会員紹介 手術後のページ 乳癌関連情報 公開市民フォーラム 相談室HOME


相談室(No.9201〜9300)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

ご相談メールの投稿はこちらからお願いします。

なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

[前のページ] [次のページ]

No

日 付

名 前

件  名

担 当

9300 09/12/21 K.T. 健康診断の結果 吉田
9299 09/12/19 I  乳輪のできものについて 吉田
9298-1
9298-2
09/12/19
09/12/21
ゴン太 骨転移が不安です
骨転移が不安です(2)
吉田
吉田
9297 09/12/19 M  腫瘍マーカーについて 吉田
9296 09/12/19 M.A. 男なのですが、不安になりまして・・・ 吉田
9295 09/12/17 H  マンモグラフィ 吉田
9294 09/12/17 BB 限られた治療法の選択 吉田
9293 09/12/17 術後補助療法について 吉田
9292-1
9292-2
09/12/16
13/04/22
Y.S. 今後の術後治療について
リュープリン
吉田
加藤
9291 09/12/16 スナフキン 処方された薬を飲まずに進行して、薬を変更した場合 吉田
9290 09/12/16 腫瘍マーカーについて 吉田
9289 09/12/16 乳輪の硬結 しこり 浜口
9288 09/12/16 K  経過観察(HPNo.9262) 浜口
9287 09/12/16 Y.M. 抗がん剤治療の必要性について 浜口
9286-1
9286-2
09/12/14
09/12/22
K.S.  集簇性の微細石灰化
経過観察
浜口
吉田
9285-1
9285-2
09/12/14
09/12/22
Y  要精密検査
乳がんと診断されました
浜口
吉田
9284 09/12/14 H  乳がんという可能性は高いのでしょうか? 浜口
9283 09/12/12 F 母の状態について 浜口
9282 09/12/12 Y CA15−3の変動 浜口
9281 09/12/10 Y.T 健側のしこり&骨転移の可能性 浜口
9280 09/12/10 K.M.  術後の大量リンパ液について 浜口
9279 09/12/10 M  今後の治療について(HPNo.8941-3) 浜口
9278 09/12/10 M 葉状腫瘍 境界型について 浜口
9277 09/12/09 Y.F.  術後補助療法(ホルモン療法)について 徳田
9276 09/12/09 もっちぃ 手術時期について  徳田
9275 09/12/09 T  今後のホルモン治療について(HPNo.9073-3) 徳田
9274 09/12/09 H.T.  放射線の照射を受けたほうがよいのでしょうか? 徳田
9273 09/12/07 T  今後の治療の選択肢と、それぞれのリスクと効果の程度について 徳田
9272 09/12/07 J 全乳腺切除と乳房切除の違い(HPNo.9269-2) 徳田
9271 09/12/04 S.T.  FEC治療中での再発について(HPNo.8949) 徳田
9270 09/12/04 W 非浸潤性乳管ガンの今後の治療について 徳田
9269-1
9269-2
09/12/03
09/12/07
全乳腺切除の合併症
全乳腺切除と乳房切除の違い
徳田
徳田
9268 09/12/01 K.K. 骨盤転移? 俵矢
9267 09/12/01 Y.M. 術後治療の選択をするにあたって 俵矢
9266 09/12/01 F  骨シンチ集積について(HPNo.1767-6) 俵矢
9265 09/12/01 K.K. 骨転移の可能性があるのでしょうか? 俵矢
9264 09/12/01 Y・K 乳首の痒みと分泌物について 俵矢
9263 09/12/01 H.S. 妻の乳癌の検査結果について 俵矢
9262-1
9262-2

9262-3
9262-4
9262-5
09/12/01
09/12/16
10/04/20
10/06/23
10/10/20
骨転移、再発リスクを教えて下さい
経過観察
定期健診まで様子をみていいのでしょうか?
リンパ節の腫れ?
骨転移を心配しています
俵矢
浜口
吉田
須田
9261 09/11/28 S.S 乳腺腫の癌化について  俵矢
9260 09/11/24 mk 無治療という選択も可能でしょうか?
9259 09/11/24 再発率・生存率について
9258 09/11/24 乳癌の手術時間について
9257 09/11/22 M.T 検査までの期間について
9256 09/11/19 乳頭からの分泌物について(HPNo.9201-2) 高橋
9255 09/11/19 I  葉状腫瘍について 高橋
9254 09/11/17 Y  わきの下の痛み 高橋
9253 09/11/17 rupo 病理結果について 高橋
9252 09/11/17 KY 放射線治療の追加照射について 高橋
9251 09/11/17 H  ウィークリーパクリタキセルの投与量について 高橋
9250 09/11/17 K.A. 乳房付近の痛みについて 高橋
9249 09/11/17 今後の治療について(HPNo.7970) 高橋
9248 09/11/17 Y・H 牛乳と乳製品の摂取について(HPNo.9060-2) 高橋
9247 09/11/13 H  タキサン系抗癌剤とホルモン療法の併用について 須田
9246 09/11/13 K.K.  ズキズキと怪我の様な痛み 須田
9245 09/11/13 M  温存術後の薬物療法について 須田
9244 09/11/13 C  胸の痛みと出血 須田
9243 09/11/13 H.Y. 乳管内非浸潤癌(2)(HPNo.9227) 須田
9242 09/11/13 セカンドオピニオン 高橋
9241 09/11/13 I.K. ハーセプチンについて 高橋
9240 09/11/13 鎖骨上に乳がん転移 高橋
9239 09/11/13 乳腺炎後のしこりについて 高橋
9238 09/11/11 k、k、 今後の治療について(HPNo.6908-2) 高橋
9237 09/11/06 M.S 左脇の下から腕にかけてのひきつり 加藤
9236 09/11/06 M.S. 手術時期について 加藤
9235 09/11/06 T.K. センチネルリンパ節生検で陽性時のリンパ節郭清の必要性 加藤
9234 09/11/06 T.S.  EFC療法 加藤
9233 09/11/06 G 白血球 加藤
9232 09/11/03 K.O.  術後の検査について 首藤
9231 09/11/03 MIKI ホルモン剤と口内炎について 首藤
9230 09/11/03 ゆらら 漢方薬「温経湯」について 首藤
9229 09/11/03 C 肺転移後の治療について(2)(HPNo.9055-2) 首藤
9228 09/11/02 A 今後の検査&治療について (HPNo.8995-3) 首藤
9227-1
9227-2
09/11/02
09/11/13
H.Y. 乳管内非浸潤ガン(コメド型)
乳管内非浸潤ガン(コメド型)(2)
首藤
須田
9226 09/11/02 k.m. 腺葉区域切除(2) (HPNo.9218-2) 首藤
9225 09/11/02 W  経過観察で問題はないのでしょうか? 首藤
9224 09/11/02 N.F.  乳頭の変化について  首藤
9223 09/11/02 N.K. 術前のホルモン療法について 首藤
9222 09/11/01 M ホルモン療法と化学療法の併用について 加藤
9221 09/10/31 Y 今後の治療計画について(HPNo.9193-2) 鈴木
9220 09/10/31 H  非浸潤癌のラジオ波について 鈴木
9219 09/10/31 Y.Y. 胸のしこりについて 鈴木
9218-1
9218-2
09/10/30
09/11/02
k.m. 腺葉区域切除
腺葉区域切除(2)
首藤
首藤
9217 09/10/30 I  H21.3の件で再相談 首藤
9216 09/10/30 Mia フィリピンでの診断 首藤
9215 09/10/28 A.S 経過観察は半年毎で問題ないのでしょうか? 首藤
9214 09/10/28 N 乳癌相談 2 (HPNo.9212-2) 首藤
9213 09/10/26 K  アロマシンの服用期間について 鈴木
9212-1
9212-2
09/10/26
09/10/28
N 乳癌相談
乳癌相談 2
鈴木
首藤
9211 09/10/26 サエコ NCC−439について 鈴木
9210 09/10/23 M   術後治療について 鈴木
9209 09/10/23 T  姉の乳がんについて 鈴木
9208 09/10/23 S 母親の胸のしこりについて 鈴木
9207 09/10/23 M EFC療法(HPNo.8941-2) 鈴木
9206 09/10/21 Y CA15-3(HPNo.9200-2) 鈴木
9205 09/10/21 M・S 検査方法について 鈴木
9204 09/10/21 M.O  乳頭分泌について 清水
9203 09/10/21 KY 術後ホルモン療法について 清水
9202 09/10/21 非浸潤癌 清水
9201-1
9201-2
09/10/21
09/11/19
K  乳頭からの分泌物について
乳頭からの分泌物について(2)
清水
高橋

 

No.9300】  09年12月21日  K.T. 
健康診断の結果

43歳で初めてマンモグラフィーの検査を受けました。診断の結果は、「左乳腺石灰化、乳腺腫瘤の疑い」で、専門医の精密検査を受けてくださいとのことでした。触診は異常なしで、自分でもしこりを感じたことはありませんでした。ただ、時々胸が張るような痛みは感じたことがあります。石灰化していて腫瘤があると、がんの可能性が高いのでしょうか? 近日中には病院へ行く予定はしていますが、不安で仕方がないです。

良性のしこり(例えば線維腺腫など)が石灰化している事も多いですが、癌の可能性はあると思います。(文責 吉田)

 

No.9299】  09年12月19日  I 
乳輪のできものについて

私は現在22才です。乳輪にあるできものについてお伺いしたいと思います。数日前に気がついたのですが、右側の乳輪と皮膚の境目辺りに、6mmくらいのできもの、しこりのようなものがあるのに気付きました。押しても痛みや痒みはなく、色は白よりの半透明のような色です。そもそも乳輪にブツブツのようなものはいくつかあるのですが、これは他のに比べて大きく、しこりっぽいので気になりました。考えられる病気の可能性はあるでしょうか? 御回答お待ちしております。

乳輪の周りには脂腺や汗腺などが多くあります。これらものが詰まって大きくなったのではないでしょうか。気になるようでしたら皮膚科を受診してください。(文責 吉田)

 

No.9298-1】  09年12月19日  ゴン太
骨転移が不安です

私は現在43歳、2児の母です。昨年この相談室でお世話になり、右充実性乳管癌と判明しました。しこりの大きさは、全てを合計すると5p以上、腋かリンパ節にも大きなしこりがありました。病理検査の結果は、「ステージはVa、核グレード3、トリプルネガティブ」でした。術前化学療法でFEC6回、TC4回行い、今年5月に右乳房全摘、右腋かリンパ節も全て郭清しました。抗がん剤がよく効き、手術の結果はCR、リンパ節も21個中0、と全て石灰化していたそうです。ところが最近骨盤や足の付け根(外側と内側)、恥骨の辺りや膝の関節や足首が痛みます。(同じ場所が常時痛いわけではなく、1日のうちにあちこち変化します)
半年検診で、腹部、乳房エコーと胸部レントゲン、血液検査をしましたが、腫瘍マーカーは上がってないので転移の心配は無いと、骨シンチはしていただけませんでした。でも、最初に腫瘍マーカーの出ないタイプだと言われましたし、痛みも良くなりません。主治医に訴えても、骨転移の痛みは激痛だと言われました。もし骨転移していたら、骨折してしまうのではないかと不安で、以前やっていたママさんバレーにも復帰できずにいます。ネットで調べると、骨転移は早く見つけることで、QOLを下げずに済むとあったので、半年後(1年検診)の骨シンチの検査が待ちきれません。抗がん剤が効いたので、こんなに早く転移することはあまりないのでしょうか? 骨転移の痛みは必ず激痛なのでしょうか? また、腫瘍マーカーは必ず上がるものなのでしょうか?(ネット上で、骨転移の場合「1型CTP」という腫瘍マーカーが上昇するとありましたが、私の検査項目にはありませんでした) また、痛みはほぼ左側に集中しているのですが、右乳癌なのに左側の骨に転移するという事は、あまり考えにくいでしょうか?
長々と質問してしまって申し訳ありませんが、宜しくお願い致します。

術前化療でCRとなった乳がんは、再発が起こりにくいこと、トリプルネガテイブの乳癌は、転移を起こすとすれば内臓が多いことから考えて、骨転移があるとは思えません。骨転移の痛みは、激痛でなく鈍痛のこともあります。乳癌の骨転移は左右を問わず全身どこにでも出来ます。腫瘍マーカーは上がることの方か多いでしょう。(文責 吉田)

 

No.9298-2】  09年12月21日  ゴン太 
骨転移が不安です(2)

ご回答ありがとうございました。安心いたしました。もう1つ質問させていただきたいと思います。私は既に右側の脇にも大きなしこりがあったため、右側の腋窩リンパ節を一つ残らず周りの脂肪ごと取ってしまったとの事です。私は右利きで、バレーボールと言えば、サーブやアッタク、全て右手で打ちます。またレシーブも強い球を手(腕)で受けなければなりません。(高校生の部活のような、結構ハードな練習をします) 乳癌の手術をした方々の間での知識としてですが、テニスとバレーボールは浮腫になりやすいと聞きました。

右の腋窩の郭清を行っておりますので、右腕が浮腫に成り易いのは確かです。しかし右腕の筋力は保たれておりますので、術後3−4カ月過ぎればバレーボール等のスポーツは可能と考えます。テニス、バレーボールを行うことが浮腫の原因とはならないと思います。しかし傷の状態もありますので、始める前に必ず主治医のご相談ください。(文責 吉田

 

No.9297】  09年12月19日  M 
腫瘍マーカーについて 

腫瘍マーカーについて相談です。乳がん温存手術を8月に受けて9月から抗癌剤4クール終了しました。「ステージUa 、リンパ節転移なし」です。12月初めの血液検査で、I型ctpが5.7と基準値を超えていました。ca-尿も18.5。10月の検査では3.5と基準値だったのですが・・・。こちらのca-尿は8.5でした。抗癌剤をやっているのに数値があがってくるとはどういうことなのでしょうか? 骨転移等の可能性があるのでしょうか?

骨転移のマーカーは一般的には1−CTPが良いとされておりますが、何回か測定しないと正確なことが分からないと思います。もう一回測定して、益々上がっているようでしたら、念のため骨転移の可能性を考えて検査しましょう。(文責 吉田)

 

No.9296】  09年12月19日  M.A. 
男なのですが、不安になりまして・・・

お忙しい所申し訳ないのですが、率直な所見が頂ければ幸いと思いまして、メールさせて頂きました。
27歳になる男ですが、4ヶ月前くらいに左胸上部にしこりができ、脂肪の塊だと思い、皮膚科に行きました。癌の可能性は?ないのだろうかというと、「それは、ない。」と一蹴され、皮膚を剥がして、脂肪を摘出してもらいました。それから、1ヶ月ないし2ヶ月後には、また同じ所にできていまして・・・。さっき風呂場で右胸乳輪下を少し強く押してみたら、今度は表面上にではなく、内部にしこりのようなものがありました、大きさは小さいのですが、横2mm縦5mm程の三日月状の物でした。女性の患者の1%しか男性はならない事や、40歳以降に症状が多く見られる事も知っています。肝障害でもなるという事も調べました。先の秋の健康診断では、肝機能に注意のC判定がありましたが、やはり不安です。助言でも頂けたら幸いなので、何卒よろしくお願いします。

男性乳癌のことを心配されているようですが、まず違うと思います。以前左胸部のしこりが乳癌でないのであれば、手術の後の瘢痕組織等ではないでしょうか。ちなみに男性乳癌の後発年齢は60~70歳です。(文責 吉田)

 

No.9295】  09年12月17日  H 
マンモグラフィ

先日健康診断の結果、右腫瘤、硬結と触診で言われ、マンモグラフィは異常なしでした。ここ10年くらいで3年に一回ほど乳ガン検診でひっかり二次検査を受けています。乳腺症は、3回ほど授乳期にやりました。ここ数日、乳房が張り、分泌物は白と透明ですが少しでます。もちろん二次検査は受けるつもりですが、乳癌なのでしょうか。生理は毎月決まったようにあります。年齢45歳です。

マンモグラフィに写らない乳癌は存在いたしますので、可能性は低いですが乳癌であることもあると思います。二次検診の結果を待ちましょう。(文責 吉田)

 

No.9294】  09年12月17日  BB 
限られた治療法の選択

現在46歳、7年前左乳癌、全摘、ステージUA、リンパ節転移なし、術後CMFを受ける。トリプルネガティブ。5年後、左腋窩リンパ節転移→摘出→放射線治療。この時、骨シンチを撮るが異常なしの診断。TS1を服用し経過観察。1年後(この夏)、骨シンチにて多発性骨転移(造骨性)との診断。しかし、実は前年のシンチ画像と変化がないことがわかり、少なくとも1年前から骨転移していたことが判明。ここで、TS1からEC療法4クール+ゾメタに切り換え、免疫療法も同時に始めました。現在はEC療法を終え、骨シンチ・MRI等変化なし、腫瘍マーカー異常なし。次の治療の選択に悩んでいます。

1) 今後の治療の順番として、ウィークリータキソール、TS1、どちらを先に使用するか・・・。通常の順番であればタキソール→TS1ですが、「1年間シンチに変化がないということはTS1が効いていたのかもしれない・・・。」という主治医の言葉を受け、どちらが先か迷っております。この場合、一般的にどちらが先でも同じなのか、違いがあるのか。順番を間違えると予後に響いてくるかもしれないと思うと悩んでしまいます。
2) また、TS1→ウィークリータキソールの順番で使用した場合、その後、 同じ5-FU系のゼローダは使えるのでしょうか。
 
どうか、ご意見お聞かせください、宜しくお願いいたします。

1) どちらが良いのか明確なエビデンスは全くありません。しかし主治医の言われる通りTS−1が効いているようでしたら、今、薬を変える必要はないと考えます。骨病変の評価は通常X−P、MRIなどで行い、骨シンチでは通常行いません。念のため。
2)  問題なく使えますが、あまり効果は期待できないでしょう。(文責 吉田)

 

No.9293】  09年12月17日  N
術後補助療法について

母の術後の全身療法について質問をさせていただきたく、よろしくお願いいたします。60歳女性、11月末に右胸の温存手術、出産経験あり、閉経後です。術後の病理検査の結果は、「乳頭線管癌(浸潤癌)、腫瘍2点4センチ、リンパ節転移1個、ly(+)、v(−)、ER(+)、PgR(−)、HER2(0)、核異型度グレード1」でした。上記結果をもとに下記につきまして伺わせてください。
1) 主治医からは、年齢や副作用から、抗がん剤治療を行わずホルモン剤(アロマターゼ阻害剤)の単独服用を提案されております。希望すれば抗がん剤治療も加えていただけるということで、抗がん剤治療を希望すべきかどうか迷っています。、つきましてはアロマターゼ阻害剤単独の場合と、標準的な抗がん剤治療後のアロマターゼ阻害剤服用の場合で、10年生存率や10年無再発生存率は、それぞれどのくらいになるのか、お教えいただけますでしょうか。
2) 抗がん剤の効果の有無を事前に調べる方法としてオンコタイプという遺伝子検査があると聞きました。ネットなどで調べますと、リンパ節転移陰性であることが検査の前提であるという記載などを見うけました。リンパ節転移陽性の場合は、こうした検査を行う意味は低くなるのでしょうか?

以上、よろしくお願いいたします。

1) アジュバントオンラインによりますと、アロマターゼ阻害剤単独での10年生存率、10年無病生存率は66%、53%で、抗癌剤を加えた場合の10年生存率、10年無病生存率は68%、57%です。
2) オンコタイプDXは、通常リンパ節転移のない中間リスクのものが対象ですので、行う意味は低いでしょう。リンパ節転移があるもの(軽度)は、通常マンマプリントで検査いたしますが、こちらは固定していない凍結組織が必要です。(文責 吉田)

 

No.9292-1】  09年12月16日  Y.S.
今後の術後治療について

31歳(子供二人)。11月下旬に右乳房全摘出手術を行いました。先日病理結果が出ました。
「粘液癌・腫瘍径2.7cmと0.8cm ・乳管内進展(-) ・組織学的所見ly1 ・v0 ・核グレード2 ・atypia2 ・mitosis2 ・内側断端(-) ・外側断端(-) ・頭側断端≧80mm  尾側断端≧47mm ・SN 0/3 ・HER2 1+ ・ER:TS 8/8 ・PgR:TS 7/8 」という結果でした。
この結果を踏まえて、リュープリン2年・タスオミン20mgを5年服用という治療になりました。若年性ということもあり、抗がん剤が必要だと思っていたのですが、ホルモンが良く効くので、抗がん剤を追加しても、それほど再発率が下がるわけではないと言われました。実際の所、どれくらいの%で再発のリスクが軽減されるのでしょうか? 「Adjuvant!Online」の使い方が分からないので、10年生存率・再発率など分かれば教えていただきたいです。よろしくお願いします。

Adjuvant Onlineの答えをそのまま記載いたします。なにも治療しなかった場合10年生存率・再発率は77%、47%です。ホルモン療法を行った場合10年生存率・再発率は83%、36%で、これに化学療法を加えた場合10年生存率・再発率は88%、22%であります。再発のリスク軽減率はホルモン療法だけ場合40%、これに化療を加えた場合は62%になります。但しAjuvant onlineではホルモンレセプター強陽性の場合を特に設定いていませんので、ホルモン療法はもっと効くものと考えられます。(文責 吉田)

 

No.9292-2】  13年04月22日  Y.S.
リュープリン

以前NO.9292でお世話になりました。2009年に手術をして、リュープリン3年+タスオミン3年したところです。病理は以下の通りです。「粘液癌・腫瘍径2.7cmと0.8cm ・乳管内進展(-) ・組織学的所見ly1 ・v0 ・核グレード2 ・SN 0/3 ・HER2 1+ ・ER:TS 8/8 ・PgR:TS 7/8 」 年齢は、現在34歳です。今回ご質問したいのは、リュープリンを5年にした方がいいのかと言う事です。主治医の先生は、3年やったからもういいでしょうとおっしゃってくださいましたが、少しでも再発を少なく出来るなら、あと2年はしたいというのが本音です。いつかは治療が終わるので、どこかでキリをつけないといけないとは思っていますが、若年性ということもあって不安が大きいです。先生のご意見お聞かせいただければ幸いです。よろしくお願いします。

主治医の方針通り、もう2年続けることによるメリットは少ないように思います。治療終了には少なからず不安がついてきますが、おっしゃる通りどこかでストップしないとなりません(やることはやった、卒業だとおっしゃっていた患者さんもいました)。タスオミンのみでも補助療法としては充分であると考えます。(文責 加藤)

 

No.9291】  09年12月16日  スナフキン
処方された薬を飲まずに進行して、薬を変更した場合

いつも勉強させていただき、ありがとうございます。ステージV(鎖骨上リンパ節転移あり)にて右乳房全摘後、2年が経過しました。術後、ノルバディクスを処方されていましたが、飲んでいませんでした。この度、再発・転移の疑いがあり、「治療法を検討」という事で、現在CTの結果待ちです。
1) 医師は、服薬していなかった事を検査等でわかるでしょうか。
2) この状態で薬を変更した場合、一般的にどのような感じになるのでしょうか。

勝手な質問で恐縮ですが、何とぞよろしくお願いします。

1) 特殊な検査を行えばわかりますが、通常の検査では分からないと思います。
2) このままでも大丈夫ですが、エビテンスに基いた正しい治療が行えなくなります。今からでも正直にノルバテックスを服用していなかったことを言うべきです。それにより、今後の治療方針が全然変ってきます。(文責 吉田)

 

No.9290】  09年12月16日  E
腫瘍マーカーについて

49歳です。8年前に右、粘液癌で温存手術。4年前に左、浸潤乳管癌で全摘。2年間ゾラテックス、現在はノルバテックス、ホルモン治療中。今月定期健診にて、NCC-ST-439の腫瘍マーカーが、前回36.3だったのが76.4に上がり、次回の定期健診を前倒しして肝臓・肺のCT、腹部エコーを行いました。いずれも問題なしとの事で、来週骨シンチを受ける事になっています(CEA/CLIAは 1.6 CA15-3は26.2でした)。この数値の上昇は、やはりどこかに転移があるかもしれないと思う数値でしょうか? また、筋腫があるとノルバデックスにより数値が上がる事もあると、主治医はおっしゃってました。婦人科もそのうち受診する予定です。それでこのような数値になると判断してしまって良いのでしょうか? 一ヶ月位前から胃がしくしくする感じがあります。食事はとれています。消化器科にも関係する腫瘍マーカーだと聞きましたが、その検査もした方が良いのでしょうか? お忙しいところ、お手数ですが、よろしくお願いします。

NCC-ST-439は、時に異常高値をとることが知られておりますので、再検査をすることお勧めいたします。再検査によってもやはり高値をとるようでしたら、転移ということも考えなくてはなりませんし、場合によっては消化器をはじめ他臓器の悪性腫瘍の検査も必要となるかも知れません。勿論子宮筋腫が原因のこともあると思われます。(文責 吉田)

 

No.9289】  09年12月16日  M
乳輪の硬結 しこり

生後11ヵ月の息子がおり、授乳中です。1週間前から、授乳時に左乳首に詰まりがあり、痛みがあったのですが、ここ2,3日では乳輪下部が硬結してきて、その横に2,3個の小さなしこりも触れるようになりました。最近では搾乳しても乳汁の色は薄く普通になっているのに、乳輪は硬いままで、そのしこりは消えません。そっち側のおっぱいを飲ませると、嫌がることもよくあります。この場合、治療はしたほうがいいのでしょうか? また、子供にこちら側の母乳も飲ませ続けていいのでしょうか?

乳腺炎や乳輪部の皮脂腺の炎症や接触性皮膚炎などが考えられます。左側は搾乳をして、授乳は一時的に控えて、改善しないようであれば乳腺外科もしくは皮膚科に相談したらいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.9288】  09年12月16日  K
経過観察(HPNo.9262)

お世話になります。2回目の相談です。前回掲載No.9262です。11月下旬に受けた人間ドッグの結果なのですが、手術していない側の胸に乳腺のう胞と診断、他にも洞性頻脈、尿に赤血球反応が出ていて、尿管、腎臓に疾患の可能性がという結果でした。いずれも経過観察ですが、本当にこのまま様子をみる事でいいのでしょうか?

乳腺のう胞についてですが、ホルモン環境に起因して乳腺の増殖や退行が不均一に起こる病態である乳腺症を構成する部分的な変化と考えられ、基本的には良性で治療の対象にはなりません。しかし、のう胞内に腫瘍ができる場合もありますので、そのような場合にはのう胞の内容を吸引したり、腫瘍の部分から細胞をとって検査したり、乳癌が否定できない場合には摘出して診断をつける場合もあります。洞性頻脈や血尿につきましては、内科でご相談ください。(文責 浜口)

 

No.9287】  09年12月16日  Y.M. 
抗がん剤治療の必要性について

初めてご相談させていただきます。よろしくお願いします。
先月中旬に左胸全摘術を受けました。昨日、病理検査の結果を聞きに行き主治医から以下の情報を得ました。
組織型 : 浸潤癌 充実腺管癌(乳頭腺管癌)・・・病理医の意見は充実腺管癌だが、主治医は画像その他総合的に見て乳頭腺管癌と診ている、ということでした。また、微小乳頭癌が混在しているそうです。
核異型度 : 2 
腫瘤径 : 15mm と8mm・・・左内下側に1個と乳頭直下に1個
リンパ節転移 : 無し
断端 :陰性
脈管侵襲 : ly:2 v:0
HER2 : (ー)
ホルモンレセプター : ER:(+) 50%以上  PgR:(+) 50%以上

主治医より今後の治療方針について、
1、ホルモン療法がよく効くと考えられるのでホルモン療法のみ行うか
2、微小乳頭癌が混在している点、脈管侵襲がみられる点を考慮し、抗がん剤療法も行うか

の2通りを提示され、自分はどうしたいのかよく考えるようにと言われたのですが、迷ってしまい、ご意見を伺えれば・・・と思い、ご相談した次第です。年齢42歳です。どうぞよろしくおねがいします。

進行度としては病期Iの早期癌で、ホルモン感受性あり、HER2増殖なしで、ホルモン療法のみでもよさそうですが、脈管侵襲や核異型度などを考慮すると化学療法を上乗せする効果も期待できそうです。私も主治医と同じような意見ですが、1%でも再発のリスクを下げたいという気持ちと、化学療法の副作用は避けたいという気持ちの、どちらを優先するかで決められたらいかがでしょうか。また、日本では保険適応にはなっておりませんが、遺伝子発現情報で再発リスクを判断するOncotype DXという遺伝子検査があり、化学療法の効果予測には有用な検査法です。45万円ほどと大変高価ですが、どうしても決められず悩んでいるのであれば考慮してもよいかも知れません。(文責 浜口)

 

No.9286-1】  09年12月14日  K.S. 
集簇性の微細石灰化

31歳、出産経験なし、乳癌、他の癌共に家族歴はありません。2年10ヶ月前、28歳の時にしこりを発見し、マンモ、エコー、細胞診断の結果、乳腺線維腺腫だろうとのことで経過観察中です。最後にマンモを撮ったのは3ヶ月前の9月で、共にエコー、触診も行いました。線維腺腫15mm、結果は嚢胞4ヶ、石灰化左右数ヶ(問題なし)とのことでした。その後、近い将来妊娠を希望するため、良性腫瘍を摘出したいと思い、同病院でエコー検査、手術の相談をして頂きました。診て頂いた病院は、乳腺専門のクリニックで、先生は乳癌学会の評議員をされていて、大きな病院の外科部長をされていた乳腺専門のお医者様です。そのクリニックには手術設備はないため、乳腺外来のある病院を紹介して頂き、先日3ヶ月前のマンモグラフィと紹介状を持って昨日受診してまいりました。3ヶ月前のマンモ読影、エコー、触診の結果、腫瘍は良性に間違いないだろうとのことです。ただ、気になる石灰化があり、手術前にMRIにて検査したほうが良いとのことで、来週MRI検査を受けることになりました。今までの先生は、「石灰化は散らばっており問題ない」とのことでしたので、ショックを受けております。石灰化部分を見てみると、私にも肉眼で確認できる小さな石灰化が、5ミリくらいずつ離れて3個ほどあるように見えました。先生からは、微細石灰化だとか、集簇性との話はなかったのですが、帰宅後落ち着いて状況を判断すると、集簇性の微細石灰化なのではと思います。また、石灰化部にちょうど嚢胞があるので、この石灰化が何から来ているのか確認するために・・・ここに癌があるとは考えにくいが・・・とおっしゃっておられました。その後、1月初旬の良性腫瘍の手術日も併せて予約し、そのための採血も行いました。
お伺いしたいのは、集簇性の微細石灰化はMRIで良・悪性の判断が可能なのかどうか。マンモトームが有効と聞いたことがございますが、その病院にはたぶんマンモトーム設備はないと思います。なのでやむを得ずMRIなのでしょうか? 集簇性の微細石灰化が癌である確率はどのくらいなのか? 嚢胞と石灰化の関係性は考えられるか?です。「MRIの結果に問題なければ連絡しませんので、良性腫瘍の手術の当日にいらして下さい。」ということになったのですが、良性腫瘍の手術の予約と採血を行ったということは、先生はあまり心配されておらず、念のため・・・という感じなのかなのかな、などど都合の良い方向に考えたいのですが・・・。少しでも落ち着いた精神状態で検査に望みたいので、情報を頂けると幸いです。

画像を見ていないので正確なことは言えませんが、3個程度であれば乳癌の可能性は低いと考えます。MRIで異常なければ、マンモグラフィでフォローアップでよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.9286-2】  09年12月22日  K.S. 
経過観察

No,9286で、集簇性の微細石灰化について質問させて頂いた者です。丁寧なご返答を頂き、誠にありがとうございました。
その後のMRI検査の結果、集簇している箇所に若干の血流が見られました。血流によってぼんやりと小さく白くなった箇所が2箇所並んでおり、其の箇所が石灰化とのう胞の箇所と重なっているのだそうです。あまりに僅かな血流のため、現時点で悪性かどうかは判断できないし、細胞をとるにしてもこの状態では何処を摂ったら良いか分からない状態だと言われ、半年毎にマンモグラフィーで変化を見ていく他方法はないとのことでした。

1) 癌である確率は非常に低く、両胸の他の場所にびまん性の石灰化が数箇所みられるため、多分乳腺症によるものだと思う、との医師の見解でしたが、本当に現段階で他の検査の方法はないのでしょうか?マンモトームのある病院で診て頂いた方が良いかと心配です。
2) 1月に石灰化がある胸の線維腺腫を摘出予定ですが、この状態で摘出手術を行っても問題ないのでしょうか?(石灰化の箇所とは離れています。)

1) 石灰化がごく軽微な場合、マンモグラフィで経過観察を行い石灰化の数が増えるようでしたら、マンモトームを行うので十分と思われます。しかし如何しても気になるようでしたら、現在でもマンモトームは可能だと思いますので、マンモトームのある病院を受診してみてください。
2) 何の問題もありません。(文責 吉田)

 

No.9285-1】  09年12月14日  Y
要精密検査

3年前、1年前、そして今年と、集団検診で触診とマンモ検査をし、今回はじめて要精密検査となり、病院を受診しました。マンモ、エコー、細胞診、MRI検査をし、その結果を元に次は組織診をし、次回その結果(ほぼ癌だろうとのこと)を待って治療法の説明があるようです。石灰化ではないようで、2cmのしこりでした(腫瘤?)。不思議なのは、1年前の検診では異常なしだったのが、しこりは1年で2.3cmもの大きさになるのだろうかということです。1年での発症なら初期だろうと少し安心していましたが、先生は決して「初期」という言葉はいわれず、「検診も見落としも多いからね」と言われていたので、とても気になりました。一概には言えないとは思いますが、この程度の発症はよくあることなのでしょうか。

「検診は見落としが多いからね」と言うのは誤解を招きやすい言い方であり、正確には「マンモグラフィ併用の乳癌検診では乳癌の80%ほどを見つけることができるが、20%程度の乳癌はマンモグラフィでは写らない」というのが正しいです。見落としではなく、写らないので見つけられないのです。1年前に検診で大丈夫でも、マンモグラフィに写らないような小さな乳癌が潜んでいて、1年後に2-3cmのしこりができることはありえることと考えます。現時点でベストの治療を行っていけばよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.9285-2】  09年12月22日  Y
乳がんと診断されました(

乳がんと診断され、主治医から治療方針を説明されましたが、具体的に私の症状、進行具合など、わかりませんでした。
「浸潤がンではない、2.3センチのしこりで早期ではない、手術は温存でリンパをとる(腫れもあるかもしれないとのこと)、乳房の変形はなんともいえない、抗がん剤かホルモン療法をするだろうが、手術してからでないと何ともいえない、標準治療があるから、それに沿って行う」とのことでした。
時間もなく、セカンドオピニンも希望しましたので、それ以上は聞きませんでした。
1) ここでいう「リンパをとる」とは、腋窩リンパ節郭清なのか、センチネルリンパ節生検なのか
2) 術後の化学療法の選択次第で手術の仕方が変わってこないのか(抗がん剤は希望しない)
3) 温存には放射線治療がセットだと思っていたが、抗がん剤やホルモン療法をするのか
4) 浸潤がんではないのに全身療法(抗がん剤など)が必要なのか
5) リンパ節に転移があるかどうかは必ず切ってとらないとわからないのか
6) 最終的な判断となった組織診は、本当に有効なのでしょうか。例えば病理技術者の技量不足(すみません)や判断ミス・・はないのでしょうか。
7) ご回答にあるように、1年後に2-3センチになることもあり得るなら、手術は早急に行わないといけないでしょうか。いつまで疑問に思っていても仕方ないのですが、手術した後に、がんではなかったなどとならないかと心配です。

この疑問は乳がんについて調べてはじめて沸いたもので、その時はとっさに聞けませんでした。「命より乳房」は批判される考えかもしれせんが、効果は低くても乳房の形状を維持し外見に出る副作用を抑える、この一点が望みです。

1) この状況ですと、恐らくセンチネルリンパ節生検のことだと思います。
2) 通常は手術の標本を詳細に検討してから、術後の補助療法を決めますので術後の化療の選択次第で手術のやり方が変ることはありません。
3) 通常温存と放射線治療はセットです。それに加えて抗癌剤やホルモン剤を行うことはよくあります。
4) 術前の針生検ではなく手術標本でしこり全体を調べて「浸潤癌でない」となった場合、全身療法は必要ないと考えるのが一般的ですが、しこりが大きかったり、一部に浸潤を疑わせる場所がある場合は全身療法を行うこともあります。
5) リンパ節に転移があるか否かは、リンパ節を切り取って調べなければわかりません。
6)  病理の先生が非常に判断に苦しむことはあっても、明らかなミスはないと思います。
7) それ程急ぐ状況ではないと思いますが、早いことに越したことはありません。

術前に細胞だけではなく組織診断を行っていれば、癌でないことはまずないと思います。(文責 吉田)

 

No.9284】  09年12月14日  H
乳がんという可能性は高いのでしょうか?

先日、健康診断の際に乳がん検診(触診・マンモグラフィー・超音波)を受けました。触診・マンモグラフィーは異常なしでしたが、超音波で再検査となりました。本日、乳腺科のある病院で再検査をしましたが、やはりマンモグラフィーは異常なしでしたが、触診でわかるしこりを発見し、超音波で確認したところ最大で8mm程のしこりと、その他7個ほど5mm以下のものが見つかりました。先生は、「とてもちいさいものです。」とおっしゃっていましたが、一番大きかったものを検査するために局部麻酔(先生は歯にする麻酔と一緒とおっしゃっていました)をし、組織を取り出したようです。検査の結果は来週の水曜日に出るのですが、このような経過でやはり乳がんという可能性は高いのでしょうか? 特に自覚症状はありません。来週の水曜日になればわかることなのですが、とても不安です。病院ではショックで詳しく聞けませんでしたので、よろしくお願いします。

マンモグラフィや超音波検査などの画像検査で良悪性の診断を確実につけることは困難です。乳癌の可能性が否定できない場合には、組織による診断が必要になります。おそらく良性の可能性が高いのではないかと思いますが、もしも乳癌だったとしても、しこりは小さく治る可能性の高いものであると考えます。(文責 浜口)

 

No.9283】  09年12月12日  F
母の状態について

実は私の母が今年の2月におっぱいにシコリを見つけ 検査の結果乳癌と診断され シコリだげの切除と言われて手術を受けました。その際 リンパ腺も調べた所、 初めは放射線だけで大丈夫でしょうと言われていましたが、 「リンパ腺の方が気になるので 抗がん剤治療からはじめます。」と言われ、順調に来ていました。抗がん剤から放射線まで終わり、また抗がん剤が始まりました。そんな時、検査の結果、肝機能の数値が気になるのでと言われ、一週間に一回の通院の所、 3週続けて肝機能の数値が悪くなる一方で、抗がん剤出来ず、4週目で入院と言われました。母はどんどん調子が悪くなり 入院時12/7の数値はAST(GOT)471のALT(GPT)409 で、昨日は701の438でした。 先生に呼ばれ、「 どうして このようになったのか私達も解らない。このままだと命に関わります。」と言われました。今日は1125の575と、何も治療法なく、ただ下がってくれるのを願うだけなのです。病院を代えたくても、本人が移動出来ないし、こんな時 どうしたら良いのか…病気知らずの母だったのに、一気に病人です。助けてあげたい。

抗がん剤治療中の急性の肝機能障害ということで、最も疑わしいのは薬剤性と考えられ、そうであれば薬の投与が終了していれば改善してくることがほとんどです。しかし、肝機能障害の原因には薬剤性以外にもウイルス(B型肝炎やC型肝炎など)、脂肪肝、アルコール、自己免疫性、胆道の炎症など様々であり、薬剤の中止で改善しないのであれば他の原因の可能性も考慮してみる必要があります。もう一度主治医の説明をよくお聞きになったらいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.9282】  09年12月12日  Y
CA15−3の変動

いつも参考にさせていただいています。
CA15−3の腫瘍マーカーが、春先34まで上がったあと29に下がり、秋になって再び34に上がりました。術後10年でここ数年は28くらいで安定していましたが、今年になって30前後で大きく変動するようになり心配です。これは再発の前兆でしょうか? アドバイスいただけると幸いです。

もし、再発であれば変動するというよりは、右肩上がりに上昇していくことが多いと考えます。もう少し経過を見ていけばよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.9281】  09年12月10日  Y.T
健側のしこり&骨転移の可能性

いつも参考にさせていただいております。現在46歳、丁度一年前に、非浸潤ガンの診断で左乳房を全摘しております。健側にも石灰化があり経過観察中で、10月末にもマンモトームを行いました。結果は乳腺症とのことでしたが、最近になって、健側に2センチくらいはありそうなしこりがあるのに気づきました。マンモトーム検査の前からあったのかどうかははっきりしませんが、もし検査の前からあったのなら、検査で見落とされるはずがないように思われます。検査後急に大きくなったしこりだとすると、どんなことが考えられますでしょうか? マンモトームの針をさした場所からは4〜5センチくらい離れています。
もう一点、今年の夏前より、骨盤の左右に痛みを感じております。整形外科でレントゲンを撮りましたが、骨には異常がないとのことでした。しばらく座っていたあとに歩き始めるときなど、かなり痛みます。押しても痛みがあります。ただ、少し歩いているうちに痛みは気にならなくなります。主治医からは腫瘍マーカーも正常値だし、もともと非浸潤ガンであったのだから転移は考えにくいと言われ、服用しているタスオミンの副作用かもしれないので、少しタスオミンを休みましょうということで、先月の頭からタスオミンを休んでおりますが、痛みは無くなりません。ただし、どんどんひどくなっているということもありません。悪性度が3だったので、病理検査で見つけきれなかった浸潤部分から骨に転移したのではないかという不安が拭いきれずにおります。長くなりましたが、お聞きしたいのは、
1.健側に突然できたしこりについて
2.骨転移の可能性について
の2点です。宜しくお願い致します。  

しこりについては、マンモトームの針穴から離れていても、結構針は深く刺すことが多いので、マンモトーム後の瘢痕の可能性もありますが、断定はできません。骨転移の可能性については主治医と同じ意見です。非浸潤癌であれば、骨転移の可能性は低いと考えます。心配であれば次回もう一度主治医に相談して下さい。(文責 浜口)

 

No.9280】  09年12月10日  K.M. 
術後の大量リンパ液について

11月17日、乳房全摘出・リンパ節かくせい術をしました。11月24日にドレーンを抜いた後、急にリンパ液が1日平均約100ml くらいの量が、失った乳房の位置に貯溜します。液は抜いていただきますが、その原因を知りたいことと、今の時点で、抜く事の他にも何かありましたら教えてください。    

乳癌の手術で腋窩のリンパ節を郭清すると、主に上肢からのリンパ液が漏れ出てきて腋窩に溜まります。手術直後は腋窩にチューブを入れてリンパ液を抜き、徐々に量が減ればチューブを抜くことが多く、その後は少量溜っても自然に吸収されることが多いです。しかし、量が多い場合には、外来で針を刺して吸引します。これも何度か繰り返していれば量が減ってきてよくなることが多いですが、もしも細菌感染などを起すと、切開したり処置が必要なこともあります。(文責 浜口)

 

No.9279】  09年12月10日   M 
今後の治療について(HPNo.8941-3)

いつも大変お世話になっっています。HPNo.8941でお世話になっています。前回のメールでFEC治療中の再発について相談させて頂きました。今日、細胞診の結果がでて、「粘液の混じった中に数は少ないが異型細胞あり。悪性の可能性。」との結果でした。今後、FECから、タキソールへの変更になります。再発もしくは再燃と考えて治療を進めていくと言われましたが、今後手術はあまり意味がないかも・・・との事でした。
1) 手術は、やはり今後、タキソールが効いたとしても意味のないことなのでしょうか。
2) タキソールが効かなかった場合、今後の治療の選択肢は、どのようなものがありますか。トリプルネガテイブのため、そして原発の腫瘍、今回再発した腫瘍とも、右内側の下の乳房であり、放射線なども心臓の近くなどを考えると難しいのではないかと思うのですが・・・。
3) 1ヶ月前のPETでは、画像上、腫瘍の指摘はなく、FECがとても効いている状態でした。今の時点で遠隔転移の可能性はありますか。
4) 姉は現在子供をつれて実家近くの病院で治療をしています。今後、タキソールをどのぐらい継続するか・・・今後の治療にもよりますが、実家から東京の自宅に帰ることになった場合、転院という形になりますが、途中からの治療を引き受けてくれる病院はあるのでしょうか。

腋窩リンパ節、胸骨傍リンパ節に転移があり、術前化学療法としてFEC治療中に乳房の腫瘍が再増大してきたということでしょうか。そうであれば、タキソール治療に変更して効果があれば遠隔転移がない状態であれば、手術+放射線治療の選択肢はあるかも知れません。また、タキソールが効かなかった場合には、トリプルネガティブであれば、他の抗がん剤を使用していくことになり、ナベルビンやゼローダ、TS1などが次の候補になります。1か月前のPETで転移がなかったのであれば、大きな転移が1ヶ月で出てくる可能性は少ないと考えますが、PETで見つけられない小さな転移が潜んでいる可能性は否定できません。治療のどんな段階であれ、病院を変えることは可能です。紹介状を書いてもらい、資料をもらっていけば心配いらないと思います。(文責 浜口)

 

No.9278】  09年12月10日   M
葉状腫瘍 境界型について

先日、葉状腫瘍と診断され、摘出手術を受けました。病理検査の結果、「葉状腫瘍 境界型」という事でした。境界型と言うのは、良性のように再発を気にすれば良いのか?
悪性のように再発・転移を気にしなくてはいけないのか?再発の頻度も高いのか低いのかも良く分かりません。主治医からもあまり明確な答えが無く、逆に気になってしまいました。どのような位置づけで考えたら良いのでしょうか?よろしくお願いします。

葉状腫瘍は乳腺腫瘍の0.3-0.4%程度を占める比較的稀な腫瘍で、細胞の顔立ちなどで良性か悪性かを区別していますが、その診断は必ずしも容易ではなく、どちらとも断定できないグレイゾーンがあり、それが境界型です。葉状腫瘍は良性でも局所再発を繰り返すと悪性度が増していくことが知られているので、注意が必要です。良性は転移することはなく、悪性は転移する可能性があり、境界型はその中間ということになりますので、転移のリスクは悪性と診断されたものに比べれば少ないですが、ゼロではありません。しかし、基本的には転移のリスクがそれ程高いわけではないので、局所の再発がないか気をつけることが大事ではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.9277】  09年12月09日   T 
術後補助療法(ホルモン療法)について

術後補助療法(ホルモン療法)について質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
充実腺管癌、腫瘍径14mm×10mm、閉経前、リンパ節転移(−:0/1)、リンパ管浸襲(+)、血管浸襲(―)、組織学的グレード:2、ER(+:Allred score 3・1→4)、PgR(−)、HER2(+1)、化学療法(4AC→4DOC)終了し、ホルモン療法と放射線療法開始。
ホルモン療法は、抗エストロゲン剤(タスオミン 20mg/day)のみの処方となっています。医学書やインターネットで調べると、閉経前でホルモン(+)の場合抗エストロゲン剤単独より、LH-RHアゴニスト製剤を併用したほうが効果が高いとの記述を多数目にします。私の場合、抗エストロゲン剤しか投与されていませんが、LH-RHアゴニスト製剤の併用は適応とならないのでしょうか? LH-RHアゴニスト製剤を併用する意義はないのでしょうか? 効果は期待できないのでしょうか? 化学療法により生理は止まっています。よろしくお願いいたします。

LH-RHアゴニストを併用する意義はあると考えますが、今、生理がとまっているのであれば、卵巣機能を抑制する必要はないかもしれません。血液中の女性ホルモンを調べて、閉経前の状況であれば行ってはいかがでしょうか。(文責 徳田)

 

No.9276】  09年12月09日   もっちぃ
手術時期について 

初めて相談させて頂きます。どうぞよろしくお願い致します。術前化学療法のあと、切除手術の予定で進んできました。ホルモン療法はできないと説明を受けました。
7月13日(月)〜三週間に一回×4 【エピルビシン・エンドキサン】
10月5日(月)〜三週間に一回×4 【タキソテール】

11月16日のタキソテール三回目投与日、主治医の診察時に、手術日までのスケジュールが決まりました。
12月7日  最終抗がん剤投与
2月24・25日 最終検査
1月4日  主治医からの検査結果報告
1月12日 この週の火・水・木曜日(この曜日が手術日だそうです)のいずれかに手術

というスケジュールが決まり、ようやく先が見えてきたという前向きな気持ちでいました。ところが、最終タキソテール投与日前に浮腫みがででしまいました。病院に連絡を入れ12月4日に緊急診察をしていただき、副作用から来る浮腫みと診断されまして、利尿剤などの薬を処方していただきました。ただ、この副作用により次の抗がん剤投与を一週間遅らせることとなり、最後のタキソテール投与を12月14日にすることになりました。最後の抗がん剤投与の予定が変更になったことにより、手術予定日も変更になり、来年の2月2日の週の火・水・木曜日のいずれかにということになってしまいました。 当初の予定と変更後では、最終抗がん剤投与から手術日までの期間が違いすぎて不安を感じています。ある程度の期間(三週間ぐらい?)を置いて白血球や血小板の数が回復するのを待つのは理解できています。

1)最終抗がん剤投与からどのくらいの期間内で手術を行うものなのでしょうか?
2)1カ月半以上期間が空いてしまったら、せっかく抗がん剤で小さくした癌細胞が、また増殖してしまうなどということはないでしょうか?

お忙しい所、説明不足で不躾な質問で大変申し訳ありません。何か教えて頂けるととても嬉しいです。どうぞ宜しくお願い致します。

術前化学療法後、どのくらいの期間まであけてよいのかというデータはありません。術後放射線照射などは、3ヶ月以内であれば、差はないとされています。 (文責 徳田)

 

No.9275】  09年12月09日   Y.F. 
今後のホルモン治療について(HPNo.9073-3)

以前、No.9073でお世話になりました。その節はありがとうございました。今後の治療についてのご意見を頂けたらと思い、宜しくお願いいたします。また、下記の内容は正確な用語や表現ではない部分があり、わかりづらく申し訳ありません。ご理解いただける範囲で結構ですので、宜しくお願いいたします。
元々、ホルモンについては非感受性ではなく、エストロゲンが4点で陽性、もう一つのホルモンが陰性(−4点?)で 、±0になってしまうので、ホルモン治療はあまり期待できないということでした。抗がん剤の治療&手術をした後の病理の結果、2つのホルモンはどちらも陰性になったので、ホルモン治療はしないと言われ、現在はハーセプチンのみの治療を続けていましたが、先日、半年ぶりの生理が再開したことを報告したところ、担当医から、「ホルモン治療を行ったほうがいいかもしれない」と言われました。私の総合的なガンの性質と、治療前はエストロゲンが4点で陽性であった為だそうです。ちなみにホルモン剤は10個のガン細胞があったとしたら、そのうちの1個に効くぐらいのイメージと言われました。
病理結果はpCRでグレード3という結果が出ており、ハーセプチンもあと4カ月ほどで終わり、ホッとできると思っていましたが、ホルモン治療をお勧めすると言われ、副作用もあると思いますので、また5年間頑張らなくてはいけないのかと、少し落ち込んでいます。来年に結婚、できたら子供も欲しいと思っていましたので、今後のホルモン治療をするべきかどうか悩んでいます。

1) ホルモン治療を受けたほうがいいのでしょうか?
2) ホルモン治療した場合には、どの程度の効き目が期待できますか?
3) 治療をした場合としなかった場合とでは、再発率などにどのぐらいの差が出てきますか?
4) ホルモン治療のほかに、副作用が少なく、子供も作れる治療法はないのでしょうか?

以上、長文・わかりづらい文章で申し訳ありません。どうかご意見をお聞かせいただければと思います。宜しくお願いいたします。

1) ホルモン感受性は、低いですが、ないわけではないので、再発のリスクを少しでも減らそうと考えるのであれば、行うべきです。その場合、副作用とのバランスが問題ですが、一般的には副作用は軽いです。
2)3) ホルモン低感受性なので、データは乏しいです。しないよりは良いという程度でしょう。
4) 現在のところありません。どんな薬物療法でも、胎児に対する安全性は問題です。(文責 徳田)

 

No.9274】  09年12月09日   H.T.
放射線の照射を受けたほうがよいのでしょうか?

61歳主婦です。平成10年に左乳がんで全摘手術を受けました。このときの病理検査の結果などは不明ですが、ノルバテックスを5年間服用しました。また今年11月に右乳がんの全摘手術を受けました。非浸潤性乳管癌、サイズ70×60×32、組織学的悪性度グレード3、エストロゲンレセプタースコア3、プロゲステロンレセプタースコア2、リンパ節転移なしでした。今後の治療として、経過観察、胸壁に癌の露出の疑いということで、放射線照射を勧められました。私の姉は平成3年に子宮癌治療による放射性大腸炎、小腸炎、膀胱炎で死亡しております。その悲惨さを見ているだけに放射線に対する恐怖心があります。時代も違い、放射線の照射も変わってきているとは思うのですが、どうしても一歩が踏み出せません。やはり放射線の照射を受けたほうがよいのでしょうか。よろしくお願いします。

断端に癌が残っている可能性があるわけですから、放射線照射をすべきです。胸壁の放射線照射の副作用については、乳房温存術後の照射で十分なデータがあり、安全性と再発のリスクを考えると照射した方がよいと思います。右側ですので、心臓のリスクもないと考えます。(文責 徳田)

 

No.9273】  09年12月08日   T 
今後の治療の選択肢と、それぞれのリスクと効果の程度について

初めて相談させていただきます。よろしくお願いいたします。
07年4月に右乳がんの手術を受け、放射線治療後、ノルバデックスD20mg服用、ゾラデックス投与の治療を受け、ゾラデックスについては、09年5月で投与を終了しました。09年11月09日に婦人科検診を受け(07年の治療開始以来2度目)、子宮頚部ClassU、子宮体部ClassTの結果ではありましたが、微小な子宮筋腫ができていること、子宮内膜が肥厚していることを指摘され、婦人科の医師から今後は体部に関しては6ヵ月ごとの検診が望ましいといわれました。これらのこと、及び、白血球数の減少(09年6月:4100、09年10月:3600)は、ノルバデックスの副作用と考えられると思っていますが、今のままノルバデックスを服用していても差し支えないのでしょうか? その他には、今のところ特に気になる副作用は出ていないと思います。次回の外科主治医の診察日は1月末で、まだ主治医には相談しておりません。
尚、術後の病理診断は、「Mucinous carcinoma of the rt. breast, g, ly(-), v(-), EIC(-), Nuclear grade 2(3+1),Histological grade 2 (3+3+1), Surgical
margin(-)」となっています。今後の治療の選択肢と、それぞれのリスクと効果の程度をご教示いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

この程度の白血球数の変動は、生理的なもので、副作用と考える必要はありません。したがって、術後5年間のノルバデックスの継続でよろしいと思います。(文責 徳田)

 

No.9272】  09年12月08日   J
全乳腺切除と乳房切除の違い(HPNo.9269-2)

先日乳腺切除の合併症について質問したJです。ご回答ありがとうございます。
2度の温存手術で断端陽性と出て、全乳腺切除と言われているのですが、こちらの相談の中に全乳腺切除でも皮下直下が断端陽性になったという方がいて不安になりました。
病理の結果は、「T1.N0.M0.ly0/2.v0.核異型度grade1」です。浸潤性乳管癌の成分よりも乳管内進展を示す成分が多く非浸潤性乳管癌の一部が浸潤性に変化した可能性もあるとの事です。
1) ほとんど乳管にとどまっている場合でも断端陽性になる事はあるのでしょうか? 乳房切除の方が確実でしょうか?
2) 全乳腺切除と乳房切除の違いはどうなのでしょうか? 乳頭まで行っているみたいなので乳頭は残さないことにしていますが、見た目にはあまり変わらないのでしょうか。
3) 主治医は全乳腺を取るのも乳房切除でも放射線治療は必要ないと言っていますが、本当でしょうか?

告知された時よりも再手術と言われた時の方がショックで、また陽性と出るのが怖いです。

1)非浸潤癌でも断端陽性になることはあります。全乳腺切除は、乳頭、乳輪を温存して、それ以外の乳腺を切除することのようですが、現時点では、標準術式ではありません。
2)乳房切除術は、乳頭、乳輪がなくなるので、再建は可能ですが、整容的には、おとります。
3)乳頭、乳輪を残した場合、がんの発生する可能性のある残存組織は、乳頭のみと少ないので、放射線をあてないのが一般的です。(文責 徳田)

 

No.9271】  09年12月04日   S.T.
FEC治療中での再発について(HPNo.8949-5)

いつも大変お世話になっています。HPNo.8949で、36歳の姉について何回か相談させていただいています。
術前FEC療法6クール施行後のPETでは、画像上腫瘍は消えましたが、大変薬が効いているため、Eの量を75パーセントにして、あと4回FECをすることになり、現在トータルで8回が終了したところです。11月24日に8回目の薬が入りました。ちょうどそのころ、今まであった大きい腫瘍の下にゴマのようなしこりを触れましたが、医師も大丈夫だろう・・・とのことで、特に処置せずいました。しかし、徐々に大きくなって、見つけて一週間がすぎた今では、5ミリぐらいの腫瘍のように触れます。今日、再発の可能性もありとのことで、細胞診もしました。乳腺ではなく肋骨の上にあり、皮下組織?リンパ節?と、医師も、「この場所に出ることは考えられないなあ・・・」と言っていました。細胞診の感触はやわらかいそうですが、大きくなっているのを考えると、再発が考えられるそうです。もし、FEC治療中の再発とした場合、今後の治療方針を教えてください。また、今後の生存率も変わるのでしょうか。今まで、治療がかなりきいていたため、本人のショックも大きいです。トリプルネガテイブ、充実腺管癌、グレード2から3、治療前の大きさは、右内側に3.6センチの腫瘍、胸骨ぼうリンパ節、腋かリンパ節鎖骨下にもありでした。よろしくお願いします。

タキサン系の薬剤を使用することになります。効果があれば、生存率の向上につながると思います。(文責 徳田)

 

No.9270】  09年12月04日   W
非浸潤性乳管ガンの今後の治療について

45歳主婦、3人の子供がおります。7月に受けた乳がん検診の結果、石灰化現象が見られるということで再検査となりました。再度マンモグラフィー、超音波検査をしたところ、やはり異常が見られたため、細胞診をしました。結果、悪性とも良性とも判断のつきにくいもので、マンモトーム生検というのを受けました。極めてガンに近い異型細胞が見られ、11月の初めに、生検と治療の目的で病変より大きめに切除しました。その病理結果が先日出て、非浸潤性乳管ガンであったことがわかりました。大きさは 0.4×0.7、ホルモン受容体 ER(+)、PgR(+)ということでした。
そこで質問なのですが、今後の治療をどうするかで、考えています。
非浸潤ガンの場合、放射線、ホルモン剤が標準治療とのことですが、今回、DCISが微小で、マージンを十分付けて切り取れたことと、もし今回放射線治療をすると、もし今度同じ側に乳がんが見つかった時に放射線が行えなくなるので、今回は部分切除だけでいいのではないかという、お医者さんからの話でした。そしてホルモン療法ですが、「ホルモン受容体が+であったので、手術した側にも、してない側にも効果があるので、検討してみてもいいのでは?」という話でした。そこでお聞きしたいのは、お医者さんが言うように今回は放射線は省略してもよいのか、ホルモン治療はする価値があるのか。今してしまうと、同側に再発したときに温存手術+放射線が選べずに乳房切除になる場合があること、放射線を当てた部分の画像診断がしづらくなること、再建ができなくなること、残余のADHに放射線を当てるにはエビデンスが希薄なことを理由に、お医者さんは省略してもいいようなことを言うのですが、他の先生方の意見も聞きたいと思い質問させて頂きました。ホルモン療法においては、閉経前ですが、やはり薬で生理を止めるような治療をすべきなのでしょうか。ご意見を聞かせて頂けたら幸いです。

1) 非浸潤癌で、温存手術を行った場合、十分なマージンがあれば、放射線照射をしなくてもよい可能性はあります。しかし、どのような方が省略してもよいのかは、まだ確立していません。したがって、残存乳腺における再発を減らすためには、温存手術+放射線照射が標準と考えます。放射線照射のデメリットとして、心臓への影響(左側の場合)、2次発がんの可能性がないわけではありませんが、画像診断や再建(照射後できなくなることはない)の問題は、再発を前提としたことなので、本末転倒のように考えます。
2) 閉経前の非浸潤癌のホルモン療法は、温存+放射線照射を行った場合に、タモキシフェンが標準的に用いられます。これも確立しているわけではなく、副作用とのバランスです。(文責 徳田)

 

No.9269-1】  09年12月03日   J
全乳腺切除の合併症

温存→断端陽性→追加切除→再度陽性となり、全乳腺切除をする事になりました。1回目の手術の際、明らかなしこりの他に怪しいものがあり、胸筋の近く(乳首の上6pくらい)を切ったら、1ヶ月くらい胸筋を動かす度にゴリゴリした感じの痛みがあったので、全部取ったらどうなるのか不安です。全乳腺切除後の痛みや引きつれなど、合併症について教えて下さい。また、術後ドレーンを付けると言われているのですが、リンパ節をいじらなくてもドレーンが付くのでしょうか?

腋窩操作がなければ、引きつれは、あまりないと思います。広範囲にわたり、皮膚の下をはく離するので、そこに液がたまらないようにドレーンをいれます。通常1週間位で抜くことができます。(文責 徳田)

 

No.9269-2】  09年12月07日   J
全乳腺切除と乳房切除の違い

先日乳腺切除の合併症について質問したJです。ご回答ありがとうございます。
2度の温存手術で断端陽性と出て、全乳腺切除と言われているのですが、こちらの相談の中に全乳腺切除でも皮下直下が断端陽性になったという方がいて不安になりました。
病理の結果は、「T1.N0.M0.ly0/2.v0.核異型度grade1」です。浸潤性乳管癌の成分よりも乳管内進展を示す成分が多く非浸潤性乳管癌の一部が浸潤性に変化した可能性もあるとの事です。
1) ほとんど乳管にとどまっている場合でも断端陽性になる事はあるのでしょうか? 乳房切除の方が確実でしょうか?
2) 全乳腺切除と乳房切除の違いはどうなのでしょうか? 乳頭まで行っているみたいなので乳頭は残さないことにしていますが、見た目にはあまり変わらないのでしょうか。
3) 主治医は全乳腺を取るのも乳房切除でも放射線治療は必要ないと言っていますが、本当でしょうか?

告知された時よりも再手術と言われた時の方がショックで、また陽性と出るのが怖いです。

1)非浸潤癌でも断端陽性になることはあります。全乳腺切除は、乳頭、乳輪を温存して、それ以外の乳腺を切除することのようですが、現時点では、標準術式ではありません。
2)乳房切除術は、乳頭、乳輪がなくなるので、再建は可能ですが、整容的には、おとります。
3)乳頭、乳輪を残した場合、がんの発生する可能性のある残存組織は、乳頭のみと少ないので、放射線をあてないのが一般的です。(文責 徳田)

 

No.9268】  09年12月01日   K.K.
骨盤転移?

今、急に不安になってネットを検索していて、こちらを見つけました。よろしくお願いします。
手術を受けてから3年と9ヶ月経ちました。今42歳です。術前にCEFを4回とタキソールを6回受け、ホルモン、HER2とも陰性なので、手術後は放射線だけで、薬は何も使用していません。リンパ節の転移はありませんでした。断端は陰性だそうです。知ったら気になってしまうと思い、それ以外、悪性度などは聞いていません。急激に大きくなるタイプの癌で、治療を始めた時には7センチほどありました。でも、抗癌剤がとてもよく効いて、手術でとった腫瘍は中身がなくなり、まわりの部分が残っていただけと言われました。今気になっていることは、2か月ほど前から左のお尻がつるような感じがあり、時々腰が痛いようでもあり、太ももがつるような感じがしたり、場所がはっきりしなかったのですが、3,4日前からは足の付け根の辺りに痛みが出たりもして、良くならないので、近くの病院の整形外科で診てもらいました。レントゲンでは骨には異常はなさそうだし、ヘルニアでもないとのことです。念のため、MRIで確認しようと言われ、予約を入れてきたのですが、3週間先になります。転移ということが頭に浮かばず、主治医の先生の所へ行かなかったのですが、先ほど、ネットで、おしりがつった感じが骨盤転移の初めの症状だったという話をみつけてしまい、急に不安になりました。他に思い当たることは、3ヶ月ほど前から整体によく行くようになったことと、8センチほどの子宮筋腫がある(左側に)と言われていることです。かなり昔ですが、交通事故で左半身を強打したこともあります。腰の辺りは触ったり押したりしても痛みが強くなるようなことはありません。むしろ気持ちいいくらいです。太ももの付け根もしこりなどはありません。
レントゲンではわからなくて、MRIで転移が見つかるということはありますか? 整形外科の先生にも乳癌のことは話しましたが、転移を考えて、主治医の先生のところへ行くべきでしょうか?(次の診察予定は3月です) 3週間先のMRIの結果を待っても充分でしょうか? 骨転移だった場合、予後はどうなのでしょうか? どうぞよろしくお願いします。

MRIの検査は、転移か転移でないかを判定するうえで有用な検査の一つだと思います。不安も強いようですし、早めに一度主治医の先生を受診されて、症状をお話して、整形の検査の予約も入っている旨を相談してみてはいかがでしょう。(文責 俵矢)

 

No.9267】  09年12月01日   Y.M.  
術後治療の選択をするにあたって

今月初旬に温存手術をし、やっと病理検査結果がそろいました。47歳、乳頭腺管がん、脈管浸潤なし、グレード1、9x9x7mm、Her2 1+(陰性)、エストロゲン共に90%。
来月から放射線治療を受ける予定になっていますが、これから予後治療を選択するに当たって
1) 無治療での再発率
2) 主治医からはノルバデックス5年案を出されましたが、ノルバデックス5年での再発率、更にリュープリンを追加したときの再発率、また、ノルバデックス2〜3年+アロマターゼ阻害薬に切り替えでの再発率など (三年前に子宮筋腫により子宮全摘出で閉経か閉経前か自分ではわかりません。年齢もこれからの5年を考えると微妙です。ちなみに婦人科でE2を2007年から取ってますが、48.7、10以下、95.4、262とまちまちです。)
3) ホルモン治療をするにあたって、飲んではいけないサプリメントを教えてください。私は、ずっとビタミンB、C、カルシウム、コレウスフォルスコリエキス、ギムネバ、ブルーベリーエキス、等を飲んでいます)

再発が無く、完治を望んでおります。その為には初期治療が一番大事だとあれこれ考えております。お忙しいところ申し訳ありませんが、お知恵を拝借させてください。よろしくお願いいたします。

閉経前の乳がんの術後療法にタモキシフェンに加えてLH−RHアナログ行うと、どのくらい再発率を下げられるかは、まだはっきりわかってはいません。しかし、ホルモン陽性進行再発乳がんの治療成績などを参考にすると、おそらくLH−RHアナログを加えたほうが再発率が下がるだろうと推測されます。E2レベルから考えると、ホルモンの状態は「閉経前」レベルですので、アロマターゼ阻害剤よりも、主治医の先生のいわれる、ノルバデックス5年間単独、またはノルバデックス+リュープリンのどちらかがよいでしょう。リュープリンを乗せると、更年期症状の副作用がでることが考えられますが、少しでも再発率を下げるという目的では、リュープリンもされたらよいのではないでしょうか。どちらがよいか、主治医の先生ともう一度お話になってみてください。サプリメントとしては、「女性ホルモン様作用」を示すものは避けたほうが無難と思われます。ビタミンB、Cは問題ないかと思われます。その他のものは、どんなものか存知ないのでわかりません。すみません。(文責 俵矢)

 

No.9266】  09年12月01日   F 
骨シンチ集積について(HPNo.1767-6)

6年前(39歳時)に右乳房温存手術を受け、何度かご相談をさせて頂きました(No.1767-1〜1767-5)。乳管癌、腫瘍2cm、ER+、PgR+、Her2(+3)、リンパ節転移なし、ステージU。放射線治療50グレイ、ゾラデックス10回(副作用多大な為 中止)、ノルバデックス4年半服用(子宮体がん検査で異形細胞が見つかり中止)、現在無治療です。
マーカー値 CEA  CA-15-3   BCA225   1CTP  NCC-ST439 異常なしです。
2009年10月、骨シンチで左の背中に集積が見られた為、主治医の指示で緊急CTを行いましたが、結果異常なしでした。
1) 通常CT検査で異常なく、骨シンチに集積ありという状態は、どういう事なのでしょうか?
2) 明らかな骨転移が認められた場合、骨シンチの画像上で解る大きさは、どれ位のものでしょうか?
3) 骨転移の場合、痛みは、転移してからどれ位の期間で現れるものでしょうか?
4) 転移後の治療は、ゾラデックス、ノルバデックスのホルモン治療になりますか? ハーセプチンもホルモンと合わせて行いますか?

1) 骨シンチで異常がでても、骨の溶解や硬化がなければCTで映らないこともあります。部位によってはMRIも有用な検査かと思われますし、PET検査を検討してもよいかもしれません。
2) 骨シンチは、骨の代謝をみているので、どの程度の大きさで写るとは言えません。場所や転移の性質にもよります。
3) 骨転移があっても、神経のそばでなかったり、骨の変質度合いが少ないと痛みがでないこともあります。これも場所にもよるので、どのくらいたつと痛むというわけではないです。
4) 痛みがないのであれば、さしあたってホルモン療法の再開のみで経過をみてもいいかもしれません。ハーセプチンを使う場合は、抗がん剤も一緒に使うことを検討することが多いかと思います。転移再発の治療は、個々のケースで治療法も異なってきますから、主治医の先生と、まずはよくお話なさることをお勧めします。(文責 俵矢)

 

No.9265】  09年12月01日   K.K.
骨転移の可能性があるのでしょうか?

4年前、36歳の時に、乳がんステージ1(硬がん1.7cm)で温存手術(センチネルリンパで転移なし)後、放射線治療を受け、HER2が強陽性だったことから、自費で1年ハーセプチンを投与し、2年間リュープリンを打ち、今年の6月から無治療です(子供が欲しいということもあり、このような治療を選択しました)。11月にマンモ・超音波・肺レントゲン・血液検査・骨シンチを行ったところ、骨シンチで右肩甲骨に集積がでました。2年目検診から毎回同じ箇所が集積しており、2年目の時にCTを行いましたが、その時は異常なしでした。集積箇所に変化は見られないとのことですが、骨転移の可能性はあるのでしょうか? 他の検査は異常なしでした。なお、ALPは正常範囲ながらもやはり高めです。

骨シンチで集積した場合、転移のこともありますが、転移でないこともよくあります。可能性はありますかと聞かれると、「可能性はあります」ということになります。追加の検査をしたり、経過観察をして判定していくことになります。この文面からお答えできることは、そのくらいです。主治医の先生にもう一度お話をしてみてください。(文責 俵矢)

 

No.9264】  09年12月01日   Y・K
乳首の痒みと分泌物について

私は23歳の学生です。2か月ほど前から左乳首周辺(乳輪)が痒くなりました。初めは蚊に刺されでもしたのかと、気にしていませんでしたが、1ヶ月経ってもかゆみが消えず、薄い皮がむけるようになってきました。掻きすぎと乾燥が原因だと思っていましたが、ある日そこから透明のような薄黄色いような汁が出ていました。ブラジャーには、めくれた皮と汁が乾いて黄色くなった物が付着しています。いろいろ調べてパジェット病ではないかと疑ったのですが、この病気は主に高齢者に発症するとのことなので、この病気ではないのではないかと思っています。かゆみ止めの薬を塗っていた時もありましたが、痒い部分が最近黒く変色しているので、薬を塗るのを止めました。触れたりシャワーをするときは非常に痒いですが、できるだけ触れないように注意しています。それでも痒みも分泌物も止まらないので、乳がんではないかと疑い始めました。乳がんの自己検診をしてみましたが、よく分からず、特に異常はないと思っていましたが、先ほど触ってみると痒い部分の奥辺りにしこりのようなものがあるように感じます。そして押さえると痛いです。(ちなみに4日前に生理が来て、もう終わるころです。)
早く病院に行って検査をしたいのですが、私は今留学中で日本に帰るのが年末です。あと1カ月この状態で放置しても大丈夫なのでしょうか?もし乳がんだとしたら、どれくらいのうちに治療を始めなければなりませんか?留学先で1人で、どうしていいか分からず本当に怖いです。不安で不安で涙が止まりません。乳がんは必ず治る病気ではないのですか?死ぬ病気ですか?お返事お待ちしております。よろしくお願いいたします。

年齢と症状を考えると、最も考えられるのは乳頭部の皮膚炎です。パジェット病はどちらかというと考えにくいです。急激にすすむことは少ないですので、日本で検査をうけてもよいと思います。ただ診察しないとわからないので、乳腺科の診察を受けるほうがよいでしょう。年末年始は、日にちによって病院もお休みの体制にはいりますので、日本で検査をするならば、病院のお休みの日程を確認したほうがよいと思います。(文責 俵矢)

 

No.9263】  09年12月01日   H.S.
妻の乳癌の検査結果について

妻の乳癌の検査結果の件でご相談お願いします。
妻は今年で術後6年目ですが、今までの検査(血液、骨シンチ、CT)は特に問題なくきました。今日、3カ月ごとの腫瘍マーカーを検査したのですが、3カ月前がCA15-3が14、今回が23とのことでした。主治医は、異常ありませんとのことでした。数値を主治医から聞いたのは今回が初めてで、3カ月前より上昇していますが大丈夫ですか、と妻が聞いたところ、もし心配でしたら来月また血液検査をしますか、とのことでしたので、来月再度血液検査をすることにしました。今回、基準値内とはいえ、上昇したので心配でたまりません。以前の検査の数値の推移はわかりませんが、異常なしでした。一時的な上昇とかあるのでしょうか。お忙しいところすみませんが、宜しくお願いします。

腫瘍マーカーは主たる目的としては、進行再発乳がんの治療効果判定の一助になるということで、乳がんの再発を早くみつけるのに役立つわけではありません。CA15-3の基準値未満の動きはあまり気にしなくてもよいと思います。(文責 俵矢)

 

No.9262-1】  09年12月01日   K
骨転移、再発リスクを教えて下さい

初めての相談です。「過去の相談室」とても参考になっています。ありがとうございます。
49歳、子供3人。生理は抗がん剤と共に止まってしまいました。東京のS病院で6月中旬に胸筋温存乳房切除手術をしました。病理浸潤径は、4×3.3×0.7(3分の1から3分の2が抗がん剤で脱落)、ステージ2A。術後ノルバデックスを5年間飲むように指示されました。センチネルリンパ節は、術前に抗がん剤治療後に実施して、4個中0個、グレード1、ホルモン受容体ER、PR陽性、ハーツー陰性でした。手術も無事に終わって安心しなくてはいけないところなのですが、再発の不安に陥っています。手術した側の右手が術後一カ月は調子よくあがっていたのですが、寝違えから肩の付け根を痛めてしまい、右手が半分くらいしか上がらなくなってしまいました。肘から肩までズキズキとした痛みもあります。術後4か月検診の時に、骨転移が心配で、肩のレントゲンを撮りましたが異常なし、「整形外科に回しましょうか。」と言われました。整形外科には行かずに自力でマッサージ、乳がん患者専用のリハビリ体操をしているのですが、このままほっといていいのでしょうか。食欲はあり元気ですが、たまに両脇脇の下がジーンと痛くなることもあり、リンパ節転移ではないかと不安になっています。主治医は全く心配ないと思われているようなのですが、再発率リスクはどのくらいだと思われますか。

症状をみると、乳がんの骨転移よりは「肩関節周囲炎」(いわゆる40-50肩)の可能性が高そうです。乳がん術後に肩関節周囲炎になる方はしばしば見受けます。主治医の先生のいわれるように一度整形外科を受診されてみるのがよいのではないでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.9262-2】  09年12月016日   K
経過観察

お世話になります。2回目の相談です。前回掲載No.9262です。11月下旬に受けた人間ドッグの結果なのですが、手術していない側の胸に乳腺のう胞と診断、他にも洞性頻脈、尿に赤血球反応が出ていて、尿管、腎臓に疾患の可能性がという結果でした。いずれも経過観察ですが、本当にこのまま様子をみる事でいいのでしょうか?

乳腺のう胞についてですが、ホルモン環境に起因して乳腺の増殖や退行が不均一に起こる病態である乳腺症を構成する部分的な変化と考えられ、基本的には良性で治療の対象にはなりません。しかし、のう胞内に腫瘍ができる場合もありますので、そのような場合にはのう胞の内容を吸引したり、腫瘍の部分から細胞をとって検査したり、乳癌が否定できない場合には摘出して診断をつける場合もあります。洞性頻脈や血尿につきましては、内科でご相談ください。(文責 浜口)

 

No.9262-3】  10年04月20日   K
6月の定期健診まで様子をみていいのでしょうか?

No.9262-1、2で相談しました。いつも、丁寧な回答ありがとうございます。一昨年の11月に乳がんと診断され、術前化学療法でタキソテール4クール、CEF療法4クール後、昨年6月に右胸を全摘出手術をしました。病理結果は、腫瘍径4*3.3*0.7リンパ節転移なし、グレード1、ホルモン感受性陽性、ハーツ陰性でした。その後、11月に受けた人間ドッグで左胸ののう胞を指摘されました。この相談室で細胞内にがんが見つかることもあるとお返事頂いていたので、3月の定期診察の時に主治医の先生にお話ししたところ、エコーの検査をしました。結果異常なしということで、それ以上の検査はなしでした。最近左肩が凝りだし、胸にも違和感を感じます。のう胞の痛みでしょうか。体重は増えませんが、食欲もあり元気なのですが・・・。6月の定期健診まで様子をみていいのでしょうか? 次回の検査は、主治医の再診だけで、検査は予約されていません。術後1年になるのですが、いいのでしょうか?

乳腺ののう胞の多くは、乳腺症の一部と考えられ、経過観察で十分です。左肩のこりや胸の違和感は関係ないと思います。6月の定期検診まで様子をみて良いと思います。(文責 吉田)

 

No.9262-4】  10年06月23日   K
リンパ節の腫れ?

いつも参考にさせていただいています。術後1年検診が無事に済みました(健側のマンモと血液検査、患部側のエコー)。体調はよく、食欲もあるのですが、脇の下でなく切除した胸の脇から背中にかけて腫れぼったいような気がしています。リンパ節の腫れは、どのような症状がでるのでしょうか? 患部側は神経が切れているようなので感覚があまりないです。定期健診の4ヶ月後を待たずに再度診察をしてもらったほうがよいでしょうか。宜しくお願いします。

リンパ節の腫れに気づく臨床症状は、「こぶ」です。あなたの場合、「はれぼったいような気がする」という事ですので、おそらくリンパ節ではないと推察されますが、不安を取り除くためにも、念の為、」エコーで確認してもらうとよいでしょう。(文責 須田)

 

No.9262-5】  10年10月20日   K
骨転移を心配しています

いつもお世話になります。術後ニ年(今年6月)、副作用の関係でホルモン剤をノルバデックスからアリミデックスに変更しました。先週の定期検査のエコーは異常なしでした。骨密度の検査は、骨粗鬆症と診断されて、これからビタミンDを服用と言われました。アリミデックスの副作用が現れたのでしょうか?  8月末から健側の肩から二の腕が痛くなり、再度骨転移を心配しています。主治医は、「心配なら骨シンチ検査をしたら」と言われて、予約はしてきたのですが、被爆を心配して悩んでいます。レントゲンでは骨転移は判断できないですか。骨粗鬆症と骨転移は関係ありますか?  宜しくお願いいたします。

アリミデックス服用してまだ数か月くらいでしょうから、それだけで一気に骨粗鬆症が進行したとは考えにくいです。もともと以前より骨粗鬆症の傾向があったのではないでしょうか? 骨転移を心配するのであれば、やはり骨シンチ検査は非常に有用です。骨シンチの被ばくは一回のレントゲンの被ばくと大差なく、被ばくについてはさほど心配は必要ありません。また骨粗鬆症と骨転移は、直接関係はありません。(文責 谷)

 

No.9261】  09年11月28日   S.S
乳腺腫の癌化について 

31歳、既婚で、未出産の女性です。今年の4月から、生理不順と生理痛の治療のため、しばらく卵巣を休ませようということで、ピルを服用し始めました。もともと私は乳腺症だったため(母もそうです)、ピルを飲み始めたとき(今年の春)に乳腺症の検査のためにマンモグラフィーとエコーの検査を受けました。
そのときは、左胸の外側に小さな石灰化の陰影が見られるとのことでしたが、癌ではないので1〜2年に一回経過観察しましょうと言われました。しかし先日、左胸の同じ場所に、外側から見ても分かるくらい豆粒のような1cm大のしこりができていました。
しかも強い痛みも伴っていたので、下着のワイヤーすらも痛い状態でした。かかりつけの婦人科に行ったところ、ちょうどピルを1シートのみ終えて、ホルモンが切り替わる時期だから大きくなって痛みが出てきたのかもと言われました。
実際、新しいシートを飲んでからは、痛みは少なくなりましたが、まだしこりはある状態です。しかし、いままで7ヶ月ピルをのんでいましたが、そこまでひどく痛みをともなったしこりになったことはありません。
移動性のある腫瘍だったので、おそらく良性の乳腺腫ではないかとのことでしたが、エコーではよくわからなかったようで、結局、来週再びマンモグラフィー検査をするように紹介を受けました。
ピルで、乳癌のリスクが上がるという話を聞いたことがありますし、また、乳腺症もひどくなるかもしれないとも聞いたことがあります。マンモグラフィーを受ける前に、不安だったため相談させていただきました。

1) ピルと乳癌の関係(乳腺症の背景がある場合)は、現在ではどのように分かっているのでしょうか?
2) 良性の乳腺腫だったとしても、乳癌になる可能性はあるのでしょうか?
3) また癌化する場合は、ピルの服用をやめるべきでしょうか?

お忙しいところ申し訳ありませんが、ご解答いただけると嬉しいです。

1) 経口避妊薬(ピル)と乳がんの関連性は、あるとする報告とないとする報告があり結論は出ていません。ただ、関連ありとする報告でもリスク比はそれほど大きくないです。乳房を経過観察してくれる先生がいらっしゃるのであれば、経過観察しながら服用して構わないかと考えます。
2) 良性の腫瘍ががん化することは考えにくいです。最初良性だと診断していたが、あとで乳がんと判明することは考えられます。1年に一回程度の経過観察を指示されているということならば、きっと乳がんを疑う可能性は低いということなのだろうと思いますが、心配ならば主治医の先生にお尋ねになってみてください。
3) 乳がんと診断された場合は、主治医の先生の指示をうけてください。通常経口避妊薬(ピル)の服用は中止すると思います。(文責 俵矢)

 

No.9260】  09年11月24日   mk 
無治療という選択も可能でしょうか?

今年9月に浸潤性乳管癌で手術を受けました。病理検査で、「非浸潤5cm、浸潤部0.9cmでEstrogen receptor:positive、Histologic Grade:Grade1、Her2:FISH Negative and IHC<3+, Nodes involved:0」で、ノルバデックス内服をすすめられ、服用し始めましたが、無治療という選択も可能でしょうか? ホルモンレセプターは:80%、70%と数値は高めです。宜しくお願いします。

術後の条件が比較的よいため、無治療でも10年生存率は90%以上あるものと考えられます。しかしホルモンレセプターが強陽性であることより、ノルバデックス使用により、さらに30〜40%程度生存率がアップすることが予想されます。よって、無治療という選択肢も充分あると思いますが、副作用も軽微で使用可能であるのなら、やはりノルバデックス使用を推奨いたします。(文責 谷)

 

No.9259】  09年11月24日   Y
再発率・生存率について

昨日妻が乳癌の摘出手術を受けました。現在病理結果待ちの状態ですが、臨床結果で判明しているのは下記内容となります。
「年齢31歳、ステージUb期、腫瘍 1.6cm、センチネルリンパ 転移有、ホルモン受容性 マイナス、HER2  陽性(+3)」
現在判明している部分から、「若年性乳癌」「リンパ転移あり」「her2陽性」「ホルモン治療不可」と、悪い条件が重なっている状況です。リンパへの転移が幾つなのか確認出来ていませんが、今後は「ハーセプチン」と「抗がん剤」による化学治療になります。そこでお聞きしたいのですが、妻の臨床結果から、5年・10年の再発率・生存率はどれくらいなのでしょうか? あまり良くないという印象はありますが、具体的な数字が判らないので教えてもらえればと思います。

リンパ節転移の個数は1〜3個、組織学的グレードは不明、HER2も不明として、抗がん剤はアンスラサイクリン系抗癌剤を含め2剤使用するものとしてAdjuvant!Onlineというサイトで調べたところ、10年後の再発率は約25%、生存率は約82%、となっております。しかし、ハーセプチンを予防的投与した際の長期の成績はまだ正確にはわかっておりませんので、参考値としてお考えください。(文責 谷)

 

No.9258】  09年11月24日   O
乳癌の手術時間について

お忙しいところ、済みませんが、お尋ね致します。彼女が、乳癌と言う事で、手術をしたのですが、10時間ほどかかりました。乳癌で、これだけの手術時間がかかるものでしょうか? それと、抜糸迄に、1週間かかっています。今、抜糸とかするものですか? 又、転移があるかどうかの検査を、その後2日掛けて行っていますが、このような検査を手術後すぐにするものでしょうか?癌は早期発見と聞いていますが、疑問を感じています。お教え頂ければ、幸いです。

メールの内容だけから判断すると、確かに乳がんとしては少し稀有なケースにも思えますが、手術時間・抜糸の有無・検査の時期等どれをとってみてもケースバイケースでガラッと変わってきますので、直接拝見していない私にはその善悪、必然性などは判り兼ねます。やはり主治医の先生にそのままお聞きになられてはいかがでしょうか?(文責 谷)

 

No.9257】  09年11月22日   M.T
検査までの期間について

61歳の母の検査までの期間について、不安でご相談メールをさせて頂きました。
「一ヶ月ほど前に、右乳房〜脇下にかけて「ピキっ」としたひきつれが少しあった(継続してではないです)。 先日、朝から乳頭付近が痛痒く、かぶれかと思っていたら、入浴の際に乳輪上部が赤く腫れ(しこり)、乳頭が陥没しているのを発見(それまでは全然気付かなかったそうです)、本人いわく「急に大きくなった」感があるそうです。
血などの分泌物は全くありません。」といった症状があり、直ぐに総合病院にみてもらいに行きました。そこで、検査の前に軽い問診と、マンモグラフィー・エコーを行った所、マンモグラフィーには何も写っていないが、エコーではしこり部分が腫瘍であるとわかった(血管があるからだそうです)。大きさは13mmです。
その腫瘍についてですが、「輪郭がイガイガしており、ちょっと嫌な(悪性の可能性大?)感じがする。ただ、悪性だとマンモの方にも出るのに何も写っていない・・・乳頭部分で撮影の時につぶれて飛んだ可能性がある?」との事で、良性・悪性の見極めの為に、もっと詳しい検査をする事になりました。MRIと針で細胞をとっての検査を行うそうで、MRIは明日さっそく行って頂ける事になりました。しかし、細胞の検査の方はMRIを入れたことにより、来週になり(造影剤などでの出血のリスクや、病院側の検査日の関係があるのはなんとなく理解はできるのですが・・・)、最終的に12月に入ってからしか全ての結果がわかりません。その日にちを決めている時の先生の様子で、「・なるべく早くやった方がいいと思っている様子でした。・細胞検査の日にちを決めた時「うーん」とちょっとマズいかな?のような焦った態度をいくつかされた。」ことに、とても不安を持ちます。更に、今回の写真をみれば腫瘍とすぐ分かったのでしょうが、一度も医師による触診などはされていない(服を開ける事すらありませんでした)事も、先生に対しての不安を持つ一つかもしれません。細胞検査に時間が掛かる事はわかりますので、MRIを来週にして、明日細胞を採取すれば、来週中には結果がわかるのではないのか?や、もし悪性だった場合、半月以上も経ってしまってからの結果で大丈夫なのか?など、不安がつきません(検査内容については納得しています)。
この病院は乳腺外科にとても良い先生がいらっしゃる事も知っていますので、病院を替えようといった事は考えてはいません。ただただ、その検査の順序(期間)と病気の進行具合が不安です。お忙しい所申し訳ありません。何か教えて頂けるととても嬉しいです。宜しくお願い致します。

乳がんの可能性がある場合、マンモグラフィや超音波検査に加え、穿刺細胞診(針を刺して細胞を採る検査)やMRI検査を行うことがありますが、病院によってはこれらの検査の予約のために2週間前後の待ち時間が生ずることはしばしばあります。ただちに検査が施行でき結果をすぐにお伝えできるのが理想ですが、現実にはあなたのお母様のように結果が出るまでに少しお待ちいただくケースはしばしばあります。しかし、仮に乳がんであったとしても、1か月前後の時間のずれで急速に増大することはまれであり、現実にはほとんどのケースでまず大きな問題にはなりません。よって、あせらずに結果をお待ちいただきたいと思います。(文責 谷)

 

No.9256】  09年11月19日   K
乳頭からの分泌物について(HPNo.9201-2)

以前も相談しましたが、 ただ、特に、生理前だから多いとかはなくて、毎日同じところに同じように跡が残っているようです。特に血は出てないですが、毎日出てるのは異常でしょうか。病院に行ったほうがいいのか迷っています。ただ、地元の乳腺科では、分泌物は細かく調べないとわからないので、いきなりマンモグラフィや細胞針をやらないとだめだと電話で相談したら、いわれて、ちょっと疑問に思いました。かゆみは皮膚科では相談できるかわかりませんが・・・。

ご質問どうもありがとうございます。私たちの外来でも日常的に乳頭分泌物をご心配されて受診される方はいらっしゃいます。乳頭分泌物が毎日でている場合には、念のため分泌液の検査やマンモグラフィー、そして乳腺エコーをおこなっています。ホルモンバランスにより乳頭分泌がでることが多いのでまず心配ないとは思いますが、ご心配ごとは一歩踏み出して解決していったほうが良いですよ。検査の結果、「大丈夫です。」と言ってもらえれば安心なのですから。明日お近くの乳腺外来へお電話してみてください。決してこわいところではありませんからね。またご心配なときには、いつでもおいでください。(文責 高橋)

 

No.9255】  09年11月19日   I 
葉状腫瘍について

どうしてもわからないことがあります。相談に乗っていただけますと嬉しく思います。癌でないため、相談をするのも躊躇しましたが、藁をも掴む思いです。よろしくお願いします。葉状腫瘍についてです。1年前にしこりが大きくなり、3センチとなりました。乳腺科に通院していましたので、マンモトーム生検にて8個の検体を病理検査に出しました。結果は、乳腺症でした。その後、引越しに伴い別の乳腺科に転院をしました。転院後、しこりがまた大きくなったため、再度マンモトーム生検を行いました。4個の検体は、乳腺症でした。しかし、とても気になり摘出をしました。4センチ5ミリの「良性の葉状腫瘍」でした。最終的な病理検査で、「良性の葉状腫瘍」の病名となり、驚いています。なぜ何度もマンモトームをしながら違う病名となったのでしょうか。手術は、乳腺症の摘出でしたので、葉状腫瘍の手術ではありませんでした。再発の可能性は、高いと考えたほうがいいでしょうか。しこりの見た目が葉状腫瘍の形をしているのは確かです。乳腺症のはずが、なぜ葉状腫瘍なのか不思議でなりません。このような症例は多々あるのでしょうか。教えていただけないでしょうか。よろしくお願いします。乳癌でないのにお聞きするのも失礼だと思いますが、どうぞよろしくお願いします。

ご質問どうもありがとうございます。まずは良性の御病気でよかったですね。急速に大きくなるしこりの中には、線維腺腫や葉状腫瘍があります。針生検だけでは確実な診断が得られないこともしばしばございます。今回は摘出手術を施行していただき、診断名がはっきりして良かったと思います。マンモトームを含めて針生検の役割は悪性の病気を見落とさないことです。しかし良性か悪性かの診断も、針生検だけでは診断がつかず、摘出手術をおこなう場合が多々あります。ほんのわずかな組織から、大きな腫瘍全体の病名診断をつけることは、病理検査の先生方にとっても困難な場合があるのです。
語弊をおそれずに申し上げれば、葉状腫瘍の診断が針生検では付かず、摘出生検手術の結果はじめて診断がつけられることは日常的にあり得ることです。針生検だけで100%確定診断が得られるわけではありませんから、私たちは摘出生検手術をおこなうわけです。ご理解いただけましたでしょうか。
葉状腫瘍の手術の基本は腫瘍摘出ですので、手術方法が変わるわけではありません。再発の可能性は、良性であっても完全に摘出してもあり得ます。良性の葉状腫瘍がもし再発したとしても、乳腺内の良性のしこりとして再発することがほとんどですので、摘出をしていくのが治療方法です。命を奪うような再発ではありません。また、手術をしっかりやったから再発を防げるものでもありません。正しい知識を知ればこわい病気でないことはお分かりいただけましたでしょうか。いずれにしても今後も医療不信に陥ることなく、ぜひとも乳がん検診を継続してくださいませ。(文責 高橋)

 

No.9254】  09年11月17日   Y 
わきの下の痛み

30才、既婚、出産経験のある女性です。二ヶ月くらい前から、わきの下がズキズキ?ヒリヒリ?痛みます。我慢できないほどの痛みではなく、24時間ずっと痛いわけではありません。気付くと痛いという感じです。わきの下のから左胸の乳首あたりまでや、左横腹あたりまでや、肩背中腕まで痛むときがあります。先日内科で診てもらい、CTを撮りましたが、腫瘍らしきものは見当たらず、リンパも腫れていないとの事で、整形外科に回されました。整形外科ではレントゲンを撮りましたが、骨や筋肉に異常はなく、目立った腫れも見当たらないとの事で、乳腺かもとの事でした。乳腺外来が混んでいるようで、他の病院で診てもらった方がいいと言われました。どこの病院も予約がかなり先になる様なのですが、この症状から乳ガンや悪い病気の可能性はありますか? 触った感じではしこりはないように感じます。よろしくお願いします。

ご質問どうもありがとうございます。わきの下が痛くて乳がんをご心配されているのですね。通常はそれほど強い痛みで見つかる乳がんの方が稀です。症状的には帯状疱疹が似ているのですが、湿疹や皮膚の赤みなどはないようなので、違うのでしょう。基本的には悪い病気の可能性は低いと思いますが、念のためマンモグラフィーと乳腺エコーはお受けになったほうが良いでしょう。予約が混んでいようとも是非検査をお申し込みになってください。またご心配なときにはいつでもおいでくださいませ。(文責 高橋)

 

No.9253】  09年11月17日   rupo
病理結果について

9月に左温存手術を受けました50歳です。放射線治療中に初めて病理の結果を見る機会があり、ご相談させていただきます。
「組織学的には異なった像を示す腫瘍を下記の様に認めます。
#1 left 2.7x1.7cm tumor, invasive ductal carcinoma
○g(+) s(-) ly(-) v(-) surgical margin(+)
○Nuclear grade 1:3点 (Nuclear atypia:2 Miotic counts:1)
○ER:(+)、PgR:(+)、HER2:(−1)
切除縁に僅かにDCISの腫瘍を認めます。
浸潤癌部分はDCIS部分より面積的にやや多い程度です。
#2 left 4x3mm lobular carcinoma in situ」

1) 断片陽性という所が気がかりですが、主治医からはブースト照射5回追加&ホルモン治療と言われています。 これは妥当でしょうか? 
2) 主治医からは何も聞いていないのですが、#2にあるのは小葉がんの事でしょうか? これは予後に影響するのでしょうか?
3) 4ヶ月ほど生理がないので、閉経したかと思うのですが、主治医は「ノルバテックスの方が副作用が少ないが、癌抑制にはアリデミックス等の方が効く」と言って、任せられた状態なのですが、どうお考えでしょうか?

お忙しい中申し訳ありませんが、ご回答のほど、よろしくお願いいたします。

ご質問どうもありがとうございます。詳しく情報を入手すればするほど、不安は大きくなってしまいますね。少しでも不安が小さくなりましたら幸いです。
1) 乳房温存手術後の断端陽性に関する考え方は施設ごとに、そして患者様の顕微鏡の検査(病理)結果によって対応が異なります。最終的には、病理医ならびに主治医の判断により追加治療の方針が決定されます。つまりあきらかに切除断端にがん組織が陽性であり、取り残しが明白であれば手術を追加した方が良いかと存じます。わずかな陽性であれば、ブースト照射と追加補助療法でよいと思います。お話からは、主な腫瘍は浸潤がんですが、断端部分に存在するのは非浸潤性乳管がんの組織であり、通常であれば放射線照射で消失する可能性が高いと思います。
2) 非浸潤性小葉がんもわずかに組織中に存在するということですが、これはとくに影響ありません。
3) 閉経と考えてアロマターゼ阻害薬を開始する方向でよいのではないかと思います。

以上お役に立てましたでしょうか。またご心配なときには、いつでもおいでくださいませ。(文責 高橋)

 

No.9252】  09年11月17日   KY
放射線治療の追加照射について

いつも大変参考にさせていただいております。放射線治療について質問がございます。8月に右乳房部分切除で手術を受け、病理の結果は断端陰性でした。放射線治療は、乳房全体へ50グレイ照射を終了したところです。放射線の担当医師は、追加照射は必要ない、とのことでしたので、やっておりません。追加照射は本当に必要ないのかと考えてしまっております。ガイドラインなどによりますと、断端陰性の場合、通常は追加照射はやらないようですけれども、施設によっては断端陰性でも追加照射をするところ、また海外などのリサーチでは、断端陰性でも追加照射をした場合としない場合では、追加照射をした場合の方が再発率低下が数%ながら優位だったというような記事を読んだ記憶もあります。断端陰性の場合の追加照射の必要性についてお教え下さいます様、お願いいたします。
グレードとかも関係してくるのでしょうか? またもし追加照射をした方がよい場合、11月6日(金)に50グレイの照射を終了しておりますが、間が空いてしまっていますが、今からやってもだいじょうぶでしょうか? ちなみに、病理の結果は、「充実腺管がん、浸潤部分の腫瘍径1.0×0.7、断端陰性、リンパ管・血管侵襲なし、ER/PgRともに強陽性、HER2陰性、グレード1、リンパ節転移ゼロ」でした。どうぞよろしくお願いいたします。

ご質問どうもありがとうございます。放射線治療のブースト照射に関するご質問ですね。一般的には断端陰性であれば腫瘍床照射(ブースト照射)は行いません。ただし断端陽性が疑われたり、腫瘍が筋肉に接していてがん浸潤が疑われるような場合に、ブースト照射を再発予防のために追加していただきます。断端陰性と言われていれば、まずお考えにならなくて良いのではないでしょうか。ただし、病状をよく把握されているのは主治医の先生ですので、主治医の先生を介して放射線科の先生にもお聞きになってみてくださいね。なお今後注意が必要なのは、乳房局所の再発よりも全身における再発です。幸い、ホルモン感受性が強陽性ですのでホルモン治療による再発予防効果が高いことが期待されます。しっかりと先生のお話を聞いて、予防治療をこれからもお続けになってくださいね。またお困りの時にはいつでもご相談くださいませ。(文責 高橋)

 

No.9251】  09年11月17日   H
ウィークリーパクリタキセルの投与量について

いつもお世話になっています。腫瘍径21mm、リンパ転移2/13、ホルモン陽性、Her2陰性、グレード3で、放射線治療後、EC×4を行い、現在ウィークリーパクリタキセル6回が終わったところです。6回目にして知ったのですが、パクリの毎回100ml投与しているとのことでした。私の場合、80ml×体表面積=125mlなので、125mlなのではないか?と、不安になりました。脱毛を含め全く副作用がありません。投与量が少なく毛根細胞すらダメージをうけていないようなので、がん細胞もダメージを受けていないのではと思って、気が気ではなく、相談に乗っていただければと思います。

1) 主治医は、白血球が下がり気味なので、量が少なくても毎週投与できることが大事といっていました。確かに一回目から順に白血球は、3.4→3.3→3.2→2.3→2.4→2.7で、少ないとは思いますが、ECのときも白血球が足りなくて治療延期になることは無かったので、私としては125mlで頑張りたいのですが、先生はどのようにお考えになりますか?
2) 仮に今後125mlに変えるとして、今までの100mlでは効果は無かったと考え、全部で12回ではなく、もう少し多くやったほうがよいでしょうか?

以上です。よろしくお願いします。

ご質問どうもありがとうございます。乳がんの手術をお受けになって、その後放射線治療、抗がん剤治療と積極的な予防治療を確実にお受けになられていますね。素晴らしいことだと思います。せっかく予防治療をお受けになっているのでしたら、効果が高い方が喜ばしいですものね。御一緒に考えてまいりましょう。

1) おっしゃるとおりweekly taxol療法は今回120mg(ミリグラムです)であろうと考えます。私の患者様も120mgでおこなっている方がほとんどです。また、平均120mg投与でも毎週投与できることが多いです。他の病院の先生方に伺うと、やはりweekly taxolは12週間連続投与は好中球減少がおこるので2週か3週投与して1週休み、という方法で行っているところが多いようです。“必ず連続投与しないと効果がない“ことはありません。
2) 抗がん剤治療は一般的には80%の用量でも効果は十分に期待できるため、副作用(有害事象)をみながら減量して継続していくことは意味のあることです。ですから、今まで行っていた治療は有効であると考えます。でも体調がよろしければ120mgに増量していただいて後半戦に臨んでみてはいかがでしょうか。100%の量でも髪の毛がふさふさしている方もいらっしゃるので、脱毛しないから効果がないとはお考えにならないでください。有害事象がなくて効果があるのが最も望ましいのですからね。

疑問点はその都度主治医の先生にご確認いただき、納得できる、後悔のない治療をお受けになってくださいね。またお困りの時にはいつでもご相談くださいませ。(文責 高橋)

 

No.9250】  09年11月17日   K.A.
乳房付近の痛みについて

2年ぐらい前から、肩甲骨あたりと脇の下、乳房の上あたり、二の腕の裏側が痒かったり、針が刺すように痛かったり、ズキズキしたりと、さまざまな症状が出で、時間も関係なく発症します(寝ている間も) 。MRI・CT・血液検査をしても異常が見つからず゛、漢方・整体・神経ブロック注射をしても効果なく・・・。一体なんでしょう? 治らないのでしょうか。

ご質問どうもありがとうございます。いわゆる乳房切除後疼痛症候群と呼ばれるものですね。乳がんの手術の際には、細かい皮膚の神経を処理したり、肋間上腕神経の周りを操作したりすると、乳房の皮膚や脇の下、上腕の感覚が鈍くなったりぴりぴりしたりしてしまいます。これが、いつまでもつらい感じで残ってしまうのが乳房切除後疼痛症候群です。人によってはあまり気にならない方と、ペインクリニックに通うぐらいにつらい方がいらっしゃいます。それでも改善しない場合には、抗うつ薬や抗けいれん薬などが効果的な場合があります。これは緩和ケアの領域では、鎮痛補助薬と呼ばれ日常的に使用されている薬剤です。“うつ病だから使用する“と言うわけではありませんので、あまりこわがらすに挑戦してみてください。
定期検査で、再発なしと言われているのですから、まずは肩の力を抜いて、でもどうしてもつらくてたまらない場合には、内服薬も検討してみてはいかがでしょうか。またお困りの時には、いつでもご相談くださいませ。(文責 高橋)

 

No.9249】  09年11月17日   L 
今後の治療について(HPNo.7970-3)

No.7970で相談させて頂いた者です。今年38歳です。2007年11月に左乳房温存手術を受け、病理検査でDCISと診断、その後放射線治療を受け、現在はノルバデックスを服用しております。10月に、術後2年目の骨シンチ及び胸部〜腎CT(単純+造影)検査を受けました。先日の診察で、骨シンチは異常無しでしたが、CTの画像で、肝臓に黒い影が数箇所映っていることが判明し、近々腹部エコー検査で良性か悪性か調べる予定です。
CTの担当医の所見欄に、『左腋窩、縦隔LN腫大なし、 肺野 結節なし、 肝 S6に8mm、S7に18mm、S8に6mmのLDAあり→metaの可能性大』と、書かれてありました。

1) DCISでもmetaの可能性はあるのでしょうか? Tis期と診断されても、このようなケースもあり得るのでしょうか?
2) 腹部エコーだけで、良性か悪性の判断がつくのでしょうか? 精度が低いのであれば、エコーの結果だけで抗がん剤は飲みたくありません。実は今回の造影CT検査で造影剤の副作用が少し出ました。腹部エコーの結果次第では、MRIも必要となりますか? また、造影剤を使用したMRIと、使用していないMRIの結果は大差あるのでしょうか?
3) 腹部エコーで悪性と出た場合、抗がん剤治療となると言われました。私の場合は、どのような抗がん剤になりますか?

なお、4年前の会社の健診で腹部エコーを受けた際、「肝血管腫の疑い」と診断されたことがありますが、主治医にそのことを伝えたところ、そのような映り方ではないと言われました。拙文で誠に申し訳ございませんが、ご回答よろしくお願い申し上げます。

ご質問どうもありがとうございます。DCISで十分な治療をお受けになっているのに、検査で不安な結果が報告されてしまったのですね。少しでもお力になれましたら幸いです。

1) DCISでもmeta.(転移)の可能性はゼロではありません。ただし可能性は非常に低く、胃や大腸や膵臓など転移の原因が他にないかどうかの精密検査も行っていただいた方がよろしいかと存じます。
2) 腹部エコーだけでは確定診断は得られません。肝臓の転移を疑った場合に、最も信頼度が高いのは造影肝臓MRIです。使用する造影剤がCTとは異なりますので主治医の先生や放射線科の先生に、副作用のことをご相談くださいませ。十分に注意しながら造影MRIをおこなえる場合もございます。また造影剤を使用しない全身MRI(diffusion MRI)はPET検査に引けをとらない検査と言われており、造影剤を使用しないMRIでも意義はあると思います。
3) 乳がん再発であれば、基本的には内分泌療法の変更が最初の治療になると思います。今は、ノルバデックスの内服だけでしたら、LH-RH アナログを追加しアロマターゼ阻害薬を追加する、といった選択肢があると思います。それで効果が見られない場合には、抗がん剤治療になると思います。いずれにしても最新の組織が採取できるのが一番ですので、場合によってはエコーを行いながら針生検で肝臓の組織を採取してくることも考慮にいれなければいけません。

以上つらいお話が続きますが、体全体で何が起きているのかをおちついて突き止めることが大切です。慌てず、何か見落としていることがないかどうか、主治医の先生と相談しながら原因を突き止めていってくださいね。またお困りの時には、いつでもご相談くださいませ。(文責 高橋)

 

No.9248】  09年11月17日   Y・H
牛乳と乳製品の摂取について(HPNo.9060-2)

いつも拝見しております。感謝いたします。2度目のご相談です(前回HPNo.9060)。よろしくお願い致します。
今年1月、温存手術を受け、放射線治療を経て、現在はノルバデックス10ミリを朝、夕と飲んでいます(計20ミリ)。再発予防のため、いろいろな本を読みました。その中でジェイン・プラントさんの「牛乳と乳がん」という本が一番気になりました。現在の酪農は妊娠中の牛から搾乳しているため、高濃度のエストロゲンがはいっていること。子牛の体重を1日に1キロ増やすくらいの、成長ホルモン因子が含まれていて、悪性腫瘍の細胞を増殖させること。牛乳はもちろん、加工してもその能力が失われることがないので、乳がん患者はチーズ、ヨーグルト、バター、クリーム、お菓子にいたるまで絶対に摂取してはいけないとありました。それを守って、手術以来、一切の牛乳、乳製品を排除する食生活に切り替えました。肉もよくないとのことで、玄米菜食を続けています。途中から他の食品の添加物、農薬も気になりはじめ、お腹が空いても食べられるものがない状態になりました。
上記のようなことを続けていると、まったく普通の生活が送れなくなります。仕事に復帰するにも、周囲と同じ食事ができません。主治医からは、自分で調べなさいと言われるだけですし、多忙で食事療法まで相談できません。

1) 乳がん患者は、どんな食生活をするのがよいのでしょうか(私は身長153cm、体重45キロ)。 乳製品を避けようとしても、パン、その他、いろいろなものに加工されて入っています。珈琲も避けたほうがいいでしょうか。毎日ストレスがたまります。
2) ノルバデックスで疲労倦怠感、鬱状態がひどい日が多くてしんどいです(フェマーラは術前に使いましたが、鬱と関節痛がひどかったので、ノルバデックスに変えていただきました)。体重80キロの人も同じ量のようですので(1日に20ミリ)、10ミリでは効果はありませんか? 10ミリでは飲まないほうがましでしょうか? ご意見をお伺いできれば幸いです。

よろしくお願い致します。

ご質問どうもありがとうございます。いろいろなことがご不安なのですね。病気の予防のために様々なことに挑戦なさっている姿、とてもすばらしいと思います。ただ、ストレスがたまってしまうことは一番良くないことだと思います。

1) 通常量の乳製品や肉類、白米など、全くご心配する必要はありません。添加物については、あらゆる病気の原因となりうるので、摂取しないに超したことはありませんので、表記のチェックは続けてください。乳がんの危険因子は食生活だけが主な原因ではありません。肥満は、閉経後においては乳がんのリスクを高めると報告されていますので、若いうちから規則正しい食生活を送り、肥満傾向にならないように努めることは大切だと考えます。ただし、あまりにも食事に関して神経質になってストレスで胃潰瘍になって倒れてしまったり、栄養失調になってしまうことの方が命の危険につながります。肥満にならない程度の必要十分な食生活を送っていただき、ご不安であれば半年に一度定期検診をお受けになることのほうが安全に暮らすことができると思います。
2) ノルバデックス、フェマーラがおつらいのでしたら、漢方薬(加味逍遙散など)をお試しいただいてもよろしいかと思います。なお投与量は臨床試験で効果が認められた量ですので、減量して効果があるかどうかは証明できていないと思います。飲むか、飲まないかしかないと思います。

どうか、自分らしさを失わず、笑顔でお過ごしください。病気に勝つためには健康的な笑顔が一番ですからね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.9247】  09年11月13日  H 
タキサン系抗癌剤とホルモン療法の併用について

初発の場合、アンスラサイクリン系とホルモン療法との同時併用は、双方の効果を下げるため禁忌だそうですが、タキサン系とホルモン療法は同時併用しても問題ないでしょうか?

ホルモン剤と抗がん剤の同時併用は一般的ではありません。同時併用が一般的でない理由は2つあります。1つは、同時に使うと効果が減弱する場合(AC+タモキシフェン)があること、もう一つは、同時に使うと、どちらが効いているかが分からなくなるので、別々に使い、よく効いているものを効率よく使うために、抗がん剤とホルモン剤は分けて使用するということです。(文責 須田)

 

No.9246】  09年11月13日  K.K.  
ズキズキと怪我の様な痛み

生理の10日程前から、屈んで太ももに当たると右胸だけに違和感(何かが当たる感じ)がありました。生理が始まって4日経った朝、体を動かすと突然ズキズキと激しく(右乳頭を中心に全体)痛みました。痛かったので摩っていると痛みはひいていきました。お風呂に入って体を洗っているとシャンプーとか石鹸がしみたりもしました。痛み出して3日目に軽く痒みを感じた日にブラに薄い黄色の跡が着いていました。現在、7日ほど経ち、激しい痛みはありませんがチクチク痛んだり、炭酸水がはじけるような「シュワー」っとした痛みがときどきあります。特に暫くじっとしていて、体を動かそうとするとき痛んだりします。外見はなんともなく、触ってみても、しこりの様なものは感じとれません。授乳期でもなれければ子供もいません。炎症性の乳がんもあると聞いたので不安です。

診察しないと分かりません。痛みについては、乳腺の病気であれば乳腺炎、胸部の内臓の病気であれば、心筋梗塞、狭心症、胸部の病気であれば、帯状疱疹などが考えられmすが、いずれにしても相談室では限界があります。直接の診察が必要ですので、受診して下さい。(文責 須田)

 

No.9245】  09年11月13日  M 
温存術後の薬物療法について

9月に一度相談させていただいた者です。その節は、早々に貴重なご意見を頂き、本当にありがとうございました。
現在、温存手術後の放射線治療が無事終了し、いよいよ薬物療法の進め方について決断をしなければならないときがやってきて、先生のご意見をふまえながらも、やはり化学療法をすべきかどうかで迷っています。
1) 私の場合、ホルモン感受性のため、ホルモン治療は必須であることは理解しているのですが、私のような(ステージUa)の方について、どのくらいの方が化学療法も選択しているのでしょうか。ステージUaの方に限定した、それぞれの治療をした割合と、その予後のデータを教えていただけたらと思い、また相談させていただきました。
2) 私は腫瘍の大きさが3.8cm・グレード2ということがあり、化学療法を考慮する要素になっていると思うのですが、このことは、やはり、ホルモン治療をしても再発する確率が大きくなる要因でしょうか。
3) 化学療法をすると日常生活が大変だと聞きますが、もし化学療法をすると、最終治療が終わってから元の生活に戻るのに、どのくらいかかりますか。脱毛はしばらくかかると思いますが、ほかにどのような副作用が起こることが多いですか。私は1日おきに仕事をしていますが、61歳で化学療法をすると、その仕事をすることは難しいでしょうか。

どうか、ご意見を宜しくお願いいたします。

手術(前)後に薬物療法を行う意味について説明します。ある程度の大きさ以上の乳癌の場合、診断がついた時点で、すでに全身に癌細胞が広がっている(微小転移)と考えられており、これが手術後に大きくなって症状が出現すると再発に気づく事になります。この微小転移が大きくなるのを防ぐために行うのが薬物療法で、化学療法、ホルモン療法、抗体治療(ハーセプチン)などがあります。一般的な話ですが、抗癌剤にはアンスラサイクリン系、タキサン系などがありますが、たとえばアドリアマイシン、シクロホスファミド、タキサンを順番に投与すると、無治療に比べて44%再発予防効果があります。
微小転移のある確率が高い要素として、「@腋窩リンパ節に転移があった場合、Aリンパ節に転移がない場合でも、乳癌の大きさが2cm以上、核異型度が強い、癌周囲の脈管浸潤がある、HERU陽性、ER(−)かつPGR(−)」などがあります。あなたの場合、「腫瘍の大きさ 3.8cm、グレード2」ですので、術後抗癌剤治療の適応ではありますが、全身状態と症状を最もよく把握して下さっている主治医に今後の治療方針についてご相談下さい。ご質問1)2)3)に関しては、使用する薬剤によって異なりますので、効果と副作用のバランスを考えながら納得のいく治療法を選択して下さい。(文責 須田)

 

No.9244】  09年11月13日  C 
胸の痛みと出血

50歳、主婦です。右胸が痛くて出血もあります。病院に行ってエコーを受け、異常なしと言われましたが、今度は左胸が痛く、出血がみられるようになりました。担当医には、「2、3日痛くても大丈夫だ。」と言われたのですが、心配なので投稿します。何か対処法があれば教えてください。

出血というのは血性の乳頭分泌のことでしょうか。もし血性乳頭分泌であるとすれば、エコーの他、まず分泌細胞診の検査、分泌液中の腫瘍マーカーの検査(マンモテック)等を追加しておく必要があります。痛みについては別問題で、日常生活に支障のある痛み(目が覚めるほど痛い、仕事を途中にして手を休めなければならないほどの痛み etc)でない限り、主治医の先生の指示に従ってよろしいと思います。(文責 須田)

 

No.9243】  09年11月13日  H.Y. 
乳管内非浸潤癌(2)(HPNo.9227-2)

ご返事をいただきどうもありがとうございました。誠に恐れ入りますが、追加で質問させていただきます。
1) マンモグラフィーに石灰化は写っていても、MRIには全く写らない状況は、どのように理解したらよいのでしょうか。
2) 広がりが認識できないまま温存手術した結果、再発の場合には浸潤型になって、転移の可能性も高くならないのでしょうか。
3) 2)の可能性は、コメド型の場合とそうでない場合とで、違うのでしょうか。
4) 自分のようにMRIで認識できない場合、温存手術と放射線治療の後、放射線治療の効果はどのように確認できるのでしょうか。再び石灰化が起こるまでは再発していないと判断するのでしょうか。
5) 自分のような場合(乳管内非浸潤、石灰化の場所はわかるものの、がんの広がりがどこまでかは、MRIでは写らないのでわからない状態、年令53歳)、結局、温存によるべきか、全摘によるべきか、いずれによるのがよいのでしょうか。自分としては、温存手術によった場合、放射線の影響や術後に再発した場合の治療が大変になる(抗がん剤治療や転移)可能性を心配しています。それらの心配がいらないのであれば、温存手術を望みますが・・・。

1) マンモグラフィー、X線CTによって検出可能な石灰化は、MRIでは完全に無信号であるため検出する事ができません。従って画像上写りません。
2) そのような事にならないように、手術中に迅速診断を行って(病理検査)、切除断端に癌が残っていない事を確認しますので、術中に広がりを確認することになります。もし再発の場合は、仰るとおりです。
3) コメド型であろうとなかろうと、2)にならないように確実に切除する事が大切です。確実に癌を切除することだけを考えると、全摘を選択することになると思います。
4) 放射線治療の効果については、乳房温存では確認できません。再発の場合は、石灰化ではなく、約2年〜3年で進行がんとして再発することが多いです。
5) 確実に癌を切除する事だけを考えると全摘を選択することになりますが、専門医であれば、乳房温存を行っても癌切除の確実性は高いと考えられます。相談室でお答えするには限界があります。直接診察していないので、どうしても一般的なお話になってしまいます。個人によって状況が異なりますので、主治医に詳しくお話を伺って、疑問点、不安点を解消し、納得のいく治療を選択して下さい。(文責 須田)

 

No.9242】  09年11月13日  H
セカンドオピニオン

乳がんについてセカンドオピニオンを受ける事になりましたが、必ず聞いた方がいい事はありますか? 具体的に、どのような事を質問したらよろしいでしょうか?

御質問どうもありがとうございます。セカンドオピニオンで確認すべきことは、

1.前の病院の診断に誤りがないかどうか。
2.前の病院で勧められた治療法をお伝えし、先生ならどの方法を選ぶか。
3.その方法を選ばれた根拠(エビデンス)について。

以上は最低限必要だと思います。セカンドオピニオンをお聞きになって、もう一度主治医の先生に治療方針を御確認いただき、治療に向かっていってくださいね。いつまでも迷っていてはいけません。この先生ならお任せできるというのは、患者様とご家族が最終的には判断することです。ただし、熱意や誠意のある先生を見つけることが何よりも最も大切だと思います。また何かご不安がございましたら、いつでも御相談をどうぞ。(文責  高橋)

 

No.9241】  09年11月13日  I.K.
ハーセプチンについて

妻のことについてお尋ね申し上げます。
妻は昨年6月に全摘手術を受けて、その後、術後補助療法として、AC4サイクル-T4サイクルのあと、5週間の局部放射線照射を経て、今年3月からハーセプチン投与を続けております。来年2月で予定の1年間投与を完了することになります。現在までレントゲンやCTでも転移や再発は発見されていません。来年2月以後の治療について、追って主治医に相談するつもりですが、相談するに際して予備知識を得ておきたく、以下ご教示いただけないでしょうか。
1) 転移や再発がない状態での術後補助療法として、ハーセプチンを1年間を超えて投与するということは、試験的実施を別にして一般に実施されているのでしょか?
2) 希望すれば実施していただけるものでしょうか?
3) 実施する場合には保険適用が可能なのでしょうか?

なお、妻は両ホルモンともマイナス、HER2陽性、リンパ節転移26個中24個陽性、異型度3でした。

御質問どうもありがとうございます。少しでも、奥様のお力になれますように、お答えさせていただきます。
1) 転移や再発がない状態で、ハーセプチンを1年を超えて投与することのメリットはないと報告されています。一般には行われていません。
2) ご希望されてもメリットが確認されていないこと、ハーセプチンを続ければ心不全などの問題がおきる可能性もあることを考えたうえで、再度主治医の先生に御相談くださいませ。
3) 1年間は保険適応は問題ないと思います。それ以上続けたことはありませんので、実際におこなってみないとわかりません。後で1年を超えた分が保険が効きませんと請求される可能性はございます。つらいお話ですが、再発した場合にもう一度ハーセプチンを投与するという選択肢はございます。

通常は、術後補助療法が終了すると、今後は定期的な通院と検査をしていくことになると思います。色々ご不安だと思いますが、主治医の先生と以上の点をふまえて御相談してみてください。また何かご不安がございましたら、いつでも御相談をどうぞ。(文責 高橋)

 

No.9240】  09年11月13日  Y
鎖骨上に乳がん転移

65歳の母のことで相談いたしたく、メールしました。8年前に右の乳房を全摘しています。先日、右鎖骨上に2つのしこりが見つかり、生検手術で乳がんの転移と診断されました。術後すぐに右腕が上がらなくなりましたが、担当医師は、手術のせいではないとおっしゃいます。から咳も続いています。これについても、わからないとおっしゃいます。この2点については、おいおい検査しましょうとの事です。これから抗がん剤治療が始まりますが、生検の前には CT、MRI、胃カメラ、内視鏡、血液検査、すべてに異常が見られず、生検に至りました。摘出したしこりを見せられたときに、見た限りでは良性の可能性が高いですと言われましたが、結局は転移でした。このまま、この先生で大丈夫だろうかと少し心配で、がんセンターで診てもらおうと母に言っても、またいろんな検査しなくちゃいけなくなるかもしれないから、いやだと言っています。一般的にこのような診断は理解できる範囲なのでしょうか?

御質問どうもありがとうございます。お母様のこと、心配ですよね。まずは、今の状況を整理して考えましょう。8年前に乳がんの手術をされて、今回は鎖骨上のリンパ節に転移が見つかったということですね。初めに、リンパ節生検をしてくださった先生に感謝です。通常は、色々な検査(CTやMRIなど)をして異常がなければ、「経過をみましょう。」となる場合も多いです。それをきちんと生検して診断をつけてくださったので、今後の治療方針が立てられますからね。実はリンパ節転移の診断は非常に難しいのです。色々な検査で異常なし、実際にリンパ節をとって目で見ても異常なし。組織の検査をしてみたら、転移だった。これは誤解を恐れずに申し上げれば、しばしばあることです。ですから、昔は乳がんの手術では、転移があるかないかわからないリンパ節は全て摘出していたのです。また、「見た限りは良性の可能性が高いです。」という先生の言葉には、患者様を安心させたいというお気持ちが感じられます。正確な表現をすれば、「顕微鏡の検査をしなければ何とも言えません。」ということになります。リンパ節転移が刺激になって神経や血管を圧迫し、腕が上がらなくなったり浮腫んだりすることもありうることです。医師の一言一言の重みを感じる御質問ですね。私たちからすると、しっかりとした検査をしてくださっていて、全く問題はないように感じられますが、問題は先生との相性です。もし、今の時点で「あまり信頼できないな。」というお気持ちのまま通院されていると、何か病状に変化があったときに、「やっぱりあの先生だからだめなんだ。」のような受け止め方をしてしまうかもしれません。それではお互いに悲しすぎますね。ですから、どうしても御心配な時にはセカンドオピニオンをしてみてはいかがでしょうか。また何かご不安がございましたら、いつでも御質問をどうぞ。(文責 高橋)

 

No.9239】  09年11月13日  Y
乳腺炎後のしこりについて

2ケ月ほど前、膿をもつ乳腺炎にかかり、たまり具合が少ない?ということで、注射器での排膿をし、投薬・点滴にて痛みがなくなるまで処置を受けました。おかげさまで3日で痛みは消えたのですが、乳首下に2センチほどのしこりが残ったままになり、それが気になるのか、子供がそちら側のおっぱいを飲まなくなりました。不思議なことに、おっぱい自体も張ることなく、ただ微妙にしこり部分が痛む気がするので、絞ってみると乳腺炎時特有のどろっとした黄色い乳汁が結構出ます。乳房の大きさも左右明らかに違いますし、他の病気を疑ったほうがいいのでしょうか?

御質問どうもありがとうございます。乳腺炎の治療後はしばらく、膿のたまっていた部分が硬くしこりを形成することはよくあることです。また、乳頭からの母乳に膿が混じっておいしくなくなってしまうので、お子様が母乳をそちら側だけ飲まなくなることも良くあることです。ただし、私たちは乳腺炎などで治療をした後にも、念のため超音波検査やマンモグラフィーなどで悪性の病気が隠れていないかどうかは、必ず確認するようにしています。ご不安にさせるつもりはございませんが、安心のためにも一度乳腺外来で「念のための精密検査をしてください」と、お願いしてみてくださいね。子育ても大変ですし、御自身のお身体のケアもしなければいけなくて大変ですね。でもきっとお子様が大きくなったら、大事に育ててくれたことをお母様に感謝してくれますからね。是非定期的に検診をお受けになって、ずーっと元気でいましょうね。また何かご不安がございましたら、いつでも御質問をどうぞ。(文責 高橋)

 

No.9238】  09年11月11日  k、k、
今後の治療について(HPNo.6908-2)

2007年7月19日HPNo.6908にて相談した者ですが、平成18年に他の臓器にも再発し、タキソールとハーセプチンで抑える事ができ、平成19年10月よりハーセプチンのみで毎週3回一週休みの点滴の治療をし、20年1月より二週おきの点滴(月に約二回)で今日まできました。今年の夏ごろより、同じ右胸にしこりができました。毎月通っていて、検査もなかなかしてもらえず、先日の検査の結果、癌で4センチ、ステージ4といわれ、ショックを受けています。今後の治療ですが、全摘したほうがいいのか、摘出してもその後抗がん剤治療をするのであれば、先にもう一度ハーセプチンの回数を増やしてみるのがいいのか、以前に効果があったタキソールとハーセプチンをためしてみるのが良いのか、或いは新しい抗がん剤をした方が良いのか、悩んでいます。先生は、いずれにしても結果は解からないので、どうすべきかは、はっきり言ってくれず、自分で判断しかねています。宜しくお願い致します。

ご質問どうもありがとうございます。「毎月通っていても検査をしてもらえず・・」というところにKK様の無念さがにじみ出ていて、私もとてもつらく思います。何とかお力になれましたら幸いです。基本的な考え方としては、他の臓器の転移があきらかに消失しているのであれば、全摘も選択肢に入ってくると思いますが、転移があきらかに存在するのであれば、全摘するよりも全身の転移の制御の方が重要になります。おそらくは、局所の治療である全摘術よりも、全身の治療である抗がん剤治療を優先させた方が良いかと存じます。今後の方針としては、まずはハーセプチンとタキソールを再度行うのも良い方法かと思いますので、主治医の先生にご相談してみてください。効果が見られなければ、また次の治療という様に、順次変更していくことが大切です。これでなければいけないという明確なお答えはございません。主治医の先生とご相談の上、またお分かりにならなければご相談くださいませ。今後ともよろしくお願い申し上げます。(文責 高橋)
 

No.9237】  09年11月06日  M.S
左脇の下から腕にかけてのひきつり

6才と2才の子供を持つ2児の母です。1ヶ月半くらい前に左脇下にぽこっとしたデキモノができました。それは、服がこすれても痛いものでした。痛みは2.3日でなくなり、腫れもなくなりました。でも、そのすぐ後に筋のようなしこりが残りました。様子を見ていく中で気づかなかったのですが、今では、その筋のようなものが、脇の下から二の腕を通り肘の手前あたりまでスーっと伸びています。特に痛みもなく、引きつる感じもそれほど強くは感じませんし、痺れもありません。家の用事もあって、あと一週間は病院に行けそうもありません。毎日考えてしまい、不安でなりません。症状がどんなものなのか先生に相談したく投稿しました。宜しくお願いいたします。

メールの内容からは乳がんの心配はないように思います。筋のようなものも、おそらくあと数週間もすれば自然と気にならなくなるでしょう。(文責 加藤)

 

No.9236】  09年11月06日  M.S.
手術時期について

9月25日に針生検をして、先日浸潤性乳管がんと診断されました。トリプルネガティブで進行が速いとのことですが、手術は11月末です。 今かかっている病院も主治医の先生も信頼していますが、もっと早く手術を受けるために他の病院を探したほうが良いでしょうか。また、先に化学療法をしておいたほうが良いということはないでしょうか。2月のMRI(反対側の乳管内乳頭腫のために受けました)で何もなかったのに、もう1cmということで、進行が速いタイプですといわれながら、1ヶ月以上何もしないでいるのがとても不安です。

通常は1ヶ月の間に病状が急に進行することはありませんので、あせらずお待ちになるのが賢明かと思います。ただ、手術までの期間は病院によって差があるのは確かですので、早い手術を御希望なら、お探しになるのも一案です。(文責 加藤)

 

No.9235】  09年11月06日  T.K.
センチネルリンパ節生検で陽性時のリンパ節郭清の必要性

先日ご相談させて頂きました、43歳、女性、T.K です。DCISと診断され、乳管内に広く伸展しているために乳房全摘術を受ける予定です。センチネルリンパ節生検を一箇所予定しておりますが、術中診断でリンパ節が陽性の場合に、リンパ節郭清を予定と言われていますが、他院で以前セカンドオピニオンをお聞きした際には、DCISで一箇所センチネルを行うのは、あくまで確認であり、陽性・即郭清にはならないと聞いておりましたので、必要なものかどうか、ご意見お聞かせ頂けないでしょうか。宜しくお願い致します。

陽性の場合はDCISではなく、浸潤がんであるということになります。陽性の場合は、条件にもよりますが、一般的に郭清になります。(文責 加藤)

 

No.9234】  09年11月06日  T.S.  
EFC療法

以前HPNo.8941で質問をさせていただきました。いつもわかりやすく説明していただき、ありがとうございます。
36歳の姉、充実腺管癌、トリプルネガテイブで、グレード2〜3、腋かリンパ節、胸骨傍リンパ節にも転移があり、術前化学療法中です。現在、EFC療法6クールめが終わり、来週中にPETをやる予定です。4クール終了時のMRIでは、胸のしこりは、繊維がのこっているように写っている。腋のリンパはまだ、画像上にある状態でしたが、今の薬がとても効いているため、あと1から2回今の薬を使うか・・・ということを、主治医の先生から話がありました。ただ、体への負担が大きくなるため、まだはっきりと決まっていないようです。EFC療法は最大何回まで使えるようになっているのか質問をさせてください。また、もし、副作用が強く出た場合、今後手術や、他の抗がん剤が使えなくなってしまうのでは・・・と心配しているのですが、EFCを多く使うことに対しての、欠点はほかにもありますか。もし、EFC療法をこれで終了した場合は、タキソールかタキソテールの治療へ移る予定です。次の治療にうつってしまった場合、もし効果が見られなかったときに、EFC療法へ戻るということはできないのでしょうか。まとまりのない文章で申し訳ありませんが、よろしくお願いします

E(エピルビシン)は、総投与量に制限があります。投与量が多くなるにつれ、心臓への副作用(ポンプの力が弱くなる)発症率が高くなります。タキサン系の治療後に再投与することはないでしょう。(文責 加藤)

 

No.9233】  09年11月06日  G
白血球

手術、放射線照射が終わり、現在ホルモン治療中です。白血球の数値が3200から中々上がりません。インフルエンザが流行しているのに感染しないかと心配です。白血球を上げる方法は、注射を打つしかないと聞きました。ホルモン治療中に白血球を上げる注射を打ってもらうことは可能ですか?

3200あれば、御心配ありません。もちろん、白血球を上げる注射を打つ必要もないでしょう。(文責 加藤)

 

No.9232】  09年11月03日  K.O.
術後の検査について

粘液がんでオペをし、リンパ転移なし、ホルモンレセプター陽性、HER2陰性、断端陰性、アルミデックス服用中、現在、放射線治療中です。先日、先生より、「3か月検診後の検診は1年ごと」と言われ、不安です。本などでは、術後2〜3年は、3〜4か月ごとに続けるのが一般的となっていますが・・・。宜しくお願いします。

術後経過の間隔は施設によっても様々ですが、ガイドライン準拠の立場からは、術後3年以降で特に再発リスクの高い場合(多数のリンパ節転移があるなど)を除けば、半年〜一年ごとの経過観察となります。(文責 首藤)

 

No.9231】  09年11月03日  MIKI
ホルモン剤と口内炎について

6年前に乳癌(ステージT)の手術をし、術後の放射線治療、5年間のホルモン療法を行ってきた母についてご相談させて頂きます。
現在ホルモン治療を終え、約10ヶ月が経過しました。ホルモン剤(フェアストン錠)を服用してから7ヶ月後に口内炎が出来始め、その度にケナログを塗って対処してきました。ホルモン治療を5年間で終え、口内炎も出来なくなっていくだろうと考えていましたが一向に治らず、終えて10ヶ月経つ現在でも、まだ口内炎は出来続けています。
主治医に相談したところ、胃が荒れているいるのかもしれないという事で、胃の粘膜を保護するプロマック錠を貰いました。しばらく飲み続けましたが、あまり状態は変わりませんでした。
母は乳癌になる前から(1998年〜)中性脂肪値が高く、ベザトールSR錠を服用しています。この副作用欄に口内炎と記載されていました。乳癌になる前となった後のからだ(放射線治療やホルモン療法等の影響…?免疫力低下?)とは違うのかもしれないとも思い、以前では症状が表れなかったものが出てきたのかとも考えました。いまだに口内炎が出来続けるのは何が原因か解らないので不安な日々が続いています(この病気と口内炎が結びつかないので不安です)。いったいいつまで続くのか、いつになったら治っていくのか、また今後どうしていったらよいのか解りません。良いアドバイス、解答を宜しくお願い致します。

口内炎が発症する原因は様々ですので、歯科医師など一度専門医を受診されることをお薦めします。(文責 首藤)

 

No.9230】  09年11月03日  ゆらら
漢方薬「温経湯」について

乳癌手術後、6月からタスオミンとゾラテックスにて治療を受けています。飲み始めから睡眠中に寝汗をかき、目が覚めてしまい、睡眠時間が3〜5時間になっていました。今月上旬よりイライラ、気分の落ち込みがあり、先日婦人科にて精神安定剤「りーぜ」と漢方薬「温経湯」を処方していただきました。以前に友人からエストロゲン感受性のある乳癌患者は「葛根」「甘草」「人参」の摂取は再発リスクがあがると聞いてたのですが、今回処方された漢方薬「温経湯」に「甘草」「人参」が含まれていて心配になってきました。薬を飲み続けても大丈夫なのでしょうか? お教えください。どうぞよろしくお願いします。

漢方による再発リスクの上昇(といってもそれほどの高さではないでしょう)と、実際に漢方を使用することによって得られる症状の改善を天秤にかけて判断されてみてはいかがでしょうか。(文責 首藤)

 

No.9229】  09年11月03日  C
肺転移後の治療について(2)(HPNo.9055-2)

No.9055(09年08月02日)でご回答いただいた者です。関連して再度お願いします。
現在38歳。8年前、30歳で1.2センチの腫瘍が見つかり部分切除、脇のリンパ切除、リンパ節転移なし、トリプルネガティブとの診断。術後CMFの後、放射線治療を受ける。その後は定期健診のみ。手術から4年6ヶ月後にレントゲン・CTで、肺転移(最大1センチ程度で数個)が見つかる。CPF6クール、ウイークリータキソール3クールで消失・縮小した為、ゼローダに切り替え1年半服用。耐性ができ(腫瘍の増大)、TS-1に切り替え半年服用。耐性ができ()、現在ベプシド(保険外)1年目。←ここまで前回記述。
当初はかなりの効き目があったが、先日のCT画像で腫瘍の増大(2cm大くらいが2個、他小さいものが数個)がみられた。腫瘍マーカーの上昇はみられない。主治医は、「使える薬がなくなってきた。まだ使っていないのは、ナベルビンくらい。ただ、マーカーが上がっていないので、ベプシドを止めてナベルビンに変えて、効果がなく、急に悪くなることは避けたいので、副作用がなければ併用という方法もあり。もしくはベプシド継続。検討してみる」とのこと。さらに「1年後くらいには咳など自覚症状が現れる」と言われ、これまで抗がん剤治療の辛さはあったものの、症状が全くないため、初めて余命を告げられたようで、かなりショックを受けています。

1) ナベルビンとベプシド併用可ならば、併用に変えたほうがいいのでしょうか? 併用不可の場合は、ベプシド継続でナベルビンをもう少し後にとっておいたほうがいいのでしょうか? その他に良い方法はないでしょうか? 当方の希望は、これまでどおりフルタイム勤務の生活を送ることです。
2) 前回の下記のご回答いただきました。
「トリプルネガティブ乳癌に対して今後検討される薬剤の候補として、「(1)プラチナ系薬剤 (2)マイトマイシン (3)エトポシド (4)シスプラチン(カルボプロラチン)・マイトマイシン・ビンプラスチンの併用療法 (5)イキサペピロン(チューブリン阻害剤) (6)アルブミン結合型パクリタキセル」等がありますが、これからの研究課題です。」 
主治医からは、これらの薬剤は挙がらなかったのですが、現時点では保険適用がないなど、一般的には使えない薬剤なのでしょうか? もう使える薬がないという主治医の話とはかなり差があるので、次回、これらが使えるか主治医に聞いてみるのは差し支えないでしょうか? 現時点で一般的に使えないならば、他に使える薬を教えて下さい。

どうぞ宜しくお願い致します。

1)再発乳癌に対する化学療法は単剤投与を原則とする立場が主流ですが、XC療法など、併用療法を行う場合もあります。副作用やご自身のLife Styleなどを考慮して治療選択してゆくのがよいかと存じます。
2)ご指摘の薬剤は、マイトマイシン単独使用以外は保険適応外となります。よく主治医とご相談ください。(文責 首藤)

 

No.9228】  09年11月02日  A
今後の検査&治療について (HPNo.8995-3)

ご無沙汰しております。いつも的確に教えていただきまして、ありがとうございます。
現在、抗ガン剤治療を終え(EC4クール)、ホルモン療法を行っております。ホルモン療法は、4週に一度ゾラデックスを注射して、平行してノルバデックスを服用しております。腫瘍マーカーなどは別の開業医さんでお願いしており、値は安定しております。(9月28日に採血をして、CEA→0.6 CA15-3→5.4 でした。6月15日の採血では、CEA→0.9 CA15-3→5.1でした。)
主治医からは、腫瘍マーカーをはじめ、その他の検査は何も受けておりません。反対側の乳房に、しこり状のものを感じたので、それに対するエコーを部分的にしたのみです。現在、どのような検査を、どのような間隔でしておくべきでしょうか。特に検査をする必要は無いのでしょうか。

専門学会のガイドラインからは、術後経過観察においては特に症状がなければCT検査や骨シンチによる定期的検索は必ずしも必要ではないとされています。定期的腫瘍マーカー検査も同様です。再発の場合は別です。(文責 首藤)

 

No.9227-1】  09年11月02日  H.Y. 
乳管内非浸潤ガン(コメド型)

4年前からマンモグラフィーの結果、左側乳房に石灰化があると言われ毎年経過観察を受けていましたが、今回マンモトームの検査の結果、乳管内非浸潤ガン(コメド型)と診断され、手術を予定しています。石灰化は2箇所に見られ、それらをつなぐと約5センチほどの長さになると言われました。エコーでもMRIでも何も写りませんでした。このような場合に、温存手術と放射線治療によるべきか、全摘によるべきか迷っています。疑問に思っていることは以下のとおりです。
1) 乳管内非浸潤の場合、温存による場合には放射線治療は必ず必要になるのでしょうか。温存しながらも最大限の範囲で切除して、断端がマイナスの場合でも、放射線治療は必要になるのでしょうか。
2) 自分のような症状の場合の放射線治療の頻度、強さはどの程度行うのでしょうか。
3) 放射線療法による他の臓器(例えば心臓や肺など)への影響を心配していますが、どうでしょうか。
4) MRIでひろがりが認識できないのに石灰化の部分だけを切除しても効果はあるのでしょうか。切除範囲はどのように判断するのでしょうか。
5) 温存の場合、再発の可能性はどの程度あるのでしょうか。再発の場合には抗がん剤が必要になるのでしょうか。
6) 全摘の場合には、術後の治療は全くなく、再発の心配も全くないのでしょうか。
7) 全摘でも、センチネルリンパ節生検の結果転移がみつかった場合には、どのような治療が必要になるのでしょうか。

1)温存乳房に対しては放射線療法が標準治療といってよいでしょう。
2)2Gyずつ25回の治療が標準的です。
3)周辺臓器へなるべく放射線が当たらないような配慮がなされるとおもいます。
4)マンモグラフィーにてがん組織内石灰化と思われるところを切除することが大事です。
5)放射線療法を行ったとして局所再発率は3−5%程度でしょう。
6)術後治療の可否は腫瘍細胞の性格やリンパ節転移の有無などにより決定されることが多いです。
7)基本的には腋窩リンパ節郭清を行います。(文責 首藤)

No.9227-2】  09年11月13日  H.Y. 
乳管内非浸潤ガン(コメド型)(2)

ご返事をいただきどうもありがとうございました。誠に恐れ入りますが、追加で質問させていただきます。
1) マンモグラフィーに石灰化は写っていても、MRIには全く写らない状況は、どのように理解したらよいのでしょうか。
2) 広がりが認識できないまま温存手術した結果、再発の場合には浸潤型になって、転移の可能性も高くならないのでしょうか。
3) 2)の可能性は、コメド型の場合とそうでない場合とで、違うのでしょうか。
4) 自分のようにMRIで認識できない場合、温存手術と放射線治療の後、放射線治療の効果はどのように確認できるのでしょうか。再び石灰化が起こるまでは再発していないと判断するのでしょうか。
5) 自分のような場合(乳管内非浸潤、石灰化の場所はわかるものの、がんの広がりがどこまでかは、MRIでは写らないのでわからない状態、年令53歳)、結局、温存によるべきか、全摘によるべきか、いずれによるのがよいのでしょうか。自分としては、温存手術によった場合、放射線の影響や術後に再発した場合の治療が大変になる(抗がん剤治療や転移)可能性を心配しています。それらの心配がいらないのであれば、温存手術を望みますが・・・。

1) マンモグラフィー、X線CTによって検出可能な石灰化は、MRIでは完全に無信号であるため検出する事ができません。従って画像上写りません。
2) そのような事にならないように、手術中に迅速診断を行って(病理検査)、切除断端に癌が残っていない事を確認しますので、術中に広がりを確認することになります。もし再発の場合は、仰るとおりです。
3) コメド型であろうとなかろうと、2)にならないように確実に切除する事が大切です。確実に癌を切除することだけを考えると、全摘を選択することになると思います。
4) 放射線治療の効果については、乳房温存では確認できません。再発の場合は、石灰化ではなく、約2年〜3年で進行がんとして再発することが多いです。
5) 確実に癌を切除する事だけを考えると全摘を選択することになりますが、専門医であれば、乳房温存を行っても癌切除の確実性は高いと考えられます。相談室でお答えするには限界があります。直接診察していないので、どうしても一般的なお話になってしまいます。個人によって状況が異なりますので、主治医に詳しくお話を伺って、疑問点、不安点を解消し、納得のいく治療を選択して下さい。(文責 須田)
 

No.9226】  09年11月02日  k.m.
腺葉区域切除(2)(HPNo.9218-2

早速の回答有難うございました。再度質問させてください。
1) 精密検査である乳管造影と乳管内視鏡の検査をしたにもかかわらず鑑別困難の診断が出ましたが、通常よく起こることなのでしょうか? 
2) 12月下旬のエコーの結果により、乳管腺葉区域切除が行われると思いますが、区域切除における体への負担はどの程度のものなのでしょうか? 
3) これは乳房温存手術とは違うのですか? 
4) 区域切除手術の結果、万が一、悪性と出た場合は再手術ということになるのですか? セカンド・オピニオンについてはどのあたりでしたらいいでしょうか? 

よろしくご教示お願いいたします。

1)乳管内病変は良性悪性の判断が組織検査の段階でも困難なことがあります。
2)出血量50ml以下、手術時間1時間以内程度です。
3)温存術といった場合には腋窩リンパ節郭清まで含まれるようです。
4)切除断端にがん細胞が露出していないかを組織学的に確認する必要があります。結果により、追加切除の必要性や放射線療法の方法などが決まってくると思います。

 

No.9225】  09年11月02日  W 
経過観察で問題はないのでしょうか?

現在31歳です。先日婦人科検診を受診しました。その結果、乳房超音波検査で、「低エコー腫瘤(左)、豹紋状エコー(両側)」と診断されました。また、視触診では、乳腺症と診断されました。判定は両検査項目とも『経過観察』とあるのですが、経過観察で問題はないのでしょうか。再度検査を受けた方が良いのでしょうか。お忙しいところ申し訳ありませんが、アドバイスをいただけると幸いです。よろしくお願い致します。

低エコー腫瘤がどういうものかがわかりませんが、腫瘤があるのでしたら定期的受診をおすすめいたします。(文責 首藤)

 

No.9224】  09年11月02日  N.F.
乳頭の変化について 

33歳既婚で、二人子供がおります。二人共に母乳で育てました。2年ほど前に、左乳首の下あたりに硬いしこりのようなものが出来ました。痛みも伴ったため、外科のほうで触診・マンモの検査をしましたが、異常がありませんでした。しこりのほうはそのまま取れませんでしたが、乳がんではないという安心感と、痛みも徐々に薄れていき、そのままにしていました。1年前ほどに、また痛むようになって、しかも何だか乳首に変化が・・・。乳頭が陥没してしまっていました。元は普通の乳首でした。乳頭の真ん中辺りが、中に入ってしまっており、引き出そうと指でつまんでも、その乳首下あたりのしこりにくっついているような感じで、びくともしません。今現在もそのままですが、痛みは年に数回ほどしかありません。ただ、乳頭が陥没したことはショックですし、しこりが大きくなっているような感じが否めません。もともと乳頭が陥没している方の話は聞いて知っていましたが、いきなりこんな風になるものなのでしょうか? 近々、乳腺外来にいこうとは思っていますが、一度行ったときに「生理前だから痛いのではないですか?」と言われ、しこりも触診で気づいてもらえなかった経緯もあり、また同じように言われてしまうかなぁ〜?なんて思って、ちょっと尻込みしてます。病院へ行く前に、こちらで一度相談しようと思い、メールをいたしました。宜しくお願いいたします。

メールだけでは判断しかねますので、やはり乳腺専門医を受診されることをおすすめいたします。(文責 首藤)

 

No.9223】  09年11月02日  N.K.
術前のホルモン療法について

49歳、閉経前。10月に初めて乳がんがわかり、MRI、CTの後、組織診にてホルモン受容体両方とも強陽性、HER2陰性、グレード2となり、4cmの左乳房浸潤がんを全摘という事で治療方針を検討中です。術前薬物療法について、主治医は「こういったタイプは抗がん剤が効きにくいので、今のところ、まず手術して、後でホルモン療法」という見解です。私は、全摘はいといませんが、
1)閉経前の患者に対する術前ホルモン療法の意義、可能性
2)術前にホルモン療法をすると、手術時センチネルリンパ節の判定ができないのか? 

おたずねしたく、よろしくお願いします。

1)2)欧米では結果が出てきています。日本でも臨床試験が現在進んでいますので、治療先に問い合わせてはいかがでしょうか。(文責 首藤)

 

No.9222】  09年11月01日  M 
ホルモン療法と化学療法の併用について

一般論的なことをお聞きしたいのですが、ホルモン療法と化学療法は、併用してはいけない場合と併用する場合があるようなのですが、詳細(併用効果があるのか、むしろ逆なのか、エビデンスがないからやらないだけなのか等)を教えていただけますでしょうか?

1) アンスラサイクリンを含む化学療法との併用→禁忌(?)
2) タキサン系との併用
3) UFTとの併用
4) それ以外の5-FU系(ゼローダ、TS-1)との併用
5) CMFとの併用

以上です。よろしくお願いします。

ホルモン療法と化学療法は原則として同時併用は行いません。順次投与と比較し優れているとのデータもなく、副作用や薬剤の効果判定といった点から併用は望ましくないとされています(術後療法では、むしろ成績が悪くなるとの報告もあります)。(文責 加藤)

 

No.9221】  09年10月31日  Y
今後の治療計画について(HPNo.9193-2)

先日は、乳がんの件でご相談したところ、早速のご指導、ありがとううございました。その後の経過報告をさせて頂きます。乳がんと告知された後、2か月位かけて各種検査を実施し、「浸潤がん、ステージVAで、脇の下リンパに転移。骨,肝臓等への転移なし。」と診断されました。11月より、アンスラサイクリン系、タキサン系の抗がん剤を、それぞれ4サイクル投与し、その後、手術する計画です。乳がんの特効薬と言われる「ハーセプチン」は、保険を利用して手術後に予定しています。ハーセプチンと抗がん剤を最初から同時に投与したいと希望しても、高価であまり効果がないと、主治医から言われています。主治医の考え方はどうなのでしょうか、又、別のおすすめの方法があったら、ご教示をお願いします。 

術前にハーセプチンを使用することは保険診療上、認められていませんので、術前の化学療法中に効果が乏しいなどの理由で、ハーセプチンと化学療法を同時に使用することはありますが、通常は術後にハーセプチンだけを単独で1年投与します。ハーセプチンは効果がないと言うのは、根拠に乏しいと思いますよ。(文責 鈴木)

 

No.9220】  09年10月31日  H
非浸潤癌のラジオ波について

10月頭に非浸潤がんと言われた45歳の者です。検査に行った病院で 全摘と言われたのがショックで、再度ラジオ波をやっている病院にお話を聞きに伺うと、「ラジオ波で十分な範囲なので、大丈夫です。」と言われました。 ただしはっきりとは言えませんが、術後は放射線治療をやった方がいいということでした。今までのこのホームページでのお答えを見ていて、ラジオ波については、まだまだこれからの治療だというお話ですが、回答が2008年のものだったりするので、今現在どんな感じなのか知りたいと思いました。いろいろな本やネットの感じだと、非浸潤であれば、再発や転移をしないことを考えれば全摘を選ぶ方がいいような気もしますが、やはり乳房を失うということに関しては、つらいという気持ちもあります。ただし残す事によるリスクも背負っていかなければいけないのかな、という恐怖もあります。あと、針生検をして以来(9/23頃ですが)、ずっと乳首から血が出続けています。時にはブラジャーの表にもしみる事もあります。大丈夫だとは聞いたのですが、なんとなく不安です。お話をお聞かせいただければ助かります。どうぞよろしくお願いします。

ラジオ波に関しては、長期の安全性、効果が不十分ですので、やはり手術を標準的な治療法と考えるべきです。これは、2008年も今も変わっていません。患者さんに取っては、乳房にメスを入れることの問題は大きいことは理解していますが、現状はあくまでも、オプションのオプションです。乳癌で問題なのは、その腫瘍の性格です。今回も腫瘍全体が非浸潤癌かどうかわかりませんので、手術をしたら一部分に浸潤癌があって・・みたいなことはあり得ますので、手術をお勧めします。これらの話を理解してラジオ波を行うのは、ご本人の自由ですので、先方と良く相談の上、進めて下さい。一方、手術の方法に関してですが、非浸潤癌で、転移、再発がないのであれば全摘・・というのはいかがでしょうか?全摘も部分切除も長期の予後は同等ですので、整容性を維持して切除できるのであれば部分切除で十分であるという考え方です。どこにどれくらいの病変があるかわかりませんので、部分切除が可能か否か判断できません。主治医としては、その広がりから全摘を勧めたのかもしれませんが、切除可能なら、部分切除の可能性は模索してもいいのかもしれません。検査の後の出血に関しては、大きな心配はありませんので、そのまま経過を見て下さい。(文責 鈴木)

 

No.9219】  09年10月31日  Y.Y.
胸のしこりについて

現在、乳腺専門の病院に通院しています。検査の過程の中で、不安がいくつかあり、相談させて頂きたく思いメール致しました。
私は現在28歳で、25歳の時に、乳首の裏側に痛みを感じる時が度々あって、子宮がん検診の際に相談したところ、乳腺外来を紹介されました。超音波検査でしこりらしきものがみつかり、その後、マンモグラフィをし、その後、胸に針をさして組織をみる検査をしました(細胞診?というのでしょうか)。「検体不適正」という結果になり、それ以来、半年に一回超音波検査をしに通っている状態です。「少し大きくなってるかもねー」とか、「しこりが気になる? 気になるなら取るけど、どうする?」とか言われるのですが、質問をしても、きちんと説明をして頂けず、今がどういった状況なのか把握出来ていません。「検体不適正」とは、どうい状況なのでしょうか? もし、しこりが悪性で、この成長をみている数年間で悪化しているかもしれない可能性はないのでしょうか? たまに胸がつっぱているような感覚もあり、不安です。かなり初期段階の質問で恐縮ですが、答えて頂ければ幸いです。よろしくお願い致します。

乳腺に出来る腫瘍は、良性の腫瘍が癌化することはありません。最初から、「乳癌」として発生してきますし、「良性の腫瘍」は最初から最後まで「良性の腫瘍」です。ただ、良性でも大きくなることはありますし、他のところに病気が出来ないかとのことで経過をみているものと思います。結果論ですが、3年経って、大きな変化がないのであれば、それは「良性の腫瘍」であるということです。通常は、1年ほど経過を見て変化がなければ、経過を見ることは中止しますので、半年に1回で経過を見ているというのは、逆にいえば好意的かもしれませんよ。「検体不適正」というのは、診断するのに十分な細胞が取れていないとのことです。実際の現場では良く経験することです。これも裏をかえせば、大した細胞が存在しなかった・・と言うことになります。良性の腫瘍でも大きくなることがあり、心配でしょうがないのであれば切除するのも一考かもしれませんが、お顔にできた「ほくろ」を片っ端から取り出すことはしませんので、このまま放置されてはいかがでしょうか・・・。(文責 鈴木)
 

No.9218-1】  09年10月30日  k.m.
腺葉区域切除

初めて投稿します。60歳です。左乳頭より分泌物があり、つい最近、乳管内造影と乳管内視鏡の検査を受けました。その結果、内視鏡での肉眼で見た限りでは、くもの巣所見とのことで、それほど悪くはないとの医師の見立てでしたが、細胞を取った検査では、良性か悪性かの鑑別が困難との検査結果となりました。次の検査となると、乳管腺葉区域切除とのお話がありましたが、肝臓が悪いため、「もう少し経過を見て、12月下旬にエコー検査をしましょう。」と言われています。グレーゾーンということで、これからどうなっていくのか、とても心配しています。腺葉区域切除とは、どのような手術なのでしょうか? 医師はガンと考えてこの手術をしようとされているのでしょうか? 全てが不安です。教えてください。よろしくお願いいたします。

乳房の乳腺組織は腺房という区域的に構築される組織が複数束になったものですから、具体的には乳腺の1/6〜1/8程度を切除するのが区域切除であると考えて良いでしょう。状況としては当該病変領域と思われる部分を切除し、ミルクの通る乳管という管の内部に存在する細胞が癌であるかどうかを顕微鏡で調べることで確定診断を得るということです。(文責 首藤)
 

No.9218-2】  09年11月02日  k.m.
腺葉区域切除(2)

早速の回答有難うございました。再度質問させてください。
1) 精密検査である乳管造影と乳管内視鏡の検査をしたにもかかわらず鑑別困難の診断が出ましたが、通常よく起こることなのでしょうか? 
2) 12月下旬のエコーの結果により、乳管腺葉区域切除が行われると思いますが、区域切除における体への負担はどの程度のものなのでしょうか? 
3) これは乳房温存手術とは違うのですか? 
4) 区域切除手術の結果、万が一、悪性と出た場合は再手術ということになるのですか? セカンド・オピニオンについてはどのあたりでしたらいいでしょうか? 

よろしくご教示お願いいたします。

1)乳管内病変は良性悪性の判断が組織検査の段階でも困難なことがあります。
2)出血量50ml以下、手術時間1時間以内程度です。
3)温存術といった場合には腋窩リンパ節郭清まで含まれるようです。
4)切除断端にがん細胞が露出していないかを組織学的に確認する必要があります。結果により、追加切除の必要性や放射線療法の方法などが決まってくると思います。

 

No.9217】  09年10月30日  I 
H21.3の件で再相談

実家の母(87歳)が、H18.6月に乳癌の手術をしました。呼吸器系の病気があるため、局所麻酔という形で、病巣を切除しました(乳房温存)。できれば、全身麻酔で手術しなければいけなかったのですが、全身麻酔は危険が伴うといわれました。術後、ホルモン剤を服用し、三ヶ月ごとに血液検査をしていました。去年の12月には、MRIもとりました。ところが、2月に手術した右胸に、しこりのようなものがあり、そこから出血しました。受診したところ、本日局所麻酔で切除しました。検査の結果待ちですが、「見て触ったところ癌です。」と言われ、局所再発かもと・・・。高齢なので、そんなに痛みのある治療法はしない方向で、あんまり治療しないようなことを言われました。そんなに末期の症状なのでしょうか。

メールからは温存乳房の乳房内再発ではないかと思われます。生命に関わる全身的転移再発とは、やや異なるのではないでしょうか。(文責 首藤)

 

No.9216】  09年10月30日  Mia
フィリピンでの診断

日本にて10年前に温存療法で右乳房の手術をしました。その後、1ヶ月放射線治療を行い、ホルモンレセプターが陽性であったためにリュープリンを5年間投与しました。その後は定期健診を3年前までしております。その間ずっと手術跡に、2cmと1cmに満たないしこりがありました。それまでは超音波検査にて丸い形をしていました。数年海外で勤務しており、今フィリピンに在住しております。こちらで、たまたまマンモグラフィーを行ったところ石灰化が見られ、超音波にてイレジュラーボーダーと診断され、しこりが変形しており、次の検査へということになりました。しかし、その時点で医師は9割ガンだと判定しています。4名の医師です。しかし、細胞診をしてみると放射線の影響/FIBROSISで、腫瘍でないという結果が出ました。日本の医師は放射線の影響とは言っていなかったです。線維腺腫でしたら、ガンに変わることはないという情報があります。病理学者は問題ないと言いますが、外科医は100%確実ではないので生検を薦めています。細胞診の検査結果を信じるのも良いが、この塊を取ってしまった方が100%安全だといいます。もし、このしこりがガンに変わることが無ければ、体に負担をかけてまで取る必要はないと思います。これは残しても問題ないのでしょうか? それとも外来手術で取った方が望ましいのでしょうか? 最近、このしこりのせいか傷口が引きつる事もあり、細胞診の影響なのか痛みも多少あります。すぐに日本に戻れないので不安です。以上、宜しくお願い致します。

温存乳房内に石灰化を伴った肉芽組織ができることは良くあります。放射線療法を行わなかった場合にも同様な肉芽組織形成がみられることがあります。これらは癌再発とは無関係です。メールからは肉芽組織をみている印象を受けますが、100%の確定診断を追求するのであれば、確かに切除することがベストでしょう。(文責 首藤)

 

No.9215】  09年10月28日  A.S
経過観察は半年毎で問題ないのでしょうか?

宜しくお願いいたします。今日は妻の事でご相談させていただきたく投稿いたしました。妻は32歳、出産経験ありです。今年の6月頃に左の乳首をつまむと赤黒い分泌物が出たため、乳腺科のある地元の個人医院にて診察を受けました。触診、超音波検査とマンモグラフィーを実施し、分泌物細胞診の後、後日別の総合病院にて手の平から造影剤を注入してMRIを受けました。触診ではしこり等は触れず、マンモグラフィーでは微細な石灰化があるものの非常に小さく、写真にルーペを当てて、ようやくわかる程度だったそうです。MRI検査の後、乳管内乳頭種の可能性が高いとの事で、以降半年毎の経過観察で変化が出てきたら考えましょうと言われました。ですが、もし乳がんだったらという不安が頭から離れません。そこでお伺いしたいのが、今回は分泌物の細胞診以外は画像診断のみでしたが、それのみをもって乳頭腫の可能性が高いと判断できるのでしょうか? また、経過観察は半年毎で問題ないのでしょうか? お忙しいところ申し訳ございませんが、是非アドバイスをいただければと存じます。宜しくお願いいたします。

画像診断専門医(プロ)が画像を読影し、そのうえで乳頭腫の可能性が高いと判断されたのだと思います。画像上良性と考えられるのでしたら、半年後の再診は納得のゆくところです。(文責 首藤)

 

No.9214】  09年10月28日   N
乳癌相談 2 (HPNo.9212-2)

早速、丁寧な返信ありがとうございました。
再度、下記について相談ですが、私の場合、化学治療が臨床試験の為(ドセタキテルとハーセプチンを同時投与)、温存手術をしたものの、FEC4+ドセタキテル4+ハーセプチン18の後に放射線をすることになっていましたので、放射線治療は行っていません。
先生にお尋ねしたいのは、今すぐの治療は、やはり乳房全摘手術なのでしょうか? 情報などによると、炎症性乳癌の場合、手術をすぐするのは好ましくないように見受けられます。今の主治医からは、全摘手術後、胸壁放射線、その後、ハーセプチンは効かなかったので(10回投与済み)新薬の投与を考えていると言われました。HPNo.9212でのご回答の、全身転移の一つとしての治療というのは、手術はなしで、先にハーセプチンと抗がん剤を主体とした治療という考えというものでしょうか?
お忙しいと思いますが、どうぞ宜しくお願いします。過去は振り返らず、今は、これから前向きな治療を受けられることを信じて頑張りたいと思います。(33歳)

乳房内再発を全身転移の一つの症状として考えるのであれば、手術を先送りして化学療法や分子標的治療を先行させることもよいのではないでしょうか。ハーセプチン抵抗性と考えるのでしたら、ラパチニブ(商品名タイケルブ)の使用も選択肢の一つでしょう。よく担当医とご相談ください。(文責 首藤)

 

No.9213】  09年10月26日   K 
アロマシンの服用期間について

平成16年8月に左側全摘のOpeをしました。ガイドラインに沿った化学療法をして、17年5月からアロマシンを服用しています。術後5年経過したので、アロマシン服用をそろそろ止めようとDr.より云われましたが、今止めたら、5年未満の服用期間となることに、とても不安があります。リンパに転移していた為、又、病理検査の結果、悪性度も高かったので、薬を止めるのがとても不安で、できたらずっと服用を続けたいと思っています。5年以上続けても意味は無いのでしょうか。少しでも良い可能性が有るのなら、服用を続けたいと思っています。よろしくお願いします。

ホルモン療法に関しては、現在のところ標準的には5年の内服です。閉経後の患者さんでノルバデックス5年後にアロマターゼ阻害剤を5年という治療法がありますが、最初からアロマシンを内服されているので、今回は5年の投与で終了です。ホルモン療法に関しては、まだまだわからないことも多く、最初に使う薬剤、いつまで使うなど・・・です。最近では10年以上の長期に治療も考えられていますが長期に使った時の副作用の問題も懸念されます。5年経って再発がないということは、逆に再発のリスクは下がっているのですから、あまり心配されずに5年で終了してよろしいかと思います。(文責 鈴木)

 

No.9212-1】  09年10月26日   N
乳癌相談

はじめて相談させていただきます。昨年の10月後半、温存手術をし、FEC4クール、ドセタキセル4クール、ハーセプチン投与中の今、細胞診の結果、乳房再発が確認されました。3ヶ月前から乳房の下の部分が硬く腫れていき、それが全体に広がった状態で、4箇所、組織を取った全てに悪性の診断が出ています。炎症性乳癌だと自己診断しているのですが、主治医はまだ確定できないといっており、今後、手術で取り除き、胸壁放射線をする予定だと言っています。元の病巣は、ホルモン受容体共にマイナス、HER2+3 悪性度3 リンパ転移ありと、悪性の強いものでしたので、胸の状態をみても炎症性乳癌と診断していいのではないかと思いますが、いかが思いますか?
ハーセプチンが効いていなかったいうことだけは確定しているようですが、延命を考えると、すぐにでも治療をしないといけないと思っていますが、今の病院では、3ヶ月前から異常を訴えていたにもかかわらず相手にされず、結果こんな状態になった為、信用がもてず転院を考えています。
炎症性乳癌をふまえて、私のような病状な場合、どのような病院で治療をうけるのが最適でしょうか? 同じ臨床を扱っているような病院や大学病院のほうがよいのでしょうか? 九州の福岡でお勧めの病院はありますか? やはり再発、炎症性乳癌で、ハーセプチン、抗がん剤も効かなかったということで、今後、治療法は、ほとんどないと考えるべきでしょうか? 長くなりましたがどうぞよろしくお願致します。

内容を拝見すると、炎症性乳癌型の再発の可能性が高いものと思われますが、ハーセプチンを基本とし、その他の抗癌剤を併用する治療法もありますし、最近では、ハーセプチンと同じような作用機序を有する経口の薬剤も出てきましたので、たくさん治療法はありますから、あまりnegativeになりませんように。3ヶ月前から、ということですが、これは難しくて、その時点で病気はあったのかもしれませんが、診断がつけられるかどうか・・・は疑問です。やや固くて・・というだけでは、術後の変化かもしれませんし、なんとも言えません。酷な話ですが、振り返ってもしょうがありませんので、これから先に、いかにしっかり治療するかだと思います。
まず、手術から放射線ということですが、最初の温存術後に放射線はあてていないのでしょうか?もし、照射していないのであれば、術後の照射は選択肢だと思いますが、そもそも、温存術後は放射線照射が必要な治療ですので、そこで照射していないというのは、最初の治療に疑問を感じます。もし、最初に照射していたのであれば、再度、照射することは、毒性の点から、あまり勧められず慎重になられてほうがいいかもしれません。それよりは、ハーセプチンと抗癌剤を主体にした治療法がいいのもしれません。私であれば、術後早期の再発で、それなりに悪性度が高く、ハーセプチンの投与中に出てきたのであれば、全身再発のひとつとして治療をするかもしれません。いずれにせよ、よく相談された上で頑張って治療して下さい。病院に関しては、個別の名称は避けさせて頂きます。一般的に、癌センターなどが宜しいのではないでしょうか?(文責 鈴木)
 

 

No.9212-2】  09年10月28日   N
乳癌相談(2)

早速、丁寧な返信ありがとうございました。
再度、下記について相談ですが、私の場合、化学治療が臨床試験の為(ドセタキテルとハーセプチンを同時投与)、温存手術をしたものの、FEC4+ドセタキテル4+ハーセプチン18の後に放射線をすることになっていましたので、放射線治療は行っていません。
先生にお尋ねしたいのは、今すぐの治療は、やはり乳房全摘手術なのでしょうか? 情報などによると、炎症性乳癌の場合、手術をすぐするのは好ましくないように見受けられます。今の主治医からは、全摘手術後、胸壁放射線、その後、ハーセプチンは効かなかったので(10回投与済み)新薬の投与を考えていると言われました。HPNo.9212でのご回答の、全身転移の一つとしての治療というのは、手術はなしで、先にハーセプチンと抗がん剤を主体とした治療という考えというものでしょうか?
お忙しいと思いますが、どうぞ宜しくお願いします。過去は振り返らず、今は、これから前向きな治療を受けられることを信じて頑張りたいと思います。(33歳)

乳房内再発を全身転移の一つの症状として考えるのであれば、手術を先送りして化学療法や分子標的治療を先行させることもよいのではないでしょうか。ハーセプチン抵抗性と考えるのでしたら、ラパチニブ(商品名タイケルブ)の使用も選択肢の一つでしょう。よく担当医とご相談ください。(文責 首藤)

 

No.9211】  09年10月26日   サエコ
NCC−439について

以前、何度かご相談させていただいております。お世話になります。
今回は、NCC−ST439の数値についてなのですが、以前に相談されている方のメールを拝見しますと、「誤差の範囲なので心配ないです。」との回答を頻繁に拝見します。一体どの数値までが誤差の範囲なのでしょうか?また、なぜ誤差が生じるのでしょうか? また、どのような場合に、この数値が上昇するのですか?

腫瘍マーカーですが、あくまでも乳癌特異的(乳癌だったら、必ず上昇し、上昇したら必ず乳癌を疑う)というものではありません。あくまでも、他の画像所見、症状と勘案して判断します。NCC-ST-439も、元は、胃癌のマーカーで発見、同定されたもので、ほかの消化管癌、慢性肝炎、胆道疾患などの良性疾患でも上昇します。腫瘍マーカーは、その日、その日で値が違いますし、同じ日のなかでも若干の違いがありますので、誤差範囲という言葉がでてきます。その他の所見と併せて、考えれば宜しいと思います。(文責 鈴木)

 

No.9210】  09年10月23日   M
術後治療について

今回がん治療の件でご意見をいただきたく、Mailしました。手術はアメリカにて9月、右全摘Implant同時再建で、しこり9mm、センチネル摘出・リンパ転移無しでした。私は40歳、出産経験なし、閉経前。30年前、母が40歳で乳がん発症、9年後、肝転移で死亡しています。OncotypeDXというTest結果を元に、DRからは、Testによるとキモ(2週間毎4回)・ホルモン療法(Tamoxifen5年)をするのがBestだが、どうするか考える様に言われました。Test結果は、Recurrence Score 14, 左乳房再発率9%、ER/PR Scoreそれぞれ10/8.1で、共にPositive、HER2は9.6でNegativeでした。 リンパ転移もなかったし、必須でない限りキモは避けたいのですが、ホルモン療法は必須でしょうか? 全身の微小転移の可能性を考慮してキモもするべきでしょうか? Drはキモで再発率が9%から4%程下がると言います。するに越した事はないのですが、その程度の効果なら、キツイ副作用を我慢してまでキモをするのに大変抵抗があり迷っています。又、もしホルモン療法をする場合、Temoxifen5年より、2−3年後別の薬に変える方が再発リスクが下がるのですか? 先生のご意見を宜しくお願いします。

OncotypeDXの検査が出来る状況であることを大変羨ましく思います。
さて、今後の治療ですが、主治医が再発リスクの軽減効果を数字でだして頂いていますので、9%が4%に低下することを、ご本人がどのように考えるかで決めれば宜しいと思います。9%から4%では大してメリットがない、私は、自分で体調管理をして、身体を動かして病気を克服する・・・これも選択肢でしょうし、9%が8%に下がるだけでも治療を行う方もいらっしゃるでしょう。決して化学療法は必須なものではありません。治療しても再発する方、再発リスクが高いにもかかわらず、治療しないでも再発しない方がいます。あくまでも、数字は統計的な数字ですので、絶対・・はありません。あくまでも再発の予防の治療だということはご理解下さい。
ホルモン療法は治療を始める前に、閉経前か閉経後なのかを確認して治療法を選択します。閉経前であればタモキシフェンの5年投与で大丈夫です。閉経後の場合には、タモキシフェンを5年内服するより、タモキシフェンを2-3年内服後に、アロマターゼ阻害薬を3-2年(計5年)投与する方が、再発リスクは軽減します。(文責 鈴木)

 

No.9209】  09年10月23日   T
姉の乳がんについて

私の姉の乳がんについて相談させていただきます。私の姉は2か月ほど前に乳がんと診断され、3日前に入院、今日手術を受けました。早期発見ということで、転移はしていないだろうということでしたが、手術中の検査で、脇の下のリンパ線にガン細胞が見つかりました。リンパ線ということなので、リンパの流れにそって遠隔転移してしまうのではないか?という疑問をもっているのですが、精密な検査は3週間かかるといわれました。なんとでも遠隔転移は避けたいのですが・・・、実際、リンパにガンが発見されてからどのくらいの期間で遠隔転移はおきてしまうのでしょうか? また、その確率はどのくらいでしょうか・・? そして、一度リンパに転移してしまった後に完治することはありえるのでしょうか? 非常に心配しています。

乳癌は、一般的に全身に飛んでしまう前に、脇の下のリンパ節に転移します。もちろんリンパ節だけにとどまり、全身に飛んでいないこともありますが、統計的にリンパ節に転移していた乳癌のほうが、再発率が高く、生存率も低下するというデータがありますので、リンパ節にとんでいると、再発だ、遠隔転移だ、ということが話題になるわけです。再発率に関しては、乳癌そのものの特徴(大きさ、ホルモン感受性、HER2蛋白など —これは手術で摘出した病変を病理学的に検査し確認します— これの結果が揃うのに3週間かかります)を総合的に判断しますので、現状では明確な答えが出ません。
リンパ節に飛んでしまうと治らない?とのことですが、リンパ節だけにとどまっていれば治る確率は高いでしょうが、目に見えない細胞が飛んでいる場合には、その可能性は低くなります。いずれにしても、抗癌剤、ホルモン療法、抗体療法などの再発予防の治療は必要になるでしょう。いまの状況ではなんとも言えません。われわれとして手術中に行うべき事は行ってきましたので、あとは結果を信じましょう。(文責 鈴木)

 

No.9208】  09年10月23日   S
母親の胸のしこりについて

ご相談したいことがあり、初めてメールをさせて頂きます。ただ、私自身のことではなく、母親のことですので、どこまで正確に症状について申し上げられるかは分かりません。また、あまりこういった知識がないので、よくわからないご相談文になってしまうかもしれませんが、ご了承下さい。ご相談したいのは、私の母親のことです。

○3年程前から、左胸にシコリのようなモノがあり、現在ではシコリがかなり肥大し、結果、右胸の倍以上の大きさまで左胸が肥大しております。
○慢性的にかゆみがあるということもよく言っています。
○シコリ部分が、赤みを帯びているのが、目視でわかります。
○また、一時、左胸から薄めの血のような茶色っぽい液体が出ていました。現在は、その液体はでていないとのことです。
○今年で50歳。
○出産は年齢=27歳。
○月経=45歳位の時に閉経。
○親族に癌を患った者はおりません。
○身長168cm /体重75kg(食事制限をし、10kg程痩せたようです。ですので1年程前迄は85kgはありました。)

本人に何度も病院へ行くようにと説得はしたのですが、どうしても説得に応じてくれません。本人の嫌がる理由は以下の通りです。
1) 乳房を切除しなければならない状態になるのが嫌だという理由。
2) 母親自身が自分の症状を書籍やインターネットなどで調べてみた結果、良性の腫瘍(乳房疾患?)だと自己結論をだした。
3) 今年の4月に一般的な健康診断を受診し、左胸を視触診してもらった医師に、「専門的な病院を受診したほうがよい」と言われたものの、血液検査や、レントゲン検査で異常がなかったということ。

たしかに、私から見ていても、胸の異常以外には、食欲も旺盛で、活動的に行動していますし、健康な状態にあるようには見えます。しかし、癌であったとしても、違っていたとしても、一度専門の病院で検査をし、何らかの治療をするのが当たり前なのですが、本人の意思が固く、なかなか病院への受診に結びつきません。母親が言うように良性の腫瘍(乳房疾患?)なのでしょうか? これだけの少ない情報で申し訳ないのですが、母親の状態について、どういう状態にあるのか、どんなことでも良いのでご教示いただければ、嬉しく思います。ご回答の程、よろしくお願い申し上げます。

恐らく、葉状腫瘍というものかと察しますが、これは、腫瘍の特徴で、良性、中間、悪性に分類されます。よって、悪性の葉状腫瘍であれば、転移もしますし、再発もあります。これは手術により病変を切除し、病理学的に検討して答えが出ます。手術としては、小さい内であれば腫瘍だけを取り除くのでいいのですが、現状であれば乳房の切除は必要となることが予想されます。
もしくは、おとなしいタイプの乳癌の可能性も否定できません。いずれにせよ、早急に乳腺外科の受診を勧めます。いずれ、皮膚から腫瘍が顔を出して、出血したり、感染したりし、にお臭いを伴うようになることが予想されます。そうなると、日常生活に制限がでますので、早いうちに・・・。ただ、ご本人の病気ですし、ご本人の人生ですから、そこまで頑固であれば、好きにさせるというのもありかもしれませんが。(文責 鈴木)

 

No.9207】  09年10月23日   M
EFC療法(HPNo.8941-2)

以前HPNo.8941で質問をさせていただきました。いつも、わかりやすく説明していただき、ありがとうございます。
36歳の姉、充実腺管癌、トリプルネガテイブで、グレード2から3、腋かリンパ節、胸骨傍リンパ節にも転移があり、術前化学療法中です。現在、EFC療法6クールめが終わり、来週中にPETをやる予定です。4クール終了時のMRIでは、胸のしこりは、繊維がのこっているように写っている。腋のリンパはまだ画像上にある状態でしたが、今の薬がとても効いているため、あと1から2回今の薬を使うか・・・ということを、主治医の先生から話がありました。ただ、体への負担が大きくなるため、まだはっきりと決まっていないようです。
1) EFC療法は最大何回まで使えるようになっているのか質問をさせてください。
2) また、もし副作用が強く出た場合、今後、手術や他の抗がん剤が使えなくなってしまうのでは・・・と心配しているのですが、EFCを多く使うことに対しての欠点は、ほかにもありますか。
3) EFC療法をこれで終了した場合は、タキソールかタキソテールの治療へ移る予定です。次に治療にうつってしまった場合、もし効果が見られなかったときに、EFC療法へ戻るということはできないのでしょうか。

まとまりのない文章で申し訳ありませんがよろしくお願いします。

FEC療法で用いる、E(ファルモルビシン)は、心臓への毒性があり、心臓の収縮力が低下します。この毒性は、不可逆性といって、ひとたび起こると治りませんし、命にかかわる事態に発展します。これは、回数が増す毎に(Eの総投与量が増える毎に)そのリスクが増し、特に7-8回目くらいになると、そのリスクが急増しますので、薬剤の効果があっても、ある程度で見切りをつける必要があります。ですから、強い副作用が出た時(心臓の収縮力が低下した時)には、手術とか、次の抗癌剤とかいう状況すら考えられない事にもなり得ます。ここは、あと1-2回で終わって、次の治療法に変更することをお勧めします。ただ、回数よりEの総投与量が問題ですので、主治医とよくご相談下さい。次の治療法に変更し、その効果が乏しい時に、今一度FECを・・・ということですが、これは上述の理由により、基本的には使えません。あまり、期待の無い話で申し訳ありませんが、あくまでも安全に抗癌剤を行うことも必要ですので、ご理解下さい。(文責 鈴木)

 

No.9206】  09年10月21日   Y 
CA15-3(HPNo.9200-2)

HPNo.9200の続きです。何度も申し訳ありません。術後10年で、ステージはUbだったと思いますが、ホルモン療法が良く効くとかで、放射線後ノルバテックス5年服用して、2年間無治療後今までアリミデックスを服用しました。CA15-3の数値は次の通りです。(平成13年11月 19.4、 14年3月 16.6、 14年5月 16.1)
途中不明ですが、アリミデックス服用後徐々に上昇し、ここ数年は28前後でした。(21/1 31.7、 21/3 33.6・・・この時点で、4大検査実施で異常なしでした。 21/4   29.4、 21/5 29.3、 21/7 31.9、 21/9 34.1) 21/10 先日血液検査実施し、12月に検査結果がわかります。この検査結果を見て4大検査を実施しましょうということになりました。

1) 毎年の変化を見ると、「私の正常値」が20前後から30前後に変わっただけで、楽観的に考えていいでしょうか?
2) アリミデックス服用後数値が上がっていますが、アリミデックスの影響はありますか?
3) 再発転移の場合のマーカーの上昇は、どういう傾向でしょうか?

アドバイスいただけると幸いです。

No.9200でも返信されていますように、腫瘍マーカーは、上がり下がりしますので、あまり振り回されないほうがいいのではないでしょうか? 今後の経過の中で、上昇傾向であれば、検査をしてみれば良いと思います。正常値の幅と考えては? またアリミデックスの影響は少ないと思われます。あくまでも腫瘍マーカーは一つの目安とすべきで、腫瘍マーカーの上昇だけで再発を確認するものではありません。再発病変があってもマーカーの上昇しないことは良く経験します。上述しましたように、もともと、術前も術後も正常値であったマーカーが上昇傾向にある場合、また術前にマーカーが高くて、術後にマーカーが低下したものの、マーカーが再上昇した場合などは、病変が現れているかもしれませんので検査は必要でしょう。3月に検査をして異常はなかったのですから、ご自身のマーカーの正常値が、これくらいな物と理解してはいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.9205】  09年10月21日   M・S
検査方法について

お世話になります。約5年前に、左乳房温存手術を行い、その2年後に、左腋の下リンパ節に癌細胞が確認されました。リンパ節9つ切除した後、8回に渡る抗がん剤(FECX4、タキソテールX4)投与をしました。現在ノルバデックスを毎日服用して、1年10ヶ月経過しました。(1年前には、胸部レントゲン、腹部エコー検査を実施し、異常なし。) 最近、左肩甲骨付近に神経痛のような痛みがあります。どのような転移が考えられるか、またどのような検査が適切でしょうか。アドバイスをお願いします。

乳癌は、骨、肺、肝臓、脳に転移することが多い病気ですが、肩甲骨の周囲ということであれば、骨、頸部から脇の下のリンパ節などが可能性としては考えられるかもしれません。その他、肺への転移も可能性として挙げられます。骨シンチ、エコー、胸部CTなどが有用だと思います。(文責 鈴木)

 

No.9204】  09年10月21日   M.O
乳頭分泌について

45歳。マンモグラフィと視触診で異常なしと診断されました。その際、右の乳頭から分泌物が出たのですが、「この位なら大丈夫でしょう。今後自分でチェックする時気を付けて下さい。」と言われました。その時、どの位出ているか見ていなかったので、帰宅後確認した所、ぎゅっと押すと、一箇所から黄色い分泌物が出てきました。押し続けると2、3o位になり、数回押して出した後止まったのですが、どの位の量や期間、またどのような場合に病院に行った方がよいのでしょうか。また何故このような分泌物が出るのでしょうか? 思ったより分泌物が多く、不安になり、ご相談しました。よろしくお願いします。

もともと乳管内には少量の分泌物を含んでいます。その量が少し多くなると乳頭分泌としてでてきます。ですから乳頭分泌そのものは異常な現象ではありません。乳頭分泌は一般的には生理前に多くなることが多いです。 分泌物は通常は透明から少し黄色もしくは薄い乳白色のことが多いです。 ですから黄色い分泌物であれば原則として異常なものではないと思います。赤色もしくは黒色の分泌物(血性分泌)の時は病院受診が必要です。それ以外であれば原則として心配ないのですが、心配であれば病院を受診して検査をしてもらってください。貴女はマンモグラフィー検査を受けているようですが、受けていない方は、そのような機会に検査を受けることをお勧めします。(文責 清水)

 

No.9203】  09年10月21日   KY
術後ホルモン療法について

いつも大変参考にさせていただいております。術後のホルモン療法について質問がございます。
48歳です。8月に右乳房部分切除で手術をし、病理の結果は、「充実腺管がん、浸潤部分の腫瘍径1.0×0.7、断端陰性、リンパ管・血管侵襲なし、ER/PgRともに強陽性、HER2陰性、グレード1、リンパ節転移ゼロ」でした。術後の治療としては、放射線とホルモン療法ノルバテックスのみ5年間という提案で、現在、放射線とノルバテックスのみで治療しております。
1) ノルバテックス単独でなく、ノルバテックスとゾラデックスを併用した方がよいのでしょうか? ノルバテックス単独の場合とノルバテックス+ゾラッデックスの場合の、5年および10年の生存率(無病と無病でないもの)と再発率をお教えください。
2) もしゾラデックスをプラスする場合、手術後ほぼ2ヶ月が経過してしまいましたが、これからやっても問題はないでしょうか?
3) 手術前、手術を待つ間、術前ホルモン療法を行いました。その時は、ノルバテックスとゾラデックスを使用しましたが、3ヶ月という期間だったためか、しこりは殆ど小さくなっておりませんでした(2.1cmが1.8cmになりましたが、これは計測の誤差の程度と思われます)。術前でホルモン療法が効いていなかったということは、術後もホルモン療法は効かないということになるでしょうか??

どうぞよろしくお願い申し上げます。

1) 貴女のデータをAdjuvant Onlineに入力してみると、術後無治療で10年生存率95%, 多病死4%、乳癌による死亡率1%で、ノルバデックスを内服した時の乳癌による死亡率の減少効果は1%以下、ゾラデックスの併用でも同じ1%以下でした。
2) 術後2ヶ月後からでも問題ありません。
3) ホルモン療法の効果は3ヶ月では判定できません。ですから、効くとも効かないともいえません。しかし、ER/PRが強陽性ですから、効果はあるはずです。(文責 清水)

 

No.9202】  09年10月21日   A
非浸潤癌

33歳、1歳半の子供がいます。2週間後に左胸全摘手術をひかえています。
9月上旬に乳腺クリニックにかかり 超音波で見ていただき、マンモトームで2ヶ所とり、非浸潤と結果がでました。しかし、しこりの大きさが縦に5センチほどあり、乳首の方まで広がっているとのこと。こちらでは細かい検査ができないとのことで、医療センターを紹介して頂きました。医療センターでも針生検(ガシャンと音が出るもの)で前回と違う場所から3箇所とり、非浸潤と結果がでました。調べると非浸潤がんはしこりを作らないと書いてあるので不安です。しこりが大きくても非浸潤のようなことはありますか? 術後の病理結果で浸潤部分があるかもしれないと、主治医から言われています。その場合、どのくらいの部分で浸潤があると思われますか? 毎日不安で仕方ありません。よろしくお願いいたします。

”しこりが大きく触れても非浸潤癌であった”ということもあります。どのくらいの部分に浸潤があるかは、切除した乳房を隅から隅まで検査して初めてわかることなので、手術後でなければわかりません。しかし、合計4カ所違う場所から生検して全て非浸潤癌であったということであれば、浸潤があったとしても、そんなに広範囲だとは想像しません。まずは無事手術を終わらせ、その結果を待ちましょう。(文責 清水)

 

No.9201-1】  09年10月21日   K
乳頭からの分泌物について

23歳です。お忙しいところ申し訳ありません。初めて質問します。けっこう前から、左右両方の乳頭から透明の分泌物の跡が下着に残っています。いつも、下着には乳頭の場所に、乳頭よりもちょっと大きく丸く広がるように分泌物の跡が残っています。そして、なぜか右側の乳頭がかゆくなります。妊娠も経験ありません。これは何なのでしょうか。

もともと乳管内には少量の分泌物を含んでいます。その量が少し多くなると乳頭分泌としてでてきます。ですから乳頭分泌そのものは異常な現象ではありません。乳頭分泌は一般的には生理前に多くなることが多いです。若い人の中には、その分泌物にかぶれて乳頭にかゆみが出たり、びらんが生じたりすることがあります。そのような場合は病院を受診することをお勧めします。分泌物は通常は透明から少し黄色もしくは薄い乳白色のことが多いです。但し、その分泌物が血性(赤かったりどす黒い色をしている時)の時は、乳癌、乳管内乳頭腫などの可能性がありますから検査が必要です。(文責:清水)

 

No.9201-2】  09年11月19日   K
乳頭からの分泌物について(2)

以前も相談しましたが、 ただ、特に、生理前だから多いとかはなくて、毎日同じところに同じように跡が残っているようです。特に血は出てないですが、毎日出てるのは異常でしょうか。病院に行ったほうがいいのか迷っています。ただ、地元の乳腺科では、分泌物は細かく調べないとわからないので、いきなりマンモグラフィや細胞針をやらないとだめだと電話で相談したら、いわれて、ちょっと疑問に思いました。かゆみは皮膚科では相談できるかわかりませんが・・・。

ご質問どうもありがとうございます。私たちの外来でも日常的に乳頭分泌物をご心配されて受診される方はいらっしゃいます。乳頭分泌物が毎日でている場合には、念のため分泌液の検査やマンモグラフィー、そして乳腺エコーをおこなっています。ホルモンバランスにより乳頭分泌がでることが多いのでまず心配ないとは思いますが、ご心配ごとは一歩踏み出して解決していったほうが良いですよ。検査の結果、「大丈夫です。」と言ってもらえれば安心なのですから。明日お近くの乳腺外来へお電話してみてください。決してこわいところではありませんからね。またご心配なときにはいつでもおいでください。(文責 高橋)

 

↑ ページ先頭へ戻る