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相談室(No.8401〜8500)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

ご相談メールの投稿はこちらからお願いします。

なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

8500 08/11/19 骨転移? 吉田
8499 08/11/19 術前の化学療法について 吉田
8498 08/11/19 歯列矯正 緒方
8497 08/11/19 A.I.  乳頭からの分泌物 緒方
8496-1
8496-2
08/11/19
08/11/26
R  しこりの大きさと術後化学療法
しこりの大きさと術後化学療法(2)
緒方
吉田
8495 08/11/19 C.N. 乳腺の腫れについて 緒方
8494 08/11/16 Y.T. センチネルリンパ節生検 西川
8493 08/11/16 K.F. 乳輪下膿瘍 西川
8492 08/11/16 A  骨転移後の手術の必要性について 西川
8491 08/11/16 sro 抗がん剤の回数について(HPNo.7948-3) 西川
8490 08/11/11 OB 母の乳癌 須田
8489 08/11/10 K ホルモン感受性 浜口
8488-1
8488-2
08/11/10
08/11/26
A.Y. タモキシフェン5年後
タモキシフェン5年後(2)
浜口
吉田
8487 08/11/10 Y.A.  ホルモン療法について 浜口
8486 08/11/10 N子 授乳中のしこり 浜口
8485 08/11/07 F.S.  リンパ郭清をした方がいいのでは? 浜口
8484 08/11/07 C.T. 骨シンチ 浜口
8483 08/11/07 Y・N 放射線治療について  浜口
8482-1
8482-2
08/11/07
09/04/17
N.T. 要精密検査
乳腺炎
浜口
首藤
8481 08/11/07 S.S 骨転移治療について(HPNo.5144-4) 浜口
8480 08/11/06 H  ホルモン療法の期間について 浜口
8479 08/11/06 Y.B. 妻の乳がんについて(2)(HPNo.8464-2) 浜口
8478 08/11/06 M.Y MRIだけでいいの? 浜口
8477 08/11/06 T  術後の補助療法について 浜口
8476 08/11/04 M.T.  ホルモン療法の継続について 鈴木
8475 08/11/04 T.O.  再発率、10年生存率について 鈴木
8474 08/11/04 C 要精密検査(2)(HPNo.8317-2) 鈴木
8473 08/11/04 ゆぅ 放射線治療について(HPNo.7915-7) 鈴木
8472 08/11/04 S  抗エストロゲン剤の選択肢について 鈴木
8471 08/11/04 F  マンモグラフィィも撮影した方がいいでしょうか? 鈴木
8470 08/11/04 R.M. 限局性乳癌疑いとは? 鈴木
8469 08/11/04 M  病理結果について(その2)(HPNo.8439-2) 鈴木
8468 08/11/04 M  追加切除の影響とリンパ管が黄色いことの2点について 鈴木
8467 08/11/04 T  骨転移の治療について (HPNo.1644-5) 鈴木
8466 08/11/04 Y.A.  経過観察しかないのでしょうか? 鈴木
8465 08/11/04 SS 充実腺管癌の術後補助療法について 鈴木
8464-1
8464-2

8464-3
08/11/01
08/11/06
08/11/26
Y.B. 妻の乳癌について
妻の乳がんについて(2)
妻の化学療法について
鈴木
浜口
吉田
8463 08/11/01 H 副作用? 鈴木
8462 08/11/01 S-Y ハーセプチンについて 鈴木
8461 08/11/01 AY 乳がん相談 鈴木
8460 08/11/01 R.T.  構築のみだれとは? 鈴木
8459 08/10/28 A  センチネルリンパ節生検について 俵矢
8458 08/10/28 k m   ゼローダの服用方法 俵矢
8457 08/10/28 S.K.  抗癌剤治療は必要でしょうか? 俵矢
8456 08/10/28 K  充実性腫瘤とは? 俵矢
8455 08/10/28 H  両胸のしこりについて 俵矢
8454 08/10/28 T・M 細胞診結果 俵矢
8453 08/10/28 MO  骨転移の治療について 俵矢
8452 08/10/28 C.A.  現在針精検結果待ちなのですが・・・(2)(HPNo.8401-2) 俵矢
8451 08/10/28 K  ノルバテックスの副作用? 俵矢
8450 08/10/28 R  術前化学療法で奏功した場合の治療について 俵矢
8449 08/10/28 K.O. LH−RHアゴニスト 俵矢
8448 08/10/28 M.F. 乳輪の形と乳癌との関連性 俵矢
8447 08/10/25 Y  しこりと腕のしびれについて 俵矢
8446-1
8446-2

8446-3
08/10/25
08/12/13
08/12/28
K   骨転移の治療について
骨転移の治療について(2)
骨転移の治療について(3)
俵矢
片山
加藤
8445-1
8445-2
08/10/25
09/01/05
M.H.  今後の治療方針について
今後の治療方針について(2)
俵矢
鈴木
8444 08/10/25 N.M.  今の状態で乳がんの可能性はあるのでしょうか? 俵矢
8443 08/10/25 T・M 線維腺腫と言われたけれど・・・ 俵矢
8442 08/10/25 ドラドラ comedo型について 俵矢
8441 08/10/24 ノルバデックスと生理について
8440 08/10/24 S  胸のしこりの事で相談しました
8439-1
8439-2
08/10/24
08/11/04
M  病理結果について
病理結果について(その2)

鈴木
8438 08/10/24 Y.Y 肺転移
8437 08/10/24 もも 乳腺症と手術までの時間
8436 08/10/24 M,K  骨転移?(HPNo.7786-2)
8435 08/10/24 K 細胞診でmucocere likeの意味は?(HPNo.8397-2)
8434-1
8434-2
08/10/23
09/03/18
TK 今後の治療について
痛みについて
俵矢
石山
8433 08/10/23 D.S. 母の胸のしこり(2) (HPNo.8394-2) 俵矢
8432 08/10/23 U 小葉癌(HPNo.8416-2) 俵矢
8431 08/10/23 s・s 乳癌と母乳の関係について 俵矢
8430 08/10/23 HK 術後のことについて 俵矢
8429 08/10/23 S  しこり部分の痛みとその他症状 俵矢
8428 08/10/23 Y.Y.  乳頭の痛みと病気の可能性 俵矢
8427 08/10/23 Y.O. 今後の治療について 俵矢
8426 08/10/23 NANA 癌の種類と再発リスク 俵矢
8425-1
8425-2
08/10/23
08/12/03
Y.N.  結果が2転3転することもあるのでしょうか?
今後の治療について
俵矢
石山
8424 08/10/21 YUKIKI 再発リスクと10年生存率
8423 08/10/21 M トレミフェン錠について
8422 08/10/21 K.M. 転移治療の抗がん剤について(3)(HPNo.8356-3)
8421 08/10/21 H.F.  ステージWの治療について
8420 08/10/21 M.S. 手術は5週間後です
8419 08/10/21 A  CTの定期検査
8418 08/10/21 E.I.  乳首からの出血
8417 08/10/21 S   胸の痛みについて
8416-1
8416-2
08/10/21
08/10/23
U  小葉がんの悪性度
小葉癌

俵矢
8415 08/10/21 A.K 胸のしこりについて
8414 08/10/21 N.K 生存率について
8413 08/10/21 Y   術後の治療について
8412 08/10/21 K  検査後に痛みが出ました
8411 08/10/21 Y.M ホルモン治療
8410 08/10/21 W   乳房温存手術後の放射線治療開始時期について
8409 08/10/21 A.K.  子宮内膜症の薬と乳腺の関係について
8408 08/10/21 クミ ホルモン療法についての問い合わせです(HPNo.8331-2)
8407 08/10/21 H・K  石灰化
8406 08/10/21 H 局所再発について
8405 08/10/21 リュープリンのやめ方(HPNo.4973-3)
8404 08/10/21 H  術中検査について(HPNo.8158-4)
8403 08/10/21 Y  超音波とマンモグラフティについて(HPNo.8336-2)
8402-1
8402-2

8402-3
08/10/21
08/11/27
09/01/25
C.Y 乳がんの転移の心配・病院選び・乳房再建について
術後の治療について
術後の化学療法について

石川
高橋
8401-1
8401-2

8401-3
8401-4
08/10/21
08/10/28
08/12/25
10/06/09
C.A.  現在針精検結果待ちなのですが・・・
現在針精検結果待ちなのですが・・・(2)
穿刺吸引細胞診の精度について
母の乳癌肺転移が心配です

俵矢
清水
首藤

 

 

 

No.8500】  08年11月19日    S 
骨転移?

現在53歳女性です。4年前に乳がんの疑いとのことで切除しました。患部はちょうど強く打撲した箇所であり、手術中の病理検査でも良性、悪性とも分からないとのことでした。その後半年毎に、マンモ、血液検査、1年毎に骨シンチ、エコー検査で異常ありませんでしたが、今年の10月にCEA = 6.1と高いため、骨シンチと胸・腹部エコー、レントゲン検査を行い、結果は異常ないと言われました。念のためにPET-CTの検査を推奨されました。胸骨に異常ありと言われ、骨密度を調べてからホルモン剤治療をすると言われました。担当医師は、骨シンチに異常がなくてPETで骨に異常があるのは初めてとのことでした。このまま、医師の言われるままホルモン療法をするべきでしょうか。別の病院での診察を受けようかとも考えているところですが、よろしくアドバイスをお願いします。

4年前に切除したものがホルモン感受性のある乳癌であったならば、ホルモン療法を受けるべきです。このことを担当医に確認してください。早まって病院をかえると正しい治療が受けられなくなる可能性もあり良くないと思います。(文責 吉田)

 

No.8499】  08年11月19日    M 
術前の化学療法について

乳がんに関してお聞きしたいことがあります。最近母が乳がんであることを聞かされました。腫瘍は3〜4cmだと話していました。疑問に思ったのが治療方法です。まず、抗がん剤からはじめ、そこで7割くらいの人が腫瘍が小さくなるというのです。しかし、私が想像していたのは、まずひどい場合は乳房又は腫瘍付近の乳房をとってしまうものだと思っていたのですが・・・。この治療方法の例はあるのでしょうか? 不安でなりません。

乳癌の治療は手術ばかりではなく、放射線、抗がん剤、ホルモン剤などを組み合わせて行います。従来はまず手術、それから放射線、抗がん剤、ホルモン剤などを行うのが一般的でしたが、7−8年前より大きな乳癌には抗がん剤治療を先行させ、それから手術というパターンが多くなってきております。これを術前化学療法と呼んでいます。術前化学療法では大部分の乳癌が小さくなり、半数以上温存術が可能となります。現在では3−4cm以上の乳癌の標準的な治療法になっております。(文責 吉田)

 

No.8498】  08年11月19日    M 
歯列矯正

よろしくお願い致します。四十代です。二年半前に温存手術、現在ホルモン治療中です。近々歯列矯正を始めようかと考えているのですが、ホルモン治療中ということ、又、定期検査の際(骨シンチ等X線を使う検査など)に、口の中の矯正器具は支障があるでしょうか? 長い期間になると思うので、いろいろな事がおきる可能性もあり(再入院、再手術ということも起こるかもしれないし) 、やめたほうが良いのか、ご意見を伺いたく思います。よろしくお願い致します。

問題ありません。検査に支障も出ません。「いろいろな事がおきる可能性もあり(再入院、再手術ということも起こるかもしれないし)」得ないわけではありませんが、あまり悪いイメージは、頭に描かない方がいいです。(文責 緒方)

 

No.8497】  08年11月19日  A.I.
乳頭からの分泌物

私は22歳、未婚です。2年前から、乳頭から透明な分泌物がでます。心配になり、乳腺外科で血液検査やマンモMRI、X線写真など検査していただきました。ガン細胞の反応はありませんでした。しかし、2年も出続けるのはガンなのでしょうか? 心配です。止まることはないのでしょうか? 教えて下さい。お願いします。

乳頭からの分泌物の原因は、ガンだけではありません。乳管の中に女性ホルモンの影響で分泌物が多く出ることもあり、またプロラクチンというホルモンが脳から出て分泌物が多く出ることもあります。血液検査やマンモMRI、X線写真など検査を行っていると言うことは、プロラクチンの影響でもなく、ガンからの分泌でもないと考えて良いと思います。しばらく、様子を見て構いません。また、一部の内服薬でも影響が出ることがありますので、常時内服しているお薬があれば、その旨医師に伝えてください。心配なーし。(文責 緒方)

 

No.8496-1】  08年11月19日   R 
しこりの大きさと術後化学療法

ご相談にのって頂けると幸いです。「年齢60歳。乳房全摘出。充実腺管癌。トリプルネガティブ。グレード3。リンパ節転移無し。」です。摘出病理の結果、しこりの大きさなのですが、石灰化を含めると2.3mmあったそうです。しかし、しこり自体は8mm程でした。また、非浸潤癌もあったそうです。
1) 上記の内容ですと、結果しこりの大きさ結局8mmと考え、ステージ1なのでしょうか? それとも、石灰化も含んでの大きさと考えるのでしょうか?
2) 術後の化学療法ですが、EC療法4クールにタキサンを加えるべきなのでしょうか? 主治医は、「どちらでも構わない。無駄に打つこともないかも・・・。」と仰っていますが、効果が良く分からない為(エビデンスなど)決めかねています。他の方を参考にさせていますと、AC−TやEC−Tが多いように思われます。リンパ節転移の有無・年齢なども関係していますか?

お忙しいところ誠に恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。

1) 病期は、浸潤がんの径とリンパ節転移の有無で決定します。「しこり自体は8mm程」のしこりが浸潤がんの径であれば、病期(ステージ)は1です。石灰化を含めて2.3mmでなく、23mmだと思うのですが、乳管内の進展(非浸潤がんとして広がっている部分)が23mmでも、浸潤がんの径8mmで考えます。
2) Rさんの病理結果で、術後の再発予防の治療を考える際、仰るように「リンパ節転移の有無・年齢」の他に、「トリプルネガティブ。グレード3。リンパ節転移無し。」も重要な要素です。「トリプルネガティブ。グレード3。」は、化学療法を是非行ったほうが良いとする根拠になります。一方、1cm以下の浸潤径とリンパ節転移無しは、AC−TやEC−Tなどのフルコースを必要としないと判断する材料にもなります。結論ですが、絶対これというエビデンスがない(どちらも間違いでない)のです。個人的には、「トリプルネガティブ。グレード3。」に重きを置いて、タキサンを含むEC−Tをお勧めします。あくまで意見の分かれるところなので、よく主治医とご相談下さい。(文責 緒方)

 

No.8496-2】  08年11月26日   R 
しこりの大きさと術後化学療法(2)

HPNo.8496のRです。お返事ありがとうございました。先生からのアドバイスで、【2)Rさんの病理結果で、術後の再発予防の治療を考える際、仰るように「リンパ節転移の有無・年齢」の他に、「トリプルネガティブ。グレード3。リンパ節転移無し。」も重要な要素です。「トリプルネガティブ。グレード3。」は、化学療法を是非行ったほうが良いとする根拠になります。一方、1cm以下の浸潤径とリンパ節転移無しは、AC−TやEC−Tなどのフルコースを必要としないと判断する材料にもなります。結論ですが、絶対これというエビデンスがない(どちらも間違いでない)のです。個人的には、「トリプルネガティブ。グレード3。」に重きを置いて、タキサンを含むEC−Tをお勧めします。】とあり、判断に難しく、気になることがありますので、もう少しだけご相談に乗って頂けると幸いです。

実は、上記に書かれています「病理結果」はマンモトーム時のものです。マンモトームをやった病院と手術した病院は違うところでした。しこりの8mmという大きさは、マンモトーム前の最初のエコーとマンモグラフィーでの予測の大きさです。マンモトームを行った先生は「取りすぎてしまったかな? 癌が取れてしまったかもね。」など呟いていました。翌日この医院で「タキソテール」を病理結果が出る前に一回投与されました。経口のホルモン剤と抗がん剤も服用しました。少しずつ自分で勉強していくと、あまりにも手順が違いすぎ、マンモトームの病理結果が出る前からの術前の治療に不安が募り、セカンドオピニオンを受け、転院しました。そして転院先で2ヶ月半後に手術となりました。手術後(全摘)の病理結果では、「確認できたのは、石灰化と非浸潤癌のみ」「浸潤癌の8ミリのしこりの部分は、確認できなかったのでマンモトーム病理結果で判断し、術後の治療に入りましょう」と説明を受けました。

1)  8mmのしこりは、マンモトームで完全に取れてしまった?
2) 1回だけの術後のタキソテール(50mg)と内服の薬で消えてしまった?(このような投与回数や量で、8mm程のしこりですと、消えてしまう可能性もあるのでしょうか?)
3)  2ヶ月半後の術後の病理結果で取れた浸潤癌はなし。

このような結果から考えて、1cm以下の浸潤径とリンパ節転移無しは、AC−TやEC−Tなどのフルコースを必要としないと判断する材料とすべきか・・・、絶対これというエビデンスがない(どちらも間違いでない)のです。個人的には、「トリプルネガティブ。グレード3。」に重きを置いて、タキサンを含むEC−Tをお勧めします。とすべきか・・・。どちらに重点をおくべきか、主治医の先生も私も迷っています。「トリプルネガティブ」しかも「グレード3」で、増殖が早く、性質が悪いわりに、術後の検体が取れなかったのも不思議です。この部分も良く考えても良いのでしょうか? 変わったケースかと思いますが、ご意見をお聞かせ下さい。よろしくお願いいたします。

要約すると「術前で1cm以下とみなされた乳癌とマンモトーム生検したらトリプルネガチィブ、グレード3、と判断され、その後タキソテールを一回と経口抗がん剤とホルモン剤を服用。病院を転院し乳房全摘を受けた。その結果摘出した乳房には非浸潤癌しか見られなかった。」ということになります。トリプルネガチィブ、グレード3の癌が一回だけのタキソールで浸潤癌が消えることもあるかも知れませんし、全部取りきれていたのかも知れません。真相は誰にもわからないでしょう。しかし実際にはこのようなことは幾らでもあります。基本的には中間リスクですので、ACまたはこれに相当する化療が最低でも必要でしょう。わたしもCE−Tを個人的には勧めます。(文責 吉田)

 

No.8495】  08年11月19日   C.N. 
乳腺の腫れについて

1週間ほど前に右の胸(脇に近い辺り)にシコリ(1cmぐらい)があるのに気づき、その3日後病院で検査を受けました。マンモにもエコーにも何も映らないので、「生理前で乳腺が腫れているだけだから心配要らない」と言われました。安心したのですが、本来あるはずの生理も来ないし、コリっとしたシコリがずっとあるので心配です。現在46歳、更年期に差し掛かっているのか、この3ヶ月ほど生理が不順です。先月は早すぎ、今月は遅れてます。それと関係あるのでしょうか? 生理が来てもシコリが無くならない様なら、再度検査したほうがいいのでしょうか?

乳腺は、女性ホルモンの影響を受ける臓器です。生理不順や更年期の影響で乳腺が張ったり、しこりのように触れたりすることは、乳腺症と呼ばれ決して珍しいことではありません。マンモと超音波で異常がない場合、様子をみてもいいと思います。心配であれば、4ヶ月後の再検査(超音波)をお勧めします。(文責 緒方)

 

No.8494】  08年11月16日   Y.T.
センチネルリンパ節生検

初めてご相談させて頂きます。以前より人間ドックの診断で乳腺症とだけ言われ、特に何も伝えられていなかった為に、少しの心配はありましたが毎月自己触診を続け、年一度の人間ドックを受けておりました。父家系にがんが多い事もあり、毎年の人間ドックでは、乳腺症ではマモグラフィーでは分かり難いときもあると聞いたので、マモグラフィーとエコーの両方を受けておりました。多忙なことがあって人間ドックを一年休んでしまい、最後に受けた時から2年近く経ち、最近思うところあって乳腺外来のみを受診しました所、マモグラフィーには写らず、エコーでしこりが発見されました。細胞診断結果がんであることが分かり、がん専門病院で、その先の検査を受けました。
造影剤を入れてのMRIとCT、骨シンチ、再度エコーと触診の結果、腫瘍2.1センチ×2.5センチ、ステージUA (リンパ節転移なし)、手術は温存療法、術中にセンチネルリンパ節生検を行い、腋かリンパ節転移がないと判断した場合は腋かリンパ節郭清は省略し、3週間近くの病理検査後に5週間程度の放射線治療がある事。センチネルリンパ節生検の結果で転移の疑いあった場合はリンパ節切除手術を追加する事。その後の治療は病理検査を踏まえて放射線治療と抗がん剤治療とホルモン療法のうちから決めると、先生から初めての説明がありました。手術は12月初旬で決まっています。とりあえずは手術をしてからと余り深く心配をしていなかったのですが、この相談室があることを知人から聞き、読んでみて、私の現状よりもまだ初期の方が病状について勉強されているのに驚きました。
義母が15年前に60歳で乳がんの手術をし、リンパ転移なくとも乳房切除でリンパ節も取りました。15年前と現在では、医療の進歩、治療方法も、その頃より数段も確立し変わってきていることは充分に理解しています。比べる訳ではないのですが、母がその後何もなく元気なことを思うと、センチネルリンパ節生検での術後の再発率や多臓器への転移等を現在の検査結果からふまえて今一度こちらでの見解を伺えたらと思い相談させて頂きました。宜しくお願い致します。   

15年前の治療とはかなり変わってきております。センチネルリンパ節生検については現在、多くの施設において導入されております。しかし日本ではまだトライアルの状況であります。術後のリンパ浮腫、運動制限などの軽減には良好でありますが、長期の予後については結果が出ておりません。一般には術前検査においてリンパ節転移を疑う病変がないことが条件となります。今後標準的な手術方法となることが予測されますが、現在この方法を受ける際には主治医とよく相談の上行うことが望ましいと考えます。(文責 西川)

 

No.8493】  08年11月16日   K.F.
乳輪下膿瘍

妊娠8ヶ月を迎える妊婦です(二人目)。左胸の乳首根元に2センチくらいのしこりができ、産婦人科を受診したところ乳輪下膿瘍との診断でした。乳頭は陥没でなく扁平乳頭です。痛みがひどく、抗生物質と痛み止めを処方され様子を見ているところです。後日乳腺外科を受診しようと思っていすが、悪性のしこりでないか心配です。膿と分かった場合は、妊娠中でも切開等の治療を行うのでしょうか? その場合、産後の授乳は可能なのでしょうか? もし切開等を行わず、そのままにすることになった場合、悪性に移行する可能性はあるのでしょうか? 不安な日々を送っております。ご回答頂ければ幸いです。

膿瘍はいわゆる「うみ」です。膿瘍の範囲や量により切開などが必要になることもあります。授乳機能についてはその炎症の影響度によって違うと思われます。膿瘍が悪性に移行する可能性はきわめて低いですが、偶然に腫瘍と膿瘍が合併することも考えられますので、一度乳腺外科医の診察をお勧めします。(文責 西川)

 

No.8492】  08年11月16日   A 
骨転移後の手術の必要性について

母(59歳)が今年の初めから足と腰が痛いと言いだし、一時よくなったものの、8月頃から再び痛みだしたので、病院で精密検査をしたところ、10月のはじめに乳癌がみつかり、骨に転移していることが分かりました。腫瘍の大きさは2センチ程度で、現在、自宅療養にてホルモン療法を続けています。そこで、質問なのですが、再発・転移した乳癌を完全に治すことは難しく、治癒ではなく、生活の質を保って、できるだけ長く腫瘍の進行を抑えることが治療の目的とされているとのことですが、手術をするケースはあるのでしょうか? というのも、6年ほど前に、胃ガンで胃を4分の3とった経験がある祖母(85歳)が、母に手術をすることをしつこく勧めてきます。とても頑固者の祖母で、いくら手術は必要ないと言っても信じてもらえません。主治医や病院の悪口を言ったり、他の病院へ移ることを勧めてきたり・・毎日のように電話がかかってきて、祖母の対応に、病人の母も振り回されていて、見ていてとてもつらいです。転移した乳癌を手術で取るケースがあるのか・・・、また、手術をした場合としない場合で、どのような違いがあるのか。祖母を説得するためにもアドバイスをいただけると幸いです。どうぞよろしくお願いします。

骨転移をはじめから伴う状況から考えると、今回のように全身治療を優先されることは間違ってはいないと考えます。様々なケースがあると考えますが、しばらくはホルモン療法を中心に治療され、今後病状の進展がなければ乳房に対する手術も検討してもよいと考えます。ご家族のご理解をいただくことが難しい状況は大変だと思いますが、簡単な説明ではご理解をいただくことが難しそうですので、一度ご家族と一緒に主治医への面談をされてはいかがでしょうか。よい治療を受けるには、ご家族のご理解も必要だと思います。また、セカンドオピニオンも考慮されてはいかがでしょうか。(文責 西川)

 

No.8491】  08年11月16日   sro
抗がん剤の回数について(HPNo.7948-3)

HPNo.7948-2で相談させていただきました。毎回本当にありがとうございます。
その後術後の抗がん剤として、CEを4クール、タキソテールを4クール行いました。術後の病理の結果、非浸潤癌の部分では、「ER陽性(95%)、PgR陰性、HER2は1+。リンパ節転移部分ではER陽性(95%)、PgR陽性(95%)、HER2は0」だったため、今後ノルバテックス10年、リュープリン5年計画で治療を続ける予定です。
今回の質問は、抗がん剤の回数についてです。私の場合術後の抗がん剤であるため、CE、タキソテールともに効き目があるのかの判断ができません。しかし、術前の治療の方は効いていればCEを6クール、タキソテールを6クールされる方もよくみかけます。多めにすればそれだけいいというものではないのかもしれませんが(副作用もありますし)、少しでも再発率が少なくなるのなら追加の抗がん剤も今なら頑張れると思います。抗がん剤の回数はどのようにして決めるのでしょうか? そして私のような場合、追加する意味は大きいでしょうか? また、今からCEを追加するとタキソテールをはさんでいるため(初回投与から時間があいている)効きにくいのでしょうか? 20代であることや、リンパ節に癌があったことが気がかりで、再発が心配でしかたありません。返答よろしくお願い致します。

術後の補助化学療法において、腋窩リンパ節転移陽性例などに対する方法としてCEを4クール+タキソテールを4クール行うことは比較的標準的に行われていると考えます。CEを6クール、タキソテールを6クール行う方法については一部の症例に使用されることはあるかもしれませんが、標準的ではないと思います。CEの6クールというのはFECやCEFの間違いではないでしょうか。また、回数は増やせば効果が上がるかというと決してそうではありません。よって、今回の受けられた治療の経過からすると追加の化学療法は必要はないと思われます。(文責 西川)

 

No.8490】  08年11月11日  OB
母の乳癌

母は64歳です。10月半ばに自分で胸にしこりをみつけ病院へ行きました。私は結婚して親元を離れているので、直接先生の話も聞けません。組織の検査をしたところ、右胸全摘出?し、2週間位入院、その後通院で2週間に一回放射線治療を行なう予定です。ステージ等は分かりません。母は、放射線治療をすると先生から聞き、転移してるからだと電話で泣きくずれています。しこりは2センチと小さかったけれど、悪性で、ちょっとたちが悪いみたいです。母はあんなに元気だったのに、癌なんて・・・。わたしは、どう受け止めればいいのですか?

乳がんの主な症状はしこりです。乳がんも発生してから時間が経過しないとしこりとして触れません。このような症状の全くない乳がんを見つけ、治療するとほぼ100パーセント乳がんをコントロールできます。しこりとして触れない乳がんを見つける方法は、X線で乳房を撮影することで、写真上に味の素を振りかけたような細かな白い点々(石灰化)が目印となり、症状のない乳がんの発見につながります。この方法を推し進めているのが厚生労働省のマンモグラフィー検診です。この検診の目的は、治療により100パーセントコントロールできる触れない乳がんを沢山見つけることにより、触れる乳がんを少なくし、乳がんで亡くなる方を減少させるということです。現在は乳がんになることを防ぐ方法は残念ながらありません。癌になるのは仕方のない時代ですので、如何に早く癌を見つけることが出来るかが、重要です。そのためには40歳以上で、貴方もマンモグラフィー検診に参加することです。またお母様の乳がんに関しては、世界中で1人しか居ない大事な母親のことですので直接主治医に、病状や治療方針、お母様への対応の仕方を良く伺い、御本人や家族の納得の行く治療を受けてください。(文責 須田)

 

No.8489】  08年11月10日   K
ホルモン感受性

いつも参考にさせていただいており、ありがたいサイトだと感謝しております。45歳、出産経験はありません。2年半前、温存手術をし、病理検査結果は、腫瘍1.7センチ、リンパ節には転移がありませんでしたが、グレードが3でした。その後、化学療法(ACを4クール)→放射線→ホルモン療法と進んできたため、何の疑問もなく自分はホルモン感受性であると考えておりましたところ、このたび主治医より「あなたはホルモン非感受性だけど、たまに、それでもホルモン療法が効く人がいるからホルモン療法を選択した。化学療法もしたし、放射線もそれなりの内容の照射をしたから、心配しなくていい」と言われて大変驚いております。自分はグレードが3だっただけのために化学療法を受けたのだと思い込んでおりました。改めて病理結果を見せてもらったところ、「ハーセプテスト 0、ER −、PgR −」と記載がありました。
1) 2年間、リュープリン注射とタモキシフェン服用を続けています(リュープリンは8月で終了)。ホルモン非感受性がホルモン療法を受ける意義について、お考えをお聞かせください。主治医の言うとおり、効果があるのでしょうか。
2) 今後3年間、タモキシフェンを服用する予定です。子宮体がんなどのリスクを考慮しても継続する意味があるのでしょうか。
3) いわゆるトリプルネガティブについては、悲観的な記載ばかりが目立ちます。再発率はどのくらいあるのでしょうか。

以上、ご多忙中恐れ入りますが、ご教示ください。

1) 以前には、ER、PgRが本来陽性でも測定上陰性になるケースがあったり、他にあまり有用な治療法が少なかったため、ホルモン感受性陰性でもホルモン療法が施行されることがありました。現在では免疫染色法でER、PgRを測定し、陽性細胞が10%未満であれば陰性と判定することが多いと考えますが、0%であればホルモン療法の効果は期待できないということは議論の余地はないですが、たとえば陽性細胞が5%でホルモン感受性陰性と判定された場合には、効果がないとは言い切れずホルモン療法もひとつのオプションとなるかも知れません。
2) 繰り返しになりますが、ER、PgRが陽性細胞0%でホルモン感受性陰性と判定されているのであれば、メリットはあまりありませんので中止を考えてもよいのではないでしょうか。もしも、陽性細胞数%で感受性陰性と判定されているのであれば、陽性に比べてメリットは低いもののないとは言い切れず、デメリットと考え合わせて決めたらよいのではないでしょうか。
3) 乳がん術後補助療法の効果を予測するAdjuvant! Onlineによれば、再発riskは20%程度と考えます。(文責 浜口)

 

No.8488-1】  08年11月10日   A.Y.
タモキシフェン5年後

ステージ1でグレード2の浸潤性乳管ガンで、手術、放射線、ホルモン療法(タモキシフェンのみ)にて5年を経過しました。現在49歳で、検査の結果、毎月の出血はないものの閉経していない状態です。再発防止のため、もう少しホルモン療法を続けたい旨を相談したところ、副作用のリスクが高く薦められないというドクターの答えでした。また、異なるドクターに聞いたところ、リュープリンを3ヶ月に1回注射する方法もあるという話を聞きました。再発転移を予防するためには、なるべく長期間にわたりホルモン療法をうけた方が良いといった話も聞きます。私としては、なるべく身体に優しい方法で再発転移防止に取り組みたいのですが、リュープリンを2年間うつ効果とリスクをお教え願いたく、よろしくお願いします。

リュープリンなどのLHRHアゴニストは術後の補助療法として効果があり、術後より2-3年投与することが多いですが、その至適投与期間はまだ明確にはされておらず、更に長期の投与が有用な可能性もあります。しかし、術後5年目より2年間投与することの効果とリスクは不明です。標準的にはホルモン療法は終了で経過観察でよいと考えますが、経過中に閉経が確認されるようであれば、アロマターゼ阻害剤の5年間投与を考慮したらよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.8488-2】  08年11月26日   A.Y.
タモキシフェン5年後(2)

タモキシフェンを5年服用後のことについてお返事をいただき、ありがとうございました。友人の再発転移との戦いを日々見つめています。このことからも再発転移のリスクはできる限りなくし、無病生存率を高めたいという思いから、さらに質問させてください。自身の希望としては、閉経が認められたらアロマターゼ阻害剤を服用したいと願っています。現在48才なので、あと5年ぐらい後と推測されるというドクターのお話でした。その5年間をつなぐ手立てはないのでしょうか。タモキシフェンの5年服用と10年服用では、かえって10年服用のほうが良くないと聞きました。とすると、やはり使えるホルモン療法は、アゴニストかな?とも思うのですが、標準治療ではないと聞いてはいるのですが、単独の利用は理論的にはいかがでしょうか?(2〜3年くらいアゴニストを打って、生理をとめることは悪くはないと言われたのですが、そう言ってくださるドクターは一人しかいませんので、それもまた心配です。) わがままな質問で申し訳ありません。

この時期にアゴニストを使用することは標準的ではなく、効果も定かではありませんが理論的には間違っては降りません。個人的には患者さんの希望があれば閉経が確認できるまで投与いたしますが・・・。主治医とよく相談してください。(文責 吉田)

 

No.8487】  08年11月10日   Y.A. 
ホルモン療法について

いつも、このページで勉強させていただいております。
私は51歳、2005年に右乳房を全摘しました。病理検査の結果は、腫瘍径2.4センチ、リンパ節転移なし、Her2マイナス。術後は、EC4クール、ゾラ2年、今、タスオミンを服用しています。2つお尋ねします。
1) この10月でタスオミン服用が3年経ちました。先日の定期検診で、「タスオミンからアロマシンへ変更してはどうか」と言われました。今、女性ホルモンの検査中です。 もし閉経していたらアロマシンに変えた方が良いのでしょうか。私が迷っている理由は、タスオミンは副作用も無く、今術後3年経ってようやく心身ともに落ち着き、手術前の生活に戻れました。薬を変えて、関節痛などの副作用が出たら、また病気の事ばかり考えて落ち込むような気がするからです。アロマシンの効果、副作用の説明は受けました。タモキシフェンからエキセメスタンへ切り替える治療法は世界的にも推奨される治療法との事。でも、このままタスオミンを飲み続けても構わないでしょうか。再発率の事も気にはなるのですが・・・。
2) 今、一年に1回、左乳房のマンモと、私の要望として超音波の検査をしています。主治医の先生は、私の年齢(51歳)では超音波の検査はあまり意味が無いとおっしゃいます。でも、右乳房のガンが見つかった時、マンモと触診は異常なく、超音波でみつかりました。超音波は意味が無いのでしょうか。

どうぞよろしくお願い致します。

1) 閉経後乳がんであれば、タモキシフェン2-3年内服後にアロマターゼ阻害剤に変更し、計5年内服する方法はタモキシフェン5年間内服に比較して、生存率に差がないものの、再発率を改善されることが知られています。もうひとつの方法は、タモキシフェン5年内服後にアロマターゼ阻害剤5年間内服という方法もあり、どちらかの方法でアロマターゼ阻害剤も使用することが、少なくとも再発率の低下につながるということは言えます。生存率に差はありませんが、再発率が気になるのであれば上記をお勧めします。
2) 超音波検診の有用性はまだ十分に確立していません。(文責 浜口)

 

No.8486】  08年11月10日   N子
授乳中のしこり

27歳、女性、現在産後3ヶ月授乳中です。最近右胸上部内側に1cmほどのしこりを発見しました。産後今まで小さなしこりができたことはあって、授乳初めは乳腺が開通しておらず、しこりができることは知っていましたが、授乳が安定してきた最近ではしこりはなくなっていました。しこりを発見し、乳がんではないかと心配しています。しこりは1cm大ほどで、それほど硬くなく可動性はあります。また、母乳は白色透明で異常な色や臭いはありません。家族歴は、叔母が乳がんになっています。また、乳輪から外側に痒みを伴う皮膚の亀裂ができ、かさぶたにもなっています。浸出液はありません。皮膚の乾燥によるものだと思っていたのですが、乳がんの症状ではないかと心配です。お忙しいところ申し訳ありませんが、ご意見お願いします。

授乳中ということで説明のつく症状で、乳がんの可能性は低いと思いますが、心配であれば一度専門医を受診することをお勧めします。(文責 浜口)

 

No.8485】  08年11月07日   F.S.  
リンパ郭清をした方がいいのでは?

術中のセンチネルリンパ節生検陰性により、リンパ郭清は行いませんでした。術後の病理検査で、センチネルリンパ節2個中1個が陽性という結果になりました。浸潤性乳癌(3.7mm)で、術前の化学治療を行っております。今後の治療として、再手術によるリンパ郭清ではなく、放射線治療を医師より勧められました。理由としては、双方に予後の差がないとの説明でしたが、術中ですと、リンパ郭清を第一に行うのに、なぜ放射線治療を優先するのか? 納得できません。素人としては、やはり再手術によりリンパ郭清をした方がいいのでは? と、不安です。

術前化学療法後のセンチネルリンパ節生検の是非や、術後の病理検査でセンチネルリンパ節に転移が見つかった場合の対応については議論の残るところで、標準治療が確立していないのが現状です。確かにリンパ節郭清術と放射線治療は生存率に差がないと言われていますが、局所再発のリスクは手術の方が低く、手術を勧める根拠のひとつとなっています。生存率に差がないという意味では、再手術よりは体への負担が少ないと思われる放射線治療を選択するという考えもありますし、局所再発の低い手術を選択したいという考え方もあると思います。現在のところ、どちらでなければいけないというだけの根拠はないと考えますので、主治医とよく相談して納得のいく治療を選択して下さい。(文責 浜口)

 

No.8484】  08年11月07日   C.T. 
骨シンチ

骨シンチで左の肋骨に1箇所だけ黒くかげがありました。ドクターは、「1箇所だけというのは、転移はあまり考えられない」とは言っていましたが、整形のドクターの診断を仰ぐように勧められました。打撲の覚えもありません。転移でも、このような画像がありますでしょうか。

単純X線写真で骨が溶けている像が見られたりすれば診断できる場合もありますが、骨シンチで1ヶ所だけにスポットが見つかったものを、転移であるかどうか診断確定することはなかなか難しいです。もし骨転移であったとしても、症状がない状態で早期に転移を発見して、早期に治療することが必ずしも生存期間の延長につながるわけではありません。現在治療中であれば治療を続行し、そうでなければまずは厳重にフォローアップしていくのが宜しいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.8483】  08年11月07日   Y・N
放射線治療について 

いつも参考にさせていただいてます。No.8473のご回答の中で、「放射線治療中は入浴は控え、シャワーのみに」とありますがなぜですか?

放射線治療中はマーキングが消えないように注意することと、放射線性皮膚炎でやけどのようになりますので、炎症が強い時にはあまり温めない方がいいですので、シャワーにしておく方がよいと思います。(文責 浜口)

 

No.8482-1】  08年11月07日   N.T. 
要精密検査

30歳、独身女性です。今日人間ドッグの乳がん検診を受診して精密検査と言われました。20歳時にマンモと触診を受け、「人より乳腺が発達している」と言われましたが、異状なしで、最近ではエコーは毎年受けて異状なしでした。今回マンモと触診でしたが、触診で「乳首の下に大豆大のしこりがある。精密検査してください」と言われてショックで、食べ物ものどを通りません。前回の生理から13日目です。乳がんの可能性ってどのくらいでしょうか。

乳がん検診で精密検査が必要と判断された人の中で乳がんが見つかる確立は数%程度です。可能性は低いと思いますが、早く検査をして安心されることをお勧めいたします。(文責 浜口)

 

No.8482-2】  09年04月17日   N.T. 
乳腺炎

HPNo.8482でお世話になりました。精密検査を受けて「異常なし」でした。ただ、「乳腺炎のなりかけ(?)で、ほかの人より乳がんにはなりやすい。乳腺炎は病気ではない」ということでした。乳腺炎は病気ではないのですか? 私の聞き違いだったのでしょうか。

乳腺炎には細菌によって発症したものや、細菌の関与していないものもありますが、基本的に病気とみなされています。病気ではない、ということであれば、いわゆる「乳腺症」がその範疇かもしれません。(文責 首藤)

 

No.8481】  08年11月07日   S.S
骨転移治療について(HPNo.5144-4)

HPNo.5144で相談に乗っていただいたS.Sです。今年9月のペットCTの結果、頸椎,胸椎,腰椎,仙椎,両側腸骨,坐骨,恥骨,両側上腕骨,肩甲骨,多数の肋骨,両側大腿骨など広範囲に骨転移が見つかりました。腫瘍マーカー CA15−3,NCC−ST−439共に高い数値が出ています。

【最終相談時以降の経過】
2007年1月15日〜2月26日まで放射線治療(右鎖骨+胸壁 2Gy×30日)。
3月 化学療法 タキソテール(3週×1) + ゼローダ(2週内服・1週休薬)を施行。タキソテールの量が多い為,1回目のゼローダは様子を見て2クール目より併用。
5月 副作用が強く出た為,6クール予定を4クールで終了し,ナベルビン(25mg,毎週法)+ ゼローダ(25mg,毎週法)を6クール施行。
10月 ホルモン療法 ゾラデックス28日毎,ノルバテックス内服。

【現在】
ゾラデックス続行中,ゾメタ28日毎,フェアストン朝3錠内服(ノルバテックスから変更)。
肩甲骨骨折の痛みのため,放射線を1回行っています。

【相談したいこと】
主治医は,このままゾメタとホルモン療法(フェアストンを3か月継続)で様子をみようと言っているそうです。妹は,再発までの期間が2年未満と短い点,そして抗癌剤治療の開始期間があまり遅れると,病状が進みすぎて2番目,3番目の抗癌剤をトライできなくなると本で読んだことがあるということで,内臓転移のことを考えても,ホルモン療法ではなく抗癌剤治療のほうがよいのではないかと悩んでいます。ご意見をいただけますでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。

再発・転移した乳癌を完全に治すことは難しく、治療の目標は治癒ではなく、生活の質(QOL)を保ち、できるだけ長く腫瘍の進行を抑え、現在の体調を悪化させず維持していくことです。一般的にはホルモン療法に比較して抗癌剤治療は腫瘍を縮小させる効果は高いものの、かならずしもそれが生存期間の延長につながるわけではありません。ホルモン療法は腫瘍縮小効果では劣るものの、副作用は少なく生存期間に差がなければ化学療法よりもメリットは大きいと考えます。現在のホルモン療法で病状が進行していないのであれば、治療を続行することをお勧めいたします。化学療法は病状が進行した時に考慮したらよいと考えます。(文責 浜口)

 

No.8480】  08年11月06日   H 
ホルモン療法の期間について

今年12月で術後2年を迎える者です。術前化学療法をその前に半年間行いました。タキソテール、FECです。術後にもリンパ節転移が2個あったので、タキソール8回追加しました。12回の予定でしたが溶血になってしまい、辛くなってきたので8回で断念しました。その後放射線を追加グレイまでして、ホルモン療法を現在しています。リュープリンとノルバです。そのリュープリンも12月で標準治療の2年になります。主治医は3年や5年を考えてもいいのではというアドバイスいただきました。ly、vプラスですし、リンパ節転移もあるので、そのような選択もあるのかなと思っています。年齢は36歳のときで、現在38歳、子供が幼児ひとりいます。私のような病理結果の場合、やはりリュープリンの延長をしておいたほうが、少しでも再発をおさえることができるでしょうか。副作用で憂鬱になったりすることもありますが、なんとか頑張っております。血液検査では骨の密度と脂質代謝が悪いという結果がでています。ホルモン感受性は、オールレッドスコアで6点と7点でした。効果を期待して続けたほうがいいでしょうか。あと肝臓の機能が悪いようですが、ホルモン療法の副作用や抗癌剤投与の副作用でしょうか。

リュープリンなどのLHRHアゴニストの至適投与期間はまだ明確にはされておらず、2-3年が一般的と考えますが、理論的には長期投与が再発リスク軽減に有用と考えられ、閉経の時期まで続けるべきとの意見もあるようです。副作用がほとんどないようであれば、もう少し続ける選択もあると考えます。肝機能障害は、どのような薬剤でも起こりうる副作用ですが、ノルバデックスによるトリグリセリド高値や脂肪肝による肝機能障害はしばしば見られる副作用であり、一度超音波等で脂肪肝の有無はチェックしておくとよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.8479】  08年11月06日   Y.B.
妻の乳がんについて(2)(HPNo.8464-2)

妻の乳がんについて、先日はご回答頂きありがとうございました。主治医に私自身が会い、お話を伺ったのですが、細胞診の結果、腫瘍は癌であること。腫瘍の大きさは、7〜8センチあること。脇の下に極わずかなしこりがあり、転移している可能性もあるとのことでした。発病の時期は、2〜3年前ではないかとのことでした。前回の回答で、先に抗がん剤を投与する術前化学療法という選択肢ついて教えて頂きましたが、主治医からは、まず手術をし、術後に放射線治療と伺いました。そこで、今回ご質問したいのが、妻の腫瘍の大きさの場合、先に手術をするほうが良いのか、術前化学療法をするのが良いのか、患者が選択する余地があるのか教えて頂きたく、宜しくお願いします。前回のご相談でわきの下のしこり3〜4センチと書いておりましたが、腫瘍の大きさの間違えでしたので追記しておきます。

年齢、腫瘍径やリンパ節転移の可能性などを考慮すると抗癌剤投与のメリットがあるのは確実と思います。抗癌剤を術前にしても術後にしても、生存率は変わらないと考えられます。抗癌剤を術前にするメリットは、腫瘍径が大きい場合には腫瘍が縮小することにより、乳房を温存できる可能性が高くなることや、抗癌剤投与後に手術することにより、抗癌剤の効果が顕微鏡で確認できることなどが挙げられます。デメリットとしては可能性は低いですが、抗癌剤の効果がないと腫瘍が増大することがあります。生存率に差はないので、どちらも選択しうる治療法であり、治療の決定権は患者にありますから、どちらを選択することも可能です。もう一度よく相談してみてはいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.8478】  08年11月06日   M.Y
MRIだけでいいの?

診断結果に喜び、不安になりの日々を送っています。アドバイスをよろしくお願いいたします。44歳、出産1回(29才)、5年ほど低量ピル トリキュラーを服用中。今年8月の検診でマンモグラフィーでひっかかり、超音波を受けてもはっきりせず、一ヵ月後再び超音波を受けた結果、近くの大学病院でMRIを受けることとなりました。ちなみにしこりはありません。MRIの結果はクラス3で、超音波と合わせて判断のことというレポートが大学病院側からあり、検診を受けた先生は、「4ヵ月ほど経過観察としましょう」と言われたのですが、不安でしたので、マンモトーム生検を受けたく、設備のある別の大学病院を紹介してもらい、再度マンモグラフィーと超音波を受けた結果は異常なしでした。持参したMRIの画像は別の医師が診断するとのことで、11月11日に電話で結果を聞くことになっています。外来の先生は、次回は2年後でいいともおっしゃったため、マンモトームを受けたいとも言えずに帰宅しました。11日の結果が問題なしとなった場合、このまま本当に2年後まで放っておいていいのでしょうか? そうすると検診の先生、MRIの先生が気になったものは何だったのでしょうか? 11日の電話で、私が先生に確認しておくことはどういったことですか? MRIでは良性か悪性かの判断がつかないと思うのですが、マンモトーム生検は本当に受けなくてよいのでしょうか?

どのような所見なのかわからないのでコメントするのが難しいですが、マンモグラフィでは石灰化で要精査になったのでしょうか。乳がんの可能性が否定できないのであれば、マンモトーム生検も有用かも知れませんが、良性の可能性が高ければ必要ありません。マンモトーム生検の必要があるかを担当医に尋ねてみてはいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.8477】  08年11月06日   T
術後の補助療法について

初めて相談いたします。45歳の主婦です。10月に乳房温存療法を受け、病理検査の結果、「浸潤径2cm・腋かリンパ節転移なし・リンパや脈管にがんの広がりなし・断端(-)・グレード2・ER(+)PgR(+)・HER2(-)」でした。がんの大きさは2cm以内と考えれば、核異型度がグレード2ということで中間リスクに入りますが、低リスクと中間リスクの間で、術後の補助療法は、自分で選択するように医師から説明を受けました。世界ガイドラインの10年生存率をシュミレーションしてみたところ、何もしないで90.4%、ホルモン療法をすると92.8%、抗がん剤をすれば95.3%となります。ホルモン療法は5年間受けるつもりでいます。抗がん剤治療については、半年間の抗がん剤を受けても副作用でダメージを受けたり、治療をしても再発しないとも限らないと、色々な手記で読んだりすると、すべきかどうか選択に迷います。10年生存率95.3%と、92.8%の差をどのように捕らえればよいのでしょうか? 治療法選択にあたり、何かご助言を頂ければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

生存率で2.5%の違いということは、40人の患者さんが抗癌剤治療を受けて、治療のおかげで助かる人は1人で、残りの39人は抗癌剤治療を受けても受けなくても変わりないということです。核異型度以外は低リスクであり、核異型度2をどの程度重視するかはなかなか難しいところです。核異型度は1-3の3段階に分類され、1は異型が弱く、3は異型が強いことを示しますが、診断する病理の医師によってもばらつきがあることが知られています。あくまでも私見ですが、明らかに異型の強い3でないのであれば、低リスクに近いと考えてもよいのではないでしょうか。基本的にはホルモン療法単独でも再発予防効果が期待できると考えますが、1%でも再発リスクを下げたいと考えるのであれば化学療法も考慮したらよいでしょう。(文責 浜口)

 

No.8476】  08年11月04日   M.T.
ホルモン療法の継続について

平成17年夏に乳癌が発覚して、術前化学療法 AC Tを6ヶ月遣って、18年1月に温存手術をしました。3月に放射線療法を60グレイ受けました。癌の大きさは2.3×1.7 グレード3 化学療法後は1.5×0.5になりました。ER+ PGR± リンパ節転移なし。HRE2 2+ フイッシュ法で陽性。現在アリミデックスを飲んでいます。だんだん胸が小さくなるし、しわが増えて、どんどん老化が進んでいるような気がします。主治医は5年は飲んだほうがよいといっています。私としては3年も飲んだのだから、もう飲まない選択を選びたいと思っています。飲まないと再発率はどのくらい高くなりますか。年齢は56歳です。

3年内服した場合と、5年内服した場合とでの、再発率の比較はありませんので明確な答えはできません。このホルモン剤で、老化を促進しているわけではなく、化学療法、手術、放射線療法と、2年近く頑張ったしわ寄せ、プラス、ご自身も2歳、歳をとったということなのでしょう。現在、ホルモン療法の現場は、より長期に内服する治療法の試みが進んでおり、10年内服してはどうか・・?とまで言われております。頑張って5年間の内服をお勧めします。いつも患者さんに言うことで、効果と副作用と、頑張る気持ちのバランスで考え、内服する方がつらいのであれば、内服を中止して、美味しいものを食べ、健やかに、はつらつと元気に過ごされるのも一つの治療法と考えますが。(文責 鈴木)

 

No.8475】  08年11月04日   T.O.
再発率、10年生存率について

いつも参考にさせていただいております。昨年、自分でしこりに気づき乳癌が発覚しました。8月に左乳房ほぼ全摘同時再建手術をし、術後ウィークリータキソール12クール FEC4クール その後ノルバデックス リュープリンにてホルモン治療中です。定期健診では何の問題もなく1年経過し、12月にマンモ、CT等の検査をする予定です。担当の先生は、「大丈夫だからあまり心配しないでいきましょう」という感じで言ってくださいますが、ふと不安になることがあります。HER2がマイナスであっても術後1,2年で再発してくることはあるのでしょうか? リンパに5個転移があったのも気にかかっています。私のようなケースでは、再発率、10年生存率はどの程度なのでしょうか? 自分が聞いた範囲の病理結果は、「多発性で、1番大きいもので1.5mm リンパ転移 5/12 異型度2 ホルモン2つとも+ HER2−」です。年齢は手術当時38歳、ほかに病気等はありません。よろしくお願いします。

HER2がマイナスであっても、再発することはあります。リンパ節転移が陽性だったこと、特に5個転移していたことは、再発のリスクが高いと考えられます。欧米人のデータを基に計算すると、何も治療しない場合、10年生存率は65.9%になり、今回の化学療法とホルモン療法の追加で84.7%となります。あくまでも統計的なデータですし、HER2のプラスマイナスを勘案して計算していませんので、現状がすべてではないと思われます。それよりも、ベストな治療法を受けられていますので、後は、結果を信じ、お元気に過ごされることを願っております。(文責 鈴木)

 

No.8474】  08年11月04日   C 
要精密検査(2)(HPNo.8317-2)

先日HPNo.8317で質問させていただきました。まだ、病院に行けていないのですが、最近、急に右胸が左胸に比べ大きくなってきました。触ると、胸の下のほうにしこりを感じます。自分なりに調べてみると、葉状腫瘍かもと思ってしまったのですが、いかがなものでしょうか? もし葉状腫瘍だとして、これも癌の一種なのでしょうか? よろしくおねがいします。

ここで質問しているより、早く病院に行きましょう。あれやこれやと考え、本やネットで調べても、病気の発見にはつながりませんし、病気は治りません。早期に見つかる乳癌は治りますから、病院に行って精密検査を受けましょう。葉状腫瘍は癌ではありませんが、悪性の葉状腫瘍もあり、これは転移もすれば再発もします。(文責 鈴木)

 

No.8473】  08年11月04日   ゆぅ
放射線治療について(HPNo.7915-7)

HPNo.8208で質問させていただいた、ゆぅと申します。既婚、子供2人、46歳です。4月よりFEC4クール、タキソテール4クールを終了して、10月に温存手術を終了いたしました。こちらの先生方には、抗がん剤の副作用やら、術前の私の不安について丁寧なお答えをいただき、安心して手術に臨むことができました。本当にありがとうございました。先生方のおっしゃったとおり、温存手術となり、胸の変形はあまりなく、現在に至ります。病理検査の結果が出まして、HER2:0 ホルモンレセプター陽性、リンパ1/11、採血ではCEA1.8 *生理は未だありません(抗がん剤治療2回目から閉経状態です)。しこりについては、術前触診、CT、エコーでも確認できないよで、術後の病理検査顕微鏡では、がん細胞は確認できませんでした。また、リンパについても1/11であったが、死滅状態だとの説明を受けました。
質問ですが、この病理検査から今後は放射線治療の予定だとのこと。しかし、今の病院では放射線治療は出来ないので、他の施設へ紹介状をもらって、治療に行くことになるとのことです。15日に手術したのですが、放射線治療は1ヵ月後くらいから始めるのがいいのでしょうか? まだ、主治医からは紹介状をもらっておりません。また、何回くらい放射線治療を行うのでしょうか? ネット上ではいろいろな回数があるように思います。HER2:0ということは、ハーセプチンは効かない?出来ないということですか。そうなると後に残された治療は放射線治療とホルモン治療だけと言うことでしょうか。いつも、初歩的な質問で申し訳ありません。乳腺外来はいつも混雑していて1人の患者にかかる時間が数分で、質問も中々出来ない状態です。本日退院をして、すごく不安が押し寄せてきました。よろしくお願いいたします。

放射線照射は25回から30回行います。切除断端に近いところや、深部に癌細胞があったりするときに、30回の照射をします。最近では、照射の回数を減らし、1回の照射エネルギーを多くするという試みもされているようです。数分で照射は終了し、自分一人で来院し、自分一人で帰宅できます。仕事も可能ですが、照射期間中、入浴は控え、シャワーのみになります。副作用として局所に日焼けの強い状態になる患者さんがいますが、ほとんどは綺麗に治ります。全身への影響として、一部、肺へも放射線がかかることから、肺が硬くなり息苦しさを感じることもあり、時に発熱します。しかし、これも内服治療で良くなります。照射の開始時期は、傷の治りが確認されてからの術後1-2ヶ月以内に開始することが多いと思われます。次いで、HER2蛋白がゼロということは、ハーセプチンが効かないということですが、逆にHER2蛋白をもっている乳癌の方が、悪性度が高いのですから、あなたにとってはpositiveな結果になります。それより何より、化学療法でほとんどの癌細胞が死滅したというのは、非常に良いニュースで頑張った結果ですから、前向きにやっていきましょう。(文責 鈴木)

 

No.8472】  08年11月04日   S 
抗エストロゲン剤の選択肢について

今年2月に乳癌(8ミリ)温存手術をして、4月下旬に放射線終了し、5月からノルバデックスを服用しておりました50歳女性です。術前の針生検では、エストロゲンレセプター8分の7、プロゲステロンレセプター8分の6、HER2プラス1でした。しかし今年6月から耳鼻科の治療で長期服用していた抗生物質のせいか、ノルバデックスのせいか、9月下旬からかなりひどいおりものが出たため(カンジダと判明)、1月から1ヶ月の『ノルバデックス術前投薬』でもカンジダになりました。そのため、10月1日から耳鼻科の薬休薬と共に乳腺担当医と相談してノルバデックス休薬して1ヶ月したところで、手術前の生理を最期に11ケ月無かった゛生理゛が今月再開してしまいました。最近に採血した婦人科のホルモン血液検査(E2→246でLH→6.4でFSH→11.1)結果をみて、婦人科医師は、「オリモノ対策で10月1日から1ヶ月ノルバデックスを休薬しているようですが、E2が246もあるのでは、今回の出血はまず『生理の再開』に間違いないです。でも『乳癌再発防止』のためにも、早いところお薬(抗エストロゲン剤?)を再開したほうがよいのでは? 担当の先生と相談してください」と、言われました。因みに手術前過去のデータでは、3年前(E2→121でLH→3.2でFSH→2.6プロゲステステロン13) 2年前(E2→96.5でLH→2.3でFSH→5.6ブロゲステロン25)でした。今年4月のデータは(1月から『1ヶ月ノルバデックス投与』&手術&放射線終了)で、E2→19でLH→57.2でFSH→88.5)でした。
投薬再開を前に、今後少しでも子宮体部に(筋腫1.4pあります)支障をきたさないお薬をと考えております。(たとえばフェアストン、リュープリンなどはいかがでしょうか? ) また今更ながらの質問で恥ずかしいのですが、数値でよく使うE2とかLHとかFSHとはどういうことか、教えていただけますと幸いです。

まずE2は卵巣から出てくるホルモンで、LH、FSHというのは卵巣を刺激するホルモンと考えましょう。E2が高ければ閉経前と判定します。LH、FSHも参考にしますが、施設により、先生により若干の判定基準に温度差があるようです。現状、今のホルモン状況は閉経前と考えられます。今回の膣カンジダ症ですが、術前投与でも発症したとのことですので、因果関係はあるかもしれませんが、ノルバデックスでおこる頻度は極めて少ないと考えます。そこで、現在の状況で、最も推奨されるホルモン療法は、ゾラデックスもしくはリュープリンで生理を止め(月に1回、リュープリンでは3ヶ月に1回の製剤もあり)、ノルバデックスの内服を継続するのがよいでしょう。子宮体部に影響ないように・・と考えると、ノルバデックスの選択は難しくなります。主治医とよくご相談になって下さい。フェアストンは閉経後乳癌に対して、リュープリンは前述のように閉経前に用います。それぞれ単独で、あなたのホルモン状況では使えないと思います。(文責 鈴木)

 

No.8471】  08年11月04日    F 
マンモグラフィィも撮影した方がいいでしょうか?

乳がんについてお尋ね致します。私は38歳の女性です。昨年10月に第一子を出産し、1歳になった子供がいます。子供は早い時期から人工乳での授乳です。毎月自分でも乳がんの自己検診を欠かさず、自分では異常を感じない上、今年9月以降に2回、それぞれ違う医師の元で視触診と超音波による乳がん検診を受けました。マンモグラフィの経験はありません。医師の検査ではどちらも異常なしとなって、超音波検査の結果と年齢から、「まだマンモは受けなくても良いけれど40代になったら受けるように」と言われました。私は母乳がほとんど出なかったのですが、それでも産後1か月ほどは出ていたので、乳腺が発達しているから映りにくいだろうという見解からの事のようです。ところで乳がん検診を受けた頃から、左肩から左の鎖骨にかけて、コリと言うかハリのような感じがあります。子供を左で抱く事が多いので、それによるコリだとも思うのですが、乳がんでそうしたコリやハリを感じる事もあると聞いて心配になりました。ちなみに鎖骨周辺にはしこりはありません。念のため、マンモグラフィィも撮影した方がいいでしょうか?

乳腺の硬さ、厚さにもよりますが、マンモグラフィだけで見つかる乳癌もありますので、厚生労働省の指針としては40歳からですが、受けるチャンスがあればマンモグラフィを受けることをお勧めします。(文責 鈴木)

 

No.8470】  08年11月04日    R.M.
限局性乳癌疑いとは?

相談させて頂きます。41歳、既婚、子供2人。今年9月末の健康診断の乳腺超音波で右胸 限局性乳癌疑い、針生検+超音波+マンモで、左胸 良性・乳管拡張、自己検査1年後再検査との結果でした。不安だった私は9月末に、検査結果が出る前に超音波+マンモの検査を受け、医師より、「5.6x5.0x6.0 不恰好なので要注意、良性か悪性の判断がつかない。小さ過ぎて針を刺しての検査ができないので、3ヶ月後の12月末に再検査」と、言われました。乳癌は1年で1cmとか、そんなにすぐに大きくならないと言われました。2cmの大きさは初期の段階ともおっしゃっていました。1年3ヶ月前の健康診断で、乳腺超音波で右胸は良性線維腫・自己検診。乳腺4mmと言われ、不安に感じ、マンモを同じ病院で受けました。左胸は異常なし。去年のマンモでは何も写っていなかったそうです。良性線維腫から限局性乳癌になるのでしょうか? 左胸 良性・乳管拡張も含めて、不安でいっぱいです。ご返答をお願いします。    

初回の検査で、針生検を受け、癌でないことが確認されているのであれば、まず心配はいりません。ただ、良性と診断しても、大きくなるタイプだとか、非常におとなしい乳癌などは、1年くらいして大きくなってくることもありますので、経過観察するのがよいでしょう。線維腺腫が悪性に変わることはありませんので、線維腺腫と診断されたのであれば、そのまま放置して構いません。不安な気持ちは察しますが、あちらこちらで検査を受けると、その度に振り回されますので、どこか一つ、安心して任せられるところで継続して検査を受けることを勧めます。(文責 鈴木)

 

No.8469】  08年11月04日    M 
病理結果について(その2)(HPNo.8439-2)

いつもお世話になっております。質問に対して、分かりやすいご回答ありがとうございました。【No.8439】で質問をしたところ、回答に以下の内容がありました。
「切除断端は一応陰性ですが、腫瘍からの距離が2mmとかなり近いようです。」

1) この切除断端が腫瘍からの距離について、近いとのことですが、これは、どういう影響(再発や転移・予後)があるのでしょうか? また、どういう状態なのでしょうか?
2) 「脂肪浸潤、軽度のリンパ管侵襲を認めます」とありました。これは、影響度(再発・転移や予後など)、どれくらいなのでしょうか?

乳房温存手術を4月中旬に行い、その後トラブルがあり、9月中旬から放射線治療を開始しました。 術後5ヶ月以上無治療だったため、再発や転移がとても心配です。今は放射線治療も終わり、ホルモン治療(ノルバデックス)の服用を開始しました。

3) ホルモン療法中のアルコール(飲酒)については、影響がありませんでしょうか? また、注意しなければいけないことがありましたら、お願いいたします。

お忙しいところ、大変申し訳ございませんが、ご教授いただきたく、よろしくお願いいたします。

断端に癌の露出はないものの、切り口近くにまで癌が及んでいるということです。施設により断端陽性の判断基準は一定ではありませんが、この距離が近ければ、局所再発のリスクが高くなります。脂肪浸潤はあまり影響ありませんが、リンパ管浸潤は、リンパ節転移、遠隔転移のリスクが高くなります。ただ、あまり言葉に惑わされず、今はベストな治療がなされていますから、前向きに考えればいいでしょう。ホルモン療法の際も、特に注意することなく、普段の生活、普段の考え方ですごして問題ありません。度を過ぎるようでなければ、お酒も構いません。(文責 鈴木)

 

No.8468】  08年11月04日    M 
追加切除の影響とリンパ管が黄色いことの2点について

右側乳房の左下側に2cm、1.4cm、0.7cmのがんがあり、昨年8月に温存手術を受けました。リンパ節転移はありませんでしたが、術中迅速診断で断端陽性のため、追加切除を2回行い、ようやく断端陰性になりました。「リンパ節転移なし、リンパ管浸襲なし、脈管浸襲なしでも再発しない率は100%ではありません。再発の因果関係として、ホルモン受容体陰性やHER2陽性などが考えられる」と言っている先生もいますが、それはあくまでも薬が効くかどうかのことじゃないのかなと思います。薬が効くかどうか以前に、なぜ脈管浸襲などが無くても微小転移になるのでしょうか? 素人考えとして、断端陽性という事は、メスが癌細胞を横断して、そのメスが他の部分も触ることとなり、結果としてメスに付いた微小ながん細胞が、血管やリンパ管に流れ込み、再発するケースがあるのではないかと思うのですが、どうなのでしょうか? それと、腋窩リンパ管と鎖骨リンパ管が、右に限らず左側も明るい部屋で見ると黄疸のように黄色くなっています。これは、リンパ管か肝臓に転移しているのでしょうか? よろしくお願いします。

乳癌というのは、悪性度の高い癌(リンパ節転移、HER2陽性、ホルモン受容体陰性・・)は、発見時に微小転移が全身にあると言われています。薬剤の効果がある無しという話ではありません。これは統計学的に悪性度が高く、再発のリスクが高い乳癌です。さらに、これは手術に伴うものではなくて、腫瘍の性格に伴うもので、温存手術と全摘手術で予後が同等というのは、微小転移に起因するからで、手術術式により、悪性度が変わるものでは無いためです。もし、おっしゃるように電気メス・・云々であれば、温存手術の方が、再発が多く予後が不良になるはずですが、決してそんなことはありません。リンパ管侵襲も脈管侵襲も、その断面でみているに過ぎません。血液、リンパ液の流れの中で測定しているものではありませんので、そこで脈管侵襲、リンパ管侵襲が陰性でも転移、再発するケースがあるわけです。脇の下のリンパ管から肝臓転移は推測できませんので、皮膚の変色は問題ないと考えます。(文責 鈴木)

 

No.8467】  08年11月04日    T 
骨転移の治療について(HPNo.1644-5

久しぶりにメールさせていただきます。前回の相談後ホルモン量を測定し(閉経とするには微妙な値でしたが...)アロマシンの内服に切り替えましたが、5ヶ月目に月経が戻ってしまいましたので、再度ゾラデックスに戻し、今年の6月まで5年間続けてきました。チェック検査では画像上も異常はなく、マーカー等も安定しています。今回も3ヶ月休薬した後にホルモン量を測定しましたが、前回とあまり変化なく、内服治療へは変更できませんでした。主治医は「エビデンスはないが安全策...ということで、もうしばらくゾラデックスを続けましょう」と勧めてくださいましたので、9月から再開したのですが、色々副作用もあり、一年前くらいから咽頭痛も自覚し、このまま続けて良いのかどうか迷っています。一旦休薬して、閉経が確認できた時点で内服に切り替えてもいいのではと思う反面、その間無治療というのも不安です。先生方のご意見をお聞かください。宜しくお願い致します。

確かにエビデンスの乏しいところですが、アロマシンだけで月経が発来したのであれば、ゾラデックスとアロマシンの併用を行うのが多いように思います。ただし、薬剤には副作用がありますから、副作用と病状、ご本人の闘う気持ちのバランスで考えてはいかがでしょうか? 画像も異常なく、マーカーも安定しているのであれば、一時休薬し、検査の結果で再開するのも一考だと思います。それでも、不安感の方が強いのであれば、ホルモン療法の継続となるでしょう。(文責 鈴木)

 

No.8466】  08年11月04日    Y.A. 
経過観察しかないのでしょうか?

針生検の結果、9月11日に非浸潤がんの告知を受けました。その後、乳頭に造影剤を入れた画像、CT、MRIを撮影を受けました。画像撮影の結果、乳腺種の疑いがあると言われました。良性か悪性か、一度告知を受けたのにもかかわらず、判らなくなりました。そのため、切開生検を受けることになりました。手術を受けることは怖いと思いましたが、「はっきりしなけれは治療もできない、早期発見、早期治療を受ければ、100パーセント治癒するのだし」と思いました。1週間後、術後の傷を診てもらうために病院へ行くと、病理結果が出ていて、病変に悪性の所見無しということでした。しかし、医師からは、次のような可能性を2つ告げられました。
@ 病変をとってくるときに検体の辺縁にあった。採取のときに傷つけてしまった。
A とりのこし

術後、エコーで所見なし、Aの可能性は低いとのことです。@Aに書いた文章は、医師からの説明記録証明書をそのまま書きました。しこりは、約6.3ミリありました。しこりは、小さいため、エコーをあてて採取したそうです。もう私の胸にはエコーに反応するものはないのです。採取した病変も悪性の所見がなく、手術の際に電気メスで傷つけてしまった可能性が高い、今後エコーで経過観察と告げられました。早期発見、早期治療どころではなくなってしまいました。リンパに転移したら、全身どの部位に転移するかわからなくなります。今後、どのようにしたら良いでしょうか。エコーで経過観察しかないのでしょうか。43歳です。

まず、初回の針生検の結果を、もう一度良く見直して頂くことです。場合によってはセカンドオピニオンもいいかもしれません。非浸潤癌というのは、細胞分裂が盛んな良性腫瘍との判別が難しいことがよくあります。従って、針生検で非浸潤癌と診断されたけれども、全体像を見たところ悪性像が無かったということは時に経験します。最初の針生検で、ほとんど癌の部分が採取されてしまった可能性もあります。選択肢としては、初回の針生検の標本と、切除生検の標本を見直してみる。必要に応じてセカンドオピニオンで意見を伺う。もしくは、今一度、大きく取り直しをする。前者で最初の非浸潤癌の診断が、重く読み過ぎたのであれば、経過観察でよろしいと思います。その結果で、やはり非浸潤癌が存在しているというのであれば、少し大きく取り直しをする、もしくは厳重に経過観察ではないでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.8465】  08年11月04日    SS
充実腺管癌の術後補助療法について

初めてご相談します。9月末に右乳がんと診断され、温存手術を受けました。現在、放射線治療中です。術前の細胞診から、「グレード1の比較的おとなしめの癌である、またサイズは1.5cm、リンパ転移なし」の、ステージ1の見立てでした。手術後の病理結果から充実腺管癌という種類のものであると説明を受けましたが、まだ今後の治療方針、方法についてのお話はDr.よりでていません。「T1cn0m0 ER(+)、PgR(-)、HER2(+) ホルモンレセプターは弱い陽性」というように言われました。年齢は48歳、閉経前です。再発リスクをガイドラインから考慮すると、悪性度以外はすべて低リスクにはいります。
1) 充実腺管癌というのは再発のリスクの高い、悪性度の高い性質の癌であるとネットで知りました。私のような場合、悪性度はどのように判断されるのでしょうか? 充実腺管癌というだけで2か3になるのでしょうか? あるいは細胞診ででたグレードが適用されるのでしょうか?
2) 補助療法は抗がん剤が一般的となるのでしょうか? その場合、標準的な使用薬はどんなものになるのでしょうか?

主治医からは放射線が終了してから考えましょう、と言われていますが、できれば事前にどんな治療の可能性があるのか知りたいと思い、ご質問いたします。よろしくお願いいたします。

充実腺管癌だからといって、悪性度が高いということはありません。悪性度というのは、核の異型度、細胞分裂の早さなどから判断します。術前の細胞診でグレード1ということですが、この異型度は、細胞診での判定は困難で、術後の切除標本で判定しますので、その結果を主治医からお聞きになって下さい。もしそれがグレード1ということであれば、再発リスクは低リスクになりますし、ホルモン療法が効果的なタイプですから、放射線療法の後、もしくは同時で構いませんので、ホルモン療法を施行されてはいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.8464-1】  08年11月01日    Y.B.
妻の乳癌について

先日、妻(32歳)に右胸の2箇所に硬いしこりがあり、乳腺外科にて触診とマンモグラフティと超音波(エコー)検査で、「たぶん癌でしょう」と医者から病名を言われました。脇の下に、極わずかであるがしこりがあるとも言われたそうです。その後、良性か悪性か調べるために細胞診を行って、明日の10月30日に結果が出る予定でいますが、それでもわからない場合は、組織診をするとのことでした。
妻は、9か月前まで、子供に授乳をしており、その点については、お医者さんもびっくりされていたようです。そこで、確認させて頂きたいことがあります。
1) マンモグラフティと超音波の画像だけで癌(悪性)と判断できるものなのか? 悪性の画像に似た良性の腫瘤というのは、ないのでしょうか?
2) 悪性と判断された場合に気になるのが、わきの下のしこりです。脇の下にしこりがあるということは、リンパ節に転移しているということでしょうか?
3) 手術の話を聞いたら、全摘手術とのことでした。脇の下のしこり(3〜4cm)と全摘手術からすると、予測されるステージは何になるのでしょうか?

以上、宜しくお願い致します。

画像診断だけで、乳癌の診断はつきません。ある程度の可能性は疑えても、最終的には組織診、細胞診が必要になります。悪性を疑っても、良性であったということもありますので、十分な検査が必要です。脇の下のしこりに関しては、乳房のしこりが悪性であった場合、転移の可能性もあります。脇の下は、もともと、リンパ節が正常でも腫れている場所なので、やはり必要に応じて細胞診が必要になることもあります。3-4cmというと大きいリンパ節が腫れているかもしれませんので、こちらもしっかりと検査をしましょう。ステージは大きさ、リンパ節転移の有無、遠隔転移の有無で決めますので、今の状況では判断がつきません。
手術に関しては、賛否両論あると思いますが、2個あるから全摘・・・というより、場所が近ければ温存手術も可能かもしれません。また、脇の下のリンパ節に転移をしているようだと、先に抗がん剤を投与して、局所の病変を小さくし、全身に飛んでいるかもしれない小さな病巣をたたいてから手術をするという選択も視野に入ります。
お若い方ですので、十分な議論を重ね、慎重に治療を進めて頂くことを願っております。必要に応じてセカンドオピニオンもいいのではないでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.8464-2】  08年11月06日    Y.B.
妻の乳癌について(2)

妻の乳がんについて、先日はご回答頂きありがとうございました。主治医に私自身が会い、お話を伺ったのですが、細胞診の結果、腫瘍は癌であること。腫瘍の大きさは、7〜8センチあること。脇の下に極わずかなしこりがあり、転移している可能性もあるとのことでした。発病の時期は、2〜3年前ではないかとのことでした。前回の回答で、先に抗がん剤を投与する術前化学療法という選択肢ついて教えて頂きましたが、主治医からは、まず手術をし、術後に放射線治療と伺いました。そこで、今回ご質問したいのが、妻の腫瘍の大きさの場合、先に手術をするほうが良いのか、術前化学療法をするのが良いのか、患者が選択する余地があるのか教えて頂きたく、宜しくお願いします。前回のご相談でわきの下のしこり3〜4センチと書いておりましたが、腫瘍の大きさの間違えでしたので追記しておきます。

年齢、腫瘍径やリンパ節転移の可能性などを考慮すると抗癌剤投与のメリットがあるのは確実と思います。抗癌剤を術前にしても術後にしても、生存率は変わらないと考えられます。抗癌剤を術前にするメリットは、腫瘍径が大きい場合には腫瘍が縮小することにより、乳房を温存できる可能性が高くなることや、抗癌剤投与後に手術することにより、抗癌剤の効果が顕微鏡で確認できることなどが挙げられます。デメリットとしては可能性は低いですが、抗癌剤の効果がないと腫瘍が増大することがあります。生存率に差はないので、どちらも選択しうる治療法であり、治療の決定権は患者にありますから、どちらを選択することも可能です。もう一度よく相談してみてはいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.8464-3】  08年11月26日    Y.B.
妻の化学療法について

前回(No.8464)でご相談させて頂いたものです。11月13日に右乳房全摘手術が無事終了いたしました。その際、センチネルリンパ生検を実施し、そのリンパに転移があったため、リンパ節の第1群まで切除しました。術後の所見で、年齢32歳ということ、センチネルリンパに転移があったことから、化学療法をすぐ行ったほうが良いとのことで、11月21日から化学療法を開始致しました。化学療法の内容は、エンドキサン 500mg/u、5-FU 500mg/u、ファルモルビシン 100mg/uを3週間に1回を1クールを4クール、その後、タキソール 80mg/uを1週間に1回を3週連続を1クールとし、4クールを実施する内容となっています。病理の結果は出ていない状態で、ホルモン治療の適用となれば、その後、ホルモン治療を5年ということでした。ステージは確定しておりませんが、腫瘍が7〜8センチあったこと、センチネルリンパ節に転移があったことから、再発のリスクが高いと主治医からは言われています(予想ステージVa)。そこで、お伺いしたいことがあります。
1) 病理結果がでていない状況での今回の化学療法の内容は妥当であるのか? 他に良い、化学療法の内容があるのか?
2) 化学療法を行うことにより、再発リスクはどの程度下げることができるのでしょうか?

度重なる相談で恐縮ですが、宜しくお願い致します。

1) 妥当だと思います。現在のところ実質的に最良の化学療法でしょう。
2) 病理の結果が出ていない状況なのではっきりしたことは分かりませんが、32歳と若いこと、リンパ節に転移があること、大きさ7〜8cmであることを考えると、控えめに見ても再発のリスクは40%位と思います。化学療法を行うことによって、再発のリスクは1/2〜1/3位減少すると思います。(文責 吉田)

 

No.8463】  08年11月01日    H
副作用?

7月に温存手術を受けました。8月、9月とリュープリンの一ヶ月製剤注射を受け、それと平行してノルバデックスを毎日服用しています。現在50歳です。更年期の症状が出るとは聞いていましたが、8月、9月は何事もなく過ごしましたので、10月からリュープリンを3ヶ月製剤に変えました。それが影響しているのか、夜中必ず目が覚め、それ以降はなかなか眠れなくなり、寝付くことも困難になってきました。女性ホルモンの急激な減少はホルモンバランスが乱れ不眠の原因となると本にも書いてありましたが、眠ろうとすると頭がさえてきます。自律神経などにも影響があるのでしょうか? この場合どのような治療法があるのでしょうか? 

恐らくリュープリンと、ノルバデックスによる副作用と考えます。効果と、副作用と、頑張る気持ちのバランスを考え、日常生活にどれくらい支障があるかなどと併せて、投与を継続するか否か判断が必要です。一部、そのような副作用を軽減させる可能性のある薬剤としてパニック障害などに用いるものがあるのですが、ノルバデックスの効果を抑える可能性も示唆されています。主治医と、ご自身の身体とよく相談して決めましょう。(文責 鈴木)

 

No.8462】  08年11月01日    S-Y
ハーセプチンについて

昨年手術前にご相談させてもらった(51歳)ものです。その節はありがとうございました。今現在、抗がん剤、放射線治療も終わり、ホルモン治療でアリミデックスを服用しています。先日一年目検診のあと、主治医から「ハーセプチンの受容体があるから、できるがどうするか」という提案を受けました。私しだいとのことで、来月決定する予定です。「主病巣・・・ER 4+1、PgR 3+1、Har2 2。リンパ節・・・ER 3+1、PgR 2+2、Har2 1。 核変異度・・・3。Ly(+)リンパ節に転移しやすい。V (−)多臓器転移しにくい。断端(−)」と診断されています。主病巣の検査がもれていたようで、今の提案になったようです。

1) 上記の内容ですが、ハーセプチンは有効でしょうか?
2) 抗がん剤終了が6月5日、放射線8月5日と時間がたっていますが、すぐに始めた場合と効果に差がありますか?
3) 他にも、有効かどうかわかる検査がありますか?
4) しない場合とした場合の再発、転移、予後の差はどのようなものでしょうか?
5) 現在服用中のホルモン剤は有効ですか?

よろしくご回答ください。お願いします。

HER2蛋白を持っている乳癌というのは、増殖するスピードが速く、悪性度の高いものです。そのHER2蛋白の働きを抑えるものがハーセプチンで、従来、再発乳癌に対する治療薬として使われていましたが、術後の再発予防として、抗がん剤の終了後、もしくは、抗がん剤と併用することにより、再発リスクを最大で50%くらい軽減することがわかり、最近になり術後の補助療法としても認可された薬剤です。
HER2蛋白が2+の場合は、FISHという検査を行い、遺伝子の増幅を見る必要があります。それで、陽性と判断されればハーセプチンは効果的でしょう。抗がん剤終了後、どれくらいでハーセプチンを投与したら良いという明確なデータはありませんので、なんとも言えませんが、抗がん剤終了から時間が経っているため、効果は不確実かもしれません。現在内服中のホルモン剤は、最適な選択ですので、このまま5年間の継続をお勧めします。(文責 鈴木)

 

No.8461】  08年11月01日    AY
乳がん相談

初めてメールさせていただきます。年齢51歳、出産経験なしです。2006年5月ごろに、右胸内側下部分にしこりを発見し、2007年1月に病院に行きました。早速マモグラフィ検診を受け、問題なしとの結果がでました。その後、定期健診のつもりで、2008年9月に再度マモグラフィ検診をうけたところ、再検診との通知を受け、右胸のみマモグラフィ再検診、ウルトラサウンド検診、組織診を受けた結果、直径9mmのステージ1のガンであるとの結果が出、この10月30日に温存手術を受けます。結果が出た直後から一番気になっていることが、しこりが確認出来てから2年も経過しているにも関わらず、ステージ1ということです。主治医の先生に聞いても、「健康管理がよかったのでしょう」との回答しか得られません。実際、ガンでないしこりが、時間を経てガンに変化することがあるのでしょうか。それとも、最初から、しこりはガンであり、ただ確認ができなかっただけなのでしょうか。2年も経過していることにより、手術をしてみたら、実はもっと高いステージである可能性はあるのでしょうか。2年前と、しこりの大きさはあまり変わっていないように思います。宜しくお願いします。

最初のしこりが、どれくらいの大きさで、どのような超音波の所見であったのかわかりませんが、2006年5月に問題なしとされたしこりが、2年経って悪性に変わることは考えにくいと思います。恐らく、最初から癌であったか、稀ではありますが、良性腫瘍の一部に癌が発生したかのどちらかだと思います。前者であれば、発育の遅い、悪性度の低い腫瘍ではと思いますし、後者であっても、小さいうちに見つかったステージ1ですので、しっかりと手術をうけ、その後の治療も行えば、治る可能性が高いと思います。手術の所見によっては、9mmより広がっていて、ステージが上がることはあります。(文責 鈴木)

 

No.8460】  08年11月01日    R.T.
構築のみだれとは?

9/27に集団検診を受け結果が届きました。(9月生理日 9/6AM7:00)(次生理日 10/3PM7:00)
「視触診検・・・腫瘤 無、指導区分 異常認めず。マンモグラフィ・・・ 右 UM 良性石炭化 2、 左 U 構築の乱れ 3。指導区分 要精検、比較読影」と通知が来ました。精密検査が込んでいるのと生理の具合で、11/14に再検査を予約しました。構築のみだれを調べましたがよく分からず、この3週間が苦痛でなりません。もっと詳しく教えてください。

構築の乱れは、正常の乳腺の構築が歪んでいるものを指します。乳頭から、放射状に分布する乳腺の分布が乱れると起こってきます。乳癌が周囲の脂肪組織を引き込んでいる場合、以前に手術を受けている場合などに見られる所見です。手術の既往がなければ、癌の疑いがある場合もありますので、精密検査の対象になります。ただし、客観的に評価する所見ではないため、読影する側により見方が変わりますので、慌てず落ち着いて検査を受けて下さい。(文責 鈴木)

 

No.8459】  08年10月28日    A 
センチネルリンパ節生検について

初めて相談します。先日、乳癌であると診断を受け、癌のある場所と年齢を考えて乳房を温存するため、術前化学療法を行うことを薦められました。術前化学療法を行うとセンチネルリンパ節生検の有効性はなくなるのでしょうか? 先生からは、化学療法を行う前にセンチネルリンパ節生検を行っておけば良いとのことでしたが、その場合、温存手術を受ける際に再度センチネルリンパ節生検を受けることはできなくなるのでしょうか? ネットで調べたところ、センチネルリンパ節生検は、生検を行っていないことが前提となるとありました。まだ告知を受けたばかりで知識が浅く申し訳ありませんが、ご回答いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

術前抗がん剤を行ったり、あるいは、診断のために切除生検を受けた患者さんでは、リンパの流れが普通と異なる可能性がいわれております。術前抗がん剤を受けたあとの患者さんにおいてセンチネルリンパ節生検が有効かどうかは、まだはっきりしたことがわかっていません。ですから現時点では、術前にセンチネル生検を行うか、または術前化学療法を行った後、手術のときにリンパ郭清にするかということになるかと思います。(文責 俵矢)

 

No.8458】  08年10月28日    k m
ゼローダの服用方法

ハーセプチン+ゼローダを開始し、1年がたちました。最初の3クールは、ゼローダ3錠×2回/日服用していたのですが、手足症候群の副作用のため、4クール目からゼローダを2錠×2回/日に減らしています。現在14クール目に入っています。ここまでのところ、転移した腫瘍の大きさに変化はなく、腫瘍マーカーも正常範囲内です。最近、手足症候群の副作用が少し辛くなってきました。ゼローダの服用方法について、教えてください。

1) 今以上にゼローダの量を減らすのは難しいでしょうか? (例)1錠×2回or1錠×1回+2錠×1回/日など
2) 現在、3週服用し1週休薬のサイクルですが、2週休薬にするのは危険でしょうか? 又、2週休薬により手足症候群の症状回復が見込めるでしょうか?

手足症候群に関してはあまりひどければ休薬するのが一番いいです。休薬するかどうかは、どのくらい効いているかと、手足症候群がどのくらい重症なのかのバランスをみて判断しますので、主治医の先生とよく話し合うのが大事です。(文責 俵矢)

 

No.8457】  08年10月28日    S.K.
抗癌剤治療は必要でしょうか?

初めてメールいたします。現在、乳がんの温存手術を受け、これから放射線等の治療を始めますが、病理結果を聞きにいった際、「転移(センチでの結果)なし/直径2.6cm/グレード2/ステージU期のため、治療には3つの方法がある」といわれました。下記の内容です。

1.細胞の遺伝子を調べる検査を受け、抗がん剤効果が高いかを確認して治療を決める
2.放射線→ホルモン治療でがんばる
3.2に抗がん剤治療を加える。

1.は高額すぎるし、どちらにしても治療は受けるので、除外しました。問題は「2」と「3」です。どうするか希望を聞かれましたが、どうしても抗がん剤治療に抵抗があります。迷っていたら、先生が「迷うなら、この際、抗がん剤をやりましょう」といわれました。でも…いやなんです。抗がん剤治療は、この場合、しないと問題があるでしょうか? ホルモン治療の様子を見て、その後、何かあったら抗がん剤を試すとか、できるのでしょうか。毎日が不安で悩んでいます。よろしくお願いします。

このケースは、抗がん剤を加えるかどうか 医師も迷うし、患者さんも迷うところだと思います。抗がん剤を受けないことで、メリットとデメリットはどのくらいなのかを、主治医ともう少しお話になって、決めてください。ここでどうしなさいと言える問題ではないです。すみません。(文責 俵矢)
 

 

No.8456】  08年10月28日    K 
充実性腫瘤とは?

35歳、既婚、子ども2人で、今授乳中です。先日人間ドックで乳がん検診を受けました。触診は異常なしでしたが、超音波検査では右胸の下に直径4.2×7.0ミリの充実性腫瘤ありと診断されました。戻ってきた問診表には、低エコー、後方エコー不変というメモ書きもされていました。判定結果としては、「現在のところ心配ないので、今後は定期健診をうけましょう」という欄に印がうたれていたのですが、素人の私としては、このまま1年後の人間ドックの定期健診までほおっておいていいものかよくわかりません(そもそも充実性腫瘤とは何かさえ、よくわかっていないのですから・・・)。ちなみに前回の時は(その当時は妊娠7ヶ月でした)、両胸に嚢胞性腫瘤と豹紋上乳腺との診断で、そのときも「心配はない、定期健診をうけましょう」という結果でした。充実性腫瘤とは何か、嚢胞性から変化したもので悪性に変化していく可能性のあるものなのか教えて下さい。また1年後の検診までほおっておいていいものなのか教えて下さい。よろしくお願いします。

乳腺の超音波検査では、小さい「しこり」が多数発見されます。その中で、一部のみが精密検査に回ります。「経過観察でよい」と判定されているのであれば、少なくともその病変に関しては、今すぐ精査しなくても大丈夫なものであるという判断です。一年後の検査は受けたほうがいいですが、今はいいと思います。画像をみているわけではないので、大丈夫かどうかというコメントはここではできません。あまり心配なのであれば、専門医を受診してくださいということになります。(文責 俵矢)

 

No.8455】  08年10月28日    H  
両胸のしこりについて

初めて質問させていただきます。現在41歳です。今回集団検診を受け、乳がんの触診で、結果が書かれた紙をたまたま見てしまいました。そこに、「乳房の両方に異常あり、両方の胸の腕側の上のほうに3×4cmのしこり、非浸潤型・平型」という欄にチェックが付いていました。その後、マンモの検査も受けました。この日はちょうど生理の2日目でした。また、この検診日の9日前に緊急避妊薬のプラノバール二錠を二回飲んでいます。その後、生理は大体予定日くらいに来ています。結果は、集団検診なので10日後ぐらいしか分かりません。やはり、結果を待つよりも近くの乳腺専門のところに行ったほうがいいのでしょうか。乳がん検診は、37〜39歳までは、毎年「触診と超音波」を受けていて、去年の40歳から、「触診とマンモ」になりました。いままで一度も異常を指摘されたことはありません。乳がんのしこりは、一年の間に、こんなに大きくなるものなのでしょうか。また、同じ位置に同じ大きさのものができるものなのでしょうか。とても不安になってしまいました。一度ご意見をいただけないでしょうか。よろしくお願いします。

たぶん触診だけで、がんと判定できるケースはむしろ少ないので、おそらく何かの見間違いかなと思います。10日後に結果がわかるのであれば、たとえ乳がんであったとしても、その間にどうこうということはないので、結果が出てから、その結果を持って精密検査を受診していただくのが、より確実でしょう。(文責 俵矢)

 

No.8454】  08年10月28日    T・M
細胞診結果

先日 乳房のしこが気になり検査に行きました。結果は一週間後と言われ、今日がその一週間だったのですが、受付にて「あれ? 細胞診は2週間ぐらいかかるんだけど・・・」と言われてしまい、そのまま帰ってきました。細胞診は、そんなに時間がかかるものですか?

施設によっても多少異なりますし、判定の難しいケースで検討に時間がかかったということもあるかもしれません。かかっている施設にお問い合わせください。(文責 俵矢)

 

No.8453】  08年10月28日    MO 
骨転移の治療について

骨シンチで右大腿部付け根と肋骨右側の二ヶ所に骨転移が見つかりました。痛みなどの症状がほとんどないのですが 骨密度が72パーセントと主冶医から言われて、ゾメタの治療を1回やりました。副作用で38.8度の熱がでて、胸や足の筋肉に痛みがあり、顎の骨の骨壊死の心配などもあり、継続していいかどうか悩んでいます。現在リュ-プリンとフェアストンを使って、腫瘍マーカーCA15-3も正常値に下がっています。先生の御意見を御聞かせください。よろしくお願いします。50歳主婦。

特に、転移性のがんの治療については、まさにケースバイケースで、症例ごとに対応が異なることはいくらもあります。この文面だけみてコメントするのは難しいです。腫瘍マーカーも下がっているのであれば、主治医の提案される治療で経過を見てもよいのでは? 副作用が心配であれば、そのことを主治医に聞いてみてはいかがでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.8452】  08年10月28日    C.A. 
現在針精検結果待ちなのですが・・・(2)(HPNo.8401-2)

No.8401にて、母の胸のしこりについて質問させていただいた者です。丁寧にご回答いただき、ありがとうございました。その後、経過観察ということになったのですが、経過観察の理由として、
・マンモグラフィーとエコーの結果が一致しない(マンモの結果でひきつれの見れる部分に、エコーではしこりがない)こと
・エコーで見られる1.5センチ程度のややボコボコとした(癌が疑われる所見の)しこりに穿刺吸引細胞診を2度にわたって行ったものの、悪いものは出てこなかったこと

を、主治医は挙げられました。そして、「白黒つけがたく診断が難しいのだが、多分大丈夫なのではないかと思う」という診断のもとに、3ヶ月後に再度マンモグラフィーとエコーを行うこととなりました。乳腺外来があり、年間100以上の手術を行っている大きな病院での診断です。そこで質問させていただきたいのですが、
1) マンモとエコーの結果が対応しないという事例を目にされたことはありますか? このようなことは、よくあることなのでしょうか。
2) マンモグラフィーで、ひきつれがみられたり、しこりの形がボコボコしていたり等、癌を疑わせる所見であっても、良性の腫瘍ということは、どの位の確立であるのでしょうか。
3) 穿刺吸引細胞診で2度とも白であれば大丈夫という風にみてよろしいのでしょうか。さらなる検査(より太い針での検査等)を行わないで3ヶ月後に再検査という診断に、主治医は「大丈夫です」とおっしゃっていたものの、少し不安が残ります。
4) 仮に悪性のものであったとして、3ヶ月放置しておくことで更に悪化してしまうという心配はないですか?
5) 母は59歳(子供2人、閉経)なのですが、年齢が診断においてどのように影響を及ぼすのかについてお教えください。

お忙しいところを申し訳ありません。宜しくお願いいたします。

実際に拝見しないと、お答しにくい質問です。マンモグラフィとエコーで、どちらかしか所見のないことはよくあります。年間100以上の手術をしている施設であれば、診察しているのは、乳腺診療の経験が深い先生だと思うので、基本的にはおまかせしてよいかと思います。しかし、診断結果に疑問があるならば、主治医に聞いて説明をうけるのがいいと思います。(文責 俵矢)

 

No.8451】  08年10月28日    K 
ノルバテックスの副作用?

8月6日よりノルバテックス錠20mgを服用しています。9月下旬より、下腹部痛(子宮が掻き乱されるような痛み)があり、10月12日起床すると左眼が重く、見え辛いため、鏡でよく見てみると、瞳孔の大きさが左右同じではなく、右目に比べ、左目の瞳孔が点のように小さくなっていました。時間が経つにつれ、だんだんと左眼の瞳孔は大きくなり、午後4時頃には、ほぼ右眼の瞳孔の大きさ程になりました。10月21日の朝にも同様の症状がでたため、それ以後ノルバテックスの服用をやめています。これは、薬の副作用でしょうか?

下腹部痛に関しては、ノルバデックス服用中の患者さんに時にみられる症状ですが、瞳孔に関しては直接の副作用ではないかもしれません。しかし、副作用でなくても、頭蓋内に何か病変がないか確かめたほうがよいと思うので、とりあえず主治医の先生にご相談なさってください。(文責 俵矢)

 

No.8450】  08年10月28日    R 
術前化学療法で奏功した場合の治療について

36歳未婚です。2月に浸潤性乳管がん(大きさ19mm 核異型度1 ホルモン+ her2+3 リンパ節転移画像上なし)の診断をうけ、半年間、術前化学療法を受けました。EC4クール→T+ハーセプチン4クールをした結果、エコーで確認できないくらい腫瘍が縮小しました。その後、腫瘍から2cmはなれたところまで含めた温存術+リンパ節廓清を受けました。病理結果は、がん細胞は乳管内だけに残存し、リンパ節転移は無し、他のデータは初回の細胞診と同じでした。今後は放射線治療、ホルモン療法、ハーセプチン投与を示されています。全身治療のための抗がん剤がよく効いて、胸のしこりが消えていたら、乳房内のがん細胞にも効いていて、再発のリスクは低下するのではないのでしょうか? 温存術後は原則、放射線治療をすることになっていますが、それを『効果がある』術前化学療法でかえることはできませんか? 放射線治療をしなかった場合、再発率、生存率に差が出るのでしょうか? 術後とは違い、術前化学療法で抗がん剤の効果が分かるのですが、どうなのでしょう? お願いします。

乳房温存療法後の患者さんにおいて、術後化学療法のありなしにかかわらず、放射線療法を行ったほうが行わない場合に比べて乳房内再発が少ないことが知られています。また、乳房温存後に放射線療法を行わなかった患者さんは、行った患者さんにくらべ、局所再発率だけでなく生存率に関しても多少違うということも近年知られております。確かに、化学療法をやると乳房内のがんにも一定の効果は現れているはずですが、現在得られている知見から類推するに、さらに放射線療法も行っておいたほうが、局所再発の観点だけでなく、生存率の観点からみても(確かに術前化学療法の患者さんにかぎったエビデンスはないですが)、よいと思います。(文責 俵矢)

 

No.8449】  08年10月28日    K.O.
LH−RHアゴニスト

初めてお世話になります。現在38歳、未婚、出産未経験。浸潤性乳管癌 ・悪性度(2)・ER(+)・PgR(+)・HER2(2+)・断端、WHO基準(−)国内基準(+)・脈管浸潤の可能性あり。
9月に右乳房温存手術を受けました。術後の傷口の塞がりが悪く、放射線より抗がん剤を先に開始する事になり、10/30にEC4クールの第一回目を開始予定です。その後にホルモン治療を予定しています。抗がん剤開始前に、主治医にLH−RHアゴニストの使用をお願いしました所、十分なエビデンスがないという理由から見送られてしまいました。「早期閉経と再発抑制の二つの効果が期待できる「可能性」がある」という臨床段階であることは承知した上での提案だったのですが・・・。

1) まだ一般的な治療ではなく、病院によっては使用の制限等があるのでしょうか?
2) 年齢、費用、効果的に見た治療に関する利益と損失のバランスはあまり期待できない?
3) 抗がん剤では使用せず、ホルモン療法から使用するケースはありますか?

抗がん剤・ホルモン療法が、早期閉経や卵巣機能に及ぼす影響が、やってみないとわからない治療ならば、LH−RH製剤に掛けてみたいと考えております。お忙しい事と存じますが、何卒宜しくお願い致します

術後補助療法においては、乳がん学会編のガイドラインではホルモン療法と化学療法は同時併用しないことになっていますから、治療という観点からみた場合ゾラデックスを抗がん剤終了後から開始すること自体は間違った考え方ではないと思います。
卵巣保護の観点からみた場合、確かに主治医先生の言われるように、いわゆるレベルの高いエビデンスはありませんが、ゾラデックスを抗がん剤に先行させてもよいかなとは思います。ただし、ゾラデックスをしたからといって、必ずしも卵巣機能が保護されるというわけではないので、そのあたりを理解していただければよいかと思います。今一度、主治医の先生と相談なさってはいかがでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.8448】  08年10月28日    M.F. 
乳輪の形と乳癌との関連性

35歳女性です。右の乳輪の形が左と違い、盛り上がったような形で乳首を覆うような形になっています。もう昔からこのような形だったので、あまり気にしていなかったのですが、乳がんとの関連性もあると聞いて心配しています。来週、別の検査でCT検査をする予定なのですが、そのCT検査でも、乳がんは発見することはできるのでしょうか? ちなみにCTは全身を撮る予定です。

以前から同じであれば乳がんの可能性は低そうです。ただし、乳房の小さい病変はCTで写りにくいことが多々あるので、気になるようなら乳腺科でみてもらうとよいでしょう。(文責 俵矢)

 

No.8447】  08年10月25日    Y 
しこりと腕のしびれについて

33歳の女性です。3歳の長女と10ヶ月になる次女の母です。現在授乳中なのですが、2週間ほど前に左の胸の付け根の1センチ位わきの下よりの辺りに1センチ未満くらいの水ぶくれのようなしこりを発見したので、次の日近くの外科を受診しました。初めは先生が触り、これは癌ではないと言い、私が「脂肪か何かですか?」と質問したところ、「いや乳腺の何か」と言われました。マンモグラフィもその後やったのですが、先生に「授乳中なので良くも悪くもはっきりわからないけど、でも違うから。また何かあったら来て」と言われました。私としては、安心したくて検査に行ったのに、病名がなんなのかもわからず、触っただけで違うといわれたのも少し心配でした。昨日あたりから左の腕がしびれてきた感じがするのですが、これは癌とは関係あるのでしょうか? 乳がんの症状で腕がしびれることはありますか? 気にしすぎているせいか、一日に何回もしこりを触って確認しているのですが、それがもし癌だったら転移を早めたりするのでしょうか?

文面を読むだけではなんともいえませんが、授乳中だと確かに検査をしてもわかりにくいことはあるかと思います。腕のしびれは、あまり乳房とは関係ない症状だと思います。ご心配であれば、もう一回受診してみていただいたらよろしいかと思います。(文責 俵矢)

 

No.8446-1】  08年10月25日    K 
骨転移の治療について

恐れ入りますが、アドバイスをいただけますと幸いです。昨年12月に母(60歳)が温存手術を行ったのですが、腫瘍マーカーのCA15-3が40を越えたため、全身の検査を行ったところ、骨(骨盤)への転移が見つかりました。昨年手術時の状況は以下の通りです。
・大きさ:1.3cm ・ステージ:1 ・グレード(顔つき):2 ・リンパ転移:0/3(センチネルリンパ生検) ・ER:陽性、PgR陰性 ・Her-2発現:1+ ・断端陽性であったが、追加切除は実施せず。
その後、放射線治療、ホルモン療法(フェマーラ)を行っていたところ、今回の転移発見となりました。断端陽性であったにも関わらず、強く追加切除を要請しなかったことを悔やんでおります。早期発見であったにも関わらず、術後一年もたたずに転移してしまうとは・・・。転移の告知時にホルモン剤をフェマーラからアロマシンに変更され、一ヶ月後にマーカー値が下がっていなければ抗がん剤治療に移ると言われました。骨盤の痛みはたまにあるようですが、ひどくはなさそうです。恐れ入りますが、下記の事項についてアドバイスをいただけますでしょうか。

1) ホルモン剤の効果は一か月で分かるものなのでしょうか? ころころ変えずに三か月は効果を見守るべきだという医師の意見をWebで拝見しまして。
2) 骨転移にはホルモン剤と共にゾメタを使用するのが標準的であるとWebで見ましたが、使用を要請した方がよろしいでしょうか?
3) 骨盤に転移している場合、フライト時間が10時間もかかるような海外旅行に行くのはリスクが高いでしょうか。今まで親孝行したことがないので、一生に一度くらい海外旅行に連れて行ってあげたいと思いまして。
4) 今治療を受けている病院には乳腺内科が無いのですが(乳腺外科で診察してもらっています)、転移した現状を考えると、体制の整っている癌専門病院へ転院するのが望ましいのでしょうか。

知恵を拝借できますでしょうか。よろしくお願いいたします。

まず、治療がもう少し落ち着いてから海外旅行がよいかと思います。ホルモン療法の効果は、数か月かけてみるのが普通ですが、病状が差し迫っている場合は早めに抗がん剤に切り替えることもあります。骨転移であれば、ゾメタは使用を検討してよいと思います。主治医の先生に聞いてみてください。まず、いまのようなご質問を現在の主治医の先生にお話してみて、もう少しよくお話を聞いてみてください。そのうえで、納得できなければ、セカンドオピニオンをご希望されてみてはいかがでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.8446-2】  08年12月13日    K 
骨転移の治療について(2)

HPNo.8446(08年10月25日)で骨転移の治療について質問をし、アドバイスをいただいたものです。その後11月中旬に腫瘍マーカーの検査を行ったところ、CA15-3が51になっておりました。(9月は27、10月は41でした。) 医師がおっしゃるには、マーカー値の上がり方が鈍化しているため、薬が効いているのではないかとのことでした。薬は昨年12月の手術後からフェマーラを、マーカーが上がったこの10月からアロマシンを服用しております。
1)  このマーカー値の上がり方は、薬が効いていると思ってよいのでしょうか? 実は10月頃には骨盤がたまに痛いと言っていたものが、今は太ももの裏まで若干痛いといっております。
2) 観察をするマーカーは、CA15-3だけでよろしいのでしょうか?
3) 痛みのある範囲が広がっていることから、このまま今の薬を続けるのか判断するためにも(本当に今の薬が効いているのか確認する意味でも)、CTなりの画像チェックを行った方が良いと思うのですが、いかがでしょうか。
4) もし今の薬が効いていない場合、次は抗がん剤治療に入ると言われておりますが、どういった種類の抗がん剤の適用が考えられますでしょうか。

今後、医師と話をする上で参考にできればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

1) 薬が効いたかどうかという判断に際し、マーカーの変動は確かにその傾向を示す可能性はあるものの定かではなく、画像などで腫瘍部分が減ったり、無くなったりすることで判断されます。
2) CA15-3が病勢と連動しているようなので参考になると思います。その他、CEA,1−CTPなどが用いられることが多いです。
3) 病巣の広がりを知り、痛みに対して例えば放射線治療などが適応になることを想定しての画像チェックは考えられますので、主治医の先生とよくご相談ください。
4) アントラサイクリン系薬剤(アドリアマイシン、ファルモルビシン)を含んだAC,EC,CAF,CEFなどの多剤併用抗癌剤療法→タキサンケ系(タキソール、タキソテール)→ナベルビン→ゼローダ、TS-1などが考えられます。(文責 片山)

 

No.8446-3】  08年12月28日    K 
骨転移の治療について(3)

お世話になっております。HPNo.8446及びHPNo.8589で骨転移の治療について相談させていただいたものです。本日病院に行ったところ、腫瘍マーカーCA15-3が57と、また上がってしまっておりました。9月は27、10月は41、11月は51でした。薬は昨年12月の手術後からフェマーラを、マーカーが上がったこの10月からアロマシンを服用しております。他は術後の放射線治療を行ったのみで、術前の抗がん剤治療等は行っておりません。この度、アロマシンは効果がないとみなし、12/20から抗がん剤のゼローダと放射線による治療に移行すると医師に言われました。また、本日私からの要請でゾメタの投与(初めて)を行ってまいりました。恐れ入りますが、以下の点についてアドバイスをいただけますでしょうか。

1) アロマシンを服用して2か月で、腫瘍マーカーの値だけで効果がないと判断してよいのでしょうか。本日、画像チェックを依頼してCTを撮ってまいりました。その結果を待って、抗がん剤に移行するかの判断では遅いのでしょうか?(画像確認結果が分かるのは、次の外来の1/13です。)
2) 他に適用可能なホルモン剤はありませんでしょうか? 高齢(60歳越え)であるため、抗がん剤の使用はなるべく先延ばしにしたいと考えております。
3) 抗がん剤に移行する場合、いきなりゼローダから始めるというのは一般的なのでしょうか? 本ページでもアドバイスいただきましたが、ゼローダは、CAF等の一次療法、タキサン系の二次療法で効果がなかった場合に、最終手段として適用されるイメージを持っておりまして・・・。
4) 本日(12/16)から現在服用しているアロマシンは飲まなくて良いと言われました。抗がん剤の服用開始が12/20からで予定されておりますが、その間薬を何も飲まないのは予後に影響はないのでしょうか。

昨年12月手術時の状況は以下の通りです。「・大きさ:1.3cm ・ステージ:1 ・グレード(顔つき):2 ・リンパ転移:0/3(センチネルリンパ生検) ・ER:陽性、PgR陰性 ・Her-2発現:1+ ・断端陽性であったが、追加切除は実施せず。」 度々の相談にて申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

1) 結果を待ってからでもよいと思いますが、骨病変の画像評価は難しいことがあります。
2) ノルバデックス、ヒスロンHなどがあります。
3) 実地臨床ではゼローダから開始することもあります。
4) 影響はありませんので、あせらずにお待ち下さい。(文責 加藤)

 

No.8445-1】  08年10月25日    M.H. 
今後の治療方針について

初めてメールします。私は、三月に定期の乳がん検診をしましたが、五月頃からしこりが気になり、六月に検査を受けて3.4pの乳がん(リンパも)が見つかりました。脳と内臓には転移なし。7月よりアドリアシンとエンドキサンの抗がん剤4回を行い、CTでは3.4pのガンとリンパは消えていましたが、エコーでは1.7pのものが映っていて、先生は「影かもしれないし、まだガンが残っているのかは、手術してみないとわからない」と言われました。手術のことで迷っています。私はこれから、温泉に行ったり水着を着たりして、できるかぎり今と変わらない状態を望んでいます。今は温存手術で考えていますが、
1) 最初にできたガン 3.4p+1.5p+1.5p=7cmで手術
先生は私の胸のボリュームもあり、ガンが外側にあるので7cmでも変わらないといいますが、切った部分に脂肪とか詰めないのかと聞くと、「そのままだよ。」と言われ、ショックを受けました。ネットとかでみると、「どこからか脂肪を持ってきてわかないようにした。」というのが多いのですが、それは整形外科の部類で、一般的ではないのでしょうか? 整形外科もある病院を探そうかと思っています。
2) 小さくなったガン 1.7p+1.5p+1.5p=5cmで手術
「5cmで手術して、後から周りに残っていたら2度の手術になる覚悟はして」と言われましたが、手術中には調べられないのですか? どんな病院でも時間がかかるのですか? Aの手術の場合、再発などのリスクはどうなのでしょうか? 今受診している医師には、「Aの手術の症例は少ないのでデーターがない」と言われて、どうしようか悩んでいます。
3)  放射線で胸が陥没してしまうのは、どういう状況でなるのでしょうか?
放射線をしてからだと、きれいに胸ができないと聞きますし、全摘出は相当痛いと聞くので、身体に負担の少ない手術を選びたいが、きれいでありたいとも思います。現在は手術と病院も含めて決めかねているので、タキソールの抗がん剤を始めました。

1) 術前に抗がん剤を投与して小さくなっても、少なくとも現在は、もともとのしこりの大きさくらいは最低限切除するのが一般的です。切除した部位にもより、そのままにしておいても変形が少ない部位もありますし、周囲の乳腺と脂肪を縫い合わせて形を整える場合もあります。温存療法といっても、もちろん必要な範囲は切除したうえで、形を整えるということになりますから、多少は変形はあるものです。そのあたりのことは、主治医の先生ともう一度お話になってください。
2) 抗がん剤をした後の組織は、抗がん剤により癌細胞が影響を受けているので、術中迅速病理診断では判断が難しいことはよくあります。
3) 温存療法をされた場合は放射線療法をしたほうがよいです。放射線療法を行うと、手術のあとの変形がもう少し強くなると思っていただいたほうがよいでしょう。(文責 俵矢)

 

No.8445-2】  09年01月05日    M.H. 
今後の治療方針について(2)

HPNo.8445で相談させていただきました。ありがとうございます。大変参考になり、次に進めたと思います。エンドキサン・アドリアシンを4回、タキソールを6回で化学療法を終了して、乳房温存手術をしました。化学療法前ステージU、化学療法後ステージT、浸潤ガンの大きさ1.5cm、リンパ節転移無し、ホルモン受容体 陽性、エストロゲンレセプター:+3、プロゲステロンレセプター:−。切除した部分の切除断端に近いところに5mm×3mmのガンが1つあり、今後の治療はノルバデックス20mg服用、放射線25回+5回(5回の時に切除断端部分に集中して照射すると、5mm以下のガンなら消えるという病院のデータがあるとのこと)をするのですが、再発の危険性とかはないのでしょうか? 最初の説明では切除部分を小さめに取って、ガンが残っていた場合は再手術と言われていたので、心配しています。切除断端に近い所にガンがあった、ということで、自分の体に残っているともいないとも分からないので、放射線を多くかけるとのことですが、再手術の必要性はあるのでしょうか?

切除断端の近いところ・・というのが、施設により解釈が様々です。断端に露出していても、放射線を追加で照射する施設もありますし、追加で切除することもあります。一般的には、切除断端に露出していなければ追加切除は行いません。文面からすれば、断端に露出はしていないようなので、放射線をプラス5回というのが良いと思います。追加で切除するにしても、一度手術をすると、どのあたりに腫瘍の残っている可能性があるのかが難しくなり、結果どの部分を切除して良いかも難しくなりますので、術前にしっかりと治療していますので、結果を信じ、放射線治療とホルモン療法を行いましょう。(文責 鈴木)

 

No.8444】  08年10月25日    N.M.
今の状態で乳がんの可能性はあるのでしょうか?

はじめて相談します。マンモグラフィーと触診の乳がん検診を受けました。マンモグラフィーの結果、乳房全体に影があるのと、触診の結果、特にしこりはないが乳房全体がゴリゴリするという事で、エコーの再検査を言われました。今の状態で乳がんの可能性はあるのでしょうか? まさかの再検査で動揺しています。

乳癌の可能性があるかどうか、この文面をみただけではもちろんわかりません。特にお若い方ですと、検診施設で、マンモグラフィで乳房の中身が見づらくて、超音波をすすめられるケースはよくあることなので、まずは検査を受けてみてください。(文責 俵矢)

 

No.8443】  08年10月25日    T・M
線維腺腫と言われたけれど・・・

よろしくお願いいたします。現在36歳、5歳と2歳の娘の母です。しこりにいつ気づいたかが定かでなく、夏頃から右乳房のしこり周辺がちくちく痛み、先週乳がん検診もかねて病院へ行ってきました。40歳以上からはマンモグラフィがあるのですが、とりあえず触診と超音波のみの検診で、しこりについては、「たぶん線維腺腫でしょう。一応細胞診もしてみる? しこりの大きさが1.2ミリぐらいだから、上手くとれなかったらごめんね。」と言われました。「うまく採れなかったらごめんねって????」と思いながらも、癌なら嫌なので「ぜひお願いします」と細胞診をお願いしました。検査結果は明日出るのですが、線維腺腫のしこりは痛みがないと言いますが、しこりを触ると、とても痛く、チクチク感もあります。これって乳がんの可能性はありますか? あと、1月に母乳をやめて、その春に乳首の一部が赤く腫れ、膿んだような感じになりました。あまり痛かったので、母乳が詰まって膿んだのかなと思い、自分で膿みを押し出したのですが、その時血の混じった膿みが出ました。それは現在の痛みと関係があるのでしょうか? 膿みの話は担当医にしていないのですが、話したほうがよかったでしょうか? 「線維腺腫と言われ、その数ヵ月後に癌と言われた」と、ネット書き込みがありましたが、検査結果が線維腺腫と言われても、「上手くとれなかったらごめんね」が引っかかるのですが、ほかの病院にも行ったほうが良いのでしょうか? どうかアドバイスをいただけますか? よろしくお願いいたします。

病変があまりに小さいと、「うまくとれない」ことはよくあることです。1-2mmの病変だとすると、むしろうまくとることのほうが難しいと思います。線維線種が癌に変わることはありませんが、最初は線維線種と診断していたが、経過観察していて、あとで癌であったことが判明する場合もあります。相談者さんがここに書かれているようなことを、主治医の先生に聞いてみてください。納得のいくご説明がなければ、他院を考えてもよろしいかと思いますが、まずは今の先生に質問してみてはいかがでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.8442】  08年10月25日    ドラドラ 
comedo型について

病理検査の結果、非浸潤ガンで、comedo型だといわれました。非comedo型より悪性度が高いと言われ、不安です。もう少し詳しく教えてください。予後の治療はしていません。

コメド型の非浸潤性乳管がんのほうが、非コメド型より発育のスピードが速いと考えられています。ですが、非浸潤がんは非浸潤がんですから、生命予後は悪くないと思います。主治医の先生にもお聞きになってみてください。(文責 俵矢)

 

No.8441】  08年10月24日    R
ノルバデックスと生理について

2005年12月に乳癌の温存手術をうけ、もうすぐ3年になります。年齢は現在41歳です。術後ホルモン療法として、ノルバのみ服用しています。9月5日までは周期は28日から41日と崩れ気味でしたが、生理が毎月きていました。 9月13日に避妊をせずSEXをしてしまいました。その後3週間目4週間目5週間目と妊娠検査薬で検査しましたが、3回ともに陰性でした。次回の乳癌定期健診が11月中旬のため不安で相談させていただきます。薬を服用していると検査薬の結果に影響などあるのでしょうか?またはホルモン療法のため生理不順になり生理が来なくなったという方もいるので薬の副作用でしょうか? 定期健診の前に婦人科へ行ったほうが良いのでしょうか? 変な質問ですみませんが、ご回答お待ちしております。宜しくお願いします。

ノルバデックス服用により妊娠判定薬の結果に影響が出ることはまずないと考えられます。生理が遅れているのであれば、基礎体温をチェックをした上、一度婦人科受診をお奨めいたします。またご存知かとは思いますが、ノルバデックス服用中の妊娠出産は、自然流産や胎児死亡の頻度が増すため禁忌となっておりますので、留意なさってください。(文責 谷)

 

No.8440】  08年10月24日    S 
胸のしこりの事で相談しました

昨日お風呂に入った後、右胸にしこりがあるのに気がつきました。私は18歳で、母は39歳のときに乳がんの手術をしました。祖母の兄弟は乳がんで亡くなりました。診察は早めに受けたほうが良いでしょうか? もしも様子をみるなら、何ヶ月くらい先の方が良いでしょうか。私くらいの年齢の人でも、乳がんが見つかることはあるのですか? ガンでなくても、しこりが見つかることはあるのでしょうか? よろしくお願いします。

18歳で乳癌は絶対ないわけではありませんが、きわめてまれであるといえます。頻度から申しますと、線維腺腫という良性の腫瘍か乳腺の硬い部分をふれているだけの正常乳腺などが考えられますが、葉状腫瘍という比較的若年にも生じる手術必要な腫瘍ということもまれにあります。また心配は早々に払拭することが必要ですので、いずれにせよ近いうちに一度乳腺外科を受診することをお奨めします。(文責 谷)

 

No.8439-1】  08年10月24日    M 
病理結果について

お疲れ様です。いつも相談室を拝見させていただいております。乳癌温存手術を受けましたが、その病理結果については、聞くことが出来ませんでした。内容は以下のとおりです。低リスクなのか、ハイリスなのか、とても心配です。貴研究会が出版された「乳腺専門医が答える 乳癌・・・私の場合」などで調べましたが、分かりませんでした。検査結果についてご教授いただけたらと思いメールをいたしました。よろしくお願いいたします。

■ 検体:左乳腺(Bp 7.5×6.2. 2×2.2cm)、リンパ節
■ リンパ節:pN0(o/2、I + ; SNB)
■ 核異型スコア2、核分裂スコア2(5個/10HPF),核グレード2
■ Invasive ductal carcinoma、solid-tubular carcinoma of left
■ Breast (Bp+SNB), area=AC, pT1c(2.0×2.0×1.5p) pN0(0/2, i+)
■ Margin(-), NG(2), ER(8),PgR(6), HER2(0), g+ f+、 1y1 , v0
■ 切除断端は腫瘍陰性。腫瘍から断端までの最短距離は、約2o。
■ 組織学的に類円形核を有する腫瘍細胞の胞巣状、索状増殖を認めます。
 

簡単にまとめますと、充実腺管癌、腫瘤は2cm、腋窩リンパ節転移なく、ホルモン感受性陽性(ER<+>PgR<+>)、HER2陰性、核グレード2といったところですので、ザンクトガレン会議の分類に従いますと、中間型リスクに分類されます。切除断端は一応陰性ですが、腫瘍からの距離が2mmとかなり近いようです。以上の結果に、年齢や閉経前後のどちらであるかなどの情報と共に、今後の追加治療(補助療法)を決定してゆくこととなります。これを踏まえ、主治医の先生とよくご相談下さい。(文責 谷)

 

No.8439-2】  08年11月04日    M 
病理結果について(その2)

いつもお世話になっております。質問に対して、分かりやすいご回答ありがとうございました。【No.8439】で質問をしたところ、回答に以下の内容がありました。
「切除断端は一応陰性ですが、腫瘍からの距離が2mmとかなり近いようです。」

1) この切除断端が腫瘍からの距離について、近いとのことですが、これは、どういう影響(再発や転移・予後)があるのでしょうか? また、どういう状態なのでしょうか?
2) 「脂肪浸潤、軽度のリンパ管侵襲を認めます」とありました。これは、影響度(再発・転移や予後など)、どれくらいなのでしょうか?

乳房温存手術を4月中旬に行い、その後トラブルがあり、9月中旬から放射線治療を開始しました。 術後5ヶ月以上無治療だったため、再発や転移がとても心配です。今は放射線治療も終わり、ホルモン治療(ノルバデックス)の服用を開始しました。

3) ホルモン療法中のアルコール(飲酒)については、影響がありませんでしょうか? また、注意しなければいけないことがありましたら、お願いいたします。

お忙しいところ、大変申し訳ございませんが、ご教授いただきたく、よろしくお願いいたします。

断端に癌の露出はないものの、切り口近くにまで癌が及んでいるということです。施設により断端陽性の判断基準は一定ではありませんが、この距離が近ければ、局所再発のリスクが高くなります。脂肪浸潤はあまり影響ありませんが、リンパ管浸潤は、リンパ節転移、遠隔転移のリスクが高くなります。ただ、あまり言葉に惑わされず、今はベストな治療がなされていますから、前向きに考えればいいでしょう。ホルモン療法の際も、特に注意することなく、普段の生活、普段の考え方ですごして問題ありません。度を過ぎるようでなければ、お酒も構いません。(文責 鈴木)

 

No.8438】  08年10月24日  Y.Y
肺転移

2005年11月に、右温存で、「大きさ3.2×1.2 (ER−)(PgR+30) リンパ転移なし グレード3」で、術後CE×4クール・放射線終了後リュープリンとタスオミンで現在治療中。9月のCT検査で10ミリの単発の肺転移が見つかり動揺しています。乳がんの肺転移は多発が多いと聞き、多発の場合は手術の適応外と聞きますが、単発の場合、主治医も悩むところだと言われています。PET検査では他には転移の所見はみあたりません。手術をせずに抗がん剤の効果を見た方がいいのか、効果を見た後に手術をした方がいいのか? 手術をしてタキサン系などで徹底的にたたいた方がいいのか? 私としましては信じて治癒をめざしたいのですが・・・。この場合、抗がん剤はエンドレスになるのでしょうか? ご意見お願いします。 

手術、抗がん剤治療、放射線治療と耐え難い治療をなんとか終え、術後3年近く経過しやっと少し落ち着きを取り戻しつつあるところに今回の肺転移の診断、さぞかし動揺されていることとお察し申し上げます。一般に乳癌の肺転移に関しては、診療ガイドラインでも手術での切除は推奨しておらず、タキサン系などの抗がん剤治療や(HER2陽性であれば)ハーセプチンを使用することになります。しかし術後3年で現在しこりが単発であることを考えると、乳癌の転移でなく新たな肺癌(原発性肺癌)の可能性も否定できないと考えられ、その場合は手術も有力な選択肢にはいってきます。また、あくまで治療は本人の意思が一番重視されるべきですので、転移を強く疑ったとしても手術による摘出を望む場合は、主治医の先生に率直に仰っていただいて、よくご検討いただきたいと考えます。あくまでご自身で納得のいく治療をお受けになってなってください。がんばってください。(文責 谷)

 

No.8437】  08年10月24日  もも
乳腺症と手術までの時間

前回、マンモトーム後のしこりについて質問いたしました。ご回答いただき、その温かなご対応に励まされています。ありがとうございます。今回、3点質問があります。
1) マンモトームの結果、良性で乳腺症であると診断されました。画像上は悪性にしか見えないような形だけど、取った細胞を主治医と病理の専門医と外部の専門分析機関に出した結果、3者とも細胞は良性だと判断したということで、手術がキャンセルになりました。ちなみに、前の病院で穿刺吸引細胞診を2度行った結果は、1回目グレー→2回目悪性でした。3名も見ていれば、間違いはおきないものですか? セカンドオピニオンをとるべきでしょうか?
2) 前の病院で悪性と判断され、手術することが決まっていました。病院を変えなかったとしたら、良性なのに手術が行われてしまっていたと思われます。そういうことは、乳がんではあることなのでしょうか?
3) 乳がんは進行が遅いから、納得のいく治療が受けられる病院を探した方がいいと聞きますが、乳がんが倍の大きさになるのに、約90日かかると本で読みました。とすると、11ミリのしこりは、3ヵ月後に手術したとすると22ミリになり、大きさからいうと、ステージTからUに変わってしまうのですか? 次の検査が3ヵ月後なので心配です。

お忙しい中恐縮ですが、ご回答いただけましたら幸いです。よろしくお願いいたします。

1)直接携わっているわけではありませんので推測も入りますが、3人ともに良性と判断されたのなら良性の可能性が強いと考えます。穿刺吸引細胞診だけでは採取できる検体が少なく、時に良悪の診断も困難であるケースはわれわれも経験します。マンモトームでしっかりと組織が採取でき、その検体での3人の判定であれば、その結果は信頼性が高いと一般には考えます。
2)良性病変に対し乳癌の手術をするといったことはあってはならないことです。ただメールの内容から拝察いたしますに、良悪の判定の非常に困難なケースと見受けられ、今回手術施行しないまでも今後も慎重に経過を診てゆく必要はありそうです。
3)一般に1個のがん細胞が分裂して2個になるために要する時間を(体積)倍加時間(doubling time)といい、乳癌の場合これが90〜100日程度と言われております。ただこれは体積が倍になるための時間であり、11ミリのしこりが22ミリになるためには8倍の体積になることになりますので、この理論から算出しますと90日の3倍の270日要することになります。ただ経験から申しますと、実際には腫瘍そのものの個体差がかなり存在すると思われますので、あくまで机上の論理とお考えください。(文責 谷)

 

No.8436】  08年10月24日  M,K 
骨転移?(HPNo.7786-2)

前回HPNo.7786でご相談にのっていただいたM,Kです。その節はどうもありがとうございました。手術から10ヶ月、放射線治療から7ヶ月が過ぎすぎ、現在ホルモン療法(タスオミン)のみの治療を続けております。最近骨盤が痛く、胃も刺す様な痛みがあり、特に骨盤の痛みがどんどん強くなってきたので、病院でPET検査を受けることになりました。もしも骨転移であれば、今後の治療方法のアドバイスをお願いいたします。抗ガン剤の治療はとても辛かったので、出来ればその他にどんな方法がありますでしょうか? 宜しくお願いいたします。

まず、もともとの組織でHER2の過剰発現が認められていれば、ハーセプチンの効果が期待できます。また、骨転移に対して選択的に使用されているのが、ビスホスホネート製剤に分類されるゾメタです。閉経前であれば、LH-RHアゴニスト剤(ゾラデックス、リュープリンなど)のタスオミンへの上乗せです。以上のような選択肢が考えられます。(文責 谷)

 

No.8435】  08年10月24日  K
細胞診でmucocere likeの意味は?(HPNo.8397-2)

懇切丁寧なご回答を有り難うございました。また更に追加質問ですみませんが、MLTで、もしセカンドオピニオンをするとしたら、そちらでもまた一から検査をする羽目になるのでしょうか。麻酔をして組織診もするのでしょうか。また、癌ではないのに腫瘤摘出手術は良性でもしたほうがいいのでしょうか。摘出手術とは、どの様な内容なのですか。大きなしこりと痛みが今もありますが、しこりには異常はないらしく、その奥に小さく異常が発見されました。次回のエコー検査まで3ヶ月ありますが、それまでにセカンドオピニオンをしたほうがいいのか、何もしなくていいのか等、アドバイスをいただけると有り難いです。

前回の回答でもお答えしておりますが、組織診でMLTとの診断となったとのことですが、その周囲に悪性の病変がある可能性があるので、今後も慎重に対処してゆく必要があります。直接拝見しておりませんので、どのようなしこりが今現在あるのかなど詳細がわからず、的確なお答えになるかどうかは確約できませんが、一般に腫瘤摘出術はその周囲だけに麻酔の注射をうち(局所麻酔といいます)、しこりだけを取り出すものです。前回の組織診ではしこりの一部だけを採取して判定しているのに対し、しこりごととってしまうので、一部だけに癌がある場合でも診断が確実につくというのが最大のメリットとなります。いずれにせよ、直接診察してくださっている主治医の先生と再度よくご相談なさってください。(文責 谷)

 

No.8434-1】  08年10月23日  TK
今後の治療について

はじめてメールさせていただきます。9月上旬に温存手術をしました。大きさ5.2x4.7(癌3.4x4.3)、非浸潤癌、margin+(断極+ってことですよね?)。33歳。出産経験はなく、早めに子供が欲しいと思っております。放射線治療(追加照射予定有)後、ホルモン治療が必要か否か、又、妊娠についてご意見お願いします。

ホルモン療法が必要か否かは、切除したがんのホルモン受容体検査などをみないとわかりません。妊娠についても、これだけの情報からは何ともいえないというところが正直なところです。主治医に今一度お聞きになってみてください。(文責 俵矢)

 

No.8434-2】  09年03月18日  TK
痛みについて

HPNo.8434でご相談させて頂きましたTKです。いつもこのサイトでは、丁寧な質問に答えてくださっている先生方に感謝しております。
非浸潤ガンで、断端+、12月8日に放射線治療(追加照射有り)を終りました。ホルモン感受性だったのですが、強い妊娠希望から無治療でいくことになりました。最近、乳房全体とリンパの周辺が鈍痛がするようになりました。一時的なものかと思っていましたが、ここ1〜2週間位気になります。仕事が多忙になり、ストレス・疲れが原因だけであるといいのですが…。少し再発?心配が頭をよぎります。再発と痛みは関連があるのでしょうか? 4月初めに定期健診があるまで病院に行くか否か迷って、取り急ぎご相談させて頂いている次第です。また、妊娠は乳がんに悪影響を受ける、受けないと言う情報が錯綜している中で、先生のアドバイスを頂ければ幸いです。よろしくお願いします。

鈍痛が再発ということは少ないと思います。手術や放射線の影響で脂肪壊死などの炎症が起こったりすることもあります。妊娠が悪影響があるかどうかは文献上否定的ですが、個人的には妊娠を契機に急速悪化した乳癌患者さんを診たことはあります。(文責 石山)

 

No.8433】  08年10月23日   D.S.
母の胸のしこり(2) (HPNo.8394-2)

先日、母の件でご相談させていただいたものです。ご丁寧なご回答ありがとうございました。昨日、母がマンモグラフィーを受診し、やはりしこりらしきものが見つかったので、本日、大学付属病院へ行ってまいりました。腫瘍らしき影は3cmから3.5cmぐらいとのことです。脇の下や首周りのリンパの触診では特に腫れている部分や腫瘍らしきものは見つからないとのことでした。本日の検査としては、さらに細かいマンモグラフィー、血液検査、尿検査、心電図、胸部レントゲン、肺活量検査を行いました。今後の予定としては、来週10/29に超音波の検査と腫瘍に針を刺して悪性かどうか調べる検査(名前が分かりません)、再来週の11/5に骨シンチ検査、CT検査。MRI検査は11/25まで予約が取れないとのことでしたので、11/25の予定です。大学病院ということで混んでいるようで、癌が確定して、転移がなくても手術が2〜3ヶ月先になるとのことでした。大体年明けが手術予定のようです。もし、転移が見られる場合は化学療法をしてから手術をするので半年先になるかも知れないとの事です。今日、私は母に付き添い病院に行ってきたのですが、母も一緒だった為、なかなか先生に聞くことが出来なかったことを質問したいのですが・・・。

1) 手術が3ヶ月先になってしまうということで、遅すぎるということはないのでしょうか? 一応、この点は聞いてみましたが、先生は2,3ヶ月先でもさほど問題はないという答えでした。手術の時期が遅いということであれば、他の病院も考えた方がよいのではないかとも思っております。
2) もうひとつ、どうしても気になっているのは腫瘍の大きさです。3〜3.5cmというと、かなり大きいのではないかと思うのですが、やはり1年以上放っておいてしまったことがいけないことは分かっています。このぐらいの大きさの腫瘍がある場合、どのくらいの割合で多臓器に転移することがあるのでしょうか? 転移していないことを心から願うのですが、心配で仕方がありません。転移していても完治することはあるのでしょうか?

文章が支離滅裂で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

転移しているかどうかは、もちろん検査してみないとわからないです。こればっかりは検査結果を待ってください。腫瘍の大きさだけが病気の悪さを決める材料ではないですから、大きさのことばかり心配しなくてもよいと思います。通常は、乳がんは2.3か月でどうこうという病気ではないですから、その程度の待機時間は大丈夫なはずです。ご心配ならば、主治医の先生にもそのお気持ちをお話になるとよいと思います。(文責 俵矢)

 

No.8432】  08年10月23日   U
小葉癌(HPNo.8416-2)

HPNo.8416にてご回答いただきました。有り難うございます。主治医からは、「小葉がんは、がんのできた畑が小葉であったというだけで、治療法や予後は、たいして変わりはない」と説明を受けました。で、さらに質問ですが、小葉がんで悪性グレードや腫瘍径が判定できないという理由、根拠はどういうことなのでしょうか? ご説明いただければ幸です。ちなみに私の病理を担当してくれた医師は、径もグレードも判定していましたが、できないはずのことが、何故できたのですか? たとえ参考値としても、無理に判定しようとすれば可能ですか? グレード1とのことで、少し安心していましたが、間違っていますか? いろんな本を調べても小葉がんのことは、症例が少ないからか、ほとんど書かれていません。小葉がんとは、他の乳癌と比べて、どういう特徴があるのでしょうか? どこがどう違うのですか? ちなみに術前は硬がんと言われていました。術後の病理で「小葉がんと思われる」と変わっていました。区別は微妙で難しいのでしょうか?

日本乳癌取扱い規約では、「病理学的悪性度分類は主として浸潤性乳管がんの浸潤部を対象として行う」と記載されているので、おそらく病理の先生は判定していないのだと思います。小葉がんと硬がんは、画像診断や、細胞診、組織診でも鑑別が難しいことはよくあります。(文責 俵矢)

 

No.8431】  08年10月23日   s・s
乳癌と母乳の関係について

お忙しい中、恐れ入ります。乳がんのことをいろいろとTVやネットでみていて、心配になってメールをさせていただきました。乳がんで母乳を飲ませていた場合、子供にがんが移ってしまうのでしょうか? 母乳は血液から作られているので心配です。教えてください。よろしくお願いいたします。

母乳の中から、乳がんが赤ちゃんにうつることはありません。大丈夫です。(文責 俵矢)

 

No.8430】  08年10月23日   HK
術後のことについて

8月に検診にて乳ガンが見つかりました。11月に温存手術の予定です。現在36才。未婚ですが、今後妊娠・出産を希望しています。術前なので治療法などまだ確定してませんが、術前検査によりホルモン治療になりそうです。そうなると5年は治療を続けるとの事で、また治療により生理が戻らない可能性もあると言われました。そういった状況で、今後妊娠は出来るのでしょうか? また術後数ヶ月妊娠を試みて駄目なら治療という事も可能でしょうか? 現在認識している病状は、ステージ1・約10ミリ程度の腫瘍と言うことだけです。

ホルモン療法のみであれば、5年後に月経が再開する可能性のほうが高いとは思いますが(もちろん再開しないことも十分考えられます)、月経が再開しても、実際に妊娠するかどうかはまた別の問題になると思います。出産を第一に考えるならば、年齢的にも早いほうがよいと思われます。今から、ホルモン療法をしないでとなると「がん」の再発リスクは心配しないといけません。この辺のことは、もう一度主治医とよくお話になって結論を出してください。(文責 俵矢)

 

No.8429】  08年10月23日   S 
しこり部分の痛みとその他症状

38歳、1児の母です。1年3ヶ月前に左胸の下(下着のワイヤーがあたる部分)の痛みが続き、乳腺外科を受診しました。マンモと超音波の結果、石灰化(1箇所)が見つかりましたが、今のところ問題なしとのことで、「痛みは神経痛では? それともワイヤーがあたって痛いのかも。」とのことでした。その後2ヵ月後ぐらいで痛みも減り(ときとぎ痛いときはありましたが)、安心したのもつかの間、4ヶ月前からまた痛みがひどくなりました。婦人科を受診し、マンモ・触診・超音波の結果、石灰化が二箇所に増え、最初に石灰化したところがしこり(5mm)になっているとのことでした。超音波で、しこりの部分をぐりぐりされたときは、すごく痛かったです。先生は「痛みは乳腺症のせいでしょう。しこりは線維腺腫で、しこりが痛いわけではないと思いますよ」とのことでしたが、私としては、ずーっと一日中しこりの部分が痛いと感じています。痛み以外の症状としては、左脇の下及び首左横がつるような感じです。左腕もつるように痛いです。朝起きるときは全身が硬直し、動き始めは、どこもかしこも痛いです。夜中、腰痛で目が覚めます。ちょっと荷物を肩に持っただけで肩が腫れます。いつもより少し歩くだけで左膝が悲鳴を上げます。肩こりはひどいです。以前に首を酷使したために、「首の骨が磨り減っていて棘みたいになっている。腕の痛みや肩のいたみはこのためだろう」と、整形外科で診断されました。では脇の下のリンパがつるように張るように痛いのはなぜでしょうか? それでも毎日フルタイムで働けていますが、38歳にして体調ばっちりな日は全然ありません。特に気になるのは、しこりの痛みと脇の下の張りです。この体調不良の原因と治療するにはどこに行けばいいのか、教えていただけますでしょうか。お忙しいところ申し訳ございません。助けてください。

このようないろいろな症状がある場合、特に体調不良の原因が判明して、何か治療をすればすっきり治るということはむしろ少ないと思います。重篤な病気を除外して、なにもなければ、対症療法でということになることが多いです。どこにいったらよいかというのは、なかなか難しいですが、総合的にみられるということで、まずは「内科」でみてもらってはいかがでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.8428】  08年10月23日   Y.Y. 
乳頭の痛みと病気の可能性

46歳主婦です。14歳と6歳の2児の母です。5月に乳がん検診を行い、慢性乳腺症との診断で6ヶ月の所見と言われました。その後体調が悪く、胃の治療から投薬していたところ、先週には急性肝炎になってしまいました。以前、検診の時にも感じていましたが、今週に入り、左乳頭を触ったり、身体を左に反らすとビーンと痛く感じます。先月、外科の先生に触診してもらいましたが、異常なしと言われました。母も乳がんでしたし、とても心配で自分で触診したりはしています。急性肝炎は投薬無し(薬物性によるものが強い)で、経過観察ですが、ホルモンバランス等も関係しているのか? 病気の可能性は?と考えてしまいます。また、時々乳頭がかゆくなり、皮がむけることがありました。

乳頭や乳房の痛み、かゆみは、通常はあまり乳がんとは直接関係ないですが、心配されているのであれば、以前みてもらった乳腺の先生に、もう一度みてもらってはいかがでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.8427】  08年10月23日   Y.O.
今後の治療について

ステージUAで温存手術をして、ちょうど丸3年になります。腫瘍径2.5cm、グレードV、リンパ節転移なし。現在46歳。化学療法→ホルモン療法の途中から生理が戻ったので、ゾラデックスを追加して1年8ヶ月になります。化学療法もしたので、丸3年になる今月でゾラデックスを止めたいと思っていましたが、主治医に、「あと4ヶ月やりましょう!」と言われました。やはり丸2年ゾラデックスはするものなのでしょうか? また、46歳でゾラデックス終了後、生理が戻る可能性はあるのでしょうか?

ゾラデックスは2年-5年間やるのが、現時点では一般的です。月経が戻る可能性は、20−30歳代に比べると確率は低いですが、あると思います。(文責 俵矢)

 

No.8426】  08年10月23日   NANA
癌の種類と再発リスク

初めて相談いたします。年齢45歳。2008年1月に両側乳癌で左全摘右温存手術をし、抗がん剤 (AC4回 週一回パクリタキセル12回)を行い、現在ノルバデックス服用中です。ER+ PGR+ HER2 1+ 左脇リンパ節転移一個。腫瘍の大きさは、左側2.7センチ 右側 1.2センチ 異形度2 癌のタイプは両側とも 硬癌でした。硬癌で2センチ以上は予後が悪いというネット情報に接し、不安を感じています。主治医からは、中リスクとの説明をうけていますが、両側であることや、癌の種類によって再発のリスクにがどの程度高くなるものなのか教えていただければと思います。よろしくお願いいたします

「浸潤性乳管がん」が乳癌の大部分を占めますが、浸潤性乳管がんを、日本乳癌取扱い規約では、乳頭腺管がん、充実腺管がん、硬がんに分類することになっています。確かに、硬がんのほうが悪性度が高い傾向にはありますが、予後を予測する因子としては、リンパ節転移の有無や、腫瘍径、グレード、HER2などのほうが重視されています。硬がんであるということはあまり気にすることはありません。(文責 俵矢)

 

No.8425-1】  08年10月23日   Y.N.
結果が2転3転することもあるのでしょうか?

32歳、出産経験なしのものです。 1ヶ月程前にしこりを発見し、マンモグラフィを受けました。 1cmのしこりの中に微小石灰化はありましたが、乳腺外科の先生の見解は、良性(線維腺腫)で間違いないだろうと言うことでした。 しかし1週間後に放射線の担当医より癌の疑いがありとのことで、病院側からもう一度調べたいとの連絡があり、太針生検を行いました。 当日わかる簡易的な診断の結果は、恐らく乳がんであろうとのとの見解でした。 その一週間後、正式に出た検査結果では、がん細胞は採取した組織にはなかったとの結果でした。 結局最終判断をする為、しこりを全て摘出する切開生検を受け、現在検査結果待ちの状況です。

1) 上記の様に結果が2転3転することもあるのでしょうか?
2) 非常に判断が難しい為、悪くても早期だろうと言われておりますが 、癌であったとしても現状転移の可能性は少ないでしょうか?
3) 手術後1週間が経過しますが、手術の傷口付近が全体的に腫れて少し堅くなっていますが、問題ないでしょうか? 手術の影響でしょうか?
4) また手術後に顎下のリンパの腫れ、気になりますが、 既に転移していることも考えられますか? これも手術の影響はありますでしょうか?
5) 浸潤癌であった場合はもちろんですが、非浸潤癌であった場合も再度手術を受ける必要があるのでしょう?

1)2) 画像診断は、あくまで「かげ」をみているだけですし、針生検は、腫瘍のごく一部をみて、全体を推測しているわけですから、このようなことはしばしばあります。現状転移の可能性があるか否かは、最終的な病理結果を待たないと推測できません。一般的に悪性度の強いものは、あまり迷うことは少ないし、病理診断、画像診断に迷うものは一般的には悪性度はあまり高くないものが多いかもしれませんが。
3)4) 通常手術の傷は、1-2か月は堅いのが普通です。リンパ節は顎下だと、むしろ、咽頭などの炎症のほうが考えやすいです。主治医に相談してください。
5) 病変の広がりによってはありえます。(文責 俵矢)

 

No.8425-2】  08年12月03日   Y.N.
今後の治療について

いつも勉強させて頂いております。 先日乳がん手術が終わり、正式に下記結果が出ました。 ステージT、リンパ節転移なし(センチネル)、ER:+80%、PgR:+60%、HER2:-、異型度:3 、脈管浸潤なし、腫瘍径:1cm、年齢32歳 。
今後の治療ですが、放射線治療後にホルモン治療となっております。 下記ご質問させて頂きます。

1) 再発リスクは中間リスクになると思いますが、低リスクより中間リスクと考えて宜しいでしょうか。 それとも年齢が若いため、高リスクよりの中間リスクとなりますでしょうか?
2) 今後の治療では化学療法はなくホルモン治療で問題ないでしょうか。私の様な場合は放射線 ⇒ ホルモン治療が一般的な治療と考えて宜しいでしょうか?
3) 上記に追加で化学療法を行った場合と行わない場合の再発率は大きく変わってきますでしょうか?
4) ホルモン治療について、LH-RHアゴニスト製剤 2年か抗エストロゲン剤5年の どちらかで良いと言われております。出来る限り再発のリスクは下げたいのですが 、「@LH-RHアゴニスト製剤 2年のみ A抗エストロゲン剤5年のみ  B上記両方」のうち、どれを選択すれば良いか悩んでおります。それぞれの治療における再発率に大きな差はあるのでしょうか? 可能であれば、それぞれの無再発生存率(もしくは再発率)を教えて頂ければ幸いです。
5) LH-RHアゴニスト製剤2年と抗エストロゲン剤5年の両方を選択した場合、どちらか一つを選択した場合に比べ、副作用についても大きくなると考えた方がいいでしょうか?
6) 出産希望がありますので、年齢から考え、主治医はLH-RHアゴニスト製剤 2年でも良いと言われていると考えますが 、本当に2年だけで大丈夫か不安です。何かアドバイスを頂ければ幸いです。
7) 当初左側にしこりを発見した際、エコーで検査している時に右側にも小さなしこりがあると言われたことを思い出しました。その後右側については特に検査もしておりませんが、それが乳がんという可能性もありますでしょうか? 左側で乳がんが発見されましたので、CT検査などでは両胸を見ていると思いますが、右側については特に指摘はされておりませんが心配です。
8) 腫瘍径が1cmということは、乳がんそのものが1cmという解釈で宜しいでしょうか? 主治医からは腫瘍径が1cmというだけで、具体的なサイズ等は教えて頂いておりません。

何卒宜しく御願い申し上げます。

1)中リスクです
2)化学療法も選択肢になるとは思いますが、ホルモン感受性が高いので、この選択肢で良いのでは。
3)本来再発リスクが少ない場合、差は小さいと思います。
4)Bを勧めます。
5)当然副作用は増えます。
6)今のところ、それ以上の期間の成績はないので不明です。
7)心配なら検査してください。
8)病理所見なのか、触診なのか、それぞれ違います。(文責 石山)

 

No.8424】  08年10月21日   YUKIKI
再発リスクと10年生存率

現在35歳、34歳で乳がん(硬癌・ステージ2a・リンパ節転移1・グレード2・ホルモン抗体陽性・ハーツ2+?)が見つかり、術前化学療法を行っております。化学療法はFEC100を4クール・Weeklyタキソール12回です。リンパ転移は、FEC1002クール目の時点で画像上消えておりました。胸のしこりも、weeklyタキソール6回目で8ミリ弱と縮小しております。12月には手術をし、病理の結果しだいでは変わってしまいますが、現時点でわかる再発リスクと10年生存率を教えていただけたらと思います。また温存療法か全摘手術を迷っております。温存にした場合生存率は変わってくるのでしょうか? 若年性乳がんともあり、とても心配しております。よろしくお願いいたします。

術前化学療法中であるため再発リスク、生存率ともに算出できませんが、メールの情報内容を元にAdjuvant! Onlineも参考にさせていただくと、今後手術が順調に終了しその後ホルモン剤を使用するものとして、再発リスクは30%前後、10年生存率は75〜80%くらいだと思います。また術式は温存術も全摘術も生存率には影響しないとされておりますが、温存術は局所再発の可能性がいくらか残ります。(文責 谷)

 

No.8423】  08年10月21日   M
トレミフェン錠について

8月中旬に、左乳房全摘しました。病理診断で、「グレード2乳がん、多発性(少なくとも4個)最大2p、リンパ節転移なし、ホルモンレセプター陽性、HER2たんぱくの強調発現なし」で、術後の治療としてLHRH2年以上、抗エストロゲン剤5年が標準と診断されました。10月15日に一回目のリュープリン注射、お薬はフェアストン錠の処方で、主治医からジェネリックをすすめられ、トレミフェンを16日より服用始めました。トレミフェンは、調べてみると閉経後のお薬のようですが、私は10日より生理があったばかり。主治医の先生は意図してトレミフェン錠を処方されたと考えていいのでしょうか。よろしくお願いいたします。

仰るとおり日本ではトレミフェンは「閉経後乳癌」にしか承認されておりません。その代わりとしては、通常タモキシフェン(商品名;ノルバデックス、タスオミンなど)が使用されております。主治医の先生にご確認ください。(文責 谷)

 

No.8422】  08年10月21日   K.M. 
転移治療の抗がん剤について(3)(HPNo.8356-3)

NO.8356、8390で質問しました。いつも大変参考になり、ありがとうございます。8390に関して、再度ご質問させてください。ゼローダ+タキテール(ハーセプチン継続)とゼローダ+エンドキサン(ハーセプチン継続)で悩んでいます。問題は、白血球減少をはじめとする副作用です。現在、ナベルビンを2年強続け、白血球がいいときで3000台、低いときは1000台前半まで下がります。ノイトロジンを3週に一度打ってもです。他の副作用は多少がまんできたとしても、白血球は致命的のような気がします。こういう状態で、ゼローダ+タキソールは可能ででしょうか。できれば、なんとか副作用をコントロールして、タキソールのほうをやりたいと考えています。もしくは、ゼローダ+タキソール試して、きつければ換えるという方法もあるのかな、と思っています。どうお考えでしょうか。よろしくお願いします。

使用する薬剤量にもよりますが、一般にナベルビンと比べるとゼローダもタキソテールも白血球減少の副作用の程度はむしろ軽く、またナベルビン使用時でも白血球が1000台前半までしか下がらなかったことから考えると、この点ではゼローダ+タキソテールは十分可能と考えられます。ただやはり施行してみないと副作用の程度はわかりませんので、仰るとおり、きつければ変更することを念頭において、ゼローダ+タキソテールを開始されてはいかがでしょうか?(文責 谷)

 

No.8421】  08年10月21日   H.F.
ステージWの治療について

母(57歳)がステージWの乳がんと診断されました。骨転移ありです。最初の病院では、ホルモン療法をし腫瘍を小さくしてから手術をしたほうが良いと言われたのですが、手術は母の希望でもあります。セカンドオピニオンを受けた先生からは、ホルモン剤+ハ―セプチン+タキソールを術前に行い、その後ホルモン剤+ハ―セプチン(ハ―セプチンは一年間)にしたほうが良いといわれました。脳転移のリスクを減らすためだそうです。また、ホルモン剤だけでは、効果が出るのに時間がかかるとか・・・。しかし、最初の病院でそのことを相談したところ、ホルモン剤+化学療法の併用で必ずしも生存率が高くなるというデータは出ておらず、現在あまり行われていない治療だと言われました。また、併用することによって、どの薬剤が効いているのか分からないそうです。どちらの治療法が母にとって良いでしょうか? ちなみに、ホルモン(+)HER2(+3)ERです。よろしくお願いします。

結論から言いますと、どちらの治療法がよいとは言えず、どちらも正しいと考えます。いま全身への転移が骨だけで全身状態に問題がないのであれば、まずホルモン治療単独を施行してみて数ヵ月程度その反応をみて次を考えるのが一法と考えますが、骨転移の程度が厳しく早急に効果を期待したいのであれば、タキソール+ハーセプチンなどの抗がん剤ベースの治療を先行したいと考えます。その際、主治医の先生が仰っているようにホルモン剤と同時併用だとその効果の判定が難しくなりますので、私ならホルモン剤は今後にとっておき、まずタキソール+ハーセプチンで開始したいと考えます。また、骨転移に対してはゾメタの有用性が言われており、どこかでこれも使用していくことになると思います。どの治療法でも結局使用してみないとその効果はわかりませんので、主治医の先生とよく話し合われた上で治療法を決定なさって、早々に治療を開始されてはいかがでしょうか? 治療がお母様に効果的に働くことをを祈っております。(文責 谷)

 

No.8420】  08年10月21日   M.S.
手術は5週間後です

初めて相談させていただきます。 昨年数ミリのしこりに気づいてマンモグラフイーを受けましたが、そのときは確認できず、様子見になりました。今回しこりがはっきりしたのに気づき受診、乳がんの0期と言うことでした。質問ですが、病院が混んでいるため手術は5週間後11月下旬、そのあと、予定では年末年始をはさんでの放射線治療になるとの事です。医師の判断は、それで大丈夫でしょうとの事ですが、「もし不安があり早くスタートさせたいなら、別の病院をさがせばすぐ紹介状を書きますよ」とのことでした。私は病院と医師は十分信頼が置けると感じましたので、このままお願いしようと思うのですが、先生のご意見はいかがでしょうか。 

最近は乳がんの手術も多くなり、乳癌手術を多く施行している施設では手術1〜3ヶ月待ちのところも多くみられます。その程度の期間で進行して病状が変化することはまずありませんので、信頼の置ける今の病院でお願いするのがベストと考えます。(文責 谷)

 

No.8419】  08年10月21日   A 
CTの定期検査

2000年10月に右全摘、リンパ節転移なし、Uaでしこりは3センチ以上、術後9年目。CMF6クール後、ノルバ5年内服、その後、無治療。定期検査は、毎年マンモとCTです。血液検査は、半年に1回。肝エコーなし。実は、術前CT検査の後、要精査で、術後のMRIで、3センチの肝血管腫が二個みつかりました。それで、その後CTで肝血管腫も含め、毎年経過観察をしておりましたが、CTはうけなくてもよいものだったのでしょうか。過去のことはよしとして、今後CTは必ず必要とはしませんか。普通、肝血管腫は、エコーで経過観察でしょうか。骨シンチは、1年目・2年目はしましたが、主治医が3年目からはいいでしょうと、しておりません。たまたま、無治療となる節目の6年目にしました。今、9年目の定期健診や、今後について、1年に一度CTで経過観察するにこしたことはないのですが、迷っています。病院によってはマンモのみのところもあり、CTやPETの定期検査の意義といいますか、どのようにお考えでしょうか。教えてください。

術後9年経過したとのこと、まずは少し肩の力を抜きたいところですね。乳癌はご存知のこととは思いますが、他癌に比して術後5年以上経過しても再発するケースがまれではなく、何年たってももう大丈夫とは言いにくい癌であります。とはいえ、9年経過した今、乳癌の再発だけを心配するよりも、癌で言えば対側乳房や多臓器に生ずる癌を、また生活習慣病なども含め総合的な全身管理に留意するほうが重要であると思われます。乳腺外科の観点だけから言えば対側のマンモグラフィを年に1回施行することだけで十分と考えますが、CTやPETは再発をみるだけでなく、新たな疾患に対する検診の役割を担う要素も多いと考えます。私もそのような観点から同様のケースにしばしばCTやエコーなどを施行しています。また、肝血管腫に対しては、変化がなければ頻回の精査は必要ないとされております。(文責 谷)

 

No.8418】  08年10月21日   E.I.
乳首からの出血

46歳、既婚、出産あり。生理3日目、右乳首から出血があり受診したところ、乳腺症がありますがしこりのようなものがないので経過観察とのことでした。以前から水様性の分泌物はありました。「生理中に出血する人は多いですよ」とのことでしたが、経過観察でよいのでしょうか。将来がんになりやすいのでしょうか。

血性の乳頭分泌とのことですので、しこりがない場合でも乳管内に何らかの異常がある可能性も否定できず、精密検査が必要です。ぜひ近くの乳腺外科を受診なさってください。(文責 谷)

 

No.8417】  08年10月21日   S 
胸の痛みについて

ここ2・3日、右胸・わきの下、肋骨のあたりにピリピリ感があります。我慢できない痛みではありませんが、少し気になります。下着(ワーヤー)による圧迫か?とも思いスポーツブラをつけて見ましたが、痛い気がします。右肩甲骨上、右腰痛、背中全体が凝っている感じです。仕事は事務で1日中パソコンにむかっています。こりなのでしょうか?(マンモグラフィーは去年の7/10と8/12に受けて異常なしでした。)

仕事の疲れで筋肉の痛みが出ている可能性も十分に考えられますが、もし痛みのある部位に水庖ができているとすると、帯状疱疹(ヘルペス)の可能性もありますので、早々に皮膚科を受診する必要があります。また乳房そのものに痛みやしこりをお感じになった場合は、乳腺外科を受診なさってください。(文責 谷)

 

No.8416-1】  08年10月21日   U  
小葉がんの悪性度

先日このHPを読んでいたところ、「小葉がんのため悪性度は不明」という記載がありました。私は小葉がんでしたが、病理の結果は、悪性度グレード1なっています。どうしてですか? このグレード1というのは、あてにはなりませんか?

乳癌の悪性度は、一般に浸潤性乳管癌の浸潤部において判定されますので、通常小葉癌の場合グレードの判定は行われません。ただし病理の医師によっては、参考所見として小葉癌の場合もグレードを記載してくださる場合があります。よって貴女の場合、グレードはあくまでも参考所見とお考えになるのがよろしいかと思います。(文責 谷)

 

No.8416-2】  08年10月23日   U  
小葉癌

HPNo.8416にてご回答いただきました。有り難うございます。主治医からは、「小葉がんは、がんのできた畑が小葉であったというだけで、治療法や予後は、たいして変わりはない」と説明を受けました。で、さらに質問ですが、小葉がんで悪性グレードや腫瘍径が判定できないという理由、根拠はどういうことなのでしょうか? ご説明いただければ幸です。ちなみに私の病理を担当してくれた医師は、径もグレードも判定していましたが、できないはずのことが、何故できたのですか? たとえ参考値としても、無理に判定しようとすれば可能ですか? グレード1とのことで、少し安心していましたが、間違っていますか? いろんな本を調べても小葉がんのことは、症例が少ないからか、ほとんど書かれていません。小葉がんとは、他の乳癌と比べて、どういう特徴があるのでしょうか? どこがどう違うのですか? ちなみに術前は硬がんと言われていました。術後の病理で「小葉がんと思われる」と変わっていました。区別は微妙で難しいのでしょうか?

日本乳癌取扱い規約では、「病理学的悪性度分類は主として浸潤性乳管がんの浸潤部を対象として行う」と記載されているので、おそらく病理の先生は判定していないのだと思います。小葉がんと硬がんは、画像診断や、細胞診、組織診でも鑑別が難しいことはよくあります。(文責 俵矢)

 

No.8415】  08年10月21日   A.K
胸のしこりについて

胸のしこりについての質問です。現在、25歳ですが、右胸の上下、左胸の下にしこりがあり、押すと痛いです。生理中なので、問題はないのでしょうか? それとも、生理に関わらず病院に行った方が良いのでしょうか? 生理が終わるまで様子を見てみれば良いのかもしれないですが、今までこういう事はなかったので、心配でメールさせていただきました。よろしくお願いします。

生理前には女性ホルモンの影響を受けることにより乳房のむくみや充血が起こり、それらによって乳房の緊満感、痛み、しこりなどを感じることがあります。よって生理が終わって数日の間に消失するようなしこりや痛みはホルモンの影響である可能性が強いと考えられます。生理が終了して1週間くらいたってもしこりが消失しなければ、一度乳腺外科受診をお奨めいたします。(文責 谷)

 

No.8414】  08年10月21日   N.K
生存率について

初めて相談させていただきます。よろしくお願いいたします。49歳で8月26日に手術をいたしました。
病期分類:T(2)N(0)M(0) Stage(UA)、扇状部分切除術、浸潤性乳管癌(硬癌)、腫瘍径:t=2,5×2,5×1,5cm、 娘結節:なし、波及度:g・f、脈管侵襲:ly(3)・v(2)、核グレード:3、リンパ節転移度:LevelT(0/2)、ホルモン感受性:ER(+)、PgR(−)、HER2/neu過剰発現(−)。顕微鏡検査の結果、このように診断されました。術後治療として、まず抗がん剤を使い、それが終わったら、放射線治療とホルモン剤を使うことになりました。10月9日より抗がん剤を始めたところです。因みに抗がん剤は、「EC療法(ファルモルビシン+エンドキサン)4〜6クール、PTX−w療法(パクリタキセル) 4クール」です。お医者さんより、「抗がん剤を投与しても再発する人は再発するし、抗がん剤を投与しなくても再発しない人は再発しない」と言われ、生存率についても、あくまでも参考であるということは十分に承知しております。参考までに、この術後治療でいった場合の5年後、10年後の生存率を教えていただければと思います。よろしくお願いします。

Adjuvant! Onlineによると、貴女とほぼ同様の条件で調べたところ、10年生存率は約89%となります。(文責 谷)

 

No.8413】  08年10月21日   Y 
術後の治療について

今年8月に温存法にて手術を受け、先日放射線治療(25回+ブースト5回)を終了しました。今後はホルモン療法をと言われております。年齢40才、腫瘍1.7cm、リンパ節転移無し、ER陽性、PGR陰性、ハーツ陰性、グレード3。中間リスクに入り、化学療法について尋ねましたが、「化学療法をしても再発のリスクは数%しか違わず、副作用を考えるとホルモン療法でいいと思う」と言われましたが、このことについても、まだ不安が払拭できません。又、1回目のホルモン療法も注射のみだったため、飲み薬はないのか尋ねたところ、「同時に始めてしまうと、どちらの薬が効果がでてるかわからなくなるから、今は飲まなくてよい」と言われました。私なりに調べましたが、注射のみの治療はあまり例を見ないのですが、大丈夫なのでしょうか? 私は中間リスクに入り、ネットで見る同じ病理の方に比べると、私の治療は軽すぎるのではないか、また、母が56才で乳癌発病、63才で他界していることもあり、不安がいっぱいです。よろしくお願いいたします。

貴女の場合、リスクファクターはメール内容からではグレード3のみで、よって中間リスクの中でも軽度なほうとの判断で、主治医の先生もホルモン療法だけでもOKとの判断をされたのではないかと考えます。しかしER(+)、PgR(-)とのこと、ホルモンに関しては「不完全内分泌反応性」に分類されますので、これを重視すればホルモン療法単独でなく化学療法も施行するほうがよいとも考えられます。また、ホルモン剤は注射剤(おそらくLH-RHアナログ)単独で、タモキシフェンは処方されていないとのことですが、LH-RHアナログ単独でも十分に効果が期待できますが、一般にはタモキシフェンと併用されるケースが多いと思われます。よって、いずれも理にかなった治療法であると考えますが、不安を拭えないようでしたらその旨お話され、化学療法またはタモキシフェンの追加を主治医の先生に再度お願いされたらいかがでしょうか?(文責 谷)

 

No.8412】  08年10月21日   K 
検査後に痛みが出ました

3ヶ月ほど両胸が触ると打ち身のような痛みがあって、そろそろ不安になり、今週の月曜日にマンモグラフィと超音波の検査をしました。結果、ホルモンバランスによるものだと言われました(マンモグラフィは結果がまだですが・・・)。そこまでは良かったのですが、超音波の検査で、ものすごく強くグリグリと圧迫(痛かったです)しながら検査したためか、帰ってきてから痛みが出ました。下を向いたとき左の乳房が、いきなりズキッとなって脈拍にあわせて痛くなりました。4〜5分で治まったのですが、内側には、傷が治るときのかゆみのようなものも感じます。右側も若干かゆみがありました。現在水曜日ですが、いまだ痛みが時々あって、内側に若干かゆみもあります。横を向いて寝るときも、痛みが出ることがあります。病院には時間が合わなくてなかなか連絡できず、これがほかの人にもあることなのか分かりません。いろんなサイトを見ても、「マンモグラフィは痛いことがあるけど、超音波は痛くもかゆくもない検査」とあります。検査したために、乳房の内側に何ができてしまったのか分からず、不安でなりません。この痛みや痒みはいつかは消えると思いますが、このことが原因で、なかったはずの腫瘍が新しくできてしまわないかと心配です。超音波検査を受けて、ほかの人でも、たまにこのようなことがあるのでしょうか。検査結果は良かったはずなのに、検査後に新たな不安が生じてしまいました。どうぞご回答よろしくお願いいたします。

乳腺症に伴う乳房痛が強く、そこを超音波施行の際にプローブで強く押さえたため、さらに痛みが生じたものと思われます。しかし、それが元で新たに腫瘍が生じることはありません。痛みがいつまでも続くようなら、再度受診されたらいかがでしょうか?(文責 谷)

 

No.8411】  08年10月21日   Y.M
ホルモン治療

よろしくお願いします。8月に非浸潤ガンの温存手術をしました。ホルモンレセプター(+)、ハーツー(-)、センチネルリンパ節生検0/1、グレード2。現在放射線治療23回目です。この後ノルバデックスを飲む予定です。ノルバは5年飲むことになると思いますが、5年間ノルバが効いて再発を防止できたとして、5年すぎたら、どのような治療になるのでしょうか。その後無治療になると再発が心配です。 

通常は無治療ですが、希望があればさらにノルバデックスを継続したり、5年後の閉経状況によってはアロマターゼ阻害剤の使用などが選択肢にあげられます。(文責 谷)

 

No.8410】  08年10月21日   W 
乳房温存手術後の放射線治療開始時期について

初めて投稿させて頂きます。よろしくお願い致します。
乳房温存手術後、どれくらいで放射線照射を開始するのが望ましいのか教えていただきたく、質問させていただく事にしました。 ネットを検索したところ、「乳房温存手術をしたら、その後、週5日、5,6週間、放射線照射をした方が再発率が低い」「手術後2,3週間、遅くとも6週間以内には開始」と書いてあります。来週、温存手術が予定されています。 ところが、放射線科で照射を始められるのが年明けとなると、ついこの間手術の説明を受けた時に聞かされました。 理由は、混んでいるので早くても開始が12月半ばになり、そのスケジュールで照射を始めると、年末年始休暇が挟まり、その一週間は治療が出来ないことになる。 連続して照射を行うことが必要なので、一週間も間が空いてはいけないから、開始を遅らせるとのことでした。 照射開始まで3ヶ月近く待つのと、間が1週間空いてもなるべく早く始めるのと、どちらが望ましいのでしょうか。手術予定の病院では、「手術後8週間以内の放射線治療開始を奨励しているが、それより遅れても再発の危険が大きくなるというデータがないので、それより遅くなってもあまり気にしていない」とのことでした。乳房温存手術後に放射線照射をする理由は色々なところで読めましたので理解しているつもりです。しかし、日本乳がん学会では「6週間以内に開始」と書いてあり、かかっている病院では「8週間以内」と言っています。何故6週間以内、または8週間以内がよいのかということも、何故遅れてもいいと考えるのかも、理由がわかりません。幸い、針生検では非浸潤乳管内がんで、核グレードも1なので、もし「間を空けず、開始も早く」が望ましいのなら、手術を年明けまで延期しても良いと思っていますが、もし、病院側のスケジュールでも問題ないのなら、このまま予定通りに治療を受けたいと思います。 きちんとした理由がわかれば、このまま予定通りのスケジュールで手術、放射線の治療を受けることにしたとしても、落ち着いていられると思います。また、もし万が一浸潤があり、局所再発した時も、執刀医、放射線医、病院の体制をうらんだりすることは無いだろうと思います。諸先生方にはお忙しいことと思いますが、日にちが迫っております。何卒よろしくお願い致します。

「乳癌診療ガイドライン 放射線療法2008年度版」では、乳房温存手術後の放射線治療開始は術後8週間以内を推奨しております。ただ8週間という数字にそれほど大きな根拠はなく、それを少し上まったからといってデメリットがあるのかどうかははっきりとしておりません。ただ一度放射線療法を開始した場合、途中に長期の休みが入ることは好ましくないとされており、12月半ばから正月を挟んで施行するよりは、年明けから開始するほうがよいと思われます。(文責 谷)

 

No.8409】  08年10月21日   A.K.
子宮内膜症の薬と乳腺の関係について

初めて投稿させてもらいます。よろしくお願いします。現在、左右の乳房にしこりがあり、左右とも穿刺吸引細胞診にて良性とのことで、経過観察中です。17年ほど前より、子宮内膜症で色々治療をしてきました。2年ほど前に、ピルを内服したところ、両胸が異様に張り、下着も着けられないほど痛み、止む無く中止しました。今回、また下腹部痛の方が酷くなり、最近認可されたディナゲストという薬を飲むことになりました。婦人科の先生は、乳腺には関係ないので大丈夫と言いますが、乳腺外科的にはどうなんでしょうか? ちなみに、右のしこりはピル内服後にできました。

ディナゲストはプロゲステロン受容体に対する選択的アゴニスト作用による子宮内膜症治療薬であり、乳癌を誘発することは理論上ないと考えられます。しかし、この薬剤も乳房痛、乳房緊満感、乳汁分泌などの副作用は生じる可能性があると思われます。(文責 谷)

 

No.8408】  08年10月21日   クミ
ホルモン療法についての問い合わせです(HPNo.8331-2)

9/3に粘液ガンについて問い合わせさせていただき、9/13にNo.8331でお返事いただいたクミと申します。9/30に手術し、病理検査に出し、ホルモン受容体が(+)だったので、ノルバデックス20mgを朝食後1錠飲むことになりました。色々インタ‐ネットで見ると、副作用が出ているようですが、出産できなくなるということはないですか? 出産可能な身体でいたいんです。薬の長期服用による副作用が恐いです。病理検査結果より、術前はステ‐ジUだったのがTになりました。ガンには変わりないけど気分的に楽になりました。ワキのリンパも少しだけ取ったので、リハビリの毎日です。リンパ浮腫になったら戻りにくいと聞いたことがあるので大変だなという思いです。

ノルバデックス服用中は、自然流産や胎児死亡などの可能性が増加するため、妊娠、出産は好ましくないとされております。しかし、服用終了後数ヶ月経過すれば、通常妊娠・出産は可能と考えられます。ちなみに無月経・月経異常などの副作用は0.1〜5%未満とされております。(文責 谷)

 

No.8407】  08年10月21日   H・K 
石灰化

初めて相談させていただきます。32歳、出産経験ありです。よろしくお願いいたします。
授乳が終わったので、一昨年から市の乳がん検診を受け始め、昨年初めて乳腺症の疑いがあると言われ、乳腺外科のある病院へ行きマンモ、超音波検査をしました。結果は乳腺症と言われました。母が乳がんで亡くなっているので、いつ癌になるかすごく不安です。先生が「石灰化があるけど、この形は大丈夫」と言われたのですが、「石灰化=癌」、どうしても結びついてしまい、毎日不安で生きた心地がしません。先生に1年ごとの経過観察と言われたのですが、どうしても心配で、それから半年後もマンモを受けに行きましたが、「石灰化の形は変わらないし、触った感じも平気」との事で、さらに半年後、超音波検査を受ける予定です。石灰化があるのに、このままでも大丈夫なのでしょうか? 石灰化=癌ではないのでしょうか? ちなみに細胞診の必要はないようで、その検査はしていません。母の闘病を幼い頃から見ていたので、自分は手遅れになっていたらどしよう・・・とか、人一倍癌に対して不安があり、周りにも相談できる人がいないので毎日不安です。どうか教えてください。よろしくお願い致します。

われわれは多くのマンモグラフィを日々読影しておりますが、石灰化のある乳房はとても多く、そのほとんどが良性と言い切れるもので、真の癌の石灰化は実はごく少ししかありません。ですから、メールの内容から拝察するに貴女の場合もまず良性の石灰化であり、癌の心配のないものと考えられます。(文責 谷)

 

No.8406】  08年10月21日  H
局所再発について

断端陽性後に放射線照射をし乳房内再発した場合、生存率が下がるそうですが、少なからずショックです。粘液癌(PURE)1,5cm、手術時44才、リンパ節転移なし、ER―PGR+、HER2―、グレード1、脈管侵襲0、断端1ミリ陽性のため放射線30回、タスオミン→アロマシン術後3年半です。粘液癌は、リンパ節転移がなくても、リンパ行性転移よりも血行性転移の方が多い、局所再発しやすいと聞いています。局所再発は全摘(±ホルモン療法、化学療法)すれば生命予後を脅かすものではないと認識していましたが、それは断端陰性の場合ですか? 陽性の場合は当てはまらない、楽観視できないよという意味ですか? 先生方は、手術時、腫瘍の周りに十分なマージンをとって切除してくださり、それでも陽性になってしまうことはあり得ると承知していますが、今後の自分の気持ちの持ち方も変わってくると思います。よろしくお願いいたします。

乳房温存術後の乳房内再発が遠隔再発の危険因子であることは周知であり、そのハザード比(遠隔再発の起こしやすさ)は3〜5倍とされております。ただし、乳房内再発そのものが遠隔再発の原因となりうるのはむしろ低率と考えられており、その腫瘍本来の生物学的性質に起因していると考えられています。一方で乳房内再発の危険因子のひとつとして断端陽性があることも周知でありますが、乳房内再発をきたす例は断端陽性ばかりではなく、よって断端陽性そのものが遠隔再発の危険因子すなわち生存率の低下につながるとは言い切れないと考えます。むしろ粘液癌の特徴として、局所再発がやや多いとされる反面、生命予後はむしろやや良好とされていることなども考慮し、全体を捉えていただきたいと思います。(文責 谷)

 

No.8405】  08年10月21日  A
リュープリンのやめ方(HPNo.4973-3)

HPNo.4973で相談したAです。今回もよろしくお願いします。
武田製薬で聞いたところ、リュープリンには最初の1か月はLHRHを過剰刺激してエストロゲンを上昇させるので、4−5月と延ばしながら投与するのは奨められないとのことでした。やはり、最終投与後から3か月目をスタート地点として、半年くらいを目安に、女性ホルモンを測りながら、E2が30を超えた時点で再投与するのがよいということでした。血液検査は外注なので、どうしても1か月先にしか結果がわかりません。その間約4か月半ほど空くことになってしまいます。その間にもし進行したら?という思いは拭いきれません。初発の治療時に自分の不勉強を自覚していますので、納得のゆく選択をしたい。ちなみに、母の閉経時の年齢は60歳でした。妹は53歳ですが閉経前です。家系的に閉経が遅いと思います。リュープリンをやめたあと進行したケースで、再投与した場合、再び効果が期待できますか? それともホルモン剤の変更が必要になりますか? 先生の場合なら、どう判断されますか?

リュープリンを中止した後、再再発を認めた場合は、その部位と程度にもよると思いますが、その時点でE2を測定して高値であれば再度リュープリンを投与して経過を診る、低値であれば化学療法導入などが選択肢にあがってくると思われます。(文責 谷)

 

No.8404】  08年10月21日  H 
術中検査について(HPNo.8158-3)

色々有難うございます。ひとつ疑問に思ったので教えてください。術中に行われることとして、端に悪いものがないかを顕微鏡で調べるほかに、レントゲンを撮って取り切れているかどうか確認する、ということは一般的に行われることなのでしょうか。手術日まで決定したのですが、そこを確認するべきでしょうか。

マンモグラフィで石灰化の拡がりのある乳癌の場合、その石灰化が乳管のなかにがんが拡がったために生じている場合がありますので、手術で採取した標本をレントゲン撮影して石灰化の部分も完全に取りきれているかを調べることはしばしば行われます。(文責 谷)

 

No.8403】  08年10月21日  Y 
超音波とマンモグラフティについて(HPNo.8336-2)

HPNo.8336にて相談致しました。ありがとうございました。その後、母は乳腺科にて検査してきました。その時は胸の内出血がひどかったので超音波検査のみ受けてきましたが、「乳癌ではないだろう。内出血が固まって固くなっているのかも・・・」とのことでした。1週間後、内出血が収まったのでマンモグラフティを受けました。「超音波とマンモで見た限り乳癌ではないので安心してください。」と言われ、念のため穿刺吸引細胞診を受けてきました。すると、数値が悪いとかで、「乳癌かもしれないし、良性かもしれない。50、50ですね。」と。来週、針生検にて再検査することになりました。超音波とマンモグラフティで乳癌ではないと言われたので、すっかり安心していた母は、かなりのショックを受けたようです。針生検をして、結果次第でMRI検査、CT検査もするかもしれないと言われました。もしも乳癌だった場合、こんなに検査に時間をとられていて、癌が進んでしまったりしないのでしょうか? 超音波とマンモグラフティでは乳癌の発見は100%ではないのでしょうか?

一般に、乳腺の診察を進める場合、まず視触診・マンモグラフィ・超音波などを施行し、それだけでは断定できない場合に穿刺吸引細胞診、針生検、MRI、CTなどを行ってゆきます。お母様の場合は、超音波とマンモグラフィでは良性と断定できなかったため、穿刺吸引細胞診が行われたのだと思われます。実際、超音波やマンモグラフィを施行しても診断が断定できないケースは少なからずあります。ただ、もし乳癌であったとしても検査施行のための1〜2ヶ月の期間に急に進行することはまず考えにくく、落ち着いてしっかりと調べていただくのがよろしいかと思います。(文責 谷)

 

No.8402-1】  08年10月21日   C.Y
乳がんの転移の心配・病院選び・乳房再建について

37歳の妹のことで相談します。先日、左胸にしこりを発見し受診したところ、マンモグラフィー、エコーの結果、ほぼ乳がんに間違いないだろうということで、現在細胞診の結果待ちです。大きさは2.8cm、リンパ節にも転移の可能性ありとのことでした。妹は若い頃から病弱でリンパも腫れやすく、つい先日も右手の指が腫れなのかむくみなのか痛いと言っていたり、1年ほど前は片眼の視野が急に暗くなり脳外科で検査をしたが原因がわからず、1日ほどで治ったということがありました。リンパ節に転移があるとすれば、最悪遠隔転移の可能性も…。これらの症状が反対側のリンパ節への転移や脳転移の症状だったらと心配です。妹は今のところそこまでは考えていないと思うので、余計なことを言って、これ以上不安にさせたくないのですが、次回検査結果を聞きに一緒に病院へ行くので、一応医師に話した方がよいでしょうか。今後腫瘍マーカー等、ひととおりの検査はするでしょうが、転移があるか厳密に確かめることで、今後の治療方針や予後が違ってくるのでしょうか。また、がんの性質(悪性度、ホルモン感受性、Her2など)は、術前の検査でわかるものなのでしょうか。手術してみないとわからないのでしょうか。
今かかっている病院は乳腺の専門クリニックで、年間200件以上の手術例があり、先生も親切で信頼できそうとのことですが、放射線治療の設備がないようです。放射線治療が必要となれば紹介してもらうか、転医することになるのでしょうが、最初から放射線の設備のある病院へ移って手術したほうがよいのでしょうか。腫瘍の大きさが微妙で、温存可能か全摘か、それとも術前化学療法が必要なのか…、予測がつかず主治医の先生の意見を待つしかないですが、もし乳房の再健をするとしたら、手術と同時再建がいいのでしょうか。術後の放射線などが終って安定してからの方がいいのでしょうか。再建で治療上のリスクはありますか? 事前知識として知っておきたいので教えていただければ幸いです。ご多忙のところ、色々お聞きして申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

妹さんの乳癌に際して、非常に心配されているお姉さんの気持ちがよく伝わってまいりました。まず、指の腫れ、視野の異常に関して、今回の乳癌とは直接関係ない可能性は高いと思われますが、医師の立場から申しますと、今後の診断・治療を行っていくうえで、たとえ小さな情報でも参考になる又は関係してくることがありますので、ぜひお話になるべきであると考えます。また残念ながら乳癌の診断が確定したら、いろいろと追加の検査を施行してゆくことになりますが、がんの詳しい情報(組織型、ホルモン感受性、悪性度、HER2など)を調べるためにはおそらく細胞診のときよりもさらに少し太い針を刺して検査する必要がありますので、それらを術前に施行するかどうかは病状や今後の治療方針とあわせて検討することになります。妹さんの受診されているクリニックはかなりの乳腺疾患の経験をお持ちのようであり、今後放射線治療を行うこととなっても提携している病院があると思われますので、心配なく今のクリニックにお任せになるのがよいと私は考えます。乳房再建を施行するか否か、またするなら手術と同時の再建(一期的再建)か、ある一定の期間をおいてから再建する(二期的再建)かは、専門家の間でも現在なお議論されている分野です。主治医の先生のお考えをよくお聞きになってください。(文責 谷)

 

No.8402-2】  08年11月27日   C.Y
術後の治療について

HPNo.8402にて妹の乳がんの件で相談にのっていただいたC.Yと申します。その節はまとまりのない相談にもかかわらず親身にご回答していただき、本当にありがとうございました。報告が遅れましたが、妹の乳がんは約3cm、ステージUBとの診断で、11月11日に乳房温存+リンパ節郭清で手術を行い、今週退院の運びとなりました。術後の病理検査の結果、リンパ節転移なし、ホルモンレセプター陽性、Her2強陽性とのことで、術後8日目からノルバデックスを朝晩服用しています。妹の話では、他の方々の相談内容のような腫瘍の正確なサイズやがんの異型度、断端の陽性陰性、ホルモンレセプターの詳しい数値などの説明はなく、今後家族への説明の予定も特にないようです。今後の治療に関して、いくつかわからない点があるので教えていただければ幸いです。
1) 幸いリンパ節転移がなかったので、ステージはUAとなり、再発のリスクは高リスクから普通リスクになったと考えてよいのでしょうか。ただ、主治医は「リンパ節の近くまで行っていて危なかったが、リンパ節には転移していなかった」と言っていたそうです。これは断端がプラスで取り残しも考えられるということでしょうか。
2) Her2強陽性ということですが、Her2と異型度はイコールなのでしょうか。
3) 放射線はたぶん30回になるということで、退院後、放射線の病院のスケジュールで日程が決まるとのことです。抜糸も残っていて、年末年始をはさむので、年明けの開始になりそうです。放射線開始は術後6〜8週間が標準ですが、妹は正月明けがぎりぎり8週間、同じように正月待機の人も大勢いそうですし、Her2強陽性なので、これ以上遅くなって再発リスクが高まったらと心配です。一回あたりの量を増やして年内に終らせるとか、入院して正月も放射線を継続するいう方法は通常考えられないのでしょうか。
4) 術前の医師の説明では、ホルモン療法+化学療法→放射線という話でしたが、抗がん剤はやらなくてもよいことになったそうです。リンパ節転移がなかったためと思いますが、これは標準的な治療と考えて大丈夫でしょうか。
5) 放射線治療の後で、ハーセプチンを使う話も出ていますが、まだ確定ではないようです。ハーセプチンを使う使わないは何を基準に判断するのでしょうか。ハーセプチンは再発乳がんの治療例に多く使われているようですが、再発前の予防にも使えるのでしょうか。強陽性でも半数くらいの人にしか効かないようなので、一般の抗がん剤なしでホルモン療法だけで大丈夫なのか心配です。
6) ホルモン療法しかり、化学療法しかり、ハーセプチンしかり、治療の効果はどのようにわかるものなのでしょう。大きかった腫瘍が小さくなれば「効果あり」とはっきりわかりますが、腫瘍も切除し腫瘍マーカーも正常な状態では、今は効果の判断材料はないということになりますか。後々再発しなかったことで「治療の効果があった」という結論になるということでしょうか。
7) もし万一再発してしまったとして、再発するがんもHer2強陽性なのでしょうか。
 
私としては、病理の結果などもっと詳しく聞いて色々調べたいのですが、妹本人は「特に詳しく説明しないってことは、ごく標準的で想定内ってことだろうから、先生に任せといて大丈夫なんじゃないの?」と申しており、このまま退院しそうな感じです。外来の時に、一度ついていって医師に話しを聞こうと思っていますが…。長々とすみません。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

1) リンパ節転移がなかったことから、再発のリスクは低くなったと考えられます。「リンパ節の近くまで行っていて危なかったが、リンパ節には転移していなかった」ということが、断端がプラスで取り残しも考えられるということにはつながらないと思います。
2) Her2と異型度はイコールではありません。
3) 副作用、効果の問題もあり、まだ一回あたりの量を増やすことは行われていません。正月も放射線照射を行う病院は皆無です。
4) 標準的な治療の一つと考えられます。
5) 進行度、再発のリスクを考え判断します。再発前の予防に、術後の補助療法に使えるようになりました。
6) 予防的治療の効果は再発病変がないのでわかりません。腫瘍マーカーや画像診断で再発が起こらないかみていくことになります。再発が起こらなければ「治療の効果があった」可能性が出てくるわけです。
7) 再発の場合もHer2強陽性の可能性が高いと思われます。(文責 石川)

 

No.8402-3】  09年01月25日   C.Y
術後の化学療法について

以前にもHPNo.8402にて相談にのっていただき、親身にご回答いただき感謝しております。
37歳の妹ですが、平成20年10月初旬に左乳房に乳がんが判明、11月初旬に乳房温存+リンパ節郭清で手術を行いました。約3cmでリンパ節転移はなく、ホルモンレセプター陽性、Her2強陽性(3+)とのことで、その時点では「ホルモン剤がよく効くタイプなので、放射線30回+タモキシフェン5年+LH-RHアゴニスト製剤(注射)2年、ハーセプチンを使うかは放射線終了までに考えましょうと」と説明され、術後8日目からノルバデックス10ミリグラムを朝晩服用し、12月下旬より大学病院で放射線を開始しました。退院後、主治医よりホルモンレセプターはER、PgRともに70%、核異型度がグレード3、断端は陽性と聞きました。脈管侵襲は不明です(次回聞く予定)。先日の定期受診の際、主治医から急に「放射線終了後、ハーセプチンに抗がん剤を加えた方がよいと思うがどうしますか」という話が出てきました。確かに、再発リスク分類では中リスクの項目をほぼ満たしており、ザンクトガレンの2005の治療ガイドラインでも(化学療法)が( )付で書かれていたので心配な面はあったのですが、主治医は当初抗がん剤は使わないと言っていたので、その方向でよいと考えていたのです。しかし、今回の医師の説明で改めて調べてみると、2007年にガイドラインが変更になり、最新版では化学療法も標準治療に入っているとわかりました。妹としては、手術前は化学療法も覚悟していたのですが、術後は抗がん剤はやらないと聞いていたため2月から仕事復帰の予定が、その矢先に抗がん剤の話でショックを受けています。再発予防の効果が高いなら受けるが、最初から言ってくれればというのが率直な気持ちです。抗がん剤で免疫力が落ちることが逆に再発や転移につながるという話も聞き、強い治療に若干不安もあるようです。

そこで教えていただきたいのですが、
1) ホルモン治療のみの場合、ホルモン療法+ハーセプチンのみの場合、ホルモン療法+抗がん剤+ハーセプチンの場合の再発率の違いについて教えて下さい。(Adjvant Onlineで調べようと思いましたが、うまくいきませんでした)
2) ホルモンレセプター(+)で核異型度3やHer2(+)は珍しい症例ですか。ホルモン療法が効きづらいケースなのでしょうか。
3) 通常は抗がん剤→放射線→ホルモン療法という順番のようですが、放射線を先に行ったことで再発リスクに違いはありますか。
4) すでにホルモン療法を行っていますが、抗がん剤やハーセプチンと併用できますか。ノルバデックスを休止することになっても、これまでの2ヶ月の服薬が悪影響や無駄にはなりませんか。
5) 希望すれば、ハーセプチンだけ使うという選択はありますか
6) ハーセプチンと抗がん剤を組み合わせる場合、どのような組み合わせや順番が考えられますか。(できれば期間を短くしたい)
7) 抗がん剤を行った場合、当初のLH-RHアゴニスト製剤の計画はどうなりますか。
8) 乳腺クリニックでは抗がん剤治療ができないため、新たに腫瘍内科医がいる病院を紹介されました。現在、放射線に通っている大学病院でも可能だと思うので、こちらで一緒にみてもらったほうがよいようにも思うのですが、化学療法だけでもセカンドオピニオンは可能ですか。
9) 5)6)はどれくらいの費用がかかりますか。保険適用になりますか。ハーセプチン+抗がん剤は保険適用にならないとどこかで読みました。
10) 肝機能(γーGTP)の値が、手術前30前後から、現在110まで上昇しています。ノルバデックスの影響も考えられますが、今のところ服用を続けて様子を見るようです。γーGTPがどれくらい高くなったらノルバデックスが使えなくなりますか。ノルバデックスが使えなくなることも考慮して化学療法をすすめたということも考えられるでしょうか。
11) 現段階でホルモン療法、ハーセプチン、抗がん剤と何種類も使って治療を行っても万一再発・転移してしまった場合、がんが耐性を持ってしまい再発後の治療の選択が狭められることも考えられますか?今回は抗がん剤は使わず、万一再発の時に残しておくという考えも成り立つのでしょうか。それより、今できうるあらゆる方法でとにかく再発・転移を防ぐことをまず第一に考えるべきでしょうか。

色々質問してしまい申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

ご質問ありがとうございます。全ての治療ひとつひとつに完璧なお答えを求めてしまうお気持ち、よく分かります。何か一つ疑問が解けても、また新たな疑問がでてきてしまう。これは、真剣に病気と向かい合っているかたにはとてもよくあることです。少しでもご不安が解消されますと幸いです。
1) ザンクトガレン2007では、おっしゃるとおり中間リスクです。推奨治療は、ホルモン療法+ハーセプチン+抗がん剤治療となっております。年間再発抑制率は、AC-T療法 37%、FEC100療法 45%、FEC-T療法 54%となっております。ホルモン療法とハーセプチンは必ずおこなう前提でお考えになった方が良いと思われます。以上のお話をふまえて、再度抗がん剤治療に関して主治医の先生とご相談ください。副作用がご心配なお気持ちはとてもよく分かりますが、再発率を下げるために是非とも抗がん剤治療をお受けになっていただきたいと思います。
2) 決して珍しくありません。ホルモン療法は有効であると考えます。
3) 通常は確かに抗がん剤→放射線→ホルモン療法の順番ですが、1ヶ月程度の放射線治療による大きな再発リスクの違いはないと考えます。
4) ホルモン療法と抗がん剤の併用が良いというエビデンスはありませんので、ホルモン療法を一旦中止して抗がん剤をおこなうことになると思います。なお、アンスラサイクリン系薬剤とハーセプチンは日本では心毒性を考慮し同時投与はおこなっていません。タキサン系とハーセプチンは同時投与をおこなって予後の改善が見られています。決して無駄な治療はありません。
5) 御希望であればハーセプチン単独投与は可能ですが、タキサン系との併用をお勧めします。
6) AC療法やFEC療法を3ヶ月おこなったのちに、タキサン系とハーセプチンの併用となります。パクリタキセルであれば毎週投与、ドセタキセルであれば3週間ごとの投与となります。ハーセプチンの投与間隔はタキサン系の投与間隔に合わせれば良いと思います。タキサン系との併用3ヶ月ののちにハーセプチンを9ヶ月投与(全部でハーセプチン投与は1年間)となります。
7) 抗がん剤治療終了後にノルバデックスとLH-RH アゴニストを併用します。
8) もちろんセカンドオピニオンはご質問内容に制限はありませんので可能です。
9) 保険適応になります。また高額医療の申請をすれば、規定額以上の金額は戻ってくることになっています。
10) 抗がん剤投与開始の時点での肝機能は、主に総ビリルビン、GOT、GPTを指標にしています。γ―GTPの数字だけで、特に治療を行わないということはありません。
11) 再発が起きないように予防の治療にできうる治療はすべておこなっておくのが最近の考え方です。あとに使えるように治療方法を残しておいても、再発時にその治療が効くという保証はありません。再発がご心配な場合には、何が何でも再発しないように今提示された治療をすべてしっかりとお受けになることをお勧めします。今一度主治医の先生とご相談下さいね。また、ご不安な時にはご相談ください。(文責 高橋)

 

No.8401-1】  08年10月21日  C.A.
現在針精検結果待ちなのですが・・・

母のことで相談したく、メールさせていただきました。
59歳の母が、今年8月の人間ドックのマンモグラフィで「構築の乱れ」による要精密検査となり、エコーによる検査をした結果、一カ所に1〜2センチ程度(本人談)のしこりが確認されたものの、それだけでは良性・悪性が判別できないとのことで、針で組織を調べる検査をしました。その結果が週明けに分かることになっています。人間ドックでは、その他特に要検査との結果はありませんでした。本人も自覚症状は一切なく、驚きを隠せないようです。母は人間ドックの後に腎盂炎で2週間ほど熱を出して体重も3キロ程度減り、見るからに不健康で「もっと太らなきゃだめだよ」と心配している矢先の出来事でしたので、娘として不安でいっぱいの日々を送っています。このような体重減少や腎盂炎の発症は、乳癌に関係があるものということもあるのでしょうか・・・。また、触診で異常なく、マンモグラフィでも明らかには判明しない状態で、乳癌が命に関わる状態まで進行しているということもありうるのでしょうか。もしかして乳癌が進行し転移等のせいで免疫が弱まって体重も減ったのではないか等、インターネットで調べると色々な情報や闘病記が掲載されており、それに影響されているのか、悪い方へと考えてしまいます。検査結果が出ていない現状で質問させていただくのはどうかとも思いましたが、アドバイスいただければ幸いです。宜しくお願いいたします。

直接拝見しておりませんので詳細はわかりませんが、メールから判断しますと、もし乳癌であったとしても比較的初期の段階と考えられますので、それが全身転移して全身状態の低下を生じさせたり免疫を低下させたりするといったことは、まずまれであると思われます。体重減少や腎盂腎炎に関しては、別の原因を検討されるのが適当であると考えます。(文責 谷)

 

No.8401-2】  08年10月28日  C.A.
現在針精検結果待ちなのですが・・・(2)

No.8401にて、母の胸のしこりについて質問させていただいた者です。丁寧にご回答いただき、ありがとうございました。その後、経過観察ということになったのですが、経過観察の理由として、
・マンモグラフィーとエコーの結果が一致しない(マンモの結果でひきつれの見れる部分に、エコーではしこりがない)こと
・エコーで見られる1.5センチ程度のややボコボコとした(癌が疑われる所見の)しこりに穿刺吸引細胞診を2度にわたって行ったものの、悪いものは出てこなかったこと

を、主治医は挙げられました。そして、「白黒つけがたく診断が難しいのだが、多分大丈夫なのではないかと思う」という診断のもとに、3ヶ月後に再度マンモグラフィーとエコーを行うこととなりました。乳腺外来があり、年間100以上の手術を行っている大きな病院での診断です。そこで質問させていただきたいのですが、
1) マンモとエコーの結果が対応しないという事例を目にされたことはありますか? このようなことは、よくあることなのでしょうか。
2) マンモグラフィーで、ひきつれがみられたり、しこりの形がボコボコしていたり等、癌を疑わせる所見であっても、良性の腫瘍ということは、どの位の確立であるのでしょうか。
3) 穿刺吸引細胞診で2度とも白であれば大丈夫という風にみてよろしいのでしょうか。さらなる検査(より太い針での検査等)を行わないで3ヶ月後に再検査という診断に、主治医は「大丈夫です」とおっしゃっていたものの、少し不安が残ります。
4) 仮に悪性のものであったとして、3ヶ月放置しておくことで更に悪化してしまうという心配はないですか?
5) 母は59歳(子供2人、閉経)なのですが、年齢が診断においてどのように影響を及ぼすのかについてお教えください。

お忙しいところを申し訳ありません。宜しくお願いいたします。

実際に拝見しないと、お答しにくい質問です。マンモグラフィとエコーで、どちらかしか所見のないことはよくあります。年間100以上の手術をしている施設であれば、診察しているのは、乳腺診療の経験が深い先生だと思うので、基本的にはおまかせしてよいかと思います。しかし、診断結果に疑問があるならば、主治医に聞いて説明をうけるのがいいと思います。(文責 俵矢)

 

No.8401-3】  08年12月25日  C.A.
穿刺吸引細胞診の精度について

No8401にて二度ほど質問させていただきました。その節はご回答いただき、ありがとうございました。穿刺吸引細胞診の精度について教えていただきたいのですが、本来は癌であるものについて癌ではないという結果の出る可能性はどの程度あるのでしょうか。私の母は穿刺吸引細胞診を2度行い、2回とも悪いものは出てこなかったため経過観察となっているのですが、乳癌の体験談等で、「最初の検査では大丈夫だったが、再度検査をしたらやはり癌だった」という話をよく耳にします。エコーで確認しながらの穿刺吸引細胞診を二回行っている点で、精度は高まっているとは思うのですが、マンモやエコーではしこりがあり、触っても確認できるので、心配は払拭しきれません。母は59歳ですので、年齢から乳腺症ということはあまり考えられないのではないかと、素人ながら考えてしまいます。アドバイスいただければ幸いです。宜しくお願いいたします。

穿刺吸引細胞診でガンがガンと診断できない確率は5%程度です。但し、この数字は正しく穿刺できて、十分な細胞が採取され、すばやく固定できて、スクリーナーの資格のある検査技師が標本を作製しスクリーニングして、細胞診診断の資格のある医師が診断した場合の数字ですから、これらの条件の一つでも欠けると、診断率は下がります。95%大丈夫だから心配ないと考える医師は少ないと思います。細胞診でも5%の診断不能例があるのだからと考え、マンモグラフィーやエコー検査の結果と細胞診の所見が一致しない場合は細胞診を繰り返すか、積極的に生検を行なうと思います。お母様の場合は、エコー下に2回穿刺して良性ということであれば、単純に考えてガンである確率は5%x5%で0.025%となります。それでも、マンモグラフィーの所見やエコー検査の所見が、しこりがあるというだけではなくて悪性を示唆する所見であるならば生検すべきだと思いますが、そうでなければ、このまま様子を見ても良いのではないでしょうか。いずれにしても少しでも不安があるようなら、主治医の先生とよく話すべきだと思います。(文責 清水)

 

No.8401-4】  10年06月09日  C.A.
母の乳癌肺転移が心配です

No.8452にて質問させていただいた者です。 再び、現在62歳の母のことで質問させてください。 その後、乳癌の確定診断を経て、去年5月に右乳房の温存手術を受けました。2センチ程度の硬癌、センチネル陰性・リンパ節転移なし、グレード1、断端(-)、ly(-)、v(-)、HER2タンパク(-)、ER(++)、PgR(-)、10%以下のローリスクと言われました。
術後の放射線治療を経て、現在はホルモンを服用しております。先日、手術後1年の検診で行ったCTにて、肺の一部に1.5センチ位の丸い影が写ったようで、気になるからと、再度、肺のCT(縦隔ルーチン)をすることになったそうです。(私は同行しておらず、怖がって主治医に何も聞けなかった本人は、右の肺の下のほう、お腹?とも申していました。また本人が見せられた写真は、よくある、肋骨なども写り込んだレントゲン写真のようなものだったそうです。) センチネルも陰性で安心しておりましたし、手術後の病理検査の結果でガンの性質的にもこわいものではないとのことでしたので、1年後にまさかこのような結果がでるとは思っておらず、大変ショックを受けております。先生は、よくわからないから再検査するのだとおっしゃっていたそうですが、やはり肺転移の可能性が高いのでしょうか? 少しでも分かる事を知りたいと思っておりますので、お力をお借りできればと思います。どうぞ宜しくお願いいたします。

ローリスクであったことからは、肺転移の可能性は低いとも思われますが画像判断のできない状況においては何ともいえません。CTなどによる経過観察が必要でしょう。(文責 首藤)

 

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