会員紹介 手術後のページ 乳癌関連情報 公開市民フォーラム 相談室HOME


相談室(No.9901〜No.10000)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

ご相談メールの投稿はこちらからお願いします。

なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

★ 過去にさかのぼって相談内容が検索できるようになりました。ご参考になれば幸いです。ご利用下さい。
 

 

目 次

[前のページ] [次のページ]

No

日 付

名 前

件  名

担 当

10000 10/12/04 S  抗がん剤について(HPNo.9982) 石川
9999 10/12/04 ホルモン療法について 石山
9998 10/12/04 Y.A. 骨転移でのマンモグラフィー検査について(HPNo.9992) 石山
9997 10/12/03 非浸潤性乳管がんのホルモン療法について 石山
9996 10/12/03 病院にいく必要があるのでしょうか? 石山
9995 10/12/01 セカンドオピニオン 石山
9994 10/12/01 HS マンモグラフィー 石山
9993 10/12/01 K.T リュープリン治療後の生理の復活について 石山
9992-1
9992-2
10/12/01
10/12/04
Y.A. 骨転移でのマンモグラフィー検査について
骨転移でのマンモグラフィー検査について(2)
石山
石山
9991 10/11/30 I  乳管内乳頭腫 石川
9990 10/11/30 T  今後の治療について 石川
9989 10/11/30 Y・M 漢方の服用について 石川
9988 10/11/29 M.K. 爪の異常 石川
9987 10/11/29 H.M. 病理検査と抗がん剤の効果について(HPNo.9892-2) 石川
9986 10/11/29 k   異常集積があります 石川
9985 10/11/29 Y  乳房のしこり 石川
9984 10/11/29 Y.F. ホルモン療法の副作用?  石川
9983 10/11/29 S.K. 抗がん剤の選択について(HPNo.9827-2) 石川
9982-1
9982-2
10/11/29
10/12/04
S  抗がん剤について
抗がん剤について(2)
石川
石川
9981 10/11/29 S−K タキソテール 石川
9980 10/11/29 S  母の乳癌について(HPNo.9879-4) 石川
9979-1
9979-2
10/11/29
11/02/08
T 術後治療と再発率について
再発率について
石川
首藤
9978-1
9978-2

9978-3
10/11/27
10/12/12
11/06/18
H  母の乳がん
マンモトーム生検査の結果
母の乳がんについて
石川
大西
9977-1
9977-2
10/11/27
11/03/14
T  しこり
乳管過形成
石川
浜口
9976 10/11/22 T  タスオミン 吉田
9975 10/11/22 ノルバテックス 吉田
9974 10/11/22 T.I. ビリビリ感(HPNo.9618) 吉田
9973 10/11/21 リンパへの転移では?と非常に不安です(HPNo.9922) 吉田
9972 10/11/21 かや トリプルネガティブ 吉田
9971 10/11/21 皮下埋め込み型ポート(HPNo.9961) 吉田
9970 10/11/21 術後薬物治療について(HPNo.9884)  吉田
9969 10/11/20 M  病理検査結果(HPNo.9956) 吉田
9968 10/11/20 T  心臓の水について 吉田
9967 10/11/18 A  同時再建手術(HPNo.9887-2) 吉田
9966 10/11/18 I  抗がん剤治療 吉田
9965 10/11/18 タモキシフェン 吉田
9964 10/11/18 異時性両側乳癌の、原発、転移について 吉田
9963 10/11/17 S  CEAについて 浜口
9962 10/11/17 M  今後の治療法について(HPNo.9938) 浜口
9961 10/11/15 Y  タキソテールの副作用(HPNo.9916) 浜口
9960 10/11/15 M ホルモン療法について(HPNo.9860) 浜口
9959 10/11/15 K.H. 多発骨転移 浜口
9958 10/11/15 ホルモン治療の切り替えについて(HPNo.8638) 浜口
9957 10/11/15 タモキシフェンの服用について 浜口
9956-1
9956-2
10/11/15
10/11/20
病理検査待ちについて
病理検査結果
浜口
吉田
9955-1
9955-2
10/11/15
10/12/31
M..N 術後補助療法等について
術後補助療法等について(その2)
浜口
須田
9954 10/11/15 Y.S 長年あるしこりについて(3)(HPNo.9936-3) 浜口
9953 10/11/10 今後の治療について 浜口
9952 10/11/10 S.A. 無治療無再発率 浜口
9951 10/11/07 T  乳腺専門医 徳田
9950 10/11/05 A.O. 外科的生検後の癌の乳頭乳管内進展について 徳田
9949 10/11/04 Y.S.  長年あるしこりについて(2)(HPNo.9936) 徳田
9948 10/11/04 N.O.  病院について 徳田
9947-1
9947-2
10/11/03
10/12/14
Y.A.  ホルモン治療
ホルモン治療(2)
俵矢
大西
9946 10/11/03 M  骨転移 俵矢
9945 10/11/03 C.N.  腫瘍マーカー 俵矢
9944 10/11/03 皮膚の変色と変質 俵矢
9943 10/11/03 M  リンパの痛みについて 俵矢
9942 10/11/03 F  同時再建手術 徳田
9941 10/11/03 抗癌剤の必要性 徳田
9940 10/11/03 Y.E 術後の薬物療法について 徳田
9939 10/11/03 EN ホルモン治療と抗がん剤は併用できないのか? 徳田
9938-1
9938-2
10/11/01
10/11/17
M  転移?
今後の治療法について

浜口
9937 10/11/01 K.W. 女性化乳房について
9936-1
9936-2

9936-3
10/11/01
10/11/04
10/11/15
Y.S 長年あるしこりについて
長年あるしこりについて(2)
長年あるしこりについて(3)

徳田
浜口
9935 10/11/01 Y.M. リュープリンのフレアーアップ
9934 10/11/01 O  乳頭からの分泌物
9933 10/11/01 Y.H. 再発率とゾラディックス(HPNo.8955) 俵矢
9932 10/11/01 E.U. 右胸温存手術を受けました 俵矢
9931 10/11/01 T  乳房限局性非対称性陰影 俵矢
9930 10/11/01 H・M 癌とホルモン剤との関係について 俵矢
9929 10/11/01 タキソテール(2)(HPNo.9916) 俵矢
9928 10/11/01 M.O ノルバデックス服用に関して 俵矢
9927 10/11/01 H  乳がんでしょうか?  俵矢
9926 10/11/01 S・N タスオミン治療中の薄毛治療薬のミノキシジルとスピロノラクトン 俵矢
9925 10/10/29 N.M 術後の治療(2)(HPNo.9900-2) 高橋
9924 10/10/27 味覚障害 俵矢
9923 10/10/27 S 今後の治療について(HPNo.9478) 俵矢
9922-1
9922-2
10/10/25
10/11/21
N ガンと診断されました
リンパへの転移では?と非常に不安です

吉田
9921 10/10/25 S.M. 断乳後の分泌物
9920 10/10/25 K  再発後の治療について
9919 10/10/25 再発という可能性はありますか?(HPNo.9879)
9918 10/10/23 K.T. 今後の治療について(HPNo.9899)
9917 10/10/23 A 術後、治療の選択について
9916-1
9916-2

9916-3
9916-4
9916-5
10/10/23
10/11/01
10/11/15
10/11/21
10/12/12
Y  タキソテール
タキソテール(2)
タキソテールの副作用
皮下埋め込み型ポート
ポート

俵矢
浜口
吉田
大西
9915 10/10/23 レディーバード 断乳後の乳頭分泌について
9914-1
9914-2
10/10/23
11/10/20
M.T. 今後の治療について
ホルモン治療の副作用について

9913 10/10/23 抗がん剤の副作用について
9912 10/10/23 トリプルネガティブ (HPNo.9893)
9911 10/10/23 K.H. これからの治療法について
9910 10/10/23 放射線治療開始時期について(HPNo.9782)
9909 10/10/19 E  手術後の治療法について 高橋
9908 10/10/19 S  今後最適な治療を受けるために(HPNo.9879) 高橋
9907-1
9907-2
10/10/19
11/05/10
K  温存+放射線か全摘出、どちらが妥当でしょうか?
対側のしこり
高橋
斎藤
9906 10/10/19 C  ハーセプチン上乗せ効果(HPNo.9890) 高橋
9905 10/10/19 O  母(73歳)が乳癌と診断されました 高橋
9904 10/10/19 AK リュープリン 高橋
9903 10/10/19 SK 手術を含めた今後の治療について 高橋
9902 10/10/17 子宮内膜増殖症 高橋
9901 10/10/17 A  非浸潤性乳管癌 高橋

 

No.10000】  10年12月04日  S
抗がん剤について(HPNo.9982-2)

HPNo.9982でお世話になった者です。お忙しい中、夜間までお調べ頂き有り難うございました。調べるも限界が多く、安堵と共に感謝致しております。
今回ホルモン療法の事でお伺いしたいのですが、ご意見をお聞かせ願えませんか。タモキシフェン単独か、おそらくゾラデックス2年追加かの選択を考える事になるのですが、私の場合、治療としては同時の方が良いのでしょうか(生理があれば追加ですか)。そして矛盾する質問ですが、どちらかで生理が戻る確率に違いはありますか(リュープリン月一、3ヶ月一回でも)。自身の卵低下・閉経に向かうのが、ホルモン療法でより早まる(強まる)とかありますか。できれば妊娠希望(無治療程度子宮筋腫有)です。体質的な事や、少ないケースと思いますが、どの様な選択肢・選択する方が多い(?)ですか。出産重視で確実予定があれば無治療選択もあるかと思いますが、未婚ですし再発等(Cの量も)考えますと、途中一旦停止(多角リスク・将来考慮し)しか思い付かず、その際再発等考慮し2年後ではまず年齢的に・・・。何年使用後でも休薬3ヶ月後で胎児奇形等大丈夫だろうか等、悩む所です。(EC時生理・長期不正出血有。P時も同症状で徐々に少量に。終了後2ヶ月、かなり少ない量・期間の出血。生理か不明。産婦人科癌検診異常なし、筋腫状態も変化なし)
何れにしても、グレードは関係しますか。先日のご回答の中でのホルモン療法の改善%は、タモキシフェン5年の数字ですか。無治療%に改善%を単純+−で治療後の%と考えて良いですか。よろしくお願い致します。

タモキシフェンとゾラデックス(またはリュープリン)同時に併用する場合もあります。ホルモン抑制度は高くなることが考えられますが、副作用などを考えると逐次使用とどちらがいいかわかりません。生理が戻る確率は個人によって薬の反応が違いますので、不明です。大した違いはないと考えます。ホルモン療法でより早く閉経に向かうことは有り得ます。一般的には妊娠・出産よりも乳癌完治を優先させる人が大半です。グレードは関係します。ホルモン療法の改善%は、タモキシフェン5年の数字で、言われる通りです。(文責 石川)

 

No.9999】  10年12月04日  S
ホルモン療法について

お世話になります。手術を終え、まもなく術後ホルモン療法の予定です。閉経前なので、「ゾラテックスとTAM投与」か、「ゾラテックスとアロマターゼ阻害剤投与」かの選択をまかされました。標準ではTAMであること、閉経前ではアロマターゼ阻害剤が保険適用ではないことは理解しておりますが、ゾラテックスで閉経状態にしたのだからアロマターゼ阻害剤の方が効果が高いとの説明を受け、むしろこちらを薦められています。閉経前の患者さんにアロマターゼ阻害剤を投与した例はあるのでしょうか。必要とは言え、突然閉経状態になることへの不安でいっぱいで、混乱しております。それぞれの薬剤の効果の高さ、副作用の種類、副作用の強さ出現頻度など(閉経後の患者さんの場合でも結構です)、ご教示いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

アロマターゼ阻害剤の併用はあくまでも保険外使用ですので、臨床試験としては認められますが本来認められない使用法です。したがって副作用等も臨床試験結果が正式に論文なっていないのでわかりません。(文責 石山)

 

No.9998】  10年12月04日  Y.A.
骨転移でのマンモグラフィー検査について(HPNo.9992-2

さっそくご回答いただきましてありがとうございました。主治医にもう一度お願いしてみたいと思いますが、私が心配していますのは、骨シンチの検査結果のみでの転移の診断ですので、軽度の集積が全て骨転移なのかどうか?もしそうでなかった場合、マンモグラフィー検査をせずにいて大丈夫なのかどうかということです。

骨シンチは常にその心配がありますが、MRなどで補助診断、臨床症状、腫瘍マーカーなど総合的に判断することになっています。(文責 石山)

 

No.9997】  10年12月03日  A
非浸潤性乳管がんのホルモン療法について

いつも参考にさせて頂いています。 40歳 子供あり。今年7月温存手術を受けました。病理結果は非浸潤性乳管がんでした。腫瘍径5cm×2cm ER+ PgR+ HER2+ リンパ節転移なし 断端陽性。医師から「補助療法は放射線のみ、ホルモン剤を含めて薬物は使わない」との事で、放射線療法(18回 ブースト照射4回 計22回)を受け、治療は終了したと思っていたら、「後で調べたら、閉経していないと良くないという話がある」として、2年間3ヶ月おきに、ホルモン注射での閉経を勧められました。病理結果に変化はなく、医師は乳腺専門医ではありませんが、治療法を知らなかったかのような説明に矛盾を感じました。最初の説明は、ホルモン剤は使っても使わなくても、ホルモン陽性の場合同じだから使わないというものでした。手術から何ヶ月も経ってから、「なぜ勧めてくれる治療法が変わるのか?」と疑問に思い、不安です。いきなり3ヶ月製剤を使う事や、更年期症状が起こる事にも抵抗を感じますし、「ホルモン治療後は、年齢的に生理は戻らない」とも言われ、まだ妊娠したい気持ちもあり、 迷っています。妊娠については、病気を悪くするとして、すぐは勧めないと言われました。できればホルモン療法は受けたくはありませんが、必要な治療であれば受け、妊娠は諦めるつもりです。医師は「あなたが再発する割合は2割、ホルモン剤を使っても一割までにはならない」、「温存はギリギリだった」、「医師の間でも、ホルモン剤を使うか使わないかの意見は分かれる」とも言われ、混乱しています。ホルモン療法を受けるべきかどうか、アドバイスをお願いします。

非浸潤癌で内分泌治療をすべきかどうか決まりはありません。ただ腫瘍径が大きいとか、断端陽性時には勧めることもあります。また非浸潤癌でも、すべての部分で浸潤がないとの保証もなく、当科でも同じ治療を勧めています。(文責 石山)

 

No.9996】  10年12月03日  H 
病院にいく必要があるのでしょうか?

脇の下から10センチぐらい下に脂肪の塊のようなものがあって、痛くはないんですが、少しずつ大きくなるようです。1年以上なるようですが、ただの脂肪の塊かと思っていたのですが、もしかして乳がんというものに該当するのかと心配になり、ご相談にあがることにしました。ちょっと大きくて、2-3センチくらいになっていますが、病院にいく必要があるのでしょうか。乳がんは乳房の周囲のしこりのことだと聞いていましたので、私の場合は乳がんに該当しないと思っていますが・・・。よろしくお願いします。

まれにその部位に副乳が存在し、副乳のこともありますが、さらにまれに副乳癌もあります。一度乳腺外科受診をお勧めします。(文責 石山)

 

No.9995】  10年12月01日   Y
セカンドオピニオン

初めてメールさせていただきます。44歳です。2年前からマンモグラフィーで左胸に石灰化が見つかっており、要観察だったのですが、先月の人間ドック後、マンモトーム生検をすることになり、先週その結果がでました。「非浸潤性乳がん」だそうです。検査医の話では、「石灰化の乳管が左胸の内側から外側に向かって広がっているので、恐らく全摘になる可能性が高い。またすべてが非浸潤性かどうかはわからず、摘出手術後の病理検査で浸潤となっているところが見つかる場合もある。」とのことでした。ホルモンレセプターは陽性でした。
本日、検査結果を持ち、ドックを受けた総合病院の外来へ検査後初めて行きました。主治医は、「内側の部分の部分切除で、温存手術とする。今後MRIで範囲の確認をする。温存したところは放射線治療とする。センチネルリンパ生検も一緒にする。」との話でした。
上記2箇所の診断が食い違うことから、セカンドオピニオンをするつもりでおります。その際に、下記の点を確認したいので、アドバイスいただけませんでしょうか。温存手術した場合、手術後の乳房の形が、かなり変形する可能性があると思います。その場合は、ある程度カタチを整えるための形成外科的なことまで相談したいのですが、今の主治医は温存で形成外科をした例があまりないようで、「治療が先決」との方針でした。私は手術後の身体の変化にも考慮した上で治療方法を決めていきたかったのですが、あまりこちらの要望は重視してもらえませんでした。また放射線治療をすると、皮膚がかたまって再建には不利になるとの情報もネットで知りました。身体の負担を考えると温存はありがたいのですが、手術+放射線治療で自分の身体がどうなるのかは、どうやったら調べられるのでしょうか? セカンドオピニオン先では、乳腺ではなく形成外科を訪ねるべきですか? よろしくお願いします。

大きさ、範囲の記載なく、温存といってもどの程度切除するのか、もともとの乳房の大きさも分からず、コメントのしようがありません。慣れた外科医なら、この程度なら周囲の乳腺、脂肪識をはがして充填すればいいとか、形成外科が一緒にしたほうがいいのか、それとも最初から乳房がほとんど残らないので乳房切除をして同時再建が良いとか、自分の経験で説明できるのですが。全摘すれば放射線はしないで済むので・・・。いずれにしても乳腺専門医で年間100例以上手術してる所にセカンドオピニオンに行かれれば良いと思います。(文責 石山)

 

No.9994】  10年12月01日   HS
マンモグラフィー

初めてメールいたします。34歳、出産未経験です。先日、マンモグラフィーを受け、その結果が出ましたが、結果の詳細の見方が分からなく、相談させていただきます。

【乳房検査】  E2 要精密検査
●乳房触診所見  以上なし
●乳房X線撮影区分/方向  内外斜位+頭尾撮影/
●乳房XP所見  右側構築の乱れ(カテゴリーV)疑い  左側石灰化(カテゴリーT)  Dense Breast(カテゴリーT)

どのような病院で精密検査を受ければいいのでしょうか。また、治療の期間や費用は、どのようなになりますか。症状は深刻なものでしょうか。どうぞアドバイスの程、よろしくお願いいたします。

このままの結果をお持ちになって、乳腺外科受診をお勧めします。検診施設の精度や管理の状況も分からずコメントできません。エコー検査と専門医の診察をお勧めします。(文責 石山)

 

No.9993】  10年12月01日   K.T
リュープリン治療後の生理の復活について

現在53才女性です。5年8ヶ月前(平成17年3月)47才の時、右乳房温存手術+腋かリンパ節切除術を受け、術後、放射線照射(46グレイ)とUFTの服用3年+リュープリンの皮下注射4年を行い、初期治療終了後1年8ヶ月経過しています。再発、転移等ありません。リンパ節転移(0/16)、ホルモン両方強陽性でした。当初、リュープリンを5年と言われていましたが、主治医から、年齢的にみても効果が薄いだろうという事で、4年経過した時点(51才時)で、タモキシフェンへのチェンジを提案されましたが、私にその気がなく、治療終了で合意した経緯があります。治療前まで順調に生理があり、リュープリン注射開始で生理がストップ、4年注射を継続して、そのまま閉経になると思っていたところ、注射を止めてから1年8ヶ月の今になって生理が復活して、とまどっています。期間も量も以前の2/3程度ですが、生理に間違いないと思います。生理が復活しても予後に影響しないのでしょうか? それとも治療終了後1年8ヶ月たっていますが、何らかのホルモン治療を再び開始した方が良いのでしょうか? 術後5年無事経過し、安心していたのですが、不安になりました。よろしくお願いします。

まずエストロゲンやFSHなどの血中ホルモンを調べて本当に閉経前のホルモン環境かどうか確認し、閉経前間違いなければ、リュープリン再開も考えても良いかもしれません。いずれにしても初回手術時のリンパ節転移の有無など、再発リスクが高いかどうかも考慮すべきだと思います。(文責 石山)

 

No.9992-1】  10年12月01日   Y.A.
骨転移でのマンモグラフィー検査について

骨転移でのマンモグラフィー検査についての質問です。よろしくお願いいたします。53歳です。7年前に最初の乳がんが見つかり、その2年後に非浸潤がんの局所再発で全摘手術を受けました。その後引越しをしましたので病院を移ることになり、去年そこで初めて骨シンチ検査を受けました。結果は、単発ですが軽度の集積が見られ、骨転移の可能性ありとの診断でした。それまで服用していたノルバデックスをアリミデックスに替えて様子をみることになり、3ヵ月後に再び骨シンチ検査をしたところ影が消えていました。主治医からは「ホルモン剤がよく効いたのでしょう。」との説明がありました。引越しをしてからマンモグラフィー検査をしていなかったので、主治医に検査のお願いをしましたが、骨転移がある場合、マンモグラフィーをしても意味がないようなことを言われました。本当にそうなのですか? 早期にしこりを見つける必要がないということなのでしょうか? もし早く見つけたとしても、一方で骨転移がある場合は、あまり意味がないということですか? 定期的な検査でも、乳房のしこりやリンパの腫れなどの触診は全くありません。そのようなものなのですか?

乳癌術後の経過観察ではマンモグラフィーを受けるべきと言われていますが、いったん再発した場合は意味があるかどうかエビデンスはありません。その意味で、意味がないというコメントだと思います。別に希望すれば、地元の乳がん検診施設か地方自治体で行っている乳がん検診で、マンモグラフィー検診を受けることも可能です。今の主治医にもう一度希望を伝えてはいかがですか。(文責 石山)

 

No.9992-2】  10年12月04日   Y.A.
骨転移でのマンモグラフィー検査について(2)

さっそくご回答いただきましてありがとうございました。主治医にもう一度お願いしてみたいと思いますが、私が心配していますのは、骨シンチの検査結果のみでの転移の診断ですので、軽度の集積が全て骨転移なのかどうか?もしそうでなかった場合、マンモグラフィー検査をせずにいて大丈夫なのかどうかということです。

骨シンチは常にその心配がありますが、MRなどで補助診断、臨床症状、腫瘍マーカーなど総合的に判断することになっています。(文責 石山)

 

No.9991】  10年11月30日    I
乳管内乳頭腫

私は34歳です。2人の子供がいます。2009年12月まで授乳をしていました。3週間前に、まだ母乳が出るのかと絞ってみたら、茶褐色の分泌物が出てきました。総合病院の乳腺外来で、細胞診、触診、マンモグラフィ、CTを受けましたが特に原因も見つからず、分泌物の出る乳管に造影剤を注入し、マンモグラフィを撮影した結果、乳頭から2cmのところに 乳管内乳頭腫が見つかりました。先生は、「画像上では癌ではないが、100%癌じゃないとも言い切れないので、乳腺、乳管を切除したほうがいい。」と、手術を勧められました。乳管内乳頭腫=切除手術なのでしょうか。他に方法はないのでしょうか。

乳管内乳頭腫に薬剤治療など他の治療法はありません。切除するか経過を見ていくか、どちらかしかありません。(文責 石川)

 

No.9990】  10年11月30日    T 
今後の治療について

今後の治療について質問させて頂きます。1ヶ月前に温存手術を受け、病理診断結果が出ました。浸潤性乳頭腺癌、浸潤部径7mm、非浸潤部含む径12mm、f,ly1v0、切除断端(-)、グレード1、センチネル0/4、ER100%、PR40%、HER2−1+、ki67(10%) 年齢40歳。今後の治療として、放射線25回、ホルモン療法5年を勧められています。お聞きしたい事は次の5点です。

1) こちらの過去のQAを拝見していたら、ホルモン療法と放射線は一緒にしない方が良いとの記述がありましたが、私は同時進行といわれています。開始時期をズラした方が良いですか。
2) やはり過去のQAでは、私のような病理診断で抗がん剤を使用する例がいくつかありますが、必要ですか。
3) できればホルモン療法も抗がん剤もしたくないのですが、治療は必要ですか。再発率がどれだけ違うのですか。
4) 病理診断の浸潤部径と非浸潤部含む径では、どちらを重視すべきですか。
5) HER2が1+とは、プラスと判断すればいいのですか。

以上、宜しくお願い致します。

1) 同時にできないことはありませんが、現在は放射線照射とホルモン療法は一緒にしないのが一般的です。
2) 浸潤部径7mm、ly1 なので、抗がん剤を使用する場合も有り得ます。普通はホルモン療法が第一選択です。
3) Adjuvant Onlineによれば、ホルモン療法で6.8%、化学療法で8.5%、両方で12.2%ほど、10年間の再発率が低くなると予測しています。
4) 浸潤部径の方を重視します。
5) HER2が1+は、陰性(マイナス)と判断します。(文責 石川)

 

No.9989】  10年11月30日    Y・M
漢方の服用について

いつも勉強になり、心の支えになっております。1年前に非浸潤がんで手術、摘出し、今に至ります。いまだに胸は突っ張り、違和感があります。ストレスのせいか、生理が定期的に来なくなり、体調も悪く、ホルモン剤は飲みたく無い為、漢方でホルモン治療をしております。薬品名は、ツムラ23トウキシャクヤクサンと、ツムラ137カミキヒトウです。今のところ問題もなく服用しておりますが、添付文章を拝見したところ、ホルモンが増加したと書いてありました。このまま服用し続けて大丈夫でしょうか? 胸の突っ張りについても、御回答よろしくお願い致します。

当帰芍薬散、加味帰脾湯とも服用し続けて大丈夫です。胸の突っ張りはホルモンに関係するもので、病的な意義はありません。(文責 石川)

 

No.9988】  10年11月29日    M.K.
爪の異常

この相談ページで検索しても該当なし、ネット全般で検索しても思った情報が得られず、 会員紹介のページに、主治医の先生のお名前もございましたので、安心して投稿させて頂きます。
今年3月に温存手術を受け、抗がん剤AC&パクリタキセル終了し、現在放射線治療中です。抗がん剤の副作用で、爪の黒ずみが気になり、隠すためにマニキュアを塗っていました。 爪の保護も兼ねてと思っていたので、重ね塗りをしていました。1週間ほど前より、両手中指の爪先が浮いてきていて、マニキュアをとってみたところ、両手中指の80%近くが真っ白になっていました。若干しみたり、たまにズキンとしたりするので、気になって、自宅近くの皮膚科を受診したところ、「白いのは、爪が乾燥しているから、原因はマニキュアにある。抗がん剤は関係ない。抗がん剤が起因なら、全部の指の爪がなる。」と言われました。爪が黒いのも、「抗がん剤の影響ならば、全部の指がなる。」と言われました。「隙間に水分が入らないように気をつけてください。」で、終わりました。受診したところで、特にどうにもならないかも?と、予測はして行ったものの、腑に落ちず・・・。「抗がん剤の影響により爪の変化があり、そこへマニキュアで蓋をしちゃったから?」と、自分では考えるのですが、いかがでしょうか? このようなくだらない質問しても、爪が治るわけではありませんが、何かアドバイスがあれば、教えてくださると幸いです。よろしくお願いします。

抗癌剤が原因でも爪全部に一様に影響が出るわけではありません。私は、やはり抗癌剤が根本の原因のように思えます。(文責 石川)

 

No.9987】  10年11月29日    H.M.
病理検査と抗がん剤の効果について(HPNo.9892-2

ご丁寧なご回答ありがとうございました。また、私どもへのお心遣い本当にありがとうございます。放射線治療も無事に終了し、手術の傷付近にあったしこりが消失しました。鎖骨下付近の腫瘍についてはCTでの検査をしていないので分かりませんが、良い方向に向かっていると信じております。今後は、経口抗癌剤を服用していくことになりそうです。先日、インターネットで検索していたら、乳がんの病理検査と抗がん剤の効果について、次のようなの記述がありました。
 Her2陽性 アントラサイクリン系 有効
 Her2陰性 アントラサイクリン系 大半無効
 Her2陰性・ホルモンプレセプタ−陽性 タキサン系有効
 Her2陰性・ホルモンプレセプタ−陰性 タキサン系 多くは無効
  http://2nd-opinion.jp/index2.htm

妻は病理検査の結果はHer2陰性、ホルモンプレセプタ−陽性でした。 抗がん剤の効果はアントラサイクリン系有効、タキサン系無効?(3クールで腫瘍増大)でした。術後リュープリンを注射していますが、3か月で再発しホルモン療法の効果があまりないのでしょうか・・・? インタ−ネットの情報と治療の効果などを組み合わせると、もしかしたら病理検査結果に不備があったのでは?と不安になってしまいます。病理検査でHer2陽性と陰性の結果が入れ替わるような事があるでしょうか? 陽性ならば、ハーセプチンなどの抗がん剤も使用できるとの事でしたが、陰性なので使えません。トリプルネガティブならば、白金製剤が有効とも聞きました。少しでも長く、元気に過ごしてもらいたいのであまり余計な心配は避けたいのですが、どうにも気になってしまい、再度質問させていただきました。何卒よろしくお願いいたします。

腫瘍の部位や検査方法の違いで、Her2の病理検査結果がかわることは有り得ます。病理組織型、Her2,ホルモンリセプターなどの状況で、その腫瘍に合った有効な薬剤がある程度推察されるようになりました。この予測に基づいて、奏効しそうな療法から選択していくわけです。(文責 石川)

 

No.9986】  10年11月29日    k 
異常集積があります

5年前、左乳房に1.7cmの硬癌、温存手術を受けました。リンパ節転移なし、HER2強陽性のため、放射線治療後、自費で1年ハーセプチンを受け、その後2年リュープリンによる治療を受けました。4年前に骨シンチを受けた時、右肩甲骨に小さな異常集積があり、CTを受けましたが、結果は問題なしでした。昨年・今年と骨シンチをした時も同じ状態で、右肩甲骨に小さな異常集積があります。増幅しないので大丈夫だと思うと主治医は言いますが、やはりMRIを受けたほうが良いでしょうか。また、昨年、事故で左頬を強打し、微細骨折したため、昨年の骨シンチで左顎下骨に集積がでて、今年も同じ箇所に異常集積がでました。骨折の跡でも集積すると聞きましたが、そういうものなのでしょうか。腫瘍マーカーのCEA1.1、CA15-3 9.5、抗p53抗体<=0.69で、5年前からほぼ変化ありません。だらだら長くなって申し訳ありませんが、ご回答下さいますよう、よろしくお願いいたします。

骨転移疑いなので、MRIよりもPETをお勧めいたします。骨シンチでは外傷・骨折で異常集積がみられるのは普通のことです。(文責 石川)

 

No.9985】  10年11月29日    Y 
乳房のしこり

初めてご相談させていただきます。私は現在39歳、Yと申します。先日会社の健康診断のマンモグラフィで、右側乳房種瘤と診断され、総合病院で再検査を受けました。総合病院での再検査は、触診・マンモグラフィ・エコーです。2.3cmのしこりを確認しました。診断の結果は「線維腺腫だろう」とのことでした。主治医の先生いわく、マンモの画像・エコーの画像共にしこりの境界線がはっきりとしていて、一本の線になっており、しこり自体も白く写っておらず、触診の感じも悪いものの感じはしないとの事でした。悪性のしこりは、境界線がはっきりせず歪になり、画像も白く写るとの説明でした。それに合わせて、会社の検診の際の画像と再検査の画像を見比べても変化がないとことから、この診断になったようです(会社の検診と再検査までは1ヶ月経っていました)。細胞診・組織診の検査もあるが、今はそこまでしなくてもいいだろうとのことでした。 そんなに心配するものではないので、経過観察して行きましょう!というこで、3ヵ月後にマンモグラフィ・エコーの検査を行うこととなりました。「線維腺腫だろう」というのは、組織をとって生検をしていないので、断言は出来ないとのことでした。3ヶ月そのままにしておいて、悪くなったりはしないのかとお聞きしたら、そんなに急に悪化することはないと、おっしゃっていました。3ヶ月の間に痛くなったり、しこりが大きくなっているようだったら、3ヶ月待たずに受診してくださいとおっしゃっていました。この場合、経過観察でも大丈夫なのでしょうか。やはり、細細診・組織診の検査を受けるべきなのでしょうか。しこりが大きくならなければ、とらずにこのままにしておいていいのでしょうか。悪性に変わることはないのでしょうか。お忙しい中色々とお伺いして申し訳ございませんが、よろしくお願い致します。

経過観察でも大丈夫と思います。3ヵ月後の検査で大きくなっていたり、悪性を疑わせる所見が万一出現したら 組織診の検査を受ければいいと思います。線維腺腫ならまず悪性に変わることはありません。線維腺腫は大きくならなければ、本人が気にならなければ、必ずしも切除する必要はないと考えます。(文責 石川)

 

No.9984】  10年11月29日    Y.F.
ホルモン療法の副作用?

私は昨年3月に右乳房温存手術を受けた45歳です。病理結果は、硬癌、ステージ1、グレード1、HER2陰性、ホルモンレセプター強陽性で、放射線治療を経て、ホルモン療法(リュープリン + ノルバテックス)を行っている最中です。リュープリン(三カ月製剤)の投与期間も20カ月目を迎え、残す所あと4カ月(1回の注射)で終わりとなり、ノルバテックスの服用のみとなりますが、先般受けたドックで甲状腺機能亢進症の疑いが発覚しました。主人の転勤で今年の7月から韓国に赴任しており、このドックも韓国で受けたものです(甲状腺の血液検査の値はFree T4: 1.76ng/dL, TSH CLIA: 0.04ulU/mL )。リュープリンの副作用に甲状腺の機能障害は報告されているので、リュープリンの影響だろうと思っていますが、こうした場合は、一般的にどの様な処方を行うのでしょうか? 通訳はつきますが、言葉の通じない韓国で、内分泌内科で処方される薬剤が乳がんのホルモンにどの様な影響を及ぼすかも不安ですし、またどういった判断が下るのかも心配です。参考までにお聞かせ頂き度、お願い致します。

リュープリンの影響なら中止が原則です。また、あと少しの期間なので、経過を見ながら、あるいは甲状腺機能亢進症の薬を内服しながらリュープリンを続ける、別の薬に変更するなどが考えられると思いますが・・・。(文責 石川)

 

No.9983】  10年11月29日    S.K.
抗がん剤の選択について(HPNo.9827-2)

HPNo.9827(2010/9/16)でご相談させていただいた者です。本当にありがとうございました。断端陽性が3か所ありましたので、あれから主治医に再手術をお願いしましたが、すぐには出来ないとのことで、抗がん剤での治療を勧められました。今はAC療法が4回終了したところです。12月、次の抗がん剤に入りますが、使用する薬剤について悩んでいます。はじめはパクリタキセル(1週間に1回の方)と言われました。しかし私はアルコールに弱く、特に程度も聞かれぬまま、ドセタキセルにすると変更されました。

1) アルコールに弱いとパクリタキセルは使えないとは、どの程度弱い人に対してなのでしょか? どの程度飲めるなら、湿疹が出るような人でなかったら等、何か目安を教えていただけませんか?
2) 効果だけを考えるとしたら、私の病理検査の結果に対して一般的にどちらが良いのでしょうか? 私の病理検査の結果は以下になります。
 浸潤癌(一般型で硬癌)、リンパ節転移あり(1か所)、脈管浸襲→高度、核異型度→3、ER(−)、PgR(+)、HER2(0)、断片陽性の箇所は3か所(乳頭直下で浸潤癌(浸潤径1,1×0,4p)、皮膚側で切離端直下に乳管内に進んでいる癌、内側で浸潤癌)

3) 副作用は比較的どちらが強く出るのでしょうか?

どうぞよろしくお願い致します。

1) どの程度アルコールが飲めれば大丈夫かという指針はありません。飲酒で顔が真っ赤になる人でも平気な人もいます。試してみないと分からないので、危険には近寄らずということで、ドセタキセルにするのだと思います。
2) 一般的に効果はどちらでも大差ないと思います。 
3) 副作用もどちらでも大差ないと考えます。こちらも個人差に因ると思います。(文責 石川)

 

No.9982-1】  10年11月29日    S
抗がん剤について

初めてメール致します。恐れ入りますが、再発・生存率(無治療・薬物療法 各一方・両方)数字の意味合い等、教えて頂けませんでしょうか。不躾で申し訳ございません。
浸潤度 乳腺 ・Iy(0) ・v(0) ・リンパ節転移3個 ・全摘 断端(−) ・腫瘍径27mm ・硬癌・グレード(分かりません) ・ER(20%) ・PgR(60%) ・HER2(0%) ・41歳 ・閉経前です。
もう一つ教えて頂きたいのですが、本で、HER2陰性ER陽性の場合ACにP追加不明瞭で省略傾向にあるとありましたが、他リスクで違うのでしょうか。EC→Pは再発・生存率に各何%上乗せされますか。お忙しい中恐縮ですが、よろしくお願い致します。

Adjuvant Onlineによると、あなたの場合は10年再発・生存率は、術後無治療でそれぞれ63%、40%、ホルモン療法追加で18.4%、10.7%の改善、化学療法追加でで16.7%、10.0%の改善、両方行うことでで31.7%、18.2%の改善が見込まれる予測となっています。他の状況次第で、HER2陰性・ER陽性の場合でもACにP追加する場合はあります。EC→Pで再発・生存率に各何%上乗せされるかは、いろいろな条件(状況)によっても違ってきますし、はっきりした数字(%)は分かりません。(文責 石川)

 

No.9982-2】  10年12月04日    S
抗がん剤について(2)

HPNo.9982でお世話になった者です。お忙しい中、夜間までお調べ頂き有り難うございました。調べるも限界が多く、安堵と共に感謝致しております。
今回ホルモン療法の事でお伺いしたいのですが、ご意見をお聞かせ願えませんか。タモキシフェン単独か、おそらくゾラデックス2年追加かの選択を考える事になるのですが、私の場合、治療としては同時の方が良いのでしょうか(生理があれば追加ですか)。そして矛盾する質問ですが、どちらかで生理が戻る確率に違いはありますか(リュープリン月一、3ヶ月一回でも)。自身の卵低下・閉経に向かうのが、ホルモン療法でより早まる(強まる)とかありますか。できれば妊娠希望(無治療程度子宮筋腫有)です。体質的な事や、少ないケースと思いますが、どの様な選択肢・選択する方が多い(?)ですか。出産重視で確実予定があれば無治療選択もあるかと思いますが、未婚ですし再発等(Cの量も)考えますと、途中一旦停止(多角リスク・将来考慮し)しか思い付かず、その際再発等考慮し2年後ではまず年齢的に・・・。何年使用後でも休薬3ヶ月後で胎児奇形等大丈夫だろうか等、悩む所です。(EC時生理・長期不正出血有。P時も同症状で徐々に少量に。終了後2ヶ月、かなり少ない量・期間の出血。生理か不明。産婦人科癌検診異常なし、筋腫状態も変化なし)
何れにしても、グレードは関係しますか。先日のご回答の中でのホルモン療法の改善%は、タモキシフェン5年の数字ですか。無治療%に改善%を単純+−で治療後の%と考えて良いですか。よろしくお願い致します。

タモキシフェンとゾラデックス(またはリュープリン)同時に併用する場合もあります。ホルモン抑制度は高くなることが考えられますが、副作用などを考えると逐次使用とどちらがいいかわかりません。生理が戻る確率は個人によって薬の反応が違いますので、不明です。大した違いはないと考えます。ホルモン療法でより早く閉経に向かうことは有り得ます。一般的には妊娠・出産よりも乳癌完治を優先させる人が大半です。グレードは関係します。ホルモン療法の改善%は、タモキシフェン5年の数字で、言われる通りです。(文責 石川)

 

No.9981】  10年11月29日    S−K
タキソテール

8月に相談させていただいた者です。HPbェよくわからないので、もう一度掲載します。48歳、6月に温存手術後、7〜8月に放射線治療を終え、9月よりEC療法を4クール行いました。今後タキソテールを4クール行う予定ですが、ホルモン療法が100%効くタイプということで、タキソテールを省略しようか悩んでいます。担当医は患者の気持ち次第だおっしゃいますが、私としてはできるだけ初期治療をした方が再発率が下がるのではないかという気持ちと、抗ガン剤は免疫力が下がるので、無理にたくさんやらなくてもという気持ちとで、判断がつかずにいます。術後の病理検査では、大きさ1.8p、グレード3、リンパ節への転移3コ中2こ、ホルモン療法が100%効くタイプ、ハーツーマイナスだそうです。タキソテールを追加するのとしないとでの再発率の差を教えていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。また、EC療法では、3〜4クール目から血管が痛くなり、今も痛みがあります。今後軽減されるでしょうか。また、同じところに点滴したりすると、痛みが増すのではないかと不安です。以上2点についてお願いします。

はっきりした数字は分かりませんが、タキソテールを追加したほうが再発率は下がります。グレード3、リンパ節転移3個中2個なので、追加されたほうがいいと思います。ホルモン療法は、その後行えばいいと考えます。EC療法後の血管痛は徐々に改善されると思います。また点滴する場合には、以前のEC療法の血管痛の件を話し、点滴の場所を変えてもらうのも一つの方法です。(文責 石川)

 

No.9980】  10年11月29日    S  
母の乳癌について(HPNo.9879-4)

No.9879で質問した者です。今月22日に母の乳がんで3年目終了・4年目スタートの検査があり、幸い結果は異常なし。2〜3年の再発ピークを過ぎたことで、ひとまず安心しましたが、新たに疑問が出ましたので質問させていただきます。前回の質問でエコー検査時、腋窩に「出っ張り」があると技師に言われましたが、傷跡の変形でしょうとの診断でした。MRIで背骨にも変形がみられましたが、何度かギックリ腰をやった場所で、それと年齢が原因で、いずれもがんとは関係ないということでした。以下が質問です。

1) 術後何年か経ち、今になって傷跡や骨の変形が見られるのは、将来、転移や再発など良くないことが起こる前兆であったりするのでしょうか?
2) 腋窩リンパ節を郭清した後にその部位に再発するのは考えにくいと思うのですが、確率としてはどれくらいあるものなのでしょうか。
3) 術後の抗がん剤治療は、リンパ節転移ありの症例では複数抗がん剤を用いるのがスタンダードのようですが、母はタキソールを毎週投与で半年間行ったそうなのです。一般的な意見としては、こういった治療は適切と言えるのでしょうか?


ご回答よろしくお願い致します。

1) 検査で問題がないので、術後の傷跡や骨の変形が転移や再発などの前兆である可能性はまずないと考えます。
2) 腋窩リンパ節郭清後の同部位再発は稀で、あっても数%以内と思われます。
3) タキソールだけの治療方法もあり、不適切とは言えないと思います。(文責 石川)

 

No.9979-1】  10年11月29日    T 
術後治療と再発率について

今後の再発率や治療について相談させてください。44歳(出産無し、閉経前)、右乳房部分切除、浸潤性乳管がん、腫瘍径1cm (術前エコーでは1.1cm)、核グレード3、MIB1 55% 、断片陰性、リンパ節転移無し(センチネル生検)、リンパ管侵襲あり1(1〜3で表記)、血管侵襲無し、エストロゲン陽性(8/8)、プロゲステロン 陽性(4/8)、HER2蛋白 スコア0

1) 術後、化学療法(TC4回)と放射線、ホルモン療法(ノルバデックス)を予定しています。主治医からは、手術のみ40% 術後治療後20%程度の再発率と聞きましたが、加えるマイナス要素としてMIB1が高く、リンパ管の侵襲はリンパ節転移と同等のリスクがあると言われ、深刻な印象を受けています。細かい再発率が知りたいのですが、adjuvant online の使い方がわかりません。10年生存率・再発率など教えていただきたいです。
2) 化学療法は4回と、他の方の半分ですが、リンパ節転移と同等のリスクがあるのに、4回で良いのか不安です。経口の抗がん剤など必要ないでしょうか。
3) 核グレード、MIB1が高いため、再発したら進行が早いと言われました。治療後の検診は頻繁にする方が良いのでしょうか。
4) 放射線治療についてですが、25回になるか30回(リンパまで照射)になるか分からないと言われました。リンパ管侵襲があるので、30回の方が再発率が下がるのでしょうか。

よろしくお願いいたします。

1) 10年生存率・再発率はadjuvant online で、腫瘍径1.1cmとして、無治療でそれぞれ87%、32%、術後に化学療法+ホルモン療法が加わると、それぞれ7.7%、20.8%改善する予測となっています。
2) 化学療法は4回の施設もあり、また再発予防なので、不十分ではないと考えます。必ずしも必要ではないですが、TC後に経口の抗がん剤など服用するのも悪くは無いと思います。
3) 必ずしも治療後の検診は頻繁にする必要はないと思いますが、定期的に忘れず受けてください。
4) 切除断端が腫瘍に近かった場合に放射線治療回数を増やすことが多いのですが、リンパ管侵襲がある場合も増やす理由にはなると思います。(文責 石川)

 

No.9979-2】  11年02月08日    T 
再発率について

HPNo.9979で相談させていただきましたTです。解答ありがとうございました。生存率・再発率が無治療で87%、32%、ホルモンと化学療法により7.7%、20.8%の改善ということは、10年生存率・再発率は94.7%、11.2%ということになるのでしょうか。腫瘍径を再度確認したところ、長径1.0cmの楕円だそうです。1.1cmの場合と1.0cmの場合では、adjuvant online で算出される率は変わりますか? また、ホルモンと化学療法の効果は半々と考えてよろしいでしょうか。よろしくお願いいたします。

AdjuvantOnlineのデータはおおまかな予後予想ですので、個人個人のかたのデータの解釈に関しては、ご自身の主治医の先生より直接説明を受けられることをお勧めいたします。(文責 首藤)

 

No.9978-1】  10年11月27日    H 
母の乳がん

お忙しいところ、恐縮です。今回初めてメールをします。今月に入って、55歳の母の乳がんが発覚しました。エコー、マンモグラフィー、細胞診の結果1.5cmのしこりが右胸上部内側にあったとの事。ところが、後日CTやMRIなどの精密検査の結果、1.5cmと言われたしこりは、最大で3.7cmあったとの説明をうけました。現時点でリンパ節や他の臓器への転移は認められないが、例え一個のがん細胞があったとしても、画像上は同定困難とのこと。温存手術を受けるためにまず、術前化学治療をした方が良いとのことで、抗がん剤はタキソールをウィークリーで12回とその後、AC療法を4回する予定です。既に一回目のタキソールの点滴は終り、副作用もひどくはないようです。しかし、来週の点滴予定日が祝日のため(病院が休診)、次回は再来週の予定と医師につげられました。また、タキソール点滴のため入院した際に、胸のしこりのマンモトーム生検と右腋下のリンパ節のABC生検(細胞診?)を受けましたが、この結果はまだでておりません。

1) エコーやマンモグラフィーで測定したしこりの大きさと、CTやMRIで測定したしこりの大きさは、こうも開きがあるものなのでしょうか? 1.5cmと聞いて比較的早期だと思っていたのに、とてもショックです。
2) 普通は組織診の結果を待ってから、それをもとに抗がん剤の種類等を決めていくのではないでしょうか? いきなり抗がん剤のパターンが決まっていたので、少し疑問を抱いております。それとも、乳がんに効く抗がん剤はある程度決まっていて、とりあえずはそれから試してみるということなのでしょうか?
3) タキソールの投与の期間や回数が決まっているのに、病院側の都合で変えてしまうことに疑問を覚えます。白血球の数が極端に少ないからとかという理由ではなく、投与できる人にしないというのはどうなんでしょう? どこの病院に行ってもそういうものなのでしょうか? まだ一回目をしたばかりなのに、次が再来週になるということで、抗がん剤の効果に差は生じないのでしょうか?
4) 右腋下リンパのABC生検をしたのですが、本によると、細胞診は、しこりが小さい場合や微細な石灰化においては、結果の正確性が疑われると書いてありました。母のCT、MRI画像では、リンパにしこりは認められませんでした。となると、検査結果においては不確実な場合もあるのでしょうか?(例えば、がん細胞がるのに、たまたま採取できなかったとか) 術前化学治療で、病理検査が出来ない場合、こういう手法はよく使われるのでしょうか?

長くなり、申し訳ありません。母の事が心配で夜も眠れず、乳がんに関する本やインターネットの情報を読みあさっています。最終的には担当医師との相談が大事なのでしょうが、少しでも助言をいただければ嬉しいです。

1) エコーやマンモグラフィー、CTやMRIで測定したしこりの大きさが、それぞれ異なることは珍しくはありません。
2) 普通は組織診でホルモンリセプターやHER2の結果をみてから、それをもとに抗がん剤・ホルモン剤などを決めていくことが多いと思います。明らかな乳癌の場合には、使用する化学療法の種類・方法はある程度決まっているので、組織診の結果を待たず開始することもあります。
3) いろいろな投与の方法(期間や回数)があります。多少ずれはどの病院でも良くあることです。ケース・バイ・ケースで臨機応変に対処しています。1週間のずれは効果的には問題ないと考えます。
4)不確実な場合もあります。細胞診よりも生検などの組織検査が行われることが多いと思います。(文責 石川)

 

No.9978-2】  10年12月12日    H 
マンモトーム生検査の結果

前回はご回答ありがとうございました。前回相談内容はHPNo.9978です。その後、母のマンモトームの検査結果がでました。
結果は ER陽性の細胞100%、PgR陽性の細胞5%、 HER2 +1  です。ERについては陽性、HER2は陰性ということですよね。PgRについてはどうでしょうか? 
みなさんの相談内容を拝見しましたら、ER+とか−とか++と表記しているものもあれば、陽性陰性と書いてあるものがあったり、%での表記があったり、いろいろです。たぶん、測定の仕方が違うからなのでしょうが、いまいちよく分からないので教えていただきたいと思います。

1) 母の場合、PgRは陽性陰性のどちらなのでしょうか?
2) ホルモン療法に関する説明を読むと、たいていはエストロゲンに作用し、がんの再発を減らす薬がほとんどです。またプロゲステロン製剤はプロゲステロンが乳がんにどう作用するかまだよく分かっていない、副作用が比較的他のホルモン剤より強いため、あまり使用しないと書いてありました。PgRを測定する意味ってあるのでしょうか?
3) PgRが陰性だとすると、ER、PgR両方共が陽性の場合と比べてホルモン療法の効果は劣るものだと理解していますが、母の場合、術前に抗がん剤治療をしているので、効果の減少をすこしでも補えるものと考えて良いのでしょうか?

よろしくお願いします。

1) ER(エストロゲン受容体)やPgR(プロゲステロン受容体)の発現は癌組織を特殊染色して決定します。お母様の場合癌細胞の5%にPgRが発現していたことになります。何%以上が陽性で何%以下が陰性とするかは施設間により若干差があり、10%以上を陽性としたり5%以上あるいは1%以上を陽性としたりする施設があります。
2,3) プロゲステロン製剤は主に進行・再発乳癌に使用される薬ですが、作用機序は不明な点も多くHさんの言うとおり最近ではあまり使用されていません。またER+/PgR+に比べてER+/PgR-はホルモン治療の効果は劣ります。PgRを測定することでホルモン療法の効果を予測し、化学療法の追加を考える指標になります。(文責 大西)

 

No.9978-3】  11年06月18日    H 
母の乳がんについて

いつもお世話になっております。過去質問bヘ9978です。術前化学療法が終了し、4cm近くあった乳がんが、1.5×0.8まで縮小しました。ステージはUからTに変わりました。先日6月2日に乳房温存手術が無事終了しました。病理結果は以下の通りと聞いております。
センチネルリンパ節 0/2、脈間浸潤 −、リンパ管浸潤 −、核グレード 2、断片陰性
ただ一つ気になる事があり、今回質問させていただきました。断片は陰性でしたが、一番下(大胸筋側)のスライスにがん細胞があったとのこと。大胸筋からは1mmしか離れていないと母から聞きました。一応は断片陰性ですが、とても心配です。先生が言うには、大胸筋の膜をはがして術中に病理検査にまわしたが、陰性だったから、筋肉まで癌は及んでいないとのこと。大胸筋を覆う膜に癌がなければ、その奥に癌が残っている可能性は極めて低いのでしょうか? 大胸筋浸潤しているのではないか、大胸筋まで切除すべきなのではと、とても心配しています。
次は放射線とホルモン療法を受ける予定です。放射線を当てることによって、万が一大胸筋まで達しているがん細胞があるとしたら、それらを死滅させることはできるのでしょうか? またこれからの再発率、生存率も合わせて教えていただければと思います。お忙しい中、すみません。病院側の都合なのか、主治医と手術を担当していただいた先生が違い、主治医は乳がんにあまり詳しくないみたいで、あまり多く聞けない雰囲気だと母が言っていました。このような質問、相談が出来る場を提供していただいて、本当にありがたく思っています。どうかよろしくお願いします。

腫瘍が大胸筋から1mmしか離れていなかったため心配であるとのご質問ですが、術中に迅速病理診断まで行って陰性とのことですので、大胸筋に浸潤している可能性は、それほど高くないと考えられます。さらに今後放射線療法を行うことになり、もしごく少しの浸潤があったとしても、放射線療法で癌細胞を死滅させる可能性が高いと思われます。よってメールの内容から判断するに、お母様の手術のような場合は大胸筋を削ることは通常行わないと考えます。また、Adjuvant! Onlineというサイトからお母様の条件で検索すると、10年生存率が約83%、10年無再発率は約80%となります。(文責 谷)

 

No.9977-1】  10年11月27日    T 
しこり

5月にドックの乳がん検診(マンモ)を受け、精密検査必要とのことで、7月にエコーを受けました。左右にしこりがあり、細胞診を行いました。陰性でしたが、『エコー上、顔つきがあまりよくないから、経過を見たほうがいい』と、言われました。11月に再度エコーを受け、大きさは変わりませんでしたが、顔つきは変わらずあまりよくないと言われました。特に細胞診などはせず、次回は3月にエコーをやります。顔つきがよくなくても、大きさが変わらなければ大丈夫なのでしょうか? このまま経過を追っていけばいいのでしょうか? 癌になるのではないか、癌なのではないかと、気になって仕方ありません。大きさは左右とも1センチ以下です。

悪性ならば普通は大きくなっていきます。また大きさが1cm以下なこともあり、このまま経過を追っていけばいいと思います。(文責 石川)

 

No.9977-2】  11年03月14日    T 
乳管過形成

以前も相談したNo.9977です。今月定期受診して、大きさは変わらず1センチ以下でしたが、念のため再度細胞診をしました。結果は陰性でしたが、乳管過形成であるため、今後も定期受診は必要と言われました。やはり癌になる可能性はかなり高いのでしょうか? 現時点でしこりを切除してしまうことは、できないのでしょうか?

乳管過形成は良性病変ですが、異型(細胞の顔だち)が強い場合には乳がんとの区別が難しいケースもあり、また、細胞診で100%正しく診断できるわけではないので、リスクは低いと考えますが、引き続きフォローアップがよいのではないでしょうか。切除は可能でしょうが、小さい病変で良性を強く疑う場合には手術によるデメリット(キズが残る、麻酔薬のアレルギーなど)も考慮すると、経過観察が適当と考えます。(文責 浜口)

 

No.9976】  10年11月22日    T 
タスオミン

乳がんの治療目的ではないのですが、タスオミンを内服している男性36歳です。妊婦には禁忌の薬ですが、男性が内服していて相手が妊娠した場合、胎児に影響はあるのでしょうか?

胎児に影響することはないと思います。(文責 吉田)

 

No.9975】  10年11月22日    A
ノルバテックス

お世話になります。66歳の乳がん患者です。右乳房温存手術を8月に致しました。
充実腺管癌・脈管湿潤ly0 V0・核異型度3・ER(8+)PgR(8+)Her2(2+)FISH(-)病期(1)
閉経後ですが 術後10日から、ノルバテックスを3ヶ月弱服用しています。術後、まもなく放射線照射治療25回致しました。目だけは老眼も無く何らの支障も無かったのですが、一ヶ月前くらいから、眼球を移動する際、目頭を一番に、相対的に目の周りが痛みます。時々霞むようにもなって、副作用を調べましたら、目に支障を生じると記載がありました。私は絵描きですので、この副作用は、何としても避けたいと思います。医師に相談いたしましたが、「副作用は無い]と取り合っていただけません。今、現在は、勝手に服用をやめていますが、転移再発の危険性は大きいのでしょうか? 閉経後は、アロマターゼ阻害剤アリミデックスが良いという掲載もありましたが、医師には、不遜だと存知、お願いできません。服薬を止め、他の免疫療法では克服できないでしょうか? 宜しくご指導お願い申し上げます。

ノルバテックスの副作用ではないと思いますが、念のためアロマターゼ阻害剤に変更して様子を見ては如何でしょう。閉経後の乳癌であればアロマターゼ阻害剤の方が一時選択の薬剤のはずです。今は患者さんが何を云おうと不遜と思う医師はいないと思います。担当医に素直に話してみてください。(文責 吉田)

 

No.9974】  10年11月22日    T.I.
ビリビリ感(HPNo.9618-2)

No9618(5月17日)にお世話になった者です。4月に左乳房温存手術後無治療で7ヶ月になりましたが、びりびり感で不安です。手術前からあった左脇の下側胸部分のびりびり感が次第に強くなり、鎖骨にも拡がり、今は左首の真ん中付近がびりびりとし、顎の方に拡がっています。担当医に話しても 「乳がんと関係がない」といいます。とても気になるので、耳鼻咽喉医に見てもらったところ、「咽頭は異常なし。乳がん細胞が神経に沿っていくことがある。そのせいで、ビリビリ感がすると考えられる。リンパのしこりに注意しなさい」と、言われました。『乳がんガイドライン』 によると、癌は小さくても微小転移が存在するとのこと。不安です。やはり、このビリビリ感は、がん細胞の存在ですか? ずっと続くのでしょうか?

実際に診察してみないと何とも言えませんが、癌細胞の存在ではないと思います。この様なことは、術後全く感じなくなった創部において感覚が戻ってくる時によく経験いたします。何時までも治らない様でしたら、やはり担当医に相談してください。(文責 吉田)

 

No.9973】  10年11月21日    N
リンパへの転移では?と非常に不安です(HPNo.9922-2)

以前、術前化学療法か、手術かで、ご相談させて頂いたものです。44歳独身、左胸に3.5cmのガン。生検ではトリプルネガティブで、ki67が40と高く悪性度が高いようですが、PETでは転移なしです。先日、2回目の抗がん剤の点滴に行ったのですが (FEC) 、白血球が少ないという事で1w延期になり、その際の診察で (エコー)、少しですが腫瘍も小さくなりつつあるという事でホッとしていました。が、翌日左わきに、ぐりぐりしたかたまりがあるのを発見、リンパへの転移では? と非常に不安です。次回の抗がん剤の点滴の際には診察はないので、1月まで診て貰えないのですが、無理を言って診て貰ったほうがいいのでしょうか? 抗がん剤をうって、少しですが原発腫瘍のサイズが小さくなっているのに、リンパに転移だとしたら、どういう事なのか? リンパへの転移がないという事で、ホッとしていたのに、非常にショックも受けています。アドバイスお願いいたします。

FECを1コースした後に、左脇にリンパ節転移が出現したとは考えにくいです。白血球が減少して何かの感染を起こしたのかも知れません。そのぐりぐりが消えないようであれば、診察を受けた方がよいでしょう。(文責 吉田)

 

No.9972】  10年11月21日    かや
トリプルネガティブ

私、今年8月16日に右乳ガンが見つかり、31日に手術致しました。13×11、 2ー6、ca(+)、 f(+)、lye、断端(ー)ng3(3+3)、#sln 0/1 Adenocarcinnoma solid-tubulare of the breast でした。トリプルネガティブで、ベーサル型かもしれません。タキソテールとエンドキサンの抗ガン剤治療を、9月14日から三週間ごと、4回しました。これから放射線治療が25回待っております。私は56才で、40年前に心房中隔欠損症の手術を受けております。針金が胸部に有り心配です。また、予後が悪いこの癌と、どの様に向きあったらいいのかと、苦しんでおります。12年近く、心臓のスパズムおこすので、プリペラとプレマリンを飲んでおりました。2年毎、同じ日にエコー、マンモグラフィはしておりました。去年12月にもしておりましたが、発見されませんでした。残念ですが、これから、どのようにこの病気と向き合えば良いのか、アドバイス頂ければ幸いです。どうぞ宜しくお願い致します。

メールに記載されている13x11,2−6.の意味が良く分かりません。大きさが13x11mmであるとすれば、sln陰性ですのでトリプルネガティブでもそれほど悲観することはありません。化学量法をきちんとやっていれば、再発のリスクは15〜10%以下だと思います。(文責 吉田)

 

No.9971】  10年11月21日    Y  
皮下埋め込み型ポート(HPNo.9916-4)

9961での相談者です。タキソテールでは、効果がいまいちなので、ナベルビンにかわりました。浮腫みがないとのことで少し安心しましたが、点滴が上手く入らず、以前静脈炎をおこしたので、皮下埋め込み型ポートをすすめられました。身体に埋め込むというので不安です。傷口も、うまくひっつくか心配です。やはりそういう人にはすすめられますか? 安心なものですか?

皮下埋め込み型ポートは、安全で長く化療を必要とする人には非常に良い方法と思います。傷口は一週間もすれば大丈夫です。不要となれば摘徐も出来ます。(文責 吉田)

 

No.9970】  10年11月21日    R 
術後薬物治療について(HPNo.9884-2) 

【No.9884】でご相談させて頂いた者です。その節は有難うございました。勢いで乳房全摘しましたが、センチネルリンパ節生検で済んだ為、術後合併症もなく順調に回復しております。病理検査の結果が出揃いましたので、今後の薬物治療について改めてご相談させて頂きます。宜しくお願いいたします。

・閉経前 47歳 血縁者に乳がんなし  ・浸潤性乳管癌、充実腺管癌  ・腫瘍の大きさは12mm大 ・ Nuclear grade1 ・ Ly(-)、V(-)、pn(-) ・ Sentinelリンパ節や腋窩リンパ節転移なし ・ ER:陽性:90% PR:陽性:80%  ・ HER2(2+) → FISH法:判定(-) 増幅認められず ・ Ki67:13.8%   ・現病歴として IDDM があります。

主治医からは、術後薬物療法として「リュープリン+ノルバデックス」を勧められておりますが、IDDMがあるのでリュープリンに少し抵抗があります。それで、ホルモン療法しない場合、ノルバデックスのみ行う場合、主治医の勧め通りにリュープリン+ノルバデックスをする場合の再発・転移のリスクをアジュバントオンラインで計算をお願いできますでしょうか?
又、標準療法ではないようですが、以下の治療法も効果があるのではないかと思っております。
 1、UFTを2年間、ノルバデックスに併用する療法。
 2、ゾメタを5年間、ノルバデックスに半年毎に1回併用する療法。

先生の率直なご意見をお願い致します。

アジュバントオンラインではリュープリン+ノルバテックスのデータはありませんので計算できません。ちなみに無治療の場合の再発・転移のリスクは11%、ノルバテックスを行った場合は4.4%です。おそらくリュープリン+ノルバテックスであれば、これよりも1−2%再発のリスクは低くなるはずです。1は効果は閉経後に有効と思われます。2も良いと思いますが、ゾメタは骨転移のない場合は保険適応外です。(文責 吉田)

 

No.9969】  10年11月20日    M 
病理検査結果(HPNo.9956-2)

先日はご回答いただきまして有難うございました。手術日から6週間後にやっと病理検査の結果が出ました。私は子供二人がおり、一緒に行けなかったので、今電話で聞いたのみなのですが…。7月に実母がお医者様から「しこりの大きさは1センチくらい」と言われていたものの、実際のしこりの大きさは27mmだったそうで、「悪性度は一番低く、転移もなかったので、抗がん剤治療はしてもしなくても患者本人が決める事ですが、医者としては心臓の検査をして抗がん剤に耐えられる様であれば、おすすめしたい」と、言われたそうです。1cmと言われていたのに、大病院の為手術を3ヶ月以上も待たされた結果27mmにもなってしまい、抗がん剤治療をしなければいけなくなりショックでなりません。これから、抗がん剤治療の後に放射線治療、ホルモン治療と治療が続くようです。母も70歳を過ぎたので、フルコースの治療を受けるのはキツイとは思います。 母の乳癌の事でご意見等お聞かせ頂けたら幸いです。

1cm位のしこりが、病理標本では27mm大であったということはよくあります。肉眼的な大きさと顕微鏡的な大きさを混同していませんか? 乳癌の術後の治療は腫瘍大きさのほかに、核異型、ホルモンレセプターやHER2の発現状況によって決めます。現在では70歳を過ぎた方でも積極的に治療を受けている方は大勢います。私は主治医の意見に従うべきと思います。(文責 吉田)

 

No.9968】  10年11月20日    T 
心臓の水について

母(74歳)の乳がんについてお聞きしたく、投稿させていただきました。去年の夏に乳がんが見つかり、リンパ節への転移もあるとのことで、左胸とリンパの手術を受けました。ステージは「2期」と聞いております。続けて放射線治療も行いましたが、倦怠感などの副作用の問題から、ホルモン治療は受けないでおります。乳がんの定期検診では特に異常は出ておりませんでしたが、数ヶ月前から「足のむくみ」が強くなり、循環器系の病院で診察を受けたところ、心筋梗塞や動脈硬化の症状があることが分かりました。その際、「心臓に水が溜まっている」ことも分かり、そちらを調べたところ、「量は多くはないが、がん細胞が含まれている」という結果が出ました。乳がんの病院からは、「転移の可能性を否定はできないが、今すぐに外科的な処置が必要な状態ではないので、心臓の治療を優先して欲しい」という連絡が、心臓の主治医の方に来ているようです。インターネットなどで見ている限り、心臓の水にがん細胞が含まれているというのは、かなり深刻な状態のように思われるのですが、「当面、様子を見る」ということで問題はないのでしょうか? また「がんが転移した」という以外の理由で、心臓の水にがん細胞が混じることもあるのでしょうか? まだ乳がんの主治医から直接話を聞く機会がなく、「癌性心膜炎」などで検索してみると、「余命数カ月」というような記述が見られるので、大変心配しております。詳しいデータなどがございませんので、ご回答いただくのは難しいかと思いますが、一般論で構いませんので、何か情報を教えていただけませんでしょうか。よろしくお願い致します。

「心臓の水」が「心のう水」のことであれば、心膜へ癌が転移したと考えるべきでしょう。「心のう水」が多くたまると心不全となってしまいますので、水を抜かなければなりません。足のむくみは心不全の現れではないでしょか? こうした治療は、乳癌専門医よりも循環器の医師にお任せするのが一般的です。癌性心膜炎の治療は、心のう水のコントロールと抗がん剤の局所注入や全身投与ですが、通常は心不全の治療を優先させます。リンパ節に転移がみられた乳癌であれば癌性心膜炎を起こしてもおかしくありません。(文責 吉田)

 

No.9967】  10年11月18日    A 
同時再建手術(HPNo.9887-2)

二度目の質問になります。よろしくお願いします。前回【No.9887】で質問させてもらった者です。
10/18に左胸全摘とリンパ節郭清、後背筋皮弁法で同時再建手術を受けました。手術直後から左肩、腕の筋肉が麻痺というのか激しい痛みや突っ張り感があり、術後一週間は三角巾で固定されていたこともあり、左腕と左手指が動かしにくくなり生活に支障をきたすようになりました。今リハビリには通っています。手がしばらく上げづらくなることはわかっていましたが、まさかこんなことになるとは思ってもいなかったので、こんなことになるのなら同時再建なんて受けるんじゃなかったと後悔しています。執刀してくださった外科、形成外科の先生とも、「神経はさわってないから大丈夫です。」とおっしゃいますが、整形外科の先生は、手術の時に神経を損傷したのが原因かもしれないとの事。でも「神経は再生するので大丈夫ですよ。」と言われましたが、本当に元通りに治るのか不安です。お尋ねしたいのは、このような症状は後背筋皮弁法ではよく起こることなのでしょうか。形成の先生にお尋ねしてもはっきりした返事をしてくださらないのが現状です。どうぞお教えくださいますようお願いします。治療はホルモン療法のみ。抗がん剤治療などはしていません。

実際に診察をしないと判りませんが、上肢を一週間固定すると非常に痛みが強く関節が動かしにくくなる方がおり、元に戻るのに半年以上かかる人います。後背筋皮弁法の後は、上肢の固定は必須ですので 程度の差はありますが起こると思います。しかし記載されている様な程度の激しいのは稀だと思います。(文責 吉田)

 

No.9966】  10年11月18日    I 
抗がん剤治療

51歳、硬癌、5×6ミリでした。リンパ節、脈管転移はなかったのですが、オペ後、病理結果にて、ホルモン感受性 (−)、顔つきは2でした。担当の先生には、「まずは放射線治療をしてから、抗がん剤治療をするかどうかはそのあとにきめましょう。」と言われましたが、自身としては抗がん剤治療はしたくないのですが、転移を考えると、した方がいいのかなとも思います。私の場合、どうしたらいいのでしょうか?

Her 2の結果がありませんが、陽性であれば抗癌剤を投与しハーセプチンを加えます。陰性の場合ですが、再発転移が心配であればECまたはTCなどを行っておくのが良いしょう。ちなみに海外のガイドラインでは、5mm以上であれば抗癌剤を勧めるものが有ります。(文責 吉田)

 

No.9965】  10年11月18日    J 
タモキシフェン

お世話になります。42歳、閉経前(ルミナールA、ステージ1、低リスク)、タモ単独治療5か月経過後、E2が685.7と増加していました。今後の治療は、リュープリン+タモを継続して行く予定です。
そこで質問です。
◆医師 梅澤 充先生という方のブログで、気になる記載がありました◆
『タモキシフェンも20歳30歳代の患者さんが飲むとエストラジオールを異常に増加させます』
『タモキシフェンが女性ホルモンレベルを増大させることは周知の事実です』
『その事実は、10年近く前(1996年頃?)になりますが乳癌学会で報告しています』
http://umezawa.blog44.fc2.com/blog-entry-206.html
◆質問◆
一度きちんと目を通しておきたいので、文献の出どころ等、もしご存知でしたら、教えて頂きたいと思っています。
◆似たような文献を見つけました◆
「タモキシフェン投与により高エストラジオール血症を伴う両側性卵巣腫大をきたした1例」
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=joma1947&cdvol=112&noissue=3-8&startpage=89&lang=ja&from=jnlabstract

お忙しいところ大変恐れ入りますが、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

タモキシフェンは、女性ホルモンレベル上昇させるということは考えられます。しかし論文の出所は知りません。少し時間をください。調べて分かりましたら、またメールします。(文責 吉田)

私の調べた範囲では、文献は古いものばかりですが送ります。
JC Melehor et al:Variation of estrogen and progesterone recepyor status in
breast cancer after tamoxifen therapy:
Oncology 1990 :47:467-470

V.Craig Jordan et al:
Alteration of endocrine parameter in premenopausal women with breast cancer
during long -term adjuvant therapy with Tamoxifen as siggle agent.
Prevent breast cancer.[j Natl Cancer inst 83 :1488-1491,1991] (文責 吉田)

No.9964】  10年11月18日    N
異時性両側乳癌の、原発、転移について

勉強させていただきありがとうございます。49歳、独身です。2年半前に左乳房全摘(リンパ節転移10/14、左鎖骨上転移、炎症性乳癌の診断)。術後、放射線→ホルモン療法中に右乳房の癌が発覚し、本年3月右乳房温存手術を行いました(リンパ節転移17/20、右鎖骨上転移)。主治医からの術後説明の際、一番気になっていた「右乳房は転移か、原発か」を伺いましたが、「転移か原発か、結局のところよくわからない」との事でした。現在は骨や肝臓、リンパ節等多発転移しているので、今となってはどちらでもよいのですが、疑問が残っています。術後のそれぞれの細胞を調べても「転移」か「原発」かがわからないというのは、どういうことなのでしょうか。自分の勉強のためで申し訳ないのですが、どうぞよろしくお願いします。

転移か原発かを確実に区別する方法はありません。通常は反対側乳癌の起きた状況(他の臓器に同時に転移しているか否か、乳管内成分の多寡)や、組織像とホルモンレセプターやHer2などの結果を比較して決めています。しかし組織像、ホルモンレセプター、Her2などの結果は転移先で変化することがありますので、ハッキリしないことも多いと思います。(文責 吉田)

 

No.9963】  10年11月17日    S  
CEAについて

CEAについてです。昨年1年間の値は、3ヶ月ごとに3.8→2.5→3.4→4.2→3.4→5.7→5.0→4.3でした。しかし、久々の1年後の血液検査のCEAが10.2と、いきなり高値で驚きました。主治医からは、「この値から下がる人もいる。以前にも変動のある方なので、3ヵ月後にもう一度検査をしましょう。」と、言われました。間隔が1年以上空いたとはいえ、この増え方は異常でしょうか? 腹部エコー、胸のレントゲン、健側マンモの異常はありませんでした。ほかの血液検査は、コレステロールが240mg/dlと少し高いくらいです。ちなみに、59歳、浸潤性乳管ガン、ホルモン両方(-)、Her2(3+)、浸潤部4ミリ、リンパ節転移(1/17で0.14ミリ)、術後治療として、AC4クール、ハーセプチン1年間投与。

CEAは乳がんだけではなく、主に腺がんという組織型のがんで上昇することが知られている、腫瘍マーカーですが、がん以外でも喫煙や糖尿病などでも上昇することが知られています。しかし、がん以外で10を超えることは比較的少ないと言われておりますので、注意は必要です。再発の可能性が低いとすると、消化器系や肺や婦人科系のチェックもしておくといいかも知れません。(文責 浜口)

 

No.9962】  10年11月17日    M
今後の治療法について(HPNo.9938-2)

先日はお返事ありがとうございました。HPNo.9938で相談した者です。今後の治療法について今日先生とお話をしてきたのですが、以前は、放射線とホルモン療法をするとのお話だったのですが、「放射線も、全摘でしたのでやらない。ホルモン療法も効かないようなので、やらないで検査をしながら様子を見ましょう。」と、言われました。本当に何もしないで大丈夫?なのか、不安でいっぱいになり、投稿させていただきました。全摘なので、放射線はやらないのではないかと思っていたので、それほど・・・ですけど、ホルモン療法はしなくてはならないんだろうなと思っていたので、びっくりしました。パクリタキセルも来週の金曜日で6クール完了です。お忙しいとは思いますが、よろしくお願い致します。

ホルモン感受性(-)でホルモン療法が効かないタイプであれば、効果は期待できず、術後ホルモン療法は行いません。前回の質問(#9938)を拝見しますと、ER+と書いてありましたが、もしER(エストロジェンレセプター)が少しでも陽性であれば、ホルモン療法の効果が期待できますので、術後ホルモン療法を検討することになります。確認の上、主治医と相談してみて下さい。(文責 浜口)

 

No.9961】  10年11月15日    Y 
タキソテールの副作用(HPNo.9916-3)

HPNo.9916で相談したものです。副作用で足が太ももの裏までぱんぱんに浮腫んできて、正座ができません。利尿剤ももらって飲んでいますが、浮腫みがひどくなってきたます。利尿剤のほかに浮腫みをなくすことはできますか? よろしくお願いします。

タキソテールの副作用として、5人に1人程度、浮腫がみられ、重症の場合には治療を中断するケースもあります。浮腫の治療としては、利尿剤などの薬物療法と、体を締め付けるような洋服は避けたり、下肢を高くして寝たり、長時間の立ち仕事は避けたり、また、塩分の多い食事を避けるなどの生活上の注意や、マッサージなどの理学療法が有効です。しかし、現実にはなかなか治療に難渋することも多く、浮腫とうまく付き合いながら、根気よく治療を続けて下さい。(文責 浜口)

 

No.9960】  10年11月15日    M
ホルモン療法について(HPNo.9860-2)

以前に放射線の治療について、ご回答頂きありがとうございました。まもなく放射線の治療25回を終了する予定です。今日はホルモン療法について質問致します。現在、タスオミンを服用中です。放射線の開始と同時に抗がん剤投与から止まっていた生理がきて(放射線治療前に、数回不正出血あり)、 2週間目にまた生理が来ました。2回とも出血の量がかなり多く、体調も悪く、心配になりました。主治医の先生からは、生理が始まったら、LH-RHアゴニスト製剤をすすめられています。8月調べた血液検査では、FHS 24.7 エストラジオールE2 267.6。 私自身、更年期障害のような症状があり、数値からめても、閉経が近いのではと思いますが、LH-RHアゴニスト製剤の治療は必要でしょうか。よろしくお願いいたします。

閉経前の術後補助ホルモン療法は、NCCNのガイドラインでもタモキシフェン(ノルバデックス、タスオミンなど) 5年間投与が標準ですが、LH-RHアゴニストを併用することにより、有意差はないものの、再発リスクを下げる効果が期待でき、日本では併用療法が広く行われています。骨粗しょう症がなく、更年期障害の副作用が許容範囲内であれば、併用療法を考慮したらよいと考えます。(文責 浜口)

 

No.9959】  10年11月15日    K.H.
多発骨転移

今回は、 多発骨転移の治療についてご質問させていただきます。当方、54歳。7年前に温存手術後、ホルモン療法(抗エストロゲン剤)の投薬を続けておりましたが、3年前に骨転移(再発)いたしました。骨盤内、仙骨、腸骨に病巣が見つかり、放射線照射、ゾメタ、ゾラテックス、抗エストロゲン剤での治療。この3年間は、特に異常もなく落ち着いておりました。ここに来て腰痛があり、腸骨あたりの痛みがなかなかとれずにいましたので、MRI検査をいたしました。その結果、既存病変の増大と、新たに椎体数箇所に転移しておりました。現在、痛みのほうは、鎮痛剤で和らいではいます。内臓転移はありません。今後の治療についてですが、 主治医の方からは、多発性骨転移に効果的な放射性ストロンチウムを用いた疼痛緩和療法を検討してみてはどうかといわれました。この薬の効用については、かなりの効果が期待されているようですが、今現在、痛みのほうが、鎮痛剤でコントロールできそうであれば、そう急いでこの治療に受ける意味はあるのか疑問です。私は、この治療は、あくまで疼痛緩和目的のものであり、癌自体の縮小や転移が消えるものではないと理解しておりますが、その一方、がん細胞そのものをたたく効果もあるようで、まださほど痛みの出ていない状態で投与することにより、今後のQOLを維持することができるのであれば、早めの投与も有効かとも考えます。また、いつ起こるかわからないあの激痛に不安をいだきながら生活するよりは、今は痛みがでていなくても、これからの痛みを予想して、先手を打ったほうがいいのか迷います。もし、ストロンチウムを選択した場合、現在投与中のゾメタとの併用できるのでしょうか、合わせてご相談申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。

ストロンチウム89は、多発性骨転移による疼痛軽減に効果があり、奏効率は約76%と高く、1回の治療で数カ月間効果が持続し、また、骨折の予防効果も期待されます。効果がおちてきたら再投与も可能です。副作用として骨髄抑制があるため、抗がん剤治療中の場合には、一時抗がん剤治療を休む必要がありますが、ビスフォスフォネートとの併用は可能です。しかし、ストロンチウム89にも骨折予防効果が期待できるため、ビスフォスフォネートとの併用のメリットは少ないとの報告もあります。鎮痛剤の効果が不十分であれば、積極的に考えてみていいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.9958】  10年11月15日    S
ホルモン治療の切り替えについて(HPNo.8638-3)

以前、No.8638で相談させていただきました。あれから2年程経ち、現在はホルモン治療のみをしています。閉経前という事でノルバデックスを服用していましたが、生理も止まり、ホルモンの数値が10以下になったとの事で、2ヶ月程前からアリミデックスに切り替わりました。副作用としては、頭痛や関節痛がある程度です。最近骨密度を調べる機会があったのですが、骨粗しょう症と診断されてしまい、今のままアリミデックスを服用しているのが心配になってきました。アリミデックスは骨粗しょう症や骨折の心配もあると担当医から聞いているので、定期的に検査するという事ですが、もし副作用が酷いようならノルバデックスに戻すと言われています。ノルバデックスに戻すべきか、このままアリミデックスを服用していくべきか、他の方法が良いのか、アドバイスをいただきたいです。お忙しい所申し訳ありませんが、宜しくお願い致します。

閉経前後で骨粗しょう症ということは、もともと骨密度が低めと考えられ、アリミデックスを内服されると、更に骨密度が低下する可能性があります。フェマーラやアロマシンといった、他のアロマターゼ阻害剤もほぼ同様です。骨粗しょう症に対しては、まずはカルシウムを多く摂取するようなバランスのよい食事と、適度な運動が勧められますが、アリミデックス内服中はリスクが高くなりますので、カルシウム製剤、ビタミンDやビスフォスフォネート製剤の服用を考慮したらいかがでしょうか?それでも骨粗しょう症が進むようであれば、ノルバデックスに戻すことを考慮したらいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.9957】  10年11月15日    F 
タモキシフェンの服用について

65歳女性です。左乳房全摘手術後、2週間経過しました。主治医より、放射線治療はしない、抗癌剤は使用しないことを前提として、今後長期に亘り”タモキシフェン”を飲むか、何も飲まないかの選択を求められています。対側乳癌の発生をできるだけ低く抑えるためとの見解のようです。姉妹に子宮体癌の患者が居り、当該薬の副作用が気になります。病理検査結果は次の通りです。
非浸潤癌 ・センチネルリンパ節転移なし(0/3) ・広がり6cm ・病期0期 ・ホルモン受容性(エストロゲン100%、プロゲステロン0%) ・ハーセプテスト3+・Ki-67 6〜7% 
・核異型度1
御意見を賜りたく、宜しくお願い致します。

非浸潤癌で乳房切除術後であれば、再発リスクは低く、基本的には術後の全身療法は必須ではなく、対側乳がんの予防効果を期待してタモキシフェンを5年間服用するというオプションもありますが、血栓症や子宮体がんのリスクもあるため、メリットとデメリットをよく考慮した上で、決める必要があります。個人的には対側乳房のチェックを定期的に行っていけば、全身療法なしでもよいと考えます。(文責 浜口)

 

No.9956-1】  10年11月15日    M
病理検査待ちについて

7月に実母がお医者様から「しこりの大きさは1センチくらいで、今のところリンパへの転移はしていない。転移し重篤な人から手術は優先なので、とりあえず手術は10月過ぎに」と言われ、ようやく10/4に手術をしました。その日に先生から「今のところリンパへはいっていない様です。」と説明を受け、ホッとしたのですが、本日、病理検査結果が出るはずだったのが、「まだ出ていないので来週」と言われたそうで、術後1ヶ月以上も経っているのに、そんなに長い間結果が出ないなんて、と不安になりました。大病院なので、手術も3ヶ月も待たされ、放射線治療は取りあえず年内には終わって欲しいという要望は伝えたのですが、何もかもが延び延びで、こんなペースで大丈夫なのだろうかと、心配です。母の乳癌の事で、ご意見等お聞かせ頂けたら幸いです。

現在、乳がん治療をとりまく環境はどこも大変なようで、乳がん患者さんが増加しているにもかかわらず、医師やスタッフが増えるわけではなく、逆に病院は減ったりして、乳がん治療も一部の病院に集中する傾向にあります。そうすると、乳腺専門医のいる大きな病院では、手術まで3ヶ月待ち、術後病理結果が出るまで1ヶ月待ちは標準的かも知れません。あせらずに一歩一歩治療を進めていかれればよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.9956-2】  10年11月20日    M
病理検査結果

先日はご回答いただきまして有難うございました。手術日から6週間後にやっと病理検査の結果が出ました。私は子供二人がおり、一緒に行けなかったので、今電話で聞いたのみなのですが…。7月に実母がお医者様から「しこりの大きさは1センチくらい」と言われていたものの、実際のしこりの大きさは27mmだったそうで、「悪性度は一番低く、転移もなかったので、抗がん剤治療はしてもしなくても患者本人が決める事ですが、医者としては心臓の検査をして抗がん剤に耐えられる様であれば、おすすめしたい」と、言われたそうです。1cmと言われていたのに、大病院の為手術を3ヶ月以上も待たされた結果27mmにもなってしまい、抗がん剤治療をしなければいけなくなりショックでなりません。これから、抗がん剤治療の後に放射線治療、ホルモン治療と治療が続くようです。母も70歳を過ぎたので、フルコースの治療を受けるのはキツイとは思います。 母の乳癌の事でご意見等お聞かせ頂けたら幸いです。

1cm位のしこりが、病理標本では27mm大であったということはよくあります。肉眼的な大きさと顕微鏡的な大きさを混同していませんか? 乳癌の術後の治療は腫瘍大きさのほかに、核異型、ホルモンレセプターやHER2の発現状況によって決めます。現在では70歳を過ぎた方でも積極的に治療を受けている方は大勢います。私は主治医の意見に従うべきと思います。(文責 吉田)

 

No.9955-1】  10年11月15日    M..N
術後補助療法等について

突然の乳がんの告知を受けてから過去の相談を読ませていただきました。今回、はじめて相談をさせていただきます。私自身の乳房温存手術が9月末に終了、病理検査の結果を聞いています。62歳、閉経後。今まで大きな病気歴はありません。 
判っている事は、・浸潤性乳管がん(硬がん)  ・腫瘍の大きさは11mm×12mm ・切断断端 陰性  ・波及度  乳房内、脂肪織  ・リンパ管浸襲 0  ・血管浸襲 0  ・グレート 1 ・ホルモン受容体 ER +(90%)  PgR −(1%)   ・HER2(ICH法)+1 ・腋窩リンパ節郭清 なし  ・リンパ節転移 0個(センチネルリンパ節生検のみ実施しました。)

1) 現在、ホルモン療法と放射線照射を受けています。臆病なので、少しでも再発、転移を避けたいと思っていますが、複数遺伝子の発現解析検査や化学療法等他の療法を追加してもらうように、これからでも申し出ることは必要ないでしょうか。
2) アジュバントオンラインというもので計算すると、私の場合はどのような結果になるのでしょうか。

お手数をおかけいたしますが、どうかよろしくお願いいたします。 

アジュバントオンラインによれば、手術のみでその後薬物療法なしの場合の再発リスクは、10年間で16%で、ホルモン療法で6%リスクが減り、10%となります。化学療法を追加した場合、1〜4%の上乗せが期待でき、リスクは6〜9%と計算されます。基本的には再発リスクは低く、化学療法の効果も少ないため、術後はホルモン療法というのが標準的です。オンコタイプDXなどの遺伝子解析を行って、リスクが高いと判断された場合には化学療法を考慮してもよいでしょう。気になるのであれば、主治医にもう一度相談してみたらいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.9955-2】  10年12月31日    M..N
術後補助療法等について(その2)

HPNo.9955の相談をしたものです。先日はご回答ありがとうございました。本日は前回の相談の続きで、@オンコタイプDXの件とAPgR陰性についてお教えください。

1) その後主治医とは診察時に十分な時間が取れなかったり、アジュバントオンラインの結果を参考にしたり、オンコタイプDX が保険対象外(かつてのハーセプチンのような治療であれば保険対象外であっても受けるつもりなのですが)であったり、病理結果の説明時、医師の話に「抗がん剤の効かない癌だから」という言葉があったので、ホルモン療法を開始しています。しかし、やはりこれで良かったのか、ずっと気になっています。
確認です。オンコタイプDXは、あくまで「治療法を決定するための検査」と理解してよいでしょうか。極端な言い方をすると、現在私はホルモン療法を受けていますが、オンコタイプDXでスコアが高い数値を示し、リスクが高い時に「化学療法を追加するか否かを判定するもの」と考えていいのでしょうか。これからでも、オンコタイプDXの検査を受けておくと、今後の治療に役立つメリットがあるでしょうか。また、ホルモン療法を始めてしまっていても検査を受け、戻るような形で化学療法をすることは考えられるのしょうか。
なお、前回のこの回答でもお書きいただいた「化学療法の効果が少ない」、あるいは主治医の言う「抗がん剤の効かない癌」というのは、オンコタイプDXを受けても、多分スコア値はそれほど高いものにならないであろうということを推定しているのでしょうか。
そのようなことを含めて、ホルモン療法を迷わず続けていくことが現在の標準治療と考えてよいのでしょうか。

2) PgR陰性でホルモン療法を受けた場合、薬の効き具合が悪いということが、こちらの相談室の他の方の回答に書いてありました。アロマターゼ阻害剤で、エストロゲンを抑える薬(ER陽性)でもやはり効きが悪いと認識しておくべきでしょうか。どの程度薬の効果が悪いということは、はっきりしているのでしょうか。

以上、質問が長くなってしまいました。年末年始の時期にあたり急ぎませんので、どうかよろしくお願いいたします。

1) オンコタイプDXは、16の遺伝子を抽出して、これらの遺伝子の発現の度合いをスコア化したものですが、0〜17点を低リスク群、18〜31点を中間リスク群、32点以上を高リスク群と判定します。エストロゲンレセプター陽性で、リンパ節転移のない場合、化学療法を行うかどうかを決めるのに有効な検査で、高リスク群と判定された場合は、化学療法の追加効果によって再発を抑えることが期待されます。オンコタイプDXを行うかどうかについては、主治医とご相談下さい。

2) プロゲステロンレセプターは、エストロゲンの作用により誘導される蛋白で、エストロゲン作用発現機構の代表的な最終産物です。プロゲステロンレセプターがあるということは、エストロゲンが正常に機能し、標的細胞内で正常に作用していることの間接的な証明です。乳管癌は発生の時点では、ほぼ100%エストロゲンに感受性があり、進行するに従って遺伝子の破壊が進み、もともとの性質を失って、感受性が落ちていきます。従って、プロゲステロンレセプターは、エストロゲンに対する高感受性を表す指標ではありますが、ホルモン剤が効くかどうかの基準にはなりません。乳癌内分泌療法の有効率は、エストロゲンレセプター、プロゲステロンレセプター同時陽性で約70%、単独陽性で約30%です。(文責 須田)

 

No.9954】  10年11月15日    Y.S
長年あるしこりについて(3)(HPNo.9936-3)

先日ご相談させていただいたしこりのMRIの結果がでました。「充実性癌の疑い、腫瘍1.4センチ×1.1センチ、乳管内進展なし」とあり、はっきりとはわからないそうです。前は外科生検ということでしたが、今度マンモトームではない太い針で、検査することになりました。そこで気になることがあるのですが、先週より、左のしこりのあるほうの肩先とひじの外側の骨?が痛みます。腕も急にひどい筋肉痛のように痛みがあり、今朝はだいぶ治まりましたが、背中が朝起きたとき、痛みがありました。一番気になっているのが、左足裏の痺れで、昨日もずっとしびれておりました。しこりが小さくても転移はすると知り、先生にも相談しましたが、この状態でいきなりその転移はないでしょうと言われ、取り越し苦労だったらよいのですが、4年も検査しておりませんでしたので、しこりは5ミリおおきくなっただけですが、骨転移かとかなり心配しています。自己診断で、あまりしこりに変化がないと、ほうっておいたのを後悔しておりますが、骨転移の可能性もあるのでしょうか? いろいろ質問して申し訳ありません。どうぞ宜しくお願いいたします。

骨転移の心配はあまりしないでよいと思います。まずは、診断をしっかりつけることが大事ですので、ひとつひとつ進めていけばよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.9953】  10年11月10日    K 
今後の治療について

2004年6月、49歳の時に乳がんと診断され、左乳房全摘出・腋窩リンパ節全廓清をうけました。StageVaでした。現在は55歳です。ホルモン受容体は、エストロゲン受容体・1+、プロゲステロン受容体・陰性です。HER2・3+です。術後は、再発予防のため、CMF療法を3コース行い、その後フルツロンを2年4ケ月内服しました。味覚異常の副作用が強く出ました。ホルモン剤は、術後からフェアストン、途中からフェマーラを内服していました。
私の場合、腫瘍マーカーが反応しないとのことで、1年に1回PET検査を受けていました。術後2回目の2006年6月のPET検査では異常なしという診断でしたが、まもなく触診で左鎖骨上に転移が認められました。2008年1月にPET、エコー等の検査をして、左鎖骨上窩リンパ節と右腋窩リンパ節に転移が見つかりました。前回のPET画像と比較したところ、前回の画像にも転移が認められ、術後3年以内の再発でした。2008年1月から、週一回ハーセプチン120rの投与を受けていますが、それまでの病院が遠距離でしたので、通院の軽減のために自宅近くの病院に転院しました。ホルモン剤はフェマーラを継続していましたが、現在はアロマシンを内服しています。その時から、PETCT検査は、半年に一回受けています。
2008年12月の検査では右腋窩リンパ節の影は消えていましたが、左鎖骨上窩リンパ節の方は大きくなり、2009年1月、左頚部リンパ節に放射線治療を受け(60グレイ)、PETCTで転移消失が確認されました。当時の主治医からは、3週間毎3倍量のハーセプチン投与も可能という話もありましたが、副作用の心配から毎週の投与の方が良いと言われて、それ以降も毎週続けてきました。その間、主治医が転勤により代わられました。
2010年10月20日に受けたPETCT検査では異常が見られず、転移像が消えて1年半になりました。主治医の先生からは、私の場合は再再発のリスクが高いので、治療を止めずに、このまま毎週の投与を続けるか、隔週ごとに同量の投与を続けるかの二択を提案されています。でも、まだこういうケースについての標準治療が確立されていないので、ハーセプチン中止を含め、患者自身の選択を優先すると言われました。自分自身でも、先生のおっしゃることはもっともだと理解しています。勿論ハーセプチンを止めても問題なければ止めたいところですが、ハーセプチンを止めてから再発した場合、再びハーセプチンを開始してもハーセプチンの効果が期待しにくいということや、ラパチニブの副作用もきついと聞き、どうしたら自分にとって後悔しない選択になるのか悩んでおります。このまま、毎週ハーセプチン投与を続けるのも、可能な生活状況にはあります。
乳がんになる前から、脊椎椎間板ヘルニア、頚椎変形性脊椎症があり、首と腰と足の痛みがあります。整形外科の先生からは、女性ホルモンを足せば楽になると言われていますが、乳がん治療のためホルモン剤を内服しているため、難しいことだと考えています。痛みに対しては整体や理学療法で凌いでいますが、30代から橋本病に罹っており、その影響も出ていると思います。橋本病が原因で、甲状腺腫瘍も大きくなり、経過観察中です。
現在の身体状況は首と腰の痛み、座骨神経痛以外に手足の末梢神経障害と手足の冷えやこわばり、全身の関節痛などがあり、特に足先の痺れがきついため、年間足を暖めて過ごしています。
以前より体力や筋力が落ちてきていて、時々寝込んだりはしますが、軽い家事をする日常生活はできています。今後もできるだけ今のQOLを落とさないで暮らしていきたいと思っております。つきましては下記2点について、先生のご意見をお伺いしたいと思います。
 
1) 今後の乳がん治療はどのようにするのがよいのか。(ハーセプチン投与の仕方、ホルモン剤の内服など)
2) 現在の痛みや治療の副作用を和らげる治療方法があるのか。

現在使用中の薬……… アロマシン、 チラージン、 デパス、 プロマック、 メチコパール、レンドルミン、 ツムラ牛車腎気丸、ロナフェルミン、ボルタレン など
以上、ご多忙中恐縮ですが、よろしくお願いいたします。   

乳がん以外にも併存疾患があり、様々な症状を抱えながらの治療で、ご苦労されていることとお察し致します。再発乳がんの治療は現在効果があるようで、病状も安定しているようで、確かに、いつまで治療を続けたらいいのかは難しい問題です。再発乳がんの治療の場合、画像上がんが消失したとしても、細胞レベルでがんが残っていれば、治療を中止するとまた増殖してくることが考えられます。現時点では、副作用などが許容範囲内で、身体的に、社会的に、経済的に、治療の続行が可能な状況であれば、現在効果の出ている治療を可能な限り続けることをお勧め致します。ハーセプチンの投与法についても、再発乳がんの場合には毎週投与が標準的な方法であり、様々な理由から2週毎や3週毎の投与を行うことは実際の医療現場ではあると思いますが、状況が許すのであれば、現在の治療を続行することをお勧め致します。
痛みなどの症状につきましては、併存疾患が原因なのか、薬の副作用なのか判断が困難ですが、症状に対し対症的に薬で治療していくことになると考えられ、現在行われている治療法がよいと考えます。痛みなどがあり大変とは思いますが、現在の体力や筋力をなるべく維持しながら、乳がんの治療を続けて頂けるとよいと思います。(文責 浜口)

 

No.9952】  10年11月10日    S.A.
無治療無再発率

いつも相談室を拝見させていただいてます。さっそくですが、無治療無再発率をアジュバンドオンラインでみていただきたいのですが・・・。年齢51歳です。閉経前です。手術後の病理検査の結果が、surgical margin(-)、肉眼的波及度はG、組織学的波及度はg、リンパ節転移n0、粘液変性(muc)は0、脂肪・皮膚・大胸筋の浸潤なし、リンパ管・皮膚リンパ菅・静脈の侵襲なし、乳菅内進展の程度は2、乳菅内癌の亜型は充実と乳頭状で、浸潤径(inv)1mm、浸潤部の亜型nest,中心壊死0・中心線維化0 ・核異型度1・核分裂像0・腺菅形成性0 と、なっておりました。ちなみにホルモン感受性等はトリプルマイナスでした。お忙しいとは思いますが、どうぞよろしくお願いします。

アジュバントオンラインにそのままデータを入れますと、10年の無治療の再発率は15%になります。しかし、腫瘍のサイズは0.1-1.0cmでくくられてしまうので、15%となり、化学療法を行うことにより、再発率は5%下がると予測されます。実際には浸潤径が1mmであれば、非浸潤癌に近いと考えられますので、再発率はもっと低いと考えられ、化学療法の効果も更に低くなります。術後再発予防の補助療法は行わずに経過観察するのが、一般的と考えます。(文責 浜口)

 

No.9951】  10年11月07日    T 
乳腺専門医

3年前に乳がん温存手術を受けた者ですが、手術も経過も良好で、ホルモン療法中です。が、最近、主治医の先生が、乳がん学会の乳腺専門医のリストにないことを知りました。検診を受けた病院から紹介を受けた際、乳腺の認定医であることは知っていたし、手術数も多いとネットに書いていたし、乳がんの名医として載っていることもあるし、先生との相性も良さそうなので決めたのですが、専門医は認定医よりも上の段階であるようなので、少し不安になって、メールさせていただきました。他の分野の先生(放射線や病理)や、設備も、私なりに整っていると思っていたのですが、受けるからには最善の治療を受けたいのですが、認定医だけでは不安でしょうか?

資格よりも、ご自身の主治医に対する信頼感で評価されるのが一番重要です。もし、治療方針で悩むことがあれば、セカンドオピニオンとして、専門医の意見を聞かれてはいかがでしょうか。(文責 徳田)

 

No.9950】  10年11月05日    A.O.
外科的生検後の癌の乳頭乳管内進展について

7月の検診から細胞診2回、マンモトーム生検と検査を続けて来た所、右乳房上部に限局した乳管内非浸潤癌が見つかりましたが、左はしこりはあるものの、異型乳管上皮過形成と出ました。再度左をより太い針での生検という選択肢もありましたが、正確を期す為に外科的生検を受けました。摘出したしこりは、乳頭直下で2pぐらいの大きさでした。以前から、担当医には、乳頭を残して「皮下乳腺全摘」を提案されていましたが、乳 頭直下に癌がある場合は乳頭を温存すると、放射線をかけても乳頭内乳管から再発の可能性が高いと読んだ事があります。また生検の為に切除した時点で癌細胞が乳管内に進展する事もあると思い、不安になっています。

1) 癌ではなく再度異型乳管上皮過形成の結果が出た場合、右のみ皮下乳腺全摘手術を受け、左は経過観察しかないのでしょうか。
2) 癌だった場合、再発のリスクを減らす為には、乳房全摘手術を選択するべきでしょうか。生検によってすでにくぼみが出来てしまった乳房の整容性と、癌だった場合の危険性に、今さらながら悲しい気持ちになってしまいました。

上記2点につきまして、今後の方向性の参考になるご意見が伺えたら幸いです。 よろしくお願いいたします。

1) 異型乳管上皮過形成は、癌ではないのですから、よかったと考えましょう。ただし、別に癌が発生する確率は高いと思います。右の非浸潤癌がホルモン感受性があるのであれば、タモキシフェンを内服しますので、左側の予防にもなります。
2) 癌の場合、温存術を行って、乳頭を含めて断端が陰性であれば、全摘する必要はありません。乳頭も温存可能です。整容性については、切除する乳腺の量、もともとの乳房の大きさによると思います。(文責 徳田)

 

No.9949】  10年11月04日    Y.S.
長年あるしこりについて(2)(HPNo.9936)

細胞診の結果が出ましたが、先生より、「このしこりは手術で摘出したほうがよいですね。」との事。 良性70%、悪性30%と言われました。細胞診では、悪性とも良性ともわからなかったそうです。細胞がいわゆるグレーというか、異形細胞の様相のようです。私自身も摘出して、しっかり検査をしてもらったほうが良いとは思っています。もう少し早くとるべきだったかもしれませんが・・・。この後、MRIをとる予定です。 そこでお尋ねさせていただきたいのですが、
1) 異形細胞とは、時々耳にはいたしますが、前がん状態と考えてもよろしいのでしょうか? そもそも異形細胞とは簡単にいってどのようなものなのでしょうか?(ややこしい質問ですみません)
2) おそらく今年中には、しこりの摘出手術を受けると思いますが、良性だったらよいですが、悪性だった場合、そのときに通常はリンパ節の転移の有無を調べるのでしょうか? 悪性でしたら、もう一度手術して、大きく患部を切除するのでしょうか?

とりとめもなく質問をさせていただきましたが、いろいろ不安で申し訳ありません。どうぞ宜しくお願いいたします。

1) 異型細胞とは、一言で言えば、正常細胞とは言いきれないような細胞です。良性の病変から取られることもあるし、癌の場合もあります。それをはっきりさせるために病変を切除して調べるのです。
2) 通常、手術は、局所麻酔で日帰りで行います。まず、診断をつけてから考えましょう。(文責 徳田)

 

No.9948】  10年11月04日    N.O.
病院について

東京都在住です。中野区の乳がん検診を受け、触診で異常なし、マンモグラフィを受けた後、精密検査が必要ということで、本日T病院でエコーを受けました。そこで詳しい説明は何もなかったのですが、「マンモグラフィとエコーと触診の結果から、全く心配ない状態とはいえないので、もう少し詳しく検査をします。」と言われました。細い針を使う細胞の検査では見落としが多いので、もう少し太い針を使って検査をしますとのことでした。今まで全く乳がんなどの知識がなく、少し混乱していますが、その検査の結果、悪性ということになった場合、病院をどうしようかと悩みます。本日受診したT病院の医師は、乳腺認定医だということは、今HPを調べてわかりましたが、あまりにも説明が少なく不安になりました。今後のことを考えると、悪性だった場合セカンドオピニオンを求めるため、他の病院も受診したいのですが、東京都内でお勧めの病院がありましたら、ご教示いただきたく質問させていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

日本乳癌学会のHPで、都内の乳腺専門医を探されるのがよいと思います。所属施設も表示されていますので、ご利用ください。(文責 徳田)

 

No.9947-1】  10年11月03日    Y.A. 
ホルモン治療

現在44歳、2年6ヶ月前に温存手術を行い、その後ゾラデックスとノルバデックスにて治療、ホルモン治療を始めた月から生理は止まりました。3ヶ月前に、血液検査にて閉経を確認しないまま、アリミデックスのみに変更しました。アリミデックスのみに変更してから、ほとんど出ていなかったおりものが、少しですが、出るようになったり、生理が来ていた頃、生理前に胸が張るときに起こる乳首の痛みに似た乳首の痛み(胸は張りません)が出るようになりました。そのような症状が出るということは、再び女性ホルモンを分泌しているのでしょうか? 主治医に相談するつもりですが、診察日まで1ヶ月程あります。すぐに血液検査を受けたほうがいいでしょうか? 気になるので相談させて頂きました。

卵巣からの女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が再開している可能性が高いと思います。そうであるならば、アリミデックスからノルバデックスに戻した方がよいでしょう。1か月後の診察ならば、診察の時まで待っても大丈夫と思います。(文責 俵矢)

 

No.9947-2】  10年12月14日    Y.A. 
ホルモン治療(2)

前回HPNo.9947にて相談させていただきました、今回もよろしくお願いします。相談後生理が再開し、診察時に血液検査を行い、その結果、再びホルモンを分泌しているということで、ノルバデックスに戻りました。主治医の先生は、「早期だったし細胞の顔つきもそう悪くないので、ゾラデックスはやらずに少し様子を見ましょう。」との事でした。ゾラデックスを再開し、ホルモンをしっかり止めたほうがいいでしょうか? 以前、No.7927 にて、病理の結果を含め相談させて頂いています。

閉経前浸潤性乳管癌術後の患者さんに対するホルモン療法ですが、Y. A.さんのように5年間の抗エストロゲン剤(ノルバデックス)単独もしくはLH-RHアナログ(ゾラデックス)+抗エストロゲン剤が勧められます。通常ゾラデックスをノルバデックスにかぶせる時は2-3年です。既に2年ゾラデックスを内服されているということですので、ノルバデックス単独でも十分だと思いますが、仮に副作用がなくまたゾラデックスを中止することが心配なようでしたら、主治医の先生と相談してみてはいかがでしょうか。以前の病理結果についても拝見いたしましたが、中リスク群だからゾラデックスは3年間の投与が望ましいとか、そういうことは特にありません。(文責 大西)

 

No.9946】  10年11月03日    M 
骨転移

2005年9月(34歳)に乳房温存手術をうけ、術後5年目の2010年9月(39歳)の定期検診で、右腸骨に骨転移と診断されました。今の所、他には転移の所見無しの様です。左乳腺ガン。ステージUa・グレード1・リンパ節転移無し・ハー2=+1・ホルモン受容体=両方とも陽性。放射線治療の後、妊娠希望の為、化学療法は辞退。ホルモン療法も3年で中止(リューブリン2年、ノルバディクス3年服用)、生理も順調に整ってきた矢先の転移発覚で、とてもショックでした。時々痛みがあったのですが、接骨院等で3日も通院すると痛みが無くなってしまうので、単なる神経痛かと思っていました。今月より腸骨に放射線治療50Gy照射。ホルモン療法再開。ゾメタ投与開始。今一番不安なのは、主治医の治療方針は納得出来るのですが、治療期間に関して、聞いても答えてくれない事です。例えば3年続けて効果を見て、その後の方針を決めましょうといった事なら、私も目標が持てるのですが、『5年もゾメタをやっている人もいるし、骨に入ったガンは無くならないから』と言った感じで、はっきり答えてくれません。それと、予後次第ではあるのですが、どうしても妊娠の希望が未だ捨てられません。主治医は取り合ってくれず、妊娠は諦めろといった感じです。予後次第で、治療を中止して、もう一度妊娠に向けて頑張るのは危険な状態なのでしょうか。骨転移してしまった自分の立ち位置が解らなくて、とても不安です。ゾメタ投与期間の目安と、骨転移してしまったら閉経年齢までリューブリンを打ち続けるしかないのかも、教えて頂けると幸いです。宜しくお願い致します。

転移再発乳癌の病状は、患者さんひとりひとりで違うものなので、診察や、検査結果を見ないで、ここで貴方の質問に答えることは困難です。主治医の先生に、今一度、病状についてもっと詳しく知りたいということをお話になって、よく訊いていいただくのが一番だと思います。(文責 俵矢)

 

No.9945】  10年11月03日    C.N.
腫瘍マーカー

先日、勤め先の健康診断の時に、オプションで腫瘍マーカーの検査をしてもらいました。検査項目は「CA15-3.乳がん・卵巣がん」です。健康診断の結果、腫瘍マーカーの数値が32と基準値よりも高いので、受診してくださいとのことでした。この場合、何科を受診したらよいのですか? 婦人科ですか? それとも乳腺ですか? それと腫瘍マーカーの数値が32ってことは、どこかに癌がある可能性が高いってことなのでしょうか?

腫瘍マーカーは、基本的には癌の早期発見に役立つものではありません。数値が基準値より少し高くても なんでもないこともよくあります。乳腺科をとりあえず受診してみてください。(文責 俵矢)

 

No.9944】  10年11月03日    Y 
皮膚の変色と変質

10年前、左乳房温存手術を受けました。腫瘍1.8センチ、リンパ節転移無し。術後は、放射線とノルバディクス5年間服用。現在48歳です。しばらく前から、患側の皮膚の一部分が少し濃く変色し、皮膚感も少々違ってきています。原発の時のようなしこりは触れません。気付いた時と現在では、状態はあまり変化していないようです。腫れや熱や痛みも無く、色も赤くはないので、炎症性乳がんとして現れるとされている症状とは一致しませんが、皮膚の変色と変質は明らかなので、やはり気になります。このような状態で炎症性乳がんや、皮膚転移の可能性は考えられるでしょうか? 12月に診察の予定が入っているので、それまで様子をみるつもりなのですが、もし悪性だった場合、この1カ月のブランクは予後に影響するものでしょうか? よろしくお願いいたします。

文面をみる限りでは、炎症性乳癌型再発ではなさそうに思います。そのまま、皮膚の状態に変わりがなければ12月の診察の時にみてもらってください。もし皮膚が赤みを帯びて、腫れてくるようならば早めに見てもらってください。(文責 俵矢)

 

No.9943】  10年11月03日    M 
リンパの痛みについて

今年の3月に右胸全摘、切除リンパ節数7で2転移、抗がん剤終了後、ホルモン治療(フェマーラ)1ヶ月です。手術前から両腋(特に患側)と左鼠径部のリンパに痛みがあり、最近特に強く感じます。

1) リンパ郭清をすると細菌感染しやすくなると聞きますが、 この程度の切除数でもありえますか? フェマーラの副作用で過敏になっているのでしょうか?
2) 術前後の血液検査などで、異常はわからないのでしょうか?
3) 乳がんの発生部位がかなり内側なのですが、 胸の真ん中と対側の乳房に神経痛のような痛みがあります。 術前はPETで転移がないとの事でしたが、術後8ヶ月で、痛みがある骨転移はあまり考えられないでしょうか?

リンパ節郭清をした場合、手術した側の腕は、「感染しやすく」はなりませんが、手術をしない場合に比べると、感染した時に「悪化しやすく」「治りにくく」はなります。フェマーラは感染しやすさには関係ありません。血液検査では、細菌感染があれば、炎症を起こしているときには炎症所見が出ますが、起こす前にはわかりません。細菌感染すると、通常は腕が赤く腫れて、腕そのもののが熱をもったり、全身の熱がでるんので、文面からみる限りでは、皮膚の炎症である「蜂窩織炎」ではないように思います。骨転移もその症状では考えづらいようには思いますが、いずれにせよ、「診察」しないと判断できない事項ですので、主治医にもご相談になってください。(文責 俵矢)

 

No.9942】  10年11月03日    F 
同時再建手術

36歳、独身です。乳がんと診断されました。4cm程度のしこりが確認されていますが、MRI等の検査は後日のため、レベルはまだ不明です。(しこりに4本の組織検を行い、内1本で癌細胞が確認されたようです) しこりが比較的大きいため、温存手術は難しいと思いますが、現在診察を受けている病院では形成外科がなく、同時再建手術ができません。胸のない状態があるのは、不安を感じます。病院を変えるしかないのでしょうか? 今後長く治療を続けることを考えると、今の病院が望ましいのですが・・・。

一期再建を考えるのであれば、病院を変えるべきです。術後は、また元の病院にお世話になればよいと思います。元の病院もサポートしてくれると思います。(文責 徳田)

 

No.9941】  10年11月03日    S
抗癌剤の必要性

初めて相談させて頂きます。40歳女性です。先日乳がんと診断され、温存手術を受けました。七年前に卵巣腫瘍で卵巣子宮共に摘出し、悪性癌との診断はつかなかったのですが(顔つきは良い子だが、態度が悪いというかんじとのこと)、抗がん剤治療をしました。それ以降はエストロゲンのシールを貼り、補充療法を続けていました。今は中止しています。
術後病理組織診検査で、
「診断」  Invasive ductal carcinoma of the right breast,partial mastectomy 
「所見」  右乳腺部分切除検体78x76x22mm 検体中央部8x4mm大の腫瘤 浸潤性乳管癌で硬癌に相当。細胞の異型は中程度。核分裂像は2個/10HPF。乳頭側に向かって4aの乳管内進展。 乳管内進展はcomedonecrosisは認めない。脂肪織への浸潤を認めリンパ管血管浸襲は明らかでない。切断端は陰性。 f+,ly-,v-,duct spreading+,リンパ節転移:センチネル1/2、腋窩レベルT、U0/14 計1/16 HGUscore合計6 ER:PS5+IS3=8, PS0+ISO=0, MIB-1約5% 
という結果で、ホルモン治療と放射線治療は決まっているのですが、抗がん剤をやるかどうか主治医の先生も迷っておられ、私自身も迷っています。どうかアドバイスをよろしくお願いします。

10年の再発率は、ホルモン療法単独では、20%程度、抗がん剤の併用では、15%程度と予想します。5%の上乗せ効果と副作用をどう考えるかです。(文責 徳田)

 

No.9940】  10年11月03日    Y.E. 
術後の薬物療法について

初めてご相談させていただきます。47歳、閉経前です。術後の薬物療法についてお伺いいたします。
今年4月に左乳房温存手術を受けました、リンパ節は、レベル2までかくせいしました。放射線治療の後、現在はリュープリンを4週ごとにやっています。病理の結果でわかるものをお知らせします。乳管の浸潤がんで硬がんです。腫瘍の大きさ0.8*0.5、 Nuclear Grade(1)  Nuclear atypia(1) Mitotic figure(1) necrosis(-) 乳管内進展(-) 石灰化(-) EIC(-) 性状:不整型  Fat invasion(+) リンパ管侵襲(+)  静脈侵襲(-) リンパ節  転移:n(+)Level1(1/10) ER(+)PgR(+)HER2(-)
私なりに本などで調べてみたところ、リンパ節転移がひとつでもある場合は抗がん剤を使うことが標準のように思うのですが、その点を主治医にお聞きしたところ、私の場合は再発のリスクが低いので、わざわざ抗がん剤をやっても元々再発しないかもしれないのにあまり意味がない、ホルモン剤ではガン細胞は死なないので、残っているガン細胞を殺すということではやる意味もあるがとの事。抗がん剤を使うメリットよりもデメリットのほうが大きいから、このままホルモン療法でよいとイうお考えのようで、私がどうしても抗がん剤をやりたいというならやってもいいよという感じです。私としては、やらなくて本当によいものなら抗がん剤はやりたくありませんが、後で再発することがあったときに後悔したくありません。私の主治医は乳腺専門ではないので、乳腺外科のある病院に転院も考えています。ご意見をお聞かせください。よろしくお願いいたします。

10年の再発率は、ホルモン療法のみでは、15%程度、抗がん剤を追加すると10%程度と予測されます。この5%の上乗せ効果をどう考えるかです。(文責 徳田)

 

No.9939】  10年11月03日    EN
ホルモン治療と抗がん剤は併用できないのか?

3度目の相談になります。2年前に初発の癌が分かり(抗がん剤治療中)、1年後に乳房内炎症性再発、鎖骨上リンパ説転移。手術(1月から3月)を含め治療後、再発後の癌の性質が初発と変わっており、ホルモン受容体が共に−から+。今年5月から、主治医の意向でホルモン治療のみでしたが、7月に対側乳房、肺、肝臓、リンパ節に転移発覚。今は術後の胸の皮膚は皮膚転移の影響で赤くなり、対側の乳房も皮膚転移、乳首は黒く、腐り始めている状況です。もう、手術不能で治療法もないのは分かっていますが、諦めたくありません。今は、ナベルビンの抗がん剤と自費でアバスチンを投与しています。最後のリュープリンは7月だった為、最近、生理が始まりました。全身転移が分かった時に、ホルモン治療はしないと言われましたが、私はPg Egr元々、強陽性です。ホルモン治療は2ヶ月しかしていないのですが、通常、ホルモン治療と抗がん剤治療を併用することはないのでしょうか? 可能性が僅かでも、出来る限りの治療をしたいと考えています。アドバイス頂けると助かります。宜しくお願いいたします。

確かに、メソトレキセートや、アンスラサイクリンとタモキシフェンとの併用は、抗がん剤単独と比較して効果が減少する可能性はありますが、それ以外の抗がん剤、ホルモン剤については根拠はありません。試してみる価値はあると思います。(文責 徳田)

 

No.9938-1】  10年11月01日    M 
転移?

いつも拝見させていただいております。6月に左全摘で手術をしていただきました。現在パクリタキセルで三週続けて一週お休みで、5クール終了したところです。粘液がんで、しこりの大きさ4.5p、ER陽性、PgR陰性、HER2陰性 悪性度は中〜高、リンパ管侵襲あり、リンパも4個のうち3個だそうです。静脈の侵襲はありません。手術をした後から右肩が凝ってる状態で、右半身のしびれなどの為、一応頭のCTを撮りましたが異常はありませんでした。しばらく落ち着いていたのですが、手足のしびれは常にあり、最近右腕の肘から10p上の内側が筋肉痛のようで、わきの下もじりじりしている感じがしています。左を手術していますが、右側のリンパに転移した可能性がありますか? 抗がん剤の副作用の可能性が強いですか? これから先は放射線をして、ホルモン療法をする予定でしたが、転移していたら治療法も変わりますか? よろしくお願い致します。

左乳癌術後補助療法としてのパクリタキセル投与中とのこと、忙しく大変な時期であることとお察し申し上げます。実際に診察しているわけでなくメールの内容だけからの判断になりますので、参考意見としてお聞きいただければと思います。パクリタキセルが5クール目まで終了したとのことですので、手足のしびれはこれによる副作用の可能性が高いと思われます。しかし、右腕の痛み、右腋窩の違和感などの原因はわかりませんが、右腋窩のリンパ節転移が原因である可能性は低いように思われます。実際のところ乳がんと反対側の腋窩にいきなり(他の部位に転移するより早く)転移することは非常にまれでありますし、また逆に転移がある場合も上肢のしびれや違和感など感じなく無症状のことがほとんどですので、あまりその心配は必要ないように思います。むしろ左乳房全摘をおこなったことで、いままで自然に保ててきた全身のバランスが少し崩れ、反対の腕や腋窩、肩などにその負担が来ている様にも思えます。もしそうであれば、適度の体操や運動で、徐々に改善が期待できると思います。大変な時期だからこそ余計に心配することなく、主治医の先生ともよく相談をして今後の治療をまた頑張ってください。(文責 谷)

 

No.9938-2】  10年11月17日    M 
今後の治療法について

先日はお返事ありがとうございました。HPNo.9938で相談した者です。今後の治療法について今日先生とお話をしてきたのですが、以前は、放射線とホルモン療法をするとのお話だったのですが、「放射線も、全摘でしたのでやらない。ホルモン療法も効かないようなので、やらないで検査をしながら様子を見ましょう。」と、言われました。本当に何もしないで大丈夫?なのか、不安でいっぱいになり、投稿させていただきました。全摘なので、放射線はやらないのではないかと思っていたので、それほど・・・ですけど、ホルモン療法はしなくてはならないんだろうなと思っていたので、びっくりしました。パクリタキセルも来週の金曜日で6クール完了です。お忙しいとは思いますが、よろしくお願い致します。

ホルモン感受性(-)でホルモン療法が効かないタイプであれば、効果は期待できず、術後ホルモン療法は行いません。前回の質問(#9938)を拝見しますと、ER+と書いてありましたが、もしER(エストロジェンレセプター)が少しでも陽性であれば、ホルモン療法の効果が期待できますので、術後ホルモン療法を検討することになります。確認の上、主治医と相談してみて下さい。(文責 浜口)

 

No.9937】  10年11月01日    K.W. 
女性化乳房について

45歳、男性です。8月中旬に左胸乳輪下部にしこりを感じ、今月上旬に乳腺科の先生に診察していただいたところ、「女性化乳房」だと思われるが、乳癌を否定するために検査を受けることになり、超音波検査と生検をしました。結果、癌化している細胞は無かったが、将来癌化する可能性を考えて、ホルモン注射をすることになりました。来週、再度診察をうけますが、「女性化乳房」にもかかわらずホルモン注射をすることはあるのでしょうか。また、その場合、ノルバディクスかニュープリンを打つ事になるのでしょうか。その後の薬も上記の薬を服用することになるのでしょうか。仕事の都合でなかなか病院に行けず、主治医の先生に質問だけのお電話をすることもためらわれるため、こちらで質問させていただきました。よろしくお願いいたします。

男性の乳房や乳頭が何らかの影響を受けて大きくなるのを女性化乳房症と呼んでおります。理論上両側同時におこると考えられておりますが、実際には片側だけの方のほうが多く見受けられます。原因は、肝機能障害や腎機能障害、糖尿病など何らかの慢性疾患を合併することにより生ずるものと、薬剤(ホルモン剤、睡眠薬、抗鬱薬などの神経系作用薬、利尿剤、抗潰瘍薬など)の副作用として生じるもの、原因不明のものも少なからず見受けられます。通常の場合は、原因疾患の治療や原因薬剤の検討でホルモン注射などは使用せず経過をみる場合が多いと思いますが、疼痛の強い場合や程度の強いものに対しては、女性ホルモンを抑える薬剤が用いられることがあります。これらのことを踏まえ、次回診察の時に主治医の先生と薬剤使用に関して再度ご相談なさってください。(文責 谷)

 

No.9936-1】  10年11月01日    Y.S
長年あるしこりについて

お世話になります。とても丁寧な受け答えに頭がさがります。4年前5021にて質問させていただいたものです。1センチ四方のしこりを、3年間3ヶ月から半年ごとに、エコーで経過観察し、4年前にもう経過観察は来なくてよいと言われました。先生は乳腺専門医です。その後、来なくていいと言われ、少し不安でしたが、仕事も忙しく混んでいる病院に検査もいきづらく、4年もたってしまいました。自分では触診はして、一応あまり大きさも変わっていないと思っておりました。先日、年齢も50歳前と乳がんの好発年齢でもあり、意を決して、しこりに痛みも前よりも出てきたように感じ、検査に行ってまいりました。脇も、しこりと一緒に痛みが時々出るようにも感じたためです。触診-マンモグラフィー-エコーと検査をしていただき、そこでエコーの技師の方より、しこりが少し大きくなっており、1.6センチになっていると指摘されました。4年前より、5ミリ大きくなっているようです。そこで、その日に針で細胞診もしたほうがいいとの事で、現在結果待ちです。

1) やはり4年間に5ミリ大きくなったと言うことは、悪性の可能性が高いのでしょうか? 悪性だったとして、今担当していただいてる医師の方は評判も良く、親身になってくださるらしいのですが、今回悪性だった場合、検査を4年前に必要ないと判断されたことが私の不安どおりの結果になってしまったように感じられ、信頼できない気がします。
2) 今度結果が出たときに、セカンドオピニオンを切り出して、資料一式いただいてガンセンタ-に行った方がよいのではと思いますがどうでしょうか?

長くなりましたが、先生のご見解をお教えいただけましたら、幸いです。

1) 直接拝見しているわけではありませんので、一般論としてお聞きいただきたいと思いますが、10mmのしこりが4年間で16mmに増大したとすると、どちらかと言えば悪性よりはむしろ良性病変を考えます。悪性の場合はもう少し早く進行することが多いのと、良性腫瘍でもこの程度の増大はしばしばみられるからです。もちろん悪性を否定はできませんので、細胞診の結果は謙虚に待つ必要があります。
2) セカンドオピニオンに関しては個人個人のお考えなので、われわれがその是非を述べるのは如何なものかと考えますが、1cm四方の腫瘤をエコーでフォローしていて2年間変化なしであった場合、まずわれわれ乳腺専門医は悪性の可能性はほとんどないと考えますので、フォローの間隔を延ばしたり、場合によってはフォローを終了にする医師もいることと思います。4年前の経過をいちばんご存じなのは担当してくださっている主治医の先生でしょうから、その先生に継続してみていただくのが貴女にとって最良の方法であると私は考えますが・・・。(文責 谷)

 

No.9936-2】  10年11月04日    Y.S
長年あるしこりについて(2)

細胞診の結果が出ましたが、先生より、「このしこりは手術で摘出したほうがよいですね。」との事。 良性70%、悪性30%と言われました。細胞診では、悪性とも良性ともわからなかったそうです。細胞がいわゆるグレーというか、異形細胞の様相のようです。私自身も摘出して、しっかり検査をしてもらったほうが良いとは思っています。もう少し早くとるべきだったかもしれませんが・・・。この後、MRIをとる予定です。 そこでお尋ねさせていただきたいのですが、

1) 異形細胞とは、時々耳にはいたしますが、前がん状態と考えてもよろしいのでしょうか? そもそも異形細胞とは簡単にいってどのようなものなのでしょうか?(ややこしい質問ですみません)
2) おそらく今年中には、しこりの摘出手術を受けると思いますが、良性だったらよいですが、悪性だった場合、そのときに通常はリンパ節の転移の有無を調べるのでしょうか? 悪性でしたら、もう一度手術して、大きく患部を切除するのでしょうか?

とりとめもなく質問をさせていただきましたが、いろいろ不安で申し訳ありません。どうぞ宜しくお願いいたします。

1) 異型細胞とは、一言で言えば、正常細胞とは言いきれないような細胞です。良性の病変から取られることもあるし、癌の場合もあります。それをはっきりさせるために病変を切除して調べるのです。
2) 通常、手術は、局所麻酔で日帰りで行います。まず、診断をつけてから考えましょう。(文責 徳田)

 

No.9936-3】  10年11月15日    Y.S
長年あるしこりについて(3)

先日ご相談させていただいたしこりのMRIの結果がでました。「充実性癌の疑い、腫瘍1.4センチ×1.1センチ、乳管内進展なし」とあり、はっきりとはわからないそうです。前は外科生検ということでしたが、今度マンモトームではない太い針で、検査することになりました。そこで気になることがあるのですが、先週より、左のしこりのあるほうの肩先とひじの外側の骨?が痛みます。腕も急にひどい筋肉痛のように痛みがあり、今朝はだいぶ治まりましたが、背中が朝起きたとき、痛みがありました。一番気になっているのが、左足裏の痺れで、昨日もずっとしびれておりました。しこりが小さくても転移はすると知り、先生にも相談しましたが、この状態でいきなりその転移はないでしょうと言われ、取り越し苦労だったらよいのですが、4年も検査しておりませんでしたので、しこりは5ミリおおきくなっただけですが、骨転移かとかなり心配しています。自己診断で、あまりしこりに変化がないと、ほうっておいたのを後悔しておりますが、骨転移の可能性もあるのでしょうか? いろいろ質問して申し訳ありません。どうぞ宜しくお願いいたします。

骨転移の心配はあまりしないでよいと思います。まずは、診断をしっかりつけることが大事ですので、ひとつひとつ進めていけばよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.9935】  10年11月01日  Y.M.
リュープリンのフレアーアップ

乳がん術後のホルモン治療中です。タモキシフェンは既に約4ヶ月前より服用しており、それによって月経が止まったこともあり、50才という年齢と再発・転移リスクを鑑み、主治医の判断で、タモキシフェンだけでいけるだろうとのことでした。しかし、先々月より月経が再開したこともあり、先月からリュープリンの注射を始めました。1回目は月経開始2日目に、リュープリン1ヶ月分用を注射しました。特に問題がなければ、2回目(今月末)以降は3ヶ月用に変更するということでした。注射後2週間で、月経様出血がありました。月経の時期ではないので、フレアーアップだろうと思うのですが…。タモキシフェンも服用しておりますので、アナログの刺激によって、一時的に卵巣からのホルモン分泌が増えても大丈夫だろうと思いたいのですが、多少不安です。子宮筋腫などの治療でリュープリン注射をされている方ではフレアーアップのことも聞くのですが、乳がんのホルモン治療の記述ではフレアーアップのことについて書いてあるのを見た記憶があまりありません。同じように起こることは多いのでしょうか。また、1回目でフレアーアップが起こっても、2回目以降のリュープリンは続けるということでよいのでしょうか。教えていただければ幸いです。

仰る通り、リュープリンの開始時には一時的に卵巣への刺激が高まり月経様出血が生じることがあり、これをフレアーアップと呼んでいます。これはリュープリン、ゾラデックスなどLH−RHアゴニストと呼ばれる薬剤のいわば薬理作用の一つともいえ、あまり心配する必要はありません。フレアーアップが生じても、その後は卵巣機能の抑制にしっかりと働きますので、もちろんリュープリンの2回目以降はお続けいただきたいと思います。(文責 谷)

 

No.9934】  10年11月01日   O
乳頭からの分泌物

34歳、2歳児の母です。1週間ほど前にちょっと乳首が張るなぁと思っていて、でもあまり気にしていなかったのですが、今日お風呂で母乳を搾るように乳頭を刺激した所、透明〜うすーい黄色の油のような液体が出てきました。1回絞ると2,3滴垂れるくらいです。絞れば絞るだけ出そうなので、3回ほどでやめました。少し張りは収まりました。今、リンラキサーとリーゼという薬を飲んでいます。この状態は病院にかかるべきでしょうか? 乳がんの超音波の検査は、今年の頭に受けました。その時は異常無しでした(断乳直後でしたが・・・)。近くに相談できる病院がないので、アドバイスいただけたら幸いです。

乳頭分泌で特に気をつけていただきたいのは血性(赤色〜褐色、黒色)の場合で、この場合は乳腺外科を受診していただくべきだと考えております。貴女のように透明から淡黄色または乳汁様の白色の分泌で量が少量の場合は、ほとんどが問題となりません。断乳からまだ1年前後であることや、リンラキサー、リーゼなどの神経系作用薬が分泌に影響をしている可能性があるものと考えます。このまま少し様子をご覧いただいてよいものと考えます。(文責 谷)

 

No.9933】  10年11月01日   Y.H.
再発率とゾラディックス(HPNo.8955-2)

いつも読ませていただいて、大変参考にさせていただいています。ありがとうございます。【No.8955】で質問させていただき、その節は大変ありがとうございました。
ところで、お陰様で術後1年半を無事すぎ、2年すぎた後の治療をどう続けるとよいかと思っています。主治医からは、「近頃はゾラディクスを5年した方がよいという結果もでてきているよ」とお聞きし、私は「骨粗鬆症のことが心配なのでできたら2年でやめたい」と伝えました。すると主治医も「あなたのはおとなしいタイプだから、それでもいいよ」と言ってくださいました。うれしい一方、慎重に対応したいと思います。病理の結果は、腫瘍2.2cm、充実腺管癌、ホルモン感受性ER90%・PgR80%、グレード2、脈管浸潤少し有り、HER2−、リンパ節転移なし、手術当時44歳でした。術後治療は、放射線治療2グレイ×25回、50グレイ。現在月1回のゾラディックス注射と毎日1錠タモキシフェンを服薬中です。私の無治療無再発率と、ホルモン治療(ゾラ2年とタモキシフェン5年)後の無再発率をアジュバンドオンラインで調べていただけないでしょうか? また先生でしたら、2年後の治療をどのように導くか、お教えいただけたらうれしいです。どうぞよろしくお願いします。

adjuvant on line では無再発生存率は約65%程度です。ホルモン療法をすることで約80%程度になると思います。ゾラデックスの期間を2-5年のいずれにするかは議論のあるところです。現在46歳であることと、再発リスクがすごく高いわけではないので、たぶんゾラデックスを2年にしても5年にしても、それほど大きな差はないだろうと考えます。40歳代ならばゾラデックスを中止しても排卵が再開しないことも十分あり得ますし。患者さんの病状やご意向などを考え合わせて、症例に合わせて決めているのが現状です。主治医とよく相談なさってください。(文責 俵矢)

 

No.9932】  10年11月01日   E.U.
右胸温存手術を受けました

35歳です。2ヶ月前に右胸温存手術を受けました。わかっている事は、「非浸潤性ガン エストロゲンレセプター +50 プロゲステロンレセプター +50 HER2 +1 断端陰性−」です。今回の右乳ガンと診断される約2年半前から良性の乳管内乳頭腫と言われていましたが、経過観察で2センチが3センチぐらいになっているような気がするので、いずれ全身麻酔で摘出するより、生針検で全て採れてしまう事もあるとの事でお願いし、病理に出した所、悪性細胞が見つかりました。乳管内乳頭腫が発見された時点で、長い針で行う細胞診と、血性分泌がずっとあり分泌物の細胞検査を受け、いずれも良性結果がでております。そこでいくつかご質問させて頂きたく、よろしくお願い致します。

1) 2年前からあった良性の乳管内乳頭腫が悪性に変化して言ったと考えるべきでしょうか? それとも、細胞診の針が悪性細胞にたまたまふれなかったと思われるでしょうか?
2) 以前から患っている子宮内膜症悪化の為、低容量ピル(ルナベルとオーソ)を、乳ガンがわかる10ヶ月前から服用していました。主治医にも、服用の前に確認済みでした。乳管内乳頭腫などの疾患がある場合のホルモン補充投与は正しかったのでしょうか? 乳ガンに気付かず、低容量ピルを飲んでいた為に悪化してしまったのではないかと悔やんでなりません。尚、左胸にものう胞と脂肪の固まりがあります。
3) 術後の治療方針で、主治医はタモキシフェン服用のみと言ったのですが、私が心配で放射線治療とゾラデックスを追加させてもらいました。非浸潤ガンとはいえ、放射線治療を省く事などあるのでしょうか?
4) 年齢が若い事もあり、出産予定も無いため、ゾラデックスではなく、卵巣抑制療法=放射線照射も考えているのですが、会員先生方の考えを聞かせていただければ幸いです。主治医からは、ゾラデックスが終了してから考えればいいと言われております。
5) 乳管内乳頭腫が2センチが3センチになっているとの事で、針生検をやりましょうではなく、「どうしますか?しますか?」と言われ、私が決心して行ったのですが、もし、まだ先でもいいと自分で思い、乳ガンに気付かず何年も低容量ピルを飲んでいたら、どのようになっていたでしょうか?

お忙しい所、申し訳ありません。どうかよろしくお願いします。

1) 細胞針がたまたま触れなかったか、もしくは細胞がとれていても、細胞診では材料が少なく、がんとは判定できなかったのだろうと思います。
2) 低用量ピルが乳がんのリスクを高めるかどうかについては、高めるという報告もあるし、高めないとういう報告もあります。ですので、あまりはっきりしないと思っていただいた方がよいでしょう。しかし子宮内膜症に対する効果はあるのだろうと思います。ですので、悔やむ必要はないと思います。
3) 通常は非浸潤癌であっても放射線照射をお勧めすることが多いと思います。ただし、放射線を当てることのリスクが高いと判断される場合や、がんの大きさがとても小さく、それに対して十分に切除されていると判定する場合には、そのような判断になるケースもあり得ると思います。
4) 前述のように、放射線照射は禁忌事項がなければよいでしょう。非浸潤がんであるならば、年齢が若いので、ゾラデックスによる有害事象も考えると、ゾラデックスまではいらないようには思います。
5)  経過観察はされていたと思いますので、乳癌であるかもしれないという画像所見がはっきりしてから診断されていても、おそらく普通に考えるとそれほどの不利益はなかったであろうと予想されます。(文責 俵矢)

 

No.9931】  10年11月01日   T 
乳房限局性非対称性陰影

1ヶ月程前に検診を受けたのですが、マンモグラフィーの結果、超音波の精密検査を受けて下さいとの用紙がきました。[乳房限局性非対称性陰影]とは、どんなものですか?

マンモグラフィでみて「腫瘍がかくれている」かもしれないと判断される陰影です。乳癌検診で要精密検査と判定された方で実際に乳癌と診断されるのは数%程度ですので、この時点ではあまり心配しないで、精密検査にいって確かめるようにしてください。(文責 俵矢)

 

No.9930】  10年11月01日   H・M
癌とホルモン剤との関係について

NHKの「ためしてガッテン」という番組で更年期障害の治療に女性ホルモンの話をしていました。番組の途中から聞いたので不明確なのですが、(女性ホルモンが乳がんや子宮体がんの引き金になる)という話題でした。私は平成17年の年頭に乳がんの手術をして、放射線治療を経て、5年間ホルモン剤をのみました。乳がんの出来にくい体質にする為という説明だったと記憶しています。初めはノルバデックという薬でしたが、下り物がひどく、どうにも気持ちが悪く 又子宮体ガンになりやすいと聞いてアロマシンという薬に変えましたが、これまた骨粗鬆症になりやすいと言われ、別の医院からでしたが予防薬をもらって飲んでいました。半年前より、5年経過したという事でアロマシンが終了し、骨量も普通にあったので、骨の薬も止めました。
それで疑問なのですが、ホルモン剤といっても乳がんになりやすくなるもの(特に長く服用するとというテレビ番組の説明でした)、乳がんになりにくくするものとあるのですか? 私は5年もホルモン剤を服用してしまって、今更仕方ないですが、不安になりました。なにしろ主人も癌で亡くしておりますし、癌にだけはなりたくありません。済んでしまったことですが、今後の為にも癌とホルモン剤との関係について教えて下さい。私の服用したアロマシンという薬は適当だったのでしょうか。よろしくお願いいたします。 

乳癌治療に使用するホルモン療法は、女性ホルモンを下げる もしくは女性ホルモンの乳癌に対する作用を邪魔する働きをもったお薬を使用します。更年期障害に使用するホルモン療法は、ホルモン補充療法といわれ、女性ホルモンを投与する治療になります。ホルモン補充療法は乳癌の発生率をわずかに上げることが知られています。両者は全く異なる治療です。ですので、乳癌で受けたホルモン療法が乳癌を促進することはありません。ただし、乳癌になったことが有る患者さんは、なったことがない方に比べると、反対側の乳房に新しく乳癌を発生する確率が若干高いということはあります。(文責 俵矢)

 

No.9929】  10年11月01日   Y
タキソテール(2)(HPNo.9916-2)

ありがとうございました。主治医に聞き、「当たったりしてでるので、気をつけること。むれないようにすること。」、と言われましたが、他に気をつけることがあれば、教えてください。つめが赤黒いので、腐ってくるのか心配です。乳がんからの転移、肺近くのリンパに再々発ですが、なくなるまでしましょうと言われました。タキソテールは何回まで出来るものですか、限度はありますか? よろしくお願いします。

爪が変色したり剥がれてきたりするのは、タキソテールの患者さんでときどき見られます。転移性乳癌とのことなので、「効果がなくなったとき」「副作用が許容範囲を超えたとき」にお薬をやめることになります。タキソテールは、だいたい数か月くらいの続行期間ということが多いと思います(量にもよりますが)(文責 俵矢)

 

No.9928】  10年11月01日   M.O. 
ノルバデックス服用に関して

4年前に0期の非浸潤癌(ミクロ単位の癌が乳管内に広がっていた)の為、片側乳房を全摘しました。術後は、リュープリン注射を2年間を終え、ノルバデックス服用が4年3ヶ月経過したところです。ホルモン治療目的は、残った片側乳房の予防効果のためと説明され、治療を続けてきました。今まで、副作用もなく順調でしたが、最近、不正出血があり、体調不良に悩まされました。婦人科でノルバデックスの副作用であろうとのことでした。あと8〜9ケ月ですが、薬を服用し続けたほうがよいでしょうか? 予防効果目的で、今中止することによって、効果に差がでたりするのでしょうか? 予防以外にも何か効果に期待がありますか? 子宮に関する不安もでてきたので、薬のメリットとデメリットのバランスから考えて、中止と続行どちらが良いか、アドバイスをよろしくお願いいたします。

ミクロ単位の癌が?というところがよくわからないのですが、非浸潤癌が主体のがんではあったが、わずかに浸潤癌が含まれていたのか、それとも非浸潤がん自体が数ミリの範囲なのかで話は異なってきます。後者であるならば中止してもかまわないと思います。主治医に聞いてみてください。(文責 俵矢)

 

No.9927】  10年11月01日   H 
乳がんでしょうか? 

脇の下から10センチぐらい下に脂肪の塊のようなものがあって、痛くはないんですが、少しずつ大きくなるようです。1年以上になるようですが、ただの脂肪の塊かと思っていたのですが、もしかして乳がんというものに該当するのかと心配になり、ご相談しました。ちょっと大きくて、2-3センチくらいになっていますが、病院にいく必要があるのでしょうか。乳がんは乳房の周囲のしこりのことだと聞いていましたので、私の場合は乳がんに該当しないと思っていますが、診断をお願いします。

おそらく癌ではなさそうですが、文面から診断することは不可能です。一度診察にいかれることをお勧めします。(文責 俵矢)

 

No.9926】  10年11月01日   S・N
タスオミン治療中の薄毛治療薬のミノキシジルとスピロノラクトン

乳癌のホルモン治療(タスオミン)をはじめて4年になります。薄毛に悩んでいます。薄毛専門医療機関で「ミノキシジル」の他に、「スピロノラクトン」という薬を処方されました。「ミノキシジル」はホルモン治療中でも使っていいと主治医に確認を取ってあったのですが、「スピロノラクトン」については確認していませんでした。使っていても問題ないものなのでしょうか? 次回の通院まで3ヶ月もあるため、是非教えていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。

特に問題ないと思います。主治医にも確認してみてください。また薬剤の併用については、薬剤師さんが詳しいので、病院の薬剤師さん、もしくは調剤薬局の薬剤師さんに聞いてみるのもよいと思います。相談にのってくれると思います。(文責 俵矢)

 

No.9925】  10年10月29日   N.M.
術後の治療(2)(HPNo.9900-2

早速のご回答、心より感謝申しあげます。頂いた回答の中で確認です。
1)、3)についてですが、主治医よりその様なお話はないのですが、こちらから希望をすればよいのでしょうか?
2)の無再発率は無治療の場合ですか?それとも私が受けた治療後の率ですか?

お忙しい中、度々で恐縮ですが宜しくお願い致します。

言葉が足りず申し訳ございませんでした。(1)(3)について、主治医の先生におたずねくださいね。先生がどのようにおっしゃるかは、わかりません。ひとつのご意見ですからね。無再発率は無治療の場合です。治療効果は、情報の詳細がわからないのでお答えできません。ご了承下さいませ。こちらも主治医の先生にお聞きしてみて下さいね。ご相談どうもありがとうございました。(文責 高橋)

 

No.9924】  10年10月27日   N
味覚障害

年齢58歳 女性です。H16年2月、乳癌温存手術を受けました。術後、抗がん剤・放射線治療を受け、ホルモン療法をし、術後5年経過。安心していた矢先、PETで肝臓と骨転移が発見され、現在は治験 AB1−007を受けています。以前になかった味覚障害があり、悩んでいます。いずれ味覚障害は解消されるのでしょうか。一般的なケースで良いので、参考までに教えて頂ければ幸いです。どうか宜しくお願いいたします。

その治験のお薬がどんなものかはわからないですが、一般に抗がん剤の副作用として、味覚障害はしばしばみられます。多くの患者さんは、抗がん剤治療が済むと1-2ヶ月以内には軽快することが多いと思います。(文責 俵矢)

 

No.9923】  10年10月27日   S
今後の治療について(HPNo.9478-5)

No.9478で何度もお世話になっています。乳管浸潤がん(硬がん)8×8×5ミリ グレード1 センチネルリンパ節 2個とって0(リンパ節浸潤なしということでリンパ節温存 脈管浸潤なし Her2 0 ホルモン受容体 80%と90%( どちらがPrか、Erか分かりません) 断端陰性 放射線治療、追加照射を含め30回、現在50歳。現在ホルモン療法のみで、ノルバデックスを服用して4ヶ月になります。私の場合、幸いなことにそう深刻な状態で見つかったものではないことはわかりますが、手術後の治療としてノルバデックスのみというのでよろしいのでしょうか?この2ヶ月、ノルバデックスの影響かどうかわかりませんが、生理がきていませんが、ホルモン療法を始めるときには生理がありましたので、LH-RHアゴニスト製剤の注射をしなくても良いのかなと思いつつ、副作用が出る方の話などを聞いていたので、主治医に注射のことは言われないままノルバデックスのみの治療を受けています。今からでもLH-RHアゴニスト製剤の注射をしたほうが良いのでしょうか? よろしくお願いします。  

LH-RHアゴニストは卵巣からのエストロゲン分泌を抑制する目的で使用します。現在無月経の状態にあるということは、排卵が抑制されていることを意味します。ということは卵巣からのエストロゲンの分泌が止まっているということなので、この状況でLH−RHアゴニスト製剤を追加する必要はないと思います。(文責 俵矢)

 

No.9922-1】  10年10月25日   N
ガンと診断されました

44歳独身、左胸に3.5cmの腫瘍、ガンと診断されました。生検ではトリプルネガティブ(ただHer-2はシングル+だったような) で、ki67が40と高く悪性度が高いようですが、PETでは今のところ転移はありません。片寄ったタイプのガンのため、効く抗がん剤のタイプもほぼ決まっているため、担当医の先生は、どちらかといえば、術前抗がん剤を勧めています。ただ、術前抗がん剤治療には半年かかる為、 転移のないうちに先に手術すべきか、悩んでいます。手術はいずれにしても温存でいける予定との事ですが、小さくなったほうが当然手術も楽ですとの事。親族にはがん患者がいないので、個人的には食生活が原因かなと思っています。アドバイス、宜しくお願いします。

トリプルネガティブ、Ki−67が40と悪性度が高い乳がんであると考えられ、PETでは現時点で遠隔転移は認められないものの、今後やはり一番懸念しなければならないことは遠隔転移が出現してくることです。私も主治医の先生と同意見で、まず術前化学療法を行うことをお奨めしたいと思います。その理由は2点あります。1点目としてはまず術前化学療法を行うことで術後に抗癌剤を使用するよりも早く遠隔転移を予防できる可能性があること、もう1点は術前に抗癌剤使用すれば、その癌に対しての抗癌剤の効果がしこりの縮小具合を見ることで判定しやすいことです。そうすれば、もし抗癌剤の効果が全く見られない場合などは早々に抗癌剤を変更するなどの対処も行えます。さらに一般的なことですが、しこりが小さくなれば温存術後の整容性(見栄え)もよくなる可能性が高いことも術前化学療法のメリットと言えます。ただし術前化学療法のデメリットとしては、もしどの抗癌剤を使用してもしこりが小さくならない場合、温存術ができなくなる可能性または手術自体が大きくなってしまう可能性があります。これらを踏まえ再度主治医の先生とよくご相談なさってください。(文責 谷)

 

No.9922-2】  10年11月21日   N
リンパへの転移では?と非常に不安です

以前、術前化学療法か、手術かで、ご相談させて頂いたものです。44歳独身、左胸に3.5cmのガン。生検ではトリプルネガティブで、ki67が40と高く悪性度が高いようですが、PETでは転移なしです。先日、2回目の抗がん剤の点滴に行ったのですが (FEC) 、白血球が少ないという事で1w延期になり、その際の診察で (エコー)、少しですが腫瘍も小さくなりつつあるという事でホッとしていました。が、翌日左わきに、ぐりぐりしたかたまりがあるのを発見、リンパへの転移では? と非常に不安です。次回の抗がん剤の点滴の際には診察はないので、1月まで診て貰えないのですが、無理を言って診て貰ったほうがいいのでしょうか? 抗がん剤をうって、少しですが原発腫瘍のサイズが小さくなっているのに、リンパに転移だとしたら、どういう事なのか? リンパへの転移がないという事で、ホッとしていたのに、非常にショックも受けています。アドバイスお願いいたします。

FECを1コースした後に、左脇にリンパ節転移が出現したとは考えにくいです。白血球が減少して何かの感染を起こしたのかも知れません。そのぐりぐりが消えないようであれば、診察を受けた方がよいでしょう。(文責 吉田)

 

No.9921】  10年10月25日   S.M.
断乳後の分泌物

現在41才、3児の母です。第3子は2才8ヶ月になります。断乳は昨年末です(10ヶ月前)。あまりおっぱいも張らなくなっての断乳だったので、トラブルもあまりなかったのですが、乳首をつまむと乳汁が出るのがなかなか止まりませんでした。娘はおっぱいを触る癖があり、入眠時はもちろん、昼間もかなり触ります。そのため、なかなか止まらないのかなとあまり気にしていなかったのですが、乳がんの特集を見て、とても心配になりました。改めて乳首をつまんでみると、白〜黄色っぽい分泌物があります。ティッシュでふいたら黄色くて初乳のような感じでした。第3子の妊娠初期に自分でおっぱいにしこりを感じ、病院で検査したところ、乳腺線維腫の疑いがあり、細胞しようとしたら(妊娠中で心配だったので、私からお願いしてやって頂きました)、しこりが見えなくなってしまい、「乳腺自体がそのような画像として見えたのでしょう。」という診断になりました。その後、年1回マンモ、エコーしていますが、異常ありません。直近では、3月半ばにマンモ、エコーして問題ありませんでした。そのような場合も乳がんの心配はありますか? 断乳後、10ヶ月経っても、子供がしょっちゅう触るなどの刺激があると、おっぱいが出ることはあるのでしょうか? それとも別の病気なのでしょうか?

乳頭分泌で乳がんが疑われるケースは、ほとんどが血性(赤色〜黒色)のもので、貴女のように白色〜黄色の分泌(乳汁)はまず問題とはなりません。また断乳後まだ1年足らずですので、この時期まだ乳汁が完全に止まらないことは、しばしばあります。乳頭刺激は乳汁分泌の原因になりますので、お子さんがよく触ることがあるいは関係しているのかもしれません。メールの内容から判断する限り、貴女の場合、現状ではまず問題ないと考えます。(文責 谷)

 

No.9920】  10年10月25日  K  
再発後の治療について

3年前にご相談させて頂いた事があります。その節は、大変お世話になりまして、ありがとうございました。今年の4月に再発してしまい、不安で一杯の日々を過ごしており、是非ご意見を頂きたく、どうか宜しくお願い致します。

(経過)
2006年7月 55歳閉経後、硬癌Ub2,2センチ、リンパ節1,5センチ1個、術前化療(CAF,タキソテール)のち、胸1.5センチ、リンパ消失
2007年6月 温存手術、リンパレベルU12/0、ER+ PGR+ ハーツー+1、以降ホルモン療法 アリミデックス
2010年4月 温存乳房内、局所再発2箇所胸の深い所、ロッターリンパ節1個
     5月  全摘、胸筋 ロッターリンパ節切除、ホルモン療法 フェマーラに変更
     7月  全摘の手術あとに、1,8センチのしこり PET、CTにて遠隔転移なし(主治医より、胸筋の裏にあったものが出て来たとの事でした。)
   8月6日  しこりが、肋骨の上に乗って居た為、しこりと肋骨を切除し人口膜をはり、広背筋皮弁で胸壁再建手術
   8月19日より放射線25回+5回 終了
   9月24日 ホルモン療法 アロマシンに変更 腫瘍マーカー  CEA1.5   CA15−39.6   

これまでの経過ですが、大手術を受け辛い次期も有りましたが、精一杯頑張りたいと思います。少しでも遠隔転移を抑える為に経口抗がん剤(たとえばUFT)などを追加して頂ければと思うのですが、再発の標準治療は、まずホルモン療法からというのは承知しております。胸膜や肺への転移の不安がつのります。どうか先生方のご意見をお聞かせ願えましたら幸いです。

貴女のケースに関して今後の治療法を検討するとすると、われわれ乳腺専門医の中でも意見が分かれることだと思います。局所の胸壁再発に対しては、しっかりと手術施行し放射線の追加照射も施行しており、ホルモン剤も変更して経過を見ておられますので、まず標準的な治療を行っていると言えます。しかし、2度目の手術から再再発までの時間が比較的短いことや、アリミデックス、フェマーラというホルモン剤を使用してきての再発ですので、同種の薬剤であるアロマシンがどの程度再発予防に効果があるのか、一方で抗癌剤(注射剤、経口剤)使用によりどの程度再発予防効果があるのか・・・など結論のない問題が存在しており、それゆえいろいろな意見が出るところだと思います。逆に申し上げれば正しい選択は色々とあるところですので、もし経口抗がん剤使用をご希望されておられるのであれば、主治医の先生に仰っていただいて不自然さは全くないと考えます。是非今後も頑張っていただき、納得のいく治療をお受けになってください。(文責 谷)

 

No.9919】  10年10月25日  S 
再発という可能性はありますか?(HPNo.9879-3)

HPNo.9879で質問したものです。前回の質問では、ご回答ありがとうございました。前回からすぐの質問で恐縮ですが、母の検査で気になることがありましたので、再度質問させて頂きます。21日、母が3年目の定期検査で超音波検査を受けていたときのこと。検査技師の方が、母の右腋の下のリンパ節郭清した傷跡周辺に「出っ張りみたいなものは無い?」と聞いてきて、母が触っても特にそんなものは感じなかったらしく、技師の方も「傷のところだからかな…」と、不思議そうに言っていたそうです。検査の合間に帰宅し、そんなことがあったと私に話してくれました。私もその郭清部分を触ってみましたが、特に出っ張りというようなものは感じられません。術後放射線治療はしませんでした。

1) 腫れのような症状も全く無いそうなのですが、この様な場合は腋窩リンパ節への再発という可能性はありますか? 再発ではないとすると、他に原因は考えられますか?
2) これがもし実際に再発だったとしたら、局所再発で、治療が可能で予後に影響はないのですか? それとも遠隔転移になり、末期となってしまうのでしょうか?

今までなかったことなので、母は不安そうにしていました。私もとても不安です。情報が少ないのですが、よろしくお願い致します。

1) リンパ節郭清後の腋窩の超音波検査は、手術の瘢痕など手術の影響による変化も見受けられるため、判断が難しいことがしばしばあります。もちろん再発の可能性を考えて検査をされているわけですので、直接拝見していない私が再発である可能性を否定はできません。
2) case by caseであると思いますが、腋窩リンパ節に局所再発したものの他の部位に転移が認められない場合は、再度そのリンパ節を摘出することも有力な選択肢になります。その場合は治癒が十分に望めると思います。(文責 谷)

 

No.9918】  10年10月23日   K.T. 
今後の治療について(HPNo.9899-2)

丁寧な返答、ありがとうございました。前回投稿させて頂いたHPNo.9899です。主治医との相談の結果、本日よりタキソールを1週投与2週休むで開始することになりました。 ただ、CTの結果、肝臓に大きいもので2センチ、ほか確認できるもので4から5か所、転移がみつかりました。心配なのは、前回8月のCTには写っていなかったのですが、今回、これだけの転移がみつかったことです。たったの2カ月弱で急激に進行しているように思います。

1) このような進行のペースは、かなり悪性度が高いと考えられるのでしょうか? 進行が速いと、抗がん剤が効きにくくなるのでしょうか?
2) 再発、転移の場合、手術はせず、薬物療法が標準的治療と理解していますが、肝臓に対して何か他に治療法があれば可能な限り教えて下さい。

肝臓の進行が進み、治療が継続できなくなってしまうのではと、心配しています。よろしくお願いします。現在、母は60歳です。

1) お母様の病状に対し一生懸命に調べておられる貴方の姿勢に敬服いたします。乳癌術後の多発肝転移ですが、手術してからリンパ節への初再発までに4年7カ月の比較的長い期間が経っており、通常は比較的緩徐な進行の癌と考えますが、途中で癌の性質が変わることもありますので、今回のCTの経過を考えると確かに進行のとても速い肝臓転移の可能性はあると考えます。しかし進行の速さと抗癌剤の効果とは関係ありません。
2) 仰る通り乳癌の再発・転移に対しては薬物療法が主体であり、肝転移に対する手術や焼灼療法などの局所療法では効果があまり望めません。タキサン系(タキソールまたはタキソテール)抗癌剤の使用が標準的ですが、ゼローダ、TS−1,ジェムザール、ナベルビンなどの抗癌剤やフェマーラ、アロマシン、タモキシフェン、トレミフェンなどのホルモン剤などが選択肢に挙がると考えます。(文責 谷)

 

No.9917】  10年10月23日   A
術後、治療の選択について

9月末に左胸全摘出+リンパ節郭清手術を受けました。44歳です。

・ 術前はリンパ節ふれずの診断評価でしたが、術後結果「3/17」
・ 術前は2箇所の病院の太針生検で「グレード1」でしたが、術後結果は「グレード2」 
・ 術前エコー、MRIでは、しこり最大径2.2〜2.5cmでしたが、術後結果4.5cm

術後の治療について、ホルモン治療、抗癌剤によるメリットがどれほどあるのかわからないので教えていただけますでしょうか。また、受ける場合、どの薬剤の組み合わせがより効果が高いのか、わかりません。ki67と抗癌剤の関係性もわかりません。私のケースについて、どうかアドバイスをお願い致します。病理組織診断は以下のとおりでした。

Lt.breast cancer,Bt+SLN → Ax(セカンド ←すみません、変換できず)
Invasive ductal carcinoma,scirrhous carcinoma
4.5×2cm  ,f,  ly(+),  v(-),  nuclear grade :2, pN(+)(3/17)
ER(+)(100%), PgR(+)(100%),  HER":score0,  ki67(5-10%)
検体は左乳腺(mainは3時、その帯とC’にdaughter(+)、Bt)とリンパ節です。
浸潤径:割面の最大径は2×1.7cm大、長径は4.5cmです。
中等度の異型を有する腫瘍細胞が、小胞巣状・索状に浸潤する硬癌の所見を認めます。癌は乳腺外脂肪織へ浸潤し、中等度のリンパ管侵襲を伴っています。広範な乳管内進展はありません。
nuclear grade:2  (nuclear atypia:2, mitotic counts:2)
リンパ節:level2まで郭清され、SLN2/4(frozen)+0/3(paraffin), level1 1/8、 level2 0/2で、合計3/17

以上です。このような場があって感謝致します。

貴女と似た条件でAdjuvant Online!でみてみると、追加治療を何もしないとすると10年以内に何らかの再発をする率は57%となり、ホルモン治療を行うとこれが39%(32%の減少)となり、ホルモン剤にさらに抗癌剤治療も行うと、これが22%(61%の減少)となっております。よって、なにも追加治療をしない場合と比べて、しっかりと治療をすることで再発率を半分以下にすることができると言えます。抗癌剤の組み合わせに関しては、現時点ではアンスラサイクリン系を含む抗癌剤の組み合わせ(FEC療法、EC療法、AC療法など)、またはタキサン系薬剤(タキソールまたはタキソテール)を行うのが標準療法であると考えますが、これら以外でも最近TC療法(ドセタキセル+シクロホスファミド)などの良好な効果を示す組みあわせもあり、主治医の先生とよくご相談ください。Ki−67は細胞増殖マーカーなどと呼ばれ、がんの悪性度・予後などと関係があるとされております。大体15%を基準に、これより高いものは増殖能すなわち悪性度が高いとされておりますので、貴女の場合は増殖能がそれほど高くないと判断できそうです。(文責 谷)

 

No.9916-1】  10年10月23日   Y
タキソテール

10月19日、タキソテールの副作用で、爪がういてきました。その浮いたところから血が出ることがありますが、ほうっておいて大丈夫ですか? 受診したほうがいいですか? 何科を受診すればいいですか? よろしくお願いします。

タキソテールの副作用の一つに爪の変形があります。軽度の場合はそのまま経過を見ますが、出血してきているとなると、まず主治医に相談するべきであると考えます。(文責 谷)

 

No.9916-2】  10年11月01日   Y
タキソテール(2)

ありがとうございました。主治医に聞き、「当たったりしてでるので、気をつけること。むれないようにすること。」、と言われましたが、他に気をつけることがあれば、教えてください。つめが赤黒いので、腐ってくるのか心配です。乳がんからの転移、肺近くのリンパに再々発ですが、なくなるまでしましょうと言われました。タキソテールは何回まで出来るものですか、限度はありますか? よろしくお願いします。

爪が変色したり剥がれてきたりするのは、タキソテールの患者さんでときどき見られます。転移性乳癌とのことなので、「効果がなくなったとき」「副作用が許容範囲を超えたとき」にお薬をやめることになります。タキソテールは、だいたい数か月くらいの続行期間ということが多いと思います(量にもよりますが)(文責 俵矢)

 

No.9916-3】  10年11月15日   Y
タキソテールの副作用

HPNo.9916で相談したものです。副作用で足が太ももの裏までぱんぱんに浮腫んできて、正座ができません。利尿剤ももらって飲んでいますが、浮腫みがひどくなってきたます。利尿剤のほかに浮腫みをなくすことはできますか? よろしくお願いします。

タキソテールの副作用として、5人に1人程度、浮腫がみられ、重症の場合には治療を中断するケースもあります。浮腫の治療としては、利尿剤などの薬物療法と、体を締め付けるような洋服は避けたり、下肢を高くして寝たり、長時間の立ち仕事は避けたり、また、塩分の多い食事を避けるなどの生活上の注意や、マッサージなどの理学療法が有効です。しかし、現実にはなかなか治療に難渋することも多く、浮腫とうまく付き合いながら、根気よく治療を続けて下さい。(文責 浜口)

 

No.9916-4】  10年11月21日   Y
皮下埋め込み型ポート

9961での相談者です。タキソテールでは、効果がいまいちなので、ナベルビンにかわりました。浮腫みがないとのことで少し安心しましたが、点滴が上手く入らず、以前静脈炎をおこしたので、皮下埋め込み型ポートをすすめられました。身体に埋め込むというので不安です。傷口も、うまくひっつくか心配です。やはりそういう人にはすすめられますか? 安心なものですか?

皮下埋め込み型ポートは、安全で長く化療を必要とする人には非常に良い方法と思います。傷口は一週間もすれば大丈夫です。不要となれば摘徐も出来ます。(文責 吉田)

 

No.9916-5】  10年12月12日   Y
ポート

以前ポートについて相談したものです。来年埋め込む手術になりました。点滴は針をさせばいいですが、採血はどうするのですか? 痛くないですか? 教えてください。ナベルビンをしていますが、白血球数値が下がり、1回とばすことになりました。2週間あくことになりますが、効果に変わりはありませんか? 3週間あいたりしても大丈夫ですか? よろしくお願いします。

まず採血ですが、ポートから採血することは一般的ではありません。最近のポートは逆流防止弁が付いているものが多く、採血が出来ない仕組みになっています。採血は従来通りに手足の血管から行うことになると思います。次に痛みですが、どうしても皮膚を針が貫くので痛みがないことはありません。ただし、何回も刺すことはなくなるでしょう。最後にナベルビンの投与間隔ですが、通常は2週連続で投与して3週目は休薬することになっています。薬理学的な効果からすると予定通り投与することが望ましいかもしれませんが、一番大切なのは無理をして投与することではなく継続して投与することです。白血球数値が下がり、重篤な合併症のために今後化学療法が継続できなくなるようでは意味がなく、投与を延期しても継続することをお勧めします。ただし、抗癌剤の継続や変更は有害事象のほかにも様々な要素がありますので、今後他の抗癌剤の選択肢もあるかもしれません。(文責 大西)

 

No.9915】  10年10月23日   レディーバード
断乳後の乳頭分泌について

33才、3児の母です。昨年10月に3人目のを出産して約4ヶ月間母乳を絞って飲ませていましたが、その後断乳。今年3月に、しこりが気になり、専門外来にてマンモグラフィー・超音波検査を受け、その後7月に市の検診で超音波検査を受けました。結果はどちらも異常なしでした。先日、乳ガンのセルフチェックで乳頭をつまんだら、左胸からは透明に近い色の分泌物、右胸は母乳みたいな白い分泌物が出てきました。マンモグラフィー・超音波検査をして、7ヶ月位しか経っていませんが、乳ガンの可能性はありますか。  

直接拝見しておりませんので詳しいことは申し上げられませんが、血性乳頭分泌(赤〜黒色)は癌の疑いがあると言えますが、貴女のような透明〜白色の乳頭分泌はしばしばみられることで、まず心配のないことがほとんどです。(文責 谷)

 

No.9914-1】  10年10月23日   M.T.
今後の治療について

先月、乳房温存術を受けました。センチネルリンパ生検で転移なし、病理の結果は断端陰性、腫瘍径17mm、悪性度3、リンパ・脈管浸襲陰性、ER90%、PGR85%、Her2 :1+、Ki-67:30%とのことでした。年齢が若い(30歳)ということと、悪性度が高いということで、抗がん剤(TC4クール)をすすめられています。その後、放射線とホルモン治療を開始する予定ですが、抗がん剤をするとしないとでは、再発率は大きく変わるのでしょうか。抗がん剤による閉経率も気になっています。また、ki-67の30%という数字は、どう理解すればいいのでしょうか。よろしくお願いします。

参考までにAdjuvant!Onlineにて貴女と似た条件で設定すると、ホルモン療法単独での10年無再発率は約70%、それに抗癌剤療法を上乗せすると約85%となっております。これより、ホルモン療法だけと比べ抗がん剤療法とホルモン療法の双方行うと再発率は約半分になると言えます。Ki−67は細胞増殖マーカーなどと呼ばれ、がんの悪性度・予後などと関係があるとされており、乳がん領域でも近年注目されてきております。Ki−67に関してコンセンサスの得られた基準はまだありませんが、大体15%を基準にこれより高いものは増殖能が強い、すなわち悪性度が高いとされております。(文責 谷)

 

No.9914-2】  11年10月20日   M.T.
ホルモン治療の副作用について

昨年、9914で質問させていただいたものです。その節は、丁寧なご回答、ありがとうございました。おかげで、抗がん剤治療選択の踏ん切りがつき、辛くはあったものの、前向きに治療を受けることができました。TC4クール後、放射線治療25回を経て、今年3月からホルモン治療(タスオミン)を始めています。TCに先立ったゾラデックス(3回目以降はリュープリン3ヶ月製剤に変更)と合わせ、副作用の更年期症状が大変きつく、主治医よりビタミンEを処方されています。また、別の病院の漢方外来にも通っています(加味逍遥酸+α、なかなか改善しないためいろいろ試し中)。 そこで質問なのですが、先日、とある講演会で、ザンクトガレン2011で、ビタミンE・B2、カロチンが、死亡率?(再発率?)を高める恐れがあるとの報告がなされたと、伺いました。わたしのように、ビタミンE(ユベラ)を飲んでいると、影響されるのでしょうか? また、精神科でうつ病との診断もなされ、マイスリーとロヒプノールを服用しても、ホットフラッシュによる夜間覚醒に悩まされる日々が続いています。いまだに体力も回復せず、ホルモン治療開始後、体重も2〜3キロ落ちました。ビタミンEについては、まったく効果がないような気がしていますが、このまま漫然と服用を続けるより、断ち切ったほうがいいでしょうか? また、こうした更年期症状に対しては、「我慢する」しかないのでしょうか。たとえば、先生であれば、こういったホルモン治療副作用に対して、どのように対応されていますでしょうか。お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

最近抗酸化ビタミンであるVitA、C、Eと乳がんの発症リスクに関して、いくつかの研究がされております。ただ結果はまちまちのようです。わたくしの解釈は「これらのビタミンも、サプリメントとして過剰にとりすぎると乳がんの発生にかかわる可能性がある」といったものです。ザンクトガレン2011会議の内容も、私はこれと同様の旨と理解しております。これらのビタミンは欠乏すれば諸症状を引き起こす可能性があるため、適度の摂取はもちろん必要です。よって今回の副作用に対する処方としてのVitEが、貴女の乳がんの再発率に影響する可能性はまずないと考えてよいのではないでしょうか。ホルモン治療中の副作用に対しては、これといった決まった対策はなく、主治医の先生が処方されているように、漢方薬やVitEなどで経過をみるといったことがよくとられております。しかし、それでもつらい症状が取れない場合は、タスオミンの一時中断もやむを得ないかもしれません。(文責 谷)

 

No.9913】  10年10月23日   M 
抗がん剤の副作用について

いつも、参考にさせて頂いております。抗がん剤の副作用について、お伺いします。
7月に左乳房全摘出とリンパ節郭清手術を受けました。その後、8月の下旬より、抗がん剤を3週間に一度4クールの後、1週間に一度12回受け、ホルモン治療に入る予定です。抗がん剤の点滴は右腕からのみの方が良いでしょうという事で、始めたのですが、血管が赤くなって腫れてしまい(静脈炎?)、手当をしてもらいました。2回目も、少し症状が出たのですが、特に何もしませんでした。3回目は、右腕に痛みがある事を伝えると、左腕での点滴になりました。その時は、特に症状は出ませんでした。が、未だに右腕に痛みがあるのですが、これは静脈炎の影響なのでしょうか。腕を伸ばした時に突っ張るような感じです。また、点滴を通した時の血管が赤みを帯びたままの状態なのですが、いずれ治るのでしょうか。抗がん剤の治療には前向きに考えていたのですが、最近不安も感じております。アドバイス等、ありましたら、お願いします。

現在使用している3週に一度の点滴内には、抗癌剤としておそらくアドリアマイシン(ドキソルビシン)かエピルビシンが使用されているものと思われ、これらの薬剤は組織に対する刺激が強く、しばしば静脈炎を起こします。それらの薬の投与の際に少量のステロイドを混ぜるとか、それらの薬を投与する際の点滴の速さを調整することなどで静脈炎の対策としておりますが、それでも起こすケースは、貴女のように手術した側の腕に点滴をしたりしてなんとか乗り切ります。多くの静脈炎は自然に軽快しますが、ヒルドイド軟膏なども使用することで、より早く軽快する印象を持っております。おそらくこの薬剤を含む点滴は4回で終了(残り一回)で、次の毎週の点滴はタキソール療法と考えられ、これは比較的静脈炎を起こしにくい薬剤なので、まずあと一回と考え頑張って乗り切ってください。(文責 谷)

 

No.9912】  10年10月23日   K 
トリプルネガティブ (HPNo.9893-2)

昨日は、お忙しい中、ご相談・ご回答いただきありがとうございました。昨日のメール案内通り、ステージ1、リンパ転移なし グレード2、再発率中リスク・トリプルネガティブです。術後1年検診で肺に腫瘍が1つ見つかり、大きくなった経過もあり、11月中旬頃、手術予定です。その後、先日の検診で、首左右に2つの腫瘍が発見され、検査の結果待ちの状態であり、もしこれが乳ガンからの転移であるならば、肺の腫瘍も同様に乳ガンの転移である確率がたかいでしょうか? 又、反対側の乳房にも少し異常が見られ、経過観察であり、体中に転移してるかと心配です。首の腫瘍が乳ガンからの転移であれば、肺の手術はやめて、すぐに抗癌済治療をすべきか? 肺の手術を行えば、抗癌済は体に負担がかかる為すぐには治療できないとの医師の判断であり、体中にガン細胞がひろがり、又骨まで進行しないか、トリプルネガティブゆえに大変心配です。トリプルネガティブに効く薬・抗癌済はあるのでしょうか? 

まず首の腫瘍が乳がんの転移であるとの診断となれば、トリプルネガティブとのことですので、治療を行うのであれば、化学療法を施行するべきであると思われます。肺の腫瘍に関しては画像も見ておらず意見を述べにくいですが、肺原発の(新たに肺に生じた)腫瘍の可能性もあると思われますので、手術がお受けいただける状態ならば腫瘍を摘出して、どのような腫瘤かをはっきりしたほうが、今後の治療方針が立てやすいと考えます。現時点では特にトリプルネガティブに効く抗癌剤というのは使用されておらず、通常乳癌に用いる抗癌剤を使用することとなります。(文責 谷)

 

No.9911】  10年10月23日   K.H.
これからの治療法について

現在63歳で、6年前に左乳房に4p大のしこりがあり、左乳房の全摘術とレベル2までの腋窩リンパ節の廓清を行いました。病理検査の結果、浸潤性乳管がんで、リンパ節(17個切除)はレベル1に2個の転移を認めました。術後後療法として、CEF4クール、ウィークリでタキソール4クール(白血球の回復が悪く12回のうち8回のみ実施)受けました。その後、5年間アリミデックスを内服しました。ホルモン感受性はありましたが、ハーツーはマイナスでした。
2週間前に、左頸部下方(鎖骨上のくぼみに近い部分)にしこりを2個〜3個?見つけて受診し、血液検査を行うとともに、、今月末に頸部から胸部にかけてのCTをとる予定をしています。これまで、腫瘍マーカーの上昇はみられたことはありません。私個人の判断として、患側であること、アリミデックスが終了して半年たったことから転移の可能性を疑っています。頸部に転移があると考えた時、そのほかにどこへの転移が考えられるのでしょうか。また、頸部リンパ節のみへの転移と考えた時、放射線療法、化学療法、摘出術があると思いますが、これからの治療法をどのように考えればよいのかと、教えていただきたく相談室にメールをしました。よろしくお願いたします。

乳癌の場合、6年たってから再発するケースもそれほどまれではないため、今回の貴女のケースも頚部リンパ節転移再発である可能性はあると考えます。乳がんが骨、肺、肝、脳などへの遠隔転移が多いことや、同側腋窩リンパ節、頚部〜傍胸骨リンパ節への転移が多いことより、これらのチェックとして、胸腹部CT,頭部MRI,骨シンチグラムなどの画像診断や、血液の腫瘍マーカーなどのチェックが必要であると考えます。画像上頚部リンパ節のみの転移であった場合でも、細胞レベルでは全身に回っている可能性を考えて原則として全身療法が主体となります。よって摘出術や放射線療法でなく薬物療法を行うことになります。もしそれが転移であるとして場合、再発までの期間が6年と比較的長いことや、リンパ節転移自体は全身に重篤な症状を示さないことなどより、まずホルモン治療を行うことが奨められます。アリミデックスはすでに使用しているので、アロマシンまたはフェマーラなどのアロマターゼ阻害剤か、タモキシフェン、トレミフェンなどのSERMと呼ばれる薬剤などが候補に上がるのではと思います。(文責 谷)

 

No.9910】  10年10月23日   S
放射線治療開始時期について(HPNo.9782-2) 

<9782>の質問者です。ご回答賜り有難うございました。八月前半に、セカンド、サードオピニオンをお願いし、熟考の結果、「温存手術+センチネル→放射線30回→ホルモン療法」を選択いたしました。9月前半に手術、病理診断もほぼ7月の診断結果通りで安堵しました。ただ術後6週目に入った現在も、受け入れ病院の事情や私の仕事の都合で、放射線治療計画が立っておらず、未だに始められていないことが不安です。私の希望する病院での放射線治療は、当初の予定(11月)から一か月遅れ、早くても術後14週目の12月以降になる、との連絡がありました。そこで主治医は、他の病院での11月からの放射線治療を勧めますが、これ以上治療を遅らせない方が良いのでは、という思いもありながら、仕事場所から至近距離であり、慢性疾患で長年通院している希望病院放射線科での治療が安心、という思いもあり、決めかねております。年末年始に治療間隔をあけない方がよいというのもわかるのですが、年内に終わらせる為、通いにくい場所の病院での治療を6週間続けるには、仕事上問題が生じてしまいます。術後14、5週目の開始、また、年末年始十日間ほど治療を休む、というのは、相当にリスクが高いのでしょうか。術後長い間、何も治療を受けないことについては問題がないのでしょうか。何らかのご助言を頂ければ幸いです。

乳癌診療ガイドラインでは、術後化学療法を施行しない場合、術後8週間以内の放射線治療開始が望ましいとしています。ただ8週間を超えると明らかに再発率が増加するといったデータも乏しく、現実問題としては術後経過が時間を要した場合やとりまく環境の影響などで、放射線照射が遅れてしまうケースはしばしば見られます。また年末年始やゴールデンウイークといった長期の休日が続くときは、その間放射線治療もお休みとなってしまうため、なるべく途中で長期の休みに入らないように日程を組んだりもしています。貴女のケースでは仕事をなんとか都合をつけて、11月からの放射線治療をやってくれる所でお願いするのが一番良いと考えます。やはり自分の身体が最優先とわたくしは考えるからです。しかし、それが不可能と判断されるのならば、多少の放射線効果の低下は甘んじて受ける覚悟で、12月から放射線をお受けになるよりないのではないでしょうか? もちろんそれでどの程度の放射線効果の減少があるかは、わかっておりません。(文責 谷)

 

No.9909】  10年10月19日   E
手術後の治療法について 

初めてご相談いたします。ドッグを切っ掛けに見つかった「@左6時方向の乳がんと、手術直前日に発見されたA左4時乳頭に近い小葉がん」の2ヶ所について、今年9月初旬に、くり抜く部分切除術を受けました。55歳です。病理結果は以下のようでした。
@について
Invasive ductal carcinoma 1.6×0.7cm f ly(−) v(−) nuclear grade:1 ER(+)100%  PgR(+)90%  HER2:score 1  ki67  30-40%
中程度の異型を有する腫瘍細胞が、浸潤増殖する硬癌がみられます。癌は乳腺外脂肪織へ浸潤していますが、標本上明らかな脈管侵襲はありません。
切除断端:陰性

Aについて
Special tipe,invasive lobular carcinoma 0.04×0.03cm g ly(−) v(−) ER(+)20%   PgR(−)0%  HER:score 2   ki67 5−10% (FISHはできる大きさがないのかもしれません)                     
(進展径:1.3×0.9cm)
切除断端:陽性 
抹消側断端に癌の乳管内病変が露出しています。また側方断端についても断端近傍(>5mm)まで乳管内進展がみられます。
(追加報告)乳管内病変とともに0.04cm大の浸潤巣がみられました。 (センチネルリンパ節 陰性 0/1)   

この結果から局所再発の可能性を考え、11月中旬に乳房切除+再建の方向の予定です。質問は再手術後の治療について、伺わせて頂きたくお願いいたします。

1) 2つの病変の結果から、どのような全身療法となるか心配しています。 このような場合の治療法を教えていただけますか。
2) Adjuvant Online の計算を、できればどうぞお願い致します。
3) 化学療法をしたほうが良いかどうか、onkotype 検査をお願いすることは妥当でしょうか。
4) その時期は、再手術までの期間があるので、早めに出していただく事をお願いしたほうが良いでしょうか。
5) 一度目と二度目の手術の間で、術後についての不安をお尋ねしました。ご意見をいただければ幸いです。

よろしくお願いいたします。

ご相談どうもありがとうございます。病理の最終結果がないと正確にはお答え出来かねます。次回手術終了後に、ご担当の先生に正確にadjuvant onlineで計算をいただきたいと思います。今あるデータでの計算はいたしますので、御参考になさってくださいませ。無治療の場合の、10年生存率は87%、10年死亡率は7%です。ホルモン治療により10年生存率は89%に改善、抗がん剤治療により10年生存率88%に改善、両者併用により10年生存率90%に改善します。無治療の場合の、10年再発率は24%。ホルモン治療単独により10年再発率は15%へ改善、抗がん剤治療単独により10年再発率は19%へ改善、両者併用により10年生存率は12%に改善します。OncotypeDXは、ご希望であれば先生におっしゃってみてください。adjuvant onlineの結果をご覧になってまずはお考えになってみてください。
以上、ご不安はいっぱいだと思いますが、2回目の手術が終了し全体像を把握してから、また先生にご相談いただくのが良いと思います。こちらでもお待ちしています。(文責 高橋)

 

No.9908】  10年10月19日   S
今後最適な治療を受けるために(HPNo.9879-2)

HPNo.9879で質問させていただいたものです。今月21日に3年目の定期検査があるということで、また質問させていただきます。
1) センチネルリンパ節というものは腋の下のリンパ節とは全くの別物なのですか? それと、母の病理検査ではリンパ節転移は1/19とだけ書いてありましたが、それはセンチネルリンパという場所と腋の下をまとめて、全部で1/19ということでよろしいのですか?
2) リンパ節転移は少数、HER2過剰発現無しで中間リスクということで間違いないですか?
3) 最後に、前回の質問で病期ごとの10年生存率、再発率を教えていただきましたが、後にadjuvant onlineというサイトを知り、調べようと思ったのですが、恥ずかしながら使い方がわかりませんでした。そこで、adjuvant onlineにて母の10年生存率と再発率を計算していただけないでしょうか? 以下は、わかる限りの病理の結果です。
手術当時47歳、ステージUa、腫瘍約2cm、リンパ節転移1/19、ホルモン感受性 弱陽性(ERなどの詳細は不明)、HER2 1+ 核悪性度 不明、術後療法として抗がん剤タキソール、ホルモン療法でノルバデックス服用中です。

お手数おかけして申し訳ありませんが、ご回答お願い致します。

ご相談どうもありがとうございます。御参考になさってくださいませ。
1) センチネルリンパ節は腋の下のリンパ節の中で、がんが初めて流れ込むであろうリンパ節です。これを、手術中に色素などを用いて調べて、その中にがん細胞がいないかどうかを調べるのです。通常は、がん細胞の存在したセンチネルリンパ節以外のリンパ節で病理検査の結果は届くと思います。これは施設によって異なるかもしれませんので、先生にご確認くださいませ。
2) 中間リスクで良いと思われます。
3) 核グレード不明ですと曖昧な数字になります。無治療の場合には、10年生存率79%、10年死亡率18%です。ホルモン治療単独により、10年生存率85%へ、抗がん剤治療単独により10年生存率84%へ、両者併用により10年生存率88%へ改善します。無治療の場合の10年再発率は39%です。ホルモン治療により10年再発率は26%へ、抗がん剤治療により10年再発率は27%へ、両者併用により10年再発率は18%へと改善します。

以上、ご不安はつきないと思いますが、今の治療を信じて頑張ってくださるようにお伝えくださいませ。また何かございましたらおいでくださいませ。(文責 高橋)

 

No.9907-1】  10年10月19日   K 
温存+放射線か全摘出、どちらが妥当でしょうか?

お手数をおかけ致しますが、よろしくお願い致します。32才10ヶ月、挙児希望です。2010年2月にマンモグラフィで微小石灰化(集属性)が見つかり、エコーガイド下針生検を実施しましたが、悪性細胞は見られず、経過観察となりました。その後9月に、大きさに変化は無いが、形(円形)が怪しいので、念の為とマンモトーム生検を受けました。結果は、「非浸潤性乳管癌、9ミリ、石灰化のみしこりはなし、ホルモン受容体陽性(2種共に)、har2強陽性3+」でした。10月現在、手術施設のある病院で検査中ですが、マンモグラフィで9ミリ、造影剤MRIで5センチで、病変の広がりに差がでてきました。主治医は、「MRIでは広がりが大きく出る事があるので、追加で乳管内視鏡検査と造影剤CT(3次元化)が必要」との事でした。主治医は温存可能と考えているようですが、全摘の方が安心ではないかと思うようになりました。har2強陽性である事、MRIでは広がりが大きい事、挙児希望なので出来るだけ薬は使いたくない事、再発転移を避けたい事を踏まえると、思い切って全摘出の方がメリットが高いのではないでしょうか? 温存+放射線か全摘出、どちらが妥当だとお考えでしょうか?よろしくお願い致します。

御質問どうもありがとうございます。もちろん、画像を拝見しておりませんし、言葉の上で想像し、お答えするしかないことはご了承くださいませ。ただし、全力でお答えいたします。
非浸潤がんは超早期がんであり、適切な治療で根治が可能な乳がんです。その性格的に、乳管内をがん細胞が流れることにより広範囲に広がることが多々あります。しかし、乳管の途中でがんにより壁が破裂すると、浸潤がんとなります。乳管が破裂すると血管内やリンパ管内にがん細胞が侵入し、全身への転移の可能性が出てきます。乳管内だけにとどまっていれば、転移の恐れは理論上ありません。ですから破裂する前に、非浸潤がんの段階できれいにがん細胞を摘出することが必要です。取り残しがなければ良いのです。ですから、主治医の先生とご相談し、取り残しがない方法を選択してください。
非浸潤がんは超早期がんなのに、乳房全摘出が必要となることが多いのは事実です。まずは、主治医の先生と適切な方法をご検討いただき、乳房切除が必要と言われ、納得できたら乳房切除をおこなっていただく。そして、乳房温存が可能といわれたら、温存手術をお受けになっていただき、取り切れていないことが確認されたら、追加切除手術あるいは乳房切除術を再度おこなっていただく。それが良いかと思います。もちろん、温存手術後は放射線治療に1ヶ月通わなければいけませんので、その点も御考慮くださいませ。乳房切除術の場合のオプションとしては、乳房再建手術もあります。是非、慌てず御自身にとってどの方法が最も適しているか、お考えになってみてくださいね。ご不安な時には、またいつでもご相談くださいね。お待ちしております。(文責 高橋)

 

No.9907-2】  11年05月10日   K 
対側のしこり

No.9907でお世話になりました。本当にありがとうございました。その後、乳管内視鏡でも広がりがあり、全摘手術を受けました。病理結果では、石灰化部分の他に2箇所浸潤していましたが、どちらも1mm以下で、センチネル陰性、ホルモン陽性、har2評価出来ず、非浸潤癌と同等で、年齢以外は低リスクで経過観察になりました。そして、先日、術後半年検査で、超音波で対側に3箇所しこりが見つかりました。半年前は何かあるような印象の超音波の映りだったが、今回ははっきり分かるそうです。主治医は、「平べったく、超音波では水か何かだと思うが、心配なら細胞診しますか?」と聞かれ、お願いしました。ここでお聞きしたいのですが、半年で大きくなるしこり(自分ではわかりません)は、癌の可能性が高いのでしょうか? 超音波で良性の判断はつくのでしょうか? 術後の定期検査で早期発見は可能でしょうか? それとも自分でも他院で定期的に検査した方がいいでしょうか? 半年経って自分が癌であると受け入れ始めたばかりなので、対側も乳癌かと思うと、何も手に付かない状態です。

御相談ありがとうございます。微小浸潤癌術後約6ヶ月で反対側の乳房に3個のしこりが見つかり、さぞご不安のことと思います。
今回のご質問内容からは詳細が不明な部分があり、全てに適格にお返事することは難しいので、一般的なお返事になってしまい申し訳ございません。
さて半年で大きくなるしこりですが、どの程度大きくなったのかが不明です。しかし大きくなっているからすぐに癌と診断されるわけではありません。例えばのう胞というお水のたまりの場合は、大きさが変化することは良くあることです。また超音波検査で良悪性の推測はできますが、確定は困難です。術後の定期検査ですがガイドラインでは、手術と反対側のマンモグラフィに関しては有用であり、強く勧められるとなっていますが、それ以外の検査は強くお勧めする十分な根拠は無いので、ご担当の先生と御相談なさってお受けになるのが良いのではないのかと思います。また検査は今までの治療結果や検査結果がある今の病院でお受けになることをお勧めします。今の病院の検査内容や結果が受け入れられずに不安が強くなるばかりの場合は、セカンドオピニオンをお受けになる方法もあります。まずはご担当の先生がこの3個のしこりについてどのようにお考えになっているのかを、よくお伺いすることが大切だと思います。(文責 斎藤)

 

No.9906】  10年10月19日   C 
ハーセプチン上乗せ効果(HPNo.9890-2)

HPNo.9890でお世話になりました。治療により生存率がだいぶ上がることが分かり、治療を頑張る励みとなりました。ありがとうございました。あともう2つだけ質問させて下さい。
1) ホルモン治療+抗がん剤の上乗せ効果がかなり期待できるようで、安心しました。私の場合、ハーセプチンも一年するのですが、そちらの上乗せ効果はどの位なのでしょうか? 10年無病生存率75%ということでしたが、それよりよくなりますか? それとも75%に入っているのでしょうか? もし10年分のそのようなデータがない場合、先生の分かる範囲でいいので、教えていただけませんか?
2) 再発率とは局所再発と遠隔転移の両方が含まれると過去の解答にありましたが、 例えば再発率20%と出た場合、命に関わる治癒の望めない再発とは、この中でどの位を占めるのでしょうか?

何度もすみません。よろしくお願いします。

1) ハーセプチンは再発率を半減させます。ですから、10年再発率25%を約12%に半減させると考えます。これは理論上の数字であり、そのように考えてください、という考え方です。
2) 再計算いたしますと、無治療の場合の10年後の死亡率は26%となります。再発した方の半数が亡くなっていることになります。

以上は、あくまでも過去のデータをもとにした数字です。これをご参考になさって、より良い治療を主治医の先生とともにお決めになってくださいね。またご相談くださいませ。今後ともよろしくお願い申し上げます。(文責 高橋)

 

No.9905】  10年10月19日   O 
母(73歳)が乳癌と診断されました

今日、母(73歳)が乳癌と診断されました。母がシコリを見つけたのが7月頃です。場所は乳首の周りです。先生とお話した時に、ステージUbと言われました。今後、骨シチン、CT検査をしてからの手術になります。母はペースメーカーを入れているため、術後の放射線治療が心臓に悪影響を起こすので、温存手術は無理だと言われ、全摘出手術になりました。73歳の高齢者でも、温存手術後は放射線治療が必要なのでしょうか? 全摘出手術後はホルモン剤治療になると言われています。また、母は脇の下も押すと痛いのと、皮膚が引っ張られる感じがすると言っています。これはリンパにも転移しているということなのでしょうか? 母は農業をしております。術後に腕が上がらなかったり、今まで通りの生活が出来ないのではないかと不安を抱いています。術後のリハビリは、かなりキツイのでしょうか? 長々と質問してしまい申し訳ございません。よろしくお願いいたします。

ご相談どうもありがとうございます。乳がん診療ガイドライン2008放射線療法においては、70歳以上、かつエストロゲン受容体陽性患者に対して、タモキシフェンのみとタモキシフェン+放射線治療を比較したランダム化比較試験では、同側乳房内再発に有意差はみられたもののその差はわずかであり、このような患者における放射線治療の省略は容認しうるという意見もある。となっています。従いまして、放射線治療をご希望されなければしなくてもよい、ということになります。腋のしたの引っ張られる感じは、リンパ節転移の可能性もあります。理想としては、乳房温存+腋窩センチネルリンパ節生検をおこない、転移が明らかであればリンパ節郭清をおこなうという方針で良いと思います。リンパ節郭清をしても、最近は激しいリハビリをすることは少ないです。普通に手は挙げられると思います。でも、もしお仕事柄リンパ節郭清を避けたいのであれば、主治医の先生にそうおっしゃてみてくださいね。それではまたご相談お待ちしています。(文責 高橋)

 

No.9904】  10年10月19日   AK
リュープリン

乳がん全摘手術(2008年5月)で、その後2年間3か月ごとにリュープリンとノルバディックス20経口と、ハーセプチンも同時に点滴投与1年しましたが、今は、ノルバデックス20のみ服用です。45歳で生理を人工的にとめていたのですが、リュープリン2年間終了して半年が過ぎました。いつ生理がくるか最近不安で、出来たらもう何年間かリュープリンを再度注射して再発防止につなげたいのですが・・・。リュープリンは2年以上やっても意味があるのでしょうか? その場合保険は適用ですか? 卵巣機能が止まってるか否かを判断する検査はどういう検査があるのでしょうか?

御質問どうもありがとうございます。ノルバデックスだけでも閉経状態となる方もいらっしゃいますので、今のまま生理は戻らない可能性もあります。しかし、ご不安でしたらリュープリンを5年間継続する患者様もいらっしゃいます。保険適応はあります。その治療効果については不明です。患者様の安心のために、私たちは続ける、という感じです。通常は2年で終了にします。ノルバデックスを内服中は、ホルモン検査をおこなっても結果は不正確ですので意味がありません。以上、お答えになっていないかもしれませんが、ご参考になさってくださいませ。またご相談くださいませ。(文責 高橋)

 

No.9903】  10年10月19日   SK 
手術を含めた今後の治療について

初めて相談させていただきます。
先月末に左乳房に違和感を感じ、触ってみたところしこりを発見し、翌日すぐに外科を受診。エコー、細胞診、マンモグラフィ等経て、昨日乳がんであるとの告知をされました。しこりは4cm.あり、年齢が34歳であることから、手術は、「全摘がいいが、乳房温存したいのであれば、術前化学療法にて小さくしてからでも可能。その場合、リンパ節は取ることになるでしょう。」とのことでした。検査の段階で5段階中4の判定が出ていたことから、乳がんで乳房に傷が残る事は覚悟していましたが、全摘までは全く思っていませんでしたので、かなりショックを受けています。今まだまだ乳がんについて勉強中なのですが、希望をいえば乳房温存、そしてリンパ節も残したいと思っています。それであれば手術に際して納得して臨めるのですが、まだ34歳ということもあり、完全に全摘手術しようとふんぎりがつきません。リンパ節を取ってしまうと運動機能障害も残り、浮腫の可能性もあると聞いたので、リンパ節を残したいと思うのでしたら、全摘しかないのでしょうか? リンパ節転移があるのかは、来週CT・MRIをとってからの判断になるそうですが、先生の所見では今の所ないのではないか、ということです。転移が怖いので早く手術がしたいのですが、今の所早くて11月中旬頃になるそうです。決断が遅くなると、それ以降になる可能性もあります。一番怖いのは、全摘手術したのにリンパ節転移も見られ、リンパも取られてしまうことです。乳房・リンパ節温存というのは、虫がよすぎる望みなのでしょうか? 部位をなるべく圧迫しないでとのことで、寝返りも怖くてうてず、夜も眠れません。回答、よろしくお願い致します。

ご相談どうもありがとうございます。まだ先が見えずご不安なことと思います。少しでもお力になれましたら幸いです。まず、貴女にとって大切なことは何でしょうか。温存手術でしょうか。リンパを残すことでしょうか。ひとつ知識として知っておかなくてはいけないことは、腫瘍の大きさや広がりで乳房温存か乳房切除かは決定します。これとは別に、リンパ節に転移があればリンパ節郭清(きれいにリンパ節を切除すること)をおこないますし、転移がなければリンパ節郭清はおこないません。リンパ節転移を確認するのがセンチネルリンパ節生検です。
さてベストな方法は何でしょうか。ひとつの御提案としては、まず始めにセンチネルリンパ節生検をしてしまい、リンパ節転移がないかどうかをチェックします。そして、抗がん剤治療をおこない腫瘍を縮小可能であれば、温存療法をおこなう。この手術の際に、先ほどのリンパ節生検の結果によっては、リンパ節郭清をおこなわないという選択肢も可能となります。
以上、先生とも良くご相談のうえ、決定なさってくださいね。またいつでもお待ちしています。(文責 高橋)

 

No.9902】  10年10月17日   S 
子宮内膜増殖症

2007年8月、右胸筋温存乳房切除術を施行しました。当時45歳、閉経前でした。術後病理診断は、「浸潤性乳管がん、硬がん、Φ9cm、リンパ節転移(+)計26/38、ER・PgR(+)、HER2(ー)、gradeU、stageVA」でした。術後治療として、@抗がん剤投与半年 AC(4回)→Taxol(10回)(副作用で12回にいたらなかった)、A放射線照射 30回(胸壁・鎖骨上)、B2008年4月からノルバデックスを服用し始めました。現症状は以下のとおりです。
抗がん剤で閉経のままで、LH8.4、FSH13.7、E2<10 (2010年5月のデータ)、CEA  6〜9の間で変動しています。6月の婦人科の検査で子宮内膜厚さがΦ23mmになっているのがわかって、ただし細胞診では異常細胞が見られなかったです。
子宮内膜が10mm以上になると、子宮内膜掻爬術をするか、もしくは投薬を中止するかという方法を聞きましたが、主治医と婦人科の先生に内膜増殖症治療のことを何も勧められていませんでした。薬を中止する話もありませんでした。そのままノルバデックスを飲み続けていいですか? 薬を一時中止していいですか? 一旦投薬を中止して、再開すると薬の効果がありますか? 閉経後用の薬に切り替えできますか?

ご相談どうもありがとうございます。先生方は何もおっしゃっていなくても、貴女としてはホルモン治療を中止したいと思っていらっしゃるのですね。ホルモン治療中のホルモン計測は、あまり意味がありません。今は年齢的には閉経前ですので、ホルモン治療としては現在まで2年6ヶ月継続されてきており、本来はホルモン治療は5年継続です。ただし、もしご希望でしたら中止でも良いのではないでしょうか。閉経前に、閉経後の内服に切り替えることは、証拠不十分つまりエビデンスの乏しい治療となります。主治医の先生および婦人科の先生と良くご相談くださいませ。また御質問をお待ちしています。(文責 高橋)

 

No.9901】  10年10月17日   A
非浸潤性乳管癌

42歳、独身の女性です。2010年5月に非浸潤性乳管癌が見つかり、8月に温存手術をしました。右乳の石灰化、ステージ0、リンパ節転移なし、ホルモンレセプター:陽性、転移なし(CT検査済)。現在、放射線の治療中です(50グレイ 25回 5週間)。ノルバディックスのホルモン療法を進められていますが、結婚、妊娠出産の望みがあります。ノルバディックスを服用する必要はあるでしょうか? もし、ノルバディックスを服用しても、妊娠の可能性は残りますか? また、私のような乳癌の場合でも、ホルモン療法は必要でしょうか? 不安一杯の毎日を送っています。何卒、ご教授の程、よろしくお願いいたします。

ご相談どうもありがとうございます。非浸潤がんで温存手術をされて、放射線治療を終了すれば、それ以上の治療をせずに定期検査をおこなていくという選択肢を選ばれる方が多いです。ホルモン治療をおこなっていても、再発してくるかたはいらっしゃるので、妊娠出産を望まれているのであれば、ホルモン治療をおこなわなくて良いのではないでしょうか。ホルモン治療をしながらの妊娠は奇形などの問題があり、お勧めできません。もちろんノルバデックスを5年間内服後に妊娠出産は可能ですが、今度は高齢出産のリスクがあります。主治医の先生ともご相談いただき、不安を一つずつ解決していきましょうね。またご相談くださいませ。(文責 高橋)

↑ ページ先頭へ戻る