを撮る予定なので、主治医はそれを見て判断するとのことですが、息苦しさを解消する方法はないのでしょうか? お忙しいところ恐れいりますが、宜しくお願いします。

長い経過で治療にあたってこられて大変であったこととお察し申し上げます。ここ最近階段の上りや坂道がつらくなったとのことですので、肺病変の進行が懸念されます。胸水が増加する場合、肺内病変が進行する場合のいずれも考えられますが、いずれにせよ息苦しさは我慢しづらく、また自分での対処の困難な症状ですので、早急に受診することをお勧めいたします。(文責 谷)

 

No.10093】  11年02月22日  M
術後治療の選択について(HPNo.10086-2)

HPNo.10086のものです。詳しくお答えいただき、ありがとうございました。質問1と3に関わることですが、再度質問させてください。

1) 最近はホルモンレセプターが1%でもあるとホルモン治療を行うとのことです。私の場合、主治医から5%未満(0%ではない)と聞いていますので、ホルモン治療を行うのが標準治療なのでしょうか。しかし、ごく弱いので、あまり有効では無いと考えられますか。
2) 5%未満ということで、谷先生は、アジュバントオンラインでホルモンレセプター陰性として見ていただいたのですが、10年無再発率の数値が変わってきますでしょうか。(化学療法の有効性が低くなるのでしょうか。)

よろしくお願いします。

1) 仰る通り、もしエストロゲンレセプターが1%以上(プロゲステロンレセプターはこの場合問いません)あるようなら、2009年開催されたザンクトガレン会議での決定事項に従うとするとホルモン感受性陽性となり、ホルモン治療も適応ということになります。しかし実際にはすべてに効果があるということではなく、「必ずしも効果がないわけではない」といった考え方であると私は理解しております。ですから、もしエストロゲンレセプターが1%であったとすると、やはり効果ある可能性はそれほど高くないと考えます。
2) ERが不明(=undefined)と設定し、他は同条件でAdjuvant!Onlineで検査すると、無治療の場合の10年無再発率は79%、化学療法を施行すると88%はER陰性の設定と同じですが、さらにホルモン治療(抗エストロゲン剤+LH−RHアゴニスト)を上乗せすると10年無再発率が90%になります。すなわち化学療法ののちさらにホルモン治療を行うと2%の上乗せ効果があるということができます。いずれにせよ、以上より化学療法の有効性が低くなるということはありません。(文責 谷)

 

No.10092】  11年02月22日  N
ノルバデックス服用による体重増加について

2007年5月に乳がん手術を受け、その後、ゾラデックスとノルバデックスでホルモン療法を行ってきました。ゾラデックスについては、3年間継続して昨年の5月で終了し、現在はノルバデックスのみ服用しています。生理は止まったままです(現在、43歳)。ゾラデックスとノルバデックス併用期間中は、特に治療前と体脂肪、体重とも変化がなかったのですが、秋頃より体脂肪、体重とも増加傾向にあります。特に生活習慣は、以前と変更していません。ノルバデックス服用のみに変更した場合でも、このような副作用はありますか。なお、更年期障害については、ノルバデックスのみにして以降、明らかに軽減されてきています。個人的にゾラデックスとの併用の方が、体重増加等の副作用が出やすいと思っていましたが、ノルバデックスの副作用も関係ありますか。ご教示、よろしくお願いいたします。

ノルバデックスの副作用に体重増加は確かにあり、私もしばしば経験します。正確なメカニズムはよくわかっておりませんが、脂質代謝に何らかの影響を与えるためと、よく言われております。一方、ゾラデックスには体重増加の副作用はあまりないとされておりますが、乳がん治療において、通常ゾラデックスはノルバデックスと一緒に用いられることが多いため、単独の副作用として経験することも難しいように思います。5年間服用とすれば、まだあと1年以上はノルバデックスを継続することになりますので、今まで以上に体重コントロールに留意していただきたいと思います。(文責 谷)

 

No.10091】  11年02月22日  B 
胸のしこり

木曜日に自分の腕が胸にあたった時に、いつもと違う弾力感みたいなものがあり、少し押えて触ってみると、左の乳首下横方向に大きなしこりがありました。昨日外科病院へ行きました。別の総合病院への紹介状をいただきました。お医者様が電子カルテに入力されるのを見ていたら、「3*3cm硬結」でした。その途中で診察室を出ましたので、全てを見たわけではありません。
診察時の様子は、「いつ気がつきました?」だけの質問でした。触診の時も少し触ったあと「どこ?」と、私にたずねられ、一瞬「先生が触ってもわからないのなら、しこりは私の勘違いかも」と思ったのですか、自分でしこりをさわりながら「これ違いますか?」と、お医者様に再度触ってもらったら確認できたようです。素人でもわかるくらい大きいのに、「どこ?」と冷たく言われたことに対し、大変失礼ですが本当に診る気あるのかな?ぐらいの不安な気持ちになりました。その後も「紹介状書きます」だけで、何も言っていただけないので、自分の方から「市の検診で2,3年前にマンモグラフィ受けた時は異常なしだったのに、もし悪い物だったとしても、こんなに早く大きくなることがあるんですか?怖いんです」と質問したら、「ありますよ」の一言だけで、お医者様との会話はこれだけです。触診だけでは判断できないので、余計な事は言われなかったのかもしれませんが、「悪い病気の可能性が大きいので、そんな感じの診察だったのか」とか、「悪いものではなさそうなので、腋の下のリンパとかはぜんぜん触られなかったのか」とか、いろんなことを考えてしまいます。
47歳で、食欲もあり、元気だと思います。胸の張りや痛みもありません。家族とも、「そんな大きな癌があれば、もうちょっと痩せてるよね?」なんて笑ってごまかしていますが、紹介された先生の外来担当日は水曜日なので、それまで待つのは不安で仕方ありません。もし癌だとしたら急激に大きくなっているので、かなり進行しているのでしょうか?
何かお言葉をいただければ、嬉しいです。よろしくお願いします。

ご質問に対してお答えする前に、まずわれわれ医師の言葉や態度で患者さんをこれほどまでに不安にするのだということを、いまいちど肝に命じ、今後の診療に生かしたいと思います。さて、ご質問に対してですが、直接拝見したわけでないので、まったくの推測だけでお話しすることになりますが、今回診察された先生は、カルテに硬結が3*3cmと書かれているとのことですので、「しこり」よりも「硬い乳腺」の存在を触診で感じたのかもしれません。もし「しこり」と感じたのならば、硬結でなく「腫瘤」と書いているのではないかと思います。あと、今回の先生は外科の先生でもあまり乳腺疾患の経験がなく、それで言葉数少なく紹介状をお書きになったのかもしれません。以上まったくの推測ですが、いずれにせよ一般に乳癌は急に進行することはまれですので、受診する水曜日まで、落ち着いてお待ちいただきたいと思います。(文責 谷)

 

No.10090】  11年02月22日  K.T.
再発転移後の治療について(HPNo.9899-3) 

いつも、参考にさせていただいております。前回も丁寧な回答をありがとうございました。今後の治療法について、また教えて下さい。
去年の10月の肝多発転移後、タキソールを1週目投与、2週休むを6クール終わったところです。
ここ数カ月の間、CA15−3のマーカー値がすこしずつ上がってきているとのことで(今月に入ってからの数値は40)、CT検査をして、今週結果がでます。
そこで、がんの広がりなどで、また治療法を選択しなければならないと思うのですが・・・。

1) 肝臓のがんが増える、あるいは他臓器に転移がみられた場合は、次に選択すべき治療法、薬は何でしょうか?
2) 前回のCTの結果、画像上みえるのは、鎖骨上リンパ節と肝臓の4,5個の転移ですが、どのくらい減るとホルモン療法にきりかえても大丈夫と判断できるのでしょうか? 主治医は外科医ですが、最初の転移がホルモン療法中の転移だったからか、ホルモン療法には消極的です。素人の考えですが、抗がん剤はいい細胞もダメにしてしまいすので、副作用の少ないホルモン療法に切り替えられるのならば、切り替えられたらと思うのですが、そのタイミングがわかりません。母は肝機能も今のところ問題なし、食欲もあり、とても元気です。
3) 治療法の選択の表が本などにのっていますが、そこに書かれている「生命を脅かす危険がある」という状態は、具体的にはどういう状態のことをいうのでしょうか? 母の肝多発転移はそれにあたるのでしょうか?

まとまりのない文章で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

1) 今までに化学療法としてはCEF、FECを、ホルモン剤としてはアリミデックスを使用してきており、今回はタキソールを使用しているとのことですので、もし今の治療法で病状の増悪がみられるようでしたら、タキソテールまたはジェムザールまたはナベルビンなどの注射抗癌剤か、ゼローダまたはTS−1などの経口抗癌剤のいずれかに変更するのが一般的ですが、ホルモン剤ならば、アロマシン、フェマーラ、ノルバデックス、フェアストンなどが選択肢に挙がります。現時点では、その中のいずれが勝っているとの証拠はなく、主治医の先生とよく相談して決定するべきであると思います。
2)3) とても的確なご質問です。現在のわれわれの再発乳がんに対する治療の基本指針の礎となっているのが、Hortobagyiのアルゴリズムといわれる考え方であって、それはまずlife threatening(=生命を脅かす状態)でなければホルモン療法を選択するべきであり、life threateningであれば化学療法を選択するべきである、というものです。しかしこのlife threateningには実はきちんとした定義はなく、それぞれの医師の判断で決定されております。重度でない骨転移やリンパ節転移などはlife threateningではないと判断し、お母様のような多発肝転移や多発肺転移、あるいはがん性胸膜炎などは一般にlife threateningな状態と考えることに異存はないと思われますが、単発の肝転移など軽度の肝転移や肺転移に対してホルモン剤の適応がないかといえば、case by caseであると私は考えます。それゆえ今のお母さまに対しても、もしホルモン剤をtryしたいと思うのであれば、私は決して間違った選択肢ではないと考えます。是非再度主治医の先生とよく話し合ってみてください。(文責 谷)

 

No.10089-1】  11年02月20日  N
今後の治療について

先月に左乳頭より黒っぽい血のような分泌物があり、マンモグラフィー→エコー。この段階で、医師より、「何も問題はないけど、折角来院したのだから、MRI(造影剤)をしてはっきりさせておきましょうか。」と、MRIを受けました。本当に、気楽に、気軽に検査結果の今日を迎えたのですが・・・。医師は、念ためにと行ったのに、どうやら組織採取の必要があります、と。画像断の結果、「左胸A領域に区域性分布・乳頭まで連続しており、乳管内進展を疑う」と、報告書にありました。そして医師からは、「かなりの確立で癌だと思われます。リンパへの転移はありませんでしたが、乳頭まで来ていて、小さいのがパラパラとありますので(ひとつの大きい物は8ミリ)、温存を選ぶよりも、全摘出が好ましいです。術後は、抗がん剤ではなく、ホルモン剤治療でいけそうです。」と、言われました。

1) 本当にいさぎが悪いのですが、組織採取を来週行いますが、癌ではなかったという、うれしい結果を聞く確立は本当にないのでしょうか。
2) 一年前にレディース検診にてエコーを行った時には異常はなかったのに、この一年の間に急速に進展する事はあるのでしょうか? (今回MRI前にエコーを行い、その時にも1cm弱のものがあるけど、これは悪性ではないから大丈夫だよ、と言われています)
3) 本当に癌だとして、リンパへの転移がない、というのは、早期発見と捕らえて良いのでしょうか?
4) リンパへの転移がないのに全摘出手術という事は、かなり病状が悪いのでしょうか?
5) 医師に、「まあ、早期に入るね。」と言われ、又、リンパ転移がないとの事で、現段階では他の臓器に癌が転移はないと解釈していいのでしょうか?
6) 来週初めに細胞検査がありますが、それまで生活で気をつける点等、ありますでしょうか?
7) エコー時に、「これは癌とか悪いものじゃないからね、大丈夫だよ。」と仰っていたにもかかわらず・・・。少し信用が失せたのも事実です。他院でも意見を聞きたいと思いますが、この考えは間違いでしょうか? とても動転してしまい、しっかり聞けず、質問攻めになってしまい申し訳ありません。色々調べていくうちに、一つの病院が気になり、ここでセカンドオピニオンして戴きたいと希望していますが、現在通院している病院で紹介状を書いていただけば良いのでしょうか。しかし、その場合、転院は出来ないと記憶しているのですが、もしセカンドオピニオン先で手術を希望しても不可能なのでしょうか?
8) リンパ転移は無いとの診断を受けましたが、「遠隔転移」の可能性はやはりあるのでしょうか? またその確率は何%程でしょうか。今後CTにて全身を(転移等ないか)チェックすると言われていますが、結果が出るのがとても怖いです。

長々と、長文になり、本当に申し訳ありません。宜しくお願い致します。37歳、既婚、小4、園児の子供が二人おり、授乳経験があります。

1) メールの内容からの判断ですので詳細はわかりませんが、癌でない可能性もあると思います。
2) 今回の検査で悪性が認められたとしても、マンモグラフィやエコーでは今回も悪性所見がないわけですから、1年前との比較はできないと思われます。
3) 本当にリンパ節転移がないのかどうかは手術をしてみないと分かりませんので、悪性であったとしても現段階で早期か否かはわからないと思います。
4) 温存術を選ぶか全摘出を選ぶかは、リンパ節転移の有無とは関係なく、あくまで乳房内への癌の拡がり方に依存します。よって病状の悪さとは必ずしも一致しません。
5) 他臓器への遠隔転移がある可能性は決して高いものとは思いませんが、今後CT検査など施行することによって、これらが明らかになってゆくものと思われます。
6) とくに生活において気をつけなければいけないことはありません。
7) セカンドオピニオンを希望される場合は、主治医の先生にお話して紹介状を書いていただくことになります。セカンドオピニオンの病院で手術ができるかどうかは、セカンドオピニオンの際にお聞きになるのがよろしいかと思います。
8) 前述の通り、リンパ節転移も遠隔転移も現時点ではないと断言できません。検査または手術で明らかになってゆくものです。(文責 谷)

 

No.10089-2】  11年03月01日  N
今後の治療について(2)

先日はとても判り易いご丁寧なお返事ありがとうございました。昨日、思い切って自分が希望していた病院へ行って参りました。マンモグラフィ、エコー、突刺吸引細胞診検査をやって戴き、少しエコー技師の方にお咎めされてしまいましたが、以前の病院でのMRI検査報告書を見ながら検査されていました(ウチの資料ではないし、貸し出し資料でもないので、参考までにと、見ていらっしゃいました) その後乳腺外来医師による診察(今後の予定等)がありました。「細胞診断がなければ何にもわからないし、答えられないけどね。わからないけど、DICSか乳管内乳頭腫、このどちらかかな、とは思っていますが、わかりません。来週ですね、ただ、そんなに心配しなくていいから。」とのことでした。私は何もないとは思っていないし、全摘出も覚悟しているのですが、少し先生のお言葉を聴いて心が落ち着きました。帰宅後疑問がわきあがってしまいました。

1) 今まで1月初めと、1月終わりのレディース検診にて、触診があり、どちらの方も、「何もありません、いいですね。」と仰っていたにも係わらず、昨日のエコー技師は、何もないはずの右胸を2.3回触って、「右は何も言われてないんだよね?」「はい」「おかしいなぁ」と、結局極小のしこり?か何かの存在を見つけ、左胸同様、組織採取。結果、「一週間後にはっきりするけど、右は問題ないと思います。」と仰って頂き、まずは安心ですが、こんな小さなしこりや、今まで触診でしこりが確認されなかった問題の左胸も、このエコー技師先生にかかると、触知できるのか、それともしこりが大きくなってるから? でも、右なんてめちゃくちゃ小さいし、左も8ミリ。触診される方により違ってくるのでしょうか? また、もし触診される方にレベルの差があった場合、見落としもあるのでは?と不安がよぎりました。なので、触知できるしこりがある場合、DICSの可能性はなくなってしまうのでは?と、心配です。
2) 「マンモグラフィーで検出出来なくてエコーで検出出来るものは 浸潤性であり、マンモグラフィーでのみ検出されるものは 非浸潤性である」と書いてある書物があったのですが、本当でしょうか? やはりDICSの可能性はないのでは?と不安です。

以上です、あと1週間、出来る範囲で知識を入れて診断に望みたいと思いますが不安です。

1) たしかに、検査を受けているときの技師さんの言葉や行動は気になるものだと思いますが、基本的にはあまり気にする必要はありません。最終的な結果を聞くまでは、心配だとは思いますが、取り越し苦労をせず待っていましょう。
2) そういうものもありますが、違うものもありますので、一概には言えません。(文責 俵矢)

 

No.10088】  11年02月19日  Y.K.
ホルモン剤副作用・骨密度低下について

何度かお世話になっています。51歳、2006年12月(46歳)に、左乳がんで温存手術を受けました。腫瘍1センチ、低再発リスクで、リュープリン・ノルバデックス服用を始めましたが、副作用がひどく、半年で中止、その後半年フルツロン・エンドキサンを服用し閉経しました。そのまま1年半経過後、主治医からアリミデックスを服用するように言われ、1年4ヶ月経過。アリミデックス服用前は骨密度がYAMの84%、飲み始めて8か月で74%に落ち、この時点からカルシウム・ボナロンの服用開始。先月、整形外科で骨密度がYAMの64%、減り方が急激と言われ、愕然としています。ビタミンDが追加され、毎日運動するように言われましたが、関節の痛みもあり、再発の不安に加え、圧迫骨折の不安も?と思うと滅入ります。やはりホルモン剤は5年間飲み続けた方が良いでしょうか? どうぞよろしくお願いいたします。

乳癌術後4年超、低再発リスク、いままでのホルモン治療や抗癌剤使用の経過と、現在の急激な骨密度の減少割合を考え併せえると、さらにアリミデックス(アロマターゼ阻害剤)を継続することは賛成しかねます。ただ以前ノルバデックスで副作用が出ており、抗エストロゲン剤も使えないとすると、ホルモン剤はこれで終了として、今後は骨粗鬆症の治療をしっかりとしていただくことがよろしいかと思います。ホルモン治療5年間というのは、あくまで目安であって、絶対的なものではありません。(文責 谷)

 

No.10087】  11年02月19日  M 
タモキシフェン服用中です

よろしくお願いします。現在48才、五年前に温存手術をし、現在ホルモン治療として、タモキシフェン服用中です。薬が子宮との関わりもあるため、定期的に婦人科で検診をしています。ここ最近、茶褐色のおりものが少量出るときがあります。10日程前に婦人科検診日があり、内診、子宮頸がん、体がんの検査はしたばかりで、子宮卵巣異常なし、がん検査も陰性の結果がでています。茶褐色のおりものが出ても、がんの心配はないでしょうか? 薬の影響や年齢もあるのか、生理も4ヶ月きていません。閉経が近くなり、ホルモンバランスの影響かなと思いつつも、再度がん検査をしたほうがいいのか、相談させていただきました。婦人科の質問になってしまい、すいません。

10日ほど前に子宮頸癌、体癌の検査をされたとのことですので、子宮がんの可能性は低いと思います。仰る通りタモキシフェンの影響や年齢の影響が十分考えられると思いますが、茶褐色の分泌が今後も続くのであれば、他の婦人科疾患を否定する意味でも、やはり再度婦人科を受診していただくのがよろしいかと思います。(文責 谷)

 

No.10086-1】  11年02月19日  M.S.
術後治療の選択について

43歳です。昨年温存手術をし、放射線治療中です。その後の治療についてお尋ねします。
病理検査の結果は、「浸潤癌 6ミリ リンパ節転移なし、 脈管侵襲なし Er・Pgr 共に5%未満 HER2 1+ MIB1 20% 悪性グレード2(核異形度3)」です。

1) 術後治療は、化学療法、ホルモン療法の両方をすることで無再発率がどの程度上がるのでしょうか。どちらか一つではいかがでしょうか。
2) 化学療法はたくさんあり、自分に適したものがどの治療法なのかはわかりません。長期間に及ぶ副作用が少ないものを希望したいと思いますが、TC療法、CMFやFEC、どの治療が良いのでしょう。
3) ホルモンレセプターが弱いので、ホルモン治療が効くかどうかの検査を受けてから実施した方がいいように思うのですが、検査自体の信頼度がまだ高くないのでしょうか。

1) ER,PgRともに5%未満とのことですのでホルモン陰性と考えると、ホルモン療法は無効ということになり、HER2(1+=陰性)の結果と合わせて、いわゆる「トリプルネガティブ」になります。Adjuvant!Onlineという米国のサイトで貴女の条件をあてはめて検索すると、無治療の場合の10年無再発率は79%、化学療法を施行すると10年無再発率は88%となっております。すなわち、化学療法を施行することで、再発率をおよそ半分にすることができるということができます。ただしこれは欧米人対象のデータであり、日本人とは多少異なる可能性もあるので、細かい数字はあまり参考にならないかもしれません。ホルモン陰性のデータですので、もちろんホルモン治療は効果が期待できません。
2) 貴女の仰る通り、どの化学療法が貴女に効果があるのかは誰にもわかりません。ですから標準治療に従うのが一番確率の高いよい化学療法の選択となります。43歳とまだお若く、トリプルネガティブであるとすると、アンスラサイクリンを含む療法(EC療法、AC療法、FECなど)にタキサン系の薬(タキソール、タキソテールなど)を加えるのがひとつの標準治療になりますが、TC療法など、それとほぼ同等と考えられる組み合わせの選択もありますので、主治医の先生とよく相談なさってください。
3) ここ最近の考え方は、ERが1%でもあればホルモン感受性陽性と考えて、ホルモン治療も選択肢に入れるというものです。貴女の場合、5%未満との表現だけですので、主治医の先生にお願いして、ホルモン感受性の精査をしていただくことが可能かどうか、お聞きになるのがよろしいかと思います。(文責 谷)

 

No.10086-2】  11年02月22日  M.S.
術後治療の選択について(2)

HPNo.10086のものです。詳しくお答えいただき、ありがとうございました。質問1と3に関わることですが、再度質問させてください。

1) 最近はホルモンレセプターが1%でもあるとホルモン治療を行うとのことです。私の場合、主治医から5%未満(0%ではない)と聞いていますので、ホルモン治療を行うのが標準治療なのでしょうか。しかし、ごく弱いので、あまり有効では無いと考えられますか。
2) 5%未満ということで、谷先生は、アジュバントオンラインでホルモンレセプター陰性として見ていただいたのですが、10年無再発率の数値が変わってきますでしょうか。(化学療法の有効性が低くなるのでしょうか。)

よろしくお願いします。

1) 仰る通り、もしエストロゲンレセプターが1%以上(プロゲステロンレセプターはこの場合問いません)あるようなら、2009年開催されたザンクトガレン会議での決定事項に従うとするとホルモン感受性陽性となり、ホルモン治療も適応ということになります。しかし実際にはすべてに効果があるということではなく、「必ずしも効果がないわけではない」といった考え方であると私は理解しております。ですから、もしエストロゲンレセプターが1%であったとすると、やはり効果ある可能性はそれほど高くないと考えます。
2) ERが不明(=undefined)と設定し、他は同条件でAdjuvant!Onlineで検査すると、無治療の場合の10年無再発率は79%、化学療法を施行すると88%はER陰性の設定と同じですが、さらにホルモン治療(抗エストロゲン剤+LH−RHアゴニスト)を上乗せすると10年無再発率が90%になります。すなわち化学療法ののちさらにホルモン治療を行うと2%の上乗せ効果があるということができます。いずれにせよ、以上より化学療法の有効性が低くなるということはありません。(文責 谷)

 

No.10086-3】  11年02月25日  M.S.
術後治療の選択について(3)

ご回答、ありがとうございました。ホルモンレセプターが1%でもあれば効果があるかもしれない、という程度なのですね。谷先生がエストロゲンレセプターを「不明」としてアジュバントオンラインで調べていただいたところ、化学療法のみと比較してホルモン治療を追加すると2パーセントの上乗せとのことです。長い期間の副作用や治療費を考えると迷います。

1) 前回と質問が重なるかもしれませんが、1%は「陽性」にはならないのでしょうか。また、アジュバントオンラインで数値が反映されるのならば1%で、(されないのであれば陽性として)調べていただくと再発率の結果はどのくらい変わるのでしょうか。1%でもあればホルモン療法を行うことが標準治療だから、と主治医には化学療法の後にホルモン療法をするように言われていますが妥当なのでしょうか。
2) NCCNのガイドラインを見ると、化学療法の後に放射線治療を行うように書かれています。もう放射線治療をしていますので、変更はできませんが、ガイドラインにそう書かれていると言うことは何か根拠があると思います。効果や副作用などに影響するのではないかと心配です。

よろしくお願いします。

1) 2009ザンクトガレン会議に照らし合わせますと、前回お答えしましたようにER1%は陽性と判断します。言いかえれば、2009年を境にそれまではホルモン陰性と判断していたものが、それ以降はホルモン陽性の判定になるということです。もちろん測定法が変化したとか、患者サイドの条件が変わったということではなく、われわれのホルモン感受性に対する考え方が少し変化したということです。ですから、たとえばERが50%以上の方であれば、ホルモン治療は十分の効果が期待できると考えられますが、ERが5%ならば期待もかなり薄くなり、1%ならばさらに薄くなるというのは、以前でも現在でも変わらず事実です。ただ可能性が低くても少しでも効果ある可能性があれば、それを「ホルモン感受性あり」としよう、という考え方になったとお考えください。2009年を境にER1%の方に急にホルモン治療が効果あるようになったわけではありません。よって、主治医の先生がERが1%でもあればホルモン治療が標準治療だからというのは正しいし妥当な選択ですが、それを選択するか否かは貴女の選択ということになります。このようにホルモンステータスがもともと微妙でありますので、Adjuvant! Onlineの数字もあまり気にされず、参考程度にとどめられるのがよろしいかと思います。
2) 乳癌術後に化学療法と放射線療法の双方を施行する場合、先に化学療法を施行することが多いのは事実であると思います。一般に全身療法である化学療法を、局所療法である放射線療法よりも先に施行する方がベターというように表現されます。ただ実際はどちらが先でも大差はないというのが一般的な見方です。よって、もし化学療法をお受けになるのなら、放射線療法が終わってからで十分であると考えます。(文責 谷)

 

No.10085-1】  11年02月19日  T
分泌液 細胞診の結果

1週間前、市の乳がん検診時に乳首からの分泌液がありました。その日に透明だったものが、血に変わり、その日の夜に、乳腺外科の専門の病院にて、マンモグラフィー、エコー、分泌液(血)の細胞診をして頂きました。マンモグラフィー、エコー、触診は異常なしでした。本日細胞診の結果を聞きに行ったのですが、悪性は認められず。泡沫細胞+、赤血球+−、白血球+−。クラスUと記載されていたのですが、異常なしと思っていてもいいのでしょうか?
本日診察時に分泌液(血)が出ましたが、「前より黒くなってるから、もうすぐ止まるかも。」と、言われました。再度エコーを取っていただきましたが、やはり何も無いそうです。このような場合、乳がんの心配があるのでしょうか? 3ヶ月後にまた来診と言われたのですが、3ヶ月も何もしなくて大丈夫なのでしょうか? 異常が(癌)無くても、このような分泌液(血)が出る事もあるのでしょうか? 今までこんな経験がなく、とても不安です。よろしくお願いします。

乳頭からの分泌に血が混じる(血性乳頭分泌)場合、外傷の既往や、乳癌、乳管内乳頭腫、乳管拡張症などの疾患が考えられます。現時点では検査で異常が見当たらず、細胞診でもクラスUとのことですので、悪性所見はなしと判断して、慎重に経過を見てゆくのがよいと思います。今後何らかの症状が検査で明らかになってゆく可能性もあるかと思いますが、分泌はあるけれども何回検査してもほかに異常のない方もしばしばいらっしゃいます。現時点では、3ヶ月後の検査をお受けになるのがベストであると私も思います。(文責 谷)

 

No.10085-2】  11年05月02日  T
乳頭からの出血

以前乳頭からの出血でご質問させていただきました。お答え頂きありがとうございました。あれから、毎月一度エコーを乳腺外科専門の病院にて、診ていただいていますが、やはり何も異常がないといわれます。出血も止まったようで、全く出血もしていません。マンモ、エコー、触診でも異常なし。このまま出血も無ければ大丈夫と思ってもいいのでしょうか? 出血があれば、乳管造影の検査もできるが、その必要もないと、医師からは言われています。乳がんの心配は無いと、先生からは言われましたが、安心していいのでしょうか?

血性乳頭分泌が一過性で、MMG・超音波で乳管内乳頭腫以上の病変が見られないのなら、問題なしだと思います。(文責 久保内)

 

No.10084】  11年02月19日  L
ノルバテックス服用中の生理

H18年9月、健診にて右乳房石灰化を指摘され、H19年1月、右乳房部分切除術。断端陽性の為、H19年5月、右乳房切除術、及び胆のう腺筋症に対し、腹腔鏡下、胆のう摘出術施行。H19年9月シリコンバック挿入。
H19年5月より2年間、ゾラテックスを注射、現在はノルバテックス服用中です。今年の1月、突然生理が始まりました。服用中は生理が無いものと思っておりましたので、大変驚きました。久しぶりの為か、多量でした。婦人科健診では特に異常はありませんでした。

1) 生理は乳がんに良くない影響があると聞きましたが、このままノルバテックス服用だけで良いのでしょうか?
2) 毎朝、生姜湯を飲んでいますが、ノルバテックスの効果に影響がありますか?

以上2点、ご質問致します。

1) ゾラデックスは2〜3年投与、ノルバデックスは5年投与が標準治療です。ゾラデックス使用中は生理が来ませんが、ゾラデックスを終了してノルバデックスだけになると、貴女のように生理が戻ることもしばしばあります。すなわち標準治療通りであり、このままで問題ありません。
2) 生姜湯とノルバデックスの効果との間に何の関連もないと思います。(文責 谷)

 

No.10083】  11年02月16日  S.S.
次の抗ガン剤について

何度か質問させていただいています。いつも丁寧な回答をありがとうございます。75歳の骨転移した母について質問いたします。
手術後20年で骨転移し、5年間再発治療をしています。使用した薬は、「アロマシン→フェアストン→フェマーラ(ここまでで約3年)→ゼローダ(約半年)→タキソール(4クール=12回)→トポテシン(去年の7月〜10月)」です。夏の暑さもあってか、全身状態が悪くなり、39度を超える発熱2度、顔面麻痺2度で現在も治っていない、原因不明のふらつきが現在も続く→ジェムザール(11月〜) 腫瘍マーカーが上昇を続け、CA15-3は11月600台だったものが、現在は900台です。また、再発1年後からゾメタを続けてきましたが、去年の夏にもともと抜けていた下歯が痛みだし、ゾメタの影響も考えられるとのことで、この3ヶ月は休んでいます。(現在は痛みもなく、新しい歯が生えてきて、ゾメタ再開も考えられるとのこと)
先日主治医から、全身状態が非常に悪いため、抗ガン剤の継続について考えたほうがいいと言われました。母にはそういった状況は伝えていませんが、「つらくても抗ガン剤治療は頑張る」と常日頃言っているので、主治医も本人の希望を最優先にとのこと。しかし、使える抗ガン剤が少ないとのことです。新しく認可された薬もあるが、副作用等を考えると・・・と。とりあえずゼローダと何かの組み合わせなどを考えていると言うのですが・・・。もうこの年まで頑張ったんだから・・・と言われることは十分承知の上で、この状態の母が次に使うとしたら、どのようなものが考えられますか。もちろん、状況を確認しながら、無理ならば断念することも承知の上です。教えていただけたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

ご相談どうもありがとうございます。お母様は、これまで十分に頑張って来られてますので、体力が落ちてしまった今、抗がん剤をそれでも続けるべきかどうかは難しい問題です。ご自分で身の回りのことが出来ない様な状態だとしたら、もう抗がん剤治療はするべきではありません。おそらくお話からは、お母様の人生を充実させるための方法を皆様でお考えになることが大切であると考えます。これは、あきらめましょうと、いう意味ではありません。大切なお母様と皆様の時間を見つめ直し、なにを一番大切にするか、ご相談ください、ということです。緩和ケアも、大切な治療です。お気持ちを元気にして、お好きなことをされることで、命はのばすことができます。どうしても、抗がん剤をという場合には、ナベルビンもございます。先生と良くご相談くださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10082】  11年02月16日  R 
左鎖骨上にしこりについて  

昨年7月に検査の結果、乳がんと診断された母(75歳)の事なのですが、北海道から子供のいる横浜がんセンターに通院(検査の時等に上京)して、ホルモン治療中です。左鎖骨上にしこりがあります(ワキにも数ヶ所)。その鎖骨上のしこりが、あったものが無くなったり、肩の方に移動して硬くなったりといった変化が見られます。これは、よくある症状なのでしょうか? 悪化なのか、良化なのかもわらずに懸念しています。言葉足らずで申し訳ありません。宜しくお願い申し上げます。

ご相談どうもありがとうございます。大切なお母様に関するご相談ですね。少しでもお力になれましたら、幸いです。もし、腫れているのがリンパ節だとしたら、コロコロ移動することはありません。超音波検査で、原因を調べていただいてくださいね。お話だけでは、なんとも判断が難しいです。先生にご相談してみてくださいね。(文責 高橋)

 

No.10081-1】  11年02月16日  M.K. 
放射線治療を行うべきか?

いつもこのサイトに励まされ、相談室の情報を参考に癌治療に取り組んでおり、感謝を致しております。
下記の状況で、主治医より、「放射線治療は行えば効果はあるが、行わないという選択肢もあるので、考えてみるように。」との指示を受けました。

1) 下記の状況下で一般的にはどちらの選択をすべきでしょうか?
2) 放射線治療を始める時期 (手術は1月19日に行いました)、メリットデメリットも教えて下さい。

49歳既婚、16歳の子あり。昨年末に右胸内側下部に悪性疑いのある乳線腫が見つかり、1月19日に乳房温存術(扇状)で摘出を行いました。病理検査の結果は、「・非浸潤の乳管がん ・腫瘍の大きさ 0.5cm ・高度ホルモン反応症 ・グレード1 ・病気0 ・腫瘍のまわり1.2m以内に異常なし」です。手術後の治療は、「・タスオミン20gを2〜3年服用のみ。(2月9日より開始) ・放射線については任意」ということです。宜しくお願い致します。         

ご相談どうもありがとうございます。乳房温存術の大原則は、術後放射線治療を行なうことです。温存術後に放射線治療を行わないのは、まだ結論の出ていない治療法です。一方、非浸潤がんの術後にホルモン療法をするべきかどうかも議論の別れるところです。ですから、放射線治療をしなくてよい根拠とホルモン治療をしなければいけない根拠を、もう一度先生にお尋ねくださいね。やはり、納得して治療を受けることが大切ですからね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10081-2】  11年06月11日  M.K. 
良性乳腺腫の悪性化について

主治医から「放射線治療は任意」とされ、相談室に投稿。2月16日にHPNo.10081で、高橋先生にご回答を頂いたM.Kです。その後、頂いたご回答に背中を押され、放射線治療を完了。安心感を得られ感謝しております。今回は新たな心配事で、現在手術した反対胸にある良性の乳腺腫が悪性化しないか?という内容です。摘出をした癌は、
22年6月・・・健康診断で発見され、良性の乳腺腫と診断。主治医から「良性だが、心配だったら半年後に来てみて」と言われた。
22年12月・・・半年後エコー診断で癌疑い。
23年1月・・・・摘出手術をして病理検査の結果、非浸潤のグレード1病期0の乳管癌と診断された。前記の放射線治療を終え、現在タスオミン3年服用のみの治療中。この時期にエコーで反対の胸に新たな良性の乳腺腫が2つ見つかった。 
         
私としては、これも前回同様に悪性化するのではないかと心配でなりません。手術時から退職により主治医の先生が交替しましたが、新しい先生は1月の新しい乳腺腫発見時に、「明らかに良性なので、1年後の定期検診まで心配不要」と診断。「前回は発見時に腫瘍が小さすぎて、前の先生が悪性で有る事を見極められなかっただけ」との説明で、今のところ不安を訴えても診察をして下さいません。CEAは4月時0.5です。良性からの悪性化を疑う必要は本当にないのでしょうか? とても心配で、半年近く経過したので、より強く主治医に診察を希望するか? 不可能ならば他院で診察を受けることも考えています。ご意見をお聞かせ下さい。

ご相談どうもありがとうございます。治療、そして定期検査に頑張っていらっしゃいますね。素晴らしいと思います。さて、良性の腫瘍が悪性化するのか、というご相談ですね。本当にエコーなどで見つかった腫瘍が良性であるかどうかは、実は腫瘍を完全摘出しないと判断は難しいです。しかし、女性の胸にできたしこりを全て摘出するのは非現実的です。ですからあらゆる方法で良性であることを確認するのです。もしどうしてもご心配であれば、別の乳腺外来をご訪問いただき、マンモグラフィーや乳腺エコー、ならびに乳腺MRIや針生検などをおこなってみるのも良いかと存じます。もちろん先生のおっしゃるとおりに定期検査をおこなっていれば良いかと思いますが、ご不安なまま一年を過ごされるよりは、前向きに行動するのも良いでしょう。御自分で納得できる答えをみつけましょうね。またご相談くださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10080】  11年02月16日  S
水の袋について

先週、右胸にしこりがある気がして外科に行きました。エコーで検査したところ、右胸は異常なしで、左胸に6ミリの水の袋があると言われました。「心配なら半年後、そうでもないなら一年後にまた検査に来て。」と、言われました。私はうつ病で、すごく心配症です。

1) この水の袋はがんになりますか?
2) 細胞診をしないで、がんじゃないとわかるのでしょうか? 触っても自分ではわからないです。
3) 34歳なんですが、いつもエコーだけです。乳腺が発達してるから、マンモよりエコーのほうがいいといわれて・・・。
4) 乳腺外科など探して、すぐ行った方がいいでしょうか?

沢山の質問、すみません。

ご相談、どうもありがとうございます。ご不安になってしまったのですね。お話からは、いわゆる嚢胞(のうほう)であろうと思います。先生のご説明通りであれば、針を刺さなくても良性と判断して良いと思います。悪性に変わることも無いでしょう。嚢胞は純粋な水のたまりです。もともと良性のものです。もし、乳腺外科受診によって安心できるのでしたら受診してみてください。同じお話をいただけると思います。ご心配であれば、若い方でもマンモグラフィーを行います。遠慮なくおっしやってみてくださいね。それでは応援しています。(文責 高橋)

 

No.10079】  11年02月13日  K.N.
経口薬について

初めてご相談させていただきます。年齢60歳、昨年7月に右乳房全摘出手術をしました。
腫瘍の大きさ 20×13mm 
浸潤性乳管がんの硬がん リンパ管侵襲あり 静脈侵襲 無し 
核異型2点、核分裂1点 合計3点よりグレード1
リンパ節郭清  レベルT(0/8)  レベルU(0/4)   レベルV(0/1)
転移無し 
ホルモンレセプター ER(100%) PgR(90%)
HER2 スコア1

術後3週目から、抗がん剤タキソテール40mgと、ピノルビン30mgを、2週間おき交互に6クール予定で始めましたが、4クール目のタキソテール点滴直後と、夜寝るまえに激しい動悸があり、4クールのピノルビンで中止となりました。その後2週間空けてUFTを飲み始めました。

◎現在の経口薬
ツムラ補中益気湯 朝夕一包
フェマーラ2.5mg 朝一錠(術後1週間目から)
タガメット200mg 朝夕一錠ずつ(術後1週間目から)後にエスメラルダ200に変更
UFT配合カプセルT100 朝夕一錠ずつ(抗がん剤中止後2週間目から)
アルファロールカプセル0.25 朝一錠
アモバンテス7.5

1) タガメットは免疫力が上がると言われ、術後1週間目から服用しています。しかし「タガメットは、ホルモン陽性の乳がんの場合は悪影響が出る可能性もあるので、慎重にした方がいい 」と言うような記事を複数見ましたので、中止したほうが良いのではないか。
2) UFTの量が標準治療より少ないですが、この量で効果があるか。

以上2点をご相談したくメール致しました。どうか宜しくお願い致します。

ご相談、どうもありがとうございます。腫瘍のサイズやホルモンレセプター強陽性、リンパ節転移がないこと、核グレードが1であることなど、ホルモン療法のみで十分予防効果がありそうですね。抗がん剤治療を積極的におこなうのは、きっと主治医の先生がK.N.様を大切に思う気持ちからなのでしょう。タガメットは一時、免疫力を高めるからと医師たちも処方していましたが、今あまりそれを信じて処方している医師は少ないと思います。もともと胃薬ですから、ホルモンとの関係も特にご心配なさらなくて良いでしょう。ご心配でしたらおやめになって良いと思います。UFTEは確かにごく少量ですので、内服の効果が期待できるかどうか分かりません。主治医の先生は副作用をご心配なさっているのだと思いますので、もう一度主治医の先生にご相談してみてくださいね。今までしっかりと治療をお受けになってきて、素晴らしいと思います。でも、このようにご不安になったときには立ち止まって、じっくり今後のことを主治医の先生とお話になった方がよいと思います。またご不安な時にはご相談くださいね。(文責 高橋)

 

No.10078】  11年02月13日  P
エコーとMRIの違い

いつも拝見させてもらっています。現在術前の抗がん剤での治療中で、FEC4クールが終わった段階でエコーをしたところ、3.5cmの腫瘍が2cm程になった、と言われ、1w前に検査したMRIの結果は、ほぼ腫瘍は消えたとの事でした。この結果の違いは、どちらが正しいのでしょうか? どうぞ、宜しくお願いいたします。

ご相談、どうもありがとうございます。一つの検査結果だけで、治療の効果を判断するわけではありません。でも明らかに改善していることは、とても喜ばしいことですね。このあとタキサン系の薬剤を使用するのでしょうか。エコーは腫瘍があったところの影を評価し、MRIは腫瘍への血流を含めて判断しておりますので、MRIの検査結果の方が信頼性は高いかもしれませんが、MRIもホルモンバランスの状況によって、良い方向に診断してしまう場合もあります。まだ治療の途中であれば、今の時点で「腫瘍が消えたからもう治療はやめた。」と思わない方が良いと思います。治療を継続なさって、また検査をお受けになってくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10077】  11年02月13日  M
抗がん剤の効果について

先月1月14日に左側皮下乳腺全摘、リンパ節郭清をうけました。46歳閉経前です。術後病理の結果 しこり2.2cm リンパ節転移2/17個 核異型グレード(1) ER(+) PgR(+) Her2 (−) Ki67は検査中です。同時に子宮頚がんの高度異形成〜上皮内がん(同じ標本でも検査する人が違うと結果もかわるのですね)と、子宮筋腫こぶし大がみつかり、子宮と卵巣の全摘をすすめられています。「子宮のこともあり、まずはホルモン治療から始めておきましょう。」ということで、ゾラデックス注射とノルバデックス服用を始めました。Ki67の結果をみて、婦人科の術後に6カ月間の抗がん剤をといわれていますが、やはり抗がん剤は、避けられないものでしょうか? やらなかった場合には、再発の可能性はかなり高くなってしまうのでしょうか?

ご相談、どうもありがとうございます。リンパ節転移が認められることから、再発のリスクは高いと判断せざるを得ません。具体的な数字はadjuvant onlineで計算しますと、10年後までの再発率37%となります。ホルモン治療単独でこの数字を24%にまで改善させることができ、さらに抗がん剤を追加することにより、再発率は16%まで改善します。この数字をもとに、判断しなければいけません。主治医の先生ともご相談し、一つ一つ解決していきましょう。ご不安な時には、またご相談くださいね。(文責 高橋)

 

No.10076】  11年02月12日  H 
今後の治療について

いつもありがとうございます。ハーセプチン+さまざまな抗がん剤の後、肺転移が広がり、咳も辛く、タイケルブ+ゼローダにしましたが、水下痢がひどく、マーカーもさらに上昇しました。ハーセプチンに戻し、ジェムザールと併用しています。背中も痛み、これは咳から?それとも骨に…? モルヒネも処方され、今後治療はどうなっていくのか、アブラキサンはハーセプチンと併用できますか? エリブリンはどうでしょうか? お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。

ご相談どうもありがとうございます。痛みや色々な症状で、体がおつらく悲しいお気持ちになってしまいますね。まずは、痛みを医療用モルヒネでしっかりと抑えていただき、落ち着いて次の治療を考えましょう。アブラキサンとハーセプチンとの併用については現在有効性を確認中ですが、アブラキサン単剤の投与は候補にあがってくると思います。エリブリンも転移性乳がんの患者様の延命効果に期待されています。主治医の先生に、どの治療を次におこなっていくのが良いのか、ご相談くださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10075-1】  11年02月12日  M
FEC副作用

いつも、こちらの相談室で勉強させていただいております。71歳の母が、現在、術後化学療法としてFECの3回目を終えました。1,2回目は、投与後1週間を過ぎると大分体が楽になったようなのですが、今は2週間近く過ぎても全身がだるく、何よりも味覚障害が酷いようで、食べるもの全てが美味しく感じられず、自分の唾液でさえも苦く感じるようです。3回目の投与時に亜鉛の薬を処方して貰ったそうなのですが、一向に効く気配はなく、FEC投与が終了してからも、この味覚障害が続くのであれば悲劇と、落ち込んでいます。また3週間前くらいから空咳が出ており、不安に思い医師に相談し肺のCTを撮ったところ、肺炎、肺癌の心配はなさそうと言われたそうなのですが、依然空咳が続いているようで不安です。FECの副作用を調べたところ、「咳が出る」症状は記載されていなかったのですが、副作用として空咳が出るということもありますでしょうか。また、CT検査と同時に血液検査をした際に、CEAが少し高めと言われたそうで不安です。病理検査結果では、リンパへの転移はなかったのですが・・・。CEAの値については、どのように捉えたらよいでしょうか。FECは6回投与を予定しており、3回は終了しているのですが、辛い味覚傷害により、体力・免疫力を奪われつつあるようで、4回で投与を中止しようかとも悩んでいます。母の病理検査結果は、27mmの浸潤癌(特殊型)で、リンパ節転移なし、ホルモン受容体陽性、HER2マイナス、リンパ管侵襲なし、核異型度軽度というものでした。お忙しいところ申し訳ありませんが、ご意見下さいます様、お願い申し上げます。

御質問どうもありがとうございます。抗がん剤では色々な副作用が起こりえます。命に関わることは稀ですが、食欲が落ちたり、口内炎ができたり、味覚障害、間質性肺炎などが起こりえます。胸部CTできちんと確認していれば、まず問題ないと思います。CEAは一時的に変動することもありますので、一喜一憂せずに引き続き経過をみていきましょう。抗がん剤は途中でやめると、今までの治療効果は、ほぼゼロになるというデータがございます。治療が終了すれば多くの症状は改善いたしますので、M様の役割としてはいかにお母様を励まして、治療を継続するか、ということになります。再発すれば、もっとおつらい状況になってしまいますからね。何が一番大切か。それをお母様と御一緒にお考えになって、これからも御一緒にがんばってくださいね。(文責 高橋)

 

No.10075-2】  11年03月05日  M
タキソテールについて

先日は、FECの副作用について【No.10075】、御回答頂きまして本当に有難うございました。
71歳の母の病理検査結果は、27mmの浸潤癌(分泌型)で、リンパ節転移なし、ホルモン受容体陽性、HER2マイナス、リンパ管侵襲なし、核異型度軽度というものでした。母は術後化学療法としてFEC6回と主治医より言われていたのですが、FEC4回目の今日、リンパ転移は見られないものの、分泌癌という特殊な癌であることもあり、FEC4回を終えたら、タキソテール4回を投与する様にすすめられたそうです。タキソテールはアルコールに弱いと副作用がキツイと聞いたことがあるのですが、母は全くお酒に弱いので、とても心配です。今でもFECの副作用で酷い味覚障害があり、体重も3Kg近く落ちてしまい、体力・免疫力もおちていってしまうのでは…と不安でなりません。あまりに辛いようなら途中でやめても…と先生にも言われたそうですが、前回こちらで頂いた御回答で、「抗がん剤は途中でやめると、今までの治療効果は、ほぼゼロになるというデータがございます。」とあり、何が何でも続けなければ無意味なのでしょうか。タキソテールの副作用は70歳を超えた母でも耐えられるものでしょうか。前回、血液検査をした際にCEAが11と少し高めだった為、CTを撮ったところ異常はなく、胃カメラをしたところでも異常はなかったそうで、次回は大腸を検査する予定だそうです。CEAの値については、10以上であると癌の疑いが強くなるのでしょうか。お忙しいところ申し訳ありませんが、ご意見頂けると大変有難いです。宜しくお願い申し上げます。

FECの量がわかりませんが、一般に使う量であれば、71歳のお母様には、きつそうかなと思います。化学療法は、決まった量を決まった時期に行うのが基本ではありますが、同時に化学療法により重篤な副作用がおこることもあるので、続行が困難な副作用が出現した場合は途中で中断したり、減量せざるを得ないこともあります。「途中でやめると効果がゼロになる」というより、中断した場合には完遂できた場合と同じ効果は保証できないといったほうが適切かと思います。つまり中断した場合の再発リスク低減効果はどのくらいになるかはよくわからないと考えていただければと。
タキソテールは通常アルコールで薬剤を溶かすので、アルコール過敏な方は使いにくいという意味です。手間はかかりますが、アルコール以外のものでもなんとか溶解できますので、アルコール過敏の患者さんにはアルコールを使用しないでがんばって溶解してもらっています。タキソテールに耐えられるかは、やってみないとわからないというのが正直なところです。同じ年でも意外と大丈夫な方もいらっしゃるし、やはりかなりつらそうな方もいらっしゃいます。ホルモン陽性の程度や、FECでどの程度の骨髄抑制その他の副作用がでているか、ご本人の希望も鑑みて決めることになります。そこは、主治医と十分相談なさってください。主治医に正直に「つらい」と伝えていただいてよいと思いますよ。
CEAは腫瘍だけでなく、軽度の上昇ならば、喫煙者や糖尿病患者さんでもよくありますし、検査して異常ないのであれば、もう少し値の推移を経過をみるとよいと思います。(文責 俵矢)

 

No.10075-3】  11年05月02日  M
抗がん剤の副作用でしょうか?

先日は、タキソテールについて【No.10113】御回答頂きまして、誠に有難うございました。
71歳の母の病理検査結果は、27mmの浸潤癌(分泌型)で、リンパ節転移なし、ホルモン受容体陽性、HER2マイナス、リンパ管侵襲なし、核異型度軽度というものでした。母は、術後化学療法としてFEC4回目をやった後、念の為タキソテール4回を投与する様にすすめられたのですが、担当医は新人さんの様で医師会議で「過剰医療では」という話になったそうで、結局はタキソテールはやらず、現在はホルモン治療としてアリミデックス錠を服用しつつ放射線治療中です。今回、教えて頂きたい事ですが、母はFECの副作用で酷い味覚障害となり、硫酸亜鉛を処方されて1ヶ月ほど飲んでいるのですが、あまり改善されず、またFECを開始してから口下炎も酷く、舌の縁側が青紫になってしまい、2/16にFECの4回目を終えてから2ヶ月近く経つというのに、未だに舌が治りません。「もしかして舌癌ではないか?」と主治医に相談しても、「CEAの値も前回よりも下がっているし、大丈夫ではないかと…あと1ヶ月以上様子を見てみましょう」と、言われたそうです。CEAの値ですが、前回10で今回は7だったそうです。主治医の先生は、舌の病気について詳しくなさそうで、舌の症状について、FECの副作用なのか、そうではなく別の病気なのかハッキリせず不安です。舌の異常はFECを始めてから起きたには違いないのですが、治りが悪いのが気がかりです。お忙しいところ申し訳ありませんが、ご意見頂けると大変有難いです。宜しくお願い申し上げます。

FECの副作用での舌炎や味覚障害は、通常投与中止後徐々に改善するはずです。耳鼻科や口腔外科で診察をお受けになったらいかがでしょうか?(文責 久保内)

 

No.10074】  11年02月12日  Y.M
骨転移の治療について

52歳女性、骨転移の治療についてご相談させて頂きます。1999年乳癌温存手術、2004年肺転移、その後2007年胸膜転移、2008年に多発性骨転移と診断され、それまで飲んでいたフェマーラからフェアストンに変わりました。
昨年秋から腫瘍マーカーのNCCST‐439が急激に上がって46になり、現在は74になりました。主治医より、「骨転移が2割位増大してるのでホルモン薬を変えた方が良いかもしれない」と、言われました。昨年秋からフェアストンの増量をしてもらっていますが、腫瘍マーカーは下がらず、効果があまりないようです。主治医からは、「フェアストンにアロマシンを足してみたらどうか?あるいはヒスロンにゼローダまたはTS‐1」と言われましたが、一般的でないように思いますが、いかがですか? また、ノルバデックスも一度も飲んでないので試してみたい気がしますが、主治医からは、「抗エストロゲン剤で同じグループなので、効かないと思う」と言われ、戸惑っています。今まで飲んだホルモン薬はアリミデックス,アロマシン,フェマーラ、そして現在はフェアストンです。抗がん剤は肺転移の時にCE療法を受け、がんは消えました。それからは抗がん剤は受けていません。お忙しい所、長い相談になり申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いします。

ご相談どうもありがとうございます。あらゆる治療方法を、一つずつ順番におこなっていくのが、転移性閉経後乳がんの治療原則となります。ですから、今までホルモン治療としてお受けになってこられたように、アロマターゼ阻害薬から開始し、タモキシフェンへ変更して行って、有効でなければヒスロンを使用します。さらに、もし抑制効果がみられなければ、今まで使用されていない点滴抗がん剤であるタキサン系薬剤、あるいは内服抗がん剤であるゼローダやTS-1が選択肢にあがってきます。フェアストン(トレミフェン)とノルバデックス(タモキシフェン)の効果の違いは、使用してみないと分かりませんが、薬剤の系統は異なりますので、効果を確認しても良いかもしれません。また、もし痛みがあるようでしたら、こちらも我慢せずに主治医の先生におっしゃってくださいね。(文責 高橋)

 

No.10073】  11年02月08日  Y.N
タモキシフェン終了後の治療について

毎回 的確にご回答いただき有難うございます。昨年5月に5年のタモキシフェンを終了し、今のところ状態も落ち着いており、半年ごとの検査の予定になっております。最近になって、「タモキシフェンを10年飲んでも良い」と耳にするようになりました。副作用もそれなりにありましたが、予防の観点から、今からでも再開は可能でしょうか。現在52歳ですが、生理も順調にあり、閉経にはまだほど遠いようです。 また、「治療期間が空いていても、閉経後にフェマーラが有効」と何かで読んだ記憶(?)がありますが、いかがでしょうか? 最近になり、落ち着いた半面、不安に駆られることもしばしばです。主治医との関係があまり良くなく、話づらい事も今まで多々あり、落ち着いている間に転院をも思案中です。よきアドバイスを、よろしくお願致します。

癌の悪性度やリンパ節転移の状況、ホルモン感受性の強度などの要素によってはホルモン療法を10年間継続することが良いとする考えもありますが、確固としたエビデンスにまでは至っていないのが現状です。ご質問の内容では、そのあたりが不明なので、何ともいえません。(文責 首藤)

 

No.10072-1】  11年02月08日  S
閉経していなかった場合の治療法について

2004年7月に乳癌の手術をしました。乳管内の広がり8センチ、一部浸潤、リンパなどへの転移はありませんでした。ホルモン感受性ありということで、4年間ゾラデックス、1年間リューブリン+フェアストンの服用をし、現在はフェアストンのみの服用です。2009年7月に最後のリューブリン、その後1年半経ちますが、生理が戻らないので、もう閉経したのだと思っていました。担当医も、「女性ホルモンの状態を調べて、閉経しているようであれば薬を変える」と言っていました。ところが、先日婦人科検診を受けたところ、超音波検査で「排卵しそう」だと言われました。まだ出血はしていないものの、閉経したと思っていたのでショックを受けています。血液検査をして、女性ホルモンの状態を調べてもらうことにしておりますが、もしまだ閉経していなかった場合の治療法はどうなりますか? 生理が始まると、再発や転移の可能性は高くなりませんか? 再度、リューブリンの必要はありませんか? 質問ばかりで申し訳ありませんが、再発や転移のリスクは少しでも減らしたいので、よろしくお願いします。ゾラで生理を止めたときの更年期障害もひどかったので、このまま閉経になればと思っています。現在の年齢は48歳8ヶ月です。よろしくお願いします。

閉経前乳癌の補助療法としては、これまで適切な治療がなされてきたものと考えられます。主に乳管内癌で一部浸潤癌であった状況からは、閉経前の状況であればフェアストン内服の継続で経過観察されることがよろしいのではないでしょうか。(文責 首藤)

 

No.10072-2】  11年02月25日  S
今後の治療について

いつも拝見させていただいております。前回はNo.10072でのご解答、ありがとうございました。先日受けた婦人科検診の結果は次の通りでした。
子宮頸がんの細胞診の結果は、毎回クラス1で問題なかったのですが、体癌のほうがクラス3になっていました。半年前の検査ではクラス2、その一年前はクラス1ですが、それ以前は2回ほどクラス2になった事があり、半年毎に検査を受けていました。子宮の内膜の厚みもあるということで、外来で少し広範囲に内部を掻き取る検査(正式な名前はわかりませんが)をし、2週間後に結果が出ます。結果次第では入院して内視鏡検査になるそうです。2004年9月から6年間ゾラとリューブリン+フエアストンで治療をし、現在はフェアストンのみの服用です。生理もずっとないので閉経かと思っていましたが、昨日から出血が始まっています。ただ、これは生理なのか検査によって内膜が傷ついたのか判らないのですが、下腹部痛もあり、生理の再開かとも思います。前置きが長くなってしまいましたが、質問は次の点です。

1) 子宮体癌の細胞診がクラス3です。このままフェアストンを飲み続けてよいのでしょうか?
2) リューブリンをやめて一年半以上経って生理が再開する事はあるのでしょうか?
3) もし子宮体癌だった場合、乳癌の治療法に変更が出ますか?
4) 生理の再開は乳癌の再発に影響がありますか?

以上よろしくお願いします。

1) そのまま服用で問題ないと思います。
2) ありうると思います。
3) もし子宮体癌の診断になったすれば、婦人科の指示に従うことになります。フェアストンも中止となるかもしれません。
4) リュープリンをやめた段階で生理の再開の可能性は当然考えており、生理の再開が乳がんの再発率を高めると考える必要はありません。(文責 谷)

 

No.10071】  11年02月08日  T
再発率について(HPNo.9979-2)

HPNo.9979で相談させていただきましたTです。解答ありがとうございました。生存率・再発率が無治療で87%、32%、ホルモンと化学療法により7.7%、20.8%の改善ということは、10年生存率・再発率は94.7%、11.2%ということになるのでしょうか。腫瘍径を再度確認したところ、長径1.0cmの楕円だそうです。1.1cmの場合と1.0cmの場合では、adjuvant online で算出される率は変わりますか? また、ホルモンと化学療法の効果は半々と考えてよろしいでしょうか。よろしくお願いいたします。

AdjuvantOnlineのデータはおおまかな予後予想ですので、個人個人のかたのデータの解釈に関しては、ご自身の主治医の先生より直接説明を受けられることをお勧めいたします。(文責 首藤)

 

No.10070】  11年02月07日  S.W
関節痛

いつも拝見させていただいております。骨転移の治療で、フェマーラ、ゾメタを継続中、約10ヶ月になります。以前関節痛について質問させていただき、回答いただきましたとおり様子をみていたら、気にならなくなっていたのですが、最近右の手首の痛みが強くなり、気になります。これはやはりフェマーラの副作用と考えてよろしいでしょうか? その場合、このまま様子をみていれば又改善してくるのでしょうか? あるいは手首に骨転移が進んだのでしょうか? 次の診察までしばらく期間があるため、相談させていただきました。宜しくお願いいたします。

乳癌の骨転移は脊柱や肋骨に始まることが多く、手首などの末梢には比較的起こりにくいようですが、否定はできないところです。一度診察をお受けになられることをおすすめいたします。(文責 首藤)

 

No.10069】  11年02月07日  M
乳がん検診

先日、乳がん検診でエコーを受けたのですが、何個かシコリが見つかり、結果を電話で教えて頂けると言われました。結果が出る日に連絡が無く、こちらから電話をしたところ、受け付けた人の間違いで、電話でお伝えはしてないと言われたのですが、とても気になったので、どうしても教えてくださいと言ったところ、「リョウセイシュヨウケッシュウで、判定Eです。」と、言い放たれました。正確にそう言われた自信が無く、エコーで良性か悪性かなど、分かるものでしょうか? 判定Eは要再検査とネットで書かれているのですが、すぐにでも再検査したほうが宜しいものでしょうか? 心配で心配でなりません。

メール内容だけでは何ともいいかねます。医師から直接説明を受けることが必要でしょう。(文責 首藤)

 

No.10068】  11年02月07日  KM
骨・肝臓転移の治療について

初めて相談させていただきます、術後2年で骨・肝臓に転移しました。
これまでの経過は、
H20、6  4cmのしこりがあり受診
H20、7  術前化学療法 CT療法 6クール
H20、10  右温存手術
H20、12  タスオミン内服開始
H21、1  放射線療法 2グレイ×25回
H21、10 術後1年異常なし
H22、10 転移と診断

術後の病理結果は、浸潤性乳癌硬がん)、argin:12mm(INV-LAT)、5mm(DCIS-NIP)、Therapeutic effect:Grade2(1a(d))、Lymph nodes,levelT、biopsy NO METASTASISSEEN(0/7)
肉眼所見 C−C´〜D−D´上に径約10mm大ほどの境界のきわめて不明瞭な瘢痕様の組織がみられた、繊維化のほかに出血、微小嚢胞形成など伴っていた。
組織所見 上記の瘢痕様の部から乳頭断端に向かって多数の乳管内癌巣と少量の浸潤癌が見られる
これら乳管内癌巣の癌細胞の1/3ほどに核の膨化像など化学療法によるものと思われる軽度の変性像がみられる(Grade1a(d))
瘢痕様の線維化が見られ、浸潤癌の大部分は消失したものと思われる(Grade2)
残存浸潤癌にリンパ管侵襲像、静脈侵襲像はみられない、断端は最終的に陰性
術中に提出されたリンパ節に転移はみられない       

H22.10月の術後2年の骨シンチで骨に集積があり、MRIにて胸椎7番目に転移と診断。腹部CTで肝臓にコントラストが気になるところがあり、肝臓エコーをしたところ15mmが2箇所、38mmが一箇所の転移が見つかりました。この時点では自覚症状、血液検査に異常はありませんでしたのでタスオミンをフェマーラに変更し90日内服しましたが、10月〜2月の間に、「CEA 2.79→4.64→6.79 CA15-3 25.5→60.7→215.4 AST/GOT 21→25→55 ALT/GPT 17→18→60 ALP 201→411→590  LDH 195→235→453」と、変化があり、右上腹部に違和感も出てきましたが、日常生活は出来ています。来週肝臓エコーをとる予定です。今後の治療の提案として主治医と相談中です

1) 抗癌剤を追加する CIF療法を提案されましたが他の抗がん剤の候補はありますか?
2) 今後フェマーラは継続するとのことですが、効果は期待できるのでしょうか?
3) 抗癌剤をせず他のホルモン剤に変更するという選択もありますか?

今後治療を継続するためにも、仕事は続けたいと思っています。長文にて失礼しました。宜しくお願い致します。

1) アンスラアサイクリン(ファルモルビシンなど)を含んだ化学療法を行うことは有効な選択肢のひとつでしょう。あとはタキサン系、パクリタキセルかアブラキサンなどがよいと思います。
2) 血液データからはやや効果が低いようです。アロマシンやアリミデックスは未だ使用されていないようですから、選択肢の一つでしょう。
3) 2)で述べたとおりです。まずはアロマシンなどに変更して、血液データの推移を追うのも一つの選択肢ですね。ホルモン療法のほうがお仕事をするのであれば治療しやすいと思います。(文責 首藤)

 

No.10067】  11年02月07日  U
分泌物について(HPNo.10057-2)

No.10057でお世話になりました。ありがとうございました。追加で質問させてください。現在、放射線治療中ですが、術側の乳頭から茶色っぽい分泌物があるのですが何でしょうか? また、反対側の乳房に良性の腫瘍が見つかっているのですが、今後、これが癌化する可能性はどれくらいありますか? 何度もすみませんが、よろしくお願いいたします。

放射線終了後も分泌物が続くようならば、超音波検査やMRIなどにて乳管の状態をチェックした方がよいかもしれません。対側の「良性の腫瘍」というものがどういうものか不明ですが、「良性」と診断がついているのなら、がんとは無関係ではないでしょうか。(文責 首藤)

 

No.10066】  11年02月04日  T.T. 
太針生検

よろしくお願い致します。乳首のかゆみ・浸出液の下着への張り付きから、乳腺外科をご紹介いただき、局所麻酔による太針生検をしましたが、結果は、「判定できず」というものでした。視触診・MMG・MRI・乳腺エコーでは乳がんの可能性が高く、手術中に乳がんの診断、がんならばパジェトイドもみられるので全摘出をする方向で進んでいます。(もう一度生検をしても、結果は同じかもしれないとのことでした)  どう決断をしたら良いのでしょうか?

確定診断を得るためには、病変部をある程度の大きさ切除し、病理組織検査を行うことが必要なようです。手術中に迅速病理検査を行うのではないでしょうか。(文責 首藤)

 

No.10065】  11年02月04日  F.O.
浸潤性小葉癌

治療についての参考意見が伺いたく相談させていただきます。6年ほど前にも一度相談しています。今回は2度目です。今回は、体側乳房に発がんした浸潤性小葉癌の治療についてです。昨年12月の定期検査で見つかりました。現在手術待ちです。年齢 50歳、女性、癌の大きさ約4cm(MRの画像上)、針生検による腫瘍の性質:ホルモン Er・Pgrともに+,HER2−, NuclearGrade 1。 針生検の結果から小葉癌と考えられるということだそうです。触診ではしこりとしては触れず、さわると少々ぼてっとした感じがある程度で、専門医でもわかりにくいようです。手術によるがん切除後、ホルモン剤による補助療法が現在提示されている治療法です。手術を温存で行うか全摘出にするか迷っています。決断の参考にいたしたく、ご意見を伺えれば幸いです。

これまでの病歴は以下のとおりです。
2005年2月手術  
右乳房温存術・リンパ節レベル1・2切除,放射線25回,EC-T療法
ゾラデックス注射を2年間後,タスオミン内服(2010年12月まで)
病理結果:
充実線かん癌 腫瘍径 1.2cm x 8mm
リンパ節転移レベル1 1/23(クルミ大)
ホルモン Er・Pgrともに+,HER2 +3,NuclearGrade2

2011年1月よりアリミデックスに薬が変更になりました。毎年,マンモとエコーでの検診を受け、触診もし、タスオミンもきちんと服用していたにもかかわらず、この大きさの癌が体側に発生してしまったことに動揺しています。やはり全摘かな?とは考えているのですが,気持ちが決まりません。お忙しいところ恐縮ですが、ご助言お願いします。このような相談サイトがあることを、心から感謝しております。

結論から申し上げると、全摘のほうが良さそうです。一般論からは、しこりの大きさが4cmであること、また組織型がびまん性に発育する事の多い小葉癌であることから、乳房内に発生した癌細胞を完全に取り去ることを考えた場合に、乳房温存よりも乳房全摘のほうが安全であると思われます。(文責 首藤)

 

No.10064】  11年02月03日  Y.N.
休薬

術前化学療法、手術、放射線を終えて、ホルモン療法が始まり、タスオミン錠を毎日服用し、4週間に一回、腹部注射をしています。ホルモン療法を開始して3週間位の時に、体中が痒くて、湿疹が酷く、かかりつけの先生に診察していただきたかったのですが、お休みでした。専門外の先生の診察で、薬を一時中断してみましょう・・・と言われ、半月位服用しませんでした。飲まなくなったら、みるみる内に症状が改善されました。薬疹かどうか不明です。また再開することになりましたが、同じ薬でまた湿疹がでるのが怖くて、今度はノルバデックス錠にかえてもらいました。今度は痒み等も出ないで、今も服用しています。でも、この休止した間(2週間)に、悪い細胞が増殖したのではないかと気になります。ご意見をおねがいいたします。

タスオミンもノルバデックスもタモキシフェンを主成分とした薬剤ですが、含有物質が微妙に違うのかもしれません。臨床経過からはタスオミンによる薬疹である可能性が高いようですから、ノルバデックスに変更して正解でしょう。内分泌療法は少なくとも5年間にわたる長期治療であり、かつタモキシフェン自体、体内から完全に消失するまでには数か月かかるといわれています。したがって、2週間程度の休薬は気にすることはないと思います。(文責 首藤)

 

No.10063】  11年02月03日  A 
石灰化

昨年の6月に乳癌検診で 石灰化が見つかりました。あまりにも細か過ぎて細胞を取る針も刺せないと言われ、定期的に通院しています。12月のマンモグラフィは、半年前と変化はなく、2ミリほどの粒が3個あります。 医師には、「3ヶ月に一度の診察で様子を見よう。」と言われたのですが、大丈夫か心配です。

いわゆる微小円形で集簇した石灰化です。カテゴリー3として要精査の範疇となりますが、あなたの場合、石灰化の数が少ないことや、半年前と比べて変化がないことから、悪性の可能性は低いと思われます。医師指示のごとき定期的診察でよいと思われます。(文責 首藤)

 

No.10062】  11年02月03日  G 
乳癌と食事について

乳癌と食事について教えてください。昨年乳癌の手術をし、ホルモン受容のタイプで、現在ホルモン療法にて治療をしています。テレビ、雑誌などで、「癌予防には、大豆製品が良い。乳製品は乳がんを誘発する。」と、言われていますが、ホルモン受容タイプの乳癌患者は、豆乳、納豆、豆腐などの大豆製品を控えたほうがいいのですか? また人参ジュースも、ホルモンとよく似た作用があるので避けた方がいいと聞きましたが、飲まないほうがいいのでしょうか? どうぞよろしくお願いします。

質問ありがとうございます。乳がん術後の食事についてですが、特に、取ってはいけない食事はありません。何事も限度が大事で、三度の食事がすべて大豆製品・・などというのはいかがかと思いますが、納豆も豆腐も美味しいですし(笑)、バランス良く召し上がればいいと思います。人参ジュースもしかりです。美味しく食べ、身体を動かし、体力を維持する。何事にも大事なことです。(文責 鈴木)

 

No.10061】  11年02月03日  M 
術後化学療法について

45歳、乳房温存を行いました。(グレードUb 2.8cmの浸潤癌、リンパ転移2個 ER+、
PgR+、HER2 1+)
術後化学療法を、FEC100等半年間治療を予定しています。現在、FEC1回目10日後、好中球が下がり(160)、4回G-CSF注射を受けました。2回目を目前にした今、好中球が下がり過ぎることが命の恐怖を覚えます。今、患者側でできる対応は何かありますか? 病院と医師を信頼していますが、セカンドオピニオンも考慮したほうがいいでしょうか? よろしくお願いします。

質問ありがとうございます。術後補助療法は、あくまでも予防の治療法ですから、しっかりと、用法・用量を守って・・という考えと、一方、予防の治療ですから、安全にという側面とがあります。現在、FEC100は最も効果的な治療法のひとつですが、やはり好中球の低下が強くでることがあります。好中球数の低下した時に、発熱はありますか?もし発熱がないのであれば、G-CSFを投与しながら注意深く続けることを勧めます。もともとが元気な方で(糖尿病、喘息、高齢者などのリスクの無い方)あれば、好中球の下がりから、大きな問題に発展することは少ないものです。これは、前者の考えに基づきます。一方、もし発熱もあり、口内炎もひどく、食事も食べられない・・などの症状があるのならば、一段階、用量を減らして、残りのサイクルを行ってみてはいかがでしょうか?やはり、元気な身体があっての闘病生活ですから、抗がん剤を中止して、美味しいものを食べ、身体を動かし、元気に過ごす・・これも立派な治療法だと思います。これは後者の考えに基づきます。用量を減らしても、効果が、全く見劣りすることはありませんし、実際、われわれはECを投与する際、Eを90の用量で行っています。難しい判断ですが、ご質問のように、「死の恐怖」などを感ずるのであれば、用量を減らす方が、受けやすいかもしれませんね。(文責 鈴木)

 

No.10060】  11年02月03日  A.T.
抗がん剤でダメージを受けた卵巣の治療方法について

私は35歳でガン告知、抗がん剤治療(FEC-D)、放射能治療を終えて一年ほどが過ぎようとしています。今はタモキシフィンを使用しています。生理が戻らないので血液検査をしたところ、抗がん剤治療によって卵巣にかなりのダメージがあります。卵子を生産はしていませんと報告されましたが、4日前から出血があり、先生に聞いたところ、卵巣が機能していなくても出血がたまにありますとのことでした。また 遺伝性乳がんで、BRCA1に異常が見つかりました。家族、身内には誰一人として乳がん・卵巣がん・前立腺がんが発症した人はいません。そこで卵巣摘出を考慮してみてくださいと話がありました。卵巣が機能していないのであれば、摘出も考えた方がいいのかもしれないのですが、本当に卵巣が機能してないのか、抗がん剤でダメージを受けた卵巣の治療方法は本当にないのか、どこかで、まだ希望を捨てきれないでいます。できれば手術はさけたいのですが・・・。質問ですが、本当に卵巣が機能していないのか? 抗がん剤でダメージを受けた卵巣の治療方法はあるのでしょうか? BRCA1がポジティブの場合、卵巣摘出をしなかったときの卵巣がん発生率は、どの程度のものなのでしょうか?

質問ありがとうございます。抗がん剤でダメージを受けた卵巣の治療法は・・・ということですが、結論からすれば、治療法はありません。月経を戻させ、今後、妊娠・出産を希望されているのかどうかわかりませんが、今後、月経がもどる可能性も残されていますし、このまま閉経を迎えるかもしれません。問題は、BRCA1が陽性だったということですね。この場合、確立でみると、乳がんの発生率は60%、卵巣癌の発生率は40%と言われ、海外では、発症する前から、乳房切除、卵巣・卵管切除をすることもあります。日本では、実際はあまりなじみがありません。乳がんに関しては、スクリーニング(検診)という早期発見の手段がありますが、卵巣癌はその手段がありませんし、ご自身の乳がんが「ホルモン感受性あり」ならば、その昔、卵巣を摘出していた時代もありました。BRCA1が陽性で、卵巣癌の発症リスク、乳がんの再発リスクを抑えるという意味で、卵巣・卵管の切除という選択肢はあるかと存じます。ちなみに、卵巣・卵管切除は施設により違いがあるものの、恐らく保険適応での手術は難しいかと思われ、その場合、自費で150万円くらいかかるようです。いずれにせよ、ご自身、ご家族とよく相談の上での結論が必要と思います。(文責 鈴木)

 

No.10059】  11年02月01日  A.O.
術後のホルモン療法について

52歳閉経前です。両側乳癌により12月に手術をしました。

右 皮下乳腺切除 リンパ節転移(0/3) 浸潤性乳管癌 浸潤 5ミリ リンパ節転移 0/3 核グレード1 ホルモン受容体ER+ PgR+ HER2 2+
左 乳房切除 切除生検後によりリンパ節郭清 浸潤性乳管癌 浸潤3ミリ リンパ節転移 0/12 ホルモン受容体 ER+ PgR + HER2 1+

左は切除生検で癌細胞を全て取り切っていたという事です。右のHER2が陽性であった事で、主治医からタモキシフェンとLH-RH アゴニスト製剤の併用を勧められました。微小浸潤癌であった事、乳腺切除をしている事、リンパ節に転移が なかった事、年齢的な事と副作用を考えると、タモキシフェン単独でも良いのかも知れないと思うのですが、再発のリスクを考えると、LH-RHアゴニスト製剤は併用した方が良いのでしょうか。タモキシフェンは5年、LH-RHアゴニスト製剤は2年との事です。私が副作用を恐れているのなら、タモキシフェン単独でも良いと言われています。再発リスクが少なくなるのなら是非LH-RHアゴニスト製剤を使用したいと思うのですが、その差はどれぐらいなの でしょう。ご意見を伺わせて下さい。

質問ありがとうございます。化学療法を行うか否かは別として、閉経前の術後ホルモン療法で、ノルバデックスとノルバデックス+LH-RHアゴニストとでは、若年の場合、特に35歳以下の場合、その追加効果は大きくなるものの、それ以外の方は、追加効果はさほど大きくありません。ただし、閉経前でLH-RHアゴニストの追加効果を検証した試験があまり多くはないため、限られたデータの中での判断となります。(文責 鈴木)

 

No.10058-1】  11年02月01日  K
術後の化学療法について

EU圏在住です。昨年10月に左胸温存手術後、現在CEF3ク−ル目ですが、最近ルミナ−ルA,Bという癌区分の記事を読み、私の場合 正しい治療を行っているのか疑問になり、質問させていただくことにしました。52歳、閉経前。術後の病理結果は、「低文化腺管癌 浸潤性 腫瘍径最大4センチ G3 PT2 N0 M0 ER-約50% PR-約80% Ki67/MIB1-約30% c-erB-2 無し」でした。治療開始前の血液検査の結果、赤血球値も白血球値も 基準値を少し下回っていたので、様子を見て、4ク−ルか6クール、その後放射線治療、ホルモン剤ということでした。(好中球数は3回とも500まで下がり、毎回3日から4日注射していますが、3回目は当日も900で、結局一週のびました。) お手数ですが、どのくらい抗がん剤の効果があるのか、4回で終わりにしても6回やっても効果に差はないのか、又ホルモン剤は何が適切と思われるか、教えていただけますか?

質問ありがとうございます。術後補助療法についての内容ですが、好中球のもどりが悪く、1週延期したとのこと。ここは、2つの選択肢があるかと存じます。今の投与量がどれくらいかわかりませんが、CEFのうちEの投与量を減量して最後まで続ける。もう一点は4回で終了にする。そのどちらかだと思います。投与回数の4回と6回のどちらが良いのかという件に対する明確な答えはありません。補助療法なので最後まで頑張るか、安全性を重視して終了するかという選択です。頑張る気持ちがあるのならば、今の投与量で続けてみてはどうでしょうか。一方、体力的にきついようであれば、自分なりに出来るところまで頑張ったのだから・・という理解にして、次の治療に入っていけば宜しいと思います。
ホルモン療法は、血液中のエストロゲンの値を見て、閉経前、閉経後に区分けし、薬剤を選択します。恐らく、抗がん剤で閉経しているでしょうから、アナストロゾール、エキセメスタン、レトロゾールのどれかが適応になります。現状でこれらの3剤は、効果の面でも、副作用の面でも、大きな違いはないであろうとの認識です。(文責 鈴木)

 

No.10058-2】  14年10月23日  K
タモキシフェンと蕁麻疹

お世話になります。2011年に、NO.10058でご質問をさせていただきました。おかげさまで無事に抗がん剤、放射線治療を終了し、現在タモキシフェン服用予定5年の内、3年少し過ぎたところです。今年の5月から蕁麻疹に悩まされるようになり、皮膚科にかよっているのですが、抗ヒスタミン剤では一向に改善されず(ステロイド剤も短期試しました)、検査をしても原因不明で、最初はタモキシフェンは関係ないと断言していたのに、先日の皮膚科受診で、もしかしたら・・・と言い出され、次回の腫瘍内科検診時に、副作用かどうか相談してみるよう言われました。それまでは軽いホットフラッシュがあるくらいで、特に副作用というほどのものは何もなかったのに、服用してから3年後に副作用として現れるという事はありえるのでしょうか。少しの間タモキシフェンを休薬して様子を見ることになるのでしょうが、どのくらいの期間でしたら再発転移を心配しなくてもいいのでしょうか。また、もしタモキシフェンが原因である可能性が高い場合、他のホルモン剤へ移行できるのでしょうか。(生理は抗がん剤で止まってますが、まだ閉経とは断定されていません) 主治医の検診時にきちんと話ができるように準備したいので、お手数ですが、どうぞよろしくお願いいたします。 

内服3年目の蕁麻疹となると、通常は薬が原因とは思えませんが、体調の変化等と重なって薬が引き金になった可能性は否定できません。どのくらいの休薬期間が再発に影響するのかのデータはありませんからわかりませんが、まず、1週間から1ヶ月程度休薬してみて、蕁麻疹が軽快するかどうか確認して下さい。蕁麻疹が軽快したら薬の内服を再開して下さい。その時に同じように蕁麻疹が発生するようであれば、薬が原因と断定できます。1ヶ月休薬しても軽快しないようなら、原因は他にあると考えて、皮膚科の先生の治療を受けながら内服を続行したらよいと思います。一つお尋ねしたいことは、現在内服している薬はジェネリックですか? タモキシフェンはたくさんのジェネリックが出ていますが、薬効成分はタモキシフェンで同じでも、錠剤に固めるための成分(添加物)は各社異なります。このような添加物に対するアレルギーの可能性も否定できません。もし、現在内服している薬が原因だと断定できたら、ジェネリックを他社のジェネリックもしくはオリジナルのノルバデックスに変更してみるという方法もあります。他のタモキシフェンでも蕁麻疹が出て、タモキシフェンという成分に対するアレルギーであると判明した場合は、Toremifen(フェアストン)というお薬がタモキシフェンと全く同等の効果がある事が証明されていますので、そのお薬に変更することも可能です。(文責  清水)

 

No.10057-1】  11年01月31日  U
今後の治療

お世話になります。乳房温存手術を終え、放射線治療を始めます。病理検査の結果、硬がん、大きさ1.3p、Er3+、PgR3+で共に強陽性。HER2は1+。センチネルリンパ節0/1、断端−、脈管浸潤なし、グレード2(核異型度スコア2)。46歳、閉経前です。タモキシフェンのみの予定ですが、ゾラデックスを追加した場合、更に抗がん剤を追加した場合の生存率、再発率を教えていただけますでしょうか? よろしくお願いいたします。

閉経前であれば、ホルモン療法は、ゾラデックスとノルバデックスの併用が一般的です。最近になり、ゾラデックスの追加効果に関して、追加しても効果が無いのではないか?という報告もあったり、海外のたくさんの試験を統合的に解析しても、ゾラデックスの追加した場合と、ノルバデックス単独の場合とで再発率、生存率に差はないとの結果もあり、ゾラデックスの追加効果に関するエビデンスは乏しいのが現状です。頂いた、病理結果から推測するに、抗がん剤を追加するメリットは少ないと思われます。現在、adjuvant onlineへのアクセスがうまくいかず、再発率、生存率に関する数字はお伝えできません。少しでも追加の効果をということであれば、抗がん剤を追加し、恐らく抗がん剤の投与後に閉経するでしょうから、ノルバデックスの単独投与ということになるでしょうか。(文責 鈴木)

 

No.10057-2】  11年02月07日  U
分泌物について

No.10057でお世話になりました。ありがとうございました。追加で質問させてください。現在、放射線治療中ですが、術側の乳頭から茶色っぽい分泌物があるのですが何でしょうか? また、反対側の乳房に良性の腫瘍が見つかっているのですが、今後、これが癌化する可能性はどれくらいありますか? 何度もすみませんが、よろしくお願いいたします。

放射線終了後も分泌物が続くようならば、超音波検査やMRIなどにて乳管の状態をチェックした方がよいかもしれません。対側の「良性の腫瘍」というものがどういうものか不明ですが、「良性」と診断がついているのなら、がんとは無関係ではないでしょうか。(文責 首藤)

 

No.10056】  11年01月31日  A.M.
骨転移の今後の治療について

現在54歳です。
2001年 小葉癌 ステージ1で温存手術→断端陽性、砂の様に散らばっていたという事で再度全摘手術となる。ホルモン=陽性 ハーセプチン=陰性、閉経前につきホルモン療法(リュープリン2年間)、その後ホルモン療法(アリミデックス→ノルバテックス)。
2009年10月 腫瘍マーカー上昇しはじめる。
2010年3月 骨シンチで多発骨転移判明(頸椎・胸骨・腰椎・肩甲骨・仙骨・骨盤)、内臓転移なし、痛みや症状は不思議とありません。
2010年4月 まだ閉経前につきホルモン療法(リュープリン+ノルバテックス)開始
2010年7月 ゾメタ開始
2010年11月 腫瘍マーカーがジワジワ上昇傾向
2011年1月  現在のマーカー値 CEA=11.7 CA15-3= 52 BCA225=620
      
腫瘍内科の担当医から、「ここらへんで思い切って抗がん剤(AT療法:アドリアシン・タキソテール)をしてみてはどうか?」と、言われました。も 

1) 抗がん剤は初めてなので、早速ネットや周りに聞いてみましたが、「AT療法」をやったという人が見当たらず不安です。一般的な療法で、問題ないでしょうか?
2) 抗がん剤は早い時期にやった方が効果があるそうですが、後に取って置かなくても大丈夫ですか?
3) 多発骨転移でも、化学療法は積極的にトライしてみる価値はありますか?
4) 骨転移の90%の人が内臓に転移すると言われましたが、抗がん剤をやる事によって、少しでもそれを遅らせる事が出来るのでしょうか? また少しでも縮小効果が望めるのでしょうか?
5) 閉経しているかどうかを調べた結果、まだ閉経前の様ですが、もしこのままホルモン療法を継続するとしたら、現在の(リュープリン+ノルバテックス)に変わるものとして何がありますか?

以上、長々と書き連ねてしまいましたが、ホルモン療法の継続か、思い切ってここで抗がん剤をやってみた方がいいのか、果たしてAT療法でいいのか、どこを見てもわからずに決めかねています。お忙しいとは思いますが どうかアドバイスをよろしくお願いします。

多発骨転移に対する治療法ですが、抗がん剤に変更か、ホルモン療法の継続か、残念ながら明確な答えはなく、100人の患者さまがいらしたら、100通りの治療法があるものと思っています。その方のライフスタイル、病気や治療に対する思い、家族のサポート状況、年齢、元気か否か・・などで決めていきます。転移、再発を起こした乳がんは、完治が難しいと言われます。もちろん、抗がん剤、ホルモン療法をはじめ、様々な治療法で長きにわたり、病状が安定する方もたくさんいらっしゃいますし、治療法の進歩により、転移・再発乳がんの治療成績は確実に向上しています。しかし、血液中の癌細胞まで全てが消失したことを証明する手段がないため、画像で消えて、腫瘍マーカーが下がったとしても、効果がある場合、その治療法を可能な限り継続することになります。そういう意味で、完治が難しいと言われる所以です。
ホルモン感受性のある転移・再発乳がんの場合、一般論からいえば、骨転移だけで、特に症状もなく、日常生活に支障がないのであれば、ホルモン療法の継続だと思われますが、効き目が乏しくなれば抗がん剤への変更も考慮しなければなりません。早くに変更すれば、それだけ長く抗がん剤の投与が続きます。では、後々で日常生活に支障が及ぶ状況になって、通院が大変になった状況での抗がん剤はどうかというと・・、これもある意味では大変です。われわれも、患者さまもホルモン療法から抗がん剤への変更は勇気と判断が必要ですし、時間を費やして相談も必要です。抗がん剤に変更して、効果がでていればその治療を継続することになりますので、長く、副作用と効果のバランスを見ながら、上手に付き合うことが肝要です。したがって、その選択も多岐にわたり、薬剤により、脱毛するもの、吐き気のあるもの、蓄積性の副作用のあるもの(爪の変化、手足のしびれ)などの特徴がありますので、ご自身で許容しやすいもの、しにくいものとの相談です。どの薬剤の効果が一番か?という質問に対する答えもありません。化学療法を使う時は、一部の状況を除き、単剤(一種類)で、順番にという原則があります。AT療法と書かれている、「A」に代表されるアンスラサイクリン系薬剤を最初に使い、その次に「T」と書かれているタキサン系薬剤を使うというのが通常だと思われますが、先にも書いたように、「効果」、「副作用」、「副作用に対するやる気、受け入れ」の天秤がバランス取れるように薬剤を選択していきます。いずれにせよ、この辺りは正解のないところですので、本文中から御察し下さい。この前置きを元に、以下の質問にお答えします。

1) AT療法は一般的ではありません。基本は単剤で順番に・・・です。
2) 抗がん剤は早くに投与すれば、一般的に効果が高くなります。でも効果がある場合、その抗がん剤は継続していくことになるので、必ずしも早くから投与することが正しいか否かは、難しい判断です。後に取っておくとしても、体調が悪くなってからの抗がん剤は、副作用に対する許容が悪くなります。どこかで、ホルモン療法から抗がん剤へ、でもその副作用が・・・というジレンマとの闘いになります。
3) ホルモン療法に対する効果が乏しければ、化学療法が必要になります。もちろん、化学療法の効果は見込めます。しかし、「積極的に」トライするか?というと、決してそうではないと思われます。
4) 抗がん剤の効果により、内臓転移を遅らせたり、仮に転移したとしても、十分、効果は望めます。
5) リュープリン、ゾラデックスを投与し、ホルモン環境を閉経後の状態にして、閉経後に用いるアリミデックス、アロマシン、フェマーラを用います。ただしこれは、厳密な意味からすると、適応外の治療ですので、先生によってはその使用を躊躇するかもしれません。

以上です。再発乳がんのホルモン療法から抗がん剤への変更に関する質問ですが、主治医と、自分とよく相談の上、納得のいく治療をお受け下さい。応援しています。 (文責 鈴木)

 

No.10055】  11年01月31日  U
気になるしこり

61歳の主婦です。乳がん検診は毎年受けております。昨年8月に海老名市の検診を受けました。そのとき、視診 触診で、左乳房の乳首すぐの左上に何か気になるしこり(?)があるといわれました。健診医は「乳腺かな?」ともいわれていましたが、たまたまマンモグラフィを無料で受けられる券をいただいていましたので、マンモグラフィの検診も受けました。1ヶ月後にいただいた検診結果は異常なしで、「精密検査の必要はなし」ということでした。ただ、しこりがあるといわれた箇所は今も触ればありますので、それはいったい何なのかということを聞けませんし、何となく一抹の不安があります。また病院でみてもらった方がよいのでしょうか。以上、よろしくお願いいたします。

昨年の8月から心配になっているのであれば、乳腺外科の受診を勧めます。触診だけではなんとも言えませんし、固い乳腺を触れただけかもしれません。MMGで異常がなくても、状況に応じてエコーの検査を受ける必要があります。ただ、昨年の8月の検診の話ですので・・、もし、その時に何か異常があれば、今の時点では、もう少し変化がありそうですが・・・。その変化がないのであれば、大丈夫かと。(文責 鈴木)

 

No.10054】  11年01月27日  S.A
今後の治療について 

H13年5月、乳がんの大きさ 15x10x12mm、髄よう癌、ホルモンの影響を受けないタイプで、リンパ転移なし。術後、乳房に炎症と腫れがあり、右手も水平まで上がらず、熱が8度3分続いたため、放射線治療も、手が固定できず、時期をのがし断念しました。H22年4月頃より乳房が固いように感じ、乳がん検診を受け、結果は石灰化、良性、しかし悪性も否定できないと言われ、6月に他の病院で再度検査しました。その頃には乳房の下の方も腫れていました。検診の結果を話しましたが、マンモグラフィーとエコー検査を受け、石灰化も大した事ないし、乳がんもないと言われましたが、7月には、もっと腫れ、乳房が更に固いので、主治医を受診し、マーカー検査では異常なしとの事。9月頃には乳房に熱を感じ、赤く腫れ、痛みもあり、炎症性乳がんでは?と思い再度受診し、マンモグラフィーをしましたが、異常なし。納得できず、細胞診をお願いしたら、「癌でもないのに」と拒否され、リンパ浮腫と診断。仕方なく、他病院を受診し、リンパ浮腫の薬を出され1ヶ月様子を見ましたが、先生より、「検査をした方がよいのでは?」と言われ、紹介状を書いてもらい、再び元の主治医を受診、針生検を12月中旬にしてもらいました。
結果は癌の再発で、12月24日より化学治療が開始されました。ファルモルビシンとエンドキサン(EC)療法。右乳房の痛みも腫れも引かず、熱や固さも変わっていません。右腕も少し腫れて違和感があります。生検も今のところ、しておりませんが、ペット検査で乳房のほかに転移はないとの事ですが、乳房全体が癌で赤くなっておりました。化学療法の結果が良好であれば、手術しましょうと言われましたが、今のところはっきりと説明を受けておりません。2月4日が3回目の化学治療です。乳房の中の状態がわかる方法はないものなのでしょうか? HER2も陰性か陽性かはっきりしていません。髄よう癌もタイプが2通りあるようですが、治療方法は同じでしょうか? H13年頃には詳報が今ほどになく、H20年10月に家庭の事情で転院しています。カルテも持たせてもらえませんでしたので、手術当時の様子も分かりません。今の治療方法で良いものかと悩んでいます。お忙しいところ、長々とすみません。アドバイス頂けたら幸いです。宜しくお願い致します。

Mailの内容から推察するに、炎症性乳がん型の乳房内再発のようです。まずは化学療法でよいと思いますが、針生検のときにER,PR,Her2を検査していると思うので、その結果を聞いた方が良いと思います。炎症性乳がん型の再発の場合、腫瘤を作らないので乳房の中を検査する事はありません。赤くなった皮膚を生検して診断します。髄様がんは特殊型乳がんの一つで、再発転移の少ない乳がんということになっています。ただし、髄様がんによく似た充実腺管がんがあり、その場合は再発が多いとされています。(文責 清水)

 

No.10053】  11年01月27日  MK
シビレと浮腫みについて 

いつも拝読させて頂いき参考にさせて頂いております。先生方、お忙しい中、ありがとうございます。39才既婚、子供なし。
昨年7〜9月にパクリタキセルを週1回で12回行いまして、12/12回目前後は両手両足先、足裏のシビレがかなりあり、全身に浮腫みがありました。またゾラデクスの副作用で膝関節痛がありました。あれから4カ月程経過しましたので、膝関節痛はほぼなし。シビレにつきましては、さほど気にならない程度に改善してきました。しかし、疲れが溜まるとシビレはぶり返してくる感じがあります。浮腫みにつきましては、しばらくの間はなくなった感じでしたが、先日、風邪を引き、市販の薬にて改善せず、耳鼻科を受診し、処方された薬を服用していたところ、全身の浮腫みはもちろん、顔も腫れた感じで瞼が重くなってきてしまい、風邪は完治していませんでしたが薬を飲むのを辞めました。どの薬のせいか、体調のせいかは不明です。自分的には、抗がん剤の副作用の後遺症のせいか?体質が以前と違っているように思われます。浮腫みやすくなっている気がします。薬など服用せずに、ゆったりと静養すればいいところなのでしょうが、仕事柄そうもいかず・・・。浮腫みやシビレが酷くなると、気分的に非常に落ち込みます。シビレやむくみなどに良いとされる?B6やB12の多く含まれるビタミン剤を服用してみたり、牛車腎気丸を服用してみたりもしますが、改善がみられないので、飲むのを辞めてしまいました。ビタミン剤や漢方系には即効性はないとは解っていますが、No.10043のTさんのお返事に、「残念ながら、これといって有効な薬はありません」 とございましたが、やはりそうなのでしょうか? それならば尚更、なにも飲まないに越したことはないかな?と、自問自答で、もんもんとしている日々です。とても長い文章になってしまいましたが、アドバイス頂けると有難いです。よろしくお願いいたします。

パクリタキセルによるしびれは、結構長続きする方がいます。また貴女のようによくなっていても、何かのきっかけで再びしびれがでてくるというかたもいらっしゃいます。以前にお答えしたように特効薬はありませんので、抗がん剤の副作用として受け入れて下さい。幸いな事に、しびれが軽快しているという事なので、徐々にその頻度は減ってくるのではないかと推察します。むくみについては何とも言えません。抗がん剤の副作用として治療後むくみやすい体質になったという話はあまり聞きません。抗がん剤の影響を否定はできませんが、別の原因を考えた方が良いかもしれません。(文責 清水)

 

No.10052】  11年01月27日  K
服用薬について

46才女性、既婚です。お薬について、お伺いします。昨年12月に左乳がんの全摘出手術を行いました。病理検査の結果は、「 リンパ節転移: なし、  腫瘍の大きさ: 30mm、  リンパ管・脈管侵襲: なし、 グレード: T、  HER2: +3、  ホルモン受容体: 3+1」です。処方された薬は、「 ノルバデックス錠10mg: 朝1 UFT配合カプセルT100100mg(テガフール相当量): 朝昼夕1」です。 私としては、この薬では十分では無く、転移するのではないかと心配で仕方ありません。理由としては、
1) HER2が陽性の場合、ハーセプチンを使うべきではないのか?
2) UFT配合カプセルは、抗癌剤としては古く、弱いのではないか? 特に、腫瘍の大きさが30mmであり、第2期に分類されるので、もっと新しい薬、例えば、シクロフォスファミド、メトトレキサート、アドリアマイシン、エビルビシン、ドセタキセル、などを使うべきではないのか?

担当医は、今のままで良いとしか言わず、あまり説明してくれませんので、ご相談させて頂くことにしました。どうぞ、よろしくお願いいたします。

1)  NCCNのガイドラインでは、貴女の場合はハーセプチンと抗がん剤とホルモン剤の投与が推奨されています。
2)  私もそう思います。主治医の先生ともう一度よく話し合うか、セカンドオピニオンを受ける事をお勧めします。(文責 清水)

 

No.10051】  11年01月24日  T.N.
浸潤性の小葉ガン(2.5cm)と診断されました

私(45歳)の妻は、出産経験のない閉経前の52歳です(子供を持つことは、もはや二人とも考えておりません。なお、嗜む程度ですが、二人とも飲酒・喫煙の習慣があります)。本日、MRIに続く針生検の結果、浸潤性の小葉がん、約2.5cmで、第2ステージの初期から中期と診断されました(針生検の結果待ちの先週までは、非浸潤性の乳管がんではないかとの見立てだったのですが・・・)。また、リンパ節への転移が少なくとも1つ見つかった(妻本人も腋の下に違和感があるとのことです)ため、乳腺外科の主治医の先生のお薦めは全摘(腋窩郭清とも)で、切除組織を病理検査に回し、結果(がんの顔付き)を見て治療方針を決めるとのことです(腋窩のセンチネルリンパ生検も、腋窩リンパ節への転移が4つ以上あるかどうかが重要とのこと)。
妻本人は何よりも再発・転移の方が嫌なので、意外にあっさりと全摘で納得しており、また異物を身体内に入れるのが嫌だという理由から乳房再建もするつもりはないと言っています。また主治医の先生やスタッフも、気さくで話しやすく、セカンド・オピニオンを取る必要もないと言っておりますが、夫の私に弱気を見せないよう、意識して明るく振舞っている面もあると思います。そこで質問させていただきたいのですが、

1) 成人間で流行の兆しを見せている新型インフルエンザについて、予防ワクチン接種を手術前に受けておくべきでしょうか?
2) 何か最新の治療法で乳房温存の可能性を探ることはできませんでしょうか?
3) 腋窩郭清後、ドレーンが抜けないことにより入院は数週間に及ぶのでしょうか? 感染症の危険等を考えた場合、1泊入院(デイ・サージャリー)を希望すべきでしょうか?
4) 抗がん剤の投与を避けることはできませんでしょうか? やはり「脱毛」については相当気にしているようです。遠隔転移を防止するため、補助療法として術後の抗がん剤投与は必須なのでしょうか(治療期間終了後には頭髪は元通り生え揃うのでしょうか)?
5) 全摘の場合でも再建は可能とのことですが、背筋移植による「広背筋皮弁」はどの程度有効でしょうか? (腹直筋移植は近年行われなくなったと先生から聞きました)  妻は敏感肌で、家ダニ・アレルギーの薬も服用しており、普段は装飾品やブラジャーを身に付けておりません。いずれ胸パットにブラジャーという生活が面倒くさくなり、また汗疹やかゆみも起きるのではないかと懸念しております。乳房再建は、皮膚が足りないなどの理由がないと保険適用外らしいですが、費用面はいくら嵩んでも仕方がないと思っております。
6) 無理してでも禁酒禁煙させたほうがよいでしょうか、それとも大らかな気持ちでやりたいように過ごした方が良いでしょうか(がんとストレスの関係は)?

にわか勉強で乳がんに関する本を一気に数冊読み、本日、主治医の先生のお話をうかがったばかりで、脈絡のない質問になってしまい申し訳ございません。再発や遠隔転移が最も恐ろしいため、根治することが最大の目標であることは勿論ですが、QOLの面についても一女性である妻の立場で、ベストな選択をさせてあげたいと思っているだけなのです。妻は、「夫の私の方が妻自身よりも妻の容貌の変化を気にしているのでは?」と笑っていますが、見た目がどうこうではなく、何より親からもらった大事な身体ですし、容貌の変化が妻の精神面に与える影響を心配しています。あるいは、病状はもっと深刻なのでしょうか・・・。来週末に追加説明と入院説明を受け(本日は先生の手術執刀時刻に迫ってしまい、時間切れとなってしまいました)、2月初旬に入院、手術の予定です。お忙しい中、大変恐縮ですが、何らかのヒントでもいただければとメールさせていただきました。どうかよろしくお願いいたします。

1) 手術前に受ける事をお勧めします。
2) ご本人が乳房温存にこだわっていないのであれば、それで良いのではないでしょうか。どちらにしても生命予後は変わらない事、温存すれば乳房内再発のリスクが残る事を考えて決めたのではないでしょうか。保険適応のある新しい治療というのはありません。
3) ドレーンを早く抜去すれば腋窩にリンパ液の貯留を起こします。確かにあまり長期間入れておくと感染の危険があります。通常は数日で抜去できる事が多く、一週間以上留置している事は少ないと思います。抜去するタイミングは出ているリンパ液の量をみながら決めています。
4) 術後に抗がん剤治療をおこなうかどうかは切除標本の病理診断の結果がでてから考える事です。奥様の乳がんの再発のリスクがどのくらいか、抗がん剤治療でどのくらいそのリスクを軽減できるのか、そのリスク軽減のために犠牲にする事(副作用等)何なのか、そこのところを主治医の先生とよく話し合って抗がん剤治療を行なうかどうか決めてください。その話を聞く前から抗がん剤は使いたくないなどと決めてかかるのはよくないと思います。脱毛については治療終了後再び伸びてきますから、時間はかかりますが元に戻ります。
5) 広背筋皮弁、腹直筋皮弁による再建は保険がききます。それ以外にも保険のきかない再建法もたくさんありますから、いろいろ調べて気に入った方法を選ばれたらよいと思います。(文責 清水)

 

No.10050】  11年01月24日  M.H
病理診断結果について

昨年、右乳房全摘の手術を受けました。年齢は、43歳です。組織診では、浸潤がんと診断されていたのに、術後の病理診断結果で非浸潤がんと診断されました。そのようなことはあるのでしょうか? あるはずの浸潤箇所がない、と言われると、非常に不可解です。もともと、乳輪すぐ下に1.1pのしこりがありました。指で触れるとゴリゴリした固まりでした。組織診もそこから細胞を採取していると思います。またMIR画像からも、1.1pのしこりで全体的には1.7pの広がりが見られるとの説明がありました。浸潤がんと診断されていたので、そのつもりでおりました。しかし、実際は術中切除した全摘部分から浸潤箇所はなし、腫瘍もなし(では、もともとあったしこりは何だったのか?どこへいったのか?と医師に聞いたら、「非浸潤がんでも腫瘤形成型のようにしこりを作るタイプもあるから、それだったのかも?」と、言われました。また、「組織診で浸潤箇所を採取してしまって残ってなかったのかも」とも言われました。要は、ハッキリとした浸潤部分がないので説明しづらい、とのことでした。「全摘した切除部分を、1pのスライスで検査した結果、浸潤箇所は見当たらなかったので、もしあったとしても、1p以下の浸潤部分でしょう。」とのお話でした。「もしどうしても浸潤箇所を見つけたかったら、5o間隔でスライスしてみますか?」とも言われました。 5oでのスライスは意味があるのでしょうか? 仮に5oスライスで浸潤箇所が見つかったとしても、やはり小さな浸潤箇所ということで、ホルモン療法で見えない癌をたたく、という補助療法には変わりはないので、浸潤探しをしても仕方ないのでしょうか?

組織診結果:
Rt.Breast CNB Invasive ductal carcinoma ER(+)100%、PgR(+)100%、Herceptest(−)、MIB−1 5%以下、 3本中1本に浸潤癌+DCIS,他の1本にADH+FEAを見ます。 sirrhous
carcinoma, Grade1 (NA1, mitosis1) DCIS, cribrifirm, flat, G2, necrosis-

術後病理結果: 
Right mastectomy;DCIS 標本12、15にDCISを認めます。cribtiform
DCIS, nuclear atypia2, necrosis(−)、surgical margin(−) 手術検体中には明らかな間質浸潤は指摘できません。 ちなみに、核グレード1、脈管侵襲なし、リンパ節転移なしです。

1) 浸潤がんであるのに、術後は浸潤箇所は無し、との診断は実際あることなのでしょうか? 組織診でたまたま浸潤箇所が見つかったけれど、少しずれていたら、もともとの診断は非浸潤がんだった可能性はありますか?
2) 浸潤探しとして5ミリ間隔で再度スライスして検査してもらうのは(私自身が納得する材料として)、どう思われますか?
3) 間質浸潤の意味がいまひとつわかりません。教えて下さい。

どうぞ宜しくお願いします。

1)  元々の病変が小さい時には、生検で浸潤がんがあって、切除標本には浸潤がんがみつからないということはあり得る事です。主治医の先生がおっしゃるように、より細かく標本を作れば浸潤部が見つかるかもしれません。生検で浸潤部が見つかっているのですから、浸潤がんです。もし少しずれて浸潤部が見つからなければ、確かに診断は非浸潤がんということになりますが、実際は浸潤部がかくれているわけですから、それは偽の非浸潤がんで、そのような例が非浸潤がんと診断されたのに再発したという例になるのです。
2)  5mm間隔で再検査する意味はあまりないと思います。最初の生検で浸潤部が見つかっているのですから、切除標本に浸潤部があるかどうかは貴女のがんの性質を知る上で何の得もありません。逆に生検標本で浸潤部が見つかっていない場合は細かく切って浸潤部が本当にないかどうか検査する意味があります。
3)  間質というのは乳管、小葉を支える支持組織で、おもに繊維組織、脂肪組織でできています。そこには、血管、リンパ管、神経などがあります。ですから、間質浸潤というのは、乳癌が乳管内成分だけでなく、乳管の周囲へ浸潤を始めている所見があるということ、言い換えれば“間質浸潤のある乳がん”=“浸潤性乳がん”です。(文責 清水)

 

No.10049】  11年01月21日  I 
ゾラディックスの追加

浸潤ガン(乳頭腺管がん)2個 2.2cm+2cm
リンパ節転移 陰性 0/2個
脈管浸潤 ない
組織学的グレード 1
増殖能  低い
ホルモン感受性 2.2cm→ER80% PgR80%  2.0cm→ER50% PgR80%
HER-2 1+
以上の病理結果を受けました。術後9ヶ月経過。49才。閉経前。ホルモン療法を受けています。最初は、ノルバディクス単独で様子を見て、3ヵ月後にゾラディクスの追加を検討する予定でした。その3ヵ月後に5日ほど遅れて生理が来たため、もう少し様子を見ていいか相談して、もう3ヵ月様子を見ることになりました。半年もこのままでいいのかと不安な気持ちもありましたが・・・。次の半年検診までノルバディクス単独で過ごしました。
半年検診の月は周期が50日遅れてきました。その旨を主治医に伝えた所、年も年だし周期も遅れてきている点などから、必ずしもノルバディクスを追加しなくてもいいと、話しをされました。結局、ノルバディクス単独で9ヶ月経過しています。現在、周期は約35日程度(術前はきっちり25日)。量も若い頃とほとんど変わりません。5ヶ月経過頃から、漢方医に血行をよくするなどの薬を処方してもらっています。体調はとてもいいですが、常にゾラディックスの追加の思いをひきずっています。相談室のメールを見ましても、私と同じくらいの年や病理の方は、だいたいゾラディックスやリュープリンを標準治療として受けておられる様子。正月明けは術後9ヶ月後の外来があります。今からでも注射の追加を受けたほうがいいでしょうか。確固たるものがあればいいのですが・・・。再発率の数字と、先生のお考えをお聞かせください。

御年齢、手術結果を考え合わせると、ゾラデックスの追加効果はほとんどありません(あってもごく僅か)ので、現行通りノルバデックス単独でよいように思います(追加の思いはひきずらなくてもよいでしょう)。(文責 加藤)

 

No.10048】  11年01月21日  K 
局所再発か傷跡か?

7年前に両方の胸を手術しました。左側は全く分からないくらい胸が残っております。先日、マンモと超音波をやりましたが、左側の方に影があるらしいのです。ちょうど手術したところです。私はずっとしこりを感じていたので気になっておりましたが、術後は、硬くなるときいていたので、それほど心配しておりませんでした。でも、先生が「細胞診をやりましょう。」と言ったので、「再発?」と、驚いてしまいました。心配しないでといってくれましたが、局所再発と傷跡のマンモや超音波の影は、ガンだとはっきりわからないものなのでしょうか? やはり、疑いがあるから細胞診をするんですよね? どうか、教えてください、お願い致します。

傷跡の影は、おっしゃるように判別が難しい場合もあります。変化をみることが大切で、前回の所見と相違があれば、検査を行うことになるでしょう。ただ、お話しを伺う限りでは、念のために(再発ではないということを確かめるために)検査を行うような気もします。あわてずに検査結果をお待ち下さい。(文責 加藤)

 

No.10047】  11年01月21日  T 
肺の結節について

現在45歳で、40歳の時の2006年1月に右乳房全摘、リンパ郭清、リンパ転移は全17個中3個有、HER2は0、ホルモンは両方ともプラスでした。
術後タキソテールを半年、フルツロン3年、ゾラデックス4年、タスオミン服用が今月で5年目になります。小さい病院で、標準治療でないのは承知しておりました。
途中、甲状腺の良性腫瘍が見つかり、経過観察のため半年に1度検査を受けています。
先日5年目の検診を受けた際、CTで右肺に小さい結節が1個だけ見つかりました。その半年前のCTには写っていませんでした。1個だけで小さすぎるので、転移なのかどうかの判断がつかないから、経過観察が必要とのことでした。(幼少時に肺門リンパ腺の病歴があります)
一応、来月にもう1度CT撮影を予定していますが、主治医も、読影の所見も急ぐような雰囲気はありません。

1) こういう場合は、しばらく経過を見る以外どうしようもないのでしょうか?大きくなるとか、数が増えるとか変化が無いと確定診断は出にくいものなのでしょうか?
2) 1個だけか、複数かで転移かどうかの確立はかなり違いますか?

お手数ですが、ご意見をお聞かせください。

今までしっかりとした治療をお受けになられていると思います。
1) 小さい結節がCTにて見つかることは度々あります。転移ではない場合が多いのですが、おっしゃるように経過を見る以外に手立てがない場合がほとんどです(他の検査を追加しても、確定診断に結びつくことは少ないです)。あわてずに、次回の検査結果を待つよりないと思います。
2) 複数見られる場合は、より転移の可能性が高くなります。(文責 加藤)

 

No.10046-1】  11年01月21日  S.A.
ホルモン療法の開始時期

34歳既婚 今年4月に非浸潤ガンで温存手術をうけました。しこりの大きさ2cm、リンパ節転移0、ホルモン受容体ER+、PgR+、HER2 2、核異型度 1、切除断端 -、脈管侵襲 -。術後、放射線を25回終了。これからホルモン治療を5年行うと言われましたが、まだ子供がいない為出産を希望と伝えたところ、治療を始めるまで2年の猶予があると言われました。まだ妊娠していないのですが、出産よりも、やはり早く治療を開始したほうがいいのでしょうか? 非浸潤ガンでもホルモン治療は行っ たほうがい いのでしょうか? 出産による再発のリスクは上がるのでしょうか? また、治療を始めるまでの猶予とは決まりがあるのでしょうか? 放射線もだいたい2か月以内 という方が多いですが、私は6か月以内なら良いと言われました。よろしくお願いいたします。

出産を第一に考えて、ホルモン療法は行わないという選択肢でもよいように思います。出産によってリスクが上がるということはありませんので、御安心下さい(ちなみに、猶予期間も決まりはありません)。非浸潤がんの場合、ホルモン治療によるメリットはそれ程多くありません。(文責 加藤)

 

No.10046-2】  11年06月29日  S.A.
術後の不妊治療

以前No.10046で質問させていただいた者です。その後、タイミング法などしましたが、未だ妊娠していません。検査の結果、チョコレートのう胞、AMHが低い、高齢という事で、人工授精することになりました。それでもダメな場合、体外受精しかないとの事ですが、乳がんの主治医は反対のようです。不妊治療と乳がんの病院が違うため、意見が違い、困っています。やはり、非浸潤ガンでも、体外受精は再発を高めてしまうでしょうか?

対外受精を行うと、がんの再発リスクを高めるという確固とした根拠はないように思います。非浸潤がんで再発リスクは少ないし、ダメではないのではと考えます。主治医と今一度お話になり、セカンドオピニオンを求めてみてはいかがでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.10046-3】  12年04月23日  S.A.
出産後の授乳、ホルモン治療について

No.10046で質問させていただいた者です。無事妊娠でき、5月出産予定です。主治医からは、「授乳もOKなので、少し落ち着いてからマンモグラフィーをしましょう。」との事でしたが、前回のマンモグラフィーから丁度1年経つところです。前回から、あまり期間を開けない方がいいような気もするのですが…。また、産後のホルモン治療はやはり必要でしょうか? 産科の先生からは、妊娠中はホルモン治療してるようなものだからと言われたのですが、本当でしょうか? まだ分かりませんが、出来ればもう一人子供もほしい気持ちもあるので、どのくらいホルモン治療の必要性があるのか知りたいです。よろしくお願いいたします。

ご相談ありがとうございます。私のお返事で少しでも疑問が減れば嬉しく思います。まず御妊娠おめでとうございます。さてご質問の検査期間ですが、術後の検査期間に決まりはありません。また授乳中は乳腺が発達しますので、画像検査で細かい異常所見を見つけるのは難しいと言われています。次にホルモン治療の必要性ですが、以前のS.A.さんのご質問を拝見すると、乳がんは非浸潤がんだったのですね。非浸潤がんに対するホルモン治療の効果は生存率が向上するという報告はなく、手術側および反対側の乳房の癌の発症を減少させる効果しかありません。したがってS.A.さんにとって癌の再発(乳房内のみ)と、お子さんを授かることと、現時点でどちらがご自身にとって重要かをお考えになり、ホルモン治療を行うかどうかをお決め頂くのがよろしいのではないかと思います。出産まではお二人分のお命抱えていらっしゃいますので、ぜひお体大事になさって下さい。(文責 斎藤)

 

No.10046-4】  13年02月03日  S.A.
非浸潤がんのホルモン治療

No.10046で質問させて頂いた者です。その後出産し、卒乳もしたので、検査してきました。無事異常無しでしたが、ホルモン治療(ノルバデックスのみ)を勧められました。二人目希望であれば、産後始めれば良いとの事。年齢的にも猶予がないのですが、年子は体力的に厳しく、もう少し先の予定と伝えると、それまで薬を飲み、妊娠をしたい時にお休みし、産後また再開すれば良いと言われました。五年を分割して治療しても効果は変わらないのでしょうか? 非浸潤がんの場合、生存率ではなく健側の発症を抑えるためのホルモン治療だと思うのですが、やはり非浸潤がんとはいえ、健側の発症の確率は高いのでしょうか? 副作用もあるので出来ればしたくないのですが、子供もいるので再発は避けたい…。非浸潤がんでもホルモン治療は必要なのでしょうか?

非浸潤がんの術後にタモキシフェンを5年間投与することにより、対側乳房の乳がん発生リスクは半分に減りますが、生存率は変わりません。あくまでも術後早期より行った場合のデータがもとになっておりますので、現時点でホルモン療法を開始し、途中妊娠で中断した後に再開することを強く勧めるだけの根拠は十分ではないと考えます。少なくとも生存率の改善効果はないので、これからホルモン療法を始めることを考えるより、対側乳房を含めた検診をしっかりしていくことが重要と考えます。(文責 浜口)

 

No.10046-5】  14年10月23日  S.A.
術後の不妊治療

No.10046で質問させていただいたものです。その後ホルモン治療はせず、いま二人目の不妊治療中です。高齢のため、すぐにでも体外受精に進んだ方がといいと言う婦人科と、体外受精はやめた方がいいと言う乳腺科の意見の違いで悩んでいます。非浸潤だったので大丈夫なのでは?という気持ちと、治療したせいで再発してしまったら…と、なかなか結論が出せません。リスクはどのくらいなのでしょうか? 以前の質問と重複してしまいますが、あれから数年たったので情報も変わったのでは?と質問させていただきました。よろしくお願いします。

乳癌術後の妊娠についての新しいevidenceはありません。非浸潤癌で、術後一人妊娠出産している方であれば、基本的には乳がんでない方と同じと考えて良いと思います。新しい乳がんを見つけるために一年に一度のMMG(+US)を行うだけで、それ以外は内服も、検査も不要だと思います。体外受精を行ったら、非浸潤癌が再発するという話はありません。(文責 清水)

 

No.10046-6】  16年10月12日  S.A.
やはり再発でしょうか?

10046で質問させていただいた者です。無事2人目も授かり、妊娠出産と時間が空いてしまいましたが、2年半ぶりに市の乳がん検診に行ってきました。触診異常なし。マンモグラフィー 術側の不均一高濃度、カテゴリー3。もう一人の読影医はカテゴリー4で、再受診しました。エコーは問題なし、どうでしたか?と聞いたら、エコーしたの?と言われて、目も通していませんでした。エコー検査もマンモグラフィーもささっと見る程度で、引っかかった場所を細かく見ている感じはせず、不安です(担当医ではない方がエコーをしました)。検診の際も、しこりが気になると伝えている途中で、「これは検診で診察じゃないから答えられない」と遮られてしまい、不信感でいっぱいです。来週、以前手術をした病院に行く予定ですが、まだ1歳にもならない子供もおり、不安で寝ることもできません。やはり再発でしょうか? 術側なので局所再発になるのでしょうか? 非浸潤がんは再発リスクも少ないはずですが、温存だったからでしょうか…(術前 全摘の選択肢はなく、最初から温存でやりますと、医師に言われました)。まとまりのない文になってしまいましたが、ご意見をお聞かせください。よろしくお願いします。

ご相談どうもありがとうございます。乳房温存術後にマンモグラフィーをおこなうと、傷のひきつれなどで正確な診断が困難となることがあります。手術をしてくださった主治医の先生に画像をご覧になっていただき、判断を仰いでみてくださいね。検診の先生は、異常があるかないかのご判断しかできません。そのフィルムだけで診断をしなければならないので、判断は厳しくなります。ご不安なお気持ちでお過ごしになるのはおつらいと思いますが、次回の診察をお待ちくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10045】  11年01月21日  K
今後の治療について

お世話になり、ありがとうございました。おかげさまで手術も無事終わり、先日病理の結果がでました。センチネルリンパ生検 2/2 でリンパ郭清しました。その後の手術ではレベルT 0/12 レベルU0/9ということでした。 「乳頭線管がん 腫瘍計1.5×1.0 脈管侵襲は リンパ管+1 血管+1 ER全面?強陽性 PgR− HER2− 核グレード1 左乳房全摘」との結果でした。りンパに入っていたということで、抗がん剤は必須と思っていましたが、主治医の先生は、「ホルモンが非常に効くタイプなのと、結果から総合的に判断して、ホルモンだけの選択もあり。」とおっしゃいました。ただ確実にしたいのであれば、抗がん剤をと言うお話でした。できれば抗がん剤はやりたくありませんが、抗がん剤を使用した場合、ホルモン療法単独と比べると、どのくらい再発、転移のリスクを下げられるのでしょうか? 母は現在60歳なので、やはり先を考えるとやっておいたほうが良いのでしょうか? 先生からは、ご自身で決めてきてくださいといわれており、悩んでおります。ご助言よろしくお願いいたします。

ホルモン剤単独で12%ほどの再発率が予想されますが、抗がん剤を追加しても1-3%程のリスクの低下にしかなりません(9-11%)。(文責 加藤)

 

No.10044】  11年01月21日  k m
胸部CT検査

胸部CT検査(胸膜骨盤造影CT)結果に下記の記載がありました。この記載内容はどういうことでしょうか?

1) ダグラス窩に僅かだが腹水を認め生理的範囲内と考える。
2) uterus右側に22o大結節影あり、S/O myoma nodule

よろしくお願いします。

1) お腹の下の方にほんの少し液体が貯留しているが、正常範囲内である。
2) 子宮筋腫の疑い

少し噛み砕けば、上記のようになります。(文責 加藤)

 

No.10043】  11年01月21日  T
抗がん剤による筋肉痛とむくみについて

抗がん剤の副作用について質問させてください。11月にTC療法4回を終了し、約1月経過しました。回を重ねる度に回復が遅くなるのを感じています。特に、4回目は胃のむかつきがほぼ一月続き、痺れも酷くなり、新たに足のむくみなどの副作用が出てきました。また、投与2週間後くらいから、ものすごく運動をした後のように足が筋肉痛で重だるく感じます。朝起きるときも、「よいしょ」という感じです(3回目までは全くありませんでした)。階段を少しのぼっただけで、足がぷるぷるとなり、とても疲れます。少し歩くと足がもつれる感じです(腕は少しだるい程度です)。通常の副作用の筋肉痛は投与から4-5日後に生じて、すぐ良くなると聞いていますので、ちょっとちがう感じです。この筋肉痛も抗がん剤の副作用なのでしょうか? また、むくみに伴うものなのでしょうか? 偽アルドステロン症というのに症状が似ています(漢方薬はのんでいないので、違うと思いますが・・・)。もうすぐ復職しますが、この状態では仕事にならないと不安を感じています。また、足先にしびれがあり、車の運転が不安です(仕事に車を使います)。復職前に何とか少しでも改善できたらと思っています。有効な薬などありますでしょうか。よろしくお願いいたします。

抗がん剤(TC)による症状であると思います。少し時間がかかりますが、徐々に軽快していきますので、あせらずにお待ちください(残念ながら、これといって有効な薬はありません)。(文責 加藤)

 

No.10042】  11年01月21日  エル
腫瘍マーカー

先生方のご意見が大変参考になり、いつも拝見いたしております。手術後3年が経ちますが、2年半検診で腫瘍マーカーが高くなり、毎月採血をしておりますが、どんどん高くなる一方です。(現在CEA 6.4 、CA15-3 114.3、NCC-ST439 7.2) あらゆる画像検査(PETCT検査や脳のMRIも撮りました)の結果ではっきりした転移が診られず、痛みなどは無いので、ホルモン療法(フェアストン)を継続しております。三つの腫瘍マーカーの数値が高くなり続けているということは、どこかに転移しているということなのでしょうか? 様子を見るしかないので、定期的に検査は続けておりますが、このようなことはよくあるのでしょうか? 一年前からリンパ浮腫もあり、2ヶ月前から病院内のリハビリでマッサージを受けるように言われ、毎週通っておりますが、ピリピリした痛みもあり、スリーブも長く着けていられません。その事が何か影響しているのでしょうか? どうぞ宜しくお願いいたします。

マーカーが上昇を続けているということは、やはりどこかに転移している可能性を否定できません。おっしゃるようにマーカーの上昇時に検査にて転移部位が確認できず、時間が経ってから判明することもあります。リンパ浮腫が影響しているということはないように思います。(文責 加藤)

 

No.10041】  11年01月21日  I
ハーセプチン治療について

お忙しい先生方にご相談できるこのようなサイトに、ありがたく感謝しております。現在の週1回のハーセプチン治療について ご相談いたします。53才です。
2005年9月 左温存手術 腫瘍径2センチ ホルモン感受性無し リンパ節転移 1ケ ハーツー +3 放射線 抗ガン剤 EC + T。
2008年9月 右肺 2カ所(7mm,8mm) 転移、 ハーセプチン単独投与開始
2009年8月 肺転移 若干増大 (9mm,10mm)  ノバリスにてピンポイント照射  3ヶ月毎の血液検査及びCT検査。
2010年6月 PET検査にて異常認められず
2008年9月以来ハーセプチンの単独投与を続けてきましたが、主治医と相談し、2011年2月に血液検査及びCTにて問題なければハーセプチン休止を考えています (健康保険が私本人のものから 主人の扶養家族に変わるため、高額医療費補助の関係で治療費が現在の倍以上になることもあり)。遠隔転移したということは、全身にがん細胞が潜んでいると考え、まだしばらくハーセプチンの投与を続けた方が良いのでしょうか。続けるとしたら、あとどれくらいの期間を考えればよいでしょうか。なお、血液検査で腫瘍マーカーが正常値を超えたことがなく、CTにより判断されています。

Her2陽性の再発乳癌で、初期治療が奏効した場合、いつまでハーセプチンを続けたらよいかという問題ついては、現時点で何もevidenceがないので答えはわかりません。大丈夫だと思って中止したら再燃した例もありますし、中止してそのままうまくいっている例もあります。がんが消えたかどうかは腫瘍マーカーでも画像検査でもわかりませんから、やめる指標となる検査はありません。治療をやめるというのは、がんが消失しているかどうかの賭けになると思います。(文責 清水 哲)

 

No.10040】  11年01月21日  M.T.
腋の痛み

51歳、出産経験あり(2人)。授乳が終わってからずっと乳腺が硬くなっているところがあったけど、気にしていなかったのですが、しこりがあるのは自覚していました。40歳過ぎから、生理前になると、しこりがズキズキ痛んだり、走っても乳房が痛かったので、乳癌検診を受けてみました。2009年11月に自治体の乳癌検診(マンモ)で左にしこりありで、乳腺外科のある大学病院を紹介され、マンモ・超音波にて、両側にしこりがあるとの診断。左に2つ、右には多数。針生検にて左は線維腺腫。右が不明の為、マンモトーム生検。その結果右も線維腺腫。半年後検診にて、今度は左に5mm程度のしこり。Dr.曰く、「あまり形が良くない?!」。 又半年経過観察。現在、月経が少しまばらになってきており、更年期障害かな?と言う症状がありますが、若い時からあったしこりはなくなりました。(生検をしたときのしこりは手で直ぐ分かったけれど、今はそのときのしこりはなくなったような気がします。) 左腋が、痛いと思うことがよくあるようになり、5mmと言われたしこりは、自分では元々分かりません。次の検診は2/28なのですが、腋の痛みが増すようなら、待たずに診てもらった方がいいでしょうか? 「左だ右だ、やっぱり左だ」とか、「良性そうです。悪性かも?」と、何度も変わるので、少し不信感もあります。両側に複数の線維腺腫が出来ることはあるのでしょうか? 取り留めのない質問でスミマセン。

左の脇の下の痛みだけで何もしこりがなければ大丈夫だと思いますが、心配であるようならば早めに受診しては如何でしょうか。両側に線維腺腫ができることは珍しい事ではありません。(文責 清水)

 

No.10039】  11年01月21日  K
胸のむくみ(HPNo.9533-5

以前、HPNo.9533にて相談にのっていただき、ありがとうございました。今回も、ご相談にのっていただきたくて、メールした次第です。
前は浸潤性小葉がんの件で、相談させて頂きました。手術をした先生に聞いた所、私の癌は非浸潤性小葉がんだそうです。アメリカでは非(NON)とは付けないそうです。今回は、術後の胸の部分がふくれ、中身が硬く、パンパンになってしまったのです。少し皮膚が熱く、アンダーバストの毛細血管がくっきりと見えます。ブラのサイズも大きく変えたのですが、まだ、後がくっきりと付きます。これは、手術をした胸の方だけです。胸にむくみがあるみたいです。先生の所に行って、診断したのですが、とりあえず、フィジカルセラピーをして様子を見る事となりました。マッサージ師が言うには、肝臓が飛び出して、リンパを圧迫しているみたいだそうです。色んな原因を聞かれましたが、10月にバスに乗っていたときに、車が接触しそうになり、運転手がキューブレーキを掛けた事により、座席から、体が飛び出し、鉄柱に顔を打ち、床に落ちました。また、日本に帰ったときにスーツケースを持ち上げた事、今40肩で、あまり腕が後ろに回らない、こういった事があった後、11月ぐらいから、胸のむくみが始まりました。4回程、マッサージを受け、少しは中身が柔らかくなりましたが、やはり、手術をしていない胸に比べて、重く感じます。手術した胸の方が、熱いです。放射線は6月15日に終わっていますが、未だ皮膚の色は元にもどっていません。センチネルリンパ節生検をした為、リンパ浮腫があります。マッサージ師も、私のような症状の患者は、初めてだそうです。レントゲン等も取っていないので、少し不安です。ジッとしていると痛みはありません。押すと痛みがあります。お忙しいところ大変恐縮ですが、ご意見お聞かせ願います。今までに、このような事例があったのか、参考意見で構いませんので、教えていただきたいと思います。よろしくお願い致します。

胸のむくみは放射線治療の影響だと思います。胸のむくみがとれるには、放射線治療が終了してから一年はかかります。心配なものではありません。(文責 清水)

 

No.10038】  11年01月18日  Y.E.
5年終了後の治療について(2)(HPNo.10029-2)

お返事ありがとうございました。再発防止ではなく、新たな乳がんが発症することを予防するために服用した方が良いということ、理解できました。これで継続して行こうという気持ちが固まりましたが、又わからないことがでてきてしまい、再度の質問をさせてください。主治医は、あくまで再発防止のためにホルモン療法を続ける場合、AI剤にスイッチしていくつもりのようです。新たながんを予防する為に投与するというお考えはないような説明でした。タモキシフェンでなくとも、同じ効果は期待できますか。5粒の集簇性の微細円形石灰化があり、乳腺症と診断されていても、実はがんだったということもあるのでしょうか。(はっきりしたくてCNB等を希望しましたが叶いませんでした) もしがんだった場合、それがホルモン療法を継続することで封じ込めることができる可能性もあると理解してよろしいのでしょうか。

1) HPNo.10029の方の再相談と受け取ります。とすると、「DCIS7cm 浸潤部は1か所8mm 悪性度1 ER85% PgR35% HER2(1+) 脈管侵襲(−) リンパ節転移(0/12)」で5年が経過しようとしているのだと思いますが、再発リスクがかなり低いので再発防止目的では5年の内分泌治療で良いのではないかと思います。ただしAI剤に切替えた場合、残念ながら乳癌発症の抑制効果は期待できません。
2) 「5粒の集簇性の微細円形石灰化」が実は何年かしてみたら乳癌だったという可能性は有ります。微細円形集簇性の石灰化はカテゴリー3に分類され、カテゴリー3の石灰化が乳癌である確率は5-10%位ですので、逆に考えれば90%は癌ではない石灰化になります。また5間存在している所見ですし、もし乳癌だった場合でも非浸潤癌の範疇を超えていないと考えます。定期的な経過観察を怠らなければ、悪い籤を引いても0期の非浸潤癌で診断される可能性が極めて高いと考えます。(文責 久保内)

 

No.10037】  11年01月18日  H.N
温存でいいのか悩んでいます

もうすぐ39歳、未婚です。年末に右乳房温存術を行い、一週間ほど前に病理結果がでました。今後の治療方針について、早く決断しなければと思っていますが、なかなか結論がだせずにいます。術中の迅速検査で断端陽性だったため、追加で切除したところ、追加切除検体において、乳管内病変が乳頭側断端1o以下まで近接しているとの結果でした。乳頭側を除く側方断端陰性です。主治医の先生からは、残っているとしても微量であると思われるので、追加切除はせず、ホルモン療法、放射線治療を全体に行い、乳頭部分に追加照射を行う治療法でいいのではないかと説明を受けました。ほかの選択肢は、全摘か乳頭部分を切除するかということです。またオンコDXで遺伝子検査も受けようと思っています。しこりはC域の脇の下と乳頭の中間くらいにあり、乳頭に向かって乳管内進展が広がっているようです。乳頭手前まで切除したが、術中断端陽性のため、乳頭の下の部分まで追加切除(横に広く検体65×28×13o)を行いました。私としては、もちろん全摘は避けたいとは思っていますが、いろいろネットで検索してみると、断端陽性は再発リスクが高いようなので、温存でいいのか悩んでいます。また、乳管内進展の広がり具合と、乳頭の下まで広がっていることも気になっています。お忙しいところ申し訳ありませんが、温存でいってしまっていいのか、ご意見をお聞かせいただければ幸いです。

詳しい病理の所見は以下の通りです。

腫瘍の占拠部位C 腫瘍の大きさ 10o大(浸潤部) 58o×24×11o(全体)
組織学的分類 Invasive ductal carcinoma,papillotubular carcinoma>sirrhous carcinoma
f(+)、ly(−)、v(−)、duct spreading(+)
切除断端:追加検体において乳頭側断端1o以下
リンパ節転移:センチネル0/2 

右乳腺部分切除:検体は80×69×21o大。割面で8o大の白色腫瘍を認める。
組織学的にN/C比の高い異型細胞が、乳管内において篩状〜ほぼ充実性に増生するとともに、部分的に間質へと小腺腔状〜小胞巣状に浸潤している。乳管内には分泌物貯蔵がみられ、僅かにComodo壊死もみられる。乳頭腺管癌>硬癌を示す浸潤性乳管癌である。
腫瘍は、一部周囲脂肪織へと浸潤しており、浸潤部は10o大である。乳管内進展が目立ち、乳管内進展を含めた組織学的広がりは、58×24×11o大。脈管浸襲は明らかではない。背景の乳腺組織では、乳管乳頭腫症、閉塞性腺症、線維線種症、胞などの乳腺変化が比較的目立つ。迅速診断標本において、乳頭側断端陽性(乳管内病変)。乳頭側を除く側方断端陰性。

乳頭側追加切除:検体65×28×13o大。同様の乳管内病変を認め、♯32で乳頭側断端1o以下まで病変が接近している。

センチネルリンパ節に腫瘍の転移を認めない。

Histological Grading, HG(U) score合計(6)
1.Tubular Formation score2
2.Nuclear pleomorphism score2
3.Mitotic count score2

Nuclear grade(NG)=2
ER:PS(5)+IS(3)=TS(8)
PgR:PS(5)+IS(2)=TS(7)

MIB−1 index:15-20%

遺伝子検査報告
検査項目:Her2/neu gene amplification(FISH法)
判定:増幅なし
HER2/CEP17比:50/30=1.67倍

「追加切除をした上で、乳頭側の断端が(露出ではなく)1mm以下までの接近」と言うことだと思います。乳頭方向だけなので、乳頭を越えて向こう側に向う乳管は考えにくいことから、追加切除しても「癌陰性」と出る確率は高いと考えられます。また有ったとしても、微小な病変ならブースト照射で根絶可能と考えておられるかも知れません。どういう病変の分布がどのように断端陽性になったかが見えないのですが、切除標本の病理所見を見る限りは、ほぼ取れているという感じがします。写真・プレパラートを見ていないので可否は論じられませんが、温存療法の断端に関しては30〜40%はこういう問題が生じます。結果は神のみぞ知るということですが、有ったとしても局所再発ですので、追加切除をしなかったとしたら、術後の画像による経過観察をきっちりなさっておかれれば良いと思います。(文責 久保内)

 

No.10036】  11年01月18日  H 
今後の治療方法

初めて投稿させていただきます。現在43歳、既婚です。去年12月に乳がんが見つかり手術をしました。

病理検査の結果
1. 浸潤性乳がん(10×7×4mm)、センチネルリンパ陰性、断端陰性、核グレード1、ホルモン感受性陽性(ほぼ100%)、HER2(−)
2. 非浸潤がん(6×4×15mm)、
3.異形乳管道形成

3つは別々のもの→多中心性発生。2,3に関しては、術前の検査では見つからず・・たまたま取ってみて見つかったという感じです。今度の治療方法としては、2や3の様に検査では見つからない事もあるので、定期的な検診と放射線+内分泌療法をしていくという事ですが、放射線と内分泌療法は同時進行で行い、内分泌療法については、「タモキシフェン(5年)」+「注射(ゾラテックス、2年)」か、「タモキシフェン」のみの治療と言われました。
そこで質問ですが

1) 先生が言われるには、40歳を過ぎた方は、「タモキシフェン+注射」をされる方と、「タモキシフェン」のみの方とでは、データー上、再発のリスクがあまり変わらない・・と言われました。つまり注射をどうするか・・という事でしたが、相談の結果、私は一応、注射もお願いして一回目を打ったのですが、この判断でよかったのでしょうか?
2) 放射線と内分泌療法は一緒に行ってもいいのでしょうか?

乳がんになった事は「どうして?」と思ってしまいますが、ここまで来たら治療をきちんとして頑張ろうと思います。色々調べていたらこのページにたどり着き、相談させてもらいました。どうぞよろしくお願いいたします。

1) 小生の知る限りでは、40歳の前後でのLH-RHagonist(ゾラデックス等のあなたのおっしゃる注射)の効果に差は無いと思います(ある試験のサブセット解析で40歳以上で効果がやや低いとされましたが、トータルではよく効くので問題ないと考えています)。化学療法をするほどではないけれど、タモキシフェンだけでは弱いと考えられる少しだけリスクの高い方に「タモキシフェン+注射」を行うことが多いと思います。あなたは(全身)再発リスクの極めて低い方ですので、「タモキシフェン」だけでも良いように思いますが、より協力に内分泌療法を行う目的なら、ゾラデックスを2年追加しても良いように思います。
2) 基本的には併用は可能です。それぞれの(極めて稀な)副作用に「放射線性肺炎」と「間質性肺炎」があり、初期症状で区別が付き難いことから、放射線治療の後で内分泌療法開始とする先生もおられます。(文責 久保内)

 

No.10035-1】  11年01月18日  T
再発後について

いつも大変有難く、参考にさせていただいております。4年前58歳の時、左乳房全摘手術を受けました。病理結果は、硬がん 浸潤増生 乳管内進展著明 断端(-) (f) ly-1 v-1 NG1 ER(-) PR(+) MIB1(-) P53(-) HER2(0) 腫瘍径32×17 リンパ節転移なし おとなしいタイプ という事でした。ホルモン治療(アリミデックスのみ)で、半年毎に胸腹部のCTと血液検査を受け、順調にきておりました。半年前、3年半経過の時点でPET検査の結果、左腋窩リンパ節に再発が判明し、「他に問題はなく、局所再発なので摘出すれば大丈夫」といわれ、即処置していただき、服薬はフェマーラに変りました。半年後の今回のCT検査では異常はなく、取敢えずほっとしている所です。参考までに、下記の質問をさせていただきたく、よろしくお願い致します。

1) リンパ節転移という事・・・最初の手術の時に既に転移がある方と、私のようにおとなしいタイプで転移なしといわれたのに、途中からリンパ節に再発した場合、これから予想される経過に違いはありますか?
2) 私の場合、たぶんアリミデックスの効果が薄かったのではと思うのですが、ERが(-)の為という事も大きく関係していますか?  PRが(+)とはいうものの、最近質問されている方々のように、%の程度は分りません。 当初、主治医の先生のお話しでは、PRの働きについては解明されていない部分が多いが、どちらかが(+)ならホルモン治療が期待できるといわれました(抗がん剤を使用しなかった事に後悔はありません)。
3) 再発があった事で治療の期間が長引くのは覚悟していますが、異常が見つからないままでも(有難い事ですが)かなり長期になるでしょうか?

1) あなたの場合、「おとなしいタイプの乳癌と(手術時には)思っていたけど、実はその時からリンパ節には(きっとミクロの)転移があった」と考えるべきです。このリンパ節で留まっていればこれ以上の再発は無いでしょうし、極くわずかでも遠隔臓器に有れば今後再発する可能性は有ります。後者の可能性は神のみぞ知ると言わざるを得ないのですが、それを抑えるためにアリミデックス→フェマーラに変更になったと考えてください。
2) たしかにアリミデックスの効果が薄かったのですが、同種のAI剤ですがフェマーラには期待を持っても良いと思います。過去にER(-)と判定された方は10%以下を言うのですが、2009年ザンクトガレンでERは1%以上で内分泌療法の効果が期待できると言われました。すなわち、過去にER(-)と言われても内分泌療法が有効な症例があるということになります。あなたがこれにあたるとは必ずしも言えませんが、PgR陽性なのでその可能性は高いのではないかと推察されます。
3) 最近内分泌療法は、5年⇒5年以上とされましたが、リンパ節転移が陽性の場合等の再発危険因子の高い方を5年以上投与にしている事が多いようです。すなわち、あなたの場合は化学療法を施行していないので、当初言われている5年投与を延長して投与される可能性が高いと思います。(文責 久保内)

 

No.10035-2】  11年06月28日  T
再発後について(2)

前回、No.10035にて質問させていただきました。その節には、新たなご見解等をご教示いただき有難うございました。昨年6月、術後3年半経過の時点で、PET検査により左腋窩リンパ節に再発が判明し、切除術を受けました。腫れていたリンパ節は1個のみということでした。半年後のCT検査では異常はなく、局所再発から1年(術後4年半)経過の先日、再度PET検査を受けました。「特に問題ありません。良かったですね」と口頭で言われ、ほっとしていたのですが、PETの診断書(写)をあとで見ましたら、以下のことが記されていました。
1) 左腋窩レベルTの軽度腫大が見られますが、異常な集積像を認めません。リンパ節反応性変化が疑われます。遠隔転移を疑う所見を認めません。
2) 腰椎(L4/5右椎間関節部)に硬化性変化がみられます。異常な集積像を認めませんが、変形性骨関節症が疑われます。

再発は、発見自体の速さに関係しないという事で、先生は経過観察の意向から、口頭での説明がなかったのではとも思うのですが、次回受診まで2か月ありますので、以下の点につき教えていただければ有難く思います。

1) フェマーラに変更後もリンパ節に腫大化が起きているのでしょうか? 反応性変化という事は、どのような事でしょうか? このまま治まることもあり得ますか?
2) 軽度腰痛が続いていましたので不安だったのですが、骨転移の可能性は考えなくてよろしいでしょうか?

1) どこのリンパ節も炎症反応として腫大することがあります。このようなリンパ節の腫大を反応性腫大といい、放置しておいてかまわないもので、通常自然に縮小します。がんの転移とは違います。
2) PET検査で異常な取り込みがないので、変形性関節症の診断でよろしいと考えます。(文責 徳田)

 

No.10034】  11年01月18日  M
造影剤でのアレルギー反応について

この間、CTをしたのですが、造影剤でのアレルギー反応で、身体中蕁麻疹がでました。今度MRの検査があるのですが、また蕁麻疹がでるのか心配です。主治医の先生は違う薬だから大丈夫といっているのですが、造影剤の薬って成分はなんですか? また、私の乳癌は2カ所あって非浸潤がんらしいのですが、時間がたてば浸潤がんになりますか? 乳房切除になりますか? 検査結果はまだ先で不安なのです。できる範囲でよいので教え下さい。よろしくお願いします。

CTスキャンの造影剤はヨード剤ですが、MRの造影剤はガドリニウムという物質で、全く異なります。余程のアレルギー体質なら両者に過敏な方が居られるかもしれませんが、通常別のこととして扱われます。あなたはヨード剤で過敏でしたので、次のヨード剤での造影検査は慎重であるべきで、余程のことが無い限り造影なしになるでしょう。しかし乳腺のMRは、@造影をしないと癌が検出されず意味が無いので、A喘息等MRの造影剤の禁忌でない限り、注意しながら造影をすることになると思います。
後半のご質問は、答えにくくて困ります。たしかに非浸潤癌が進んで浸潤癌になることは事実ですが、術前検査の1ヶ月や2ヶ月で大きく変化する事は有りません。また非浸潤癌でも乳房切除になることも有り、浸潤癌でも多くの症例は温存療法です。術式は病変の範囲が温存で取り切れそうか、乳房切除しなければ取りきれないかで決まり、そのためにも造影MRを検査すると考えてください。(文責 久保内)

 

No.10033】  11年01月16日  M
FEC副作用(味覚障害・口舌炎・むくみ)について(HPNo.10006-4)

現在、術後化学療法としてFECの2回目を終えたところなのですが、吐き気は殆どないようですが、味覚障害がひどいようで、食べるもの全てが美味しく感じられないそうで、摂食障害になりはしないか、体力・免疫力を奪われてしまうのではないかと不安です。本人は全く美味しく感じないものの、無理して食べられるものは食べている状態です。また、第一回目の投与2週間後より舌に紫色のブツブツが出来て、それがまた痛むようです。副作用としては、顔がむくんだりもしたのですが、それについて利尿剤が出ることもなく、口舌炎についても特に薬は出なかったそうです。味覚障害は抗がん剤投与が終了しても残ってしまうものなのでしょうか。味覚障害・口舌炎・むくみといった副作用が少しでも軽減される方法はありますでしょうか。お忙しいところ申し訳ありませんが、教えて下さいます様、お願い申し上げます。

御相談ありがとうございます。私のお返事で少しでも疑問が減れば嬉しく思います。
現在化学療法中でいろいろな副作用が出て、さぞ驚かれたり、つらかったりすることと思います。ご質問の味覚障害ですが、私の経験では、化学療法が終了すれば改善される方が大多数と感じています。ただし、これを予防するようなお薬はありません。亜鉛のお薬で改善することがあるとの報告もありますが、劇的に改善するものではないようです。口内炎に対しては、お口の中を清潔に保つ目的で、1日数回の「うがい」を行って頂く事が口内炎の予防には効果的です。むくみに対しては、むくみが強い場合は利尿剤をお出しすることもあります。これは、むくみの程度により主治医の先生がご判断されますので、一度御相談なさってみて下さい。まだ抗がん剤治療が続くとは思いますが、明けない夜明けはないとの思いで、もう少しご辛抱頂き、治療をお続け頂きたいと思います。応援致します。(文責 斎藤)

 

No.10032】  11年01月16日  S
放射線治療(HPNo.10014-2)

HPNo.10014にて相談させていただきました。先日はありがとうございました。今回は放射線治療についてお聞きします。これから、放射線25回と追加照射5回の予定です。月〜金で放射線治療を行う中で、一日でも休むと治療効果は落ちるものでしょうか? 治療開始が水曜日に決まり、治療期間中に祝日もあります。全期間、週5日にならず、不安に思っております。よろしくお願いします。    

御相談ありがとうございます。 私のお返事で少しでも不安が減れば嬉しく思います。
さて、これから放射線治療が開始されるのですね。その放射線治療ですが、1日休んでも治療効果はほぼ変わらないと考えます。科学的には25日間連続で治療を受けた方と、土日祝日をお休みした方とで比較をしなければはっきりとしたことは言えないのですが、そのようなデータはありません。1日や2日休んでも効果がなくなってしまうということはありませんので、安心して放射線治療をお受け頂きたいと思います。治療終了まであと少しですから、毎日の通院のための往復が大変とは思いますが、がんばって下さい。(文責 斎藤)

 

No.10031】  11年01月16日  O.T.  
ホルモン剤終了後について(HPNo.8653-2

何時も的確な説明を有難うございます。おかげさまで1月16日で術後5年が過ぎ、6年目に入ります。主治医に「アリミデックスは終了、貴女の場合は、その後の再発は3%」と言われ、嬉しいような不安なような、複雑な気持ちで、少々落ち着きません。また2たつ教えて下さい。

1) 最近、講演を聴いたり患者会の専門医がホルモン剤の延長を言われますが、私の主治医は「リンパ節転移が無かったので飲む必要無し」と言われます。1期で低リスク、ホルモン感受性強の私は、5年終了でいいのでしょうか?
2) 検診時に主治医から「あなたの場合は5年後からの再発は3%」と言われましたが、乳癌のガイドラインなどの表では、1期の10年生存率が89%になっていますので、「よく解らない」と悩んでいます

以上ですが、その通りに理解し喜ぶべきなのでしょうか?素人にも解る様に本当のところを教えて下さると助かります。お忙しい時期に申し訳ありませんが、宜しくお願いいたします。

御相談ありがとうございます。 私のお返事で少しでも疑問が解消されれば嬉しく思います。
1)現在アリミデックスでの治療5年終了後にさらに延長して投与した方が良かったというはっきりとしたデータはありません。海外のデータでも、5年までは信頼性の高いエビデンスがありますが、5年以上の投与に関しては、記載はありますが信頼性に乏しいエビデンスとなっています。このため治療の継続が有効なことも予想されますが、それに伴う副作用(特に骨粗しょう症)も考慮して決めていかなければなりません。
2)再発率とは乳癌が治療により一度消失した後に再び出現した割合のことを示しています。生存率とは治療開始から死亡するまでの割合を示しています。従って再発率と生存率は全く別のものであることをご理解下さい。そして今回ご質問の再発率3%と生存率89%はおそらくもとのデータが異なるため、比較することはできません。あくまでも統計上の数字ですから、あまりこの数字にとらわれない方がよろしいかと思います。(文責 斎藤)

 

No.10030】  11年01月16日  Y 
今後の治療について

2008年 Glt+Ax+Ic施行、t=3.0×2.0cm ER(+)90%、PgR(+)80%、HER-2(1+)術後、FEC3クール+TXT3クール終了、SC+PSへの照射終了。ゾラデックス24回施行した際(2010年)の検査にて肝臓転移(単発)指摘受け、ゾラデックスに加えてホルモン剤(フェマーラ)とゾメタ投与を追加し、半年が過ぎました(肝臓以外の遠隔転移は認められていません)。腫瘍マーカー(CEA、CA15-3)や肝機能数値等の血液データは変化はありませんが、画像上、数は増えていないが、大きさが正円状が楕円状になり、短径は10%程度、長径は25%程度大きくなりました。「1か月後の採血データに変化があれば、治療方針を変更せざるを得ないでしょう。」との話を受けました。現在、明らかな自覚症状はありません。(現在30代)

1) 画像上の腫瘍径変化率がどの程度までが経過観察に値する域なのか
2) この状態で次に進むべき治療方針
3) 抗がん剤治療を否定することが可能な状況なのか
4) 抗がん剤治療を免れないとしたら、適応となる薬剤とは
5) 予後

お忙しいところ大変恐縮ですが、ご意見お聞かせ願います。

御相談ありがとうございます。私のお返事で少しでも疑問が減れば嬉しく思います。現在は1個の肝臓への転移に対して、ホルモン治療を行っている最中なのですね。ご質問に対してお返事させて頂きます。

1) 私たちが治療の効果を判定するときは、レシスト(RECIST)という世界共通基準で効果を判定することが多いです。この基準では、進行していると判断するのは、治療開始前の基準の大きさ(最長径:しこりの最も長い部分)から20%以上増加して、絶対値も5mm以上増加した場合をお薬が無効と判断致します。ご質問の内容からはもとの肝臓のしこりの大きさが不明なため、10%や25%の増大が経過観察可能かどうかははっきりとお返事ができません。
2)と3) 術後のホルモン治療中に肝臓転移を認め、その後のホルモン治療も無効であると判断した場合は、ガイドラインではホルモン治療不応性と判断し、抗がん剤治療の対象となります。ご本人が抗がん剤の副作用をどうしても避けたい希望や、頻回の通院が困難などであれば、まだ使用してないホルモン剤も残っていますので、ホルモン剤を変更してホルモン治療を継続することも選択枝の一つと考えます。しかし肝臓の転移が急速に大きくなっている場合は、ガイドライン通りに抗がん剤の治療をお受け頂く事をお勧め致します。
4) 適応となる薬剤は多数残っています。ご安心下さい。 
5) 単発の肝転移の予後に関するはっきりとしたデータはなく、不明としかお答えができません。申し訳ございません。

今後長く治療が続くことが予想されますので、主治医の先生とよく御相談して、できるだけ副作用の少ない治療法をお選び頂く事をお勧め致します。(文責 斎藤)

 

No.10029-1】  11年01月13日  Y.E.
5年終了後の治療について

以前術式のことで相談にのっていただき、ありがとうございました。おかげさまで今春5年を迎えますが、今後の治療について迷っていますので、アドバイスをお願いいたします。51歳の時、石灰化により乳がんの診断を受け、全摘手術となりました。病理結果は、「DCIS7cm 浸潤部は1か所8mm 悪性度1 ER85% PgR35% HER2(1+) 脈管侵襲(−) リンパ節転移(0/12)」でした。2年目の定期検診で、対側乳房に微細円形の石灰化が5つ見つかり、乳腺症の可能性が高いとのことで、毎年MMG検査を続けていますが、今のところ変化はありません。ホルモン検査は今までに2回受けましたが、閉経には至っておりません。以上により、タモキシフェン(アドパン)を服用してきました。リンパ節転移がない人でも5年を越えて再発している方がいる事実と、最近の流れとしてホルモン治療が長くなってきていることを知り、副作用がないこともあり、継続した方が(5年以降はAI剤の可能性が高いとのこと)良いのかとも思いますが、迷っています。主治医に相談したところ、「心配な人は続けられます。」との回答でした。心配は正直尽きません。どういう方が継続になり、又終了になるのかわかりませんので、参考意見で構いませんので、教えていただきたいと思います。

あなたのデータを拝見する限り、内分泌療法をなさっていることが良いと思います。乳房切除術ですが、浸潤癌の部分が小さく、悪性度も高くなく、リンパ節転移が陰性なので、再発防止という観点からは5年の投与で良いように思います。しかし今後の新規の乳癌発症を予防する目的に、タモキシフェンをより長期に使われるのは意味が有ります。ただし子宮内膜癌の発症の可能性や、子宮筋腫が有る場合に増大させる可能性が高い等、副作用にも十分注意しなければならないでしょう。リンパ節転移陰性や核グレード1等の比較的おとなしい乳癌の方は、小生は5年で良いと申し上げております。(文責 久保内)

 

No.10029-2】  11年01月18日  Y.E.
5年終了後の治療について(2)

お返事ありがとうございました。再発防止ではなく、新たな乳がんが発症することを予防するために服用した方が良いということ、理解できました。これで継続して行こうという気持ちが固まりましたが、又わからないことがでてきてしまい、再度の質問をさせてください。主治医は、あくまで再発防止のためにホルモン療法を続ける場合、AI剤にスイッチしていくつもりのようです。新たながんを予防する為に投与するというお考えはないような説明でした。タモキシフェンでなくとも、同じ効果は期待できますか。5粒の集簇性の微細円形石灰化があり、乳腺症と診断されていても、実はがんだったということもあるのでしょうか。(はっきりしたくてCNB等を希望しましたが叶いませんでした) もしがんだった場合、それがホルモン療法を継続することで封じ込めることができる可能性もあると理解してよろしいのでしょうか。

1) HPNo.10029の方の再相談と受け取ります。とすると、「DCIS7cm 浸潤部は1か所8mm 悪性度1 ER85% PgR35% HER2(1+) 脈管侵襲(−) リンパ節転移(0/12)」で5年が経過しようとしているのだと思いますが、再発リスクがかなり低いので再発防止目的では5年の内分泌治療で良いのではないかと思います。ただしAI剤に切替えた場合、残念ながら乳癌発症の抑制効果は期待できません。
2) 「5粒の集簇性の微細円形石灰化」が実は何年かしてみたら乳癌だったという可能性は有ります。微細円形集簇性の石灰化はカテゴリー3に分類され、カテゴリー3の石灰化が乳癌である確率は5-10%位ですので、逆に考えれば90%は癌ではない石灰化になります。また5間存在している所見ですし、もし乳癌だった場合でも非浸潤癌の範疇を超えていないと考えます。定期的な経過観察を怠らなければ、悪い籤を引いても0期の非浸潤癌で診断される可能性が極めて高いと考えます。(文責 久保内)

 

No.10028】  11年01月13日  J・M
経口抗がん剤、ホルモン剤と飲酒について(HPNo.9894-2)

昨年9894でご質問させていただいた65歳の女性です。その後猛烈に悩んだ末、結局 先生ご提案の標準的治療である点滴抗がん剤を経口抗がん剤服用に変更していただきました(どうしても脱毛を受け入れがたかった私のわがままからです)。ただし、ホルモン受容体が非常に強いという事、Her2が+3という事から、放射線25回終了後は、フェマーラとユーエフティを毎日服用しながら、三週間に一回ハーセプチン治療を受けています。これらを服用し始めてまだ一ヵ月ではありますが(ハーセプチンは一回目が終了)、副作用らしいものは全く自覚していません。それとも副作用というのは今から始まるのでしょうか?
今回のご質問なのですが、仕事柄、飲酒機会が多いのです。これらの薬を服用するようになって、アルコールは控えるようにしていますが、それでも全くと言うわけにも行かず非常に苦慮しています。経口抗がん剤とホルモン剤を二つ服用していて、飲酒は大丈夫でしょうか? 酒量は一日置き、日本酒に例えれば一合程度ですが、これぐらいでも駄目なのではないかと心配です。今までの経過から主治医の先生には非常に聞きづらく、お尋ねするしだいです。どうかよろしくお願いいたします。

前回のご相談の答えは小生ではないのですが、術後治療として開始された由、完遂され効果があるることを期待します。また副作用は、短期のものは出なかったようですが、長期にわたるとなにがしかの症状が出る場合が有りますので、今後も主治医の先生とご相談なさって投与を続けてください。
抗癌剤やホルモン治療薬投与中のアルコールに関しては、基本的には問題ありません。抗癌剤の中にはアルコールで溶解して点滴しているものも有り、アルコールに弱い人に投与しづらい場合すら有ります。ただし、飲酒は適量に制限されることをお勧めします。(文責 久保内)

 

No.10027】  11年01月13日  M
不正出血があります

50歳・術後二年半・現在ホルモン治療中です。リュープリン注射とノルバデックス服用中ですが、四か月に一度くらい、不正出血があります。一週間たらずでおさまり、婦人科で子宮がん検診(半年ごと)するも異常なし。外科の主治医に相談するも原因わからずで・・・。気がかりです。きちんと検査し、通院していれば、必要以上に気にすることはないのでしょうか?

リュープリンとノルバデックスによる術後治療をなさっているとのことですが、リュープリンで閉経状態にしているのに不正出血があるとのこと、ご心配と思います。しかし、婦人科で精査されていて、子宮癌等の婦人科疾患が否定されているので、その点は問題ないと思います。外科の主治医の先生が原因不明と言われているとのことですが、ノルバデックスの副作用(軽)に不正出血があります。頻度や量が多くてお困りなら(貧血になるなど)中止もやむを得ないと思いますが、この治療のメリットが大きいので続けられたらどうでしょうか?(文責 久保内)

 

No.10026】  11年01月12日  S
母の乳癌について(HPNo.9879-5)

HPNo.9879で質問した者です。昨年の10月で3年目が終わり、現在4年目に入った母のことで、再度質問させていただきます。
1) 母のがんは発見時2cmだったのですが、どうやら発見する6〜7年ほど前から小豆ほどのしこりは認識していたそうなのです。一般的に、腫瘍が2cmに成長するのに6、7年かかるのは、進行が速いと考えるべきでしょうか?
2) 病理結果が、「腫瘍径…2cm、リンパ節転移…1/19、HER2…1+、核悪性度…不明、ホルモン感受性…微弱陽性(詳細は不明)」ですが、差し支えなければadjuvant onlineにて、この病理で核悪性度2と3では生存率・再発率にどれほど差が生じるのか、お調べいただけないでしょうか?

よろしくお願いいたします。

御相談ありがとうございます。ご質問に対してお返事させて頂きます。 
1)乳癌手術前の癌進行のスピードをご心配なさっておられるようですが、6〜7年前の自覚なさっていたしこりが今回の乳癌なのかは不明だと思います。また仮に乳癌であったとしても、そのスピードが速いか遅いかは、比較対象するものがはっきりしないため、不明としかお答えができません。
2)Adjuvant! Onlineでの再発や生存率ですが、これにはご本人の健康状態を入力する項目があり、ご質問の内容からでは正確にお返事することができません。またAdjuvant! Onlineの目的は、術後補助療法の治療を選択する際に、選択した治療がどの程度の効果をもたらすかの指標とするものであり、術後補助療法が終了して数年経過してから施行した治療の事を評価することは目的から外れると考えます。このようなお返事しかできず申し訳ございません。御母様の乳癌治療について多くの心配をお持ちのようですので、ぜひ御母様の診察にご一緒に行かれて、術前や術後の治療や今後のことなどを主治医の先生にご質問をして頂き、不安を解消されることをお勧め致します。また主治医の先生以外のご意見をお聞きになりたい場合は、セカンドオピニオンをお受け頂く事をお勧め致します。(文責 斎藤)

 

No.10025】  11年01月12日  Y
現在の治療について

去年12/22に、右乳癌2個(1個は1.8cm 浸潤癌、2個目は1.0cm 非浸潤癌)で、リンパ転移がない為、温存しました。その後、放射線治療50グレイ(25回)を行い、ホルモン療法を5年という事で投薬しています。術後1年目の検診(マンモとエコー)で、0.8cmの影がエコーで見つかりました。主治医は何でもないという事で検査をしません。レントゲン写真もとりません。腫瘍マーカだけで異常なしと言われました。ナグモクリニックへも相談した結果、2個の癌がある場合は「多発」と考えて、全摘出が望ましいのではという事でした。私の病院は乳腺外来を開設したいが為に、大学病院から医師を派遣させており、2年後に認定を取った時点で、その医師は大学へもどりました。主治医はお爺さんです。マンモで微量の石灰化があり、0.8cmの丸い腫瘍がエコーで発見されたのですが、針生検もしてくれないので、不安で仕方ないのです。このままでいいのでしょうか。

御相談ありがとうございます。私のお返事で少しでも不安が減れば嬉しく思います。
さて御相談の内容からですと、手術をお受けになった右乳癌2個の位置や今回の0.8cmの影の場所が不明ですが、術後約1年の乳房内再発を完全に否定できるものではないと思います。ただし術後1年しか経過していないため、術後の乳房の変化の可能性も十分にあると思います。現在見て下さっている主治医の先生にお願いして、細胞診や針生検をご希望なさるのも一つの方法と思います。また主治医の先生が必要ないとお考えであっても、Yさんがどうしても心配であれば、他院へのセカンドオピニオンや他院での精検も一つの選択枝と考えます。どちらの方法を選択なさるにしても、まずは主治医の先生がどのように判断されているのかをよくお伺いして、御相談の上、ご選択して頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.10024】  11年01月12日  Y  
母(63歳)の乳癌について

今回は母(63歳)の乳癌について質問させていただきます。2009年6月に左乳房温存手術、術前にリンパ節にも転移が見つかり、左脇のリンパ節も切除しました。病理検査の結果、しこりの大きさは3センチ・リンパ節転移は2/17でした。先日の一年半検診で鎖骨の辺りを超音波エコーで検査したところ、水泡と石灰化が見られるとのことでした。今後の検査で経過を観察していくそうです。鎖骨に見られた水泡と石灰化は、今後、癌になる可能性はあるのでしょうか? もし今後、癌化した場合、治療の方法・回復の見込みはあるのでしょうか?

御相談ありがとうございます。私のお返事で少しでも疑問が解消できれば嬉しく思います。
乳癌術後約1年半のエコー検査で水泡と石灰化が見えたとのことですが、御相談内容からは、これがどのような病変か推測するのは難しいです。御相談頂いたのに申し訳ございません。ただし今後徐々に癌に変化するということはなく、再発であれば、小さくても既にそこには悪性細胞があります。癌かどうかは、この部分に対する細胞診や針生検で正確に診断をつける必要があります。仮に悪性細胞が認められて再発であった場合は、お薬による治療が主体となります。その乳癌に対するお薬は、多数ありますのでご安心下さい。いずれにしても、まずしっかりとした診断をして頂く事が重要と思います。今後もていねいな経過観察をして頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.10023】  11年01月12日  M.T.
不安です

年明けの忙しいなか、お手数をお掛けします。乳がんの不安があるので、ご回答頂ければ幸いです。私は40歳女、既婚ですが出産経験はありません。家族歴は、「父 膵臓がん…死亡 母 子宮がん…療養中」です。昨年9月にマンモと触診の検診をし、集積性石灰化で再検診通知が届き、11月に乳腺外科で再びマンモと触診、エコー検査をしました。結果は初回のマンモだったため、『多分問題無し、一年後検診、もし問題あったとしても進行のとても遅いものだから安心』と言われました。12月の中旬頃から、左乳房9時から11時の乳輪が鈍く内側からかゆくなりました。気がつくと『あれ?かゆい?』程度です。1月に入り、左脇の中央よりやや下6時から7時あたりにパチンコ玉よりやや小さめのしこり、気にして触っていたら、翌日2個あることに気付きました。
乳房寄りのしこりは丸く、押すと動き、脇の下にピンポン球を挟んでいる感じ、脇の下側は上下に長いやや丸みを持った楕円形で、輪郭も前者よりぼやけています。乳輪のかゆみも続いているので不安を感じていますが、医師から言われた言葉を思い直すと、「気のせい? 乳腺外科を受診した方が良いのか? 別の科に行ってみた方がよいのか? 単なる気のせいなのか?」と、不安です。宜しくお願いします。

御相談ありがとうございます。 私のお返事で不安が少しでも軽くなれば嬉しく思います。
御相談の内容は11月の再検査後、脇の方にしこりを感じられるということですね。前回の再検査のエコー検査で脇の方まで見て頂いているかどうかがわかりません。御相談内容からでは様子を見ていて良いものかどうかが不明なので、ご心配が強いのであれば再度エコー検査をお受け頂き、脇の方まで良く見て頂くのがよろしいのではないかと思います。ただし脇の方には乳腺は少なく、リンパ節であることが多いです。また乳輪も、ただれや湿疹等がなければ、もう少し様子を見ていてもよろしいかと思います。お胸に変化があると心配も強くなってしまいますが、経過をみるということも必要な場合があることをご理解頂ければありがたく思います。(文責 斎藤)

 

No.10022】  11年01月12日  A.S.
非浸潤ガンの術後について

34歳既婚、今年4月に非浸潤ガンで温存手術をうけました。しこりの大きさ2cm、リンパ節転移0、ホルモン受容体ER+、PgR+、HER2 2、核異型度 1、切除断端 -、脈管侵襲 -。術後、放射線を25回終了。これからホルモン治療を5年行うと言われましたが、まだ子供がいない為出産を希望と伝えたところ、治療を始めるまで2年の猶予があると言われました。まだ妊娠していないのですが、出産よりも、やはり早く治療を開始したほうがいいのでしょうか? 非浸潤ガンでもホルモン治療は行っ たほうがい いのでしょうか? 出産による再発のリスクは上がるのでしょうか? また、治療を始めるまでの猶予とは決まりがあるのでしょうか? 放射線もだいたい2か月以内という方が多いですが、私は6か月以内なら良いと言われました。よろしくお願いいたします。

ご相談ありがとうございます。私のお返事で少しでも疑問が解消できれば嬉しく思います。
非浸潤性の乳癌に対して手術と放射線が終了し、治療も一段落したことと思います。お疲れ様でした。さていくつかあるご質問に対してお返事させて頂きます。 
1)非浸潤癌に対する温存手術後のホルモン治療ですが、タモキシフェンを5年内服することで生存率には大きな差はありませんが、乳房内再発は減少することがわかっています。この効果があった症例の多くが50歳以下のグループでした。 
2)乳癌治療後の出産により再発リスクを高めるというはっきりとした証拠はありません。 
3)手術後いつまでに治療を開始しないといけないという制限には、はっきりとした決まりはありません。私はホルモン治療をお受けになるのであれば、早くからの治療をお勧めしています。
4)出産に関しては受精卵の凍結保存等の方法もございますので、主治医の先生とよく御相談して今後の治療をお決め頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.10021】  11年01月12日  H 
再検査

昨年秋、職場の婦人科検診で再検査をうけるように言われ、12月に再検査をしました。静岡県にあるKクリニックで診察してもらったのですが、マンモグラフィーと超音波診断の結果、「多分、良性のものだと思われます。3ヶ月後もう一度診察にきてください。大きくなっているかどうか、みせてもらいます。」とのことでした。右の乳房の下にたしかに白っぽく丸いものが映っていましたが、大きさは1〜2センチぐらいだったでしょうか。(医師からは大きさの説明は特にありませんでした。) はじめてのことで、こちらも要領を得ず、質問もせず帰ってきてしまいましたが、このまま3カ月待っていていいものか不安を感じています。良性のものが悪性に変わる可能性、3ヶ月間の間に進行しないかどうか、セカンドオピニオンを受ける必要があるか、漠然とした相談で申し訳ありませんが、ご意見いただければと思い、メールさせていただきました。よろしくお願いします。

ご相談ありがとうございます。わたくしのお返事で少しでも不安が軽くなれば嬉しく思います。さてご相談の内容からでは、この1~2cmの白く映っている影が、マンモグラフィで見えていたのか超音波検査で見えていたのかが不明なため、はっきりとしたお返事ができず、申し訳なく思います。ご質問のお返事ですが、今良性の腫瘤が時間と共に悪性に変化することはございません。もしセカンドオピニオンをご希望でしたら、セカンドオピニオンをお受けになる前に、もう一度Kクリニックの先生に今回の再検査の結果をよくご説明して頂き、そのご説明がわからない場合は、マンモグラフィと超音波検査の結果をお借りしてセカンドオピニオンをお受けになることをお勧め致します。H様のご質問に的確にお返事することができず申し訳ございませんが、まずはもう一度ご説明をお聞きになるのがよろしいのではないかと思います。(文責 斎藤)

 

No.10020】  11年01月09日  S
しこりについて(HPNo.8166-2)

前回No.8166でお世話になりました。ありがとうございました。
今年3月末にマンモグラフィーとエコーの検査を受け、前回相談させていただいた乳輪下膿瘍(右の外側です)の上辺りをエコーで診ているときに、「少し水が溜まっているけど放っておいていい」と言われましたが、外には異常はないと診断されました。それから一年も経っていないので安心していたのですが、最近になって右乳首を触ってみると、乳輪下膿瘍の膿を注射で出した少し下の乳輪のふち辺りに、以前まで気がつかなかった5mm位の丸いしこりを感じました。痛みはありません。最近減量に成功して乳房の脂肪も減ったので、触って感じられるようになっただけで前からあったのかなとも思うのですが、いままでの胸が張ってしこりなのか分らない感触と違って、コロコロした感触ははじめてなので怖いです。乳輪下膿瘍の後だから心配ないと診断されたのか、新しく出来たものなのか、とても心配です。3月末に診てもらったあとに出来たという可能性もあるのでしょうか。回答お待ちしています。よろしくお願いします。

Sさま、ご回答が大変遅れ申し訳ありませんでした。さて、3月に乳輪下膿瘍が治癒されたと伺いました。良かったですね。 そして、おっしゃっている、乳輪の下に触れるしこりのようなものについてのご質問ですが、色々な状態があり得ると思います。 @放っておいて良い、とされたお水の溜まり。これは、正常乳腺にも良く出来る事が多い”嚢胞”と言うものですが、炎症が治った後などにも出来る事はあり得ます。そして、時に、中に溜まっているお水が増える方もいます。 A炎症が治った後には、組織を修復する為に”瘢痕”と言って、人体が傷口を治す為に作り出した接着剤のような組織があって、それが、炎症が治癒した後、徐々に分解吸収されるものなのですが、場合によっては、固い組織として、しばらく体内に残る事もあります。この他に、新しく腫瘍が出来る…と言う事も、全くない訳ではありません。勿論、昨年3月に検査した後で、そんなに早く腫瘍が出来る事は、比較的稀です。お話を伺って、憶測して差し上げる事は出来ますが、いずれも、あくまでも、お話の範囲から、我々が”想像”して、助言差し上げる以上の意味を持ちません 。(つまり、これは診察ではないので、”分かりません”と言う事です。) 極端に不安なものではない、とは思いますが、なるべく、先に受診なさった病院で、再度乳房エコーの検査を受けて、以前の状態と比較して貰って、不安を晴らされた方が得策だと思います。ご参考にして頂ければ幸いです。 (文責 矢吹)

 

No.10019】  10年12月31日  Y.K.
術後の補助療法について

現在44歳既婚、子供あり。2007年1月ごろ乳腺炎で受診。乳頭から黄色の分泌がありました。マンモの結果、少し石灰化とのう胞が認められたものの、分泌物の組織検査は大丈夫ということでした。その後2009年秋にしこりに気付き、乳がんと診断され、2009年11月に右乳がん全摘の手術をうけました。今年1月に病理検査の結果が出揃って補助療法の選択に悩んでいます。以下病理検査そのまま転記させていただきます。

1. Adenocarcinoma papillotubulare of the right breast,with slight lymphatic permeation and slight fat infiltration.
2. All the nodes,negative for cancer(0/3=0)
3. ER: + 全体:PS 5 IS 2, invasion: PS 5 IS 2, in situ: PS 5 IS 2
   PgR: + 全体:PS 5 IS 2, invasion: PS 5 IS 2, in situ: PS 5 IS 2
   HER2: 2+

(免疫染色)
主病変
右内上
Bt+SNB→OSNA:Ca(-)→Ax省略
最大の浸潤径:1.5cm
A1:in situ predominant + invasive cribriform.
Invasion複数あり
NA:2、MC:2=NG:2
乳管内亜型:solid〜cribli-comedo
多発腫瘤はすべて乳管内病変で連続している。

脈管侵襲が軽度 異型度2 リンパ転移なし HER2がFISHでマイナスと出ました。ホルモン療法単独も可能ながら、病巣が4個(そのうち3個は1センチ程度)、侵襲軽度だが複数ある事を考慮すると、ホルモン療法前にCAF6回の化学療法も実施する価値があり、と勧められました。一方、最近の乳がん研究で、ER反応がよくHER2陰性の場合、化学療法はあまり効果は期待できず、ホルモン療法が第一選択でよいとの方向性が示されていると知りました。抗がん剤の副作用で、後までの残ってしまうものはありますか? 私の場合、抗がん剤を決断した場合、どれくらいの効果が期待できるのでしょうか? 決断の時期が迫っているのですが、どう考えたらいいのか分からなくなってしまいました。とても悩んでいます。どうかご助言をお願いします。

ザンクトガレン2009で化学療法の閾値を設定していますが、それによると、ER陽性症例において化学療法を追加する場合は、「グレード3以上・増殖指標ki67が高い・ER PgR陽性低い・リンパ節転移4ケ以上・腫瘍周囲の脈管浸潤が広汎・病理学的浸潤径5p以上・患者の意向・利用可能な治療希望遺伝子発現解析 高スコア」が、根拠となります。貴女の場合、「多発腫瘤はすべて乳管内病変で連続している」との病理報告があるので、主治医は、病理学的浸潤径を5p以上と考え、化学療法を追加されたのだと思います。
遺伝子発現解析にはオンコタイプDXがありますが、この検査は、合計16の遺伝子を抽出して、これらの遺伝子の発現の度合いでスコア化します。この検査での低リスク群と中間リスク群では化学療法の追加効果はほとんど認められませんが、高リスク群と判定された場合は化学療法の追加効果として、再発を有意に抑制することが分かっています。貴女のようなエストロゲンレセプター陽性で、リンパ節転移がない場合に、化学療法を追加するかどうかを判断するための有効な検査と考えられますが、保険対象外で、かなりの費用がかかるのが難点です。主治医と充分ご相談の上、納得のいく治療を選択してください。(文責 須田)

 

No.10018】  10年12月31日  S.Y.
パクリタキセル

今年、妻は乳がん手術後、パクリタキセルを1週間置きに12回受けました。今では薬の後遺症のため、手の痺れ、足の痺れと痛みため、夜は充分に眠れません。また、歩くのも足が腫れてはいないのに、腫れたような状態のようですので、少ししか歩けません。神経の麻痺は聞くところによると、10年経過してもよくならないとのことですが、マッサージ等でよくなるのでしょうか。漢方薬は気休めに過ぎないとも聞いています。お教えください。

パクリタキセルでの神経障害の出現頻度は、グレード2〜3の場合、20〜40%と報告されています。臨床的に効果が認められた薬剤に、グルタミン、トリプタノール、漢方薬等がありますが、どれも確実な効果があるとはいえません。しびれの症状に関しては、半年くらいで気にならなくなる場合もありますが、症状が強く出た場合は、歩行時、足が充分上がらず、躓いたりすることもあります。日常生活における注意事項として、「手足の感覚鈍麻による熱傷や外傷を防ぐために、お湯の温度測定をしたり、ホルダー付きの鍋を用いる。洗い物の際には手袋を着用する。浴室には滑り止めのマットを敷く。」等の対策を行ってください。薬物以外のては、運動/理学療法・水治療法・マッサージ等、代替療法として、電気治療・磁石・灸・ビタミン栄養補助剤等があります。精神的効果などが期待できるので、高価でない限り試してみる価値があるかもしれません。(文責 須田)

 

No.10017】  10年12月31日  K.F.
術後の乳がん治療

私は12月15日に乳がんの手術を受けた者です。よろしくお願い致します。
手術前の説明では、ステージ1で、乳房温存手術・センチネルリンパ節生検を行うとのことでした。結果は、センチネルリンパ節生検で1o以下の微少転移が見つかり、ステージ2と診断され、腋窩リンパ節郭清が行われました。
しこりの大きさ;1p×0.8p、リンパ節転移;1/12、ホルモン受容体;あり、 HER2タンパク;3、組織学的悪性度;1、切除断端;−、脈管侵襲; 血管−、リンパ管+
これから、1月11日から化学療法(CE療法、1コース)が始まり、その後、ハーセプチンやホルモン療法、放射線照射の治療を受けることになるそうです。ご相談は、腋窩リンパ節郭清もして、癌が取り除かれたのに、副作用が多い抗がん剤の治療を受ける必要があるのか、ということです。副作用が比較的少ないと言われている、ハーセプチンやホルモン療法、放射線照射の治療だけでは不十分なのでしょうか? また、微少な細胞が見つかっても、抗がん剤の治療を受けることになるのなら、腋窩リンパ節郭清をしなくてもよかったのではないでしょうか? 今、迷いの中にいますので、アドバイスをよろしくお願いいたします。

乳癌が乳房にとどまっている場合は、貴女のおっしゃる通り、癌が取り除かれたことになります。しかし、血液やリンパの流れにのって、乳房とその周り以外の場所(肺・肝・骨など)に、わずかでも転移があると、再発します。この微小転移があるかどうかを判断する危険因子として、組織診断・グレード・腫瘍浸潤径・リンパ節転移・ER陽性細胞割合・脈管浸潤・HRRU過剰発現・ki67などがあります。貴女の場合、リンパ節転移1/12で、HERU3+・リンパ管(+)ですので、この微小転移の可能性があり、術後の薬物療法が必要になります。問題は化学療法を行うか否かですが、HERU陽性で、抗HERU療法(ハーセプチン)を行う場合は、全例で化学療法が必要と考えられています。いずれにしても主治医と充分ご相談の上、納得のいく治療法を選択し、前向きに頑張っていただければと思います。(文責 須田)

 

No.10016】  10年12月31日  M.N
術後補助療法等について(その2)(HPNo.9955-2)

HPNo.9955の相談をしたものです。先日はご回答ありがとうございました。本日は前回の相談の続きで、@オンコタイプDXの件と APgR陰性についてお教えください。

1) その後主治医とは診察時に十分な時間が取れなかったり、アジュバントオンラインの結果を参考にしたり、オンコタイプDX が保険対象外(かつてのハーセプチンのような治療であれば保険対象外であっても受けるつもりなのですが)であったり、病理結果の説明時、医師の話に「抗がん剤の効かない癌だから」という言葉があったので、ホルモン療法を開始しています。しかし、やはりこれで良かったのか、ずっと気になっています。
確認です。オンコタイプDXは、あくまで「治療法を決定するための検査」と理解してよいでしょうか。極端な言い方をすると、現在私はホルモン療法を受けていますが、オンコタイプDXでスコアが高い数値を示し、リスクが高い時に「化学療法を追加するか否かを判定するもの」と考えていいのでしょうか。これからでも、オンコタイプDXの検査を受けておくと、今後の治療に役立つメリットがあるでしょうか。また、ホルモン療法を始めてしまっていても検査を受け、戻るような形で化学療法をすることは考えられるのしょうか。
なお、前回のこの回答でもお書きいただいた「化学療法の効果が少ない」、あるいは主治医の言う「抗がん剤の効かない癌」というのは、オンコタイプDXを受けても、多分スコア値はそれほど高いものにならないであろうということを推定しているのでしょうか。
そのようなことを含めて、ホルモン療法を迷わず続けていくことが現在の標準治療と考えてよいのでしょうか。

2) PgR陰性でホルモン療法を受けた場合、薬の効き具合が悪いということが、こちらの相談室の他の方の回答に書いてありました。アロマターゼ阻害剤で、エストロゲンを抑える薬(ER陽性)でもやはり効きが悪いと認識しておくべきでしょうか。どの程度薬の効果が悪いということは、はっきりしているのでしょうか。

以上、質問が長くなってしまいました。年末年始の時期にあたり急ぎませんので、どうかよろしくお願いいたします。

1) オンコタイプDXは、16の遺伝子を抽出して、これらの遺伝子の発現の度合いをスコア化したものですが、0〜17点を低リスク群、18〜31点を中間リスク群、32点以上を高リスク群と判定します。エストロゲンレセプター陽性で、リンパ節転移のない場合、化学療法を行うかどうかを決めるのに有効な検査で、高リスク群と判定された場合は、化学療法の追加効果によって再発を抑えることが期待されます。オンコタイプDXを行うかどうかについては、主治医とご相談下さい。

2) プロゲステロンレセプターは、エストロゲンの作用により誘導される蛋白で、エストロゲン作用発現機構の代表的な最終産物です。プロゲステロンレセプターがあるということは、エストロゲンが正常に機能し、標的細胞内で正常に作用していることの間接的な証明です。乳管癌は発生の時点では、ほぼ100%エストロゲンに感受性があり、進行するに従って遺伝子の破壊が進み、もともとの性質を失って、感受性が落ちていきます。従って、プロゲステロンレセプターは、エストロゲンに対する高感受性を表す指標ではありますが、ホルモン剤が効くかどうかの基準にはなりません。乳癌内分泌療法の有効率は、エストロゲンレセプター、プロゲステロンレセプター同時陽性で約70%、単独陽性で約30%です。(文責 須田)

 

No.10015】  10年12月31日  I 
乳頭の痛み

46歳です。左側の乳頭付近に痛み、圧迫感があります。生理1週間前、乳頭に触れたとき激痛があり、それ以降は鈍痛が続いています。痛みがちょっと治まったかなあ・・・と思い、乳頭に触れてみると、やはり痛みがあり、生理が終って1週間たちましたが、症状はおさまりません。こんな症状は初めてです。痛むことが心配でしたので、生理中ですが健診のみを行う施設に乳癌健診にも行き、触診とマンモグラフィを受けました。当日見た感じでは、大丈夫のようだと言われました。肋間神経痛かもと言われました。今日の結果を他の専門医も診るということで、結果が届くのは来月の半ばですが、痛みがおさまらないため健診1週間後に総合病院に行きました。マンモグラフィやエコーを撮るのには予約が必要で、来月半ばの予約になるとのことで、痛みは気になるものの、その頃には前回受けたマンモグラフィの結果が届くので、それを待つことにしました。私自身気になるのが、痛みはもちろんですが、右の乳首のかたちと比べると左側が少しいびつな形になっていることです。目だって大きくなっている、へこんでいる、というのではないのですが・・・。先生にこのことを訴えましたが、あまり気にかけてくれませんでした。でも以前とは若干形が違います。右は丸い乳首、左は丸くないのです。ちょっといびつな丸というか・・・。乳頭の癌もマンモグラフィでわかるのですか? マンモグラフィで乳癌の疑いが無い場合、がんの心配はしなくていいのでしょうか? この気になる痛みが続く場合、再度エコーを撮りに行ったほうがいいですか?

「乳腺が固い」「瘤がある」などの症状がある場合、乳癌を疑いますが、痛みとは直接関係はありません。痛みの場合は、乳癌以外の病気をまず考えるのが一般的で、エコーで痛みの原因が分かるわけではありません。胸痛については、狭心症、心筋梗塞、肺疾患等の内臓痛の場合がありますので、内科を受診して、そのような病気でないことを確認する必要があります。乳癌に関する御心配については、検査結果を待つしかありませんが、過度に心配する必要もないように思われます。(文責 須田)

 

No.10014-1】  10年12月31日  S 
グレード3

2010年11月に乳房温存手術を受けました。55歳閉経です。病理組織の結果、「リンパ節転移なし 腫瘍径1,3 グレード3 ホルモン受容体陽性 ハーツー1」でした。主治医は、「グ レードが3だけど、抗がん剤は使わずホルモン剤で十分だと思う。その差は、2%。最近は、あまり効果が無いので使わない方向になっている。」と言われました。抗がん剤の使用を決めかねてい ます。よろしくお願いします。

ザンクトガレン2009年の乳癌治療選択の考え方では、「内分泌療法は、ER細胞が1%以上あれば行い、抗HERU療法は免疫染色で強く全周性の染色陽性細胞が30%以上か、FISH法で2.2倍以上あれば行う」と、なっており、あなたの場合、この考え方に当てはめると内分泌療法を行うことになります。
ER陽性、HERU陰性の場合は、まずホルモン療法を行い、化学療法を追加するかどうかは、「グレード3以上、増殖指標(ki67)高い、ER陽性割合が低い、リンパ節転移4ケ以上、腫瘍周囲の脈管浸潤広汎、病理学的浸潤径5p以上、患者さんの意向(希望する)、遺伝子発現解析 高スコア」などのリスク項目によって決定することになります。あなたの場合はグレード3ですので、化学療法を追加する適応にはなりますが、患者さんの意向で希望しないとなれば行わないことになります。他のリスク項目も含め、主治医と充分ご相談し、納得のいく治療を選択してください。(文責 須田)

 

No.10014-2】  11年01月16日  S 
放射線治療

HPNo.10014にて相談させていただきました。先日はありがとうございました。今回は放射線治療についてお聞きします。これから、放射線25回と追加照射5回の予定です。月〜金で放射線治療を行う中で、一日でも休むと治療効果は落ちるものでしょうか? 治療開始が水曜日に決まり、治療期間中に祝日もあります。全期間、週5日にならず、不安に思っております。よろしくお願いします。    

御相談ありがとうございます。 私のお返事で少しでも不安が減れば嬉しく思います。
さて、これから放射線治療が開始されるのですね。その放射線治療ですが、1日休んでも治療効果はほぼ変わらないと考えます。科学的には25日間連続で治療を受けた方と、土日祝日をお休みした方とで比較をしなければはっきりとしたことは言えないのですが、そのようなデータはありません。1日や2日休んでも効果がなくなってしまうということはありませんので、安心して放射線治療をお受け頂きたいと思います。治療終了まであと少しですから、毎日の通院のための往復が大変とは思いますが、がんばって下さい。(文責 斎藤)

 

No.10013】  10年12月26日  K
抗癌剤の必要性(HPNo.9871-2)

以前9871ではお世話になり、ありがとうございました。以下前回ご質問させていただいた内容です。

先日母が市の健診で要検査となり、針生検の結果乳癌と診断されました。
9ミリ程度のしこりと近辺に4ミリ程度のものが多数あるとのことで来月センチネルとしこりが多数あることから全摘の予定です。
最初4ミリのほうは、まだ小さすぎてわからないので経過観察で、という話だったのですが、念の為細胞診で摂取したところそれもクラス5で悪性だったそうです。(お医者さまは境界もはっきりしているし、小さいポツポツあるものは乳腺症にも似ているので全部が全部癌とはいえないが、可能性はあるので全摘が望ましい。)9ミリの癌も4ミリの癌も非常に似たタイプとの事です。乳管を這うようにして進むタイプといわれました。今分かる範囲ですと、 ER+、HER2+2 顔つきグレード1で比較的大人しいタイプだそうです。骨シンチ CT MRI PET などの転移はなく、腫瘍マーカーなども普通だそうです。以上前回の内容です。

おかげさまで手術も無事終わり、先日病理の結果がでました。センチネルリンパ生検 2/2 でリンパ郭清しました。その後の手術ではレベルT 0/12 レベルU0/9という ことでした。 「 乳頭線管がん 腫瘍計1.5×1.0 脈管侵襲は リンパ管+1 血管+1 ER全面?強陽性 PgR− HER2− 核グレード1 左乳房全摘」との結果でした。リンパに入っていたということで、抗がん剤は必須と思っていましたが、主治医の先生は、「ホルモンが非常に効くタイプなのと、結果から総合的に判断して、ホルモンだけの選択もあり。」と、おっしゃりました。ただ確実にしたいのであれば、抗がん剤をと言うお話でした。
できれば抗がん剤はやりたくありませんが、抗がん剤を使用した場合ホルモン療法単独と比べるとどのくらい再発、転移のリスクを下げられるのでしょうか? 母は現在60歳なので、やはり先を考えるとやっておいたほうが良いのでしょうか? 先生からは、ご自身で決めてきてくださいといわれており、悩んでおります。ご助言よろしくお願いいたします。

病理結果が、センチネルリンパ生検 2/2 でリンパ郭清しました。その後の手術ではレベルT 0/12 レベルU0/9という ことでした。 「 乳頭線管がん 腫瘍計1.5×1.0 脈管侵襲は リンパ管+1 血管+1 ER全面?強陽性  PgR− HER2− 核グレード1」で、気になるのが脈管侵襲リンパ管+1 血管+1です。確かに腫瘍径も小さく、ERはほぼ100%陽性の結果だけみればホルモン治療だけでも良いと思いますが、脈管侵襲リンパ管+1 血管+1であれば、抗癌剤をお勧めします。 脈管侵襲陽性の乳癌は再発、転移の確立が多少なりとも上がってくるので、それを抑えるためにも抗癌剤をお受けになった方がよいのではないかと考えます。抗癌剤の種類は多数有り、それに関しては主治医とご相談してください。(文責 川本)

 

No.10012】  10年12月20日  M
FEC副作用について(2)(HPNo.10006-3)

「病理検査結果について」、ご丁寧に解説していただきまして有難うございました。 疑問に思った事がありますので、質問させて下さい。 「分泌癌は乳がんの中でも特殊型でめずらしいタイプ」との事ですが、FECや放射線治療 ホルモン療法は、この分泌癌でも功を奏すのでしょうか。 「FEC副作用について」頂いたご回答の中で「ホルモン療法に化学療法を追加した場合、 再発抑制効果は10年で約3名になります。」とあったのですが、何人中3名なのでしょうか。 3名にしか効果がないのであれば、70歳の母に辛い抗がん剤治療は意義があるのかと考えて しまいます。また、FECの抗がん剤治療は3週間おきに6回を予定していましたが、4回で やめてしまっては意味はないのでしょうか。 お忙しいところ申し訳ありませんが、教えて下さいます様、お願い申し上げます。以上です。よろしくお願いいたします。  

分泌癌への化学療法、放射線療法、ホルモン療法への治療効果について調べてみましたが、データが見つかりませんでした。特殊型のため症例数が少なくまとまったデータが集められないものと思います。3名についてですが、100名中3名です。失礼いたしました。また回数ですが、6回予定されているとのことですが、4回でも効果はあると思います。(文責 大西)

 

No.10011】  10年12月20日  A
授乳期の石灰化

心配で、毎日このサイトを見ています。
私は32歳で、3歳と6ヶ月の子供がいます。上の子供は完全母乳で2歳まで吸っていました。下の子供も完全母乳で、現在も授乳中です。生理はどちらも産後五ヶ月で来ています。
11月30日の授乳中に、左乳房の右下に1センチくらいの楕円形のしこりを見つけ、12月1日に総合病院の乳腺外来を受け、触診、エコー、マンモグフィをしました。左乳房のしこりは、触診では、乳瘤っぽいと言うことだったのですが、マンモグフィでも、エコーでも何も写ってなく、先生は脂肪瘤か乳腺を触っているのか、いずれにしても細胞診はするまでもないし、もちろんガンでもないということでした。
ただ、しこりのある方じゃなくて、右側に細かい石灰化があるということで、先生はその石灰化の方を気にしていました(片方だけの石灰化だったので)。このくらいの石灰化はよくあることだし、授乳中であるため経過観察で、また半年後の受診となりました。すごく心配してる私をみて、血液検査、MRIもしてくれました。そこでも何も写ってませんでした。

1) 私の胸は左右の大きさが違います。左の方が大きく、母乳もよく出ます。その理由を左ばかり吸わせていたからだと思っていたのですが、右乳房の石灰化があるから、母乳の出方も、大きさも違うのかなと不安です。
2) 最近、石灰化している乳房が(特に、乳頭の奥)ズキンと痛みます。石灰化がすすんでいるのかなぁとか、マントーム生検をしていないので、この石灰化は、ガンの石灰化で、進行し、痛いのかなぁと悩んでいます。
3) 先生は石灰化が左乳房にもあったらもっとよかったのにと言っていました。片方だけの石灰化は、ガンの可能性が高いのですか?

半年後までまだまだで、不安で不安でたまりません。

1) 大きさと石灰化は無関係です。
2) 6ヶ月の経過観察は、「がんの可能性がなく、問題ないことを念のために6ヶ月後に調べましょう。」という意味です。ズキンと痛むのは、気のせいです。悩む必要はありません。
3) 片方の乳房だけに石灰化があるから、がんということはありません。我々は、広がり方、形、数などでがんによる石灰化か、良性の石灰化かを判断します。片方かどうかも一応、判断材料になりますが、Aさんの場合は問題ないです。(文責 緒方)

 

No.10010】  10年12月20日  Y.K.
センチネルリンパ節生検採取の個数について

私が受けたセンチネルリンパ節生検についてご質問させていただきます。術後陰性という事で、入院時も浮腫リハビリの説明に参加出来ませんでした。病理報告書にも0/1となっていたので、一個取られたのだと思っていました。別件で手術時のカルテから計12個採取の外科記載があり、後任の先生は、「最高20個かくせいしたのを知っている」と説明されました。「一群の中にある」そうです。その数は腋窩リンパ節郭清とは違うのでしょうか。病院は江東区の癌専門病院です。センチネル生検の解釈がよくわかりません。

センチネルリンパ節は病側の腋にある見張りリンパ節のことです。簡単に言えば乳房より流れてくるリンパ流が行き着く最初のリンパ節と考えます。このリンパ節の転移の有無を確認するのがセンチネルリンパ節生検です。Y.K.さんのご質問内容から判断する限りでは担当医からの説明内容と、後任の先生の内容が異なるようですね。通常センチネルリンパ節で12個は多いと考えますので郭清をされたのでしょうか。担当医にもう一度しっかり確認していただくことが必要です。(文責 西川)

 

No.10009】  10年12月14日  Y.A.
ホルモン治療(2)(HPNo.9947-2)

前回HPNo.9947にて相談させていただきました、今回もよろしくお願いします。相談後生理が再開し、診察時に血液検査を行い、その結果、再びホルモンを分泌しているということで、ノルバデックスに戻りました。主治医の先生は、「早期だったし細胞の顔つきもそう悪くないので、ゾラデックスはやらずに少し様子を見ましょう。」との事でした。ゾラデックスを再開し、ホルモンをしっかり止めたほうがいいでしょうか? 以前、No.7927 にて、病理の結果を含め相談させて頂いています。

閉経前浸潤性乳管癌術後の患者さんに対するホルモン療法ですが、Y. A.さんのように5年間の抗エストロゲン剤(ノルバデックス)単独もしくはLH-RHアナログ(ゾラデックス)+抗エストロゲン剤が勧められます。通常ゾラデックスをノルバデックスにかぶせる時は2-3年です。既に2年ゾラデックスを内服されているということですので、ノルバデックス単独でも十分だと思いますが、仮に副作用がなくまたゾラデックスを中止することが心配なようでしたら、主治医の先生と相談してみてはいかがでしょうか。以前の病理結果についても拝見いたしましたが、中リスク群だからゾラデックスは3年間の投与が望ましいとか、そういうことは特にありません。(文責 大西)

 

No.10008】  10年12月14日  M 
FEC副作用について(HPNo.10006-2)   

昨日、「病理検査結果について」相談メールさせて頂いた者です。連日の質問で申し訳ありませんが、不安な点がありましてご相談させて下さい。実母は当初お医者様から「しこりの大きさは1センチくらい」と言われていたものの、手術まで4ヶ月近く待たされ、病理検査結果はしこりの大きさは27mmだったそうで、悪性度は一番低く 転移もなかったので、抗がん剤治療はしてもしなくても、患者本人が決める事と言われました。悩んだ末に抗がん剤治療を決意し、先日FECの第一回目投与を受けたところ、予想ほどは吐き気もなく普通に家事も出来ているものの、投与の3日後から顔が見た目でハッキリわかるほどにむくみ、4日経った今は大分体がダルイそうで心配です。抗がん剤の副作用を読むと、FECは癌細胞をやっつけてくれても、体力や免疫力を相当奪われてしまうのではないか、70歳を過ぎた母にとって耐えられるか不安でなりません。ご意見等お聞かせ頂けたら幸いです。

さて、70歳の女性に術後補助療法をするかという問題ですが、同じ70歳の女性でも元気な方もいらっしゃれば、様々な基礎疾患をお持ちの方もいらっしゃいます。また投与してから3日から1週間が一番状態は悪いと思います。あくまでも目安ではありますが、Adjuvant Onlineではホルモン療法に化学療法を追加した場合、再発抑制効果は10年で約3名になります。(文責 大西)

 

No.10007】  10年12月14日  C.M
術後療法について

先月16日に左胸全摘、リンパ節郭清、一次再建をした閉経前46歳です。術後の療法についてお伺いします。「浸潤性(Max13mm)、リンパ節センチネル生検1/1→郭清後0/14 計1/15、グレード 2、ED(+)、PgR(+)、HER2(−)」との病理結果でしたが、化学療法も行ったほうがよいでしょうか。Adjuvant Onlineでの生存率があまり差がないようならホルモン療法だけでとも思います。お忙しいところ申し訳ありませんが調べていただいて、ご回答いただけないでしょうか。よろしくお願い致します。

Adjuvant Onlineですが、無治療の場合100人中37人が10年間に再発し、2人が他病死します。ホルモン療法単独の場合は37人中13人の再発抑制効果があり、化学療法単独では16人の再発抑制効果があります。ホルモン療法+化学療法の場合ですが、24人の再発抑制効果がありますので、ホルモン療法に化学療法を追加することで9人分の上乗せ効果があります。以上あくまでも目安として考えてください。(文責 大西)

 

No.10006-1】  10年12月14日  M
病理検査結果について

母の病理検査の結果のコピーを頂いたのですが、理解できないので解説いただけると幸いです。
【組織診断・所見】
Left breast,partial resection--Secretary cacinoma,apocrine and solid Lymph node,negative for malignancy
<Report for hormone receptor& Her2/neu status>
-ER(+),PgR(-),Her2/neu:2+
ICDM:M85003
ICDT:C77.9
pT分類:pT2
pN分類:pN0
pM分類:pMX,不明
Histological typing: secretary carcinoma
Subtype: apocrine and solid
Nuclear grade: NG1
histoiogical grade:HG1
DCIS: (+),low-pap,cribriform
Surgical margin: negative (>5mm)
Lymph nodes: sentinel(0/2)
Vessel invasion:ly(-)
Tumor size:11x8x27mm(invasive) 16x3mm(CIS)
Stage: pT2NOMx
Chemotherapy effect: not done
Comment:乳管内の腫瘍の一部は、扁平上皮癌様の変化を認めるが、明らかな角化を認めない。
Immunohistochemical studies (#13)
Estrogen: positive
Progesterone: negative
Her2/neu: 2+

以上 お忙しいところ恐縮ですが、何卒宜しくお願いいたします。

Left breast,partial resection--Secretary cacinoma,apocrine and solid Lymph node,negative for malignancy
左乳房が部分切除され、乳がんの分類としては分泌癌(apocrine and solidというのは亜型です)であり、リンパ節には転移がなかったと記されています。分泌癌は乳がんの中でも特殊型でめずらしいタイプになります。その悪性度は比較的少ないとされています。

<Report for hormone receptor& Her2/neu status>
-ER(+),PgR(-),Her2/neu:2+
ホルモン受容体はエストロゲン受容体が陽性で、プロゲステロン受容体が陰性で、HER2/neuは2+となっています。HER2に関しましてはFISH法での再検査により陽性か陰性の判定が行われます。ホルモン受容体は陽性で、HER2については検査待ちです。
ICDM:M85003
ICDT:C77.9
pT分類:pT2 最大径が2cm-5cmの腫瘍がこのカテゴリーに入ります。
pN分類:pN0 リンパ節転移がなかったことを示しています。
pM分類:pMX,不明 病理所見なので転移については不明となっています。術前のCTなどで評価することになります。
Histological typing: secretary carcinoma
Subtype: apocrine and solid 前述のとおりです。
Nuclear grade: NG1 核異型度は1になります。3段階のうち最も異型(核の変形)が少ないことになります。
histoiogical grade:HG1 組織学的異型度は1になります。核異型度と同様もっとも悪性度は少ないことになります。
DCIS: (+),low-pap,cribriform 乳癌組織の中に非浸潤癌があることを示しています。お母様の癌が非浸潤癌という意味ではありません。low-pap,cribriformは非浸潤癌の亜型を示しています。
Surgical margin: negative (>5mm) 切除検体の断端5mm以内に癌が存在しないことを示しています。完全切除と考えていいでしょう。
Lymph nodes: sentinel(0/2) センチネルリンパ節に転移がないことを示しています。
Vessel invasion:ly(-) 癌細胞のリンパ管侵襲がないことを示しています。
Tumor size:11x8x27mm(浸潤性分) 16x3mm(非浸潤性分)
Stage: pT2NOMx
Chemotherapy effect: not done 術前化学療法が施行された場合、ここに何らかの記載があります。
Comment:乳管内の腫瘍の一部は、扁平上皮癌様の変化を認めるが、明らかな角化を認めない。
Immunohistochemical studies (#13)
Estrogen: positive
Progesterone: negative
Her2/neu: 2+

以上長くなりましたが、まとめると27mmの浸潤癌(特殊型)で、リンパ節転移なし、ホルモン受容体陽性、HER2受容体結果待ち、リンパ管侵襲なし、核異型度軽度ということでしょうか。(文責 大西)

 

No.10006-2】  10年12月14日  M
FEC副作用について

昨日、「病理検査結果について」相談メールさせて頂いた者です。連日の質問で申し訳ありませんが、不安な点がありましてご相談させて下さい。実母は当初お医者様から「しこりの大きさは1センチくらい」と言われていたものの、手術まで4ヶ月近く待たされ、病理検査結果はしこりの大きさは27mmだったそうで、悪性度は一番低く 転移もなかったので、抗がん剤治療はしてもしなくても、患者本人が決める事と言われました。悩んだ末に抗がん剤治療を決意し、先日FECの第一回目投与を受けたところ、予想ほどは吐き気もなく普通に家事も出来ているものの、投与の3日後から顔が見た目でハッキリわかるほどにむくみ、4日経った今は大分体がダルイそうで心配です。抗がん剤の副作用を読むと、FECは癌細胞をやっつけてくれても、体力や免疫力を相当奪われてしまうのではないか、70歳を過ぎた母にとって耐えられるか不安でなりません。ご意見等お聞かせ頂けたら幸いです。

さて、70歳の女性に術後補助療法をするかという問題ですが、同じ70歳の女性でも元気な方もいらっしゃれば、様々な基礎疾患をお持ちの方もいらっしゃいます。また投与してから3日から1週間が一番状態は悪いと思います。あくまでも目安ではありますが、Adjuvant Onlineではホルモン療法に化学療法を追加した場合、再発抑制効果は10年で約3名になります。(文責 大西)

 

No.10006-3】  10年12月20日  M
FEC副作用について(2)

「病理検査結果について」、ご丁寧に解説していただきまして有難うございました。 疑問に思った事がありますので、質問させて下さい。 「分泌癌は乳がんの中でも特殊型でめずらしいタイプ」との事ですが、FECや放射線治療 ホルモン療法は、この分泌癌でも功を奏すのでしょうか。 「FEC副作用について」頂いたご回答の中で「ホルモン療法に化学療法を追加した場合、 再発抑制効果は10年で約3名になります。」とあったのですが、何人中3名なのでしょうか。 3名にしか効果がないのであれば、70歳の母に辛い抗がん剤治療は意義があるのかと考えて しまいます。また、FECの抗がん剤治療は3週間おきに6回を予定していましたが、4回で やめてしまっては意味はないのでしょうか。 お忙しいところ申し訳ありませんが、教えて下さいます様、お願い申し上げます。以上です。よろしくお願いいたします。  

分泌癌への化学療法、放射線療法、ホルモン療法への治療効果について調べてみましたが、データが見つかりませんでした。特殊型のため症例数が少なくまとまったデータが集められないものと思います。3名についてですが、100名中3名です。失礼いたしました。また回数ですが、6回予定されているとのことですが、4回でも効果はあると思います。(文責 大西)

 

No.10006-4】  11年01月16日  M
FEC副作用(味覚障害・口舌炎・むくみ)について

現在、術後化学療法としてFECの2回目を終えたところなのですが、吐き気は殆どないようですが、味覚障害がひどいようで、食べるもの全てが美味しく感じられないそうで、摂食障害になりはしないか、体力・免疫力を奪われてしまうのではないかと不安です。本人は全く美味しく感じないものの、無理して食べられるものは食べている状態です。また、第一回目の投与2週間後より舌に紫色のブツブツが出来て、それがまた痛むようです。副作用としては、顔がむくんだりもしたのですが、それについて利尿剤が出ることもなく、口舌炎についても特に薬は出なかったそうです。味覚障害は抗がん剤投与が終了しても残ってしまうものなのでしょうか。味覚障害・口舌炎・むくみといった副作用が少しでも軽減される方法はありますでしょうか。お忙しいところ申し訳ありませんが、教えて下さいます様、お願い申し上げます。

御相談ありがとうございます。私のお返事で少しでも疑問が減れば嬉しく思います。
現在化学療法中でいろいろな副作用が出て、さぞ驚かれたり、つらかったりすることと思います。ご質問の味覚障害ですが、私の経験では、化学療法が終了すれば改善される方が大多数と感じています。ただし、これを予防するようなお薬はありません。亜鉛のお薬で改善することがあるとの報告もありますが、劇的に改善するものではないようです。口内炎に対しては、お口の中を清潔に保つ目的で、1日数回の「うがい」を行って頂く事が口内炎の予防には効果的です。むくみに対しては、むくみが強い場合は利尿剤をお出しすることもあります。これは、むくみの程度により主治医の先生がご判断されますので、一度御相談なさってみて下さい。まだ抗がん剤治療が続くとは思いますが、明けない夜明けはないとの思いで、もう少しご辛抱頂き、治療をお続け頂きたいと思います。応援致します。(文責 斎藤)

 

No.10005】  10年12月14日  N.S.
非浸潤性乳管癌のホルモン治療は無駄ですか?(2)(HPNo.10002)

10002で投稿したものです。返信ありがとうございました。ホルモン受容体については陽性でしたし、35歳からホルモン補充療法を受けていて、癌が見つかったときは閉経していました。説明を拝見して、アロマシンを服用していたことは間違っていなかったと思うのですが、4年でやめてしまうことのリスクはどの程度なのでしょうか?

アロマシンを4年で中止することの効果(この場合リスクと言うのでしょうか)については不明です。No.10002でも返答致しましたが、非浸潤性乳管癌のホルモン療法で効果が証明されているのは5年間のタモキシフェンです。アロマターゼ阻害薬の4年間内服の効果(リスク)については申し訳ございませんが、現在不明です。(文責 大西)

 

No.10004】  10年12月12日  H
マンモトーム生検査の結果(HPNo.9978-2)

前回はご回答ありがとうございました。前回相談内容はHPNo.9978です。その後、母のマンモトームの検査結果がでました。
結果は ER陽性の細胞100%、PgR陽性の細胞5%、 HER2 +1  です。ERについては陽性、HER2は陰性ということですよね。PgRについてはどうでしょうか? 
みなさんの相談内容を拝見しましたら、ER+とか−とか++と表記しているものもあれば、陽性陰性と書いてあるものがあったり、%での表記があったり、いろいろです。たぶん、測定の仕方が違うからなのでしょうが、いまいちよく分からないので教えていただきたいと思います。

1) 母の場合、PgRは陽性陰性のどちらなのでしょうか?
2) ホルモン療法に関する説明を読むと、たいていはエストロゲンに作用し、がんの再発を減らす薬がほとんどです。またプロゲステロン製剤はプロゲステロンが乳がんにどう作用するかまだよく分かっていない、副作用が比較的他のホルモン剤より強いため、あまり使用しないと書いてありました。PgRを測定する意味ってあるのでしょうか?
3) PgRが陰性だとすると、ER、PgR両方共が陽性の場合と比べてホルモン療法の効果は劣るものだと理解していますが、母の場合、術前に抗がん剤治療をしているので、効果の減少をすこしでも補えるものと考えて良いのでしょうか?

よろしくお願いします。

1) ER(エストロゲン受容体)やPgR(プロゲステロン受容体)の発現は癌組織を特殊染色して決定します。お母様の場合癌細胞の5%にPgRが発現していたことになります。何%以上が陽性で何%以下が陰性とするかは施設間により若干差があり、10%以上を陽性としたり5%以上あるいは1%以上を陽性としたりする施設があります。
2,3) プロゲステロン製剤は主に進行・再発乳癌に使用される薬ですが、作用機序は不明な点も多くHさんの言うとおり最近ではあまり使用されていません。またER+/PgR+に比べてER+/PgR-はホルモン治療の効果は劣ります。PgRを測定することでホルモン療法の効果を予測し、化学療法の追加を考える指標になります。(文責 大西)

 

No.10003】  10年12月12日  Y 
ポート(HPNo.9916-5)

以前ポートについて相談したものです。来年埋め込む手術になりました。点滴は針をさせばいいですが、採血はどうするのですか? 痛くないですか? 教えてください。ナベルビンをしていますが、白血球数値が下がり、1回とばすことになりました。2週間あくことになりますが、効果に変わりはありませんか? 3週間あいたりしても大丈夫ですか? よろしくお願いします。

まず採血ですが、ポートから採血することは一般的ではありません。最近のポートは逆流防止弁が付いているものが多く、採血が出来ない仕組みになっています。採血は従来通りに手足の血管から行うことになると思います。次に痛みですが、どうしても皮膚を針が貫くので痛みがないことはありません。ただし、何回も刺すことはなくなるでしょう。最後にナベルビンの投与間隔ですが、通常は2週連続で投与して3週目は休薬することになっています。薬理学的な効果からすると予定通り投与することが望ましいかもしれませんが、一番大切なのは無理をして投与することではなく継続して投与することです。白血球数値が下がり、重篤な合併症のために今後化学療法が継続できなくなるようでは意味がなく、投与を延期しても継続することをお勧めします。ただし、抗癌剤の継続や変更は有害事象のほかにも様々な要素がありますので、今後他の抗癌剤の選択肢もあるかもしれません。(文責 大西)

 

No.10002-1】  10年12月09日  N.S.
非浸潤性乳管癌のホルモン治療は無駄ですか?

4年前に非浸潤性乳管癌で温存手術を受けました。現在52歳です。断片に陽性反応があり、術後放射線治療を5週間受け、アロマシンを5年間服用するように言われて4年たちました。執刀医が転々と病院を変わり、追いかけることができず、近隣病院に新しく赴任してきた乳腺外科専門の先生に引き継いで診てもらうと、非浸潤性乳管癌にアロマシンの投与は不要で、4年間の服用と薬代は無駄だったと言われ、副作用として骨がもろくなるので薬はやめることになりました。マンモグラフィーの画像には、マンモトーム時のクリップと砂をちりばめたような石灰化があり、前年の画像と比較しても変化がないので、今後は半年に一度マンモグラフィーとエコーを撮って経過観察を厳重にしていくとのことでした。アロマシンをやめることと、マンモグラフィーを半年に一度撮ることになったことに不安を感じています。別の病院を受診した方がよいでしょうか?

非浸潤性乳管癌の乳房温存手術後のホルモン療法は、ホルモン受容体陽性患者に対してタモキシフェンを5年間内服することが勧められています。これをN.S.さんに当てはめると、まずホルモン受容体の発現状況はどうだったのでしょうか。ホルモン受容体が陰性の場合のホルモン療法の再発抑制効果は不明であり、一般的に内服を指示することはありません。また陽性であれば、臨床試験で効果が証明されているホルモン療法はタモキシフェンです。ここでN.S.さんはアロマシンを4年間内服されていますが、アロマシンはアロマターゼ阻害薬であり、タモキシフェンは抗エストロゲン薬です。同じホルモン治療薬ではありますが、系統が違うため非浸潤性乳管癌術後の補助療法としての効果は不明です。ただ浸潤性乳管癌患者において、アロマターゼ阻害薬は抗エストロゲン薬よりも高い再発抑制効果を有することが多くの臨床試験で認められているため、非浸潤性乳管癌患者においても効果がある可能性はあります。
次にN.S.さんは52歳ですが、閉経後でしょうか。アロマターゼ阻害薬は閉経後乳癌に適応が認められており、閉経前であればタモキシフェンが適応となります。またマンモグラフィーのクリップと石灰化ですが、その場所に癌細胞が存在していた可能性が考えられます。ただその後の放射線治療やホルモン療法により癌細胞が死滅した可能性もあり、主治医の先生は厳重に経過観察することにされたのではないでしょうか。以上から考えるとN.S.さんのホルモン受容体が陰性であれば、私は主治医の先生の御意見に賛成です。(文責 大西)

 

No.10002-2】  10年12月14日  N.S.
非浸潤性乳管癌のホルモン治療は無駄ですか?(2)

返信ありがとうございました。ホルモン受容体については陽性でしたし、35歳からホルモン補充療法を受けていて、癌が見つかったときは閉経していました。説明を拝見して、アロマシンを服用していたことは間違っていなかったと思うのですが、4年でやめてしまうことのリスクはどの程度なのでしょうか?

アロマシンを4年で中止することの効果(この場合リスクと言うのでしょうか)については不明です。No.10002でも返答致しましたが、非浸潤性乳管癌のホルモン療法で効果が証明されているのは5年間のタモキシフェンです。アロマターゼ阻害薬の4年間内服の効果(リスク)については申し訳ございませんが、現在不明です。(文責 大西)

 

No.10001】  10年12月07日  S.S.
精密検査

初めて相談させていただきます。39歳の主婦です。先日、受けた乳がん検診の結果で、右側に「腫瘤の疑い」「石灰化」で精密検査を要すると指摘されました。受けた検査はマンモグラフィーで す。これは乳がんの可能性が高いのでしょうか? 今まで病気という病気をしたことがないので、不安で何も手につかない状態です。何か情報を頂けたら幸です。よろしくお願いします。

腫瘤と石灰化の位置関係、石灰化については、形・分布の仕方で様々な可能性があります。検診のマンモグラフィーでは異常ありとされても、実際にがんが見つかるのは1%程度と言われています 。100人精密検査を受けても99人は異常がないという程度です。海外では5%というデータもありますが、39歳では、より可能性は低いと思いますが、早めに乳腺外科で精密検査を受けるこ とをお勧めします。(文責 石山)

 

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