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相談室(No.6601〜6700)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

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なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

6700 07/05/23 J.N.  MRI検査について 浜口
6699-1
6699-2

6699-3
07/05/23
07/05/27
07/08/20
K.O. 乳ガン検診の結果
乳ガン検診の結果(2)
線維腺腫の術後
浜口
浜口
6698 07/05/23 M/D 腫瘍マーカーについて 浜口
6697 07/05/23 M.G 骨転移の予防(HPNo.4886-5) 浜口
6696-1
6696-2

6696-3
6696-4
6696-5
07/05/23
08/01/12
08/02/16
08/03/27
10/02/26
S  転移によるものでしょうか?
対側リンパ節の腫れ
脇の下の痛み
骨転移?
タスオミンを飲み続けるべきかどうか
浜口
吉田
清水
俵矢
須田
6695 07/05/21 Y.H. ハーセプチンについて(HPNo.6681-2) 徳田
6694 07/05/21 G  抗癌剤の効果 徳田
6693 07/05/21 F  穿刺細胞診について 徳田
6692 07/05/21 T 術後治療について 徳田
6691 07/05/21 Y.K.  乳がんの疑い 徳田
6690-1
6690-2
07/05/21
07/05/26
K.T. 男性の胸のしこりについて
男性の胸のしこりについて(2)
徳田
浜口
6689 07/05/21 CM アリミデックスの副作用? 徳田
6688 07/05/21 T  再発率 徳田
6687 07/05/21 Y.I. 未分化癌の術後について(HPNo.5987-3) 徳田
6686-1
6686-2

6686-3
6686-4
6686-5
6686-6
6686-7
6686-8
07/05/21
07/05/27
07/06/26
08/01/06
08/07/02
09/05/15
10/04/15
10/04/17
S  母の転移について
母の転移について その2
母の転移について その3
母の治療法に関して(4)
母の治療法に関して(5)
ハーセプチンの投与について
母の検査結果と治療法に関して
母の検査結果と治療法に関して(2)
徳田
浜口
阿部
浜口

俵矢
吉田
吉田
6685 07/05/21 H  術後のホルモン療法(閉経前・中リスク)について 徳田
6684 07/05/19 C  今後の治療などについて 徳田
6683 07/05/19 K  両側にできた乳がんの手術について 徳田
6682 07/05/19 F  抗癌剤の効果について(HPNo.6669-2) 徳田
6681-1
6681-2
07/05/19
07/05/21
Y.H. ハーセプチン治療は可能でしょうか?
ハーセプチンについて
徳田
徳田
6680 07/05/19 術後の補助治療について 徳田
6679 07/05/17 S  石灰化と不妊治療 徳田
6678 07/05/17 F.C. 乳がん検査で発見できないものがあるのでしょうか?DIMの有効性 徳田
6677 07/05/17 N  術後の治療について(HPNo.6637-2) 徳田
6676 07/05/17 G 骨シンチ(HPNo.6665-2) 徳田
6675 07/05/17 KN 術後のしこりが気になります 徳田
6674-1
6674-2
07/05/17
07/05/25
M 脇の下リンパ節転移について
脇の下リンパ節転移について(2)
徳田
浜口
6673 07/05/17 S  左胸の影 徳田
6672 07/05/17 K.T.  妊娠中の血乳 徳田
6671 07/05/16 H  麻しんワクチン接種について 徳田
6670 07/05/16 S   ホルモン療法の副作用について 徳田
6669-1
6669-2
07/05/16
07/05/19
F  再発後の治療について
抗癌剤の効果について
徳田
徳田
6668 07/05/13 K.K. 小葉癌(3)(HPNo.6623-3) 俵矢
6667-1
6667-2
07/05/13
07/05/31
N  乳がんの術後治療について
乳がんの術後治療について(2)
俵矢
浜口
6666 07/05/13 F  マーカーについて 俵矢
6665-1
6665-2
07/05/13
07/05/17
G  癌細胞がすでに流れているという可能性はありますか?
骨シンチ
俵矢
徳田
6664 07/05/13 N,A ペレドニゾロン錠他について(HPNo.5882-3) 俵矢
6663 07/05/13 Y.M. 非浸潤性小葉癌 俵矢
6662 07/05/13 I  左乳房下部の違和感 俵矢
6661 07/05/13 K.W.   乳癌で非浸潤癌の治療について 俵矢
6660 07/05/13 T.O.  ホルモン剤について又教えてください(HPNo.6185-2)  俵矢
6659 07/05/13 B  非浸潤性乳管がんの術後治療 俵矢
6658-1
6658-2
07/05/13
07/05/31
A.N 乳頭からの黄色い分泌物について
病院に行ってきました
俵矢
浜口
6657 07/05/13 Y   乳がん検診について 俵矢
6656 07/05/13 N.F 乳輪のしこりについて 俵矢
6655 07/05/13 M モントゴメリー腺について 俵矢
6654 07/05/13 M.I.  乳房温存手術後の変化(HPNo.6364-2) 俵矢
6653 07/05/13 N  炎症反応 俵矢
6652 07/05/13 y・y 乳頭からの出血について 俵矢
6651 07/05/13 何科? 俵矢
6650 07/05/13 Y  術前化学療法のあとの治療について 俵矢
6649 07/05/09 Hak.  ホルモン治療について
6648 07/05/09 H.K. 左わきの下のしこり
6647 07/05/09 M.S. 外科的生検について
6646 07/05/09 T.O.  乳房の痛み ひきつれ 
6645 07/05/09 M.K. 術後の治療
6644 07/05/09 s.n 乳頭のできもの
6643 07/05/09 S.K 乳房の血腫について
6642 07/05/09 H.K. 非浸潤癌の結果が変わる可能性
6641 07/05/09 T  妊娠について
6640 07/05/09 K.K. 三ヵ月後に現れたしこりについて(HPNo.6137-2)
6639 07/05/09 AM 骨転移の治療について
6638 07/05/09 H.A 葉状腫瘍について教えて下さい
6637-1
6637-2
07/05/09
07/05/17
J.N. 手術及び術後の治療について
術後の治療について

徳田
6636 07/05/05 K.K.  小葉癌(2)(HPNo.6623-2) 須田
6635 07/05/05 N.O NCC−ST−439について 須田
6634 07/05/05 Y 術後治療について(HPNo.6302-3)  須田
6633 07/05/04 A  マンモトーム生検について
6632 07/05/04 K   放射線治療中のビタミン剤について
6631 07/05/04 A  細胞診
6630 07/05/04 K・M 検査結果について(HPNo.6602-2)
6629 07/05/04 K ホルモン治療について
6628-1
6628-2

6628-3
07/05/01
07/06/26
08/01/23
N  病理検査の結果について
肝機能障害について
卵巣の腫脹はノルバディックス内服の副作用だと思うのですが・・・
須田
阿部
石山
6627 07/05/01 M.G. 術後補助療法について(HPNo.6409-2) 須田
6626 07/05/01 K  乳腺のう胞症 須田
6625 07/05/01 骨転移の切除について 須田
6624 07/05/01 Y  術後補助療法(2)(HPNo.6613-2) 須田
6623-1
6623-2

6623-3
6623-4
07/05/01
07/05/05
07/05/13
07/05/31
K.K.  小葉癌
小葉癌(2)
小葉癌(3)
局所再発
須田
須田
俵矢
浜口
6622 07/05/01 M.G 骨転移予防(HPNo.4886-4) 須田
6621 07/05/01 KK   浸潤性面疱がんに関して 須田
6620 07/05/01 KU 細胞診について 須田
6619 07/05/01 S  転移について 須田
6618 07/05/01 I.I.  ノルバッテクスの服用期間について 須田
6617 07/04/26 M・O 右胸下部の痛みについて 須田
6616 07/04/26 K  非浸潤癌の術後療法について 須田
6615 07/04/26 M.K  妻の再発率について(HPNo.6477-4) 須田
6614 07/04/26 A   乳首について 須田
6613-1
6613-2
07/04/26
07/05/01
Y  術後補助療法
術後補助療法(2)
須田
須田
6612 07/04/26 R  細胞診 須田
6611 07/04/26 R.I.  ホルモン剤について 須田
6610 07/04/26 K  非浸潤癌のホルモン療法について 須田
6609 07/04/26 H.S.  再発・転移の検査について(HPNo.6332-3) 須田
6608 07/04/26 M.Y.  術後化学療法から乳房再建までの期間 須田
6607 07/04/26 Y.K.  乳輪部付近のくぼみ 須田
6606 07/04/25 I 術後の治療について 首藤
6605 07/04/25 Z  フロモックス 首藤
6604 07/04/25 sk 術後治療と再発・転移の可能性 首藤
6603 07/04/25 Y  放射線照射のスケジュールについて 首藤
6602-1
6602-2

6602-3
07/04/25
07/05/04
08/08/14
K・M 両側乳がん・RFA
検査結果について
エスロゲンに似た作用をする食品の摂取は?
首藤

石川
6601 07/04/25 N  オキシコンチン 首藤

 

 

 

No.6700】  07年05月23日  J.N.
MRI検査について

4年前に細胞診で良性診断を受けたしこりがあるのですが、最近になって主治医が変わり、「MRIとマンモトーム生検をしてみましょう」といわれました。しこりの大きさはエコーで見るかぎり変わらないそうですが、自覚症状としては、ここ1年以上しこりそのものや胸、背中が痛みます。MRIで、「悪性だとまわりに血管をたくさんつくるために栄養が必要なので、造影剤を良く取り込む」とか、おっしゃっていました。結果をきいたところ、グラフのようなものを見せられ、「やはり早い段階で造影剤が入っていくので悪性の所見とも取れるが、悪性の場合、もう少し急激に上がり急激に下がる傾向にあるから、まだ分からない」と言われました。良性でも、こういった結果になる場合はありますか? マンモトームの結果を待つしかないのかもしれませんが、MRIである程度良・悪性の区別がつくようなお話だったので、やはり悪性の可能性が高くなったと心構えしておいたほうが良いでしょうか?

4年間変化がないのであれば悪性の可能性は低いと考えますが、悪性を完全に否定できるものでもありません。MRIの所見でも典型的な悪性の所見ではないようです。やはりマンモトーム等の組織診の結果を待つのがよいでしょう。(文責 浜口)

 

No.6699-1】  07年05月23日  K.O. 
乳ガン検診の結果

現在37才、既婚、子供2人です。4,5年前に乳腺外来で2センチ弱のしこりを指摘されました。その時、触診、エコー、マンモグラフィーの結果、乳腺症と診断されました(細胞診はおこないませんでした)。その後、毎年集団検診では異常はなく、でも何となくしこりはいつも感じていました。この3月も検診で異常はありませんでしたが、何となく気になるため総合病院の乳腺外来を受診したところ、腫瘍らしきものが発見されました。しこりの大きさはほとんど変わっていません。画像診断では良性とは言い難く、だからといって明らかに悪性ともいえないということで細胞診をうけました。                                  
1) もしその結果がクラス1か2であれば、全く癌の心配はないのでしょうか? それとも経過観察が必要でしょうか? 希望としては良性であってもその部分だけ切除したいと思っていますが、主治医の先生にお願いしたら可能なのでしょうか?      
2) 以前は乳腺症だったものが、時間がたつにつれて腫瘍になることもあるのでしょうか?  

よろしくお願いします。  

1) 細胞診の精度は90%前後であり、細胞診で良性(class1,2)と出ても100%良性と保証される訳ではありません。細胞診で良性であっても明らかに腫瘍があるのであれば、更なる検査、もしくは経過観察が必要でしょう。画像でも悪性を疑う所見がなければ手術は必要ないと説明することもありますが、悪性の可能性が否定できない場合には切除を希望することは可能であると考えます。
2) あります。(文責 浜口)

 

No.6699-2】  07年05月27日  K.O. 
乳ガン検診の結果(2)

先日HPNo.6699でお世話になりました。ご回答していただき、ありがとうございました。細胞診の結果、線維腺腫と診断されました。クラス1,2のところに丸はなく、negativeのところに丸がはいっていました。今後の治療方針は、4ヶ月毎のエコー検査で経過観察する、もしくは、外来でしこりをとってしまうとのことでした。私としては、今すぐにでもとりたいと希望したのですが、先生はしこりをとることにあまり積極的でない感じで、次回1ヶ月後の診察までによく考えるように言われました。
1)negativeとは、クラス1もしくは2と考えたらよいのでしょうか?
2)画像では良性とは言い難いのに経過観察で様子をみるということは、今回はたぶん良性でまちがいないが、今後の経過で癌になることも十分考えられるということでしょうか?
3)今は2センチ程なので、外来で局部麻酔でとれると言われました。先生がとることに積極的でないのは、胸にキズが残る以外に、とることのデメリットがあるからなのでしょうか?(しこりをとることで刺激になって癌ができやすいとか、キズのせいで癌の発見が遅れがちになるとか)

私は父を食道癌(57才)、母を直腸癌(42才)で亡くしているため、いつも癌の不安を感じています。今後、しこりに癌の危険性が1%でもあるのであれば、しこりはとりたいと思ってます。

1) 報告書の形式は病院によって異なることがあり、はっきりとしたことは言えませんので主治医に聞いて下さい。
2) 良性の可能性が高いので経過観察との判断だと考えますが、最終的には組織診断でないと確定診断はつきません。
3) キズが残ること以外には局所麻酔のアレルギーや出血、感染などがあげられます。癌ができやすくなることはありません。(文責 浜口)

 

No.6699-3】  07年08月20日  K.O. 
線維腺腫の術後

以前HPNo.6699でお世話になりました。この7月初旬に線維腺腫の手術を受けました。術後すぐは気づかなかったのですが、よくみると傷のところからナイロン糸がでてきています。ループのようになって二カ所でています。表面は溶ける糸だったので、抜糸はありませんでした。たぶん傷の奥の縫合の糸だと思います。もうしばらくしたら自然と切れてとれるのでしょうか? 風呂あがりに見ると、その部分がやや発赤していて、また圧痛も少しあります。次回の診察は1年後の検診でよいと言われたのですが、早めに診察を受けた方がよいのでしょうか? また、傷の0.5センチ下あたりにコロコロした1センチ弱ぐらいのしこりができています。これは術後の正常な反応なのでしょうか? それとも、また線維腺腫ができたのでしょうか? 術中先生がしこりを見つけるのにかなり苦労されていたので、取り残しがあったのではと心配しています。そのしこりは大丈夫なのか、また検査が必要でしょうか? よろしくお願いします。

手術のあと1〜2ヵ月後に創より糸が出てくることは時々経験します。メールの内容から推察すると、ナイロンによく似た吸収糸(自然に体の中で溶ける糸)であろうと思われます。よってほとんどが自然に脱落しますが、その周囲に圧通や発赤があることや創の下にしこりを感じる(術後の瘢痕の可能性も十分にあり)など、このままではご心配でしょうから、近いうちに主治医の先生の診察をお受けになるのがよろしいのではないでしょうか。(文責 谷)

 

No.6698】  07年05月23日  M/D
腫瘍マーカーについて

7年前に左乳房3.5しこり、温存手術、リンパ節転移無し。1期。その後25回の放射線照射。ホルモンレセプター陽性。ゾラデックス3回投与(副作用が激しく中止)、ノルバデックス3年間服用。2年前リンパ節転移確認。その間2回流産。半年後局所手術でリンパ節切除。切除後結果、全てのリンパ節に細胞が見つかり、術後直後ゾラ1回投与と同時放射線10回(精神的なダメージで治療中止)。6年11月より7年前主治医の元治療開始。ゾラの副作用がかなりひどい為、相談の上、ノルバデックスのみとする。7年前、また5年後の再発、また現在の経過観察中の腫瘍マーカー値は正常値。今回試しに行なったシアリルLex抗原の検査で正常値を超える値がでる。1昨年12月激しい腰の痛みあり、シンチとMRIの結果第五腰椎に骨の増殖はあり(今のところ骨転移ではないのではの判断)。今回のシアリルLex抗原の数値は何を意味するのでしょうか?

乳癌の経過観察中、腫瘍マーカーの測定は日本では一般的に広く行われていると思いますが、再発があっても高くならないこともあり、また測定誤差もありますので、多少の変化では何を意味しているかは不明であり、画像検査によるフォローアップが大切ではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.6697】  07年05月23日  M.G
骨転移の予防(HPNo.4886-5)

HPNo.4886でお世話になっております。毎回疑問に思った事に丁寧に回答していただき本当にありがとうございます。その後FEC単独のあと現在ハーセプチン単独で治療を続けております。アロマシンはずっと併用中です。ホルモンレセプターは、詳しくはER陰性 PgR境界域<陽性占拠率(1%〜5%未満)>でした。アロマシンは骨密度低下するとの事ですが、骨転移すると苦痛を伴うそうなので、可能ならば骨転移を予防するような薬(フォサマック?等)を飲んだ方がいいでしょうか? 今のところ骨粗鬆症にはなっていませんが、少し骨密度は低下しています。骨粗鬆症になった人は薬を飲まれている方が多いですが、今の時点で飲む必要はないのでしょうか? また、ホルモン療法と抗がん剤の併用は基本的にはないとのことで、病院の先生に質問してみたのですが、同時にやる場合もあるとの事で納得して続けているのですが、別の記事でハーセプチンとホルモン療法の同時治療は絶対にないという記事をみました。これは特に副作用が強い?という意味でしょうか? このまま先生を信じてやっていていいのでしょうか? 何回も質問をしてすみません。よろしくお願いいたします。

アロマターゼ阻害剤による骨密度の低下を心配されるのであれば、まずは運動や食生活の指導を受け、必要であればカルシウム、ビタミンD製剤の投与を考え、骨粗鬆症のレベルまでなるようであればビスフォスフォネート製剤の投与を考慮したらよいのではないでしょうか。確かに術後再発予防としてのアロマシンとハーセプチンの併用についての有効性は確立していないと考えますが、ホルモン感受性HER-2陽性転移性乳癌に対してはアロマターゼ阻害剤の一つであるアリミデックスとハーセプチンの併用療法がホルモン単独療法よりも効果があったとの報告もありますので、今後は術後再発予防としても期待される治療法となるかも知れません。(文責 浜口)

 

No.6696-1】  07年05月23日  S 
転移によるものでしょうか?

2週間先に左胸乳がん手術の予定ですが(しこりの大きさは大豆大、場所は乳房の外下部、5月2日の検査では肺、肝臓、骨等に転移はないとのことでした)、3,4日前から左腕上部の内側と わきの下10センチくらいの所に痛みがあり、また、左手小指が少ししびれているような気がします。また、わきの下に洋服が触れると、少し不快感があります。これは乳がんに関係するものでしょうか?また、乳腺外科外来に術前にかかったほうがいいでしょうか?

腋窩リンパ節の腫れにより、そのような症状が出る可能性はあると思いますが、術前画像検査で明らかなリンパ節の腫れがないのであれば可能性は低いのではないでしょうか。術前に受診する必要は無く、入院したときに主治医に相談したらよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.6696-2】  08年01月12日  S 
対側リンパ節の腫れ

NO.6696でお世話になった者です。6月初旬に左全摘、多発してたようですが、非浸潤がんとのことでした。その後、放射線投与。その後はタスオミン毎朝1錠服用(5年くらいと言われています)。そのほかは何もしてません。12月中旬の超音波の検査で右脇のリンパ節が腫れているとの事、触診での異常はないという事で、様子見と言う事になりましたが、どうも、脇の下か乳房の外側にずっと痛みがある様に思います。生理になったら痛みがなくなるかな・・・と思っておりましたが、変わらないので心配に思います。脇のリンパが腫れて、痛むのはどんな原因が考えられますでしょうか?

脇の下のリンパ節がはれる原因としては、手指の細かな傷からの感染やリュウマチなどの膠原病、リンパ腫などの腫瘍、乳癌や他の癌の転移などがかんがえられます。あなたの場合、乳癌は非浸潤癌であったのでその転移ということはまずないでしょう。(文責 吉田)

 

No.6696-3】  08年02月16日  S 
脇の下の痛み

HPNo.6696でお世話になった者です。やはり痛みの方が改善されないので2月初旬に受診したのですが、「前回(去年の12月)の時の血液検査でのマーカー値も問題ないし、前回超音波検査で見られたリンパ節の腫れも形状的に深刻な物とも思われない」とのことで、触診のみで、再び様子見と言う事になりました。痛みは張った感じではなく筋肉痛のようなもので、しかしながら触っても特に痛いところが特定できず、右乳房の外側から脇の下のあたりとしかいいようがありません。痛みの原因を早く知りたいのですが、ホルモンバランスにより、こういった痛みは起こりますか。また、どれくらいの期間痛みが続いたら、異常とみなすべきでしょうか。

胸の痛みというのはよくある症状ですが、ほとんど原因が分かりません。乳房から脇の下にかけての痛みというと、女性ホルモンのバランスの崩れからくる痛みが一番考えられますが、それも本当のところはわかりません。痛みに関係ありそうな怖い病気、乳がん、乳がんの再発、リンパ節の炎症や腫瘍、肺がん、真ん中であれば心臓などを調べて異常なければ、原因不明だが怖い病期は無いと考えて、痛みがひどければ鎮痛剤を処方します。痛みの原因を100%解明することはできません。主治医の先生に痛みの性状、持続時間、頻度などをお話しして、必要な検査を行ってもらって下さい。(文責 清水)

 

No.6696-4】  08年03月27日  S 
骨転移?

HPNo.7624でお世話になった者です。症状は変わらず、先述のとおりで、3月の受診の際にも改善されてない旨をお話ししたのですが、先生はあまり心配されてないようで、次の診察の時(3ヶ月先・6月です。)で術後1年検査=マンモ、骨シンチ、超音波、CT、採血の予約を取って下さっただけで、それ以上のことはありませんでした。「肋骨への転移だったらどうしよう」と言う気持ちが膨らんでいます。骨転移の症状はどのようなものなのでしょうか? かなり痛いものなのでしょうか? 術前検査として、去年の5月に上記の検査をした際、CT、骨シンチ等には異常がなかったのですが、転移の可能性はありますか?また、検査の日を早めてもらう必要はありますか?

清水先生のお答えと基本的には同じです。診察してみないと、検査日を早める必要があるかは判断しかねます。心配な気持ちをかかえているのであれば、今一度主治医を再診なさって相談してみるのがよいでしょう。(文責 俵矢)

 

No.6696-5】  10年02月26日  S 
タスオミンを飲み続けるべきかどうか

平成7年6月に左全摘手術(多発・非浸潤・断端+(癌が2mmまで迫っていたとの事))、その後、放射線治療。そしてタスオミンによるホルモン治療を5年と言われ、服用して2年半経ちます。先日、同病院の産婦人科で子宮体癌の検査をした所、細胞?内膜?(すみません、記憶が曖昧です)何かの増殖がみられるため、半年後に再検査と言われました。そこでも結果があまりよくなかったら、精密検査とのことです。主人は「せっかく乳がんが非浸潤だったのに、子宮がんで命取りになるような事になったら」と、「薬の服用をやめる方向で考えてくれないか。」と言います。タスオミンの副作用の事は聞いていましたが、子宮がんになるのを覚悟で飲み続けていくのも複雑な心境で、かといって服用をやめたことにより再発してしまうのは、実際もっと怖いです。主治医の先生とは4月の下旬に次回の予約が入っているのですが、そこで相談する前に、この相談室での先生方のご意見をお聞かせ頂きたく思い、投稿させていただきました。よろしくお願い致します。

抗エストロゲン剤(タスオミン)は、5年間行うのが標準です。多発の乳癌であった事、病理検査で断端+である事などを考慮すると、婦人科で適切な間隔で子宮癌検診を受ける事を条件に、5年間内服するほうがよいと思います。病理検査の詳しい情報も含め、貴女の状態を把握してくださっている主治医にご相談の上、納得のいく治療を選択してください。(文責 須田)

 

No.6695】  07年05月21日  Y.H.
ハーセプチンについて(HPNo.6681-2)

HPNo.6681で相談させていただいたものです。回答ありがとうございました。妻の受けているがんセンターでは、今からでは出来ないと言われましたが、千葉県又は東京のどこの病院でしたら適用外でも出来るのでしょうか。

保険適応外ですが、欧州ではすでに承認されており、治療を行っている施設はあると思います。千葉県や東京はわかりませんので、直接、乳腺専門医のいる施設に照会してみてはいかがでしょうか。(文責 徳田)

 

No.6694】  07年05月21日  G  
抗癌剤の効果

私は乳癌患者で、現在ウィークリータキソールの化学療法中ですが、高脂血症や肥満だと抗癌剤が体中に届きにくく効果が薄いのでしょうか? 又、太っている人は再発しやすいと学会の報告があるそうですが、事実ですか? 教えて下さい。よろしくお願いします。

高脂血症や肥満のために効果が低いという報告はありません。ただ、術後にBMIが増加した人の方が、変わらなかった人に比べて再発が多いとの報告はあります。(文責 徳田)

 

No.6693】  07年05月21日  F 
穿刺細胞診について

42才、高3・高1の子供がいます。本日、乳腺内の脂肪腫が1.8センチの厚みがあったので、念のため穿刺細胞診を行いました。エコーを見ながらその部分に刺した針を左右に動かしながらの吸引でした。一回ではよくとれなかったので、二回針を刺し吸引しました。一年前に嚢胞に穿刺細胞診を行ったときは、針を刺しただけで左右に動かすことなく吸引したのですが、針を左右に動かして、それでなくても調子の悪い乳房の細胞組織に悪影響はありませんか?

細胞を確実に採取するための操作ですが、問題はありません。(文責 徳田)

 

No.6692】  07年05月21日  T.
術後治療について

初めての相談です。48歳。閉経前。今年4月2日に乳癌確定、1.9センチ。24日乳房温存手術、センチネル生検で手術しました。術中断片検査(−)でしたが、その後病理検査で切り取った断片ぎりぎりまでがん細胞がありました。大きさも3.8×2.3と大きくなっていました。担当医は、断片が−ということと、もし残っていても放射線治療で大丈夫なので、追加手術をしないというのですが、大丈夫でしょうか。また、リンパ節転移なし、エストロゲン、プロゲステロンともに−、HER+1でトリプルネガティヴなので、抗癌剤が効きにくいということと、中リスクなので、再発の可能性と化学療法(HMFとHAF,HAF+T)を使ったときの効果について説明がありました。どうしますかと言われましたが、先生はHMFと考えているようです。HAFのほうがよいと、調べると書いてあることが多いのですが、効きにくいトリプル型なので、HMFということなのでしょうか? よろしくお教えください。

切除断端に露出していなければ、局所再発率には差がないという報告がある一方で、近いと再発しやすいとの報告もあります。また、1mmと1mm以上で差がないとの報告もあり、結論はでていません。
術前化学療法で見てみると、トリプルネガティブのタイプの腫瘍は、アンスラサイクリンやタキサンが効きやすいとの報告があります。(文責 徳田)

 

No.6691】  07年05月21日  Y.K.
乳がんの疑い

先日(5/14)母が細胞診を行いました。局部麻酔をかけ30分ほどで終わる検査でした。はっきりとした結果は5/24にわかるのですが、その検査の際担当の医師が「この固さは癌の可能性が高いなぁ。」と言われたそうです。大きさは6mm程度とのことですが、もし乳がんと診断されたらステージいくつぐらいなのでしょうか?早期発見ということで命に関わりないと安心してよろしいのでしょうか?母は心配で毎晩泣いています。怖くて仕方がないようです。どの程度危険があるのか教えてください。

情報が少なく、お答えしにくいのですが、6mmのがんとすれば病期は、おそらく1期あるいは、もっと早期の非浸潤がんということになります。(文責 徳田)

 

No.6690-1】  07年05月21日  K.T. 
男性の胸のしこりについて

胸のことで気がかりなことがあり、その中でこちらのサイトを見つけまして相談させていただこうと思いました。お忙しい中とは思いますが、何卒よろしくお願いいたします。私は男で、23歳の学生です。3〜4年ほど前から左胸の乳首の下にしこりを感じるようになり、しこりの大きさも初めはわかりづらいほど小さかったのですが、だんだんと大きくなり、2年前には2×4センチほどの大きさで、触った感じではラグビーボールのような形状で、今もその状態が続いています。それで一度2年前に、しこりが大きくなったことを心配して総合病院に行ったのですが、その際には触診と血液検査(記憶があいまいなので間違っているかもしれませんが、プロラクチンというものの値を見ると担当医の方はおっしゃっていたと思います。)の結果、おそらく女性化乳房だろうという結論をいただき、1年くらいすればひくだろうと言われました。それでそのときは安心したのですが、それからもう2年近く経とうとしている今でも、しこりが小さくなりそうな気配がありません。その後調べてみると、エコーを使ったりする検査があったり、自分が受けた診察と、乳腺外来での一般的な診察が違う感じがして、より心配になってしまいました。今はもうしばらく様子を見て、しこりが小さくなる気配がなければもう一度病院に行こうかなと思っています。自分の調べた範囲では、女性化乳房は1年前後でひくという話が一般的なような感じがするのですが、4年5年としこりが小さくならないまま続くことはあり得るのでしょうか? そして、それはそのままにしておいても大丈夫なのでしょうか? 男にも乳癌があることを知り、悪性化したりしないかと考えると心配になってしまいます。また、以前病院で受けた結果による判断は信頼して大丈夫でしょうか?よくよく思い出してみると、やけにあっさり終わられた感じがして、それが心配の種になっています。質問が多くなってしまい申し訳ありませんが、もしよろしければこれらのことにご意見いただければと思います。繰り返しになりますが、お忙しい中とは思いますが何卒よろしくお願いいたします。

年齢的に乳がんは考えにくいですが、女性化乳房の原因によっては縮小しないことがあります。乳腺専門医を受診すべきです。(文責 徳田)

 

No.6690-2】  07年05月26日  K.T. 
男性の胸のしこりについて(2)

HPNo.6690の質問をさせていただいたものです。ご回答を拝見させていただきました。お忙しい中、本当にありがとうございます。一応前に診ていただいた総合病院の方も乳腺外来の専門の方だったのですが、それでも長い間しこりに変化がない場合は、もう一度乳腺外来の先生に診ていただいた方がよろしいのでしょうか? 実際のところ、以前より少しは小さくなってきたような気もするので、もう少し様子を見て引かないようであれば病院で診てもらおうと思います。ご回答本当にありがとうございました。そして繰り返し質問が入ってしまい申し訳ありません。

乳がんであれば徐々に大きくなる可能性が高いので、変化しないもしくは小さくなっているのであれば、やはり女性化乳房の可能性が高いと考えます。しかし乳がんでもゆっくりと大きくなることもあるので、心配であれば乳腺外来を受診し、必要であれば超音波検査や細胞診を施行したらよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.6689】  07年05月21日  CM
アリミデックスの副作用?

2005年1月に皮下乳腺全切除後、術後補助療法としてリュープリン注射を2年間受けました。現在49歳で、2007年1月の検査では、「ほぼ閉経だが微妙な状態」ということで、2月からアリミデックスを服用しつつ血液検査を2・3・4月に受け、その結果、ノルバデックスではなく、今後もアリミデックスを継続することに決まりました。今の所、特に副作用も感じないで来ましたが、今日、半日ほど少量の不正出血が続いています。もちろん明日かかりつけの婦人科医を受診するつもりですが、アリミデックスの副作用ということもあり得ますか? ネットで調べてみたのですが、アリミデックスでの不正出血について、HPによって記述が違っていて、よくわかりません。お手数お掛けしますが、ご回答よろしくお願いいたします。

アリミデックスの副作用としては、1-5%の頻度で報告されています。(文責 徳田)

 

No.6688】  07年05月21日  T  
再発率

4年前に温存手術をしました。「乳頭腺管癌、センチネルマイナス、ハーツーマイナス、グレード1、ホルモンプラス。リニアック25回。1センチ」でした。ゾラデックスを3年して去年夏終了し、今年2月に生理が戻りました。手術時36歳でした。ノルバデックスは肝機能があがると中止したりして、ゾラデックスだけは3年しました。主治医は、「生理が戻るのは仕方ないので、卵巣とるしかないから・・ノルバデックスをあと1年のみますか?」とのことでした。4年目の検査は異常なしでしたが、主治医は「今は大丈夫そうですよ」「またなるかもしれないし・・」といいます。あと1年で5年を迎えますが、今までノルバデックスを飲んだり中止したりを繰り返したので、再発に影響ありますか?

ノルバデックス2年と5年では、効果に差があるとされています。(文責 徳田)

 

No.6687】  07年05月21日  Y.I.
未分化癌の術後について(HPNo.5987-3)

HPNo.5987 「未分化の癌について」で、以前2回にわたりアドバイスをいただきまして、ありがとうございます。上記の経過と今後について、再度アドバイスをいただきたく、メールさせていただきました。43歳主婦、12歳と9歳の子供がいます。2006年9月、右腋の下のリンパ節を生検したところ、未分化細胞の原発不明癌といわれ、その後検査をしても、どこにも原発巣は見つかりませんでした。最初の細胞の病理診断結果のコピーです。
(所見)
「リンパ節内に充実性、胞巣状に増殖する腫瘍を認める。腫瘍細胞は核小体の明瞭で類円形ながら経度の大小不同や多形性の見られる核と比較的幅広い胞体を有し、上皮様の形態、配列を示す。核分裂像が目立ち、多いところでは8−10個/HPF程度見られる。腺管形成や粘液産生、角化や細胞間橋形成といった特定の細胞分化葉見られない。低分化、ないしは未分化な癌の転移の可能性が高いと思われる。」

免疫染色では、「ER陰性、PgR陰性、CK7陰性、PgR陰性、TTF−1陰性、CD5陰性、CAM5.2陰性、TTF−1陰性、EBER-ISH陰性」でした。免疫組織化学はScore0。転院した医学部付属病院で、乳がんのリンパ節転移ということにして、11月24日から3週間ごとにCEFを4回行い、リンパ節の腫れが縮小傾向になったので、2007年2月よりタキソール毎週に変更し、2007年3月初めまでにタキソール5回を終了した後、3月27日に、右腋下のリンパ節のみを15個切除しました。15個のうち3個は既に癌細胞が死滅しており、1個はまだ癌細胞があったそうです。しかし、術後の病理診断でも原発巣が特定できず、現在の症例のどんな細胞とも似ていないといわれています。とても珍しいようです。術後も同じ医学部付属病院の外来で、タキソールを毎週しており、5月18日現在で9回目が終わったところです。後3回行い、全部で12回タキソールをしますといわれています。血液検査の結果はいつも良好(白血球4000以下になった事がない)で、予定通りにタキソールを投与しています。今回の手術では、右腋の下のリンパ節のみの切除で、乳房には傷をつけておりません。そのため、今後は放射線照射をしましょうと言われています。そこでお聞きしたいのですが、
1) 私のように抗癌剤がよく効くタイプであっても、リンパ節に4つ以上の転移があった場合の予後はどうなのか。
2) 結果的には乳がんの抗癌剤の効果があったので、乳房にしこりなどが見つからない場合でも、原発巣は乳がんと考えられるのか。
3) 放射線を、どの部位に、どの程度の量をあてたほうが良いのか。
4) これまでの抗癌剤の効果や今後の放射線治療で、今後の再発率や転移などの確立をどのくらい軽減できるのか。

お忙しい中、大変恐縮ですが、アドバイスをよろしくお願いいたします。

1) 乳がんで、ホルモン受容体陰性、腋窩リンパ節に4個以上転移がある場合の10年の再発リスクは、50-60%と考えられます。
2) 抗がん剤の感受性だけでは、原発巣とは言い切れませんが、可能性は高いと思います。
3) 照射するとすれば、乳房および鎖骨上リンパ節に50グレイ
4) 乳がんであるとして、再発リスクを約50%程度減少させると予測されます。(文責 徳田)

 

No.6686-1】  07年05月21日  S  
母の転移について

初めてご相談させていただきます。母(64歳)が昨年9月に右乳房全摘出手術を行いました。主治医よりステージTという診断を受けました。浸潤性乳管癌、しこりの大きさは3センチ、腋のリンパ節転移なし(13個中0個)、ERは陽性50%、PR陰性0%、HER2は3+とのこと、術後はホルモン療法のみ(フェマーラフェマーフを1日に1錠服用)で、今年3月には、「術後2度目の腫瘍マーカー検査では問題なし、CEAは0.9、CA15-3は8.7で通常より低いぐらい、この先も心配いらない」と太鼓判を押されていました。ところが、今月初旬に右鎖骨上にしこりが2〜3個あることに母自身が気付き、細胞診の結果、クラスXとのこと。まさかの転移で、母も家族もとてもショックです。現在、全身の検査(CT、MRIで頭部、骨シンチ、PET-CT)を順次、受けているところで、結果は今月末になります。そこで今回、先生にお聞きしたいのは以下の3点です。
1) 腋のリンパ節に転移がないステージTでも、母のように再発があるものなのでしょうか。しかも術後8ヶ月とかなり早い時期に。
2) 母の癌のタイプは、ホルモン療法は効かないということでしょうか。
3) 今後の治療ですが、鎖骨上リンパ節周辺への放射線と抗がん剤がよろしいでしょうか。それとも、ハーセプチンが効くタイプですので、鎖骨上リンパ節周辺への放射線とハーセプチンとタキサン系の抗がん剤にするのがよろしいでしょうか。ハーセプチンは最後の切り札、と本で読みましたが、母の癌は効くタイプなので、どんどん転移して、治すタイミングを逸するのを避けるためにも、直ちに投与を続けた方がいいような気もするのですが。

以上、長々と申し訳ございません。全身の検査結果にもよると思いますが、これ以上の転移を食い止めるためにも、最善の治療を受けたく、先生のお考えをお教えいただけますでしょうか。何卒よろしくお願い申し上げます。

1) ステージ1でも再発は0ではありません。
2) ホルモン受容体陽性でも、すべての患者さんに効果があるわけではありません。効果がない場合もあります。
3) すぐに命にかかわる転移ではないので、ハーセプチンから開始して、効果を確かめてから抗がん剤や放射線を併用するのがよいと考えます。(文責 徳田)

 

No.6686-2】  07年05月27日  S  
母の転移について その2

No.6686でご回答いただきましてありがとうございました。このような形式でご質問できるのは、大変心強いです。もう2点、お聞きしたいことがございましてメールいたしました。
1) 転移と原発は何をもとに判別されるのでしょうか。細胞診の結果は「鎖骨上リンパ節 クラスX」でしたが、これだけでは転移か原発かの区別はつかないものでしょうか。もしや母は原発の可能性もあるのかと思いまして。しこりの場所は鎖骨上と書きましたが、正確に表現しますと、手術した側(右側)の鎖骨のくぼみと、その場所から肩の方に(後方に)ずれた場所にあります。
2) 転移と原発では治療法が変わってきますか。
3) こちらでのアドバイスをもとに主治医と相談のうえ、治療はハーセプチン単独からにしていただこうと考えていますが、ホルモン剤も併用した方が効果が期待できますか。フェマーラフェマーフで効果がなかったので、別のホルモン剤、フェマーラよりも強いホルモン剤がよろしいですか。その場合、種類もお教えいただけますか。

以上、お忙しいとは存じますが、再度お教えいただけますでしょうか。何卒よろしくお願い申し上げます。

1)  乳癌のリンパ節転移とリンパ節原発の悪性腫瘍では組織型が違いますので、十分な細胞量が採取できれば細胞診でも推定される組織型で判断可能と考えます。
2)  変わってみます。
3)  ホルモン剤使用中の再発であればホルモン治療抵抗性と考え、化学療法主体の治療を考慮するのが一般的です。(文責 浜口)

 

No.6686-3】  07年06月26日  S  
母の転移について その3

HPNo.6686です。お世話になっております。鎖骨上のしこりですが、細胞診での組織が「腺癌」なので、原発ではなく、乳がんからの転移であると主治医から説明を受けました。また、CT、MRI(頭部)、骨シンチ、PET-CTの全身検査の結果、「鎖骨上リンパ、胸部付近のリンパ、手術側の乳腺内に転移が見られると、PET-CTから判別、CTによると肝臓にうっすらと影があるが、PET-CTでは全く写っていないので断定できない、その他は異常無し」という結果でした。治療ですが、HER2が3+でしたので、早速、ハーセプチンとタキソテールで全身療法を開始しました。ホルモン療法中の再発でしたが、引き続きフェマーラフェマーフも服用するよう主治医から指示がありました。化学療法の初回を終えたばかりですが、今のところ副作用もなく、身体がずいぶん楽になった気がすると本人が言っています。鎖骨上のしこりに気付いてからは、手術側が重く、だるかったようです。今回ご相談させていただきたいのは、以下の4点です。
1) 全摘出、腋の下リンパ節郭清(術後の診断は、センチネルリンパ節とも転移なし)でしたので、この転移は乳腺内に取り残しがあったため、局所再発から胸部付近のリンパと鎖骨上リンパに転移したと考えられますか。
2) 取り残しだった場合、全摘出でも起こってしまうことなのでしょうか。術後の説明では、綺麗に摘出したということでした。
3) 化学療法ですが、「ハーセプチンを1週間毎、タキソテールとの組み合わせを3週間毎、何クールにするかは様子をみてから」と言われました。この化学療法の組み合わせとサイクルは、母の場合、効果が期待できますか。また、タキソールとの組み合わせと奏功率は変わりませんか。
4) ハーセプチンは少数例ながら完全に癌が消滅することがある、と本で読みましたが、本当ですか。

1)2) 乳腺全摘前の画像診断では認識できない程度ですが、転移していた可能性があります。(通常の手術では鎖骨上リンパ節は郭清の対象にしないことが多いようです。)
3) タキソールでもタキソテールでも、ハーセプチンと組み合わせることでより良い効果が期待できます。アルコール過敏の方は、調剤の関係でタキソールの使用は難しいことがあります。 
4) 再発例に関しては難しいかも知れませんが、術前化学療法の場合は、手術検体を病理学的に検索すると乳癌細胞が完全に死滅していると考えられる事はあります。その際にハーセプチン単剤で、どの程度有効なのかは不明です。

再発された方の場合は、術前・術後の補助療法とは考え方が変わってきます。生命をすぐに脅かす状態でなければ、身体に負担が少ない治療法を選択することが多いです。ただし再発治療には絶対的な決まり事はありませんので、ご本人、主治医、ご家族で良く相談してください。(文責 阿部)

 

No.6686-4】  08年01月06日  S  
母の転移について(4)

以前お世話になりましたHPNo.6686です。母の治療法に関して再びご相談させていただきます。領域再発の診断後、タキソテールを4週間に1回、ハーセプチンを週に1回投与(フェマーラフェマーフを再発前から引き続き服用しています)、7クールを終えたところで、PET-CTによる効果検査を行いました。結果、いくつかあった腫瘍がすべて消えていました。再発の場合、100%完全に治ったとは言い難いと聞きますが、言葉にならないほど、嬉しい結果でした。
そこで、主治医より今後の治療法は、タキソテールは8クールで終了、ハーセプチンのみ続ける。理由は、タキソテール投与後は白血球が減少している(差はありますが、大体2000ぐらいに下がります。よって、3週間に1度のところを4週間に1度に切り替えました)、タキサン系は6〜8クールが適している、という理由でした。また、ハーセプチンは、2008年2月か3月あたりから保険適用になるので、3週間に1回、要するに今までの3倍の量を1回で投与することも出来ます、ということでした。
つきましては、以下についてアドバイスをいただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
1) タキソテールを8クールで終了することは適していますでしょうか。抗がん剤をストップしてしまい、ハーセプチンのみに切り替えることにより、効果が下がり、再々発するのでは無いか心配です。
2) ハーセプチンは週に1回の場合と、3倍の量を3週間に1回投与するのとでは、効果も副作用も変わらないのでしょうか。
3) ハーセプチンの治療期間はどれくらいを目安にすれば良いでしょうか。
4) 万が一、今後再々発した場合、ドセタキセルとハーセプチンの治療を再度、開始するのが適していますか。それとも、抗がん剤は変えた方がいいのでしょうか。

1) 再発した乳がんを完全に治すことは困難であり、よい状態を長く維持することを目標に治療を進めていきます。タキソテールも続けていれば白血球減少や浮腫などの副作用により生活の質が下がることも考えられますので、画像上腫瘍が消失しているのであれば、まずはハーセプチン単剤に切り換えて治療を続けていくのはよい選択であると考えます。確かに腫瘍が再度増大してくることは心配でしょうが、それはタキソテールを続けていれば大丈夫というわけではありません。なるべく体に負担の少ない形で長く治療を続けていくことが重要ではないでしょうか。
2) 同様の効果が期待でき、通院回数は少なくなりますので患者様にとってはメリットがあるのではないでしょうか。
3) 再発治療の場合には副作用等が問題にならなければできるだけ長く続けるのがよいのではないでしょうか。
4) 基本的にはハーセプチンは続行しながら、ハーセプチンとの相乗効果が期待できるビノレルビンや経口剤のカペシタビンなどとの併用療法を考えていけばよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.6686-5】  08年07月02日  S  
母の転移について(5)

以前、何度かお世話になりましたHPNo.6686です。母の治療法に関して再びご相談させていただきます。領域再発の診断後、タキソテールを4週間に1回、ハーセプチンを週に1回投与(フェマーラフェマーフを再発前から引き続き服用しています)。7クールを終えたところで、PET-CTによる効果検査を行った結果、画像上、腫瘍が消失していたため、タキソテールは8クールで終了し、ハーセプチンのみ投与しています。また、心臓の検査も(心エコー、心電図、レントゲン)定期的にし、特に問題無く、現在に至ります。近々、6ヶ月検査でPET-CTを行う予定です。つきましては、以下についてアドバイスをいただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
1) 6ヶ月検査の結果、特に問題無い場合でも、ハーセプチン投与を続行した方がよろしいでしょうか。、
2) 検査の結果、再々発が発見された場合の治療法は、ハーセプチンとの相乗効果が期待できるビノレルビンやカペシタビンなどの併用療法が良いのでは、と、こちらの相談室で以前教えていただきました。繰り返しになり誠に恐縮ですが、医療は日進月歩ですので、再度確認させてください。現在も良いと思われる治療法は変わりませんか。
3) ビノレルビンやカペシタビンの副作用を教えていただけますか。

1) これに関しては確たるエビデンスはありませんが、検査上では腫瘍の残存を認めなくとも、細胞レベルでは腫瘍細胞がまだ残存している可能性は充分にあると考えますので、私なら今しばらくハーセプチンを続行したいと考えます。しかしこのままずっと検査で認めないとすると、いつハーセプチンをやめるのかは、非常に難しい問題です。
2) それでよいと思います。
3) ビノレルビンの主な副作用としては、骨髄抑制に伴う白血球減少と頻度は少ないが重篤なものとしては間質性肺炎が知られております。また、薬剤の組織障害性が非常に強いため、薬剤の血管漏出が生じないように細心の注意が必要となります。一方カペシタビンの副作用としては、手足の皮膚のひびわれや発赤を伴う手足症候群が有名ですが、その他としては骨髄抑制などがあります。(文責 谷)

 

No.6686-6】  09年05月15日  S  
ハーセプチンの投与について

以前相談させていただきましたHPNo.6686です。お蔭様で母は治療が奏功して、再発した腫瘍が消失してからは、再々発することは無く、治療を続けています。今回は、その治療、ハーセプチンの投与についてご相談させていただければと思います。

1)濃度や速度によって効果および体の負担に影響があるのでしょうか。
2)3週間に1回ですが、4週間に1回にしても、効能に問題無いでしょうか。

最近、転院したのですが、転院前は、1回分を2回に分け、それぞれ生理食塩液で希釈して各60分かけ続けて投与していました。母は心臓疾患があり、ハーセプチンの副作用で重篤の場合は、心臓に悪影響を及ぼすことを踏まえて、定期的に検査しています。循環器の主治医からは、心臓機能が低下していることは無く、治療続行の承諾を得てはいます。この事を転院後にも伝えていましたが、転院後は、2回に分けず、1回分を生理食塩液で希釈して、60分で投与しました。これが影響したのかはわかりませんが、治療2日後に、疲れが出て、動悸が2時間続きました。つきましては、濃度や速度によって、体に負担がかかるのであれば、2回に分けてもらい、さらに効能に問題無いようでしたら、4週間に1回の投与に変更しようと考えています。ご助言いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

治療2日後の動悸は、点滴スピードとは無関係だと思います。ハーセプチンも抗がん剤も、決められた投与間隔と投与速度があります。それに逸脱するのは基本的にはよくありません。3週間投与を4週間投与にしたり、2回に分けて投薬することは、期待される効果が十分に出ないことも考えられるので、基本的にはよくないです。動悸など心配な症状があるのであれば、一度主治医に相談してください。(文責 俵矢)

 

No.6686-7】  10年04月15日  S  
母の検査結果と治療法に関して

何度かお世話になっておりますNo.6686です。検査結果と治療法に関してご相談させていただきます。長文で恐縮ですが、経過からご説明いたします。2006年9月に全摘出手術。浸潤性乳管癌、しこりの大きさは3センチ、センチネルリンパ節及び腋の切除したリンパ腺13個全て異常無し、ER陽性は50%、PR陰性は0%、HER2は3+、術後はホルモン療法のみ(フェマーラフェマーフ1日に1錠服用)。2007年5月にCT、MRI(頭部)、骨シンチ、PET-CT全身検査の結果、鎖骨上リンパ、胸部付近リンパ、手術側乳腺内に転移。2007年6月から全身療法を開始。フェマーラフェマーフ服用、ハーセプチンとタキソテールの組み合わせ。2007年12月に7クール終えたところでPET-CTによる効果検査の結果、全ての腫瘍が画像上消失。念のため、8クールまで治療し、2008年2月からは、タキソテールのみ中止。2008年7月及び2009年1月にPET-CTによる経過観察は異常無し。2010年4月に胸部をCTによる経過観察で、手術側の腋のリンパ腺に8ミリのしこりが写るが、悪性なのか判断つかず、近日中にPET-CTで検査する予定。また、手術反対側の腋のリンパ腺にも、9ミリぐらいのしこりが写っていたが、これは良性でしょう、と主治医から言われている。教えていただきたいのは以下6点です。宜しくお願いいたします。

1) PET-CTの検査が4年間で5回目になりますが、体に悪影響は無いでしょうか?
2) 8ミリのしこりは良性(リンパ節)の可能性もある、と主治医が仰っていました。手術で13個を切除していますが、それでも、良性のしこりが発生するものでしょうか?
3) センチネルリンパ節に転移はしていませんでしたが、それでも、腋のリンパ腺に転移するものでしょうか?
4) 手術反対側の腋のリンパ腺に悪性のしこりができることもあるのでしょうか?
5) 8ミリのしこりが悪性だった場合、適していると思われる治療法及びその副作用を教えていただけますでしょうか?
6) 8ミリのしこりが良性だった場合、フェマーラフェマーフを中止し、ハーセプチン単剤治療に切り替えてはどうか、と主治医から提案されていますが、効き目が下がることは無いでしょうか?

1) 放射腺被爆量が多くなりますが、実際に人体に悪影響を起こす放射腺量は、もっとずっと大きいもの(100倍以上)です。無いと考えてください。
2) 可能性はあります。
3) 手術時にリンパ節転移がなくても、その後転移が出現することはあります。このような場合、顕微鏡でなければ解らないような微少な転移が周囲のリンパ節に存在しており、後で増大したとものと考えます。
4) あります。
5) ハーセプチンを続けタキソールやナベルビンなど別の抗癌剤を使用するか、ハーセプチンをラパチニブという別の分子標的剤に替えることになると思います。ラパチニブの特異的な副作用として下痢と皮疹があります。
6) フェマーラは、5年服用したからやめるという話が出てきたものと思われます。ホルモン剤は長く服用すれば、それだけ効果はありますので、やめる事ないと考えます。(文責 吉田)

 

No.6686-8】  10年04月17日  S  
母の検査結果と治療法に関して(2)

HPNo.6686です。ご回答いただきまして誠にありがとうございました。私の質問の仕方に曖昧な表現があり、大変恐縮ですが、以下4点を今一度、教えていただけますでしょうか?宜しくお願いいたします。
1) 手術時にリンパ節転移が無くても、顕微鏡でなければ解らないような微少な転移が周囲のリンパ節に存在していて、後で増大したと考える、とのことですが、手術の際、センチネルリンパ節と腋の下のリンパ節13個を切除し、顕微鏡検査の結果、転移無しでした。ということは、8ミリのしこりが悪性だった場合、切除しなかったリンパ節の方に、顕微鏡検査をすれば解った転移が存在していたということでしょうか?
2) リンパ節は何個あるのでしょうか?
3) 手術時に腋の下のリンパ節を全て切除すれば、腋の下のリンパ節の転移は避けられたのでしょうか? 因みに、主治医からは、リンパ節13個を切除した理由は2つあると聞いていて、1つは、センチネルリンパ節に転移は無かったが、腫れているように見えたから、もう1つの理由は、切除しておけば、後の転移を避けられるから、とのことでした。
4) フェマーラを服用中に再発しましたが、それでも、長く服用することによって、それだけ効果があるということでしょうか?

1) そういうことになります。
2) 人によって様々ですが、腋の下には30個以上あると思われます。
3) 理論的には、すべて切除すれば転移が避けられる可能性は考えられますが、すべてのリンパ節を切除することは技術的に困難なことがあります。
4) 転移・再発した患者さんには、一般的には、アロマターゼ阻害剤(フェマーラ)の効果がなくなった時はタモキシフェンに、タモキシフェンの効果がなくなった時はアロマターゼ阻害剤に切り替えて使用します。それでも効果が認められない場合は、ヒスロンHを使用する場合もあります。(文責 吉田)
 

 

No.6685】  07年05月21日  H 
術後のホルモン療法(閉経前・中リスク)について

術後のホルモン療法(閉経前・中リスク)について相談させてください。私は35歳、未婚で、3月に手術を受けました。現在は放射線治療中です。術後の病理結果では、グレード2の部分だけ(もしかすると年齢も?)が引っ掛かり、低リスクではなく中リスクに入りますが、再発の可能性は10%程度とのことで、主治医からはタモキシフェンのみ5年の服用を勧められています。ですが、出産の希望があり、場合によっては5年間の治療は続けられないかもしれないこと(タモキシフェンの副作用により、服用が続けられなくなる場合もあるんですよね?)、現在の職場では休みもとり易く仕事も楽なのですが、転職の希望もあり、今のうちに卵巣機能抑制の注射まで行い、半年程度で副作用が落ち着けば、もしくは、2年間で治療が終わって、それから転職などもできると良いかなという思いもあり、注射までやってもらった方が良いのでは?と思いつつ、ちょっと迷っています。更年期障害や鬱などの副作用については、どうしても我慢できなければ注射を止めれば良いと思っており、そんなに心配していないのですが、その他に注射を止めても回復しない副作用(そのまま閉経してしまうなど)はどの程度考えられるでしょうか? また、タモ5年+ゾラ2年、タモ2年+ゾラ2年、タモのみ5年、タモのみ2年などでは、どれぐらい効果に違いがあるものなのでしょうか? 長くなってしまい申し訳ありませんが、アドバイスよろしくお願いいたします。

閉経年齢に達していなければ、ゾラデックスを中止すれば、生理は再開します。ゾラデックスを追加すれば、再発リスクは30%程度減少します。タモキシフェン5年でのリスクの減少は40%程度ですから、あなたの場合再発のリスクは6%、ゾラデックを追加すると、計算上は、さらに1-2%減少することになります。タモキシフェン2年より5年の方が効果が高いとされていますが、あなたの再発リスクから計算すると、その差は、ほんの少しと考えられます。(文責 徳田)

 

No.6684】  07年05月19日  C 
今後の治療などについて

いつも参考にさせていただいています。私は2006年1月、36才で乳癌と診断されました。ステージ2で、術前抗がん剤 CEF4 ク−ル+タキソテ−ル4ク−ル受け、8月右乳房温存術+リンパ節郭清術を受けました。病理の結果、「乳頭腺管癌、大きさ13×10×15_、核異型度2、リンパ管+、血管−、切除断端−、リンパ節転移4個、ER+、PGR−、HER2 2+、FISH−」でした。術後さらにタキソテールを4ク−ルし、放射線を受け、現在ノルバデックスを服用しています。
1) 抗がん剤で生理が止まっており、次回ホルモン量を調べる予定ですが、ホルモン量が少なければ閉経とみなすのでしょうか?
2) もし閉経ならホルモン剤はアロマターゼ阻害剤の方がいいのでしょうか?
3) 歯科で歯列矯正(抜歯含む)をすすめられました。2−3年かかるという事で、その間にもし再発・転移した場合治療に差し障りないものでしょうか? 問題なければ矯正したいのですが、再発リスク高 との事で気になります。

1) 女性ホルモン、脳下垂体の卵巣刺激ホルモンの量から推定しますが、あなたの年齢から、生理が回復する可能性が高いと思います。
2) 閉経後であれば、アロマターゼ阻害剤のほうが予防効果は高いのですが、閉経前には使用しません。生理の回復する可能性を考えるとノルバデックスを使い、生理がもどったら卵巣の機能をおさえる薬剤を併用するのがよいと思います。
3) 再発した場合、抗がん剤の治療をすることになります。抗がん剤投与中は、歯科医としては抜歯などはしにくくなるでしょうが、それ以外の処置は問題ないと思います。気になるのであれば、再発の可能性が十分少なくなってから矯正してはどうですか。(文責 徳田)

 

No.6683】  07年05月19日  K  
両側にできた乳がんの手術について

48歳です。この相談室を参考にさせていただいております。熱心な先生方の存在はありがたい限りです。さて、これまで会社の検診ではいつも乳腺症の疑いを指摘されていたのですが(1年半前のマンモグラフィーでは異常なしでした)、4月初めに左胸にしこりをみつけ、いつものことかと思いつつ、1週間後、健康診断のつもりで診察を受けたところ、1.5センチの悪性腫瘍がみつかりました。さらに、その後の検査で右側にも6ミリのガンが見つかり、両側を同時に手術するとのことですが、予定がいっぱいとのことで、現在手術待ちです。左側は乳首に向かって腫瘍が伸びているので、温存では取りきれない可能性があるので全摘(検討の余地ありということで決定ではありませんが)、右側は温存というのが担当医の方針です。お聞きしたいのは、両側を同時に手術するのは標準的かどうかということです。両側ともセンチネルリンパ節生検予定ですが、もし両側ともリンパ節切除になった場合、浮腫の予防のためにはリンパ節郭清したほうの手では血圧測定、注射針を刺したりはしないほうがいいというのを聞いたりすると、両側を一度に切除したらどうなるのだろうか、また放射線治療なども一度にはできないだろうから、その間に片方が進行しないだろうか、などと考えてしまいます。ご意見をよろしくお願いします。

両側にがんが同時に見つかれば、同時に手術するのが標準的です。放射線照射も両側に照射します。リンパ浮腫のことよりも、がんの治療が第一です。(文責 徳田)

 

No.6682】  07年05月19日  F  
抗癌剤の効果について(HPNo.6669-2)

HPNo.6669で相談させていただいたものです。ありがとうございました。抗がん剤が始まって2カ月がたったのですが、抗がん剤をするようになってから痛み出したという事は、抗がん剤が効いてないのですか? タキソールという抗がん剤は、骨転移には効き目がないのですか? 

骨転移の状況で抗がん剤の効果を評価するのは困難です。抗がん剤自体が効果がない場合もありますし、がんに対する効果はあっても荷重などの物理的な理由で痛みが増強することもあるかもしれません。タキソールが特に骨転移に効かないということはありません。(文責 徳田)

 

No.6681-1】  07年05月19日  Y.H.
ハーセプチン治療は可能でしょうか?

1.6cmの乳頭腺管がん、異形度1、ハーセプテスト3+、術後EC6クール、現在ホルモン療法中です。今からハーセプチン治療は可能でしょうか 。

化学療法後、おそらく4ヶ月程度(手術から8ヶ月)たってハーセプチン治療を行う意味があるかどうかとのご質問と考えます。HERA試験では、乳がんの診断から平均8ヶ月たってからハーセプチンを開始し、1年間投与して効果が示されました。したがって意味があると思います。しかし、術後のハーセプチン治療は、日本では、まだ保険適応になっておりませんので、注意が必要です。(文責 徳田)

 

No.6681-2】  07年05月21日  Y.H.
ハーセプチンについて

HPNo.6681で相談させていただいたものです。回答ありがとうございました。妻の受けているがんセンターでは、今からでは出来ないと言われましたが、千葉県又は東京のどこの病院でしたら適用外でも出来るのでしょうか。

保険適応外ですが、欧州ではすでに承認されており、治療を行っている施設はあると思います。千葉県や東京はわかりませんので、直接、乳腺専門医のいる施設に照会してみてはいかがでしょうか。(文責 徳田)

 

No.6680】  07年05月19日  A
術後の補助治療について

お忙しいところ恐縮で、また誠にわがままな患者で申し訳ありませんが、ぜひご相談にのって頂きたくよろしくお願い致します。
1969年生37才、女性、浸潤性乳管がん(右)、管状ガン(珍しいといわれました)、しこりの大きさ2cm、グレード1、Her2スコア0、エストロゲン−、プロゲステロン+。センチネルリンパ節 1mm大の転移?の可能性あり。微小転移。とどまっているものか、増殖しようとしているかは判らない(スコアは聞き忘れました)。
1年前よりしこり有。総合病院で異常なしと診断。今年4月に乳腺専門医を受診、乳癌と診断。4月末に温存手術実施、リンパセンチネル生検で郭清せず。術後順調。術後の補助治療については抗がん剤を提案されたところ、副作用(特に脱毛)に対して精神的に不安定になり、とても治療に臨めそうにない為、抗がん剤はCMFまたは使わない治療法を希望。本日主治医を受診し、下記意見だったので、来週始めにセカンドオピニオンを2件予定。
〔主治医の意見〕
今後の補助治療についての提案
1)化学療法FEC100 6サイクル(タキサン系までは不要と思われる)2)ホルモン療法 LH-RHアゴニスト3カ月ごと2年以上+タモキシフェン5年間 3)放射線治療

おとなしいタイプのガンで、他条件からみて恐らく再発率は10%ぐらいではないか。リンパ節の転移の疑いのあるものがあったが、今すぐ手術が必要なものではない。(私が希望する)CMFは効果がFECの半分、ホルモン療法と同等の効果なので、そちらを敢えてやることは勧められない。どうしても化学療法が嫌ならば考える時間を取り、まずはホルモンをやってみては。

〔質問事項〕
1) 生存率、再発率の低下を納得したうえで、個人の価値観から化学療法を受けないという選択は非常識なものでしょうか。主治医にも呆れられたような感じです
2) リンパの転移について郭清していませんが、このまま放置していてよいのでしょうか。微小だから判断に迷うレベルなのでしょうか。

1) 最終的には、患者さん自身が決定すべきです。その結果も患者さん自身が受け止めなければならないのですから、常識とか非常識とかいう尺度ではかるべきではないと思います。
2) リンパ節の追加郭清あるいは、腋窩への放射線照射が標準的です。(文責 徳田)

 

No.6679】  07年05月17日  S 
石灰化と不妊治療

現在、32歳、既婚、不妊治療中です。生理前などに乳房に強い張りを感じることがあり、1年ほど前にマンモグラフィを受け、両乳房全体に石灰化がみられるとの診断を受けました。半年後にもう一度受診し、同じような検査結果でした。現在、排卵誘発剤(セキソビット、クロミッド、注射)で治療を受けています。また、高プロラクチン症で週一回のカバサールを服用中です。このような不妊治療で乳房への影響がないか不安です。ホルモン剤は飲み続けても大丈夫なのでしょうか?

不妊治療や、閉経前のピルなどが、乳がんのリスクを高めるとの報告はありません。(文責 徳田)

 

No.6678】  07年05月17日  F.C.  
乳がん検査で発見できないものがあるのでしょうか?DIMの有効性

お忙しい先生方、このような掲示板を続けてくださってありがとうございます。質問させてください。マンモグラムと超音波では、発見できない乳がんというのがあるのですか?乳頭異常分泌でみつかる乳がんで、浅く広がるもの、というのは、マンモと超音波には、なんの所見も出ないものですか?私の場合は、乳頭から血性の分泌が数ヶ月に一度、自己検診で圧迫して数滴でる程度あったのですが、(いままで3回ほどありましたが、1週間ほどで透明にもどりました)受診した時には全く血液は含まれていなくて、どこから出ていたのかがはっきり先生にはわからないため、細胞診や乳管造影などもやっていません。マンモや超音波では異常がないので、経過観察ですが、検査を受けていても見つからない乳がんがあると聞き不安です。他にどんな検査をお願いしたらいいのか教えてください。また、DIM(ジインドリルメタン)が、乳がんの育成を阻止することの有効性がわかっている、とあるサイトに書かれてありました。インドールカルビノール3よりも安定しているとのことでした。予防に役に立つかもしれないのであればサプリとして摂取したいのですが、あまりポピュラーなサプリではないので、安全性などが不安です。悪玉エストロゲンを減らす、とのことですが、ホルモンに影響するものならば、乳腺にかえって悪影響を与える可能性もあるのでしょうか?

きわめて初期の乳がんでは、小さすぎて発見できないことはありえます。MRIがマンモより検診の感度がよいとの報告もありますが、費用対効果の点から、まだ確立していません。経過観察でよいと思います。DIMについてもご心配のとおり、予防効果と安全性は確立していません。わからないものは使わないことです。(文責 徳田)

 

No.6677】  07年05月17日  N 
術後の治療について(HPNo.6637-2)

HPNo.6637でご相談させていただいたものです。先日はご返事を頂きまして、有難うございました。再びご相談させて下さい。宜しくお願いいたします。術式は温存部分再建を行う事を決め、本日、その事を主治医に伝え、術後の治療をお願いしにいったのですが、断られてしまいました。「手術の所見、病理の所見は行った人しか判らない、形成をどのようにしたか等の情報がないので何かトラブルがあった時など対処できないし、色々な情報が必要になった時に、治療に差し障りがでるので薦められない。放射線治療をして良いのかどうなのかも判らない。3年〜5年は再発の危険もあるし、転移、抗がん剤投与する時など、前の所見を見たりする事も出来ない、それに手術した病院と治療する病院を変えない方がよい、常識的に考えても手術した病院で治療を行うのが当然の事だと思います。そのようなケースの人はこの病院ではいないし、逆のケースもいない、そんなケースは他院でもあまり無いと思う。数年経過して大丈夫そうであれば、また来るのは構わない。そのような患者さんはいます。それと、ここで形成をしたのなら何処かに良くない事がおきた時、形成の先生と相談しながら、方針を決める事も出来るが、それが出来ないので、長い目で見た時に何よりあなた自身の為に良くない。」と言われました。谷先生とセカンドオピニオンの先生同様に、「治療を他院で行うことは何の問題もない。」と言われていただけに、主治医からこのように言われる事は想定外の事で、とてもショックでした。主治医にここまで言われた以上、ここでの治療は諦めた方がの良いでしょうか。そして、新たに術後の治療をしてくれる病院を探した方が良いのでしょうか。お忙しい所、申し訳ありません。宜しくお願いいたします。

手術はどこでも出来るわけではないので、手術を第一に考え、術後の治療を他の施設にお願いした方が良いと思います。(文責 徳田)

 

No.6676】  07年05月17日  G
骨シンチ(HPNo.6665-2)

ご回答ありがとうございました。さっそくですが、もう一つ質問させて下さい。昨年9月に乳癌温存手術、放射線療法を経て化学療法タキソールがあと2回で終了です。ところが先月から患部側の鎖骨付近に激痛が走るようになり、主治医のいる病院には設備がない為、紹介状を持って他院で骨シンチをした結果、「骨転移はないが皮膚浸潤あり」と書いてありました。私は手術の取り残しか再発転移か、先方に詳細を照会してほしいと主治医に頼みましたが、「骨転移の検査を依頼したのに関係ないことを書いてくるのがおかしい、専門医じゃないから照会してもわからない」と取り合ってくれません。それでも私が引き下がらないでいると、放射線を当てて以来パンパンに張っている患部からリンパ液を採取して検査してくれました。その結果何も悪い物はなかったとのことですが、私はそれ以来主治医に不信感を持ったまま、不安な日々を過ごしています。腫瘍マーカーは手術前後以来一度も検査していないそうです。主治医の言葉を信じるしかないのでしょうか? でも、もし本当に皮膚に浸潤していたらと眠れなくなる時もあります。よろしくお願いします。

骨シンチは、あくまで、骨に関する情報を得るために行った検査です。それ以外の情報も得られることもありますが、それは、他の情報と合わせて慎重に総合的に判断する必要があります。骨シンチの読影医は、あなたの状況に関して、十分な情報が与えられているわけではありません。したがって、主治医の総合的な判断を信じるべきと考えます。しかし、納得ができないのであれば、その気持ちを率直に主治医に伝えることも大切です。(文責 徳田)

 

No.6675】  07年05月17日  KN
術後のしこりが気になります

2月にしこりを見つけ、生検の結果非浸潤癌と診断されました。その頃から、右脇の下がジクジクするような鈍い痛みがありました。4月に全身麻酔で部分切除をし、結果は浸潤しているものがなく、完全な非浸潤癌で取りきれたとのことですが、その後も右脇のじくじくが治らなかったので、家で触ってみると、脇の下に小さな、押すと逃げるようなしこりが1〜2個ありました。担当医にエコーで見てもらったところ「こないだの手術で結構大きく切ったから、その影響でリンパが腫れたのだと思う。転移ではないから大丈夫ですよ」と言われました。実際、手術の影響でリンパにしこりが出来ることってあるのでしょうか? もしくは、転移でないにしても、リンパからがんが新たに発生するってことはないのでしょうか。担当医はエコーで見てくれたのですが、エコーだけで、悪性じゃないというのはわかるものでしょうか。色々質問してすみません。

リンパ腺は、抵抗力に関係する細胞の集まった組織ですから、手術などの刺激により反応性に細胞が増えて腫れることがあります。リンパ腺のがんもありますが、反応性に腫れたリンパ腺と超音波で区別することができます。(文責 徳田)

 

No.6674-1】  07年05月17日  M
脇の下リンパ節転移について

ご相談よろしくお願い致します。
1) リンパ節転移陽性の場合、転移したガン細胞の大きさについてですが、ミリ単位からセンチ単位の大きさの幅があるのでしょうか? また、大きさよりも個数の方が、予後判定因子となるのでしょうか?
2) ガン細胞は、脈管・脂肪浸襲などの脈管にどのように入っていくのでしょうか? 細胞診検査で針をガン細胞に刺し、傷ついた状態でしこりを強く押した場合(強い痛みで腕が上がらないほど)、このくらいでは、ガン細胞は脈管に入らないと理解して宜しいのでしょうか?
3) 最近20代の若い女性に乳がんが増えていると見聞きしておりますが、要因として160センチ以上の方に多いなどのほかに、やはり昔と違うことは、食生活、ストレス、電磁波(インターネットに載っていました)が大きく関係しているのでしょうか?

何卒よろしくお願い致します。

1) 1つのリンパ節の転移の大きさは、さまざまですが、リンパ節転移の個数が予後因子としては重要です。
2) がん細胞が脈管のなかにどのように入っていくのか、詳細なメカニズムはよくわかっていませんが、穿刺吸引細胞診によりがん細胞が脈管の中に入り、転移を起こすことはないとされています。
3) 20歳代の若い女性の乳がんが増えているというのは、乳がん全体の患者数が増加しているためです。比率としては、変わっていません。(文責 徳田)

 

No.6674-2】  07年05月25日  M
脇の下リンパ節転移について(2)

早速のご回答くださいましてありがとうございます。昨年四月、自分の希望もあり、左乳房全摘出手術を行いました。脇の下のリンパ節に一個転移していました。リンパ管ly(+1)静脈(−or0)、脂肪(+)乳腺(+)、ホルモン共に(+)、HER2(+1)、悪性度は2〜3、との病理結果でした。
1) 以前こちらの相談室で、静脈よりリンパ管浸襲の方が、転移・再発しやすいと拝見しましたが(私の記憶違いでしたら申し訳ございません)、そうなのでしょうか?
2) 主治医の先生に「硬ガンでリンパに転移しているので、再発・転移のリスクは高い」と聞いております。私の場合、無治療で、5年健存率、10年生存率はどのくらいでしょうか?
3) 術後タスオミン、リュープリンの治療を、術後5ヶ月経過してからCEF4クール行いました。今年2月のCT、骨シンチ、血液検査では異常は見られませんでした。今後、タキソール、または他の抗がん剤で予防するかどうか迷っております。私の年齢は44歳、断片(−)、腫瘍の大きさ1.5×1.5×1.3センチでした。また、術前の腫瘍マーカーは正常範囲以内でした。が、肺に3ミリの水がたまって見られるが、7年前の胸膜炎の跡かどうか小さくてわからないので、今後様子を見ましょうとのことでした。どうぞよろしくお願い致します。

1) リンパ管侵襲に比較して静脈侵襲の頻度は少なく、予後に関連する因子としては一般的にはリンパ管侵襲が重視されていますが、両者を直接比較してどちらが再発しやすいというわけではありません。
2)3) 乳がん患者さんの予後を予測するAdjuvant onlineによれば無治療での10年無再発生存率は81.5%です。現在の治療による生存率は91.2%となります。ホルモン療法がよく効きますので、タキサンによる上乗せ効果はそれ程無いのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.6673】  07年05月17日  S  
左胸の影

48歳で、14歳の子どもが一人おります。左胸3時方向から肋骨にかけて鈍痛があり、一時はわきの下にしこりができました。その後わきの下のしこりはなくなったのですが、わきの下から更に右腕にかけて鈍痛が広がっています。痛みはじっとしていればほとんどありませんが、さわると多少ピリッとします。胸に関しては、以前から特に左胸が張ったり痛んだりする傾向があり、触診のみですが乳腺症を指摘されたこともあります。今回気になったので近所の医院(内科)でエコーで見てもらったところ、4mm程度の影が二つ見えると言われました。私も画像を見せてもらったのですが、おまんじゅう(もしくは葉っぱ?)のような形で、ふちはぼんやりした感じの影でした。先生は形状からガンの心配は少ないとは思うが、念のため乳腺外科での検査をしなさいと言われました。
1) 先生に「ガンでないとしたらどんな病気でしょうか?」とお尋ねしたのですが、なんとなくあいまいに答えていただけませんでした。これだけの情報では判断できないかもしれませんが、可能性としてはどのようなことが考えられるでしょうか?
2) 年齢的にもガンの可能性も捨てきれないので、念のための検査といえども、万一治療や手術となってもいいように、乳がん治療で評判の高い病院もしくは先生を最初から選んだほうがいいのか、それとも地元の総合病院の乳腺外科でいいのか迷っています。継続して通院するのであれば、多少遠くても混んでいても評判の高いところを選んでおいたほうがいいような気もするのです。

心配性なもので、つまらない質問でごめんなさい。お忙しいところ申し訳ございませんが、アドバイスよろしくお願いいたします。

1)ご相談の超音波所見では、なんともお答えできません。それをはっきりさせるためにも専門医にかかるべきです。
2)診断の段階ですから、地元の乳腺専門医でよろしいと思います。(文責 徳田)

 

No.6672】  07年05月17日  K.T. 
妊娠中の血乳

35歳です。2人目を妊娠中です。8ヶ月目に入りました。上の子は5年前に出産しました。今から10年ほど前(独身の頃)に、右胸にしこりが出来てオペをして取りました(幸い悪性ではありませんでした) 。その後、上の子を妊娠。そのとき、傷はなんともなく、お乳も普通に出ました。そして今、オペした傷の辺りにしこりのようなものがあり、触ると少しだけ痛みがあります。そのしこりみたいなところをギューとお乳を搾り出すような感じで押さえると、お乳に血がうっすらまじっているようなピンク色の血乳がでてきます。同じ場所から必ず出るので、同じ乳腺からかなー?と思います。ただ、自分で絞らないと血乳らしきものはでてきません。血乳は乳がんの疑いと聞いたことがあるので、外科で一度見てもらったほうがいいでしょうか?

授乳中は、正常でも血性乳汁分泌が見られることが知られていますが、念のために専門医を受診しましょう。(文責 徳田)

 

No.6671】  07年05月16日  H 
麻しんワクチン接種について

いつもこちらの相談室を拝見し、参考にしています。会員の先生方には感謝しております。平成17年7月に非浸潤癌の温存手術をし、その後の放射線治療終了後から現在まで、約一年半ノルバデックスを服用しています。ノルバデックス服用中でも、麻しんワクチンを接種して問題無いでしょうか?

問題ないです。(文責 徳田)

 

No.6670】  07年05月16日  S 
ホルモン療法の副作用について

52才の主婦、子供は5人おります。2年半前に浸潤性ガンで左乳房全摘出手術を受けました。半年間は抗ガン剤の治療を受け、その後ノルバデックスを飲んでいました。半年前頃から倦怠感や鬱の症状と、皮膚の老化・性欲喪失など、更年期に似たような症状で悩んでおり、担当外科で相談したところ、アリミデックスに変えて飲むようにとのことでした。鬱の症状が続いていて、薬を飲むことが不安です。ホルモン剤・抗鬱剤共に飲みたくないのですが、止めることは避けた方がいいのでしょうか。左腕のだるさも取れません。 

再発のリスクがどの程度あるかによると思います。ホルモン剤を中止すれば当然、再発のリスクはあがりますので、それとホルモン剤による副作用とのかねあいです。また、年齢を考えると、必ずしもホルモン剤があなたの症状の原因とはいえないと思います。(文責 徳田)

 

No.6669-1】  07年05月16日  F  
再発後の治療について

私の母の事ですが、11年前に乳がんで左胸を全摘出し、リンパ節にも転移がありました。手術から7年後に肝臓と骨に再発し、ホルモン剤・経口抗がん剤を経て、再発から4年後の今年3月からタキソールという抗がん剤治療が始まりました。抗がん剤をするまでは元気でテニスにも毎日通っていたのですが、抗がん剤をするようになってからみるみる弱っていっているようで、抗がん剤が効いていないのかと、とても不安になります。抗がん剤は毎週一日3クールです。背中が痛くなったり、横腹が痛くなったり、最近痛み止めのお薬を処方していただいたみたいです。副作用で痛みが出たりするのですか? それとも骨転移が進んでいるのですか? よろしくお願いします。

タキソールには、末梢神経障害という副作用があり、神経痛や筋肉痛がおこる場合も考えられますが、一般的には、手足の末梢のしびれが多くみられます。したがって、骨転移に伴う痛みの可能性の方が高いと思います。(文責 徳田)

 

No.6669-2】  07年05月19日  F  
抗癌剤の効果について

HPNo.6669で相談させていただいたものです。ありがとうございました。抗がん剤が始まって2カ月がたったのですが、抗がん剤をするようになってから痛み出したという事は、抗がん剤が効いてないのですか? タキソールという抗がん剤は、骨転移には効き目がないのですか? 

骨転移の状況で抗がん剤の効果を評価するのは困難です。抗がん剤自体が効果がない場合もありますし、がんに対する効果はあっても荷重などの物理的な理由で痛みが増強することもあるかもしれません。タキソールが特に骨転移に効かないということはありません。(文責 徳田)

 

No.6668】  07年05月13日  K.K.
小葉癌(3)(HPNo.6623-3)

先日は、アドバイス有難うございました。MRIの結果、やはり乳癌の再発のようで、昨日針で組織を採りました。主治医の考えも全摘との事でした。主治医は、「遠転移ではないので、全摘をすれば大丈夫」と言っています。ホルモン療法がとても効くので、術後はホルモン療法をするそうですが、なぜ1回目の時にホルモン療法をしなかったのでしょうか? 最後にひとつお伺いしたいのですが、量子水をご存知ですか? もしご存知でしたら、情報を教えていただけますか?

手術をして、術後の切除標本の(とったお乳の)病理検査で、どの程度の量の、どんな性質のがんがあるかによって術後治療の選択も異なる場合があります。切除して術後の病理結果をみて、主治医とよく相談なさるのがよいでしょう。なぜ一回目の時にホルモン療法をしなかったかについても、主治医にお聞きになるのが一番です。量子水については知識がありません。(文責 俵矢)

 

No.6667-1】  07年05月13日  N 
乳がんの術後治療について

初めて相談させていただきます。昨年12月左乳房温存手術を受け、術後治療は25回の放射線治療と併せて、閉経前・悪性度Vという事で、ホルモン療法と化学療法を薦められました。病理検査でホルモンレセプターが陽性(ER--- +、PGR--- マイナス)だったので、化学療法はしない治療方針を選択しました。4週間毎のゾラデックスと一日一回タスオミンD錠20rの服薬です。2ヶ月目の血液検査で肝機能のGOTとGPTの値が上がりはじめ、3ヶ月目にはGOTが正常値の3倍、GPTが2倍になったので肝機能を改善させる薬ウルソ錠50rとグリチロン錠を服薬しましたが、値が下がらず、主治医の先生からタスオミンを止め、ゾラデックスのみで今後は治療をしていくと言われました。私は、悪性度がVだったこともあり、再発のリスクが上がるのがすごく心配です。このように肝臓への副作用のおそれがあること、その場合には肝臓改善の薬があることも主治医の先生から事前に聞いていましたが、今回の検査結果で中断するようなことは聞いていなかったため、もし聞いていれば化学療法も選択していたかもしれません。このようなケースの場合ですが、タスオミン以外に同等の効果があるお薬はありますか。その点について、教えていただけないでしょうか。

肝機能障害が高度で、ウルソなどで改善しなければタスオミンは中止しないといけません。タスオミンを中止して肝機能が改善しなければ、別の原因を探索する必要があります。どんな薬剤にも(たとえビタミン剤や胃薬でも)副作用はあります。ですので、どんなお薬でもその効果に比して許容できない副作用が出た場合は中止しなくてはなりません。閉経前乳癌の方のホルモン療法としては、この場合ゾラデックス単独で行うのが妥当だと思います。(文責 俵矢)

 

No.6667-2】  07年05月31日  N 
乳がんの術後治療について(2)

HPNo.6667にてご回答いただきまして、ありがとうございました。私の場合、「閉経前・ステージT・HER2陰性・リンパ節転移陰性・ホルモンレセプター陽性(ER+、PGR −)・グレード3」なのですが、今後はゾラデックス単独の治療を主治医から言われています。ゾラデックス+タスオミンとの治療と比較して、再発・転移の可能性はどの程度なのでしょうか。どの程度のリスクが想定されるのでしょうか。やはりグレード3であることが気にかかり、少しでも再発リスクを避けたいと考え、今からでも化学療法を取り入れられないか主治医の先生にその旨相談いたしましたが、当院では化学療法は術後1か月以内となっており、私のように術後約5か月経過してからの化学療法をはじめた前例もなく、主治医の先生自身、今までの病院でも実施したこともないと言われました。本当に数ヶ月経過後に化学療法を行うことは、現実的にできないのでしょうか。実施したとしても、効果およびリスクの面から、しない場合と変わらないのでしょうか。以上2点について、再度ご相談させていただきます。何卒よろしくお願い申しあげます。

閉経前早期乳がんに対するホルモン療法では、ゾラデックス単独にタスオミン(タモキシフェン)を上乗せした場合、無再発生存率はやや改善する傾向がありますが、統計学的には有意差はありません。化学療法については術後5ヶ月してからはじめた場合に、どの程度の有効性があるかは不明です。(文責 浜口)

 

No.6666】  07年05月13日  F 
マーカーについて

お尋ねします。三年前に乳癌の手術をして現在も治療中です。今までマーカーが5〜6で安定していましたが、今回数値が8になっているので、もう少し様子を見ることになっているのですが、もし再発・転移した人の場合は、数値はどのぐらいまで上がるのでしょうか?

腫瘍マーカーの数値がどのくらい上がるかは、症例によって異なるので何ともいえません。再発して病状が進んでいても数値があまりあがらない方もいらっしゃいますし、かなり上がる方もいらっしゃいます。数値が上がる人は、腫瘍マーカーの推移が治療の指標のひとつになりますが、あまり上がらないタイプの人では指標として使えません。なので、絶対値を人と比べてもあまり意味はありません。(文責 俵矢)

 

No.6665-1】  07年05月13日  G 
癌細胞がすでに流れているという可能性はありますか?

昨年8月初めに乳癌と診断されました。9月25日温存手術、2.6センチ、UーB、リンパ転移なし、リンパ管浸潤、10月20日より放射線治療26回施行、12月6日化学療法FEC100開始、今4クール目です。手術から放射線治療、放射線治療から化学療法までのそれぞれの間隔が長く空いてしまいましたが、手術後にリンパ管浸潤している癌細胞がすでに流れているという可能性はありますか? その場合は放射線や抗癌剤はもう意味がないのでしょうか?

術後化学療法と放射線療法は、通常同時進行はしないので、放射線療法と化学療法を順番に行うことになりますので、時間のスケジュールとしては問題ないと思います。術後化学療法開始まで2ヶ月程度ですので、こちらも問題ないと思います。(文責 俵矢)

 

No.6665-2】  07年05月17日  G 
骨シンチ

ご回答ありがとうございました。さっそくですが、もう一つ質問させて下さい。昨年9月に乳癌温存手術、放射線療法を経て化学療法タキソールがあと2回で終了です。ところが先月から患部側の鎖骨付近に激痛が走るようになり、主治医のいる病院には設備がない為、紹介状を持って他院で骨シンチをした結果、「骨転移はないが皮膚浸潤あり」と書いてありました。私は手術の取り残しか再発転移か、先方に詳細を照会してほしいと主治医に頼みましたが、「骨転移の検査を依頼したのに関係ないことを書いてくるのがおかしい、専門医じゃないから照会してもわからない」と取り合ってくれません。それでも私が引き下がらないでいると、放射線を当てて以来パンパンに張っている患部からリンパ液を採取して検査してくれました。その結果何も悪い物はなかったとのことですが、私はそれ以来主治医に不信感を持ったまま、不安な日々を過ごしています。腫瘍マーカーは手術前後以来一度も検査していないそうです。主治医の言葉を信じるしかないのでしょうか? でも、もし本当に皮膚に浸潤していたらと眠れなくなる時もあります。よろしくお願いします。

骨シンチは、あくまで、骨に関する情報を得るために行った検査です。それ以外の情報も得られることもありますが、それは、他の情報と合わせて慎重に総合的に判断する必要があります。骨シンチの読影医は、あなたの状況に関して、十分な情報が与えられているわけではありません。したがって、主治医の総合的な判断を信じるべきと考えます。しかし、納得ができないのであれば、その気持ちを率直に主治医に伝えることも大切です。(文責 徳田)

 

No.6664】  07年05月13日  N,A
ペレドニゾロン錠他について(HPNo.5882-3)

HPNo.5882で2度ほどお答え頂いた者です。 
1)ゼローダ1日3錠を、副作用が強いので2投1休、オキシコンチン1日10mg2錠飲んでいるのですが、食欲が出ず、空腹時に吐き気がして胃液を吐くと言いますと、プレドニゾロン錠5mgが、1日2錠出されました。薬の資料を読んで、私にはこれが食欲増進につながるのか分かりかねます。こういう時、先生ならこの薬を出されますか?
2)右の肋骨の下の方に、手の爪位の大きさのしこりが有ります。主治医は、皮膚癌か、神経系の固まり・・?と言われ、今の私の状態では、再発転移なので、それを切って中身を調べる必要性が有るとは思わないけど、気になるなら切ってもいいが、判断は私に任すと。現状は分かっていますが、手に触るだけに気になります。さわらない方が良いでしょうか? 

プレドニゾロンは副腎皮質ステロイドホルモン薬です。ステロイドは食欲を増進させたり、化学療法時の吐き気を緩和したりなどいろいろな作用がありますので、癌で抗がん剤をしている患者さんには有用なお薬です。のんでもあまり調子がよくならないようなら、主治医にご相談ください。
ほかの場所に再発があるのであれば、もしそのしこりが再発巣であっても、痛みなどの原因になっていなければ切除の必要性は少ないと思います。なぜなら、そのしこりが大きくなってもそれが命取りになることは考えにくいからです。しかし、それがすごく気になるのであれば、前回の徳田先生もお答えになっていますが、再発か再発でないか調べるには、一番確実な方法は生検を行うことですので、主治医とご相談なさってください。(文責 俵矢)

 

No.6663】  07年05月13日  Y.M.
非浸潤性小葉癌

47歳です。昨年8月に市民検診で触診、マンモグラフィ検査を受け、異常なし。今年1月に右乳房にシコリを見つけました。3月に受診、穿刺吸引細胞検査でクラスXの結果がでて、4月11日に温存手術をしました。センチネル生検で転移無し、2.5cmのシコリ部分を含み6cmほどの切除でした。術後の検査で非浸潤性小葉癌であったとわかり、今後の補助治療を決めなければなりません。医師からは、非常に珍しいタイプなのでデータが無く、決めにくいので、自分で考えて返事するよういわれています。治療なしで定期検査で経過をみるだけで、発生が見つかった時点で再手術でも十分間に合うだろうが、念のため放射線やホルモン剤での治療をするのも良いだろうといわれました。少し調べたのですが、非浸潤小葉癌の病期はステージ0となるようですが、このステージはシコリにならないごく初期の段階のように思われます。私のように2.5cmのシコリになっていた場合はもっと進んだ状態ということはないでしょうか。また、将来浸潤性癌になる可能性があること、両側に発生するタイプであること、発生率を低下させるためにホルモン療法を考えるべきであることなどを知り、やはり治療をするべきかとも思います。放射線科も受診することになっていますが、この場合、放射線治療は必要でしょうか。何もしなくて良いのなら、それが一番とは思いますが、迷って決断できずにいます。アドバイスをお願い致します。

非浸潤性小葉癌と診断されたとのことです。非浸潤性小葉がん自体は、転移再発を心配するような癌ではありません。しかしこの病気をもっている女性は残った乳房や対側乳房にあらたに浸潤癌を発症するリスクが高いといわれています。ですので、新たな浸潤癌が発生するリスクを減らす意味でホルモン療法を行うことは有効だと思います。しかし、あくまで新たな浸潤癌を減らすという意味なので、お薬なしで経過観察をおこなって、浸潤癌が出た段階で治療するのもよいと思います。放射線療法に関しては、非浸潤性小葉癌という診断が確実ならば、なしでよいと思います。(文責 俵矢)

 

No.6662】  07年05月13日  I 
左乳房下部の違和感

26歳女性です。妊娠経験はありません。数か月前から左乳房下部の少し中央よりの辺りに違和感があります。時々ずきんという痛みがあります。自分で触る限りしこりのようなものはないのですが、押すと痛い時があります。生理には関係なくずっとあります。背中の左肩甲骨下あたりにも違和感があります。横を向いて寝にくい時もあります。病院へ行きたいのですが、乳がん系なのか、心臓系なのか、整形外科系なのか、何科に行けばいいのかわかりません。昔から同箇所に違和感を感じることがあったのですが、今回は続いているので少し心配です。アドバイスよろしくお願いいたします。

確かに何科に行けばいいか難しいところですね。しかしこのサイトをご覧いただいているということは、乳癌を心配なさっていらっしゃるようです。乳がんがないか見るには「乳腺外来」を受診ください。また運動時に息切れがする、脈が飛ぶなどの症状があれば内科を受診ください。あなたのような症状を訴えて乳腺外来を受診されるかたは大変多いですが、たいていは経過をみるだけでよい症状の方が多いように思います。(文責 俵矢)

 

No.6661】  07年05月13日  K.W.
乳癌で非浸潤癌の治療について

3月13日に左乳癌の手術をうけました。手術後の病理検査の結果、非浸潤癌でホルモン受容体はプラス、ハーツーはマイナスでした。その後の治療は特になしで、6ヶ月後に検査をするというものでした。自身の希望で全摘出をしたのですが、術後の治療は本当に必要ないのでしょうか? 今後のために何か治療を今やっておいたほうがいいのではと悩んでいます。

非浸潤癌では基本的には遠隔転移の再発はほとんどありません。全摘でホルモン療法が陰性ならば、手術だけで十分な治療ですので、経過観察でよろしいかと思います。(文責 俵矢)

 

No.6660】  07年05月13日  T.O. 
ホルモン剤について又教えてください(HPNo.6185-2) 

1) ホルモンレセプターが有る人が術後ホルモン療法をしていて再発・転移した場合に、抗エストロゲン剤を飲んでいた人はアロマターゼ阻害剤を、アロマターゼ阻害剤を飲んでいた人は抗エストロゲン剤を二次に飲む記術を目にしますが、最初に飲むホルモン剤は、服用してみなければ、その人に効果があるか判らないということでしょうか?
2) もしそうでしたら、手の指が変形性関節症で曲がって痛く、更に右足股関節を痛めて(12月にMRIとX線検査で今のところ骨転移は無いとの事)、辛い時に抗エストロゲン剤から関節痛の副作用の多いアロマターゼ阻害剤に変えるのを先延ばしにしたいのですが、生存率にかなり損をしますでしょうか?
3) 主治医は、やはり私の場合は「タモキシフェンを5年飲むだけで良いし、低リスクなので、その後の5年アロマターゼ阻害剤も副作用が強いので無理に飲む必要なし」と言われました(主治医とは長く、信頼関係もあり、不親切に決めているとも思えない)が、10年生存が1期で90%前後と言われますが、私の場合アロマターゼ阻害剤を飲まなければ、タモキシフェン5年だけと生存率にそんなに違いが出るのでしょうか? もし90%が→93〜94%にでも変わるのでしたら、主治医と相談して頑張って飲んでみたいのですが。取り留めの無い文章で申し訳ありません。

タモキシフェンを2−3年のんだあとに、アロマターゼ阻害剤に変更すると全生存率(再発していても生存している人を含む)および無再発生存率(再発しないで生きている人の割合だけをカウント)が改善するとされています。文面からだけでは何ともいえませんが、仮に10年全生存率が10%程度の人だとすると、タモキシフェンだけの場合に比べて全生存率の絶対差3−4%の改善は厳しいかもしれません。無再発生存率ならば3%前後の改善は見込めるかもしれません。アロマターゼ阻害剤は、タモキシフェンに比べ関節痛の発生は多いのと、骨粗鬆症を促進する可能性があります。そのあたりを主治医とよくお話になって決めてください。(文責 俵矢)

 

No.6659】  07年05月13日  B 
非浸潤性乳管がんの術後治療

治療についてお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いします。年齢57歳、閉経しています。左わき側上部に3.5センチ、2月8日に左乳腺全摘、センチネルリンパ節生検の手術を受けました。検査結果は「0期、非浸潤性乳管がん、リンパ郭清無し、ER陰性、PR陰性、HER2−2+」でした。主治医からは、「何もしなくていいので3ケ月後に検診に来て下さい」と言われました。ご意見をお聞きしたいと思います。左わき横が突っ張り、重痛いのですが、あわせて、よろしくお願い致しします。

非浸潤癌で、全摘していてホルモン受容体陰性なので補助療法は必要ありません。治療としては十分なので、経過観察でよいと思います。わきのつっぱりはおそらく手術の影響で、心配ないと思います。しかし気になるようであれば、主治医に受診して傷をみてもらうのが一番です。(文責 俵矢)

 

No.6658-1】  07年05月13日  A.N
乳頭からの黄色い分泌物について

7月で25歳の女です。初めてメールさせていただきます。2.3ヶ月ほど前に下着に黄色い染みがついていることに気づきました。その後乳房をぎゅっとすると黄色い分泌液が出ることを確認しました。片方のひとつの穴から出ます。しこりがあるかどうか調べたら、乳房の下の方に固い部分を発見しました。近いうちに病院に行って検査してもらうつもりですが、この年でも乳癌が発生することはあるのでしょうか? 良性の病気だと乳管内乳頭腫という病気があるということですが、こちらも治療となると切除が一般的なようで、その場合入院とかしなくてはいけないのでしょうか? お忙しいとは思いますが、ご返答のほどよろしくお願いいたします。

25歳でも乳がんを発症する方ももちろんいらっしゃいます。しかし、良性の腫瘍の場合も多いです。早めに病院に行って確かめてください。良性腫瘍でも、乳頭分泌を止めたい場合や、腫瘍が大きい場合、乳癌との鑑別が問題となる場合は切除をお勧めします。切除する部分が小さい場合は入院は不要ですが、大きい場合は入院が必要になることもあります。(文責 俵矢)

 

No.6658-2】  07年05月31日  A.N
病院に行ってきました

先日は丁寧な回答ありがとうございました。HPNo.6658にて回答いただいた者です。先週病院にて触診・マンモグラフィーの検査をしてきました。「分泌している液を調べたい」と言われたのですが、肝心な時に分泌液が出ず、結局触診とマンモグラフィーのみをしました。どちらも特に異常はないと言われ、ほぼ良性の腫瘍だろうということでした。次回超音波の検査と言われたのですが、病院がとても混んでいて一ヶ月以上先の日付になってしまいました。相変わらず異常分泌は続き、最初はさらりとした黄色い液体だったのですが、最近ではどろどろとした茶色っぽい液体になり、分泌量も増えているように思います。超音波の検査までに悪化してしまうんじゃないかと、とても不安です。別の病院にもかかった方が良いでしょうか? それともこのまま大人しく超音波検査を待っても大丈夫でしょうか? 再度の質問恐縮ですが、回答いただければ幸いです

触診、マンモグラフィで腫瘤が認められないのであれば、進行癌が潜んでいる可能性は低く、超音波検査まで待ってよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.6657】  07年05月13日  Y 
乳がん検診について

36歳、1児の母です。祖母、母、叔母が乳がんを患い、祖母は乳がんで亡くなっています。今は特にしこりを発見したわけではないのですが、1年近く左胸の乳首の左上あたりが痛みます。昨年の暮れにチョコレート嚢腫を患い、検診の大切さを実感しました。しかし、市町村の乳がん検診は40歳からです。家族内に乳がんが多いので、40歳まで待っていても大丈夫なのかと少し不安になっています。しかし、実費で病院に検診にいくのも抵抗があるのは事実です。症状が無ければ大丈夫ですか?

「痛み」という症状があるので、実費ではなく保険診療になると思います。お近くの乳腺外来を受診してみてください。(文責 俵矢)

 

No.6656】  07年05月13日  N.F
乳輪のしこりについて

2週間くらい前から乳輪に5mmくらいのできものが出来、触ると、できものの下にしこりのようなもの(1cmくらい)が感じられます。最初は皮膚がむけてきましたが、今は落ち着いています。しかしできもの自体の大きさに改善はまだみられません。少し膿をもっているようにもみられます。押しても痛みがあまりなく、病院を受診するべきか悩んでいます。もし受診するべきであれば何科に受診すればよいですか?

まず乳腺外来を受診してみてください。乳腺外来がなければ「外科」を受診してください。(文責 俵矢)

 

No.6655】  07年05月13日  M
モントゴメリー腺について

29歳です。2003年9月に出産し、その後3年間、2006年8月までの間、授乳をしました。妊娠してからおそらくモントゴメリー腺と思われるものが肥大?し、授乳中〜現在に至るまで、ずっと肥大したままです(左の乳輪に1つミニ乳首があるかのよう)。モントゴメリー腺である事もわかっていましたし、特に痛み等もなく今まで来たので放置しておりました。ですが、先日赤みを持ち、汁(黄色っぽく、乾いて下着に付着していました)が出たため、これを機に出来れば切除したいと思っているのですが、乳腺外来で切除してもらえるのでしょうか? 保険はききますか? 症例などをネットで探しましたが、なかなか見つかりませんでした。仕事の都合上、ある程度先を見通してから受診したいため、教えてください。

モントゴメリー腺は皮脂腺なので、その炎症の可能性もあるし、乳輪の近くにできる膿瘍の可能性もあります。それぞれ治療は微妙に異なるので、診察してみないとわかりません。症状がある治療目的ですから健康保険の対象になると思います。とりあえず乳腺外来を受診してみてください。(文責 俵矢)

 

No.6654】  07年05月13日  M.I. 
乳房温存手術後の変化(HPNo.6364-2)

HPNo.6364でご相談いただいたものです。その節は有難うございました。もう一度ご相談させてください。生検の結果、非浸潤がんということで、2ヶ月半待って手術を受けました。手術前にエコーで取り残しの周辺にもやもやとしたものが見られるとのことでしたが、4月下旬に乳房温存ということで左の乳房部分切術とセンチネルリンパ節生検をうけ、リンパへの転移はないということで左乳房の整形もしました。その後、10日ほどしてから整形した場所の紫色はひいてきたのですが、左乳房全体がだんだんと薄茶色に変色してきたようなのですが大丈夫でしょうか。張れは多少ありますが、痛みとかはありません。ゴールデンウイークをはさんでいるので、詳しい病理結果がまだでていません。よろしくお願いします。

手術のあとの皮膚は、傷や皮膚の血行などの具合によって、あなたのように色がつくことがありますが、薄茶色になってきたら、あとはだんだん黄色くなってそのうち引いていきますので大丈夫です。(文責 俵矢)

 

No.6653】  07年05月13日  N 
炎症反応

去年夏に皮膚再発をして、タキソールが効かずナベルビンを4ヶ月しています。タキソールに比べてずっとましですが、ゆっくり進んでいってる感じです。いくつも潰瘍があり、痛み止めにオキシコンチンを1日10g飲んでいます。2月末に胸からバイ菌が入り、蜂か織炎になりました。蜂か織炎になる2日前にナベルビンをしたとき、いつも3000台の白血球が9800、炎症反応が1100、微熱がでました。主治医の診察時に理由を聞くと「胸に炎症があるので仕方ない」と言われたのですが、それは前からなので、この時だけ数値が高いのは変だなあと思いながら家に帰りました。結果すぐに背中が腫れて蜂か織炎になり、それが原因でした。今日は三週間ぶりのナベルビンで、採血結果が白血球6500、炎症反応303(基準値300以下)、熱なし、特に蜂か織炎の所見なしでした。10日間ハワイに行っていました。また数値が不安なので主治医に聞くと、「充分休養したから白血球が戻ってるんだよ、炎症反応は胸に炎症があるからね」との回答でした。胸に炎症は前からあるし、また変だなあと思いながら診察を終えました。胸に炎症があっても、いつも300以下でした。何が考えられますか? ちなみに最近右背中が痛く、それは右胸から神経がつながっているから仕方がないみたいです。右腕をあげたときにつっぱるのも仕方がないみたいです。納得いく回答、お願いします。あまり心配いらないですか?

潰瘍化するくらいの癌を持っている場合、それだけで白血球が高値となる方もいらっしゃいます。ただあなたの場合は蜂か織炎があったようなので、そのせいで白血球が高値であったようですね。化学療法中は白血球の値は薬剤の影響を受けますので解釈が難しいです。蜂か織炎になると、あなたも経験されているように、赤くはれて痛くなります。赤くはれていて、熱があるようなら皮膚の感染(蜂か織炎)です。赤くはれておらず、熱もないのであれば経過観察でよいと思います。(文責 俵矢)

 

No.6652】  07年05月13日  y・y 
乳頭からの出血について

よろしくお願いします。31歳です。乳頭の1つの穴から出血があり、受診しました。乳房の外側の乳首から8センチほど離れたところに、一部浸潤がある乳癌があることが分かり、手術もすんでいます(温存)。石灰化はみられず、エコーのみで存在が確認できる癌でした。大きさは主治医にきちんと聞いていないのですが、2センチ以下、浸潤も5ミリ以下のようです。ただし、同じ乳腺内の6センチほど離れた乳頭に近いところにもう1つ、小さい癌があったようです。ステージT、リンパ転移無しでした。放射線治療済み。ノルバデックス服用中。実は、乳頭からの出血が押せば押すほど出るような大量なものだったので(マンモのときなど、母乳のように出ました)、不安が残っているんです。素人考えなのですが、出血が多かったということは、血管まで浸潤していて、そこからの出血が乳頭からでていたのでしょうか? また、その出血により、転移したり、とりきれていない乳腺に再発する可能性はないのでしょうか・・・。主治医は血液での感染は無いといっていますが、不安です。同じような症状の方の書き込みが無いため、自分は特殊な癌で、再発しやすいのではないかと、不安です。温存も、自分から言い出したわけではなく、主治医が年齢の事を考え、切除を言い出さずに温存をしてくれたのではないかと思っております。私のような場合、初期でも全摘するべきだったのでしょうか。

文面だけを拝見するかぎり、血性乳頭分泌から発見された比較的早期の乳がんのようですね。そうであれば、出血はお乳の癌のあったところから出て、乳管(乳汁を運搬する管)の中を通って乳頭から出ていたと推測されます。遠隔転移(内臓に再発)の確率は、しこりを作ってくるステージIの乳癌と変わりないです。
相談者さんの乳癌は、「浅く広がった部分(非浸潤部)」が比較的広く、「深い部分(乳管外に浸潤した浸潤がんの部分)」が比較的小さいタイプの癌だったようです。全摘するべきか、温存するべきかは、非浸潤部も含めて癌の広がり(お乳の中での)が大きければ、全摘しますし、小さければ温存します。残した乳房にふたたび出てくる乳房内再発の確率を下げるために放射線照射を行います。やるべき治療はやっているようなので問題ないかと思います。乳房温存療法で、切除断端のごく近傍まで病巣があった場合は、ない場合に比べて乳房内再発の確率が高くなります。主治医の先生に確認してみてはいかがでしょう。「全摘すべきだったか?」という疑問も遠慮しないで主治医に尋ねてみればよいと思います。(文責 俵矢)

 

No.6651】  07年05月13日  N
何科?

以前から乳頭から黄色い分泌液が出ることがありました。皮膚炎なのか乳腺関係の悪い病気なのかがわかりません。それ以外に目立った症状もないので、あまり気にしないでいました。最近になって不安になり、病院に一度かかってみようと思うのですが、まだ21歳なので病院にかかるのにかなり抵抗があります。そして、まず何科に受診したらいいのかがわかりません。乳腺に関する専門は、産婦人科なのでしょうか?それとも皮膚科に行ってみたほうがいいのでしょうか?ご返答よろしくお願いします。

乳頭のお乳がでるところからの分泌であれば、産婦人科や皮膚科ではなく、「乳腺外来」で診ることになります。乳腺外来となっているところか、または「外科」の中で乳腺を診ているところが多いので「外科」を受診してみてください。(文責 俵矢)

 

No.6650】  07年05月13日  Y 
術前化学療法のあとの治療について

御相談申し上げます。昨年11月に乳がんの診断を受けました。病期判定はT2N1M0でした。4cmと1.5cmの腫瘤があり、リンパ節が腫れているということでした。術前化学療法を選択しFECを3x4、その後タキソールを3x4行いました。最終の抗ガン剤は5月1日でした。その日にMRI検査を受け、その前回の4月9日にCTの検査をうけました。1日の説明では4cmの腫瘤はほとんど消え、1.5cmの腫瘤は0.8cmにリンパ節は縮小ということでした。主治医の判断は乳房全摘、リンパ節郭清ということでした。私は乳房についてはラジオ波治療を考えております。またリンパ節については郭清しないことを希望しています。主治医の意見は正当な標準治療であることは十二分に承知しております。しかしリンパ節の郭清の意義を調べると、治療というより今後の治療法を決めるためという意味あいが強く、郭清しても生存率はかわらないとなっています。今後の治療といっても化学療法はすでにすんでおり、郭清したリンパ節を調べることによる治療の違いはどのようなものがあるのでしょうか。おそらくホルモン治療もしくは放射線治療ということになると思いますが。ならば放射線治療をはじめから選択し、郭清しないくてもと思いますが。もし郭清しないときのリスクはどうなるのでしょうか。そしてそれをおさえるためには何が必要でしょうか。ホルモン感受性は陽性で、腫瘤のグレードは3と1だと思います。また、腫瘤は別別のものです。切らないで治すことはムシのいい話でしょうか。切っても切らなくても生存率にあまり変わりがないなら、切らないことを選択したいのですが。セカンドオピニオンも受けたいのですが、どこに行けばいいのか分かりません。おそらくどこにいっても標準治療の答えが示されると思うと、どうしたらいいかわかりません。リスクを受け入れれば標準治療でなくてもいいのでしょうか。そのリスクがどの程度なのか、教えていただければ幸いです。

原発巣も片方が残存、リンパ節も縮小しているが残存しているようなので、やはり主治医の先生がおっしゃるように乳房切除(温存か全摘かはこれだけの資料では判断不能ですが、多発なら全摘のほうがよいかもしれません)と腋窩リンパ節郭清がお勧めの治療となります。術後はホルモン療法が適応ならばホルモン療法を追加します。また手術後の病理結果で病変の残存が確認された場合に追加の化学療法を行うべきかどうかは、現時点ではまだ不明でケースバイケースの対応となると思いますが、基本的には行わないと思います。
画像で癌が消失したと考えられても、切除して病理検索すると残存が確認されるケースもありますし、またその逆もあります。あなたの場合は残存が疑われているわけなので、どのくらい化学療法の効果があったかを確認するためにも、手術をうけたほうがよいでしょう。ラジオ波では不十分です。腋窩リンパ節については、術前化学療法後のセンチネルリンパ節生検が妥当かどうかは現時点では不明です。将来いいデータが出てくる可能性はあります。しかしリンパ節腫大が残存していれば、偽陰性も多くなるので通常センチネルの適応になりません。もちろん、治療を受ける、受けないはあなた次第なので、リスクを受け入れれば手術しないこともあなたの選択です。しかし文面を拝見していると、理性的に病状を把握してというよりも、「手術を受けること」「乳房を失うこと」への不安が先に立っているように見受けられます。乳房再建という方法もありますし、腋窩リンパ節郭清を行っても元気に生活を楽しんでいらっしゃる方も大勢います。セカンドオピニオンもよい方法ですが、その前にまずご自身の病状と今後の治療について主治医とよくお話しなって、ここでご相談されているようなことについても主治医の考えをよく聞き、ご自分が不安に感じていることも主治医にお伝えになったうえで、その後セカンドオピニオンにいかれてはいかがでしょう。(文責 俵矢)

 

No.6649】  07年05月09日  Hak. 
ホルモン治療について

2月下旬に左乳房温存手術、4月下旬に25回照射の放射線治療を終了しました。これからホルモン治療を開始しますが、質問があるのでよろしくお願いします。年齢は50歳、6年前に子宮筋腫手術で子宮全摘(卵巣あり)。血液検査により、閉経前ですが、数値的には閉経へそろそろ向かっていく状態との説明でした。腫瘍は左乳房上側の腋窩近くに1つ、腫瘍の大きさ 12mm x 10mm x 6mm、浸潤性乳管がん(乳頭腺管がん30%、硬がん70%)、病期 (ステージ)1期、低リスク、Grade1(核異型度 score2、核分裂像 score1)、切除断端(ー)(lyー)(vー)(f+)(sー) (ewー) センチネルリンパ節(n0/2)、ホルモン受容体(ER 2+、PgR 3+)、HER2 0

1) 主治医にノルバデックス単独の投与と聞いていますが、単独で問題ないですか? 低リスクだと、ノルバデックス(単独)又は無治療ということになるようですが、調べると多くの方は、ゾラデックス又はリュープリンを併用している印象です。ノルバデックス単独にしたいと思いつつも少し不安です。どうなのでしょうか?
2) ゾラデックスとリュープリンの薬の違いは何ですか? 共にLH-RHアゴニスト製剤ですが、どのような点で使い分けしているのでしょうか? 効き方は同じですか?
3) 私はまだ閉経前ですが、ちょうど閉経しつつある年齢です。薬を使わなければ、5年の間(ノルバデックス投与期間)に閉経するのではないかと思っています。このように閉経直前のホルモン治療では、薬の選択に影響を及ぼすことはあるのでしょうか? どのように考えて、閉経直前の薬は決めているのでしょうか?
4) 放射線治療の終了後、すぐにホルモン治療を始めなければいけないのですか? いまセカンドオピニオンを考えていて、そのあとにホルモン治療を始めたいと考えていますが、そうなるとホルモン治療開始は1ヶ月後頃になると思います。遅いでしょうか?低リスクと考えれば、治療まで間があいても大丈夫ですか?

1) 低リスク分類にはいりますので、ノルバデックス単独でよいと思います。
2) いわゆるエビデンスの違いや、使用する針の太さの違いなどがその差にあたりますが、基本的には同じと私は考えております。
3) 貴女の場合低リスク分類に入りますので、ノルバデックス単独使用でよいと思われ、閉経前後に関係なく使用できますが、LH−RHアゴニスト製剤使用の場合は閉経後では効果認められなくなりますので、閉経後は中止することになります。
4) ホルモン治療開始のタイミングに特に決まりはなく、納得のいく治療を受けることがもっとも大切と考えますので、セカンドオピニオンを受けたあとで十分かと考えます。(文責 谷)

 

No.6648】  07年05月09日  H.K.
左わきの下のしこり

はじめてメールいたします。43歳の主婦、子どもは14歳と9歳の二人です。以前から、入浴時に左わきの下を洗うと、小さな玉のようなしこりがありました。それが最近、右手のひらでさすってみると多少痛みがあり、しこりも以前はさすると手に当たる程度だったものが、指でつまめるような感じになっています。胸が張る感じもあります。先月は、生理期間中が特に顕著で、生理が終わってからは多少良くなりました。でも、今月は生理が終わってもあまり状態に変化はありません。半年〜1年に1回は検診も受け、マンモグラフィの結果も異常なしでした。ただ、場所がわきの下なので、見落とされてはいないかと不安になっています。乳腺の関係かな?とも思うのですが。約半年前の検診では、乳腺症か?要経過観察ということでした。近いうちに乳腺外科で診ていただこうかとも考えています。これだけではあまりよくわからないかもしれませんが、どうぞ宜しくお願いいたします。

メールの内容からの推測になりますが、腋窩にある軽い痛みを伴うつまめる程度のしこりということになると、粉瘤(アテロームともいう)が最も考えられます。もちろん私は直接拝見したわけではありませんので、乳腺外科または皮膚科をぜひ近いうちに受診なさってください。(文責 谷)

 

No.6647】  07年05月09日  M.S. 
外科的生検について

40歳会社員です。3月に右乳房にしこりを感じ、マンモグラフィ、エコー検査をうけ、穿刺吸引細胞診を受けた結果、「クラス3で、良性か悪性か判断がつかない」といわれました。これ以上細胞診を続けても恐らく結果は同じなので、今月末に細胞を切除する手術をすることになりました。その結果によっては、がん摘出手術になるとの事です。その後色々調べてみると、「他に有効的な検査として太針穿刺吸引組織診というのが有り、また悪性だった場合、温存手術をするには外科的生検が妨害になる場合もあるので、なるべく控えたほうがいいでしょう」という記事を見つけました。あまり急で戸惑っております。以下質問させていただきますので、よろしくお願い致します。
1)こんなに性急に手術ということになったのは、悪性の可能性が高いからなのでしょうか。
2)いきなり外科手術を受けてリスクなどは無いのでしょうか。
3)入院は1週間ほどということですが、万一悪性だった場合仕事にはすぐ復帰できるのでしょうか。会社には休むのは1週間というつもりなのですが。

手術については、手術前日に説明をするということで、まだ詳しいことは聞いておりません。悪性の場合のことをどの程度覚悟して臨むべきなのか、また短時間で次の判断をしなくてはならないのか、不安でいっぱいです。

1) 腫瘤が良性か悪性かの判定に難渋する際に外科的生検する意義は、もし悪性であっても確実に診断ができるという点と、良性であればそれで治療が終了となるという点の二つの理由だと思います。
2) 一般的にはリスクの少ない手術だと思います。
3) 1週間の入院というのは、もし悪性であった場合の手術のことだと思いますが、手術後の経過は個人差が大きいので、なるべくなら会社の休みは多くいただいておいて、もし治療が長引く際にも仕事の面であせらないでいられるようにしておくことが必要だと考えております。(文責 谷)

 

No.6646】  07年05月09日  T.O.
乳房の痛み ひきつれ 

1日(火)に乳頭からの異常分泌で乳腺外科を受診しました。分泌物を病理検査中で結果待ちですが、出産1人経験、28歳なので、癌である可能性よりも良性腫瘍の所見が多いと聞きました。そんな中、逆の乳房に痛みを感じ、確認してみると脇の下から乳房の下まで腺のような張りに触れました。連休中なので通院できずにガマンしていました。万歳して腕を上げると、朝は少ないものの夜に向けて腺に沿った陥没がだんだん濃くなっていきます。手を伸ばして物を取ったり重いものを持ち上げると「ピキ」という張りで痛みます。これで4日目なので不安でたまりません。受診の際に両方の乳房を触診してもらい、「しこりは感じられない」とのことだったので、「どうして?」という疑問が大きいです。授乳期に乳腺炎をやっているので、何か炎症を起こしているのでしょうか? すぐにでも受診しないと悪化するのでしょうか? 薬を飲めば治まる程度の病気で、検査結果と一緒に相談する程度で大丈夫なのでしょうか? 相談にのってください!!!

直接拝見していませんので詳しいことはわかりまかねますが、メールの内容や、5日前に病院で触診した際には異常がなかったとのことなどから判断すると、それほど急を要する病気が存在するとは考えにくいと思います。しかし、不安を抱えたまま時間をすごすのもどうかとも思いますので、もし可能なら、近いうちにもう一度受診なさってはいかがでしょうか?(文責 谷)

 

No.6645】  07年05月09日  M.K.
術後の治療

はじめて質問させていただきます。61歳です。抗セントロメア抗体の強皮症があり、ステロイドを3mg服用しています。癌の状態ですが、今年2月20日に温存手術。4分の1の乳房を切除しました。病理結果は「石灰化の非浸潤癌・リンパ転移なし・他臓器転移なし・ステージ0・核異型度3・切除断片の癌の遺残なし・ホルモン感受性なし・ハーセプトテスト=3」です。
1) 術後の3月13日に乳房が腫れて痛み、高熱がでたため、注射針で溜まっていた液を乳房から出しました。それから2週間後の29日には傷がふさがったと診断されましたが、今でも少しずつ乳房の傷口から液が出ています。術後3週間後に熱が出て腫れたのはステロイドの影響でしょうか? また、続いた場合に傷口から感染症にかかることはないのでしょうか。
2) 強皮症のため、放射線をあてずにすむように少し多めに切除しましたが、担当医が放射線を推奨しています。核異型度3は、状態良く切除されていても予後はよくないのでしょうか? 強皮症の場合に、肺に放射線があたっても放射線をあてる方がよいのでしょうか。又早急に始めたほうが良いのでしょうか。術後の腫れのことを考えると放射線の影響がどれくらいあるか、肺繊維症などの後遺症を考えると心配で悩んでいます。

大変お忙しいところ申し訳ございませんが、アドバイスをいただけるとありがたいです。よろしくお願い致します。

1) 術後3週間で手術創に液体の貯留と高熱があったとなると、手術創に何らかの感染が生じたと考えられます。強皮症による創周囲の血流の悪さや、ステロイドの使用による免疫力の低下などが感染を助長したと考えるのが自然です。まだ浸出液が少しあるとのことですので、今後も再感染しないよう細心の注意が必要と考えられます。
2) 温存手術の場合、術後の病理結果の内容を問わず、局所再発の可能性を減少させる目的として原則的に放射線治療の追加を行います。しかし強皮症の方に放射線療法がどのような影響が出るかは知りえませんが、ご心配のとおり皮膚への影響や肺線維症を助長させる可能性などはあるように思います。主治医の先生、放射線科の先生、強皮症を診察してくださる先生などとよく検討してから放射線に関して結論を出していただきたく思います。(文責 谷)

 

No.6644】  07年05月09日  s.n
乳頭のできもの

お忙しいところ申し訳ありません。30代女性(未婚)です。乳頭に2mmくらいの白い部分があるのに気づきました。盛り上がったりはしていなくて、白ニキビのような色です。その部分に触ると、かすかに痛みがあります。今までも、たまに乳首が痒かったりはしたのですが、異常なのか不安です。宜しくお願いいたします。

メールでは詳細がわかりかねますので、ぜひ乳腺外科を近いうちに受診なさってください。(文責 谷)

 

No.6643】  07年05月09日  S.K
乳房の血腫について

46才です。1ヶ月前に6mmの癌を乳房温存で摘出しました(センチネルリンパ節生検をして、転移はなし)。まだ腕が上まで上がらない状態です。乳房の手術跡が大きい血腫になってしまい、左の乳房が大きく腫れたままで右の1.5倍くらいのサイズ、色も内出血のままです。乳房の中も血の塊なのでしょうが、固くて押さえると痛いです。あと2週間ほどで放射線治療に入ります。これによっても腫れる可能性があるようです。血腫は注射で出せるとは聞いたのですが、すぐにしたほうがいいでしょうか。放っておいたら自然に治るものなのでしょうか。血腫の腫れを治すいい方法を教えていただきたく、メールさせていただきました。よろしくお願いいたします。

温存術後の乳房に血腫ができ、大きく腫れて痛みも伴うとのことですので、早々に主治医の先生を受診して血腫を除去していただく必要があります。小さい血腫ならば自然に吸収されるのを待って問題ないのですが、メールの内容から判断するに、ある程度大きな血腫ができている可能性があると思われ、これから放射線治療も控えており早々に対処するべきだと思います。(文責 谷)

 

No.6642】  07年05月09日  H.K. 
非浸潤癌の結果が変わる可能性

細胞針で悪性と出て、癌の顔つきを見る為に針生検をしたのですが、浸潤癌が認められないと出て、後日マンモトーム生検をしました。「非浸潤癌で、核異型スコア2、核分裂スコア1、核グレード1、NG(1)、ER(0)、PgR(0)、HER2(1)(score0、強陽性部0%、中等度陽性部0%、弱陽性部10%で、この検体中には間質浸潤は認めません。」という結果でした。センチネル生検ではリンパ転移はありませんでした。乳管が密集していてしこりが出来る非浸潤癌という事で、初めに行った病院ではしこりが3.5cmで、術前化学治療を行う予定でしたが、セカンドオピニオンで今の病院に来て検査をしたのですが、約1ヶ月経ちましたが、しこりの大きさが4.8cmになっていました。急激に大きくなった様な気がして凄く不安になっています。1ヶ月でそんなに大きくなるものですか? ホルモン剤も抗がん剤も効かないタイプなので術前化学治療をしても大きさが変わらない可能性が高いので、全摘をして同時再建をすすめられました。やはりしこりが大きいし、化学治療では小さくならないタイプという事で、全摘を選ぶしか無いのでしょうか? 手術して、病理の結果でもしかすると何ミリか浸潤の可能性もあると言う事で、今出ている癌の性質や顔つきも変わる可能性はあるのでしょうか(ホルモン剤が効くタイプになったり、HER2陽性になったり...?) 非浸潤癌の中に浸潤している場合は確率的によくあるのですか?よろしくお願いします。

マンモトームにて非浸潤癌の診断とのことですが、切除して腫瘤の全域を詳しく調べてみると浸潤している部位が見つかることはしばしば見られます。ですから非浸潤癌か浸潤癌かは術後最終的に診断されることになります。しこりの大きさが急に大きくなった点に関しては、しこりの測定の仕方の差かもしれません。主治医の先生に再度ご説明を聞かれるのがよろしいかと思います。(文責 谷)

 

No.6641】  07年05月09日  T 
妊娠について

宜しくお願いします。病理診断は「HER2/Neuscore:1+、ER(1+)、PgR(3+)、腫瘍サイズは約3ミリ、細胞悪性度:GradeT」で、平成17年6月に温存術を行いました。 平成17年8月より、ノルバデックスを服用しています。今年8月で2年服用したことになります。現在35歳、妊娠を希望しています。あと3年服用するのがベストだと分かっていますが、年齢的なこともあり、気持ちがあせっています。多少のリスクを覚悟して服用を2年で終了していいものか、ご意見をお願いします。また、薬服用後はどれくらいの期間をあければ妊娠してもよいのでしょうか。

腋窩リンパ節転移の有無、脈管侵襲の有無なども重要な情報になり、これらによっても再発率は異なってきますが、ノルバデックスを2年の服用でやめると、5年服用よりいくらかの再発率の上昇は覚悟せねばなりません。しかし、現在35歳で妊娠出産を希望されているとなると、この点では1年でも早いほうがよいと考えられますので、ご主人様や主治医の先生とよく話し合ってお決めになってください。ノルバデックスの添付文書によると、タモキシフェン服用後13日目にその約65%が排泄されたとの報告があり、きわめて緩徐な排泄と思われます。服用後どれだけの期間あけたとしても妊娠が絶対に安全であるとはいえないと思いますが、これらのことからも数ヶ月以上あければまず問題ないといえるのではないでしょうか?(文責 谷)

 

No.6640】  07年05月09日  K.K. 
三ヵ月後に現れたしこりについて(HPNo.6137-2)

HPNo.6137でお世話になりました。39歳女性、母が乳がんで手術しています。昨年末は非浸潤癌の疑いで、左乳房の外科生検の結果、前がん上皮細胞と診断され、経過観察となりました。先日、3ヶ月後の診察がありました。今度は右乳房に二ヶ所(6〜7ミリと8ミリ)、またしてもエコーでしこり(非触知)が見つかり、細胞診の結果、クラス3と出ました(前回はクラス2)。次のステップとして、通常はマンモトームとなるところでしょうが、前回、マンモトームで「悪性の疑い」の域を出なかった為、確実に確定診断が出来る生検をする予定です。質問ですが
1) 前回も今回もマンモグラフィーで石灰化は認められませんでした。「石灰化のない非浸潤癌」というものがあるのでしょうか。
2) 4ヶ月前にエコーを取った時には、右側にしこりはありませんでした。乳がんは「緩やかに成長する」という認識でしたが、この数ヶ月で急速に大きくなったと考えられるのでしょうか。「見落とし」とは考えられないのですが…。

1) 非浸潤癌でマンモグラフィにて石灰化の認められないものはたくさんあります。
2) 急速に大きくなる腫瘤か、前回のエコーのときには確認しづらい腫瘤であったか、どちらかだと思います。(文責 谷)

 

No.6639】  07年05月09日  AM
骨転移の治療について

相談にのっていただきたくメールさせていただきました。家内(34歳)の乳がんの骨転移の治療についてです。病気の経過ですが、2005年1月に乳がんの温存手術を行い、ステージVAでした。(術前の検査ではステージUBではと言われていました。ER:+ , Her2:2+で、FISHの増幅なし)
手術後に放射線を50グレイかけた後、抗がん剤ACを8回(2weekly)、タキソテールを8回(2weekly)投与し、その後タモキシフェンの服用とリュープリンを注射していました。2006年9月に温存した乳房に再発が見つかり、全摘手術を行いました(ホルモンレセプターER,PRともに-、Her2:2+でFISHの増幅あり)。術後の骨シンチ、CTでは転移は確認されませんでした。術後にはタキソールを4回(3weekly)行い、その後ハーセプチンを行っていました。2007年3月下旬に体調不良を訴え、4月に入り検査したところ胸骨に転移が見つかりました。PET検査も行い、転移は今のところ胸骨のみのようです。
治療法として、ハーセプチンを投与しながら放射線→抗がん剤(ハーセプチン+タキソール(weekly)+ゾメタ)を主治医からは勧められました。ハーセプチン+タキソールの併用で効果があがるので、ナベルビンはあとにとっておいた方がいいと言われました。ただ放射線科の先生からは、「前回の照射部位に少しかかるため20グレイしかあてられない」と言われています。放射線、抗がん剤のどちらが先がいいという答えはでていないと言われています。セカンドオピニオンでは抗がん剤(ハーセプチン+ナベルビン+ゾメタ)を勧められ、放射線は痛みが出てからでいいのではと言われています。相談としては、20グレイでも放射線を当ててからタキソールをやるのか、先に抗がん剤治療を始めて、痛みが出たら放射線をあてるのがいいのか悩んでいます。ご助言のほど、よろしくお願いいたします。

主治医の先生のご意見も一理あり選択に迷うところですが、私はセカンドオピニオンの先生と近い意見です。理由としましては、少し厳しい言い方かもしれませんが、これからの治療の一番のターゲットは転移の認められた胸骨ではなく、むしろ今後生じてくる可能性の高い命にかかわる遠隔転移(肝臓、肺など)をどれくらいくいとめる、または遅らせるかだと考えるからです。放射線療法は、もし今後疼痛が生じた際には、そのコントロールとして有用となる可能性があると思います。奥様はまだお若いなか、乳癌の手術、再発と大変お困りのこととお察し申し上げます。ただご主人様がこのように御一緒に戦っていただけるのは、奥様にとって何よりの力になると思いますので、ぜひ今後もがんばってご一緒に戦っていただきたいと思います。(文責 谷)

 

No.6638】  07年05月09日  H.A
葉状腫瘍について教えて下さい

先日乳癌の疑いにて細胞診をしてクラス4だった為、コア生検を受けました。結果は良性葉状腫瘍にて経過観察との事で、3ヶ月後に受診予約をして帰りました。腫瘍の大きさは現在3.5cmです。いくつか疑問があります。
1) 現時点で手術は必要無いのでしょうか?
2) 細胞診でクラス4で、結果良性は不安が残るのですが、信頼して良いのでしょうか? 
3) もし悪性だった場合を考えてペット検査を検討しているのですが、有効でしょうか?

一度にたくさん申し訳ありません。宜しくお願い致します。

1) 葉状腫瘍は約20%に悪性があるといわれており、また良性であったとしても増大傾向が顕著なものも多く、切除することが原則であると考えます。
2) 細胞診がclass4であることもそうですが、コア生検は腫瘍の一部の組織に過ぎず、摘出して詳しく調べてみたら悪性または境界病変(悪性と良性の中間の性質のもの)と診断される可能性もあると思います。
3) 葉状腫瘍に対するPET検査がどのくらい有効であるかはあまり知られておりませんが、まず摘出を含め主治医の先生と再度ご相談なさってはいかがでしょうか?(文責 谷)

 

No.6637-1】  07年05月09日  J.N. 
手術及び術後の治療について

41歳、独身女性です。以前にもご相談さて頂いておりますが、再度手術及び治療についてご相談させて下さい。宜しくお願いいたします。
2/26にクラスXの告知を受け、その後セカンドオピニオンで、右下内側乳がん(腫瘍2cm)針生検の結果、非浸潤がんの可能性有りの診断を(4/9)受けました。その他、両側に腫瘍が有り、『左側右外側上部1箇所(マンモトーム生検=良性) 左側下部外側、右上部内側、右乳輪下側 各1箇所(細胞診=悪性−) 分泌物(悪性−)』でした。主治医の見解・術式は以下の通りです。
1)温存(扇状約6cmカット)+※放射線治療 
但し、手術による欠損で変形、術後の放射線治療による更なる変形の可能性もありうる。術中は腫瘍を切除するのみ、形成はしていない。(術後に変形が気になる場合、形成医師が手術をする事は可能)
2)全摘又は皮下乳腺全摘+同時再建(インプラント、) 腹直筋皮弁・広背筋皮弁法
自分としては、『今見えるガンを全て取り除いてもらい、局所再発のリスクの少ない全摘術をした上での二期再建の意向を医師に伝えた所、主治医から「非浸潤ガンの可能性があるので、取りあえず温存からしてみるのもひとつの方法。温存後の再発率は4%〜5%と、ない事はないが少ない。それを念頭において、心配しなきゃいけない問題かどうか、価値観にもよるが、全部取った後に冷静に考えた時、取ってしまった自分が正しかったかどうか後で後悔しても間に合わない、後悔している人がいるのも事実。今は温存という選択肢が増えた分、混乱していると思うので、もう一度良く考えて、診察日(5/14)までに何れかを選択して下さい。」と言われました。 温存しても変形してしまう事と、追加切除、再発率、放射線治療の不安(日焼けに弱く、ひどい時は火傷のような症状も出る為)、全摘を選んだ場合、インプラントは抵抗があり、出来れば自分の組織で乳房をきれいに残したいという希望があり、別の病院でサードオピニオンを受けました。
術式
1) 脂肪弁部分再建(お腹の脂肪を取り、切除部分に入れる術式)、腫瘍の取り残しを避ける為にも、腫瘍部分とその周りを大きく扇状(4分の1)に切除後、形成医師が同時に部分再建。
2)皮下乳腺全摘術+同時再建又は二期再建(マイクロサージャリ―)

乳腺科医師の見解
「癌の広がりがそれ程大きくないので、最初から全摘までする必要は無いのでは・・・但し、温存術だけというのは年齢の事も考えても薦められない。必ず変形する。2)の術式は、非常にきれいに出来ると思うが、明らかに温存できて形が保てる人にそれを薦めない,手術時の合併症を考えるとリスクが大きい。どちらの方法を選択しても間違いではないが、低リスクの(1)の術式をするのが貴方には良いと思います。但し、術後の病理検査で、陽性だった時は、放射線治療をする可能性はあります。逆に陽性であって十分に腫瘍が取りきれているという事であれば、放射線は行わないという、ガイドラインもあります。局所再発率を下げたいのなら、皮下乳腺全摘を選ぶしか無いが、放射線治療に関しては、多分しないとは思うが絶対とは言えない。

形成外科医師の見解
1)、2)の術式どちらでも良いと思います。最終的なチョイスは貴方自身の判断ですが、温存して放射線治療をすれば再発率は下がりますが、全摘よりは高くなる。2)を選択し、後に再発をした時、再建は皮膚の萎縮等で困難になります。この事実を知った上で選択して、と言われました。

ある乳がんの本に、『非浸潤性乳管癌の乳房温存術後の再発に関しては、術後のタモキシフェン5年間投与が、患側、対側の乳房及び遠隔の再発を抑えます。更に乳腺部分切除+術後照射を行なうと、乳腺部分切除のみの場合と比べて、局所再発率が有意に低くなるとの報告があります。』と記載がありました。私のようなケースの場合は、全摘すれば、上記のような治療もしないのでしょうか。やはり、外科の医師が言うように、最初から全摘する事は無いのでしょうか。それとセカンドオピニオンの病院が遠方の為、ここで手術を受けた場合、術後の治療を現在の病院で行いたいと考えているのですが、そのような申し出をした場合、主治医は受け入れてくれるのでしょうか。ちなみにセカンドオピニオン側の病院は、そういう患者さんがたくさんいるので、何の問題もないと言われました。このような事は、一般的に行われていることなのでしょうか。又、主治医は、学会の会員ではありますが、専門医ではありません。セカンドオピニオンした病院の先生は専門医でした。家族からは、専門医の医師に手術を受けた方が良いのではと言われています。但し、主治医の病院は、チーム医療体制です。やはり家族が言うように会員の先生より、専門医の先生の手術を受けた方が良いのでしょうか。
お忙しい所、申し訳ありませんが、宜しくお願いいたします。

全摘すれば術後の放射線療法は原則的に必要なくなりますが、タモキシフェンなどのホルモン治療や抗がん剤治療などの術後の補助療法は、手術によって得られた情報(病理報告や、ホルモン感受性など)を踏まえ、再度術後に検討することになります。いずれにせよどちらが正しいと言える治療法はなく、いわばどの選択も正解だと思いますので、最終的にはご自身で選択されるべきであると思います。また、セカンドオピニオンの先生がおっしゃるように、手術と術後のフォローを異なる病院で行うケースも決して珍しくありませんので、その場合は、事前に主治医の先生にその旨お話されてから別の病院で手術をお受けになられればスムーズだと思います。乳癌の専門医がよいかどうかはいろいろな意見があることと思いますが、貴女と相性のよい専門医の先生ならベストだと思います。(文責 谷)

 

No.6637-2】  07年05月17日  J.N. 
術後の治療について

HPNo.6637でご相談させていただいたものです。先日はご返事を頂きまして、有難うございました。再びご相談させて下さい。宜しくお願いいたします。術式は温存部分再建を行う事を決め、本日、その事を主治医に伝え、術後の治療をお願いしにいったのですが、断られてしまいました。「手術の所見、病理の所見は行った人しか判らない、形成をどのようにしたか等の情報がないので何かトラブルがあった時など対処できないし、色々な情報が必要になった時に、治療に差し障りがでるので薦められない。放射線治療をして良いのかどうなのかも判らない。3年〜5年は再発の危険もあるし、転移、抗がん剤投与する時など、前の所見を見たりする事も出来ない、それに手術した病院と治療する病院を変えない方がよい、常識的に考えても手術した病院で治療を行うのが当然の事だと思います。そのようなケースの人はこの病院ではいないし、逆のケースもいない、そんなケースは他院でもあまり無いと思う。数年経過して大丈夫そうであれば、また来るのは構わない。そのような患者さんはいます。それと、ここで形成をしたのなら何処かに良くない事がおきた時、形成の先生と相談しながら、方針を決める事も出来るが、それが出来ないので、長い目で見た時に何よりあなた自身の為に良くない。」と言われました。谷先生とセカンドオピニオンの先生同様に、「治療を他院で行うことは何の問題もない。」と言われていただけに、主治医からこのように言われる事は想定外の事で、とてもショックでした。主治医にここまで言われた以上、ここでの治療は諦めた方がの良いでしょうか。そして、新たに術後の治療をしてくれる病院を探した方が良いのでしょうか。お忙しい所、申し訳ありません。宜しくお願いいたします。

手術はどこでも出来るわけではないので、手術を第一に考え、術後の治療を他の施設にお願いした方が良いと思います。(文責 徳田)

 

No.6636】  07年05月05日  K.K.
小葉癌(2)(HPNo.6623-2)

ご回答有難うございました。浸潤性小葉癌がそんなにたちの悪い癌とは説明を受けていませんでした。確かにあまりかからない癌との説明があり、癌のタイプより早期発見が大切だと聞いており、リンパも取ることなく6日間の入院で放射線だけ数ヶ月かけて・・・・何事もなく退院したのが4年前です。このようなタイプの癌だったら、再発をしないよう抗がん剤等の治療をしなくてはならなかったのですか? 何も薬もなく今日まで過ごしていました。今後、今の主治医に継続して診ていただくかの判断の材料としてアドバイスをお願いします。

化学療法やホルモン療法の必要性については、病理結果等の情報不足で、分かりません。それぞれの状態に応じて治療方法を決定しますので、貴女の病状について最もよく把握して下さっている主治医の先生に、よくお話を聞いて下さい。また、前回にお答えしたように、「再発をしないように」ではなく、異時、同時の多発乳癌である可能性がありますので、乳房を温存しない方向で考える事も必要かもしれません。いずれにしても、主治医と充分なコミュニケーションをとって、治療を進めることが大切ですので、それができない場合は、セカンドオピニオンを求めるのも選択肢の一つだと思います。(文責 須田)

 

No.6635】  07年05月05日  N.O
NCC−ST−439について

43歳独身です。2003年11月に右胸温存手術しました。結果は、大きさ1.2cm、ホルモンレセプタ‐陽性、her2 (3+)、リンパ転移なし、グレード2でした。放射線治療を25回受けました。リューブリン注射2年間(05年12月に終了)、ファストン錠5年間のホルモン療法を受けています。2006年12月の血液検査で、NCC−ST−439が10、1月が11、2月が14と上がっています。1月にPET検査を受け、異常は見られませんでした。主治医は、原因がわからないが数値が上がっているので、リューブリン注射の再開、薬をタスオミン錠に4月から変更しました。
1) 主治医は、念の為ということで注射と薬の変更をしましたが、私はもう少し様子を見ても良いのではないかと思っています。先生のお考えは、いかがでしょうか? 又、先生ならどのように対応なさいますか?
2) 3月に人間ドックを受けて、子宮内膜ポリープの疑い、超音波で胆のうポリープあり(ドックでは、どちらも、さほど問題ないと言われました)と結果がでています。これらが、NCC−ST−439の上昇原因に考えられますでしょうか?

不安な日々を送っております。お忙しいとは存じますが、何卒よろしくお願いいたします。

我国の乳腺専門医は、乳癌の腫瘍マーカーとしてCEA(97%)及びCA15-3(97%)をルーチンに測定しており、NCC−ST−439は、68%です。腫瘍マーカー測定の目的は、再発の早期発見、治療効果の補助、臨床経過のモニターなどです。NCC−ST−439は、49歳以下の女性のカットオフ値は、7.5U/mlです。異常値を呈する疾患は、陽性が、膵癌・胆道癌・乳癌・大腸癌・肝癌などの悪性腫瘍で、擬陽性の場合、慢性膵炎・肝硬変・慢性肝炎などがあります。今後の検査の一般的な進め方は、高値の場合、消化器系の悪性腫瘍及び乳癌を疑い精査することになります。PET検査で異常は認められなかったとの事ですが、1cm以下のものは描出が困難な事もありますので、マーカーの推移を観察し、再検査も含めて精査する必要があります。私自身の臨床経験からも、念の為にホルモン療法を再開することに賛成です。今後も不安点、疑問点がある場合は特に主治医と充分にコンタクトを取って、乳癌・消化管の検査も含めて、納得のいくフォローを進めてください。(文責 須田))

 

No.6634】  07年05月05日  Y
術後治療について(HPNo.6302-3) 

HPNo.6302で40歳の家内の件でご相談させていただいた者です。その後、細胞診等の結果からステージ1の乳がんと診断がつき、3月2日に温存手術を受けまして、1回目の化療は終了しています。病理診断は以下です。
・浸潤性入管癌(硬癌) ・最大浸潤径 16mm×11mm ・ly(±) v(-) ・断端(−) センチネル(0/2) ・ER(+)8 PR(+)5 Her2(2+)FISH(−) ・Grade3
術後治療については以下です。
「・FEC100 6回 ・その後放射線 週5回を6週間 ・ホルモン治療を5年間」の予定です。

初歩的な質問ですがよろしくお願いいたします。
1) 上記の病理診断からハイリスク分類と解釈してよろしいですか?
2) ER, PRとも一桁の%ですが、ホルモン受容体は有りと考えてよろしいですか?またその程度は?
3) FEC法とCEF法は異なる治療なのでしょうか? もし異なるとしたら、それぞれどのようなものなのでしょうか?
4) 化療4回終了時に、もし副作用等がきつくて継続が出来ない場合、タキサン系の抗がん剤を週1回3週間を2クールに変更しても良いといわれていますが、主治医は少し過剰治療になるともいわれています。もともと再発させない治療を希望し、家内ともども今出来る最良の予防治療を受けたいと考えています。FEC100を6回とFEC100を4回とタキサン系をたしていくのでは、後者の方が効果が大きいと考えてよろしいでしょうか。また、先生方が推奨される治療は、どのようなプログラムをくまれますでしょうか。長くなりましたが、よろしくおねがいします。

1) リスクカテゴリーでは、「リンパ節転移陰性・腫瘍径2cm以下・HERUはFISH法で(−)・年齢≧35歳」ですが、「ly(±) v(−) ・ Grade3)ですので、中間リスクとなります。
2) 内分泌反応性は、発現は認めるが少なく、おそらくallredのスコア分類ではレンジ3以上の受容体発現陽性としてホルモン療法が有効な症例になると思われます。従って、化学療法、続いてホルモン療法を行う事になります。また乳房温存療法ですので、放射線療法も併せて行うことになります。
3) FECは、シクロホスファミド500mg/m2・エピルビシン100mg/m2・フルオルウラシル500mg/m2を3週毎に6サイクル繰り返します。またCEHは、シクロホスファミド75mg/m2内服・エピルビシン60 mg/m2・フルオロウラシル500 mg/m2静注を4週毎に6サイクル行ないます。投与量・投与方法・投与間隔が少し異なります。後者の場合、効果も期待できるとは思いますが、FEC100 4サイクル、放射線治療、その後ホルモン療法でよいと思います。
4) FECにしろタキサン系の薬剤にしろ、副作用がかなり強く出る可能性もありますので、効果と副作用のバランスを考慮する必要もあります。抗癌剤4回終了後の評価時点で、主治医と充分ご相談の上、治療法を選択なさってください。(文責 須田)

 

No.6633】  07年05月04日  A 
マンモトーム生検について

3年前に右乳房内下側に早期の乳がんが見つかり温存手術をしました。昨年暮れの検査で、今度は健側に石灰化が見つかり、半年経過観察をしましたが判断がつかず、今回はっきりさせるためマンモトームを受けることになりました。半年前と石灰化の形状に大きな変化がないこと、前回行なったMRIでの染色パターンが良性パターンであったことから、紹介状には「マイクロクリップの留置はしない」と記載していただきました(検査は他院で行ないます)。白黒はっきりさせるというより、白を確定させるための検査との主治医の意見を信じ、マイクロクリップの留置をしないことは私自身が決めましたが、いざ検査の日程が決まると、急に不安に襲われています。もし万が一、1パーセントの確率でも残っているなら、クリップの留置をするべきなのだろうかと、悩んでいます。もし留置をせず、結果悪性のものが見つかった場合、その後の治療にどのような影響が出るのでしょうか? 場所の確定ができなくなると言うことは、温存は無理と言うことですか? このまま納得できないで検査を受けるより、一度キャンセルして再度主治医と話し合ったほうが良いでしょうか? 主治医のことは信頼していますが、なかなか連絡を取ることもできず悩んでいます。どうぞよろしくお願い致します。

マンモトームの際のマイクロクリップ留置の有無に関してですが、迷っておられるならばマンモトームに行く前に主治医の先生と再度話し合っておくべきと思います。石灰化の程度や前後の状況が詳しくはわかりませんが、少なくともあせって結論を出す必要はなさそうですので、納得してからマンモトームをお受けになってください。(文責 谷)

 

No.6632】  07年05月04日  K 
放射線治療中のビタミン剤について

放射線治療中のサプリメントについてお伺いしたくメールしました。放射線治療中に色素沈着を防ぐ為にビタミンCを取った方が良いとの報告と、ビタミンCのサプリメントは取らないほうが良いとの報告があり、悩んでいます。また現在、大麦若葉の粉末を水に溶かしたものとビタミンK2を飲んでいますが、放射線治療中は飲まないほうが良いでしょうか。よろしくお願いいたします。

放射線治療後の色素沈着に対しビタミンCやEが効果あるという報告はあるようですが、まだ確立された方法ではないと思います。大麦若葉の粉末やビタミンK2についても特に使用に問題あるとは思えませんが、放射線治療中は、特に必要な薬剤以外は使用しないほうが無難であると思います。(文責 谷)

 

No.6631】  07年05月04日  A 
細胞診

お忙しい所申し訳ありません。質問させて下さい。細胞診の時についてです。
1) 針を刺した時に固さや感触で、ある程度悪性か乳腺線維腺腫か解るものですか?
2) 細胞診で取り出した細胞の色をみて、ある程度悪性か乳腺線維線腫か解るものですか? 私は白というかクリーム色でした。
3) 私は乳腺線維線腫で細胞診をした時、シコリが硬く針で削るように細胞をとっていました。このようなことは、乳腺線維線腫ではよくあることなのですか?

本当にお忙しい所申し訳ありませんが、教えて下さい。

1)2)穿刺をする際の感触や吸引物の色調などはあまり参考にならないと思います。
3)線維腺腫は時に石灰化といってカルシウムが多く沈着することがあり、その場合はしこりが硬く穿刺針が入りにくいことがあります。(文責 谷)

 

No.6630】  07年05月04日  K・M
検査結果について(HPNo.6602-2)

HPNo.6602で相談させていただいたK・Mです。たった今、検査結果がわかり、やはりがんでした。検査を受けた病院と手術を受けた病院が違うため、「あとは手術をする病院で聞いてください。」とのことで、検査結果を渡されただけで、詳しく聞くことはできませんでした。来週7日(水)に手術をした病院に検査結果を持っていきますが、不安なので教えてください。
1) non-invasive ductalcaninomaとあります。非浸潤がんでいいのでしょうか。
2) 「cell at ypzm=3 nutois=1 grade=2」とあります。グレード2というのはU期ということですか。エコーで見た時は1.5〜1.6センチということで、T期早期がんと思っていましたが・・・。

検査結果にある字が読み取りにくく、つづりが間違えているかもしれません。お忙しい中すみません。返信お待ちしています。

1) そのとおり非浸潤性乳管癌のことです。
2) ここでいうグレードとは組織学的悪性度のことを指しており、T期、U期という”ステージ ”のことではありません。ステージは、しこりの大きさや広がり具合、腋窩リンパ節転移の程度、多臓器への転移の有無で決定されます。(文責 谷)  

 

No.6629】  07年05月04日  K
ホルモン治療について

いつも参考にさせていただいてます。
1) 2年前、38歳で温存術をしました。「腫瘍1.8センチ、ホルモン+、HER2 1+、グレード2」で、放射線後、ゾラデックスとノルバの治療を行っています。そろそろ2年経つのですが、このままゾラデックスを継続したほうがよいでしょうか? 年齢的にもまだ閉経には早いので、やめてしまうのは不安です。治療費のことを考えると卵巣摘出も考えていますが、どう思われますか? 主治医に相談する前に、こちらでの参考意見もお聞かせください。
2) 42歳の姉について質問です。先日、腋に1センチ大のしこりを見つけました。近医乳腺外来にてマンモ、エコーにて線維腺腫と診断されました。乳房には特に異常を見つけられなかったとのことで、経過観察になりました。細胞診などの更に詳しい検査は必要ないでしょうか? 私自身の乳がんを見つけたときも、最初画像上では乳腺症だろうとされていましたが、細胞診の結果悪性だった経験もあるので、姉の腋のしこりについても、このまま経過を見て大丈夫なのか不安です。線維腺腫かリンパ節転移かは、専門医が画像上で容易に区別できるものなのでしょうか。

お忙しいと思いますが、よろしくお願いします。

1) 一般的にはゾラデックスを2年間、ノルバデックスは5年間投与することが行われております。貴女の場合比較的再発リスクの低いケースと考えられますので、通常通りゾラデックスは2年で中止、ノルバデックスのみ暫時継続を私は推奨したいと思いますが、もちろん主治医の先生とよく相談して最終決定なさってください。 
2) 直接拝見しておりませんので詳しくはわかりませんが、通常少しでも悪性の可能性を考えると、まず細い針を使用する穿刺細胞診を施行することが一般的です。しかし画像や視触診を総合して、ある程度まで診断できる場合も少なからずあると思います。(文責 谷)

 

No.6628-1】  07年05月01日  N
病理検査の結果について

昨年9月に浸潤性乳管癌で乳房温存手術を受けました。年齢は45歳です。その後放射線を62.5グレイ照射しました。ノルバデックス内服中です。よろしくお願い致します。
病理検査の結果では、「N/C比の高い小型立方状の腫瘍細胞が中型胞巣で増殖し充実腺管癌のパターンだが、細胞像はカルチノイドに類似する部分が見られ、神経内分泌性性格を有する。断端の距離は1mm d1 f1ly0 v0 n(AX)0/13 核異型スコア1 核分裂スコア1 ER90% HER2 0」でした。
1) カルチノイドに類似し神経内分泌性性格を有するとはどういう意味ですか?予後に影響はありますか?
2) ERは90%という結果ですが、PRGを調べていないようです。調べない場合もありますか?
3) 断端部1mmだと陽性の有無は調べられないのでしょうか? 陰性陽性に関係なく、1mmだと放射線療法を受けるため病理結果に無かったと考えるべきですか。
4) 今年1月から生理不順になりました。薬の影響はありますか?またノルバデックスのみの治療で良いのでしょうか?

以上漠然とした質問ですが、よろしくお願い致します。

1) 乳癌細胞を顕微鏡で見ると、乳癌の組織分類では、浸潤癌の充実腺管癌(全乳癌の20%)の像に分類されるが、この細胞がホルモンを産生するカルチノイトという腫瘍細胞に似ているという事です。ごく稀に乳腺のカルチノイドという病気もあります。特に治療方針が変わることはないと思いますが、詳しくは貴女の情報を最もよく把握して下さっている主治医にお聞き下さい。
2) 一般的には、ER、PGR、HERUは、一緒に調べます。主治医にご確認下さい。
3) 乳房温存療法の場合、乳腺部分切除をし、その組織の断面を顕微鏡で調べます。癌細胞が断面又は断面近くに認められる場合を切除断端陽性といい、乳房内再発を予測する重要な因子になります。広い範囲で断端陽性の場合、追加切除や乳房切除が推奨されます。断端陽性であっても小さい範囲の場合は、追加切除をする事もありますが、標準的放射線治療に更に照射を追加する方法が妥当と考えられています。貴女の場合、乳癌と断端までの距離が1mmだという事です。我国の乳癌温存療法ガイドライン(1999)では、標本の切除断端から5o以内に癌が存在する場合を断端陽性とすると定義されています。
4) 生理不順はホルモン療法の影響だと思われますが、不正出血と考え、念の為に婦人科を受診してご相談下さい。「腋窩リンパ節転移陰性・グレード1・脈管浸潤(−)・HERU(〇)・年齢35歳以上」という事ですので、腫瘍径が2cm以下であれば、低リスクであり、内分泌反応性がありますので、術後の薬物療法の考え方としては、一般的にはノルバデックスでよいと思います。ホルモン療法又は無治療ということになります。(文責 須田)

 

No.6628-2】  07年06月26日  N
肝機能障害について

HPNo.6628で相談させていただきました。ありがとうございました。今回は肝機能障害について相談させてください。腋かリンパ節転移陰性・グレード1・脈管浸潤(−)・HER2(0)・年齢45歳・ER100 %・PRG不明・断端の距離1mm・腫瘍径1cm・1.5cm離れたところに2×4mmのdaughter noduleが認められました。昨年9月乳房温存手術後、放射線療法62.5Gy終了・ノルバデックス2錠内服中。今月肝機能上昇しGOT75、GPT98でした。3月、5月の採血結果が右肩上がりに上昇しているため、主治医より肝機能改善薬を内服するか、内服を中止し注射に変更すると提案されました。ノルバデックスを内服してから、帯下の増量・月経周期が37〜42日と不定・更年期症状・視力低下などの症状があります。
1) ノルバデックスから他の薬(ジェネリック)に変えてみる価値はありますか?
2) ノルバデックスと肝機能改善薬を内服して結果を見たほうが良いですか?肝機能の薬(アレルギー体質です・中性脂肪が時々高いです)は、どのような製剤が良いのでしょうか?
3) PRGが不明なのに注射に変更するということは、卵巣機能を止め、その結果エストロゲンの影響を低下させると考えてよいのでしょうか?
4) 注射に変更した場合、その実施期間と終了後の治療指針はありますか?
5) もし内服・注射ともに中止した場合、再発率はどの程度になるのでしょうか?  

以上長々と記載してしまいましたが、よろしくお願いします。

1)2) ジェネリックにしてもタモキシフェンですから、あまり変化はないと思います。ただし、タモキシフェン本体が原因でなく、錠剤のコーティングや形状を安定させる成分が肝機能障害の原因であれば、多少は変わるかと思います。通常はタチオンやグリチロンなどの肝機能改善剤でカバーできない肝障害があれば、休薬や投薬を変更せざるを得ません。脂肪肝でも肝障害が現れることがあります。如何でしょうか?
3) 仰るとおりです。抗エストロゲン剤であるノルバデックスが使用できないので、代わりにエストロゲンの分泌自体を減らすのが目的です。
4) 一般的には注射剤で卵巣機能自体を止める期間は2年間の事が多いようです。経口剤の場合は抗エストロゲン剤5年間が一般的です。途中で完全に閉経が確認されたら、アロマターゼ阻害薬に変更したり、抗エストロゲン剤終了後にアロマターゼ阻害薬を追加したりする方法も検討されています。もし注射剤を2年継続使用することになっても、その2年間でまた新しい考え方が出てくるかも知れません。主治医とご相談下さい。
5) adjuvant onlineによると、何もしなくても10年間の再発率は20%弱です。内分泌療法を行うと数%程度改善しますので、この数%をどのように考えるかです。(文責 阿部)

 

No.6628-3】  08年01月23日  N
卵巣の腫脹はノルバディックス内服の副作用だと思うのですが・・・

いつも参考にさせていただいています。以前HPNo.6628で回答をいただき、ありがとうございました。2006年9月に乳房温存手術後ホルモン療法中です。一昨日婦人科受診し、癌検診を受けました。「左右の卵巣が直径5cm程大きく水がたまっている。念のため腫瘍マーカーの採血をする。」との説明でした。昨年11月より生理はとまっています。肝機能が上昇したため昨年7〜8月の2ヶ月間はノルバディックスを中止しました。8月に婦人科癌検診の際は異常はありませんでした。9月からは肝機能が正常値に戻ったためノルバディックスを再開し、グリチロンも併用して内服中です。その後GOTは40〜50台、GPTは50〜70台と高めで経過しています。100台になったらノルバディックスを中止すると主治医と話しています。卵巣の腫脹はノルバディックス内服の副作用だと思うのですが・・。卵巣の腫脹がどの程度大きくなったらノルバディックスを中止するという指針はありますか。RH−LHゴア二ストの注射に変更した場合でも卵巣に水が貯まるという副作用はあるのでしょうか。ホルモン療法による生理不順や婦人科系の副作用が多い場合に治療を中断することはリスクが大きいですか。以上宜しくお願い致します。

ノルバデックスは子宮体がんを増やしますが、卵巣腫瘍はあまり多くなりません。卵巣のう腫は増える事もありますが、因果関係は強くありません。(文責 石山)

 

No.6627】  07年05月01日  M.G.
術後補助療法について(HPNo.6409-2)

3月7日の回答で、とても気持ちが楽になりました。 5月14日迄に抗癌剤を決めます。下記の4点教えてください。
1) 切除したものがリンパ管と血管に入っていれば、菌が体中を回っていて何処かに飛びつく危険が高いと思うのですが リンパ節が0の場合はどうして予後がよくなるのですか。1.の場合でも一生転移しない人はいるのですか。
2) ホルモン剤はやらないと聞いていたのですが、左側は効くのでやっても良いかも!との事です。リスクをふまえ、どちらが良いでしょうか。
3) 抗癌剤はCMF6回で医師はいいようですが、医学的にいったらEC4回(プラス8回)だそうです。4回の方が強い事は分かりますが、何がどう違いますか。医師の指示する強くないものでいいのでしょうか?あくまで私が強い意思で決めた方がよいのでしょうか。
4) 岩盤浴(室内40度)で汗を流す事は 血管内の菌が増殖しそうですが、多少の効果はありますか。何かで菌は45度で死滅すると見たのですが。    

1) 血管、リンパ管に癌細胞が流れていても、検査の時点でリンパ節に転移が確認されていないという事は、全身においても転移していない確率が高いという事です。ただし、一生転移しないかどうかは、誰にも分かりません。
2) ホルモン療法が一方でも効く可能性があれば、行なったほうがよいと思います。
3) ECは、エビルビシンを用いた8サイクルとCMF6サイクルの比較試験では、無再発生存率、全生存率において同等であるとの報告があります。CMFは再発を34%、死亡を22%減少させています。副作用、費用等も含めて、主治医と充分にご相談し、納得のいく治療を選択してください。
4) 癌病巣の温度を人為的に42〜45℃に上げて癌細胞をより選択的に損傷し、治療の効果をあげようとする温熱療法がありますが、この場合は、放射線療法あるいは化学療法と併用して臨床応用されています。岩盤浴がこれにあたるとは思われません。(文責 須田)

 

No.6626】  07年05月01日  K 
乳腺のう胞症

私は現在44歳、子供が1人(5歳)おります。今月の健康診断の視触診と超音波の結果、乳腺のう胞症(B、僅に所見有も日常生活に差し支えありません)と診断されました。自覚症状は、たまに胸が痛いことがありました。分泌物はないと思います。もう1度専門医(乳腺外科?)で、検査を行うほうがよいでしょうか? その際、紹介状がなければダメでしょうか? 都内ではどちらに乳腺外科がありますでしょうか? そのままにして、乳がんになってしまうこともありますでしょうか? 宜しく御願いいたします。

のう胞の中に限局して非浸潤癌が存在する事が稀にありますので、念の為に乳腺外来を受診したほうがよいと思います。乳腺外来については、乳癌学会のホームページを参考にしてください。(文責 須田)

 

No.6625】  07年05月01日  C 
骨転移の切除について

相談にのっていただきたくメールいたしました。母は去年8月に乳がんの手術をしましたが、今年4月の検査で骨に
転移がある可能性が高いとの結果が出ました。インターネットで調べていたところ、骨転移がひとつで内臓に転移が無い場合、骨病巣を切除+放射線治療+化学療法でまれに完治するという記事があったのですが、それは可能なのでしょうか? 担当医は「痛みが無ければそのままで」と言っていました。こちらの、「そのままにしたら転移がさらに広がるのではないか」との質問には「転移したガンはさらに転移しない」と言われました。本当なのでしょうか。切除すれば延命につながるのではないかと思ってしまうのですが・・・。よろしくお願いいたします。

乳癌の初回治療後に再発する事がありますが、骨・肺・肝臓・脳などの乳房から離れた臓器に再発する事を遠隔転移と言います。乳房にあった癌細胞が血液やリンパの流れにのって全身を流れ、これらの臓器に運ばれて、そこで増殖したものです。全身を流れ、離れた臓器に再発したのですから、全身の病気として薬物療法を中心に複合的に対処する必要があります。局所の治療である手術で切除しても、また癌細胞がどこかに出てくるため、例外を除いては一般的には手術は行いません。お母様の場合、手術で切除するのではなく、症状がないとの事ですので、薬物療法(ビスフォスフォネート、ホルモン療法、抗体療法など)を行う事になると思います。主治医と充分にご相談の上、納得のいく治療法を選択してください。(文責 須田)

 

No.6624】  07年05月01日  Y 
術後補助療法(2)(HPNo.6613-2)

HPNo.6613のご回答、ありがとうございました。私もER,PgRが90%とか95%あれば何の迷いもなく ホルモン療法のみを受けると思います。でも私の場合、両受容体が10%ないため反応性も少なく、化学療法の併用、もしくは化学療法単独も考慮すべきなのではと思ったしだいです。
1) ホルモン受容体が10%ないということは感受性もほとんどないと考えて良いですか。
2) そうなら、感受性がないこと自体がリスク要因になり、リスクカテゴリー分類でも低リスクではなく、中間リスクになるのではありませんか。
3) 化学療法の必要性はありますか。その理由も教えてください。
4) ホルモン療法に関してはどうでしょうか。

再発転移を避けるため、又後で後悔しない為にも、今できることは全てしておきたいと思っています。重ねての質問で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

一般にホルモン受容体の検査は、がん細胞を調べて、その10%以上がホルモン受容体染色に陽性を示す場合、「陽性」とされていますが、10%未満でも、オールレッドが示した染色性をスコア化したもので、3以上であれば、レトロゾール(フェマーラ)の効果が期待できます。
リスクカテゴリー分類には、現在はホルモン受容体は含まれていません。ザンクトガレンのリスクカテゴリーに従った治療をするとすれば、ホルモン療法(フェマーラ)か、無治療ということになります。主治医の先生とご相談して、今後の治療方針を決めて下さい。(文責 須田)

 

No.6623-1】  07年05月01日  K.K. 
小葉癌

4年前9ミリの小葉癌の手術をしたのですが、今日4年目のマンモとエコーで、17ミリの腫瘍が手術をした同じ胸から見つかり、連休明けにMRI等をして結果を見るそうです。影は腫瘍の周りが引きつっている感じで映っているそうです。手術後、マンモも定期的にしているのに、17ミリまで大きくならないとわからなかったのは先生の手落ちでしょうか? 又、これは転移なのでしょうか?小葉癌は予後が悪いって本当ですか? 不安で不安で・・・。アドバイスをお願いします。

浸潤性小葉癌は、全乳癌のうち数%(3.8%)とあまり多くはない組織型ですが、同時又は異時で多発する事があり、また反対側の乳腺にも発生する事があります。乳管癌と異なり、乳腺の末梢の小葉内細乳管上皮に発生するため、マンモグラフィーやEcho検査等でも診断が困難な場合があります。また、腹部の内臓など、思わぬところに転移する事もあり、一般には「たちが悪い」と考えられています。貴女の場合、異時の多発癌が考えられますので、乳房温存はしないほうが良いかもしれません。治療については、主治医の先生と充分にご相談下さい。(文責 須田)

 

No.6623-2】  07年05月05日  K.K. 
小葉癌(2)

ご回答有難うございました。浸潤性小葉癌がそんなにたちの悪い癌とは説明を受けていませんでした。確かにあまりかからない癌との説明があり、癌のタイプより早期発見が大切だと聞いており、リンパも取ることなく6日間の入院で放射線だけ数ヶ月かけて・・・・何事もなく退院したのが4年前です。このようなタイプの癌だったら、再発をしないよう抗がん剤等の治療をしなくてはならなかったのですか? 何も薬もなく今日まで過ごしていました。今後、今の主治医に継続して診ていただくかの判断の材料としてアドバイスをお願いします。

化学療法やホルモン療法の必要性については、病理結果等の情報不足で、分かりません。それぞれの状態に応じて治療方法を決定しますので、貴女の病状について最もよく把握して下さっている主治医の先生に、よくお話を聞いて下さい。また、前回にお答えしたように、「再発をしないように」ではなく、異時、同時の多発乳癌である可能性がありますので、乳房を温存しない方向で考える事も必要かもしれません。いずれにしても、主治医と充分なコミュニケーションをとって、治療を進めることが大切ですので、それができない場合は、セカンドオピニオンを求めるのも選択肢の一つだと思います。(文責 須田)

 

No.6623-3】  07年05月13日  K.K. 
小葉癌(3)

先日は、アドバイス有難うございました。MRIの結果、やはり乳癌の再発のようで、昨日針で組織を採りました。主治医の考えも全摘との事でした。主治医は、「遠転移ではないので、全摘をすれば大丈夫」と言っています。ホルモン療法がとても効くので、術後はホルモン療法をするそうですが、なぜ1回目の時にホルモン療法をしなかったのでしょうか? 最後にひとつお伺いしたいのですが、量子水をご存知ですか? もしご存知でしたら、情報を教えていただけますか?

手術をして、術後の切除標本の(とったお乳の)病理検査で、どの程度の量の、どんな性質のがんがあるかによって術後治療の選択も異なる場合があります。切除して術後の病理結果をみて、主治医とよく相談なさるのがよいでしょう。なぜ一回目の時にホルモン療法をしなかったかについても、主治医にお聞きになるのが一番です。量子水については知識がありません。(文責 俵矢)

 

No.6623-4】  07年05月31日  K.K. 
局所再発

4年前、小葉癌の初期の温存手術をし、手術後は放射線を25回かけ、何事もなく定期検診を受けていたのですが、今年4年目にて局所再発をしました。再発は2センチの腫瘍で、生検の結果では小葉癌か硬癌の疑いがあるそうです。硬癌は予後がよくないと言う事をネットで良く見ますが、転移しやすいと言う事ですか? どちらにせよ定期健診をしていたのに発見が遅いのではと、主治医に多少不満があります。今回は他の転移はCT等ではないので、全摘をすれば良いといわれていますが・・・。やはり全摘が一番でしょうか? リンパは取らないそうですが、2センチの大きさでリンパを残す事は危険ではないのでしょうか? ましてや硬癌は予後が悪いのなら、なおの事リンパを残す事はどうなのでしょうか? 主治医は、MRIやCTではリンバは大丈夫そうだと言っていますが、MRIやCTでは分かりませんよね? 又、ネット等の情報では、局所再発は全摘をすれば治るとも書いてありますが、どうなのでしょうか? ご回答、よろしくお願いします。

硬癌は一般的に予後が悪いと言われますが、リンパ節転移の有無や病期の方が生存率に影響が大きいと考えられ、硬癌だからといってあまり心配しすぎることはないのではないでしょうか。CTやMRIでもリンパ節転移をある程度予測することは可能ですが、精度は必ずしも高くありません。前回どのような手術が行われたのかわかりませんのでコメントするのが難しいですが、腋窩リンパ節郭清を施行済みであれば乳房全摘で宜しいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.6622】  07年05月01日  M.G
骨転移予防(HPNo.4886-4)

HP【4886-3】で以前お世話になりました。疑問に思っていることに答えていただけるので大変助かります。その後、FEC単独のあと、現在ハーセプチン単独をしています。アロマシンはずっと併用中です。ホルモンレセプターは、詳しくはER陰性 PgR境界域(陽性占拠率1%〜5%)でした。アロマシンは効く場合もあるとの事なので、やっています。骨転移すると苦痛を伴うということで、できれば予防したいのですが、(フォサマック、注射?等)をすれば転移を防ぐことができるのでしょうか? 骨粗鬆症にはまだなっていませんが、アロマシンを使っているため少し骨密度は下がってきています。そこまでする必要はないのでしょうか?
また、ホルモン剤と抗がん剤の併用は、先生はする場合もあるとの事でやっていますが、ハーセプチンとホルモン剤の同時使用は絶対にないという記事をみました。これは特に副作用の関係で?ということでしょうか? このまま先生を信じて続けていていいのでしょうか? いろいろと聞いてすみませんが、よろしくお願いいたします。

ビスフォスフォネート(フォサマック)は、乳癌の骨転移による骨折、疼痛などの骨合併症を減らしたり、出現を遅らせる事ができる有用な薬ですが、術後の骨転移の予防薬としての有用性は証明されていません。アロマシンによる副作用として骨粗しょう症のおこる可能性は治療を受けた人の7.4%ですが、どの程度の状態であるかを最もよく把握して下さっているのは主治医の先生ですから、充分ご相談下さい。
HERU陽性乳癌の50%でホルモン受容体の発現が見られ、エストロゲンとHERUの2つの経路によって、ホルモン療法に対する抵抗性を亢進させることが知られています。しかし、最近ではハーセプチンとレトロゾール(フェマーラ)との併用療法が行われ、奏効が1年間続いたとの報告もあり、最適な治療を行うためには、標的治療薬単独ではなく、併用療法を行うという考え方もあります。いずれにしても納得のいく治療を受ける事が大切ですので、不安点、疑問点がある場合は、遠慮なく主治医の先生にご相談下さい。(文責 須田)

 

No.6621】  07年05月01日  KK
浸潤性面疱がんに関して

34歳女性です。先日乳癌の手術を受けました。病理の結果が完全には出きっていないのですが、
・腫瘍径:1.3×1.8×2.8cm
・がんの種類:乳頭腺管がん(面疱がん)
・リンパ節転移:レベルIで2/6・レベルIIには無し (pN1) 
・脈管浸襲あり
という状況です。年齢のこと及びリンパ節転移のこともあり、化学療法(CEF+T)を行なう予定ではいますが、現段階で以下の点が不安で、とても気になっています。ご回答いただければ幸いです。宜しくお願い致します。
1) 面疱癌の組織像が見られるということは、悪性度が高く、再発の可能性が高いと聞いたことがあります。一方で、乳頭腺管がんは、高分化しており比較的悪性度が低いとも聞いたりします。グレードの病理結果によるとは思いますが、一般にはどのように考えられているのでしょうか?
2) 断端は陰性ではあったのですが、一箇所、近傍までの腫瘍の進展が観察されました。断端のマージンが小さい場合に、再発の危険性が高く、再切除が有効、と見たことがあるのですが、私のケースでは再切除はしなくて大丈夫でしょうか?

宜しくお願いします。

1) 再発のリスクをどのように考えるかとのご質問ですが、再発のリスクについては手術後の病理検査で重要な情報が得られます。現在一般的に受け入れられているのは、ザンクトガレン会議で話し合われる考え方で、「腋窩リンパ節転移の有無と個数・腫瘍径・癌細胞の悪性度(核異型度)・脈管浸潤の有無・HER2感受性の有無・年齢」を組み合わせたリスクカテゴリーです。組織型については、リスク分類に加わる項目にはなっていません。乳癌学会での乳癌の組織分類では、浸潤性乳管癌の中に面疱癌として分類はされておりません。形態的に特徴ある像(顕微鏡で見ると癌胞巣の中心に癌が変性、脱落した壊死物質が見られ、一見ニキビを思わせる像)は、組織亜型として、非浸潤性乳癌の場合、面疱型と分類に使用されています。浸潤癌の場合には、乳頭腺管癌(乳頭状の増殖及び管腔形成を特徴として、乳管内進展性で高分化、リンパ節転移は低率で予後良好、全乳癌の20%)の中に含まれ、おそらく乳管内進展の場所で面疱型の癌組織が見られたのではないでしょうか。
2) 癌細胞が切除断面又は断面近くに見られる場合を切除断端陽性といい、乳房温存療法後の乳房内再発を予測する重要因子となります。広い範囲で断端陽性が確認された場合は、追加切除や乳房切除術が推奨されます。断端陽性であっても範囲が小さい場合は、追加切除することもありますが、標準的放射線治療に更に照射を追加する方法が妥当と考えられています。主治医と充分にコンタクトをとって、納得のいく治療を選択してください。(文責 須田)

 

No.6620】  07年05月01日  KU
細胞診について

昨年10月に乳がんと診断されまして、術前化学療法としてECでの治療4クール、その後ウイークリータキソールでの治療を計12回のうち11回終えました。最初は、3.9CMのサイズでしたが、タキソールの途中経過で、1.9CMと縮小はしております。けれども、未だに脇のリンパに4〜5、鎖骨リンパにも2〜3転移があるようです。今更こんなことを伺うのもなんですが、1番最初に太い針で診断の為に細胞を取った時、少し皮膚も切開しましたので、当日は入浴が禁止されました。そして次の日、今から思えば馬鹿なことしたと思いますが、元々乳頭から血液の混じった分泌液があり、心配で毎日搾って出してはいたんです。なので、入浴が大丈夫になった翌日に又搾ったんです。結構な量の分泌液があり、私もまさかその時は癌とは思わず、むきになってずーっと搾ってました。今は、その時の馬鹿みたいな行いのせいで、検査で傷がついている癌細胞を色んな場所に飛び散らせたのではないかと思っています。主治医に聞いたら、「大丈夫です!」とは、言っていたのですが、何故か素直に信じることが出来ず、手術を来月に控えた今、後悔の日々です。その搾りまくったことによって、癌細胞は飛び散るものなのでしょうか?とても気になっています。教えてください。宜しくお願いいたします。

搾った事が、どの程度癌の発育に影響があるのかは不明で、よく分かりません。だたし、術前化学療法によって腫瘍径も小さくなっていますので、主治医の方針を信じて、前向きに、治療に専念してください。(文責 須田)

 

No.6619】  07年05月01日  S 
転移について

昨年11月に温存手術いたしました。腫瘍2センチ、第3リンパまで切除(15個中センチネル1個転移)、悪性度3、ホルモン陰性、HER2 +2。 現在FEC4クール終わりました。4回目は白血球の戻りが1800と悪かった為、4週間目に行いました。これからタキソール3W4クール予定ですが、4回目のFEC治療後2週間目で白血球が1300、好中球も減少していた為、白血球を増加させる注射を打ち、今週末の血液検査次第でタキソールを始めます。術後、患部と反対側の腕の痺れが気になり始め、だんだん強くなりました。今では首、背骨、肋骨、腕の付け根、乳房から脇にかけて痛みが強くなっています。12月末に転移を心配して骨シンチを調べましたが、シロでした。患部と反対の乳房に2つほど小さなしこりも触るので、エコーで診てもらいましたが、悪性ではないだろうとの事でした。担当医から、「痛みは乳がんからきているものではないだろう」と言われ、整形外科と脳内外科も受診しました。頚椎と背骨のMRIで転移の所見はありませんでした。しかし、痛みは続いており、良くなりません。骨、リンパ、その他臓器への転移の可能性はないでしょうか。また、今、他にやるべき検査はありますか。現在抗がん剤治療中なので、痛みが増しているのかも知れませんが、緩和方法等ございましたら教えてください。

転移の可能性を心配されているようなので、PET-CTの検査を受けてみるのも選択肢の一つです。ある程度の大きさの病変(少なくとも1cm以上)の場合は、スクリーニングとして、良いかもしれません。主治医と充分ご相談下さい。
痛みについてですが、原因としては、「@癌自体が原因となった痛み A癌に関連した痛み(骨転移など) B癌治療に関連して起こる痛み(放射線治療、抗癌剤等の副作用として) C癌に併発した病気の痛み(関節炎など)」が考えられます。それぞれの痛みの原因によって治療法が異なりますので、痛みの原因や強さについて正しい診断を受ける事が大切です。疼痛緩和の目標は、「先ずは痛みを抑えて、夜間よく眠る事ができる、次にじっとしていても痛みを感じない、そして体を動かしても強く痛まない」ことですが、主治医と充分なコンタクトを取り、正しい診断に沿った薬を処方してもらってください。(文責 須田)

 

No.6618】  07年05月01日  I.I. 
ノルバッテクスの服用期間について

本などの情報以外にお医者様の御意見がお聞きしたくてメールいたしました。現在45歳、2001年5月、39歳の時に右胸の乳房温存術を受けました。リンパ節郭清も行い、断端陰性で放射線治療をうけました。その後、ホルモン療法としてノルバテックスを服用しています。腋窩リンパ節転移陰性、腫瘍の大きさ1cm弱、悪性度は普通(?)、ER、PgRともに陽性、HER2はある、とのことでした。血液検査やCT、骨シンチ等を定期的に検査しており、今のところ再発や転移はありません。ノルバテックスを5年間飲むということで、飲んできましたが、最近になり更に飲み続けることをすすめるようになりました。主治医の先生のお話をまとめると以下のようになります。
1) 5年が再発、転移の可能性の一区切り(いわゆるピーク)と考えられているが、7、8年にもう一度ピークがあるという考えが最近はある。これは、昔より治療がよくなったため、5年では現れないという理由からである。
2) 5年間飲むといったのが変わってしまったのは申し訳ないが、今の治療の流れから、7、8年飲むことをすすめる。
3) 低リスク、高リスクは関係なく、すすめる。また、閉経後は薬を変えるというのもあるが、私は副作用の少ないノルバテックスをすすめる。
4)5年はたっているので、どうするかの判断は任せる。

私自身の心情としては、薬はやめたいですが、主治医が強制はしないまでもすすめていることや、なんと言ってもHER2が陽性(中リスク?)であることで、どうするか大変迷っています。本では「最低5年以上服用」とはありますが、7、8年服用というのは見当たりません。本当に最近の考え方なのでしょうか。このことを含め、私にとって、7、8年飲むことが再発、転移の予防に有用であるかどうか、お考えをお聞きしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

再発・転移のない場合、タモキシフェン(ノルバテックス)は閉経前、後の乳癌に標準的に使用されてきた飲み薬です。毎日5年間服用する事で、統計的には約40%の再発を減らす事ができます。一般には長期投与によって子宮内膜癌発生の増加が認められるため5年という事になっています。他のホルモン療法についてですが、閉経前に使用するLH-RHアゴニスト製剤(卵巣でのエストロゲン合成を抑える)の皮下注射では、2〜5年間治療を継続する考え方や、閉経する年齢(通常52歳)まで継続するという考え方があり、LH-RHアゴニスト製剤では治療期間について定まった見解がないのが現状です。(文責 須田)

 

No.6617】  07年04月26日  M・O
右胸下部の痛みについて

39歳です。最近、両胸部の痛み(心臓・肺あたり)や背中の痛みがたまにあり、病院に行ったほうがよいのかな?と思っていました。その痛みで胸をおさえることがあり、胸を触っていたところ、胸骨の先端部分より少し右のところ(右乳房の下)を触ったら、痛みがありました。押さないと痛みはないのですが、押すと痛みがあります。筋なのか骨なのかわからないのですが、左と比較して多少のしこり感はあるような気がします。この部位、また症状として乳癌の可能性はあるのでしょうか?また乳癌以外の可能性の場合、何科を受診したらよいのでしょうか?教えて下さい。よろしくお願いいたします。

メール内容だけでは情報不足で、直接診察しないと、はっきりした事は分かりません。しこりがあるのであれば、まず乳腺外来でご相談下さい。また、胸痛を中心に考えると、狭心症・心筋梗塞等の循環器の病気もありえますので、循環器内科(心臓専門の内科)でも診てもらう必要もあります。不安を取り除く為にも、一度受診して下さい。(文責 須田)

 

No.6616】  07年04月26日  K 
非浸潤癌の術後療法について

今月初め乳房温存手術をした39歳、閉経前です。病理結果は断端陰性(−)、核異型2、ホルモン感受性ありでした。非浸潤癌部分は手術で完全に取り切れているとのことです。この場合でも放射線療法はした方が良いのでしょうか? ある本では非浸潤癌には放射線は有効ではないとの記述を読みました。非浸潤癌の治療法は様々な意見があり悩んでいます。よろしくお願いします。

非浸潤性乳管癌は、遠隔転移を起こさず、乳房切除によって100%治癒が望める癌です。一方、非浸潤性乳管癌の乳房温存術後の再発に関しては、術後のタモキシフェン5年間投与が、患側、対側の乳房及び遠隔の再発を抑えます。更に乳腺部分切除+術後照射を行なうと、乳腺部分切除のみの場合と比べて、局所再発率が有意に低くなるとの報告があります。また、病理学的な検査で、「腫瘍径・断端の癌の有無・組織学的悪性度」をスコア化すると、スコアの高いほど、放射線照射を行っても再発率が高くなりますが、腫瘍径が小さく(例えば3cm以内)、悪性度の低い群では、照射をしなくても良好な成績を示しており、必ずしも全例に照射しなくてもいいのではないかという報告もあります。貴女の病理学的悪性度はどのくらいでしょうか。腫瘍径が小さければ、照射を省略する選択肢もあると思います。貴女の状態を一番よく把握して下さっている主治医と充分ご相談し、納得のいく治療を選択してください。納得のいく治療法を進めていくことが、病気と前向きに取り組む姿勢にもつながると思います。(文責 須田)

 

No.6615】  07年04月26日  M.K 
妻の再発率について(HPNo.6477-4)

HPNo.6477でお答えいただいたM.Kです。度重なる質問で恐縮ですが、お教えいただきたくお願い申し上げます。先日抗がん剤投与の説明を受けた際、主治医の先生から、「妻の場合の再発率は40%で、化学療法(AC療法)により再発率を20〜25%下げられる」と言われました。帰宅してもう一度、言われたことを思い返してみると、主治医の先生の言う再発率とは、再発率(40%)自体が20〜25%に下がるという事なのか、または、再発率(40%)に対し20〜25%下がるという事なのかが分からなくなってしまいました。といって、そのことだけを伺うために病院に行くこともできないと思い、再度質問させていただくことにしました。
前者では生存率が85%になりますが、後者では70%になってしまいます。どちらなのでしょうか? また、その後のホルモン療法5年で、さらに再発率を下げる事は可能なのでしょうか? この二点についてお教えいただけたら幸です。

例えば奥様と同様の方が1000人いるとすると、何もしない時は再発率が40%ですので、400人が再発するという事です。これに対し、化学療法(AC)を行なう事によって再発率を20〜25%下げられるという事は、400人のうちの20〜25%である80人〜100人の再発を防ぐ事ができるということです。従って計算上は再発する人が320人〜300人となり、奥様の場合の再発率は、32〜30%という事になります。
ホルモン療法については、リンパ節転移陰性乳癌に対する術後療法として、「@腫瘍浸潤径が2cmを超える A細胞あるいは核の異型度が高い B35歳未満 CER、PGR共に陰性である」のいずれかの条件を満たす場合は、タモキシフェン及び多剤併用化学療法が推奨されており、タモキシフェンは再発率を26%減少させる事になっています。320人〜300人の26%である83人〜78人に対して再発を防ぐという考え方です。(文責 須田)

 

No.6614】  07年04月26日  A  
乳首について

お忙しい所申し訳ありませんが、教えて下さい。線維腺腫なんですけど、上内部と上外部の中間の乳輪にも少し入っている感じのシコリです。大きさは2センチ弱です。シコリのあるほうの乳輪が一回り小さいです。陥没、ヒキツレはなしです。もともと一回り小さいのか、線維腺腫によるものなのでしょうか? 教えて下さい。お願いします。

メール内容だけでは情報不足で、直接診察する必要があります。乳腺に腫瘤がある場合は、乳腺外来、乳腺外来がない場合は外科を受診してご相談下さい。不安を取り除く為にも直接診ていただくことが大切です。(文責 須田)

 

No.6613-1】  07年04月26日  Y 
術後補助療法

温存+センチネル後の病理結果は、「乳頭腺管癌、腫瘍径8mm、センチネル0/1、グレード1、脈管侵襲なし、ER+(<10%)、PgR+(<10%)、Her2 1+」でした。その他では、「浸潤度g+、断端5mm以内+、」乳管内進展+、」壊死コメド+、石灰化ー」です。術前化学療法はしていませんが、術後放射線を30回しました。54歳、閉経後です。
術後の治療として、「抗がん剤+ホルモン、抗がん剤のみ、ホルモンのみ、何もしない」という4つの選択があると思います。ER、PgR10%未満で陽性というところで、とても迷っています。受容体が10%未満では、ホルモン療法の有効性はあまりなさそうだし、かといって抗がん剤をするほどの予後不良因子も見当たらず、でも何もしないのは再発転移の不安が残ります。先生はどう思われますか。私の場合、どのような療法が最も適しているのか、アドバイスいただけませんか。抗がん剤、ホルモン療法が必要なら、どの薬剤を選べばいいのかもご意見いただけたら、とても参考になると思います。最終的には主治医と相談の上決めるつもりですが、他の先生方のご意見も伺いたく、メールさせていただきました。よろしくお願い致します。

乳癌手術後の薬物療法の適応について、病理検査の結果をリスクカテゴリーに分類すると、貴女の場合は、「腋窩リンパ節転移 陰性、病理学的腫瘍径2cm以下(0.8cm)、グレード1、脈管浸潤(−)、HERU/neuの過剰発現遺伝子増幅なし(1+)、年齢35歳以上(54歳)」となり、低リスクとなります。また、ホルモン感受性は、HER(+)、PGR(+)ですので、内分泌反応性です。これを術後の薬物療法の考え方に当てはめますと、「低リスク、内分泌反応性」ですので、ホルモン療法、又は無治療という事になります。精神的に不安がある・・・という事ですので、ホルモン療法(フェマーラ)を行なうのも一つの選択しかと思いますが、いずれにしても貴女の状態を最もよく把握して下さっている主治医と充分ご相談し、納得のいく治療を選択する事が大切です。(文責 須田)

 

No.6613-2】  07年05月01日  Y 
術後補助療法(2)

HPNo.6613のご回答、ありがとうございました。私もER,PgRが90%とか95%あれば何の迷いもなく ホルモン療法のみを受けると思います。でも私の場合、両受容体が10%ないため反応性も少なく、化学療法の併用、もしくは化学療法単独も考慮すべきなのではと思ったしだいです。
1) ホルモン受容体が10%ないということは感受性もほとんどないと考えて良いですか。
2) そうなら、感受性がないこと自体がリスク要因になり、リスクカテゴリー分類でも低リスクではなく、中間リスクになるのではありませんか。
3) 化学療法の必要性はありますか。その理由も教えてください。
4) ホルモン療法に関してはどうでしょうか。

再発転移を避けるため、又後で後悔しない為にも、今できることは全てしておきたいと思っています。重ねての質問で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

一般にホルモン受容体の検査は、がん細胞を調べて、その10%以上がホルモン受容体染色に陽性を示す場合、「陽性」とされていますが、10%未満でも、オールレッドが示した染色性をスコア化したもので、3以上であれば、レトロゾール(フェマーラ)の効果が期待できます。
リスクカテゴリー分類には、現在はホルモン受容体は含まれていません。ザンクトガレンのリスクカテゴリーに従った治療をするとすれば、ホルモン療法(フェマーラ)か、無治療ということになります。主治医の先生とご相談して、今後の治療方針を決めて下さい。(文責 須田)

 

No.6612】  07年04月26日  R 
細胞診

福岡在住の50歳の主婦です。乳腺外科で乳癌の検査をしたところ、マンモグラフィーの結果はよかったのですが、エコーの検査で1cmぐらいのしこりがあると言われました。手で触っても、しこりはわかりません。エコーの検査でわかりました。そこで細胞診の検査を一回しましたが、検査の結果がわからないとのことでしたので、もう一回細胞診の再検査をすると言われました。一回の検査で、どうして細胞診の結果がでないのでしょうか?あまり針は刺したくないのですが・・・。二回も検査をして、わからなければ局所麻酔をして、しこりの一部又は全部を取って検査されるそうです。メスを入れたら傷がついてしまうので、メスは入れたくないのです。私は喘息があるので、MRIの検査ができないそうです。私はまだ生理があり、血液検査は異常ありませんでした。

穿刺吸引細胞診は、病変部に直接針を刺して注射器で細胞を吸出し、それを顕微鏡で調べて、病理医が判定します。患者さんに対する負担が少ないので外来での検査に適するのですが、欠点は、必ず病変部の細胞がとれるとは限らない事です。従って、どこの施設でも、誰が行なっても、充分な細胞が摂取されていない可能性があり、その場合は何回か細胞診を行う事になります。貴女の場合も、1回目の検査では充分に細胞が摂取されなかったのだと思いますが、これは誰にでも起こりうる事です。細胞診で結果が出ない場合は、次の検査として、マンモトーム生検、外来生検を行ないます。MRIや血液検査は、乳癌を直接確定診断するものではなく、他の検査結果と合わせて総合的に診断するものです。今後の検査について主治医に充分お話を伺い、納得のいく検査を進めてください。(文責 須田)

 

No.6611】  07年04月26日  R.I. 
ホルモン剤について

50歳です。昨年7月、2cmしこりの右乳房全摘手術を行い、リンパ節転移なしで抗がん剤治療は受けず、現在タスオミン服用中です。術後ホルモン剤服用初めから8ヶ月は生理が止まりましたが、今また生理がきました。閉経間近の兆し中ですが、薬の服用で生理がとまる事もあると聞いておりますが、止まるというのは、ホルモン剤が効いているという事でしょうか。そうだとすれば、また生理が始まったのは、薬の効果がうすれているという事でしょうか。初めての相談です、よろしくしくお願いします。

生理が始まった事と薬の効果とは関係ありません。ホルモン療法の副作用として、性器出血・膣合成物の増加・膣の乾燥等の症状が出現する事があります。子宮がんの一つの症状としての性器出血という事もあり得ますので、婦人科で検診を受け、癌の心配が否定されれば、ホルモン療法の副作用と考えてよいと思います。主治医ともご相談の上、念の為に婦人科を受診して、子宮がんでない事を確認されたほうがよいと思います。(文責 須田)

 

No.6610】  07年04月26日  K 
非浸潤癌のホルモン療法について

今月初め温存手術をした39歳です。来月から放射線療法を始める予定です。今後のホルモン療法についてお伺いしたくメールしました。
病理の結果は、「非浸潤癌、断端(−)、核異型2、ホルモン感受性あり」でした。今後ホルモン療法は受けた方がよいのでしょうか? 本・インターネットなどで調べたところ、非浸潤癌が確定で手術で取り切れている場合、ホルモン療法は必要ないという意見と、反対側の乳房のがん発症予防の為にも受けた方が良いという意見もあり迷っています。よろしくお願いいたします。

「乳癌診療ガイドライン(1)薬物療法」(日本乳癌学会編)によると、ホルモン感受性早期乳癌に対しては、術後5年間のタモキシフェンの内服は充分なエビデンスがあり、これを日常診療で実践するように強く推奨されています。これによって、10年のフォローアップで、「再発の減少率は47%、死亡の減少率26%、反対側乳癌発症の減少率47%」という報告もあります。術後のタモキシフェンの内服は、患者さんの背景や治療法に関わりなく、10年生存率を向上させると言うことになっています。主治医と充分ご相談の上、前向きに、納得のいく治療を選択してください。(文責 須田)

 

No.6609】  07年04月26日  H.S.
再発・転移の検査について(HPNo.6332-3)

HPNo.6332で2回質問させて頂きました。その節は、どうもありがとうございました。今日は検査について教えてください。今はノルバデックス処方にあわせて3ヵ月毎の受診で、毎回血液検査(腫瘍マーカー含む)と触診を受けています。検査でも自覚的にも今のところ異常なしで、6月に術後3年の節目で残った側のマンモを受けます。以前通っていた病院(手術を受けた地元の市民病院)では、毎年CTで内臓などを調べる方針でしたが、今通っているがんセンターでは、昔は定期的にCT検査をしていたが今はやらないそうです。再発の場合、早期発見でも症状が出てからでも治療実績に変わりはないから、という説明でした。希望ならやってもいいけど実際役に立つとは考えられないし、検査予約もずいぶん先まで入っているぐらい混んでいる、というお話でした。腫瘍マーカーだけでは指標として不十分という事ですから、受けさせてもらった方が良いのかどうか迷っています。一年毎ぐらいには受けた方が良いのでしょうか?

日本乳癌学会編「乳癌診療ガイドライン(4) 検診・診断」によると、術後のフォローアップとしてエビデンスのあるものは、問診・視触診とマンモグラフィーの2つだけです。
1) 問診・視触診により再発の15%が発見されており、再発をきたす可能性の高い術後3年間は3〜6ヶ月毎に、その後は6〜12ヶ月毎に、以降年一回行う事が推奨されています。注意深い問診・視触診を行ない、何か異常があれば、それに応じた検査を行う事になります。
2) 1年毎の反対側マンモグラフィーは、触診のみよりも臨床病期が早い段階で発見され、有用です。乳房温存術後の同側マンモグラフィーに関しては、有用性が証明されておりません。
3) 術後の血液検査、胸部或いは腹部CTの有用性は明らかではなく、胸部X線検査、骨シンチ、肝超音波検査、腫瘍マーカーについても有用性は明らかにされておりません。従って、臨床現場では「念の為に」という考えの下で検査が行われていますが、術後一律に検査を受けるのではなく、体調に何らかの変化があった場合、その状況を正確に主治医に伝え、想定される病状を前提とした適切な検査を受けるようにしましょう。その為には、日頃から主治医と充分なコンタクトを取っておく事が大切です。(文責 須田)

 

No.6608】  07年04月26日  M.Y.
術後化学療法から乳房再建までの期間

医療関係者で申し訳ございませんが、専門医の方にお聞きしたいことがあります。
乳癌術後(StageUA)の患者様で、現在、ドセタキセル 90mg/3w×4の術後の化学療法をしております。再発はなく、お仕事している方なので早めに自家組織移植よる乳房再建を希望されております。化学療法後、どのくらいの期間をあけたら、手術を施行してもよろしいものでしょうか?できるだけ、期間をあけた方がいいのはわかるのですが、専門医の方のご意見や文献などがありましたら、ご紹介いただけますでしょうか? お忙しい中、大変申し訳ございませんが、何卒、よろしくお願いいたします。

乳癌術後とありますので、二期再建の場合と思われます。放射線治療は行っていないとは思いますが、放射線治療後の場合は、一見正常に近い皮膚や皮下組織も弾力性や伸縮性に乏しく、感染を起こしやすくなっていますので、注意を要します。
化学療法終了後約2Wで好中球減少のピークになると考えますと、終了後3〜4週の時点で採血検査にてすべてが基準値であることを確認した後、形成外科医に相談されるのが良いと思います。原則として比較的若い方はインプラント法、40〜45歳以上の方は自家組織移植が適すると考えられていますが、患者さん、形成外科医、外科主治医の3者で充分話し合って、それぞれに適した手術時期や手術方法を選択する事になります。新乳房を再建する事で再発が増えたり、再発の診断に影響するような事はありません。
参考図書 「医学のあゆみ」別冊 乳腺疾患 2004年6月10日 都立駒込病院 形成外科 (文責 須田)

 

No.6607】  07年04月26日  Y.K. 
乳輪部付近のくぼみ

2歳と4歳の子どもを持つ26歳です。最近気が付いたのですが、右側乳房の乳輪脇(乳輪から指1本分位の距離をおいた場所)に、右手をまっすぐ上に挙げると、縦1.5〜2cmくらいの、うっすらですがくぼみが出来ます。乳がんの自己検診をしてみたのですが、しこりのようなものはないようです。とても心配しています。

直接診察していないので、推察の域を出ませんが、右上肢を挙上すると乳輪部付近にえくぼができるということは、一般的には、えくぼの直下に何らかの原因でひきつれができて皮膚が固定され、くぼみができていると考えられます。乳腺外来を受診して、しこりがあるかないか、確認する必要があります。不安を取り除く為にも、一度専門医に診てもらってください。(文責 須田)

 

No.6606】  07年04月25日  I
術後の治療について

初めてメールいたします。56歳です。2月に右乳房温存手術を受けました。「6ミリの浸潤癌で、リンパ節転移なし ステージ1」との事で、癌は取りきれているからと言われました。「CNBでER90パーセント PgR90パーセント HER2 0」との事、アルミデックスを飲みはじめました。飲み始めて最初の検診の時に、オペ時癌細胞の報告書が見せられました。「ER90パーセント PgR84パーセント HER2 2+」となっていました。病理検査で、HER2が陰性から2+に変わる事はあるのですか? また詳しい検査をされるとの事です(HER2が1+か3+か調べる)。もし3+の時にはどのような治療になりますか? 心配です。宜しくお願いいたします。

CNBで採取された組織量と手術で切除した組織量に差があったのでしょう。手術で切除したものの病理検査がより正しいと思います。あなたの乳がんがHer2陽性の場合、ホルモン療法単独、あるいは化学療法+ホルモン療法などの選択があると思います。術後温存乳房に対する放射線療法も行われると思います。(文責 首藤)

 

No.6605】  07年04月25日  Z 
フロモックス

乳癌にフロモックスを使うのはどうしてですか? 理由を教えていただけたら嬉しいです。

フロモックスは内服抗生剤の一種です。(文責 首藤)

 

No.6604】  07年04月25日  sk
術後治療と再発・転移の可能性

相談室の内容は、大変貴重な情報がたくさんあり、自分自身の今後の治療について勉強になります。先週、温存手術・センチネル生検を行う形で手術を行いました。結果的には石灰化している部分が広がっていたため、全摘となりました。病理検査の結果は
1)腫瘍は1.7×1.4cm大の乳癌で、周囲への非浸潤癌の広がりは6.0×4.5cmの乳癌で十分に切除できています。
2)腋窩リンパ節には転移なし。
3)女性ホルモンに対する感受性は、エストロゲン、プロゲステロンともに陽性。
4)乳癌細胞の核の異型度は3で、HER2の発現は強陽性。

以上の結果を踏まえて、私の年齢も若い(35歳)ということもあり、今後は、CEF療法を3週間おきに1回、6回繰り返すそうです。 その後、ホルモン療法とハーセプチンを使うそうです。異型度は3、HER2は強陽性という結果から、再発・転移の可能性が高いため、今やれることをすべて行うとすれば、上記の選択で間違いないこともわかります。上記治療により、10年生存率を9割代まで引き上げることも可能になるのでしょうか。再発・転移の可能性を何%まで下げることができるのでしょうか。異型度が高いと抗がん剤が効きにくいと聞いたことがあるので不安です。癌を根絶させることは、可能なのでしょうか。

Adjuvant! OnlineのVersion8で検索すると、あなたの場合、無治療では約30%の再発率があり、ホルモン療法単独で再発率は約20%に下がり、これに標準化学療法を加えると再発率は約15%となります。また化学療法にタキサン系薬剤を加えると再発率は約12%となります。タキサン系薬剤にはしつこい末梢神経障害(しびれなど)があり、それに耐えて差し引き3%再発率を下げるか、アントラサイクリン系主体の化学療法のみで様子を見るかは議論の分かれるところです。またこれはあくまでひとつの指標として参考にしてください。ちなみに最近行われたザンクトガレン会議では、この検索システムで提示される再発率が少し高すぎるのでは、という批評があったようです。(文責 首藤)

 

No.6603】  07年04月25日  Y 
放射線照射のスケジュールについて

34歳の女性です。3月22日に乳房温存手術をしました(リンパ転移はなし)。術後の病理検査の結果、非浸潤がんで、薬物療法は行わず放射線照射を30回する予定です。放射線治療開始のタイミングについて迷っています。病院は4月26日(木)(術後35日目)から治療可能との事ですが(土日祝祭日は休み) 、すぐにゴールデンウィークの連休に入るため治療が一時中断してしまいます。それよりは連休明けの5月7日(術後46日目)から開始し、連続した治療を受ける方がより効果的なのか、4月26日(術後35日目)から早めの治療を開始する方が効果的なのか、どうかご助言よろしくお願いします。

基本的には早めに放射線療法を開始されることをお勧めします。(文責 首藤)

 

No.6602-1】  07年04月25日  K・M
両側乳がん・RFA

2005年5月に左乳がん(左脇)の手術をしました。結果は「大きさ2.5センチ・核異型度T・リンパ節転移なし」でした。センチネルリンパ生検で温存することができました。2006年3月、術後からあった赤いおできのようなものが段々大きくなり、取って調べた所、がんでした。局所再発ということで、4月〜5月、放射線治療を受けました。2007年2月の定期検診でマンモグラフィーを受けましたが、異常無しでした。ところが、この4月(つい先週の日曜日)右側の乳房の乳首の下にしこり、その少し脇にも小さいしこりがあることに気づき、検査を受けました。エコーで乳首下が1.5センチ、その脇が6ミリ程度のしこりでした。乳管の途中にしこりができ、その先に大きいしこりができているとのことでした。針生検を受け、今は結果待ちです。そこで質問4点お願いします。
1) 2ヶ月で1.5センチのしこりができるということはあるのでしょうか。2月に何でもないと言われたのに・・・という気持ちがあり、検査に不信感を抱いています。
2) 乳輪にかかる所にしこりがあるのですが、もし手術となった場合、乳首も取らなければならないのでしょうか。
3) また今後放射線治療は受けられるのでしょうか。前回は左胸に50グレイ・局所に10グレイ合計60グレイ受けました。
4) RFAという方法もあることを知りました。ただ、症例が少なく、しかも県外の病院に通わなければなりません。「手術・県内の病院又はRFA・県外の病院」どちらがよいでしょうか。再発率が低く、しかも見た目もなるべく損なわない方法を探しています。結果が出たわけではないので、まだ分からないのですが、可能性は高いと思いメールしました。よろしくお願いします。

右側のしこりが何であるかによりますが、もし左側の乳がんが関係しているものであれば急速に大きくなることもありえます。乳輪直下であれば乳頭も切除しなければならない可能性が高いと思います。反対側乳房に放射線療法は可能です。ラジオ波は未だ「試験治療」のニュアンスが高い治療法です。もし右側の病変が乳がんであり、それが比較的広い範囲であればRFAは厳しいかもしれません。局所的な治療であればRFAとなりますが、もし全身的な治療が必要な場合は手術をうけられた病院でのフォローが良いように思われます。(文責 首藤)

 

No.6602-2】  07年05月04日  K・M
検査結果について

HPNo.6602で相談させていただいたK・Mです。たった今、検査結果がわかり、やはりがんでした。検査を受けた病院と手術を受けた病院が違うため、「あとは手術をする病院で聞いてください。」とのことで、検査結果を渡されただけで、詳しく聞くことはできませんでした。来週7日(水)に手術をした病院に検査結果を持っていきますが、不安なので教えてください。
1) non-invasive ductalcaninomaとあります。非浸潤がんでいいのでしょうか。
2) 「cell at ypzm=3 nutois=1 grade=2」とあります。グレード2というのはU期ということですか。エコーで見た時は1.5〜1.6センチということで、T期早期がんと思っていましたが・・・。

検査結果にある字が読み取りにくく、つづりが間違えているかもしれません。お忙しい中すみません。返信お待ちしています。

1)そのとおり非浸潤性乳管癌のことです。
2)ここでいうグレードとは組織学的悪性度のことを指しており、T期、U期という”ステージ ”のことではありません。ステージは、しこりの大きさや広がり具合、腋窩リンパ節転移の程度、多臓器への転移の有無で決定されます。(文責 谷)  

 

No.6602-3】  08年08月14日  K・M
エスロゲンに似た作用をする食品の摂取は?

HPNo.6602で相談させていただいた者です。いつもありがとうございます。HPNo.6602で相談した右胸は、昨年6月に全摘しました。その後、今年4月に残っていた左胸も2回目の局所再発(大きさ1センチ)をして、こちらも全摘。いずれのがんも最初と同じく核異形度Tでホルモンがよく効くタイプということで、右胸の術後から始めたノルバデックス服用に加えて、この6月より1ヶ月に1度ゾラデックスを注射しています。左右共にリンパ節への転移はありませんでした。今のところ幸いホルモン療法による副作用はありません。ただ、今後の骨粗鬆症予防や美容的なlことも考えて、エストロゲンに似た作用をする食品(大豆イソフラボンのサプリメントやザクロジュースなど)を取りたいと思っています。適量なら取ってもよいでしょうか。それとも全くやめておいた方がよいでしょうか。「再発させない」ということを第一にして考えると、どちらがよいでしょうか。

大豆イソフラボンやザクロジュースには、受容体に結合してアゴニストとして働き、エストロゲン様の作用を有する植物エストロゲンが含まれています。これらはエストロゲン様の活性を持つがゆえに、乳癌や子宮頸癌などのリスクに関係することが考えられます。一部のマスコミが乳癌の発症リスク高めると報道しましたが、これは誤報だと指摘されたりしています。また食品安全委員会は現在のところ、大豆イソフラボンの摂取が女性における乳癌発症の増加に直接関連しているとの報告はないと言っています。また、厚生労働省研究班による大規模なコホート研究では、食品からのイソフラボンの摂取量が多いほど日本人女性の乳癌のリスクが低下するという相関関係がみられたとの報告もあります。今のところ、適量なら取ってもよさそうとする意見が多いように感じます。(文責 石川)

 

No.6601】  07年04月25日  N 
オキシコンチン

去年局所再発し、いくつか潰瘍になっています。ロキソニンではいまいち効かないので、10日くらい前にオキシコンチンを処方されました。そこで質問です。
1) 私があまりに麻薬に恐怖を抱いてたので、5ミリグラム1日一回で処方されました。ロキソニンより効いていると思いますが、痛みがあります。薬が切れる前に痛みがでてくるということでなく、飲んで12時間の間も痛いのですが、1日二回飲めば痛みがましになりますか?
2) または10ミリグラムに増やすべきですか?
3) もう10日間も飲んであまり効いてないということは、5ミリグラムを1日二回にしてみるか、10ミリグラムにするか、どちらにしたほうがいいですか?
4) 5ミリグラムで特に副作用はありません。10ミリグラムにしたら副作用がでますか?
5) オキシコンチンを飲んだとき、一緒にロキソニンを飲んでもいいのですか?また倍に効果がでますか?
6) オキシコンチンを1日二回のとき、12時間ごとだと思いますが、食事とは関係無く服用ですね?
7) 来週ハワイに行くのですが、日本で21時に飲んだら、日本時間9時と21時は、ハワイで14時と深夜2時になってしまいます。どうしたらいいですか?

オキシコンチンは徐放剤といわれる錠剤でできており、1錠が12時間かけて溶けるようになっています。いいかえると1錠で12時間痛みをおさえることができます。従って、12時間ごと一日2回飲んで一日24時間の痛みをカバーできます。一日2回飲んでも痛い場合、痛みの種類にもよりますが、方法としてオキシコンチンを増やすかあるいはロキソニン、アセトアミノフェンや抗神経剤などの補助薬をオキシコンチンと併用する、の2つがあります。特に副作用が無く、かつ痛みが残るのでしたらオキシコンチンの増量がよいかもしれません。服用は基本的に食事とは無関係です。少し調節して日本で7時と19時に飲めばハワイで正午と深夜0時になりますね、これなら可能でしょうか、少し時間ずらしをされてはいかがでしょう。(文責 首藤)

 

 

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