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相談室(No.7601〜7700)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

ご相談メールの投稿はこちらからお願いします。

なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

7700 08/03/06 A.H.  良性か悪性かの判断について 首藤
7699-1
7699-2
08/03/06
08/03/10
Y.K.  外科的生検の必要性
ADH
首藤
須田
7698 08/03/06 T.I. ロキソニン (HPNo.7688-2) 首藤
7697 08/03/06 H  TNM分類の見方について 首藤
7696 08/03/06 Y  授乳中のしこりについて 首藤
7695-1
7695-2
08/03/06
08/03/10
H.O.  非浸潤性乳癌との判断
非浸潤性乳癌との判断(2)
首藤
須田
7694 08/03/03 M.T.  術後の抗がん剤について 首藤
7693 08/03/03 K.K.  術後の治療法について(HPNo.7606-2) 首藤
7692 08/03/03 H  今後の治療について 首藤
7691-1
7691-2
08/03/03
08/03/15
k y 今後の治療について
術後について
首藤
高橋
7690 08/03/03 D  ペイジェット病について 首藤
7689 08/03/02 M.T. 脇下の痛み 加藤
7688-1
7688-2
08/03/02
08/03/06
T.I. アリミデックス副作用について
ロキソニン
加藤
首藤
7687 08/03/02 T.K ノルバデックス 加藤
7686 08/03/02 R  左胸左上部にあるしこり 加藤
7685 08/03/02 O.S.  検査をした病院のデータをもらい、他の病院を受診する場合のリスクについて 加藤
7684 08/03/02 H  セカンドオピニオンについて 加藤
7683 08/03/02 Y.K.  抗癌剤服用期間について(HPNo.7444-2) 加藤
7682 08/03/02 T.U.  咳、赤い発疹、痺れ 加藤
7681 08/03/01 アグリ 今後の治療について(HPNo.7262-5) 鈴木
7680 08/03/01 S  複数のしこり 鈴木
7679 08/03/01 Y  乳がんの再発?転移? 鈴木
7678 08/03/01 S  年1回の検査で大丈夫なのでしょうか? 鈴木
7677 08/03/01 抗がん剤治療について(HPNo.7627-2) 鈴木
7676 08/03/01 M  術後の治療について 鈴木
7675 08/03/01 K.N. エコーで癌の疑いがでたら限りなく癌に近いのでしょうか? 鈴木
7674-1
7674-2
08/03/01
08/03/09
左腰の激痛について相談させて下さい
左腰の激痛について相談させて下さい(2)
鈴木
須田
7673 08/03/01 C.O. ホルモン療法でこんな副作用はありますか? 鈴木
7672 08/03/01 K・F 母の胸のしこりについて 鈴木
7671 08/03/01 D.D 骨転移について 首藤
7670 08/03/01 Y  細胞診の必要性 首藤
7669 08/03/01 k m 胸部レントゲンとCTの比較 首藤
7668 08/03/01 s、k 抗がん剤の開始時期(HPNo.7621-2) 首藤
7667 08/03/01 Y.Y 脇・胸の痛み 首藤
7666 08/02/29 k m 骨転移の治療、検査、症状 首藤
7665-1
7665-2
08/02/29
08/03/10
H.K. 骨転移
骨転移後の治療について
首藤
須田
7664 08/02/29 E.Y. 術後化学療法について 首藤
7663 08/02/29 G  粘液癌 首藤
7662 08/02/29 Y・H  生検について 鈴木
7661 08/02/29 K子 乳がんの疑いと異常なし 鈴木
7660 08/02/29 H. 胸のかゆみについて 鈴木
7659 08/02/29 F  乳がん検診結果と左腋の下の痛み 鈴木
7658 08/02/29 Y.W 手のしびれ 鈴木
7657 08/02/29 M  ステージと今後の治療について 鈴木
7656 08/02/29 Y.H. 右胸外側上部に1.6cmのしこり 鈴木
7655 08/02/29 M.A, めずらしい乳ガンについて 鈴木
7654 08/02/29 細胞診後の出血 鈴木
7653 08/02/26 K.K.  乳腺線維線腫 (HPNo.7637-2) 首藤
7652 08/02/26 S  見張りリンパ節生検術後の予後について 首藤
7651 08/02/26 M.H. 現在の治療を続けていて良いのでしょうか? 首藤
7650 08/02/26 K.Y 術後の治療について 首藤
7649 08/02/26 M.N.  乳頭分泌 首藤
7648 08/02/25 M・I 乳がんの進行度について 加藤
7647 08/02/25 T.Y.  術後療法について 加藤
7646 08/02/25 M.O.  日本での今後の治療について 加藤
7645-1
7645-2
08/02/25
08/12/07
T  意見の違い
転成した場合の薬の投与について
加藤
石山
7644 08/02/25 Y.O.  再発治療について 加藤
7643 08/02/25 T.O.  ホルモン剤について(HPNo.6185-6) 加藤
7642 08/02/25 A  乳輪の痒み 加藤
7641 08/02/25 ステレオガイド下マンモトームの結果にセカンドオピニオンは必要でしょうか(HPNo.6433-2) 加藤
7640-1
7640-2
08/02/22
08/05/10
N.S. 状況と治療方針
術後療法について
清水
石川
7639 08/02/22 A パジェット病について 清水
7638 08/02/22 MAKI 細胞診結果待ち 清水
7637-1
7637-2
08/02/22
08/02/26
K.K. 左の腫瘤陰影について
乳腺線維線腫
清水
首藤
7636 08/02/22 K.O. 胸の痛み、ハレについて 清水
7635 08/02/22 J 予防的卵巣切除後のホルモン療法について(HPNo.6082-3) 清水
7634 08/02/19 I ・S 術後の放射線治療について 清水
7633 08/02/19 R.K. 骨シンチ 清水
7632 08/02/19 C.Y. ADPとは何でしょうか? 清水
7631 08/02/19 J   皮膚切除について教えて下さい 清水
7630 08/02/19 A.Y. 術後の治療方針について(HPNo.7529-2) 清水
7629 08/02/19 S.Y. 今後の治療について 清水
7628 08/02/19 IF  右胸の凹み 清水
7627-1
7627-2
08/02/19
08/03/01
Y  抗がん剤治療の必要性について
抗がん剤治療について
清水
首藤
7626 08/02/19 ピルと胸のしこりについて教えてください 清水
7625 08/02/16 M.I. ノルバデックス副作用について 清水
7624 08/02/16 S   脇の下の痛み(HPNo.6696-3) 清水
7623 08/02/16 K・T 術後療法について 清水
7622 08/02/16 浸潤性の乳がんで乳房温存について 清水
7621-1
7621-2
08/02/04
08/03/01
S,K 抗がん剤の選択について
抗がん剤の開始時期
片山
首藤
7620 08/02/04 B  乳腺線維腺腫摘出後 片山
7619 08/02/03 Y.M.  乳頭異常分泌 片山
7618 08/02/03 M.K 術後の出血 片山
7617 08/02/03 A.T.  胸のしこり 片山
7616 08/02/03 MIHO わきの下の痛み 片山
7615 08/02/03 OD 左乳房の乳管拡張について 片山
7614 08/02/02 M.B 男性乳癌の術後療法について 片山
7613 08/02/02 M.N. 義母の乳癌治療について 片山
7612 08/02/02 TO   乳腺線維腺腫 片山
7611 08/02/02 k m   造骨性の骨転移 片山
7610 08/02/02 M.T.   微細石灰化が悪性である可能性(領域性、集簇している) 片山
7609 08/02/02 K.Y 術後ホルモン療法について 片山
7608 08/02/02 H  黄体ホルモンとホルモン療法に関して 片山
7607 08/02/02 M.N. 再発治療における抗がん剤について(HPNo.7559-3) 片山
7606-1
7606-2
08/02/02
08/03/03
K.K.  乳がんの予後について
術後の治療法について
片山
首藤
7605 08/02/02 S.K.  癌の可能性になるのでしょうか? 片山
7604 08/02/02 S  タモフェキシンの副作用について 片山
7603 08/02/01 M.T.  ホルモン療法について 石山
7602 08/02/01 Y   左腋下のしこり 石山
7601 08/02/01 T.H.  大きなしこりの様な塊について 石山

 

 

 

No.7700】  08年03月06日  A.H. 
良性か悪性かの判断について

何度か母の事でお世話になっており、ありがとうございます。今回は私の事で相談させてください。
1月下旬に乳腺の超音波検査を受けたところ、前回には無かったものが写っていました。大きさは7ミリで、中がどろっとしたのう胞か、しこりなら線維腺腫と言われました。今の時点ではどちらかわからないそうで、6ヵ月後の超音波検査の予約を取りました。以前乳腺症との診断をされた為か、マンモグラフィー検査は受けた事がなく、超音波と視触診のみです。まもまく40歳になるので、次回は受けようと思っていたのですが・・・。
以前の検査でものう胞はありましたが、心配ないものだと言われていました。大きさや数はわかりませんが、今回は左側の方が右より少ないと言われたので、複数あるのだと思います。今回確認されたものは、他のものとは何か違いがあるということでしょうか。気になりつつも、経過をみるしかないのかな・・と1ヶ月以上過ぎてしまいました。

1) ある病院の掲示板で、「のう胞としこりではエコー所見が全く違う」とありましたが、この大きさでは解らない事もあるのでしょうか? 検診を受けたのは総合病院なのですが、乳腺専門病院でなら、のう胞かしこりかが区別がつくのでしょうか?
2) 他にどんな検査が必要でしょうか? のう胞かしこりかよりも良性か悪性かの方が気になります。
3) 中がどろっとしたのう胞とはどんなものでしょう?
4) 今回良性と解っても、今後の検査は6ヶ月毎でも大丈夫でしょうか? 検査していただいた先生には、6ヵ月後変化が無かったら、次は1年後の検査になると言われましたが。

1)  超音波診断で嚢胞としこりの区別に難渋することはあります。
2) 細胞診、マンモトームなどの病理学的検索が良いと思います。
3) 嚢胞内容が濃縮したものであったり、粘液性のものであったりとかが考えられます。
4) 画像を拝見しておりませんので何ともいえませんが、大きさが7mmで画像上良性の可能性が高いのであれば半年後の経過観察でも良いと思います。(文責 首藤)

 

No.7699-1】  08年03月06日  Y.K. 
外科的生検の必要性

初めてお便りします。経過観察をしていただいていた右乳房のマンモグラフィーの石灰化が、今回の検査で少し増えているのでマンモトームをして詳しく調べてみようということになりました。検査をしたのですが、結果が灰色だと言われてしまいました。悪性だという所見は見えていないが、白だとも言えないと言われました。そのときに先生は3種類の細胞の名前のようなことを言われたのですが、初めて聞く言葉だったので聞き取ることができませんでした。先生がおっしゃるには、その細胞の姿が見えたということは、もしかしたらその近くに悪いものがあるかもしれないので、外科的生検をしてきちんと調べたほうが安心だと言うことでした。マンモトームではっきりしたことがわかると思っていた私にはショックな言葉でした。4月にはいってからになるのですが、全身麻酔で生検をする予定になっています。少し大きめに取るそうで、その中に悪性のものがあったら放射線をするかもしれないこと、もし浸潤していたら、もう一度手術になることもあると言われました。カルテにはフックワイヤという言葉も書かれていました。悪性のものかどうかもわからないのに、診断をはっきりつけるために乳房にメスをいれるというのが日を追うごとに怖くなってきました。4日後には心電図や肺機能、MRIなどします。私のようにマンモトームで診断がつかない場合には、このような方法しかないのでしょうか。
長々と書いてしまい申し訳ございません。最近では怖くて夜もよくねむれません。どうかご意見をお聞かせください。よろしくおねがいします。

マンモトーム生検で診断がつかない場合は、やはりご指摘のような生検が必要となることがあります。がんばってください(文責 首藤)

 

No.7699-2】  08年03月10日  Y.K. 
ADH

HPNo.7699でお世話になりました。昨日、切開生検の術前検査に行ってきました。エコーで検査をしているときマンモトーム生検の診断の話になり、ADHという診断結果が出ていると言われたのですが、主治医の先生にお会いできるのが1週間後なので、それまでお聞きすることができません。ADHというのがどういうことなのか教えていただきたくてメールしました。お忙しいのに何度も申し訳ございませんが、どうかよろしくお願いします。

Atypical ductal hyperplasia の略です。異型性のある乳管上皮の増殖で、現時点では悪性とはいえないが、将来癌が発生する可能性が高い病変です。このような病変があると、その周囲付近に乳癌が発生している事がありますので、マンモトーム生検よりも広範囲で検査する必要があり、切開生検という事になったのでしょう。(文責 須田)

 

No.7698】  08年03月06日  T.I.
ロキソニン (HPNo.7688-2)

ご回答いただきましてありがとうございました。安心して飲み続けることに致します。もう1つだけ心配していることがあります。間質性肺炎に間違いはないのですが、微熱が出始めてから6週間がたちますが、未だに37度前後の熱とせき、胸の痛み、のどが燃えるように痛くなります。肝機能の数値も上がりました。色々飲んでいる薬のなかに、ロキソニン錠を朝昼晩1錠ずつ飲んでいます。ロキソニンを調べると重大な副作用に間質性肺炎をおこすことがあるとあります。また、肝機能が上がる副作用もあると書かれています。この薬によって、肺炎を助長しているのではないかと心配です。これを呼吸器の先生に言ってよいのか、迷い続けております。この心配がなくなれば気長に治療を受けられると思います。お忙しいところを、またの相談で申し訳ございません。よろしくお願い申し上げます。

ロキソニンによる肺炎症状増強の可能性の有無は専門医の判断に委ねたほうが良さそうです。呼吸器の先生にご相談ください(文責 首藤)

 

No.7697】  08年03月06日  H  
TNM分類の見方について

TNM分類の見方について教えてください。T1bN0M0ですが、M0N0はわかりますが、T1bのbの意味がわかりません。よろしくお願いいたします。

T1b:腫瘤最大径が0.5cm以上1cm以下のものです(文責 首藤)

 

No.7696】  08年03月06日  Y 
授乳中のしこりについて

34歳で授乳中の者です。もし授乳中にがんがあった場合、特に進行が早いということはありますか? また授乳中ですと、たとえがんがあったとしても分からないのでしょうか? 乳腺外科の医師に「授乳中はがんがあっても分からないから、断乳後にもう一度来て」と言われましたので・・・。5ミリほどのしこりがあり、一応エコーでは問題ないとの事ですが、そのように言われて不安が残っています。断乳は半年先くらいになりそうですので、もし万が一がんだった場合、その時では手遅れになるのではと恐れてしまいます。宜しくお願い致します。

授乳中に限らず、5mmの腫瘤の確定診断をつけることはなかなか困難であると思います。定期的な経過観察が大切だと思います。(文責 首藤)

 

No.7695-1】  08年03月06日  H.O. 
非浸潤性乳癌との判断

初めてご相談させて頂きます。妻(40歳16・14・12歳の子供有り)の件です。
先日、乳癌と診断されました。検査経緯は、乳房の痛みから検査開始し、エコー・MRI・マンモグラフィ・穿刺吸引細胞診・針生検により、非浸潤性乳癌であろうとの診断を受けました。また、先日の検査でも恐らく癌細胞の性格は悪くなく(範囲は広範囲にも関わらず浸潤してなさそうな為)、全摘で完治する可能性が高いとの診断でした。その後、血液検査・心電図・エコー等受診し、更に今後、骨シンチ・MRI・CT・レントゲン等を受診し、乳房全摘手術を施術する予定です。
本人も術後の予後も考えると全摘は止むを得ずと判断しています。術後反対側乳房への対応の為、ホルモン療法を実施するとの事です。情報が少ないかも知れませんが、上記内容の一般的判断としての妥当性・セカンドオピニオンの必要性等アドバイス頂けますでしょうか?
ご多忙の中申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

上記内容は極めて妥当だと思います。実際の画像を拝見していませんので、セカンドオピニオンをお求めになるのも良いかと思います。(文責 首藤)

 

No.7695-2】  08年03月10日  H.O. 
非浸潤性乳癌との判断(2)

ご回答ありがとうございます。先週、頭のMRI・骨シンチを実施して、今週に胸とお腹のCTを実施します。もしセカンドオピニオンを受けるならば、どのタイミングが宜しいでしょうか?以上重ねてお手数をお掛けしますが、よろしくお願いします。

主治医とのコミュニケーションがうまく取れているのであれば、セカンドオピニオンを受けたい旨を申し出れば、適切に対処してもらえるはずです。手術前に相談という場合が多いようです。(文責 須田)

 

No.7694】  08年03月03日  M.T. 
術後の抗がん剤について

術後の病理検査の結果、腫瘍1センチ、リンパ転移なし、ホルモン陽性、HER?その他の侵襲なしで、グレード2ですが、放射線とホルモン治療でいくことにし、すでに、放射線を7回あてています。でも、10年後の再発率が7パーセント違うと聞き、やはり放射線後に抗がん剤をしておいた方がいいのではないかと、いてもたってもいられない気持ちになってしまいました。術後2ヶ月以上たってからの抗がん剤は、やっても意味が無いのでしょうか? FECを6クールです。

7パーセントの違いにいてもたってもいられないということでしたら、化学療法をお受けになられてはいかがでしょうか。放射線療法後に化学療法という事になりますが、化学療法が後になったからといって効果がなくなるということはありません。(文責 首藤)

 

No.7693】  08年03月03日  K.K. 
術後の治療法について(HPNo.7606-2)

お忙しいところ、恐れ入ります。HPNo.7606で母の治療法について相談させて頂いた者です。現在母が行っている治療が適切な治療法であるのか、先生方のご意見を伺えればと思っております。1つは手術法なのですが、乳房温存の円状に切り取る手術でした。その後放射線が全体照射23回、ブースト照射7回、計30回でした。母は子供に必要以上の心配をかけないようにと、手術を受ける直前に乳がんである事を私たち子供に伝えました。私も動揺し、その時は乳がんという病気を詳しく知りえませんでした。術後、様々な本やインターネットで私なりに勉強した所、円状は癌を取り残しやすいと読みました。もちろん母も家族も主治医を信頼しているのですが、円状に切り取ったというのは癌の広がりが小さかった為と考えてよろしいのでしょうか?(術前、主治医には胸の形が変わっても全摘でも構わないと伝えてあります) 扇状に切り取る方が圧倒的に多い気がするのですが・・・。また切り取った断端は陰性と何度も確認しました。陰性でもブースト照射するのは一般的と考えてよろしいのでしょうか? よろしくお願いいたします。

断端陰性だったということですから、円状に切り取ることのできる癌の広がりだったのでしょう。断端陰性でも癌と切除面との距離が近い場合にブースト照射を行うことがあります。乳房温存術+放射線療法の後の再発率は、本邦の場合5%以下です。(文責 首藤)

 

No.7692】  08年03月03日  H 
今後の治療について

3年半前に右乳ガンの手術をしました。5センチ以内でリンパ節転移が1ヶ所ありました。CMF療法を半年しました。私は10年ほど前に子宮筋腫で子宮を取りましたが、卵巣はあります。アロマシンを半年服用しましたが、更年期の様な症状と、うつの様な感じになり、私の方から医師に薬をやめたい事を伝え、その後は、無治療です。おっぱいは全摘で、最近では手術した胸の表面と脇の下が痛んで、脇の所は熱をもっています。医師は乳腺の専門医ではありませんでした。薬もタモキシフェンではなかったのではと思っています。不安になりましたのでメールしました。今後、別の病院に行きたいのですが、アドバイスお願い致します。

アロマシン使用で副作用がある場合、別の種類のアロマターゼ阻害剤に代えるタモキシフェンやトレミフェンなどに代えるなどの選択肢があります。アロマターゼ阻害剤は、一旦休薬後に再開した場合でも効果があることが分かっていますので、をご考慮されてはいかがでしょうか。よく担当の先生とご相談ください。(文責 首藤)

 

No.7691-1】  08年03月03日  k y
今後の治療について

初めて質問させていただきます。ご多忙とは存知ますが、よろしくお願いします。2月に温存手術を受けて、病理結果が出ました。52歳、腫瘍の大きさ10×12mm、リンパ節転移なし、ER(+) 、 PR(+)、HER2(-)腫瘍の悪性度2、中リスク群に該当することから、主治医からは、化学療法3w×4→放射線治療25回→ホルモン治療5年、または、化学療法のみを省略、の選択を求められました。私自身決められず、迷っております。以上、お答えいただけると幸いです。よろしくお願いいたします。

選択肢として提示された2つの方法が妥当と思います。よく主治医とご相談ください。(文責 首藤)

 

No.7691-2】  08年03月15日  k y
術後について

HPNo.7691でお世話になりました。有難う御座いました。お忙しい中、申し訳ありませんが、再度質問させて下さい。前回の内容は、下記の通りでした。
2月に温存手術を受け、病理結果が出ました。52歳、腫瘍の大きさ10×12mm、リンパ節転移なし、ER(+)、RP(+)、HER2(-)、腫瘍の悪性度2。放射線療法、ホルモン療法、及び抗がん剤療法をするかしないかの選択の中で、選択肢として提供されていた2つの方法が妥当だと思います、との解答を頂きました。
後日、外来時に断端(-)とは確認しましたが、まだ抗がん剤治療を受けるか否か迷っております。担当医は、受けなくても大丈夫ではないか、との意見でした。勿論先生を信頼しておりますが、受けても副作用、受けなくても後日の再発を考えると、不安がよぎります。癌の摘出手術は、乳輪の外側上部直近を横5cmと、リンパ節生検で2個のリンパ節を取った傷が3cm位ついております。術後2週間目位から、ドレーンの傷跡より5cm位内側の、乳房下から肋骨にかけて、打撲後の痛みの様な感じがありました。先日、外来時に先生にお尋ねした所、経過観察しましょうと言われました。ところが、ここ2・3日前頃から、同箇所縦に10cm位、蚯蚓腫れの様な線が出て、前より痛みは減少したものの、触れると痛みを感じます。手術時、ドレーンを3日間着用、30cc 20cc 20cc ドレーンを外しての退院。退院後、12日目に外来で20cc採取。患部は硬くなっており、腕は術後直ぐから、以前のように動きます。質問を整理します。
1) 抗がん剤治療を受けなかった場合の、再発のリスクの高さ
2) 術後2週間後からの、乳頭から肋骨への腫れと痛み

長い文章で、お読み頂くだけでも、お時間をお掛けして申し訳ありませんが、宜しくお願い致します。

1) 中リスク群という分類に入りますので、化学療法+放射線+ホルモン療法あるいは、放射線+ホルモン療法のどちらを選ばれても再発率に大きな差はないと判断します。従いまして、私が主治医の場合には、ご本人が後悔されない方法を選んでください、とご説明しています。すなわち、おっしゃるように脱毛や食欲不振などの副作用と戦いながら抗癌剤治療をおこなっていくか、あるいはその副作用を避けるために抗癌剤治療は受けないか。どちらを選ぶかは、あなたが判断して決めなくてはいけません。私たち乳腺外科医は、あなたがどちらの選択肢を選ばれても全力でサポートいたしますので、主治医の先生にもどんどんご相談なさって方針を決めてください。
2) 乳房温存術後の痛みについてのご質問ですね。乳房温存術後はしばしば漿液腫といって、創部に体液が貯留する場合があります。場合によっては、赤く腫れ上がったり、強い痛みを伴います。エコーで体液が貯留しているのでしたら、針を刺して先生に体液を抜いてもらうと楽になるかもしれません。次回受診時に、漿液腫(seroma)はありませんかお聞きになっても良いかもしれません。また、もし痛みがひどい場合は、少し痛み止めをいただいた方が気持ち的にも楽になるかもしれません。(文責 高橋)

 

No.7690】  08年03月03日  D 
ペイジェット病について

ペイジェット病についての治療法、又、手術後の注意点などお教え下さい。病人は70才女性です。細胞診の結果は良性と言われております。よろしくお願い申し上げます。

乳腺のPaget病は、基本的には乳管内癌が乳頭方向へ伸展し乳頭のびらんなどを生じた状況です。細胞診の結果が良性であるだけでは確定診断とは言えず、生検で確定診断となることが多いと思います。治療の上での重要点はしっかりと病変を取り去ることです。(文責 首藤)

 

No.7689】  08年03月02日  M.T.
脇下の痛み

42歳既婚、出産経験はありません。3年前、乳腺症と診断され定期検診を受けています。脇の下の乳腺が発達していて副乳のようなものもあると言われました。そのせいか以前から月経前は脇の下が張るような感じがあったのですが、2日前から脇下から乳房にピリッとした痛みがあります。乳腺症が悪化しているのでしょうか?しこりの大きさは変わってないように思うのですが、違う病気になっているのではないか心配です。ちなみに最後の健診からは半年経っています。

悪化したり、違う病気になっているという心配はないように思いますが、しばらく続くようであれば診てもらってもよいかと思います。(文責 加藤)

 

No.7688-1】  08年03月02日  T.I.
アリミデックス副作用について

昨年8月、左乳がんで温存療法の手術を受けました。1センチで転移なく、25回の放射線とアリミデックスを服用中です。アリミデックスを飲み始めてすぐに、全身の関節が痛かったり、ポキポキ音がしたり、耳の中がポキッといったのには驚きました。放射線療法が終わって2ヶ月半ほどしたころ37.3度の熱が出て微熱がずっと続いています。また、レントゲンでは放射線を受けた所が白くなって間質性肺炎と言われました。せきと微熱、のどが痛くて、血液検査の結果、GOT,GPTが35、ALPは513、CRPは1.4に上がりました。血沈60分61です。この結果は肺炎が心配で呼吸器科の先生に診察していただき解った結果です。 自分ではアリミデックスの副作用ではないかと思うのですが、今のところアリミデックスが良いといわれていますので、薬を変えるのも心配があり、どの程度なら変えた方が良いのでしょうか。お教えいただけると安心できます。よろしくお願いいたします。

放射線性肺炎ということであれば、アリミデックス関与の可能性は低いと思われます。ご心配であれば、休薬も可能だと思いますので、相談されてみてはいかがでしょうか?(文責 加藤)

 

No.7688-2】  08年03月06日  T.I.
ロキソニン

ご回答いただきましてありがとうございました。安心して飲み続けることに致します。もう1つだけ心配していることがあります。間質性肺炎に間違いはないのですが、微熱が出始めてから6週間がたちますが、未だに37度前後の熱とせき、胸の痛み、のどが燃えるように痛くなります。肝機能の数値も上がりました。色々飲んでいる薬のなかに、ロキソニン錠を朝昼晩1錠ずつ飲んでいます。ロキソニンを調べると重大な副作用に間質性肺炎をおこすことがあるとあります。また、肝機能が上がる副作用もあると書かれています。この薬によって、肺炎を助長しているのではないかと心配です。これを呼吸器の先生に言ってよいのか、迷い続けております。この心配がなくなれば気長に治療を受けられると思います。お忙しいところを、またの相談で申し訳ございません。よろしくお願い申し上げます。

ロキソニンによる肺炎症状増強の可能性の有無は専門医の判断に委ねたほうが良さそうです。呼吸器の先生にご相談ください(文責 首藤)

 

No.7687】  08年03月02日  T.K
ノルバデックス

昨年9月に左胸に2つのしこりが見つかり、2つとも癌であったため、12月27日に乳頭を残して左乳房を全切除しました。1月21日にゾラデックスを注射してもらい、22日からノルバデックスを飲んでいます。次回の注射は2月20日なのですが、ノルバデックスは28日分処方していただくので、2月18日に飲むと終わってしまいます。2日間飲まない日があっても大丈夫ですか。それから、手術後乳頭付近に糜爛が出たため週に2〜3回洗浄に通っていました。今週「もう良くなったから、あとは4週に1回注射に通えば良い」と言われました。本当なら喜ぶべきことなのですが、今までちょくちょく来ていた病院にしばらく来ないということに、説明のつかない恐怖のようなものを感じています。他の方はそういう気持ちにはならないのでしょうか。どのように対処していけばよいでしょうか。よろしくお願いします。

2日分不足とのことですが、飲まない日があっても大丈夫だと思います。20日に処方してもらい、また始めればよいでしょう。通院間隔が長くなり、同じように不安を感じられる方は他にもいらっしゃいます。主治医の言うように、症状が落ち着いて、安定しているからと考えるのがよいかもしれません。(文責 加藤)

 

No.7686】  08年03月02日  R 
左胸左上部にあるしこり

はじめてご相談させて頂きます。ここ2週間くらいの話なのですが、左胸左上部やや外側付近に脇側から心臓方向にむかい薄い棒状楕円形の塊があるように感じられます。手のひらで上から触るだけでは突起しているようなしこりは感じられないのですが、力をいれて押してみると平べったく楕円形のような塊全体が逃げるような塊があります。生理の前から張っていて痛みもありました。あまりにも数日の間に塊ができたような気がして、大きさというか?長さも4〜5センチくらいかな?はっきりとした境界はわかりませんが、左上部外側が全体的に逃げるような感じで動きます。幅が1〜2センチくらい。アレルギーがあり、抑える薬を常用しております。飲み始めてから感覚があるような気もします。押さえた時は筋肉痛のような痛みがありますが、普通は平気です。年齢も37歳ということで、すごく気になっています。分泌汁はありませんが、乾燥した痒みはたまにあります。そのため塗り薬も使用しています。この状態をどう考えるべきか悩んでいます。お忙しい中大変でしょうが、お力添えをお願い致します。

上外側部(腋窩に近い所)の正常な乳腺を触知している可能性もあります。あまり心配されなくてよいかと思いますが、念のため病院(外科あるいは乳腺外科)を受診されてみてはいかがでしょうか?(文責 加藤)

 

No.7685】  08年03月02日  O.S.
検査をした病院のデータをもらい、他の病院を受診する場合のリスクについて

初めてご相談させていただきます。妻47歳の相談です。近所の病院で、1月にエコーで乳がん5CMと診断されました。紹介状をもらい、別の病院でCT検査と針生検、血液検査を行いました。結果は右乳房に最大径34mmの不整形、1mm不整形、12mmの整形の癌。右リンパに4、5箇所のしこりを認める。CT画像では遠隔転移なしとのこと。クラス5、ステージVC。エストロゲン受容体無し。腫瘍マーカーはCA15−3のみ55と高いとのこと。治療方針は術前CAF療法4クール、手術は全摘出+リンパ切除(同時再建は再発リスクが分かりにくくなるのでここではやらない:妻が同時再建を望む場合は、主治医も紹介状とデータを用意するのでセカンドオピニオンではなく、希望する病院を受診をしてもらってよいとのこと)。術後CAF+タキサンで6クールとのことです。本などを調べる限り標準的な治療法かと思うのですが、同時再建手術に拘り、これからデータと紹介状をもって別の病院を受診する場合、
1) 一般的にデータをそのまま使って受診でき、生検などは再度やらなくていいのか。
2) 大病院の場合、受診までの期間はどのくらいかかり、その間抗がん剤投与が遅れるリスクはどの程度あるのか。
3) 仮に2週間後に受診して、ベッドの空きなどあれば、手術は数カ月先なので、直ぐに抗がん剤投与を受けることは可能か。

以上ご意見を伺えれば幸甚です。

1)データはそのまま使えますので、生検等は必要ないでしょう。
2)病院間で差がありますので、返答は難しいです。
3)これも病院間で違いますので、何とも言えません・・・。(文責 加藤)

 

No.7684】  08年03月02日  H 
セカンドオピニオンについて

よろしくお願いします。43歳です。子供二人を混合授乳しました(10年前、15年前)。今回出が悪かった左の乳房に、検診のマンモグラフィーで構築の乱れを指摘され乳腺外科を受診しましたが、エコーMRIとも問題なく、経過観察になりました。が、6ヵ月後エコーで乳頭状の病変を発見され、穿刺吸引細胞診を受け、「鑑別不能」となりました。良性の乳管内乳頭腫と乳癌の画像での判別が難しいため摘出生検を薦められました。乳管内乳頭腫と乳癌の区別は病理検査でも難しいそうですが、組織診の結果について(良性といわれても悪性といわれても)セカンドオピニオンを求めてもいいのでしょうか。その場合、先に主治医のいる病院の病理医に話を伺ったほうがいいのでしょうか? 他の病院に求める場合、病理医の先生にお願いしたほうがいいのでしょうか?

求めてもよいとは思いますが、まず今おかかりの病院の医師に相談されたほうがよいと考えます。(文責 加藤)

 

No.7683】  08年03月02日  Y.K.
抗癌剤服用期間について(HPNo.7444-2)

いつもお世話になります。術後ホルモン療法を副作用が酷くて6ヶ月で止め、念の為と言う事で、抗癌剤を服用しています。白血球値が1900まで落ちたままなのと、GOTが一時102まで上がった為、エンドキサン(50ミリグラム)が5ヶ月目から一日2錠から1錠へと変更になりました。抗癌剤は期間と量を守る事が第一とNETでみましたが、私の場合は全て再発低リスクなので、通常一年だが半年間でOKと言われ、またエンドキサン1錠とフルツロン6錠と中途半端な量?で、どのくらい再発予防効果が期待できるものなのでしょうか? グリチロン、ゼファランチン、胃の痛みがあり、プロテカジンと、薬ばかり増えて体へのダメージがとても不安です。ご意見宜しくお願い致します。

エンドキサン、フルツロン内服による予防効果ははっきりとは証明されていません(多少期待できる可能性はありますが・・・)。副作用等があれば無理に内服する必要はないように思います。(文責 加藤)

 

No.7682】  08年03月02日  T.U. 
咳、赤い発疹、痺れ

初めての相談です。46歳、痩せ型、生理あり、出産経験なし。2ヶ月前に乾いた咳が3,4日続き、その後1週間後、右胸乳首のすぐ上に薄い赤い十円玉大の無痛のものを認めました。咳の3週間ほど後、かすかな痒みを感じ、肌着の繊維?のせいかと様子を見ましたが、消えません。その2週間後、脇から首にかけひどい肩こり、内腿の痺れが続いてます。総合病院外科の視診、触診ではしこりが認められなかったが、手で触れない1センチ以下のものを、念のためマンモとエコーで調べてもらい結果待ちです。医師は大きな心配は要らないと言いますが、今も痺れ感があり、また、しこりが無いタイプの乳がんがあると聞いてかなりおびえ、仕事も家事も手につきません。発赤確認から、たった1ヶ月ちよっとで、リンパや体のあちこちに転移することあるのでしょうか?手遅れ?パニックを起しそうです。

乳がんの症状ではないように思います。あまり心配なさらずに検査結果をお待ちください。(文責 加藤)

 

No.7681】  08年03月01日  アグリ
今後の治療について(HPNo.7262-5)

前回ご相談させていただいてから月1回の注射を続けています。ふらつきがあった、り頭痛、気分の低迷などがありますが、どれも耐えられないほどの強さではないのですが、あれから咳がずっと続きます。ひどく咳き込むようなことは無く、どちらかというと、こんこんというから咳が日に何回か出る程度です。それから左肋骨付近のお腹の痛みも続きます。主治医には伝えていますが 咳に関してはずっと勧められてきた注射を開始したこともあってか、特に急いで検査を薦めることもしないので、私のほうも自らCTを撮ってもらう要望はせずに 近頃は暢気に構えてしまっています。
1) お腹の痛みに関しては、膵臓の腫れが内科での超音波で悪いものではなさそうという見解以後、宙ぶらりんになったままです。内科医は、「胃カメラで気になる所見がなかった場合、小腸の検査をしたほうが良い」と言われていましたが、主治医はそれに関しても積極的には勧めません。やはり乳がんの治療を最優先に考えてくださっているのでしょうか。あまり色々聞けず、推測ばかりしています。積極的に検査をすることはしなくてよいですか? 術後のCT、胃カメラの後咳が続いてますので、体への負担を想像すると何の為の検査かが解からなくなってきます。
2) 転移の可能性は頭をよぎりますが、実際そうであった場合、ホルモン剤が効かなかったという判断でしょうか?(タモキシフェン5ヶ月服用 ゾラテックス4回) この場合、他に推奨される方法は考えられますか?
3) それとも、まだこのままタモキシフェンとゾラテックスを続ける意味がありますか? 治療を継続することで現在の症状が無くなってゆくこともあるのでしょうか。

先生でしたらどうご判断されますか?どうぞご返答の程よろしくお願いいたします。

ご自身の体調と相談の上、検査を受ければ良いと思いますから、無理に検査されなくてもいいのでは? 仮にお腹の中に転移があった場合、現在のホルモン療法は無効であったとの判断になります。ただし、最初から、お腹の中の病変があり、現在のホルモン療法を行っているから、これくらいの進行のスピードで済んでいる、言い換えればホルモン療法が効果的であるという考えです。裏を返せば、ホルモン療法を行わないでいたら、もっと早くに病状の悪化がきていたかもしれません。ホルモン療法が無効であると判断するのであれば、ゾラデックスとノルバデックスを継続するより、ゾラデックスはそのままに内服のホルモン剤をアロマターゼ阻害剤に変更するのが良いでしょう。ただし、ホルモン剤を使っている中での病変の悪化ですから、ホルモン療法は効果が少ないかもしれません。もうひとつは、抗がん剤の投与です。ご存知のように、吐き気をきたすもの、脱毛をきたすもの、爪の変化があるもの、などなど、種々の副作用があります。体調のため、当初の治療に抗がん剤を選択されなかった訳ですから、今後も抗がん剤の選択は少ないかもしれませんが、イメージほど、副作用は少なかったりもします。ご自身の体ですから、よく考えて治療をお受け下さい。(文責 鈴木)

 

No.7680】  08年03月01日  S 
複数のしこり

初めて相談させていただきます。30代後半の女性です。左胸のしこりに気が付いて、先日乳腺科で検査を受けました。
マンモとエコーの結果、左胸に7つ、右胸に1つのしこりがあることが分かり、そのうちの一番大きいものは2.5センチで、その次は1.5センチから5ミリ程度のものまでが7つでした。一番大きい2.5センチのものに2回針を刺して細胞診を行い、結果は「乳腺線維腺腫」とのことでした。その他のしこりはエコーの画像の特徴からみて同様と思われるので、今後大きくなったりしないかどうか経過を見るだけということになりました。私のようにしこりが8つもある場合でも、画像の特徴が同じであれば細胞診は一つに対して行えばある程度安心してもいいものなのでしょうか? また、それが一般的な方法なのでしょうか? それと、最近しこりに軽い痛みというか、違和感をずっと感じるのですが、線維腺腫でも痛む場合があるのでしょうか? 乳輪に近い部分に大きいものがいくつかあって、それが常に気になる感じなのですが・・・。しこりの数や大きさや位置と関係があるのでしょうか?
いろいろ質問してしまい申し訳ありません。線維腺腫ということで一応安心していいものか、それとももっと詳しく検査をするべきなのか、判断できずに不安でいます。お忙しいとは存じますが、ご回答いただきたく、よろしくお願いいたします。

画像診断である程度似た特徴であれば、一番大きなもの、形の不整なものなどを細胞診、組織診します。それで、他の小さなものは経過観察をします。今回のように、特に小さな5mm程度のものは、本当の腫瘤なのか否かが難しい判断になりますので、大きさの変化、形の変化を見ていくのが良いと思います。線維腺腫は、基本的に癌化しませんので、あまり過敏にならず経過観察すれば良いでしょう。ただ、時に大きくなるタイプのものがありますので、サイズ、形の変化がある時には、精密検査が必要になります。痛みに関しては、線維腺腫が違和感を感じたり、痛むわけではなくて、病変があることによる心理的なものや、乳腺そのものが、女性ホルモンとの関係で痛むことがあります。いずれにせよ、違和感、痛みはあまり心配しなくていいでしょう。(文責 鈴木)

 

No.7679】  08年03月01日  Y 
乳がんの再発?転移?

現在34歳、昨年7月に非浸潤癌(微細石灰化が広範囲)で片方の胸を全部摘出しました。センチネルも行いましたが、問題なかったそうです。しかし、12月頃わきの下のシコリが気になりました。センチネルの傷あとだと思っていたのですが、もっと奥のほうにシコリとして感じたため、PET検査を受けました。結果、そのシコリに集積があり、また、肺の方にも疑いがでました。肺の方は集積が無かったのですが、CTで疑いがでたそうです。最初の治療後はゾラデックスのみでしたが、再発?転移?がわかった時点でフェマーラを追加しました。現在閉経状態だからということで。先ずはこの治療法で大丈夫でしょうか。
なぜ、治療法が心配になったかというと、最初に検査をしてくれた機関(そこは手術は行っていない)にメール相談したところ、その治療法はおかしい、更に、「あなたが手術を受けた病院は評判が悪いので、私は絶対に紹介しない病院だ」と言われてしまいました。セカンドオピニオンでいくつか病院を紹介され(全部で5箇所も回って聞いた)、その中で、私の望む治療ができる信頼できる先生として、何人かの先生が紹介してくれていたし、心配ならばいつでもメールで連絡しておいでと言ってくれて、更に診察も丁寧なので、そう悪く言われたのが残念で、また、急に不安感が増大してしまいました。
近々リンパのシコリを摘出して病理検査をしてみる予定です。全身麻酔になるので、肺の方はさらにその1ヶ月後に細胞を採ってみて検査する予定です。今できること、また、この治療の流れでおかしい点はありますか。よろしくお願いします。

まず、再発かどうかの診断を確実にすることが大事です。細胞や組織を採取するのが可能な部位であれば、細胞診、組織診などを施行して、病理学的に確定しましょう。PETでCTで・・、写ったとしても、それはあくまでも画像所見でしかありません。病理学的に確定してから、治療法を変更するほうが良いと思います。次に、病理学的に再発と診断された場合、リンパ節だけなのか、肺や肝臓、骨には無いのかの確認も必要です。リンパ節だけであるとか、肺の病変も小さく、特に無症状であれば、ホルモン療法だけでもよいのではないのでしょうか。ホルモン療法の選択に関しては、種々の考えがありそうです。ゾラデックスにフェマーラ、アロマシン、アリミデックスなどのアロマターゼ阻害剤を順次追加する、あるいはノルバデックスを追加するなどです。何点か確認すべき点があります。初回の病変は本当に非浸潤がんでしょうか? 非浸潤がんであれば基本的に転移、再発の可能性はありません。もしかしたら、一部、浸潤がんが潜んでいたのではないだろうかという点です。今一度、病理診断を確認する必要があるかと思います。次に、今までの治療法に関する事です。非浸潤がんであれば、ゾラデックスではなく、ノルバデックスの治療だけで十分ですので、ゾラデックスを使用していた、ゾラデックスのみにしていた理由です。そういう意味では、せっかく信頼している先生の治療法ですので、否定するわけにもいきませんが、現在の治療法は少し矛盾も感じます。標準的には、最初の治療法はノルバデックス単独で、今回の再発が確認されたら、ゾラデックスを追加する、もしくはゾラデックスにアロマターゼ阻害剤ではないかと思われました。もし、浸潤がんが一部にあれば、HER2の検査をしていただいて、ハーセプチンが効果あるか否かを確認することも必要ではないでしょうか? ハーセプチンが効果的であれば、ハーセプチンにホルモン療法を併用するというのも選択肢になります。再発の疑いがかけられ、不安であると察しますが、情報を整理し、本当に信頼のおける先生のところで治療を受けて下さい。(文責 鈴木)

 

No.7678】  08年03月01日  S 
年1回の検査で大丈夫なのでしょうか?

初めて投稿します。宜しくお願いします。乳がん(エコー)検診を受け、診断結果として『C(年1回検査を受けてください)』でした。詳細は、「乳房所見は異常なし 右乳腺C 6mm腫癌性病変(エコー)  左乳腺D 3mm乳腺嚢胞」と記載されていました。この結果で年1回の検査で大丈夫なのでしょうか? 腫癌性?とは、癌の一種なのでは?と心配になり投稿しました。どういう意味なのでしょうか?

腫癌性ではなく、腫瘤性ではないかと思われます。いわゆる、しこりのような病変という意味です。大きさが小さいため、真の腫瘤(しこり)なのか、単なる脂肪組織なのか、まだらな乳腺の一部なのか・・、はっきりしないというニュアンスです。(文責 鈴木)

 

No.7677】  08年03月01日  Y
抗がん剤治療について(HPNo.7627-2

以前、No7627にて相談させて頂いた者です。アドバイスを頂き、どうもありがとうございました。その後、医師から詳しい話を聞いたところ、母はHER2の値が3だったために、抗がん剤治療が必要との事でした。悪性度については母は未確認だったようで、把握できておりません。AC(4回)+タキソールを12回(1週ごと)投与するとの方針でした(細胞診の結果から、ホルモン療法は不要との事です)。来週からACの投与が始まります。
そこで質問なのですが、
1) 最近ではハーセプチンを上記治療にプラスする事が多いようですが、医師からはハーセプチンを使用する話が出ませんでした。医師に確認すべきでしょうか? HER2陽性に対してはハーセプチンが効果を発揮するようなので…。ちなみに、ハーセプチンは、どの時点で投与するのですか? ACの後でしょうか?
2) 進行性乳がんとは、どういった定義なのでしょうか? HER2=3だと進行性乳がんなのでしょうか?

知識不足、データ不足で恐縮ですが、再度アドバイスを頂ければ幸いです。お忙しい所恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

ハーセプチンは、がん細胞の表面にあるHER2蛋白の働きを抑える注射剤ですが、この蛋白を持っている乳がんの方は、予後が悪いことが明らかにされています。また、ホルモン感受性もマイナスのようですので、病変は小さいながらも、悪性度の高い乳がんであることが伺えます。
このハーセプチンは、再発乳がんに対して適応の通っている薬剤ですが、再発予防での投与や、術前化学療法との組み合わせでかなり効果が高いことも明らかになってきました。しかし、再発予防や術前化学療法との組み合わせでの投与は保険適応でないため、施設によっては、その投与に慎重的な意見もあります。間もなく保険の承認が下りる予定とのことですので、そうであれば、抗がん剤との同時投与(この場合は、ACの投与後に、タキソールと同時)もしくは、タキソールが終了した後に、ハーセプチンのみを投与する方法があり、どちらも安全性、効果も確かめられています。ハーセプチンの投与は、現在のところ毎週で52回(1年間)の投与が推奨されていますが、今後は3週に1回に変わってくる見込みです。先々の報告により、2年間の投与が推奨される場合もあることはご了解下さい。
1年間の投与は長いものですので、患者さん本人と、よく相談されることが必要です。
早期乳がんの定義は2cm以下で、転移を疑わせるリンパ節の腫脹が無いこと、遠隔転移のないものを言いますので。逆に、2cm以上で、リンパ節転移のあるもの、他臓器転移のあるものは、進行がんということになります。HER2蛋白の有無、ホルモン感受性の有無は、がんの性格、性質であって、早期がんでも、性格悪い、悪性度の高い乳がんもあります。(文責 鈴木)

 

No.7676】  08年03月01日  M 
術後の治療について

47歳閉経前女性。右乳癌を温存手術。手術前の針細胞診では悪性度5、腫瘍径2cm。手術後の病理の結果、「湿潤性乳管癌 乳頭腺管癌、リンパ節転移なし。0/14。ホルモンリセプター、エストロゲン(−)プロゲステロン(−)、ハーセプチン(−)、T1N0」と診断。術後の治療はAC療法3週に1回点滴で5回。その後、パクリタキセル3週連続2週休み1回で計4回。その後、放射線治療との事。この治療法は標準的なものでしょうか?よろしくお願いします。

通常、ACもしくはECを3週ごとに4回投与し、その後、ドセタキセルを3週ごとに4回、もしくはパクリタキセルを毎週で12回、というのが一般的です。ACの投与後にパクリタキセルというのは、標準的でありますが、各々の投与サイクルが若干曖昧であるように見受けます。今一度、ご確認を。
それと、蛇足ですが、術前の細胞診で5(X)というのは、悪性度ではなくて、良性がT、U、悪性の疑いがW、悪性がXということですので、お間違いのないように。細胞診の結果は、あくまで良性か悪性かの区別で、病期(ステージ)とか悪性度ではありませんよ。(文責 鈴木)

 

No.7675】  08年03月01日  K.N. 
エコーで癌の疑いがでたら限りなく癌に近いのでしょうか?

先日人間ドックのマンマエコーで乳腺腫癌疑いがでてしまいました。精密検査を受ける前にある程度の知識と覚悟を持っておこうとメールしました。触診では異常なく(しこりなし)、乳汁もありません。たまに乳房が痛くなるのですが、エコーで癌の疑いがでたら限りなく癌に近いのでしょうか? しこりがないということは、かなり深いとこで癌が進行しているのでしょうか? 精密検査で末期癌で言われたりする可能性もありますか? 

決して超音波だけで判断するものではありませんし、総合的にレントゲン、細胞診を含めて診断します。
あれこれと心配するのはよくわかりますが、あまり過敏にならず、しっかりと確実に診断することが大事です。仮に乳がんであったとしても、一般的に人間ドックでみつかるようながんに、末期がんは見られません。(文責 鈴木)

 

No.7674-1】  08年03月01日  Y
左腰の激痛について相談させて下さい

母は1999年に左胸が乳癌にかかりました。リンパ節にも8つ転移があり、アンスラサイクリン系の抗がん剤を点滴し、その後しばらく良い状態でしたが、2006年4月に肋骨、腰骨、頭蓋骨に転移が見つかりました。ホルモン剤のアリミデックス、フェマーラで試しましたが効果がなく、タキソールを2006年7月から点滴しましたが、2007年1月で効果がなくなった為にゼローダに抗がん剤を変更。その後2007年12月にTS−1に抗がん剤が変更になりました。
腰骨の転移が多数あるため、腰痛は当初からあり、デュロテップパッチにて痛みをコントロールしてきましたが、抗がん剤ゼローダの時の2007年10月より左腰に激痛がくるようになりました。それからは1ヶ月に一度くらいその激痛がくるようになり、最近はその回数が増えてきました。母は腰が痛いため検査も出来ません。このような症状は何が疑われるでしょうか? 私は結石か何かではないか?と考えているのですが、やはり骨転移の痛みなのでしょうか? この痛みを和らげるためには、どうしたらよいのでしょうか? どうか相談にのっていただければ・・・と思っています。宜しくお願いいたします。

恐らく骨転移の悪化ではないでしょうか。痛み止めを増やす、種類を変えるなど、放射線照射などで痛みをコントロールするのが良いかと思われます。いずれにしてもしっかり検査をして、骨転移の悪化なのか、そうでないのかを見極めることは大事です。その他、骨転移であれば、ビスフォスフォネート製剤という、骨を硬くする点滴がありますので、使用してはいかがでしょうか? 治癒は難しいのかもしれませんが、痛みをコントロールしてさしあげて、少しでも日常生活が、本人らしく出来る様に支援してあげましょう。(文責 鈴木)

 

No.7674-2】  08年03月09日  Y
左腰の激痛について相談させて下さい(2)

お忙しい中のお返事本当に有難うございました。骨転移の痛みとわかっただけでも前に進める気がしました。感謝しています。前に途中で激痛がきてしまったため検査が出来なかったのですが、何か良い検査方法はあるでしょうか? もしよろしかったら、それも教えていただけると助かります。

疼痛のコントロールをしながらPET−CT検査を行うのも一つの選択肢だと思います。溶骨性の骨転移病巣はもとより、ある程度の大きさ(10mm以上)の全身病巣の検索も可能です。主治医とご相談なさってください。(文責 須田)

 

No.7673】  08年03月01日  C.O.
ホルモン療法でこんな副作用はありますか?

昨年2007年2月に34歳で左乳房のしこりを生検手術にて摘出後、『非浸潤がん』との診断で扇状部分切除をしましたが、断端+の為、3月に皮下乳腺の全摘術を受けました。その後の病理検査の結果、摘出したものの中に数ヶ所の浸潤があったと言う事で、最終的には『浸潤性乳管がん』ということです。リンパ節転移は無しです。術後ゾラデックス2年・ノルバデックス5年のホルモン療法のみ行うという事で、放射線や抗がん剤治療は受けていません。現在ノルバデックス服用とゾラデックス13回目が終了したところです。
3ヶ月に一度位の割合で血液検査と昨年11月末にCT・エコー(腹部のみ)・採血を行いましたが、特に異常は見られなかった様です。
ホルモン療法の副作用としては、既にほてりや発汗等のいわゆるホットフラッシュというものは日常茶飯事なのですが、少し前から気になる症状があり、それらも副作用で仕方ないものなのか、ご意見を頂けると幸いです。
1) 昨年秋頃から時々虫が飛ぶような目の錯覚が一瞬ですが頻繁にあります。右横の方なので反射的につい横を向くと何も無いといった感じです。
2) 昨年12月頃から朝起きると両手の指の関節が強張り、2、3度握ったり開いたりすると治るのですが、その際に、痛むので最初の1回はゆっくり握るといった感じです。むくみは無い様です。
3) 今年になってからですが、背骨の真ん中より少し上の所が背中を丸めたり、その部分を押すと少し痛みます。筋肉ではない様です。(最近3kg程太ってしまい、その頃から週に1回程度泳ぎに行ったり、室内でたまに腹筋運動をしたりするので、そのせいかとも…?)

いずれも耐えがたい痛みなら、当サイトで相談する以前に専門の科を受診するのですが、とりあえず生活に支障はありません、主治医にはやはり『あっちが痛い、こっちが痛い』などとなかなか言い難い物ですし、言ったところでよほど激しい物でない限り聞き流されがちなので相談させて頂きました。

ホルモン療法による症状でも十分説明はつきます。ただ、一般的に飛蚊症が多く見られるわけではありません。念のため、眼科の受診はいかがでしょうか?
手のこわばり、背中の痛みは、月経を止め、閉経状態になったことで、関節がこわばり、スムースさがなくなり、痛みが表出することが多く見られます。(文責 鈴木)

 

No.7672】  08年03月01日  K・F
母の胸のしこりについて

何卒宜しくお願いいたします。母は62歳です。実は8年前から胸にしこりがあり、それを去年まで家族に隠していました。そのことが判明し、病院に行くことを強く勧めても、胸を見せるのが嫌だ、病院には絶対に行きたくないと言い張ります。
病院に行くよう説得を続けておりますが、説得するまでの間、悪化させないようにする方法や病院でしかできない治療法などを教えて頂ければと思います。
1) どうやら、しこりが膿んでいるような状態にまで達し、汁が出ているようです。がんの可能性が高いのでしょうか? 検査しないと何ともいえないものでしょうか?
2) 市販の消毒薬とガーゼをつけておりますが、ガーゼが傷口に張り付いてしまっているみたいです。乳がんだった場合、切除せず温存して、化膿止めの軟膏などだけで治療を行うこともあるのでしょうか?
3) 市販の痛み止め(イブ)を毎日3錠飲んで痛みをごまかしているようです。乳がんだった場合、切除せず、痛みをとるだけの治療という選択はあるのでしょうか?

以上、ご多忙のところ大変恐縮ですが、何卒宜しくお願いいたします。

おそらく、乳がんが表面に顔を出して、浸出液、血液などが出ており、一部、感染している状況ではないでしょうか? 良性の病気、単なる炎症などで、そこまで浸出液が出ることは少ないので、進行乳がんの可能性が高いと考えます。大多数の場合、そのような状況では、手術は不可能で、抗がん剤、ホルモン療法などが行われます。状況に応じて、他の臓器に転移がないかを確認し、転移部位によっては放射線も行われます。抗がん剤により、症状の緩和は可能ですので、早急に病院に行かせるのが賢明です。化膿止めの軟膏・・とかいうレベルではないと思われます。(文責 鈴木)

 

No.7671】  08年03月01日  D.D
骨転移について

はじめてメールを差し上げます。先月4cmの乳癌が発見されました。転移の検査を行ったところ、骨シンチにおいて左大腿部に全面に黒い影が写りました。しかし、X線にもMRIにも異状は認められませんでした。脚は朝、目覚めときや、歩いているとき重い感じがするときがありますが、ぶつけたりした記憶はありません。主治医は、乳癌の転移によるものではないだろうと判断されました。主治医の先生が仰るとおり、転移の可能性は少ないのでしょうか?

MRI像などを付加して骨転移とは一致しない画像所見なのでしょう。ご心配でしたら、さらにPET-CTなどをお受けになられてはいかがでしょうか(文責 首藤)

 

No.7670】  08年03月01日  Y  
細胞診の必要性

左胸に約5センチの腫瘤があります。3件の乳腺外科を受診し、触診、超音波検査をした結果(マンモグラフィーは授乳中のため適さないのでやりませんでした)、乳腺症との診断でした。私自身、大変心配性なためインターネットで色々調べると、しこりに針をさして調べる細胞診というのを知りました。3件の医師ともそれをしなかったというのは、どういうことなのでしょうか。触診の際に、「これは心配ないものだよ」と言ってくださり、超音波でみても癌の所見はない、しこりではないと言ってくださったのですが・・・。超音波写真を見せていただいたら、きれいな楕円形のものでした。心配いらないでしょうか。医師を信頼していないわけではないのですが、気になって仕方ありません。よろしくお願いいたします。

ご年齢が不明ですが、おそらくは線維腺腫など良性の乳腺腫瘍を第一に考える画像であったと推定されます。3件の乳腺医の意見が一致したとすると基本的には問題のないものなのでしょう。(文責 首藤)

 

No.7669】  08年03月01日  k m
胸部レントゲンとCTの比較

術後2年で肺転移が見つかり、ハーセプチンの単独投与をしていましたが、10月の胸部レントゲンで肺の腫瘍が33mmに増大している事がわかり、ハーセプチン+ゼローダの治療に切り替えました。12月の胸部レントゲンでは7mmに縮小していました。主治医の勧めで、1月にCTを撮ったところ、肺の腫瘍は20mmと言われました。
ゼローダ開始前にはCEAがあがり続けており、10月はCEAの値が27.0でした。ゼローダ開始後CEAは下がり続けており、1月はCEAの値が1.0になっていました。2月はCEAの値が0.6になりました。腫瘍の増大や縮小とCEAは連動しているようです。
主治医は、胸部レントゲンでは正確な大きさを把握しにくいので、12月と比較して腫瘍が増大したとは言い切れないと言っていました。その後、胸部レントゲンもCTも行っていないません。

1) 胸部レントゲンでは、腫瘍の大きさを把握するのは難しいのでしょうか?
2) 1月のCTで20mmというのは、腫瘍が増大したとみるべきでしょうか?
3) レントゲンはレントゲンと、CTはCTと比較すべきで、レントゲンとCTの比較は難しいのでしょうか?

1) 治療効果判定基準によれば、測定可能病変とは「少なくとも一方向を正確に測定でき最大径が記録できる病変で従来の測定法で最大径が20mm以上のもの」なので胸部レントゲンにても腫瘍の大きさの判定は可能だと思います。
3) そう思います。従って2)は1月以前のCT画像と比較して言及すべきでしょう。
(文責 首藤)

 

No.7668】  08年03月01日  s、k
抗がん剤の開始時期(HPNo.7621-2)

アドバイスをありがとうございました。その後主治医と相談しまして、抗がん剤はEC→Tとすることになり、3月6日に治療を開始します。手術日が11月27日で、抗がん剤治療の開始までに3ヶ月以上あいてしまいます。間があくと治療効果が落ちるのでしょうか? いまさら気にしても仕方がないとは思うのですが気になります。教えてください。
また別件ですが、手術後腕と脇のツッパリ感はずいぶん解消しましたが、肩の痛みと動きにくさがいつまでも続きます。肩が後ろに動きにくく、衣服の着脱に苦労します。五十肩のような感じです。レントゲンを撮ってもらいましたが、骨に異常はないようです。この痛みと動きづらさは解消されていくのでしょうか。よろしくお願いします。

術後化学療法としては術後2ヶ月以内に開始されることが多いと思います。開始遅延の場合の治療効果の変化は不明です。肩症状に関しては整形外科領域だと思います。(文責 首藤)

 

No.7667】  08年03月01日  Y.Y
脇・胸の痛み

50歳、Y.Yと申します。一ケ月程前から急に右乳房上、脇側が痛みだし、乳頭へ差込痛があり、重たく締め付けられます。腕を伸ばしたり横になったり動かすと痛みが響き、右脇の中央あたりも痛みがズキンと差し込み、左の脇と比べると自己触診で右脇中央が腫れているような気がします。もともと左右違っていたのか不明。自己触診ですが、乳房にはしこりは感じません。どのような事が考えられるしょうか。
約3年前に、当初他の病院で悪性といわれたので、手術をして乳管内乳頭腫の生検を行いました。良性だったので、手術した病院での診察は一年前に終了しました。昨年10月に検診センターでマンモとエコーを行い、異常なしでした(石灰化はアリ)。17年前にも右乳腺線維腺腫をしています。以前より、痛みは時々あったように思います。閉経しております。脇はエコー・マンモで分かるのでしょうか。痛みはおさまるのでしょうか。よろしくお願いします。

メールの内容からは判断しかねます。一度乳腺専門医の診察をお願いいたします。(文責 首藤)

 

No.7666】  08年02月29日  k m
骨転移の治療、検査、症状

肺転移が1年前に見つかり、ハーセプチン単独治療を開始し、10月に肺転移巣の増大がわかり、ハーセプチン+ゼローダの治療をしています。7月の検査では骨転移は見つかりませんでしたが、今月の検査で、頚椎C6への骨転移が見つかりました。今の所、骨転移の症状は無く、骨転移も小さいので、主治医からは今の治療を継続しましょうと言われました。骨転移は3ヵ月後に再度検査する事になりました。「ゾメタは経過を見て使用するか決めましょう」と言われています。腫瘍マーカーCEAは、ゼローダ開始後下がり続けており、現在0.6になっています。他の腫瘍マーカーは以前からずっと正常値です。
1) ゼローダ開始後、CEAが下がり続けているので、今の治療でも骨転移への効果を期待できるでしょうか?
2) ゾメタについて調べた所、骨転移の抑制にも効果があるとの記載を見ました。抑制効果があるならば、経過観察などせずに、すぐにでも使用したほうがよいように思いますが、いかがでしょうか?
3) 頚椎C6への転移の場合、今後、痛みのほかにどのような症状が考えられるでしょうか?
4) 骨転移の次回検査が3ヶ月先というのは少し間隔が長いような気がしますが、いかがでしょうか?

1) 期待できると思います。
2) 経過観察せずにゾメタを使用しても良いと思います。
3) 上肢以下のしびれ、麻痺などの可能性もあります。
4) 転移状況の経過の追跡として、3ヶ月程度の間隔は妥当と思います。(文責 首藤)

 

No.7665-1】  08年02月29日  H.K. 
骨転移

11月に市の乳がん検診で要精検となり癌専門病院で検査を進めて行ったところ、左乳がん、腋下リンパ節転移あり、骨シンチで左大たい骨上部に転移とみられる集積がありました。MRIで検査したところ、やはり骨転移の可能性が高いとのことでした。その結果、予定していた左胸全摘出の手術もキャンセルになり、腫瘍内科での治療になりました。今はリュープリンの注射を始めたところです。別の病院でPET-CT検査をする予定です。いくつか質問がありますので、よろしくお願いします。
1) 左大たい骨に転移といっても、今は全く痛みがありません。本当に骨転移なのでしょうか?
2) 32歳という年齢を考慮すると、今後どういった治療をするのがのぞましいのでしょうか?
3) PET-CT検査は行ったほうがよいのでしょうか?

1) 骨転移診断においてMRI検査の正診率は高いと思います。
2) 癌細胞自体の要素、癌細胞のグレード、ホルモン感受性、Her2遺伝子増幅などにより治療方針はさまざまな選択肢があります。
3) 診断をより確かにするという意味からはPET-CTも有用と思います。(文責 首藤)

 

No.7665-2】  08年03月10日  H.K. 
骨転移後の治療について

HPNo.7665で相談にのっていただいたものです。有り難うございました。今後の治療についていくつか質問がありますので、よろしくお願いします。その後に行ったPET-CT検査で、左大たい骨の転移とみられる集積のほかに縦隔リンパのひとつにも転移とみられる集積があったとのことです。ホルモン感受性あり、HER2はマイナス、今後の治療としては遠隔転移していることから手術はせずに12週おきのリュープリン注射とノルバデックスを飲むことになりました。
1) 縦隔リンパに転移しているということは、近いうちに肺に転移する可能性が高いということなのでしょうか?
2) リュープリンの注射とノルバデックスという治療方法は標準治療なのでしょうか?
3) 閉経前でもノルバデックスで大丈夫なのでしょうか?

1) 必ずしもそうとは限りません。ケースバイケースです。
2)3) 閉経前ホルモン感受性転移再発乳癌に対して、科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドラインの薬物療法(日本乳癌学会編)では、一次治療としてLH-RHアナログ(リュープリン)とタモキシフェン(ノルバデックス)の併用療法を推奨(推奨グレードA)しています。推奨グレードAとは、充分なエビデンスがあり、乳癌治療の日常診療で積極的に実践するように日本乳癌学会が推奨しているものです。標準治療といっていいと思います。不安点、疑問点がある場合は、主治医と充分なコンタクトを取ってください。納得のいく治療を受ける事が大切です。(文責 須田)

 

No.7664】  08年02月29日  E.Y.
術後化学療法について

妻が乳がんで、化学療法を長い間行った後手術をしましたが、癌が残ってしまいました。再発の危険性が高いのですが、このままですとホルモン療法のみとなってしまいます。積極的に抗がん剤などで再発予防治療をしていただける先生がいたら教えてください。

術前化学療法(Primary systemic therapy)を施行して組織学的に癌がほぼ完全に消失する割合は全体の1/4から1/3程度で、それ以外は奥様と同様に癌細胞の残存がみられます。この場合、さらに化学療法(ゼローダなど)を補助療法として行うという臨床試験が本邦でも行われています。したがって現段階では癌の残存があった場合の化学療法追加の有効性は不明です。そのあたりをふまえて、担当医とよくご相談されたほうがよろしいかと思います。(文責 首藤)

 

No.7663】  08年02月29日  G 
粘液癌

37歳で、ただいま胸筋温存乳房全摘出術で入院中のものです。一般的ではない質問なのですが・・・。
私は今回の術前の組織診で粘液癌を多く含むことがわかっていました。摘出後腫瘍を開いて固定液で固めたところ、やはり粘液部分が多かったそうです。乳がんで粘液癌の場合、唾液腺腫瘍からのものが含まれるということが調べると出てきますが、私は以前耳下腺腫瘍といわれ、良性であっても手術をすることになっていました。しかし、サイズが小さくなったため、耳下腺炎という処理で様子をみることになった経緯があります。つい最近でも某芸能人が耳下腺(唾液腺腫瘍良性)から乳がん(粘液癌)が見つかったと偶然にも似た事例がありましたので、良性の唾液腺腫瘍(耳下腺)からも乳がんの粘液癌になるのではないかと考えました。
そこで質問なのですが、乳がんで粘液癌の場合、悪性度は低いと一般的に言われていますが、原発が乳房ではなく唾液腺であった場合、すでにそれは転移したというもので、全身治療が必要になってくるのでしょうか? また、乳がんではない、ということになるのでしょうか?
主治医の先生にも聞けない内容でしたので(調べないとわからない内容だと思いましたので)、こちらから質問させていただきました。ご回答よろしくお願いいたします。

唾液腺原発と乳がんの粘液癌は基本的に別と考えて良いと思います。相互間の転移の可能性もほぼ無いとみてよいでしょう。(文責 首藤)

 

No.7662】  08年02月29日  Y・H 
生検について

多くの方からの相談を見て、思い切って投稿いたしました。現在38才、独身のY・Hと申します。妊娠・出産経験はありません。昨年11月人間ドック受診の際、触診とマンモグラフィを受けました。マンモグラフィは乳腺が発達しているせいか、カテゴリー1でしたが、触診は、左乳房の上部内側にしこりが発見され要精検となりました。今までに下記の検査を受けています。
1) 触診では、良性の腺維腺腫のようにクリクリとは動かないしこりである。
2) エコーでは、2.5cmのしこりで
・形がきれいな楕円形ではなく、ふちの部分がもやもやしている
・しこり部分の色が真っ黒でなく多少グレーがかっている
・中身は、おそらく充実性のもの
・乳管内の非浸潤がんの可能性がある

3) 造影剤MRIでは、造影剤がグレーに染まっている。
4) 細胞診は、悪性ではなかった。

主治医の所見と画像診断・病理検査結果からは、悪性の可能性を否定できないので、「生検の必要あり」ということです。MRIや細胞診の診断者の所見をみせてもらったわけではないため、どの程度の悪性の可能性なのかは定かではありません。白黒はっきりさせるために、生検は必要だろうと思い自分でも希望し、来月生検を予約しましたが、受診中の病院にはマンモトーム機器がないため外科的生検になるそうです。外科的生検は、目で見て確実に組織が採取できるという説明を受けていますが、太い針の生検やマンモトーム生検より、「確実」という点でメリットがあるものでしょうか? 外科的生検すると、乳房にへこみや変形ができるそうですね。もし良性だった場合は、今後も乳がん検診を続けていくのに、視触診上、支障になるのではないかとも考えます。また、非浸潤がんの可能性がある場合、生検でがん細胞が散らばり、浸潤がんになることはないのでしょうか? 短期間でいろいろなHPを見たり書籍から情報を得たため、考えすぎなのか収集がつかない状態です。混乱しております。お忙しいなか申し訳ありませんが、貴会のアドバイスをいただけましたら幸いです。

確かに切開し生検すれば、腫瘍の全体像が見られるので、診断は確実になることが多いです。ただ、ご本人が心配されている、がん細胞がばらまかれるということは、あまり心配なさらなくて良いでしょう。診断のステップとして、いきなり切除生検よりは、まず針生検を先に行うのが良いと思われます。この場合、先にも書きましたが、診断が不十分に終わり、結果的に切除が必要になることもあり得ることは認識として必要です。しっかりと診断して頂いて、確実な治療をお受け下さい。何かあれば、またお待ちしています。(文責 鈴木)

 

No.7661】  08年02月29日  K子 
乳がんの疑いと異常なし

よろしくお願いします。33歳、既婚、子どもなし。昨年年末に左乳房のしこりに気づき、1月下旬に外科を受診し、マンモグラフィ検査は異常なし。超音波検査では、大きさ1cmくらいのしこりを発見。見た目の形が良くないと告げられ、その隣にもしこりのようなものを発見する。針生検(細い針)で2箇所検査し、特に異常なし。しかし、超音波での見た形が良くなく、境界線も不明なので、切って患部を大きく取り出し最終診断することを勧められました。本日、別病院・乳腺専門医を受診し、マンモグラフィ検査では前回の画像を持ち込み、異常なし。超音波検査では、触診では認めるしこりが超音波には写らず、何も発見できず良性とも悪性とも診断できないと告げられました。3ヵ月後の様子観察です。教えてください。
1) 仮に悪性とし、1ヶ月間で超音波では見えなくなってしまうものですか(ガンが移動したり)?
2) 触診で認められるしこりには、超音波には写らないものもあるのですか? 良性でも何かしら写るものと思っていたのですが・・
3) 他の病気で考えられる病気はありますか?
4) 再度、別病院受診を考えていますが、3ヶ月待ったほうがよいのでしょうか?

恐らく、2回目の先生の診断が正しいのではないでしょうか。触診でみられたしこりは、実際ののしこりではなくて、硬い乳腺の一部であった可能性があります。1ヶ月で見えなくなったのではなく、最初の超音波が、読みすぎだったのではないでしょうか?
正常の乳腺は、硬い乳腺、軟らかい乳腺が混在しているのが通常ですから、そのまだら状態が均一でないときに、しこりのように写し出されることがあります。ただ、形が不整なので、もう一歩突っ込んで検査をしましょう・・・、というところなのですね。私も写真をみていないので、なんとも言えません。超音波の写り方を、単なるまだらの乳腺の一部と考えるか、なにかしこりが潜んでいると考えるかです。先生と良く相談の上、ご自身が納得できる検査をお受け下さい。(文責 鈴木)

 

No.7660】  08年02月29日  H.
胸のかゆみについて

胸のかゆみがあります。両方といえば両方なのですが、右の方がかゆいです(去年の10月にマンモグラフィーをしましたが、その時はかゆみ等はありませんでした)。乳頭や乳輪にただれのようなものはありません。分泌物もありません。ただ、かゆいんです。たまに体のほかの箇所もかゆいのですが、一番右胸がかゆいです。今、フェロステックを服用していますが、その副作用に掻痒とありましたが、それが原因?とも思ったり・・・。アトピーとかはありませんが、乾燥肌ではあります。パジェット病を疑うのは心配のしすぎでしょうか? またマンモグラフィーでパジェット病は診断されるのでしょうか? 細胞診でしかわからないものなのでしょうか?

胸の痒みは、よく起こります。その訴えで外来を受診する方も多く見られます。Paget病は、乳頭、乳輪にただれ、出血などが起こります。そういった変化がなければ、その心配はありません。マンモグラフィよりは肉眼所見が大事で、細胞診、組織診などで診断します。フェロスティックという薬剤は存じ上げませんが、その副作用もあるのかもしれません。乾燥肌が原因かもしれません。いずれにせよ、あまり心配ない症状だと思われます。(文責 鈴木)

 

No.7659】  08年02月29日  F 
乳がん検診結果と左腋の下の痛み

初めて投稿させていただきます。45歳、子供3人の主婦です。34歳で子宮筋腫を患いました。その際、子宮は摘出しましたが卵巣は左右残しました。毎年、マンモグラフィー&超音波検診を受けていますが、今年初めて再検査になりました。左胸FAD、カテゴリー3。患部が表示されていましたが、丁度左乳房を横から見た図で斜めに直線が引いてある左側に○印がしてありました。手書きで「副乳」とかいてあります。30代の頃も左腋の下に違和感があり、今日まで2,3回総合病院の外科を受診したことがありますが、触診のみで特に異状があるとは言われず本日まできました。
1) 授乳間もない方ならともかく、私の年齢で「副乳」はありえますか? 排卵はあっても生理がこないので、「生理近くになると」とは言えません。確かに気になる時とならない時はあるような…感じです。
2) 見た目両手を下げた状態で左の方が腋の下の脂肪が目立つ気はします。腫れているのか、しこりがあるのか微妙です(リンパ腺のような気もします。図を見ると乳房の奥胸筋の部分に印がついているのか、腋の意味なのか、立体図ではないのでわかりません。

再検査の予約は済ませましたが、自分の置かれている状態を少しでも把握し、不安と向き合っておきたいと思いました。この文から推察されることをお教え下さい。お忙しい中、申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

マンモグラフィは、左右の乳房の左右差が写し出された時に、FADという言葉を使います。人間の乳房は左右均等ではないので、多かれ少なかれ左右差は生じるものです。ですから、たまたま、厚い乳腺、硬い乳腺が写り、FADという判定になったのかもしれません。それと、副乳は授乳期に関係ありません。40代の年齢でも、残っていることはあります。女性ホルモンの周期により、この服乳が張ったりしますので、違和感を感じているのではないでしょうか? この文面だけではなんとも言えませんので、再検査を受けて、しっかり診断してもらうことが肝要かと思われます。(文責 鈴木)

 

No.7658】  08年02月29日  Y.W
手のしびれ

去年、非侵潤性の乳管がんと診断され、5月に温存手術を受けました。その後放射線治療を30回済ませました。薬は飲んでいません。術後、特に異常はなかったのですが 今年になって両手がむくんだ感じで、2月に入ってからは、手術した側の手(肘から下、手の先)が痺れます。日常生活に支障をきたすほどひどいものではありませんが、こんな感覚が続くのは初めてなので、心配です。仕方のないことなのでしょうか? よろしくお願いします。  

腋のリンパ節は、郭清したのでしょうか?そうであれば、痺れは感じることがあります。
ただ、腋の下から、二の腕あたりに症状が出ることが多いようです。センチネルリンパ節生検でも、若干のしびれ、つれ感はありますので、手術によるものか、そうでないのか、主治医に問い合わせをしてみて下さい。(文責 鈴木)

 

No.7657】  08年02月29日  M
ステージと今後の治療について

昨年10月の検診で、触診異常なし、マンモグラフィー石灰化カテゴリー4 要精検となりました。12月に外科で細胞診クラスW、CNBでDCISとなり、今年1月下旬 乳腺切除(乳房温存)しました。42歳、月経あり、オペ中のセンチネルリンパ節生検は陰性でしたので腋窩リンパ節郭清は省略しました。断端陰性でした。
オペ後の病理診断は次のようでした。「Cancer of the left breast. C area, 40X29X9 mm in size. Non-invasive ductal carcinoma(DCIS), 病巣の辺縁では核グレードは2ですが、中心付近では3でした。断端陰性、SLN陰性。この時点でDCISでしたので、HER2検索はしていません。ホルモンレセプターはER PROG とも陽性です。」
その後、病理の先生が気になる部分をもう少し詳しく見ていくと、がん進展部の最も抹消の部位に最大径800μmの微小浸潤巣1ヶ所が有り、乳がん取り扱い規約による分類では、Invasive ductal carcinoma: Papillotubular carcinoma with minimal invasion となりました。病理の先生も外科の先生も、まあ非浸潤がんと考えてもいいくらいだから安心するようにとはおっしゃっています。
この場合、ステージ(病期)はどうなるのでしょうか? またリスク分類(低・中・高)としてはどうなるのでしょうか? 現在放射線治療中(25回予定)ですが、その後、薬剤療法は必要でしょうか? よろしくお願いいたします。  

1mm以下の非浸潤がん(T1mic)ですので、T1micN0M0ということになり、ステージはTになります。私も主治医と同じ意見で、非浸潤がんとして治療すればよいと思われます。ホルモン感受性の非浸潤がんということで、ホルモン療法と放射線照射でよろしいのではないでしょうか。リスク分類では、Timicをどのように取り扱うかは言及されておりませんが、低リスクと考えて下さい。(文責 鈴木)

 

No.7656】  08年02月29日  Y.H.
右胸外側上部に1.6cmのしこり

43才の二児の女性です。昨日、マンモグラフィー検査で、右胸外側上部に1,6cmのしこりが見つかり細胞診を行ないました。悪性だったらと思いますと不安で不安で仕方ありません。どうかアドバイスの方、よろしくお願いいたします。

まずは悪性か否かが大事ですので、不安な気持ちは察しますが、落ち着いて必要な検査を受けて下さい。1.6cmであれば、仮に悪性であっても、大きな乳がんではないので、しっかりと治療すれば、治る可能性が高いので大丈夫でしょう。(文責 鈴木)

 

No.7655】  08年02月29日  M.A,
めずらしい乳ガンについて

私は一年半前に右乳房全摘しました。乳ガンの確定診断まで沢山の検査をしました。結果、glycogen-rich clear cell carcinoma と言う極めて希な乳ガンだそうです。この癌について、教えて下さい。因みに私は10年前にも左側温存手術しています。両親は癌で他界、姉弟皆癌手術していますが健在です。宜しくお願いします。52歳女性。

細胞の中にglycogenが豊富な乳がんです。乳がん全体の1~3%くらいといわれますが、その性格、悪性度に関しては確立した意見はなく、従って治療法も従来の乳がんと同じ治療を行います。(文責 鈴木)

 

No.7654】  08年02月29日  M  
細胞診後の出血

妊娠9週目です。初診でがん検診を行ったところVaと診断され細胞診をしました。終わったあと茶色っぽい出血とカスみたいのが出ると言われましたが、その後生理初期のような少量の出血があります。これは検査による出血なのでしょうか?

これは、婦人科検診の話なのでしょうか? 乳がん検診で、細胞診のあとに乳頭から出血が起こることは時にありますが、生理初期のような少量の出血(一般的にはあまり経験しませんが)? これは、乳頭からの出血ですか? だとしたら、精密検査の必要はあるかと思いますが、婦人科検診のことに関しては、婦人科の方で問い合わせてください。(文責 鈴木)

 

No.7653】  08年02月26日  K.K. 
乳腺線維線腫 (HPNo.7637-2)

先日腫瘤陰影のことでご相談させて頂いたものです。病院で診察を受けたところ、乳腺線維線腫とのことで、良性のしこりで心配ないと言われました。ただ、しこりが大きくなれば取らなければならず、しこりが3センチくらいになれば4センチは切開するとのことで…私は少しでも傷が小さい方がいいので、小さいしこりのうちに取りたいのですが、可能ですか? 現在1センチです。大きくなるのにどのくらいの時間がかかるでしょうか?大きくならない人もいますか?どのくらいの確率で大きくなるのでしょうか。

1cm程度の大きさであればそれ以上大きくなる可能性はそれほど高くありません。経過観察も一つの選択肢です。(文責 首藤)

 

No.7652】  08年02月26日  S  
見張りリンパ節生検術後の予後について

ステージ1で脇の下の転移もなく、術後の微熱は有りましたが、2月12日の手術から一週間で退院しました。ところがその3日後からセンチネルリンパ節生検査した(脇の下の見張りリンパ節生検したところ)傷のまわりが、硬くこぶのようにもりあがってきて鈍い痛みもあり、乳房方面にも二本筋にもりあがってきて(乳腺炎よりも太い筋です)、兎に角、この後どうなってしまうのか不安でなりません。週末に受診した時間外担当の医師には、「水がたまったのかも。抜くにしても、まだ手術後間もないから経過観察でよいのでは?」と言われましたが、水とはリンパ液のことですか? やっとの思いで受けた検査&手術でしたが、検査で取り出したはずのリンパ節が腫れることがあるのでしょう
か? ゛水を抜く゛などという作業は怖くてなりません。今後、放射線線治療&投薬とあるのに、兎に角どうしたらよいのか心配です。

もっとも考えられるのはリンパ液の貯留でしょう。少量であれば自然吸収されることが多いです。(文責 首藤)

 

No.7651】  08年02月26日  M.H. 
現在の治療を続けていて良いのでしょうか?

43歳、未婚、出産経験なしです。
2001年(35歳)夏頃に右乳房にシコリを感じ、秋に細胞診により癌と判明し、2002年1月に温存で1/6を切除しました。放射線治療なし、ノルバデックスを2年服用。病理報告書 「11.2×2.8×2.2cm大の右乳房部分切除検体。1.2×1×0.6cm大のtumorが認められた。LN Level I:0/1」
2006年夏(41歳)に右脇のリンパに腫瘍をエコーで見つかり、11月に細胞診をし、結果はClassX。主治医によると、腫瘍は2001年の術後からあり、良性と判断してきたようで、2006年夏にエコーにより腫瘍が大きくなったため癌を疑い始めたようです。主治医を離れ、2007年4月(42歳)と2007年7月に血管内治療(計2回)を受けました。(外科医の先生方にはご賛同いただいてない治療であることは承知しております。)
血管内治療の後、マンモグラフィーでは癌は認識されず、エコーにて小さくなった腫瘍を認めるが癌とは判断がつかないため、2007年10月にPETを受けました。結果は、「右乳房内や胸壁などに局所再発を示す異常構造は認められません。右腋窩に径1cm未満の結節があり、リンパ節と考えられます。有意なFDG集積は認められません、両側腋窩や鎖骨上窩、傍胸骨領域に有意なリンパ節腫大は認められません。残存する両側乳腺に淡い生理的集積を認めます。画像診断:乳がんの再発所見は明らかではありません。右腋窩に径1cm未満のリンパ節を認めます。」とあり、その他の部位についても異常は認められないとのことです。その為、2007年4月からリュープリンとエビスタの治療を継続しており、今後は定期的に検査をする予定です。
2001年の温存の際に病理診断をしていなかったので、血管内治療をする前に診断していただきました。ER2+、PgR2+、Hercep test 0、グレードは1でした。しかし、血管内治療の先生の診断結果はHercep testは+でした(診断者の判断により結果に差異が生じることがあると聞きました)。
今回3点お伺いしたいことがあります。
このまま現在の治療を続けて、定期検診を受けていけば良いのでしょうか。その際、エビスタでい良いのでしょうか、殆どの患者さんはノルバデックスを服用しているので疑問があります。PETの結果で今のところ1cm未満のリンパ節が良性かがん細胞なのか判断がつかないため、現在の治療を選択しているわけなのですが、癌であると疑い手術で摘出するべきなのでしょうか。セカンドオピニオンの先生の見解では、100%癌なので、直ぐにでも摘出すべきとのことで、各先生により見解が異なっており判断に困っております。セカンドオピニオンの先生の判断では、摘出せずに現在の治療を行っていると余命は5年だと告知されました。よろしくお願いいたします。

LHRH+エビスタ(ラロキシフェン)併用療法は乳癌に対する標準治療とは言い難いと思います。リンパ節に転移しているのであれば摘出が良いかと思います。リンパ節郭清自体に予後改善の証拠はありません。5年の余命の根拠は私には分かりません。(文責 首藤)

 

No.7650】  08年02月26日  K.Y
術後の治療について

術後の治療についてご相談させていただきます。    
昨年乳頭からの出血で受診し、12月に乳房扇状部分切除術を受けました。「46歳、女性、閉経前、腫瘍径7×4、センチネル生検0/3、リンパ・血管侵襲(―)グレード2、ER+ (80%)、PGR+(50〜80%)、HER2(+2)、断端広範囲に陽性」以上が病理結果です。現在の治療はリュープリン注射とノルバテックスです。来週より放射線治療50グレイ+10グレイ(断端部分追加照射)を行います。
ご相談の内容ですが、主治医の先生は、「HER2陽性だけれど腫瘍が小さい・リンパ転移等が認められない等を考慮して、ホルモン療法でいいと思います」と言われました。実は5年近く前に乳管内腫瘍(異型細胞は認められるが癌ではないと診断)のみの摘出術を外来で受けました(現在の病院ではありません)。現在の主治医から、前回の取り残しまたは局所再発の可能性大と言われています(前回の病理プレパラートを取り寄せ再診断済み)。非侵潤部分は乳管進展型で、術前では1/4程度の切除予定でしたが、思っていたより広く1/3の切除まで広がりました。前回の術根と非侵潤がんとの見極めが難しかったとのことで、結果広範囲の断端陽性になったようです。今回が原発ではなく局所再発の可能性大・断端陽性・HER2陽性の結果を聞くと、素人ながら再度の局所再発や転移に不安を感じています。HER2陽性はホルモン療法の効果の期待が少なくなるとの文献も読みました。逆にホルモン受容体陽性はタモの効きが悪いと言われていると聞くとつらい化学療法を希望するのも迷います。以上の状態での先生の所見をお聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。

ホルモン感受性もありますし、ホルモン療法主体による補助療法は納得のゆくところです。Her2陽性でTamoxifenの効果に疑問があるようでしたらLHRH単独療法も良いかと思います。(文責 首藤)

 

No.7649】  08年02月26日  M.N. 
乳頭分泌

以前にも血性分泌としこりで投稿させてもらったのですが、乳腺外科で分泌物としこりの細胞検査をしたところ、両方ともクラス2で、乳頭腫であろうという診断がでていました。しこりをもっているのが嫌だったので、手術で摘出してもらうことになり、乳管拡張もあったので、その部分も含めて1週間ほど前に摘出してもらいました。診断から手術までの間、1ヶ月くらいあったのですが、その間に分泌は止まっていました。手術をして、しこりを摘出した後、3日〜4日くらいしたら、また分泌物がでてくるようになりました(基本的には濃い黄色ですが、しこりがあった時同様、血が混じっていると思います)。手術でとったのに、まだ分泌があるということは、新たなしこりができたのでしょうか? ちなみに、生理前になると乳房の痛みとともに分泌が始まり、生理が終わると分泌がなくなるみたいです(このサイクルは、しこりがあった時も同じです)。
生検の結果は再来週にわかりますが、担当の先生は、結果が出るまで何とも言えないと言っています。それまでの間、不安なので相談させていただきました。よろしくお願いします。

基本的には生検の組織検査の結果がなければ何ともいえません。もう少し待ちましょう。(文責 首藤)

 

No.7648】  08年02月25日  M・I
乳がんの進行度について

不安の余り、突然で申し訳ございませんがメールさせていただきます。胸のしこりが気になって4日前に病院に行き、マンモグラフィー、触診、細胞検査を受け、乳がんの疑いがあると言われました。県立のがんセンターを紹介され、2週間後精密検査を受けることになり、さらに1週間後に最終診断が下ることになりました。その間に、進行したりしませんか?30代前半で独身なんで、すごい不安です。

現在診断のための検査中とのことで、御不安な時期だと思います。たとえ悪性との結果であっても、1-2ヶ月で病状が進行することは一般的にありませんので、心配なさらないで下さい。もしそのような結果であった場合は、少し時間がかかってもよいですから、あせらずによい治療法を選択されることが大切です。(文責 加藤)

 

No.7647】  08年02月25日  T.Y.
術後療法について

初めてご相談させて頂きます。
1) 妻(31歳)が2007年11月に乳がんと診断され、2007年12月に左乳房切除、リンパ節の摘出を行いました。主治医から直接聞いていない情報もありますが(カルテを覗き見ました)、トリプルポジティブでHer2(+3)、リンパ節転移8/21です。「悪性度は高い」と言われ、術前検査でしこりは3.8cm、遠隔転移はありませんでした。ステージとしてはUb?Va?Vb? どれくらいになるのでしょうか?
2) 上記の状態でこれから放射線治療25回、合計50グレイを行います。その後4月末を予定として抗がん剤治療を始めるのですが、術後から抗がん剤治療開始まで4ヶ月近くも空いてしまうことに不安を感じています。(詳しい説明は聞いていませんが、前半はFEC,後半はタキソール+ハーセプチンと言われています。) 患者数が多く、順番待ちであることは承知していますが、少しでも早く抗がん剤治療を始めることができるように主治医に相談したほうが良いのでしょうか?それとも4ヶ月くらいであれば、特に気にする必要はないのでしょうか?

本来は主治医に相談すれば良いのですが、妻が一緒だと気を使ってしまうのでこちらでご相談させて頂きました。宜しくお願い致します。

1) AJCCの分類ではステージVAとなります。
2) 放射線は抗がん剤治療の後に行う場合が一般的です(逆にする場合もあります)。より早期の抗がん剤治療をご希望でしたら、順番について主治医に申し出られてはいかがでしょうか?(文責 加藤)

 

No.7646】  08年02月25日  M.O. 
日本での今後の治療について

インターネットでこのサイトを見つけメールをさせていただいています。現在アメリカに在住中で、1月末にこちらで乳がんの手術をしました。38歳主婦です。
32歳辺りから、乳がん検診は1年に一度毎年受けていました。2年前からしこりがあると診断され(日本)、しこりは乳腺腫だといわれました。去年の夏の検診で一応念のため調べようかといわれたのですが、こちらに戻る前日だったので、しないまま来てしまいました。そして、去年11月頃、やはりしこりが大きくなったような気がして、こちらで受診しました。マンモ、エコーと検査した結果、悪性のものではないからこのままで様子を見るか、気になるようなら取ってしまうかということになり、取ってしまったほうが気にならなくていいと思い1月初旬に取ってしまいました。その結果、とった組織を調べたところ、1センチの癌が見つかりました。そして、その後MRIなどでさらに調べ、非浸潤性 レベルはU HER-2は+3でした。1月末さらにその周囲6センチの切除手術と、nuclear medicine(SLN)、リンパ節を調べました。その結果、リンパ節は転移なしなのですが、まだ病巣が広がっているようで、ほとんど取ってしまうようだと言われました。もともと小さい胸なので、ほとんどフラットになってしまうといわれ、今後再発、放射線治療などを考えたら、全摘して再建したほうが良いと言われました。私もそのことについては同じ考えです。疑問に思う点が、癌は1センチで非浸潤性なのに、そこまで広がってしまう危険性があるのでしょうか?今年夏には帰国します。日本で受け入れていただける病院はあるのでしょうか?手術と同時に再建もするということで、もともとやせ方なので自分の脂肪では再建できないと言われ、インプラントになります。そのアフターケアーも気になり、乳がん専門医、形成外科と関連した病院を探しています。もし、ご存知であればお教えください。これから3、4週間後に手術の予定です。      

非浸潤がんは、広範囲に及ぶ場合があります。浸潤がんより早期であるにもかかわらず、手術ではより広範囲の切除を余儀なくされる場合もよくあります。非浸潤がんは、すべて転移の可能性を持つ浸潤がんになっていく訳ではないのですが(約半数ともいわれてます)、その予測は困難であり、現時点では非浸潤がんが発見された場合、一般的に切除が勧められています。病変が広範囲に及ぶ場合は、無理して温存術を施行するより、おっしゃるように全摘して再建するほうが美容的に優れた結果が得られるでしょう。米国では一般的ですが、やっと日本でもここ最近、多くの施設で再建術も視野に入れるようになってきました。お住まいにもよるため、こちらでのご紹介は難しいですが、乳がんの手術を多く行っている病院で、インプラントを扱っている形成外科医が在院している所が一つの目安になるでしょう。(文責 加藤)

 

No.7645-1】  08年02月25日  T 
意見の違い

49歳、2003年7月に右乳房全摘手術。(2.8×2.2cm リンパ節転移1/10 MIB−1:19% p53:− HER2:− ER:2+ PgR:2+)EC4クールのあと、ノルバデックスを服用。昨年7月、左胸のエコー検査で4mmと7mmの2個並んだしこりが見つかりました。細胞診の結果、「悪性を非常に疑う異型細胞を少数観察」との診断。主治医、セカンドオピニオンを受けた医師共に、新たながんの発生であること・ノルバデックス服用中の発生なので、前回とは別のタイプだろうということ。私に不安があり、生検はしていません。薬をアリミデックスに替え、10月のエコー検査では前回写っていた箇所が不明瞭になっており、薬が効いているという診断。12月のエコー検査では2.5oと3mmに縮小。今月5日の検査でも大きさに変化はありません。胸部レントゲン・腹部エコーともに異常無しです。
1週間前から血が混じったおりものが出ており、婦人科受診でおそらく生理に近いとの診断(エストロゲン値の結果はまだです。3年間無月経でした)、ホルモン治療は6ヶ月がめどであることから、主治医は時期はともかく最終的には手術をし、細胞判断をするということで、MRIを3月14日、手術の仮予約を3月28日にしています。セカンドオピニオンの医師は、手術をしなくてこのまま縮小・消滅を待ってもよかったという意見でした。ただ、手術を希望するのであれば形がはっきりしている早い時期がよいということ。MRIを今月中に撮ることを薦められました(なお、主治医とセカンドオピニオンの医師は交流があります)。
体力・免疫力の低下で悪影響が出ることの不安があり、できれば手術は避けたいのですが、そのままにすることで転移の心配もあり迷っています。他の部位のがんでは手術をしない方向に進んでいるようですが、乳がんの場合はどうなのでしょうか。私の場合はどのようにしたらよいのでしょうか。お願いします。

対側に新たに発症されたものであり、メール内容の御病状であれば、現時点ではやはり手術が一般的な治療法になります(それ以外の方法については、まだ残念ながら試験段階です)。非常に小さいしこりであるようですので、まずその部分だけの摘出でよいと思います。ただ、ホルモン治療によりしこりは小さくなってきており、どうしても手術は避けたいということであれば別の医師の意見を選択することになると思います。(文責 加藤)

 

No.7645-2】  08年12月07日  T 
転成した場合の薬の投与について

今年2月にHPNo.7645で相談させて頂きました。2月にMRIとエコー検査を受けたところ、3.3mmで変化なし。3月25日に温存手術を受け、放射線治療を30回行いました。組織診の結果は、IB-:10%、p53:±、HER2:2+(FISH:−)、ERとPgR:−リンパ節転移無し(0/3) 小葉がん(診察時のPC上には非浸潤とあったようなのですが、分かりません)。
婦人科での検査は、2月FSH:14.9、E2:6.6 →6月FSH:34、E2:5.7 で閉経状態。8月に生理様の出血がありましたが、閉経時の揺り戻しとの診断で、薬の変更には影響しないということでした。ホルモン受容体「−」ですが、小葉がんは性質としてホルモン剤が効くこと、術前ホルモン療法で3分の1に縮小していることから、薬の影響により転成したとの判断で引き続きアリミデックスを服用しています。質問です。元々はホルモン受容体陽性だったとしても、現時点で陰性となっている細胞に効果はあるのでしょうか? 素人考えですが、継続使用することで耐性ができ、将来的に本当に必要となった時に投与ができなくなるのではという不安と、休薬することで陽性に戻るのではという期待があります。HER2のFISH検査が「−」で、今後使用できる薬がないのではと、非常に不安を感じています。ご回答をよろしくお願いします。

術前ホルモン療法を施行時にホルモン感受性を調べなかったのでしょうか? そのときに陽性であれば、今後もアリミデックスでかまわないと思います。「将来的に本当に必要となった時に投与ができなくなるのではという不安」というのは、再発時のことを言っているのでしょうか。今は再発しないための治療が最も重大と言われています。その後のことは、HER2(−)でも抗がん剤は使えますので、今後の心配はないと思います。(文責 石山)

 

No.7644】  08年02月25日  Y.O. 
再発治療について

8年7月乳管腺管癌にて右全摘、大きさ2.6cm、リンパ節転移(+)1aに1/6、HR(−)、C-erbB2(−)でした。術後、主治医からはCMF 6クールの提示ありましたが、いろいろ事情がありましてこれを拒否、無治療です。しばらく平穏に過ごしておりましたが、06年5月右腕の痺れ、むくみ、痛みが出現、同年11月鎖骨上リンパ節転移と判明、放射線50Gr照射にて画像上は消失しました。この時受けたPETでは複数のリンパ節への転移を指摘されています。細胞診の結果、ERのみですが(+)だったため(Her2は−)、再発ということもあり、リュープリン+ノルバデックスの内分泌療法を施行、1年余りが経過しました。落ち着いていた右腕の痺れ、むくみ、痛みが、年明けから増強、右胸壁にしこりを触知、エコー、MRIの結果ロッターリンパ節に再々発したようです。(MRIの画像上腫瘍はひとつ、大きさは1×1.5)
現在、全身検査(肝metaチェックの造影CTと骨シンチ)を予定、12日の結果を待って治療法を決めなくてはなりません。他に転移が見られなかった場合、opeは適用でしょうか? それとも抗癌剤治療でしょうか? 抗癌剤治療の場合、薬剤についてもご教授いただけると幸いです。
長文且つまとまりのない文章で大変恐縮です。何卒よろしくお願い申し上げます。

他に転移が見られなかった場合、手術等の局所治療も適応になるでしょう。ただ、右腕の症状も増強されているようであり、原因となる部位(鎖骨上リンパ節など)のチェックも再度されておいたほうがよいと考えます。抗がん剤治療の場合、アンスラサイクリン系(AC、EC、CAF、CEFなど)やタキサン系(タキソール、タキソテール)の薬剤が一般的に候補に挙げられるでしょう。(文責 加藤)

 

No.7643】  08年02月25日  T.O.  
ホルモン剤について(HPNo.6185-6)

何時もアドバイスを有難うございます。最近手などの痛みが酷いので大学病院の整形外科に行ってきましたが、リュウマチらしく検査結果待ちです。痛みはアリミデックスの副作用と思い込んでいましたが、残念ながら間違い無いようです。そこで質問ですが 
1) 私は京都在住で乳癌の主治医は神戸です。今まで通って来ましたが、乳癌にリュウマチとなると京都の大学病院に統一した方が、今後乳癌の治療上スムーズかもしれないと迷っています。乳癌患者がリュウマチに疾患すると個人クリニックでは面倒でしょうか?
2) アリミデックスは飲めなくなるのでしょうか?もしそうでしたら他の薬は有りますか?変形性関節症も有ります。
3) 別の方の質問の中で増骨性の骨転移の記述が有りましたが、リュウマチの様な症状でレントゲンに映ることは有りますでしょうか? 

以上です。質問の的が外れていましたら申し訳ありません。結構ショックで自分一人では考えが纏まりませんので宜しくお願い致します。

1) これまでどおりで大丈夫だと思いますが、まずクリニックの医師と話し合ってみてはいかがでしょうか?
2) 服用ができなくなるということはないと思います。副作用の可能性があれば、他の薬に変更または中止することはあります。
3) 転移ということはまずありませんので、心配なさらなくて大丈夫です。(文責 加藤)

 

No.7642】  08年02月25日  A 
乳輪の痒み

私は中学3年の学生です。一年程前から左の乳輪が痒くなりだして、最初のうちは気にしていなかったのですが、右側も少ずつかゆくなりだし、ちょっと不安になって、母に相談してみたのですが、お互いあまり気にせずに話は終わってしまいました。それが、最近になってから、痒いところがカサカサになり、かゆみも授業中に少々かゆくなりだしたりして・・・。特に入浴中などに身体を洗う時や、お湯につかるとき痒くなって、思わず掻いたり、タオルでこすったりしてしまいます。
不安になってネットで検索すると、だいたい「乳がん」や「皮膚の病気」などが検索結果で出てきました。しかしどのページも年齢が30代だったりして、私のように10代の方がいなくて、だけどかゆみなどの症状的には似ているので、こうして相談をする形をとりました。これは皮膚科などに行ったほうがいいのですか?そして私のような10代でも何か胸の病気などにかかることがあるのですか?

まず乳がんではありませんので、安心してください。同じような症状の方も時々いらっしゃいます。病気ということではないと思いますが、症状が強いようなら皮膚科で塗り薬を処方してもらうこともできます。(文責 加藤)

 

No.7641】  08年02月25日  N
ステレオガイド下マンモトームの結果にセカンドオピニオンは必要でしょうか(HPNo.6433-2)

2007年3月12日のHPNo.6433でお世話になったNです。その節は、的確でわかりやすいお返事を頂き、本当にお世話になりました。
さて、去年12月のMMGで(右胸 42才 閉経前 C領域 カテゴリー3b 微細石灰化 区域性)広がりが見えましたので、主治医にも強く勧められ、2年間に渡るMMGとエコーによる経過観察に見切りをつけ、今年1月15日にステレオガイド下マンモトーム生検、23日に結果説明を受け良性でした。てっきりDCISだと思っていたので驚きました。確認したいこともありましたが、夜も遅いのに私の後に大勢の患者さん達が待っているので、あまり時間を取って頂くことにはつい遠慮してしまいました。良性判定が出たので、次回からは提携しているガン予防センター(普通の病院では、まず健診で引っかかるので)で、1年に1度MMGを取り、その後も経過観察を続け、何かあれば戻ってくるようにと言われています。一晩明けてみたら、やはり確認できなかったことが気になりだし、かといって主治医に確認することもできません。私の杞憂に過ぎないことかもしれないのですが、教えて頂けないでしょうか?
1) マンモトーム(アップライト式)では、ポジショニングに時間がかかって、私が途中で気分が悪くなり、機械の調子もおかしくなって、休憩をはさんで4時間超の検査となりました。その際スカウト、ステレオ撮影を(20枚以上?)何枚もされましたが、被曝量は安全と思っていいのでしょうか?
2) 検体は11Gの針で計7本取り、全てに石灰化が含まれていることを確認して検査は終了しました。病理の結果報告には、7本の検体の簡単なスケッチと、「breast biopsy いずれの切片にも悪性の所見を認めず。no evidence of malignancy 」とのみ記載され、詳細な説明も組織像も貼付されておらず、主治医からは「良性でした。乳腺症です。但し全ての石灰化を取ったわけではありません。」と説明されました。『広範囲の石灰化から特に疑わしい石灰化部分を選んで7本を取ったので、その中に悪性を思わせる所見が無いので、ひとまず良性と推定される』と考えていいのでしょうか?又、残りの石灰化の部分は、特に気にしなくて良いのでしょうか?
3) 乳癌の病理は、「病理医によってかなりのばらつきがある」と聞いています。病理診断には乳腺症としか記載が無く、英語の正式な学術名ではないので、それ以上調べようがないのですが、マンモトーム生検は細胞診と違い組織診断なので病理医による鑑別の違いは無く、石灰化の詳細な結果報告が無くてもほぼ確実に良性だと考えて、病理のセカンドオピニオンを取らないでもいいのでしょうか。
4) 生検を受ける前に同じ病院で血液検査を受けました。実はその1週間後に近所の掛かり付け医院でも基本健診と血液検査を受けています。今回、主治医から「HCVに感染している」と言われました。でも、掛かり付け医の結果は陰性でした。主治医にそのことを伝えたら、「前にもそういうことがあった。もう一度受けてみて陰性ならそれでいいです」と言われました。受けた時期もほぼ同じで、検査結果が全く違うことはよくあることなのでしょうか?
5) 検査項目の中に、HBS-Agが(−)、HCV−Abが(+)、HCV−S/Cが1.0、RPR−QUが(−)、TPPA−QUが(−)とあります。HBS-AgはB型抗原、HCV−Abは、C型の抗体、PRP、TPPAは梅毒、だと思いますが、−QU、−S/C1.0 がいくら調べてもわかりません。それぞれどんな意味でしょうか?病院独自の略語でしょうか?
6) 今回は良性でしたが、今後数年内にDCISや浸潤癌に変わった症例はどの位ありますか?

以上、疑いだしたらきりが無いのですが、結果は良性なので、とりあえず気持ちに整理をつけたいと思います。本来なら主治医に確認すべきところですが、その機会が当分ありません。アドバイスを頂ければ、なお安心できるので、どうぞ宜しく御願い致します。

1) 何枚も撮影をされたとのことで、ご心配だと思いますが、被爆量は少量ですので安全です。
2) 一般的には残りの石灰化の部分も同じものと考えますので、気にされなくてよいでしょう。
3) おっしゃるようにほぼ確実と思って差し支えないでしょう。
4) 結果が境界域近くの場合、違いがでる場合は時々あります。
5) QUは単位を表しています。S/C1.0は、抗体価1.0という意味になります。
6) 一般的に良性のものが悪性に変化することはありませんので、心配なさらなくても大丈夫です。(文責 加藤)

 

No.7640-1】  08年02月22日  N.S.
状況と治療方針

小さな病院で胸のしこりの検査を受けました。エコー検査だけで「悪性」とわかるものだった様で、マンモ検査もせず、後日すぐ検査のために腫瘍摘出術を受けました。検査結果は「悪性の乳ガン、サイズ:1.0×1.0×1.0センチ大、占居部位:右側A領域、性状:壊死+、瘢痕+、硝子化+、微小石灰化+、割面の肉眼分類:中間型、組織学的な癌浸潤の波及程度:g+、f+、組織型:invasive ductal carcinoma,scirrhous carcinoma,DCIS:+,リンパ管侵襲:+、静脈侵襲:+、切除断端:positive、浸潤性乳管癌の核グレード:グレード3,核異型スコア:2点、核分裂像スコア:3点」とのことでした。
治療として改めて外科手術を、と促されていますが、突然の診断で病院すら選べずにいます。Drの名前のあげた病院は満床で2ヶ月以上待たなくては行けません。これはかなり状況が悪く、一刻も早くオペを急いだ方が良いのか、治療方針や病院を慎重に選んだ方がよいのか、どちらがよいのでしょうか? そしてこのグレードの癌でも乳房温存術は可能でしょうか?

エコー検査だけでいきなり生検というのは少し乱暴な気がします。やはり、マンモグラフィー検査、場合によっては細胞診、針生検というステップを踏むのが望ましいと思います。また、生検したのであればER,PR,Her2の結果がどうだったかも重要な問題です。それはさておいて、まず、手術を急ぐ必要があるかどうかですが、早ければそれに越したことはないが1?2ヶ月の遅れが予後に影響することはないと考えられています。それよりも、その間にきちんと検査を進めて、どのような手術が必要かを判断する材料を揃えることが肝心です。通常はマンモグラフィーやMRIで癌の広がりがどの程度か判断し,乳房温存が可能か乳房切除が望ましいかが決定されます。時間があれば全身転移の検索(ガイドラインに従えば不要ですが)をする場合もあります。術式、治療方針が決まった後でセカンドオピニオンが必要になるかもしれません。そうこうしていると1?2ヶ月はすぐ経ってしまいます。癌のグレードは術式の選択には影響しません。グレードは術後補助療法(化学療法、内分泌療法)を決める際に重要な因子で、グレード3ですから、化学療法の必要性が高いと考えられます。現時点で貴女が行うべき行動は、セカンドオピニオンという方法がありますから、まずは主治医の先生が勧めてくれた病院を受診し、検査を進めていくのが良いのではないでしょうか。その間に他の病院の情報を集めて、ここはと思う病院でセカンドオピニオンを受け,最終的に治療を行う病院を決めるという方法が良いのではないでしょうか。(文責 清水)

 

No.7640-2】  08年05月10日  N.S.
術後療法について

前回HPNo.7640では、ご丁寧なアドバイスをいただき、ありがとうございました。腫瘍自体は生検ですでに摘出(くり抜き術)していたため、あのアドバイスの後(=生検から1ヶ月後)の2月末に断端陽性部分を温存術にて追加切除し、リンパ節郭清を行いました。改めて術後療法について、ご意見をお聞かせ頂けたらと思います。40歳、閉経前、結婚出産経験なしです。

サイズ:1.0×1.0×1.0センチ大、占居部位:右側A領域、性状:壊死+、瘢痕+、硝子化+、微小石灰化+、割面の肉眼分類:中間型、組織学的な癌浸潤の波及程度:g+、f+、組織型:invasive ductal carcinoma,scirrhous carcinoma,DCIS:+,リンパ管侵襲:+、静脈侵襲:+、切除断端:positive、浸潤性乳管癌の核グレード:グレード3,核異型スコア:2点、核分裂像スコア:3点、病期I期、リンパ節転移なし、ホルモン2種:どちらも陰性、ハーセプチン:陰性

主治医の先生のお考えでは、断端陰性を確認し、取り残しもないので、乳房としての機能を残すため放射線療法は行わないとの事。この病状では、術後無治療で全く問題なく生活し、生涯を終えられる方70〜80%、再発される方20〜30%、再発に備え術後療法(化学療法、ホルモン療法)を受けるも治療の甲斐なく亡くなる方10%と説明を受けました。当初、早期だったため、術後療法の必要なしと言っておられたのですが、年齢が若いのが気がかりだと言う事で、術後療法を受けるか否かは、本人の希望次第だと判断を委ねられました。ホルモン陰性だったため、術後療法を受けるとしても抗癌剤のみと思っていましたが、今後ホルモン陽性の癌ができるのを予防する意味で、抗癌剤治療の後、ホルモン剤服用も行うとの事。当たり前ですが、再発のリスクを少しでも減らし、健康で長生きしたいため、必要な治療は受ける覚悟はできています。
1) 通常このようなケースは、どのような治療を行う(or 無治療)のが一般的でしょうか? 患者さんはどのような選択をされる事が多いのでしょうか?
2) 乳癌は早期でも全身病と考えよと聞いていたので、 素人考えでは、転移などの問題がないかPET+CT等でまず全身を調べて、問題ないようなら無治療で、という判断をしたいのですが、それはできないのでしょうか?
3) 術後無治療の場合、再発に備えてどの様な事に気をつけたらよいでしょうか?
4) 術後療法を受ける場合、仕事をしながらの治療となるため、通院の負担が軽いに越した事はないのですが、抗癌剤は点滴以外に注射や経口薬といった形で投与はできないのでしょうか?
5) 効果の望めない治療にお金をかける余裕もありません。費用対効果で、今回のホルモン剤治療は必要と思われますか?
6) 抗癌剤、ホルモン剤治療を受けるメリットとデメリットを教えていただけますか?

お忙しい中、恐縮ですが どうぞよろしくお願いします。

1) 腫瘍サイズが1.0×1.0×1.0センチ大と大きかったこと、年齢が若いこと、DCIS:+,リンパ管侵襲:+、静脈侵襲:+、核グレード:グレード3,核異型スコア:2点、核分裂像スコア:3点、ホルモン・レセプター陰性などから、化学療法になると考えます。通常、NSさんのようなケースでは化学療法が一般的で強く推奨されると思います。
2) 微小転移などはPET+CT検査等でも異常としてとらえられないので、問題なしという結果が出ても、無治療でというのは危険と考えます。あくまで、予防的投与で、微小転移を消滅させ再発させないことが治療上大切と思います。
3) 特にありません。
4) 抗癌剤は点滴以外に、注射や経口薬と言った形での投与法はなくはありません。治療効果の問題もあるので、主治医とご相談ください。
5) ホルモン・レセプター陰性なので、ホルモン剤治療は必要ではないと思います。
6) 一般的に、強力な、また大量の抗癌剤(ホルモン剤)使用には副作用はつきものです。かなり費用がかかりますが、著効する場合も、また無効の場合もあります。それなりの覚悟が必要です。(文責 石川)

 

No.7639】  08年02月22日  A
パジェット病について

31歳、未婚です。パジェット病について相談させて下さい。2年程前から右乳頭より黄色の分泌物、痒みの症状があります。皮膚科にかかった所、湿疹だろうとの事で、塗り薬を処方されました。それでも、症状が改善されなかった為、1年程前に総合病院の乳腺外科でエコー、マンモの検査を受けました。結果、特に異常は見当たらず、経過観察と診断されました。丁度その頃から、左乳頭、外陰部にも痒みを感じ始めた為、パジェット病ではないかと不安でたまりません。先生に相談した所、乳房パジェットと乳房外パジェットは関係ないと言われたのですが、本当に右胸で発症していたら、他へ広がる事はないのでしょうか? 1年経っても症状が改善されなかった為、今月再度診察を受けたのですが、触診のみでまた経過観察との診断でした。はっきりさせたいので、生検についても聞いてみたのですが、傷が残るので、かなり確実でないと生検は進められないと言われました。小さな傷で検査できる方法は無いのでしょうか? 長くなってすいません。回答宜しくお願いします。

主治医の先生がおっしゃるように、乳房パジェットと、乳房外パジェットは似た名前ですが関係はありません。乳房パジェットから乳房外パジェットになったという話はきいたことがありません。分泌物とかゆみだけならばパジェットの心配はありませんが、乳頭のびらんが一年も続いているのならば心配です。パジェット病は原則としてマンモグラフィーやエコー検査では異常所見はありません。一番簡便な検査法は、じくじくしているびらんの部分をプレパラートでこすって細胞診を行う方法(擦過細胞診)です。それでも疑いがあるときは局所麻酔下に生検を行います。生検は確実に病変部の一部が切除できれば良いので、小さい傷で可能ですし、傷跡もあまり目立ちません。 (文責 清水)

 

No.7638】  08年02月22日  MAKI
細胞診結果待ち

初めて相談させていただきます。30歳独身女性です。1月の終わりくらいに両乳房の痛みを感じ、個人病院の乳腺外来を受診しました。触診で張っているとのこと、エコーを行ったところ、右乳房に低エコーの部分あり。影が小葉ガンに似ているとのことで細胞診をする必要があると言われました。乳房の痛みは現在はほとんどなくなり、先生も「痛みはなぜかわからない、エコーの影とは関係ないと思われる」とおっしゃいました。マンモグラフィーも行いましたが、こちらは目立って怪しいものはなく、しかしやはりエコーでの影が気になるので細胞診が必要とのこと。現在細胞診の結果待ちですが、エコーで写ったものが、はっきりしたシコリではなく、形が定まらないものらしいので、「もし悪性で手術となったら全摘もありえますか?」との質問に、先生が「ないことはない」とおっしゃったので、細胞診の結果を聞くのが恐く、気持ちも不安定です。
先生の見解では悪性の可能性が高いと思われますか? また、悪性で全摘と言われたら、次に何をしたら良いでしょうか? 手術を安心して頼めそうな病院にセカンドオピニオンに行った方が良いですか? お忙しいところ申し訳ありませんが、ご回答の程、よろしくお願いいたします。

エコーの所見を見ていないので、悪性の可能性が高いかどうかは判断できません。ただ、少しでも悪性の所見が疑われた場合は細胞診を行うのが原則です。ご心配でしょうが、現時点では細胞診の結果を待つしかありません。“悪性で手術となったら全摘もあり得ますか?”という問いに、“ないことはない”という答え方は最も簡明で嘘のない答え方だと思います。もう少し丁寧に答えるならば、“現在は癌であるかどうかの検査をしているので、まだ手術方法を云々する段階ではありません。癌であると確定診断がついた後で、次に癌の広がりの検査を行い、その結果でどのような手術が良いか決めます。手術方法には乳房温存療法と、乳房を全摘する乳房切除術の二つがあります。現時点ではどちらの方法が良いかわかりません。”となるのでしょうか。ですから、まずは検査の結果を待つこと。その結果が万が一悪性であったときは、次の広がりの検査を受け、現在の主治医の先生が勧める手術方法の話を聞いて、それから、セカンドオピニオンにいきたいと申し出て資料を借りてセカンドオピニオンを受け、二つの病院の話を良く聞いた上でご自分でどちらが良いか判断してください。決して“安心して手術を頼めそうな病院”等という曖昧な基準で判断されないようにアドバイスさせて頂きます。(文責 清水)

 

No.7637-1】  08年02月22日  K.K.
左の腫瘤陰影について

初の乳がん検診(超音波検査)で、左だけ腫瘤陰影(3ヵ所)で経過観察3〜6ヶ月と診断されました。しこりが将来癌になる可能性はどのくらいでしょうか? 早期発見の場合、どのような手術がありますか? 切らなくてもいい方法はないのでしょうか? 切るとしたら何センチ切るのでしょうか? 全部切るのは絶対に嫌です。

超音波検査で発見された腫瘤が将来がんになる可能性は極めて低いです。問題は現在の腫瘤陰影が癌かどうかです。超音波検査で見えた腫瘤陰影が癌を疑うものであれば通常はすぐに細胞診を行います。癌の可能性は低そうだが、念のために経過観察の場合、3~6ヶ月後の再検査となります。ですから貴女の場合,主治医の先生は腫瘤陰影が癌である可能性は低い,しかし可能性がゼロではないと考えているということです。現時点では手術の可能性は非常に低いのでそこまで先走って考えない方が良いと思いますが、腫瘤が小さいうちに癌と診断されれば傷は小さくすむのが原則です。また、乳癌の治療で大切なのは転移再発を防ぐための薬による全身療法です。どのような薬の治療が良いかを判断するためには腫瘤を摘出して詳しく検査することが肝要になります。(文責  清水)

 

No.7637-2】  08年02月26日  K.K.
乳腺線維線腫

先日腫瘤陰影のことでご相談させて頂いたものです。病院で診察を受けたところ、乳腺線維線腫とのことで、良性のしこりで心配ないと言われました。ただ、しこりが大きくなれば取らなければならず、しこりが3センチくらいになれば4センチは切開するとのことで…私は少しでも傷が小さい方がいいので、小さいしこりのうちに取りたいのですが、可能ですか? 現在1センチです。大きくなるのにどのくらいの時間がかかるでしょうか?大きくならない人もいますか?どのくらいの確率で大きくなるのでしょうか。

1cm程度の大きさであればそれ以上大きくなる可能性はそれほど高くありません。経過観察も一つの選択肢です。(文責 首藤)

 

No.7636】  08年02月22日  K.O.
胸の痛み、ハレについて

私は33歳で、出産の経験もないです。3週間ほど前から左胸の中心辺りに痛みが出るようになりました。たまに軽く痛みを感じる程度でした。それが1週間少し前辺りから、急に胸が張って少し大きくなり、胸全体が固めになりました。痛みは少し増して(そこまで気になりませんが)押さえると少し痛いです。生理は、あと1週間ほどの内に来る予定です。生理前に胸が張るというのは実際経験がありますが、ここ何年かはあまり感じられず、片方だけここまで張る(大きくなる)のは初めてだったので心配になってしまいました。しこりはあるのかないのか、よく分かりません。病院に行こうと思っていますが、やはり生理後に行ったほうがいいのでしょうか? また婦人科だけの病院より乳線外科のある病院に直接行った方が良いのでしょうか?

Mailの内容からは月経前乳房緊張症等と言われる生理前の乳房の張りが強く痛みを感じている状態ではないかと思われます。その場合は生理が来れば楽になることが多いです。心配なものではないと思いますが、こういう機会に乳腺外科を受診するか、乳がん検診をしてくれる施設で検診を受けることをお勧めします。(文責 清水)

 

No.7635】  08年02月22日  J
予防的卵巣切除後のホルモン療法について(HPNo.6082-3)

以前HPNo.6082で2回質問させていただきました。結局追加切除はせずに、放射線50グレイを行い、ブースト照射はしていません。ホルモン療法については、タスオミン5年間のみということで、1年経過しました。現在38歳ですが、婦人科にて定期的に健診をうけていたところ子宮筋腫があり、4cmから9cmに大きくなってきたため先月1月末に開腹手術にて単純子宮全摘する際に、乳がんや卵巣がんの予防的に卵巣もとったらどうかと婦人科にてすすめられ、結局子宮、両卵巣とも摘出しました。病理の結果は特に悪性のものは出ていません。卵巣欠落症状は現在何も出ていません。
今後の乳がんのホルモン療法についてですが、大学病院の婦人科のほうではタスオミンを中止しても良いのではとの事ですが、婦人科とは違う病院の乳腺の主治医は閉経後の薬を服用してはどうかと言っています。現在手術日(一月末)からは服用を中止していますが、今後このまま中止しても良いのか、非浸潤がんの低リスクで卵巣がない場合でもホルモン療法の必要があるかアドバイスお願いいたします。

非浸潤癌の術後のホルモン療法の主な目的は新しい乳がんの発生の予防ですから、1)両側卵巣を摘出して乳がん発生のリスクが下がったと考えればタスオミンを中止するという選択肢もありますし、2)子宮を摘出して子宮体ガンのリスクがなくなったと考えて予定通り5年間内服という選択肢もあります。“閉経後の薬”というのはアロマターゼ阻害剤のことだと思いますが、浸潤がんの術後で再発のリスクを下げるためにタスオミンからswitchするのは有効ですが、非浸潤癌の術後ではエビデンスがありませんし有効とも思えません。更に悩ませてしまうようで申し訳ありませんが、貴女のこれからの大きな問題は乳がんのことだけでなく、早期閉経による骨粗鬆症の問題があります。そういう意味では、3)乳ガン発生の予防効果のある骨粗鬆症治療薬、Raloxifen(エビスタ)を服用するという選択肢も考えられます。私のお勧めは3)>2)>1)の順です。(文責 清水)

 

No.7634】  08年02月19日  I ・S
術後の放射線治療について

初めて相談させて戴きます。市の乳癌検診で要精検の通知をもらい、最寄の総合病院で定期的に検診をしていました(2006/3〜)。初めの診断は乳腺症で、3ヶ月に一度の超音波検査を行っていました。超音波検査で乳管内乳頭腫の疑い、嚢胞内乳頭腫の疑い、線維腺腫疑いなど、いくつかの所見があり、腫瘤の中に増大傾向の物があったので針生検を行いました(2007/1)。結果は乳管内乳頭腫と言う事でフォローアップ、その後形状変化があった為2/1に乳腺腫瘤摘出術を受けました。
昨日、生検の結果が出て(以下、報告記入欄より)、標本1は血管に富む間質が明瞭な乳頭状病変です。上皮細胞の増生が強いですが良性のPAPILLOMAと考えます。標本2ではpapillomaの部分SCLEROSING ADENOSISと思われる部分とともにdactal careinoma in situと思われる部分を散見しました。このDCIS部分は切除断端と思われる焼け焦げ部にも認められ断端陽性と考えます。主治医の先生からはもう一度部分切除をして放射線治療をするか、手術はしないで放射線治療をするかを決めて下さいと言う事なのですが・・・。手術をしても放射線治療が必要なのであれば、放射線治療だけにしようかと考えています。先生もどちらが良いとは言えないとの事でした。放射線治療も今かかっている病院では出来ないので、車で1時間程かかる所まで行かなくてはならない様です。先生ももう少し近くに無いか探してくれるそうですが・・・。放射線治療の内容なども全くわからないので、その不安もあるのですが、月〜金(週5)で一ヶ月位と言う事は聞いています。車での通院は可能ですか?一回の治療に要する時間は?一回の治療に要する費用は?病院によって違いなどあるかも知れませんが、目安があれば教えて戴きたいと思います。あと治療に関してもアドバイスがあれば宜しくお願い致します。

DCIS(非浸潤癌)が発見されたというのは定期的な検診をしていた賜物で、不幸中の幸いと考えられます。非浸潤癌の場合転移の心配はありませんから、ここで原発巣をしっかり治療すれば完治します。従って、まずは追加手術をすべきでしょう。その病変が切除しきれた後で次に考えるのが,多発病巣のことです。乳がんは同じ乳房内に多発することがありますから、それを予防するために通常は放射線治療を行います。放射線より根治度が高いのは乳房切除もしくは皮下乳腺全摘です。もし、後者を考えるのであれば、追加切除せずに最初から乳腺全摘もしくは乳房全摘を考えるというオプションもあります。早期であるが故に乳房切除(+/?再建)という局所治療が非常に有効な治療法になります。現時点で追加切除せずに放射線治療というオプションもありますが、その場合、今後厳重なfollowが必要になり、再発した場合速やかな対応が必要になります。また再発した場合、次もまた非浸潤癌とは限らず、浸潤癌のこともよくあります。そうなると今度は転移再発の心配がでてきますので、初回治療の選択を後悔することになるのではないでしょうか。私であれば、1)追加切除+放射線治療、2)乳房切除もしくは乳腺全摘(+?再建)をお勧めします。放射線治療:一回の治療に要する時間は数分で、全身的な副作用は軽微ですから、車での通院も問題ありません。費用は正確には知りません。期間は通常は平日毎日で25~30回(休まなければ5~6週間)です。(文責 清水)

 

No.7633】  08年02月19日  R.K.
骨シンチ

4年目の全身検査の結果、骨シンチで左膝に集積がみられました。主治医は問題ないとのことでしたが、とても気になっています。痛みはありません。ずっとゾラをやっていて骨密度がかなり下がっているそうです。膝に転移することはありますか?また、集積する原因はどのような場合が考えられますか?

骨シンチでのRIの集積は骨が壊れていて、そこを修復しているところに見られます。ですから、膝関節が摩耗している変形性膝関節症などの場合よくRIの集積が見られますし、打撲の後などでも集積します。膝関節だけに転移というのは極めて珍しいので、主治医の先生はそのように判断されたのだと思います。(文責 清水)

 

No.7632】  08年02月19日  C.Y.
ADPとは何でしょうか?

お忙しいところすみません。12月に受けたマンモグラフィーで、左右非対称で要再検となり、1月から乳腺外科にかかっています。すぐに超音波をしたところ、右乳首をはさんで、1センチ5センチの腫瘍がありました。細胞診では鑑別不可能で、マンモトームを受け、識別が難しいようで追加検査をしています。マンモトームの前に受けたMRIには何も写っていないとのことで、先生から、「大きいほうをとってもいいけれど、MRIに写ってないということから良性だと考えて、経過観察をして、大きくなるようだったら取っては」とのお話を受けました。マンモトームのときは他の先生がされ、何人かの先生と『超音波の画像でADPと思われたが、組織もそれらしいね』との会話から、インターネットを調べていて、この相談室を知りました。ADPとは何でしょうか? MRIの画像の信憑性は? 先生には、心配性の私のために、追加検診を聞きにくるよう親切におっしゃっていただきました。今は結果次第では経過観察しようかと考えておりますが、もし悪性だったらと考えると心配で、お忙しいとは思いながらメールしました。よろしくお願いします。

ADPとは聞き慣れない略語です。ADHならAtypical Ductal Hyperplasiaの略ですが、これは病理検査で使う略語です。Atypical Ductal Papillomaの略?あまり使いませんね。申し訳ありません、わかりません。主治医の先生にお尋ねになって下さい。しかし、5cmのがんが触診、MMG、MRIで所見がないというのは考えられませんから、がんでないことは確かでしょう。(文責 清水)

 

No.7631】  08年02月19日  J  
皮膚切除について教えて下さい

先日温存手術をしましたが、皮膚浸潤が疑われ、腫瘍部と皮膚を一緒に切除しました。術直後摘出物を見せてもらいましたが、皮膚部分が術前の切線マーキングよりだいぶ小さかったため切除範囲が充分か心配です。最大どの位(何分の1位)縮むものでしょうか? 教えていただければ幸いです。

皮膚は切除すると半分程度に縮みます。マーキングをしてわざわざそれより小さく切ることはないと思います(何のためのマーキングか、わからなくなってしまいます)。切除範囲は心配ないと思います。(文責 清水)

 

No.7630】  08年02月19日   A.Y. 
術後の治療方針について(HPNo.7529-2)

HPNo.7529で回答頂いた者です。結局1/22、乳房全摘術+腋窩リンパ節郭清術(レベル1)施行。私の場合、臨床学的にリンパ節転移があると判断されるとのことでした。
今回は今後の治療方針について相談致します。
病理結果は 「腫瘍径:2.2*1.4cm、 組織型:乳頭腺管癌、進達度:皮膚浸潤、組織学的異型度:グレード1、リンパ管浸襲:陰性、脈管浸襲:陰性 、リンパ節転移:0/16(レベル1)、エストロゲン受容体:陽性 、プロゲステロン受容体:陰性、 HER2:スコア1(陰性)」です。
主治医は、「内分泌療法で良いと思う。ハーセプチンは合計1年を考慮していたが、追加効果は少ないと思う。」とのことでした。(HER2のスコアが3から1になることがあるのかとの問には、あり得ると。また、これまでの治療でなくなったのかもしれないと。)
「費用対効果を考えれば不要と思うが、万全を期したいということで希望するのであれば、予定どおり1年間続けましょう。」と言われました。治療費用については気にしておりません。ハーセプチンを続けて、少しでも効果があれば続けたいと思っています。先生方のお考えをお聞かせ頂ければ幸いです。

難しいケースですね。確かに術前の針生検の結果と術後摘出標本の病理結果が一致しないことは稀にあります。治療で変化したのか、もともと組織像が多彩で検査した部位が異なったため違った結果になったのか、結論は出ません。いずれにしてもこの状況で今後のことを考えなければいけないことになります。一つ情報として欲しいのは、術前化学療法の病理組織学的な効果はどの程度だったかということ言うことです。pCRでないので術前化学療法の効きはあまりよくなかったと言えますが、組織学的効果判定もあまりよくなければ(かなりがんが残っているのであまり期待はできない)、追加のハーセプチン治療は不要と考え、ホルモン療法に移行するのがよいのではないでしょうか。 (文責 清水)

 

No.7629】  08年02月19日   S.Y.
今後の治療について

自分で考えていても答えが出ませんので、メールしてみました。12月に生検をして診断は左乳癌ということで、1月にもう一度手術をうけました。診断は浸潤ガンと非浸潤ガンがありました。「リンパ節転移なし、腫瘍悪性度 2、ER proportion score5、PgR(++)、Hercep test score0、HER2 ほぼ陰性、リンパ管への侵襲あり」でした。中リスクということで化学療法とホルモン療法をすすめられています。治療後なので、今見えないあるかもしれないガンに有効と聞きました。ガンはないかもしれないけど・・・。35歳、閉経前です。最近色々な本を読みまして、いわゆる民間療法も気になるところでして、免疫を上げることはとても大切だなと思いました。日々の生活を見直して楽しく生きることの大切さを実感しました。
1) 抗がん剤は免疫を下げて、弱ったところに仮にがん細胞が残ってって、免疫が下がっているためにガン細胞が活発になるということはありませんか?
2) 抗がん剤をうっているときやホルモン剤を服用しているときに、免疫をあげるためにサプリ、植物発酵食品(万田酵素)を毎日飲むことは弊害がありますか?
3) ハーブティーにレッドクローバーがはいってます。これには植物性イソフラボンがはいっていて、エストロゲンと同じ作用があるみたいですが、抗がん剤をうっているときやホルモン剤を服用中に一緒に飲むのはどうなんでしょうか? エストロゲンをおさえているはずが、邪魔して効き目がないと治療の意味がなくなってしまうので、どうしようか、かなり悩んでます。

後悔のないように、抗がん剤も受けようと気持ちも固まりつつありますが、なるべく副作用を少なくするためには、自分の体力かなと思いまして、問題なければ2か3、どちらかとろうかと思っています。以上質問お願いいたします。

1) そのようなことは無いと考えられています。
2) 特に弊害は無いと思いますが、念のために主治医の先生に成分を確認してもらうことをお勧めします。
3) イソフラボンを乳がん術後に服用して大丈夫かどうかを調べた試験が無いのでわからない、というのが正解です。しかしイソフラボンはエストロゲンに似た作用があると言われています、エストロゲンではありません。原則として心配ないと思いますが、気になるならば避けられたらよいのではないでしょうか。(文責 清水)

 

No.7628】  08年02月19日   IF 
右胸の凹み

今回ちょっと気になることがあったので、相談させて戴きたく思いメールしました。3〜4日ほど前の朝、起きて、なんとなく右胸(わきに近い)がズキズキ…と痛んだため、ふと気になり両手を軽く上に上げて乳房チェックをしたら、右胸の痛んだあたりに凹みのようなものがありました。凹みというよりは、一般的に言われている妊娠線・肉割れというもののようですが、右胸上外部の凹みらいきものは皮膚が柔らかく延び凹んだ?垂れ凹んだ?感じなんです。乳がんには凹みという症状もあるみたいなので不安になりました。脇下にも赤紫色の妊娠線がありますが、それはピンと張ってるような感じがします。右胸上外部にある凹みらしきものは、色はついてなく、白いというか半透明っぽい色です。乳頭からの分泌や出血はありません。これは何か胸の病気でしょうか? それとも胸の皮膚ののびによってできた、妊娠線というようなものでしょうか?

Mailの内容からはモンドール病が疑われます。心配な病気ではありませんが、一度乳腺外来を受診することをお勧めします。(文責 清水)

 

No.7627-1】  08年02月19日   Y 
抗がん剤治療の必要性について

母の事で相談させていただきたくメール致しました。母(54才)は乳がん(アポクリン癌、大きさは5o程度)の手術を受け、術後に放射線治療を受けました。先日やっと放射線治療が終ったと思ったら、医師から抗がん剤治療を薦められました。何かの値が3だとかで、その場合には抗がん剤治療が必要との事。後日父ともう一度先生からお話を聞くようなのですが、その前にどうしても気になっていることがあるのです。なぜ、当初は必要ないと言われていた抗がん剤治療を受けることになってのでしょうか? また、もし抗がん剤治療を受けなかった場合、どうなるのでしょうか? 母は、当初抗がん剤治療が必要ないと言われていたのに、放射線治療が終わった後にやはり必要と言われ大変ショックを受けています。あまり副作用がないと言われていた放射線治療も、倦怠感、胸焼け、吐き気、食欲不振といった症状が出て、それでも頑張って30回も受けました。(当初は25回と言われていたのに、途中から30回になり、これについても疑問が残りました。)
アドバイス頂ければ幸いです。よろしくお願い致します。

抗がん剤治療:当初はしこりの大きさが小さいので抗がん剤治療が不要になるだろうと予想したのではないでしょうか。最終的には病理検査の結果が出てから治療が必要かどうか判断します。何かの値が3というのは悪性度(グレード)のことではないでしょうか。病理の詳細が不明なので抗がん剤治療が必要かどうかの判断はできませんが、何故必要になったかしっかり主治医の先生に尋ねることが肝要だと思います。抗がん剤治療を行うのは、行うことで再発のリスクが減少するためで、しかも再発リスクの減少というメリットが副作用というデメリットより大きいと判断した時に行います。
放射線治療:通常は25~30回が標準的です。副作用は少ないのですが、お母様には合わなかったのでしょうか。治療中に放射線治療の先生に相談することがよかったのではないかと思います。今後の治療でもいろいろなことが起きるかもしれません。お母様に、そのような時は遠慮なく主治医の先生に相談するようにアドバイスしてあげて下さい。(文責 清水)

 

No.7627-2】  08年03月01日   Y 
抗がん剤治療について

以前、No7627にて相談させて頂いた者です。アドバイスを頂き、どうもありがとうございました。その後、医師から詳しい話を聞いたところ、母はHER2の値が3だったために、抗がん剤治療が必要との事でした。悪性度については母は未確認だったようで、把握できておりません。AC(4回)+タキソールを12回(1週ごと)投与するとの方針でした(細胞診の結果から、ホルモン療法は不要との事です)。来週からACの投与が始まります。
そこで質問なのですが、
1) 最近ではハーセプチンを上記治療にプラスする事が多いようですが、医師からはハーセプチンを使用する話が出ませんでした。医師に確認すべきでしょうか? HER2陽性に対してはハーセプチンが効果を発揮するようなので…。ちなみに、ハーセプチンは、どの時点で投与するのですか? ACの後でしょうか?
2) 進行性乳がんとは、どういった定義なのでしょうか? HER2=3だと進行性乳がんなのでしょうか?

知識不足、データ不足で恐縮ですが、再度アドバイスを頂ければ幸いです。お忙しい所恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

ハーセプチンは、がん細胞の表面にあるHER2蛋白の働きを抑える注射剤ですが、この蛋白を持っている乳がんの方は、予後が悪いことが明らかにされています。また、ホルモン感受性もマイナスのようですので、病変は小さいながらも、悪性度の高い乳がんであることが伺えます。
このハーセプチンは、再発乳がんに対して適応の通っている薬剤ですが、再発予防での投与や、術前化学療法との組み合わせでかなり効果が高いことも明らかになってきました。しかし、再発予防や術前化学療法との組み合わせでの投与は保険適応でないため、施設によっては、その投与に慎重的な意見もあります。間もなく保険の承認が下りる予定とのことですので、そうであれば、抗がん剤との同時投与(この場合は、ACの投与後に、タキソールと同時)もしくは、タキソールが終了した後に、ハーセプチンのみを投与する方法があり、どちらも安全性、効果も確かめられています。ハーセプチンの投与は、現在のところ毎週で52回(1年間)の投与が推奨されていますが、今後は3週に1回に変わってくる見込みです。先々の報告により、2年間の投与が推奨される場合もあることはご了解下さい。
1年間の投与は長いものですので、患者さん本人と、よく相談されることが必要です。
早期乳がんの定義は2cm以下で、転移を疑わせるリンパ節の腫脹が無いこと、遠隔転移のないものを言いますので。逆に、2cm以上で、リンパ節転移のあるもの、他臓器転移のあるものは、進行がんということになります。HER2蛋白の有無、ホルモン感受性の有無は、がんの性格、性質であって、早期がんでも、性格悪い、悪性度の高い乳がんもあります。(文責 鈴木)

 

No.7626】  08年02月19日   S 
ピルと胸のしこりについて教えてください

20歳のSと申します。私は1年前から低用量ピルを飲んでいます。1ヶ月前に右胸のしこりに気づきました。病院に行き検査をしてもらったところ良性のものでした。乳腺線維腺腫という名前だったと思います。しこりは良性と言うことだったので、安心はしていますが、このしこりはピルに原因があるのかと心配です。もし少しでも原因があるなら飲むのをやめないといけないと思っています。よろしければ教えて頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。

ピルの服用と線維腺腫の間には何の因果関係もありません。 心配ありません。(文責 清水)

 

No.7625】  08年02月16日   M.I.
ノルバデックス副作用について

昨年、右乳がんのため、温存手術を受けました。年齢50才。閉経前。ステージ1。リンパ節転移なしです。現在、ノルバデクスを服用、ゾラを毎月注射しております。約3ヶ月たったところですが、肝臓の数値がいくらか上がってきました。ノルバデックスが原因かどうかはまだ不明。ゾラの可能性はほとんどないだろうといわれました。まだ、数値は2ケタ台なので、すぐにやめなくてはならない状態ではないとのことですが、GOT,GPTの数値が3桁になった場合は、薬をやめたほうが良いかもしれないといわれました。本来、薬を飲み始めて1ヶ月ぐらいで薬が合わない場合は判るのだが、まれにこのように時間がたってから出る場合もあるといわれました。
1) ノルバデックスが肝臓に障害をもたらすとすると、どのような病気が考えられるのでしょうか。脂肪肝ですか。
2) 数値が2桁ぐらいで高久なったり、また時には、正常に戻ることもあります〈正常値の中の高めではありますが)。 1本調子で上がっていっているわけではありませんが、このまま続けると問題が生じるでしょうか。
3) ノルバデックスと同様な他の薬はありますか。

予防のためにも、本当はノルバデックスをのみ続けたいと思うのですが、そのことが原因で肝臓の病気になることも避けたいと思います。アドバイスはございますでしょうか。よろしくお願いいたします。

1) 中性脂肪が異常に高ければ脂肪肝を考えますが、まだ3ヶ月ではその可能性は低いと思います。一応中性脂肪の値をcheckして下さい。それ以外では、一般的なお薬による 肝機能障害で、2桁程度の肝機能の異常はしばしば見られます。後は,全く別の肝臓疾患が無いかどうか、一度内科受診してみては如何でしょうか。
2) 1) のcheckで異常なければ、内服を続けながら経過観察でよいと思います。
3) Toremifen(フェアストン)という、効果が全く同じお薬があります。ノルバデックスで高脂血症や、肝機能障害が出た時にはこの薬に変更することが多いです。肝機能が悪化するようなら変更をお勧めします。(文責 清水)

 

No.7624】  08年02月16日   S  
脇の下の痛み(HPNo.6696-3)

HPNo.6696でお世話になった者です。やはり痛みの方が改善されないので2月初旬に受診したのですが、「前回(去年の12月)の時の血液検査でのマーカー値も問題ないし、前回超音波検査で見られたリンパ節の腫れも形状的に深刻な物とも思われない」とのことで、触診のみで、再び様子見と言う事になりました。痛みは張った感じではなく筋肉痛のようなもので、しかしながら触っても特に痛いところが特定できず、右乳房の外側から脇の下のあたりとしかいいようがありません。痛みの原因を早く知りたいのですが、ホルモンバランスにより、こういった痛みは起こりますか。また、どれくらいの期間痛みが続いたら、異常とみなすべきでしょうか。

胸の痛みというのはよくある症状ですが、ほとんど原因が分かりません。乳房から脇の下にかけての痛みというと、女性ホルモンのバランスの崩れからくる痛みが一番考えられますが、それも本当のところはわかりません。痛みに関係ありそうな怖い病気、乳がん、乳がんの再発、リンパ節の炎症や腫瘍、肺がん、真ん中であれば心臓などを調べて異常なければ、原因不明だが怖い病期は無いと考えて、痛みがひどければ鎮痛剤を処方します。痛みの原因を100%解明することはできません。主治医の先生に痛みの性状、持続時間、頻度などをお話しして、必要な検査を行ってもらって下さい。(文責 清水)

 

No.7623】  08年02月16日   K・T
術後療法について

40歳女性です。昨年秋頃よりしこりのようなものが気になり、今年1月、乳がんT期と診断され、乳房の全摘術を受けました。術後の診断として、「T1 N0 M0 ホルモンレセプターER(+)80% PgR(-) HeR2(-)腫瘍径1.4cm」でした。今後の治療としては
@ タモキシフェンの5年間内服
A LH-RHアゴニストを2年間投与
B LH-RHアゴニスト2年間投与後、タモキシフェンを3年内服
ということでした。
担当の先生の判断では再発のリスクも低いため、タモキシフェンの5年間内服で十分だろうという判断です。現在の所、タモキシフェンのゾロであるタスオミンを内服開始し、1週間が経過しました。数日前、ガイドラインなどを見ると、閉経前の治療にはLH-RHアゴニストの投与が選択されるとあります。
@ タモキシフェンの適用としては閉経に関係なく、乳がんが適応となっていますが、閉経後乳がんの方が、より効果があると聞きました。
A HL-RHアゴニスト投与後、アロマターゼ阻害剤を投与する事も効果的であると2007年のガイドラインに出ているとネットで検索しました。
B 上記Bは『やりすぎ』という考えより、@を選択していますが、このままの治療でよいか、迷っています。

教えて頂きたい事は
1) 他の選択肢の是非について、特に効果の程度も含めて教えて頂きたく、お願いします。
2) Aについては文献を読んでいませんので、詳細が分からないままの質問で恐縮ですが、こちらについては是非を含めて教えてください。
3) 現在の治療法ですが、このままの治療でも問題ないでしょうか。
4) 途中で治療法を切り替える際、注意すべき点はあるでしょうか。

それぞれの治療の奏効率なども含め、ご教示頂けましたら幸いです。乳腺専門の先生が担当されていますので、考えがあっての事とは思いますが、より多くの情報が欲しく、お願いを致します。

一つだけ情報が欠けています。組織学的悪性度(グレード)はいくつだったのでしょうか。40歳、腫瘍径1.4cm、ER(+), Her2(-)、n0でグレードが1であれば、St.Gallenのリスク分類で低リスクですから。無治療もしくはタモキシフェン5年が推奨されます。もしグレードが2または3であれば、PRが(-)ですから、ホルモン療法不完全反応、中間リスクなので、化学療法とホルモン療法が推奨されます。T1N0、ER(+)の場合、化学療法が必要かどうかを正確に判断するにはOncotype Dxという遺伝子解析の検査で判断できます。但し、検査代は40万円くらいかかります。
1) 副作用を厭わず、とにかく再発のリスクを少しでも少なくしたいならば、化学療法(ACがbest,CMFでも可)+タモキシフェン、化学療法で閉経しなければLH-RHアゴニストを追加するというフルコースの治療がお勧めできる選択肢だと思います。更にお金に糸目を付けなければ、Oncotype Dxで化学療法の必要性をcheckして化学療法をやるかやらないか判断します。確かに少し過剰治療のようにも思えますが、いかがでしょうか。(グレード1でない場合です。グレード1であればタモキシフェン5年で十分です)
2) ○2については、現時点でevidenceはありませんからあまり積極的にはお勧めできません。リンパ節転移が陽性とか、再発のリスクがもっと高い場合に考える選択肢だと思います。
3) かなりの確率(90%程度)で、現在の治療だけで再発は抑えられると思いますが、化学療法を加えればその確率は更に高くなります。(グレード1でない場合)
4) 特にありません。(文責 清水)

 

No.7622】  08年02月16日   A
浸潤性の乳がんで乳房温存について

母(67歳)の乳がん治療に関して相談させていただきます。
昨年末乳頭から出血があったため検査を受けたところ、マンモグラフィーでは影がなく正常と診断されました。その後、セカンドオピニオンで超音波検査を行ったところ、乳頭の近くに10mm×8mm×7mmの浸潤性乳がんがあり、生検ではステージXとの診断を受けました。主治医には全摘出が必要と言われましたが、この様な症状の場合、放射線や抗がん剤で縮小させ乳房温存させることは可能でしょうか。一般的な話で構いませんので、浸潤性の乳がんで乳房温存の例などありましたら事例を教えていただけますでしょうか。判断材料となる情報で必要な項目がありましたら、ご連絡下さい。お忙しい中お手数おかけいたしますが、ご回答を宜しくお願い致します。

言葉の訂正をします。”生検でステージV”は”細胞診でクラスV“だと思います。もう一点は浸潤性乳がんというのは普通の乳がんのことです。話を本題に戻しますが、一般的には10mmの(浸潤性)乳がんであれば、乳房温存療法の適応だと思います。主治医の先生が気にされているのは、乳頭に近いという点ではないでしょうか。私個人の意見では乳頭に近くても乳房温存療法は可能だと思います。放射線を術前に行って腫瘍を小さくするという考え方はありません。術前に抗がん剤で小さくするという選択肢はありますが、その目的は、腫瘍を小さくすることより全身に散っている細胞を殺そうというもので、10mmの乳がんで、腋窩リンパ節転移がなければ、樹後の抗がん剤が不要になる場合が多いですから、あまりお勧めできる選択肢ではありません。最良の方法はセカンドオピニオンを受けて別の病院で乳房温存が可能かどうか確認してみてはどうでしょうか。二つの病院で乳房温存は無理と判断されたら、乳房切除術を受けるのがよいのではないでしょうか。(文責 清水)

 

No.7621-1】  08年02月04日   S,K
抗がん剤の選択について

抗がん剤の選択についてのアドバイスをお願いします。50歳、最終月経は昨年10月です。2007年11月に、左乳房温存手術を受けました。センチネルリンパ節生検の結果リンパ節に1つの転移が見られ、レベル1まで郭清しました。病理の結果は以下の通りです。「ステージ2B、しこりの大きさ22mm (主治医は、がんは5センチあったと表現していました)、リンパ節転移 1/13、ER(+) PgR(+) Her(1+)、 Ly 0 、 V 0、グレード3」
今後の治療として、放射線→抗がん剤→ホルモン療法5年 と言われ、現在放射線治療中です。抗がん剤については、主治医よりEC×4かCMF×6のどちらかと言われました。効果はあまり変わらず、ECの方が脱毛するといわれました。効果が同じならCMFの方が良さそうに思いますが、アンスラサイクリン系を推奨されていることや、CMFは比較的再発リスクの低い人に用いられると聞くと、私の場合(がんの大きさ、リンパ節転移陽性、グレード3)でもよいのか不安になります。以下の点について教えてください。
1) ECとCMFの効果の違いはどれくらいですか?
2) 私の場合は、どちらを選択する方がよいと思われますか。また、その治療は、標準的な選択ですか?

よろしくお願いします。

有名なNSABP B-15や、NSABP B-23試験においてAC4サイクル、またヨーロッパの多施設研修の結果でEC8サイクルではCMFとほぼ同等という結果でした。CAF,CEF,FEC,AまたはEに引き続くCMFに関してはCMFに比べて予後を改善したというエビデンスがあり、これらを総合したメタアナリシスの結果として、術後療法としてはアンスラサイクリン(A:アドリアマイシン、E:エピルビシンなど)を含む治療が推奨されるとなっています。再発リスクが低い患者さんで高齢であったり、脱毛の可能性を少なくしたい場合はCMF療法も選択肢として考慮されます。またリンパ節転移陽性の患者さんにはタキサン系の併用も考慮されます。(文責 片山)

 

No.7621-2】  08年03月01日   S,K
抗がん剤の開始時期

アドバイスをありがとうございました。その後主治医と相談しまして、抗がん剤はEC→Tとすることになり、3月6日に治療を開始します。手術日が11月27日で、抗がん剤治療の開始までに3ヶ月以上あいてしまいます。間があくと治療効果が落ちるのでしょうか? いまさら気にしても仕方がないとは思うのですが気になります。教えてください。
また別件ですが、手術後腕と脇のツッパリ感はずいぶん解消しましたが、肩の痛みと動きにくさがいつまでも続きます。肩が後ろに動きにくく、衣服の着脱に苦労します。五十肩のような感じです。レントゲンを撮ってもらいましたが、骨に異常はないようです。この痛みと動きづらさは解消されていくのでしょうか。よろしくお願いします。

術後化学療法としては術後2ヶ月以内に開始されることが多いと思います。開始遅延の場合の治療効果の変化は不明です。肩症状に関しては整形外科領域だと思います。(文責 首藤)

 

No.7620】  08年02月04日   B 
乳腺線維腺腫摘出後

約1ヶ月ほど前、乳腺線維腺腫の摘出手術を行いました。術後は気づかなかったのですが、切った部分と近いところから手術の糸のようなものが出てきているのに気づきました(約1ミリくらいですが)。また、手術を受けた乳房の傷口近くが被れて皮膚が少し剥けてきています。入浴時には真っ赤になり非常に痒いです(入浴時以外でも時々痒みを感じます)。再度受診したほうが良いのでしょうか。それとも時間が経てば治るものなのでしょうか。お忙しいとは存じますが、ご回答を宜しくお願いいたします。

創部から皮下あるいは皮内を縫合した吸収糸が出てくることがあります。放置しても問題にならないことも多いですが、入浴時に赤く反応して症状があるようですから、一度主治医の先生に相談なさっては如何でしょうか?(文責 片山)

 

No.7619】  08年02月03日   Y.M. 
乳頭異常分泌

32歳未婚女性です。乳腺の既往症は、18歳のときに線維腺腫が見つかり、23歳で摘出。その後、年に一度の定期検診(エコー、マンモ)を受けておりますが、20代後半に入ってからは線維腺腫がさらに増え、現在両側合わせて8個、乳腺症もあります。最近、左側の乳頭と乳輪に痒みがあり、1ヶ月近くたっても痒みが治まらず、インターネットなどを見て、片側の乳頭の痒みの場合にパジェット病の疑いがあるということを知り、心配になったので、先日定期検診を受けている病院で乳腺の専門医に診察してもらいました。視診の結果は湿疹ということだったのですが、その診察の際に自分の過去のカルテ(3年前の日付でした)に「乳頭異常分泌症」と書いてあるのが目に入りました。特にそのことについて今まで説明されたことはなかったので、その時も何となく医師に聞かずに帰ってきてしまったのですが、よく考えると、以前から(10年以上前からだと思います)下着の内側にシミのようなものがつきます。左右両側です。あらためて、自分で乳頭をつまんで強く圧迫してみたところ、左右とも、透明っぽい分泌液がほんの少量ですがにじみました。医師が特に説明しないということは、心配のないものなのでしょうか。よろしくお願いいたします。

透明あるいは白色や薄い黄色の分泌物であれば直接悪性疾患を疑う所見ではありません。血液であったり、それが古くなって黒色の分泌物となっているときは要注意で精密検査が必要になります。(文責 片山)

 

No.7618】  08年02月03日   M.K
術後の出血

1月29日に乳房切除術(腋窩リンパ節郭清省略)の手術をし、1月31日退院しました。主治医の先生から「明日からお風呂に入れる様に」と退院前にスプレーをして傷口をカバーしてもらったのですが、退院したその夜に胸帯に血が滲んでいるのを見つけてしまいました(リハビリのつもりで積極的に腕を使っていたからかもしれません)。この場合はお風呂に入らずに病院に行った方がいいのでしょうか。

手術をされて日が浅いので、多少血液が混じた浸出液が傷口から滲み出ることはあります。傷口が開いているのでなければシャワー浴は可能だと思いますが、一応主治医の先生に診ていただいたほうがよろしいと思います。(文責 片山)

 

No.7617】  08年02月03日   A.T.
胸のしこり

私は25歳で主婦をしています。高校生のときに、左の胸の左脇と胸の間くらいにしこりのようなものがあり、心配で卒業した後にそのしこりを取りました。良性で、腫瘍ではなく脂肪のかたまりでした。それからは検査などをしていません。ただ、もうひとつ気になることがあり、そのしこりを見つけたときに、いろいろ触っていると左脇にビービー玉くらいのしこりが7個ありました。今現在は、2、3個くらいになっていて数が減ったように思うのですが、これは病気の可能性はありますか?よろしくお願いいたします。

実際に拝見していないのでわかりませんが、同じようなしこり(脂肪のかたまり?)の小さいものが多発している可能性が考えられます。一度乳腺外科を受診なさってはいかがでしょうか?(文責 片山)

 

No.7616】  08年02月03日   MIHO
わきの下の痛み

どうしても気になってご相談します。私は27歳で、出産経験などもありません。高校生の頃に、知り合いから「胸が大きいから、癌になるかもよ?」と言われて以来、乳がんになるのではないかと、いつも心配していました。最近インターネットで、ガンのことについて調べていて、もしかしてと思うところがあり、それを気にしだしたら不安で仕方ないのです。3年くらい前から、腋の下(腋毛の生えている辺り)に違和感を時々感じていました。最近なのですが、時々その部分が痛くなります。しこりを調べるために、触っているとどんどん痛くなってきて、混乱してきています。しこりらしいものは、ないと思います。お忙しいとは思いますが、よろしくお願いします。

胸が大きいから癌になりやすいということはありませんが、気になるところがあるのであれば、是非一度乳腺外科を受診してみてください。(文責 片山)

 

No.7615】  08年02月03日   OD
左乳房の乳管拡張について

乳がん検査に行ってマンモグラフィーは異常なし、超音波で左の乳房に一本だけ2ミリの乳管拡張があり、液をぬいて検査しても異常なし。47歳で生理も不順になり更年期も近く、ホルモンの変調と関係あるのでしょうか? 1年に1回定期検査を受けるように言われていますが、気になります。時々痛い時もあります。

おそらく乳腺症による変化の一つである乳管の拡張があって、そこに分泌物が少量たまっていたという状況かと考えます。あまり神経質にならず、定期的な検査を受ければよろしいかと思います。(文責 片山)

 

No.7614】  08年02月02日   M.B
男性乳癌の術後療法について

40代の夫について相談させていただきます。昨年暮れに乳がんの診断を受け、1月初め手術しました。病理結果は浸潤性、腫瘍径0.9×0.6センチ、リンパ節転移ゼロ、グレード1、ホルモンレセプタープラス、HER2マイナスでした。リンパ節廓清、全摘で手術しました。男性、さらに若年と稀な例ということで、これから遺伝子などを調べるそうです。術後治療としてホルモン療法をすすめられ、ノルバデックス5年を処方されました。
1) ノルバデックス以外の薬は必要ないのでしょうか? ゾラデックスなど。
2) 「閉経前の女性」と同じ治療のようですが、単純に考えれば生理がないので「閉経後の女性」と同じ治療になるのでは?
3) ノルバデックスの副作用で男性特有の症状はあるのでしょうか。たとえば生殖機能など(子供がまだいません)
4) 遺伝子治療の結果しだいで何かほかの治療法が提案されるのでしょうか(近親者にがん患者はおりません)
5) 男性は乳房に余分な脂肪がないのでほかに転移しやすい、なんていうのも耳にしました。放射線治療などの必要はないのでしょうか。また男性特有のがん(精巣がんなど)に注意する必要はありますか。

乳癌診療ガイドライン上は男性乳癌の術後薬物療法としてはタモキシフェン5年投与が推奨されるとされ、現時点では閉経後女性の治療薬であるアロマターゼ阻害薬は推奨できるだけの根拠がないとされています。副作用として、ほてりや勃起不全などの可能性があります。遺伝子検索の結果で大きく治療が変わることはないと思います。5)に関しては存じあげませんが、手術で女性の乳房に相当するものを切除し、断端が陰性であれば、とりあえず放射線療法のターゲットになる場所がないと思います。(文責 片山)

 

No.7613】  08年02月02日   M.N.
義母の乳癌治療について

よろしくお願いします。同居してる義母が乳ガンと判明しました。10月に自覚症状あり。11月の住民検診でひっかかり、12月に検査開始。細胞・組織検査を経て、1月23日に乳ガンと判明。2センチ弱。右乳首のまわり。1月30日のCT検査でリンパ節に1つ転移あり。
現在の主治医の所見:
3週間以内に右乳房の全摘出手術を受けて、術後ホルモン治療。放射線、化学療法は必要なし。手術日は3月8日に決まり、7日午後から入院予定

質問したいこと: 
沖縄の離島(宮古島)のため、乳腺外科のある病院(県立)が1つしかありません。診療は週に1回です。72才の母は出来れば島内の病院を希望してますが、東京に住む娘から乳房切除は術後の体に不具合を生じるから、取らないですむ方法はないかあたってみるように言われて、母が動揺しています。乳首の周りなので難しいのではと思うのですが、そういう場所でも温存の可能性が有りますか? 乳房摘出は術後の生活に支障をきたすのでしょうか? セカンドオピニオンを島外に受けにいくと、どちらにしろ手術が4週間後以降になるのですが、転移など大丈夫でしょうか? リンパ節に転移があるけれどホルモン療法で良いのでしょうか? 72才の義母は太めで血圧が高くて薬を飲んでる他は健康ですが、この年でこの病状で最適の治療法とは? いきなり質問攻めですみません。可能ならば以上お願いします。

右乳首のまわりというのが実際に拝見していないので良く分かりませんが、乳輪の周囲で少し離れていれば乳房温存が可能な場合もあり、乳頭の直下であれば乳房温存は難しくなると思います。十分納得した治療を受けていただく意味での4週間は決して無駄な時間ではないと思います。最終的には手術でリンパ節転移を含めた病理結果を確認しなければなりませんが、2cm弱でリンパ節転移が1−3個であれば、他の要素により再発のリスクが中間リスクとなり、内分泌療法が第一選択になる可能性はあります。(文責 片山)

 

No.7612】  08年02月02日   TO
乳腺線維腺腫

初めてご相談させていただきます。35歳、独身、妊娠経験なし。胸にしこりと痛み(生理前)があり、乳がん検診を受けました。しこりの大きさ:3.5cm×3.0cm。触診・マンモグラフィー・超音波・細胞診の結果、乳腺線維腺腫と診断されました(細胞診は2つの病院で行っており、1つ目病院ではクラスVでした)。良性のものだけど、しこりが大きいし、今後も大きくなる可能性がある、今後のがんリスクも下がるとの事で、切除をすすめられております。先生に「切除する前に針生検はしないのですか?」とお聞きしたところ、細胞診で良性と結果がでたので必要ないと言われました。私としては、画像診断のみではなく、組織診での結果が知りたいので、しこりを残すことにメリットがないのであれば切除したほうがいいのかなと考えております。ここでお聞きしたいことは、
1) 色々調べてみると乳腺線維腺腫の場合、経過診察が多いようなのですが、上記のような診察・診断のみで切除すすめることは妥当なのでしょうか? 
2) また切除したしこりの病理結果で、悪性とでる確立はどの程度あるのでしょうか? 
3) しこりを残した場合・切除した場合、それぞれのメリットデメリットはありますか? 

お忙しいところ申し訳ありませんが、アドバイスをお願いしたく、どうぞよろしくお願いいたします。

様々な検査で良性の線維腺腫と判断される場合でも切除を考慮する場合があります。ひとつは増大してくる傾向があり、大きくなると取りづらくなるのでその前に、と考える場合です。あなたの場合はまだ一時点でしか診察されていないので大きさの変化・スピードが分からず判断しにくいと思いますが、3cmを越えているので切除を考慮してよろしいかと思います。また画像診断で線維腺腫に似ているものの中に稀に葉状肉腫という悪性の腫瘍があり、切除をすることで病理診断が確定するので診断的切除という意味合いもあります。(文責 片山)

 

No.7611】  08年02月02日   k m
造骨性の骨転移

骨シンチと胸腹部CT検査をし、CT検査で頚椎に造骨性の骨転移を疑う所見(石灰化)が出たと言われました。骨転移かを調べるため、2月下旬に頚椎のMRIを実施することになりました。骨シンチでは特に異常が無いようです。下記について教えてください。
1) 骨転移は溶骨性のものと思い込んでいました。造骨性の骨転移とはどのようなものでしょうか?
2) 造骨性骨転移の治療にはどのようなものがあるのでしょうか?(現段階では痛みなどの自覚症状はありません)
3) 溶骨性の骨転移と比較し悪性度などに違いがあるでしょうか?
4) 骨の診断にはMRIよりCTの方が優れていると思っておりましたが、MRIの方が有効なのでしょうか?

おっしゃるとおり、骨転移には骨を溶かすタイプの溶骨性の転移、前立腺癌などで多い骨を作るタイプの造骨性の転移、また両者の特徴を兼ね備える混合型があります。乳癌の場合は混合型および溶骨型が多く、時に造骨型が見られるとされます。造骨型のほうが一般に骨折しにくく痛みが少なく、予後が比較的良いとされますが、治療は同様にビスフォスフォネート製剤、ホルモン療法、化学療法、放射線療法が症状や病巣の広がりによって選択されることになります。MRIは,CTと比較して感度が高く,任意の断層面が撮れるという利点がありますが、CTと同様に通常の撮影法では全身像を撮るのが難しいため,骨転移の鑑別や広がり診断に主に用いられています。(文責 片山)

 

No.7610】  08年02月02日   M.T. 
微細石灰化が悪性である可能性(領域性、集簇している)

25歳女性です。どうか客観的な見解をお聞かせください。私の親族に乳がんの者はおりませんが、祖父が肺がんでした。
私は先日初めて乳がん健診(マンモグラフィー、超音波、触診)を受け、所見ありで3月5日にマンモトーム生検を受けることになりました。マンモグラフィーで微細石灰化が写り、左胸の乳頭の上側なんですが、細かい石灰化が領域性で、集簇しているといわれました。写真を見ましたが、円形ではなく、短めで、斜めに日本の国土のように細長くみえました。説明されても一瞬わからないくらい小さかったです。また、超音波では異常なしでした。
「石灰化は誰が見ても良性のものと、誰が見ても悪性のものと、どちらとも判断がつかないものに分かれる」と先生はおっしゃっており、私の場合、わからないので念のため、マンモトーム生検をやったほうがよいと言われました。マンモトーム生検までやらなきゃならない人というのは、たくさんいるそうで珍しいことではないとのことでしたが、25歳でこの検査までいく人は珍しいと口を滑らせて(?)いました。
ネットで調べても、大きな粗い石灰化は線維腺腫など良性である可能性が高いようですが、私のような微細な石灰化で、しかも集簇しているということだと「癌の兆候」であることが間違いないと当たり前のように書かれているのですが、微細石灰化は癌の兆候なのでしょうか? ちなみに私の場合、ごろごろしているがはっきりわかるようなしこりには触れないようです。私は自覚症状が何かあったわけでもなく、ただテレビで最近よく目にしていたから、軽い気持ちでふらっと検診に行ってみただけなのに、こんなことになって動揺しています。しかも、私の場合、もし癌だったとしても「非浸潤癌」というものらしいのですが(そのことは今の時点でもはっきりわかっているようです)、非浸潤ということであれば、しばらく様子見というか、こちらの希望で手術しなくてもよいでしょうか? 入っていたガン保険が、「非浸潤」ということだと、一切お金がおりないらしく、もう踏んだり蹴ったりです。私のことを考慮して、悪性か良性かわからないと言ったのでしょうか? 普通、集簇している微細石灰化であれば、ある程度、悪性の疑いがあるか、良性に近いが一応調べるか、判断つくのではないでしょうか? 私の胸は昔から固めで、ゴツゴツしているというか、どこがしこりなのかもわからないくらいゴツゴツしています。今に始まったことではありません。3月5日の検査まで毎日不安でおかしくなりそうです。どうか率直な見解お聞かせください。宜しくお願い致します。

実際の画像を拝見していないのではっきりしませんが、微細円形の石灰化が集簇している状態だと、カテゴリー3で良性の可能性が非常に高いが、悪性も否定できない状態ということになります。非浸潤癌であることが確定したら、病巣の広がりによりますが、手術がすすめられ、温存した場合は放射線療法を追加することが一般的と考えます。(文責 片山)

 

No.7609】  08年02月02日   K.Y
術後ホルモン療法について

昨年9月温存手術を受け、その後化学療法(FEC)、放射線治療、そして今回ホルモン療法を始めます。年齢は48歳です。発病前から生理が途絶えつつあり、今回検査してもらったところ閉経しているであろうとの結果がでました。また骨量を測定したところ低いという結果です。主治医は、「ノルバデックスかアリミデックスのどちらかを使うことになるが、閉経後ということを考えればアリミデックスがいいだろう。しかし骨量低下の恐れがあるので、骨粗しょう症防止の薬を平行して服用してはどうか」とおっしゃっています。私としては骨量が減ることはとても心配で、骨量を増やすノルバのほうがいいのでは・・・と思うのですが、先生は乳がんの再発予防のことを考えればアリミデックスのほうが効果が高い、と勧められます。骨粗しょう症防止の薬も副作用があるとのことでそれも心配です。ただ骨量が低いというのは乳がん治療に関係なく問題なので、どちらにしてもそれは服用したほうがいいようですが。私のような場合、やはりアリミデックス+骨粗しょう症防止の薬というパターンがいいのでしょうか?ノルバでは効果は期待できないのでしょうか?骨量の低い人にはアリミデックスは勧めない、という記述も見かけたことがあり悩んでいます。具体的な数字を含むデータがなく申し訳ありませんが、よろしくご回答ください。

確かにアリミデックスのほうがノルバデックスよりも治療成績が若干良いというデータは出ているのですが、患者様にとって副作用に対する恐怖や実際に骨痛・関節痛といった副作用(もしあった場合)は辛いものだと思います。また骨量を増やすためにまた一つ薬を増やすということになります。ノルバデックスを2−3年服用し、その間にまた骨密度を測定して、改善すればアリミデックスへのスイッチを考えるというのも一つかと考えます。主治医の先生とよく相談なさってください。(文責 片山)

 

No.7608】  08年02月02日   H 
黄体ホルモンとホルモン療法に関して

初めて相談致します。現在44歳の妻が乳ガンと診断されて、左胸の乳房温存手術を受けて、4年半になります。術後抗ガン剤は使用せず、放射線治療を受け、ホルモンレセプターが片方だけ有効ということで最初2年間は毎月お腹にリュープリンを注射を打っていたところ、生理が止まっていました。その後注射から毎日のむ錠剤(多分ノルバデックス)を服用していました。幸い再発はありませんが、ストレスと副作用で肥満状態になり、肝臓に脂肪がたまっているという話で、昨年から薬をフェアストン40mgに変えました。すると、しばらくして生理が始まりましたが、フェアストンのお薬情報に閉経後に使用するということで、主治医に相談しましたら、産婦人科に行くように言われて、婦人科でみてもらったところ、無排卵月経ということなので、「黄体ホルモンをうつといいのだが」ということでした。しかし、乳ガンのホルモン療法中であることから、主治医に相談するように言われました。そこで、主治医の先生に相談すると、「私は婦人科じゃないからわからん。」と怒られてそのまま治療を続けています。生理前後腰が痛いなど体調がかなり悪くつらいようで、出来れば黄体ホルモンなどによる治療をしたいのですが、ガンの再発に繋がる恐れがあるかとても心配です。どうすればいいのか教えて頂きたく存じます。閉経後でない場合、フェアストンの治療が有効なのか。現在フェアストンを服用中に黄体ホルモンを使うことが出来るのか。ホルモン療法終了後に黄体ホルモンを使用した場合に再発の可能性が増えるのか。ちなみに妻の乳ガンの発症は不妊治療を2年ほど続けて、ホルモン注射(何のホルモンかはわかりません)を20日間くらい毎日うっていたのが影響しているようにも思えます。

術後2年間リュープリンを注射し、すでに4年半までノルバデックスを服用した後での脂肪肝ということで、休薬して様子を見るのも一つの選択肢かと思います。当初の病期や再発リスクにもよると思いますが、その後生理の状況やエストラジオールなどの血液検査で閉経が確認できたらアロマターゼ阻害剤の使用も考慮というところでしょうか?黄体ホルモン剤(ヒスロンH)も乳がん治療に用いられますが、通常は補助療法としてではなく、再発などでほかの薬が効かなくなったときの2次療法剤として用います。(文責 片山)

 

No.7607】  08年02月02日   M.N.
再発治療における抗がん剤について(HPNo.7559-3)

HPNo.7559にて質問させていただいたものです。お忙しい中アドバイスありがとうございました。本日のMRI検査にて、脳への転移はみつからなかったのですが、『多発頭蓋骨転移あり、前回と比較して一部増大傾向』と言われました。また、『肝臓へも1cm程度にて影がみられる』とのことでした。ホルモン剤がきかなくなっているため、今後は抗がん剤に切り替えるほうがいいと主治医から言われています。選択肢として下記の@〜Bをあげられました。
1) 内服抗がん剤。効果は20%だが、有効率は40〜50%
2) アンスラサイクリンと他抗がん剤の組み合わせ(CAFかAC)。1回/3週間を5~8ヶ月。効果は40〜60%
3) タキサン単独。タキソールとタキソテールの2種類をそれぞれ試せる。1回/毎週。効果は40~60%

内服の場合は、うまくいけば2〜3年は継続できるかもしれないが、点滴の場合は、8ヵ月後には耐性ができる可能性が高いとのこと。その場合は、違う抗がん剤への切り替えの必要があるといわれました。抗がん剤投与の場合、状態が安定すれば8ヵ月後には合成プロゲステロンへの切り替えもできるか確認したところ、合成プロゲステロン剤(ヒスロン) は効かない可能性が高いといわれました。理由は、今の母の状態ではホルモン剤がきいていないので、逆にホルモン剤自体をえさとしてがん細胞が増殖することが考えられ、またヒスロンの副作用が強いからとのことでした。主治医から@〜Bのどれで始めますか?と言われているのですが、知識がないため家族で判断ができず、下記について質問をさせていただけますでしょうか。
1) 内服と点滴では、母のケースでは、どちらで始めたほうがいいのでしょうか。家族としては、最初に効果が期待できる点滴をためしたほうがいいのかな、と思っているのですが。
2) 点滴による抗がん剤治療の場合、アンスラサイクリンとタキサンでは、どちらを最初に試したほうがいいのでしょうか。主治医からは、「どちらも効果は同じ」と言われていますが、判断がつきません。一般的なものがあればアドバイスいただけますと幸いです。
3) アンスラサイクリンにおいても、ACとCAFがあるとのこと。これらの違いについて説明をうけなかったのですが、抗がん剤の効果は同じなのでしょうか?
4) 主治医は合成プロゲステロン剤には否定的なのですが、母のような状態では、ホルモン剤投与自体はもう難しいのでしょうか。
5) 5〜8ヶ月後には、おそらく耐性ができる可能性が高いが、もしがん細胞が消えていれば、治療自体の必要がなくなると言われました。再発の完治は難しいのかなと思っていたのですが、抗がん剤の効果によっては、完治の可能性もあるのでしょうか?

長文となり申し訳ありません。お忙しい中たびたび恐縮なのですが、アドバイスいただけますと幸いです。どうぞ宜しくお願いいたします。

1)2) 一般的にアントラサイクリン系を含んだ組み合わせ→タキサン系→ゼローダやTS-1といった経口抗がん剤の順に考えますが、もちろん副作用や効果などにより、バリエーションはあると思います。
3) ACとCAFの直接比較試験はないと思いますが、AC4クールとCMF6クールがほぼ同等といわれ、CAF6クールはCMF6クールよりやや効果が強いというデータはあります。違う試験同士を比べてはいけないのですが、間接的には使う薬の種類が多い分、その投与量にもよりますがCAFのほうが若干効果が強いということが考えられるかもしれません。
4) 治療をしてきて新たな病変が出現してきたところで、治療法の変更のポイントだとは思いますが、いまだ生命が脅かされる状態ではないと判断できれば、ホルモン剤投与も一つの選択肢と思います。
5) 数パーセント以下と非常に低い可能性ではありますが、あると思います。(文責 片山)

 

No.7606-1】  08年02月02日   K.K. 
乳がんの予後について

初めてお便りさせて頂きます。60歳の母が昨年乳房温存手術と放射線治療を受けました。現在ホルモン剤を服用中です。病理の結果は、浸潤性硬がん、しこりの大きさ12ミリ、リンパ節転移なしのステージ1、脈管リンパ管侵襲なし、ホルモン受容体陽性、HER2陰性、悪性度1、というものでした。低リスクに入る事ができると思うのですが、硬がんはパラパラと広がるがんで、予後があまり良くないと本やインターネットで読みました。低リスクでも硬がんという事で再発や転移の確率は高くなってしまうでしょうか?とにかく母に長生きしてほしくて、毎日心配でたまりません。大変お忙しい中恐縮ですが、お時間がございましたら、お返事頂ければ幸いです。よろしくお願いいたします。    

浸潤がんの場合、日本の乳がんの取扱い規約で乳頭腺管がん、充実腺管がん、硬がんの3つのタイプに大きく分けますが、多くはいろいろな要素が混じっていることが多く、その一番多い成分で区分けします。お母様の場合も硬がんの部分が多かったということになると思いますが、それだけで予後を判断するわけでなく、お話のようにしこりの大きさ、年齢、HER2、リンパ管侵襲や核の悪性度そしてリンパ節転移状況、などの要素から総合的に判断されます。幸いホルモン受容体が陽性で治療の選択肢もあるようですから、主治医の先生と補助療法について相談なさってください。(文責 片山)

 

No.7606-2】  08年03月03日   K.K. 
術後の治療法について

お忙しいところ、恐れ入ります。HPNo.7606で母の治療法について相談させて頂いた者です。現在母が行っている治療が適切な治療法であるのか、先生方のご意見を伺えればと思っております。1つは手術法なのですが、乳房温存の円状に切り取る手術でした。その後放射線が全体照射23回、ブースト照射7回、計30回でした。母は子供に必要以上の心配をかけないようにと、手術を受ける直前に乳がんである事を私たち子供に伝えました。私も動揺し、その時は乳がんという病気を詳しく知りえませんでした。術後、様々な本やインターネットで私なりに勉強した所、円状は癌を取り残しやすいと読みました。もちろん母も家族も主治医を信頼しているのですが、円状に切り取ったというのは癌の広がりが小さかった為と考えてよろしいのでしょうか?(術前、主治医には胸の形が変わっても全摘でも構わないと伝えてあります) 扇状に切り取る方が圧倒的に多い気がするのですが・・・。また切り取った断端は陰性と何度も確認しました。陰性でもブースト照射するのは一般的と考えてよろしいのでしょうか? よろしくお願いいたします。

断端陰性だったということですから、円状に切り取ることのできる癌の広がりだったのでしょう。断端陰性でも癌と切除面との距離が近い場合にブースト照射を行うことがあります。乳房温存術+放射線療法の後の再発率は、本邦の場合5%以下です。(文責 首藤)

 

No.7605】  08年02月02日   S.K. 
癌の可能性になるのでしょうか?

39歳女性です。先日、成人病検診で、マンモグラフィーで引っかかり、エコーでほんとに小さな異物が見られるということで(右胸)、3ヶ月後に再検診という診断を受けました。私は去年の12月頃から約1ケ月の間、大豆イソフラボンのサプリ(ネイチャーメイドとDHC)を併用して摂取していました。朝1粒(ネイチャーメイド)、夜2粒(DHC)の飲み方をしてしまっていました。もしかして、そのせいでエストロゲンが過剰に増えて上記のような診断になったのでしょうか?そうなると、この小さな異物というのはやはり悪性の癌の可能性になるのでしょうか?今はもうサプリは飲んでいませんが、怖くて怖くて夜も眠れません。ご回答よろしくお願いします。

実際の画像を拝見していないので、小さな異物というのがどういう画像を言っているのかがわからずコメントできませんが、いずれにしても大豆イソフラボンの摂取との因果関係もないと思われるので、過去を振り返って自分を責めず、3ヶ月後の検診をお受けになればよろしいと思います。(文責 片山)

 

No.7604】  08年02月02日   S 
タモフェキシンの副作用について

いつも参考にさせていただいております。私は、非浸潤がんで現在タモフェキシン(タスオミン)を飲んで3年になります。薬の副作用で子宮内膜増殖症と言われました。乳ガンになった患者の子宮体癌になるリスクは、どの位でしょうか? 主治医には、ほとんどないと聞いた事はありますが、子宮内膜増殖症のため心配です。お忙しい所恐れ入りますが、ご回答の程よろしくお願いいたします。

タモキシフェンを長い期間内服すると、子宮体癌のリスクが年間約0.2%増加するといわれます(自然発生もあるので、その差は僅かといえますが)。このことは子宮体癌にかかる人の割合が全体で2%程度増加し、子宮体癌死亡が最終的に0.5%程度増加することを意味しますが、タモキシフェンの効果により乳癌死亡が5〜10%減少するため、総合的に判断すると、浸潤性乳癌でホルモン受容体陽性の患者さんにとって、ホルモン剤を内服する方が圧倒的によりよい結果をもたらすと言えます。(文責 片山)

 

No.7603】  08年02月01日   M.T. 
ホルモン療法について

ホルモン療法で使用する薬の種類についておたずねします。昨年5月、術前の化学療法中に最後の生理がありました。年齢49歳です。その後乳房温存手術、放射線照射を経て、ホルモン受容体陽性だったので、12月よりフェマーラを薦められて服用しています。今のところ特に副作用もなく、このまま服用を続けたいとも思うのですが、閉経が確定するまで2年間ぐらいかかるので、その間は抗エストロゲン剤のほうが良いという話を別の病院にかかっている方から聞きました。卵巣ホルモンの検査もしているのですが、結果は境界線ぐらいと言われました。検査の結果をふまえたうえでフェマーラを薦められたのですが・・・。このままフェマーラの服用で良いのでしょうか。それともやはり抗エストロゲン剤に変更をお願いした方が良いでしょうか?

女性ホルモンの値と月経再来をモニターにしながら閉経状態が続くのであればフェマーラで経過を見る方が良いと思います。(文責 石山)

 

No.7602】  08年02月01日   Y 
左腋下のしこり

現在6ヶ月の子に授乳中の34歳です。左胸の乳輪付近に乳瘤があります(乳腺外来にて診断されています)。最近、左の腋の下に3センチ程のしこりを感じます。しこりは押しても痛みはなく、やわらかいものです。このしこりは何だと考えられますか? 心配なものでしょうか? 「乳瘤が実はがんでリンパに転移!?」などと考えてしまっています。

専門医が触ればかなり分かることですので、乳腺外科で受診して下さい。副乳の可能性が考えられますが。(文責 石山)

 

No.7601】  08年02月01日   T.H.
大きなしこりの様な塊について

現在妊娠6ヶ月に入ったものです。29歳ですが、両乳房の奥の方に10センチ位のしこり?なのか塊があります。その塊は横に押したりすると動きます。カチカチではなく、表面はでこぼこしています。中学の頃からあったとは思うのですが、最近気になり調べていくうちにますます不安になり、メールさせて頂きました。塊は特に生理中や妊娠してから大きくなった様に思えます。普段では10センチもなく、半分くらいだったと思います。今まで気にもしていなかったので詳しくはわかりませんが、最近は押すと痛みはあります。今までは痛いと感じませんでした。乳腺症という病名の症状が一番近いと自分では思っているのですが、乳腺症も詳しくは知りません。友達は「乳腺の塊を掴んでるだけじゃないの?」と言いますが、そんなことは可能なのでしょうか? 今までに乳がん検診を受けたことはありません。妊娠中でもある程度の検査はできるのでしょうか? 乱文で申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

エコーなどの検査は可能ですので乳腺外科受診をお勧めします。(文責 石山)

 

 

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