つくし. 会員紹介 手術後のページ 乳癌関連情報 公開市民フォーラム 相談室HOME


相談室(No.8501〜8600)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

ご相談メールの投稿はこちらからお願いします。

なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

[前のページ] [次のページ]

No

日 付

名 前

件  名

担 当

8600-1
8600-2
08/12/25
09/01/07
乳頭出血について
乳頭出血について(2)
清水
首藤
8599 08/12/23 M.S. タモキシフェンについて 加藤
8598 08/12/23 再発、転移でしょうか? 加藤
8597 08/12/16 マンモトーム検査を受けるべきでしょうか? 片山
8596 08/12/16 K  再発後の治療方法選択について  片山
8595 08/12/16 Y.N   ホルモン療法(HPNo.5979-3) 片山
8594 08/12/16 リュープリン 片山
8593 08/12/16 クミ 新しいしこり(HPNo.8331-3) 片山
8592 08/12/16 乳房の痛みについて 片山
8591 08/12/16 H・S 石灰化と不妊治療の優先順位 片山
8590 08/12/13 K.K. 腫瘍マーカー 片山
8589 08/12/13 骨転移の治療について(2)(HPNo.8446-2) 片山
8588 08/12/13 SK ハーセプチンのinfusion reactionについて 片山
8587 08/12/13 ホルモン療法中の補助食品について 片山
8586 08/12/13 K 検診の結果(2)(HPNo.8568-2) 片山
8585 08/12/11 R  マンモトームについて 片山
8584 08/12/11 N.N. 経過観察で大丈夫でしょうか 片山
8583 08/12/11 M  乳癌の可能性について 片山
8582 08/12/11 キョ 乳腺線維腺腫の疑い 片山
8581 08/12/11 T.S. 男性のしこり 片山
8580 08/12/10 J.S. センチネルリンパ生検陰性なのに、リンパ節への転移ありについて 片山
8579 08/12/10 Y  対側乳がん(HPNo.6302-5) 片山
8578 08/12/10 T  精密検査の必要性 片山
8577 08/12/10 Y  乳管内乳頭腫だろうとのことですが・・・ 片山
8576 08/12/10 ホルモン治療について(HPNo.8158-6) 片山
8575 08/12/10 エス Luminal Aとは 片山
8574 08/12/09 MO 右胸上部のしこり 石山
8573 08/12/09 線維腺腫について 石山
8572 08/12/09 術後2年、ゾラテックスの継続について 石山
8571 08/12/08 D  副作用について 石山
8570 08/12/08 らら 首のしこり 石山
8569 08/12/08 Y  右胸の固いしこり 石山
8568-1
8568-2
08/12/08
08/12/13
検診の結果
検診の結果(2)
石山
片山
8567 08/12/07 I  検査について 石山
8566 08/12/07 R.K. 術側脇下のしこり 石山
8565 08/12/07 T  転成した場合の薬の投与について(HPNo.7645-2) 石山
8564 08/12/07 さくら 閉経後の乳腺症について 石山
8563 08/12/07 H  断乳と薬について教えて下さい 石山
8562 08/12/07 A 乳管過形成 石山
8561 08/12/04 T  ラジオ波熱凝固療法 石山
8560 08/12/04 S 乳がんの検査方法について(2)(HPNo.8538-2) 石山
8559 08/12/04 分泌物と胸の痛みについて 石山
8558 08/12/04 K.O. 健康診断 石山
8557 08/12/04 N.S.  化学療法の投与について 石山
8556 08/12/03 M  抗がん剤について 小池
8555 08/12/03 胸のしこりと痛みについて 小池
8554 08/12/03 Q  しこりが急激に大きくなりました 小池
8553 08/12/03 A.S. 右乳房のしこり 小池
8552 08/12/03 M.M.  乳首の痛み 石山
8551 08/12/03 Y   ホルモン療法とリンパ節転移数について 石山
8550 08/12/03 K. 局所再発腫瘍 石山
8549 08/12/03 放射線治療について 石山
8548 08/12/03 Y.N. 今後の治療について (HPNo.8425-2) 石山
8547 08/12/01 T  集簇性石灰化 石川
8546 08/12/01 K  マンモグラフィーと妊娠 石川
8545 08/12/01 M.I.  抗がん剤の副作用と投与間隔について 石川
8544 08/12/01 不正出血? 石川
8543 08/12/01 A.K 首の後ろのしこりについて 石川
8542 08/12/01 A.K. 病理組織診断について(HPNo.8502-2) 石川
8541 08/12/01 N.K. ホルモン療法の薬剤選択について 石川
8540 08/12/01 カテゴリーV 石川
8539 08/12/01 S.O. 放射線の開始時期、ホルモン治療について(HPNo.8517-2) 石川
8538-1
8538-2
08/12/01
08/12/04
S  乳がんの検査方法について
乳がんの検査方法について(2)
石川
石山
8537 08/12/01 左脇下から左胸の痛み 石川
8536 08/11/28 要観察と言われました 河原
8535 08/11/28 術後治療について(HPNo.8158-5) 河原
8534 08/11/28 M.M. しこり 河原
8533 08/11/28 K・Y 閉経の確認(HPNo.7549-2) 河原
8532 08/11/27 D.S.  肺の影について(HPNo.8394-3) 石川
8531 08/11/27 Y.M. 非浸潤性乳癌 石川
8530 08/11/27 H.T.  小さな骨転移 石川
8529 08/11/27 I 首すじのコリコリについて 石川
8528 08/11/27 M.T 術後の検査について 石川
8527 08/11/27 C.Y  術後の治療について(HPNo.8402-2) 石川
8526 08/11/27 T.K. 術後補助療法 石川
8525 08/11/27 K  生検 石川
8524 08/11/27 A.M.  転移について 石川
8523 08/11/26 L.H. 乳管内乳頭腫 吉田
8522 08/11/26 Y.B.  妻の化学療法について(HPNo.8464-3) 吉田
8521 08/11/26 M.A 結果がでるまで(2) 吉田
8520 08/11/26 A.Y.  タモキシフェン5年後(2)(HPNo.8488-2) 吉田
8519 08/11/26 しこりの大きさと術後化学療法(HPNo.8496-2) 吉田
8518 08/11/26 W.H. マンモトーム生検でもはっきりしないことってあるんですか? 吉田
8517-1
8517-2

8517-3
08/11/26
08/12/01
09/05/15
S.O. 術後の痛みについて
放射線の開始時期、ホルモン治療について
アリミデックスの副作用について
吉田
石川
俵矢
8516 08/11/26 YS 中間リスクの術後補助療法の相談 吉田
8515 08/11/26 S  背骨横の筋肉が傷みます 吉田
8514 08/11/22 CEA 吉田
8513 08/11/22 M.A. 結果がでるまで 吉田
8512 08/11/22 副作用? 吉田
8511 08/11/22 K  36歳の妻の術後療法について 吉田
8510-1
8510-2

8510-3
08/11/22
09/02/16
09/08/26
S  関節がこわばります
体重の増加について
怪我をしました
吉田
徳田
俵矢
8509 08/11/20 M. K  今後の治療について 緒方
8508 08/11/20 抗がん剤の選択について 緒方
8507 08/11/20 ゾラデックスの再開について 吉田
8506 08/11/20 T.S. 肝転移の治療について 吉田
8505 08/11/20 M.T. 治療の選択 吉田
8504 08/11/19 Y.I. 放射線療法について 吉田
8503 08/11/19 R.N. 術後5年の治療について 吉田
8502-1
8502-2

8502-3
08/11/19
08/12/01
09/02/18
A.K. 慢性乳腺炎と乳がんについて
病理組織診断について
乳がん手術について
吉田
石川
浜口
8501 08/11/19 H  乳癌の成長速度について 吉田

 

No.8600-1】  08年12月25日   K
乳頭出血について

検診で右に異常所見があり、組織検査の結果乳腺症と診断されたのですが、結果が出る2日前に自己検診で初めて乳頭をつまんでみたのですが、右乳頭から出血があり、結果を聞きに行った時にそのことを伝え、造影剤と内視鏡の検査を新たにやることになったのですが、悪性の可能性は高いのでしょうか? マンモとエコーの画像上では悪いものはないし、乳腺症でも出血することもあると言われたのですが、とても不安で精神的に参っています。乳腺症からの出血の場合は経過観察になるのですか? そのような人は癌になる確率は高いのでしょうか? それと、マンモとエコーと触診、組織検査の結果で乳腺症と診断された場合、100%良性だと思って良いのでしょうか? 質問が沢山で申し訳ないのですが、教えてください。宜しくお願い致します。

乳頭から出血がある場合、70%は良性の乳管内乳頭腫、20%が乳がん、10%が乳腺症等その他の原因と言われています。ですから、悪性の可能性は20%です。出血がある場合は乳頭分泌液を直接スライドグラスにとって細胞を診てもらう分泌物細胞診が最も手軽で、反復できて、正診率も高い検査だと思います。そこで異常な細胞が見つかれば、乳管造影検査を行ない、そこで乳管内の病変が見つかれば乳管内視鏡検査に進みます。乳腺症からの出血と診断できれば問題ありませんが、乳腺症からの出血かどうかの診断が問題です。乳腺症からの出血と診断するためには、乳がん、乳管内乳頭腫がないということを前述の診断手順で診断してはじめてそう診断できるのです。乳腺症と診断された方も、乳頭からの出血がある方も、どちらもある方も、乳がんになり易いということはありません。マンモグラフィーとエコーと触診を全て行えば90%以上の確率で正しい診断が可能ですが100%ではありません。組織検査(摘出検査、針生検)は、問題の部位を正確に摘出もしくは穿刺していれば100%の正診率です。最後に蛇足ですが、組織検査をした後に出血したというのであれば、摘出手術もしくは針生検後の一過性の出血の可能性もあるのではないかと考えます。(文責 清水)

 

No.8600-2】  09年01月07日   K
乳頭出血について(2)

HPNo.8600で相談させていただいた者です。ご丁寧なお返事ありがとうございました。もう一つ教えて頂きたいのですが、組織検査後の出血の場合、どのくらいの期間、出血することが考えられますか? 血液の色は、鮮血ではなく黒っぽいような茶褐色です。出血する場所も決まっているのですが、検査での出血も考えられますか? 血は出ない日もあるのですが、二週間後ぐらいにつまんだ時にも出できました。なんとも言えず、不安な毎日です。宜しくお願い致します。

組織検査後の出血はおおよそ数日で無くなることがほとんどです。二週間後につまんで茶褐色で、かつ出てくる場所も決まっているのでしたら、乳管内病変からの浸出の可能性が高いと思います。(文責 首藤)

 

No.8599】  08年12月23日   M.S
タモキシフェンについて

温存手術、放射線療法の後、タモキシフェンを5年服用することになっています。服用を始めて3か月になりましたが、生理が軽くなる、またはなくなるという覚悟に反して、ここ3回ともひどく出血が多いのです。私は平均より、どちらかというと生理が軽いと思っていたのですが、タモキシフェンを飲み始めてからはナイト用ナプキンが2時間でいっぱいになってしまうほど一度に大量に出血するようになりました。周期も今までは29〜34日でしたが、この3か月は28,27,26日とむしろ短くなり、生理痛はなくなり、生理日数は4〜5日と短くなりました。タモキシフェンの副作用として、私のケースは正常なのでしょうか? 女性ホルモンが逆に増えているような気がして不安になっています。44歳、出産1回です。よろしくお願いいたします。

おっしゃるような症状はタモキシフェン内服中に時々みられますので、ご安心下さい。女性ホルモンが増えているということもありません(タモキシフェンは子宮への刺激作用があります)。ただ、大量の出血が続く場合は一度婦人科受診をお勧めします。(文責 加藤)

 

No.8598】  08年12月23日   K
再発、転移でしょうか?

昨年の12月に左乳房を全摘しました。左脇の下のリンパ節も切除しました。手術後、月1回のリュープリンと毎日服用のタスオミンでホルモン治療をしています。先月カゼをひいて気づいたのですが、右の脇の下で体温が正確に計れなくなってました。体温は耳と口で計って37.8度でしたが、右の脇の下では35.6度でした。再発、転移の可能性はありますか。

再発の兆候ではないと思われますのでご安心下さい(腋の下での測定値は、やや低めになります)。(文責 加藤)

 

No.8597】  08年12月16日   S
マンモトーム検査を受けるべきでしょうか?

初めて投稿させていただきます。よろしくお願いいたします。10月の健康診断で超音波検査を受けましたら、右側にシコリのようなものがありました。精密検査となり、近くの乳腺クリニックに行き、エコー、マンモ検査をしました。エコーでは7ミリ近いシコリが見つかり、マンモではシコリらしきものは写りませんでした。その後、細胞診をやりましたが、異常細胞はないという事になり、経過観察になりました。しかし、先生が、「小さいシコリだと、シコリではない所をとってきてしまっている可能性もあり」のような事も言っていたので、心配で仕方ありません。やはりマンモトーム検査を受けるべきでしょうか?

乳腺腫瘤の診断は触診、マンモグラフィー、エコー検査や細胞診などの検査を総合して判断されます。実際に触診したり画像を拝見しないと判断ができません。しこりがあれば必ずマンモトーム生検などを含めた組織診をしなければいけないということではないので、主治医の先生とよく相談してください。(文責 片山)

 

No.8596】  08年12月16日   K
再発後の治療方法選択について

昨年は、母のホルモン療法についてご相談にのって頂き、アドバイスまでして頂き、有り難うございました。今回は再発したとの診断を受け、今後の治療方法選択についてご相談させて頂きたくメールさせて頂きました。母の病理検査結果、治療開始時期や現在までの治療内容につきましては、下記の通りです。
(病理検査結果) 
1.癌の広がりについて
1)リンパ節転移 7個摘出中1個陽性
2)組織型: 浸潤癌
3)浸潤径(顕微鏡で測った癌の大きさ) 28mm

2.がん細胞の性質について
1)核異型度(がん細胞の悪性度orがん細胞の顔つきによる再発のしやすさ):グレード3
2)ホルモン感受性(癌が女性ホルモンによって増殖する性質)
  ER(エストロゲン受容体)  陽性+3(80〜100%)、PgR(プロゲステロン受容体)陽性+3(4〜19%)

2006年11月(乳癌発覚)、2006年12月(右乳全摘手術)、2006年12月〜2007年6月(抗癌剤CMF療法)、2007年7月〜2008年12月現在(ホルモン療法アリミデックス服用)。今回は、先日病院で下記の様な診断を受け、今後の治療方法について悩み、アドバイス頂ければと思いましてメールさせて頂きました。

(診断内容)
MRI、骨シンチ、CT検査の結果、「@胸骨 A胸骨の裏のリンパ B右腰」の3箇所に転移していると診断されました。又、椎間板第4,5関節がつぶれていると診断されました。椎間板については整形外科で診察を勧められ、本日診察に行ってきましたが、老化現象なのでコルセットを痛いときにして下さいと診断されました。上記@ABの再発治療については、医師より今現在服用しているホルモン剤(アリミデックス)を中止して、アロマシンを服用するか、フェマ−ラを服用するか、抗癌剤治療を選択肢としてあげられましたが、本人が選択して下さいと言われてしまいました。どの治療を今後受けていったらいいのか全く分からずに毎日悩んでいます。アドバイスを頂けますでしょうか? 大変お忙しい所、申し訳ありませんが、どうぞ宜しくお願いいたします。

肺や肝などの臓器への転移がなければ、生命に危機が迫っていない、骨への転移であり、ホルモン感受性があるので、Hortobagyのアルゴリズムによれば2次3次ホルモン療法(ご指摘のようにアロマターゼ阻害剤の変更、ヒスロンHへの移行など)が第1の選択としては考えられると思います。また、ビスホスフォネート剤(ゾメタなど)を使用してよろしいと思いますし、HER2タンパクの過剰発現があればハーセプチンの使用が考えられます。ただ、初回治療から再発までが2年とやや短いのが気になりますので、アントラサイクリン系やタキサン系を使った抗がん剤使用も、年齢や身体状況などが許せば、選択肢としては挙げられます。(文責 片山)

 

No.8595】  08年12月16日   Y.N 
ホルモン療法(HPNo.5979-3)

再度お世話になります。3度目(No.5979.8230)の相談ですが、12月初旬の婦人科検診で、
子宮膣部、頸管部 クラスU
子宮体部内膜 endometrium in early secretory phase
内膜腺は拡大して、核上核下に空胞が見られる。上皮に異型はない。
間質は浮腫状である。分泌初期の内膜像で、悪性所見はない。

以上の所見で、子宮内膜掻破を薦められておりましたが、採血でFSH 5.66 E2 996の高値があり、婦人科の回答待ちになっております。(以前は内膜増殖症と聞かされておりましたが、この所見で増殖症ではなかったと言われました。) 婦人科も混乱気味の様子です。外科にはまだ話せてはおりませんが、10月・11月と生理が2日しかなく、以前からの肥厚や飲み続ける不安・閉経に向かっているであろうとの予測から、乳腺外科と相談の上、12月5日からノルバデックスは休薬しております。これは、どの様な状態なのでしょうか。不安な日々が続いており、よろしくご解答頂きます様、お願いいたします。

術後3年半以上無再発で経過しておられますし、ノルバデックス投与中に子宮内膜増殖症が認められた場合には、投与を中止するなどの処置対応をするほうが良いと考えられますので、とりあえず休薬して婦人科の処置を優先させるのがよろしいかと考えます。(文責 片山)                                                              

 

No.8594】  08年12月16日   Y 
リュープリン

37歳主婦です。10月からリュープリン1.88を注射して生理を止めているのですが、最近乳首を押すと母乳のようなものが少し出ます。授乳は3年半前に終了していますのでちょっと不安になりました。リュープリンは排卵を抑える作用をして生理を止めてしまうので、その影響でプロラクチン値が高くなったり、乳汁が出たりする場合があるのでしょうか?

リュープリンの副作用集計によれば、非産褥性乳汁分泌は0.03%となっておりますので、関連性は低いと思います。(文責 片山)

 

No.8593】  08年12月16日   クミ
新しいしこり(HPNo.8331-3)

以前、粘液癌の問い合わせをしたクミと申します。手術から約3ヶ月経ちました。今のところ薬の副作用もなく過ごせています。ただ一つ右内側下を手術したのですが、傷口と乳輪の間に米粒3つ分くらいのしこりを見つけました。再発なのかと不安になります。3ヶ月で再発はありえますか? 31歳と若年性なので不安です。手術後のレントゲンでも、きれいに取れたと言われました。次の診断で悪い結果を言われるのではと不安になります。私のような症状の場合、どういったことが考えられますか? ご意見をお聞かせください。

手術の影響により、中を縫った糸のかたまりなどによる肉芽組織が触れることはよく経験され、その可能性が高いと思いますが、局所再発もある疾患なので、主治医の先生に相談し、診ていただいて下さい。(文責 片山)

 

No.8592】  08年12月16日   R
乳房の痛みについて

相談させていただきます。数日前から乳房に痛みを感じています。活動しているときは鈍痛を感じていますが、寝ているときは特に無く、普通に眠れています。昨年、良性腫瘍の摘出をうけているので、乳がんではないかと不安です。半年前の超音波の検査では、今回痛みを感じているほうの胸(手術と逆)は特に異常はありませんでした。時々手術したほうも痛んでいる感じがします。しこりはふれません。乳がんは急に痛むほど進行が早いのでしょうか? 乳がんでないかと不安です。来年早々に定期検査があるのですが、そこまで放置しておいて平気でしょうか? お忙しいと思いますが、よろしくお願いいたします。30代女です。

乳癌はしこりとして触れることの方が多く、それが原因で痛みを感じることは少ない疾患です。来年早々に半年後の定期検査ということで、それまで待っても良いと思いますが、ご心配であれば、検査を年内に前倒しして行っていただくことを主治医の先生と相談なさっては如何でしょうか?(文責 片山)

 

No.8591】  08年12月16日   H・S
石灰化と不妊治療の優先順位

初めてお便りします。38才、二人目不妊で治療を行っているものです(一人目は自然妊娠)。一年半ほどタイミングと漢方、ホルモン剤治療を行ってきましたが、なかなか成果が上がらなかったので、12月より体外受精の専門病院に転院しました。そこで乳がん検診を薦められ、初めてマンモを受けたのですが、右胸に丸くまとまった感じの石灰化(カテゴリー3)が見つかりました。来年一月には第1回目の移植を控えており、とても困惑しています。移植前の準備も着々と進んでいる中で、移植を諦めなければいけないのか心配でなりません。38才という年齢もあり、少しでも早く移植を行いたいのが本音です。しかし、高額な治療費がかかるので、トライは2〜3回と主人と決めています。そこで質問があります。
1) ホルモン剤を使って2〜3回の移植TRY後に、再度マンモやマンモトーム生検を行うのでは、病変の進行にかなり影響がでますでしょうか?
2) 運良く子供を授かって妊娠が継続できた場合、出産後の検査では遅すぎたというケースもあり得るのでしょうか?

12月中にマンモトームで白黒はっきりできればいいのですが、年末押し迫っているので、出来る病院を探すのに時間がかかりそうです。不妊治療の先生にお話ししなければいけないのでしょうが、「移植中止」という言葉が怖く、どうしていいかわかりません。なにか、アドバイス頂けましたら幸いです。お忙しい中、申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

カテゴリー3の石灰化ということで、良性の可能性が高いが、悪性を完全には否定できないということになります。もしも悪性の場合は今後の予定に影響が出る可能性がありますので、今の段階で、次のステップ(精密検査)を不妊治療の先生とも相談しながらすすめていただくのがよろしいと考えます。(文責 片山)

 

No.8590】  08年12月13日   K.K.
腫瘍マーカー

以前もご質問させていただいたものです。3年前、36歳の時に、乳がんステージ1(硬がん1.7cm)で温存手術(センチネルリンパで転移なし)後、放射線治療を受け、HER2が強陽性だったことから、自費で1年ハーセプチンを投与し、昨年から3ヶ月おきにリュープリンを打っています(子供が欲しいということもあり、このような治療を選択しました)。 腫瘍マーカーは、CEA1.4、CA15-3が8.5と、ほぼ変化なく推移(今回新しい抗p53抗体も0.69以下)していましたが、今回CA15-3が10と上がりました。3年前は7台だったのが、2年前から8台になり、今回で10と徐々に上昇しています。3年目検診でマンモグラフィー・エコーとも問題なしでしたが、これは再発の予兆になるのでしょうか? なお、以前ご相談したALPは高めながらも正常範囲内にもどりました。

CA15-3の正常値(<25)範囲内での微増なのでまず心配なく、次回の検査を待って良いと思いますが、どうしても気になるようでしたらば、一度肺や肝臓、骨などの画像検査を主治医の先生と相談なさってみてはいかがでしょうか?(文責 片山)

 

No.8589】  08年12月13日   K 
骨転移の治療について(2)(HPNo.8446-2)

HPNo.8446(08年10月25日)で骨転移の治療について質問をし、アドバイスをいただいたものです。その後11月中旬に腫瘍マーカーの検査を行ったところ、CA15-3が51になっておりました。(9月は27、10月は41でした。) 医師がおっしゃるには、マーカー値の上がり方が鈍化しているため、薬が効いているのではないかとのことでした。薬は昨年12月の手術後からフェマーラを、マーカーが上がったこの10月からアロマシンを服用しております。
1)  このマーカー値の上がり方は、薬が効いていると思ってよいのでしょうか? 実は10月頃には骨盤がたまに痛いと言っていたものが、今は太ももの裏まで若干痛いといっております。
2) 観察をするマーカーは、CA15-3だけでよろしいのでしょうか?
3) 痛みのある範囲が広がっていることから、このまま今の薬を続けるのか判断するためにも(本当に今の薬が効いているのか確認する意味でも)、CTなりの画像チェックを行った方が良いと思うのですが、いかがでしょうか。
4) もし今の薬が効いていない場合、次は抗がん剤治療に入ると言われておりますが、どういった種類の抗がん剤の適用が考えられますでしょうか。

今後、医師と話をする上で参考にできればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

1) 薬が効いたかどうかという判断に際し、マーカーの変動は確かにその傾向を示す可能性はあるものの定かではなく、画像などで腫瘍部分が減ったり、無くなったりすることで判断されます。
2) CA15-3が病勢と連動しているようなので参考になると思います。その他、CEA,1−CTPなどが用いられることが多いです。
3) 病巣の広がりを知り、痛みに対して例えば放射線治療などが適応になることを想定しての画像チェックは考えられますので、主治医の先生とよくご相談ください。
4) アントラサイクリン系薬剤(アドリアマイシン、ファルモルビシン)を含んだAC,EC,CAF,CEFなどの多剤併用抗癌剤療法→タキサンケ系(タキソール、タキソテール)→ナベルビン→ゼローダ、TS-1などが考えられます。(文責 片山)

 

No.8588】  08年12月13日   SK
ハーセプチンのinfusion reactionについて

51歳の妻の乳がんの治療について相談させてください。2006年の4月に乳がんと診断されました。その後、放射線と抗がん剤で縮小。2007年の1月に左乳房全摘手術。術後は放射線とホルモン剤の治療を受けてきましたところ、今年の4月に骨転移が発見され、再度放射線治療を受けました。それが、この10月に急に肝機能が低下し、CT検査で肝臓に転移が見つかり11月21日に入院。現在、腹水、黄疸などの肝機能障害が出ています。主治医は、HER2強陽性にて、ハーセプチンの使用が考えられるとのことですが、infusion reactionなどの副作用を考えて、緩和ケアとなっています。入院時余命2ヶ月を宣告されていますが、心機能はそれほど低下していませんし、infusion reactionによる死亡症例は少ないという情報も考えると、ハーセプチンを使用することは本当に無理なのでしょうか? 直近の血液検査では、T-Bil5.0、ALT435、ALP2194、γ-GT385という結果です。

添付文書によればハーセプチン自身に「肝不全、黄疸、肝炎、肝障害などの副作用があり、このような症状があらわれることがあるので患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、投与中止等の適切な処置を行うこと」とあり、すでに肝機能障害がかなり強く出ている、黄疸下での投与は慎重であらねばならないと思います。(文責 片山)

 

No.8587】  08年12月13日   S
ホルモン療法中の補助食品について

10月よりホルモン療法を開始。現在リュープリン3回目、トレミフェンも服用中です。年齢は47歳ですが、ホルモン療法をはじめてから、膝の関節が痛かったり、肌の張りがなくなり、口の両脇に縦のしわが目立つようになりました。このまま膝や肌の状態がどんどん悪化するのではと落ち込んでいます。膝に関しては、主人が、グルコサミンとコンドロイチンにヒアルロン酸と鶏の軟骨のコラーゲンが入ったものを補助食品として飲んでいて、とても調子が良くなったと言っていますし、肌の張りに関しては、姉がヒアルロン酸とコラーゲンの補助食品を飲むと状態が改善された、といっています。ホルモン療法中に、こういった補助食品をとるのは良くないのでしょうか。ビタミンEやCを習慣として飲んではいます。よろしくお願いします。

癌患者さんの半数近くが補完代替医療を用いており、健康食品・サプリメントの利用頻度が非常に高いといわれます。ほとんどの健康食品やサプリメントは問題ないと考えますが、米国の内科学雑誌によれば、たとえば乳癌(特にエストロゲン受容体陽性の場合やタモキシフェン服用中)患者や子宮体癌患者は植物性エストロゲン(大豆サプリメントなど)は避けた方がよいなどと記載されており、その使用には注意が必要であるといえます。(文責 片山)

 

No.8586】  08年12月13日   K
検診の結果(2)(HPNo.8568-2)

回答ありがとうございました。マンモの結果を見て明らかに良性の場合は精密検査にはならないと聞きましたが、精密検査ということは疑わしい所見があるということでしょうか? 看護師さんから、「緊急の人はすぐにでも精密検査の指示があるから、(私はそうではないから)念のためだと思いますよ」とは言われましたが・・・。もし線維腺腫なら、どんな治療になるのでしょうか? 私は36歳です。子供を一人産んでいます(もうすぐ8歳)。

おそらく良性だが、悪性の可能性を完全に否定できないので、もう少し追加で検査が必要ですというニュアンスだと思います。マンモグラフィーをいろいろな角度から撮ったり、超音波検査を受けることになります。その結果、細胞診や生検へ検査を進めていく場合もあります。(文責 片山)

 

No.8585】  08年12月11日   R 
マンモトームについて

初めて相談させていただきます。MRIの診断で、「乳がんの可能性が極めて高い」という診断が出たため、針生検を行いました。その結果、「ADHあるいは前癌あるいは癌の可能性」で、判断が難しいそうです。マンモトームで針を複数回刺して、腫瘍全て(大きさは8ミリ)を切除して更に調べると言われました。マンモトームで全て切除しきれるものなのでしょうか? 癌でないとしても、いずれ癌になる可能性があるものだったら、取り残しが不安になりました。また癌であった場合は、マンモトームで腫瘍を切除してしまった後でも手術が必要になるのでしょうか? お忙しいところ恐縮ですが、宜しくお願い致します。

画像を拝見していないので正確には分かりませんが、腫瘍によってはマンモトームですべて切除することも可能です。結果が癌であった場合は、非浸潤癌で取りきれたと考えられる場合以外は、局所治療として再度追加で切除(→放射線療法)が必要になると思います。(文責 片山)

 

No.8584】  08年12月11日   N.N. 
経過観察で大丈夫でしょうか

術後8年半になります。先日半年ぶりの血液検査で総Bil(基準値0.2−1.2)が1.7と少し高く、黄疸がでていると言われました。主治医は、「他の数値は全部正常だし、半年前の腹部超音波検査では問題なかったので、僕は心配はしていない。たぶん長年飲んでいる薬のせいではないか」と言われました。私は5年前からうつの薬を飲んでいて、最近ジェネリックに薬を変えました。主治医は1月末にでも再血液検査と尿検査をして、まだ数値が高いようなら心療内科の先生と薬の事を相談しようとおしゃいました。でも私は肝臓に転移してるんじゃないかと心配です。超音波検査をすぐしなくて大丈夫なのでしょうか? よろしくご回答をお願いします。他にも耳鳴りの漢方薬と皮膚アレルギーのビタミン剤ものんでいます。 

お飲みになっている薬の種類が分かりませんが、多くの薬は頻度は少ないものの、肝機能障害や血清ビリルビン値の上昇などの副作用があります。おそらく心配ないと思いますが、一度肝臓の画像検査は主治医の先生と相談されてもよろしいと思います。(文責 片山)

 

No.8583】  08年12月11日   M
乳癌の可能性について

初めてメールさせて頂きます。私は35歳で、12歳と5歳になる子供がいます。9月に初めて乳癌検診を受けました。乳腺専門のクリニックで、マンモとエコー検査でした。結果は、右に線維腺腫があるとのことで、「良性のものなので心配はないですが、急激に大きくなるようだったら来て下さい。」とのことでした。その時は何の知識もなく、異常があるということがショックで、精密検査をしないでもいいものかと質問したのですが、答えは必要ないと思いますとのことでした。神経質な私は、もうひとつの乳腺専門のクリニックに行き、マンモとエコーの検査を再度してもらいました。やはりエコーでひっかかったのですが、線維腺腫ではなく乳腺症だと言われました。そこでも、精密検査をするだけお金の無駄だと思うと言われ、そこまで言うのなら大丈夫なのかと思っていたのですが、2つのクリニックでの所見が微妙に違うことを心配した友達から、もう一度大きな病院で見てもらった方がいいと言われ、行ってきました。検査方法は、やはりマンモとエコーでした。マンモでは気になる所見はないというのは、3つの病院とも同じだったのですが、大学病院でのエコー検査の結果は、1.3cmの硬い部分があり、その中に水の溜まった袋がいくつかあるということでした。その袋は左にも1つありました。画像上では悪いものではないと思うとは言われたのですが、念のためにエコー下ABC生検をすることになりました。検査は4日後です。検査をすることでスッキリできるのかと思っていたのですが、ネットで色々調べていたら、何度も良性だと言われていたのに、やはり癌で手遅れになってしまった人の話しや、細胞診で白だったのに癌で手術をした人が沢山いることを知りました。知れば知るほど怖くなり、細胞診が有効なものなのかということさえ疑問に思ってしまったりで、落ち着かない毎日を送っています。細胞診はどこまで有効なのでしょうか? 良性だと言われていた人が癌であったという確立は、そんなに高いのですか? 教えてください。宜しくお願い致します。

細胞診はかなり精度の高い検査であり、乳癌診療ガイドラインによれば、わが国の施設での多数症例を用いた再検討では感度(癌を癌と診断できる率)は87.3%、特異度(癌でない病変を正確に診断できる率)は95.9%と報告されています。もちろん実際には細胞診だけで診断するわけではなく、いろいろな検査の組み合わせで判断するわけで、その数が増えれば正診率は上がります。触診,マンモグラフィ,細胞診を含めたtriple testが有用とされており,3つを併用すれば癌を見落とす率は非常に低くなります。457例の癌患者において3種のテストがすべて陰性であったのは3例(0.7%)のみであり,一方99.4%が3つのテストすべてに陽性所見を示したとされており、マンモグラフィの代わりに超音波検査を組み合わせても,約95%の感度で癌の診断が可能であるとされています。(文責 片山)

 

No.8582】  08年12月11日   キョ
乳腺線維腺腫の疑い

今年11月の健康診断で、右乳房に乳腺線維腺腫の疑いがあると言われます。昨夜右の脇下が腫れて、痛みもあります。この腫れは、乳腺線維腺腫と関係がありますでしょうか。病院で検査を受けたいのですが、何科でよろしいのですか。宜しくお願いいたします。

しこりの存在部位にもよりますが(脇の下のかなり近くに大きな線維腺腫があって、その影響で脇の下が腫れている感覚になる?)、脇の下の腫れと線維腺腫はまず普通は関係ないと思います。総合病院の乳腺外科を受診なさって下さい。(文責 片山)

 

No.8581】  08年12月11日   T.S. 
男性のしこり

初めて相談します。僕は今19才ですが、小6の時から両胸にしこりがあります。中1の時、医者に行き、「ほっとけば治る」と言われたんですが、一向に治りません。しかも昔より大きくなっている気がします。大丈夫でしょうか?

若い男性の乳頭下のしこりは、多くは特発性乳腺肥大(全く原因のない女性化乳房症)が最も頻度が高く、20歳前後の男性に多いとされます。生理的な乳腺肥大として、一過性の思春期性乳腺肥大があって10歳代に多く、自然に消退していきます。以上のようにまず心配ないと考えますが、気になるようでしたらば、一度乳腺外来を受診なさることをお勧めします。(文責 片山)

 

No.8580】  08年12月10日   J.S. 
センチネルリンパ生検陰性なのに、リンパ節への転移ありについて

60代の母の事についてご相談させてください。今年10月上旬に、浸潤性、硬がんの乳がんが判明しました。超音波とCT画像診断では、リンパ節にも1〜2個転移がありそうであること、更に肝臓にも極めて怪しい影( 転移が疑わしい)、骨シンチでも腰と胸の辺りが黒く映っており、状況的にとても不安です。先生のお話からは、進行の早い悪性度の強いタイプでありそうだと11月には判明しているので、一刻も早く何か手を打ちたかったのですが、手術までは術前療法も一切なしとの事でした。ようやく12月に入り、外科手術で2cm四方位の腫瘍を摘出してもらいました。術中センチネルリンパ生検は陰性だったので郭清は行わなかったのですが、超音波で見えていたとおり転移があったので、1個リンパを切除したようなのです。センチネルが陰性なら、他のリンパに転移している可能性はほぼないのではないのでしょうか。そのような例外はあるのでしょうか。センチネルが陰性なのに、リンパ転移が腑に落ちません。生検は100%ではないと事前に説明はありましたが、陰性だとしても、術中にリンパ転移があると判断されたら、やはりリンパはその時に全部郭清すべきではないのでしょうか。今後の治療方針は病理結果がでる1か月先とのことで、現在化学療法など何もできません。転移も疑わしい状況の中で、1日1日がとても貴重で、毎日心配でたまりません。お忙しい中恐縮ですが、ご回答をお願いいたします。 

検査はどうしても100%というわけにはいかず、センチネルリンパ節に転移がなくても他のリンパ節に転移していることはまれにあるとされます。また術前にリンパ節転移が疑われる場合は郭清をすることが多いですが、いずれにしても転移があった(?病理結果は未?)のであれば、少なくともリンパ節転移ありという情報をリスク因子に加えて今後の治療方針を考えていくことになります。(文責 片山)

 

No.8579】  08年12月10日   Y 
対側乳がん(HPNo.6302-5)

HPNo.6302で、妻の乳がん治療でご相談させていただきました。昨年秋には放射線治療まで無事済ますことができ、今はホルモン治療中(ゾラテックス2年、ノルバテックス5年)です。今月初めのエコー検査で対側乳房に1センチほどの影(触れてわかるしこりは無いようです)が見つかり、生検の結果待ちです。3カ月前の検査では見つかっていません。血液検査、レントゲン等他の検査では今のところ再発を疑うような所見はありません。(初発の検査時に対側にも石灰化が見られましたが、問題なしと判断されています。その個所と同一かどうかはわかりません。)
以下質問です。
1) 転移による再発となると、術後治療(化学療法、放射線療法、ホルモン療法)の効果が余りなかったと考えてよろしいですか。
2) 初発当時からがん細胞が対側にもあったとするならば、術後治療では効果が少なかったと考えてよろしいですか。
3) 対側に新たながんが生まれたと考えた場合、乳がんの進行は遅いと認識していますが、3カ月ほどで検査で発見されるほど進行が早いこともありますか。

生検の結果を同行して妻と聞きに行きます。対側乳がんの情報が少なく、ご質問させていただきました。お忙しいと思いますが、よろしくお願いします。

対側乳房への転移(可能性は低いと思いますが)であるとすれば、術後療法で抑えきれないがん細胞がどこかに潜んでいたということになります。また初発当時からがん細胞が対側にあったとすれば、内分泌療法(ノルバデックス)は対側乳癌の発生の予防効果があるとされますが、その効果が及ばなかったと考えるべきでしょうか?対側の新たな乳癌の進行が特に遅いという認識はありません。(文責 片山)

 

No.8578】  08年12月10日   T 
精密検査の必要性

よろしくお願いします。48歳です。4年ほど前から、乳がん専門の個人病院で大体半年こどに、マンモと超音波の検査をしています。2年くらい前から、脇の下のリンパが1~2個ほど写ります。悪いものではなさそうだと言われますが(大きさ変化なし)、肥満気味で、小さなのう胞が数個あり、若いころから乳腺症もあります。大きな病院の乳腺外来で検査したほうが良いのでしょうか。

リンパ節が画像で写った場合、その所見にもよりますが、すぐに悪性の疑いというわけではありません。マンモグラフィーと超音波で密に経過を見られておられますので心配なさそうですが、どうしても気になるようでしたらば、今の先生に相談して他の先生の意見もうかがってみるのもよろしいかと存じます。(文責 片山)

 

No.8577】  08年12月10日   Y
乳管内乳頭腫だろうとのことですが・・・

49歳です。子供はふたりとも成人しています。2週間ほど前に突然、左乳房乳頭より出血がありました。乳腺外来の先生が曜日によっていらっしゃるということで、その医療センターに行って、マンモグラフィーおよびエコー検査を行いました。また乳房を押して分泌した血液の細胞診を行いました。10日後の今日、結果を聞きにいきました。細胞診の結果、問題はなかったそうですが、「検査結果に問題がないといっても100%乳がんではないとは言いきれない。乳がんの可能性は低いが、仮に乳がんであったとしても極めて初期であること、また転移の可能性の低い部位である。」との説明がありました。乳管内乳頭腫の可能性は大であり、通常は様子を見るところであるが、乳房を押して分泌した血液を採取する際、ずいぶんと出血があったこと、その後も出血があること(生理中のみ止まっていました)などから、切除した方が良いだろうとの判断でした。5cmほどの切り口、大きさは、このくらいと手で示され、さほど目立たなくなると聞きました。目立たないように組織を集めて縫合するため全身麻酔の方が良いとのことでした。次回、乳頭から乳管造影を行い、病巣の部位を特定し、そのあとで切除のために1週間弱入院すると聞かされました。造影の予約をして帰ってきましたが、なんとも納得がいかないのです。針やマンモトームなどによる組織診などの話はなく(そのような設備はないと思います)、切除なんて・・・。どうすべきか悩んでいます。病院機能評価 Ver5.0を取得している病院ではありますが、乳腺外科に対しての評判等はまったくわからないです。病院を代えるべきでしょうか。どこの病院にいって良いかも正直良くわかりません。他にしておかなければならない検査などはないのでしょうか? 何卒、ご助言いただけますでしょうか。

実際に拝見していないので詳細は分かりかねますが、病巣の部位や大きさなどからの判断なのかと考えます。また、取ってしまわないと出血という症状がなくならないというニュアンスもあるのかもしれません。個々の症例により微妙な差もあり、また確かに診断をつけるという意味からは針生検という方法も考えられますので、主治医の先生とよく相談していただくのが良いと思います。(文責 片山)

 

No.8576】  08年12月10日   H
ホルモン治療について(HPNo.8158-6

放射線治療終了後にホルモン療法のみを行う予定でおります。予想外にリンパ節への転移が一個あったために、しっかりしたホルモン治療を行うとのことで、主治医からは、ゴセレリンと併用し、タモキシフェンではなくトレミフェンでの治療をすると伺ってきました。私は37歳の閉経前なのでタモキシフェンだと思っていたのですが、しっかりした治療という意味でトレミフェンを選択するということもあるのでしょうか。それとも、子宮体ガンなどの副作用を考慮してのことなのでしょうか。トレミフェンは、本によっては閉経前後両方に使用可と読み取れる場合がありますが、日本では閉経後乳癌にしか承認されていないとも聞きます。また、薬の作用としては、どういった違いがあるのでしょうか。次回の診察時に主治医には再確認するつもりでおりますが、色々調べてもわからずに気になっておりますので、教えていただけませんでしょうか。よろしくお願いいたします。

乳癌診療ガイドライン(薬物療法)によれば、LH-RHアナログ(ゴセレリン)とタモキシフェン併用療法が,LH-RHアナログ単独投与より無増悪期間(TTP)ならびに全生存期間(OS)が良好と報告されているとあり、これをエビデンスと考え、またご指摘のようにトレミフェンは閉経後に適応の薬なので、私ならばまずゴセレリン+タモキシフェンでの治療を行うと思います。(文責 片山)

 

No.8575】  08年12月10日   エス
Luminal Aとは

初めて質問させて頂きます。ホルモンレセプター(陽性)、HER2(陰性)の場合、LuminalAに分類されるので、化学療法はアントラサイクリン系を含まないタキサン系が良いとの事ですが、それでは以前(4・5年前)にホルモンレセプター(陽性)、HER2(陰性)でアントラサイクリン系(CEF)の治療を受けた事は無駄だったのでしょうか? エビデンスを元に言ったと思いますが・・・。如何なる事か、お教え願います。 

乳がんは遺伝子発現プロファイリングにより、1つの病気ではなく、少なくともLuminalA ,LuminalB ,basal-like ,normal breast-like, HER2 positiveの5種類の異なった病気の集合体と考えられるようになってきました。Luminal AはER(+),PgR(+),HER2(-)で、ホルモン剤に反応しやすく予後が良好なタイプです。ご指摘のようにHER2陽性乳癌は、アントラサイクリン系薬剤が奏効しやすいことが知られていますが、HER2陰性乳癌ではアントラサイクリン系薬剤が全く効かないということではありません。アントラサイクリン系とタキサン系の単剤同士の効果を直接比較した試験は存じませんが、例えば、術後治療としてCMFとCEFの再発抑制効果を比較した臨床試験では、HER2過剰発現のある症例群ではCEFが優れていましたが、HER2過剰発現のない症例群では有意差はなく、CEFが劣っていたという結果ではありませんでした。あなたの受けられた治療が無駄であったとは思いません。
また、ER陽性症例では陰性症例に比べて細胞毒性抗癌剤が効きにくいという報告は古くからあります。CALGBで行われた3 つの比較試験の結果においてER 陽性/陰性について検討した結果、ER 陰性症例群では、例えば、ACよりもAC→Paclitaxel(タキサン系であるタキソール)群により強い治療の効果が表れるという結果は出ています。(文責 片山)

 

No.8574】  08年12月09日   MO
右胸上部のしこり

32歳です。右胸の上部の表面に5ミリほどのしこりのようなものがあります。しかし、乳房の内部という感じではなく、本当に皮膚のすぐ下という感じで、視診でもわかるくらい表面に少し膨らむようにできています。できもののような感じですが、感触がなく硬くなっています。普通なら皮膚のできものかなにかだと思いたいのですが、場所が場所だけに「まさか」と気になっています。見つけてから2ヶ月経ちますが、状況は変わりなく、痛みもなにもありません。これは乳がんを疑うしこりではないですよね?

専門の医師が触診すればすぐ分かることですのでやはり一度乳腺外科を受診されたほうが良いと思います。(文責 石山)

 

No.8573】  08年12月09日   M 
線維腺腫について

33歳、子供1人です。数年前からのしこりをようやく某大学病院にて診てもらいました。エコー及びマンモで、間違いなく線維腺腫であろうが念のためということで吸引細胞診をしていただきました。来週結果を聞きに行くのですが、良性だったらその先の検査は不要でしょうか? 吸引細胞診は、良性もしくは悪性かだけが判明する検査だと、こちらの掲示板を読んで知りました。きちんと線維腺腫だと確定し、安心するためには組織診までしなくてはならないのでしょうか? こちらから細胞診をやってもらえるよう直訴すべきでしょうか? また、しこりのある方の胸が痛むことがあります。線維腺腫は痛みがないとのことですが、しこりのせいで乳房に痛みが生じることはありますか? ご教授下さい。宜しくお願いいたします。

線維腺腫でも大きさによっては摘出することもありますし、選択肢は多岐にわたります。細胞診の精度は一般的に90から95%ですので誤差もあります。その辺から、普通は大きさの変化や形態の変化など経過観察が必要の事が多いと思います。(文責 石山)

 

No.8572】  08年12月09日   N
術後2年、ゾラテックスの継続について

現在44歳、07年2月に右乳房切除術+センチネル生検(腫瘍約3cm)でリンパ節転移認めず。粘液がん、ER(+)PR(+) どちらも強陽性、ハーツー(−)、核異形度1。ノルバディックス服用+月一回ゾラテックス注射をしております。
1) まもなくゾラが2年(24回目)になります。他院の患者さんで3年継続されている方もおられるようで、その判断基準はどこに置くものであるのかを教えていただければと思い、メールさせていただきました。主治医からは、「2年と3年で有意性を比較した明確なデータがないので…」と、最終的には自主的判断をするように言われており、判断に迷うところです。ゾラの副作用はほとんどなく(月一回診察いただける安心感もあり)3年継続しようかとも考えますが、アドバイスいただければ幸いです。
2) 2年め検診の項目で、骨シンチは入っていない(過去に一度もしたことがない)のですが、痛み等の自覚症状がなければ必要ないと考えてよろしいのでしょうか?

以上、よろしくお願いいたします。

一般的には低リスクですので2年で終了することが多いと思います。骨シンチは一般的にはそう言われていますが、心配であれば一度は施行する事をお勧めします。それで異常がなければ、ゾラデックスを終了されたらいかがですか。(文責 石山)

 

No.8572】  08年12月09日   N
術後2年、ゾラテックスの継続について

現在44歳、07年2月に右乳房切除術+センチネル生検(腫瘍約3cm)でリンパ節転移認めず。粘液がん、ER(+)PR(+) どちらも強陽性、ハーツー(−)、核異形度1。ノルバディックス服用+月一回ゾラテックス注射をしております。
1) まもなくゾラが2年(24回目)になります。他院の患者さんで3年継続されている方もおられるようで、その判断基準はどこに置くものであるのかを教えていただければと思い、メールさせていただきました。主治医からは、「2年と3年で有意性を比較した明確なデータがないので…」と、最終的には自主的判断をするように言われており、判断に迷うところです。ゾラの副作用はほとんどなく(月一回診察いただける安心感もあり)3年継続しようかとも考えますが、アドバイスいただければ幸いです。
2) 2年め検診の項目で、骨シンチは入っていない(過去に一度もしたことがない)のですが、痛み等の自覚症状がなければ必要ないと考えてよろしいのでしょうか?

以上、よろしくお願いいたします。

一般的には低リスクですので2年で終了することが多いと思います。骨シンチは一般的にはそう言われていますが、心配であれば一度は施行する事をお勧めします。それで異常がなければ、ゾラデックスを終了されたらいかがですか。(文責 石山)

 

No.8571】  08年12月08日   D
副作用について

いつも参考にさせていただいております。乳房温存手術後、放射線治療、その後、ホルモン治療を開始しました。ノルバデックスを服用していますが、飲み始めて1週間ぐらいから便秘に悩まされています。毎日が苦しい状況です(痔になってしまいました)。あと、5年間も苦しまなければいけないのかと思うと気が重くなります。市販の便秘薬を飲んでも大丈夫でしょうか? 便秘が改善されない場合は、ホルモン薬の変更、もしくは中止ということも考えたほうがよろしいでしょうか? 病理結果は、「核異型スコア2、核分裂スコア2(5個/10HPF),核グレード2」。リンパ節の転移はありませんでした。便秘薬を飲まなければだめなように常用になってしまうのもいやですが、服用しているノルバデックスや乳癌の影響にならないような便秘薬をご教授いただきたく、よろしくお願いいたします。

便秘薬と乳癌は関係ないので便秘薬の制限もありません。ただ便秘薬を飲んでも便秘が治らない場合は、ノルバデックスを変更することを考えれば良いのではないでしょうか。いずれにしても主治医にご相談ください。(文責 石山)

 

No.8570】  08年12月08日   らら
首のしこり

2004年9月、左乳房皮下乳腺前摘出をしたものです(ステージ2a)。摘出したガンは3センチ、リンパ節転移はありませんでした(センチネルで確認)。その後、化学療法(EC)、ゾラテックス、今はノルバデックスを飲んでいるだけです。二週間位前から、左顎のリンパが人差し指大に腫れています。押すと痛いです。でも、熱もないし、喉も歯も痛くないので、「どうしてそこが腫れたのか?」と思っていたら、耳のすぐ下から伸びる首の筋に、しこりの様な塊をみつけました。これも押すと痛いです。これは乳ガンの転移になるのでしょうか? 耳鼻科でリンパの腫れを診断して頂いたら、「動くしこり」と言われました。大きさは人差し指大です。術側のしこりなので、とても不安です。お忙しい中、大変申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

心配であればすぐに乳癌の主治医の診察を受け、細胞診で悪性でないかどうか確認すれば良いと思います。簡単な検査ですので、ぜひ見てもらってください。(文責 石山)

 

No.8569】  08年12月08日   Y
右胸の固いしこり

私は34歳の主婦です。ここ3〜4か月、右胸(乳リンから直線で5センチくらいの)のところに直径2ミリくらいの固いしこりを見つけました。気になって、触ったり、つまんだりしていたら、2〜3日前から倍の大きさになってしまい、痛みがでてしまいました。触りすぎたのを反省しているところです。また、そこから膿のようなものも出てきたので(血も)・・・。やはり早急に病院に行って診察を受けたほうがいいですよね?

いずれにしても病院に行ったほうがいいとは思いますが、そのしこりから膿と血が出たのであれば、皮膚の粉瘤などの可能が高いように思いますが、そうであっても病院で治療も含め診察を受けてください。(文責 石山)

 

No.8568-1】  08年12月08日   K
検診の結果

先週、検診で触診とマンモグラフィーを受けました。その結果、マンモグラフィーで、「左乳房腫瘤・石灰化あり」との事で要精密検査でした。心配でいろいろ調べましたが、要精密検査でも、受けた結果がんの可能性は数%で良性のことが多いとか・・・。石灰化=がんというわけではないようですが、良性の場合は両方に石灰化がみられるという内容のものをみて、とても不安です。私は片方なので・・・。私のように片方に腫瘤・石灰化がある場合でも良性の可能性はありますか? 検査に行くまで、とても不安で仕方ありません。

年齢によりますが、腫瘤の石灰化で多いのは陳旧性の線維腺腫です。あまり心配ないように思いますが。(文責 石山)

 

No.8568-2】  08年12月13日   K
検診の結果(2)

回答ありがとうございました。マンモの結果を見て明らかに良性の場合は精密検査にはならないと聞きましたが、精密検査ということは疑わしい所見があるということでしょうか? 看護師さんから、「緊急の人はすぐにでも精密検査の指示があるから、(私はそうではないから)念のためだと思いますよ」とは言われましたが・・・。もし線維腺腫なら、どんな治療になるのでしょうか? 私は36歳です。子供を一人産んでいます(もうすぐ8歳)。

おそらく良性だが、悪性の可能性を完全に否定できないので、もう少し追加で検査が必要ですというニュアンスだと思います。マンモグラフィーをいろいろな角度から撮ったり、超音波検査を受けることになります。その結果、細胞診や生検へ検査を進めていく場合もあります。(文責 片山)

 

No.8567】  08年12月07日   I 
検査について

初めてご相談いたします。8月に健康診断でマンモを受けました。検査結果は左乳房の乳腺石灰化で、9月近隣の乳腺外来で診察をうけ、良性なので問題ないと言われました。その時に右のマンモに数個の点があると言われ、再度マンモを受けましたが、映像はかわらず、おそらく石灰化だと思われるとの事でした。触診、エコーは異常なしでした。様子をみるか、心配ならマンモトームを受けてみたらと言われました。やはりマンモトームを受けたほうがいいのでしょうか? 実母は66才時に乳癌で左乳房を摘出しています。父は胃癌で他界しています。私は46才です。宜しくお願いいたします。

「数個の点」と言うのは数個の石灰化ということでしょうか? だとすれば、その石灰化の分布パターンや石灰化の形などで、検査すべきか、経過観察でいいのか、ある程度分かるはずですが・・・。マンモトームを受けるべきかどうかは、今の主治医とよく相談してください。「おそらく石灰化だと思われる」ということは、石灰化という診断もあやしいのであれば、経過観察ではないでしょうか? (文責 石山)

 

No.8566】  08年12月07日   R.K.
術側脇下のしこり

1ヶ月前に術側脇の下に3ミリ程のきょろきょろと動く感じにしこりを発見しました。 皮膚のすぐ下辺りに感じます。主治医にみてもらったのですが、経過観察でよいとのことでした。再発ではないかと、とても不安に感じています。再発でない場合も、このようなしこりが出来る場合がありますか? このまま経過観察でよいと思いますか? 術後5年、リンパ節転移なし、グレード1、ホルモン治療中(ゾラ+ノルバデックス) 。

術後と言っても手術でリンパ節郭清しているのか、センチネルリンパ節なのか、色々な可能性があります。(文責 石山)

 

No.8565】  08年12月07日   T 
転成した場合の薬の投与について(HPNo.7645-2)

今年2月にHPNo.7645で相談させて頂きました。2月にMRIとエコー検査を受けたところ、3.3mmで変化なし。3月25日に温存手術を受け、放射線治療を30回行いました。組織診の結果は、IB-:10%、p53:±、HER2:2+(FISH:−)、ERとPgR:−リンパ節転移無し(0/3) 小葉がん(診察時のPC上には非浸潤とあったようなのですが、分かりません)。
婦人科での検査は、2月FSH:14.9、E2:6.6 →6月FSH:34、E2:5.7 で閉経状態。8月に生理様の出血がありましたが、閉経時の揺り戻しとの診断で、薬の変更には影響しないということでした。ホルモン受容体「−」ですが、小葉がんは性質としてホルモン剤が効くこと、術前ホルモン療法で3分の1に縮小していることから、薬の影響により転成したとの判断で引き続きアリミデックスを服用しています。質問です。元々はホルモン受容体陽性だったとしても、現時点で陰性となっている細胞に効果はあるのでしょうか? 素人考えですが、継続使用することで耐性ができ、将来的に本当に必要となった時に投与ができなくなるのではという不安と、休薬することで陽性に戻るのではという期待があります。HER2のFISH検査が「−」で、今後使用できる薬がないのではと、非常に不安を感じています。ご回答をよろしくお願いします。

術前ホルモン療法を施行時にホルモン感受性を調べなかったのでしょうか? そのときに陽性であれば、今後もアリミデックスでかまわないと思います。「将来的に本当に必要となった時に投与ができなくなるのではという不安」というのは、再発時のことを言っているのでしょうか。今は再発しないための治療が最も重大と言われています。その後のことは、HER2(−)でも抗がん剤は使えますので、今後の心配はないと思います。(文責 石山)

 

No.8564】  08年12月07日   さくら
閉経後の乳腺症について

5年前より同じ病院で毎年1回、半日主婦検診を受けている60歳(閉経後10年)の主婦です。その中の乳がん検診はマンモと触診なのですが(昨年までは異常なし)、今年の健診で、「触診は異常なしだが乳腺症」と診断されています。症状として、乳房の奥のほうが我慢できない位むずがゆくなるときが頻繁にあります。それは今に始まった事ではなく、子供を産んでからず〜と続いています。痛み、しこりや、乳首から汁がでるなどということはありません。診断として、「年一回の健診をしてください」と書かれてありましたが 乳腺症は閉経前の病気であると思っていたので、癌になるのではと心配です。よろしくご教授ください。 

乳腺症という診断は、単に乳房が硬いというときにも使われる事があります。確かに閉経前の方に多いのですが、閉経後でも乳腺が硬かったり、マンモグラフィーで濃く写る時にそういった診断になることもあります。単に癌ではないけれど年齢的には硬いときには、そういった診断になることがあります。(文責 石山)

 

No.8563】  08年12月07日   H 
断乳と薬について教えて下さい

不安に思っていることがあるので相談させてください。出産後、母乳をあたえてきて一年がたち、自分自身も薬を飲みたい為、そろそろ断乳を考えています。断乳をすると、残った母乳は乳腺に蓄積されますよね。その時に薬を飲んでいると、薬も一緒に蓄積されて、将来からだに悪影響がでたり、石灰化したり、乳がんになりやすいなど、支障がありますか?

薬とは何でしょうか? ピルでしょうか? 薬が蓄積するかどうかということも薬によりますが・・・。(文責 石山)

 

No.8562】  08年12月07日    A
乳管過形成

44歳、2児の母です。先日、細胞診を受け、クラス3bの診断がでました。乳管過形成とのことです。現在組織診の結果まちです。極めて乳がんの可能性が高いということですか? 仕事を始めようとしていたところで、断った方がいいのかどうか、途方に暮れています。

ADHと言って病理診断でも確定が難しい病変の場合もあり、単なる過形成なら問題はないのですが、組織診しだいです。(文責 石山)

 

No.8561】  08年12月04日    T
ラジオ波熱凝固療法

初めて相談させていただきます。よろしくお願いします。1年ほど前から、生理のときに右胸の内側が少し堅くなることがありましたが、生理が終わると感じなかったため、そのままにしておりました。10月にピンクリボンキャンペーンのテレビ番組をみていて、胸を触ってみたら、丸いしこりになっていた為、急いで近所の病院で検査しました。細胞診の結果、がんとわかり、国立ガンセンターを紹介していただき、手術にむけて検査し、先日結果が知らされました。結果は、やはりがんで、「1,9センチ。G1NG1、おとなしめのがん。ホルモン感受性陰性、ハーツー陰性、リンパ節転移無し(だろう)、血液・リンパへの転移無し、遠隔転移無し、進行がんではない。」ということでした。(説明がはやく、ついていくのに必死で正確に聞き取れていません。)  そして「問題は乳首のところにあり、温存の場合は乳頭部分を取ったクレーターのような形になる、乳首はどうするかなんだけど、いらないと言ってくれるとありがたいけど・・・」ということで、ショックで頭の中が真っ白でした。多少本を読み、最悪のケースなどは覚悟していたものの、やはり認識が甘かったと思います。乳首はなんとかしたいがために、自分は術前薬物療法はできないか、や、先に放射線療法をうけられないか、等を質問しましたが、まず切除ということで、温存、乳頭の希望があっても、広がっていれば全摘ということでした。呆然としながら、手術のスケジュールを組み、診察室をでました。1週間後の12月8日は手術前の説明を受けにいきます。前置きが長くなってしまいましたが、教えていただきたいのはここからです。医師から早期がんに対するラジオ熱凝固療法に関する臨床試験の説明をうけました。その際に、「肝臓がんで使用している治療法で、安全な方法であるとうことはわかっている。4月まで待てば、だいたい15万円〜20万円でうけられるようになるかもしれないけど、待てないよね?」とおっしゃっていました。その時は3ヶ月も待つのは考えられなかったので、それ以上質問しておりませんが、近い将来標準治療となるような方法であれば多少高額でも受けたいと思いますし、おとなしいがんとはいえ、三ヶ月は待てません。どこか早めにラジオ波熱凝固法を受けれる施設がないかネットで調べたら、関東で1件しかなく、新宿のくさまクリニックで受けられるようなのですが、どうでしょうか? 乳頭に焼き残しがある場合は再発の恐れがあるようですが、それに対してはまたラジオ波をあてるようです。乳頭から再発した場合、さらに高度のがんになって他にひろがっていく恐れはあるのでしょうか? また、ラジオ波は手術の場合に切除する部分を焼いて、他部分に対しては放射線になるのでしょうか

いまだに臨床試験段階で、その成績は確定しませんが、くさまクリニックで受けることを前提に受診してみて相談される事をお勧めします。また別の方法として、乳房切除後に再建手術をするのもひとつの方法です。 (文責 石山)

 

No.8560】  08年12月04日    S
乳がんの検査方法について(2)(HPNo.8538-2)

No.8538で質問致しましたSです。ご回答頂き、有難うございました。申し訳ございませんが、検査方法について、再度ご教示お願いいたします。リスクについてです。
前回の診察の際に、病院側がコア・ニードルではなく切開摘出生検を勧めた理由として、万が一悪性だった場合に、太い針で組織を取ってしまう検査では、その後の手術を急がなければいけなくなるというような話をされたのですが、これは針をさしたところからがん組織が広がってしまうというような事なのでしょうか? であれば、マンモトームにも似たようなリスクはありますか?(同様の検査だと思っていたのですが・・・)  また、切開摘出生検を行った場合には、乳房温存手術ができなくなるケースがあるとネットで読んだのですが、本当でしょうか? そういったリスクの説明はなかったので、しこりがまだ4mmと小さく、場所的にも切開は問題ないという判断なのかとは思いますが・・・。(場所は右乳房の外側、斜め下方向の、付け根辺りです)
頂いたご意見を参考に、検査方法を変えて頂くかなどを考えて、病院の方に相談してみようと思います。よろしくお願いいたします。

各施設でやりなれた方法で検査しますので、外科医がすべてをやっているところでは切開生検で良いと思います。腫瘍が小さくて、麻酔をして腫瘤が分かりにくくなる場合は、画像を使いながらコアニードルやマンモトームを行います。 (文責 石山)

 

 

No.8559】  08年12月04日     Y
分泌物と胸の痛みについて

乳頭からの分泌物と、胸の痛みがあり、質問させていただきました。私は33才、既婚で子供はおりません。2年前から左胸に痒みがあり、乳房を押すと、膿のような白濁した分泌液が出るようになりました(血は混じりません)。2年前に、触診とマンモグラフィを受け、異常なしと診断されましたが、それからあとも、時折痒みと分泌が続いています。1ヶ月前にも分泌を確認し、乳ガンが怖いので、自分で触診してみたところ、恥ずかしながら、胸が小さいため、乳腺なのか、シコリなのかよくわからず(シコリはすぐわかるものなのでしょうか???)、何度も確認しているうちに、左の乳房に痛みを感じるようになりました。痛みを感じるようになってからは、なるべく必要以上には触らないようにしていますが、ピリッとした痛みが3週間は続いています。ちなみに4月に職場で定期検診をしたときは、血液検査にも異常はなく、すべて良好な結果でした。そこでお聞きしたいのですが、乳ガンでなくても、2年も分泌物が出続ける(断続的に)ということはあるのでしょうか? 乳ガンの可能性はあると思われるでしょうか? もし乳ガンの可能性が低そうであれば、どのように対処したらよいでしょうか? 不安でなりません。どうぞご回答よろしくお願いします。

乳腺外科を受診し、分泌物の細胞診をされたらいかがでしょうか。(文責 石山)

 

No.8558】  08年12月04日     K.O.
健康診断

先日、健康診断で乳房エコーを受けました。結果が返ってきて結果は「B判定 ほぼ正常 嚢胞性病変(右)」と表示されていました。再検査の必要はない様なのですが、とても気になります。一度医者に行ってみた方がよいのでしょうか? また、どのような状態なのか調べてみましたが、よくわかりません。簡単に教えて頂けますでしょうか。よろしくお願い致します。

のう胞であれば良性です。ただ小さな腫瘍であれば鑑別が難しいこともあります。心配なら超音波下の細胞診など必要です。(文責 石山)

 

No.8557】  08年12月04日     N.S. 
化学療法の投与について

以下のことでアドバイスといただければ幸いです。
1. 化学療法でどの薬をどの組み合わせで投与するのが良いか?
2. 治療の具体的なスケジュールは?
3. 放射線療法はいつ施行するのが良いのか?
4. ホルモン療法は必要か?
5. 副作用と対策はどうか?

私自身の経過をお話させていただきます。45歳女性、離婚歴あり、現在paernerあり。2度流産(仕事中)。
家族歴) 
母方の祖母:食道癌死亡、母方の叔母:乳癌にて右乳房全嫡、6年前、父:食道癌 3年前

既往歴) 
2004年 左乳房線維腺腫にて手術、2007年 子宮頸部ポリープにて手術、1998年 左副交感神経症にて4ヶ月入院、2003年頃 多発性子宮筋腫を指摘される。

CC)  左乳房腫瘤触知(2008年、8月)、左乳房温存術施行(2008年、10月24日)

経過)
2004年 左乳房線維腺腫にて、T病院で手術。その後、定期的にFollowしていた。担当医が1年半に開業したため、その後、転院。2008年1月(今年)マンモ、エコー検査にて特記すべき所見なし。同年8月 自己触診にて左乳房にしこりを感じ、同院を受診。マンモ、エコー上、腫瘍を指摘され、生検を施行。乳癌の診断を受け、10月24日 T病院にて左乳房温存術を試行。センチネルリンパは陽性だったため、リンパカクセイ術の行われた。11月27日 病理結果を得る。今後、放射線療法、化学療法の予定だが、Drは乳腺外科医のため、方針がはっきりせず、心配となる。

病理結果)
割面:16mmx15mm、 ER+ PgR+ HER2 0。Invasive ductal carcinoma Scirrhous carcinoma 。腫瘍は脂肪組織に浸潤する。リンパ管浸潤像も認める。静脈浸潤像は明らかではない。リンパ節転移は認められない。(level T+U0)しかし、C面に前述腫瘍と同様の小型な腫瘍巣が認められる。切除断端には腫瘍は認めず。

化学療法は各施設でやり慣れた方法があるので、白血球減少や脱毛などの副作用と再発リスク年齢などから、主治医と相談して決めるものです。納得できなければセカンドオピニオンを受けてください。(文責 石山)

 

No.8556】  08年12月03日     M
抗がん剤について

10月下旬に乳癌の手術、初期の乳癌、右乳房横 約1.5cm程度の腫瘍、リンパ節への転移なし、摘出した周辺にも癌細胞らしき見識はなし。
11月初旬に病理結果の受診をした際、主治医の先生よりお話、リンパ節への転移は(−)、核グレードは良いと診断される。エストロゲン反応陽性、プロゲステロン反応陽性、核の種類her-2(+)ホルモン、総合診断結果としては、初期の乳癌ではあるが、中との診断となる。

質問事項
初めて投稿させていただきました。私の家内が乳癌となり、術後の治療方針を先日病院にて聞きに行ってきた際、先生からホルモン療法は5年と2年、今回her2が(+)と出たので、ハーセプチンを使いますとの事で、副作用もそれほど大きくはなさそうで少しホッとしました。ここまではよかったのですが、抗がん剤はどうしましょうか?という問いに、こちらもどうしたらいいのですか?とお話したところ、”迷うところですねー”と一言。実はこの一言で悩んでいまして、抗がん剤を3週毎4回を行った後からハーセプチンを1年投与した場合、期間が空き過ぎるとハーセプチンが効かなくなるのでは?という不安と、抗がん剤は絶対選択ではないという先生からの話もあって、各々の先生方によって意見が分かれるとのお話でした。上記パターン的にはあまりないケースのようで、先生も例が少ないため万全を期すということなら抗がん剤もやりましょうという話で、結論を持ち越しました。ただし早く治療も行いたいのもあって、どうしたものかとなやんでおります。ご意見いただけましたらと思いましてメールさせて頂きました。宜しくお願いします。

病理結果より判断すると、再発のリスクは中間リスクになり、ホルモン療法単独または抗がん剤投与後、ホルモン療法が推奨されています。ホルモン剤のみでも良いかと思われますが、HER2陽性乳癌の場合には再発リスクが増加しますので、既往症など特に投与しにくい場合でなければ、ハーセプチンを併用が薦められます。投与する場合、標準治療としてはアンスラサイクリン系抗がん剤投与後、タキサン系抗がん剤とハーセプチン併用またはハーセプチン単独投与が行われています。より効果的な投与順はまだ議論されている部分なので、ハーセプチンが先の方が効果的かどうかはわかりません。なお、アンスラサイクリン系抗がん剤との同時投与は心毒性の危険がありますので、行われません。いずれにしても、主治医とよく御相談の上、治療法を決めてください。(文責 小池)

 

No.8555】  08年12月03日     A
胸のしこりと痛みについて

私は21歳の大学生です。半年前くらいテレビで乳がんのことをやっていたので、自分で触って確認したところ、パチンコ玉より少し小さいしこりみたいなものがありました(そこまではっきりとはわかりませんが)。触っていたら、確認しすぎのせいか痛くなってきました。そのあと気にせず過ごしていたのですが、最近しこりのようなものがあった場所あたり(4pくらいの範囲)が、触ると腫れているみたいなんです。走って胸が揺れると、その部分が痛く感じます。胸全体が痛いわけじゃなく、その一部分だけが、しこりのようなものと腫れがあります。乳がんかもしれないと、とても不安です。これって乳がんなんでしょうか??

ご年齢から考えて、乳癌の可能性は低いと思われますが、しこりなどの症状を感じるようであれば、一度、専門の医療機関への受診をお薦めします。若年の方であれば、乳腺症の影響で特に生理前にしこりを触れたり、張りや違和感を感じることが多いです。但し、治療が必要な乳腺炎や腫瘤の可能性も十分考えられますので、医療機関を受診し、触診、マンモグラフィ、超音波などの検査を受けることをお薦めします。(文責 小池)

 

No.8554】  08年12月03日     Q 
しこりが急激に大きくなりました

初めてご相談させていただきます。54歳になる母が、今年2月に右胸部に小さなしこりをみつけ、かかりつけの産婦人科を受診しました。触診のみでしたが「移動するし、悪いものではないだろう」とのことで、そのまま放置していました。10月に入り、急激にしこりが大きくなってきた(卵一個分ほど)のですが、何かと忙しかったようですぐに受診できず、1 1月になって乳腺専門外来を受診しました。「浸潤性乳管癌・リンパ節転移」との診断を受けました。現在MRIや細胞診、採血を受けたばかりで、具体的な結果を後日聞く予定です。しかし、現在しこりがさらに大きくなってきており、確実に10センチ以上はあり、乳房全体に熱感があります。表面は滑らかでえくぼ様のくぼみなどもありません。こんなにも急激にがん細胞は成長するものなのでしょうか? 自分なりに調べても癌の成長速度は個人で違うとはありますが、もっと緩やかなもののようで、ひょっとしたら・・・という望みを捨て切れません。がん細胞の成長速度と母の場合はどうなのでしょうか? よろしくお願いします。

乳癌の進行速度は、癌細胞の種類、個人差により多少異なります。細胞診などの病理結果により悪性所見があれば、乳癌の確定診断になります。乳房全体に熱感がある場合、炎症性乳癌や乳癌の皮膚浸潤などの可能性も考えられ、それによってしこりが大きく感じる場合も考えられます。実際の大きさ、浸潤範囲に関しては、MRIなどの精密検査により判断されますので、検査結果がでましたら、主治医と今後の治療法について御相談ください。(文責 小池)

 

No.8553】  08年12月03日     A.S.
右乳房のしこり

66歳になる母のことでお伺いしたいと思います。1ヶ月ほど前に右の乳房の下の方にしこりを感じ、乳腺科のある病院で受診しました。マンモグラフィーで撮影したところ、乳ガンではないかと診断され、細胞診を行い、現在結果待ちです。初診でのマンモグラフィーと触診等の結果から、乳ガンのV期かW期ではないかと言われたそうです。乳ガンではないかと思っていた母も、いきなりV期かW期と言われ、かなりショックを受けています。母は、定期的に検診も行っており、今年6月にもマンモグラフィーで撮影、触診も行っています。その際には異常なしという結果でした。普段からも自分でしこりがないか確認をしており、しこりに気づいたのは1ヶ月ほど前だそうです。以前よりも疲れやすくなったとはいえ、著しく体調に変化があるわけではありません。乳ガンのV期かW期ということは、相等大きなしこりがあるという判断なのかと推測していますが、今まで検査しても引っかからなかった状態が、こんなに急に悪化することがあるのでしょうか。医学書等を調べ、葉状腫瘍という可能性もあるのではないかと思いましたが、その可能性もあるのでしょうか。細胞診の結果がでれば、分かることなのかもしれませんが、結果まで不安で仕方ないのでメールをさせてもらいました。もし、本当に乳ガンのV期やW期や葉状腫瘍であった場合、今後治癒の見込みはどのくらいあるのでしょうか。家族で協力してなんとしても治したいと思っています。最善の方法を教えていただけたらと思います。

乳癌の進行速度は、一般的には1年で2倍くらいの大きさになると言われていますが、乳癌のタイプや個人差により多少異なってきます。約半年前には全く異常所見を認めず、急速に病期VやW期の進行乳癌にすすむ可能性は少ないとは思われますが、触診やマンモグラフィで検出しにくい場合も考えられます。いずれにしても、正確な病期の診断には、更にCT、超音波、骨シンチグラフィなどの検査が必要になります。一方、葉状腫瘍は数ヶ月で急激に大きくなる特徴がありますので、その可能性も十分に考えられると思われます。良性葉状腫瘍であれば、手術で完全に摘出すれば治癒可能です。但し、局所再発する可能性や、特に悪性葉状腫瘍であれば、肺などに遠隔転移する場合もありますので、術後も定期的な検査が必要になります。いずれにしても確定診断は細胞診、組織診などの結果によりますので、治療法に関しては、診断後に主治医と御相談ください。(文責 小池)

 

No.8552】  08年12月03日     M.M.
乳首の痛み

今朝、起きた時、左の乳首にすれたような痛みがあり、見てみると、乳首のしわの中に白いかすのようなものが少しありました。そのかすのようなものをとって、母乳をしぼるような感じで、乳首付近をさわると、透明の液体が少し出てきました。何かの病気でしょうか? 平成18年六月に出産し、一ケ月ほど母乳をあげていましたが、出が悪く、粉ミルクにかえました。その後、たいして胸が張ることもなく母乳はとまりましたが、一、二年たっても、たまに、一滴、二滴でることもありました。今日の乳首の痛みと関係あるのでしょうか? 少し生理不順ぎみですが、30〜40日周期くらいでだいたいおさまっています。30日周期でいくと、今月は4日くらい生理が遅れています。生理前、胸が張ることはよくありますが、今月は、まだ胸がはる感じはありません。ただ、腰が張って痛いので、近いうち生理がくるかなとは思うのですが・・・。乳首の痛み、白いかす、透明の液体は、初めてのことで、心配です。何か、ご意見等いただけたら幸いです。

乳頭異常分泌です。念のため乳腺外科に受診してください。(文責 石山)

 

No.8551】  08年12月03日     Y
ホルモン療法とリンパ節転移数について

初めて質問させて頂きます。私は現在46歳です。2月に右乳がんのため、全摘手術をしました。 腫瘍径8×5センチの大きさで、「リンパ節転移3個、ホルモン陽性(エストロゲン、プロゲステロン共)、HER2 過剰発現なし、顔つきグレード3、脈管侵襲あり」とのことでした。術後、抗がん剤治療(FEC4クール、タキソテール4クール)と同時にゾラデックスを2〜3年の予定で開始し、現在、抗がん剤治療が終了したため、ゾラデックスのみの治療となっています。主治医からは、当初、ホルモン治療について、飲み薬5年(ノルバデックス?)か注射2〜3年(ゾラデックス)のどちらかを選ぶようなニュアンスで説明があったため、ゾラデックスを選んだ?のですが、その後標準治療について自分なりに調べてみると、どちらも行うことが標準だと知り、主治医にも「飲み薬は必要ないか?」聞いてみたのですが、注射で十分効果があるとのお答えでした。
1) 自分から希望してノルバデックスを服用した方がよろしいでしょうか?
2) また、私は中リスクに該当するとのことですが、リンパ節転移数の1〜3個と4個以上ではリスクが異なるのは、どのような根拠によるのでしょうか?
3) 私の大きさの場合、他の条件との関係で中リスクだとしても、状況としてはかなり厳しいものだと覚悟しておりますが、腫瘍径と再発率、生存率についてのお考えをお聞かせください。

お忙しいところ申し訳ありません。よろしくお願いいたします。

1)併用をお勧めします。
2)過去の統計から、予後の差が出るのが3個と4個です。
3)8cmはハイリスクと考えたほうがいいと思います。(文責 石山)

 

No.8550】  08年12月03日     K.
局所再発腫瘍

局所再発腫瘍は、薬(ホルモン剤)で収縮が見られてもCRにならない限り再び増大しますか? PRの状態のまま不変が続くのは、お返事がいただける先生の今までで最長はどのくらいの期間でしょうか。また、PRで不変の状態後にCRに向かうことはないでしょうか? 局所再発腫瘍は、必ず潰瘍、皮膚転移となるのでしょうか? もしそうだとすれば、摘出すれば良いのではないのでしょうか? たくさの?で申し訳ありません。不安でいっぱいです。

色々なことがあるのでなんともいえません。ホルモン剤も数種類があるので、だめなら次の治療を考えると言うことで、10年元気なこともあります。(文責 石山)

 

No.8549】  08年12月03日     K 
放射線治療について

35歳の妻のことで質問します。浸潤性乳管癌の診断を受け、半年間EC-T+ハーセプチンの術前化学療法を受け、温存手術をしました。この後、放射線療法、ハーセプチン、ホルモン療法をする予定です。しかし、本人は放射線をしたくないと言っています。理由は、
1,もともと19mmの初期の癌だった
2,抗癌剤がよく効いて、乳管内のみに残っていただけだった
3,ハーセプチンがよく効く
4,手術で断端10mm以上離れていた…からだそうです。

病理結果は、術前はグレード1、エストロゲン90%、プロゲステロン50%、Her2強陽性、腫瘍経19mm、リンパ節転移なし(CT)でした。術後は、グレード検査不能、エストロゲン90%、プロゲステロン50%、Her2強陽性、腫瘍経;乳管内のみ19mm、リンパ節カクセイ;転移なしでした。Her2強陽性なので、放射線はしてもらいたいのですが、本人の意見は尊重したいと思います。温存で非照射の場合は、再発率30%弱と言われていますが、妻の再発率はどのくらいになるのでしょうか? 断端陰性で抗癌剤がよく効いた場合、また、Her2強陽性の場合と心配なのですが、よろしくお願いします。シナイという選択もありますか? 主治医は絶対に必要と言っています。

本来放射線をしたくない人には、温存術は出来ないはずです。術前化学療法で手術が終わってからでは非照射のデータもなく、再発しやすくなるとしか言えません。(文責 石山)

 

No.8548】  08年12月03日     Y.N.
今後の治療について (HPNo.8425-2)

いつも勉強させて頂いております。 先日乳がん手術が終わり、正式に下記結果が出ました。 ステージT、リンパ節転移なし(センチネル)、ER:+80%、PgR:+60%、HER2:-、異型度:3 、脈管浸潤なし、腫瘍径:1cm、年齢32歳 。
今後の治療ですが、放射線治療後にホルモン治療となっております。 下記ご質問させて頂きます。

1) 再発リスクは中間リスクになると思いますが、低リスクより中間リスクと考えて宜しいでしょうか。 それとも年齢が若いため、高リスクよりの中間リスクとなりますでしょうか?
2) 今後の治療では化学療法はなくホルモン治療で問題ないでしょうか。私の様な場合は放射線 ⇒ ホルモン治療が一般的な治療と考えて宜しいでしょうか?
3) 上記に追加で化学療法を行った場合と行わない場合の再発率は大きく変わってきますでしょうか?
4) ホルモン治療について、LH-RHアゴニスト製剤 2年か抗エストロゲン剤5年の どちらかで良いと言われております。出来る限り再発のリスクは下げたいのですが 、「@LH-RHアゴニスト製剤 2年のみ A抗エストロゲン剤5年のみ  B上記両方」のうち、どれを選択すれば良いか悩んでおります。それぞれの治療における再発率に大きな差はあるのでしょうか? 可能であれば、それぞれの無再発生存率(もしくは再発率)を教えて頂ければ幸いです。
5) LH-RHアゴニスト製剤2年と抗エストロゲン剤5年の両方を選択した場合、どちらか一つを選択した場合に比べ、副作用についても大きくなると考えた方がいいでしょうか?
6) 出産希望がありますので、年齢から考え、主治医はLH-RHアゴニスト製剤 2年でも良いと言われていると考えますが 、本当に2年だけで大丈夫か不安です。何かアドバイスを頂ければ幸いです。
7) 当初左側にしこりを発見した際、エコーで検査している時に右側にも小さなしこりがあると言われたことを思い出しました。その後右側については特に検査もしておりませんが、それが乳がんという可能性もありますでしょうか? 左側で乳がんが発見されましたので、CT検査などでは両胸を見ていると思いますが、右側については特に指摘はされておりませんが心配です。
8) 腫瘍径が1cmということは、乳がんそのものが1cmという解釈で宜しいでしょうか? 主治医からは腫瘍径が1cmというだけで、具体的なサイズ等は教えて頂いておりません。

何卒宜しく御願い申し上げます。

1)中リスクです
2)化学療法も選択肢になるとは思いますが、ホルモン感受性が高いので、この選択肢で良いのでは。
3)本来再発リスクが少ない場合、差は小さいと思います。
4)Bを勧めます。
5)当然副作用は増えます。
6)今のところ、それ以上の期間の成績はないので不明です。
7)心配なら検査してください。
8)病理所見なのか、触診なのか、それぞれ違います。(文責 石山)

 

No.8547】  08年12月01日     T 
集簇性石灰化

去年12月の健康診断で、マンモグラフイで集簇性石灰化が5個あると言われました、形は微細円形です 今年2月と6月と11月と、3回マンモグラフイ検査で経過観察した結果、変化なしです、2月のエコーでは、数ヵ所に乳管拡張があるが、しこりはないと言われています、一年近く集簇性石灰化の数も形も変化がなくても、まだ乳癌の可能性はあるのでしょうか? 62才女性です。よろしくお願いいたします。

一年近く集簇性石灰化の数も形も変化がなければ、まず乳癌の可能性は極めて少ないと思われます。(文責 石川)

 

No.8546】  08年12月01日     K 
マンモグラフィーと妊娠

36歳、既婚、子供なしです。一昨日検査結果がでました。触診、エコー、異常なし。マンモグラフィーでは、「左下に乳腺と同じ濃さで写った影有」ということで、再検査と言われました。あまり説明がなく、「これくらいなら再検査にまわさない場合もあるけど、一応・・・」みたいな感じで、心配なら早めに二月?に予約してと言われました。とっても心配です。妊娠を希望してるので早く結果が知りたいのですが、変化をみるため?数ヶ月待たなければ、すぐ再検査しても判らないものなのでしょうか? マンモでしか写らないものなら、再検査もマンモを重要視しますよね。妊娠していたらできないですし、悩んでいます。また、妊娠についてですが、排卵前にマンモ検査をした場合は、その月は妊娠をさけたほうがいいのでしょうか? 検査してどれくらいあけるといいでしょうか?

マンモグラフィーで写った影は、おそらく局所性非対称性陰影(FAD)と思われます。触診、エコーでは異常なしなので、まず大丈夫と考えられます。念のため、経過を追って変化をみましょうということだと思います。変化を判定するためには少なくとも数ヶ月が必要です。排卵前のマンモグラフィー検査の被爆が妊娠に大きな悪影響及ぼしたという報告はないように思います。(文責 石川)

 

No.8545】  08年12月01日     M.I.
抗がん剤の副作用と投与間隔について

お世話になります。初めて、質問させていただきます。
妻(30歳)が今年6月に乳がんの診断を受けました。ステージは3a(リンパ節に転移あり)、術前化学療法により、FECとタキソテールを3週ごとに各4回ずつのスケジュールです。すでに、4回のFECの投与は終了しました。1回目は、副作用が強く絶えられなかったため、2回目のFEC投薬時から8割の量に減らしてもらいました。また、もともと胃腸が弱い(昨年、急性胃腸炎で2度入院経験あり、主治医に報告済み)ため、胃薬(コランチル、ガスター20、頓服薬)を処方してもらいました。コランチル、ガスター20は毎日服用しています。2回目のタキソテールの投薬後、18日経過した夜に胃が痛い(その後、腸も痛たくなる)との事で、急患で(乳がん治療を受けている病院が遠いため)、地元にある別の総合病院に行き、痛み止めの注射をしてもらいました。注射後、数時間経過しても症状が変わらないため、再度地元の病院に行ったところ、白血球が12000以上あり、盲腸や胆のう炎の可能性があるとのことで、緊急入院してしまいました。(入院直前に下痢を3度しています。)
再度、地元の病院に行く前に、乳がん治療している病院に電話したところ、処方した薬を飲み様子を見てくださいとのことで、妻の体調を軽視しているように感じました。地元の病院では、血液検査、レントゲン、CT、エコーをしましたが、盲腸や胆のう炎の所見はなく、抗がん剤の副作用ではないかとのことでした。地元の入院から2週間余りたちます。その間、絶食3日、流動食→3分粥を食べた後に水下痢、絶食5日、流動食を食べた後に再度水下痢、その後再度絶食と、一向に復調し無い状況です。また、本人は入院生活や絶食、良くならない体調、抗がん剤投与のスケジュールが延びていることなどから、だいぶストレスを感じているようです。乳がん治療をしてもらっている病院に電話連絡すると、「現在入院している病院で治療してください。化学療法の間隔が多少空いても問題は無い。」と言われました。また、特に、乳がん治療してもらっている病院に来るよう指示はありませんでした。そこで、ご質問ですが、
1) 抗がん剤の副作用で、このように長期間、水下痢を起こすことは良くあるのでしょうか。また、このように絶食を繰り返すことは、体に負担は無いのでしょうか。
2) 化学療法の間隔が空きすぎてしまうと、効果が薄れてしまうのでしょうか。
3) このようなケースの場合、乳がん治療を行っている病院で見てもらった方がいいとは思うのですが、無理にでも転院をお願いすべきでしょうか。

お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いします。

1) 抗がん剤の副作用で、長期間にわたって水様性下痢が続くことは稀ですが有り得ます。絶食を繰り返すことは望ましいことではありませんが、胃腸を休ませるためにも治療上必要なことです。
2) 化学療法の間隔が空きすぎてしまうと、効果が薄れる可能性は有り得ます。
3) 可能なら、乳がん治療を行っている病院で診てもらうにこしたことはないと思います。が、胃腸症状の治療に関しては大差ないと考えます。良くなってからでも構わないように思えますが。(文責 石川)

 

No.8544】  08年12月01日     A
不正出血?

3年前に乳がんの手術をつけました。進行度は2で、リンパに一つだけ転移がありました。現在40歳です。抗がん剤治療のあと、ゾラデックスをしました。生理がもどってこないので、今月、ノルバデックスから閉経後の薬フェマーラに切り換えました。切り換えて二週間弱ですが、本日、うっすらと下着に不正出血をしていました。下腹もなんとなくいたく、これは生理がもどってくるのでは・・・と不安になっています。生理が戻ってくるということは、再発のリスクがまた高くなるのでしょうか? 教えてください。

生理が戻って来ても、再発のリスクが高くなるということはありません。生理が復活すれば、ホルモン剤変更になることが予想されます。(文責 石川)

 

No.8543】  08年12月01日     A.K
首の後ろのしこりについて

初めてご相談させて頂きます。昨年12月に左乳房を全摘しました。ステージT、センチネル生検でリンパ節への転移は認められませんでしたが、術前の私本人の希望で乳房は全摘し、ステージ1までリンパをとりました。術後CMF化学療法を6ヶ月に渡り行い、8月初旬に行った検査では異常はありませんでした。次回の検査は12月中旬の予定なのですが、1ヶ月程前に首の後ろ(うなじの髪の毛の生え際あたり、骨のすぐ右側)にしこりのようなものがある事に気づきました。非常に忙しかったことと、次回検診も近いことからそのままにしていますが、転移ではないかという不安に耐え切れなくなり、ご相談のメールを差し上げました。お忙しい事と存じますが、先生のご意見を伺えましたら幸いです。

ステージT、センチネル生検でリンパ節への転移なしで、首後ろ(うなじの髪の毛の生え際あたり、骨のすぐ右側)に転移を起こすことは、まず考えられません。他のことが原因だと思います。(文責 石川)

 

No.8542】  08年12月01日     A.K. 
病理組織診断について(HPNo.8502-2)

HPNo.8502でお世話になりました。解答していただけて、感激しています。ありがとうございました。マンモトーム生検の病理組織診断の結果の意味が分らないのですが、教えていただけませんでしょうか。
「組織学的には、やや多形成を伴った異型細胞が充実性胞巣を主体に、一部不整な管状構造や索状構造を形成しながら、周囲脂肪織まで浸潤性に増殖しています。腺管形成傾向:3、核異型度:2、核分裂像:1より modified Bloom-Richardson grade は intermeditate grade となります。背景には一部嚢胞もみられます。」
これの大体の意味を教えていただけませんでしょうか。また「腺管形成傾向」というのは何なんでしょうか?
よろしくお願いします。

要点は浸潤癌で、組織学的悪性度が低くもなく、高くもない中等度ということです。「腺管形成傾向」というのは、がん細胞の配列が腺腔構造に近い形態をとっているということです。(文責 石川)

 

No.8541】  08年12月01日     N.K.
ホルモン療法の薬剤選択について

相談室をいつも参考に拝見しております。今までノルバデックスを3年近く服用してきましたが、先日の血液検査で閉経が確認されましたので、アロマターゼ阻害剤にスイッチすることになりました。主治医からとりあえず2週間分のフェマーラをもらいました。耐えがたい副作用がなければ、あと数年これで行くと言われました。スイッチだと、ノルバデックス2〜3年服用後アロマシンに替えることになるのではないでしょうか? アロマシンではなくフェマーラでもいいのですか? 良ければ後数年これで頑張ります。フェマーラの副作用は今のところ顕著なものはありません。よろしくお願いします。

同じアロマターゼ阻害剤なので、アロマシンではなくフェマーラでもいいと考えます。(文責 石川)  

 

No.8540】  08年12月01日     T 
カテゴリーV

子供無し、35歳です。祖母が乳がんを経験しています。よろしくお願い致します。エコー検査でしこりが見つかり、細胞診をしたところ、「カテゴリーV」(クラスVという言い方だったかもしれません)という結果で、悪性の疑いもあるが、しこりを取ってみないと癌かそうでないかはわからないといわれました。普通に手術して、がんであれば手術後入院中に抗がん剤治療も始めるようで、7日ほど入院で、がんでなければ4〜5日の予定になっています。細胞診の結果がグレーでも 手術してシコリを取っておくのは一般的なことなのでしょうか? また、もしすぐ手術しない場合、どのくらいで悪化してしまうのでしょうか? 以上、お忙しいところ申し訳ございませんが、よろしくお願い申し上げます。

細胞診の結果がグレーの場合、さらにコア・ニードル・バイオプシー、マンモトーム生検で白黒をつけるというのが、一般的です。さらに、これらを省略して摘出生検を行うこともあります。数ヶ月の期間に、急速に悪化・増大することは非常に稀だと思います。(文責 石川)

 

No.8539】  08年12月01日     S.O.
放射線の開始時期、ホルモン治療について(HPNo.8517-2)

HPNo.8517で、術後の痛みについてご返事を頂き、有り難うございました。痛みはまだ続いていますが、時間の経過を待ちたいと思います。病理検査の結果、非浸潤性、ホルモン受容体ということでした。
1) 出産経験が無く、閉経も56歳に近かっかったので、子宮体癌のリスクの低いほうが良いと思い、アリメデックスを選択しました。薬をどれぐらいだしますかと聞かれ、とりあえず2週間分頂ました。副作用の出方も人それぞれだと思いますが、どれぐらいの間隔で薬を貰い、副作用の様子をみればいいでしょうか。
2) 放射線科の予約を12月4日に取り、その日から始まると思うとの主治医の話でした。「お正月休みが入りますが」と言いましたところ、「空かないほうがいいけれど仕方ないですね。」とのこと。こちらの相談室を読ませていただいて、始める時期が遅くても、空かない方が良いと知りました。放射線科の先生がどう言われるのか分かりませんが、主治医と同じ方針であれば、それに従うべきでしょうか。空かない方が良いのなら、こちらで知りえたことを伝えてもいいものでしょうか。手術は10月31日でした。

初歩的な質問ですが、宜しくお願いいたします。

1) 2週間内服して、副作用出なければ、だいじょうぶの可能性が高くなると思います。私は2週間の次は1ヶ月分処方しています。それで問題なければ、次からは2か月分出します。数ヶ月して副作用が見られることもあるので、何か気になることがあれば、すぐ受診してもらうようにして、副作用をチェックしています。
2) 「放射線照射開始時期が遅くなっても、照射間隔が空かない方がよいと聞いているのですが」と、率直に話され、放射線科の先生と相談されるのが良いと思います。(文責 石川)

 

No.8538-1】  08年12月01日     S 
乳がんの検査方法について

39歳の女性です。1ヶ月程前に、右の乳房に小さなしこりがあるのを見つけ、地元の総合病院で検査を受けました。マンモグラフィーでは何も見つかりませんでしたが、エコーでは4mmほどの極小さいしこりが見つかり、内部に血流が見られるとのことで、細胞診を行いました。結果は偽陽性で、切開して組織を摘出し、検査することを勧められたのですが、日帰りとはいえ手術になるという事で躊躇があると伝えたところ、とりあえず再度細胞診を行って結果を見ようという事になり、先日その結果がでました。結果は、同様に偽陽性との事で、改めて切開による組織の摘出を勧められました。針生検でも構わないが、粘液ガンだった場合、針をさした後が心配なので、できれば切開で組織ごと取り出してしまった方がよいという事です。また、針生検でガンが発見された場合は、できるだけ早めに摘出手術を行った方がよいとの事。判断は任せると言われたので、取り敢えず針生検を予約したのですが、後になって色々と不安になってきました。実は、1年前に別の病院で人間ドックを受けた際に、エコーで左側の乳房に似たような影が見つかり、針生検まで受けたのですが(結果は乳腺症で治療の必要なしとの事)、その際には手術による検査は勧められず、場合によっては針生検の後にマンモトーム生検をやりましょうという事でした。その為、今回の病院で、針生検もマンモトームも飛ばしていきなり切開、と言われた事に不安を感じています。これは適切な対応なのでしょうか? 場所や病変の性質によって検査方法も変わってくるものなのでしょうか? 最近になって雑誌で、「(乳がん)検査の為の手術はすべきでなく、マンモトーム生検を行える病院で検査をすべきである」という内容の記事を読み、検査方法についても、また、今後も同じ病院に通い続けるべきかどうかについても迷っています。しこりがまだ小さいこともあり、悪性だとしても緊急を要する段階ではないようです。不安を感じる位ならば改めて別の医師の診察を受けた方がよいでしょうか? アドバイスよろしくお願い致します。(1年前に診察を受けた病院は予約が取り辛く、今の病院は外科外来なら飛び込みで診てもらえるという事だったので飛び込みました。乳腺外来もあり、検査についての説明は乳腺外来の専門の医師にして頂きました)

針生検で2回とも疑陽性なので、マンモトーム生検か、切開して摘出生検を行うことが推奨されます。病変の場所や性質や、施設の得意・不得意によって、検査方法も変わってくることがあるのも事実です。マンモトーム生検を行える施設でも、切開・摘出生検を選択する場合も有ります。ざっくばらんに、なぜマンモトーム生検でなくて、切開・摘出生検なのか聞いてみてはいかがでしょうか。それからでも病院を変えるのは、遅くないと思います。(文責 石川)

 

No.8538-2】  08年12月04日     S 
乳がんの検査方法について(2)

No.8538で質問致しましたSです。ご回答頂き、有難うございました。申し訳ございませんが、検査方法について、再度ご教示お願いいたします。リスクについてです。
前回の診察の際に、病院側がコア・ニードルではなく切開摘出生検を勧めた理由として、万が一悪性だった場合に、太い針で組織を取ってしまう検査では、その後の手術を急がなければいけなくなるというような話をされたのですが、これは針をさしたところからがん組織が広がってしまうというような事なのでしょうか? であれば、マンモトームにも似たようなリスクはありますか?(同様の検査だと思っていたのですが・・・)  また、切開摘出生検を行った場合には、乳房温存手術ができなくなるケースがあるとネットで読んだのですが、本当でしょうか? そういったリスクの説明はなかったので、しこりがまだ4mmと小さく、場所的にも切開は問題ないという判断なのかとは思いますが・・・。(場所は右乳房の外側、斜め下方向の、付け根辺りです)
頂いたご意見を参考に、検査方法を変えて頂くかなどを考えて、病院の方に相談してみようと思います。よろしくお願いいたします。

各施設でやりなれた方法で検査しますので、外科医がすべてをやっているところでは切開生検で良いと思います。腫瘍が小さくて、麻酔をして腫瘤が分かりにくくなる場合は、画像を使いながらコアニードルやマンモトームを行います。 (文責 石山)

 

No.8537】  08年12月01日     A
左脇下から左胸の痛み

31歳、10ヶ月の子供がいます。4、5年ぐらい前から時々、左胸と左脇の下がチクッと痛むようになりました。右と比べると左の乳房がやや熱をもっているかなという感覚でした。今は授乳中なのではっきりしませんが、触った感じではしこりのようなものは感じません。授乳は今のところ特にトラブルもなく完母です。妊娠、出産後はあまり痛むことはなかったのですが、最近、脇や胸が痛むと左肩がこり、親不知の方まで痛むようになりました。元々肩こりなんですが、たまに腕のしびれるような感覚もあり…、一体どこに問題があるのか不安で不安でたまりません。このような症状の時は何科を受診すべきなのでしょうか? また、乳腺外科の場合、授乳中でも検査や治療は可能でしょうか? よろしくお願いします。

授乳中ということと関連が有るかも知れません。まず乳腺科がよいと考えます。乳腺外科の場合、授乳中でも検査や治療は可能です。(文責 石川)

 

No.8536】  08年11月28日     M
要観察と言われました

43歳、二人の子供がいます。1年半前、左乳房に引っ張られるような引きつれるような痛みがあり、触診とマンモグラフィー検査をしたところ異常が見られないという事でしたが、暫くしても痛み(鈍痛)が気になるので、今日他の病院で乳癌の検査を受けました。病院を変えたので、今回は触診とマンモグラフィー以外に、初めて超音波でも乳房の状態を診て頂いたのですが、超音波や触診では異常がありませんでした。しかし、マンモグラフィーでは左胸の真ん中辺りに1cm位濃い部分が見つかりました。先生が仰るには、これは乳腺が重なって陰に見える場合があるので、ガンかどうかは今の時点では分からないそうです。取り合えず半年後にもう一度受診する事になりました。マンモトーム導入の病院であったため、生検希望をしましたが、まだそこまでの必要はないので要観察となりました。そこで、質問です。その間にガンがどんどん進行する事はありえますか? 半年も待てないというのが正直な気持ちなので、他の病院で診ていただき、早く生検をして結果を知りたいのですが、何度もマンモグラフィーを撮ると被爆の危険性が高くなりますか? 乳房の痛みとガンは何か関係はあるのでしょうか? 不安で夜も寝られません。どうかよろしくお願いいたします。

"仮に"癌があったとしましても、超音波では映らないレベルのものとなります。乳がんの発育スピードを考えれば、半年後に「どんどん」進んでいることはないと思います。また、放射線の影響は蓄積性のものと確率的なものがあります。すべてのレントゲン検査は確実に被爆します。ただ、マンモグラフィはその影響が小さいと言われています。まず大丈夫ですが、ムダな被爆は避けたほうがよいのは言うまでもありません。
乳房の痛みと癌については、あまり関連はありません。乳房の痛みをきっかけで病院を受診される方は大勢いらっしゃいますが、ほとんどの場合は乳がんではありません。ただ、中には乳がんを持っていらっしゃる方もいますので、Mさんのようにきちんと検査を受けることは大切です。
さて、どこかで生検を受けたいとのことですが、別の医療機関を新たに受診されるときは、以前の検査(マンモグラフィと超音波)結果と紹介状を「必ず」持参の上で受診してください。生検や追加検査を行うか否かは、その先生が判断されますが、文面からは生検されることはないのではないかと思います。「経過観察」と言われるストレスは分からないでもありません。「不安で夜も寝られません。」とのことを今の主治医にお伝えし、ご相談されるのがよいかと思います。(文責 河原)

 

No.8535】  08年11月28日  H
術後治療について(HPNo.8158-5)

こちらでお世話になり、少しずつ前進してきました。再度、よろしくお願い致します。乳房温存手術、追加手術にて切除断端陰性。センチネルリンパ゜節生検にて転移があったためリンパ節切除、結果転移1個。今後は放射線治療、その後ホルモン治療を行う予定です。そこで質問なのですが、
1) 放射線治療が終わってからホルモン治療を始めることは一般的でしょうか。最初の摘出生検から4か月後位に始めることになりますが、放射線と併用して始める必要はありませんか。
2) リンパへの転移があったわけですが、化学療法の必要はありませんか。

1) ホルモン療法と放射線の併用により肺臓炎の頻度が変わるのでは、ということで併用を避ける先生がいらっしゃいます。具体的な数字がどう変化するかは、私は知りません。ただ逆に、ホルモン療法の開始が「放射線照射の期間、つまり1-2ヶ月遅れる」ことが、その後の経過にどれくらい影響を及ぼすのかを考えた場合、それは「ないか、あってもごく軽微」なのではないかと思います。との考えから、私も、放射線科医の要望により、最近は併用を避けるようにしています。
2) リンパ節転移がある方の再発の危険性は、中〜高の危険度があります。中程度の場合は、ホルモン療法のみ、もしくは抗癌剤も両方行う、などいろいろな選択肢が考えられます。その後の治療は、腫瘍の状況、心身の状況、ホルモン感受性などから、主治医とよく相談して決められるべきでしょう。また、高い危険度の場合は、抗癌剤の使用を最大限考慮すべきと思います。(文責 河原)

 

No.8534】  08年11月28日   M.M. 
しこり

39歳女性、3人の子供がおります。1ヶ月前、左胸の左側上部に1センチ大のしこりを見つけました。すぐに病院へいき、触診をうけました。問診の時点より、「今の人は大騒ぎしすぎ、心の病」と、年齢などをみてか、楽観視でした。マンモグラフィーとエコーを2週間後に、その結果を2週間後に聞きました。エコーには、1センチ大のものが写っておりましたが、マンモには何もうつっておりませんでした。だから心配ないとの事でした。本当でしょうか? 私は不安を解消したくて診察・検査を受けたのですが、なんだか解消されません。マンモを撮る時に位置がわるいので、写す事が難しい・・・と、技師さんも話しておりました。写っていないのは、撮りにがしているのでは??とも考えられませんか? 写ってないから心配ない・・・と言えるものなのでしょうか? しこりは、触ると動きます。くっついてはいないようです。コリコリしています。様子をみていいものなのでしょうか? 私が心の病なのでしょうか? その先の検査とかは必要ないのでしょうか? 決して診察を受けた先生を批判しているのではなく、このままで良いのかが不安なんです。半年様子をみている間に手遅れになってしまうのが嫌なのです。お忙しいとは思いますが、アドバイスを頂ければ助かります。よろしくお願いいたします。

エコーに写って、マンモグラフィで見えないもの。こういうものは、良性から悪性まで広く存在します。こういう場合は、エコーの所見のみが判断材料になります。通常はエコー検査の所見を、「カテゴリー1:正常 カテゴリー2:良性 カテゴリー3:良性と思われるが悪性も否定できない カテゴリー4:悪性を疑う カテゴリー5:悪性」と、5段階に評価し、カテゴリー3以上を精密検査(もしくは経過観察)の対象とします。いずれの結果だったのは文面だけからは判断しかねます。「私は不安を解消したい」ということであれば、
i) もう一度結果の説明をお求めになる
ii) 再度、別機関で検査を受ける(紹介も含めて)

などの行動が必要かと思います。39歳女性で胸にしこりを触れれば、ご心配されるのがあたりまえだと私は思います。きちんと不安を解消されることを、強くお勧めします。(文責 河原)

 

No.8533】  08年11月28日    K・Y
閉経の確認(HPNo.7549-2)

HPNo.7549でお世話になりました。その節はありがとうございました。3月中旬で放射線治療を終了。現在56歳です。治療開始時ノルバデックスの提案もありましたが、ER+ PgR- のため効果が出難いと思い、お断りしました。1月の血液検査結果は、「LH 23.40 FSH 66.10 E2 13」です。婦人科では「まだ閉経したとは言えない」とのことでした。3・4・5・6月ゾラテックスを打ち、6月に一度だけ爪の先ほどの出血があったので、婦人科で診てもらったところ(1月とは違う医師でしたが)、「年齢的に、いくらなんでももう閉経しているでしょう」と言われました。(子宮頸がん・子宮体がん検査異常なし)・・・私もそう思いました。7・8月は無治療で、9月に再検査、結果は、「LH 8.10 FSH 31.69 E2 12」。まだ閉経は不確定のようです。本日「来月再検査して、確定したらアリミデックスに行きましょう」という主治医お話でした。そこで、お尋ねしたいのですが、
1) 閉経しているということがなかなか数字的にはっきりしない場合は、またゾラテックスに戻るのでしょうか。
2) どの程度の数値になったら閉経したと考えられるのでしょうか。

このごろ体温調整がうまくいかず、更年期の症状が強く出ていると思います。お忙しい中恐縮ですが、よろしくお願いいたします。  

1) 数字的にはっきりしない場合は、タモキシフェン(ノルバデックス)が使用されることが多いと思います。タモキシフェンは閉経の有無に関わらず使用できます。閉経前にはゾラデックスとの併用が、より有効とのデータがあり、併用がひろく行われています。
2) 生理が1年以上ないことをもって閉経とされています。婦人科手術で子宮が切除されている場合があり、この時は、採血でホルモン値を測定します。FSH と血漿エストラジオールの値を参照します。具体的な測定値の判断は施設によってばらつきがあろうかと思われますが、エストラジオールが10〜20pg/ml以下 & FSH(卵胞刺激ホルモン)が50〜60 mIU/ml以上が目安です。

以上がお答えです。私の場合、こういう境界にいらっしゃる方には、
i) タモキシフェンのみを服用しながら、ときおりホルモン値を測定し、閉経レベルに達したと思われるときに、アロマターゼ阻害剤に切り替える。
ii) ゾラデックス+タモキシフェンで数年継続する。その後、アロマターゼ阻害剤に切り替える。
のいずれかをお勧めすると思います(どちらかと言えば ii) でしょうか・・・)。主治医の先生とよく相談してみてください。(文責 河原)

 

No.8532】  08年11月27日  D.S.
肺の影について(HPNo.8394-3

HPNo.8394-2にて、母の胸のしこりについて質問させていただいたものです。先日は丁寧なご回答ありがとうございました。先週、組織検査、CT、骨シンチの結果が分かり、胸のしこりはやはり癌でしたが、リンパ節や、骨、肝臓には転移がなさそうだとのことでした。しかし、CTにて肺に小さな影が見つかりました。担当の乳腺科の先生は、「影もあまりはっきりしていないし、血管が角度によってこのように写ったりすることがあるのであまり心配はなさそうですが、一応呼吸器科の先生に診てもらってください。」とのことでしたので、本日呼吸器科を受診してきました。CTの画像を見て、呼吸器科の先生は、「何かありそうだが、影が小さいのでなんともいえない状況。とりあえず様子を見よう。」とのことでした。「来年1月19日にもう一度CTをとって、影に何も変化がなければ問題がありません。」と言うような診断結果だったようです。母が一人で受診したので、大体の内容になってしまって申し訳ないのですが、4点質問したいことがあります。

1) 現在の状況では、肺の影が癌であるか検査する方法はないのでしょうか?
2) もし癌の転移だった場合、肺転移が初期の状況だと思うのですが、遠隔転移のため末期がんの診断になるんですよね? そうすると、今後考えられる治療方法は、どのようなものになるのでしょうか?
3) 以前、母は軽いマイコプラズマの肺炎を患ったことがあるのですが、その痕と言うことも考えられますか?
4) 癌以外で考えられる病気がありましたら教えてください。

先週の診断結果を聞きに行った際は、転移がなければ今年中に手術をするかもしれないとのことでしたが、12月3日にMRIの結果と、今回の肺の結果を含めて手術や治療法など今後の話を聞きに行くようです。肺に転移しているのが分かるのが来年になってしまうと言うこともあり、母はとても不安に思っているようです。肺の影がもし癌だった場合、来年まで放っておいて良いものなのでしょうか? 影が小さいから分からないとお医者様はおっしゃったようですが、もし癌だった場合、大きくなるまで育てなきゃいけない状況は、とても不安です。よろしくお願いいたします。

1) 小さな影なので気管支鏡による組織検査も難しいし、いきなり肺の手術(腫瘤切除)というのも乱暴と思います。CTで経過を見るのが現在の時点ではベストと考えます。
2) 遠隔転移があると、進行がんの診断(Stage W)になりますが、まだ末期とは言えないと思います。今後考えられる治療法は、化学療法、ホルモン療法、分子標的治療(ハーセプチン)などが有ります。
3) 以前の炎症の痕跡の場合も考えられます。
4) 炎症(肋膜炎後など)、結核、良性腫瘍などを思い浮かべます。

どうしても肺の影が心配でしたら、手術まで術前化学療法を施行しておく方法もあると思います。(文責 石川)

 

No.8531】  08年11月27日  Y.M. 
非浸潤性乳癌

49歳です。現在、非浸潤性の乳癌という診断で、手術待ちの状態です。8年前に不妊治療でバーゴナルのホルモン剤を多量に注射しました。産婦人科を変わった時、先生に前の治療の内容を見ていただいた時に、「こんなに短期間に、こんなに大量に打つなんて!」と、言われたことがあります。これと乳がんとの関係は、あるのでしょうか? また、バーゴナルの年間の使用許用量は、あるのでしょうか? また、10月30日に生検をしたのですが、まだ入院の日も決まってなく、おそらく1月位になりそうな気がするのですが、癌が広がってしまう心配はないのでしょうか?

不妊治療は乳癌発症の危険因子としては確立されていません。どんな薬でも、使用許用量はあると思います。理論的には早いほど治療はよいと考えられますが、非浸潤性の乳癌ならば、あまり気にする必要はないと思います。(文責 石川)

 

No.8530】  08年11月27日  H.T. 
小さな骨転移

乳癌の手術を終えて5年経ちますが、担当医の先生に、小さな骨転移が胸骨にあると言われました。痛みも無く、特に心配はないようです。骨転移に対して使う薬(ゾメタ)もあるようですが、無症状のうちから使う方がいいのでしょうか。

ゾメタは無症状のうちから使う方がいいと考えられています。(文責 石川)

 

No.8529】  08年11月27日   I
首すじのコリコリについて

はじめてメールさせて頂きます。よろしくお願いいたします。29歳、既婚、子供なしのIと申します。
【発覚から現在までの経緯】
9月に左胸が0期の非浸潤癌と診断されました。マンモトーム生検で判定されました。転移がないか調べるため、肺や肝臓、骨、リンパ節の超音波をやり、転移はないと言われました。そして10月末に手術を受けました。そのさい、センチネルリンパ節生検をやり、2つとも転移はないと言われました。手術は0期にも関わらず、MRIで範囲が広いことが分かったので(左下内側四分の一)、また、乳頭近くにも癌があったため、全摘しております。10日後退院し、普通に生活しています。
【質問】
癌が発覚する前から、左の首すじに、梅干しの種くらいのコリコリがあります。私は癌に関係あると思い、主治医に質問したのですが、「転移するとすれば、まず脇の下のリンパ節に行く。あなたはセンチネルリンパ節で大丈夫だったんだから、首のことは気にしなくていい」とおっしゃるのです。乳癌以外の原因で、首にしこりが出来るなんてことはありますか? ちなみに右にはなく、左だけにあるので怖いのです。お忙しいところ恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。

本当に非浸潤癌ならば転移を起こすことはまずありません。乳癌の転移以外の原因で、頚部にしこりが出来ることはあります。風邪など頚部の炎症でリンパ節が腫大する場合や、頚部の原発性腫瘍などが考えられます。(文責 石川)

 

No.8528】  08年11月27日   M.T
術後の検査について

今年11月で術後5年目に入ります。病理は1.28センチの硬癌。ホルモン受容体・ER PgRとも−、HE2 2+、FISH検査もマイナスでトリプルネガティブです。センチネルo/4、脈管浸潤なし、術後放射線とCAFの抗癌剤とフルツロンカプセル後、現在無治療です。今後毎年マンモの検査以外は行わない(希望があれば可)とのことですが、トリプルネガティブですので、再発した場合少しでも早く治療できるように検査を受けたいのですが、早く見つけても予後に変わりがなく無意味なのでしょうか。今後の検査をどのように受けたらよいのか、ご教示ください。

無意味かどうかわかりませんが、早く見つけても予後に変わりがないという報告は多く見受けられます。ただ早く見つかれば、早く対処でき、よい結果が得られることもあると考えます。術後5年目以降も、私は年一回は骨シンチ、胸部XP、CT検査など、2回は血液検査(腫瘍マーカー)を患者さんと相談しながら行っています。 (文責 石川)

 

No.8527】  08年11月27日   C.Y
術後の治療について(HPNo.8402-2)

HPNo.8402にて妹の乳がんの件で相談にのっていただいたC.Yと申します。その節はまとまりのない相談にもかかわらず親身にご回答していただき、本当にありがとうございました。報告が遅れましたが、妹の乳がんは約3cm、ステージUBとの診断で、11月11日に乳房温存+リンパ節郭清で手術を行い、今週退院の運びとなりました。術後の病理検査の結果、リンパ節転移なし、ホルモンレセプター陽性、Her2強陽性とのことで、術後8日目からノルバデックスを朝晩服用しています。妹の話では、他の方々の相談内容のような腫瘍の正確なサイズやがんの異型度、断端の陽性陰性、ホルモンレセプターの詳しい数値などの説明はなく、今後家族への説明の予定も特にないようです。今後の治療に関して、いくつかわからない点があるので教えていただければ幸いです。
1) 幸いリンパ節転移がなかったので、ステージはUAとなり、再発のリスクは高リスクから普通リスクになったと考えてよいのでしょうか。ただ、主治医は「リンパ節の近くまで行っていて危なかったが、リンパ節には転移していなかった」と言っていたそうです。これは断端がプラスで取り残しも考えられるということでしょうか。
2) Her2強陽性ということですが、Her2と異型度はイコールなのでしょうか。
3) 放射線はたぶん30回になるということで、退院後、放射線の病院のスケジュールで日程が決まるとのことです。抜糸も残っていて、年末年始をはさむので、年明けの開始になりそうです。放射線開始は術後6〜8週間が標準ですが、妹は正月明けがぎりぎり8週間、同じように正月待機の人も大勢いそうですし、Her2強陽性なので、これ以上遅くなって再発リスクが高まったらと心配です。一回あたりの量を増やして年内に終らせるとか、入院して正月も放射線を継続するいう方法は通常考えられないのでしょうか。
4) 術前の医師の説明では、ホルモン療法+化学療法→放射線という話でしたが、抗がん剤はやらなくてもよいことになったそうです。リンパ節転移がなかったためと思いますが、これは標準的な治療と考えて大丈夫でしょうか。
5) 放射線治療の後で、ハーセプチンを使う話も出ていますが、まだ確定ではないようです。ハーセプチンを使う使わないは何を基準に判断するのでしょうか。ハーセプチンは再発乳がんの治療例に多く使われているようですが、再発前の予防にも使えるのでしょうか。強陽性でも半数くらいの人にしか効かないようなので、一般の抗がん剤なしでホルモン療法だけで大丈夫なのか心配です。
6) ホルモン療法しかり、化学療法しかり、ハーセプチンしかり、治療の効果はどのようにわかるものなのでしょう。大きかった腫瘍が小さくなれば「効果あり」とはっきりわかりますが、腫瘍も切除し腫瘍マーカーも正常な状態では、今は効果の判断材料はないということになりますか。後々再発しなかったことで「治療の効果があった」という結論になるということでしょうか。
7) もし万一再発してしまったとして、再発するがんもHer2強陽性なのでしょうか。
 
私としては、病理の結果などもっと詳しく聞いて色々調べたいのですが、妹本人は「特に詳しく説明しないってことは、ごく標準的で想定内ってことだろうから、先生に任せといて大丈夫なんじゃないの?」と申しており、このまま退院しそうな感じです。外来の時に、一度ついていって医師に話しを聞こうと思っていますが…。長々とすみません。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

1) リンパ節転移がなかったことから、再発のリスクは低くなったと考えられます。「リンパ節の近くまで行っていて危なかったが、リンパ節には転移していなかった」ということが、断端がプラスで取り残しも考えられるということにはつながらないと思います。
2) Her2と異型度はイコールではありません。
3) 副作用、効果の問題もあり、まだ一回あたりの量を増やすことは行われていません。正月も放射線照射を行う病院は皆無です。
4) 標準的な治療の一つと考えられます。
5) 進行度、再発のリスクを考え判断します。再発前の予防に、術後の補助療法に使えるようになりました。
6) 予防的治療の効果は再発病変がないのでわかりません。腫瘍マーカーや画像診断で再発が起こらないかみていくことになります。再発が起こらなければ「治療の効果があった」可能性が出てくるわけです。
7) 再発の場合もHer2強陽性の可能性が高いと思われます。(文責 石川)

 

No.8526】  08年11月27日   T.K.
術後補助療法

定期健診で初期の乳癌が見つかり、8月に温存手術を受けました。私の場合の術後補助療法は一般的にどのようなものになるのでしょうか? 「・リンパ節転移は無し。 ・腫瘍径 12mm  ・グレード ??  ・腫瘍周囲の広範な脈管侵襲 ??  ・HER2の過剰発現無し ・ホルモン反応性 ER:高度 PgR:中程度 ・年齢 50歳」です。主治医からは、標準治療だからという事で、FEC100(4回)+タキソール(12回) その後放射線療法、ホルモン療法の治療をすると言われています。現在FEC100を3回まで終了しました。3回目を受ける時に主治医から、体力が持つならば6回やった方が良いと言われました。そこで標準治療について調べてみたのですが、私の場合はホルモン療法だけという選択肢もあるようです。主治医に抗癌剤治療を追加した理由を聞いたところ、グレード1というケースはほとんど無いため、腫瘍径10mm以上の中リスクの方には抗癌剤治療を実施していますとの事でした。また再発・転移のリスクを極力抑えるため、標準治療以上の治療をしているとも言っていました。
1) 治療というものは、すればするほど効果が期待できるものなのでしょうか? 過剰治療というリスクはないのでしょうか?
2) 過去の経緯は、2006年の検診では10mmの乳腺腫、2007年には11mmの乳腺腫、そして2008年に12mmの乳癌と診断されました。こういったケースは再発のリスクは高いのでしょうか?
3) グレードの件ですが、病理組織検査報告書には nuclear grade 1.g  とありましたが、主治医は 2+2=4グレードと言います。「分類は3までしか有りませんが・・・」と聞きなおすと、ではグレード3と思ってくださいとの事でした。別な分類があるのでしょうか?

あまり充分な説明を受けているという実感がなく、不安になっております。よろしくお願い致します。

1) 治療というものは、すればするほど一般的には効果が期待できると考えられます。しかし、副作用もそれに応じて、多く、ひどくなることも予想されます。副作用と治療効果を天秤にかけて治療方法を決めているわけで、またそれに対する反応も腫瘍の感受性、個人の体質にも左右されるので、治療を行ってみなければわからないことも多いのです。そんなわけで過剰治療というリスクは存在します。
2) 腫瘍の発育速度は遅いと考えられ、したがって再発のリスクは高くないと考えられます。
3) 核グレードは核の多型性、核分裂像数スコアでみるもので、2+2=4点ならグレード2になるはずです。 nuclear grade 1.なら2〜3点です。(文責 石川)

 

No.8525】  08年11月27日   K  
生検

8月下旬に無症状でしたが、マンモグラフィとエコー検査を受け、6ミリの腫瘍がエコーで分かりました。細胞診をして、クラス3aで、良性、悪性どちらの可能性もあるグレーゾーンだと言われました。はっきりさせるには、太い針で再度検査するよりも、局部麻酔で生検を勧められ、11月7日に検査をしてきました。腫瘍は8ミリになっていて、全て摘出したそうです。結果は2週間たった今も出ていないと言われ、まだ結果を待っている状態です。診察してくれた先生は大学病院で乳腺科をしていた先生ですが、今は大学病院の先生ではなく、開業医です。生検は、その先生の個人病院の近くの総合病院で、最初に見ていただいた開業医の先生が執刀しました。取った腫瘍は先生が前に勤めていた大学病院に依頼しているそうです。最初からガン専門の病院に行くべきだったのかと少し後悔しております。腫瘍の判断はとても難しいと先生はおっしゃっていましたが、ガン専門の大きな病院で見てもらっていたら、もっと早くはっきりしたのでしょうか? 腫瘍は専門のところでなくても、判断はしっかりできるのでしょうか? 切った腫瘍が判断がつかず、また新たに検査が必要な場合もあるのでしょうか? 37歳、女です。2人の子供がいます。

癌専門病院なら、あちこち組織標本を送る手間が省けるので、もっと早く結果が出た可能性は有り得ます。腫瘍は専門のところでなくても、病理医はしっかりしているはずなので判断は信用できるはずです。切り取った腫瘍の診断は、いろいろな多数の病理医に相談することはありますが、判断がつかないということはないと思います。(文責 石川)

 

No.8524】  08年11月27日  A.M.
転移について

43歳、独身です。左胸に4cmのしこりがあり、総合病院の乳腺科でマンモグラフィー、エコー、マンモトーム生検の結果、「非浸潤性乳管癌で乳腺全摘出、転移の可能性はまず無い」と、11/11に診断されました。その後、11/21にも血液検査、MRI検査をした結果、「転移の可能性は無いと思います。術後の化学療法も必要ないので、切って終わりで、1週間程度の入院ですよ」と、先生に言われました。左肩と左首に痛み&しびれを継続的に感じていることを先生に告げ、「転移の可能性があるのではないですか?」と聞いたのですが、「関係ないと思いますよ。来週入院の日程を決めましょう」と明るく言われ、安心して帰宅したものの、その日の夜中に左脇にズキンという痛みを感じ、触ってみるとシコリを発見。びっくりして翌日、土曜診察している乳腺専門病院を探して無理やり診察をしてもらったところ「脇のしこりが大きいね。エコーで見る限り断言できないけど、転移の可能性が無いとはいえない。」と言われました。実際、転移の有無というのは入院・手術するまでわかならいものなのでしょうか? ある程度は検査の段階でわかると思っていたので、私としては手術前に心構えとして転移の可能性があるのであれば、はっきり言って欲しいのですが、痛みの症状の訴え方が足りなかったのでしょうか。

腋窩リンパ節転移の有無は、手術して病理組織学的検査しなければわからないことが多いのが実情です。臨床的に、また画像検査でリンパ節が大きいほど、硬いほど、転移がある可能性は高くなります。腋窩リンパ節転移のために痛みが出るということは、よっぽどひどくない限り普通は有りません。(文責 石川)

 

No.8523】  08年11月26日   L.H.
乳管内乳頭腫

私は40歳、子供一人、授乳経歴は半年くらい。二、三年前、乳首から水のようなものが出たことがあった。今年8月、乳首から出血し(一か所)、翌日あわてて病院へ行って診察を受けました。エコーとマンモグラフィ検査で何もみつからなかった。出た血は細胞診をし、一週間後、結果はAでした。先生は「大丈夫だろう、乳腺症かな・・・」と、言いました。何日かたって、手で無意識に左胸を触った時、乳首下1〜2センチくらいの所に、小さいしこりを見付けた、ちょっと硬く、周りと違い、はっきり分かる。触るうちにだんだん大きくなるの気がする。10月中旬、再び乳首を押して、同じ所から出血した。また病院へ行き、乳管鏡の検査を受けました。別の先生でした。その場で2ミリくらいのしこりがあったが、先生は、「目で見てそうな悪いものではないかな。とにかく取って検査しましょう。」との事でした。ほとんどとれたが、僅かに残った。また一週間後、病理検査で乳管内乳頭腫と教えてくれた。「良性だから、半年後経過観察して見ましょう。」という事でした。無事で良かったが、左胸は大きくなって、重くなって、下部根元とつながる胸骨が多少痛みか違和感がある。左肩が凝り、左背中は時々多少痛みか違和感がある。乳首周りを触ると、小さいしこりが何か所あるのが感じる。以前取った場所を触ると、残ったしこりがはっきりわかる。心配でまた二日前病院へ行ったが、最初の先生は乳管鏡の検査結果を見て、「がんじゃないから大丈夫」と言い、私がしこりがあるらしいといっても触診してくれない。「心配だったら、三週間後エコーで検査しましょう。」と指示した。最初の検査はエコーで何も見つからなかったのに、またやる効果があるのか、またエコーで異常なしで信じでいいのか、(手でわかるしこりはほっとしたらいいか)、乳管内乳頭腫の残る部分はそのまま経過観察していいのか、水のようなものが出るも平気かな。診察を受けた先生は乳腺専門医だけど、詳しいことはあまり教えてくれず、症状を聞いてくれず、すぐ検査を進める。乳管内乳頭腫という病気のことは全部自分でHPから調べたが、がんとの区別がすごくむずかしいと言われる。私は念のため他の病院へ行く必要がありますか。いい乳腺科がある病院を紹介くれませんか(東京都内近辺)。ご返事をお待ちにしております。

乳頭腫を切除して日も浅いので乳首の周りにはその影響が残っているのでしょう。心配であるならまたエコー検査を受けてください。この時期に病院を変えるのは得策ではありません。(文責 吉田)

 

No.8522】  08年11月26日   Y.B.
妻の化学療法について(HPNo.8464-3)

前回(No.8464)でご相談させて頂いたものです。11月13日に右乳房全摘手術が無事終了いたしました。その際、センチネルリンパ生検を実施し、そのリンパに転移があったため、リンパ節の第1群まで切除しました。術後の所見で、年齢32歳ということ、センチネルリンパに転移があったことから、化学療法をすぐ行ったほうが良いとのことで、11月21日から化学療法を開始致しました。化学療法の内容は、エンドキサン 500mg/u、5-FU 500mg/u、ファルモルビシン 100mg/uを3週間に1回を1クールを4クール、その後、タキソール 80mg/uを1週間に1回を3週連続を1クールとし、4クールを実施する内容となっています。病理の結果は出ていない状態で、ホルモン治療の適用となれば、その後、ホルモン治療を5年ということでした。ステージは確定しておりませんが、腫瘍が7〜8センチあったこと、センチネルリンパ節に転移があったことから、再発のリスクが高いと主治医からは言われています(予想ステージVa)。そこで、お伺いしたいことがあります。
1) 病理結果がでていない状況での今回の化学療法の内容は妥当であるのか? 他に良い、化学療法の内容があるのか?
2) 化学療法を行うことにより、再発リスクはどの程度下げることができるのでしょうか?

度重なる相談で恐縮ですが、宜しくお願い致します。

1) 妥当だと思います。現在のところ実質的に最良の化学療法でしょう。
2) 病理の結果が出ていない状況なのではっきりしたことは分かりませんが、32歳と若いこと、リンパ節に転移があること、大きさ7〜8cmであることを考えると、控えめに見ても再発のリスクは40%位と思います。化学療法を行うことによって、再発のリスクは1/2〜1/3位減少すると思います。(文責 吉田)

 

No.8521】  08年11月26日   M.A
結果がでるまで(2)

早速のご返答ありがとうございました。大変参考になりました。私の場合、マンモではっきり白い部分が見えた「左」の乳房の方がどっしり重く、中身が詰まっているのですが、そこまで白く見えなかった右の方はしなびた感じで、左ほどの張りはありません。主に左胸が少し痛むのですが、稀に右も痛むことがあります。重ねての質問で恐縮ですが、
1) 乳腺症の程度に左右の差はあるのでしょうか?
2) 今年一月に断乳しました。分泌液はないと先日のメールで申し上げましたが、昨日以来強く乳首付近をしぼったときだけ、張っている左の方からだけ母乳とそっくりの分泌液がたまに出ることがあります。色は基本的に白色・乳白色ですが、時々透明な液が混じることもあります。ここ数日、乳がんかと心配しすぎで、何度も何度も(寝る時でさえ)いろんな姿勢でいろんな角度から左の胸をつよく押したり掴んだりとチェックを頻繁にしていたから乳腺を刺激してしまったのでしょうか? 今までは気づきませんでした。それとも乳腺症の症状として考えられますか? 服用している低用量ピルの副作用でしょうか?

何度も申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

乳腺症に左右差はあります。一月で断乳したのならその影響があると思います。左乳房には母乳が詰まっているところがあるのではないでしょうか。乳癌の症状ではないですが、ピルは関係あると思います。(文責 吉田)

 

No.8520】  08年11月26日   A.Y.
タモキシフェン5年後(2)(HPNo.8488-2)

タモキシフェンを5年服用後のことについてお返事をいただき、ありがとうございました。友人の再発転移との戦いを日々見つめています。このことからも再発転移のリスクはできる限りなくし、無病生存率を高めたいという思いから、さらに質問させてください。自身の希望としては、閉経が認められたらアロマターゼ阻害剤を服用したいと願っています。現在48才なので、あと5年ぐらい後と推測されるというドクターのお話でした。その5年間をつなぐ手立てはないのでしょうか。タモキシフェンの5年服用と10年服用では、かえって10年服用のほうが良くないと聞きました。とすると、やはり使えるホルモン療法は、アゴニストかな?とも思うのですが、標準治療ではないと聞いてはいるのですが、単独の利用は理論的にはいかがでしょうか?(2〜3年くらいアゴニストを打って、生理をとめることは悪くはないと言われたのですが、そう言ってくださるドクターは一人しかいませんので、それもまた心配です。) わがままな質問で申し訳ありません。

この時期にアゴニストを使用することは標準的ではなく、効果も定かではありませんが理論的には間違ってはおりません。個人的には患者さんの希望があれば閉経が確認できるまで投与いたしますが・・・。主治医とよく相談してください。(文責 吉田)

 

No.8519】  08年11月26日   R
しこりの大きさと術後化学療法(HPNo.8496-2)

HPNo.8496のRです。お返事ありがとうございました。先生からのアドバイスで、【2)Rさんの病理結果で、術後の再発予防の治療を考える際、仰るように「リンパ節転移の有無・年齢」の他に、「トリプルネガティブ。グレード3。リンパ節転移無し。」も重要な要素です。「トリプルネガティブ。グレード3。」は、化学療法を是非行ったほうが良いとする根拠になります。一方、1cm以下の浸潤径とリンパ節転移無しは、AC−TやEC−Tなどのフルコースを必要としないと判断する材料にもなります。結論ですが、絶対これというエビデンスがない(どちらも間違いでない)のです。個人的には、「トリプルネガティブ。グレード3。」に重きを置いて、タキサンを含むEC−Tをお勧めします。】とあり、判断に難しく、気になることがありますので、もう少しだけご相談に乗って頂けると幸いです。

実は、上記に書かれています「病理結果」はマンモトーム時のものです。マンモトームをやった病院と手術した病院は違うところでした。しこりの8mmという大きさは、マンモトーム前の最初のエコーとマンモグラフィーでの予測の大きさです。マンモトームを行った先生は「取りすぎてしまったかな? 癌が取れてしまったかもね。」など呟いていました。翌日この医院で「タキソテール」を病理結果が出る前に一回投与されました。経口のホルモン剤と抗がん剤も服用しました。少しずつ自分で勉強していくと、あまりにも手順が違いすぎ、マンモトームの病理結果が出る前からの術前の治療に不安が募り、セカンドオピニオンを受け、転院しました。そして転院先で2ヶ月半後に手術となりました。手術後(全摘)の病理結果では、「確認できたのは、石灰化と非浸潤癌のみ」「浸潤癌の8ミリのしこりの部分は、確認できなかったのでマンモトーム病理結果で判断し、術後の治療に入りましょう」と説明を受けました。

1)  8mmのしこりは、マンモトームで完全に取れてしまった?
2) 1回だけの術後のタキソテール(50mg)と内服の薬で消えてしまった?(このような投与回数や量で、8mm程のしこりですと、消えてしまう可能性もあるのでしょうか?)
3)  2ヶ月半後の術後の病理結果で取れた浸潤癌はなし。

このような結果から考えて、1cm以下の浸潤径とリンパ節転移無しは、AC−TやEC−Tなどのフルコースを必要としないと判断する材料とすべきか・・・、絶対これというエビデンスがない(どちらも間違いでない)のです。個人的には、「トリプルネガティブ。グレード3。」に重きを置いて、タキサンを含むEC−Tをお勧めします。とすべきか・・・。どちらに重点をおくべきか、主治医の先生も私も迷っています。「トリプルネガティブ」しかも「グレード3」で、増殖が早く、性質が悪いわりに、術後の検体が取れなかったのも不思議です。この部分も良く考えても良いのでしょうか? 変わったケースかと思いますが、ご意見をお聞かせ下さい。よろしくお願いいたします。

要約すると「術前で1cm以下とみなされた乳癌とマンモトーム生検したらトリプルネガチィブ、グレード3、と判断され、その後タキソテールを一回と経口抗がん剤とホルモン剤を服用。病院を転院し乳房全摘を受けた。その結果摘出した乳房には非浸潤癌しか見られなかった。」ということになります。トリプルネガチィブ、グレード3の癌が一回だけのタキソールで浸潤癌が消えることもあるかも知れませんし、全部取りきれていたのかも知れません。真相は誰にもわからないでしょう。しかし実際にはこのようなことは幾らでもあります。基本的には中間リスクですので、ACまたはこれに相当する化療が最低でも必要でしょう。わたしもCE−Tを個人的には勧めます。(文責 吉田)

 

No.8518】  08年11月26日   W.H.
マンモトーム生検でもはっきりしないことってあるんですか?

41歳、既婚です。毎年、乳腺クリニックでエコーとマンモの検査を受けているのですが、今年のマンモに気になる石灰化があると言うことで、マンモトーム生検を受けました。10個採った細胞のうち2個はっきりしないのがあるということで、そこの部分を全身麻酔で、小さく切って調べてみて、悪性ならばもう一度手術になると言う話でした。MRI(造影剤)にも、エコーにもなにも写らない状態です。しこりもありません。このような状態で良性の可能性はあるのでしょうか? とても不安でいっぱいです。

マンモトームで癌の診断がつかないことは稀にあります。また浸潤癌か非浸潤癌であるかは、はっきりしないことは多いです。MRIやUSに写らないものは非浸潤癌であることが多いですが、勿論良性であることもあります。(文責 吉田)

 

No.8517-1】  08年11月26日   S.O.
術後の痛みについて

今年10月31日に手術。11月26日に病理検査の結果を待ち治療を始める予定ですが、痛みについて教えていただきたいのです。術後も痛み止めは使いませんでした。指の痺れが術後1日ほどありましたが、すぐなくなり、腕のリハビリも少しずつ始めました。傷の痛みもそれ程なかったのに、1週間ほど過ぎから上腕部、脇、乳房の外側付近がピリピリ、下着ですれるのも痛く感じるほどです。触れば痛みはあります。痺れも手首から指先にジンジンしたのが1度、それから指の腹に感じます。痛みは小さくなるのが普通なのに、この痛みは乳がんの術後にはあるものなのでしょうか。放射線治療は始めると言われていますが、それまでにこの痛みが残ったまま始めても大丈夫でしょうか。脇を締めるのが痛いときもあります。57歳です。温存で、センチネルで4個のリンパを取りました。相談メールを読んでも痛みに関してありませんでしたので、宜しくお願いいたします。

痛みは個人差があり、乳癌術後の痛みについての信頼できる研究はありません。一般に術後暫くして出現する痛みや痺れ感は、手術により損傷された神経が回復する過程で出てくるものと考えられます。程度がひどい場合は痛み止めの服用が必要でしょう。放射線治療は始めても問題はありません。2ヶ月で軽快するものが多いように思います。(文責 吉田)

 

No.8517-2】  08年12月01日   S.O.
放射線の開始時期、ホルモン治療について

HPNo.8517で、術後の痛みについてご返事を頂き、有り難うございました。痛みはまだ続いていますが、時間の経過を待ちたいと思います。病理検査の結果、非浸潤性、ホルモン受容体ということでした。
1) 出産経験が無く、閉経も56歳に近かっかったので、子宮体癌のリスクの低いほうが良いと思い、アリメデックスを選択しました。薬をどれぐらいだしますかと聞かれ、とりあえず2週間分頂ました。副作用の出方も人それぞれだと思いますが、どれぐらいの間隔で薬を貰い、副作用の様子をみればいいでしょうか。
2) 放射線科の予約を12月4日に取り、その日から始まると思うとの主治医の話でした。「お正月休みが入りますが」と言いましたところ、「空かないほうがいいけれど仕方ないですね。」とのこと。こちらの相談室を読ませていただいて、始める時期が遅くても、空かない方が良いと知りました。放射線科の先生がどう言われるのか分かりませんが、主治医と同じ方針であれば、それに従うべきでしょうか。空かない方が良いのなら、こちらで知りえたことを伝えてもいいものでしょうか。手術は10月31日でした。

初歩的な質問ですが、宜しくお願いいたします。

1) 2週間内服して、副作用出なければ、だいじょうぶの可能性が高くなると思います。私は2週間の次は1ヶ月分処方しています。それで問題なければ、次からは2か月分出します。数ヶ月して副作用が見られることもあるので、何か気になることがあれば、すぐ受診してもらうようにして、副作用をチェックしています。
2) 「放射線照射開始時期が遅くなっても、照射間隔が空かない方がよいと聞いているのですが」と、率直に話され、放射線科の先生と相談されるのが良いと思います。(文責 石川)

 

No.8517-3】  09年05月15日   S.O.
アリミデックスの副作用について

HPNo.8517でご相談させていただいて3度目になります。いつも読ませていただいて参考にしています。自分にも当てはまる質問等もありますが、不安もあり直接お聞きしたく、お忙しい中、宜しくお願いいたします。去年10月末に手術し、今年2月14日に放射線治療を終え、アリメデックスを服用しています。5ヶ月をすぎた頃から手に痛みが出はじめました。関節の強張り、ズキズキした痛みなど、毎日同じ場所ではなく、1箇所が少し痛み、治まり、次は違う箇所という状態です。3日ほど前から強張りが強くなった感があります。薬を飲み始めて1ヶ月後ぐらいに膝に痛みがありました。少しは以前からありましたが、ひざ全体(ひざ裏)が重たい状態でした。手が痛み始めたときに辛く、1週間服用を止めました。完全に痛みが消えなかったし、少し楽になったので、服用を再開しました。ひざはすごく楽になりました。薬の副作用なのか、リュウマチの症状なのか、心配になっています。もし薬の副作用なのか確認するために休薬したいと思うのですが、不安でもあります。どれぐらいの期間休めば症状が消えるでしょうか。薬の副作用として、このまま飲み続けた場合、症状はひどくなるのでしょうか。休薬した場合のリスクはありますか。できることなら、この薬で続けたいと思うのですが・・・。宜しくお願いします。

関節痛は、アロマターゼ阻害剤の副作用として結構あります。なんとかやっていける範囲だったら、がんばって飲んでみてください。数か月くらいで慣れてきて楽になってくる人も結構います。アロマターゼ阻害剤の効果は、再発率を下げることですから、中止するとその効果が期待できないということになります。いずれにせよ、主治医と相談して飲み続けるかどうか決定すべきですので、主治医に早めに相談してください。(文責 俵矢)

 

No.8516】  08年11月26日   YS
中間リスクの術後補助療法の相談

9月末に右乳がんと診断され、温存手術を受けました。現在、放射線治療中です。病理結果は、「充実腺管癌、グレード3、T1cn0m0、ER(+)、PgR(-)、HER2(+)」です。ホルモンレセプターは弱い陽性というようにいわれました。年齢は48歳、閉経前です。術後の抗癌剤治療は経口薬(5−FU)を進められました。しかし、再発リスクをガイドラインから考慮すると中リスクとなり、上記ではかなり弱いのでは、と主治医に質問しました。主治医の考えとしては、
1) 脈管侵襲はリンパ管に多少、というレベルであり、中リスクの中でも低の分類でいいと思っている。
2) 他の薬を希望するなら、ウィークリータキソールがいいのでは?
3) それ以上強いものはT-AC療法←やりたいというならやってもいいですよ・・・という言い方でした。
4) ホルモン治療はやってもあまり効果はないと自分は考えているが、効果があるという意見もあるので、やりたいならやってもいい。

というように説明を受けました。

<<ご質問>>
私のようにステージ1ながら、悪性度(グレード)で中間リスクに入ってしまった方で、ホルモン受容体が弱い、あるいは陰性の場合は、かなり積極的なレジメンが処方されているように伺います。例えば、EC,AC、TC,またはAC-T、FEC-Tなど。Adjuvant Onlineを使用したところ、AC-Tレベルの治療で、やっと10年生存率が80%台後半まで行く結果が表示されました。またTC療法も成果なども解説されていましたが、私の主治医はTCはまだやったことがなく、日本でのエヴィデンスが十分ではないと考えていらっしゃいます。しかしながら、私として、期間の短さ、副作用などから、AC-TよりはTCが望ましいように思えます。標準治療という観点から、どのようなレジメンでどれくらいの効果が期待できるのか、教えていただきたいと思い、投稿いたします。よろしくお願いいたします。

ACにくらべTCの5年無病生存率(再発なしに生存している率:AC80%, CT86%)は有意に勝っており、中間リスクの術後補助療法としてACに変わろうとしています。しかし5年生存率は、AC87%、CT90%で有意差はありません。CTが出現してからまだ日が浅いので、10年生存率は不明です。このデータは中間リスクだけではなく、もっとstageの進んだものも含まれておりますので、中間リスクだけに限定すればもう少し良くなると思います。おっしゃる通り中間リスクの乳癌の術後補助としては最適と考えられますので、日本での安全性を確認のために、私たちの施設でも臨床試験をおこなっております。補助療法としての効果は、EC,AC,TC,AC-T の順に強くなると思われますが、副作用も強くなります。(文責 吉田)

 

No.8515】  08年11月26日   S
背骨横の筋肉が傷みます

昨年11月に右全摘手術をしています。病理の結果、浸潤性乳管ガン、顔つき3、ホルモン感受性なし、ハー2 +3、リンパ節 1/17(0.14ミリ)、小さいのがたくさんあるので、しこりが何センチとはいえないとのことです。乳管から顔を出しているところは、最大で4ミリ。ほかにも顔を出しているところはありました。術後に、EC4クール、現在1年間のハーセプチンを投与中です。現在57歳。CEAが3ヶ月ごとに、2.8→3.5→4.2と上昇しています。2ヶ月前より、背骨横の筋肉が傷みます。普通にしていると痛くはないのですが、セキをしたり、腕を大きく動かしたりすると痛みます。術後1年も経過していないのに、転移している確立は高いでしょうか? 痛みは個人差がありますか? 抗がん剤は、これで十分だったのでしょうか?

転移の可能性はありますが、確立は低いと思います。しかし骨シンチやMRIで検査が必要と思います。骨転移の痛みは様々で個人差はあり何とも言えません。多発性の浸潤癌であり、リンパ節に微小転移がある状態です。抗がん剤の治療は標準的と思われますが、不安でしたらハーセプチンが終了後、タキサン系のものを追加しても良いでしょう。(文責 吉田)

 

No.8514】  08年11月22日   S 
CEA

術後1年経過の現在、CEAが4.2と、高めと言われています。この値が変動することはよくあるのですか?

もともとCEAが高目であるヒトはおります。そのような場合は何度測ってもあまり変動いたしません。しかし再発の場合は段々上昇していきます。(文責 吉田)

 

No.8513】  08年11月22日   M.A.
結果がでるまで

お世話になります。39歳、2児の母(2歳と4歳)です。もともと乳腺症があり、授乳中には何度も乳腺炎を繰り返しました。今年1月に断乳して以来、しこりと痛みが気になっているので(分泌液はなし)、これまでに2人のドクターに3回触診してもらったところ、いずれも「乳腺症から来るしこりには触れるが、いずれも良性のものである」ということで、マンモも超音波もしてもらえませんでした。アメリカ在住のため、こちらではドクターが異常とみなさない限り、40歳未満はマンモも超音波はなかなかしてもらえません。そして今月晴れて(?)40歳になるので、早速マンモを受けに行ってきました。まだ結果は出ていませんが、ちらっとみたフィルムでは、片方の胸(押すと痛みとしこりがある方の胸)にはっきりと「濃い」白い部分が写っているのが見えて、もしかしたらそれが癌では?と心配になりました。比較的大きなものだと思うのですが、くっきり光った白いところがかたまって2箇所くらいありました。他のうっすらした白い部分に比べて、かなり際立った白だったので、石灰化したものだと思われるのですが、悪性だったらどうしようかとパニック状態です。二人目授乳中に乳腺炎を4・5回患ったのですが、それが石灰化の原因になることがありますか?
何でも良いのでアドバイスをお願いします。結果がでるまで一週間ありますが、最悪の事態に備えて心構えをしようかと思いまして・・・。長々とすみませんでした。  

乳腺炎が石灰化の原因となることはあります。多くの乳癌の石灰化は微細なものであり、一寸みただけでは分らないと思います。フィルムを見ないと何とも言えませんが、「濃い」白い部分は乳腺症ではないでしょうか?(文責 吉田)

 

No.8512】  08年11月22日   K 
副作用?

この12月で、温存で術後2年になります。ホルモン療法中で、閉経前なので月に1度ゾラテックスの注射とタスオミンを服用しています。今まで、不眠、関節痛、ホットフラッシュなどの副作用がありましたが、あまりひどくはなかったので気にしていませんでした。もうすぐゾラテックスは終わりますが、最近動悸が気になり、血圧を測ったところ高く、足もむくみが出て、手が震えたりして、ホルモン治療の副作用かなと思って様子をみていましたが、もしかして心臓かな?と思い循環器内科で診療を受けたところ、甲状腺機能亢進症と言われました。これは今のホルモン治療と何か関係ありますか?

甲状腺機能亢進症と乳癌のホルモン療法とは関係ありません。しかし甲状腺機能亢進症を示すバセドウ病はストレスにより発症することもあります。乳癌の治療そのものがストレスであり、それが誘引となったのかも知れません。(文責 吉田)

 

No.8511】  08年11月22日   K 
36歳の妻の術後療法について

20日ほど前にステージUAの乳癌で、リンパ隔清を含む左胸の全摘手術を受けた36歳の妻の術後療法の事で非常に悩んでいます。妻の病理所見は、『・腋窩リンパ節転移なし(1…0/18、2…0/2) ・脈管浸潤なし(リンパ管0、血管0) ・腫瘍径18×22mm・グレード3 ・HER2/neu発現2+(FISH法提出中) ・ホルモンレセプターER+>90%、PGR+40〜50%』です。報告書では、脂肪組織に浸潤しますが皮膚浸潤はなく、断端はnegative、核異型は中等度とされています。局所治療からの快復も順調で、全身状態良好、術前・術後のCT、レントゲンに問題はなく、腫瘍マーカーも正常です。この結果を受けて、主治医の先生は、アメリカの某オンラインソフトを使った療法別の再発予測データ(術後療法なしなら10年以内再発率44.8%、化学療法単独で13.6%、ホルモン療法単独で14.9%のリスク減、併用なら24.7%のリスク減)を示しつつ、「化学療法(EC4クール)→ホルモン療法(タモキシフェン、トレミフェン、LH・RHアゴニスト)5年、FISH法の結果によりハーセプチン1年」という術後療法を推めてくれました。 説明の場では、私たちは近い将来に子供をもうける希望があるという事で、主にホルモン療法について態度を保留したのですが、その後、術後療法について、次のような、患者としての素朴な疑問が出てきたのです。
●疑問1…リンパ節転移も脈管浸襲もなく断端もnegativeという事は、微小転移のリスクは低いと私には思えます。専門家の知見では、そうとも言えないのでしょうか。
●疑問2…もし転移が存在する可能性が低いとしたら、病巣を取り去った段階で予防的治療の標的となるのは、「未確認で原発性の微小ながん(例えば対側乳房など)」という事になるのでしょうか。
●疑問3…手術で除去した病巣の組織についてはグレードが悪くHER2も高めだったという事が、即、“もし原発性の微小ながんがあれば最初からそれと同様の悪性(グレードやHER2発現度)を持っている”事になるのでしょうか。
●疑問4…アメリカの某予測ソフトには、リンパ節転移の入力項目はありますが、脈管浸潤については入力項目がありません。私は、血行性転移の可能性を判断する上で脈管浸潤の有無は重要だと思うのですが、専門家の知見ではいかがでしょうか。
(脈管浸潤の有無を考慮したデータであれば、妻のケースはこのソフトよりも良い予測が得られるのではないでしょうか。)
●疑問5…妻のケースを中間リスクと判断するポイントの一つに腫瘍径がありますが、長径22mmでも短径18mmなら、リンパ転移・浸潤のない事などと考え併せて、実質的に非該当圏内とみる事はできませんか。
●疑問6…現時点で、がんも見つからず腫瘍マーカーも正常な状態で薬を始めても、何をもって奏功とするのか分かりません。投薬中に再発の兆候がなければ効果あり、とするには副作用等の代償が大き過ぎると思うのです。

私の基本的な願いとして、妻には5年、10年ではなく、私より長く、50年でもそれ以上でも元気に過ごして欲しいと思っています。子供はまだいませんが、あきらめた訳ではありません。(ただ、子供を望むか妻をとるかとなれば、当然妻の命を救っていただきたいです。) 術後療法を行う場合、それが終了してからの人生の方が随分長いと考えますので、終了後、免疫力や女性としての能力にダメージを残したくなく、治療中の副作用も可能な限り少なくしてあげたいと願いますし、二次がんや心筋症などは、絶対に引き起こしてはならないと思います。私は医学的なエビデンスに基づく治療を求めますが、生活や環境改善等によって自然のNK活性を高めつつ、再発防止に有効な必要最小限の治療をお願いしたいのです。
以上のような点について疑問を持った状態では、先生がお示しになったプランは、(国際標準に合致しているのだと思いますが)妻のケースでは少し念が入り過ぎているというか、副作用やQOL等のマイナス面と較量すると、そこまでやらなければならないのだろうかと、患者としてはどうしても及び腰になってしまうのです。説明の場で、主治医の先生は、私たちの悩みをよく理解してくださり、病院としてお薦めの方針は変わらないとしながらも、薬の選択などについて要望をきくとおっしゃってくれましたので、私は、5年以内の妊娠出産をあきらめる場合とあきらめない場合について、素人なりの方法を考えました。
あきらめる場合…化学療法をCMFにしてもらって、その後トレミファンを単独で5年。
(私は現時点で、転移リスクが低いと思っているので、薬の強度よりQOLを優先したのですが、原発性のものが存在した場合には手ぬるいのでしょうか。)
あきらめない場合…化学療法をCMFにしてもらって、終了後1〜2年時期をみて可能であれば子供を作る方向で努力し、その結果子供が生まれても生まれなくても、その後、ホルモン療法を行う。(再発がない事が大前提で術後療法に産休をもらうようなものですが、現実的にはどうなのでしょうか。)

何が最善なのか、判断がつきかねています。妻に、必要以上に辛い思いをさせたくないのですが、身内に降りかかった困難に対してはどうしても楽観的に考えたい心理が働き、その為に判断を誤って取り返しのつかない事になっては絶対にいけないので、今後妻にどういう治療をうけさせてあげたらいいのか、もう一度主治医の先生とお話しする前に、専門家の皆様のお立場からご助言、ご教示いただきたいのです。態度保留のまま入院継続させており、退院すべきかどうかの判断も含めて、急いでいます。皆様ご多忙の折まことに恐縮ですが、どうか宜しくお願いします。

1) リンパ節転移と脈管浸潤がないことは微小転移のリスクの低いことと関係いたしますが、断端negativeであるということは局所再発のリスクに少ないことに関係いたします。確かに同じ大きさの癌でリンパ節転移や脈管浸潤のあるものより微小転移のリスクは低いと思います。
2) 予防的治療の標的は「原発性の微小ながん」ではなく、血液を介して全身に飛び散っているかもしてない癌細胞と微小転移巣です。
3) 通常そのように考えて通常は治療しています。
4) 脈管浸潤の有無・程度はリンパ節転移の程度とおよそ一致いたします。それに脈管浸潤は、リンパ節転移と違い施設間で多少バラツキがありますので、リンパ節転移ほど重要視されていないのでしょう。よく用いられるアメリカのソフトは、日本人の実際よりも多少予後の予測が悪く出る傾向があります。
5) 残念ながらこのメ−ルのデータからは中間リスクとすべきだと思います。
6) お気持はわかりますが、何が再発予防の点で必要最小限か良くわかっていないのが現状です。CMFの副作用は弱めですが、卵巣機能を抑制しますのでお勧めしません。標準治療を逸脱しますが、まずCEを4クール行いその後FISHが陽性ならばハーセプチンを一年は必須でしょう。陰性ならばタモキシフェンを1−2年。その後可能であれば出産していただき、それからホルモン療を出来るだけ長く行うということを個人的には勧めます。(文責 吉田)

 

No.8510-1】  08年11月22日   S 
関節がこわばります

よろしくお願いします。年齢は50歳です。昨年10月に右に5cmの乳癌が見つかり切除しました。その後、抗癌剤EFCを6回受けました。今年5月からゾラデックスを月に一度、ノルバデックスを服用しています。良くないことばかり考えていましたが、ようやく気持ちを整理し、受け入れて仕事にも復帰しました。気がつけば9月位からだと思いますが、膝のあたりがガクガクして、しゃがむのが辛くなりました。その内に指がこわばり、手を握ぎりしめるのが困難になってきました。握ったあと指が戻らなくなり、カクンとすることが多くなりました。主治医に相談したところ、女性ホルモンのクッションがないため、老化が早まっているのではないかとのことでした。動かさないと固まるから運動するようにと言われました。お聞きしたいのは、このような関節のこわばりはどのように対処したらいいのかということです。運動はしているものの良くはなりませんので、他に和らぐ手だてはないのでしょうか?

ホルモン療法中に時々あなたの様な副作用がみられます。多くは運動やロキソニンなどの消炎鎮痛剤で軽減いたしますが、ひどい場合はホルモン療法を中止しなければないこともあります。またビタミンD3剤なども有効なこともあります。主治医とよく相談してください。(文責 吉田)

 

No.8510-2】  09年02月16日   S 
体重の増加について

No.8510で関節のこわばりについて質問したSです。答えていただきありがとうございました。とても安心しました。救うてだてがあるとわかり気持ちが落ち着きました。自分なりに運動を続けたり、暖めたりと、これ以上ひどくならないように出来る範囲で努力するようにしました。良くはならないのですが、前ほど気にしなくなりました。
私は51歳です。2007年11月右乳房切除5センチ、抗癌剤EFC6回、2008年5月ノルバテックス服用ゾラデックス月一投与の患者です。今まで後ろ向きだったので、主治医の話も頭に入ってなく、今更ですが、お聞きしたいのです。診察の時に体重の増加がないか、いつも聞かれます。増えると多分良くないんだと思いますが、どうしてなのか知りたいと思います。ホルモンのお話だったような気がしますが覚えていません。お酒も止めましたし、食事も野菜中心とした内容に変えました。少しでも自分自身の気持ちを良い方向へ向かわせたいと思います。こんな質問ですが、よろしくお願いします。

術後肥満になった方は、そうでない方に比べて再発率が高いという疫学的な研究があるので聞かれているのだろうと思います。背景にあるメカニズムはよくわかっていません。(文責 徳田)

 

No.8510-3】  09年08月26日   S 
怪我をしました

何度か相談をしています。いつも丁寧な回答をいただきありがとうございます。安心できますし、答えてもらえた事が本当にうれしいです。HPNo.8510の投稿のSです。リンパ節を切除しています。半月ほど前に切除側の指を切ってしまいました。たいしたことはないと手当てもしなかったのですが、翌日ぐらいに腕が張るような感じになり、慌ててしまいました。その後、自然にもとに戻りましたが、主治医には叱られました。もっと詳しく聞きたかったのですが、限られた時間なので諦めました。色々と注意が必要だと本にも書いてありました。今回の怪我で、癌患者なのだと改めて思いしらされました。今の時期、虫刺されにも気をつけるように言われました。これからもっと慎重に暮らしていきたので、どうして怪我などが簡単に張りのような痛みを引き起こすのか教えて下さい。お願いします。

けがをしたり、虫刺されをすると、通常(手術をしてない方の腕でも)腫れがおこります。そこに感染をおこすと、もっと腫れます。リンパ節切除を行ったほうの腕では、通常より腫れがひきにくい傾向があり、そのことをきっかけに、腕のリンパ浮腫(むくみ)を発症することがあるので「注意してください」といわれるのです。もちろん必ずリンパ浮腫を発症するというわけではないですが、なるべくそういう機会を減らした方がむくみを発症しにくくなるので、注意してくださいね。(文責 俵矢)

 

No.8509】  08年11月20日   M. K
今後の治療について 

49歳と10ヶ月、介護福祉士をしております。今年10/1に左乳房腫瘤摘出術施行(margin含め乳腺部分切除施行)。病理診断は、Invasive ductal carcinoma, left breast
1. 胞巣状・索状に浸潤増生する腫瘍を認める。一部に腺腔形成をみる。一部に脈管侵襲を疑う部分がある。
2. 明らかな悪性所見は認めない。切断断端は標本上は陰性と考える。
f.
Nuclear grade 2
Mitotic count 1

このような結果を踏まえ、10/23 左腋かリンパ節郭清レベル1施行、病理診断は、20こ中0でした、11/17から放射線治療に入ります。主治医はホルモンの受容体、Her2の発現を調べます。次は11/13に受診予定です。この相談室を閲覧して感じたのですが、私はグレード2なので化学療法+ホルモン療法のほうがよいのでしょうか? ホルモン受容体の結果はまだですが、ホルモンがプラスの場合とそうでない場合を教えてください。主治医は、「放射線の後、ホルモン療法を考えています」と、おっしゃっていました。それと、10/1の手術から11/17の放射線治療まで47日も空いていますが、問題ないでしょうか? 介護福祉士としての職場復帰はどれくらいかかりますか? 寝たきりさんを結構車椅子に移乗しており、リンパ浮腫も心配ですが、定年まで頑張りたいと思っています。お忙しいと思いますが、お願いします、しこりの大きさは1cm T1N0M0 でした。

がんの再発危険度を判断する場合、浸潤径、リンパ節転移の有無、異型度(グレード)、ホルモン感受性、HER2蛋白、年齢すべてを考慮して考えます。今、質問の文章から分かっているのは、リンパ節転移なし、グレード2、49歳と10ヶ月です。浸潤径が1cmなのかどうかは、はっきりしません。ホルモン療法だけで十分な場合は、浸潤径が1cm、リンパ節転移なし、グレード1、ホルモン感受性陽性、HER2蛋白陰性のすべてが当てはまった場合です。グレードがちょっと外れました。まあ、それでもホルモン療法だけで十分な可能性は高いです。つまり、ホルモン感受性が陰性だったり、HER2蛋白が陽性だったりしたら、リンパ節転移なしでも化学療法が必要になります。治療の順番ですが、化学療法→内分泌療法・放射線療法の順です。十分な治療を受けて、介護福祉士のお仕事を定年までがんばって下さい。(文責 緒方)

 

No.8508】  08年11月20日   M
抗がん剤の選択について

9月に左乳房の全摘手術を受け、リンパ節に一個転移があったのと、しこりが2.2センチで、年齢が34歳とのことで、医師より抗がん剤の治療を勧められています。ちなみにglade1、ホルモン受容体ER、PgRとも陽性です。主治医より提示された抗がん剤は、ECを4回、3ヶ月です。調べたらアントラサイクリン系の抗がん剤はHER2陰性の乳がんにはあまり効果がないという情報がありました。私はHER2が1+で、陰性と言われています。主治医は、標準治療からこの抗がん剤による治療を勧めているのですが、私にはあまり効果がないのでしょうか。他の先生に聞いた所(ネット相談ですが)、Luminar Aというグループに所属する可能性があるので、タキサン(タキソール、タキソテール)単独か、タキサン+エンドキサン(TC療法)を勧められました。アントラサイクリン系、タキサン系のどちらの治療を受けたらよろしいでしょうか。

確かに、EC4サイクルではない選択肢が妥当でしょう。LuminarAというグループは、簡単に言い換えるとホルモン感受性陽性で、HER2陰性の患者さんのグループです。乳がんの患者さんの遺伝子の組み合わせを解析したところ、4つのグループに分かれ、各々性格が違っていて治療効果や予後を反映しているという研究結果から、ネット相談の先生がお答えになったものでしょう。ちなみにトリプルネガティブの患者さんは、basal likeというグループに入ります。LuminarAは化学療法自体の効果より、内分泌療法の効果が期待できるので、タキサン+エンドキサン(TC療法)の後に内分泌療法をしっかり行うという考え方があります。また一方、絶対にどちらがいいという答えはないのですが、若年(35歳以下)、リンパ節転移陽性、ホルモン感受性陽性、HER2陰性ですので、アンスラサイクリン系とタキサン系の両方を含むレジメンを選択するという考え方もあります。リンパ節転移陽性であることを考えると、タキサン系の上乗せ効果(アンスラサイクリン系に加えると言うこと)を期待しEC4サイクル→T4サイクルが考えられます。最終的には、主治医の先生とよく相談して、納得できた治療法を選択することが大切です。(文責 緒方)

 

No.8507】  08年11月20日   Y
ゾラデックスの再開について

はじめて質問させていただきます。私は20代で乳癌になり、手術・化学治療・放射線・ホルモン治療(ゾラデックス2年)をしました。今はノルバデックスの治療をしています。ゾラデックスの治療が終わって半年してから生理が戻ってきました。若年の患者は生理が戻ってきたら、またゾラデックスを再開すると言うのを聞いたのですが、どうなんでしょうか? 注射を再開する患者さんは多いのでしょうか? 生理が戻ると再発・転移率が上がるのでしょうか? 主治医は、『ゾラデックスを2年と3年比較した結果がないから、2年でいいよ』と言っています。生理が戻ってきたのは嬉しいのですが、女性ホルモンをえさとしてガンが育つと思うと怖いです。質問ばかりですみません。お願いします。

再発のリスクが高い場合にはゾラテックスを再開する場合もありますが、きちんとしたデータがあるわけではありません。また生理が戻るのは若年者に多く、戻ったからといって再発転移が多いということはありません。このままノルバテックスの服用を続けるのが良いでしょう。(文責 吉田)

 

No.8506】  08年11月20日   T.S.
肝転移の治療について

はじめて相談させていただきます。昨年7月、39歳の時にステージVbの浸潤性乳管癌と診断されました。腫瘍が大きかったため、術前抗がん剤治療(FEC100とタキソール)を行い、今年2月に左乳房を全摘出、同時再建をしました。病理結果は、腫瘍の大きさ約3p、リンパ節転移多数あり、皮膚、皮下脂肪、大胸筋にも癌が及んでいました。HER2タンパク陰性、ホルモン受容体陽性とのことで、術後は放射線治療、ホルモン療法を選択しました。ですが、8月にホルモン療法の副作用がひどく、立位困難なほどで、また、腫瘍マーカーが上がっているので、ホルモン療法を中断し、10月に体調が戻ったところでPET/CT検査を受けたところ、肝臓への転移による再発が判明しました。肝臓の腫瘍の大きさは5pほどとのことです。自覚症状はなく、肝障害もありません。今は、ホルモン療法は効果がないとの判断で、経口抗がん剤ゼローダを飲み始めていますが、やはり腫瘍マーカーは上がり続けているとのことで、術前にやったタキソールが最も効果があったので、もう一度タキソールをしたらどうかといわれています。私としては、タキソールの副作用も大変だったので、できればやりたくありません。また、術前に効果があった(腫瘍の大きさが半分近くまで小さくなった)とはいえ、腫瘍は残り、転移・再発もしているので、もう一度やっても効果があるのかどうか疑問があります。お聞きしたいのは、タキソールをもう一度したところで、どれくらいの効果があるのか、ということと、ほかにどのような治療方法があるのか、ということです。完治が見込めないのであれば、なるべく体に負担のない治療があればと思っております。お手数をおかけしますが、お答えいただければありがたいです。どうぞよろしくお願いいたします。

この状況でどの程度タキソールが効くかは分かりません。数回投与して効果を確かめるほかないでしょう。他の方法として思いつくのは、ナベルビンとゼロータの併用です。これは比較的副作用が軽く経験した範囲では効果的でした。望みを捨てず頑張ってください。(文責 吉田)

 

No.8505】  08年11月20日   M.T.
治療の選択

初めて投稿させて頂きます。年齢は62歳、浸潤性乳管癌で8月に乳房温存手術、センチネル生検、10月に放射線治療を受けました。リンパ節転移は陰性、摘出リンパ節数は1、転移リンパ節数は0、大きさ(浸潤型)は1.3cm 範囲1.5cm、核異型度は1、断端は陰性、ホルモン感受性はあり、HER2/nerはなし。このような病理の結果でした。この後、5年間のホルモン療法の投薬を受けるか、それとも無治療かの選択が残っていて迷っています。受けなくて良いものならば受けたくないのです。副作用も不安ですし、勿論、転移、再発はもっと心配です。無治療だとリスクが高くなりますか。防止に受ける方がよいのでしょうか。どうぞよろしくお願い致します。

低リスク癌であり、このまま何もしないで経過観察でも良いと思います。しかしより完璧を期するならばホルモン療法が良いでしょう。副作用のことを心配していますが、実際に服用してみて副作用が出現するようであれば中止しても良いでしょう。(文責 吉田)

 

No.8504】  08年11月19日   Y.I.
放射線療法について

姪が9月末に温存療法にて手術をしました。傷の治りが悪く、じくじくしており、最近になり糸がでてきました。放射線の予定も入っており、主治医は問題ないと言われますが、傷が治っていないのに放射線をしてもいいんでしょうか。本人が傷にすごくこだわっているのですが、皮膚、傷跡に問題はないのですか。延期をすると、手術後からの日にちが延長されて、効果に影響があるのでしょうか。延期すると、年末をはさみ間隔があきますが、よくないのでしょうか。腫瘍を切除したところが、正常な組織との間が2mmしかなかったそうです。でも一応とり切れているとみなされ、放射線は25回と言われました。再発のリスクが高いのではと不安です。(20代、術前化学療法で腫瘍わずかに縮小、リンパTまで切除)

傷の治りが悪い場合、放射線をかけると益々傷の治りが遅くなりますので放射線照射を遅らせます。この場合再発のリスクが高くなることはないようです。しかし傷の治りと言っても程度の問題であり、場合によっては完全に治っていなくても照射を開始しすることもありますので、主治医と放射線科医に任せるべきでしょう。(文責 吉田)

 

No.8503】  08年11月19日   R.N.
術後5年の治療について

5年前に同時両側性乳がんで、皮下乳腺全切除、のちに3年前にインプラント再建をしました。現在47歳です。病理結果は左は1,2センチ、右は4ミリでともに硬がん。左右ともリンパ節転移なし、核異型度1〜2。ホルモン感受性は、左がERのみ+、右は両方+でした。ゾラデックスとタモキシフェンの治療中で、まもなく5年になります。ご相談は今後の治療についてです。医師からタモキシフェンの10年服用の効果を聞き、それが遠隔転移にも有効というデーターが出たとお聞きしました。やっと5年で終わると思ってしぶっていたためか、医師はゾラデックスも5年やったことだ、タモキシフェンも一緒に終了してもいいと言われました。ところが1年前から経過観察中だった右鎖骨下(上?)のリンパのしこりが、今回のエコーの検査で数ミリ大きくなっており、左右ともに多発していました。医師は悪性なら1年たつと形が丸くなるはずなので、経過観察でいいと言われました。
1) 数ミリの大きさは計測誤差という話を知人から聞きましたが、良性と考えて、このまま経過観察でいいのでしょうか。数ミリというのは、ゾラデックスとタモキシフェンの併用により、大きくなるのが抑制されていたという考え方は成立しないでしょうか。  
2) 右は摘出生検後、ベッド待ちで3週間後の手術でしたが、こういう場合、がん細胞が散らばる恐れがあると本で読みました。今回の検査結果もふまえると、悪性の可能性もありとして、タモキシフェン10年を選択したほうがいいでしょうか。
3) 医師が図示したしこりの位置は鎖骨下(周辺?)でしたが、もしこれが転移だとしたら、私のように左右とも皮下乳腺全切除した場合、局所再発と遠隔転移と、どちらととらえるべきなのでしょうか。
  
お教えいただきたいと思います。   

1) 勿論ホルモン療法で大きくなるのが抑制されていたことは考えられます。これ以上大きくなるようでしたら細胞診等の検査が必要でしょう。
2) 摘出生検後手術までの期間が長いことと再発とは明らかな関連は証明されていません。再発であるか否かを明らかにすることが先決です。
3) 鎖骨下であれば局所再発、鎖骨上であれば遠隔転移再発ということになります。(文責 吉田)

 

No.8502-1】  08年11月19日    A.K.
慢性乳腺炎と乳がんについて

初めて相談させていただきます。右乳房に1センチ程度のしこりがあります。MRIの検査結果には、「右AC領域境界の腫瘤は早期濃染し、スピキュラを伴っています。まずは乳がんと思われます。」と書かれています。穿刺吸引細胞診では、がん細胞はでず、炎症だということでした。更年期の女性(私は52歳です)がなる慢性乳腺炎は、乳がんと区別しにくいことがあるということなのですが、
1) 私の場合、慢性乳腺炎の可能性はないのでしょうか?
2) スピキュラを伴っていれば、乳腺炎ではなく癌なのでしょうか?
3) 癌の場合でも炎症というのは起こしているものなんでしょうか?

よろしくお願いいたします。

1)慢性乳腺炎である可能性は勿論ありますが、細胞診ではなく組織が取れる針生検が必要でしょう。
2)炎症でも周囲の組織が引きつれてスピキュラ様に見えることがあります。
3)癌の場合でも炎症をともなっていることはあります。(文責 吉田)

 

No.8502-2】  08年12月01日    A.K.
病理組織診断について

HPNo.8502でお世話になりました。解答していただけて、感激しています。ありがとうございました。マンモトーム生検の病理組織診断の結果の意味が分らないのですが、教えていただけませんでしょうか。
「組織学的には、やや多形成を伴った異型細胞が充実性胞巣を主体に、一部不整な管状構造や索状構造を形成しながら、周囲脂肪織まで浸潤性に増殖しています。腺管形成傾向:3、核異型度:2、核分裂像:1より modified Bloom-Richardson grade は intermeditate grade となります。背景には一部嚢胞もみられます。」
これの大体の意味を教えていただけませんでしょうか。また「腺管形成傾向」というのは何なんでしょうか?
よろしくお願いします。

要点は浸潤癌で、組織学的悪性度が低くもなく、高くもない中等度ということです。「腺管形成傾向」というのは、がん細胞の配列が腺腔構造に近い形態をとっているということです。(文責 石川)

 

No.8502-3】  09年02月18日    A.K.
乳がん手術について

HPNo.8542でお世話になりました。回答ありがとうございました。とても感謝しています。
2008年12月9日に乳がんの手術を受け、放射線治療も、この2月10日に終了しました。これからホルモン療法を受ける予定です。
術中迅速診断では、
1)センチネルリンパ節 悪性所見は認められません。
2)乳頭側断端 invasiveな病変については認められません。

術後の病理検査では、
Invasive ductal carcinoma,scirhous carcinoma,pT1c,f、modified Bloom-Richardson grade は intermeditate grade、組織学的腫瘍径1.4cm大で周囲断端はすべて陰性。(Level1:0/4)、ER>90% PgR<1% HER2陰性、腺管形成傾向:3、核異型度:2、核分裂像:1 。

1) 日本乳がん学会編「乳がん診療2006年度版ガイドラインの解説」には、「手術前の画像診断等で転移が無いと判断され、センチネルリンパ節生検で転移が無いと判断された場合はリンパ節の郭清を省略できると」とあるのですが、この条件を満たしていても、腋窩リンパ節のレベル1を郭清するというのは通常よく行われるのですか?
2) 日本乳がん学会編「乳がん診療2006年度版ガイドラインの解説」には、「CNBに関しても、たとえ針が通過した部分にがん細胞が残っても、その細胞は自然に死滅してゆくと考えられています」とあるのですが、担当医は針が通過した部分を手術の際に切除しました。通常このようなことは、よく行われるのですか?
3)adjuvant onlineというサイトがあると聞いたのですが、adjuvant onlineでなくても何でもよいのですが、再発率、生存率を教えていただけませんでしょうか。

お忙しい所申し訳ありませんが、宜しくお願いいたします。

1)  診療ガイドラインの通り、センチネルリンパ節生検でリンパ節転移がなければ腋窩郭清は省略するケースが多いと考えますが、状況によっては郭清するケースもあると思われます。主治医に聞いてみたらいかがでしょうか。
2) 確かに死滅していくケースが多いと考えますが、針穴から再発するケースの報告もあります。実際には整容性にあまり影響がなければ針が通過した部分も一緒に切除することは、治療として妥当であると考えます。
3) Adjuvant onlineによれば、ホルモン療法治療で10年間の再発率は9.2%、生存率は89.9%(再発による死亡率は4.6%)です。(文責 浜口)

 

No.8501】  08年11月19日    H 
乳癌の成長速度について

初めてご相談いたします。53歳母の胸のしこりについてです。昨年閉経しています。
<経過>
平成20年2月 右胸右上部にしこり発見。かかりつけの産婦人科受診。触診のみで、「しこりが移動するし、悪いものじゃないだろう。」とのことで、以後、そのまま放置。8月、腰椎椎間板ヘルニアで入院。腰と膝の痛み継続中。10月、しこりが急激に大きくなる。卵一個分ほどのしこり。その他の症状全くなし。何かと忙しく受診できず。11月上旬 乳腺専門外来受診。マンモグラフィー、エコー(かなり時間がかかった。石灰化があると説明を受けながら)の結果、「悪い物がある」と説明受ける。この日、カルテを広げてDrが席を立たれた時、「浸潤性乳管癌、リンパ節転移」と書いてあるカルテを母本人が見てしまい、相当ショックを受けましたが、具体的に診断結果を宣告されてはいません。11月13日 造影MRI、細胞診、採血。結果を今度聞きにいきます。しかし、今の段階で10月の時点でのしこりに比較すると、かなり大きくなっています。触った感じでは、明らかに10cm以上はあります。表面は滑らかですが、しこり部分に熱感があり、痛みもあるようです。かなりしこりが大きいので、乳房下部は引きつった様にしていますが、えくぼ様のくぼみなどありません。本人は大きい癌で末期じゃないか・・・と絶望しています。私なりに調べてみた所、個人差はあるようだけど、こんなにも急激に成長するなんて、ひょっとすると何か違うものではないかと希望を持っています。ご相談したいのは、
1) がん細胞の成長速度について
2) 急激ながん細胞の成長で、遠隔転移をするのも早いのか

の2点です。「腰と膝の痛みは、骨に転移しているんじゃないか。」と、本人はネガティブになっています。よろしくお願いいたします。

1) 乳癌の成長速度はさまざまですが、一般には2、3ヶ月で目にみえて大きくなるものは稀でしょう。
2) 増殖速度の速いものが遠隔転移し易いか否かはわかりませんが、一般に増殖か速いものが転移した場合、転移巣の増殖も速いと考えられます。勿論骨に転移していることも考えられますが、急速に増大していることから葉状腫瘍である可能性も考えられます。何れにしても細胞診等の結果を待たなければなりません。(文責 吉田)

 

↑ ページ先頭へ戻る