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相談室(No.8901〜9000)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

ご相談メールの投稿はこちらからお願いします。

なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

9000 09/06/26 あずさ 検査結果について 石山
8999 09/06/26 非浸潤性乳管癌の薬の服用について 石山
8998 09/06/26 Y 乳頭での再発 緒方
8997 09/06/26 T  ヒアルロン酸はホルモン治療に影響しないでしょうか?(No.8829-2) 緒方
8996 09/06/26 遅れても抗癌剤治療はした方がいいのでしょうか? 石山
8995-1
8995-2

8995-3
09/06/26
09/07/13
09/11/02
抗ガン剤をしておくべきですか?
ナボバンの服用について
今後の検査&治療について
石山
清水
首藤
8994 09/06/26 NCCST439の値について 石山
8993-1
8993-2
09/06/23
09/06/29
B 肝転移の治療方針
肝転移の治療方針(2)
河原
石山
8992 09/06/23 K  パジェット病? 河原
8991-1
8991-2
09/06/23
10/04/10
T-Ka ダイエットプログラム
ホルモン療法について
矢吹
石川
8990 09/06/23 Y.H. 術後3ヶ月、患側の胸の小豆大のしこりについて 矢吹
8989 09/06/23 Y 乳頭温存への不安感があります 石川
8988 09/06/23 Keiji 追加切除の必要は? 石川
8987 09/06/23 K.I. 前胸部の痛みについて 石川
8986-1
8986-2
09/06/22
10/02/10
M 再々発の場合
抗がん剤治療のポートについて
石川
清水
8985 09/06/22 F   非浸潤乳がんと告知されました 石川
8984 09/06/22 Y.W. 子宮、卵巣全摘ということですが・・・ 石川
8983 09/06/20 K.N. FEC6クールというのは妥当でしょうか? 川本
8982 09/06/20 N ホルモン療法について 川本
8981 09/06/20 S.T. 充実腺管癌(HPNo.8949-3) 石川
8980 09/06/20 A.Y.  リンパ郭清について 石川
8979 09/06/20 Y.E. マンモとエコーの違いについて 石川
8978 09/06/20 Y  石灰化について教えて下さい 石川
8977 09/06/20 M.T.  母乳の残り→癌 石川
8976 09/06/20 A・S 左腋にしこりがあります 石川
8975 09/06/20 Y 手術→化学療法では無理でしょうか? 石川
8974 09/06/20 K.H. FUS集束超音波治療 石川
8973 09/06/20 F.K. エコー検査、マンモグラフィーでしこりが見つかる事はよくあることなのでしょうか? 石川
8972 09/06/16 M.T.  HER2とハーセプチンについて 吉田
8971 09/06/16 Y 病理の結果について 吉田
8970 09/06/16 S.T.  充実腺癌と判明しました(HPNo.8949-2) 吉田
8969 09/06/16 Y.T.  のう胞について 吉田
8968 09/06/15 K,S  放射線治療後の症状について(HPNo.8719-2) 吉田
8967 09/06/15 N子 断乳後の分泌物について 吉田
8966-1
8966-2
09/06/15
10/08/18
K.Y 肺転移でしょうか?
肺転移
吉田
石山
8965 09/06/15 T.W.  マンモトーム後の血腫について 吉田
8964 09/06/15 A・I ハーセプチンの副作用について 吉田
8963 09/06/15 N  胸のしこりについて 吉田
8962 09/06/15 A トリプルネガティブ 吉田
8961 09/06/15 Y 粘液瘤様腫瘍の術後経過 吉田
8960 09/06/14 OT 左肩の腫れ物について 吉田
8959 09/06/14 術後の病理結果について 吉田
8958 09/06/14 F  乳癌(前癌病変について) 吉田
8957 09/06/14 T.K  手術後の治療 吉田
8956 09/06/14 ママ タスオミン 吉田
8955-1
8955-2
09/06/14
10/11/01
Y.H.  術後3ヶ月、患側の胸に見つけた小豆大のしこりについて
再発率とゾラディックス
吉田
俵矢
8954 09/06/14 Y  乳腺線維腺腫について(HPNo.8917-2) 吉田
8953 09/06/14 術後の痛みについて(HPNo.8696-2) 吉田
8952 09/06/12 Y  症状について教えて下さい 吉田
8951 09/06/12 I  腫瘍マーカーについて 吉田
8950 09/06/02 S シリコンを入れている場合の乳癌検診について 浜口
8949-1
8949-2

8949-3
8949-4
8949-5
8949-6
09/06/02
09/06/16
09/06/20
09/07/13
09/12/04
10/05/24
S.T.  良性、悪性の判断について
充実腺癌と判明しました
充実腺管癌
トリプルネガテイブの今後の治療について
FEC治療中での再発について
今後の治療について
浜口
吉田
石川
清水
徳田
斎藤
8948 09/06/02 SS 術後療法について 浜口
8947 09/06/02 M.M. 本当に乳腺症の症状なのでしょうか? 浜口
8946 09/05/31 G 針生検検査後について(HPNo.8886-2)  浜口
8945 09/05/31 H 途中で治療を止められるのでしょうか? 浜口
8944 09/05/31 M.F. 微小浸潤(2)(HPNo.8942-2) 浜口
8943 09/05/29 C.T.  手術した乳房乳首の近くに癌の疑い 浜口
8942-1
8942-2
09/05/27
09/05/31
M.F 微小浸潤
微小浸潤(2)
浜口
浜口
8941-1
8941-2

8941-3
09/05/27
09/10/23
09/12/10
M ホルモン療法について
EFC療法
今後の治療について
浜口
鈴木
浜口
8940 09/05/27 C.T.  軽度の異型乳管とは? 浜口
8939 09/05/27 M.S. 乳頭異常分泌について 浜口
8938 09/05/27 N.K.  ホルモン治療がきいていないのか不安です 浜口
8937 09/05/26 N  全摘+同時再建(人工乳房) 徳田
8936 09/05/26 A  腋の下の痒みについて 徳田
8935 09/05/26 Y.M.  皮膚転移について 徳田
8934 09/05/24 N  術後療法について 徳田
8933 09/05/24 K  どんな結果を信じればいいですか?(HPNo.8879-2) 徳田
8932 09/05/23 A 細胞診後のMRI検査について 徳田
8931 09/05/23 ぴろ 胸のしこりについて(3)(HPNo.8895-3) 徳田
8930 09/05/22 A  組織診の結果について(2)(HPNo.8743-2) 徳田
8929 09/05/22 T.M.  のう胞があります 徳田
8928 09/05/22 F  術後の放射線治療とホルモン治療併用について 徳田
8927 09/05/22 M 抗癌剤治療後の足のむくみについて 徳田
8926 09/05/20 S CEAの値について 俵矢
8925 09/05/20 K.H. ホルモン治療と生理について 俵矢
8924 09/05/19 YK 超音波機械の精度について 俵矢
8923 09/05/19 E、R 細胞診の結果について 俵矢
8922 09/05/19 H.I. 悪性の可能性が強いということなのでしょうか? 俵矢
8921 09/05/19 Y.T. 抜歯をしても大丈夫でしょうか? 俵矢
8920 09/05/19 s.k. ホルモン療法 俵矢
8919 09/05/19 A 皮下乳腺全摘後の検査について 俵矢
8918 09/05/19 U リューブリンの投与について(2)(HPNo.8913-2) 俵矢
8917-1
8917-2
09/05/15
09/06/14
Y 乳腺線維腺腫について
乳腺線維腺腫について(2)
俵矢
吉田
8916 09/05/15 S ハーセプチンの投与について(HPNo.6686-6) 俵矢
8915 09/05/15 S.O. アリミデックスの副作用について(HPNo.8517-3) 俵矢
8914 09/05/14 M.H のう胞とは、乳がんではないのでしょうか? 俵矢
8913-1
8913-2
09/05/14
09/05/19
U リュープリンの投与について
リューブリンの投与について(2)
俵矢
俵矢
8912 09/05/14 K 乳がん? 俵矢
8911 09/05/14 ぴろ 胸のしこりについて(HPNo.8895-2) 俵矢
8910 09/05/13 H.T.  センチネルリンパ節生検について(HPNo.8885-2)
8909 09/05/13 R.I.  ホルモン剤について
8908 09/05/13 A.M.  手術まで時間がかかり、不安です
8907-1
8907-2

8907-3
09/05/11
09/07/26
11/05/02
K.Y. アリミデックス服用中の出血
ゾラデックスでの治療について
今後の治療について

首藤
久保内
8906-1
8906-2
09/05/11
09/08/12
T.M 転移の可能性
乳癌転移後の化学療法について

加藤
8905 09/05/11 K  ホルモン療法の薬剤選択について
8904 09/05/11 ママ CEF4クールのみとタキサン追加の場合
8903 09/05/11 Y.K 乳癌の診断がつく前のCT検査について
8902 09/05/10 H.S.  無治療だと不安です
8901 09/05/10 Y.Y 脱毛について

 

No.9000】  09年06月26日   あずさ
検査結果について

左乳房に腫瘍があることがわかり、5年ぐらい前から半年に1回定期検診を受けています。6月1日に半年目の検診に行った際、エコーのみでしたが、1.2センチもあることがわかりました。「大丈夫ですか?」と先生に尋ねると,大丈夫との返事。マンモは昨年の11月にエコーとあわせてとっているのですが、そのときも「大丈夫です」とのことでした。医師は2名いて、11月は女医さんで、6月は院長先生でした。今回はエコーだけでしたが、本当に大丈夫なのか、少し不安を抱えております。というのも、たまたまカルテが見えて、大きさが書かれてあったので、はじめて大きさを知りました。昨年の11月も1.2センチでした。その前の6月は0.7ミリとのこと。大きくなっていることに驚き、本当に不安いっぱいでしたが、先生は、形や大きくなるスピードなどから、針をさす検査までは必要ないとのことでした。セカンドオピニオンで他の病院を受診した方がいいのか、マンモを半年目にとっても、被爆量などの心配はないのか教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

マンモグラフィー精度管理中央委員会の基準を満たすマンモグラフィー装置であれば被爆量は心配ないと思います。やはり細胞診は一度される事をお勧めします。(文責 石山)

 

No.8999】  09年06月26日   N
非浸潤性乳管癌の薬の服用について

初めての相談です。よろしくお願いします。H.18.6に乳頭からの出血で病院へ行き、乳管内乳頭腫の可能性があり、その後H .18.9に切除手術を受け、検査をしていただいた結果、非浸潤性乳管癌の診断をうけました。H.18.9から放射線治療を受け、ノルバデックスを飲み始めました。H.21.6現在まで2年9ヶ月服用中です。むくみや足がつる、のぼせ、手の動きが依然と違うなどの症状はありましたが、我慢できる範囲だと思い、初めに言われた5年間を飲み続けようと思っていました。しかし、この1年の間に、日常生活に困るほどではないのですが、左手だけ、ピアノをひく際、変に力が入り、手がこわばったようになり弾きにくく困るようになりました。何とか練習を工夫したりしながらやっていましたが、職業で毎日弾くので、不安になり、6月の診察の際、先生に薬の副作用の可能性があるのか相談したところ、薬の副作用だろうとの事、薬を続けるかどうかは自分で決めるようにと言われました。(あなたの場合、薬をのまなくても100人中95人は再発しない計算なので、それをどのように考えるか・・・、もう3年近くも飲んでいるので、もう少し数字はさがることなども言われました。) その2日後、手のことは、この1年悩んでいたので、薬をやめるという方向で考えていると先生にお伝えしたところ、再発の心配もあるので飲んでもらいたいと言われました。再発も心配だし、健側の予防の面からも飲み続けるほうを選ぶか、自分の職業も考え、ここまで飲んできたことをよしとして薬をやめるか、とても悩んでおります。どのように考えたらよいのか、先生のお考えをお聞かせ願えないでしょうか?よろしくお願いします。H.18.9の検査の結果は以下の通りです。
材料 +ER/PgR 左 ブロック数4
Noninvasive ductal carcinoma left breastexcised
3×2o noninvasive intracystic carcinoma pTis.ER1+ PgR2+ Hercep score 0 pHER2 0 EGFR1+ Topolla 2.8% Ki-67 5.7%
左乳房部分切除(3×2×0.7p大)では3×2o大の嚢胞が見られ内部に3o大の結節性病変が認められる。結節内の一部では大型異型核を持つ乳管上皮細胞が密に増生し極性を伴う腺管形成が散見される。免疫組織化学的にα平滑筋アクチン、カルポニン陽性筋上皮細胞との二面性が消失している。嚢胞外への浸潤は認められない。非浸潤性乳管癌の像である。結節内には乳頭腫の像も認められる。嚢胞周囲の乳管上皮に癌の進展は認められない。切除断端に腫瘍の露出はない。

年齢の記載がなく適応があるか分かりませんが、その他の周囲のホルモン剤は試されても良いと思いますが・・・。当院であれば、再発リスクは低いので、やめることが多いと思います。(文責 石山)

 

No.8998】  09年06月26日   Y  
乳頭での再発

よろしくお願いします。今年4月、乳がんの告知を受け、5月に内視鏡下で皮下乳腺全摘手術をうけ、病理結果待ちです(再建も考えています)。現在44歳、閉経前です。癌は、非浸潤癌が主体で、乳房の上半分から乳頭まで広がっており、一部に乳頭腺管癌があるそうです。術前のMRI検査の結果では、乳頭のかなりそばまで癌があるように見え、乳頭は残せないか、残しても壊死する可能性ありとのことで、自分としては乳頭はあきらめていました。術後、乳頭は残せており、術中の検査で、摘出したものの端には癌はなかったと聞きましたが、病理検査結果次第では、追加で切除するかもとのことでした。乳頭内のくり抜きやレーザーでの処理はしなかったそうです。質問したいのは以下のことです。

1) 乳頭を残すことに、私は不安を感じています。もしも乳頭に癌が残っていたり、再発したりした場合、リンパや血管を通じて、他の臓器に転移する可能性はあるのでしょうか? 癌が発覚した時点で、切除しただけで済むのでしょうか? 一応、今後2年間は3月毎に検査を受ける予定です。
2) 一般的には、乳頭温存は腫瘍乳頭間距離がどのくらいあれば、安心して行えますか?

1) 温存術と考え方は、基本的に同じです。局所再発が予後(再発して亡くなる)とは関係しないと考えます。ただし、非浸潤癌で温存術をした後に、浸潤癌の形で局所再発することがあり、全身療法をその時点で考慮することがあります。基本的には、「乳頭を残して後から再発したら切除する」ことは、「最初から切除する」ことと変わりはないと考えてよいです。
2) 病院や医師によって見解は異なります。最も一般的な考え方は、術中に迅速病理で癌の露出がないことを確認し、放射線治療を行うことが最も乳頭の再発を抑える確率が高くなるということです。Yさんの場合、乳腺は全摘されているので、放射線治療は行わないのが通常です。きちんと術中に確認しているので、放射線治療なしで経過観
察で十分です。(文責 緒方)

 

No.8997】  09年06月26日   T 
ヒアルロン酸はホルモン治療に影響しないでしょうか?(No.8829-2

先日は、アリミデックスの副作用についてご回答有難うございました。2年以上たっての発現もあるそうで、激痛でもないため様子をみようと思います。念の為、手指・ひじの痛みは、かかりつけの内科でリウマチ因子を血液検査で調べてもらった結果は陰性でした。ひざの痛みは今後悪化しても困ると思い、整形外科を訪ねましたところ、レントゲンでは特に異常はなく、「年齢(60)からして女性に多い老化でしょう」ということで、シップと痛み止めを2週間分処方されました。効果がなかったので、ひざに直接ヒアルロン酸を注射、痛み止めは継続ということになりました。今後、ヒアルロン酸注射は週に1度の間隔で計5回するとの事で、2回終りました。整形の医師は、「アリミデックスには影響ありません」と言われましたが、間違いないでしょうか? リハビリ中心の治療が希望だったのですが、ご教示いただければ有難いです。因みに、ヒアルロン酸等色々な健康食品をよくみかけますが、このような、副作用かもしれないあちこちの関節痛にも積極的に取り入れても大丈夫でしょうか?

大丈夫です。影響ありません。健康食品に関しては、自薦他薦、混交玉石ですので、基本的には自己責任(少し表現が古いですね)でお使い下さい。(文責 緒方)

 

No.8996】  09年06月26日   P 
遅れても抗癌剤治療はした方がいいのでしょうか?

平成19年8月、37才の時に左胸全摘。浸潤部分が8カ所ある広範な非浸潤癌でした。一番大きい浸潤部分が1.4cmの為ステージ1。リンパ節転移なし。悪性度は低い。タスオミンとリュープリンSRで治療して現在に至ります。主治医から抗癌剤の勧めもありましたが、リンパ節まで転移してないためホルモン治療を選びました。しかし、年齢が若かった事もあり、抗癌剤をしっかりやった方がよかったのではないかと未だ気になります。遅れても抗癌剤治療はした方がいいのでしょうか。ご指導お願いします。

2年近くたってからの抗がん剤による補助療法はデータがないので、やったほうが良いかどうか十分な証拠はありません。(文責 石山)

 

No.8995-1】  09年06月26日   A
抗ガン剤をしておくべきですか?

妻のことですが、5年前に乳ガンの手術をしました。そのときは非浸潤性の乳管ガンということで、術後の化学療法など何も必要ないと言うことでした。このときは乳房温存手術をしました。今回同じ乳房にガンができ、多発するタイプということで全摘出(平成21年6月2日)をしました。手術の結果、ガンは、8ミリと4ミリが各1個あり、どちらも非浸潤性の嚢胞内癌でした。しかしながら、センチネルリンパ節3個が陽性でした。腋のおくのリンパ節もとり、その他のリンパ節への転移はありませんでした。後は下記の説明を受けました。

・ホルモンレセプター 陽性 ・HERU 2+で中間 (3+のとき陽性と言う)
・6月15日に腫瘍マーカーを別の医院で受けました。結果は、CEA→0.9  CA15-3→5

主治医からは、ホルモン療法か抗ガン剤+ホルモン療法のどちらかを言われています。やはり抗ガン剤はやったほうがよいでしょうか。よろしくお願いします。妻の年齢は48歳です。また、ERおよび/またはPqR陽性となっております。

リンパ節3個陽性という意味が転移があったということなら抗がん剤をお勧めします。(文責 石山)

 

No.8995-2】  09年07月13日   A
ナボバンの服用について

先日はご丁寧に、ご返答をいただきましてありがとうございました。7月10日に抗ガン剤治療の第1回目を行いました。EC療法です。10:00頃から点滴し、その後何もなかったのですが、19:00にナボバンを服用し、9時半と10時半に嘔吐しました。すぐに病院の当直に電話しましたところ、すぐに診ますと言っていただいたのですが、1時間以上距離があるので、様子を見ているところです。2時間おきに、嘔吐があるようです。体温は36.9度です。調べてみると、ナボバンは、抗ガン剤を点滴した日のみ使用する薬であると書いていました。治療を受けている病院では、ナボバンを4日分処方されました。これは、服用しても大丈夫ですか?

ナボバンは抗がん剤投与前に投与すると有効な吐き気止めです。投与後の吐き気にも効く事を期待して投与されたのだと思いますが、通常はあまり効果ありません。まして内服して吐いているようであれば中止した方が良いと思います。最近は吐き気止めのガイドラインに従った治療をしていればEC療法で吐く人は少なくなっているように思いますが、デカドロン等のステロイド剤は内服されていらっしゃるでしょうか?(文責 清水)

 

No.8995-3】  09年11月02日   A
今後の検査&治療について

ご無沙汰しております。いつも的確に教えていただきまして、ありがとうございます。
現在、抗ガン剤治療を終え(EC4クール)、ホルモン療法を行っております。ホルモン療法は、4週に一度ゾラデックスを注射して、平行してノルバデックスを服用しております。腫瘍マーカーなどは別の開業医さんでお願いしており、値は安定しております。(9月28日に採血をして、CEA→0.6 CA15-3→5.4 でした。6月15日の採血では、CEA→0.9 CA15-3→5.1でした。)
主治医からは、腫瘍マーカーをはじめ、その他の検査は何も受けておりません。反対側の乳房に、しこり状のものを感じたので、それに対するエコーを部分的にしたのみです。現在、どのような検査を、どのような間隔でしておくべきでしょうか。特に検査をする必要は無いのでしょうか。

専門学会のガイドラインからは、術後経過観察においては特に症状がなければCT検査や骨シンチによる定期的検索は必ずしも必要ではないとされています。定期的腫瘍マーカー検査も同様です。再発の場合は別です。(文責 首藤)

 

No.8994】  09年06月26日   G
NCCST439の値について

友人が心配です。2005年に乳がんの手術を受け(右リンパ節も切りました)、抗がん剤治療と放射線治療を受け、その後定期的に診察を受けています。今年5月の血液検査の結果を見せてくれました。NCCST439の値が高く、術前は16、07年7月に9.5、07年12月に14、08年6月に10、08年12月に8.3、そして今回8.0です。値が14あったときは、とてもだるかったそうです。あと、今回、CHEが186、Feが68で低く、クレアチニンはずっと低く今回0.43でした(今回のしか資料がありません)。ちゃんと治っているのか、再発してないのか心配です。アドバイスをお願いします。

血液検査で再発は診断できません。診断のきっかけでしかありません。心配なら画像診断が必要です。(文責 石山)

 

No.8993-1】  09年06月23日   B 
肝転移の治療方針

今年の3月から、乳癌肝転移の治療としてFECを行っている者(44才、女)です。今後の治療方針についてアドバイスをお願い致します。
経緯
06/8月 右乳房の乳癌と診断、明らかな転移はなし
06/9月 術前化学療法開始 EC×4→T(タキソテール)×4
07/3月 右乳房全切除手術、リンパ節郭清(レベルT・U) 7×6cm、リンパ節転移3/10、ステージVa、V(-)、ly(+)、断端陽性、ER+、PgR+、HER2 1+ 、リュープリン注射とタスオミン服用開始
07/4月 放射線照射 2Gy×25回
09/3月 半年毎の定期検査にて、CEA=86かつCTで肝臓に黒い影3ケ所ほど → 肝臓への転移と診断、FEC開始
09/6月 骨髄抑制が強いため、2クール目から25%減量・3週毎の予定を4週毎に変更し、3クールまで終了。

医師からは、今週に予定しているFEC終了後、検査を行い、結果を見てホルモン剤か他の薬剤かを判断すると言われています。以下の点について、ご意見、一般論等をご教示頂ければ幸いです。

1) 現在までEの投与量は約550mg/m2です。Eの推奨総投与量900mg/m2からすると、さらに4回の投与が可能ですが、予定は全8回(術前4回+現行4回、即ちあと1回)です。Eの許容量限界まで投与することは推奨されないのでしょうか(体調は良好です)。
2) 検査結果がPR、SDの場合、医師からはホルモン剤への切り替えを提示されると思いますが、体力に問題のない間は化学療法を継続するという選択肢は考えられないでしょうか。

1) 再発治療の目的をどこに置くかという問題が絡んできます。腫瘍を消し去ってしまいたいと思うのが本当のところですが、一般的には「体調を保ちながら、大きくしない」ことに目標が置かれます。なので、エピルビシンで腫瘍がコントロールされるならば、限度量まで使うのも一法でしょう。しかし、コントロールがついていないのに、漫然と限度量まで使用することには意味がありません。
2) 検査結果がPR、SDの場合、ポイントは「生命の危機」があるかどうかということです。効果があっても、まだ「生命の危機」があると判断されれば、化学療法の継続、 「生命の危機」はないだろうと判断されればホルモン療法ということになるかと思います。より強力な方法で腫瘍を消し去りたいというのが人情ですが、相手はなかなかに手ごわいのです。消えたようでいても、また現れたりすることがあります。そういうしつこい相手に対して、負担の大きい抗癌剤治療を矢継ぎ早に行うことはありません。強力な化学療法は相手が勢いづいたときの「持ち札」として温存しておくという考え方も必要です。体力に問題がなくても、せっかくの「持ち札」をいたずらに費やすことは得策ではないと思います。(文責 河原)

 

No.8993-2】  09年06月29日   B 
肝転移の治療方針(2)

No.8993で相談いたしましたB です。お忙しいところ非常に丁寧なご回答を頂き、誠にありがとうございます。転移ガンについて、病勢がコントロールできていれば(=進行していなければ)、化学療法は休止したほうがよい、と理解しましたが、素人としては、化学療法が効いているから病勢が抑えられている、と考えてしまいます。進行がどの程度の期間抑えられていれば化学療法を休止する、という目安がありましたら、ご教示頂きたく、お願い致します。

使える抗がん剤の種類にもよりますが、副作用の強いものでは半年くらいしか投与できないものもあり、2年くらいは投与可能なものもあります。ホルモン剤のように、副作用がなければ一生飲める可能性があるものとは異なります。評価をするのに2,3ヶ月間隔で行うことが多いので、半年進行がなければ休薬する場合があると思います。(文責 石山)

 

No.8992】  09年06月23日   K
パジェット病?

左の乳頭から分泌物が出始めて約1年たちます。当初は下着と擦れて炎症を起こしていると思っていたのですが、あまりにも治りが遅いので乳腺外来で診察を受けたところ、パジェット病の疑いがあるとの事でした。超音波、マンモグラフィー、CT、血液検査では異状無しですが、細胞診でレベルW、生検でも悪性と言われました。乳頭を中心に切り取る温存手術になるとも言われました。家に帰っていろんなホームページ等で調べましたが、パジェット病に関して、術前、術後の情報があまりにも少ないので判断しかねています。病状の範囲も、切ってみないと分からないようなことを言われています。パジェット病は乳がんですか? 皮膚がんではないのですか? 他にもいろいろ思い悩んでいます。よろしくお願いいたします。

パジェット病は乳癌の一種です。肺や骨などの離れた臓器には転移しません。治療はしっかりと切除することが大切です。乳管の壁、乳頭・乳輪の皮膚表面に沿ってひろがりますので、しこりは作りません。そのことが、術前のCTやMRIでも、病気の広がり具合の把握を難しくしています。きちんと切除されれば、その後の経過は良い乳癌です。(文責 河原)

 

No.8991-1】  09年06月23日   T-Ka
ダイエットプログラム

術後3年が経ち、スポーツクラブでダイエットプログラム(運動+エステ)に参加しようとしましたが…。エステのエンダモロジー(医療機器メーカー開発)は体内に癌細胞が残っていた場合、進行を早める可能性があるので勧められないと言われ驚きました。また通常エステで使用する低周波や高周波についても、問題が無いか医師に確認して下さい!と…。そんな事にまで影響があるのでしょうか? 現在46歳、左胸温存手術、ER+、PGR+、HER2−、リンパ転移1個、腫瘍2cm。 FEC、放射線、ゾラデックス終了、現在はノルバデックスのみです。次回診察迄かなり期間があり、ご教授頂ければ幸いです。 

T-Kaさん、お返事が遅れ申し訳ありません。最近、米国を中心とした研究では、大腸癌や乳癌の術後の患者さんで、毎週平均3時間以上(文献によっては5時間以上とする物もあります!)の”運動療法”を行っているグループの方が、生存率が高い傾向にある、と言う報告が次々発表されているようです。また、低周波や高周波が癌細胞を”優意に”活性化する、と言う科学的根拠はありません。(万一あったりしたら、整形外科や接骨医院で使用している理学療法機器自体が使用が危ない、と言う事になってしまいますが、医療の現場としては、そのような理解は一般的ではありません。)また、エステのエンダモロジー(医療機器メーカー開発)については、当方も良く分からないのですが、エステの担当者の方(?)がその様におっしゃるからには、何か科学的根拠となる論文などがあるのでしょうか…?それでしたら、逆に、医師としては、一度そのような知見について、研究発表されている文献があれば、是非ともお教えいただきたいと思います。(多分、ないと思いますが…?) ちなみに、私の患者さんの1人は、エステやダイエットプログラムにはどんどん積極的に参加されていらっしゃいますよ。以上ですが、ご参考になったでしょうか。恐らくダイエットプログラムへの参加は問題ないと思いますが、貴女の担当医にも、どうぞこの事をご相談になってみて下さい。(文責 矢吹)

 

No.8991-2】  10年04月10日   T-Ka
ホルモン療法について

前回(8991)は、親身なご回答有難うございました。今回は、ホルモン療法について質問させて下さい。リンパ転移が有り、ミクロパピラティタイプの為、再発リスクが高いと説明を受けていますが、現在(来月で術後4年)再発兆候はありません。ホルモン療法が良く効くタイプなので、ノルバデックス5年の後、アリミデックス5年を追加し、10年計画でがんばりましょう!と言われていましたが、今月生理が再開しました。化学療法で閉経すると予想していましたが、再度ゾラデックスをした方がいいのでしょうか? 閉経しない場合、ノルバデックスを10年服用しても大丈夫なのでしょうか? 現在47才です。以上、よろしくお願いします。

化学療法で閉経するとは限りません。再度ゾラデックスをした方がいいと考えます。閉経しない場合でも、ノルバデックスを10年服用して大丈夫と思います。その場合、定期的な婦人科検診を受けてください。(文責 石川)

 

No.8990】  09年06月23日   Y.H. 
術後3ヶ月、患側の胸の小豆大のしこりについて

いつも読ませて頂いて、大変勉強になっています。ありがとうございます。ところで、術後3ヶ月で患側の胸に小豆大(5mm程度)のしこりを見つけました。そのしこりについてお尋ねします。そのしこりは固く、コロコロと動きます。癌があったところからは3cmほど離れた乳房の縁、脇にほど近いあばら骨の上にあります。術前からあったとは思えないのですが、
1) 癌の再発の可能性はあるでしょうか? それとも良性のものができるとか、温存術では縫い合わせたところが固まりになることもあるでしょうか? まだ術後3ヶ月ですし、放射線治療も最後まで受けることができ、ホルモン治療も受けられています。素人考えでは再発はないだろうと思っているのですが、しこりだしなぁ〜と首をかしげているのです。経過は、2月中旬癌判明、ステージUA。3月初旬に右乳癌の温存術を受けました。センチネルリンパ節生検でリンパ節転移なし。術後の病理検査は、充実腺管癌、ホルモン感受性+、グレード2、脈管浸潤少し有り、HER2−、とのことでした。術後治療は3月下旬より4月いっぱい放射線治療2グレイ×25回、50グレイ。現在はホルモン療法中でゾラディックス注射とタモキシフェンを飲んでいます。
2) 万一、再発の可能性があり、結果が再発であればですが、どのような治療が考えられるのでしょうか?
3) このような場合、先生には早く診ていただいた方がよろしいでしょうか? 次の診察は6月下旬の予定です。

お手数をおかけしますが、どうぞよろしくお願い申しあげます。

Y.H.さん、お返事が遅くなって大変申し訳ありませんでした。まず、文章からは、閉経前の患者さんのようなので、30〜40歳代の患者さんと考えてよろしいでしょうか?
温存術後の創部近くが、しばらくして、以前より硬く触れるようになる事はままあります。それは癌があった場所と少し離れていても硬くなる場合があります。手術では、乳房部分切除で切り取った範囲だけでなく、乳房が欠損した部分の整容を整えるために、周囲の乳腺や脂肪を移動して来るため、術後(放射線後)しばらくして、それらの組織が、様々な要因で”変化して”硬くなってしまう事もあります。ご心配されている悪性のものの場合は、徐々に大きくなったりするのではないでしょうか。いずれにせよ、1〜2ヶ月で急に大きくなるような事は極めて稀だと思います。次回6月末の受診で充分間に合いますので、診察時に担当医に打ち明けてみてください。(文責 矢吹)

 

No.8989】  09年06月23日   Y
乳頭温存への不安感があります

今年4月、乳がんの告知を受けました。5月に内視鏡下で皮下乳腺全摘手術をうけ、病理結果待ちです(再建も考えています)。現在44歳、閉経前です。癌は、非浸潤癌が主体で、乳房の上半分から乳頭まで広がっており、一部に乳頭腺管癌があるそうです。術前のMRI検査の結果では、乳頭のかなりそばまで癌があるように見え、乳頭は残せないか、残しても壊死する可能性ありとのことで、自分としては乳頭はあきらめていました。術後、乳頭は残せており、術中の検査で、摘出したものの端には癌はなかったと聞きましたが、病理検査結果次第では、追加で切除するかもとのことでした。乳頭内のくり抜きやレーザーでの処理はしなかったそうです。質問したいのは以下のことです。
1) 乳頭を残すことに私は不安を感じています。もしも乳頭に癌が残っていたり、再発したりした場合、リンパや血管を通じて、他の臓器に転移する可能性はあるのでしょうか? 癌が発覚した時点で、切除しただけで済むのでしょうか? 一応、今後2年間は3月毎に検査を受ける予定です。
2) 一般的には、乳頭温存は、腫瘍乳頭間距離がどのくらいあれば安心して行えますか?

1) 乳頭の癌遺残から、また再発の場合で、他臓器に転移する可能性はあり得ます。乳頭など局所の癌が発覚した時点で、再切除しただけで済む場合は多いと思います
2) 乳頭温存は、一般的には腫瘍乳頭間距離が3cm以上あることが望ましいとされています。(文責 石川)

 

No.8988】  09年06月23日   Keiji
追加切除の必要は?

よろしくお願いします。 
妻が浸潤性乳管癌・リンパ転移有と診断され、半年間の抗がん剤治療を行った結果、癌の大きさが約半分になり、5月14日に温存手術を受けました。その結果、断端面に癌が残っていました。追加切除せずに、放射線治療及びホルモン療法(フェマーラ)を6月11日から開始しました。担当医師から、「放射線治療とホルモン療法で十分で、追加切除の必要なし」と言われていますが、不安でしかたありません。
組織診検査の結果
診断名:Diag :Invasive ductal carcinoma
1. 断端:左側断端面にDCIS
2. 合併病変:Atypical ductal hyperplasia. DCIS
3. Extensive intradutal component
4. DCIS の組織型:Solid pettern, cribriform pattern. Invasive な部ではpapillotubular carcinoma.
5. 乳管内進展なし
6. Tumor size:11x5x10mm. f, llly3, v2. Tumor は中心部がinvasiveで周囲にDCISとともに、リンパ管侵襲像が広がっています。
7. N-SAS grade 2: Nuclear atypia, score 3+Mitortic count, score 1(0-1/10HPF). Modiffied Bloom-Richardson histologic grading, Grade II :Tubular formation, score 2+Nuflear size. Score 3+Mitotic count score 1
8. 免疫染色:ER+;Positive for ER in the nuclei of almost all invasive carcinoma.PgR-;Negative for PgR.HER2, score 2;Positive, moderately, for HER2 in the cytoplasmic membrane of almost all invasive carcinoma cells.

断端面に癌が残存なら、一般的には追加切除する施設が多いと思います。しかし、その範囲・程度により、放射線治療及びホルモン療法を選択する場合もあり得ると考えます。(文責 石川)

 

No.8987】  09年06月23日   K.I.
前胸部の痛みについて

術前化学療法後、昨年2月に左乳房温存術+リンパ節郭清を行いました。41歳です。 術後、放射線治療を行い、現在はゾラデックス+ノルバデックスによるホルモン療法中です。
1) 胸骨から右側の前胸部にかけて鈍痛が時々あります。術側と反対側ですが、術後1年目ではよくある症状なのでしょうか? リンパ節郭清の影響もありますか? 2月に行った骨シンチでは異常はありませんでした。
2) ゾラデックスは2年の予定で、まもなく終了になる予定です。投与中止して、どれくらい経過したら、血液検査で閉経していないかどうかわかりますか?
3) 化学療法の影響で、このまま閉経するかもしれないといわれました。もし閉経していないのなら、ゾラデックスを延長したほうが、再発や転移のリスクは低くなるのでしょうか?

よろしくお願い致します。

1) 胸骨から術側と反対側の前胸部にかけての鈍痛は、一般的に術後1年目によくある症状ではありません。リンパ節郭清の影響ではないと思います。症状は時々で、2月に行った骨シンチでは異常はなかったということなので、転移に因るものではなさそうに思います。
2) 1ヶ月できれば3ヶ月ぐらい経過を見ていただければ確実だと思います。
3) 閉経していない場合はゾラデックスを延長したほうが、やはり再発や転移のリスクは低くなると考えます。(文責 石川)

 

No.8986-1】  09年06月22日   M
再々発の場合

30半ばです。9年前に乳がん手術(リンパカクセイも)しました。2コ転移。温存のため放射線も。ホルモン療法は、2年の注射と5年の飲み薬を経て、術後7年間は無事に過ごしていました。しかし2年前、肺に転移がみつかり、タキソール治療をしました。半年くらいから効果があらわれ(PETでみえなくなり)、いつやめたらいいものか、こちらの相談室にも尋ねてみたいと思いながら…、抗がん剤10ヶ月で無治療になりました。そして今ですが…。無治療もうすぐ1年。冬くらいから背中が時々痛み、骨転移を心配しています。毎月、血液検査をしていて、マーカー値は正常範囲内ですが、半年くらい上がり続けています。2月のPET検査は異常なし。骨シンチの検査はしたことがありません。

1) 今、ホルモン治療は有効でしょうか? 前々回ホルモンのクスリをやめて2年後に再発したので・・・。
2) 骨転移の場合…タキソールでしょうか? 前回効いたと思いますが、骨にはまた別の治療がいいのでしょうか?。

もちろん主治医と相談して決めていくことだと思っていますが、ホルモン療法については、主治医から提案されていません。本やネットでは、再発の場合のホルモン療法も見るので、気になってきました。それとも、一度使った治療方法は使わないのが主流ですか? 半年前から生理も再開してるので、止めた方がいいのかなとか素人考えで思ったりもしています。長文になりすみません。よろしくお願いします。

1) これからでもホルモン治療は有効の可能性が高いと考えます。
2) もし骨転移があっの場合、前回肺転移に有効だったようなので、タキソールもいいと思いますし、他の化学療法の選択もあります。ホルモン療法の他、放射線療法もありえます。また骨転移に特異的な治療薬剤ビスフォスフォネート剤(注射ではゾメタなど)も有効です。

一度使った治療方法をまた使うことは珍しいことではありません。ホルモン療法はやられたほうがいいように思います。(文責 石川)

 

No.8986-2】  10年02月10日   M
抗がん剤治療のポートについて

2009年6月にNo.8986で、お世話になりました。 その後のPET検査で、再び肺での癌細胞増殖がわかり、タキソール治療(2度目)を半年続けています。マーカー値は緩やかに下がってきていますが、ごくたまに背中の痛みが気になり、骨転移を今も心配しています。 今回の相談は、ポートについてです。No.7275のご回答も参考にさせていただいてます。 抗がん剤治療期間が長くなり、主治医から強く勧められています。血管が細いので、主治医の負担が大きいというニュアンスのことを言われました。2、3回に1回くらい、1度目で入らないくらいです。 私の希望は、ポートをしたくないので、暖かくなったら血管がでやすくならないかなと、今までかわしてきたのですが、かなり限界のようです。
1) ポートは他の病院や医師でも一般的なものなのでしょうか。
2) たまに、手術側の腕(リンパ節カクセイ)にも点滴ルートをとりますが、問題ないですか? ルート場所は血管次第でしょうが、手の甲か、その上の辺りの腕外側以外に探す場所はないでしょうか?
3) 私の周りではポートを胸部に埋めている人が多いのですが、主治医から最近になって、「場所が嫌なら、二の腕の内側あたりに小さめのが入れられるよ」と提案されて、ますます悩んでいます。よく横向きに寝るので、どちらの腕も下にしたり寝返りしたときに影響ないかなと不安です。胸部の方がいいでしょうか? サイズは改良されて小さくなってきているのでしょうか?

今、点滴前の状況が苦痛になってきて、たくさん質問してしまいましたが、よろしくお願いします。

1)最近は広く広まっています。その理由は、やはり患者さんが楽だからだと思います。
2)表在の静脈の分布は個人差が大きく、その人の手のどこにあるか、駆血して探すしかありません。
3)私はまだ使ったことはありませんが、腕にポートを設置する方法もあるようです。ポートを嫌う理由がわかりません。(文責 清水)

 

No.8985】  09年06月22日   F  
非浸潤乳がんと告知されました

初めてメール致します 私は三重県に住む50歳の主婦ですが、先日マンモトーム生検にて、非浸潤乳がんと告知されました。私はマンモグラフィでカテゴリー3、微細石灰化があるが、しこりには触れない状態です。非常にショックでしたが、早期ガンということもあり、まずは治療することを念頭に、仕事も会社で事務員の仕事をしていますが、職場の上司にも一応理解を得ました。担当医の説明でイマイチわからないことがあり、色々読んだり、ネットで調べたりしていますが、それでも尚、お聞きしたいことがあり、質問をさせて下さい。来月の7/2に造影剤MRIを受けて、その結果で、温存手術になるか 切除になるかを決めるらしいです。そして7/22が手術日です。
1) 非浸潤乳がんを7/22の手術日までほうっておいたら、浸潤乳がんに進行することはないのですか? 
2) 何故、非浸潤乳がんなのに、センチネルリンパ節生検をするのでしょうか? 非浸潤乳がんでもリンパ節に転移している可能性が高いからなのでしょうか? 
3) もし温存手術をしたら、私の場合の術後の後遺症は? 
4) 25日間の放射線照射以外にも化学治療もするのでしょうか? 
5) 何日く らいの休養が必要ですか? 
6) 何故 術後でないと、ほんとうの意味のステージがわからないのでしょうか?

1) 非浸潤乳癌も長期間放置すれば、いつか浸潤癌になりますが、普通は1〜2ヶ月のうちに浸潤癌になることはなさそうです。
2) 非浸潤乳癌なら腋窩リンパ節転移はないわけですが、ほんとうに非浸潤癌と確定するのには術後の腫瘍全体の病理組織学的検索・診断を待たねばなりません。手術前にいろいろな検査から非浸潤癌と推定できますが、100%正しいというわけにいきませんので、念のためセンチネルリンパ節生検を行います。 
3) 温存手術でセンチネルリンパ節陰性で腋窩リンパ節郭清なしなら、ほぼ創(傷)による後遺症だけと考えらます。
4) 放射線照射の他、化学治療もする場合はありうると思います。
5) 温存手術でセンチネルリンパ節陰性で腋窩リンパ節郭清なしなら、退院後すぐ日常生活に復帰可能です。 
6) 術後の病理組織学的検索により、術前はないと思ったリンパ節転移があったり、非浸潤乳癌ではなく浸潤癌であったことが判明することなどがあるからです。(文責 石川)

 

No.8984】  09年06月22日   Y.W. 
子宮、卵巣全摘ということですが・・・

昨年7月に両側乳がん、全摘、リンパ郭清をいたしました。術前に抗がん剤を投与しました。現在はリュープリン、タスオミンで治療しています。来月、卵巣、子宮全摘の手術予定です。年齢は37歳です。親族に乳がん経験者がおり、家族性乳がんということで、卵巣がんの発症、薬の副作用での子宮ガンの予防の為の子宮、卵巣全摘ということですが、子供も3人おり、乳がん再発の確率が半分になるという主治医の説明に手術を決心しましたが、後遺症のことを考えると不安でどうしたらよいのかわかりません。更年期症状が進み、日常が激変し、ホルモン補充療法もできず、この先、女として妻、母として生きていく為にどうしたらよいのでしょう・・・。手術を決心したのには他にも理由があります。3ヶ月に一度のリュープリン注射費用がなくなるということです。それと引き換えに子宮を失う。すでに両胸もなく散々な状態なのに、何か手立てはないものでしょうか。

乳がん再発の予防、子宮がんの予防、医療費のことすべてを満足させる手立ては思いつきません。つらく厳しいでしょうが、さらに頑張っていただければと考える次第です。(文責 石川)

 

No.8983】  09年06月20日   K.N. 
FEC6クールというのは妥当でしょうか?

初めて投稿します。わたしの母(59)の病理結果です。分かる範囲でお伝えします。腫瘍1.8cm、センチネルリンパ転移なし、グレード2ないし3。手術は、主治医から最小限で済みましたとの事でした。放射線が終わり、現在FECを5クールまで終わり、残すこと1クールで終ります。FEC6クールというのは妥当でしょうか。掲示番を拝見すると、タキサン系を追加でやるとの記事もあったのですが・・・。母の信頼していた主治医は4月より本院へ移動になり、母も少々不安がっております。分かり難い説明で申し訳ありませんが、この治療で良いか、他の先生方の意見も聞きたく投稿しました。宜しくお願いします。

ホルモン治療が使えるタイプかどうか、ハーセプチンが使えるかどうかで、化学療法の種類も若干変わってきます。FEC4クール後タキサン4クール、タキサン+エンドキサン(TC)療法が一般的な抗癌剤の種類です。リンパ節転移のない患者さんでは、タキサン系の薬剤の追加投与の効果が少ないとのエビデンスがあるために、FEC6クールを主治医の先生が選択されたのでしょう。ですから、妥当と考えます。いずれにしろ、新しい先生との信頼関係を築くために、主治医の先生によく相談して下さい。(文責 川本)

 

No.8982】  09年06月20日   N 
ホルモン療法について

先日は、ご回答ありがとうございました。HER2の結果は陰性でしたので、ホルモン療法のみで治療します。リューブリンをおなかに皮下注射するのですが、硬いしこりが出来ます。これから先5年間も打ち続けるのに不安です。しこりは、いずれ柔らかく、わからなくなるのでしょうか?

リュープリンは注射部位の硬結が代表的な副作用の1つです。徐々に柔らかくはなりますが、薬剤を変えるのも1つの方法です。同じ薬剤でゾラデックスという注射もあるので、是非主治医の先生に相談してください。(文責 川本)

 

No.8981】  09年06月20日   S.T. 
充実腺管癌(HPNo.8949-3)

HPNo.8970で、35歳の姉について相談させていただいたものです。PETの検査の結果、腋かリンパ節には転移があり、胸骨傍リンパ節にも転移はある(6〜7ミリ)ものの、他臓器には転移がみられず、来週から化学療法が始まることになりました。MRIの結果、筋層への浸潤も見られていません。腫瘍は、充実腺管癌、ホルモン受容なし、HA2(2+)のため、FISH法にて、詳しく検査しているところです。
1) HA2がマイナスの場合、生存率と言うのは、ホルモン療法やハーセプチンが適応となるものと比較して低くなるのでしょうか。また、再発率も高くなるのですか。
2) 今日の、先生の説明のなかでは、まったく薬が効かないタイプの癌もあるとお聞きしました。それは、どのぐらいの割合であるのですか。

1) 一般的に、再発率・生存率はホルモン療法が適応となるもの(ホルモンレセプター陽性)より低く、ハーセプチンが適応となるもの(Her 2 陽性)よりは高くなると考えられます。
2) 全く薬に反応がみられない癌もありますが、その頻度はかなり少なく、10%以下と思います。(文責 石川)

 

No.8980】  09年06月20日   A.Y. 
リンパ郭清について

現在43才、3年前に右乳癌、ステージUbで術前化学療法(EC+T)、温存手術+リンパ郭清、放射線治療を行い、その後ホルモン療法(リュープリン+タモキシフェン)を行っております。今年3月に左乳癌が発見され、5月末に温存手術を行いました。その際にセンチネルリンパ生検では転移なしということで、リンパ郭清を行いませんでしたが、術後の病理検査の結果、センチネルリンパ節4つのうち1つに転移が見つかりました。3mmのリンパ節に1.7mmの転移があるとのことです。今回もステージUb、Her2(-)、ER(+)、PgR(+)です。化学療法(タキソテール)、放射線の後、ホルモン療法を予定していますが、追加でリンパ郭清手術をするべきか、ご意見を頂けないでしょうか。リンパ郭清をしておいた方が転移・再発防止の為に良いことはわかるのですが、すでに右のリンパ郭清をしているので、左までしたくない気持ちもあり、迷っております。

センチネルリンパ節生検で4つのうち1つのみの転移なので、センチネルリンパ節以外の他のリンパ節に転移がある可能性は無いわけではありませんが、低いと考えます。追加でリンパ郭清手術をするべきかどうかは、迷う、難しい選択だと思います。3年前に右乳癌、ステージUBで治療受けていることから、私なら化学療法、放射線、ホルモン療法をお勧めするかもしれません。(文責 石川)

 

No.8979】  09年06月20日   Y.E. 
マンモとエコーの違いについて

30代後半からマンモグラフィーを受けて、毎年異常なしでした。40代になり、マンモグラフィーとエコー両方で検査をしました所、マンモグラフィーは相変わらず異常なしですが、エコーで昨年はのう胞と言われ、今年は、「のう胞以外にも何か見えるので精密検査」と、言われました。エコー途中に、「マンモで石灰化と言われた事はありますか?」と、聞かれましたが、マンモでも、一度も異常はありませんでした。再検査には行く予定ですが、とても、不安な毎日です。

マンモグラフィーで異常なしで、エコーでひっかかる(所見がある)ということはよくあります。その典型例が乳腺嚢胞です。そのほかに良性病変もわかることがあり、精密検査を勧められることは少なくありません。(文責 石川)

 

No.8978】  09年06月20日   Y 
石灰化について教えて下さい

先日しこりについてのご回答ありがとうございました。 早速、乳腺科に行ってエコーとマンモグラフィをして頂きました。 その結果しこりがあったのですが、かなり大きなガラス化した乳腺線維腺腫二個でした。(おいておいても癌化しませんか?かなり心配なのですが…) しこりの細胞検査もして頂きました。しかし、違う箇所に石灰化もみられるとの事で、かなり大きな石灰の塊が一つありました。 形は□でした。 私は子供を産んだ事がないので、乳腺炎が原因ではないような気がしますし、原因もかなり気になります。「今後癌になる要因なのでは?」と、気になりましたが、先生に聞けませんでした。 どうか詳しい事を教えて頂けませんか? 六ヶ月後に検診なのですが、どうして必要なのでしょうか? 不安になりました。

乳腺線維腺腫なら放置しておいても、まず癌化しません。原因はわかっていませんが、乳腺炎ではないと思います。 6ヶ月後に検診(再診)なのは、どんな検査でも100%正しいという保証はないので、念のため経過観察をするとためです。(文責 石川)

 

No.8977】  09年06月20日   M.T.
母乳の残り→癌

現在術前化学療法中の34歳、腫瘍サイズ2.1cm、腋窩リンパ転移あり、娘結節あり(1.6cm)、Her2+1、ホルモン陽性、ステージ2bです。子供が二人おり、癌告知直前まで半年間授乳しておりました。また告知の4年前にも、約1年間上の子の授乳をしておりました。先日主治医が、「あなたの癌は母乳の残りでなったものだから・・・」とおっしゃいました。
1) 母乳の残りから乳癌になることがあるのでしょうか?
2) まだ手術はしていませんが、母乳の残り由来の癌と判断できる癌の特徴等あるのでしょうか?
3) 癌の大きさからいって、上の子のときの母乳の残りが原因思いますが、4年前のものとして2cmに成長するというのは、乳癌としてはスピードが早いようにも思うのですが、その点どうなのでしょうか?

1) 母乳の残りから乳癌になることはないと思います。
2) したがって癌の特徴等はありません。
3) 4年前にあったかどうかわかりません。もっと以前からあったのかもしれません。4年前に癌の発生が始まったとすれば、それが2cmまでに成長したということは、発育のスピードは速いことになります。(文責 石川)

 

No.8976】  09年06月20日   A・S
左腋にしこりがあります

28歳、未婚です。2〜3年、もっと前からかもしれないなのですが、左腋にしこりがあります。最初はできものだろうと様子を見ていたのですが、徐々に大きくなっており最近気になっています。乳癌の症状はどのようなものか自分なりに調べてみたら、妊娠も出産経験もないのに乳(白っぽい?透明?)がでるとあり、まさかと思って試してみたら…。特に右から液体?乳のようなものがでてしまいました。この症状は、やはり乳癌なのでしょうか。

乳頭から白っぽい分泌物が出るのは、乳癌でない場合の方が圧倒的に多いようです。しかし、左腋のにしこりのこともあり、念のため乳腺科を受診されてみてはいかがですか。(文責 石川)

 

No.8975】  09年06月20日   Y 
手術→化学療法では無理でしょうか?

先日「充実腺管がん」と告知された、35歳女性です。癌とわかるまでに、1ヵ月少しかかりました。
5/9 A病院にて初診。担当は外科のA医師。その日は月1回、乳腺科の医師(B医師)が来ていたので、エコーを診てもらうことに。マンモを撮った後、B医師のエコーを受けると、マンモにはシコリが映っていないと教えられました。エコーで診たところ、シコリが確認でき、形は両性っぽいが、大きさが3pくらいあるので念のためと、細胞診をおこないました(細胞診の時、エコーでシコリを確認しながら針をさしました)。5/23 A病院にて再診。細胞診結果→悪性疑い。外科のA医師が、針生検をしたいとのことで、することに。局所麻酔後、A医師はシコリを指で摘み、2ヵ所組織を採取(エコーは使いませんでした)。5/30 A病院にて再診。病理結果→悪性なし。病理のコピーは無料では頂けなかったので購入、以下病理結果です。

Inadequate, benign. Adipose tissue of right breast, core needle biopsy. 2本の生検です。検査に不適性の検体です。組織学的に成熟した脂肪組織と中に小血管がみられます。小葉および導管は含まれていません。乳腺の同定は出来ません。悪性所見は見られません。

上記の結果に不安を感じ、A医師に乳腺科へも受診したい旨伝えると、6/13にB医師がくるので、それまで待てと言われ、紹介状はそれからと押し切られ、結局6/13まで様子見となりました。最終的に、A医師はエコー・マンモの画像を、私には見せてくれませんでした。6/1 病理のコピーを持参し、診療所へ。上記の説明をしたところ、乳腺科の紹介状を書いて下さることに。6/2 B病院の乳腺科へ初診。担当のC医師がエコーをしたところ、悪性疑いとのこと。早めに病理をしたいとのことで、6/3に針生検をしました。今回の針生検でも、2ヵ所採取。当日、マンモも撮影しました。6/12 B病院にて再診。病理結果→「充実腺管がん」と判明。マンモでも確認でき、大きさは3〜4pと分かりました。下記が病理結果です。

Breast, rt. : Solid tubular carcinoma. 針生検組織 AB 領域、Solid tubular carcinoma が見られる。大型異型上皮からなり、中〜大型の充実性胞巣を作っている。Nottingham grading = V(3+3+3)、脈管侵襲像は明らかでない。脂肪組織浸潤は明らかでない。リセプター検索: HER2:score1、ER:negative(5%)、PgR:negativev(1%)

上記の結果で、今後、6/18に骨シンチ・胸部と腹部CT、6/20に心電図をとり、問題なければ、抗がん剤治療が始まります。この日より、担当医が代わりD医師になりました。D医師曰く、腫瘍を小さくしてから摘出するとのことでした。最初に手術は無理かと尋ねると、腫瘍が大きいので…と仰いました。心配なのが、「充実腺管がん」は血行性転移を起こしやすいとききます。6/18の検査で、転移がないか判明すると思うのですが、自分自身、先に手術をして欲しいのが本音です。やはりD医師曰く、3〜4pある腫瘍だと、直ぐには手術できないのでしょうか?温存手術は望んでいません。害のある物を体内に留めておく方が不安です。細胞診1回、針生検2回行っているので、腫瘍に刺激を与えている分更に不安です。一般的な参考意見で、手術→化学療法では無理でしょうか? 長文失礼しました。よろしくお願いします。

ふつう、腫瘍の大きさが3〜4pでも、術前の化学療法なしに手術可能です。一般的に、手術→化学療法は無理ではありません。(文責 石川)

 

No.8974】  09年06月20日   K.H. 
FUS集束超音波治療

右胸・非浸潤性乳管癌の診断をされました。左も石灰化の集積が発見され,今後針生検の予定です。現在のところ、まだ切除か温存かはっきりしていませんが、メスを入れない方法としていくつか検索していたところ、インターネットでFUSの存在を知りました。まだ臨床試験段階の保険適応外ではあるそうですが、症状がFUSの適正があるとしても、現在のところ勧められない方法でしょうか。リスクは、切除・温存に比べ、かなり高いのでしょうか。また、どんな危険度が予想されるのでしょうか。お忙しいところ申し訳ありませんが、ご教示賜りたくよろしくお願いいたします。

腫瘤形成性でなく、集簇石灰化で見つかる非浸潤性乳管癌では、病巣の範囲が広く、わかりにくい場合が少なくなく、FUS集束超音波治療には向かない(完全に治療ができていない部分が残る可能性が少なくない)ように思います。私には癌の詳細がわかりませんので、一度担当医に相談してみてください。(文責 石川)

 

No.8973】  09年06月20日   F.K.
エコー検査、マンモグラフィーでしこりが見つかる事はよくあることなのでしょうか?

突然のメールで恐縮です。Gooの質問サイトでこのサイトの存在を知りメールさせていただきました。最近、自分で胸にしこりのようなものがある気がし、乳がん検査(エコー検査とマンモグラフィー)を受診し、先日、検査結果を聞きに行きました。結果は両胸にしこりがあると言われ、再来週に再検査(MRI)を受ける事となりました。軽い気持ちで検査に行きましたので、再検査となり、とても不安な気持ちになりました。質問ですが、エコー検査、マンモグラフィーでしこりが見つかる事はよくあることなのでしょうか?

視・触診でなんでもなくて、エコー検査・マンモグラフィーで異常所見が疑われ、しこり(腫瘍)が見つかることはよくあります。そのために検診があるとも言えます。(文責 石川)

 

No.8972】  09年06月16日   M.T. 
HER2とハーセプチンについて

ステージ2b、33歳女性です。同じく若年性乳癌の知人が、術前検査でHER2は(0)、術前化学療法を経て術後の病理でHER2(+2)(Fish法にてマイナス)だったのですが、術後4ヶ月で鎖骨下リンパ節に局所再発し、その際HER2(+3)との検査結果がでて、ハーセプチン適応となりました。そこでお聞きしたいのですが、
1) HER2が(+1)というのは、HER2の特徴をもったがん細胞が10%あるという意味でしょうか?
2) ハーセプチンは、HER2は(+3)かFish法で(+)で適応ですが、仮に(+1)や(+2)が行っても効果はないのでしょうか。(ホルモン療法では10%でもあれば治療が行われるのに、HER2は、なぜそうでないのかと思ったので・・・)
3) 知人の場合、たまたま再発部位が局所で、検査することができましたが、遠隔転移の場合、針生検等で細胞検査をすることはあまりないですよね? 知人もそうであったように、HER2がマイナスからプラスに変化している可能性もあると思うのですが、術後の細胞検査でHER2がマイナスだと、遠隔転移時のハーセプチンを追加しての治療は行われないのでしょうか?

以上です。一般論的な相談になりますが、よろしくお願いします。

1) HER2 (+1)とは、HER2の特徴を不完全に持っているものが、10%以上存在することです。
2) HER2が(+2)の場合は、Fish法で陽性であれば効果はあります。(+1)では、多くは効果がないとされています。
3) 原発巣のHER2陰性であっても、転移巣が陽性であることはあると思います。しかしこのようなことは稀であり、多くは原発巣と平行関係にあるようです。ハーセプチンは高価な薬ですので、HER2が陽性であることが証明出来たものだけに使用して良いことになっています。(文責 吉田)

 

No.8971】  09年06月16日   Y
病理の結果について

1) 病理の結果では、腫瘍の大きさが5x5mmという事でしたが、主治医より「この結果は違っていて、1cm近くあったから」と言われました。手術中の肉眼でだと解釈したのですが、どちらが正しいのでしょうか? 病理の検査で、実際の大きさと違う結果が出ることがあるのでしょうか?
2) もうひとつ、術後の定期検査についてお教え下さい。私の場合は再発・転移が低リスクのため、温存手術後無治療だと言われましたが、結局、放射線・ホルモン療法をしています。先日の外来で、術後の検査は半年に一度CT、一年に一度骨シンチと言われました。最近アメリカや日本でも、遠隔転移を見つけるための定期検査はしないのが主流だと知りました。乳房内の局所再発は心配なので積極的に検査したいと思っていますが、どのくらいの頻度で検査をするのが良いのでしょうか? CTや骨シンチで多量の放射線を浴びるのは体に良くないのではと考えてしまいます。主治医の指標から外れることを希望する場合は、どうすればよいのでしょうか? 主治医との関係が悪くならないか心配なのです。

お忙しいところ申し訳ございません。どうぞ宜しくお願いいたします。

1) 病理標本では、ホルマリン固定のため、実際より多少縮小いたします。時々あることです。
2) 術後にどのぐらいの頻度で検査をするのか標準的なものはありません。私は局所再発検査として、診察ごとの触診と、1〜2年に一度マンモグラフィ、あるいはUSなどを行いますが、転移再発に対しては、その危険度に応じて、1年〜3年に一度CTや骨シンチを行います。主治医に自分の考えを伝えて、主治医の返答に納得がいかない場合は主治医をかえるのも仕方ありません。しかし医者からみて、思い込みで極端な意見をもつ患者さんも少なくありません。(文責 吉田)

 

No.8970】  09年06月16日   S.T. 
充実腺癌と判明しました(HPNo.8949-2)

HPNo.8949で姉のことで相談させていただいたものです。その後、組織診をして、充実腺癌と判明しました。子供がまだ小さいため、実家へ帰り治療をすることになり、先週受診しました。腋かリンパ節への転移は確実といわれ、まず、PETの検査をすることになりました。その後、術前化学療法をまずやることになるだろう・・・といわれています。

1) 姉がしこりに気づいたのは去年の10月で、そのときから病院にもかかり、3箇所の病院で良性と診断されていたのですが、大きさ3.4センチとサイズ的にはあまり変化がありません。ただ、エコーで、奥までは見えないと言われたので、奥のほうに大きくなっているのかもしれません。その腫瘍のほかに、すぐ横にも数ミリの腫瘍が触れます。腋かリンパ節は、はっきりと触れますが、癒着していることはないと言われました。鎖骨かリンパ節も、腫れがあると言われています。ほか、全身に痛みがあったり、だるさがあったりはないのですが、他の臓器への転移の確立は高くなりますか。もし、転移があった場合、35歳の姉の余命はどのようになるのでしょうか。
2) 治療を始めるのに、早いのに越したことはないと思いますが、6月5日に癌の宣告を受けてから、PET、薬の感受性を調べるための期間があるため、18日に次回の受診です。リンパへの転移が確実なのに、日があいてしまっても大丈夫ですか。
3) 姉の腫瘍の位置ですが、右乳房の内側真ん中にあります。乳がんの発生部位は外側に多いと聞きますが、内側のほうがよくないなど、位置によっての違いはありますか。
4) 姉は1年5ヶ月前から授乳中でした。今回、癌と発覚し断乳しましたが、授乳期の癌はあまり予後がよくない知人に言われましたが、本当ですか。

すみませんが、よろしくお願いします。

1) 現在の状況から他臓器へ転移している可能性はあります。経験的には10%ぐらいだと思います。転移が存在した場合、転移した部位、抗癌剤治療やその他の治療の効き具合によりますが、一般的に余命は2年から10年くらいだと思います。
2) この段階であまり急いでも意味がありません。まず必要な検査を行うことが大切です。
3) 昔は内側のほうが悪いと言われたことがありますが、現在では腫瘍の性格のほうの影響が大きいと考えられており、あまり言われなくなりました。
4) 授乳期には発見が遅れ、進行したものが多いですが、病期(進行度合い)を合わせれば普通と変わりません。(文責 吉田)

 

No.8969】  09年06月16日   Y.T. 
のう胞について

初めてのメールです。以前(半年)から左胸にしこりがありました。レントゲン、マンモグラフィー、MR、エコーを受けました。検査後の診察で、のう胞が左右の胸にたくさんあり、自覚していたのは左のしこりです。 その他ののう胞は、「悪性ではない」でした。担当医は、「左胸のしこりは大きいので全身麻酔でとり、検査しましょう。」とのことでした。 袋の水の検査では、袋自体のガンがわかりにくいことと、粘液ガンの疑いありと、MRの先生のコメントを貰いました。手術を勧められたのですが、私からまず中身の検査をお願いしました。注射器で抜いたところ、クリーム色っぽい液体がとれました。結果は来週です。のう胞の中身を調べないで、しこりを取ることはよくあることなのですか? 最初から手術ありきの検査診察なので、不信感があります。しこりの大きさは5cm以上あったかと思います。液体を抜いたあとはほんの少し痛みがあり、しこりは自分では感じられません。検査結果が陽性と判断されればそれに従うつもりですが、擬陽性の場合はセカンドオピニオンを受けたいのですが、どう思われますか。

実際に画像を見ないと何ともいえませんが、のう胞で、その壁に癌が存在する場合、内容液の検査たけでは癌と出ないことが稀にあります。そのため、通常は内容液の検査をし、陰性であっても癌の疑いが強い場合は、のう胞を切除して調べることもあります。MRIで癌を疑われる所見があったので、主治医は手術を勧めたのでしょう。内容液が擬陽性の場合こそ手術して検査をすることが必要と思います。セカンドオピニオンはそれからでしょう。(文責 吉田)
 

No.8968】  09年06月15日   K,S 
放射線治療後の症状について(HPNo.8719-2)

2度目の相談になります(HPNo.8719)。 2月下旬より、放射線照射25回+追加照射5回をして、4月3日に終了しました。直後、一般的副作用と言われている、日焼けのような皮膚症状、腫れ、患部の熱感の症状がありましたが、2ヶ月過ぎた現在も追加照射した部分が熱を持って熱く感じます。担当の先生には、「このような症状が半年位続く人もいる」と言われましたが、心配です。少し赤みはありますが、痛みはありません。先生のご意見をお聞かせ願います。宜しくお願いいたします。  

主治医のいう通りだと思います。あまり心配せず経過を見ていて大丈夫です。(文責 吉田)

 

No.8967】  09年06月15日   N子
断乳後の分泌物について

断乳後3ヶ月が経過します。数日前に、久しぶりに絞ってみたら、左胸から白い分泌物とともに、ほかの乳腺から茶色・透明の分泌物が出てきました。右胸は白い分泌物のみです。先日、マンモグラフィー検査で左胸が石灰化で要検査となりました。再検査で、マンモグラフィー検査と超音波検査をした結果、経過観察で1年後の検査でいいとのことで、細胞検査をするほどでもないと言われました。分泌液が白色以外の場合は、病院へ行ったほうがいいと、よく聞きますが、どうなのでしょうか?

断乳後乳頭から分泌物がみられることはよくあります。茶褐色(血液様)のものが片方の乳頭から断続的に認められる場合は検査が必要と思いますが、そうでなれば主治医の言う通りで良いと思います。(文責 吉田)
 

No.8966-1】  09年06月15日   K.Y
肺転移でしょうか?

2006年9月に左乳房温存手術を受けました。腫瘍径5ミリ×8ミリ。乳頭腺管癌。リンパ0/4。脈菅浸潤ー。ホルモン感受性ー。HER2−。グレード3。術後タキソール(週1回×12回)。放射線25回。その後HDAC6の検査で+だったため、ノルバテックスを服用中。先日PET-CT検査で右肺に2ミリ程度の結節が見つかりました。腫瘍マーカーは異常なし。主治医は、「小さすぎて何だかわからないので、3ヶ月後にCT検査します。」とのことです。

1) 肺転移の可能性が高いのでしょうか? 他の可能性はありますか?
2) もし肺転移だった場合、どんな治療が考えられますか? トリプルネガティブは効く薬が少ないと聞いたことがあり、不安です。
3) 肺転移の予後は? 余命はどのくらいなのでしょうか? 標準的なデーターでいいので教えてください。心の準備をしておきたいので。

どうぞよろしくお願いします。

1) 転移である可能性は低いと思います。他のものであることが多いです。
2) 当然抗がん剤による治療になります。トリプルネガティブは、ホルモン剤とハーセプチンが使えないですが、乳癌に使用できる抗がん剤なら何でも使用できます。
3) 抗がん剤の効き具合や他の部位への転移の有無にもよりますが、3、4年から10年ぐらいかと思います。(文責 吉田)

 

No.8966-2】  10年08月18日   K.Y
肺転移

去年HPNo.8966で相談させていただいたものです。四年前、左乳房温存手術をし、5ミリ×8ミリ、トリプルネガティブ、グレード3、リンパ節転移なし、脈管浸襲なし、でした。術後タキソール週1回×12回、放射線25回、その後の検査でHDAC6が陽性だったため、ノルバテックスを服用しています。昨年6月のPET-CT検査で、2ミリだった右肺の結節が(その時は3か月後のCT検査で炎症性結節だろうという病理判断でした)、今年7月の同検査で6ミリに増大していました。新たに1ミリの結節もみつかっています。腫瘍マーカーの上昇なし、他は異常なし。はっきりさせるために、先日肺生検をして、結果待ちです。とても不安で落ち込んでいます。

1) 肺転移の可能性が強いのでしょうか?
2) そうだった場合、抗がん剤が第一の治療になりますか? トリプルネガティブのグレード3ですが、どの薬を選択されますか?
3) 抗がん剤の副作用を考えると、使いたくないという思いもあります。ノバリスなどのピンポイントの放射線治療のみで様子を見るという選択は、どう思われますか?
4) 無治療の場合、抗がん剤治療をした場合、放射線治療のみの場合、それぞれの余命は、どれくらいなのでしょうか?

回答、よろしくお願いします。   

1) 可能性はありますが結果次第です。
2) タキサン後ですので、アンスラサイクリンでしょうか? triple negativeの場合に症例が少ないので、これが良いというエビデンスはまだないと思います。
3) 肺転移に放射線はお勧めできません。
4) ケースバイケースですので判断は難しいです。(文責 石山)

 

No.8965】  09年06月15日   T.W.
マンモトーム後の血腫について

マンモトーム後の経過について質問します。生検の為、マンモトームを実施しました。3週間後にエコーをしたところ血腫になっていることがわかり吸引しました(←実施後の圧迫時間が短かったようです)。診断結果は悪性でした。約3週間血腫であったことから、がん細胞がリンパ管等から吸収されて全身に回る可能性はあるのでしょうか? 全身に回ったとしたら、転移のリスクがあがるのでしょうか?よろしくお願いします。

血腫の有無に関わらずマンモトームで腫瘍をさすこと自体癌をまき散らす可能性はありますが、明らかに転移が増加したという報告はありません。現在ではマンモトームにより正確な診断をつけ適切な治療を行う方が重要と考えられております。癌細胞が全身に回ったら当然転移のリスクはあがりますが、血液中に入った癌細胞の殆どは死滅すると考えられています。血種が出来ることで癌細胞が全身に回りやすくなるということはないと思います。(文責 吉田)

 

No.8964】  09年06月15日   A・I
ハーセプチンの副作用について

2008年7月から、乳癌の為、半年間の抗癌剤投与、その後、左乳房全摘と左リンパ節郭清手術、放射線治療、4月からハーセプチンを3回目投与しました。最初の投与から採血の検査結果に肝臓系の数値がどんどん上昇しています。肝臓内科で、超音波と採血結果で肝機能や腫瘍の異常はありませんでした。ハーセプチンの副作用は心臓に影響すると聞きましたが、肝臓にも副作用が出るのでしょうか。 「HER2タンパク+、4cmのしこり、リンパ節転移、Grade3」でしたが、抗癌剤と手術で、癌細胞は、ほとんど消えていました。外科の主治医は、「ハーセプチンは止めてもいい」と、いつも言われるのですが、私は、出来るだけ最長で点滴したいと思っていました。2004年に甲状腺癌の全摘出手術の為、毎日チラージン薬を服用しています。チラージンにハーセプチンが影響しているのではないかと思うのですが、どうでしょうか。ハーセプチンを何ヶ月か止めて再度点滴する事はできますか。よろしくお願いいたします。  

ハーセプチンによる肝機能障害は殆どみられません。チラージンはサイロキシンという甲状腺ホルモンであり、甲状腺切除により少なくなったホルモンを補っているものですので、ハーセプチンと併用しても全く問題はありません。肝機能低下の原因ははっきりしませんが、取りあえずハーセプチンを中止して、肝機能が戻った所で再開するのが良いと思います。(文責 吉田)


 

No.8963】  09年06月15日   N 
胸のしこりについて

来週に出産を控えている妊婦です。妊娠のわかる直前に受けた婦人科検診で、左胸乳がん再検査となりました。乳腺外来でエコーを受け、「まぁ心配ないでしょう。三ヵ月後に来てください。」と言われ、その後すぐに妊娠がわかりました。妊娠9ヶ月目で、右胸の下部にしこりを発見して再び受診しました。エコーのみで、「ミルクを作っているんじゃないですかね。次回は断乳後に来て下さい。」と言われたのですが、そんなに先でも大丈夫なものなのでしょうか? しこりは腕を上げるとはっきりとわかり、コリコリしていて、動きます。42歳でホルモン注射の経験有りです。宜しく御願い致します。

出産間近の乳房は大きく張っており、非常にわかりずらいと思います。通常はエコー検査を行いますが、その検査で、右乳房のしこりは、癌のようではなく、ミルクの溜まった“のう胞”様に見えたのでしょう。主治医の言われる通りにして良いと思います。(文責 吉田)


 

No.8962】  09年06月15日   A 
トリプルネガティブ

何時も相談にのって頂き、有難う御座います。先日反対側にしこりが見つかり、トリプルネガティブと診断されました。しこりの大きさは1.2mm、温存手術をしました。グレード3と顔つきが悪く、再発は中トリプルネガティブで、ホルモン療法が効かないので、化学療法をする事になりました。抗がん剤をやらないという選択技も在るという事で、抗がん剤をするか、やらないかを迷っています。どちらを選択したらいいのか、お力添えを下さいます様、宜しくお願いいたします。

みつかった癌が非常に小さく、補助療法としての抗がん剤を行うか否か迷うところです。ドチプルネガティブの中には非常に悪性度の強いものもありますので、どうしてもやりたくない理由がなければ抗がん剤を追加したほうが無難と考えます。(文責 吉田)

 

No.8961】  09年06月15日   Y
粘液瘤様腫瘍の術後経過

初めて相談させていただきます。40歳独身、職場の初めての検診で要精密検査とされ、乳腺治療の専門クリニックを受診しました。細胞診の結果「疑陽性」とのことで、最初から粘液瘤様腫瘍か粘液癌の可能性を説明され、5月末に腫瘍切除を行ないました。良性だろうとのことで、センチネル生検は行なっていません。病理の結果は「悪性所見なし」との事でした。(他にもいろいろ書いてありましたが見れませんでした) 今回は右側だったのですが、左側にも石灰化と「のう胞」があり、細胞診で「陰性」と言われました。術後の経過観察のため1ヶ月後の再診となりますが、私のような症例(良性?)の場合、術後の創部の経過が問題なければ、定期的な検査は必要ではなくなるのでしょうか? エコーやマンモグラフィーが今後も必要ですか? また、「セカンドオピニオン」で、他の施設に相談をしたいと思った場合、手術までしてもらった病院にそれを言うと、気分を害されたりということはないのでしょうか? どのように言い出せばいいのかわからず、先生の説明にもうなずくだけになっていて、他の相談者の方々のように詳しい話を聞けずにいます。よろしくお願いいたします。

右側が癌でなく、左の病変も細胞診で陰性であったならば、将来的には定期健診は必要ないと考えます。しかし乳癌は多い病気であり、今後新たに出現するかも分かりません。その為に自己触診を月に一回は行うようにして、1−2年に一度は乳腺検診を受けるようにしてください。セカンドオピニオンは通常乳癌などで、これから治療を受ける際に有効だと思います。現在の状況ではセカンドオピニオンは必要ないと考えます。(文責 吉田)

 

No.8960】  09年06月14日   OT
左肩の腫れ物について

約4年前、内視鏡温存手術、放射線治療し、現在ノルバ服用中です。殆どが非浸潤癌でしたが、1mm程浸潤している部分があり、ステージ1との診断でした。去年末、秋に検査した骨シンチに集積が見られたので、PET検査を行いましたが、問題ありませんでした。CT検査、血液検査も大丈夫でした。しかし、2、3日前に左肩のみ、しこりのような腫れものがあるのに気が付きました。この半年で骨移転したのか心配になり、ご相談させて頂きました。骨移転で、肩に腫れものが出来たりする事はあるのでしょうか? 特に痛みはありません。週に5日程、ジムに通っているので、友人からは、筋トレのやり過ぎではないかとも言われたのですが、左肩だけですので、気になってしかたありません。来月に定期検査の予約をしておりますが、早めに見ていただいた方が良いでしょうか? 宜しくお願い致します。

肩の骨に転移して、その部分が腫れることはありますが、通常はこのようなことは骨転移が進行した場合にみられることです。半年前にPET、CT等で転移が認められなかった訳ですので、転移であることは考え難いです。骨の腫瘍ということもありますので、早めに受診してください。(文責 吉田)

 

No.8959】  09年06月14日   S
術後の病理結果について

40代前半です。マンモグラフィー、エコー、針生検で15ミリ程度の浸潤癌が確定しました。この段階では温存手術を薦められましたが、その後、MRIの結果、乳頭を中心に明瞭なリング状濃染あり、さらに離れた場所に7ミリ程度の娘結節の疑いが少なくとも2個という読影で、全摘を薦められました。ガンのしこりが3つ、さらに非浸潤癌が広範囲に散らばっている可能性があり、術前療法の効果も見極めにくく、対象にもなりにくいという説明で、4つの病院すべてで同じ所見でしたので、皮下乳腺全摘+インプラント同時再建手術を受けました。が、術後の病理結果では、ガン組織は1つのみで、娘結節を疑われた箇所については異形上皮成分を伴う乳腺症との診断でした。

1) こういったことはよくあるのでしょうか?
2) この異形上皮がガン化する確立はどの程度と考えられますか?
3) 結果的に現段階で全摘する必要があったのでしょうか?
4) 術前に娘結節の生検をして異形上皮と分かったら、その場合、どういった手術を考えますか?(胸のサイズは小さめです)

第三者として率直なご意見をいただきたく、よろしくお願いいたします。

1) MRIなどではがん類似の病変を拾ってしまうことがあります。乳癌診断の限界で、このようなことは時々あります。
2) 正確なことはわかりませんが、正常な乳腺より5倍くらい癌となる確率が高いと考えられております。
3) そのように思います。
4) 将来のリスクを示し全摘にするか、部分切除+放射線治療にするか、患者さんと相談いたします。(文責 吉田)

 

No.8958】  09年06月14日   F 
乳癌(前癌病変について)

4月にマンモグラフィーで石灰化があり、マンモトームをした結果、90%の確率で非浸潤癌の0期だろうとのこと。治療と診断をかねて、5月21日に温存手術を受けました。病理組織の結果説明で、「10%に入りました。まったくの良性ではありませんが、前癌病変です。放射線治療もホルモン治療も必要ありません。良かったですね。次は半年後の定期検診で結構です。」と主治医に言われました。その時は単純にうれしくて疑問に思わなかったのですが、前癌病変は、いずれは癌になるんですよね。だとしたら、放射線治療は必要なかったのでしょうか?

前癌病変は、そのままにしておくと癌になる可能性の大きい病変のことをいいますが、癌ではありません。病変のある場所を切除してしまったのですから、追加に治療は必要ありません。同様な病変が乳房内に残っていて将来癌化することは考えられますので、自己検診と定期健診を怠らないようにして下さい。(文責 吉田)

 

No.8957】  09年06月14日   T.K 
手術後の治療

いつも相談室を拝見させていただいております。私の母についてご相談させていただきます。年齢61歳、手術前の診断では、がんの大きさは1.9cm程度、糖尿病発覚の為、手術を3ヶ月延期、1400kcal制限中に体重が10kg以上減少し、胸の脂肪や体中の脂肪がない状態に(不安や病気の為かわかりません)なりました。右乳房温存術+センチネルリンパ節生検、リンパ節転移なしとのことでした。
術後、最初の診察は父が付き添っていったのですが、「ステージUa(限りなく悪い)、大きさ2.5cm×1.9センチ、ホルモンが0だから放射線治療はできない。抗がん剤は、3ヶ月4回か、6ヶ月11回の投与どちらにするか。どちらも5年生存率は変わらない。」と言われたそうなのですが、父も抗がん剤の選択を迫られ、混乱してしまい、はっきりしたことがわかりません。
1) 放射線治療は、温存手術をした場合の標準療法ですが、ホルモンが0だから放射線治療ができないないことなどあるのでしょうか? また再発・転移した場合にも放射線治療ができないのでしょうか?
2) 抗がん剤の投与期間は、長い場合ですと副作用が軽減されるのでしょうか? また、再発・転移予防には、どちらの選択がベストでなのでしょうか?
3) がん細胞の成長速度を考えると、3ヶ月でこれほど大きくなったのは高血糖が原因なのでしょうか?

医師から病理結果を詳しくお聞きできず、このようなあいまいな病理結果でご質問させていただきましたが、放射線治療ができない事と抗がん剤治療の事で、本人も家族も不安でたまらず、ご質問させていただきました。どうか宜しくお願い致します。

1) 聞き間違えではないでしょうか? ホルモン陰性だからといって放射線照射をしないということはありません。
2) 投与する抗がん剤の種類によって回数が決められており、一概に副作用が少ないとも限りません。また効果も抗がん剤の種類によって多少異なりますが、効果の強いものは一般的に副作用も強くなります。
3) 糖尿病を合併した乳がんの増殖速度が速いとか、予後が悪とかということは言われておりません。(文責 吉田)

 

No.8956】  09年06月14日   ママ
タスオミン

現在タスオミンを服用しています(抗がん剤CEF・リュープリン経験あり)。5月に入り、さば・えび・小麦粉など多食してしまい、身体のあちらこちらに蕁麻疹ができてしまいました。以前、造影剤を使用したCTの検査後、手指に小さい水疱ができてしまったのですが、その時は、卵などをやめたら、すぐに治りました。今回も食事に気をつけたのですが、なかなか治りません。いよいよ病院に行こうと思っています。実は、乳癌と告知される1年前に、ある日突然アレルギー症状がでてびっくりしました(もともとアレルギ体質ではありませんでした)。
1) アレルギーが癌のサインだったのでは?と、アレルギーと癌の関係はあるのでしょうか?
2) 次回の予約検診まで3ヶ月あります。近くの皮膚科で受診したほうがよいのか、または、主治医の先生に診ていただいたほうがよろしいのでしょうか?
3) 蕁麻疹のほか、身体がものすごくだるいのですが、タスオミンの副作用として、肝機能が低下していることも考えられますでしょうか? 

素人考えで勝手に蕁麻疹と決め付けていますが、最初は虫に刺されたような感じで、とても痒く、掻くと赤く広がります。押すと透明の汁みたいなのが出てきます。その後一週間ぐらいで、つぶつぶした茶色のかさぶたになります。よろしくお願いします。

1) アレルギーと癌の発症の関係は一般的には言われておりません。関係ないと考えて良いでしょう。
2) 皮膚科を受診してください。
3) タスオミンの副作用としての肝機能低下ということありますが、考えにくいです。むしろ蕁麻疹による肝機能障害を考えます。(文責 吉田)
 

No.8955-1】  09年06月14日   Y.H. 
術後3ヶ月、患側の胸に見つけた小豆大のしこりについて

いつも読ませて頂いて、大変勉強になっています。ありがとうございます。ところで、術後3ヶ月で患側の胸に小豆大(5mm程度)のしこりを見つけました。そのしこりについてお尋ねします。しこりは固く、コリコリと動きます。癌があったところからは3cmほど離れた乳房の縁、脇にほど近いあばら骨の上にあります。このしこりについては、術前に先生からお聞きしていないので、以前からあったものとは考えにくいです。2月中旬、癌判明、ステージUA、3月初旬に右乳癌の温存術を受けました。センチネルリンパ節生検でリンパ節転移なし(0/1)。術後の病理検査は、腫瘍2.2cm、充実腺管癌、ホルモン感受性+、グレード2、脈管浸潤少し有り、HER2−、とのことでした。44歳です。術後治療は、3月下旬より4月いっぱい放射線治療2グレイ×25回、50グレイ。現在はホルモン療法中で、ゾラディックス注射とタモキシフェンを飲んでいます。
1) しこりは癌の局所再発が疑われますでしょうか? 治療は受けているものの、どうさわってもしこりですし、できた場所等からも再発の可能性はあるかなと感じています。
2) このような場合、先生に早く診ていただくとよいでしょうか? 「再発の治療は急がない」と受け取れる表現を見かけるので、そのような気でいるのですが…。
3) 万一局所再発の場合、どのような順で治療が考えられていくのでしょうか? 再発は「まずホルモン治療、効果がなければ抗ガン剤」と見かけましたが、「手術」もあるようで、どのように治療が組み立てられていくのだろうかと思っています。

お手数をおかけしますがどうぞよろしくお願い申しあげます。

1)2) 再発にしては早すぎる感じがありますが、次回の診察の時に主治医にいって検査してもらいましょう。
3)再発であった場合、まず他に転移がないかを検査をして転移がなければ、局所再発ですがら通常は温存乳房を切除いたします。その後は、やはり抗癌剤やホルモン剤の投与を受けることになります。(文責 吉田)

 

No.8955-2】  10年11月01日   Y.H. 
再発率とゾラディックス

いつも読ませていただいて、大変参考にさせていただいています。ありがとうございます。【No.8955】で質問させていただき、その節は大変ありがとうございました。
ところで、お陰様で術後1年半を無事すぎ、2年すぎた後の治療をどう続けるとよいかと思っています。主治医からは、「近頃はゾラディクスを5年した方がよいという結果もでてきているよ」とお聞きし、私は「骨粗鬆症のことが心配なのでできたら2年でやめたい」と伝えました。すると主治医も「あなたのはおとなしいタイプだから、それでもいいよ」と言ってくださいました。うれしい一方、慎重に対応したいと思います。病理の結果は、腫瘍2.2cm、充実腺管癌、ホルモン感受性ER90%・PgR80%、グレード2、脈管浸潤少し有り、HER2−、リンパ節転移なし、手術当時44歳でした。術後治療は、放射線治療2グレイ×25回、50グレイ。現在月1回のゾラディックス注射と毎日1錠タモキシフェンを服薬中です。私の無治療無再発率と、ホルモン治療(ゾラ2年とタモキシフェン5年)後の無再発率をアジュバンドオンラインで調べていただけないでしょうか? また先生でしたら、2年後の治療をどのように導くか、お教えいただけたらうれしいです。どうぞよろしくお願いします。

adjuvant on line では無再発生存率は約65%程度です。ホルモン療法をすることで約80%程度になると思います。ゾラデックスの期間を2-5年のいずれにするかは議論のあるところです。現在46歳であることと、再発リスクがすごく高いわけではないので、たぶんゾラデックスを2年にしても5年にしても、それほど大きな差はないだろうと考えます。40歳代ならばゾラデックスを中止しても排卵が再開しないことも十分あり得ますし。患者さんの病状やご意向などを考え合わせて、症例に合わせて決めているのが現状です。主治医とよく相談なさってください。(文責 俵矢)

 

No.8954】  09年06月14日   Y
乳腺線維腺腫について(HPNo.8917-2)

HPNo.8917で質問させて頂いたものです。ありがとうございます。本日、乳腺外来に検査に行って参りました。2年前に9oだった1つ目のしこりは、1.2oになっており、半年前まで2つだったしこりが、4つに増えておりました。先生にも質問させて頂いたのですが、どうしても不安でたまりません。そこで、お教え頂きたいのですが、
1) しこりは2年で3oも大きくなるのでしょうか? 大きくなるスピードは早くないですか?
2) 半年の間で、しこりが二つも増えています(6oと3o)。半年で2つも増えることはあるのでしょうか? しこりが増えていくスピードは早くないですか?(先生は腺腫が出来やすい体質なんだろうか・・・と、おっしゃっていましたが、そんな体質はあるのでしょうか?)
3) 右乳に3つしこりがあり、左に新しく1つしこりが出来ています。線維腺腫は両乳にできるものですか?
4) このままでいくと、これから先、どれだけしこりが増えていくのか不安です。個人差はあるかとは思いますが、どれぐらい多発するものなのでしょうか?

お忙しいところ申し訳ございませんが、宜しくお願いします。

線維腺腫は多発し、徐々に増大することがあります。また両側に出来ることもあります。通常はある程度の大きさで止まることが多く、数も増えません。これが出来やすい体質のひとは確かにいますが、大きくなったものは良性といえども局所麻酔で切除してしまうこともあります。メールだけだと解らないことがありますので、不安でしたらもう一度主治医の診察を受けてください。(文責 吉田)
 

No.8953】  09年06月14日   S
術後の痛みについて(HPNo.8696-2)

HPNo.8696で回答いただいた者ですが、あの時は有難うございました。タスオミンを2ヶ月半ほど飲んだのですが、寝汗がひどくなったり、下腹部が痛んだり生理がとまったりしたので、主治医と相談したところ、副作用と天秤にかけて考え、「非浸潤で、余裕をもって大きめに切除してるし、やめますか・・・。」ということで、薬を中止することになりました。その後、25回の一日2グレイの放射線治療も終わり、半年後の検診(9月)まで、無治療ということになり、生理も順調に戻り、放射線後の胸も綺麗に白くもどりかけて元気にすごしていたのですが、ここ10日ほど前から、手術した右胸のセンチネルリンパ1個を切除した付近が痛くなり、反対の胸と比べて少しふくらんでいるようにも見えます。痛みは激痛ではなく、チクチクっとしたり、付近を押さえると痛いといった状態で、日中は、「あっ、痛っ」と、たまに思うくらいですが、術後で一番痛いと思うので、ちょっと気になっています(普通、痛みは徐々におさまるものだと思うので・・・)。あまり、神経過敏になるから、痛みが気になるのかとも思ってみたりもするのですが、次回の診察が9月なので、こちらにご相談させていただきました。再発か何か考えられるでしょうか? ご回答よろしくお願いいたします。

何が原因なのか判りませが、非浸潤癌であったことより再発は考えにくいです。痛みが強いことより炎症を伴ったものと思いますが、早めに受診することをお勧めします。(文責 吉田)

 

No.8952】  09年06月12日   Y 
症状について教えて下さい

36歳女性です。胸の内側の上の辺りにしこりがあり、痛むような症状が一週間位前からあるのですが、しこりではなく、胸全体にある丸い部分の一部が痛いような気もします。前からあった物のような気もします。両胸にあるような気もします。検査をした方がいいかな?とか、ただの思い違いかな?と、知識がない為、悩んでいます。このような症状は、乳癌ではないのでしょうか? 気になって、触り過ぎで痛いような気もします。申し訳ございませんが、どうしたらいいのか、アドバイスをよろしくお願い致します。

メールの内容から乳腺症である可能性が強いと思いますが、断定は出来ません。念のため一度乳腺外来を受診することをおすすめいたします。(文責 吉田)

 

No.8951】  09年06月12日   I 
腫瘍マーカーについて

腫瘍マーカーの結果についてお伺いしたく、ご相談申し上げます。CA15‐3の検査数値が、半年前 4.2だったものが、つい最近の検査で 6.2に上昇しました。主治医の先生は
、「正常範囲なので問題ない」とおっしゃっているのですが、上昇傾向なので不安です。一度上昇しはじめてしまうと、もう止まらなくなるものなのでしょうか。正常範囲を
越えたとすると、治療法は、どのような対処が望ましいのでしょうか。是非とも参考意見をお聞かせくださいますよう、お願い申し上げます。

主治医の言われる通り正常範囲内での変動であり、気にする必要はありません。正常値を超えて上昇が続く場合は再発の可能性がありますので、まずCT,MRIなどの画像検査を行います。画像検査で再発が明らかな場合、抗癌剤などの治療を検討することになりますが、腫瘍マーカーの上昇だけでは通常再発治療は行いません。(文責 吉田)

 

No.8950】  09年06月02日   S
シリコンを入れている場合の乳癌検診について

私自身、昔シリコンを入れました。その間にマンモグラフィなどの乳がん検診を行いました。しかし何も写りません。真っ白になるだけで、医者も困惑していました。ついこの間主人が亡くなり、3人の子供がいます。この先シリコンを入れていても、乳がん検診ができる方法は無いものか? まだ幼い子供3人です。一番下は9ヶ月で、私は30才です。良い返事、お願いします。

バッグなどを乳腺の後ろに挿入した場合であれば、エコーで乳腺の観察は可能ですが、シリコンを直接注入した場合やシリコンバッグが破裂した場合などは、触診、エコー、マンモグラフィなどによる診断が困難になります。豊胸術後の乳がんの発見にはMRI検査が有用との報告もあるようですが、毎回MRIでfollow upというのもあまり現実的ではありません。シリコンは免疫系に異常をきたし膠原病様の皮膚症状を発現するアジュバント病の原因となることも知られており、シリコン除去も考慮してもよいかも知れません。一度専門医に相談してみてはいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.8949-1】  09年06月02日   S.T.  
良性、悪性の判断について

35歳の姉のことで聞きたいことがあります。6ヶ月前から、右乳房にしこりがあり、乳腺外科に行ったのですが、授乳中ということもあり、触診のみの検査しかおこなわずに良性と診断されたそうです。1週間前から少し痛みを伴うようになり、違う病院に受診し、エコー検査をし、悪性か良性か判断できないため、大学病院は紹介されました。本人曰く、しこりの大きさは変化がないそうです。ピンポン玉のよう・・・と言っています。マンモ、エコーの結果、腋かリンパ節に影がある、鎖骨下にも1.4センチのリンパ節、腫瘍の大きさは3.4センチ、その隣に数ミリの腫瘍もあると言われたそうです。細胞診等の検査はしていません。悪性と言われたそうですが、エコー、マンモ、触診の検査で、リンパ節への転移などははっきりわかるものなのでしょうか。現在も授乳中です。詳しい話は週明けにあるのですが、本人はリンパ節への転移と決めつけています。すみませんが、わかる範囲で教えて下さい。

乳癌やそのリンパ節転移は、最終的には組織学的な診断で確定するものですが、エコーやマンモグラフィなどの画像上の特徴からもある程度予測することは可能です。特に妊娠中や授乳中では正常の乳腺自体が増殖しているため、細胞診のみでの診断は困難なことが多く、しっかりと組織を取って、画像所見も併せて診断することが重要だと思います。(文責 浜口)

 

No.8949-2】  09年06月16日   S.T.  
充実腺癌と判明しました

HPNo.8949で姉のことで相談させていただいたものです。その後、組織診をして、充実腺癌と判明しました。子供がまだ小さいため、実家へ帰り治療をすることになり、先週受診しました。腋かリンパ節への転移は確実といわれ、まず、PETの検査をすることになりました。その後、術前化学療法をまずやることになるだろう・・・といわれています。

1) 姉がしこりに気づいたのは去年の10月で、そのときから病院にもかかり、3箇所の病院で良性と診断されていたのですが、大きさ3.4センチとサイズ的にはあまり変化がありません。ただ、エコーで、奥までは見えないと言われたので、奥のほうに大きくなっているのかもしれません。その腫瘍のほかに、すぐ横にも数ミリの腫瘍が触れます。腋かリンパ節は、はっきりと触れますが、癒着していることはないと言われました。鎖骨かリンパ節も、腫れがあると言われています。ほか、全身に痛みがあったり、だるさがあったりはないのですが、他の臓器への転移の確立は高くなりますか。もし、転移があった場合、35歳の姉の余命はどのようになるのでしょうか。
2) 治療を始めるのに、早いのに越したことはないと思いますが、6月5日に癌の宣告を受けてから、PET、薬の感受性を調べるための期間があるため、18日に次回の受診です。リンパへの転移が確実なのに、日があいてしまっても大丈夫ですか。
3) 姉の腫瘍の位置ですが、右乳房の内側真ん中にあります。乳がんの発生部位は外側に多いと聞きますが、内側のほうがよくないなど、位置によっての違いはありますか。
4) 姉は1年5ヶ月前から授乳中でした。今回、癌と発覚し断乳しましたが、授乳期の癌はあまり予後がよくない知人に言われましたが、本当ですか。

すみませんが、よろしくお願いします。

1) 現在の状況から他臓器へ転移している可能性はあります。経験的には10%ぐらいだと思います。転移が存在した場合、転移した部位、抗癌剤治療やその他の治療の効き具合によりますが、一般的に余命は2年から10年くらいだと思います。
2) この段階であまり急いでも意味がありません。まず必要な検査を行うことが大切です。
3) 昔は内側のほうが悪いと言われたことがありますが、現在では腫瘍の性格のほうの影響が大きいと考えられており、あまり言われなくなりました。
4) 授乳期には発見が遅れ、進行したものが多いですが、病期(進行度合い)を合わせれば普通と変わりません。(文責 吉田)

 

No.8949-3】  09年06月20日   S.T.  
充実腺癌

HPNo.8970で、35歳の姉について相談させていただいたものです。PETの検査の結果、腋かリンパ節には転移があり、胸骨傍リンパ節にも転移はある(6〜7ミリ)ものの、他臓器には転移がみられず、来週から化学療法が始まることになりました。MRIの結果、筋層への浸潤も見られていません。腫瘍は、充実腺管癌、ホルモン受容なし、HA2(2+)のため、FISH法にて、詳しく検査しているところです。
1) HA2がマイナスの場合、生存率と言うのは、ホルモン療法やハーセプチンが適応となるものと比較して低くなるのでしょうか。また、再発率も高くなるのですか。
2) 今日の、先生の説明のなかでは、まったく薬が効かないタイプの癌もあるとお聞きしました。それは、どのぐらいの割合であるのですか。

1) 一般的に、再発率・生存率はホルモン療法が適応となるもの(ホルモンレセプター陽性)より低く、ハーセプチンが適応となるもの(Her 2 陽性)よりは高くなると考えられます。
2) 全く薬に反応がみられない癌もありますが、その頻度はかなり少なく、10%以下と思います。(文責 石川)

 

No.8949-4】  09年07月13日   S.T.  
トリプルネガテイブの今後の治療について

HPNo.8981で、36歳の姉について相談させていただいたものです。
6月22日よりFEC×4〜6クールの予定で、術前化学療法が開始になりました。その後、FISH法にて詳しく調べていたハーセプチンについてはマイナスとわかり、トリプルナガテイブといわれました。現在、1クール終了後、治療前にあった腫瘍のサイズは、3.6から2.4センチにまで縮小し、この腫瘍のすぐとなりにあった腫瘍自体はエコー上画像では消えているそうです。腋かリンパ節も縮小しているそうです。
今後の治療についてお聞きしたいのですが、このまま術前化学療法後、手術をすると言われていますが、トリプルネガテイブの場合、術後の治療として、選択肢はどのようなものがあるのですか。ホルモン、ハーセプチン適応がないことを考えると、放射線療法のみということになるのですか。また、術前に化学療法をした場合、術後に使用することはないのですか。また、再発率、生存率についてもお聞きしたいのでお願いします。充実腺管癌、腋かリンパ節転移あり、胸骨肪リンパ節転移あり、トリプルネガテイブです。

術前の化学療法はFECのあとTaxanを加える予定でしょうか。そうであれば、術後に行う化学療法を全て術前に行ってしまう訳ですから、術後は放射線治療のみです。グレードを不明、リンパ節転移個数を1−3個としてAdjuvant Onlineを叩くと、10年後までに死亡している確率は無治療で48%, 化学療法(FEC->Taxan)を加えることで22%の死亡率の減少が得られ、10年後までの死亡率は26%になり、裏返すと10年生存率は74%になります。再発率の計算は反対側の乳癌や乳房温存した場合の同側の乳房内再発を含めますから高く出ます。10年後までに再発している確率は無治療で56%、同じ化学療法を行った場合、それが29%に減少します。トリプルネガティブ乳癌の特徴として、抗がん剤がよく効くタイプと効きにくいタイプがあることがわかっています。お姉さんの場合効きやすいタイプのようですから、しっかり抗がん剤治療を行うことが強く推奨されます。(文責 清水)

 

No.8949-5】  09年12月04日   S.T.  
FEC治療中での再発について

いつも大変お世話になっています。HPNo.8949で、36歳の姉について何回か相談させていただいています。
術前FEC療法6クール施行後のPETでは、画像上腫瘍は消えましたが、大変薬が効いているため、Eの量を75パーセントにして、あと4回FECをすることになり、現在トータルで8回が終了したところです。11月24日に8回目の薬が入りました。ちょうどそのころ、今まであった大きい腫瘍の下にゴマのようなしこりを触れましたが、医師も大丈夫だろう・・・とのことで、特に処置せずいました。しかし、徐々に大きくなって、見つけて一週間がすぎた今では、5ミリぐらいの腫瘍のように触れます。今日、再発の可能性もありとのことで、細胞診もしました。乳腺ではなく肋骨の上にあり、皮下組織?リンパ節?と、医師も、「この場所に出ることは考えられないなあ・・・」と言っていました。細胞診の感触はやわらかいそうですが、大きくなっているのを考えると、再発が考えられるそうです。もし、FEC治療中の再発とした場合、今後の治療方針を教えてください。また、今後の生存率も変わるのでしょうか。今まで、治療がかなりきいていたため、本人のショックも大きいです。トリプルネガテイブ、充実腺管癌、グレード2から3、治療前の大きさは、右内側に3.6センチの腫瘍、胸骨ぼうリンパ節、腋かリンパ節鎖骨下にもありでした。よろしくお願いします。

タキサン系の薬剤を使用することになります。効果があれば、生存率の向上につながると思います。(文責 徳田)

 

No.8949-6】  10年05月24日   S.T.  
今後の治療について

以前8949で相談させていただいた者です。お世話になっています。35歳の姉ですが、FEC×6クール、タキソール4クール終了後に、4月5日に右乳房全摘出を受けました。その後の病理検査で、完全奏功という、とても嬉しい結果でした。ただ、6月に見つかった当初、トリプルネガティブ、鎖骨か,胸骨ぼうリンパ節、腋窩にも転移があり、腫瘍の大きさも3.6センチと大きかっため 主治医の先生とも相談し、あと2クール、タキソールをする事にしました。完全奏功の結果は、予後も良い方が多いと聞いているのですが、姉の場合も、再発の危険は少ないと考えてもよいのでしょうか。あと2クールの治療後は定期検診のみになってしまいますが、他にできる治療は、やはりないのでしょうか。まだ子供が小さいため、再発の危険をできる限り少なくするため、できることはやりたいのです。

ご相談有り難うございます。お姉様が術前化学療法により病理学的に完全奏効を得られて良かったですね。さてご質問の今後の見通しですが、今までの臨床試験の結果からは、完全奏効を得られた方は、得られなかった方と比較して生存率が明らかに良いという結果がでています。すなわちS.T.さんがおっしゃるように「再発の危険は少ない」のですが、全く再発しないわけでは無いという点をご理解頂きたいと思います。またトリプルネガティブの方は、化学療法終了後は定期検診のみとなり、残念ながら他に行う治療はございません。治療をしていないというのはご不安かもしれませんが、今まで頑張られたのですから、少しのんびりされるのもよろしいのではないかと思います。(文責 斎藤)

 

No.8948】  09年06月02日   SS
術後療法について

去年9月に右乳癌の温存手術を受けた48歳です。ステージ2、ホルモン受容体ERのみ微弱陽性、充実腺管癌、悪性度3、HER2マイナス、リンパ転移なし、リンパ管浸襲あり、という病理で、術後、放射線治療、化学療法T−AC(8回)を受けました。もともと手術を受けた病院はあまり標準治療を積極的に行うタイプではなかったようで、上記の治療は2nd、3rdオピニオンを受けた上で主治医にお願いして受けた治療でした(主治医の提案はWeeklyタキソール12回のみでした)。特に3rdオピニオンは、私の場合トリプルネガティブに近い判定で、n0ハイリスクに入るから、AC-T、もしくはFEC100*6以上の治療が必要だと薦められました。主治医の判定とのギャップにかなり動揺したものでした。最終的には3rdオピニオンで薦められたT-AC療法を選びました。
先週最後の抗がん剤治療が終わり、今後の治療を相談したところ、主治医よりホルモン療法が効く可能性が薄いので無治療でよいのでは、と提案がありましたが、やはり標準治療ではボーダーラインの場合はホルモン治療を行う、と調べておりましたので、あえてお願いしてタモキシフェン(タスオミン)を処方していただきました。2ヵ月後に血液検査から閉経状況を確認し、その後アロマターゼ阻害剤に変更する予定です。あくまでも標準からはずれた提案が主治医よりあるため、多少不安を感じており、質問をさせていただきます。
1)  私のようにホルモン受容体がボーダーラインの術後治療としては、タモキシフェン →アロマターゼ阻害剤という方針で間違いはないのでしょうか?
2)  なにより恐ろしい再発ですが、ホルモン治療が無効な方へは、再発防止として、経口の抗がん剤を薦められる医師もいらっしゃるようです。最先端治療の選択肢として、どのような抗がん剤があるのでしょうか? 半年毎に弱い抗がん剤の点滴をうけるというような治療もあるのでしょうか?

ぜひアドバイスをお願いいたします。

1) ER陽性が少しでもあるのであれば、ホルモン療法をする意義はゼロではないと考えます。閉経前で治療開始ということであれば、タモキシフェンで治療を開始し、閉経が確認されれば、アロマターゼ阻害剤に変更するという方針でよいと考えます。
2) 標準的な術後補助化学療法に続けて、HER2陽性ではハーセプチンの投与が再発予防に有効であることは確立されていますが、それ以外のケースでは、経口抗がん剤の有用性などは確立されていません。(文責 浜口)

 

No.8947】  09年06月02日   M.M. 
本当に乳腺症の症状なのでしょうか?

相談室の内容を読ませていただきました。初めてメールさせていただきます。
私は35歳女性で、子どもが二人おります。今年1月初旬に左胸の乳頭から茶色の血性分泌があり、乳腺科を受診いたしました。その際の細胞診の結果クラスVで、その後針生検での結果は乳腺症と診断されました。針生検の後は、数週間血性分泌はあったものの、その後は、入浴後、左乳房を圧迫すると黄色の粘性のある分泌物がでる事が続いておりました。圧迫して黄色い分泌物が出ていないことのほうが珍しい状態です。先月末には、又血性分泌が(びっくりするほどの赤い血液のようなものがまず出てきて、翌日からは又赤黒いというか、茶色の分泌物が出ました。)一週間ほど続き、その後は、また黄色い粘性のある分泌物が、入浴後、圧迫すると出てきます。乳腺症と診断されたものの、乳腺症は黄色の分泌物がこれほど長期間にわたって続くものなのでしょうか?(黄色の分泌物は、見た感じはまるでイクラのなかにあるもののような色合いです。)
入浴後、分泌物を白いタオル等でふき取ると、若干赤いように見えます。(血が水で薄まっているような)
特に生理周期にあわせて胸が痛むとか、生理前に特に分泌物が増えるということもなく、大体同じくらいの量が出ているような、そんな感じです。このような症状の場合、本当に乳腺症の症状なのでしょうか?  お忙しいところ申し訳ありませんが、教えて下さい。

黄色の分泌物については乳腺症でも説明がつきますが、血液が混じる状態が長く続いているようであれば、乳管内に乳管内乳頭腫や非浸潤癌などの腫瘍が存在する場合もありますので注意が必要です。分泌物の中の特殊なたんぱく質を調べる乳汁中CEAの検査や、乳管造影の検査などが参考になると思います。もう一度、乳腺科を受診することをお勧めします。(文責 浜口)

 

No.8946】  09年05月31日   G
針生検検査後について(HPNo.8886-2)

先日は、ご返事いただきまして有難うございました。手術までの期間じっくり自分の病気のことを勉強したいと思います。二週間前にコアニードル針生検の検査をしました。すでに、乳がんと診断されておりましたので、今後の治療方針を決めるために行いました。結果は、硬癌で、ホルモン受容体陽性、HER2陰性でした。本日、生検のあとの傷口を止めていたテープがとれました。針を刺したところから、しこりの方角の皮膚がとても固く、少し盛り上がっているように感じます。テープで止めているときから固さを感じていたのですが、テープのせいだと思っておりましたが、剥がれても固くなっているので心配です。しこりが大きくなったのか?とも疑いましたが、検査前には、まったく皮膚の固さを感じなかったので、検査によって炎症を起こしているのかとも思いました。うつ伏せになると時々鈍痛があります。針生検の後は、このような症状がおこるものなのでしょうか? 問題はないでしょうか? 次回の診察まで二週間ほどあくので、少し心配になりメールさせていただきました。お忙しいとは思いますが、よろしくお願いします。

針生検後のキズのところが出血や炎症で腫れたり、硬くなったりすることはありますが、あまり心配はいりませんので、次回の診察まで待って問題はありません。(文責 浜口)

 

No.8945】  09年05月31日   H 
途中で治療を止められるのでしょうか?

お世話になります。昨年の1月からホルモン療法(ゾラデックス)を始め、4月からCMF療法を4クールしました。私の乳がんは、左が純粋型粘液がん(全摘)5cm、右が7ミリの乳管がん。7月から仕事も再開したのですが、ホルモン療法による副作用、ホットフラッシュがひどく、間接痛もあり、集中力が全くなく、困ってしまいました。仕事で椅子に座っていられるのが最初20分くらいで、ホットフラッシュが始まると、頭の中から熱が出て、考える力も無くなります。それが嫌で、それから一年、病院に行かなくなってしまいました。今から、ちょっと行きづらいというのはありますが、検査の結果次第ではホルモン療法を、この後止めることはできますか? できるのであれば、止めようかなとも考えています。また、ゾラデックスをしていましたが、一年間の間に生理も来なくなり(注射を止めても)ましたので、今後、治療をするとなると、閉経後の治療になるのでしょうか? よろしくお願いいたします。

術後の補助療法をするかどうかは最終的にはメリットとデメリットを考えた上で、患者様自身が決めることですので、副作用がつらければ、やめることも患者様の権利です。やめることは可能ですが、再発リスクを下げる効果があることも事実ですので、もう一度主治医とよく相談して下さい。(文責 浜口)

 

No.8944】  09年05月31日   M.F.
微小浸潤(2)(HPNo.8942-2)

迅速でご親切なご回答、どうもありがとうございました。心より感謝いたします。もう一つだけ、質問させていただけますか。もしも、セカンドオピニオンにて違う見解が出た場合、すでに始めた放射線やホルモン治療は、身体への悪影響がありますか。まだ実際に治療は始めていないのですが、セカンドオピニオンを待っていると、術後8週間を過ぎてしまうので、どうしようかと悩んでいます。ご教示いただけると大変ありがたいです。よろしくお願い致します。

悪影響が出ることはあまり考えなくてよいですが、もし治療するかどうか決めかねているのであれば、治療開始前にセカンドオピニオンを受けることをお勧めいたします。たとえば、術後化学療法が必要な場合には放射線治療開始は6ヶ月後になることもありますので、8週間を多少過ぎても、あまり心配しないでよいと思います。(文責 浜口)

 

No.8943】  09年05月29日   C.T.
手術した乳房乳首の近くに癌の疑い手術した乳房乳首の近くに癌の疑い

去年七月に乳がんの手術をし、センチネルリンパ節をひとつとりましたが、転移はありませんでした。アリミデックス錠を服用中です。現在別の病院にかかっていて、今月のエコー検査で、手術した乳房乳首の近くに癌の疑いありで、マーモトーム検査の予定です。癌の場合、いくつかリンパ節を取ると言われました。去年の手術の遺残?の可能性も・・・とも。もし癌だった場合、リンパ節をいくつ位取るのが一般的でしょうか? どういう手術、治療が良いと考えられますでしょうか? リンパ浮腫の話も聞きますので、不安です。よろしくお願い致します。

センチネルリンパ節生検の方法にはアイソトープを用いる方法と色素を用いる方法があり、また、各施設で様々な工夫をして行われています。基本的には摘出するリンパ節の個数に明確な決まりはなく、色素やアイソトープの取り込みのあるリンパ節を摘出してきますので、1つの場合もありますし、4個や5個の場合もあります。今回は乳頭近くに癌の疑いがあるということであり、リンパ節の取り残しではなく、乳房内の局所再発もしくは、新たな癌が発生した疑いがあるということではないでしょうか。「リンパ節を取る」ということについては、病状が不明ですので、詳細はわかりませんので、主治医に確認して下さい。(文責 浜口)

 

No.8942-1】  09年05月27日   M.F
微小浸潤

よろしくお願いします。45歳、閉経前、祖母を子宮ガンで亡くしています。微小石灰が見つかったので(しこりはありませんでした)、マンモトームをしたところ’いびつに腫大した核を有する異型細胞が、拡張した乳管内にcribriform patternをとりながらcodemo necrosis や、石灰化を伴って増生している。一部において、わずかに間質への微小浸潤がみとめられた。浸潤の範囲は小さく、深切り切片では消失している。’という結果がでました。4月中旬に、局部麻酔、外来にて温存手術を受けました。センチリンパ生検はしていません。20]33]11mmの検体の病理結果からは、腫瘍組織が認められず、浸潤部分がほとんどないた為、悪性度やハーセプテストは、行わなかったそうです。マンモトームの検体においては、ホルモン剤レセプターが陽性でした。

1) 放射線治療5週間と、ホルモン治療(ノルバデックス)5年間を薦められました。これは、妥当な治療だと思われますか。
2) 放射線とホルモン治療の同時進行は、問題ないですか。
3) 手術後、どのくらいの期間内に治療を始めればよいですか。
4) 検体のセカンドオピニオンは、意義があると思われますか。

お忙しい中、すみません。よろしくお願い致します。

1) 微小浸潤を伴う乳癌で、大部分は非浸潤癌ということと思いますが、放射線治療は局所再発のリスクを減らす効果があり、微小ですが浸潤癌があることを考慮するとタモキシフェン(ノルバデックス)5年間投与は転移・再発のリスクを47%減らす効果があり、有用と考えます。
2) 基本的には問題ないと考えます。
3) 日本乳癌学会の診療ガイドラインによれば、化学療法を施行しない場合には術後8週間以内での開始を推奨しています。
4) 文章だけからは判断しかねますが、納得いっていない部分があるのであれば、意味はあるかも知れません。主治医に相談してみてはいかがでしょうか。(文責 浜口)
 

No.8942-2】  09年05月31日   M.F.
微小浸潤(2)

迅速でご親切なご回答、どうもありがとうございました。心より感謝いたします。もう一つだけ、質問させていただけますか。もしも、セカンドオピニオンにて違う見解が出た場合、すでに始めた放射線やホルモン治療は、身体への悪影響がありますか。まだ実際に治療は始めていないのですが、セカンドオピニオンを待っていると、術後8週間を過ぎてしまうので、どうしようかと悩んでいます。ご教示いただけると大変ありがたいです。よろしくお願い致します。

悪影響が出ることはあまり考えなくてよいですが、もし治療するかどうか決めかねているのであれば、治療開始前にセカンドオピニオンを受けることをお勧めいたします。たとえば、術後化学療法が必要な場合には放射線治療開始は6ヶ月後になることもありますので、8週間を多少過ぎても、あまり心配しないでよいと思います。(文責 浜口)

 

No.8941-1】  09年05月27日   M
ホルモン療法について

いつも丁寧なご回答ありがとうございます。2005年2月より2006年6月までタスオミン、その後閉経してアロマシンになり、現在も継続中です。来年2010年2月で通算5年になりますが、その後はフェマーラ5年になるのでしょうか? フェマーラ5年を勧められる人と、勧められなくて5年で終わる人の違いは何でしょう? 再発予防に、骨量減少に気をつけて続けたいと思っています。
病理結果: 1.5センチの粘液癌、ER−、PGR+、HER2−、グレード1、脈管侵襲0、手術時閉経前44歳です。アロマシンはステロイド系と聞いていますが(アリミデックス、フェマーラは非ステロイド系)、長期に渡って服用して良いステロイドとは、どういう意味でしょうか? いろいろ質問して申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

閉経後乳がんの標準治療として以前より行われてきたタモキシフェン(ノルバデックス、タスオミンなど) 5年間内服と比較して、タモキシフェンx2-3年→アロマターゼ阻害剤x2-3年、タモキシフェンx5年内服後にアロマターゼ阻害剤x5年内服は、ともに再発のリスクを減らすことがわかっていますが、その両者を比較したデータはなく、特に閉経前後をまたいでの治療となると、個々の患者さんの状況に応じて治療法を決定していくことになります。
ステロイド系というのは、アロマシンの分子構造がステロイド骨格に類似の構造をしていることを意味しており、ステロイド系=ステロイド作用があるというわけではありません。アリミデックス、フェマーラはその骨格を持たないので、非ステロイド系と呼ばれます。(文責 浜口)
 

No.8941-2】  09年10月23日   M
EFC療法

以前HPNo.8941で質問をさせていただきました。いつも、わかりやすく説明していただき、ありがとうございます。
36歳の姉、充実腺管癌、トリプルネガテイブで、グレード2から3、腋かリンパ節、胸骨傍リンパ節にも転移があり、術前化学療法中です。現在、EFC療法6クールめが終わり、来週中にPETをやる予定です。4クール終了時のMRIでは、胸のしこりは、繊維がのこっているように写っている。腋のリンパはまだ画像上にある状態でしたが、今の薬がとても効いているため、あと1から2回今の薬を使うか・・・ということを、主治医の先生から話がありました。ただ、体への負担が大きくなるため、まだはっきりと決まっていないようです。
1) EFC療法は最大何回まで使えるようになっているのか質問をさせてください。
2) また、もし副作用が強く出た場合、今後、手術や他の抗がん剤が使えなくなってしまうのでは・・・と心配しているのですが、EFCを多く使うことに対しての欠点は、ほかにもありますか。
3) EFC療法をこれで終了した場合は、タキソールかタキソテールの治療へ移る予定です。次に治療にうつってしまった場合、もし効果が見られなかったときに、EFC療法へ戻るということはできないのでしょうか。

まとまりのない文章で申し訳ありませんがよろしくお願いします。

FEC療法で用いる、E(ファルモルビシン)は、心臓への毒性があり、心臓の収縮力が低下します。この毒性は、不可逆性といって、ひとたび起こると治りませんし、命にかかわる事態に発展します。これは、回数が増す毎に(Eの総投与量が増える毎に)そのリスクが増し、特に7-8回目くらいになると、そのリスクが急増しますので、薬剤の効果があっても、ある程度で見切りをつける必要があります。ですから、強い副作用が出た時(心臓の収縮力が低下した時)には、手術とか、次の抗癌剤とかいう状況すら考えられない事にもなり得ます。ここは、あと1-2回で終わって、次の治療法に変更することをお勧めします。ただ、回数よりEの総投与量が問題ですので、主治医とよくご相談下さい。次の治療法に変更し、その効果が乏しい時に、今一度FECを・・・ということですが、これは上述の理由により、基本的には使えません。あまり、期待の無い話で申し訳ありませんが、あくまでも安全に抗癌剤を行うことも必要ですので、ご理解下さい。(文責 鈴木)

 

No.8941-3】  09年12月10日   M
今後の治療について

いつも大変お世話になっっています。HPNo.8941でお世話になっています。前回のメールでFEC治療中の再発について相談させて頂きました。今日、細胞診の結果がでて、「粘液の混じった中に数は少ないが異型細胞あり。悪性の可能性。」との結果でした。今後、FECから、タキソールへの変更になります。再発もしくは再燃と考えて治療を進めていくと言われましたが、今後手術はあまり意味がないかも・・・との事でした。
1) 手術は、やはり今後、タキソールが効いたとしても意味のないことなのでしょうか。
2) タキソールが効かなかった場合、今後の治療の選択肢は、どのようなものがありますか。トリプルネガテイブのため、そして原発の腫瘍、今回再発した腫瘍とも、右内側の下の乳房であり、放射線なども心臓の近くなどを考えると難しいのではないかと思うのですが・・・。
3) 1ヶ月前のPETでは、画像上、腫瘍の指摘はなく、FECがとても効いている状態でした。今の時点で遠隔転移の可能性はありますか。
4) 姉は現在子供をつれて実家近くの病院で治療をしています。今後、タキソールをどのぐらい継続するか・・・今後の治療にもよりますが、実家から東京の自宅に帰ることになった場合、転院という形になりますが、途中からの治療を引き受けてくれる病院はあるのでしょうか。

腋窩リンパ節、胸骨傍リンパ節に転移があり、術前化学療法としてFEC治療中に乳房の腫瘍が再増大してきたということでしょうか。そうであれば、タキソール治療に変更して効果があれば遠隔転移がない状態であれば、手術+放射線治療の選択肢はあるかも知れません。また、タキソールが効かなかった場合には、トリプルネガティブであれば、他の抗がん剤を使用していくことになり、ナベルビンやゼローダ、TS1などが次の候補になります。1か月前のPETで転移がなかったのであれば、大きな転移が1ヶ月で出てくる可能性は少ないと考えますが、PETで見つけられない小さな転移が潜んでいる可能性は否定できません。治療のどんな段階であれ、病院を変えることは可能です。紹介状を書いてもらい、資料をもらっていけば心配いらないと思います。(文責 浜口)

 

No.8940】  09年05月27日   C.T.
軽度の異型乳管とは?

初めてメールいたします。乳癌検診でマンモグラフィー、超音波画像診断で、「石灰化がみられるので、三ヵ月後にもう一度検診をしてみましょう。」と病院で言われ、その三ヵ月後、同じく検診と細胞検査を針でとりました、結果が2ということだったのですが、その石灰化の部分が、がん細胞があるのか、ないのか白黒はっきりしないということで、「安心のためにマンモトーム生検をうけてみたらどうか」と言われ、受けてみました。結果は、軽度の異型乳管ということでしたが、主治医の先生がおっしゃるには、「生検の結果を出した病理(?)の診断によると、軽いがんの種類の一つみたいな感じだけど、そこまで深刻ではないと思うので、経過観察でよいと思う。意見が相違しているので、先輩の先生に聞いてみる。」との事で、結局 総合診断結果は3a という結果に終わりました。この、軽度の異型乳管ということが、いまいちわからず、がんになる前の細胞なのでしょうか? 教えていただけたらうれしいです。40歳です。

異型乳管上皮過形成は乳管内増殖性病変のひとつであり、非常に早期の悪性病変である非浸潤癌と良性の病変である乳管上皮過形成の中間に位置します。乳管内増殖性病変の良悪性の区別は簡単ではなく、その境界病変に位置するのが異型乳管上皮過形成であり、基本的には良性ですが、どこかに非浸潤癌が潜んでいたり、今後非浸潤癌が発生してくる可能性もあるため、注意が必要です。経過観察の方法は確立されてはいませんが、定期的マンモグラフィや、必要に応じてMRIやマンモトーム生検の再検も考慮したらいかがでしょうか。(文責 浜口)
 

No.8939】  09年05月27日   M.S. 
乳頭異常分泌について

お忙しいところ失礼いたします。私は30歳の歯科医師です。未婚で、妊娠経験はありません。高校時代にも一度、乳頭から漿液性の透明な分泌物が、乳首をつまむと出たことがありました(それは1度だけ)。先月、左側乳首のかゆみがあり、乳首を触ったところ、同じように透明の分泌物が出ました。先月はその日のみ出たのですが、昨日、また左側乳頭のかゆみがあり、乳頭を圧迫したところ、乳白色の漿液性分泌物と、無色透明の分泌物が出ました(2箇所から)。心配になり、右側も試したところ、右側からは無色透明の分泌物が出ます。先月は、1回だけだったのですが、今回は乳頭を圧迫すると何回でも分泌物が出ます。気になって調べてセルフチェックしたところ、多分、乳房のしこりはみあたりません。かゆみも、一時的で、現在はなく、乳頭からの分泌のみです。先月も今月も、生理前だったのですが・・・。病院にいこうか、もう少し経過をみて、来月も分泌物があったらいこうか悩んでいます。お忙しいとは思いますが、ご返答いただけたら幸いです。宜しくお願いします。

一般的には片側性で血性の分泌物が出る場合には、乳管内乳頭腫や乳がんなどの腫瘍の存在が疑われ、精査が必要です。両側性で漿液性であれば、腫瘍の存在の可能性は低いと考えます。ホルモンのバランスや乳腺症などで分泌が亢進した状態などが考えられますが、心配であれば一度乳腺外来を受診されるとよいと思います。(文責 浜口)

 

No.8938】  09年05月27日   N.K.
ホルモン治療がきいていないのか不安です

40代後半の主婦です。昨年1月に温存手術を行い、3月より放射線治療と平行してタモキシフェン、ゾラデクス注射のホルモン治療をはじめました。それにより、2回目の注射以降生理が止まりました。しかしそれは6ヶ月間だけで、同じ治療を続けているにもかかわらず、11月よりほぼ同じ周期で生理がくるようになりました。量もかなり多く、主治医に話しているのですが、毎回「様子をみてみましょう」という感じで、6ヶ月が過ぎてしまいました。同じ時期くらいの血液検査から、NCC-ST439の腫瘍マーカーだけがあがり、今色々検査していますが、ホルモン治療がきいていないのか不安です。色々調べたのですが、ほとんどが生理は止まるということしか情報を得ることができません。生理がこのまま周期的にあってもよいモノなのでしょうか?ご意見をお聞かせ頂けたらありがたいです。

確かにゾラデックスの使用により、2回目以降生理が止まる患者さんがほとんどですが、中には数%生理が止まらない患者さんもいるようです。もし心配であれば、採血で卵胞刺激ホルモン(FSH)、女性ホルモン(エストラジオール)のレベルをチェックすると参考にはなると考えます。(文責 浜口)

 

No.8937】  09年05月26日   N 
全摘+同時再建(人工乳房)

37歳、既婚、小学生の子供のママです。先日、乳がんの告知を受け 温存よりも、全摘+同時再建(人工乳房)が望ましいと言われました。再建について悩んでいます。定期的に外科にも検診を受け、再発や転移にビクビクしながら形成外科に通う事ができるのか? 半年以降は再度入替手術も受けることになります。

再建は、あくまでオプションで、いつでも可能です。結論が出せないのであれば、がんの手術、全摘を先にして、再建するかどうかは、ゆっくり考えたらいかがでしょうか。(文責 徳田)

 

No.8936】  09年05月26日   A 
腋の下の痒みについて

第2子出産後、左の脇の下あたりがむずかゆくて眠れないことがあります。特に夜にかゆみが強くなります。皮膚がかゆいのではなく、わきの奥のほうがむずむずします。完全母乳のため、乳腺の関係でこんなふうになるのでしょうか。どちらにしても1か月ほどむずかゆさが続いており、夜が眠れずつらいです。冷やしたりして対処していますが、痒みは続いています。一度病院に行こうかと思っていますが、産婦人科の受診でいいのでしょうか。このまま眠れないなら睡眠薬など飲みたいと思うのですが、授乳中は服用できないのでしょうか。

産科の受診がよろしいと思います。眠剤については、薬剤により乳汁への移行が違いますので、やはり産科の医師にご相談ください。(文責 徳田)

 

No.8935】  09年05月26日   Y.M.
皮膚転移について

約1年半前に全摘手術を受けました。35歳でした。発見が遅れ、3期で皮膚にまで顔を出している状態でした。リンパにも10個以上。その後、フルコースの治療を受け、今はホルモン治療のみで、元気に過ごしていました。ところが、昨夜、術側の胸から下5センチくらいまでにかけて、薄いまだらのピンク色になって、ポツポツと虫刺されのような発疹があります。もしや、皮膚転移、もしくは炎症性乳がん・・かと思い、夜も寝れませんでした。不安で不安でたまりません。可能性は高いのでしょうか。また、もしそうだとすれば、どんな治療、治る可能性はあるのでしょうか。勿論、病院にも行くつもりですし、乳腺の医師にも聞いてみました(担当医は病院が代わり、別な医師でした)が、その可能性は低いと言われました。でも、気になって仕方ありません。よろしくお願いします。

皮膚所見を直接拝見していないので、はっきりしたことは申し上げられませんが、皮膚転移の可能性は否定できません。3期、リンパ節転移個数を考えると、リスクは高く、皮膚生検すべきと考えます。(文責 徳田)

 

No.8934】  09年05月24日   N 
術後療法について

48歳、未婚です。今年の4月21日に、乳がんで、内視鏡温存手術をしました。病理検査の結果が、少しずつ出てきています。 ホルモン感受性が ER・PR両方90〜95%、グレード2弱、ステージ1期、左上胸1センチ弱の1個の硬癌、センチネルリンパ生検して リンパ転移無し、閉経前(もう終了するかも)。 早期がんということで、27日から毎月1回皮下注射をしています。18日から、タスミオンを内服しています。あと、遺伝子レベルが出てきていませんが・・・、このくらいホルモン値が高いので、しばらく 「ホルモン療法』でいくことになっています。
1) HER2が陽性なら、抗がん剤治療はありですか? 本なんかで情報収集してみたら、「抗がん剤が先で、ホルモン療法は後で」が多いです。一緒に使うと、ホルモン剤の効果が落ちるって・・・。ホルモン療法にも副作用はあると思いますが、私は、化学療法より内分泌療法のほうがいいんです。
2) 主治医の先生に伝えるのは失礼なのでしょうか?

ヨロシクお願いします。

ER2陽性でも、ハーセプチンを含めて抗がん剤治療は必要ないと思います。(文責 徳田)

 

No.8933】  09年05月24日   K 
どんな結果を信じればいいですか?(HPNo.8879-2)

前回の相談はNo.8879せす。大変お世話になりまして、お礼としてどんな言葉を選んだらいいのか、分かりませんが、本当にどうもありがとうございます。 超音波下コアニードル検査の結果、一応乳がんを出されました。疑われたところは、すごく硬いから、うまく採取できなかった為、繰り返し採取し、組織8箇所をとられました。7箇所は異常なしで、一箇所だけ細胞の異常があって、非浸潤性乳がんの可能性が高いと説明してもらいました。「念のため腫瘍マーカーを検査しましょう」と薦められまして、でも、まだはっきり白黒つけられない可能性があると言われたから、乳房生検を受ける決意をしました。先生には、念のため、余分に取ってもらいました。病理結果は良性、のう胞です。先生から「良性だから、心配をいりません。念のため9月もう一度検査に来てください」といわれました。2回の病理検査結果は、私にとってあまりにも異なります。
1) こんな結果はありえますか。
2) 私は、これから心配を本当にしなくてもよいのですか。

腫瘍の切除生検の結果が最終診断です。針生検は、腫瘍のごく一部の所見ですから、最終結果が異なることは、少ないですがありえます。主治医のコメントから推測すると、針生検の診断も確定的なものではなかったと思われます。(文責 徳田)

 

No.8932】  09年05月23日   A 
細胞診後のMRI検査について

31歳未婚、出産経験なしです。4月末にしこりを感じて初めて受診し、マンモやエコーをしましたが、良性か悪性か判断できないとのことで、5月11日に細胞診をし、本日診断結果として「鑑別不可」と言われました。「細胞診を見ると、良性のようだし、こういう症状の9割が良性です。ガンだと思っているわけではなく、良性であることを確定させるためにMRI検査をしましょう。」と言われました。しかし、「MRIだけでは判別できない可能性もある。その時は組織診をしましょう」ということでした。初診時から既に1ヶ月経っており、良性であると確定できるまで精神的にとても辛いです。MRIをしても判別できないのであれば、MRIの前に組織診をしてもらいたいと思ってしまいます。通常の検査の順番として、「触診→マンモ→エコー→細胞診→組織診」と、よくネットなどでは見ますが、組織診の前にMRIをする意味は何でしょうか? 長文で大変失礼しますが、宜しくお願いいたします。

おっしゃるとおり、MRIでは、診断の確定はつきません。悩まれるのであれば、組織診をお勧めします。(文責 徳田)

 

No.8931】  09年05月23日   ぴろ
胸のしこりについて(3)(HPNo.8895-3

HPNo.8911で質問させていただいたものです。針生検の結果、良性の線維腺腫とのことでした。しこりは、まだありますが、そのうち消えるでしょうとのことでした。しかし、体がだるく、首から肩が痛かったりで気になります。エコーを見ながら、細胞搾取をしていたので、取り違いということは、まずないとは思いますが、こういったしこりは、消えるまでに、どれくらい日数はかかるものなのでしょうか。また、消えなかった場合は、取ったほうがよいですか。次回は3ヶ月後に検診です。

線維腺腫は、消失することはまずありません。良性であるので、そのままでよいのです。ただ、針生検では、葉状腫瘍の可能性は否定できないので、急速に増大する場合には摘出すべきです。そのために、しばらく経過を観察するのです。(文責 徳田)
 

No.8930】  09年05月22日   A.
組織診の結果について(2)(HPNo.8743-2)

お世話になります。前回、マンモトームの結果についてご回答いただきました。本日、3ヵ月後の診察に行ったのですが、マンモトームの報告書を見ながら、「あまり心配しなくても大丈夫、異型細胞が全部癌になるわけじゃないし、数%の確立だから。今出来ることはMRIくらいだから、予約するね。」と言い、触診もエコーも何もしませんでした。3ヶ月じゃ変化ないから・・・と。「乳腺症だから心配ないです。1年検診でいいですよ。」と言われるでもなく、癌だと言われるでもなく、心配しなくても良いというのにMRIとは、よくわかりません。どういう状態なのでしょうか? ネットで調べると、乳癌は病理診断がとても難しいと良く目にします。あまり曖昧だと、かなり不安になってきます。最近良く見る、病理セカンドオピニオンをしたほうが良いでしょうか? 簡単には出来ないのかもしれませんが、家族も心配しています。子供もまだ小学生なので、少しでも疑わしいならはっきりしたいのですが、どうしたらよいのでしょうか? お忙しいところ申し訳ありませんが、宜しくお願い致します。

一般的には、異型細胞は癌細胞でなないので、それが癌化することはありません。問題は、異型なのか癌なのかの診断であり、不安であれば、病理のセカンドオピニオンを勧めます。また、異型細胞が認められた乳房は、乳癌のリスクが高いので、画像診断を含めた定期的な健診は必要です。(文責 徳田)

 

No.8929】  09年05月22日   T.M.
のう胞があります

はじめてメールします。36歳の主婦です。9歳と6歳の男の子と、1歳1ヶ月の女の子がいます。1ヶ月ほど前になにげなく右胸を触ったところ、しこりらしきものを発見しました。右胸の右側で、1センチ程の大きさです。まだ授乳中だった(現在も授乳中)ので、乳腺がつまっているのかなと思い放置しました。しかし、そのしこりは、なくならず、乳がんかもと思い、先日、総合病院の外科を受診しました。マンモの検査とエコーの検査をしたところ、のう胞と判明しました。でも、そののう胞の内部に、しこりらしきものがあるので、針を刺して、その組織が悪性か良性かの検査をしました。のう胞の検査の結果は、22日に出ます。その検査の2日後、その針を刺したところとは反対の左側(右胸です)が、まるでミルクがパンパンに詰まって張っているような感じになりました。赤ちゃんにおっぱいを飲ませれば、その張りはひくのかなと思い、飲ませましたところ、少しはひきましたが、以前のようにその張りはひくことはありませんでした。その張りと同時に、37度から37度5分程の微熱が出ました。その熱は、1日で平熱に戻りましたが、右胸の張った感じはなくなりませんでした。心配だったので、同じ病院を受診しました。エコーの検査だけをしましたが、以前の画像とは変わらないので、様子を見ましょうという診断でした。(このときの医師は、最初に診断した医師とは違う医師)

1) のう胞内に癌が発見された場合、それは、悪性度は高いのでしょうか。                  
2) のう胞を検査した場所は、少し大きくなりました(小さくなりませんでした)が、その検査をしただけで、その場所とは反対の箇所がパンパンに張ってくるのでしょうか。
3) 結果が出るまでに断乳したほうがよいでしょうか。
4) 外科ではなくて乳腺外科を受診した方がよいでしょうか。

結果が出るまで、とても不安で、最悪のケースばかり考えてしまいます。ご回答よろしくお願いします。

1) のう胞内に限局しているのであれば、非浸潤癌と同様の予後で、転移の可能性は、ほぼないと考えます。浸潤が認められれば、通常の浸潤癌と同様にその浸潤径に比例して再発率が増加します。
2) エコー上変化がないとのことですし、乳汁のうっ滞が考えやすいと思います。
3) 断乳の必要はありません。
4) 不安が解消しないのであれば、乳腺外科の受診を勧めます。(文責 徳田)

 

No.8928】  09年05月22日   F 
術後の放射線治療とホルモン治療併用について

2009年3月に右乳房温存手術を受けた43歳です。現在、放射線とホルモンの併用治療を行っておりますが、HPNo.8893にて、『ホルモン療法と放射線療法の併用に関する結論はまだでておりませんが、がん細胞に対する効果が落ちる、という報告もあります。』というご回答を見て、主治医に相談すべきか迷ってます。病理結果は、「浸潤硬がん、腫瘍 12x8x15mm、核異型度:NG2、組織学的異型度:1 (TF:2,NP:1,MC:1) 、断片 (-)、ly (-)、v(-)、リンパ節転移:n(-) 0/3、 stage: pT1cN0Mx、ホルモン受容体: ER:7 (PR:5, IS:2) PR: 7 (PR:5, IS:2)、 HER2: (1+) 」です。リュープリン(4週間持続型)を4/6、5/12の2回投与。ノルバテックスは5/13から飲用。放射線治療は5/12から開始され、28回(56グレイ)の予定です。リュープリンは2年、ノルバテックスは5年の予定です。又、抗がん剤は行っておりません。以上、宜しくお願い致します。

タモキシフェンと放射線療法の同時併用と順次治療とどちらがよいのかについて、無作為化比較試験のデータはありません。後ろ向きの検討の結果では、効果に関しては、差がないとするのが標準です。(文責 徳田)

 

No.8927】  09年05月22日   M
抗癌剤治療後の足のむくみについて

現在訪問看護師として働いている者です。訪問先に、乳がんで骨転移があり、オペはせずにタキソテールの抗がん剤治療のみを行っている方がいます。抗がん剤あとに両足にむくみが出るので、これは静脈性かリンパ性なのかを知りたいと思い、メールさせていただきました。よろしくお願いします。

可能性は、2つあると思います。
1.タキソテールの副作用としての浮腫。血管の透過性の亢進によるとされ、利尿剤が有効です。
2.骨転移のために歩行ができず、下肢の静脈のうっ滞によるもの。理学的な治療が有効と思います。(文責 徳田)

 

No.8926】  09年05月20日   S
CEAの値について

CEAの値が、ここ1年間の間に、3.8→2.8→3.4→4.2→3.4→5.2と変動しています。主治医からは、「前回も一度下がっているので、また3ヵ月後に採血しましょう。」と言われました。今までで、一番高い値です。通院している病院では、上限値が3.4となっています。なぜ、病院によって上限値の差があるのですか? この変動は、一般的にありえますか?

このくらいの変動は普通にみられます。持続的に上昇していくのでなければ、経過観察でよいでしょう。検査の基準値は、使用する検査のシステムによって異なりますので、病院によって異なる値になることはあります。(文責 俵矢)

 

No.8925】  09年05月20日   K.H.
ホルモン治療と生理について

温存手術後、現在放射線治療中です。この後、ホルモン治療を行いますが、LH-RHアゴニスト製剤を2年間使用した後、生理が戻るかどうか心配しています。製薬会社1社に問い合わせたところ、45歳以下なら統計的に戻る確率は100%といわれましたが、他製薬会社には戻るかどうかは微妙だといわれ、HP等でも同年代でホルモン治療後生理が戻らない、又は戻らない可能性が低くないという記事を目にしました。個人差はあると思いますが、41〜42歳で始めた場合、通常どれくらいの確率で戻る可能性があるのでしょうか? 病理検査の結果は、「浸潤径:0.8cm、ER+、PGR+、リンパ節転移陰性、HER2−、核グレード1」の低リスクですが、やはり抗エストロゲンのみの治療よりLH-RHアゴニスト製剤を使用した方が再発率は減少するのでしょうか? お忙しいところ恐れ入りますが、アドバイスいただければ幸いです。

40歳を超えて始めた場合、月経が100%再開するとは言い難いと思います。何年続けるかによりますが、2年程度の継続であれば、おそらく8割方は戻るものと考えます。しかし、5年程度続けると、年齢的にも自然閉経が始まる年代に入っていきますので、それよりも少なくなるだろうと思います。単純に「がん」のことだけを考えれば、生理がそのまま止まってしまったほうが、がんの再発はすくなくなると考えます。なので、そのまま閉経してしまうことは「よし悪し」の面があると思います。相談者さんは、再発リスクはあまり高そうではないので、LHRH アナログなしで、タモキシフェンのみ5年間内服という選択もありかと思います。ただし、タモキシフェンの内服のみでも、月経不順、無月経になることはあります。(文責 俵矢)
 

No.8924】  09年05月19日   YK
超音波機械の精度について

前回「術前ホルモン療法」につきましては、大変ご丁寧にご回答をいただきありがとうございました。大変参考になりました。 結局、3ヶ月待ちを覚悟で、大きな大学病院の方に決めました。早速、診療を受けております。データは既にあった物を持ち込んだのですが、マンモグラフィーと超音波は、電子媒体のデータが欲しいとのことで、再度、そちらの病院で取り直しを致しました。結果を拝見したら、もともと聞いていたしこりの大きさが違いました。最初の超音波検査では、1.4cm×1.2cmでしたが、この大学病院での結果は、2.1×1.8×1.6とのことでした。前回の検査からは1ヶ月しか経っておりませんが、大きくなってしまったのかと心配で主治医に尋ねましたところ、「エコーについては誤差が出ることがよくあり、この病院の超音波の機械は大変精度の高いものだから」ということでした。おまけに、前回撮影した時はでなかった別のしこりも発見されています。機材の精度の違いでしこりの大きさが違って出るというようなことは、よくあるのでしょうか?? たった1ヶ月でしこりが大きくなってしまったのではないかと大変心配しております。(ちなみに組織診の病理の結果はグレード1でした)

がんのしこりの中には、正常部分との境界線が明瞭なものと、正常との境界線が決めにくいタイプののものがあります。後者のものであれば、同じ病変であっても測定機器の違いや検査者によって解釈がちがうとそれだけで多少差がでてくることは、しばしば起こります。ですので、1ヶ月の違いであれば、病変が大きくなったというより、そっちのほうが考えやすいかと思います。(文責 俵矢)

 

No.8923】  09年05月19日   E、R
細胞診の結果について

35歳、妊娠歴なし、家族に乳癌なし。平成18年頃より右乳房A,C領域にしこりが1個ずつあり、半年おきに乳腺エコーと、1年おきにマンモグラフィーで経過をみています。どちらのしこりも、数年前に細胞診をしており、クラス2の結果でした。昨年引っ越しにより、今までとは別の乳腺クリニックへ平成20年9月にかかりました。そちらでもエコーにて右乳房A,C領域のしこりを指摘され、A領域のしこりは丸く心配ないと思うが、C領域のしこりは形が悪いので細胞診をし、結果クラス3Aでした。(Atipical
ductal cells. Historogical examination requested. 積極的なmarignancyの所見は明らかではありませんが、やや増生がみられる所見。できれば組織診がのぞまれます)
主治医の指示により、造影MRIをうけ、左右乳腺に5個の結節を認めるが、乳腺症にともなう結節や、繊維線種で矛盾しないという結果で、半年ごとの経過観察で良いと言われ安心しておりました。今月、定期受診しましたところ、また、右乳房同一部位のしこりともに、0.8ミリ、1.5ミリで、「以前とサイズは変わっていないが、形が気になる、AもCも細胞診したいが、一度の検査で2か所の検査はできないから」と、今回はA領域の細胞診をしましたところ、クラス3Aでした。(細胞数少数。出血背景に微量乳腺上皮をみる。シート状をしめし、一部腺上皮間に空隙形成、ただし、G染色では核種大を伴う乳管上皮をみる。微量のため、経過観察後、再検希望します。)
主治医からは、また造影MRIをすすめられました。

1) 昨年と今月受けた細胞診の結果ですが、言葉が難しく理解できません。どのように解釈すると良いのか教えて下さい。悪性の可能性が高いのでしょうか。
2) 年前からあるしこりで、大きさもあまり変化ありませんが、病院を変わったとたん、細胞診断がクラス3になってしまい不安です。少しずつ悪性化しているのでしょうか。
3) 7か月前に造影MRIをして、結果良性と言われていたので安心しておりましたが、また造影MRIをする意義があるのでしょうか。私としましては、組織診断して頂いたほうが良いのではないかと思うのですが・・・。
4) 今月しました細胞診断のコメントに、経過観察後再検査を希望とあるのですが、仮に悪性であったら、このまま経過をみていて良いのか、悪化するのではと心配です。どのくらい経過をみて良いものでしょうか。

以上、長文になり誠に申し訳ございません。どうぞよろしくお願い致します。

細胞診でクラスIIIだからといって必ずしも乳がんを疑うというわけではないと思いますが、もし、細胞診、画像診断で乳がんを疑う病変があるならば、針生検などの方法を検討してみるのもよいでしょう。実際の所見をみているわけではないので、なんとも申し上げにくいところです。主治医の先生に「経過をみるだけでよいのか」とたずねていただいて、ご説明していただくか、追加の検査を検討してもらうのがよいでしょう。(文責 俵矢)

 

No.8922】  09年05月19日   H.I.
悪性の可能性が強いということなのでしょうか?

38歳、女性、7歳の娘が一人います。2か月前頃から右胸に違和感を感じるようになりました。腋の下がつっぱるような感じや、肩甲骨の辺りにも痛みを感じるようになったので、先日乳腺科を受診し、マンモグラフィーとエコーの検査を受けました。マンモグラフィーの画像を見た先生から、「針を刺す検査をしたい」と言われました。結果的には、「エコーに何も映らないので針は刺せない」とのことでしたが、2年前に検査をした時の画像と比べると白い影が大きくなっているので、「疑っている」とのことです。今回は生理前でしたので、「2、3ヶ月後の痛みがない時に再診して、針を刺すなり他院を紹介するなりしたい」とのことでした。画像診断の結果、細胞診を行うということは悪性の可能性が強いということなのでしょうか。また本当に乳がんだった場合、2か月も放っておいて大丈夫なのでしょうか。

2ヶ月くらいの時間は通常は問題にはならないと思います(もちろん例外はありますが・・・)。待っているのが心配ならば、その旨主治医に伝えて、説明を求めるなり、検査を早めてもらうなりなさるのがよいかと思います。この文面だけからは、申し訳ありませんが、このくらいしか申し上げられません。(文責 俵矢)

 

No.8921】  09年05月19日   Y.T.
抜歯をしても大丈夫でしょうか?

よろしくお願いします。乳がんになって7年目です。今アリミデックスとビスフォスフォネートを飲んでます。アリミデックスは、飲みだして6年目です。ビスフォスフォネートは、飲みはじめて3年目です。今、歯の治療をしてます。奥歯がぐらぐらしているので、抜きましょうと言われてます。少し化膿してきています。今、この状態で抜歯をしても大丈夫でしょうか? 歯の骨がずいぶんと細くなって、下がってきていると言われてます。

経口のビスフォスフォネートでも、まれに顎の骨の骨髄炎が副作用で起こることがあるとされています。この副作用は、抜歯などの歯科治療をされた方に比較的みられるとのことですので、抜歯をなさるなら、ビスフォスフォネートは休薬して行ってください。歯科の先生や乳腺の先生は、だいたいこのことをご存知のはずなので、それぞれの担当の先生にご相談なさってください。(文責 俵矢)

 

No.8920】  09年05月19日   s.k.
ホルモン療法

昨年2月に乳房温存手術を受けました。Uaでした。ホルモン療法ができるという事で、放射線治療のあと、タモシキフェンを飲み始めましたが、じんましんがひどく、すぐ中止し、ゾラテックス注射にきりかえました。こちらも2ヶ月目から半年ほどジンマシンに苦しみましたが、現在はでなくなっています。血液検査で生理が止まったのが確認できたら、アロマターゼ剤に移行しようかと言われていますが、もう少しゾラテックスを続けたほうがいいのか、アロマターゼ剤に移行していいのか、ご意見お聞かせください。再発を少しでも防ぐという観点でお願いします。

あなたの年齢がいくつかということで、この場合のお答えはかなり異なったものになると思います。ほとんど閉経という年齢ならば、アロマターゼに移行するのはよいだろうと思います。しかし、たまに、この年代の女性がアロマターゼに移行すると、逆に女性ホルモンがあがってくることがあるので、そこに注意しながら行うのは、よいと思います。(文責 俵矢)

 

No.8919】  09年05月19日   A
皮下乳腺全摘後の検査について

37歳、子供ありです。DICSと診断され、皮下乳腺全摘術を行いました。主治医は、今後は術側は検査も何も行わなくてもよいといいますが、乳頭を残しているので少々心配です。本当に何も検査しなくていいのでしょうか? マンモグラフィーは不可能だと思いますが、MRIや超音波もできないのでしょうか? よろしくお願いいたします。

皮下乳腺全摘をしたあとの胸壁や乳頭、皮膚の部分は、基本的には触診でかなり何かあればわかるので、検査しなくてよいというお話なのだと思います。逆にMRIやエコーのほうが触診よりもわかりづらいことが多いと思います。(文責 俵矢)

 

No.8918】  09年05月19日   U
リューブリンの投与について(2)(HPNo.8913-2)

丁寧なご回答ありがとうございます。私の年齢からしてもリュープリンによる治療を続けることが望ましいということはわかりました。もう一度主治医と話してみようと思います。が、そこでもう一つ聞きたいのですが、リュープリンによる治療を中止と考えるのではなく、休むと考え、投与せずに様子をみて、今後生理が再開した場合に、またリュープリンによる治療も再開するというのではいけないのでしょうか? 生理が再開してしまうと治療が手遅れってことになるのでしょうか? ちなみに、私は今のところ再発の疑いは見つかっておりません。参考にさせていただきたいので、よろしくお願いします。

それでも悪くないのですが、できれば、エストロゲンや卵胞刺激ホルモンなどを測定してみて、ホルモンの状況をみて行うのがよいと思います。(文責 俵矢)

 

No.8917-1】  09年05月15日   Y
乳腺線維腺腫について

いつも拝見させて頂いております。ありがとうございます。私は36歳で二人出産しております。2年前に右胸にしこり(1p)ができ、1年前に針生検を行いました。結果は乳腺線維腺腫だろうとの事でした。5ヶ月前に再度エコー検査をしたところ、1つ目のしこりのすぐ下に、二つ目のしこり(1p)が出来ておりました。1つ目と同じ乳腺線維腺腫だろうとの事で、「経過観察、1年後に検査」ということでした。それからもんもんとした気持ちで過ごして参りましたが、やはり不安でたまらず、ご相談させて頂きました。
1) 乳腺線維腺腫は多発するものですか?
2) 1つ目は針生検をしましたが、2つ目のしこりはしておりません。2つ目のしこりも針生検を行った方が良いでしょうか?(新しいしこりができる度に針生検を行った方が良いでしょうか?)
3) 乳腺線維腺腫は、1年に1度の定期検査でよろしいのでしょうか?

お忙しいところ申し訳ございませんが、宜しくお願い致します。

線維腺腫は何個かできることはよくあります。画像診断で明らかに線維腺腫を考える病変であれば、針生検は必ずしも必要ではありません。年に一回で、通常は十分ですが、症例によってはそうでないこともあるので、やはり主治医にご確認ください。(文責 俵矢)

 

No.8917-2】  09年06月14日   Y
乳腺線維腺腫について(2)

HPNo.8917で質問させて頂いたものです。ありがとうございます。本日、乳腺外来に検査に行って参りました。2年前に9oだった1つ目のしこりは、1.2oになっており、半年前まで2つだったしこりが、4つに増えておりました。先生にも質問させて頂いたのですが、どうしても不安でたまりません。そこで、お教え頂きたいのですが、
1) しこりは2年で3oも大きくなるのでしょうか? 大きくなるスピードは早くないですか?
2) 半年の間で、しこりが二つも増えています(6oと3o)。半年で2つも増えることはあるのでしょうか? しこりが増えていくスピードは早くないですか?(先生は腺腫が出来やすい体質なんだろうか・・・と、おっしゃっていましたが、そんな体質はあるのでしょうか?)
3) 右乳に3つしこりがあり、左に新しく1つしこりが出来ています。線維腺腫は両乳にできるものですか?
4) このままでいくと、これから先、どれだけしこりが増えていくのか不安です。個人差はあるかとは思いますが、どれぐらい多発するものなのでしょうか?

お忙しいところ申し訳ございませんが、宜しくお願いします。

線維腺腫は多発し、徐々に増大することがあります。また両側に出来ることもあります。通常はある程度の大きさで止まることが多く、数も増えません。これが出来やすい体質のひとは確かにいますが、大きくなったものは良性といえども局所麻酔で切除してしまうこともあります。メールだけだと解らないことがありますので、不安でしたらもう一度主治医の診察を受けてください。(文責 吉田)

 

No.8916】  09年05月15日   S
ハーセプチンの投与について(HPNo.6686-6)

以前相談させていただきましたHPNo.6686です。お蔭様で母は治療が奏功して、再発した腫瘍が消失してからは、再々発することは無く、治療を続けています。今回は、その治療、ハーセプチンの投与についてご相談させていただければと思います。

1)濃度や速度によって効果および体の負担に影響があるのでしょうか。
2)3週間に1回ですが、4週間に1回にしても、効能に問題無いでしょうか。

最近、転院したのですが、転院前は、1回分を2回に分け、それぞれ生理食塩液で希釈して各60分かけ続けて投与していました。母は心臓疾患があり、ハーセプチンの副作用で重篤の場合は、心臓に悪影響を及ぼすことを踏まえて、定期的に検査しています。循環器の主治医からは、心臓機能が低下していることは無く、治療続行の承諾を得てはいます。この事を転院後にも伝えていましたが、転院後は、2回に分けず、1回分を生理食塩液で希釈して、60分で投与しました。これが影響したのかはわかりませんが、治療2日後に、疲れが出て、動悸が2時間続きました。つきましては、濃度や速度によって、体に負担がかかるのであれば、2回に分けてもらい、さらに効能に問題無いようでしたら、4週間に1回の投与に変更しようと考えています。ご助言いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

治療2日後の動悸は、点滴スピードとは無関係だと思います。ハーセプチンも抗がん剤も、決められた投与間隔と投与速度があります。それに逸脱するのは基本的にはよくありません。3週間投与を4週間投与にしたり、2回に分けて投薬することは、期待される効果が十分に出ないことも考えられるので、基本的にはよくないです。動悸など心配な症状があるのであれば、一度主治医に相談してください。(文責 俵矢)

 

No.8915】  09年05月15日   S.O.
アリミデックスの副作用について(HPNo.8517-3)

HPNo.8517でご相談させていただいて3度目になります。いつも読ませていただいて参考にしています。自分にも当てはまる質問等もありますが、不安もあり直接お聞きしたく、お忙しい中、宜しくお願いいたします。去年10月末に手術し、今年2月14日に放射線治療を終え、アリメデックスを服用しています。5ヶ月をすぎた頃から手に痛みが出はじめました。関節の強張り、ズキズキした痛みなど、毎日同じ場所ではなく、1箇所が少し痛み、治まり、次は違う箇所という状態です。3日ほど前から強張りが強くなった感があります。薬を飲み始めて1ヶ月後ぐらいに膝に痛みがありました。少しは以前からありましたが、ひざ全体(ひざ裏)が重たい状態でした。手が痛み始めたときに辛く、1週間服用を止めました。完全に痛みが消えなかったし、少し楽になったので、服用を再開しました。ひざはすごく楽になりました。薬の副作用なのか、リュウマチの症状なのか、心配になっています。もし薬の副作用なのか確認するために休薬したいと思うのですが、不安でもあります。どれぐらいの期間休めば症状が消えるでしょうか。薬の副作用として、このまま飲み続けた場合、症状はひどくなるのでしょうか。休薬した場合のリスクはありますか。できることなら、この薬で続けたいと思うのですが・・・。宜しくお願いします。

関節痛は、、アロマターゼ阻害剤の副作用として結構あります。なんとかやっていける範囲だったら、がんばって飲んでみてください。数か月くらいで慣れてきて楽になってくる人も結構います。アロマターゼ阻害剤の効果は、再発率を下げることですから、中止するとその効果が期待できないということになります。いずれにせよ、主治医と相談して飲み続けるかどうか決定すべきですので、主治医に早めに相談してください。(文責 俵矢)

 

No.8914】  09年05月14日   M.H
のう胞とは、乳がんではないのでしょうか?

28才です。先日、健康診断の結果が届きました。触診とマンモグラフィには、異常がありませんでした。しかし、乳房エコーで、のう胞11ミリ他と書いてあり、12ヵ月後に検査を受けてくださいとのことでした。のう胞とは、乳がんではないのでしょうか? また、本当に12ヵ月後に検査で、良いのでしょうか。

のう胞は、がんとは異なりますので、のう胞という診断が確実ならば、一生放置しても大丈夫です。ただ、のう胞という診断が確実かというところが問題となると思います。
1cmを超える病変なので、超音波の検査で「のう胞」12か月後の検査と判断されているものならば、診断はほぼ確実と思っていいと思います。なので大丈夫と思います。自分で触っていて新しい「しこり」などを発見しないかぎりは、そういう扱いでよいでしょう。もし新しいしこりを発見したら、病院に早めに受診してください。(文責 俵矢)
 

 

No.8913-1】  09年05月14日   U
リュープリンの投与について

私は今34歳の乳がん患者です。2007年1月に告知を受け、同月に左胸を全摘しました。その後1年半程抗がん剤治療をし、抗がん剤治療が終了してすぐにホルモン剤による治療をしていました。ホルモン療法は、予定ではリュープリンを2年間投与、ノルバテックを5年間服用という事で治療を開始していましたが、先月の診察時に、治療費等の理由から、「リュープリン投与満了の2年間を待たずに中止してもよいか」と、主治医に相談したところ、データ上2年間投与が望ましいとなっているため、2年間という予定で治療を勧めてきたが、どうしても中止するというのなら、それでもいいとの回答。ただ、現時点で中止した結果、今後にどう影響するかはわからないと言われました。ノルバテックの服用は続けるつもりです。生理は抗がん剤治療中に止まっており、再開の可能性を尋ねたところ、再開の可能性はあるでしょうね…と、何かデータを見るでもなく即答されました。再発は怖いけど子ども達の養育費もあるし、治療費の負担が大きすぎて…。本当にリュープリンの投与を止めてもいいのでしょうか。

再発乳がんにおいては、ノルバデックスの単独投与よりリュープリンとノルバデックスの併用を比較すると、効果が高いことが知られています。しかし現在のところ、術後補助療法としは、リュープリンを併用したほうがよいかどうかは、はっきりとした見解はまだありません。しかし、再発乳がんにおける効果や、乳がんの性質を理論的に考えると、「乳がんの再発を抑制する効果」は、リュープリンを併用したほうが高いと思われます。ですので、現時点では、再発リスクがある程度ありそうな患者さんには併用をお勧めすることが多いと思います。
化学療法で月経が止まっているということですが、34歳という年齢を考えるとリュープリンを中止すると月経が再開する可能性は高いと思います。ですので、やはり治療効果の点を考えるとリュープリンを続けたほうがよいと思います。経済的な問題と考えると、たとえば現在ノルバデックスを使用しているならば、ノルバデックスの代わりにジェネリック医薬品を使うと、ノルバデックスよりも安くなります。また、CTなど高い検査をやめておくという方法もあると思います。経済的な問題のみがご負担ならば、主治医にその旨相談していただくと、いろいろ方法はあるかと思います。(文責 俵矢)

 

No.8913-2】  09年05月19日   U
リュープリンの投与について(2)

丁寧なご回答ありがとうございます。私の年齢からしてもリュープリンによる治療を続けることが望ましいということはわかりました。もう一度主治医と話してみようと思います。が、そこでもう一つ聞きたいのですが、リュープリンによる治療を中止と考えるのではなく、休むと考え、投与せずに様子をみて、今後生理が再開した場合に、またリュープリンによる治療も再開するというのではいけないのでしょうか? 生理が再開してしまうと治療が手遅れってことになるのでしょうか? ちなみに、私は今のところ再発の疑いは見つかっておりません。参考にさせていただきたいので、よろしくお願いします。

それでも悪くないのですが、できれば、エストロゲンや卵胞刺激ホルモンなどを測定してみて、ホルモンの状況をみて行うのがよいと思います。(文責 俵矢)

 

No.8912】  09年05月14日   K
乳がん?

今朝洗濯物を干そうとしたら自分の下着に血液がついていたので、乳房を調べたら、乳線炎の時のような褐色の血が出ました。すぐに乳腺外科に行きましたら、触診で出血を確認し、画像で1cmの影を確認しました。血液の細胞検査待ちですが、万が一の場合に備えて、今からでもできることと、してはいけないことはありますか? ちなみに私は糖尿病でインスリンを打っています。HA1Cは6.1で毎日スポーツジムに通って10キロ歩いています。運動はしても平気でしょうか? 糖尿病患者の場合に限って、乳房から血が出る病気もあると聞きましたが、いかがなのでしょう? 55歳、女性。母が直腸がんで死亡、父が糖尿病です。

特に、生活上の注意はありません。検査結果を落ち着いてお待ちください。糖尿病の方にみられる糖尿病性乳腺症というのはありますが、乳頭分泌と関連することは少なそうです。(文責 俵矢)

 

No.8911】  09年05月14日   ぴろ
胸のしこりについて(HPNo.8895-2)

先日はお返事ありがとうございました。昨日、生検しました。切開して、16回細胞搾取しました。結果は金曜日とのことです。超音波で、やはり、しこりの形が怪しいので、生検とのことでした。がんになりやすい形というものはあるのですか?生検している間にも、先生が目で見たら、ガンかどうかはわかるのでしょうか? 何度も質問させてもらい、すみません。あと、ガンだった場合に、1.2ミリというのは、早期に入るのでしょうか? あずき大くらいで見つけたという人も聞くと、遅いほうだったのかと心配になります。

 

画像診断だけで、ほとんど癌と確信できる病変もあれば、細胞診や針生検を行っても、癌なのか良性病変なのか判断に迷う病変もあります。その場合は、最終的には病変を切除して、判断することになります(切除生検)。切除しても、そのような病変だと肉眼ではなかなか判断が難しいので、病理検査の結果を待つことになります。1.2mmの病変というのは、見つけだすことも、切除することも困難なので、おそらく1.2cmの間違いではないかと思います。1.2cmだとしても、病変として大きいほうではないと思います。検査の結果を待ってくださいね。(文責 俵矢)
 

No.8910】  09年05月13日   H.T. 
センチネルリンパ節生検について(HPNo.8885-2)

HPNo.8885で質問させて頂いた者です。その節はありがとうございました。
実は、先日の追加切除の病理の結果も出ないうちに、今度は右乳房にシコリが見つかってしまい、細胞診の結果、悪性と出ました。(2月〜3月に検査を受けていた時の画像診断には何も映らず、3週間ほど前に自分で触って見つけました。現在7mmほどです。)
左胸の最初の手術の際、リンパ節への転移は陰性だったので、脇の下のリンパ節の隔清はされませんでした。右のシコリが、原発なのか転移なのかはまだ分かっていません。そこで、私の受けた左胸のセンチネルリンパ節生検に関して、疑問に思うことがあります。(もしかしたら右胸のシコリが左乳癌の転移の可能性もあると思うので。)
ネットで見ていると、だいたいが「腫瘍の周り、もしくは近くに注射を打つ」とあるのですが、私の場合は乳輪の周りに4箇所注射されました。薬剤はアイソトープです。私の腫瘍の位置は、元々は副乳と言われていた所で、ほぼ腋の下辺りにありました。(14年前に米粒ほどのシコリに手が触れ、病院で診てもらって副乳と言われたので、それ以来ずっと副乳だと思って、さほど気にしていなかったのです。)
次回外来の時に主治医にも確認しますが、先生の御意見もお聞かせ下さい。標準治療ではセンチネルリンパ節生検の注射は、どこに打つことになっているのでしょうか? 乳輪の周りに打つというのも、標準治療の中に選択肢として含まれているのでしょうか。もし、乳輪の周りに打つのが一般的でないなら、なぜそのような方法が選択されたとお考えになりますか?
最初の手術の後、リンパ節が陰性だったので安心していたのですが、「センチネルの検査が正しく行われていなかったのかも?」という思いが拭い切れず、不安で仕方ありません。これから右胸の手術も控えていますので、出来れば自分の納得した方法で検査、手術をしてもらいたいと切に願っています。お忙しい中、申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

センチネルリンパ節生検の際の注射は、腫瘍の周りまたは乳輪の周りに打つことが標準です。とくに腫瘍が腋窩に近い場合は、その部位に注射すると腋窩リンパ節と重なってしまいリンパ節の確認がしづらいことがあり、この場合は乳輪の周りを中心に注射するのが一般的であると思います。また、左乳癌が右乳房に転移することは極めてまれであり、一連の操作で転移したということはまずないと思います。左乳癌の手術が終わったばかりで、今度は右乳癌の手術を受けることとなり、とても大変なこととお察し申し上げますが、私が拝見する限りでは、今までの経過の中で不自然な部分は特になく、安心して今後も主治医の先生にお任せになるのがよろしいかと思います。(文責 谷)
 

No.8909】  09年05月13日   R.I.
ホルモン剤について

53歳前です。49歳で右乳房全摘後、ホルモン剤治療でタスオミンを2年半程服用し、その後、生理も服用と同時に止まっておりましたので、フェマーラに変えて半年程たち、今回の血液検査で肝機能が引っかかりました。薬服用を1ヶ月止めてみて、再度血液検査をしようということで、服用を止めて1ヶ月しましたら生理が来ました。病院の診察では、まだ閉経していないということで、薬を前のタスオミンに戻そうということでした。当然フェマーラは閉経後のアロマターゼ阻害剤と承知しております。タスオミンもエストロゲン阻止という仕組みも勉強したつもりですが、年齢的閉経間近と、何かフェマーラのほうが効くぞ・・・みたいな感があるのですが、私の今のこんな状態は、やはりタスオミンでしょうか。

閉経前後におけるホルモン剤の選択は、われわれも常に悩まされるところです。アロマターゼ阻害剤は、卵巣からエストラジオール(E2)という女性ホルモンが分泌されない環境においてはじめて薬効が現れる薬剤であるため、生理がないというだけでは卵巣がまだ機能していることもあるため、有効なのかどうか正確には判定できません。よって通常E2の血中濃度を測定することで、卵巣からのE2の分泌がまだあるのかどうか判定することになります。一方で、アロマターゼ阻害剤を使用することで、女性ホルモンが活性化され生理が戻ることもあります。これゆえ、この時期のアロマターゼ阻害剤の使用の是非は非常に難しいといえます。以上のことより、現時点では暫時タスオミンの使用が無難であるといえると思います。(文責 谷)
 

No.8908】  09年05月13日   A.M.
手術まで時間がかかり、不安です

どうぞよろしくお願いいたします。60歳です。3月26日に健康診断で乳癌の疑いがあるとの事で、4月3日に病院に行き、検査の結果1.5cmの乳癌と断定されました。私の癌はおとなしい癌にて、進行が遅いので手術が混んでいるために、アリミデックス錠で進行を抑えて、手術は5月半ばと言われました。その間CT等の検査を受けて、転移などは無いといわれて、5月8日の診察の時には、今度は手術は6月半ばと言われとても不安です。これは通常の事なのでしょうか?

乳癌と診断され非常に動揺しているところに、手術が混みあっていて手術まで数ヶ月待ちと言われ、途方にくれるといったケースを最近よく目にします。乳癌の患者様が増加しているうえに、以前に比べ大病院や乳腺専門医のいる病院に患者様が集中するために生じてきている現象と考えております。理想的には検査がひと通り終わった段階ですぐ手術ができる環境ですが、実際には数ヶ月待ちは大病院では珍しくありません。ただ、実際にこの数ヶ月で病状がかなり進行し治療に影響が生じることはまずなく、必要以上に心配されないようにして手術をお待ちいただきたいと思います。(文責 谷)
 

No.8907-1】  09年05月11日   K.Y.
アリミデックス服用中の出血

2006年に左乳房全摘手術(ステージVa)を受け、術後抗がん剤治療を受けました。その後、ホルモン療法(ゾラデックス+ノルバデックス)が1年経過した時に、骨シンチ検査で集積が見られたので、血中ホルモン濃度から閉経と判断され、アリミデックスに変更になりました。間もなく集積が消えたので骨転移の疑いは無くなったのですが、 アリミデックス服用を継続していました。抗がん剤での治療中に月経は無くなったのですが、今年4月、約3年ぶりに月経のような出血がありました。婦人科でがんの検査を受けましたが、異常なしで、月経が再開したのではないかと言われました。1年半前アリミデックスに変更した時の血中ホルモン濃度は、「E2が19mlU/mL FSHが1.02pg/mL、半年後 E2が15mlU/mL FSHが28.37pg/mL」でした。しかし、相談室のNo.7549-2とNo.8801を拝見しましたところ、わたしの場合、本当に閉経状態なのか、今までのアリミデックスの服用は妥当だったのか、心配になりました。現在、血中ホルモン濃度検査の結果待ちですが、閉経でないという結果が出た場合、今後はどんな治療が考えられますか。ゾラデックスの再開は有効でしょうか。現在49歳です。よろしくお願いします。

血中ホルモンの値からは閉経と断定できない値であると思います。またアリミデックスが逆に女性ホルモンバランスに影響を与え、生理が再開した可能性もあると思います。よって今回の血中ホルモン検査で閉経前の結果が出た場合は、アリミデックスは中止するべきです。しかしその場合、今後の治療をどうすればよいかは難しい問題ですが、無治療経過観察というのもひとつの選択肢と考えますし、再度ゾラデックスまたはリュープリン+ノルバデックスとするか、適応では閉経後となっておりますが閉経前でも効果が期待できるフェアストンという薬剤にするか、などが考えられます。これらを踏まえ、主治医の先生とよくご相談なさってください。(文責 谷)
 

No.8907-2】  09年07月26日   K.Y.
ゾラデックスでの治療について

No.8907でお世話になった者です。回答をいただき、大変心強く感じました。ありがとうございます。再びの相談ですが よろしくお願いいたします。
1回目の出血の後、70日後に、また生理のような出血があったため、婦人科を受診しました。子宮がん検査は異常なし、ホルモン検査の結果、LHが8.81、FSHが39.67、E2が24。完全な閉経ではないと診断されたので、主治医にAI剤の中止をお願いしました。アリミデックスからノルバデックスに変更になりました。ゾラデックスについては、初期治療から時間が経っているので不必要と言われました。 「こんなケースは初めて」と、おっしゃったので、私のような事例はあまり扱っていらっしゃらないと思われます。
そこで、うかがいたいのですが、前回の相談で教えていただいたゾラデックスによる治療を加えた方が、より確実な治療であるなら、主治医にゾラデックス治療を希望しようと思っておりますが、いかがでしょうか? よろしくお願いいたします。

臨床試験の結果からは、リンパ節転移陽性で、かつ化学療法による閉経を見なかった場合において、LHRH Agonisit併用の上乗せ効果があったとされています。よく主治医の先生とご相談ください。(文責 首藤)
 

No.8907-3】  11年05月02日   K.Y.
今後の治療について

いつも参考にさせていただいております。以前HPNo.8907でお世話になった者です。現在51歳です。術後5年の検査を受け、転移は見られないという結果にほっとしています。アリミデックス服用後に生理が再開したため、ノルバデックス+リュープリンに変更し、もうすぐ2年になります。術後のホルモン療法が間もなく通算5年になるということで、今後の治療について主治医と相談することになりました。生理が無いからといってアリミデックスに切り替えるのは心配ですし、無治療というのも不安ですので、『患者さんのための乳がん診療ガイドライン』を参考にして、今後ノルバデックスをまだ3年続けることを自分の希望として主治医に伝えようと考えていますが、今後、どのような治療が有効でしょうか。よろしくお願いいたします。

ノルバデックス3年継続は有意義だと思います。もう一度ホルモンレベルを測定して、真の閉経になっていればAI剤に切替えるのも一手ですが、AI剤で生理が来てしまった経験をお持ちなので、慎重になるのは良く理解できます。(文責 久保内)

 

No.8906-1】  09年05月11日   T.M
転移の可能性

妻47歳が16年10月頃乳がんとなり、その年の12月に手術をしましたが、今年の検査(骨シンチ検査)で、肋骨の1箇所が黒く移っており、腫瘍マーカーCEAも1前後推移していましたが、5月の検査で6.3と高くなっていることから、主治医に転移の可能性が高いと言われました。そこで、その部分に放射線治療をした後、化学療法をするとのことでしたが、インターネットなどをみると、放射線治療は痛みを和らげるため、となっている場合が多いようですが、妻に痛みはなのですが、効果的でしょうか。また、自分自身、再発となったことに対して心の整理ができていない状況です。やはり、妻に再発した場合には完治は難しい(妻は知らないようです)と言って、がんと向き合うべきでしょうか?(単身生活で妻と話して暮らしています)。お忙しいところ、いろいろとメールして申し訳ありませんが、ご回答よろしくお願いします(少しでも安心したいためメールしました)。

単身赴任のため、心配ながらなかなか思うように奥様にお話をしてあげられない優しいご主人様の気持ちが伝わってまいりました。乳癌骨転移に対し疼痛緩和の目的で放射線治療は効果的であり、乳癌診療ガイドラインでも推奨グレードAとなっております。しかし奥様の場合、今のところ疼痛はないとのことですので、ホルモン療法、化学療法、分子標的治療などの全身療法の選択肢の中から奥様の乳癌の性質や体調に合わせて治療法を選択することになり、放射線治療は疼痛が生じてきた際に使用するのが効果的な使用法と考えられます。またビスフォスフォネート(ゾメタ等)も骨転移の合併症の頻度を減少し、その発症を遅らせる働きがあり、使用が望まれます。仰るとおり乳癌術後に骨転移再発をした場合完治することは困難と考えますが、もし実際に骨転移であったとしても、まだまだいろいろと治療法があり、進行を遅らせることは十分に期待が持てます。しかも貴方のような思いやりのあるご主人様がいらっしゃるので、奥様にはぜひフランクにお話されたうえで、希望を捨てずに、ご一緒に病気と闘っていただければと心より願います。(文責 谷)
 

No.8906-2】  09年08月12日   T.M
乳癌転移後の化学療法について

HPNo.8906で質問させていただいた者です。その際は有難うございました。先般メールしましたとおり、骨転移であることにほぼ間違いないとのことでした(主治医およびセカンドオピニオン同意見でした)。このため、化学療法の治療をすることとなりました(妻の癌は、ホルモン療法および分子標的治療はできないとのことでした)。しかしながら、タキサン系の抗がん剤タキソテールを点滴したところ、息苦しくなり、アレルギー反応(アレルギーをおさえる薬を事前に投与しています)がでたということで中止となりました(ゾメタは4週間おきに投与する予定です)。
そこで質問ですが、同じタキサン系のタキソールは、投与可能でしょうか。アレルギー反応を再度確認してみたほうがよいのでしょうか(妻が少しでも効く薬を希望しています)。なお、主治医はタキサン系の抗がん剤でアレルギーがでたので、ゼロータの使用ををすすめられました。化学療法しかきかない乳癌の治療方法は、タキサン系が使用できないと、ゼロータしかないのでしょうか。それとも何か他の治療方法はあるのでしょうか。再度の質問で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

一般的には投与しないことが多いですが、どうしても必要な場合には慎重に投与を行うということになるでしょう。ゼローダ以外にもアンスラサイクリン系、ナベルビン、トポテシンなど他に治療法はあります。(文責 加藤)

 

No.8905】  09年05月11日   K 
ホルモン療法の薬剤選択について

お世話になります。昨年5月に右乳房に2個のガンが見つかり、全摘手術を行いました。47歳です。ステージはUaです。病理の結果、「2個とも、Her2(3+)、ER(+)、PgR(+)」でしたので、手術後2ヶ月半後ぐらいからFECを4クール行い、去年の12月からハーセプチンを1年の予定で開始し、最近ホルモン治療もあわせて始めました。抗がん剤の3回目ぐらいから生理がとまり、関節痛などの更年期障害のような症状が始まり、ずっと続いています。医師からは、「抗がん剤の副作用で、このまま閉経するだろう。」と言われました。ホルモン剤はアロマシンを服用し始めましたが、もし生理が戻ったらタモキシフェンに変えると言われました。

1) 血液検査の結果 「エストラジオール 7」「卵胞刺激ホルモン(負荷前)82.5」でしたが、これは「閉経」なのでしょうか? またアロマシンを服用することが適切なのでしょうか?
2) 万が一、途中で生理が戻ってきた場合、閉経ではなかったということになり、アロマシンの服用は無意味、もしくはマイナスになるのでしょうか?
3) ホルモン治療は5年の予定ですが、途中でアロマシンからタモキシフェンに変わった場合、そこからまた5年間ということになるのでしょうか?

ご回答よろしくお願いします。

1) 一般に、エストラジオール(E2)が10〜20mIU/ml以下で、かつ卵胞刺激ホルモン(FSH)が50〜60pg/ml以上を示すときに閉経とみなしております。よって貴女の場合この条件に当てはまり、閉経の状態ということができます。このことから閉経後のホルモン剤であるアロマシンは適切であるといえます。
2) もし生理が戻ってきた場合、そのままアロマシンを続けることは効果がないと考えられますので、すぐにタモキシフェンに切り替えるべきですが、現状ではホルモン環境において閉経状態といえるわけですから、もしそうなったとしてもアロマシンが無意味またはマイナスということはないと思います。
3) これに関しては正確な答えを誰も持ち合わせておらず、主治医の先生の方針で決定される事柄です。私の場合は、タモキシフェンに切り替えてから5年間を目安に投与しております。(文責 谷)
 

No.8904】  09年05月11日   ママ
CEF4クールのみとタキサン追加の場合

こちらの相談室をいつも拝見し、参考にさせていただいております。気になるのは、CEF4クールとCEF4クール+タキサン系では、効果がどのくらい違うかということです。私は、主治医の先生が薦めたのにもかかわらず、CEF4クールしか行いませんでした。今となって、転移した場合完治することが難しいことなどから、また、標準治療という言葉に、やるだけのことをやった方がよかったのではと、不安な気持ちちになるときがあります。私の病理結果は、「当時43歳、左全摘、硬癌、リンパ節1個、1.5センチ、HER2+1、グレード3、ホルモン共に+、ly+1、g+、f+」です。CEF4クールにタキサン系を追加した場合、何パーセントくらいの上乗せ効果があったのでしょうか? 現在、リュープリン2年が終わり、タスオミンのみです。術後3年経ち、いまさらですが、念のためお聞きしたいのです。お忙しいところ恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

「Adjuvant !Online」というサイトで調べた限りでは、貴女の場合タキサン系を追加施行することで、再発予防効果として約10%の上乗せ効果ということができます。しかし、CEF、タモキシフェン、リュープリンと、しっかりと治療をお受けになって3年間こられておりますので、必要以上に心配せず、自信を持ってお過ごしいただきたいと思います。(文責 谷)

 

No.8903】  09年05月11日   Y.K. 
乳癌の診断がつく前のCT検査について

お世話になります。会社健診のマンモで、「左胸にFADあり、カテゴリー3(触診異常なし)」と診断され、要再検査となりました。再検査先の病院で、マンモ(圧迫時乳頭から茶色い分泌液あり。健診時無し)とエコーを受け、エコーで乳管拡張が見られため為、穿刺吸引細胞診を受けました。細胞診の結果はクラス2で、最初、先生から「経過観察」と言われましたが、マンモ時の分泌液のことが気になり聞いてみると、「CTを撮って調べてみましょう」と言われました。その時は不安もあって承諾したのですが、家に帰ってきてからネットで調べて、乳癌検査〜治療まで紹介しているサイトをいくつか見ましたが、細胞診→組織診→癌確定→CTやMRIという流れで、また、とある乳腺外科のホームページで、『乳がんの診断がつく前にCTやMRIを撮る病院は疑うこと』というのを見つけ、今の自分に本当にCTは必要なのか疑問を抱きました。お伺いしたいのは、
1)現段階でのCTの必要性
2)私としては分泌液のことが心配です。分泌物細胞診や組織診は必要ないでしょうか?

以上の2点です。よろしくお願いします。

1)2) メールの内容から判断する限りでは、私ならCTの前に乳汁分泌物の細胞診や腫瘍マーカーの測定、さらにCTよりはMRIを撮ってみたいと思いますが、CTも診断に際して有用な情報を提供してくれることがあります。そのあたりを踏まえ、次回の診察の際に主治医の先生によくお聞きになってください。(文責 谷)
 

No.8902】  09年05月10日   H.S. 
無治療だと不安です

お世話になります。現在45才閉経前です。腫瘍径2.3センチ、リンパ節転移なし、ホルモン感受性有で温存手術しました。治療は、最初はゾラテックス2年間、タモキシフェン5年間でしたが、ゾラテックスは3年延長してもらいました。そろそろ5年経過し、無治療となり、とても不安なのですが、今後少しでも再発を減らすため、どのような治療(ゾラテックスを続ける等)があるでしょうか? 宜しくお願い致します。

再発率を下げるというエビデンスがあるのはタモキシフェン5年間とゾラデックス2〜3年間使用することですが、ゾラデックスをさらに追加しトータル5年間使用することでより再発率が減少しそうであるとの意見があり、それを実践されたものと思います。タモキシフェンをさらに5年間追加することで、さらに再発率の減少が得られるかどうかの臨床試験が行われておりますが、もし御希望ならば、タモキシフェンをさらに継続で服用することも選択肢に入ると思います。主治医の先生と、よくご相談なさってください。(文責 谷)

 

No.8901】  09年05月10日   Y.Y
脱毛について

3年前(40才)に初発乳がんで、温存術後、CE4クール・放射線・タモキシフェンできました。3年目のCT検査で肺に1センチの単発の腫瘍発見。他に転移が無いので手術で取り除きました。その後タキソールを連続で12クール。3月末に終了後、4月の13日から閉経前なので、リュープリンとフェマーラをはじめました。タキソールで頭は全部脱毛したのですが、眉毛とまつ毛は残っていました。でもここ最近で、眉毛とまつ毛がほぼ抜けおちました。抗がん剤終了後1か月もたつのに、脱毛することはあるのでしょうか? フェマーラの副作用に脱毛はあるのでしょうか? 生えてくるのか心配です。

フェマーラの添付文書によると1%未満の副作用の項目に”脱毛”と記載がありますが、実際にフェマーラによると思われる脱毛は経験したことがありません。眉毛、まつ毛の脱毛はタキソールによる影響と考えるのが自然と思います。よって近いうちにまた生えてくるのではないかと思います。(文責 谷)

 

 

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