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相談室(No.6401〜6500)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

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なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

6500-1
6500-2
07/03/24
07/04/14
F 術後のタキソール、タキソテールについて
投与量について
片山
鈴木
6499 07/03/24 H.K. 治療後に妊娠できますか? 片山
6498 07/03/22 T.F.  今後の治療方法について 片山
6497 07/03/22 tyu 薬について 片山
6496-1
6496-2
07/03/22
07/03/25
S   腫瘍マーカー、NCC-ST-439について
腫瘍マーカー、NCC-ST-439について(2)
片山
片山
6495 07/03/22 センチネルリンパ生検について 片山
6494 07/03/22 N.K. 多発小のう胞について 片山
6493 07/03/22 あひる コラーゲンと女性ホルモンの関係 片山
6492 07/03/22 U  再発率 片山
6491 07/03/22 H  ベーチェット病について 片山
6490 07/03/22 Y 再建術(HPNo.6472-2) 片山
6489 07/03/22 YJ 術後の治療方法について 片山
6488 07/03/22 M.H 授乳中のしこり 片山
6487 07/03/22 KK 細胞診後の変化 片山
6486 07/03/22 M  骨転移でしょうか? 片山
6485-1
6485-2
07/03/21
07/03/24
K 術後の治療について
術後の治療について(2)
石山
片山
6484 07/03/21 M K  妻の病状と治療について(2)(HPNo.6477-2) 石山
6483 07/03/21 Y.T. 術後の不妊治療について 石山
6482 07/03/21 Y.A.  タモキシフェンとビタミンE 石山
6481 07/03/21 J.N. セカンドオピニオン(2)(HPNo.6398-3) 石山
6480 07/03/18 T.K.  右腋のかたまりについて 石山
6479 07/03/18 Y.Y.  癌の悪性度について(HPNo.5763-4) 石山
6478 07/03/18 Y 術後の治療について(2)(HPNo6465-2) 石山
6477-1
6477-2

6477-3
6477-4
6477-5
07/03/17
07/03/21
07/04/22
07/04/26
07/07/17
M K 妻の病状と治療について
妻の病状と治療について(2)
抗癌剤投与について
妻の再発率について
抗がん剤投与について
石山
石山
首藤
須田
加藤
6476 07/03/17 M  乳輪内のしこりの検査結果について(HPNo.6435-2) 石山
6475 07/03/17 M・M プラセンタ注射について 石山
6474-1
6474-2
07/03/17
07/04/07
MK 腋の下のしこりの正体
再発
石山
清水
6473 07/03/17 A 乳がん検診 石山
6472-1
6472-2
07/03/17
07/03/22
Y  抗癌剤の必要性
再建術
石山
片山
6471 07/03/17 Y.Y.  皮膚転移について 比嘉
6470 07/03/17 M.M.  PET-CT 比嘉
6469 07/03/17 K.I.  乳管内乳頭腫&のう胞について 比嘉
6468 07/03/17 出血について 比嘉
6467 07/03/17 Y.S. 乳がん術後の妊娠について(HPNo.1905-4) 比嘉
6466 07/03/17 Y  腫瘍マーカーST439について 比嘉
6465-1
6465-2

6465-3
07/03/17
07/03/18
07/06/30
Y   術後治療について
術後の治療について(2)
免疫細胞療法について
比嘉
石山
石山
6464 07/03/17 術後の治療について 比嘉
6463 07/03/17 JH 告知についてのご相談です 比嘉
6462 07/03/17 C.T. 腫瘍マーカーの数値の変動について 石山
6461 07/03/17 R.I.  乳首近くのしこりについて 石山
6460 07/03/17 J.N. セカンドオピニオン(HPNo.6398-2) 石山
6459 07/03/16 ON  今流行のリンパマッサージについて 石山
5458 07/03/16 G  アデノーシス腫瘍について 石山
6457 07/03/16 W.H. 今後の治療について 石山
6456 07/03/16 細胞診 石山
6455 07/03/16 M  手術精検の結果待ちです 石山
6454 07/03/15 K  10代での発病も起こり得るのでしょうか? 石山
6453 07/03/15 ホルモン療法の副作用について(HPNo.6162-5) 石山
6452 07/03/15 OD  しこりについて 石山
6451 07/03/15 M・Y 乳腺のう胞について 石山
6450 07/03/15 H.K. 硬癌は発見しにくい癌ですか?(55歳) 石山
6449 07/03/15 R  脇のしこりについて 石山
6448 07/03/15 乳首のしこりについて 石山
6447-1
6447-2
07/03/15
07/03/25
N.M. 乳がん検査
乳がん手術について
石山
片山
6446 07/03/15 N.Y. 良性の石灰化について 石山
6445 07/03/15 再発のようです 石山
6444 07/03/15 M.S 腫瘍マーカーについて 石山
6443 07/03/12 S  子供の乳線分泌物 石川
6442 07/03/12 術後の治療について 石川
6441 07/03/12 非浸潤癌の危険度と治療について(2)(HPNo.6414-2) 石川
6440 07/03/12 O.O 精密検査 石川
6439 07/03/12 H  豊胸手術 石川
6438 07/03/12 Y.K. ホルモン療法の副作用(HPNo.6336-2) 石川
6437 07/03/12 M.S. 温存手術後の抗がん剤治療について 石川
6436 07/03/12 乳癌要因の食材について(HPNo.6344-2) 石川
6435-1
6435-2
07/03/11
07/03/17
M  乳輪内にしこりを感じます
乳輪内のしこりの検査結果について
石川
石山
6434 07/03/11 MK 放射線の追加照射について 石川
6433-1
6433-2
07/03/11
08/02/25
カテゴリー3bのガンの確率はどのぐらいでしょうか?
ステレオガイド下マンモトームの結果にセカンドオピニオンは必要でしょうか
石川
加藤
6432 07/03/11 H.A.  ハーセプチン単独療法 石川
6431 07/03/11 k m 腫瘍マーカー 石川
6430 07/03/11 Y.S 術後の治療方針について 石川
6429 07/03/11 T   腫瘍マ−カ−について(HPNo.6140-2) 石川
6428-1
6428-2
07/03/11
07/04/11
Y.O.  局所再発について
局所再発の治療方針
石川
清水
6427 07/03/11 K.N.  集簇性石灰化 石川
6426 07/03/11 M  ホルモン療法について 石川
6425 07/03/11 Y.Y.  石灰化の今後について 石川
6424 07/03/11 M・H 乳腺症について 石川
6423 07/03/11 術後の不安について 石川
6422 07/03/11 乳がんの検査方法と結果について 石川
6421 07/03/11 M.T.  閉経前のホルモン療法について(HPNo.6343-2) 石川
6420 07/03/08 Y.T. 乳頭に少しの凹みがあります 須田
6419 07/03/08 Y.Y. リンパ浮腫について(HPNo.5763-3) 須田
6418 07/03/08 kh 乳首の突起と痛み 須田
5417 07/03/08 M 乳がんの告知を受けました 須田
6416 07/03/08 K  術後のリスク分類 須田
6415 07/03/08 W 手術後の治療方法について 須田
6414-1
6414-2
07/03/08
07/03/12
M  非浸潤癌の危険度と治療について
非浸潤癌の危険度と治療について(2)
須田
石川
6413 07/03/08 N ・ J 乳房温存手術後の治療について 須田
6412 07/03/08 A マンモトーム検査における乳がんの確率について 須田
6411 07/03/08 T  放射線治療後の治療について 須田
6410 07/03/08 H子 のう胞?について 須田
6409-1
6409-2
07/03/07
07/05/01
M.G. 両側乳癌です
術後補助療法について
清水
須田
6408 07/03/07 Y.T.  収束超音波治療について 清水
6407 07/03/07 A.M.   非浸潤ガンの治療について 清水
6406 07/03/05 M  今後の治療について 清水
6405 07/03/05 C.T 術後の薬物で抗がん剤は? 清水
6404 07/03/05 Y  妻の乳がん治療について 清水
6403 07/03/05 S  非浸潤がんのホルモン治療 清水
6402 07/03/05 N  肺転移とPETの有効性について 清水
6401 07/03/05 KY ゾメタの副作用 骨髄腫について 清水

 

 

 

No.6500-1】  07年03月24日  F
術後のタキソール、タキソテールについて

初めて質問させていただきます。今年30歳で右乳房に乳癌が見つかり、2月に手術(全摘)をして、これから化学療法、ホルモン治療となります。若年性でリンパ転移が一つ、というリスクのため、AC+T(4クールずつ)の治療になるのですが、このTのタキソールかタキソテールか、という選択はあるのでしょうか? 仕事上、末梢神経のしびれが強く出るタキソールの副作用が気になっています。もしタキソテールになる場合、何かが違うものですか? タキソテールになっても4クールで終了なのでしょうか? 詳しく教えていただければ幸いです。よろしくお願い致します。

タキソールとタキソテールは同じタキサン系の抗癌剤ですが、力値の違いから、タキソールは210mg/m2を投与し、3週間休薬、タキソテールは60mg/m2を3−4週間隔で投与という用法の相違があります。また両者とも、これを分割して副作用を少なくし、毎週投与として4クール分なら12回といったバリエーションも広く行われています。しびれの副作用の発現頻度はタキソテールのほうがやや少ない印象ですが、添付文書上はタキソールで41.2%、タキソテールでは5−50%未満となっています。(文責 片山)

 

No.6500-2】  07年04月14日  F
投与量について

お世話になります。以前術後の化学療法についてHPNo.6500で回答頂きました。ご回答、どうも有難うございました。私は今月からAC療法が始まり、そのことで今回お聞きしたい事があります。以前ネットで標準使用量について見たことがありましたが>ADR60・CPA600(r/u)、それより私は多い量の投与でした。身長体重の測定で量が決まるとのことですが、あくまでも標準使用量というのは目安なのでしょうか? 他臓器に影響を及ぼすほどの量に4クールでなる事はもちろん無いと思いますが、ガン細胞にとって投与の量とは、少ない方がよい、あるいは多いほうが良いなど、あるものですか? ご回答いただければ幸いです。よろしくお願いします。

抗癌剤は、種々の臨床試験の結果からその投与量が決められていて、ご存じのようにADR60mg/m2、CPA600 mg/m2というのが標準ですが、最近になり、ADRの誘導体でファルモルビシンという薬剤でその投与量を増やすと効果も良好であるという報告が散見されますので、そういった背景から投与量を増やした可能性も考えられます。ただ、ファルモルビシンに比べてADRは心毒性の問題がありますので、むやみに増量するのは注意が必要ですし、ADRは増量しても効果は変わりないという臨床試験の結果もでていますので、主治医に理由を聞かれてはいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.6499】  07年03月24日  H.K. 
治療後に妊娠できますか?

2006年8月に非浸潤がんと診断された30歳の独身女性です。9月に乳房温存術を受け、放射線療法を施行し、11月からノルバテックスを飲みはじめました。主治医からはノルバテックスは5年間内服と言われています。ノルバテックス終了後に妊娠は可能なのでしょうか? また妊娠した場合、再発のリスクは高くなりますか?

ノルバデックス終了後に妊娠は可能です。妊娠による乳癌の再発リスクの増加については、実際の統計上では明らかでありません(Lancet1997,350,319-22)。一般論として性質の悪い乳癌は比較的早く(たとえば2年以内)再発してくるので、2年位してから妊娠するのが良いのではないかとされています。(文責 片山)

 

No.6498】  07年03月22日  T.F. 
今後の治療方法について

昨年末、地域の基幹病院の乳腺外科で乳房温存手術を受け、術後放射線治療50グレイ受けました。術中術後経過良好で、放射線治療も軽度のやけどの症状が、残り4回ほどのときにひどくなった程度で初期の治療を終えました。放射線治療終了後、執刀医の診察を受け、病理検査の結果と今後の治療方法についての説明を受けました。
病理検査結果は以下の通りです。
乳頭腺管癌、T1N0M0、上下方向には2cm以上に渡って拡がっているが、乳管内進展のためT1とした。一部に軽度の間質侵襲もあるが、乳管内の大きな胞巣は中心部に壊死を伴いコメド癌の像を示すものが多い。リンパ管・血管侵襲はないが、上方断端の余裕がわずか。初回断端(+)、追加断端(-)内側も追加切除されているので取りきれていると思われる。Nuclear Grade2[atypia score2+mitosis score2=4]、Her2 (1+) 、ER:陰性、PgR:陰性。

今後の治療としては、「ホルモンレセプターに反応がないのでホルモン療法は行なえない。化学療法も癌の出来方と抗がん剤による副作用を考えると必ずしも良いと思えないので行なわない。乳管内のみで放射線治療を受けているので、強いて抗がん剤治療をしなくても良いと思う」と言われました。心配でしたので再度聞きましたら、「もしやるとしたらAC剤(ここのところははっきりしません)、副作用の体への悪影響を心配する、取りきれているのでやらなくて良い」と言われました。次回の診察は2ヵ月後になっています。帰宅して自分なりに調べて疑問に思うことが出来ましたので、答えていただければと思います。年齢は49歳で閉経前です。
1) コメド癌の像を示すものが多い、ということは、浸潤癌ではあったが、浸潤しはじめで非浸潤癌のところも多いということでしょうか? コメド癌が浸潤すると乳頭腺管癌になると本で読みました。
2) ホルモンに関係なく癌が作られたということは、今後もホルモンに関係なく再発したりすることがあるということでしょうか? となると無治療ということが気になります。核異型度2は中間リスクなので、補助療法が必要になるのではないでしょうか? 主治医も、病院によっては化学療法もあるということを言われていました。
3) 抗がん剤の種類で、経口抗がん剤は点滴のものよりも副作用が軽いものがあると聞きましたが、どのようなものがありますか?
4)  免疫細胞療法というものは、再発した症例に行なわれる療法でしょうか。再発を防ぐための治療ではないのでしょうか。また、保険診療でないということは、現在認められていない治療法ということでしょうか?

以上、長くなりました。よろしくお願いします。

1) ほとんどが非浸潤性乳管癌で、一部に間質浸潤がある、という意味だと考えます。
2) ER(-),PgR(-)で、わずかではあるが浸潤巣があり、Nuclear Gradeは2で、再発リスクは Intermediate risk となり、補助療法としては一応化学療法が推奨されることになると思います。
3) 術後補助療法としてエビデンスがあり、推奨されているのはAC、CMF、FEC、パクリタキセル、ドセタキセルなど、いずれも静脈注射にて行う薬剤が主体であり、ゼローダやTS-1などの経口抗がん剤も効果はあるのですが、日本ではまだ手術不能又は再発乳癌にしか適応がありません。(文責 片山)

 

No.6497】  07年03月22日  tyu
薬について

以前治療について相談させていただいた46歳です。病理結果がSt.Gallenでの再発リスク分類で、低リスク群に入るため無治療で構わないと言われていましたが、主治医と相談の結果、タモキシフェンのタスオミンの服用をすることにしました。服用して10日ほど経ちますが、一般的に言われている副作用がまだ出ません。個人差はあるでしょうが、副作用とは、服用後どのぐらい経つと出てくるものでしょうか。また私の場合、先発品のノルバデックスでなく後発品のタスオミンの服用なのですが、薬の違いもあるのでしょうか?

服用開始10日ぐらいですと、急性期の副作用であるアナフィラキシー様症状や血管浮腫など以外は出ることが少なく、ほてりや肝機能障害などは、もう少し服用してから発現することが多いと思います。ノルバデックスもタスオミンも一般名はクエン酸タモキシフェンで同じであり、効果も副作用も同じです。(文責 片山)

 

No.6496-1】  07年03月22日  S 
腫瘍マーカー、NCC-ST-439について

以前にもこちらにお世話になった者です。その説は、誠実な回答をありがとうございました。相談室 No.6100の他の方の回答も拝見させていただきましたが、質問をさせていただきたくメールさせていただきました。私は、2004年10月、33歳で”非浸潤癌”で術後(温存)、放射線を終えて、現在はホルモン療法(ノルバデックスからタスオミンに変更)のみをしております。3か月前の定期的検査で、「腫瘍マーカーのNCC-ST-439の数値が少し高いため(数値:7.8)、様子をみましょう」と主治医に言われました。その3か月後に同じNCC-ST-439を検査した所、数値が21.6になっていました。NCC-ST-439のみが上がっており、CA15-3は正常値、超音波や肺のレントゲンにも異常は見られませんでした。主治医からは、他の臓器(肺、すい臓、胆のう)等が癌になっていても上がるものだと言われました。自分で調べた所、胃ガンと大腸ガンも入るようですが.....。
1) 今回検査した時に、胃の調子がよくない頃(胃薬服用中)に血液を採取しました。調子が良くない時は、数値も上がるものでしょうか?
2) 再発がなくても異常値を示す事があると拝見しましたが、NCC-ST-439の数値は、一度高くなったら高いままになってしまうものでしょうか? それとも下がったりと変動するものなのでしょうか?
3) 私は現在35歳ですが、他の臓器の癌である可能性はなくはないと思いますが、私の年齢でどの位の確率的で癌になるのでしょうか? 胃にピロリ菌がいるので、気になっております。一般的な統計を教えて下さい。

お忙しい所申し訳ありませんが、ご回答よろしくお願いします。

1) 「胃の調子が良くない」原因がわからないわけですが、胃炎や胃潰瘍などとNCC-ST-439との相関は無いと思います。
2) 変動することはよく経験されます。
3) 神奈川県の1993年の女性の胃癌罹患率は人口10万人あたり21.7人であり、大阪医療センターのホームページによれば、1996年の女性の胃癌罹患率は36.7人であったとのことです。しかしこれは全年齢を通じての数字であり、30歳代前半では更にかなり低い数値になります。(文責 片山)

 

No.6496-2】  07年03月25日  S 
腫瘍マーカー、NCC-ST-439について(2)

迅速なご回答、大変ありがとうございました。もう1点大切な事をお伺いそびれてしまいました。一般的なお話をお伺いしたく、再度質問させていただきます。今回の腫瘍マーカー(NCC-ST439)の上昇で、私の主治医は、他の臓器(すい臓、胆のう)のガンも考えられるということで、お腹の超音波を今度することになっています。局所再発の可能性を疑って、乳房のMRTとかを撮るのが普通かと思ったのですが、医者的判断でこのようなこともよくある事なのでしょうか? お忙しい所たびたび恐縮ですが、ご回答の程よろしくお願いします。

一般的には腫瘍マーカーは全身にある程度の量の癌細胞があって上昇し、局所の小病変のみによって上昇することは少ないと考えられます。ただし局所再発が全身病の一事象として現れるという可能性はあります。(文責 片山)

 

No.6495】  07年03月22日  N
センチネルリンパ生検について

はじめて相談させていただきます。07年2月上旬、右乳房切除術+センチネル生検(腫瘍約3cm)でリンパ節転移認めず。ER(+)、PR(+) どちらも強陽性、ハーツー(−)、核異形度1。ノルバディックス服用+月一回ゾラテックス注射をはじめました。
約2週間前から、常時腋の周辺に腫れ感があり、内側(胸側上部)には小粒の硬いシコリがふれ、痛みがあります。質問ですが、センチネル生検の内容は理解しておりますが、私の病院では実施件数があまり多くないようで、1.SNの認定、2.術中での迅速検査 2点の正確性について、現状知識がありませんのでお教え下さい。
また、主治医の診察により、リンパ節の転移が認められた場合、推奨される治療方法(追加切除、化学療法等)は何とお考えでしょうか? よろしくお願いいたします。

センチネルリンパ節生検のリンパ節同定法には色素法とガンマプローブ法、また両者の併用法がありますが、同定率はいずれも92-93%以上とされています。センチネルリンパ節生検では調べるリンパ節の数は少ないが、そのひとつひとつを細かく調べられるのも利点で、2mm間隔の切片で大型の転移の95%以上は正診できるとされます。ただ、2mm以下の微小転移は見逃される可能性があり、術後にさらに細かく検査をすることでこれを発見できるときもあり、この場合は現時点では2期的に腋窩リンパ節郭清(あるいは放射線療法)を行うことになります。(文責 片山)

 

No.6494】  07年03月22日  N.K. 
多発小のう胞について

32歳、出産未経験です。先日、会社の婦人科検診を受診したところ、エコー検査で左胸に「多発小のう胞像」という所見で再検査を求められました。場所は左胸の内側下部です。その際に「ごくまれですが、乳がんがこういった形で映ることがある」と言われました。その他には特に詳しい説明もなく、どのくらい悪いのかも分かりません。毎年受診しているので、軽い気持ちで受診したため、まさか病院に入って2時間で癌という言葉を聞くとも思っていなかったので、余計に不安です。一般的にはどのような状態なのでしょうか?よろしくご回答お願いします。

実際に画像を拝見していないので、はっきりしたことは申し上げられませんが、お話をうかがう限りでは、左乳房に「小さい、液体の溜まったしこりがいくつかある」ということで、即悪性を疑うという意味ではないと思います。(文責 片山)

 

No.6493】  07年03月22日  あひる
コラーゲンと女性ホルモンの関係

術後3年半、ステージUb、現在アリミデックス服用中です。再発転移の兆候はありません。最近知人よりコラーゲンとコンドロイチン入り核酸の飲用を薦められていますが、コラーゲンにはエストロゲンなどの女性ホルモンを増やすような働きがあるのではないかと心配です。コラーゲンやコンドロイチンと女性ホルモンの関係について教えてください。

コラーゲンは人の皮膚などに含まれる繊維状のたんぱく質で、真皮の70%を構成し、女性ホルモンやビタミンCで増殖するとされ、その隙間を埋めるのがコンドロイチン硫酸ナトリウムなので、これらの服用が直接女性ホルモンを増やすという作用はないように思いますが、はっきりとした因果関係や、逆に良い作用をするのかどうかについては不明であると思います。(文責 片山)

 

No.6492】  07年03月22日  U 
再発率

お忙しいところ申し訳ありません。私47歳、Invasive lobular carcinoma 32x27 f,ly2,v0,

Nuc atypism;score2 No of mitosis;score1,Nuc;grade;grade 1
Lymph nodes regional,resected Metastasis of carcinoma
axillary;1/4 level 2;0/5 level 3; 0/0
所見
倦怠は全摘された右側乳腺です。中型の大きさの比較的均一な異形細胞が、小葉内を充満して増殖し、小包巣、索状構造を形成し、間質増生を伴って浸潤しています。Invasive lobular carcinomaと思われます。32x27の大きさで脂肪織に達しています。Hyperplasticな小葉組織がcarcinomaから離れた乳腺組織内に散見されます。リンパ節として提出された検体には、carcinomaのmetastasisiを認めます。
HDRA検査 5-Fu32.2%判定ー ADM 62.0% 判定+ CPA 16.2% TXL 79.5% ER TS(7)=PS(5)+(2) PgR TS(6)=(5)+(1) HER2 マイナス

このほかにセンチネル1/2だったのかもしれません。ちょっとよくわかりません。主治医は最初術前CTの後、温存を提案していましたが、こちらの希望で全摘しました。主治医の考え・・・もちろんわたしも納得したのですが、CTにはあまり恩恵がないとのことで(病理の結果より犠牲のわりにはという意味です)、「ゾラ AI」で治療していますが、私が再発する可能性はどのくらいあるのでしょうか? もしあのときCTをやっていれば、その可能性はどのくらい下がったのでしょうか? 納得して治療をやっているのですが、このHPを読んでいると不安になるばかりです。思い切って質問します。

T2n(+:1個)で、再発リスクはIntermediateであり、術後補助療法としては、内分泌療法主体で化学療法の追加も考慮されるグループと思います。化学療法の中で、CMF療法は術後再発を24%ほど低下させ、AC療法はほぼそれと同等とされます。しかしHER2(-)の乳癌ではアントラサイクリン系の抗癌剤が若干効きにくいというデータもあり、ホルモン治療感受性のあるタイプでは、ゾラデックス2年間投与がやはりCMF療法とほぼ同等効果といわれていて、十分治療選択肢のひとつになると思います。(文責 片山)

 

No.6491】  07年03月22日  H 
ベーチェット病について

24歳未婚、妊娠・出産経験はありません。数ヶ月前から右の乳首がガサガサになって、かさぶた状になるようになりました。多少のかゆみもあります。かさぶたをはがしたり刺激したりすると、黄色い分泌液が出ます。それをぎゅーっと絞るようにすると、血も混じります。かさぶたは乳頭ではなく乳輪部分が中心なのですが、ベーチェット病を心配しています。まずは皮膚科を受診しようかと思うのですが、すぐに大きな病院に行った方が良いでしょうか? その場合は婦人科でも診ていただけるのでしょうか・・・? 過去に似たような質問がいくつかあったのですが、追加でお聞きしたいことがありましたのでメールさせていただきました。ご返答のほど、よろしくお願いいたします。

若い女性でこのような症状の場合、湿疹の可能性も高いと思いますが、大きな病院の皮膚科か、乳腺外科を受診なさってください。(文責 片山)

 

No.6490】  07年03月22日  Y
再建術(HPNo.6472-2

続いて気になることがあります。切除の手術ですが、医者は胸の筋肉を残すと言いました。その次に背中の組織を胸に持って行くための再建術を行うそうです。そうすると、胸の筋肉は残るのに、背中の筋肉を胸に持っていくというのは、なんだかおかしいような気がしてきました。医学的な話になるかとは思いますが、お答えいただければ幸いです。

乳房切除後の乳房の再建を背中の筋肉(おそらく広背筋)を用いて行うということだと思います。胸の筋肉(大胸筋や小胸筋)は残しますが、胸の高さが男性と同じになってしまいますので、乳房を作るために背中の筋肉を使います。背中の筋肉の機能については周りの他の筋肉が代償してくれるので大丈夫であるという理屈です。(文責 片山)

 

No.6489】  07年03月22日  YJ
術後の治療方法について

44歳、子ども一人です。「乳房内に2個がんがあったこと、乳房が小さいこと」などから全摘切除しました。病理結果が出ましたが、大きいほう(1.8×1.6×0.9)のがんの病理結果しかでておらず、小さいほうは出ていません。種類は硬がん、断端陽性、f(+)、ly1、v0、ER70%、PgR70%、組織的悪性度2、HER(+)、リンパ節0/8。
1) 同一乳房なので、同じ性質と見て大きなほうだけで判断するのでしょうか? ステージでは、二つを合わせた大きさで判断すると見たことがありますが、いかがでしょうか?
2) 全摘出にもかかわらず断端陽性です。今後の追加治療として、放射線、追加切除(もう乳腺はないはず?)、化学療法併用、ホルモン治療のみの4つからの選択のようですが、どれが一番妥当ですか? 再発を一番防げるのはどれになりますか?
3) センチネルリンパ節生検でも0/3で郭清していませんが、リンパ管侵襲が+となったので、強く不安を感じています。また脂肪も+ですが、予後はよくないのでしょうか?
4) 断端陽性のその後の治療方針の決定に3週間ほど時間がかかるようです。ホルモン治療が効きそうなので、早く治療を受けたいのですが、遅くないでしょうか?

以上、どうぞよろしくお願いします。

1) 通常腫瘤の大きさは、大きいほうで判断され、あなたの場合は1.8cmでT1、リンパ節転移がなくnoで、ステージ1ということになります。
2) 細かい病理の所見(どの部分、要素で断端陽性なのかなど)がわからず難しいので、局所療法の選択(放射線療法 or 手術の追加?)はコメントできません。全身療法としてはホルモン療法が第1選択になると思いますが、HER(+)の程度によっては化学療法も考慮することになると思います。
3) リンパ管浸襲+、組織学的悪性度2というところで再発リスクのanother risk となり、上記のような治療がお勧めされることになります。
4) 病理組織検索は、今後の治療を決めるもっとも大事なところですので、ある程度の時間がかかることは辛抱してお待ちください。(文責 片山)

 

No.6488】  07年03月22日  M.H
授乳中のしこり

現在29歳、初産で2ケ月になる子どもがいます。ミルクを飲ませることもありますが、ほぼ母乳で育てています。今までは、しこりがなかったと思うのですが、昨日授乳をしているときに、左胸の乳首の上の方に、丸い堅いしこりがあるのに気づきました。初めは、ただ張っているのだと思い、マッサージをしながら授乳していたのですが、いつまで経ってもしこりが無くなりません。押すと痛いです。検査を受けたいのですが、市が行っている検査では、授乳中の人は受けられないと書いてありました。不安なので受診したいのですが、授乳中でもできますか? 乳がんだったら、今授乳をしているのですが、子どもへの影響はどうなのでしょうか? 癌の家系ではないのですが、乳がんになっていたらと不安で仕方ありません。お答えよろしくお願いします。

授乳中であり、乳瘤(お乳のとどこおり)になっていたり、乳腺炎になりかかっていたりすることが多いと思いますが、まれに腫瘍が潜んでいることもあると思います。検診(市が行っている検査)ではなく、病院の乳腺外科を受診してください。(文責 片山)

 

No.6487】  07年03月22日  KK
細胞診後の変化

34歳女性、出産未経験です。先日細胞診の結果、クラス5で乳癌との診断を受けました。しこりの大きさは1.9cm、エコーで見る限りはリンパ転移はなさそうとのこと、現在CTと骨シンチの結果待ちです。最初に病院に行きエコーを受けた時から既に1ヶ月ほどたっていますが、細胞診後、なんとなくしこりが硬く、若干大きくなったような気と、しこりのある胸が急に痛くなる、なんとなく脇の下が腫れている様な気がする、左腕の筋が痛い、などの症状があります。これから手術までは更に2週間ほどあるのですが、上記のようなことは、特に問題ないでしょうか。神経が胸にいっているせいで、精神的なことから起きていることなのでしょうか? 最初の主治医の説明では、「すぐ手術しても、少し時間が空いても影響はないだろう」とのことだったのですが、大丈夫でしょうか? お手数をおかけ致しますが、回答頂ければ幸いです。よろしくお願い致します。

病院への初診から検査結果の判明、また手術に備えての検査結果待ち、そしてさらに手術予定までの期間に心配がつのり、不安な気持ちになってしまうのは患者さん皆さん同じだと思います。期間として一般的と思いますし、病気の進展への影響は心配ないと思いますので、この間はしっかりと病気を見据えての準備期間と考えて臨んでくださればと思います。(文責 片山)

 

No.6486】  07年03月22日  M 
骨転移でしょうか?

私は昨年2月に左胸に乳癌が見つかり、センチネル生検ではリンパ節転移が3/3個あり。3月から半年間、術前化学療法(CEF4回、タキソテール4回)をし、10月に温存手術、11月12月と放射線治療(24回+追加照射9回)をし、今年1/15よりノルバデックスを飲んでいます。病理は1.8cm、ホルモンは陽性、核異型度1、ハーツー1、リンパ節転移は術前化学療法をやったのに1個残っていました。質問なのですが、3日前の朝ベッドの中で、左足の後ろももが10cm四方ぐらい打ち身のような痛さがありました。「何かぶつけたかな?」と、その時はたいした意識もしませんでした。昼間は一切なんともなかったです。次の日の朝、またベッドの中で同じ痛みがあるんです。骨の痛みというか、肉が痛いような感じです。そして、昼間起きている時は、歩いていても何も痛みません。そして、今朝も痛いので、押したりしていたら痛さが増してきてしまいました。足を前に曲げると少し痛みます。軽くさすっても少し痛みがあります。痛みは続きません。ふとした動きにより、一瞬ズキンとなるような感じです。内出血しているような痛みなのですが、皮膚には何も出来ていません。これが骨転移の初期症状なのか不安になってしまいました。骨シンチは1年前やり、その時は異常なしです。骨転移初期の痛さは、こんな感じから始まるのでしょうか?

いきなり大腿部後面の痛みというのは骨転移の初発症状として多くないとは思いますが、やはり、腫瘍マーカーの測定、レントゲン撮影、骨シンチグラム、MRIなどの検査を総合してみないと骨転移の症状によるものかどうかははっきりしませんので、主治医の先生とよく相談して検査を受けてください。(文責 片山)

 

No.6485-1】  07年03月21日  K
術後の治療について

39歳、2児の母です。2005年秋に右胸にしこりを発見し、乳腺外科にてエコー・マンモグラフィ検査し良性とのことでしたが、しこりが大きくなったため2006年3月に切開生検、のう胞内乳頭癌(非浸潤癌)と診断されました。非浸潤癌のため特に治療は必要ないとも言われましたが、セカンドオピニオンでは、切除端陽性のため追加切除が必要と言われ、6月に追加切除手術と念のためセンチネルリンパ節生検も受けました。センチネルで2個転移が見つかり、リンパ節郭清、また断端陽性(DCIS)で温存手術ではとりきれないとのことで、再手術にて全切除手術を受けました。病期: T2 N1 M0
(病理所見) right, D, g, ly0, v0, Tis(+), EIC(-), ductal spread(+)marked, comedo(-), HG tuble:2, HG nuclear atypia:2, HG mitosis:1, N-SAS:1, B&R:1,
non-invasive lesion, pN(+) 2/28, HER2(-), score1, ER(+)>80%, PgR(+)>80%
(温存手術) 広範囲にcribriform pattern, flat patternを示す乳管内癌が広がり、1箇所に径1.3mmのscirrhous patternを示す浸潤癌が見られますが、浸潤は乳腺内にとどまり、脈管侵襲は指摘できない。
(全摘手術) 温存術切除端近傍に広範囲に異型の強い細胞が充実性、低乳頭状、篩状に増殖する乳管内病変がみられ、3箇所にpapillotubular patternを示す浸潤癌のfocusを伴っている。浸潤は乳腺内に限局。リンパ節転移があったことから脈管侵襲はあるはずだが、標本上は明らかなものを指摘できない。

術後治療として、抗がん剤治療FEC4クール+タキソテール4クール(卵巣保護のためゾラデックス併用)が昨年末に終了し、今年1月よりホルモン治療としてノルバデックスを5年の予定で服用しています。主治医からはゾラデックスも併用するよう強く勧められていますが、副作用が強かったため現在休止中、生理が再開したらゾラデックスも再開する予定です。さて質問ですが、
1) 病理所見2行目は温存手術時のもので、全摘手術時は数値が変わっていますが、どういう意味なのでしょうか。
2) 手術前は非浸潤癌で早期発見と言われていたにもかかわらず、リンパ節転移がありました。主治医によると、なぜ転移してたのかわからないが、1.3mmの浸潤部から転移したとすれば悪性度が強いのかもしれないとのことで、今も気になっています。ほとんどが非浸潤癌で、脈管侵襲もみられないのに、このように転移することはあるのでしょうか。先生のお考えをお聞かせ下されば有難く存じます。
3) 私の治療方針は、現在の術後治療では最強の組み合わせだと思いますが、妥当だと思われますか。また、私の再発のリスクは一体どれくらいなのでしょうか。
4) 来月3ヶ月ぶりに診察があります。生理はまだ戻ってないですが、ゾラデックスを打つかどうか迷っています。副作用の問題もあり、私としてはできればゾラデックスはやめてノルバデックスだけで治療したいと考えてますが、その場合、再発のリスクはかなり変わってくるのでしょうか。
5) ゾラデックスをしないと再発のリスクがかなり大きくなるなら、薬を変えて、3ヶ月に一度のリュープリンはどうかと検討しています。効果や副作用など、ゾラデックスとの違いはありますか。参考までに価格の違いも教えていただけると有難く存じます。 
6) 抗がん剤治療後半より、膝と足首が痛くなりました。主治医によると、ゾラデックスの副作用かとのことでした。かなり痛みが強かったのでタキソテールの副作用もあるかと考えました。ただ、昨年12月を最後にタキソテール、ゾラデックスとも投与していないのに、今年になってから指の関節も含め体中の関節が痛くなり、全身筋肉痛も発生し、今もましになるどころか、ひどくなる有様です。現在ノルバデックスしか服用してませんし、全身筋肉痛・関節痛はノルバデックス服用後に始まったのですが、ノルバデックスにもこのような副作用があるのでしょうか。それともリウマチなど、ほかの病気の可能性もあるのでしょうか。

以上、長くなり申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

1) 数字が2種類ないので、変わっているかどうか判断できないのですが・・・。
2) リンパ節転移は稀ですが、そういった事があります。潜在癌という時にも、そう言われています。
3) 化学療法後のリスクはまだ分りません。化学療法をしないとおそらく再発率は30%程度ですが、この治療でそれが半分から3分の2になると思います。
4) やるかやらないでのデータはありません。やったほうがより減らせるのは事実です。
5) 同じ分類の薬剤で効果は変わりません。3ヶ月分でおそらくゾラデックス1ヶ月分の2倍以下と思います。
6) アリミデックスでは多いのですが、ノルバデックスでも出る可能性はあると思います。(文責 石山)

 

No.6485-2】  07年03月24日  K
術後の治療について(2)

No.6485にて質問させて頂いた者です。ご回答、本当にありがとうございました。私のケースでの術後治療はやりすぎではないか、副作用や治療費とのバランスを考えると、そこまでの治療は本当に必要なのかと悩んでいたので、参考にさせて頂きたいと思います。今後の治療として、ノルバデックスだけでなく、LH-RH agonistを併用した方が再発リスクはより減らせるとのことですので、3ヶ月に一度のリュープリンを検討したいと思います。なお、最後にゾラデックスを打って約3ヶ月半になりますが、まだ生理は戻っていません。来月3ヶ月ぶりに診察がありますが、その時にまだ生理が戻ってなくてもLH-RH agonistは打っておいた方がよいでしょうか? それとも生理が戻ってない間は打つ必要はないでしょうか。(抗がん剤治療中ゾラデックスで卵巣機能保護していましたが、それでも抗がん剤で閉経した可能性もあるのでしょうか。)
また、前回No.6485で質問した病理所見についてですが、温存手術時とその後の全摘手術時では、以下のように数値が変わっています。これはどういう意味があるのでしょうか。(大きな意味はないのかもしれませんが、素朴な疑問です。)
HG tuble:(温存手術時)2→(全摘手術時)1、 HG mitosis:(同)1→2、 N-SAS:(同)1→2、 EIC:(同)(−)→(+)、HG nuclear atypia:2、Tis(+)は変わっていませんが、合わせて意味を教えていただけると幸いに存じます。お忙しい中、何度も申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

治療目的でLH-RH agonistを考えているのであれば、生理が戻っていなくても続けて投与を行って良いと思います。温存術の部分と全摘した部分とで若干組織の状態が異なり、腺管形成や核分裂像などのスコアに差が出たものと考えられますが、定かではありませんので、その辺のニュアンスは主治医の先生にお尋ねください。(文責 片山)

 

No.6484】  07年03月21日  M K 
妻の病状と治療について(2)(HPNo.6477-2

昨日妻の所見について質問させていただいたM Kです。早速のご回答ありがとうこざいます。今後の治療の参考にさせていただきます。重ねてで申し訳ありませんが、もう一つお教えいただけないでしょうか…。
妻は「血管侵襲があるということは、もうすでに身体中に癌が廻り、あらゆる臓器に取り付いているということ。しかも、グレード3ということなので、再発は免れないのではないか…」と思い込み、抗がん剤の投与を前に暗い気持になっています。それというのも先日妻は、何かの書物で「・抗がん剤は体を弱らせ癌を元気づかせるので、結果的に癌を増殖させるだけ。・抗がん剤は10%程度しか体に届かないので、効果はあまり期待できない…」というような記事を目にしたからなのです。私も素人考えながら、「中間リスク」ということは再発が「50%」の確率ということと考えてしまうのですが、どうなのでしょうか? 妻の所見での再発率は何%くらと予想されるのでしょうか。妻も私もそこの辺りが不安でなりません…。
私自身は「乳ガンはほかの癌に比べ、抗がん剤やホルモン剤が効きやすい」という記事を目にしたことがあるのですが、抗がん剤の効果はどのようなものなのでしょうか。度々で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
〈追伸〉 病を抱えた本人や家族にとって、このようなシステムでお答えいただけるのは、大変ありがたくまた、心強いものです。今後も、死の恐怖と闘う人々に温かいに手を指し延べてくださるようお願い申し上げます。

前回も書いたと思いますが、最強の予後因子はリンパ節転移陽性で、50%再発率は普通リンパ節転移4個以上の場合ではないでしょうか。脈管侵襲陽性で核異型度3では多くても20%程度ではないでしょうか。抗がん剤についても、書物の記載は乳癌についてでしょうか? 癌腫によって全く効果が違います。乳癌は抗がん剤が効きやすい癌ですが、消化器癌は効きにくい場合が多いので、乳癌の事ではないのではないでしょうか? 確認して下さい。(文責 石山)

 

No.6483】  07年03月21日  Y.T. 
術後の不妊治療について

2003年7月(32歳)に乳がんの診断を受け、その後化学療法を8回、手術を2004年2月に受けました。その後、放射線、ホルモン療法(トレミフェン)を2年行い、現在検診だけです。2007年2月の検診で術後3年になりました。去年の春に、アメリカへ主人の転勤に帯同してきました。こちらでがん専門医と産婦人科医に会いましたが、意見がバラバラで混乱しています。日本の主治医は「妊娠希望なら薬はやめたほうがいい」ということで、2年で終了。アメリカに来るのと同時に止めました。妊娠に関して、何も反対はされていません。
こちらのがん専門医は、本人の意思に任せると言ってます。ただ、不妊治療はホルモン剤を使うので、私がエストロゲンレセプター陽性であるため、再発を考えると勧められないと言っています。また、こちらの産婦人科医の一人は、年齢を考えると早く治療をしたほうがいい。しかし別の医院の看護師さんには、アメリカの治療では体に負担が大きいので、日本での治療を勧めると言われています。
実際のところ、がん治療終了後、不妊治療はできるのでしょうか。アメリカと日本の治療に大差はあるのでしょうか。今年6月で36歳になりますし、早く治療はしたいのですが、再発の危険を言われると二の足を踏んでしまいます。私より家族が心配しますので。
私の診断結果は下記のとおりです。
Clinical Diagnosis :
Right breast cancer T2N0M0 stage IIA(UICC1997)

Pathological Diagnosis:
Invasive ductal carcinoma, Solid-tubular carcinoma, 2a2
(WHO classification), t=9x3mm
Histrogical grading: grade1
Lymph node metastasis: negative
Estrogen receptor: positive
Progesteron receptor: negative
HER2: 1+
Vessel invasion: negative

Comments:
Neoadjuvant chemotherapy was taken effect by Docetaxel 100mg/4weeks x 8.
A breast conservation surgery was performed on February 27, 2004.
Postoperative radiotherapy (right breast total 50Gy) was performed on April
7 - May 21, 2004.

お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いします。

不妊治療で用いるホルモン剤は確かに再発リスクを上げます。ただし頻度が良く分っていませんので、可能性があるとしか言えません。そのリスクを覚悟でお子さんが欲しいかどうかという事です。アメリカの不妊治療の薬剤など我々外科医には分りませんので産科医の意見を聞いて下さい。(文責 石山)

 

No.6482】  07年03月21日  Y.A. 
タモキシフェンとビタミンE

海外在住の者です。お世話になります。3年前乳がんが見つかり温存手術し、放射線治療後タモキシフェンを服用しています。去年局所再発のため全摘しましたが、放射線治療をしていることから乳房再建手術を勧められました。しかし私の希望で、再建はせずに何とか縫合してもらいました。最初の手術と二度目の手術で傷痕は二つあり、放射線治療後のため傷痕はかなり目立ちます。先日全摘手術後1年目の検診があり、その際に、少しでも創をきれいにするためビタミンEを飲むように勧められました。こちらではあまり問題にしないようですが、ビタミンEはホルモン作用のあるサプリメントではないかと思いますので、タモキシフェンと同時に服用することに抵抗があります。問題ないのでしょうか? 先生方のご意見をお聞かせいただきたいと思いメールさせていただきました。どうかよろしくお願いいたします。

ビタミンE単独で、タモキシフェンとの相互作用はないと思います。(文責 石山)

 

No.6481】  07年03月21日  J.N.
セカンドオピニオン(2)(HPNo.6398-3)

お忙しいところ、ご回答頂きまして有難うございました。先日、セカンドオピニオンに行ってきました。
病巣が内側下部にある為、温存は困難。温存をしても切除部分が陥没し、その後の放射線治療により、乳輪・乳首が変形をきたすといわれ、実際に変形した方の写真を見せて下さいました。「乳房温存を希望なら、皮下乳腺全摘術で同時再建する方法しかなく、その場合局所再発率は上がります。もし主治医の先生の見解が全摘出で二次再建しか出来ない、温存法が望ましいといわれた時は、ここで手術をしたほうが良い。一時再建も出来るし、皮下乳腺全摘で見た目も殆ど分からないようにしますから」と言われました。
全摘出すれば、局所再発はしないのでしょうか? また同時再建ではシリコン製インプラントを入れるとの事ですが、安全性や長期間の使用法等が気になります。また、前回回答を頂いた内容『それぞれの場合(異常のある時とない時)に分けて説明』をお願いした所、「MRIの結果は、術方には関係ないので、どのような結果でも術方は変わりません。」と言われました。病理結果と乳房温存は別に考えるものなのでしょうか? 宜しくお願いいたします。

MRIは画像診断ですので、広がり具合を診断するものです。病理診断とは別です。インプラントは海外では使われていますが、永久に使えるとは限りません。破損など途中で再手術が必要な場合もあります。画像上広がり診断がそのような状況であれば妥当な選択と思います。(文責 石山)

 

No.6480】  07年03月18日  T.K. 
右腋のかたまりについて

標記の件についてご相談がございます(25歳・女性)。数年前から右の脇に1cm以内の、表面がつるっとしたしこりが何度かできました。自然に消えたこともありましたが、1年前にできた同様のしこりが、現在ぶよぶよと柔らかく、形が捉えづらく、その中心に芯があるような感じです。見た目では腫れが分からず、脇の内部でおきています。昨年の夏頃に皮膚科に行く機会があり診て頂いたのですが、「リンパが触れているだけでしょう」と触診だけで終わりました。まだ不安な気持ちが拭えないので、乳腺外来に行こうと考えています。乳がん、若しくは何か深刻な病気の可能性はありますでしょうか。ご回答、宜しくお願いいたします。

乳腺専門医が触れば、おそらく「リンパ節か、脂肪腫か、あるいは皮膚から発生したような粉瘤のようなものかどうか」分かると思います。また潜在癌といって乳房の腫瘤がないのにリンパ節転移で見つかる乳癌が非常に稀ですがあるので、乳腺外科に受診された方が良いと思います。(文責 石山)

 

No.6479】  07年03月18日  Y.Y. 
癌の悪性度について(HPNo.5763-4

先日は、ご回答ありがとうございました(6419 6052 5763)。肋骨下部の痛みは、やはり心配で診察を受けました。特に異常はなく、痛み止めの湿布を何日か使い、痛みも無くなってきました。今回は、私の病理組織診断名についてお伺いいたします。今まで、あまり気にしていなかったのですが、生命保険用の診断書を見ましたら、病理組織診断名が「硬癌」とありました。「硬癌」とはどういうものなのでしょう?悪性度が高いのでしょうか? 悪性度が高いと、再発・転移の可能性は確率が高いのでしょうか? あの辛い抗ガン剤治療を二度と受けたくないのです。よろしくお願いいたします。

一般に乳癌で最も多い組織型が硬癌と言われています。胃癌の硬癌に比べると再発しやすいということはありません。ただし他の乳頭腺管癌や充実腺管癌に比べると少し再発の可能性が高いと言われていますが、リンパ節転移陽性などのリスクの方が非常に高くなります。(文責 石山)

 

No.6478】  07年03月18日  Y
術後の治療について(2)(HPNo6465-2

お忙しい中、ご回答頂きまして有難うございました。「リスク因子:HER2 0,リンパ管浸潤1,静脈浸潤1,高度乳管内浸潤+」でした。先月、1回目のゾラデックスを投与し、卵巣機能をとりあえず眠らせ、化学療法もするか、よく考えるよう主治医に言ってもらっています。卵巣機能が停止してしまうと思うと治療に踏み切れず、悩んでいます。やはり化学療法もするべきなのでしょうか?

一般的には化学療法が奨められますが、ホルモン療法でも少なくともCMFという抗がん剤と同等というデータもあります。やはり患者さんの希望で決める事で良いと思いますが、化学療法をやって、あまりに副作用が強ければ止める事も止むを得ません。(文責 石山)

 

No.6477-1】  07年03月17日  M K
妻の病状と治療について

妻の病状と治療についてお教えください。。妻の年齢は45歳です。2月9日に左胸乳癌をセンチネリンパ節生検(0/3)後、手術をしました。固いシコリをつくらず、乳管を這うタイプの乳ガンとのことです。病理所見は次のようです。
@左胸(肉眼観察では腫瘍は不明瞭
A範囲/35×26×10o T2
BHistological type:Invasive ductal carcinoma,papillotubular carcinoma 乳頭増殖が主体で、focalにcomedo patternを伴う
CNuclear grade:Grade3(5点) a.Nuclear atypia:2点 b.Mitotic counts:3点
DER(+) PgR(+):腫瘍細胞の70%以上でERが、30%ほどでPgRが強陽性像を示す
EInvasion to fat tissue
FIntraductal spreading(+),focal・部分的には乳管内進展が目立つ
Gly0 v(+)
HSurgical margin,free from cancer:乳管に沿って癌が進展し、皮膚側および胸筋側の剥離面に近接して癌が見られる(100 μm以下)
IMastoathy:非癌部の乳腺組織では高度な乳腺症の所見を示し、ductal hyperplasiaやsclerosingも目立つ。ほかに、HER2:陰性、断端陰性。

3月14日に放射線(32回予定)開始。その後、化学治療(まだ薬名は分からず)半年のあとホルモン治療を5年行うとのことです。この病理所見は、かなり進行しているのでしょうか? 質問させてください。
1) 治療計画の方向正は妥当ですか?
2) 再発リスクは中間と言われていますが、再発、遠隔転移再発の可能性は何%くらでしょうか? 50%くらいはダメなのでしょうか…。
3) 化学・ホルモン治療に使う薬で、最も効果がありそうな薬は何でしょか?
4) ホルモン治療までにかなりの間が空きますが、開始時期は遅くはないのでしょうか?
5) このタイプの癌は発見しづらいのですか?

夫である私だけでも混乱すまいと思うのですか、頭の中は真っ白です…。少しでも妻が元気づく情報を見つけたいと思うばかりです。長くなりましたが、どうかよろしくお願いします。

まず想像ですが、温存術をされたんだろうと言う事で質問にお答えします。
1) 方向性は妥当と思います。エビデンス(科学的整合性のある)に基づく治療の提示と思います。
2) 腫瘍径が大きい事(T1でなくT2ですので)と核異型度、血管侵襲陽性はリスクですが、リンパ節転移がないという事は再発率はかなり少ないと思います。中間というのは、ザンクトガレンの乳癌会議(今まさにスイスで行われている会議で、2年ごとに世界の乳癌専門医が集まる会)でも中間リスクという事です。その中間の中では、より低リスクに近いと思います。
3) 化学療法は、最強のものはアンスラサイクリン(アドリアマイシン、ファルモルビシン、テラルビシン)系抗がん剤です。最強の効果ですが、最強の副作用でもあります。そこそこの副作用に押さえる支持療法薬がありますので、入院しないまま外来で通院治療でできます。ホルモン感受性があるとの事で、よりリスクが低いのであれば、年齢を考え、LHRHagonistとタモキシフェンの併用で、抗がん剤CMFと同じ成績と言われている治療があります。副作用は少ないですが、LHRHagonistは2年間、タモキシフェンは5年と期間が長いのですが、選択の余地があるのではないでしょうか。
4) それは化学療法が終わってからのことですので、全く問題ありません。その理由は再発予防の場合に、薬理学的に抗がん剤の作用はホルモン剤を併用するとかえって効果が弱められてしまうという事があります。
5) papillo-tubular carcinoma が見つかりづらい事はないのですが、非浸潤癌の状態で、検診を受けていても石灰化がないと見つかりませんので、非浸潤癌のまま広がり、年数が経ってから浸潤が始まると、急に大きなpapillo-tubular carcinomaになるのではないかと言われています。(文責 石山)

 

No.6477-2】  07年03月21日  M K
妻の病状と治療について(2)

昨日妻の所見について質問させていただいたM Kです。早速のご回答ありがとうこざいます。今後の治療の参考にさせていただきます。重ねてで申し訳ありませんが、もう一つお教えいただけないでしょうか…。
妻は「血管侵襲があるということは、もうすでに身体中に癌が廻り、あらゆる臓器に取り付いているということ。しかも、グレード3ということなので、再発は免れないのではないか…」と思い込み、抗がん剤の投与を前に暗い気持になっています。それというのも先日妻は、何かの書物で「・抗がん剤は体を弱らせ癌を元気づかせるので、結果的に癌を増殖させるだけ。・抗がん剤は10%程度しか体に届かないので、効果はあまり期待できない…」というような記事を目にしたからなのです。私も素人考えながら、「中間リスク」ということは再発が「50%」の確率ということと考えてしまうのですが、どうなのでしょうか? 妻の所見での再発率は何%くらと予想されるのでしょうか。妻も私もそこの辺りが不安でなりません…。
私自身は「乳ガンはほかの癌に比べ、抗がん剤やホルモン剤が効きやすい」という記事を目にしたことがあるのですが、抗がん剤の効果はどのようなものなのでしょうか。度々で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
〈追伸〉 病を抱えた本人や家族にとって、このようなシステムでお答えいただけるのは、大変ありがたくまた、心強いものです。今後も、死の恐怖と闘う人々に温かいに手を指し延べてくださるようお願い申し上げます。

前回も書いたと思いますが、最強の予後因子はリンパ節転移陽性で、50%再発率は普通リンパ節転移4個以上の場合ではないでしょうか。脈管侵襲陽性で核異型度3では多くても20%程度ではないでしょうか。抗がん剤についても、書物の記載は乳癌についてでしょうか? 癌腫によって全く効果が違います。乳癌は抗がん剤が効きやすい癌ですが、消化器癌は効きにくい場合が多いので、乳癌の事ではないのではないでしょうか? 確認して下さい。(文責 石山)

 

No.6477-3】  07年04月22日  M K
抗癌剤投与について

HPNo.6477‐1と2で妻の病状についてご回答いただいたM Kです。よろしくお願いします。手術を2月9日に行い、放射線治療が4月27日に終了予定で、ゴールデン・ウィーク明けから抗がん剤の投与が始まります。主治医の話では、選択肢としてACとCMFのどちらかが考えられるとの事でした。「ACは約3ヵ月、CMFは約6ヵ月の治療期間を要する事。前者は吐き気と抜け毛の副作用が後者より強いこと。治療成績は両者ともほぼ同等との事。再発率が20〜25%減らせる可能性がある事。その他、心臓、肝臓、膀胱に負担が生じる場合があること…等々」という事でした。これらの事から見ると、素人考えでは患者にとって、治療期間の長い事以外は、ACよりCMFのほうにメリットがありそうな気がするのですが…。
1) それでも主治医がACを勧めるのには何か理由があるのでしょうか? また、妻の病状にとって最も効果的と思われるのは、どちらの薬なのでしょうか?
2) 2月上旬に検査をした時点で、目に見える転移は無いとの事でしたが、4月20日現在で、骨に痛みの出るような転移をするというような事はあるものなのでしょうか? 妻はこの一ヵ月半のあいだ週5日毎日、車で往復150キロほどの病院に治療に通っているので、私としては車を長く運転した事によるただの腰痛だと考えているのですが、本人は転移かもしれないと、不安がっています。痛さはたいしたものではなく、腰が抜けるようなむずむずするような、朝起きるとき動かすと少し痛みを感じる程度だそうです。また、体全体がだるいとも言っています。主治医にも「転移ではないだろう。心配のしすぎだ」と言われたようなのですが…。また、前回の検査から日が浅過ぎるので、まだ検査する必要がないとの事でした。
3) 放射線治療を挟んだので、手術から抗がん剤投与まで、3ヵ月の期間があいたのですが、問題ないのでしょうか? その間に、転移、増殖はしないものなのでしょうか? もし増殖しても、今後の抗がん剤でガンを死滅させられるのでしょうか?
4) 血管に浸襲している場合は、リンパ節転移している場合と同等くらいの危険度(遠隔転移の可能性)があるのでしょうか?

以上四点よろしくお願いします。

1) 主治医の先生のおっしゃるとおり、効果はAC=CMFです。メリット・デメリットも説明を受けられたとおりです。
2) 主治医の先生が一番奥様の状況を把握されているわけですから、そのご意見が一番正しいと思います。
3) 転移とは主病変(乳腺のしこり)の細胞がリンパ管などを通して他の臓器に移動しておこるわけですから、術後に転移がおこることはありません。将来的に転移がみつかるとすれば、それは手術時にすでに転移が完成したものが現れてきたと考えられます。
4) 欧米での脈管侵襲とは主にリンパ管侵襲のことを指します。基本的には乳癌の転移にはリンパ系が大きく関与していると考えられています。(文責 首藤)

 

No.6477-4】  07年04月26日  M K
妻の再発率について

HPNo.6477でお答えいただいたM.Kです。度重なる質問で恐縮ですが、お教えいただきたくお願い申し上げます。先日抗がん剤投与の説明を受けた際、主治医の先生から、「妻の場合の再発率は40%で、化学療法(AC療法)により再発率を20〜25%下げられる」と言われました。帰宅してもう一度、言われたことを思い返してみると、主治医の先生の言う再発率とは、再発率(40%)自体が20〜25%に下がるという事なのか、または、再発率(40%)に対し20〜25%下がるという事なのかが分からなくなってしまいました。といって、そのことだけを伺うために病院に行くこともできないと思い、再度質問させていただくことにしました。
前者では生存率が85%になりますが、後者では70%になってしまいます。どちらなのでしょうか? また、その後のホルモン療法5年で、さらに再発率を下げる事は可能なのでしょうか? この二点についてお教えいただけたら幸です。

例えば奥様と同様の方が1000人いるとすると、何もしない時は再発率が40%ですので、400人が再発するという事です。これに対し、化学療法(AC)を行なう事によって再発率を20〜25%下げられるという事は、400人のうちの20〜25%である80人〜100人の再発を防ぐ事ができるということです。従って計算上は再発する人が320人〜300人となり、奥様の場合の再発率は、32〜30%という事になります。
ホルモン療法については、リンパ節転移陰性乳癌に対する術後療法として、「@腫瘍浸潤径が2cmを超える A細胞あるいは核の異型度が高い B35歳未満 CER、PGR共に陰性である」のいずれかの条件を満たす場合は、タモキシフェン及び多剤併用化学療法が推奨されており、タモキシフェンは再発率を26%減少させる事になっています。320人〜300人の26%である83人〜78人に対して再発を防ぐという考え方です。(文責 須田)

 

No.6477-5】  07年07月17日  M K
抗がん剤投与について

今年3月17日に回答をいただいた、HPNo.6477のM Kです。その節はありがとうございました。今回は妻の抗がん剤投与の件でお教えいただきたく、メールさせていただきました。この7月の第4回目AC剤投与で抗がん剤治療が終了します。今後は5年間ホルモン剤の治療を行なうことになっています。しかし、AC剤の後にタキソール(タキソテール)を追加することで、さらに再発率が下がるという情報を目にしたのですが、本当なのでしょうか? 再発の可能性が1%でも減れば、先生に投与をお願いしてみようと考えているのですが…。ちなみに無治療の場合の妻の再発率は40%程度(中間リスク)と言われています(リンパ節転移無し、グレード3、V+、腫瘍径35×27×10ミリ)。再発したときのためにタキソールをとっておくか、再発自体をタキソールで最初に叩くか…。どちらがよいのか迷っています。最善の選択はどちらなのでしょうか? また、他にもよい薬はあるのでしょうか? 主治医の先生方は信頼でき、大変親切で、いろいろと詳しく説明していただけるのですが、より多くの情報を知ることで、後悔しないようにしたいと思っていますので、アドバイスのほど、よろしくお願いいたします。

タキソールの上乗せ効果はごくわずかであると思われます。しびれ等の副作用が残る可能性もあり、一概に投与した方がよいとも言えませんので、主治医とよくご相談下さい。(文責 加藤)

 

No.6476】  07年03月17日  M
乳輪内のしこりの検査結果について(HPNo.6435-2)

HPNo.6435で質問させていただきまして、早速乳腺専門病院に行って参りました。触診では分かっていただけたのですが、マンモグラフィー・エコーとも異常がなく、該当部分も何も写っていませんでした。先生は「おそらく乳腺そのものでしょう。生理前だから乳腺が張っているのかもしれません。生理が終われば自然と柔らかくなるかもしれませんよ。心配ありません。」との事でした。現在、生理後半ではありますが、お風呂で触ると、まだ細長いしこりを感じます。エコー・マンモグラフィーに写らない悪性のしこり(乳がん)もあるのでしょうか。このまま特に大きくなる等の変化がない場合は、しこりそのものが消える事がなくても、先生のおっしゃる通りに乳腺と思い、そのままにしておいてかまわないと思われますか? 何度も申し訳ございませんが、どうぞ宜しくお願い致します。

意味がある情報かどうかは分りませんが、触診で分るのであれば、穿刺吸引細胞診を受けても良いとは思います。でも穿刺吸引細胞診は正診率は90%から95%と言われていて、心配すればきりがありません。いずれにしても、経過観察でも、次の段階として穿刺吸引細胞診(ABC)でも良いと思います。(文責 石山)

 

No.6475】  07年03月17日  M・M
プラセンタ注射について

44歳、閉経前の主婦です。2年半前に乳がん温存手術・放射線治療を行い、現在ホルモン療法(ノルバデックス)で治療中です(抗がん剤治療は受けていません)。術後更年期障害のような症状(ホットフラッシュ)が出た為、漢方の桂枝茯苓丸(ツムラ)を服用しています。ただし一向に改善される事なく、更年期障害の症状が悪化しています。乳がん患者はホルモン療法を受けられないと聞いた事がありますが、最近注目されているプラセンタ注射はいかがでしょうか? かなり更年期障害に効くと聞いています。婦人科で相談したところ、「ホルモンが増える作用があるので止めたほうがいい」と言われました。乳がん患者でも使用できるという内容の本も見たことがありますが、やはり止めたほうがよいですか? アドバイスお願いします。

プラセンタ注射はおそらく女性ホルモンを増やすはずですので、乳癌患者さんはやめた方が良いと思います。またその注射は今飲まれているノルバデックスと併用してどんな事が起こり、副作用やら相互作用が起こって新たな病気になるかについても、全く分っていないと思います。(文責 石山)

 

No.6474-1】  07年03月17日  MK
腋の下のしこりの正体

家人の件でご相談いたします。 約3年前乳がん一期との診察を受け、左乳房切除(温存)手術後(センチネルリンパ節生検も問題なし)、2年間のホルモン注射治療を行いました。その7ヵ月後に、骨シンチとCTスキャン検査を受けました。転移は認められないとのお話にほっとしていたところ、腋の下のしこり(1センチ)について、「切除して調べては」との提案がありました。細胞診で調べる方法もあるようですが、このしこりが何ものであるか、いくつかの可能性を教えていただければと思います。前回切除手術をされた医師(専門医)は、現在他院に移られており、正直不安な気持ちもあります。専門医のいらっしゃる他院の受診も考えておりますが・・・。再発の可能性が低いのであれば、そのままでとも思っているものですから。よろしくお願い致します。

なぜそのような提案があったのか聞かれた方が良いと思います。我々乳腺外科医が触れば、ある程度転移の疑いとかは分ります。大丈夫でも、念のためなのか、それとも場合によっては患者さんが余りにも心配性であれば「そんなに心配なら受けては如何ですか」という事なのか、是非聞いてみる事をお奨めします。(文責 石山)

 

No.6474-2】  07年04月07日  MK
再発

HPNo.6474で家人のことを相談したものです。その後3年前に手術を受けた病院で細胞診を行い、悪性/リンパ再発という結果がでました。今後については、腋かリンパ郭清を行い、術後補助療法として抗がん剤点滴:FEC療法(タキソールx4クール)という方針が出ています。前回の手術では、「疑わしいところは全て取り除いた」と執刀医(現在は、他の病院の移られております)より説明を受けてましたので、転移であるのか、ホルモン治療で抑えられていた他のがん細胞が大きくなったのか、もう少し詳しい話をお聞きしなければと考えております。転移であった場合、新たながん細胞の活発化であった場合により、今後の危険度なり、注意すべき点がかわるものなのでしょうか。
また、近くに乳がんの年間手術例200を超える病院があります(前回の手術前にセカンドオピニオンで意見を伺いました) 。複雑な手術であれば、病院を代わることも考えておりますが、いかがでしょうか? ただし、また一からの検査となるようでしたら、今の病院で手術を急いだ方がよいのかなど、大いに悩んでおります。よろしくお願い致します。

おっしゃる通り、現在の主治医の先生とコミュニケーションをよくとることが肝要と思います。このケースは、センチネルリンパ節生検の偽陰性例(センチネルリンパ節に転移が無かったが、実は他のリンパ節に転移があったという例―5%位の確率)と考えられます。治療は郭清と術後補助療法でよいと思います。補助療法の選択には前回、今回の病理検査の結果を十分吟味して決める必要があると思いますので、その点も主治医の先生とよく相談してください。今の主治医の先生とコミュニケーションが十分とれれば転院の必要は無いのではないでしょうか。(文責 清水)

 

No.6473】  07年03月17日  A
乳がん検診

32歳、3歳の子供が一人います。先日乳がん検診を受けました(マンモグラフィ、超音波、触診)。結果は、「石灰化が見られるのと、小さなのう胞がひとつある」とのことでした。石灰化=がんと思っていたのでショックを受けていると、「石灰化は見るからに良性なので心配はいらず、のう胞も時々自己検診して1年に一度の検診をしてください」との事でした。2年前、授乳中にしこりを見つけ、卒乳後に今回の病院と違う病院で細胞診?(針を刺す)をしましたが良性で、2ヶ月くらいするとしこりは自然に消えてなくなっていました。一年後に同じ病院で乳がん検診をしましたが、石灰化やのう胞のことは何も言われませんでした。おたずねしたいのは、
1) 石灰化やのう胞が検診で見つかる方は、どれくらいいらっしゃるのでしょうか?
2) 石灰化がある人は、がんになりやすいのでしょうか?
3) 石灰化は乳腺症の人がなりやすいと聞きましたが、私の場合、2年前のしこりが関係しているのでしょうか?(乳腺症だった?)
4) 前の病院では石灰化のことは言われませんでしたが、その時からあったと考えられますか?
5) 来年の検診で石灰化が増えていると、がんの可能性が出てくるのですか?
6) 一年に一度きちんと検診を受けていたら、もしがんになったとしても0期で見つけることができますか?(100%はないと思いますが)

今回の病院では、6月に良性の甲状腺腫瘍の手術をうけており、先生も経験豊富な大変信頼できる先生なのですが、心配がつきず、メールさせていただきました。よろしくお願いします。

1) 正確なデータはありません。超音波もマンモグラフィーも器械が進歩すればするほど、見つかる人は多くなります。 
2) そのような事はないと思いますが、紛らわしい石灰化であれば、その可能性もあります。とにかく放置しないで経過観察して下さい。
3) 乳腺症の人がなりやすいのではなく、良性石灰化の多くは乳腺症によるものです。石灰化のない乳腺症はもっと多いと思います。
4) 今の石灰化が良性であれば多分あったとは思いますが、器械の都合で写らない事もあります。
5) 増えても、増える場所や一つ一つの石灰化の形をルーペで見て、その結果である程度診断出来るはずだと思います。
6) おっしゃる通りです。特にあやしい石灰化の写っている方はそうかもしれません。(文責 石山)

 

No.6472-1】  07年03月17日  Y 
抗癌剤の必要性

乳がんと診断されました。近いうちに右胸を切除します。運よくステージ0との事ですし、他の臓器や骨などにも転移していなかったので、ほっとしています。問題は抗がん剤のことです。夏に挙式することになっています。抗がん剤は髪の毛が抜けるそうですので、正直言ってそれはいやなのです。「カツラがあるじゃないか」と思われるかもしれませんが、どうしても自分の髪の方がいいので拒否したいのですが、だめでしょうか? 現段階では抗がん剤の話は出ていませんが、場合によっては使用しなければいけないと判断されたとき、とても怖いのです。来週中にもう一度病院にいきますが、気になってしかたないのです。

主治医の先生としても、まだ抗がん剤の事を話せる状態ではないと思います。今の再発予防(補助療法)の方針を決めるのは病理診断に基づく事が多く、手術後にその切除標本を検査して決まります。場合によっては再発率が3分の2に出来る場合もあるので、髪の毛より命が大事という「究極の選択」もあります。術前に心配しすぎても仕方ないと思います。(文責 石山)

 

No.6472-2】  07年03月22日  Y 
再建術

続いて気になることがあります。切除の手術ですが、医者は胸の筋肉を残すと言いました。その次に背中の組織を胸に持って行くための再建術を行うそうです。そうすると、胸の筋肉は残るのに、背中の筋肉を胸に持っていくというのは、なんだかおかしいような気がしてきました。医学的な話になるかとは思いますが、お答えいただければ幸いです。

乳房切除後の乳房の再建を背中の筋肉(おそらく広背筋)を用いて行うということだと思います。胸の筋肉(大胸筋や小胸筋)は残しますが、胸の高さが男性と同じになってしまいますので、乳房を作るために背中の筋肉を使います。背中の筋肉の機能については周りの他の筋肉が代償してくれるので大丈夫であるという理屈です。(文責 片山)

 

No.6471】  07年03月17日  Y.Y. 
皮膚転移について

いつも参考にさせて戴いています。2005年10月に左乳房全摘、その後リンパ管と血管にがん細胞が見られたため、化学療法(EC療法)を受けました。現在はゾラデックスとノルバデックスのホルモン療法中です。2週間ほど前に右足ふくらはぎのところに2cmぐらいのしこりを見つけました。痛くも何ともないのですが、こりこりと堅く、肉眼でも膨らんでいるのがわかります。乳癌が皮膚に転移したという事はあまり聞きませんが、如何なものでしょうか? 次の検診まで2週間ほどあります。皮膚科で診て頂いたほうがよろしいでしょうか? アドバイス宜しくお願いします。

乳癌の皮膚転移は胸部が多く、今回のような所見は転移とは考えにくいと思われます。症状が増悪する場合は皮膚科受診をお勧めします。(文責 比嘉)

 

No.6470】  07年03月17日  M.M. 
PET-CT

41歳、女性です。一昨年7月、乳がんで右乳房全摘出手術をいたしました。治療はノルバデックスのみです。今年に入り腫瘍マーカーのNCC-ST-439とCSLEXの数値が高いと主治医から言われ、CTと胃カメラの検査をしましたが、異常が見られませんでした。あとはPET-CTを撮るしかないと言われましたが、他にできる検査はありますか? また、この場合のPET-CTは保険適用にはならないでしょうか。よろしくお願いいたします。

肺、肝、骨、リンパ節転移の評価は超音波、CT、骨シンチにて主に行われますが、原因がはっきりしない腫瘍マーカの増加の場合、PET検査は推奨される検査の一つです。今回のケースであれば保険適応がされると思いますが、主治医にも確認してください。検査の結果で明らかな異常が確認できなければ経過観察となります。(文責 比嘉)

 

No.6469】  07年03月17日  K.I. 
乳管内乳頭腫&のう胞について

44歳、閉経前、2人の子供がいます。右の乳輪近くに2つのしこりがあり、触診、エコー、マンモ、MRI、針生検を経て、一方は乳管内乳頭腫(1x2.3)と言われました。もう一方はのう胞(0.8x1.1)と言われ、悪性のものがないか、針生検の結果を待っています。主治医は、両方のしこりを切除するように勧めています。直径4cmの円状に切除するそうですが、2箇所ですので大きく陥没するように思います。良性の場合でも経過観察をせずに切除したほうがいいのでしょうか? 患者さんの数が多く、こちらから質問しにくい雰囲気です。自分で納得できないまま治療に進んでしまうのではないかと心配です。アドバイス、よろしくお願いします。

画像や生検結果がわからないので判断が難しいのですが、良性が考えられる場合は早急な手術は必要ありません。しかし画像診断は100%ではありません。乳頭腫の疑いでも早期癌が見つかることもあります。画像や生検結果から総合的な判断で手術を勧められたのではないでしょうか? やはり主治医に手術の適応について確認されるべきかと思います。(文責 比嘉)

 

No.6468】  07年03月17日  H
出血について

腫瘍が皮膚に浸潤していて、潰瘍となっています。そこから出血があるため、ガーゼをあてています(melorin gaze)。薬で腫瘍が縮小している時は、ガーゼをはがしてもうっすら分泌液がつく程度ですが、腫瘍が大きくなるとガーゼがくっついてしまい、はがす時に出血してしまいます。時には、はがす前から出血していることもあります。大抵は腫瘍の表面からですが、先日、手が当たったわけでもなく、どこかにぶつけたわけでもないのに、腫瘍の根っこから出血がありました。初めての場所で焦ってしまいましたが、主治医に話しますと「腫瘍が落っこちるかもね」というようなことを言われました。とっさのことで私もそれ以上何を聞いたらいいか分かりませんでしたが、大きくなった腫瘍がぽろっととれてしまう、という意味に受け取ったのですが、現実、そのようなことが起こりうるのでしょうか? 「たくさん出血した場合はタオルでぐっと押さえて止血して病院に来て」と言われましたが、外出中に、もしそのようなことが起きたらと思うと、こわくて外にも出られません。現在抗癌剤とホルモン剤で治療中。腫瘍は大きさも厚みもあります。血液検査上は正常内、マーカーも変動はありますが、基準値内は保っています。骨転移がありますが、それ以外は今のところ大きな問題はないと思われます。宜しくお願い致します。

お話だけですので腫瘍の状態がわからないため具体的な説明はできません。癌は組織の壊死を伴い、また易出血性です。腫瘍が大きく、根本が小さければ壊死によって腫瘍が落ちる可能性は否定できません。(文責 比嘉)

 

No.6467】  07年03月17日  Y.S.
乳がん術後の妊娠について(HPNo.1905-4)

HPNo.1905で相談をしていたものです。卵巣の方は経過をみていますが、生理的なものだろうとのことで、ひとまず安心しております。今年10月でノルバデックスを飲み始めて5年になります。一応5年間服用と言われているので、その時期には終わる予定です。現在35歳で結婚をしていますが、薬を服用していたため妊娠ができませんでした。子どもがほしいと思っているのですが、私の場合は両方のレセプターがプラスであるため、妊娠により再発してしまうのではないかと不安になります。主治医にはまだ相談していませんが、術後に妊娠した場合は、どの程度再発のリスクがあるのでしょうか。私の体にとっては妊娠しないほうがいいのでしょうか。先生の患者さんで、私のような事例がありましたら教えてください。よろしくお願いします。

乳癌術後の妊娠に関しての大規模な比較試験はありませんが、報告されている内容では乳癌術後の妊娠が予後に影響することはないとされています。このことから十分な管理の下、妊娠は可能と思われます。しかし上記報告は卵巣機能の廃絶(化学療法やホルモン治療、卵巣摘出)が乳癌の再発リスクが減少するといった事と相反するような結果で、本人、医師も悩むところです。(文責 比嘉)

 

No.6466】  07年03月17日  Y 
腫瘍マーカーST439について

私は現在41歳、4年前の11月に左胸の下の方を切除しました。センチネンタルリンパ節でリンパへの転移は認められず、温存で済みましたが、ステージUでした。2年間注射で生理を止め、血液検査や年に一度のCTや骨シンチなどの検査でも異常がなかったので、2年経って一昨年の11月からノルバデックスの服用のみになりました。ひと月ほどで生理が始まり、初めての血液検査で腫瘍マーカーのST439の数値が平均を少し上回りました。様子を見るということで、通院のたび血液検査を受けましたが、少しずつ上昇し、現在は23U/mlです。昨年の11月のCT・骨シンチ・超音波では異常は見当たらず、今年の2月6日にPETを受けました。結果、左の尿管あたりに薬の集積があって、それ以外は特に気になるようなものはない、とのことでしたが、それも薬がだんだん膀胱に流れてきているのが写っているのかはっきりしないとのことでした。ST439が胃がんや大腸がんにも反応するとのことで、今度は胃カメラと胸部から腰部のCTを撮る事となりました。素人考えなのですが、生理とST439の数値上昇との関連性とかはないのでしょうか?主治医の先生の話だけでは意味もわからず、原因のわからない不安ばかりが残っています。どうぞ詳しく教えていただけないでしょうか?

NCC-ST439は月経周期後期に異常値を示すとの報告が、わずかながらあります(私見ですが、あまり関係ないとの認識でもいいと思います)。腫瘍マーカの変動は時に患者様と主治医を悩ませる事があります。 再発の疑いが確認できない場合や他の癌が否定された場合は、基本的には経過観察となります。(文責 比嘉)

 

No.6465-1】  07年03月17日  Y 
術後治療について

32歳独身、閉経前、温存、レセプターは全て陽性、Grade3、リンパ節転移なしです。将来的に出産もしたいと思っていますが、再発転移も防ぎたいです。タキサン療法は閉経する可能性はほぼないと聞いています。若年でGrade3ということもあるので、ホルモン療法にタキサン療法など追加した方がいいのでしょうか? タキサン療法も最近は見直されていると聞いたのですが、効果は期待できるしょうか? ホルモン療法(ゾラデックス含)のみでも大丈夫でしょうか? お忙しいところ、申し訳ありませんが、ご回答お願い致します。

リスク因子;HER2(ハーツー)、脈管侵襲などの記載がないので判断が難しいですが、35歳以下で核異型度3とのことで再発リスクは中間リスクとなります。この場合、レセプター陽性で有ればホルモン治療あるいはホルモン治療+化学療法の選択がされます。化学療法を投与するかは病理結果から総合的に判断します。化学療法の選択は将来妊娠を考えるのであればタキサン系抗癌剤が選択されますが、卵巣への影響が完全にないとは言えません。最近では卵巣機能保護の目的に抗癌剤の投与中はゾラデックス併用する事が行われています。抗癌剤終了後はタモキシフェンなどのホルモン治療が開始される事が一般的です。(文責 比嘉)

 

No.6465-2】  07年03月18日  Y 
術後治療について(2)

お忙しい中、ご回答頂きまして有難うございました。「リスク因子:HER2 0,リンパ管浸潤1,静脈浸潤1,高度乳管内浸潤+」でした。先月、1回目のゾラデックスを投与し、卵巣機能をとりあえず眠らせ、化学療法もするか、よく考えるよう主治医に言ってもらっています。卵巣機能が停止してしまうと思うと治療に踏み切れず、悩んでいます。やはり化学療法もするべきなのでしょうか?

一般的には化学療法が奨められますが、ホルモン療法でも少なくともCMFという抗がん剤と同等というデータもあります。やはり患者さんの希望で決める事で良いと思いますが、化学療法をやって、あまりに副作用が強ければ止める事も止むを得ません。(文責 石山)

 

No.6465-3】  07年06月30日  Y 
免疫細胞療法について

HPNo.6465で、ご相談した者です。丁寧なご回答を頂きまして有難うございました。その後、副作用の事を考え、抗癌剤はしない事に決めました。抗癌剤をしないと決めたものの、不安は残っています。そんな時、新聞広告で免疫細胞療法というのを目にしました。抗癌剤のような副作用がほとんど無いようですし、第4の治療法として有効なのでしょうか? まだ症例が少ないようですが、先生達、医師の立場から見られていかがでしょうか? インターネット等で見ると、嫌悪感を持たれている先生もいらっしゃるようですし・・・。まだ、私自身、診察の日が来ていない為、主治医に相談していません。抗癌剤を出来なかった者としては、再発等のリスクを少しでも下げられるのであれば試してみたい気持ちはあります。ご回答お願い致します。

科学的に、また健康保険上免疫反応を利用した乳がん治療はHER2陽性患者さんのトラスツズマブしかありません。それ以外の免疫療法は研究や実験の段階で、多額の費用がかかる場合もあり、効果など不確定です。(文責 石山)

 

No.6464】  07年03月17日  K
術後の治療について

前回、閉経前なのにフェマーラ錠を処方されたとご相談しましたが、今回ノルバデックスに変更してもらいました。ところで今日初めて詳しい病理結果を聞きました。しこりの大きさ1センチ、リンパ節転移0、脈管侵襲リンパ0、血管0、グレード2か3(主治医はまあまあといういいかたでした)、ハーツー+3でした。ハーツーがよくないので、追加で飲み薬の抗がん剤のユーエフティをだされました。私は抗がん剤にはとても抵抗があり、以前は主治医も「それならホルモン剤だけでもいい」と言って下さっていたのですが、ハーツーが気になるので、飲んだほうがいいと言われました。早期なので点滴の抗がん剤は必要ないということです。経口抗がん剤の効果は、どうなのでしょうか? もともと体力的にも自信の無いほうですし、仕事を続けたいので、副作用が強いのは困ります。脱毛は無いと言われましたが、本当でしょうか? できればホルモン剤だけですませたいのですが、ハーツーはそんなに予後に悪いものなのでしょうか?

再発リスクを考えるにあたり記載されている病理結果の項目は大切になります。今回の結果ですと核異形度、HER2が問題となり、中間リスクと評価されます。この場合、ホルモンレセプター陽性であればホルモン治療単独あるいは化学療法+ホルモン治療が推奨されています。しかし厳密にどの場合に化学療法投与すべきか、こまかな規準は定義されていませんので治療方針に悩むところです。私も再発リスクを軽減する目的で化学療法を提案する事があります(最終的には本人に決定してもらいます)。UFTは副作用(脱毛、骨髄抑制)が比較的少ない抗ガン剤と言われています。効果も2年間内服で再発リスクが20%軽減されると報告されています。但し、確立された乳癌の標準治療との比較試験はありません(CMFとの比較試験が進行中です)。(文責 比嘉)

 

No.6463】  07年03月17日  JH
告知についてのご相談です

乳癌の妻をもつJHと申します。妻は乳癌Stage4(腫瘍3Cm、リンパ節転移あり)との診断で、化学療法にてCEF4回投与が本日行われました。外来での投与をしている時の出来事で、告知に関して疑問がありまして、ご相談をさせていただきます。外来投与終了後会計を行うため看護師より明細等を頂いた際、そのクリアファイルの中に1通の明細がありました。そこには初回外来で診察を受けた日からの診察日の各日付が書かれており、その日付ごとに脳転移疑い、肝転移疑い等(タイトルは、忘れてしまいましたが下記のようなイメージ)が記載された明細(紙)がありました。
1.XX月XX日 右乳癌 2.XX月XX日 嘔吐・?? 3.XX月XX日 脳転移疑い 4.XX月XX日 肝転移疑い 5.XX月XX日 腹?転移疑い ・・・
初診から一通りの検査(上記内容に関するものと、骨シンチ他一通り)を行い、その都度「転移もしくは問題はありません」と説明を受けていましたが、今日上記明細を見て驚き、すぐに看護師に「今まで転移・問題ないと説明されていましたが、本当のところは違うのでしょうか?」と尋ねたところ、看護師は「これは抗がん剤を投与する上で必要となる書類であって、間違えて患者さんにお渡しするものではないものをお渡ししてしまいました。ご主人が心配なさっている事柄(転移はないと説明を受けていて、実際には転移があるということ)とは何の関係もございません。点滴薬を用意する上で必要となる病院内の資料です。」と笑って告げられ、書類自体は看護師に返却となりました。私もそのときの雰囲気が特におかしいものではなかったので、「そうですか。安心しました。」と話を終わらせてしまいましたが、帰りの車中で妻にそのことを話したら妻がとても不安げになり、そのような書類であることが事実か心配になっています。数日妻とも考え、病院へ足を運び、もう一度そのこと(実際は転移があるのか)をたずねようか話し合っているところです。外来での担当医とも信頼し良い関係であると感じているので、「実は転移がある」というようなことはないと思うのですが、その書類がとても気になり心配で相談させていただきました。外来での化学療法において点滴薬を用意する上で、そのような書類が必要であるのはどの病院でも同じなのでしょうか、また本当のことなのでしょうか? お分かりになりましたら是非、お答えをお願いします。

保険診療(国民健康保険など)において検査や治療のための薬剤を使用する場合は、必ず病名(保険病名)が必要となります。診断がついている場合や疑いがあって検査する場合でなければ保険診療はできません。たとえば脳MRIやCTを撮影する場合、保険病名は脳転移の疑いと記載されます。今回の件も一通り検査を施行するにあたっての保険病名と考えられます。(文責 比嘉)

 

No.6462】  07年03月17日  C.T.
腫瘍マーカーの数値の変動について

いつも拝見させていただき大変参考になっています。私は、2004年5月に左乳房全摘出しました。病期は2期bでしたが、術後に肝機能が悪化し、化学療法もホルモン療法もできませんでした。3ヶ月ごとに腫瘍マーカーで検査していますが、術後2年間はCEAが1.0〜1.6の範囲、CA15-3が10.0〜11.8の範囲で、大きな変動はありませんでした。しかし、2006年8月にCA15-3が13.6に上がり、その後の変動は次のとおりです。2006年9月→15.0 10月→11.6 12月→15.0 2007年1月→8.8 3月→20.0。CEAについては以前と変わりませんが、CA15-3が変動が大きく、特に1月はこれまでの中で最低値で、3月には最高値になりました。徐々に上がる傾向にあるように思うのですが、腫瘍マーカーとはこのように変動することもあるのでしょうか? 体調の変化は特にありませんが、48歳の更年期で、月経が少し不順になってきています。些細なことかもしれませんが、不安になっています。ご意見をいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

正常範囲内の変動は時々ありますが、上がり続ける訳ではないのであれば余り心配ないと思いますが、定期的にCTで肝臓、肺、骨シンチで骨転移の有無を診てもらえば安心できるのではないでしょうか。(文責 石山)

 

No.6461】  07年03月17日  R.I. 
乳首近くのしこりについて

初めてメールさせていただきます。私は38歳(女性)です。昨年11月に外科で乳癌検査をしました。マンモグラフィー、エコー、触診としていただきましたが、異常はありませんでした。今年の2月に、右胸の乳首近くにしこりのようなものを見つけ、最初はかかりつけの婦人科で触診をしていただいたところ、「脂肪の塊でしょう。治りますから大丈夫ですよ。3ヶ月前にマンモグラフィーを受けていて、急に悪いものが出てきたりしませんから大丈夫。」と言われました。でも心配だったので、乳癌検査をしていただいた外科で、触診、エコー(今回マンモグラフィーはしていませんが)で診ていただいたところ、やはり「問題ないですよ。周期の関係でしょう。1年に1度きちんと検査しているので心配ありません。」と言われました。しかし、生理とは関係なくしこりが消える様子はないので、先ほどお話した婦人科に別件で行った時に、しこりがまだ消えないとお話しましたら「ちゃんとマンモグラフィーも受けているので大丈夫です。」ということでした。私は以前から検診とは別に、乳房にしこりを感じた時はきちんと外科で診ていただいておりますが、乳腺症と診断された事はありません。今回のしこりの感触は、少し硬いような感じですが、乳腺の一部のような感じもあり、体勢によって触れたり触れなかったりします。今まで乳房のしこりにばかり注意していたので、もしかしたら乳首近くのしこりは長年あっても気づかなかっただけかも知れませんが・・・。私の叔母が乳癌で現在末期のため、乳癌に対する恐怖心が強いです。先生方を信頼して安心していても良いでしょうか。また、悪性でなく、消えないしこりにはどんなものがあるのでしょうか。教えていただけますか。

それほど心配なら穿刺吸引細胞診だけでもしてもらったらいかがでしょうか。(文責 石山)

 

No.6460】  07年03月17日  J.N.
セカンドオピニオン(HPNo.6398-2)

先日は、有難うございました。昨日、検査結果を聞きに行く為、家族で病院に行きました。その結果、今の所他の臓器及び骨の転移は見当たらないとの事だったのですが、「病理検査でMRIが抜けていて、現段階でその検査を行わないと」と言われました。進行度はあくまでも医師の予測としてT〜U、がんの種類は、細かい泡状のものが右下に点在しているようなので、非浸潤がんと浸潤がんが混じっている可能性もあるといわれました。MRIは非常に混み合っている為、来週に検査を行い、最終的に23日に結果とその後を聞きに行くことになりました。セカンドオピニオンを申し出たのですが、『このような最終結果が出ていない状態ですので、その結果を待ってから他の医師の所へ行ったほうが良いですか?』と聞いた所、『MRIの結果があってもなくても、乳房を切るか、切らないかの判断しかないから、この一週間の間に行けばよい』と言われました。主治医がMRI結果が出ないと今後の診療方針を決められない状態で、このような段階でセカンドオピニオンをして診断がつくものなのでしょうか。ご回答いただければ幸いです。

セカンドオピニオンは今行かれても構わないと思います。セカンドオピニオンはMRIの結果がどうなっても、それぞれの場合(異常のある時とない時)に分けて説明できるはずです。(文責 石山)

 

No.6459】  07年03月16日  ON 
今流行のリンパマッサージについて

2年半前に乳房全摘し、抗がん剤を4回しました。今回お聞きしたいのは、バリ島等で行われているようなリンパマッサージ等は行わない方が良いのでしょうか? カイロプラクテックにも頭痛、肩こり、腰痛等があり、行きたいのですが、がん患者は施術できない旨の記載あり、がっかりしています。現在、転移等は無いのですが、ハーツーが+3でホルモンレセプターがマイナスの為、再発、転移は避けたいので、何か気をつけること(リンパ浮腫も心配です)がありましたら教えてください。ちなみに多発癌で4個、乳管内には10センチ広がっていました。手術時はリンパ転移はありません。

乳癌患者さん用のリンパ浮腫のマッサージがあるので、インターネットで調べればすぐに見つかります。再発予防は主治医に聞いていただく以外ありません。気をつけるべき事は再発のための採血や画像診断を主治医の言う通り間違いなく受ける事です。再発の可能性は十年まではあるので、その間は検査をし、万一再発したらハーセプチンで治療できます。(文責 石山)

 

No.6458】  07年03月16日  G 
アデノーシス腫瘍について

アデノーシス腫瘍で良性といわれましたが、これはどのようなものなのでしょうか? 一応手術して腫瘍は全摘出しているのですが、今後も検査などで経過を見る必要のあるものでしょうか? まったく癌性のない、単なる腫瘍と考えてよいのでしょうか? なるべく詳細をお願いします。よろしくお願い申し上げます。

adenosis 腫瘍という事でしょうか? これはおそらく乳腺症の中の病理所見としてadenosisがあるので、その事と思います。全くの良性ですが、病理診断や画像診断で癌と間違いやすい良性病変と言われています。(文責 石山)

 

No.6457】  07年03月16日  W.H. 
今後の治療について

私の妻は、2年前に右胸を乳がんにより全摘しました。其の時、主治医から「完全に手術で取りきれたかどうかわからない」と言われましたが、その後、治療を行うことなく退院しました。今月、かかりつけの病院に行って、生検を行ったところ、腫瘍マーカーは異常ないが、2年前に全摘した乳房の周辺にガンがあるとのことでした。主治医は、「すぐにでも放射線治療を行い、予防的な意味から50グレイを右胸全体にかけて、それでも腫瘍が消えなかったら抗がん剤を行う」と言っております。私としては、放射線をかけるのであれば、ピンポイントで最低限の量で体に負担をあまりかけずにできればと思うのですが、難しいのでしょうか。また、放射線をかける以外に方策はないのでしょうか。よろしく御願いいたします。

この内容からは初回手術時のステージや腫瘍の大きさなどが分れば判断のしようもありますが、最初の手術所見で大事な病理所見などが分りません。まして「取りきれたかどうか」という意味も理解できません。それほど進行していたということでしょうか。そうであればその後治療がないという事は、単なるターミナルケアとしての2年だったのか。情報不足ですので、セカンドオピニオンとして、今の主治医から別の乳腺専門の病院宛の紹介状など貰って相談してみて下さい。(文責 石山)

 

No.6456】  07年03月16日  K
細胞診

細い針による細胞診で、病巣が悪化する心配はありますでしょうか? 1週間前に乳腺クリニックで検診を受けました。左乳房がカテゴリー3とのことで、エコー下にて細胞診を行ないました。細い針を2ヶ所刺し細胞吸引しました。細胞をちゃんと取ってくださろうとして、中で針を長く動かされ、血が流れ、かなり痛かったです。「内出血をしたので青アザになると思います。」との医師のお話の通り、針で刺した周辺が青く硬く腫れ、痛みで丸一日ほど左腕を動かせませんでした。痛みは日に日に和らぎましたし、うぐいす色のように変化してきましたが、まだ硬い腫れが残っています。どうかよろしくお願いいたします。

理論上は可能性はありますが、以前ある乳がんを数多くやっている病院で、細胞診の影響で再発した患者さんが2例いたという話しを聞きました。所がその病院の手術総数が1万件近いので、おそらく頻度は 0.02%ですので心配は要らないと思います。まして癌と決まってはいませんですし、穿刺後の出血は健康診断の腕からの採血と同じで出血はしますし、血管が細ければ針先が動くので同じと思います。(文責 石山)  

 

No.6455】  07年03月16日  M 
手術精検の結果待ちです

昨年3月ステージ2Aで温存手術、病理結果は、「38ミリの非浸潤癌中に8ミリの浸潤部分あり、ER3+ PGR1+リンパ節はセンチネルの1個のみ陽性 LY3+V−」でした。今年に入って異常がみつかり、エコー、血液検査、PET検査をへて第3リンパを手術精検し、結果待ちです。センチネルと今回の10個ほどのリンパ節が全て陽性だった場合の所見をお聞かせください。よろしくお願いします。

すでに初回の所見からセンチネルの1個が転移陽性であれば、すでに化学療法を受けているはずと思います。したがって今後は、そのような場合は次の化学療法に移るのが普通ですが、年齢、全身状態、合併症の有無で違いは多いと思います。 (文責 石山)

 

No.6454】  07年03月15日  K
10代での発病も起こり得るのでしょうか?

今年から大学生となる18歳です。昔から心配性の私ですが、2年前からの乳房のかぶれや痒み、乳頭からの分泌物から考えて、乳がんの可能性もあるのでは?と思いまして、お尋ねしたいと思います。よくある症状としてしこりが挙げられていますが、私に腫瘤はないので安心していると、特殊な乳がん;パジェット病にはしこりはつくらないと分かりました。30代〜50代の発病が一般的と聞きましたので、心配する必要はないのでしょうか?

一般的にはPaget病は若い方には少ないですし、かぶれやかゆみを伴う事は少ないと言われていますが、ご心配なら乳腺外科で擦過細胞診をされた方が良いと思います。(文責 石山)

 

No.6453】  07年03月15日  B
ホルモン療法の副作用について(HPNo.6162-5)

以前HPNo.6162でご相談させて頂いたBです。その節は、ありがとうございました。早速ですが、ホルモン療法の副作用について質問がございます。現在ゾラデックス+タモキシフェンを開始して一月半経過しました。生理はその間1回ありましたが、止まったようです。個人差があるのは充分承知しておりますが、一般的に副作用はお薬を開始して何か月ぐらい経過して出現するのでしょうか。また、副作用を訴える方は全体の何%くらいいらっしゃるのでしょうか。43才ですと、このまま閉経する確率は何%くらいでしょうか。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いします。

短期には更年期障害様の副作用がありますが、長期には骨粗しょう症などの問題もあります。それぞれの薬剤の添付文書かパンフレットを貰えますので、主治医か薬局で貰って下さい。(文責 石山)

 

No.6452】  07年03月15日  OD 
しこりについて

31歳、子供1人がおります。昨日右胸に、触った感じで3センチくらいのころころしたしこりを見つけ、近くの総合病院の外科を受診しました。レントゲンとマンモグラフィー、触診、エコー検査で、16.5×8mmの楕円形のものがみつかりました。左胸には検査でもみつからず、右だけでした。針のようなものを刺して細胞を採取して、検査をするとのことでした。先生がおっしゃるには、比較的境界がはっきりしており、形もつぶれた楕円形であるため、恐らく悪性ではないとのことですが、検査結果がでるまではとても不安です。生理不順な方で、現在も2ヶ月生理が遅れています(妊娠はしていません)。可能性のある病名などがわかるようでしたら、参考までに教えてください。またその検査だけではっきりとした結果がわかるのでしょうか?

超音波では横長のしこりは良性の可能性が高いと言われています。ですから例外もあるので穿刺による検査を受けて確認する必要があります。内部エコーなどの状況によって色々なしこりが考えられます。(文責 石山)

 

No.6451】  07年03月15日  M・Y
乳腺のう胞について

1月の終わり頃、のう胞が大きくなったように感じたため検査しました。のう胞の中に小さな出っ張りが出来ていました。この時、のう胞の水と出っ張りを検査しました。結果は良性でした。6月にまた検査する予定なのですが、2ヶ月もたたないのにのう胞が大きくなり始めました。6月をまたずに検査に行った方がいいのでしょうか?また、すぐに大きくなるということは、悪性の可能性が高いのでしょうか? よろしくお願いします。

大きくなるのが内容液が増えて大きくなるのであれば、のう胞では普通の事です。余り心配ないのですが、腫瘍部分が大きくなっているのであれば心配です。引き続き検査をお奨めします。(文責 石山)

 

No.6450】  07年03月15日  H.K.
硬癌は発見しにくい癌ですか?(55歳)

総合病院の検診センターで人間ドックを受診していました。経過は、「平成15年8月 超音波検査・乳腺腫瘤 右疑い・乳腺症 左右、10月 同センターにて精密検査(マンモグラフィーのみ)判定ー乳腺症・乳腺腫瘤の疑いはあるが年1回検査にて経過観察。16年8月 超音波検査・乳腺症の疑い左右・乳腺のう胞 右、 判定ー所見はあるが1年後の健診で検査を受けて下さい。17年12月 マンモグラフィー検査 非対称性乳房組織 右、判定ー乳腺専門医受診をおすすめします(自分でもシコリがわかりました)。18年1月専門医を受診したところ、「4センチ弱 硬癌 リンパ節転移有り」でした。抗癌剤治療後、右乳房切除手術、ホルモン剤治療中です。最初の異常に気がついたときにこのホームページを知っていたら、とても経過観察など怖くてできませんでした。無知さを悔いるばかりです。硬癌は早期発見しにくい種類なのですか?ずうっと疑問に思い気が晴れません。よろしくお願いいたします。(健診時検査では自分で超音波かX線かを選択でした)

いずれの検査も診断能は100%ではありません。それぞれを組み合わせてもやはり100%にはなりません。硬癌は時に間質浸潤だけが広範囲にある場合、画像では写りにくかったり、触診上脂肪腫(良性)のように見える事もあります。(文責 石山)

 

No.6449】  07年03月15日  R 
脇のしこりについて

初めて質問させて頂きます。30歳女性です。今現在、妊娠10週目に入っています。以前から右脇ちょうど胸と腕との付け根の下ぐらいにしこりがありました。痛くも痒くもなく、触ると中に丸い塊が動くので脂肪の塊だと思って放置していました。ところが数日前になって、以前の3倍ぐらい、約1センチぐらいで楕円形のしこりになって痛みが出てきました。よく見ると以前はなんともなっていなかった右の同じ場所も少し赤くなっていました。右は痛くはないです。なので左のしこりは何らかの形で膿でも溜まってるのか、妊娠中だからこういう事もあるのか心配です。今はマンモ検査もしない方が良いと聞きましたし・・・。今度の婦人科検診まで2週間放置しておこうか、皮膚科に行った方がいいのか心配です。癌の可能性もあるのでしょうか?

部位を考えると乳腺の腫瘤というよりも皮膚のしこりかリンパ節の可能性があります。場合によっては副乳という事もあるので、まず外科にかかられて下さい。(文責 石山)

 

No.6448】  07年03月15日  S 
乳首のしこりについて

乳首のしこりについて相談お願いします。私は男で、17歳のときに右の乳首にしこりがつきました。はじめは腫れも酷く、何かが触れるたびに痛みを感じていて、総合病院のほうに行って診察してもらいました。乳がんではないと診断されたのですが、今後しこりが引くかどうかはアヤフヤな感じでした。今現在20歳になり、しこりの方は一向に引かず、痛みの方は衝撃があれば痛みを感じるくらいになりました。しこりを取るには手術するしかないのでしょうか? 何かアドバイスがあればよろしくお願いします。

思春期乳腺症といい良くある事です。痛いのも我慢の範囲であれば全く心配ないと思います。男性乳癌は高齢者(60歳以降)に多いので。(文責 石山)

 

No.6447-1】  07年03月15日  N.M. 
乳がん検査

母のことで相談があります。2/26、左胸にしこり(2.5センチ)があるのを前々から気になり検査に行き、おそらくがんであることを告げられました。詳しくは1週間後説明するとのこと、このときマンモグラフィ・生検等行ったみたいです。1週間後しこりの細胞を見た結果、がんではなかったのですが、医師はあくまでも「がんの可能性が高いので、しこりを取ってみないとわからない」と言っていて、がんであることを前提に手術をするそうです。医師の言う治療方針、がんである場合でもない場合でも、とりあえずしこりを取ってみて判断するとの事です。ここでがんと診断がついた場合は、そのまま温存手術をするそうです。この日は、入院前の検査、血液・尿・レントゲン・心電図等行いました。そのまた1週間後、血液検査異常なし。入院の手続きをする(検査はもうしないみたいで、手術の2日前に入院してもらうとの事)、以上が今までの流れです。そこで、相談ですが、乳がんってこんなに診断がつくまで時間がかかるものなんでしょうか? 「おそらくがんでしょう」といっている割にはすぐに治療せずに、検査してから約1ヶ月もほっといて大丈夫なんでしょうか? 最初の検査で「おそらくがんでしょう」と言われて約1ヶ月、がんだかなんだかわからず不安な日々を送っていて、しこりが本当にがんになってしまう場合はあるのでしょうか? どうしたらいいのか全くわかりません。今後どのようにしたらいいのか教えてください。

画像上疑いが強いのでしょうが、特に硬癌などは、細胞診で細胞が取れにくく、わからないけれど、画像上は典型的な癌の所見です。間違って癌でないのに癌の手術をする方が問題なので、時間をかけて診断する事もしかたありません。さらに、日本女性の乳癌は急速に増えていて、どこの乳腺外科でも手術予定で一杯で多忙を極めています。それと乳癌の増殖速度は比較的遅いので、1か月くらいで悪くなりませんし、良性の病変が悪性化する事は絶対にありません。(文責 石山)

 

No.6447-2】  07年03月25日  N.M. 
乳がん手術について

乳がんの手術について質問があります。
胸のしこり2.5センチ、脇下のリンパ節への転移がみうけられる(おそらく進行性のガン)場合、全摘しかないのでしょうか。いろいろ調べてみたのですが、全くわかりません。「このままでいくと、おそらく全摘ですね」と言われているので、あきらめて覚悟を決めています。たとえば素人考えですが、全摘しても後の抗がん剤治療は行っていくと思うので、手術前に抗がん剤をやってみて、もししこり等が小さくなったら全摘しなくても済むような感じがするのですが、そういった選択の余地はないのでしょうか?

主要なしこりの大きさにかかわらず、病変の乳管内への広範な進展があったり、3個以上の多発病変がある場合は温存術が難しくなります。ただおっしゃるようにケースバイケースですが、3cm以下の大きさで、術前補助化学療法を行ってしこりを小さくしてから温存術を考慮するという方法は行われています。(文責 片山)

 

No.6446】  07年03月15日  N.Y.
良性の石灰化について

既婚・出産暦あり・33歳女性です。先日、乳腺専門病院でマンモグラフィー・エコーを受診したところ、マンモグラフィーで良性の石灰化が見つかりました。先生は、「これは良性の物で、全く問題はありません。」とおっしゃられ安心したのですが、帰宅後、色々と調べてみると石灰化は乳がんの初期症状であったり・・・と怖いイメージがあり、不安を感じております。詳しい説明を求めなかった私に責任があると思います。そこで、一般論として質問させていただきたいのですが、今回は専門の先生をと思い、乳癌学会専門医でマンモグラフィー読影専門医A評価の資格をお持ちの先生に診ていただきました。専門の先生であれば精検をしなくてもマンモ・エコーのみで石灰化の良性・悪性の判断はつくのでしょうか。それとも、どのような所見の石灰化であっても精密検査をする必要がありますでしょうか。特に、経過観察との指示もありませんでした。私個人として先生を信頼し、年に1回の検診をしていこうと思っておりますが、それで充分でしょうか。ご教示いただけると幸いです。宜しくお願い致します。

資格を有する医師が良性という判断であれば、心配ないと思います。ただ、医学の世界では100%の診断はありえませんので、指示にしたがって1年後とか2年後とかに再度マンモグラフィーで見てもらったほうが良いと思います。できれば同じ施設で前回の写真と比較読影されることをお奨めします。(文責 石山)

 

No.6445】  07年03月15日  S 
再発のようです

67才、4年前左乳房全摘しました。化学療法、放射線治療を受け、再発はありません。最近鎖骨から下8センチの所に硬いしこりがあります。再発のようですが、主治医は様子を見るといわれます。このままにしておいてよいでしょうか、心配しています。

患者さんの硬いかどうかは医学的には程度が分りませんので、実は専門医が触れば、転移でないと判断できるのではないでしょうか。主治医が専門医かどうかにもよるとは思いますが・・・。(文責 石山)

 

No.6444】  07年03月15日  M.S
腫瘍マーカーについて

4年前に左胸の下の方を切除しました。センチネンタルリンパ生検でリンパへの転移は認められず、温存で済みましたが、ステージUでした。昨年の2月よりNCC−ST−439の値が少しずつ上昇し、この2月で23までになりました。PET、CT、マンモ、胃カメラなどの結果は異常なく、転移も認められないとのことでした。そこでお伺いしたいのですが、上昇する前まで生理を止める注射とノルバデックスの服用のを兼ねていたのですが、注射をやめて3ヶ月ほどで生理が始まり、その後の血液検査からマーカーの数値が上昇しだしました。生理とNCC−ST−439の上昇には関連はないのでしょうか? それとも他に何か上昇する要因があるのでしょうか? 異常はないといわれていますが、原因がわからず、とても心配です。どうお伺いしてよいかわからず、変な質問になりますが申し訳ございません。

異常がないとは言っても画像診断で見つからない転移の可能性もあるので、場合によっては再度ホルモン療法を再開して、NCC ST-439が上がるか下がるか見てみるのも良い方法と思います。(文責 石山)

 

No.6443】  07年03月12日  S
子供の乳線分泌物

12才の女の子ですが、HPNo.408と似ている症状なのです。5ヶ月くらい前から黄色の分泌物が出て、しだいに茶色っぽいのがまじり、片方出たり両方出たり。かなり多めにでます。しかも毎日です。乳首に少しかゆみがあり、われて痛いときもあるようです。子供には無いと聞くので、気になっています。年頃なので、病院へは行きづらいようで・・・。

子供にもあります。成長過程のホルモンバランスに因るものと考えられます。疾患が絶対ないという保証は無いので、もうしばらく様子を見て、心配なら受診されたらいかがでしょうか。(文責 石川)

 

No.6442】  07年03月12日  Y
術後の治療について

温存手術後、放射線治療を終了し、先月1回目のゾラデックスを投与しました。腫瘍は1cm以下だったのですが、35歳以下でグレード3の為、抗癌剤治療を薦められています。抗癌剤は閉経する確立が高いため、将来的に出産をしたいので、その希望もをなくし治療することにためらっています。(腫瘍が1cm以下の場合、年齢等に関係なく、Low Liskに分類しても良いのではという意見も出されているとの事ですし)担当の先生には、とりあえず卵巣機能を眠らせておいて考えるよう言ってもらっています。早く答えを出し、もしホルモン療法だけにする場合は、1日も早くノルバデックスも開始した方がいいのでしょうか? 同様に抗癌剤治療をする場合も早く治療に取り組んだ方がいいのでしょうか? よろしくお願いします。

ゾラデックスだけでノルバデックスは使用しない治療法もあります。したがって、ノルバデックスの開始もあわてることはありません。抗癌剤治療をする場合も早いことにこしたことはありませんが、こちらもあわてることはないと思います。主治医とよく相談して、納得されて、治療に取り組んでください。(文責 石川)

 

No.6441】  07年03月12日  M
非浸潤癌の危険度と治療について(2)(HPNo.6414-2)

お忙しいなか丁寧なご回答をしていただき、有難う御座いました。3月7日病理検査の結果が出ました。一部浸潤しており、結果と致しまして外科手術で取除くことに致しました。右乳房皮下全乳腺切除術と同時再建手術となります。ただ先生のスケジュールの都合で、手術が1ヶ月先の4月6日の予定となりました。一部細胞を切取り検査していることもあり、その間に転移とか悪い状況にならないか心配です。そこで教えていただきたいのですが、このような場合1ケ月ぐらい空くのは問題無いでしょうか? 現在タスオミン錠を服用しております。もっと早く手術できる所を探したほうが良いでしょうか。以下が病理検査の結果報告です。

Breast,excisional biopsy(#1-4):Mucocele-like tumor with
ocal malignant chauge
(tubular carcinoma,g).Breast excisional
biopsy(#5,6):Mucocele-like tumor.
2箇所の切除部ともに拡張嚢胞の多発したいわゆるMucocele-like tumorの病変です。とくに#4の部位で3×3mmの微小な病変ですが、放射状の腺管増勢生部があり、この部位は周囲のMLTの異型腺管とは異なってactinの免疫染色でみても筋上皮を欠いて二層性を消失しています。tubular carcinomaと考えられます。今回の切除で悪性変化部はとりきれている可能性はありますが、MTLは前癌性の可能性が高いとされており、特に本例は一部で悪性変化もあって、持続性に経過してきていることでもあり、できれば病変部は切除して検索された方がよいと考えられます。

長くなり申し訳ございませんが、宜しくお願い致します。

非浸潤癌でもありますし、1ケ月ぐらい期間が空いても問題無いと考えます。(文責 石川)

 

No.6440】  07年03月12日  O.O
精密検査

先日初めて乳がん検診を受けた38歳、二人の子供がいます。その結果「精密検査を要する」との通知書が届きました。内容は、「触診は不認知、超音波は腫瘤(-)で、マンモグラフィーで乳腺散在判定3」との事です。不安でたまりません。もちろん検査には行くつもりです。しかし子供が熱を出していて数日行けそうにありません。この私が体重も減ってしまいました。いろいろなホームページをかたっぱしから見ました。そしてこのページにたどりつきました。よろしくお願いします。  

マンモグラフィーでカテゴリー3は、癌の可能性がないとはいえないという意味で、念のため精密検査を要するということです。腫瘍は非触知、超音波検査でもは腫瘤ないとのことで、異常がない確率は高いと思います。急がなくてもいいですから、万一のため必ず受診してください。 (文責 石川) 

 

No.6439】  07年03月12日  H 
豊胸手術

豊胸手術をしてありますが、乳癌検診・マンモグラフィ等の検診は可能でしょうか? 直接外科にては質問できないので、検診をうけていません。宜しくお願い致します。

豊胸手術をしていても、乳癌検診・マンモグラフィ等の検診は可能です。なんでも、外科に質問してください。(文責 石川)

 

No.6438】  07年03月12日  Y.K.
ホルモン療法の副作用(HPNo.6336-2)

HPNo.6336でご相談したものです。その節はありがとうございました。ホルモン療法の副作用がひどく、ホットフラッシュで夜中に3〜4回目が覚めます。睡眠薬を処方してもらっても効果がありません。締め付けられるような頭痛も起きて来ました。身体が薬に慣れれば副作用は少しは良くなるのでしょうか? やはり、リュープリン注射を併用すべきでしょうか? 私の場合、ノルバデックスだけでは再発率は高くなるのでしょうか? 乳癌は出来た時、すでに癌細胞が全身に回っている可能性が高いとの事、色々考えると自分で決断がつきません。アドバイスをいただけると幸いです。

薬に慣れれば副作用は良くなるの可能性はあります。リュープリンでも似たような副作用があり、かえって酷くなることも考えられます。閉経前なら、リュープリンを併用した方が再発率は低くなるように思います。(文責 石川)

 

No.6437】  07年03月12日  M.S.
温存手術後の抗がん剤治療について

昨年8月に右房温存手術後、現在EC療法{3クール終了}中。58歳です。今までの結果は次の通りです。ステージ2b、腫瘍径20×13×19、浸潤径45×30、浸潤性小葉がん、切序断端+、lyo−vo−、ER+90%、PgR +70%、グレード1、HER2+1、センチネルは術中−、術後病理にて+[2/1]。
放射線治療2.5Gy×18回、追加照射3Gy×3回終了。EC4クール終了後にはウィークリータキソール12回、その後アリミデックス5年間服用を勧められています。ご相談したいのは、抗がん剤治療の継続についてです。ホルモン強陽性であることから、ホルモン剤の服用については納得できていたのですが、EC3クール投与を受けてみて、年齢的、体力的、精神的な面においてダメージが大きく、さらに副作用はECほどではないといわれていても、再発予防としてタキソール12回を継続することは重いと感じています。私のようなケースにおいて、抗がん剤治療の将来的意味についておきかせください。抗がん剤治療をせずにホルモン剤治療に移った場合、受けるリスクについてもお教えください。

今までタキソールなどの抗癌剤が出現する前は、EC治療などの後に、ホルモン剤治療に移ることでよしとされてきました。近年、タキソールなどの比較的新規の抗癌剤をさらに追加した方が成績が良いという報告もあり、再発高リスクの人には行われることが少なくないようです。再発してからでは治りにくいので、まず再発させないことを目的に、患者さんには辛く、高額にもなる抗癌剤治療をしています。(文責 石川)

 

No.6436】  07年03月12日  N
乳癌要因の食材について(HPNo.6344-3)

No.6344にてご相談させていただきました。その節はありがとうございました。お返事の内容で前向きになる事が出来ました。予定していましたマンモトームを受け、現在結果待ちです。石灰化もしっかり取れたとの事で、確定診断がでるものと思われ、前回同様の良性の診断が出る事を願いながら日々過ごしています。
知人より乳癌の場合、乳製品を控えた方が良いとアドバイスを受けました。ここ数年、毎日ヨーグルト1カップとチーズ20g、牛乳200cc程度を摂取しています。また、NK細胞を増やす為にラクフェトリンの摂取を勧められました。
1) 今後乳製品の摂取を控えた方が良いでしょうか? もしくは低脂肪の乳製品に変えた方が良いでしょうか?
2) ラクフェトリンを乳製品やサプリメントで摂取する場合、主治医に相談した方が賢明でしょうか?

よろしくお願いします。 

1) 乳製品や脂肪摂取と乳癌の発生には関係があるのではという疫学的な報告もあるようですが、エビデンスははっきりしないようです。したがって、そこまでやる人は少ないように思います。
2) 主治医は相談された方が、嬉しいです。万一のことを考えて相談されたらいかがですか。(文責 石川)

 

No.6435-1】  07年03月11日  M 
乳輪内にしこりを感じます

はじめて質問させていただきます。現在33歳です。先日、入浴中に乳がんの自己検診をしていたところ、乳輪内に小さなしこりを感じました。乳首の斜め上辺りで、大きさ・形は『柿の種』のような若干長細い感じです。普通に(腕を上にあげるなどして)表面から触れても分からないのですが、乳房を全体的につかんで乳輪部を石鹸のついた手で触れるとコリッとした感じで触れます。乳輪の皮膚の下に何かがあるような感じです。現在、月経周期が26日目で、あと1週間程で生理になる予定です。生理前は乳腺が触れる事がよくあると聞きますが、乳輪内にも乳腺はあるのでしょうか。乳輪下腫瘍というものもあるようですが、4年前の出産時に1ヶ月程授乳して以来授乳経験もありません。このような場所にも乳がんのしこりが発生することはあるのでしょうか。ちなみに、乳がん検診は昨年4月にマンモ・エコー、9月にエコーのみしており、異常はありませんでした。お忙しい事と存知ますが、ご返信いただけますと幸いです。宜しくお願い致します。

乳輪下にも乳腺はあります。したがって、乳輪下に腫瘍(良性と悪性)ができることもあります。心配でしたら受診されたらいかがでしょうか。(文責 石川)

 

No.6435-2】  07年03月17日  M 
乳輪内のしこりの検査結果について

HPNo.6435で質問させていただきまして、早速乳腺専門病院に行って参りました。触診では分かっていただけたのですが、マンモグラフィー・エコーとも異常がなく、該当部分も何も写っていませんでした。先生は「おそらく乳腺そのものでしょう。生理前だから乳腺が張っているのかもしれません。生理が終われば自然と柔らかくなるかもしれませんよ。心配ありません。」との事でした。現在、生理後半ではありますが、お風呂で触ると、まだ細長いしこりを感じます。エコー・マンモグラフィーに写らない悪性のしこり(乳がん)もあるのでしょうか。このまま特に大きくなる等の変化がない場合は、しこりそのものが消える事がなくても、先生のおっしゃる通りに乳腺と思い、そのままにしておいてかまわないと思われますか? 何度も申し訳ございませんが、どうぞ宜しくお願い致します。

意味がある情報かどうかは分りませんが、触診で分るのであれば、穿刺吸引細胞診を受けても良いとは思います。でも穿刺吸引細胞診は正診率は90%から95%と言われていて、心配すればきりがありません。いずれにしても、経過観察でも、次の段階として穿刺吸引細胞診(ABC)でも良いと思います。(文責 石山)

 

No.6434】  07年03月11日  MK
放射線の追加照射について

39才未婚です。先月乳がん手術を受け、来週から放射線治療が始まります。そのあとはホルモン療法の予定です。ステージT、充実腺管癌、しこり大13o、断端陰性、ホルモンレセプター共にプラス。主治医からは「放射線は通常の5週間で、追加の必要はない」ということでしたが、放射線医からは追加で5回やったほうがいいと言われ、迷っています。最近はブースト照射を推奨する病院が増えてきていると聞きました。先生でしたら、放射線のブースト照射について、お勧めになりますか?

私はブースト照射を勧めます。(文責 石川)

 

No.6433-1】  07年03月11日  N
カテゴリー3bのガンの確率はどのぐらいでしょうか?

このサイトでは皆様の詳細で的確なアドバイスがとても参考になります。お忙しいところ申し訳りませんが、宜しくお願い致します。
41才、未婚、出産経験無し。母が3年半前に乳癌1期で温存手術。自覚症状は一切なかったのですが、自主的に受けた1年半程前のマンモグラフィーで要精密検査となり、現在ガン拠点病院で超音波(半年毎)、マンモグラフィー(1年毎)の経過観察を受けています。右 C領域 区域性 微細石灰化 カテゴリー3b、左 散在性石灰化 カテゴリー2。超音波では、数ミリののう胞があるそうですが、マンモでも集積・集族は見られません。
1年半程前に主治医からは、「左は問題ない。右は現段階では、経過観察でOK。半年毎の観察で石灰化の色が濃くなったり、数が増えたり、形が変われば、その時にマンモトームでOK。現在マンモトームをしても、明確に悪性の所見は出ないかもしれないので侵襲があるだけ損です。」と言われていました。
今回(去年12月)「今までのところ変化はありません。こちらの病院でも近々マンモトームが入りますので、生検をして白黒つけるのも選択肢の一つです。」と言われています。そこでお尋ねしたいのは、
1) このまま経過観察を続けて、石灰化が消えるか、又はカテゴリーが良くなることはないでしょうか。
2) マンモグフラィーにより石灰化が広がる等の悪影響はないでしょうか。
3) マンモグフラィーで、全く石灰化の無い人は何%程でしょうか?
4) 区域性 微細石灰化 カテゴリー3bで、乳癌確定は何%程でしょうか。
5) 次回のマンモグラフィーは今年12月の予定ですが、予約をもっと早くするか、待っている間に別の病院でセカンドオピニオンを受けた方が良いでしょうか。
6) マンモトーム生検を受けた場合、悪性の場合は早急に手術をしないと播種が起こるような統計はありますか? セカンドオピニオンを受ける時間はありますか。(針生検よりも針が太いので播種の危険があるとの文献がありました。)
7) 生検受診者のうち、乳癌が確定する%、擬陽性の%はいくらぐらいでしょうか。
8) 生検を受けて良性の場合、経過観察は必要なくなりますか。
9) 判別できないときは、ハッキリするまで何ヶ月か毎に生検を受け続けるのでしょうか。
10) もし悪性なら1/4切除だと言われていますが、内視鏡手術を希望しています。内視鏡手術の適応はどのような症例でしょうか。
11) 内視鏡不適応ならケロイド体質の場合、真皮縫合は傷跡が目立たないと知りましたが、乳癌温存で不適応の症例はありますか。
12) 主治医は、「微細石灰化だが、色が淡いので恐らく乳腺症でしょう。」とおっしゃっていますが、統計的にそのようなことがあるのでしょうか。

以上、ガンの確定前から先走って長々と書きましたが、どうぞ宜しくお願い致します。

1) 経過観察を続けても、石灰化の消失やカテゴリーが良くなることはありません。
2) マンモグフラィー撮影で石灰化が広がる等の悪影響はありません。
3) 統計がないので%はわかりません。検診で全く石灰化の認められない人はたくさんいます。
4) 40%前後ではないでしょうか。
5) 次回のマンモグラフィーは6ヶ月後ぐらいが安心と考えます。よく診ていただいているので、現時点でセカンドオピニオンの必要はないと考えます。
6) 頻度は極めて少ないですが、マンモトーム生検の際の管の刺入道に沿って、腫瘍が拡がったという報告はあります。手術のときは、この刺入道も一緒に取るようにしています。悪性の場合でも、早急に手術をしないと播種が起こるようなことはまずないと思います。セカンドオピニオンを受ける時間は十分あると考えます。
7) マンモトーム生検で疑陽性というのは、こちらも極めて少ないです。
8) 医療・検査に 100%確実と保証できるものはありません。検査を受けて良性の場合でも、経過観察は必要と考えます。
9) 再度生検が必要になる場合があります。
10) 内視鏡手術の適応は一般の手術と変わらないと思います。
11) 有り得ます。
12) あります。(文責 石川)

 

No.6433-2】  08年02月25日  N
ステレオガイド下マンモトームの結果にセカンドオピニオンは必要でしょうか

2007年3月12日のHPNo.6433でお世話になったNです。その節は、的確でわかりやすいお返事を頂き、本当にお世話になりました。
さて、去年12月のMMGで(右胸 42才 閉経前 C領域 カテゴリー3b 微細石灰化 区域性)広がりが見えましたので、主治医にも強く勧められ、2年間に渡るMMGとエコーによる経過観察に見切りをつけ、今年1月15日にステレオガイド下マンモトーム生検、23日に結果説明を受け良性でした。てっきりDCISだと思っていたので驚きました。確認したいこともありましたが、夜も遅いのに私の後に大勢の患者さん達が待っているので、あまり時間を取って頂くことにはつい遠慮してしまいました。良性判定が出たので、次回からは提携しているガン予防センター(普通の病院では、まず健診で引っかかるので)で、1年に1度MMGを取り、その後も経過観察を続け、何かあれば戻ってくるようにと言われています。一晩明けてみたら、やはり確認できなかったことが気になりだし、かといって主治医に確認することもできません。私の杞憂に過ぎないことかもしれないのですが、教えて頂けないでしょうか?
1) マンモトーム(アップライト式)では、ポジショニングに時間がかかって、私が途中で気分が悪くなり、機械の調子もおかしくなって、休憩をはさんで4時間超の検査となりました。その際スカウト、ステレオ撮影を(20枚以上?)何枚もされましたが、被曝量は安全と思っていいのでしょうか?
2) 検体は11Gの針で計7本取り、全てに石灰化が含まれていることを確認して検査は終了しました。病理の結果報告には、7本の検体の簡単なスケッチと、「breast biopsy いずれの切片にも悪性の所見を認めず。no evidence of malignancy 」とのみ記載され、詳細な説明も組織像も貼付されておらず、主治医からは「良性でした。乳腺症です。但し全ての石灰化を取ったわけではありません。」と説明されました。『広範囲の石灰化から特に疑わしい石灰化部分を選んで7本を取ったので、その中に悪性を思わせる所見が無いので、ひとまず良性と推定される』と考えていいのでしょうか?又、残りの石灰化の部分は、特に気にしなくて良いのでしょうか?
3) 乳癌の病理は、「病理医によってかなりのばらつきがある」と聞いています。病理診断には乳腺症としか記載が無く、英語の正式な学術名ではないので、それ以上調べようがないのですが、マンモトーム生検は細胞診と違い組織診断なので病理医による鑑別の違いは無く、石灰化の詳細な結果報告が無くてもほぼ確実に良性だと考えて、病理のセカンドオピニオンを取らないでもいいのでしょうか。
4) 生検を受ける前に同じ病院で血液検査を受けました。実はその1週間後に近所の掛かり付け医院でも基本健診と血液検査を受けています。今回、主治医から「HCVに感染している」と言われました。でも、掛かり付け医の結果は陰性でした。主治医にそのことを伝えたら、「前にもそういうことがあった。もう一度受けてみて陰性ならそれでいいです」と言われました。受けた時期もほぼ同じで、検査結果が全く違うことはよくあることなのでしょうか?
5) 検査項目の中に、HBS-Agが(−)、HCV−Abが(+)、HCV−S/Cが1.0、RPR−QUが(−)、TPPA−QUが(−)とあります。HBS-AgはB型抗原、HCV−Abは、C型の抗体、PRP、TPPAは梅毒、だと思いますが、−QU、−S/C1.0 がいくら調べてもわかりません。それぞれどんな意味でしょうか?病院独自の略語でしょうか?
6) 今回は良性でしたが、今後数年内にDCISや浸潤癌に変わった症例はどの位ありますか?

以上、疑いだしたらきりが無いのですが、結果は良性なので、とりあえず気持ちに整理をつけたいと思います。本来なら主治医に確認すべきところですが、その機会が当分ありません。アドバイスを頂ければ、なお安心できるので、どうぞ宜しく御願い致します。

1) 何枚も撮影をされたとのことで、ご心配だと思いますが、被爆量は少量ですので安全です。
2) 一般的には残りの石灰化の部分も同じものと考えますので、気にされなくてよいでしょう。
3) おっしゃるようにほぼ確実と思って差し支えないでしょう。
4) 結果が境界域近くの場合、違いがでる場合は時々あります。
5) QUは単位を表しています。S/C1.0は、抗体価1.0という意味になります。
6) 一般的に良性のものが悪性に変化することはありませんので、心配なさらなくても大丈夫です。(文責 加藤)

 

No.6432】  07年03月11日  H.A. 
ハーセプチン単独療法

再発乳がんの友人がハーセプチンを単独で使ってくださる医療機関をさがしています。今まで主に食事療法で頑張ってきましたが、別の方法も試してみようと考えるようになってくれました。温熱療法をしてくれる医療機関を見つけたのですが、そこでハーセプチンをすすめられたそうです。彼女のがんはハーセプチンが有効なタイプです。これまでどおり自己免疫力の強化に治療の焦点をあてる方針には変わりがないようなので、化学療法との併用はどうしてもしたくないそうです。神奈川県・東京都内でそのような医療機関・お医者様がいらしたらぜひおしえてください。お忙しいところ恐縮ですが、どうぞよろしくお願いします。

理由を説明し、希望すれば、たいていの病院でハーセプチン単独療法を行ってくれると思いますが・・・。(文責 石川)

 

No.6431】  07年03月11日  k m
腫瘍マーカー

術後2年で肺転移が見つかり、12月下旬よりハーセプチンを毎週投与しています。今のところ転移による症状はありません。来週レントゲン検査をします。1月のレントゲンでは、「増殖してもいないし、減少してもいない」という状況でした。腫瘍マーカーが下記のように推移しています。
12月:CEA 14.0
 1月:CEA 10.0
 2月:CEA  8.7、 CA15−3 7.7、 NCC−ST−439 1.0以下

CEAが徐々に下がっていますが、正常範囲まで行きません。ハーセプチンの効果により徐々に下がっていると判断していいのでしょうか?

CEA値が連続して下降しているので、ハーセプチンの効果によると思います。(文責 石川)

 

No.6430】  07年03月11日  Y.S
術後の治療方針について

33歳、2児の母です。2cm強のしこりが見つかり、「細胞診ではクラス4、針生検ではステージ2A、乳頭腺管癌、一部硬癌、ホルモンR両方共(3)、Her2(+)、グレード3」でした。術前のCTとレントゲンの結果では、その他臓器への転移は見られないとのことでした。07年2月末に左胸乳房温存手術をして、迅速病理の結果、リンパ節転移は無く、現在詳しい病理の結果を待っている状態です。今後の治療方法について、化学療法+放射線+ホルモン療法 か 放射線+ホルモン療法 かのどちらを選択するかを迷っています。術前に化学療法を試していないため、効果の分からない化学療法を飛ばして、ホルモン感受性が高いのでそちらをメインでいくべきなのか・・・。標準的な化学療法(FEC)を行うべきなのか・・・。今後、子供を作る予定はないので、再発のリスクが減るならば閉経も構わないと思っています。閉経によるリスクは勉強中ですが・・・。最終的には自分達の意見を決めなければいけないのですが、参考までに意見をお聞かせ願えたらと思います。

St.Gallen2005のリスク分類では、intermediate riskになり、ホルモン療法単独も化学療法+ホルモン療法どちらも推奨されています。Adjuvant Onlineによる治療効果予測(USAのものなので、日本人にはそのまま当てはまらないのですが)では、ホルモン療法で再発率が18.0%、化学療法で16.4%、両方併用では30.8%下がるという記載されています。私自身はどちらかといえば、リンパ節転移は無いようなので、放射線+ホルモン療法でいいのではないかという気がしています。(文責 石川)

 

No.6429】  07年03月11日  T  
腫瘍マ−カ−について(HPNo.6140-2)

以前HPNo.6140で肝障害の事で相談させて頂き、お世話になりました。先日術後1年目の検査があり、肝、肺、骨シンチは異常が無かったのですが、透析施設でCTを撮ったら、1p×1.2pの血管腫が見つかりました。手術した大学病院でもCTを撮ったのですが、大学病院では、「小のう胞有り、その他の異状は認められません」という所見でした。エコ−を撮ってもらったのですが、エコ−検査の結果は詳しく聞いていません、「多分良性の血管腫なので、経過観察と言う事で、もう一度三ヵ月後にエコ−検査をしましょう」と言われました。それを聞いてホッとして帰ってきたのですが、色々乳癌患者さんのホ−ムペ−ジをみていると、ほとんどの人は、CEA は2.0、CA15-3 は一桁なので 、段々不安になり相談させて頂きました。
腫瘍マ−カ−は、「術前はCHEが3.7で、今回は4.4、CA15−3が11.3で今回13.4」と少し上昇しています。CEAが基準値ぎりぎりなので、肝血管腫は再発癌ではないでしょうか? 再発していた場合、CTでは写らないのでしょうか? NCC-ST-439は10.1から2.5迄下がっています。CEAは腎不全でも少し高くなると聞きましたが、高くなるのでしょうか?透析しているので、抗癌剤が(UFTとノルバデックスを服用しています)使えないと言われていますので、再発したらと凄く不安です。どうか宜しくお願いいたします。

肝血管腫はCTやエコ−検査でわかりやすいので、まず間違うことはないと思います。さらにMRI検査を施行すれば確実です。(文責 石川)

 

No.6428-1】  07年03月11日  Y.O. 
局所再発について

49歳です。8年前に右乳癌の手術(4つ腫瘍があったが、1/4の切除、リンパ節転移なし、断端陽性、核異型度T、放射線照射25回、タモキシフェン5年、UFT2年内服)をし、定期検査を続けてきましたが、8年目で右乳癌と診断されました。手術の傷あとに近いところで、触診やマンモではわからなかったのですが、超音波で1cmの腫瘍があり、細胞診クラスXで確定しました。CTにもしこりが写っていました。これから病院でもカンファランスで治療法を決めるとのことですが、自分なりに考えておきたいと思い相談させていただきます。当初からこのページでアドバイスをいただき、感謝しております。
1) 局所再発の場合、全摘出したほうがよいのでしょうか? 再発のリスクは心配ですが、この8年、やはり温存できたことのメリットははかりしれません。ただ、あまり形がくずれるのなら、全摘出でリスクを減らしたほうがよいとも思います。
2) 全摘出して再建する場合、その後の治療に悪影響を及ぼしますか? 再建はQOLの向上にはよいですが、治療という意味ではどうなのでしょうか?
3) 手術後、放射線もできないのですが、抗がん剤治療をやる可能性もあるのでしょうか? 前回は入院1ヶ月程度で、2ヶ月くらいで完全に仕事に復帰しました。今回は復帰までにどれくらいかかるのか?復帰できない状態になることもあるのか?予想がつかないのですが、いかがでしょうか?
4) 前回はワキのリンパ節をとったので、ストレッチや水泳でいつもケアしていないと、手があがらなくなったりします。またリンパ節をとるのでしょうか?最近はセンチネルという方法もあると聞きましたが。
5) 局所再発は転移とは別と考えてよいのでしょうか?生存率が下がるのでしょうか?

どうぞよろしくお願いいたします。

1) 局所再発の場合、また局所切除可能なこともあります。しかし、再度の手術で整容性がかなり落ちる可能性も高いです。再発のリスクは全摘出したほうが少ないです。個々で状況が異なりますので、主治医によく相談してください。
2) 全摘出して再建する場合、局所(乳房・胸壁)の再発が、わかりにくいということはありますが、その後の治療に悪影響を及ぼすことはありません。
3) 手術後、抗がん剤治療をやる可能性は高いと思います。仕事への復帰は治療法で違ってきますので、主治医にお尋ねください。
4) 前回のリンパ節郭清の程度、現在の腋窩リンパ節の状況がわからないので、返答できません。主治医にお聞きください。
5) 局所再発は遠隔臓器転移とは別と考えられていますが、再発には変わりなく、ここから遠隔臓器に転移することもあり、生存率が下がります。(文責 石川)

 

No.6428-2】  07年04月11日  Y.O. 
局所再発の治療方針

いつもありがとうございます。8年前に温存手術、リンパかくせいをしました。病理所見は、「硬がん、ESTROGENレセプター+90%、PROGESTERON+5%、グレードT、リンパ節転移なし」でした。術後は、放射線治療、タモキシフェン5年内服、UFT2年内服しました。8年目の定期検査で手術跡近辺に1cmの腫瘍が見つかり、細胞診クラスXで、再度温存手術しました。病理検査の結果は、「硬がん、ESTROGENレセプター+90%、PROGESTERON+5%、グレードT、HER-2-」で、前回とまったく同じプロファイル、腫瘍の場所も、手術跡上なので、前回の手術(断端陽性)での取り残しが再発した可能性が高い。外側への広がりはなく、手術で完全に取りきれ、周辺のリンパ管への浸潤もみられないことから、術後の治療法としては、タモキシフェン内服とリューブリン注射のホルモン療法(閉経前です)で、抗がん剤まではいらないとの診断でした。この治療法でよいものか、相談させていただきます。
1) 「局所再発では転移の可能性が高くなるので、予防として抗がん剤治療をする」と書いた本がありました。ホルモン療法のみで大丈夫なのでしょうか? 抗がん剤治療の必要性を判断する要件は何になるのでしょうか?
2) 前回もタモキシフェン5年飲んでいましたが、3年あけて、再度タモキシフェンを長期服用して問題ないでしょうか?
3) タモキシフェン5年服用し、その3年後に再発したわけですが、前回のタモキシフェンは有効だったといえるのでしょうか?
4) リューブリン注射1回し、今までと同様に月経がありましたが、月経はとまるものではないのでしょうか? 前回、タモキシフェン5年飲んでいる間も月経は周期が5日長くなりましたが、毎月きちんとあり、副作用はありませんでした。今回も、注射も含め、全く副作用らしきものはないのですが、ホルモン拮抗剤、分泌抑制剤が効きにくいということはないのでしょうか?

次回の診察で主治医の先生にも相談したいのですが、要点を整理しておきたく、よろしくお願いいたします。入院すると、改めてお忙しい先生方の日常が身にしみますが、その上に、このようなサイトで回答してくださることに、ほんとうに頭がさがります。ありがとうございます。

1) 腫瘍径1cm、ER(+)、Her2(-)の8年目の乳房内再発であれば、切除のみか、切除後ホルモン療法で十分だと思います。抗がん剤が必要となるのはER(-),PR(-),Her2(3+) の場合と考えます。
2) タモキシフェンの再投与は問題ありません。但し、子宮体ガンの検診は定期的に行ってください。また、リュープリンを使うので骨密度も定期的にcheckすることをお勧めします。
3) わかりません。タモキシフェンを5年内服したのに再発したのは効果がなかったのかもしれませんし、内服していたから7年間再発しなかったのかもしれません。
4) 初回のリュープリン(ゾラデックスでも同じ)投与時が月経周期のどの時期に当たるかで、そのまま生理が止まる場合と一回生理が来てから止まる場合があります。ですから一回の生理は問題ありません。2回続けてきたら主治医の先生に相談してください。40代後半であれば、ホルモン拮抗剤、分泌抑制剤が効きにくいとうことはありません。(文責 清水)

 

No.6427】  07年03月11日  K.N. 
集簇性石灰化

初めてメールします。先日健康診断に行き、初めてマンモグラフィーを受けました。本日結果が届き「集簇性石灰化と診断され、近日中に乳房超音波検査を受診下さい」と書いてありました。聞いた事もない病名で、とても戸惑ってます。早急に検査に行った方が良いのでしょうか? 先日結婚して来月挙式で海外に行く予定です。大丈夫でしょうか?ご回答の程、宜しくお願い致します。34歳です。

集簇性石灰化は乳癌の所見のことがあるので、早急に検査に行った方が良いと考えます。(文責 石川)

 

No.6426】  07年03月11日  M 
ホルモン療法について

胸筋に浸潤があったため、昨年3月に大胸筋も含めて、右乳房を全摘しました。腋窩リンパ節も郭清しました。病理結果は、「腫瘍の大きさは2センチ、グレード1、リンパ節転移なし、リンパ管侵襲あり」ということでした。化学治療はせずに、ゾラデックス、ノルバデックスでホルモン療法をしています。しかし、最近になって副作用と思われる症状がきつく、くじけています。ホルモン反応は、両方とも10%ということなのですが、効果はどのくらいあるのでしょうか。主治医にも相談したのですが、CEA,CA15−3は、基準内なのですが、BCA225が少しずつあがって、232になっているので、やめない方がいいということでした。47才なので、閉経している可能性も考えて、他の薬の可能性も考えてもいいのでしょうか。

ホルモン・レセプター反応は、両方とも10%ということなので強くはなく、効果はあっても大きいことは考えにくいかも知れません。胸筋に浸潤があったということ、BCA225が少しずつあがっていることから、続けるか、または他の薬に変えて治療を継続したほうがよいと思います。主治医と相談してください。(文責 石川)

 

No.6425】  07年03月11日  Y.Y. 
石灰化の今後について

32歳未婚女性です。本日、初めてマンモグラフィを受けました。結果、「石灰化が両胸に見られるが、乳腺症の影響だろうから心配ないが、1年に1度マンモグラフィを受けるように」と言われました。ガンになる可能性はあるのか聞いたところ、「このような石灰化の場合はガンとは関係ない」と言われたのですが、本当に可能性はないのでしょうか。先生がおっしゃる“このような”とは、石灰化が散らばっている、という意味だと推測します。また、本当に1年に1度の受診で大丈夫なのでしょうか。

可能性が100%ないとは言えないと思います。医療に100%保証できることはありません。乳腺症の石灰化なら、年に1度の受診で大丈夫と思います。(文責 石川)

 

No.6424】  07年03月11日  M・H
乳腺症について

44才です。子供は1人で、27才の時出産しました。授乳中、乳腺炎になりました。30才ぐらいの時、硬く乳腺が触れたため、2件の病院で乳腺症の診断を受けました。40才の時に市の検診で(この時は、マンモグラフィーの検診は行われていませんでした)、乳腺が硬く触れるため、要検査でした。総合病院の乳腺外科に診察に行き、触診、マンモグラフィー、超音波で乳腺症の診断を受けました。やはり、乳腺が硬く多いので、まめに検診とのことでしたが、この4年はついつい検診を忘れてしまいました。最近月経の期間も短くなり不正出血もあったため、婦人科に行き、子宮がんの検診も受けました。がんの検診は異常なしでしたが、そろそろ更年期にはいる時期だと言われました。前からでしたが、月経の前ぐらいから乳房が張り、痛みます。しこりとしては触れませんが、やはり乳腺が硬く気になりましたので、総合病院の乳腺外科に行きました。触診と超音波で、やはり乳腺症で、超音波の写真を見ながら先生が「増殖性の乳腺症ですので、がんになりやすいので気をつけなくてはいけませんよ」と言われました。「最近の身長の高い人はがんになりやすいリスクが高いこともわかってきているので、自己検診をして下さい」と言われました。その時は、あまり気にしていなかったのですが、家に帰り、ネットで調べてみると、乳腺症の中の10%の増殖性の乳腺症はがんになりやすく、増殖はしているが、異形を伴わない場合のリスクは1.5倍〜2倍、異形を伴う細胞の場合はリスクが4〜5倍になると知りました。年齢も乳がん好発年齢にはいりますし、身長も165pと高く、すごくリスクが高いので、まめに検診に行かなければと思っておりますが、先生が言われた増殖性の乳腺症は、超音波の写真でわかるのでしょうか?それから、この場合、半年に一回ぐらいの検診で宜しいのでしょうか?

超音波検査で乳腺症はわかっても、増殖性かどうかまではわからないと思います。半年に一回ぐらいの検診で十分と考えます。(文責 石川)

 

No.6423】  07年03月11日  M
術後の不安について

いつも参考にさせて頂き、ありがとうございます。母(64歳)の相談です。現在、左胸全摘出の術後9ヶ月です。術後5ヶ月位から左足がしびれるといいます。お風呂などで温まった時に特にしびれるそうです。半年検診の時に、主治医にそのことを伝えると、「関係ない」と言われましたが、「骨シンチは術後1年まではできない」とも言われました。
1) 骨に転移していたら、このような前兆はあるのでしょうか?
2) 最近左腕の力こぶあたりがはれています。痛くはないようですが、左胸の筋肉がないので、その分腕に筋肉がついたと考えてよいのでしょうか? 術後は有効な治療法がないため無治療です。

次回検診は5月です。質問2つ、よろしくお願い致します。

1) 骨に転移した場合、病巣が神経を圧迫すれば、このような症状は起こり得ます。
2) 実際に診ていないのでよくわかりませんが、「腕に筋肉がついた」は考えにくいと思います。浮腫(むくみ)ではありませんか。担当医に診てもらったらいかがでしょうか。(文責 石川)

 

No.6422】  07年03月11日  M
乳がんの検査方法と結果について

先月、乳がん検診で触診とエコーの検査を受けた者です(37歳未婚)。触診の結果は異常なしだったのですが、エコーの結果は、左乳房にのう胞と石灰化の疑いとの所見でした。総合所見としては、「経過観察とし、1年後に再検査を受けてください」とあります。結果は、書面のみの為詳しいことはわかりません。
1) 書面の指示通りに、1年後に再検査を受ければ問題はないのでしょうか?
2) 検査結果を詳しく知っておく必要がありますでしょうか?
3) 1年前にも同じ検診センターで乳がんの検査を受けたのですが、前回は触診とマンモグラフィの検査を受け、触診は異常なしで、マンモグラフィの結果は右乳房に石灰化の所見でした(左乳房は異常なしでした)。石灰化は、できたらなくなることはないと聞いたのですが、1年前の右乳房の石灰化は、今回のエコーではうまく発見出来なかった(エコーでは確認が困難)ことになるのでしょうか?
4) 念のため、病院で再度エコー検査、そして今回受けなかったマンモグラフィも受けておく必要がありますでしょうか?

乳がんの検査は、費用補助の関係から年に一度、「触診+マンモグイラフィ」か「触診+エコー」のどちらかの選択になっています。今回の検診の予約時に相談したところ、マンモグラフィもエコーも結果にあまり変わりはなく、再検査はマンモグラフィでなくエコーでも問題ないとのことだったので、今回は痛みの少ないエコーにしました。色々と質問さていただき恐縮ですが、よいアドバイスをいただけたらと思います。よろしくお願いいたします。

1) 書面の指示通りに、1年後に再検査を受ければ問題はない思います。
2) これで十分と考えます。
3) 石灰化が特に微小の場合、エコーでは確認が困難なことは少なくありません。
4) 念のため、マンモグラフィーを受けておくと安心のように思えます。(文責 石川)

 

No.6421】  07年03月11日  M.T.
閉経前のホルモン療法について(HPNo.6343-2)

先日はお忙しいところご返答頂き、ありがとうございます。HPNo.6343で回答していただきましたが、昨日検診に行き、今回はCA15−3が52.4でした。1月よりリューブリン(3か月分)を打ち、アロマシンを飲んでいましたが、「このままアロマシンが効くようであれば、閉経前なので、リューブリンとアロマシンは一緒に投与できない」と言われました。1週間後のCT検査の結果とマーカーの数値をみて、アロマシンで行く場合卵巣を取るように勧められました。「数値が上がっている場合は、抗がん剤」とも言われています。アロマシンの場合、卵巣を取るより方法はないのでしょうか? 閉経前で再発している場合のホルモン療法について教えていただけますでしょうか? 卵巣を取ることについてもお願いします。

閉経前のホルモン療法は、以前は卵巣機能を抑えるために、手術による卵巣摘出術がよく行われていました。現在はLH−RH agonist(リューブリンやゾラデックス)が標準的です。卵巣機能を抑えて、さらに末梢の組織のエストロゲン生成を抑えるために、アロマターゼ・インビター(アロマシン、アリミデックス、フェマーラなど)を追加することも行われているようです。アロマシンとリューブリンが一緒に投与できないというのは、保険上併用が認められていないからではないでしょうか。(文責 石川)

 

No.6420】  07年03月08日  Y.T. 
乳頭に少しの凹みがあります

先日2月2日に人間ドックでマンモグラフィを受けました。右乳房に石灰化が広範囲にありました。乳頭の凹みは10月頃に気づきましたが、人間ドックを受けるから少し先でもいいかなと思っていました。先生には乳頭の凹みを告げていません。こんな症状はガンですか。乳頭から何かが出てくる事はありません。私は以前、他の病院で、よく乳腺に水が溜まり抜いてもらっていました。「無数にあるから、しこりになったら抜きに来なさい。」と言われていました。そのときのしこりはよく動きました。ガンのしこりはパチンコ球のように硬く動かないと聞いていました。境目がわからないとも聞いていました。左乳房にくっきりとしたしこりがエコーで3個写りました。「これも大変気になる。」と先生は言われます。エコーで写るしこりが、ガンと良性のしこりとはどう違うのですか。検査の結果が出るまで、とても心配です。覚悟は決め、両方とればバランスがいいかなと思っています。でも宣告されたらどんなショックを受けるのか・・・。

左乳頭の陥没が昨年の10月からあるとの事、検査機関である人間ドッグではなく、医療機関の乳腺外来を受診し、触診・エコー・細胞診などの検査を進めた方が良いと思います。人間ドッグの結果を待つのではなく、早めに乳腺外来を受診し、エコーでの写り方を心配するのではなく、まずしこりが何であるのかを確認する事が先決です。
エコーでの良・悪性についてですが、一般的に良性の場合は、境界が明瞭で内部は均一です。しかし悪性の場合でも、良性像と区別のつきにくい事もあり、絶対的なものではありません。その為、しこりに対して吸引細胞診を行ない、癌細胞があるかどうかを調べる事になります。(文責 須田)

 

No.6419】  07年03月08日  Y.Y.
リンパ浮腫について(HPNo.5763-3

5763・6052でご回答をいただきました。昨年10月末にCEF療法が終了し、11月末からタスオミン錠20mgを毎日1錠ずつ服用しています。昨年末の血液検査で、「腫瘍マーカー・腎機能・肝機能」正常でしたが、ここ2〜3日手術した右側の腕がだるく、右胸の(全摘していますが)感覚が変なのです。麻痺している感じが強くなったような気がします。右側の肋骨下部も痛いのです(腕を伸ばした時に、引きつるような痛み)。リンパ浮腫の可能性があるでしょうか? 最近、新聞でリンパ浮腫の記事を読んだので気になりました。それとも骨転移の可能性があるのでしょうか? よろしくお願いいたします。

リンパ浮腫は腕や上肢が太くなってきますが、そのような事はありますか? 骨転移については可能性がないとは言えませんので、主治医にご相談し、骨シンチ・CT・MRI等の検査をした方がよいと思います。不安を解消する為にも、早めに主治医の診察を受けることをお勧めいたします。(文責 須田)

 

No.6418】  07年03月08日  kh
乳首の突起と痛み

私は30代後半、未婚です。ここ何年か前から生理前になると乳首が飛び出たような感覚で突起し、とても痛いのです。毎月生理が近づくと必ずなり、生理が始まると治ります。これは一体何でしょうか? よろしくお願いします。

エストロゲンの血中濃度が高くなる月経前には、乳房が張ったり痛んだりしますが、同様に乳頭もホルモンの影響を受けているものと推測されます。閉経後には消失すると思いますので、心配はありません。(文責 須田)

 

No.6417】  07年03月08日  M 
乳がんの告知を受けました

一週間前に乳がんの告知を受けました。年齢は27歳です。診断は、「しこり約8ミリ、微細石灰化の広がりは広い」とのことです。手術は全摘、乳管線区域切除のどちらかと言われ、乳管線区域切除(温存)にしました。「病理検査をし、その結果では後日全摘をしなければいけません」と言われました。微細石灰化の広がりが広いと温存手術は無理なのでしょうか? すみませんが、ご解答をお願いします。

病理検査の結果、温存手術で切除した範囲以上に癌が乳管内に進展している場合は、追加の乳腺切除が必要になる事があります。微細石灰化が広い場合は、乳管内進展が広く存在する事が推測されます。主治医に充分な説明を受け、納得のいく治療を行ってください。(文責 須田)

 

No.6416】  07年03月08日  K 
術後のリスク分類

温存手術後の病理の結果 リスク分類で低リスクと言われました。低リスクというのは再発の可能性が何パーセントくらいのことをいうのでしょうか。中リスクで5−20%と書かれてあるのを相談室で見た覚えがあります。組織学的異型度は、トータルスコアが4(Tubular Formation1+Mitosis1+Nuclear Grade2)で、グレード1です。トータルスコア4点というのは、グレード1では一番低いスコアですか。それとも3点、2点というのもあるのでしょうか。何点だとグレード2で、何点でグレード3になりますか。よろしくお願いいたします。

病理学的悪性度評価分類をクレード分類と言います。これは病理医が「癌細胞の顔つき」で、浸潤性乳管癌についての悪性度の評価を、「構造異型度・核異型度・癌細胞の核分裂像の数」について判定して決める事になります。それぞれをスコアー化して、1点から3点とし、合計点数(3〜9点)で悪性度を決定します。3〜5点が低悪性度、8〜9点が高悪性度となり、グレード1は3〜5点、グレード2は6〜7点、グレード3は8〜9点です。
リンパ節転移のない乳がんの5年生存率は、グレード1、2、3について、98%、97%、81%との文献報告があります。このグレード分類を取り入れたリンパ節転移のない乳がんの再発リスクを考えたものが、ザンクトガレン国際コンセンサスミーティング(2005年)でのリスクカテゴリーであり、術後療法の選択に利用されています。これは、ホルモンレセプターの状態・腫瘍径・病理学的悪性度・年齢を組み合わせて、再発リスクを決定しています。「ホルモン感受性あり、リンパ節転移なし、組織学的浸潤径2cm以下、病理学的悪性度(グレード)1・年齢35才以上・脈管浸襲なし・HER2陰性」の場合、低リスクとなり、この場合の術後療法は、「ホルモン療法を行うか、無治療でfollow」という事になっています。(文責 須田)

 

No.6415】  07年03月08日  W
手術後の治療方法について

60歳です。手術後の治療方法についてお願いします。今までに同じような方がおられたかもしれませんが、今回初めて手術後の病理結果を聞き、不安でいます。用語を含め、 お聞かせください。
1月末温存術T1cNO  10×9mm F,Ly0,v0、
 TIs+,EIC-,ductal spread+mild,comedo+
HG tuble3,HGnucler atypia2,HGmitosis2,N-SAS2 B&R2
cut end-,pNO 0/1,ER+80%, PgR-<5%, HER2-score0
センチネル0/1 浸潤は一部脂肪指織に達す、脈管侵襲ー

1)放射線はなくてもと言われ、アロマターゼ阻害剤を薦められました。放射線は安心感のためにも希望しました。レベル2が気になりますが、このホルモン治療でいいのでしょうか。先生なら治療の組み方は?
2) これには関節痛、脱毛の副作用は必発でしょうか。
3)TIsからHGの2〜3行目が、説明時用語まで細かく聞けず、調べてもわかりません。すみません、お教えください。。

1) 放射線治療を行い、アロマターゼ阻害剤によるホルモン療法でよいと思います。リンパ節郭清については、センチネルにmeta(-)なので、level 2のリンパ節も転移(−)と考えてよいと思います。
2) 勿論個人差はありますが、ホルモン療法の場合、化学療法ほどの強い副作用はなく、脱毛の心配はないと思います。
3) 「非浸潤癌の部分あり。癌の乳管内進展は陽性だが、マイルドでひどくはない。面疱型(+)、構造異型スコア3、核異型度スコア2、核分裂像スコア2、病理学的悪性度グレード2。切除断端に癌はない。組織学的にリンパ節転移(−)」という事です。(文責 須田)

 

No.6414-1】  07年03月08日  M 
非浸潤癌の危険度と治療について

初歩的で素人的な質問で申し訳御座いません。妻の右乳房にマンモグラフィーにて石灰化が見られたとの事で、針生検を実施していただきました。この検査ではがん細胞が発見されなかったのですが、なお疑問が残るとの先生のお言葉で、怪しいところの細胞を切除し、病理検査してもらいました。結果約2mmの非浸潤性乳管癌が発見されたとのことでした。先生は、治療法として、小さい石灰化が散らばって数箇所有るので、右乳房全摘出が良いとの見解でした。私としましても、非浸潤乳癌が浸潤乳癌になる確証はないという話しも聞きますが、このような冒険は出来ませんし、上記治療が妥当かと思っております。ただ、2mmという小さいうちに発見された段階なのに乳房全摘は可哀想で、試みとして3ケ月ぐらい食事療法や免疫療法で体の内部から改善し、がん細胞の縮小ができるか様子を見、その後検査にて効果が確認できないようなら、外科手術を受けるということは出来ないかと迷っております。そこで教えていただきたいのですが、がん細胞の成長速度等で、手術まで3ケ月空けるというのは危険でしょうか? また、このような試み自体無謀でしょうか? 書物等で調べてもよく判らず苦慮しております。お忙しい折、誠に申し訳御座いませんが宜しくお願い致します。

非浸潤性乳管癌を乳管内癌といいます。この乳管内癌を見つけるには、マンモグラフィーの石灰化を目印にします。奥様の場合、石灰化の生検をして乳管内癌が2mmの範囲で見つかり、乳腺内に石灰化が散らばっている場所が数箇所あるとの事ですので、乳管内癌が多発していると考えられます。乳房温存術で取りきれる場合もありますが、安全を考えると、「右乳房切除、リンパ節郭清なし」の方が、確実に乳がんをコントロールできることになっています。なお、乳房温存術を行った後、乳管内癌が浸潤癌となって再発してくるのは2〜3年経過してからです。
癌の成長については、一般的には3ヶ月経過後でも触知するようにはなりません。「危険」という意味が、「命に関わる」かということであれば、3ヵ月後でもおそらく命にはかかわらないと思いますが、かといって、食事療法や免疫療法で乳がんがコントロール(縮小する)できるというエビデンスはありません。主治医とも充分ご相談し、納得のいく方法を選択してください。(文責 須田)

 

No.6414-2】  07年03月12日  M 
非浸潤癌の危険度と治療について(2)

お忙しいなか丁寧なご回答をしていただき、有難う御座いました。3月7日病理検査の結果が出ました。一部浸潤しており、結果と致しまして外科手術で取除くことに致しました。右乳房皮下全乳腺切除術と同時再建手術となります。ただ先生のスケジュールの都合で、手術が1ヶ月先の4月6日の予定となりました。一部細胞を切取り検査していることもあり、その間に転移とか悪い状況にならないか心配です。そこで教えていただきたいのですが、このような場合1ケ月ぐらい空くのは問題無いでしょうか? 現在タスオミン錠を服用しております。もっと早く手術できる所を探したほうが良いでしょうか。以下が病理検査の結果報告です。

Breast,excisional biopsy(#1-4):Mucocele-like tumor with
ocal malignant chauge
(tubular carcinoma,g).Breast excisional
biopsy(#5,6):Mucocele-like tumor.
2箇所の切除部ともに拡張嚢胞の多発したいわゆるMucocele-like tumorの病変です。とくに#4の部位で3×3mmの微小な病変ですが、放射状の腺管増勢生部があり、この部位は周囲のMLTの異型腺管とは異なってactinの免疫染色でみても筋上皮を欠いて二層性を消失しています。tubular carcinomaと考えられます。今回の切除で悪性変化部はとりきれている可能性はありますが、MTLは前癌性の可能性が高いとされており、特に本例は一部で悪性変化もあって、持続性に経過してきていることでもあり、できれば病変部は切除して検索された方がよいと考えられます。

長くなり申し訳ございませんが、宜しくお願い致します。

非浸潤癌でもありますし、1ケ月ぐらい期間が空いても問題無いと考えます。(文責 石川)

 

No.6413】  07年03月08日  N ・ J
乳房温存手術後の治療について

56歳になったばかりの主婦です。2004年6月に乳房温存手術(粘液性癌、浸潤性乳管癌、腫瘍径2cm、リンパ転移あり)をし、その後(退院前)の骨シンチ検査で胸椎2、腰椎2、肋骨等転移が見つかり、ステージ4になりました。CAF療法3クール、胸椎の放射線治療(手術と別の病院)を終え、現在はノルバティックスとUFTの投薬のみの治療です。現在CEAの腫瘍マーカーが2007.1時で8.3と上昇、骨転移も頭に2箇所増えました。担当医からはゾメタ治療を薦められました。検査は年2回の骨シンチ検査と2〜3ヶ月の採血です。医師の転勤が決まっており、私は転院希望があります。別の病院で血液検査をしたところ、まだわずかに卵巣の機能が残っていると言われ、アリミデックスが有効ではと聞きました。HER2 :0です。喫煙はしません。
1) ホルモン剤(ノルバティックス)とUFTの併用について標準かどうか、アリミデックスの方がいいのでしょうか?
2) ゾメタ治療が有効かどうか、骨転移が何箇所くらいでゾメタ治療となるのでしょうか?
3) PET検査をした方がいいのでしょうか?(未検査)
4) CEAは肝転移と関係があるのか、8.3という値は要注意の値ですか? 又、肝臓・肺の機能、リンパ節転移の検査も受ける必要はありますか?
5) 手術時の腫瘍マーカーの値、病理標本が保存されているかどうかの確認の重要性はどう考えればいいのでしょうか?
6) 転院の時、何を最優先して決めればいいのでしょうか? 遠方でも専門医の多い施設を探すべきでしょうか? 放射線治療をした病院ならいくらかのデータもあるので、そこがいいのでしょうか? 何に重きをおけばいいのでしょうか?   

初メールで数々の質問をし、申し訳ありません。どうぞよろしくお願い致します。

1) 56歳閉経後の乳がんで、骨転移(+)、CAF及び放射線治療を行った後、ノルバデックス+UFTの投与を受けているとの事ですが、CEAが上昇しているのでアリミデックスに変更してもよいと思います。
2) 骨転移での症状出現を遅らせる、及び症状緩和の作用があるビスフォスフォネート(ゾメタ)も使用した方がいいと思います。主治医にHER2について調べてもらい、ハーセプチンが使用できるかどうかも確認して下さい。
3) PET-CT検査で全身(脳を除く)をチェックする事は、1cm以上の病変の描出には有効である可能性はあります。貴女の場合、PETで検査する意味があるかどうかについては、主治医と充分ご相談下さい。
4) CEAの上昇が、骨転移、肝転移、肺への転移、又はリンパ節転移によるものか、PET検査で、おおよその目安がつく可能性もあります。
5) 腫瘍マーカーの値、病理標本については、一般的には保存されているはずです。
6) 人の顔がそれぞれ異なるように、一人一人の治療方針も異なり、これが一番いいという定型的なものはありません。貴女の状態を最もよく把握して下さっている主治医に、今後どのようにしたら良いか、何に重きをおけばいいのか、充分にご相談し、納得のいくfollowを考えてください。今までの信頼関係を大切に思うにであれば、主治医を追いかけていくのも一つの選択肢かもしれません。(文責 須田)

 

No.6412】  07年03月08日  A
マンモトーム検査における乳がんの確率について

36歳、出産経験なし、母親が乳がん経験者の私のことで質問させて下さい。2年半ほど前に石灰化が発見され、こちらはマンモトーム検査の結果良性だったのですが、この検査以来半年毎に超音波検査を受診しております。1年前に2.8ミリのしこりが発見され、1週間後の診察では触診ではしこりが見受けられないとの事で、半年間経過観察となりました。半年後の検査では、しこりは1.3ミリに小さくなり一安心していたのですが、2週間前の超音波検査でしこりが2.2ミリと再度大きくなり、マンモトーム検査を受けることになりました。超音波検査の日が生理日に近いかどうかでしこりも大小変化するようで、マンモトーム検査をするほどではないと思っていただけに不安が募ります。しこりに対してのマンモトーム検査の場合、乳がんの確率は高いのでしょうか? 主治医に聞くべき質問ですが、検査を受けるように指示された時に「質問は?」と聞かれたのですが、怖くて聞けませんでした。主治医からは「乳がんでないことを確認させて下さい」と言われたのですが、私があまりにも不安そうだったので、気を使って頂いたのか、先生の本心なのか判断しかねます。お忙しいところ申し訳ありませんが、ご回答お願い致します。

一般に病院では次のような場合にマンモトーム生検を行います。
1.術前に化学療法や放射線治療を施行する場合、組織型の決定、ホルモンレセプター及びHER2を調べるため
2.細胞診ClassVの確定診断として
3.細胞診と画像診断が大きく異なる場合
4.微細石灰化病変の診断
5.その他(良性病変の確認等)

しこりに対するマンモトーム検査としては、乳がん検診者1935名のうち、乳腺腫瘤あるいは乳腺腫瘤疑いで51名がマンモトーム検査を受け、そのうち2名が乳がん、49名が良性であったという報告があります。貴女の場合は、おそらく上記No.5で、マンモトーム検査を行 う事になると思われます。疑問に思う事、不安に思う事がある場合は、遠慮せずに主治医に伺って下さい。納得の上で検査を進める事が大切です。(文責 須田)

 

No.6411】  07年03月08日  T 
放射線治療後の治療について

放射線治療が済んだので次の治療の相談を主治医としたのですが、「無治療で構わない」と言います。よくわからないのですが、脈管浸襲はなく、papillo-tubular carcinoma と書いたメモを渡されました。無治療でも構わないのでしょうか? ホルモン治療はできると言われましたが・・・。

メール内容だけでは情報不足で、はっきりした事が分かりませんが、おそらく2005年のSt.Gallenでの国際コンセンサスミーティングでの再発リスク分類で、低リスク群に入るのだと思います。低リスクであれば、術後療法として、ホルモン療法(閉経前タモキシフェン、閉経後タモキシフェン又はアロマターゼインヒビター)を行うか、無治療でフォローしていけばよい事になっています。主治医と充分コンタクトを取って、納得のいく方法を選択してください。(文責 須田)

 

No.6410】  07年03月08日  H子
のう胞?について

線維腺腫があるため、がん検診も兼ねて半年毎に触診、超音波、マンモ、腫瘍マーカーまで毎回細かく丁寧に検査してます。今回、腺腫のほかに、新たに乳腺症によるものか?のう胞のようなものがエコーで分かりました。大きさは、およそ17ミリだそうです。半年前には無かったそうです。先生は「三ヵ月後にこれの変化をみるので来てください」とおっしゃいました。もしかしてホルモンの関係で小さくなったり、消えることもあるそうです。乳腺専門の先生で、とても丁寧な方ですので、画像を見ての判断で、急を要するなら精密検査をすぐにするだろうと分かってはいるものの、半年前には無かったものが今あるとなると不安です。

半年前になかったのう胞が見つかる事は、特に珍しい事ではありません。のう胞の内溶液が増加すれば目立つ事になるからです。内溶液が吸収されれば、自然に小さくなってきます。問題は、少ない確率ではありますが、のう胞内癌が発生する事があるので、のう胞が見つかると細胞診を行ない、内溶液の中に悪性の細胞があるかどうかを確認しておく必要があります。おそらく次回更に内溶液が多くなって、のう胞が大きくなっていた場合は、穿刺吸引細胞診を行う事になると思います。(文責 須田)

 

No.6409-1】  07年03月07日  M.G. 
両側乳癌です

宜しくお願いします。51歳です。3年前より子宮筋腫有りです。12年前より石灰化・線維腺腫が12個有り検診しておりましたが、今年になってガンが見つかり、2月7日に左右温存手術しました。摘出病理のステージは左1(そんなに心配しなくても良いとの事)、右は2(摘出の中にリンパ管と血管にガン細胞があるので全身にまわっているとの事)、リンパ節転移は無し(4個・5個採りました)、癌遺伝子(ー)。3月12日より放射線5週間と、その後に抗癌剤(そんなに強くないもの)をやります。ホルモン剤は術前はやる予定でしたが、(−)の為効かないとの事でした。細かい癌の数字は分かりません。
1) ここ2年半程検診をしてなかったのですが、急に2cm・又は硬癌になってしまいますか? 今良性の残りの袋状の物が今後悪性に成る確率は高くなりますか?
2) ホルモン剤は効果が高いと聞いた事がありますが、筋腫だから効かないのですか? やらなくても大丈夫でしょうか?
3) 一番心配なのはリンパ管と血液に入っていることです。抗癌剤で壊滅できますでしょうか? 術前の10年生存率は85%でしたが、治療して100%にしなければといっておりましたが、近づけるのでしょうか?

以上宜しくお願いいたします。

1)  良性の残りのしこりがガン化する心配はまずありません。しこり以外のところにまた新しいガンができる可能性は放射線治療してあるので5%以下です。
2) “(-)の為効かない”と書いてあるので、エストロゲンレセプター(ER)が陰性だと考えられます。ERが陰性であればホルモン療法は効果がないことが判っているので、ホルモン療法は行いません。
3) ガンであれば(正確には通常の浸潤癌であれば)ほとんど血管、リンパ管にがん細胞が流れている(顕微鏡で見てないと思われても)と考えられています。ですから、病理の結果はそんなに心配することはありません。10年生存率は、両側ともリンパ節転移が無かったので術前の予想よりもう少し高く90%はいくと思います。抗がん剤治療による生存率の改善は、抗がん剤の種類にもよりますが、2−5%程度です。小さいと思われるかもしれませんが大変なことなのです。(文責 清水)

 

No.6409-2】  07年05月01日  M.G. 
術後補助療法について

3月7日の回答で、とても気持ちが楽になりました。 5月14日迄に抗癌剤を決めます。下記の4点教えてください。
1) 切除したものがリンパ管と血管に入っていれば、菌が体中を回っていて何処かに飛びつく危険が高いと思うのですが リンパ節が0の場合はどうして予後がよくなるのですか。1.の場合でも一生転移しない人はいるのですか。
2) ホルモン剤はやらないと聞いていたのですが、左側は効くのでやっても良いかも!との事です。リスクをふまえ、どちらが良いでしょうか。
3) 抗癌剤はCMF6回で医師はいいようですが、医学的にいったらEC4回(プラス8回)だそうです。4回の方が強い事は分かりますが、何がどう違いますか。医師の指示する強くないものでいいのでしょうか?あくまで私が強い意思で決めた方がよいのでしょうか。
4) 岩盤浴(室内40度)で汗を流す事は 血管内の菌が増殖しそうですが、多少の効果はありますか。何かで菌は45度で死滅すると見たのですが。    

1) 血管、リンパ管に癌細胞が流れていても、検査の時点でリンパ節に転移が確認されていないという事は、全身においても転移していない確率が高いという事です。ただし、一生転移しないかどうかは、誰にも分かりません。
2) ホルモン療法が一方でも効く可能性があれば、行なったほうがよいと思います。
3) ECは、エビルビシンを用いた8サイクルとCMF6サイクルの比較試験では、無再発生存率、全生存率において同等であるとの報告があります。CMFは再発を34%、死亡を22%減少させています。副作用、費用等も含めて、主治医と充分にご相談し、納得のいく治療を選択してください。
4) 癌病巣の温度を人為的に42〜45℃に上げて癌細胞をより選択的に損傷し、治療の効果をあげようとする温熱療法がありますが、この場合は、放射線療法あるいは化学療法と併用して臨床応用されています。岩盤浴がこれにあたるとは思われません。(文責 須田)

 

No.6408】  07年03月07日  Y.T. 
収束超音波治療について

私は石灰化のガンの疑いがあります。現在検査続行中です。このHPで収束超音波治療を知りました。私のような石灰化の乳がんでも、この治療は可能でしょうか。教えて下さい。治療に係る費用等もお願いします。

収束超音波治療について私自身は経験が無いので詳細は不明です。少なくとも、現時点では臨床研究の段階であること。乳ガンの治療では病巣をどのように切除するかより、切除した病巣を詳しく調べて術後の治療方針を決めなければいけません。特に石灰化だけで見つかる非浸潤癌の場合は浸潤があるかどうかが重要で、それは病巣を切除して調べないと判らないのです。その場合には収束超音波治療はあまりお勧めできないのではないかと思います。有名なところではブレストピアが臨床試験を行っていますので、問い合わせてみては如何でしょうか。(文責 清水)

 

No.6407】  07年03月07日  A.M. 
非浸潤ガンの治療について

乳がんを疑いはじめて以来、こちらの相談室の過去記事を見て勉強させて頂いています。愛知県在住、37歳独身の会社員です。昨年末の健診のマンモグラフィで要精密検査となり、その後がんセンターにてMRI、エコー(+穿刺吸引細胞診?注射針のに管が付いたようなもので細胞を採取しました)の結果、乳がんの告知を受けました。検査前に受けた説明では、エコーを見ながら注射針のようなもので細胞を採取して、それで判断が付かなければもう少し太い針でもう1度採取しますとのことでしたが、最初に採取したもので悪性であることが確認されました。右胸非浸潤ガン、右胸下外側に石灰化が集中している部分が約4cm、石灰化が広範で乳頭付近まで来ているので温存は不可との診断です。術前には補助療法、放射線ともなし、術後病理の結果によっては補助療法を勧めるとのことです。再建を希望して転院したところ、下記3つの治療法を提示されました。
・ 温存療法(ただし1/3程度の切除が予測される)+放射線治療+希望するなら自家組織による再建
・ 皮下乳腺全摘+センチネルリンパ節生検+同時再建(人工物)
・ 全摘
皮下乳腺全摘+人工物による同時再建、術後必要であれば補助療法について考える、という治療を選択しました。2週間後に手術の予定ですが、術前にマンモトームを勧められ
ました。前置きが長くなりましたが、質問です。
1)  既に細胞診で悪性であると確認されており、また皮下乳腺全摘するのにマンモトームは必要なのでしょうか? 疑問に思い、主治医に尋ねたところ「浸潤しているかどうかがこれで分かるし、浸潤していたらリンパ郭清しなくてはならない」との答えでした。がんセンターでは、この段階(穿刺吸引)で悪性と確認されれば次のステップは必要ないとのことでしたし、浸潤の有無について詳細は病理の結果でしか分からないのではないでしょうか?
2) (上記1の続きですが、)浸潤がんでもセンチネルリンパ節生検でリンパ節転移が認められなければ、リンパ郭清は必要ないと認識していました。マンモトームの結果によって選択すべき治療法は変わるのでしょうか?(術後の補助療法以外で)
3) 病理の結果、非浸潤ガン、リンパ節転移なしと確認された場合でも補助療法は必要でしょうか? 主治医は、ホルモンレセプタがあれば補助療法+抗がん剤、なければ抗がん剤を勧めるとのことでした。

お忙しいところ恐縮ですが、ご回答いただけましたら幸いです。

1) おっしゃる通りです。浸潤の有無は切除した病変を全て検査しなければ正確に判定できません。マンモトームを行って浸潤巣が見つかれば浸潤癌であることは判りますが、だからといって術式の変更はありませんし、またマンモトームで浸潤部が無かったからといって浸潤癌で無いとは言い切れません。私もマンモトームは不要だと思います。
2)  これもおっしゃる通りです。センチネルリンパ節生検を行うのであれば、浸潤癌であってもなくても、腋窩リンパ節郭清をするかどうかはセンチネルリンパ節に転移があるかどうかによって決まります。マンモトームの結果で術式が変わることはありません。
3) この点もおっしゃる通りです。術後の病理検査で非浸潤癌であると診断されれば、原則として術後補助療法は不要です。蛇足ですが、貴女の方が現在の主治医の先生よりよく勉強していて理解が深いと思います。ご自分の意志をしっかり主治医の先生に伝えてください。(文責 清水)

 

No.6406】  07年03月05日  M 
今後の治療について

60歳の母のことでお聞きしたいのですが、乳がんの手術自体はもう10年前になります。右胸を全摘出し、4年後位に骨転移、2年前に肝臓に転移が見つかりました。肝臓に転移するまでは、ホルモン剤や骨を強くする点滴をしていました。肝臓に転移してから、抗がん剤(ヒスロン、フルツロン)を1年半ほど飲んでいました。 去年の8月、目が黄色く黄疸がみられたので緊急入院し、点滴の抗がん剤治療をすると言われました。黄疸の原因が肝臓のがん細胞のためということで、タキソールを3回で1クールを3クール、全部で9回点滴する予定でした。ところが、1週間に1回の点滴を2回行ったところ、総ビリルビンの値が15まで上がってしまい、危篤状態になり、余命2週間とさえ言われました。父が電話で泣いていたことを今でもはっきり覚えています。
先生の説明では、今まで1年半飲んでいた抗がん剤の副作用で肝臓の機能が低下したためと言われました。内科の先生に相談した後、肝臓の働きをよくする薬をやっと投与してくれました。その後何とか持ち直し、歩けるまでになり、総ビリルビンが10を切ってきた頃、腹水が溜まり始めてしまいました。それでも、総ビリルビンが6を切った頃、タキソールがよくなかったので、今度はタキソテールをまた3クールすると言われました。でも3週間で1クール終わった頃、腹水がひどくなり、こちらも1クールで終わってしまいました。今は利尿剤を飲んでいますが、胸にまだ水があるようです。今後も治療してもらうことを考えると、問い詰めることもできないので、お聞きしたいのです。
1) 納得がいかないのが、黄疸=抗がん剤での治療が妥当であったのか。黄疸も1年半飲んだ抗がん剤の副作用ではなかったのか。(黄疸はタキソテールを1クール終わった頃にはよくなっていたように思えます。)
2) 今は総ビリルビンが1.5にまでなり、腫瘍マーカーは陰性、肝臓のがん細胞も縮小しているそうです。骨の中の数値は上がっているようなので、少し心配なのですが、腹水がまだあるので、利尿剤を飲んでいます。利尿剤を飲むと体の大切な水分も出てしまうため、だるいのだというのですが、いつまで飲まなくてはいけないのか、飲んでいるうちは体力の回復は見込めないのか、利尿剤を飲むのをやめたら、また腹水でぱんぱんにはってきてしまうのか。
3) 総ビリルビンが1を切ったら、また抗がん剤の治療を始めると言われたらしいのですが、家の中でやっと歩ける程度なのに、そんなに急ぐのには、今がん細胞をたたかなくてはいけない理由が何かあるのでしょうか? 腫瘍マーカーやがん細胞が縮小しているのなら、もう少し普通に生活ができるまで待っていては遅いのでしょうか?
4) 飲む抗がん剤が体に合わなかったので、点滴の抗がん剤をするようですが、どんな抗がん剤で、どのような治療がこの先必要だと思われますでしょうか。
 
資料が少なくて申し訳ありませんが、分かる範囲でいいのでよろしくお願いします。

まずはじめに、再発されてから6年ということは、再発された方の半数は約2年から2年半で亡くなるのが現実ですから、ここまでの治療が大変良かったと考えられます。
1) 肝転移があって薬の治療をしているときに黄疸が出現してきた場合、肝転移の悪化によるものか、薬剤の副作用か判断するのは大変難しいのです。通常はどちらかの可能性を考えて片方の治療を行い、治療に反応しなければもう一方の原因を考えます。今回の場合、がんの悪化を考えて治療を行ったが反応せず、治療を中止したら肝機能が良くなったということで結果的には薬の副作用だったと考えているのだと思います。先に薬を止めて更に肝機能が悪化して、やはりガンの悪化だと判ることもありますので、今回の判断はやむを得ないと思います。
2) 今回の腹水の原因が何か(肝臓の働きが悪い、薬の副作用、ガンの増悪など)、これも判断が難しいのですが、腹水の治療としては利尿剤が一番です。だるくなる原因が利尿剤だけとはかぎりません。肝機能の低下、タキソテールの副作用などでも体のだるさが起こるので、現時点では量を調節しながら利尿剤を内服することをお勧めします。
3) この点はおっしゃる通りだと思います。再発乳ガンの治療の目的はガンを全て殺すことではなく、体の中にガンがあっても、悪さをさせずにいかにして元気な生活を送るかが目的ですから、今の状態を考えたら、しばらくは治療を休むのがベストの選択肢だと思います。今までの経過を考えても、経過の長いゆっくりしたガンであることは判っていますし、今回もガンが悪化したと考えたが、実は薬の副作用だったのだし、腫瘍マーカーも低下しているのであればなおのこと、治療を休止することをお勧めします。主治医の先生と良く相談してください。
4) この次悪化した時には、ナベルビン、カンプトなどが注射剤として残っていますし、TS-1, ゼローダという内服薬も考えられます。それ以前に術後補助療法でCAF,CMFを行っていなければ、アンスラサイクリン(アドリアシン、ファルモルビシンなど)やメソトレキセートなども使えます。また、タキソテールは1クールしか使っていないので、もう一度使うことは可能だと思います(もちろん肝機能に注意して)。(文責 清水)

 

No.6405】  07年03月05日  C.T
術後の薬物で抗がん剤は?

はじめてご相談させていただきます。平成19年1月30日 右乳房部分切除術、センチネルリンパ節生検を63歳で受け、現在64歳です。病理組織の結果はこのようでした。浸潤癌:硬癌、リンパ節転移:なし、ER(+)PgR(+)、HER2:0、癌の大きさ1.2cm、脈管侵襲:中程度、核異型度:1。
今後の治療について、主治医から、「私の場合は脈管侵襲があって転移しやすいといわれているので難しくしている。断端が陽性なので放射線治療はしていただく。薬物療法はホルモン治療もよく効く。もう一つは抗がん剤治療をしてからホルモン治療をうけると2%ぐらい向上する。」と言われました。「このときの抗がん剤はCAF療法をする。ホルモン治療はアリミデックスを使う。CAFとアリミデックスを読んでおくように。」と冊子を渡されました。1週間後化学療法の先生にお会いして、「ホルモン療法は期待できるので必ずおこなう。脈管侵襲は転移しやすい。悪性度おとなしい。HER2もなし。リンパ節に転移していない。データーをみて1個の場合、再発は少ない。抗がん剤を使ったらホルモン治療だけより2%位あがる。」との話しでした。そのあと主治医からアリミデックスを出していただき、3月1日から飲み始めました。放射線治療は先生の予約をとりました。この結果でも抗がん剤をやってその後ホルモン療法をしたほうがよかったかと、今非常に迷い始めています。今なら抗がん剤治療も将来にむけて頑張れるかなと思ったからです。主治医は決めるなら言ってくださいと話されました。よろしくお願いいたします。

結論から言うと、私はホルモン療法だけで良いと思います。かなり詳しい病理所見ですが一つだけ足りないのは、ER,PgRの陽性の程度です。最近ではAllred score等陽性の程度を定量化し、ホルモン療法の効きやすさを区別します。もしER,PgRが強陽性であれば問題なくホルモン療法単独で良いと思いますが、中等度陽性以下であれば化学療法の併用が考えられます。しかし、貴女の場合、63歳で、腫瘤径が2cm以下でリンパ節転移が無いので再発のリスクは低いです。更に核異型度は1でHer2陰性、唯一気になる脈管侵襲については高度の場合にリスクになるので、中等度であればSt Gallenのリスク分類では低リスク群になり、化学療法は推奨されません。(文責 清水)

 

No.6404】  07年03月05日  Y  
妻の乳がん治療について

2年前に非浸潤がんリンパ節転移なしと診断、広範囲に広がっていた為、右皮下乳腺全摘・同時再建手術実施。これまで検査では異常なし。今年、形成外科の医師に「再建した胸が硬くなってきているので、PET-CT検査を一度行ってみましょう。」と言われ、先日検査した所、右乳頭付近に疑いあり、他は見られずとあり、形成外科の医師は、「乳腺外科の医師と話し合って下さい」と・・・。乳腺外科の医師は、これまで妻に抗がん剤もホルモン療法も必要なしと言っていましたが、画像を見て、「一度手術で反応のあった付近の細胞を確認して、異常が無ければ、シリコンを戻して今までどおり、異常があれば、皮膚を除去して、再建手術は出来ない。その後ホルモン療法をする。」と言われました。他の検査で異常が無いのに、PET-CTの検査のみで再手術を決定するものなんでしょうか。又、先にホルモン療法を実施する事は出来ないんでしょうか。(ホルモンレセプターは陽性です。) ご意見お聞かせ下さい。

非浸潤癌で皮下乳腺全摘を行った場合、乳頭が温存される代わりに乳頭直下の乳管の再発のリスクがあります(そのリスクを回避するためには乳房全摘になります)。今回の再発は予想された部位にPETで集積があったので、主治医は再発と考えていると思います。確かに、PETだけで再発が確定する訳ではありません。かといって、再発病巣が小さければ他の方法での診断は難しいので、主治医の先生がおっしゃるように生検して再発の診断を確定させるしか無いと思います。乳房再建をしているので生検もちょっと大掛かりになるのです。ですから、今度の手術は再手術というより、まず生検して再発かどうか確認する手術と考えてください。本来なら生検が済んだらそこで手術を終えて、再発かどうかを皆さんにお話しして再発と診断されたら、改めて乳房の全摘を行うことになるのですが、全身麻酔の手術が二度になるより一度の方が良いと主治医の先生は考えて、一回の手術で診断と治療を同時に行おうとしているのだと思います。ホルモン療法を先に行うという選択肢もありますが、そのためにはまず再発かどうか診断することが必要ですから、生検は必須です。手術前に、もし再発と確認されたら乳房全摘を行うのか、今の乳房を温存してホルモン療法でいくのか、その長所短所をあらかじめ主治医の先生とよく相談して決めておいてから手術に入られたらよいと思います。(文責 清水)

 

No.6403】  07年03月05日  S 
非浸潤がんのホルモン治療

1月に左乳房を全摘出しました。46歳です。術前は9ミリのしこりと広範囲な石灰化。病理は、「Noninvasive ductal carcinoma 腫瘍の大きさ8.5x8.0x3.0cm 原発巣 Tis  f、s、p、w共に(-)ly0、v0、核異型(2)核分裂(1) 切除断端(-)5ミリ センチネル0/1」でした。術前のホルモン検査で、ER3.PgR3.HER2 浸潤部なく評価せず。
組織学的所見: 胞体が広く目立つ核小体を持つ腫瘍細胞が乳管内に充実性ないし、篩状配列を取り広範囲に進展している。Comedoを散見する。数箇所で基底膜がやや不明瞭な乳管内癌を認めるが、明らかな間質浸潤は見出せず。
術後の補助治療は、ホルモン経口か無治療の選択でした。パニック障害の持病があり、今も少し精神的に不安定で体調が良くなく、ホルモン治療は受けない事にしたのですが、主治医も「自分で判断したなら、もう迷わない方がいい」といいます。ですが、最近本当に術後治療はしなくても大丈夫なのか、逆に心配になって来ました。私の場合、このまま無治療の場合と治療した場合の予後など、お教えいただきたいのです。

基本的には無治療で良いと思います。浸潤の無いガンが転移することはありません。但し問題は、本当に浸潤が無いかどうかです。というのは、通常ガンの病巣の病理検査は約20x5mm間隔のブロックに切ってその断面を検鏡して診断します。そのどの断面にも浸潤が無ければ非浸潤癌と診断されます。そのようにして診断された非浸潤癌の転移の可能性は高く見積もっても5%以下です。言い換えると、5mmの間隔の中に浸潤があった可能性が5%以下ということです。さらにセンチネルリンパ節生検で転移が無かったことが確認されていますから、万が一浸潤があったとすると転移の可能性は10%程度ですから、貴女の転移の可能性は0.05(5%)x 0.1(10%)= 0.005 で0.5%以下の確率であると考えてよいと思います。(文責 清水)

 

No.6402】  07年03月05日  N 
肺転移とPETの有効性について

初めてご相談いたします。妹のことなのですが、4年前に左乳癌で郭清後、抗がん剤の治療をしました。半年に一度の経過観察で来ましたが、昨年12月の検診で「肺に肺炎の影があるが、心配ないでしょう」と言われ、安心していました。ところが、咳がひどくなり長引くので、今年1月に再度受診してCTとMRIの結果、肺門部への転移と診断され、一月末より毎週火曜日タキソールとハーセプチンの外来治療が始まりました。
姉の私に、この時期に電話連絡があったので驚き、知り合いの病院でPETとCTとMRIの検査を受けたところ、外科・放射線科・呼吸器科の先生の総合診断で、「左の肺門部は少し狭くなっているが、PETに異常所見はありませんでした。」と診断頂きましたが、乳癌の肺転移の場合のPETの有効性が判らないので、現在も毎週ハ−セプチンの治療を受けています。妹は、PETの結果に希望をもっていますが、主治医が抗癌剤治療を勧めます。セカンドオピニオンの結果がこのような場合、どうしたらいいのでしょうか。妹の住んでいる県にPETが無いため、コピーは持参しましたが理解出来ない面もあるようです。素人のつたない文で申し訳ありませんが宜しくお願いいたします。

画像などを見ている訳ではないので、診断については何とも言えません。PETについて言えば、PETで全ての転移が陽性に出る訳ではありませんし、逆に、PETで所見があってもガンでない場合もあります。ですから、最終的には総合判断をします。今回の場合、もしPETで陽性所見があれば肺転移の可能性が高くなったと考えられたのですが、PETの集積がなかったことで、転移で無い可能性も考えなければいけません。その場合、CT,MRIの所見がどの程度転移らしいのか?他の場所に転移の所見は無いか?腫瘍マーカーの値は?原発の乳癌病理所見が再発リスクの高いものであったかどうか?等の傍証を集めて判断します。それでも判断できなければ、内視鏡下、CT下に生検することを考慮します。それも難しければ、診断的治療といって、再発の治療を行って効果があれば再発だったと診断する方法もあります。この場合は副作用の少ない治療が有効な場合に用いられます。2カ所の先生の意見が分かれたということは判断が難しいと考えられます。もう一カ所の先生の意見を聞くか、お二人の先生の意見を参考にして、再発として治療を始めるのか、再発で無いと考えてしばらく経過を見るのか、妹さん自身が判断する必要があります。その場合どうしても自分に都合の良い結果になびく可能性が高くなりますから、冷静に判断できるようにお姉さんがしっかりサポートしてあげて、後悔しない判断の手助けをしてあげてください。(文責 清水)

 

No.6401】  07年03月05日  KY
ゾメタの副作用 骨髄腫について

初めてメールさせて頂きます。母が3年前に乳がんの診断を受け手術しました。去年の春、骨転移により骨折し、ゾメタの点滴治療を受けていました。今回、副作用である顎骨髄腫とわかりました。がんの転移では無いとのことですが、骨が溶けていくということで今後のことが不安です。治療法がないようですが、とりあえず経過を見ることになりました。このような場合、どのようになることを覚悟すればいいのでしょうか。また本当に治療法は無いのでしょうか。お忙しいこととは思いますが、なにか少しでも情報があれば教えていただきたいと思います。

ゾメタやアレディア等のビスフォスフォネート製剤による顎骨壊死(顎 骨髄腫ではないと思います)が稀に起こることが判ったのは最近のことで、その原因、治療法についてはまだ未解決です。私自身まだ経験が無いので、どのような経過になるかは知りません。特にゾメタは効果が強い分、アレディアに比べて発症が早く頻度が高いのではないかと危惧されています。現時点では、投与前に歯科の問題を抱えている場合は、それを治療してからビスフォスフォネート製剤の投与を始めることが唯一の予防法と考えられ、そのように注意が促されています。(文責 清水)

 

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