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相談室(No.6501〜6600)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

ご相談メールの投稿はこちらからお願いします。

なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

6600 07/04/25 P  母70歳のがんについて(セカンドオピニオン) 首藤
6599 07/04/22 モモ 妊娠について 首藤
6598 07/04/22 K.I.  断端陽性について 首藤
6597 07/04/22 H.A.  良性腫瘍摘出後の痛み(HPNo.6515-2) 首藤
6596 07/04/22 M K  抗癌剤投与について(HPNo.6477-3)  首藤
6595 07/04/22 H.S 骨シンチの結果について 首藤
6594 07/04/22 M.I.  全摘手術について 首藤
6593 07/04/22 K・K 良性の腫瘤について 首藤
6592 07/04/21 Y.E.  乳首真下の腫瘍 首藤
6591 07/04/21 Y.A.  タモキシフェンによる不眠 首藤
6590 07/04/21 M 線維腺腫が大きくなりました(HPNo.6582-2) 首藤
6589 07/04/21 E.Y.  小学生の乳首の腫れ 首藤
6588 07/04/21 M.O.  骨転移について(2)(HPNo.6313-2) 首藤
6587 07/04/21 HM ザンクトガレン2007 首藤
6586 07/04/21 S.E ホルモン治療後の生理について 首藤
6585 07/04/19 H.K.  妊娠について  首藤
6584 07/04/19 S.I.  ノルバッテクスについて 首藤
6583 07/04/19 MS 術後補助療法について 首藤
6582-1
6582-2
07/04/19
07/04/21
M 細胞診
線維腺腫が大きくなりました
首藤
首藤
6581 07/04/19 R  左乳輪の広がりと、乳頭の痒みについて 首藤
6580 07/04/19 SS 抗がん剤終了後について 首藤
6579 07/04/19 KY アリミデックスの服用期間 首藤
6578 07/04/18 Y.F.   抗ガン剤の適用について 首藤
6577 07/04/18 T.A.  乳腺のう胞症と乳腺腫瘍 首藤
6576 07/04/18 K.S.  抗癌剤の副作用 首藤
6575 07/04/14 NN ホルモン療法の副作用? 鈴木
6574 07/04/14 H   乳癌の細胞診について 鈴木
6573 07/04/14 マンモグラフィーの画像について 鈴木
6572 07/04/14 K  ホルモン受容体10%未満 その2(HPNo.6563-2) 鈴木
6571 07/04/14 R.F 良性のしこりがあり、経過観察状態です。(HPNo.6253-3) 鈴木
6570 07/04/14 F  投与量について(HPNo.6500-2) 鈴木
6569 07/04/14 M 手術以外の選択について 鈴木
6568 07/04/14 M.I.  骨転移について 鈴木
6567 07/04/14 B・P  胸の痒みについて 鈴木
6566 07/04/14 A   乳腺線維腺腫 鈴木
6565 07/04/14 D.M.  乳房付近の痒み 鈴木
6564 07/04/14 F.M. 経口抗がん剤について 鈴木
6563-1
6563-2
07/04/11
07/04/14
K  ホルモン受容体10%未満
ホルモン受容体10%未満 その2
清水
鈴木
6562 07/04/11 M子 ゾメタ点滴中の歯の治療について 清水
6561 07/04/11 T  抗がん剤治療とイビキ 清水
6560 07/04/11 R アロマターゼ阻害剤の副作用について 清水
6559 07/04/11 M.T.  外科生検後の乳房の痛み 清水
6558 07/04/11 Y.O.  局所再発の治療方針(HPNo.6428-2) 清水
6557 07/04/11 Y ホルモン治療の副作用について 清水
6556 07/04/09 K.Y.  乳頭血性分泌物 清水
6555 07/04/09 C.M.  1ヶ月前に左胸を強打しました 清水
6554 07/04/09 K  悪性でないと判断された腫瘍 清水
6553 07/04/09 ケロロ 胸の痛みについて 清水
6552 07/04/07 S 術後のひきつりについて  清水
6551 07/04/07 Y.T 骨転移判断に必要な検査は何でしょうか? 清水
6550 07/04/07 MK 再発(HPNo.6474-2) 清水
6549 07/04/07 M.K.  腫瘤(+)との検査結果が出たのですが・・・ 清水
6548 07/04/06 K.Y.  今後の治療について 清水
6547 07/04/06 s 肺転移後の治療について 清水
6546 07/04/06 N 両胸の硬いしこり 清水
6545 07/04/06 K.T. 腫瘍切除の件 清水
6544 07/04/06 N.C.  下腹部の違和感について 清水
6543 07/04/06 K.C. パジェット病もしくは乳癌などの可能性は? 清水
6542 07/04/04 癌の診断 清水
6541 07/04/04 K.S.  NCC−ST−429について 清水
6540 07/04/04 H・N 手術後の運動について 清水
6539 07/04/04 A.W. 初診 清水
6538 07/04/04 R.H 再発57歳母の事で質問です 清水
6537 07/04/04 Q  病理結果について 清水
6536 07/04/04 S.Y 乳頭の痒み等について 清水
6535 07/04/01 K  腫瘍マーカーICTPが上昇したのですが・・・ 加藤
6534 07/04/01 N.S. センチネルリンパ生検 加藤
6533 07/04/01 C マンモトーム後のしこりと血性分泌 加藤
6532 07/04/01 L・C  同時両側乳がん 加藤
6531 07/04/01 Y.S.  センチネルリンパ節生検とゾラについて(HPNo.6264-3) 加藤
6530 07/04/01 S 妊娠中からのわきの下のしこりについて  加藤
6529 07/04/01 K.M. 乳腺嚢胞と診断されましたが・・・ 加藤
6528 07/04/01 M 左乳房全摘後の治療について 加藤
6527 07/04/01 D  乳ガンの不安 加藤
6526 07/04/01 k m ハーセプチンの投薬間隔について 加藤
6525 07/04/01 確定診断が出ない場合の治療について(HPNo.6344-4) 加藤
6524 07/04/01 O・E 母の乳房のしこりについて 加藤
6523 07/04/01 メイ 薬物療法 加藤
6522 07/04/01 KK   卵巣保護と抗がん剤 加藤
6521 07/04/01 M.Y. 母の症状についてお知恵をお貸しください 加藤
6520 07/04/01 ホルモン剤とマーカーについて 加藤
6519 07/04/01 K.O マンモトーム検査後の傷 加藤
6518 07/04/01 M.O. 手術後の経過観察について 加藤
6517 07/04/01 M 悪性葉状腫瘍について(4)(HPNo.5500-4) 加藤
6516 07/04/01 T・K 術前化学療法で腫瘍が消失したのですが、手術した方が良いかどうか? 加藤
6515-1
6515-2
07/03/26
07/04/22
A.H. 術後の痛み
良性腫瘍摘出後の痛み
片山
首藤
6514 07/03/26 O  温存手術で放射線治療をしていません 片山
6513 07/03/26 H  副作用について 片山
6512 07/03/26 R.F.  のう胞が腫瘍に姿を変える事はありますか?(HPNo.6253-2) 片山
6511 07/03/26 S.O. 術後出血について 片山
6510 07/03/26 k。k 手術後の検査について 片山
6509 07/03/26 B ホルモン療法の副作用について 片山
6508 07/03/25 T  熱が下がりません 片山
6507 07/03/25 E.B 乳がん検診結果について 片山
6506 07/03/25 N.M.   乳がん手術について(HPNo.6447-2) 片山
6505 07/03/25 S  腫瘍マーカー、NCC-ST-439について(2)(HPNo.6496-2) 片山
6504 07/03/25 M・S  乳房のしこりの検査方法について 片山
6503 07/03/24 N.H.  ホルモン療法について 片山
6502 07/03/24 K 左乳房のしこりについて 片山
6501 07/03/24 K 術後の治療について(2)(HPNo.6485-2) 片山

 

 

No.6600】  07年04月25日  P
母70歳のがんについて(セカンドオピニオン)

2年前に乳がんになり、全摘して、去年の春に肺に影が見つかりまいた。「何かわからないので様子を見ましょう」と言われましたが、今年3月に少し大きくなったので、一番大きいのを取って細胞を調べました。「100パーセント転移といえないし、100パーセント原発とも言えない」と、あいまいな答えで、抗がん剤を4クール打つ事になりました。そういうことってあるんでしょうか? このままでは不安でなりません。ほかの病院でみてもらったほうがいいのでしょうか?

「転移とも原発とも言えない」というのは、切除した肺の腫瘤の細胞が癌細胞であることは間違いないが、それが肺がんなのか乳がんの転移なのか分かりにくい、ということでしょうね。組織学的に両者が似ていて何とも言えない、ということはあり得ると思います。今後の治療方針をどうするか、という意味でセカンドオピニオンを聞かれるのはよいと思います。(文責 首藤)

 

No.6599】  07年04月22日  モモ
妊娠について

HPNo.6585の妊娠についてを拝見いたしましてメールいたしました。揚げ足を取るようでもうしわけないのですが教えてください。
2005年12月に温存手術にて手術を行いました。センチネルにより転移はありませんでした。現在33歳です。主治医により二年は再発の確立は高いということで、妊娠は不安を抱えるよりは待ったほうが良いのではないかとアドバイスをいただきました。気になりましたのは、ホルモンレセプターがすべて陰性なのです。現在薬による治療はありません。上記相談室の方は、「ホルモン陽性の方は一般的には再発のピークがわからない。率は低いながらも再発の可能性がある」とのことでしたが、ホルモン陰性の場合はどうなのでしょうか? 一般的で結構ですので、教えていただければと思いメールいたしました。よろしくお願いいたします。

乳癌術後のかたを経時に観察すると、ホルモン陽性・陰性ともに術後2年あたりに再発の1つの山があります。この場合、陽性の「山」のほうが陰性の場合よりも勾配が緩やかで低いということで、再発のピークが分からないということではありません。ホルモン陰性の場合のほうが、あなたの主治医がいわれるように術後2年での再発のピークの「山」がホルモン陽性の場合と比べて高く、一方術後5年以降は顕著に低くなる傾向にあります。(文責 首藤)

 

No.6598】  07年04月22日  K.I. 
断端陽性について

3月に左乳房上内側を温存手術した閉経前47歳です。病理検査の結果、「非浸潤癌 悪性度2 ER(陽) PgR(陽) HER2(検査せず) 脈管(?) 断端陽性 リンパ節転移(?)」でした。断端陽性なので、追加全摘か、放射線(30回、60グレイ)+ホルモン療法(ノルバデックス)を選択するように言われました。せっかく温存ができたので、できるだけ残したいとは思っているのですが、再発等(浸潤癌で再発する恐れもある)を考えると全摘をした方が良いのかと悩んでいます。もし、残した場合は、再発率などはどのくらいになるのでしょうか。よろしくお願いします。

断端陽性の場合、それが広範囲なのか狭い範囲なのか、完全に断端に露出しているのか、露出していないけれども断端間隔が数ミリ以下なのか、もともとの病変は広範囲なのか、小さい病変なのかなどを総合的に判断して放射線などで経過観察するのか、全摘のほうが良いのかを決めると思います。再発の可能性も前述のような要素を加味して判断すべきと思います。よく担当医とご相談ください。(文責 首藤)

 

No.6597】  07年04月22日  H.A. 
良性腫瘍摘出後の痛み(HPNo.6515-2)

以前HPNo.6515でお世話になっております。術後1か月と2週たちますが、何もしなくても強くうずきます。触ると、飛び上がるほど痛みます。熱はありません。切った表面は痛みませんが、中が痛いです。しばらくはこういう事もあるのでしょうか。もうすぐ生理ですが、関係ありますか。次回の検診は、心配なら半年、そうでなければ1年後です。痛みがあっても、検診まで放っておいてもよいでしょうか。よろしくお願いいたします。

症状が強くご心配でしたら、早めに受診されることをお薦めします。(文責 首藤)

 

No.6596】  07年04月22日  M K 
抗癌剤投与について(HPNo.6477-3) 

HPNo.6477‐1と2で妻の病状についてご回答いただいたM Kです。よろしくお願いします。手術を2月9日に行い、放射線治療が4月27日に終了予定で、ゴールデン・ウィーク明けから抗がん剤の投与が始まります。主治医の話では、選択肢としてACとCMFのどちらかが考えられるとの事でした。「ACは約3ヵ月、CMFは約6ヵ月の治療期間を要する事。前者は吐き気と抜け毛の副作用が後者より強いこと。治療成績は両者ともほぼ同等との事。再発率が20〜25%減らせる可能性がある事。その他、心臓、肝臓、膀胱に負担が生じる場合があること…等々」という事でした。これらの事から見ると、素人考えでは患者にとって、治療期間の長い事以外は、ACよりCMFのほうにメリットがありそうな気がするのですが…。
1) それでも主治医がACを勧めるのには何か理由があるのでしょうか? また、妻の病状にとって最も効果的と思われるのは、どちらの薬なのでしょうか?
2) 2月上旬に検査をした時点で、目に見える転移は無いとの事でしたが、4月20日現在で、骨に痛みの出るような転移をするというような事はあるものなのでしょうか? 妻はこの一ヵ月半のあいだ週5日毎日、車で往復150キロほどの病院に治療に通っているので、私としては車を長く運転した事によるただの腰痛だと考えているのですが、本人は転移かもしれないと、不安がっています。痛さはたいしたものではなく、腰が抜けるようなむずむずするような、朝起きるとき動かすと少し痛みを感じる程度だそうです。また、体全体がだるいとも言っています。主治医にも「転移ではないだろう。心配のしすぎだ」と言われたようなのですが…。また、前回の検査から日が浅過ぎるので、まだ検査する必要がないとの事でした。
3) 放射線治療を挟んだので、手術から抗がん剤投与まで、3ヵ月の期間があいたのですが、問題ないのでしょうか? その間に、転移、増殖はしないものなのでしょうか? もし増殖しても、今後の抗がん剤でガンを死滅させられるのでしょうか?
4) 血管に浸襲している場合は、リンパ節転移している場合と同等くらいの危険度(遠隔転移の可能性)があるのでしょうか?

以上四点よろしくお願いします。

1) 主治医の先生のおっしゃるとおり、効果はAC=CMFです。メリット・デメリットも説明を受けられたとおりです。
2) 主治医の先生が一番奥様の状況を把握されているわけですから、そのご意見が一番正しいと思います。
3) 転移とは主病変(乳腺のしこり)の細胞がリンパ管などを通して他の臓器に移動しておこるわけですから、術後に転移がおこることはありません。将来的に転移がみつかるとすれば、それは手術時にすでに転移が完成したものが現れてきたと考えられます。
4) 欧米での脈管侵襲とは主にリンパ管侵襲のことを指します。基本的には乳癌の転移にはリンパ系が大きく関与していると考えられています。(文責 首藤)

 

No.6595】  07年04月22日  H.S
骨シンチの結果について

母のことで、お聞きしたいことがあります。76歳の母は、3年前の4月に右乳癌の手術(乳房切除・リンパ節郭清)を受けました。手術後の担当医による説明では、「腫瘍の大きさ・約2.2センチ」、「リンパ節11個中、転移0」、「ホルモンレセプター・陽性」「組織学的悪性度 T」ということで、ホルモン療法を勧められ、「アリミデックス」を服用していましたが、「体のほてり」「だるさ」「はきけ」などの副作用がひどかった為、医師と相談し、1年半ほど服用した後、中止してしまいました。手術から3年経過した今月、定期検査で骨シンチの検査をしたところ、1箇所、腰椎部分に小さな異常を指摘され、1ヶ月後に、MRIの検査をすることになりました。手術当時の医師の所見では、「再発・転移の可能性は低い」とのことでしたのでホットしたところ、わずか3年で異常を指摘され、母も私もショックを受けると同時に、ホルモン療法を止めてしまったことを後悔をしています。そこで相談ですが、今回の検査結果は「転移」を意味するものなのでしょうか。もし、そうであるとすると、ホルモン療法を止めてしまったことと関係があるのでしょうか。

70代の方の骨シンチを拝見すると、腰椎の圧迫骨折や骨粗しょう症による集積がよく見られます。これ自体は加齢による変化なのですが、お母さまの場合もそのような可能性もあるため、現状では何とも言えません。MRI検査の結果を待ちましょう。治療中断との関係も現状では何とも言えません。(文責 首藤)

 

No.6594】  07年04月22日  M.I. 
全摘手術について

患者の年齢 55 歳、患者の性別 女性。患者の診断名または症状(現状) 乳がん、現在、抗がん剤(タキソテール)治療中。
現在までの経過:
H10年、胸のしこりに気づき、A病院で受診、嚢胞と診断される。H11年、A病院にて日帰り手術。良性と診断される。各年ごとに定期健診を受けるように指示される。H15年、B病院にマンモグラフィーが導入されたため、同病院にて受診。嚢胞が左右の胸に多数あるとの診断結果。組織検査の結果、良性との診断を受ける。半年から一年に一回の検診をするよう指示される。受診するたびに、嚢胞の組織検査・エコーを受ける。H18年、7月10日に嚢胞が張って痛く受診し、エコー・マンモグラフィー・組織検査の結果、8月18日嚢胞の裏に乳がんがあると診断される。同日、セカンドオピニオンを薦められ、C成人病センターでセカンドオピニオンを受けることになった。10月18日C成人病センターにて乳房温存療法で手術。各病院の医師たちの予想に反してリンパ5本に転移していた。11月17日、病理診断の結果、『乳頭線管癌』であると診断。大きさは1.8*1.0*2.0、核異型度 3、脂肪織浸潤+、リンパ管+、血管?、切除断面?、リンパ節(5/20)(センチネルリンパ節:2/2 レベル1 2/15 2:1/2 3:0/1)、ER+、 PgR?、HER2:1+。
炎症性乳がんになるリスクが大きいので、12月に乳房全摘の手術をすると言われた。医師との話し合いで、先に抗がん剤治療を始めた。12月4日からEFCを4クール、3月5日からタキソテールを4クール。5月30日に乳房全摘手術(予定)。以後、放射線療法を六週間、ホルモン療法を五年間していく予定。
主治医の意見:
炎症性乳がんになるリスクが高いので、全摘手術を薦めるが、
1) 全摘の後の病理診断の結果、がん細胞がない場合もある。
2) 全摘しても、リンパ管にあるがんは取りきれない。
3) 炎症性乳がんは発症数が少ないので医師により全摘手術するか、しないかは判断が異なる。
4) 抗がん剤治療が現在7クールまでうまくいっているので、このまま放射線療法からホルモン療法という選択肢もある。

質問事項:
全摘手術を受けるべきか、手術日もせまってきて本当に迷っています。どうぞよろしくお願いいたします。

内容を伺う限り、温存乳房をあえて切除する必要は無いように思われます。抗がん剤治療後に温存乳房に対する放射線療法というオプションもあってしかるべきと思います。(文責 首藤)

 

No.6593】  07年04月22日  K・K
良性の腫瘤について

52歳の主婦です。3月に受けた検診のマンモグラフィで「左乳房腫瘤の疑い」という結果が出ました。すぐに乳腺外科を受診し、触診、エコー検査で「1.5cm×0.6cmの腫瘤」と診断されたのですが、「形も平たく、やわらかいので良性の事が多く、6ヶ月後の再検査でよい」との事でした。最近、少し痛みや張りがあったりして、9月までほっといて大丈夫なのか心配になってきました。早めにもう一度受診した方がよいのでしょうか?

所見から推察するに線維腺腫などの良性腫瘍である可能性が高いと思いますが、もし今回が初回の検査であれば二回目の検査は3〜4ヵ月後が良いと思います。(文責 首藤)

 

No.6592】  07年04月21日  Y.E. 
乳首真下の腫瘍

昨年10月(当時36歳)から4クールで術前化学療法FECをした後、今年1月に右乳房全摘手術をしました。術後の病理では、「硬癌で、ホルモンはERのみ+、Her2−、核異型度・悪性度グレード1、乳管浸潤なし、静脈浸潤なし、リンパ節転移ナシ」との結果でした。術前療法前の腫瘍の大きさは、4.2×4×2.2cmでした。腫瘍の位置が乳首の真下にあったので、手術前「この場所は乳腺や血管が集まる場所なので、とてもよくない」と言われました。自分では、再発リスクは中程度なのだと思っていますが、10年生存率はどの程度でしょうか。主治医から、「再発率は1項目該当(腫瘍大きさ2CM以上)だから15%程度」と言われました。現在ノルバデックスのみを飲んでいます。もう手術後だからしかたがないのですが、普通乳首の真下に腫瘍がある場合は温存はできないものなのでしょうか。

乳頭直下の腫瘍がその他の部分の腫瘍よりも悪性度が高いということはありません。乳首の真下の腫瘍であれば乳首を含めてくりぬくような切除となり、結果として美容上満足のゆく温存術になることが困難だと思います。再発率をすでに主治医から提示されておられるようですし、生存率に関してはやはり主治医にご相談ください。(文責 首藤)

 

No.6591】  07年04月21日  Y.A.
タモキシフェンによる不眠

先日もお世話になったものですが、今回はお薬のことでお尋ねしたいことがあり、またメールさせていただきました。術後補助療法として、タモキシフェンを服用して2年半になります。最近精神的なストレスからだと思いますが、副作用?としての更年期障害がひどく、寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、目が覚めると同時にホットフラッシュが来るなどの諸症状があります。以前からホットフラッシュや夜中にたびたび目が覚めることはありましたが、いずれも軽いものでしたので、そのままにしていました。ところがここ数週間、日に日にひどくなっているようで、毎日寝不足が続いて、辛い思いをしています。更年期障害は自律神経が関係しているということで、それらの症状を緩和させるお薬として、一般的に精神安定剤(抗うつ剤)などが処方されると聞いています。タモキシフェンによる更年期障害でも、同じようなお薬が処方されるのでしょうか? その場合タモキシフェンとの同時服用にまったく問題はないのでしょうか?また、夜中に起こるホットフラッシュは、目が覚めなければ感じないものですので、とにかく朝までぐっすり眠れるような、単なる睡眠薬のようなものを処方していただくこともできますか? お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。 

タモキシフェンによるホットフラッシュはなかなか治療に難渋します。不眠に対しては基本的には抗うつ剤などが処方されることが多いと思います。 よく主治医の先生とご相談ください。(文責 首藤)

 

No.6590】  07年04月21日  M
線維腺腫が大きくなりました(HPNo.6582-2)

HPNo.6582です。お忙しい所教えてくださいまして、ありがとうございました。とても気になっていることがあるので、もう1つだけ質問させて下さい。お願いします。以前にも同じ質問をしたのですが、再度詳しく書きますので、先生の意見を聞かせて下さい。26歳、一児の母、完全ミルク。右胸にしこりがあり、一軒目の病院でマンモ・エコー・細胞診をしました。エコーで乳腺線維腺腫と言われましたが、自ら細胞診を希望し、エコーを見ながらの細胞診、クラス2でした。しかし半年後の検診で、しこりが大きくなっていました。1センチのしこりが1.6センチに。先生は特に気にしていませんでしたが 、大きくなっていることもあり、心配になり二軒目の病院へ。そこでもエコーで乳腺線維腺腫と言われましたが、細胞診を希望しました。結果クラス2でした。線維腺腫でも私のように大きくなるのですか? 不安です。大きくなる=ガンのイメージがあります。以上の結果から、先生はどう思いますか? ガンの可能性も、大きくなっている時点でありますか? 怖いです。お忙しい所本当に申し訳ありませんが、教えて下さい。お願いします。

線維腺腫のような良性腫瘍でも、ある程度女性ホルモンの影響を受けていることが考えられ、良性であっても大きくなることがあります。どうしても気になる、ということならば、切除も選択肢のひとつではないかと思います。(文責 首藤)

 

No.6589】  07年04月21日  E.Y.
小学生の乳首の腫れ

はじめてご相談させていただきます。小学3年生の娘のことです。左胸の乳首のまわり(乳輪)部分が腫れています。触ると痛いそうです。子どもでも乳癌とかになることがあるのでしょうか? ただの脂肪のかたまりならよいのですが…。小さな子どもでも乳腺外科とかにかかったほうがよいのですか? 近くによい小児科がありません。皮膚科などでも、みせればわかるのでしょうか? ほっておいて良いのかわかりません。よろしくお願いいたします。

文章だけでは分かりかねますので、一度お近くの乳腺専門医を受診されてはいかがでしょうか。(文責 首藤)

 

No.6588】  07年04月21日  M.O. 
骨転移について(2)(HPNo.6313-2)

HPNo.6313で相談したものです。最初に骨転移の疑いが出てから6ヶ月が過ぎました。先日骨シンチをしたところ、「前回11月の検査より同じ部分ではあるが集積が強く大きくなっている。恐らく骨転移であろう。」と検査部から言われました。また整形外科部の先生も、「骨の溶解などは見られないが、骨転移の疑いが強いです」とのことでした。その結果を見て、主治医は「これが骨転移かな?まあ骨転移かもしれないな。とりあえず、また5月にMRIを撮ってみましょう」と言われました。11月に指摘があって2月にMRIを撮り、今まで治療はアリミデックスのみで、また5月のMRIの結果を見てからとは、とても不安な気持ちです。セカンドオピニオンで他の乳腺専門の病院に行ってみようかとも思います。骨転移は早く治療しても差はないものなのでしょうか? 治療方法はゾメタプラス抗がん剤、それともゾメタとホルモン剤の組み合わせがいいのでしょうか? 放射線の効果はどうですか? 骨以外の肺などに転移があった時は、一般的にどんな治療方法があるのか教えて頂きたいと思います。お忙しいところ本当にすみませんが、骨転移は遠隔転移ということで、これからの生活や予後、子供のことなどを考え心配しております。ご回答をお願い致します。

ホルモン感受性の乳がんであれば、ホルモン療法の効果が期待できると思います。放射線療法は骨転移による疼痛緩和に有効とされています。遠隔転移に関しては、基本的にホルモン療法や化学療法といった全身療法が基本となると思います。単発(一カ所のみ)の肺転移に対しては胸腔鏡を使った切除などが行われることがあります。(文責 首藤)

 

No.6587】  07年04月21日  HM
ザンクトガレン2007

いつも拝見させて頂き、大変勉強になります。ザンクトガレン2007に於て、24のタイプに分類して治療を組み立てるそうですが、自分でやってみると、これがなかなか24になりません。そこで質問ですが、ホルモンは、「どちらかが」プラスなら、感受性アリだとか、不確実だとか、色々な所で違う(?)意見を聞きますが、「どちらかが」ではなくて、ERプラスPGRマイナスは不確実、ERマイナスPGRプラスは感受性アリ、ですよね。HER2プラスは、その時点でLOW RISKではないと考えて良いですか?(この認識の仕方、間違っていますか?) もう一つ、多くの方が待っているトリプルネガティブに使える特効薬は近々出てくるのでしょうか? 短い外来で聞きそびれて、こんな所で聞いて申し訳ありません。

24分類に関しては浜松オンコロジーセンターの渡辺亨先生が説明されておられるので、そちらをご覧ください。http://www.oncoloplan.com/
ER+ PgR−(不確実)、ER− PgR+(感受性有り)、Her2+はLow Riskではありません。Triple Negative (Basal like tumor) に対しては、アルキル化剤が有効ではないか、というデスカッションがなされました。本邦に於ける乳がんに対するアルキル化剤としてはエンドキサン(シクロフォスファミド)があり、FEC、CEF、ECなどの治療を受けられたかたにはエンドキサン(C)がすでに投与されています。(文責 首藤)

 

No.6586】  07年04月21日  S.E
ホルモン治療後の生理について

いつも参考にさせて頂いております。初めてご相談させて頂きます。39歳(未婚・今年結婚予定)で、昨年10月に右側乳房全摘+同時再建エキスパンダー挿入手術を受けました。リンパ転移なし(脈管浸襲は軽度であり)のT期癌で、昨年12月からホルモン療法(ゾラデックス+タモキシフェンを2年の予定)を始め、現在に至っています。39歳という微妙な年齢ですが、もし可能であれば来年12月にホルモン療法が無事終われば子供をもうけたいと考えております。来年暮れには41歳になっていることを考えると難しいのかなとも思いますが…。乳腺の主治医には、その様な希望を持っている旨も伝えた上で治療に入っているのですが、今日乳房再建のほうの医師から何気ない話の中で「このまま閉経になる確率が高い」という言葉がありました。この件で質問なのですが、(人によっても違うと思いますが、)やはり40歳を過ぎてしまうとホルモン治療終了後に生理が戻ってくることは確率的に低いのでしょうか? また、もしそうであればホルモン治療を中止して、今の内に子供を授かるということはリスクが大きすぎるでしょうか? お忙しい中恐れ入りますが、ご回答をお待ちしております。よろしくお願い致します。 

まずホルモン療法ですが、ゾラデックスは2年間注射、タモキシフェンは5年間内服が本邦に於ける標準治療です。ホルモン療法(特にゾラデックス)による完全閉経率は、化学療法施行時よりは低いものの、あなたのご年齢から推察するに無視できるほど低くありません。補助療法を行うことによる閉経の可能性は、あなたのご年齢から察するに、その可能性を含めて治療前に主治医から説明があってしかるべきかと思います。あなたの病期や詳細が不明なので、現在行われている治療がどの程度再発率を低下させることができるのか、治療を中断してご出産された場合と比較してあなたの利益バランスはどうなのか、といったことがこちらでは言えません。もう一度担当の先生にそのあたりをふまえて、ご相談されてはいかがでしょうか。(文責 首藤)

 

No.6585】  07年04月19日  H.K. 
妊娠について 

昨年12月に乳癌の乳房温存術を受けました。現在44歳、15歳よりSLEがあり、現在SLEはプレドニン2日に1錠で比較的うまくコントロールできています。ただ、15歳より30歳までは、肺炎や脳内出血で何度か入院をしています。温存手術後の放射線治療は、SLEがあるとの判断でうけてないです。妊娠を希望していますので、ホルモン治療はうけてないです。本日手術後の受診での先生の話では、「現在の段階で、妊娠をいつの時期でしたらいいかの例がない」との事でした。年齢的に、私としては可能性があるのであれば早くと思っていますが、いかがでしょうか? 手術後の検診の内容についてもお尋ねします。(今回は、レントゲンと採血、触診でした。)  宜しくお願いします。

あなたのリンパ節転移の有無など、詳しい状況が分からないので正確なことは言えません。しかし一般的にはホルモンレセプター陽性の乳がんは陰性の場合と比べて、再発率は低いのですが再発のピーク(術後何年目に再発しやすい)があまりはっきりせず、したがって術後10年間はしっかりとした経過観察がよいとされます。言い換えると術後10年間は、率は低いながらも再発の可能性があるということです。あなたの場合、ご妊娠をお考えであれば10年後は厳しいわけで、どこかで決心されて妊娠に踏み切ることになるのではないかと思います。よく担当の先生にご相談ください。手術後の検診としては数ヶ月ごとの触診・採血、1年ごとのCT・骨シンチ・超音波検査などが一般的です。(文責 首藤)

 

No.6584】  07年04月19日  S.I.
ノルバッテクスについて

2年前の4月に乳がんになり、ノルバッテクスを飲んでいます。1年半くらい生理がありませんでしたが、この間4日間ありました。これって、おかしいのでしょうか? 50歳の主婦です。ノルバッテクスは閉経にさせる薬で、生理は止まるのでは? 教えてください。

ノルバデックスは主にエストロゲンレセプターに作用する薬剤で、ゾラデックスやリュープリンなどのように「生理を止める」ことを目的としたものではありません。しかし、この薬の二次的作用から内服すると生理不順や無月経となることがしばしばみられます。したがって一旦止まっていた生理が回復されても異常ではありません。これとは別に、いわゆる不正出血と思われる場合は婦人科を受診されることをお勧めします。(文責 首藤)

 

No.6583】  07年04月19日  MS
術後補助療法について

私は現在ノルバデックス単独で術後補助療法を受けている者です。服用しはじめて4ヶ月目ですが、肌の透明感やシミが増えて、あまり顔色がよくなくなってきた様に思います。コラーゲンやコエンザイムをサプリメントで服用しても問題ありませんか? また、知らずにパキシルとノルバデックスを併用しておりましたが、最近読んだ本によると、パキシルはノルバデックスの効果を半減させる可能性がある、と記されていました。となると私は過去の四ヶ月間ノルバデックスの恩恵に半分しか預からなかった事になりますが、補助療法として問題なかったのでしょうか? 今さら仕方ありませんが(もちろん今後は併用をやめます)、再発を抑える力が弱かったとなると不安が残ります。よろしくお願いいたします。 

サプリメントとの併用がノルバデックスの作用にどのくらい影響するかということと、パキシルとノルバデックスとの併用ですが、前者はしっかりとした臨床試験を組んで併用時の影響を考察したデータはありませんし、またパキシルとの併用に関しても大規模臨床試験で証明されたものではなく、あくまで可能性を示唆したものですので、あなたの今までの治療が「半減した」ともいえません。まだ4年以上の治療が残っているわけで、今後に向けてしっかりとしたお気持ちでがんばっていただきたいと思います。(文責 首藤)

 

No.6582-1】  07年04月19日  M
細胞診

お忙しい所申し訳ありませんが、質問させて下さい。細胞診の正確度は、どれくらいなのでしょうか?

正確度は、施行する医師の熟練度、腫瘍の大きさや形状に左右されると思いますので、一概には言えません。「正確な診断」を得るためには、最低でも針生検、マンモトーム、組織診断が必要と考えるのが最近の傾向です。(文責 首藤)

 

No.6582-2】  07年04月21日  M
線維腺腫が大きくなりました

HPNo.6582です。お忙しい所教えてくださいまして、ありがとうございました。とても気になっていることがあるので、もう1つだけ質問させて下さい。お願いします。以前にも同じ質問をしたのですが、再度詳しく書きますので、先生の意見を聞かせて下さい。26歳、一児の母、完全ミルク。右胸にしこりがあり、一軒目の病院でマンモ・エコー・細胞診をしました。エコーで乳腺線維腺腫と言われましたが、自ら細胞診を希望し、エコーを見ながらの細胞診、クラス2でした。しかし半年後の検診で、しこりが大きくなっていました。1センチのしこりが1.6センチに。先生は特に気にしていませんでしたが 、大きくなっていることもあり、心配になり二軒目の病院へ。そこでもエコーで乳腺線維腺腫と言われましたが、細胞診を希望しました。結果クラス2でした。線維腺腫でも私のように大きくなるのですか? 不安です。大きくなる=ガンのイメージがあります。以上の結果から、先生はどう思いますか? ガンの可能性も、大きくなっている時点でありますか? 怖いです。お忙しい所本当に申し訳ありませんが、教えて下さい。お願いします。

線維腺腫のような良性腫瘍でも、ある程度女性ホルモンの影響を受けていることが考えられ、良性であっても大きくなることがあります。どうしても気になる、ということならば、切除も選択肢のひとつではないかと思います。(文責 首藤)

 

No.6581】  07年04月19日  R  
左乳輪の広がりと、乳頭の痒みについて

ここ2,3ヶ月、乳頭がとてつもなく痒い時がたまにあり、生理やストレスのせいだと思い、放っておきました。2日前、生理の終わる日だったのですが、やたらと痒く、我慢できなかったので服の上から掻きました。気になって鏡で見てみたところ、右よりも左の乳輪が少し広がっていました。左脇には半年前位からしこりがあります。最近は腕がしびれる時がたまにあります。半年前に産婦人科でエコーで診て頂きましたが、「問題はないです」と言われました。しこりが増えたような気もします。病院でもう1度診て頂いた方がいいのでしょうか? 宜しくお願い致します。

しこりが増えている、というのがどういう状況なのかが分かりませんが、一度乳腺専門医を受診されることをお勧めします。(文責 首藤)

 

No.6580】  07年04月19日  SS
抗がん剤終了後について

初めてご相談します。昨年8月に左全摘しました。手術後の結果、「ホルモン(−)、リンパ転移なし、多臓器への転移なし、HER2陽性、悪性度3」でした。その結果、9月から12月にかけて抗がん剤・FEC療法を4クール受け、無事に終了しています。抗がん剤治療中は、それなりに副作用があって辛い時期もありましたが、現在食欲もあり、日常が保たれています。2,3ヶ月の受診があるのみで、普通の生活を続けています。
1) 気力・体力が失せて、うつ気味の時期もありましたが、今はのんびりと過ごしています。ただ、どうしても「再発の不安」がよぎるのですが、主治医の指示に従って診察を受けていく方向でよろしいでしょうか。
2) 昨年12月に抗がん剤終了後、脱毛状態から3,4pの頭髪が生えてきております。ただ、今まではなかったフケがとても多くなって困っております。市販の薬用シャンプーなど使用していますが、細かいフケがシャンプー後でも即日出てきます。かゆみは殆どないのですが、地肌に何かしたほうがいいでしょうか。皮膚科を受診すべきか、時期がくれば解決するのか、いかがでしょうか。脱毛後、頭髪が生える時期には起こりうる症状でしょうか。

よろしくお願いいたします。 

1)その方向でよろしいと思います。
2)時期が来れば解決すると思います。(文責 首藤)

 

No.6579】  07年04月19日  KY
アリミデックスの服用期間

いつも迅速かつ丁寧なご回答をいただき、本当に感謝しています。56歳の主婦です。2002年9月に左乳房全摘手術を受けた後、半年ほどノルバテックスを飲んでいましたが、その後アリミデックスに変更して現在に至っています。おかげさまで今まで再発はしていません。アリミデックスの副作用として、頭痛、動悸、不眠、頭がぼーっとした感じに悩まされてきましたが、何とか術後5年間は頑張ろうということで続けています。最近、主治医から、「アリミデックスは、5年に限らず飲み続けたほうが良い」という趣旨のことを聞かされ、がっくりきています。
1) 本などを読むと、アリミデックスは術後5年が目安という説明が多いのですが、データ的には服用が長ければ長いほど再発リスクが減るのでしょうか?
2) 副作用がきついので、アリミデックスを時々中断する、或いは1日おきに服用したくなるのですが、こんな方法は意味がないものでしょうか?

お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

1) アリミデックスなどのアロマターゼ阻害剤の内服期間、特に5年以上に関しては臨床試験が進んでおり、来年以降データが出てきます。したがって現時点でアリミデックスは5年以上内服がよい、ということはいえません。
2) 臨床的には「コンプライアンス」という問題になるのですが、原則として連日内服した場合を想定してアリミデックスの有効性が提示されています。(文責 首藤)

 

No.6578】  07年04月18日  Y.F.
抗ガン剤の適用について

初めてご相談致します。昨年12月末の検診で乳ガンの指摘を受け、ただ今、入院に向けて待機中です。実は、この検診の2年前の検診からしこりを指摘されていて、再検査でのエコーとマンモグラフィーの結果から、脂肪の入り込みであろうとの診断でした。その翌年の検診でも、その診断に異論なしということで、再検査は行われませんでした。そして今回の検診で、即、再検査を指示され、細胞診にてclassV、マンモトームにて粘液癌純粋型と診断が確定しました。
腫瘤径4x3cm、MRI、CT、骨シンチによりリンパその他の転移無し、ER(+)、PgR(+)、HER2(-)。主治医の話では、「粘液癌では、術前化学療法では腫瘤が小さくなることは期待できないので、温存手術後、放射線とホルモン治療で対処していく」といっています。粘液癌が、浸潤癌であること、腫瘤径が大きいこと、発症からの年月が長いことから、自分としては、化学療法の適用をされるものと思っておりましたので、手術後の対応として、化学療法が入っていないことに一抹の不安を覚えています。
同じ場所のしこりであること、また、この癌以外に脂肪の痕跡がないので、以前の医師が脂肪であると読影したものが実は癌であったことは間違いないという主治医の話なので、癌とは知らず全く治療を受けていない2年間が気になっています。以上をふまえて、お尋ねしたいのは以下の3点です。
1) 2年の間に血管を通じて微小転移しているのであろう癌を化学療法でたたくべき? 転移を確認してからしか化学療法は使わないのですか? 悪さをしにくい癌でも、時間がたつと良くないのではありませんか? 
2) ホルモン療法とは、ガン細胞の増殖を抑えるものの死滅はさせない? すると、ホルモン療法が終わったら再発の危険はあるのですか? 2年の間に微小転移していたら、ホルモン療法が終わったらワッとあちこちで再発するのではありませんか?
3) 粘液癌の一般的な治療法についても教えていただければと思います。

粘液癌は、乳ガン患者の3%しかないと聞いており、実際ネットで同様の患者さんの話が少なくて判断材料に乏しく困っております。どうか御指南よろしくお願い致します。

粘液癌は、その名の通り粘液を産生するタイプの癌です。大きさが4cmということですが、その腫瘤の内容物が殆ど粘液でしめられている場合と、粘液性分は少なく、殆ど腫瘍細胞でしめられている場合では悪性度が違うと考えられます。前者のほう(粘液が内容のほとんどである場合)は悪性度が低いわけです。したがってあなたの場合どのような粘液がんであったか(内容がどうであったか)により、その後の治療の方針がちがうことが予想されます。
ホルモン療法は化学療法と作用が違うのですが、おっしゃるように癌細胞の増殖を抑え、それによりその後癌細胞がアポトーシスという状態を経て最終的に死滅すると考えられています。よく担当医とご相談ください。(文責 首藤)

 

No.6577】  07年04月18日  T.A. 
乳腺のう胞症と乳腺腫瘍

検診(超音波・視触診)で乳腺のう胞症、左乳腺腫瘍の疑いで再検査になりました。現在1歳2ヶ月になる子供がいて、3月初旬まで授乳していました。今は3日に一度ぐらい少し胸が張る(左乳)と手で搾乳しています(右は張らないが、乳は出る)。確かに左乳は張ってくるとしこりができて、押すと痛いです。授乳中と乳腺のう胞症、左乳腺腫瘍は何か関係ありますか?

授乳に関係するとしたらGalactocele(ガラクトセレ)という乳汁が溜まった状態の腫瘤が考えられます。のう胞は同様に乳房の中で液体が貯留した状態です。前述のように例えば濃縮したミルクが溜まっている場合、超音波検査で腫瘍のようにみえることがありますが、確定診断をつけるためにも一度専門医を受診されることをお勧めします。(文責 首藤)

 

No.6576】  07年04月18日  K.S. 
抗癌剤の副作用

72歳の母のことで相談します。右胸全摘手術を終え、いま抗癌剤パクリタキセルを週1で行っています。病理は、「大きさ2.5cm、リンパ転移なし、悪性度3」でした。2回目を終えたあと、発熱(38.5℃)し、翌日には下がりました。3回目は、白血球が下がり投与できませんでした。1週間休み、3回目を投与しましたが、そのころより咳が続き、昼も夜も眠れない状態です。鼻水も出ているため、風邪か副作用なのかわかりません。
1) 体力的に心配なので、抗癌剤はやめたほうが良いのではと考えてしまいます。もし3回で中止した場合、悪影響ということはありませんか。
2) 副作用であれば、薬を中止した場合、咳はおさまるのでしょうか。それとも、別の治療が必要になるのでしょうか。

母と、離れていて一緒に病院にいけないため、よろしくお願いします。

2回目終了時の38.5℃の発熱が副作用による白血球減少に伴うものなのか、現状の風邪のような症状が化学療法と関係のあるものなのか、そのあたりを整理して考えないで安易に補助療法を中止するのはあまりお勧めできません。そのあたりを担当医とよくご相談された方がよいと思います。(文責 首藤)

 

No.6575】  07年04月14日  NN
ホルモン療法の副作用?

よろしくお願いします。40代、ゾラデックスのホルモン療法を始めて半年になります。注射直後からの頭痛・吐き気・眩暈・光がまぶしいの症状は、2回、3回と回を重なるに従い軽減して、安堵した3ヶ月目くらいから出てきた症状について大変困っており、場違いかもしれませんが相談します。最初は気のせいかと思ったのですが、今聞いたり見たりしたことを認知、記憶ができないというか、普通の会話や日常生活に支障をきたすくらいだんだんひどくなってきました。(関節痛・倦怠感・鬱症状もひどいですが)。これは治療と関係ありますか。何か他の病気で他科を受診した方がいいのでしょうか。

術後の補助療法で、ゾラデックスを使われていると判断して解答します。薬の副作用という言葉、今であれば更年期障害の症状ということになりますが、このひと言でかたづけるのは簡単な話ですが、十分、その可能性があるように思います。今の治療はあくまでも予防的な治療なので、ここは一度、薬を中止して、様子を観察されてはいかがでしょうか? 認知、記憶障害というのは、どこまでひどいのか、ご本人が感じすぎているだけかわかりませんが、日常生活に支障を来すのであれば、ホルモン療法を中止してみましょう。その上で、改善が乏しいのであれば、神経内科などの受診を考慮されては?(文責 鈴木)

 

No.6574】  07年04月14日  H  
乳癌の細胞診について

お世話になります。太い針での細胞診をしたほうがいいかどうかのご相談です。さわって自分でしこりをみつけて、エコーで胸に腫瘍があるようなのでマンモをしたところ、たぶん大丈夫だろうとのことだったのですが、細い注射針での細胞診をしたところ、3Aの結果となりました。SUSPECT?と書かれてありました。先生は、「太い針でもう一度するか、3ヶ月後に大きさなどをみて考えるか」とのことで、とりあえず3ヶ月後ということにしたのですが、
1) もし癌だった場合、30代ですので、進行が早いということはないでしょうか?
2) もし線維腺腫の場合は、そのままほおっておいてもいいものでしょうか?
3) 太い針でさした場合、もし悪性のものであった場合、周りに散らばるという噂も聞いたのですが、本当でしょうか?

以上を踏まえて、もう一度どうするか考えようと思うのですが、もし先生でしたらどうされますか?

細胞診でclass3Aが出たとのことですが、SUSPECTに関しては、例えば線維腺腫の疑い・・、などど言うときの疑いという意味です。恐らく線維腺腫ではないかと推測しますが、3Aであれば、念のため太い針での組織診を勧めます。悪性であった場合、ご心配されている、周囲に散らばるというのは気にしなくて構いません。線維腺腫と診断されたのであれば、基本的には放置して問題ありません。(文責 鈴木)

 

No.6573】  07年04月14日  A
マンモグラフィーの画像について

先日、母(57歳)がマンモグラフィーを撮り、結果、右外側に9mmの悪性を疑うという所見があり、エコーとABCを施行されました。明日結果を聞きにいくのですが、マンモグラフィーに映る9mmの石灰化画像と共に、その奥に薄い白い2〜3cm程度のものが映っていました。先生に「これは?」と聞くと、「これも気になりますが、こっちは…」と、9mmの方に話がいってしまいました。薄い白いものは何かを示しているのでしょうか…。心配でたまりません。よろしくお願いいたします。

画像をみていないのでよくわかりませんが、正常の乳腺組織が写っていたのではないかと推測されます。もし本当に2-3cmのものが写るのであれば、触診でも腫瘤として自覚するでしょうから、恐らくは問題ないと思います。(文責 鈴木)

 

No.6572】  07年04月14日  K 
ホルモン受容体10%未満 その2(HPNo.6563-2)

HPNo.6563では丁寧なご説明を頂き、とてもよくわかりました。前回の質問#1に関してだけ確認させていただきたいのですが、Receptor(受容体)はどちらも10%未満ですが、ER+ PgR+なので、陽性と考えて術後療法のガイドラインに沿っていってもいいのですか? 10%未満だからって陰性と考えなくてもいいのでしょうか?
St.Gallen2005年のResponsiveness(反応性)は3段階に分類されているので、中間のUncertainで見ていけますが、NCCNや乳がん学会のガイドラインでは受容体が陽性か陰性かのどちらかをまず選択するようになっています。その場合、陽性を選択していいものかどうか教えていただけますか。お忙しい中、本当にありがとうございます。

10%未満ではありますが、陰性ではないので陽性と考えていいでしょう。ただ、前回の返事にもあったようにホルモン療法の効果は少ない可能性があるので、化学療法の使用を検討すべきだと思われます。(文責 鈴木)

 

No.6571】  07年04月14日  R.F
良性のしこりがあり、経過観察状態です。日頃気をつける事は?(HPNo.6253-3)

前回の質問は【No.6512】です。いつもご丁寧なアドバイスをありがとうございます。前回の診断の結果、クラス2という事で、6ヶ月毎にフォローするという話になりました。大きくなったと感じていたしこりも、元の大きさに戻ったと思います。今回ご相談したい事は、
1) 発症リスクを下げるために、日頃の生活(食生活や睡眠等)の中で、気をつける事べき事や心がけた方がいい事などがあれば教えて下さい。
2) クラス2のしこりがある胸を揉んだりする事は、あまり良くありませんでしょうか? 何か悪影響はありますでしょうか?

宜しくお願い致します。

特に注意することはありません。強いていえば、この腫瘤に対して過敏になりすぎるのは控えた方がいいでしょう。ごく普通に過ごしましょう。(文責 鈴木)

 

No.6570】  07年04月14日  F 
投与量について(HPNo.6500-2)

お世話になります。以前術後の化学療法についてHPNo.6500で回答頂きました。ご回答、どうも有難うございました。私は今月からAC療法が始まり、そのことで今回お聞きしたい事があります。以前ネットで標準使用量について見たことがありましたが>ADR60・CPA600(r/u)、それより私は多い量の投与でした。身長体重の測定で量が決まるとのことですが、あくまでも標準使用量というのは目安なのでしょうか? 他臓器に影響を及ぼすほどの量に4クールでなる事はもちろん無いと思いますが、ガン細胞にとって投与の量とは、少ない方がよい、あるいは多いほうが良いなど、あるものですか? ご回答いただければ幸いです。よろしくお願いします。

抗癌剤は、種々の臨床試験の結果からその投与量が決められていて、ご存じのようにADR60mg/m2、CPA600 mg/m2というのが標準ですが、最近になり、ADRの誘導体でファルモルビシンという薬剤でその投与量を増やすと効果も良好であるという報告が散見されますので、そういった背景から投与量を増やした可能性も考えられます。ただ、ファルモルビシンに比べてADRは心毒性の問題がありますので、むやみに増量するのは注意が必要ですし、ADRは増量しても効果は変わりないという臨床試験の結果もでていますので、主治医に理由を聞かれてはいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.6569】  07年04月14日  M
手術以外の選択について

乳癌と診断され、複数のしこりがあることなどから全摘を勧められました。手術への決心がつかず、時間ばかりが過ぎ、結果何の治療もしていません。自分が決断できるまで、何かしてもらえる治療法はないでしょうか。情けない質問で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

複数の腫瘍がどの部位にあるのかわかりませんが、場所によっては全摘が必要になるかもしれません。術前の抗癌剤で腫瘍を小さくすれば、切除範囲を少なくして温存手術が可能になることも考えられます。いろいろ悩みもあると思いますが、無駄に時間の過ぎることだけは避けたほうが良いので、頑張って治療にむかって下さい。(文責 鈴木)

 

No.6568】  07年04月14日  M.I. 
骨転移について

お世話になります。60代の叔母が12月に手術をし、ステージTではありますが、再発防止の為4回の抗がん剤治療を受けました。その後、放射線治療を受ける予定で、そこまでは順調に治療が進んでいましたが、5年ほど前に転んで頚椎損傷した箇所に激しい痛みを感じ、検査したところ、骨転移しているとの事でした。放射線治療の為、今月中に入院する予定です(独身の為、通院よりも入院した方が安心できるので)。現在は他の箇所の転移はありませんが、ネットで色々調べてみると、遠隔転移だと他の箇所への転移が高いことや、生存の確率が低いことを知り、私自身も不安でなりません。
1) 乳癌自体はステージTと軽かったにも係わらず、遠隔転移してしまうものなのでしょうか。
2) また、このケースの場合、今後、骨はもちろん脳や肺への転移の可能性が高く、生存率が低いものなのでしょうか。
3) 再発・転移しない為には、どのような治療や生活が必要なのでしょうか。

叔母とは離れて暮らしている為、詳細が分からない為、ご判断が難しいかと思いますが、何卒宜しくお願い致します。

元の腫瘍の性格、大きさなどが不明ですのであまり詳しくはわかりませんが、ステージ1でも10年生存率は90%前後ですので、10%くらいの方は、乳癌の転移、再発でお亡くなりになります。骨転移だけであれば、すぐに生命にかかわることはありませんが、手術してから間もなく再発していることや、抗癌剤投与が終了するか否かくらいでの再発のようですので、腫瘍の悪性度が高いのかもしれません。だとすると、今後、遠隔転移をしてくる可能性も考えねばなりません。普段の生活で特に注意は必要ありませんが、病期に対してあまり過敏にならず、無理をせず、今までと同じ生活で宜しいでしょう。ただ、頸椎に無理な力をかけるようなことは控えたほうが良いと思います。(文責 鈴木)

 

No.6567】  07年04月14日  B・P 
胸の痒みについて

22歳の女ですが、去年の冬場から現在にかけて、今までなかったのですが胸の痒みが止まりません。次第に悪化し、胸がカサカサ状態になり、皮膚が黒ずんできました。何か乳ガンの病気に関わっているのでしょうか?

皮膚科領域の問題だと思いますので、まず皮膚科を受診されてはいかがでしょうか? 乳腺の病気と痒みはあまり関係ありません。(文責 鈴木)

 

No.6566】  07年04月14日  A  
乳腺線維腺腫

26歳です。子供一人で、完全ミルクでした。右の胸にしこりがあり、エコーと細胞診で良性と判断されました。しかし、初めは1センチのしこりが半年後に1.6センチになり、心配になり違う病院で検査をしました。エコー細胞診をして良性と、同じ結果でしたが、大きくなっているので不安です。細胞診を二回やっても実はガンだったという事はあるのでしょうか? しこりは、細胞診の時に先生が固いなぁと言っていました。ガンの確率もあるのでしょうか?

線維腺腫と診断されているのであれば、あまり過敏にならず経過みてはいかがでしょうか? 画像だけで判断していると、線維腺腫と思っていて実は乳がんであったということもある話ですが、細胞診が二回とも良性であれば、その心配は少ないように思います。線維腺腫と似た画像を呈する腫瘍に葉状腫瘍というものがあります。これは、線維腺腫に比べ悪性度が高いことがありますので、少しの間、経過をみて大きくなる傾向があるかどうか、形の変化があるかどうかなどをみれば宜しいと思います。(文責 鈴木)

 

No.6565】  07年04月14日  D.M. 
乳房付近の痒み

38歳の主婦です。12年前に出産経験ありです。出産した頃はあまり気にならなかったのですが、ここ1年程前より体のかゆみ(特に乳房のまわり、わきの下)が気になります。毎年乳がん検診は受けているのですが、特に問題ないと言われました。しかし、やはりかゆみが続いてるので気になり相談しました。

かゆみと乳房の病期はあまり関係ありません。一般には、乾燥肌とか、アトピーとか、一種のアレルギーみたいなものなど、皮膚そのものの問題であることが多いようです。皮膚科に相談されてはいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.6564】  07年04月14日  F.M.
経口抗がん剤について

今から11年前(31歳)に乳がんになり、温存手術(リンパ節転移無し)をしましたが、2年前に脳転移が見つかりました。それはガンマナイフ治療、内臓系はCTでは肉眼で見分けられるような転移が無かったので、ホルモン受容体及び閉経前と云う事もあり、ゾラデックス+タモキシフェンのホルモン療法を半年程致しましたが、腫瘍マーカーが一向に下がらず、エンドキサン+フルツロン(両方とも経口)に切替え、ここ1年程は落着いていました。が、2月から腫瘍マーカーの値が徐々に上がってきており、耐性が出来たようです。薬を替えなければいけませんが、私の希望としては今度も経口抗がん剤で行きたいのです。「ゼローダ」を希望しておりますが、これと一緒に組合わせるにはどんな経口抗がん剤がありますか? またゼローダ以外にも経口抗がん剤の組合わせがあれば教えて下さい。もちろん主治医に相談して決めますが参考までに教えて下さい。ちなみに現時点では脳(MRI)・内臓(CT)とも、見つけられるような転移はありません。腫瘍マーカーの値はNCC−CT−439で32でした。お手数ですが、よろしくお願いします。

現在、目にみえる腫瘍がないのであれば、抗癌剤の投与は必要ないのではないのでしょうか? 腫瘍マーカーはあくまでも参考値と考えればいいと思いますので、今後の推移をみてからでも良いと思います。ホルモン受容体が陽性のようですので、別のホルモン療法で経過みてはいかがでしょうか? 内服の抗癌剤は、ゼローダ、S-1というのがありますが、種類としてはフルツロンの仲間です。ゼローダと組み合わせるのは、内服でこだわるのであればエンドキサンになるでしょうが、エンドキサン+フルツロンで効果がなかったと判断するのであれば、パワー不足かもしれません。ホルモン療法をしながら、相手の出方をみるというのも一考ではないでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.6563-1】  07年04月11日  K 
ホルモン受容体10%未満

ステージ1で温存手術後の病理の結果、ホルモン受容体 ER+ PgR+ ともに<10%と言われました。 
1) 受容体の染色域10%以上が陽性、それ以下が陰性と本に書いてあるのですが、私の場合は陽性なのでしょうか、それとも陰性なのでしょうか。ほとんどのガイドラインでは、ホルモン感受性の有無で術後療法が変わってくるので、どちらにあてはめていいのかわかりません。 
2) もし陽性としても10%未満ということは、80%,90%などよりホルモン療法の効果が少ないと思われますか。
3) St.Gallen2005では内分泌反応性が3段階に分類されているので、私の場合は中間の不確実(Uncertain)として、リスク分類や治療選択を考えていいのでしょうか。 
4) 3月半ばに2007年のものが開催されました。その結果を知りたいのですが(ハイライトや変更箇所だけでも)、まだ日本語になっていないのなら、英語でも大丈夫ですので医療関係者でなくてもアクセスできるサイトがあれば教えてください。2007でも内分泌反応性は3段階に分類されていますか。

よろしくお願い致します。

1) 時々ERについて誤解が有るのでお話しします。ERがエストロゲンレセプター(Estrogen Receptor)の略の時は、病理検査によって癌細胞にエストロゲン受容体が有るかどうか調べた結果で、陽性(+)、陰性(―)もしくは何%陽性とかAllred scoreで何点等と表記されます。一方、St.GallenのガイドラインにあるERは内分泌療法反応性(Endocrine Responsive)の略で、内分泌療法(=ホルモン療法)に反応するかどうか、有効かどうかを示したものです。病理のER, PrR(レセプター)がともに免疫染色で全く染まらない陰性の場合、ホルモン療法反応性(Endocrine Responsive)無しで化学療法の適応、ER,PgR(レセプター)ともに強陽性の場合内分泌療法反応性(ER)が強いので、内分泌療法単独でも大丈夫、貴女の場合のようにはER PgRが弱陽性(<10%)もしくは中等度陽性もしくはERかPgRのどちらか一方のみが陽性の場合は、内分泌療法反応性(ER)はuncertainに分類され、内分泌療法の反応性は有るが強くないので化学療法の併用も考慮するということになります。
2) その通りです。ですから化学療法の追加が検討されます。
3) その通りです
4) 2007年のSt.Gallenの会議は、最終的なコンセンサスは論文発表時(予定は6月)にということで、どのようなコンセンサスになるかは不明のまま終了しました。しかし、会議の雰囲気からはリスク分類等は2005年版とあまり変わらないだろうと考えらています。ただ、ホルモン療法の反応性については、分類は同じですが,Uncertain(不確か)という表現が誤解されやすいので、今度はResponsiveがHighly responsive(高度反応性)、responsive:uncertain がPartially responsive(部分的反応性)と表現を変えるようです。現在医療関係者の間に流れている情報も、会議でパネリストがいろいろな質問にどう答えたか(投票したか)という情報のみで、2007年版のSt. Gallenのコンセンサスは未だどこのサイトにもありません。(文責 清水)

 

No.6563-2】  07年04月14日  K 
ホルモン受容体10%未満 その2

HPNo.6563では丁寧なご説明を頂き、とてもよくわかりました。前回の質問#1に関してだけ確認させていただきたいのですが、Receptor(受容体)はどちらも10%未満ですが、ER+ PgR+なので、陽性と考えて術後療法のガイドラインに沿っていってもいいのですか? 10%未満だからって陰性と考えなくてもいいのでしょうか?
St.Gallen2005年のResponsiveness(反応性)は3段階に分類されているので、中間のUncertainで見ていけますが、NCCNや乳がん学会のガイドラインでは受容体が陽性か陰性かのどちらかをまず選択するようになっています。その場合、陽性を選択していいものかどうか教えていただけますか。お忙しい中、本当にありがとうございます。

10%未満ではありますが、陰性ではないので陽性と考えていいでしょう。ただ、前回の返事にもあったようにホルモン療法の効果は少ない可能性があるので、化学療法の使用を検討すべきだと思われます。(文責 鈴木)

 

No.6562】  07年04月11日  M子 
ゾメタ点滴中の歯の治療について

よろしくお願い致します。現在骨転移でゾメタ点滴{月1度}を始めて7回になります。ホルモン剤はフェアストン40mg朝1回服用です。今回前歯8本差し歯入れ替えをしたいと思いますけれど、ゾメタ点滴している事もあって凄く迷っております。歯医者では骨を削ったりする事はないと言う事ですけれど・・・。点滴の方は2月13日8回目を受けました。3月はお休みにしてあります。ゾメタの場合、歯の治療を受けるとき、期間として何ヶ月ぐらい休薬期間をおけば良いのでしょうか? 又2月に点滴を受けておりますけれど、3月中から歯の治療を始めた場合、まだ体にゾメタが残っていて余り良くないと言う事もありますでしょうか? 歯の方は1月半ぐらいで治療出来るといわれております。私としては出来れば歯の治療がしたいと思っております。

ゾメタ投与時に稀に下顎骨壊死が起きる。下顎骨壊死が起きた人は歯科の問題を抱えている人が多かったということから、歯科治療中の人がゾメタを使う場合は歯科治療を終わらせてから投与を開始するようにと注意が促されています。しかし、ゾメタ投与中は歯科治療をしてはいけないということではありません。ましてこの場合の歯科治療というのは抜歯や歯根部をいじる治療のことで、差し歯の治療であれば問題ないと思います。心配であれば歯科治療中の2ヶ月間ゾメタを休薬してはどうでしょう。(文責 清水)

 

No.6561】  07年04月11日  T 
抗がん剤治療とイビキ

乳癌で抗がん剤治療している時からイビキがひどく、無呼吸症候群見たいで回りに迷惑を掛けていました。ホルモン剤を飲むようになって治ると思いましたが、やはりイビキはなおらないのですが、何か手立てはないでしょうか。色々と良いと言われる事は試してはみていますが、どれもみな駄目なので、お聞きしたくてメールしました。宜しくお願いします。後、乳癌は左なのですが、ホルモン剤を飲む様になり二ヶ月位になりますが、左足の膝の関節が、階段を降りたり自転車をこぐ時にズキンと痛みが走ります。ホルモン剤の副作用なのでしょうか。治りますか。こんなに皆に迷惑を掛けるなら、延命治療なんてしないで死んでしまった方が良いです。

抗がん剤治療とイビキの関係はわかりません、睡眠時無呼吸症候群については専門の医師の診断と治療をお勧めします。膝の関節の痛みはホルモン剤と関係あると思います。まずは整形外科にかかって膝を診てもらってください。整形外科で異常ないと言われたら、膝の痛みはホルモン剤によって女性ホルモンが減少したことによる症状だと思います。2-3ヶ月で発症して数ヶ月で症状が治まることが多いと言われています。その間、痛みは痛み止めでコントロールしてください。やけを起こさずに頑張ってください。(文責 清水)

 

No.6560】  07年04月11日  R
アロマターゼ阻害剤の副作用について

以前にも相談室でお世話になりました。今回はアロマターゼ阻害剤の副作用について質問です。’99 初発、閉経後乳がん、右乳房温存(Cエリア)。断端陽性の為、術中診断の上追加切除、リンパ節転移3個、ly2、v1、ER、PGRともに+、核異型2、グレード1、腫瘍の大きさ1.3×1.0×1.0。 CMF、放射線照射30回、フェアストン5年服用。’05 6年目の検査で局所再発(Cエリア)、HER2は免疫染色法で+2、フィッシュ法で+2の中で陽性部分は30%、アリミデックスを服用後半年以上たって膝関節痛が出る。その後膀胱炎、鼻炎など繰り返し、昨年10月後半からアロマシンに変更し約5ヶ月経ちましたが、冷えと疲労のためか、また膀胱炎になりました。もちろん関節痛、脱毛などありますが、膀胱炎は対処のしようがありません。このような患者の場合、他に薬はありませんか? 最近、仲間の中で休薬、もしくは完全に止める方もいらっしゃいますが、私の場合局所再発なので、どうしたものか悩んでいます。主治医の次回診察は来月です。その前に先生方のご意見を伺いたく投稿しました。よろしくお願いします。

PS: 多少エストロゲン作用のあるラロキシフェン、タモキシフェンなどは候補になりますか? 骨粗鬆症もあるので、ラロキシフェンは処方可能です。

膀胱炎も女性ホルモン減少時に見られる症状の一つです。再発時の病理の詳細が不明ですが、6年目の乳房内再発で副作用が強い場合はアロマターゼ阻害剤を中止するというのも選択肢の一つだと思いますし、タモキシフェンも選択肢の一つだと思います。しかし、ラロキシフェンは反対側乳ガンの予防と骨粗鬆症の治療には良いと思いますが、今回の治療の選択肢にはならないと思います。(文責 清水)

 

No.6559】  07年04月11日  M.T. 
外科生検後の乳房の痛み

2度目のメールを致します。左乳頭の血性分泌が続き、昨年12月に外科生検を受け、病理検査の結果は、「乳管内に乳頭状構造を呈する乳管上皮の増殖を認める。2層性は保たれており、Intraductal papilloma が最も考えられるが、アーチファクトが強く確定の困難な所見もみられる。厳重なフォローアップをお願いします。」でした。経過観察で、7月に超音波検査の予定です。傷口の回復は順調でしたが、ここ1週間程、左のみ乳房の痛みがあり、乳頭が痛痒く、乳輪下に沿って手術の傷がありますが、その上部が黒っぽく硬くなっています。黒っぽくなっている部分は少しざらざらして、下着にほんの少し黄色い膿のようなものが付着しています。今週、主治医に診てもらうつもりですが、こちらでご意見を伺いたく思います。
1) “アーチファクトが強く”とは、どういうことですか?
2) 私の様な症状で乳がんになる可能性は高いですか?
3) 現在の乳房の痛みの原因は何が考えられますか?

よろしくお願いします。

1) アーチファクト(artifact)を辞書でひくと”人工品、加工品”とあります。病理検査でアーチファクトというと、病理組織標本上、何らかの外的な力(手術操作、電気メスによる熱変性、標本の乾燥、ホルマリンの固定不足等)によって変形、変成してしまっている部分のことを指します。ですから、一部正確な病理診断ができないので、厳重フォローアップと書かれたのだと思います。
2) 単発性の乳管内乳頭腫(Intraductal papilloma)は乳ガンのなりやすさと関係ないが、多発性もしくは繰り返しできる乳管内乳頭腫の人は乳ガンになりやすいと言われています。そんな意味でも厳重フォローアップと言われたのだと思います。繰り返しできるかどうかがわかるのに数年から数十年かかりますから、根気よく検診を続けることが大事です。
3) いわゆる“傷病み”ではないでしょうか。次回診察時によく診てもらってください。(文責 清水)

 

No.6558】  07年04月11日  Y.O.
局所再発の治療方針(HPNo.6428-2)

いつもありがとうございます。8年前に温存手術、リンパかくせいをしました。病理所見は、「硬がん、ESTROGENレセプター+90%、PROGESTERON+5%、グレードT、リンパ節転移なし」でした。術後は、放射線治療、タモキシフェン5年内服、UFT2年内服しました。8年目の定期検査で手術跡近辺に1cmの腫瘍が見つかり、細胞診クラスXで、再度温存手術しました。病理検査の結果は、「硬がん、ESTROGENレセプター+90%、PROGESTERON+5%、グレードT、HER-2-」で、前回とまったく同じプロファイル、腫瘍の場所も、手術跡上なので、前回の手術(断端陽性)での取り残しが再発した可能性が高い。外側への広がりはなく、手術で完全に取りきれ、周辺のリンパ管への浸潤もみられないことから、術後の治療法としては、タモキシフェン内服とリューブリン注射のホルモン療法(閉経前です)で、抗がん剤まではいらないとの診断でした。この治療法でよいものか、相談させていただきます。
1) 「局所再発では転移の可能性が高くなるので、予防として抗がん剤治療をする」と書いた本がありました。ホルモン療法のみで大丈夫なのでしょうか? 抗がん剤治療の必要性を判断する要件は何になるのでしょうか?
2) 前回もタモキシフェン5年飲んでいましたが、3年あけて、再度タモキシフェンを長期服用して問題ないでしょうか?
3) タモキシフェン5年服用し、その3年後に再発したわけですが、前回のタモキシフェンは有効だったといえるのでしょうか?
4) リューブリン注射1回し、今までと同様に月経がありましたが、月経はとまるものではないのでしょうか? 前回、タモキシフェン5年飲んでいる間も月経は周期が5日長くなりましたが、毎月きちんとあり、副作用はありませんでした。今回も、注射も含め、全く副作用らしきものはないのですが、ホルモン拮抗剤、分泌抑制剤が効きにくいということはないのでしょうか?

次回の診察で主治医の先生にも相談したいのですが、要点を整理しておきたく、よろしくお願いいたします。入院すると、改めてお忙しい先生方の日常が身にしみますが、その上に、このようなサイトで回答してくださることに、ほんとうに頭がさがります。ありがとうございます。

1) 腫瘍径1cm、ER(+)、Her2(-)の8年目の乳房内再発であれば、切除のみか、切除後ホルモン療法で十分だと思います。抗がん剤が必要となるのはER(-),PR(-),Her2(3+) の場合と考えます。
2) タモキシフェンの再投与は問題ありません。但し、子宮体ガンの検診は定期的に行ってください。また、リュープリンを使うので骨密度も定期的にcheckすることをお勧めします。
3) わかりません。タモキシフェンを5年内服したのに再発したのは効果がなかったのかもしれませんし、内服していたから7年間再発しなかったのかもしれません。
4) 初回のリュープリン(ゾラデックスでも同じ)投与時が月経周期のどの時期に当たるかで、そのまま生理が止まる場合と一回生理が来てから止まる場合があります。ですから一回の生理は問題ありません。2回続けてきたら主治医の先生に相談してください。40代後半であれば、ホルモン拮抗剤、分泌抑制剤が効きにくいとうことはありません。(文責 清水)

 

No.6557】  07年04月11日  Y
ホルモン治療の副作用について

以前も相談させていただきましたYです。とても治療の参考になりました。ありがとうございました。現在ホルモン治療(リュープリン+ノルバデックスD)を始めて約1年半経過し、ホットフラッシュ以外は特に副作用もなく過ごしていましたが、先月からリウマチに似た関節痛が出て、とても不安になっています。手のこわばりは1年半前の手術後からあったのですが、術後の後遺症と思いこみ、気にもしていなかったのですが、こわばりが両手になり、手足の指の関節痛が出だしました。心配になりリウマチ科に行き、血液検査等もしてもらいましたが、異常はないとのことで様子をみることになりました。骨粗鬆症の要観察にもなっていて、そちらの方も経過観察になっています。リウマチは定期的に受診して様子をみようと思いますが、ホルモン治療の副作用で、私のようなリウマチに似た関節痛が出る人もいるのでしょうか? 副作用なら、なんとか痛みとつき合っていこうと前向きに考えたいのですが。ご返答、よろしくお願い致します。

貴女の年齢がわかりませんが、想像するに手術時に40歳前後だったのではないでしょうか。その年代は女性ホルモンが減少しはじめている年代なので、手術の頃から既に手のこわばりがあったのだと思います(手術の後遺症ではありません)。そこへ更に術後リュープリン+ノルバデックスDで女性ホルモンを抑えにかかっているので、手のこわばりがひどくなり、関節痛も出てきたのだと思います。リウマチ科でリウマチが否定されているので多分間違いないと思います。ホルモン療法による女性ホルモンの減少が落ち着いて、閉経レベルで一定になると症状は落ち着くと言われています。痛い時は通常の痛み止め(セデス、バッファリン等)で痛みをコントロールしてください。(文責 清水)

 

No.6556】  07年04月09日  K.Y.
乳頭血性分泌物

色々ネット上で調べてみるのですが、同じ状態の方が少なく心配なので、よろしくお願いします。
一ヶ月ほど前、左の乳頭を押さえると乳頭の穴一つから、あきらかに血液と思われる分泌物が出たため、乳腺外科も標榜されているクリニックにかかりました。触診や超音波、血性分泌物の細胞診を受け、病院連携で大きな病院で、二週間後にマンモグラフィーと超音波を受けました。あきらかに左の穴一箇所から押さえると赤黒い血性の分泌物が少量ですが続いており、マンモグラフィ検査、超音波エコーで石灰化しこりが見当たらず。エコーで4mmと思われる物はあるが、乳管内かは不明でした。血液の細胞診では、検体が乾燥していたので再検査といわれました(良性と書いてありましたが)。今は血性分泌物の2度目の細胞診の結果待ちです。クリニックの先生は経過観察でよいといわれたのですが、乳管造影の検査はうけなくても大丈夫なのでしょうか? もし自分で乳管造影を希望し、4mmの物体が乳管内に存在した場合、それが良性か悪性なのかを判断するのはどうしたらよいのでしょうか? 組織診は4mmの物体にも対応できるのでしょうか? 経過観察でこのまま血性分泌液をそのままにして、4mmがしこりとなって大きくなっていったり、乳管内から浸潤するぐらいなら、4mmのうちにどうにかしたい気持ちでいっぱいです。よろしくお願いします。

赤黒い血性の分泌液であれば、間違いなく血性乳頭分泌だと思います。血性乳頭分泌がある場合、まず触診、マンモグラフィー、超音波検査で大きな乳ガンの存在を確認します。それが否定された後、微小乳ガンがあるか、乳管内乳頭腫か、乳腺症に伴う出血か鑑別する為に血性分泌の細胞診を繰り返します。時には分泌液中のCEAの測定なども行います。分泌液の細胞診は一回だけでは診断がつかないことが多いので、簡単な検査なので繰り返し行います。それと平行して、微小ガン、乳管内乳頭腫の存在診断の為に乳管造影が行われます。もし4mmの乳管内病変が確認され、細胞診でclass3以上がでれば、その乳管の切除(乳管腺葉区域切除)を行って、確定診断すると同時に治療します。
細胞診でclass3以下の場合も、出血を止める目的で手術を行うこともあります。とても心配されているようなので、2回目の細胞診の結果を聞いた後で、結果が悪性でなかったとしても、乳管造影をしてもらったらよいのではないでしょうか。(文責 清水)

 

No.6555】  07年04月09日  C.M. 
1ヶ月前に左胸を強打しました

1ヶ月前に左胸を強打しました。その翌日、左胸のしこりと左の脇のリンパ腺が腫れている事に気づき、1週間後に病院にいきました。乳がんと診断されましたが、どうも納得できません。現在、組織検査の結果待ちです。今もまだリンパ腺の腫れは続いています。1年前にマンモグラフィーの検診も受けましたが、なんともありませんでした。病院では、ずいぶん前からの乳がんといわれました。触診とB5ほどのマンモグラフィーのレントゲン写真で判断できるものなのでしょうか? ご相談申し上げます。

現在組織検査の結果待ちであれば、その検査結果を待つしかありません。触診とマンモグラフィーで90%近く診断できますが、最終的には細胞もしくは組織検査で確定診断します。一ヶ月前に打撲の既往があるということは、触診所見、マンモグラフィー所見ともに癌の所見と似ている“脂肪壊死”の可能性も否定できないと思います。その場合、 組織検査では悪性所見はでません。(文責 清水)

 

No.6554】  07年04月09日  K  
悪性でないと判断された腫瘍

お世話になります。38歳独身です。現在、悪性ではないと判断された腫瘍が左胸中心部にありますが、「半年ごとに検査を受けてください」というだけで、腫瘍を取ることを勧められませんでした。病院は「気になるなら取りますよ」位の感じ。27歳の時にも同じく左胸上部に良性の腫瘍が見つかり、その際は「すぐ取ろうと」言われ、日帰り手術で取ったのですが・・・。現在は温存が普通なのでしょうか? 取った方が何かダメージがあるのでしょうか? それとも年が若い方が進行も早いからとかでしょうか?以前手術した所とは違う病院なので、ただ病院側の事情なだけでしょうか? よろしければお教えください。
●詳しくは下記に書きました。
27歳の時、左胸上部に1cmのしこりが見つかり、エコーと触診を受け、「良性だと思うけど、すぐ取った方がいい」との医師の判断で細胞検査を受けず、摘出しました。術後、良性と分かりました。そして2ヶ月前に、左胸下部に2cmほどのしこりが見つかりました。その時エコーと触診を受け、「のう胞の可能性が高い」と診断され、たぶん小さくなるから様子を見るように言われました。ですが、2ヶ月経っても大きさが変わらない為、再度受診し、エコー、マンモグラフィー、触診、細胞検査を受け、後日、検査結果を電話で聞く様に指示されました。結果は「悪性ではないから、半年ごと定期的に検査を受けるように」と看護士さんからの連絡でした。「取らなくていいのか?」と質問すると、気になるなら日帰り手術をするとのことでした。

悪性でないと思われる腫瘍を切除するかしないかは、主治医の考えと患者さんの考え方で決まります。医師としてはいろいろな検査で悪性でないと診断したら、できるだけ切除しないという考え方が強い医師と、検査で悪性ではないと思っていても絶対に良性とは言い切れないので原則として腫瘍は切除すると考えている医師がいます。患者さんも同様で、絶対手術は嫌だという患者さんもいれば、完全に良性と言えないなら積極的に手術して欲しいという考えの方もいます。大事なことは、両者が十分にコミュニケーションをとって、手術するメリット、デメリットを十分に話し合って、納得のいく方法を選択することだと思います。(文責 清水)

 

No.6553】  07年04月09日  ケロロ
胸の痛みについて

33歳・女性です。3日前から風邪をひき、38.5℃程度の発熱が2日続きました。発熱してから2日目に左胸の右下あたり(胸の内側)に痛みがあり、触れると1〜2cm程度のしこりがあるのに気づきました(小さいものもあります)。触るとグリグリと動きます。最初は、現在母乳を出しているので、その関係かな?と思っていたのですが、不安に思い質問させていただきました。リンパ腺がはれているのかな?とも思いますが、こんな所にリンパ腺はあるのでしょうか? 現在は発熱はなく、胸のしこりと痛みがある状態です。乳癌などの可能性はあるのでしょうか? 

Mailの内容からは乳ガンの可能性は低いように思います。とにかく専門医を受診してください。(文責 清水)

 

No.6552】  07年04月07日  S 
術後のひきつりについて 

いつも参考にさせていただいてます。2月下旬にステージTの温存手術をしました。センチネルリンパ節の切除のみで転移は無かったのですが、術後ワキから腕にかけて引き攣る筋が一本あります。腕をまっすぐに伸ばすと、この筋がワキに浮き出るほどで、とても痛みます。通常このような状態になる事もあるのでしょうか? また伸ばす事で、痛みが消えていくのでしょうか? お返事をよろしくお願いします。

Mailの内容からすると術後の一過性の血栓性静脈炎と思われます。乳癌の手術後しばしばみられ、前腕まで延びる方もいます。痛いけど伸ばさないと腕が固まってしまうといって頑張って伸ばしてしまう方がいますが、この筋が出ている時は無理に腕を伸ばさないでください。腕を伸ばさなければ痛みは無いはずですから。数週間で自然に治癒しますので心配ありません。多分そうではないかと思うのですが、次回診察時に主治医の先生に相談してください。(文責  清水)

 

No.6551】  07年04月07日  Y.T
骨転移判断に必要な検査は何でしょうか?

お世話になります。2005年8月(52歳)に右乳癌で切除手術を致しました。結果は腫瘍径:2センチ、脂肪と乳頭皮膚に一部浸潤、リンパ節転移:無し、核異型度: 1、リンパ管浸襲:0、静脈内浸襲:0、ER:+、PGR,HER2:-。術後 アリミデックスを服用しております。服用6ヶ月後位から手指の関節痛が始まり、リウマチの検査をした上で、アリミデックスの副作用という判断になり、以降一緒に痛み止めを服用しております。2006年11月頃より、尾てい骨から腰にかけて痛みが出始め、加齢や運動不足のせいと思っておりましたが、養生しても痛みが増す事、服用している痛み止めが効かないという事に不安を感じております。骨の転移の場合、痛みはあるものでしょうか? また、骨の転移の部位として尾てい骨はあり得ますか? 本年7月に2年目の検査を予定しておりますが、骨転移判断に必要な検査は何でしょうか?宜しくお願い致します。     

骨転移の場合、背骨や大腿骨のように力のかかる骨の場合は痛みがあり、肋骨や頭蓋骨のように強い力がかからない骨の場合はあまり痛みを伴わないことがあります。骨転移の部位として尾てい骨は好発部位ではありませんが無いとは言い切れないと思います。骨転移の診断はレントゲン、RI(骨シンチグラフィー)が一般的です。蛇足ですが、貴女の乳癌は数少ないlow risk乳癌で、再発のriskは非常に低いと思います。(文責 清水)

 

No.6550】  07年04月07日  MK
再発(HPNo.6474-2)

HPNo.6474で家人のことを相談したものです。その後3年前に手術を受けた病院で細胞診を行い、悪性/リンパ再発という結果がでました。今後については、腋かリンパ郭清を行い、術後補助療法として抗がん剤点滴:FEC療法(タキソールx4クール)という方針が出ています。前回の手術では、「疑わしいところは全て取り除いた」と執刀医(現在は、他の病院の移られております)より説明を受けてましたので、転移であるのか、ホルモン治療で抑えられていた他のがん細胞が大きくなったのか、もう少し詳しい話をお聞きしなければと考えております。転移であった場合、新たながん細胞の活発化であった場合により、今後の危険度なり、注意すべき点がかわるものなのでしょうか。
また、近くに乳がんの年間手術例200を超える病院があります(前回の手術前にセカンドオピニオンで意見を伺いました) 。複雑な手術であれば、病院を代わることも考えておりますが、いかがでしょうか? ただし、また一からの検査となるようでしたら、今の病院で手術を急いだ方がよいのかなど、大いに悩んでおります。よろしくお願い致します。

おっしゃる通り、現在の主治医の先生とコミュニケーションをよくとることが肝要と思います。このケースは、センチネルリンパ節生検の偽陰性例(センチネルリンパ節に転移が無かったが、実は他のリンパ節に転移があったという例―5%位の確率)と考えられます。治療は郭清と術後補助療法でよいと思います。補助療法の選択には前回、今回の病理検査の結果を十分吟味して決める必要があると思いますので、その点も主治医の先生とよく相談してください。今の主治医の先生とコミュニケーションが十分とれれば転院の必要は無いのではないでしょうか。(文責 清水)

 

No.6549】  07年04月07日  M.K. 
腫瘤(+)との検査結果が出たのですが・・・

28歳未婚女性です。両胸、外側に鈍い痛みが走ることが時々あり、先日(2007年3月27日)、マンモグラフィーと超音波の検査を受けました。1週間後の4月3日に検査結果を聞きに行った所、左胸・外側の下方に7mmの腫瘤(+)との結果が出ました。医師は「この腫瘤が癌ではないとは言い切れない。経過を観察していくので、次回11月6日に超音波検査をしますので、また来てください」と言われました。そのように次回の診察(11月)まで、約7ヶ月も何もしないでいてよいのでしょうか。生検によって、すぐにでも癌か否かの確定診断をする必要はないのでしょうか。ご教示頂けますよう、どうぞ宜しくお願い致します。

7ヶ月待てるものかどうかは診察をしなければわかりません。主治医の先生は、7ヶ月待っても大丈夫と判断したのでしょう。もし心配であるなら、その旨主治医の先生にお話しして、細胞診なり生検なりをお願いすることは可能だと思います。もう一度主治医の先生と良く相談してください。(文責 清水)

 

No.6548】  07年04月06日  K.Y. 
今後の治療について

何度かお世話になってます。妻33才、3年前右全摘、1年半前CEA上昇で検査の結果、肺に薄い影。元発の可能性もありとの事で手術予定も、入院後確定診断のため頭部MRで多発脳転移が発覚…。手術キャンセルで、全脳照射2.2G?×25日で脳転移消滅。平行してHER2(3+)でハーセプチン単独ウィークリーで開始。CEA一時下降するも4−5ヶ月で上昇開始…。ハーセプ+タキソテールに変更。2クールするもCEA上昇止まらず、毎月1.5ほどずつ上昇。ハーセプ+タキソールに変更。3クールするもCEA上昇傾向止まらず。
2-3カ月おきに胸・腹部CT・MRなどで診断するも大きな変化無し。CEA直近で20.3。残りの薬剤も考え攻めに転じる為、唯一確認できている肺転移を右下葉切除を選択!!直前で骨シンチで2.3箇所疑いあるも本日決行。がしかし術中呼び出し・・・。中葉の表層・上葉にも小さな患部有り。右下・中と上葉一部切除はあまりにもリスクが高い為あえなく閉めました。この後の方針としてはハーセプ+ナベルビンか?はたまた平行で脳転移が消滅した為、放射能感受性は高いと思われる為できれば放射線の定位照射ができればと考えてます。外科・呼吸器外科・成形・放射線科と専門多岐に渡るため選択も個人で考えるには非常に難しく、ご相談したくメールしました。よろしくお願いします。

術後無病期間が一年半で、Her2陽性乳ガンとなると、かなり悪性度の高いガンが考えられます。このようなガンに対する唯一の武器であるハーセプチンの効果が低いとなると、正直なところ厳しい状況であると考えざるを得ません。効果が低くとも治療の基本はハーセプチンで、あとはナベルビン、ゼローダあたりを組み合わせていくのでしょうが、正直な所あまり大きな効果は期待できないでしょう。新薬としてはラパチニブに望みをつなぎたいところですが、日本での発売までもう少しかかりそうです。あとは、攻めの姿勢から守りに転じて、再発による症状をどのように抑え、治療の副作用をいかに少なくするか考えていくという選択肢もあるのではないでしょうか。そのためであれば放射線治療なども症状に応じて考慮すべきではないかと思います。(文責 清水)

 

No.6547】  07年04月06日  s
肺転移後の治療について

38歳の妻ですが、3年前に左乳房の乳がん部分切除を行い、その後放射線治療、ホルモン療法(ゾラデックス・ノルバディクス)を行ってきましたが、2006年11月に左肺へ腫瘍が見つかり、20007年1月手術にて摘出したところ、乳がんからの転移でした。今後の治療としてホルモン療法(ゾラデックスのみ)の継続、抗がん剤(CEF)を3週間に1回となりました。他の治療などあれば教えていただけませんでしょうか。宜しくお願いいたします。

病理の詳細が不明なので回答が難しいのですが、最初の手術後の治療から考えて、ホルモン療法の反応性が良い(エストロゲンレセプターもしくはプロゲステロンレセプターが陽性)と考えると、現時点でもホルモン療法が優先されると思います。年齢を考えるとゾラデックスでなく卵巣摘出術で閉経させるというのも、これからずーと毎月休みなく通わなければいけないという精神的な負担と金銭的な負担を軽減する一つの選択肢と考えられます。現在再発による症状が無いのであれば、ゾラデックスもしくは卵巣摘出で閉経状態にしてアロマターゼ阻害剤(アリミデックス、アロマシン、フェマーラ)を内服することが第一次選択ではないかと考えます。ホルモン療法の反応性があまり良くないと考えて化学療法を選択するのであれば、それだけで閉経する可能性があるので、将来の妊娠の可能性を残そうと考えなければゾラデックスは併用せず、化学療法終了後生理があるようならゾラデックスを使うというのが原則だと思います。化学療法剤としてはCEF以外にはTaxanがありますが、原則はCEFが第一次選択薬剤だと思います。あとは、Her2の異常があるかどうかでハーセプチンの適応があるかどうかが大きな問題だと思います。原発巣と再発巣のエストロゲンレセプター、プロゲステロンレセプター、Her2の検査結果を良く聞いて、主治医の先生と治療法の選択を話し合うことをお勧めします。(文責 清水)

 

No.6546】  07年04月06日  N
両胸の硬いしこり

20歳のNです。中学生の頃から私の両胸に硬いしこりができ、上から押すと分かりにくのですが、胸をつまむように触るとしこりがあるのが分かるんです。朝とか階段を降りると振動で痛かったり、ちょっと強く押すと痛いんです。ネットで調べてみて乳腺症ではないかと思ったんですが、もし治療をすると、この硬さは治って柔らかくなるんでしょうか? 小さくなる可能性はあるんでしょうか? よろしくお願いします。

Mailの内容からはご指摘の通り乳腺症が疑われます。乳腺症は特に治療をしません。自然に小さくなることや、柔らかくなることもありますし、変わらないこともあります。いずれにしても、乳房内にしこりを感じたら、それがどんなしこりであっても、まずは乳腺外科もしくは乳腺外来を受診し診察を受けることをお勧めします。(文責 清水)

 

No.6545】  07年04月06日  K.T.  
腫瘍切除の件

30才独身の女です。5年程前から左乳房にしこりがあり、乳腺線維腺腫と言われていました。最近そのしこりが2センチ程に大きくいびつ(楕円からぼこっと出た感じ)な形に変わってきて、触れると痛みも伴うので診てもらったところ、「良性の線維腺腫ではあるが悪性になる可能性がないわけではない。痛みもあるようなので切除を勧めます。」との事でした。エコー、マンモグラフィー(細かい石灰化がありました)、細胞診すべてを行い、結果は5段階中2なので良性は良性ですが3になる事もある、主治医はとにかく切除をした方がという対応でした。外来で出来る簡単な手術なのでという説明だったのですが、手術というものの経験もなく不安で、まだ頭が混乱している状態です。「日にちはいつがいいですか」と急かされるように問われ、予約を入れてしまいました。忙しい先生で、とにかく早く決めてくれという感じでした。傷が残るかどうかや、手術の内容を質問すると、とても面倒そうで、あまり質問できる雰囲気でなく、嫌な気持ちのまま病院をあとにしました。「傷はなるべく残らないようにはします」という答えでしたが、やはり残るのであれば躊躇します。この場合手術を急ぐ必要性がどれ程なのか、本当にした方がいいのかを御意見頂きたくメールしました。
先生に対しての不信感も大きいので、別の病院で意見を聞きたいとも思うのですが、その場合はやはりまた一からマンモや細胞診をしないといけないものなのでしょうか。このまま初めの病院で手術するべきかどうか、本当に迷っています。どうかアドバイスをよろしくお願いします。

年齢、経過、細胞診の結果から考えて、手術した方が良いかどうかは議論が分かれるところですが、少なくとも手術を急ぐ必要は無いと思います。自分で納得がいくまで主治医の先生と話をするか、セカンドオピニオンを受けてから、手術するかどうか決めるべきだと思います。セカンドオピニオンを受ける場合は、今かかっている先生に話をして、紹介状を書いてもらい、レントゲンやエコーなどの資料を借りていくことがベストです。最近はセカンドオピニオンを頼まれて嫌な顔をする医師は少なくなったように思いますが、それでも言い出しにくいということであれば、新しい病院でもう一度検査されることはやむを得ないと思います。(文責 清水)

 

No.6544】  07年04月06日  N.C.
下腹部の違和感について

はじめてご相談させていただきます。33歳主婦です(子供なし)。昨年右胸の乳がんが発覚し、10月末から術前化学療法を受けています。乳がん発覚時、腫瘍は約3cmで、他への転移は見られませんでした。現在CEFを4クール終了、パクリタキセル(全12クール)8クールが終了したところです。また、抗がん剤と同時にゾラテックスを4週に1回注射しています。12月くらいから下腹部に違和感を感じています。張ったような、生理前の重い感じにも似ています。通院先の先生にも何度か相談していますが、副作用でも聞いたことがないという感じでした。「痛みがあるようなら言ってください」といわれましたが、特に痛みはありません。副作用で多少便秘がちですが、便秘の張りとは違う感じです。不安もあったので、先月婦人科を受診してみたのですが、ゾラテックスの副作用ではないとのことでしたが、やはり原因はわからずじまいでした。 ただ、婦人科の受診で右卵巣腫瘍(良性)が見つかったのですが、それも原因とは違うとのことでした。他に病気があるのでは?と、不安な日々が続いています。何か考えられることはありますでしょうか?よろしくお願いします。

大変難しいご質問です。治療と全く関係ない症状かもしれませんが、強いて治療との関連性を探ってみると、ゾラデックスで十分に卵巣機能が抑えきれない場合が稀にあります。その場合に、生理は無いが卵巣から少量の女性ホルモンが分泌されていて、生理前のような下腹部のはり感を感じているのかもしれません。確認するためには一度血液中の女性ホルモン濃度を測定してもらってみては如何でしょうか(文責 清水)

 

No.6543】  07年04月06日  K.C. 
パジェット病もしくは乳癌などの可能性は?

27歳未婚の女性です。半年以上前より、左乳頭と乳輪部が時々痒くなり、薄皮がめくれる症状が続いていました。それほど酷い痒みではなかったのでしばらく放置してしまっていたのですが、2〜3週間前よりワセリンなどで保湿をするようにしたところ、最近皮がめくれる症状は落ち着いてきました。しかし気付けば乳頭と乳輪部が一部つながったように境目がなくなり変形し、色も少し変色していることに気付きました。乳輪の痒みは治まりましたが、乳頭の痒みが完全には治らない状態が続いています。分泌物はありません。下着によって痒みが酷い日と調子のいい日があるので、下着のせいなのかなとも考えていたのですが、症状が左胸のみなことも気になります。があるのではと考えるようになり、とても不安です。とりあえず皮膚科を受診しようと考えているのですが、乳腺外科等の方がよいのでしょうか? お忙しいところ申し訳ございませんが、アドバイスをよろしくお願いいたします。

Mailの内容からは乳頭部の湿疹が考えられます。可能性は低いと思いますが、鑑別しなければいけない疾患はご指摘の通りパジェット病です。パジェット病を鑑別する為には乳腺外科もしくは乳腺外来を標榜している外科受診をお勧めします。(文責 清水)

 

No.6542】  07年04月04日  B
癌の診断

初の病院で、マンモグラフィーとCTの検査を受け(その間3週間)ました。癌の疑いがあるということで、がんセンターを紹介されました。そこでも、触診、マンモグラフィーとCTをとりましたが、まだ癌との診断がでません。しこりも1ケ月前より大きくなった気がします。手遅れにならないか心配です。自分で早期発見しても、治療まで時間がかかるものですか。

最悪のシナリオを考えて、乳ガンだったと仮定しても、1ヶ月で大きくなる可能性は、,稀にありますが、あまり高くありません。ですから、ご心配でしょうが順番に検査を進めるしかありません、というのが回答になります。ただ、個人的には、前の病院でガンが疑われているならば、前の病院で行った検査を参考にし同じ検査は省略して、細胞診なり針生検を急ぐ手はあるように思います。以下愚痴になりますが、どこの病院も診察や検査が混んでいるのが現状です。今の医療費抑制政策が続けば、“自分で早期発見しても治療まで時間がかかる”という英国が経験した時代がやってくる可能性が高いと思います。(文責 清水)

 

No.6541】  07年04月04日  K.S. 
NCC−ST−429について

29歳既婚、子供無しです。右胸の異物が気になり、1月に検査(血液、肺のレントゲン、超音波、マンモグラフィー)をしたところ、目で見えるところでは何も発見されず、血液検査のNCC−ST−429の数値だけが8.7と基準値より上だったので、三ヶ月後に再検査(血液、肺のレントゲン、腹部のMRI、超音波、マンモグラフィー)となりました。その結果、目で見えるところでは何も発見されず、NCC−ST−429の数値だけが10となりました。悪性を疑うに乏しいが、100パーセント安全ではない。乳腺外来を受診するかは私次第と言われ、そろそろ年齢的にも子供がほしいので、今回はこれで終診にしてもらいました(婦人科→外科とどんどんまわされたこともあり、これ以上何を・・・と思ってしまったこともあり)。
今受診している先生は外科の大腸専門と言われ、NCC−ST−429の数値をものすごく気にしているのですが、この数値は重視した方が良いのでしょうか?お忙しいところ申し訳ありません。よろしくお願いします。

気になるのは、mailの内容から察するに、触診、マンモグラフィー、超音波を乳腺外来の先生が診ていないのでしょうか? もしそうであるならば、まずは専門の医師の診察を受けることをお勧めします。乳ガン診療の専門医が早期乳ガンの診断にNCC-ST-429を使うこと、もっと言えば、腫瘍マーカーを使うことはありません。健康人でNCC-ST-429が少し高いときにどのような状態を考えるか、データは無いと思います(勉強不足かもしれませんが)。繰り返しますが、専門医が触診して、マンモグラフィーを読影し、超音波の所見を診て異常なしとしたならば、血液検査の結果は気にしなくてよいと思います。(文責 清水)

 

No.6540】  07年04月04日  H・N
手術後の運動について

昨年10月4日に腫瘍の摘出手術を受けました。結果は乳管内乳頭腫でした。6mmぐらいの腫瘍でしたが、直径5cmぐらいの塊を摘出しました。現在は傷跡以外は何も変わった事はありません。硬式テニスを始めても宜しいでしょうか? 手術も右、テニスも右を使うのですが、大丈夫でしょうか? 右腕にかなり衝撃のあるスポーツなので、御意見をお伺いしたく、よろしくお願いいたします。

手術をしてもう半年も経っていますから、どのような運動も可能です。(文責 清水)

 

No.6539】  07年04月04日  A.W. 
初診

横浜在住、41歳です。3月9日、社会保険健康診断を受けました。触診では所見なしでしたが、先日郵送されてきた超音波検査結果は、「判定E、二次精密検査を要す。右乳房上外側の乳管拡張(診断名乳腺腫瘍疑)。上外側石灰化」とありました。
乳腺外科への紹介状もついていました。神奈川ガンセンター乳腺外科に初診の予約をしましたが、混んでいるので、見てもらえるのは3週間後ということでした。自分の病状が、急を要するものなのか、3週間の間に病状が進行してしまうものなのか、少しでも早く診てもらえるところを探した方がよいのかと、迷っています。よろしくお願い致します。

3週間で病状が進んでしまう心配はありません。しかし、不安な気持ちを持ち続けるのも大変でしょうから、診断が正確で早く診てくれる病院をご紹介したいのですが、現状は正確な診断をしてくれる病院に患者さんが集中するので、どこも混んでいる状況は変わりません。違いがあるとすれば、初診の患者さんが予約制でない病院であれば、数時間待ちを覚悟して行かれたら早く診てもらえると思います。横浜在住であれば、この研究会のメンバーがいる病院はお勧めです(予約制かどうかは各病院に問い合わせてください)。(文責 清水)

 

No.6538】  07年04月04日  R.H
再発57歳母の事で質問です

2002.2.25 右乳房温存手術。リンパにも少し転移あり。4月、平日毎日 放射線治療に通う。以降、治療は飲み薬のみ(数年で終了)。
2006.12月 血液検査とレントゲンで 左肺に再発の疑い(小さい転移がたくさん)。
2007.1月 国立病院で検査。2月、背骨にも小さい転移が1つとの検査結果。この頃から咳が出始める。腫瘍内科の医師からは、「10年くらいかけて治していきましょう」と言われたらしい。また、肺に水がたまっているが、抜くほどの量ではないとの事。3月初め、ガン細胞をとり組織検査。背骨からとるつもりだったが、小さすぎてとれないかもしれないし、リスクがかかるという事で、検査の先生がよく探したところ、肝臓にも転移あり。肝臓の細胞をとる。3.15 肺の水720cc抜く。3.19 ハーセプチン治療開始。 3.20 肺の水が5日前と同じくらいたまっているのが分かる。治療の効果が出るのは1〜2ヵ月後。その時点で、もし効き目がなかったらいけないという事で、翌週から別の抗がん剤と併用することに。 3.26 ハーセプチン+タキソール。今後外来で、週に一回抗がん剤投薬。

1) タキソールの投薬が始まり、脱毛を気にしています。抗がん剤をやめればまた生えてくると聞きますが、やめるほど良くなる日がくるのでしょうか? 抗がん剤の種類を変えながら、このままずっと投薬は続くのではと不安です。
2) 漢方でも抗がん剤(日本未承認)があると聞きました。効果はあるのですか? 効果があるなら、今すぐ始めたほうが良いのか、病院での抗がん剤が効かなくなった時に始めたほうが良いのか、どのタイミングで使用するのが一番良いですか?
3) ハーセプチンをして2週間経ちますが、「咳が落ち着いてきた気がする」と言います。もう効いてきたのでしょうか? こんなに早く効きますか?
4) 体の3ヶ所に転移があり、肺の水を抜いてもまたすぐたまる母の体は、どれくらい悪いのでしょう? 再発乳がんの発見としては、遅いほうだったのでしょうか? 治療は効きますか?
5) 気休めかもしれませんが 医師からは「10年くらいかけて治していきましょう」と言われたそうですが、それは肝転移が分かる前。本当に10年程生きられるのでしょうか? 余命はどれくらいですか? 手術から再発までの期間が長い人、ハーセプチンが効く人は、少し長く生きられると聞きましたが…。 

お母様の乳がんの病理検査の結果等が不明なので正確なお話はできませんが、ハーセプチンを使用しているということはHer2陽性だったと仮定してお話しします。
1) 全経過で初めての抗がん剤だと思いますから、効果はかなり期待できます。但し、効果があったときは、抗がん剤を止めるタイミングが難しいです。ハーセプチンはずーと続けることになると思います。脱毛は避けられませんので、カツラ等で対応するようにアドバイスしてあげてください。タキソールの場合、手足のしびれが出るので、その辺も注意してあげてください。一旦再発すると、ガンとうまく共存することを考えます。したがって、お母様の状態に応じて抗がん剤を次々と変えながら治療をすることになります。治療が続くことを不安に思うのではなく、お母様が元気でいるために必要なことと考えてください。
2) 申し訳ありませんが、漢方の抗がん剤というのは知りません。
3) ハーセプチンが効いてくれば2週間で症状が治まってくることもあります。良い徴候です。
4) 再発乳ガンの病期分類といったものはありませんから、どのくらい悪いかは言い表しようがありません。発見は遅い方ではありません。また、再発を早く発見したら治る可能性が高いとうことはないと証明されています。治療が効くか効かないかはやってみなければわかりません。ただ、主治医の先生が効く確率の高い治療を選択していることは事実です。
5) 通常、乳がんが再発した方の生存期間の中央値(再発した方100人を早く亡くなった方から順番に並べて50番目の方の再発から死亡までの生存期間)は2年から2年半と言われています。もちろん再発されて10年以上生存されている方も多くはありませんがいらっしゃいますし、条件は一人一人違う訳ですから、この数字がお母様の寿命だとは言えません。しかし、一つの目安になる数字だと思います。おっしゃる通り、手術から再発までの期間が長い人、ハーセプチンが効く人が平均より長く生存できることは事実ですから、お母様が今後2年以上は生きられそうだという予想はたちます。可能であれば、こういった話も主治医の先生とできるといいですね。(文責 清水)

 

No.6537】  07年04月04日  Q 
病理結果について

いつも参考にさせて頂いています。44歳、一年前に両側乳がん温存手術をしました。 病理結果は、「右は6ミリの石灰化であまり心配ないとの事。左は、しこり2.1p 浸潤がん、リンパ節転移なし、エストロゲン(ー) プロゲステロン(±) HER2陽性(2+) 悪性度2」でした。ホルモンが疑陽性だったため化学療法も一応奨められましたが、主治医といろいろ話し合った結果、今はホルモン療法のみをしています。
1) HER2陽性は、やはりあまりタチがよくないのでしょうか?
2) ホルモンも疑陽性で、再発率を考えた場合、リンパ節に転移がなかった事と、悪性度2、HER2陽性だった事と、どちらが関係が深いですか?
3) 2a期ですが、2.1p転移なしという事は、ほぼ1期に近いと考えてはダメですか?
4) ハーセプチン治療というのは、HER2陽性だった場合、再発防止のために初発の時にやらないのですか?

まとまりのない文ですみませんが、よろしくお願い致します。

1) Her2陽性乳がんは悪性度の高いことが知られています。しかし、Her2蛋白に対する分子標的薬剤のハーセプチンが使える様になって、一概にそうとは言い切れなくなりました。Her2遺伝子の過剰発現があるかどうか(Her2陽性かどうか)を調べるために、通常はIHC法が用いられます。IHC法では(-)と(1+)はHer2陰性、(3+)はHer2陽性、(2+)はHer2陽性の場合と陰性の場合があるのです。貴女の場合IHC法で(2+)なので、現時点ではHer2陽性か陰性か不明です。正確に知るためにはFISH法という検査で調べる必要があります。
2) リンパ節転移の有無と、悪性度とHer2ではリンパ節転移の有無が最も重要な要素です。
3) 2cmというのは人間が勝手にひいた1期と2期の境界線で、2cmと2.1cmの間に大きな差がある訳ではありません。1期に近いという考え方は可能だと思います。
4) 海外ではHer2陽性乳がん(特にリンパ節転移陽性)の術後にハーセプチンを使うことは常識になっています(再発が半減する!)が、日本ではまだ保険で術後に使うことが認められていません。ハーセプチンの術後使用については現在厚生労働省に申請中で、年内には認可が下りるのではないかという噂です。(文責 清水)

 

No.6536】  07年04月04日  S.Y
乳頭の痒み等について

右胸の乳頭の痒みが最近気になっています。また、脂肪の塊なのか、乳頭にいくつかと、乳輪部にボコボコしたものがあります。特に液体が出たり、じくじくしたりしているわけではないのですが、右の乳房だけが痒みと、うっすら赤みを帯びたボコボコしたものが乳首を囲んでおり不安で仕方ありません。何か病気の可能性はありますでしょうか? その際は、何科にかかればよいでしょうか? 宜しくお願いいたします。

Mailの内容からは乳がん等の悪性の病気は考えにくいですが、一度、乳腺外科もしくは外科の乳腺外来受診をお勧めします。(文責 清水)

 

No.6535】  07年04月01日  K   
腫瘍マーカーICTPが上昇したのですが・・・

42歳の主婦です。6年前に乳がんの診断にて乳房切除術を受け定期健診にて今まで再発の兆候は認めていなかったのですが、今回初めてICTPが5.3ng/mlと高値となり(今までは正常値でした)、併せて行った骨シンチでは異常集積を認めず、6ヵ月後の再検査とのコメントをいただきました。この点について3点質問があります。
1) ICTPは擬陽性の値が出ることは、よくあるのでしょうか?
2) 半年後の再検でよろしいのでしょうか? もっと早い時期に再検査をしなくてよろしいのでしょうか?
3) 骨転移があったときに、この腫瘍マーカーは骨シンチの集積前に上昇するのでしょうか?

よろしくお願いいたします。

1) 時々あります。
2) 痛み等の症状がなければ半年後でよいかと思います。
3) 集積前に上昇することもあれば、遅れて認められることもあります(上昇しないこともあります)。若干の上昇は御心配されなくても大丈夫でしょう。半年後の検査をお待ち下さい。(文責 加藤)

 

No.6534】  07年04月01日  N.S. 
センチネルリンパ生検

昨年12月に左乳房温存術、センチネルリンパ生検を受け、放射線治療が終わりました。術後の病理検査の結果、5個のセンチネルリンパのうち1個に1mmの腫瘍の転移が見つかり、リンパ節郭清か放射線のリンパ部への照射のいずれかの選択肢を与えられました。2つの方法で、全身への転移・再発率にかなりの違いはあるのでしょうか?

大きな違いはないと思われます。なお、いずれの治療も行わないという選択肢もありますので、ご検討されてみてはいかがでしょうか?(文責 加藤)

 

No.6533】  07年04月01日  C
マンモトーム後のしこりと血性分泌

石灰化があるということで、12月にマンモトームを受けました。結果は良性だったのですが、その後胸にしこりができ、病院に電話をしたところ「血腫が出来たのでしょう。しばらく様子を見てください」と言われました。そして生検後から乳頭の1つの穴から血性の分泌物があります。最初は赤く量も多かったのですが、その後茶色に、そしてその後ミルクのような白い色になったのですが、最近はまた黄色というか少し茶色っぽいものが出てきます。もう4ヶ月近く経つのに、そのような事は起こるのでしょうか?それともこれは生検とは関係なく、新しく出来たものでしょうか? しこりも小さくなりましたが、まだあり、いびつな形でとても不安です。どうか宜しくお願いします。

生検の影響が考えられますが、そうでない場合もあります。ご心配であれば受診をお勧めします。(文責 加藤)

 

No.6532】  07年04月01日  L・C
同時両側乳がん

以前にも一度質問させて頂き、早速のご解答ありがとうございました。57才、既婚、子供あり。今年1月23日左乳癌告知、ステージ2A、硬癌、グレード1、腫瘍2.6センチと0.6センチが繋がっているとのことでした。その後の検査で、右乳癌・ステージ1・腫瘍0.7センチと分かりました。主治医の話や本によると両側乳癌はそれほど珍しくないとの事。4月4日に円条部分切除で手術予定です。同時両側乳癌の予後やアドバイス等ありましたら、よろしくお願い致します。

両側の予後は比較するとあまり良くないとの報告がありますが、それほど大きな差はないと思われます。(文責 加藤)

 

No.6531】  07年04月01日  Y.S. 
センチネルリンパ節生検とゾラについて(HPNo.6264-3)

前回HPNo.6264でご相談させていただいた者です。その節はありがとうございました。現在CE+タキサン療法の3回目の化学療法が終わったところです。4回目が終わった後、超音波をとり、腫瘍が小さくなっていたらその後のタキサン療法に移っていく予定です。前回の質問で術前化学療法を行った場合、センチネルリンパ節生検ではなくリンパ節かくせいが普通だとのご回答でしたが、主治医に確認したところ、術前化学療法をした場合でもセンチネルリンパ節生検を行うといわれました。状況によるのでしょうが、やはりリンパ節かくせいをした場合の後遺症を考えると今から不安が残ります。そこで質問ですが
1) 術前化学療法をした場合、センチネルリンパ節生検を行える割合はどの程度なのでしょうか? 例えば、3cmの腫瘍がどれほど小さくなれば等の指標はあるのでしょうか?
2) 化学療法を行う時に、子宮を守るために「ゾラ」という注射を毎回お腹にしています。基本的には1ヶ月に1回との事でしたが、化学療法にあわせて3週間に1回しています。主治医からも「特に問題はない」といわれていますが、毎回こちらから「ゾラ」の注射の件を切り出さないと忘れられているようです。この注射の重要性はどの程度なのでしょうか?

宜しくお願いいたします。

1) どれだけ小さくなればという指標はありません。実際には化学療法施行前の転移の有無や施行後の評価等を参考にしながら、行うかどうか決定していくことになります(海外で臨床試験が始まっておりますが、現段階では明確な適応基準はありません)。
2) 将来の妊娠に備えて、卵巣保護の目的でされているのだと思います。治療効果上での重要性は、現在の所確認されていません。(文責 加藤)

 

No.6530】  07年04月01日  S
妊娠中からの腋下のしこりについて 

現在33歳、3歳と5ヶ月の二人の子供がいます。下の子には現在混合ですが授乳中です。下の子の妊娠5ヶ月くらいに、右腋にしこりを見つけました。乳腺外来のある外科で超音波でみてもらっていました。胸には超音波では異常がなく、しこりは2つ出産までありました。出産して3日後から胸の張りと共にわきも熱を持って腫れましたが、授乳が進んでいくうちに治まりました。今ではしこりとして感じるのではなく、左腋に比べると右は少し腫れているような気がします。先日出産してから初めて以前見てもらった外科に行き経過を見てもらいました。3年前の乳癌検診で異常なしでしたが、右に石灰化があった事を告げると、マンモグラフィーも撮りました。結果「両胸に石灰化があるが、1年に1回検診すればいい」と言われました。ただ、わきの事があるので「3ヵ月後に超音波をしましょう」とのことです。
お聞きしたいのは
1) わきのしこりの場合、超音波で見れば悪いものかどうかはある程度わかるのでしょうか? もし乳癌などの可能性があれば、妊娠中でも詳しく検査しますよね。
2) 妊娠中のようにしこりとしてはっきりはわからなくなったのですが、右腋がすれたようにチクチクしたり、つっぱっているようなひりひりするように感じるのですが(いつもではなくうまく症状を言葉にできないのですが)、原因として何が考えられますか? また授乳期が終われば治まっていくのでしょうか?
3) お風呂で石鹸をつけて胸をさわると、両胸のわきに近い方に何かふれるのですが、乳腺なのでしょうか? 外科でも妊娠中に見てもらったのですが、「正常です」と言われています。普段はさわっても感じられません。しこりならば、いつさわっても感じられますか?
 
次回3ヵ月後までにまだまだ日にちがあり心配です。お忙しい所申し訳ありませんが、お願い致します。   

1) ある程度わかります。可能性があれば検査は行うと思います。
2) はっきりとした原因はわかりませんが、これから治まっていくことは考えられます。
3) メールでは何ともいえませんが、しこりならば変化しないことが一般的です。

あまりご心配せずに次の検査をお待ち下さい。(文責 加藤)

 

No.6529】  07年04月01日  K.M.
乳腺嚢胞と診断されましたが・・・

24歳(既婚)です。実は右胸に痛みを感じ、しこりを確認したため、外科へ行きました。しこりは3年前からありましたが、痛みはなく診断を受けていませんでした。3年前に比べると大きくなっている気がしました。問診でその旨を伝え、触診では「線維腺腫」ではないかと言われました。その後エコー診を受け、結果「乳腺嚢胞の炎症」と診断され、抗生物質を処方されました。5日間服用後、再度エコーをとって経過を見るとのことでした。自宅に帰ってネットで調べたところ、細胞診を行うことが多いようですが、そのようなことは一切言われませんでした。
1) 「線維腺腫」と「乳腺嚢胞の炎症」は、触診では区別がつかないものなのでしょうか?
2) エコー診だけで判断できるものでしょうか?
3) 乳がんに変化する危険性はないのでしょうか?
4) セカンドオピニオンを受けるべきでしょうか?

これから赤ちゃんも欲しいと思っているので、影響がないか心配です。よろしくお願いします。

1)難しい場合もあります。
2)多くの情報は得られます。
3)一般的にありません。
4)もう少し経過を見てからでもよいかと思います。

細胞の検査についても相談されてみてはいかがでしょうか? 出産には影響ないと思いますのでご安心下さい。(文責 加藤)

 

No.6528】  07年04月01日  M
左乳房全摘後の治療について

44歳、2児の母親です。毎年検診を受けていまして、左乳房のしこりは「良性」とのこと、安心しきっておりました。昨年2月左乳房に違和感を感じて大学病院を受診した結果、「良性」のしこりのほかに悪性腫瘍が見つかり左乳房全摘出、リンパ節も腫れているので20数個とりました。病理の結果、1.5×1.5×1.2mmの大きさ・硬ガン・ER・PgRともに陽性・HER2+1・リンパ節転移+1/20でした。手術一ヶ月経過後から、飲み薬のタスオミン、リュープリンを毎月一回行い、手術後5ヶ月経過してからCEFを4クール行いました。ここで今後の治療方針を主治医の先生と話した中で、主治医の先生が「術前の写真を見ると、リンパ節にいっぱいあったんだね」とおっしゃいましたので、びっくりしました。手術前の脇の下のリンパ節のCTもしくはMRIの画像を見ますと、確かに白く丸いものがいくつも点在していました。
1) 画像診断と病理検査で、このようなリンパ節転移の個数に大差がでるのでしょうか?
2) ホルモン療法を先にはじめ、化学療法があとでも効能はかわらないのでしょうか?
3) 今後タキソールを3クール行う予定ですが、行った方が宜しいでしょうか?

よろしくお願い致します。

1)画像診断と病理結果に乖離が見られることは時々あります。
2)データがありませんので、すみませんが何ともいえません。一般的には化学療法を行った後にホルモン療法を行います。
3)もう少し情報が欲しい所ですが、上乗せ効果はほんのわずかだと思います。(文責 加藤)

 

No.6527】  07年04月01日  D
乳ガンの不安

18歳女です。左胸にしこりを見つけ、昨日マンモと超音波の検査をしに行きました。それだけではハッキリ分からず、針を刺し細胞を取る検査をしました。結果は1週間後ですが、結果が出るまでとても不安です。しこりは7ミリ程度で、コロコロとよく動きます。左脇胸のあたりも、はっているような感覚で触ると痛いです。半年以上前から背中や胸のあたりが痛く、また圧迫感や動悸がある時があり、今年1月に心電図やレントゲンをとりましたが、異常はありませんでした。背中の痛みが乳ガンの骨への転移などではないかと不安でたまりません。先生は「良性の乳腺線維腺腫だと思うから、心配しなくても大丈夫でしょう」とおっしゃっていますが、本当に大丈夫でしょうか。

メールの内容からは、まず良性の線維腺腫であると思われます。ご心配せずに結果をお待ち下さい。(文責 加藤)

 

No.6526】  07年04月01日  k m
ハーセプチンの投薬間隔について

術後2年で肺転移が見つかり、12月下旬からハーセプチンを単独で毎週投与しています。ハーセプチンを開始してからこれまでのところ、肺のレントゲン画像上は、増殖してもいないし、減少してもいない状況です。先日、主治医から「ハーセプチンは1週間くらい抜いても大丈夫なので、ゴールデンウィークは投薬を休みましょう。」と言われました。主治医のことは信頼しているのですが、投薬間隔が2週間空くことに不安を感じます。一回分の投薬をしなくても、治療効果に影響ないと考えて大丈夫でしょうか?

治療効果に大きな影響はないと考えます。主治医の提案で宜しいでしょう。(文責 加藤)

 

No.6525】  07年04月01日  N
確定診断が出ない場合の治療について(HPNo.6344-4)

HPNo.6344にてご相談させて頂きました。度々の質問ですが、よろしくお願いします。3月の前半に受けたマンモトームの結果が「判定が出来なかった」と連絡を受けました。思いの外、時間が経過していた事もあり、結果のみを電話で取り急ぎ連絡下さったので、今後の事も含め詳細は後日予約日に聞く予定です(時間を要した事は、結果の善悪の為ではないそうです)。マンモトームの信憑性は97%〜98%と言う事で、良性が出れば経過観察を続ければ安心だと思っていたのですが、判定が出来ないとの結果で戸惑っています。(2月初めに受けた最初の細胞診でも、クラスVではっきりしない結果でした。太針穿刺吸引組織診では、悪い物は見つからず良性との診断でした。)
1)マンモトームを受ける際に石灰化もしっかり取れたと言われたのですが、判定が出来ない場合と言うのは、どう言った事が考えられるのでしょうか?
2)判定が出来ない場合の今後の治療は、経過観察以外に具体的に何かあるのでしょうか?
3)悪い物である場合の悪性度は、遠隔転移なども含め低いと考えて良いでしょうか?

次回の受診日に何を聞けば良いのかも判らなくなってしまいました。よろしくお願いします。

1)良悪性の鑑別が難しいということが第一に考えられます。
2)再度針生検または切開生検を行う場合もあります。
3)低いと思います。(文責 加藤)

 

No.6524】  07年04月01日  O・E
母の乳房のしこりについて

お世話になります。実は65歳になった私の母ですが、今月11日に入浴後に自分で左胸にしこりを発見しました。私に見せてくれましたが、乳房の少し下が、でこぼこになり、少しくぼんでいるのがはっきりわかりました。実は私も現在38歳ですが、30歳の時に甲状腺CAで右葉を切除しており、甲状腺ホルモン療法中です。放射線治療をしたあと、帯状疱疹、うつ状態など、いろいろな症状が出て苦労していますので、病気については、私自身いろいろ勉強をしているなかで今回の母の出来事、口には出していませんが、その時はまさかの結果が頭をよぎりました。
一昨年にマンモグラフィ検査を受けた際には、「石灰化の症状が見られるが問題なし」との診断でした。昨年は検査をうけませんでしたが、今回このような結果、私自身も動揺しています。早速私が診て頂いている外科の主治医へ受診させました。まずマンモグラフィ検査では、2センチほどのしこりが白くはっきりと写っており、さらに精密検査が必要ということで、細胞診を行いました。結果は5段階の3、この時点では判断はつきかねるということで、1週間後に2度目の細胞診、結果はまた3、昨日3度目の細胞診を行い、「これで癌細胞が出なくても患部を切除して細胞診の検査会社を待機させて、すぐ結果がわかるように手配しましょう」ということでした。昨日は同時に超音波検査もしました。私も立会い、画像を見せていただきましたが、確かに2センチ大の黒いしこりの中に白く3〜4ミリほどの画像が見えました。主治医もなかなか確定ができず、「もしかしたら進行の早い2年で2センチということは、スキルスというタイプかもしれないが、確定はできない。摘出したものを生検してみないことには。」とのことでした。私としては、まず希望としてどうしても切らないとだめなのか、もし悪性の場合、女性として心身のフォローが必要だと思うので、そのあたりをよろしくお願いしたいとお願いしました。また、できるならば乳房を残していただきたい旨をお願いしました。もし悪性の場合は、手術後、ホルモン療法を行なう旨を言われました。
来週細胞診の結果が解かり、方針が決まるのですが、私自身とても心配で不安です。私自身もまだ現在通院中で、その上母もということになれば、なんて残酷なのだろうか、かける言葉もありません。発見から現在までの経緯、これでいいのでしょうか? またこれからのアドバイスをいただけたら幸いに思います。どうか、よろしくお願いいたします。

細胞診で診断が難しい場合、診断法として針生検という方法もあります。細胞診より少し太い針で組織の一部を採取する方法です。施行について相談されてみてはいかがでしょうか。手術については、リンパ節を多く取らない方法(センチネル生検)も選択肢に入るかもしれません。(文責 加藤)

 

No.6523】  07年04月01日  メイ
薬物療法

突然のメールですみません。薬物療法についての疑問を聞いてほしくて書いています。1年半前乳癌を罹患しました。現在35歳。発見当時は33歳。左乳房罹患、浸潤型腫瘍の大きさ2×3.2cm、リンパ転移無し。しかしリンパかくせい手術実行、温存療法。円錐型手術。現在、転移未確認。ホルモンレセプター有り。ステージU、術後ステージTと診断。放射線治療20回終了済み。再発率は1/5といわれました。放射線治療終了後から各種抗癌剤を処方されました。
ユーエフティ錠100mg 2−1−1(抗癌剤)
ナウゼリン錠10mg  1−1−1(胃腸薬)
セルベックスC50mg 1−1−1(胃腸薬)
ソシゲーンC10mg  1−0−1(抗ホルモン剤)
セファランチン錠1mg 2−2−2(免疫活性剤)

以上が私の処方薬です。軽い抗癌剤と抗エストロゲン剤が主要薬です。最近まで何も疑問に思わず飲んでいましたが、ブログや闘病記などを読んでいくにつれて、自分の治療法が微妙に人と違うことに気が付きました。リュープリンとかゾラデックスとか(ホルモン系の注射でしょうか?採血以外の注射はしてません)、点滴の抗癌剤など、私は一切しておりません。一般の人と違う治療法という事のようで不安になりました。でも強い薬を使うと不妊症になるとも聴いているので、外科の主治医の先生に聴くのも怖いです。まだ結婚もしてないのですが、子供はほしいのです。自分が将来子供が産めるのかも不安です。婦人科医には「大丈夫です」と言われましたが、私の婦人科の主治医は治療した病院とは違う近所の個人のクリニックですので、十分な情報のやり取りを踏まえた上での言葉なのか不安です。若いと進行が早いと言われ、急いで手術してしまった為、セカンドオピニオンは受けませんでした。その為か、時々不安に苛まれます。お忙しいと思いますが、諸先生方のご意見、ご助言をお聞かせ下されば幸いです。よろしくお願いします。

術後療法の種類は様々であり、幅があるのが現実です。手術結果のもう少し詳しい情報にもよりますが、おっしゃるように比較的マイルドな治療法だと思います。ただ、今から内容を変更することによるメリットも不明確ですので、不安を解消するためにも担当医に思いを伝えてみてはいかがでしょうか?出産の希望は大切なことだと思いますので、抗がん剤による不妊も十分考慮していく必要があります。(文責 加藤)

 

No.6522】  07年04月01日  KK  
卵巣保護と抗がん剤

いつも丁寧なご回答、本当にありがとうございます。34歳にて乳癌と診断されました。結婚はしておりますが、子供はおりません。まだ手術前ですので、病理の結果などは出ておりませんが、検査の結果、CTで見る限り転移は無く、腫瘍径1.9cmで病期IとIIの間位、となります。若年性ということも有り、手術後の病理の結果にもよりますが、抗がん剤→放射線→ホルモン療法、と積極的な治療を行ないたいと考えております。ただ、今後妊娠を少しでも念頭におくのであれば、抗がん剤の前に、卵巣保護用に注射をして、1ヶ月程度おき、閉経させてから抗がん剤を行なうのが良いのではないか、と主治医に勧められております。そこで1点質問があるのですが、抗がん剤の前に、卵巣保護のため閉経させてから抗がん剤を行なった場合に、通常の抗がん剤治療する場合より、抗がん剤の効果が弱まるといったことは無いのでしょうか?私としましては、勿論考えられることであれば、将来妊娠も考えたいとは思いますが、できるだけ再発・転移のリスクを下げることを最優先したいと思っておりますので、上記のようなおそれがないかどうか、知りたいと思っております。ご回答いただけましたら幸いです。どうぞ宜しくお願い致します。

その問題の答えとして明確なものはまだありません。おっしゃるように効果を弱める可能性も指摘されています。がんのホルモン感受性によって、影響を及ぼす度合いに違いがあるのではないかとの推察もあります。手術結果によってリスク等を考慮し、検討する必要があると思います。(文責 加藤)

 

No.6521】  07年04月01日  M.Y.
母の症状についてお知恵をお貸しください

今回こちらのホームページを知り、ご相談させていただきます。お忙しいとは思いますが、ご教授いただければ、とても嬉しく思います。どうぞ宜しくお願いいたします。
現在の状況です。母58歳(子二人)の右乳房外側にしこりがあります。乳房もしこりに引っ張られるように形が変わり、しぼんで見えました。乳房から分泌物等は出てないようです。また痛み等もなく、体調の不調についても訴えていません。母は乳癌だと確信しているようで、病院に行ったら出て来れなくなるので絶対に行きたくないと、検査も受けてくれません。一刻も早く検査を受けることが肝要とは充分理解しておりますが、肝心の母の気持ちを動かすことができません。私も当初はただ動揺し、「どうしよう、どうしよう」と最悪の可能性を考えるだけで涙がとまりませんでしたが、親切な方に「もしかしたら乳癌じゃない可能性もあるかもしれないから」と、こちらのホームページを教えていただきました。母の症状についてどう思われますか。やはり乳癌の可能性が高いでしょうか。もし違う病気の可能性があり病院に行けば治癒すると判れば、母もきっと検査を受けてくれるのではないかと期待しています。何度も繰言になってしまいますが、母の病院へは行かないという決意は、娘の私の涙ながらの説得でも覆すことができないほど強固なのです。どうか母の症状についてお知恵をお貸しください。どうぞ、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

メールの内容だけでは乳がんかどうか診断は難しいですが、その可能性も考えておかなければならないでしょう。乳がんは多くの方で治癒が期待できますし、できればあまり進行しないうちに受診された方がよいと思います。治療を受けるかどうかは別として、診断のため一度病院へ行かれてみてはいかがでしょうか?ご助言の通り、がんで無い可能性もあり得ますので・・・。(文責 加藤)

 

No.6520】  07年04月01日  H
ホルモン剤とマーカーについて

ホルモン剤とマーカーについてアドバイスお願いします。現在、抗癌剤+ハーセプチン+ホルモン剤を使っています。このところ効きが悪くなり始め、次の薬に困っております。(ホルモン剤はフェマーラを服用して4ヶ月たち、服用当初は腫瘍にも効果があり、マーカーも下がりました。) 例えば今後、アロマターゼ阻害剤の中で薬を変更した場合、それはもう意味がないと思われますか? 1つ使ってそれが効果が無かったら、あとはもうだめなんでしょうか? 私は試してみたいと思っているのですが・・・。あとマーカーについてですが、退院後約2年半がたって、CA15−3・CEAともに基準値内は保っていますが、CA15−3は腫瘍の大きさによって変動があり、最低値で9,9、最高値17までの幅があります(入院中は40を超えていました)。しかし放射線科の医師には「マーカーには反応しないタイプだから、マーカーが低いからといって、あまり安心してはいけない」と言われました。確かに入院中は高かったけれど、退院後、色々と抗癌剤を使って「縮小、増大」を繰り返すうちに、マーカーに反応しないタイプに変ってきたのでは・・・というお考えのようです。しかし乳腺外科の主治医は「基準値内であっても増減しているから、充分参考になる」といいます。もちろん両医師とも、「画像診断など含めた総合的な判断です」とはおっしゃるのですが、かたやあてにならない、かたや参考になる、といわれ、一体どう解釈すればよいのかと思います。宜しくお願い致します。

他のアロマターゼ阻害剤で効果が認められる可能性はあります(多くはありませんが・・・)ので、試してみてもよいでしょう。マーカーはある程度参考になるくらいの解釈で宜しいかと思います。基準値内での多少の変化は気にされなくてよいでしょう。(文責 加藤)

 

No.6519】  07年04月01日  K.O
マンモトーム検査後の傷

貴HPを見て初めてメール致しました。昨年11月にマンモトーム検査を千葉県内の病院で受診(左乳房上外側)しました。幸い、乳癌ではなく診察も一段落したのですが、検査時に切開した傷が未だに癒えず悩んでいます。検査後は、ボンドのようなもので傷を固定したのですが、1週間後傷の付が悪くテープ固定に変えました。その後、8割程度傷はふさがったのですが、マンモトームの針穴部がふさがらず、周囲がしこりのようになり針穴部から体液のようなものが滲み出ています(下着に付く程度)。
同病院に何回か通院し、傷も診察してもらっていたのですが、あまりにも完治しないので、今後は再度切開しシコリ部など切除し、再度傷がくっつくのを待ったほうが良いといわれています。検査後数ヶ月が経過し、傷が癒えないのは非常に不安です。ほかの病院に診察してもらったほうが良いのか?どの病院でも同じような処置なのか?このような検査後の処置に悩むことは良くあることなのか?今までの御経験からご助言頂ければ幸いです。

私は経験ありませんが、稀に起こりうる合併症の一つだと思います。完治しないようなら、おっしゃるように外科的な処置が必要となるでしょう。時間がかかるかもしれませんが、これから少しずつ良い方向に向かっていくと思います。(文責 加藤)

 

No.6518】  07年04月01日  M.O.
手術後の経過観察について

37歳の主婦です。約9ケ月前に0期・非湿潤癌(ミクロの単位の癌が乳管にひろがってた)で、片側乳房を全切除しました。その後はノルバデックスを5年、リュープリンを2年というホルモン療法を行っております。この先、どのような経過観察を行っていくか質問したところ、年に1回のマンモと超音波、そしてPET-CT検査も行ったほうがよいといわれました。PET-CT検査は年に1度必要な検査でしょうか?
私は再発率が1%といわれているので、できれば被爆が心配なので、やりたくありません。何年もしたら検査で被爆してガンになるようなことはないのでしょうか? まだPETをしなさいといわれていませんが、そのときに検査を拒否できるものですか? それによって先生ときまずくなるのも嫌なのですが・・・。すみませんが、私のような乳がんのケースはPET-CTが普通、必要となるか教えてください。

非浸潤がんの術後定期検査でPETを行うことは一般的ではありませんので、意思をお伝えになれば検査は受けずにすむかと思います。(文責 加藤)

 

No.6517】  07年04月01日  M
悪性葉状腫瘍について(4)(HPNo.5500-4)

いつも相談に答えて頂き大変感謝しております。リンパ浮腫についての質問なのですが、術後5ヶ月頃から左腕の力コブあたりがむくんで少しはれてきて、普段は痛みはないのですが、顔を洗ったりする時に痛みがあり、段々痛みがひどくなっているとのこと。母は左胸全摘出手術の時、リンパ節転移はなかったのでリンパ節を取っていません。また、主治医の説明では、この病気の場合、リンパ節に転移することはめったにないと言われています。この腕のむくみは、術後一般的なリンパ浮腫なのでしょうか? 次の検査まで2ヶ月ありますが、主治医に早急に見て頂くべきでしょうか? 現在術後10ヶ月です。宜しくお願い致します。

一般的なリンパ浮腫の場合もありますし、他に原因がある場合も考えられますので、主治医に一度診てもらうことをお勧めします。(文責 加藤)

 

No.6516】  07年04月01日  T・K
術前化学療法で腫瘍が消失したのですが、手術した方が良いかどうか?

初めてご相談させて頂きます。52歳の主婦です。昨年5月に、マンモ・エコー・細胞診(class X Ductal carcinoma) (ER・PR 陰性・Her2 2+)・ MRI・CT・PET・骨シンチの検査の結果、「左乳癌(径25mm×16mm)、左腋窩リンパ節転移、鎖骨下胸骨傍リンパ節転移(ステージVC)」と診断されました。遠隔転移、骨への転移はみられないという事でした。その結果6月より術前化学療法(テラルビシン・5−FU注射・エンドキサン内服)を6クール受けました。3クール受けた時点で CT・PETの検査をしたところ、画像上全て消失しておりました。最初先生から「原発巣は、手術して切除する」と言われていたのですが、エコーで診ても映らないので手術はせず、そのまま抗癌剤投与を6クール最後まで受けました。そして、今年1月から次の抗癌剤(タキソール4クール・ハーセプチン1年)投与を受けております。CTと骨シンチの検査も再度受け、異常は無く、このまま手術はせずに化学療法を続けて行くのかと思っていたところ、最近先生から他の先生方の意見として、左乳房(全摘)腋窩リンパ節の摘出手術はした方が良いとの事で、手術をするかどうか家族と相談して決めるよう言われました。最初は手術する覚悟でおりましたが、幸いにも抗癌剤がよく効き、癌が消えた現在、先生もどちらが良いかはっきりとは言われないので、術後の後遺症や手術した場合としない場合の再燃「発」する確率など、色々考えると手術すべきかどうか迷い、決めかねております。どうかご意見をお聞かせ下さい。よろしくお願い致します。

確かに難しいところです。ただ、おっしゃるように局所治療として手術を勧める医師の方が多いかもしれません。がんが本当に消えたかどうかは、手術して組織を調べてみないと判らないという点も考慮に入れた上での提案かと思います。(文責 加藤)

 

No.6515-1】  07年03月26日  A.H. 
術後の痛み

37歳、子供7歳と3歳の主婦です。3月にガンを疑われ、「組織診で陰性だが、怪しいからMRIを受けるよう」言われました。たぶん心配無いとの事でしたが、頻繁に検診が必要と言われ、摘出してもらいました。1時間の局所麻酔での手術、大きくとられ、ぼたもち位の大きさでした。診断は腺腫でしたが、腺腫とはどいうものなのでしょうか。また術後右をとってもらったのですが、ずきずき、ぴりぴり痛みが続きます。もうすぐ手術から3週が経ちますが、こんなに痛みがあってもおかしくないのでしようか。よろしくお願いします。

おそらく線維腺腫(Fibroadenoma)という良性腫瘍だと思いますが、乳腺内に孤立性または多発性に発生する境界明瞭な腫瘍で、上皮成分と間質成分の両方が増殖する病変です。術後に数週間痛みが続くことは時に経験されます。(文責 片山)

 

No.6515-2】  07年04月22日  A.H. 
良性腫瘍摘出後の痛み

以前HPNo.6515でお世話になっております。術後1か月と2週たちますが、何もしなくても強くうずきます。触ると、飛び上がるほど痛みます。熱はありません。切った表面は痛みませんが、中が痛いです。しばらくはこういう事もあるのでしょうか。もうすぐ生理ですが、関係ありますか。次回の検診は、心配なら半年、そうでなければ1年後です。痛みがあっても、検診まで放っておいてもよいでしょうか。よろしくお願いいたします。

症状が強くご心配でしたら、早めに受診されることをお薦めします。(文責 首藤)

 

No.6514】  07年03月26日  O 
温存手術で放射線治療をしていません

去年4月(41歳)に乳癌とわかり、6月に左乳房温存手術(直上切開法)をしました。7月からノルバデックスを飲み始め、8月からリュープリンを打っています。主治医から「手術で癌を取った際、真ん中でキレイに取れているから放射線治療は必要ない」と言われ、ホルモン治療のみで、本当に放射線治療が必要でないのか不安です。母親が乳癌で手術後4年弱で亡くなっている事もあり心配です。2度、放射線治療が本当に必要ないのか尋ねましたが、同じ答えでした。詳しい病理の結果は聞いていませんが、「癌の大きさは1センチ弱、センチネルでリンパを10個取り転移なし、ホルモンレセプター+、細胞核?とやらが+2」です。
去年12月の検査(骨シンチ・MRI・CT・血液)では、異常ありませんでした。ただ、「肝臓に今迄なかった血栓が1個ある」と言われましが、何も治療しなくても良いらしく、何もしていません。6月に術後2回目の検査をする予定です。現在は、リュープリンSRのため3ヶ月に1度の診察です。手術から9ヶ月経過しているので、いまさら・・・と言う気もしますが、温存の場合、通常放射線治療が標準治療ではないのでしようか? 放射線治療が必要ない場合もあるのでしようか? よろしくお願い致します。

現在のところ、ガイドライン上は早期乳癌(StageT、U)に対する乳房温存術後は乳房照射が推奨されています。腫瘍が小さく、手術の切除範囲が大きく、患者さんの年齢が高いほど照射省略の可能性が高いと考えられ、様々な臨床試験から照射を省略できるサブグループを同定する試みが続けられています。非浸潤性乳管癌についても、術後照射の利益が少なく、照射を安全に省略できる患者群を抽出できれば、患者さんにとっては恩恵があると考えられますが、そのような症例に関する十分な情報は揃っていない状況です。(文責 片山)

 

No.6513】  07年03月26日  H  
副作用について

62歳、去年10月温存手術。1/26頃(NO?)FAC4回投与の後、タキソールの投与をするかどうかで迷った時に、このコーナーで相談し再発率が下がるとのご返答(須田Dr)に覚悟を決めて、1×1週間×3回(1クール)を終えました。3回目が終わって、3日後ぐらいから息苦しさ(吸う息)と左(手術方)手術跡、脇の下、二の腕がぴりぴりと痛み出しました。息苦しいのは3日間続いた後、少しずつ楽になり、10日後には全快しました。
1) 主治医は「息苦しいのはあまり出ない副作用だから、ストレスのせいでは」とのことですが、(ストレスは確かに抱えていますが)どうでしょうか? そのため休薬期間を2週間にのばしました。効果の低下はどうでしょうか?
2) 脇の下の痛みは続いています(タキソール投与後2週間)。07年の10月(手術の1年前)に左二の腕に帯状疱疹が出て治療を受けました。それとの因果関係はあるでしょうか? 他に考えられることがあるでしょうか? 痛みを取る治療法はあるでしょうか? 

以上よろしくお願い致します。

1) ストレスによる可能性も確かに高いと思います。休薬期間は必要があって設けるものだと思いますので、効果の低下を心配するよりも副作用を避けることに重きを置くと考えたほうが良いと思います。
2) 手術跡、脇の下の疼痛が1−2年続くことはあります。手術の1年前の帯状疱疹との関係は定かではありませんが、同じ部位に帯状疱疹が再燃していないかどうかは確認してください。(文責 片山)

 

No.6512】  07年03月26日  R.F. 
のう胞が腫瘍に姿を変える事はありますか?(HPNo.6253-2)

A病院でのう胞と診断されてから1年半経過していたため、経過観察のため検査をする事にしました。今回は、初めて乳腺専門のC病院に行きました。ここでもマンモグラフィとエコーをしました。更に今回初めて細胞診をしました。今結果待ちです。以前から「のう胞」と診断されていたしこりは、一度も消えずにずっと私の左胸に存在していたのですが、今回の診察で、エコーの時に「のう胞は無い」と言われました。しこりの存在は先生にもはっきり認識してもらっていますが、それが「のう胞ではない」と言われたんです。のう胞が消える事もあるのは知っているのですが、私の胸からは、以前のう胞と言われたしこりは一度も消えた事はありません(大きさは1cmぐらいなので、明らかに分かる)。なので、びっくりしました。ただ確かに、以前のう胞と診断された時に先生がエコー中に画面を私に見せながら「これがのう胞ですよ」と教えてくれた時のような映り方をする部分が、今回の検査では無かったので、「のう胞が無い」と言われるのも全く納得が出来ないわけではないのですが・・・。
私は、気になったので、「のう胞じゃない」と言われた時に、「じゃあ前にのう胞と言われていたこのしこりは何ですか?」と言いました。先生は「のう胞は消える事がありますよ」と言いました。「前ののう胞は消えて、新しく別のしこりが出来た」と捉えているような印象を私は受けましたが、私ののう胞と診断されたしこりは一度も消えていません。月1回どころか、月に何回も、そのしこりの存在は確認しながら過ごしていました。ここで質問させていただきたいのは、
1) のう胞だったしこりがのう胞ではなくなり、腫瘍に変化する事があるのかどうか?
2) 針を刺されてしこりの中身をとられた時(細胞診?)、その場で「この形なら大丈夫だと思う」と言われたのですが、細胞を診断する前から「大丈夫そうだ」とか、ある程度判断出来るものなんでしょうか?
3) 細胞診をしたのは昨日です。今日になってしこりを触ってみると、今までより大きくなっているような気がします。こういう事は普通によくある事でしょうか。あるとしたら、それは、特に異常ではないのでしょうか。心配です。

よろしくお願いいたします。

1) やはりのう胞が消失し、新たなしこりができたか、のう胞内に何らかの原因で出血をおこしたり、内容の性質が変化して濃くなり、いわゆる濃縮のう胞となって、画像上の見え方が変化したなどの可能性が考えられます。
2) お話からは定かではありませんが、「この形」というのがエコー上の形のことかもしれません。また、穿刺したときに黄色調の透明な液体が引けたときなど、その様子から「大丈夫そうだ」とある程度判断できる場合もあります。
3) 若干炎症を起こしたか、内部に出血を起こして少し膨らんだ可能性はあると思います。(文責 片山)

 

No.6511】  07年03月26日  S.O. 
術後出血について

初めて相談させていただきます。本年3月15日に左側乳房の乳がんの温存手術を行いました。がんは6ミリで、そのまわり2センチを切除したとのことです。事前にセンチネルリンパ節生検を行い、転移なしということで、リンパの郭清は行っておりません。手術翌日の午後に突然左側乳房が痛み腫れてきたため、医師に診ていただいたところ、中で出血しており、胸部帯により圧迫し、その後出血は止まっているということでした。20日に退院し、翌日より仕事にも復帰しております。手術後10日たちますが、現在も左乳房が2倍位に腫れており、赤黒く内出血をしている状態で、痛みが少しあります。22日に受診したところ、吸収されるのを待つとのことで、特に注意することは無いと言われました。今後は放射線治療を行う予定です。インターネットで検索してみても、乳がん手術後の出血についての情報を見つけることができません。そこで質問ですが、
1)このまま待つだけで良いのか
2)この状態はどの程度続くものか
3)今後の影響
についてお教えいただきたく、お願いいたします。

1) 術後の出血による血腫は時に経験されます。拝見していないのではっきりしたことはわかりませんが、その量によって吸収されるのを待ったり、ある程度多くて長引きそうならば、開いて血腫を除去することもあります。
2) 上記のように、その程度によって差があります。
3) 治ってしまえば特に影響は無く、術後の放射線治療も受けることができます。(文責 片山)

 

No.6510】  07年03月26日  k。k
手術後の検査について

乳ガンの転移は骨・肝臓・肺の順に多いと、ある文献でみました。そこで、手術後の検査は、どのくらいの次期に何をするのがよいか教えてください。今は手術後4年経過し、検査は年1回の両側マンモグラフィーとエコーだけです。肝機能検査、上半身のCTです。私としては、骨シンチとPETを受けた方がよいか迷っています。

術後の定期検診において、問診・視触診と、1年ごとの対側のマンモグラフィーは有用で推奨されるが、定期的なCTや骨シンチの有用性は明らかでない(生存率に寄与しない)といわれており、症状のある乳癌患者さんに検査を行い、診断し、治療することは、症状の緩和およびQOLの向上が期待できるとされています。何か拠り所の無い話ですが、あくまで多数症例で比較された科学的根拠が無いということであって、ご心配がおありでしたら主治医の先生と相談の上、検査を受けられてもかまわないと思います。(文責 片山)

 

No.6509】  07年03月26日  B 
ホルモン療法の副作用について

以前ご相談させて頂いたBです。その節はありがとうございました。早速ですが、ホルモン療法の副作用について質問がございます。現在ゾラデックス+タモキシフェンを開始して2か月半経過しました。生理は止まりました。2週間前から明け方にホットフラッシュで起きていたのですが、1週間ほどでおさまりました。以前の生理期間と同時期なのですが、何か関係があるのでしょうか。それとも偶然でしょうか。お薬に身体が慣れてきただけなのでしょうか。昼間は汗をかいても元気にしております。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いします。

ほてりの副作用はゾラデックスで13.6%、タモキシフェンで5%未満とされ、あなたの症状もおそらくこれに相当するものと思われます。(文責 片山)

 

No.6508】  07年03月25日  T 
熱が下がりません

3月9日に4回目の抗がん剤が終わりました。副作用も殆どなく喜んでいたのですが、3月20日より熱が出て下がりません。病院に連絡したところ、「風邪薬を飲んでください」といわれ、飲んでいます。病院で処方された風邪薬と抗生剤と解熱剤です。でもなかなか微熱(37,7℃前後)がとれません。普通だとふらふらしそうなのですが、頭も痛くなく、普段と変わらないくらいに動けるのですが、抗がん剤による熱だとこのようなものなのでしょうか? また熱が出る原因で考えられるのはどういうものがあるのでしょうか? 3月30日に5回目の抗癌剤投与があります。熱がもし下がらなければ、投与はしてもらえないのでしょうか? 宜しくお願いいたします。

抗がん剤投与の副作用の一つが骨髄抑制による白血球(好中球)の減少による発熱で、感染予防のために抗生剤投与がされているわけですが、あまり熱が下がらなかったり、高熱が出るようでしたら病院を受診してください。次回の投与も、もちろん様子を見てということになります。(文責 片山)

 

No.6507】  07年03月25日  E.B
乳がん検診結果について

先日、乳がん検診をしました。内容は触診とマンモグラフでした。触診では異常なしだったのですが、マンモの結果が左胸にFADと腫瘤(+)で、結果「良性、しかし悪性を否定できない」で、要精密検査ということでした。数日後に乳腺外科を受診し検査する予定ですが、不安でたまりません。乳がんである可能性は高いのでしょうか?

この結果は「おそらく良性であるが、悪性を否定できないので念のために検査」という意味で、どちらかといえば良性を考えていますから、こわがらずに是非検査を受けてください。(文責 片山)

 

No.6506】  07年03月25日  N.M. 
乳がん手術について(HPNo.6447-2)

乳がんの手術について質問があります。
胸のしこり2.5センチ、脇下のリンパ節への転移がみうけられる(おそらく進行性のガン)場合、全摘しかないのでしょうか。いろいろ調べてみたのですが、全くわかりません。「このままでいくと、おそらく全摘ですね」と言われているので、あきらめて覚悟を決めています。たとえば素人考えですが、全摘しても後の抗がん剤治療は行っていくと思うので、手術前に抗がん剤をやってみて、もししこり等が小さくなったら全摘しなくても済むような感じがするのですが、そういった選択の余地はないのでしょうか?

主要なしこりの大きさにかかわらず、病変の乳管内への広範な進展があったり、3個以上の多発病変がある場合は温存術が難しくなります。ただおっしゃるようにケースバイケースですが、3cm以下の大きさで、術前補助化学療法を行ってしこりを小さくしてから温存術を考慮するという方法は行われています。(文責 片山)

 

No.6505】  07年03月25日  S 
腫瘍マーカー、NCC-ST-439について(2)(HPNo.6496-2)

迅速なご回答、大変ありがとうございました。もう1点大切な事をお伺いそびれてしまいました。一般的なお話をお伺いしたく、再度質問させていただきます。今回の腫瘍マーカー(NCC-ST439)の上昇で、私の主治医は、他の臓器(すい臓、胆のう)のガンも考えられるということで、お腹の超音波を今度することになっています。局所再発の可能性を疑って、乳房のMRTとかを撮るのが普通かと思ったのですが、医者的判断でこのようなこともよくある事なのでしょうか? お忙しい所たびたび恐縮ですが、ご回答の程よろしくお願いします。

一般的には腫瘍マーカーは全身にある程度の量の癌細胞があって上昇し、局所の小病変のみによって上昇することは少ないと考えられます。ただし局所再発が全身病の一事象として現れるという可能性はあります。(文責 片山)

 

No.6504】  07年03月25日  M・S 
乳房のしこりの検査方法について

インターネットや書籍で情報を模索しておりますが、今回こちらのホームページを知り、光明を得た感じでうれしく思っている次第です。お忙しいとは思いますが、ご教授願えれば幸いと思いメールいたします。相談をお願いする私は夫です。宜しくお願いいたします。
■現在の状況
妻37歳(子二人8才、5才)の左乳房上部外側にしこりが見つかりました。ちなみに現在、乳房から分泌物等は出ておりません。また痛み等もなく、陥没等の外見の変化は見うけられません。
今月頭に近くの総合病院(乳がん学会認定施設等ではありませんでした)にて、視・触診とマンモグラフィー検査、エコー検査を受けました。検査結果は妻ひとりで聞きました。担当の外科の先生(乳線専門医ではありません)の御診断は「約1.5pほどのしこりがあり、マンモグラフィーでは特に気になる事は見受けられないが、超音波検査にて少し気になるところがあるので経過観察します。1ケ月ほど後に再度検査をしましょう」との事でした。妻は初めての経験で知識もなく、その場では何の質問等も出来ず帰宅しましたが、やはり経過観察でよいのか不安になり、後日、別の総合病院(乳がん学会認定施設等ではありませんでした)にて再度、視・触診、マンモグラフィー検査、超音波検査を行いました(ちなみに今回の担当の先生は外科部長の先生ですが、乳線専門医ではありません)。
結果、「約1.3pほどのしこりがあり、エコー画像に細い線?が写りますので、穿刺吸引細胞診をしましょう」と診断され、後日、細胞診を受けました。そして先日その検査結果を二人で聞きにいきましたが、先生は「確かにしこりに当たった感触があり、エコーでも確認しながら行なったはずですが、細胞採取が出来ていなかったようで検査結果は出ませんでした。また同じ細胞診をやっても今回と同様になるかもしれないので、外科生検をしましょう」とおっしゃられました。他に方法はないかと質問しましたが、特に他の方法をご提示されませんでした。その場で即答できず帰宅し、はじめて自分なりに少し調べてみようと情報を集めてみました。そうしたところ、細胞診で診断できない場合の次に手段として組織診(生検)があり、その種類として、「1)3pほどの縫合跡がのこる外科生検、2)細胞診より少し太い針で行なう針生検(CNB)、3)より太い針で行なうが傷跡は0.3-0.4ミリほどで縫合不要、また検査結果判断率も高いマンモトーム生検」等があることを知りました。そのため、現在お二人の先生のご提示された方針に少し疑問を感じている状況です。
■質問内容
1) 細胞診で細胞採取できない事はよくありますか?
2) 細胞診で判断付かない場合の次の手段として生検を行なう場合、その種類としては一般的に何がよいのでしょうか?
3) マンモトーム生検では1pほどのしこりは取りきってしまうこともあるそうですが、縫合等はない方法との事でかなり有効に感じられますが、全ての病院、ケースで行なう方法ではないのでしょうか?
4) 診察、治療を今後同じ病院にて行いたいと思っていますが、専門知識の豊富な先生(乳線専門医、マンモグラフフィ読影認定医等)でないと判断するのは難しいのでしょうか? また、がんとの診断結果がでた場合、その後病院を変えずに治療を続けられる病院(状況によりセンチネルリンパ節生検、術前科学療法、放射線治療等の組み合わせが選択可能で、かつ手術件数が多い病院)にお願いしたい気持ちですが、遠すぎて通院が負担になりすぎのも困るとの思いです。実際、病院等で治療方針や実績に差はかなりでるものなのでしょうか?

お忙しいところ本当に申し訳ありませんが、何卒ご回答の程宜しくお願いいたします。

1) 細胞診検査は、タ-ゲットとなる腫瘤などに針が正確に穿刺できているか、確実に吸引されて細胞が採取できているか、針からスライドグラスに検体を乾燥させずに吹きつけ固定できているか、そして染色も行い、病理医の眼で見ての診断と、以外にクリアされるべき項目が多くあって初めて正確な診断ができる検査です。よって細胞がうまく採取されずに診断に結びつかないこともあります。
2)3) MMGや超音波検査によるしこりの状態によっていろいろな判断があると思いますが、MRIやマンモトーム生検を含む外科的生検が、次のステップとして考えられます。しかしこれらは、どの施設にでもあるという設備ではありません。
4) 実際私の病院にもマンモトーム生検装置はなく、適応があると考えられる場合はご紹介するようにしています。実際の画像を拝見していないので、その辺のニュアンスは難しく、主治医の先生とご相談いただくしかないと思います。(文責 片山)

 

No.6503】  07年03月24日  N.H. 
ホルモン療法について

はじめて相談させていてだきます。48歳の主婦です。昨年12月全摘手術を受けました。1cm位のしこりが2個あったため温存の選択肢はありませんでした。T期、リンパ節転移なし、グレード1、ER,PgR共に(+)、HER2陰性、全て低リスクという結果でした。
1月よりゾラデックスの注射を始め、その後生理も止まったようです。主治医は注射のみの治療でもいいようだとおっしゃっていましたが、念のため薬も服用することにいたしました。そこで処方されたのがフェマーラだったのですが、1月までは生理もありましたし、タモキシフェンの方じゃなくても大丈夫なのでしょうか? 先生は「注射で閉経状態になっているのだから大丈夫」とおっしゃるのですが、他にこのような例を見ないので、少々不安を感じています。ご意見をお聞かせいただけたらと思います。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

閉経前患者に対してLH-RHアゴニストとアロマターゼ阻害剤を併用することは理論的にも効能が期待でき、現在実際に検討されており、副作用等のためにタモキシフェン投与ができない患者の選択肢としては容認されると考えられますが、現時点では本邦ではアロマターゼ阻害剤は閉経後乳癌のみが適応となっています。(文責 片山)

 

No.6502】  07年03月24日  K 
左乳房のしこりについて

私は30歳女性です(子供は2人います)。少々お伺いしたいことがございましてメールいたしました。昨日、体を洗っているときに左胸にしこりがあるのに気がつきました。生理前なので乳腺が張っているだけという可能性もあると思うのですが、神経質な性格のため一度気になると、ずっと頭から離れず、くよくよ悩んでしまいます。病院へ行けばいいのでしょうが、2ヶ月ほど前に「乳腺外科」で乳がん検診を受けたばっかり(触診・マンモグラフィ・超音波をしました)で、また検査をするのに抵抗があります。被爆なども心配です。検査結果は異常なしでした。しこりがある場合、2ヶ月前に乳がん検診をしていても、また検査を受けたほうがいいのでしょうか? 何度もマンモグラフィをして、被爆による発ガンを心配しておりますが、大丈夫なのでしょうか? お忙しい中お手数ではございますが、回答していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

同じ「乳腺外科」を再診してご相談ください。必要な検査を検討してくださると思いますし、必ずしもマンモグラフィを行うとは限りません。(文責 片山)

 

No.6501】  07年03月24日  K
術後の治療について(2)(HPNo.6485-2)

No.6485にて質問させて頂いた者です。ご回答、本当にありがとうございました。私のケースでの術後治療はやりすぎではないか、副作用や治療費とのバランスを考えると、そこまでの治療は本当に必要なのかと悩んでいたので、参考にさせて頂きたいと思います。今後の治療として、ノルバデックスだけでなく、LH-RH agonistを併用した方が再発リスクはより減らせるとのことですので、3ヶ月に一度のリュープリンを検討したいと思います。なお、最後にゾラデックスを打って約3ヶ月半になりますが、まだ生理は戻っていません。来月3ヶ月ぶりに診察がありますが、その時にまだ生理が戻ってなくてもLH-RH agonistは打っておいた方がよいでしょうか? それとも生理が戻ってない間は打つ必要はないでしょうか。(抗がん剤治療中ゾラデックスで卵巣機能保護していましたが、それでも抗がん剤で閉経した可能性もあるのでしょうか。)
また、前回No.6485で質問した病理所見についてですが、温存手術時とその後の全摘手術時では、以下のように数値が変わっています。これはどういう意味があるのでしょうか。(大きな意味はないのかもしれませんが、素朴な疑問です。)
HG tuble:(温存手術時)2→(全摘手術時)1、 HG mitosis:(同)1→2、 N-SAS:(同)1→2、 EIC:(同)(−)→(+)、HG nuclear atypia:2、Tis(+)は変わっていませんが、合わせて意味を教えていただけると幸いに存じます。お忙しい中、何度も申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

治療目的でLH-RH agonistを考えているのであれば、生理が戻っていなくても続けて投与を行って良いと思います。温存術の部分と全摘した部分とで若干組織の状態が異なり、腺管形成や核分裂像などのスコアに差が出たものと考えられますが、定かではありませんので、その辺のニュアンスは主治医の先生にお尋ねください。(文責 片山)

 

 

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