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相談室(No.10101〜No.10200)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

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なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

★ 過去にさかのぼって相談内容が検索できるようになりました。ご参考になれば幸いです。ご利用下さい。
 

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

10200 11/05/17 経過観察と摘出、どちらの選択肢を選ぶものなのでしょうか? 清水
10199 11/05/17 N  フェマーラとアリミデックス 清水
10198
10198-2
11/05/17
16/04/28
K.S.  化学治療の有無
タモキシフェン5年間服用後の追加ホルモン治療について
清水
徳田
10197 11/05/17 T 再発乳癌の治療法について(3)(HPNo.10107)  清水
10196 11/05/17 HS  薬の副作用でしょうか?  清水
10195 11/05/13 K.T ホルモン療法について 清水
10194-1
10194-2
11/05/13
11/05/17
ママ ホルモンレセプター・ホルモン療法について
ホルモンレセプター・ホルモン療法について(2)
清水
清水
10193-1
10193-2
11/05/13
11/05/18
M.S. 病理結果と今後の治療について
病理結果と今後の治療について(2)
清水
清水
10192-1
10192-2
11/05/13
11/12/31
アリス 腫瘍マーカー上昇について
肝転移
清水
清水
10191 11/05/11 閉経不確定なホルモン療法について 清水
10190 11/05/11 最初から全摘のほうがいいのでしょうか? 清水
10189 11/05/11 乳腺症と診断されて 清水
10188 11/05/11 今後の治療について 清水
10187-1
10187-2
11/05/10
11/05/17
K.N. A型の術前化学療法について
間質性肺炎
加藤
清水
10186 11/05/10 M.O. 検査待ちで毎日が怖いです 加藤
10185 11/05/10 薬について 加藤
10184 11/05/10 H.S. アロマターゼ阻害薬について 加藤
10183 11/05/10 今後の治療について (HPNo.10126) 加藤
10182 11/05/10 今後の治療について 斎藤
10181 11/05/10 N  皮下乳腺全摘術は可能でしょうか? 斎藤
10180-1
10180-2
11/05/10
11/09/25
C.S. 妊娠を希望しています
ホルモン療法と妊娠
斎藤
鈴木
10179-1
10179-2
11/05/10
11/05/23
今後の治療について
今後の治療について(2)
斎藤
鈴木
10178 11/05/10 術後5年、ホルモン療法を続けたほうがいいでしょうか? 斎藤
10177 11/05/10 Y.T 全摘出手術について 斎藤
10176 11/05/10 浸潤性小葉がん 斎藤
10175 11/05/10 対側のしこり 斎藤
10174 11/05/10 K  鑑別困難 斎藤
10173 11/05/10 Y.H. 肺マック症と診断されました 斎藤
10172 11/05/07 N.K.  線維腺腫 久保内
10171 11/05/07 線維腺腫とHRTの関係について 久保内
10170 11/05/07 R.K. 局所再発 久保内
10169 11/05/01 乳頭からの出血(2)(HPNo.10085) 久保内
10168 11/05/01 ゾラデックスの期間について 久保内
10167 11/05/01 C  病理結果また術後補助療法について 久保内
10166 11/05/01 i 痛みについて 久保内
10165 11/05/01 T.M. 病理検査結果と今度の治療について 久保内
10164 11/05/01 K.Y. 今後の治療について(HPNo.8907) 久保内
10163 11/05/01 T.K. 今後の治療について 久保内
10162 11/05/01 Y.S. 抗癌剤は必要でしょうか? 久保内
10161 11/05/01 抗がん剤の副作用でしょうか? 久保内
10160 11/05/01 T.N 胸のしこり 久保内
10159 11/04/14 リュープリンとノルバテックス(2)(HPNo.10152) 大西
10158 11/04/12 T  術後の体液貯留について(HPNo.10143) 大西
10157 11/04/12 左乳房に腫瘍があります 大西
10156 11/04/11 粘液性乳癌の治療(2)(HPNo.10145) 大西
10155 11/04/11 M.Y. 現在の治療と今後の治療について 大西
10154 11/04/11 O.W. 乳癌術後のホルモン療法について 大西
10153 11/04/11 ゾメタの治験 大西
10152
10152-2
11/04/11
11/04/13
H  リュープリンとノルバテックス
リュープリンとノルバテックス(2)
大西
大西
10151 11/04/11 ノッチ 乳管過形成について 大西
10150 11/04/08 乳首からの出血 大西
10149 11/04/05 局所再発について 石山
10148 11/04/05 K.O. 抗癌剤重篤副作用後の治療方法 石山
10147 11/04/05 放射線治療からの2次癌のリスクとアリミデックスの服用期間 石山
10146 11/04/04 Y.T. 出産直後の脇下リンパの腫れについて 石山
10145
10145-2
11/04/04
11/04/12
粘液性乳がんの治療
粘液性乳癌の治療(2)
石山
大西
10144 11/04/04 今後の治療について(2) (HPNo.10126) 石山
10143-1
10143-2
11/04/03
110/4/12
今後の治療について
術後の体液貯留について
石山
大西
10142 11/04/03 T.T. 抗がん剤等は必要ないのでしょうか? 石山
10141 11/04/03 T.M. 今後の治療について 石山
10140 11/04/01 MI 検査について(HPNo.10110) 石山
10139 11/04/01 M.K. 骨転移の治療について(2) (HPNo.10131) 石山
10138 11/03/31 K.S.  今後の治療について 石山
10137 11/03/31 H  右胸のしこり 石山
10136 11/03/31 C・M  リンパ管転移を繰り返す粘液癌について 石川
10135 11/03/31 K.I.  ホルモン療法について 石川
10134 11/03/28 N.M 腫瘍マーカーの高数値について 石川
10133 11/03/28 S.Y. 母乳の影響について 石川
10132 11/03/26 ホルモン治療について 石川
10131-1
10131-2
11/03/26
11/04/01
M.K. 骨転移の治療について
骨転移の治療について(2) 
石川
石山
10130 11/03/25 Y.O.  今後の治療について 石川
10129 11/03/23 S.Y. 多発浸潤性小葉癌 吉田
10128 11/03/21 KM 乳房切除後疼痛症候群のお薬について 吉田
10127 11/03/20 K.M. 生検で血液噴出 吉田
10126-1
10126-2

10126-3
11/03/19
11/04/04
11/05/10
今後の治療について
今後の治療について(2)
今後の治療について(3)
吉田
石山
加藤
10125 11/03/18 m・O 石灰化について 吉田
10124 11/03/15 T  腫瘍マーカーと再発転移について 浜口
10123 11/03/15 K.K. 骨転移について 浜口
10122 11/03/14 T  再発乳癌の治療法について(HPNo.10107) 浜口
10121 11/03/14 T  乳管過形成(HPNo.9977) 浜口
10120-1
10120-2

10120-3
11/03/14
11/05/17
11/06/10
Y.T.  再発率について
今後の治療について
ハーセプチン
浜口
清水
須田
10119 11/03/07 抗がん剤の治療中の不安等について(HPNo.9676) 徳田
10118 11/03/07 T 術側と反対側の胸にある影について(2)(HPNo.10100) 徳田
10117 11/03/05 O.W. 手術方法について 徳田
10116 11/03/05 Y.S. 乳がんと卵巣がんの関係について 徳田
10115 11/03/05 ノルバデックスの副作用とリュープリンの単独投与の治療効果 俵矢
10114 11/03/05 Y.Y. 脈管浸潤とは? 俵矢
10113 11/03/05 タキソテールについて(HPNo.10075) 俵矢
10112 11/03/05 S.M. 乳管内乳頭腫 俵矢
10111 11/03/05 M.H. 術後の治療について 俵矢
10110-1
10110-2
11/03/04
11/04/01
MI cerbB2について
検査について
徳田
石山
10109 11/03/04 M.T. 今後の治療について 徳田
10108 11/03/04 F 再発転移の検査 徳田
10107-1
10107-2

10107-3
10107-4
11/03/03
11/03/14
11/05/17
11/05/22
再発乳癌の治療法について
再発乳癌の治療法について(2)
再発乳癌の治療法について(3)
再発乳癌の治療について(4)
徳田
浜口
清水
鈴木
10106 11/03/03 Y.T.  この治療法でいいのでしょうか? 徳田
10105 11/03/03 K.T. 今後の治療について(HPNo.9899-4) 徳田
10104 11/03/01 乳がん粘液瘤手術について 俵矢
10103 11/03/01 マミ 脳転移 俵矢
10102 11/03/01 左胸のしこり 俵矢
10101 11/03/01 H.M.  胸のしこり 俵矢

 

No.10200】  11年05月17日  H
経過観察と摘出、どちらの選択肢を選ぶものなのでしょうか?

42才の主婦です。毎年受けてる主人の会社のママさんドックで、今年初めてマンモで精密検査要という結果がきました。近くの病院に行き、検査(CT・MRI・超音波・マンモ)してもらったところ、悪性との診断。すぐにマンモトーム生検をしてもらい良性でした。画像は悪性!! という診断が心配になり、もうひとつ違う病院に行き検査してもらったところ(マンモ・超音波)、やはり、画像は悪性との診断。マンモトームではない生検をしてもらい、結果は、「乳管過形成や乳管拡張症などの良性変化あり。細胞増殖が強い。」という診断でした。ここでご相談です。良性と思われるが、乳管増殖性の病変は良悪性の判定が難しい場合があると言われ、経過観察より、しこりを摘出して病理検査をしてもらった方が確実な結果が得られ、不安な日々を過ごさなくていいのではないかと思ったりしてます。普通、経過観察と摘出、どちらの選択肢を選ぶものなのでしょうか? 摘出生検を依頼する場合、外来生検で行ってるところが多いようですが、その病院は一泊入院が基本らしいのです。そういう病院もあるのでしょうか? 長々とすみません。ご回答、よろしくお願いします。

診察もしていませんし、画像も見ていないので何とも言えませんが、画像診断が悪性でも生検の結果良性だったということもよくありますし、一部生検の結果良性だったが、摘出したら悪性だったという事もあります。画像診断と生検結果が一致しないと考えれば、摘出生検が推奨されますが、生検結果について画像診断で説明がつけば、生検は不要でしょう。あとはご本人の心配の程度によって摘出生検するかどうかが決まると思います。生検は多くの病院は外来手術で行なっていると思います。入院で行なって悪い事はありません。手術当日創が痛んだらどうしようと思えば、入院の方が安心かもしれません。(文責 清水)
 

No.10199】  11年05月17日  N
フェマーラとアリミデックス

お世話になります。先日に受けたホルモン値結果によって、現在のノルバデックスからアリミデックスに変更を主治医に勧められています。他病院の患者会に参加していて、そこではフェマーラの服用者が多いのですが、主治医からはアリミデックスのみ説明を受けました。脱毛や骨粗鬆など副作用の違いはあるのでしょうか? 53歳。リンパ節16、うちリンパ管9。初期標準治療中で、ノルバデックス2年半服用中です。

アリミデックスとフェマーラでは、作用機序も副作用も変わりありません。現時点ではどちらの薬剤もノルバデックスと比較して閉経後乳がんの再発を少なくする事が証明されていますが、どちらがより良いかは不明です。現在、両者の直接比較の臨床試験が行われているので、あと数年で結論がでると思います。それまでは両者の効果はほぼ同等と考えていて良いと思います。(文責 清水)

 

No.10198】  11年05月17日  K.S. 
化学治療の有無

49歳6か月、閉経前で気管支ぜんそくの持病があります。2011年3月に乳房温存手術を受け、術後の病理結果は、「浸潤がん(硬がん)、10o ×10o大程度の灰白色の充実性病変(組織学的ながんの広がりは10o ×10o ×10o)、術中行ったセンチネルリンパ節生検でリンパ節転移なし、ホルモン感受性ER(+)PR(+)でともに高度反応性、IHC法でHER2(2+)、断端検査陰性、脈管侵襲なし、核異型度はグレード1 」とのことでした。放射線治療と、ノルバテックスを何年か服用し、途中で閉経したらフェマーラ・アロマシン・アリミデックスのいずれかに切り替えて、合計7〜10年ホルモン療法を行うことは、ほぼ決まりだそうです。その他の術後療法なのですが、他は全て低リスクなのに、HER2(2+)だったために、術後の分子標的治療と化学治療の有無を迷うケースとのことです。HER2の+−を明確にするため、医師よりFISH法かオンコタイプDXの検査を勧められました。オンコタイプの方が客観性が高いとのことでお願いしたのですが、FISH法も捨てがたく、結局両方の検査をお願いして、現在結果待ちの状態です。以下質問にお答えいただけましたら幸いです。

1)  閉経前のホルモン療法としては、リュープリンの注射も適用なのでは、と医師に聞いたところ、「49歳6か月という年齢では、やってもやらなくてもさほど効果が変わらないので、タモキシフェン単独でよい。」と言われました。そうなのでしょうか? またホルモン陽性でもノルバテックスが効かない場合が少数あるようですが、予め検査した方がよいのでしょうか?
2) FISH法とオンコタイプDXが矛盾する結果だった場合、どちらを優先すべきでしょうか?
3) 両者ともまた中間リスク群の数値だった場合、どう考えたらよいでしょうか? 特にオンコタイプの方は日本人は中間リスクの場合低リスクとあまり変わらない(つまり化学療法を行わなくてよい)と考えられるようですが、TAILORx臨床試験が25で区切っていることを考えると、中間リスクの中でも25以上は高リスクと考えて化学療法をするべきなのでしょうか?
4) HER2陽性の場合は予後が悪いので、たとえ腫瘍径が小さくても化学治療と抗HER2治療を行うべきとの意見がありますが、どう考えたらよいでしょうか?
5) Her2陽性が確定して化学治療と抗Her2治療を行う場合、私の場合どのような標準治療がありますか?
6) そのなかで効果、副作用、薬剤費、通院回数等を勘案した場合、おすすめなのはどの療法でしょうか?
7) Adjuvant onlineでは私はどのくらいの数値になりますでしょうか?HER2陽性の場合と、陰性の場合で教えてください。

副作用や経済的なことを考えると、化学療法と分子標的治療はなるべくやりたくないのが本音ですが、乳がんは初発でたたいておかないといけないと何かで読みました。再発してから「あのとき抗がん剤を飲んでおけばよかった」と後悔しないために化学治療をするべきか? 飲んでも飲まなくても再発するときゃすると開きなおって飲まないのもあり? などと思い悩む日々です。HER2の結果いかんではどうなるかわからないので、予めいろいろ考えておこうと調べ、このサイトを見つけた次第です。沢山あり申し訳ございません。ご多忙中恐れいりますが、ご回答いただけましたら幸いです。よろしくお願い申し上げます。

1) ノルバデックス単独とノルバデックス、リュープリン併用を比較した臨床試験がないため、どちらがよいか判断できる材料はありません。一般には若くて卵巣機能が高い状態ではリュープリン、ゾラデックスを併用し、閉経近い方ではノルバデックス単独で治療するという考え方が日本では強いようですが、エビデンスはありませんから、副作用、費用等も考慮して、患者さんと相談して決めることになります。ノルバデックスが効かない場合というのは、CYP2D4という代謝酵素の働きが低い患者さんではノルバデックスの効果が低いのではないかという最近の話題だと思いますが、現時点では、その可能性は否定できないが、そこまで検査をする必要はないのではないかというのがコンセンサス(今年のSt Gallenのコンセンサス)と考えています。
2) Oncotype Dxの21の遺伝検査の中にはHer2も含まれていて、FISH法と同様の方法でHer2を検査します(結果が同封されてきます)から、原則として結果が矛盾する事はありません。
3) よく勉強されていますね、おっしゃる通りOncotype Dxで中間リスクと判定された場合、どうするかが問題(高価な検査を積極的にお勧めできない理由の一つ)です。TAILORx、MINDACT(マンマプリントを使う)試験の結果が判明するまでは、中間リスクと診断された場合は、患者さんと主治医で他の因子を考慮しながら決めるしかないと思います。
4) 臨床試験では、腫瘤径1cm以上のHer2陽性乳がんではハーセプチンの有用性が証明されます。今年のSt. Gallenでは、5mm以上であればハーセプチンを使うという専門家が多かったと聞いています。
5) 現時点で貴女のような1cm, no, ER(+),Her2(+)という乳がんに対する標準的な化学療法は決まっていません。候補として、化学療法の標準と考えられるAC(EC,CAF,FECを含む)、より再発率を少なくするには、それにTaxanを追加、Taxan追加までは考えないがACよりはよいと言われるTC等が考えられます。
6)  効果、費用、副作用はAC->T,TC,ACの順。治療期間はAC->Tは6か月、AC,TCは3か月が基本です。次のAdjuvant Onlineのデータからも極めて再発リスクは少ないので、バランスを考えればACがお勧めですが、とにかくリスクを極力小さくしたいと考えればAC->Tでしょう。
7) 現在Her2を考慮したNew Adjuvant Onlineはsiteが閉鎖されているので、古いversion 8しか使えません。それによると、10年での死亡率は他病死4.3%、乳がんの再発による死亡1%、ホルモン療法による死亡率の低下0.3%、化学療法による死亡率の低下0.3%、化学療法をAC、AC->Tにしてもその効果は同等(というか治療効果が小さいので差がつかない)、両方行った場合の死亡率の低下0.5%でした。追加でハーセプチンの効果は加えると3年でおおよそ半減といわれています。
 
最終的に化学療法を行なうかどうかは、貴女の考え方によると思います。Adjuvant Onlineのデータからは化学療法もハーセプチンも必要なさそうに思えます。しかし、確かにこのわずかな再発患者さんのなかに、Her2陽性乳がんが多いこともわかっています。おっしゃるように、再発した乳がんを根治させる事は難しいので、再発させないように、この時点で過剰と思われるかもしれないがそのくらいしっかり治療を行なっておくという考え方も間違っていないと思います。(文責 清水)

 

No.10198-2】  16年04月28日  K.S. 
タモキシフェン5年間服用後の追加ホルモン治療について

2016年4月現在54歳6か月です。2011年3月に(49歳5か月・閉経前)、ひだり乳房温存手術を行い、病理結果は以下の通りでした。
・浸潤性乳管がん(硬がん)
・組織学的ながんの広がりは10mm×10mm×10mm
・術中のセンチネルリンパ節生検でリンパ節転移は なし
・ホルモン感受性 ER 陽性(陽性細胞の占有率 5  陽性強度 3)
PR 陽性(陽性細胞の占有率 5  陽性強度 3)
・HER2   陰性
・脈管浸襲   なし
・核異型度   グレード1
・断端検査   陰性 

なお、HER2については最初IHC法で(2+)だったため、化学療法の有無を迷うとして、以下の検査を行った結果、陰性と判明しました。
・FISH法     シグナル比    1.0    HER2遺伝子増幅なし
・オンコタイプDX  再発スコア    16  
10年平均再発率  10%(95%CI:8%―13%)
ERスコア    7.9
PRスコア    7.1
HER2スコア  8.2

結局化学療法は必要ない結論となり、2011年5月より放射線治療と、ホルモン療法(タモキシヘェン服用)を始めました。途中不正出血や卵巣の肥大(最大8p)があり休薬したりしましたが、術後1年ほどで生理は止まり、卵巣も徐々に通常の大きさに戻りました。現在は血液検査上も閉経状態です。半年に1度婦人科でエコーにより子宮と卵巣の経過観察を続けていますが、異常はありません。また腫瘍マーカー、マンモ、エコー、CT、骨シンチも異常ありません。
以上を踏まえてですが、あと3か月ほどでタモキシヘェン服用が丸5年間となるので、以降の治療について医師と話したところ、「リンパ節転移もないし、オンコタイプも16と低リスクだから、これで治療終了でいいと思います。あとは年に1回画像診断すればいいでしょう」と言われました。引き続きアロマターゼ阻害薬を5年間服用するものとばかり思っていたので驚いてしまいました。
私のようながんの場合(ルミナルAタイプに分類されると思いますが)、5年以上経ってからの晩期再発が比較的多いこと、乳がんは遠隔転移してしまうと根治は難しいことを考えると、ここで治療を終了するのには正直不安があります。オンコタイプDXでは10年以内の再発率については10%としていますが、術後10年後以降の再発については不明であり、防ぐためにはアロマターゼ阻害薬を飲むべきでしょうか?
タモキシフェンを5年間服用した後にレトロゾールを5年間服用すると再発率が42%減少するという臨床試験結果があるそうですが、もともと低い再発率の場合はどうなるのでしょうか? 再発率減少に与える影響が微小だとしたら、さらにアロマターゼ阻害薬を飲む意味がないような気もします。また副作用も気になります。むち打ち事故の後遺症で肩関節が硬く、肩こりもひどいので、筋痛や関節痛の副作用も心配です。
次回7月の診察時までに決めていくことになったのですが、自分の調べた限りではどの因子がどうならば「タモキシフェン5年間服用だけで以降の薬は必要ない」としていいのかわかりませんでした。そこで質問をさせてください。

1. タモキシフェン5年間服用後の追加ホルモン療法について、なにか新しい臨床試験結果やエビデンス、推奨療法等はありますか?
2. タモキシフェン5年間服用で得られると思われる私の10年平均再発率 10%は、今後レトロゾールを5年間服用することによって概ね何%になりますか?あるいは生存率がどの位上乗せされますか?(計算式も教えてください)
3. 私はアロマターゼ阻害薬を飲む方がよいですか?だとしたら至適期間は何年ですか?種類はレトロゾールでよいですか?
4. 副作用があった場合、服用を中止すれば元通りになりますか?(例えば関節痛があった場合、なくなりますか?)
5. ルミナルAタイプのホルモン療法は5年間・10年間のどちらが現在の主流ですか?

長くなり申し訳ございません。 先生方の率直なご意見を賜れば幸いです。よろしくお願い申し上げます。

1. エビデンスとしては、調べられたとおり、アロマターゼ阻害薬を使用すると再発率は、有意に低下します。
2. すでに5年間タモキシフェンを内服して再発がないとすると、その後再発が起こる可能性は、10%程度ですので、10年の平均再発率10%の10%、1%程度です。
3. アロマターゼ阻害薬の上乗せ効果が40%とすると1%の40%、0.6%程度でしょうか。この程度の差で、服用するかどうかです。服用するとすれば、標準的には5年間です。薬剤は、アナストロゾールでもレトロゾールでもよいと思います。
4. 副作用は、中止すれば改善します。3の効果と副作用を秤にかけて、選択してください。
5. 調べられておわかりのように治療開始時の卵巣機能、タモキシフェン5年内服時の卵巣機能、再発率などにより、個別に考えるべきです。(文責 徳田)

 

No.10197】  11年05月17日  T
再発乳癌の治療法について(3)(HPNo.10107-3)  

HPNo.10107では、ご回答を有り難うございました。FISHという方法で検査の結果、ハーセプチンの効くタイプでした。タキソールとハーセプチンを3月4日より毎週行い、6回終了した後の一週間後の診察で、 エコーを診て貰ったら、殆ど消えていると言われました。今は10回目を終えた所です。タキソールとハーセプチンを12回終えると、FEC75とハーセプチンを行う予定ですが、 私は色んな本を読んで、抗癌剤が怖くなっています。副作用もそうですが、免疫力が低下してしまい、エンドキサンには発癌物質があると知ると、出来れば避けたいという思いです。タキソールとハーセプチンが終わって、ペット検査で画像上消えていれば、手術を行うという方法では、やはり良くないのでしょうか? 標準の治療をしておくべきだという気持ちもありますし、全摘するのだから・・・とも思ったりします。もう一つの気掛かりは、先生の仰られた炎症性乳癌の事です。主治医は違うと言われたのですが、癌のあるところは硬くなっていました。今となっては調べられないと思いますので、手術後には生検して確認出来るのでしょうか? それから、私は6年前にラジオ波で手術をしていますが、非浸潤がんにラジオ波の適応はないでしょうか? 「非浸潤癌は乳管内を進展する癌ですので、RFAの適応外と学会で言われています。」 という記事をみつけました。主治医に伺い、そんな事はないと否定されましたが、真実を知りたく思います。色々と不安を書き綴り申し訳ございませんが、宜しくお願い致します。

はじめに画像診断について誤解があるようなのでお話しします。エコーにしてもペット検査にしても、画像診断で見えなくなったという事は腫瘍が小さくなったということで、消失したわけではありません。そこのところをよく理解してください。まず化学療法についてですが、標準治療では何故タキソールとFECを行なうかというと、臨床試験で、そうする事でその後の再発が少なくなることが確認されているからです。もちろんタキソールだけで再発しない方もいるでしょうし、FECまでやっても再発する方もいます。でも一番再発が少なくなる方法が両方行う方法なのです。そのことをよく理解した上であれば、タキソールだけで手術を行なっても良いと思います。また化学療法剤には長所も欠点もあります。その長所が自分にとってメリットになるかどうか、長所が欠点を上回っているかどうかを良く考えてください。欠点ばかり、もしくは長所ばかりを考える事はよくありません。炎症性乳がん型再発かどうかは、皮膚が赤い時に生検するか、その後の病巣の広がり方から判断します。現時点では、広がり方からは違うように思えますが、化学療法がよく効いて抑えられていると考えれば、そうではなかったと言い切る事もできません。これから生検しても、それはわかりません。ラジオ波による乳がんの治療は保険診療でも適応外ですし、国内外の診療ガイドラインにおいても推奨されていません。現在ラジオ波治療を行なっている施設は、自由診療で行なっているか、先進医療の申請をして行なっているか、臨床試験として行なっているかのどれかではないかと思います。浸潤がん、非浸潤がんを問わず、現時点では実験的治療であることには違いありません。(文責 清水)

 

No.10196】  11年05月17日  HS
薬の副作用でしょうか? 

昨年9月に右乳房温存手術を受け術後、放射線(50Gy)現在ノルバデックス・リュープリンのホルモン治療中です。手術以前より左臀部から足先にかけて痛みがあり、整形外科では坐骨神経痛と診断されマッサージなど受けていましたが、ここ1ヶ月位膝の痛み・脹脛の攣りなど新たな症状も加わりました。服用中の薬の副作用でしょうか? 遠隔転移は考えられますでしょうか? (因みに1.3×0.7cm.摘出、グレード1リンパ節・脈管侵襲は無かったです) 良いアドバイス頂けますと大変嬉しいです。宜しくお願い致します。

ホルモン療法では女性ホルモンの働きを抑えますから、様々な症状がでます。関節痛もそのうちの一つです。ですから、副作用の可能性は否定できません。しかし、関節痛は他にもいろいろな原因で起こりますから、まずは整形外科の先生に相談してみてください。この症状からは転移の可能性は低いと思いますが、転移を心配しているならば、主治医の先生に相談して検査をしては如何でしょうか。(文責 清水)

 

No.10195】  11年05月13日  K.T
ホルモン療法について

ホルモン薬について、よろしくお願いします。2008年12月に左胸を温存手術しました。腫瘍径1.3×2.1×1.2cm  グレード3 Hercep3+ リンパ侵潤− リンパ節転センチネル0/1 ホルモン ER +Partial Pgr +focal<10% でした。治療は、抗がん剤エピルビシン+エンドキサン4回、ドセタキセル4回+ハーセプチン1年。ホルモン療法は2009年9月よりノルバのジェネリックのタスオミンを継続中です。放射線治療は30回終了。今は半年毎に検査を受けていますが、異常はありません。抗がん剤治療中から生理が止まっています。リュープリンなどは1度もやっていません。先月4月の検診の時、血液検査の結果、閉経状態なので、9月位からアロマターゼ阻害剤に変更するように医師から言われました。現在48歳です。
1) 私の病状では、ホルモン治療は5年、10年、どちらが良いのでしょうか。
2) 5年、10年のそれぞれの場合、アロマターゼ阻害剤に変更した方が良いのでしょうか。変更した方がよい場合、時期はいつ頃が良いのでしょうか。数年前に骨折をした時、整形外科医に骨粗鬆症に近いと言われたので、アロマターゼ阻害剤の使用に不安があります。

1) 原則は5年です。たしかに10年に延長する事で若干再発は少なくなるようですが、基本として5年以内に比べれば5年以降の再発はかなり少ない事、内服を続ける事で副作用も大きくなること、等を考慮して続けるかどうか考えてください。
2) 確かに血液検査で閉経が確認できれば、Tamoxifen(タスオミン、ノルバデックス)を内服して2〜3年でアロマターゼ阻害剤に変更すると再発が少なくなることが証明されていますから、変更する事が推奨されます。ただし、48才で化学療法後の閉経が本当の閉経かどうか、若干の不安は残ります。アロマターゼ阻害剤に変更して月経が再開しないかどうかは注意していてください。もう一点、骨粗鬆症もアロマターゼ阻害剤に変更する事には良くない因子です。アロマターゼ阻害剤に変更する場合は、骨粗鬆症の治療を平行して行なう事が推奨されます。(文責 清水)

 

No.10194-1】  11年05月13日  ママ
ホルモンレセプター・ホルモン療法について

ご相談よろしくお願いいたします。ホルモン陽性率10%の場合、がん細胞の10%にホルモン治療の薬の効果があるということでしょうか? もしそのようなことであれば、残り90%のがん細胞はどのようになるのでしょうか? そして、ホルモン陽性率100%ではない場合、ホルモン療法を行うことにより、がん細胞全体は、どのように弱まっていくのでしょうか? 私は、リンパ節転移一個ありました。術後、ホルモン療法先行で、4か月遅れでCEF4クール行いました。5年後、乳腺専門の主治医の先生に、ホルモンレセプターは10%とお聞きし、なぜ抗がん剤が先ではなかったのか、タキサン系までやらなかったのか、他の病院へ移られた当時の外科の主治医の先生にお聞きしたいぐらいです。同時に、なぜもっと乳がんの知識が自分になかったのか後悔しております。乳がんといっても、いろいろなタイプがあるのですよね。それぞれ治療法がわかれることを最近になって知りました。お忙しいところ恐縮ですが、どうぞ宜しくお願いいたします。

確かにおっしゃるようにホルモンレセプター(ER、PgR)が陽性という事は、裏返せば、がんの原発巣の中では90%の細胞はホルモンレセプター陰性という事です。問題は体の中へ飛んでいった細胞がどちらなのかという事です。もしホルモンレセプターが100%の細胞であれば、飛んでいった細胞もホルモンレセプター陽性だろうと考えられますが、99%陽性であれば1%は陰性の細胞もあるわけで、どちらの細胞が飛んでいったかはわかりません。しかし、99%陽性と1%陽性では多分99%陽性のがんの方がホルモンレセプター陽性細胞が飛んでいっている可能性は高いと考えられ、ホルモン療法単独が推奨されます。でも1%の陽性細胞がある場合、その陽性細胞が飛んでいっている可能性もあり、その場合ホルモンン療法が効きますから、ガイドラインでは1%でも陽性細胞があれば、ホルモン療法が推奨されています。しかし、1%しか陽性細胞がない場合はホルモンレセプター陰性細胞が飛んでいっている可能性も高いので、通常はホルモン療法に化学療法を併用する事が推奨されます。回りくどい言い方で申し訳ありませんが、おわかり頂けたでしょうか。(文責 清水)

 

No.10194-2】  11年05月17日  ママ
ホルモンレセプター・ホルモン療法について(2)

お忙しい中、早速のお返事ありがとうござました。とてもわかりやすい説明でした。
ご説明していただき、タスオミン、リュープリンまで治療を行ってきたことは、たとえホルモンレセプター10%でも効果はあり、予後の改善になることがわかりました。ただ、私の場合、術後、ホルモン療法が先行で、4か月遅れで抗がん剤CEF4クールを行ったという標準治療ではないことが、5年経ち今さらですが、非常に引っかかり、後悔の念があります。当時、乳がんの知識が乏しく、医師の処方を100%信頼していたことや、患者さん側も、家にいても情報が入る時代で、たとえば、抗がん剤はよくないとか、ネット、本などで見聞きするたびに、自分の治療に迷いが生じていました。有名な女優さんがリンパ節転移2個ありましたが、抗がん剤は体に合わなくて1回しかやらなかったそうですが、20数年たった今でもお元気でご活躍されています。私はそれを本で読み、私はリンパ節転移一個だったので大丈夫かなと思って、タキサン系までやらなかったのです。でも、それって大きな間違いなのですよね。乳がんといってもいろいろタイプがあって、100%ホルモンの薬が効く乳がんもあれば、抗がん剤が効く乳がんもあるということ、人それぞれ治療法が異なるのが乳がんだということを学習しました。過ぎてしまったことはどうにもならないので、今後のことで、恐縮ですが、再度ご相談させてください。
 
1) ホルモン療法が先行で抗がん剤が後というのは、標準治療ではないので、日本ではあまりないことかと思いますが、外国ではどうなのでしょうか? また、効果は劣るのでしょうか?
2) リンパ節転移についてですが、5年前に手術を執刀してくださった外科の先生から、「一番最初にがんが到達するところに、放射性物質?薬を使って集まったところに一個ありました。」と説明を受けた記憶があります。今の乳腺専門の先生に、リンパ節転移のことをお聞きしましたら、「カルテを見たんだけど、よくわからない。」と、おっしゃっていました。これらのことから、明らかな転移ではなく、いわゆる微小転移と解釈するのには無理がありますでしょうか? 自分としては、だから、抗がん剤を早くやらなかったのだと思いたいところなのですが・・・。
3) トリプルネガティブの場合、リンパ節に転移がなかった場合、もしくは微小転移の場合、リンパ管に+1の浸潤があった場合、抗がん剤は行うのでしょうか?
 
本当に申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。

1) 日本でも海外でもホルモン療法を先行するという臨床試験がありませんから、その効果についてはわからないとしか言いようがありません。ただ想像するに、4か月遅れとはいえ、きちんと化学療法を行なったのですから、その効果はあると考えて良いのではないでしょうか。
2) 貴女の記憶が正しいとすれば、前の主治医の言葉はセンチネルリンパ節に一個転移があったという意味だと思いますが、それがカルテで確認できないという事は謎としか言いようがありません。
3) トリプルネガティブであれば、リンパ節転移がなくても術後の化学療法が推奨されます。(文責 清水)

 

No.10193-1】  11年05月13日  M.S.
病理結果と今後の治療について

はじめて相談をさせて頂きます。乳房全摘術+テイッシュエキスパンダー挿入を受け、病理結果が出ました。

・リンパ転移なし ・ホルモン ER+ PgR+ ・HER2 1+ ・年齢37歳 ・浸潤径 2cm以下 ・脈管浸襲 軽度 ・核異型度 2(中間) ・今後、妊娠希望です

主治医からはホルモン治療 ゾラデックスとノルバデックスを2〜5年。脈管浸襲が軽度あった為、抗がん剤(CAかCAF)+ホルモン治療か、ホルモン治療のみか、自分で判断して下さいとの事でした。主治医の意見は、抗がん剤の副作用が大きい割には治療効果は2〜5%上がれば良い方(そんなに効果がない)なので、ホルモン治療のみで良いと思っているようです。

1) この病理結果で抗がん剤は必要でしょうか?
2) エキスパンダーが入っている状態で抗がん剤を受けても大丈夫なのでしょうか?

よろしくお願い致します。

先に2)からお答えします。エキスパンダーが入っていても化学療法は可能です。
1)  ER(+)Her2(-)リンパ節転移なし、という方に化学療法を行うかどうかは、現時点で判断をくだすのが最も難しい問題の一つです。一番良い解決策は、Oncotype Dxというがん組織の遺伝子を調べる検査を行う事ですが、保険で認められていないので、検査代が50万円近くかかりますし、病院によっては扱っていないかもしれません。もう一つはSt Gallenのコンセンサスを利用します。その場合、貴女の場合で問題となるのは、ER,PgRの陽性の程度です。両者が高度陽性であれば、化学療法を加えるメリットは小さいと判断されます。また、コンセンサスの中には患者さんの希望という項目があり、貴女が妊娠希望ということを情報として加味すると化学療法を行わないという選択になると思います。ER,PgRの陽性の程度が低かった場合が問題ですが、主治医の先生がおっしゃるように、貴女の場合、10年の再発死亡のリスクが8%弱で、ホルモン療法、化学療法のメリットが各々2〜3%ですから、挙児希望であればホルモン療法単独でも良いように思います。(文責 清水)

 

No.10193-2】  11年05月18日  M.S.
病理結果と今後の治療について(2)

回答ありがとうございます。追加で質問です。ホルモン陽性の度合ですが、ER,PgR共に、PS5 IS2です。子供ほ希望しないとすると、見解は変わるでしょうか? ホルモン単独で良いのでしょうか?

ER,PgR どちらもPS5,IS2という事は、ホルモン感受性が強陽性と考えます。となると挙児希望の有無に関係なく、基本的には抗がん剤は要らないと思います。(文責 清水)

 

No.10192-1】  11年05月13日  アリス
腫瘍マーカー上昇について

この度は宜しくお願いいたします。現在50歳、術後2年半の定期検診から毎月腫瘍マーカーが上がり続け(現在CEAー15.8 CA15ー3ー322.2 NCC-ST439ー15.2)、自覚症状はありませんが(フェマーラによる頭痛、吐き気、倦怠感などの軽い副作用があります)、上昇してからもうすぐ一年になろうとしております。この間にPETーCT検査2回、脳MRI2回をしておりますが、画像上の異常は診られません。6月に3年半の定期検査でPETーCT3回目を予定しております。

1) 3種の腫瘍マーカーが上がり続けると言うことは、転移の可能性が高いと言うことでしょうか? 転移などもなく、上がり続けることもあるのでしょうか?
2) 転移していても自覚症状が無いこともありますか?  転移した場合は、自覚症状が段々出てくるのでしょうか?
3) 定期検診を半年毎に受けておりましたが、腫瘍マーカーが上がってからは毎月採血をし、3ヶ月おきに画像検査をしておりますが、画像検査で急に腫瘍などが現れる事があるのでしょうか? 自覚症状が無い場合は、期間をおいた方が良いのでしょうか?
4) ホルモン感受性 ER+ PGR+ ハーツー 陰性で、術後からホルモン療法のみですが、ノルバデックス(2年半)→フェマーラ(6ヶ月)→フェアストン(現在服用中)と代えているのに腫瘍マーカーが上昇しているのは、ホルモン療法が合わないのでしょうか? 術前に化学療法を行いましたが、副作用が強く出たものの、全く腫瘍は小さくなりませんでした。化学療法も効かないのではないかと心配です。

沢山質問いたしましたが、どうぞ宜しくお願いいたします。

1) 一つの腫瘍マーカーだけであれば偽陽性の可能性も考えなければいけませんが、3種類の腫瘍マーカー全てが持続的上昇しているということは、再発している可能性が極めて高いと思います。
2) 転移があったとしても、転移した場所、転移巣の大きさなどの関係で自覚症状がでないこともあります。基本的には転移巣が大きくなれば症状はでてきます。
3) 貴女の場合は腫瘍マーカー(として検出される蛋白)をたくさん産生する癌であると考えます。ですから、このまま上昇を続けていれば、いつかは画像診断で捕まえる事ができるでしょう。画像診断で転移が診断された時の転移巣の大きさと、その時の腫瘍マーカーの値から、貴女の癌の治療経過を追うために腫瘍マーカーをどのように利用するかの判断ができるようになります。自覚症状がないときに、どの程度の間隔で検査するかは決まりがありません。細かく検査を希望する方もいらっしゃいますし、症状がなければ検査をしない方もいます。
4) ER, PgRの陽性の程度がどのくらいかにもよりますが、たしかに経過からはホルモン療法があまり効いていないように思います。しかし考え方を代えれば、ホルモン療法で症状が出ない程度に、増殖をゆっくりに抑えているのだとも考えられます。残念ながら転移している事は間違いないようなので、これからはがんと共存する途を模索していって下さい。(文責 清水)

 

No.10192-2】  11年12月31日  アリス
肝転移

いつも拝見させて頂き、何度か相談させていただいております。この度もご意見をお聞かせいただけると幸いです。
【病歴】
2007年46歳で左乳腺全体を占める乳癌(小葉癌)皮膚.乳頭浸潤伴う。腋窩リンパ節転移あり。 腫瘍大きさ5,5p×4,5p。リンパ節転移11個中8個。ホルモンレセプターER (+) PGR(+) HER2(−)。術前化学療法(FEC療法)6ヶ月間(腫瘍の大きさ変化無し)。化学療法後、左乳房全摘+腋窩リンパ節郭清手術を行う。術後放射線治療、ホルモン療法(ノルバデックス)による治療。2010年5月より、今日まで腫瘍マーカーの上昇に伴いノルバデックス→フェマーラ→フェアストンと変更し現在に至ります。腫瘍マーカー(CA15-3 CEA NCC-ST439)共に一年半ずっと上昇を続けておりました。

この度、術後4年のPETーCT検査の結果、肝転移がありました。主治医の先生からは、「PETとCTの画像で肝臓の上の部分に影と光って見えるのが癌の転移とみられます。2ヶ月後の腫瘍マーカーを見て、ホルモン療法で薬を変えて、今後の経過を見ていく。」と言われました。

1) 検査結果で、腫瘍の大きさ、個数などは聞いておりません。PETーCTでは、大きさ、個数、場所などは分からないのでしょうか? 今後詳しく検査をするには、どのような検査をしていくのしょうか?  
2) 一年半前から腫瘍マーカーが上がり続けており、この度初めて画像に現れてきたのですが、乳癌の場合、肝臓に転移しても進行が遅いのでしょうか?
3) 自覚症状がない肝転移の場合、ホルモン治療だけで大丈夫でしょうか? 他にはどのような治療がございますか?
4) 今は体調も良く落ち着いている状況なので、新しい薬の副作用が心配です。自覚症状が現れてからの治療開始では遅いでしょうか?

宜しくお願いいたします。

1)  PET/CTでだいたいの場所と数はわかりますが、正確な大きさはわかりません。通常は診断用のCTかUS(エコー)を行なって、正確な大きさ、数を診断します。
2)  乳癌の場合、肝臓に転移しても進行がゆっくりな場合もありますし、転移してから急速に増大する場合もあります、一概にどうとは言えません。
3)  治療法は内分泌療法と化学療法が中心です。ER, PRが陽性、転移までの期間が長い、自覚症状がない、増殖がゆっくりである場合は内分泌療法が選択されます。貴女の場合、ER, PRが陽性、転移までの期間が約四年とやや長め、自覚症状がない、増殖のスピードも腫瘍マーカーの上昇が肝転移の増殖と一致すると考えれば比較的ゆっくりしていると考えられますから、内分泌療法が優先されると思います。内分泌療法剤としては、ステロイド型のアロマターゼ阻害剤(アロマシン)、新しい内分泌療法剤のフェソロデックス等が考えられます。しかし、一つ気になるのは、今までに3剤の内分泌療法剤を用いていて、しかも腫瘍マーカーが増殖し始めてから使っている薬剤が、あまり有効でなかったと考えられます。その薬の効果がなかったのか、内分泌療法そのものの効果がなかったのか、考えなければなりません。後者と考えれば、化学療法が選択されます。その判断に役立てる方法として、可能であれば(安全に穿刺できる場所であれば)肝転移巣を生検して、ER、PR、Her2をもう一度検査することが最近は推奨されています。よく主治医の先生と相談してください。
4)  肝転移の場合は、大きくなると肝機能が低下して薬が使えなくなる事もあります。自覚症状がなくとも治療を始めた方が良いと思います。(文責 清水)

 

No.10191】  11年05月11日  A
閉経不確定なホルモン療法について

はじめてご相談させていただきます。3月から検査を始め、乳がん確定、4月13日に左乳房切除同時再建しました。病理結果は5月13日の退院後初受診で聞き、今後の治療方針が決まると思います。主治医は、「まぁ、多分ホルモン療法だろうな・・・」とのことです。そこで、お聞きしたいのですが、私は48歳6か月。昨年9月下旬に生理があり、かなり不順にはなっていたのですが、それ以来生理はありません。乳がんは、針生検とPET/CTで、「硬癌 脂肪織浸潤+ 微細石灰化+ DCIS巣− 核異型度グレード1(NA2+MI1) HER2:陰性(スコア1) ER:陽性(スコア3、約80%) PgR:陽性(スコア3、約40%) →診断 左乳がん(CNB後):T1NOMO、ステージTを疑います、とのことです。 遠隔転移はなく、センチネルでもリンパへの転移はなかったとのことです。この場合、ホルモン療法はタモキシフェンからがいいのか、アロマターゼ阻害剤からなのか、もちろん主治医にも確認しますが、できらばこちらの意見もお聞かせください。よろしくお願いいたします。 

年齢、閉経状況を考えるとタモキシフェンが推奨されると思います。(文責 清水)

 

No.10190】  11年05月11日  S
最初から全摘のほうがいいのでしょうか? 

よろしくお願いいたします。67才です。毎年乳がんの検診を受けています。 今年3月の末に、組織検査の結果、9ミリの悪性がみつかつてしまいました。ショックでした。5月19日に手術をします。第1ステージで、温存ということですが、友人で第2ステージで13年前手術をした人が、その後、再発をしてしまい、最初から全摘をすればよかったといっています。最初から全摘のほうがいいのでしょうか? 主治医は、名医にはいっておられる先生で、人間的にもとてもすばらしく、安心してお任せできる先生です。 少しでもと思って、モズクを毎日食べています。又雪国まいたけのMDフラクション100(まいたけエキスの抽出物)を飲んでいますが、効果はありますか? アメリカのある癌センターでは、まいたけのMDフラクションが使われているそうですが・・・。腫瘍マーカーが少し高いそうです。今年子宮ガン、胃カメラ、腸カメラ、昨年肺癌の喀痰検査をして、全て異常なしでした。手術前の超音波、MRIなども全て異常なしでした。お忙しいところ申し訳ありませんが、お答えいただければ、とてもありがたいです。どうぞよろしくお願いいたします。

乳房温存手術と乳房切除術(いわゆる全摘)で、術後の生存率は同じです。ただし、乳房温存手術では、温存した乳房にもう一度乳癌ができる“乳房内再発”のリスク(放射線治療を追加する事で3~5%程度)が残ります。同一乳房内にもう一度乳癌ができる事を嫌うならば乳房切除術を選択し、若干の乳房内再発のリスクより乳房温存を希望されるならば乳房温存手術を選択されたら良いのではないでしょうか。まいたけ云々については、科学的な証拠があるとは聞いていないので、効果があるかどうかは不明です。(文責 清水)

 

No.10189】  11年05月11日  Y
乳腺症と診断されて

初めて相談室を拝見し、質問させていただきます。37歳、子供は一人(4歳)です。5年前にマンモグラフィーで検診して(異常ナシ)以来ですが、、2ヶ月前に左乳房外側中央に1.5×2.5cmくらいの板チョコレートのようなしこりを感じ、ここ3ヶ月ほど生理前の痛みも激しいことから、4月28日に近所の乳腺外来で受診しました。マンモが非常に痛かったこと、近々妊娠したいと考えていることから、「まずはエコーで診察していただけませんか」と、お願いしました。結果、しこりははっきりありましたが、乳腺症と診断されました。理由は、生理前に痛むこと、しこりが扁平であること、右乳房にも似たようなしこりがあること、でした。また、乳房の痛みだけでなく、乳房上部にひきつるような感覚があることを伝えると、そこには線維腺腫がみられるとのことでした。触診はありませんでした。ただ、悪いものではないと診断されても、しこりの大きさが気になり、また、左腕の腋下から肘にかけて、ごく微妙につっぱるような感じがあるのと、腋と左乳房の付け根のあたりにうっすらと小さな蕁麻疹のようなふくらみ(米粒程度のものが5〜6粒?)があるのも気になります。これは受診後、どうしても気がかりで、よく眺めているうちに気がついたものです。

1) もう一度大きな病院で、マンモやその他の検査を受けた方が良いのでしょうか? 
2) 昨年12月に風邪の痰がひどく、健康診断もかねて胸部のCTを撮りましたが(造影剤なし)、もし乳癌があった場合は写るものでしょうか?
3) 希望すれば乳腺症のしこりを摘出してもらうことは可能でしょうか?
以上、稚拙な質問で申し訳ありませんが、とても不安です。ご回答よろしくお願いいたします。

1) Mailの内容だけからは判断しかねます。
2) 造影剤を使ったCT検査で、腫瘤がある程度大きければ映る事もあります。
3) 希望すれば可能ですが、触診、マンモグラフィー、エコー検査で乳腺症と診断がついていれば、原則的には手術はあまりお勧めできません。どうしても心配ならば、穿刺吸引細胞診か針生検をお勧めします。(文責 清水)

 

No.10188】  11年05月11日  S
今後の治療について

治療途中で担当医が異動で替わり、不安なので相談いたします。よろしくお願いいたします。 現在57歳です。47歳のとき、初期の右乳癌(ER-,PgR-,HER2+)で温存手術を行い、放射線治療とフルツロンを2年間内服しました。55歳の検査で、右乳房A領域に再発。トリプルネガティブであり、腫瘍マーカーが出ないタイプだが、癌はあります、といわれました。右側胸骨リンパ節と、左腋下リンパ節腫脹と診断され、ゼローダを内服してきました。量は少ないのですが、10ヶ月飲んで、胸骨の腫脹は消失し、左腋下もCTには映らない大きさになりました(触ると触れましたが縮小していました)。ただ右乳房は大きくなり、痛みもあったので、全摘出の手術を昨年8月に受けました。このとき、「癌はきれいに取れました」と言っていただき、また抗がん剤についても、縮小しているものがあるのでこのままで、と言われました。9月に担当医が替わり、今年3月の診察でも、「再発までの期間が長いので、あなたの場合は、ゆっくり進行すると思う。完治はできなくても、上手に抗がん剤を使いながら頑張りましょう。腫瘍マーカーも異常ありません。」と言われました。ところが4月に入り、手術跡の胸骨寄りに硬いものが2箇所触れ、癌であろうから、手術といわれ 6月に行う予定です。

1) 一番の疑問は、全摘出して残っていないと言われたのに、再発が早すぎるのではないか、取り残しがあったのならともかく、 そうでなければ進行の早いものなのではないかと心配です。どのように考えるべきでしょうか?
2) 抗がん剤を変更する時期にきているのでしょうか? ゼローダは16ヶ月服用しています。
3) このままこの病院でいいのかと、不安もあります。セカンドオピニオンを受けるとしたら、同じ系列の病院より、系列の違うところのほうがいいと聞いたことがありますが、違いはありますか?

長くなりました。担当医に話すべきことなのですが、言われることに納得がいかないので、お許しください。よろしくお願いします。

1) 確かに全体の経過はゆっくりしていると思いますが、癌は性質が変る事もあります。貴女の場合がそうかどうかは現時点では何とも言えません。手術で“癌はきれいに取りきれました”というのは、見た目はという意味で、細胞レベルで完全に取りきれたという意味ではないと思います。
2) ゼローダを内服中に出てきた再発ですから、原則とすれば抗がん剤を変更する事が望ましいと思います。
3) 系列の意味が分かりませんが、セカンドオピニオンはお勧めします。(文責 清水)

 

No.10187-1】  11年05月10日  K.N. 
A型の術前化学療法について

1月末に乳がんの告知を受けました。左胸下側に、3.4cmx2.1cmの浸潤性乳管癌 硬癌、Luminal A リンパ転移、なし、悪性度1、ER:陽性、PgR:陽性、HER2:陰性(+1) Ki-67:10%
大きさがある為、術前抗がん剤治療を勧められました。温存は希望しておりません。ホルモン剤がよく効くタイプであり、抗がん剤が効きにくいとの説明は受けていたのですが、まったく効かないわけではないとの説明を受け、今パクリタキセルを7回終えました。6回目終了後エコーを撮ったところ、若干小さくなっていたようです。パクリを12回終了後、FECを4クールする予定なんですが、アンスラサイクリン系はLuminal A型には8割がた効果なしというのを、ネットで見ました。効果が期待できないとわかっていながら、副作用に耐え、手術の時期を遅らせてしまっていいのか、最近ずっと思い悩んでいます(リンパや他の臓器に転移しないか・・・)。しかし、やらないで後で後悔することにならないか、結局手術後にすることになるなら、今やるべきか・・・とも思います。治療に前向きになれず、辛い状態です。このタイプの化学療法について、ご意見お聞かせ願えますでしょうか。

術前化学療法はお勧めしません(温存をご希望されていないのでしたら、なおさらであると思いますし、3cm大でしたら縮小させなくとも美容性を保った温存術は多くの場合可能です)。おっしゃるように化学療法は副作用(後遺症)もあり、治療する側もできれば回避したいと考えています。特にパクリタキセルはしびれの後遺症で長期間悩まされている方が少なくありませんし、アンスラサイクリンも後遺症を引き起こすリスクがあります。主治医に中止を申し出られてはいかがでしょうか?(文責 加藤)

 

No.10187-2】  11年05月17日  K.N. 
間質性肺炎

HPNo.10187で、ご質問させていただきました(ルミナールA型の術前抗がん剤治療について)。先日はお返事いただき、ありがとうございました。実は8回のパクリが終わったあと、抗がん剤の副作用による間質性肺炎になりました。入院はせずに済んだのですが(ステロイド服用中です)、残り4回のパクリは中止となりました。主治医からは、「術前のホルモン剤治療という方法もある」と、聞きました。この場合、先に手術→ホルモン剤治療がいいのか、術前ホルモン剤治療→手術、どちらがいいのでしょうか。手術が長引くのも不安ですが、もし散らばっているガンがあれば、先にたたいたほうがいいのか・・・。また、間質性肺炎になってしまった場合、もう抗がん剤治療はしない方がいいのでしょうか。どうぞ宜しく御願いします。年齢は、45歳です。

術前ホルモン療法という考え方があり、いくつかの臨床試験も行なわれていますが、その有効性はまだ証明されていないと思います。現実的に、どの薬をどのくらい使って、術後はどうするのかという事は全くわかっていません。ですから、何か特別の理由があって標準治療ができないという場合を除いて、基本的にはあまりお勧めできません。化学療法が終了(理由はともあれ)したならば、手術を行なって術後5年間ホルモン療法を行う事をお勧めします。間質性肺炎はパクリタキセルで起こった副作用ですから、パクリタキセルをもう一度使う事はできませんが、それ以外の抗がん剤を使う事はできます。(文責 清水)

 

No.10186】  11年05月10日  M.O.
検査待ちで毎日が怖いです

乳がんの検査待ちで、とても毎日が苦しくてメールさせて頂きました。先日はキャンディーズのすーちゃんが乳がんでお亡くなりになり、怖いと落ち込んでる自分がいます。
毎年または二年毎に乳がん検診のマンモをやっておりまして、異常はありませんでした。小さな石灰化があるけど大丈夫でして安心しておりましたが、エコーもやればもっとわかると聞きましたので受けてみました。すると左胸に一個は良性のしこりがありまして、長丸く黒かったです。もう一つは黒いところが無くて白っぽくてよくわからなく、乳腺みたいなのがしこりですと言われ、こちらは針で細胞診をする必要があると言われました。先日終わりまして、結果待ちです。その時に、先生はカテゴリー3と言ってました。
それで伺いたいのですが、マンモで見つからなくてエコーで乳がんが発見される確立はどの位でしょうか? 針で細胞診するのは、やはりがんの確立が高いのでしょうか? 腫瘍マーカーもとりましたので、やはりガンの疑いがあるのでしょうか? カテゴリー3だと、どれくらいの確立でがんが発見されるのでしょうか? 今現在38歳で、いつも触診でチェックしていましたが、あまり乳腺と変わらない硬さで、判らなかったです。子供は二人おりまして、どちらも乳が絞っても乳腺からあまり出なくて、すぐ市販のミルク変えております。それに、しこりのある左胸の乳首は陥没しております。七年前の一人目の妊娠中に、その場所あたりがとても硬くて、しこりみたいになりましたが、産んだ後小さく柔らかくなったので、乳腺が張って硬くなったと思い込み、安心しておりました。近親者には、乳がんになった人はおりません。乳頭からの分泌物もくぼみもありません。生理前になりますと、おっぱいが痛くなり、乳りんが痒くなりますが、関係ありますでしょうか? なんとなく指摘された左の胸が、特に最近痒い気がしてきます。でも掻いても分泌物はありません。比較的大きい胸です。受診した先生も、良いとも悪いとも何も言わないので、不安で不安でしょうがないです。私の場合はどうなのか、教えて頂けたら幸いです。覚悟は決めておりますが、子供の世話や家事も手につかない事が最近あります。宜しくお願い致します。

メールの内容からは、エコーの所見は良性の可能性が高いが、念のために細胞診を行っておくという診療の流れのように思います。カテゴリー3で、がんである可能性は10%以下です。生理前の症状も自然なものですので、心配なさらずに結果をお待ちください。(文責 加藤)

 

No.10185】  11年05月10日  S
薬について

初めて投稿させていただきます。年齢は56歳です。2008年に乳がんの手術を受けました。大きさは、6ミリで、リンパ節転移もなく、その他の条件もクリアして、ステージTということでした。当初の血液検査で、FSHが、22.1で、エストラジオールは114で非常に高いから、ということで、アゴニストを二年間打ち、タモキシフェンは20ミリグラムをずっと飲み続けています。私は、股関節が末期状態で、手術(置換)をする予定なのですが、その際、副作用で、血栓ができやすいということで、主治医の先生から、「術前一週間、術後は歩けるようになって三週間後から、薬の再開、服用をする。」と言われました。股関節も早く治したいのですが、薬を一か月休むのも、再発のリスクが高まるのではないかと、不安です。ステージはTでも、ホルモン値が、どんなんでしょうか? 高いのでしょうか? 高いとしたら、薬を休むと、よくないのではないかと不安です。先生のご見解を、よろしくお願いいたします。

1ケ月間程度の休薬は、リスクにほとんど影響を与えませんので、安心して手術をお受けになって下さい。(文責 加藤)

 

No.10184】  11年05月10日  H.S.
アロマターゼ阻害薬について

過去にも相談させて頂いた者です。2004年5月に、左胸全摘手術およびリンパ節郭清を受けました。来月で術後7年になります。ホルモン感受性は両方とも陽性、リンパ節転移ゼロだったため、抗がん剤治療は行わず、ゾラテックス3年、ノルバデックス5年の再発予防治療を受け、閉経前だったため、それで治療を終了しました。その頃治療は愛知県がんセンターで受けており、「閉経していれば別の薬を使うが、年齢的に無理でしょう」という事で納得しました。その後、主治医の転勤で、病院を名市大病院に変わり、1年に一度の検診を受けています。今回、婦人科の検診のついでに閉経状況を調べてもらったところ、閉経が確認されました。乳腺主治医に術後7年の検診のときに、アロマターゼ阻害薬を使えないか相談したところ、リンパ節転移ゼロの場合予後に変わりはないから、ということで処方してもらえませんでした。がん以来鬱病も併発しており、私としては、安心のためにアロマターゼ阻害薬を服用したいという希望をもっているのですが、そういう事は可能でしょうか? その場合、重要なデメリットがありますか?

主治医の言うように、これから服用しても有用であるというデータはありませんので、私も同意見です。色々な副作用がおこりえますので、安心のための服用は避けた方がよろしいでしょう。(文責 加藤)

 

No.10183】  11年05月10日  T
今後の治療について (HPNo.10126-3)

XC療法の1クールが終了しましたが、腫瘍マーカーCAI5−3値が、前回142.4→182.2に、さらに上がりました。主治医の判断では、一旦はこのまま2クールを実施し、さらにマーカー値が上がるようであれば、トポテシンもしくはジェムザールに切り替えた方がよいとのことです。ようやく静注から解放され、ほっとしたのもつかの間、家内もストレスと不安(今後に控える静脈炎症および脱毛)でいっぱいのようです。できれば静脈炎症が避けられ、脱毛発現の少ない、経口でいける他の選択肢は無いのでしょうか?

トポテシン、ジェムザールはいずれも脱毛は少ないでしょう。経口薬は他にTS-1があります。もう少し現在の療法を続けてみたうえでの判断が良いと思われます。(文責 加藤)

 

No.10182】  11年05月10日  A
今後の治療について

初めてメールします。61歳、子ども有り、既婚者です。今年3月に左乳房温存手術をしました。「非浸潤、センチネルリンパ転移なし、Ki67 <5%、ステージ0、癌の侵潤部のしこりの大きさ0p、ER 陽性1%、PgR 陰性、HER2蛋白 2+、Ly−、断端 陰性」でした。

1) ステージ0でも放射線治療が必要でしょうか?
2) ホルモン治療のメリット、デメリットを教えてください。
3) Her2 2+ 浸潤部が0pだったので無視して良いとの事でしたが、FISHの検査をしてもらったほうが良いのでしょうか?
4) 「GCDFP15広範囲に+であり、組織学的にapocrineDCISの像に相当する部分をひろく認める」  どういう意味でしょうか?

右4ミリ大のしこりあるが経過観察中です。宜しくお願いします。   

御相談ありがとうございます。乳癌の温存手術が終わり、病理診断の結果は非浸潤癌のみでステージ0だったのですね。非浸潤癌の温存術後に対する放射線治療ですが、これはお受け頂く事を強くお勧めいたします。ホルモン療法には、手術と同側乳房内への再発を抑えたり、手術と反対側の乳癌発生を予防する効果があります。しかしデメリットとして、子宮内膜癌の発生や血管が詰まりやすくなるなど、多くの副作用があることも事実です。HER2に関しては、たとえ陽性でも非浸潤癌に対して抗HER2療法は行いませんので、FISH検査は不要と考えます。また最後のご質問ですが、GCDFP15で染まる(+)ということは、アポクリンを意味するというものです。従ってGCDFP15が広範囲に認めるということから、アポクリン非浸潤癌を広範囲に認めるという意味になります。ご自身のに乳癌の多くの疑問点をお持ちであり、またGCDFP15に関しては、ここでご説明することは非常に難しいので、ぜひご担当の先生にもう一度よくお尋ね頂き、ご理解して今後の治療をお決め頂く事が肝要と思います。(文責 斎藤)

 

No.10181】  11年05月10日  N 
皮下乳腺全摘術は可能でしょうか?

海外在住の49歳女性です。マンモグラフィ、超音波検査、そして細胞診の結果、非浸潤癌と診断され、大きさが6cmということもあり、胸も小さいので、右胸全摘をすすめられています。再建を望むということであれば、一期再建ということで、まだ手術法は確定してませんが、全摘と自家再建ということでした。一期再建が今前提で、リンパ検査を術前にやる事に決まっていて、リンパ転移があった場合は一期再建でなく、2期再建ということでした。この場合、全摘ということでしたが、皮下乳腺全摘術は可能でしょうか?

御相談ありがとうございます。これから乳癌の治療が始まるとのことで、ご不明な点が多いのではないかと思います。私のお返事で少しでも不安が減れば嬉しく思います。さて皮下乳腺全摘術に関してですが、手術を行うことは技術的に可能だと思います。皮膚のみを残し乳頭乳輪は切除する全摘術と皮膚を切除した全摘術の局所の再発リスクはほとんど変わらないと考えられています。乳頭乳輪も残した皮下乳腺全摘術は、強くお勧めするデータが無いことから、現在いくつかの試験が行われいます。従って乳頭乳輪も残した皮下乳腺全摘術を強くご希望なさる場合は、局所再発率のデータが不明であることをご理解頂いたうえで、ご担当の先生とよく御相談してお決め頂くことが重要と考えます。(文責 斎藤)

 

No.10180-1】  11年05月10日  C.S.
妊娠を希望しています

いつも拝見させていただいております。36歳、出産経験なしです。34歳の時に乳房温存手術・センチネルリンパ節生検・放射線療法、現在ホルモン療法を受けています。ホルモン療法は、タスオミン5年〜、リュープリン2年の予定ですが、妊娠を希望しており、ご相談させていただきます。

病理結果
浸潤性乳管癌(左) ・腫瘍1.2p×1.2p ・グレード1 ・ER+ ・PgR+ ・HER2− ・リンパ節転移− ・リンパ管侵襲− ・断端1p以内− ・遠隔転移−

1、 ホルモン治療を中断して妊娠することは可能か。
2、 その場合、中止後どれくらいの期間をあければよいのか。
3、 また、術後検診は3カ月ごとに血液(肝機能・腫瘍マーカー)、6か月ごとにCT(胸・肺・頭)、マンモ、エコー、1年ごと骨シンチを5年間と言われたが(過剰と思っておりますが)、変わらずに受けた方がいいのか。

診察のたびに医師が違い、なかなか相談しづらい状況です。お忙しいところ恐れ入りますが、ご意見をいただければ幸いに存じます。

御相談ありがとうございます。乳癌術後ホルモン治療を行い約2年経過したところで、ご妊娠をご希望ですね。治療中の妊娠に関しては情報が少なくご心配なことが多いのではないかと思います。私のお返事で少しでもご心配が減れば嬉しく思います。
さて、ご質問のお返事ですが、ホルモン治療を中断して妊娠することは可能です。この場合の妊娠を避けた方が良い期間は、タモキシフェンは最低2ヶ月必要と言われています(タモキシフェンが完全に体内から測れなくなるのに約2ヶ月かかると言われています)。現在内服されているタスオミンもタモキシフェンとほぼ同じお薬と考えると、最低2ヶ月は必要と考えます。またリュープリンに関しては、1ヶ月製剤と3ヶ月製剤があり、どちらをご使用なさっているのかがわかりませんが、3ヶ月製剤であった場合は、さらに長い期間妊娠を避けた方がよいと思います。術後の定期検査についてですが、ガイドラインでは手術と反対側のマンモグラフィに関しては有用であり、強く勧められるとなっていますが、それ以外の検査は強くお勧めする十分な根拠はないとなっています。今後の妊娠のことや術後の検査について、ご担当の先生と再度よくご相談になってお決め頂くことをお勧めいたします。(文責 斎藤)

 

No.10180-2】  11年09月25日  C.S.
ホルモン療法と妊娠

NO.10180で相談させていただきましたC.Sと申します。その節は、丁寧なご回答をありがとうございました。大変参考になりました。その時の相談の続きになります。ホルモン治療としてリュープリン2年、タスオミン5年を開始し、今年の秋で2年になります。リュープリンの終了をもってホルモン治療をやめ、妊娠を考えたいと思っております。ですが、まわりはやはり私自身の体を心配しており、治療の中断を賛成しかねています。今回お聞きしたいのは、2年と5年では具体的に再発率の違いはどのくらいあるのか?という事と、治療を続けたら絶対に再発しないとは限らない、薬を飲んでも飲まなくても、再発するかどうかは結局わからない、という考え方は間違っているのか?という事です。グレードも低く、転移もなし、何よりも砂袋を背負って霧の中を這っているようなホルモン治療の副作用から楽になりたい、妊娠出産を考えたい、という気持ちが日に日に強くなっています。受診のたびに診察医が違うので、自分とまわりの考えをしっかり固めてから相談しようと思っています。お忙しい中恐れ入りますが、ご意見をいただければ幸いに存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

質問有り難うございます。術後のホルモン療法として、リュープリンとタスオミン(ノルバデックスのジェネリック医薬品)を使用中に妊娠を希望されているとのことです。
各々の投与期間ですが、リュープリンは2年以上のデータがありませんので、2年間の投与が標準です。現在、長期投与でのデータを集積中ですので、今後は、5年が標準とか・・になるかもしれません。タモキシフェンは50歳以上のデータですが、50才以上の人に1年間投与すると、再発を21%、乳がん死を12%減少させ、2年間投与すると再発を29%、乳がん死を17%減少させ、5年間投与すると再発を47%、乳がん死を26%減少させると報告されています。従って、現在では5年の投与が標準になっております。50歳以下でも大きな違いはないとご理解下さい。おっしゃるとおり、再発予防の治療は100%ではなく、内服していても再発することはあり、内服しなくても再発しないこともあります。これらの、曖昧な考えをまとめるために、今までで世界中のひとにタモキシフェンを内服した場合の死亡率の減少、再発率の減少のデータがあります。従って、われわれは、ホルモン療法を勧め、最後まで頑張ってもらうように手助けをしていきます。仮に再発をしてしまった際の治療が、大変なことが多く、長期に及ぶことを知っているためです。そうであれば、5年間、頑張って下さい・・ということです。
ここは、パートナーさんとよく相談し、再発予防の治療と妊娠・出産とを天秤にかけ、結論を出しましょう。副作用がつらい方もいますし、妊娠を希望される方もいます。誰の治療でもありません、ご本人の治療ですので、納得のいく治療を受けて下さい。ホルモン療法を止めて、妊娠・出産を目標に・・というのも大事な治療ですから。(文責 鈴木)

 

No.10179-1】  11年05月10日  N
今後の治療について

乳ガン患者です。しこりは何年も前からありました。去年、「たぶんまちがいなく良性よ」とのことで、なにも考えず、一般外科でしこりだけをとりました。その後、悪性とわかり、急いで違う病院(乳腺専門医のいる病院)で再度手術をして、放射線治療をいたしました。2度目の手術の結果、しこりのまわりに、癌はなかったそうですが・・・。今通っている病院には、元のしこりはないそうですが、もし、しこりが残っていたら、いろいろな治療の選択肢が広がるそうですが、しこりが有るのか、無いのか、もしあるならば、何処の病院にあるのでしょうか? どこに、どのように、問い合わせるのが、よいのでしょうか? それとも、そのようなことは、急がなくてもいいのでしょうか? 普通、しこりはどれくらいの期間保管なさっておられるのでしょうか? そして、ハーツたんぱく+3と聞いているのですが、ハーセプチンの点滴治療は、どのような方法ですることになるのでしょうか? どのくらいの時間が必要ですか? 点滴と伺っていますが、それは寝てするのでしょうか? それとも、こしかけてでしょうか? どっちでもいいのでしょうか? そして、ハーセプチンにしても、抗ガン剤にしても、ホルモン剤にしても、1度使用したら、耐性のようなものができてしまうのでしょうか? 副作用が一番少ないのは、ハーセプチンと理解してよいのでしょうか? どうか、宜しくお願い申し上げます。

ご質問ありがとうございます。良性のつもりでお受けになった手術で乳癌と診断され、さぞお驚きのことと思います。私のお返事で少しでも疑問が解消できれば嬉しく思います。さて、まず乳癌組織そのものは、今診察して頂いている乳腺専門医の先生が一般外科の先生からお取り寄せしていなければ、はじめの病院にあると思います。また組織の保存期間は病院によってさまざまですが、最低5年間は保存しておく病院が多いと思います。もちろんそれ以上の期間保存している病院も多数存在します。少なくともNさんの最近お受けになった手術の組織は保管されているはずです。ご担当の先生にお尋ねになって下さい。ハーセプチンに関してですが、この治療が必要な方は癌の浸潤部(しんじゅんぶ)のHER2(ハーツー)蛋白が3+の方です。まずご自身の3+がどの部分を調べたのかを、ご担当の先生にご確認頂く必要があります。またハーセプチンを使用する場合は化学療法との併用が基本です。すなわちハーセプチンだけを使用した治療は標準治療ではありません。ハーセプチンの点滴は3週間毎に1年間使用する方法が現在の標準治療となっています。点滴方法は施設によりいろいろで、ベッドで行う病院もあればリクライニングチェアーで行う病院もあります。 ぜひ今診察して頂いている先生に組織のことだけでなく、多くの事をお尋ね頂き、ご納得後に今後の治療をお受け頂く事をお勧めいたします。(文責 斎藤)

 

No.10179-2】  11年05月23日  N
今後の治療について(2)

お忙しい中ご回答下さって、とても嬉しいです。ありがとうございました。5年間は、大抵しこりを保管しておいて下さっているとのこと、一安心できました。ありがとうございます。すみませんが、お忙しい中、疑問が出てきたので、もう一度教えていただきたいのですが、疑問に感じているのですが、どの部分から、ハーツたんぱく3+が出てきたか?というこが、大切になるということでしょうか?(なぜ、どこから出てきたか確認する必要があるのでしょうか?) 周りの部分からは出てこなかった、良性だと思って摂ったけど周りに悪い物が散らばっていなくて良かったと、聞いています。あと、悪性度は中程度で、ホルモンの感受性は両方とも陽性とうかがっています。現在、アりミディックス を朝1錠、ユウエフティカプセルt100を毎食後1錠ずつ飲んでいます。ハーセプチンができれば、再発が心配なのでしたいのですが、元々、他に持病があって、その病気で長年苦しんでいて、寝た姿勢で息苦しく、心臓がえらくなって起こされて困っています。ハーセプチンの副作用が、NETに心臓と書いてあるのをみて心配なのです。主治医にたずねたのですが、副作用は無いとおっしゃって、それ以上のことは、聞けずじまいです。ハーセプチンをする場合は、今飲んでいる薬も継続して飲んで、治療していくと聞いています。 する、しないは、早く今度までに決めて下さい、とのことで、 決めかねています。他に病気があることは、乳ガンの主治医の先生は、わかって下さっています。が、元々の持病はかなり難しく、現在治して下さる先生を捜さないと行けない状況です。
ハーセプチンをするかしないかで、どの程度再発予防効果が期待できますか? 副作用がもし出ても、ハーセプチンを中止すれば、元に戻るだけのことでしょうか? 副作用がもし出たら、心臓が今より悪くなってしまうのでしょうか? そして、最近、親戚が本で読んで知らせてくれた情報ですが、「抗ガン剤は盛んに細胞分裂して増殖する細胞に作用するのに対して、ホルモン剤は細胞の分裂をとめる働きがあり、同時に使うと効果を打ち消しあう可能性が考えられる。手術後に抗ガン剤で治療し終わってから。ホルモン剤を使う場合と、両方同時に使う場合、再発率は、後者の方が高かった。」と、その本(癌治療の常識、非常識という本)には書いてありますが、 それは本当なのでしょうか? 本当なら、どの程度差があるのでしょうか? 私のしこりは、8oです。
お忙しい中、面倒おかけしてすみませんが、これらのことで、なにか、私にアドバイスやご意見、情報などございましたら、どうか、宜しくお願い申し上げます。

質問ありがとうございます。まず、HER2蛋白がどこから出てきたか?ということですが、これは、どこからか現れてくるものではなく、もともと、その蛋白を持っている乳癌だということです。乳癌には、乳管や、小葉の中にとどまる非浸潤癌と、乳管や小葉の壁を破って周囲に広がる浸潤癌があります。このHER2蛋白は、非浸潤癌でも浸潤癌でも15〜20%くらいに存在しますが、その判定は浸潤癌の部分で行うことに決まっています。「周りの部分からは出てこなかった」、「周りに悪いものが散らばっていなくて良かった」とのことですが、恐らく、最初に取った部分に浸潤癌があり、その大きさが8mmで、そこにHER2蛋白が3+で存在し、周囲には非浸潤癌が少し広がっていた・・ということなのではないでしょうか。
次いで、現在の治療と今後のことですが、ハーセプチンは、HER2蛋白を持っている患者さんに、通常の抗がん剤を使用し、その後ハーセプチンを投与する場合と、ハーセプチンを投与しない場合とで比較試験が行われ、ハーセプチンを1年投与した場合、その再発率が約50%減るというものです。従って、HER2蛋白を持っている乳癌であれば、化学療法後にハーセプチンを1年投与することが標準的な治療法となっています。ハーセプチンの副作用は大きなものはありませんが、アレルギー反応が3%くらいに出ます。最初の投与時出現することが殆どで、重篤なものではありません。また、懸念されている心毒性ですが、5〜10%の症例で発現します。心臓の収縮力が低下します。ただ、化学療法に伴う心毒性に比べ、投与を中止して経過を見ていけば改善することが多いようです。さて、ハーセプチンを追加するか否かですが、元々の持病のこと・・が気になります。その詳細はわかりかねますが、元気で続けられる体力、気力があれば追加で投与してはいかがでしょうか。ただ、その持病を治す先生を捜さなければ、という状況であれば、元気な身体あっての再発予防の治療ですから、ボロボロになってまでやるべきではないと思います。
また、現在のアリミデックスとUFTの併用ですが、閉経後に方に、ノルバデックスとUFTを2年投与した場合、CMFという抗がん剤の併用療法と同等の再発予防効果であったことが報告されているものの、アリミデックスとの併用に関しては、データが乏しい状況です。主治医の先生は、あなたの持病のこと、性格、やる気など、いろいろ考えて今の治療を呈示して頂いたのだと思います。従って、アリミデックス+UFTのデータが乏しいとなれば、それにハーセプチンを追加してどれくらい効果的か?ということにも明確なお答えがありません。
抗がん剤とホルモン剤の併用に関しても、良くないという意見と、併用しても問題無いという意見があり、結論は出ていません。
元々の持病のこと、ご自身の乳癌の顔つき、現在の治療内容などを考慮しつつ、今後の治療を考えなくてはいけませんが、今、治療にあたって頂いている先生のお考えが、あなたにとってベストであると思います。まとまりなくてすみません。

 

No.10178】  11年05月10日  A
術後5年、ホルモン療法を続けたほうがいいでしょうか?

いつもお世話になっています。以前疼痛症候群の件で、たびたび相談にのって頂きました。今回はホルモン療法を継続するべきかどうか悩んでいます。アドバイスをいただきたく投稿いたしました。よろしくお願いいたします。5月で術後5年になります。ER陽性、PgR陽性、HER2陰性、リンパ節転移なしのステージ1でした。温存手術、放射線治療50グレイ、アリミデックス5年間の治療を続けてきました。私としましては、これから先もホルモン療法を続けたいと思います。先生によって意見が違うようですし、患者さんも5年以上続けていらっしゃる人、定期健診だけで済ませている人、いろいろです。私としては2,3年このまま続けたいと思います。表向きは元気にしていますが、不安はいっぱいです。この先どのような治療をすべきか、アドバイスお願いいたします。5月の診察時に継続か否かを決めることになっています。

御相談ありがとうございます。手術から始まりました乳癌の治療も5年経過したのですね。長い治療期間本当にお疲れ様でした。 さてアリミデックス5年間内服後のさらに延長した場合の効果と安全性ですが、現時点でははっきりとしたデータはありません。 海外の最新の治療ガイドラインでも、アリミデックスの内服期間は5年間を強く推奨しています。 したがってどうしても継続したい場合は副作用である骨粗しょう症などの状況も把握しながら慎重に行う必要があると思います。 ご担当の先生とよく御相談なさってお決め頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.10177】  11年05月10日  Y.T 
全摘出手術について

はじめて御相談させて頂きます。当方34歳独身。4月上旬しこりを発見し、受診。4月中旬に、針生検の結果、乳がん確定。5月初旬手術予定です。今まで病気ひとつなく、趣味もスポーツが多く、体力にも自信がありました。自分ががんに罹ったことでかなり動転し、死の恐怖で焦るばかりで、精神的にもかなりつらいです。とにかく手術なのですが、ここにきて疑問や不安があるので、質問させて下さい。私のしこりは、右胸に2〜3個ある様な感じに見えます(CTの結果)。大きさは、1つ1つが2センチくらいです(他にも小さいのがあるような感じにも見えます。あくまでも素人見解です)。医師からは、リンパにもあると言われています(これは自分では感じません)。遠隔転移は今のところないそうです(肺、骨、肝臓)。ホルモンは、よく効くタイプだそうです。HER2は陰性。医師は全摘出手術、リンパもはじめから取るとのこと(センチ等行わない)。その後の事は、手術後にとの事。おそらく抗がん剤、ホルモン治療に、放射線もやるかも(はっきり言いません)・・・。

1) 温存を勧めない理由は何でしょうか? 先に抗がん剤をしてもあまり意味がないような事をボソボソ言っていました。
2) 手術前にリンパにあるとわかるという事は、沢山あるのでしょうか?
3) 再発率は高いのでしょうか?
4) リンパ郭清したら、もう激しいスポーツ(ゴルフ、テニス等)はできませんか?

不安でいっぱいですが、もうすぐ手術。二度とゴルフや激しいスポーツができないと思うと悲しいです。もちろん命が大切ですが、再発の不安に毎日おびえて生きていくのもつらいです。私の聞き方が悪いのか、あまりにぶっきらぼうな女医さんで、なかなかうまくコミュニケーションできません。わかりにくい文章、内容ですみませんが、わかる範囲で教えていただけると幸いです。

御相談ありがとうございます。乳癌と診断され、多くのご心配をお抱えのことと思います。私のお返事で少しでも心配が解消されれば嬉しく思います。御相談の内容から右のお胸に2〜3個のしこりがあり、そのうちの1つの針生検で乳癌と診断されたと理解いたしました。
一般的に片側のお胸に乳癌が複数個ある場合は、温存術はお勧めしないことが多いです。しかしその2〜3個のしこりがとても近い場所にある場合は、温存術をおこなっている病院もあります。リンパにあるという表現は、術前の検査でリンパ節が腫れているということと想像します。術前にリンパ節が腫れていてもリンパ節転移は認めないこともあり、これはリンパ節を切除した後に顕微鏡でよく調べないと最終的にはわかりません。また再発率についても、切除したしこりの大きさやリンパ節転移の有無などにより推測する数字なので、術前にお話しすることは難しいです。リンパ節郭清した後の運動ですが、これは私が拝見している患者さんは皆さん問題なく行っています。また私も制限なくスポーツをすることをお勧めしていますので、ご心配なさらなくて大丈夫です。今の医療では残念ながら再発を0(ゼロ)にすることは困難です。そのため不安を0にすることは難しいですが、乳癌と診断され治療をお受けになっても、生活上の制限はほとんどありません。治療が落ち着くまでは初めてのことばかりで不安も大きいとは思いますが、ぜひご担当の先生にわからないことをご質問なさり、全てご理解なさってから治療をお受けになって頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.10176】  11年05月10日  N
浸潤性小葉がん

左胸、浸潤性小葉がんと診断されました。がんは1センチ。レントゲン、CT、MRI、PETなどでは、リンパ節への転移や遠隔転移は、今のところなさそうです。主治医は、「全摘も温存も生存率はかわらないから、温存と放射線でよいのでは」と言い、私もそれでよいのならと思いますが、小葉がんは乳管がんよりしこりをつくりにくく、目にはみえないが細部にひろがっていきやすいと、本やインターネットでみます。乳房は小さいです。温存にして再発の可能性を残すより、全部とっておいたほうがよいのでしょうか。

御相談ありがとうございます。乳癌と診断され、多くのご不安をお抱えのことと思います。ご質問内容は浸潤性小葉癌の手術術式についてですね。一般的に浸潤性小葉癌に特徴的な画像所見は少ないと言われています。しかしご担当の先生は多くの画像所見から温存術で取り切れると推測し、温存術をお勧めなさったのだと思います。温存術を施行した場合は、手術後に切除した組織の切り口(断端と言います)をよく調べて、がん細胞が断端に無いことを確認します。もし断端にがん細胞が存在した場合は、追加の手術を行い取り切るようにします。したがって温存術を選択したから、がん細胞が残ってしまい再発の可能性が高くなることは、とても少ないです。手術前にもう一度ご担当の先生とよく相談なさってから、手術をお受けになることをお勧めいたします。(文責 斎藤)

 

No.10175】  11年05月10日  K
対側のしこり(HPNo.9907-2)

No.9907でお世話になりました。本当にありがとうございました。その後、乳管内視鏡でも広がりがあり、全摘手術を受けました。病理結果では、石灰化部分の他に2箇所浸潤していましたが、どちらも1mm以下で、センチネル陰性、ホルモン陽性、har2評価出来ず、非浸潤癌と同等で、年齢以外は低リスクで経過観察になりました。そして、先日、術後半年検査で、超音波で対側に3箇所しこりが見つかりました。半年前は何かあるような印象の超音波の映りだったが、今回ははっきり分かるそうです。主治医は、「平べったく、超音波では水か何かだと思うが、心配なら細胞診しますか?」と聞かれ、お願いしました。ここでお聞きしたいのですが、半年で大きくなるしこり(自分ではわかりません)は、癌の可能性が高いのでしょうか? 超音波で良性の判断はつくのでしょうか? 術後の定期検査で早期発見は可能でしょうか? それとも自分でも他院で定期的に検査した方がいいでしょうか? 半年経って自分が癌であると受け入れ始めたばかりなので、対側も乳癌かと思うと、何も手に付かない状態です。

御相談ありがとうございます。微小浸潤癌術後約6ヶ月で反対側の乳房に3個のしこりが見つかり、さぞご不安のことと思います。
今回のご質問内容からは詳細が不明な部分があり、全てに適格にお返事することは難しいので、一般的なお返事になってしまい申し訳ございません。
さて半年で大きくなるしこりですが、どの程度大きくなったのかが不明です。しかし大きくなっているからすぐに癌と診断されるわけではありません。例えばのう胞というお水のたまりの場合は、大きさが変化することは良くあることです。また超音波検査で良悪性の推測はできますが、確定は困難です。術後の定期検査ですがガイドラインでは、手術と反対側のマンモグラフィに関しては有用であり、強く勧められるとなっていますが、それ以外の検査は強くお勧めする十分な根拠は無いので、ご担当の先生と御相談なさってお受けになるのが良いのではないのかと思います。また検査は今までの治療結果や検査結果がある今の病院でお受けになることをお勧めします。今の病院の検査内容や結果が受け入れられずに不安が強くなるばかりの場合は、セカンドオピニオンをお受けになる方法もあります。まずはご担当の先生がこの3個のしこりについてどのようにお考えになっているのかを、よくお伺いすることが大切だと思います。(文責 斎藤)

 

No.10174】  11年05月10日  K
鑑別困難

左胸に痛みとしこりを3月に感じ、4月頭に医者にかかり、マンモとエコーをして、細胞診をしました。細胞診の結果、「クラス4の悪性の疑い」と診断され、そのあと組織の検査をしたところ、鑑別困難という結果がでてしまいました。細胞診で悪性の疑いのときに、医師から、「疑いがでたってことは90%は悪性。組織でガンの種類がわかる。」と言われました。覚悟をして医者にいったら、鑑別困難と言われ、6日にMRIをとることになりました。組織の検査では異形乳管過形成の疑いということです。この組織の検査結果を本当に信じていいのでしょうか? 調べたら、「組織は先生の腕にもかかっていて、ちゃんとそのしこりの組織がとれてないということもある。」と書いてあって、心配で心配で眠れません。

御相談ありがとうございます。私のお返事で少しでもご心配が解消されれば嬉しく思います。まず「細胞診は悪性の疑い」で、「組織診は鑑別困難」という結果は、ときどきあることです。組織診は、Kさんがご心配なさるように技術を要する場合もありますが、「鑑別困難」は病変部は確実に採取されているが良悪性の判定が困難な病変の事を言いますので、この組織結果は信じて頂いてよろしいと思います。さて鑑別困難の場合は、「経過観察もしくはさらに生検をお勧めするべきである」と乳癌取り扱い規約にも記載されています。ここからは私の想像ですが、担当の先生はMRIを撮影した結果で、どちらをお勧めするのかお決めになるのではないのかと思います。もしKさんのご心配がとても強い場合は、先生に生検をお願いするのも一つの方法と思います。よくご担当の先生と御相談なさって、今後の検査を進めていって頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.10173】  11年05月10日  Y.H. 
肺マック症と診断されました

二年前に温存手術をしました。リュープリンとノルバデックスで内分泌療法中です。肺のCT検査で異常が見つかり、気管支鏡にて肺マック症と診断されました。自覚症状はまったくありません。主治医からは、「化学療法中の免疫低下時に発病したかもしれない。」と、言われました。呼吸器科の先生から、クラリス200 3錠、クラビット500 1錠、エブトール250 2錠を一年間服用と言われました。抗生剤の大量投与は乳がんリスクを高めるとの検索を読み、とても不安になりました。白血球も少なく、今月の検査では2000でした。こんなに大量の抗生剤とノルバデックスを一緒に服用しても問題ないのでしょうか? 再発防止の点からは、抗生剤大量投与はデメリットなのでしょうか? まとまりのない文で申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

御相談ありがとうございます。乳癌術後ホルモン療法中に肺MAC症(非結核性抗酸菌症)と診断され、さぞご不安の事と推察いたします。また多くの抗生物質を長期間内服されるのは、さぞご心配と思います。さてノルバデックスと抗生剤との飲み合わせですが、お調べしたところ、今回お飲みになるお薬との相性は問題ないようです。また抗生剤の大量投与と再発ですが、特に関連はありません。肺MAC症は、症状はなくとも菌は体内にあり、治療が必要な状況のようですから、しっかりと治療をお受け頂いた方が良いと思います。お薬の飲み合わせについては、薬局でもお薬を頂くときに御相談できますので、ご心配な点があればご質問して頂き、納得したうえで内服をして頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.10172】  11年05月07日  N.K. 
線維腺腫

24才、妊娠歴はありません。先日、左乳房下中央に1.5センチのしこりがあり、外科を受診しました。マンモグラフィーと超音波をして、細い針で細胞検査?をして、線維腺腫と診断を受けました。マンモグラフィー後、左乳房の外側に圧痛があります。マンモグラフィーの影響なのかなと思っていたのですが、一週間を過ぎても痛みます。検査のとき、生理3日目で張っていました。そのような状態で受けると、痛みは持続しますか? 右乳房は痛みがありません。線維腺腫は痛みがないとのことなのですが、離れた場所に痛み出すことはありますか? 脇の下に腫れやしこりはありません。何が考えられますか? 良性の診断を受けたのに心配です。お願いします。

線維腺腫は本来痛みはないと考えられますし、同じ側でも離れた場所なら、線維腺腫のせいでもマンモグラフィのせいでも無いと思います。マンモグラフィ・超音波検査で線維腺腫以外の異常が見られないようですので、多分ホルモンによる一過性の乳房痛で病気ではないことが多いと思います。2〜3ヶ月様子を見て、余り症状が続くようならもう一度受診してみられたらいかがでしょうか?(文責 久保内)

 

No.10171】  11年05月07日  F 
線維腺腫とHRTの関係について

初めて相談させていただきます。現在44歳で、閉経、更年期障害でホルモン充填療法を希望していますが、2年前に検診で4ミリのしこりが見つかり、針生検の後、腺維腺腫と診断を受けました。その後、半年に一度、検診を受けていますが、しこりの大きさなど、変わりはありません。HRTは腺維腺腫に悪影響を及ぼすのでしょうか。HRTは可能ですか。婦人科では、閉経にはまだ若く、閉経によるリスクを考えれば、あと3・4年程度はHRTを行ったほうがいいと言われております。アドバイス、よろしくお願いします。

線維腺腫の一部には、妊娠中にサイズが大きくなり、心配される方が居られます。HRTでも同じように増殖が推進され大きくなる可能性はあると思います。しかし線維腺腫は、悪性化することは有りません。診断が違っていれば別ですが、針生検まで行われて診断されており、大きさも4mmとのこと(よく針生検が病変部を捉えられましたね)、サイズの変化を見ながらなら、HRTをしても大丈夫だと思います。(文責 久保内)

 

No.10170】  11年05月07日  R.K. 
局所再発

7年前、全摘し、その後ホルモン治療をしました。先日、手術した側に2つの小さなしこりを発見しました。ちょうど傷の上で、以前しこりがあった同じ場所です。早速、超音波でみてもらいましたが、主治医は、ほぼ間違いなく良性の腫瘍だと言いました。しかし、ちょうど同じ場所に出来たしこりに、とても不安だったので、生検をお願いしました。質問ですが、このようなまったく同じ場所にできたしこりでも、良性のしこりというのが考えられるのですか? 皮膚のすぐ下で、つまめます。赤みなどはありません。

乳房切除後7年の局所皮下腫瘤とのこと、乳腺組織は全部摘出したのですから線維腺腫や乳管内乳頭腫のような乳腺由来の良性腫瘍は出来ないとは思いますが、類皮のう胞や脂肪腫、そして結紮糸等を核にした異物肉芽腫等の良性病変は有り得ると思います。(文責 久保内)

 

No.10169】  11年05月02日  T
乳頭からの出血(2)(HPNo.10085-2)

以前乳頭からの出血でご質問させていただきました。お答え頂きありがとうございました。あれから、毎月一度エコーを乳腺外科専門の病院にて、診ていただいていますが、やはり何も異常がないといわれます。出血も止まったようで、全く出血もしていません。マンモ、エコー、触診でも異常なし。このまま出血も無ければ大丈夫と思ってもいいのでしょうか? 出血があれば、乳管造影の検査もできるが、その必要もないと、医師からは言われています。乳がんの心配は無いと、先生からは言われましたが、安心していいのでしょうか?

血性乳頭分泌が一過性で、MMG・超音波で乳管内乳頭腫以上の病変が見られないのなら、問題なしだと思います。(文責 久保内)

 

No.10168】  11年05月02日  F
ゾラデックスの期間について

何時も拝見させて頂き、とても参考になり、影ながら感謝の毎日です。早速ですが質問をさせて頂きます。2009年4月に乳癌の告知を受けました(現在50歳・治療前は閉経前でした)。「腫瘍径…1.4cm 充実腺管癌 ホルモンレセプター…強陽性 HER-2…− グレード…3  転移無し」とのことで、5月より術前ホルモン療法(ゾラデックス・タスオミン)開始。「6月腫瘍径…1.27x1.0cm 7月腫瘍径…0.8cm」と縮小傾向にあり、ホルモン療法が有効であると説明を受け、8月に乳房部分切除術を受けました。

術後病理結果
「腫瘍径…0.8cm 取り残し…なし センチネルリンパ節転移…0/2  ホルモンレセプター…強陽性  HER-2…− グレード…2」との事で、術後治療は術前に行ったホルモン療法の再開(2009.9)+放射線治療(2009.12)を行いました。

<質問です>
1) 注射(ゾラデックス)が今年で2年目になります。注射の期間ですが、2年〜3年が一般的とお聞きしましたが、私の場合中間リスクになるかと思うのですが、2年で終了で良いのでしょうか? (術前グレード3、術後グレード2という結果だった事が気にかかり2年で終了して良いのかと気にかかっています)
2) 終了する際の2年もしくは3年は、術前治療開始から、もしくは術後ホルモン療法再開からのどちらからカウントするのでしょうか?
3) 2年で終了・3年で終了・・・それぞれのメリット・デメリットをお聞かせください。

大変お忙しい中恐縮ですがご意見お聞かせ頂けたら幸いです。

1) ゾラデックスは従来2年でしたが、最近3年(あるいはもっと長く)使うケースも出ています。しかし核グレード2というだけで、長くしなくてはならないという決め方は無いと思います。
2) 内分泌療法は全身治療ですので、「もともと1.4cmの浸潤癌に起りうる全身転移を治療し尽くすための投与」と考え、術前治療開始からカウントするべきだと思います。
3) 薬剤の効果・副作用・経済的問題でのメリット・デメリットです。2年投与を3年投与にしたらどの位再発抑制があるのかは、まだデータが無いと思います。(文責 久保内)

 

No.10167】  11年05月02日  C
病理結果また術後補助療法について

初めて質問させて頂きます。31才、妊娠・出産歴なし、母親も乳がんです。術前検査にて、非浸潤性乳管癌、3.5mm、ホルモン陽性、HER2陰性、グレード2との診断を受けました。術前化学療法をやるか否か、また全摘か温存かなど悩みながらも、手術先行を選択し、乳房扇状部分切除とセンチネルリンパ節生検を終えました。術後の病理結果では浸潤性小葉癌の診断を受け、以下が所見です。
右乳房の10時方向の19mm×13mmの結節性病変を含む102mm×92mm×22mmの検体の長軸に沿う病変分布は周囲の広汎に硬化性stromaに生じたものですが、随所でtermimal ductuleにcomedo型の中心壊死を伴っています。Bloom Richardson分類の修正Elston分類では1)腺管形成:3点、2)核異形:2点、3)核分裂:3点で、合計8点はGradeVの低分化型に属します。またmitosis index=50/10HPFと高回転型です。浸潤はしかし病巣中心部に限定されています。自余の乳腺組織は少数のapocrine metaplasiaを含みます。尚、迅速診断時の病変に関して、迅速診断時はlobular caのskip−lesionとしましたが、細胞核の詳細をparafine包理標本で検討した結果は非癌性adenosisと判定しました。従って、乳頭側断端はとなりますが、intrasystic papillomatosisに関してはdysplasiaとしてご留意下さい。周辺側の脂肪組織内に含まれていたリンパ節には転移は観られません(0/1)。

そこで、質問させて頂きたいのですが・・
1) 高回転型とは? また数値の意味するところは?
2) intrasistic papillomatosisに関してはdysplasiaとは?
3) センチネルリンパ節生検でとるリンパ節の数は人により違っているが、私の場合(0/1)だが、信頼度が高いといえますか? 例えばもっと複数とった場合には陽性となることも考えられますか?
4) 腺管形成と脈管"浸潤"の違いは?
5) apocrine metaplasia、また小葉癌であることを考慮して、再手術(全摘)の可能性を主治医に尋ねたところ、癌か癌でないかは明確に区別する必要があり、手術はやり過ぎであるとの事でした。先の事を考えると不安ですが、先生はどうお考えになりますか?
6) 化学療法を予定しており、AC+タキサン系かTCのどちらかの選択でAC+タキサン系8サイクルを行う事になりました。どちらも乳癌治療においてメジャーな薬剤と理解しておりますが、私のような症例に対して先生はどちらを推奨されますか?
7) アンスラサイクリン系の心毒性は不可逆的なものなんでしょうか? 例えば脱毛後、髪は生えてきますが、心臓にダメージを受けた後もその機能は問題ないものですか? 一時的な副作用は耐えるのみと考えていますが、中長期的にみた場合に、全身状態にどれ位の影響があるのか教えて頂きたいです。
8) 今後は化学療法→放射線療法→ホルモン療法を予定していますが、主治医の先生に尋ねたところ、私の年齢で閉経してしまう可能性は低いとの事でした。先生のご意見を頂けますか?
9) こちらで皆さんが参考になさっているAdjuvant Onlineでは、私の場合どうなりますか?

長くなってしまい、先生方もお忙しいなか申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

術前の(多分針生検で)診断では非浸潤性乳管癌と診断されていたものが、術後に浸潤性小葉癌と診断された由、そのギャップに戸惑われていることと感じました。
1)〜5)の病理所見に対する細かなご質問は、専門的なことであり、枝葉末節に過ぎると考えられますので、端的に述べさせていただきます。T1N0(n0)で小さい浸潤癌で「手術で取りきれている癌」ですが、核グレードが高く31歳と若年発症なので、悪性度が高いということです。小さく、局所的に取りきれている乳癌ですが、再発リスクが高いので全身療法をキッチリしようと言うことです。
6)についてはAC+タキサン両方おやりになる主治医の意見に賛成です。8)についても主治医の意見に同意です。付け加えるなら、センチネルリンパ節生検も確実に同定できていれば1個で十分ですし、断端陰性でしょうから再切除はやりすぎです。
7)の心毒性は貴女の若さなら問題ないことが多いでしょう。むしろタキサンの痺れなどの方が中長期の副作用として生じる可能性が有りますが、生き残るサイドに入るための闘いですから副作用を一つ一つチェックしながら頑張るのが良いでしょう。
Adjuvant Onlineについても、主治医とご相談なさってお聞きになってください。(文責 久保内)

 

No.10166】  11年05月02日  i
痛みについて

いつも拝見し、相談もさせていただき、お世話になっております。痛みに関しての質問をお願いいたします。
現在41歳です。昨年4月に左乳房温存手術を受けましたが、病理検査の結果、「大きさ:18×11×35、組織型:micropapillary type、組織学的異型度:Grade2、リンパ管侵襲:marked 3+ 、血管侵襲:negative、リンパ節転移:LevelT(3/34) 、HER2:1+、ER:陽性(80〜90%)、PR:陽性(50〜60%)」で、悪性度が高いとのことで、6月に乳房全摘の再手術を受けました。その後FEC4クール、タキソテール4クールを行い、終了した今年の2月からノルバデックスの内服を始めました。閉経前ですが、今のところ卵巣機能は低下しているとのことで、注射はしていません。3月からは放射線治療も25回行いました。
現在気になっていることは、2ケ月ほど前から、患側ではない右側の乳房上部から腋の下にかけての痛みがあることです。常に痛んでいるわけではないのですが、動きによって出現する痛みでもなく、気になる痛みとして続いています。主治医にも話しましたが、「痛みだけなら心配いらない」と言われました。外見上は赤み、腫れなどありません。自分で触ってみても、しこりなのかそうではないのか、判断がつきません。血液データも異常はありません。最初の手術前に右側にも数か所、疑わしいものがあり、細胞診を行いましたが、手術対象とはならなかったようです。
乳がんで痛みが起こることはほとんどないと言われているようですが、以上のような状態で、転移を疑って何らかの検査をする必要はないのでしょうか。micropapillaryタイプは転移しやすく、進行スピードも速いと聞いており、心配になっています。お忙しいところとは思いますが、ご回答よろしくお願いいたします。

診察したわけではないので、明確な事はいえませんが・・・、MMG・超音波等の画像(場合によるとMRIもやっていて対側も見ているかも)で異常なしなら、問題ないと思います。再発を心配される余りの、心因性の痛みも視野において考えられたらいかがでしょうか?(文責 久保内)

 

No.10165】  11年05月02日  T.M.
病理検査結果と今度の治療について

病理検査結果と今後の治療について、ご相談させてください。58歳・女性(閉経後)・stage2bとの見解。4月中旬に乳頭直下の硬癌に対して、乳房切除術を行いました。センチネルリンパ節2個のうち1個に0.3mmの微小転移があったため、腋窩下部追加で4個郭清しました。

病理検査結果概要
Grade2,pT2,f,s,n(0/4)←追加分のみで、センチネル摘出分を追加すると(1/6)ということだと思います。ly or v:2+

病理検査結果で疑問だった点
1) HER2やホルモンレセプタの検査が行われなかったので、主治医に質問したところ、厚生労働省の勧めもあり、術前の針生検の結果を参考とするため腫瘍摘出時に検査しないとのこと。針生検では、HER2:1+、エストロゲン・プロゲステロンともに陽性でしたが、針生検の結果と全体像では違うこともあるようですし、HER2は万一全体像が強陽性だった場合ハーセプチンの適応となるのでは?
2) 腫瘍から少々離れた位置に転移があったが、詳しい情報はない。報告書には、「左乳腺全摘材料 代表割面の27 slide(#1-27) IC: #7,#8,#11,#12,#20 DCIS: #7,#8,#11,#12 #20はintraductal lesionなく、転移を考える」と記されていて、転移と思われる根拠も、またサイズも記されていませんでした。主治医も情報がないから分からないとのこと。もしこちらが原発巣と性質の違うものならば、今後の治療は変わらないのか?
3) ki67の検査はなく、主治医に質問したところ、不可能でなはいが、検査機関の信頼性が疑問であるため、あまりお勧めできないとのこと。信頼できる検査機関は日本にあまりないのか?
4) lyとvの区別がないので、「リンパ管と血管それぞれについて調べるのがスタンダードではないのか?」との問いには、区別がつきにくいから分からないとのこと。

以上4点について疑問を持ちました。先生の見解、追加検査の必要性について、ご教示いただければと思います。また再発リスクが高いため、TC療法4クールの後アロマターゼ阻害剤を勧められました。こちらについても見解をお教えいただければ幸いです。

1)3)4)についてですが、健康保険内で検索ができる病理検査には限界があり、施設や検査会社の方針等で異なる事が有り得ることをご理解ください。エストロゲン受容体・プロゲステロン受容体・HER2抗原・Ki67等は免疫染色と言って大変高額で、ホルモン受容体1種とHER2抗原しか保険が通っていません。部分切除術の標本も何十切片も作成していますが、検査する側の持ち出しになっていることが多く、乳癌の病理検査のために採算がマイナスになっている医療機関がほとんどです。臨床に反映できるデータのために病理検査をしているのであって、患者さんに全てのデータをお渡しするために検査をしているのではないことをご理解の上、検査の追加にあたっては主治医にご相談なさったら良いと思います。
2)病理医の表現が意味不明です。「乳腺内転移」というより、乳管内進展が明確でなかったのか、腫瘍の多中心性発生ではないかと思いますが・・・。病理医に尋ねてもらうか、病理のセカンドオピニオンを受けられるかのどちらかでしょう。(文責 久保内)

 

No.10164】  11年05月02日  K.Y.
今後の治療について(HPNo.8907-3)

いつも参考にさせていただいております。以前HPNo.8907でお世話になった者です。現在51歳です。術後5年の検査を受け、転移は見られないという結果にほっとしています。アリミデックス服用後に生理が再開したため、ノルバデックス+リュープリンに変更し、もうすぐ2年になります。術後のホルモン療法が間もなく通算5年になるということで、今後の治療について主治医と相談することになりました。生理が無いからといってアリミデックスに切り替えるのは心配ですし、無治療というのも不安ですので、『患者さんのための乳がん診療ガイドライン』を参考にして、今後ノルバデックスをまだ3年続けることを自分の希望として主治医に伝えようと考えていますが、今後、どのような治療が有効でしょうか。よろしくお願いいたします。

ノルバデックス3年継続は有意義だと思います。もう一度ホルモンレベルを測定して、真の閉経になっていればAI剤に切替えるのも一手ですが、AI剤で生理が来てしまった経験をお持ちなので、慎重になるのは良く理解できます。(文責 久保内)

 

No.10163】  11年05月02日  T.K.
今後の治療について

初めて投稿させていただきます。先月3月30日に浸潤性乳管癌で乳房温存手術を受けました。HER2タンパク無、Er(+)PS3+IS2=TS5、Pgr(+)PS3+IS3=TS6、スコア0、断端は陰性、一部で石灰化とコメド壊死を認めるDCIS です。術後、放射線治療とホルモン療法を担当医から提示されましたが、治療費が高額で、今現在私の生活が困難なため、自己判断に任せるといわれ、放射線治療のみを選択しようと考えています。担当医はガイドライン通りの治療が望ましいと言っていましたが、私があまりにも悩んでいたせいか、「何もやらなくてもいいと思うけどね」と、ポロリとこぼしてしまっていましたが、このデータだと放射線治療のみの選択もありなのでしょうか? ご回答、お願いいたします。

DCISに対しての術後内分泌療法は意見の分かれるところで、乳癌学会の乳癌診療ガイドラインのエビデンスレベルでも、07年は「C」でしたが、10年は「B」に格上げされています。局所再発や対側発生乳癌を抑える効果は有るものの、子宮体癌の発症リスク等副作用を良く考えて投与の是非を考える事が大切だとされています。私が手術した患者さんには、このようなことを説明して決めてもらっていますが、貴女のように施行していない方も居られます。(文責 久保内)

 

No.10162】  11年05月02日  Y.S.
抗癌剤は必要でしょうか?

昨年(2010年)2月に右胸の温存手術をしました。充実腺管癌、リンパ節転移1個でした。大きさ 1.5×1.0×1.8  悪性度 2 ホルモン受容性 ER+ PgR+  HER2 − です。放射線25回の後、ホルモン療法をやっています。今更と思われてしまうかもしれませんが、私はリンパ節転移があったにもかかわらず、化学療法をしなかったことでずっと悩んでいます。育児に追われ、気持ち的にも抗がん剤をやる余裕がなく、さんざん悩んでホルモン療法のみでと決めました。主治医は説明が少なく怖いので、不安です。抗がん剤は術後1年たった今からやるというのもありなのでしょうか? もしやったら再発率は下がるのでしょうか? あと、今のままホルモン療法をやりきったら、再発率、10年生存率はどのぐらいなんでしょうか? 教えていただけたらと思います。宜しくお願いいたします。

手術後の治療は、有効性が高いので、通常化学療法→放射線治療→内分泌療法の順で行うことになっています。1年経ってから、内分泌療法を中止して(または併用して?)化学療法を行うことは、癌の再発を抑える効果は多少有るのかもしれませんが、手術直後に比べて劣ると思われます。このような経験も無いし、臨床試験も無いので明確なお答えは出来かねます。記載された情報量が少ないので、正確な再発率等は申し上げられませんが、主治医にご相談なさってみられたら良いと思います。(文責 久保内)

 

No.10161】  11年05月02日  M
抗がん剤の副作用でしょうか?(HPNo.10075-3)

先日は、タキソテールについて【No.10113】御回答頂きまして、誠に有難うございました。
71歳の母の病理検査結果は、27mmの浸潤癌(分泌型)で、リンパ節転移なし、ホルモン受容体陽性、HER2マイナス、リンパ管侵襲なし、核異型度軽度というものでした。母は、術後化学療法としてFEC4回目をやった後、念の為タキソテール4回を投与する様にすすめられたのですが、担当医は新人さんの様で医師会議で「過剰医療では」という話になったそうで、結局はタキソテールはやらず、現在はホルモン治療としてアリミデックス錠を服用しつつ放射線治療中です。今回、教えて頂きたい事ですが、母はFECの副作用で酷い味覚障害となり、硫酸亜鉛を処方されて1ヶ月ほど飲んでいるのですが、あまり改善されず、またFECを開始してから口下炎も酷く、舌の縁側が青紫になってしまい、2/16にFECの4回目を終えてから2ヶ月近く経つというのに、未だに舌が治りません。「もしかして舌癌ではないか?」と主治医に相談しても、「CEAの値も前回よりも下がっているし、大丈夫ではないかと…あと1ヶ月以上様子を見てみましょう」と、言われたそうです。CEAの値ですが、前回10で今回は7だったそうです。主治医の先生は、舌の病気について詳しくなさそうで、舌の症状について、FECの副作用なのか、そうではなく別の病気なのかハッキリせず不安です。舌の異常はFECを始めてから起きたには違いないのですが、治りが悪いのが気がかりです。お忙しいところ申し訳ありませんが、ご意見頂けると大変有難いです。宜しくお願い申し上げます。

FECの副作用での舌炎や味覚障害は、通常投与中止後徐々に改善するはずです。耳鼻科や口腔外科で診察をお受けになったらいかがでしょうか?(文責 久保内)

 

No.10160】  11年05月02日  T.N 
胸のしこり

37歳の主婦です。右わきの下に米粒大のしこりが2つと、すごく小さいものが1つ、左わきの下に米粒大が2つと、わきから2、3センチ胸よりに小さめの米粒大のしこりが1つあります。左ひざの裏にも米粒大のものが1つあります。硬さは、消しゴムのような感じで、抑えたり、つまんだりすると動きます。痛みはありません。古いものは5,6年以上前からあったと思いますが、はっきりは覚えておりません。大きさはほとんど変わっていないと思います。4年くらい前に、しこりの1つ(まったく同じものだったのかどうかはわかりませんが)を触っていたとき、つぶれて白いものが出てきました。一昨年の乳がん検診ではマンモグラフィー、昨年はエコーを受信して異常はありませんでしたが、しこりのことは伝えてありませんでした。数年前に、母が乳がんの手術を受けたので気になっております。ご意見をうかがえるとありがたいです。よろしくお願いいたします。

コメントから推察するに、「しこり」とおっしゃっているのは乳腺のものではなく、類皮のう胞(通称「粉瘤」)と言われる皮膚のものと思われます。乳癌とは全く関係がありません。(文責 久保内)

 

No.10159】  11年04月14日  H 
リュープリンとノルバテックス(2)(HPNo.10152-2)

無治療でなく、ホルモン剤を服用しています。そのため、中性脂肪が上がってしまったと思いますので、ご相談したのですが・・・。

失礼いたしました。中性脂肪の数値の上昇は、Hさんが考えておられるようにホルモン治療の副作用が考えられます(もちろん、他の理由かもしれませんが...)。中性脂肪の上昇の原因と考えられるホルモン治療を中止してみるのも方法かもしれませんが、ホルモン治療の効果を考えると、中性脂肪225で中止するのはもったいないと思います。ホルモン治療を継続する前提で、中性脂肪を下げることを提案させていただきました。納得していただけたでしょうか。(文責 大西)

 

No.10158】  11年04月12日  T 
術後の体液貯留について(HPNo.10143-2)

先日はありがとうございました。(10143)
主治医と相談し、このままホルモン療法を続行することになりました。今は、全摘した左乳房のところに液体がたまり、2-3日に一度穿刺してもらっています。約20-30mlほど液体が穿刺されています。そんなに多くないとは言われ、徐々に減ってくるからということですが、これは術後安静にしていなかったことが原因でしょうか? リンパ節かくせいはしていませんが、リンパ液の貯留でしょうか? このまま放置すれば、どんどんたまるのでしょうか? 現在、バストバンドで圧迫中です。

術後の体液貯留は切除量にもよりますが、必ず生じます。そして必ず治ります。リンパ節の郭清をしなくても貯まります。20-30ccであれば、穿刺せずに様子を見てもいい頃かもしれませんね。(文責 大西)

 

No.10157】  11年04月12日  H
左乳房に腫瘍があります

左乳房に腫瘍があります(1.1×0.6cm )。 細胞診で良性か悪性か判断できなかったため、今度MRIを受けることになりました。また、2月頃からずっと左腕が痛いというか、だるく、脇を触ると少し痛み、熱を持っています。乳房の腫瘍と関係があるのでしょうか? 腫瘍が悪性で転移しているのでしょうか? 不安で悪いことばかり考えてしまいます。どうかアドバイスお願い致します。

左乳房腫瘤があり、細胞診では診断がつかなかったということですね。左腕の痛みと乳房腫瘤の関係については診察してみないと分かりませんが、あまりあわてなくてもいいと思いますよ。(文責 大西)

 

No.10156】  11年04月11日  K
粘液性乳癌の治療(2)(HPNo.10145-2)

先日、PET検査受けました(4月6日)。肺転移→抗がん剤治療と言うことは、転移の場合は、すでに全身に癌細胞があるかもしれないと言うことですね。理解しました。3度目の乳がんの手術、しかも今回は、全摘で予定が立てられています。むしろ手術を逃れられるのであれば、嬉しい気もしています。いかなる場合も「乳房全摘しましょう」と言われるのではとも心配です。二度目の再発の時、全摘をしなかったのが、悔やまれます。術後数週間しての乳房痛に、とても苦しみました(再温存に無理があったのでは)。数カ月して、縫合部に水泡までできました。これは、初回の時の放射線照射の影響でしょうか? それから半年ぐらいして、1Cm大のしこり、再再発です。再発の時点で、転移の可能性はすでにあると考えた方がよかったのでしょうか? 転移となれば、根治は無理なのでしょうから、これからの闘病は厳しいと心しています。特殊性もある少ない癌のような粘液癌を調べたくても、あまり目にすることができません。粘液癌、再発、転移の最善の治療法を知りたいです。抗ガン剤治療となると、腫瘍内科医の診断を仰ぐのがベストかなとも思っています。検査結果が出るまで落ち着きません。盛岡在住56歳 。

肺に1.8p大の結節があるとのことですが、仮に乳癌の転移としてコメントさせていただきます。単発の転移であれば別のホルモン治療への変更も選択肢の一つかもしれません。もちろん化学療法も正解です。局所再発についてですが、肺に転移しているのであればKさんがおっしゃるように切除の適応はあまりありません。転移しているのであれば難しい状況ですが、治療がうまくいくことを期待しています。(文責 大西)

 

No.10155】  11年04月11日  M.Y.
現在の治療と今後の治療について

いつも参考にさせていただいております。家内が乳癌となり、現在の治療の妥当性と、今後の治療法について参考意見が聞きたいと思います。
去年9月下旬左A領域に腫瘤触知。38y 閉経前。9月下旬クリニックにて、同日echo,マンモグラフィー、細胞診にてclassWでscirrhusの診断。echoにて23mm。10月上旬総合病院(乳腺外科専門医)受診。触診にて43×35mm。細胞診読み直しでmany atypical cell cluster with small cell type→adeno ca scirrhous type。12月上旬までにecho→マンモグラフィー→造影CT→造影MRI→マンモトーム施行。echoにてリンパ転移(+)、胸部造影CTにて遠隔転移(-)腹部までは見てません。MRIでは樹状発育ではないと。MRIで腫瘤計46mm。マンモトームの結果はER(+,30%)、PgR(−,0%) HER2(3+,100%) 核グレード(1)です。
当初乳房全摘希望でしたが、薬剤の効果など実感でき、かつ乳房温存も可能になるかもしれない術前ケモを選択致しました。
12月下旬ウイークリーパクリ+トラスツズマブ施行(3週施行で1週休みを1クールとして4クール)行い、現在に至ります。2クール後のエコーのみの評価でリンパは3分の1、腫瘤は半分くらいになったようです。これから週末MRIとCTで評価後ope予定です。

1) 本来初発、遠隔転移無しの術前化学療法ではトラスツズマブは保険適用外と思いますが、リンパ節転移+との事で転移性乳癌として保険的にグレーゾーンですが使用することはあるのでしょうか? その際は、転移性乳癌の治療にのっとった治療法となるのでしょうか?
2) 術前化学療法は術後化学療法と同じレジメンを使用することが前提と文献には書いてあるのですが、当方の場合ですと、通常術後に使用するACやFECなどのアンスラ系は、術前には使用しないことがあるのでしょうか? アンスラ系はホルモン+だと効きにくいとも聞きますが、HER2+だと効きやすいともあるので、FECなど使用がよいのでしょうか? 現治療方法はPCRを狙ったレジメンとして十分でしょうか?
3) 術後トラスツズマブは使用しないと主治医から言われましたが、術後化学療法のみだと、レジメンでは1年間の使用が推奨と記載があります。術前使用した期間とあわせて1年間使用したほうが良いのでしょうか? そのような方もいらっしゃるようなので・・・。主治医は希望があればOKと。
4) ホルモンも陽性なので、内分泌療法も行うこととなりますが、その際はトラスツズマブと併用でもいいのでしょうか? また使用する薬剤はタモキシフェンはもちろんですが、LH-RHアナログも使用したほうが良いのでしょうか?(現在は39歳になったばかりです)。また両薬剤の使用期間はどれくらいでしょうか?
5) 放射線療法は全摘でも必要でしょうか? また温存ですと乳房全照射でしょうか? また、リンパ節も転移があるので、カクセイしたとしても照射したほうが良いのでしょうか?
6) 御先生方でしたら現在の状況からどのように治療を進めていかれますか? スケジュールや治療方法などを、可能でしたらセカンドピニオン的にご教授ください。

たくさんの質問、申し訳ございません。お忙しいと思いますが、来週初めにに主治医の診察です。宜しくお願いいたします。

1) 乳癌術前化学療法にトラスツズマブを使用するかどうかですが、よくあります。医療の世界では、臨床に保険の適応が追い付いていないことはしばしばあります。治療法としては転移性乳癌にのっとった治療になることが多いようですが、そもそも適応外なので正解はありません。
2) 術後補助療法としてアンスラサイクリン系とタキサン系の逐次投与が優れていることは明らかですが、そこにトラスツズマブを加えた場合の最適のレジメについては、今のところ不明です。術前化学療法にトラスツズマブを使用した場合、アンスラサイクリン系を併用していないのはこういった理由からでしょう。トラスツズマブ後にアンスラサイクリン系抗癌剤を使用するとpCR率が向上するかどうかのエビデンスもありません。また、トラスツズマブもアンスラサイクリン系抗がん剤も心毒性があるので同時投与はできません。
3) 術前にトラスツズマブを使用した場合の術後投与についての推奨レジメンはありません。希望があれば術後も投与したほうがいいと思います。
4) ホルモン療法とトラスツズマブとの併用は問題ないと思います。実地臨床ではよく行われています。LH-RHアナログの併用ですが、若年者(特に35歳以下)では効果が認められています。副作用のこともありますので担当医の先生とご相談されてはいかがでしょうか。
5) 放射線療法の適応は乳房温存術後の温存乳房照射とリンパ節転移4個以上の胸壁照射です。リンパ節郭清後の腋窩照射については後遺症を残すのみで治療効果は認められていないため、照射することはありません。
6) 担当医の先生と同じような治療になると思います。トラスツズマブはHER2陽性乳癌のキードラッグであることは疑いようのない点ですが、術前化学療法時の指摘レジメンについてはまだ分かっていません。(文責 大西)

 

No.10154】  11年04月11日  O.W. 
乳癌術後のホルモン療法について

先日、全摘手術を受け、次にホルモン療法として、注射剤(リュープリンまたはゾラデックス)及び内服(ノルバデックスまたはフェアストン)の両方を勧められています。2点質問があります。年齢は45才です。

1) 主治医からは、注射剤は3〜5年投与と言われましたが、一般的に2年間投与というのが多いみたいですが、3〜5年投与を行う方が良いのでしょうか?
2) 内服はノルバデックスまたはフェアストンのどちらかを選択してくださいと言われ、フェアストンの方が子宮体癌のリスクが若干低いので、フェアストンを勧められました。他の方の話を聞くと、一般的にはノルバデックスの服用の方が多いと思ます。フェアストンの服用でも特に問題はないのでしょうか? ノルバデックスとフェアストンの違いは、何かありますでしょうか?

ホルモン感受性乳癌の術後補助療法としてのホルモン療法の基本は、タモキシフェンの5年間の服用とLH-RHアナログ(リュープリンまたはゾラデックス)の2年から3年の注射です。
1) LH-RHアナログの投与期間ですが、実ははっきりとは決まっていません。2年から3年というのは、多くの臨床試験での設定期間が2年から3年であったという理由です。したがって5年投与でも間違いではありません。
2) ノルバデックスの服用が多いのは、ノルバデックスの方が古くからあり、臨床試験の結果が多いためです。どちらも抗エストロゲン剤で効果は変わりませんが、特徴としてフェアストンの方が子宮体癌の発生リスクが若干少ないと言われています。あとは販売会社が違うくらいです。(文責 大西)

 

No.10153】  11年04月11日  K
ゾメタの治験

浸潤性乳管癌(硬がん)、Ub期、ER(+)、PgR(+)、HER2(1+)、現在46歳、閉経前です。来週から、術前化学療法(CEF 4コース、パクリタキセル12週またはドセタキセル4コース)を予定しています。今回、ゾメタの治験の提案があり、迷っています。もともと、パクリタキセルのしびれの後遺症が怖くて、少しでもしびれの軽いドセタキセルに変更しようと思っていましたが、治験ではパクリ対象者のみとのこと。それでも少しでも再発率が下がれば治験を受けようか(骨髄検査が2度もあることも躊躇しますが)と思い、ゾメタのことを調べたら、各試験(ABCSG-12, AZUREなど)での結果が両極なようで、素人には判断がつかず、迷っています。本日、治療方針を提示され、治療のスケジュール上、あさってまでに意思表示をしなければなりませんので、情報も集めきれずにいます。この治験に参加する意義があるのかどうか、何かしらのアドバイスをお願いいたします。

ゾメタの乳癌に対する治療効果ですが、現在確認されているものは骨転移への効果です。それ以外、つまり乳癌への術前治療効果や補助療法としての再発抑制効果については不明です。各試験で異なる結果が出ているのは、対象としている乳癌患者のホルモン感受性状況、月経状況(閉経前なのか閉経後なのか)、ステージ、併用薬剤、投与時期(術前なのか術後なのか)、観察期間、解析方法など様々な因子が関係しているのだと思います。
ここで臨床試験に参加するかどうかですが、通常院内の倫理委員会を通過しているはずなので、参加者に臨床上の不利益があるようにはデザインされていません。むしろ治験依頼側はポジティブな結果が欲しいので、ゾメタを投与することで良好な結果が得られることを期待しているはずです。乳癌術前治療薬として適応外のゾメタを使用することをチャンスと考えるのであれば、参加を考えてもいいと思いますし、治療効果のはっきりとしていない薬を使用し、それに伴う副作用や検査を行うことに抵抗があるのであれば参加しなくていいと思います。
パクリタキセルによる痺れですが、12週間の投与であれば気にされる方は少ない気がします。(文責 大西)

 

No.10152】  11年04月11日  H
リュープリンとノルバテックス

2010年10月に乳房温存手術を受け、放射線治療後、リュープリンとノルバテックス20mgの服用をしています。中性脂肪が2010年12月80だったのが、2011.2月の検査で225となってしまいました。太りたくはないし、何か気を付けること、防ぐ方法を教えてください。

中性脂肪の増加は高コレステロール血症とともに肥満の原因だけでなく、動脈硬化など様々な生活習慣病の原因になります。Hさんの場合、おそらく無治療でしょうから、食事療法が基本になります。一度内科で指導を受けてみてはいかがでしょうか。(文責 大西)

 

No.10152-2】  11年04月14日  H
リュープリンとノルバテックス(2)

無治療でなく、ホルモン剤を服用しています。そのため、中性脂肪が上がってしまったと思いますので、ご相談したのですが・・・。

失礼いたしました。中性脂肪の数値の上昇は、Hさんが考えておられるようにホルモン治療の副作用が考えられます(もちろん、他の理由かもしれませんが...)。中性脂肪の上昇の原因と考えられるホルモン治療を中止してみるのも方法かもしれませんが、ホルモン治療の効果を考えると、中性脂肪225で中止するのはもったいないと思います。ホルモン治療を継続する前提で、中性脂肪を下げることを提案させていただきました。納得していただけたでしょうか。(文責 大西)

 

No.10151】  11年04月11日  ノッチ
乳管過形成について

三年前から、7ミリのあまり硬くないシコリがあり、乳癌検診のたびに引っ掛るのですが、その後、異常なしという結果が出る繰り返しでした。しかし、今年は、そのしこりの中に小さな石灰化があるということで、局所麻酔をし、太い針をパーンと5回くらいうって、シコリの細胞を取る針生検?をしました。結果は、1で、正常、もしくは良性と言われました。「乳管過形成で、すぐに取る必要はないけれど、三か月後に来院してください。」と、言われました。しかし、パソコンで調べてみたら、癌化すると書いてあり、パニックになりました。生理前の乳房の痛みが、昔より激しくなっているし、すぐにとったほうがいいのでしょうか? また、どのような手術になるのでしょうか? 教えていただければ幸いです。よろしくお願いします。

乳管過形成の癌化の頻度は、過形成の程度にもより軽度であれば一般女性と変わらず、中等度から高度であれば、1.5〜2倍程度です。仮にこの段階で治療するとすれば摘出することになりますが、腫瘍近傍の皮膚を局所麻酔で切開し摘出することになります。また、乳管過形成と乳房痛との関係は不明で、おそらく摘出しても痛みはとれません。この段階で摘出する妥当性ですが、癌化の危険性が少ないことと、摘出しても痛みは取れないことを考えると、あまりお勧めできません。3か月後の経過観察は妥当ではないでしょうか。(文責 大西)

 

No.10150】  11年04月06日  S
乳首からの出血

お世話になります。48歳、出産経験なし。先週、右乳首から少し出血があったようで、ブラジャーに小さな赤いシミがありました。翌日乳腺外科で受診、マンモグラフィーとエコー検診では異常は認められないとのことでした。触診では出血せず、分泌物を採取できませんでした。医師からは、出血の原因は不明、このまま様子をみて、また出血あれば受診するよう言われました。今はこのほかにするべき検査はなく、必要な検査はすべて行ったとのことでした(当医院で、毎年乳がん検診は受けています)。
医師はこちらの質問に丁寧に答えてくれましたが、私としてはたいへん不安です。原因をつきとめることはできないのでしょうか。また、この度の出血の原因となった何らかの異変が、この先進行してガンになることはないのでしょうか・・・。(以前に乳腺症を指摘されていますが、担当医からは、これは年齢によるものだから、病的なものではないとの説明を受けています)。 とても恐怖を感じています。私は今、できることはないのでしょうか。するべきことは・・・。ネットを検索していてこちらのサイトにたどりつき、信頼できるサイトと思い相談させていただきました。どうかご教授よろしくお願いいたします。

乳首からの出血ということですが、乳房(正確には乳管)から出血している場合と、乳首そのものから出血している場合があると思います。乳首そのものから出血している場合、病的であれば視触診である程度判断がつきますし、小さな傷のようなものがあればそれでも説明がつくと思います。Sさんが心配されているのは乳管からの出血の方だと思いますが、ほとんどの場合、乳管内の良性病変(乳管内乳頭腫など)からが原因です。乳癌であれば一時的な出血の可能性は少なく、診察時にも出血が認められたと思います。また診察時に分泌があれば、マンモグラフィーやエコーに加え潜血反応や、腫瘍マーカー、細胞診の検査を施行し、さらには乳管造影、乳管内視鏡をすることもあります。担当医の先生のおっしゃるように、再度出血が認められてからの精査でも決して遅くはないと思います。(文責 大西)

 

No.10149】  11年04月05日  T
局所再発について

2009年11月に両側に乳がんが見つかり術前化学療法後、2009年7月に両側全摘術を受けました。術後診断は以下の通りです。
              右              左
  大きさ        17mm          15mm
  リンパ節転移     ナシ            3個
  組織型        粘液ガン          乳頭腺乳管ガン
  異型度        中度            高度
  ホルモン感受性    陽性            陽性

現在、ノルバの注射ととゾラを服用しています。先日、右の傷口下2センチほどのところの皮下に、8mmと4mmのガンが並んで見つかりました(表面にプツっとできているような感じではありません)。針生検にて、以前右にあったのと同じ、粘液ガンであると判明しました。主治医の診断は、「取り残しによる局所再発」でした。取り残しなので、手術で切除した後は放射線をかけず、ノルバとゾラの服用もそのまま続けるというものでした。抗がん剤もやりません。このような場合のセカンドオピニオンをぜひお聞きしたく、投稿致しました。また、胸壁への転移との違いも、今ひとつよく分からなかったので、それも教えていただけるとありがたいです。お忙しいことと思いますが、よろしくお願い致します。

当院でもそのような方針になります。皮膚の再発創の切除で、術後病医理診でしっかり取りきれているのかという点が気になります。さらに、取り残しの疑いが高ければ、放射線などの可能性もありますが・・・。主治医に確認してください。(文責 石山)

 

No.10148】  11年04月05日  K.O. 
抗癌剤重篤副作用後の治療方法

初めて相談させていただきます。62歳母が今年二月に微熱、腰痛の症状を訴え、初めての検査結果で、転移性乳癌と診断され、本人そして家族が、かなりのショックをうけております。既に肝臓、肺、骨、リンパに転移しており、EC療法三週に一回を四回の予定をたて、ゾメタ点滴翌日、早速EC一回目を行い、退院しました。次に外来診察までの10日間は、ずっと吐き気に苦しみ、何度も嘔吐し、8日目には悪寒と高熱で病院に相談し、解熱剤での対応を促され、待ちに待った外来での血液検査で、白血球300 好中球0%・・・クリーンルームに即入院。白血球100まで低下。肺炎も起こしているので、生命の危険がある旨、家族が呼ばれました。血小板輸血、三日間ガンマグログリン製剤、GCSF製剤、抗生剤等投与し、先日白血球4000 好中球68%まで回復しました。現在一般病棟にて入院中ですが、GCSF投与せず、血液検査等様子をみてからですが、来週中には一度退院できるそうです。その時までに今後の治療方法を選択しなければいけません。提案されたのは、
1、抗癌剤タキソンのみを50%からはじめる
2、ホルモン療法フェマーラのみ
3、タキソンとフェマーラの併用
です。ちなみにハーセプチンは、受け皿がない為使用できないそうです。肝臓の転移が少し大きくなっている。肺炎は少し良くなっているが、胸水が少し増えている。骨髄転移は骨シンチをしていないので不明。脳転移はなし。右胸4センチの腫瘍。CA15−3 488。骨転移があるため、フェマーラの副作用の骨粗鬆症が気になるのと、抗癌剤の重篤副作用を目の当たりにし、味覚障害や口内炎の為食事がほとんど摂れず、日に日に痩せていく母が、一日でも苦しまず、そして二ヶ月前の様に元気で長生きできる最良選択肢のアドバイスを、どうぞよろしくお願い致します。EC療法一回目から、ちょうど一ヶ月が経ちます。病室では元気に振舞っています。今後の治療成果にもよりますが、現在の状況の一般的な余命はどのくらいと考えるべきでしょうか? 突然の出来事で勉強不足の為、このような内容での質問で大変恐縮してます。

ホルモン感受性やHER2の状況が分からないと判断は難しいのですが、進行再発乳がんに適応があるのは、ほかにもCMF、PTX、VNR、ジェムザールなどもありますが、抗癌剤の可能性もあるのではないでしょうか? 吐き気の対策も、最近はアロキシ(注射)、イメンド(経口薬)、ステロイド剤など、工夫すれば投与可能かもしれません。それらの効果もあるかも知れず、予後はまだよくわかりません。(文責 石山)

 

No.10147】  11年04月05日  F
放射線治療からの2次癌のリスクとアリミデックスの服用期間

2003年10月 48歳で左乳房温存術(乳首のかなり下ブラワイヤーのあるあたり)、日帰り手術後 25プラス5、合計30回放射線治療(60Gy)、タモキシフィン4年10ヶ月後アリミデックス3年目です。浸潤癌6x7mm1個  DCIS2mm1個  ホルモン 90%と70%  Cerb-B2 ネガティブ  断端陰性  シコリから4mmという断面あり、そのほかはマージンまでは6o〜14oでした。当時はバイオプシー検査から2週間で手術になり、自分で勉強する時間もなく、外科医の方針で手術、治療と進みましたが、放射線治療が合計60Gy=60Svで、恐ろしく大きな被曝ということを後に知りました。全摘で放射線治療をしない方法もあったのではと、ず〜と思ってきました。左なので、肺に加え心臓もあり、心配です。通常放射線治療後の2次癌潜伏期間は10年と言われていますが、あと2年で10年なので、気を付けたらよいことをお教えいただけませんでしょうか? 断端陰性でしたのに、なぜ5回追加照射をしたのかも、質問する機会もなくわからないままです。年齢が加算してきましたので、骨の密度も心配になってきました。アリミデックスのベストな服用期間はやはり5年でしょうか? お忙しいところお手数ですが、よろしくお願いいたします。

2次癌という意味は、放射線による照射乳房内の発がんという事でしょうか? ほとんど無いので、気にしなくていいと思います。それより、乳房内再発を含め、乳房の検診は今後も必要です。断端に4mmというのは、近い事もあり、断端陽性と考える場合があり、60Gyかけることもあります。照射装置の精度にもよりますが、最近は心臓に放射線はほとんどかからないと言われています。アリミデックスもそろそろ終了で良いのではないでしょうか。継続するなら、骨密度など簡単に調べられるので、調べながら継続をお勧めします。いずれにしても詳細は主治医にご相談ください。(文責 石山)

 

No.10146】  11年04月04日  Y.T. 
出産直後の脇下リンパの腫れについて

はじめて相談させていただきます、よろしくお願いいたします。一週間前の3/26に、第二子を出産いたしました。出産後2日目、シャワーの許可が出たので、入浴しておりました時に、左脇下に、小さめの枝豆程度のしこりがあるのに気がつきました。おっぱいが張って来始めたのは、その直後でした。出産した産婦人科のお医者様に相談すると、副乳ではなく、リンパ線が腫れているとのこと。「よくあることなので心配ない」と言われたのですが、私は以前から乳腺線維腺腫ができやすい体質らしく、両胸に小さいのがいくつもあることもあり、とても心配です。いつから症状が出ていたのかはわかりません。
定期的に専門医による診察は受けていたのですが、昨年4月の診察を最後に妊娠が発覚したため、その後の検査はうけていません。最後の検査の結果では、特に異常を認めずということでした。今は子供の飲む量と、わたしの母乳の供給量が一致していないらしく、2時間ごとに胸がカチカチになるくらいに張っているような状態です。子供も張ったもののすべてを飲むことはできないようで、授乳後も常に乳腺にしこりが残っています。触ると乳腺にしこりが残っている状態のところは熱を持って熱いですが、体温は平熱を保っています。見た目は、乳房にも脇下しこりにも色等の変化はありません。脇下のしこりの形状は楕円形状で、触ったくらいでは痛みはありませんが、指で押すと軽い痛みがあります。出産後一週間たちますが、リンパの腫れは引いておらず、逆に大きくもなっていません。このリンパの腫れは乳腺炎などによるものでしょうか? もうしばらく様子を見ていてもいいのか、専門医に相談すべきか迷っています。アドバイスいただけると幸いです、よろしくお願いいたします。

検査を受けていないなら、エコーくらいは受けると、乳腺内に腫瘍があるとか、わきの下のしこりがリンパ節で良いかぐらいは授乳中でもわかります。検査を受けたほうが良いと思います。(文責 石山)

 

No.10145】  11年04月04日  K
粘液性乳がんの治療

56歳女性です。宜しくお願いします。粘液性乳がんで、再温存手術を昨年2月24日に行いました。術後ホルモン療法で経過観察していました。今年になり、局所の縫合部分上のしこりに気づき、細胞診を受けました。結果、又、悪性。(0.8)局所再発になりました(初発の乳がんは、1998年です。2×4の腫瘍癌の種類は、不明)。短期の再発にがっかりもし、少し感情的ではありましたが、告知の後、転院を希望しました。転院先の主治医には、今回は、全摘手術を勧められています。初発の温存に無理があったと言われました。覚悟を決めながらも、抗がん剤治療は出来ないものか尋ねますと、「粘液性乳がんは、抗がん剤が効かない」と言われました。先日の術前、CT検査で、肺に1.8cm大の腫瘤が見つかりました。今度は、PET検査を受けることになりました。肺転移ならば、もはや手術しても意味がないのではないでしょうか? 転移後の治療は、抗がん剤か、放射線治療しか、選択の余地はないのではないのですか。初発の乳がんは、手術の後、放射線照射はやりました。転移したら根治は望めないようなので、しかも肺の予後は悪いそうで、気も狂わんばかりです。生きながらえるための最良の治療を望んでいます。盛岡市在住です。

肺転移か、肺癌か、良性腫瘤かで、治療は異なります。肺転移であれば抗癌剤治療になるかと思います。効きにくいかもしれませんが、全く効かないわけではないので、乳癌には多種多様な抗がん剤治療があるので必ず効くものがあると思います。(文責 石山)

 

No.10145-2】  11年04月11日  K
粘液性乳がんの治療(2)

先日、PET検査受けました(4月6日)。肺転移→抗がん剤治療と言うことは、転移の場合は、すでに全身に癌細胞があるかもしれないと言うことですね。理解しました。3度目の乳がんの手術、しかも今回は、全摘で予定が立てられています。むしろ手術を逃れられるのであれば、嬉しい気もしています。いかなる場合も「乳房全摘しましょう」と言われるのではとも心配です。二度目の再発の時、全摘をしなかったのが、悔やまれます。術後数週間しての乳房痛に、とても苦しみました(再温存に無理があったのでは)。数カ月して、縫合部に水泡までできました。これは、初回の時の放射線照射の影響でしょうか? それから半年ぐらいして、1Cm大のしこり、再再発です。再発の時点で、転移の可能性はすでにあると考えた方がよかったのでしょうか? 転移となれば、根治は無理なのでしょうから、これからの闘病は厳しいと心しています。特殊性もある少ない癌のような粘液癌を調べたくても、あまり目にすることができません。粘液癌、再発、転移の最善の治療法を知りたいです。抗ガン剤治療となると、腫瘍内科医の診断を仰ぐのがベストかなとも思っています。検査結果が出るまで落ち着きません。盛岡在住56歳 。

肺に1.8p大の結節があるとのことですが、仮に乳癌の転移としてコメントさせていただきます。単発の転移であれば別のホルモン治療への変更も選択肢の一つかもしれません。もちろん化学療法も正解です。局所再発についてですが、肺に転移しているのであればKさんがおっしゃるように切除の適応はあまりありません。転移しているのであれば難しい状況ですが、治療がうまくいくことを期待しています。(文責 大西)

 

No.10144】  11年04月04日  T
今後の治療について(2) (HPNo.10126-2)

やはりマーカー値に改善が見られず、主治医と相談の結果、先週よりXC+ゾメタ併用療法に切り替えました。ところが、XC服用2日目に突然生理が始まってしまいました。この場合、考えられる原因には何があるのでしょうか?又、自然に止まるのを待つべきか、再度リュープリンを投与すべきか迷っています。かさねがさねで恐縮ではありますが、ご指導の程よろしくお願い致します。

月経発来と抗がん剤治療は無関係ですので、このままXC療法で行けばいいと思います。(文責 石山)

 

No.10143-1】  11年04月03日  T
今後の治療について

ご相談させていただきます。41歳女性です。父系はがん家系です。
先月、左乳房のしこりで乳腺外科を受診し、エコーガイド下で生検したところ、非浸潤乳がんと診断されました。その後、左乳房全摘術とセンチネルリンパ節生検を施行し、本日病理検査の結果がわかりました。その結果、invasive ductal carcinoma,papillotubular type, f, NG1, HG1,ly(-),v(-),EIC(+),cut end(-),n(0/3) ER(+)90%,PR5%(+),Her2 3+,MIB-1 10-15% センチネルLN転移なし level 1 リンパ節転移なし 時にcomedo necrosisを伴うDCISの像が主として認められる 腫瘍浸潤最大径3mm 乳頭部乳管の一部にDCIS病変の進展が認められる 腫瘍浸潤は脂肪識に及ぶ 脈管浸潤は明らかでない 切除断端陰性 でした。
主治医の先生は、ホルモン療法の続行で抗がん剤の点滴はいらないということでしたが、浸潤がんでHer2が陽性ならば、抗がん剤をしたほうがいいのではないかと不安です。
お忙しいとは存じますが、よろしくご指南、お願いいたします。

ほとんどがDCISで、浸潤部があり3mmであれば、今の治療で良いのではないでしょうか? HER2(3+)は気になりますが、微小がんでの適応がはっきりしないので、再発が心配なら抗癌剤後ハーセプチンの可能性もありますが、主治医とご相談ください。(文責 石山)

 

No.10143-2】  11年04月12日  T
術後の体液貯留について

先日はありがとうございました。(10143)
主治医と相談し、このままホルモン療法を続行することになりました。今は、全摘した左乳房のところに液体がたまり、2-3日に一度穿刺してもらっています。約20-30mlほど液体が穿刺されています。そんなに多くないとは言われ、徐々に減ってくるからということですが、これは術後安静にしていなかったことが原因でしょうか? リンパ節かくせいはしていませんが、リンパ液の貯留でしょうか? このまま放置すれば、どんどんたまるのでしょうか? 現在、バストバンドで圧迫中です。

術後の体液貯留は切除量にもよりますが、必ず生じます。そして必ず治ります。リンパ節の郭清をしなくても貯まります。20-30ccであれば、穿刺せずに様子を見てもいい頃かもしれませんね。(文責 大西)

 

No.10142】  11年04月03日  T.T.
抗がん剤等は必要ないのでしょうか?

先日、左乳房のしこりで乳腺外科を受診し、エコーガイド下の生検でDCISと診断され、左乳房全摘術とセンチネルリンパ節生検をしました。術後の病理検査では、invasive ductal carcinoma ,papilotubular type ,f,NG1,HGI,ly(-),v(-),EIC(+),cut end (-),n(0/3) ER+90% PR+5% Her2 3+ MIB-1 10-15% 腫瘍最大径は3mm 腫瘍のしん潤は脂肪識におよぶということでした。現在、放射線療法、抗がん剤ともに施行せず、タスオミンを内服しています。主治医は、このままでいいということでしたが、抗がん剤等は必要ないのでしょうか? Her2の3+が非常に気になります。

年齢にもよりますが、ほとんどがDCISで、浸潤部があり、3mmであれば、今の治療で良いのではないでしょうか? HER2(3+)は気になりますが、微小がんでの適応がはっきりしないので、再発が心配なら抗癌剤後ハーセプチンの可能性もありますが、主治医とご相談ください。(文責 石山)

 

No.10141】  11年04月03日  T.M.
今後の治療について

45歳で、閉経前の既婚者です。この3月に乳癌温存手術をしました。今後の治療のことで教えて下さい。浸潤性乳管癌(硬がん)・1.8×1.7×1.5cm・pT1c・ f , ly2 , v0 ・切除断端陰性・JBCS nuclear grade 3(3+3)・WHO grade 3(3+3+3)・pNO(sentinel : 0/1) ・ER(2+)・PgR(2+)・HER2(−)・Ki-67(20%)です。触診での腫瘤は、3cm程だったので、UAということです。こういう場合、抗癌剤、ホルモン治療、放射線治療が基本となるのでしょうか?  私としては、再発が一番の恐怖ですので、最も再発のリスクが低い治療を選択したいと考えています。その場合は、どのような組み合わせが最も有効なのでしょうか? また、抗癌剤の内容も教えて頂けると有難いです。 お忙しいところ、お手数をとらせ申し訳ございません。 

一般的には、抗がん剤投与でも内分泌療法でもどちらでも構わないと思いますが、再発が心配であれば、抗がん剤投与後残存乳房への放射線で、その後内分泌療法が良いのではないでしょうか。(文責 石山)

 

No.10140】  11年04月01日  MI
検査について(HPNo.10110-2)

10110で質問した者です。ありがとうございました。先日の質問と関連していることをお伺いします。
担当医にお聞きしたところ、迅速のN(+)(2/3)はセンチネルリンパ節を取り、それを3等分した結果との事です。切除縁はいずれも陰性。
永久標本において、被膜のリンパ管内に、500μmと50μmの微小cancer組織が観察されました。(輸入リンパ管か輸出リンパ管なのかは、不明です。)その為、放射線治療を5回多くしました。

1) この被膜の「微小」転移の、微小(μ)とは、後々、何らかの形で現れる単位なのですか? 転移がないのと等しい位と受け取るのは浅はかですか?
2) 放射線治療の効果と結果はどのようにわかるのですか?(転移ありなので、5回多くしました。)
3) HER2(2+)の事ですが、かかっている病院では、FISH検査はしないそうです。「再発もしくは転移をしたら、その時に検査をし、結果により治療をする事になる。」と、言われました。「FISH陽性」で坑HER2薬の適応となる場合が{20−30%}ならば、強行にFISH検査を依頼する必要性はありますか? 検査をせず、今後ホルモン療法のみでの治療法は、現代の治療法において、推奨されますか?

大きさ2.1cm g、ly0、v0 断端 陰性  ER(+)、PgR´(+) cerbB2(+) 乳頭腺管癌  

微小な腫瘍云々より、リンパ節転移陽性であることが重い結果ですので、、それに従った治療が必要と思います。放射線の結果は局所再発がないようにする事が目的ですので、10年後に局所再発しなかったという事です。FISH検査は再発した時に調べるのではなく、今調べて、再発予防としてハーセプチン投与が勧められます。(文責 石山)

 

No.10139】  11年04月01日  M.K.
骨転移の治療について(2) (HPNo.10131-2)

先日は、質問へのご回答をいただき、ありがとうございました。その後気になる症状が出てまいりまして、重ねての質問で恐縮ではありますが、もう一点お教えいただけませんでしょうか。
痛みはなんとかコントロールしているようですが、片足の痺れ(感覚が麻痺?)がひどく、歩行がままならない状態になってしまいました。足をあげられないそうです。首へも転移があると、やはりこういった事象が出てくるものでしょうか? こういった場合、放射線治療で改善する可能性はありますでしょうか? 薬の副作用かとも思いましたが、半年前に中止したタキソールによる痺れが、中止後半年して悪化することはあるのでしょうか。また、現在服用しているフェアストン、ロキソニンに、そのような副作用があるのでしょうか。この痺れの原因として考えられるもの、対処法として考えられるものについて、ご意見を伺えますと幸いです。恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いいたします。

片足のしびれであれば、薬剤性の場合よりも、やはり骨転移の悪化を疑います。しびれの範囲などから責任病変を推定し、単純写真、MRIなどで確認し、放射線治療をする場合もありますし、今後麻痺が進行する可能性があれば、整形外科で緊急手術するなど、部位、範囲、骨破壊の程度で決まってきます。(文責 石山)

 

No.10138】  11年03月31日  K.S. 
今後の治療について

初めてメールさせて頂きます。51歳、家族性乳がん(母が、異時両側乳がん)と言われています。2月に全摘手術をしました。病理結果は、ステージT 硬癌 浸潤径1.9X1.6cm リンパ節転移なし 
ER(+) PgR(-) HER2 1+ 脈管浸襲なし 核異型度2となりました。主治医からは、ホルモン療法(アロマターゼ阻害剤)を進められました。無治療で10年生存率90%、ホルモン療法をする事によって2〜3%の上乗せとの事でした。抗がん剤の事を聞いたら、この結果ではデメリットのほうが多いのでやらなくていい、治療にはバランスが大切だと言われました。主治医の説明は、とても納得出来たのですが、日にちがたつにつれ、グレード2がどうしても気になってしまいました。私は、後であの時こうしていればと後悔だけはしたくないと思っています。

質問
1) この結果では、adjuvant onlinではどういう結果になるのでしょうか。
2) グレード2 ホルモン不完全でも、ホルモン療法だけで大丈夫でしょうか。
3) 家族性なのでリスクは高くなるかもしれませんが、今の状態で化学療法がどれだけの上乗せがあるのか、オンコタイプDXを受けるというのはどうでしょうか。
4) アロマターゼ阻害剤、アリミデックス、アロマシン、フェマーラだとどれがいいのでしょうか。

お忙しいと思いますが、よろしくお願い致します。

当院であればアリミデックスをお勧めしています。オンコタイプDXは主治医に聞いてみてください。家族性乳がんという前提が本当に間違いないのでしょうか? ER(+)でも、染色度合いが重要ですから、ホルモン不完全かどうか確認してみてはいかかがですか?(文責 石山)

 

No.10137】  11年03月31日  H
右胸のしこり

2年前に右胸に激痛が走り、大きなしこりがあったので、乳腺外科で診てもらいました。マンモとエコーをしてもらったところ、大きなのう胞がありました。注射針で3本ほど抜いてもらったら、濁りのない濃い茶色の液体でした。それを検査してもらったら大丈夫でした。1年前はエコーのみで、大きさも同じくらいということで、そのまま放っておいてもいいですとのことでした。今年はマンモとエコーをしてもらったんですが、マンモは異常がなかったのですが、エコーで、大きさは変わっていないが、去年より色が濃く映っているとのことと、形が楕円形から少し飛び出した丸いものが映っているとのことで、注射針でまた少し抜いてもらいました。その結果、2年前より茶色が白色をおびて、ミルクティーの濃いような色でした。その液体を検査待ちなんですが、心配で仕方ありません。何か考えられることはありますか?

これまでの経過から良性の可能性が高いので、細胞診の結果で判断するしかありません。(文責 石山)

 

No.10136】  11年03月31日  C・M
リンパ管転移を繰り返す粘液癌について

お世話になります。私は50歳のC・Mです。ぜひご意見を伺いたく、すがる思いで投稿させていただきました。2004年2月に左乳癌3cm、純型の粘液癌でセンチネル生検(−)で乳房温存術後、放射線療法を受けました。ホルモンレセプター陽性 HER2(−)でリスクも少ないと言われ、内服はしませんでした。2005年10月左腋下リンパ節転移にてリンパ隔清術実施し、ノルバデックス内服開始。2009年12月内胸動脈リンパ節転移にて、2010年1月に切除術とホルモン値を下げる為、卵巣摘出しました。手術とは癌細胞のばらまきともなる為、2〜3ヶ月だけでもと勧められ、手術翌日よりフェマーラ内服開始となりました。2週間頃より関節痛が徐々に強くなり、つらくて歩けなかったり、起き上がれないほど強くなってきたため、57日で止めました。主治医は、「それで良い、それだけ飲めば十分です」とおっしゃっていましたので、以後内服はしませんでした。2011年3月(先日)のCTで弓部大動脈腹側に15mmのリンパ節腫大がみられました。主治医からは、以前より、粘液癌は抗がん剤や放射線療法が効かないと聞かされており、イインターネットで調べても、「予後は良い。純型だと更に良い。またリンパより血行性転移が多いと・・・。」 どれも私には当てはまりません。場所が悪くて大変大掛かりな手術になる為、「今回は前回飲んだときより副作用はましだと思います」と言われ、フェマーラの内服をして3ヵ月後CTで大きさを比べる事になりました。大きくなっていなければ、内服をずっと続けます。大きくなっていれば全く効かないわけでもないだろうからと、放射線などを考えますというお考えです。手術で取っても追いかけっこになるわけで、全身投与となる内服自体は意味があるとは思うのですが、この選択は間違っていませんでしょうか。粘液癌は症例の少ない癌ですし、他に選択するべき方法があるのでしょうか。もっと症例数の多い病院でセカンドオピニオンを受けるべきでしょうか。お返事お待ちしております。どうぞよろしくお願いいたします。

選択は間違っているとは思いません。その他に化学療法という選択も残されているように考えます。不安ならセカンドオピニオンを受けて納得して治療を受ける方が、精神的にもいいと思います。(文責 石川) 

 

No.10135】  11年03月31日  K.I.
ホルモン療法について

術前化学療法後、H20年2月に左乳房温存術を受け、現在はホルモン療法中です。H19年8月〜H21年7月までの2年間、ゾラデックス施注。H20年2月〜ノルバデックスと併用しておりましたが、不正出血のためH21年11月よりノルバデックスが1年間休薬となり、H21年12月よりゾラデックスが再開になりました。ゾラデックス単独になってからは出血もおさまり、昨年11月よりノルバデックスが再開になりました。再開して3ヶ月目より、再び出血しています。婦人科での検査では特に異常は認められず、今後のホルモン療法に関しては婦人科ではコメントできないとのことでした。乳腺外科の先生からは、「ゾラデックスをそろそろ中止の方向に考えていた時だったので、中止しても良いものか聞いてくるように。」とのことでしたが、婦人科の先生は、「ノルバデックスもゾラデックスも婦人科では扱わない薬なのでよくわからない。」とのことでした。このような症状の場合、今後のホルモン療法として、どのような選択肢があるのでしょうか? ほぼ毎日、少量ずつ出血しており、出血前に下腹部の突っ張り感もあります。よろしくお願い致します。

閉経前ですと、ホルモン療法としてはゾラデックス単独、ノルバデックス単独、または両者の併用のどれかになると思われます。ゾラデックスの代わりに同系統のリュープリン、ノルバデックスの代わりに、やはり同系統のトレミフェンを用いる方法もあると考えられます。(文責 石川) 

 

No.10134】  11年03月28日  N.M
腫瘍マーカーの高数値について

43歳主婦です。昨年1月末に乳がんの手術をしました。非浸潤ガンでした。術後放射線治療を受け、現在はノルバデックスを服用しています。術後1年たった先月、血液検査、マンモグラフィー、肺のレントゲンをとった結果、腫瘍マーカーの数値が正常の5倍以上ありました。NCC-ST-439が37の数値がでました。手術前の血液検査では3.4でしたが、術後半年後の検査では12でした。術後半年の検査の時は異常なしといわれたのですが、今回は高い数値のため、念のため5月にもう一度再検査ということになりました。正常値は7なのに対し、37は6倍近く、非常に心配しています。再検査を2ヶ月待っていても大丈夫なのか、正常値より6倍高いということは、ガンがある確立が非常に高いと考えたほうがよいのでしょうか? また、NCC-ST-439は、乳がん以外のガンにおいても高数値を示すのでしょうか? 再検査までに時間があること、主要マーカーの数値が高いことに、非常に不安を感じております。また、再検査は、どのような検査が必要になりますでしょうか? まだ一度もペット検査を受けたことがありませんが、受けたほうがよいのでしょうか? お忙しい中恐縮ですが、ご回答をよろしくお願いいたします。母も4年前に乳がんの手術をし、5年前には妹が乳がん(非浸潤がん)の手術をしております。

NCC-ST-439 2009.12(手術前)3.4、 2010.8 12、2011.2 37

本当に非浸潤癌なら、ふつう転移は起さないことになっています。NCC-ST-439は、乳癌以外に膵臓癌,胆道癌,膵臓癌、肺癌、胃癌などで高値を示ことがあります。また良性疾患で膵炎、肝炎でも高値となることがあります。腫瘍マーカーは再発・転移がなくても高値となることも稀ではありません。そんな理由で、複数腫瘍マーカーを検査することが普通です。他の腫瘍マーカーCEA,CA15−3などの値はどうでしょうか。高値なのでしょうか。腫瘍マーカーの高値が続けば、あるいは非常に高い数値であれば再発・転移を疑い、全身検査(CT,超音波検査、骨シンチ)を行います。この場合、PET検査も有効と思います。再検査を2ヶ月待っていても大丈夫と考えますが、早いに越したことはありません。(文責 石川)  

 

No.10133】  11年03月28日  S.Y.
母乳の影響について

浸潤性小葉癌で2年前に全摘しました。術前子どもに与えた母乳の件で質問いたします。乳癌側の母乳飲みが悪く、その時点で既に病巣があったと思います。子どもの健康面が心配です。気をつけて観察する点などありますか?

乳癌の分泌物が母乳に混ざった場合、味が変わって母乳の飲みが悪くなったという報告はありますが、健康面への影響はありません。心配無用と考えます。(文責 石川)  

 

No.10132】  11年03月26日  D
ホルモン治療について

初めてご相談します。1ヶ月前に左乳房切除手術を受けました。病理検査結果で「浸潤がん、切除断端:陰性、リンパ管侵襲:−、血管侵襲:−、エストロゲンレセプター:陽性1〜5%、プロゲステロンレセプター:陽性1〜5%、組織学的悪性度:グレード2、HER2/neu:FISH(増幅あり、なしを検査中)、MIB-1(Ki-67)細胞増殖能:30%、リンパ節転移:転移のあった個数 2/切除リンパ数 12」でした。主治医の先生から、今後の治療法のとして、『ホルモン治療』『ハーセプチン治療』を提案されました。ホルモン治療では、私のようなERが陽性1〜5%の場合でも、若干効果があると言われたのですが、

1) もし検査中のHER2の結果でハーセプチン治療ができなかった場合、ホルモン治療をした方がよいのでしょうか? 
2) ハーセプチン治療とホルモン治療が両方可能な場合、両方の治療法をやった方が良いのでしょうか?
3) どちらか一方の治療ならば、やはりハーセプチン治療の法が良いのでしょうか?   

よろしくお願いいたします。

1) エストロゲンレセプター陽性1〜5%、プロゲステロンレセプター陽性1〜5%、MIB-1(Ki-67)30%、リンパ節転移個数 2ということから、ホルモン治療よりも化学療法が第一選択と考えます。 
2) 可能なら両方の治療法がいいと思います。
3) ハーセプチン治療の方がいいと思います。(文責 石川)  

 

No.10131-1】  11年03月26日  M.K.
骨転移の治療について

お世話になります。お忙しいところ恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いいたします。乳癌が骨転移した母(65歳)の今後の治療について、主治医(乳腺外科医)共々迷っている状況でして、アドバイスをいただきたく投稿させていただきました。主な病歴は以下の通りです。
・平成19年12月乳癌部分切除(転移無し) 大きさ:1.3cm ステージ:1 グレード(顔つき):2 リンパ転移:0/3(センチネルリンパ生検) ER:陽性、PgR陰性 Her-2発現:1+ 断端陽性であったが、追加切除は実施せず。
・術後、放射線治療、フェマーラ、アロマシン服用
・平成20年12月腰椎骨転移(CA15-3:69)
・平成21年1月より放射線治療後にゼローダ、ゾメタ(現在まで継続)開始
・基準値以上ではあるが、マーカー40台で徐々に低下
・同年7月にマーカー70台となり、ゼローダからフェアストンへ切り替え
・2か月はマーカー低下したものの、平成22年1月に再び70台となりアリミデックスへ変更
・同年3月にマーカーが100を超えたため、TS-1服用開始
・マーカーが3月には270、4月には計測上限である300オーバー(現在まで変わらず)
・7月のCTの結果で患部が広がっていたため、weeklyタキソール単剤開始。
・CEAが7〜8の間で上がったり下がったり
・10月に副作用の痺れが耐えがたいものになったことと、白血球減(もともと少ないのですが)でスケジュール通りに投与できないことから、タキソール中止。再びタモキシフェン開始。
・CEAが徐々にあがるとともに、首から背中にかけて転移箇所が増えたため、2月からフェアストンに変更。
・3月に入り、首から背中の痛みが顕著となり一人で起き上がれないほどに。ロキソニン60mgとモーラステームではコントロールできなかったため、痛みが激しい時用に、ボルタレン座薬を処方してもらいました。
・来週、再来週でMRIで首から腰にかけての転移箇所の特定を行い、痛みが継続するようであれば放射線治療を行う方針。

1) フェアストンの効果がなかった場合、次の治療をどうすべきかアドバイスをいただけますと幸いです。主治医も悩みに悩みつつも、ナベルビンには同意してくれました。私からはタキソテール+エンドキサンはどうかと伺いましたが、やるとしてもナベルビンの次だろうとお考えのようです。また、ジェムザール、カンプトといったところはいかがでしょうか?
2) 骨転移の痛みのコントロールに適した薬剤はありますでしょうか? 現在の薬剤でコントロールできない場合は、やはりモルヒネになりますでしょうか?

長文となってしまい申し訳ございませんが、今後の抗癌剤、鎮痛剤を何にすべきか、アドバイスをいただけますと幸いです。

1) ホルモン治療に関しては、フェマーラ、アロマシン、アリミデックス、タモキシフェン、フェアストンとホルモン剤はほとんど使用してきていますので、手が尽きたという印象です。次の治療は難しいです。過去にも用いた薬をまた使うか、逆にホルモンをブロックするのではなくて、エストロゲン製剤を危険を覚悟(かえって悪くしてしまう可能性あり)で使用するかしか思いつきません。残るは化学療法となります。まだ使用していない、いろいろな種類の薬剤、いろいろな投与方法がまだ残されているようです。ナベルビン、エンドキサン、アンスラサイクリン系薬剤があり、ジェムザール、カンプトなどもそうです。こちらも副作用みながらの慎重投与ということになります。
2) 骨転移の痛みが、現在の薬剤でコントロールできない場合は、やはり麻薬系薬剤になります。早く使って少しでも楽にしてあげたいと思います。(文責 石川)

 

No.10131-2】  11年04月01日  M.K.
骨転移の治療について(2)

先日は、質問へのご回答をいただき、ありがとうございました。その後気になる症状が出てまいりまして、重ねての質問で恐縮ではありますが、もう一点お教えいただけませんでしょうか。
痛みはなんとかコントロールしているようですが、片足の痺れ(感覚が麻痺?)がひどく、歩行がままならない状態になってしまいました。足をあげられないそうです。首へも転移があると、やはりこういった事象が出てくるものでしょうか? こういった場合、放射線治療で改善する可能性はありますでしょうか? 薬の副作用かとも思いましたが、半年前に中止したタキソールによる痺れが、中止後半年して悪化することはあるのでしょうか。また、現在服用しているフェアストン、ロキソニンに、そのような副作用があるのでしょうか。この痺れの原因として考えられるもの、対処法として考えられるものについて、ご意見を伺えますと幸いです。恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いいたします。

片足のしびれであれば、薬剤性の場合よりも、やはり骨転移の悪化を疑います。しびれの範囲などから責任病変を推定し、単純写真、MRIなどで確認し、放射線治療をする場合もありますし、今後麻痺が進行する可能性があれば、整形外科で緊急手術するなど、部位、範囲、骨破壊の程度で決まってきます。(文責 石山)

 

No.10130】  11年03月25日  Y.O
今後の治療について

39歳です。33歳の時、右乳がん(乳首下)8.5cm位あり、術前療法でCEF&パクリをやりました。抗がん剤で、しこりは消えましたが、石灰化があり、手術をしました。その後、放射線治療とノルバデックス&ゾラデックスをやっていました。37歳の時(一昨年6月)、左乳がん2.5cm?位あり、同じく術前療法でFEC&パクリをやりましたが、2oぐらいしか小さくならなかったです。針生検では、ハーツー陰性でした。昨年の1月に手術をしましたが、その時は陽性でした。手術の時の検査では、乳首下辺りと、近くに2か所のしこりがありました。術後、放射線治療とタスオミン&リュープリンをやっていましたが、5月から、ハーセプチンを始めました。その頃からタスオミンではなく、アリミデックスに変えました。が、2月にたまたま首のリンパが腫れたことで、なんとなく触れた左胸にしこりを感じました。マンモには映らず、エコーに映り、針生検では、「陰性&陽性&?」の、3つが出たそうで、CEAの数値が12月から比べて上がっているので、CT(胸と腹部)、MR(胸)、骨シンチをしたところ、胸と肝臓は3cm(胸は、他には小さいのが散らばっている)、肺に8mmのしこりが3/18に見つかりました。今後の治療法として、「1.ラバチニブ&ゼローダ 又は 2.ハーセプチン&ラパチニブ 又は 3.条件があえば臨床試験」と言われ、治療法もあるので、肝臓も細胞を取った方が良いと言われました。一般的には、1.2の薬の使い方で選ぶのでしょうか? 今のところ、先生の話を聞いてもよくわからないので教えてください。主人には、「一般的に治療をして、効きが悪いのであれば臨床試験を考えるのも?」と、言われました。

ハーツ−陽性ですので、また以前にCEF&パクリ、ノルバデックス&ゾラデックス、タスオミン&リュープリンなど使用しているので、今後の治療法として、@.ラバチニブ&ゼローダ 又は A.ハーセプチン&ラパチニブ は妥当なところと考えます。効果が悪ければ、さらに別の薬剤を選択していくのが一般的だと思います。(文責 石川)

 

No.10129】  11年03月22日  S.Y.
多発浸潤性小葉癌

2年前に多発浸潤性小葉癌で全摘し、今はインプラントで再建しています。現在タスオミンとゾラデックスの治療中です。年齢は46歳です。

1) T1cN0M0 WHOグレード1 (3+1+1)で、顔つきの悪いのがありながらグレード1であるのは、どのように考えたらよいでしょうか?
2) 術後跡が肥厚性瘢痕になり、リザベンを内服しています。再建後に脂肪組織がインプラント周囲に張り付いてきて、ボコボコしています。今後増え続くならば、何に注意しなければならないでしょうか? リザベンを1年半飲んでいます、が副作用など大丈夫ですか?

1) 組織グレードは核異形、腺管形成、分裂期の細胞の程度を総合して分類いたします。癌の顔つきが悪いと云ったのは核異型が悪かったのでしょう。しかし腺管形成、分裂期の細胞の程度が軽かったので、全体としてのグレードは1になったものと思います。
2)  何に注意すべきかは判りません。形成外科の先生の診察を受けてください。リザベンは副作用は胃部不快感などの消化器症状や肝、腎障害などですが、もともと副座用の頻度は非常に少ない薬ですので大丈夫でしょう。(文責 吉田)

 

No.10128】  11年03月21日  KM
乳房切除後疼痛症候群のお薬について

以前、乳房切除後疼痛症候群のお薬について、相談をさせていただいた事があります。今 トリプタノール10rを朝晩1錠ずつ服用しています。このお薬は口渇が強く、耐えずお水を持ち歩く状態です。口渇の少ないお薬が新しく加わったとかお聴きしましたが、どんなお薬で、薬名は何というお薬でしょうか。お教えくださいませ。 もし他にも口渇の少ないお薬がありましたら、お教えくださいませ。お忙しいところ申し訳ございません。よろしくお願いいたします。

乳房切除後疼痛症候群は、一般的に抗うつ剤や抗てんかん薬を使用いたします。トリプタノールは抗うつ剤で抗コリン作用がありますので、副作用として口渇感が出やすいのでしょう。最近出た新しい抗うつ剤は、レメロン(リフレックス)の事だと思います。この他にもパキシル、トレドミンなどがありますが、何れもトリプタノールよりも抗コリン作用は弱く、口渇は少ない様です。しかし、これら中で、どれが乳房切除後疼痛症候群に適しているのかは不明です。主治医とよく相談してください。(文責 吉田)

 

No.10127】  11年03月20日  K.M.
生検で血液噴出

48歳、人生で初めて乳がんに対峙している「初心者」です。ある日、ふと、乳房の腫れ、ハリを感じ、約10日後には卵大のしこりに。あわてて乳腺科を受診しました。マンモグラフィーとCT検査を経て、即日後に、吸引式乳房組織生検装置による検査を受けました。その際に、血液などの液体が傷口から噴出したそうです。医師や看護師の衣服、照明などに、色の薄い血液が飛び散っていました。担当医によると、「びっくり、珍しい」とのこと。現在、薬を服用しつつ検査の結果待ちですが、また乳房が膨らんできて不安です。同じような症例の情報がありましたら、ぜひ、ご意見をお聞かせください。何卒、よろしくお願い致します。

私は、このような経験はありませんが、腫瘍の一部がのう胞になっていて、そこの部分に針が刺さり、内容液が飛び散ったのでしょう。乳房が膨らんで来るような感じであれば、冷やすことをお勧めします。検査の結果待ちは不安であると思いますが、致し方のないことです。(文責 吉田)

 

No.10126-1】  11年03月19日  T
今後の治療について

インターネットで貴相談室の情報を入手しました。
さて、小生の妻は今月で満50歳を迎えます。2004年8月妻の乳がん罹病判明。ステージはUb、タイプはホルモン受容体陽性・HER2陰性のルミナルAでした。先ず、アドリアシン・タキソテールの併用で術前治療を行い、乳房温存にて患部摘出、リンパ節隔清手術を行いました。術後3年間リュープリン・タスオミンのホルモン療法を行いましたが、2007年11月骨転移判明、以降、ゼローダ、TS1、パクリタキセルと投与、平行してフェアストン、アリミデックス、ノルバデックスのホルモン剤を投与し、ビスフォスフォネートのゾメタも併用しました。抗がん剤はいずれも6ヶ月サイクルで耐性が見られ、現在は2010年1月よりナベルビンを投与、当該剤については相性が良いのか、マーカー値も50前後と安定し、1年超投与を継続していましたが、ここに来てマーカー値が100超と上昇、現在次の選択肢を模索しているところです。
主治医のレジメンでは、今後CMF療法の選択が予定されていますが、妻としましては、これまでの静注点滴のつらさ、幾度か静脈炎症を起こし、その時の痛みは相当のもののようでした、それからの解放への思いもあり、服用可能なXC療法への希望があります。しかしながら、素人の寄せ集めからの情報判断では、はなはだ不安でもあります。いずれにしましても、主治医との膝を向け合った相談が必要ですが、貴相談室におかれまして何かアドバイス・ご意見を頂ければと考えます。ご返信頂ければ幸いです。

この状態では、標準治療というものはなく、御本人に希望を取り入れて治療していくのがベストだと思われます。XCでしばらく様子をみて、さらにマーカーが上昇するようでしたら、CMF等の点滴に替えても良いでしょう。遠隔転移は骨だけですか? マーカー急に動いた場合、念のためPET等で調べておいたほうが良いと思います。(文責 吉田)

 

No.10126-2】  11年04月04日  T
今後の治療について(2)

やはりマーカー値に改善が見られず、主治医と相談の結果、先週よりXC+ゾメタ併用療法に切り替えました。ところが、XC服用2日目に突然生理が始まってしまいました。この場合、考えられる原因には何があるのでしょうか?又、自然に止まるのを待つべきか、再度リュープリンを投与すべきか迷っています。かさねがさねで恐縮ではありますが、ご指導の程よろしくお願い致します。

月経発来と抗がん剤治療は無関係ですので、このままXC療法で行けばいいと思います。(文責 石山)

 

No.10126-3】  11年05月10日  T
今後の治療について(3)

XC療法の1クールが終了しましたが、腫瘍マーカーCAI5−3値が、前回142.4→182.2に、さらに上がりました。主治医の判断では、一旦はこのまま2クールを実施し、さらにマーカー値が上がるようであれば、トポテシンもしくはジェムザールに切り替えた方がよいとのことです。ようやく静注から解放され、ほっとしたのもつかの間、家内もストレスと不安(今後に控える静脈炎症および脱毛)でいっぱいのようです。できれば静脈炎症が避けられ、脱毛発現の少ない、経口でいける他の選択肢は無いのでしょうか?

トポテシン、ジェムザールはいずれも脱毛は少ないでしょう。経口薬は他にTS-1があります。もう少し現在の療法を続けてみたうえでの判断が良いと思われます。(文責 加藤)

 

No.10125】  11年03月18日  m・O
石灰化について

以前にも相談させて頂いたことがございます。その節はありがとうございました。
術後3年でマンモグラフィーを撮りましたところ、石灰化が健側に点在しておりましたが、これは経過観察でよろしいのでしょうか? 去年と変わっていないようですが・・・。石灰化は癌化するようなことはないのでしょうか? ちなみに、病理結果は、Stage1、Matrix-producing carcinoma、Tripule nagative、グレード2、脈管侵襲有り(広汎)、腫瘍径12mm×9mmでした。術後、放射線25回、AC4回しております。その後は経過観察のみです。また、この病理結果で術後3年目ですが、転移・再発は可能性がありますか? またフォローアップの期間は何年ぐらいでしょうか。 宜しくお願い致します。

石灰化が癌化するというよりも、癌ができるとその一部が石灰化すると考えるべきでしょう。どのような石灰化か、実際に診てみないとわかりませんが、昨年と変化がないようでしたら大丈夫と思います。経過観察を続けてください。3年前の乳癌についてですが、今後この癌が再発転移を起こしてくる可能性はあります。可能性としては10〜20%位でしょう。Follow upの期間は決まったものありませんが、最低でも10年ぐらいは必要でしょう。(文責 吉田)

 

No.10124】  11年03月15日  T
腫瘍マーカーと再発転移について

いつも有益な情報をありがとうございます。母のことで相談させていただきます。60代後半、2009年夏に乳がんがみつかり、ステージ1(両ホルモン+、ハーツーは+1)で温存手術、現在はアリミデックスを服用中です。母は、術前から、各種腫瘍マーカーがいずれも基準値を少し上回っていました(CEAは4.8、CA15−3は37、BCA225は230)。その後、手術、放射線治療を経て、術前よりは低いながらも、基準値を超えた状態で推移していました。術後1年の画像診断(PETはしていない)では異常はみられませんでしたが、術後1年半後の腫瘍マーカーは術前を超える値が出ました。主治医とは、引き続きアリミデックスを服用し様子を見ようということになりました。

1) がんがなくても腫瘍マーカーが基準値を超えることがあることは承知しているが、これだけの種類のマーカーが基準値を超えるのは、がんの存在を考えるべきか?
2) ステージ1と診断されながら、実は画像上確認できない転移があったと考えられる症例は、どの程度(%)あるのか?
3) 2の場合、その後の進行は早いということはあるのか?
4) アリミデックスでは抑えられていなかったとみるべきか?
5) 腫瘍マーカーが上昇しても、画像上、遠隔転移を確認できないというようなときは、その後、どの部位への転移がよくみられるのか?
6) 放射性肺炎を調べるために受けたKL−6の値が、間質性肺炎の画像がみられないにもかかわらず800程度で推移していたのが、今回1000を超えた。KL-6が乳がんの腫瘍マーカーとして有益か?だとしたら、上記3種類の腫瘍マーカー上昇とあわせて、再発・転移を想定すべきか?

母は、早期がんであったと安心しきっているため、余計なストレスを与えたくなく、「体質でマーカーが高く出ただけだろう」と言っておきましたが、私は、やはりいろいろと知っておきたく、質問させていただきました。よろしくお願いいたします。

1) 腫瘍マーカーが、がん以外の原因でも高くなることがあるのは知られておりますが、右肩上がりに上昇していくようであれば、がんの存在を考える必要があります。
2) 一般的にはステージ1でも無治療であれば約20%が再発すると考えられ、手術の時点で目に見えないがん細胞が残っているのは、その程度と考えられます。
3) 特にそういうことはありません。
4) もし、転移だとすれば、アリミデックスは効果がないと判断します。
5) そのようなデータは存じ上げませんが、一般的には骨、リンパ節、肺、肝、脳などが考えられます。
6) KL-6は間質性肺炎の活動性のマーカーですが、乳がんをはじめ各種がんでも上昇するとの報告がありますが、KL-6が高いからと言って、ただちに再発・転移を疑う根拠にはならないと考えます。個人的には転移の可能性も否定はできないと考え、心配であればPET検査等で全身検索をしてみてもよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.10123】  11年03月15日  K.K. 
骨転移について

骨転移について伺います。5年前、36歳の時に、乳がんで左乳房温存手術を受けました。大きさは1.7cm、硬がん、HER2が強陽性のため、放射線治療後、自費でハーセプチンを1年、リュープリンを2年行いました。昨年12月に骨シンチで左下顎骨に小さな異常集積があり、先日MRI造影検査を行ったところ、所見は、「左下顎骨筋突起部に転移を強くうたがう箇所がある。」と出て、結果は「転移あり」となりました。主治医は、場所が特殊であること、12月時点での腫瘍マーカーに異常がないことから、口腔外科にてみてもらい、他に診断方法(生検)があるか検討してから、治療方法を決めるとのことでした。

1) MRIでの診断は、ほぼ確定と考えてよいか。
2) 今後どのような治療となるのか。
3) 治療開始までに約1ヶ月かかると思われるが、進行しないか?

現在の状態としては、左頬にこわばるような違和感や涙がでやすい感じです。

1) 下顎骨への単独の転移というのは、かなり稀と考えられ、画像を拝見していないので、はっきりとは言えませんが、MRIで転移であると確定するのは困難と考えます。
2) 骨転移であれば、HER2強陽性であり、抗HER2療法(ハーセプチン、タイケルブ)を中心とした化学療法及び、ビスフォスフォネートを用いた治療を考慮します。
3) 1か月で進行することは心配しないでよいでしょう。(文責 浜口)

 

No.10122】  11年03月14日  T 
再発乳癌の治療法について(HPNo.10107-2)

HPNo.10107で、ご相談させて頂きました者です。私の説明不足がいくつかありましたので、再度詳しく書かせて頂き、ご回答をお願い申し上げます。
2005年8月、マンモグラフィで左乳房に超微細石灰化が見つかり、細胞診とマンモトーム生検の結果、非浸潤癌で、がん細胞のグレードは2 組織型は1 エストロゲン陽性 ハーツーは3+でした。10月18日、ラジオ波熱凝固療法とセンチネルリンパ節生検(2個)を行い、転移は有りませんでした。その後、放射線治療とアリミデックスを5年間飲みました。
一応それで、異常もなく、薬も止めたのですが、2011年2月、左乳房に9ミリくらいの2,3個の癌が見つかりました。組織検査の結果、細胞のグレードは2 組織型は2 ホルモン受容体は 陰性 ハーツーは2+でした。普通なら手術を先にするのでしょうけれど、皮膚が浮いた感じもあるので、(浮腫?)、先に抗癌剤治療を行った方が、お薬の効き目も良く解ると言うことで、3月4日より抗癌剤治療を始め、2回点滴しました。タキソールとハーセプチンを12回行い、その後、FEC75とハーセプチン12回の予定です。抗癌剤治療の後に、手術で全摘するという事になっています。この治療法についてご意見をお願い致します。
それから、リンパ節や他の所には転移はしていないだろうと言うことですが、心配もあり、ペットを受けようか悩んでいます。宜しくお願い致します。

非浸潤癌に対し、ラジオ波治療後5年目に浸潤癌タイプで局所再発し、皮膚にもむくみがあり、むくみも再発と関係があるとの判断ということでしょうか。初発の時HER2;3+でも非浸潤癌での判断ですので、今回HER2;2+につきましては、FISHという方法で遺伝子の増幅の有無をチェックしてハーセプチンの感受性を判定しておくとよいと思います。局所再発でも皮膚のむくみがある場合には、皮下のリンパ管にがん細胞が増殖してつまることにより、皮膚の赤み、むくみが出る「炎症性乳がん型再発」の可能性があり、それを疑う場合には手術よりも抗がん剤による全身療法を優先した方がよいと考えられます。そうであれば、ハーセプチンの感受性があると判断されているのであれば、現在の治療法を推奨します。また、ペットにつきましては、現在施行しても治療方針に影響は少なく、必須ではないと考えます。(文責 浜口)

 

No.10121】  11年03月14日  T
乳管過形成(HPNo.9977-2)

以前も相談したNo.9977です。今月定期受診して、大きさは変わらず1センチ以下でしたが、念のため再度細胞診をしました。結果は陰性でしたが、乳管過形成であるため、今後も定期受診は必要と言われました。やはり癌になる可能性はかなり高いのでしょうか? 現時点でしこりを切除してしまうことは、できないのでしょうか?

乳管過形成は良性病変ですが、異型(細胞の顔だち)が強い場合には乳がんとの区別が難しいケースもあり、また、細胞診で100%正しく診断できるわけではないので、リスクは低いと考えますが、引き続きフォローアップがよいのではないでしょうか。切除は可能でしょうが、小さい病変で良性を強く疑う場合には手術によるデメリット(キズが残る、麻酔薬のアレルギーなど)も考慮すると、経過観察が適当と考えます。(文責 浜口)

 

No.10120-1】  11年03月14日  Y.T.
再発率について

去年乳がんの手術をしました。「大きさ 2.4*1.7、リンパ節2こ転移あり、ハーツー+3、ホルモン70%陽性、グレード3」ということで、今抗癌剤治療中です。グレード3は予後が悪いと、何を見ても書いています。またホルモン陽性なので、抗癌剤の効果に不安があります。グレード3で、リンパに転移があっても、再発せず生きて行ける可能性はありますか。ハーセプチンが使えるようなのですが、グレード3の予後も少し改善されているのでしょうか? お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

確かに再発リスクは低くない乳がんであると考えますが、ハーセプチンなどの分子標的薬を含めた化学療法の進歩により、HER2陽性乳がんの再発リスクは大分減らせるようになってきています。様々なリスク因子から再発率を計算するアジュバントオンラインによれば、アンスラサイクリンとタキサンによる化学療法とホルモン療法を行うことにより、50-60%程度の10年無再発生存率が期待でき、さらにハーセプチンを使用することにより、再発のリスクは半分程度に減らすことが期待できます。(文責 浜口)

 

No.10120-2】  11年05月17日  Y.T.
今後の治療について

HPNo.10120で相談させていただいた者ですが、7月に抗癌剤が終わり、ハーセプチンとホルモン療法になる予定です。今年50歳で、生理は抗癌剤でとまりました。主治医はノルバデックスをと言うお話ですが、ノルバデックスは50パーセントのひとにしか効果がないとネットでみて、すごく不安です。私の場合、閉経後の薬ということにはならないのでしょうか? もし今閉経していなかったら、薬で閉経にもって行くことはできないのでしょうか? よろしくお願いします。

医療の世界では、50%の人に効果があるという事は大変すごい事なのです。貴女の場合は原則としてノルバデックスが推奨されます。乳がんのホルモン療法でいう閉経とは、月経がないという事ではなく、卵巣の働きが止まっているという事です。通常、月経が停止してから卵巣の働きが止まるまでには数年かかるといわれています。ですから、乳がんのホルモン療法では、60才を過ぎた方は自動的に閉経と見なされますが、50才代の方で月経のない方は、血液検査で閉経状況を確認する事が推奨されています。採血の結果、閉経前とわかった場合、ゾラデックスやリュープリンを使って薬物閉経させて、閉経後の薬(アロマターゼ阻害剤)を使うという方法もありますが、標準的な方法ではありません。(文責 清水)

 

No.10120-3】  11年06月10日  Y.T.
ハーセプチン

No.10120-1で相談させていただいだ者です 何回もすみません。ハーセプチンについてなのですが 最近2年投与が増えて来ているようなのですが、やはりそのほうが再発率が低下するのでしょうか? また、主治医に再発率をアジュバンドオンラインで調べてもらったら70%の無再発と言われましたが、ここでは50〜60%とお返事いただきました(どちらもハーセプチンぬき)。やはり70%は期待しすぎですか? 2.4*1.7センチ、リンパ節転移2個、グレード3、トリプルポジティブです。あとひとつ、すみません、ハーセプチンはすべてのハーツー陽性の人に効くわけでないときいたのですが、ハーセプチン1年終了後ラパニチブ服用はどうでしょうか?

ハーセプチンの投与期間についてですが、再発・転移がある場合は効果が期待できる間はずっと続けることになりますが、術後の再発予防のための投与期間をどのようにするかについては今後の課題です。現時点での一般的な考え方では、とりあえず1年ということになっていますが、多くのエビデンスがでれば、長くなると思います。
アジュバンドオンラインについては、年齢・ER・腫瘤・グレード・転移個数・ホルモン療法・化学療法等、貴女の乳癌に対する情報を一番よくわかっているのは主治医ですから、主治医の言われた方が的確だと思います。相談室では限界があります。
ハーセプチン終了後のラパニチブ服用については、以下のような考え方が主流で、術後再発予防のために、ハーセプチンに引き続きラパニチブを服用するのは一般的ではありません。
1) 初発乳癌の術後再発予防では、一般にはハーセプチン単剤で使用しています。
2) 再発転移では、タキサン系、ナベルビン等との併用が一般的です。次にハーセプチンが効かなくなった場合の選択肢として、ラパニチブ(タイケルブ)があります。日本では奏効率24%というデータがあります。
3) 初発乳癌術後の再発予防としてハーセプチンを使用したにも関わらず転移再発した場合には、2)を行います。

納得のいく治療を選択し、前向きに取り組むためにも、主治医と充分ご相談ください。(文責 須田)

 

No.10119】  11年03月07日  A
抗がん剤の治療中の不安等について(HPNo.9676-2)

病気について不安になる度に、相談の掲載を拝読させていただいています。前回相談No.9676です。現在、なんとか抗がん剤のCEF8回が終了し、ウイークリータキソール12回のうちの2回目が終了したところです。抗がん剤を始めてから、病気や仕事や家族などのことで、少しでも不安になると、2日位全く寝れないことがあります。また、以前より仕事のスピードが遅くなり、判断力も格段に落ちた気がします。やらなければと思っているため、やる気はあるのですが、周りに迷惑をかけてしまっていて、困っています。それに加え、やらなければいけないことを忘れたり、家の鍵はかけたか、電気は消したか、家を出ても不安になり、何度も家に戻ることがあります。ご質問です。

1) 抗がん剤の治療中に、判断力が落ちたり、記憶力が悪くなったり、不安で眠れなくなることはあるのでしょうか。
2) 抗がん剤が影響していた場合、抗がん剤の治療が終われば、戻っていく可能性はあるのでしょうか。
3) 上記のような相談をする場合、何科に受診したらいいのでしょうか。

お忙しいところ、お手数をお掛けいたしますが、よろしくお願いします。

1) 抗がん剤の精神面に関する副作用は、あまり報告されていません。評価が難しいからだと思います。不眠、倦怠感や不安などは報告されていますが、判断力などは、評価がむずかしいと思います。
2) 一般的に抗がん剤が原因であれば、中止により改善します。精神的な面で、不可逆的な副作用を起こす可能性は、きわめて低いと思います。
3) 仕事や日常生活に支障があるような状況であれば、治療をつづけるか、休止するか、まず、主治医に相談しましょう。支障の原因となっている副作用の種類や状況により、専門医を紹介されることもあります。(文責 徳田)

 

No.10118】  11年03月07日  T
術側と反対側の胸にある影について(2)(HPNo.10100-2)

NO.10100で術側と反対側の胸にある影の件で相談させていただいた者です。検査の結果、悪性ではないとのことで、一安心しております。

1) その際に言われたのですが、私くらいの年齢(37)だと、影が大きくなったり小さくなったりすることがあるとのことですが、どういうことなのでしょうか?
2) もうひとつお聞きしたいのですが、病気が見つかる前に手足の脱毛(光脱毛)に通っていました。手術から1年、放射線治療から10ヶ月ほど経過したので、そろそろ再開したいと考えているのですが、リンパ浮腫などに影響したりしないでしょうか?

以上2件について、ご回答よろしくお願いします。  

1) 良性でも、ホルモンの影響を受ける場合は、形状が変化することはあると思います。
2) 脱毛をにより、感染のチャンスが増すのであれば、控えた方がよいと思います。腋窩リンパ節郭清の方法にもよりますが、リンパ浮腫の予防は、術後1年で無用というわけではありません。ほぼ一生、注意が必要です。(文責 徳田)

 

No.10117】  11年03月05日  O.W.
手術方法について

術前は左乳房内側下部の1.1×0.8×0.7mmの浸潤癌で、乳頭から1.5cmの場所にあり、温存しました。その後、最終の病理診断の結果が以下のように出ました。医師からは、乳頭下に癌があり、更なる温存は難しいので、乳頭を切除する皮下乳腺全摘(乳輪は残す)を勧められました。私としては、できれば乳頭も残したいのですが、やはり下記結果だと、主治医の勧める手術方法が良いのでしょうか?  また、乳輪のみ残しても、再発リスク等は大丈夫なのでしょうか? ご意見を伺いたく、よろしくお願いいたします。

Invesive duvctual carcinoma of the left breast , particalresection
割面では乳頭側断端近くに境界不明瞭な腫瘍が見られる。組織学的には、invasive ductal carcinoma、scirrhous carcinomaであぁw)EUR閨A大きさは13×8mm。脂肪浸潤あり、f(+)。リンパ管浸襲を認める。静脈浸襲明らかではない。乳管内進展を認め、充実性増性、comedo壊死を伴う。一番乳頭側の割面において、浸潤癌及び乳管内病変が見られ、乳頭側断端陽性の可能性ありと考えます。他の側方断端は陰性。リンパ節0/6。Histrogical gradinig,HG(U) score合計6。 NG=1 MIB-1 index:約10%

乳頭断端を陰性にすることができないのであれば、乳頭、乳輪切除が標準です。というのも、乳頭を温存できないようながんの広がりであれば、乳輪にも及んでいる可能性が高いからです。(文責 徳田)

 

No.10116】  11年03月05日  Y.S.
乳がんと卵巣がんの関係について

いつも大変お世話になっております。乳がんと卵巣がんの関係についてお尋ねしたいことがあります。乳がんが卵巣に転移することはありますか。乳がんに対しては、一年半前に温存手術、リンパ節転移はなく、ホルモン療法中です。現在、卵巣片側が多房性嚢腫、腹水が少量たまっている状態で、婦人科では、来月のMRIで、大きさがこれ以上(5cm)大きくなっているようなら、手術の可能性も出てくると言われました。血液検査の結果では、CEAが一桁台のことから、悪性の可能性は低いようですが、はっきりと否定はされませんでした。それから、悪性の可能性が低いのに、こんな質問は不要だと思いますが、乳がんが転移した場合は、乳がんの再発、進行がんとして治療するのでしょうか。少し気になったので、質問させていただきました。お答えいただけましたら嬉しいです。よろしくお願いいたします。

乳がんが卵巣に転移することは、少ないですがあります。乳がんが転移した場合には、再発乳がんとして治療します。ただし、原発の卵巣がんと乳がんの転移の鑑別は、場合によっては、むずかしく、臨床病理学的に十分に検討する必要があります。(文責 徳田)

 

No.10115】  11年03月05日  H 
ノルバデックスの副作用とリュープリンの単独投与の治療効果

現在49歳、出産経験はありません。2009年11月に右乳房に癌が見つかり、右乳房部分切除とセンチネルリンパ節生検(色素法)を行い、術後放射線治療(50Gr)を受けました。2010年10月に、一年目の定期検査でマンモグラフィーの検査をした結果、石灰化と炎症が見つかりましたが、癌性のものではないといわれました。実姉も乳癌で3年前に手術を受けています。手術での病理検査の結果は以下のとおりです。
所見
乳房部分切除検体をサンプル1からサンプル29まで全割して検討しました。
組織学的に、病変部では腫大した濃染性の核と淡好酸性の胞体を有する異型細胞が乳管内において、充実型から 状や乳頭状等、種々の形態をとりながら増殖しています。一部でコメド壊死が認められます。
これらの乳管内病変が乳頭伸展性に切片内に広い範囲で広がっています。サンプル19からサンプル21では異型型細胞索状配列から小集魂を形成しながら間質へ浸潤している像が見られます。
以上から診断は、浸潤性乳管癌、乳頭腺管癌と判定します。
最大浸潤径4.5mm(サンプル21)(病巣全体は28mmでしたが、5mm毎に全割検査の結果ほとんどが非浸潤性でした)
波及度f、EIC(+)、リンパ管侵襲、静脈侵襲なし(ly0、v0)
腫瘍細胞の核グレートGradeT(核異型2点、核分裂像1点)
Nottingham’s histological gradeはGradeU(腺管形成3点、核異型2点、核分裂像1点)
切除断面は、側方、皮膚側、胸筋側すべて陰性
ER陽性(PS5+IS3=TS8、80%)、PR陽性(PS5+IS3=TS8、70%)、Hercep Test陰性(score0)
TNM分類 pT1a,pN0(sn),cM0,G2,StageT
腫瘍細胞におけるKi67染色の標識率は11%程度

放射線治療後、リスクが低いということで、リュープリンは使わず、ノルバデックス20mg/日を飲んでいます。術後にうつと不眠を発症し、ドグマチール、メイラックス、マイスリーを飲んでいます。ノルバデックスを飲んでも生理は有り、始めの3ヶ月は4週間、その後は2ヶ月から3ヶ月間隔でありました。ノルバデックスをはじめてから、高温期には下腹部が張り、圧迫症状が悪化(頻尿、便秘、股関節痛など)、出血量が450mg以上と増大しました。うつ症状が少し安定したため、今年の二月に婦人科を受診したところ、以前からあった筋腫が増大したり(φ50mmがφ66mm、φ40mmがφ55mm)、新たに子宮内膜ポリープ(φ10mm程度)ができたりと婦人科の疾患が悪化したため、婦人科でエストロゲン値を測定したところ、E2は449.5pg/ml、FSHは10.7mIU/mlであり、E2の抑制は見られずむしろ分泌亢進状態である。投与から一年近く経過しており、投与開始直後の不安定なデータではないので、ノルバデックスによる影響と考えられ、治療方針を変更したほうが良いといわれました。子宮体部癌検診、子宮頚部癌検診は異常なしでした。また、ドグマチールの副作用でプロラクチンの値も170ng/mlと高値でした。乳腺外科の担当医にエストロゲン値のことや、婦人科疾患の悪化を相談したところ、ノルバデックスでエストロゲン値が上がってしまう人もいるとの事で、、リュープリンに切り替えると言われました。色々調べたところ、閉経前のタモキシフェン単独投与ではE2値が治療前の3〜4倍に上昇することがある。(乳癌のホルモン療法(4)医学図書出版 野村著)、乳癌診断ガイドラインT薬物療法2010年版では、LH-RHアナログ単独投与は術後無治療と統計的な有意さが無く、推奨しないと書かれてありました。
そこで、質問です。


1) ノルバデックスの作用でE2値が高い状態でも、ノルバデックスの治療効果はあるのでしょうか?
2) ノルバデックスの作用でE2値が高くなった状態は、癌の再発リスクをあげてしまったことは無いのでしょうか?
3) ノルバデックス投与は中止すべきか、継続すべきか、また、その判定基準はどうなっているのでしょうか?
4) リュープリン単独投与で、治療効果は期待できるのでしょうか?
5) リュープリンに切り替える場合、卵巣機能が完全に抑制されるので、ノルバデックスを飲んでもエストロゲン値は上がらなくなりますか?
6) リュープリン投与は子宮筋腫の増大や出血については改善する可能性も考えられます。(以前子宮筋腫の治療でスプレキュアを使用した場合30%程度筋腫は縮小しました) 乳腺外科の担当医は、子宮への副作用や乳癌のリスクが低い点を上げ、ノルバデックスの再開はやらなくとも良いと言っています。乳癌診断ガイドラインを読むと、リュープリン単体の治療には、不安を感じます。ノルバデックスの再開を担当医に提言すべきでしょうか?
7) リュープリン単体とリュープリン+ノルバデックスでの、再発防止、新たな癌の発生や、癌の抑制の癌治療効果と投薬による副作用にどの程度差異があるのでしょうか。
8) プロラクチン値が170ng/mlと高いためが、癌の無かった左乳房は、乳腺だらけで超音波が内部まで入らない状態で、うまくエコー検査ができません。また、乳腺外科の先生は、乳腺が脂肪に早く変わってくれると癌の発生リスクが減るのだがといっていました。高プロラクチン血症で乳腺が刺激されている場合、癌の発生リスクは高まるのでしょうか?


よろしくお願いします。

ノル場デックスは、エストロゲンレベルが高い閉経前の状態でも効果はあります。閉経前女性の再発予防の治療としてはノル場デックス5年間内服がスタンダードで、リュープリンを上乗せする場合どの程度メリットがあるかは明らかではありません。ただし再発乳癌を対象にした臨床試験では、ノル場デックスにLH−RHアナログ併用したほうが奏功率が高いという結果が得られています。
ですので、経験的にリュープリンは再発リスクが高めな方には2−5年併用することがよく行われています。しかし早期乳癌で患者さんが40歳代後半ということをかんがえると、ノルバデックす単独で問題ないと思われます。しかしこの場合、子宮の内膜の増殖や子宮筋腫の増大があるため主治医の先生はリュープリンの使用を提案されたのかもしれません。リュープリンを使用するとこういった症状は収まる可能性が高いです。ただし代わりに更年期様の症状は強くなるかもしれません。ドグマチールと、乳がんの再発率、発生率はあまり関係ないと思います。(文責 俵矢)

 

No.10114】  11年03月05日  Y.Y.
脈管浸潤とは?

ご相談させていただきます。海外で温存手術を受けたのですが、その時の病理リポートでは、「No obvious lymphovascular infiltration noted. Tnm classification (2009) pT1cNoMX (Stage TA)」ということで、脈管に明らかな浸潤はないという判断で、術後、放射線療法、ホルモン療法を続けておりますが、今回、帰国に伴い受診した専門医にて、再度組織を検証していただいた結果、「1個の脈管浸潤を認める、ただし治療方針に変更をきたすものではない。」という結果をお聞きしました。本当に治療方針を変更する必要はないのでしょうか? 今さら化学療法を行っても効果は期待できないのでしょうか? 予後についても大きく変わってくる・・ということはあるのでしょうか? 表現の問題で、海外での病理検査と日本の病理検査の結果の差は、どのように判断すれば良いのでしょうか?

リンパ管侵襲の診断は時に難しいこともありますし、「治療方針に変更を来すものではない」ということは、ごく軽度のものか、もしくはあまりはっきりしないのかもしれません。微妙なところは、日本と海外というだけでなく、日本の病理医の間でも見解が異なることもあります。ホルモン陽性の度合いにもよりますが、ホルモン陽性の場合、リンパ節の転移がたとえあったとしても少数ならば最近はホルモン療法のみで化学療法を追加しないことも多いですから、このままでよいと思います。主治医に、リンパ管のことが気になるならば聞いてみられたらよいと思いますよ。(文責 俵矢)

 

No.10113】  11年03月05日  M
タキソテールについて(HPNo.10075-2)

先日は、FECの副作用について【No.10075】、御回答頂きまして本当に有難うございました。
71歳の母の病理検査結果は、27mmの浸潤癌(分泌型)で、リンパ節転移なし、ホルモン受容体陽性、HER2マイナス、リンパ管侵襲なし、核異型度軽度というものでした。母は術後化学療法としてFEC6回と主治医より言われていたのですが、FEC4回目の今日、リンパ転移は見られないものの、分泌癌という特殊な癌であることもあり、FEC4回を終えたら、タキソテール4回を投与する様にすすめられたそうです。タキソテールはアルコールに弱いと副作用がキツイと聞いたことがあるのですが、母は全くお酒に弱いので、とても心配です。今でもFECの副作用で酷い味覚障害があり、体重も3Kg近く落ちてしまい、体力・免疫力もおちていってしまうのでは…と不安でなりません。あまりに辛いようなら途中でやめても…と先生にも言われたそうですが、前回こちらで頂いた御回答で、「抗がん剤は途中でやめると、今までの治療効果は、ほぼゼロになるというデータがございます。」とあり、何が何でも続けなければ無意味なのでしょうか。タキソテールの副作用は70歳を超えた母でも耐えられるものでしょうか。前回、血液検査をした際にCEAが11と少し高めだった為、CTを撮ったところ異常はなく、胃カメラをしたところでも異常はなかったそうで、次回は大腸を検査する予定だそうです。CEAの値については、10以上であると癌の疑いが強くなるのでしょうか。お忙しいところ申し訳ありませんが、ご意見頂けると大変有難いです。宜しくお願い申し上げます。

FECの量がわかりませんが、一般に使う量であれば、71歳のお母様には、きつそうかなと思います。化学療法は、決まった量を決まった時期に行うのが基本ではありますが、同時に化学療法により重篤な副作用がおこることもあるので、続行が困難な副作用が出現した場合は途中で中断したり、減量せざるを得ないこともあります。「途中でやめると効果がゼロになる」というより、中断した場合には完遂できた場合と同じ効果は保証できないといったほうが適切かと思います。つまり中断した場合の再発リスク低減効果はどのくらいになるかはよくわからないと考えていただければと。
タキソテールは通常アルコールで薬剤を溶かすので、アルコール過敏な方は使いにくいという意味です。手間はかかりますが、アルコール以外のものでもなんとか溶解できますので、アルコール過敏の患者さんにはアルコールを使用しないでがんばって溶解してもらっています。タキソテールに耐えられるかは、やってみないとわからないというのが正直なところです。同じ年でも意外と大丈夫な方もいらっしゃるし、やはりかなりつらそうな方もいらっしゃいます。ホルモン陽性の程度や、FECでどの程度の骨髄抑制その他の副作用がでているか、ご本人の希望も鑑みて決めることになります。そこは、主治医と十分相談なさってください。主治医に正直に「つらい」と伝えていただいてよいと思いますよ。
CEAは腫瘍だけでなく、軽度の上昇ならば、喫煙者や糖尿病患者さんでもよくありますし、検査して異常ないのであれば、もう少し値の推移を経過をみるとよいと思います。(文責 俵矢)

 

No.10112】  11年03月05日  S.M. 
乳管内乳頭腫

先日、『乳管内乳頭腫』と診断された33歳女性です。2週間ほど前から、右胸の乳頭より粘性の黄色い分泌液が出ていた為、乳腺科に行き、マンモ・エコー・細胞診(?分泌液をとって検査)を行いました。マンモ・エコー・触診でのシコリはみつからず、細胞診でも血性?は認められませんでしたが、片側の乳頭より分泌液が出続けるという症状から、乳管造影を行いました。結果は、乳管の先の方(乳頭側)に腫瘍があるとの事で『乳管内乳頭腫』。9割が良性、1割が悪性=癌とのお話で、その善悪を判断する材料は手術のみとの事でした。結婚・妊娠の経験がない為、将来のことを考えると(授乳)、経過観察でも構わないと言われましたが、不安を抱えての毎日には耐えられないとお伝えし、手術の方向で話を進めています。そこでセカンドオピニオンを聞きに、他の病院にも行くべきなのか悩み中なのですが、その前にご相談をさせて下さい。

1) まず、乳管内乳頭腫の場合、次に進むべき道は @経過観察 A手術 しかないのでしょうか? 
2) 手術では、全身麻酔&1泊2日の入院とお話がありましたが、どういった内容の手術になるのでしょうか? 内視鏡手術という方法はないのでしょうか?(内視鏡手術=傷口が小さい・全身麻酔が不要という認識です)
3) 手術を行う前に、MRIを行ったほうが何らかのメリットはありますか?

来週、病院で術前検査を行う予定ですが、その前にも一度主治医の先生に上記の事を確認しようとは思いますが、一度こちらでもご意見をお伺いしたいと思い・・・。どうぞヨロシクお願い致します。

基本的に、画像や資料を拝見しないと文面だけから言えることは限られてしまうことをご了解ください。そのうえで、
1) 乳頭から近い病変であれば、乳首のところから乳管に細いカメラを入れる乳管内視鏡という検査があります。できる病院はそんなにたくさんないので、ご希望の場合は主治医に紹介していただいてください。
2) おそらく腺葉区域切除といって、分泌の出る乳管の中に色素を入れて、病変部位を切除する手術と思われますが、主治医の先生がどんな切除を計画しているかは、主治医に確認してください
3) MRIで確定診断は難しいですが、診断の助けになることもあります。

このような場合、急いで診断をつけないと手遅れとかいうことはまずないので、ゆっくり診断を確認しましょう。まず主治医のお話を今一度聞いていただき、その上で、ご希望ならばセカンドオピニオンにいかれるとよいのではないでしょうか。十分理解して治療に望むのがよいと思いますよ。(文責 俵矢)

 

No.10111】  11年03月05日  M.H.
術後の治療について

初めてメールさせていただきます。31歳で乳がんと診断され、全摘手術を行いました。病理結果は、浸潤部1.3cm(非浸潤部広範)、リンパ節転移なし、グレード1、Her2陰性、ホルモン強陽性でした。脈管浸襲は1でした。術後の治療について悩んでいます。主治医はホルモン療法(薬+注射)だけで良いと判断されましたが、若年性乳がんは再発の危険が高いと聞き、年齢的に抗がん剤をしなくても本当に大丈夫か不安です。若年性は悪性度が高い、再発しやすいと言われているのは、グレードのことでしょうか? 私はグレード1なので、それに当てはまらず、「若年性」という危険は忘れてもいいのでしょうか? お忙しいとは存じますが、よろしくお願い致します。

ホルモンが強陽性でリンパ節転移もないのであれば、この年齢でも、ホルモン療法がよいと思います。化学療法を追加するメリットは少ないと思われます。化学療法で、もし永続的に月経が止まれば、卵巣摘出と同じ効果が得られますが、ステージIなので、そこまでしなくとも今の治療でよいかと思います。(文責 俵矢)

 

No.10110-1】  11年03月04日  MI
cerbB2について

よろしくお願いします。去る1月5日に手術を終え、現在は放射線治療をしています。下記についてお尋ねします。通常検査の結果は、「乳頭腺管癌 ・g,ly0,v0 ・断端陰性・ER(+),PgR´(+) ・cerbB2(+) 悪性度1」 となっています。但し、術中迅速の検査の結果は、「Metastatikc carcinoma、n(+)(2/3)。被膜のリンパ管内に微小なcancer組織が観察されました。」と、あります。 

1) 通常のg,ly0と、迅速のn(+)(2/3)の違いは何ですか?(リンパに転移している事とは違いますか?) 又、微小という言葉は、今後の治療において何らかの影響はありますか?
2) cerbB2とは何でしょうか?
3) cerbB2とは、HER2とは違うのですか? 「色々調べてみると同じと言うことのようですが‥・。なぜ違う単語を使ねばならないのでしょう。(患者は混乱します)」  もし、HER2と言う事ならば、「HER2(2+)だとFISH法で確定する必要がある。」と、ありますが、このFISH法をしないで、HER2の治療をしたり、又、治療をしなかった場合の違いはありますか? そもそもHER2の{(2+)}にだけ何故、陽性と陰性があるのですか?
 
以上のこと、お教え願います。  

1) おそらくリンパ節転移が3個中2個にみとめられたということと思いますが、記載方法や内容については施設によって異なっており、主治医に詳細を聞くべきです。
2)3) HER2のことです。命名法の違いです。臨床では、HER2を使用する場合が多いです。HER2 2+の場合、FISH陽性で、抗HER2薬の適応となる場合が20−30%あります。FISH陰性であれば、適応はありません。したがって、FISH検査をしないと、有効な治療をしなかったり、あるいは逆に、無駄な治療をすることになります。HER2 1+では、ほとんどFISH陰性ですので、FISH検査は不要なのです。(文責 徳田)

 

No.10110-2】  11年04月01日  MI
検査について

10110で質問した者です。ありがとうございました。先日の質問と関連していることをお伺いします。
担当医にお聞きしたところ、迅速のN(+)(2/3)はセンチネルリンパ節を取り、それを3等分した結果との事です。切除縁はいずれも陰性。
永久標本において、被膜のリンパ管内に、500μmと50μmの微小cancer組織が観察されました。(輸入リンパ管か輸出リンパ管なのかは、不明です。)その為、放射線治療を5回多くしました。

1) この被膜の「微小」転移の、微小(μ)とは、後々、何らかの形で現れる単位なのですか? 転移がないのと等しい位と受け取るのは浅はかですか?
2) 放射線治療の効果と結果はどのようにわかるのですか?(転移ありなので、5回多くしました。)
3) HER2(2+)の事ですが、かかっている病院では、FISH検査はしないそうです。「再発もしくは転移をしたら、その時に検査をし、結果により治療をする事になる。」と、言われました。「FISH陽性」で坑HER2薬の適応となる場合が{20−30%}ならば、強行にFISH検査を依頼する必要性はありますか? 検査をせず、今後ホルモン療法のみでの治療法は、現代の治療法において、推奨されますか?

大きさ2.1cm g、ly0、v0 断端 陰性  ER(+)、PgR´(+) cerbB2(+) 乳頭腺管癌  

微小な腫瘍云々より、リンパ節転移陽性であることが重い結果ですので、、それに従った治療が必要と思います。放射線の結果は局所再発がないようにする事が目的ですので、10年後に局所再発しなかったという事です。FISH検査は再発した時に調べるのではなく、今調べて、再発予防としてハーセプチン投与が勧められます。(文責 石山)

 

No.10109】  11年03月04日  M.T. 
今後の治療について

いつも参考にさせていただいております。はじめてですが、よろしくお願い致します。次回乳腺科受診予定が5月のため、お伺いします。全摘手術(リンパ節郭清なし)後、FEC100 6クール、その後、リュープリンとタスオミンのホルモン療法で1年2ヶ月経過、各種検査は転移なくクリアしています。 現在52歳、月経は抗ガン剤の直前までありまし た。婦人科で6ヶ月ごとに体ガン検診を受けていますが、過去2回は異常なしでしたが、今回、「内膜異型上皮の疑い」で来週全面掻爬の組織診の予定です。

質問
1) 乳がんが転移する場所として、子宮体部というのは、かなりある事例でしょうか。
2) もしも今回異常なしでも、今後、疑陽性がでるようだったら、タモキシフェン以外の薬に変更してもらった方がよいでしょうか。閉経かどうかは不明な場合、どのような薬を用いるのが一般的ですか。
3) もしも体ガンという結果が出た場合、原発がんか転移がんかを見るためなどに、今後、どのような検査結果情報を得て、乳腺科や婦人科にかかればよいか、アドバイスがいただければ幸いです。

1) ほかの部位に転移がないのに、子宮体部のみに転移することは、ほとんどありません。
2) 組織診で良性であれば、タモキシフェンの継続でよいと考えます。
3) がんという結果がでれば、まず原発がんと考えます。(文責 徳田)

 

No.10108】  11年03月04日  F
再発転移の検査

術後5年目、ゾラデックスとノルバデックスのホルモン治療中です。先日、鎖骨周囲の痛みが1年続いている為、PET-CT検査を受けたのですが、結果は異常無しでした。しかし、検査の際にリニアックが故障し、FDG注射後2時間20分経過後の撮影となりました。いつもはFDG注射後90分後に撮影をしていますので、「時間が超過していることで正確な画像が撮れていない事もありますか?」と技師さんに尋ねたところ、「多少問題はありますが大丈夫です」との返答でした。が、不安になり、FDGの効能時間についてFDG製造会社に問い合わせをしたところ、FDG投与後癌細胞の種類や密度によって1時間後にしか集積しない癌もあれば2時間後にしか集積しない癌もあるとの回答で、全く問題がなかったとはいえないと言われました。
医師は「FDG注射後2時間から3時間経過したほうが集積がはっきりわかるため、病院としては正確な診断がついていると思うが、不安ならPET-CTを撮り直すか、骨シンチやMRIなどの検査をするしかない」と言われました。しかし、それぞれの立場で意見が違うので不安が増しています。撮り直しと言っても、被爆の問題もあり、もう少し情報を集め、本当に必要な検査だけを受けたいと思います。
そこで質問ですが、

1) FDG注射後2時間20分経過後の撮影は、一般的に問題があったのでしょか?
2) FDG注射後1時間後にしか出ない癌の割合と、2時間後にしか出ない癌の割合は、どれくらいなのでしょうか?
3) PET-CTで取り直すとしたら、被爆量などを考慮するのであれば、2回目のPET-CTは、どれくらいの期間あければよろしいでしょうか?
4) 鎖骨の痛みが骨転移かどうかの診断は、乳がん性質上、溶解性の骨転移が80%を締めることを考えると、溶解性の癌細胞の検出を得意とするPET-CTでの取り直しが適切でしょうか? それとも骨シンチと胸部MRI造影の組み合わせでも検出率は高いでしょうか?
5) MRIに関しては、単純MRIと造影MRIのどちらでもよいといわれています。乳がんの再発転移を調べるなら、どちらが一般的でしょうか? アレルギー体質であり、MRI造影は問題点を拾いすぎで<癌の集積以外も拾ってくる>不安になる可能性があると聞いたことがあります。

医療に100パーセントの検査は存在しないことは承知していますが、鎖骨の痛みがあるので、転移を見逃していないか不安です。どうぞ、ご教示よろしくお願いいたします。

1)2) 私は専門的知識がなく、FDG製造会社あるいは、検査の担当医におたずねください。
3)4) 検査のメリットと被爆を比べて判断します。不要な被爆をしないことを考えると、今回は、MRI検査をすすめます。
5) 造影MRIをすすめます。造影剤に対するアレルギーは、きわめてまれです。(文責 徳田)

 

No.10107-1】  11年03月03日  T 
再発乳癌の治療法について

5年前に非浸潤癌の温存手術を行い、その後放射2011線治療をして、5年間アリミデックスを服用しました。手術はラジオ波凝固熱です。今月に入り、温存した胸に癌が見付かり、医師から抗がん剤治療をするように勧められました。(エコーで観察して、1p位の大きさの癌が2,3個あると言われ、組織検査も行いました。) 手術で取り除いて、その後に取り残しがあると悪いので、先にタキソールとハーセプチン療法を行うとのことです。(HER2受容体 2)
半年間行った後に手術をすると言うことでした。やっと、治療が終わったと安心していたところでしたので、戸惑っていますし、出来れば抗がん剤治療はしたくありません。ですが、医師は、「5年後に出て来たものは比較的おとなしい物が多く、ゆっくりと進行する事が多いのに、私の様に進むのは今まで経験がない。」と、仰るのです。その為に、出来るだけ徹底的にがん細胞を叩く方が望ましいと仰いました。私の様な場合は、先に抗がん剤治療が良いのでしょうか? 先に手術をして(今度は全摘)、その後取り残しがあれば、抗がん剤治療をするよりも、先に抗がん剤治療を行った方が良い結果が出るのでしょうか? 一般的な治療方法を教えて頂きたく、お願い申し上げます。

1) 5年前の治療は、ラジオ波治療で、手術ではありません。病巣を切除していないとすると、非浸潤癌であったというのも正確ではありません。したがって、標準的な治療方針があてはまらないかもしれません。
2) 温存した乳腺の再発、しかも多発しているとすれば、全摘をすすめます。乳房を温存しないのであれば、手術前の抗癌剤治療は、必要ありません。手術後、病巣の状況や、腋窩リンパ節の状況で,再発を予測し、全身療法を考えます。ただし、大きな腋窩リンパ節転移や鎖骨の上のリンパ節転移、あるいは遠隔臓器に転移があるような進行癌の場合は、手術はあとで、全身療法が先です。主治医は、手術後の取り残しとして、どのようなところを考えているのでしょうか。全摘手術+腋窩リンパ節郭清で肉眼的に取り切れないとすると現時点でも進行癌ということになります。
3) HER2 2+というのは、5年前の病変でしょうか、新病変でしょうか。通常、非浸潤癌の部分では、HER2の評価はしません。というのも、非浸潤癌は転移せず、浸潤巣のがん細胞が転移するので、浸潤巣を調べるのです。また、HER2受容体2+だけでは、ハーセプチンの適応にはなりません。HER2遺伝子が増えているかどうかも調べて、適応を考えます。(文責 徳田)

 

No.10107-2】  11年03月14日  T 
再発乳癌の治療法について(2)

HPNo.10107で、ご相談させて頂きました者です。私の説明不足がいくつかありましたので、再度詳しく書かせて頂き、ご回答をお願い申し上げます。
2005年8月、マンモグラフィで左乳房に超微細石灰化が見つかり、細胞診とマンモトーム生検の結果、非浸潤癌で、がん細胞のグレードは2 組織型は1 エストロゲン陽性 ハーツーは3+でした。10月18日、ラジオ波熱凝固療法とセンチネルリンパ節生検(2個)を行い、転移は有りませんでした。その後、放射線治療とアリミデックスを5年間飲みました。
一応それで、異常もなく、薬も止めたのですが、2011年2月、左乳房に9ミリくらいの2,3個の癌が見つかりました。組織検査の結果、細胞のグレードは2 組織型は2 ホルモン受容体は 陰性 ハーツーは2+でした。普通なら手術を先にするのでしょうけれど、皮膚が浮いた感じもあるので、(浮腫?)、先に抗癌剤治療を行った方が、お薬の効き目も良く解ると言うことで、3月4日より抗癌剤治療を始め、2回点滴しました。タキソールとハーセプチンを12回行い、その後、FEC75とハーセプチン12回の予定です。抗癌剤治療の後に、手術で全摘するという事になっています。この治療法についてご意見をお願い致します。
それから、リンパ節や他の所には転移はしていないだろうと言うことですが、心配もあり、ペットを受けようか悩んでいます。宜しくお願い致します。

非浸潤癌に対し、ラジオ波治療後5年目に浸潤癌タイプで局所再発し、皮膚にもむくみがあり、むくみも再発と関係があるとの判断ということでしょうか。初発の時HER2;3+でも非浸潤癌での判断ですので、今回HER2;2+につきましては、FISHという方法で遺伝子の増幅の有無をチェックしてハーセプチンの感受性を判定しておくとよいと思います。局所再発でも皮膚のむくみがある場合には、皮下のリンパ管にがん細胞が増殖してつまることにより、皮膚の赤み、むくみが出る「炎症性乳がん型再発」の可能性があり、それを疑う場合には手術よりも抗がん剤による全身療法を優先した方がよいと考えられます。そうであれば、ハーセプチンの感受性があると判断されているのであれば、現在の治療法を推奨します。また、ペットにつきましては、現在施行しても治療方針に影響は少なく、必須ではないと考えます。(文責 浜口)

 

No.10107-3】  11年05月17日  T 
再発乳癌の治療法について(3)

HPNo.10107では、ご回答を有り難うございました。FISHという方法で検査の結果、ハーセプチンの効くタイプでした。タキソールとハーセプチンを3月4日より毎週行い、6回終了した後の一週間後の診察で、 エコーを診て貰ったら、殆ど消えていると言われました。今は10回目を終えた所です。タキソールとハーセプチンを12回終えると、FEC75とハーセプチンを行う予定ですが、 私は色んな本を読んで、抗癌剤が怖くなっています。副作用もそうですが、免疫力が低下してしまい、エンドキサンには発癌物質があると知ると、出来れば避けたいという思いです。タキソールとハーセプチンが終わって、ペット検査で画像上消えていれば、手術を行うという方法では、やはり良くないのでしょうか? 標準の治療をしておくべきだという気持ちもありますし、全摘するのだから・・・とも思ったりします。もう一つの気掛かりは、先生の仰られた炎症性乳癌の事です。主治医は違うと言われたのですが、癌のあるところは硬くなっていました。今となっては調べられないと思いますので、手術後には生検して確認出来るのでしょうか? それから、私は6年前にラジオ波で手術をしていますが、非浸潤がんにラジオ波の適応はないでしょうか? 「非浸潤癌は乳管内を進展する癌ですので、RFAの適応外と学会で言われています。」 という記事をみつけました。主治医に伺い、そんな事はないと否定されましたが、真実を知りたく思います。色々と不安を書き綴り申し訳ございませんが、宜しくお願い致します。

はじめに画像診断について誤解があるようなのでお話しします。エコーにしてもペット検査にしても、画像診断で見えなくなったという事は腫瘍が小さくなったということで、消失したわけではありません。そこのところをよく理解してください。まず化学療法についてですが、標準治療では何故タキソールとFECを行なうかというと、臨床試験で、そうする事でその後の再発が少なくなることが確認されているからです。もちろんタキソールだけで再発しない方もいるでしょうし、FECまでやっても再発する方もいます。でも一番再発が少なくなる方法が両方行う方法なのです。そのことをよく理解した上であれば、タキソールだけで手術を行なっても良いと思います。また化学療法剤には長所も欠点もあります。その長所が自分にとってメリットになるかどうか、長所が欠点を上回っているかどうかを良く考えてください。欠点ばかり、もしくは長所ばかりを考える事はよくありません。炎症性乳がん型再発かどうかは、皮膚が赤い時に生検するか、その後の病巣の広がり方から判断します。現時点では、広がり方からは違うように思えますが、化学療法がよく効いて抑えられていると考えれば、そうではなかったと言い切る事もできません。これから生検しても、それはわかりません。ラジオ波による乳がんの治療は保険診療でも適応外ですし、国内外の診療ガイドラインにおいても推奨されていません。現在ラジオ波治療を行なっている施設は、自由診療で行なっているか、先進医療の申請をして行なっているか、臨床試験として行なっているかのどれかではないかと思います。浸潤がん、非浸潤がんを問わず、現時点では実験的治療であることには違いありません。(文責 清水)

 

No.10107-4】  11年05月22日  T 
再発乳癌の治療法について(4)

HPNo.10107でご相談させていただき、ご指導を有り難うございました。やはり、後半の抗がん剤治療を受けようと思います。FEC75とハーセプチンを行うのですが、1回目はFECとハーセプチン、2回目と3回目はハーセプチンのみで、それを4回繰り返し行ないます。FECとハーセプチンは心不全のリスクが高いと言うことですが、同時に行っても大丈夫でしょうか? 術後のFEC100で抗がん剤をしている人は、FECとハーセプチンを別々に行っているのですが・・・。もし、FEC75に代わるものがあるようでしたら、教えて頂きたく、お願い致します。

最初の質問から、通して読ませて頂きました。長くなりますが、ご容赦下さい。
そもそも、ラジオ波の治療が、試験的な治療であること、これはご自身で認識、理解することが必要です。また、乳癌は局所の治療も大事ですが、全身の治療も大事であるという点も理解しましょう。ラジオ波に関しては、学会でも警鐘を鳴らしています。病変の性格を十分に評価しないまま、局所の治療だけで終わらせようとするので、結局、局所にも全身にも悪影響が出ます。確かに、乳房にメスを入れないで治療が出来るのは夢の治療ですし、私もラジオ波の普及は臨んでいますが、現在まで、ラジオ波の適応、長期的な成績、合併症など、十分に検証されていません。ラジオ波で十分な症例はあるのだと思われますが、その検討がなされていないのが現状です。「DCISにはラジオ波は適応ないのでしょうか?」とのことでしたが、DCIS、浸潤癌含めて、ラジオ波そのものが確実で安全な治療ではありません。
次いで、最初のマンモトームで非浸潤癌(DCIS)とのことですが、腫瘍全体がDCISではなく、一部に浸潤癌が含まれていたと思われます。病変の広がり、病変全体の性格の評価も不十分なまま、病変全体をDCISと判断し、ラジオ波で治療したこととなります。従って、DCISの遺残か、当初から存在した浸潤癌が今となり発症してきたと思われます。先の回答にも書かれていましたが、「皮膚の浮腫?!」は、炎症性乳癌のタイプで発症してきたものでしょうか?だとしたら、手術ではなくて全身の化学療法を選択すべきです。
次の治療に関してですが、ハーセプチンとFEC75の併用は行うべきではありません。海外ではファルモルビシン(エピルビシン—その頭文字でE)や、ドキソルビシン(アドリアマイシン—その頭文字でA)などのアンスラサイクリン系の薬剤とハーセプチンの治療成績は出されていますが、国内では心毒性の問題から、アンスラサイクリン系薬剤とハーセプチンの併用療法は行うべきではないとしています。行うとしたら、臨床研究として、患者さんから同意書を頂いて行うべきです。エンドキサンの二次発癌の危惧をされていますが・・その前に、ハーセプチンとFEC75の併用について考慮すべきだと思われます。FEC75に代わるもの・・ということですが、ナベルビン、ゼローダ、TS-1、ゲムシタビンなどとハーセプチンを併用するのが通常ですが、現在の病状、今後の治療方針などがわかりませんので、詳しくは書きません。
今までのご自身の標準的な治療法は、最初に部分切除+センチネルリンパ節生検、もしくは、全摘+センチネルリンパ節生検を行い、病変の性格を評価し、再発リスクの高い病変であれば、化学療法を行い、続いて、部分切除や、腋窩リンパ節転移の多い症例では放射線治療を追加し、必要により内分泌療法を行う、というのが標準的な治療です。今までの治療、これから行うとされている治療が、不確実で安全でない治療法ばかりであることが残念な気がします。行われた治療を変えることはできませんが、今後の治療を軌道修正することは可能です。ご自身の身体ですから、ご自身で良く考え、周りともよく相談し、治療法を決めて頂ければと思います。必要あれば、他の施設で意見を聞くのも必要です。「DCISはラジオ波が効かない?」、「そんなことは無い」との会話も、憤りを覚えます。厳しいことを書きましたが、お許し下さい。
われわれの思いは、乳癌で悩む方を一人でも多く助けること、これは神奈川だけではなく、乳腺外科をライフワークとしている者、皆の強い思いです。不確実で安全でない治療法が、あなたの不利益に繋がらないように願っています。長文になり申し訳ありませんでした。(文責 鈴木)

 

No.10106】  11年03月03日  Y.T.
この治療法でいいのでしょうか?

初めてご相談させていただきます。昨年乳がんの手術を行い、病理結果が、「2.4*1.7センチ リンパに二個転移あり グレード3で ハーツー強陽性  ホルモン70%陽性」でした。治療は、fec4回→タキソール12回と同時に、ハーセプチン1年とホルモン療法の予定です。
1) ホルモンの値が高いので抗癌剤が効かないのでは? 
2) またグレード3で、リンパに転移しているし、わたしの場合、再発率がどれくらいあるのか心配です。

お忙しいところ申し訳ないですが、よろしくお願いします。

1) 重要なのは、抗癌剤を使うべきかどうかですが、ホルモン受容体陽性でも、抗癌剤を使用した場合としない場合では、明らかに再発率に差があります。
2) 予定の治療を行えば、10年の再発率は、25%程度と思われます。(文責 徳田)

 

No.10105】  11年03月03日  K.T. 
今後の治療について(HPNo.9899-4)

9899、9918、10090で相談させて頂きました。迅速な回答をありがとうございました。先週、CTの結果を聞きに行ってまいりました。結果としては、鎖骨上リンパ節は画像上は消えたとのこと。肝臓は新たながんは発現していないが、去年10月にみつかったものは、うすかったものは濃くなってきており、さらに、15ミリ×24ミリだったものが23ミリ×27ミリに、まるく大きくなっているとのこと。もうひとつ10ミリくらいのものも、少し大きくなっていているようです。今後の治療としては、新しいがんが出てきていないので、タキソールが全く効いていないわけではないので、少しこのまま続けてみる。もしくはアブラキサンはどうか?とのことでした。アブラキサンについては副作用が弱まるので量を増やせれば、もっと効くのではないかとの主治医の考え。その他の抗がん剤については、切れ味があまりよくないとのことで勧められませんでした。この時は、母も私も治療法をはっきりとしたものをきめられず、この日は今まで通りタキソールを点滴して帰りました。しかし、疑問が残ってしまい、相談させて下さい。

1) 今、肝臓にあるがんは着実に大きくなっているのに、このままタキソールを続けることは意味のあることなのでしょうか? 主治医の言うように、タキソールは効いているのでしょうか?
2) 母のようにタキソールを使用して、がんが大きくなってしまったものでも、アブラキサンは効くのでしょうか? 同じ薬なのであれば、量を増やしても、耐性ができてしまい効かないのでは?と思うのですが・・・。
3) アブラキサンを使用している患者さんが、今のところ主治医の担当にはいないそうです。母のようにタキソールを使用して、アブラキサンに変えた例の効き目など、効き目は個々に違うと思いますが、教えて頂けたらと思います。
4) アブラキサンの副作用は、タキソールとほぼ同じと考えていいのですか?
5) タキソールを続けて、また急激に転移が進んでしまうのではないかと心配になります。私個人の考えでは、抗がん剤を他のものに早めに変えたいと思うのですが、先生の考えを聞かせてください。

今回もまとまりなくすみません。よろしくお願いします。

1)厳密には、タキソールを開始して一番小さくなったときに比較して、肝臓の転移巣の長径の総計が20%以上大きくなっているのであれば、無効と考えます。
2)〜5) アブラキサンは、タキソールが無効であった症例でも腫瘍に薬剤が届きやすいので、効果が見られる場合があります。しかし、一般的には、タキソール以外の使用していない薬剤があるのであれば、そちらを選択すべきです。(文責 徳田)

 

No.10104】  11年03月01日  T
乳がん粘液瘤手術について

初めてメールを送らせて頂きます。私は福岡市在住です。妻の事ですが、1月から2月にかけて乳がんの検査をしたところ、粘液瘤と診断され、しこりの全摘出手術をすることとなりました。手術では、しこりの周り1cmを含めて摘出するとのことですが、私共では手術が適切な処置なのか、それとも他に方法はないものかと悩んでおります。もしそちらでアドバイスできることがあれば、何でも結構ですので教えて頂ければ幸いと存じます。宜しくお願い致します。

正直この文面だけから、摘出生検が適当なのか他の選択師があるかを判断するのは難しいです。疑問があるのであれば、主治医に説明を求めていただき、紹介状をもらって他の医師のセカンドオピニオンを受けていただくのがよいのではないかと思います。(文責 俵矢)

 

No.10103】  11年03月01日  マミ
脳転移

この度は大変お世話になりますが、どうぞ宜しくお願いいたします。
現在50歳です。乳癌左全摘手術後2年半から腫瘍マーカーが上昇し、上昇から9ヶ月経った今も(CEA、10.1)(CA15-3 217.1)(NCC-ST439 9.0)上昇中です。上昇期間中、ペットCT検査を2回と、脳のMRIも行いましたが、特に異常がないため、継続してホルモン治療をしております。ペット検査では発見出来ない微小転移があると聞きました。進行が遅い癌なのでしょうか? はっきり画像に現れてからでも治療は遅くないと言われております。最近平衡感覚がおかしく、ぶつかったり転んだりします。その他に記憶障害も出てきて、視力低下や、物がぼけて見えたりします。脳転移ではないかと、日に日に不安が増しております。来月2回目のMRIを撮る予定ですが、4ヶ月前に撮った時には異常がありませんでした。4ヶ月位で進行するものなのでしょうか? 微小転移でもMRIで発見出来ますか? 脳に転移した場合は一般的にどのような治療があるのでしょうか? 脳転移した場合の予後はどの位でしょうか? 不安ですが、今後の治療を乗り切るために、ご意見をお聞かせ願います。

確かにCA15-3の値が高く、どこかに病変がないかは慎重に見極める必要があると思います。脳の中の病変は造影MRIがよいと思いますが、それと同時に平衡感覚や視力などに症状があるのであれば、神経内科や脳神経外科など、神経症状をみてくれる先生にもみてもらって、今の症状がどの辺りの病変と関係があるのかを診察してもらったほうがよいと思います。脳転移があり、その神経症状と関連がありそうならば、定位脳照射などの放射線治療や、場合によっては手術なども治療の選択肢になってくると思います。(文責 俵矢)

 

No.10102】  11年03月01日  A
左胸のしこり

小学2年生の女の子ですが、左の胸にしこりがあるようです。大丈夫でしょうか。うちの子は成長は普通より遅いほうだと思うのですが、身長もクラスで低いほうです。 病院に行ったほうがいいのでしょうか。

10歳前後で乳腺のもとがふくらみ始めることはよくあります。よっぼど大きいとかでない限り大丈夫だと思いますが、気になるならば、診てもらってはいかがでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.10101】  11年03月01日  H.M. 
胸のしこり

中2になるのですが、1年半くらい前からしこりみたいな物ができていて、腫れてきています。どうすればいいでしょうか?

この年齢では乳がんでない良性のものの可能性のほうが高いと思います。乳腺の外来のある病院で診てもらいましょう。(文責 俵矢)

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