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相談室(No.7501〜7600)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

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なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

7600 08/02/01 N 葉状腫瘍もしくは線維腺腫の疑いの手術について 石山
7599 08/01/30 K  抗癌剤治療と副作用 石山
7598 08/01/30 HS 乳頭の腫れ 石山
7597 08/01/30 K.F. 乳頭部腺腫の手術適応 石山
7596 08/01/26 いちご 両胸の痛み 石山
7595 08/01/26 A  全摘が最適の方法なのでしょうか? 石山
7594 08/01/26 M.S.  乳房のかゆみ 石山
7593 08/01/26 O.S.  乳腺症と不妊治療 石山
7592 08/01/26 Y  今後の治療法について 石山
7591 08/01/26 Y.N 乳首の陥没と分泌液について 石山
7590 08/01/26 T.M.  のう胞内乳がん 石山
7589 08/01/26 S  ホルモン剤副作用対策のご相談(アリミデックス錠1mg) 石山
7588 08/01/25 A  授乳中の検査 河原
7587 08/01/25 ホルモン治療とマーカーの上昇について 川本
7586 08/01/25 H.M 今後の治療について 緒方
7585 08/01/25 N.K.  化学療法継続の判断について 石山
7584 08/01/25 S.N.  術後の治療について 石山
7583 08/01/25 M.N 再発転移の治療について(HPNo.7559-2) 石山
7582 08/01/25 O.K. フェアストン(トレミフェン)について(HPNo.7463-2) 石山
7581 08/01/25 C  右胸の痛みについて 石山
7580 08/01/25 M リンパ節転移について  石山
7579 08/01/24 T.J.  脇にあるもの 石山
7578 08/01/24 A・I 乳頭の痛み 石山
7577 08/01/24 E.T.  悪性ではない?(HPNo.6998-3) 石山
7576 08/01/24 S しこりの変化 石山
7575 08/01/24 K.Y. 骨転移について 石山
7574 08/01/24 つくし 細胞検査をしているのですが・・・ 石山
7573 08/01/24 Y  乳房切除の痛み 石山
7572 08/01/23 E.T 温存療法後の全身療法について 石山
7571-1
7571-2
08/01/23
08/05/15
M  過形成
今後の治療について
石山
西川
7570 08/01/23 N  卵巣の腫脹はノルバディックス内服の副作用だと思うのですが・・・ (HPNo.6628-3) 石山
7569 08/01/23 C.U. 石灰化と授乳  石山
7568 08/01/22 S  癌と乳腺症について 石川
7567 08/01/22 MY リュープリン注射場所の腫れ(HPNo.7458-2) 石川
7566 08/01/22 S.Y. マンモグラフィー 石川
7565 08/01/22 S.T.  術後検診について 石川
7564 08/01/22 A.F. 検査 石川
7563-1
7563-2

7563-3
7563-4
7563-5
7563-6
7563-7
7563-8
7563-9
08/01/22
08/03/29
08/05/10
08/08/15
08/08/18
08/09/26
08/12/28
09/03/13
09/03/17
K  術後のホルモン療法について
術後療法について
タキソテールの副作用について
血液検査
血液検査等について
ホルモン療法中のむくみとしびれ
ビリルビン上昇について
一年検診について
一年検診について再度
石川

石山
浅川、川本
石川
首藤
加藤
石川
石川
7562 08/01/22 A子 乳癌再発、転移について 石川
7561 08/01/22 術後の化学療法について 石川
7560 08/01/22 術後治療について 石川
7559-1
7559-2

7559-3
7559-4
7559-5
7559-6
08/01/18
08/01/25
08/02/02
08/09/15
09/02/01
10/07/24
M.N. 再発治療と余命について
再発転移の治療について
再発治療における抗がん剤について
抗がん剤治療について
腫瘍マーカーについて
今後の治療について
石川
石山
片山
清水
清水
浜口
7558 08/01/18 I.T.  検査の順序について 石川
7557 08/01/18 H.K.  今後の治療方針(HPNo.7508-2) 石川
7556 08/01/18 K  肺と肝臓への転移 石川
7555 08/01/18 S.M.  乳房の痒みについて 石川
7554 08/01/18 T   微熱がとれません 石川
7553 08/01/18 ビオラ 検査にこんなに時間がかかるのでしょうか? 石川
7552 08/01/18 M  抗がん剤について 石川
7551 08/01/18 IZ 今後の治療について 石川
7550 08/01/17 T.K 術後化学療法の必要性について  吉田
7549-1
7549-2
08/01/17
08/11/28
K.Y 腋窩郭清について
閉経の確認
吉田
河原
7548 08/01/17 M  胸のしこりについて 吉田
7547 08/01/17 R.K. 胸の痛み 吉田
7546 08/01/17 T  乳腺症と診断されて 土屋
7545 08/01/17 S.S. 再建手術について(HPNo.7419-2) 土屋
7544 08/01/17 m,I 断端陽性について 土屋
7543 08/01/17 集簇性の石灰化 志茂
7542 08/01/17 乳首より血性分泌物 志茂
7541 08/01/17 MS 今後の検査について 志茂
7540 08/01/17 Y  針生検の結果 河原
7539 08/01/17 Y.T. 要精密検査 河原
7538 08/01/17 A.I 組織検査後の硬化について 河原
7537 08/01/17 Y.G. ラジオ治療方法 河原
7536 08/01/17 COCO 乳ガン検診で(HPNo.7477-2) 西川
7535 08/01/17 M/S 葉状腫瘍術後 西川
7534 08/01/17 T.K 術後化学療法の必要性について 西川
7533 08/01/17 再発 西川
7532 08/01/17 K.W. 乳がんとうつ病治療 西川
7531 08/01/17 石灰化 西川
7530 08/01/14 脇の痛みについて 吉田
7529-1
7529-2
08/01/14
08/02/19
A・Y 手術とリンパ節郭清
術後の治療方針について
吉田
清水
7528 08/01/14 非浸潤ガンの皮膚再発と放射線療法について 吉田
7527 08/01/14 術後治療について 吉田
7526 08/01/12 M.O. 乳癌術後の再発について 吉田
7525 08/01/12 T.T 腫瘍マーカー 吉田
7524-1
7524-2
08/01/12
09/02/06
n o ホルモン治療とマーカーの上昇について
再発から3年
吉田
俵矢
7523 08/01/12 ハーセプチンを使用する事は可能でしょうか? 吉田
7522 08/01/12 M 乳輪下濃瘍とは 吉田
7521 08/01/12 S  対側リンパ節の腫れ(HPNo.6696) 吉田
7520 08/01/12 センチネルリンパ節生検について 吉田
7519 08/01/12 M 診断について 吉田
7518 08/01/12 M.N. 血性分泌その後(HPNo.7510-2) 吉田
7517 08/01/12 左胸のしこり 吉田
7516 08/01/12 M.Y. 石灰化について 吉田
7515 08/01/10 J.S.  線維腺腫疑い 吉田
7514 08/01/10 I.N.  今後の治療法について 吉田
7513 08/01/10 S.Y. 右乳房横のしこり 吉田
7512 08/01/10 S.F 線維腺腫の治療法について 吉田
7511 08/01/10 Y.A. ハーセプチン 吉田
7510-1
7510-2
08/01/08
08/01/12
M.N. 血性分泌
血性分泌その後
吉田
吉田
7509 08/01/08 K.M. 左胸のしこり 吉田
7508-1
7508-2
08/01/08
08/01/18
H.K. 非湿潤がんについて
今後の治療方針
吉田
石川
7507 08/01/08 S  ハーセプチン(HPNo.7483-2) 浜口
7506 08/01/08 W  左乳房付近の痛み 浜口
7505 08/01/08 乳がんホルモン療法の副作用について 浜口
7504 08/01/06 H.T. 遠隔再発について 浜口
7503 08/01/06 T.O. 術後検診について(HPNo.6185-5) 浜口
7502 08/01/06 母の治療法に関して(4)(HPNo.6686-4) 浜口
7501 07/12/30 Y  原発不明・腹膜への転移について 緒方

 

 

 

No.7600】  08年02月01日   N
葉状腫瘍もしくは線維腺腫の疑いの手術について

現在23歳9ヶ月の女です。かれこれ8年前くらい(中学2〜3年時)よりしこりがあり、エコー、マンモグラフィ、針による細胞診も行い、結果は「成長期に伴う乳腺症でしょう、消えてしまうかも」ということでした。3年程前(大学3年時)にも再び検診に行き、その際は4センチほどで、エコー等検査をし、その際も良性のしこりということでした。そして、昨年秋に2年ぶりくらいに検査をしたところ、しこりは6〜7センチになっており、「全身麻酔の手術による切除が必要」ということでした。さわるとよく動き、表面はつるつるしており、細胞診は良性、線維腫ではないか、ということでした。しかし、MRIもとったところ、形が葉状っぽいということで、「葉状の可能性もある、手術で取ってから判断しましょう」ということで、3月頭に手術をします。しこりの痛みはさわって圧迫するともちろん痛む程度です。
(腫瘍について)
1) 葉状腫瘍の場合、悪性か良性かはMRIやエコー等、見た目ではわからないものなのでしょうか。
2) 葉状腫瘍は急速に大きくなるのが特徴ということですが、例えば葉状だったとして、3年前に4センチだったしこりが今になって6〜7センチに、というゆっくりした成長のケースもあるのでしょうか。もしくは、大きさが大きい線維腫という可能性もありますか。

(生活について)
3) 手術までに気を付けるべき生活習慣があれば教えてください。仕事で夜勤もあり、0時半まで勤務という日も週一ほどあります。
4) 術後、職場復帰まで自宅療養等、時間をおいた方がよいでしょうか。夜勤は控えたほうが良いでしょうか。

どうぞよろしくお願い致します。引っ越しをしたため、すべて違う病院で診察を受けています。

葉状腫瘍は病理診断でないと鑑別は不可能ですので、摘出してから判明することばかりです。良性としては発育は早い方で、より葉状腫瘍が疑われるということです。手術前後は良性腫瘍としての手術ですので、合併症がなければすぐに日常生活にも戻れるはずです。(文責 石山)

 

No.7599】  08年01月30日   K 
抗癌剤治療と副作用

31歳、8ヶ月の子どもがいます。ステージUaの浸潤性乳管がん(硬がん2.6〜2.8cm)、ホルモン感受性・ハーツーともに陰性、エコー・マンモグラフィ・CT・MRI・骨シンチでは今のところ転移はみられません。12月下旬に発見され、1月上旬より抗がん剤治療を開始しました。副作用がひどいため、使用量が適正か?次回より少し減らせないかの相談です。
5−FU800mgファルモルビシン160mgエンドキサン800mgを三週間に1回×4⇒タキソール12回⇒腫瘍の大きさにより手術⇒未定 という治療内容です。副作用は数日間水分もとれないほどの嘔吐、手足のしびれ、中1週間はやや復活するものの、発熱や脱毛、口内炎などです。特に嘔吐が激しく、10分ごとに吐くときもあり、吐き気止めを出していただいてはいるものの、水分、栄養分、吐き気止めを数日間点滴してもらわないといけないほどつらいので、他の先生から「量を減らしてみるのもいいかも」と提案がありました。現在の抗がん剤は年齢が若いということを考慮し、欧米標準使用量だそうです。ネットで年齢やがんのタイプなどほぼ同様の方よりも抗がん剤の使用量が多いので、参考までに一般的にはどうなのか知りたいです。もちろん主治医にも次回の診察で聞いてみるつもりです。回答よろしくお願いします。

化学療法の際にはこういった副作用の事を説明納得の上で施行していると思いますが。すべて抗がん剤での想定内の副作用だと思います。減量した場合の有効率は分からないのですが、どうしても耐えられないのであれば、変更、減量を主治医に相談してみてください。(文責 石山)

 

No.7598】  08年01月30日   HS
乳頭の腫れ

私は39才で出産経験はありません。陥没乳首なのですが、1年に2・3度、乳輪が赤く腫れ、しこりのようなものが出来、ブラジャーが触れても痛い時があります。産婦人科に見ていただきエコー検査しても乳癌の可能性はなく、生理前に起きる痛みだと言われました。やはり陥没乳首と関係があるのでしょうか?

陥没乳頭の感染がもっとも考えられます。(文責 石山)

 

No.7597】  08年01月30日   K.F.
乳頭部腺腫の手術適応

お世話になっております。44歳、女性です。乳頭部に、直径1センチ弱の病変に気づきました。表面皮膚の性状は、肌色、平滑、柔らかで、出血やびらんはありません。隆起もしていません。大学病院で、生検(2ヵ所)とマンモグラフィーを受けたところ、生検は腺腫(adenoma)、マンモで深部への浸潤はなく、乳頭部腺腫と診断されました(パジェット病ではありません)。しかし、良性であるにもかかわらず、手術を勧められました。切除範囲は、乳頭と乳輪の一部だそうです。生検で良性でも、悪性が潜んでいる場合があることが手術を勧める理由とのことです。私としては、整容面を考え、手術は望んでいません。乳頭部腺腫の悪性化の頻度を調べてみましたが、どこにもはっきりと書いてありません。乳頭部腺腫に浸潤癌があると学会報告されているくらいですから、頻度は高くないようですが‥‥。以上のような経過です。乳頭部腺腫の手術適応について教えて頂きたく、宜しくお願い致します。

乳頭部腺腫は普通の病理診断でもがんとの鑑別が困難で病理学的にも鑑別が困難です。悪性の病変がないことを確認するためにも切除が望ましいと思います。(文責 石山)

 

No.7596】  08年01月26日   いちご
両胸の痛み

心配な事があるので相談させて頂きました。出産後、授乳をしているのですが、両乳房が針を刺すようにチクチクと時々痛みます。しこりのような物は無いのですが、この痛みは何なのでしょうか?助産師さんにマッサージしてもらったのですが、乳腺が詰まった感じも無いそうです。

一般的には乳腺炎の症状ではないかと思いますが、心配なら乳腺外科受診をされた方が良いと思います。(文責 石山)

 

No.7595】  08年01月26日   A 
全摘が最適の方法なのでしょうか?

33歳、未婚です。昨年11月に左乳房にしこりを見つけ、乳頭分泌物もあったので、病院で検診を受けました。最初は乳管内乳頭腫と診断されたのですが、12月にしこりを摘出し調べた結果、乳がんでした。しこりの周りにも癌細胞が認められたので、周辺を切除手術+センチネルリンパ検査を受けました。リンパへの転移はありませんでした。病理検査の結果、浸潤していない乳管内癌が乳房の上半分に広がっている可能性が高いとのことで、全摘が望ましいとのことでした。早期なので温存で大丈夫と思っていただけにショックでした。やはり非浸潤癌の場合は、全摘が最適の方法なのでしょうか? 温存+治療だと、今後のリスクはかなり高いのでしょうか?よろしくお願いします。

取り残し全例が再発する訳ではないのですが、非浸潤癌が広範囲であれば全摘を奨めるのが一般的です。全摘して再建するというのも選択肢と思います。MRIなどで広がり診断ができる場合もありますので主治医に相談して下さい。(文責 石山)

 

No.7594】  08年01月26日   M.S. 
乳房のかゆみ

35歳女性、現在授乳中です。数ヶ月前より左乳房脇にあざのようなものを見つけ、ここ一ヶ月ほど、そこが赤く広がり、強いかゆみがあります。だいたい3cm四方くらいです。炎症性乳がんというのがあると聞き、少し不安になっています。炎症性乳がんでは、かゆみも生じるのでしょうか? 検査を受けるにしても、授乳中にマンモグラフィーを撮るのは、あまりよくないことなのでしょうか?ご回答のほど、よろしくお願いいたします。

一般的にかゆみがないですが、炎症性乳がんに真菌等の感染が合併することもあるので、乳腺外科受診をおすすめします。マンモグラフィー以外の検査もあります。(文責 石山)

 

No.7593】  08年01月26日   O.S. 
乳腺症と不妊治療

29歳、女、既婚、子供なし、家族歴なしです。今年8月超音波検査の結果、乳腺症、多発性のう胞と言われて経過観察となりました。12月に再超音波検査で異常なく(ひとつ小さいしこり(のう胞)が増えていたが異常ないとのことでした)、次は半年後にまた受診するといった状態です。4点お聞きしたことがあります。
1) 最近、不妊治療を始めて、プレマリンやデュファストンのホルモン剤を処方されましたが、乳腺症がある場合は内服しない方がよいでしょうか? ホルモン剤を内服することで、癌化しやすいでしょうか?
2) ホルモン剤の中でも、例えば黄体ホルモン剤はいいが、エストロゲンは飲んでいけないなど、種類によって飲むのを控えた方がよいものはありますか?
3) 乳腺症(多発性のう胞)という症状は、エストロゲンが多く分泌されているために引き起こされるのでしょうか?
4) 別のことになるのですが、アルミニウムの含まれる制汗剤を使用することで乳癌の危険が高まるという記事を見たことがあるのですが、本当でしょうか?私は10代の頃から長年制汗剤を使用していますが、私が乳腺症になったのは、それも一つの原因でしょうか?

不妊治療は受ける人が少ないので、正確なデータはありません。ただ必要な治療なので検診をしつつホルモン剤を使うしかないと思います。制汗剤で乳がんになることはないと思います。(文責 石山)

 

No.7592】  08年01月26日   Y  
今後の治療法について

40才です。5年前に手術しました。リンパ節転移4個、ホルモン受容体+で、温存で手術、その後抗がん剤CEF4クールの後、リュープリンを現在まで続けております。ノルパテックスを服用しておりましたが、2年半後に局所再発しまして全摘出、その後放射線治療、タキソールを4クールしました。ホルモン剤はフェアストンに変更、おととしの12月のCT検査で、健側のリンパ節が8ミリ腫れているとのことで、経過観察1年間。大きさはかわらず。去年9月のPETCTで健側の鎖骨にも集積がみられ、腋のリンパ節の大きさは変わりなしでしたが、先日行った3か月後のPETCTで腋のリンパ節も1.4センチと大きくなっており、鎖骨の方も少し大きくなっていました。他には異常はみられず、「場所的に転移は考えにくく、大きさも1年間もかわってなかったのに」と主治医も困惑気味ですが、大きくなっているということでリュープリンを続行、ホルモン剤をフェラーマに変更されました。これはやはり転移なのでしょうか? 転移でない可能性は0ですか? 治療法は今のままでよいでしょうか?

PETCTで骨の転移は診断が難しいので可能性があるとしか言えません。フェマーラとリュープリンの併用は経験もデータもなく有効性は不明です。(文責 石山)

 

No.7591】  08年01月26日   Y.N
乳首の陥没と分泌液について

教えて下さい。35歳で、2人の子供を母乳で育て、断乳後1年9ヶ月が過ぎています。最近半年ぐらいで左の乳首が陥没してしまい、乳首の痛みも時々あります。普通の乳首だったのですが、気がつけば完全に陥没してしまい、指でぐりぐりすると出てきます。そして左だけがお乳のような白いものが出てきます。昨年の末にマンモグラフィーとエコーはしましたが異常なしでした。子供が小さく、平日は主人も仕事なので、なかなか気になっていても病院へも行けません。心配ですが、大丈夫でしょうか? ちなみにしこりは見当たりません。よろしくお願いします。

陥没乳頭と思いますが、定期的にマンモグラフィーを受けた方が良いと思います。(文責 石山)

 

No.7590】  08年01月26日   T.M.  
のう胞内乳がん

のう胞内乳頭腫とのことで、周り1センチ残し温存手術。のう胞内乳頭癌とわかりました。AC域にまたがり一部皮膚に隣接。3.8×3.6センチ腫瘤内に1.5×1.5と1.4×2の2個。断端陰性、ER PGR共に+、Her2マイナス。43歳閉経前です。追加手術不要と言われました。
1) センチネルリンパ節生検はしなくても大丈夫ですか。
2) 放射線+ホルモン療法を勧められまいたが、ホルモン療法はLH-RHアゴニスト製剤を使うのがよいのか、タモ単独か、併用か、迷っています。
3) 非浸潤性と考えてよいですか。

よろしくお願いします。

のう胞内がんは非浸潤癌と考えていいとは思いますが、病理で浸潤部の有無を確認してから、治療方針を決めてください。(文責 石山)

 

No.7589】  08年01月26日   S 
ホルモン剤副作用対策のご相談(アリミデックス錠1mg)

初めて質問させていただきます。ご多忙とは存知ますがよろしくお願いします。69歳の母が平成17年11月に乳癌(リンパにも転移)右胸全摘出をしました。抗癌剤を一度投与したのですが、副作用がひどく医師より命の保障が出来ないと診断され、ホルモン剤治療に変更になりました。平成18年よりアリミデックス錠1rを1日1錠服用しています。服用開始1年目は特に問題は無かったのですが、2年目から、口内がひどく荒れて食事が困難・めまいやふらつき・手足の震え・体が重く動きずらい・体に力が入らない・気分の落ち込みやイライラなど・・・あらゆる不調がひどくでてきました。これらは薬の副作用でしょうか?5年間服用と指示されています。症状は年々軽くなるでしょうか?対応策はないでしょうか?せめて、口内の荒れだけでも楽になる方法はないでしょうか?薬の副作用ではないのでしょうか?いろいろと検索しましたが原因・対策がみつかりません。ご指導の程よろしくお願い申し上げます。

このような副作用はあまり経験がないので、まず休薬してみてはいかがでしょうか。(文責 石山)

 

No.7588】  08年01月25日   A
授乳中の検査

37歳で、2児の母親です。去年の4月にマンモグラフィー検査をうけ、「石灰化がありますので、半年後また検査をして下さい」と言われましたが、その後妊娠し、検査を受けられず、今年2月に出産をしました。今授乳中なのですが、検査は受けられないのでしょうか? 妊娠中は、女性ホルモンが増える為、癌細胞が増えるようなことを聞いたので、とても不安です。

授乳中の乳腺は大きく張っています。そのため触診のみならず、マンモグラフィが超音波検査でも腫瘤の有無を診断するのが大変難しいのが実情です。乳房内の病変は見落とされやすい状況ではありますが、石灰化の変化、大きな腫瘤は描出できる可能性もあります。経過観察でよいと思われた石灰化がどう変化したのかなど、前回検査との比較が大切です。まずは前回に受診した施設で相談されてはいかがでしょうか?(文責 河原)

 

No.7587】  08年01月25日   N 
ホルモン治療とマーカーの上昇について

お世話になります。67歳の母について質問させていただきます。5年前に浸潤性小葉癌、ステージVbで手術をしました。去年初め腫瘍マーカーが上昇し、骨転移がみつかりました。その後ゼローダ、TS−1を服用しましたが、副作用が酷く2ヶ月程で中止になりました。去年秋には胃に転移がみつかり、レーザーで患部を焼く手術をし、直後はマーカーもほぼ正常値に戻ったのですが、また上昇しました。今年の初めからナベルビンを受けていましたが、CA15-3が10月の段階で64になり、医師から「次の抗癌剤を」という話が出たので、某がんセンターでセカンドオピニオンを受けたところ、「まだノルバデックスを使っていないから使ってみては」というご指摘をいただきました(ホルモンレセプター陽性です)。主治医は「ノルバデックスはおそらくあなたのお母さんには効かないでしょうが、そこまで言うなら・・・」と言われました。それで、先月からノルバデックスを服用し28日目の今週、腫瘍マーカーの検査をしたところ、CA15-3が158になっていました。ホルモン治療の場合、一時的にマーカーが上昇するとは聞いていましたが、一ヶ月後に64→158という急激な上昇はアリなのでしょうか?(それまでは上昇しても10〜20まででした) CT、MRIも受けましたが、特に内臓で転移は認められませんでした。(骨転移はそのままで、特に広がってはいないそうです) マーカーの上昇にもかかわらず、母の体調はとても良く、ナベルビンを受けていた頃より元気に普通に過ごしています。長くなりましたが、ホルモン治療はどのような経過をたどるのか、母の選択は間違っているのか、教えていただけたらと思います。宜しくお願いいたします。

治療開始後の初期に腫瘍マーカーが一過性に上昇し、後に下降する現象があり「スパイク現象」といいます。このような「スパイク現象」はCEA、CA15-3で再発乳がんの治療症例の約1/3で認められる現象です。今後の経過をみないと何とも言えませんが、治療効果があり腫瘍壊死をおこし腫瘍マーカーが血中に出てきている状態を見ているので、今後は下がってくることが予想されます。しかし、このまま腫瘍マーカーが上昇し続けるようなら治療を変更した方が良いと考えます。今後のマーカーの推移を見ないと分からないと思います。(文責 川本)

 

No.7586】  08年01月25日   H.M
今後の治療について

私は子供3人の45歳になる主婦です。2年前の夏の健康診断により右乳腺乳癌(4.4×3.2p グレード1 スキルス硬癌)と診断されました。その後、手術に向けた抗がん剤(タキソテール)治療を開始しましたが、入院前検査にて肋骨に転移の疑いを確認し、抗がん剤4クルー終了後に手術を実施するかどうかを検討することになりました。抗がん剤終了後の検査にて胸椎への転移も確認したため、乳癌自体は2.5センチに縮小していましたが、他臓器転移(ステージW)により医師との相談の結果、手術を断念して、17年12月より全身療法のホルモン治療(ノルバディックス)及び骨強化点滴(ゾメタ)の治療を開始しました。昨年8月のPETーCT検査では骨の転移部分についても転移を疑わせる所見なしとの診断が下され、レントゲン検査においても胸椎部分の症状は消えて、肋骨の部分についても症状が改善されているとのことでした。ただ、今年11月のPETーCT検査では、乳房部分の集積はなく、肋骨部分について前回の画像より集積増加との所見の記載がありました。現在、今後の治療方法を医師と相談していますが、現在は乳房の原発部分の反応は消えているものの、肋骨部分の集積画像の反応が増加しているのは、薬の効果がなくなっているということなのでしょうか? だとしたら、私に使えるホルモン剤はどのような薬があるのでしょう? 今後の治療方法として、「@放射線治療により肋骨部分を治療しホルモン治療を行うのか A肋骨の除去手術及び原発部分から他臓器への転移を防ぐ上でも乳房の原発部分の除去手術を行うのも、予後がよいというデータもあり、一つの方法である」との提案もありました。
ただ、手術を行ったことによって他臓器への転移を助長するのではないかとの不安もあり、結論がでずに悩んでいる状態です。2年前の発症以降、腫瘍マーカーの値は正常の範囲内ですが、肋骨を含めた除去手術を行うべきか、放射線治療により現在の悪い部位のみ治療をしながら現在の治療を継続すべきか悩んでいます。是非、先生方のご意見をお聞かせ下さい。どうかよろしくお願いいたします。また、ペットCT集積画像の精度及び特性についてもアドバイスいただけたら幸いです。

参考  (現在の治療法 ゾメタ、タスオミン、ゾラデスク使用 ホルモン受容体 エストロゲン陽性 プロゲストロン 陰性 ハーツー受容体 1+)

まず、PET-CTでの乳房内のがんの診断は超音波などより劣ることを考慮しなければいけません。しこりが2cm以下であれば映ってこないことがあります。したがって、肋骨の評価はできても、原発の腫瘍の評価は他の方法でするべきでしょう。また、骨転移についてですが、抗がん剤から現在の内分泌療法への変更は標準治療からは外れていません。2年間、癌の進行をホルモン治療が止めていたことも疑いがありません。肋骨転移が進んでいるかどうかは、複数の検査(MRI、骨シンチ、PET-CTなど)で診断がつきます。PET-CT上、落ち着いていた転移がまた進み始めた可能性はあります。しかし、まだ病変は肋骨に限られていることから、まず肋骨に対する放射線治療を行い、もう少し現在の内分泌療法を続けてみるという選択肢があります。手術は、ホルモン感受性やHER2蛋白の状態を再確認する意味では無駄ではありませんが、治癒を期待は出来ません。また、手術を行ったことによって他臓器への転移を助長することは、完全にあり得ません。ちなみに、ゾメタは、ずっと使い続けます。(文責 緒方)

 

No.7585】  08年01月25日   N.K. 
化学療法継続の判断について

初めてメールさせて頂きます。64歳の母について相談させて下さい。2007年11月に右乳房の乳がん温存手術、術中センチネル陽性で腋下リンパ郭清も行いました。術後の病理診断は「浸潤生乳管癌、15×15×13mm、リンパ節転移1/21、ホルモン受容体ER、PgRともに85%以上陽性、HER2:0、腫瘍グレード2」で、ステージ2a、 T1N1M0です。また、閉経後です。リンパ節転移1個とグレード2が中間リスクということで、術後補助療法は3週毎CE4クール→温存乳房への放射線療法→ホルモン療法と決定し、術後1ヶ月で化学療法を開始しました。母は通常時より白血球が3000程度、持病が複数(高血圧、膠原病、軽い動脈硬化など)、アレルギー体質であること等が考慮され、初回のEは80mg/m2で行われました。2週間後、38℃の発熱、のどの炎症、口内炎等を生じ、予め頂いていた抗生物質を服用し解熱。2回目実施予定日に受診した際の白血球は2800で、2回目の投与は念のため1週間延期になりました。白血球の値は変わらず、2回目は70mg/m2に減量しての投与となりました。その10日後再び発熱し39℃超、帯状疱疹も発症したため受診、白血球が300に激減しておりそのまま入院。抗生物質、抗ウィルス剤、G−CSFの投与を受け2日後に1900まで回復、更に4日後には22000となり、G−CSFは6日間で中止。帯状疱疹もだいぶ良くなり、熱も下がったので本日退院となりました。ここまでが現在までの経過ですが、次回のCEの実施について、本人は大変不安を感じています。主治医の先生は「次回は1週延期し、更に投与量を60mg/m2に減量し実施したい」と仰っております。本人が「できればもうやりたくない」と先生にお伝えしたところ、「再発リスクを考えると実施したいが、本人が拒絶する場合は中止も致し方ない」とのことで、第3回予定日までにどうするか決めなければなりませんが、どうにも判断できかねています。本人も家族も、化学療法を決められた回数行うことの重要性は理解しており、可能ならば頑張って完遂したいのですがそれが元で致命的な状態になることへの恐怖もあります。一般にはこのような場合どのような選択がされることが多いのでしょうか。また母にとって望ましいと思われる選択、治療法についてなど、ア ドバイス頂ければ幸いに存じます。後日主治医の先生と相談させて頂く際の参考にしたいと思います。長文になってしまい、またお忙しい所大変申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願い致します。

それは我々でもわかりません。CEは何mgでしょうか? いずれにしても治療関連死は1から3%があるので、そのことしか提示できるデータはありません。ここで聞くより主治医と相談した方が良いと思いますが。(文責 石山)

 

No.7584】  08年01月25日   S.N. 
術後の治療について

以前母の乳癌発覚〜手術までのことについて相談いたしました。今回は術後の治療について、もちろん一般論で構いませんのでお話を聞いていただけませんか? 母(57歳・閉経後)は温存での手術が終わり、最近病理の結果が出ました。今後の治療方針は抗がん剤4クール(AC療法)→放射線→ホルモン治療(アリミデックス)の予定です。結果としては「・腫瘍径2.3センチ ・がんの広がり2.3センチ ・リンパ節0/3 ・リンパ腺への浸潤(−) ・血管への浸潤(−) ・異形度が(3) ・プロゲステロン(+) ・エストロゲン(+) ・HER2蛋白(3+)」とのことです。異形度が3なのとHER2が3+というのが心配です。この場合はどの程度のリスクといえるでしょうか? また、この治療は妥当なものでしょうか。

中等度リスクです。治療は今の日本の保険制度では妥当と思います。(文責 石山)

 

No.7583】  08年01月25日   M.N
再発転移の治療について(HPNo.7559-2

HPNo.7559にて質問させていただいたものです。長文に関わらず、ご確認有難うございます。大変恐縮です。
メール拝見して、まずは抗がん剤にて治療を開始し、その後腫瘍マーカーの改善が見られれば、ホルモン剤への変更というのがいいのかな・・・と思いました。ただ、アロマターゼ阻害剤、抗エストロゲン剤が効かなくなってくると、閉経後で使えるホルモン剤は合成プロゲステロン剤ぐらいなのかなと思い、下記数点質問させていただけますでしょうか。
1) 発症当時(42歳。閉経前)と再発時(56歳。閉経後)にて体質がかわり、ホルモン剤自体が効かなくなる事はあるのでしょうか?(発症当時の検査にて、ER+、PR+、HER2−との判断がでています)  その場合、改めてハーセプチンの適用有無の可能性はあるのでしょうか? また、その確認(検査?)は可能なのでしょうか(閉経前の検体しかないので)?
2) 合成プロゲステロン(ヒスロンH・プロゲステロン・プロペラ)は、ホルモン剤のなかでは、血栓症等の副作用が強いと聞きました。ヒスロンH等、どの薬にても同じような効果・症状が見られるものなのでしょうか?上記において標準的に使われているものがあれば、参考までに教えていただければ幸いです。
3) リンパ節郭清(手術時2箇所転移があったため)をした場合は、術側の腕に抗がん剤は原則として注射はできないと聞きました。また、健康な腕に何度も針をさすことで、注射がささりにくくなるとも。現在、点滴(ゾメタ)は術側の腕にしているのですが、術側と反対側の腕とで違いがあるでしょうか? また、点滴抗がん剤の利用において、リンパ節郭清が影響があれば、教えていただければ幸いです。

お忙しい中大変恐縮なのですが、どうぞ宜しくお願い致します。

ご質問の意図がよく分りません。
1)HER2陰性は永遠に陰性です。ハーセプチンは使えません。
2)効果は再発乳がん治療効果です。症状は副作用の事ですか? 心筋梗塞をはじめ血栓症の副作用です。
3)患側リンパ浮腫の可能性があるということです。(文責 石山)

 

No.7582】  08年01月25日   O.K. 
フェアストン(トレミフェン)について(HPNo.7463-2)

前回HPNo.7463でお世話になった者(39歳、閉経前)です。術後、胸の張りも痛みも約一ヶ月ほどでよくなりました。ご回答ありがとうございました。今は、術後補助療法【ホルモン療法、放射線治療】をしています。ホルモン療法は、ゾラデックス月1回注射、フェアストン(トレミフェン)毎日朝・夕1錠ずつ内服しています。内服の薬には、多く使われているタモキシフェンもありますが、トレミフェンと効能に違いはあるのでしょうか。乳がんの本などには、タモキシフェンの説明のほうが詳しく書かれていますが・・・。 教えていただきたく、お願い申し上げます。

フェアストンは補助療法には1日1錠、再発のときには3錠のはずですが。それと適応症は閉経後乳がんのはずですが・・・。(文責 石山)

 

No.7581】  08年01月25日   C 
右胸の痛みについて

右胸の痛みについてご相談があります。35歳未婚、出産の経験はありませんが、一度中絶経験があります。1年程前から、右の乳房が痛んでいます。脇のくぼみの下辺りから、乳房の周辺に、何箇所か押すと痛みを感じる場所があり、痛みは生理前に感じるものとは違って、丁度ニキビを触った時の痛みに似ていますが、絶えがたいほどの激痛とは違います。また、乳頭を触ると痛む場合もあります。しこりの形は、はっきりしているわけではなく(というか、あまりはっきり判断できずにいます)、小さいものと大きめの何か腫れた感じのもので、同様に左を触ると、特に違和感は見当たりません。
痛みはこの1年間、痛んでいた時期とそうでない時期があり、痛む時は軽く圧迫された感じで、右肩甲骨も痛みます。8年ほど前、左の肩甲骨だけが酷く痛む時期があり、病院で見てもらっても原因がわからなかったのですが、気がついたら自然と完治していた事がありました。また、乳がん検診に関しては、4年ほど前に一度だけした事があり、その際は異常は見られませんでした。最近も再び痛みを感じていたのですが、今は特に痛みがありません。どんな原因が考えられるでしょうか? どうぞ、ご意見をお聞かせください。よろしくお願いいたします。

痛みのみでがんは考えにくいですが、しこりもあるようですので乳がん検診を受けられた方が良いと思います。(文責 石山)

 

No.7580】  08年01月25日   M
リンパ節転移について 

こちらの相談室を拝読し、大変参考にしております。相談者の皆さん、リンパ節転移について、センチネル何個、レベルT何個、レベルU何個・・・となっていますが、私の場合、主治医の先生から「一番最初に到達するところに一個転移していました」と説明を受けました。が、病理結果はレベルTに一個(1/20)となっています。一番最初に到達するところでしたら、センチネルリンパ節ではないのでしょうか? また、センチネルも陽性だったということでしょうか? センチネルリンパ節は全部で何個あるのでしょうか? お忙しいところ申し訳ありませんが、ご回答をよろしくお願い致します。

センチネルは一個とは限りません。それに転移があればすべて郭清します。郭清した20個のリンパ節のうち一個しか転移がないということです。(文責 石山)

 

No.7579】  08年01月24日   T.J. 
脇にあるもの

私は34歳、1児の母です。2人目不妊のため治療を開始しています。AIHを受けhcGの注射に通っています。最近、脇の下の下の方の外側に違和感があり、よく触ったり鏡で見てみると、見た目は全く分りませんが、触るとしこりのような、球状ではないですが線のような筋のような形のものがあります。リンパなのか癌なのか不安です。注射で症状が出るようなことはありますか?

リンパ節の可能性があります。詳細がわかりませんが、乳がん検診を念のため受けてください。(文責 石山)

 

No.7578】  08年01月24日   A・I
乳頭の痛み

24歳 未婚。陥没乳頭で、刺激を与えると両方の乳頭がきちんと出る感じですが、何年か前から、両方の乳頭から白い固形チーズの様な分泌物が出ます。乳頭を少し強くつまむと、少量ですが出てくる様子まで見る事ができます。あまり気にしていなかったのですが、最近右の乳頭に痛みを感じるようになりました。右の乳頭だけは刺激があっても陥没したままになってしまい、寒い日にはすごく痛みます。乳頭をさわると内部がほんの少し腫れているような気がします。病院に行く時間がなかなかつくれず、ずっと悩んでしまって・・・。何か教えて頂けたらと思います、よろしくお願いします。

単なる陥没乳頭と思いますが、痛みがあれば受診して下さい。(文責 石山)

 

No.7577】  08年01月24日   E.T. 
悪性ではない?(HPNo.6998-3)

去年HPNo.6998で質問させて頂いた者です。その節は色々ありがとうございました。「しこり」がみつかって1年になります。その間、エコ-は3ヶ月毎に、他MRI1回の検査をしてきましたが、いずれも「悪い顔はしていない」と言われてきました。今回、一年経つのでエコ−と一緒にマンモグラフィ−の検査をしましたが (1年前にマンモ撮影しています)、「1年前と大きさが変わっていない。成長していない悪性は有り得ない」と言われました。「乳がんは進行が遅い」と言われますが、先生の言葉通りなのでしょうか? まれに私のように (もし悪性として)1年経っても進行しないガンもあるのでしょうか? お返事頂きたく、再々投稿させて頂きました。よろしくお願いします。

遅いといっても1年では大きくなるはずですので、そういう意味で、例外はありますが、まず心配ないと思います。(文責 石山)

 

No.7576】  08年01月24日   S  
しこりの変化

昨年4月に外科でエコーの検査を受けました。乳管拡張で中にしこりがあると言われ、「針を刺して調べましょう」とのことで結果は良性でした。経過観察で三か月後の7月にもエコー検査をしましたが、変化はないと言われました。そして昨日また検査日だったのですが、「しこりがちょっと大きくなっていて、形も変っているので気になる」と言われました。その日のうちにまた針を刺して調べてもらい、30分ほどで結果が出たのですが、「癌細胞は出なかったけれど、しこりが動いてしまって細胞をうまく取れなかった可能性がある」と言われました。半年後にまた同じ検査をすることになりました。
自分では「大きくなった」っていうのが気になっているのですが、先生が半年も先でいいっていうのだから心配ないっていう気持ちと、逆に、半年も先で大丈夫なのかなと不安に思う気持ちがあって、不安で待つくらいなら、今週中に別の病院でも調べてもらおうかなと思っています。
昨日検査して数日後にまた検査っていうのは、体への負担などは大丈夫でしょうか? それと、やはり大きくなっていて形の変化もあるということは、悪性の可能性も高いのでしょうか? もし良性のままでも大きくなったり形が変わるということはあるのでしょうか? 良性から悪性に変わることもあるらしいので心配です。文章がわかりづらいかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。

可能性はたくさん考えられますが、あくまでも大きさ、形の変化は悪性病変を疑って経過観察しています。ここで病院を変えるのも一つの方法です。検査は癌を見逃すことに比べて侵襲は大きくないと思います。(文責 石山)

 

No.7575】  08年01月24日   K.Y. 
骨転移について

初めてご相談させていただきます。2002年左乳房温存、術後の病理結果は硬がん・ホルモンレセプター(+)・HER2(-)・リンパ節転移13個というものでした。以下簡単に病気の経過・治療について記します。
● 2002年術後 予防のため化学療法タキソール、アドリアマイシン8クール。同時にホルモン療法として月1のゾラデックス。(ホルモン療法は以後継続中で、現在はゾラデックスに加え、アルミデックスを服用中です)
● 2003年 局所再発により左乳房全摘
● 2007年6月 マーカーCA15-3上昇よりにPETにて胸骨転移判明。8月より化学療法ナベルビン開始。
● 2007年12月 ナベルビン治療後CA15-3/72.2→61.8→52.9と地道に下がってきていたのですが、12月の検査で66.8まで急上昇。
● 2008年1月 CA15-3→74.8 さらにCT検査の結果、背骨へのあらたな転移判明。

主治医は今後の治療として従来のホルモン療法継続+ゼローダの服用と言っています。そこで質問ですが
1) 今後の治療としてゼローダは適当でしょうか? ゼローダ単独で使用するよりゼローダ+タキソテールの併用がいいとネットで見たこともあります。併用したほうが効くのでしょうか? 他にどんな薬剤が期待できますか? もうナベルビンは効きませんか? 再発すると治癒はできないのでしょうか?
2) 骨転移ということでビスフォスフォネート剤の使用を主治医に尋ねた所、「高カルシウム血症に使用する薬剤なので今は必要ない」と言われました。が、ネットなどで調べるとゾメタなど色々なメリットがあり、今から受けたほうが いいのではないかと思ってしまいます。一般的にゾメタは骨に痛みが出てからでないと使用できないのですか? 骨転移した場合の初期標準治療として考えてもいいのでしょうか? 主治医はゾメタを使うことで今は保たれている血清中の電解質のバランスが崩れることを危惧しているようなのですが、私としては痛みが出てから使うよりも、少しでも痛みのない『今』を持続したいと考えています。そのためにゾメタを使用するのは問題でしょうか? また、ゼローダとゾメタの相性は? ゾメタの使用期間ですが、いつまで続けるのが適当なのでしょう?

長々となってしまい申し訳ありません。大変お忙しいとは思いますが、どうぞ宜しくお願いします。

完治は難しいと言われますが、癌と共存する方法として提示された治療は妥当で、ナベルビンは効果がないと思います。ゾメタは使ってみていいと思いますし、かなり長期間使えると思います。 (文責 石山)

 

No.7574】  08年01月24日   つくし
細胞検査をしているのですが・・・

42歳の主婦です。半年前に左胸乳輪から2センチほど外側の圧痛と熱感で乳腺外来を受診しました。シコリもあったのです(が急に大きくなっていました)。マンモをしたところ、乳がんの疑いがあるからと乳腺外来のある病院を紹介してもらいました。MRIとエコーと細胞診を太い張りと細い針とで検査をしてもらったのですが、そのときは炎症細胞しかみつからなく、抗生物質を1週間分もらって帰宅しました。その後シコリが一時的には小さくなったらしいのですが 12月ごろからまた大きくなり、熱感と痛みもともなってきて、皮膚の表面に水ぶくれができてつぶれてしまいました。来院し綿棒のようなものをちょっと採って検査にかけましたが、気になる所見はなかったようで帰されました。1ヶ月経ってまた水ぶくれができ、先生に水ぶくれを見てもらえないうちに・・(予約がとれなくて・・)それがまたつぶれてしまい、ジュクジュクしています。エコーを撮ったのですが、先生は、「判断ができない。ひと月傷が治るのを待ってから、太い針で検査をしよう。」とおっしゃいました。半年通院しているのですが病名を告げられず、ただ「しつこく繰り返す病気だよ」と10月に言われ、今回は「難しい病気だよ。治療法がない。」とだけいわれて不安でなりません。怖い病気ではない・・といわれましたが、乳がんでなければ針を刺して検査をする必要はないと思うのです。わたしのしこりは固いしこりなのですが、硬いしこりとハチミツのようなところがあります。セカンドオピニオンも考えていますが、小さな子を(6歳と2歳)抱えているので、今現在かかっている病院が地理的にも専門誌をみても一流の評価を受けているので最適ではないかと思っています。自分の病気がなんなのか教えてもらえないのは乳がんだからなのでしょうか? ガンであるならすぐにでも治療がしたいと思っているのに、通院して半年たっても病名がはっきりしないのが気になってしかたありません。よろしくおねがいいたします。

癌の確定は細胞学的、組織学的に診断されて癌ということになります。乳腺炎、特に形質細胞乳腺炎はこのような所見の事が多いようですが、この内容だけでははっきりしません。主治医にもう一度聞いて見てください。(文責 石山)

 

No.7573】  08年01月24日   Y 
乳房切除の痛み

はじめてメールします。平成18年6月に乳癌で右乳房全摘しました。リンパ節隔清はしていません。術後、しばらく痛みがおさまらず苦しい日々を送っていましたが、1年がすぎた頃から痛みを感じなくなりました。ところが、最近、また痛みが出てきました。右腕がだるく感じることもあります。自分では寒さのせいかな?と思っていました。かなりズキズキ痛むこともあります。3月に定期検診に行く予定ですが、それまで様子をみていても大丈夫でしょうか?

気温が下がると痛むことはよくあります。骨転移の有無と鑑別する必要はあります。(文責 石山)

 

No.7572】  08年01月23日   E.T
温存療法後の全身療法について

初めてご質問させていただきます.78歳の母の乳がん摘出後(温存療法)の全身療法についてご教示願います.
(現在までの経緯)
約20年前に左乳房に初期がんが見つかり、リンパ節を含め乳房切除.昨年 6月末に右乳房にしこりを認め 8 月に温存療法にて患部周辺の乳腺及びリンパ節を切除。腫瘍は2cm以下、術中の迅速検査及び術後の検査ともにリンパ節への転移なし。摘出部位の断端に若干気になる所見を認めるが現時点では良性と判断してもよいのではないかとのこと。また,がん細胞は,浸潤性だが比較的おとなしいタイプ( Micro invasive)であるとのこと。その後、 10月に25 回の放射線治療を終了し、現在は全身療法について主治医から選択するよう言われています。現在考えられる選択肢は、
・ 点滴(CMF 又はAC療法):投与期間は 6ヶ月。主な副作用は吐き気、食欲低下、脱毛。
・ 内服薬(ユーエフティ):1 日3回、2 年間服用。主な副作用は下痢、赤血球白血球減少、肝障害等。下痢は下痢止め等でコントロール可。
・ 全身療法を行わない:定期的に血液検査(腫瘍マーカーを測定)。

主治医の話では、2cm以下でリンパ節への転移もない場合、通常はホルモン療法を行うが、母のがん細胞はホルモン感受性がないためホルモン剤は有効ではないそうです。その場合、抗がん剤治療ということになるが、がんのタイプ及び年齢から考えるとあまり効果が期待できない可能性があり、また、がん細胞が残っているかどうかも不明な現段階で果たしてそこまでする必要があるかどうか判断が難しいと言われています。 母の年齢と抗がん剤の副作用を考えた場合、体への負担が大きすぎるように思われ、抗がん剤療法を受けなくてもいいのではないかと考えています。しかし、その場合は常に再発・転移の不安を抱えることになると思います。そこで質問ですが、
1) 2cm 以下の乳がんでホルモン感受性がない場合、温存療法後に薬剤投与等の全身療法を行わないという事例もあるのでしょうか。ホルモン剤又は抗がん剤治療を受けた場合と受けなかった場合の5 年後・10年後の生存率について文献等によるデータがあればお願いします。また、特に高齢者の場合、温存療法後に全身療法を行わないことが多いのでしょうか。
2) 抗がん剤治療を受けてみて副作用が強く現れるようなら中止する、予想していたほど副作用が強く出なければ継続する、ということも可能でしょうか。
3) 再発・転移予防のために日常的に気をつけるべきことがありましたらお願いします。(食生活等)

長くなりましたが、以上3点につきご教示いただければと思います。なお、主治医の話では今回の発症は20年前のがんとは別と考えてよいとのことでした。現在の母の健康状態は非常に良好で、高脂血症ではあるもののそれ以外の病気はなく体力もあります。

これらの事に応えられるデーターはないと思います。主治医の言うことはもっともで、75歳以上の方に抗がん剤を投与すべきかどうかは研究されていないのでわかりません。食生活でがんの予防はできません。(文責 石山)

 

No.7571-1】  08年01月23日   M 
過形成

お世話になります。先日、良性の「過形成」という最終診断結果を受けました。最初の細胞診断では、悪性の乳癌ということで、1センチの腫瘍と腋窩リンパの切除手術をしました。
1) 「過形成」とは、全く初めて聞く名前なのですが、どのような病気なのでしょうか?
2) 摘出された腫瘍は極めて良性なものということでしたが、やはり摘出しなければならなかったのでしょうか?
3) リンパは切除して良かったのでしょうか?
4) 良性の腫瘍でも、「過形成」は、そのまま放置すれば癌化する可能性はあるのでしょうか?

よろしくお願いいたします。

過形成が間違いなければ癌化することもリンパ節を取る必要もないと思います。ただ異型性が伴えば癌との境界病変や一部癌化の可能性が出てきます。(文責 石山)

 

No.7571-2】  08年05月15日   M 
今後の治療について

お世話になっております。1月23日にHPNo.7571で質問させていただきましたMと申します。その後、手術した病院での再調査・説明と、別の病院でのセカンドオピニオンを受けました。最終病理診断結果では、ADH(異型過形成)とDCIS(非浸潤性乳癌)がごく僅かだけ出たということで、最初の主治医の先生は治療不要の判断をしたようなのですが、異型性について説明がなく、後から異型性を伴うものとの説明がありました。
他の先生からは、温存乳房の再発予防に放射線治療と、対側乳房への予防に2〜5年(5年が望ましいとのこと)のホルモン療法(ノルバデックス)を勧められました。最初の主治医の判断と、後の先生の治療方法の間で、どちらを選択していいものか、悩んでいます。

1) 切除した腫瘍(DCIS)は、ごくわずかのものであり、最初の主治医の先生は、治療が一切不要の判断をしたような気がするのですが、すでに腫瘍は切除済みで、いろいろな負担を考えても、放射線治療やホルモン治療をすべきでしょうか。全く治療を行わず、経過だけみても問題ないのでしょうか。
2) 妊娠・出産を考えるとき、治療をするのとしないのでは、どちらが望ましいでしょうか。治療する場合には、一度妊娠出産をしてから行うのがいいか、それとも、一気に治療してしまってから行うのがいいでしょうか。どちらがリスクが高いでしょうか。
3) 放射線治療をした際、一度照射した部分に再発した場合に、再度放射線治療はできるのでしょうか。一度照射すると同じ場所にできないのでは、と友人に言われたのですが・・・。放射線治療の体の負担が心配なのですが、副作用などありますでしょうか。
4) 放射線治療だけをする、もしくはホルモン療法だけする、というような、いずれかだけを行うということも可能でしょうか。
5) 断端陰性の場合、放射線療法・ホルモン療法は不要というお話を聞いたのですが、断端陰性でしたが、私のケースは当てはまるでしょうか。

どうぞよろしくお願いいたします。

1) DCISと診断されている場合、ごくわずかでも残存乳房での再発予防のため放射線照射は有効と考えます。ホルモン治療については絶対的なものではありませんが、対側乳癌の予防には効果は認めれております。
2) 妊娠、出産による病状への影響については様々な報告があるようですが、現在のところ妊娠により大きな影響は来さないようです。ただし、治療を先行した場合はその後の卵巣機能への影響について考えておかなければなりませんので、よく主治医とご相談ください。
3) 放射線照射を行った場合、再発した場合は再照射は行わないことが多いです。放射線による副作用は局所の皮膚障害(やけどや皮膚炎など)、軽度の全身倦怠感、多くは
ないですが肺炎などがあげられます。
4、5) 放射線療法の意味とホルモン療法の意味合いが異なります。温存術を受けられた場合は局所再発予防目的で放射線照射は勧めれます。ホルモン療法のみの選択は放射
線照射のできない方などに限定されるのではないでしょうか。断端陰性であっても再発することはあり、現在のところ残存乳房への放射線照射は勧めれます。ホルモン療法についてはDCISのタイプにもより検討が必要です。(文責 西川)

 

No.7570】  08年01月23日   N 
卵巣の腫脹はノルバディックス内服の副作用だと思うのですが・・・ (HPNo.6628-3)

いつも参考にさせていただいています。以前HPNo.6628で回答をいただき、ありがとうございました。2006年9月に乳房温存手術後ホルモン療法中です。一昨日婦人科受診し、癌検診を受けました。「左右の卵巣が直径5cm程大きく水がたまっている。念のため腫瘍マーカーの採血をする。」との説明でした。昨年11月より生理はとまっています。肝機能が上昇したため昨年7〜8月の2ヶ月間はノルバディックスを中止しました。8月に婦人科癌検診の際は異常はありませんでした。9月からは肝機能が正常値に戻ったためノルバディックスを再開し、グリチロンも併用して内服中です。その後GOTは40〜50台、GPTは50〜70台と高めで経過しています。100台になったらノルバディックスを中止すると主治医と話しています。卵巣の腫脹はノルバディックス内服の副作用だと思うのですが・・。卵巣の腫脹がどの程度大きくなったらノルバディックスを中止するという指針はありますか。RH−LHゴア二ストの注射に変更した場合でも卵巣に水が貯まるという副作用はあるのでしょうか。ホルモン療法による生理不順や婦人科系の副作用が多い場合に治療を中断することはリスクが大きいですか。以上宜しくお願い致します。

ノルバデックスは子宮体がんを増やしますが、卵巣腫瘍はあまり多くなりません。卵巣のう腫は増える事もありますが、因果関係は強くありません。(文責 石山)

 

No.7569】  08年01月23日   C.U.
石灰化と授乳 

マンモグラフィ検査を受け、両側に良性の石灰化像があり、一年後に再検査という結果でした。現在、授乳中なのですが、母乳の成分に影響することはありますか。このまま授乳を続けても大丈夫でしょうか。ご返答よろしくお願いいたします。

授乳には問題ありません。(文責 石山)

 

No.7568】  08年01月21日   S 
癌と乳腺症について

近々1センチの乳管癌を温存手術予定です。実は今回そのそばにある乳腺症の痛みについての質問です。癌につきましては11月に二回マンモトーム生検したあと、(かなり乳腺の各部所がはって痛みをともない、現在にも至る)同月末にMRI撮りました。その放射線診断科の読影によると、「右乳腺8方向に径9ミリ大の辺縁不整で、早期濃染する腫瘤をみとめる。spiculaを伴うようにみえ、癌をかんがえる。同部から乳頭方向にかけて徐々に造影される領域があり、乳管内進展が疑われる。その周囲にも増強される領域が認められるが、範囲は不明瞭であり、炎症性変化を考える。また右乳腺9時方向に12×7×15_大の不整形の腫瘤性病変を認める。同部は徐々に濃染されていて、形態も細長く、乳腺症を考えるが、境界が比較的明瞭であり、腫瘍との鑑別が難しい。」とありました。これにつきましては、一般的には手術で゛迅速生検゛してこの二ヶ所を調べる方法が一番なのでしょうか?マンモトーム生検あと、赤くはなっていませんが、ジワジワと皮膚の内側から乳が湧いてくる腺炎的な痛みと(経産婦なので経験あり)、不定期に乳房のアチコチに゛張るような痛みが走り゛気になります。(検査に関しては感謝しております。)
私の場合は温存手術と言われていますが、この9時方向も癌なら全摘に近いのではないでしょうか?また、術後にこの腫瘍以外の部所の痛みが消えるかが気掛かりです。因みに一時ロキソニンを飲んでみましたがあまり効き目は有りません。人生初めての手術に、私は慎重になりすぎでしょうか?

疑わしい部位あれば、一般的に手術中に゛迅速生検゛して調べる方法が行われます。9時方向の病変も癌でも、もうひとつの8時方向のものに近ければ、また乳管内進展が広くなければ、温存療法が選択できる場合があります。乳房の痛みは腫瘍のせいではないので、いずれ消失すると考えます。人生初めての手術に、緊張し心配しない人などいないと思います。(文責 石川)

 

No.7567】  08年01月21日   MY
リュープリン注射場所の腫れ(HPNo.7458-2)

HPNo.7458で相談した者です。あの後やはり女性ホルモンをあげてしまうクスリを使う事が気になり、体外受精はやめることにしました。でも一応抗癌剤前からゾラデックスを使い、卵巣を守るように注射をうちました。その後今から2週間ほど前に初めての抗癌剤をうち、その後1週間後にリュープリン12週間分をうちました。(ゾラはすごく痛かったので、リュープリンに変えてもらったんです) その注射のうった場所がピンポン玉位の大きさに腫れて、すごく痛みます。先生には「この注射は米粒位の塊が残るかもしれないけど心配ないから」って言われていましたが、こんなにも腫れるのでしょうか?ほっておいて腫れはひいてきますか?この症状はよくあるんでしょうか?お忙しい所すみません。お願いします。

ふつうリュープリンを注射しても、そんなに腫れることはないと思います。出血し血腫ができたか、炎症がおこった可能性があります。いちど診てもらったらいかがでしょうか。(文責 石川)

 

No.7566】  08年01月21日   S.Y. 
マンモグラフィー

先日、検診は受けたが脂肪腫の大きさが気になる・・と相談させていただきました。お忙しいところ申し訳ありませんが、もうひとつお聞かせください。
検診のときに脂肪腫のないほうの左乳房に自己触診してみると、しこりではないと思うのですが触れるものがありました。自己触診の仕方も何かあったら・・!と不安で、力が入るし、やり方も悪く、たぶん乳腺を触っているのかな・・とも思います。筋っぽいというか、でこぼこまでいかないような・・先生は、マンモの写真を見て独り言のように「左にひきつれがあるのかな?」とおっしゃり、その後、エコ-、視触診をして、「今回悪いものはもみつかりませんでしたので、1年に1回検査していただくといいと思います。」とのお話でした。
今月生理も終わり自己触診してみると、やはり何かふれるものがあるような?しこりとは違うと思うのですが・・・。見た目の引きつれのようなものは、まったくないです。冷静に考えると検査後3ヶ月ですし、「触れるほど悪いものなら検診で何かいわれているはず。」とは思うのですが、最近マスコミなどでも乳がんの情報が多く、心配性の自分はナ−バスになってしまいます。マンモで乳腺症などでも引きつれのようなものが写るのでしょうか? エコ−、触診後に「心配なく1年後」とおっしゃるというのは、良性とあきらかになったものと考えていいですか? あまり心配しすぎでストレスもよくないと思うのですが、ついきになり・・・。

マンモグラフィーで乳腺症など、癌でなくても引きつれのようなものが写ることがあります。 エコ−も施行して異常がなければ、ふつう大丈夫です。(文責 石川)

 

No.7565】  08年01月21日   S.T. 
術後検診について

お世話になっております。50才、温存手術をして2年が経過しました(大きさ2.3cm、リンパ節郭清転移なし)。放射線治療をうけましたが、その後ホルモン療法はせずに定期検診のみ受けております。ある方がこの相談室で術後検診について質問されておられましたが、それに対し「術後follow upとして有効性が確率している検査はマンモグラフィのみであり、CT,MRI,骨シンチ,PETを定期的に施行することが生存率を改善するという証拠はなく、病状や症状に応じて検査を施行しているというのが現状です」と答えておられました。またいろいろ調べても同じような記述を目にします。私は定期的に骨シンチなどの検査を受けておりますが、私のような比較的病状の軽い患者にとって、このような検査は必要なものなのでしょうか。再発や転移をあまり心配していないので、有効性が確率している検査のみ受けたいという気持ちが正直なところです。担当医に直接お話すればよいのですが、失礼なことのようにも思えますし、実際聞きづらいことですので、よろしくお願いいたします。それからもう一つお尋ねします。術後2年になりますが、腕の上げ下ろしなどに不便は感じないのですが、脇にボールがはさまっている感じがずっととれません。実際少し腫れています。個人差があると思いますが、2年たってもとれないということは慢性的に続くということでしょうか。お返事いただければ幸いです。

術後follow upとして有効性が確率している検査は、乳房に対するマンモグラフィや超音波検査のみであり、CT,MRI,骨シンチ,PETを定期的に施行することが生存率を改善するという証拠はないといわれているのは現在のところ本当です。すなわち、遠隔臓器転移が術後の定期検査で、症状がないときに見つかっても、予後は変わらないという意見です。腋窩の異和感は2年、3年以上続くことがあります。(文責 石川)

 

No.7564】  08年01月21日   A.F.
検査

30歳のものです。左胸にしこりがみつかり、乳腺科のない近くの病院で触診とエコーとマンモグラフィーを行いました。エコー結果には所見なしと書いてあり、マンモグラフィーの結果をみて先生もガンではなくおそらく脂肪のかたまりだとおっしゃっていました。乳腺をよけてしこりがあるといわれ、8cmもありました。先生は局所麻酔をして細胞を採取する必要があるとおっしゃっていましたが、ガンではないとわかったのであれば検査はしたくないと私が言ったら、検査は必要だと言われました・・・。どうしたらいいのでしょうか・・?このまま様子をみて、三ヶ月毎にエコーとマンモグラフィーの検査を続けるだけではだめでしょうか?検査をした方がいいのでしょうか?ちなみに近親者には乳がんはいません。どうぞよろしくお願いいたします。

3ヶ月毎にエコーとマンモグラフィーの検査を続け、経過をみていくのも許されると考えますが、いちど組織検査をしておいた方が安心と思います。(文責 石川)

 

No.7563-1】  08年01月21日   K 
術後のホルモン療法について

昨年12月右乳房全摘手術をしました。病理検査、硬がん3.5×3.1、リンパ転移2個、HER0.ER(‐)PR(+)顔つき2、娘結節もありました。先生の所見では、2bで化学療法、FEC4クール、タキソテール4クール後ホルモン療法との事でした。治療方法は妥当でしょうか? 2b判断は正しいでしょうか?

Stage UB は正しいと思います。「FEC4クール、タキソテール4クール後ホルモン療法」は妥当と考えます。(文責 石川)

 

No.7563-2】  08年03月29日   K 
術後療法について

No7563で相談したものです。今FECの3クール終了し4クールを待っている状況です。術傷跡の痛みはないのですがその横、脇のやや後ろ辺りに痛みがあるのですが ,
1) これはリンパをとった影響でしょうか?腫れはありません
2) Adjavant Onlineで再発リスクがわかるなら教えてください。3.5×3.1センチ、硬癌、グレード2、ER-:TS2(PS1+IS1)PgR+:TS8(PS5+IS3)HER-リンパ転移ありSenti(1/2)Level1(1/14)ly1v1
3) 化学療法後ホルモン療法ですがER-PgR+でどのくらいの効果があるのでしょうか?

1) 乳癌の手術で腋窩のリンパ節郭清を行う際、神経も一部切れてしまいますので、肩から上腕の背側に痛みや痺れがしばしば生じます。心配はないと思います。
2) 抗がん剤の後ホルモン剤使用とすると、Adjuvant! Onlineによると10年間での再発率は10〜15%程度ということになります。
3) ERかPgRのどちらかが陽性であれば効果はある程度期待できると思います。(文責 谷)

 

No.7563-3】  08年05月10日   K 
タキソテールの副作用について

HPNo.7563で相談した者です。FEC4クール終了後、タキソテール1クールを終了しました。その後手足の痺れ、麻痺、手の甲、指、足のかゆみが出てきました。頭皮の前頭部が赤くなっています。本やネットで調べると、タキソテールの副作用に手足の痺れ、麻痺はよく目にしますが、かゆみや赤みについての記載はあまり目にしません。かゆみや赤みは、タキソテールの副作用なのでしょうか?先生が診てきた患者さんの中にも同じような症状を訴えてた人がいるのでしょうか?副作用じゃないとしたら、他の理由も考えられますか?

タキソテール1回で麻痺がおこるのは少ないですが、FECの影響もあるのではないでしょうか。それ以外の症状は、アレルギーか溶解剤に含まれるアルコールの症状ではないでしょうか。投与から発症の時間的経過で想像がつくと思いますが、主治医に必ず伝えて下さい。(文責 石山)

 

No.7563-4】  08年08月15日   K 
血液検査

HPNo.7563で相談したものです。化学療法(FEC後タキソテール)、現在アリデミックスの服用をはじめたばかりです。アリデミックス開始時の血液検査のことで相談があります。AST(基準値10〜35)21、ALT(5〜40)19、LD(120〜230)233で、LDだけが基準値を超えています。ネットでよく見かけるのですが、LDの増加は癌がどこかにある場合があるとありますが、本当でしょうか? CEA, CA15-3はまだ結果が出ていませんでした。またLDの基準値にはいろんな表示の仕方があるのでしょうか? LDの基準値より少しだけ高値の場合は何が考えられるでしょうか。 癌がひそんでいる場合はAST,ALT、LDはどのような値を示すのか教えてください。お忙しいとは思いますが、よろしくお願いします。

LDHは採血検体の状態によっても上昇することがあります。一般的には心不全、心筋症、慢性肝炎、肝硬変、慢性腎炎、ネフローゼ症候群、悪性腫瘍などによって軽度上昇を認めることがあるとされています。基準値には施設間で異なる場合もあります。癌が体に潜んでいる場合でも、多くの場合はAST, ALT,LDHには反映されません。AST, ALT, LDHは使用している薬剤の影響で上がることもあり ます。臓器転移が甚だしいために上昇してくることもあります。従ってLDHが少し上昇しているからと言ってひどく神経質になる必要はありません。使用している薬剤によって上昇することもありますので、主治医によくご相談なさって下さい。また腫瘍マーカーも、それ自体正常範囲内=癌がいないということではありません。高かった場合に、治療効果の目安として意味があるものです。臨床症状や画像所見等によって総合的に判断していくものですから数値にあまりとらわれる必要はありません。(文責 浅川、川本)

 

No.7563-5】  08年08月18日   K 
血液検査等について

HPNo.7563で相談しました。FEC、タキソテール後、現在アリデミックスを開始(7月)しました。そのときの血液検査でALP(基準値110-360)174、AST(10-35)21、ALT(5-40)19、LD(120-230)233でした。
1) LDが高値の場合、がんが潜んでいると言う事をネット上で見つけましたが事実でしょうか? 
2) またHer2陰性の人にはアンスラサイクリン系の抗がん剤は効き目がないというのは本当でしょうか?

1) No7563-4で回答があったように(参照ください)、事実ではない可能性が大です。 
2) HER2(−)の場合、アンスラサイクリン系の抗癌剤はHER2(+)の場合に比較すると奏効率がやや落ちるという報告はありますが、効き目がないと言うのは嘘です。(文責 石川)

 

No.7563-6】  08年09月26日   K 
ホルモン療法中のむくみとしびれ

No7563で相談した者です。現在アリデミックスによるホルモン療法を行っています。
1) 右乳房全摘、リンパをとった為か最近右腕にむくみが出てきました。リンパ浮腫なのでしょうか?
2) また化学療法中に両手のしびれがありました。その後しびれはなくなっていましたが、最近左腕のしびれが出てくるようになりました。骨転移、またはリンパ転移の可能性はありますか。

1) 手術したほうの腕における顕著なむくみであればリンパ浮腫の可能性が高いと思います。
2) 使った薬剤の種類にもよりますが、化学療法の副作用が治療終了後に比較的長期にわたって残ることがあります。可能性としては抗がん剤の副作用であるかと思われます。一般的には骨転移・リンパ転移の症状とはいえません。(文責 首藤)

 

No.7563-7】  08年12月28日   K 
ビリルビン上昇について

HPNo.7563で相談したものです。今回血液検査によりビリルビンの上昇がみられました。総ビリルビン 0.8(7/22) 0.8(8/19) 0.6(10/14) 1.5(12/16)、非抱合ビリルビン 0.7(7/22) 0.7(8/19) 0.5(10/14) 1.4(12/16)となっていました。ビリルビンの上昇は肝臓に癌が転移した為のものでしょうか? 他にも原因があるのでしょうか? 血液検査の蘭に黄色という項目がありますが、今までは「なし」だったのが、「弱い」になっているのも気になります。よろしくお願いします。他のLD等の項目は基準値内です

若干のビリルビン値の上昇は、特に異常が無くても時々みられることがあります。肝臓転移によるものとは限りませんので、ご安心下さい。(文責 加藤)

 

No.7563-8】  09年03月13日   K 
一年検診について

HPNo.7563で相談しました。今日、術後一年検診の結果がでましたが、そのことで相談させてください。
CT:右胸壁、左乳房内には異常な病変は認められません。肺、肝、膵、脾、腎、リンパ節に腫瘍性病変は認めません。右腋窩領域に径10mm程度で上下に伸びる紡錘状の軟部影を認めます。周囲組織が引きつるような所見が見られます。術後変化を最も強く疑いますが、定期的にfollowをお願いします。主治医は、この事には触れもせずに異常なしと言われましたが、気になるので相談しました。どういう状況が考えられるか教えてください。リンパに何か異常があるのでしょうか? リンパ浮腫は患っています。

右腋窩に径10mm程度で上下に伸びる紡錘状の軟部影で、周囲組織が引きつるような所見なら、私もやはり術後変化を最も強く疑います。どんな場合でも、それが100%正しいとは言えないので、念のため経過を見ていくことになります。主治医はまず大丈夫と思ったので、無用な心配をさせたくないと考えたのでしょう。(文責 石川)

 

No.7563-9】  09年03月17日   K 
一年検診について再度

HPNo.8755で相談しました。一年検診の結果を先のメールで送り、回答を得ました。(右腋窩領域に径10mm程度で上下に伸びる紡錘状の軟部影を認めます。周囲組織を引きつるような所見が見られます。術後変化を最も強く疑いますが、定期的にfollowをお願いします。)の部分について、どのように思われるか教えてください。リンパ腺の癌の疑いや手術時のリンパ癌の取り残しではないか不安です。過去の症例や先生のお考えについて、今時点で考えられる範囲、わかられる範囲でいいので回答お願いします。

リンパ節が写っている可能性も完全に否定できないのですが、手術の影響による画像所見が最も考えやすいので、生検などの病理組織検査しないで経過観察しましょうということだと思います。(文責 石川)

 

No.7562】  08年01月21日   A子
乳癌再発、転移について

現在34歳、未婚、子供もいません。昨年7月乳癌(非浸潤癌)で片方全摘しました。ゾラデックスでのみ治療をしていましたが、PET検査で、わきの下と肺に転移がみつかりました。 非浸潤癌で初期だったので転移の可能性は低いと思っていたし、血液検査も正常でした。物凄いショックです。ゾラデックスで閉経状態だからでしょうか、次はフェマーラという閉経後の治療に使われるものをあわせて使用することになりました。先ずは命が先ですが、将来子供が欲しいと思っています。今の治療以外に出来ることは何でしょうか。また、運動、食事、生活で気をつけることはありますか。細かい事を言い出したらきりが無いかもしれませんが、温泉の禁忌でたまに悪性腫瘍とあるところには入らないほうがいいのでしょうか。今は転移のショックが大きく、モチベーションを上げる方法を模索してます。どうか前向きに頑張れるアドバイスをいただきたいと思います。

さらに治療するなら化学療法になると思います。今のところ、運動、食事、生活で気をつけることはなさそうです。温泉の禁忌は、湯あたりなどして過度の体力消耗から、免疫力低下を招かないようにということで、入浴してはいけないということではないと思います。(文責 石川)

 

No.7561】  08年01月21日   M
術後の化学療法について

はじめて相談させていただきます。12月に温存手術を受けて、病理結果が出ました。「37歳、腫瘍の大きさ17×20mm、リンパ節転移なし、ER(+) Allred score6、 PR(+) Allred score7、核異型度3、組織学的グレード2、断端陽性(乳頭側断端すぐ脇に浸潤巣あり)」で再手術。「術後補助療法としては、ホルモン療法が最も効果的である」としながらも、中リスク群に該当することから、主治医からは再手術前に化学療法を勧められました。でも、私自身どうしても決められず、先に再手術することになっています。術後化学療法としては、ECもしくはTCと言われています。
1) 私の場合、抗がん剤をやった場合とやらなかった場合の再発率は、どれくらい違うのでしょうか?
2) 化学療法のTCというのは、乳がん関連本などには載っていないのですが、一般的なものなのでしょうか? 主治医の選択は妥当なものでしょうか?

以上、お答えいただけると幸いです。よろしくお願いいたします。

1) 化学療法施行した場合、再発リスクが30%以上減少すると予想されます。
2) 化学療法のTCというのは、たぶんTはタキサン系薬剤(タキソールかタキソテール)、Cはエンドキサンのことだと思います。核異型度3、組織学的グレード2、中リスク群に該当することから、主治医の選択は妥当でないとはいえないと思います。(文責 石川)

 

No.7560】  08年01月21日   N 
術後治療について

右乳房に石灰化が見つかり、A病院でのマンモトーム検査でガン細胞が検出されました。2007年12月に右乳房切除術を専門医のいるS病院で受けました。リンパ節転移無し、非浸潤性で、早期なので今後の治療は必要無しと言われました。自宅近くのA病院にもどり結果を報告したところ、遺伝子レベルで微細な癌があるだろうから、ノルバデックスを5年間飲むよう言われ、悩んでいます。副作用に子宮体癌のリスクもあるので、ノルバデックスを飲む必要性があるのでしょうか。

非浸潤性でリンパ節転移無しなので、今後の治療は必ずしも必要ないと考えます。日本乳癌学会の乳癌診療ガイドラインでは、ノルバデックスの投与により同側乳房内再発および対側乳癌が減少する可能性があるが、エビデンスは十分といえないので、投与の可否は毒性とのバランスを考慮して判断するとなっています。(文責 石川)

 

No.7559-1】  08年01月18日   M.N.
再発治療と余命について

いつも大変参考にさせていただいています。 今回、母(59歳)の体調悪化をうけて、初めてメール相談をさせていただきます。 1989年に乳癌発病後、2004年に再発、2006年に多発性骨転移が判明して、現在まで下記治療を続けてきました。 昨年夏(07年8月頃)から、腫瘍マーカー(CEA/CA15-3)の数値が上がり続け、幾つかホルモン剤を変更(アロマシン・フェマーラ等)してきたのですが、2008年1月の検査にても、数値の悪化、またCTにて肝臓への影が見つかりました(先生曰く、見えるか見えないかレベル)。 先生から抗がん剤への切り替えを進められているのですが、下記@〜Hについて、質問をさせていただけますでしょうか。
1) フェマーラ・ゾメタ服用中に臓器への転移が見られた場合、第2選択肢(点滴・抗がん剤・ホルモン剤等)を教えてください。
2) 07年11月にホルモン剤をアロマシンからフェマーラに変更。下記の通り数値があがっている場合、フェマーラは効いていないのでしょうか?平成19年(2007年)11月20日 :CEA:104.4, CA15-3:96.1(アロマシンからフェマーラ切り替え)  平成20年(2008年)1月8日 :CEA:107.8, CA15-3:108.5
3) 再発転移のホルモン剤は、合成プロゲステロン剤がいいとききます(以前にヒスロンをやろうとした経緯はある)。 今回の母の症状の場合、まだ使用してない合成プロゲステロン剤と抗がん剤は、どちらが優先でしょうか。また、母の数値推移をみると、抗エストロゲン剤・アロマターゼ阻害剤は効かなくなってきているのでしょうか。
4) 抗がん剤を試した後に、ホルモン剤に戻すことは可能なのでしょうか。
5) 現在、骨転移の治療としてゾメタ利用中。骨転移の悪化はみられないが、腫瘍マーカーの数値は悪化している。腫瘍マーカーの値とゾメタの関連性がわからないのですが、ゾメタは効いているのでしょうか? あるいは以前に利用していたビスフォナールへの変更(保険適用のためアレリア⇒ゾメタに変更)という選択肢もあるのでしょうか。
6) 現在は臓器への転移はまだ小さいとのことだが、臓器転移が拡大した場合、他に使える抗がん剤は残っているのでしょうか。
7) 抗エストロゲン剤ではありませんが、米国立がん研究所発で表骨粗しょう症治療薬「塩酸ラロキシフェン」(商品名エビスタ)が既存の治療・予防薬「クエン酸タモキシフェン(商品名ノルバテックス)」より副作用も少なく同等の効果あるとの記事を読みました。今回の場合、エビスタも選択肢に入りますか?
8) 定期的な血液検査にNCCST439を追加するのは適切でしょうか教えて下さい (NCCST439は2004年の検査時のみしかみていないのですが、数値が320。平均値が7と思うので、 かなり高いと思うのですが、検査項目に入っていないので心配です。)
9) 母のように16年もたってからの再発の場合は、進行が遅いとも言われていました。再発後も比較的体調が安定し、今も本人に痛み等はないのですが、こうしたケースでの平均的な余命について教えていただけますでしょうか。

長文・質問が多く、大変恐縮なのですが、家族として不安な気持ちが強く、アドバイスいただけますと幸いです。 お忙しいなか申し訳ないのですが、どうぞ宜しくお願い致します。

(現在までの治療経緯)=====================
◆診断名
乳癌多発性骨転移(腰椎4番目、頭、左坐骨、頚椎、両側仙腸関節)、高カルシウム血しょう
◆現在までの治療経過
@発病・初診時の状況
・平成元年(1989年)10月発病。 ・平成2年(1990年)4月初診。
右乳癌判明(42歳)。胸筋温存右乳癌切除術、2.8cm、リンパ節郭清(2箇所転移アリ)、閉経前。 内服薬はノルバディックスとエンドキサン(CMF)2種類を2年間服用。ER+、PR+、HER2−、術後10年間経過観察後は特に検査受けず。
A再発時の状況
・平成16年(2004年)4月(16年後)再発。
乳癌骨転移(腰椎4番目)、高カルシウム血しょう。アリミテックス1mg/日服用。ビスフォナール点滴1回/3w。ロキソニン3錠/日。(04年7月検査)NCCST439:320, CEA:不明, CA15-3:17.6
・平成16年(2004年)12月 ビスフォナール点滴をアレリア点滴90mg1回/4wに変更。(保険適応にて)
・平成17年(2005年)4月 放射線治療(リニアック)2グレイ/1日×23回=合計46グレイ施行。
・平成18年(2006年)5月 骨シンチにて乳癌多発性骨転移(腰椎4番目、頭、左坐骨、頚椎、両側仙腸関節)判明。アリミテックスを中止。フェアストン40mg×3錠/日と、ヒスロンH200mg×4/日に変更。一ヵ月後にヒスロン中止(一種類にまとめるため)。アレリアからゾメタに変更。ゾメタは1回/4w
・平成18年(2006年)6月16日 ヒスロンHをやめ、フェアストンに絞る。
・平成19年(2007年)10月9日 数値悪化を受け、フェアストンからアロマシンに変更
・平成19年(2007年)11月20日 数値悪化を受け、フェマーラに変更(1回/日)
・平成20年(2008年)1月8日 肝臓に転移見つかる。まだCTで見えるか見えないかレベルだが、数値悪化も受け、抗がん剤の投与検討開始。1月29日の診察にて確定予定。

1) 一般的に ホルモン剤を変えるか、点滴または内服の抗がん剤を開始するかだと思います。個人の体質、副作用などもありますから、内容は主治医とご相談ください。
2) 効いていない可能性が高いと考えられます。
3) 一般的には抗がん剤が優先と思います。副作用の少ない合成プロゲステロン剤を、QOLを考え選択する場合もあります。抗エストロゲン剤・アロマターゼ阻害剤は効かなくなってきている可能性は十分にあります。
4) 抗がん剤を試した後にホルモン剤に戻すことは可能です。
5) ゾメタは骨を強化する薬で、直接腫瘍に作用するものではありません。以前に利用していたビスフォナールへの変更(の選択肢はないと思います。
6) 使える抗がん剤は残っていると思われます。
7) エビスタは選択肢に入らないと考えます。
8) 腫瘍マーカーは多いほど情報量豊富となりますが、何種類も行うと保険で削られます。CEA,CA15−3で十分評価可能と思います。詳しくは主治医とご相談ください。
9) 治療経過、腫瘍の悪性・転移の状況などにより違ってきます。骨転移だけなら、判明後3〜5年前後が一般的と考えています。(文責 石川)

 

No.7559-2】  08年01月25日   M.N.
再発転移の治療について

HPNo.7559にて質問させていただいたものです。長文に関わらず、ご確認有難うございます。大変恐縮です。
メール拝見して、まずは抗がん剤にて治療を開始し、その後腫瘍マーカーの改善が見られれば、ホルモン剤への変更というのがいいのかな・・・と思いました。ただ、アロマターゼ阻害剤、抗エストロゲン剤が効かなくなってくると、閉経後で使えるホルモン剤は合成プロゲステロン剤ぐらいなのかなと思い、下記数点質問させていただけますでしょうか。
1) 発症当時(42歳。閉経前)と再発時(56歳。閉経後)にて体質がかわり、ホルモン剤自体が効かなくなる事はあるのでしょうか?(発症当時の検査にて、ER+、PR+、HER2−との判断がでています)  その場合、改めてハーセプチンの適用有無の可能性はあるのでしょうか? また、その確認(検査?)は可能なのでしょうか(閉経前の検体しかないので)?
2) 合成プロゲステロン(ヒスロンH・プロゲステロン・プロペラ)は、ホルモン剤のなかでは、血栓症等の副作用が強いと聞きました。ヒスロンH等、どの薬にても同じような効果・症状が見られるものなのでしょうか?上記において標準的に使われているものがあれば、参考までに教えていただければ幸いです。
3) リンパ節郭清(手術時2箇所転移があったため)をした場合は、術側の腕に抗がん剤は原則として注射はできないと聞きました。また、健康な腕に何度も針をさすことで、注射がささりにくくなるとも。現在、点滴(ゾメタ)は術側の腕にしているのですが、術側と反対側の腕とで違いがあるでしょうか? また、点滴抗がん剤の利用において、リンパ節郭清が影響があれば、教えていただければ幸いです。

お忙しい中大変恐縮なのですが、どうぞ宜しくお願い致します。

ご質問の意図がよく分りません。
1)HER2陰性は永遠に陰性です。ハーセプチンは使えません。
2)効果は再発乳がん治療効果です。症状は副作用の事ですか? 心筋梗塞をはじめ血栓症の副作用です。
3)患側リンパ浮腫の可能性があるということです。(文責 石山)

 

No.7559-3】  08年02月02日   M.N.
再発治療における抗がん剤について

HPNo.7559にて質問させていただいたものです。お忙しい中アドバイスありがとうございました。本日のMRI検査にて、脳への転移はみつからなかったのですが、『多発頭蓋骨転移あり、前回と比較して一部増大傾向』と言われました。また、『肝臓へも1cm程度にて影がみられる』とのことでした。ホルモン剤がきかなくなっているため、今後は抗がん剤に切り替えるほうがいいと主治医から言われています。選択肢として下記の@〜Bをあげられました。
1) 内服抗がん剤。効果は20%だが、有効率は40〜50%
2) アンスラサイクリンと他抗がん剤の組み合わせ(CAFかAC)。1回/3週間を5~8ヶ月。効果は40〜60%
3) タキサン単独。タキソールとタキソテールの2種類をそれぞれ試せる。1回/毎週。効果は40~60%

内服の場合は、うまくいけば2〜3年は継続できるかもしれないが、点滴の場合は、8ヵ月後には耐性ができる可能性が高いとのこと。その場合は、違う抗がん剤への切り替えの必要があるといわれました。抗がん剤投与の場合、状態が安定すれば8ヵ月後には合成プロゲステロンへの切り替えもできるか確認したところ、合成プロゲステロン剤(ヒスロン) は効かない可能性が高いといわれました。理由は、今の母の状態ではホルモン剤がきいていないので、逆にホルモン剤自体をえさとしてがん細胞が増殖することが考えられ、またヒスロンの副作用が強いからとのことでした。主治医から@〜Bのどれで始めますか?と言われているのですが、知識がないため家族で判断ができず、下記について質問をさせていただけますでしょうか。
1) 内服と点滴では、母のケースでは、どちらで始めたほうがいいのでしょうか。家族としては、最初に効果が期待できる点滴をためしたほうがいいのかな、と思っているのですが。
2) 点滴による抗がん剤治療の場合、アンスラサイクリンとタキサンでは、どちらを最初に試したほうがいいのでしょうか。主治医からは、「どちらも効果は同じ」と言われていますが、判断がつきません。一般的なものがあればアドバイスいただけますと幸いです。
3) アンスラサイクリンにおいても、ACとCAFがあるとのこと。これらの違いについて説明をうけなかったのですが、抗がん剤の効果は同じなのでしょうか?
4) 主治医は合成プロゲステロン剤には否定的なのですが、母のような状態では、ホルモン剤投与自体はもう難しいのでしょうか。
5) 5〜8ヶ月後には、おそらく耐性ができる可能性が高いが、もしがん細胞が消えていれば、治療自体の必要がなくなると言われました。再発の完治は難しいのかなと思っていたのですが、抗がん剤の効果によっては、完治の可能性もあるのでしょうか?

長文となり申し訳ありません。お忙しい中たびたび恐縮なのですが、アドバイスいただけますと幸いです。どうぞ宜しくお願いいたします。

1)2) 一般的にアントラサイクリン系を含んだ組み合わせ→タキサン系→ゼローダやTS-1といった経口抗がん剤の順に考えますが、もちろん副作用や効果などにより、バリエーションはあると思います。
3) ACとCAFの直接比較試験はないと思いますが、AC4クールとCMF6クールがほぼ同等といわれ、CAF6クールはCMF6クールよりやや効果が強いというデータはあります。違う試験同士を比べてはいけないのですが、間接的には使う薬の種類が多い分、その投与量にもよりますがCAFのほうが若干効果が強いということが考えられるかもしれません。
4) 治療をしてきて新たな病変が出現してきたところで、治療法の変更のポイントだとは思いますが、いまだ生命が脅かされる状態ではないと判断できれば、ホルモン剤投与も一つの選択肢と思います。
5) 数パーセント以下と非常に低い可能性ではありますが、あると思います。(文責 片山)

 

No.7559-4】  08年09月15日   M.N.
再抗がん剤治療について

HPNo.7559にて以前に質問をさせて頂いたものですが、いつも大変参考にさせていただいております。今回、母の治療に変化がありましたので、下記ご相談をさせていただけますと幸いです。前回、ご相談をさせて頂き、主治医とも相談をした結果、2008年2月13日よりACの投与を開始いたしました(1回/3週間)。その内容と経過は下記となりました。

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@ACの投与量 -->アドリアシン 83mg/回、エンドキサン 830mg/回
※体表面積(身長162cm、体重69kg)にて算出
※ただし、初回のみアドリアシン100mg/回、エンドキサン1000mg/回。1回目投与後、3週間後も白血球の数値が2,500であり、3,000までもどらなかったため、2回目以降より上記数値に変更。

Aマーカー値
AC投与前:CEA 104.40, CA 15-3 111.2
AC当初後直近(2008年8月):CEA 63.29, CA15-3 52.2
※ただし、7月のマーカー値はCEA 54.93, CA15-3 50.2であり、8月に若干あがっておりました。

B肝臓の影
当初、AC投与前には1cm程度の影がみられたのですが、7月のCT検査にて影が縮小していたようです。
なお、多発性骨転移による骨の転移(頭、脊髄、胸等全身)は依然残っているとの事。ゾメタは現在もACとともに継続しています。
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先日、先生より、ACは多くて11回までしか投与できないので、次の治療方針を相談しましょうとお話がありました。ACがせっかく効いているなか、家族としては、ACの継続も含め、今後の治療方針に色々と悩んでおり、下記ご質問をさせていただけますでしょうか。

1) AC継続可否について
上記のような母の状態において、11回以上ACを継続することは難しいのでしょうか? 母の症状がせっかく安定しているところ、ACをやめることで、また症状が悪化しないかと不安を感じています。現在のところ、ACの副作用としては、脱毛・味覚障害(投与後1週間〜10日)・爪の色が黒く変色、といったことになります。なお、体重は当初の69kgから、66kgに減少。

2) ACをやめた場合でのホルモン剤利用について
先生からは、「ホルモン剤に変える」か、「暫く休んでから次の抗がん剤に移る」ことが考えられますと言われました。最近、新しい先生に代わったのですが、以前の先生は、「母はもうホルモン剤は使えない」とおっしゃっていたのですが、新しい先生は「使える」とのこと。ホルモン剤について、下記質問です。
2-1) 発症時を含め、これまで、ノルバデックス・アリミデックス・フェアストン・アロマシン・フェマーラと、色々なホルモン剤を使ってきました。以前にヒスロンも1ヶ月程投与しています(出血がみられやめました)。上記以外に、母に試せるホルモン剤は残っているのでしょうか? あるいは、次の抗がん剤に移ったほうがいいのでしょうか。
2-2)  ホルモン剤が、逆にがん細胞を増やす要因にもなる、という記事を読みました。母のようにすでにホルモン剤を数種類ためし、効かなくなったために抗がん剤に移ったケースで、再度ホルモン剤に戻って、がん細胞が活性化してしまうこともあるのでしょうか?

3) 血管新生阻害剤(アバスチン)について
次の抗がん剤として、ゼロータやタキサン系があると聞き、色々調べていたところ、「血管新生阻害剤」(ベバシズマブ(商品名:アバスチン))があると知りました。タキソテール等と併用することで、癌の転移を抑えることができるとのこと。乳癌にはまだ保険は適用されていないようですが、この効果は期待できるのでしょうか?また、保険適用外とのことですが、大学病院でも希望すれば投与いただけるのかな、と思うのですが、ご経験からアドバイス頂けますと幸いです。

長文となり申し訳ありません。お忙しい中たびたび恐縮なのですが、アドバイスいただけますと幸いです。どうぞ宜しくお願いいたします。

まず始めに、お母さんの乳がんは比較的増殖速度の遅い乳がんのようですから、上手に乳がんと共生することを考えるのが良いと思います。少しでも腫瘍マーカーが上昇したからといってすぐに治療を換えるのではなく、症状、副作用をみながらお母さんが元気に生活できることを考えてあげてください。
1) ACが11回というのは、それ以上になると心臓への副作用の発現頻度が高くなるので注意しながら使わなければいけなくなりますが、使えない訳ではありません。しかし、お母さんの場合、腫瘍マーカーの値が底を打っているようなので、これ以上使う意味はないと思います。
2) 基本的には全てのホルモン療法剤を使い切っていますから、新しいホルモン剤はありません。しかし、今まで使ったホルモン剤をもう一度試してみる(有効率はあまり期待できませんが)ことはできます。例えば、ACのあとですぐにTaxanに移るのではなく、しばらく無治療にするか、無治療では心配という場合、今までで一番副作用の少なかったホルモン剤をもう一度つなぎで使ってみるという手はあると思います。ホルモン剤でがん細胞が活性化するということはありません。
3) 確かに次のTaxanのときに、Avastinを併用するのは有効です。しかし、日本では保険適応がないので、大学病院でも投与は難しいと思います。唯一の方法として海外から個人輸入して医師に使ってもらう方法がありますが、Avastinは相当高価ですから保険が利かないとかなりの出費になると思います。蛇足ですが、ACがよく効いたので、一度血液中のHer2を検査してみてもらってはどうでしょうか。以前の回答者がHer2の陰性は変わらないと回答していましたが、原発巣と転移巣でER, PR, Her2の状態が変わることがあります。お母さんのようにホルモン剤が効きにくくなったことを考えると、その可能性も考えた方が良いのではないかと思います。といって再発巣が簡単に切除できる再発ではないでは血液中のHer2をcheckすることをお勧めします。(文責 清水)

 

No.7559-5】  09年02月01日   M.N.
腫瘍マーカーについて

いつも大変参考にさせていただいています。母の治療に変化がありましたので、またご相談させていただけますと幸いです。2008年2月から10月までACを3週間毎に11回続けました。抗がん剤の治療により、下記の通り腫瘍マーカーの値もさがり(ピンク部分)、肝臓にあった転移の影も見えなくなりました。よって、2008年10月下旬より、ホルモン剤のヒスロンに変更して治療を続けております。しかし、ACをやめてすぐにマーカー値に上昇がみられるようになり(08/11/11)、CEAについては12月の検査にて再び100を超えてしまいました。主治医は、マーカーがあがっていても、臓器への転移なく、身体の症状に何も変化がないので、当面は現在のホルモン剤を続けた方がいいとのことです。転移や症状が見られてから、タキサン系等の抗がん剤を検討するとのこと。今回、今後の治療を考える上で、下記ご相談させていただけますと幸いです。

1) 今後の治療の進め方
家族としては、この腫瘍マーカー値の上昇が気になるのですが、主治医の言うとおり、CT等での転移や・身体の症状に変化が見られるまではホルモン剤を続けた方がいいのでしょうか。腫瘍マーカーの上昇によって、今後転移がまた現れる可能性もあると思うので、その前に次の治療に切り替えた方がいいのかなと思うのですが、アドバイス頂けますと助かります。
2) 他ホルモン剤
これまでの治療のなかで、多くのホルモン剤(ノルバデックス・アリミデックス・フェアストン・アロマシン・フェマーラ等)を使っています。現在のヒスロン以外に、他に使えるホルモン剤はあるのでしょうか?また、ない場合ですが、ノルバデックスは発症時の使用です(1990年)。しかし、今利用しても効果は期待できないでしょうか。
3) 内服抗がん剤
副作用が軽く、長期間利用可能な(効いている限りは、数年利用可能?)内服抗がん剤を検討することは妥当なのでしょうか?その場合、どういった抗がん剤が利用可能かアドバイス頂けますと幸いです(調べたところ、TS-1やゼローダがあるようですが、違いが分からず・・・) また、どういった副作用がみられるのでしょうか?
4) PET
CT/MRIでは転移は見られないとのことですが、マーカーの上昇もあるため、PETで検査したいと主治医に話したところ、PETよりもCTのほうが正確にわかるので不要とのことでした。母のような状態の場合、PETでの検査は不要なのでしょうか。
5) 脳への転移
特に症状が現れているわけではありませんが、マーカー上昇のなかホルモン治療のみですので、脳への転移も気になっています。CTでの検査は可能でしょうか。主治医は、症状がないため調べる必要はないとのことなのですが、次の治療方針を決める前には確認したいと希望しています。

長文となり申し訳ありません。お忙しい中たびたび恐縮なのですが、アドバイスいただけますと幸いです。どうぞ宜しくお願いいたします。

1) 私も主治医の先生の意見に賛成です。転移再発乳がんの治療の目的はQOL(生活の質)を維持しながら延命をはかることです。言い換えると、厳しいようですが、お母様の乳がんが治る可能性は極めて低いのです(ゼロではありませんが)。ですから、元気なときに副作用のある治療を行なうことはQOLを下げることになりませんか?
2) 確かにほとんどのホルモン剤を使っていますね。ヒスロンHまでいったら、もう一度ノルバデックスを試してみてはどうでしょう。
3) TS-1とゼローダは基本的には同じ薬です。ただし、副作用が多少異なります。さっきも述べたように、内服抗がん剤でも副作用はあります。ですから現在使うのはもったいないと思います。まだ今後出番があると思います。
4) 全身のどこにガンがあるかを探すならばPETの方が優れていますが、そこの病変がどうなっているかを見るためにはCTの方が優れています。但し、痛い辛いがない転移巣を探し出しても意味がないのではないでしょうか。これから何か治療するというのであれば、治療の評価のためにPETで再発部位を同定して、CTで評価する必要があると思います。
5) 主治医の先生がおっしゃるように、脳転移は比較的小さい時期から様々な神経症状を呈してきますので、無症状のときに頭の検査をする必要性は低いです。でも、検査をご希望ならば遠慮なくしてもらってください。(文責 清水)

 

No.7559-6】  10年07月24日   M.N.
今後の治療について

いつも大変参考にさせて頂いております。以前に何度かご相談をさせて頂いたのですが、今回、母の治療に変化があったため、再度メールをさせていただきます。前回は、ヒスロン以降の治療についてご相談させていただきました。その後、CTにて影が見つかり、マーカー値の上昇も伴ったため、下記のようにタキソテール、TS-1といったように抗がん剤を変えて治療を継続してまいりました。

<治療経過>
・ 2008年2月〜2008年10月 AC投与 (11回, 1回/3週)→ 2008年10月の時点で、肝臓の転移縮小。CTでは見えなくなる。CEA= 65.66, CA15-3= 52.6までマーカー値は下がる。
・ 2008年10月〜2009年5月 ヒスロン服用→ 2009年4月のCT検査にて肝臓の転移増大。この時点でのマーカー値は、CEA=335.2, CA15-3=165.4。
・ 2009年5月〜2009年12月 タキソテール投与 (11回, 1回/3週) → 一時期はCEA=56.38, CA15-3=44.2(2009年9月)まで下がるが、同年11月から値の上昇が始まり、2010年1月にて、CEA=207.1, CA15-3=261.1。
また、CT検査にて、肝転移巣は明らかな増大。
・ 2010年1月〜現在 TS-1服用 (6錠/日を4週間飲んで、2週間休薬)  → 現在も服用中。マーカー値はCEA=114.2, CA15-3=109.6(2010年3月)まで下がるが、2010年4月に再び上昇に転じ、CEA=229.2, CA15-3=224.1 (2010年6月)

今回CTにて検査をして、今後の治療を決める予定です。先生は、「・CTにても臓器に影が見られなければ、このままTS-1服用を続ける。 or ・CTにて転移の増大が見られた場合は、抗がん剤の変更を検討。その選択肢として、幾つかまだ試していない抗がん剤はあるので大丈夫」とのことでした。こちらから、まだ認可されていないが、アバスチン+タキソールの組み合わせ、あるいはアブラキサンという候補も考えられるのかを質問をしたところ、どちらも候補にはなり認可は近い、とのことでした。

<質問>
1) マーカー値はどんどん上昇していますが、先生のおっしゃる通り、CTでの転移増大が見られるまでは、TS-1を継続したほうがいいのでしょうか。
2) 他抗がん剤に変える場合ですが、その他の認可されている抗がん剤候補とは、どういうものになるのでしょうか。調べたところ、効果が高いと思われるのはタキソールやゼロータ、ナベルビン (転移性乳がんに対して認可されているか不明ですが・・・) 程度しかないように思われて・・・。
3) まだ認可外となりますが、母の状況においては、アバスチン+タキソールの組み合わせ、またはアブラキサンを考える場合、どちらを先に試した方がいいでしょうか。
4) 一般的な質問となり恐縮ですが、混合診療というのは可能なのでしょうか。認可されていなくても、効果が期待できるのであれば、家族としては、認可外の抗がん剤を試したいと思っています。しかし、母は骨にも転移しているため、ゾメタも続けています。治療に認可されているものと適用外のものが混ざることが可能なのかよくわからず・・・。アドバイスを頂戴できれば幸いです。
5) TS-1を飲み始めてから(2010年1月〜)、母の体重の減少が激しく、10キロ近く減りました(63キロ→53キロ)。TS-1の副作用として食欲不振があると聞きましたが、これは癌細胞の増大による体重減少ということも考えられるのでしょうか。 先生に相談していますが、特に気にしなくてもよいといわれています。しかし、以前に比べかなり痩せて、見た目にもその変化が明らかであるため、、癌細胞増大による体重減であるならば、やはり抗がん剤を変えた方がいいのでは・・・と、家族は思っています。恐縮ですが、アドバイス頂ければ幸いです。

長文となり大変申し訳ありません。。母の治療においては、すでに多くのホルモン剤・抗がん剤を試しており、選択肢が限られてきている中で、是非アドバイスを頂戴できればと思っております。お忙しい中大変恐縮ですが、どうぞ宜しくお願い致します。

 

再発・転移の治療の場合には、まずは今より腫瘍が増大しないようにして、今まで通りの生活をできることが目標になりますので、腫瘍が縮小してくれれば更によいですが、現在CTなどの画像で明らかな増大がないのであれば、TS1続行をまず第一に考えたいです。癌細胞は非常にエネルギーを使いますので、がんの治療中の患者さんは、なかなか体重が増えなかったり、食欲低下があると体重が減ってしまうことはありますが、まずは口に合うものをなるべく摂取して、体力を落とさないようにするのがよいのではないでしょうか。食欲低下は、がんが原因の場合も、薬の副作用が原因の場合もありますが、明らかに薬の影響であれば、薬の変更も考慮してみたらよいと思います。次の治療をどうするかは、いろいろな考え方があると思いますが、個人的には今まで使用した薬とは違う種類ということでナベルビンをまず使用して、その後ゼローダやタキソールを考慮します。アブラキサンにつきましては、使用経験がないので、はっきりしたことは言えませんが、7月23日に承認されて、乳癌の適応が通ったようですので、主治医の先生にも相談してみたらいかがでしょうか? アバスチンについては適応外ですので、やはり保険適応の薬をまず使っていくのがよいと思います。保険適応の薬と保険適応外の薬を併用していくのは、保険医療機関では基本的には難しいです。
まとめますと、まずはTS1続行を考え、副作用や病状進行の場合にはナベルビンをはじめとした未使用の薬に変更を考慮するのがよいでしょう。抗がん剤治療は種類を変えていっても、後半の薬ほど効果がある可能性は低くなっていきますので、副作用が強かったり、体力が落ちてきた場合には、抗がん剤をやめて症状緩和に専念する治療にシフトしていくタイミングも考慮しながら治療を進めていくことが大事だと思います。(文責 浜口)

No.7558】  08年01月18日  I.T. 
検査の順序について

乳がんの検査について、わからないので教えてください。
先日、家の近くのクリニックより紹介を受け、大学病院で細胞診を受けました。大学病院の先生はエコーとマンモでの検査の結果、乳がんの疑いはレベル4とおっしゃっておりました。細胞診の結果を待つ前にMRIとCTでの検査も必要とのことで予約を入れて帰ってきたのですが、細胞診の結果がでてから必要であれば、もし悪性であれば、MRIとCTでの検査を行うのではいけないでしょうか? 先生は、「結果がもし悪性の場合、その時点でMRIとCTの予約をすれば1ヶ月も2ヶ月は先になりますし手術も先になります」と、おっしゃっておりました。 先生のおっしゃる通り、最悪を考え、先にMRIとCTを先にしといた方がいいのでしょうか? ご返答よろしくお願い致します。

かなり癌の確率は高いと予想されているようです。最悪を考え先にMRIとCTを先にしといた方がいいと私なら考えます。(文責 石川)

 

No.7557】  08年01月18日  H.K.
今後の治療方針(HPNo.7508-2)

HPNo.7508で相談したものです。返信ありがとうございました。その後、針生検と同時にやった左脇リンパの細胞診がクラスWとの結果でした。石灰化が広がっているため全摘出、左脇のリンパは郭清するそうです。
1) 0期のがんでもリンパに転移していることはありますか?クラスXではなくWという所が気になります。
2) 念のためセンチネルリンパ生検を手術の際にしてもらったほうがよいのでしょうか?
3) 手術前に抗がん剤治療をする方法もあるとのことでした。その場合のメリット、デメリットを教えて頂きたいです。よろしくお願いします。

1) 0期の癌では理論上、リンパ節や遠隔臓器に転移することはありません。転移があるということは、どこか一部に浸潤していたところがあることになります。したがって非浸潤癌ではなくなるので、0期ではないと思います。クラスWはかなりXに近く、X(転移)が疑われます。
2) 念のためセンチネルリンパ生検を手術の際にしてもらったほうがよいと考えます。
3) 術前化学療法は奏効すれば、腫瘍を縮小できる、切除範囲を少なくできる利点があります。全摘出が予定されている場合には意味がなっそうです。また使用する化学療法が有効か、無効が判定することができます。無効の場合、それだけ無駄に手術が遅れることになります。術前と術後に化学療法行っても、再発予防効果は変わらないと言われています。(文責 石川)

 

No.7556】  08年01月18日  K 
肺と肝臓への転移

年齢は56歳。2004年2月に乳がんの手術をし、温存、センチネルでリンパは取らず、硬癌1センチ、HER2 +2、断端マイナス、ホルモン感受性あり。手術後放射線治療のみです。昨日、定期健診で、レントゲンに転移と思しき影1センチが2個、3月のレントゲンにはありませんでした。触診で、肝臓の腫れも見つかりました。肝臓に関しましては、昨年9月に、市の定期健診でγGTPが87に増えていましたが、気にしないでいいと言われました。10月に精神的にショックなことがあり、胃腸が不調になった時、きっと精神からと思って胃腸科や精神科に通いました。整腸剤や胃薬をもらいましたが、体重が4キロ近く減っているのに、腹部にお鏡餅を貼り付けているような重い不快感が消えず、12月には食欲も減っていきました。エコーをかければ分かったのでしょうが、精神から来る腹部の緊張という扱いでした。それで昨日の定期健診での転移ということになります。18日に肝臓のエコー、26日にCTの予定です。
乳がんの転移の場合、肺と肝臓に同時に出るのは、かなり進行しているのでしょうか。肝臓のこの圧迫感は、緩和される可能性はあるのでしょうか。元のように、おいしいものを食べたいだけ頂けるようになるのでしょうか。肝臓の急激な膨張を考えると、CTで他臓器にも転移を発見するかもしれませんが、これはもう末期がん患者ということになるのでしょうか。あと数年という感じなら、QOLを大切にしたいと思っています。あとどれだけ自由に動けるのでしょうか。苦しい治療より、緩和ケアを選択するべきかと、迷っております。これだけのデータでは、お答えしにくいと思いますが、よろしくお願いします。いまは食事も睡眠も、十分に取れない状態です。

肺と肝臓に同時に転移があるのは、かなり進行していることになります。肝転移の場合、治療が奏効すれば肝臓の圧迫感は緩和されるはずです。さらに他の臓器に転移があれば、さらに進行していることになり、治療は難しくなります。治療効果、癌の特性・進行度の速さにも因るので、予後は予測しにくいです。治療効果が期待できないときは、苦しい治療より、緩和ケアを選択するべきと思われる場合もあります。よく主治医と相談してください。(文責 石川)

 

No.7555】  08年01月18日  S.M. 
乳房の痒みについて

私は20歳で、乳房の痒みについて悩んでいます。一・二週間前から、腕や首、胸、乳房あたりに痒みを感じ始めました。はじめは私自身が乾燥肌の為、乾燥による痒みだと気にしていなかったのですが、一週間前辺りから、両胸の乳頭周り(乳房)が円を描くようにうっすらと白くなり、そこがカサつき、少し硬い気がします。これも乾燥の所為かと思い、クリームを胸にもつけていたのですが、一昨日辺りから、左胸の乳頭周りから汁が僅かに出て、下着に付着しています。これって乳輪下膿症なのでしょうか?それとも、腕に出来ている湿疹と一緒のような乾燥などによる皮膚炎なのでしょうか?
もし皮膚炎ならば、皮膚科に行って湿疹と同じ薬を使用するつもりなのですが、乳輪下膿症といった病気ならば、乳腺科の病院に行かなくてはならないでしょうし、どういった病院に行けば良いか悩んでいます。お忙しいとは承知していますが、ご回答の程宜しくお願いします。

乳輪下膿瘍でなくて湿疹の可能性が高いように思います。まず皮膚科を受診するべきと考えます。(文責 石川)

 

No.7554】  08年01月18日  T
微熱がとれません

昨年7月に温存で手術しました。年齢は55才です。術前化学療法をし、術後放射線治療を9月末に終了しました。今回の質問ですが、最近起床時は平熱ですが、お昼前ぐらいより熱が36.9度位にあがります。夕方には平熱に戻っていたりいなかったりと、一日の中で上がったり下がったりします。ただ、熱があってもなんとなく変なぐらいで、普段通り動けます。化学療法時に一度経験がありますが、もう日にちも経っているのでよくわかりません。ホルモンレセプターはマイナスなので、今は何もしていません。また、橋本病でチラーヂンを1錠飲んでいます。どうしてこういう症状がでるのか教えていただければと思います。また何か注意事項がありましたらどうぞ宜しくお願いいたします。

化学療法や放射線治療後に、かなり時間を経ても微熱が続くことはありえます。原因はわかりませんが、疾患と関連するものは滅多に無いようです。しかし、念のため主治医に相談してみたらいかがでしょうか。(文責 石川)

 

No.7553】  08年01月18日  ビオラ
検査にこんなに時間がかかるのでしょうか?

市のマンモ検診で要精査になり、診てもらった所、石灰化になっているところがあると言われました。クラスは4だそうです。次回マンモトーム検診を受けるのですが、検査日が1ヵ月半も先なので、そんなに放っておいていいのか不安です。検査のためのレントゲン(マンモ等)も受けてきました。どこの病院でも、検査にこんなに時間がかかるのでしょうか? このまま2月末まで待っていていいのでしょうか? 病気のことが頭から離れず、不安な毎日です。よろしくご指導、お願い申し上げます。

検査までの期間が短いほうが、どの疾患に限らずいいのですが、マンモトーム検査はいまだにできる施設が少ないのと、意外と手間がかかるので順番待ちが長いようです。石灰化だけの病変だけの場合、非浸潤癌などのことも少なくなく、実際の臨床上1ヵ月半も先でも問題となることは少ないように思います。(文責 石川)

 

No.7552】  08年01月18日  M 
抗がん剤について

お世話になります。2003年4月に右乳房を温存療法手術し、リンパ節に2個転移があり、ホルモンはどちらも陰性でCEFを6クールやりました。2005年11月、局所再発から同時に肝臓に多発転移と脳にも多発転移がありました。脳はガンマナイフで治療し、全身療法としてウィークーリータキソールをし、なくなりはしないけど小さくなって、腫瘍マーカーもCA-15−3が300まであがっていたのが60まで下がりました。2006年4月まで落ち着いてたのですが、2度目の脳転移と卵巣の転移もあり、腫瘍マーカーも120にあがり、抗がん剤をナベルビンにかえました。これは副作用がきついわりに結局半年しか持たず、次の抗がん剤を考えることになりました。主治医はゼローダかTS1をすすめますが、効果は同じだが副作用はTS1のほうが楽だといいます。タキソテールはやってないのですが、タキソールに耐性ができているので、やっても無意味とおっしゃいますがそうでしょうか。Her2は陰性です。どれでもやってみないと効くかわからないのは承知ですが、ご意見よろしくお願いします。

タキソールに耐性ができてもタキソテールが効く場合があります。無意味ではないと思います。(文責 石川)

 

No.7551】  08年01月18日  IZ 
今後の治療について

母の癌治療について相談させていただきたくメールいたします。
母は58歳2ヶ月です。2007年2月に乳癌と診断され、リンパ節にも転移していたので、抗がん剤(ファルモルビシン→タキソール)を半年間投与し、がん細胞を小さくしてから10/22に摘出手術をしました。無事に手術は成功し、その後の検査で他に転移はなしという診断を受け、安心して術跡への放射線治療とホルモン剤服用にて治療を行っていました。しかし、12下旬に頭痛がするというので気になりMRIを撮ってもらったら、脳への転移が発覚しました。12月下旬に緊急入院をし、3回ほど全脳放射線治療も行いました。しかし今は行っていません。ただ脳圧を下げる薬を日に3回点滴しているだけです。その後の検査で髄膜にも転移しており、脊髄にも転移している状況です。主治医には治療の手立てがないので本人の生きる力のみに頼るしかないといわれています。母は日に日に病状が悪くなり、寝たきりになってしまい、食事はとれず、飲み物もあまりとれません。脳MRIを早めに撮ってもらえなかったという不信感がありますが、未だにセカンドオピニオンも探せずにいます。海外では乳癌にも適応されている「セルタバ」の投与を主治医に懇願しましたが、日本では肺がんの薬として承認されているのでムリといわれてしまいました。母の現状をなんとか良くならせる方法は何かないのでしょうか?
念のため・・・母は癌専門の病院に入院しております。新薬治験でもなんでもいいから延命させてあげたいと懇願しています。見当違いの相談でしたら申し訳ございません。ご回答お待ちしております。

大変な状況にご同情申し上げます。脳MRIは初回手術のとき、通常では検査しません。再発や遠隔臓器転移があった場合、また脳神経症状が疑われた場合に行われます。入院されている癌専門病院で全ての手は尽くされているように思われます。(文責 石川)

 

No.7550】  08年01月17日  T.K
術後化学療法の必要性について 

平成19年10月に充実腺管ガンで温存手術をうけました。「大きさは1.9X1.8X1.4cm、拡がりは脂肪まで、リンパ管侵襲ly0、脈管侵襲V0、リンパ節転移N0(センチネル)、断端-、ER-、 PGR-,ハーセプト-、 核異核度3」でした。今後の治療法について伺いたいのですが、主治医からは放射線のみで(病院の都合で放射線は来年1月末からになります)、あとは無治療と言われております。今後無治療でいいのかどうか不安です。主治医からは化学療法は必要は無いと言われておりますが、サンクトガレンのガイドラインを見ると「ホルモン感受性が無い、核異核度3」ということで、中リスクが2つとなり化学療法の適用になるのではないかと思うのですが、治療法はどうでしょうか? あわせて今後の再発率、生存率についてもご教示を頂きたく、お願い致します。

確かに中間リスクの癌であり、化学療法を行うか否かは担当医の判断によります。私はこの様な場合、化学療法(ECなど)を行うことが多いです。10年生存率は90%以上と思いますが・・・。担当医と良く相談してみて下さい。(文責 吉田)

 

No.7549-1】  08年01月17日  K.Y
腋窩郭清について

昨年11/14にのう胞内腫瘍で乳房部分切除を受けました。その際腋窩郭清なし。非浸潤がんであればこれで終了とのことでしたが、病理診断の結果ごく一部に浸潤が見つかりました。「・のう胞の大きさ約2cm ・術中迅速がん陰性 ・腫瘍の大きさ約1cm ・グレード判断不能 ・乳管内進展度 g  ・断端陰性 ・脈管侵襲 − ・ER+」です。術前CTでリンパ節に1つ影が映っていましたが、主治医は「画像なので実際は違うこともある」とおっしゃっていました。でも今となっては、とても気になります。私のがんは病理の結果から低リスクのように思えるのですが、リンパ節に転移している可能性はあるのでしょうか。浮腫などのリスクを考えると、リンパ節切除はできればしたくありません。でも安心のためにする価値はあるのでしょうか。主治医に相談しましたが、決断はまだです。(再度CTをお願いして結果待ちです)
今後の治療は、乳房への放射線+アリミデックスを受けるつもりです。腋窩郭清は受けたほうが良いのか、お考えをお聞かせください。よろしくお願いいたします。55歳です。 

病理の結果から低リスクの癌であったと思いますが、一部に浸潤癌か存在したことより、リンパ節に転移している可能性はあると思います。再度CTを行い、またリンパ節が見られるようであればエコー下で細胞診を行なってみたらどうでしょう。その結果、転移であれば郭清を受けた方が良いと考えます。(文責 吉田)

 

No.7549-2】  08年11月28日  K.Y
閉経の確認

HPNo.7549でお世話になりました。その節はありがとうございました。3月中旬で放射線治療を終了。現在56歳です。治療開始時ノルバデックスの提案もありましたが、ER+ PgR- のため効果が出難いと思い、お断りしました。1月の血液検査結果は、「LH 23.40 FSH 66.10 E2 13」です。婦人科では「まだ閉経したとは言えない」とのことでした。3・4・5・6月ゾラテックスを打ち、6月に一度だけ爪の先ほどの出血があったので、婦人科で診てもらったところ(1月とは違う医師でしたが)、「年齢的に、いくらなんでももう閉経しているでしょう」と言われました。(子宮頸がん・子宮体がん検査異常なし)・・・私もそう思いました。7・8月は無治療で、9月に再検査、結果は、「LH 8.10 FSH 31.69 E2 12」。まだ閉経は不確定のようです。本日「来月再検査して、確定したらアリミデックスに行きましょう」という主治医お話でした。そこで、お尋ねしたいのですが、
1) 閉経しているということがなかなか数字的にはっきりしない場合は、またゾラテックスに戻るのでしょうか。
2) どの程度の数値になったら閉経したと考えられるのでしょうか。

このごろ体温調整がうまくいかず、更年期の症状が強く出ていると思います。お忙しい中恐縮ですが、よろしくお願いいたします。   

1) 数字的にはっきりしない場合は、タモキシフェン(ノルバデックス)が使用されることが多いと思います。タモキシフェンは閉経の有無に関わらず使用できます。閉経前にはゾラデックスとの併用が、より有効とのデータがあり、併用がひろく行われています。
2) 生理が1年以上ないことをもって閉経とされています。婦人科手術で子宮が切除されている場合があり、この時は、採血でホルモン値を測定します。FSH と血漿エストラジオールの値を参照します。具体的な測定値の判断は施設によってばらつきがあろうかと思われますが、エストラジオールが10〜20pg/ml以下 & FSH(卵胞刺激ホルモン)が50〜60 mIU/ml以上が目安です。

以上がお答えです。私の場合、こういう境界にいらっしゃる方には
i) タモキシフェンのみを服用しながら、ときおりホルモン値を測定し、閉経レベルに達したと思われるときに、アロマターゼ阻害剤に切り替える。
ii) ゾラデックス+タモキシフェンで数年継続する。その後、アロマターゼ阻害剤に切り替える。
のいずれかをお勧めすると思います(どちらかと言えば ii) でしょうか・・・)。主治医の先生とよく相談してみてください。(文責 河原)

 

No.7548】  08年01月17日  M 
胸のしこりについて

はじめてメールします。宜しくお願い致します。私は、26歳(三歳の子供あり)の娘の父親です。娘が授乳(8ヶ月位)をやめて2〜3ヶ月たって、胸の腫瘤(数センチ大)を発見し、病院に行きました。専門医のいる病院を紹介され受診しました。その病院の先生はテレビにもたまに出演する女医さんでした。マンモとエコーの検査の結果、マンモでは陰性でしたが、エコーでは影が発見されました。数日後の簡易な細胞診でも異常はありませんでした。半年後の再検査では、少し小さくはなっているがまだ腫瘤が存在したため、エコーを見ながらの生検(太めの針でゴリゴリと)を行いました。結果は異常な細胞は見つからないとの事でした。半年後の再検査で腫瘤は小さくはなっているが、分散しているようでした。担当医から「当病院では今回で終わりにします。これからは最初に受診した病院で診てください。」と言われたそうです。腫瘤がなくならない時点では、本人も我々も不安でしかたがありません。今後、別の病院を探すか、また担当の専門医にお願いするか迷っています。紹介状を持って行った場合、何かルールがあるのですか。病名をはじめ、今後の方針についてご教授ください。

エコー下で生検して異常は見られず、その後腫瘤が小さくなっているのでしたらまず心配ありません。別に決まったルールがあるわけではありませんが、専門医が紹介を受けた場合、心配の無くなった時点で元の病院に戻すのは自然なことです。娘さんの場合は、ミルクが部分的に溜まったものか、乳腺症の様なものだったのでしょう。今後は様子を観察して腫瘤が大きくなったらまた専門医を紹介してもらえば良いでしょう。(文責 吉田)

 

No.7547】  08年01月17日  R.K.
胸の痛み

はじめて相談させていただきます。33歳で、4歳の子供が一人おります。先月の生理後10日程経った頃から右の乳房の内側(乳首のすぐ横)が痛みます。内科を受診し、レントゲン・血液検査をしましたが異常ありませんでした。先日CTも撮りましたが、異常はありませんでした。内科では肋間神経痛ではということで痛み止めを処方されましたが、まだ痛みます。押さえると痛むので、しこりがあるのかどうかわかりません。痛みのある部分に少し張りがあるように思います。乳がんの可能性はありますか? またエコー検査で乳がんの診断はつくのでしょうか? よろしくお願いいたします。

恐らく乳癌ではないと思います。乳癌の診断ほ乳房X 線(マンモグラフィ)とエコー検査、細胞診で殆どのものが診断可能です。あまり心配であれば乳腺外科を受診してください。(文責 吉田)

 

No.7546】  08年01月17日  T 
乳腺症と診断されて

33歳、既婚、子供無しです。5年ほど前(28歳)に右胸に小さなシコリを発見。市民病院の普通の外科で検査してもらいましたが、良性とのことで安心し、その後は一切検査はしませんでした。33歳になり、今年8月頃、同じ右胸に痛みが走り(針を刺すような痛みと張った感じ)アセッて触ってみると、随分大きくなったシコリを発見。9月に別の病院の乳腺外科でマンモ、エコー、細胞診を行い、「細胞診の結果レベル3の為、シコリの一部摘出生検手術をしましょう」と、先生に言われました。ただ傷跡が残るのがイヤだったため、針生検に変更してもらいました。また生検を行う前に、3DーCT造影を行いました。CTでは、しこりが長さ6pぐらいあったようです。針生検では、乳腺症の良性との判定となり、6ヶ月後の再検査となりましたが、先日、右乳房を絞ってみたら、大量の血の様な乳頭分泌がありました。乳房の痛みもずっと続き(脇から乳房のシコリにかけて痛む)、また痛みが強いため、気分も悪くなり(吐き気もあり)食欲もありません。やはりシコリを全部摘出し、徹底的に検査をしたほうが良いでしょうか? また、摘出手術後は今まで通り激しいスポーツをしても問題ありませんか?(特に痛みが不安です) 摘出後に子供を産んだ時、お乳は出ますか? とにかく乳がんだったらと思うと不安で不安で夜も寝られません。どうぞよろしくお願い致します。

乳房や腋窩の痛みは乳腺症のためかもしれませんが、ただ、大量の血性乳頭分泌物があったとのことですので、なるべく早急に乳腺外来の受診をお勧めいたします。腫瘤(しこり)のみの摘出術であれば、腫瘤のサイズや場所にもよりますが、スポーツや授乳には支障はないと思われます。(文責 土屋)

 

No.7545】  08年01月17日  S.S.
再建手術について(HPNo.7419-2)

以前HP7419で相談しました。FEC4回終了後、3ヶ月おいて乳房再建手術を受ける予定です。もしハーセプチン治療がFECの後にあるとしたら、再建手術はまたのびてしまうのでしょうか。ハーセプチンは副作用が少ないと聞いていますが…。並行して治療と手術は可能なのでしょうか。

ハーセプチンは心毒性や発熱などの副作用を有しますが、他の抗癌剤に比較すると、嘔気等の副作用は少ないと言われています。ハーセプチン投与は、再建手術の後に行っても問題ないと思われます。(文責 土屋)

 

No.7544】  08年01月17日  m,I
断端陽性について

3月に左乳房上内側を温存手術した閉経前47歳です。病理検査の結果、「非浸潤癌 悪性度2 ER(陽) PgR(陽) HER2(検査せず) 脈管(−) 断端陽性 リンパ節転移(−)」でした。断端陽性なので、追加全摘か、放射線(30回、60グレイ)+ホルモン療法(ノルバデックス)を選択するように言われました。せっかく温存ができたので、できるだけ残したいとは思っているのですが、再発等(浸潤癌で再発する恐れもある)を考えると全摘をした方が良いのかと悩んでいます。もし残した場合は、再発率などはどのくらいになるのでしょうか。よろしくお願いします。

断端陽性の程度(範囲や、断端に癌が顔を出していたのか非常に近接していたのか、等)にもよりますが、選択肢としては、「@再手術または A追加照射を加えた放射線治療+ホルモン療法」があります。@の方が切除断端からの再発について、悩まなくてすむかもしれません。断端陽性の程度が非常に軽度であれば、整容性などの面から、再手術より放射線治療のほうがメリットが大きいと判断されることもあります。主治医の先生とよくご相談ください。(文責 土屋)

 

No.7543】  08年01月17日  S
集簇性の石灰化

このたび婦人ドックのマンモグラフィで「右の中央部に石灰化と左の中央部に集簇性の石灰化が見つかった」と報告が来ました、年末なので来年まで精密検査は無理ですが、集簇性の石灰化がとても心配です。普通の石灰化だけなら私は首にもありそうで心配ではないのですが、集簇性の場合は悪性と書いているのですごく心配で、精密検査までが死ぬ思いです。この集簇性の石灰化がある場合の乳がんの可能性はどのくらいでしょうか?  集簇性でも癌でない場合もありますか?  今回はマンモをとったので触診は簡単でした。2年前のエコーでは異常なしでした。よろしくアドバイスお願いいたします。

集簇性の石灰化が必ずしも悪性というわけではありません。石灰化の形でも悪性の可能性は異なります。しかし集簇する石灰化というのは石灰化の分布の形としては悪性の可能性が高いのも事実です。精密検査を受けていただくのをお勧めします。(文責 志茂)

 

No.7542】  08年01月17日  N 
乳首より血性分泌物

34歳、今年ICSIにより妊娠しましたが、10月上旬に妊娠6ヵ月で流産を経験しております。12月上旬に血性の分泌物があり、ご相談させていただきます。
・年齢30代半ば
・06年9月より不妊治療(不妊原因不明)
・07年6月 ICSI ⇒ 10月上旬 妊娠6ヶ月で流産(前期破水)
・11月上旬 少量の乳汁(透明・乳白色) ⇒ カバサール服用(1回のみ)

流産処置の1ヵ月後に乳汁が出た為、週1回程度、乳汁が出るか確認しています。確認方法は、『軽くマッサージ後に乳頭をつまむ』です。2週間ほど前に確認した際に、乳頭から以下のような分泌物がありました。 量は、つまむとプチプチと少量出る程度です。痛みや熱っぽさはありません。
(右側) 透明・乳白色  (左側) 透明・乳白色・茶褐色

今までとは異なる症状だった為、急いで通院中の大学病院へ行きました(産婦人科からの紹介で乳腺外科にて受診)。
・視触診 ⇒ しこりなし、問題なさそうである
・マンモグラフィー ⇒ 異常なし
・分泌液の細胞診 ⇒ 2〜3週間後に結果出る

年明けに超音波検診の予定です。
1)これらの所見から乳管内乳頭腫や乳がん等の疑いがありますか?
2)異常分泌の原因として、不妊治療・体外受精でのホルモン剤投与等の影響は考えられますか?
3)年齢的になるべく早く妊娠・出産したいと考え、来年2〜3月くらいに凍結胚融解移植を希望しています。これらの症状があっても今後の体外受精・妊娠・出産は可能でしょうか?

上記、受診した際に質問したところ、明確な回答を得ることができませんでした。不妊治療の病院に相談したところ、『乳腺外科の先生から「妊娠してもOK」と言われたら、来て下さい』と言われました。ご多忙中誠に恐縮ですが、ご意見を伺いたく、ご回答の程どうぞよろしくお願い申し上げます。

1) 他の検査結果を見ないとはっきりとしたことは分かりません。
2) 不妊治療が原因の乳汁分泌は考えにくいですが、高プロラクチン血症による乳汁分泌がある方は、高プロラクチン血症が原因で不妊症になることはあります。産科の先生にご相談してはいかがでしょうか?
3) 今回の質問内容からでは、はっきりとしたことは分かりません。(文責 志茂)

 

No.7541】  08年01月17日  MS
今後の検査について

53歳の女性で、34歳と28歳の出産経験者です。市民検診は毎年しています。昨年も2年に1度のMMGも8月に受け異常ありませんでしたが、今年11月に左乳頭のすぐ左横下に2センチくらいのしこりを見つけました。MMGと超音波を受け、市民検診でMMGの判定をして頂いた先生に前の写真と見比べてもらうと、以前少し石灰化している部分がしこりになっているのでMRIを受けました。造影剤はしこりに入っているので乳がんの疑いありと言われました。MRIを受けた翌週紹介状をもらって他病院で針生検を受けましたが、細胞が取れないと言われ、又翌週2回目も受けました。そこでも細胞が取れなかった。「うちみのような細胞が少しあるような・・・」と言われ、よくよく考えると2〜3ヶ月前に人の肘がまともに左胸にあたって2度もひどくぶちました。先生は「最初はほぼ乳がんだと思ったが、違う確率が高くなってきたので、もう1度MMGと超音波を」という事で受けましたが、超音波の先生も主治医の先生ともが、「乳がんではないと思う、急をようする事ではない」との診断でした。3ヶ月後にMRIを受けて見比べてみましょうと言う事でした。マンモトームも必要はないと言われました。(針生検の時、針はしこりに入る時2回ともプチッっと刺さりました。先生は乳がんと刺さり方が違うし、結構長く針を刺していたが乳がんなら細胞が取れない事もない」と言われました) 今後次のMRIまでこのままの状態でいてもよいかと思い、ご相談お願いします。今見ていただいている先生をとっても信頼していますが、もう1度針生検をお願いした方がよいのかとも思いますが、家族はあまり神経質にならないほうがよいと言っています。

他の手段としては腫瘍を局所麻酔下で切除し腫瘍の確定診断を行う方法もありますが、乳頭のすぐ傍ということを考慮すると、やみくもに切除するよりも、3か月後の経過をみて非侵襲的な手段を選択するのも頷けます。はっきりとした診断がつかず不安な気持ちも分かりますが、主治医の先生とよく相談なさってください。(文責 志茂)

 

No.7540】  08年01月17日  Y 
針生検の結果

お忙しいところすみません。針生検の結果、脈管侵襲がない場合は浸潤癌でないと考えていいでしょうか? 非浸潤癌と考えてよいでしょうか? それとも局所では浸潤しているかもしれないが他の場所に転移していないと考えればいいでしょうか? 教えて頂ければ幸いです。

ご質問の「脈管侵襲」と「浸潤癌」について混乱されておいでのようです。
脈管侵襲のある浸潤癌、脈管侵襲のない浸潤癌、ともに存在します。再発の危険性は「脈管侵襲のない浸潤癌」の方が低いのですが、残念ながら可能性はゼロではありません。母乳の通り道である「乳管」のなかに出来るのが乳癌で、乳管の中に収まったまま成長しているのが非浸潤癌、乳管の壁を破って、つまり「浸潤」して、乳管の外に広がったのが浸潤癌です。そして、乳管外にまで広がった癌細胞が、近くをとおる血管壁やリンパ管壁を破って侵入しているものが「脈菅侵襲あり」、侵入した所見が見られないものを「脈菅侵襲なし」ということです。
ただ、針生検の結果ということですので、上に申し上げた所見は「針の中にとれてきたもの」についての所見でしかないということです。針の外には何が起こっているのかまでは分かっていません・・・。(文責 河原)

 

No.7539】  08年01月17日  Y.T.
要精密検査

31歳・女性・1歳7ヶ月の子供がいます。先日健康診断で乳癌健診をエコーで受けました。届いた結果に「右胸に小さい石灰化有り、左胸にのう胞の形成有り。悪性を疑うような所見ではない」と記載がありましたが、マンモグラフィーにて再検査したほうが良い(要精密検査)ともありました。エコーでは良性に見えても、マンモグラフィーでは悪性という可能性があるということなのでしょうか? ちなみに以前から左側のみ白色の分泌液が出ます。また、エコー検査後から両胸のいろんな箇所がチクチクやヒリヒリといったような痛みも出てきています(検査から2週間経ちますが、未だに痛みます)。乳癌の可能性が高いのでしょうか? 年明け早々にマンモグラフィー検査を受けようと思っていますが、とても不安なためご相談させて頂きました。よろしくお願いします。

マンモグラフィを勧められているのは、エコーで認めた石灰化(カルシウムの粒)の形や散らばり方を評価するためです。あと左から白色の分泌物がでるとのことですが、これだけで良・悪性の予想をするのは情報が乏しすぎます。マンモグラフィの結果を待つ以外にないと思います。「右胸に小さい石灰化有り、左胸にのう胞の形成有り。悪性をうたがうような所見ではない」とのことよりマンモグラフィで悪性の所見がでる可能性は低いとは思いますが・・・。(文責 河原)

 

No.7538】  08年01月17日  A.I
組織検査後の硬化について

4年前のがん検診で要精検となり、最終的に組織検査を受けました。42歳です。その結果は乳腺症とのことでした。検査の際の傷口がケロイド状になっているのですが、最近そのあたりをさわると、かなり広い範囲で乳腺が硬くなっていることに気付きました。これは乳腺の状態の変化(例えば乳がんとか乳腺症の再発)なのでしょうか? それとも組織検査に起因するものなのでしょうか? 胸の張りは生理前とかに関係なく、常に感じているような状態です。2年前にがん検診(触診、マンモグラフィー、エコー)を受けた際は異常なしとの結果をいただきました。2年もの間検診を受けていないので、そろそろ受診しなければと思いますが、その前に不安で仕方がないのでご相談させていただきました。

切除後の創が硬く瘢痕として残ってしまうことは時折見かけます。きちんと検査をお受けになられているとのことなので、瘢痕として硬く触れていることが第一に考えられます。瘢痕に、しこりができたり乳腺症の変化を伴う可能性はもちろんあります。この際の診断はやや難しくなることが考えられますが、時間的な変化(以前と比べてどうなったかということ)が診断に役立つと思います。心配なら、以前に受診したところでまた診ていただいてください。(文責 河原)

 

No.7537】  08年01月17日  Y.G.
ラジオ治療方法

初めてご相談させていただきます。67歳で主人の会社を手伝っております。健康診断エコーで乳がんらしきものが見つかり、先生の言われるとおりに触っても、なかなか感触できません。体形を変えたりするとスーパーで売られているこんにゃくを袋の外側からつかむ、そんな感じに触れ、2センチぐらいの大きさです。今は再検査中ですが、陽性の場合ラジオ治療方法も考えております。ラジオ治療のデメリットをお教えください。また、治療後の治療にはどんな治療が必要でしょうか。こちらの地方でラジオ治療を行っている所を知りませんので上京して治療し、その後の治療は近くの病院でする事も出来るでしょうか。よろしくお願いいたします。1年前マンモ、エコーの検査では見つかりませんでした。  

お答えさせていただきます。乳癌に対するラジオ波治療をお考えとのことですね。ラジオ波での治療は現在のところまだ試験期間中の治療であることを念頭においていただかなくてはいけません。ラジオ波にかぎったことではありませんが、こういった非手術的な治療の最大のデメリットは、癌を焼き尽くしたかどうか分からないという点にあります。不十分な焼き具合ですと、将来的に乳房内にしこりができてくる可能性があります。十分なのか不十分であるのかは、切除しないため確認できないのです。あとは皮膚のやけどの危険性や焼灼後のしこりなどが生じ得ます。地方から上京しての手術を考えておられるとのことですが、術後の経過観察のことなど十分に考えてから決定してください。まずは、乳癌ではないことをお祈りしております。(文責 河原)

 

No.7536】  08年01月17日  COCO
乳ガン検診で(HPNo.7477-2)

マンモトームとは保険がきくのですか? どんな小さい石灰化も検査する事ができるのでしょうか? もしその検査でガンと分かったら即手術なんでしょうか? 半年後の検査後に手術するのと、今わかって手術するのとでは、私にとって少しでも早いほうがいいのですか? 沢山の質問すみません・・・。教えてください。

マンモトームは保険診療でおこなわれます。石灰化をすべて摘出することは難しいと思われます。また、ガンと診断された場合は半年間経過を待つメリットは無いと思われます。主治医とよくご相談下さい。(文責 西川)

 

No.7535】  08年01月17日  M/S
葉状腫瘍術後

以前ご相談させていただいたM/Sです。その後葉状腫瘍の摘出をしました。6センチほどありました。術後10日ほどですが、手術したほうの胸がかたくなって、乳腺だかしこりだかよくわからないものを感じます。これは、外来でみてもらったほうがよいのでしょうか? アドバイスをいただければと思います。また、葉状腫瘍に関しては、どれくらいの可能性で再発があるのでしょうか?

術後に創部が硬くなることは良くあることですので心配はないと思いますが、強い痛みや皮膚の発赤などが出現するようでしたら受診してください。葉状腫瘍は良性、境界型、悪性の3種類に分類されます。そのタイプ別や切除断端の状況により再発率は異なります。色々な報告がありますが、良性の場合は約10〜20%、境界型や悪性の場合は20〜30% の再発率が報告されています。(文責 西川)

 

No.7534】  08年01月17日  T.K
術後化学療法の必要性について

本年10月に充実腺管ガンで温存手術を受けました。大きさは1.9X1.8X1.4cm、拡がりは脂肪まで、リンパ管侵襲ly0、脈管侵襲V0、リンパ節転移N0(センチネル)、断端-、ER-、 PGR-、ハーセプト-、 核異核度3でした。今後の治療法について伺いたいのですが、主治医からは放射線のみで(病院の都合で放射線は来年1月末からになります)、あとは無治療と言われております。今後無治療でいいのかどうか不安です。主治医からは化学療法は必要は無いと言われておりますが、ザンクトガレンのガイドラインを見ると、「ホルモン感受性が無い、核異核度3」ということで、中リスクが2つとなり、化学療法の適用になるのではないかと思うのですが、治療法はどうでしょうか? あわせて今後の再発率、生存率についてもご教示を頂きたく、お願い致します。

いわゆるトリプルネガティブの結果です。ザンクトガレン2007の分類より考えると、ご指摘のように化学療法の選択となります。ただし年齢がわかりませんので今後の治療法や生存率、再発率の計算ができませんが、adjuvant onlineによるおおまかな計算では10年生存率は78.2%であり、化学療法により約2年以上のベネフィットが得られるようです。無治療による再発率は約30%で、化学療法により5.7%再発率を減少させられるようです。参考値としてご理解いただき、主治医とよく相談してください。(文責 西川)

 

No.7533】  08年01月17日  T 
再発

母の事ですが、3年前に舌癌の初期、ステージ1で、部分的手術(リンパ節転移無し)で手術を受けました。経過も良かったのですが、1年前に左リンパ節に1つ転移があり、頚部リンパ郭清術を受け今に至るのですが、昨日喉仏の右横の方にシコリらしき物を見つけました。お聞きしたいのは、郭清術は右耳の横から左の耳横まで真一文字に切除と、あごの下から鎖骨まで縦にTの字のように切除してあります。左右のリンパ節を切除しました。リンパ節切除をしてもまた同じリンパ節に癌が再発する事ってあるのでしょうか? 教えてください。

頸部のリンパ節郭清をうけられた後に再発をすることは考えられますが、内容は舌癌ということで、乳癌と別の病態でありますので、大変申し訳ありませんが担当医にご相談下さい。(文責 西川)

 

No.7532】  08年01月17日  K.W. 
乳がんとうつ病治療

2年半ほど前に乳がんの手術をしました。それ以降何度となくこの「相談室」にお世話になりました。自分と同じことで悩んでおられる方、自分よりも深刻な方、それぞれに勇気付けられ励まされておりました。そして、改めて乳がん治療はひとりひとり違うこと、いかに多くの方々が悩んでおられるか・・・を感じておりました。
今回は術後補助療法のホルモン治療とうつ病についてお伺いします。現在44歳。2005年7月乳がん手術。術後放射線、抗がん剤治療、2006年4月よりホルモン治療を受けております。ゾラを2年、タスオミンを5年の予定で、現在1年9ヶ月程が経過、残りゾラは3回です。ホルモン治療を始めたころから更年期障害の症状が出ていましたが、一番深刻なのがうつ状態でした。色々と気分転換や仕事を始めたりと努力をしたのですが、一向に良くならず、仕事のストレスがひどく、その結果むしろ悪くなり、心療内科に通院するほどまでになりました。仕事は9月で辞めました。
乳がんの主治医は、ホルモン治療でうつ病になる人はほとんどいないから、私に元々の素因があり、ホルモン治療がその引き金になったのだろう!とおしっしゃいます。また、うつ病についても専門ではないとのことで、あまり相談に乗っていただけません。私自身は、再発のリスクを考えて、ホルモン治療を継続しながらうつ病を治したいと考えています。今年6月より「トレドミン」を1日50r、また眠剤を服用しています。しかし快方に向かわないので、12月中旬より1日100rに増やしています。久しぶりにこの「相談室」の過去の内容を調べていたら、「パキシルがホルモン治療の効果に影響する」という文章を目にしました。現在「トレドミン」は精神科医のドクターに処方していただいておりますが、乳がんについてはまったくの素人です。トレドミンはホルモン治療の影響がありますか?1日100rは適切ですか? このまま、外科と心療内科を同時進行で治療していくことについてご意見をお聞きかせください。何だかまとまりのない文章ですが、乳がんをしてうつ病にもなり、とても苦しんでいます。よろしくお願いいたします。

乳癌治療中にうつ状態を経験する方は決して少なくないと思います。ただし、全員が治療が必要な状況になるかというとそうではなく、自然に軽快される方が多いのではないかと思います。しかし、心療内科や神経精神科へ治療をお願いすることもあります。トレドミンによる治療への直接影響は現在のところ心配されなくて良いと思います。乳腺外科医の多くは外科医だと思われますので、心療内科との併科は良いと思います。精神の安定は治療上とても重要と思いますので、安心して心療内科へ通院されてください。(文責 西川)

 

No.7531】  08年01月17日  H
石灰化

34歳、子供2人の主婦です。右胸にしこりをみつけ、マンモ&エコーを受けましたが、乳腺そのものということで異常なしでした。ほっとしたのですが、両胸にぱらぱらと散らばったような感じで石灰化があるということでした。「心配するような形ではないですが、念のために半年後にもう一度検査しましょう。悪いものだったら数が増えたりしますから」とのでした。授乳を終えて2年近くたっていましたが、子供が面白がって乳首を触って遊び、時々母乳?がでることもありました。この影響もあるでしょうか?(今は乳首を触るのをやめさせたので、母乳は出なくなりました。) 悪いものだったらどうしよう・・・と不安でいっぱいです。お忙しいとは思いますが、ご回答をよろしくお願いいたします。

マンモグラフィにおいてぱらぱらと散らばった様な感じで石灰化があるということでしたが、この表現と担当医が経過観察と判断したことより瀰漫性の良性の石灰化と判断したと思われます。子供さんの影響や母乳は関連はないと思われます。半年後の検査でよろしいかと思います。自己検診は継続していただき、しこり感の変化がある場合は早めに受診して下さい。(文責 西川)

 

No.7530】  08年01月14日  K 
脇の痛みについて

私は2006年8月に右乳房温存、リンパ節郭清術を受けました。術後一年以上経ち、痛みを感じる事もなくなっていましたが、最近右脇が痛みます。術後の痛みとは違って、術前化学療法中に自分でリンパ節の腫れを発見した時の痛みと同じような痛みで、シコリの様なスジの様なものが触れる様に思います。手術でリンパ節はレベル3まで郭清してるので、残ってないと思うのですが、この痛みはどの様な事が考えられますか? リンパ節転移は4/22で、腫瘍径は2センチ弱、核異型度2でした。

郭清後は1年以上しても時々いろんなことがおきます。術後の変化と思いますが、いつまでも続くようであれば次回主治医に相談し検査してみて下さい。(文責 吉田)

 

No.7529-1】  08年01月14日  A・Y
手術とリンパ節郭清

47歳の自身のことについて相談させて頂きます。
・2007年7月11日病理診断: invasive ductal carcinoma HER2 3+ ER+ PgR+ CT結果 E領域横径3.1cm上下2.9深さ1.6 皮膚浸潤疑い 胸壁と密に接し胸壁浸潤を否定しかねるが、積極的に浸潤を疑わせる所見とは言えない 右腋窩リンパ節最大8mmで有意な腫大は認めず その他転移認めず。骨転移なし。
・2007年7月〜9月 FEC(エンドキンサン内服法 50mg 2T/1*M day1〜day14) (ファルモルビシン40mg/u day1and8 5FU500mg/u day1and8)
・2007年10月〜12月 パクリタキセル(80mg/u)+ハーセプチン
・2008年1月〜   ハーセプチン(2mg/kg)

半年の化学療法後のCT結果 E領域mass3x1cm程で、前回より明らかに縮小(画像では、深さが皮膚から中心に向かって半分位になっています)、一部で胸壁と密に接している、右腋窩リンパ節縮小。主治医がエコーを行いましたが、瘢痕化していてガン細胞はなくなっていると言ったと思います。それでも絶対手術をしなければならないものなのでしょうか? また、気になるリンパ節があったようで、リンパも取らなければならないかと独り言のように言っていました。CTに写らないものがエコーに写るということは、あるのでしょうか? リンパ節郭清も絶対やらなければならないのでしょうか?(私がネットで調べることができた中では、予後の推測のためであって予後を改善する効果はないとしている情報がほとんどでした。私はリンパ浮腫等の後遺症の方が心配です) 主治医の受診時は、ぼ〜っとしていて尋ねることができませんでした。(とにかく手術ありきな状態でして・・) お忙しいところ恐縮ですが、ご回答の程宜しくお願い致します。(1/22手術予定、1/17に手術についての詳しい説明を受けることになっております)

手術を絶対しなければならないということはないです。事実この後に放射線治療を追加し様子を見ている人も極少数いるようです。ただし標準的には、手術を行い顕微鏡的に癌がどの程度残っているのかを確認いたします。そして残存していた癌の性格も考慮して術後の方針を決めることになります。リンパ節についても同様ですが、転移の有無によって予後の予測をするのは、とても重要なことです。どうしても郭清がいやであれば、まだ十分なエビデンスはないですが、センチネルリンパ節の生検を検討してみてはどうですか? 腋窩のリンパ節の性状についてはCTよりエコーの方が良く判ります。(文責 吉田)

 

No.7529-2】  08年02月19日  A・Y
術後の治療方針について

HPNo.7529で回答頂いた者です。結局1/22、乳房全摘術+腋窩リンパ節郭清術(レベル1)施行。私の場合、臨床学的にリンパ節転移があると判断されるとのことでした。
今回は今後の治療方針について相談致します。
病理結果は 「腫瘍径:2.2*1.4cm、 組織型:乳頭腺管癌、進達度:皮膚浸潤、組織学的異型度:グレード1、リンパ管浸襲:陰性、脈管浸襲:陰性 、リンパ節転移:0/16(レベル1)、エストロゲン受容体:陽性 、プロゲステロン受容体:陰性、 HER2:スコア1(陰性)」です。
主治医は、「内分泌療法で良いと思う。ハーセプチンは合計1年を考慮していたが、追加効果は少ないと思う。」とのことでした。(HER2のスコアが3から1になることがあるのかとの問には、あり得ると。また、これまでの治療でなくなったのかもしれないと。)
「費用対効果を考えれば不要と思うが、万全を期したいということで希望するのであれば、予定どおり1年間続けましょう。」と言われました。治療費用については気にしておりません。ハーセプチンを続けて、少しでも効果があれば続けたいと思っています。先生方のお考えをお聞かせ頂ければ幸いです。

難しいケースですね。確かに術前の針生検の結果と術後摘出標本の病理結果が一致しないことは稀にあります。治療で変化したのか、もともと組織像が多彩で検査した部位が異なったため違った結果になったのか、結論は出ません。いずれにしてもこの状況で今後のことを考えなければいけないことになります。一つ情報として欲しいのは、術前化学療法の病理組織学的な効果はどの程度だったかということ言うことです。pCRでないので術前化学療法の効きはあまりよくなかったと言えますが、組織学的効果判定もあまりよくなければ(かなりがんが残っているのであまり期待はできない)、追加のハーセプチン治療は不要と考え、ホルモン療法に移行するのがよいのではないでしょうか。 (文責 清水)

 

No.7528】  08年01月14日  H
非浸潤ガンの皮膚再発と放射線療法について

右側皮下全乳腺切除をしました。乳房再建のため、乳頭・乳輪は温存しましたが、術中検査で乳頭の断片の一部が陽性だった為、一部切除しました。

<病理検査結果による主治医の診断>
・非浸潤性乳管ガン・大きさ7.5cm×6.5cm・ホルモン受容体陰性
・ガンが大きいため微小浸潤を作りやすいが、今回は発見できず、非浸潤ガンと診断
・分裂が多く、形が不整で悪性度が高い
・痩せていて脂肪が少ないため、断片が皮膚に近く、顕微鏡で見るとガンが皮膚側に残っているように見える。そのため、皮膚再発の可能性は否定できない

今後、特に治療をする予定は無く、三ヵ月後の受診で経過観察中です。皮膚再発の心配があり、このままで良いのかと不安が高まっております。下記についてご回答くださいますよう、お願い申し上げます。
1) 無治療で良いのでしょうか?
2) ガン細胞が皮膚面に残っている可能性があるのなら、放射治療をした方が良いのでしょうか?(少しでもリスクを軽減させたい。)  治療を受けた場合、再発率はどのくらい下がるのでしょうか? もしくは、再発した場合の治療法を残すために今はしない方が良いのでしょうか?
3) 現状では、再発率はどのくらいあるのでしょうか?
4) 乳頭・乳輪は再発の可能性が高いと言われましたが、乳房再建をせずに切除した方が良いのでしょうか?
5) 再発した場合は、浸潤ガンになるのでしょうか?
6) 皮膚再発した場合は胸筋への転移や遠隔転移をしている可能性があるのでしょうか?

以上、宜しくお願い致します。

1)2) 無治療でも悪くありませんが、少しでも局所再発のリスクを減らすには放射線外照射を追加するべきでしょう。これにより局所再発のリスクは半分以上避けられると思います。
3) 温存して放射線を行った場合でも10%程度に局所再発がみられますので、20~30%位はでないかと思います。
4) 切除するのあれば放射線もいらなくなる訳ですが、もったいない感じがいたします。放射線をかけて、落ち着いた頃に予定通り再建を検討するのは如何ですか?
5) 非浸潤癌は再発しても非浸潤癌であることが多いですが、20~30%は浸潤癌として再発すると言われております。
6) 浸潤癌として再発しない限り転移の可能性はないでしょう。(文責 吉田)

 

No.7527】  08年01月14日  N 
術後治療について

昨年3月、左乳房の温存術を行いました。「腫瘍径1.0×1.4cm大、湿潤性乳管癌・充実腺管癌、リンパ節転移0」でした。またER(3+)、PgR(3+)でした。術後治療として、60gyの放射線治療とフェマーラ2ヶ月(生理再開のため)、ノルバデックスを4ヶ月飲みました。その後、昨年9月右乳房にしこりを見つけ、生検で癌とわかり、12月に全摘出手術を行いました。病理検査結果は、「湿潤性乳管癌・充実腺管癌、癌浸潤の波及程度(f)、intraductal component(2+)、nuclear grade(1(2,1)) ER(3+)、PgR(3+)、HER2(1+)、センチネルリンパ節(1/1微小浸潤) リンパ節(腋窩0/5)」でした。
術後治療について、「@リンパ節への転移があったこと A左乳癌の治療をしていながら右乳癌の性質がにていること」からホルモン療法の効果に疑問がある。以上の理由から抗ガン剤治療を薦められました。再発や遠隔転移を予防する意味でも、効果有りならば抗ガン剤治療もやむなしと考えますが、「ホルモン反応が強い場合、抗ガン剤治療を追加する意味が認められない」と、ある乳癌HPに書いてあるのを見つけ、判断に迷います。先生のご意見を伺いたくよろしくお願いします。

確かにホルモン反応が強い場合、抗癌剤の効果は見られないことが多いことは事実です。しかし現在の癌治療は個々癌に対して完全にあった治療が行われている訳ではありません。従ってホルモン剤が効くはずの癌であっても効かないことや、抗癌剤が効かないはずの癌が効く場合もあります。あなたの場合本当にフェマーラが無効であるかどうかはわかりません。主治医の言われる通り、まず抗がん剤の投与を行い、閉経状況を確認してフェマーラなどのアロマターゼ阻害剤を続けるのが良いと思います。(文責 吉田)

 

No.7526】  08年01月12日  M.O. 
乳癌術後の再発について

乳癌術後の再発が心配で相談させて頂きたいです。宜しくお願いします。
2006年11月に乳癌と診断され、ステージ2 大きさ2.2cmで浸潤癌、リンパ移転無し、術前化学療法(CEFとタキソール)で効果があり、2007年9月まで温存手術、放射線治療を終えました。ホルモン感受性がないため、今は治療を受けていません。最近、手術を受けた脇の下がたまに痛みがあり、鎖骨も少し痛みがあります。、定期検診で採血と触診しかやっておらず、主治医に相談しても「大丈夫です」と言われるばかりで、再発がとても心配です。乳癌の再発率は高いのでしょうか。乳癌再発予防のため、日常で注意することは何でしょうか。宜しくお願いします。

術前化学療法を受けた場合、病理で癌が残っていたかどうかが問題です。癌が完全に消えていたのであれば、再発率は極めて低いといえます。恐らくホルモンの反応性が低い癌であったのでホルモン剤を服用していないのだと思います。乳癌の再発の予防は重要ですが、あなたの場合、術前化学療法で医学的に必要な予防法は既に十分行われていると考えられます。他にあるとすれば、定期的な受診と規則正しい生活送ることぐらいです。主治医を信頼してあまり心配し過ぎないようにしましょう。(文責 吉田)

 

No.7525】  08年01月12日  T.T
腫瘍マーカー

術後2年になる43歳です。現在ノルバを飲んでいます。腫瘍マーカーを3ヶ月に1度調べていまして、NCC-ST−439の数値が10以下だったのに、先日19まで上がりました。他のCEAやCA15−3は正常値です。先生にNCC-ST−439の数値が2桁になったら抗がん剤治療をしないといけなくなるかもしれない・・・と言われていましたのでショックでした。3月にCTやマンモ・骨シンチの検査を受けますので、その結果をみて今後の治療を考えると言われました。この数値について教えていただければと思います。

NCC-ST-433の値の上昇についての解釈ですが、十分なエビデンスがありませんのではっきりした事はいえません。しかし正常値上限の約2倍の値をとっておりますので、NCC-ST-433を再検査すると同時に画像検査で再発の有無を確認する必要はあると思います。(文責 吉田)

 

No.7524-1】  08年01月12日  n o
ホルモン治療とマーカーの上昇について

はじめまして、お世話になります。67歳の母について質問させていただきます。
5年前に浸潤性小葉癌、ステージVbで手術をしました。去年初め腫瘍マーカーが上昇し骨転移がみつかりました。その後ゼローダ、TS−1を服用しましたが、副作用が酷く2ヶ月程で中止になりました。去年秋には胃に転移がみつかり、レーザーで患部を焼く手術をし、直後はマーカーもほぼ正常値に戻ったのですが、また上昇しました。今年の初めからナベルビンを受けていましたが、CA15-3が10月の段階で64になり、医師から「次の抗癌剤を」という話が出たので、某がんセンターでセカンドオピニオンを受けたところ、「まだノルバデックスを使っていないから使ってみては」というご指摘をいただきました(ホルモンレセプター陽性です)。主治医は「ノルバデックスはおそらくあなたのお母さんには効かないでしょうが、そこまで言うなら・・・」と言われました。それで、先月からノルバデックスを服用し、28日目の今週、腫瘍マーカーの検査をしたところ、CA15-3が158になっていました。ホルモン治療の場合、一時的にマーカーが上昇するとは聞いていましたが、一ヶ月後に64→158という急激な上昇はアリなのでしょうか?(それまでは上昇しても10〜20まででした) CT、MRIも受けましたが、特に内臓で転移は認められませんでした(骨転移はそのままで、特に広がってはいないそうです)。マーカーの上昇にもかかわらず、母の体調はとても良く、ナベルビンを受けていた頃より元気に普通に過ごしています。長くなりましたが、ホルモン治療はどのような経過をたどるのか、母の選択は間違っているのか教えていただけたらと思います。宜しくお願いいたします。

ホルモン治療は抗癌剤にくらべて効果の発現がゆっくりで一時的に腫瘍マーカーが上昇してもおかしくありません。しかしこの値は少し気になります。腫瘍マーカーの上昇は必ずしも病勢の進行を反映しないことがありますが、やはり骨の状態や他の転移の出現の有無を調べる必要があるでしょう。病勢が悪化しているようであれば直ちにノルバッテクスを中止し、アロマターゼ阻害剤などのホルモン剤に切り替えるか、再び抗癌剤を投与するようにしなければなりません。再発転移の治療法に標準的なものはなく、ケースバイケースで使用していない薬剤を順次使用していきますので、御母上の選択は間違えとは言えません。(文責 吉田)

 

No.7524-2】  09年02月06日  n o
再発から3年

またお世話になります。ちょうど一年前に母について相談させていただきました(HPNo.7524)。メールをいただいた後、当時の治療(ノルバデックス)を中止しました。主治医からは「次は抗癌剤」と言われたのですが、私も母もホルモン剤にこだわって、なんとか(フェマーラ)にしてもらいました。
あれから1年、マーカーは一時下がりました。しかし2週間前の検査結果、また少し上がり始めたらしく、「今度は抗癌剤」と言われました。骨転移の方は(ゾメタ)のおかげか、小さくなっています。他の臓器への転移としては、胃に少しあるらしいですが、大した事はないと言われました。今すぐ何かしなければいけない状況ではないようですが、マーカーの上昇が気になるので、「次の段階へ」という事らしいです。以前使った抗癌剤は、体への負担が大きかった事もあり、母は躊躇しています。これまで再発後に使って、合わずに中止したのは(TS-1)(ゼローダ)です。これからの選択肢としては何があるのか、教えていただけたらと思います。よろしくお願い致します。

まず、腫瘍マーカーが上がり始めたとのことですが、骨転移のほうは落ち着いていて、他の転移が増大していないのであれば、同じ薬をもう少し続けてみる選択肢もあると思います。ただ、明らかに病状が増悪しているのであれば、まだ使っていないホルモン療法剤(たとえば、フェアストン、黄体ホルモン剤など)を考慮するか、抗がん剤に移行ということになると思います。抗がん剤はTS-1,ゼローダが使用済みであれば、他のもの アンスラサイクリン系抗がん剤、タキサン系抗がん剤、ナベルビンなどなどあります。ただし、抗がん剤は、ご高齢であったり合併症があると使いにくい場合もあります。主治医の先生とよくお話になってください。(文責 俵矢)

 

No.7523】  08年01月12日  K
ハーセプチンを使用する事は可能でしょうか?

現在50歳、昨年 乳がんと診断され、乳房温存法で手術を受けました。リンパ節への転移はなく、大きさは1.8cm×2cm、病理結果は「ホルモン感受性あり、グレード3、HER2陽性」でした。切除断端部陽性の疑いがあり、再手術を勧められています。術後の補助療法として化学療法と併用してできれば、ハーセプチンを使用する事は可能でしょうか?

現段階ではハーセプチンは再発転移例にしか保険適応が認められておりません。しかし、HER2陽性の乳癌の術後にも、もうすぐ(4月頃)保険が認められる予定です。それからでも遅くはないでしょう。(文責 吉田)

 

No.7522】  08年01月12日  M
乳輪下濃瘍とは

初めてご相談させて頂きます。乳輪下濃瘍と診断されて通院をしています。「化膿が落ち着いた時に切除した方がいいかも知れない」と言われました。説明によれば、開けてみたら乳腺までかかっているかも知れないとのお話です。最初に、触診・エコー・マンモグラフィー・プロラクチンの検査は異常なしでした。胸だからと、乳頭の悪性の病気などが隠されているかも知れないと考えず、「単なるおできのようなものがたまたま胸にできただけ」と開き直った方がいいのでしょうか。よろしくお願い致します。

乳輪下膿瘍は乳腺炎が慢性化して膿が溜まった状態です。切開排膿と抗生剤の投与により炎症が治まっても、再燃することが多いので、その部分を手術で完全に取り除く必要があります。乳腺の悪性腫瘍のことは心配せず「単なる治りにくいおできが出来たけ」と開き直って差し支えないと思います。(文責 吉田)

 

No.7521】  08年01月12日  S 
対側リンパ節の腫れ(HPNo.6696-2)

NO.6696でお世話になった者です。6月初旬に左全摘、多発してたようですが、非浸潤がんとのことでした。その後、放射線投与。その後はタスオミン毎朝1錠服用(5年くらいと言われています)。そのほかは何もしてません。12月中旬の超音波の検査で右脇のリンパ節が腫れているとの事、触診での異常はないという事で、様子見と言う事になりましたが、どうも、脇の下か乳房の外側にずっと痛みがある様に思います。生理になったら痛みがなくなるかな・・・と思っておりましたが、変わらないので心配に思います。脇のリンパが腫れて、痛むのはどんな原因が考えられますでしょうか?

脇の下のリンパ節がはれる原因としては、手指の細かな傷からの感染やリュウマチなどの膠原病、リンパ腫などの腫瘍、乳癌や他の癌の転移などがかんがえられます。あなたの場合、乳癌は非浸潤癌であったのでその転移ということはまずないでしょう。(文責 吉田)

 

No.7520】  08年01月12日  S
センチネルリンパ節生検について

1) 手術前日に放射線科アイソトープ室でがん(腫瘍)の周りにアイソトープを注入するようですが、病院によっては乳輪の周りに注入するというところもあると伺いました。どちらの方法がよいのですか?その注入位置の違いはどのような場合ですか? また、注入時は一般的に検査技師さんが触診にて注入と伺いましたが、乳輪はわかりやすいですが、各人様々な腫瘍形態が有るなかで、技師のかたが注入位置を確定するのに触診というのは些か気になるところなのですが、詳細を教えてください。
2) @と同様術中色素を注入する場所は一般的に腫瘍の周り、または乳輪のどちらですか? これは術中に行われるということですが、教えていただけますと幸いです。

センチネルリンパ節生検はわが国では未だ保険の適応ではなく各施設で様々な方法で行われているのが現状です。腫瘍の周囲にアイソトープを打つ場合と乳輪の周りに打つ場合がありますが、どちらが優れているのかは判りません。どちらの方法でもリンパ節の同定率に大きな違いはないと思います。我々の施設では基本的にしこり周囲に注入しております。しこりがわかりにくい場合、主治医はマジックで印をつけ、核医学の医師が注入するようにしています。また腫瘍が触れないような場合乳輪の周りに打つこともあります。術中に色素を注入する場合も同様で基本的にしこり周囲に注入する様にしています。乳癌学会が中心となり保険適応承認にむけて臨床試験が始まろうとしています.その結果で標準的な方法が明らかになると思います。(文責 吉田)

 

No.7519】  08年01月12日  M
診断について

初めてご相談いたします。よろしくお願いします。私は39才ですが、3ヶ月前に初めて検診を受けたときに、エコーで腫瘍がいくつか見つかりました。その日のうちに、三カ所に針を刺し、検査をしてもらいましたが、悪性の細胞は見つからなかったそうです。しかし、さらにマンモグラフィーを撮ったところ、悪性の疑いがあるということで、もう一度同じ検査をしましたが、このときも悪性の細胞は見つからず、2ヶ月後に・・・ということで、先日エコーを撮ってきたところです。そのときも、大きさは1センチくらいと大きくなっている様子はないということで、その先生は、「エコーをみたところ、腫瘍の形がいびつなのが気になるが、悪性特有の周りの組織を巻き込んでいるというのは見られない。」「組織の検査は悪性は出なかったが、たまたま良性の組織がとれたということも考えられる。」「確かなことは、切って取り出さないとわからないが、そこまでのリスクを負って、手術はしない方がいい」ということでした。
私も、子どもがまだ手もかかるので、入院して手術をうけるのも・・・と思い、次は3ヶ月後のエコーの予約をとってきました。しかし、もしこれが悪性のものであれば、少しでも早く手術で取ってしまった方が、完治するのではないか・・・とも思います。こういった場合は、どうすれば良いのでしょうか。私のような例だと、経過観察という方法が一番良いのでしょうか。それともセカンドオピニオンをしてみた方が良いのでしょうか。よろしくお願いします。

二回の細胞診をして悪性の細胞が見られなかったわけですから、3ヵ月後のエコー検査でも良いと思います。しかし線維成分の多い癌の場合は何度細胞診をしても悪性の細胞が取れないこともあるので、エコーやマンモグラフィの所見によっては針生検あるいは切除生検の必要があるでしょう。切除生検は入院せず外来で行える手術です。(文責 吉田)

 

No.7518】  08年01月12日  M.N.
血性分泌その後(HPNo.7510-2)

HPNo.7510で投稿したものです。今日、以前にかかった乳腺外科へ行き、検査を受けてきました。6ミリのしこりがみつかり、そこから出血していることがわかりました。細胞の検査をし、来週結果がわかる予定です。しこりについて担当の医師に聞いてみたところ、「乳頭腫だとは思うが、細胞の検査結果を見るまでは、癌を否定することはできない」と言っていました。血性分泌としこりでインターネットで調べると、20%〜30%にがんが見つかるという文面をよくみますが、いただいた回答では約半数となっています。そんなにがんである確立が高いものなのでしょうか? 後、超音波での見た目では、がんと乳頭腫は同じように見えるのですか? ご回答よろしくお願いします。

約半数といったのは、あくまでも私の経験です。一般的には20-30%であるかも知れません。乳頭腫と癌はエコーでは同じように見えることも少なくありません。やはり細胞あるいは組織をみなければ確実なことはいえないと思います。(文責 吉田)

 

No.7517】  08年01月12日  T
左胸のしこり

私はまだ高校生です。でも最近なんか左胸の脇のあたりにしこりがあって、すごく怖いんです。押してもいたくありません。2、3日たったら少しだけ小さくなったような気がしますが、不安です。腕をあげて鏡にうつしてみると、そこだけ少しもりあがっているんです。ばんざいしたときに親指から腕のラインにそってさがった場所にあります。そして乳首よりは少し上の場所です。これは乳がんなんでしょうか。それともなんか一時的にどうにかなっているんでしょうか。教えてください。それと10代でもなる人がいるんでしょうか。

10代でも乳癌になる人はいますが、恐らく線維腺腫か何かの良性腫瘍でしょう。しこりが何時までも消えない様であれば、乳腺外来を受診してください。(文責 吉田)

 

No.7516】  08年01月12日  M.Y.
石灰化について

41才の主婦です。1年前に受けた市のマンモグラフィーの検診で、「右胸上部に石灰化(集簇性、微細円形)もしくは非対称性乳房組織、悪性を否定できず」とあり、近くの病院でエコーを受けたところ、大丈夫でしょうとのことでした。左胸に2個の影も見つかり経過をみている途中なのですが、最近右の脇の下に違和感があり、内科でエコーと血液検査したところ、大丈夫でしょうとのことでしたが、違和感がまだとれません。インターネットで調べたところ、石灰化の場合エコーでは分からないこともあるとあったのですが、脇の下の違和感との関係が気になります。脇の下は腫れているが、しこりはないと言われました。マンモトーム検査の出来る病院に行くべきでしょうか。宜しくお願い致します。

脇の下の違和感が何から来るのかは不明ですが、右乳房の石灰化と非対称性乳房組織というのが気になります。石灰化の部分はエコー検査ではわからない事も多いので、やはりマンモトームで石灰化のある部分を検査するべきと考えます。(文責 吉田)

 

No.7515】  08年01月10日  J.S.
線維腺腫疑い

39歳、既婚、子供が2人います。昨年8月、町の検診でエコー(だけ)を受けました。「検査の結果、心配のある異常は認めませんでした。」とあるのですが、その下に「右乳房線維腺腫疑い」と書いてありました。以前から生理に関係なく、右乳房と脇に痛みというか違和感が時々あります。気にしなくていいものなのか、乳腺外科で見てもらったほうがいいのか悩んでいます。アドバイスお願いします。

違和感がいつまでも続く様であれば、乳腺外科で再び検査してもらうのが良いと思います。(文責 吉田)

 

No.7514】  08年01月10日  I.N. 
今後の治療法について

母の乳がんについて相談をお願いします。非浸潤性癌ということで3週間前に左胸を全部とったのですが、とった細胞から浸潤癌が見つかりました。20%の再発の可能性があるといわれ、今後の治療として3つの提案をうけました。
1、強い抗がん剤
2、弱い抗がん剤とホルモン療法
3、5年間のホルモン療法

どれもリスクがあり、選択できずに悩んでいます。何もしない人もいるらしいのですが、どうなんでしょうか? NK細胞治療法とはどんなものなのでしょうか?
お忙しい中申し訳ありませんが、お返事お待ちしています。

切除された乳癌がホルモン感受性のある乳癌であれば5年間のホルモン療法が良いでしょう。また浸潤癌の部分が大きいようであれば、ホルモン療法に先立って弱い抗癌剤を投与することも考えなくてはなりません。NK細胞療法は免疫療法の一種ですが、これが有効であるという科学的根拠はなく一般的ではありません。ホルモン療法の副作用は比較的軽いので、何もしないよりは良いと思います。(文責 吉田)

 

No.7513】  08年01月10日  S.Y. 
右乳房横のしこり

四年前に市内の病院で乳がん検診を受け、右乳房横に小指爪位のしこりありとのことで、エコ−、針生検を受けました。結果脂肪腫とのことで、その後三ヶ月おきに二回検査をうけましたが、心配ないでしょうとのこでした。去年隣市に乳腺外科ができたので、デジタルマンモ、エコ−、視触診をうけ、脂肪腫のこともお伝えしました。「今回の検査で心配なものはありません。年一回は検診を受けていただくといいと思います。」とのことで、安心して帰ったのですが、ここの病院では、針生検など受けておらず、神経質な私は今頃心配になってきてしまいました。エコ−・マンモで良性の脂肪腫とわかるものでしょうか。先生は乳腺に対して経験もおありのようで信頼はしていますが、心配症でお聞きしたく、よろしくおねがいします。しこりは動きもあり、丸いものです。年齢は41です。脂肪腫は大きくなったりしますか。気にしているせいか四年前より大きくなってるような気も・・・。よろしくお願いします。

前の病院で針生検で脂肪腫と診断され、今の病院でマンモグラフィ、エコーでしこりの性状を検査してあれば、まず問題はありません。増大してくる様であり、心配であれば切除してしまう他ありません。(文責 吉田)

 

No.7512】  08年01月10日  S.F
線維腺腫の治療法について

40歳女性です。4年前に線維腺腫の手術を行いました(大きさは3.8p位だったと思います)。現在、再度線維腺腫ができて大きくなり、昨年の9月の時点で4.5pありました。最近、更に大きくなったような感じがあり、近く受診する予定です。一度手術をしたけれど、再度出来てしまったという思いから手術に踏み切る勇気がありません。でもこれ以上大きくなると痛みも増す事などを考えると、手術しなくてはいけないかなとも思いますが、決心がつきません。そこでいくつか質問があります。
1.手術以外に治療法はないのでしょうか?
2.聞いたところによると、ストローのような針をさして腫瘍を吸い取るような方法もあると聞きましたが、それは一般的な治療方法なのでしょうか?
3.手術するとなると、局所麻酔で出来ますか? 前回は外来で局所麻酔で手術しました。

以上、お手数ですがよろしくお願いします。

1) 良性腫瘍ですので抗癌剤や放射線照射は行えません。そのまま様子を観察するか手術で切除するしか方法はありません。大きくなっている様ですので切除するのがよいでしょう。
2) 一般的ではありません。大きな線維腺腫は葉状肉腫との鑑別を必要としますので、切除したものを病理で検査することが必要です。
3)  今の大きさであれば局所麻酔で可能と思われます。(文責 吉田)

 

No.7511】  08年01月10日  Y.A.
ハーセプチン

私の母は55歳になります。平成18年12月左乳房の部分切除の手術を受け,その後抗がん剤の化学療法,放射線治療,ホルモン療法をしてきました。術後約1年になりますが,肝転移をいわれ、抗がん剤ゼローダ,ハーセプチンの治療をすることになりました。ハーセプチンについては,最初の抗がん治療の最中に「あなたのタイプには受けたほうがいいですよ」と薦められてきたのですが,保険がきかないことと,母がこれ以上できないといったことでしてきませんでした。転移したら保険がきくみたいで,母も前回の治療から時間がたって気分的に落ち着いてきたこともあり,今回はがんばって受けるようですが,予後のことがかなり不安なようです。もちろん私も家族も落ち着かない状態です。主治医の先生は、3ヶ月ごとに様子を見て効果をみていくといっていました。母のガンのタイプにはハーセプチンが効果的だということですが,肝転移後でも有効なのでしょうか?家族みんなが転移ということで消沈しています.

ハーセプチンは、これが適応となる患者さんには有効であることが多く、たとえ肝転移を起こしている場合でも長期の生存が期待できることが少なくありません。具体的にどのくらい効くかは実際にやってみなければわかりませんが、今までの抗がん剤とは大分違います。(文責 吉田)

 

No.7510-1】  08年01月08日  M.N.
血性分泌

2003年に右胸にしこりと黄色い分泌物を発見し、翌年乳頭腫と診断され切除しました。その後、何の問題もなかったのですが、2006年に今度は左胸から黄色い分泌物が長期間にわたり出たので、乳腺クリニックで調べたところ、しこりはなく、分泌物の検査をして血性でないとわかったので、経過観察となりました。それから1年ほどは分泌物もでなくなったのですが、昨年末、突然分泌が始まり、今度は完全な血性の分泌物でした。分泌はほぼ毎日続いています。量は少ないのですが、分泌がでている左胸の乳首から真下5センチくらいのところに、細長いしこり?のようなものがあるみたいで、それをいじっていると血性分泌物が結構でてきます。昨年診て貰った乳腺クリニックでは、「乳頭腫が右にできて、その後左にもできるということはまずないだろう」というようなことを言われたのですが、今のこの症状からすると腫瘍ができてるとしか思えません。一度、乳頭腫ができるとがんになりやすいというのをよく聞きますが、今回のは、がんである確立が高いのでしょうか? 今週中には以前に手術してもらった病院に行くつもりですが、気になるので投稿してみました。ご回答いただければうれしいです。

現在までの経過がどうあっても血性の乳頭異常分泌が続いており、しこり様のものが存在するのであれば、乳癌である可能性は高いと思います。私の経験ではこの様な場合、約半数が癌です。(文責 吉田)

 

No.7510-2】  08年01月12日  M.N.
血性分泌その後

HPNo.7510で投稿したものです。今日、以前にかかった乳腺外科へ行き、検査を受けてきました。6ミリのしこりがみつかり、そこから出血していることがわかりました。細胞の検査をし、来週結果がわかる予定です。しこりについて担当の医師に聞いてみたところ、「乳頭腫だとは思うが、細胞の検査結果を見るまでは、癌を否定することはできない」と言っていました。血性分泌としこりでインターネットで調べると、20%〜30%にがんが見つかるという文面をよくみますが、いただいた回答では約半数となっています。そんなにがんである確立が高いものなのでしょうか? 後、超音波での見た目では、がんと乳頭腫は同じように見えるのですか? ご回答よろしくお願いします。

約半数といったのは、あくまでも私の経験です。一般的には20-30%であるかも知れません。乳頭腫と癌はエコーでは同じように見えることも少なくありません。やはり細胞あるいは組織をみなければ確実なことはいえないと思います。(文責 吉田)

 

No.7509】  08年01月08日  K.M.
左胸のしこり

はじめて相談させていただきます。現在32歳。未出産です。今から3年ほど前に左胸の下中央にあったしこりを摘出しました。結果は乳腺症とのことで、定期健診をうけていますが、左胸の同じ場所にまたしこりのようなものができました。しこりは前回と同様、痛くコロコロと良く動きます。また左胸もチクチクと痛みます。細胞針や摘出手術を受けないといけないと思うと不安でたまりません。そこでご相談させていただきたいのですが、
1) 触診やエコーとかのみで、ある程度診断はつくのでしょうか?
2) 母が乳癌を患っていることもあり心配なのですが、悪性の可能性は高いでしょうか?
3) すぐにでも受診したいのですが、もうすぐ生理になります。生理前または生理中でも 大丈夫でしょうか?

以上、よろしくお願いいたします。

1) 乳腺症の場合、触診とエコーである程度はわかります。しかし判りにくい場合は細胞診が必要でしょう。
2) 悪性の可能性は高いとは言えません。しかし母上が乳癌であるならば、その分注意するようにしなければなりません。
3) 生理前でも生理中でも受診してかまいません。必要であれば医師が判断して検査を遅らせます。(文責 吉田)

 

No.7508-1】  08年01月08日  H.K.
非湿潤がんについて

初めての相談メールです。よろしくお願いします。乳がん検診で精密検査が必要とのことで、マンモグラフィーと超音波、針生検をしたところ、先日0期の乳がんとの診断をうけました。非湿潤ガンはこのまま放置しておくと湿潤がんに変わっていきますか? それと今日の新聞記事によると、病理医によって診断にばらつきがあるとのことでした。病理標本を病院に貸し出してもらい病理診断のセカンドオピニオンをうけたほうがよいのでしょうか? お忙しい中申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

針生検は腫瘍組織の一部しか採れませんので、針生検で非浸潤癌と診断された場合、約20~30%には浸潤癌である可能性があります。針生検標本のセカンドオピニオンを受けるよりも、非浸潤癌とされる部分全体を手術にて切除し本当に非浸潤癌であるか否かを調べてもらうほうが良いでしょう。必要ならばこの時にセカンドオピニオンを受けてください。どこかに微少な浸潤巣があるかも知れません。非浸潤癌は一般悪性度は低いですが、長年放置すれば浸潤癌に変わるのもが多いとされています。(文責 吉田)

 

No.7508-2】  08年01月18日  H.K.
今後の治療方針

HPNo.7508で相談したものです。返信ありがとうございました。その後、針生検と同時にやった左脇リンパの細胞診がクラスWとの結果でした。石灰化が広がっているため全摘出、左脇のリンパは郭清するそうです。
1) 0期のがんでもリンパに転移していることはありますか?クラスXではなくWという所が気になります。
2) 念のためセンチネルリンパ生検を手術の際にしてもらったほうがよいのでしょうか?
3) 手術前に抗がん剤治療をする方法もあるとのことでした。その場合のメリット、デメリットを教えて頂きたいです。よろしくお願いします。

1) 0期の癌では理論上、リンパ節や遠隔臓器に転移することはありません。転移があるということは、どこか一部に浸潤していたところがあることになります。したがって非浸潤癌ではなくなるので、0期ではないと思います。クラスWはかなりXに近く、X(転移)が疑われます。
2) 念のためセンチネルリンパ生検を手術の際にしてもらったほうがよいと考えます。
3) 術前化学療法は奏効すれば、腫瘍を縮小できる、切除範囲を少なくできる利点があります。全摘出が予定されている場合には意味がなっそうです。また使用する化学療法が有効か、無効が判定することができます。無効の場合、それだけ無駄に手術が遅れることになります。術前と術後に化学療法行っても、再発予防効果は変わらないと言われています。(文責 石川)

 

No.7507】  08年01月08日  S
ハーセプチン(HPNo.7483-2)

HPNo.7483で投稿したものです。ハーセプチンは春先に保険適応になるかもということを以前聞きましたが、それでも毎月の医療費負担は相当なものであるように思います。『ラバチニブ』という薬があるとネットで見たことがあります。やはりこれも同じ位高額な薬なのでしょうか? 化学治療後にもう少し費用面で負担の少ない予後治療はないのでしょうか。

ラパチニブはHER2キナーゼ阻害剤という分子標的薬剤であり、日本では現在承認に向け申請中であり、早ければ今年の秋くらいに承認されるかも知れません。適応はアンスラサイクリン、タキサン、ハーセプチンで効果の無かった進行再発乳癌に対してカペシタビンとの併用で使用することになると思います。現時点では再発予防ではまだ使用は困難です。費用面でもまだはっきりしたことはわかりませんが、分子標的薬剤は開発にも莫大な費用がかかっており、ハーセプチンよりはやや低くなる予定のようですが、低額とは言えません。(文責 浜口)

 

No.7506】  08年01月08日  W 
左乳房付近の痛み

心配で悩んでおります。私は49歳で、2度の出産経験があります。2週間位前から左乳房下と隣接しています乳房下の骨のあたりが、触ったり、体を反ったり、かがんだりすると特に痛いのですが・・・。何もしていないときは生理前の痛さくらいです。7ヶ月ほど前にマンモグラフィと触診の検診は近くの病院で受けましたが、エコーは必要ないでしょうとの事で受けておりません。左胸の下全体の痛みも少しあります。他には、ひきつれ、えくぼ、へこみ、分泌物・・などはありません。乳がんの疑いも考えられるのでしょうか? 宜しくお願い致します。

マンモグラフィ検診でも見つからない乳癌があり、症状があるのであれば乳腺外来を受診して超音波検査等を受けてみてはいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.7505】  08年01月08日  A 
乳がんホルモン療法の副作用について

乳がんホルモン療法の副作用について教えて下さい。去年2月に、左胸の温存手術(ステージ2 リンパ転移あり)を致しました。術後4月より化学療法(アドリアシン エンドキサン タキソテール)を3週間に1度(8回)投与致しました。只今ホルモン療法で、タスオミンと利尿剤(むくみがある為)を服用しています。抗がん剤投与中も手足の痺れはありましたが、ホルモン療法に変わっても手の痺れがとれません。朝起きた時、指を曲げると痛みもあります。たまに、ひじ(骨)の方まで痛みがありますが、ホルモン療法の副作用でしょうか? それとも転移なのでしょうか? 化学療法後すぐに転移することもあるのでしょうか? とても不安で主治医に聞くことができません。お忙しいとは思いますが、回答宜しくお願致します。

ホルモン療法によっても関節痛などの副作用が出ることはありますが、抗癌剤(タキソテール)投与中からのむくみやしびれが続いているのであれば、抗癌剤の副作用が遷延している可能性が高いのではないでしょうか。タキサン系抗癌剤によるしびれであれば6ヶ月程度で改善することが多いようですが、長期化する患者様もおられます。転移による症状である可能性は低いと考えますが、まずは主治医に相談してみて下さい。(文責 浜口)

 

No.7504】  08年01月06日  H.T.
遠隔再発について

今年8月に温存で手術、放射線50グレイ、現在アロマシンを服用中。年齢55歳。病理の結果は次の通りで 、「大きさ0.8x1.2 リンパー ホルモンレセプターともに+ 核異型度2 脈管浸潤(リンパ、血管とも)―  HER2―  硬がん」です。このような結果の場合、遠隔再発は何%くらいでしょうか。そしてアロマターゼ阻害剤を5年間飲んだ場合、何%くらいに減るのでしょうか。とても気になるので教えてください。よろしくお願いします。  

Adjuvant! Onlineによれば無治療での10年間の再発リスクは24.6%で、ホルモン治療により12%にリスクは低下します。(文責 浜口)

 

No.7503】  08年01月06日  T.O. 
術後検診について(HPNo.6185-5)

お世話になっております。今月17日で術後2年を無事終え3年目に入りますが、他の同じような患者さんと2年目検診の内容が違うのが気になり、アドバイスをお願い致します。
私の主治医は、「腫瘍径(1.7×1.4) グレード(1) 脈管侵襲(−) センチネルリンパ(0/3) Her2(−) ホルモン受容体 ER(強+) PgR(+)」の1期という事で、検診は3ヶ月毎の薬を取りにいき、触診・問診と1年毎にマンモグラフィーと血液検査のみです。皆さんのようにCT・MRI・骨シンチ・PETなどいっさいありませんが、3年間が再発のピークと書いてありますので不安です。一般にはどのレベルまで検査を受けておくのが普通でしょうか?

術後follow upとして有効性が確率している検査はマンモグラフィのみであり、CT,MRI,骨シンチ,PETを定期的に施行することが生存率を改善するという証拠はなく、病状や症状に応じて検査を施行しているというのが現状です。なにか心配なことがあれば、それに合わせて検査を行っていけばよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.7502】  08年01月06日  S
母の治療法に関して(4)(HPNo.6686-4)

以前お世話になりましたHPNo.6686です。母の治療法に関して再びご相談させていただきます。領域再発の診断後、タキソテールを4週間に1回、ハーセプチンを週に1回投与(フェマーラフェマーフを再発前から引き続き服用しています)、7クールを終えたところで、PET-CTによる効果検査を行いました。結果、いくつかあった腫瘍がすべて消えていました。再発の場合、100%完全に治ったとは言い難いと聞きますが、言葉にならないほど、嬉しい結果でした。
そこで、主治医より今後の治療法は、タキソテールは8クールで終了、ハーセプチンのみ続ける。理由は、タキソテール投与後は白血球が減少している(差はありますが、大体2000ぐらいに下がります。よって、3週間に1度のところを4週間に1度に切り替えました)、タキサン系は6〜8クールが適している、という理由でした。また、ハーセプチンは、2008年2月か3月あたりから保険適用になるので、3週間に1回、要するに今までの3倍の量を1回で投与することも出来ます、ということでした。
つきましては、以下についてアドバイスをいただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
1) タキソテールを8クールで終了することは適していますでしょうか。抗がん剤をストップしてしまい、ハーセプチンのみに切り替えることにより、効果が下がり、再々発するのでは無いか心配です。
2) ハーセプチンは週に1回の場合と、3倍の量を3週間に1回投与するのとでは、効果も副作用も変わらないのでしょうか。
3) ハーセプチンの治療期間はどれくらいを目安にすれば良いでしょうか。
4) 万が一、今後再々発した場合、ドセタキセルとハーセプチンの治療を再度、開始するのが適していますか。それとも、抗がん剤は変えた方がいいのでしょうか。

1) 再発した乳がんを完全に治すことは困難であり、よい状態を長く維持することを目標に治療を進めていきます。タキソテールも続けていれば白血球減少や浮腫などの副作用により生活の質が下がることも考えられますので、画像上腫瘍が消失しているのであれば、まずはハーセプチン単剤に切り換えて治療を続けていくのはよい選択であると考えます。確かに腫瘍が再度増大してくることは心配でしょうが、それはタキソテールを続けていれば大丈夫というわけではありません。なるべく体に負担の少ない形で長く治療を続けていくことが重要ではないでしょうか。
2) 同様の効果が期待でき、通院回数は少なくなりますので患者様にとってはメリットがあるのではないでしょうか。
3) 再発治療の場合には副作用等が問題にならなければできるだけ長く続けるのがよいのではないでしょうか。
4) 基本的にはハーセプチンは続行しながら、ハーセプチンとの相乗効果が期待できるビノレルビンや経口剤のカペシタビンなどとの併用療法を考えていけばよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.7501】  07年12月30日  Y  
原発不明・腹膜への転移について

57歳の母が乳がんにかかり、10月に温存手術(リンパ郭清はせず)を行いましたが、原発がどこにあるのか特定できないまま抗がん剤治療に入りました。11月に入り腫瘍マーカーに反応有り、腹膜への転移が疑われています(現在は自覚症状なし)。この場合、癌の進行また腹膜播種はどのように進んでいくのか、原発がわからない場合の治療はどのように進めていくべきなのか、ご相談です。

お母様の手術が、乳がん(乳房原発のがん)の手術なのか、転移性の乳房腫瘤(がんがどこからか乳房に転移した)の手術なのかがポイントです。前者の乳がんなら、血液を通して転移した物ですが、一般的に最初の転移の場所としてはまれです。胃がんや悪性リンパ腫、卵巣がんなどお腹が原発のがんが、乳房に転移することはあります。腫瘍マーカーがCEAであれば、腺がんという分類のがん(胃、卵巣、肺、乳腺など分泌腺がある臓器から出たがん)はすべて上がる可能性があります。転移性のがんは、各臓器で治療方法が変わりますので、よく主治医の先生に説明を聞いてください。(文責 緒方)

 

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