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相談室(No.9301〜9400)

このページ9は乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

ご相談メールの投稿はこちらからお願いします。

なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

9400 10/02/16 ポポ リュープリンについて 鈴木
9399 10/02/16 こっぺ  抗がん剤ACの有効性について 鈴木
9398 10/02/16 G 乳房の痛み 鈴木
9397 10/02/16 E.O. マンモグラフィーの検査結果について 鈴木
9396 10/02/16 A  再検査になりました 鈴木
9395 10/02/16 M.K. 乳がん手術後の治療方針について(2) (HPNo.9361-2) 鈴木
9394 10/02/16 Y.N ホルモン療法中のサプリメントについて(HPNo.5979-4) 鈴木
9393 10/02/15 ゆき リュープリンの投与について 鈴木
9392-1
9392-2
10/02/15
10/03/07
H.M.  炎症性乳がんの治療法について
炎症性乳癌の治療法について(2)
鈴木
高橋
9391 10/02/15 N.K.  手術時期について 鈴木
9390 10/02/15 R.M. 非浸潤性乳管癌です 鈴木
9389 10/02/15 E.Y. 手術前の転移予防的治療について 鈴木
9388 10/02/10 TM 再発率と死亡率について(HPNo.9372-2) 清水
9387 10/02/10 T  抗がん剤治療について(2)(HPNo.9370-2) 清水
9386 10/02/10 R.M 今後の治療について 清水
9385-1
9385-2
10/02/10
10/02/18
K.T. 鎖骨上リンパ節転移の治療について
鎖骨上リンパ節転移の治療について(2)
清水
首藤
9384 10/02/10 S  癌だと言われました 清水
9383 10/02/10 Y  Her2について 清水
9382 10/02/10 O 背中の痛みについて 清水
9381 10/02/10 F   CEA数値の上昇と温熱療法 清水
9380 10/02/10 抗がん剤治療のポートについて(HPNo.8986-2) 清水
9379 10/02/10 N  術後の病理検査と今後の治療について(2)(HPNo.9360-2)  清水
9378 10/02/10 K.O. リンパに転移があるといわれました 清水
9377 10/02/10 N 術後検診について 清水
9376 10/02/09 M  再手術の期間について(HPNo.9336-2) 上島
9375 10/02/08 E.Y.  えくぼ症状、ひきつれについて 清水
9374 10/02/08 K 乳がん肺転移について 清水
9373 10/02/08 M  今後の治療について 清水
9372-1
9372-2
10/02/08
10/02/10
TM  現在の病状について
再発率と死亡率について
清水
清水
9371-1
9371-2

9371-3
9371-4
10/02/08
12/01/05
12/05/07
12/12/25
Y,K ホルモン療法について
今後の治療について
マーカー上昇について
子宮体癌
清水
清水
清水
鈴木
9370-1
9370-2
10/02/08
10/02/10
T  抗がん剤治療について
抗がん剤治療について(2)
清水
清水
9369-1
9369-2
10/02/08
10/03/28
M.S.  乳管ガンの治療法について
非浸潤癌のトリプルネガティブ
清水
徳田
9368 10/02/08 M  最終確定結果(2月10日)を待っています 清水
9367 10/02/08 M.N. センチネルリンパ節生検後の腋の痛み 清水
9366 10/02/04 T  検査結果の説明について 清水
9365 10/02/04 G 乳癌の術後療法について 清水
9364 10/02/04 I 線維腺腫の細胞診について(HPNo.9354-2) 清水
9363 10/02/04 K 右乳首のしこりについて 清水
9362 10/02/04 H.T. 今後の治療について 斎藤
9361-1
9361-2

9361-3
9361-4
9361-5
10/02/04
10/02/16
10/03/03
10/03/15
10/04/01
M.K.  乳がん手術後の治療方針について
乳がん手術後の治療方針について(2)
乳がん手術後の治療方針について(3)
乳がん手術後の治療方針について(4)
乳がん手術後の治療方針について(5)
斎藤
鈴木
高橋

浜口
9360-1
9360-2
10/02/04
10/02/10
N  術後の病理検査と今後の治療について
術後の病理検査と今後の治療について(2)
斎藤
清水
9359 10/02/04 K.T マンモトーム生検の結果(HPNo.9345-2) 斎藤
9358 10/02/04 T  手術法の選択について 西川
9357 10/02/01 H ホルモン治療を受けるべきですか? 河原
9356 10/01/30 M 乳房の痛みについて 斎藤
9355 10/01/30 S  治療の選択 斎藤
9354-1
9354-2
10/01/30
10/02/04
I  線維腺腫が見つかりました
線維腺腫の細胞診について
斎藤
清水
9353 10/01/30 ナナ 右胸の違和感 斎藤
9352 10/01/30 S.K.  母の胸のしこりについて 斎藤
9351 10/01/29 C  ホルモン治療中のセックスについて 斎藤
9350 10/01/29 M,T 全摘か温存で迷っています 斎藤
9349 10/01/29 A.H. 放射状瘢痕と診断されました 斎藤
9348 10/01/26 H   ホルモン治療について 緒方
9347 10/01/26 K. 肺転移 緒方
9346 10/01/26 T  体調不良 緒方
9345-1
9345-2
10/01/26
10/02/04
K.T マンモトーム後について
マンモトーム生検の結果
浅川
斎藤
9344 10/01/26 T.I  アリミデックス服用中の口内異常について 矢吹
9343 10/01/26 リー 葉状腫瘍なのでしょうか?治療法は? 川本
9342 10/01/24 よっち ノルバディックス錠 緒方
9341 10/01/22 B 妻の乳がん治療について 清水
9340 10/01/21 B TAC療法 加藤
9339 10/01/21 H アロマターぜ阻害剤について 緒方
9338 10/01/21 T  腫瘍マーカーの数値について 緒方
9337 10/01/20 N.S のう胞とは? 加藤
9336-1
9336-2
10/01/20
10/02/09
M  乳癌の術後1ヶ月で、また「再手術」と「新たな腫瘍」発見で悩んでいます
再手術の期間について
久保内
上島
9335 10/01/20 F 腺維線腫か葉状腫瘍か? 久保内
9334 10/01/20 Y.T. 今後の治療について 久保内
9333 10/01/18 N  非浸潤性乳がん 加藤
9332-1
9332-2
10/01/18
10/02/27
A・M 術後の化学療法からの転院
続・化学療法について
加藤
須田
9331 10/01/17 F  術後治療について 久保内
9330 10/01/17 C・T 乳がんの骨転移の確率 久保内
9329 10/01/17 U ホルモン治療をしないという選択は可能? 久保内
9328 10/01/16 M.Y.  術後の心配ごと 久保内
9327-1
9327-2

9327-3
10/01/16
10/03/15
15/06/19
S  抗エストロゲン剤の選択肢について
抗エストロゲン剤変更後の不安について
抗エストロゲン剤5年服薬後の追加5年投薬について
久保内

須田
9326 10/01/14 KS  術後の運動について 久保内
9325 10/01/12 M・K 胸のしこりについて 加藤
9324 10/01/12 T  脂肪のかたまり 加藤
9323 10/01/08 まい 影=癌なのでしょうか? 石山
9322 10/01/08 TK マンモトーム生検(HPNo.9317-2) 石山
9321 10/01/08 Y.H. 人間ドッグ 乳がん検診結果 石山
9320 10/01/08 肺転移 今後の治療方法について 石山
9319 10/01/08 乳首から乳汁が出ます 石山
9318 10/01/07 H.H. 良性と言われていたのに悪性でした 石山
9317-1
9317-2
10/01/07
10/01/08
TK マンモグラフィーの結果について
マンモトーム生検
石山
石山
9316 10/01/07 浸潤性小葉癌 石山
9315 09/12/29 cocky 針生検の結果について 石川
9314 09/12/29 N・O ノルバデックス遺伝子検査 石川
9313 09/12/29 k m  脳MRI検査(2) (HPNo.9305-2) 石川
9312 09/12/29 M.E. 妊娠中のしこりについて 石川
9311 09/12/27 乳がん検診結果について 石川
9310 09/12/27 TM ホルモン療法について 石川
9309 09/12/25 YN   乳頭異常分泌とかゆみについて 石川
9308 09/12/25 K.T 健康診断の結果後の精密検査 石川
9307 09/12/25 H  乳ガン手術について 石川
9306 09/12/25 A  要精検V 石川
9305-1
9305-2
09/12/25
09/12/29
k m 脳MRI検査
脳MRI検査(2)
石川
石川
9304 09/12/25 S.M. 断片陽性の追加手術の必要性 石川
9303 09/12/22 K.S.  経過観察(HPNo.9286-2) 吉田
9302 09/12/22 Y  乳がんと診断されました(HPNo.9285-2) 吉田
9301 09/12/21 ゴン太 骨転移が不安です(2)(HPNo.9298-2) 吉田

 

No.9400】  10年02月16日  ポポ
リュープリンについて

ゾラデックスからリュープリンに変更したいと思っています(理由:三か月に一度の注射ですむ→医療費と通院回数を減らしたい)が、リュープリンの副作用にある「骨塩量低下」が気になります。骨転移が疑われている私には、よろしくない薬でしょうか。アドバイスをよろしくお願いいたします。

ゾラデックスもリュープリンも女性ホルモンのレベルを下げる薬剤で、月経を止め、体内のホルモン環境を閉経後にします。結果として、どちらも「骨塩量低下」は起こり、薬剤による大きな違いはありません。骨転移が疑われているとのことですが、「骨塩量低下」より、「治療効果」の方が高いと考えますし、「骨塩量低下」に関しては、治療薬もありますので、医療費、通院回数などから、リュープリンの3ヶ月製剤に変更するというのは十分に価値があると考えます。(文責 鈴木)

 

No.9399】  10年02月16日  こっぺ
抗がん剤ACの有効性について

20年4月に温存手術をし、病理結果が、「基質産生癌、Stage1、リンパ転移なし、PgR陰性、ER陰性、HER2陰性(トリプルネガティブ)、グレード2、腫瘍径12mm×9mm、脈管侵襲あり、切除断端ー」でした。これまで放射線(リニアック)25回、AC4回しました。その後は無治療です。最近このACが(アンスラサイクリン系)有効でないとの情報を得ました。もしそうだとすると残念でなりません。辛い抗がん剤を耐えてしたのに・・・という思いが湧いてきます。先生はどのようにお考えでしょうか? 効果のない治療をしたのでしょうか? Adjuvant Onlineで生存率をみて頂けないでしょうか? 術後もうすぐ2年になりますが、これからでもタキサンを含めた治療を追加したほうがよろしいでしょうか。いまのところ転移はないのですが、トリプルですので、それに脈管侵襲もありますので、いつかは転移するのでしょうか? 気になっています。宜しくお願い致します。

ご指摘のように、基質産生癌というのは、ホルモン感受性、HER2ともに陰性のトリプルネガティブのことも多く、若年性で、化学療法の効果が乏しいとも言われます。ただ、もともとの症例数が多くありませんし、不確実な点が多いのも確かですので、AC療法の効果が全くない訳ではありません。手術、化学療法、放射線とやるべき治療はやりましたので、後は自信を持って結果を信じましょう。
Adjuvant onlineに関しては、ここでわれわれが調べるべき事ではないと思いますし、どなたでもアクセスできますので、アドレスをお伝えします。https://www.newadjuvant.comです。アクセスが難しいようであれば、主治医にお願いして頂ければと思います。参考までに調べた結果で、年齢により若干の数値の変化はありますが、仮に45歳とすると、10年後の乳癌が原因による死亡率は13%で、ACを4サイクル行うと9%に低下します。50歳とすると13%が10%に、40歳とすると12%が8%に低下します。すなわちAC4サイクルにより、3-4%の死亡率の抑制効果があるということです。この数字を「効果あり」ととるか、「効果なし」ととるかですが、個人的には「効果あり」と考えています。やはり1%でも上乗せがあるのならば、という考えです。また、この結果をもとに、追加でタキサン系薬剤を投与するというのは、時間が経ちすぎていますので、あまりお勧めしません。
脈管侵襲にしても、0より1+、1+より2+と確かに再発率はあがりますし、おっしゃるようにトリプルネガティブで・・・というところですが、トリプルネガティブの全てで再発率が高く、悪性度が高いと言うわけではありません。先にも書きましたが、やるべき事はやって、術後2年という、一番大切な時期(再発をしやすい時期)を経過したわけですから、気持ちを強く持って行きましょう。何かあれば、また相談室を覗いてみて下さい。(文責 鈴木)

 

No.9398】  10年02月16日  G 
乳房の痛み

初めて相談させて頂きます。39歳女性で、出産経験はありません。一週間くらい前から右乳房が痛く、日に日に痛みは増してきています。生理前から違和感はありましたが、生理が終わった今も痛みは継続しています。身体を起こしたり右手を動かしたりすると痛みます。咳をしても痛いです。乳房を押したり触ったりして痛いわけではなく、又、しこりも無いように思います。原因として何が考えられるでしょうか。乳がん検査も考えています。一般的な病院で乳がん検査をする場合、受診料はだいたいどれくらいかかるのですか。

以前にも同じような質問があるかと思いますので、参考にされて頂ければ幸いですが、恐らく「乳腺症」という病態で、「病気」ではありません。女性ホルモンの影響で、乳腺の「張り」、「引きつれ」を強く感じます。超音波でも組織学的にも特徴的な所見を呈しますので、ひとつの「概念」として「乳腺症」という言葉が使われています。日常診療でわれわれが最も多く遭遇する患者さまです。特に乳癌の前癌病変でもありませんのでそのまま放置して頂いて構いません。 以前の質問で、「乳房の痛み」、「乳房のひきつれ」などをkey wordにしてみると、同じようなコメントがされていると思います。ただ、乳腺症に隠れて病気が存在することはあり得ますので、一度、乳腺外科への受診をされてはいかがでしょうか。受診料に関しては詳細のところわかりません。そんなに極端な料金ではないと思いますが・・・。(文責 鈴木)

 

No.9397】  10年02月16日  E.O. 
マンモグラフィーの検査結果について

初めてメールさせていただきます。40歳。既婚です。先月の社内での健康診断で初めてマンモグラフィーの検査を受けました。結果、右乳房に「外上部腫瘤」「カテゴリ3」との結果が届きました。ネットで調べても(調べ方がよくないのか)、外上部腫瘤やカテゴリ3の意味などもよくわかりません。また、恥ずかしながら結婚が遅く、これから妊娠・出産も考えています(昨年2回流産しています)。こういったことを踏まえ、今後、私がやるべきことをご指導いただけたら幸いです。

マンモグラフィで恐らく斜めの一方向と、上下の一方向、計二方向で撮られた結果だと思います。字のとおり、「右の乳房の外、上に腫瘤を疑う影があります」という意味で、判定基準からすると「カテゴリー3」という判定になります。「良性、しかし悪性の可能性も否定出来ない」という意味です。今一度、マンモグラフィを撮影したり、超音波検査を行い、必要により細胞診、組織診などを行います。必要以上の心配をされることはないかと思いますが、一度、乳腺外科の受診をお勧めします。(文責 鈴木)

 

No.9396】  10年02月16日  A 
再検査になりました

46歳の母が、先日初めて乳がん検診を受けました。数日後の検査結果で、再検査とのことでした。詳しくは聞いてないのですが、医者からは、断定することはできないけれど、再検査する必要があると診断されたようす。それを聞いた母はとても落ち込んでいて、自分でも片方の胸にしこりのようなものがある気がするとまで言い出しています。乳がん検診で再検査と診断された方は、乳がんの確率はやはり高いのでしょうか? また確実に乳がんだとわかっても、病院側はとりあえずは再検査という形で通知するのでしょうか? また乳がんは、初期の場合、胸などは切除しなくても治るケースは多くあるのでしょうか? この段階で進行がかなり進んでいる状態は考えられますか? また乳がん以外に、悪性ではなく胸にしこりができることもあるのですか? 母は若い時からとても貧乳にコンプレックスを持っていて、今でもお金があれば豊胸手術を受けたいと言っているくらいです。乳がんだったらと思うと、母の落ち込みが目に見えてわかりますし、簡単な病気でないことは私自身も充分感じており、心配で心配でなりません。もちろん再検査の結果でわかることなのですが、専門の方のご意見を聞きたくメールしました。ご連絡、よろしくお願いします。

乳癌検診で引っかかるといっても、良性のこともたくさんありますし、引っかかる=乳癌ということではありません。最終診断は組織を取るなり、細胞を取らないとはっきりしませんので、写真で見て、これは乳癌だ・・と診断するものではありません。ここは、心配なのは理解できますが、検査しないことには始まりません。乳腺外科への受診をお勧めします。しこりになる前の早期の乳癌を見つけるのが目的の乳癌検診です。仮に乳癌と診断されたことはnegativeとしても、早期で見つかるというpositiveの方のメリットが大きいと考えます。無意味に心配しすぎないで・・・。(文責 鈴木)

 

No.9395】  10年02月16日  M.K.
乳がん手術後の治療方針について(2) (HPNo.9361-2)

先日は、母の乳がん薬物治療について、良きアドバイスありがとうございます。2月8日に、担当医師に疑問点を箇条書きに書き出し、質問させていただきました。手術で切除したリンパ郭清は、レベルUと言うことで、目に見えるがんは全て取り切っているとのことでした。アントラサイクリン系+タキサン系の副作用のことをお聞きすると、病院内に過去、一回目の投与で肺炎となりお亡くなりになられた方が1名いるそうです。特に、乳がん以外の病気はなかったらしいのですが・・・。やはり、稀にそう言う方もいらっしゃるのは、不思議なことはないのでしょうか? 地元付近のがん拠点病院の無料がん電話相談に電話すると、そんなケースはまず無いとのことでした。現在の病院では、胆肝膵で膵腫瘍の経過観察を4年以上前から診ていただいているのですが、そちらの先生には、「今は乳がんのことだけ考えて治療し、病気を戦っていかなくてはいけない。」と言われました。5年生存率もとても厳しく、再発リスクが高いのですが、「個人にして再発は、どんなステージの人にも、0%か100%なので。」とも言われました。「再発するかしないかは、手術をした時に、神様が決める。」とも言われました。その先生にご相談した所、アントラサイクリン系+タキサン系を使用したとしても、完治は宝くじに当たるような確立というようなことを言われ、どちらの治療を選択しても、病気を遅らせるというようなことになるであろうということをお聞きしています。UFTのような薬を使う治療と、アントラサイクリン系+タキサン系のような抗がん剤を使用するのは、どちらが延命となるかも難しい判断と言われていました。この件に関しては、阪大病院でのがん電話相談でも、同じようなことを聞いております。色んな本を図書館で借り、調べたりしているのですが、点滴の抗がん剤治療を8クールする所、4回目でやめたり、6クールする所を3回目でやめたりとかしても、効果がある人は効果があると書かれていました。途中で止めた人も、全部続けていた人と比較すると、生存率はあまり変わらないと書かれておりました。何も苦しい思いをしてまで、全クールする必要があまり無いと言うことなのでしょうか? 母にも、アントラサイクリン系+タキサン系の治療をしていただき、もし途中でどうしても苦しい時は、担当医師の言われるUFTに変更をしていただくことも考えております。担当医師も、それは了解していただいております。また、よろしければご回答いただければ幸いです。

先の質問にも回答されていましたが、今は、再発予防で治癒を目指す時です。逆に再発した時は、抗癌剤をはじめとした治療が長く続く事になります。時に、再発した時の抗癌剤は、終わりの目処が立たずに効果のある間は継続されますし、完治が難しいと言われる再発乳癌の治療は、ある意味で大変だと考えます。そういった意味でも、今は、アンスラサイクリン系薬剤+タキサン系薬剤の投与を勧めます。もちろん、主治医の言われる、「再発は、その人のとっては0%か100%」、「手術の時に再発するかどうかは決まっている」、そう言われればそうなのかもしれませんが、再発リスクの高い方は、抗癌剤の投与により再発リスクを減らせることが出来るわけです。仮にUFTの内服で、再発した時と、アンスラサイクリン系+タキサン系薬剤を使っても再発してしまった時・・・、どちらに悔いが残るかだと思います。一般的には前者で悔いが残ることが多いのではないでしょうか?
途中で中止した場合、最後まで完遂した場合、これは明確な答えがありません。途中で中止した場合と完遂した場合とで、再発率が全く同じということはありません。長年のデータの蓄積から、現在の投与スケジュールが決まっていますので、最後まで頑張って頂ければと思います。途中で中止したからといって、今までの治療が、全く無効になる訳ではない・・・という解釈です。アンスラサイクリン系+タキサン系を投与して、途中でつらいからといって、UFTに移行するのは、意味がないと思いますので、継続できたところまで、頑張れたところまでで、ひとまず治療は終了です。UFTも副作用はあるわけで、その副作用がつらいからといって、アンスラサイクリン+タキサンに移行することは考えてはいないと思いますので・・・。質問にありました肺炎で亡くなった方、という話ですが、これはアンスラサイクリン+タキサンで頻度が高いという事ではありません。UFTの投与でも起こりうる話だとご理解下さい。恐らく、見えない効果より、副作用の方が大きく気にかかっているのだとは思いますが、われわれも安全性は第一に留意しながら治療を継続しています。お母様の場合は、副作用の発現頻度より、再発を抑える効果の方が大きいと思われます。先にも回答されていたように、副作用を抑える薬剤も進歩していますし、イメージほど、副作用はつらくないと思われるはずです。私の患者さまも、みなさん外来で通院しながら投与を継続しています。
いずれにせよ、あなたにお母様のよき理解者であって欲しいとは思いますが、あくまでも治療を受けるのはご本人ですので、治療法の選択はご本人に任せてあげて下さい。(文責 鈴木)

 

No.9394】  10年02月16日  Y.N
ホルモン療法中のサプリメントについて(HPNo.5979-4)

このサイトをいつも参考にさせていただいております。タモキシフェン服用中のサプリメントに関してご相談させてください。来る4月で5年を迎え、まだ閉経に至らずタモキシフェン終了を目前に控えております。安易な思いから、昨年11月初旬から1カ月大手メーカーのフィッシュコラーゲンを飲んでしまいました。蕁麻疹が出たため中止しましたが、外科の1月中旬の採血で、FSH 13.48 E2 1360でした。主治医は、「タモキシフェン服用中はE2は高値になるよ」と気にならない様子でしたが、本日 採血結果と共に婦人科診をしたところ、「E2が高すぎる」「卵巣が腫れている」との指摘でした。婦人科でも再度採血し、結果待ちの状況です。外科にも婦人科にもサプリメントの件は言い出せずにおります。やはり、サプリメントが卵巣を刺激して腫れて、E2も高値になったのでしょうか。E2の高値が続いた場合、乳腺にも影響が出るのでしょうか。今だ蕁麻疹も続いており、軽率な事をしたと深く反省しております。自分がまいた種で心配になってしまい、お手数をおかけし申し訳ございませんが、ご解答下さいます様、よろしくお願いいたします。

フィッシュコラーゲンの女性ホルモンに対する影響は、殆ど考えなくて良いと思いますし、女性ホルモンが高値だからといって、必ずしも卵巣が腫れるわけではありませんが、確かに女性ホルモン値が高すぎるように思いますので、婦人科の先生の指示を仰いで下さい。
女性ホルモンの乳腺に対する作用ですが、乳癌は増殖するために女性ホルモンをエネルギーにすることが多いこと、そして、元の乳癌がホルモン感受性「あり」ならば、血液の中にあるかもしれない癌細胞は、女性ホルモンをエネルギーにするので、再発のリスクが高くなることは推測されます。しかし、間もなく無再発で5年経過するわけですので、神経質になる必要はありません。まずは、婦人科の返事を待つこと、それで何か治療の必要なものがあれば、婦人科の治療を優先すること、その後、タモキシフェンの内服を終了させること、この順番で如何でしょうか?(文責 鈴木)

 

No.9393】  10年02月15日  ゆき
リュープリンの投与について

49歳。46歳時に右浸潤性乳がん(3.2X3.3cm、ER+、PGR+、HER1+、リンパ節転移の有無は不明)にて、術前抗がん剤(FEC, タキソテール)を各4クール投与しました。手術時センチネル生検を実施し、陰性でした。リンパ節かくせいは未実施。病理組織診断では、一部の乳管内にcancer cell を認め、腫瘍細胞は免疫組織化学にてER―、PGR―でした。その後、放射線50グレイ実施しました。放射線終了後、リュープリン及びタモキシフェンの投与を開始し、まもなくリュープリン投与開始から2年になりますが、リュープリンの投与を中止すべきか継続すべきか悩んでいます。リュープリン投与開始時にはホルモン値は微妙なところといわれています。再発が怖いので、50歳になるまであと1年リュープリンを投与したほうがいいかなと思いますが、いかがでしょうか。それとも、一旦リュープリンの投与を中止して、ホルモン値が閉経前をしめしたらまたリュープリンを投与したほうがいいのか、悩んでいます。担当医は2年投与でも3年投与でも、どちらでもいいよといってくれています。

手術前に針生検で、32x33mm、ER+、PgR+、HER2:1+で化学療法を開始し、術後の結果でER-、PgR-との事です。化学療法によりホルモン感受性が変化することは考えにくいと思いますので、術前の針生検での判定が不確実であった可能性があります。だとすると、ご自身の乳癌は、「ホルモン感受性なし」ということになり、ホルモン療法の効果は無いのでないかと思われます。ただ、「ホルモン感受性なし」としても、ホルモン療法の効果は5%くらいあるとも言われていますし、最近では病理検索で、1%の細胞でもホルモン感受性がありと確認されれば、ホルモン療法は行いますので、今一度、術前と術後のホルモン感受性について確認されてはいかがでしょうか?乳癌というのは、その場所、場所で細胞の性格の違い(heterogenity)がありますので、最初に生検した場所と、術後のホルモン感受性を評価した場所でheterogenityがあるのかもしれません。また、術前の判定が「+」ですが、「-」に近いのかもしれませんので・・・。もし本当に「-」であれば、リュープリン、ノルバデックス含めてホルモン療法の継続は不要とも考えます。
 ホルモン感受性が「+」ということであれば、リュープリンの投与は2年というのが一般的ですが、現在、最適な投与期間ははっきりしておらず、2年投与と3年投与での治療成績を検討中です。副作用が少ないのであれば継続しても良いのでは無いかと思いますが、長期に投与した時の骨密度の減少とか、他の副作用とか、まだ未確認の部分もありますので、むやみに長期投与するのはよくお考えになってからにしましょう。(文責 鈴木)

 

No.9392-1】  10年02月15日  H.M. 
炎症性乳がんの治療法について

妻(38歳)が炎症性乳がんと診断されました。現在抗がん剤治療中です(AC→TでAC6クール目です)。炎症性乳がんは難治性で、予後も悪いと聞きました。治療の中心は抗がん剤によるとの事ですが、現在効果のある抗がん剤の治療をいつまでも継続することはできないと聞きました。副作用や耐性の事と思いますが、炎症性乳がんを完治する目的でなく、10年〜20年以上元気で延命する為に、現在日本では未承認の抗がん剤使用を含めた治療計画というものはできないでしょうか? 妻には何としても子供が成人する姿を見せ、できれば孫を抱かせてあげたいのです。漠然とした質問で申し訳ありませんが、何卒宜しくお願いします。

炎症性乳癌とのことでいろいろ大変なことは察します。これからの治療は、効果と副作用のバランスになります。効果が高くても、副作用がきつければ長続きしません。効果は少しとしても、副作用が少なければ長続きはします。このことを考えて治療方針を考えていきます。
その中で、未承認の薬剤の使用に関しては、実際はかなりハードルが高くなります。ひとつには、治験(未承認の薬剤を使い、効果、副作用を確かめる治療で、主に製薬会社が主導で行うもの)や臨床研究(内容は似ているが、医師が主導で行うことが多い)などに参加するというものです。参加条件に合致し、ご本人の同意が得られれば参加は可能です。ただし、炎症性乳癌そのものが、参加条件から除外されていることが少なくありません。さらに個人輸入という選択もあるかと思いますが、費用、手間もかかりますし、一般の保険診療を行っている病院での自費診療がどこまで許されるかという問題もあります。
未承認薬剤に関しては難しい話をしましたが、乳癌の治療は、日々進歩しており、他の癌腫に比べて、抗癌剤が良く効くとも言われます。効果が保てて治療が継続すれば、新規の抗癌剤が認可されたりもします。あきらめずに前向きに闘って下さい。応援申し上げます。(文責 鈴木)
 

No.9392-2】  10年03月07日  H.M. 
炎症性乳がんの治療法について(2)

不躾な質問に丁寧にお答えいただき、本当にありがとうございまいました。現在AC6クールを終了し、ウイークリータキソールを今日から始めたところです。AC終了後のCT検査では、腋の下のガンがやや小さくなっている感じでしたが、全体としては、まだ大きいままのようでした。最近読んだ本の中にCD-DST検査というものがありました。細胞を取り、その細胞にどういう抗がん剤が効くか、あらかじめテストできるようです。今後の事を考えると、有効な抗癌剤をある程度知っておく必要もあると思うのですが、術前治療中でもCD-DST検査は可能かつ意味があるでしょうか。HER2陰性の場合、ACや ECは有効ではなく、トリプルネガティブの場合タキサン系も効果が薄い事が分かってきたとあります。その場合、ナベルビンやゼローダが良いと書かれています。これからタキソールなのですが、非常に不安です。効かない抗癌剤を何カ月も投与し、やっぱり駄目だったよでは済ます事ができません。その間にガンが進行してしまうのではと、とても心配です。

ご質問どうもありがとうございます。ひとつの方法として、CD-DST検査が可能な病院であれば、行っていただいて結果を参考になさってもよいかと思います。トリプルネガティブにも様々なタイプがありますので、一概にアンスラサイクリン系もタキサン系も効かないとか効果が薄いと決めつけることはできません。今ある手段をしっかりと順番におこなって行くことが大切です。ナベルビンやゼローダはもちろん今後選択肢に入ってくると思いますが、まずはタキサンに期待をしましょうね。手足のしびれがでてくると思いますので、牛車腎気丸などの漢方薬を併用しながら、がんばっていきましょうね。応援しています。またご心配なことがございましたら、いつでもご相談くださいませ。今後ともよろしくお願い申し上げます。(文責 高橋)

 

No.9391】  10年02月15日  N.K.
手術時期について

初めて投稿します。よろしくお願いいたします。今年1月半ばにステレオガイド下マンモトーム生検を受け、0期の非浸潤がんと診断されました(しこりはなく、マンモグラフィーで石灰化があったため要精密検査となりました)。がんと診断を受け、手術を受けることは決まったのですが、MRIとCTの予約が込んでいることから、手術(入院)前の全ての検査が終わるのが3月末になります。現在手術の日程も決まっておらず、早くても4月初旬になると思うのですが、マンモトームを受けてから手術までに、こんなに時間が経過しても問題ないのでしょうか。マンモトームを受けた後だからということ以前に、がんと診断されたら一刻も早く手術を受けたほうがいいと思うのですが、担当医師によると、非浸潤がんなので、そんなに急ぐ必要はないとおっしゃいます。そこで疑問なのが、急ぐ必要がないのなら、なぜセンチネルリンパ生検を受ける必要があるのか(少しでもリンパへの転移を疑っているなら手術は早いほうがいいのではないでしょうか)、また術後の治療について聞いたところ、それは手術で切除した組織を調べてからでないとはっきり決められないとのことで、やはり転移の可能性があるということだと思うのですが、どうでしょうか。以上、どうぞよろしくお願いいたします。

マンモグラフィで見つかり、マンモトームで診断した病変で、さらに追加で手術を行い、周囲を切除し残存病変の有無を確認する必用があります。生検を行った部分からは非浸潤癌の成分しか検出されていませんが、その周囲に残って居るかもしれない病変には浸潤癌の成分が隠れているかもしれません。通常、その可能性は少ないのですが、終わってみて、浸潤癌が残っていました、でもリンパ節の検索は行っていません・・・、ということになるので、仮に浸潤癌が検出されても慌てないようにセンチネルリンパ節生検を行うのが一般的です。リンパ節転移を疑っているわけではありませんから、ご心配なく。
手術までの期間は、現在、乳癌をactiveに行っている施設であれば、2〜3ヶ月待ちというのが多いかと思われます。3ヶ月前後であれば、治療成績に大きな違いはありませんので、どういった施設で受けられるのかはわかりませんが、内容からはまかせて間違いはないように感じました。
上述しましたが、切除した結果、浸潤癌が検出される可能性は捨てきれないこと、切除した標本の病理検索で、病変の特徴が明らかになりますので、その結果で治療方針が決定します。(文責 鈴木)

 

No.9390】  10年02月15日  R.M. 
非浸潤性乳管癌です

針生検で非浸潤性乳管癌と分かり、1ヶ月後に手術予定です。 MRIでは、真ん中下あたりに直径2.5cm程度の石灰化があり、乳頭 までつながってみえます(乳頭表面には特に症状はありません)。腫瘍を摘出し、断面を検査して陽性だった場合は、乳頭乳輪も切除と言われています。くりぬくなどの術式で乳頭乳輪を残す手段は、選択肢にないでしょうか?

術中に切除断端を検索し、陽性であれば(乳頭直下に癌があれば)、ぎりぎりまで乳頭の中を裏側からくり抜くように手術を行いますが、それでも陽性の場合は乳頭、乳輪を切除することが一般的です。ただ乳頭をひとつの円柱と考えた場合、その天井に乳管の開口部はありますが、その側面には開口部はありませんので、天井と、円柱の芯の部分をくり抜いて、天井を閉じれば、理論上は切除可能だと思います。自分は時にこの方法を行いますが、芯が無くなり、天井を切除することで、乳頭はへこみますし、乳頭の変色や脱色も起こることがありますので、注意が必要です。(文責 鈴木)

 

No.9389】  10年02月15日  E.Y. 
手術前の転移予防的治療について

70歳の母の乳がんについてご相談させてください。今、手術まで2ヶ月待ちの状態です。しこりは2.2cmです。当初、センチネルリンパをやってリンパ転移を調べる予定でしたが、乳首にガッツリくっついていて皮膚にまでいってるから、当初のステージより1つ上がってしまい、先生のお話だと、(ステージがあがった為か)、センチネルの適応外になり、やってもうまく見つけ出せるか難しい。リスクがあるみたいなことを言われました。皮膚までいったガンには、センチネルは意味がないのでしょうか? 骨シンチ、CTなどの検査では、全身転移はなしです。リンパについては、画像上ではリンパの腫れはないが、正確には分からないそうで、リンパ転移は40%の可能性といわれました。また、手術前に抗がん剤でしこりを小さくしてから手術するか聞かれました。
1) ガンが皮膚にいっているし、リンパへの転移可能性が40%もあるので、やはり、リンパは取るのが一番いいのでしょうか?
2) 手術までの2ヶ月待っている間に、抗がん剤などで、転移の予防など早めにしないものなのでしょうか? 先生は、術前に抗がん剤をするのは、しこりを小さくして温存などするためと言われました。全身にがん細胞がまわってしまうかもしれないのに、予防的には、この2ヶ月は何もしないのが普通なのでしょうか?

診察では、なかなか質問が出来ず、後から聞きたいことが出できて、こちらに相談させていただきたいと思います。お忙しい所、申し訳ありませんが、どうぞ宜しくお願いいたします。

皮膚への浸潤に関しては判断が難しいところです。乳頭の近くにある病変では、サイズが小さいのに、その存在部位のために乳頭が引き込まれたり、直接浸潤が起こりやすくなります。従って、乳房の深い位置に存在する病変に比べてステージの変化が出てきます。ステージ分類は大きさ、リンパ節転移の有無、遠隔転移の有無により判断しますので、乳頭近くに病変のある場合は、小さな病変でもステージが上がることがあります。そこで、センチネルリンパ節生検ですが、やはりステージが上がれば、リンパ節転移の可能性が高くなりセンチネルリンパ節生検の適応は狭くなります。センチネルリンパ節生検を行って手術中に転移がないと判断しても、その奥のリンパ節に転移があるかもしれない・・・その場合、そのリンパ節を見過ごしてくる可能性と、逆に手術中にセンチネルリンパ節に転移があった場合は郭清すること、そこが了承できればセンチネルリンパ節生検の適応は考慮しても良いと思います。
次に、術前化学療法に関してですが、術前化学療法の目的は、大きな腫瘤に対してサイズを小さくさせて、より整容性に優れた乳房温存術を行うことが目的で、全身に飛んでいるかもしれない小さな細胞も叩くことはできますが、術前化学療法を行っても術後化学療法を行った場合と、生存率は変わりません。従って、転移の予防の為・・ということで術前化学療法は行いません。術前化学療法の適応は、腫瘤が大きい、リンパ節転移がある、ホルモン療法が効きにくいなどの場合です。現在、22mmで、はっきりしたリンパ節転移が無い状況であれば、一般的に術前化学療法は行いません。ただ、病変の存在部位が乳頭に近いので、全摘を行ったほうが良いと言われているのであれば、乳頭を残し、温存術を行うことを目標として術前化学療法を考慮しても良いでしょう。ただし、術前化学療法を行った場合は一般的にセンチネルリンパ節生検の適応は無くなります。また、乳頭を切除して温存術というのも整容性の面で劣るかもしれませんが、選択肢には入るかと思います。
手術までの期間で、全身に広がってしまうことはあまり心配しなくて良いでしょう。いろいろ考えなくてはならないことがありますが、良く相談して下さい。(文責 鈴木)
 

 

No.9388】  10年02月10日  TM
再発率と死亡率について(HPNo.9372-2)

相談NO.9372「現在の病状について」で相談させて頂いたTMと申します。早急に回答頂きありがとうございます。今後の治療の参考にさせて頂きます。再度1点だけ確認させて下さい。「10年後再発率イコール10年後死亡率」という捕らえ方でよいのでしょうか?  素人考えですが、再発していても死亡していない場合はどうなんだろうと思ってしまいました。すみませんが、宜しくお願いします。

一般には、再発率というのは生死を問わず再発がある人の数を計算し、死亡率とは死亡原因を問わず死亡したした人の数を数えます。Adjuvant Onlineで計算する場合、再発率で計算すると、遠隔転移、局所再発以外に同側乳房内再発、対側乳がんの数も数えますからかなり高い再発率がでます。一方死亡率は乳癌が原因で死亡した人の数と他の病気で死亡した人の数を分けていますから、乳がん再発死亡率では命に関わる再発があって死亡した数がわかります。逆に言えば、生存者の中には再発していていても生存している人が含まれていることになります。私の考えでは、再発死亡率というのは実際の再発率より若干低い数字になりますが、皆さんが心配している再発、すなわち命に関わる再発を見るためには、再発率より再発死亡率の方が近い気がしてこちらを使っています。(文責 清水)

 

No.9387】  10年02月10日  T 
抗がん剤治療について(2)(HPNo.9370-2)

抗がん剤治療について回答いただいた者です。44歳です。何度も申し訳ありませんが、ご提示のサイトは私にはチンプンカンプンなので、リスクの計算をよろしくお願いいたします。

Adjuvant Onlineでは10年生存率94%, 乳癌が原因で死亡する確率3%, 他の病気で死亡する確率3%でした。ホルモン療法による死亡率の減少効果は1%、化学療法による死亡率の減少効果は1%、両方行った時の死亡率の減少効果は2%でした。(文責 清水)

 

No.9386】  10年02月10日  R.M
今後の治療について

いつも、参考にさせていただいています。ありがとうございます。担当医と相談する前に、ここでのご意見をお聞きしたくメールします。40歳、未婚です。2年前に右側乳がんになりました。ステージUでリンパへの転移もあり、よい方ではないと言われました。温存手術後、ホルモン治療を2年間続けてきました。ホルモン治療を始めるときに、結婚・妊娠を考えていて、2年間注射をすると決め、まもなく終了となります。担当医からは、「続けても再発しないわけではないし、続けないからといって再発するわけでもない。ご自分がどうなさるか判断してください」と言われました。ホルモン治療を始めるときに、「2年でも大丈夫です」と言われて、そのつもりでいました。担当医の自分で決めて下さいということは当然だとは思いますが、迷いが出てしまいます。標準は5年だと聞きますが、続けた方が再発の可能性が低くなるということはあるのでしょうか? また、再発が不安で、担当医に伝えたのですが、一度、血液検査をしただけでした。結果、大丈夫と言われましたが、もっと検査はしないのか不安です。検査はホルモン治療が終わってからと言われましたが、そういうものなのでしょうか?担当医に質問をすると、口調が変わり、言いづらいのですが、自分のことだと思って聞いています。正直、安心はできていません。ここで、回答いただけると助かります。

ホルモン療法をやらないより2年間やった方が再発のリスクは少なくなります。2年より5年やった方がもっと少なくなります。ですから、現在の標準治療は5年間なのです。問題は妊娠出産の問題です。妊娠出産のタイミング(あまり高齢では別の問題が生じる)の問題があるので、投与を短期間で中止せざるを得ないという例はあります。貴女の場合、まだ妊娠出産が差し迫っていないのであればホルモン療法を継続されては如何でしょうか。もし、結婚も決まっていて、相手と相談して妊娠を優先させるということであれば、その時点でホルモン療法を中止しては如何でしょうか。術後の検査については、現在のガイドラインではCTやRIといった画像検査、腫瘍マーカーの定期的な検査は推奨されず(マンモグラフィーは一年に一度行うことが推奨)、症状に応じて検査をすることが推奨されています。ですから、自分の体調が悪くなければ検査は不要です。しかし、何か気になることがあって再発の不安があるなら遠慮なく主治医に話して検査をしてもらってください。(文責 清水)

 

No.9385-1】  10年02月10日  K.T.
鎖骨上リンパ節転移の治療について

いつも参考にさせていただいています。 私の母は現在59歳、4年6か月前に右乳がんの全摘出手術、リンパ節も切除しました。 「ホルモン感受性あり、Her2 1+、リンパ節転移あり」でした。術後は、CEFを2週打って2回休むを4クール行い、現在もアリミデックスを服用中です。去年、母が右の鎖骨上にしこりがあるのをみつけ、今月に入り細胞を半分ほどとって調べたところ、乳がんの転移との結果でした。今のところ、他に転移は見つかっておりません。全体の広がりを見るため、今週PET検査を行う予定でいます。今後の治療については、前回と同じCEFを量を増やし、3週に1回を半年行う予定でいます。
1) 前回と同じCEFの選択はベストなのでしょうか? 前回の抗がん剤が効いてなかったから転移がみつかったのではと考えてしまうのですが・・・。他に有効な薬があれば教えて下さい。
2) 現在、服薬中のホルモン剤は効いていないと考え、薬をかえるべきなのか、このまま続けたほうがいいのでしょうか? 現在、他に転移はみられていないのですが、抗がん剤はすぐにはじめるべきですか? 他に転移がみつかってからでは遅いのでしょうか? 母は元々、白血球が3000台と少なく、治療に耐えられるか心配です。
3) 母のようなケースの場合、今後の治療はどのようにしたらいいのでしょうか? 先生の考えるベストな方法を教えて下さい。
4) 鎖骨上リンパ節のしこりには放射線治療を行うべきでしょうか?     

1)前回のE(Epirubicin)の投与量がわかりませんが、通常は術後にCEFを行っていれば再発時の第一選択はTaxanです。
2)通常はホルモン療法が有効ながん(ER,PR陽性)であって、命の危険が差し迫っていない再発であれば、化学療法よりホルモン療法を先に行うというのが標準的な考え方です。ですから、お母さんの場合も抗がん剤を考えるよりも、ホルモン剤を変更することを考えた方が良いのではないでしょうか。主治医の先生とよく話し合ってください。白血球の数は問題ありません。
3)貴女のお母さんの乳癌が根治する可能性はゼロではありませんが、残念ながら極めて低いと考えられます。したがって、これからはお母さんががんによる辛い症状や、治療による副作用をいかに少なくして、元気に長生きしてもらうかを考えながら治療戦略を立てます。時には抗がん剤を使って辛い時期があるかもしれませんが、それがお母さんの辛い症状を取るためだったり、ここで使うことが、その後に楽ができる時間が十分取れると判断した時は、少しの辛さを皆の励ましで耐えてもらって頑張ってもらわなければいけません。そういう観点からすると、ホルモン療法から始めるというのが良いのではないかと思います。
4)放射線治療も有効な方法です。しかし覚えておいていただきたいのは、周囲の正常組織へのダメージを避けながら行う放射線治療で根治はできないということ、放射線は一カ所には一回しかかけられないということです。ですから最初に放射線治療を行えば、もしもう一度出てきた時にはもう使えません。強力な武器なので、どのタイミングで使うかをよく考えてください。今回で言えば、これからの治療の対目標は鎖骨上のリンパ節をなくすことではなく、肺や肝臓といった重要臓器へのがんの広がりをいかに防ぐかを考えることです。となると、お母さんのがんに有効な薬を探すために、あえて痛くも痒くもない鎖骨上リンパ節はそのままにしておいて、 そのリンパ節を治療効果の指標として有効な薬を選んでいくという考え方ができます。結果として有効性の高い薬にあたればリンパ節が縮小してしまうこともあり得るのですから。(文責 清水)

 

No.9385-2】  10年02月18日  K.T.
鎖骨上リンパ節転移の治療について (2)

丁寧な回答ありがとうございました。再度、相談させてください。
1) 転移の治療の第一選択はホルモン療法とのことでしたが、母は現在アリミデックを服用中ですが、服用中の再発なので、アリミデックスではなく、ほかの薬に変えたほうがいいのでしょうか?
アリミデックスは2006年1月から始めていますが、きちんと服用していたのは3年半くらいです。
2) ホルモン療法を選択する場合、どの薬が母の場合有効でしょうか?
3) PET検査の結果、他にも転移があった場合は治療の選択も変わってくるのでしょうか?

まだ、母の転移の現実を受け止められなく、転移後の治療の選択をどうしたらいいのかわからずにいます。よろしくお願いします。

再発部位に関係無く、基本的にはホルモン療法でよいでしょうが、骨や脳転移に対しては局所療法として放射線療法などの選択もあり得ると思います。アロマターゼ阻害剤としては、他にアロマシン、フェマーラがあります。服用中の再発でしたらアリミデックス以外を使用する選択肢もよいのではないでしょうか。よく主治医とご相談ください。(文責 首藤)

 

No.9384】  10年02月10日  S
癌だと言われました

毎年、検診を受けております。六年前にエコー検査で10ミリほどのしこりを発見されましたが、その時は、乳腺症と判断され、心配ないとのことでした。授乳時に乳腺炎になり、マッサージに通い、改善したことがあります。その後、毎年マンモグラフィーを受けていましたが、問題ありませんでした。今回は久々にエコーを受けたので、六年前のことをお話し、その箇所を見ていただきました。触って、特にしこりがある感じではないと言われましたが、要精密検査となり、乳腺外科に行きましたら、11ミリのしこりがあり、形が悪いので、がんの可能性が高いといわれました。細い注射針で細胞を取り、一週間後に結果が分かるが、多分がんだろうといわれ、かなりショックを受けました。六年前と大きさも変わってないので、大丈夫だろうと思っていましたが、やはりエコーでのしこりの形だけで、がんと言えるのでしょうか? 私が触っても、しこりはわかりません。細胞を取った後に大きなあざもできてしまいました。少々腫れてしまって、かえってしこりができてしまったように感じます。別の病院でも診てもらった方がよいでしょうか? 今のクリニックは家から離れているので、近い大きな病院に行きたいのですが・・・。よろしくお願いします。

エコーやマンモグラフィー検査は画像診断といって音波や放射線をあててその影絵をつくり、その影絵の形ががんの形に似ているかどうかで判断します。ですから、エコー検査でがんが疑われても、決して100%がんであるとは言い切れません。しかし影絵の形ががんの形に似ていれば、がんの可能性が高いということになります。貴女の場合、まずは細胞診の結果を待って、その結果によって次どうするか、主治医の先生も交えて考えるのが良いのではないしょうか。(文責 清水)

 

No.9383】  10年02月10日  Y
Her2について

温存手術(くりぬき、リンパ転移なし)を受け、病理結果が出ました。 年齢51歳 tumor size 12×10mm ly0、v0 intraductal spread(1+) fibrocystic change(-)(3,4,5,6) nuclear atypia score2、 numberof mitotic figures score2、 nuclear grade2 ER: allred PS5+IS2=TS7、 J-score 3 PgR: allred PS5+IS3=TS8、 J-score 3 Her2 score 0 。 今後は放射線と、閉経前なので、ノルバデックス、ゾラデックスのホルモン療法を行うということでした。手術は転院した病院でしましたが、転院前の病院の組織診では、Her2が+3でした。現在の主治医からは、「結果が変わるのも珍しいけど、組織診は小さい細胞でみたから・・・。今回は実際の病巣で見た結果だから・・(正確)」という説明を受けました。「小さい細胞の時は発見できなかったものが今回発見された」なら理解できますが、間逆の結果になっているので、少し疑問に思っています。Her2過剰発現のがんは進行の早い、転移しやすいものと思い、手術をしました。転移や命の危険よりも、乳房が壊死したり、全摘になるのが怖かったからですが、Her2の結果を知り、手術しなくても10年位は進行しなかったのでは・・・と、傷跡を見るたび後悔の気持ちが起こっています。このHer2というものは、例えば体調や食べ物、ホルモンの状況とか、その時々の状況で結果が変わったりするのでしょうか。

Her2やER,PR検査の結果が針生検の標本と手術標本で異なることは、しばしば経験することです。その原因として考えられるのは、検査機関が異なった場合、どちらかの検査結果が誤りであったのではないかと考えることができます。もう一つは、同じ検査機関であっても食い違うことがあります。その場合は、乳癌は多彩な細胞から構成されているので、腫瘍の中の検査した部位が異なれば結果は異なることが考えられます。これを難しい言葉ではheterogenityと言います。貴女の場合、ERのAllred scoreのPS(陽性細胞の占める割合)が5ですから100%の細胞が陽性ですが、これが4になれば陽性細胞の割合が33~66%ということで、約半分の細胞は陰性ということです。つまり一つの標本の中でもER陽性細胞と陰性細胞が混在している、つまりheterogenityがあるのです。貴女の場合、最初の可能性を否定するために、針生検の標本のブロックを借りて手術した病院で再検査してもらうか、両方の標本を病理のセカンドオピニオンを行っている施設に送って判断してもらうのが良いのではないでしょうか。その結果、やはり検査結果が異なっているのであれば、heterogenity があったと考えます。heterogenityがあった場合、一般的には面積で考えますから、針生検で陽性でも、大きな手術標本で陰性であれば陰性と考えます。しかし、万が一再発した場合、陽性細胞の部分が転移したのか、陰性細胞の部分が転移したのかで治療方針が変りますから、できれば転移巣の組織検査を考えなければいけません。そういう意味では、一部にでも陽性細胞があったという情報は重要なのです。(文責 清水)

 

No.9382】  10年02月10日  O
背中の痛みについて

岐阜県在住の41歳の女性です。一年前くらいから背中の痛みが酷く(背中三分の二上辺り)、四六時中痛いので夜も眠れません。若い頃から常に背中が重く、マッサージなども効果が無かったので、その延長なのかなぁと思う反面、先月、子宮体癌が疑われ、来月組織診を受ける予定です。もしかしたら子宮だけでなく、背中の付近にも癌が出来ているのかも…と心配でなりません。 内科で相談しましたが、血液検査などしてくれる訳でもなく、「う〜ん凝りなんじゃない?」と湿布薬をくれるだけでした。 何か重大な病気が隠れてないか心配です。ご回答よろしくお願いします

ここは乳癌の相談室なので、乳癌の疑いがあるかどうかでお話しさせていただきます。背中の痛みを初発症状とした乳癌というのは極めて珍しいと思います。しかし、可能性が絶対ないとは言い切れませんから、40歳を過ぎていることですし、これを機会に一度マンモグラフィー検診を受けてみては如何でしょうか。(文責 清水)

 

No.9381】  10年02月10日  F 
CEA数値の上昇と温熱療法

9年前に乳癌と診断され、右乳房とリンパの切除手術を行いました。 その後は放射線治療を行った後、ホルモン療法を続け、CEAは6〜7を保っておりました。しかし4年程前に定期検査でCEA数値が急に14を超えたため、PETにて再検査したところ、腰椎への骨転移が発見されました。それからはホルモン療法とゾメタにて治療をし、数値が21前後での推移が続いておりましたが、改善がみられないとのことで、昨年10月からは抗がん剤治療も併用しました。しかし、身体への負担が辛かったので、担当の医師に相談し、12月からは温熱療法に切り替えました。それと同時に、以前から行っていたホルモン療法とゾメタから、十全大補湯という漢方薬と週一度フォサマックという薬を服用しております。温熱療法は、がん細胞に直接攻撃が出来るとのことで、少しでも良い方向に働いてくれたらと期待しておりましたが、温熱療法に切り替えて1ヶ月、数値が48まで上昇しました。このまま温熱療法での治療で良いものか、以前の治療に戻していただいたほうがよいものか?悩んでおります。他の治療法なども含め、アドバイスいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

再発乳癌の治療法の選択にこれがBestというものはなく、その選択に苦慮します。その時点での治療の効果と副作用を考慮して、がんを治そうと思うのではなく、症状なく長く生活できることを目標として考えて、最良の選択肢を選びます。貴女の場合、手術をしてから再発までの期間が5年の骨転移でホルモン療法が有効なようなので、ホルモン療法を上手に使うこと、ゾメタを使うことがポイントでしょう。温熱療法については明確なエビデンスがあるかどうか知りませんのでコメントできません。現時点で疼痛等の症状がないようなら、もう一度ホルモン療法を考えてみては如何でしょうか? 主治医の先生とよく話し合ってください。(文責 清水)

 

No.9380】  10年02月10日  M
抗がん剤治療のポートについて(HPNo.8986-2) 

2009年6月にNo.8986で、お世話になりました。 その後のPET検査で、再び肺での癌細胞増殖がわかり、タキソール治療(2度目)を半年続けています。マーカー値は緩やかに下がってきていますが、ごくたまに背中の痛みが気になり、骨転移を今も心配しています。 今回の相談は、ポートについてです。No.7275のご回答も参考にさせていただいてます。 抗がん剤治療期間が長くなり、主治医から強く勧められています。血管が細いので、主治医の負担が大きいというニュアンスのことを言われました。2、3回に1回くらい、1度目で入らないくらいです。 私の希望は、ポートをしたくないので、暖かくなったら血管がでやすくならないかなと、今までかわしてきたのですが、かなり限界のようです。
1) ポートは他の病院や医師でも一般的なものなのでしょうか。
2) たまに、手術側の腕(リンパ節カクセイ)にも点滴ルートをとりますが、問題ないですか? ルート場所は血管次第でしょうが、手の甲か、その上の辺りの腕外側以外に探す場所はないでしょうか?
3) 私の周りではポートを胸部に埋めている人が多いのですが、主治医から最近になって、「場所が嫌なら、二の腕の内側あたりに小さめのが入れられるよ」と提案されて、ますます悩んでいます。よく横向きに寝るので、どちらの腕も下にしたり寝返りしたときに影響ないかなと不安です。胸部の方がいいでしょうか? サイズは改良されて小さくなってきているのでしょうか?

今、点滴前の状況が苦痛になってきて、たくさん質問してしまいましたが、よろしくお願いします。

1)最近は広く広まっています。その理由は、やはり患者さんが楽だからだと思います。
2)表在の静脈の分布は個人差が大きく、その人の手のどこにあるか、駆血して探すしかありません。
3)私はまだ使ったことはありませんが、腕にポートを設置する方法もあるようです。ポートを嫌う理由がわかりません。(文責 清水)

 

No.9379】  10年02月10日  N 
術後の病理検査と今後の治療について(2)(HPNo.9360-2) 

早いお返事ありがとうございました。治療の内容が確認できて、安心しました。考えていくと疑問がわき、教えていただけたらと思うことが数点あります。お忙しいと思いますが、お願いします。
1) 私のような、「HER2陽性、1.2cm、 浸潤性乳管癌(硬癌)、 大きさ(侵潤径1.2cm) pT1、 リンパ節転移 1個中0個  pN0、 遠隔転移 なし pM0、 病期 1期、 脈管侵襲 リンパ管 ly1 静脈 v0、 核異型度 2、 ハーセプチンテスト 3、 ホルモン受容体 エストロゲン受容体 陽性 プロゲステロン受容体 陽性」は、進行乳がんに入るのでしょうか。1期で進行がんになるのは、HER2陽性の患者が多いのでしょうか。
2) 主治医は、パソコンで、おそらく「adjuvant online」で、再発率等を説明してくれました。この数値には、HER2陽性は反映されているのでしょうか。再発率がもっと高くなるのでは、と考えています。補助療法の数値には、まだハーセプチンは含まれていないと聞きました。
3) ホルモン受容体陽性、HER2陽性では、ホルモン受容体陰性 HER2陽性に比べて、ハーセプチンの効きが悪いように思えますが、どうでしょうか。
4) 乳癌患者の血液にビタミンDの不足がみられたという情報を見ました。何かやはり関係すると思われますか。

よろしくお願いします。

1)進行乳がんという言葉は、通常は手術しても根治できない第4期乳癌に対して使われる言葉です。
2)New Adjuvant OnlineではHer2の情報も加味されています。しかし、ハーセプチン投与の影響は、現時点で3年までのfollowのデータしかないので、10年生存率のデータとしてはでてきませんが、3年再発のデータとして追記されています。
3)特にそのようなDataはないと思われます。
4)はい、その通りです。しかし、その意味付けは、まだわかっていません。(文責 清水)

 

No.9378】  10年02月10日  K.O. 
リンパに転移があるといわれました

先日、友人(51)がセンチネルリンパ節生検の結果、リンパに転移があると言われました。乳がんの大きさは2センチ以下で、今月中に控えている手術では、リンパを取り除くそうです。その場合は、リンパをすべて摘出するのでしょうか? ウェブで検索したところ、レベルのようなものがあり、それは手術中の様子で、どこまで切除するかが決まるのでしょうか? やはり切除範囲によって後遺症のようなものも変わってくるでしょうし、わかるのならば知りたいです。センチネルリンパ節生検でひっかかっている時点で避けられない可能性みたいなものはありますか? たとえば、術後の抗がん剤治療は絶対だったり、再発の可能性や、10年生存率が低い等々、少しでも今から心の準備をしてサポートに備えたいです。もうすでに他の部位に遠隔転移している可能性はありますか? 手術が決まっているので、まだ遠隔転移はしていないと考えてよいですか?(遠隔転移している場合は、乳がんを切除する意味がないと読んだので…) 支離滅裂な文章で済みませんが、何か少しでも情報を得て、心の準備をしたり、無駄な心配を避けたりしたいのです。よろしくお願いします。

センチネルリンパ節転移陽性であれば、腋窩郭清(脇の下のリンパ節を全て切除すること)が原則です。腋窩リンパ節はレベル1?3に分けられます。どこまで郭清するかは、術中の所見、主治医の考え方によります。現実的には各レベルの境界線が明瞭にある訳ではなく、大体の範囲です。腋窩郭清をするとしないでは術後の後遺症の発生率は大きく異なりますが、郭清したレベルの差による術後後遺症の発生率の差はあまり大きくありません。センチネルリンパ節転移陽性ということは腋窩リンパ節転移陽性ということですから、基本的には術後の抗がん剤治療の必要性は高くなります。センチネルリンパ節転移陰性の場合に比べれば転移陽性の方が再発率が高くなります。だから抗がん剤治療の必要性が高くなるのです。乳癌はできた時点、正確に言うと浸潤が始まった時点から微少遠隔転移の可能性はあるので、あとは頻度の問題です。微少遠隔転移しているかどうかは再発が起きなければわかりませんから、明らかな遠隔転移の所見がなければ原則として手術を行って根治を目指します。そして病理所見を参考にして遠隔転移のおこる確率を計算し、それを低くするために抗がん剤やホルモン療法による治療を加えます。(文責 清水)

 

No.9377】  10年02月10日  N
術後検診について

42歳女性です。2年前に浸潤性小葉癌と診断され、左乳房全摘をしました。幸い転移はありませんでしたが、術後FEC療法と現在はゾラデックス注射とタスオミンを服用しています。来月、術後2年目の検診として、骨シンチとマンモ・CTの検査をする予定です。2年前に乳がんの診断を受けた時、マンモでは異常なしと診断され、超音波やMRIもグレー判定で、最終的には細胞診で悪性と判断されました。 その際に、小葉癌はしこりを形成せず、散らばるタイプのがんであるとの説明を受けました。その頃インターネット等で調べた情報ですが、小葉癌は両側に発症する確率が高いとありました。
1) 小葉癌はマンモでもわからなかったのに、マンモの検査に意味はあるのでしょうか?
2) 反対側は違うタイプの癌になる事もあるのでしょうか?
3) 他に受けておいた方が良い検査はありますか?

以上、よろしくお願いいたします。

1)小葉癌だけを見つけるためにマンモグラフィーを行うのではありません。たくさんの乳癌を見つけるのに、触診による検診より優れた方法だからマンモグラフィー検診が推奨されています。しかし、マンモグラフィー検診が全ての乳癌を見つけてくれる訳ではありません。また小葉癌も全てがしこりを作らない訳ではありません。小葉癌の中に一部、しこりを作らず広がるタイプがあることがわかっていて、早期診断に苦慮しているのが現状です。
2)異時性両側乳癌については違うイプの乳癌ができることの方が多いです。小葉癌は両側乳癌の頻度が高いと言われていますが、そうではないという報告もあり、現時点でははっきりいえません。
3)一年に一度のマンモグラフィーと触診が基本です。米国では高危険群に対してMRIが推奨されていますので、希望するなら主治医の先生に相談してみてください。(文責 清水)

 

No.9376】  10年02月09日  M
再手術の期間について(HPNo.9336-2)

先日質問させて頂き、回答を頂きましてありがとうございました。再手術について改めて質問メールさせて頂きます。「非浸出性乳管癌」で先月手術し、残存があり再手術する事になりました。総合病院に受診している為、結構混んでいて、すぐにはオペして頂けない様です。それは仕方がないので待ちますが、時間が空くことによって残存している癌が悪さして「広がらないか」、「転移しないか」・・・と、不安になる毎日です。何ヶ月位なら放置しても問題がないか教えてください。たびたび申し訳ございません。

非浸潤性乳管癌は病期だと0期であり、非常に早い段階の癌です。腋窩リンパ節転移は1%以下と言われており、遠隔転移することはまずありません。もちろん放置すれば広がったり浸潤癌になる可能性はありますが、それも年単位での進行です。半年程度なら、ほぼ変化ないと思います。さらに、残存している癌の量はごく少ない可能性も十分にあり、逆に追加で切除したのに癌は残っていなかったということもあるわけです。最終的には、主治医の先生にもう一度よく話を聞いておくことが不安を取り除く最良の方法です。(文責 上島)

 

No.9375】  10年02月08日  E.Y. 
えくぼ症状、ひきつれについて

41歳、子供なしです。15年程前から、左胸の外側上にしこりがあります。骨か乳腺の上に張り付いているような感じで、石鹸でなぞると、明らかに右胸にはないゴツッとしたでっぱりに引っかかります。3年〜5年前に2、3回会社の健診で、エコーをしてもらいましたが、線維腺腫か、脂肪の塊?みたいなことを言われました。要経過観察になっていました。しこりの大きさは、15年前から変わっていない感じですが、左胸のほうが大きくなってきました。しこりのあるあたりが全体に張っている感じで、大きく見えてしまいます。気になっている事は、手を上げるとひきつれがはっきりとある事です。5センチほど縦に線が出ます。また、しこりの上を掴むと、えくぼが出来ます。これも15年前からあります。近いうちにきちんと検査をと思っているのですが、10年も前からあるしこり、ひきつれ、えくぼ症状が、癌の可能性はやはりありえるのでしょうか?  ひきつれが出来てしまう時は、もうすでにかなり進行が進んでいると思ってしまうのですが・・・。ご回答、宜しくお願いいたします。

とにかく受診して頂くのが一番です。可能性があるかと聞かれればないとは言えません。つまり、15年も前からあって大きさが変わらなければ通常は良性ですが、その近くにガンができた可能性は否定できません。とにかく受診して検査を受けてください。(文責 清水)

 

No.9374】  10年02月08日  K
乳がん肺転移について

乳がん肺転移の手術についてお尋ねします。私の病歴は大変長いので、ご判断の参考になればと下記に記載します。
1) 1985年10月 乳がんで左乳房全摘出手術。後から直径3cmと聞きました。リンパに1個のがん。ノルバテック、フルツロン
2) 1994年9月  右肺に5mmの影が見つかり診断治療目的で手術。センがんのため、なんの癌か不明。
3) 2002年7月  右乳房に乳がん、全摘手術 ステージUb 最初のリンパ節に5個のがん。CMF化学療法、内分泌療法。
4) 2009年6月  左肺に5〜8mmの影がみつかる。

何度も癌の手術はしましたが、薬の副作用もなく、仕事をしながら水泳や山登りなども楽しんできました。主治医はずっと経過を診てくださっているので、取ってはっきりさせたらどうかと言ってくださいます。2008年5月、2009年6月、2010年1月、CTの結果、大きさは同じで変化ありません。2009年のほうが2008年よりくっきりしていたので、転移の疑いありと判断されたようです。このような状況下で、手術のメリットとデメリットを教えてください。よろしくお願いします。64歳です。

大変難しい問題です。手術のメリットは白黒がつくことです。デメリットは経験されているのでわかると思いますが、手術侵襲が大きいので大変だということです。前回の経験があまり大変でなかったというなら思い切って手術を選択されては如何でしょうか。大変だったのでできればやりたくないというならば、もう少し経過を追って大きくなるか?多発してこないか?を見るという手もあると思います。(文責 清水)

 

No.9373】  10年02月08日  M 
今後の治療について

09年8月、29歳で告知、術前EC4回、12月に温存手術+リンパ廓清、病理検査で2.6cmあったしこりは全て死滅、死骸のみ、リンパ からもガンは見つからなかったとの説明を受けました。術後はタキソテール → 放射線 で治療打ち止めと言われました。ホルモン治療は効果がないですからと・・・。
1) 病理検査結果というのは一般的に患者に見せるもの(渡す物)ではないのでしょうか? みなさんの様に細かい内容はまったく知らされません。自分から聞かなければ教えてもらえないものですか?
2) EC→手術→タキソテール→放射線 というのは、妥当な治療でしょうか?
3) トリプルネガティブという事と理解していますが、術前で全て死滅した場合の予後は、死滅していない場合と違いはありますか? また再発率は?

沢山の質問で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

1) 病理検査報告書は病理医が主治医に報告するために書くもので専門用語が多く、また英語で記載されることも多いので、素人の方が見てもわからないと思います。ですから、病理の報告書をそのまま患者さんに渡している病院は少ないのではないでしょうか。通常は、その中から、患者さんが治療法選択に必要な情報をピックアップして説明しているところが多いように思います。どの情報をピックアップするかは、その主治医の個性でしょう。しかし、聞きたいことがあれば、主治医に尋ねれば教えてくれると思います。少なくとも皆さんがよく書いている、組織型、大きさ、リンパ節転移の有無、ER,PR,Her2、悪性度程度は聞いておいた方がよいと思います。貴女の場合、術前化学療法でpCR(病理学的完全寛解)ですから、貴女のガンの情報は化学療法前に行なった針生検の結果にしかありません。
2) 標準的かと聞かれれば、ほぼ標準的です。というのは同じ方法の臨床試験が米国で行なわれているからです。最も標準的な方法は、EC->タキソテールもしくはタキソール->手術->放射線です。しかし、ECだけでpCRとなったのですから、結果オーライです。ECだけでpCRであれば術後のタキソテールはいらないのではないかという議論もあると思いますが、米国の臨床試験では術後に入れているので、原則はやったほうが良いでしょう。
3) 術前化学療法後の病理検査で全てのがん細胞が死滅している(pCR)ということがわかれば、予後が良いということは証明されています。貴女と同じ治療法を行なった米国の臨床試験(NSABP B27)では8年生存率までが出ていますが、EC->手術->タキソテール群は全体では8年生存率は75%ですが、pCRだった例では90%です。(文責 清水)

 

No.9372-1】  10年02月08日  TM 
現在の病状について

初めて相談させて頂きます。現在39歳のTMと申します。昨年11月に受けた検診で左乳房に石灰化が見付かり、再検査を受けた所、エコーにて対側の右乳房にしこりが見付かりました。細胞診の結果悪性とのことで、年明け1月4日に乳房温存術を受けました。術後の病理の結果、「充実腺管がんで、腫瘍の大きさは8×8×10_、ER80%陽性 PR10%陽性 、ハーセプテスト(−)、異型度3(○○67 40〜50%、☆○○の箇所はアルファベットですが、よくわかりません)、リンパ節への転移なし、脈管浸潤なし、遠隔転移なしのT期」とのことでした。今後の治療として、ホルモン治療と放射線治療を予定していますが、化学療法を追加すると10年後生存率は93.5%→96%と2.5%上がるとのことで、受けることにしました。左乳房については細胞診は(−)でしたが、マンモトームは焦点が定まらなくてできず、経過観察になりました。このような経過ですが、
1) 再発率はどれくらいでしょうか? (化学療法した場合、しない場合)
2) 左乳房が悪性である可能性は高いのでしょうか?
3) 上記悪性度の○○の意味は? 分かるようであれば教えて下さい。

お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

1) 十年での再発死亡率は、無治療で5%、術後治療が内分泌療法単独で3%、化学療法単独で4%、両方行って2%でした。ですからホルモン療法に化学療法を追加するメリットは1%程度(主治医の計算と少し違いますが、主治医の計算は無治療に比べて両方行なった場合ではないでしょうか)と思います。
2) MMGを拝見していないので何とも言えませんが、主治医が細胞診(-)で経過観察と判断したのであれば、とりあえずは悪性の可能性は低いと考えるのでしょうか。どちらにしても、術後は一年毎のマンモグラフィー検査がガイドラインで推奨されているので、ガイドラインどおりに検診すれば心配ないと思います。
3) 多分Ki-67のことだと思います。最近話題になっている増殖マーカーの一つです。この値が高いと悪性度が高いということですが、検査法が細胞の数を数えるという原始的な方法なので、その再現性等に問題がある検査です。貴女の場合の異型度3とほぼ同じ意味です。(文責 清水)

 

No.9372-2】  10年02月10日  TM 
再発率と死亡率について

相談NO.9372「現在の病状について」で相談させて頂いたTMと申します。早急に回答頂きありがとうございます。今後の治療の参考にさせて頂きます。再度1点だけ確認させて下さい。「10年後再発率イコール10年後死亡率」という捕らえ方でよいのでしょうか?  素人考えですが、再発していても死亡していない場合はどうなんだろうと思ってしまいました。すみませんが、宜しくお願いします。

一般には、再発率というのは生死を問わず再発がある人の数を計算し、死亡率とは死亡原因を問わず死亡したした人の数を数えます。Adjuvant Onlineで計算する場合、再発率で計算すると、遠隔転移、局所再発以外に同側乳房内再発、対側乳がんの数も数えますからかなり高い再発率がでます。一方死亡率は乳癌が原因で死亡した人の数と他の病気で死亡した人の数を分けていますから、乳がん再発死亡率では命に関わる再発があって死亡した数がわかります。逆に言えば、生存者の中には再発していていても生存している人が含まれていることになります。私の考えでは、再発死亡率というのは実際の再発率より若干低い数字になりますが、皆さんが心配している再発、すなわち命に関わる再発を見るためには、再発率より再発死亡率の方が近い気がしてこちらを使っています。(文責 清水)

 

No.9371-1】  10年02月08日  Y,K
ホルモン療法について

乳がんのホルモン療法について教えてください。H17年、38才の時、硬がん1.8センチ、5ミリの2箇所、リンパ節転移なし、脈管侵襲軽度、ホルモン陽性、悪性度2、左温存術をしました。放射線後、現在タスオミンとリュープリンのホルモン治療中。再発もなく経過しておりますが、標準治療5年の終了が近くなるにつれて、また不安が大きくなってきています。現在43歳で閉経前だと思いますが、今後も推奨される治療があれば続けていきたいと思ってます。主治医は一般外科の先生で、乳がんの症例も少ない病院です。ぜひ乳腺専門の先生のお話が聞きたいので、よろしくお願いします。
1) 閉経前と仮定して、今後考えられる治療の選択肢は、どのようなものがありますか?
2) いつごろ卵巣機能の検査は行うとよいですか?
3) 標準治療が終わると、ホルモン陽性患者の再発が増えると聞いたことがありますが、再発の可能性はどれぐらいでしょうか?
4) 母親(現在77歳健在)は、30年前に乳がん全摘出術をしました。そして、私には11歳の娘がいます。娘の今後の成長に対して、乳がん予防、早期発見のために現在の医療で考えられる最善の対策を教えてください。必要であれは遺伝子検査も考えています。

1) 考えられる選択肢は1)全て治療を終了する(これが標準的)、2)全ての治療を継続する(これは全くエビデンスがありません。またリュウプリンが長くなることから骨密度のcheck、タスオミンが長くなることから子宮体がんの checkが必須です)、3)リュウプリンを中止してタスオミンを続ける(ATLAS試験等から5年以降の若干再発が抑制されるようですが、子宮体がんのリスクは更に高まります)。5年経過したことから、貴女の再発のリスクはかなり低くなっています。骨粗鬆症や子宮体がんといったリスクとの相対的な評価で決めてください。
2) 卵巣機能を正確に測るには、全ての治療を止めてみないとわかりません。まずはリュウプリンを止めて生理が戻るかどうかでしょう。戻らないときにE2,FSHを測定してみます。
3) 標準治療が終わって再発が増えるということはありません。貴女の場合、再発率は手術直後で7%程度、治療で2%程度低くなり、更に5年経過したことで3%は低くなっていますから、現時点で2%程度でしょうか。2%という数字は、貴女が他の病気で亡くなる危険率と同じ数字です。
4) 最善のことは、娘さんに正しい乳癌の知識をつけてあげることです。正しい知識を教えることが難しければ、貴女やお母さんの経験を正確に伝え、怖い病気ではないこと、自己検診を行なうこと、検診適齢期になったら、その時代の標準的な検診を受けることをしっかり伝えることが肝要です。遺伝子検査は専門のカウンセラーがいるところでないと受けられません。受けて遺伝性であるとわかった場合、それをどのように娘さんに伝え、どう対処するのかは大変難しい問題です。そこまで考えてから検査を考えてください。(文責 清水)

 

No.9371-2】  12年01月05日  Y,K
今後の治療について

以前相談させていただきました。平成17年4月に乳癌の温存手術をしました。ステージ1(1,8センチ、5ミリの2箇所)、ホルモン陽性、悪性度中程度、ハーツーT。放射線治療後、リュープリンを5年、ノルバデックスを6年服用しました。再発もなく、平成23年9月から無治療です。11月から生理が再開しました。腫瘍マーカーを3ヶ月毎定期的に測定してきましたが、先日の検査で、NCC ST439が17に急上昇していました。それまでは0〜2ぐらいで、安定していました。ほかのマーカーは変化ありません。主治医は、生理が始まったことの反動も考えられるとのことですが、急激にに高くなったことが気になります。(関係あるかどうか分かりませんが、6年ぶりの生理で、かなり出血が多かったこと、以前子宮筋腫を言われたこともあります。) いろいろ調べましたが、とにかく次回1ヶ月後の検査の結果を見ること、画像を見て判断しなければならないことは分かりましたが、結果が悪かった場合のために心の準備をしておきたいのです。このような場合は、先生の経験からは、ホルモン治療終了後のST急上昇で 再発の可能性はどのように思われますか? もし再発だった場合は、今後どんな治療が考えられますか? ホルモン治療を再開するのか、それとも抗がん剤を選択するべきなのでしょうか? もしそうなら、どのような薬を使うのでしょうか? 年明け早々、申し訳ございません。よろしくお願いします。

術後経過観察のガイドラインには、”腫瘍マーカーは術後再発checkに有用でない“とあります。その理由は、再発していないのに高くなったり、再発していても高くならなかったりするからです。腫瘍マーカーの値で一喜一憂することは精神的によくないので、できるだけしないようにした方がよいと思います。とは言っても気になりますよね。今回のように突然異常値になった場合は、まず再検査をすることと、これを機会に全身の検査をします。その結果、再発がみつからなければ経過観察です。万が一再発が見つかった場合は、リュープリンとノルバデックスを再開する事から始めると思います。(文責 清水)

 

No.9371-3】  12年05月07日  Y,K
マーカー上昇について

10498でお世話になりました。NCC-ST439の上昇について、また質問させてください。昨年ホルモン治療終了後、生理が再開してからNCCーST439が上昇しています。今年の2月にCTとシンチをして異常なしでした。しかしマーカー値は、「12月17 ・1月 35 ・2月 15 ・4月 20」と変化しています。右肩上がりというほどではありませんが、上限を大幅に超えた状態で、安定せず経過してます。毎日不安で過ごす中、やはりホルモン治療を再開してみたいと思うようになりました。私のようなケースで、再発と確定できない場合にも、予防のためにホルモン治療を再開したケースは、先生の経験からございますか? その場合、リュープリン、またはノルバデックス、どちらを使う場合が考えられますか? 私の通院する病院では、年間乳癌手術も20件弱と症例も少なく、担当の一般外科医の先生としても判断に迷っているようです。私としては、標準治療でないことでも、再発予防のために出来るだけのことはしたいと思っています。どうか乳癌専門医の先生のご意見をお聞かせください。いつも忙しい中申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

前回お話ししたように、腫瘍マーカーの値には偽陽性、偽陰性が一定頻度あります。ですから、一回一回の結果に一喜一憂されないことをお勧めします。どうしても心配ならば、再度画像検査を行なうしかありません。画像検査で異常なく、一つの腫瘍マーカーだけが高い場合は通常は腫瘍マーカーの偽陽性と考え、治療はしません。強いて言えば、2〜3種類の腫瘍マーカーが全て右肩上がりに上昇しているにも関わらず、画像検査で異常が見つからない場合、かつホルモン受容体陽性の場合、診断的治療として内分泌療法を行う事があります。内分泌療法にもそれなりの副作用がありますから、安易な投与は控えた方がよいと思います。(文責 清水)

 

No.9371-4】  12年12月25日  Y,K
子宮体癌

以前10616でお世話になりました。2005年(38歳)に乳がん温存術で、ホルモン治療(リュープリン5年、タスオミン6年)を年齢が若い事もあり、自らの希望で標準より長く行いました。昨年の11月より生理が再開したあと NSTの上昇(35↑)が見られましたが、その後、少しずつ低下しており、現在の値は10です。少し安心していたところ、先日の健診で、貧血で要精検が出たので、婦人科受診。子宮内膜にポリープのようなものがあると言われました。現在は体癌の細胞診結果待ちです。結果が出るまでは落ち着いて待たなければなりませんが、質問させてください。
私の場合は、ホルモン治療を通常より長く行っているので、体癌の可能性も普通よりは高いと認識しています。ホルモン治療後、閉経前の患者で体癌やポリープは確率的にはどれぐらい多いのでしょうか? また、転移なのか、新たな癌と、どちらが多いでしょうか? ホルモン治療終了後でも、その影響で体癌になる場合もあるのですか? 婦人科関連のことですみませんが、先生の経験の中で教えていただければ助かります。お忙しい中とは存じ上げますが、よろしくお願いします。

質問有り難うございます。ホルモン治療を長く行った場合の子宮体癌についてのご質問ですが、残念ながら、通常5年間の内服に対して、6年間の内服でどれくらい子宮体癌や子宮ポリープの頻度が上がるかというデータはありません。参考になるかどうかわかりませんが、データをお示しします。「5年投与」と「投与なし」で比べた場合、15年後の子宮体癌での死亡率は、「投与なし」に比べて、「5年投与」で0.2%の増加をします。また「10年投与」と「投与なし」で比べた場合、15年後の子宮体癌での死亡率は「10年投与」で0.4%の増加をします。
また、子宮に癌が発生する場合、そのほとんどは新規の病変で、乳癌が転移してくることは非常にまれです。ホルモン治療後に、その影響で子宮体癌になったのか、ホルモン治療とは関係なく子宮体癌になったのかは、非常に難しい問題で、どちらの可能性もあり得る話しです。あまり、明確な回答がなく申し訳ありません。
術後7年経過したとはいえ、再発をはじめとし、いろいろと心配はつきないところですね。お察しします。ご自身の身体のことだから、数字やデータが気になるのは仕方がありませんし、自身のことだから知っていたいと思いますが、今まで、やるべきことをやってきたので、きっと結果はついてくるはずです。腫瘍マーカーの数字にしても、体癌のリスクにしても、細かな数字、データに振り回されることなく、もう少し、ほんの少しでいいので、自信を持ってみて下さい。応援申し上げます。(文責 鈴木)

 

No.9370-1】  10年02月08日  T 
抗がん剤治療について

温存手術を受け、1ヶ月半経ちます。抗がん剤治療は、現在のガイドラインからいくと、してもしなくてもよいと主治医から言われ、迷っています。再発のリスクと抗がん剤の副作用が、まるでシーソーに乗っているようで、決断ができない状態です。主治医は、脈管侵襲が心配だけど、8割の先生はしなくても良いと言うだろうとおっしゃり、私にとってはアドバイスになっておらず、困っています。セカンドオピニオンも聞く予定ですが、こちらでもご意見をいただければと思い相談させていただきます。腫瘤摘出術での病理診断は、浸潤性乳管癌、腫瘍は2.0x1.5x1.0cm、ER90%、PgR90%、核グレード1、Her2スコア1、ly+、v+です。その約40日後の手術での病理診断は、リンパ節転移0個(0/4)、切除部に癌組織の残存なし。診断はT1N0M0(ステージT)です。主治医のことは信頼しており、これまでの検査や治療については先生についてきて良かったと思っています。そろそろ決断して前向きに術後治療を受けたいと考えています。よろしくお願いいたします。

貴女の年齢がわかればAdjuvant Onlineで無治療の場合の再発のリスク、抗がん剤を加えた場合再発のリスクを計算できます。しかし、それを使っても抗がん剤の副作用と治療効果との相対的な関係は自分で判断するしかありません。もうひとつ、お金があればOncotype Dxという貴女の乳癌組織の中の21個の遺伝子を調べて、抗がん剤を行なった方が良いかかどうかの指標を示してくれる検査があります。ちなみに検査は米国へ送って行なうので40万円程度かかると言われています。(文責 清水)

 

No.9370-2】  10年02月10日  T 
抗がん剤治療について(2)

抗がん剤治療について回答いただいた者です。44歳です。何度も申し訳ありませんが、ご提示のサイトは私にはチンプンカンプンなので、リスクの計算をよろしくお願いいたします。

Adjuvant Onlineでは10年生存率94%, 乳癌が原因で死亡する確率3%, 他の病気で死亡する確率3%でした。ホルモン療法による死亡率の減少効果は1%、化学療法による死亡率の減少効果は1%、両方行った時の死亡率の減少効果は2%でした。(文責 清水)

 

No.9369-1】  10年02月08日  M.S.  
乳管ガンの治療法について

30歳、独身です。昨年秋に乳頭より微量の出血があり、その後、マンモグラフィーと超音波検査を受けました。その際は異常が見つからず、MRIで再検査をし、更に内視鏡検査をしたところ、乳管の一つにガンらしきものがありました。加えて、生検の結果も悪性と出ましたので、1月半ばに検査手術をし、乳管を摘出しました。現在、病理結果待ちなのですが、ガンであることは間違いないと宣告され、乳管が破れていたら再手術が必要とのことです。ガン細胞の出来ている部位にもよりますが、乳頭の部分にガンがあれば全摘とのことです。ただ、ステージはゼロなのに、全摘という宣告が受け入れられないでおります。全摘以外に治療法はないのでしょうか。できれば温存したいと思っています。

乳癌の進行度(ステージ)と手術の方法に相関はなく、できた場所と乳房に対する相対的なしこりの大きさが関係あります。つまり、早期なら温存、進行していれば全摘ということではなく、早期でも乳頭に極めて近く乳頭まで病変が進展していると考えられれば乳頭を含めた切除(通常は全摘)が推奨されます。逆にしこりが大きくリンパが腫れていても、乳房が大きく、できた場所が乳頭から離れていれば乳房温存が可能になります。Mailの内容からは乳管腺葉区域切除が行なわれたと推察しますが、主治医の先生のおっしゃるようにポイントは二つ、一つは浸潤(乳管が破れている状態)があるかどうか、もう一つは乳頭側断端(切除した標本の最も乳頭に近い部分)にがん細胞があるかどうかです。前者については、浸潤=転移の可能性がある、ですから命に関わる問題で、再手術で腋窩リンパ節の切除検査(通常はセンチネルリンパ節生検)が必要になり、場合によってはしこりの部分を追加切除、全身治療が必要になります。一方、後者は乳頭を切除した方が良いかの判断の材料になり、陰性(断端にがん細胞がない状態)であれば乳房温存が安心して行なわれますが、陽性(断端にがん細胞がある=乳頭近くにガンが残っている可能性がある)であれば乳房切除が推奨されます。しかし、この問題は命に関わりませんから、乳房内再発のリスクが高くなることを了解してもらえれば、乳房温存も可能です。この2点に注意して、次回主治医の先生の話しを良く聞いてください。(文責 清水)

 

No.9369-2】  10年03月28日  M.S.  
非浸潤癌のトリプルネガティブ

以前、治療法についてご相談させていただきました。とても参考になるご意見、有難うございました。その後、2月に乳房扇状部分切除を行い現在は放射線治療中です。ステージゼロの非浸潤癌でした。放射線治療の後、ホルモン療法を行う予定でしたが検査の結果、トリプルネガティブであることが分かり、ホルモン療法はやらないということになりました。トリプルネガティブは予後不良で再発率も高く、再発した場合の余命は約9ヶ月と、ある記事に載っておりました。一方で、非浸潤癌の再発率は非常に低いと聞いております。一体どちらの情報を信じたらよいのか困惑しております。やはりトリプルネガティブである以上、再発の可能性は高いのでしょうか。どうぞ宜しくお願い致します。

理論的には、乳管外にリンパ管や血管があるので、非浸潤癌は転移しないと考えられています。したがって、トリプルネガティブでも同様で、非浸潤癌であれば、転移の可能性は、きわめて低いと考えられます。(文責 徳田)

 

No.9368】  10年02月08日  M 
最終確定結果(2月10日)を待っています

私は31歳で、子供2人(7歳・4歳)います。乳がんの最終確定結果(2月10日)を待っています。12月20日、出産した産科で超音波エコーをしました(右に15センチのしこり? 左なし)。先生は、おそらく線維腺腫じゃないかと判断、経過観察へ。1月15日、超音波エコー 右 消えている 左 14センチ。12月20日以降、自分でも気になりさわっていたら、左に確かにしこりがあるのに気づく。20日のエコーでは見つけることが出来なかったのか、急に出てきたのか? 「おそらく線維腺腫じゃないかなぁ?」とおっしゃりながら、大きな病院へ行こうかということで紹介状を出してもらいました。1月25日、マンモ・エコー・細胞診。マンモにも私が見てもはっきりした白い塊がありました。先生は、おそらく線維腺腫じゃないかということで、細胞診、乳房MRIをとることに。
2月1日 細胞診・乳房MRIの結果日、ガンの疑いあり。先生はステージ4と言ったのですが、カテゴリー4の間違いですよね? ここがとても心配です。先生も、まさかガンの疑いで結果がでるとは思わなかったとはおっしゃっていましたが、その日に針生検をして、9日にCTも撮ることになったのですが、次回(2月10日)はご主人も一緒にということでした。CTまで撮るということは、確実にガンというのを前提で、10日には治療方針の選択を先生がもう決めているということになるんでしょうか。不安な日々ですが、ガンはもう仕方がないと思うようにはしていますが、転移だけが心配で心配で・・・。

細胞診の結果でガン疑いならばクラス4でしょう、ステージ4ということはありません。いずれにしても今回の針生検の結果が全てだと思いますから、その結果を待ってください。CTは通常は確定診断がついてから行なうことが多いのですが、病院によっては検査の混み具合等の事情から順番を変えて行なうこともあります。転移については今から心配しても始まりません。ガンであることを確認し、画像で遠隔転移がないことを確認し、今後の治療方針を相談して治療に望み、治療の結果から、転移のリスクを評価して、リスクを下げる治療をしっかり行なうというように、ひとつひとつステップを踏んでいくことが肝要です。(文責 清水)

 

No.9367】  10年02月08日  M.N. 
センチネルリンパ節生検後の腋の痛み

昨年11月に右乳房全摘手術と同時にセンチネルリンパ節生検を行い、術後の病理検査の結果、9mmの乳頭腺管がんの中に一部微小乳頭がんが見つかりました。センチネルでは2個のうち1個に微小転移があり、脈管侵襲のリンパ管+、HER2タンパク2+(Fish+)、ホルモン受容体+で、悪性度2となりました。センチネルで微小転移がありましたが、リンパ節郭清はせず、抗がん剤で1月から全身治療しています。FEC4回、その後、タキソールとハーセプチン、タキソール終了後よりホルモン治療5年の予定です。最近右腋の下の奥のほうが時々ピリピリと痛むのが気になります。他のリンパ節に転移している可能性があるのでしょうか。腋の下に蚊に刺されたような膨らみがあるのですが、これはセンチネルの結果なのでしょうか。

右脇の下の奥の痛みが転移の最初の症状である可能性は低いと思います。術後まだ3ヶ月ですから、手術の影響と思われます。次回受診時よく診察してもらってください。(文責 清水)

 

No.9366】  10年02月04日  T
検査結果の説明について

40歳です。初めて受けた検診(マンモグラフィ)で1センチ位の丸いしこりが見つかり、大学病院への紹介状をもらいました。初診で、触診・マンモグラフィ・エコー(映らず)、1週間後にCT(診察なし)、その約2週間後にMRI(診察なし)を撮りました。1週間後に結果を聞きに行き、再度エコーをしたらしこりが確認できたため、麻酔なしの針の検査(細胞診?)をやりました。検査をする前に、「のう胞だとは思うけど、少し気になるのが、中にケツリュウ(血管?よく聞き取れませんでしたが、血に関係することのようでした)のようなものが見えるような気もするんだけど…とにかく検査しましょう」というようなお話があったのですが、1週間後の検査結果は「乳腺症」とのことでした。最初の病院で年に一度検査を受けてくださいとのことで終了、すっかり安心して ケツリュウ(血管?)のことを聞き忘れてしまったのですが、細胞の検査で大丈夫だったのだから、ケツリュウ(血管?)も無かったということなのでしょうか? ネットで血管新生という言葉にたどりつき、不安になってます。それから、多くの方は「ステージ」「クラスは…」と、ご自分の状況をよく把握されていますが、私は自分の状況が何もわかりません。針の検査の時に先生に尋ねたら、「今はその段階ではないよ」ということをおっしゃられていたのですが、本などには「何センチ以下で転移なしはクラス○○」などの表がありますよね。マンモグラフィで1センチのしこりがあったので、何かしらの分類に分けられないのでしょうか? 自分の状況がまったく分からないので、もう少し詳しく知っておきたいと思うのですが、主人は「先生が大丈夫というんだから大丈夫だろう、しつこいと思われるし、信頼してないのかと思われるぞ」と言ってます。それもそうかとなと思い、聞きに行く勇気がなく、相談させて頂きました。どうかアドバイスをよろしくお願いいたします。

血流について;主治医の先生がおっしゃった血流とは、エコー検査でカラードップラーという検査を行なって、腫瘤の中に血流がある所見があったということだと思います。嚢胞であれば血流はないので、嚢胞以外の病変を考えて念のために細胞診を行なったのだと思います。その結果が乳腺症だった(乳腺症であれば血流があってもおかしくはない)ので心配ないと説明されたのだと思います。血管新生というのはがんが自分を栄養するために新しい血管を作ることで、言葉は似ていますが全く違うものです。
ステージ,クラス;ステージというのは臨床病期のことで、癌と診断されたあとで、その癌の進み具合を1期(もしくはステージ1)、2期、3期、4期と表します。一方クラスは癌と診断される前の段階で、細胞診の結果を正常(クラス1)か、良性(クラス2)か、良悪性の鑑別ができない(クラス3)か、癌疑い(クラス4)か、明らかに癌(クラス5)かで表します。皆さんが誤解しやすい数字ですが注意してください。ちなみ貴女の場合は乳腺症ですから、クラス2で、癌ではないのでステージ分類はできません。(文責 清水)

 

No.9365】  10年02月04日  G 
乳癌の術後療法について

初めてメールさせていただきます。乳癌(粘液癌)と診断され、乳房温存手術を受け、断端陰性・センチネルリンパ節生検の結果、転移無しでした。今後の治療は放射線照射との事ですが、年齢が34歳であり、腫瘍の大きさ2.7cmの為、ホルモン療法と化学療法を受ける事を薦められました。腫瘍の診断としては、リンパ節転移数の個数は3個中0個、腫瘍の悪性度1、ER・PgRともに陽性、HER2は1+、脈管への侵襲は無しです。粘液癌には抗がん剤が効かないとありますが、本当でしょうか? また、いずれ子供が欲しいと思っているのですが、ホルモン療法は5年間は妊娠が出来ないとの事で、治療が終わると40歳となってしまいます。医学に絶対はないという事は分かっているのですが、抗がん剤、ホルモン療法は行った方がよいのか迷っております。主治医は、後悔しない為にも治療をした方がいいのではないかと言っています。お忙しいところ申し訳ございませんが、ご回答お願い致します。

たしかに粘液癌は抗がん剤が効きにくいと言われていますが、はっきりとしたエビデンスはありません。一方で粘液癌は予後の良い乳癌(再発の少ない乳癌)であることも事実です。貴女の状況をAdjuvant Onlineで見てみました。その結果、10年後に貴女が生存している確率は87%、他の病気で死亡する確率が1%、手術だけで術後治療を全くしない場合、乳癌が原因で死亡する確率が12%になりました。そこでホルモン療法を行なうと乳癌による死亡のリスク12%が8%に減少し、抗がん剤治療(AC,CMFなど)を行なうと乳癌による死亡リスク12%が9%に減少し、ホルモン療法と抗がん剤治療の両方を行なうと乳癌による死亡のリスク12%が6%に減少します。このデータは粘液癌ではなく通常の浸潤性乳管がんの場合のデータですから、粘液癌ではこれよりもう少し良いデータ(乳癌による死亡のリスクは10%以下)になると思います。主治医の先生は、このデータが示すように最も再発のリスクが少ない治療法を選んで、ホルモン療法と抗がん剤を勧めているのでしょう。しかし、抗がん剤治療を行なうと、その副作用で閉経してしまい、子供が産めなくなる可能性が出てきます。そのことも十分考えた方が良いと思います。また、ホルモン療法5年間行なうか、行なわないかは二者択一ではなく、ホルモン療法2年間でもそれなりの再発リスクの軽減は得られます(ホルモン療法5年間よりは若干小さいですが)。長くなりましたが、結論は、もし貴女がどうしても子供は欲しいと考えているのであれば、10%以下というリスクは小さいと考えて無治療でいく選択肢、こどもはいらないと考え、少しでも乳癌再発のリスクを少なくしようというのであれば主治医の提案に従うという選択肢(40才過ぎで、抗がん剤で閉経しなければ子供を作るチャンスはゼロではありません)、もう一つは、2−3年間ホルモン療法を行なって、少しでも再発のリスクを少なくしておいて、子供を作るという選択肢、この3つが考えられるのではないでしょうか。(文責 清水)

 

No.9364】  10年02月04日  I
線維腺腫の細胞診について(HPNo.9354-2)

早速のご回答ありがとうございます。こんなに早くメールをいただけるなんてうれしいです。
先生はひどい症例を他によく診てきているのか楽観的で、前回の診察の最後に、「この線維腺腫が乳がんに変わることはありませんか?」と聞くと、「ない」と答え、また「将来乳がんの可能性がありますか?」と聞くと、「ありますが、全女性にあります。」とお答えされました。そのように先生がおっしゃるので、その場は納得したのですが、この度アドバイスをいただいたので、勇気を出して電話してみました。すると、乳腺外科のコーディネーター(受付)の人が、次回の6ヶ月後の診察時(予定)にも細胞診の指示はカルテには書いてないとおっしゃり、その病院では必要な人しか行っていないとのことでした。予約も取りづらく、私事ですが、3月末に関東地方に引っ越しの可能性もあることから、3月8日に検診の予約を入れました。それまで何もせず大丈夫でしょうか。手元に3月まで有効の自治体の無料券があるのを使用し、別ルートで検査したほうがいいでしょうか。肩や肩甲骨付近のこり、腕こりは関係ないですか。一昨日整形に行ったところ、右肩のレントゲンを撮りましたが、骨には異常がないそうです。もっと深刻な症状の方もいらっしゃるのに、このような程度の相談で本当にすみません。お時間があれば、ご回答よろしくお願いします。

線維腺腫が将来がんに変わることが絶対にないといとはいいきれませんが、あるとすれば極めて稀なことです。線維腺腫より、線維腺腫以外の正常な乳腺の方がはるかにがんになりやすいと考えられています。細胞診の検査を予約で行うことはあまりありません。通常は診察をして、必要があると診断され、触診でわかればその場で行います。新しい検診機関を受診すると、又一からのやり直しになります。近々転居されるということであれば、転居先でまた新しい病院で診てもらうことになる訳ですから、今回は同じ病院を受診され、次の病院につながる診療情報提供書(いわゆる紹介状)を書いてもらうのが良いのではないでしょうか。線維腺腫と肩や腕のこりは関係ないと思いますし、ましてやがんとも関係ありません。(文責 清水)


 

No.9363】  10年02月04日  K 
右乳首のしこりについて

中学3年の15歳男です。右乳首の辺りに、少し固いしこりがあります。少々、両胸が尖っている?感じがあり、とても心配で怖いです。右乳首は押したら少し痛みます。どうしたら良いでしょうか?

貴男のしこりは、多分、思春期女性化乳房症という病気ではなく、子供が大人に成長していく過程に起きる現象のひとつで、声変わり、ひげ、にきび等と同じと考えてください。だからといって全員がなるわけではなく、中学生から高校生くらい(早い子では小学生もいる)で、だいたいクラスに一人程度の頻度といわれています。固いしこりのうちは目立ちませんが、人によっては女子のように胸が大きくなってしまい、人前で服を脱ぐのが恥ずかしい状態になってしまうこともあります。自然現象なので特に治療はありません。数ヶ月で自然に治ります。数ヶ月経っても良くならないような場合、稀な病気が原因のこともありますから 外科もしくは乳腺外科にかかってください。(文責 清水)

 

No.9362】  10年02月04日  H.T. 
今後の治療について

54歳。両側乳がんです。5年前(h16.12)に右乳房全摘手術。しこり、2cm弱、ER Pgr 陽性、グレード2。リンパ節転移無し。3年間、タスオミン、その後2年間アロマシンで、H21.12 ホルモン療法終了。H21.12 スクーリングのMMGで左乳腺石灰化指摘(カテゴリー4)、マンモトーム生検、病理組織診断。標本上は明瞭な浸潤像は確認できず、非浸潤性乳管がんではないかという診断でした。ER、Pgr共に陰性。H22.1.7 左乳房全摘手術。病理診断は、全体に萎縮性の乳腺組織です。既往の針生検(マンモトーム)部付近は瘢痕状ですが、その一部で、malignancyが確認されました。1.3cm程度の大きさで、その大半は、非浸潤性乳管がん像(DCIS)ですが、約2mm大の浸潤性乳管がん像も確認されました。Grade 1、断端陰性、脈管浸襲なし。ERは、浸潤がん部は陰性、非浸潤がん部では10%程度陽性、Pgrは陰性。リンパ節転移なし。HER2 3+、タンパク過剰発現ありでした。非浸潤がんであってほしいと願っていましたが、約2mmの浸潤性乳管がんがあったので、とても残念でした。主治医からは、St、Gallen コンセンサス会議2009の乳がん薬物療法の判断基準とNCCN2010のガイドラインを基に、私の場合追加的な補助治療はしないと説明を受けました。副作用の強い抗がん剤治療はしたくないと思っていましたが、今後、補助的治療が何もないのも不安があります。副作用の少ない治療法はないでしょうか? 乳がんの書籍等を調べると、HER2 陽性例には、ハーセプチンの単独治療を行なうこともあり、副作用も少ないと記載がありましたので、個人的には、副作用が少なく、多少の効果が期待できるのであればそのような治療をしてもらう価値はあるのではないかと考えています。あと、右乳がんのホルモン療法も5年で終了しましたが、これ以上続けても意味がないでしょうか? ご回答宜しくお願い致します。

ご相談ありがとうございます。右側乳がんのホルモン治療終了直後の左乳がんの診断で、大変ショックだったのではと拝察致します。私のお返事で少しでも今後の治療に関して整理できればうれしく思います。H.T.さんの今後の方針ですが、私もご担当の先生がご説明下さった通り、経過観察でよろしいのではないかと思います。HER2 3+ではありますが、NCCN2010のガイドラインでは、術後の抗HER2療法は1cm以上の腫瘍に対して使用を考えるべきであるとされています。さらに術後の抗HER2療法の試験は、全て化学療法との併用によるものであり、抗HER2療法単独は勧められていません。術後療法を全く行わないのは不安に感じると思いますが、不安を解消するために効果が乏しく副作用のある治療を行うことは、やはりお勧めできません。術後のホルモン療法の期間は、現在5年間を目安としていますが、まだ確定しているわけではありません。さらにホルモン療法を続けるかどうかは、副作用等のお話をよくご担当の先生にお聞きして、納得されてからお決め頂くのがよろしいのではないかと思います。(文責 齋藤)

 

No.9361-1】  10年02月04日  M.K. 
乳がん手術後の治療方針について

67歳の母のことですが、大阪市内の病院で乳房温存手術をしました。手術前は、ステージU(2.3cmの腫瘍で、リンパ転移疑いあり、肺、骨転移なし)。センチネルリンパ節をして、術後の病理検査の結果、13個の転移が見つかっております。乳腺専門医である担当医の治療方針は、標準的な治療はアントラサイクリン系とタキサン系の抗がん剤で、4+4で8コースをし、ホルモン剤治療、放射線治療ということです。しかし、髪も抜けることもありますし、副作用がきつく、通院も遠方で大変であり、確実にその人に効くともいえないようなので、お薬の抗がん剤(UFTE)、ホルモン剤、放射線という治療方針もあるとういうことをお聞きしています。お薬の抗がん剤は、昔は主流だったのですが、点滴の抗がん剤が出て来てから、ほとんど使用しなくなったらしいのですが、最近見直されてきて、ホルモン剤と一緒に使用する治療があるらしいです。この治療は、標準治療ではなく、臨床試験とまではいかないらしいのですが、試験的要素があるようです。この担当医には、最初に勧められた半年間ホルモン剤+お薬の抗がん剤先行臨床試験の手術先行パターンのような感じです。来年あたりに、新しいお薬の抗がん剤が出て、臨床試験となるようなことを言っておられました。現在のお薬の抗がん剤は、胃がんや肺がん等に使用したりもしているようなことを言われていました。母は、副作用があまりないお薬の抗がん剤治療を今の所は希望しています。担当医師は、娘さん世代(40歳前後)なら、絶対点滴の抗がん剤を勧めるけれども、67歳のお母さん世代なら、お薬の抗がん剤の方がいいかもと言われています。転院前の地元の市立病院の一般外科元担当医師は、8クールもしくは6クールの点滴の抗がん剤しかないようなことを言い、母世代であれば、まだ点滴の抗がん剤治療を出来ない年齢ではないように言っておられました。地元の病院であれば、自転車で10分位なので、体力面でも負担が少ないので、言われる通りかもしれません。このような治療方針なのですが、どちらを選択するのがベストかということを悩んでおります。良きアドバイスがあれば、ご回答いただければ幸いです。

ご相談ありがとうございます。ご相談内容を拝読しました。お母様の事、大変ご心配ですね。お返事で治療に関して少しでも整理できればうれしく思います。術後の病理診断で13個のリンパ節転移がありますと、残念ですが再発する可能性は高い状態です。現在の治療の目的は根治ですから、術後の再発予防の治療はしっかりお受け頂くことをお勧め致します(再発してしまいますと根治は困難です)。現在や以前の担当医の先生がご説明下さったように、13個のリンパ節転移があるのならば、抗がん剤はアントラサイクリン系+タキサン系がよろしいのではないかと思います。内服の抗がん剤は、この組み合わせより弱い点滴の抗がん剤と比較して効果がほぼ同じであるというものですが、リンパ節転移の無い方が多い比較試験でした。年齢に関しては、海外のガイドラインでは70歳以上の方には化学療法を勧めるにあたってのデータが不十分とされていますので、67歳のお母様でも乳がん以外のご病気が無ければ、点滴の化学療法をお勧めします。また現在は副作用を抑える良いお薬がたくさんありますので、個人差はもちろんありますが、副作用で辛い思いをする方は少ないように思います。お母様はM.K.さんというサポーターが付いて下さって、さぞかし心強いのではないかと思います。(文責 齋藤)

 

No.9361-2】  10年02月16日  M.K. 
乳がん手術後の治療方針について(2)

先日は、母の乳がん薬物治療について、良きアドバイスありがとうございます。2月8日に、担当医師に疑問点を箇条書きに書き出し、質問させていただきました。手術で切除したリンパ郭清は、レベルUと言うことで、目に見えるがんは全て取り切っているとのことでした。アントラサイクリン系+タキサン系の副作用のことをお聞きすると、病院内に過去、一回目の投与で肺炎となりお亡くなりになられた方が1名いるそうです。特に、乳がん以外の病気はなかったらしいのですが・・・。やはり、稀にそう言う方もいらっしゃるのは、不思議なことはないのでしょうか? 地元付近のがん拠点病院の無料がん電話相談に電話すると、そんなケースはまず無いとのことでした。現在の病院では、胆肝膵で膵腫瘍の経過観察を4年以上前から診ていただいているのですが、そちらの先生には、「今は乳がんのことだけ考えて治療し、病気を戦っていかなくてはいけない。」と言われました。5年生存率もとても厳しく、再発リスクが高いのですが、「個人にして再発は、どんなステージの人にも、0%か100%なので。」とも言われました。「再発するかしないかは、手術をした時に、神様が決める。」とも言われました。その先生にご相談した所、アントラサイクリン系+タキサン系を使用したとしても、完治は宝くじに当たるような確立というようなことを言われ、どちらの治療を選択しても、病気を遅らせるというようなことになるであろうということをお聞きしています。UFTのような薬を使う治療と、アントラサイクリン系+タキサン系のような抗がん剤を使用するのは、どちらが延命となるかも難しい判断と言われていました。この件に関しては、阪大病院でのがん電話相談でも、同じようなことを聞いております。色んな本を図書館で借り、調べたりしているのですが、点滴の抗がん剤治療を8クールする所、4回目でやめたり、6クールする所を3回目でやめたりとかしても、効果がある人は効果があると書かれていました。途中で止めた人も、全部続けていた人と比較すると、生存率はあまり変わらないと書かれておりました。何も苦しい思いをしてまで、全クールする必要があまり無いと言うことなのでしょうか? 母にも、アントラサイクリン系+タキサン系の治療をしていただき、もし途中でどうしても苦しい時は、担当医師の言われるUFTに変更をしていただくことも考えております。担当医師も、それは了解していただいております。また、よろしければご回答いただければ幸いです。

先の質問にも回答されていましたが、今は、再発予防で治癒を目指す時です。逆に再発した時は、抗癌剤をはじめとした治療が長く続く事になります。時に、再発した時の抗癌剤は、終わりの目処が立たずに効果のある間は継続されますし、完治が難しいと言われる再発乳癌の治療は、ある意味で大変だと考えます。そういった意味でも、今は、アンスラサイクリン系薬剤+タキサン系薬剤の投与を勧めます。もちろん、主治医の言われる、「再発は、その人のとっては0%か100%」、「手術の時に再発するかどうかは決まっている」、そう言われればそうなのかもしれませんが、再発リスクの高い方は、抗癌剤の投与により再発リスクを減らせることが出来るわけです。仮にUFTの内服で、再発した時と、アンスラサイクリン系+タキサン系薬剤を使っても再発してしまった時・・・、どちらに悔いが残るかだと思います。一般的には前者で悔いが残ることが多いのではないでしょうか?
途中で中止した場合、最後まで完遂した場合、これは明確な答えがありません。途中で中止した場合と完遂した場合とで、再発率が全く同じということはありません。長年のデータの蓄積から、現在の投与スケジュールが決まっていますので、最後まで頑張って頂ければと思います。途中で中止したからといって、今までの治療が、全く無効になる訳ではない・・・という解釈です。アンスラサイクリン系+タキサン系を投与して、途中でつらいからといって、UFTに移行するのは、意味がないと思いますので、継続できたところまで、頑張れたところまでで、ひとまず治療は終了です。UFTも副作用はあるわけで、その副作用がつらいからといって、アンスラサイクリン+タキサンに移行することは考えてはいないと思いますので・・・。質問にありました肺炎で亡くなった方、という話ですが、これはアンスラサイクリン+タキサンで頻度が高いという事ではありません。UFTの投与でも起こりうる話だとご理解下さい。恐らく、見えない効果より、副作用の方が大きく気にかかっているのだとは思いますが、われわれも安全性は第一に留意しながら治療を継続しています。お母様の場合は、副作用の発現頻度より、再発を抑える効果の方が大きいと思われます。先にも回答されていたように、副作用を抑える薬剤も進歩していますし、イメージほど、副作用はつらくないと思われるはずです。私の患者さまも、みなさん外来で通院しながら投与を継続しています。
いずれにせよ、あなたにお母様のよき理解者であって欲しいとは思いますが、あくまでも治療を受けるのはご本人ですので、治療法の選択はご本人に任せてあげて下さい。(文責 鈴木)

 

No.9361-3】  10年03月03日  M.K. 
乳がん手術後の治療方針について(3)

非常に参考となるご意見いただき感謝しております。母は、自分自身でアンスラサイクリン系+タキサン系の抗がん剤治療を選択し、2月25日に電車を乗り継ぎ、約1時間近くかかる病院まで一人で行き、担当医師に抗がん剤の決意表明をしてまいりました。転院前の病院で乳がん告知された時や、転院後に検査や診察をしていた時期と比べ、不定愁訴ぎみな気持ちの面が、入院して同じ病気の方々と接することで改善されたようで、これまで4年位腰痛があると言っていて、昼からはほとんど横になっていたことが多かったのですが、手術後、外科的治療で完治したのかと思ってしまう程、体調は以前よりもよくなっております。
アントラサイクリン系+タキサン系の抗がん剤治療とお聞きしているのですが、FISH検査という検査を現在している様子で、それが陽性であれば、ハーセプチンを考えないといけないらしいです。
インターネットでハーセプチンを検索したのですが、心機能障害の副作用のことが書かれていました。67歳の母の場合は、ハーセプチンを使用することとなれば、特にこれまで心臓に問題がなければ、心配ないと思われるでしょうか? ハーセプチンは、飲み薬のホルモン剤治療よりも、効果のある人には効果があると思われるでしょうか? 担当医師は、転院後臨床試験を勧めていた時は、がんの顔つきから、ホルモン剤が効くタイプのがんであると言うことで、フェマーラ+エンドキサン(85.9%に効果がある)、フェマーラ(70%)に効果があると話しており、術前半年間そのような治療をするのがベストと言うことを言っておりました。(臨床試験が合うタイプの患者には病院の方針として、最初は臨床試験を勧めないといけないらしいです。)
この時の診断は、ステージUのリンパ節転移疑いあり(転移は合っても2から3個)、転院前の担当医師はステージTのリンパ節転移なしでした。フェマーラのようなホルモン剤よりも、FISH検査が陽性であれば、ハーセプチンの方が副作用も少なく効果があるとみて良いものでしょうか? ご迷惑でなければ、ご回答いただければ幸いです。

ご質問どうもありがとうございます。色々な情報がお耳に入るために治療方針にお悩みですね。少しでもお力になれましたら幸いです。
まずホルモン感受性があれば出来るだけホルモン治療はおこなった方がよいと思います。再発予防効果が期待できるからです。またFISH検査で陽性であれば、ハーセプチン効果が期待できるのでこちらも行ったほうがよいと思います。しかし、ホルモン治療とハーセプチンだけの組み合わせでの効果は証明されていませんので、ハーセプチンをおこなうのでしたら抗がん剤治療も併用すべきです。すなわち、ホルモン治療かハーセプチンかという選択方法ではなく、1.ホルモン治療のみとするか、2.抗がん剤とハーセプチンさらにホルモン治療をおこなう、という二者択一となると思います。心毒性は心臓超音波検査(心エコー)により定期的に評価をおこなうことにより、チェックしていきます。年齢的には特に使用して問題ないと思います。もちろん呼吸が苦しいとか胸が痛いというような症状が出るようでしたら中止しないといけませんが、外来で皆さまおこなっておりますので、大きなご心配は不要です。臨床試験参加については、主治医の先生に再度詳しくお聞きいただいて決定されてください。
以上少しでもお役にたてましたら幸いです。お母様も通院が大変だと思いますし、様々な悩みがあると思います。MK様を中心に皆さまでお母様を支えてあげてくださいね。私たちはお母様、MK様の味方です。またご心配なことがございましたら、いつでもご相談くださいませ。今後ともよろしくお願い申し上げます。(文責 高橋)

 

No.9361-4】  10年03月15日  M.K. 
乳がん手術後の治療方針について(4)

いつもご回答ありがとうございます。FISH検査ですが、陰性ということでハーセプチンは適用できなかったようです。3月17日に入院を予定していますが、アントラサイクリン系+タキサン系の抗がん剤の薬ですが、タキソテール×4とFEC×4(5FU、ファルモルビシン、エンドキサン)でどうかと提案されています。アントラサイクリン系+タキサン系といっても、組み合わせが複数あると思われるのですが、どのような組み合わせがベストと思われるか、アドバイスいただければ幸いです。母の病理検査結果は下記の通りです。

Left,C,浸潤径19×20o,f,1y3,v0,Tis(+),ductal spread(+) mid,comedo(+)
HG tubule:3,HG nuclear atypia:2, HG mitosis:2,N-SAS:2,B&R:2
cut end(+) non-invasive lesion,pN3:13/18,ER(+)>80%,PgR(−)5−10% HER2(+)score2

左乳癌にて乳房温存手術を施行された検体です。C領域に辺縁やや不整な灰色色調の腫瘤をみとめます。組織学的には、核が腫大し大小不動を伴う異型細胞が胞巣状、索状に増殖し、scirrhous carcinomaの像を呈しています。脂肪組織へ浸潤しており、乳管内成分も散見されます。明瞭な静脈浸襲は指摘できませんが、リンパ管浸襲が多数散見され、広範に進展しています。リンパ節転移をみとめます。切除断端は一箇所、標本No.9bにて側方断端DCIS(+)と判断します。

アンスラサイクリン系薬剤としてはアドリアマイシンとエピルビシンの2種類あり、またタキサン系薬剤としてはタキソールとタキソテールの2種類あります。さらにそれぞれの薬剤の使用方法にも少しのバリエーションがあり、よってそれらの組み合わせは何種類も存在することになりますが、基本的にどの組み合わせも大差ないと考えていいと思います。主治医の先生がご提案されたタキソテール4クール+FEC4クールが、お母様にとって副作用少なく効果的に再発を予防してくれることを期待したいと思います。(文責 谷)

 

No.9361-5】  10年04月01日  M.K. 
乳がん手術後の治療方針について(5)

母は、3月18日に1回目の抗がん剤治療(FEC)で入院し、3月26日に退院しました。今の所、大きな副作用は出ておらず、吐き気がして食べることができないようなことにはなっていないのですが、胃が重かったり、便秘気味になったりする状況が続いています。ここ数日前位から、顔に吹き出物が出て来たり、口内炎が酷くなったりしているようで、37度近くの微熱があるようです。
今一番心配しているのは、病理検査の結果が悪く、ホルモン剤治療と放射線治療が始まるまでの間に肺や肝臓等に遠隔転移しないかどうかです。母はホルモン剤治療に効果があると言われており、インターネット等で検索するとホルモン剤が効くタイプのがんは、抗がん剤の効果があまり期待できないと言うことが掲載されていたりします。また、67歳と言う高齢者では、若い世代よりも抗がん剤治療の効果が期待できないようなことも掲載されていたりします。図書館で借りて来た本等では、抗がん剤の比較試験のことが書かれており、3回で辞めた人も6回で辞めた人も生存率がほぼ同じであったと言うようなことが記載されていました。
高齢者の場合、無理をしてAT療法8クールもしてしまうと、体力が消耗したり、何年も副作用で苦しんだりしないかとも不安に思ったりもします。転院前の病院では6クールの抗がん剤治療も行っていると言うことを聞いています。8クールでも6クールでも効果がある人には2クールの差はあまり大差がないと言うことなのでしょうか? インターネット上でも、抗がん剤は最初の数回は大きな効果が期待できるが、徐所に効果が期待できなくなって来ると言うようなことも、掲載されていたりします。また、もし8クールも体力的に無理と言う場合は、A(FEC)とT(タキソテール)をバランスよく3クールずつする方がよいものなのでしょうか? インターネット上には、A(FEC)の方に効果があり、T(タキソテール)はホルモン剤に効果があるがんには、あまり効果がないようなことも掲載されていました。まだ、抗がん剤治療は始まったばかりで、当面治療を続けるかとは思いますが、抗がん剤治療についてのご意見を伺えれば幸いです。

現在FEC化学療法中とのことで、4回終了後にタキサンを4サイクル予定しているということでしょうか。病理の結果ハイリスクということであれば、ホルモン感受性であっても、化学療法の上乗せ効果は期待でき、基本的にはアンスラサイクリンを含んだ化学療法を行い、リスクに応じてタキサン化学療法を追加し、その後はホルモン療法をしていくというのが標準的な治療と考えます。アンスラサイクリン→タキサンの治療はいくつかありますが、直接比較した試験は少なく、どの治療がよいとは一概に言えません。確かに、ホルモン感受性の場合にはタキサンの追加効果が期待できないという報告もあれば、逆の報告もありますし、高齢者には化学療法の効果が低いとの報告もありますが、年齢だけで抗癌剤の効きが悪くなるとは考えにくく、年齢とともに他の病気も増えたり、様々な要因が絡むため、それほど単純に結論は出せません。67歳でも、お元気であれば若い患者様と同じ化学療法は十分に可能と考えます。副作用が許範囲内であれば、化学療法を受けるメリットはあると考えますし、現在の副作用は予測の範囲内と思われ、可能であれば治療を続行することをお勧め致します。(文責 浜口)

 

No.9360-1】  10年02月04日  N 
術後の病理検査と今後の治療について

過去の相談を読ませていただき、勉強させていただいています。先日、術後の病理検査と今後の治療の説明を受けましたが、そのことで、相談させていただきます。術前診断では、「非浸潤癌、広がりがあるため全乳房切除術、リンパ節転移なし、遠隔転移なし」とのことでしたが、術後の病理学検査の結果は、「浸潤性乳管癌(硬癌)、 大きさ(湿潤径1.2cm) pT1 、リンパ節転移 1個中0個  pN0 、遠隔転移なし  pM0 、病期 1期 、脈管侵襲 リンパ管 ly1 静脈 v0 、核異型度 2 、ハーセプチンテスト 3 、ホルモン受容体 エストロゲン受容体 陽性 プロゲステロン受容体 陽性」でした。術中センチネルリンパ節生検をしています。今後の予測ということで、「約25%の確率で再発する可能性があります」と、ありました。補助療法として、
1.化学療法(抗がん剤)・・・ アントラサイクロン系3週間に1度4回、 タキサン系+ハーセプチン 3週間に1度4回、ハーセプチン単独で9カ月 
2.内分泌療法・・・抗エストロゲン剤、LH−RHアゴニスト、アロマテーゼ阻害剤
との説明を受けました。

1) 補助療法としては、これが最善と考えていいでしょうか。本で調べると、ハーセプチンはすべての人に効くわけではないようなので、他の検査をし、効かなければ、他の治療法を選択するということは考えられますか。
2) 今後の予測25%の確率で再発するというのは、10年後の生存率は、補助療法をしないと75%と理解していいのでしょうか。補助療法をすると14%上がると説明されました。
3) センチネルリンパ節生検を受ける前の説明で、ここの病院では5年間でセンチネルリンパ節生検で陰性となり後で転移した人が1人いるとのことでした。センチネルリンパ節生検で陰性で転移する可能性があるのは、私のようなタイプでしょうか。
  
44歳 閉経前です。よろしくお願いします。

ご相談ありがとうございます。私のお返事で今後の治療方針について少しでも整理できればうれしく思います。まず術後の補助療法ですが、担当医の先生のご説明下さった治療は、すばらしいと思います。ただし内分泌療法としてアロマターゼ阻害剤を現時点で使用するのは、まだ早いのではないかと思います。抗がん剤により無月経となった場合は、抗エストロゲン剤のみでもよろしいのではないかと考えます。無月経の状態にLH-RHアゴニストを合わせて使用した方が良いのかどうかは、まだ結論は出ていません。ただし抗がん剤を使用しても無月経にならなければ(もしくは抗がん剤を使用しない場合)、LH-RHアゴニストは使用した方がよいのではないでしょうか。抗がん剤に関しては、どの薬剤が一番良いのかは決まっていませんが、術後の補助療法にハーセプチンを使用する場合は抗がん剤と合わせて使用するべきであると言われています。ハーセプテスト3の場合は、アントラサイクリン系のお薬が効きやすいと言われています。ここにタキサン系のお薬を追加するべきかどうかは判断が難しいです。Nさんご自身が、今できる治療は全てやっておきたいとお考えであれば追加しても良いかと思います。
今後の予測ですが、再発率が約25%であり補助療法(抗がん剤とホルモン治療)を行うと、この再発する割合が14%減る(すなわちそれでも再発する方が約10%いる)という説明なのではないかと想像します。またセンチネルリンパ節が陰性で近傍のリンパ節に転移がある場合ですが、これは一定の割合であると報告されています。しかしどのような方に多いかはまだわかっていません。(文責 齋藤)

 

No.9360-2】  10年02月10日  N 
術後の病理検査と今後の治療について(2)

早いお返事ありがとうございました。治療の内容が確認できて、安心しました。考えていくと疑問がわき、教えていただけたらと思うことが数点あります。お忙しいと思いますが、お願いします。
1) 私のような、「HER2陽性、1.2cm、 浸潤性乳管癌(硬癌)、 大きさ(侵潤径1.2cm) pT1、 リンパ節転移 1個中0個  pN0、 遠隔転移 なし pM0、 病期 1期、 脈管侵襲 リンパ管 ly1 静脈 v0、 核異型度 2、 ハーセプチンテスト 3、 ホルモン受容体 エストロゲン受容体 陽性 プロゲステロン受容体 陽性」は、進行乳がんに入るのでしょうか。1期で進行がんになるのは、HER2陽性の患者が多いのでしょうか。
2) 主治医は、パソコンで、おそらく「adjuvant online」で、再発率等を説明してくれました。この数値には、HER2陽性は反映されているのでしょうか。再発率がもっと高くなるのでは、と考えています。補助療法の数値には、まだハーセプチンは含まれていないと聞きました。
3) ホルモン受容体陽性、HER2陽性では、ホルモン受容体陰性 HER2陽性に比べて、ハーセプチンの効きが悪いように思えますが、どうでしょうか。
4) 乳癌患者の血液にビタミンDの不足がみられたという情報を見ました。何かやはり関係すると思われますか。

よろしくお願いします。

1)進行乳がんという言葉は、通常は手術しても根治できない第4期乳癌に対して使われる言葉です。
2)New Adjuvant OnlineではHer2の情報も加味されています。しかし、ハーセプチン投与の影響は、現時点で3年までのfollowのデータしかないので、10年生存率のデータとしてはでてきませんが、3年再発のデータとして追記されています。
3)特にそのようなDataはないと思われます。
4)はい、その通りです。しかし、その意味付けは、まだわかっていません。(文責 清水)

 

No.9359】  10年02月04日  K.T
マンモトーム生検の結果(HPNo.9345-2)

先日、マンモトーム生検のその後についてお答えいただき、ありがとうございます。生検後11日目ですが、未だに大きなしこりのように(6〜7cm大くらい)硬くなって、痛みも少々あります。
主治医の先生には、7日後に受診してもらったところ、徐々にやわらかくなりますと言われましたが、あれから全く変わらないので、まだまだ、この硬さが続くのか心配です。このまましこりになってしまわないでしょうか? マンモトームの結果については、良性ではなく、前がん状態ということで、半年毎にマンモグラフィをして石灰化の状態をみ、増えているようならマンモトーム生検をまたするということでした。前がん状態から癌になる確率は、どのくらいなのでしょうか? 割と高い確率でがんになるのでしょうか? 今の状態で何かできること、やってはいけないことなどはあるのでしょうか? 高濃度ビタミンC点適もがん予防によいと聞きますが、やってもよいのでしょうか? お忙しいところ、ご回答よろしくお願いいたします。

ご相談ありがとうございます。私のお返事で少しでも安心して頂ければうれしく思います。検査後もいまだにしこりを感じるのは心配ですね。前回のお返事にもありましたが、私の経験でも、マンモトーム後にしこりができた場合の原因は出血が多いと思います。この血のかたまり(「血腫:けっしゅ」と言います)の量によって完全に吸収されて柔らかくなるのに数週間〜数ヶ月かかることがあります。この血腫ががんに変化することはありませんから、ご安心下さい。「前がん状態」からがんへの確率ですが、これは「前がん状態」にも幅があるためご質問頂いた内容からはお答えすることは困難です。しかし6ヶ月毎に経過を見て頂けるようですから、たとえがんが見つかっても非常に早い段階で治療ができるとお考え頂いてよろしいかと思います。特にやってはいけないことはございません。また高濃度ビタミンC点滴が乳がんを防ぐという報告はございませんので、乳がん予防目的にはお勧めできません。(文責 齋藤)

 

No.9358】  10年02月04日  T 
手術法の選択について

はじめての相談です。38歳 未婚です。よろしくお願いします。
2009年12月針生検(組織診)結果、右乳房1.2cm 硬がん ホルモンレセプターER・PgR=中・高度陽性 共に(+) HER2 1+(陰性) グレード2 MRI所見によると腫瘍1ヶのみ CT検査結果転移なし 骨シンチ異常なし CT及びエコー検査によるリンパ節転移の可能性は低いという予測、手術時にセンチネルリンパ生検予定。
2010年2月(来月)乳房温存手術(中心部部分切除)を予定しております。乳房温存手術→放射線治療後の局所再発率が10%(私の調べた知識)ということですが、これはステージに関係なく乳房温存手術を受けたすべてが対象という数字に思えるのですが、どうなのでしょうか? 例えばステージ別で再発率をあらわすものがありますか? 教えてください。考えすぎかもしれませんが、乳房温存手術の再発リスクを考えると、全摘も視野に入れたほうがいいのか悩んでおります。

一般に乳房温存療法(部分切除+放射線照射)の局所再発率は3〜5%位と言われています。これは全摘術と同等であります。ステージ別での結果はありませんが、温存療法は一般に3cm以下の症例、つまり0,1,2期の方に対応していますので、Tさんのような1期の可能性が高い方には適応となります。もちろん放射線照射が受け入れがたい方や受けられない方、全摘を希望する方に対しては全摘をすることもあります。温存療法を受けられることは、Tさんにとっては標準的と考えます。(文責 西川)

 

No.9357】  10年02月01日  H 
ホルモン治療を受けるべきですか?

ホルモン治療を受けるかどうか、迷っています。44歳女性、H20年5月右乳房切除術を受けました。術前の針生検ではER PS5+IS3=TS8、 PGR PS1+IS2=TS3 と出ていたのですが、術後の組織診では ER PS3+IS1=TS4、 PGR PS1+IS1=TS2 と、変わりました。病理結果は、「病変域65o、浸潤巣8×7oと3×2o、  f、ly0、v0 核異型度3 、HER2+、リンパ節1個に1.5o及び0.9oの微少転移あり」でした。術後、CEF(3週おき4回)→ウイークリータキソール(12回)→ハーセプチン(1年)を受け、先日終了しました。主治医は念のためと思ってホルモン治療するか、副作用を考えて止めておくか、自分で決断しなさいと言われます。私のようにホルモン感受性が微妙な値でも、やはりホルモン治療は受けるべきなのでしょうか? もし、受けないとしたら、再発率はどのくらい違いますか? どうぞご教示下さい。

Hさん、こんにちは。化学療法、おつかれさまでした。今後のホルモン療法についてのご質問ですね。ご質問に記載されていますホルモン感受性の指標は、Allredスコアというものです。これはホルモン感受性をもつ癌細胞の陽性割合(PS)と染色強度 (IS)を点数化したものです。従来は合計(TS)3以上をホルモン治療の対象としていました。今回は化学療法の前後でそのスコアに変化がみられており、ER/ PgRが4/2となっています。昨今は陽性割合を重視する風潮がありますし、従来の考え方に従いましても、ホルモン療法がお勧めできると思います。スコアが4/2の方に対して、ホルモン療法の有無で再発率がどれくらい変わるのかは私は存じませんが、Adjuvant Online!からは10年で10%前後程度の改善が期待されるかと思われます。副作用をおそれて止めるのも考え方のひとつですが、まずは始めて副作用が耐え難ければ止めるという考え方もあるかと思います。主治医の先生とご相談なさってください。(文責 河原)

 

No.9356】  10年01月30日  M
乳房の痛みについて

お世話になります。私は40才のMと申します。先日、乳癌検診をやりました。腫瘍などもなく、異常なしでした(マンモもやりました)。しかし、右乳房の横が痛むのです。検診前からです。気持ち、右の方が大きいような気がしますが、ほんとに異常がないか不安です。何か疑わしい点があるでしょうか?

ご相談ありがとうございます。私のお返事で少しでも安心して頂ければうれしく思います。マンモグラフィをお受けになっても不安であれば、さらにどちらかで超音波検査をお受け頂くというのも選択肢の一つかと思います。超音波検査でも乳房に異常がなければ、すこし様子を見るのもよろしいのではないかと思います。(文責 齋藤)

 

No.9355】  10年01月30日  S 
治療の選択

44歳、未婚。2010年1月7日に乳房温存手術とセンチネルリンパ節生検を受けました。検査結果は、次の内容です。
腫瘍の大きさ 1.1×1.1×0.8cm
組織的分類 Mucinous carcinoma  癌の普及程度  F
Bloom&Richardson grade  Grade2(3+2+1)
乳管内進展 duct spreading(+)   切除断端 margin(-)
リンパ管浸襲 ly(-)           静脈浸襲 v(-)
リンパ節転移 LevelT(0/1) LevelU(0/11) センチネル(0/3) 計 0/15

検査結果を基に先生より説明があり、ホルモン療法が効果的とのことでした。これからの治療について、
1) 癌治療をしない
2) 放射線療法とホルモン療法
3) 抗がん剤と放射線療法とホルモン療法
いずれかを自己決定するように言われましたが、決められず、アドバイスをお願い致します。

ご相談ありがとうございます。私のお返事で今後の治療方針が整理できてお考え頂ければうれしく思います。粘液癌には純粋型と混合型があり、純粋型の方が再発の可能性は低いと報告されています。しかし治療方針は通常の乳がんと同じように行います。ご相談頂いた乳がんの検査結果からは、ホルモン受容体の状態が不明なためお答えすることが大変難しいです。ただし放射線治療はお受け頂いた方がよろしいかと思います。ホルモン療法と抗がん剤に関しては効果と副作用について、ご担当の先生からご説明頂いて納得されてから今後の治療をお受けになって下さい。(文責 齋藤)

 

No.9354-1】  10年01月30日  I 
線維腺腫が見つかりました

はじめて相談させていただきます。よろしくお願いします。2年前くらいから、ステージUの石灰化が何箇所かあるということで、乳腺症と診断されており、年に1度病院で検査をしていました。
12月に健診にいったところ、右胸外側に1センチ幅?の線維腺腫が見つかりました。マンモグラフィー、エコー、触診を行い、細胞診をせずに診断されたので、不安です。ごく稀に乳がんの可能性もあるとのことなので・・・。
1) 細胞診をせずに、そんなにはっきりとわかる線維腺腫があるのですか。また、右側の肩の痛み、肩甲骨付近(右乳房の裏)の痛みがもう半年くらい長く続いているので、悪性のこともありうるのではないかと危惧しています。乳房の痛みや張りは生理前は特に強いですが、生理とは関係なく痛みを感じることもあり、線維腺腫のあたりも痛みます。
2) 私は41才、子どもを一人出産しましたが、私自身持病の薬を服用していることもあり、出産後、食後箸を置いたらすぐ飲むという母乳を止める薬を用いました。名前を忘れましたが、この薬も乳がんになりやすいですか?
3) 別の診断結果を知りたいと思い、自治体の検診無料券もありますので、近くの診察機関に再び検診に行こうかと思っていますが、マンモグラフィーを約1か月の間隔で受けていいものでしょうか?
4) 定期検診をしている病院には半年後に検診にくるように言われています。そのような程度で大丈夫でしょうか?

心配性ですみません。毎日ご多忙とは思いますが、よろしくお願いします。

ご相談ありがとうございます。私のお返事で少しでも安心して頂ければうれしく思います。線維腺腫は画像でほぼ診断可能な場合もあります。しかしご相談内容を拝読すると2年前から検査を受けていて今回初めて見つかったようですから、細胞診はお受け頂いた方が安心なのではないかと思います。線維腺腫と診断がつけば半年後の検査で良いと思います。自治体の検診ではやはり同様の返事になってしまうと予想されますので、現在診察して頂いている担当医とよくご相談をなさって下さい。(文責 齋藤)

 

No.9354-2】  10年01月04日  I 
線維腺腫の細胞診について

早速のご回答ありがとうございます。こんなに早くメールをいただけるなんてうれしいです。
先生はひどい症例を他によく診てきているのか楽観的で、前回の診察の最後に、「この線維腺腫が乳がんに変わることはありませんか?」と聞くと、「ない」と答え、また「将来乳がんの可能性がありますか?」と聞くと、「ありますが、全女性にあります。」とお答えされました。そのように先生がおっしゃるので、その場は納得したのですが、この度アドバイスをいただいたので、勇気を出して電話してみました。すると、乳腺外科のコーディネーター(受付)の人が、次回の6ヶ月後の診察時(予定)にも細胞診の指示はカルテには書いてないとおっしゃり、その病院では必要な人しか行っていないとのことでした。予約も取りづらく、私事ですが、3月末に関東地方に引っ越しの可能性もあることから、3月8日に検診の予約を入れました。それまで何もせず大丈夫でしょうか。手元に3月まで有効の自治体の無料券があるのを使用し、別ルートで検査したほうがいいでしょうか。肩や肩甲骨付近のこり、腕こりは関係ないですか。一昨日整形に行ったところ、右肩のレントゲンを撮りましたが、骨には異常がないそうです。もっと深刻な症状の方もいらっしゃるのに、このような程度の相談で本当にすみません。お時間があれば、ご回答よろしくお願いします。

線維腺腫が将来がんに変わることが絶対にないといとはいいきれませんが、あるとすれば極めて稀なことです。線維腺腫より、線維腺腫以外の正常な乳腺の方がはるかにがんになりやすいと考えられています。細胞診の検査を予約で行うことはあまりありません。通常は診察をして、必要があると診断され、触診でわかればその場で行います。新しい検診機関を受診すると、又一からのやり直しになります。近々転居されるということであれば、転居先でまた新しい病院で診てもらうことになる訳ですから、今回は同じ病院を受診され、次の病院につながる診療情報提供書(いわゆる紹介状)を書いてもらうのが良いのではないでしょうか。線維腺腫と肩や腕のこりは関係ないと思いますし、ましてやがんとも関係ありません。(文責 清水)


 

No.9353】  10年01月30日  ナナ
右胸の違和感

現在18歳です。最近、右胸に違和感を感じるようになりました。胸が痛くなったり、かゆくなったりします。左胸はそんなことはほとんど起らないのですが…。なぜが右胸の方がひどいです。夏に部活を引退して、7ヶ月経ちます。6年間テニス部で右ばかり使ってきたのも原因の一つなのでしょうか? 自分でしこりが無いか触ってみたのですが、あまりわかりませんでした。乳がんのしこりは、そんなに周りと境目がはっきりしているんですか? それから、どれくらい硬いのですか? また、乳がんのしこりは触っても動かないとも聞きました。それと、右胸の側面と左胸の側面の硬さが違うのですが、これはやはりテニスでついた筋肉のせいだと思いますか? まだ18歳なので、検診に行くまではしなくていい、気にしすぎだと親には言われます。やはり18歳で乳がんはありえませんか? ちなみに先ほども言ったように、運動もしていたし、家族、親戚、祖母など、だれも乳がんにかかった人はいません。それから食生活についても質問なのですが、私はお菓子が大好きで、毎日おなかがいっぱいになるまで食べていました。運動しているから大丈夫と思って食べていたのですが、最近お菓子に入っている添加物に発ガン作用のものが沢山入っていることを知り怖くなりました。やはり、お菓子の食べすぎは、がんに繋がるのですか? いっぱい質問してすみません。返事お願いします。

ご相談ありがとうございます。私のお返事で少しでも安心して頂ければうれしく思います。お胸に関してご心配であれば、やはりお近くの乳腺外来を受診して頂き検査をお受けになるのが一番安心できる方法だと思います。私の外来にも10代の女性が受診されています。早すぎると思う必要はないと思います。ぜひ一度乳腺外来を受診なさって下さい。お菓子の食べ過ぎと乳がんとの関係ははっきり証明されていませんが、乳がんを防ぎ健康な体をつくるためには、バランスの良いお食事を召しあがって頂くのが一番よろしいと思います。(文責 齋藤)

 

No.9352】  10年01月30日  S.K. 
母の胸のしこりについて

2年前、母がわきの下にしこりをみつけました。その時点では要観察という医師の判断で、3ヶ月に1回で定期的にCTの検査を行っていました。その後大きくなったときに、MRI、PET診断を行いましたが、癌は発見されず。それから一旦小さくなったこともあり、「悪性だったら小さくなることはない」という医師の言葉で安心していました。リンパの腫れはその1箇所のみなので、悪性リンパ腫の疑いも否定されました。ところが先日のCT検査の結果、1センチだったしこりが2センチになっているとのことで、注射でしこりの成分を抜き取って調べる検査をしたところ、がん細胞が出たとのこと。2年間も経った後にこの結果で、本人も家族も大変ショックを受けております。1、2か月前に市の乳がん検診でのマンモグラフィ微細石灰化でひっかかり、病院にて乳がんエコー検査を行いましたが、ここでも異常なしの診断。この場合、わきの下のしこりは、乳がんからのものとは考えにくいのでしょうか? また、最初にしこりをみつけてから2年も経っていることから、癌が進行しているのではないかということが気になります(どこの癌かはまだわからない状態なのですが・・・)。2年前に注射でとって調べていたら、癌ということは分かっていたのでしょうか?
今となっては、その点がとても悔やまれます。この診断が出るまでの2年間、母はとても元気で、体重の減少といったこともないですし、本当に信じられません。ご返信よろしくお願い致します。

ご相談ありがとうございます。突然の事で大変ご心配のことと拝察致します。ご相談内容からは、まだ脇の下のしこりから悪性細胞が見つかったことしかわかりません。今後の治療方針を決めていく上で、この部分にどこから悪性細胞がやってきたのか(原発部位と言います)を調べる必要があります。この原発部位により今後の治療内容が変わってきます。またマンモグラフィの微細石灰化と脇の下のしこりとが関係するかどうかも今後調べていく必要があります。それぞれ別のものかもしれません。ご担当の先生とよくご相談し納得されてから、今後の検査や治療をお受けになって頂きたいと思います。(文責 齋藤)

 

No.9351】  10年01月29日  C 
ホルモン治療中のセックスについて

現在ホルモン治療中です(39歳)。ホルモン治療中のセックスは控えたほうが良いのでしょうか? 女性ホルモンが活発になるので良くないような気がするのですが・・・。主治医には聞きづらいので、こちらで質問させて頂きました。よろしくお願いいたします。

ご相談ありがとうございます。乳癌の治療がやっと一段落したのでしょうね。私のお返事で少しでも安心して頂ければうれしく思います。セックスは乳がんの再発に影響を与えることはありません。ただしホルモン治療中の妊娠は胎児に影響を与える可能性がありますので避けた方が良いでしょう。ぜひパートナーに大切にしてもらって下さい。(文責 齋藤)

 

No.9350】  10年01月29日  M,T
全摘か温存で迷っています

毎年人間ドックを受けており、昨年4月の結果も“異常なし”でしたが、数年前より左右の乳房の大きさは違っていました。脇のしこりは一昨年の暮れ頃にはあったように思います。左の脇、リンパのしこりから6月に乳がんが見つかり、転院して現在の病院で7月より術前化学療法(タキソテール4回、ハーセプチン10週、その後AC4回)を受け、今年1月5日が最後の抗がん剤でした。昨日28日にCT検査を受け、抗がん剤がよく効いて大きなしこりも無くなり、複数個あったリンパの腫れも目立たなくなったと言われました。
しかし、手術の説明は、当初2センチ大のしこりで、触診では6センチくらいあり、細かな物もあったと思われること、リンパは最大3センチの物のほか複数あったので、いくら画像では見当たらなくても、全摘、リンパ郭清と言われました。温存手術、しばらく見守るという3つの選択のうち、1週間後に返事をしなければなりません。抗がん剤がよく効いているのに、温存は選ばない方が、やはりよいのでしょうか。手術後の病理検査でがんが残っていないかも知れない、残っていたとしたら、 再度手術を受ける覚悟を持てば、温存とお願い出来るのか、放射線治療で対処出来ないのでしょうか。どう考えたら良いのか迷っています。ホルモン (ー)、HER2(+)ですが、今後の治療の問題もあるのでしょうか。ご意見をよろしくお願いいたします。

ご相談ありがとうございます。私のお返事で少しでも今後の治療方針が整理できれてお考え頂ければうれしく思います。
ご相談内容からは、化学療法前の乳がんの大きさと化学療法後の残っている乳がんの大きさが不明なため、きちんとしたお答えができず申し訳ありません。一般的なお話をさせて頂きます。まず腋窩リンパ節に対しては郭清術を行った方が良いと思います。次に乳房に対する術式ですが、手術を2度行うことに抵抗が無いようでしたら、まず温存術を行い、その後に全摘術を行うという段階を経た手術も可能と考えます。見守るのみや放射線治療のみは標準治療としてはお勧めできません。よく担当医とご相談し、納得されてから、今後の治療をお受けになって下さい。(文責 齋藤)

 

No.9349】  10年01月29日  A.H.   
放射状瘢痕と診断されました

先日、乳がん検診(マンモグラフィ エコー 触診)の結果、針生検を勧められ 放射状瘢痕と診断されました。まだ癌がかくれてるかもしれないので、生検を勧められています。その病院にはマンモトームの設備がないのですが、担当の先生は、マンモトームの診断では正確ではないので、切って組織をしらべた方がいいとの事でした。できれば切らずに検査したいと考えるのですが、放射状瘢痕にマンモトームは適切ではないのでしょうか? マンモトームでもわからなくて、さらに生検という場合もあるのでしょうか? 放射状瘢痕には、癌が発見されることが多いのでしょうか?

ご相談ありがとうございます。私のお返事で少しでも安心して頂ければうれしく思います。
一般的に針生検で確定診断がつけば切除生検は必要ないと考えます。生検材料の量が少なければ癌を見逃す割合は4割ほどあるが、マンモトームであればこれが0.5割に減るとの報告もあります。したがってマンモトームの方がより良い方法と言えるかと思います。また放射状瘢痕に癌が発見される割合は「まれ」ですが、乳癌のリスクは「高くなる」との報告が多いですから、切除しない場合は、今後も経過観察をお受けになることをお勧め致します。(文責 齋藤)

 

No.9348】  10年01月26日  H  
ホルモン治療について

46歳閉経前、12月18日に右胸全摘出手術をしました。いつもこのホームページを参考にさせていただいています。本日病理結果が出ました。5×4.2cm非浸潤癌で 浸潤箇所が2カ所(2ミリ、1ミリ)ありました。ER+3  Pgr+3 (数字はメモし忘れてうる覚えですが)グレード1。HER2 陰性、リンパ転移なしです。若いと副作用も強く出るので、主治医より、再発率は5%以下なのでホルモン治療をしない選択もありますと言われました。もしやるとするとタモキシフェンになるということですが、パーセンテージが2.3%になるくらいなので考え方次第ということだそうです。
1) この病理結果でホルモン治療をする、しないについて、どう思われますか?
2) もしはじめて副作用がきつく、途中でやめた場合、それまでの効果はあるのでしょうか?
3) 逆に、やっぱりやっておいた方がと思い、途中から始める意味はありますか?
4) 健側の胸の予防にタモキシフェンが効果があるとも聞きましたが、どうなのでしょうか?

2月頭の外来でお返事をするつもりです。できたらしないでいられればとは思っていますが、同時に不安もあります。参考にしたいと思いますので、ご意見を聞かせていただければ幸いです。 どうぞよろしくお願いします。

1) 主治医の先生の意見に賛成です。ほんのわずかな浸潤癌なので、再発予防のホルモン療法を是非受けるべきとは、言い切れません。
2) 治療期間によります。数ヶ月だけならあまり効果はないのでしょう。
3) これも、いつ「やっぱり」と思うかですね。数年経って「やっぱり」では、意味があるとは・・・・。
4) アメリカのデータですが、予防効果があります。浸潤癌の患者さんの反対側の乳癌になる率が違いました。(文責 緒方)

 

No.9347】  10年01月26日  K. 
肺転移

肺転移でホルモン療法中です。現在はおちついています。レントゲンでの検査は、1か月とか2か月、それとも3か月など、どのくらいの間隔で検査するのがベストですか? 再び悪化するときは、最初の転移先が、次にもでやすいでしょうか?

ベストな間隔は決まっていません。肺転移に限ってみても、落ち着いていない患者さんであれば、1ヶ月毎にCT検査を必要とする患者さんもいれば、3ヶ月毎に確認する場合もあるでしょう。さすがに、再発しているのに6ヶ月毎や1年ごとということはないと思います。再び悪化するときは、初めに転移したところを経過観察しているわけですから、そこから気付くことになります。他にも再発していないかを、その後に調べることことが多いです。(文責 緒方)

 

No.9346】  10年01月26日  T 
体調不良

現在37歳 おととしの10月に左胸温存手術をし、放射線治療の後、ホルモン療法の月1の皮下注射とノルバデックスを服用しています。無理のない程度の重い荷物を左手でもったり、少し使いすぎたりしたら、左腕全体がはれるのでなく、部分的に赤く熱をもった感じになります。主治医に相談するのですが、手術でリンパを取っていないことや、全体がはれていないことから、なんで部分的にはれるのか、炎症をおこしているようになるのか、わからないと返答されます。最近の血液検査では貧血はないみたいですが、頭が重く、ふらつきを感じたり、便秘はないのにお腹がすっきりしなく、体がとても疲れやすいです。手術より一年経過のため、先日CT、RIの検査を受け異常はないとのことですが、なんとなく不安に感じます。血液検査は三ヶ月に一度位でしていますが、何か他に必要な検査がありますでしょうか。 

症状からは、やはり部分的であれリンパ管炎なのだと思います。センチネルリンパ節生検でも、脇の下の操作が原因で腕のリンパ管が一時的にばい菌がない状態でも炎症を起こすことがあります。注意深く原因になることを避けて、マッサージをこまめに行いましょう。おそらく一時的です。質問の後半は、まさにホルモン療法の副作用です。検査をしても、あまり副作用の軽減には関係ないですし、血液検査やCT、MRIは再発の早期発見には必ずしも結びつきません。どうしても辛いときは、主治医に治療を変更できるか相談してみてはいかがでしょうか?(文責 緒方)

 

No.9345-1】  10年01月26日  K.T
マンモトーム後について

先日、健康診断後の精密検査にて左乳腺石灰化についてご相談してものです。触診、エコーは問題なし、マンモグラフィでは左側にやはり石灰化があり、年末にMRIを受けました。MRIの結果は乳腺症の年齢に伴う劣化?と思われるというものでした。先生は半年経過観察してもよいとおっしゃってくださいましたが、念のためマンモトームを3日前に受けました。かなり、細かいものがバラバラとあったようで、10箇所くらい?でしょうか・・・、取ったと思います。通常より時間がかかったようです。こんなにたくさんあると聞いていなかったのでショックでした。本日が3日になるのですが、マンモトームの傷口から乳房の3分の1くらいが硬くなって腫れて少しピリピリとした痛みが時々走ります。傷口からの出血はなく、現在テープが貼ってあるせいか少し引きつれて窪んでいる感じです。これは通常のことでしょうか? 来週には診察なのですが、こんなにたくさん取ったので結果がとても心配になってきたのと、今の乳房の腫れと痛みが気になります。ご回答よろしくお願いします。

マンモトームは一度の操作で、ボールペンの芯よりも一回り太く、長さ1-2cmの組織のかたまりをとることができます。また画像所見によっては念のため10本程度とることもあります。組織をとった部分には組織の損傷が当然おきますので、出血もします。出血は程度の大小がありますが、血腫(血のかたまり)ができ、止まります。そして吸収されて瘢痕となります。この変化は週単位です。この血腫の影響で乳房のツッパリ感や痛みが起きることは多いです。組織をとる範囲の広さや血腫の大きさにより痛みの出る範囲も変わると思われます。また皮膚の傷が痛むこともあるでしょう。通常のマンモトーム術後の経過だと思われます。出血が止まらなければ、創部はどんどん腫れあがって、場合によっては傷口から出血が見られたりすることもあります。しかし、このようなことではない様ので大丈夫なのではないでしょうか。検査結果については担当医と相談されてください。(文責 浅川)

 

No.9345-2】  10年01月04日  K.T
マンモトーム生検の結果

先日、マンモトーム生検のその後についてお答えいただき、ありがとうございます。生検後11日目ですが、未だに大きなしこりのように(6〜7cm大くらい)硬くなって、痛みも少々あります。
主治医の先生には、7日後に受診してもらったところ、徐々にやわらかくなりますと言われましたが、あれから全く変わらないので、まだまだ、この硬さが続くのか心配です。このまましこりになってしまわないでしょうか? マンモトームの結果については、良性ではなく、前がん状態ということで、半年毎にマンモグラフィをして石灰化の状態をみ、増えているようならマンモトーム生検をまたするということでした。前がん状態から癌になる確率は、どのくらいなのでしょうか? 割と高い確率でがんになるのでしょうか? 今の状態で何かできること、やってはいけないことなどはあるのでしょうか? 高濃度ビタミンC点適もがん予防によいと聞きますが、やってもよいのでしょうか? お忙しいところ、ご回答よろしくお願いいたします。

ご相談ありがとうございます。私のお返事で少しでも安心して頂ければうれしく思います。検査後もいまだにしこりを感じるのは心配ですね。前回のお返事にもありましたが、私の経験でも、マンモトーム後にしこりができた場合の原因は出血が多いと思います。この血のかたまり(「血腫:けっしゅ」と言います)の量によって完全に吸収されて柔らかくなるのに数週間〜数ヶ月かかることがあります。この血腫ががんに変化することはありませんから、ご安心下さい。「前がん状態」からがんへの確率ですが、これは「前がん状態」にも幅があるためご質問頂いた内容からはお答えすることは困難です。しかし6ヶ月毎に経過を見て頂けるようですから、たとえがんが見つかっても非常に早い段階で治療ができるとお考え頂いてよろしいかと思います。特にやってはいけないことはございません。また高濃度ビタミンC点滴が乳がんを防ぐという報告はございませんので、乳がん予防目的にはお勧めできません。(文責 齋藤)

 

No.9344】  10年01月26日  T.I
アリミデックス服用中の口内異常について

2年半前に早期乳癌で、リンパ転移なしで温存手術後、放射線25回と、同時にアリミデックスを服用し始めました。不眠のためレンドルミン1錠も同じ頃飲み始め、筋肉痛や体重10キロ減少、更年期障害のような症状も出てきたため、漢方の加味逍遥散、十全大補湯を追加して服用しています。口の中がおかしく、歯に何か挟まっているような、上下の歯の噛み合せに異常を感じ、唾液腺も腫れているような違和感を感じ、不快でたまりません。口腔外科では異常が無いと言われ、血液検査でもシェーグレン症候群では無いと言われました。口の中が良くなればアリミデックスを5年続けられる自信が出てくると思うのですが、どうしたら、どこに行けば口の中が良くなるのかわかりません。乳癌のホルモン療法などをしている患者さんで同じような症状の方はいらっしゃいますか? どのような対処をしたら良いか教えていただけると幸いです。よろしくお願い致します。

アリミデックスでの口内違和感の報告はそうは多くありません。ですが、乳癌のホルモン治療や、抗がん剤治療中に、口内の違和感、ひどい時は口内炎や、味覚障害などと来すものはあり得ない、とは言い切れません。一度主治医の先生とご相談になってみて、短期間でも中断してみては如何でしょう。その結果、貴女がお感じになっていらっしゃる違和感が消失したとすれば、それはアリミデックスによる副作用なのだと判断出来ます。そしてもし、貴女の症状がアリミデックスによる副作用であったとして、これが耐え難いような症状である場合は、薬剤を変更して頂くしかないと思います。
閉経後の患者さんには クエン酸タモキシフェンよりも、アリミデックスの方が、治療上のメリットが高いデーターが出た為、我が国では閉経後の患者さんには、ルーティーンに5年間服用して頂くのがあたかも”義務”であるかのように解釈されていますが、欧米では薬価が非常に高いお薬のため、治療前期の3年間はクエン酸タモキシフェン、後半2年間をアリミデックス服用にしている国々も少なくないそうです。若干治療上の効果は劣るかも知れませんが、副作用の少ないクエン酸タモキシフェンに変更する事も視野に入れてご相談されてみては如何でしょう。
また、貴女がどうしても治療上のメリットにこだわり、アリミデックスを飲み続けたい、と言う事ならば、安定剤のような物を心療内科などから処方して頂く事も、一つの解決策になる可能性があるかも知れません。いずれにしても、主治医の先生に貴女の抱えている辛い症状について、良く相談した上で選択なさってください。(文責 矢吹)

 

No.9343】  10年01月26日  リー
葉状腫瘍なのでしょうか?治療法は?

リーです、はじめまして、お世話になります。40歳の友人ですが、北京の病院での乳腺科の検査結果です。{SMA(±),S-100(±),VIMENTIN 陽性, CD34 血管陽性}
“葉状腫瘍”と診断されて、手術を受けました。術後二ヶ月で、また同じ場所にシコリが出来て、再発したと言われ、再度手術をしました。今現在、二度目の手術が終わって一ヵ月半ですが、また再発を見つけました。又手術をしなければ、今後もこのようにずっと手術を繰り返しなければならないのでしょうか? 術後は、薬治療も放射線療法も、効果があまり期待できないということで、何も受けておりません。日本では他に何かもっと良い治療法がないのでしょうかと思い、投稿させていただきました。教えていただきたいと思います。どうぞ、よろしくお願い致します。

葉状腫瘍が何回も再発して良い対処方法はないかとの質問ですが、SMA(±),S-100(±),VIMENTIN 陽性,CD34血管陽性の免疫染色結果では、間葉系のマーカーは陽性であり、葉状腫瘍の特徴は出現していると思いますが、葉状腫瘍は顕微鏡での形態所見が特徴的で診断は間違いは無いと思います。短期間に何回も再発しているのは、小さい腫瘍をそのままにして大きいモノだけを切除しているコトは考えられないでしょうか? もう一つは腫瘍がきちんと採りきれていない可能性です。薬治療も放射線療法も葉状腫瘍は効果がありませんから、乳房の全体的な画像で評価し、小さな腫瘍もあればきちんと摘出する形の対処しかないと思います。是非、主治医と相談して、乳房のCT/MRIを受けて全体的なしこりを確認してください。(文責 川本)

 

No.9342】  10年01月24日  よっち
ノルバディックス錠

2004年12月に乳がん(浸潤ガン、リンパ節転移なし)の温存手術を受けました。その後、抗がん剤→放射線→ホルモン療法(お腹に注射を3年、ノルバディックス服用5年)。現在34歳で子供が欲しいと思っているのですが、あと5年、ノルバディックスの服用を担当医から勧められました。最初の担当医からは、服用は5年で1年間空けて子作りしていいと言われていました。そのつもりだったのですが、現在の担当医が言う様に後、5年服用した方がいいのか迷っています。妊娠すればホルモンが活性化して再発のリスクが高くなるのでしょうか?

術後5年以上が経過しています。その間十分な術後補助療法(化学療法とホルモン療法)も受けています。現在の時点で再発がないということは、ホルモン療法を終了しても問題ないと考えるべきです。一部の臨床試験では、10年間のノルバディックスの服用が5年間よりも再発に関して効果があったという結果を認めていますが、他の試験の結果とあわせると、大きな差になりません。また、妊娠が再発のリスクを高めるということはありません。(文責 緒方)

 

No.9341】  10年01月22日  B
妻の乳がん治療について

2008.11に妻が乳がん告知を受けました。いくつかの検査を受け、最終的には針生検による組織検査により、浸潤性乳頭腺がんと診断されました(ステージ2)。癌は右胸の脇にあり、大小3〜4個程度あり、合計で5〜6cm程度認められています。 がん発見後、いくつかの検査をする中で、ホルモン治療が非常によく効く性質であるといわれ、手術後にホルモン治療を主とした治療をしていく旨説明を受けました。しかしながら、妻は右胸が全摘となる可能性が高いことと併せ、兼ねてより現代医学に対して極めて懐疑的な意識を持っていたこともあり、手術や薬などによる治療を一切拒否しています。がん発見から2年目を向かえる現在でも、2〜3月に1回程度の割合で乳腺外科による検査を受ける以外は(これは夫である私からの切実な願いを受け入れ、やむを得ず検査してくれているのが現状ですが)、現在の西洋医学と言われる治療は一切行っていません。一方で、東洋医学と言われる部類にあると思われる鍼灸を週2回程度の割合で受けています。鍼灸については、がん発見時に友人に勧められ、体調の改善、ひいては癌についても根治する可能性があると勧められたものです。定期的な検査の結果ですが、がん発見の当初段階で行った骨シンチ、MRI等では、明確な転移は認められませんでしたが、その後はこれらの検査も拒否しており、その後は血液検査とエコー検査のみとなっています。現在のところ大きさには殆ど変化が無い状態だそうで、触診等による明確な転移は無いのではと言われている状況です。当然医師は、詳細な検査をしていないため、転移の可能性は明言しませんし、癌の大きさから考えて転移していてもおかしくはない状態であると言っています。何度となく、手術や治療の必要性を医師や家族で説いたとしても、殆ど耳を傾けない状況が続いています。私自身、100%西洋医学と言われるものを信じているわけではありませんが、明確な臨床の無い東洋医学を信じられるものでもありません。手術や薬などによる弊害については、多くの書籍で見受けられます。我々夫婦を取り巻く環境から見れば、何もしないまま2年目を向かえている状況の中で、今後、どのようにしていけばいいのか、私自身八方ふさがりの状態となっています。このような相談を差し上げると、できるだけ早く医療機関を改めて受診し、早期治療を!と言われるのは、ある意味当然の事だろうと思いますが、今の妻を十分に説得できる術が見つからず、日々、思い悩む状態です。このようなご相談を差し上げるのは大変失礼であると思いますが、よきアドバイスをお願いいたします。

大変難しい相談です。ご本人が拒否されている状態では、私たち医療者には何もできないというのが現状だと思います。乳癌の中には非常にゆっくり増殖するものもあり、奥様の乳癌がそのような乳癌であることを願うばかりです。一般的に、治療を頭から拒否される方(例えば、手術は絶対やだ、とか、抗がん剤は絶対しない等)の場合、手術や抗がん剤で大変な目に会ったという経験、もしくは近しい人の体験、信頼している友人の話などが原因となっていることが多く、何が原因でそのように考えるようになったかを確認します。そして、経験、体験したことは絶対にしないと約束して、それ以外の治療を受けてもらえることもあります。奥様が”現代医学に対して極めて懐疑的な意識を持つ”ようになった原因がわかれば対応の仕方があるかもしれません。(文責  清水)

 

No.9340】  10年01月21日  B
TAC療法

40歳です。昨年末に、右乳房皮下乳腺全摘およびリンパ節かくせいをしました。先日、病理診断の結果が出ましたが、腫瘍径は1.5cmだったのに、リンパ節に7個も転移があり、化学療法必須ということになりました。主治医から提案されたのがTAC療法というもので、少数による治験だそうです。ドキソルビシン、シクロフォスファミド、ドセタキセルを一度に投与、それもドセタキセルは国内マックスを超えた75mgと聞いて、躊躇しています。強い副作用の可能性があるため、デキサメタゾンというステロイド剤を静注、さらに内服もするとのこと。術後の痛みもまだあり、精神的にもまいっているときに、このような強い抗がん剤治療を受けるべきか、非常に悩んでおります。手術の麻酔だけでも嘔吐は激しく、耐えられるのか自信がありません。この療法について別の先生のご判断をお伺いしたいです(2008年ASCOでのスペインの医師による発表は読みました)。なおホルモンはプラス、HER2はマイナスです。

TAC療法は米国では日常臨床で使用されていますが、日本ではおっしゃるようにまだほとんど使用されていません。白血球減少による発熱なども高頻度で起こるため、白血球を増やす薬も併用しなければなりません。日本では一般的にはアンスラサイクリンータキサンの連続投与(AC-T)を用います。米国での学会等の報告より、TAC 6サイクル=AC-T 8サイクル、TAC 4サイクル<AC-Tという力関係が推測されます(ただ、Tは欧米と日本での用量が異なる薬剤があるため、注意が必要です)。副作用では、TACは発熱性好中球減少や血小板減少といった血液毒性が多くみられ(敗血症による死亡例も出ています)、AC-Tは神経障害、筋肉痛、関節痛、むくみ、手足症候群、つめの変化といった非血液毒性が多く認められました。メリット、デメリットを考慮した上で治験を受けるかどうか、担当医とよく話し合いをする必要があるでしょう。ただ、この比較試験はもうある意味では信頼できる結果がでていますので、AC-Tの効果を上回ることを期待したうえでの治験参加は再考の余地があるように思います。(文責 加藤)

 

No.9339】  10年01月21日  H 
アロマターぜ阻害剤について

現在50歳です。昨年8月に5年間のタモキシフェンによるホルモン治療が終了し、2年間のアロマターゼ阻害剤に移行しました。タモキシフェンの間はホットフラッシュなどの更年期障害が現れましたが、我慢の範囲でした。薬がフェマーラに変わるとやせ始めました。調子が悪いので、主治医に相談してアロマシンに変更しました。痩せるのは止まらず、胃の調子も悪くなってきたので、またフェマーラに変えました。体重は増えませんし、口の中がいつもすっぱい感じで食欲もあまりありません。こんな症状を訴える患者さんはいますか? これは薬の副作用なのでしょうか? 身長170センチで体重40キロ弱では、免疫力も下がってしまうようで不安です。薬を一時中断したほうが良いのでしょうか? アドバイスをお願いします。

フェマーラで痩せる患者さんは、あまり経験がありません。基本的に5年間のタモキシフェンを終了されているのだから、ここは内分泌療法をすっぱり終わらせることも選択の一つではないでしょうか。(文責 緒方)

 

No.9338】  10年01月21日  T 
腫瘍マーカーの数値について

いつも参考にさせていただきありがとうござます。私は60代、昨年8月に乳がんの温存手術をしたものです。しこりは0.8センチ、腋下転移なし、両ホルモン+、ハーツー0、非浸潤に近い浸潤がんとの病理結果です。放射線治療後、昨年11月からホルモン療法(アリミデックス服用)を行っています。私が気になるのは、各種腫瘍マーカーが術前も術後も、基準値を超えていることが多いことです。術後の放射線治療後に、ようやくCEAが3程度と基準値内に下がりましたが、それまでは5程度ありました。また、CA15−3が30前半、BCA225が200超と、ずっと基準値を超えており、ホルモン療法開始前より開始1カ月後の方が高くなっています。
1) 非浸潤がんは、腫瘍マーカーは反応するものなのでしょうか。
2) スパイク現象ということを聞いたことがありますが、抗がん剤ではなくホルモン剤でも起こる現象なのでしょうか。なお、アリミデックス服用2カ月半経過しますが、副作用を感じておらず、逆にホルモン剤が効いていないのではないかなどと考えてしまいます。

以上、よろしくお願いいたします。

わずかな浸潤がんでは、一般的には転移は考えにくい状態です。腫瘍マーカーの意義は、浸潤癌が転移をしている状態で明らかに値が上昇している場合、転移に対する治療の効果を見ることにあります。CEA、CA15-3、BCA225いずれも正常かわずかに上限を超えている程度です。したがって
1)非浸潤癌には意味がない。
2)アリミデックスでは考えられません。たしかにアロマターゼ阻害剤の場合、関節のこわばりなど副作用と効果は相関する
と言われていますが、効いていないとは言えませんので、内服を続けることをお勧めします。(文責 緒方)

 

No.9337】  10年01月20日  N.S 
のう胞とは?

54歳です。3年前に初期の浸潤がんで温存手術しました。先日3年目の超音波検査で健側乳房にのう胞が見つかりましたが、今のところ悪性の所見はないとのことで、半年後の受診と超音波検査の予約をしました。その後、のう胞がある辺りに、時折チクチクした痛みや、引きつる感じがあります。半年後の検査まで放置してよいものかどうか、また悪性化するのではないかと不安です。のう胞とは、どのようなものなのでしょうか。のう胞が悪性化する可能性は大きいのでしょうか。のう胞は自然になくなることもあるのでしょうか。教えて頂ければ幸いです。宜しくお願い致します。

のう胞は痛みや違和感を伴うことがあります。水が入った風船のような物をイメージして頂ければよいでしょうか? 悪性化することはなく、自然に消失することもあります。半年後の検査で十分であり、心配されることはありません。(文責 加藤)

 

No.9336-1】  10年01月20日  M
乳癌の術後1ヶ月で、また「再手術」と「新たな腫瘍」発見で悩んでいます

先日、非浸潤乳管癌のステージ0で摘出手術を致しました(個人病院にて)。術後は放射線治療を開始する所まで話は進んでおりました。術後、念の為MRIを撮り検査したところ、はっきりわからず、大学病院にMRIを送り読影して頂きました。やはり再度大きく取り除く手術を勧められました。それは覚悟していましたので同意したのですが、今になって反対の胸にも2つ浸潤癌らしき物があると大学病院から結果が来ました。大学病院の結果に、当然、主治医も驚いておりました。術前に撮ったマンモグラフィーには写っていないとの事で、再度エコーをしたところ、9ミリと5ミリの影が写りました。また細胞診からの検査になり、今は結果待ちです。そこで色々考えて悩んでます。

1) マンモに写らないがMRIに写るということはありますか?
2) 今現在、他に転移しているかはMRIでわかりますか?
3) 術後1ヶ月なのに放射線治療を開始しなくて問題はないですか?
4) 浸潤癌疑いと言われましたが、いきなりMRIでわかるのでしょうか?
5) 総合病院に転院を考えてますが、どうしたらいいでしょうか?

やっと家庭が落ち着き始めたのに、また問題が起き、かなり主人も落ち込んでおります。現在38歳、子供7歳と5歳。よろしくお願い致します。

最初に述べますが、MRIは乳腺専用のMRIで造影で行われたものと考えますが、どうして術後に行われたのでしょうか?
1)マンモに写らない病変がMRIに写ることは時々有ります。造影MRIに見られる病変で、癌でないものがそのように見えることもたまには有ります。乳腺造影MRIを術前に施行する意味は、マンモや超音波で見られなかった病変範囲を見出し、手術の切除範囲を決めるために行うことが多いのです。しかし乳癌の患者さん全例に行うほど、MRIの検査に余裕がないことは事実です。
2)乳腺専用のMRIでは遠隔転移は診断できません。脳や腰椎といった身体の一部に対しての転移検索は可能ですが、全身への転移の診断には向きません。非浸潤性乳管癌や、反対の胸のMRIでしか診断できない浸潤癌(例えその診断が当っていたとしても)では、現時点で転移を心配する状況ではないと思います。きちんと病巣の範囲を診断して頂いて、然るべき最善の手術をしてもらうことがベストだと思います。
3)非浸潤性乳管癌側は追加切除をするわけですから、その後6週間以内の放射線治療(乳房切除なら不要になります)で良いと考えます。
4)前述したように、MRIがもとで発見された乳癌も有りますし、MRIで乳癌のように見えて違っていたことも有ります。
5)主治医と相談して決められたら良いでしょう。転院となると手続にも時間がかかり、大きい総合病院はそうでなくても手術が決まってからの待機時間が長くなりがちです。その時間は相当なものになる可能性も有りますが、お待ちになれるでしょうか?小生も小さなクリニックながら年に70例の乳癌を手術しています。最近小浸潤癌と診断し、マンモ・超音波・MRIを術前にして部分切除をした患者さんで、術後の病理検査の結果画像で見られなかった非浸潤部分の乳癌が広く断端陽性になり、1ヵ月後に皮下乳腺全摘術をやり直したケースがあります。きちんとした診断を早く付けて頂き、あなたの思うことをきちんと伝えた方が良いでしょう。(文責 久保内)

 

No.9336-2】  10年01月09日  M
再手術の期間について

先日質問させて頂き、回答を頂きましてありがとうございました。再手術について改めて質問メールさせて頂きます。「非浸出性乳管癌」で先月手術し、残存があり再手術する事になりました。
総合病院に受診している為、結構混んでいて、すぐにはオペして頂けない様です。それは仕方がないので待ちますが、時間が空くことによって残存している癌が悪さして「広がらないか」、「転移しないか」・・・と、不安になる毎日です。何ヶ月位なら放置しても問題がないか教えてください。たびたび申し訳ございません。

非浸潤性乳管癌は病期だと0期であり、非常に早い段階の癌です。腋窩リンパ節転移は1%以下と言われており、遠隔転移することはまずありません。もちろん放置すれば広がったり浸潤癌になる可能性はありますが、それも年単位での進行です。半年程度なら、ほぼ変化ないと思います。さらに、残存している癌の量はごく少ない可能性も十分にあり、逆に追加で切除したのに癌は残っていなかったということもあるわけです。最終的には、主治医の先生にもう一度よく話を聞いておくことが不安を取り除く最良の方法です。(文責 上島)

 

No.9335】  10年01月20日  F
腺維線腫か葉状腫瘍か?

ご相談させて下さい。去年11月下旬に、10年前からあった腺維線腫(8ミリ位)といわれていたものを切除しました。結果は線腫ではなく、のう胞で、良性とのことでした。ところが最近同じような場所に同じようなしこりを見つけ、エコー検査をしたところ、前とは違う画像で腺維線腫だと言われました。葉状腫瘍も似ているので、切除手術をして詳しく調べることになったのですが、
1) 一般的に、最初から切除手術で調べるのでしょうか。(先生曰く、針生検では細胞がとれなかったり、その部分しか調べられないのでとの事)
2) しこり部分のみの手術なのですが、後で葉状腫瘍だとわかった場合、広めに切除していない事で、再発の可能性が高くなりますでしょうか。
3) 今回のしこりの画像は、真ん中に1センチ位の膨らんだ部分(霜降りのように白い筋が入っている)があり、左右が細長く広がっていて、全体で3センチ位でした。いろいろ画像を検索したのですが、このような画像は、腺維線腫と葉状腫瘍のどちらのほうに近いのでしょうか。
4) 去年のエコーで見落としがなければ、術後1ヶ月半しかたっていないのですが、新たに3センチのしこりが出来る事はあるのでしょうか。

質問ばかりで申し訳ありませんが、ご回答の程よろしくお願い致します。

線維腺腫と葉状腫瘍の鑑別は時として極めて困難な場合があり、切除生検(摘出生検)で線維腺腫と病理診断されながら局所再発を繰り返し、最後の組織診断で葉状腫瘍と診断され、この数年の状況から判断して、最初から葉状腫瘍の充実性部分だったとしか思えない例もある位ですので、針生検で判断できないことも多いと思います。一般に、多房性(幾つもの部屋に分かれ)で(その部屋の一つ一つが)のう胞や充実性のものなどいろいろな見え方をするもの、線維腺腫様に見えて成長の極めて早いものや、若年発生ではないもの等なら葉状腫瘍を疑いますが、頻度は線維腺腫の1/50〜100ですので、特徴がなかったり、小さいものでは線維腺腫と誤認されることもやむを得ないことが有ります。
1)あなたの既往からは、葉状腫瘍の可能性は有り得ると思います。3cmの径なら針生検は可能ですので、切除前に調べることは可だと思います。しかし針生検は病変の一部しか調べられないので、葉状腫瘍を線維腺腫と診断されても文句は言えませんし、それを託される病理医は、(葉状腫瘍の明らかな特徴が見られない限り)「線維腺腫、ただし葉状腫瘍を否定できず」という診断をする可能性は高いと考えます。
2)最初から葉状腫瘍と診断されていれば、腫瘍の周囲5mm〜1cmの正常部分を付けて切除するのが正しいと思います。ですからおっしゃる通り、葉状腫瘍なら腫瘍ギリギリの切除で再発の可能性が有ります。
3)この記載では、画像がどのようなものかの想像が出来ず、答えられません。上記のような多房性ではないのでしょうか?
4)線維腺腫でも、「若年型」と言って(年齢の高い方にも有るので言葉に惑わされないで下さい)葉状腫瘍のように発育速度が速いタイプのものも有ります。発育速度だけで(多少の推量は出来ても)断定することは出来ません。

結論から申し上げて、@ダメモトでも針生検をして頂き、葉状腫瘍なら厚めに切除してもらう(この場合線維腺腫と間違えられる可能性は仕方ないとする)A線維腺腫として切除してもらい、(頻度は少ないが葉状腫瘍で)局所再発したらもう一度手術をするB(乳房に少し変形がくるかもしれないが)葉状腫瘍として厚めに切除してもらう(根拠がなくこういう手術をするのを外科医は嫌がることが多いですが・・・)、の3つの中から選ばれるしかないと考えます。(文責 久保内)

 

No.9334】  10年01月20日  Y.T. 
今後の治療について

お世話になります。乳がん暦7年目です。
50歳の時、温存にて、抗がん剤、放射線、ホルモン療法、(アリミデックス)をうけました。標準治療も終了していますが、リンパに12個転移がありましたので、先日の定期検査で、担当医から、「予防のために、ビスネスの代わりにエビスタを飲んでみてはどうか」と、提案されました。あまり飲んでいる方はいないようなのですが、私の場合、飲んだほうがいいのでしょうか? 今度、骨シンチの検査をします。もし、骨に転移していた場合、今後どのような治療が提案されますでしょうか? よろしくお願いします。

ビスネスというのは、経口のビスフォスフォネート製剤(骨粗鬆症の薬)でしょうか? 骨粗鬆症にはビスフォスフォネート製剤の有効性が高いので、現在整形外科領域では最も汎用されている薬剤です。一方エビスタも骨粗鬆症治療薬ではありますが、ちょっと異なった薬剤です。当初製薬会社ではタモキシフェン(ノルバデックス)と構造の似た乳癌治療薬を製造しようとして、ラロキシフェン(エビスタ)を作りましたが、乳癌に効かず骨粗鬆症に薬効が有り、骨粗鬆症治療薬として承認されています。
乳癌治療とは別に、ボランティアに対して行った大規模試験で、タモキシフェン内服による乳癌発症予防効果があることが知られていますが、エビスタにも同様にその効果があることが知られています。しかし(新規の)乳癌予防というだけでは、健康保険での医療が出来ませんが、再発予防として投与するノルバデックスも、骨粗鬆症を治療するエビスタも、その恩恵があるわけです。
ですから、「今後発症するかもしれない乳癌の予防効果は有るので(投与しては)どうか?」と言われたと思って下さい。本来骨粗鬆症に対しての治療ですので、それに良く効く薬を選ぶのが原則だと思います。薬剤を変更しても可とは思いますが、7年前に患った乳癌の再発予防にはなりませんから、勘違いはなさらないで下さい。また万一再発時にタモキシフェンを投与するときには、同時投与は勧められませんので、ご留意ください。
骨に転移が見られた場合の治療法は、ゾメタ等の静脈内投与のビスフォスフォネート製剤と、ホルモン治療(以前に飲んでおられたアリミデックス等のアロマターぜ阻害薬3種のうちの1種類⇒タモキシフェンも次善の策です)の併用が考えられ、かなり有効な治療法です。(No.9331への回答もご参照ください)(文責 久保内)

 

No.9333】  10年01月18日  N 
非浸潤性乳がん

40歳主婦です。細胞診→針生検→マンモトーム生検の3度の検査で、病理が判定不能。セカンドオピニオンによる病理診断を経て、非浸潤性乳がん(浸潤性の可能性もあり)と診断されました。シコリの大きさは1.2センチです。実際には、マンモトームでシコリは取り除かれています。ガンの診断がされてから2か月経ちました。担当医によると、手術の緊急性はそれほど無いとのことで、手術は2月を予定しています。しかし、最近になって取り除いたシコリのあった部分がズキズキと痛み始めました。癌細胞が広がっているのではないかと非常に心配です。マンモトーム後の傷が今になって痛み出しているのでしょうか? マンモトーム後に、悪性のがんを2か月も放っておくと、癌細胞が広がらないのでしょうか? 2月の手術の段階で、実は切除範囲が急に広がったとか、実は浸潤性だったとか、そのようになったらどうしようと不安です。

病理診断は大変難しい場合があり、実際の所、良性、悪性と確定困難なこともあります(エキスパートの病理医でも意見の分かれることがあります)。ただ、このような場合は悪性と診断されても、おとなしい(低悪性度で、通常転移はしない)タイプのものがほとんどであり、慌てて治療を受ける必要はありません。御病状から、痛みと病変部の進行は関係ないように思いますので、ご安心ください。手術の結果で、術後の治療について説明がありますが、不安要素の可能性は低いように思われますので、あまり心配なさらずに結果をお待ちください。最終結果も非浸潤がんであれば、ほぼ治癒の可能性が期待できます。(文責 加藤)

 

No.9332-1】  10年01月18日  A・M
術後の化学療法からの転院

11月半ばに乳がん検診で引っかかり、比較的近くの大学病院で再検査(マンモと細胞診)をした結果、乳がんと診断されました。周りにがんにかかった知り合いもおらず、どうしていいかわからないなりにも、色々と本やインターネットで調べたり、医療関係の仕事をしている知人などに聞いて、自分なりに納得して、12月の半ばに右乳房の温存手術を受けました。主治医の先生には質問しづらい雰囲気で、手術前にもセカンドオピニオンや転院を考えたのですが、乳がん治療で有名な病院は混んでいて待っている間に転移したら・・と焦っていた為、精神的にも安心したくて、とりあえずその病院で手術は受けたのです。しかし、主治医の先生からは「手術後は温泉にでもすぐに行けますよ。」と言われ、具体的には、切りとってへこんだところにリンパ液がたまってふくらむと聞いていたのに、実際はえぐれたままで、いびつな形になってしまいました。温存といいながら、実際には4分の1は切っています。腋の脂肪を取って・・などという形成的な配慮はしてもらえなかったようです。かなりショックでしたが、リンパ節や他の臓器への転移もなく、無事腫瘍部分が取れたのだから命には代えられない、と言い聞かせて、一応は納得しました。ただ、しつこく言わないと質問を受け付けて下さらないことと、先生のおっしゃることが今ひとつ信じられないので(抗がん剤の副作用も、日常生活に支障はない、とおっしゃるだけで、治療方針が決まるまではどんな抗がん剤を使うのか教えてくれません)、やはり転院した方がいいのか考えてしまいます。決して悪い先生ではないと思うのですが、先生主導で、セカンドオピニオンを申し出た時も、「こんな簡単な手術で、そんなことしなくていいでしょう。」と取り合ってもらえませんでした。放射線専門医の先生がいないのも気になっています。私が、わがままで神経質なのでしょうか?
データ的なことを申しますと、「腫瘍の大きさ2.5×2.5×2.5(センチ)、リンパ管侵襲+、静脈侵襲−、NG3、ホルモンレセプター+、HER2−」です。(専門用語が間違っていたらすみません) 
今後は、ホルモン治療をする前に抗がん剤治療をするか検討中です。年齢が41歳で閉経前なのでホルモンの薬が効きにくいということと、NGが高いので、できれば抗がん剤も使った方が再発率が下がると言われました。お忙しいとは思いますが、転院した方がいいか(可能なのか)、抗がん剤治療もした方がいいか、この2点について意見をお聞かせいただけたら・・・と思います。まとまらない文章ですみません。  

御連絡が遅くなりすみません。温存手術の出来栄えは、執刀医によってかなり異なる所でありますが、客観的評価が難しく、一般的に公表されるものではないため、術前にリサーチするのは困難を極めます。しかし例え腕のいい(整容性を重視している)外科医でも、御病状によってはある程度変形は免れない場合もありますので、ここは受け入れていかれるしかないように思います。
転院は希望されれば可能ですが、もう一度担当医とよく話し合ってみてからでも遅くはないように思います。日本の医療事情から、お一人お一人と話し合える時間はどうしても限られてきます(できれば質問事項をメモ等して、診察へ望まれるとスムーズだと思います)。
メールの内容からadjuvant onlineというソフトにて計算すると、抗がん剤治療により再発率(10年)が10-14%程低下します。もう少し詳細なデータが欲しい所ですが(ホルモン受容体の程度、Ki-67など)、私でしたら化学療法を勧める場合が多いと思います。
また、化学療法が必要かどうか(正確には化学療法によって再発率の低下が見込めるかどうか)を調べる遺伝子検査(oncotype DX)もありますが、保険が利かず高額(50万円弱)なため、お受けになるのはほんの一部の方に過ぎません。ただ希望されれば、検査を受けることも可能ですので、興味がおありになれば主治医と相談されてみてはいかがでしょうか?
おっしゃるように抗がん剤の副作用にはかなり個人差がありますので、日常生活に支障があるかどうかは施行してみないとわからないでしょう。ホルモン療法は閉経前の方でも十分効果は期待できると思います。(文責 加藤)

 

No.9332-2】  10年02月27日  A・M
続・化学療法について

前回No.9332で術後からの転院についてと抗がん剤治療をした方がいいかについて質問させていただいた者です。その節はありがとうございました。
その後前の主治医の先生のご理解があり、無事転院することができました。今は転院先の病院で納得して抗がん剤治療を受け始めたところです。
私のデータは腫瘍の大きさ2,5×2,5×2,5(cm)、硬癌+非浸潤性癌、リンパ節転移0/4(センチネルリンパ節のみ)、リンパ管侵襲+、静脈侵襲−、ホルモンレセプターER・PR+、そしてNGは3と聞いていたのですが、実は転院先の病院で再度調べてもらったところNG2だということでした。「そんなことがあるのですか?」と聞くと、病理の先生の見立てでそういうこともあるとのことで、少々驚きました。
今回治療に入るときには、私が前の病院で抗がん剤はしなくてすむかもしれないと言われていたのに、結局3種類の抗がん剤(5時間点滴)を3週間毎×4回、その後できればウイークリータキソール12回とタキソテール3週間毎×4回と術後に言われて、心の準備もできていないし、それはとてもじゃないけどやりきる自信がない、というやり取りがあったと、今の主治医の先生に話し、また病歴に不整脈(日常生活には支障なし)、完全右脚ブロックと書いたため、心臓に負担のない抗がん剤ということで、TC療法(3週ごと×4回)を提案されました。説明を聞くうちに、私も納得して前向きに抗がん剤治療をやっていく気持ちになれました。
そして三週間前に一回目をやったのですが、その日実はタキソテールを点滴し始めてすぐから10分間くらい胸が苦しくなって、途中から2倍の時間で入れてもらうようにして無事終えました。エンドキサンも少し頭痛がするなどありましたが、後日副作用も特に我慢できない程ではなく、2回目も大丈夫と思っていたのですが・・・。スタッフの方に連絡がいってなくて、タキソテールをする時にまた通常の速度で入れてしまったようで、また前回のような症状が出てしまい、すぐ治まるだろうと我慢していたら、今度は腹痛と手足のしびれがひどく、息も苦しくなり、しばらくして血圧が60台と30台に下がってしまい、危険だということで、その日は中止になりました。がんばる決意でのぞんでいただけに残念です。どうも薬へのアレルギー反応が強く出てしまったようです。花粉症ではありませんが、アレルギー性鼻炎があり、数年前までアレグラを服用していました。少し睡眠不足だったのと、副作用の便秘で二日間便が出ていなかったことも関係しているかもしれません。
主治医の先生からは、「NGが2ということもわかったので、無理せず抗がん剤治療をやめて放射線とホルモン治療でいくのか、薬を検討して再チャレンジするのか、二週間後に決めましょう、考えてきてください。」と言われました。再発のリスクを少しでも下げるためには、抗がん剤はやった方がいいとわかっていますが、親からあまり体を痛めないように・・と言われると、今の状態でどう判断したらいいのか迷います。そこで、前回もお聞きしたと思いますが、上記のデータ+NGが2になった場合、見解に変化がありますか? もうひとつ、これは参考になるかどうかわかりませんが、上記のデータの腫瘍の大きさは組織学的な数値で、肉眼では2.5×2.0×1.5(cm)だったということでした。また薬との相性もあると思いますが、私のようなケースで、他にも抗がん剤の組み合わせとして有効なものはありますか? 
お忙しいところ申し訳ありませんが、わかる範囲でお答えいただけたらと思います。HER2−、41歳、閉経前。既婚で、子どもが二人います。

乳癌治療の術後補助療法を決定するにあたっての指標となるものに、2009年の St.Gallen のコンセンサス会議があります。これによると、「内分泌感受性あり、HERU陰性」の場合、ホルモン療法が基本であり、更に化学療法を追加するかどうかを検討することになりますが、NG3は化学療法を行う決定因子ですが、NG2は化学療法を行う決定には役立たない因子ということになっています。従って、主治医が言われるように、「放射線+ホルモン療法」という選択肢が出てきますが、腫瘍範囲の脈管侵襲もリスク因子であり、広汎な侵襲があれば化学療法を行うことになります。リンパ管侵襲(+)が広汎であれば、抗癌剤に再チャレンジしてみる価値はあると思いますが、効果と副作用のバランスを考えながら使っていく必要があります。薬としては、タキサン系を使用したので、次の手としてアンスラサイクリン系が考えられます。納得のいく治療を受けることが大切ですので、主治医と充分ご相談ください。(文責 須田)

 

No.9331】  10年01月17日  F
術後治療について

はじめて相談します。2008年11月に右乳腺抹消部分近くに16o、乳輪近くに5o、その中間に石灰化している部分があることがわかり、四分の1扇状部分切除し、放射線療法(25回+ブースト5回)終了、現在はホルモン療法中(ゾラデックス3年投与予定・ノルバデックス5年服用予定でしたが副作用の為3ヶ月で中止)です。47歳、未婚、出産経験ありません。主治医からは、「T期の粘液癌で早期です」との告知を受け、手術に臨みました。術後半年で再就職し、現在は術前と変わらない生活を送っております。「あまり心配しないで、ストレスが少ない生活しなさい」という主治医の言葉を信じ治療を続けておりましたが、この相談室のメールを拝見していると、あまりにも無知で無防備だったことに気付き、自分自身の病状はきちんと把握したいと思いました。病理検査のコピーをそのまま転記いたしますのでよろしくお願いいたします。

病理診断: 
Mucinous cvarcinoma(Bp),surgical margin positive、 Lymph nodes:No metastasis
所見: 
乳腺Bp:主病変は直径14oの粘液癌(純型)です。波及度f、核グレード1(2+1=3点)、組織学的悪性度1、Iy0、v0、EIC−です。周囲には篩〜低乳頭状の乳管内癌(非コメド)があり、一部では粘液瘤様腫瘍のごとく間質内への粘液漏出を示し、さらにJに3×1oの娘結節を付随しています。切除断端は、切片Oに浸潤癌(粘液癌)巣があり、薄切面は真の断端とは言えませんが、末梢側切除断端は陰性と判断します。リンパ節はSLN:0/3、レベルTA: 0/2です。  pT1c,pN0,pMx,pStageT  ER・PgR:陽性 HER2:陰性(スコア0) ※全割(個数16)

質問は2つです。
1) 病理検査の所見に書かれている二行目の「周囲には・・・」からの内容がよくわかりません。
2) 現在ホルモン療法中ですが、ゾラデックス注射が術後一年を経過したあたりから4週間毎ではなく、5週間毎にになっています。主治医からは、6週間は大丈夫だと聞いておりますが、少し不安です。このことで5年10年生存率・再発率が変わることはあるのでしょうか。また、現在の治療での5年10年生存率・再発率はどれくらいなのでしょうか?

よろしくお願いいたします。

1) ご質問の部分は、非浸潤癌部分があったという説明です。非浸潤部分は局所再発の因子としては可能性がありますが、遠隔転移の因子にはなりませんので、生命予後に関しては浸潤癌の部分で決まってきます。あなたの場合はHPNo.9329の方と同様かなり良好な予後が考えられますし、「純型の粘液癌」なので更に良いかと思います。
2) ゾラデックスの投与方法ですが、閉経後のホルモン状況を作るために投与するので、推奨されるのは4週に1度でしょう。視床下部・下垂体系をブロックし排卵を来させなければ良いのですから、人によっては5週空けても6週空けても良いかも知れません。私の患者さんでも、正月やGWで延びたり、患者さんの都合(旅行etc.)で延びたりすることがありましたが、基本的には4週に1度投与しています。あなたの場合、例え6週に1度の投与にして仮に1-2度排卵が来てしまっても、再発率や生存率に大きく影響することは無かろうと思います。(文責 久保内)

 

No.9330】  10年01月17日  C・T
乳がんの骨転移の確率

よろしくお願いいたします。私は2008年12月に乳がんで右乳房の全摘手術を行いました。セルフチェックと検診は欠かさず行ってきたのに、ある日の入浴中、脇の下のリンパが腫れているので受診したところ、乳がんでした。ステージはUb、リンパへの転移は10個中5個でした。グレード3で医師からは2〜3年の内に転移する可能性が大きいと言われています。現在はホルモン治療を1年過ぎたところです。やはり転移の確率は高いのでしょうか? それと入院中から、右手にリハビリをしていて、退院してからも毎日リハビリは続けていました。ところが、術後3ヶ月くらいから、右肩の関節が痛むようになり、今では肩の高さまで上げると強い痛みが有ります。毎日運動もしているので運動不足やリハビリ不足では無いと思います。先月からカルフィーナ錠を処方されていますが、改善されるどころか、痛みは少しずつ強くなってきています。一年目のエコーと胸とお腹のCT、血液検査には異常は無かったのですが、術後にリハビリをしないと周囲関節炎になると聞きましたが、私はリハビリは続けてきたのですが、やはり関節炎なのでしょうか? それとも骨転移の可能性も考えておいたほうが良いでしょうか? 私のようにステージUb、リンパ節転移5個、グレード3の場合転移の確率は、どのくらいなんでしょうか?

細かなデータがわからないので軽はずみな事は言えませんが、検診を欠かさなかったにも拘らず診断時にはリンパ節転移が5/10と進行し、グレード3の乳癌とのことですので、再発リスクはかなり高いのではないかと考えます。通常ならば化学療法後にホルモン療法が適応になるかと思いますが、ホルモン療法単独なのでしょうか。症状は肩の関節周囲炎(いわゆる五十肩)や術後の挙上障害の延長も考えられますが、上腕骨・鎖骨・肩甲骨等への骨転移の可能性は否定できないと思います。術後3ヶ月から有る症状ですので、1年近く痛みが有ることになるようです。X線検査や骨シンチグラフィは検査してもらったでしょうか?症状があれば、まず診察・検査ありきだと思います。
あなたの乳癌のステージ・リンパ節転移・核グレードだけで、骨転移の確率は論じられませんし、右の乳癌だからと言って右肩に来るとは限りません。骨だけの転移ならばビスフォスフォネートとホルモン治療が良く効きますし、最近はストロンチウムという新しい治療法も開発されていますので、早く診断された方が良いと思います。(文責 久保内)

 

No.9329】  10年01月17日  U
ホルモン治療をしないという選択は可能?

皆さんの相談を読ませていただき、ここならば!と思い、ご相談させていただきます。2009年11月に、左乳房の温存手術を終え、来月から放射線治療を始めます。病理検査の結果は、粘液ガン、リンパ節転移なし、ER(+)PgR(+)、HER2(0)、浸潤径1.5×0.9(ただし非浸潤部分を含めると5cm程)、脈管浸襲なしです。34歳。妊娠を希望しています。
1) ホルモン治療をしない、という選択は可能か?
2) ホルモン治療を2年で終わらせるというのは、再発予防に効果があるか?、また、その後の妊娠は可能か?

以上、どうぞよろしくお願いいたします。

StageTの乳癌で浸潤径1.5cmですから、通常型の乳癌でも10年生存率は90%を超えていて、かなり良好な予後が望めると思います。その上粘液癌ですから、もっと予後が良いはずで、95%を超えるのではないかと考えます。ホルモン療法の主たる目的は遠隔再発の予防で、あなたの場合は5%以下の再発リスクを半減させる位の効果です。それに目をつぶることが出来ればホルモン療法をしないという選択も、2年で終わらせる選択も有るかと思います。34歳で妊娠希望の方ですので、5年のホルモン治療は妊娠をほぼ絶望させるでしょうし、2年でもチャンスはかなり減少するでしょう。この病期では再発の可能性は極めて可能性が低いのですが、ER(+)PgR(+)ですので、妊娠がかなえられた場合再発が早まる危険性は考えておいた方が良いと思います。一般的に言って、タモキシフェン(ノルバデックス等)によるホルモン療法は、残された乳房にできる次の乳癌(局所再発ではありません)の発生を予防すると言われ、この位のStageでは、むしろ再発予防よりそのために投与する意味合いの方が高いかも知れません。(文責 久保内)

 

No.9328】  10年01月16日  M.Y. 
術後の心配ごと

昨年秋、非浸潤癌2センチ程度の乳房温存手術(右乳房上部)を行い、その後放射線治療を行いました。現在は薬も飲まず、普通の生活を送っていますが、上部切除であったため、乳頭が左よりも1センチ程度上がってしまい、多少の変形があります。先日、乳首がカサカサしているのと黄色い液の塊の膜のようなものが薄く覆い、乳首の周りも瘡蓋のようになっていました。乳首が少しへこんでしまっているため、入浴時は石鹸のかすがたまらないよう気をつけているのですが、かすや垢がたまっているようなものには見えません。手術後は管の挿入部から出血し入院も長引くこともあったり、放射線治療では、かなり腫れてしまい痛い思いをしました。乳首のカサカサは放射線治療の影響もあると思われますが、黄色い液の塊の膜のようなものが気になります。術後にこのような症状が現れる場合があるのでしょうか?

実際に診察したわけではないので、状態が判然としませんが、およその類推でお答えします。この状態は、多分放射線治療後の皮膚及び乳輪・乳頭の皮膚炎ではないかと考えます。全ての人が起こるわけではないのですが、放射線照射後はその部の汗腺・皮脂腺の分泌が悪くなることが多く(小生は患者さんに焼鳥の皮と表現しています)、スキンケアを十分しないと乾燥して皮膚炎になり易いと指導しています。多分放射線治療後の皮脂の分泌が悪く皮膚炎状態にまでなったのではないでしょうか?放射線障害を知る皮膚科の先生に診て頂いて、治療なさるのが先決かと考えます。
乳頭の位置に左右差が出たのは、上部の癌だったので乳腺上方を切除することにより変位したものと考えます。(文責 久保内)

 

No.9327-1】  10年01月16日  S 
抗エストロゲン剤の選択肢について

前回のご相談から一年以上の経過でございまして紆余曲折の長文をご容赦ください。
現在51歳、一昨年2月から術後2年近くがたち、ノルバデックスを服用して1年8ヶ月になりました。(術前1ヶ月ノルバデックス投与)その間、生理は全く止まっておりました。
ところが昨年11月から少しずつ不正出血(少量・日によってある日ない日があります)があるなかで、今年に入ってからも下腹部痛が伴う出血(これも少量)があり、手術した病院の婦人科に経過観察してもらっておりますが、昨年出血前の7月と出血あとの11月が同じ゛生検クラス2(子宮頸癌&たい癌検査)でしたので、11月の時点で婦人科医師は、「ノルバデックスはこのままでよい。出血は複雑な女性のからだの変化から」と、言われました。しかし、乳腺外科の主治医に今回の内容で同じように相談いたしましたところ、いともかんたんに、「ではノルバデックスをしばらく休薬してフェアストンに代えてみますか?」と言われ、とまどっています。一昨年まで、主治医に、「フェアストンは閉経後乳癌に対してしか使えない」と言われていたのに、昨年夏頃から、いきなりいOKされたからです。手術以前から子宮筋腫(1・4a)もございましたので、ノルバデックスを服用指示されて、服用中も同じ患者さんの闘病ブログに゛子宮に優しいのはフェアストン゛という文章をみたので、主治医に時々フェアストンの提案もしてみたのですが、そのときは、「フェアストンは閉経後につかうもの。あなたは閉経していない」と言われ、ノルバデックスでここまでまいりました。以前はきちんと生理もあり、休薬すればすぐ生理が再開するような私のホルモン状態でした。以前こちらの相談室でアドバイスをいただいた通りに、乳腺主治医には、「投薬変更にはホルモンレベル検査をうけたい」旨を提示しましたが、「あなたはすでにノルバデックスで生理がない状態なので、どこまで正確に計れるかわからない」と言われて今日まできてしまいましたが、体調が出血腹痛まで起こしているので、不安がございます。私の過去のデータは以下の通りです。まだ先が長い投薬治療ですので、どうかアドバイスをよろしくお願いいたします。
一昨年2月の私の手術状況でございますが、乳癌(8ミリ)温存手術。断端陰性。絶術前の針生検エストロゲンレセプター8分の7、プロゲステロンレセプター8分の6、HER2プラス1でした。手術前過去のホルモンレベルデータでは、3年前 E2→121でLH→3.2でFSH→2.6プロゲステステロン13、 2年前 E2→96.5でLH→2.3でFSH→5.6ブロゲステロン25でした。術後一昨年4月のデータは、一昨年1月から『術前1ヶ月ノルバデックス投与』&手術&放射線終了(但しこのあと5月から正式ノルバデックス投薬前)で、E2→19でLH→57.2でFSH→88.5でした。ただし同年11月、1ヶ月だけガンジダ発生理由に休薬したあと採血した婦人科のホルモン血液検査E2→246でLH→6.4でFSH→11.1の結果をみて、婦人科医師からは、「生理の再来だから癌再発防止にもノルバデックス再開を勧める」といわれました。 現在、昨日から乳腺主治医の指示によりノルバデックスを休薬しておりますが、このあと、このままの流れではフェアストン移行が予測されます。一般的に次の薬にかえるまで、どの位休薬してもよいのでしょうか? 余談ではございますが、婦人科や乳腺の担当の先生方は、それぞれ精一杯誠意をもって対応して下さっていますが、この大学病院にはまだ電子カルテ化されていないせいか、各科の見解を患者さんが伝えねばならないのが多少患者本人にはストレスになっております。
果たして私は今後フェアストン(一説によりますと昨年4月に保険適応になったからですか?)でよろしいのでしょうか? また、フェアストンなら子宮癌及び子宮内膜に支障にはならないのでしょうか? 副作用はノルバデックスと同じ様なものがあるのでしょうか? あと、いまさらお恥ずかしい質問ですが、同じ病院&同じ世代で同じノルバデックスを飲んでいるのに生理はまったく止まっていないかたも見受けられるのですが、乳癌再発防止の為には生理がとまったほうがよいかもしれませんが、子宮には悪いのではないかと心配です。いかがなものなのでしょうか?
長期戦の乳ガン治療、私レベルの患者でも二年でこれだけの症状がございます。゛明るく賢い患者゛を志したいと思っております。末永く頑張れるよき治療方法をアドバイスいただけますと幸いです。

結論から申し上げますと、「ノルバデックス」と「フェアストン」は抗エストロゲン剤でひとくくりにされており、同種の薬です。「ノルバデックス」が閉経前・閉経後に効くように、「フェアストン」も本来両方に効くはずです。ただし開発した製薬会社が「フェアストン」の閉経後のデータしか出さなかったようで、保険では「閉経後乳癌」しか適応を認めていなく、過去には閉経前に使用した場合に保険請求を却下した時期がありました。2年程前から、国民健康保険の審査では閉経前乳癌に対してお目こぼしをするようになったようです。この経緯を知っておられる主治医の先生なら、今の時期に「フェアストンにしましょうか?」と仰ってもおかしくないと思います。基本的には両者は同種の薬ですから、「@効果が今ひとつである場合 A副作用のために」の2つの理由で薬剤の変更があるかと考えます。現在明らかな病変が存在しないので、@の理由は成り立たないと思いますが、あなたの不正出血に対してAの理由で変更されるのなら、意味があるかも知れません。
「ノルバデックス」を休薬されると生理が始まるのなら、あなたは、ほぼ確実に閉経前だと思います。「ノルバデックス」の副作用の無月経状態だと思いますから、ホルモンレベル検査は現在のところ不要ではないでしょうか?時が経ち真の閉経が「ノルバデックス」投与中に起っていれば、ノルバデックスを休薬して薬の影響がなくなってからでないと、ホルモンレベル検査での真の閉経の診断は難しいと思います。(文責 久保内)
 

 

No.9327-2】  10年03月15日  S 
抗エストロゲン剤変更後の不安について

前回No.9327で相談室への質問を出しました。その節は大変お世話になりました。今回は、来週から変更予定の抗エストロゲン剤に関する不安です。今月13日(土)までの2ヶ月間、不正出血の原因?とされるノルバデックスを休薬致しまして(幸いにも、この4週間は出血が無くなりましたので)、乳腺主治医との話し合いでは、「残りの3年、3月半ばからフェアストンに切り替える」ということになっております。もしまた不正出血やその他の副作用が酷く出た場合には、 「婦人科に内診してもらいつつ内服薬については考える。」と言われ、またノルバデックスに戻す案もでていますが、いかがなものでしょうか? 不正出血はノルバデックスでは珍しい症例なのでしょうか? 「まだ手術してから二年なので、できれば何らかの方法で薬を服用してもらいたい。」とも言われました。 極論だが、どうしても薬が合わない場合は薬を止めるという案もいわれています。
ご参考ですが、今年2月5日に調べた採血によるホルモンレベルは、以下の通りです。 ノルバデックスを1年8ヶ月服用後(その間は副作用のせいか生理は全く止まっておりまして、現在もございません)、不正出血のため休薬して3週間目に採血したものです。
E2→L10  LH→27・4  FSH→64・3

1) 以上の数値から、私はどういう状況なのでしょうか?
2) 一般的に私のような場合(51才、経産婦。私の手術状況でございますが、乳癌(8ミリ)温存手術。断端陰性。術前の針生検はエストロゲンレセプター8分の7、プロゲステロンレセプター8分の6、HER2プラス1でした)、今後は どのような対策をしたらよいのでしょうか?
3) 乳癌の再発 転移は絶対に避けたいのですが、出産以外に行ったことのない婦人科的な事にも弊害が及ぶとは思いもよらず、今後無事に残りの三年が終わるまで、どうしたらよいのか不安です。 また、「三年過ぎて閉経していたら、別の種類の薬を服用させるが、閉経していなければ そこで服用する薬は終了」と言われましたが、閉経しているか否かを、これだけ抗エストロゲン剤を服用している私のような患者で、正確な数値がわかるのでしょうか?  一般的には皆さんはどのようにしらべるのでしょうか?
4) このまま三年間、無事に過ぎればよいですが、半年もしないうちにフェアストンも体にあわなかったら どうしようかと、思い悩むこの頃です。私どもの病院ではフェアストンの症例が少ないのかもしれません。一般的にフェアストンは日本でどの位使われているのでしょうか?

よいアドバイスをいただけますと幸いです。

1)2)3)4) まず年齢が51歳ということであること、3週間休薬後の採血でE2が10以下でありFSHが60を超えていること、ここ1年8か月以上生理がないこと、などよりそれまでのノルバデックスの影響を考えても、現在は閉経後と考えてよさそうです。ノルバデックスによる副作用として不正性器出血は決して珍しい症状ではありませんが、これが何度も生じるようであればフェアストンに切り替えるのもよい選択肢と考えます。前回久保内先生がご回答されているように、ノルバデックスとフェアストンは同系統の薬であり、副作用でノルバデックスが使用困難な場合は、フェアストンに切り替えてほぼ同等の効果が期待できると考えてよろしいかと思います。貴女の場合、乳癌の中でも早期に分類され再発率はそれほど高くないと考えられますので、もし今後フェアストンも継続困難になった場合は、薬そのものをやめてみるのも有力な選択肢です。また、再度の採血等で確実に閉経後であることが確認できれば、アロマターゼ阻害剤(アリミデックス、アロマシン、フェマーラなど)に変更するのも有力です。いずれにせよどれが一番正しいと言える方法はありませんが、上記の方法を念頭に置き主治医の先生とよく相談して、納得のいく方法を選択してください。(文責 谷)

 

No.9327-3】  15年06月19日  S 
抗エストロゲン剤5年服薬後の追加5年投薬について

前回9327番9455番でも相談いたしました、現在56歳主婦です。お陰様で2008年2月に温存手術を致しましてから、早いもので今年2月で7年目となりました。治療の節目節目で、こちらの相談室様には大変お世話になりまして、感謝の気持ちで一杯です。 さて現在までの状況でございますが、2008年2月右乳房7時の方向を温存手術手術→放射線治療のあと、2008年6月〜2013年の6月までの5年間、ノルバデックス1.5年+フェアストン3.5年(ノルバデックスによる性器不正出血などの副作用があった為変更)を無事終了致しまして、『晴れて卒業』と思っておりましたが、主治医から、血液検査の結果私はすでに『閉経状態』なので『アロマターゼ阻害剤をプラス5年勧められました』が、巷でのアロマターゼ阻害剤による副作用もきいておりました。病院内ではアロマターゼ阻害剤服薬前の準備として、『私自身の骨密度検査は年齢相応』と結果は出ておりましたが、困ったことに私は『人生の3分の1は歯科通い』で、通院中の歯科大学病院では顎の骨が普通の人より薄い治療困難なタイプと言われているので、『将来総入れ歯にできるような状態には骨密度を保ちたい』のですが、乳腺検査の骨密度検査対象には如何せん顎は入っておりませんので困惑しておりました。そこで2013年6月、乳腺主治医に『セカンドオピニオンを含めプラス5年服薬するか否かを考えたい』と申し出まして、『1年半』猶予をいただきました。外部にセカンドオピニオンを出すにあたり、私の手術をしたときのカルテデータ開示を依頼しました。加えて2008年では行っていなかったKi67検査を、昨年2014年2月に、保管してある当時の組織から再検査していただきまして下記のようなことがわかりました。

[手術日]2008年2月右T1NOMO
[術式] Bp+SLNB(0/2)
[最終病理結果] PT=0.1pDCISあるいはpredominant intraductal compornentか難しいとのこと 。ly0 v0 NG2 ER6 PgR6 HER2 1+ Ki67陽性率:2%(low)

上記の結果から、当初私の癌はステージ1とだけ聞いていましたが、カルテ開示していただくことにより 「@私の主腫瘍は浸潤癌で、0.6p 充実腺管癌 であること A手術内容は患部を1回目に切りとると断端陽性であることが『迅速生検』でわかり、もういちど大きくくりぬいて(追加切除)再度『迅速生検』をして『断端陰性』を確認をした上で患部閉じたこと。 B核グレード2であったが、総合的にみてルミナルAタイプとした。」ということを認識致しました。そこで先生方に質問ですが、私は自分が『核グレード2』であることに、カルテ開示で初めてわかりました。同じ病院の『ステージ1温存手術』で、プラス5年継続服薬を断っても、私の主治医にあっさり終了を了承してもらえた患者仲間に聞いてみると、皆さん『核グレード1』だったことから、私の担当医があと5年服薬を今でも私に勧めるのは、やはり『核グレード2』だからでしょうか? 実は今年の1月〜3月まで(一昨年から休薬してから1年半ぶりに)抗エストロゲン剤のフェアストン(アロマターゼ阻害剤は顎の骨への支障を考えて乳腺主治医と相談したうえで)を再開致しましたが、ロキソニンが必要な位の下腹部痛が後半の二週間あり、その後すぐに現在6月に致るまで休薬中ですが、乳腺主治医は『1年半前まで服薬していたときは腹痛も出血も無かったのだから、また服薬を再開してみて、やはり身体に合わなかったら治療は打ち切りにしましょうか?』といわれました。因みにプラス5年『抗エストゲン剤のフェアストン』を私が希望したのは、構造上フェアストンも『閉経後の人にも効く』からで、主治医は『できれば前半5年と後半5年は違う構造の薬の方が効きがよいのですが』と、渋々フェアストンを了承してくれました。上記の私の手術データで、あと5年私は服薬するべきなのでしょうか?『核グレード2』だけが気がかりです。私の再発転移リスクの大きさは、どの程度なのでしょう?
一般的には私と同じタイプの癌の方ならプラス5年をどんなことをしても服薬したほうがよいのでしょうか?

(イ)抗エストロゲン剤フェアストンをトータル10年服薬
(ロ)後半プラス5年アロマターゼ阻害剤フェマーラ服薬
(ハ)後半プラス5年の服薬を完全にやめる

以上イ〜ハの3つの中からでは、私の場合、どのくらい再発転移リスクが違うのでしょうか? 因みに婦人科的には定期的に検査していますが、子宮内膜は一年半休薬していたら、服薬中3p→現在2.5pになりました。余談ですが、5年間服薬中のラスト2年間に、うっすらと所々に脂肪肝が出来まして、そういうこともあり、1年半休薬致しましたら、脂肪肝が消えました。この5年間で体重も7キロも増えてしまいました。これに関しては、ホルモン剤のせいなのでしょうか? といって『無治療』と決まれば、あと2年半で通院卒業となってしまうのも『再発転移』が不安です。見極めは上記データでわかるとしましたら、是非先生方のアドバイスをお願い申し上げます。思い悩みながらメールをしたためました。ご多忙な先生方には大変失礼な長文を申し訳ございません。

タモキシフェンを5年使用した群と10年使用した群の比較試験で、10年使用群で、10年目以降の再発率、死亡率が3〜4%低くなることがわかり、米臨床腫瘍学会の乳癌診療ガイドラインでは、術後ホルモン療法としてタモキシフェンを5年間投与し、その後は閉経しているかどうかにより、タモキシフェンあるいはアロマターゼ阻害剤を5年間投与することが推奨されています。これまでの標準治療だったタモキシフェン5年でも、再発の危険性を半分に減らすことができます。また、タモキシフェンを代表とする抗エストロゲン剤と、体内のエストロゲンの量を減らすアロマターゼ阻害剤の比較では、閉経後の場合、アロマターゼ阻害剤の方が再発の可能性を数%改善させることが分かっています。従って、単純に効果だけを考えると、推奨は(ロ)(イ)(ハ)の順位なりますが、期間を延長して服用することのリスクや想定される有害事象も考慮しなければならず、再度主治医とご相談の上、納得のいく治療法を選択してください。(文責 須田)

 

No.9326】  10年01月14日  KS
術後の運動について

昨年末、右側に1.4センチと5ミリの多発性浸潤癌がみつかり、これから右胸切除、再建手術予定です。 趣味で10年以上ダンスをしているのですが、これは術後も続けたいと思っています。術後は化学療法を受ける予定ですが、体調のよいときはジム通いをできるだけ続けたいと思っています。 嫌なことがすべて忘れられる唯一の場所なので、できるだけ継続したいと思っています。リンパ節かく清がある場合、ない場合で、術後の後遺症が変わってくると思いますが、両方の場合で
1) 術後はいつぐらいから運動を始めてよいでしょうか。 
2) 激しいダンスやエアロビクスをしても大丈夫なのでしょうか。

乳癌の為に自分の生きがいであるダンスができなくなってしまうことを恐ろしく思っています。宜しくお願いします。

術後の運動についてお答えしたいと思います。
1) 乳癌の手術で「リンパ節郭清」後の運動ですが、患肢の運動をつかさどる筋肉・神経は温存されるはずですから、基本的には術翌日から上肢の180°挙上は可能ですし、ゆっくり挙げることは直後から推奨されます。術後は滲出液が貯留して創傷の治癒を妨げないように、腋窩にドレーンという排液チューブを入れておくので、エアロビクス等の激しい運動は、このチューブが入っている間は難しいでしょう。入れておく期間は主治医の判断により異なりますが、数日〜3週間の間です。余計な管は早く抜いた方が良いように思われるかも知れませんが、私は創をきちんと仕上げるため長めに入れておき、退院後外来で抜去する方法を取っていますが、早く抜く先生も多いようです。
2) むしろ切除後の再建の方が、運動制限が強いかもしれません。最近のはやりは、乳房切除⇒一期的エキスパンダー挿入だと思いますが、この場合エキスパンダーの位置を固定するために長期の挙上制限を要すると考えられます。これは折角入れたエキスパンダーがずれてしまって、再建の整容性が悪くなることを防ぐ意味で行われます。再建方法もいろいろあるので一概に言えませんが、再建を担当される形成外科の先生に伺って見られたほうが良いと思います。(文責 久保内)

 

No.9325】  10年01月12日  M・K
胸のしこりについて

約半年ほど前に、胸に大きなしこりを見つけ、今日ようやく受診に行ってきました。約3pとのことでした。今日は診察後に検査をした方がいいとのことで、マンモグラフィー・血液検査・CTをした結果、悪性の可能性が大きいと言われました。更に2週間後に骨シンチ・MRI・エコーの検査をして、今後の治療法を決めましょうといわれました。これだけの検査をするということは、乳がん、それも色んなところに転移しているからではないかと不安でなりません。こんなにも検査をするものなのでしょうか?

おそらく転移を疑って検査をしているのではなく、転移があるか確認するためにいろいろ検査を予定しているのでしょう。数週間で急に進行することはまずありませんので、御不安であると思いますが、あせらずに結果を待ちましょう。(文責 加藤)

 

No.9324】  10年01月12日  T 
脂肪のかたまり

36歳の2児の母です。この前初めて乳癌検査をしました。マンモグラフィとエコーの検査をしました。自分では分からなかったのですが、先生に、「やわらかいので脂肪のかたまりがあります」と言われました。やわらかいのは、脂肪のかたまりなのですか? 先生の話だと、がんは硬いと言っていました。大丈夫なのでしょうか? 脂肪のかたまりは、自然になくなったりするのですか?

脂肪のかたまりとは、脂肪腫のことでしょうか? ある程度大きくなると、やわらかいしこりとして触れるようになります。大きさにもよりますが、一般的には経過をみることになります(自然になくなることはないでしょう)。マンモグラフィとエコーをお受けになって、癌が否定的であれば、心配することはないと思います。(文責 加藤)
 

No.9323】  10年01月08日  まい
影=癌なのでしょうか?

まい(年齢:24)と申します。本日乳癌検査を受診した所、左胸にしこりが見つかりました。マンモグラフィーでは発見されず、エコーで見つかりました。しこりの下?の辺りに影があり、医者から影が怪しいと言われ、20日にMRI検査を受診します。影=癌なのでしょうか? 不安とショックで精神的にも既に辛くなってしまいました。

「影」の形、周りとの境界の形態、内部の影の濃さやまだらの具合である程度、悪性らしさが分かるのですが、実物を見ていないので分かりません。いずれにしてもMRでも怪しければ細胞診などの病理学的検査に進む事になります。(文責 石山)

 

No.9322】  10年01月08日  TK
マンモトーム生検(HPNo.9317-2)

先日、エコーとマンモグラフィーの検査の画像による診断で、ガンと言われました。マンモトーム生検をしたあと、年末をはさんだので結果はまだ10日先です。10日ほど前に生検をしたのですが、しこりの場所が移動しました。乳首の横にあったのが、乳首の上に移動しており、これはどういうことでしょうか? 生検によって、しこりが移動してしまったのでしょうか? ガンが、広がってしまったのではないかと心配しています。しこりの形は変わっていません。どうぞよろしくお願い致します。

乳癌であっても、早期の場合は可動性があることもあり、動くこともあります。広がって位置が変わることは考えにくいと思います。(文責 石山)

 

No.9321】  10年01月08日  Y.H.
人間ドッグ 乳がん検診結果

エコーのみの検診を受けました。その結果、「左乳房構造の乱れ疑いを認めます。6か月後に再検査を受けてください。マンモグラフィーも受けてください」とありました。構造の乱れとはなんでしょうか? がんの可能性が、かなり高いということでしょうか? 6カ月後で大丈夫でしょうか? しこり、ただれなどの自覚症状はありません。

構造の乱れは左右違いがあり、その部分の本来の乳腺の構造に異常があるということです。疑いということは、乱れていないのかもしれません。乳癌のこともありますが、乳腺炎や過去の手術の影響などで起こることもあります。画像を見ていないので半年後でいいかどうかは分かりません。(文責 石山)

 

No.9320】  10年01月08日  N
肺転移 今後の治療方法について

65歳の妻のことで相談させて頂きます。5年前に乳腺部分切除術+腋窩リンパ節郭清の手術を受け、以後フルツロンおよびアリミデックスを服用してきました。しかし、3年程前に白血球が3,000位に 減少したため、アリミデックス(2年前にアロマシンに変更)のみ服用し、1年程で4,000を超えるようになり現在に至っています。検査(CT、骨、超音波など)は6ヶ月毎に受けてきましたが、昨年末、肺に転移していることがわかりました。そこで、今後の治療方法については、どのような方法、薬品が宜しいのでしょうか。手元データが少なくて申し訳ございませんが、ご教示の程、よろしくお願い申し上げます。

肺転移の状況によります。すぐに治療しないと命にかかわる場合は抗がん剤治療ですが、小さな転移1個でホルモン感受性陽性であれば、ホルモン剤を変えて治療も可能です。さらにHER2蛋白用であればハーセプチンなども使えます。初回手術の病理所見、転移の状況で決まります。(文責 石山)

 

No.9319】  10年01月08日  M
乳首から乳汁が出ます

実は乳首から乳汁が出ます。何となく乳が張っているようで、母乳のようのに、白く透明な色です。11月終わりと12月中旬に、マンモを続けて撮ったりしたことと関係あるでしょうか? 乳首が敏感になっているみたいです。特に気になります。

マンモグラフィーとは無関係です。高プロラクチン血症や内服薬の影響で出ることも多いですし、血液が混じる場合は乳頭腫や乳癌などのこともあります。(文責 石山)

 

No.9318】  10年01月07日  H.H. 
良性と言われていたのに悪性でした

38歳、一児の母です。 平成19年8月に自分で右胸下部にしこりを見つけ、界隈でも有名な乳腺外科を受診しました。当時妊娠3ヶ月だったので、マンモグラフィーは受けず、しこりが7mm、細胞診をした結果良性ということで、経過観察して3ヵ月後にまた来てくださいと言われました。3ヵ月後の19年11月に再度受診したところ、医者いわく「腫瘍がちっちゃくなっています。問題なし」とのことで、出産予定が20年3月だったので、その1年後の21年3月くらいに、また来てくださいと言われました。その間、「良性だから心配しなくていい」と言われていたのと、子育てが忙しかったせいもあり、しこりのことは気にせず生活していたのですが、21年5月に自身でしこりが大きくなっていることに気づき、病院へ行き、マンモグラフィーと細胞診の検査をしました。
しこりのサイズは1.3cmほどになっていましたが、細胞診の結果はクラスU、「良性で、線維腺腫です」との診断を受けました。 経過観察ということで、半年後の21年11月に受診、細胞診の結果クラスVだったので針生検をし、そこで悪性の腫瘍と診断されました。しこりのサイズは1.6×2.1になっていました。 すぐ転院し、その後の検査で転移はいまのところ見られない、ホルモン受容体なし、HER2陰性のトリプルネガティブ、グレード2だということが分かり、術前化学療法でFECを3クール、タキソテールを3〜4クール、来年1月より実施する予定です。

1) 細胞診で良性と出ていても、実は悪性だったりすることってあるのですか?
2) トリプルネガティブのガンがタチが悪いと言われていますが、最初の診断から2年半も経っています。MRI、CTとも転移はみられなかったようですが、そのように考えてもいいのでしょうか。それとも、やはり転移してる可能性はあるのでしょうか。
3) 術前化学療法はFECを6クール行う病院が多いみたいですが、私は3クールと言われています。少ないのでしょうか。

よろしくお願いします。

細胞診の精度は100%ではないので、画像上良性の可能性が高ければ経過観察とせざるを得ません。その場合は、ご本人が腫瘤の増大に気づき診断されることもよくあります。妊娠出産で間隔があいている場合は、同じ腫瘤を見ているかという問題もあります。トリプルネガティブは現在の再発云々ではなくて、将来のリスクが高いということです。どんな治療が効くか、まだ混乱しているのが現状です。FECのクール数は一回の投与量でも変わるので、それぞれの病院で慣れた方法でやっているのが現状です。(文責 石山)

 

No.9317-1】  10年01月07日  TK
マンモグラフィーの結果について

初めてご相談させていただきます。 1ヶ月半ほど前に3cmほどのしこりを見つけ、先日大きな大学病院で検査を受けました。超音波とマンモグラフィーの検査を受けて、診察した先生から、触診もなく、マンモグラフィーの画像を見せて、「ここにプツプツしたのが見えるでしょう、画像から見ると乳がんです。」と言われました。それから、「マンモトーム生検をしましょう。」と言われましたので、「早期ですか?」と質問したところ、「生検の結果を見て、診療のことを詳しく説明します。」とのことでした。年末休みもあり、これから2週間以上結果を待つことになり、不安でたまりません。先生が画像だけで判断するほど明らかに癌なのでしょうか。カテゴリーがいくつかも説明はありませんでした。ここまで断定されると、ガンなのかと想像せざるをえないのですが、生検の結果でガンではない可能性はあるのでしょうか? よろしくお願いいたします。

画像を見ていないので分かりませんが、画像上明らかに乳癌という所見はあるので、そうだったのではと推察されますが、確定診断は組織診など病理所見で決まるので、その結果次第です。(文責 石山)

 

No.9317-2】  10年01月08日  TK
マンモトーム生検

先日、エコーとマンモグラフィーの検査の画像による診断で、ガンと言われました。マンモトーム生検をしたあと、年末をはさんだので結果はまだ10日先です。10日ほど前に生検をしたのですが、しこりの場所が移動しました。乳首の横にあったのが、乳首の上に移動しており、これはどういうことでしょうか? 生検によって、しこりが移動してしまったのでしょうか? ガンが、広がってしまったのではないかと心配しています。しこりの形は変わっていません。どうぞよろしくお願い致します。

乳癌であっても、早期の場合は可動性があることもあり、動くこともあります。広がって位置が変わることは考えにくいと思います。(文責 石山)

 

No.9316】  10年01月07日  A
浸潤性小葉癌

はじめて投函致します。40歳前半、子供2人。 市の無料クーポンで乳がんが判明、針生検をしました。判明不能の結果とでましたが、99.9%悪性と言う先生の言葉を信じ、その場で手術日を決め、10日後(12/08)に手術(1/4切除)を行いました。リンパ節の転移は見られず、つい先日、浸潤性小葉癌だと結果が出ました。病名以外、大きさもなにも聞いていません。細胞の取り残しがないかを検査中との事で、結果は年末年始もあるため1月中旬頃になるそうで、再手術の可能性があるそうです。その後、おそらく放射線とホルモン剤服用になるでしょうとの事ですが、今現在痛みも軽症で、職場に復帰しております。

1) 手術してから一ヶ月以上も何も治療がなく放置していて大丈夫なのでしょうか? 不安が募るばかりです。 
2) また、もし再手術となった場合、全摘出をしたほうがいいのでしょうか? その際 シリコンを入れても大丈夫? 
3) 治療法として、抗がん剤は必要ないのでしょうか? 

主治医の先生を信じるしかないのでしょうが、長期間の不安で、他の先生のご意見も聞きたく思いました。お願い致します。

病理所見ですべて決まるので、現在浸潤性小葉癌ということしかわからない時点では今後の方針は何も決められません。手術の必要の有無、抗がん剤の必要の有無など、すべては病理の結果で決まります。最適な治療をするためには不可欠な所見ですので、待つしかないと思います。(文責 石山)

 

No.9315】  09年12月29日  cocky
針生検の結果について

47歳、既婚で子供が二人います。11月15日に乳房下部に柔らかいしこりと痛みを感じ、翌日乳腺外科のある病院を受診しました。マンモとエコーの検査をした後 先生の診察があり、視触診の後、再度エコーをしましたが、悪性の腫瘍の疑いがあると言うことで、細胞診の検査をした結果、悪性でした。その病院の先生の事務的な対応や淡々とした話し方に、自分自身が何も話できないし、信頼できないと思い、紹介状を書いてもらって病院をかえました。次の病院でもエコーやMRIなどの検査をして、針生検もしたのですが、良性でした。でも、先生も前の病院で悪性と診断されているのがひっかかるようで、再度針生検しましたが、まだ結果はでていません。境界がはっきりしていないらしく、採取しにくいのでしょうか?針生検の後はもう一回り太い針をさして検査すると言っていました。細胞診で悪性と出て、針生検で良性なんて言うことはあるのでしょうか?

細胞診で悪性で、針生検で良性の結果がでることは有り得ます。あってはならないことなのですが、どちらかで他人の細胞や組織 が紛れ込む、正しく組織が採取されていない場合などに起こり得ることです。最終的には,腫瘍を摘出して全体を病理組織学的に検査する場合も生じる可能性もあります。(文責 石川)

 

No.9314】  09年12月29日  N・O
ノルバデックス遺伝子検査

こちらでは数回質問させて頂いています。発病から4年経過の現在37歳未婚です。手術→放射線→ゾラデックス注射2年半という加療ですが、4年間ホルモン剤のノルバデックス(タモキシフェン)も服薬中です。このタモキシフェンが10人に3人には効果がないまま、ホルモン療法で処方されているという情報を耳にしました。遺伝子検査(血液検査?)で効果があるか確認ができるというのはあり得るのでしょうか・・・。これから先、服薬するので検査ができるのならば受けてみたいと思っています。ご意見、宜しくお願いいたします。

遺伝子検査で化学療法の効果を予測したり、予後(再発リスク)をみる検査にOncotype DxやMammaPrint などがありますが(いずれも腫瘍組織を使った検査)、ホルモン療法の効果を予測するのはエストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PgR)のホルモン・リセプター以外には無さそうです。(文責 石川)

 

No.9313】  09年12月29日  k m
脳MRI検査(HPNo.9305-2)

ご回答ありがとうございます。現在、肺転移後3年経過しており、1年前から頚椎転移しています。肺転移後ハーセプチンを1年間単独投与、その後の2年間はハーセプチンとゼローダを使用しています。現在のところ、転移による症状はありません。下記について教えてください。

1) 頭蓋骨転移があった場合、脳転移へ移行する可能性は高いでしょうか?
2) 骨転移対策としてゾメタやアレディアが候補になると思いますが、副作用にはどんなものがあるでしょうか?
3) ゾメタ・アレディア以外の治療候補として何かあるでしょうか?

1) 頭蓋骨転移があった場合、血行性転移に加え、脳血管関門を通過しているということなので脳転移へ移行する可能性は低いとは言えず、十分注意することが必要です。
2) 副作用には発熱、一過性の骨痛増強、そのほかに稀ですが腎臓障害、低カルシウム血症、顎の骨壊死・骨髄炎などがあります。
3) 放射線療法、化学療法、ホルモン療法なども考えられます。 (文責 石川)

 

No.9312】  09年12月29日  M.E.
妊娠中のしこりについて

もうすぐ出産の34歳です。4年前の30の時に、ずいぶん前からあった胸のしこり(3センチくらい)を病院で見てもらったら、 触診と問診だけで「良性だろう」と言われました(ひょうたんの形をした、弾力性のあるコロコロ動くもの)。詳しい検査がしたいのなら「いつでもいい」と言われ、安心しきったので、その後検査には行っていません。それから4年、大きくなることもなく、触り心地は気になる物の、あまり気にせず何の問題も無く生活してきました(それ以来 病院で胸の検査はしていません)。今回、妊娠をして、同じしこりが大きくなった気がします。5、6センチはあるような感じで、形もボコボコしていて(ふちは丸くてつるんとしていて、つるつるよく動きます)、寝転がると、胸がボコボコしているのがわかります(ボコボコした鶏卵大のしこり)。インターネットで調べてみると、一番当てはまるのは「葉状腫瘍」のような気がします。しかし、線維腺腫でも「妊娠時に増大」し、「授乳後小さくなる」というサイトも見つけました。本当は病院でさっさと調べるのが一番なのはわかっていますが、赤ちゃんを一番に考えているので、もし手術を勧められた場合を考えると、なかなか踏み切れません。授乳もしたいです。

1)妊娠中、良性のしこり(線維腺腫)が一時的に大きくなり、授乳後小さくなる場合はありますか?
2)線維腺腫でも、ボコボコしたしこりはできるのでしょうか?
3)4年間、変化を感じなかったしこりが、妊娠で急に目立つようになることはあるのでしょうか?
4)葉状腫瘍でも、授乳後に病院に行っても遅くないでしょうか?

もうすぐ出産なので、色々不安です。よろしくお願いします。

1) 妊娠中、良性のしこり(線維腺腫)が一時的に大きくなり、授乳後小さくなることは有り得ます。
2) 線維腺腫でも、凸凹したり、球形でない形態をとることがあります。
3) ホルモン環境や乳腺組織の変化で、妊娠中に急に目立つようになることは有り得ます。
4) 葉状腫瘍も悪性の場合があるので、妊娠中に一回は受診しておく方が安全と思います。(文責 石川)

 

No.9311】  09年12月27日  G 
乳がん検診結果について

34歳、産後1年半、授乳中です。乳がん検診(触診、超音波)の結果が、左乳房腫瘤、判定2でした。所見では、月一度自己検診と、年に一度は検診を受けてくださいとありましたが、再検査とは書かれていません。乳腺外科で詳しく調べてもらわなくても大丈夫なのか心配です。

乳腺外科で詳しく検査しなくても大丈夫だと私は思います。(文責 石川)

 

No.9310】  09年12月27日  TM
ホルモン療法について

初めて相談させていただきます。
現在39歳・出産暦なしです。昨年の夏、健康診断で胸のエコーをした際に複数の腫瘍が見つかり、外来での診察を受けました。外来で担当医の先生によるエコー、マンモグラフィー、細胞診(右胸2箇所、左胸1箇所)を行い、結果、両性腫瘍(繊維線種及びのう胞)なので問題はないが、大きくなるようなら切除する事もありますとの説明を受け、定期的に検査を受けることになりました。今年の夏には右胸の一つの腫瘍(細胞診を受けた物)が大きくなり、位置が胸の下の方だったため、手を上げるとその形が分かるほどになりました。主治医に相談するも、「両性だからそのままにしておいても大丈夫だけど、気になるなら取りましょう」と言われ、涼しい季節になってから切除する事になり、10月に切除しました。切除後、主治医から「線種の一部に粘液があるので、癌かも知れないから検査にまわします」といわれました。結果は最長2センチの粘液癌(純型)ということでした。その後、11月に@腫瘍の周り1センチを再度切り取り浸潤の有無を調べるAリンパ節への手術を調べるB胸の形を整えるために脇の脂肪を胸に入れる形成術。の手術をしました。その手術の際に他に癌と疑われる腫瘍がないか、エコーの後、右胸3箇所、左胸1箇所の細胞診を行い、左胸に粘液が確認されたので、左胸の腫瘍は摘出し、術中病理診断をしました。術後の検査結果では、腫瘍の周りに浸潤はなく、センチネルリンパ6箇所のうちいずれも転移なし。左胸の粘液も良性と言うことでした。主治医からは、腫瘍の大きさ最大2センチ、リンパ節への転移はなし、ERは陽性95%、PgRは陽性95%、HER2陰性と診断されています。

1) 私が主治医から頂いた資料やネットなどを見ると、私の場合病期がTになるかと思っておりましたが、主治医はUAと判断されたようです。これは何故なのか次回たずねてみようと思っていますが、他の先生はこの様な判断をされることもあるのでしょうか?
2) 今後放射線療法を受けることになっておりますが、その後の治療(ホルモン療法)については、迷っています。私の病状の場合、低リスクなのかと思っていたので、ホルモン療法により再発率の低下が認められる割合と薬の副作用が出た場合のQOLとの兼ね合いといった面で、不安があるとの事を主治医に話したところ、腫瘍が2センチであることと、他にも膿胞がいくつか存在していることからホルモン療法を・・というお話で、主治医の判断基準では「欧米では腫瘍の大きさのリスクの基準が2センチではなく1.5センチとなってきているから」と言うことなのですが、その判断は適切なのでしょうか?
3) ホルモン療法の副作用が強く出る人ほど治療の効果が現れているとのお話や、私の癌はホルモン感受性が高いので、ホルモン療法が効く可能性が高いという話もお聞きしましたが、逆にホルモン感受性が高いとホルモン療法の副作用が強く出るということになるのでしょうか?

長々した文章で申し訳ございませんが、できれば先生のご意見をお伺いしたいと思います。宜しくお願いいたします。

1) 診断が変わることは有り得ます。
2) 判断は適切だと考えます。
3) ホルモン感受性が高いからといってホルモン療法の副作用が強く出るということはありません。(文責 石川)

 

No.9309】  09年12月25日  YN
乳頭異常分泌とかゆみについて

43歳、既婚。子どもなしです。左右に乳腺症のしこりがあるため、毎年検診センターで、エコー・マンモ・触診を受けています。今年の検査で、マンモ・エコーは異常なしと言われましたが、医師が触診で左乳首をつまむと茶色い液体がでてきたため、病院で精密検査を受けることになりました。ただ、その後、自分でつまんでも、病院でも分泌がなかったため、病院では要経過観察ということで、半年後のエコーの予約をとることとなりました。

1) このまま分泌がなければ、悪性を疑わなくて良いものでしょうか。
2) 検診以降、左乳首がときどき非常にかゆくなります。分泌と関係あるものでしょうか。それとも、いじりすぎたためでしょうか。

以上2点、どうぞよろしくお願いいたします。

1) 異常乳頭分泌はつままなくても(搾らなくても)、また毎日のように分泌が認められる場合がほとんどです。このまま分泌がなければ、悪性で無い可能性は高いと思われます。。
2) 左乳首の痒みは分泌と関係する場合があります。この症状が続くようなら、受診時に相談してみてください。(文責 石川)

 

No.9308】  09年12月25日  K.T
健康診断の結果後の精密検査

先日、健康診断の結果(左乳腺石灰化、乳腺腫瘤の疑い)のことで、ご相談いたしました。ご回答、ありがとうございました。一昨日、て再度検査していただきました。触診、エコーは問題なし。マンモグラフィーで、やはり左の乳房に1mmくらいの石灰化が数箇所(3個ほど)離れて点在していました。腫瘤のしこりはなかったようです。多分、良性の可能性が高いが癌である可能性もありますから、今後の方針として、すぐにMRI検査と生体検査をするか、半年の経過観察(MRI検査を行った上で)後に生体検査でもかまわないとの事でした。たとえ半年後に生体検査をして悪性とわかったとしても、早期なので大丈夫だと言われました。但し、悪性の場合は、広く点在しているので、全部摘出とのことでした。今、悪性とわかっても良性とわかっても同じことなので、早々に生体検査していただくことにしました。まずは造影剤を入れながらのMRI検査をしますが、このときに、もっと深刻なことがわかったりする場合もあるのでしょうか? また何も指摘されていない右側も、エコー、マンモともに異常なしでしたが、気をつけたほうがよいのでしょうか?

もっと深刻なことが判明する場合が100%無いとは言えませんが、まずないと思います。エコー、マンモともに異常なしで何も指摘されていない反対側に特別気をつける必要は無いと考えます。(文責 石川)

 

No.9307】  09年12月25日  H
乳ガン手術について

いくつかお聞きしたくメール致しました。
1) 前回の診察まで温存術と言われていましたが、昨日12/22の診察で切除術と言われて気持ちが沈んでいます。手術予定日は1/4です。やはり切除術と言われたら、その方法がいいのでしょうか?
2) 毎日自分でしこりを手で触れていますが、はれている時もありますが、小さくなってる時もあります。患者さんは皆さんそうなのでしょうか?
3) 水溶性キトサンが病気に良いと聞きましたが、飲んだ方がいいのでしょうか?

1)乳癌の状況がわかりませんのでお答えしにくいのですが、温存術の方針が切除術に変わったというのは、安全(根治性)を考慮した、それなりの理由があると考えます。従った方が危険でないと思いますが・・・。
2)乳癌は1日単位で触診上変化するものではありません。不安から、そのように感じる患者さんは少なくありません。
3)サプリメントのキトサンが癌に良いという話は聞きません。実証もされていないと思います。(文責 石川)

 

No.9306】  09年12月25日  A
要精検V

初めてメールします。41歳、既婚、子供無しです。先月、市の超音波、マンモグラフィー検診を受けましたが、先週結果が届き、超音波「所見無し、」マンモ「要精検V」となっていました。友人を乳がんで亡くしているため、2年に一度の検診は必ず行っていまして、その度に要精検と出てしまい、その度にがんセンターを受診していました。しかし、結果は乳腺症と判断されていました。1回目は病院でもマンモ、超音波を受けて、結果何もなし。2回目は超音波のみで何もなし。また今回もか…、と思いましたが、どうも「要精検V」が気になります。ネット等で自分なりに調べたら「進行性がん」の可能性ありとの文章があり、とっても不安です。実は今日そのがんセンターで受診し、先生に「このVってなんですか?」と聞いたら、「緊急度を表す記号だ」と言われ、なおさら心配になっています。今日はマンモだけで、年明けに超音波検査を受け、翌週に先生の判断があるようです。初歩的なことで申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。

カテゴリー3のことだと思います。カテゴリー3は、良性が強く疑われるが、悪性も否定できないという意味です。一応、要精密検査ということになりますが、検診の場合、
ほとんど問題なしの結果となっています。(文責 石川)

 

No.9305-1】  09年12月25日  k m  
脳MRI検査

脳MRI検査を実施し、脳自体に転移がないことがわかりましたが、以下の記述がありました。「頭蓋骨の骨髄信号が消失しており、diffuse skull metastasis と思われる。」現在、頭痛などの症状はありません。担当医からは3ヵ月後に再度MRIを行うと言われています。

1) 骨髄信号の消失とはどのようなことを意味しているのでしょうか?
2) diffuse skull metastasisとは何でしょうか?
3) 骨シンチを進める記載もありましたが、MRIで転移を確認できない状態で、骨シンチを行う必要・意義はあるでしょうか?

1) 骨髄信号の消失とはMRI検査で正常な骨の構造が見られないことを示しているのだと思います。
2) diffuse skull metastasisとは、広範囲に頭蓋骨の正常な骨の構造が乱れるか、または認められないことから転移が疑われるという意味だと思います。
3) さらに情報を得るために、転移かどうかはっきりさせるために、骨シンチを行う必要・意義はあると考えます。(文責 石川)

 

No.9305-2】  09年12月29日  k m
脳MRI検査(2)

ご回答ありがとうございます。現在、肺転移後3年経過しており、1年前から頚椎転移しています。肺転移後ハーセプチンを1年間単独投与、その後の2年間はハーセプチンとゼローダを使用しています。現在のところ、転移による症状はありません。下記について教えてください。

1) 頭蓋骨転移があった場合、脳転移へ移行する可能性は高いでしょうか?
2) 骨転移対策としてゾメタやアレディアが候補になると思いますが、副作用にはどんなものがあるでしょうか?
3) ゾメタ・アレディア以外の治療候補として何かあるでしょうか?

1) 頭蓋骨転移があった場合、血行性転移に加え、脳血管関門を通過しているということなので脳転移へ移行する可能性は低いとは言えず、十分注意することが必要です。
2) 副作用には発熱、一過性の骨痛増強、そのほかに稀ですが腎臓障害、低カルシウム血症、顎の骨壊死・骨髄炎などがあります。
3) 放射線療法、化学療法、ホルモン療法なども考えられます。 (文責 石川)

 

No.9304】  09年12月25日  S.M.
断片陽性の追加手術の必要性

はじめて投稿させていただきます。浸潤性乳管癌、腫瘍径2.5x1.3x0.8cm、リンパ節転移0個(0/4)、ER(+)、PgR (+)、最終病期T2N0M0(StageUA)、核異形度 U、Her2(−)、脈管侵襲なし。2009年3月に乳房温存手術しましたが、乳房側に取り残しありとのことでした。4月中旬より放射線療法、腫瘍床へ10Gyの追加照射を行い、6月よりFEC4クール、タキソテール4クールの化学療法を行い、12月に終了いたしました。断片陽性だった際の追加手術というのは、どのような時なのでしょうか? 私の場合、化学療法を行っておりますが、追加の手術は必要でなかったのでしょうか? 取り残したものは、化学療法を行っているので成長しないのでしょうか? 再発するのではないかと、とても不安です。

断端陽性だった際の追加手術は,、取り残しが広範囲にわたる、またある程度大きな塊で認められそうな場合に、すなわち放射線療法や化学療法で制御できる可能性が低い場合に行います。やはり十分な、慎重な経過観察は必要です。(文責 石川)

 

No.9303】  09年12月22日  K.S.
経過観察(HPNo.9286-2)

No,9286で、集簇性の微細石灰化について質問させて頂いた者です。丁寧なご返答を頂き、誠にありがとうございました。
その後のMRI検査の結果、集簇している箇所に若干の血流が見られました。血流によってぼんやりと小さく白くなった箇所が2箇所並んでおり、其の箇所が石灰化とのう胞の箇所と重なっているのだそうです。あまりに僅かな血流のため、現時点で悪性かどうかは判断できないし、細胞をとるにしてもこの状態では何処を摂ったら良いか分からない状態だと言われ、半年毎にマンモグラフィーで変化を見ていく他方法はないとのことでした。

1) 癌である確率は非常に低く、両胸の他の場所にびまん性の石灰化が数箇所みられるため、多分乳腺症によるものだと思う、との医師の見解でしたが、本当に現段階で他の検査の方法はないのでしょうか?マンモトームのある病院で診て頂いた方が良いかと心配です。
2) 1月に石灰化がある胸の線維腺腫を摘出予定ですが、この状態で摘出手術を行っても問題ないのでしょうか?(石灰化の箇所とは離れています。)

1) 石灰化がごく軽微な場合、マンモグラフィで経過観察を行い石灰化の数が増えるようでしたら、マンモトームを行うので十分と思われます。しかし如何しても気になるようでしたら、現在でもマンモトームは可能だと思いますので、マンモトームのある病院を受診してみてください。
2) 何の問題もありません。(文責 吉田)

 

No.9302】  09年12月22日  Y
乳がんと診断されました(HPNo.9285-2)

乳がんと診断され、主治医から治療方針を説明されましたが、具体的に私の症状、進行具合など、わかりませんでした。
「浸潤がンではない、2.3センチのしこりで早期ではない、手術は温存でリンパをとる(腫れもあるかもしれないとのこと)、乳房の変形はなんともいえない、抗がん剤かホルモン療法をするだろうが、手術してからでないと何ともいえない、標準治療があるから、それに沿って行う」とのことでした。
時間もなく、セカンドオピニンも希望しましたので、それ以上は聞きませんでした。
1) ここでいう「リンパをとる」とは、腋窩リンパ節郭清なのか、センチネルリンパ節生検なのか
2) 術後の化学療法の選択次第で手術の仕方が変わってこないのか(抗がん剤は希望しない)
3) 温存には放射線治療がセットだと思っていたが、抗がん剤やホルモン療法をするのか
4) 浸潤がんではないのに全身療法(抗がん剤など)が必要なのか
5) リンパ節に転移があるかどうかは必ず切ってとらないとわからないのか
6) 最終的な判断となった組織診は、本当に有効なのでしょうか。例えば病理技術者の技量不足(すみません)や判断ミス・・はないのでしょうか。
7) ご回答にあるように、1年後に2-3センチになることもあり得るなら、手術は早急に行わないといけないでしょうか。いつまで疑問に思っていても仕方ないのですが、手術した後に、がんではなかったなどとならないかと心配です。

この疑問は乳がんについて調べてはじめて沸いたもので、その時はとっさに聞けませんでした。「命より乳房」は批判される考えかもしれせんが、効果は低くても乳房の形状を維持し外見に出る副作用を抑える、この一点が望みです。

1) この状況ですと、恐らくセンチネルリンパ節生検のことだと思います。
2) 通常は手術の標本を詳細に検討してから、術後の補助療法を決めますので術後の化療の選択次第で手術のやり方が変ることはありません。
3) 通常温存と放射線治療はセットです。それに加えて抗癌剤やホルモン剤を行うことはよくあります。
4) 術前の針生検ではなく手術標本でしこり全体を調べて「浸潤癌でない」となった場合、全身療法は必要ないと考えるのが一般的ですが、しこりが大きかったり、一部に浸潤を疑わせる場所がある場合は全身療法を行うこともあります。
5) リンパ節に転移があるか否かは、リンパ節を切り取って調べなければわかりません。
6)  病理の先生が非常に判断に苦しむことはあっても、明らかなミスはないと思います。
7) それ程急ぐ状況ではないと思いますが、早いことに越したことはありません。

術前に細胞だけではなく組織診断を行っていれば、癌でないことはまずないと思います。(文責 吉田)

 

No.9301】  09年12月21日  ゴン太 
骨転移が不安です(2)(HPNo.9298-2)

ご回答ありがとうございました。安心いたしました。もう1つ質問させていただきたいと思います。私は既に右側の脇にも大きなしこりがあったため、右側の腋窩リンパ節を一つ残らず周りの脂肪ごと取ってしまったとの事です。私は右利きで、バレーボールと言えば、サーブやアッタク、全て右手で打ちます。またレシーブも強い球を手(腕)で受けなければなりません。(高校生の部活のような、結構ハードな練習をします) 乳癌の手術をした方々の間での知識としてですが、テニスとバレーボールは浮腫になりやすいと聞きました。

右の腋窩の郭清を行っておりますので、右腕が浮腫に成り易いのは確かです。しかし右腕の筋力は保たれておりますので、術後3−4カ月過ぎればバレーボール等のスポーツは可能と考えます。テニス、バレーボールを行うことが浮腫の原因とはならないと思います。しかし傷の状態もありますので、始める前に必ず主治医のご相談ください。(文責 吉田)

 

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