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相談室(No.8701〜8800)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

ご相談メールの投稿はこちらからお願いします。

なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

8800 09/04/06 A 授乳中の乳房 清水
8799 09/04/06 M.S.  手術後の病理検査で断端陽性の場合の治療について 清水
8798 09/04/06 M.O.  生検手術(HPNo.8739-2) 清水
8797 09/04/03 C.G 組織診(細胞診)の選択肢 清水
8796 09/04/03 O  ノルバディックス 清水
8795 09/04/03 K.N.  他科の医師への資料提供 清水
8794 09/04/03 A MR検査を受ける必要はあるでしょうか? 清水
8793 09/03/23 S 化学療法の中止について 石山
8792 09/03/23 C  術後の痛みと炎症 石山
8791 09/03/23 H  授乳中に受けた検査について 石山
8790 09/03/23 k. 再発転移性乳がんの治療について 石山
8789 09/03/23 Y 点滴の抗がん剤と内服の抗がん剤の効果の違いや、現在の治療の妥当性について(HPNo.8659-2) 石山
8788 09/03/23 H  乳癌手術後の定期通院および服薬継続期間について 石山
8787 09/03/23 Y 小葉がんの進行状況について 石山
8786 09/03/23 K  アリミデックス内服中の出血 石山
8785-1
8785-2
09/03/23
10/03/24
T.A.  手術後の治療法について
ホルモン治療中です
石山
俵矢
8784 09/03/23 Y.N. ホルモン治療とハーセプチンについて 石山
8783 09/03/23 K  乳腺低エコー様結節とは? 石山
8782 09/03/23 T.N.  乳房切除について 石山
8781 09/03/21 MM 紡錘細胞癌の治療法について 石山
8780 09/03/21 A.Y.  タキソテール 石山
8779 09/03/21 A.S. CA15-3の上昇と腰痛 石山
8778 09/03/18 W ごく初期の乳がんについて 石山
8777 09/03/18 M.T.  ホルモン療法 石山
8776-1
8776-2
09/03/18
09/04/12
K子  今後の経過について
再発率&生存率
石山
鈴木
8775 09/03/18 K  MRIについて 石山
8774 09/03/18 TK 痛みについて(HPNo.8434-2) 石山
8773 09/03/18 N  抗がん剤について(HPNo.8721-2) 緒方
8772 09/03/18 R  タスオミン 緒方
8771 09/03/18 A 非浸潤がんの病理セカンドオピニオン 緒方
8770 09/03/18 S.M.  細胞診後の痛みやしびれ 緒方
8769 09/03/18 M.T.  ゾメタの再発予防的使用について 緒方
8768 09/03/18 I.H.  副乳に関しての質問 緒方
8767 09/03/18 K.N.  無治療の場合について 石川
8766 09/03/18 A 悪性なのでしょうか? 石川
8765 09/03/18 T 線維腺腫の摘出について(HPNo.8753-2) 石川
8764 09/03/18 K 一年検診について再度(HPNo.7563-9) 石川
8763 09/03/14 S 急にしこりが大きくなりました 石川
8762 09/03/14 F  ハーセプチン+アミリデックス療法 石川
8761 09/03/14 T のう胞について 石川
8760 09/03/14 N.O. 術後の治療について(2)(HPNo.8758-2) 石川
8759 09/03/14 C 乳癌の髄様ガンについて 石川
8758-1
8758-2
09/03/13
09/03/14
N.O. 術後の治療について
術後の治療について(2)
石川
石川
8757 09/03/13 HM  ホルモン療法および漢方薬・プレマリン錠の使用について(HPNo.7141-2)  石川
8756 09/03/13 S  抗がん剤とホルモン治療について(HPNo.8638-2) 石川
8755 09/03/13 K. 一年検診について(HPNo.7563-8) 石川
8754 09/03/12 S ノルバデックスと卵巣のう腫 西川
8753-1
8753-2
09/03/12
09/03/18
T  細胞診の結果は信頼してよいものでしょうか?
線維腺腫の摘出について
西川
石川
8752 09/03/12 ホルモン治療の副作用 西川
8751 09/03/11 K 病理結果について 石川
8750 09/03/11 S.T  子宮筋腫と乳癌のホルモン療法(HPNo.8674-2) 石川
8749 09/03/11 S.A セカンドオピニオン待ちですが心配です 石川
8748 09/03/11 T 再発でしょうか? 石川
8747 09/03/10 D  乳癌と花粉症の薬について 吉田
8746 09/03/10 S  骨転移について 吉田
8745 09/03/08 k m 手足症候群と巻き爪(陥入爪) 吉田
8744 09/03/08 S  しこりにも石灰化にもならない乳癌の発見方法は? 吉田
8743-1
8743-2
09/03/08
09/05/22
A  組織診の結果について
組織診の結果について(2)
吉田
徳田
8742 09/03/07 M  骨転移(3)(HPNo.8720-3)  吉田
8741 09/03/07 O 男性の胸のしこりについて 吉田
8740 09/03/06 Y  ホルモン治療について(2)(HPNo.8708-2) 吉田
8739-1
8739-2
09/03/06
09/04/06
M.O. 硬化性乳頭腫 異型乳管過形成( ADH) 伴う乳腺症について
生検手術
吉田
清水
8738 09/02/24 ステージ1 浜口
8737-1
8737-2
09/02/24
09/04/07
T.N. アメリカと日本の治療の違いについて
アメリカと日本の治療の違いについて(2)
浜口
河原
8736 09/02/24 DE ホルモン療法の副作用について 浜口
8735 09/02/22 MF 70歳以降の検診 浜口
8734 09/02/22 骨転移について(2)(HPNo.8720-2) 浜口
8733 09/02/22 女性化乳房 浜口
8732 09/02/20 M  術前治療と今後について 浜口
8731 09/02/20 H  術後の治療法について 浜口
8730 09/02/20 F  ハーセプチンについて 浜口
8729 09/02/20 G  乳癌と妊娠について 浜口
8728 09/02/20 再エコー 浜口
8727 09/02/20 S  肝多発転移でのホルモン剤と抗ガン剤 浜口
8726 09/02/20 T.I   DCIS手術待ちの期間 浜口
8724 09/02/18 F  手術時期について 浜口
8723 09/02/18 A.K. 乳がん手術について(HPNo.8502-3) 浜口
8722 09/02/18 R.M. 他医師での検査後(HPNo.8622-2) 浜口
8721-1
8721-2
09/02/16
09/03/18
N  センチネルリンパ節同定法について
抗がん剤について
徳田
緒方
8720-1
8720-2

8720-3
09/02/16
09/02/22
09/03/07
M  骨転移
骨転移について(2)
骨転移(3)
徳田
浜口
吉田
8719-1
8719-2
09/02/16
09/06/15
K.S. 局所再発率、転移の可能性について
放射線治療後の症状について
徳田
吉田
8718 09/02/16 体重の増加について(HPNo.8510-2) 徳田
8717 09/02/16 乳頭からの分泌物 徳田
8716 09/02/16 再発率について 徳田
8715 09/02/16 ハーセプチンとホルモン療法の併用について 徳田
8714 09/02/16 I子 乳首の痒み 徳田
8713 09/02/13 A 手術の見解の違い 徳田
8712 09/02/13 S  炎症性乳がんです 徳田
8711 09/02/13 K.T.  放射線治療後の腫れやだるさについて 徳田
8710 09/02/12 R  乳頭の強い不快感について 徳田
8709 09/02/12 Y.N.  ホルモン療法と病期(ステージ)について 徳田
8708-1
8708-2
09/02/12
09/03/06
Y  ホルモン治療について
ホルモン治療について(2)
徳田
吉田
8707 09/02/12 H.S.  手首の痛み 徳田
8706 09/02/10 C.K 抗がん剤による早期閉経について(HPNo.8667-3) 俵矢
8705 09/02/10 H 乳頭・乳房のかゆみについて 俵矢
8704 09/02/10 K  授乳中のしこりについて 俵矢
8703 09/02/10 H   自己検診 俵矢
8702 09/02/10 N  放射線設備について(HPNo.8685-2) 俵矢
8701 09/02/10 S.T.  非浸潤ガンの術後ホルモン治療 俵矢

 

No.8800】  09年04月06日   A
授乳中の乳房

いま3ヶ月弱の赤ちゃんに授乳中です。おっぱいのマッサージには通っていますが、左側のお乳が、パンパンに張った風船のようになり、マッサージをしても、授乳をしてもよくならないんです。マッサージ先の方によると、乳瘤ではないかということで、授乳を終えるまでは治らないと言われました。なんとか治す方法はないでしょうか?スッキリしないです。ご回答お願いします。

私たちより産後の乳房ケアをしてくださる看護士さんの方が経験も豊富で詳しいと思います。原則は乳房マッサージで、あまり張りがひどい場合は授乳を中止して人工乳に換えることだと思います。私たちの立場からは、乳瘤とガンの鑑別ということで診させて頂くことがありますが、そのような場合、穿刺して内容を吸引して乳瘤であることの確認と治療をすることがあります。(文責 清水)

 

No.8799】  09年04月06日   M.S.
手術後の病理検査で断端陽性の場合の治療について

41歳未婚です。昨夏、左胸に腫瘍径6.2cmの浸潤癌が見つかりました。腋のリンパ節にも転移の疑いありと診断され、半年間の化学薬とゾラテックスの同時併用療法を受けました。今年2月末に皮下全乳腺切除術を受け(術中の病理検査で乳頭下断端陰性)、自家組織で同時再建いたしました。病理検査の結果、レベル1,2のリンパ節は陰性だったのですが、皮直下上部の広範囲の断端が陽性、腋のリンパ節で2個陽性と判明いたしました。硬癌で断端の癌は生きのいい活動中の癌だそうです。化学薬(EC+T)は奏効率5段階の最低レベルだったとのこと、今後はホルモン療法と(ホルモン感受性が10分の8と6)、放射線療法で治療することになりました。ゾラテックスとタモキシフェンは一昨日から、放射線療法は10日後から始まります。主治医は断定できないと仰いますが、私は断端陽性ということは皮膚に癌が取り残されているということと思います。そこでお聞きしたいのですが、このような場合、

1)放射線とホルモン療法がベストの治療法なのでしょうか。
2)再手術など他の選択肢はないでしょうか。

主治医は断端陽性ということより腋のリンパ節陽性のほうが問題なので全身療法をと仰るのですが、不安でなりません。昨夏の諸検査では他の臓器に転移はありませんでした。どうぞよろしくお願いいたします。

1)2) 乳腺部分切除、皮下乳腺全摘などで断端陽性の場合、乳房切除を行なうことが原則だと思います。しかし、温存の希望が強い場合、断端陽性の範囲が狭い場合等、状況に応じて、若干、乳房内再発のリスクが高くなることを理解して頂ければそのまま放射線治療に移行する場合もあります。主治医の先生がおっしゃるように、断端陽性だからといって必ずガンが残っているという訳ではありませんし、放射線治療も期待できます。しかし、術前にEC+Tの治療を行い、なおかつ、皮下乳腺全摘したにも関わらず断端陽性となると、乳房切除して放射線治療をした方が良いような気がします。術後の全身治療としてはホルモン療法(ゾラデックス+タモキシフェン)がbestでしょう。

 

No.8798】  09年04月06日   M.O.
生検手術(HPNo.8739-2)

いつもお世話になります。先日、術前検査で総合病院へ行ってきました。ADHを含む硬化性乳頭腫の確定診断の為、しこりから1.5センチくらい含めて内視鏡・全身麻酔手術をします(2〜3週間後の病理診断で、癌でなければ治療無し・癌であったり、問題があれば再手術と聞いております)。
お聞きしたいのは、私のように癌とは診断されていない場合のリンパ節転移に関する一般的な検査についてです。胸にメスを入れるとリンパの流れが変わってしまうので、今回の手術でセンチネルリンパ節生検をしなかった場合、後日の確定病理診断で癌が見つかって再手術になった時検査が出来なくなると聞きました。予想される悪性度に応じて検査をしない選択肢も有るのでしょうか?(針生検でADHと診断されているので、全くの白になることはないだろうし、難しい判断になる可能性があると言われているので、初めから検査をしておいた方が安全策かと思うのですが・・・・)
術中迅速病理診断の結果を踏まえてから、検査をするかしないか決めてもらうのか? 初めから検査をすると決めておいたほうが良いのか?(今回術中病理診断で癌だったとしても、検査以上のリンパの切除は行なわず、きちんとした結果が出てから再手術の時に考えましょうと言われています。)
先生が言われたことで気になっているのが、今回良性だった場合、経過観察中に新たに・再度明らかなる癌が見つかった時検査が出来ないので、その時の対応が・・・と言われていました。もともと3ヵ月経過観察と言われていたのですが、色々調べて私の不安が大きかったので生検手術になった経緯があります。私のようなケースで手術されていらっしゃる方も多いようなので、先生の患者さんの場合はどのようにされていらっしゃいますか?
1) センチネルリンパ節生検の有無・順序(初めからするか、迅速病理を踏まえて考えるか)
2) センチネルの検査で転移があった場合の術中対処法(患者の希望にもよると思いますが、直ぐにそれ以上切除するのと再手術の時するのとでは変わりがあるか)
3) 今回センチネルリンパ節検査をした後、他の場所に癌が現れた場合の対処法

長々と申し訳ありませんが、宜しくお願いします。

1) センチネルリンパ節生検(SLNB)は、ガンであると診断が確定してから行ないます。ですから術中迅速診断によってガンであるかどうかの診断確定する場合は、色素なりRI(アイソトープ)を術前に注射してSLNBができるように準備しておいて、術中にガンと診断されればSLNBを行い、ガンでなければ行ないません。
2) SLNBを行なって術中迅速診断でリンパ節転移が認められた場合は、原則として引き続いて腋窩郭清を行なうことが推奨されます。後日再手術(腋窩郭清)というのは、術中迅速診断ができない施設であるか、術中迅速診断では転移がないと診断されたが、後日永久標本による診断で転移が見つかった場合に行なうことがあります。時間的な差は問題ないと思います。患者さんの希望で転移があっても腋窩郭清を行なわないというのであれば、センチネルリンパ節転移の有無を診てもらう術中迅速診断は行ないません。
3) 今回の術中迅速診断の結果がガンであってSLNBを行い、センチネルリンパ節に転移がなく腋窩郭清を省略したとして、その後でもう一度同側にガンができた場合(同側乳房内再発)という意味だと思いますが、その場合もSLNBは可能です。ただし、放射線治療等の影響のためか、センチネルリンパ節の同定率(センチネルリンパ節が見つかる可能性は若干低くなるような印象があります。(そんなに症例が多くないので、あくまでも印象です)(文責 清水)

 

No.8797】  09年04月03日   C.G
組織診(細胞診)の選択肢

エコー&マンモグラフィ検査で、「カテゴリー3/集族性の微小石灰化/腫瘤なし/非浸潤癌の疑いあり」で、組織診予定です。マンモトーム不向きとのことで、切開生検になりましたが、やや抵抗があります。ご相談にのってください。

1) 乳房の厚み、石灰化部位によってはマンモトーム適用不可になるようだが、条件をもう少し詳しく知りたい。 例)乳房の厚み何ミリ以下は不可など
2) 生検の種類には、コア針生検、マンモトーム生検、切開生検の3種があるようだが、検査精度や身体への負担の違いを知りたい。
3) コア針生検が適用不可となる条件があれば、その詳細
4) 組織診をする前に、穿刺吸引細胞診をやってみる価値はあるか?

以上です。よろしくお願いします。

1) マンモトームの穿刺針は、先端から1cmくらいのところから2cmくらいの長さの組織を切除する溝がついています。この溝が乳腺内にないと組織をうまくとれません。具体的にはうまく説明できませんが、比較的皮膚の近いところにある病変、針が届かない深さにある病変等がマンモトーム不適になります。
2) 傷が大きく、麻酔の量も多いのは切開生検です。身体への負担はどれも同じくらいですが、切開生検がやや大きいかもしれません。コアとマンモトームはほぼ似た検査ですが、マンモトームの方が大掛かりです。
3) コア針生検ができないのは、触診でわからない病変です。
4) 穿刺吸引細胞診は組織診より侵襲が少ない検査ですから、やってみる価値はあると思います。しかし、正診率はコア針生検より低いので、気をつける必要があります。 (文責 清水)

 

No.8796】  09年04月03日   O 
ノルバディックス

3年半ほど前に病理結果をご相談させていただきました。当時は大変ありがとうございました。現在は、ホルモン療法の腹部への注射治療も終わり、生理が再開してまいりました。ノルバディックスを残り2年は継続して服薬と言われています。2ヶ月に1度の診察は続いております。そこで不安に思うことがあります。今までノルバ20mgを1錠、毎日飲んできましたが、その量でいいのでしょうか?50mgなどに変更しても差し支えないのでしょうか? 更年期症状はホットフラッシュのみで今は落ち着いてきております。残り、ノルバのみで治療をしていくのに不安があり、増量できるものであれば、主治医にお願いしようか迷っています。年齢は37歳です。どうぞ宜しくお願いします。

ノルバデックスは20mgと40mgの比較試験があり、その効果に差がないことがわかっています。ですから、現在は20mgが推奨されています。逆に、40mgも安全性には問題ないことがわかっています(短期のデータですが)から、40mg内服することも可能です。しかし、効果がないのに量を増やす必要はないのではないでしょうか。確かに、副作用もあまりない錠剤一錠で乳がんが抑えられるのか不安に思うかもしれませんが、ノルバデックスは多くの乳がんの患者さんの命を救ってきたお薬です。だからガイドラインでも推奨されているのです。自信を持って内服してください。(文責 清水)

 

No.8795】  09年04月03日   K.N.
他科の医師への資料提供

医療界の慣習がわからないので、ご教示お願いします。乳房全摘手術後、主治医の説明の際「診断と所見のデータ」をいただきました。最近、近隣の心療内科にかかり始めたのですが、初診で上記のデータを見せると、「コピーさせてくださいね」と言われたので了解しました。主治医の紹介状(診療情報提供書)等は無しでいっています。その後、血液検査の結果等も渡しています。情報は「自分のもの」と思いお渡ししていますが、よかったでしょうか。

医療界でも他の業種でも同じことだと思いますが、個人情報は個人の所有物ですから、個人が渡して良いと思う場合は全く問題ありません。しかし、もし近隣の先生が直接乳腺外科の先生に貴女の情報が欲しいと申し出た場合は、乳腺外科の先生は貴女の同意がなければ情報を提供できません。(文責 清水)

 

No.8794】  09年04月03日   A 
MR検査を受ける必要はあるでしょうか?

経過を順おって説明しますので、これから受けるMR検査が必要かどうか意見をお聞かせください。
1) 人間ドックのマンモグラフィで、境界明瞭な等濃度腫瘤(カテゴリー3)と診断され、要精密検査といわれました。
2) 後日、エコーで乳腺症とわかり、乳がんが疑われる部位の細胞検査の結果も、一部は悪性の可能性があるとのことで、3つの検査をすすめられました。組織の検査、CT、MR。
3) 疑わしい部分の組織を針のようなもので抜き取る生体検査をしました。同時にCTもとり、生体検査とCTの結果、悪性ではないことがわかったと言われました。
4) まだ、2の段階で予約したMRが残っているのですが、医者からはほぼ悪性でないことはわかったが、念のため受けておいたらと言われています。
   
その時は言われるままに受けるつもりだったのですが、家に帰って考えると、ほぼ疑いないのなら経過観察でもいいのでは、検査料もかかるし・・・と、検査をうけるのを迷っています。どうしたらいいでしょうか。

MRより組織検査の方がはるかに診断精度は高いのでMRは必要ないと思います。また、主治医の先生も“念のため受けておいたら”とおっしゃっているので、貴女がとても検査好きな方であるか、お金に余裕がある方でない限り、受けなくても問題ないと思います。(文責 清水)

 

No.8793】  09年03月23日   S
化学療法の中止について

昨年10月に左乳房全切除を行い、病理診断は、「2.8x3.8x0.8cm(一部浸潤ガン)、ステージ2A、 グレード3、ER-、 PgR-、Her2−、ly+、リン パ節転移ー」で、化学療法(AC+T)が必要とのことで、11月からACを3週に1回×4回行い、2月 13日にドセタキセル3週に1回×4回をスタートしました。ACの時も白血球は下がりやすかったのですが(800まで下がっ たことが2回)、ドセでは600まで下がってしまい、口内炎、アレルギー、発熱、痺れなどやウイルス感染も起こし、8日ほど入院となってしまいました。副作用が強かったため、今後の治療について、DRより、「手術でとってい るのだし、リンパ節転移はなく、命がけでやる治療ではないので、中止にしましょう。」との話がありました。最初、必要だからと説明をうけて始めたたことなので、中止するとなると不安が大きく、DRとも再度話しあって、納得して中止を決めたのですが、その後にいろいろ調べていると、私はトリプルネガティブ乳癌だと気がつきました。(DRからは、TNについて話の中で、ちらっとでたのですが、詳しくは伺っていませ ん。)TNについては、怖いこともたくさん書いてあり、やはり、ドセを毎週にして続けた方がよいのか、また迷い始めています。私のようなケースの場合、中止という選択でよかったのか教えていただければと思いま す。よろしくお願いします。

かなり強い副作用に思いますので、中止するのが一般的です。確かに不安な気持ちはあるでしょうが、再発予防の治療で万一副作用死などとなっては本末転倒だと思いますが・・・。(文責 石山)

 

No.8792】  09年03月23日   C 
術後の痛みと炎症

初めて相談します。H20年10月9日に乳房温存手術を受けました。一ヶ月後、乳房が腫れ、痛みがあり、主治医に「痛い」と言いましたが、「痛みは仕方ない」と、一喝されました。数日後、もっと腫れて痛み、液に交じって膿み状のものが出てきました。診察の結果、炎症を起こしていたということで、抗生物質と痛み止めを服用し落ち着きました。その後12月初めから1月初めまで、放射線治療を受け、順調に過しておりましたが、2月末、少し違う痛みを感じたので、主治医に言いましたが、「日にち薬、痛みは仕方ない」といわれました。我慢していましたが、乳房が赤く腫れてきて硬くなり、痛みが増していきました。3月二週目には明らかにおかしい赤みと腫れ、激痛を感じたので、診察を受けました。また炎症を起こしていたようです。膿みを抜かれ、抗生物質と痛み止めを5日分もらい、飲みましたが、6日目には皮膚がめくれてきて、膿みが染み出てきて、また痛みが強くなってきて、硬く腫れてパンパンの状態です。主治医は膿みを抜いて薬を出すだけなのですが、乳房の内部はそれで大丈夫なのでしょうか? もっとひどくなってきて、また手術しないとならないなんて事にはなりませんでしょうか? 解答よろしくお願いします。

診察していないので分かりませんが、感染であれば細菌検査、発熱の有無、採血での炎症所見などを総合して、放置して良いのか、飲み薬か、点滴抗生物質投与か、切開排膿するか決まると思います。(文責 石山)

 

No.8791】  09年03月23日   H 
授乳中に受けた検査について

31歳、2児の母です。色々と検索していて、このサイトにたどりつきました。相談させて下さい。
10日ほど前に、右わきの下にしこりを見つけ乳腺外科を受診しました。授乳中でしたが、触診・エコー・マンモを受けた結果、右わきのしこりは「リンパだから心配ない」という事で、右胸に関しても「少し石灰化が見られるが、心配ない」と言われました。ところが、自分では何も問題がないと思っていた左胸に異常が見つかりました。エコーでは丸い感じで真っ黒のものがうつっていて、マンモでは白くモワーッとしたものが、やはり丸い感じでうつっていました。なのに触診では、何度か確認されましたが、「何も触れないよなぁ」とおっしゃるばかりで、「何かわからない」「真っ黒すぎるんだよなぁ」「授乳中だからなんとも言えない」「この感じで針を刺すのは、気に入らない(?)」という事で、3ヵ月後に再度エコー検査を受けるように指示を受けました。ただ、私自身が3ヶ月待つのは恐いので、1ヵ月半後に検査をして頂く事になり、受診翌日から断乳をして、再検査に備えているところです。(後で電話でお話を聞いた時には、左にも石灰化があり、そちらの方が心配。でも、全体的にあるようにも見えるし、そうだとしたら、まあ心配ないかもしれない。とにかく授乳中の検査だからわからない。とも言われました。) ちなみに、カルテに先生が入力されていたのを見ていたら、左:2 右:3と書かれてありました。
ご相談したいのは、その「丸い感じのもの」についてなのですが、素人の私が見てもはっきりわかるくらいの影?なのですが、触ってもしこりがないというのは、どういう事が考えられるのでしょうか? 「真っ黒すぎる」というのは何なのでしょうか? また右の石灰化は大丈夫で、左側の石灰化は心配というのは・・・。子供もまだ小さいため、色々な不安が次から次に出てきてしまいます。次回の検査(4月末)までに、もう1箇所他の病院で検査を受けてみようかとさえ思ってしまいます。まとまりのない文章で申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

授乳中は多くの腫瘤が出ますので、多くは乳瘤ですが、心配なら穿刺吸引細胞診をするのが良いと思いますが・・・。石灰化はマンモトームという検査が必要のこともあります。(文責 石山)

 

No.8790】  09年03月23日   k.
再発転移性乳がんの治療について

再発転移性乳がん、ある程度理解はしているつもりなのですが…。全身治療の過程で転移部分が画像上見えなくなった状態と、たとえば、初発術後で画像上は見えない微小転移を完治させるための全身治療と、なにが違うのでしょうか? 癌細胞の数? ならば、薬剤の量を増やしたら…とか、何か方法はないものか、とか考えてしまいます。

過去のデータから補助療法は重要で、いったん再発すると結局生存期間の延長が難しいと言われていて目標が異なります。つまり画像上消えてもその効果が長続きしないので、このように考えます。薬剤の量を増やすという考えは、すでに行われていた(PBSCT:骨髄幹細胞移植をして大量抗がん剤投与)のですが、やはり生存率の向上に寄与しなかったからです。(文責 石山)

 

No.8789】  09年03月23日   Y
点滴の抗がん剤と内服の抗がん剤の効果の違いや、現在の治療の妥当性について(HPNo.8659-2)

お世話になっています。先日は、母の件で、ご回答を頂き、ありがとうございました。
結局、アルミデックス、アロマシンの後、フェマーラを試しましたが、上がり始めたガンマーカー(CA15-3)の値が3月初めに、400(16.1(2008/09)→26.7(2008/10)→47.6(2008/12)→90(2009/1)→400(2009/3))まで上昇してしまいました。骨転移が進んでいるようで、最近は昨年夏移行に転移が観察された胸骨、腰骨に加え、喉や背骨にも痛みを感じるようになっているようです。主治医からは、今後の治療についての明確な方針はなく、”次はどれにしたいですか?”といったスタンスで突き放されているように感じ、家族としても不安を感じています。今週より、今回の値の急上昇を受け、ゼローダという内服抗がん剤の服用を開始しています。ところがその後、一部の本で、”抗がん剤は内服のものよりも点滴のものの方が効果が大きい”、という記述を見つけ、ゼローダを選択することが良かったのかどうか、心配になっています。点滴の抗がん剤というと、アントラサイクロン系かタキサン系のものになるかと思うのですが、前述の通り、主治医からは明確な治療方針が提示されなかったため、”副作用が小さい”という点からゼローダを選択するに至った経緯があります。点滴の抗がん剤と内服の抗がん剤の効果の違いや、現在の治療の妥当性について、ご意見を頂けると大変助かります。どうか、宜しくお願い申し上げます。

年齢や臓器機能によって点滴の抗がん剤は副作用のために投与できないこともあります。その辺の状況からゼローダというのは悪くないと思います。(文責 石山)

 

No.8788】  09年03月23日   H 
乳癌手術後の定期通院および服薬継続期間について

ご相談したいことがあってメールを書いています。52歳です。まず病歴を以下に記載します。
平成14年9月13日に左乳癌による全摘出手術を大学付属病院で受けました。当時46歳でした。診断は”初期の段階ではあるが乳房内で乳腺を伝って病巣が2箇所あるため、温存手術をする意味が無く全摘出が妥当であろう”というものでした。5年生存率は90パーセントとも言われ、手術前のCTやMRIでは転移はありませんでした。そして左腋下のリンパ節の摘出も同時に受けました。リンパ節の病理検査では”全く転移無し”とのことでした。もし今の技術が当時に確立されていれば、左腋下のリンパ節を失うことは無かったのにと思うととても残念です。(リンパ節を摘出されてから左肩関節可動域が小さくなりました。)10月中旬には仕事に復帰しました。乳癌の性質がホルモンに良く反応するタイプだったとのことでホルモン剤を服用するだけで良く、抗がん剤は必要なしとのことでした。
手術は大学付属病院で受けたものの、その後の定期通院は通院の利便性を考えて近くの病院に紹介状を書いてもらって、2か月に1度の通院を続けています。手術直後は朝晩食後1錠ずつの薬(名前を失念しました)でしたが、1年ほど経ってからアリミデックスに変更になりました。その時からずっと朝食後1錠の服用が続いています。もうすでに手術後6年半が経過しています。今後についてと、服薬について、お尋ねしたいのです。
現在の体調:
3年ほど前から更年期のような症状が出始めました。1日に5、6回程、カーっと熱くなって全身から汗が出たかと思うと、次にはサーッと寒くなるという症状が出て、つらいときがあります。10月にレディース検診を受けて、骨粗鬆症が進んでいるため要精検と出ました。インターネットで調べると、アリミデックスは更年期様症状や骨粗鬆症を引き起こすことがあると出ていました。

大学病院を退院するときに受け取った診断書には、「今後、内服薬による治療を約5年間、検査のための通院を約10年間要する見込みです。」と書いてあります。アリミデックスを服用し続ける意味はあるのでしょうか。上記2つの症状がとても気になっています。また、乳癌手術後の定期通院は本当に10年も続ける意味はあるのでしょうか。今だに2ヶ月毎に通院しており、1回置きに血液検査を行っています。安心料として通院を続けていますが、意味があることなのかと疑問に思い始めています。是非、ご意見をいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

当院でも10年の経過観察を行っています。3年前から更年期症状ということは49歳ですから、本来の更年期の時期でもあり、アリミデックス内服開始時期と異なれば副作用でないかもしれません。でも、骨粗しょう症は副作用の可能性もあるので、中止休薬、変更、終了あるいは粗しょう症の治療を追加するなどの選択肢もありますので、主治医と相談してみてください。 (文責 石山)

 

No.8787】  09年03月23日   Y
小葉がんの進行状況について

以前より左乳房の中にあった小さなしこりが、数か月前より7cm程度に急速に大きくなりました。その頃、人間ドックの予約が入っており受診しますと、左乳房の異常所見があり、急いで乳腺外来を受診することになりました。そこで改めてマンモを撮り直すと、乳房の中に石灰化が散りばめられたようにあり、初回所見として乳管内進展の早期がんの可能性、広範囲になるので乳房全摘出になるとの説明を受けました。続いてマンモトーム生検すると、実は浸潤性小葉がんであることが判明し、続いてリンパ節転移もあることが判りました。MRIの画像を見せて頂きますと、全体が白い中で非常にわかりにくいのですが、乳頭近くに2〜3cmくらいの白い塊があるのも見せて頂きました。実を申しますと、2年前にも人間ドックで石灰化を指摘され、今回と違う乳腺外来にて、マンモ、MRI、エコー、レントゲンの所見からは問題無しとの所見を頂きました。(この時のマンモの画像説明で、2〜3cmの範囲に5ヶ程の微細石灰化があったのを鮮明に覚えております。) もし2年前の検査が本当に異常が無かったとするならば、2年間でここまで進行するものなのでしょうか。小葉がんの進行度と2年間を考慮すると、現在どの程度進行した小葉がん、リンパ節転移なのかが、非常に気になります。2年前の微細石灰化ががんの細胞だったとした場合を含めて、ご助言頂けませんでしょうか。手術が先になっていますので、それまで気になって仕方がありません。以上、よろしくお願い申し上げます。

小葉癌は検診でも触診画像などでも診断が難しいことがあり、2年前にマンモトームをやっていたら診断できたかも知れませんが、2年前にあったかどうか誰にも分かりません。5個の微細石灰化が間違いないのであれば、3ヵ月ごとの経過観察をすることもあります。(文責 石山)

 

No.8786】  09年03月23日   K 
アリミデックス内服中の出血

お世話になります。1年前に、術前化学療法終了、左乳癌全摘出術をし、術後アリミデックス内服開始し10ヶ月になります。化学療法中に生理が止まり、閉経状態である事を血液検査で確認されて内服開始したのですが、最近になって鮮やかな出血が5日間くらい続きました。婦人科の定期健診では経過観察といわれてます。副作用の一つとして経過を見ても良いのでしょうか。また、アリミデックス内服による出血は、いかなる仕組みによるものなのでしょうか。

アリミデックスの副作用というより、化学療法の副作用から卵巣機能が回復したのかもしれません。エストロゲンなどを、再度血液検査で確認したらどうでしょうか。(文責 石山)

 

No.8785-1】  09年03月23日   T.A. 
手術後の治療法について

47歳、既婚、09・2月に1.1×0.8の腫瘍を切除、左乳房温存手術を受けました。手術中のセンチネル生検ではリンパの転移は認められなかったのですが、病理の結果、リンパを3つ採取したうち、1つに微小転移。断端(−)・ER⇒陽性・PGR⇒陽性・HER-2⇒(−)です。放射線治療とリュープリン+タモキシフェンのホルモン療法がこれから始まります。お聞きしたいのは、微小転移とは言え、リンパの郭清手術や抗がん剤の使用はしなくても良いのか?と言う事です。主治医に何度か確認をしたのですが、「あなたのガンはおとなしいタイプのガンだから、そこまでの治療は必要は無い」との事。手術後の不安も有り、なかなか気持ちが落ち着きません。どうぞ宜しくお願いします。

同じ意見です。この治療で十分と思います。(文責 石山)

 

No.8785-2】  10年03月24日   T.A. 
ホルモン治療中です

2回目の投稿です(HPNo.8785)。気になる症状がある為、またご相談させてください。術後ホルモン治療に入り、3ヶ月に1度のリュープリン接種と、1日2回のタスオミンを服用しています(タスオミンは09年5月から服用しています)。幸い何事も無く毎日を過ごしていますが、ここへきて、2月前から時々生理前の排卵時期の様に乳頭の張りを感じます。生理があった時ほどは強くは無いのですが、とても気になっています。ホルモン治療に入った後も、気持ちの落ち込みや、手のこわばりという副作用は多少は有りますが、酷いホットフラッシュの様なものは全くありません。「副作用が強い人は再発の確立が低いというデータが有る」と、以前にどなたかの解答に有りましたので、私の場合は薬が効いていなのでは?と不安になっています。一度、担当の医師にも受診時に相談はしたのですが、はっきりとした解答は得られませんでした。次の受診は来月になりますが、薬が効いているか調べる検査は有るのでしょうか。また、私の様な症状は、よく有る事なのでしょうか。宜しくお願します。

術後補助薬物療法では薬の効き目が出ているか、出ていないかを知ることは難しいです。経過をみて、再発したか、しなかったかでしか知ることはできません。(厳密にいえば、再発をした患者さんでも、薬によって再発までの期間を伸ばしていた可能性もありますし、再発しなかった患者さんには、薬をしなくても再発をしなかった方も含まれる可能性があります。)
臨床試験のデータを解析して「副作用が強い人は再発の確率が低い」という発表もありましたが、一つあっただけなのと、「アロマターゼ阻害剤がタモキシフェンより効果があるだろう」ということを実証するために組まれた臨床試験のデータを流用して解析しているだけなので、本当にこれが真実かどうかはわかりません。一方、ホルモン陽性乳がんにホルモン療法が一定の割合で有効なことは、複数の臨床試験結果から検証されているので、これは真実と思ってよいのではないでしょうか。薬が効くかどうかは、みなさん不安に思っていることと思います。副作用がそれほどでもなければ、あまり苦なく薬を続けていけるということですし、「私にはこのお薬は効いている」と信じて飲んでいていいのではないでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.8784】  09年03月23日   Y.N. 
ホルモン治療とハーセプチンについて

再発予防のため、術後ホルモン療法としてゾラデックス注射とタスオミンの服用をしており、今後ハーセプチンも開始する予定です。

1) 上記ホルモン治療で、肌荒れ・しみやしわの増加・毛が濃くなるなどの副作用はありますか。
2) ホルモン治療中は大豆製品を多く摂取することは控えた方がいいのでしょうか(サプリメントは飲んでいません)。タンパク質摂取のため毎日大豆製品を食べているのですが、治療により女性ホルモンを抑えているのに、大豆製品を多く摂取することによって治療の効果を妨げてしまうのではと心配になりました。ちなみに1日の摂取量例としては、味噌汁2〜3杯(豆腐、油揚げなど入り)、納豆1パック、おかずの一部として厚揚げや豆腐、味付けに使用する醤油などです。その他週に2〜3回豆乳を飲んだり、豆類を食べたりもしています。
3) ハーセプチンの点滴を行う前には、毎回血液検査などを行いますか。
4) ハーセプチン中は通常何ヵ月おきに心臓エコーを行いますか。
5) ハーセプチンで白血球の数値は下がりますか。

どうぞ宜しくお願い致します。

1)更年期様症状という副作用に当てはまるかもしれません。
2)その心配はないと言われています。サプリメントはやめたほうがいいでしょうが、食品なら問題ないと思います。
3)当院では毎回はやっていません。
4)投与前と、それで異常がなければ3ヶ月から半年毎です。
5)ないようです。(文責 石山)

 

No.8783】  09年03月23日   K 
乳腺低エコー様結節とは?

昨年エコーガイド下マンモトーム生検まで行い、乳腺症と診断されました。その後は、年に一度の検診でよいとの事。今年、会社の健康診断にて、超音波検査をうけた所、左乳腺低エコー様結節により要精査となりました。乳腺低エコー様結節とはどのような症状なのでしょうか? 教えてください。宜しくお願い致します。

単なる画像診断用語で、結節の形態、辺縁、内部エコー像、広がりの具合など詳細が分からないとなんともいえません。ただ影が映ったという程度の意味しかありません。(文責 石山)

 

No.8782】  09年03月23日   T.N.
乳房切除について

乳がん治療後、担当医師が変わり、突然に乳房切除のことを言われて判断に苦慮しております。よろしくお願いします。
私は、48歳の2001年12月右乳房の4分の1切除温存術を受け、その後、「断端陽性が広範囲、浸潤性小葉がん、リンパ節転移なし、ホルモン療法適要外、硬がん・・・」等の説明を受け、尚且つ選択肢として、@右乳房全摘 A抗がん剤EC療法と同時に放射線療法+放射線追加療法を言われて、@を希望しましたが、医師の勧めもありAを選択し現在にいたっています。その時に乳房内再発があればすぐに切除と言われ、幸いにも先月MRI、超音波、マンモグラフィー、血液検査全てに異常はなくホット安堵していました。先日、乳腺専門医が変わり受診した所、「こういう患者さんを診たのは初めてで、私なら最初のときに当然切除をしているし、再発を早期に発見できないかもしれないし、再発した時に全身に転移しているかも知れないので、今の内に切除を勧めます。7年あまり再発がないので、それでも良いと本人が言うならそれでも良い・・・」とのことですが、専門家でない本人にはわかりません。手術を受けた病院では今の所温存療法の再発は無しとのことです。どうぞよろしくお願いします。

代わった主治医は乳腺専門医でしょうか? あるいは認定医とかでしょうか? 消化器が専門の外科医ではないでしょうか? 今から乳房切除は普通しないと思います。(文責 石山)

 

No.8781】  09年03月21日   MM
紡錘細胞癌の治療法について

紡錘細胞癌だと診断され、すぐに温存で手術をし、現在FEC80を投与しています。4回終わりました。4月からはハーセプチンを投与する予定なのですが、もしもこの治療方法より良い治療方法があれば教えていただきたいのですが・・・。リンパへの転移は無しです。薬の副作用で少し頭がもうろうとしてます。吐き気もあり、毎日家でひきこもりです。少しでも希望があればと思いメールしました。

紡錘細胞癌は珍しい組織型ですので決まったことはありませんが、おそらくHER2陽性(3+;IHCAで、またはFISH陽性)と診断されたのであれば、このような治療が普通だと思います。ハーセプチンは今のところ1年投与が一般的ですが、そのうち海外から2年が良いとのデータが出るかもしれません。2年ハーセプチンか、それとも1年たったらホルモン感受性が陽性であればホルモン治療の可能性はいかがでしょうか。主治医の先生とよく相談してください。(文責 石山)

 

No.8780】  09年03月21日   A.Y.
タキソテール

乳がんの治療でタキソテールを使用すると、治療の蓄積により全身的に浮腫がみられる方、人により下肢に多く出る方、又は患肢側の腕に浮腫が出る方がおるようですが、この浮腫はどういったことから起こるのでしょうか。またこの浮腫は、いずれ時間をかけて軽減するようですが、どのくらいの時期が必要でしょうか。浮腫症状の時は利尿剤は必要なのでしょうか。そしてこの時期はステロイド剤が多量に出ていますが、その理由をお知らせいただければ幸いです。

原因は良く知りませんが、よく経験します。添付文書に書かれているので副作用です。投与が終われば収束しますが、患肢の浮腫は手術の影響もあるので治らないこともあります。ステロイドはアレルギーの副作用防止のためではないでしょうか。利尿剤も効くことがあります。(文責 石山)

 

No.8779】  09年03月21日   A.S. 
CA15-3の上昇と腰痛

平成17年7月に乳がん検査の視触診で左鎖骨部分種瘤蝕知と診断。マンモグラフィで左:L要精査石灰化(カテゴリー右:1 左3)と結果が出て、その後、超音波・細胞針にて左乳がんと診断。手術の説明では、病期は0〜T。乳房切除・センチネルリンパ節生検で、H17.10月に左乳房全摘手術をしました。H17.11月に手術結果で、「腫瘍の大きさ14×12mm,非浸潤性乳管癌,所属リンパ節転移状況転移なし」と説明されました。術後療法は無しで、3ヶ月に1回、血液検査・右乳房触診と1年に1回右乳マンモグラフィをしています。血液検査では、CA15-3の値が実施していただいているところでは基準値が22以下で、時々22を上回りますが、上下するので、そのまま経過観察をしていました。マンモグラフィでは、異常なく今に至っています。術後3年を過ぎ、ここ半年前ぐらいから、腰が気になるほど痛み、H20.10月整形外科でMRIを撮って診察していただきました。異常なしと診断されましたが、腰痛はひどくなっているような気がして、主治医に相談したところ、CA-15-3の値がH20.11月:22.6 H21.2月:25.4 と上がってきており、腰痛の件もあり、H21.3月に血液検査とCTをしました。CTは異常なしとのことでしたが、やはりCA15-3が、26.9と上昇していました。CEAは基準値5以下です。非浸潤の診断は難しいと聞きましたが、CA15-3の上昇と腰痛は、骨の転移とか婦人科系の癌などが考えられますか? CA15-3・CEAの他に気にしておかなければならない値がありますか? CA15-3の上昇基準がありますか? 今後、どのような検査や経過を見たらよいですか? 不安になり、投稿させていただきました。どうか、アドバイスお願いします。 47歳・子供1人です。 

「左鎖骨部分種瘤蝕知」との文言が気になります。鎖骨には乳腺はないはずですが・・・。病理医の熱意によっても異なるので、まちがいなく非浸潤癌なのか、さらに腫瘍径14mmでなぜ全摘になったのか、理解できない点も多くあります。マーカーのことは気にしなくてもいいと思いますが、症状があるのであれば、骨シンチやPETーCTなど、検査することをお勧めします。(文責 石山)

 

No.8778】  09年03月18日   W 
ごく初期の乳がんについて

先月の人間ドッグでマンモグラフィー検査を受けたところ、右乳房に微細石灰化病変があると言われ、精密検査を受けるよう通知が来ました。近くの乳腺外科にて再度、マンモグラフィーと超音波検査を受けたところ、ガンと疑わしい所見があるということで細胞診を受けました。それでも診断がつかず、次にもう少し太い針で組織をとる検査をしたところ、初期の乳がんであると言われました。大きさが6ミリ程度なので、局所麻酔下において摘出手術を受けることになったのですが、主治医の先生は、「病変のまわり1cmずつ大きく切除するので、取ってしまえばその後の治療は必要ない。」とおっしゃいます。自分なりにネット等で調べると、リンパ節への転移がないかとか、放射線をするとか、ホルモン治療をするとかと書いてあることが多いのですが、ごく初期の場合、その部分を取ってしまえばおしまいということでいいのでしょうか? 不安があり質問させてもらいました。

摘出してその標本を病理検査し、さらに色々な情報がないと今後の予定は分かりません。非浸潤癌であれば再発はまずないですが、放射線は必要とか、悪性度、脈管侵襲によっては抗がん剤やリンパ節の治療が必要になることもあります。(文責 石山)

 

No.8777】  09年03月18日   M.T.
ホルモン療法

37歳未婚、出産なしです。昨年末に非浸潤ガンで手術後、病理検査にて浸潤ガンありのため、ステージ1、グレード1とのことです。放射線30回が終了し、このあとホルモン療法になります。しかし、ホルモン療法は子宮がんのリスク、更年期障害があるとのことで、仕事をしていますので、強い副作用は困ります。身内に子宮がんで他界しているものがいて不安です。主治医は、危険率10年で5%とのことです。また、ホルモン療法をしても再発される方も多いようです。

1) 再発転移される方の共通点はなんでしょうか?
2) ホルモン療法を拒否した場合は、再発、転移の可能性は高くなるのでしょうか?
3) 卵巣に放射線をした場合、卵巣は永久停止でしょうか? 一時停止でしょうか?
4) すでにジェネリック医薬でありながら、副作用がありながら仕様されるのは何故でしょうか? 新薬の開発が遅れている、もしくはしていない、或いは認可が下りていない?
5) 新薬があるとすれば、モニターになるのは可能でしょうか? その場合はどうすればよいでしょうか?
6) どちらを選んでも自己責任は免れません。そのため多くの人がホルモン療法の統計に頼っているかと思います。ならばせめて副作用を最小限に抑える方法はありますか?
7) タモキシフェン服用後どのくらいで生理がとまりますか?
8) タモキシフェン服用後片方の胸も縮小しますか?
9) CAL組織増大術というのがあるようです。胸が変形したため1年後に受けたいと考えてます。高額医療費の申請可能なようですが、医療保険は対象外でしょうか?

以上、質問が多く申し訳御座いませんが、よろしくお願いします

1)共通点はありません。患者さんにとっては再発するかしないかの全か無かです。
2)ホルモン療法の種類にもよるので分かりません。
3)永久です。
4)以下の質問は意味が理解できません。主治医の説明が正しく理解されているのか疑問が起きますので、もう一度主治医に伺ってください。その内容が分からないのに、われわれが無責任に言うべきでないと思います。(文責 石山)

 

No.8776-1】  09年03月18日   K子 
今後の経過について

2009/2に右乳房切除術・同時再建を受けた39歳です。AC6cm T3 N1 M0 ステージVA。
組織診断:
Breast,right、AC、mastectomy:#1 Invasive ductal carcinoma、f、pT3、ER−、PgR−、Her−2 score 1+、#2 Fibroadenomas、Lymph nodes、 excision: Metastatic carcinoma.

1) 再発率はどのくらいでしょうか? また化学療法後の再発率と5年・10年生存率はどのくらいでしょうか?
2) 所見に、「腫瘍は不連続な増殖をしめしているが、6.5cmほどの範囲にわたって広がっている。」とありますが、腫瘍の大きさは6.5cmと思ってよいのでしょうか?
3) 浸潤度が脂肪まで達しているのは、かなり予後に影響しますか?

2008/06、妊娠中に今回とは違う場所にしこりを感じ受診。エコーと針生検の結果良性の線維腺腫。2008/12、授乳中に今回のしこりを自覚し(ある日突然おおきなしこりが出来たと感じました)がんと診断。このときは2cm程度、「リンパにも転移はないでしょう。遠隔転移無し。ステージは1か2。」と言うことでした。2009/01、現在の病院を受診。このような経過があるのですが、やはり悪性度3ということもあって増殖の速度が早いのでしょうか? 長文になりましたが、よろしくお願いいたします。

1) 再発率はリンパ節転移個数が重要です。
2) すべて浸潤癌で連続ならそれが腫瘍径ですが、間に非浸潤癌がつながって連続するのであれば考え方は変わると思います。
3) 脂肪織浸潤は予後に影響がありますがわずかで、リンパ節転移個数が最も重要な要素です。(文責 石山)

 

No.8776-2】  09年04月12日   K子 
再発率&生存率

以前HPNo.8776でご相談させて頂いたものです。再度質問させてください。ステージVA 39歳 腫瘍6.5センチ リンパ節転移1個 レベル1(1/13) レベル2(0/8) トリプルネガティブ 悪性度グレード3 浸潤性乳管癌、ただいま化学療法(FEC+T)の1クール目です。再発率と5年10年後の生存率はどのくらいでしょうか?よろしくお願いします。 

組織型、治療内容などは個人個人、様々なため、具体的な数字は持ち合わせておらず、お示しできません。欧米人のデータですが(必ずしも日本人に当てはまらないことはご承知下さい、また10年生存率のみの計算です)、あなたのような組織型で、何も治療を行わなかった場合の10年生存率は34.4%です。抗がん剤を行った場合は、55.2%です。ただし、乳がんの治療は日々新しくなっており、新規の治療法も出てきますので、必ずしも生存率だけで議論できないのが現状です。実際は腫瘍径、リンパ節転移、ホルモン感受性、グレードなど、どれも悪い要素が重なっていますが、一緒に闘って行きましょう。応援しています。まずは、現在の治療を無事に完遂することを考えましょう。(文責 鈴木)

 

No.8775】  09年03月18日   K 
MRIについて

よろしくおねがいします。先日、以前からあった胸の痛みとしこりが気になり乳腺外来を受診しました。検診として、マンモグラフィ、エコー、触診をしました。エコー、触診では異常は見られませんでしたが、マンモグラフィで右胸の一部の乳腺が濃く写っていました。拡大で写してみると、乳腺がもやっとしているのでMRI検査を勧められました。ネットなどで調べてみると、この結果でMRIまでする必要があるのか疑問になり、他の乳腺外科で再度同じ検診をしてもらいました。やはりマンモグラフィで同じような結果がでました。先生の最終結論を聞く前に他の病院でMRIを勧められましたと伝えると、「やっといたらいいんじゃない?何がかくれてるいるかわからないし・・・」と。MRIと聞くと癌の可能性がかなり高いと思ってしまい、不安な毎日をすごしております。癌以外にもこの検査を必要とするものがありますか? また癌の可能性は高そうですか? 医学用語でも説明を受けなかったので、あいまいな表現ですが、よろしくおねがいします。

私の施設でもMRはありますが、機械があっても乳腺のことを熟知している放射線科医がいないと診断の質が劣り、当院ではあまり細かい病変は分かりません。病院ごとの診断手順は得意な分野により異なります。(文責 石山)

 

No.8774】  09年03月18日   TK
痛みについて(HPNo.8434-2)

HPNo.8434でご相談させて頂きましたTKです。いつもこのサイトでは、丁寧な質問に答えてくださっている先生方に感謝しております。
非浸潤ガンで、断端+、12月8日に放射線治療(追加照射有り)を終りました。ホルモン感受性だったのですが、強い妊娠希望から無治療でいくことになりました。最近、乳房全体とリンパの周辺が鈍痛がするようになりました。一時的なものかと思っていましたが、ここ1〜2週間位気になります。仕事が多忙になり、ストレス・疲れが原因だけであるといいのですが…。少し再発?心配が頭をよぎります。再発と痛みは関連があるのでしょうか? 4月初めに定期健診があるまで病院に行くか否か迷って、取り急ぎご相談させて頂いている次第です。また、妊娠は乳がんに悪影響を受ける、受けないと言う情報が錯綜している中で、先生のアドバイスを頂ければ幸いです。よろしくお願いします。

鈍痛が再発ということは少ないと思います。手術や放射線の影響で脂肪壊死などの炎症が起こったりすることもあります。妊娠が悪影響があるかどうかは文献上否定的ですが、個人的には妊娠を契機に急速悪化した乳癌患者さんを診たことはあります。(文責 石山)

 

No.8773】  09年03月18日   N 
抗がん剤について(HPNo.8721-2)

毎回お世話になって、感謝しております。HPNo.8721他で相談させていただいたものです。病理結果が出ていませんが、抗がん剤治療を開始すると言われました。3週毎FEC×4回、その後続けて、3週毎パクリタキセル×4回、病理結果にて、ハーツー:3+であれば、パクリタキセルと併用して、ハーセプチン投与となる予定です。質問ですが、抗がん剤はかなり高価ですが、病院によって、薬代に差があるのでしょうか? 

予定の組み合わせ(レジメン)であれば、あまり差がありません。すべて、乳がんの保険適応が通っているレジメンです。ただし、FECのE;エピルビシンやパクリタキセルは、ジェネリック(後発品)が発売されているため、それらジェネリックを採用していれば病院によって差が出てきます。また、病院が外来化学療法センターを開設して治療を行う場合、病院はいくつかの加算が請求できます。外来化学療法加算500点、無菌調製加算150点です。薬代ではありませんが、治療代として請求されます。(文責 緒方)

 

No.8772】  09年03月18日   R
タスオミン

私は、4年半前に非浸潤ガンになり、現在もタスオミンのホルモン療法をしています。最近になって、卵巣が腫れていると婦人科で言われました。ホルモンの薬で、卵巣が腫れたりすることもあるのでしょうか? もし、薬の影響だけなら止めれば腫れはひきますか? ご回答のほど、よろしくお願いします。

一般的に4、5年内服し続けたタモキシフェンが、このタイミングで卵巣に影響を及ぼしたとは考えにくいと思います。タスオミン(タモキシフェン)とは関係ない可能性が高いと思います。万が一、タモキシフェンの影響であれば、服用を中止すれば大丈夫です。(文責 緒方)

 

No.8771】  09年03月18日   A 
非浸潤がんの病理セカンドオピニオン

先月、石灰化の集まりがありマンモトーム生検を実施したところ、非浸潤癌と診断されました。主治医からは、乳房下半分に及んでいるので皮下全摘をすすめられています。全摘ということでショックもあり、自分で納得して手術に臨めるようセカンドオピニオンも受ける予定です。セカンドオピニオンについてなのですが、最近は病理セカンドオピニオンというものがあり、病理医の先生から直接組織の画像をみながら話を聞くことが出来るとのことで、非常に興味があります。現在の大学病院には乳腺専門の病理医がいないとの情報もあり、万が一でしょうが、石灰化による非浸潤癌は誤診も少なくないとのことで、はっきりとした診断を確定したいという気持ちもあります。しかし、現在の大学病院では、病理セカンドオピニオンに必要なプレパラートを貸し出ししてもらえないと言われてしまいました。そう言われた場合、もう少し食い下がってお願いしてプレパラートを借りることは出来るのでしょうか。私のような癌の場合で、そこまでして病理セカンドオピニオンを受ける必要はあると思いますか。参考までにご意見をお聞かせくださると助かります。

一部の施設では、プレパラートの貸し出しができない施設があります。紛失や返却されない例が相当数あることが、主な原因です。Aさんが食い下がって、プレパラートを借りることが、できるかどうかは本当にわかりません。ただし、マンモトーム検査は、相当量の組織が採取されるので、非浸潤癌の診断はかなり信頼できると思いますが・・・。(文責 緒方)

 

No.8770】  09年03月18日   S.M. 
細胞診後の痛みやしびれ

44歳です。浸潤性乳管癌の診断を受け、化学療法の治療が予定されています。2.5センチで腋窩転移ありです。細胞診をうけて二週間すぎた頃から、肩や背中に痛みやしびれを感じ、なかなかとれません。細胞診で3度とったので癌が進行したのではないかと、心配です。治療の予定がまだ先なので、受診しようか迷っています。細胞診は3回とるものなのでしょうか、とっても大丈夫なのでしょうか。

細胞診の回数制限は、ありません。ただし3回程度の複数回、必ず細胞診するということもありません。細胞診や針生検によってがんが進行すると言うことは、決してありません。大丈夫です。(文責 緒方)

 

No.8769】  09年03月18日   M.T. 
ゾメタの再発予防的使用について

初めて質問させていただきます。現在33歳、神奈川在住、年末に乳癌(大きい腫瘍はしこり2cm、それ以外にもしこりがあり乳管内進展が乳首直下まである)が発覚し、触診ではわかりませんでしたが、CTでわきのリンパにも転移があるとのころでUbと診断され、現在CE->Tの術前化学療法を受けています。ホルモン陽性、Har2陰性なので術後ホルモン治療の予定なのですが、
1) ABCSG-12試験の結果によるゾメタの再発防止の有用性が指摘されているため、ホルモン治療とゾメタを加えてほしい。 (http://content.nejm.org/cgi/content/abstract/360/7/679)
(上記試験以外にもZO-FAST試験でも報告されている)
2) AZURE試験で術前化学療法にゾメタを追加することで腫瘍縮小効果がある(http://www.novartis.co.jp/news/2008/pr20081219_02.html)との報告があるので 化学療法にゾメタを加えてほしい。

と主治医に頼みましたが、標準治療ではないとの理由で却下されました。私としては標準治療にこだわらず、多少リスクがあっても、自費であっても、効果がある上記の治療をどうしても行ってほしいのです。しかし、どこへいけば現時点では標準でないことでも積極的にやってもらえるのかわからず困っています。1歳と4歳の子供がいるので、セカンドオピニオンをたくさんまわって希望の治療場所をみつけることもなかなかできません。私の希望は、医療者側からみれば無理難題なのでしょうか? @の治療は自費で行っている方もいるようなのですが、どうすれば(どこへいけば)希望がとおりそうでしょうか?

大変、難しいご質問です。まず、臨床試験単独では、その治療法が有用性があると言い切れないということがあります。ハーセプチンの術後再発予防投与の適応が遅れた際の見切り発進的処方とは、患者さんが圧倒的不利益を被るという点で、明らかに異なります。ご質問の試験では、圧倒的に患者さんが不利益を被るといえないものを積極的に使用することは、様々な意味で危険です。おそらく、主治医の先生が、「標準治療ではない」と仰ったのもそういう意味だと思います。保険診療の範疇で、それをなるべく逸脱しない形で治療を進めなければならないのが現状です。いずれも高額な薬物で、保険審査に通らなければ高額の負担を病院が負わなければならなくなります。また、全て自由診療であれば、病院が治療費を負担しなければならない事態は起こりませんが、そのような高額な治療費をわざわざ自費で受けようとする患者さんはごく少数です。従いまして、ご質問の後半の実践的な内容に関しては、答えがありません。(文責 緒方)

 

No.8768】  09年03月18日   I.H. 
副乳に関しての質問

お尋ねしたいことがあってメールさせて頂きました。私は25歳の女性です。20歳前から右のわきの下と乳房の間にしこりがあるのは気づいていました。でも生理前になると張り、発赤や痛みもないことから、副乳であろうと自己判断のもと病院にはいかずに放っていました。が、ここ2〜3年でしこりが大きくなってきている気がして、今は3×4cmくらいで表面から見てもぷっくりふくらんでいるのがわかり、つまむと痛みもあります。病院に行って外科的に切除した方がよいのでしょうか? 外科的切除の他に治療法はありますか? また治療をする際には平均してどのくらいお金がかかるのでしょうか? あと、右の脇の下にもしこりがある気がします。しこりと言っても球形ではなくて、脇の中心部から副乳らしきものにかけて細長い硬いものがあり、これも生理前には張り、つまむと痛みもあります。これも副乳で放っておいていいのでしょうか? それとも原因は違う可能性もあり、治療の必要性があるのでしょうか? ご多忙の中申し訳ありませんが、ご返信お待ちしております。

すべてのご質問に、正確にお答えすることができません。まずは、乳腺外科の外来を受診して、触診、マンモグラフィ、超音波検査を受けて下さい。(文責 緒方)

 

No.8767】  09年03月18日   K.N.
無治療の場合について

炎症性乳癌で、術前化学療法後(FEC→TXT)、H.20.2.左乳房全摘手術を行いました。診断では、pT4bN3c、invasive size 1.5×0.9cm、tumor size 14×13cm。Grade 1、リンパ節転移は8/10、LN-SC 2/3、ER Score3(70%)、PgR Score2(5%)、Her2 1+ 、断端陰性。
手術後は放射線治療を受けた後、ノルバディクスを処方されておりますが、飲んでいません。化学療法後止まっていた生理は、H.20.11.に戻ったため、12月リュープリンを注射したので止まりましたが、今年2月に戻りました。先日、術後1年のCT検査を受けたところ「異常なし」で、血液検査の結果も「問題なし」でした。このまま無治療でいくと、どのくらいの割合あるいは箇所での再発・転移があるのでしょうか。因みに、ノルバディクス50mg2錠を毎日飲んでいます。

このまま無治療でいくと、炎症性乳癌で、腫瘍の大きさ、リンパ節転移などから再発・転移の可能性は高く、50%は超えることになると思います。(文責 石川)

 

No.8766】  09年03月18日   A 
悪性なのでしょうか?

43歳になる女性です。一か月程前から左胸にしこりと痛みを感じ、先日専門外来を受診。マンモにでず、CTをやった所、左胸上の方に五か所程、軽度に造影される部分があり、血流増加があるとの事。画像では白黒つかないから、とって検査にだす事になりました。「左乳房内上域多発小腫瘤」と書かれました。しこりの数と広がり方で良性か悪性か判断がつくと何かで見ました。私の様に一か所に集中してしこりがある場合、悪性なのでしょうか。先生は、「このまま様子をみていてもいいほど。でも心配を抱えていくくらいなら、とってはっきりさせましょう。」とおっしゃいます。因みに、疑うとしたら小葉癌との話もされました。しこりの出方から悪性なのではと、不安を抱え、11日後の手術を待っています。宜しくお願い致します。

一か所に集中してしこりがあるからといって悪性の確率が高くなることはありません。コメントからは良性の可能性が大きいように思えます。先生の言われた「このまま様子をみていてもいいほど。でも心配を抱えていくくらいなら、とってはっきりさせましょう。」という通りに感じます。(文責 石川)

 

No.8765】  09年03月18日   T
線維腺腫の摘出について(HPNo.8753-2)

回答ありがとうございます。
その後の経過ですが、組織診の結果、乳腺症型の線維腺腫という診断で、放置するとまだ大きくなるので、摘出手術をすすめられました。手術は全身麻酔で3泊4日の入院といわれました。本やネットで見たところ、線維腺腫の摘出手術は局所麻酔の日帰り入院で行われることが多いということで、私はちがうので、ちょっと心配です。乳腺症型の線維腺腫は現在40歳ですが、やはり摘出した方がいいのでしょうか? 全身麻酔しなければならないのでしょうか? よろしくお願いします。

摘出を勧められたのは、さらに大きくなると手術が大変になるのと、病理組織学的に完全に良性と確認できるからだと思います。麻酔のアレルギーがなく、腫瘤がかなり大きくなければ、良性の線維腺腫の摘出手術は、局所麻酔の日帰り手術で行われることがほとんどです。その理由を尋ねてかまわないと思いますが・・・。(文責 石川)

 

No.8764】  09年03月18日   K 
一年検診について再度(HPNo.7563-9)

HPNo.8755で相談しました。一年検診の結果を先のメールで送り、回答を得ました。(右腋窩領域に径10mm程度で上下に伸びる紡錘状の軟部影を認めます。周囲組織を引きつるような所見が見られます。術後変化を最も強く疑いますが、定期的にfollowをお願いします。)の部分について、どのように思われるか教えてください。リンパ腺の癌の疑いや手術時のリンパ癌の取り残しではないか不安です。過去の症例や先生のお考えについて、今時点で考えられる範囲、わかられる範囲でいいので回答お願いします。

リンパ節が写っている可能性も完全に否定できないのですが、手術の影響による画像所見が最も考えやすいので、生検などの病理組織検査しないで経過観察しましょうということだと思います。(文責 石川)

 

No.8763】  09年03月14日   S
急にしこりが大きくなりました

年末頃より左乳房真中の奥にしこりが気になりはじめ、急速に大きく固くなり、触った感じで5cmくらいになりました(生理前にだけ少し痛みが出る程度)。当初は生理前に起こる張り程度にしか気にしていなかったのですが、いよいよ気になり、検診に行くことにしました。2年前の検診でも再検査となったのですが、乳腺外来では、一部石灰が見受けられるものの問題無しとの結果。この度もマンモ検診で再検査をすすめられ、同じ乳腺外来でMRI、エコーを撮ったのですが、何も映っておらず、2年前の検査では問題が無かったことを確認をされていました。そこで改めてマンモの画像を再確認すると、乳癌特有の小さく白い影は無いものの、ぼや〜んと大きく薄い影が気になることや、乳癌には乳腺にそって進行するものもあるとのことから、細胞検査となりました。
正式な結果は1週間後となるものの、組織を数点採取されると直ぐに、先生からは90%ガンの可能性があるとのお話がありました。同時に転移の可能性から臓器検査をすること、手術になった場合は乳房全摘出となることのお話があり、驚いております。と申しますのも、乳癌は進行が遅いと聞いておりましたし、2年前の検診では問題無かったものが急にこのようになるとは思ってもおりませんでしたので・・・。特殊な乳癌の可能性があるとの説明を受けたのですが、どのようなものが考えられるでしょうか? ちなみに乳房の外観上は変化は無いつもりでいたのですが、先生からは少し炎症があるのでと抗生物質を処方されました。

主に乳管内進展で発育する癌が考えられます。この場合、腫瘤を形成しにくく、微細石灰化でみつかることが多いようです。非浸潤癌や早期癌の状態でみつかることが多いのですが、病変の範囲が広いことが少なくなく、残念ながら乳房全摘出が必要になることがあります。(文責 石川)

 

No.8762】  09年03月14日   F 
ハーセプチン+アミリデックス療法

術後3年経過して、ハーセプチン+アミリデックス療法を始めて4ヶ月の現在、術跡(胸)、お腹上部左右、背中に赤い発疹が出て、すごく痒く、掻いてしまっています。副作用なのでしょうか? それとも、薬の効果がないのでしょうか? 不安です。教えてください。宜しくお願いします。

発疹が出たことを主治医に話すか、皮膚科に診てもらったでしょうか。是非相談してください。発疹が出てからといって、薬の効果がないとは限りません。(文責 石川)

 

No.8761】  09年03月14日    T 
のう胞について

2001年に左乳首の真下にしこりがあり、病院に行ったところ、細胞診で乳輪下膿瘍と言われ、吸引されました。2007年に乳腺専門のクリニックでマンモグラフィーと超音波を受けたところ、右胸の脇近くに陰があり、石灰化もあり、「様子を見ましょう」と言われました。半年待ち、再検査したところ、のう胞らしいということでした。経過観察で、一年後の検査で、そののう胞が前回の2倍の大きさになっていましたが(大きさは聞かなかったのですが)、MRIをうけたところ造影剤が通らなかったので、やはりのう胞とのことでした。細胞診やマンモトーム生検はしなくても大丈夫でしょうか? クリニックではそれ以上の検査は必要ないと言われましたが、これが段々大きくなるとどうなるのか心配です。乳輪下膿瘍の時は、大きくなると切開しなければならないのでやっかいだといわれましたが・・・。石灰化も心配です。どうかよろしくお願い致します。

念のため細胞診はやられてもいいかもしれません。マンモトーム生検は針が太く、嚢胞だと破れてしまうので適当ではないと思います。嚢胞内に腫瘍がなければ、まず経過観察で心配ありません。しかし、ただの嚢胞でもかなり大きくなると穿刺にて内容除去し、細胞診などの病理検査が必要になることがあります。石灰化はどのような大きさ、数、形なのかわからないのでコメントできませんが、集簇した微細石灰化でなければ大丈夫と思います。(文責 石川)

 

No.8760】  09年03月14日    N.O. 
術後の治療について(2)(HPNo.8758-2)

もうひとつ質問を追加させていただきたいのですが、よろしくお願いいたします。皮膚側近傍に浮遊している癌細胞が認められること、わずかでもリンパ管侵襲があることから、再手術で全摘という選択もありますか? 局所再発だけでも防げるかと思うのですが・・・。

再手術で全摘という選択肢は有り得ます。この場合、局所再発を防げる可能性は高くなると考えられます。(文責 石川)

 

No.8759】  09年03月14日    C
乳癌の髄様ガンについて

親友が、乳がんの髄様ガンと診断されました。治療法としてどのようなものがあるか、いろいろな選択肢を模索していきたいと思っています。どのような治療法があるのか、ぜひ教えてください。どうかよろしくお願いいたします。

ふつうの乳がんと特に治療法は変わりません。(文責 石川)

 

No.8758-1】  09年03月13日    N.O.
術後の治療について

1月末に受けた手術の病理結果が出ましたが、担当医から提示された治療方針でよいのかどうか、ご意見をお願いいたします。50歳、女性、術前診断:非浸潤癌。部分切除。術後、病理診断、所見は以下の通りです。
Adenocarcinoma papillotubulare、Bp+SLNB→Fr:Ca(-)→Ax省略(センチネル0/3)、Surgical margin,unkown.
皮膚側近房にduct内に浮遊するcancer cellを認める。
a1:元々はDCIS, needle implantationによる ly あり。a1 とする。
ER:− PgR:−, 乳管内亜型:cribri-comedo
担当医の説明:
浸潤部分はほんの少し(具体的な数字は聞いていない)で、マンモトームの針のあとではないかと思われるが、その部分がリンパ管に侵襲している。ほぼ非浸潤癌と考える。断端は浮遊している癌細胞が認められるが、病巣の進展ではないので陽性とも言えない。Her2やgradeは、浸潤部分が微小なために調べられなかった。今後は放射線(回数などは放射線医との診察後決定)、ホルモン感受性(-)のため経過観察。抗がん剤は必要ないだろう。

浸潤部分の大きさについては、プリントをしていただいた病理医の手書きのイラストの中に、T=1.5m/mと印刷が薄いながら見えるように思います。放射線治療だけで経過観察というのが、不安です。

1)抗がん剤の必要はないのでしょうか? 抗がん剤で再発率は抑えられますか?
2)浸潤部分が微小ならば、Her2は調べられないものなのでしょうか? 調べて欲しいとお願いしたほうがいいでしょうか? 抗がん剤をしない場合でも、もしHer2(+)ならばハーセプチンで再発リスクは下がりますか?
3)マンモトーム検査から手術までは約1ヶ月半ありました。針の穴からの浸潤が再発転移につながるリスクはどのくらいでしょうか? リンパ管に浸み出しているのも気になります。

以上、お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

1) 抗癌剤は使わず放射線治療だけで経過観察というのが普通だと思います。化学療法をすることで、さらに再発率が低くなることは考えられますが、副作用などのことを考えるとデメリットも多く、一般的には推奨されていないと思います。
2) 浸潤部分が微小ならばHer2を調べるのは難しい、すなわち結果が出ても、それが正しいかあてにできないと思われます。参考までに調べておくというなら意味があるかもしれません。もしHer2(+)ならばハーセプチン単独投与でも再発リスクは下がる可能性はあります。
3) マンモトーム検査の際の癌細胞の撒布が再発転移につながるリスクは、具体的な数字は出ていませんが、極めて少ないと考えられています。(文責 石川)

 

No.8758-2】  09年03月14日    N.O.
術後の治療について(2)

もうひとつ質問を追加させていただきたいのですが、よろしくお願いいたします。皮膚側近傍に浮遊している癌細胞が認められること、わずかでもリンパ管侵襲があることから、再手術で全摘という選択もありますか? 局所再発だけでも防げるかと思うのですが・・・。

再手術で全摘という選択肢は有り得ます。この場合、局所再発を防げる可能性は高くなると考えられます。(文責 石川)

 

No.8757】  09年03月13日    HM
ホルモン療法および漢方薬・プレマリン錠の使用について(HPNo.7141-2)  

2007年にHPNo.7141で相談いたしました。本当にありがとうございました。その後2008年4月に2年間のゾラデックスを終え、現在はノルバデックスを服用、もうすぐ丸3年になります。51歳ですが、完全に閉経しているかどうかわかりません。二か月前に10日間程、不正出血のような少量の生理(?)がありましたが、子宮がん検診は異常なしでした。このままあと2年ノルバデックスを続ける予定ですが、それが一番良い方法でしょうか。
また、ホルモン療法に対する副作用対策についてもお聞きしたいです。定期検診も受けているかかりつけの婦人科の先生に、乳がんのこと、副作用のことも相談したところ、処方されたのは加味逍遥散と黄連解毒湯で、2年位飲みましたが、最近になって加味逍遥散と白虎加人参湯に変わりました。さらに顔が真っ赤にになるのが困るので相談したら、プレマリン錠一か月分処方してくれました。エストロゲン作用がある薬を飲んでも悪影響はないのか確認したところ、大丈夫ですと言われました。本当にプレマリン単独では乳がんのホルモン療法に影響はないのでしょうか。心配なのでプレマリンはまだ飲んでいません。この漢方薬も、この先長期に飲み続けていてもよいのでしょうか。更年期症状をなるべく気にせず過ごしたいと思いながら、だされた薬にびくびくしているのもおかしいと思われるかも知れませんが、正直なところ心配は尽きません。どうぞご意見よろしくお願いいたします。

2年ノルバデックスを続けるのは、一番かどうかわかりませんが、良い(妥当な)方法と考えます。プレマリン単独で乳癌のホルモン療法に影響はないと思います。これら漢方薬の長期内服が悪影響を及ぼすという報告はないように思います。(文責 石川)

 

No.8756】  09年03月13日    S 
抗がん剤とホルモン治療について(HPNo.8638-2)

前回は回答ありがとうございました。HPNo.8638で相談させていただきました。病理検査の結果をふまえ、FEC(3週毎1度を2回)→ECに切り替え、3週毎1度を2回終えた所です。先生からは、今後の予定として、本人の意思でECを残り2回するか、ホルモン療法(5年の予定)に切り替えるかと言われました。ECを2回するべきでしょうか? また、その後のホルモン治療で抗エストロゲン剤かアゴニスト製剤にするか悩んでいます。以前の相談で病理検査の結果が書いてありますが、この治療法で打倒ですか・・・? 今月で担当医が変わってしまうという事と重なり、余計に不安になっています。お忙しい所申し訳ありませんが、宜しくお願いします。

私はそれが標準的なので、さらにECを2回すべきと考えます。この治療法で妥当と思います。(文責 石川)

 

No.8755】  09年03月13日    K. 
一年検診について(HPNo.7563-8)

HPNo.7563で相談しました。今日、術後一年検診の結果がでましたが、そのことで相談させてください。
CT:右胸壁、左乳房内には異常な病変は認められません。肺、肝、膵、脾、腎、リンパ節に腫瘍性病変は認めません。右腋窩領域に径10mm程度で上下に伸びる紡錘状の軟部影を認めます。周囲組織が引きつるような所見が見られます。術後変化を最も強く疑いますが、定期的にfollowをお願いします。主治医は、この事には触れもせずに異常なしと言われましたが、気になるので相談しました。どういう状況が考えられるか教えてください。リンパに何か異常があるのでしょうか? リンパ浮腫は患っています。

右腋窩に径10mm程度で上下に伸びる紡錘状の軟部影で、周囲組織が引きつるような所見なら、私もやはり術後変化を最も強く疑います。どんな場合でも、それが100%正しいとは言えないので、念のため経過を見ていくことになります。主治医はまず大丈夫と思ったので、無用な心配をさせたくないと考えたのでしょう。(文責 石川)

 

No.8754】  09年03月12日    S
ノルバデックスと卵巣のう腫

47歳です。2006年12月に左側乳房温存手術を受けました。その後、放射線、現在はノルバデックスを服用して2年がたちます。生理は去年10月からきていません。今日婦人科の検診に行ったところ、卵巣のう腫が見つかりました。大きさは4センチくらいです。子宮の入り口にはポリープが3個できていて、子宮体がんの検査ができませんでした。去年の検診のときもポリープは2個ありましたが、1個増えていました。ノルバデックスと卵巣のう腫・子宮ポリープは関係があるのでしょうか? 薬の副作用でしょうか? 婦人科では、「卵巣のう腫を小さくするにはプロゲステロンの薬を飲んで生理をおこさせるのがいい」と言われましたが、ノルバデックスを服用していますし、ホルモン感受性のある乳がんなので、ホルモン剤を飲むのはどうなのかと思ってしまいます。ノルバデックスを服用しなくなれば、卵巣のう腫は小さくなるのでしょうか? 定期健診まで1カ月ほどありますので、主治医の先生に聞く前にこちらで相談させていただきました。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

ノルバデックスの副作用とは関連が低いと考えます。プロゲステロン補充については、現在の病状と治療内容を婦人科の担当医に伝えていただきたいと思います。主治医へよくお話ししてください。(文責 西川)

 

No.8753-1】  09年03月12日    T 
細胞診の結果は信頼してよいものでしょうか?

1週間ほど前に、胸にしこりがあるのに気づき、すぐに病院に行きました。視診、触診、マンモ、エコーとし、エコーの画像では横長で横の縁が根をはったようなギザギザがありました。先生は癌を疑い、細胞診をしました。結果は1週間後ということで、かなり気がめいった生活になりました。先日、結果が出て良性、線維腺腫ということでしたが、しこりが2.2cmで摘出を勧められました。いろいろ調べると、線維腺腫はエコーの画像が角がなく丸い感じですが、私のような症例もあるのでしょうか? 細胞診の結果は信頼してよいものでしょうか? 1週間後に紹介状を持って、摘出のために大学病院に行く予定ですが、まだ気持ちが落ち着きません。細胞診の次の段階でマンモトームという検査があるようですが、今度、大学病院でその検査を受けた場合、結果はすぐにでるのでしょうか? かなり精神的に不安定で、参っています。よろしくお願いします。

一般に細胞診を行われることが多いです。結果は絶対ということはありませんが、他の検査所見と総合して判断されます。線維腺腫の確率は高いと考えますが、確実性を高めるには針生検やマンモトーム検査がよいと思います。不安が強いのでしたら、確実な方法として摘出がよいと思います。(文責 西川)

 

No.8753-2】  09年03月18日    T 
線維腺腫の摘出について

回答ありがとうございます。
その後の経過ですが、組織診の結果、乳腺症型の線維腺腫という診断で、放置するとまだ大きくなるので、摘出手術をすすめられました。手術は全身麻酔で3泊4日の入院といわれました。本やネットで見たところ、線維腺腫の摘出手術は局所麻酔の日帰り入院で行われることが多いということで、私はちがうので、ちょっと心配です。乳腺症型の線維腺腫は現在40歳ですが、やはり摘出した方がいいのでしょうか? 全身麻酔しなければならないのでしょうか? よろしくお願いします。

摘出を勧められたのは、さらに大きくなると手術が大変になるのと、病理組織学的に完全に良性と確認できるからだと思います。麻酔のアレルギーがなく、腫瘤がかなり大きくなければ、良性の線維腺腫の摘出手術は、局所麻酔の日帰り手術で行われることがほとんどです。その理由を尋ねてかまわないと思いますが・・・。(文責 石川)

 

No.8752】  09年03月12日    M
ホルモン治療の副作用

昨年11月にラジオ波温熱術を受け、先月放射線治療を完了しました。放射線治療後にホルモン治療(タスオミンとゾラデックス)を始めてから、夜間覚醒、ホットフラッシュの症状があるのですが、何より四六時中頭が重く、頭痛や軽いめまいを感じるのが一番つらいです。ホルモン治療の副作用を軽減できる方法(漢方薬など)はあるのでしょうか。腫瘤は1センチほどで、リンパ転移はありませんでした。副作用があってもホルモン治療は続けていくべきでしょうか。薬に体が慣れて副作用が軽減するという場合もあるのでしょうか。ご解答、よろしくお願いいたします。

ホルモン療法の副作用を軽減させる方法としては、漢方薬や抗うつ剤などの使用をされることもあるようですが、特効薬ではありません。副作用が強い場合は薬の減量や中止なども検討が必要です。しばらく使用していると副作用が軽快する方もいらっしゃいますので、主治医とよく相談の上、治療なさってください。病理結果の詳細がわかりませんが、ホルモンレセプター陽性であればホルモン療法は推奨されます。(文責 西川)

 

No.8751】  09年03月11日    K
病理結果について

はじめて投稿させて頂きます。1月末に右乳ガンの温存手術を受け、入院中にMRSAに感染したことから、その後の治療はまだ開始されておりません。
手術で縫合した傷も感染による乳房の腫れで3センチほど裂けてしまい、その後洗浄処理をするにあたって、さらに縫合部分を2センチほど開いたので、退院時には5センチくらい傷口が開いたままでした。その後、通院と毎日のシャワーでかなり傷口は小さくなり、現在は縦3センチ、横2.5センチくらいにまでなってきています。主治医の話では、3月中には傷口の縫合ができるとのこと、現在はその後の治療について検討中です。
年齢37歳、既婚、子供2人(6歳・3歳)、生理はあります。病理結果には、浸潤癌(硬癌)、最大浸潤径16ミリ、センチネル陰性(0/2)、グレード1、ホルモン感受性あり(Est.R=7,Prg.R=8)、HER2=0、切断断端陰性との記載がありました。
主治医からは年齢が37歳で比較的若年齢に近い事から抗ガン剤治療→放射線治療→ホルモン治療の提案を受けていますが、私としてはホルモン感受性のスコアが比較的良い(と思われるのですが)ので、放射線治療とホルモン治療をと考えております。積極的に抗ガン剤治療が必要と思われる理由が思いあたらないのですが、私のような病理結果の場合、必要なのでしょうか? 大幅に予後が良くなると言うのであればもう一度考えてみようと思いますが・・・。
ご意見をお聞かせください。宜しくお願い致します。

病理結果からは放射線治療→ホルモン治療だけでもいいように、すなわち化学療法は必須ではないように思いますが、年齢が37歳で若い、浸潤癌(硬癌)で最大浸潤径16ミリということを考慮して、より再発率が少なくなるように抗ガン剤治療を勧められたのではと考えます。(文責 石川)

 

No.8750】  09年03月11日    S.T 
子宮筋腫と乳癌のホルモン療法(HPNo.8674-2)

以前相談させていただいたHPNo.8674のS.Tと申します。前回は大変ご親切なアドバイスを頂きましてありがとうございました。その後色々と考えた結果、全摘をしました。その病理の結果では、新たに切除した組織に非浸潤癌が1片見つかりました。それで新たに相談させて頂きたいと思います。
私としては万全を期すためにも微小浸潤もあったため、今後ホルモン療法(タモキシフェン)だけでも受けたいと思っていますが、主治医から”無治療で良い!”と言われました。今 私は子宮筋腫(4cm)があり、タモキシフェン投与は筋腫を悪化させる要因にもなるそうです。先生のお考えでは、このまま無治療でも良いと思われますか? タモキシフェンを受けるべきか?それとも 何らかの治療法があるのでしょうか? お忙しいところお手数をお掛けいたしますが、アドバイスを宜しくお願い致します。

非浸潤癌で、全摘なので無治療で良いと考えます。(文責 石川)

 

No.8749】  09年03月11日    S.A
セカンドオピニオン待ちですが心配です

初産26歳、子どもが4人、すべて子どもは母乳で、生後1年間たっぷり授乳しておりました。親族には癌はいません。現在長子は二十歳です。
健康診断で、右側の乳房に石灰化が3前から見られ、毎年マンモグラフィーを受けておりました。今年は、1月末にマンモを受け、石灰化が少し広がっているので、乳腺科で詳しくしらべるように言われ、
それから4日後診察に行きました。今までのマンモグラフィーの画像を資料として貸し出しをしてもらい、その画像をみて、主治医Y先生は、「なんだか癌っぽいね」とおっしゃいました。仕事もフルで、日々忙しいので、それなりにストレスはありますが、自分が癌になるなどどは思ってもいません。また色々不安な事もあります。その日にもう一度そこでマンモグラフィーを撮り、エコー下で生検をされました。1度目に失敗し、2度目の針をさし、組織らしいものが取れたようでした。その生検後から少し右腕が若干重たいような気がしていました。Y先生がおっしゃるには、私にはしこりが出来るタイプでは無いという事のようです。
10日後、結果を聞きに行ったら、結局、先日の生検で取ったと思われる組織が取れていなくて、もう一度やり直す事となりました。まず、1週間後にMRI、それから数日後にステレオマンモトームという事になりました。Y先生からは、癌の可能性があるので、入院の予約はステレオマンモトームの日にするように言われていたので、結果が悪いと数日後には入院という事だったのだと思います。そんなに急な事なのだろうかと心配しつつ、結果が良い事を祈りつつ1週間後、結果を聞きに行きました。
幸いな事にMRIもステレオマンモトームも癌とは出ずに、乳腺症という事が結論でした。ただし、FADだという事で、経過を観察するとの事でした。Y先生は喜ばしい事といいつつ、結果に納得がいかない様子で、事例をたくさん扱っている先生方のところで確実に見解を聞いた方が良いと、セカンドオピニオンを勧められました。正直、怖い気もしているのですが、やはりお願いをしました。現在待ちの状態です。
1度目のエコーマンモトーム以来の重たい腕が、ステレオマンモトームを行ったくらいから肩とか腕も時々鈍痛を感じています。乳頭もいささか敏感になり、すれたような感じになる時があります。ステレオマンモトームより、そろそろ3週間となります。傷口はまだ血豆の状態で、自然に取れるまで止血のテープを取らないように言われていますが、それもまだ取れていません。この痛みは乳がんの広がりから来る可能性はあるのでしょうか? あるいはステレオマンモトームの影響で腕や肩がだるさが、このように長く続くのでしょうか。結果が出るのが今月末ですが、その数日後に10日程の海外出張や等もあり、色々な事が大変心配な状態です。たとえば、仮に癌が発見された場合は、肩や腕に骨とかに転移する事があるのでしょうか? また、仮にあるとしたら転移の速度は速いのでしょうか。

取りとめなく心配ですが、どうぞヨロシクお願いします。

痛みが乳癌の広がりから来ている可能性は無いと思います。ステレオマンモトームの影響で腕や肩がだるさが続いていると考えます。万一、癌が発見された場合でも、早期で肩や腕に骨とかに転移している可能性は極めて少ないと思います。石灰化でみつかり、腫瘤も形成されにくいようなので、癌としても転移の速度は遅いタイプと考えられます。(文責 石川)

 

No.8748】  09年03月11日    T
再発でしょうか?

実家の母(87歳)がH18.6月に乳癌の手術をしました。呼吸器系の病気があるため、局所麻酔という形で、病巣を切除しました(乳房温存)。できれば全身麻酔で手術しなければいけなかったのですが、全身麻酔は危険が伴うといわれました。術後、ホルモン剤を服用し、三ヶ月ごとに血液検査をしていました。去年の12月には、MRIもとりました。ところが、2月に手術した右胸に、しこりのようなものがあり、そこから出血しました。受診したところ、本日局所麻酔で切除しました、「検査の結果まちですが、見て触ったところ癌です。」と言われました。高齢なので、そんなに痛みのある治療法はしない方向で、あんまり治療しないようなことをいわれました。そんなに末期の症状なのでしょうか。

1) 血液検査もし、MRIもしているのにもかかわらず、そんなひどくなるまで再発がわからないものでしょうか?
2) 出血しているということは、リンパ・骨に転移しているということもあるのでしょうか。(MRIの結果は異常なしでした)
3) 局所再発の場合は、できるだけ切除するという方法になるのでしょうか?
4) 受診の際に触診していればわかるのではと思うのですが・・・。

よろしくお願いします。  

1) 血液検査やMRIなどの検査をしても、再発がある程度大きくならないとわからないことは残念ながら有ります。
2) 出血しているかどうかに関係なく、病巣が小さくとも、リンパ・骨に転移している可能性はあり得ます。
3) 局所再発の場合、他臓器にに再発・転移がなければ、QOL(生活の質)を良くするために、出血を防ぐために、できるだけ切除するという方針をとる施設が多いと思います。
4) 受診の際に触診していれば、わかった可能性は高いと考えます。(文責 石川)

 

No.8747】  09年03月10日    D 
乳癌と花粉症の薬について

昨年2月に全摘手術を受けました。病理検査の結果、DCISということで、現在、無治療です。先日、術後1年検診を受けたところです。かれこれ20年程、花粉症で悩んでおります。検診後、新聞紙上で、花粉症とホルモンの因果関係を目にしました。現在、アレグラとアルロイヤーネーゼルトと鼻づまり時の点鼻薬(2種類)を服用してます。乳がん患者は、ホルモンに影響するので、私が服用している薬は危険でしょうか?

花粉症の薬がホルモン環境に作用し間接的に乳癌細胞の増殖を促進したり、抑制したりすることはあるかも知れませんが、乳癌の術後の状態に花粉症の薬が明らか危険であることは報告されていませんし、実際にもありません。(文責 吉田)

 

No.8746】  09年03月10日    S
骨転移について

お世話になります。いつも参考にさせて頂いています。
2006年10月に1期の乳がん(リンパ転移なし・ホルモン両方+)で右胸皮下全摘+同時再建手術を受けました。その後、2008年12月までゾラデックスとタモキシフェンのホルモン治療を2年間継続しまして、妊娠を希望しているため、2009年1月から薬を止めて経過を見ております。(昨年12月には薬を止めるにあったって、骨シンチ、マンモ、腹部超音波、血液など一通りの検査をして異常なしとの診断でした。)そんな中、先月位から両膝に違和感を感じるようになり(関節がゆるくなっているような感覚で少し痛みがあります)、力が入らず、屈伸運動をするのがしんどくなってきました。最初は「靴が合わなかったのかな?」と、あまり気にしておりませんでしたが、ここ最近は、「もしかすると骨に転移してしまっているのでは…?」と、不安な気持ちで毎日を過ごしています。上記のような症状が骨転移の場合に出ることはありますか?  分かり難い説明で申し訳ありませんが、ご回答をお願い致します。

経験上、両膝の違和感が骨転移の症状であったことはありません。骨転移の症状としては、疼痛やしびれ感などなどが多いですが、無症状のことも非常に多いです。(文責 吉田)

 

No.8745】  09年03月08日    k m
手足症候群と巻き爪(陥入爪)

ゼローダ服用開始後1年半ほど経ちますが、転移した腫瘍が、30mmから8mmへ縮小しており、腫瘍マーカーも正常値を保っているため、可能な限りゼローダを継続したいと思っています。しかし、手足症候群と巻き爪に悩まされています。以前から、足指の巻き爪に度々悩まされていましたが、手足症候群発症中に再度巻き爪となってしまい、歩行に少し支障が出ています。他に手足症候群の症状としては、色素沈着、感覚の鈍り、足指の皺の皮膚が切れるの3つです。切れる症状は、少し前から服用しているビタミン剤が効いているのか、最近は切れることがなくなっています。色素沈着と感覚の鈍りは治療効果を考えると、十分我慢できる範囲内です。従って、手足症候群のため治療ができない巻き爪が、今の最大の悩みです。主治医(腫瘍内科)、及び、同じ病院の皮膚科の先生に巻き爪の相談をすると、「ゼローダ服用中は、巻き爪の治療はできない。ゼローダをやめて治療するか?我慢するか?どうしよう?」という回答でした。お手数をおかけしますが、下記について教えてください。

1) なぜ、ゼローダ投薬中は巻き爪の治療ができないのでしょうか?
2) ゼローダ投薬中は、外科的治療の傷の皮膚再生に時間がかかるなど、回復力が著しく低下しているのでしょうか?
3) ゼローダ投薬中の回復力低下による痛みの継続などが問題となる場合は、神経ブロックなどの併用で対処できないでしょうか?
4) 手足症候群下の巻き爪治療ができる病院や医師がいないでしょうか?
5) ゼローダと類似した(同系統の)抗がん剤で、手足症候群の副作用が出ない、又は、出にくい抗がん剤はあるでしょうか?
6) 個人差が激しいと思いますが、ゼローダを休薬する場合、休薬開始から巻き爪の治療開始までの期間はどの位かかるでしょうか?
7) ゼローダからタキサン系の抗がん剤へ切り替える場合、 足指の痺れなどが副作用で考えられますが、タキサン系抗がん剤治療中も、巻き爪の治療は難しいでしょうか?

よろしくお願い致します。

1) 手足症候群が酷い場合、外科的処置を行うと感染を併発したり傷の治りが遅れるからでしょう。
2) その様に考えます。
3) 理論的には良いかもしれませんが、神経ブロックをずっと続けなければなりませんので、やらない方が良いでしょう。
4) 有ると思いますが状況によります。
5) 同系統の薬剤としてST-1があります。手足症候群の副作用は出にくいと思いますが、他の副作用がありますので主治医と相談してください。
6) 一ヶ月ぐらいは必要と思います。
7) タキサン系抗癌剤に変えて巻き爪の治療は可能ですが、やはり白血球減少などの副作用を考慮しながらということになります。ゼローダを一時中止して巻き爪の治療を行うのが現実的だと思います。(文責 吉田)

 

No.8744】  09年03月08日    S 
しこりにも石灰化にもならない乳癌の発見方法は?

平成19年12月に、はじめての女性ドックのマンモグラフィで左上側に集簇性石灰化(微細円形が5個)が見つかり、カテゴリー3といわれ、その病院では経過観察となりました。エコーでは数箇所に乳管の拡張があるので、多分過去の乳腺症のあとかもといわれましたが・・・。その後20年2月に大学病院の乳腺外科を紹介していただき、検査をした結果、同じ診立てで、カテゴリー3、癌の可能性は10%です。マンモトームは石灰化の場所が胸壁のそばなので、やりにくいためしていません。どうしても心配ならやりますが・・といわれましたが、やりにくい検査を無理にしてとりそこねたりしたら、かえって今後の観察がやりにくいのではと思い躊躇しています。その後の乳腺外科での経過観察は、20年2月と6月、11月と、21年3月のマンモグラフィ検査では、20年2月のときと今回21年3月の画像と比べても今のところは、形も広がりも変化はありませんといわれて、すこし安心はしていますが、やはりカテゴリー3は変わらず、癌の可能性は10%といわれています。
私の石灰化は微細円形で5個あります、縦に3個点々とあり、そんれに平行して2個点々とありました。1年近く変化が無いので、そう心配はしていなかったのですが・・・、最近 「ひょっとしたら乳管の中はもっと癌でいっぱいになっているのではないか? 石灰化が一部分で5個といっても癌のごく一部だけ石灰化になってるだけで本当は癌の部分はもっと範囲が広いのでは?」と、心配になってきています。イロイロ検索しましたら

【マンモグラフイでは石灰化になってない癌は写らない】
【エコーでは乳管から出てしこりにならないと写らない】

ということがわかり、急に心配になってきました。石灰化にもならず、しこりにもならない乳管内の癌は、早期発見は不可能なのでしょうか? 広い範囲で乳管のなかだけに癌が広がっていく乳がんの場合は、マンモでもエコーでも画像として写らないので、結局は乳房全体に乳がんが広がってしまい、最後に乳管から出てしこりになるまで癌の発見は出来ないと考えられるわけでしょうか? こういう種類の癌の場合とか、また石灰化があってもマンモトームが出来ない場合は、それ以外にしこりになる前に癌かどうか見るける方法はないのでしょうか? MRIとかPET検査とかでも無理なのでしょうか? お忙しいのに勝手な質問ですが、教えていただければ嬉しいです。よろしくお願いいたします。しつこいかき方で本当に申し訳ありません。62歳女性、心配性。

ご指摘の通り「石灰化にもならずしこりにもならない乳管内の癌」はありますし、その様な場合発見が遅れることもあります。しかし乳管内に癌が進展してくれば乳腺が硬くなり、左右差がみられるなどの症状が出てまいります。現在のところ、このような状態を早く発見するにはMRIが最も適しておりますので、心配ならば一度検査を受けることをお勧めします。しかし一年以上たっても画像上変化がない訳ですので、恐らく乳腺症の跡なのでしょう。(文責 吉田)

 

No.8743-1】  09年03月08日    A 
組織診の結果について

はじめて投稿させていただきます。先月、健診のエコー検査で、のう胞を指摘され、形が不鮮明という事もあり、乳腺外来と細胞診を勧められ受診しました。多発性と言う事で、エコーガイド下マンモトーム生検になりました。結果が、のう胞(水泡)、線維腺腫等も見られ、総合すると乳腺症ですが、エコーであやしいと言った箇所に異型細胞があり、今後のフォローが必要、要注意の印が報告書に押されていました。3ヶ月ごに受診で検査をして、専門医の判断で、その箇所を少し切り取りとって調べる事もあるかもしれないと言われました。マンモトームは確定診断が出来ると聞いていましたが、私のように曖昧な結果もあるのでしょうか? 癌になりかけている状態なのでしょうか? 医師は、「セカンドオピニオンをしてもいいですよ。」と言っていますが、どうしたら良いのか悩んでいます。ご意見をよろしくお願い致します。

マンモトームを行えば殆ど確定診断は出来ますが、中には前癌病変とよばれる状態があり、経過を観察して、その場所に変化が診られれば切り取って調べるということは時々あります。しかし一応乳腺症という診断が下されていますので、あまり心配せず、このまま3ヵ月待って検査をすることで十分と思います。通常癌の疑いが強ければ経過観察とはせず、直ちに生検を行うことになると思います。(文責 吉田)

 

No.8743-2】  09年05月22日    A 
組織診の結果について(2)

お世話になります。前回、マンモトームの結果についてご回答いただきました。本日、3ヵ月後の診察に行ったのですが、マンモトームの報告書を見ながら、「あまり心配しなくても大丈夫、異型細胞が全部癌になるわけじゃないし、数%の確立だから。今出来ることはMRIくらいだから、予約するね。」と言い、触診もエコーも何もしませんでした。3ヶ月じゃ変化ないから・・・と。「乳腺症だから心配ないです。1年検診でいいですよ。」と言われるでもなく、癌だと言われるでもなく、心配しなくても良いというのにMRIとは、よくわかりません。どういう状態なのでしょうか? ネットで調べると、乳癌は病理診断がとても難しいと良く目にします。あまり曖昧だと、かなり不安になってきます。最近良く見る、病理セカンドオピニオンをしたほうが良いでしょうか? 簡単には出来ないのかもしれませんが、家族も心配しています。子供もまだ小学生なので、少しでも疑わしいならはっきりしたいのですが、どうしたらよいのでしょうか? お忙しいところ申し訳ありませんが、宜しくお願い致します。

一般的には、異型細胞は癌細胞でなないので、それが癌化することはありません。問題は、異型なのか癌なのかの診断であり、不安であれば、病理のセカンドオピニオンを勧めます。また、異型細胞が認められた乳房は、乳癌のリスクが高いので、画像診断を含めた定期的な健診は必要です。(文責 徳田)

 

No.8742】  09年03月07日     M 
骨転移(3)(HPNo.8720-3) 

HPNo.8720でご相談した者です。骨転移の圧迫で、排尿障害などがおこるかもしれず、抗がん剤を続けることになりました。私は、10年前に、、リューブリン、エンドキサン+5FU療法で、一旦骨転移が消え、4年前に再び骨転移が現れ、それ以降、ホルモン療法、ゼローダ、タキソール、エピルビシン単独療法と続けてきました。エピルピシン単独で効果なかった場合、FEC療法で効果が期待できるのか、お考えをお聞かせください。

FEC療法はエピルビシンに5FUとエンドキサンを組合わせた療法です。以前にエンドキサン+5FUが奏効した可能性がありますので、効果はある程度期待できると思います。実際に試してみるのが良いでしょう。(文責 吉田)

 

No.8741】  09年03月07日     O
男性の胸のしこりについて

18才の男性です。少し前から、右胸を触ると痛みがありしこりもあります。何か病気でしょうか。受験生です。

女性化乳房だと思います。肝機能障害や薬剤で起こることがあります。受験が終わって、痛みが続いたり、しこりが残るようでしたら、一度乳腺外科を受診してください。(文責 吉田)

 

No.8740】  09年03月06日     Y
ホルモン治療について(2)(HPNo.8708-2)

No.8708で相談させていただいたものです。本日主治医に相談しましたところ、リュープリン+アロマターゼ阻害剤は、私のホルモンの値では、閉経では無いため保険適応では無いと言われました。もし、その治療を受けたければ、保険適応外で別の病院でと言われました。その場合、関西ではどちらの病院で受ける事が出来ますか?またその治療を受けた場合、今の治療よりもどのくらいの効果が期待出来ますか?また料金はいくらくらいになりますか? 重ね重ね申し訳ございませんが、よろしくお願い致します。

閉経前の患者さんにリュ―プリン+アロマターゼ阻害を使用することは保険適応外であり、表向きに行っているところは知りません。しかし、あなたの様にリュ―プリン+タスオミンを行っていて再発を起こした場合、保険を無視して使用することもあります。これは主治医の考えによりますので、どこの病院でなら行えるというものではありません。理論的には良い方法と思いますが、大掛かりな臨床データはまだ出ていませんので、効果の程も分かりません。保険外で行うとすると、薬代だけでなく検査の費用も自費扱いに成りますので、保険で行う場合より4~5倍高くなるでしょう。(文責 吉田)

 

No.8739-1】  09年03月06日     M.O. 
硬化性乳頭腫 異型乳管過形成( ADH) 伴う乳腺症について

初めてお便りします。二月初めに左胸にしこりを感じて病院へ行きました。マンモ、エコーをとった後、しこりがあるということで、念のためMRIをし針生検をしました。各々の検査の結果、良性とは言い切れないということで、細胞診でこのような診断を受けました(しこり1.6センチくらい。おろおろしてしまってグレードのようなものを一切聞いていません)。担当の先生は、経過観察3ヶ月で良いと言われましたが、説明の時、癌になる可能性は高めの陽性で、癌になるとも言えないし、ならないとも言えないようなことをいわれ、経過観察をしっかりしていきましょうと言われました。何もせずじっと待つのは不安なので、切ることは出来ないかご相談したところ、患者が望めば可能だけど、積極的に切ることを勧められている感じではありませんでした。次の診察の時までに、自分でどうしたいか家族とも相談してきますと返答して帰りました。
「切ることになると、きちんとしこりを取り除かないといけないから、しこりの場所にもよるけれど胸変形はあるでしょう、形良く出来るように注意します。判断が難しいので、その場で判別はできず、何かあったら2度目の手術をすることになる。」といわれました。同じような状態で、しこりを摘出するよう言われている方もおられるようなので、どうしたものか?と悩んでいます。私としては、しこりを取って早期に判断をつけた方が、癌が見つかったとしても治療予後が良くなるのではと思っているのですが・・・。次回の診察の時に聞いたほうが良いことと、今から新年度でバタバタするので手術は夏休みを考えているのですが、すぐにしたほうが良いのか等、教えて下さい。

針生検を行って異型乳管過形成ということであれば、癌になる可能性は有りますし、既に癌が「しこり」のどこかにあるかも知れません。しかし癌といってもごく初期のものであることか多いですので、あまり急ぎませんが、「しこり」全体を切除し、診断をつけて貰うのが良いでしょう。時期は夏休みでよいと思います。(文責 吉田)

 

No.8739-2】  09年04月06日     M.O. 
生検手術

いつもお世話になります。先日、術前検査で総合病院へ行ってきました。ADHを含む硬化性乳頭腫の確定診断の為、しこりから1.5センチくらい含めて内視鏡・全身麻酔手術をします(2〜3週間後の病理診断で、癌でなければ治療無し・癌であったり、問題があれば再手術と聞いております)。
お聞きしたいのは、私のように癌とは診断されていない場合のリンパ節転移に関する一般的な検査についてです。胸にメスを入れるとリンパの流れが変わってしまうので、今回の手術でセンチネルリンパ節生検をしなかった場合、後日の確定病理診断で癌が見つかって再手術になった時検査が出来なくなると聞きました。予想される悪性度に応じて検査をしない選択肢も有るのでしょうか?(針生検でADHと診断されているので、全くの白になることはないだろうし、難しい判断になる可能性があると言われているので、初めから検査をしておいた方が安全策かと思うのですが・・・・)
術中迅速病理診断の結果を踏まえてから、検査をするかしないか決めてもらうのか? 初めから検査をすると決めておいたほうが良いのか?(今回術中病理診断で癌だったとしても、検査以上のリンパの切除は行なわず、きちんとした結果が出てから再手術の時に考えましょうと言われています。)
先生が言われたことで気になっているのが、今回良性だった場合、経過観察中に新たに・再度明らかなる癌が見つかった時検査が出来ないので、その時の対応が・・・と言われていました。もともと3ヵ月経過観察と言われていたのですが、色々調べて私の不安が大きかったので生検手術になった経緯があります。私のようなケースで手術されていらっしゃる方も多いようなので、先生の患者さんの場合はどのようにされていらっしゃいますか?
1) センチネルリンパ節生検の有無・順序(初めからするか、迅速病理を踏まえて考えるか)
2) センチネルの検査で転移があった場合の術中対処法(患者の希望にもよると思いますが、直ぐにそれ以上切除するのと再手術の時するのとでは変わりがあるか)
3) 今回センチネルリンパ節検査をした後、他の場所に癌が現れた場合の対処法

長々と申し訳ありませんが、宜しくお願いします。

1) センチネルリンパ節生検(SLNB)は、ガンであると診断が確定してから行ないます。ですから術中迅速診断によってガンであるかどうかの診断確定する場合は、色素なりRI(アイソトープ)を術前に注射してSLNBができるように準備しておいて、術中にガンと診断されればSLNBを行い、ガンでなければ行ないません。
2) SLNBを行なって術中迅速診断でリンパ節転移が認められた場合は、原則として引き続いて腋窩郭清を行なうことが推奨されます。後日再手術(腋窩郭清)というのは、術中迅速診断ができない施設であるか、術中迅速診断では転移がないと診断されたが、後日永久標本による診断で転移が見つかった場合に行なうことがあります。時間的な差は問題ないと思います。患者さんの希望で転移があっても腋窩郭清を行なわないというのであれば、センチネルリンパ節転移の有無を診てもらう術中迅速診断は行ないません。
3) 今回の術中迅速診断の結果がガンであってSLNBを行い、センチネルリンパ節に転移がなく腋窩郭清を省略したとして、その後でもう一度同側にガンができた場合(同側乳房内再発)という意味だと思いますが、その場合もSLNBは可能です。ただし、放射線治療等の影響のためか、センチネルリンパ節の同定率(センチネルリンパ節が見つかる可能性は若干低くなるような印象があります。(そんなに症例が多くないので、あくまでも印象です)(文責 清水)

 

No.8738】  09年02月24日     D 
ステージ1

43歳独身です。2年前に石灰化が分かりマンモトームを受け、経過観察といわれました。その時に反対側の胸にものう胞らしきものがあると言われ、細胞診を受け線維腫と言われました。毎年定期健診を受けるように言われ、昨年は異常なしと言われました。今年も受けたところ、マンモグラフィーと超音波検査から、線維腫側の胸に、1.7cmの腫瘍が見つかり、「悪いものと思ってください。ステージ1と思われます。」と言われました。近く細胞診を受けます。癌が大きくなるには数年かかると聞いていました。1年で1.7cmになってしまうことはあるのでしょうか? 線維腫が変化してしまったのでしょうか? 詳しくは細胞診後ということで、詳しい説明はまだ受けていません。癌であった場合、ステージ1でしたら内視鏡による摘出も可能でしょうか? 再発率は高くなりますか? 温存手術を希望した場合も、形成的なことを求めるのはいけないことでしょうか?
独身で一人暮らしで生計を立てているため、手術による機能の低下も気になります。癌と確定した訳ではないのですが、準備と学習は必要と思い、混乱しながらも本を読んだりインターネットで調べたりしています。セカンドオピニオンは必要でしょうか? 働きながらの通院を考え、職場に近いところの病院も検討中です。よろしくお願いします。

癌細胞ができてから、触ってわかるような癌になるまでは年単位の時間がかかっていると一般的に言われますので、確かに1年前の検診時には細胞レベルで癌があった可能性はありますが、触診や画像検査でわかるような大きさでなかったと考えます。乳癌にならないように予防することは困難であり、定期的に検診して早期に乳癌をみつけることが大事ですので、定期的に検診を受けていたのでStageIで発見できたと考えていいのではないでしょうか。乳房温存手術の場合でも再建することは可能ですが、切除範囲が小さい場合には変形も小さく、再建を施行することは少ないです。内視鏡手術で再発率が高くなることはないですが、どこでもできる治療ではないので、診断がつきましたらセカンドオピニオンも考慮してみてはいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.8737-1】  09年02月24日   T.N.
アメリカと日本の治療の違いについて

アメリカと日本の治療の違いに関する質問です。
私は49才で、現在、米国西海岸に住んでいます。4月初旬に日本に帰国の予定のところ、帰国直前にがんと診断され、日米どちらで治療したらよいか悩んでいます。
昨年12月にマンモグラフィーから乳がんが疑われ、MRI〈2回)と生検〈2回)の結果、乳がんと診断されました。
生検はultrasound guided core biopsyという方法で、左胸X3、右X1を生検した結果、左胸2か所(6時と8時)に非浸潤がん(DCIS)、右〈12時)に浸潤がん〈ステージ1、グレード)があると診断されました。
外科医から、両乳房とも全摘出(およびセンチチネルリンパ節摘出)と言われており、「温存手術は考えられない」と言われておりますが、日本ではかなり進んだがんでも温存手術をする傾向にあると聞いています。3月中にこちら(アメリカ)で手術をし、帰国後は日本で治療を続けるつもりでしたが、後から「(日本でだったら)全摘出するまでもなかったのに」と言われたら大変後悔すると思い、日本に帰ってから治療を開始することも考えるべきか迷っています。

1) 日本で温存可能なものがアメリカでは全摘出といわれる可能性はありますか?
2) 日本に帰国後(4月初旬)から治療を開始するとなるとMRI、生検などがすべてやり直しで、手術時期が大変遅くなるかと思います。日本での手術は考えない方が良いでしょうか。
3) 温存が可能なのに全摘出をした場合のメリットはありますか?
4) 全摘出しかない場合、同時再建を希望していますが、こちらの医師からは「身体が小さいので筋皮弁法は無理。エクスパンダーを入れた後にインプラント法になる」と言われています。私は身長154Cm、体重54Kgで、日本人としては特に小柄でもないと思うのですが、日本の基準でも、左右同時の筋皮弁法再建は難しいと言われる可能性は高いでしょうか。

以上です。よろしくお願いいたします。

左の非浸潤癌については、病変が広範なようで、温存術は難しいのかも知れません。右については通常の浸潤癌であれば、日本のガイドラインであれば3cm以下なら乳房温存は可能なことが多く、StageIということであれば、乳房温存手術が可能かも知れません。日米の違いというよりも、病院による違いもあるかも知れませんので、疑問があればセカンドオピニオンを受けてみてはいかがでしょうか。また、MRIや生検標本を持ち帰ることが可能であれば、帰国後手術も可能かも知れません。乳房全摘のメリットとしては、乳腺を全て切除するので局所に再発するリスクは低くなり、乳房温存術後に必要となる乳房照射は不要であるということです。
両側同時に筋皮弁による再建は体格はあまり問題にならず、技術的には可能ですが、正常部位への犠牲が大きくなることと、ボリュームが十分に得られないことよりあまり勧められず、やはりインプラントによる再建が望ましいと考えます。異国の地でのご病気で不安なことと思いますが、少しでもお役に立てればと思います。(文責 浜口)

 

No.8737-2】  09年04月07日   T.N.
アメリカと日本の治療の違いについて(2)

丁寧なお返事を頂きありがとうござざいました。温存と全摘の違い、再建について良く分かりました。その後に、遺伝子検査でBRCA2が陽性と出たため、右も温存はあきらめるべきだろうと気持は固まりました。そこで、重ねて意見をお尋ねしてもよろしいでしょうか? 右側の浸潤がん(2.5センチ)はStage 1(もしくはStage 2)で、Gradeは3と言われています。よろしくお願いいたします。

1) 全摘の手術方法についての質問です。こちらでのセカンドオピニオンの医師から、Skin Sparingという方法(スキンを出来るだけ残すように小さめの穴を開けて中をくり抜く方法)を説明されましたが、主治医サイドから「バイオプシーの傷があるので、その方法は良くないかもしれない」と言われ、少々困惑しています。バイオプシーは両胸で4か所しました。傷のせいで表皮にがんが残る可能性があると言っているように理解しましたが、この理解であっているでしょうか。Skin Sparingというのは、どのような場合に行われる方法ですか? 私に適合しない方法とお考えになりますか?
2) 日本に戻って手術する場合の時間的リスクについて質問です。右の浸潤がんは2.5センチでした。こちらのセカンドオピニオンの医師からはステージ2と言われました。バイオプシーでは周囲のリンパ腺には流れ出ていないとされています。MRIと生検標本は日本に持ち帰れると思います。日本に戻ることで3か月手術が遅くなっても、リンパ移転のリスクについては気にするほどではないのでしょうか?
3) BRCA2陽性の結果から卵巣摘出を奨められています。日本でするとしたら、この手術は健康保険の対象になりますか?

以上です。大変長くなり申し訳ありません。最後に、頂いたメールで励ましの言葉をかけて頂き、大変に勇気づけられました。ありがとうございました。

1) バイオプシーを行った皮膚周囲から再発することはありますが、非常に稀です。学会などで話題になることもあるのですが、「1.稀であるから、通常通り皮膚はすべて残す先生 2.稀ではあるが、念のため針穴や切開創もきちんと切除する先生」と、分かれているようです。どれがよいとは一概には言い切れないところです。
2) 主腫瘍が切除された摘出生検後の手術のタイミングに関しては、かつて議論があったところです。以前は生検後は早々に手術するのがよいといわれていましたが、現在は「あわてる必要はない」というのがコンセンサスになっているようです。
3) まず保険適応外になると思われます。さらに言えば、日本では、BRCAに変異があることを理由にした乳房切除は通常行われていません。こういう状況から、卵巣切除をためらう婦人科医が多いのではないかと推察いたします。(文責 河原)

 

No.8736】  09年02月24日   DE
ホルモン療法の副作用について

初めてご相談させて頂きます。昨年の11月に右を全摘しました。リンパへの転移なし、HER-2マイナス、ホルモンレセプターは両方プラスの、5センチの粘液癌でした。12月よりリュープリン+ノルバデックスを始めましたが、1月中旬から右の腿に押すと痛みがあり、日に日に痛みが増してきて、足を引きずって歩いていました。診察の日に聞いてみたところ、あまり関係ないと思うのでバンテリン等を塗って様子を見るよう言われました。塗り始めて4日くらいで、痛みはかなり治まり普通に歩けるようになりましたが、押すと痛いのは治らず、そのうちに腿の膝近くも押すと痛くなり、今は、最初に痛かった場所はどんなに押しても痛まず、膝近くの腿は日に日に痛くなっています。さらに右胸の下、肋骨の当たりも押すと痛い場所があり、ブラのアンダー部分が当たるので、ブラをするのがつらいです。また、わき腹の少し背中よりも一箇所押すと痛いところがあります。右の背中も凝ったような症状が続き、痛いときもあります。ホルモン療法により、関節部分ではない場所が痛む場合もあるのでしょうか? 粘液癌だったので転移の心配はあまりしていなかったのですが、骨転移の可能性はありますか?  ご多忙中恐れ入りますが、ご回答の程よろしくお願い致します。

ホルモン療法の副作用の可能性も否定はできませんが、骨、関節の痛みはありますが、軟部組織の痛みはあまりありません。皮下の静脈に血栓ができて、つっぱるような痛みが出たり、押すと痛かったりすることはありますが、痛みの部位に筋が硬く触れるようなことはないでしょうか。
骨転移による症状だとすると、痛みの部位がどんどん変化していくことは考えにくいので、あまり心配はしないでよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.8735】  09年02月22日   MF
70歳以降の検診

70歳の義母ですが、2年前に乳がん検診を受け問題ありませんでした。この2年間の間にパニック障害になり、薬を服用して落ち着いているのですが・・・。前回の検診から2年たったので、「乳がん検診に行く」と言っています。しかし、乳がんがみつかっても告知しないでほしいと言われ、困っています。去年乳がんの手術治療を経験した私からみると、がんがみつかった場合の本人のショックと、進行の遅めの乳がんで、70歳以降も検診が必要かどうか?を考えると疑問に思ってしまいました。ご意見をお聞かせいただけませんでしょうか? 私が乳がん患者1年生なので、いつも相談室を参考にさせていただいています。よろしくお願いいたします。

乳がんが見つかった場合に告知するかは別にして、70歳でも乳がんを発症することは少なくなく、また平均余命も19年ほどありますので、早期発見のために乳癌検診を受ける意義はあるのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.8734】  09年02月22日   M
骨転移について(2)(HPNo.8720-2)

先日は、ご回答ありがとうございます。HPNo.8720で相談した者です。抗がん剤は、いっときしか効いていなかったようで、痛みもしびれも増してきています。もう、ホルモン剤は使いきり、使用していない抗がん剤も、あまり残っていないのですが、医師からは、ストロンチウム89の検討を勧められています。ストロンチウムを使っているうちは抗がん剤は使用できないそうです。私は抗がん剤をやめて、内臓転移がおこり、骨転移が進むのが怖いのです。日ごとに病勢が進んでいるのを感じています。医師の勧めに従いストロンチウムでとりあえず痛みを抑え、抗がん剤は内臓に転移した時に残しておいたほうが良いのでしょうか。

ストロンチウム-89は、内服や放射線治療で十分に効果のない骨転移による痛みの緩和のために有効な治療です。確かにストロンチウムは抗がん剤治療と同様に骨髄抑制の副作用が出ることがあるので、抗がん剤治療中には注意が必要で、休薬が必要になることもあります。現在痛みが最も辛い症状であれば、投与後1-2週間で効果が出てくるストロンチウム治療は有効な選択肢のひとつと考えます。(文責 浜口)

 

No.8733】  09年02月22日   Y
女性化乳房

女性化乳房について相談です。現在26歳男で、10年ほど前から胸が膨らんできました。女性でいうとAカップくらいあると思います。ずっと悩んでいて、「女性化乳房」だと最近知り、病院に診察にいきたいと思っているのですが、乳腺科がある病院のサイトを調べると女性向きの紹介ばかりです。女性化乳房に理解のある医師のいる病院はありますか? 名古屋に住んでいます。

女性化乳房の診断、治療については乳腺外科を標榜している病院であればどこでも対応可能であり、心配ないのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.8732】  09年02月20日   M 
術前治療と今後について

2度目のご相談です。前回の入院についての相談時から事情がかわり、術前抗がん剤投与となりました。FEC4クール終了し、CTなどで3センチ以上あった胸のしこり(石灰化)と、リンパ節のしこりも、ほとんど消滅したかにみえるそうです。しかし、ハーツー陽性のため、パクリタキセルとハーセプチンの毎週投与12回が始まりました。効果が見られた抗がん剤を切り替えて、またしこりが大きくなることはないのでしょうか。また、このまましこりがCTなどで確認できない状態になった場合、手術はどうなるのでしょうか。万が一手術をしない場合、再発率が高くなることはないのでしょうか。まだ今回の治療が始まったところで気の早い質問かもしれませんが、いろいろ変わる自分の状況に戸惑いながら、対策を考えていきたいと思っています。よろしくお願いします。 

術前化学療法で一時縮小した腫瘍が再度増大する可能性はないわけではないですが、その場合には化学療法を中断し、手術を施行することもできますので、あまり心配しないでよいのではないでしょうか。化学療法がよく効いて、画像上腫瘍が消えたとしても、細胞レベルでがんが残っていればまた増大してくるので、基本的には手術は必要です。(文責 浜口)

 

No.8731】  09年02月20日   H
術後の治療法について

69歳の母のことで相談させてください。H21年2月12日に左胸乳がんの切除と、リンパ節の郭清度はレベル2まで手術でとりました。術後の検査結果は、充実腺管癌で、リンパ転移が2個、細胞の形が悪く、エストロゲンレセプターは陽性、ステージはUbと判定されました。医師からは、「これからの治療は、ホルモン治療、抗がん剤治療になるが、年齢的に副作用に耐えられるか等のリスクがあるために、このような治療を受けないことも選択肢の1つだ」と言われました、このような場合、ホルモン治療、抗がん剤治療を受けさせるべきなのでしょうか(家族としては少しでも再発のリスクを少なくし、完治させてあげたいと考えています)。もしこれらの治療を行って副作用がひどく、治療を途中中止した場合、がん細胞が薬に対して耐性を持つなんてことはないのでしょうか。

高齢化社会となるにつれて、高齢者が手術や抗がん剤治療を受けるケースが増えてきています。69歳であれば、特別なご病気が他にないのであれば、若い人と同様の治療を受けることは可能です。適切な術後補助療法により、再発のリスクは約半分になりますので、是非前向きに検討すべきではないでしょうか。再発予防の治療では抗がん剤耐性のことはあまり考える必要はないと考えます。(文責 浜口)

 

No.8730】  09年02月20日   F 
ハーセプチンについて

ハーセプチンとホルモン療法について教えていただきありがとうございました。 
2005年9月上旬手術ステージV、悪性度V、HER2+3、下旬AC療法4サイクル 12月中旬AC療法終了
2006年2月下旬ドセタキセル単独療法4サイクル開始5月終了
2006年7月ノルバデックス10mg服用開始〜12月10日、タスオミン20mg12月11日〜2008年3月20日.
2008年3月21アリミデックス1mg〜5月(フェマーラ30日服用も副作用がひどく断念)、再アリミデックス1mg〜現在2009年2月
2008年10月21日ハーセプチン療法開始、初回8mg×体重 21日間隔 2回目以後6mg×体重〜現在も治療中です。
AC療法、転院して、2ヶ月後ドセタキセル、さらに、2年5ヵ月後ハーセプチンと、化学療法の間隔がかなり離れているのですが、効果は変わらないのでしょうか? 先生は、「癌細胞が全身に飛び散っているとして、又現在、全身に散っている癌が休眠中という想定で治療します。」と言われました、骨シンチ2008年7月異常なし、マーカーCEA、2006年2月27日(0.7)、8月14日(1.3)、12月(0.8)となっていました。現在明らかな転移は確認されませんと言われました。ハーセプチンは今年10月で1年になりますけど、その後延長するほうがいいのでしょうか。よろしくお願いします。

2年5ヶ月後にハーセプチンを開始して効果が同じかについては、そのようなデータはなく、はっきりしたことは言えません。一般的にはハーセプチンを追加することにより再発のリスクを約2/3に減らすことができ、現在のところは1年間投与が標準と考えます。(文責 浜口)

 

No.8729】  09年02月20日   G
乳癌と妊娠について

初めて質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
私は34才、現在妊娠三ヶ月です。25才で乳がんになり 温存療法で手術しました。癌は0.8ミリ、リンパへの転移は無し。一年間ゾラデックス、二年間ノルバデックスを飲みました。放射線治療はしませんでした(ステージいくつか等の詳しい事は聞いてないです)。この夏で丸9年・・・。若くして乳がんになった人、乳がん後の出産経験者があまりいない様なので、漠然と不安です。担当医に相談したところ、9年経ち、落ち着いているので、出産後 検査に来るか、心配なら、安定期に入ってから超音波検査を数回うける形か、どちらかでよいと言われました。乳がんの手術後に妊娠するということは危険なことなのでしょうか? 妊娠中、どこまで検査が必要なのか? お考えを教えていただけたらと思い質問させていただきました。つたなく、分かりにくい文章で恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

以前は妊娠・出産が乳がん再発のリスクを高めるのではないかと考えられた時代もありますが、現在では妊娠・出産は乳がんの再発を増やしたり、悪影響が出ることはないと考えられていますので、安心して下さい。検診も通常通りでよいと考えますが、もし検査をするのであれば、マンモグラフィは勧められませんので超音波検査を受けたらよいと考えます。(文責 浜口)

 

No.8728】  09年02月20日   N
再エコー

数年前に貴HPに相談させていただいたことがありますが、今回また気になることが出て参りましたので、ご相談させていただくことにいたしました。よろしくご教示お願いいたします。
私は現在41歳、3児の母です。第1子・2子は10歳・8歳で、3子は1歳6ヶ月です。第2子の出産後、34歳より乳がん検診を毎年受けていたのですが、第3子妊娠4ヶ月頃(平成19年3月)に検診を受けて以来、授乳中ということもあり検診できず、昨年12月末に久しぶりに検診を受けてきました。10月末から11月上旬にかけて断乳し、母乳もほぼ止まったので(もういいかな)と思い受診しました。検診先は自宅近くの産婦人科です。月に3回県内の成人病センターから乳腺専門の先生が来られるのですが、その先生ではなく婦人科の先生に診ていただきました。その折、マンモグラフィとエコー視触診の結果、エコーで異常を指摘されました。マンモグラフィはカテゴリーT、視触診でも異常はないとのことです。エコーの所見ですが、左側外側上部に4ミリほどの白い部分(私も見せていただきましたが)があり、「しこりがある」とのことでした。その先生の表現では、「おそらく乳腺のむくみだと思いますが…」とのことでした。そこで「3ヵ月後に再エコーをし、変化を見ましょう。」と言われました。次回受診も無理に乳腺外来でなくても、こちらでも診れますよ、とのことでした。

1) メールだけで実際に画像を診られているわけではないので、あくまで可能性で結構ですが、こういう場合、この「しこり」は何であると考えたらよいのでしょうか?
2) 1と重なりますが、断乳直後ということが何か関連している可能性はありますか?
3) 「3ヶ月後に再検査」というのは期間的にすぐという印象があるのですが、この間隔は、あまり楽観できないという意味なのでしょうか?
4) 今後のフォローとしてはどうなるのか教えて下さい(大きくなった・変化なし・小さくなった、それぞれについて)。

以上4点お願いします。あまり気に病む必要も無いかな、とは思いますが、子どもも小さいですし、40歳を過ぎているので、気にならないと言えば嘘になります。次回3月中旬には乳腺外来を予約しているのですが、それまで漫然と過ごすのも不安なので、相談することにいたしました。よろしくお願いしたします。

確かにメールだけではわかりませんが、多くの乳がんはエコーでは黒く写りますので、乳がんの可能性は低いのではないでしょうか。正常乳腺の一部を見ているのかも知れません。乳がんの可能性もゼロではないので念のために3ヶ月後に再検査ということではないでしょうか、大きくなるようであれば精密検査が必要ですし、変化内容であれば、あまり心配しないで通常の乳がん検診でよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.8727】  09年02月20日   S
肝多発転移でのホルモン剤と抗ガン剤

多くの先生方の丁寧なご回答に本当に頭が下がります。充実した内容を拝見し、現在入院中で肝転移による腹水に苦しんでいる73才の母についてもご意見を伺えれば幸いとメールさせて頂きました。宜しくお願い申し上げます。
2003年8月に右乳房に乳がんが見つかり全摘、ホルモン陽性だったため、その後フェアストン1日1錠をずっと続けていましたが、2006年からマーカーの増加が続き、秋に多発骨転移が判明。翌年1月に腰の痛みを押さえるため放射線照射。ゾメタ併用をお願いしましたが使用せず。その後も腰・あばら骨の痛み等が出て、2007年11月、2008年8月と更に2度の放射線照射。途中放射線科の先生とも相談した上、主治医に更に数回依頼をし、ゾメタ使用。以降骨の痛みの発生はありません。また母はホルモン陽性のため、「命に関わる状態になるまでは抗ガン剤はしません」と、ずっとホルモン剤のみで対応。骨転移判明後にアリミデックス→フェマーラ→ノルバデックス(全て1日1錠)と変えてきましたが、2008年6月に多発肝転移したため、8月末から抗ガン剤治療開始。10月末までECを4週間毎に3回続けましたが効果が出ず、11月末にタキソテールを1回するも、1週間後の外来で白血球がかなり減り、即入院。ECでも白血球はその都度かなり減っており、毎回投与1週間後に入院し、状態管理をして頂いてました。タキソテール投与1週間後のマーカーはCA15が160、CEAも同等の高い数値になり、その頃には肝転移のため、お腹が前に突き出るほど腹水が溜まってきてしまいました。抗ガン剤は効果なしとのご判断で中止し、2008年12月中旬にヒスロンに変更しました。「胃からの出血もあるため更に別の抗ガン剤はやめた方がいい、これで効果がなければ厳しい」とのこと。しかしその翌月である今年1月6日のそれぞれのマーカーは、一気に半分〜1/3にまで改善したため、その勢いで2週間後にはヒスロンを2錠の倍量にしました。しかし喜んだのも束の間で、腹部に復調の様子はあまり見られず、やはり今月3日には再びマーカーが12月の値にまで戻ってしまいました。お腹があまりに苦しく、1月末から3週にわたって腹水を抜いています。そこで先週木曜からフェアストン3錠にしましたが、今朝2月17日の採血では、先週より更に赤血球、肝機能の数値なども悪くなっており、先生からは「予後はかなり厳しい」と言われました。また胃からの出血も、細胞診では癌と出てないが、通常の胃潰瘍なら治る薬でも治ってこない状況のようです。本人は横になっていればかなりいいが、お腹が苦しいらしく、話したりトイレや食事の後には相当辛そうです。苦痛が殆どないということでホルモン剤をしていますが、相当お腹が辛い現状なら、まだ試してない抗ガン剤であるゼロータやナベルビンを使用できないかとも思います。
状態が良くないのは承知していますが、不安と後悔したくない気持ちで、たまらず質問させて頂きました。説明不足の点、分かりにくいことも多く、的を射た質問ではないのかもしれません。マーカーも紙面で持ってないため数値がはっきりせず、また長文で申し訳ありません。恐縮ですが以下の質問と他にどんなことでもアドバイスを伺えれば有り難く存じます。宜しくお願い申し上げます。

1) 1月頭にマーカー値が半減以上したのは、やはりヒスロンの効果だったのでしょうか?そうだとしたらすぐにヒスロンを倍量にしたのに、翌月にそれほど急激に数値が倍増し元通りになるものでしょうか?
2) 11/26に投与したタキソテールの効果は1週間後の12/3のマーカーにすぐ反映するものですか?1/6のマーカーが下がったのがタキソテールということは考えにくいでしょうか?
3) フェアストン→アリミデックス→フェマーラ→ノルバデックス→抗ガン剤2種→ヒスロン→ヒスロン2錠→フェアストン3錠、とホルモン剤を続けましたが、他に試せるホルモン剤はありますか? アリミデックスやフェマーラがダメでしたが、同じタイプのアロマシンも試す価値はありますか?
4) 主治医の先生からは、ECもタキサンも効かない場合はゼロータもナベルビンも効かない、と言われましたが、やはりそうなのでしょうか?
5) 仮に効果があるとして、このような辛い状態で年齢も考えると抗ガン剤は適用でないと言われました。肝転移し腹水も抜いてもたまってしまう状態で抗ガン剤を考えること自体が無理なのでしょうか?
6) 仮に効果があるとしての質問です。『ナベルビン』『ゼロータ』『2つの併用』、の3種類の効果と副作用を比較した場合、どれをどのように考えたら良いでしょうか? 過去の相談には「2つの併用が副作用も比較的少なく、効果も割りとある」というような内容がありましたが、母のような状態の場合にも当てはまるでしょうか?
7) もし抗ガン剤が無理なら、こういう状態でも打てる手は他に何かありませんでしょうか?

TMが一時的に低下したのは治療の効果と考えられますが、ヒスロンが効いた可能性もありますし、タキソテールの可能性も考えられると思います。いずれにしろ長期に治療を続けていると治療が効いている期間を長く維持することは難しくなってきます。ECやタキサンを使用した後に抗がん剤を投与しても効果がある可能性は20%前後であり、副作用とのバランスを考えて治療を進めていく必要があります。実際に診察したわけではないのではっきりしたことは言えませんが、文章から察するにお母様の病状はかなり進行しており、肝機能障害も出てきているようですから、抗がん剤治療はお勧めできません。患者さんの症状をやわらげてあげる治療(Best supportive care)を中心にやっていく時期であると考えられます。Best supportive careも抗がん剤治療と同様に患者さんにとって有益な癌治療のひとつです。ご家族も大変ですが、お母様の病状を受け入れて、残された時間を大切に過ごすことを考えていかれてはいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.8726】  09年02月20日   T.I
DCIS手術待ちの期間

私はDCISと診断されてから既に3ヶ月が経過しています。急を要さないため、手術の順番待ちで、不慮の事故などがあれば手術が遅れることは了承していますし、もちろん急を要する方々を優先していただきたいです。一般的に手術待ちの期間はどれくらいなのでしょうか? また、一般的に入院連絡はいつごろにいただけるものなのでしょうか?
今はDCIS、採取した細胞から浸潤性の癌細胞が1つでも見つかれば、治療方法なども要検討、乳頭を残せない可能性が高く、再建手術が必要になるかもしれないなど、不安と恐怖を抱えているので、ふとしたときに精神的に辛くなることがあります。病院側に仮予約まで2週間を切っても連絡が無いので、こちらから問い合わせしたところ、早くて入院の前日か当日に連絡するといわれました。常識的に仕事を長期に休むには前もって報告すべきで、突発で長期休んでも、戻って仕事をしづらくなる可能性もあり、そこに片胸を失うかもしれない、再発するかもしれない、浸潤性癌が見つかるかもしれないという不安と恐怖と闘いつづけなければなりません。医師や看護師の皆さんは多くの患者さんを見てきて、DCISは大したことがないと思われていますが、患者側は決して慣れているのではなく、不安で仕方がなく、将来を悲観することさえあることを理解していただけているのでしょうか?
同じように手術の順番待ちをされている患者の方は、どうやって不安や恐怖を克服しているのでしょうか? 不安や恐怖と共に過す手術までの待機時間をどのように過せば良いのか、私と同じ不安を抱いている皆さんにもアドバイスがあったらお願いします。

診断から手術までの待ち期間は1-3ヶ月程度が一般的と考えられ、入院連絡については予約の時点で手術日を決定する病院もあれば、手術の数日前に連絡する病院もあり、各病院でまちまちなのが現状です。確かに告知されてから手術までの間は患者さんにとっては非常に不安で、なかにはうつ状態になる方もいらっしゃいます。最近は精神面でのケアの重要性が言われるようになり、チーム医療や精神科医のかかわりや患者さん同士が語る場を作ることにより、患者さんの不安を少しでも軽減するような試みがされていますが、まだ十分とは言えません。まずは不安な気持ちを抱え込まないで、主治医に相談してみてはいかがでしょうか。話をするだけでも少し不安は解消されるかも知れませんし、一時的に抗不安薬などを使用することもよいかも知れません。(文責 浜口)

 

No.8724】  09年02月18日   F 
手術時期について

初めてメールさせて頂きます。先日しこりを発見し検査を受けたところ、「しこりの大きさ1.8cm、乳癌(T1), GRADE 1〜2(NG2, HG1), DCIS (-)」 と判断され、乳房温存手術を受けることになりましたが、手術の日程が2ヶ月先になっています。乳癌はそれほど進行が早いものではないと言われていますが、検査結果に約1ヶ月近く時間がかかり、これでは早く発見できても手術までに結果として3ヶ月要することになり、進行してしまうのでは?と不安になって居ります。手術の繰上げをお願いすべきか、ご意見伺いたくお願い申し上げます。 

一般的には乳癌は長い年月を経てしこりを形成してくると考えられており、3ヶ月で急に進行してしまう可能性は低いと考えます。多くの患者さんが集まり、多くの手術を行っている病院ほど手術までの待ち期間が長い傾向にあり、1-3ヶ月程待つ病院が多いのではないでしょうか。待ち期間が長いと進行してしまうのであれば、多くの手術を行っている病院ほど再発率が高いということになってしまいますが、そんなことは決してありません。心配はいりません。(文責 浜口)

 

No.8723】  09年02月18日   A.K. 
乳がん手術について(HPNo.8502-3)

HPNo.8542でお世話になりました。回答ありがとうございました。とても感謝しています。
2008年12月9日に乳がんの手術を受け、放射線治療も、この2月10日に終了しました。これからホルモン療法を受ける予定です。
術中迅速診断では、
1)センチネルリンパ節 悪性所見は認められません。
2)乳頭側断端 invasiveな病変については認められません。

術後の病理検査では、
Invasive ductal carcinoma,scirhous carcinoma,pT1c,f、modified Bloom-Richardson grade は intermeditate grade、組織学的腫瘍径1.4cm大で周囲断端はすべて陰性。(Level1:0/4)、ER>90% PgR<1% HER2陰性、腺管形成傾向:3、核異型度:2、核分裂像:1 。

1) 日本乳がん学会編「乳がん診療2006年度版ガイドラインの解説」には、「手術前の画像診断等で転移が無いと判断され、センチネルリンパ節生検で転移が無いと判断された場合はリンパ節の郭清を省略できると」とあるのですが、この条件を満たしていても、腋窩リンパ節のレベル1を郭清するというのは通常よく行われるのですか?
2) 日本乳がん学会編「乳がん診療2006年度版ガイドラインの解説」には、「CNBに関しても、たとえ針が通過した部分にがん細胞が残っても、その細胞は自然に死滅してゆくと考えられています」とあるのですが、担当医は針が通過した部分を手術の際に切除しました。通常このようなことは、よく行われるのですか?
3)adjuvant onlineというサイトがあると聞いたのですが、adjuvant onlineでなくても何でもよいのですが、再発率、生存率を教えていただけませんでしょうか。

お忙しい所申し訳ありませんが、宜しくお願いいたします。

1)  診療ガイドラインの通り、センチネルリンパ節生検でリンパ節転移がなければ腋窩郭清は省略するケースが多いと考えますが、状況によっては郭清するケースもあると思われます。主治医に聞いてみたらいかがでしょうか。
2) 確かに死滅していくケースが多いと考えますが、針穴から再発するケースの報告もあります。実際には整容性にあまり影響がなければ針が通過した部分も一緒に切除することは、治療として妥当であると考えます。
3) Adjuvant onlineによれば、ホルモン療法治療で10年間の再発率は9.2%、生存率は89.9%(再発による死亡率は4.6%)です。(文責 浜口)

 

No.8722】  09年02月18日   R.M.
他医師での検査後(HPNo.8622-2)

お世話になります。毎回ご返答をして頂き有難うございます。
その後、摘出生検をする前に別の医師に診断をしてもらおうと思い、別の病院(乳腺専門医のクリニック)に行きました。今から1か月前の事です。医師に今迄の経過を説明、触診、マンモ、超音波をして位置を確認して頂きました。超音波で画像を見ながら触診で位置確認をして、直ぐに針を刺して(注射器ですくい上げる)細胞診の検査をしてくれました。別の3mmは嚢腫、又、しこりが8mmと小さいので取れてないといけないとの事なので2度針を刺しました(2回分)。
一週間後の検査結果は線維腺腫で、クラスU、良性だった(1月中旬)と言われましたが、3か月で5.6mmから8mmに大きくなるところが気になるとの事と、針に当たらない部分に悪性腫瘍がある場合もあるとの事で、2月初旬に摘出生検を行いました。術後、部分麻酔で摘出した腫瘍を拝見後、部分的に触ってみると下の方に硬い部分がありました。
今週火曜に術後1週間の検診と検査結果を聞きに行き、悪いものがあったと言われました。一瞬、頭が白くなり、力が抜けてしまいましたが、あのまま前の医師のもと 3ヶ月後では変化がないので半年後に再検査に来て下さいと言われ行っていたらと思うと・・・、今回、他医師に行き検査をして良かったと思います。クリニックの医師より紹介状を頂き、2日後の昨日、総合病院に行き、紹介をされた医師より初期の癌と言われました。
「手術の予約は3ヶ月先の5月まで予定が決まっているが、その間に予定を組む。その術前にCT検査、MR検査、呼吸機能検査をして他に転移がないか調べる。取ってしまった悪いもの8mmをどのようなタイプかを調べておく。」と言ってました。入院期間は1週間で、翌日から職場復帰OK(デスクワーク系の仕事なら)と言われました。癌のステージ、タイプによって治療方法は異なると思いますが、私のような場合の治療方法、術後、病院に行く回数、期間 (放射線等で通院回数、又は日数及び かかる時間等、)を目安で構いませんので教えて下さい。また日常生活で気を付ける事などありましたら教えて下さい。よろしくお願いします。

8mmの浸潤癌で他に転移がなく、早期癌で乳房内にも広範に広がる病変がなければ、乳房部分切除(生検した場所の周囲を切除)及び、センチネルリンパ節生検が可能ではないでしょうか。術後経過良好で化学療法が必要なければ、術後4週間前後で約5週間で25回の放射線療法が必要で、その後は徐々に通院頻度は減り、5年目までは3-6ヵ月毎の通院、10年目までは6-12ヶ月毎のfollow upが一般的と考えます。傷が落ち着けば、日常生活ではそれ程制約はなくなります。(文責 浜口)

 

No.8721-1】  09年02月16日   N
センチネルリンパ節同定法について

いつも参考にさせていただいております。乳房温存手術を控えているものです。センチネルリンパ節生検を予定していますが、RI法+色素法併用と蛍光法+色素法併用では、同定の確立はどの程度違ってくるのでしょうか? 主治医は、RI法+色素法併用から蛍光法+色素法併用に切り替えて実施しているようです。よろしくお願い致します。

蛍光法は、まだ標準的な方法ではありません。従来の方法と同様に扱ってよいのかはっきりしていないと思います。(文責 徳田)

 

No.8721-2】  09年03月18日   N
抗がん剤について

毎回お世話になって、感謝しております。HPNo.8721他で相談させていただいたものです。病理結果が出ていませんが、抗がん剤治療を開始すると言われました。3週毎FEC×4回、その後続けて、3週毎パクリタキセル×4回、病理結果にて、ハーツー:3+であれば、パクリタキセルと併用して、ハーセプチン投与となる予定です。質問ですが、抗がん剤はかなり高価ですが、病院によって、薬代に差があるのでしょうか? 

予定の組み合わせ(レジメン)であれば、あまり差がありません。すべて、乳がんの保険適応が通っているレジメンです。ただし、FECのE;エピルビシンやパクリタキセルは、ジェネリック(後発品)が発売されているため、それらジェネリックを採用していれば病院によって差が出てきます。また、病院が外来化学療法センターを開設して治療を行う場合、病院はいくつかの加算が請求できます。外来化学療法加算500点、無菌調製加算150点です。薬代ではありませんが、治療代として請求されます。(文責 緒方)

 

No.8720-1】  09年02月16日   M
骨転移

現在、骨転移で治療中です。転移して4年になりますが、2ヶ月ほど前から脊椎の一番下の骨転移が大きくなってきて、放射線も1回3グレイ10回したのですが、臀部や足のしびれがひどく、つらい状況です。抗がん剤は、エピルビシン40rを3週間続けてして1週間休みという治療をしています。現在3クールめで、マーカーは下がってきたのですが、しびれは全くよくなりません。痛みはオキシコンチンやロキソニンで抑えられていますが、なんとかしびれをとる方法はないでしょうか。

痛みをとることで、感覚がなくなり、しびれているようにも思います。そうであれば、付き合っていくほかないように考えます。痛みに近いものであれば、鎮痛剤を増量してみるのも一法です。(文責 徳田)

 

No.8720-2】  09年02月22日   M
骨転移(2)

先日は、ご回答ありがとうございます。HPNo.8720で相談した者です。抗がん剤は、いっときしか効いていなかったようで、痛みもしびれも増してきています。もう、ホルモン剤は使いきり、使用していない抗がん剤も、あまり残っていないのですが、医師からは、ストロンチウム89の検討を勧められています。ストロンチウムを使っているうちは抗がん剤は使用できないそうです。私は抗がん剤をやめて、内臓転移がおこり、骨転移が進むのが怖いのです。日ごとに病勢が進んでいるのを感じています。医師の勧めに従いストロンチウムでとりあえず痛みを抑え、抗がん剤は内臓に転移した時に残しておいたほうが良いのでしょうか。

ストロンチウム-89は、内服や放射線治療で十分に効果のない骨転移による痛みの緩和のために有効な治療です。確かにストロンチウムは抗がん剤治療と同様に骨髄抑制の副作用が出ることがあるので、抗がん剤治療中には注意が必要で、休薬が必要になることもあります。現在痛みが最も辛い症状であれば、投与後1-2週間で効果が出てくるストロンチウム治療は有効な選択肢のひとつと考えます。(文責 浜口)

 

No.8720-3】  09年03月07日   M
骨転移(3)

HPNo.8720でご相談した者です。骨転移の圧迫で、排尿障害などがおこるかもしれず、抗がん剤を続けることになりました。私は、10年前に、、リューブリン、エンドキサン+5FU療法で、一旦骨転移が消え、4年前に再び骨転移が現れ、それ以降、ホルモン療法、ゼローダ、タキソール、エピルビシン単独療法と続けてきました。エピルピシン単独で効果なかった場合、FEC療法で効果が期待できるのか、お考えをお聞かせください。

FEC療法はエピルビシンに5FUとエンドキサンを組合わせた療法です。以前にエンドキサン+5FUが奏効した可能性がありますので、効果はある程度期待できると思います。実際に試してみるのが良いでしょう。(文責 吉田)

 

No.8719-1】  09年02月16日   K.S.
局所再発率、転移の可能性について

58歳、昨年12月下旬に左乳房温存手術をしました。術前の説明では、「非浸潤癌、腫瘍の大きさは0.4cm、 0期、 温存手術適応内、リンパ節摘出なし」で、リンパ生検はしませんでした。術後の病理組織診断結果では、乳頭腺管癌(乳管内成分優位の浸潤性乳管癌)(pTla, g,ly0,v1,NG1,HG1、G1)  ER+、 PR+, HER2−。病理組織所見では、部分切除された左乳腺腫瘍をほぼ全割で検査した結果大部分がコメド壊死や石灰沈着を伴った乳管内癌ですが、一部で癌胞巣の間質浸潤がわずかながら認めます。乳頭腺管癌に相当、癌は乳管内に広範に進展しており、内側追加切除された乳腺組織にも乳管内癌の進展を少量ながら認めるとあります。「乳腺:乳房円状部分切除  大きさ:0.1×0.1cm  脂肪浸潤;f(−)、皮膚浸潤;s(−) 乳管内進展;(++)  切除断端への波及(+) 」と診断結果を受けました。
今後の治療としてホルモン療法(フェマーラを服用開始)、2月末より放射線治療を受ける予定です。(放射線科をまだ受診してませんが、主治医からはトータル30回と説明がありました。)
リンパ生検をしていないことや、病理組織診断結果から、局所再発率、転移の可能性について、ご意見をお聞かせ下さい。また、追加切除や全摘をしたほうが良いのでしょうか。主治医からはそのような話はでていませんが、こちらからお願いすることなのでしょうか。お忙しいところ申し訳ありませんが、宜しくお願いいたします。     

最終的な腫瘍浸潤径は、1mmということですので、ほぼ微小浸潤癌に等しい状態です。おそらくリンパ節転移はないと思われます。また、転移の可能性もほとんどないと考えます。ただ、局所再発率は、断端が陽性ですので、放射線照射しても少し高いと思います。追加切除が可能であれば行った方が良いと思います。全摘するかどうかは、がんが取り切れるかどうかによります。主治医とご相談ください。(文責 徳田)  

 

No.8719-2】  09年06月15日   K.S.
放射線治療後の症状について

2度目の相談になります(HPNo.8719)。 2月下旬より、放射線照射25回+追加照射5回をして、4月3日に終了しました。直後、一般的副作用と言われている、日焼けのような皮膚症状、腫れ、患部の熱感の症状がありましたが、2ヶ月過ぎた現在も追加照射した部分が熱を持って熱く感じます。担当の先生には、「このような症状が半年位続く人もいる」と言われましたが、心配です。少し赤みはありますが、痛みはありません。先生のご意見をお聞かせ願います。宜しくお願いいたします。  

主治医のいう通りだと思います。あまり心配せず経過を見ていて大丈夫です。(文責 吉田)

 

No.8718】  09年02月16日   S 
体重の増加について(HPNo.8510-2)

No.8510で関節のこわばりについて質問したSです。答えていただきありがとうございました。とても安心しました。救うてだてがあるとわかり気持ちが落ち着きました。自分なりに運動を続けたり、暖めたりと、これ以上ひどくならないように出来る範囲で努力するようにしました。良くはならないのですが、前ほど気にしなくなりました。
私は51歳です。2007年11月右乳房切除5センチ、抗癌剤EFC6回、2008年5月ノルバテックス服用ゾラデックス月一投与の患者です。今まで後ろ向きだったので、主治医の話も頭に入ってなく、今更ですが、お聞きしたいのです。診察の時に体重の増加がないか、いつも聞かれます。増えると多分良くないんだと思いますが、どうしてなのか知りたいと思います。ホルモンのお話だったような気がしますが覚えていません。お酒も止めましたし、食事も野菜中心とした内容に変えました。少しでも自分自身の気持ちを良い方向へ向かわせたいと思います。こんな質問ですが、よろしくお願いします。

術後肥満になった方は、そうでない方に比べて再発率が高いという疫学的な研究があるので聞かれているのだろうと思います。背景にあるメカニズムはよくわかっていません。(文責 徳田)

 

No.8717】  09年02月16日   O
乳頭からの分泌物

自己検診で、乳頭を絞ってみても、分泌物は出なかったのですが、人間ドックでマンモグラフィー検診をして左胸を極度に圧迫すると、乳汁に茶色っぽいのが混ざったような、ちょっと粘りのあるものが乳頭の数箇所から少し出てきて驚いてしまいました。その前に行った視触診では異常はありませんでした。それから、検診日には既に痛みはなかったのですが、ここ何ヶ月前から最近まで、左脇の大胸筋か小胸筋あたりが引きつる感じがありましたが、関係あるでしょうか。ちなみに検査日は、排卵期以降でした。36歳、子どもは8歳の子どもが一人です。

乳頭から分泌物がでることはよくあります。問題になるのは、血液が混入した赤黒い分泌物が乳頭の1箇所から持続的に出る場合です。このような場合、乳管内にポリープや初期のがんが有ることがあります。あなたの症状は問題ないと考えます。(文責 徳田)

 

No.8716】  09年02月16日    K
再発率について

61歳、既婚者女性です。昨年2月に自分でしこりを見つけ、病院へ行ったところ、その日のうちに検査をし、悪性がんと診断されました。「浸潤性小葉がん 17mm グレード2 トリプルネガディブ ホルモン受容体−」で、乳房温存法での手術を勧められました。手術予約が非常に混んでおり、約半年後の8月15日にやっと手術となりました。それまでの間、ユーエフティE顆粒1gとエンドキサンP錠50mgを飲んでいましたが、動悸があり、投薬が中止となりました。8月15日の手術では、センチメネルリンパ節生検の結果、リンパ節に1個転移があり、リンパ節を切除しました。また、8月22日に1回目抗がん剤点滴(TC療法)を打ちましたが、その後から脂肪壊死の合併症が起こり、抗がん剤治療が延期になり、11月27日にやっと退院しました。現在は、1週間に2回消毒通院と、同時に抗がん剤点滴治療をしております。最後の4回目抗がん剤治療を2月16日に実施する予定です。病理の結果は、「脈管浸潤なし 核グレード2 断端+」で、放射線が必要と言われました。
(報告書にはリンパ節:計0/11 側方断端(頭部)に浸潤がんの露出が認められます。乳頭側頭側の側方断端氏に腫瘍の小葉内伸展が認められまた皮膚側および筋肉側断端近く(<2mm)にも腫瘍の小葉内伸展が認められます。との印字がありました。)

さて、先生にお伺いしたいのは、

1) 診察してから6ヶ月たってからの手術でしたが、その間に進んでいなかったのか?(すぐに手術していたら、リンパ節の転移はなかった?)
2) 抗がん剤1回目を実施してから2回目まで4ヶ月以上空いており、効果があるのか?
3) 2月16日に最後の抗がん剤をして、その後放射線25日間、ブース5日間をする予定ですが、手術後7ヶ月位たちますが効き目はあるのでしょうか? 又、放射線治療をしたら、どれ位再発率がおちるのでしょうか? それとも再手術、もしくは全摘手術をした方がいいのでしょうか?
4) 浸潤性小葉がんとは特殊がんと本に書いてありましたが、どの様なものでしょうか?
5) 一般的に私の再発率、生存率はどの位になるでしょうか?

毎日色々考え悩んでいます。どうかよろしくご回答お願い致します。 

1) これは,仮定のお話で、回答できません。
2) 3週1回の投与にくらべて、効果は低下すると思います。しないよりましかどうかはデータがありません。
3) 術後の抗癌剤治療を6ヶ月行ってから放射線治療しても、先に放射線治療しても効果は同じです。断端に浸潤癌が露出している場合は、局所再発のリスクが高く、原則として再手術すべきと考えます。
4) 乳癌には、乳汁が通る乳管の細胞から発生する乳管癌(大部分)と、乳汁をつくる細胞よりなる小葉から発生する小葉癌があります。小葉内にとどまっているものは、非浸潤性小葉癌、周囲に広がると浸潤性小葉癌といいます。
5) 10年の再発率は、40%程度と考えます。再発を減らす方法は、現在のところ抗癌剤のみです。標準的な抗癌剤を行うと、再発率は25%程度に減少すると思います。(文責 徳田)

 

No.8715】  09年02月16日    F
ハーセプチンとホルモン療法の併用について

妻51歳の乳癌治療についてご相談いたします。2005年9月、ステージV、HER+3、ホルモン感受性有で、手術は右乳全摘出、右脇リンパ全摘出、2005年10月化学療法開始(ドキソルビシン+シクロホスファミド) 3週間間隔4クール、12月終了、再化学療法2006年2月開始、ドセタキセル(タキソテール3週間間隔4クール終了後、ホルモン療法2006年7月開始。2008年2月アミリデックスに変更、2008年10月21日ハーセプチン治療(3週間間隔)開始、現在に至っています。現在ハーセプチンとアミリデックスを併用していますが、いろいろな情報を見てみますと、ハーセプチンとホルモン療法の併用はありえないと書いてありますが、どうしてなんでしょうか? もしハーセプチンとアミデリックスの同時併用が妻の治療に悪影響を及ぶすのであれば、アミデリックスをハーセプチン治療中は止めたいと思います。長くなりましたが、適切な指導をお願いします。

ハーセプチンとアリミデックスの併用は、再発症例で、併用効果が示されていますし、副作用も増強しないので、まったく問題ありません。(文責 徳田)

 

No.8714】  09年02月16日    I子 
乳首の痒み

21歳の女性です。1年程前から乳首がよく痒くなりました。掻いていると薄い皮のようなものが、ぽろぽろと取れます。ただれたり、痛みが生じたり、乳首そのものの色や形が変化していることは今のところないのですが、たまに爪で傷つけてしまうことがあります。なるべく触らないようにしているのですが、原因や何かの病気の可能性はあるのでしょうか?ご連絡お待ちしております。

おそらく、知らないうちに分泌物が乳頭より出て、乳頭に付着して、乾燥して乳頭の皮膚を刺激するのだと思います。乳頭をお湯をしみこませたコットンで頻回にふき取って、接触性皮膚炎に使うような軟膏をぬっておくとよくなります。ただし、乳頭のびらんを伴うような癌もありますので、一度は乳腺専門医にみていただきましょう。(文責 徳田)

 

No.8713】  09年02月13日    A
手術の見解の違い

去年の10月末にしこりを発見し、細胞診の結果V。太い針をもう一度刺す検査をせず、先月末に右腫瘍取り出す手術を受けたました。(しこりが小さいから、太い針で刺す方が危ないといわれたこと等で手術をしました) 病理結果で癌と判明したため、先月末に右乳房温存手術を受けました。(ステージT、ER+PGR+HER2+1,F+、vとlyなし、グレード2、断片5mm以内に腫瘍あり、若年性乳がん) この時点で、「癌の取り残しは一応ないでしょう」と言われ、次は放射線治療をするために大学病院の外科の紹介状を頂き受診したところ、今までの手術等の批判を頂いてしまい困惑中です。
問題点は
1.両手術共にリンパ転移の有無の検査をしなかったこと。 (リンパ節郭清、センチネルリンパ節生検せず)
2.最初の手術で癌を散らばせている可能性があること。
3.2回目の手術で癌の取り漏れがあるかもしれない。

以上の理由から、外科から放射線治療を進めることは現状できず、必ずリンパかくせいをして頂きますと言われました。取り漏れ等の件も病理医と検討しますとのこと。自分でも検査結果がでる度、先生のお話がでる度、ネットや本で色々と調べてきました。だからやっと次の治療に移ると思って一安心している時でした。リンパかくせいか、センチネルリンパ節の検査は、やはりした方がよいのでしょうか? また癌の取り漏れや散らばりを指摘されたため、再検査をした方がよいのでしょうか? その際、マンモやエコー、それともCT等がよいのでしょうか? 教えていただければ幸いです。宜しくお願いします。

いずれかを行って、リンパ節転移の有無を調べるのが標準です。癌の遺残があるかどうかは、切除した組織の段端に癌が露出していないか、さらに調べればよいと思います.(文責 徳田)

 

No.8712】  09年02月13日    S 
炎症性乳がんです

母(74歳)が炎症性乳がんと診断され、3か月です。腕は肩までカチカチで太く、患部は強烈な臭いをだし、常にぐじぐじしている状態です。骨、肺に転移もみられ、心臓肥大、糖尿のため癌治療はできず、ホルモン剤、痛み止め、塗り薬が出ています。痛み止めさえ飲めば、普通の生活が出来ています。病院ではホスピスを勧められています。病状など一切話さないので、ただ見守っていることしかできません。この癌の進行度や母の余命がどの位か予想もつかず、自分なりに調べ、あまり先は期待できないことしかわかりませんでした。本人は臭いのせいで好きな所ににも行かなくなりました。もしにおいを消す良い方法があれば教えていただきたいです。それと一般的な余命がどれほどのものか、分かれば教えてくださいますか。

おそらく嫌気性細菌がついているために臭うのだと思います。私どもでは、メトロニダゾール(抗菌薬)を含むゲル(市販されていないので自家製)を処方しています。ほとんどの方に有効です。(文責 徳田)

 

No.8711】  09年02月13日    K.T. 
放射線治療後の腫れやだるさについて

昨年七月に右胸乳房温存手術、放射線治療を受けました。術後少し腫れていましたが、年末に急に腫れが酷くなり、左と同じ位になってしまい、今も変わっていません。時間が経てば治ってくるとも聞きますが、他に原因があるということもあるのでしょうか。また術後八月に入り、ゾメタ点滴一回、フェマーラ錠服用開始、放射線治療開始となり、其の頃より微熱とまた放射線治療後よりだるさが続いています。この微熱とだるさがずっと続いているの原因は何が考えられるでしょうか。フェマーラ錠は発疹が出て二十日程で止め、今アリミデックス錠を服用しています。よろしくお願いします。

放射線照射後、時間がたってから腫れてくることはあまりありません。局所再発や感染などの原因も考えられるので、主治医に相談しましょう。微熱の原因としては、アリミデックスによるホットフラッシュに関連するものや、早期乳癌の術後に投与することはないのですが、ゾメタ(発熱をおこすことがある)が考えられます。(文責 徳田)

 

No.8710】  09年02月12日    R 
乳頭の強い不快感について

24才の女です。高校生の時から乳頭が異常に敏感なことに悩んできました(左乳頭は陥没乳頭です)。何かに接触する刺激に対して非常に強く不快感を感じます。少しでも刺激があると周りの皮膚が引きつれるほど勃起してしまいます。触れたり、触れなかったりする刺激が辛いので、普通のブラジャーなどできず、ピッチリとフィットするスポーツタイプのブラをしています。これでも普通のブラよりはマシですが、何も触れていないのに疼いているような状態になっている事もあります。生理前だと特に酷いです。お風呂に入る時など裸になると、どこかに触れて刺激を感じるのが嫌なので、お風呂にゆっくり落ち着いて入っていられません。お風呂から上がったらすぐにバスタオルをぎゅうぎゅうに巻き、乾こうが乾くまいがスポーツブラジャーを急いでつける、といった生活がもう8年も続いています。産婦人科にも乳腺外来にも行ってみましたが、異常は見られず、「個人差」とのことでした。できるなら乳管を残して(将来、授乳したいので・・・。でもこの状態でおっぱいを吸わせるなど私には拷問です)、乳頭を切除したいのですが、非常に強い痛みが長期間続くこともあるとのことで、もうどうしたらよいのか分かりません。
このままずっと、ガマンして生きていくしかないのでしょうか。一日に何度も不快感を感じて精神が病みそうになることもあります。歳をとってホルモンのバランスが変化すれば治るのでしょうか。宜しくお願い致します。

悩んでいる方もおられるのかもしれませんが、今まで、あなたのような症状の患者さんを経験していませんので、よくわかりません。メスを入れたり、薬物療法を考えるのではなく、下着や生活習慣で工夫をしてみるほかないと思います。(文責 徳田)

 

No.8709】  09年02月12日    Y.N. 
ホルモン療法と病期(ステージ)について

33歳、将来出産を希望するものです。病理結果は、浸潤性乳管癌、リンパ節転移なし(センチネル生検)、大きさ1.8cm、範囲1.8cm、核異型度3、ホルモン感受性ER(3+)PgR(3+)、HER2(3+)、断片陰性でした。治療は、乳房温存手術→AC4クール(この期間中、卵巣保護の為1ヶ月に1回ゾラデックスを投与)→放射線2Gy×25回、ホルモン療法、ハーセプチン1年間の予定です。現在放射線を開始したところで、すぐにホルモン療法も開始する予定となっているのですが、未だに詳細が決まっておらず、どうしたらいいのか心配になって質問させていただくことにしました。ホルモン療法の選択肢としては以下になります。
1.タモキシフェン5年のみ
2.ゾラデックス2年にタモキシフェン5年併用

質問
1) タモキシフェンを5年間服用したことにより、閉経してしまう可能性はあるか。
2) 治療法2の場合、治療法1の場合より閉経の可能性は高いか。
3) そもそも私のように抗がん剤投与中(4ヶ月間程)ゾラデックスで生理を止めていた場合でも、2の治療を受けることは可能なのか。
4) 私の場合、病期(ステージ)でいうと1期と2A期のどちらになるのか。(病理検査結果だと1期でも、若年性ということで2A期となるのでしょうか。)

治療後の出産を強く希望しているため、ここでどの治療法を選ぶべきなのか心配です。どうぞよろしくお願い致します。

1)タモキシフェンでは閉経しません。
2)ゾラデックスによる閉経は,可逆的で,1のリスクと同じと考えます。
3)もちろん可能です。
4)年齢で病期はかわりませんが、再発のリスクは高くなります。(文責 徳田)

 

No.8708-1】  09年02月12日    Y 
ホルモン治療について

以下の内容をHPで見つけました。
がんナビの乳がん百科(引用)
転移・再発後の治療戦略−ホルモン療法−
ホルモン感受性の乳がんで、過去1年以内にホルモン療法を受けていた場合の再発では、そのホルモン剤にはこれ以上の効果が無いと判断し、そのホルモン剤とは異なる種類のホルモン剤が選択されます。(引用終わり) http://cancernavi.nikkeibp.co.jp/breast/metastasis/post_41.html

私の場合、現在のホルモン療法は無意味でしょうか? 現在36歳です。最近鬱気味だし、効果が無いのなら中止したいと思います。あるいは、他のホルモン療法に変えるべきでしょうか? 初発の際にホルモンが両方プラスだったものが、再発の際には、一方だけプラスになっていました。再発箇所は胸の下内側なので、リンパ節転移は調べていません。(2008/10のPET検査では、転移の所見なし) 前回の切除のマーカーの辺りの再発だったようです。アドバイスよろしくお願い致します。
病歴:
2006/1 授乳中に乳がんと診断され、温存手術を受ける。 悪性度3、リンパ節転移2個、浸潤度3、ホルモン++、Her2+1
2006/3 EC4回+Weeklyタキソール12回
2006/9 放射線治療(術側の胸)
2006/10 リュープリン注射/3ヶ月、タスオミン1錠/1日
2008/3 乳房内局所再発で全摘手術を受ける。 悪性度3、リンパ節転移?、浸潤度1、ホルモン+−、Her2+1
2008/4 EC4回+Weeklyタキソテール12回
2008/10 リュープリン注射/3ヶ月、タスオミン1錠/1日

局所再発ですが、リュープリン+タスオミン投与中に再発したのですから、ホルモン療法剤は変更した方が良いと考えます。リュープリン+アロマターゼ阻害剤をおすすめします。(文責 徳田)

 

No.8708-2】  09年03月06日    Y 
ホルモン治療について(2)

No.8708で相談させていただいたものです。本日主治医に相談しましたところ、リュープリン+アロマターゼ阻害剤は、私のホルモンの値では、閉経では無いため保険適応では無いと言われました。もし、その治療を受けたければ、保険適応外で別の病院でと言われました。その場合、関西ではどちらの病院で受ける事が出来ますか?またその治療を受けた場合、今の治療よりもどのくらいの効果が期待出来ますか?また料金はいくらくらいになりますか? 重ね重ね申し訳ございませんが、よろしくお願い致します。

閉経前の患者さんにリュ―プリン+アロマターゼ阻害を使用することは保険適応外であり、表向きに行っているところは知りません。しかし、あなたの様にリュ―プリン+タスオミンを行っていて再発を起こした場合、保険を無視して使用することもあります。これは主治医の考えによりますので、どこの病院でなら行えるというものではありません。理論的には良い方法と思いますが、大掛かりな臨床データはまだ出ていませんので、効果の程も分かりません。保険外で行うとすると、薬代だけでなく検査の費用も自費扱いに成りますので、保険で行う場合より4~5倍高くなるでしょう。(文責 吉田)

 

No.8707】  09年02月12日    H.S. 
手首の痛み

術前化学療法(FEC,タキソテール)をし、術後タキソール12回の予定でしたが、溶血になり8回で断念しました。 その後、放射線ブーストもし、現在ノルバとリュープリンをしています。今年六月で治療を始めて三年になります。 抗癌剤の効果判定は1bでした。リンパ節転移2個ありました。ly.v+でした。現在38歳です。 ハイリスクと言われた為、リュープリンをできるだけ長く続けようということになって現在も続けていますが 、やはり続けたほうがよさそうでしょうか。ホルモンはレッドスコアで6点と7点でした。 副作用かわからないのですが、手術をした反対側の手の甲から手首、ひじぐらいまで痛みがあります。ホルモン療法で腱鞘炎になりやすいというのを見ましたが、もし腱鞘炎だとすると、どういう治療をしたほうがいいでしょうか。暖めたほうがいいのか、冷やしたほうがいいのか、どちらがよいでしょうか。指には痛みはありません。

リュープリンの至適投与期間については確立していません。5年までの安全性は報告されていますので、日常生活に支障のある副作用がなければ、5年続けられては如何でしょうか。反対側の前腕の痛みについては、副作用とは考えにくく、まず整形外科に相談してください。(文責 徳田)

 

No.8706】  09年02月10日  C.K
抗がん剤による早期閉経について(HPNo.8667-3)

HPNo.8667で質問させていただいたものです。丁寧な回答ありがとうございました。お忙しい中何度も申し訳ありませんが、再度質問させてください。先日まだ出ていなかったグレードが2とわかりました。抗がん剤の種類についても主治医の先生と相談したのですが、その病院ではACはあまり使用しておらずFECを主にしていることと、若年性であることからFEC−Tを受けることになりました(抗がん剤後にハーセプチン+ホルモン治療)。抗がん剤の副作用による早期閉経の予防について医師の間でもう一度話し合いを行うとのことで、まだ化学療法を受けていません。

1) 補助療法は術後どれくらいまでに始めるのが適切なのでしょうか。手術をしてから2ヵ月程経過するので、早い方がいいのではないかと気持ちが焦っています。
2) 主治医の先生に抗がん剤の副作用によって早期閉経する可能性があるが、腹部に注射を打てば確実に卵巣を守る事が出来ると言われました。その後に調べたのですが、LH−RHアゴニスト製剤の事かと思います。でも早期閉経予防で抗がん剤と併用するのはまだ十分な検証結果がなく、安全性も十分保証されてないとありました。早期閉経予防にLH−RHアゴニスト製剤を使用する事はあまりないのでしょうか。(予防しなくても生理が戻る確率は高いのでしょうか。)また他に閉経を予防する方法はありますでしょうか。
3) 抗がん剤の種類や抗がん剤を打つ期間によって早期閉経しやすいなど違いはあるのでしょうか。また20才代でどれくらいの割合で早期閉経するのでしょうか。(FEC-T療法などで)
4) FEC6クール+タキソール12回と一年近く抗がん剤を受けた後にハーセプチンを受けるのですが、ハーセプチンは抗がん剤の後に受けた方が効果が高いのでしょうか。HER2が3+なのでハーセプチンを受けるのが一年近く後になるのは、もし抗がん剤があまり効かなかったらと思うと不安です。
5) FECは出来れば6クール受けて、続けられなければ4クールと言われたのですが、やはり6クール行わないとあまり効果が得られないのでしょうか。4クールでも効果が得られるものなのでしょうか。

長文で大変申し訳ありません。命には変えられませんが、出来れば卵巣の機能を残したいと思っています。素人が調べたことなので間違っている事、的外れな事等ありましたら申し訳ありません。主治医の先生もあまり外来にいることが少なく、聞く事が出来ずにいます。どうぞよろしくお願いいたします。

1) 術後2か月ということなので、そろそろ抗がん剤治療を開始する時期と思います。
4)5) 少なくとも、FEC療法とハーセプチンを同時併用するのは、心臓に対する副作用の点からあまりおすすめできません。後半のタキソールと併用するのは可だと思います。FECのEの量がどのくらいかにもよりますが、タキソールを併用するのであれば、4クールでもいいかもしれません。
2)3) 20歳代に限定しての無月経の確率はわかりませんが、40歳代以下で、アンスラサイクリン+タキサン併用方法では、いったん無月経になる方は15-40%程度と報告されています。ホルモン受容体陽性のがんであれば、無月経期間が長いほうが、がんの再発は少ないことは確かです。しかし、早めに生理がなくなってしまう弊害(妊娠のことや、骨粗鬆症など)とのバランスをみて考える必要があります。そのあたりに関しては主治医とよくお話になってください。(文責 俵矢)

 

No.8705】  09年02月10日   H
乳頭・乳房のかゆみについて

ネットで検索していたら、ここにたどり着いたので、ご相談させてください。31歳、5年前に出産経験があります。ここ数ヶ月、左側の乳頭(表面でなく乳首と言った方がいいかもしれません)と、その周りの乳房が痒く、気になっています。片方だけなので、気になります。特殊な乳がんもあるとのことで、心配です。また、乳頭の皮が薄くむけたり、垢?というか、黒っぽいカス?みたいなものも、たまに取れます。乳頭の周りの乳輪に、ボツボツと毛穴が膨らんだようなものも両方の乳頭の周りにいくつかあります。これが直接痒いとかいうことではないです。(これは、昔からだと思っているのですが、今になってみると気になっています。) 先月、妊娠しましたが、流産しました。そのせいもあるかもしれませんが、透明っぽい黄色い母乳(乳汁)が両方の胸から出ています。湿疹のようなものは見えないと思うのですが、掻いているせいか赤くなってしまいます。不妊治療をしており、昨年は胚移植を行っていたためにホルモン剤も服用していました。病院で検査をしてみる必要があるでしょうか? あるとすれば、何科を受診する必要がありますか? お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

お若いので、「パジェット病」である可能性は少なそうです。おそらく乳頭部の皮膚炎だと思います。心配しているより一度専門医を受診してみてもらってください。(文責 俵矢)

 

No.8704】  09年02月10日  K 
授乳中のしこりについて

私はもうすぐ2ヶ月になる子供がおり、完全母乳で育てています。右胸の乳輪(右側)にコリコリと動く小さいしこり、その付近にゴリゴリとする大きなしこり(1.5〜2cmくらい)があります。大きなしこりは押すと少し痛みを感じる程度です、母乳外来でマッサージをしてもらい、大きなしこりは深いところにあるといわれました。そのため、マッサージ後もなくならず…助産師さんは小さくなったと言っていましたが私は変わらないように思います。授乳前後で大きさをみていますが、さほど変わらないと思います。時期ははっきりとわかりませんが、1月初めからしこりに気づきました。妊娠中からあったかはよくわかりません。授乳中は乳がん検診を受けてもはっきりとわからないと言われましたが…しこりがなくならないので心配です。今時期、検診を受けないほうがいいのでしょうか。できれば診てもらいたいのですが…。よろしくお願いします。

授乳中でも検査は可能なので、心配しているよりも乳腺専門医を受診してみてもらうのがよいと思います。(文責 俵矢)

 

No.8703】  09年02月10日  H 
自己検診

40歳を機に乳癌の自己検診から始めたのですが、しこりがよくわかりません。まず私は貧乳で仰向けになると薄い脂肪の下は全体的に硬いのですが、これは筋肉なのでしょうか。また 乳輪の真裏辺りに大豆ほどの弾力のあるコリコリしたものがいくつかあります。これは両胸にいつも同じ場所辺りにあるのですが、触る度に形が違います。そうかと思うとコリコリの端がなくずっと続いているようにも感じます。乳腺というものなのかなとも思ったりしてます。触りすぎたのか胸に鈍痛を感じてきました。あまり触ってはいけないのでしょうか。生理が終わって10日目位です。勉強不足ですみません。

触っても悪いことはありません。なにか不安に思うようなしこりを感じるのであれば、専門医を受診してみてください。(文責 俵矢)

 

No.8702】  09年02月10日  N 
放射線設備について(HPNo.8685-2)

No.8685で相談させていただいたものです。その節は誠にありがとうございました。セカンドオピニオンの結果、治療方針に差異がなく、また、手術は2ヶ月待ちとのことで地域の乳腺専門医がいる総合病院で温存手術を受けることに決めました。質問ですが、ステージ1と言われており、温存手術+放射線療法が基本であると聞いています。手術を受ける病院では放射線設備がないため、近くの提携病院で放射線療法を受けるようですが、病院によって設備の差異(新旧)があると思うので、是非、最新設備の病院で放射線療法を受けさせたいのですが、提携病院外でも受けることは可能なのでしょうか?また、神奈川県内で最新設備はどの病院に完備されているのでしょうか?日本放射線腫瘍学会認定技師または認定医がいる病院のほうが安心でしょうか?それから、腫瘍内科医がいない病院では、化学療法となった場合に処方を実施するのは、乳腺専門医が行うのでしょうか?以上、よろしくお願い致します。

現時点では、腫瘍内科医は非常に少なく、乳癌化学療法の多くを乳腺専門医が担っています。通常の定型的な化学療法であれば、乳腺専門医師に任せて大丈夫と思います。
放射線の施設の個々の施設名に対しては、お答をもっておりません。現在の主治医の先生にお聞きになってみてください。すみません。(文責 俵矢)

 

No.8701】  09年02月10日  S.T. 
非浸潤ガンの術後ホルモン治療

術後の病理診断の結果は、非浸潤ガン、断端陰性で取り残しはなく、先月放射線治療を終了しました。摘出したものの中に異形成がいくつかあったそうです。温存した乳房にもあるかもしれないが、放射線をするのでそれは心配ないとのことでした。今後の治療として、ホルモン治療を提案されました。46才、閉経前なので、ノルバデックスとゾラデックスを併用する、とのことでした。正常に働いている卵巣の機能を薬で止めてしまうということは、副作用も心配です。非浸潤ガンでは、ホルモン治療をしないことが多く、またホルモン療法をする場合としては、ノルバデックスの服用、というのが標準のようなのですが・・・。二つの薬を併用、ここまでしないと再発は防げないのでしょうか。できることならば、ホルモン治療は受けたくないと思っています。以上、どうぞよろしくお願いいたします。

非浸潤がんであれば、温存療法なら放射線療法を行い、ノルバデックスを服用するか否かはケースバイケースと考えます。浸潤がんではないので、ゾラデックスは必須ではないように思います。(文責 俵矢)

 

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