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相談室(No.7701〜7800)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

ご相談メールの投稿はこちらからお願いします。

なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

7800 08/04/04 G.G. 骨転移について 俵矢
7799 08/04/04 H.O. 前がん病変での手術について 俵矢
7798 08/04/04 M  乳房の痛みについて 俵矢
7797 08/04/04 k・k 再発、転移後の治療について 俵矢
7796 08/04/04 A  浸潤性小葉癌の術後治療法について 俵矢
7795 08/04/04 FM  粘液癌の骨転移 俵矢
7794-1
7794-2
08/04/04
08/05/08
M.N. このままの治療でいいですか?
肺に5ミリの影
俵矢
石山
7793 08/04/03 U 術後の痛み 徳田
7792 08/03/30 C  経過観察中に妊娠は可能ですか? 俵矢
7791 08/03/30 K.I 検査期間と転移の可能性について 俵矢
7790 08/03/30 Y  MRI・マンモ・エコーを受ける際、時期はありますか? 俵矢
7789 08/03/30 S  乳癌が甲状腺に転移して腫瘍ができることもあるのでしょうか? 俵矢
7788 08/03/30 MR 今後の治療について 俵矢
7787 08/03/30 I  授乳中のしこり 俵矢
7786-1
7786-2

7786-3
08/03/29
08/10/24
10/06/04
M、K  術後治療について
骨転移?
乳癌転移について


鈴木
7785-1
7785-2
08/03/29
08/05/01
S  抗エストロゲン剤 について
抗エストロゲン剤服用と子宮内膜への影響について

緒方
7784 08/03/29 K.M.  術後療法について(HPNo.7563-2)
7783 08/03/29 K  フェマーラと大豆製品
7781 08/03/29 M  全切除と温存した場合のメリット、デメリットについて
7780 08/03/29 IT ホルモン療法について (HPNo.7095-5)
7779 08/03/29 M.T.  ハーセプチン
7778-1
7778-2

7778-3
7778-4
08/03/29
08/04/07
08/06/06
08/08/10
A  乳房術後疼痛症候群のについて
乳房切除後疼痛症候群の治療薬について
アリミデックス服用で血糖値が上がりますか?
乳房切除後疼痛症候群の治療について

徳田
須田
吉田
7777 08/03/27 W 抗がん剤治療について(2)(HPNo.7712-2) 俵矢
7776 08/03/27 S 骨転移?(HPNo.6696-4) 俵矢
7775 08/03/27 M  ノルバテックスの副作用について 俵矢
7774 08/03/27 Y  ノルバテックスとデパス10 俵矢
7773 08/03/24 S.S.  乳首の痛み
7772 08/03/24 M.I.  ホルモン療法について
7771 08/03/24 H.M. 乳癌の治療を受けるにあたって
7770 08/03/24 M.H.   乳房の石灰化
7769 08/03/24 S.K.  術後ホルモン療法について
7768 08/03/24 クッキー 骨転移進行後の化学療法開始と精神ケアについて(HPNo.5636-3)
7767 08/03/24 T   細胞診
7766-1
7766-2
08/03/24
08/06/18
S.H.  良性しこりの摘出について
病理診断について

首藤
7765 08/03/24 R.T プラセンタ注射について
7764 08/03/24 S  乳腺嚢胞、乳腺腫瘍について
7763 08/03/24 T、H 人間ドックについて
7762 08/03/23 G  ホルモン治療と婦人科疾患について(HPNo.7731-2)
7761 08/03/23 L  人間ドッグの結果
7760 08/03/23 K.M.  全摘か温存か(HPNo.7742-2)
7759 08/03/23 Y.M. 術後治療にハーセプチン
7758 08/03/23 N  葉状腫瘍により生じた脂肪肉腫について
7757-1
7757-2
08/03/23
08/10/06
W.H 骨転移の痛みなのでしょうか?ただの腰痛症なのでしょうか?
ノルバデックスの効果について

鈴木
7756-1
7756-2
08/03/23
08/04/04
K  術後の治療方針
化学療法について

俵矢
7755 08/03/23 P  この時期の骨転移はありえますか
7754 08/03/23 Y.T. 追加切除か放射線か
7753 08/03/23 K.T.  乳頭の先の米粒大のしこり
7752 08/03/23 N  ホルモン療法と生理
7751 08/03/20 M K 検査結果待ち 高橋
7750 08/03/20 S.O.  再発予防について 高橋
7749 08/03/20 Y.N. 温存手術か全切除かで迷っています 高橋
7748 08/03/20 S  局所再発について 高橋
7746 08/03/18 T.H. 手術後の治療法について 高橋
7745 08/03/18 Y.T.  ハーセプチンについて 高橋
7744 08/03/18 K.K. 現在の状況について 高橋
7743 08/03/18 K.M. 術後療法について 高橋
7742-1
7742-2
08/03/16
08/03/23
K.M.  マンモトームの結果と右全摘手術
全摘か温存か
高橋
7741 08/03/16 H.T ハーセプチンの使用について 高橋
7740 08/03/16 y.u 娘の胸のしこり 高橋
7739 08/03/16 O  カテゴリーについて(2)(HPNo.7728-2) 高橋
7738 08/03/16 N.K 転移(脳と脊髄)後の治療について 高橋
7737 08/03/15 Y.K.  転移再発乳癌に対する治療法 高橋
7736 08/03/15 KY  術後について(HPNo.7691-2) 高橋
7735 08/03/15 R.F.   右乳房温存手術後の痛み 高橋
7734 08/03/15 H  脇のしこり 高橋
7733 08/03/14 RO 術後の治療について  高橋
7732 08/03/14 Y  乳腺腫瘤について 高橋
7731-1
7731-2

7731-3
08/03/14
08/03/23
08/05/15
G  今後の治療方針について
ホルモン治療と婦人科疾患について
ゾラデックス単独
高橋

西川
7730 08/03/14 S.T. 術後の化学療法について 高橋
7729 08/03/14 M.H. のう胞内乳頭腫 高橋
7728-1
7728-2
08/03/12
08/03/16
O カテゴリーについて
カテゴリーについて(2)
高橋
高橋
7727 08/03/12 M.S 乳がん骨転移について 高橋
7726 08/03/12 T.U.  今後の治療について(HPNo.7711-2) 高橋
7725 08/03/12 N・O 浸潤性小葉癌について 高橋
7724 08/03/10 P  針生検とMRIの診断の正確性について(HPNo.7714-2) 須田
7723 08/03/10 M.M.  乳房温存後の治療について 須田
7722 08/03/10 H.O. 非浸潤性乳癌との判断(HPNo.7695-2) 須田
7721 08/03/10 H.Y 腫瘍マーカーからの判断と今後の治療(HPNo.6045-3) 須田
7720 08/03/10 S  術後の放射線治療と子宮体癌検査について 須田
7719 08/03/10 S.N. 非浸潤乳管癌 須田
7718 08/03/10 S  4個ある微細石灰化のがんの可能性 須田
7717 08/03/10 H.K.  骨転移後の治療について(HPNo.7665-2) 須田
7716 08/03/10 M.S 乳腺症か乳腺嚢胞と診断されました 須田
7715 08/03/10 Y.K. ADH(HPNo.7699-2) 須田
7714-1
7714-2
08/03/09
08/03/10
P   針生検とMRIの診断の正確性について
針生検とMRIの診断の正確性について(2)
須田
須田
7713 08/03/09 T  今後のフォローについて 須田
7712-1
7712-2
08/03/09
08/03/27
W  抗がん剤治療について
抗がん剤治療について(2)
須田
俵矢
7711-1
7711-2

7711-3
08/03/09
08/03/12
08/04/10
T.U.  骨転移?
今後の治療について
今後の治療法について
須田
高橋
浜口
7710 08/03/09 K   生検の必要性 須田
7709 08/03/09 I.Y.  硬癌が気になるのですが・・・ 須田
7708 08/03/09 S   ハーセプチンの投与間隔 須田
7707 08/03/09 M.E. 子宮がん検診について 須田
7706 08/03/09 M.I.  術前の抗癌剤治療について 須田
7705 08/03/09 E.K.  乳頭からの分泌物の臭い 須田
7704 08/03/09 H 同側乳癌 須田
7703 08/03/09 K.M. 術前化学療法について 須田
7702 08/03/09 H  ホルモン療法による腹部不快感は? 須田
7701 08/03/09 左腰の激痛について相談させて下さい(2)(HPNo.7674-2) 須田

 

 

 

No.7800】  08年04月04日  G.G.
骨転移について

母(60歳)が乳癌になり、昨年6月に手術を致しました。お力添えをお願します。以下が病理の結果です。
右乳腺部分切除材料 11×7×2.5cm  大きさ15×14×8mm 組織型 sol-tub グレード3 atypia 3 + 、mitosisi 3、浸潤 f(-) s(-) 脈管侵襲 1y0 v1 リンパ節 センチネル(0/4) 免染 PgR(-) ごく少数陽性 EsR(-) HER2/neu 1+  境界明瞭な灰色色調結節性病変。組織学的に周囲にリンパ球浸潤を伴う充実腺管癌。細胞異型が強く、分裂像も目立つ。組織学的にも病変は境界明瞭な結節を形成しており、周囲への乳管内進展病変は殆ど見られない。静脈侵襲を疑う像が見られる。切除断端は陰性。周囲乳腺組織は萎縮傾向に見られる。

昨年12月頃より、右腰と右大腿部に痛みを感じているようです。日中は感じないようですが、明け方眠りが浅いときに痛みを感じるとのことです。頻度は1日おきや、2〜3日おきといったものだそうです。骨転移ではないかと心配です。一般的に骨転移の痛みはどのようなものなのでしょうか?持続的ですか?リンパ転移も無いのに、こんなに早く転移することはあるものでしょうか?検査は骨シンチとMRIと、どちらが適切でしょうか?ただの痛みであることを願っているのですが・・・。どうそよろしくお願いします。

検査してみないとわからないので、一度主治医の先生に相談してみてください。骨転移を見つける検査としては、骨スキャンは全身が見られますし、MRIは怪しいところを詳しくみる検査なので、両方やることもあります。(文責 俵矢)

 

No.7799】  08年04月04日  H.O.
前がん病変での手術について

ネットの検索でこの相談室を知りました。よろしくお願いいたします。
44歳、独身、子どもなしです。23歳で甲状腺がんを5/6摘出しましたが、乳がんの家族歴はありません。自己触診で左乳房・上部外側に5mmほどの丸いものがあり、2月下旬に県がん診療連携拠点病院の乳腺外科を受診しました。マンモグラフィ、エコーの結果、丸いものはのう胞でしたが、その傍に集簇性の微細石灰化が見られ、3月中旬にMRIとマンモトーム生検を受けました。数日前、その結果を聞きに行きましたが、前がん病変の異型乳管増殖症とのことで、「前がん病変というのは、放っておくとがんになる可能性が高いものです。大腸ポリープでもがんになる前に取るでしょう」と手術(直径3cm・深さ1cmほど摘出)を勧められ、困惑しながらも、4月25日の手術の予約をしました。手術後は、病理の結果をみて、断端に病変がなければ経過観察、あれば放射線療法か再手術になるとの説明でした。以下、質問です。
1) 異型乳管増殖症とは、この相談室の過去のご回答にある異型乳管過形成(ADH)と同じでしょうか?
2) 乳房の場合も、前がん病変の診断で手術するのが一般的なのでしょうか? 過剰外科対応になるおそれはありませんでしょうか?
3) 組織の診断は難しいとお聞きしますが、セカンドオピニオンをお願いしたほうがよいでしょうか?

次回、4月17日に受診と術前検査の予定です。手術が必要な場合も、きちんと気持ちを整理して臨みたいと思っていますが、大変混みあっている病院なので、それまで上記の疑問について、電話等で質問することもできません。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願い申し上げます。

1) ADHと同じものと考えてよいと思います。
2) この場合、マンモトーム生検でも確定診断がついていないので、もう少し大きく切除して癌であるか癌でないか確かめる意味での手術なのであろうと思われます。
3) このような病変の場合、確かに組織診断が難しいことがあります。手術の結果を主治医の先生にお話してもらってから、セカンドオピニオンに行くかどうか決めても遅くはないでしょう。手術自体を迷われていらっしゃるのならば、手術前に主治医の先生にもう一度説明を受けるとよいと思います。(文責 俵矢)

 

No.7798】  08年04月04日  M 
乳房の痛みについて

30歳でもうすぐ産後四か月になります。四回目の出産で完全母乳です。四か月のあいだに二回程高熱の出た乳腺炎になりました。乳腺炎のように痛くなるわけではないのですが、左乳房がよく痛くなります。痛くなる場所も乳房の外側だったり内側だったり下の方だったりします。自分で触った感じとしてはゴリゴリしたしこりはかんじられないのですが、しこりのない乳ガンもあるときいたので不安になりました。赤ちゃんが何故か右のおっぱいをあまり吸ってくれず右のおっぱいはまだ母乳が出てるのに妊娠前の大きさに戻ってしまったようで左右差がかなりあるのも心配です。一年半近く前に、乳房の痛みで外科を受診し触診とエコーの検査は受けましたが異常なしでした。今回も乳房の痛みで総合病院を受診しましたが授乳中ということで婦人科での診察でした。婦人科では簡単に乳房を触った程度で、「痛いのは母乳が残ってるとこだから飲ませたら搾乳して下さい」とだけ言われました。この乳房の痛みは授乳に関係するものと考えて良いのでしょうか。乳ガンが頭をよぎって不安です。

「痛み」に関しては通常、直接乳がんとは関係ないことがほとんどです。かたいところが気になるようであれば、乳腺の先生にも今一度かかってみてはいかがでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.7797】  08年04月04日  k・k
再発、転移後の治療について

いつもこちらで乳癌について学ばせて頂いております。初めてご相談いたします。
私58歳、1998年に乳腺専門病院で非定型的乳房切除術による全摘、細胞学的検査は、classWb、popillc fabular ca sucp (正確に読み取れません)リンパ転移3コ 閉経前抗ホルモン治療で、ゾラテックス注射2年、フルツロン経口薬3年のみでした。2000年に傷跡に腫瘍、先回の取り残しがでたという説明で日帰り切除をしました。予後も良く、半年検診で、血液検査、レントゲン、超音波などフォローアップして頂いてきましたが、2008年2月同院で、左胸壁腫瘍1.4×1.4cm クラス4摘出手術。これは胸筋下で、予想していたリンパの腫れがなかったとのこと。多発性骨転移、脊椎、胸傍、肋骨に4箇所、溶解してる個所ありとのこと。痛みは出ています。肺転移、極小一点。手術前に、化学療法、放射線治療をすることになるでしょうと説明され準備していましたが、摘出細胞検査後、ER・PgRともホルモン受容90%、HER2マイナスなので、抗ホルモン剤 アリミデックス、4週ごとのゾメタ点滴、時にコンドロイチン錠、肺はCTによる月1回の経過観察のみということです。再発,転移で癌の痛みもあるので、積極的治療を諦められたのかと考えたりもします。

1) この治療方針について先生のご見解を頂けませんか。
2) この経過でいくと余命はどのくらいでしょうか。

肺のほうは小さなかげがひとつとのことなので、おそらく転移かどうかはっきり判断できないので経過観察をしようということだと思います。ホルモン療法は、ホルモン感受性のあるあなたのような患者さんには大変効果のある治療です。ホルモン療法とゾメタは妥当な選択だと思います。骨転移の痛みについては、ゾメタの併用も効果がありますし、お薬(鎮痛剤)や、放射線療法も適応を検討されるとよいでしょう。
「余命」を推し量るのは大変困難なことで、メールの相談で答えられるものではありません。主治医の先生にお話になるほうがよいと思います。(文責 俵矢)

 

No.7796】  08年04月04日  A 
浸潤性小葉癌の術後治療法について

49歳、女性です。浸潤性小葉癌の術後治療法についてお聞きしたくメール致しました。08年2月25日、乳房温存手術を致しまして、3月25に病理検査の説明を受けました。「腫瘍径1.9cm、進達度f、グレード2、リンパ管侵襲 陽性、血管侵襲 陰性、断端 陰性、リンパ節転移(転移/切除)0/1、エストロゲン受容体 陽性、プロゲステロン受容体 陰性、HER2 スコア2(疑陽性)」との結果がでまして、これからの治療方法は、AC療法(3週毎4回)→PAC(3週投与1週休薬3クール)→放射線 内分泌薬5年 ハーセプチン(3週毎18回 遺伝子増幅があれば)との事でした。
1) 浸潤性小葉癌、リンパ管侵襲・陽性の場合は化学療法を受けた方がよろしいでしょうか。
2) AC療法・PACは通常行われている化学療法なのでしょうか。 
3) AC療法・PACはとは、どのような抗癌剤を使用するのでしょうか。また、他の抗癌剤に比べて副作用が強いのでしょうか。
4) 進達度・fとはどのような事なのでしょうか。

お手数をおかけ致しますが、上記の事についてお教えいただけませんでしょうか。宜しくお願い致します。

進展度fの意味は、乳腺組織を超えて周りの脂肪組織に進展しているという意味です。このくらいのサイズの乳癌では、脂肪組織に進展していることはよくあることで、特別なことではありません。AC−パクリタキセルは、通常よく行われている化学療法です。ドキソルビシン、サイクロフォスファマイド、パクリタキセルという薬剤を使用します。化学療法は推奨される選択肢のひとっとなると思います。ハーセプチンに関しては、スコア2とのことなので、FISH法という方法で確かめてもらってもよいでしょう。主治医の先生によく相談してみてください。(文責 俵矢)

 

No.7795】  08年04月04日  FM 
粘液癌の骨転移

粘液癌で5センチx3.5センチです。あまりに大きいため手術前に骨シンチをしたいのですが、予定には入っていません。とても不安です。粘液癌が骨転移する比率は、どのくらいでしょうか?

粘液癌は他の組織型より比較的予後がよい組織型といわれておりますが、転移することもあります。不安に思うのであれば、主治医の先生に相談して検査を組んでいただいたらいかがでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.7794-1】  08年04月04日  M.N.  
このままの治療でいいですか?

いつも大変参考にさせていただいております。術後2年がたち、近いうちに全身の検査を受けます。51歳の時、まだ生理がありました。粘液癌(浸潤癌)、2.1センチ、リンパ転移なし、断端陰性、ホルモン感受性あり、グレード2、HRE2陽性(2+)。タモキシフエンか無治療と言われ、タモキシフエンを服用中。生理は手術の時から2年間ありません。婦人科に行きましたら、閉経しているかどうかはタモキシフエンを飲んでいるので調べようがないそうです。今度の検査結果で何もなければ このままの治療でいいですか。

閉経前後の方のホルモン療法をタモキシフェンにするか、アロマターゼ阻害剤にするかは難しいことがあります。血液検査で、女性ホルモンのレベルが閉経後女性のレベルに下がっていれば、閉経状態と判断して、アロマターゼ阻害剤に変更することもありますが、アロマターゼ阻害剤を投与することによって女性ホルモンの分泌が再び活性化される方もいらっしゃいますので、結構難しい判断になります。相談者さんの場合、開始時は月経があったということなので、タモキシフェンを5年継続するのもよいと思います。
アロマターゼ阻害剤に変更するべきか、このままの治療でよいのかは、いずれもメリットとデメリットがありますから、主治医によくお聞きになるとよいと思います。(文責 俵矢)

 

No.7794-2】  08年05月08日  M.N.  
肺に5ミリの影

HPNo.7794で相談し、参考にさせていただき有難うございました。タモキシフェンを変更せずに服用する事にしました。術後二年過ぎの全体検査を4月の頭に半年ぶりにしましたら、去年の9月末には消えていた肺に5ミリの影がまた出ていて、リンパの腫れは術後からずっとあり、主治医からは、「それが数が増えたり増大したら、そのときまた薬の変更など考えましょう」と言われました。こうして、大きさに一年半くらいも変わりのないということは、あまり心配いらないと 思っていいですか。肺は、健全であれば、いっさい影は映らないものでしょうか。

肺の陰影は転移とは限らないので、この方針で良いと思います。(文責 石山)

 

No.7793】  08年04月03日  U
術後の痛み

74歳の母が17日に左胸温存手術しました。3センチ弱の腫瘍で左のリンパも郭清しました。病理の結果はまだです。24日に退院したのですが、リンパをとった傷のまわりから肩、脇にかけていまだに痛いそうです。コリコリした塊ができて、消えたり移動するみたいで、入院中に主治医にも聞きましたが心配ないとのことでした。でも退院してもまだ痛むようだし、移動する固まりもまだあるし(おもちくらいの大きさ)、心配してます。傷もふさがっているし、体液を出している管をとった後も何事もなかったです。コリコリが脇にくると脇がしまりにくいそうです。痛み止めの座薬もあまり効きません。関係ないかもしれませんが、持病に糖尿、高血圧などがあります。同じように温存、郭清した方に聞いても、あまり痛みを覚えた方はいませんでした。入院中は、浮腫防止のリハビリをしたら多少は痛いとは聞いていたそうなのですが、入院中よりだんだん痛みがましているようなので心配になり、相談させていただきました。よろしくお願いいたします。

情報から,一番可能性のあるのは,創部皮下に溜まったリンパ液です.排液用の管を抜いたあとにも溜まることはよくあります.超音波をしてみれば,はっきりします.自然に吸収されますが,症状があるのであれば,穿刺して吸引するのも一法です.(文責 徳田)

 

No.7792】  08年03月30日  C 
経過観察中に妊娠は可能ですか?

宜しくお願いします。2年程前に受けた検診(エコー、マンモ)で石灰化が見つかり、3bと診断されました。その為、細い針を使った細胞検査を行いましたが、異常は見られませんでした。が、その半年後の再検査で多少の病変(石灰化の数が増えた)が見られたとのことでMRIを受けましたが、結果問題なしでした。そして今回の再検査で石灰化の集積部分が拡張したようだとの所見で、再び細胞検査を行いましたが結果は異常なし、ただし癌である疑いは晴れないので、3ヵ月後にエコーをすることになりました。
以上が今までの経過ですが、以前より妊娠を希望していましたが、このようなこともあり躊躇していました。しかし年齢的にもギリギリなので(現在38歳)、妊娠に踏み切った方が良いのか判断がつきません。私はストレスに弱い方なので、このような不安な日々を過ごす中での妊娠はどうかとも思うのですが、何より不安材料が残ったままで妊娠はして良いのでしょうか? また、妊娠・出産で乳がんの進行が早まる等の可能性はあるのでしょうか? どうぞご意見をお聞かせ下さい。

早めの妊娠を考えるのであれば、その前にもう少し踏み込んで診断をつけておいたほうがよいと思います。石灰化を含む組織を太い針で採取して組織診断をする「マンモトーム」という検査を受けていただくのがよいように思います。主治医に「マンモトーム」はどうでしょうとお聞きになってみてください。(文責 俵矢)

 

No.7791】  08年03月30日  K.I
検査期間と転移の可能性について

46歳姉(未婚)のことで、ご相談させていただきます。一月の後半に胸にしこりを見つけ、大学病院にて検査していただいた結果、多発性で右に2つ、検査の結果、ひとつは5で他は4とのことでした(もしかしたら、つながっている可能性もあるとのこと)。左の乳頭の下あたりにも細かい影が数個見られたが、今のところまだわかりません。
二月からマンモグラフィー、超音波検査で乳がんが見つかったにもかかわらず、さらに詳しい検査を4月に何回かに分けてするそうです。血液検査の結果腫瘍マーカーが低かったと、主治医の先生は少し安心しておられるようですが、腫瘍マーカーもすべてのがんが見つかるわけではないし、数値もあまりあてにはならないということをよく聞きます。心配なのは、昨年からずーと腕が上がらないと、四十肩として針治療をうけ、最近よくなったとは言え、骨に転移しているのではと心配しているところ、MRIは4月の初めだそうです。その他、卵巣や肝臓など、転移しやすいところについても心配です。MRIやCTなどの検査を待っている間に他の病院でとりあえず早く調べられる検査はないかと思っているのですが、たとえばレディースクリニックにいって卵巣、子宮ガンの検査をしていただくとか、近所の個人病院で肝臓の腫瘍マーカーをしていただくとか、骨の検査をしていただくとか、そういうことをするのは無意味なのでしょうか? あまりにも長い検査期間に心配で何も手につきません。どうぞ、アドバイスよろしくお願いいたします。

文面からだけでは、ちょっと状況が把握しかねます。
乳癌と確定診断されているのでしょうか。乳癌と確定診断されているのなら、確かにややのんびりしている印象は受けます。しかし症例が非常に多く集まっている専門施設では検査の予約が入りにくく、やむを得ず時間がかかることもあります。お気持ちはお察ししますが、あまりいろいろなところで検査されても混乱するだけなので、現在の主治医にこの内容をお伝えになって、ご説明をうけられるのがよいと思います。(文責 俵矢)

 

No.7790】  08年03月30日  Y 
MRI・マンモ・エコーを受ける際、時期はありますか?

マンモとエコーの再検続きで、また違う病院でマンモ、エコーとさらにMRIも撮ることになりましたが、撮る時期で画像上問題が生じる事はありますか? 予約を生理16日目(排卵日辺り)に入れてしまいましたが、大丈夫でしょうか? 再検続きの時は、排卵前が良いと言われ(胸が張るからと)生理(8〜10日辺り)で撮っていましたが、それは胸が張って痛いからの他に、画像上問題があるからですか? もし画像上問題があるのでしたら、予約を再度取り直しした方が良いのだろうか?と思いまして・・・。ご返答宜しくお願い致します。

排卵から生理があるまでの時期は、黄体期といいますが、この時期は黄体ホルモンが分泌され、乳腺がはった感じがあります。画像診断も多少影響は受けますが、その差はそんなに大きいわけではないので、通常は時期に関係なく受診していただいて結構だと思います。しかし、前回の画像で微妙な所見がある場合に、黄体期を避けて検査を組むこともありますので、主治医から、時期の指定がある場合はそれに従ったほうがいいです。病院に連絡して聞いてみてはどうでしょう。(文責 俵矢)

 

No.7789】  08年03月30日  S  
乳癌が甲状腺に転移して腫瘍ができることもあるのでしょうか?

私は九月に乳癌の温存手術をしたものです。この間PET検査をし、異常はなかったのですが、甲状腺におそらく良性であろう腫瘍がありますと言われました。「一応細胞診をしておいた方がいいです」といわれたのですが、乳癌が甲状腺に転移して腫瘍ができることもあるのでしょうか?

そんなに頻繁にあることではないですが、甲状腺内に乳癌の転移ができることもあります。画像診断で良性腫瘍と診断されているので、甲状腺の良性腫瘍である可能性は高いですが、細胞診をすればより診断が確実になるので、しておいたほうがよいでしょう。(文責 俵矢)

 

No.7788】  08年03月30日  MR
今後の治療について

今後の治療について相談させて下さい。39歳、子供二人、閉経前です。H19.10右乳温存手術を受けました。病理結果は
Aarea  Invasive ductal carcinoma Papillotubular carcinoma,
Grade1, f, tumor size:invasive ar spreading area 2.5cm
extensive intraductal component (+; comedo-)
fibrocystic change (+), surgical margin(-)

Carea Invasive ductal carcinoma Papillotubular carcinoma,
Grade2, f, tumor size:invasive ar spreading area 1.5cm
extensive intraductal component (+; comedo-)
fibrocystic change (+)
Intraductal carcinima cells are prsent close to the suegical margin

Lymph nodes(resection): No metastases SLN1(0/1) SLN2(0/1)
両腫瘍ともER(+) PgR(+) HER2:0 です。

断端陽性であった為、このあと2度追加切除を行い陰性となり、今年に入って放射線25回を受けました。主治医から「中間リスクだが、TAMとリュープリンの5年間ホルモン治療のみで・・」と言われ、始めました。年齢や多発腫瘍、中間リスクといった面で本当に化学療法を受けなくてよかったのだろうか・・との不安があります。主治医のことは信頼しておりますが、外来での短い時間ではなかなかじっくりとは話せてないです。
1) 化学療法を追加で行った場合と、ホルモン治療のみの場合、無再発生存率はどのぐらいでしょうか?
2) 一般的には私のような場合はホルモン単独が奨められているのでしょうか?

宜しくお願いします

この場合、化学療法を追加で行うとホルモン療法単独よりも再発する人の3割くらいを減らせることになります。St Gallennのコンセンサスでは、ホルモン療法単独または、化学療法を行った後にホルモン療法を行うとされています。年齢的には化学療法にも十分耐えられると思います。化学療法の可能性について、主治医と相談なさってください。(文責 俵矢)

 

No.7787】  08年03月30日  I 
授乳中のしこり

29歳で1児の母、授乳中です。10ヶ月前にしこりを感じ、なかなかしこりがとれなかったため8ヶ月前に乳腺科を受診しました。その際、複数のしこりを感じ、授乳してもなかなかとれない旨伝えました。触診とエコーをしていただいたのですが、腫瘍はないとのこと。授乳中は正確な診断ができないと前置きがあり、おそらく乳がんではないとのこと。しこりが大きくなったら受診してくださいと言われました。何であるかは正確な診断ができないとのことでした。現在しこりの大きさ・形は、ほとんど変化がないと感じます。しこりの形がおはじきのようで、半分の淵が固くなっており、一部分が少し突起しているように感じます。表面はつるっとしていて上から押すと動きがあります。大きさは1cmほどです。しこりは普通に触ると小さいビービー弾くらいの大きさで感じますが、横になり指を2〜3本で強く触れるとおはじき位の1cm大の大きさのしこりで片側半分の淵が少し盛り上がっており一部分が少し隆起しているように感じます。表面はつるつるとしています。うまく説明できず申し訳ありません。
エコーは乳腺科の医師にしていただきました。胸はそこまで張った状態ではありませんでした。このようなしこりでもエコーで腫瘍として写らないことがあるのでしょうか?授乳中のため写らなかったのでしょうか? 万が一乳がんということはないのでしょうか? 断乳はまだ先になりそうなので、再度受診すべきか悩んでいます。お忙しいと思いますが宜しくお願い致します。

たしかに、通常の時期より授乳中は診断が難しい時期だと思います。乳房の中に乳汁がいっぱいたまっているので、乳瘤というお乳のたまりによるしこりが出来たり、また画像診断も通常の時期に比べて難しいことがあります。乳腺科を受診していらっしゃるので、おそらく心配はないかと思いますが、気になるようであれば、断乳前であっても、乳腺外来を受診なされるとよいと思います。心配しているより診てもらったほうがよいと思います。(文責 俵矢)

 

No.7786-1】  08年03月29日  M、K
術後治療について

昨年5月に約4p程の小葉癌が見つかり、リンパ節にも転移がありました。6月より化学療による乳ガンの治療を半年間、その後乳房全切除、腋窩リンパ節郭清手術を行い、ホルモン療法(ノルバデックス5年間)と放射線治療25回を終了致しました。手術後の先生からのお話で、リンパ節11個の内7個に転移が見られ、摘出した腫瘍の大きさが、5,5×4,5と聞き、辛い抗ガン剤治療が全く無駄だったのかと愕然と致しました。今後の治療にカペシタビンの化学療法を進められていますが、前回の抗ガン剤でほとんどの副作用が出て辛い思いをしたので(現在も後遺症が残っている状態です)悩んでいます。先生のお話では全部取り切れているとおっしゃっているのですが、今後再発、転移の可能性は大のようです。今後の治療はホルモン療法のみでは無理でしょうか? 47歳主婦。

術前化学療法の効果があまり見られず手術施行。術後の補助療法として放射線療法が終了、現在ノルバデックス、カペシタビン投与中とのことです。術前化学療法の効果がいまひとつであったとすると、カペシタビンの効果もやや疑問のあるところであり、さらに抗がん剤の副作用が出やすいということになると、抗がん剤に固執する必要はないかもしれません。まだ閉経前でありホルモン感受性が陽性であったとすると、ノルバデックスにLH-RHアゴニスト(リュープリン、ゾラデックスなど)を加えてホルモン剤だけで経過を見るのも有力な選択肢になると思います。(文責 谷)

 

No.7786-2】  08年10月24日  M、K
骨転移?

前回HPNo.7786でご相談にのっていただいたM,Kです。その節はどうもありがとうございました。手術から10ヶ月、放射線治療から7ヶ月が過ぎすぎ、現在ホルモン療法(タスオミン)のみの治療を続けております。最近骨盤が痛く、胃も刺す様な痛みがあり、特に骨盤の痛みがどんどん強くなってきたので、病院でPET検査を受けることになりました。もしも骨転移であれば、今後の治療方法のアドバイスをお願いいたします。抗ガン剤の治療はとても辛かったので、出来ればその他にどんな方法がありますでしょうか? 宜しくお願いいたします。

まず、もともとの組織でHER2の過剰発現が認められていれば、ハーセプチンの効果が期待できます。また、骨転移に対して選択的に使用されているのが、ビスホスホネート製剤に分類されるゾメタです。閉経前であれば、LH-RHアゴニスト剤(ゾラデックス、リュープリンなど)のタスオミンへの上乗せです。以上のような選択肢が考えられます。(文責 谷)

 

No.7786-3】  10年06月04日  M、K
乳癌転移について

先日、術後2年半の定期検診で、マンモグラフィー、超音波、CT、骨密度の検査をいたしました。 結果は、転移などの疑いもみられずホットしていたのですが、血液検査(CA15-3 44,9)で腫瘍マーカーが気になると言われ、骨シンチグラフィーの検査を受けることになりました。腫瘍マーカーが高いと、転移、再発の疑いがあるというのですが、高くなる原因は他にも考えられますか? 例えば食べものとかは関係しますか? ちなみに、半年前からリンパ浮腫の治療をしております。気になるのは、脇の下、背中、骨盤にかけて、持続性は有りませんが鋭い痛みが有ります。骨に転移した場合は痛みなどがあるのでしょうか? 現在はノルバデックス錠20rのみを服用中です。アドバイス、宜しくお願いいたします。

乳がんにおける腫瘍マーカーは、CEA、CA15-3、NCC-ST-439などを測定することが多いのですが、乳癌学会のアンケート調査では、特に前二者を測定する施設が多いようです。ご質問のCA15-3は、乳がんにおいて特異度(乳がんの病状の変化に関連して上昇し、他の腫瘍では上がりにくい)が最も高いと言われています。CEAは喫煙により上昇することが知られていますが、CA15-3は、食事、他の疾患などの影響は受けにくいようです。リンパ浮腫の治療も関係ありません。ただ、病気も無いのに腫瘍マーカーが上昇することも、時に経験します(そのうち、何もしないで下がったりします)。まずは、骨シンチの結果だと思いますが、肝臓、肺などと違い、骨の転移は、病変の存在診断が難しく、何cmの大きさとか、測定も難しいので慎重に判断することが必要です。骨に転移した場合は、現在感じていらっしゃる痛みとの関連は不明ですが、痛みを伴うことが多いと思います。逆に体重の負荷がかからない部位では痛みの伴わないこともあります。仮に、骨転移と診断されたとしても、様々な治療法がありますので、何かわからないことがあれば、いつでもお尋ね下さい。(文責 鈴木)

 

No.7785-1】  08年03月29日  S 
抗エストロゲン剤 について

49歳、2月中旬に乳癌温存手術を終えて現在、放射線外来での照射をスタートして25回のうち5回目を終えたところです。この時期になりまして気になる点が2点御座いまして質問をさせて戴きます。
1) 25回照射以降、服用するように病院でいただきました抗エストロゲン剤ノルバデックスについて
実はきちんとあった生理が11月下旬を最後に以来4回は来るはずのものが有りません。当初は゛いずれまた落ちついたら生理はくる゛と思っていたのですが、流石にここまできますと不安になりました。そこである癌専門雑誌に゛抗エストロゲン剤を選ぶ時はその人の血液中のホルモンレベル(FSHやE2)を測定して閉経しているか否か確認してから、きめた方がよい゛とありましたが、例え私の血液検査結果が閉経に近い数値とでても飲み薬は変わらないのでしょうか?この数値に関しては婦人科に聞いたほうがよろしいのでしょうか?
2) 投薬前に知りたくなったのですが、HER2やホルモン&プロゲステロンレセプター数値は術前の針生検と術後の病理での結果とは変わらないのでしょうか?また、この術後の数値で投薬の薬がかわることはありえますか?因みに術前の針生検でのエストロゲンレセプターは8分の7、プロゲステステロンレセプターは8分の6、HER2はプラス1でした。

1) 4ヶ月ほど生理がないとのことですので、一度FSH,E2を調べてみるべきであると考えます。ノルバデックスは閉経の前後いずれにも効果の認められている薬剤ですが、ホルモン学的に閉経であるとするとアロマターゼ阻害剤(アリミデックス、フェマーラ、アロマシンなど)に変更するほうがよりよいかもしれません。次回受診時に主治医の先生にご相談なさってください。
2) 抗がん剤やホルモン剤の術前投与があると、その前後でHER2,ホルモンレセプターが変化することはしばしば認められますが、術前投与がないとすると術前後での値の変化はあまりないと思います。(文責 谷)

 

No.7785-2】  08年05月01日  S 
抗エストロゲン剤服用と子宮内膜への影響について

HPNo.7785でお世話になったものですが、新たな事態に直面したため、今後の投薬治療確定のご相談です。
49歳、2月中旬に乳癌温存手術をいたしまして、術後病理も結果は断端マイナス転移なし、極めて非浸潤に近いもので、Her2は1プラス、エストロゲンレセブター8分の7、プロゲストロンレセプター8分の6ということで、放射線があと5回終わればノルバデックスを服用予定でした。しかし術後3月初旬に通い付けの他病院で、初めての子宮体癌検査にて(4年前から1pの子宮筋腫があるため頚癌検査は毎年経過観察で最近はクラス1で問題なしでした)、クラス2の要経過観察と出てしまいました。病理内容は以下のとおりです。
細胞診断:Columnar cell atypia 
細胞所見:萎縮傾向にある内膜細胞を認めます。加えて核腫大、核密度の高い集塊を少数認めます。頚管上皮由来と思われますが念のためフォローアップを希望します。
成分量:Sq(表層細胞)+_ Sq(中層細胞)+_ 頚管内膜細胞+_ 子宮内膜細胞1+
付記所見:経過観察が望まれる
ということです。

このデータをみた(乳癌手術をした)病院の婦人科医は、6月に(3月の検査から時間をあけて?)もう少し詳しい子宮体癌細胞検査をするらしく、(手術をした)同病院の乳腺外科医は、「その結果が出るまで(私の放射線照射終了4月18日以降から6月中旬まで)は、まだ子宮癌ときまったわけではないから、検査結果が出るまではノルバデックスを服用しようか?」とおっしゃっていますが、閉経前の不安定な子宮の状態で、この様な安易な(と言う表現は失礼かもしれませんが)薬の決め方で良いのか心配です。前回もこのコーナーにてアドバイスいただきましたが、私のように、ここ5ヶ月生理がない上、上記のように子宮内部に関して「要経過観察」の場合は、血液中のホルモンレベル(FSHやE2)を測定して閉経しているか否か確認してから、抗エストロゲン剤等の服用すべき薬をきめた方がよいと思われますが、如何でしょうか? 今後私のような症状で(長期に投薬せねばならない場合)、乳癌にも子宮体癌にもならないようにする為には、どの様な薬の選択肢があるのでしょうか?

追伸: 因みに手術(2月半ば)前1ヶ月間、医師の指示により、ノルバデックスを服用しておりましたところ、4週間目位からおびただしい「おりもの」などがあった為に、(医師の指示により)手術入院中から照射5週間の今日迄は服用をやめておりました。こういういきさつもあり、ノルバデックスに限らず今後の「薬の服用」ということに多少不安もあるのも事実です。

「血液中のホルモンレベル(FSHやE2)を測定して閉経しているか否か確認してから、抗エストロゲン剤等の服用すべき薬をきめた方がよいと思われますが如何でしょうか?」その通りです。その結果で、閉経前であればLH-RHアゴニスト+タモキシフェン(ただし、慎重な子宮内膜の経過観察下)が妥当ではないでしょうか。閉経後であれば、何の迷いもなくアロマターゼ阻害剤を使用することになります。ただし、閉経直後であると、アロマターゼ阻害剤が排卵を誘発することがあり生理が戻ることも考えられます。その際は、ホルモン治療はLH-RHアゴニスト+タモキシフェンに落ち着きます。閉経期の患者さんのホルモン療法の選択は、結構難しいことがあるので、よくリスクとベネフィットを主治医に聞いて選択してください。(文責 緒方)

 

No.7784】  08年03月29日  K.M.  
術後療法について(HPNo.7563-2)

No7563で相談したものです。今FECの3クール終了し4クールを待っている状況です。術傷跡の痛みはないのですがその横、脇のやや後ろ辺りに痛みがあるのですが ,
1)  これはリンパをとった影響でしょうか?腫れはありません
2)  Adjavant Onlineで再発リスクがわかるなら教えてください。3.5×3.1センチ、硬癌、グレード2、ER-:TS2(PS1+IS1)PgR+:TS8(PS5+IS3)HER-リンパ転移ありSenti(1/2)Level1(1/14)ly1v1
3)  化学療法後ホルモン療法ですがER-PgR+でどのくらいの効果があるのでしょうか?

1) 乳癌の手術で腋窩のリンパ節郭清を行う際、神経も一部切れてしまいますので、肩から上腕の背側に痛みや痺れがしばしば生じます。心配はないと思います。
2) 抗がん剤の後ホルモン剤使用とすると、Adjuvant! Onlineによると10年間での再発率は10〜15%程度ということになります。
3) ERかPgRのどちらかが陽性であれば効果はある程度期待できると思います。(文責 谷)

 

No.7783】  08年03月29日  K
フェマーラと大豆製品

早期乳がんの術後で、フェマーラを服用しています。イソフラボンは女性ホルモンと似た作用があるということですが、フェマーラを服用している状況の場合は、イソフラボン(大豆製品)を食べないほうがいいのでしょうか?普通の食事として食べる程度なら大丈夫なのか、全く食べないほうがいいのか?教えてください。よろしくお願いします。

ご指摘の通り最近サプリメントとして用いられているイソフラボンに女性ホルモン類似作用があるとのことで、乳癌術後の方にとって、とりすぎることは悪影響を及ぼす可能性があるといわれています。しかし通常食事に含まれる程度のイソフラボンが乳癌に悪影響を及ぼすとは考えにくく、まず気にする必要はないと思います。(文責 谷)

 

No.7781】  08年03月29日  M 
全切除と温存した場合のメリット、デメリットについて

初めてお世話になります。42歳主婦、二人の子どもがいます。主婦検診で再検査となり、その結果左胸に2センチ弱の乳管癌ということで、部分摘出手術に向けMRI検査等をしていたところ、手術3日前の今日になって左胸に2〜3ミリほどの小さい影があらたに4箇所見つかりました。主治医から細胞診はできないが癌の可能性が高いと説明があり、手術当日までに温存手術か全切除か決めるよう言われたのですが、突然のことで判断に困っています。全切除の方が安心なのはわかりますが、このようなケースで温存とした場合、追加切除となる可能性や術後の治療が大きく違ってくるものなのでしょうか。急で申し訳ありませんが、3/24手術予定のため、それまでに全切除と温存した場合のメリット、デメリット等を教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。

乳癌の温存術後に放射線療法を施行した場合術後の乳房内再発率が5〜7%であるのに対し、放射線療法を施行しない場合30%程度の乳房内再発率がある、というデータがあります。これは温存術の際の癌の取り残しを意味するだけではなく、温存術を施行した方の中に術前に見つけられなかった微小癌の存在があるためとされております。このことより温存術の後は必ず放射線療法を施行するべきであり、逆に放射線療法により残存した微小癌であれば完治してしまうことも多いと考えられます。安心を第一というのであれば多くの手術は乳房全摘をするべきですが、女性のシンボルでもある乳房であるゆえできるかぎり温存したいという思い、さらに加え温存術後にもし乳房内再発が見られた場合、それから追加切除を施行しても、最初から全摘しても生存率には差がないという欧米のデータなどに基づいて、現在の温存術は行われているといえます。以上よりまとめますと、温存術は全摘に対し乳房をいくらか残すことができますが、術後に放射線療法を必要とする点、それでもいくらかの局所再発の可能性が残る点が劣るといえます。(文責 谷)
 

 

No.7780】  08年03月29日  IT
ホルモン療法について (HPNo.7095-5)

以前HPNo.7095でご相談いたしました。ホルモン療法についてお尋ねいたします。
去年8月に温存手術をしその後AC療法を4回(副作用がきつく75%に減量しました)そして放射線を25回終えました。大きさ1,2cmリンパ節転移なし、悪性度3、HER23+、ホルモン受容体は二つとも陽性です。4月からハーセプチンも1年間投与します。平成13年に子宮筋腫で子宮を切除しそれ以来生理はありません。血液検査でも閉経後の数値だそうです。そして今日からホルモン療法もはじめますが、ホルモン剤のことで不安になりご相談いたします。腫瘍内科の先生はノルバデックから服用するように言われ、手術した乳腺外科の先生はフェマーラかノルバデックスかアリミデックスを選んでくださいと言われ混乱しておりましたが一応腫瘍内科の先生の意見を取り入れノルバデックをいただきました。ハーセプチンも同時に行う私にとって、どのホルモン剤投与が最良とお考えですか。よろしくお願いいたします。

閉経後のホルモン感受性早期乳癌にあたりますので、乳癌診療ガイドラインではアロマターゼ阻害剤(フェマーラ、アリミデックスなど)5年投与のほうがタモキシフェン(ノルバデックスなど)5年投与よりも無病生存期間を改善するとされております。しかし、アロマターゼ阻害剤のほうが関節痛や心血管障害などの副作用の頻度はやや高くなります。フェマーラとアリミデックスについては今のところ同等と考えられております。(文責 谷)

 

No.7779】  08年03月29日  M.T. 
ハーセプチン

最近術後補助化学療法としてハーセプチンの使用が承認されましたが、データーは術後8ヶ月までとのことで、経年後の効果をどのように考えたらよいか教えてください。私は60歳で病理はホルモン感受性2つともー、センチネルで4つー 脈管浸潤なし、腫瘍1.28cm、グレードUの硬癌、HER2は2+でFISHの結果待ちです。術後CAF 放射線 フルツロンカプセル服用し現在無治療です。FISHがプラスでしたら受けたいのですがいかがでしょうか。またその際抗がん剤併用でより効果が期待できるのでしょうか。よろしくおねがいいたします。

ザンクトガレン会議2007に照らし合わせますと、もしFISH法が陽性ということになると、ホルモン感受性が2つとも陰性とのことより、化学療法+ハーセプチンが推奨されることになります。抗がん剤と併用することでさらに再発予防効果が高まると考えます。また一方でFISH法が陰性の場合は化学療法のみが推奨されることとなります。(文責 谷)

 

No.7778-1】  08年03月29日  A 
乳房術後疼痛症候群のについて

昨年モンドール病について質問させて頂いた者です。今回は乳房術後疼痛症候群のお薬について質問させていただきます。リンパ郭清している為か腋から手に掛け痛み痺れが在り、前から主治医には疼痛症候群ではないかと相談していたのですが中々認めていただけなく、今年になりようやく認められました。疼痛を取るために3環形抗うつ剤を処方されましたが、半月分しか処方されませんでした。大きな病院では次に診察があるまで処方は無理でしょうか。掛つけ医で処方していただこうと思って医師に相談したのですが、かかっている病院で頂くようにと言われてしまいました。リーゼ等は頂けるのですが。抗うつ剤だからでしょうか。このお薬は病名が分かっていても半月分しか頂けないものでしょうか。乳がん治療で掛かっている病院は少し離れていますので。 別の質問ですが照射していると汗腺にダメージを受けたところは永久に元にはならないでしょうか。 それと時々腋、鎖骨あたりに液漏れ感がありますが、一時無くなっていたのですが、最近又出始めました。ご指示宜しくお願いします。 以前質問しましたモンドール病はお答え頂いた様に二ヶ月位で無くなりました。有り難う御座いました。

薬の種類によっては処方期間の上限が決められているものがあり、それらの薬はその上限を超えて処方することはできません。 神経系統に作用する薬の中にはその上限の定められている薬剤も多いので、おそらくその類ではないかと思います。しかしこの4月からこれらの一部の薬剤の上限の規制が緩和されますので、1ヶ月処方が可能になるかもしれません。主治医の先生にご相談ください。また、手術や放射線によって影響を受けた部位は、永久に戻らない部位もありますし、時間とともに戻ってくる部位もあります。(文責 谷)

 

No.7778-2】  08年04月07日  A 
乳房切除後疼痛症候群の治療薬について

先日乳房疼痛症候群のお薬について質問させて戴いた者です。先日血液検査で、TーCho 199→279に LDL−C95→160に上がってしまいました。3環系抗うつ剤のトリプタノールを処方していただき服用していますが、パソコンで調べた所、「薬の副作用でこれらの数値が上がる事もある、体重増加もあり。」とありました。まさにこの副作用が当てはまる気がします。アリミデックスもこの様な副作用が出る事があると記憶していますが、トリプタノールの服用は止めた方がよいでしょうか。急に服用を止めた方がよいでしょうか。ご回答宜しくお願いいたします。

高コレステロール血症のリスクは、アリミデックスの方が高いと思います。トリプタノールをやめるかどうかは、疼痛に対する効果とのバランスです。アリミデックスも含め、服用する必要があれば、コレステロールについては、食生活や、場合によってはコレステロールを下げる薬を考えます。なお、トリプタノールは、急にやめると離脱症状がおこりうるので、徐々に減らすべきです。(文責 徳田)

 

No.7778-3】  08年06月06日  A 
アリミデックス服用で血糖値が上がりますか?

HPNo.7778で相談させていただいた者です。現在アリミデックスを服用していますが、この薬で血糖値が上がる事がありますでしょうか? 膝から下がピリピリと痛みます。初めは左足だけでしたが、最近は両方の足が痛むのですが・・・。糖尿病の可能性もあり得るでしょうか。ご回答、宜しくお願いします。

アリミデックスに血糖値が上昇するという副作用の報告はありませんが、筋・骨格系に1%未満の頻度で関節痛、硬直が発生します。膝下のピリピリは、アリミデックスの服用と関係があるかもしれません。受診して、主治医にご相談下さい。(文責 須田)

 

No.7778-4】  08年08月10日  A 
乳房切除後疼痛症候群の治療について

HPNo.7995で相談させていただいた者ですが、乳房切除後疼痛症候群の治療について再度質問させて下さい。以前疼痛症の治療で、トリプタノール10rを服用していましたが、コレステロール値の上昇等があり服用を中止しました。4ヶ月過ぎましたが、湿度が高かったりすると痛みが我慢できなくなるほどになります。これが何時も続くとストレスにもなり、イライラ状態が続いています。昨年より痛みの状態もきつい気がします。精神的にも良くない気もしますし、もう一度薬を服用した方がよろしいでしょうか。お忙しい所申し訳御座いません、ご回答の程宜しくお願いします。次回の診察は9月に入ってからです。

トリプタノールとコレステロールの上昇とは直接関係はありません。もう一度服用して似たような副作用が出現したら、担当医に相談して他の薬に変えてもらいましょう。(文責 吉田)

 

No.7777】  08年03月27日  W
抗がん剤治療について(2)(HPNo.7712-2)

いつも参考にさせて頂いております。以前HPNo.7712にて質問させて頂いた者です。その節はどうもありがとうございました。度々恐縮ですが、アドバイス頂きたくお願いいたします。母54歳(Her2=3、ホルモン感受性=陰、リンパ節転移等なし)は、放射線治療後、無事に抗がん剤治療を始める事ができました。現在は、AC療法の最中です。そこで質問なのですが、
1) AC療法後、weeklyタキソール(12回)+ハーセプチンの予定でしたが、先日医師より、タキソテール+ハーセプチンの提案があったようです。この治療法の効果の違いについてよく理解できておりません。概要で結構ですので、教えて頂ければ幸いです。私が調べた範囲では、ハーセプチンはタキソールと合わせた方が効果が高いとあったので気になりました。
2) 乳がんの転移についてですが、例えば骨や脳に転移した場合、痛みは継続するのでしょうか? 痛んだり、痛まなかったりするものなのでしょうか? 先日、腰周りに痛みがあったようで、私は転移の事が頭をよぎりました。その後は特に痛みはないようなのですが心配です。抗がん剤の影響で、痛みが出ることはあるのでしょうか?

お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。

タキソテールとあわせても十分な効果がありますので、大丈夫と思います。骨転移の痛みであれば、治療を行わなければあまり軽快せずずっと続くのが普通です。腰の痛みは転移でなくても、頻度の高い症状なので、必ずしも骨転移の症状かどうかはわかりません。文面だけからは、大丈夫ともそうでないともいえないので、主治医に診察してもらうのが一番です。(文責 俵矢)

 

No.7776】  08年03月27日  S  
骨転移?(HPNo.6696-4)

HPNo.7624でお世話になった者です。症状は変わらず、先述のとおりで、3月の受診の際にも改善されてない旨をお話ししたのですが、先生はあまり心配されてないようで、次の診察の時(3ヶ月先・6月です。)で術後1年検査=マンモ、骨シンチ、超音波、CT、採血の予約を取って下さっただけで、それ以上のことはありませんでした。「肋骨への転移だったらどうしよう」と言う気持ちが膨らんでいます。骨転移の症状はどのようなものなのでしょうか? かなり痛いものなのでしょうか? 術前検査として、去年の5月に上記の検査をした際、CT、骨シンチ等には異常がなかったのですが、転移の可能性はありますか?また、検査の日を早めてもらう必要はありますか?

清水先生のお答えと基本的には同じです。診察してみないと、検査日を早める必要があるかは判断しかねます。心配な気持ちをかかえているのであれば、今一度主治医を再診なさって相談してみるのがよいでしょう。(文責 俵矢)

 

No.7775】  08年03月27日  M 
ノルバテックスの副作用について

10月に右乳ガンで温存手術を行い、放射線治療の後2月はじめからノルバテックスを朝1錠内服しています。3月初旬から脈が1分間に100から120打つようになり、動悸が強く、体を動かすだけで息切れがします。下肢に軽い浮腫もみられます。このような症状はこの薬の副作用でしょうか。またどのような対処方法がありますか。

副作用であっても、なくても、この症状であれば、一度心臓や肺に負担がかかっていないか調べておく必要があると思います。早めに主治医を受診されることをお勧めします。(文責 俵矢)

 

No.7774】  08年03月27日  Y  
ノルバテックスとデパス10

現在術後ノルバテックス20mgを毎日服用していますが、緊張感と不安感があるため病気になる前から飲んでいたデパス10を一緒に飲んでいます。ノルバテックスの効果が落ちたり、悪影響がおきることはありますか?よろしくお願い致します。

問題ないかと思います。主治医にも問い合わせてみてください。(文責 俵矢)

 

No.7773】  08年03月24日  S.S. 
乳首の痛み

非常に心配で、メールさせて頂きました。私は、秋田県に住む43歳の男性です。気付いたのは2、3ヶ月ほど前なのですが、左の乳首に触ったり物が当たったりすると非常に強い刺すような痛みを感じます。普通にしてれば全く痛みがありませんが、ちょっとでも何か当たったりするとズキッという痛みが走ります。何か悪い病気が潜んでいるのでしょうか。ただ、特にしこりや硬いものがあるようには感じません。乳首と乳りんの部分にのみ痛みを感じます。私は、膠原病患者で慢性関節リウマチ、線維筋痛症を患い3年ほど経っています。また、治療にはエンブレルとリウマトレックス、ステロイドを含む一般的リウマチ治療薬、結核予防でイスコチン末100%を服用しています。病状は、肝機能の低下(ALT及びASTの上昇)及び血糖値の上昇がみられ、そちらの方も経過観察しながらという状態です。幸いインスリンの投与までは行っておりませんが、バミルコンを処方されております。このような状態の為、この乳首の痛みは非常に恐ろしく感じます。何か重大な病気が隠れているのでしょうか、ご意見をお聞かせください。

男性にもまれに乳房に癌が生じることがあります。しかし、男性乳癌はまず100%にしこりを触れることができ、貴方の場合はそのことから乳癌の可能性は低いと思います。今の症状の原因としてまず考えられるのは、今使用している薬の副作用ですが、肝機能異常により生じている可能性もあります。いずれにせよ特に問題とならない可能性が高いと考えますが、いずれにせよ安心のためにも一度(乳腺)外科を受診なさることをお奨めいたします。(文責 谷)

 

No.7772】  08年03月24日  M.I. 
ホルモン療法について

いつも参考にさせていただいております。46歳です。昨年4月に左乳房に1.5cmの非浸潤がんがみつかり、乳房温存術で摘出後、放射線療法をしました。ER(8)、PGR(7)ということで再発防止のため、6月よりノルバデックスを服用しております。その際、主治医からタノキシフェンの副作用として子宮体がんの割合が少し高くなるので婦人科検診をうけるように指導され、今年の2月に婦人科検診を受けた所、卵巣のう腫がみつかりました。
チョコレートのう腫で、大きさは7cmと5cm、ホルモン剤の影響によるものではないとの事でしたが、5月に手術を予定しております。手術では卵巣を全摘出するか、のう腫部分のみ摘出するか判断に迷っております。主治医の先生からは卵巣を全摘出すれば乳がんの再発率は低くなるが、ホルモンがなくなるので更年期障害の症状が出る可能性があるとの事。また、ノルバデックスからアルマターゼ阻害剤に変えると骨粗鬆祖の可能性もでてくるとの事でした。卵巣を全摘出すると本当に再発率は低くなるのでしょうか。また、今後のホルモン療法は今まで通りノルバデックスがよいのか、アルマターゼ阻害剤に変えた方がよいのか。骨粗鬆祖予防のための薬とかはあるのでしょうか。まだ閉経前であり、卵巣も残したほうがよいのかいろいろと思い悩んでおります。よろしくお願いします。

乳癌に対し卵巣摘除は昔からある効果の認められた治療法です。しかし近年卵巣を切除する代わりに薬で卵巣機能をほとんど抑えることができるようになり、閉経前の乳癌の患者さんにその薬(LH-RHアゴニスト;ゾラデックス、リュープリンなど)はしばしば使用されます。卵巣嚢腫の手術をお受けになるのであれば、卵巣全摘することで上記の薬を閉経まで使用することとほぼ同等の治療効果が期待できます。全摘により更年期症状が生じる可能性はもちろんありますが、あと何年かすると自然閉経になりその際には同様の症状を迎えること、また女性ホルモンを抑える薬を使用してゆくことでも、やはり更年期様症状が生じる可能性もありますので、やはり全摘することが得策であるように思われます。ただ貴女の場合、非浸潤癌で温存術の後きちんと放射線療法もお受けになっておられますので、卵巣全摘の後さらにアロマターゼ阻害剤までが必要かどうかは検討の余地のあるところです。主治医の先生とよくご相談なさってください。(文責 谷)

 

No.7771】  08年03月24日  H.M. 
乳癌の治療を受けるにあたって

神奈川県内に住んでおります。乳癌の治療を受けるにあたって、その医療機関について相談に乗って頂きたくメール致しました。只今県内の病院にて診て頂いております。癌は病期U期、MRI,CTの検査済みです。主治医からは摘出手術をすすめられております。同時に整体と気功の先生にも診て頂いております。こちらの先生方は手術に反対することなく、様子を診ていて下さっているのですが、病院の先生は様子を診ていくやり方には今一つご理解を示して下さらず、私としましてはかえって気が滅入ってしまっております。整体とか気功のような治療をご理解していただきつつ、現代医療でも診ていってくださるような医療機関はないものでしょうか。ここ数回病院に通い、主治医の先生のおっしゃる事はよくわかるのですが、それでもあと数ヶ月時間を頂いて、自然治癒を試してみたい思いがあります。ただ今一つご理解を示していただけない対応をされますと、私も萎えてしまって出せる結果も出せないように感じております。私の希望は相当無理な事なのかもしれません。が、どんな事でも結構です。ご意見、アドバイス、情報・・・、お聞かせいただけませんでしょうか。藁にも縋る思いで書いております。何卒よろしくお願い申し上げます。

100%といった治療など存在しませんので、医師はより治癒に向け確率の高い治療、そして身体的・精神的負担のより少ない治療を選択してゆく。これが治療のスタンスだと思います。相手が悪性腫瘍となればなおさらのことです。乳癌は治療の大部分に「乳房切除」というむしろ精神的負担の大きな手術という治療が入ってくるため、乳癌になられた多くの方は、まず何とか手術を避けられないものかとお考えになります。私も手術以外の治療、たとえば気功とか健康食品などを試したいと仰る患者様何人かとお会いしたことがあります。最終的には残念ながらこれらで満足できる結果を残せた患者様はいままでひとりもいらっしゃらず、全員少し進行した状態でわれわれの治療または別の医療機関で治療をお受けになっておられます。いままで周りの医師に何度か同じ質問をしたことがありますが、やはりどの医師もまったく同じことを言っております。ただだからといって試したこと自体が間違っていたかといえば必ずしもそうでなく、その方たちはみな自分で納得した治療をお受けになられたと考えております。貴女は主治医の先生と何度もお話をされており、おそらくご家族や親しい友人ともよく話し合われた上での結論でしょうから、それに対し第三者である医師が手術を受けなさいとはいえないと思います。あなたのおっしゃるとおり数ヶ月なら数ヶ月と期間を決めて、もし効果がなければ病院の医師の方針に従うといった計画をたてるのであれば、病院の医師も理解すると思います。逆に貴女のほうも常に冷静に状況判断してゆく必要があります。おそらく多くの医師は私と似た考えであると思いますので、もし今の病院では納得いかないのであれば、まずその旨をお話された上で診ていただけるところをまず探して受診なさってください。特にこのような状況にあった医療機関といったものは存在しないと思います。(文責 谷)

 

No.7770】  08年03月24日  M.H. 
乳房の石灰化

お忙しい中お手数をおかけ致します、アドバイス宜しくお願いします。
人間ドックのマンモグラフィー検査で乳房の石灰化が見つかりました。腫瘍マーカーは異常が出ませんでした、診断はD判定でした、検査表には、自覚症状があれば専門医の診断を受けて下さいとの所見がありました。早急に専門医の検査が必要なのか悩んでおります。アドバイスをお願いします。

マンモグラフィでの乳房の石灰化はよく見られるものですが、その大半は良性の石灰化であり放置してよいものです。検査表のコメントを見る限りでは明らかな良性の石灰化だったのではないかと思いますが、一度人間ドックにその旨お聞きしてみるのがよいかと思います。(文責 谷)

 

No.7769】  08年03月24日  S.K. 
術後ホルモン療法について

お忙しい中にもかかわらず、このような相談の場を作ってくださって、本当にありがたく思い、いろいろ参考にさせていただいています。
閉経前43歳女性、2006/4 左乳房温存術、「硬癌 1.9×1.2cm Ly0/3 ER+ PgR− HerU3+ Grade3」。術後に放射線25回、抗癌剤がどうしても嫌だったのでリュープリン11.25×8回終了したところです。更年期特有の症状はありましたが、特に重篤な副作用もなく良好にすごしています。最後の注射の時に、「ホルモン療法は5年間と言われているから、ノルバデックスをあと3年飲用した方が良い」と言われました。PgR−では抗エストロゲン剤の効果は得られにくいとも本で読みました。100%は絶対にありえないということはわかっていますが、リュープリン2年間ではほぼ十分とはいえないでしょうか? ご意見をお聞きしたいと思いメールさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

貴女の場合ザンクトガレン会議2007の分類に当てはめると、HER2陽性、grade3などより、化学療法⇒内分泌療法+ハーセプチンが推奨されることとなります。また同会議にて閉経前における内分泌療法は、タモキシフェン(ノルバデックス)単独かタモキシフェンと卵巣機能抑制(リュープリン)の併用を推奨、また卵巣機能抑制(LH-RHアナログ)に関しては、5年間投与を推奨しております。しかし貴女の場合、ご希望により化学療法を施行しておりませんので、この会議の内容からはすでに逸脱しております。またPgR(-)のケースでは(+)のケースに対し抗エストロゲン剤の効果が劣る可能性は以前から指摘されてきておりますが、ER(+)であるので、同剤の効果はいくらかは期待できると思います。結局のところ、ノルバデックスの今後3年間の投与の是非は誰にもわかりませんが、個人的には使用してみたいと思います。(文責 谷)

 

No.7768】  08年03月24日  クッキー
骨転移進行後の化学療法開始と精神ケアについて(HPNo.5636-3)

乳がんの骨転移についての相談を、HPNo.5636でさせていただいたクッキーと申します。その2通に詳細を記載しましたが、県立病院にて1997年8月発見、10月に温存、リンパ節郭清手術をし、2006年1月に骨に再発転移し、治療中です。今回、再発後2年経って、その間の、治療等について、ご相談したくお願いいたします。
再発後の治療は、HPNo.5636-2の通り2006年1月の再発発覚より、骨の治療としてアレディア→ゾメタ。ホルモン剤として、タスオミン(タモキシフェン)→2007年よりフェマーラ(レトロソ゛ール)服用です。2006年1年間は、骨シンチでの著変も肺と肝臓のCT検査も異常はなく、自覚症状もなく、再発告知時の恐怖や病気のことをも忘れる時間もでき、日常生活を送っていました。大きな変化は2007年3月初旬から、元々集積がある右前肋骨と肋骨の延長の脇骨あたりに強い痛みが持続発生して、急遽通院して、痛み止め薬を処方してもらい、骨シンチ検査の予約をとりました。
少し話はそれるのですが、実はこの日、同年1月に通院した時、休診になっていた主治医が2月末に急逝したとの掲示を見ました。発病当初からの主治医で、病気については、自分にとって1番大切な存在だった医師の突然の逝去、しかも1月の休診からたった1ヶ月でした。これは大変なショックでした! 私自身も掲示を見たその日には、大きな精神的なショックを受け、その後、病気に立ち向かう意欲をなくし、欝状態に陥って気力がなくなり、会社を頻繁に休むようになってしまい、ついには7月から休職となってしまいした。この休職は病気のせいではなく、気力の衰えのせいで、単調な生活、行動しない生活は病気によくないと言われているのに、引き篭もりのように寝てばかりいます。
話は戻りますが、3月に痛みが発生して、病院へ行った日からのことです。痛み止めに関しては、麻薬(オピオイド)系のオキシコンチン当初20mgx1日2回、ロキソニン60gX1日3回、頓服としてオキノーム7.5mgが処方されました。 5月の骨シンチの結果は、前回(2006年8月)と比較して、「同じ集積箇所(胸骨体、右第5肋骨前面、左第4 肋骨前面)に集積増加がみられる。前回より著変はない。右大7肋骨側面に新たな集積増加がある。Th1左側に点状の軽度集積がある。前回より著変はない。 総評:右第7肋骨の集積出現」という事でした。 この検査の結果から、新しい主治医が「痛みの原因は新たな集積だね。これはがん細胞が骨だけでなく、全身にひろがっているということを意味する。化学療法を始める?」と言いました。化学療法は、発病の時に、手術後半年間CMF療法を2週続けて2週休みの方法で受けました。比較的軽い点滴だと聞きましたが、副作用に弱い体質なのか、少ないといわれている副作用がかなりでました。その時の辛い思いがあり、いつかはやらなくてはならないと思っていても拒否反応がありました。私が、それを話して、「拒否反応があるが、必要ならばやります」と答えたところ、「じゃ、少し考えて決めて」と言うのです。そして、翌月の通院日にも「どうする?」と言うので「今迄、治療を自分にどうする?と言われて決めた事がないのでわかりません。自分は、ただ最良の治療を受けて長く生きたいので、先生決めて下さい」と言ったら、「じゃ、とりあえず、肺と肝臓のCTを撮って考えましょう」という事になりました。
それまでの主治医が、治療は有無を言わせず、「いつからこれをやる、やめる、検査もいつこれをする、必要ない(心配だからやりたいといっても)」というタイプの先生でした。ですので、相談室の看護師さんに言われたことも頭にあり「今月から早めに始めましょう」と主治医が決めてくれれば従うものを、自分で決めてと言われれば、やりたくない気持ちから「始めてください」とは言いがたいのです。
CTの結果は異常なく、腫瘍マーカーも骨代謝マーカーのICTPが基準値を超えている以外は、CEA、CA15−3とも基準内でした(ただしマーカーの信憑性は余りないとの事)。その結果、主治医は「今後の検査は1年に1回程度でいい。理由は、数ヵ月毎の検査で早く化学療法を始めても、画像に出るか自覚症状が出てから始めても、余命には余り関係ないから」とのことでした。骨シンチで進行が確認された時に「化学療法を始めましょうか」と言った事と矛盾しているのですが、治療はそれで化学療法をやらず、昨年8月以来検査もやらないまま、現在に至っています。 長くなりましたが、以下がご相談したい内容です。

1) 既に骨シンチの結果が悪化しているのに、化学療法開始は内臓CTに異常があらわれてからでいいのでしょうか? 主治医の言う通り、早く始めなくても余命に差はあまりないのでしょうか?
2) 検査は本当に1年に1回程度でいいのでしょうか? 再発後は変化を密に検査しなくていいのでしょうか?
3) 化学療法をやった場合とやらない場合とで、余命に大きな差はありますか? 1年位の差なら、やらなくてもいい気がするのですが・・・。
4) 今の先生方は、どの先生も手術をこなすのが第一義で、再発者の治療を、患者ごとに、どれが最良か検討したり、判断する経験や時間的余裕があるように思えませんが、私が化学療法を受けるとしたら、どのような療法になるのでしょうか? また、それをエンドレスでやるのでしょうか?
5) これは病気自体とはちょっとはずれ、先生の専門外とも思いますが、気力が出ない状態については、病院に精神科が無いので、他の精神科で相談してと言われましたが、いくつかの心療内科では、鬱状態ということで、抗欝剤や抗不安剤、眠剤を処方されているのですが、全然効いている気がしません。逆に、精神薬の副作用と呼ばれる「アカシジア」或いは原因不明のRLS(Restless Legs Syndrome、むずむず脚症候群)と呼ばれる睡眠障害の病気の症状である、夜に起こるひざ下の内部にむずむずと虫が這い回るような震撼がはしり、夜中じっとしていられず足をばたつかせたり、動き回っていないと耐えられない感覚の症状にみまわれ、それ以来、怖くて精神薬が飲めなくなりました。一方、精神疾患の回復には薬は必要だと言われており、精神薬は飲み続けた方がいいのでしょうか? 現在、アカシジア、RLS防止に、リボトリール(抗てんかん薬)とアキネトン(抗パーキンソン薬)が処方され、さらに1日に飲む薬の量が増えました。がん患者は、精神的ストレスをどのように対処したらいいのでしょうか?

途中に書きましたが、私は今、表向きはがんの診断書で休職していますが、実情は骨転移の痛みはコントロールできているで、気力がなく、毎日定期的に出社できない状況によるものです。私は単身ですので、まだこの年では、働かなくては生活にも治療にも支障が出ます。なにより病魔におかされて動けないわけでもないのに、無気力に家に引き篭もっている自分が情けなくてしょうがありません。発病時の手術、治療がうまくいき、8年目の再発で打撃を受けましたが、自覚症状や思っていたほどの速さでの進行もなく、2年が過ぎたので、ここへきて骨転移の進行による今後の治療と、主治医の急逝と、その精神的打撃による無気力状態に、非常に落ち込んでいます。 以上、お忙しいところ、余談も含め、長文になりましたが、アドバイスをよろしくお願いいたします。

1) 再発までの期間が8年と長く、さらにその後ホルモン剤使用のみで第7肋骨転移の出現以外に新たな病変の出現を見ていないことから、ビスフォスホネート剤(アレディア、ゾメタ)やホルモン剤(タスオミン、フェマーラ)は貴女にとって比較的効果があると判断できます。一方でもし化学療法を施行することとなると、その効果があるのかどうか、また副作用がどの程度あるのかなど、現状と比して貴女に総合的にどれくらいのメリットをもたらすかはやってみないとわかりません。現状では転移の進行も緩徐であり、直接命にかかわる臓器への転移も明らかでないとすると、化学療法に移る前にフェマーラをアロマシンまたはフェアストンなど他のホルモン剤に変更するのも一法かと思います。
2) 主治医の先生が仰るとおり、検査施行の頻度は貴女の余命には影響しないかもしれません。しかし検査は余命を延ばすためだけではなく、それにより安心が得られることもあれば、逆に心配が増えてしまうこともあると思います。もし検査しないことで不安がつのるようであれば、主治医の先生にその旨お話をされ検査施行していただくことは可能であると思いますし、逆に検査によって心配が増えるとお考えになれば、主治医の先生が仰るとおり暫時検査施行せず経過を見られればよいと思います。
3) 上記の通り、化学療法が貴女にとってどの程度効果的かはやってみないとわかりませんので、余命にどう影響するかもそれ次第であると思います。
4) 非常に厳しいご指摘で、われわれも十分に反省の余地があるものと考えます。貴女の場合、術後にCMF療法を施行しておりますので、一般的にはAC療法、EC療法、FEC療法などのアンスラサイクリン系を含む抗がん剤の組み合わせか、タキソール療法の施行のどちらかがまず考えられます。効果や副作用を見ながら抗がん剤の量の変更や種類の変更などを行ってゆくこととなります。これらの抗がん剤以外では、注射剤ではナベルビンが、経口剤ではゼローダやTS-1などがよく用いられております。
5) 8年目の再発、信頼していた主治医の先生の急逝、そして骨転移の悪化と、つらいことがたて続きに起こり、心情如何ばかりかと心よりお察し申し上げます。現状でさらに仕事のできない自分を責めていらっしゃいますが、無気力状態になるのも当然ではないかと思います。精神薬を飲み続けるべきか否かは外科医の私にはわかりませんが、ご自分にあった信頼できる心療内科医(精神科医)を早く見つけ、その先生とよくご相談いただきたいと思います。(文責 谷)

 

No.7767】  08年03月24日  T 
細胞診

胸の内側にしこりがあったため、近くの病院でマンモと細胞診をしたところ、レベルVということで大きな病院を紹介してもらいました。MRIの結果 急増漸減パターンということで細胞診をとりました。しこりが硬いようでよく入らなかったと言われ、隅のほうしか取れなかったそうです。この場合、結果はちゃんとでるのでしょうか? それと、考えすぎかもしれませんが、手足と首のところに少ししびれがあるので、心配で心配でメールさせ頂きました。ヨロシクお願い致します。

主治医の先生が仰るとおり、しこりが硬い場合細胞診の針がうまくしこりの中に入らない場合があります。その場合は良性と結果が出ても悪性の可能性は拭いきれないかもしれません。しかし現状としては、いずれにせよ結果を待つよりなさそうです。手足や首のしびれは今回の病気や手技とはまず関係のないものと思いますが、続くようなら主治医の先生に相談なさってください。(文責 谷)

 

No.7766-1】  08年03月24日  S.H. 
良性しこりの摘出について

34歳の女性です。先月、市の検診(触診とエコー)を受け、要精密検査との結果がでました。その後、乳腺外来を受診し、触診・エコー・マンモの検査を受けた所、『2センチほどのものがあります。形的には良性だと思いますが、何者かをはっきりさせるために検査をしてみましょう。』といわれました。局所麻酔をし、ばね?のようなもので3回はじかれたような感じの検査です。針生検でしょうか? その結果は良性のものでしたが、線維腺腫か葉状腫瘍かの判断は難しいとの事でした。万一、葉状腫瘍の場合、急に大きくなる事もあるので、小さいうちに摘出する事を勧められました。
1) 線維腺腫か葉状腫瘍かの判断は摘出してみないとわからないものなのでしょうか。
2) 経過観察はせずに今すぐ摘出した方がよいのでしょうか。
3) 乳腺専門医であれば、このような手術は簡単なものなのでしょうか? 手術例の多い病院などを改めて探す必要はないのでしょうか。手術を受ける決意がなかなか固まりらず悩んでいます。

以上、お答えいただければ幸いです。宜しくお願い致します。

1) 線維腺腫と葉状腫瘍は検査上よく似ており、区別がつきにくいとされております。しかし通常線維腺腫はあまり大きくならないか、なるとしても比較的ゆっくり(たとえば1年で1.2倍くらいに増大など)であることに対し、葉状腫瘍はしばしば急速(たとえば半年で倍の大きさに増大など)に増大します。よって、経過観察することでもある程度の区別はつくと思われます。
2) 経過観察もひとつの選択肢ですが、上記の通り急速に変化する可能性もありますので、しこりのサイズの変化に留意していく必要があります。最初は3ヶ月か遅くとも半年以内に1度エコーで評価していただくことをお奨めいたします。
3) 局所麻酔で腫瘤を摘出するだけの手術になりますので、比較的簡単で、あえて手術例の多い病院を探して手術してもらう必要はないと考えます。(文責 谷)

 

No.7766-2】  08年06月18日  S.H. 
病理診断について

以前、No7766で良性しこりの摘出について相談させて頂いた者です。しこりを抱えたままの生活に不安を感じて、5月にしこりを摘出しました。手術前にしこりの大きさを検査すると、2センチだったしこりが成長し、3センチほどになっていました。そして、そのしこりとは別にもうひとつ小さいしこりが見つかり、同時に摘出しました。今月、病理の結果がでましたが、はっきりとした癌の診断ではなく、とても珍しいタイプで、ごく一部だけに悪性が現れているとのことでした。主治医は、癌と確定されていないので癌の治療には入れないのでと、大学病院で再度、病理診断をしていただくことになりましたが、その結果が出るのが一ヵ月後になります。そこで、教えていただきたいのですが、万一癌であった場合、一ヶ月も放置しておいて大丈夫なのでしょうか?その間に進行することはないのでしょうか?一度、摘出手術を受けているので、癌が活発になるのではと心配です。摘出しても、はっきりした病理診断がでないというのは、よくある事なのでしょうか?よろしくお願い致します。

術後一ヶ月は予後に関係ないと思います。良・悪性診断に難渋することはしばしばあります。複数の病理医の診断が必要なこともありますね。(文責 首藤)

 

No.7765】  08年03月24日  R.T
プラセンタ注射について

48歳の主婦ですが、去年の7月から月に2回くらい、プラセンタの注射をしてきました。最近、プラセンタの注射は乳腺が石灰化するので、乳癌になるので、やめたほうがいいと言われました。お医者さんが言っていたと言うのですが、本当でしょうか? よろしくお願いいたします。

プラセンタが最近美容目的でよく用いられておりますが、おそらくその効果や副作用に関してまだわかっていないことも多いと思います。現段階では、これにより乳腺に石灰化が生じるとか乳癌になりやすくなるなどの報告は私は聞いたことがありません。(文責 谷)

 

No.7764】  08年03月24日  S 
乳腺嚢胞、乳腺腫瘍について

私は未妊娠の30歳、女性です。2月の初旬に健康診断を受けたのですが、その結果が16日の日曜日に届きました。この検査時に初めて乳がんの検査をしましたところ、判定がC(要経過観察)とあります。検査は超音波検査だったのですが、『両乳腺嚢胞,右乳腺腫瘍』と書かれています。医師の記載欄には『再検査の必要を認めます。健康的な生活を心がけ、医療機関をご受診下さい。(6ヶ月後)乳房』と記載あり。医療関係者に聞いたところ、腫瘍かどうか分からないものが映像に映った場合は『腫瘍の疑いあり』と書かれると聞きましたが、私の場合は腫瘍と断定された記載の仕方なのでしょうか? また再検査は6か月後とありますが、その腫瘍は良性のものと断定されているために6か月後とあるのでしょうか? 今は良性でも、6か月の間に悪性に変わってしまう場合もあるのでしょうか? 乳腺嚢胞も、吸引検査をしても液体に異常が見られなかったのに実は嚢胞の袋の壁にがんが潜んでいたとブログに載せている方がみえました。ということは針で吸引検査をしても、がんかどうかの判定は難しいのですか? 私の母は卵巣がんで亡くなっています。母の兄弟もがんで亡くなっていますので、私はがんの遺伝があるのかと思い、腫瘍と書かれたのを見てから不安です。ご意見よろしくお願いします。

検診結果の記載の仕方は各施設により異なり、特に決められた記載法はありません。その記載からは、私もやはり右乳房に腫瘍(を疑う)病変があると判断します。ただ腫瘍病変を指摘した場合、6ヶ月の経過観察の指示ではなく、通常早々に精密検査を受けるようにとの指示になると思われますので、あるいは腫瘍を疑うがまだ5mm未満の小さな病変であるため、少し様子をみてみるように指示しているのかもしれません。いずれにせよ、検診を主催した施設に直接お聞きになるのがよろしいかと思います。(文責 谷)

 

No.7763】  08年03月24日  T、H
人間ドックについて

いつも参考にさせて頂いています。63歳、平成18年10月乳頭腺管がんで乳房温存手術後、FAC4クール、タキソールは1クールで副作用が辛く中止、その後放射線治療を19年5月に終え、ホルモン受容体(ー)のため、現在無治療で3ヵ月置きの定期検診のみです。今月骨シンチと胸部CTを受け異常なしで安心しました。ご相談の件ですが、1月にCTとエコーで腋の下近くに1cmの取り残しのリンパ節が見つかり、それが今のところ変化していないので様子を見ましょうと言われましたが、どういうことなのでしょうか? 市より人間ドックの申し込み書がきていて、内容は、血圧、心電図、血液検査、生化学検査、尿検査、便潜血反応、胸部X線、胃検査、超音波、免疫学検査、腫瘍マーカーなどとしてあります。時期は未定ですが、こういう検査を積極的に受けた方がいいのでしょうか? それとも被放射線量などを考えて体調に変化が現れたときに主治医に申し出て検査を受けた方がいいのか迷っています。よろしくお願いします。

乳癌の手術の際、腋窩郭清を施行したにもかかわらず、術後検査にて腋窩にリンパ節が写ってきたための発言ですが、主治医の先生としては、それがリンパ節への再発でないことを今後慎重に診てゆくとの意思表示だと思います。人間ドックは乳癌術後検診とは違って全身の多くの項目をチェックしますので、乳癌のフォローとは別にそれはお受けになるのがよろしいかと思います。それらの放射線被爆の量は心配するほどではありません。(文責 谷)

 

No.7762】  08年03月23日  G 
ホルモン治療と婦人科疾患について(HPNo.7731-2)

先日HPNo.7731で質問させていただいたものです。的確なご回答本当にありがとうございました。お忙しいところ頭が下がります。手術後退院してから昨日2回目の外来があり、主治医にホルモン治療について質問をいたしました。そこで、このまま主治医を信じて5年間の治療をしていて良いのか不安になってしまいましたので、再度質問させてください。ER2+、Prg3+、Her2−、粘液癌2.4X1.7 リンパ節転移なし、35歳以上、脂肪浸潤若干有り、手術は全摘。治療はタモキシフェン(ノルバ20mg)5年間です。私は4年ほど前に1kgの子宮筋腫の核摘出手術をしています。現在も確認できる範囲で3つ程3cm大の筋腫があり、卵巣のう腫に子宮内膜症を持っています。ノルバデックスではそれらが悪化する可能性が否めないので、ゾラデックスの打診をしましたが、リンパ節転移がない場合はゾラデックスも抗がん剤もやらないと断言されました。婦人科にかかったほうが良いか尋ねたところ、タモキシフェンを服用すればそれらも改善するので必要ないとも言われました。私が乳癌になったのは、不妊治療で一度LHサージを起こす注射とPgRを増やす錠剤を飲んだためではないかと病理検査の結果を見て思います。その後の生理が異常で、子供はあきらめようと思い、気持ちが落ち着いた矢先の乳がん発覚だったためです。少なくとも私の乳癌は今後のホルモン治療が重要だと思うのです。
質問なのですが、
1)ノルバを5年間服用するために、筋腫+内膜増殖+子宮内膜癌のリスク回避も含め子宮を摘出してしまうべきか?
2)ゾラデックスに変更できる病院を探すべきか?
3)子宮摘出+ノルバ と ゾラデックス(卵巣機能抑制)ではどちらの副作用が大きいか?
4)ホルモン治療最大5年間後に40歳前半だが、その後乳癌の予防はどうするべきか?

乳房再建を希望しているので、子宮全摘も増えると体を更に切り刻まなければならなくて不安です。ゾラデックスの副作用も不安です。だからといって主治医を信じてノルバ5年間のみで良いのかと考えると、これまた不安です(そうしたいのですが・・・)。相談出来るのがここしかありません。何度も恐縮ではありますが、ご回答よろしくお願いいたします。

メールの内容をよく拝見させていただきました。不妊治療に精力を注いだ後乳癌となり、手術終了した現在、今後に強く不安を抱いていらっしゃるのだと思います。まず乳癌の程度を考えてみると、腫瘍径が2cmをやや超えているもののそれ以外にリスクを高める因子はなく、再発率は決して高くないと思われます。その少ない再発率をさらに下げるための治療が今問題となっている追加のホルモン治療という事となります。よって再発の観点から見れば、いずれの治療もおそらく数字には影響しない程度の差であると考えられます。一方においてノルバデックスの子宮内膜癌誘発の観点から見ると、5年間服用により3〜4倍内膜癌の確率が高まるとされておりますが、もともと内膜癌発生の確率は決して高いものでなく、その予防のために子宮摘出することはお奨めできません。さらに乳癌の発生要因が不妊治療にあると考えておられるようですが、不妊治療と乳癌の発生には明らかな因果関係は報告されておらず、ホルモン環境に必要以上にnervousになるのはどうかと思います。以上のことより、主治医の先生の仰るとおりノルバデックスを服用してゆくことで何ら問題なく、婦人科には引き続き定期受診して、卵巣嚢腫、子宮内膜症のフォローとともに、内膜癌の検診もしていただくことがよいのではないかと考えます。今回はすこし肩の力を抜いて、主治医の先生にすべてお任せになられてはいかがでしょうか?(文責 谷)     

 

No.7761】  08年03月23日  L 
人間ドッグの結果

42才主婦。子供二人です。先月、人間ドッグを受けて結果がきました。乳房検査の結果なのですが、触診…左手乳房硬結、マンモグラフィ…著変なし、エコー…左手乳房嚢胞、「経過観察を必要とします。一年に一回は検査を受けて下さい。」との事です。私自身も、左乳房の上の脇近くを触ると少し痛みを感じています。マンモグラフィに写らない場合もあると聞いた事もあるし、一年後の検査で大丈夫なのでしょうか?再検査をした方が良いのか迷っています。または、半年後とか…。どうしたらよいでしょうか。お願いいたします。

触診、マンモグラフィ、エコーを施行しており、左乳房の嚢胞以外異常なしとの結果より、指示通り1年後の受診でよろしいかと思います。(文責 谷)

 

No.7760】  08年03月23日  K.M. 
全摘か温存か(HPNo.7742-2)

No7742で詳しい説明をして頂きありがとうございました。大変参考になりました。もう少し教えて頂きたのですが、石灰化の範囲により「全摘」か「温存」か決定する際のガイドラインがあるかと思いますが、実際に医師個々の判断によって違いはあるものでしょうか? その医療機関が行っている手術方法により違いはあるものでしょうか? 医療機関により「温存率」にかなりの差がありますが、この差はどのように解釈すればいいのでしょうか? よろしくお願いいたします。

石灰化の範囲と術式に関するガイドラインといったものは特にありませんが、乳房の広い範囲にわたって石灰化が存在する場合、癌も広い範囲に存在する可能性が考えられますので、全摘が好ましいと考えられます。ただ医療機関の違いや判断する個々の医師の違いにより石灰化の程度と術式の選択には多少の差が生じてきます。そのような差が、各医療機関における温存率の差になって現れると考えられます。(文責 谷)

 

No.7759】  08年03月23日  Y.M. 
術後治療にハーセプチン

昨年9月に母(61歳)が右乳房温存手術をして、その頃に質問もさせて頂きお世話になったものです。母の病理結果は、「腫瘍の大きさは1.5cm 、リンパ節転移数18/19、ホルモンレセプターER+ Pgr −、HER2 3+、 核異型度3」で、抗がん剤FECが終わりました。次の治療方法が決まったのですが、HER2 3+で、ハーセプチンを投与するのだろうと思っていたのですが、週1回のタキソールを12回、その後、放射線、ホルモン治療となるようです。以前に担当医からもハーセプチンもあるような事を聞いていたのに、母の場合は、タキソールで良いと言われたようです。ハーセプチンは、もう保険適用になっているのでしょうか? 母には、ハーセプチンも投与する方が良いと思うのですが、術後治療としては まだ使用できないのでしょうか?(再発・転移の場合だけ?) 知識不足のため質問ばかりですみませんが、よろしく御願いします。

お母様の場合リンパ節転移数が多く再発率は高いと考えられ、一方でHER23+とハーセプチンの効果が期待されますので、FEC,タキソールに引き続きハーセプチンを使用するのがベターと考えます。このようなハーセプチンの予防的投与の使い方は、先月より保険適応となっております。(文責 谷)

 

No.7758】  08年03月23日  N 
葉状腫瘍により生じた脂肪肉腫について

どうか教えてください。葉状腫瘍について質問させてください。くりくり動く腫瘍ができて、葉状腫瘍といわれ、腫瘍の切除をしました。3センチでした。使用の病理組織診断の結果、葉状腫瘍より生じた脂肪肉腫の像と考えられる。分化型脂肪肉腫の像に合致。切除断端に腫瘍細胞の露出は認められないが、断端から0.3センチのところに腫瘍がみとめられるので、腫瘍はとりきれているけれど、腫瘍のまわりをさらに1センチくらいは広範切除するべきといわれました。私の場合、悪性葉状腫瘍なんでしょうか?再手術はしなくてはならないものなのでしょうか。とても悩んでいます。どうぞ返答をお願いいたします。

葉状腫瘍は増大化の著明な腫瘍で、悪性と良性に分類されますが、その境界ははっきりとしていません。ただいずれの場合も摘出しても局所再発することもしばしばあるため、通常腫瘤から1cmはなしてとることが必要とされております。よって主治医の先生が仰るように追加切除することが推奨されることになります。(文責 谷)

 

No.7757-1】  08年03月23日  W.H 
骨転移の痛みなのでしょうか?ただの腰痛症なのでしょうか?

いつもこの相談室は、大変参考にさせて頂いております。この度是非ご相談したく、宜しくお願い致します。44才主婦です。八年前乳癌の手術をしました。T2N1M0の診断を受け、抗がん剤4クール、放射線治療を致しました。しかし2007年11月から腰痛が始まり、2008年3月の今も続いております。この間に、X線異常なし、次に痛みが少し強くなったので、骨シンチをした結果、痛みのある腰の部分ではない、左腸骨腹側に集積みられるとの所見が出ました。次に造影剤MRIをしました。結果骨シンチと同じ左腸骨に不整信号、転移を疑うとの所見が出ました。結果主治医の意見は「まだ転移かどうかは、わからない。白黒付けていくなら、次はPETしかない。それでもハッキリしない可能性もある」とのことでした。PETはまだやっていません。今は激痛ではないのですが、毎日痛みはあり、ロキソニンで効かず、コデインも一日量240mgでも効き悪くなり、モルヒネ一日量120mgの段階になっております。二週間前の腫瘍マーカーの方はCA15−3は29、CEAは1.6です。毎日不安な日々が続いています。主治医はもう少し様子を見たらと言います。
1) 私が疑問なのは、痛みのある部分が何も出ず、違う場所が疑いありということなのですが、左腸骨の転移から腰痛がおきるという事はあるのでしょうか?
2) 私はここ一年間ぐらい生理がかなり不順で、エストロゲン数値も43と閉経前の症状があります。腰痛もホルモンバランスの崩れの更年期によるものとは考えられないでしょうか?
3) 痛みの居所が度々変わります。骨転移の場合もそうなのでしょうか?
4) 激痛ではないにしても、これだけ長く続く腰痛、しかもモルヒネを必要とする痛みでも、MRIに写らないという事もあるのでしょうか?
5) 転移でなかった場合でも、ビスフォスフォネート剤を使用しても良いのでしょうか?ちなみにホルモンレセプターは陽性です。

不安で眠れない日々が続いておりますが、これからどのように対応していけばよいのか、迷っています。どうぞご意見お聞かせ下さいませ。

1) 骨転移の痛みは通常転移の生じた場所近くにおきます。直接拝見していませんので推測の域を脱しませんが、痛みの原因と指摘されている病変とは別のものかもしれません。
2) 可能性はあると思います。
3) 骨転移の場合は、比較的限局した一定の場所の痛みを訴える場合が多いです。
4) やはり直接拝見しておりませんので痛みの原因について詳しくはわかりえませんが、一般に原因不明の疼痛はしばしば経験します。
5) かまわないと思います。(文責 谷)

 

No.7757-2】  08年10月06日  W.H 
ノルバデックスの効果について

以前HPNo.7757で、質問させて頂きました。初発乳癌8年目で、骨、右鎖骨上リンパ節のシコリで、転移が発覚しました。エストロゲン+1、プロゲステロン+3、Her2はマイナスです。二ヵ月半前からノルバデックスを始めました。ノルバデックスを始めて二週間ほどで、右鎖骨上リンパのシコリが、2.5cmから1cmに縮小しました。ノルバデックスを飲み始めて、一ヶ月後に腫瘍マーカーを計り、CA15−3が57でした。さらに、二ヵ月半後に腫瘍マーカーを計りましたら、CA15−3が66と上昇していました。私は、シコリが縮小したので、骨の方も効いてると思っていたのですか゛、これはノルバデックスが効いてないという事なのでしょうか? 主治医は、最低三ヶ月は経過を見ないとと言います。ノルバデックスが効いているかどうかという判断は、大体何ヶ月ぐらいで見るものなのでしょうか? ノルバデックスが効けば、骨痛も和らぐ可能性があると主治医も言っていたのですが、今のところ、骨の痛みは変わりません。もう少し様子を見るべきなのでしょうか? どうぞよろしくお願い致します。

腫瘍マーカーの上がりだけで、病状の悪化を判断するものではありませんし、ホルモン療法の開始後は、腫瘍マーカーの増大、病状の悪化は良く見られる現象です。3ヶ月くらいしてから効き目が見えてきますので、そこで判断された方がいいでしょう。(文責 鈴木)

 

No.7756-1】  08年03月23日  K 
術後の治療方針

術後の治療方針ですが、40歳 閉経前 温存手術、浸潤性乳頭腺管がん、リンパ管血管侵襲マイナス、ER/PgRプラス、グレード1、リンパ節転移0/3、波及度f(5.2p) しこりのない初期がんとのことでしたが、放射線、ホルモン療法のほかに化学療法を受けるべきでしょうか。一般的にはどうなのでしょうか。

以上の結果にHER2過剰発現がなければ、ザンクトガレン2007の分類では低リスク分類ということになり、化学療法は推奨されないこととなります。ただしHER2過剰発現が認められていれば、中間リスクに分類されることとなり、化学療法も選択肢に入ってくることとなります。これらを踏まえ主治医の先生とよくご相談ください。(文責 谷)

 

No.7756-2】  08年04月04日  K 
化学療法について

HPNo.7756で術後の治療について相談させていただいた者です。お忙しい中ありがとうございました。その後の診察で、HER2はマイナスとのことでしたが、広がりが5,2p( 波及度とおっしゃいました)だったので、念のため抗がん剤もとの事でした。今後は放射線、化学療法(3週間おき4クール)、ホルモン療法と続きますが、化学療法を受けないというのは愚かな選択なのでしょうか?

腫瘍の浸潤径(浸潤癌の部分の長径)が5.2cmなのであれば、化学療法も考慮に入れるべきだろうと思います。がん全体の拡がりが5.2cmであっても「浸潤癌の部分」が非常に小さいタイプのものであれば、化学療法はしなくてもよいという判断になります。そのあたりが、今回の質問分と前回の分を読み合わせても、よくわかりません。主治医の先生が化学療法をお勧めになるのであれば、「なぜ化学療法が必要なのか、した場合のメリットはどのくらいなのか」についてお尋ねになってみてはいかがでしょう。(文責 俵矢)

 

No.7755】  08年03月23日  P 
この時期の骨転移はありえますか

先月に家内が乳癌の手術を受けました。左乳房温存 リンパ節転移 センチネル2個のうち1個にあり ホルモン陽性(術前からノルバテックス服用 2週間) 断片陰性(癌腫瘍は3箇所 一番大きいのは1.5cm) グレード2。 術前検査 CT MRI(CTでは転移みられず)。手術前に左が気になって右向きにばかり寝ていたのですが、右向きに寝ると肋骨に軽い圧痛がありました。オペ後もその圧痛は続いており、肋骨が痛みます。最近は両乳房の下(あばら)もたまに痛むようです(咳ではいたみません)。日常はたまに痛いのですが、右肋骨はねて圧力がかかるとかなり痛むようです(局所)。胸痛はありません。やっと放射線治療がはじまり、ノルバテックスも服用しています。癌の骨転移の可能性はあるのでしょうか?確立は高いのでしょうか?主治医の先生には骨シンチをお願いしようと思っています。かなり不安がっております。お教えください。

肋骨が痛むとのことですが、現時点でも骨転移を否定することはできません。しかし乳癌の程度や症状から考え、骨転移の可能性はそれほど高くないと思います。心配を払拭するためにも、早々の骨シンチなどの検査を施行していただくのがよろしいかと思います。(文責 谷)

 

No.7754】  08年03月23日  Y.T.
追加切除か放射線か

検診で「左乳房石灰化微細」との診断で精密検査の結果「浸潤癌」。2月13日に温存手術を行いました。摘出標本の病理検査の結果、断端陽性とのことでした。腫瘍の大きさは0.7cm。センチネルリンパ3個中転移は0個。腫瘍の悪性度1。ER陽性。PgR陰性。HER2は1。脈管への侵襲なし。リスク分類は低リスクとの結果です。追加切除か放射線治療5回プラスとの決断をしなくてはなりません。追加切除の場合と放射線増射とではどちらが生存率が高いのでしょうか?主治医は追加切除でも100%切除できるとは限らないとおっしゃいます。私としては、どちらもあまり生存率に差がないのなら放射線30回とホルモン療法を望みたいのですが・・・。それとも全摘手術の方が確実なのでしょうか?

乳房温存術後の断端癌陽性とのことですので、癌陰性の場合と比べ追加治療が必要となります。通常、1)ブースト照射など追加の放射線治療、2)乳腺の追加部分切除(および追加放射線治療)、3)乳房全摘、などが選択されることとなります。いずれも生存率に差が出るとは思えませんが、1)2)の場合は局所再発の可能性が断端癌陰性の場合よりいくらか高くなると考えられますので、より一層慎重な局所のフォローが必要になるでしょう。貴女の場合1)を希望されておられるとのことですで、その選択で決して誤りはないと私は考えます。(文責 谷)

 

No.7753】  08年03月23日  K.T. 
乳頭の先の米粒大のしこり

半年ほど前から、右の乳頭の先に米粒大ほどの固い芯のようなものがあります。見た目では何の変わりもないのですが、押すとズキッとした痛みがあります。何か悪いものができたのではないかと不安です。一年前に腺維線腫でマンモグラフィーを経験したのですが、とても痛かったので、もう一度そういう検査をするかもしれないと思うと病院に行くのが怖いです。触診では大体乳房を見られると思うのですが、乳頭にも腫瘍ができる事はあるのでしょうか。ほっておいてもいいものかどうか、アドバイスよろしくお願いします。

メールの内容から判断するだけでは、乳頭のしこりが腫瘍なのか炎症性の変化なのか判断しかねます。仰るような乳頭にしこりを形成する悪性腫瘍は少ないと考えますが、いずれにせよ一度(乳腺)外科を受診することをお奨めします。マンモグラフィの施行を希望しない場合は、その旨はっきりとお伝えになられてよろしいかと思います。私の拝見する患者様でもマンモグラフィを希望されない方は結構いらっしゃいますので、貴女も遠慮なく仰ってください。(文責 谷)

 

No.7752】  08年03月23日  N 
ホルモン療法と生理

2000年に44歳で左乳房全摘。ステージ3、術後ゾラデックスを2年間注射して生理をとめました。それからノルバディックス5年間服用。昨年春ごろからアリミデックスになりました。生理は術後なくなっていましたが、採血で閉経しているか調べたところ、閉経反応はなしということでした。そこですぐにフェマーラに変わりました。去年5月に子宮がん検査をうけ、異常なしでした。11月にたくさんのおりものがでました。血がまじっていたので子宮ガン検査うけましたが異常なしでした。その血のまじったおりものがでる数日前から乳首が痛かったにですが、おりものが出ると途端に乳首の痛みがとまりました。そして数日前からまた乳首が痛くなり、2日前から生理のようなものが始まりました。同時に乳首の痛みもなくなりました。現在52歳です。婦人科へ行こうと思いますが、ノルバデックスが終わって、ほぼ1年、生理がもどったという可能性はありますか。ノルバデックスは子宮に直接作用していたのでしょか。フェマーラは子宮には作用しないから、子宮が元に戻ったということもあるのですか。なお、出血は少量です。生理の終わりのような感じです。

年齢的にも女性ホルモンの低下が来る時期であり、それに加え乳癌術後治療として女性ホルモンを抑える薬をいろいろと使用してきたため、乳頭の痛みや生理のような出血が不規則に生じたと考えられます。しかし出血が婦人科疾患の兆候である可能性も否定できませんので、やはり婦人科受診をお勧めいたします。(文責 谷)

 

No.7751】  08年03月20日  M K
検査結果待ち

34歳未婚の女性です。以前、会社の健康診断(マンモ)で左右石灰化の為要精密検査となり、マンモ+エコーを受けました。先日、6ヶ月後の経過観察ということで、再度マンモ+エコー検査をしたところ、マンモの画像に変化は見られないけれど、エコーで片方に水が溜まった部分があり、もう片方はかたまりのようなものがある為、念のため細胞診ということになりました。現在、検査結果待ちの状態ですが、マンモに変化が見られなくても、細胞診をすることはあるのでしょうか。最初の精密検査時(6ヶ月前)のエコーはあまり丁寧にしなかった為、今回もっとよく調べておこうということなのかとも思いますが、かなり不安です。

マンモグラフィーでは、X線透過率の違いによってフィルムの白黒の濃さに違いがでます。エコー検査では、乳房に無害な超音波を発射し、音の反射を画面上に表示し、音の反射の違いを画像にしています。従って、マンモグラフィーで見える物と、エコーで見える物に違いがあってもおかしくはありません。逆に、普段の診療では良くあることです。癌の可能性が非常に低いと思っても、私たちは患者さんの安心のために細胞診を行う場合があります。その結果を待つ間は非常に患者さんが不安になっているのも十分に分かっています。今は、エコーの検査結果の変化を見逃さずに、今回細胞診という精密検査をしてくれた担当医に感謝しながら、そっと結果を待っていてはいかがでしょうか。ただし細胞診は細い針での検査ですので、納得できる結果が得られることが少なく、もしかしたら太い針での検査が必要と言われる場合もしばしばあります。今回の結果ですべてが分かるはずだと思わずに、100%合格の結果が出るまで十分に担当医の説明をお聞きしながら、今後の方針を決めていってくださいね。(文責 高橋)

 

No.7750】  08年03月20日  S.O. 
再発予防について

50歳。多発性乳管内乳頭腫と言われていたが、半年後1つ癌になっていると診断される。1月左乳房温存で癌と腫瘍2個を摘出した。現在放射線治療中。大きさ1.2mm ホルモンER + PR + リンパ転移なし グレード 2 HER2−。腫瘍内科で再発予防のための抗がん剤の説明があった。母親が50歳で乳がんになり、55歳で転移で亡くなった。自分もそうなるのではと不安になる。前の方の質問と重なるところもありますが、決めることが出来ません。重症筋無力症の持病があります。質問は次です。 
1) 抗がん剤をやるべきか、それとも、もし再発した場合に初めて使用したほうがよいのか。
2) ホルモン療法が効く人は抗がん剤の効果が少し落ちると言われたが。
3) 今後も多発性乳管内乳頭腫を発症しやすく、癌に変わることがあるのか。

宜しくお願いします。   

1) 多発性乳管内乳頭腫はそれ自体が癌の予備軍(前癌状態)と考えられます。もしその一つが癌であると診断された場合には切除が必要で、また他の部位の乳頭腫も癌化する可能性があるのでしっかりとした予防が必要です。癌の切除部分はgrade 2なのでザンクトガレン2007における再発の危険性は中等度になります。推奨治療は、ホルモン療法単独あるいは抗癌剤治療+ホルモン療法となります。現在の乳癌治療では、まずは再発を絶対に防ぐことを考えないといけません。乳癌は転移や再発が起きると、完治することは非常に難しいからです。ただし、重症筋無力症で使用できないお薬も多いですから、主治医の先生と相談しながらできる限り再発を予防できるような方針を決めていけばよろしいかと思います。ご質問に沿ったお答えとしては、再発してからの治療は難しいので、再発する前にしっかりと予防をしておいたほうがよいと思われます、です。
2) ザンクトガレン2007のリスクカテゴリーでは、ホルモン反応性でも中等度および高度の再発の危険性があるかたには、抗癌剤を併用するという推奨治療が載せられていますので、ご心配はありません。
3) 先にお伝えしたように、多発性乳管内乳頭腫はそれ自体が癌の予備軍(前癌状態)と考えられます。癌化の危険性がありますので、定期検査が必要と思います。

重症筋無力症もコントロールしながら、乳癌もコントロールしなければいけないのですね。いろいろとご不安なこともあるでしょうから、またお分かりにならないことがありましたら、できる限りお力になりますので、一緒にがんばっていきましょうね。(文責 高橋) 

 

No.7749】  08年03月20日  Y.N. 
温存手術か全切除かで迷っています

お忙しいところ申し訳ありません。初めてメールさせて頂きます。母(70歳)、慢性腎不全にて25年前より人工透析導入。2月半ばより左乳房にしこり自覚し、外科受診(透析を受けている病院)、マンモグラフィー検査カテゴリー5、エコーにて最大径16ミリ大の腫瘍があると指摘され、生検にて悪性が確認されました。 触診で左腋窩リンパ節に1カ所腫瘤があるとのことです(骨シンチ検査等これから受ける予定です)。治療方針として、主治医から、温存手術ないしは全切除かどちらでも対応が可能だと言われました。もともと透析をしているため、私自身あまり体に負担のかかる治療は厳しいのではと考えています。温存手術なら術後の放射線治療が必須のようですが、先生のお考えはいかがでしょう。もしも骨シンチ等で、遠隔転移などが認められた場合でも原発巣の手術は予定どおりに行う予定との話がありました。よろしくご教示ください。

70歳、透析中、左乳癌16mm、リンパ節転移の可能性ありの場合の治療方針についてのご質問ですね。日本乳癌学会のガイドラインでは「腫瘍径3cm以下、多発病変なし、術後放射線治療を受けること」が条件とされています。また高齢者の方への術後抗癌剤治療の有用性ははっきりしていませんし、透析中であることを考えると術後抗癌剤投与は慎重に考えた方がよいと思います。体に負担のかかる治療を避けたいというご家族のお気持ちは非常に良くわかります。私の場合には、放射線治療を避けるために乳房全切除術をおこない、センチネルリンパ節生検で必要と判断すればリンパ節郭清を施行、術後はホルモンレセプターの有無により、ホルモン療法で経過観察の方針とすると思います。
もし遠隔転移が疑われる場合は、局所のコントロール目的で乳房切除のみを行いリンパ節郭清はおこなわないでしょう。この場合は、遠隔転移の制御をホルモン療法のみで行うか、抗癌剤を追加するかの選択肢を選ばないといけません。
以上のように考えますが、お役にたてましたでしょうか。主治医の先生と、よくご相談くださいませ。(文責 高橋)

 

No.7748】  08年03月20日  S 
局所再発について

局所再発についてご相談させて下さい。右胸の切除傷口辺りに1センチ強のしこりが発生し、生検の結果悪性であることがわかりました。主治医からは全摘出と術後化学療法を薦められています。2006年1月末に右胸温存手術を受けました。授乳中で子供は7ヶ月でした。しこりの大きさは3.4センチ、グレード3、浸潤度3、リンパ節転移2/?(2弱の範囲までリンパかくせい)、硬癌。化学療法:EC(4回)+WeeklyT(12回)、放射線治療:25回、継続中の薬:リュープリン/3ヶ月 タスオミン/日
1) 放射線治療後の全摘の場合は、同時再建は不可能でしょうか?(放射線治療後1年半くらいしか経っていません)
2) 術前化学療法という選択もあると思いますが(再発しているだけに、どの薬が効いているか見るのは重要ではないのか?と思いまして・・・)、癌の大きくなる速度が速い場合は、術後化学療法が良いのでしょうか?
3) 抗癌剤は2年経っているから前回同様にECを行うかもしれないと言われましたが(不確定)、その選択は妥当でしょうか?
4) 放射線治療後の全摘の傷の治りは悪いものなのでしょうか? 今回は乳首の内側横なので、リンパは取ることは不可能(肋骨があるため)と説明されましたが、ドレーンをする必要があると聞きました。全摘の場合も液が溜まるものですか?(前回はリンパ液が溜まったのですが)
5) 生検の結果、転移ではなく、別の癌と判断出来る要素が見つかったとのことですが、その癌(浸潤癌)は以前からあったものなのでしょうか?

以上、どうぞよろしくお願い致します。

1) おっしゃるように一般的に放射線治療後の皮膚のつっぱりなどにより、再建が難しい場合があります。乳腺外科医と形成外科医両方の意見を聞いてみてください。
2) 確かに、初発の場合で温存療法を目的として術前化学療法をおこなう場合も施設によってはございます。ただし、今回は残存乳腺から発生した癌であるため、今後も残存乳腺からの再発の可能性を考えると、乳腺全切除をおこない、顕微鏡で詳細に調べた方がよいかと思われます。術前化学療法は、やはりその目的は腫瘍をできるだけ小さくして温存できる乳腺を可能な限り増やすことにあります。
3) 術後何年経過したかということよりも、ECを限られた回数しか使用していないため腫瘍がECに対する耐性(効果がなくなる)がまだできていない可能性があるので、ECを選択されてもよいと思われます。
4) 放射線照射後の皮膚はやけどのあとと近い状況ですので、その皮膚を切開して縫合すると、皮膚の柔軟性が少ないことや血のめぐりが悪いなどの理由で傷が治りにくい場合があります。また、乳腺全摘出後にも温存療法と同様に傷の中に浸出液がたまる場合があります。これは怪我をしたときに、傷からしみ出てくるべとべとした透明な液体です。リンパ節郭清を行った後の、リンパ液の浸出はなかなか治まらない場合もありますが、乳腺全摘出後の浸出液は比較的早期に治まり1週間程度でドレーンは抜けると思います。ただし、放射線治療後ということで、やはり通常よりも傷の完全治癒に時間がかかる可能性はありますので、あまりあせらずにしっかり治療を受けることが大切です。
5) この質問はお答えが難しいです。微小な癌としてもともと存在した可能性があります、と想像するしかありません。

以上、ご参考になりましたでしょうか。今は、局所再発と診断されついつい悲しい気持ちになりがちかとは思いますが、主治医の先生のお話を良くお聞きになって、納得できる治療をお受けになってください。またご質問があれば、ご遠慮なくどうぞ。私たちは、いつでもあなたの味方ですからね。(文責 高橋)

 

No.7746】  08年03月18日  T.H. 
手術後の治療法について

初めて相談させていただきます。37歳、2児(10歳・1歳)の母です。化学療法を受けるかどうかで悩んでいます。2008年2月27日に乳がん部分切除の手術をしました。病理診断の結果は次のとおりです。「がんの種類:硬がん しこりの大きさ:11ミリ 顔つき:1 リンパ節転移:なし 脈管侵襲:あり HER2:陰性 ホルモン感受性:あり 年齢:37歳 閉経前」
今後の治療として、次のように説明を受けました。
@乳房への放射線治療(25回)
A化学療法(アドリアシン+サイクロフォスアミド)3週間に1回を4回 
Bホルモン療法 ホルモン注射 月1回 最低2年  タモキシフェン 5年間

化学療法については主治医の先生も家族との相談で決めていいと言われたのですが、なかなか決められません。年齢・脈管侵襲ありという診断結果から、どう思われますか? 化学療法の副作用も心配です。化学療法の結果でる体の機能の低下は治療後に元通り戻るものなのでしょうか?副作用と再発リスクとを比較して、受けたほうがいいのでしょうか? 近隣の病院にセカンドオピニオンを求めたほうがいいのかも含め迷っています。ぜひご意見をお聞かせ下さい。よろしくお願い致します。

「37歳、閉経前、乳房温存術後、11mm、grade 1、LN meta.(-)、ER(+)?, PgR(+)? 、Her2(-)」ですので、ザンクトガレン2007では、中間型の再発の危険性ですね。推薦治療は、高度内分泌反応性で再発低リスクであれば内分泌療法単独での治療を行いますが、高度内分泌反応性でも再発リスク中間や高度の場合、そして不完全内分泌反応性の場合には、抗癌剤治療を追加する必要があることが言われています。再度、ホルモンレセプターに関してご確認くださいませ。
また、再発予防の抗癌剤治療には、AC療法(アドリアシン+シクロフォスファミド)の後にタキサン系を追加する方法が今注目されています。これらの抗癌剤の副作用ですが、脱毛・嘔気・白血球減少があります。いずれも治療を終了すれば徐々に体調は戻ってきますので、ご心配はありません。ただし、もし今後妊娠をご希望される場合にはCMF療法では永久的に卵巣機能を抑制する場合がありますので、どの抗癌剤を使用するべきか、よく主治医の先生とご相談くださいませ。
なお、おそらくセカンドオピニオンをされるといろいろな意見の先生がいて、迷われることとは思います。でも、納得できる先生のもとで治療をうけるのがよいと思われますので、ホームページなどを参考にしながら受診する先生をお決めになってください。(文責 高橋)

No.7745】  08年03月18日  Y.T.
ハーセプチンについて

いつも相談室を興味深く拝見しています。ハーセプチンの件でご相談いたします。3月より乳癌の術後補助療法としてハーセプチンが保険適用になったと聞きました。私の場合ハーセプチンを使うと再発予防の効果が期待できるのではないかと思いますが、如何でしょうか。
私の状態
・ 現在63歳です ・ 乳癌全摘手術を受けて満2年です(2006年2月手術) ・ Uaでした ・ 断端陽性 ・ ホルモン感受性 ER 陽性 PgR 陽性 ・ HER2 2+陽性 ・ 術後抗癌剤治療の後、アロマターゼ阻害剤アリミデックス の服用中です(5年服用の予定)

そのほか、お聞きしたいこと
1) 術後2年経過すると再発予防としての ハーセプチンの効果は期待できないのでしょうか。
2) 再発予防のためのハーセプチンを途中で止めると、 再発したときのハーセプチンの投与は効果がないのでしょうか。(つまり生きている限り続けることになりますか。)
3) 副作用もあるように聞いています。 どのようなものでしょうか。留意点は何でしょうか。

お忙しい中、素人考えの質問で恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

まずは、乳癌に対して乳房切除術後でステージはUA、ER(+) ,PgR(+), Her2(+)で断端は陽性?でよろしいでしょうか。ザンクトガレン2007の分類では、中等度から高度の再発の危険性に分類されますね。そこで、術後抗癌剤治療+ホルモン療法を行っていると考えられます。ハーセプチンは、再発の危険性を考えれば、是非追加したい選択肢だと思います。
1) 特に、2年経過すると期待できないということはありません。術後再発の可能性が最も高いのは、1-3年目であることを考えますと、少しでも早いうちにハーセプチンを開始したほうが良いのかもしれませんが。
2) 再発予防のためにハーセプチンを投与し、もし再発した場合でも再度ハーセプチンを投与するのが有効である可能性が言われています。でも、まだこれから解析結果がでてくると思います。
3) ハーセプチンの副作用には、もっとも起きやすいものとして発熱と悪寒があります。3人に1人に起こると言われています。頭痛や倦怠感は初めての投与時には起きる可能性があります。また頻度は少ないですが、命に関わる副作用としては心機能低下や呼吸機能障害が起きる場合があります。特に、心臓の働きについては超音波(エコー)で調べておいたほうが良いと思われます。

以上、少しでもお役に立てましたら幸いです。(文責 高橋)

 

No.7744】  08年03月18日  K.K.
現在の状況について

お忙しいところ申し訳ありませんが,よろしくお願い致します。51歳閉経後,右乳房の癌で,術後ホルモン療法を開始したところです。現在までの経過は,2007年5月上旬,右腋の下のしこりに気付き,乳腺専門クリニックで受診しました。右乳房は,その1週間前には変化はないように思っていたのですが,その時点では腫れて少し熱を持っていました。炎症性乳がんと思われるとの事で検査をし,浸潤性乳管癌,ER(3+),PgR(2+),HER2(3+)でした。
現在の病院に紹介していただき,5月下旬に受診した時には,乳房の腫れ・熱は治まっていました。6月上旬のエコーでは,乳房のしこりは5cm弱と4cm弱の2個,脇の下と鎖骨上下のリンパ節に転移有り。遠隔転移は無しでした。6月よりタキソール+ハーセプチン/毎週を12回,その後AC/3週を4回行い,鎖骨上のリンパ節はエコーで捉えられなくなり,2008年1月末に,全摘出+リンパ郭清(レベル2+α(2〜3cmとの説明))の手術を受けました。術前のエコーでは,乳房のしこりは1cm程度2個になり(しこりを形成していないかもしれないとの事でした),腋の下,鎖骨上下も捉えられないとの事でした。術後の病理結果の所見では「肉眼的には腫瘍は不明瞭であり,灰白色充実性領域を認める。脈管侵襲は明かではない。リンパ節の転移「レベル1」8/26,「レベル2」5/12,total 13/38,グレード2,ER(3+),PgR(−),HER2(1+)でした。今後は,「タモキシフォンを2・3年,その後アロマターゼ阻害薬を2・3年」+「ハーセプチンを9ヶ月」+「鎖骨周辺と胸部への放射線」を予定しています。なお,術後5日目位から,右腕から右肩にかけて,腫れによる痛みを感じる程度の浮腫みが出ました。その後マッサージで改善され,現在はほとんど分からない程度になりましたが,マッサージ・スリープをしていても、しばしば浮腫みがでてきます。腕は術前とほぼ同じように動きます。
ご質問させていただきたいのは,
1) 最初に受診した5月上旬には,乳房の腫れ・熱があり「炎症性乳がん」といわれたのですが,5月下旬には腫れ・熱とも治まっていて「炎症性乳がん」ではないとの事でした。また,腋の下のしこりに気付く前の4月下旬には,自分では日常生活では乳房に変化を感じていませんでした。約1ヶ月の間で状態が変化したのは,どのような理由なのでしょうか?なお,最初に受診した際に,飲み薬(炎症を抑える?)を処方されました。
2) ホルモンレセプター・HER2とも化学療法前と変化していますが,これはどういう事を意味しているのでしょうか?
3) 放射線の範囲は「鎖骨の上と,手術で取れない筋肉の裏のリンパ,それから予防で胸」という事で,説明された図を見ると,脇の下を除いて鎖骨の上から胸までで,胸から上の右半身全体でした。手術ではレベル2+αを郭清するとの説明でしたので,「手術で取れない筋肉の裏のリンパ」というのが解らないのですが・・・。それから,浮腫みについては,「浮腫む人もいます」との説明でしたが,手術(郭清)が大きく,放射線の照射範囲も広いと,高度な浮腫みがほとんどの人に出るとも聞きます。既に浮腫みが出ているのでとても心配なのですが,私のような場合,どの位の割合で、どの程度の浮腫みがでるのでしょうか? 予後の経過も(統計的には)あまり良くないと聞いているので,ひどい浮腫みがでるのならば,放射線については再検討したいとも思っています。

長文になってしまい申し訳ありません。よろしくお願いいたします。

1) 一般に、炎症性乳癌は皮膚のびらんや発赤、浮腫、硬結を呈し、急速に増大する予後不良の乳癌です。抗生剤内服で改善したとすれば、乳癌あるいは乳房に一時的に感染を起こしただけなのかもしれません。
2) 術前の針生検でのホルモンレセプターやHer2は小さな検体での検査結果ですので、手術で摘出した病変を検査すると結果が異なる場合はあり得ます。
3) 現在推奨されている乳房切除後の放射線治療は、「@乳癌の大きさが5cmを超えるか、がんが直接皮膚や胸壁へ浸潤しているもの A腋窩リンパ節転移が4個以上」のどちらかの条件を満たす症例と考えられています。この基準にあてはまる症例での放射線治療による再発予防効果は、欧米でのデータでは胸壁などの局所再発を半分に減らし、生存率を約10%改善すると言われています。ご指摘のように、腋窩リンパ節郭清を行った症例で術後放射線治療を行うと、約10%で上肢のリンパ浮腫を生じると言われています。再発の予防と、リンパ浮腫の予防の二つの観点から、もう一度主治医の先生とご相談してみてください。(文責 高橋)

 

No.7743】  08年03月18日  K.M.
術後療法について

2007/12に右乳房摘出手術をおこなった45歳女性です。病理検査、硬癌、3.5×3センチ、グレード2、リンパ転移有、センチネンタル1/2、LEVEL1、1/14、ER-:TS2(PS1+IS1)、
PR+:TS8(PS5+IS3)、HER2-でした。現在、化学療法でFECの3クールが終わりました。FEC後タキソテール4クール後ホルモン療法になるという事でしたが、化学療法後、ホルモン療法でいいのでしょうか? ER-PR+でもホルモン療法の効き目があるのでしょうか? 術後脇の付け根のハリ、痛みがありますが、転移とかの心配はないのでしょうか?

乳癌の術後に痛みやハリを感じると、すぐに再発が心配になってしまいますよね。でも、お話をうかがうと、主治医の先生はしっかりした治療をされていると思います。手術で郭清したリンパ節のうち、陽性であったのは3個以下ですし、ER(-) PgR(+)Her2(-)ですので、再発は中間リスクとなります。推奨治療はザンクトガレン2007では、化学療法+ホルモン療法、あるいはホルモン療法単独となります。ER(-)PgR(-)では不完全内分泌反応性に分類されますがホルモン療法は有効と考えられます。
腋窩リンパ節郭清のときには、肋間上腕神経をさわったり、場合によってはしっかりリンパ節郭清を行う目的で、結紮(しばる)する場合があり、こういった操作により脇の下や腕の内側に違和感が残る場合があります。従って、こういった症状は乳房摘出術後の患者さんに共通の感覚であると思われます。特にご心配なさらなくても結構だと思いますが、あまりにご心配な場合は乳腺エコーなどで再発のチェックをしてもらうとよいでしょう。疑問や不安はどんどん口にだして、解決していきましょうね。(文責 高橋)

 

No.7742-1】  08年03月16日  K.M. 
マンモトームの結果と右全摘手術

先月、健康診断のマンモグラフィで右乳房に石灰化が見つかり、カテゴリー4と言われました。その後、乳腺外科でMRIとマンモトーム検査によりDCIS(グレード3)、石灰化が広範囲のため右全摘手術を勧められました。しこり、痛み、分泌物など自覚症状は一切なく、今は他人事のように思えます。「セカンドオピニオンも含めて納得いくまでゆっくり考えて」と言われました。
1) 触診、エコー、MRI、すべて癌を疑うような所見はないようなのに、マンモトームの結果は一番信頼すべきものなのでしょうか?
2) セカンドオピニオンを受ける病院をどのような基準で選べばいいのでしょうか?
3) 「ゆっくり」は2〜3ヶ月、と言われましたが、その期間は進行には影響しませんか?
4) 全摘は止む終えないのでしょうか?

1) マンモグラフィーでカテゴリー4で、針生検であるマンモトームで直接組織を観察しDCISと言われたのであれば、これは信頼できる結果であると考えます。
2) セカンドオピニオンを受ける病院を探すよりも、今はインターネットで乳癌治療研究会に参加しているメンバーや、ホームページやブログなどで積極的に自分の考えを皆様に伝えている医師を探して、セカンドオピニオンを受ける医師を見つけた方がよいと思います。
3) 検査から手術までに一ヶ月程度かかることは実は標準的なことだと思います。問題は、しっかり心が決まっていない状態、そして病理検査でしっかりと癌細胞がみつかっていない状態などで、急いで治療にとりかかってしまうことだと考えます。2,3ヶ月かかっても問題ありませんので、じっくり気持ちを固めてください。
4) DCISの場合には、病変が広範囲に及んでいることがあり、今回のご質問では石灰化が広範囲という点からは全摘でもやむを得ないと思います。どうしても温存をご希望される場合は、切除断端をしっかり顕微鏡で検査し、病変が残っているようでしたら、追加切除+放射線治療、あるいはその時点で全摘にしても良いかもしれません。

以上の点を再度主治医の先生とご相談しながら、納得できる治療をお受けください。(文責 高橋)

 

No.7742-2】  08年03月23日  K.M. 
全摘か温存か

No7742で詳しい説明をして頂きありがとうございました。大変参考になりました。もう少し教えて頂きたのですが、石灰化の範囲により「全摘」か「温存」か決定する際のガイドラインがあるかと思いますが、実際に医師個々の判断によって違いはあるものでしょうか? その医療機関が行っている手術方法により違いはあるものでしょうか? 医療機関により「温存率」にかなりの差がありますが、この差はどのように解釈すればいいのでしょうか? よろしくお願いいたします。

石灰化の範囲と術式に関するガイドラインといったものは特にありませんが、乳房の広い範囲にわたって石灰化が存在する場合、癌も広い範囲に存在する可能性が考えられますので、全摘が好ましいと考えられます。ただ医療機関の違いや判断する個々の医師の違いにより石灰化の程度と術式の選択には多少の差が生じてきます。そのような差が、各医療機関における温存率の差になって現れると考えられます。(文責 谷)

 

No.7741】  08年03月16日  H.T
ハーセプチンの使用について

59才です。ハーセプチンの使用について投稿させていただきます。
昨年4月に右乳房切除+センチネルリンパ節生検術をうけました。母が昔乳がんで手術をしましたので、温存は選びませんでした。病理結果は、「大きさ1cm、リンパ節転移0個/センチネル、ER,PgRとも強陽性、HER2 3+、悪性度2〜3、リンパ管侵襲あり」でした。術後治療はホルモン療法(アリミデックス)のみです。HER2 3+ですので、ハーセプチンが保険適応になれば、是非使いたいと思っておりましたが、ハーセプチンは抗がん剤との併用で効果があるようです。私の場合、効果を上げようとすると、あらたに抗がん剤を組み合わせなければならないのでしょうか。ザンクトガレン2007をみると、ホルモン療法のみとの組み合わせも標準治療になっているように読めますが。ただ、リンパ節転移なし、大きさ1cm未満、特に強陽性はハーセプチンは標準治療ではないとのコメントもありました。どのように考えて、ハーセプチンを使うか使わないかを決めたらいいでしょうか。ご意見を聞かせていただけたら、有り難いと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。

59歳、1cm、LN(-)、stage T、ER(+)、PgR(+)、HER2(3+)、grade 2-3であれば、中等度のリスクであります。おっしゃるとおり、St.Gallenの推奨治療は、ホルモン療法単独あるいは化学療法+ホルモン療法ならびにハーセプチンも選択肢にはいっています。St.Gallenはあくまでも推奨治療ですので、このガイドラインを参考に、ご自身と主治医で方針を決めて行くわけです。一般的には、ハーセプチンは単独投与でも効果は認められておりますが、腫瘍縮小効果は16%にしか認めていません。そして、AC療法やタキソールとの併用で、より増強効果があると報告されています。また、ハーセプチンの副作用は、悪寒や発熱、吐き気などですが、ACやタキソールは脱毛が強く認められます。これらを考慮に入れ、主治医の先生ともう一度よくご相談ください。重要なことは、副作用と引き替えに予防をしていくわけですから、後悔しないように十分納得してから様々な治療を受けるようにしてください。(文責 高橋)

 

No.7740】  08年03月16日  y.u  
娘の胸のしこり

5歳5ヶ月の娘のことで相談です。昨日の朝、右胸が痛いと訴え、見ましたら、乳首に1cmほどのしこりがありました。こりこりと動いています。これは成長過程で見られるものなのでしょうか? 娘は今115.8cm、23.4kgと平均からしても大きいですが、思春期早発症になるのでしょうか? お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

5歳の娘さんの胸が痛んでしこりがあるとのこと。ご不安なお気持ちが伝わってきます。思春期初来年齢前後において乳房腫大がおきることがあります。その原因には、7歳6カ月以降の正常な思春期初来、7歳6カ月未満の思春期早発症、および早発乳房がほとんどです。炎症性疾患や腫瘍性疾患はまれで、とくに乳癌は非常にまれです。胸に、熱感、疼痛、腫脹、発赤があれば乳腺炎の可能性もあります。この場合は、抗生剤投与が有効です。一度小児科を受診してご相談してみてください。でもこうしているうちに、自然に消失していったりするのも小児ではよくあることです。(文責 高橋)

 

No.7739】  08年03月16日  O  
カテゴリーについて(2)(HPNo.7728-2)

ご返答いただきまして、有難うございました。検診はMRIではなく、マンモグラフィーの間違いでした。マンモグラフィーと触診をしたのでですが、結果が、個々にカテゴリーWとのことでした。この場合の乳癌である可能性は何パーセント位でしょうか? 検査を受ける前にもう一度お聞きしたいと思います。お手数をお掛けしますが、ご返答お待ちしております。

検診施設や地域によって多少の違いはありますが、マンモグラフィー検診で精密検査が必要と判断された人の中で、実際に乳癌が発見される確率は3-7%程度、多く見積もっても10%程度です。触診とマンモグラフィーでカテゴリー4の場合は針生検を行って確実な診断をつけてもらうように、前向きに考えましょう。早期で発見されれば乳癌は十分に治癒が可能な疾患ですので、こわがらずにどうぞ。(文責 高橋)

 

No.7738】  08年03月16日  N.K
転移(脳と脊髄)後の治療について

妻の乳がんの転移が脳と脊髄にいってしまいました。現在足が動かなくなってしまいました。医師は様子を見るしかないとして、抗がん剤(ST1)を服用しています。もう薬も後がありません。せめて足の不自由さをとってあげたいのですが・・・。脊髄の手術は出来ないのでしょうか? 担当の先生は出来ないと言っていましたが・・・。尿が出ないのも、そのせいでしょうか? 又、ラパチニブという薬を日本で処方してくれる所はあるのでしょうか? 何とかしてあげたいです。  

奥様の乳癌の転移、ご本人も旦那様もとてもつらいことと思います。乳癌の脊椎転移をおこし、脊髄圧迫症状により、下半身の麻痺症状、排尿機能障害がおきているものと考えます。もちろん、ご希望されれば整形外科の先生と相談しながら、脊髄の圧迫を解除し脊椎を固定する手術も可能だとは思いますが、全身麻酔に耐えられること、整形外科の先生にこの方法が得意な先生がいること、また術後にリハビリも必要ですし、術後にこの脊椎に放射線治療もおこなった方がよいことなど、様々な条件をクリアしないといけません。主治医の先生にご希望をお伝えし、整形外科の先生や麻酔の先生を含めてご相談してみてください。手術で歩けるようになる可能性が高そうであれば積極的におこなってもよいとは思いますが、かえってご本人の命の危険性や苦痛を増やすだけであれば手術はお勧めできません。
ラパチニブはHER2過剰発現を示す手術不能又は再発乳癌に対するカペシタビンとの併用療法、およびラパチニブによる単剤療法を適応として現在承認申請中です。まだ未承認薬ですので、保険診療では使用できませんし、奥様の乳癌のHER2過剰発現をしているかどうかのご確認をしてみてください。(文責 高橋)

 

No.7737】  08年03月15日  Y.K. 
転移再発乳癌に対する治療法

何度かお世話になっています。妻34歳。4年弱前、右全摘、術後EC3クール。1年半でCEA上昇。右は単発・脳多発転移(全脳照射により消滅)。ホルモン− HER2 3+。ハーセプベースでタキサン2種・ナベルビンで、去年秋相談時よりTS-1ですが当初かなり効果あり、一時基準以下までCEA下がりましたが、直近で9.2まで上昇。画像でも悪化を確認しました。現在は右肺・膵臓?・骨転移で、痛み等はありません。次の薬剤について、ご意見いただければ幸いです。何卒よろしくお願いします。

転移再発乳癌に関するご質問ですね。乳癌診療ガイドライン2007では、推奨度C(エビデンスが十分とは言えないので、日常診療で実践する際は十分な注意を必要とする。)ですが、転移再発乳癌の三次化学療法としてカペシタビン、S-1、ビノレルビン、イリノテカンは有用である可能性がある、と言われています。すでに使用されている薬剤ではないのは、カペシタビンとイリノテカンです。カペシタビンは5-FU系ですので、いままで使用していない系列のものはイリノテカンです。ただし、この薬剤は白血球減少や下痢が強く起こる場合がありますので、十分に主治医の先生とご相談くださいませ。(文責 高橋)

 

No.7736】  08年03月15日  KY  
術後について(HPNo.7691-2)

HPNo.7691でお世話になりました。有難う御座いました。お忙しい中、申し訳ありませんが、再度質問させて下さい。前回の内容は、下記の通りでした。
2月に温存手術を受け、病理結果が出ました。52歳、腫瘍の大きさ10×12mm、リンパ節転移なし、ER(+)、RP(+)、HER2(-)、腫瘍の悪性度2。放射線療法、ホルモン療法、及び抗がん剤療法をするかしないかの選択の中で、選択肢として提供されていた2つの方法が妥当だと思います、との解答を頂きました。
後日、外来時に断端(-)とは確認しましたが、まだ抗がん剤治療を受けるか否か迷っております。担当医は、受けなくても大丈夫ではないか、との意見でした。勿論先生を信頼しておりますが、受けても副作用、受けなくても後日の再発を考えると、不安がよぎります。癌の摘出手術は、乳輪の外側上部直近を横5cmと、リンパ節生検で2個のリンパ節を取った傷が3cm位ついております。術後2週間目位から、ドレーンの傷跡より5cm位内側の、乳房下から肋骨にかけて、打撲後の痛みの様な感じがありました。先日、外来時に先生にお尋ねした所、経過観察しましょうと言われました。ところが、ここ2・3日前頃から、同箇所縦に10cm位、蚯蚓腫れの様な線が出て、前より痛みは減少したものの、触れると痛みを感じます。手術時、ドレーンを3日間着用、30cc 20cc 20cc ドレーンを外しての退院。退院後、12日目に外来で20cc採取。患部は硬くなっており、腕は術後直ぐから、以前のように動きます。質問を整理します。
1) 抗がん剤治療を受けなかった場合の、再発のリスクの高さ
2) 術後2週間後からの、乳頭から肋骨への腫れと痛み

長い文章で、お読み頂くだけでも、お時間をお掛けして申し訳ありませんが、宜しくお願い致します。

1) 中リスク群という分類に入りますので、化学療法+放射線+ホルモン療法あるいは、放射線+ホルモン療法のどちらを選ばれても再発率に大きな差はないと判断します。従いまして、私が主治医の場合には、ご本人が後悔されない方法を選んでください、とご説明しています。すなわち、おっしゃるように脱毛や食欲不振などの副作用と戦いながら抗癌剤治療をおこなっていくか、あるいはその副作用を避けるために抗癌剤治療は受けないか。どちらを選ぶかは、あなたが判断して決めなくてはいけません。私たち乳腺外科医は、あなたがどちらの選択肢を選ばれても全力でサポートいたしますので、主治医の先生にもどんどんご相談なさって方針を決めてください。
2) 乳房温存術後の痛みについてのご質問ですね。乳房温存術後はしばしば漿液腫といって、創部に体液が貯留する場合があります。場合によっては、赤く腫れ上がったり、強い痛みを伴います。エコーで体液が貯留しているのでしたら、針を刺して先生に体液を抜いてもらうと楽になるかもしれません。次回受診時に、漿液腫(seroma)はありませんかお聞きになっても良いかもしれません。また、もし痛みがひどい場合は、少し痛み止めをいただいた方が気持ち的にも楽になるかもしれません。(文責 高橋)

 

No.7735】  08年03月15日  R.F.  
右乳房温存手術後の痛み

初期ガンでの右乳房温存手術を受けて45日程度経過したものです。手術後は、もちろん切り口の痛みをはじめ全体が痛かったのですが、その後も切除した部分を中心に広範囲にピリピリとしたような痛みが残り、下着はもちろんのこと、洋服がすれるだけでも痛い状態が続いています。担当医からは「神経異常が起きている」という説明で、神経系の痛みを抑える目的で、ランドセンなどを処方され、2週間目の診察の際から飲み続けていますが、いまだにその痛みは抜けません。右乳はまだ腫れも残っているということで、エコーで見ても体液?が層になって溜まっているのがわかりました。痛みと腫れは別物かもしれませんが、いずれにせよ傷みが引かないことには次のステップである放射線治療に進むのに様子見をする必要があるということでした。手術後、このような痛みがあるという話はあまり聞いたこともないのですが、珍しいことではないのでしょうか? 今の予定では、手術後2ヶ月以内で放射線治療をするほうがよいということで、痛みの状態が改善していなくとも治療に入るように計画されており、少々不安を感じております。アドバイスを頂戴できればと思います。

乳房温存術後の痛みについてのご質問ですね。乳房温存術後はしばしば漿液腫といって、創部に体液が貯留する場合があります。場合によっては、赤く腫れ上がったり、強い痛みを伴います。エコーで体液が貯留しているのでしたら、針を刺して先生に体液を抜いてもらうと楽になるかもしれません。
放射線治療開始時期については、以前は術後6週間以内に開始するのが望ましいと言われていましたが、最近はあまり開始時期は気にしなくてよいと言われています。まずは傷の痛みが落ち着くまでもう少し経過をみても大丈夫だと考えますが、詳細はまた主治医の先生とご相談してみてください(文責 高橋)

 

No.7734】  08年03月15日  H 
脇のしこり

気になることがあり相談させていただきました。34歳、既婚、4年前に出産経験ありです。3、4日前から右の脇に激しくはないのですが痛みがあります。触ってみるとしこりのようなものがあるように思います。押すと少し痛みます。それと右手にしびれがあるような気がします。昨年秋に乳がん検診(触診・マンモグラフィー)を受けましたが、異常なしでした。胸の異常は感じませんが、たまにきゅっとしめつけられるような時はあります。これは何か病気なのでしょうか? 病院に行くとしたら何科を受診すればいいのでしょうか? 気になると、すごく不安になってしまっています。よろしくお願い致します。

ご不安なお気持ち、よく分かります。脇の下にはリンパ節があり、これが炎症を起こすと痛む場合があります。原因としては、腕のけがなどが考えられますが、いかがでしょうか。炎症を起こすご病気に、粉瘤(ふんりゅう)というものもあります。これは、皮脂などが皮膚の裏にたまってばい菌が繁殖し炎症を起こす病気です。また、副乳というものの存在があれば脇の下に違和感を感じることがあります。いずれにしても、乳腺や脇の下の超音波検査を一度お受けになったほうが、安心を得られるかもしれません。お近くの外科を受診してみてください。(文責 高橋)

 

No.7733】  08年03月14日  RO
術後の治療について 

49才、妊娠経験なし。昨年末より生理もないので、閉経?かもしれません。非浸潤乳管癌と診断され、今月温存手術・センチネルリンパ節生検を受けます。ガンレベル 0 なので、手術を受ければ終わりかと思っていたのですが、最近になっていろいろな資料を読み、放射線治療が必要かも?と不安になっています。術後必ず受けないといけないものなのでしょうか? 一人暮らしですので、放射線のために会社を休む必要があるのではと、不安になっています。お手数ですが、お教えください。よろしくお願いします。

乳癌と診断され、いろいろなことが不安になっていることと思います。少しでもお役に立てましたらさいわいです。
さて、非浸潤癌についてですが、その大部分は将来浸潤癌になる可能性を秘めています。また、非浸潤性乳管癌の進展範囲は浸潤性乳管癌と比較して広いことが多いために、一般的には乳房切除術が行われています。乳房温存率は、欧米でも30-40%程度と報告されています。乳房温存療法をおこなった場合は、温存乳房に放射線照射を行い、場合によってはホルモン療法を行うのが一般的です。また、乳房温存手術後の病理永久標本の結果、断端陽性あるいはその可能性がある場合には、追加切除あるいは乳房切除または追加照射を含めた放射線療法をおこない、厳重に経過観察する必要があります。
乳房温存術後の乳房放射線照射は局所再発率を約1/3に減少させます。また、乳房温存術後の断端陽性例に対する補助療法では、放射線照射に加えてホルモン剤のタモキシフェンの服用が局所再発に抑制効果があることが認められています。
非浸潤癌はリンパ管や静脈にガン細胞が入り込んで転移する可能性はまずありませんし、今の時点で治療することができれば98%以上が治癒します。前向きなお気持ちで、ぜひ主治医の先生とよくご相談の上、しっかりとした治療をお受けくださいませ。わたしたちは、いつでも応援しています。もし、またご不安なことがございましたらご相談ください。(文責 高橋)

 

No.7732】  08年03月14日  Y 
乳腺腫瘤について

初めてメールさせていただきます。39歳独身の女性です。今年2月(先月)に人間ドッグを受診しましたが、後日届いたレポートに「マンモグラフィで左乳腺に腫瘤の疑いがあります。乳腺超音波検査では異常は認められません。3ヵ月後に再検査を受けてください」という所見がありました。1年前の人間ドッグでは異常が無かったので(マンモも超音波も)、びっくりしています。3ヵ月後で大丈夫でしょうか。癌だったら進行したりするのではないでしょうか。超音波では異常が発見できなかったとすれば、小さいものなのでしょうか。何事も初めてで動揺しています。アドバイス等がありましたら、お願いいたします。

乳腺にしこりが指摘されたとのこと。さぞかしびっくりされたことと思います。でも、乳癌検診は少しでも異常があればひっかかるシステムになっています。見落としを防ぐためです。今回、マンモグラフィーで腫瘤を指摘されたようですが、実際の画像で本当の腫瘤(しこり)なのか、あるいは局所的非対称性陰影(左右の乳腺の写り方に違いがある)(FAD)なのかはわかりませんが、超音波検査で異常が認められないのであれば、まずは一安心でよいかと思います。もしご心配であれば、お近くの乳腺外科を受診されて、マンモグラフィーをもう一度行っていただければ良いかと思います。乳腺の引き延ばし方が上手であれば、見落としや読み過ぎ(乳腺のむらをしこりと判断してしまう)を防げると思います。ご心配ならば、ご心配が解消されるまで乳腺外科でお話を聞かれてください。(文責 高橋)

 

No.7731-1】  08年03月14日  G 
今後の治療方針について

昨日病理の結果が出まして治療の方針が決定されました。そこで治療が妥当か、追加で治療を提案するのが良いのか教えてください。ER2+、Prg3+、Her2−、粘液癌2.4X1.7 リンパ節転移なし、35歳以上、脂肪浸潤若干有り、手術は全摘です。治療はタモキシフェン(ノルバ20mg)5年間です。皆さんの書き込みなどを拝見すると、ホルモンレセプターが高い場合はリュープリン等卵巣機能を停止する注射を打っているようですが、主治医に提案するべきでしょうか? 副作用を考えると私としては追加したくないのですが、それで良いのか不安です。私は既に卵巣にチョコレートのう胞がありますが、ホルモン治療にあたり問題はないのか、黄体ホルモンの値のほうが強く出ているのにエストロゲンの治療で効果があるのかなど、わからないことが多いです。私は全摘で断端陰性ではありますが、既に前癌細胞が散らばっていたとも言われました。温存手術の場合ですと、前癌細胞が断端にあった場合は陽性になるのでしょうか? それとも、まだ癌細胞ではないので陰性なのでしょうか? 健側が気になるところです・・・。ご回答よろしくお願いいたします。

粘液癌は全乳癌の2.5~3%と比較的少ない組織型ですので、わかっていないことも多いです。ただし、通常型の浸潤癌に比べて再発率が若干低く、予後が良い傾向にあると考えられています。でも、浸潤癌に分類されますので、しっかりと予防の抗癌剤治療とホルモン療法はお受けになったほうが良いと思われます。
閉経前のホルモン感受性の早期乳癌の術後療法は「タモキシフェン、ゾラデックス、タモキシフェン+ゾラデックス、ホルモン療法なし」で比較したところ、ゾラデックスが投与された群で、無病生存期間の延長がみられています。早期乳癌で、術後療法としてゾラデックスを使用する場合は、タモキシフェンを追加してもしなくても同等の効果があるということになっています。
チョコレートのう腫については、閉経すると自然に小さくなってくるものなので、ホルモン治療により閉経状態にするのは問題ないと思われます。
前癌細胞についてですが、おそらく異型乳管過形成のことをおっしゃっているものとしてお話します。異型乳管過形成は、乳腺症構成成分のひとつですが、異型小葉過形成とあわせて異型過形成とよばれ、前癌病変または境界病変とされています。異型過形成と診断された女性の約10%の人が、10-15年の間に浸潤性乳管癌を発症するとの報告もあり、厳重な経過観察が必要と思われます。温存術の断端に、異型過形成が存在する場合の扱いについては、外科医と病理医の間で十分に検討することが必要であると思われます。必要以上に心配なさらずに、主治医の先生と引き続きよくご相談くださいませ。(文責 高橋)

 

No.7731-2】  08年03月23日  G 
ホルモン治療と婦人科疾患について

先日HPNo.7731で質問させていただいたものです。的確なご回答本当にありがとうございました。お忙しいところ頭が下がります。手術後退院してから昨日2回目の外来があり、主治医にホルモン治療について質問をいたしました。そこで、このまま主治医を信じて5年間の治療をしていて良いのか不安になってしまいましたので、再度質問させてください。ER2+、Prg3+、Her2−、粘液癌2.4X1.7 リンパ節転移なし、35歳以上、脂肪浸潤若干有り、手術は全摘。治療はタモキシフェン(ノルバ20mg)5年間です。私は4年ほど前に1kgの子宮筋腫の核摘出手術をしています。現在も確認できる範囲で3つ程3cm大の筋腫があり、卵巣のう腫に子宮内膜症を持っています。ノルバデックスではそれらが悪化する可能性が否めないので、ゾラデックスの打診をしましたが、リンパ節転移がない場合はゾラデックスも抗がん剤もやらないと断言されました。婦人科にかかったほうが良いか尋ねたところ、タモキシフェンを服用すればそれらも改善するので必要ないとも言われました。私が乳癌になったのは、不妊治療で一度LHサージを起こす注射とPgRを増やす錠剤を飲んだためではないかと病理検査の結果を見て思います。その後の生理が異常で、子供はあきらめようと思い、気持ちが落ち着いた矢先の乳がん発覚だったためです。少なくとも私の乳癌は今後のホルモン治療が重要だと思うのです。
質問なのですが、
1)ノルバを5年間服用するために、筋腫+内膜増殖+子宮内膜癌のリスク回避も含め子宮を摘出してしまうべきか?
2)ゾラデックスに変更できる病院を探すべきか?
3)子宮摘出+ノルバ と ゾラデックス(卵巣機能抑制)ではどちらの副作用が大きいか?
4)ホルモン治療最大5年間後に40歳前半だが、その後乳癌の予防はどうするべきか?

乳房再建を希望しているので、子宮全摘も増えると体を更に切り刻まなければならなくて不安です。ゾラデックスの副作用も不安です。だからといって主治医を信じてノルバ5年間のみで良いのかと考えると、これまた不安です(そうしたいのですが・・・)。相談出来るのがここしかありません。何度も恐縮ではありますが、ご回答よろしくお願いいたします。

メールの内容をよく拝見させていただきました。不妊治療に精力を注いだ後乳癌となり、手術終了した現在、今後に強く不安を抱いていらっしゃるのだと思います。まず乳癌の程度を考えてみると、腫瘍径が2cmをやや超えているもののそれ以外にリスクを高める因子はなく、再発率は決して高くないと思われます。その少ない再発率をさらに下げるための治療が今問題となっている追加のホルモン治療という事となります。よって再発の観点から見れば、いずれの治療もおそらく数字には影響しない程度の差であると考えられます。一方においてノルバデックスの子宮内膜癌誘発の観点から見ると、5年間服用により3〜4倍内膜癌の確率が高まるとされておりますが、もともと内膜癌発生の確率は決して高いものでなく、その予防のために子宮摘出することはお奨めできません。さらに乳癌の発生要因が不妊治療にあると考えておられるようですが、不妊治療と乳癌の発生には明らかな因果関係は報告されておらず、ホルモン環境に必要以上にnervousになるのはどうかと思います。以上のことより、主治医の先生の仰るとおりノルバデックスを服用してゆくことで何ら問題なく、婦人科には引き続き定期受診して、卵巣嚢腫、子宮内膜症のフォローとともに、内膜癌の検診もしていただくことがよいのではないかと考えます。今回はすこし肩の力を抜いて、主治医の先生にすべてお任せになられてはいかがでしょうか?(文責 谷)     

 

No.7731-3】  08年05月15日  G 
ゾラデックス単独

1) HPNo.7762でノルバデックスで子宮筋腫が悪化しないか心配をしていたものですが、1ヶ月ノルバデックスを服用してみたところ大変な生理がやってきました。こちらにも多数書き込みがあるように、生理がなくなってしまう(間隔が開く)悩みをよく耳にしますが、私の場合通常の生理が来た後3日後にまた高温期に入り、その10日後にとてつもない月経量を伴う生理が来たのです(まだ進行中)。通常の生理も1週間は続いていたので、その後の1週間でここまで内膜が厚くなるものかと不思議になるほどの量です(入浴中も就寝中もお構いなしに出っ放しです)。生理がなくなるかもしれないと少し期待していたのに、ま逆の副作用に戸惑っていますが、このような症状が現れる人もいるのでしょうか? それとも重大な疾患があるのでしょうか?
2) 主治医に相談したところ、あっけなくノルバデックスは中止となり、来月からゾラデックス単独投与となりました。ゾラデックスの単独治療という人もあまり聞かないのですが、何もやらないよりは良いというレベルなのであれば、副作用も怖い注射ですので、なるべくなら受けたくないと思ってしまいます。ゾラデックスの単独使用は有効でしょうか?
3) 有効な場合、2年間のゾラデックスが終了してもまだ30代後半ですが、その後はどうしたら良いのでしょうか?

イレギュラーな展開に困ってしまいましたので、以上3点についてまた質問させてください。よろしくお願いいたします。

1) ノルバデックスにより完全に閉経しないことも少なくありません。
2) 再発や再発リスクの低い状況であればゾラデックス単独治療も選択の一つと考えます。
3) 2年間の治療終了時に主治医と相談の上、内服の再開を検討してみるかゾラデックスの使用延長も検討してみるとよいと思います。(文責 西川)

 

No.7730】  08年03月14日  S.T.
術後の化学療法について

今後の治療方針についての質問です。よろしくお願いします。43歳。昨年12月6日に左乳房温存手術を受け、1月中旬〜2月中旬にかけて放射線照射を25回受けました。病理検査の結果は、浸潤性乳管がん、しこり自体は10mmでしたが、40mmの組織的広がりがあったということです。断端5mm陰性、センチネルリンパ転移無、脈管侵襲無、悪性度2、ホルモン受容性は各80%, 10%(名称はわかりません)で、しこり本体のHer2 は陰性です。ただし、伸張部はHer2 3+だそうです。主治医の先生は、「ホルモンがよく効くタイプのがんなのでホルモン療法だけでも良いが、年齢と40mmという広がりを考え、FECを6クールしたほうが良い」とおっしゃっています。わたし自身も先生のご判断に従って治療していくつもりですが、下記の点で質問があります。
1) わたしのがんのタイプには、FECという化学療法はどれくらいの効果が見込めるのでしょうか
2) がんの大きい部分がHer2 −なのでハーセプチンの投与対象にはならない、と言われました。けれど、一部でも強陽性が出たのは心配ですし、自費で追加の補助療法を受けられないかと考えているのですが、効果はどうでしょうか?

以上、よろしくお願い申し上げます。

1) 乳癌再発の高危険群は、「@腫瘍浸潤径が2cmを超える。A細胞あるいは核の異型度が高い。B35歳未満 Cホルモンレセプターが両方陰性」のうち、いずれか一つでも満たす症例が対象となります。ご質問の内容からは、従いまして40mmの組織的広がりを考えると、高危険群に入りますので、再発予防の抗癌剤の治療が推奨されます。再発予防の抗癌剤治療には、一般にAC 4クールまたはCAF,FAC,CEF,FECは6クールが使用されることが多いです。また,AC 4クール後さらにパクリタキセル4クールを追加し,計8クール(6カ月間)の治療を行う方法がAC 4クールのみに比較して優れることも報告されております。こういった情報から、各病院では自分たち独自の抗癌剤投与方法を選択して行っておりますので、主治医の先生からお話を聞いて、もっとも納得できる方法をご選択くださいませ。
2) ハーセプチンの効果が期待できるのは、癌細胞にHER2を多くもっている方のみです。手術や検査で取った癌細胞の表面を調べてみて、HER2がほとんどない人(0)、あまりない人(1+)、かなりある人(2+)、たくさんある人(3+)にわけ、強陽性の(3+)の人がハーセプチンの治療の対象となります。(2+)の人も対象になる可能性がありますが、あまり効かないようです。また、ハーセプテストの判定の対象となるのは浸潤部であり、乳管内進展部や細胞質の染色性は評価しません。ハーセプテストより感度の高いFISH法を用いた評価も有用です。

再度、主治医の先生に詳しくお話を聞いていただき、有効な治療をお受けください。(文責 高橋)

 

No.7729】  08年03月14日  M.H.
のう胞内乳頭腫

48歳閉経前、出産経験2回です。のう胞内乳頭腫と診断され、良・悪の判断が出来ないとのことで、摘出手術を受けることになりました。今までの主治医から設備の整った大きな病院を紹介され、そこで手術を受けます。今現在のう胞の大きさは6cm(腫瘤の大きさは不明ですが、皮膚の上からの感触ではゴツゴツした感じで3cmはありそう)です。医師から摘出手術の際にセンチネルリンパ節生検も薦められました。それから手術はまだ1ヶ月以上先になりそうなので、とりあえず今のう胞内の分泌液を吸引してもらいたいのですが、「悪性だった場合、悪い細胞が散らばる恐れがあるので、針は刺したくない。」と言われました。のう胞は2年半前からあり、定期的に分泌液(いつも血性)を吸引してきましたが、細胞診ではいつも悪性細胞無しとの結果でした。腫瘤については2回の細胞診の結果は、1度はクラスVa(1年前)、2度目は上手く細胞が取れなかったのか結果が得られませんでした。
1) センチネルリンパ節の生検は必要でしょうか?
2) のう胞に刺した針でガン細胞(もしあった場合)が散らばる可能性は大きいのでしょうか?
3) 溜まった液を吸引せずにのう胞が大きいまま摘出するということは、切開の範囲もそれだけ大きくなるのでしょうか?

以上、お答えいただければ幸いです。宜しくお願い致します。

1) 良性ののう胞内乳頭腫か、のう胞内乳癌かの判別については、高齢者や腫瘍径の大きいものに癌である可能性が高い傾向にあります。でも、細胞診・のう胞内液の性状・CEA値・マンモグラフィ所見等では、決め手にならない場合が多いようです。主治医の言われるように、摘除して調べる方針で良いと思います。もしこのしこりが癌であった場合に、すでにセンチネルリンパ節が調べてあると、今後の治療方針がたてやすくはなると思います。ただし、良性であった場合には、センチネルリンパ節生検およびこのために脇の下につけた傷は無駄になってしまいます。主治医の先生に、どちらがよいのか再度ご確認ください。
2) のう胞内容液を吸引して細胞の検査に提出することは、一般的に行われていることですので、極端に細胞が散らばるご心配はしなくてよいと思います。仮にもしガン細胞が認められたとしても、1ヶ月程度の間に手術を行えば、全く問題ないと言われています。
3) のう胞内乳頭腫は症状・大きさによって術式が異なってきます。血性乳頭分泌物を伴うような場合には、乳管内乳頭腫に準じた手術を行うこともあります。つまり、その乳頭腫を含む乳腺区域を切除(乳管腺葉区域切除)という手術を行います。この手術は、乳腺全体の1/8〜1/5程度を切除するため、傷も乳房変形も腫瘤を摘出するだけの場合に比べて大きくなります。のう胞が限局して乳頭分泌物もないような場合には、のう胞だけを摘出する術式となります。この時はのう胞壁を破らないようにするために、周囲に正常な乳腺組織をつけて、のう胞を取り囲むようにして少し大きめに切除します。いずれにしても、のう胞の内容液は吸引して小さくしておいたほうが傷の大きさが小さくできる可能性があります。

以上のように考えますが、詳しくは再度主治医の先生とご相談くださいませ。(文責 高橋)

 

No.7728-1】  08年03月12日  O 
カテゴリーについて

先日、市の検診をうけたところ、検査結果でMRIと触診の結果がカテゴリーWと通知されました。すぐに再検査して下さいとのことでしたが、乳がんである可能性は何パーセントぐらいでしょうか? 又、しこりに気づいたのは1年位前で、しこりの大きさは指2本位です。硬くて、コリコリした感じです。お忙しいところ申し訳ございませんが、ご返答お待ちしております。

一般的に乳腺MRIには偽陽性もあり、特異度すなわち本当に癌である確率は37〜97%と低いことが報告されています。検診でMRIをいきなり行うのが一般的とは考えにくいのですが、もしMRIでカテゴリー4(悪性の疑い)と判断されているのであれば、通常の乳癌検診で行われているマンモグラフィーと超音波検査は行ったほうが良いと思います。そこでさらに、癌が疑われるのであれば針組織診などで正確な診断をつけてもらった方が、今後の治療方針などがしっかりたてられて安心だと思います。まずは、安心を得るためと思って乳腺外科の戸をたたいてみてください。僕たちはいつでも応援していますよ。(文責 橋)

 

No.7728-2】  08年03月16日  O 
カテゴリーについて(2)

ご返答いただきまして、有難うございました。検診はMRIではなく、マンモグラフィーの間違いでした。マンモグラフィーと触診をしたのでですが、結果が、個々にカテゴリーWとのことでした。この場合の乳癌である可能性は何パーセント位でしょうか? 検査を受ける前にもう一度お聞きしたいと思います。お手数をお掛けしますが、ご返答お待ちしております。

検診施設や地域によって多少の違いはありますが、マンモグラフィー検診で精密検査が必要と判断された人の中で、実際に乳癌が発見される確率は3-7%程度、多く見積もっても10%程度です。触診とマンモグラフィーでカテゴリー4の場合は針生検を行って確実な診断をつけてもらうように、前向きに考えましょう。早期で発見されれば乳癌は十分に治癒が可能な疾患ですので、こわがらずにどうぞ。(文責 高橋)

 

No.7727】  08年03月12日  M.S
乳がん骨転移について

私の母(68歳)の乳がんについて質問です。「2001年12月乳がん手術、リンパ転移13個中11個、2007年12月乳がん再発、骨に転移発覚」という状況です。現在は放射線治療を10日間行っております。ただ、問題は痛み止めを飲んでもきかない位痛く、またリンパ節がはれており、肩もかなり痛いという状態です。また熱も39℃位でる状態が2週間続いており、解熱剤を飲んでようやく下がる状況です。がんで熱がでるというのはあまり聞きませんし、抗がん剤もまだ始めていない状況で熱がでるものなのでしょうか? また痛みに対してはモルヒネ等の投与もすべきでしょうか? 食欲もなく、何とか日常の生活ができるようにしてあげたいと思いますので、お忙しい所おそれいりますが教えてください。

お母様の乳癌の再発をお聞きになったときはとてもお辛かったことと思います。発熱の原因は、確かにお話をうかがう限りはっきりしませんが、腕が腫れたりしていれば以前のリンパ節郭清に伴うリンパ浮腫ならびに蜂窩織炎の可能性があります。他に、肺や腹腔内に原因がないかどうか主治医の先生に調べていただいた方がよいかもしれません。
また痛みについては、積極的に鎮痛剤を使用してもらったほうがご本人にもよいかと思います。今は、癌性疼痛にたいし強オピオイド鎮痛薬としてモルヒネ製剤やオキシコドン製剤、そしてフェンタニル製剤と選択肢も多くあり、安全性も高くなっています。
決して癌の痛みは我慢する必要はありません。主治医の先生に、どんどん痛みをとってもらえるようにお願いしてください。このような、強オピオイド鎮痛薬を使用しながらにこにこ外来に通院して来られる方がたくさんいらっしゃいますよ。(文責 橋)

 

No.7726】  08年03月12日  T.U. 
今後の治療について(HPNo.7711-2)

HPNo.7711で、74歳の母の乳がんについて質問させていただきました。ご回答ありがとうございました。再度アドバイスをお願いいたします。
1) 74歳という年齢と糖尿や心臓、喘息など持ってることから、温存手術後の放射線は大変だろうと全摘をすすめられてますが、術後はどういった治療になりますか?ホルモン治療になるのが一般的ですか?
2) 初めの病院では抗がん剤で小さくしてから手術と言われていたのですが、紹介状をもらって行ったがんセンターでは、いきなり手術と言われました。また初めの病院では細胞診をしてクラスWと出たあとに切って調べようとしていたのですが、今のがんセンターへ行くことが決まっていたので、そちらでやるだろうと断りました。しかし、がんセンターではエコーやマンモはしましたが、切って調べずに、あとはPETをするだけのようです。すぐに手術の話になり、とまどいました。切って更によく調べる必要はないのでしょうか? このままの流れでいっても大丈夫でしょうか? 他の方のように専門用語など不勉強で申しわけありませんが、ご回答よろしくお願いいたします。

最近の臨床試験の結果では、65歳以上、ホルモン反応性陽性、リンパ節転移陽性のかたの術後治療としては、タモキシフェンのみの投与と、抗ガン剤とタモキシフェンの投与で、生存率がほぼ同じという結果が得られています。従って、今はタモキシフェンよりも有用と思われるアロマターゼ阻害剤があるので、抗ガン剤によるメリットはあまり期待できないかもしれません。以上より、高齢者の方には抗癌剤治療を行わない先生方と、やはり高齢者の方でもできるだけ抗癌剤をやって再発を防ぎたい、という先生方に大きく分かれています。
ホルモン反応性陰性の場合には、進行度によって経過観察かあるいは抗癌剤治療を選択するか選択をすることになると思います。主治医の先生とご相談して、皆様が納得できる治療をお受けになってください。(文責 橋)

 

No.7725】  08年03月12日  N・O
浸潤性小葉癌について

初めて相談させて頂きます。40歳、高校生の娘がいます。先日浸潤性小葉癌との診断を受け全摘手術をする予定です。
そこでいくつか質問をお願いします。
1) 小葉癌の場合、全摘が標準的な手術法になるのでしょうか。
2) 主治医より「質の悪い癌」だと言われましたが、どのように質が悪いのでしょうか。
3) 両側、癌になる事が多いとの文献を見ましたが、その確率はどの程度のものでしょうか。
4) 再建をしたいと思っていますが、再建時期として、術後3ヶ月から半年で可能と書かれているものもあれば、再発の危険性が少なくなってくる2年後位が適当と書かれているものもあります。個人差もあるのでしょうが、一般的な考えをお願いします。

以上お忙しい中申し訳ありませんが、宜しくお願い致します。

浸潤性小葉癌は浸潤癌の特殊型の一つです。乳癌は、組織学的に乳管とその末梢にある小葉の中間のTerminal Duct Lobular Unitといわれる部分から最初に発生すると言われています。できた癌細胞の形態が乳管細胞の方向にいけば乳管癌、小葉の細胞の方向に向かうと小葉癌になると考えられます。浸潤性小葉癌は乳癌全体の約4%です。臨床的には、「@癌細胞がばらばらに乳房のなかに拡がることが多く、乳房温存術を行う場合にはしっかりと辺縁から距離をとること、また乳房温存後に放射線療法を行うことが大切。A転移の仕方が乳管癌とやや異なり、乳管癌は肺、肝臓などへの転移が多く、小葉癌は髄膜、腹腔内の内臓などにも転移することがある。」と言われています。予後的には乳管癌よりも悪いと言われていますが、ステージTの場合は一般的な乳管癌よりも良いという報告があります。また特色としては、反対側の乳房にできやすいこと、多発しやすいことがあげられます。従ってお答えとしては、
1)小葉癌の治療は、乳房温存も可能であるが、切除断端の癌の遺残に注意が必要であること、そして温存の場合は放射線治療が必須であることがあげられます。
2)ステージTの場合は一般的な乳管癌よりも良いという報告もあります。ただし、癌細胞がばらばらに乳房のなかに拡がることが多く、転移方式が乳管癌と異なり消化管への転移も報告されています。そして乳管癌よりも予後は悪いといわれています。(文責 橋)

 

No.7724】  08年03月10日  P 
針生検とMRIの診断の正確性について(HPNo.7714-2)

丁寧にご回答いただきありがとうございます。文章が説明不足ですみません。私が今回受けた検査は針生検とMRIです。受けた医療機関が脳神経外科の病院であったため不安を拭いきれないでおります。そこで専門的なお立場の方の意見をお聞きしたいと思いました。補足ですが、その脳神経外科病院は、デジタルマンモグラフィーとエコーによる乳がん検診を行っており、またマンモトームの設備もあります。乳腺専門ではありませんが、2つの検査を行った上で、良性と判断されたということは、その結果を尊重して良いと考えたいのですが、お考えをお聞かせください。繰り返しの質問になり申し訳ありません。よろしくお願いいたします。

針生検とは、マンモトームの事でしょうか? 針生検で採取できている範囲は悪くないという事です。針生検でカテゴリー3の範囲を全てとれていればOKということになります。あなたの仰るとおり、確定診断はあくまで病理診断ですので、カテゴリー3の石灰化が残っているようであれば、乳腺外来で生検をして病理で確認する必要があります。一度乳腺外来を受診して、ご相談下さい。(文責 須田)

 

No.7723】  08年03月10日  M.M.
乳房温存後の治療について

39歳1児の母、閉経前です。1月23日に右側下を乳房温存で手術しました。腫瘍は8.5×8.5×3.5mm〔マンモトーム後〕、Ua、癌の顔つき2、ER40〜50%、PgR30〜40%、HER2 1+陰性です。T1N1M0、リンパ管浸襲2T、術中迅速のセンチネルが陰性でしたが、病理が逆転し、腋窩が陽性になりました。今後の治療が、FEC4クール、タキソテール4クール、放射線、ホルモン療法です。質問ですが、5FU 500/m2、エピルビシン100mg/m2、エンドキサン500mg/m2、タキソテール100/m2が規定量という事をセカンドオピニオンの腫瘍内科医から伺ったのですが、私の主治医の方からは量の説明は受けていません。大体の所日本では、エピルビシンとタキソテールを75mgに減らすらしいのですが、この前記の規定量を主治医にお願いして受けて頂けるものでしょうか? 再発の可能性を出来る限り押さえたいのですが、主治医に失礼になりますか?

FEC−100(5FU 500/m2、エンドキサン500/m2、エピルビシン100/m2)は、10年での無病生存率、全生存率が有意に高いと報告されていますが、吐気・嘔吐・脱毛・骨髄抑制などの副作用を高い頻度で認めます。効果と副作用のバランスをみながらの投与となりますので、主治医と充分ご相談の上、納得のいく治療を選択してください。(文責 須田)

 

No.7722】  08年03月10日  H.O.
非浸潤性乳癌との判断(HPNo.7695-2)

ご回答ありがとうございます。先週、頭のMRI・骨シンチを実施して、今週に胸とお腹のCTを実施します。もしセカンドオピニオンを受けるならば、どのタイミングが宜しいでしょうか?以上重ねてお手数をお掛けしますが、よろしくお願いします。

主治医とのコミュニケーションがうまく取れているのであれば、セカンドオピニオンを受けたい旨を申し出れば、適切に対処してもらえるはずです。手術前に相談という場合が多いようです。(文責 須田)

 

No.7721】  08年03月10日  H.Y 
腫瘍マーカーからの判断と今後の治療(HPNo.6045-3)

2006年11月のときは、大変敏速な対応をありがとうございました。再びよろしくお願いいたします。とても悩んでおります。あのあと残念ながら小さい命は着床前に自ら去って行きました。そのあとすぐに2006年12月末からファルモルビシンとエンドキサンを3週間ごとに1回、合計4回受けて、翌年2007年3月末に胸のしこりは5センチから3.5センチまで小さくなり、3月末に左の胸を全部とりました。同時に鎖骨のしこりと、脇に無数あったものも一緒にとりました。病理組織診断報告書には、合計6ポイントでgrade2相当となっていました。ハイリスクと言われました。細かい説明はされず、自分で適当に調べてみました。私からも聞きませんでした。先生が動揺されていたので、悪いんだと確信したからです。
そのあと、すぐにタキソールを毎週打つ予定を立てましたが、3回目のあと白血球が2300に落ちて仕切りなおそうといわれ、様子をみましたがなかなか白血球は上がらず、去年の8月にようやく3000を超えて安定しているように私の目にはうつっていました。治療再開はしないのかしらと思っていました。6月に骨シンチ(治療後の胸と背中が痛かったため)と胃の検査(父が胃がんで亡くなったため)をしました。手術のあと、ノルバデックス20mgを毎朝1錠飲んでいました。
腫瘍マーカーCEAは、「2007年8月1.7 9月2.5 10月2.2 11月H5.9 2008年1月H6.0」 CA15-3は、「2007年8月3.7 9月3.2 10月4.5 11月6.2 2008年1月6.5」です。今年2月の外来で、1月の検査の結果を知ることになっていました。タキソールを打たなくなってから月1回の外来でした。この前、CEAがH6.0になっていたからでしょうか? 診察をしてくださって、腫れているのがわかり、CT造影で首リンパ腫瘍を確認しました。 それとも、約一年経ったから触診をしたのでしょうか? 去年の11月にCEAがH5.9まであがっています。ふつうはその時に診察をしますか? 素人が数字を見ていても、上がってきているのはわかっていました。毎回、先生に、「大丈夫ですよね?」と確認していました。先生は「大丈夫、大丈夫」と言ってくださって・・・。「時期がきたらまた検査しますから」と。あえて、CEAが心配ですと私は言いませんでした。CEAがH5.9になっていた時点で検査をするべきだったのではないでしょうか? 手術してから触診は一度もありませんでした。自分で日頃からチェックをすることも大切だと思っておりますが、まさか首にとは思いませんでした。先生に言われてみて、鏡を見たら、手術した鎖骨の上の肩のあたりが直径4センチくらいでしょうか、ポワっと腫れています。腫瘍はそれみたいです。来週からタキソールを開始します。飲み薬はフェアストン40を3錠に変更になりました。また白血球が下がって治療ができなくなるのではと不安です。他に治療法はあるのでしょうか? ファルモルビシンのときは、ノイアップを打ちながらも予定どおり間もあかず量も減らず進められました。もうノイアップは打てないと言われています。一般的に私のようなハイリスクの場合、どのような治療を受けていらっしゃるのでしょうか。私は間違っているのではないか?と、不安です。このまま今の先生についていっていいでしょうか? 教えてください。自分をあきらめたくないです。娘がまだ6歳で、私を必要としています。どうか、どうかよろしくお願いいたします。

病理組織報告書の中にHERU蛋白についての記載があると思いますが、ハーセプチンを使用する選択肢があるかどうか、主治医に聞かれるとよいと思います。ノルバデックスを内服しているようですから、ホルモン療法は可能と推察されます。閉経前再発乳癌の場合、LH-RHアゴニスト及びノルバデックスの併用療法が第一選択肢です。主治医と充分ご相談の上、納得のいく治療を受ける事が大切です。頑張っていただきたいと思います。(文責 須田)

 

No.7720】  08年03月10日  S 
術後の放射線治療と子宮体癌検査について

ステージ1、右胸乳管癌(センチネルリンパ節生検付)手術(2月半ば)後の放射線治療と子宮体癌検査についてお尋ねします。
1) 今回、術後4週間目から2グレイ?×25回 照射する予定だそうです(まだ予定です)。私の患部、 右胸乳房右下部にできた1p弱腫瘍を迅速生検のあと摘出後、周りの脂肪を寄せて形成したあとの乳房を、現在、外から手のひらで包む様に触ると、まだその乳房部位が硬くなっいてる状態です。(脇の下の見張りリンパ節二個生検した所は転移が無いのでカクセイはしないまま、先週リンパ液16cc抜いた後はしこりも日々小さくなり落ち着きつつありますが・・・。) 担当外科医は、「もう術後三週間経過しているし大丈夫」と言われましたが、照射した場合、一般的に言われる゛照射火傷゛が術部傷周りにひどく出たり痛んだりしないか、人より皮膚が弱いので、とても心配です。あと尖端の普段でも女性にとってはデリケートな感覚の乳首等、胸の近くの食道、肺への影響は大丈夫でしょうか?
2) 術前1ヶ月飲んでいたノルバデックスのせいか、今回の乳癌手術とは違う近くの産婦人科での年に1回の子宮体癌検査(1センチの子宮筋腫があるため、4年前から経過観察&検査。けい癌検査は年に2回。)にて、例年より器具が入りにくい?とかで、かなり痛い思いをし、うっすらですが出血、初日、翌日はロキソニンを1日2回飲み、本日3日めですが、まだ僅かに左下腹部に痛みを覚えています。この検査でこんなに苦しんだのは初めてで、大切な5週間照射前に、とんでもない検査をしてしまったと後悔しています。このまま痛みが続いて、熱でも出たりしたらどんな投薬になるのか、照射は通いきれるのかと、心配です。

以上につきまして、先生方のアドバイスを宜しくお願い申し上げます。

1) X線照射によって大なり小なり熱傷はありますが、肺・食道等の内臓への影響を及ぼさないように照射方法が工夫されています。詳細については、照射を実際に行なう放射線科の医師にお尋ねください。
2) 婦人科検診後の痛みと出血ですので、婦人科の主治医の診察を受けて下さい。受診して、直接診てもらう必要があります。(文責 須田)

 

No.7719】  08年03月10日  S.N.
非浸潤乳管癌

非浸潤乳管癌と診断され1月半後に手術を控えているものです。反対側の乳房のことも心配で、先日反対側のマンモグラフィ検査をしたときに乳がんと診断された側の検査もついでにしました。乳がんと診断された側の乳房ですが、その翌日から、今まで広く硬かっただけだったのが、1cm弱のしこりの様なものができました。検査によっての炎症でしょうか。検査によって非浸潤癌が浸潤してしまうようなことがあるのでしょうか。心配で眠れません。よろしくお願いします。

直接診察しなければ分かりませんが、マンモグラフィ検査によって非浸潤癌が浸潤癌になるという事は考えられません。不安な点は主治医の診察を受けて、ご相談下さい。癌の広がりの検査としてMRIを行なってもらうのも一つの方法だと思います。(文責 須田)

 

No.7718】  08年03月10日  S 
4個ある微細石灰化のがんの可能性

昨年12月に総合病院でマンモグラフイをして、右乳房には少し、左乳房にはたくさん石灰化がありました。その中で左乳房に3個集まっている場所があり、外科の先生は「左にはたくさん石灰化があるので、たまたま同じ場所に3個集まったとも考えられる」とおっしゃって、エコー検査をしましたが、結果異常なしで1年後健診となりました。乳腺がはっきりしてると言われました。「乳管の拡張が数箇所あるので、乳腺症のために石灰化ができたのでしょう」との事でした。「全体にたくさんある場合は、かえって心配ない」と言われました。しかしなんとなく心配なので、このたび大学病院の乳腺外科でマンモとエコーをしましたら、「右には石灰化はなし。左も集簇性の場所だけ微細石灰化が4個あるけど、ほかには石灰化はありません」とのことでした。「カテゴリー3ですし、胸骨のそばなので検査がしにくいし、まあ半年後の経過観察でいいでしょう。でもどうしても検査したければ細胞検査しますが・・・」と言われました。私もその場は半年後検査でいいといって帰ってきましたが、びまん性でない場合は、この集簇性の石灰化の部分が、がんである可能性は高いでしょうか?  乳腺症のあとの乳管拡張は左右に数箇所あるそうです。こういう場合は、やはりマンモトームとかしていただくほうがいいでしょうか?  全体にたくさんあった石灰化はどうなったのかわかりませんが、前の病院も今日の病院も信用の出来る病院ではありますが、こんなにも病院によってマンモの所見がかわるものなのでしょうか?  今日の画像は私もみましたが、点・点・点と3個上から下に並んでおり、もう1個は横にありました。3件目の病院を受診したほうがいいでしょうか? 悩んでいます。(61才・未婚・出産暦なし)

カテゴリー3とは、「良性、しかし悪性が否定できない」という事です。具体的には、100人カテゴリー3の人がいるとすると、そのうちの5人〜10人が乳癌という割合です。従ってカテゴリー3の9割は乳癌でないという事になります。
マンモグラフィの石灰化については、実際の写真を拝見しなければ分かりませんが、中には細かなゴミが像として写る場合もあります。両方のマンモグラフィを比較すれば分かると思いますので、最初の病院のマンモグラフィの写真を借りて今回の病院で比較してもらっては如何でしょうか。疑問点、不安点がある場合は、抱えたままにせず、納得のいく方法を選択してください。(文責 須田)

 

No.7717】  08年03月10日  H.K.
骨転移後の治療について(HPNo.7665-2)

HPNo.7665で相談にのっていただいたものです。有り難うございました。今後の治療についていくつか質問がありますので、よろしくお願いします。その後に行ったPET-CT検査で、左大たい骨の転移とみられる集積のほかに縦隔リンパのひとつにも転移とみられる集積があったとのことです。ホルモン感受性あり、HER2はマイナス、今後の治療としては遠隔転移していることから手術はせずに12週おきのリュープリン注射とノルバデックスを飲むことになりました。
1) 縦隔リンパに転移しているということは、近いうちに肺に転移する可能性が高いということなのでしょうか?
2) リュープリンの注射とノルバデックスという治療方法は標準治療なのでしょうか?
3) 閉経前でもノルバデックスで大丈夫なのでしょうか?

1) 必ずしもそうとは限りません。ケースバイケースです。
2)3) 閉経前ホルモン感受性転移再発乳癌に対して、科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドラインの薬物療法(日本乳癌学会編)では、一次治療としてLH-RHアナログ(リュープリン)とタモキシフェン(ノルバデックス)の併用療法を推奨(推奨グレードA)しています。推奨グレードAとは、充分なエビデンスがあり、乳癌治療の日常診療で積極的に実践するように日本乳癌学会が推奨しているものです。標準治療といっていいと思います。不安点、疑問点がある場合は、主治医と充分なコンタクトを取ってください。納得のいく治療を受ける事が大切です。(文責 須田)

 

No.7716】  08年03月10日  M.S
乳腺症か乳腺嚢胞と診断されました

はじめて投稿させていただきます。もうじき44歳で、41歳で初めての出産をしました。先日乳癌検診を受け、両胸に腫瘤が認められるとのことで、エコーでの再検査を受けました。結果、5mm程度の境界のはっきりした丸い腫瘍が両胸の脇に近い上部にあり、乳腺症か乳腺嚢胞だろうと言われました。3ヶ月後にもう一度、エコーで大きくなっていないかの検査をすることになりました。時々、両胸に痛みがあり、絞ると主に左の乳首より乳汁状の白い分泌液が出てきます。約1年3ヶ月前に断乳し、その後は痛みも分泌液も気にならなかったのですが、7ヶ月前に流産してしまい、その3ヵ月後くらいから乳首の痛みと白い分泌液が出るようになりました。流産の影響で、ホルモンバランスが崩れたせいかと思っていましたが、気になるので乳癌検診を受けました。軽い痛みと分泌液は、このまま何もしなくて大丈夫なのでしょうか。また出来ることなら、もう一人子どもが欲しいと思っているのですが、乳腺症があっても、妊娠、出産、そして授乳は可能でしょうか。検診で見ていただいた先生は、乳腺の専門の先生ではなく、近くに専門病院がないので、こちらでご相談させていただきました。

授乳以外の乳頭分泌は異常という事になりますが、「異常=悪性」ではありません。乳頭分泌の場合、乳汁の細胞診と腫瘍マーカーを調べて、結果が悪くなければ癌ではないということになります。痛みについては、悪性を支持する症状ではありません。主治医に乳頭分泌の検査をしてもらえば安心できるのではないでしょうか。乳腺症であっても、妊娠・出産・授乳は可能です。主治医と充分ご相談下さい。(文責 須田)

 

No.7715】  08年03月10日  Y.K.
ADH(HPNo.7699-2)

HPNo.7699でお世話になりました。昨日、切開生検の術前検査に行ってきました。エコーで検査をしているときマンモトーム生検の診断の話になり、ADHという診断結果が出ていると言われたのですが、主治医の先生にお会いできるのが1週間後なので、それまでお聞きすることができません。ADHというのがどういうことなのか教えていただきたくてメールしました。お忙しいのに何度も申し訳ございませんが、どうかよろしくお願いします。

Atypical ductal hyperplasia の略です。異型性のある乳管上皮の増殖で、現時点では悪性とはいえないが、将来癌が発生する可能性が高い病変です。このような病変があると、その周囲付近に乳癌が発生している事がありますので、マンモトーム生検よりも広範囲で検査する必要があり、切開生検という事になったのでしょう。(文責 須田)

 

No.7714-1】  08年03月09日  P 
針生検とMRIの診断の正確性について

総合病院の外科(乳腺外科を含む)で、マンモグラフィーとエコーの検査を受け、左乳房に5ミリの石灰化の塊がみられ、悪性を否定できないとのことで、再検査を受けました。その病院の紹介で脳神経外科病院へ行き、針生検(局所麻酔をし、2箇所に針を刺して細胞を吸い取るような検査)とMRIの検査を受けました。その結果、良性だと告げられました。「良性でした。悪いものはなにもありませんでした。MRI上からも、癌の場合はもっと真っ白になりますが、これは大丈夫でしょう。」というように言っていたと思います。良性との結果に安堵しておりますが・・・。再検査となってから、いろいろなHPで乳がんについて自分なりに調べ、そこで、乳がんの診断は最終的には病理診断がすべてであること、その診断はかなり難しいことを知りました。ですので、安心したい一方で不安な気持ちも残ります。乳腺専門の別の病院で改めて調べてもらった方がいいか、それとも、今回針生検とMRIを行ったので、安心して良いのかどうか。ご意見をお聞かせください。よろしくお願いします。

マンモグラフィーの石灰化で「悪性を否定できない」との事ですので、恐らくカテゴリー3だと思います。異常のないことを確認するために精密検査をうけたにもかかわらず、グレー判定ですっきりせず、不安な気持ちがつのるのでしょう。MRIは画像診断ですから、「画像上、大丈夫でしょう」という事です。貴女の仰るとおり、確定診断はあくまでも病理診断ですので、不安を取り除く為には、乳腺外来で生検をして病理で確認する事も選択肢の一つです。一度乳腺外来を受診して、ご相談下さい。(文責 須田)

 

No.7714-2】  08年03月10日  P 
針生検とMRIの診断の正確性について(2)

丁寧にご回答いただきありがとうございます。文章が説明不足ですみません。私が今回受けた検査は針生検とMRIです。受けた医療機関が脳神経外科の病院であったため不安を拭いきれないでおります。そこで専門的なお立場の方の意見をお聞きしたいと思いました。補足ですが、その脳神経外科病院は、デジタルマンモグラフィーとエコーによる乳がん検診を行っており、またマンモトームの設備もあります。乳腺専門ではありませんが、2つの検査を行った上で、良性と判断されたということは、その結果を尊重して良いと考えたいのですが、お考えをお聞かせください。繰り返しの質問になり申し訳ありません。よろしくお願いいたします。

針生検とは、マンモトームの事でしょうか? 針生検で採取できている範囲は悪くないという事です。針生検でカテゴリー3の範囲を全てとれていればOKということになります。あなたの仰るとおり、確定診断はあくまで病理診断ですので、カテゴリー3の石灰化が残っているようであれば、乳腺外来で生検をして病理で確認する必要があります。一度乳腺外来を受診して、ご相談下さい。(文責 須田)

 

No.7713】  08年03月09日  T 
今後のフォローについて

私は27歳で、先日自主的に乳がん検診を受けました。「腋窩に小さなリンパ節を認める。ただし乳腺に異常はなく、一時的なものと考えられる」との結果を頂き、一年後にまた検診を勧められましたが、異常があったということで不安になってしまい、相談させていただきました次第です。
検査はマンモグラフィと触診によるもので、触診の結果は異常なしとありました。ただ検査日がたまたま生理の直前で、自分でも判るぐらい乳房が張っていました(生理は検査の約一週間後に始まりました)。生理前の症状としてリンパ節に異常が認められるということはあり得るのでしょうか? また、一年と言わず半年後にまた自主検診を受ける必要性はありませんでしょうか。今回検診を受けた病院ではエコー検査を導入していなかった為、次回の検診では、エコーをやっている病院を探そうと考えています。24歳の時にもマンモグラフィとエコーによる検診を受けましたが、その際「乳腺がしこりやすい体質なので、触診だとわかりにくいかもしれない」と言われ、その際もやはりマンモグラフィではしこりの部分が強く映ってしまい、エコーと併せての「異常なし」という診断結果を頂きました。母方が癌の家系なようで、母を胃がん、大叔母を乳がんで立て続けに亡くしている為に、どうしても不安になってしまいました。祖父も前立腺癌と聞いております。どうぞご回答頂ければ幸いです。

生理前の症状として、リンパ節に異常はあり得ません。直接診察していないので何ともいえませんが、マンモグラフィーで要精検となっているのですから、不安を取り除く為にも、一度乳腺外来を受診して、今後のフォローの仕方も含めてご相談下さい。(文責 須田)

 

No.7712-1】  08年03月09日  W 
抗がん剤治療について

初めてメールさせて頂きます。お忙しいところ恐れ入りますが、アドバイスよろしくお願いいたします。私の母(54歳、閉経済)は今年1月に乳がんの温存手術を行い、その後、放射線治療をしました。残念なことにHER2=3だったため、放射線治療後に抗がん剤治療AC+T(タキソール)が必要といわれ、2月25日から治療を開始する予定でした。しかしながら、治療前の血液検査で白血球値が低く、もう2度(2週間)も延期となっています(1回目は2300、2回目は2400でした)。そこで質問なのですが、
1) 白血球を上げる薬は、抗がん剤治療前は使えないと聞きましたが、このまま白血球が上がらなければどうなるのでしょうか?(現在、漢方薬を処方され、それを飲んでおります)
2) この延期によって、再発率等に影響はあるのでしょうか?
3) 白血球が低いのは、放射線治療の影響が多少なりとも残っているという風には考えられませんか? 放射線治療前は4000程度ありました。知人に、白血病の可能性はないかと心配され、白血球が少ないことが不安になっています。

以上、アドバイスよろしくお願いいたします。

1)HER2(+3)なので、ハーセプチンを使うのも選択肢の一つです。ER,PGRの情報がないので何ともいえませんが、ホルモン療法の可能性もあります。
2)殆んどないと思います。
3)放射線療法の影響も考えられます。主治医とご相談の上、ハーセプチンの使用を検討されては如何でしょうか。(文責 須田)

 

No.7712-2】  08年03月27日  W 
抗がん剤治療について(2)

いつも参考にさせて頂いております。以前HPNo.7712にて質問させて頂いた者です。その節はどうもありがとうございました。度々恐縮ですが、アドバイス頂きたくお願いいたします。母54歳(Her2=3、ホルモン感受性=陰、リンパ節転移等なし)は、放射線治療後、無事に抗がん剤治療を始める事ができました。現在は、AC療法の最中です。そこで質問なのですが、
1) AC療法後、weeklyタキソール(12回)+ハーセプチンの予定でしたが、先日医師より、タキソテール+ハーセプチンの提案があったようです。この治療法の効果の違いについてよく理解できておりません。概要で結構ですので、教えて頂ければ幸いです。私が調べた範囲では、ハーセプチンはタキソールと合わせた方が効果が高いとあったので気になりました。
2) 乳がんの転移についてですが、例えば骨や脳に転移した場合、痛みは継続するのでしょうか? 痛んだり、痛まなかったりするものなのでしょうか? 先日、腰周りに痛みがあったようで、私は転移の事が頭をよぎりました。その後は特に痛みはないようなのですが心配です。抗がん剤の影響で、痛みが出ることはあるのでしょうか?

お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。

タキソテールとあわせても十分な効果がありますので、大丈夫と思います。骨転移の痛みであれば、治療を行わなければあまり軽快せずずっと続くのが普通です。腰の痛みは転移でなくても、頻度の高い症状なので、必ずしも骨転移の症状かどうかはわかりません。文面だけからは、大丈夫ともそうでないともいえないので、主治医に診察してもらうのが一番です。(文責 俵矢)

 

No.7711-1】  08年03月09日  T.U. 
骨転移?

2月初めに74歳の母の右胸下側に2.5センチのしこりが見つかり生検、がんと言われ、3月4日にがんセンターへ。手術は17日で、その前にマンモ、CTなどをしました。また13日にPET-CTをします。肺、肝臓、甲状腺、子宮なども調べましたが、転移はありませんでした。色いろ調べているうちに乳がんは骨転移が多いとわかりましたが、まだ骨シンチはしてません。PET-CTでわかるのでしょうか? また母は5年ほど前から腕や膝が痛み、色々整形科などで調べましたが、はっきりとした原因はわからず、時々痛み止めの注射をしています。注射をするとラクになるようです。これはもうすでに骨へ転移してるのでしょうか? 手術までに全摘か部分切除か決めて下さいと言われていますが、もしすでに骨に転移がある場合、手術は後回しになりますか? 素人考えで初歩的な質問ですみませんが、お答えが頂けるとありがたいです。よろしくお願いいたします。

溶骨性の転移で、ある程度の大きさ(1cm以上)がある場合、PET-CTでも描出できるという事になっていますが、小さい転移は描出できません。もし骨転移があれば、全身治療を先に行うことになりますが、検査結果を見てからという事になります。PET-CTで骨転移が指摘されなければ、大きな転移はないと判断してよいと思います。主治医と充分ご相談下さい。(文責 須田)

 

No.7711-2】  08年03月12日  T.U. 
今後の治療について

HPNo.7711で、74歳の母の乳がんについて質問させていただきました。ご回答ありがとうございました。再度アドバイスをお願いいたします。
1) 74歳という年齢と糖尿や心臓、喘息など持ってることから、温存手術後の放射線は大変だろうと全摘をすすめられてますが、術後はどういった治療になりますか?ホルモン治療になるのが一般的ですか?
2) 初めの病院では抗がん剤で小さくしてから手術と言われていたのですが、紹介状をもらって行ったがんセンターでは、いきなり手術と言われました。また初めの病院では細胞診をしてクラスWと出たあとに切って調べようとしていたのですが、今のがんセンターへ行くことが決まっていたので、そちらでやるだろうと断りました。しかし、がんセンターではエコーやマンモはしましたが、切って調べずに、あとはPETをするだけのようです。すぐに手術の話になり、とまどいました。切って更によく調べる必要はないのでしょうか? このままの流れでいっても大丈夫でしょうか? 他の方のように専門用語など不勉強で申しわけありませんが、ご回答よろしくお願いいたします。

最近の臨床試験の結果では、65歳以上、ホルモン反応性陽性、リンパ節転移陽性のかたの術後治療としては、タモキシフェンのみの投与と、抗ガン剤とタモキシフェンの投与で、生存率がほぼ同じという結果が得られています。従って、今はタモキシフェンよりも有用と思われるアロマターゼ阻害剤があるので、抗ガン剤によるメリットはあまり期待できないかもしれません。以上より、高齢者の方には抗癌剤治療を行わない先生方と、やはり高齢者の方でもできるだけ抗癌剤をやって再発を防ぎたい、という先生方に大きく分かれています。
ホルモン反応性陰性の場合には、進行度によって経過観察かあるいは抗癌剤治療を選択するか選択をすることになると思います。主治医の先生とご相談して、皆様が納得できる治療をお受けになってください。(文責 橋)

 

No.7711-3】  08年04月10日  T.U. 
今後の治療法について

7711で質問した者です。ご回答ありがとうございました。3・14に母は温存で手術をし、先日病理検査結果がでました。腫瘍は3センチで全部取りきれたそうですがリ、ンパ10本中1本にごく微少の転移があったそうです。ホルモン治療はできるそうなので、アロマターゼ阻害剤を内服するらしいです。来週から放射線治療が始まりますが、主治医の話では、母の年齢(75)から考えて抗がん剤はあまり効果がなく、持病もあるので体力的に難しいため、やはりやる必要はないとの事でした。ただし副作用の少ないハーセプチンという薬もあるが、高額だし単独(ホルモン剤との併用にはなりますが)だと高齢者への効果は今のところわかってないとのこと。その薬が効くかどうかの検査結果はまだ出てないのですが、使いますかどうしますか?という話でした。
調べてみると、ハーセプチンは心臓疾患が出る場合もあるとか。狭心症気味(ひどくはないです)の母に使っていいものでしょうか? 高齢者のハーセプチン+ホルモン剤治療は、高額な薬代に見合うかどうかわかりませんが、少しでも生存率が伸びるならと考えてます。この選択はどう思われますか? あと、リンパに転移があったので他にも転移してるかもしれないということで、主治医は抗がん剤のかわりに副作用の少ない薬を提示されたのでしょうか? 
まとまりませんが、よろしくおねがいします。大差のない確率の選択肢ばかりで迷うことばかりです・・・。

ハーセプチンはHER2過剰発現の乳癌に対しては有用な治療薬です。しかし心不全等の心障害が現れることがあるため、高齢者や狭心症などの併存症を持つ場合には慎重に投与する必要があります。詳しい病理結果がわからないのではっきりは言えませんが、ホルモン感受性があり、リンパ節転移も微小転移であるのであればホルモン療法単独でも宜しいかも知れません。もしもハーセプチンの投与を考慮するのであれば、心エコーなどで心機能を評価する必要があります。(文責 浜口)

 

No.7710】  08年03月09日  K 
生検の必要性

よろしくお願いします。1月に受けた市の乳がん検診で要精検となり、乳腺外来を受診しました。視触診、エコー、マンモグラフィを受け、エコーで右乳房に16mmの腫瘍を見つけていただき、穿刺吸引細胞診でクラスVbの結果が出ました。良悪の判断をつけるために、腫瘍の部分だけを切除して検査するように言われました。その場ではとても決断がつかず、もう一度細胞診をしていただきたいと申し出ました。前回と2ヶ月くらい空けないと変わらないだろうということで、4月中旬にもう一度細胞診をしていただきます。年齢は42歳、出産経験はありません。そこで、ご意見をお聞かせください。
1) 完全にがんと診断がつく何か他の検査はないものなのでしょうか。
2) 腫瘍の部分をまるごと取る生検を最初に受けると、がんだった場合後々困難なことがあると本などにあったのですが、どうでしょうか。
3) 乳房の変形が気になりますが、同時に再建はできるのでしょうか。

主治医の先生は、私が納得いくまでは手術できないとおっしゃっています。 

1)乳癌の診断は、最終的には病理診断がすべてです。
2)細胞診でクラスVbという事ですので、16mmの腫瘤が癌である可能性もあります。生検する範囲によっては乳房温存術を行なう時の切除範囲を決めるのに困難なときもありますが、最終的な診断である病理診断のために、次の検査として生検が必要になってきます。主治医と充分ご相談下さい。
3)16mmの腫瘤の生検では、一般的には乳房の変形は殆んどないと思いますが、実際に診察していないので推測の域をでません。不安点、疑問点は、主治医によくお話を伺ってください。納得して治療を進めることが大切です。同時再建については、可能な施設かどうか、主治医に伺うとよいでしょう。全施設で同時再建を行なっているわけではありません。(文責 須田)

 

No.7709】  08年03月09日  I.Y. 
硬癌が気になるのですが・・・

23年前29歳の時に右乳ガンでハルステッドで手術をし、今度は左の乳ガンになり手術をしました。今回は、「浸潤癌(硬癌)で、ER(+)HER2は0、大きさ0.6センチメートル、リンパ節転移ナシ、顔つき1、閉経」のため、ホルモン療法アリミデックスを処方されました。先生の説明では、硬癌は乳頭腺管癌、充実腺管癌の順に悪性度が増すと言われましたが、その他が初期の癌なので、それほど心配することはないと言われました。硬癌が気になるのですが、硬癌のことを教えていただけないでしょうか。また、多発性癌と言われましたが、再発率のことなど教えてください。よろしくお願いします。

再発を防ぐために術後の薬物療法を行うわけですが、再発のリスク因子としては、「@ホルモン感受性の有無 Aリンパ節転移の有無と個数 Bしこりの大きさ C癌細胞の悪性度(顔つき) D脈管浸潤の有無 EHER2感受性 F年齢と閉経の前後」等があり、これらの要素を考慮して、術後薬物療法の進め方を決める事になります。
癌細胞はたくさん集まって発育するわけですが、その「集まって発育する」型を組織型といい、硬癌、乳頭腺管癌、充実腺管癌等に分類する事ができます。この組織型の中で悪性度を比較すると、硬癌、乳頭腺管癌、充実腺管癌の順に悪性度が増すという傾向にありますが、この組織型は再発を左右する大きな因子ではないという事で、現時点では再発リスク因子の中には入っていません。従って再発を防ぐための薬物療法を決定する上では、@〜Fのリスク因子を知る事が大切になってきます。主治医と充分ご相談の上、納得のいく治療法を選択し、前向きに頑張っていただきたいと思います。
貴女の場合、23年前右乳癌で、今回左乳癌ですので、異時性の多発乳癌という事になりますが、異時性多発乳癌の再発率に関しては、あまり良くわかっていません。(文責 須田)

 

No.7708】  08年03月09日  S 
ハーセプチンの投与間隔

初めて書き込みさせて頂きます。ハーセプチンの投与間隔について教えて頂きたいのですが、術後補助療法で使用する際、通常であれば週一回投与のようですが、3週一回の投与を行っている方もおられるようです。実際のところ、この違いについての具体的なエビデンスはありますか。どうかご教授ください。

ハーセプチンの投与は単独で行なう場合と、他の薬と組み合わせて行なう場合がありますが、いずれの場合でも1〜3週間に1回の点滴投与です。投与期間をいつまでにするかについては、結論は出ていません。ハーセプチンを一旦中止した場合、その後の再発に対して再度ハーセプチンの効果を期待できるかについても現時点では不明です。(文責 須田)

 

No.7707】  08年03月09日  M.E. 
子宮がん検診について

初投稿です。よろしくお願いします。53歳です。約2年前に乳癌の手術を受けました。その後、抗がん剤治療を経て、現在はタスオミンを服用しています。子宮がんになりやすいとのことで、子宮頸がんと子宮体がんの検査を半年毎に受けるよう勧められています。年に1回では検査の頻度が少なすぎるのでしょうか。

ホルモン療法の副作用の1つとして、生殖器への影響があります。タモキシフエンンを使用することによって子宮体癌になる危険性が2〜3倍増加すると言われています。この2〜3倍という数字ですが、もともと800人中1人くらいの可能性が、800人中2〜3人に増えると言う事で、その為に検診を行なったほうが良いと勧められているのです。検診の頻度に関しては、婦人科の先生の指示通りになさったほうが良いと思います。もしタモキシフェンによって子宮癌になったとしても、殆んどは早期のがんで、子宮体癌によって死亡率が増加するという報告は今のところありません。(文責 須田)

 

No.7706】  08年03月09日  M.I.
術前の抗癌剤治療について

27歳・会社員・独身です。先月、母(49歳)が乳がんと診断されてから、こちらのサイトにお邪魔させていただいています。
早速ですが、ご相談させてください。脇の下のリンパ腺への転移が見られるとの事ですが、主治医は半年間の抗がん剤治療を勧めています。私と母は、早急にでも摘出したほうがよいのでは・・・と思うのですが、がんを小さくしてからの摘出のほうが体の負担もかからないと言うのです。医者が余裕な感じで対応してくれているせいか、何だか拍子抜けしてしまっています。ですが、実際、母の状況はどのようなところなのでしょうか? リンパ腺への転移は危なくないのでしょうか? 乳腺よりも、リンパ腺の腫れのほうが大きいとのことで、母も私も心配です。現在、左胸乳腺に3つの腫瘍と、左わきリンパに転移で、他の臓器には見られないとの事でした。
あと、母の乳がんをきっかけに、こちらのサイトを拝見させていただくようになってから、私自身の異変も出てきました。(というより、気づきました。)
・目だったしこりなどはないが、生理前になると左胸だけが張って違和感が出る(左胸左下側)←1年前くらいからです。
・両側の乳りんがカサカサしてかゆみを伴う←この季節、体中がカサカサしている。ちなみに汁などはでていません。乾燥肌だと思ってベビーオイルを塗っていました。
・左胸を気にするせいか、左側の背中(肩甲骨辺り)がときどき痛い
・ここ1年間、生理不順気味(最長で3ヶ月来ないときがあった)

みなさんの投稿記事を拝見させてもらって、どうやらホルモンバランスが崩れているのだろうということで、とりあえず安心していますが、私も専門医に見てもらったほうがいいのか、ご判断願えましたら幸いです。あと、このサイト中にも書かれていましたが、体の左側の変調は危険のサインなのでしょうか? 初めましてなのに、盛りだくさんに質問してしまい、申し訳ありません。母と同じように診察を受ければよいのですが、なかなか勇気が出ず、このようにメールを送らせていただきました。よろしくお願いいたします。

2つ以上の癌のしこりが同側乳房の離れた場所にある場合は、温存療法ではなく、乳房切除術を行なう事になりますが、お母様の場合、左乳房に3つの腫瘍と左腋窩リンパ節転移が認められますので、主治医は局所進行乳癌に近いと考えて、術前抗癌剤治療を勧められているのではないでしょうか。
局所進行乳癌の場合、術後の局所再発や遠隔転移の確率は30〜50%です。そのため局所だけの治療では効果が少なく、全身病と考えて抗癌剤を中心とする全身療法を行うのが標準的です。局所療法(手術)と全身療法(抗癌剤)の順番については、どちらを先に行なっても生存率は変わりませんが、術前に行なうことによって、腫瘍が小さくなり、取りきれなかったものが切除可能になったり、温存術が可能になったりする場合もありますので、現在ではむしろ術前の全身療法が一般的です。主治医と充分ご相談の上、納得のいく治療法を選択してください。
貴女の場合は、貴女の仰るように、おそらくホルモンバランスの崩れだと思われますが、直接診察していないので推測の域を出ません。ご自身の不安を取り除く為にも、一度乳腺外来を受診してみては如何でしょうか。(文責 須田)

 

No.7705】  08年03月09日  E.K.
乳頭からの分泌物の臭い

初めまして46歳女性です。乳腺症で1年に1度外科で診てもらっています。2年程まえから分泌物の臭いが気になるようになり、医者にも聞いてみたのですが、問題ないといわれました。色は透明または白っぽいのですが、臭いは問題ないのでしょうか?よろしくお願いします。

一般に乳癌の検査として、乳頭分泌物中の細胞や腫瘍マーカーを調べます。また、血性の乳頭分泌では、70%が乳管内乳頭腫(良性)、30%が乳癌という事になっておりますが、においの臭さは特徴的な所見ではありません。不安を取り除く為にも、乳腺外来を受診し、分泌物の細胞診と分泌液中の腫瘍マーカーを調べてもらう事をお勧めします。(文責 須田)

 

No.7704】  08年03月09日  H
同側乳癌

いつも大変勉強になります。「同側乳癌の発生リスクは、温存手術、放射線療法20年後まで毎年1%ずつ上昇し続ける。断端陽性、若年齢、脈管浸潤などはさらにリスクを高める」というのは本当ですか? 術後10年も長いと思っているのに、さらに横ばいになるどころか上昇し続けるとは、気が遠くなります。断端1ミリ陽性でしたので、放射線は30回しましたが、1ミリというのがその時から気になっていて、全摘もありだったのではないかと今さらなのですが思います。この同側乳癌というのは局所再発のことと理解していいですか? 術後3年で、アロマシンを飲んでいますが、その後はどんな治療が考えられますか? よろしくお願いいたします。

乳房切除後の局所再発は、同側乳癌の発生を胸壁、鎖骨上窩、腋窩とすると5〜30%ですが、半数は乳房切除後2年以内におこります。局所再発は、全身的な転移の1つの症状として発生する事が多いようですが、その1/3は遠隔転移を伴わず、局所のみです。発生率については、初回治療時のリンパ節転移原発腫瘍の大きさに相関していると考えられています。
次に温存療法の乳房内再発は、5〜20%に認められますが、累積乳房内再発率に関して、術後5年で6%、術後10年で12%という報告もあります。再発のリスク因子としては、断端陽性、放射線非照射、若年、高度乳管内進展、リンパ管侵襲、組織学的異型度などがありますが、乳房切除を行なっても、温存療法を行っても局所再発の可能性はゼロにはなりません。また温存後の乳房内再発について、本当の再発か、新発生の乳癌かの厳密な鑑別は困難です。いずれにしても早期に発見し、病勢が全身化していない事を確認した上で、それぞれに応じた術式や治療法を考える事になります。
ホルモン療法は、最低5年間は行ったほうがよいと考えます。例えば、タモキシフェン5年の後、更にアロマターゼ阻害剤を内服する事で、再発は40〜50%程度減少します。貴女の状態を最も把握して下さっている主治医とご相談の上、納得のいく治療法を選択してください。(文責 須田)

 

No.7703】  08年03月09日  K.M.
術前化学療法について

初めてご相談させていただきます。40歳既婚、出産経験2回で2歳と5歳の子供がおり、月経ありです。組織診の結果、「浸潤性乳管がんで左胸上部に約2.8〜3cmの腫瘍、ステージUA、グレード2ER、PgR共に陽性、HER2 3+、リンパ、CTの結果は他臓器転移なし、中リスク」と診断されました。医師からは術前化学療法、術後どちらでもよいが、できれば術前の方が良いと言われました。非浸潤がんの疑いで検査をし、上記内容の浸潤がんの診断に大変動揺し、治療について細かく決められないままで帰ってきてしまいました。次回検診時に担当医にも相談するつもりですが、お伺いしたい事が2つあります。

1) 4月中旬に手術を予約しておりますが、術前に化学療法を行った方が予後が良いと言われ、その場合3〜6ヶ月ほど手術が延期されます。どう思われますか? また術前を選択した場合、できれば緩めの抗がん剤を望みたいのですが難しいでしょうか? 子供の行事などがあり、できれば脱毛を最小限におさえられればと思います。どのような種類のものが使われるのでしょうか。
2) 術後療法として、ホルモン療法とHER2が3+なので、ハーセプチン治療を提案されました。本年2月末に保険適用になったと聞きましたが、まだ高額であり、使用しなかった場合の再発率はかなり上がってしまうのでしょうか。

以上お忙しい中、大変申し訳ないですが、どうぞよろしくお願いいたします。

1) 術前化学療法の目的は2つあります。1つは微小転移を退治することです。転移も初期の段階ではCT,MRI,PET等では画像上小さすぎて発見できませんが、このような小さな転移を微小転移と言います。全身に潜んでいるかもしれない微小転移を退治することが抗癌剤治療の目的の1つです。2つ目は乳房を温存することです。日本乳癌学会の乳房温存療法ガイドラインでは、しこりの大きさが3cm以下となっており、3cmを越えるものは乳房切除術の適応となりますが、術前に抗癌剤治療をすることでしこりを小さくすれば、温存療法が可能になります。
抗癌剤としては、アンスラサイクリン系、タキサン系があり、ハーセプチンを加える事もあります。術前に使用した場合、術後に使用した場合でも抗癌剤の効果は同等ですので、術前に抗癌剤を使用した場合、術後にはホルモン療法を行う事になります。術前抗癌剤治療は、術後抗癌剤治療と並んで標準治療として位置づけられていますので、主治医から提案があったのだと思います。使用する薬剤の組み合わせ、術後療法の進め方については、効果、副作用を考慮しながら行なっていく事になりますので、主治医と充分にご相談の上、納得のいく方法を選択してください。
2) 術前に、アンスラサイクリン系、タキサン系にハーセプチンを加える事によって、病理学的完全効果が3割から7割に向上するという報告があります。(文責 須田) 

 

No.7702】  08年03月09日  H 
ホルモン療法による腹部不快感は?

44歳。昨年11月に右乳房粘液がんになり、温存手術を受けました。放射線治療も終了、現在ホルモン療法を受けております。月に1度ゾラデックスデポの注射を受け、フェアストンの服用をしています。2月22日に3回目の注射を受け、それが原因ともわかりませんが、下腹部に鼓動を感じます。腹部も脂肪が急に多くなった気がするのですが、副作用としてこういった症状が出ることがあるのでしょうか。第一回目の注射後(昨年12月下旬 生理中でした)、今年の1月に生理は来なくなりました(最後の生理から本日で75日目)。その他の症状、例えば吐き気、食欲不振、頭痛などは全くありませんが、お腹がドキドキと脈を打つので気になります。もう意味がないけれど長い習慣で測っている基礎体温は36℃〜36.5℃です。ご回答いただけましたら幸いです。もし、この症状で病院にかかるとしたら、産婦人科がよいのでしょうか?

ホルモン療法を受けると、エストロゲン(女性ホルモン)が減少するために体温調節がうまくできなくなることがあります。このため皮膚の血流が増えて顔面の紅潮や発汗、ふるえなどの症状の他に不安、動悸などの症状を伴う事があります。このようなホットフラッシュには、ビタミンEが効果的と言われていますが、一般的には治療後数ヶ月を過ぎると次第に軽減してくるので、我慢できる範囲であれば経過をみるのでよいと思います。更年期ホットフラッシュは婦人科領域ですが、貴女の場合はホルモン療法中のホットフラッシュの可能性が高いので、乳癌治療の一環と考えて、主治医にご相談下さい。(文責 須田)

 

No.7701】  08年03月09日  Y
左腰の激痛について相談させて下さい(2)(HPNo.7674-2)

お忙しい中のお返事本当に有難うございました。骨転移の痛みとわかっただけでも前に進める気がしました。感謝しています。前に途中で激痛がきてしまったため検査が出来なかったのですが、何か良い検査方法はあるでしょうか? もしよろしかったら、それも教えていただけると助かります。

疼痛のコントロールをしながらPET−CT検査を行うのも一つの選択肢だと思います。溶骨性の骨転移病巣はもとより、ある程度の大きさ(10mm以上)の全身病巣の検索も可能です。主治医とご相談なさってください。(文責 須田)

 

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