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相談室(No.9101〜9200)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

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なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

9200-1
9200-2
09/10/19
09/10/21
Y CA15−3
CA15−3(2)
加藤
鈴木
9199 09/10/19 K  乳房の吹き出物 加藤
9198 09/10/19 I.M. リンパ節の郭清について 加藤
9197 09/10/19 E.K.  これからの治療について 加藤
9196 09/10/19 Y.T. 石灰化について 加藤
9195 09/10/18 Y  セカンドオピニオン 清水
9194-1
9194-2
09/10/18
10/05/11
S.U. 鎖骨リンパ節再発後の治療について
骨転移の治療について
清水
矢吹
9193-1
9193-2
09/10/17
09/10/31
Y  進行スピードは?
今後の治療計画について
清水
鈴木
9192 09/10/17 KK 術前の病理結果について(HPNo.9145-3) 清水
9191 09/10/17 K  乳房の発疹について 清水
9190 09/10/06 G 10年後の再発率、生存率について(HPNo.9158-2) 石山
9189 09/10/06 M.O. 構築の乱れについて (HPNo.9121-2) 石山
9188 09/10/05 JOON アリミデックスの服用について(HPNo.9139) 石山
9187 09/10/05 K 両乳房のひきつれについて 石山
9186 09/10/02 O.T.  トリプルネガティブについて 石山
9185 09/10/02 M  薬剤の変更について(HPNo.9137-2) 石山
9184 09/10/02 K.K 炎症性乳がん 石山
9183 09/09/28 T 今後の状況について(2)(HPNo.9179) 石川
9182 09/09/27 ゆぅ 生理の再開と治療方針について(HPNo.7915-9) 石川
9181 09/09/27 アルコールと乳癌 石川
9180 09/09/27 N.E. 術後の薬物治療について 石川
9179-1
9179-2
09/09/26
09/09/28
T 今後の状況について
今後の状況について(2)
石川
石川
9178 09/09/26 F.K.  右胸も悪性です 石川
9177 09/09/26 A  再建中の妊娠・出産への影響について 石川
9176 09/09/26 ゾラデックス終了後の生理について 石川
9175 09/09/26 K.I. ノルバデックスと不正出血 石川
9174 09/09/24 YK 術後の治療について 川本
9173 09/09/24 S.U. 今後の治療方法について 石川
9172 09/09/24 乳がんの術後の病理検査結果とその後の補助療法について 石川
9171 09/09/24 C.T. 乳房全摘手術の可能性について 石川
9170 09/09/24 Y  腫瘍マーカー 石川
9169 09/09/24 術後治療について 石川
9168 09/09/22 病理検査報告書 吉田
9167 09/09/22 V  サプリメントについて 吉田
9166 09/09/22 奏効後の治療について 吉田
9165 09/09/22 S.Y.  今後の治療について 吉田
9164 09/09/21 S  抗がん剤、奏効後の治療について 志茂
9163 09/09/21 T.H 術後5年のマンモで心配な結果が・・・ 志茂
9162 09/09/21 乳房の痛みと分泌物 吉田
9161 09/09/21 M.W, 妊娠中の乳房の赤み 吉田
9160 09/09/21 ホルモン療法の必要性 吉田
9159 09/09/21 KK ホルモン感受性について(HPNo.9145-2) 吉田
9158-1
9158-2
09/09/21
09/10/06
G  再発率、生存率
10年後の再発率、生存率について
吉田
石山
9157 09/09/21 MLTと診断を受けました 吉田
9156 09/09/19 今後の治療について 緒方
9155 09/09/19 乳がんと診断された場合のセカンドオピニオンに関して 緒方
9154 09/09/19 H  マンモトーム生検について 矢吹
9153 09/09/19 Y.Y. 肝臓転移悪化? 緒方
9152 09/09/19 T・A  乳管内乳頭腫 緒方
9151 09/09/19 C.T.  温存術後の治療について 緒方
9150 09/09/19 N.T AC療法が第一候補となりますか? 吉田
9149 09/09/19 S.T. MRIの結果について(HPNo.9020) 吉田
9148 09/09/19 MM 今後の治療について 吉田
9147 09/09/16 S.C. 白血球の低下 吉田
9146 09/09/16 I 乳癌検診 吉田
9145-1
9145-2

9145-3
09/09/15
09/09/21
09/10/17
KK 術後3年です
ホルモン感受性について
術前の病理結果について
速水
吉田
清水
9144 09/09/09 YAMA リンパ節転移と郭清の必要性 緒方
9143 09/09/09 C.T. 検査について 浜口
9142 09/09/09 ドレミ 女性ホルモンについて 浜口
9141 09/09/09 Keiji 温存術後の治療法について 浜口
9140 09/09/09 R,I 手術後の追加治療について 浜口
9139-1
9139-2
09/09/05
09/10/05
joon 骨転移について
アリミデックスの服用について
浜口
石山
9138 09/09/05 化学療法(FEC)の回数について 浜口
9137-1
9137-2
09/09/05
09/10/02
M  CA15-3
薬剤の変更について
浜口
石山
9136 09/09/05 T.K 皮下乳腺全摘手術後の二次再建について 浜口
9135 09/09/04 温存術後の治療について 浜口
9134 09/09/04 T.K. 右乳房の痛みと違和感 浜口
9133 09/09/04 C.Y 非浸潤乳がんでの手術方法 浜口
9132 09/09/03 術前の抗がん剤治療中です 浜口
9131 09/09/03 M.U サプリメントについて 浜口
9130 09/09/03 T.O.  再発か転移か不安です 浜口
9129 09/09/03 ゾラデックスの副作用でしょうか? 浜口
9128 09/09/01 Y.A. 温存後の再手術か放射線かについて 徳田
9127 09/09/01 E.M.  集簇性石灰化について 徳田
9126 09/09/01 乳房のごつごつについて 徳田
9125 09/09/01 乳がんの可能性 徳田
9124 09/09/01 M  LH-RHアゴニストについて 徳田
9123 09/08/30 S 乳がん検診の結果 徳田
9122 09/08/30 S.Y. 局所再発の疑い 徳田
9121-1
9121-2
09/08/30
09/10/06
M.O.  検査結果について
構築の乱れについて 
徳田
石山
9120 09/08/30 S.O. ST-439の数値に関して 徳田
9119 09/08/30 D  化学療法の必要性に(HPNo.9100-2) 徳田
9118 09/08/29 Y  胸のしこりについて 徳田
9117 09/08/29 C.T. リンパ節に転移している可能性 徳田
9116 09/08/29 T 転移について 徳田
9115 09/08/29 K  ハーセプチンはもう出来ないのでしょうか・・・ 徳田
9114 09/08/29 F.T. 術後の治療方法について 徳田
9113 09/08/27 Y.M 生理中からある右胸の痛み 徳田
9112 09/08/27 O ホルモン療法の時期について 徳田
9111 09/08/27 C.H.  検診のマンモで気になる結果が… 徳田
9110 09/08/27 H.T.  ホルモン治療の中断 徳田
9109 09/08/27 T  術後の定期的な検査について 徳田
9108 09/08/26 S 怪我をしました(HPNo.8510-3) 俵矢
9107 09/08/26 Ok 線維腺腫との診断について 俵矢
9106 09/08/26 B 太ももの内出血について 俵矢
9105 09/08/26 mm 乳がん再発の今後の治療について 俵矢
9104 09/08/20 M.O. 病理結果と今後の治療 俵矢
9103 09/08/20 R.H 粘液がんについて 俵矢
9102 09/08/20 Y  今後の治療について 俵矢
9101 09/08/20 M・I  再発リスクと術後治療について 俵矢

 

No.9200-1】  09年10月19日   Y
CA15−3

いつも参考にさせていただいています。ここ数年ほぼ安定して28程度であったCA15−3の数値が、今年になって34に上がったり下がったりしています。3年前から服用を始めたアリミデックスの効果が薄れ、再発の前兆ではないかと危惧しています。こういう経過から、再発にいたる例は多いのでしょうか? また、たとえば40位に上がっても元に戻ることはありますか? アドバイス頂けると幸いです。

正常値上限付近を上がったり下がったりすることは、再発がなくとも時々見受けられますので、それほど心配されることはないように思います。いったん上昇して、元へ戻ることもあります。CA15-3は加齢の影響を受けることもあるとされています。(文責 加藤)

 

No.9200-2】  09年10月21日   Y
CA15−3(2)

HPNo.9200の続きです。何度も申し訳ありません。術後10年で、ステージはUbだったと思いますが、ホルモン療法が良く効くとかで、放射線後ノルバテックス5年服用して、2年間無治療後今までアリミデックスを服用しました。CA15-3の数値は次の通りです。(平成13年11月 19.4、 14年3月 16.6、 14年5月 16.1)
途中不明ですが、アリミデックス服用後徐々に上昇し、ここ数年は28前後でした。(21/1 31.7、 21/3 33.6・・・この時点で、4大検査実施で異常なしでした。 21/4   29.4、 21/5 29.3、 21/7 31.9、 21/9 34.1) 21/10 先日血液検査実施し、12月に検査結果がわかります。この検査結果を見て4大検査を実施しましょうということになりました。

1) 毎年の変化を見ると、「私の正常値」が20前後から30前後に変わっただけで、楽観的に考えていいでしょうか?
2) アリミデックス服用後数値が上がっていますが、アリミデックスの影響はありますか?
3) 再発転移の場合のマーカーの上昇は、どういう傾向でしょうか?

アドバイスいただけると幸いです。

No9200でも返信されていますように、腫瘍マーカーは、上がり下がりしますので、あまり振り回されないほうがいいのではないでしょうか? 今後の経過の中で、上昇傾向であれば、検査をしてみれば良いと思います。正常値の幅と考えては? またアリミデックスの影響は少ないと思われます。あくまでも腫瘍マーカーは一つの目安とすべきで、腫瘍マーカーの上昇だけで再発を確認するものではありません。再発病変があってもマーカーの上昇しないことは良く経験します。上述しましたように、もともと、術前も術後も正常値であったマーカーが上昇傾向にある場合、また術前にマーカーが高くて、術後にマーカーが低下したものの、マーカーが再上昇した場合などは、病変が現れているかもしれませんので検査は必要でしょう。3月に検査をして異常はなかったのですから、ご自身のマーカーの正常値が、これくらいな物と理解してはいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.9199】  09年10月19日   K 
乳房の吹き出物

乳房の上の方に吹き出物ができたのですが、腫瘍とか悪性のものでしょうか? 回りが赤くなっていて、中心は蚊に刺された感じの小さい膨らみがあります。それと乳房自体も少し張っている感じです。

心配ないように思いますが、メールの内容からでは何ともいえませんので、まず病院を受診されることを勧めます(乳腺外科あるいは外科になります)。(文責 加藤)

 

No.9198】  09年10月19日   I.M. 
リンパ節の郭清について

乳癌と診断されて、約一ヶ月です。温存手術には、リンパ節を必ず郭清しなくてはならないですか?

リンパ節郭清はリンパ節に転移がある場合には行うことが一般的ですが、手術前の検査で転移が明らかでない場合には、まず一部のリンパ節のみを摘出して転移の有無を調べるセンチネルリンパ節(見張りリンパ節)生検を受けられることを勧めます。手術後の後遺症を減らすことのできる、とてもよい方法ですので、もし御病状があてはまれば、この方法を行っているところで手術を受けられるとよいと思います。(文責 加藤)

 

No.9197】  09年10月19日  E.K.
これからの治療について

はじめてご相談させていただきます。既婚、38歳で子供はおりません。左胸に腫瘍がみつかり、1ヶ月前に部分切除術を行い、放射線治療をこれから行う予定です。先日、病理検査の結果がでて、今後、全身治療について、どのように考え、選択していくべきか、非常に悩んでおります。どうぞ、ご助言ください。病理検査の結果は、「グレード1」です。
病理診断結果は、「大きさ0.7p×0.7p、pNO(Level Tsentinel[0/2])、Estrogen receotor,positive(over 80%)、Progesterone receptor,intensely positive(over 80%)、HER2/neu,score 0+、腫瘍細胞は脂肪織にまで浸潤、脈管侵襲ははっきりせず。切除断端は陰性」ということでした。
経過観察か、ホルモン治療5年間のどちらかの選択を、放射線治療が終わるまでにしなければなりません。再発することが怖いのでホルモン治療をしたいところですが、不妊治療の途中に乳がんが見つかり、治療は中断しているところです。ホルモン治療を行った場合、43歳で治療が終わることになります。妊娠の希望も捨てたくないので、選択することができないでいます。Adjuvant Onlineでは、10年生存率97.8%、乳がんでの死亡1.0%、ホルモン治療で0.3%の改善とのこと。できれば、生存率ではなく、
1)10年後の再発率
2)ホルモン治療した場合、どの程度再発率が改善されるのか
3)ホルモン治療は反対側の胸の乳がん予防にもなるのか
3)不妊治療再開した場合、注意すべきことなど

アドバイスいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

1) 無治療ですと14.9%になります。
2) 5.7%の改善が期待されます。
3) 発症率は約半分になります。
4) ホルモン治療中、また終了して数ヶ月間は妊娠はできません。行わない場合、不妊治療の内容にもよりますので、主治医並びに婦人科医との話し合いが必要となるでしょう。(文責 加藤)

 

No.9196】  09年10月19日  Y.T. 
石灰化について

いつも読ませていただいております。また母(65歳乳癌闘病中)についての何度かのご相談にも応じていただいて本当に感謝しております。今日は娘である私についてご相談いたします。33歳、既婚、二児(5歳、3歳)の母です。次の点について心配しております。ご意見いただきたいと思います。
1) 昨年3月、健康診断の際、マンモグラフィに石灰化は見えるが、心配はいらないという判断でした。⇒石灰化はごく初期の乳癌で、この時期に治療するとほぼ完治すると聞いています。心配ない石灰化はあるのでしょうか。(7月のパシフィコ横浜の市民フォーラムでパネリストを務められた増田美香さんも、石灰化の状態だったので、抗がん剤もお薬もなしとおっしゃったように記憶しています。)
2) 昨年健康診断の直後転勤で渡米、今夏帰国後、マンモグラフィを再度とりましたら、今度は石灰化はないということです。⇒若い人のマンモグラフィはわかりにくいそうですが、石灰化は、写ったり写らなかったりするものでしょうか。
3) 仕事を持っておりまして、忙しさのあまり、ついつい後回しになってしまいますが、母の体質が私に遺伝しているのではないかと思い、心配になっております。
4) 今年石灰化は写らなかったということで、1年後の健康診断まで放っておいてよいでしょうか。母は父の心筋梗塞の発病のとき2年間健康診断を受けずにいたら、乳癌がわかった時、ステージUでした。

‘石灰化’について、また‘私は今後どのようにするのがよいか’について、ご意見賜りたく存じます。お忙しいとは存じますが、よろしくお願いいたします。

1) マンモグラフィで写る石灰化のほとんどは心配のないものです。裏返せば、石灰化の中で乳がんと関連しているものは、ほんの僅かなものということになります。
2) 石灰化は消失することもあります。
3) お母様が罹患されている場合、若干ですがリスクは高くなります。
4) 1年後で宜しいかと思います。(文責 加藤)

 

No.9195】  09年10月18日  Y 
セカンドオピニオン

36歳です。よろしくお願いします。年前、右乳頭より血性の分泌物あり、その後、2mm×8.5mm位のしこりが見つかり、右乳房温存手術とリンパ節郭清、放射線治療を行いました。左乳頭よりも7年間血性の分泌物が出続けています。2ヶ月に一度診察に通い、分泌物の細胞診をしていますが、悪い細胞は見あたらないということです。エコー、触診もしていますが、しこりもないと言うことです。主治医の話では、悪性に変異することはないという話です。でも、なぜ、分泌物が出続けるのはわかりません。このままでは不安なので、別の病院でも診察してみたいのですが、その場合、主治医に紹介状を書いてもらい、セカンドオピニオンに受診をするのがいいのか、新たに別の病院を受診するのがいいのかと悩んでいます。セカンドオピニオンの場合は診察、治療はしてもらえないのでしょうか?

セカンドオピニオンというのは、あくまでも別の医師の意見を求めることが主目的ですから、診察はしますが、検査や治療はしません。ですから、できるだけたくさんの資料を持っていく必要があります。そのためには、主治医から資料(検査結果)や、問題点についての診療情報提供書を準備してもらってからセカンドオピニオンを受けることが望ましいのです。一昔前であれば、現在の診療に納得がいかなければ病院を変えるか我慢するかしか方法がありませんでしたが、変えた病院が自分の納得のいく治療をしてくれるかどうかわかりませんので、病院を変えるというのは、かなり危険な賭けになります。その点セカンドオピニオンの制度では、二つの意見(三つ以上でも良いのですが)を聞いて、自分の納得した方を選べるので、可能であればその制度を利用することをお薦めします。この状況で私がセカンドオピニオンを受けたとすれば、2ヶ月毎の細胞診、エコー、触診で悪性所見が捕まっていないのであれば、ひとまず悪性の可能性は低いと考えます。出血の原因を探るのであれば、乳管造影を行なって小さな乳管内乳頭腫などの病変がみつかるかどうかで、見つかれば乳管腺葉区域切除を行なって、出血を止めることを考えます。(文責 清水)

 

No.9194-1】  09年10月18日   S.U.  
鎖骨リンパ節再発後の治療について

私の母(74歳)は2004年6月、乳がん温存手術(脇リンパ節にも転移があり郭清手術)を受けました。 病理組織検査の結果は、「浸潤性乳管癌(硬癌) 癌の広がり4×1、9×2、4p=浸潤径1、8×1、9×2、4p  B−Rスコア:7=Hisグレード?:2  DCTS病変30%  コメド? ER(+) PGR(+) Her2(1+) 脇リンパ節転移の数7/11」です。手術後は、抗がん剤EC4回、タキソール4回、放射線治療の後ホルモン療法(アリミデックス服用)を続けており、元気に過ごしていました。しかし、2008年7月に受けたペット検査で術側の鎖骨上リンパ節に影・・針生検での細胞診で転移再発と解り、11月からホルモン剤をフェアストンに変更しました。しかし、2度の針生検で無くなっていた影が、翌2009年1月にはエコーで2p以上になり、3月には固く皮膚上に盛り上がってきて、この頃より母も切除手術を希望。先生は手術は否定的でしたが、「自壊しても・・」ということで、6月に手術、2、5p?になっていたそうです。(胸節間リンパ節1個、じゅうかく?リンパ節3個・血管を巻き込むようになっていたらしいです)
術後もホルモン剤フェアストンで変更はなく、先生は「全く効かないということもないので、この薬を続けましょう」とのことですが、母もこの薬は効かないような気がすると言いますし、私も癌が急に大きくなったので他の薬に変更した方がいいのではないかと思うのですが・・・。アリミデックスはアロマターゼ阻害剤と聞いていますが、フェマーラ、アロマシンへの変更、又、SERMのフェアストンからノルバッテックス、トレミフェンへの変更は意味のないものでしょうか? ハーセプチンも適用外ですね?(再度調べる・・と言う事でしたが)
主治医の先生は、常時患者さんの数も手術も大変多く、とてもお忙しいのに優しい先生で、母は先生のお顔を拝見するだけで病気が治った気がするというくらい信頼しきっている程です。その先生が今後の治療には消極的な感じで、母は「もう何をしてもだめなのか」と落胆しているのが辛いです。今後の治療方法についてご教示頂ければ幸いです。血液検査は問題ないと言われています。(2008年11月 CA15−3 17.9 CEA 3.0)

お母様の術後の治療は、最善といえる治療(年齢を考えればやり過ぎではないかとさえ思える治療)が行なわれていますから、これで再発したらもう手の打ちようがないと考えます。従ってあとはQOLを維持しつつ上手にがんと共存していくことを考えるべきでしょう。唯一考えられるのは、今回の再発病巣のER,PR,Her2検査の結果が、原発と同じかどうか確認すること(再度調べるとあるので、それも行なわれているのでしょう)です。とりあえず原発と再発巣でER,PR,Her2が変わらなかったとして、現在のフェアストンを続けるか、アロマターゼ阻害剤に換えるかですが、難しい判断です。換える理由は、お母さんが言うように、フェアストンを内服していて腫瘍が大きくなったから効かなくなったと考えて換えます。一方換えない理由は、現時点では手術で大きな病巣は切除できている訳ですから、当面は新しい薬は使わず、次の再発治療にとっておきたいと考えるからです。お母さん自身が薬の変更を希望されているのであれば、変えることを考えても良いと思います。主治医の先生が消極的なのは、前にも書きましたように、根治させるための積極的な治療は全て行なったからでしょう。今後は消極的とはいえ、QOLを維持して、少しでも長生きできるように治療を組み立てていきますが、これからは、どの治療法も有効率はかなり低くなり、お母さんの期待に応えられないことも多くなります。そこのところを家族のみなさんで支えてあげてください。(文責  清水)

 

No.9194-2】  10年05月11日   S.U.  
骨転移の治療について

前回、【No.9194】 で、鎖骨リンパ節再発後の治療についてのご相談をさせていただいた75歳の母ですが、手術後はフェマーラを服用しておりました。11月ごろから鬱症状がひどくなり、抗鬱剤(中程度)を服用、現在鬱は少し良くなっているようですが、昨年11月のペット検査で、背骨に二か所(約2,5センチと1センチ)と肺1か所(ごく小さい)、鎖骨1か所、肺リンパに多数転移が見つかりました。母は抗がん剤は希望しないので、フェマーラはそのまま続ける。あとは、今のところ症状がないので経過観察していましたが、12月末から腰に痛みが出るようになり、座っていても痛いと1月4日に急きょ受診。痛み止めにオキノームが出されましたが、服用後、副作用が強く出て吐いてしまい、つわりのような症状で食べられない・・とのことで続けられませんでした。(今は高血圧、鬱、フェマーラ、胃の薬を服用しています。) 今は痛みを我慢し、家でほとんど横になっています。13日に放射線科受診し、放射線を2週間(入院)受ける予定です。放射線は2週間でいいでしょうか? この日から1カ月ごとにゾメタの点滴予定ですが、ゾメタの副作用で高熱、関節の激痛が出る方もいると聞き、大丈夫かと心配しています。13日に解熱剤、痛み止めなど出していただいた方がいいでしょうか? 病院は電車で1時間半かかり、階段も多いので、今から近くの緩和ケアをしてくれる病院を探しておいた方がいいでしょうか? 今の病院では、最終段階になると、ここに入院はできないので、先生から、「もう少しあとでいいですが、家に訪問看護をしてくれる緩和ケア病院を紹介しますが・・」と、言われています。副作用が今後強く出た場合、相談できるところがなく困っています。母はこちらの先生をとても信頼しており、できるだけ通いたいと痛みも我慢しているようで、言い出しかねています。

ご高齢のお母様の症状の事、拝読させて頂きました。 まず、最初にゾメタの点滴の件ですが、確かに初回投与後に、発熱や骨痛が 一時的に強くなる方もいらっしゃいますが、長くは続かず、また、毎回、と言う事も少ない様です。それでもご心配であれば、消炎解熱鎮痛剤(いわゆる、NSAID)を処方して貰っておいた方が良いように思います。胃のお薬を飲まれているようなので、胃潰瘍などの症状には気をつけて、多用しない方が良いかも知れません。 一つ気になりましたのは、骨転移による痛みとのご判断のようですが、 オキノームが最初からいきなり処方されたのでしょうか、何か他の消炎解熱鎮痛剤 (いわゆる、NSAID)は併用されていませんのでしょうか。骨転移による痛みには、麻薬の前にNSAIDを併用すると、かなり楽に過ごすことが出来るはずです。また、本当に強い痛みなのであれば、麻薬性鎮痛薬として、フェンタニルパッチ (貼ってゆっくりと効果が持続するお薬で、3日ごとに貼り替えるもの。)などは、吐きなどの副作用が少ないので、近頃では、先にモルヒネ製剤を用いていなくても使用するケースも増えてきています。 先に放射線照射なさるとの事ですので、入院中に、疼痛スケールを用いて、きちんとした疼痛の度合いを測って管理して頂けばよろしいのではないでしょうか。 放射線は、2週間程度で痛みが抑えられれば十分と思います。必要であれば追加されるでしょう。また、このほかに、近頃は放射線外照射だけでなく、痛みに対して、ストロンチウムを用いた内照射法もありますが、おかかりの病院で採用していないか、放射線科の先生にお尋ねになってみてください。 ただし、ご入院を契機に、寝たきりのような状態になってしまうと、ご自宅へ戻すのが難しくなり、結局療養型の病院に転院しなければならなくなる場合も考えられますので、きちんと日常生活動作を維持出来るレベルまで、ご本人の意欲と、筋力が保たれ事も大切でしょう。 緩和ケアは、急に思い立っても、中々適切な施設は見つかりにくいものです。訪問看護によるケアや、在宅往診療法など、自宅療養を支援して下さる先生が 地域にいらっしゃるのか等の情報については、早めから準備しておいて早すぎることは決してありません。また、最近では、自宅での看取りまでも視野に入れた往診医の先生もいらっしゃり、 先生によっては、在宅で、ゾメタ投与を終末期までサポートしてくれる先生もいらっしゃるかも知れません。おかかりの病院、ソーシャルワーカーや、末期がんの介護申請等の手続きについて、熟知している専門の事務部門や、看護相談室のようなものがあれば、そう言った情報収集を提供してくれます。そちらを通じて上手に自宅療養を継続すると言う方法もあるかと思います。療養をサポートする医療スタッフは、主治医の先生と、病院の看護師さんだけではなく、地域の訪問看護ステーションや、介護スタッフなど、状況に応じて沢山の助け手はいるはずです。おかかりの病院スタッフに、今度の入院の時に、お尋ねになってみてはいかがでしょうか。 (文責 矢吹)

 

No.9193-1】  09年10月17日   Y 
進行スピードは?

先月末に乳がん(浸潤がん、核グレード3、エストロゲンー、プロゲステロンー、HER2タンパク陽性3+)と診断されました。進行スピードは? 教えてくださいませんか。

進行スピードという表現が難しいです。癌にスピードメーターがついていればわかるかもしれませんが、実際にはそうはいきません。進行スピード=“癌の増殖の速さ”という意味であるなら、核グレード3>核グレード1、エストロゲンレセプター(ER)(—)>ER(+)、Her2タンパク陽性>Her2タンパク陰性であることはわかっています。したがって貴女の癌は相対的に増殖速度の速い癌ということになります。ただし、ハーセプチンという特効薬が効くこともわかっています。(文責 清水)

 

No.9193-2】  09年10月31日   Y 
今後の治療計画について

先日は、乳がんの件でご相談したところ、早速のご指導、ありがとううございました。その後の経過報告をさせて頂きます。乳がんと告知された後、2か月位かけて各種検査を実施し、「浸潤がん、ステージVAで、脇の下リンパに転移。骨,肝臓等への転移なし。」と診断されました。11月より、アンスラサイクリン系、タキサン系の抗がん剤を、それぞれ4サイクル投与し、その後、手術する計画です。乳がんの特効薬と言われる「ハーセプチン」は、保険を利用して手術後に予定しています。ハーセプチンと抗がん剤を最初から同時に投与したいと希望しても、高価であまり効果がないと、主治医から言われています。主治医の考え方はどうなのでしょうか、又、別のおすすめの方法があったら、ご教示をお願いします。 

術前にハーセプチンを使用することは保険診療上、認められていませんので、術前の化学療法中に効果が乏しいなどの理由で、ハーセプチンと化学療法を同時に使用することはありますが、通常は術後にハーセプチンだけを単独で1年投与します。ハーセプチンは効果がないと言うのは、根拠に乏しいと思いますよ。(文責 鈴木)

 

No.9192】  09年10月17日   KK
術前の病理結果について(HPNo.9145-3)

9145-1 細胞診断  9145-2 ホルモン感受性について、ご丁寧に回答をいただきましてありがとうございました。
2006年9月に左全摘後FEC療法を経て三年目のこの9月健側・右に新たに発覚し、ご相談させていただいてきました。今は入院待ちです。
その後、針生検などを受け、担当医より、検査結果として、「エストロゲン受容体陰性、したがってホルモンの適応はありません。抗癌剤治療の有無は、摘出部分に「浸潤部分」があるかどうかで決めましょう。リンパ節転移は術中のセンチネル節生検によるが、術前の画像ではなさそうです。放射線の治療は、局所再発を防ぐためにした方がよいでしょう。」と、お知らせいただきました。
いくつかお尋ねします。
1) 0.9×0.8の初期(ステージ1)の段階だと受け取っていますが、術前抗癌剤は、どのような場合に適応するのでしょうか? 小さなものが消えるということはないのでしょうか。前回の抗癌剤の副作用がトラウマになって避けたい気持ちがありますが、後「浸潤部分」がなければ免れるので、やはり私の場合は術後になりますか?
2) 放射線ですが、「再発の可能性なし」の場合には、「照射なし」と乳がん情報にありますが、「再発の可能性なし」は、どの段階でわかるのでしょうか。予防のためですが、心身に負担がかかりそうで不安です。
3) 前回の抗癌剤は2006年12月に終えました。今回3年未満で新たに発覚したのは、その後できたということでしょうか。抗癌剤は全身治療だと思っていましたが、その時点では微小で、様々な画像にはでなかったのでしょうか。

よろしくお願いいたします。

1) 術前に抗がん剤治療を行なう場合と術後に同じ抗がん剤治療を行なう場合で生存率に差がないことがわかっています。ですから、通常は術前の診断で術後に抗がん剤を使うことが明らかな場合(例えば、しこりの大きさが大きいとか、脇の下に固いリンパ節が触れる場合等)は術前か術後かを選択しますが、最近ではそのような状況のときは術前投与が広く行なわれるようになってきました。しかし、貴女のように術後に抗がん剤を使うかどうかは切除した乳がんの病理の結果次第という場合は、術前に抗がん剤を投与してしまうと過剰治療になってしまう場合があるので、そのような場合には術前の抗がん剤治療は行なわず、病理の結果で術後に行なうかどうかを決めるというのが一般的です。
2) “再発の可能性なしの場合には照射無し”ということはありません。この場合の“再発”とは温存手術した乳房内の再発という意味ですが、温存手術した乳房内に再発する可能性(もう一度乳がんができる可能性)は全ての温存手術の方にあるわけで、再発の可能性無しということはありません。温存した乳房に放射線をかけるのは、その乳房内再発の可能性を小さくする(約六分の一になるといわれています)ためです。
3) 3年前に今回の癌の芽があったかどうかは誰にもわかりません。芽があったのだけれど、FECがその癌に効果がなかったのか、前回の治療後に今回の癌ができたのか、神様しかわかりません。(文責 清水)

 

No.9191】  09年10月17日   K
乳房の発疹について

ありがたいサイトを提供していただき、感謝いたします。31歳、出産経験はありません。右乳房に赤い円形状の発疹が出来ました。初めは2cm位で全体的にザラザラとしていましたが、今は円形の大きさが4センチ位に広がり、○の枠部分だけが赤く、少しザラついていて、鏡で見ると何かに噛まれた様な感じになっています。痛み、痒みはありません。自己触診で、くまなくしこりを探していますが、見当たりません。乳癌との関連性はありますか? 病院に行った方がいいのでしょうか。

Mailの内容からは乳がんの可能性は低そうに思います。まずは病院を受診して検査を受けてください。(文責 清水)

 

No.9190】  09年10月06日   G 
10年後の再発率、生存率について(HPNo.9158-2)

HPNo.9158 再発率、生存率の回答、ありがとうございました。手術後、放射線照射(50G)、ノルバディクスとゾラテックスで治療をしていますが、抗がん剤はしていません。抗がん剤をすると、10年後の再発率、生存率はよくなりますか? どれくらい変わるのでしょうか? お教えください。よろしくお願いします。

理論上抗がん剤のほうが再発を抑える力は強いのですが、抗がん剤の種類によって効果は変わります。抗がん剤では治療関連死という副作用の問題もあるので、再発率低下と治療関連死、副作用などを勘案し決めるのが普通です。(文責 石山)

 

No.9189】  09年10月06日   M.O.
構築の乱れについて (HPNo.9121-2)

HPNo.9121で質問させていただいたものです。視触診、異常なし。マンモでFAD要精密検査となりました。再検査でエコーは異常なしだったのですが、先生がマンモの画像が気になるとのことで、MRIを勧められました。どうやら“構築の乱れ”疑いのようなのですが(乳腺が折れ曲がっているように見えるところがありました)、構築の乱れは、エコーで異常として出てこないものなのでしょうか? 10年ほど前の授乳時、そのあたりが乳腺炎でパンパンに腫れたことがあるのですが、なにか影響は考えられますか?

炎症による瘢痕が構築の乱れとなることが多いので、おそらく乳腺炎のあとの可能性が高いと思われます。癌との鑑別にはMRIが適していると思われますので、受けられたほうが良いと思います。 (文責 石山)

 

No.9188】  09年10月05日  JOON
アリミデックスの服用について(HPNo.9139-2)

先日骨転移のことで相談をさせていただいた、HPNo.9139のJOONです。さっそくご指導いただいたとおり、主治医と相談をいたしました。結果、アリミデックスを服用することになりました。いま2週間目くらいになりますが、フェマーラやフェアストンを飲んでいた時と同じように副作用が出てきました。一番つらいのが関節の痛みです。手首、足首、膝、足の指まで関節が痛くて、かなりつらいです。手は朝からむくんだ状態です。これは1日のうちにだんだん良くなるのですが、関節の痛みは、動くたびに痛くて、特に足は階段の上がり降りにも支障が出るくらい痛みます。朝から夜まで、よくなるということはありません。薬を飲んでいると、だんだんひどくなるような感じです。もう抗ホルモン剤はほぼ飲みつくしていて、これが最後の薬といわれています。骨転移の痛みは、仕事を続けるために、日中はMSコンチンを20mgで頑張っていますが、すでに効かなくなっていて、レスキューのオキノームを飲んで痛みを抑えている状態です。夜は30mgですが、それでも痛みで目が覚めるので、これもレスキューでしのいでいます。これ以上転移している病巣が広がらないように何かをしなければいけないのは分かっていますが、だんだん強くなる副作用を抑えることはできないものでしょうか? それとも、ほかに何か進行しないためにできる治療はありますか? どうかご指導のほど、よろしくお願いいたします。

関節痛なのか転移の痛みなのかの見極めも重要で、効果か副作用かで治療方針は変わります。骨転移治療薬にはゾメタという薬もありますし、ホルモン剤には他にアロマシンというのもあります。骨転移の痛みには、麻薬よりNSAIDという一般的な腰痛などの治療薬も効く事があり、併用をお勧めします。(文責 石山)

 

No.9187】  09年10月05日  K 
両乳房のひきつれについて

乳がんではないかと、とても悩んでいます。両乳房の外側の上のほうに、ひきつれのようなものがあります。幅2〜3ミリで、長さは5センチほどです。ひきつれが乳がんの症状だと知り、とても不安になりました。しかし、ひきつれがどのような症状なのか、いまいちわかりません。私の場合はセルライトのような感じですが、ひきつれとは、セルライトのような症状のことですか? 2007年の一年で10キロほど体重が増え、その後2008年から現在にかけ、20キロ近く体重を減らしました。このような体重の増減が関係してしることはありますか? また、もしひきつれが見られる場合は、やはり乳がんの場合が多いですか? それとも他の病気の可能性もありますか? 最後に、ひきつれが見られ、乳がんが発見された場合、がんの進行状況はどのくらいだと考えられますか? 私は現在23歳です。質問ばかりですみませんが、不安でたまりません。どうぞよろしくお願いします。

皮膚が引き連れるタイプの乳癌は腫瘤を触れることが多いですが、両側性というのは珍しいので、いろいろな可能性が考えられます。すぐに乳腺外科への受診をお勧めします。(文責 石山)

 

No.9186】  09年10月02日  O.T. 
トリプルネガティブについて

51歳閉経前女性です。右浸潤性乳管癌 2.1p×1。病理結果は、「管内成分あり、脂肪成分なし、Ly0、V0、HG3、ER(−)、PgR(−)、HER2(−)、CTで転移(−)」のトリプルネガティブと診断されました。術前化学療法としてACを2クール(2ヶ月)実施し、「効果があったら、もう2クール行い乳房温存手術を実施。効果が無かったら、タキサン系の薬に変更するか、投与せず、乳房温存療法を実施するか決めましょう。術後は放射線療法をします。」と説明がありました。ウェブでトリプルネガティブの記載を見ると、予後が悪い、再発しやすいなど、落ち込むことが沢山あり、化学療法が効かなかったらと不安でたまりません。現在、乳腺専門クリニックで診察を受けていますが、
1) 治療法は、これが最善なのでしょうか。
2) このタイプの癌に効果のある日本で認可されていない薬剤があると聞きましたが、いつ頃私達は恩恵にあずかれるのでしょうか。
3) 総合病院と専門クリニックのメリット、デメリットがあれば教えてください。

よろしくお願い致します。

1)一般的な治療方針で、問題ないと思います。効かなかったら手術を行って、他の化学療法を試すことになります。
2)色々な情報(エビデンスレベルの低い情報)はありますが、決まったものはありません。
3)どちらでもかまわないと思います。それぞれ必要に応じて紹介して、行き来できるはずです。(文責 石山)

 

No.9185】  09年10月02日  M 
薬剤の変更について(HPNo.9137-2)

HPNo.9137で、腫瘍マーカーCA15-3のことでお伺いしたものです。その後、婦人科系のMRIを撮り、幸い異常はなかったのですが、今日10月1日、血液検査の結果、まだCA15-3が29.9の高めで、主治医の先生が、「ホルモン剤(フェマーラ錠2,5mg)を変えてみましょうか?」と言われました。他の薬に変えての副作用が心配だったので、そのままフェマーラでいくことになったのですが、この場合、薬を変えてマーカーの様子を見たほうが良かったのでしょうか。「7月21日乳房温存術+SLNB陰性(1/0)、f Iy0 v0 NG1 断端陰性、T1 N0 M0 stage1、ER8+ PgR8+ HER2 1+ Ki67 10% 、アルファロール フェマーラ ベネット 服用中」です。

さらに上昇すれば考慮すべきと思います。(文責 石山)

 

No.9184】  09年10月02日  K.K
炎症性乳がん

いつも参考にさせていただいています。初めてご相談させていただきます。49歳、既婚。今年5月に左乳房にしこりを見つけて乳腺専門医のいる医療機関で受診。細胞診の結果、乳がんの診断がおりました。必要な検査を受けて、6月末に手術のために入院。その日の診察で、炎症性乳がんに移行している事がわかり、手術はキャンセル、針生検を受けました。その結果を元に、現在術前化学療法を受けています(浸潤性乳管癌、ステージ IV, クラス V.)。
七月に再入院して治療開始。ところが一回目のECで骨髄抑制の為の副作用が強く出て発熱。二度目に予定していた治療は中止。八月に入ってから ウィークリータキソール投与をスタート。現在、7回目投与を終えたところです。幸い副作用は特に無く、治療を続けています。主治医からは、8月末のCT検査で薬の効果を確認(腫瘍の縮小)できたので、当分この治療を続ける旨の説明を受けました。最近になり、一箇所ですが針生検の傷跡が赤くなり、盛り上がってきたように思います。先日主治医に傷の事をお聞きしたところ、「針生検の際にがん細胞が器具に付着して、皮膚表面に出てきてしまったのかもしれない」との説明を受けました。炎症性乳がんは、進行が早く、予後が良くないと聞いています。私の病期は深刻です。
1) 皮膚に出来ている赤いできものが、癌である場合、どのような治療があるのでしょうか? 
2) 化学療法は全身療法ですから、タキソールが効けば、腫瘍も小さくなるのでしょうか? 
3) 待っていて手遅れになるというような事はないでしょうか? 
4) タキソールを投与しながら、皮膚に出来た癌に放射線治療をする可能性はありますか? 
5) 民間療法で、びわの葉温灸、シップも効能があると聞いています。自分で出来る事を探して、手当てするのが良いのでしょうか? 

不安を抱えて過ごす事もストレスになります。初診から診断、検査、病状の進行、治療方針の変更、長期の入院、そして今傷の問題。アドバイスをお願いします。

1)抗がん剤で治療可能ですので、そこだけ治療する意義はないと思います。
2)そのとおりです。
3)そこだけ効かない場合は、切除も考慮する場合があります。
4)、5)意味のないことと思います。(文責 石山)

 

No.9183】  09年09月28日  T 
今後の状況について(2)(HPNo.9179-2)

No.9179で質問し、回答いただいたものです。丁寧に解説いただき、ありがとうございます。回答いただいた中で、更に1点質問させていただきます。よろしくお願いいたします。再発率の質問について「1) アジュバント・オンライン(USA)という予後予測にデータを当てはめると、10年後の再発率25%、生存率は92%となるようです。日本人なら、成績はこれよりもっと良いと思いますが・・・。」との回答をいただきました。10年後の再発率とは、乳房内の局所再発を示すものなのでしょうか? もしくは遠隔転移による再発のリスクを示すものなのでしょうか?よろしくお願いいたします。

10年後の再発率とは、乳房内の局所再発や遠隔転移など全ての再発を含めたリスクを示します。(文責 石川)

 

No.9182】  09年09月27日  ゆぅ
生理の再開と治療方針について(HPNo.7915-9)

HPNo.8678でお世話になったゆぅと申します。昨年4月に告知、8クール術前抗がん剤(FEC4、タキソテール4回)後に、放射線治療30回、現在タスオミン20mgを1錠服用中。実は、抗がん剤治療中に生理が止まり、病院で閉経かどうかの検査をしてもらったところ、「年齢的にも(47歳)閉経に向かっている?閉経状態?」というようなことを主治医から言われて、「閉経ならアロマターゼは?」と質問したところ、「まだタスオミンです。」と言われました。今日現在までタスオミンを服用しておりましたが、今日突然生理が来ました。それで、質問ですが、1年近く生理が無かったのに、急に生理が来たということは、再発の兆しがあるということでしょうか。また、生理が来たので、リュープリンなどの注射も必要になってくるのでしょうか。術後1ヶ月に1回の主治医の視触診と血液検査を受けてきました。また、4月には半年検診として、血液検査、x線検査、CTをしました。来月は1年検診となります。治療方針は変わるでしょうか? 生理が突然来て動揺しています。いつも唐突な質問ですいません。よろしくお願いします。

急に生理が来ても、それは再発の兆しではありません。生理があるのなら、閉経前用のリュープリンなどの注射も考慮する必要があると思います。治療方針が変わる可能性はあります。(文責 石川)

 

No.9181】  09年09月27日  G
アルコールと乳癌

アルコールと乳癌の因果関係について教えてください。主治医からは「飲んでも心配ないよ」と言われましたが、アルコールで、乳癌リスクが上がるように思い不安です。飲酒量によるのでしょうか? 飲むのを我慢するほうが、ストレスで再発のリスクがあがるのでしょうか? またイソフラボンのサプリは飲まないようにと指導がありましたが、納豆、豆類の食事でイソフラボンを摂取することは問題ないのでしょうか? よろしくお願いします。

アルコール摂取量が多いと乳癌罹患のリスクが上がるような報告はありますが、大量の飲酒を長年続けなければ心配ないと思います。ストレス、肥満(メタボリック・シンドローム)の方が問題と考えます。納豆、豆類の食事でイソフラボンを摂取することは、今のところ問題ないと考えられています。(文責 石川)

 

No.9180】  09年09月27日  N.E.
術後の薬物治療について

いつも参考にさせて頂いております。2009年8月に乳房部分切除術とセンチネルリンパ節生検を行いました。今後の薬物治療についての助言をお願いしたく、メールさせていただきます。44歳、閉経前です。

【病理結果】
・浸潤性乳管癌(硬癌)  ・浸潤径 11x10mm(しこりは20mm強)  ・リンパ節転移 0/3 郭清なし ・乳管内進展 あり  ・脂肪組織浸潤 あり  ・脈管侵襲 なし  ・切除断端 陰性 ・異形度 グレード2 (Nuclear Grade : 2 Invasive Component : 90% Structural atypia : 3 Nuclear atypia : 2   Number of mitotic figures per 10 HPF : 0-4 )  ・ER(++) PgR(+++)  c-erbB-2 (-) MIB-1(+, <5%)  ・腫瘍増殖能 Ki67 低値  ・HER2受容体 0  ・不連続多発性に非浸潤性小葉癌を認めることから、十分な経過観察が必要。

再発リスク中間ですが、ホルモン剤が効くタイプとのことで 全乳房照射の後、ホルモン剤内服5年とのことでした。ただ、非浸潤癌についてネットで調べたところ、再発の半分は浸潤を伴い、非浸潤性小葉癌は再発が多いとの記述があり、不安を感じています。(非浸潤性小葉がんの方のホルモン感受性については、調べられていないので不明)

1) 抗がん剤をした場合、しなかった場合の10年後の再発率、生存率はどのくらいになるでしょうか。
2) LH−RHアゴニスト注射2年間を追加する必要はあるでしょうか。
3) 通常、センチネルリンパ節は迅速診断のみ行われるものなのでしょうか。(術後に、より詳細な検査をすることはないのでしょうか?)

宜しくお願いいたします。

1) 浸潤性乳管癌(硬癌)だけでなく、切除標本で不連続多発性に非浸潤性小葉癌を認めたということなので、予後の予測は非常に難しいと思います。強いて言うのなら、抗がん剤をした場合(しなかった場合)の10年後の再発率、生存率はそれぞれ、20%(25%)、85%(80%)前後かなと私は思います。
2) LH−RHアゴニスト注射2年間を追加してもいいと考えます。
3) センチネルリンパ節は迅速診断時のみで、術後に、より詳細な検査をすることは普通ないと思います。(文責 石川)

 

No.9179-1】  09年09月26日  T
今後の状況について

いつも拝見させていただいております。今後の状況に不安を感じ、メールさせていただきました。ご多忙のところ恐れ入りますが、よろしくお願いします。

39歳 閉経前 出産経験あり 左乳房 乳頭からやや左下部に腫瘍 乳管内進展あり。温存手術、乳房外側から切開、皮膚を剥離しながら扇形切除との説明。同時に脇脂肪組織にて乳房切除部分の形成。充実腺管癌 腫瘍径14mm×10mm 広範囲の乳管内進展で切除径は70mm×40mm程度 リンパ節転移(−:0/1) リンパ管浸襲(+) 血管浸襲(―) 組織学的グレード:2 ER(+:Allred score 3・1→4) PgR(−) HER2(+1) 皮下剥離面にそって残存乳管内非浸潤癌成分露出で断端陽性(4箇所) 治療:4AC→4T、放射線、ホルモン療法

組織診断報告書には、Ductal spreadは外側方向に進展していて、外側寄りの皮下剥離面4箇所にin situの成分が露出していると書かれています。病理標本写真を見る限りでは、皮下剥離面に沿って線状に断端陽性になっているようです。(3箇所が連続して+、延長線上約15mm離れたところで1箇所+:切り出しは5mm)
主治医からは、「電気メスで切開しているので焼けているし、乳管内成分が残っていたとしても化学療法と放射線で腫瘍細胞は消える。万が一局所再発してきたとしても5〜10年後くらいなので、フォローしていれば問題ない。」と、説明を受けています。今後について、いくつか不安を感じています。
1) 上記の病理結果と治療を受けての再発率(局所・遠隔転移ともに)や生存率は、どのくらいになるものでしょうか?
2) 皮下剥離面は電気メスで切除するものなのでしょうか? 皮下剥離面で陽性の場合、電気メスの熱で残った乳管内成分(腫瘍細胞)が焼失することはありえること なのでしょうか? また、上記状態で腫瘍細胞が残っていた場合、化学療法や放射線療法で完全に消失するのでしょうか?
3) 断端陽性の場合、追加切除が基本と聞きますが、上記のような場合、追加切除(皮下切除もしくは乳房全摘)は必要ないのでしょうか?
4) 局所再発した場合は浸潤癌と推測されます。皮下剥離面とのことで皮膚に浸潤したり、形成の為に持ってきた脂肪組織に浸潤となり、腫瘤となって(進行した状態)再発が確認されることになるのでしょうか? (腫瘍残存成分と脂肪組織が触れている状態と想像します)

長くなり恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。

1) アジュバント・オンライン(USA)という予後予測にデータを当てはめると、10年後の再発率25%、生存率は92%となるようです。日本人なら、成績はこれよりもっと良いと思いますが・・・。
2) 皮下剥離は普通のメスで行う場合もあります。電気メスで行った場合、メスの熱で残った乳管内成分(腫瘍細胞)が焼失することはありえると思います。それでも腫瘍細胞が残存していた場合に、化学療法や放射線療法が有効で完全に消失させることも期待できるとは思います。
3) 断端陽性の場合、追加切除するかどうかはケース・バイ・ケースです。
4) 局所再発した場合に浸潤癌とは限らないと思います。皮膚に浸潤したり、形成の為に持ってきた脂肪組織に浸潤して、腫瘤となって再発が確認されることは有り得ます。ただ、この再発を進行した状態とは呼ばないと思いますが・・・。(文責 石川)
 

 

No.9179-2】  09年09月26日  T
今後の状況について(2)

No.9179で質問し、回答いただいたものです。丁寧に解説いただき、ありがとうございます。回答いただいた中で、更に1点質問させていただきます。よろしくお願いいたします。再発率の質問について「1) アジュバント・オンライン(USA)という予後予測にデータを当てはめると、10年後の再発率25%、生存率は92%となるようです。日本人なら、成績はこれよりもっと良いと思いますが・・・。」との回答をいただきました。10年後の再発率とは、乳房内の局所再発を示すものなのでしょうか? もしくは遠隔転移による再発のリスクを示すものなのでしょうか?よろしくお願いいたします。

10年後の再発率とは、乳房内の局所再発や遠隔転移など全ての再発を含めたリスクを示します。(文責 石川)

 

No.9178】  09年09月26日  F.K.
右胸も悪性です

40歳、子供が二人おります。3年半前に左胸乳がんで全摘手術をうけました。FEC治療を6クール、ノルバディックスを服用していましたが、1年後に肝転移がみつかり、タキソテール、ハーセプチンを一年続けていました。肝臓の腫瘍は画像でみつからない程になったので、副作用のひどいタキソテールを休止してハーセプチンのみの治療をしておりました。が、昨年末に脳転移もみつかり、全能放射治療して、だいぶ小さくなり、今は現状維持しております。ただ右胸にずっとしこりができていて詳しい検査を使用としていた矢先に脳転移がみつかったので、右胸は保留になっていました。最近、右胸も悪性という事がわかり、外科の先生には、全身の状態が落ち着いているなら摘出したほうがよいと言われました。正直迷っています。先生のご意見を伺いたくメールいたしました。長文で解りにくいとは思いますが、よろしくお願いいたします。

外科の先生の言われるとおり、全身の状態が落ち着いているなら摘出したほうがよいと考えます。(文責 石川)

 

No.9177】  09年09月26日  A
再建中の妊娠・出産への影響について

8月20日に、右乳房全摘手術を受けました。非浸潤がんで、今後の治療は必要ないとのことです。治療のため休職しており、できれば休職期間にインプラントによる再建手術を・・・と考えているのですが、近々結婚の予定があり、再建中の妊娠・出産への影響について教えていただけたらと思います。現在39歳ということもあり、再建に伴う手術や麻酔等が妊娠に悪い影響を与えるという可能性があるのであれば、再建時期を遅らせるつもりでいます。どうぞよろしくお願いいたします。

乳房再建に伴う手術や麻酔等が妊娠に悪い影響を与えるという可能性は、まずないと思います。(文責 石川)

 

No.9176】  09年09月26日  M
ゾラデックス終了後の生理について

現在35歳です。2年間のゾラデックス投与を終了し、現在はノルバデックスを服用しています。ゾラデックスを終了して半年が経ちましたが、まだ生理が戻っていません。早い人はもう戻っていてもおかしくないと聞いたのですが、閉経したものだと考えた方が良いのでしょうか? 通常ゾラデックス終了後、どのくらいで、生理が戻るものでしょうか? 大変お忙しいとは思いますが、ご回答を頂きたくメール致しました。

ゾラデックス終了後、ふつう3ヶ月以内に生理が戻ることが多いようです。現在ノルバデックスを服用していることも生理が遅れていることと関係あるかもしれません。閉経かどうかは、血中のホルモンを測定すると分かる場合があります。(文責 石川)

 

No.9175】  09年09月26日  K.I. 
ノルバデックスと不正出血

術前化学療法と同時期より平成19年8月〜平成21年7月まで2年間、ゾラデックスを施注しました。平成20年2月に左乳房温存術を受け、2月末より5年間の予定でノルバデックスを服用しています。今年7月上旬でゾラデックスが終了したのですが、7月半ば過ぎより、ごく少量の不正出血が、ほぼ毎日続いています。婦人科で、子宮頚癌、体癌とも異常なく、ホルモンのバランスによるもので、完全に出血を止めるなら排卵誘発剤(保険適応外の薬)を服用すれば可能であるが、乳癌の治療には望ましくない方法であるかもしれないとの事でした。主治医と相談することを勧められ、止血剤の処方を受けました。止血剤は、自分の判断で量が気になるようなら服用するようにと説明を受けています。まだ服用はしていません。9月に6日間、出血がなく安心していましたが、7日目より同じ状態です。ノルバデックスの副作用に「性器出血」とありますが、子宮癌の心配がなければ、このまま服用できるのでしょうか? 内服薬が変更、追加される場合が多いのでしょうか? このような症状は珍しくないものですか? 先月、主治医に不正出血の報告はしたのですが、そのことについてのコメントはなく、通常どおりにノルバデックスが処方されました。次は11月に診察の予定ですが、服用し続けても支障はないのでしょうか? 多忙な主治医の先生に何度も聞くのは気が引けてしまい、聞けずじまいになってしまいました。お忙しいと思いますが、アドバイスをよろしくお願い致します。

定期的に検査して、子宮癌の心配がなければ、ノルバデックスはこのまま服用できると思います。多少なり不正出血がみられることは珍しくなく、服用し続けても支障はないと考えます。(文責 石川)

 

No.9174】  09年09月24日  YK
術後の治療について

いつも大変参考にさせていただいております。48歳、独身女性です。先月10日に乳房部分切除+同時部分再建(自家組織)で手術をいたしました。病理結果は、「腫瘍径:1.0 ×0.7、非浸潤癌、断端陰性、リンパ管・血管ともに侵襲なし、ER陽性、PgR陽性、グレード1、HER2陰性、リンパ節転移なし」ということでした。低リスクに入るということなので、術後は、放射線とホルモン治療のみで、タモキシフェン5年という提案を担当医からいただきました。
1) タモキシフェンは子宮体癌の発症率が上がるとのことですが、今後長期で服用するにあたり、婦人科の定期検診は必要ないでしょうか? 担当医に尋ねましたら、「異常が発生(不正出血)したら検診を受ければよいので、定期健診は必要なし」と言われましたが、「異常が発生したら検診」では、既に遅いのではないかと心配です。
2) タモキシフェンのほかにゾラデックスはしなくても良いのでしょうか? 担当医曰く、ゾラデックスをしたところで、再発率低下の効果は2%程度であるので、特にやらなくてもよいのではないか、ということでした。勿論やっても構わなくて、あとは自身がどこまで完璧に治療をしたいか、ということだとも言われました。
3) 担当医は病理結果の説明の際、ホルモン反応性については、術前の組織診による結果を代用していたのですが、術前の組織診の結果と術後の病理の結果は、ホルモン反応性については通常全く同じに出るのでしょうか? また、次回の診療時に担当医にも尋ねては見ますが、病理結果でホルモン反応性を調べないということはありえるのでしょうか?
4) 術前の組織診の結果では、腫瘍径2.1×1.8、浸潤癌ということでしたが、実際手術をした病理では、腫瘍径(浸潤部分)が当初の半分以下になっています。大変喜ばしいことではありますが、どのようなことになると、このように術前と術後の大きな誤差が起こるのでしょうか? やはり術前の計測の誤りなのでしょうか?

どうぞよろしくお願い申し上げます。

1)タモキシフェン服用による子宮体癌の発生リスクは確かに上昇しますが、服用しない女性の子宮体癌の発生頻度は1万人に1〜3人位です。服用することでこの発生率が2倍程度上昇しますが、それでも乳癌の発生頻度に比べると1/100程です。念のために子宮体癌検診をしておかれてもいいと思います。子宮体癌の素因がないことを確認するだ けでも安心しますから。
2) 確かに非浸潤癌であり、今後の治療も転移の予防というよりは局所再発や新たな乳癌の発生予防になります。非浸潤癌のノルバッデックスとノルバデックス+ゾラデックスの比較試験はありません。明らかなゾラデックスの効果を証明することは難しいと思います。殆どの非浸潤癌で手術された方はお元気に経過されていますから。ノルバデックスのみでもよいと思いますが、主治医とご相談下さい。
3) 基本的には術前の組織診と手術材料のホルモン感受性は同じですが、組織診を採った部分で染色性が手術材料と変わることもあります。術前化学療法を行った場合抗癌剤でガンのホルモン感受性が変化し手術材料では参考にならない場合もあり、術前の組織診での判断は妥当ですし、当然手術材料でもホルモン感受性は調べます。
4) 術前の組織診が浸潤癌で手術材料では非浸潤癌という変化は文章だけではわからないので、是非主治医とご相談下さい。(文責 川本)
 

No.9173】  09年09月24日  S.U.
今後の治療方法について

私の母(74歳)は2004年6月、乳がん温存手術(脇リンパ節にも転移があり郭清手術)を受けました。病理組織検査の結果は、「浸潤性乳管癌(硬癌) 癌の広がり4×1.9×2.4p=浸潤径1.8×1.9×2.4p B−Rスコア:7=Hisグレード?:2  DCTS病変30%  コメド? ER(+) PGR(+) Her2(1+) 脇リンパ節転移の数7/11」です。
手術後は、抗がん剤EC4回、タキソール4回、放射線治療の後、ホルモン療法(アリミデックス服用)を続けており、元気に過ごしていました。しかし、2008年7月に受けたペット検査で、術側の鎖骨上リンパ節に影・・針生検での細胞診で転移再発とわかり、11月からホルモン剤をフェアストンに変更。しかし、2度の針生検で無くなっていた影が、翌2009年1月にはエコーで2p以上になり、3月には固く皮膚上に盛り上がってきて、この頃より母も切除手術を希望。先生は手術は否定的でしたが、「自壊しても・・」ということで、6月に手術、2、5p?になっていたそうです。(胸節間リンパ節1個、じゅうかく?リンパ節3個・血管を巻き込むように・・)
術後もホルモン剤フェアストンで変更はなく、先生は「全く効かないということもないので、この薬を続けましょう」とのことですが、母もこの薬は効かないような気がすると言いますし、私も癌が急に大きくなったので、他の薬に変更した方がいいのではないかと思うのですが・・・。アリミデックスはアロマターゼ阻害剤と聞いていますが、フェマーラ、アロマシンへの変更、又、SERMのフェアストンからノルバッテックス、トレミフェンへの変更は意味のないものでしょうか? ハーセプチンも適用外ですね?(再度調べる・・と言う事でしたが)
主治医の先生は常時患者さんの数も手術も大変多く、とてもお忙しいのに優しい先生で、母は先生のお顔を拝見するだけで病気が治った気がするというくらい信頼しきっている程です。その先生が今後の治療には消極的な感じで、母は「もう何をしてもだめなのか」と落胆しているのが辛いですが、元気にしています。今後の治療方法についてご教示頂ければ幸いです。

*血液検査は問題ないと言われています・・
         2008年11月
CA15−3    17、9
CEA        3、0

ノルバッテックスはフェアストンと同系統の薬なので(フェアストンはトレミフェンのことです),意味がないと思いますが、 フェマーラ、アロマシンへなどのアロマターゼ阻害剤への変更は考えられます。Her2(1+)ならハーセプチンは適用外です。また 他の抗癌剤、例えばゼローダ、TS1などの選択肢も残されているように思えますが、一度主治医の先生に相談されてはいかがでしょうか。(文責 石川)

 

No.9172】  09年09月24日  S
乳がんの術後の病理検査結果とその後の補助療法について

乳がん術後の病理検査結果と、その後の補助療法について質問させていただきます。
75歳の母が先日、乳がんの乳房温存術(くりぬき術)を受けました。術後の病理検査結果は以下のとおりでした。
サイズ18o、粘液癌、広がりは乳腺、脂肪、リンパ管侵襲ly+、脈管侵襲なし、リンパ節転移なし、断端陽性(4ヵ所サンプルのうち1か所に)、ER、PgR陽性、HER2タンパク0、悪性度グレード1、pTINOMO、Stage1。
補助療法は、粘液癌で、転移の少ない、たちの良いがんとのことで、再手術は受けず、放射線とホルモン療法とのことでしたが、リンパ管侵襲ly+、断端陽性ということが気になっています。再手術を受けた方が良いのではないでしょうか? 放射線治療は2、3週間後位から始める予定です。ご意見、よろしくお願いします

リンパ管侵襲ly(+)ですが、リンパ節転移(-)なので腋窩リンパ節郭清はふつう行いません。もちろん、1箇所が断端陽性ということで、追加切除術の選択も有り得ますが、放射線治療でコントロールできる確率も高いと考えます。(文責 石川)

 

No.9171】  09年09月24日  C.T. 
乳房全摘手術の可能性について

去年七月に、しこり1.2cmの温存手術をしましたが、センチネル生検はマイナスでした。放射線50グレイしました。ただ胸筋まで0.1ミリとのことでしたが、電子線はしていません。病理に、皮膚側切離面まで0.1ミリ、浸潤性要素#3。これは手術操作のずれのためとのことでした。手術から一年二ヶ月たっています。癌が残っていると2〜3年で再発するとも聞き、乳房全摘手術を考えています。ただ血液検査で、放射線治療後からずっとリンパ球が低くて上がりません。標準15〜50のところ、6〜10ぐらいがずっと続いています。リンパ球比率も低いです。免疫力が落ちているということです。放射線治療の影響でしょうか? 胸筋まで癌がいってるのではと、ずっと不安でいたので、ストレスもあると思いますが・・・。病気のことを考えると、心臓がドキドキして、だるくなってしまいます。そんな日が放射線治療後からずっと続いて辛いです。今年になって、睡眠導入剤なしでは眠れない日が続いています。乳房全摘を考えています。ただリンパ球が低くて免疫力が下がっているのに、手術なんかしたらかえって他に癌が再発するのではないかとか、手術に耐えられるかとか、不安です。現在どうしたらよいのかわからない状態です。日も迫って困っています。是非ご意見をお願いします。

1) 手術から一年近く経った今、乳房全摘手術をする事は意義があると思われますか?
2) 腋窩リンパ節までとらないと意味がないですか?
3) 免疫力(リンパ球)が下がっているけど、手術しても大丈夫でしょうか?
4) 今できる最善の方法は何だと思われますか?

1) 術後に局所再発するとは限りません。手術から1年2ヶ月たっていますし、このまま定期的に検査を続けて、経過を見られることをお勧めします。万一手術されるのでも、再発が確定してからでも遅くないと私は考えます。
2) 腋窩リンパ節郭清は不要と思います。
3) リンパ球が少ないのは放射線治療の影響が考えられます。リンパ球が下がっていても手術はできます。
4) 主治医を信頼することだと思います。(文責 石川)

 

No.9170】  09年09月24日  Y 
腫瘍マーカー

いつも参考にさせていただいています。術後10年目、51歳になります。CA15−3腫瘍マーカーが、術後数年は15前後、ここ数年は28前後で安定していました。アリミデックス服用後3年間、2カ月ごとに腫瘍マーカーを調べていましたが、今年春先2回、32から34に上昇し、その後2回29に戻りました。7月の検査の結果が先日出て、また32に上がっていました。春先に上昇した時に、骨シンチなどを行い、黒い影があったため再検査しました。結果は、影が薄くなって問題なしとなりましたが、数値が変動してきたので心配です。もし再発転移であった場合、陰影が消えたり、マーカーの数値が下がることはあるでしょうか? また体調や測定誤差の変動は、どれくらいあるのでしょうか? ご多忙中恐縮ですが、アドバイスいただけると幸いです。

再発転移であった場合、何も治療しないのに陰影が消えたり、マーカーの数値が下がることは普通はありません。再発なら、まず右肩上がりに数値は上昇していきます。腫瘍マーカーCA15−3の場合の測定値の変動は、経験的に5ぐらいまではあるようです。(文責 石川)

 

No.9169】  09年09月24日  F
術後治療について

何時も拝見させて頂いています。早速ですが質問をさせて頂きます。
今年4/27に乳癌の告知を受けました。年齢49才(閉経前)です。腫瘍径…1.4cm 充実腺管癌 ホルモンレセプター…強陽性 HER-2…− グレード…3 。その後、MRI・CT検査の結果、他に転移無しとのことで、5/15より術前ホルモン療法(ゾラデックス・タスオミン)開始。6/12腫瘍径…1.27x1.0cm 7/27腫瘍径…0.8cm と縮小傾向にあり、ホルモン療法が有効であると説明を受け、8/12に乳房部分切除術を受けました。術後病理結果は、「腫瘍径…0.8cm 取り残し…なし センチネルリンパ節転移…0/2  ホルモンレセプター…強陽性  HER-2…− グレード…2」との事で、術後治療は、術前に行ったホルモン療法の再開+放射線治療との説明を受けました。

1) 術後のグレート2について。術前では3であった物が2に変化する事はあるのですか?  医師に確認した所、「ホルモン療法が効いて2になったんだね」との答えでしたが…。
2) 今回グレード2との結果でも、元々グレード3が出ていたのに化学療法は必要ないですか?
3) 化学療法が必要な場合、5年・10年無再発生存率は、ホルモン療法単独に比べ、どの程度上乗せ効果がありますか?
4) 放射線治療は術後どれ位の期間を開けても大丈夫ですか? 混んでいて術後3ヶ月先との事。(化学療法無しで)

大変お忙しい中恐縮ですが、ご意見お聞かせ頂けたら幸いです。

1) グレートが変化することはありえると思います。また変化ではなくて、稀に生検(組織診:腫瘍の一部分の病理診断)と切除後の腫瘍全体の病理診断が異なる場合も考えられます。
2) 腫瘍径、取り残しなし(断端陰性)、センチネルリンパ節転移、なし、ホルモンレセプター強陽性ということから、化学療法は必要ないと考えられます。
3) 化学療法も行われたとしても、上乗せ効果は数%の程度ではないかと思います。
4) 放射線治療は術後早いほうがいいとは思いますが、2〜3ヶ月以内に開始するというのが一般的だと思います。(文責 石川)

 

No.9168】  09年09月22日  O
病理検査報告書

温存手術をして、主治医から、病理検査の結果をPCのカルテを見ながら口答で簡単に聞きました。先日同じ病院で手術した友人に聞いたら、主治医は違いますが、病理の詳しい報告書、今後の治療方針が記載された物を頂いたと聞きました。同じ病院で違うのは納得出来ません。こちらでも皆さん詳しい書き込みがありますが、資料を見ての書き込みですよね? 病理の検査結果は、主治医の判断で渡されるのでしょうか? 絶対に必要でしょうか? 私の場合、幸いリンパ転移もなく放射線、ホルモン療法の予定です。主治医の判断で必要ないと解釈されて頂けなかったのでしょうか? 次回の診察時に聞きたいのですが、主治医はいつも多忙で、」診療時間も短く、コミニケーションはほとんどありません。これから先の長い治療を考えると今の医師との関係に不安です。宜しくお願いします。

患者さんに病理検査などをどのように説明するかについては、全く決まりがありません。もしご希望であれば「病理結果と今後の方針についての記載もの」をくださいと、頼んでみてはどうでしょう。多くの場合は貰えるはずです。医師は患者さんに丁寧な対応を心がけるべきですが、診ている患者さんが多いと多忙となり、丁寧な対応が出来なくなる傾向があります。しかしその医師がダメな医師とは限りません。難しいですね。(文責 吉田)

 

No.9167】  09年09月22日  V
サプリメントについて

術後2年経過し、ノルバデックスを服用中です。リュープリンも2年になり 、終了しました。サプリメントですが、プラセンタ製剤のビタミンや栄養補給を、体がきついときだけ飲んでいますが 、大丈夫でしょうか?

サプリメントの効果は判りませんが、飲むことには問題ありません。大丈夫です。(文責 吉田)

 

No.9166】  09年09月22日  S
奏効後の治療について

45歳。7歳と9歳の子供がおります。昨年9月に自己検診で右胸にしこりを見つけました。術前化学療法で、昨年10月よりファルモルビシン・エンドキサン、今年1月よりタキソテールを使用しました。ステージ2bで、腫瘍は3ヶで、大きさが35ミリでしたが、抗がん剤がよく効いて4月に手術の予定でしたが、手術はしておりません。現在は月に一回、胸のエコー検査を受けています。
1) 私のように、抗がん剤がとてもよく効いた場合は、再発、転移のリスクは少なくなるのでしょうか? 
2) また、胸部のエコーだけで、骨転移などを見落とすことはないのでしょうか? 
3) 現在は無治療ですが、再発や転移をできるだけ抑える方法があれば教えていただきたいと思います。

主治医には、「お薬を使って体調を崩すよりも、今の状態を大切にしたら・・・」と、アドバイスを受けました。よろしくお願い致します。

1) 術前化療が良く奏効し、手術せずに超音波で様子をみているとのこと、手術をして癌が組織学的に完全に消失している場合は再発、転移のリスクは明らかに低くなります。しかし手術をしていない場合は何とも言えません。画像上、癌が消えても顕微鏡的には残っているかも知れませんので。
2) その可能性はあります。
3) 現段階では組織学的(顕微鏡的に)に癌がないことを証明することが必要だと思います。主治医とよくご相談ください。(文責 吉田)

 

No.9165】  09年09月22日  S.Y.
今後の治療について

いつもありがとうございます。「年齢53歳、3年前に全摘手術をうけ、ホルモン感受性3+、Her2 3+、1.5x1.5x1.2 リンパ線転移なし、悪性度1」の病理診断で、リュープリン3年、タモキシフェン5年投与の予定でしたが、昨年リュープリンを終えてから、やっと主治医から、私の念願だったハーセプチンの投与が許されて、10月に18回の投与が終わる予定です。このたび子宮筋腫が悪化して、そちらの手術を受けることになりました。ホルモン治療開始のときに、生理を止めたら筋腫は小さくなると言われていたので、今回の展開は、ホルモン治療が効いてこなかったのではないかと、遠隔転移の不安が募っています。この三年間、血液検査とX線以外には検査はありません。骨シンチは痛みがないと行っていただけないものなのでしょうか? 子宮筋腫の悪化がホルモン治療が効かなかったことと考えられるのか、骨シンチは不要なのか、ご教示いただけると幸いに存じます。

ホルモン療法の効果と子宮筋腫が小さくなることは、はっきりした根拠があるわけではありません。気にせずハ−セプチンの投与を続けてください。骨シンチを定期的に行うことは意味がないとされていますが、骨シンチが全く不要な訳ではありません。不安を解消するため、一度受けられたらいかがでしょう。主治医とよく相談してください。(文責 吉田)

 

No.9164】  09年09月21日  S
抗がん剤、奏効後の治療について

45歳、7歳と9歳の子供がおります。昨年9月に自己検診で、しこりを発見し、「進行性乳がん」と診断されました。腫瘍は3ヶあり、35ミリと言われ、「術前化学療法」で抗がん剤治療を8回(3週間に1回)受けました。抗がん剤がとてもよく効いて、4月に手術をする予定でしたが、月に1回胸部エコーをうけながら、現在に至っております。子供が小さいので、「再発・転移」をとても恐れています。主治医に相談したところ、「お薬で体調を悪くさせるよりも、健康なからだで生活しているほうがいいのでは?」と、言われました。私のように抗がん剤がとてもよく効いた場合は、再発のリスクは低くなるのでしょうか? また、現在、無治療ですが、今後、少しでも再発を予防するためにできることがあったら、教えていただきたいのです。1週間ほど前から、ももの?骨?が痛くて、とても不安です。転移でしょうか?

基本的には術前化学療法後には手術を行うのが原則です。抗がん剤が良く効いても、手術を行わなかった例での再発率のデータは現在のところありません。現在、無治療とのことですが、ホルモン感受性やHER2の結果はどうだったのでしょうか? その結果でも治療は変わります。骨の痛みに関しては、よく検査してみないとわかりません。(志茂)

 

No.9163】  09年09月21日  T.H
術後5年のマンモで心配な結果が・・・

現在48歳です。乳がんの再発についての質問です。5年前に右胸が乳がんと診断され、部分切除の手術を受けました(正確には手術から4年10ケ月)。しこりは1.5cmほどで(T1)、センチネル生検の結果リンパ節の切除もなく、5年生存率95%という説明を受けました。術後2ケ月後から約1ケ月放射線治療を受け、2年間は月に1度ホルモン注射を打ちました(投薬はなし)。今までの約5年間は、定期検査(マンモ、エコー、CT、RI)でもずっと異状がなく安心していたのですが、2週間前の夫の会社の健康診断のマンモで、「右 乳腺腫瘤疑 左 良性石灰化」「要精密検査」という結果が出てしまいました。触診では、しこりはなかったです(前回の定期検査からは約1年経っています)。

1) 乳腺腫瘤をネットで調べたところ良性の場合も多いようですが、私のように1度乳がんになった者の場合は、やはり良性の可能性はかなり低いのでしょうか? すっかり安心していたところに再発の可能性が出てきてショックです。
2) もし悪性だった場合は、再発ということで(触診ではしこりがわからない程度のものでも)、初めて乳がんになった場合とは治療は全く違うのでしょうか? 
3) 満5年の定期検査は約1ケ月後の予定なのですが、こうして健康診断で「要精密検査」と出た場合は、検査を早めてもらう必要があるでしょうか?(大変混む病院なので早められないかもしれないのですが…) 

お忙しい中恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いいたします。

1) 良性の可能性が高いと思います。マンモグラフィは腫瘍の診断としては精度が超音波に比べやや低いため、それほど深刻に考えなくてもよいと思います。それよりも超音波での精査を勧めます。そもそも違う施設の、しかも人間ドックの結果というものは、「異常があるから調べてください」というより、「おそらく問題ないことを念のために調べてください」的なニュアンスが多いものです。
2) もし再発病変としたら、1度放射線療法をしているので、手術は乳房切除になるのが原則です。
3) 御心配な気持ちもわかりますが、腫瘍を触れないのであれば、1ヶ月後の検診を待っても十分遅くないと思います。(志茂)

 

No.9162】  09年09月21日  N
乳房の痛みと分泌物

35歳で、子供が10歳と7歳、2人おります。とても心配になっていることがありご、相談させていただきます。数ヶ月前から、右側の乳首と乳輪の付け根が切れたようになり、とても痛くなります。数日で落ち着くのですが、しばらくすると、また同じように切れたようになり、ひりひりと痛みます。何か傷つけるようなことはしておりません。同じ右側の乳輪には、にきびのようなものが何年もできたままです。また、これと関係があるか分からないのですが、4年ほど前(気付いたいたのがそれくらいの頃です)から、両方の乳頭のいくつもの穴から乳白色〜薄い黄色のかすのようなものがいくつも出てきます。とると綺麗になりますが、またしばらくするとでてきます。汁状ではなく柔らかい粘度の様な(かすと言うのが一番近い感じです)、母乳のかすのような感じですが、出産は7年前には終わっているので違いますよね。かゆみなどはありません。なにか悪いものではないかと心配です。近くに乳腺外科もありませんので、診察も行けずにいます。乳頭の癌などもあると聞きます。どうぞ宜しくお願いいたします。

乳頭に出来る癌などの悪いものではないと思います。何であるかはわかりませんが、いつまでも治らないならば、皮膚科でもかまいませんので受診してください。(文責 吉田)

 

No.9161】  09年09月21日  M.W,
妊娠中の乳房の赤み

今初めての妊娠7ヶ月の26歳の主婦です。2日前に右胸が急に張って、普通にしていても痛い状態になりました。かなり痛かったのですが、翌日に痛みは引いて、触ると生理前の張りのような痛い感じです。右胸だけ赤くなっているのが気になります。産婦人科の先生に聞いたのですが、わからないそうです。授乳中は乳腺炎とかよくあることなのですが、妊娠中は聞いたことないそうです。とりあえず様子をみるようにとのことだったのですが、これは乳がんの可能性ありますか?

可能性はありますが、極めて低く無いに等しいと思われます。やはり乳腺炎の一種ではないでしょうか?(文責 吉田)

 

No.9160】  09年09月21日  S
ホルモン療法の必要性

乳がんと分かり手術を行ったのですが、細胞検査の結果、乳管内ガンで摘出した細胞の断端面近くまでガンの進展があり、取り残しの可能性があると主治医に言われました。放射線治療は、25回プラス5回で、今治療中です。主治医の話では、放射線治療で治療は終わりと言われました。がん細胞を取り残している可能性があり、年齢的にも(35歳)、術後の治療が放射線治療で終わっても再発の危険性はないのでしょうか? 再発の危険性が少しでもあるなら、ホルモン療法をしたほうが良いのではないかと思っています。

ホルモン療法は、ホルモンの感受性陽性でなければ行っても意味がありません。まずこのことを確認してください。陽性であった場合は、ホルモン療法を行うかどうかは迷うところです。よく主治医とご相談ください。(文責 吉田)

 

No.9159】  09年09月21日  KK
ホルモン感受性について(HPNo.9145)

HPNo.9145で「術後3年」の検査のことでご相談させていただき、ご丁寧な回答をありがとうございました。
本日、細胞診の結果を聞きに診察に伺いました。結果は「悪性の疑い」で、二週間後にMRI検査の予約をしてきました。今回は右乳房で、左からの転移・再発ではなく初発になるそうです。乳頭下に0.9×0.8 のものがみられ、MRI検査で広がりを調べるそうで、結果次第ですが温存が可能ではとのことでした。前回は抗がん剤FEC治療のみでしたが、今回は手術後の病理結果で決まるそうです。前回ホルモン感受性(−)でしたが、細胞は個々にその病理結果が違うのでしょうか? MRI検査後の翌日の診察日には手術日(一週間ぐらい)を決めるようです。担当医は前回も手術していただき信頼をしていますが、あっという間に決まっていくようで、ちょっと不安です。よろしくお願いいたします。

乳癌は再発や転移でなければ個々に病理検査の結果が異なります。右乳房の癌は、左からの転移ではなく新たに出来たものであれば、ホルモン感受性やハーツの発現は、左のものと全く異なっている可能性があります。手術の日取りが早くきまるのは良いことと思いますが・・・。(文責 吉田)

 

No.9158-1】  09年09月21日  G
再発率、生存率

お忙しい中にもかかわらず、分かりやすく丁寧に教えていただけ大変助かっています。乳房温存術(扇状)、放射線照射50グレイが終わりました。 病理検査結果は次の通りです。 「・浸潤性乳管癌(硬癌)  ・大きさ2.2cm ・核異型度スコア 2 ・脈管浸潤 なし ・ センチネル節生検 0/6 ・47歳 ・ER +60% PgR+80%  ・化学療法 なし  ・HER2スコア(染色法)0 」
今年6月より、ノルバデックスとゾラテックスによるホルモン治療を受けています。5年後、10年後の再発率、生存率を教えてください。またホルモン治療を中止した場合はどうなるのか、それぞれの数値をお教えください。よろしくお願いいたします。

記載されている条件でアジュバントオンラインで調べますと、ホルモン療法を中止した場合(何もしない場合)、10年後の再発率は37%、生存率は81%となります。ノルバテックスを服用した場合は、再発率が25%、生存率は86%に改善いたします。さらにゾラテックスを加えた場合、(正確なデータはありませんが)再発率を5〜10%下げ、生存率を5%前後改善するものと思われます(再発率15~20%、生存率91%前後)。5年後の生存率、再発率はデータがなく、わかりませんが、10年の半数〜1/3位でしょう。しかし私の印象では全般的にもう少し良いように思います。(文責 吉田)

 

No.9158-2】  09年10月06日  G
10年後の再発率、生存率について

HPNo.9158 再発率、生存率の回答、ありがとうございました。手術後、放射線照射(50G)、ノルバディクスとゾラテックスで治療をしていますが、抗がん剤はしていません。抗がん剤をすると、10年後の再発率、生存率はよくなりますか? どれくらい変わるのでしょうか? お教えください。よろしくお願いします。

理論上抗がん剤のほうが再発を抑える力は強いのですが、抗がん剤の種類によって効果は変わります。抗がん剤では治療関連死という副作用の問題もあるので、再発率低下と治療関連死、副作用などを勘案し決めるのが普通です。(文責 石山)

 

No.9157】  09年09月21日  H 
MLTと診断を受けました

先日、触診と超音波による乳がん検診を受けたところ、4×6mmの腫瘍が見つかり、MLTと診断を受けました。MLTは近くに癌が伴うことが多いと説明を受け、切除して、組織検査をすることを進められました。一般的に、切除とは、どの程度切除されるのでしょうか? MLTの周りを広く切除して調べるようなことを説明されたのですが・・・。私は31歳で、妊娠歴はありませんが、現在不妊治療中です。一旦治療を中断しなければならないとは思いますが、切除部分にがんが見つからなければ、今回は完全に心配なしとなり、不妊治療をすぐ再開できるのでしょうか? よろしくお願いします。

MLT(mucocele-like tumor)と診断され切除生検を受けるとのことですが、どのくらい切除するかは個々の例でまちまちで、決まりはありません。周囲の癌を疑わせる病変を含め切除するのが一般的でしょう。不妊治療を中断する必要はないと思いますが、くわしくは婦人科の主治医にお尋ねください。(文責 吉田)

 

No.9156】  09年09月19日  T 
今後の治療について

44歳女性です。宜しくお願いします。2/5に左乳房温存内視鏡手術を受けました。術後、放射線治療25回+ブースト5回、60グレイを受けております。5月〜8月まで抗がん剤CEF療法 3週間×4が終りました。病理診断は下記の通りです。
papillotubular carcinoma
2.5×2×2.7cm、 ER(-) PgR(-) Her2(3+) ly(+) v(-)
tubular carcinoma
6×5×2mm、ER(-) PgR(+)70% Her2(0) f(+)
Nuclear grade 2

1) 9月1日より、ホルモン療法が始まりました。 LH-RH アゴニスト製剤(ゾラデックス)を月に一度の注射と、フェアストン錠を毎朝1錠のんでおります。 小さいほうの癌をカバーするためなのでしょうが、私には必要な治療でしょうか? 5年間やると言われています。
2) ハーセプチンは今すぐやらず、再発した時のためにとっておくそうですが、私の病理結果では、それでもいいのでしょうか? CEFのみでHer2もたたけるのでしょうか? ハーセプチンをやるのとやらないのでは再発リスクがどれくらい変わるのでしょうか? 主治医からはハーセプチンは1年やったところで、その後の治療法がなくなる。癌細胞を殺すわけではないので・・・というお話でしたが、ホルモン療法より、ハーセプチンの方が再発リスクを下げるのであれば、そちらの治療を受けたいと思っております。

どうぞよろしくお願いします。

たまたま、2つ癌があったわけですが、病理結果を拝見すると大きい方がその後の再発に関わってくると思われます。小さい方は、管状癌といっておとなしいタイプのもので、しかも数ミリです。ホルモン療法による副作用が強くなければそのまま続ける程度に考えてよいのではないでしょうか。むしろ、大きい方のHer2(3+)は、絶対にハーセプチンを1年間受けるべき結果です。再発リスクは約50%変わってきます。万が一再発しても、その後の治療法でハーセプチンは使えます。(文責 緒方)

 

No.9155】  09年09月19日  S
乳がんと診断された場合のセカンドオピニオンに関して

初めて相談メールさせていただきます。年齢は60歳女性の親族にかわり、ご相談です。 数ヶ月前より、左胸の乳首が陥没しており、8月に健康診断の際、乳がん検診を受けました。 詳しい検査が必要とのことで、一週間前にMRI、細胞を採取する等の詳しい検査をうけた結果、左胸の乳首の直下部に8ミリ程度のしこりがあることがわかりました。昨日検査結果を聞きにいった際、担当医より、「おそらく、このしこりは癌」と言われましたが、細胞をとった位置がずれていたので断定できないとのことで、細胞を取り直しました。細胞検査で医師が、ミスをしてしまうこと、細胞を取り損ねてしまうことはよくあることなのでしょうか? 「患者さんが痛がったから、とれなかったんですよ」と言われましたが、何となく腑に落ちないというか、 医師の腕に不安を感じたというか…。14日の月曜日に細胞再検査の結果が出ますが、医師からはおそらく癌に違いないので、 手術の日を結果が出たらすぐ決めましょう(10月9日にするか9月25日にするか選択してほしいとのこと) と言われています。 乳首の直下部にある癌なので、手術で乳首ごととらなければならないそうです。 現在の担当の医師は、ゆっくりじっくり話をしてくれるタイプではありません。 かなりナーバスになってしまう話なので、手術後の心の問題も含めて、このまま今の病院で手術を決めてよいものか悩んでいます。セカンドオピニオンは、した方がよいものでしょうか? 結果、落ち着く病院が見つからなかった場合、今の病院に戻ったら、医師は気を悪くされるものでしょうか? 乳首をできれば残したいのですが、方法はありますでしょうか? よろしくお願いいたします。

細胞診とは、細い注射針を刺して、こそげ落ちた細胞を顕微鏡で見る検査です。狙ったところに針があたっていても、細胞が取れない場合もあり、再検査が必要になることがあります。ミスではないでしょう。ただし、患者さんのせいには、普通はしないと思います。それも含めて、他の医療機関を受診することはもちろん問題ありません。癌と診断されていない場合や、乳頭を残せるかどうか判断のためのセカンドオピニオンは、なるべく画像の資料をそろえて臨んだ方がいいです。セカンドオピニオンに行くと患者さんから言われて、不機嫌になる医者はやめた方がいいですが、地域の問題で病院が少ないなど、一概には言えない問題があります。(文責 緒方)

 

No.9154】  09年09月19日  H 
マンモトーム生検について

46歳、女性です。左胸に突っ張るような違和感を感じて乳腺外科を受診しました。触診、エコー、マンモグラフィーをしていただき、石灰化が見つかり(区域性?とか言われたような)、カテゴリー3ということで、癌センターに回されました。癌センターでも同じ検査をしたのですが、良性とも悪性とも判断がつかないということで、次回マンモトーム生検とMRI(単純+造影)を受けることになりました。生検をするかもしれないとは思っていたのですが、細い針でのものと考えていたので、マンモトームと聞いて不安になっています。癌の可能性が高いということでしょうか? また、マンモトーム生検について詳しく教えていただけると有難いです。検査後の痛みや出血などはどうなんでしょうか? 宜しくお願いします。

マンモトーム(吸引式乳房針生検)についてお答えします。通常の細い針で行う細胞診検査よりも、沢山の組織を取れて、より確実な診断が出来るので、細胞診よりお勧め出来ます。また、マンモグラフィーにしか写らないような石灰化陰影を細胞診で組織を採取することは、極めて困難、かつ不確実です。同じ針を刺して、少し痛い想いをする検査を受けるなら、確実に診断がつく方をお勧めします。マンモトーム生検は、切開生検(小さな手術のようなもの)よりも、ずっと小さな創で(大体2,3ミリ)行います。圧迫止血だけで、合併症も殆どありません。翌日以降、大きな内出血などがなければ、すぐ入浴も可能です。検査時間は大体30分程度で、マンモグラフィーほど強く乳房圧迫しませんので、心配要りません。痛みは、針を穿刺する前の局所麻酔の時だけで、検査後も鎮痛薬は3日間も必要ない程度のものです。上記のように、優れた検査方法ですが、石灰化が非常に淡くて不鮮明な場合は組織の採取が出来ない場合もあります。また、乳房が小さかったり、石灰化の場所が採取に向いていない場所の場合、また乳房が薄い方には適していません。 通常はマンモグラフィーでの乳房厚が25mm以上ある事が必要です。)このような方には 局麻での切開生検(日帰り小手術)をお勧めする場合があります。いずれの方法にするかは、貴女の担当医が選択し説明してくれるでしょう。石灰化のタイプについては、貴女のマンモグラフィーを拝見していな い以上、悪性の疑いが強いのか、否かについては、お答え出来ませんので検査前に、もう一度担当医に良く聞いてみて下さい。(文責 矢吹)

 

No.9153】  09年09月19日  Y.Y.
肝臓転移悪化?

母は乳がんの遠隔転移です。乳がん手術後、8年目(H16)に肺転移がわかり、その半年後に脳転移し、治療はホルモン剤、ガンマーナイフ、放射線などをしてきました。抗がん剤は、ホルモン剤の前に使用したことがありますが、白血球が下がり、やめました。その後、ホルモン剤をしてきましたが、耐性ができ使用できなくなりました。去年11月に新たに脳転移があり、ガンマーナイフにて治療。3月になってから、多発性肝臓転移もあり、抗がん剤しかなく、4月からゼローダを始めました。今日2クール終わり、病院に検査に行き、血液検査・CTをしました。血液検査の結果、肝臓の機能がおちているようです。CTの結果は、明後日出るようですが、とても不安です。もし、効果が出ていないなら、どうしたらいいのでしょうか? 白血球の数値も2100になってしまいました。もともと、4000ぐらいしかない母です。最近の母の状態は、疲れやすく、お腹が張り、痛むようです。食欲も以前に比べ、減ってしまいました。運動やカラオケもしますが、とても疲れやすいようです。後悔のないように出来る事は、何でもしたいのです。ハーセプチンの出来ない癌のようですが、癌になって年数もたっていますが、癌の性質は変わらないのでしょうか? ハーセプチンが出来たらいいのですが・・・。もしも治療不能の場合、平均余命期間はどのぐらいなのでしょうか? ご意見、お願いします。

お答えできる範囲で、回答します。CTで効果がない場合、薬を変更することになります。治療の目的は延命ですが、肝臓の転移と脳の転移とどちらかが、命に関わってくる病巣になります。基本的に、抗がん剤は脳転移には効果がないため、薬を変更する目的は肝臓の転移の進行を遅らせるとういうことになります。現在の症状が、ゼローダの副作用か、肝転移によるものかは一概には言えませんが、副作用も少なからずありそうです。すべてのことを勘案して、治療内容が決まります。ハーセプチンは、どこか切除できる転移巣から組織を取って調べるほかありませんが、一般的にはハーセプチンが効かないタイプが、途中で効くタイプにはならないと考えます。本当に、どの治療も効かなくなる時点を治療不能とするなら、肝転移がある場合、週の単位で考えなくてはいけませんが、今はその時点ではないと思います。(文責 緒方)

 

No.9152】  09年09月19日  T・A 
乳管内乳頭腫

今回はじめて投稿させていただきます。どうかご意見をお願いします。
私は現在28歳(未婚)です。元々幼い頃から体が弱い方(喘息・アトピー)で、幼い頃の薬の影響もあってか、代謝が悪く、生理不順の症状が高校からありました。昨年春頃から月経が3・4ヶ月ない事があり、8月に右の乳頭から血性分泌物があることに気づき、3日後位には、婦人科と乳腺外来の両方を受診しました。婦人科では血液ホルモン検査、超音波エコー検査により無排卵月経の可能性ありとの事で漢方薬を処方され、たまたま病院に行った後月経がすぐにきたので、漢方薬を飲んで様子をみる事になりました。乳腺外来では、マンモグラフィ、超音波、分泌物細胞診をして、結果はマンモ異常なし、超音波では乳腺拡張が少し見られるが腫瘍確認できず、細胞診でも異常なしとの事で、半年後の乳頭腫の疑い有りで経過観察となりました。分泌物は右の一つの穴から血性や黄色いもので、最初は量が多かったのですが、1ヶ月半位で止まりました。その後、月経は2ヶ月から1ヶ月半位の通常より長い周期ではありますが、順調にきており、月経前2週間くらいにたまに少量の分泌物がある事もありましたが、月経後なくなっていました。今年3月にベテランの先生がいらっしゃる別の乳腺専門クリニックを受診しました。結果は前回の病院と同様にマンモ異常なし、超音波では乳腺拡張が少し見られるが特に腫瘍などは発見できず、細胞診でも良性細胞変化を含む正常範囲との事で、良性の乳管内乳頭腫で半年ごとの経過観察となりました。出血量もあまりなく、今年3月までは月経、乳頭腫ともに落ち着いた症状になっていたのですが、今年4月最初に右手を何十針も縫う怪我をして、右手の平の神経が傷つき、しばらく感覚がない指があったりで不自由な生活が2ヶ月ほど続き、その後も手の違和感はまだ完全治癒しておりません。怪我以降、全身の体調不調が続き、肩腰首痛、頭痛、4ヶ月以上月経なし、怪我以外にも会社移転で環境の変化ありました。7月上旬に右乳頭に分泌物が再び見られ、乳腺外来を受診、結果は3月同様、8月に婦人科受診、初のホルモン剤を10日程服用後月経があり、ホルモン検査により多膿砲性卵巣の疑いありとの事でしたので、怪我後服用を中止していた漢方で経過観察となりました。その後まだ次の月経なし、乳頭からの分泌物も止まりません。量が結構ありますので、一度乳腺クリニックに電話で問い合わせ所、ゆっくり進行する癌もあるものの、今の段階では悪性の可能性は1%以下で手術等は普通行わないとの事で、現在観察中です。出血が続いているのに、半年も経過観察して大丈夫なのでしょうか? 月経などの問題と、乳頭腫の出血の関係はありますか? 出血量に個人差はありますでしょうか? 乳頭腫の手術はどの段階になったらでしょうか? 担当の先生を信用していない訳ではないのですが、血性は癌の可能性有りという事もあり不安な思いで、他の先生方のご意見が聞きたく、長文のメールになってしまい申し訳ございません。どうか御回答をお願いします。

定期的に、マンモ、超音波を受けていらっしゃるので、基本的には心配ないです。乳腺は、女性ホルモンの影響を受ける臓器です。体調や怪我で生理不順になったことで、分泌物が出続けているのだと思われます。超音波で1回だけ、乳管内乳頭腫の疑いとなったのであれば、実際に乳頭腫がない可能性が高いのではないでしょうか。いずれにしろ、6ヶ月毎の経過観察で支障ないと思います。(文責 緒方)

 

No.9151】  09年09月19日  C.T.
温存術後の治療について

1) 乳癌温存手術後の病理で、癌が胸筋まで0.1ミリとのことでした。追加手術はしていません。放射線治療をしましたが、電子線はありませんでした。一年たっています、癌が残っているのではと心配でたまりません。胸筋に細胞診のような検査で癌が残っていないか調べることができると聞きましたが、できますか? 病院によって、できる所と、できない所がありますか?
2) 1)の質問について、細胞診のような検査の他に検査の方法はありますか?
3) 1)の質問について、断端陽性だということだと思いますが、放射線治療だけで大丈夫なんでしょうか?
4) 1))の質問について、これからどうしたらいいと思われますか?
5) 病理結果で皮膚側切離面まで0.1mm、浸潤性要素#3 とは、どういう意味ですか? 癌が残っているんでしょうか? 放射線があたっているから大丈夫ですか? 何か対処できるでしょうか?

まず、がんのタイプがどのようなものであったかで、若干術後の治療方法には相違がありますので、頂いた質問内容だけでは判断し兼ねる部分が多いです。病理組織のタイプ、ホルモン感受性などの情報は重要な要素です。浸潤要素あり、と書いてありますが、浸潤がんだった、と言う意味でしょうか? それとも、大半が非浸潤がんだったのでしょうか? 非浸潤癌だった場合、胸筋から0.1mmまで癌の広がりがあったとしても、余り再発リスクには繋がらないと思いますので、この点は今一度、担当医に、病理組織検査結果について、私どもに頂いたと同じように、ご質問されてみては如何でしょう。それから、胸筋側に癌細胞が残っているかどうかを調べる具体的方法は、現時点では、事実上ないと、お答えせざるを得ません。どの胸筋側の、どの辺りに組織が残っているかを敢えて調べるとしたら、剥離面の胸筋を切除して全て顕微鏡検査することになってしまいますが、断端に浸潤がんが沢山残っている場合を除き、大抵は追加切除しても、そこには手術後の瘢痕組織しか見えない筈です。そこまでするメリットは少ないと考えます。
4)のご質問に関してですが、 繰り返しになってしまいますが、病理組織検査結果の内容について、今一度、担当医に、私どもに頂いたと同じように、ご質問されてみては如何でしょうか。貴女の組織診断について、一番ご存じなのは、担当医だと思います。どうしても他医師の意見を聞きたければ、自費診療になってしまいますが、これまでの検査結果報告書や、病理組織診断のプレパラート等を貸し出して貰い、他施設の医師に、セカンドオピニオンしてみるのも一つの方法です。メールでのご質問では、これが限界だとご理解頂けますでしょうか。(文責 緒方)

 

No.9150】  09年09月19日  N.T
AC療法が第一候補となりますか?

初めてメールさせていただきます。9年前に右乳がんにて温存手術+リンパ節郭清を施行、その後ホルモン療法および放射線療法、化学療法を施行。今回、同じ側に癌(新病変)が発生し、全摘術を行いました。病理組織の検査では、浸潤性乳管癌(広義の硬癌)とのこと。腫瘍は脂肪織まで波及(波及度f)、pT1c 、核異型は高度でGradeU(3+3+1)、核異型度はGrade3(3+3)、EICは陰性、ly1、v0、免疫染色の結果はER(−)、PgR(−)、HER2(−)、Ki67、LI=38.8%との所見を得られました。化学療法をせざるを得ないと思うのですが、脱毛がどうしても気になるようなのです。この状態ではやはりAC療法が第一候補となりますか? CMF療法はあまり行われないのでしょうか? アドバイスをお願いできたらと思います。どうぞよろしくお願い致します。

あなたの様な場合、ACまたはTC、あるいはFECなどが使用されることが多いと思います。しかし如何しても脱毛をさけたいのであれば、多少効果は落ちますが、CMFでも良いでしょう。主治医とよく相談したください。(文責 吉田)

 

No.9149】  09年09月19日  S.T.
MRIの結果について(HPNo.9020)

いつもお世話になっています。HPNo.9020で、36歳、姉について質問させていただきました。現在、術前化学療法EFC療法Dクール目、6回まで施行する予定です。その後、タキソール12回施行の予定。その後、手術です。4クールが終わったところで、MRIをとりました。右乳房の腫瘍は、繊維が残っている(がん細胞がその繊維にあるかわからないが・・・死んだ細胞が残っているだけかもしれない)、腋窩リンパ節についても、半分は死んだ細胞として写っていると説明されました。触診では、乳房の腫瘍については触れないため、消失したと喜んでいたのですが、画像上、繊維が残っているということは、やはり今後の再発リスクは高くなりますか。腋窩リンパ節は、今後の治療で消失することもあるのでしょうか。治療を始める前の診断は、トリプルネガティブ充実腺癌、グレード2から3、腫瘍は最初3.6センチありました。腋窩リンパ節、胸骨傍リンパ節にも転移ありです。

術前化療がよく効いているようです。でも画像上腫瘍が消失したように見えても病理で残っていることもあり、安心はできません。病理組織でも完全に腫瘍が消失したものは大変予後が良好であると言われておりますが、トリプルネガティブで病理学的に腫瘍細胞が残った場合は再発のリスクは高いでしょう。今後タキソールが効き、腋窩リンパ節が消失することもあると思います。画像診断の中でMRIは化療効果を比較的よく反映するとされていますが、予定通り化療を行ってください。(文責 吉田)

 

No.9148】  09年09月19日  MM
今後の治療について

妹(47歳)が乳がんの手術を受けました。左乳房上内側部乳がんで、非浸潤性乳頭がん25mm、乳頭に近く、温存は困難ということでした。乳房再建を目的にエキスパンダーを入れました。センチネルリンパ生検では問題なく、リンパカクセイはしませんでした。術後の細胞診の結果で、5センチほどの範囲に、脂肪に達しないくらいの浸潤が確認できたとのことで、今後の治療の相談です。

1.抗がん剤5年内服
2.生理を2年とめて抗がん剤の内服
3.何もしない

抗がん剤はジェネリックの選択もできるそうです。金銭的なことも含め選択を迷っております。アドバイスがいただけたらと思います。乳房再建は来年5月くらいを考えています。

非浸潤癌のつもりで手術をうけ、術後の病理検査で一部に浸潤癌が存在したという事だと理解しました。現在抗癌剤を内服することは少なく、ご質問の意味がよく理解できません。抗癌剤とはホルモン剤のことでしょうか? ホルモン感受性+であれば、ホルモン剤5年内服が良いと思います。ホルモン感受性ーであれば「何もしない」でよいと思いますが・・・。(文責 吉田)

 

No.9147】  09年09月16日  S.C.
白血球の低下

いつも参考にさせて頂いています。私の場合は、従来の放射線と抗がん剤による骨髄抑制のため白血球が低いので、この4か月無治療になっています。
私の病歴 : 2000年 左乳がん温存、 2003年 右乳がん全摘、 2004年 腰椎骨転移、 2006年 多発性骨転移、 2009年7月 多発性肝転移。
治療としては、多発性骨転移のため、全部で8ケ所放射線をあて、2006年ビスホスネート、2007年からゾメタ点滴を受け、その後は骨痛はありません。抗がん剤治療は、2003年右乳がん後、再発予防のためCMFを6クール、2007年1月からゼローダを服用しました。その結果、腫瘍マーカーは標準値内になりました。1年後上昇に転じたため、ヒスロン+フルツロンを半年服用しましたが、効果が見られないため、昨年10月よりタキソールのweeklyに変更しました。規定量を2回した後は、白血球低下のため、抗癌剤の減量と休薬のため、規定量の半分しか点滴出来ませんでした。5月より白血球が2000を超えたのは1度きりで、4か月無治療が続いております。元来、健康時でも白血球の平均は3200と低く、乳腺外科医の治療にかかっているときは、白血球が1200でも休薬はありませんでした。同じ病院の腫瘍内科に代わってからは、治療するのは白血球が2000以上になりました。私の様に白血球が低い場合、治療を受けるためには白血球の上がりを待つしかないのでしょうか。今は原因不明の頭痛になやまされています。MRIでは脳転移ではないそうです。これからどういう治療が可能であると考えられますか。よろしくお願いします。

白血球が低く、乳癌の治療が思うように出来ないとのこと、大変困った状態です。乳腺外科医が白血球1200でも治療を休まなかったのは、大変危険であり、あまり褒められたことではありません。現在の腫瘍内科医の判断の方が正しいと思います。ホルモン感受性が陰性で、ハーツーも陰性であれば、打つ手がないのが現状です。ただひたすら白血球の増加をまたねばならないと思います。白血球が増加さえすれば、まだ使える抗癌剤は沢山あります。現在ではガイドラインで推奨できないことになっていますが、肝転移に対して繰り返し肝動注を行い効果的であった経験があります。動注であれば、あまり白血球に影響はあたえません。一度主治医に相談してみてください。(文責 吉田)

 

No.9146】  09年09月16日  I 
乳癌検診

初めて相談させていただくIと申します。昨年1月の半ばに自分で発見して病院へ・・・、まさかの坂でした。私は、2008年2月5日に乳がんと告知され、その後、温存療法の手術後、閉経のためアリミデックス錠を5年服用と言われています。健康には人一倍神経質で、市で行っている健康診断では2年に一度は乳がん検診をしていました。最後は、2007年6月6日に触診&マンモを受け、異常なしで安心したのですが・・・。6月の検診で発見できていたのなら、傷は小さくてすんだのでしょうか? 腫瘍は、1.9×1.9でした。傷口、8p、マンモで分からない事もあるのですか? 市検診を今後、友人や家族が不安だと言っています。よろしくご回答お願いいたします。

残念ながら乳癌検診でも発見ができない乳癌も存在いたします。日常診療でマンモで映らない乳癌は10%ぐらいあると感じております。それでもマンモ導入後の検診は、触診だけの時に比べ乳癌の早期発見に役立っていると思います。特に石灰化のあるものではマンモが威力を発揮しております。勿論、検診の精度を上げることは大切ですが、どんなに精度が上がっても、分からない乳癌がありますので、検診には限界があります。検診とはそういうものであることをご理解ください。(文責 吉田)

 

No.9145-1】  09年09月15日  KK
術後3年です

2006年夏に乳癌告知を受け、左胸全摘出、三年経ちました。術後、抗がん剤・FEC治療を4回受けました。ホルモンは(−)、Her 2(+3)でしたが、当時ハー セプチンは自費で一般的ではなく、以後、定期健診のみです。順調に三ヵ月後の診察と検診を受けてきました。本日、三年目の検査結果を聞きに参りました。1週間前に乳腺エコー・CT・採血を受けています。CA15−3など数値や他への転移は認められずほっとしましたが、エコーで右乳腺にちょっと変化がみられるとのことで、細胞診を受けました。乳頭すぐ下です。結果は来週で、心配しても仕方がないのですが、気がかりです。担当医は具体的なことはおっしゃいませんでしたが、「再発・転移ではないです」とのこと。右は単独で乳腺にということでしょうか。よくない場合は、どのようなことが考えられますでしょうか? やっとこの三年間自分なりに体調管理をしてきただけに、がっかりしています。よろしくお願いいたします。

細胞診の結果がでないと何とも言えないと思いますが、主治医の先生も「再発・転移ではないです」と話されていることから、問題ないとの結論に導くための検査と考えてく
ださい。よくないことを書き始めると、不安がどんどん増します。がっかりすることなく、結果を待ってください。(文責 速水)

 

No.9145-2】  09年09月21日  KK
ホルモン感受性について

HPNo.9145で「術後3年」の検査のことでご相談させていただき、ご丁寧な回答をありがとうございました。
本日、細胞診の結果を聞きに診察に伺いました。結果は「悪性の疑い」で、二週間後にMRI検査の予約をしてきました。今回は右乳房で、左からの転移・再発ではなく初発になるそうです。乳頭下に0.9×0.8 のものがみられ、MRI検査で広がりを調べるそうで、結果次第ですが温存が可能ではとのことでした。前回は抗がん剤FEC治療のみでしたが、今回は手術後の病理結果で決まるそうです。前回ホルモン感受性(−)でしたが、細胞は個々にその病理結果が違うのでしょうか? MRI検査後の翌日の診察日には手術日(一週間ぐらい)を決めるようです。担当医は前回も手術していただき信頼をしていますが、あっという間に決まっていくようで、ちょっと不安です。よろしくお願いいたします。

乳癌は再発や転移でなければ個々に病理検査の結果が異なります。右乳房の癌は、左からの転移ではなく新たに出来たものであれば、ホルモン感受性やハーツの発現は、左のものと全く異なっている可能性があります。手術の日取りが早くきまるのは良いことと思いますが・・・。(文責 吉田)

 

No.9145-3】  09年10月17日  KK
術前の病理結果について

9145-1 細胞診断  9145-2 ホルモン感受性について、ご丁寧に回答をいただきましてありがとうございました。
2006年9月に左全摘後FEC療法を経て三年目のこの9月健側・右に新たに発覚し、ご相談させていただいてきました。今は入院待ちです。
その後、針生検などを受け、担当医より、検査結果として、「エストロゲン受容体陰性、したがってホルモンの適応はありません。抗癌剤治療の有無は、摘出部分に「浸潤部分」があるかどうかで決めましょう。リンパ節転移は術中のセンチネル節生検によるが、術前の画像ではなさそうです。放射線の治療は、局所再発を防ぐためにした方がよいでしょう。」と、お知らせいただきました。
いくつかお尋ねします。
1) 0.9×0.8の初期(ステージ1)の段階だと受け取っていますが、術前抗癌剤は、どのような場合に適応するのでしょうか? 小さなものが消えるということはないのでしょうか。前回の抗癌剤の副作用がトラウマになって避けたい気持ちがありますが、後「浸潤部分」がなければ免れるので、やはり私の場合は術後になりますか?
2) 放射線ですが、「再発の可能性なし」の場合には、「照射なし」と乳がん情報にありますが、「再発の可能性なし」は、どの段階でわかるのでしょうか。予防のためですが、心身に負担がかかりそうで不安です。
3) 前回の抗癌剤は2006年12月に終えました。今回3年未満で新たに発覚したのは、その後できたということでしょうか。抗癌剤は全身治療だと思っていましたが、その時点では微小で、様々な画像にはでなかったのでしょうか。

よろしくお願いいたします。

1) 術前に抗がん剤治療を行なう場合と術後に同じ抗がん剤治療を行なう場合で生存率に差がないことがわかっています。ですから、通常は術前の診断で術後に抗がん剤を使うことが明らかな場合(例えば、しこりの大きさが大きいとか、脇の下に固いリンパ節が触れる場合等)は術前か術後かを選択しますが、最近ではそのような状況のときは術前投与が広く行なわれるようになってきました。しかし、貴女のように術後に抗がん剤を使うかどうかは切除した乳がんの病理の結果次第という場合は、術前に抗がん剤を投与してしまうと過剰治療になってしまう場合があるので、そのような場合には術前の抗がん剤治療は行なわず、病理の結果で術後に行なうかどうかを決めるというのが一般的です。
2) “再発の可能性なしの場合には照射無し”ということはありません。この場合の“再発”とは温存手術した乳房内の再発という意味ですが、温存手術した乳房内に再発する可能性(もう一度乳がんができる可能性)は全ての温存手術の方にあるわけで、再発の可能性無しということはありません。温存した乳房に放射線をかけるのは、その乳房内再発の可能性を小さくする(約六分の一になるといわれています)ためです。
3) 3年前に今回の癌の芽があったかどうかは誰にもわかりません。芽があったのだけれど、FECがその癌に効果がなかったのか、前回の治療後に今回の癌ができたのか、神様しかわかりません。(文責 清水)

 

No.9144】  09年09月09日  YAMA
リンパ節転移と郭清の必要性

この掲示板を参考にさせていただき、たいへん有難く思っております。妻(50歳、閉経前)の浸潤性乳管癌、硬癌について伺います。マンモグラフィで1cmほどのしこりが1個見つかり、マンモトーム生検で浸潤性乳癌と診断され、温存手術を受けました。術中の迅速診断でセンチネルリンパ節に転移がみられなかったということで、腋窩リンパ節の郭清はなされませんでした。ただし、術前の画像(CTだったと思います)で腋窩リンパ節が1個、膨らんでいるのを確認していたため、それは摘出してみるということでした。CTやMRIの画像及び術後の切除した患部を見せていただきながらの説明でも、1cmほどで、初期だとのことでした。しかし、術後の組織診断報告書の所見欄には、「別個に提出のセンチネルリンパ節に2個転移があり(2/5)、また一個の転移巣から脂肪組織への浸潤が始まっている」とありました。
また、診断として、「Nottingham histologic grade T(tubule formation 2, nuclear pleomorphism 2, mitotic index 1, Nuclear grade 1), ER(+), PgR(+), HER-2(+), breast, partial resection(BP)with lymphadenectomy:pT1, f, ly(x), v(‐), surgical margin negative for the tumor, pN1. 」
所見欄には、上記のほか、「組織切片上の最大径は割入り部(腫瘍サンプリング部?)も含めると22mmです(pT2)」「類円核で好酸性胞体を有する異型細胞が小管状、小胞巣状、索状構造を呈して増殖しています。背景に線維化が強く、脂肪組織への浸潤形態も合わせて広義の硬癌と判断します。波及度f、リンパ管侵襲は確定できませんでしたが、リンパ節転移が生じていました。小静脈侵襲像ははっきりしませんでした。」「EIC(−)」などの記載がありました。

1) 術中にセンチネルリンパ節に転移が見つかると、腋窩リンパ節の郭清をすると思いますが、上記のとおり、なされなかったようです。「別個に提出のセンチネルリンパ節に2個転移」というのが、事前に画像で確認されていたリンパ節だったことも考えられます。まもなく、CEF6クールとタキソール3クールの治療に入りますが、その前に郭清する必要はないのでしょうか。
2) 妻のような場合は、病期(ステージ)はどのようになるのでしょうか。
3) CEF6クールとタキソール3クールのあと、ハーセプチン、放射線、ホルモン療法を勧められていますが、再発リスクはどれくらいで、これらの治療効果をどのように考えたらよろしいでしょうか。なお、ERはPS4,IS3,Total Score 7, PgR はPS5,IS3,Total Score 8 , HER-2はscore3と記載されています。

都合で、術後の組織診断報告書を受けての受診に立ち会うことができませんでした。ご教示よろしくお願い申し上げます。

1) まず、センチネルについてですが、いわゆる偽陰性になってしまったようです。色素や放射線物質が取り込まれていなかったリンパ節(おそらくCTで腫れていたリンパ節でしょう)が、実はセンチネルリンパ節であったということです。念のために、腫れたリンパ節を取っていたことで転移が確認されたわけです。一般的に、術後にリンパ節転移が確認された場合は、2mm以上の転移であれば郭清を行う方がよいとされています。脂肪組織への浸潤(波及)が確認されているので、郭清は必要に思えます。ただし、郭清は化学療法などの全身治療がおこなわれた場合、予後には関係がなくなります。一方、他に転移リンパ節が3個以上あった場合、術後に腋窩にも放射線治療を行ったほうが予後が改善する可能性があります。手術に先立って化学療法を行う術前化学療法を受けた患者さんは、治療の効果で腋窩リンパ節転移が消失することがあります。したがって、化学療法を先に行って、リンパ節転移の状況を確認することが間違いではないという考えもあります。どちらかというと、状況が許せば化学療法前に郭清を行う方が良いとは思いますが・・・。
2) 次に、病期はT2N1M0 病期UBです。10年生存率が75%です。
3) いくつかの要素をそれぞれ勘案して、再発リスクが大まかに高い、低い、中間と分ける考え方(St.Gallenのリスク分類)があります。奥様は、中間群に入ります。その場合、効果がある治療はすべからく受けるべきか、負担の大きく効果の低い治療は避けるかは判断が難しい群です。個人的には、HER2陽性の患者さんはしっかり化学療法を受けていただいて、かつ、化学療法の途中からハーセプチンを1年間使用するべきと考えます。また、放射線療法は局所の再発予防ですが、先程、書きましたようにリンパ節転移があと数個あれば、腋窩や鎖骨上リンパ節への照射の適応になります。4個以上であれば、高リスク群に入るので、当然、化学療法が必要です。そういう意味でも、先に郭清が必要に思えます。また、HER2陽性の患者さんは内分泌療法が効きにくいと言われていますが、内分泌感受性がありますので化学療法後に5年間のホルモン療法を受けるべきです。その際は、化学療法の後にその影響で閉経される可能性が高いので、閉経後のホルモン療法を受けられると良いと思います。アロマターゼ阻害剤を5年間です。(文責 緒方)

 

No.9143】  09年09月09日  C.T.
検査について

1) 乳癌温存手術後の病理で癌が胸筋まで0.1ミリとのことでした。放射線治療をしましたが、電子線はしていません。一年たっています。胸筋に細胞診とかの検査で癌が残っていないか調べることができると聞きましたができますか? 病院によってできる所とできない所がありますか?
2) (1)の質問について、細胞診の他に検査の方法はありますか?
3) (1)の質問について断端陽性だということだと思いますが、放射線治療だけで大丈夫なんでしょうか?
4) (1)の質問について、これからどうしたらいいと思われますか?
5) 「病理結果で皮膚側切離面まで0.1mm、浸潤性要素#3 」とはどういう意味ですか? 癌が残っているんでしょうか? 放射線があたっているから大丈夫ですか? 何か対処できるでしょうか?

よろしくお願いいたします。

胸筋側の断端は明らかな露出がなければ断端陰性と判断します。基本的には放射線治療で経過観察ということで宜しいのではないでしょうか。局所再発の有無については、マンモグラフィ、超音波検査、MRIなどの画像検査で再発を疑う場合には細胞診や組織診で診断します。どこの病院でも検査可能ではないでしょうか。病理検査結果の詳細については主治医に確認して下さい。(文責 浜口)

 

No.9142】  09年09月09日  ドレミ
女性ホルモンについて

女性ホルモンについて教えてください。平成21年7月より、ノルバディックスとゾラテックスにて治療を受けています(ER60%、PgH80%)。
1) エストロゲンが減少して肌のハリ、ツヤが無くなったり、しみ、しわが増えたりしますか?
2) 女性らしさが無くなってしまいますか?
3) 女性ホルモンを増やすと再発リスクが上がるように思うのですが、女性ホルモンを増やすのには、趣味、興味を持つこと、恋愛、感動すること、フェンネルなどの匂いを嗅ぐことと本に書いてありましたが、ホルモン治療を受けていると、このようなことは、セーブしないといけないですか?
4) 人を好きになったり、感動したりしてドキドキすると再発のリスクがあがるのですか? 怖くて恋愛を躊躇してしまいます。
 
このようなことを質問してすみません。再発リスクと女性ホルモンの関係がわからないので、先生からのご回答楽しみにしています。どうかよろしくお願いします。

女性ホルモンを抑えることにより乳癌の再発率を下げることができますが、一方で女性ホルモンの低下により更年期障害のような様々な症状が出るのも事実です。恋愛や感動することが女性ホルモンを増やすという明らかな根拠があるかどうかはわかりませんが、例えば妊娠することが必ずしも乳癌の再発を増やすわけではないことを考慮すると、恋愛などが乳癌の再発を増やすとは考えにくいと思います。再発予防のための治療はしっかりとやっているのですから、安心して日々の生活を楽しんで頂きたいと思います。(文責 浜口)

 

No.9141】  09年09月09日  Keiji
温存術後の治療法について

妻が浸潤性乳管癌・リンパ転移有と診断され、半年間の抗がん剤治療を行った結果、癌の大きさが約半分になり、5月14日に温存手術を受けました。その結果、断端面に癌が残っていました。追加切除せずに放射線治療及びホルモン療法(フェマーラ)を6月11日から開始しました。担当医師から放射線治療とホルモン療法で十分で、追加切除の必要なし、と言われていますが、不安でしかたありません。

組織診検査の結果

診断名:Diag :Invasive ductal carcinoma
1.断端:左側断端面にDCIS
2.合併病変:Atypical ductal hyperplasia. DCIS
3.Extensive intradutal component
4.DCIS の組織型:Solid pettern, cribriform pattern. Invasive な部ではpapillotubular carcinoma.
5.乳管内進展なし
6.Tumor size:11x5x10mm. f, llly3, v2. Tumor は中心部がinvasiveで周囲にDCISとともに、リンパ管侵襲像が広がっています。
7.N-SAS grade 2: Nuclear atypia, score 3+Mitortic count, score 1(0-1/10HPF)
 Modiffied Bloom-Richardson histologic grading, Grade II :Tubular formation,score 2+Nuflear size. Score 3+Mitotic count score 1
8.免疫染色:ER+;Positive for ER in the nuclei of almost all invasive carcinoma.

PgR-;Negative for PgR.
HER2, score 2;Positive, moderately, for HER2 in the cytoplasmic membrane of almost all invasive carcinoma cells.

以上  よろしくお願いします。

乳房温存術後の局所再発率は放射線治療後で2-14%と報告されています。たしかに、断端陽性の場合には局所再発率がやや高くなることがわかっていますが、局所再発が生存率に与える影響は低いこと、追加切除をしても局所再発のリスクをゼロにはできないことを考えると、放射線治療及び、ホルモン療法は標準的な治療と考えて宜しいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.9140】  09年09月09日  R,I,
手術後の追加治療について

7月上旬に左胸の乳がん温存手術を受けました。病理検査の結果、しこりの大きさ 1.5×1.0p、リンパ節転移なし、細胞の悪性度グレード 3、ホルモン依存性 陰性、Her2 陰性、また、乳房を3×10pほど摘出しましたが、しこりの場所以外にがん細胞はなかったそうです。主治医の先生によると、手術で取りきれているので追加治療は必要なく、放射線、化学療法、ホルモン療法など一切受けていません。むやみに放射線によるダメージを与えるべきではないとこのこと。ただ、温存の場合は放射線治療の併用が一般的なようですし、悪性度が3というのも気になり、セカンドオピニオンをとるべきか迷いながら2ヶ月が経とうとしています。早期乳がんの温存手術で、放射線治療をしないケースは稀なのでしょうか? 悪性度3だと、小さなガンで完全に取りきれた場合でも再発のリスクは高くなりますか? 私は現在39歳、5歳の子供がおり、授乳経験もあります。どうぞよろしくお願いいたします。

早期乳癌の乳房温存手術後に放射線治療を加えることにより、局所再発のリスクは70%減少することが分かっており、放射線治療による合併症を考慮しても、メリットが上回っており推奨される治療と考えます。詳細な断端の検索により照射が必要ない症例もあるという報告もありますが、現時点では照射を行う方が一般的と考えます。また、早期乳癌でも浸潤癌で1.5cm、悪性度3、ホルモン感受性(-)、HER2(-)であれば、化学療法もひとつの治療オプションになります。再発リスクを予測するAdjuvant onlineによれば、10年間の再発リスクは27%で・u桙り、化学療法によりリスクは約半分になることになります。Adjuvant onlineは欧米のdataを基にしていますので、そのまま日本の臨床に当てはまるとは言えませんが、化学療法のメリットはゼロではありません。術後再発予防の補助療法は何が正解ということはなく、いくつかの選択肢があり、それぞれのメリット、デメリットを天秤にかけ、最終的には患者さんが自分に合った治療を選択するというのが理想です。もう一度主治医と相談してみて、もやもやとした気持ちが晴れなければ、セカンドオピニオンを希望されたらいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.9139-1】  09年09月05日  joon 
骨転移について

3年前に左乳癌の全摘手術を受けました。進行度はステージ3bでした。癌が胸骨を巻き込んで腫瘍系は5cm、浸潤性小葉癌と診断され、皮膚移植も受けました。病理結果はグレード1、ホルモン受容体はプラス、HER2はマイナスと聞いてます。腋かリンパ節と胸骨傍リンパ節13個を切除しました。転移は1個だけでした。
標準的治療ではなく、5FUをウィークリーで6か月、エンドキサンを1年間、どちらもポートから点滴していました。約1年前に肋骨に転移。骨シンチの画像と、痛みとしこりのある場所が一緒ということで、ほかの検査は受けずにすぐ骨転移と診断され、それ以来4週に1度ゾメタを点滴しています。抗ホルモン剤はノルバテックス、ヒスロン、アロマシン、フェマーラ、フェアストンと試しましたが、どれも副作用が強く、仕事ができなくなりそうだったため、今は何も飲んでいません。
痛みを止めるための治療のみでMSコンチンを1日50mg、それでもだんだん効きが悪くなってきているので、レスキューでオキノームを1日3包位は飲んでいます。
モルヒネを飲まないとどうなるんだろうと試してみたのですが、痛みでどうにもこうにもならなくなりました。やっぱり骨転移なんでしょうか? いつも同じところが痛んで、最近は痛みが広がってきているような気がします。左脇も最近はとても痛く、しこりのようなものに触れます。何としても仕事をつづけたいので、つらい治療はあまり受けたくありません。
もし無治療にしてしまった場合、これから先どのようなことが起こってくるのでしょうか?

画像などを拝見したわけでないので、はっきりとしたことは申し上げられませんが、骨転移と考えられます。骨転移だけであればすぐに命にかかわることは少ないですが、無治療であれば病状は徐々に進行することが予想され、骨折などを起すと生活の質は低下します。ホルモン療法や化学療法などでも治癒はなかなか望めませんが、元気でいられる期間を長く保つことが期待され、トータルで考えると続けたい仕事を頑張るためにも疼痛緩和の治療と平行して、がんに対する治療を行うという選択もあると思います。主治医ともう一度よく相談してみてはいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.9139-2】  09年10月05日  joon 
アリミデックスの服用について

先日骨転移のことで相談をさせていただいた、HPNo.9139のJOONです。さっそくご指導いただいたとおり、主治医と相談をいたしました。結果、アリミデックスを服用することになりました。いま2週間目くらいになりますが、フェマーラやフェアストンを飲んでいた時と同じように副作用が出てきました。一番つらいのが関節の痛みです。手首、足首、膝、足の指まで関節が痛くて、かなりつらいです。手は朝からむくんだ状態です。これは1日のうちにだんだん良くなるのですが、関節の痛みは、動くたびに痛くて、特に足は階段の上がり降りにも支障が出るくらい痛みます。朝から夜まで、よくなるということはありません。薬を飲んでいると、だんだんひどくなるような感じです。もう抗ホルモン剤はほぼ飲みつくしていて、これが最後の薬といわれています。骨転移の痛みは、仕事を続けるために、日中はMSコンチンを20mgで頑張っていますが、すでに効かなくなっていて、レスキューのオキノームを飲んで痛みを抑えている状態です。夜は30mgですが、それでも痛みで目が覚めるので、これもレスキューでしのいでいます。これ以上転移している病巣が広がらないように何かをしなければいけないのは分かっていますが、だんだん強くなる副作用を抑えることはできないものでしょうか? それとも、ほかに何か進行しないためにできる治療はありますか? どうかご指導のほど、よろしくお願いいたします。

関節痛なのか転移の痛みなのかの見極めも重要で、効果か副作用かで治療方針は変わります。骨転移治療薬にはゾメタという薬もありますし、ホルモン剤には他にアロマシンというのもあります。骨転移の痛みには、麻薬よりNSAIDという一般的な腰痛などの治療薬も効く事があり、併用をお勧めします。(文責 石山)

 

No.9138】  09年09月05日  Y 
化学療法(FEC)の回数について

乳がん術後で、化学療法(FEC)3クール目が終了したところです。「腫瘍は4個(すべて2cm以下)。リンパ節転移(−)。グレード2。脈管浸潤1。HER2(−)。ホルモン依存性(+)。年齢30歳。」という結果で、中リスクとなり、化学療法を6クールの予定で始めました。ところが、新しいガイドラインで年齢を考慮しなくても良いということになったということ、ホルモン依存性があるということで、4クール、もしくは更なる検査結果によっては、今回の3クールで終了ということになりました。化学療法は最低4クールはしないと効果がないという情報を得たことがありますが、頑張ってもう1クールしたほうが効果的なのでしょうか?今、化学療法を終了したら、これまでの3回は無駄になってしまうのでしょうか?副作用との兼ね合いもあり難しいとは思いますが、アドバイスをお願いいたします。

化学療法を予定より少ない回数で終了した場合に効果がどれくらい減るのか、まったく無駄になってしまうのかは不明です。あくまでも個人的な意見ですが、ガイドラインや推奨治療が変わったとしても、化学療法の効果が変わるわけではありませんので、副作用で続行困難というのであれば別ですが、予定の治療を最後までやるか、少なくとも4回は施行することをお勧めします。(文責 浜口)

 

No.9137-1】  09年09月05日  M 
CA15-3

7月21日に乳房温存手術+SLNB陰性を受けました。心配なことがあり、お伺いします。術前の血液検査でCA15-3が基準値からはずれているということで、子宮ガン、卵巣も見ていただき、異常はなかったのですが、今日9月3日に再び血液検査をしたところ、CA15-3が基準値からはずれているとのことです、現在、術後の放射線治療25回を受けているのですが、それが終わったあと、婦人科系のMRIの検査を受ける予定になっています。これはまだ、体のどこかに癌細胞が残っているのでしょうか、心配でメールしました、よろしくお願いします。

CA15-3などの腫瘍マーカーに限らず検査データの正常値は一般的に健康な人の95%が入る値に設定されており、5%の人は健康でも異常値となる可能性があり、腫瘍マーカーが異常=癌細胞があるということにはなりません。また、乳癌が原因でCA15-3が高値になっていたのであれば、手術で確実に癌細胞は取り除かれて減っているはずですので、下がらないということは乳癌と関係ないのかも知れません。婦人科系の画像検査や、必要であればPET検査で全身検査を行うことは有用かも知れません。それでも異常がないようであれば、CA15-3を定期的にfollow upしていき、右肩上がりで上昇しないのであれば、異常値であっても経過をみてよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.9137-2】  09年10月02日  M 
薬剤の変更について

HPNo.9137で、腫瘍マーカーCA15-3のことでお伺いしたものです。その後、婦人科系のMRIを撮り、幸い異常はなかったのですが、今日10月1日、血液検査の結果、まだCA15-3が29.9の高めで、主治医の先生が、「ホルモン剤(フェマーラ錠2,5mg)を変えてみましょうか?」と言われました。他の薬に変えての副作用が心配だったので、そのままフェマーラでいくことになったのですが、この場合、薬を変えてマーカーの様子を見たほうが良かったのでしょうか。「7月21日乳房温存術+SLNB陰性(1/0)、f Iy0 v0 NG1 断端陰性、T1 N0 M0 stage1、ER8+ PgR8+ HER2 1+ Ki67 10% 、アルファロール フェマーラ ベネット 服用中」です。

さらに上昇すれば考慮すべきと思います。(文責 石山)

 

No.9136】  09年09月05日   T.K
皮下乳腺全摘手術後の二次再建について

43歳 女性です。8月に非浸潤性乳がんと診断され、現在大学病院で診断中です。先日のMRIの結果、4cm程度の広範囲の為に全摘対象になると言われましたが、この大学病院では同時再建は行なっていない為に、全摘後別途で進めてくださいと言われました。そこで皮下乳腺全摘を行った上で、他病院で二次再建としてインプラントを検討しています。皮下乳腺全摘の場合には同時再建が基本と聞きましたが、二次再建は可能なのでしょうか。また同時再建を行なっていただける病院があれば、あわせて教えていただけないでしょうか。宜しくお願い致します。

皮下乳腺全摘後の再建は筋脂肪弁を用いた同時再建や、組織拡張器という水の入ったバッグを挿入しておいて、十分にスペースを拡張した後にインプラントに入れ替える方法などが行われており、また、二期的な再建も可能です。現在では乳房再建も保険適応となっておりますので、前回もお答えしたとおり多くの病院で対応可能と思いますので、各病院の最新の対応状況につきましては各病院に問い合わせてみて下さい。(文責 浜口)

 

No.9135】  09年09月03日   M
温存術後の治療について

8・17に乳がん温存手術をし、その2日後から、リンパ液が溜まってだんだん痛み、腫れだし、いっこうによくなりません。8・31に液をぬいてもらいましたが、日増しに痛みが強くなっています。背中も、手術前から少し痛みがあります。腫瘍3.7cm、検査上は転移なし、ホルモン感受性・HER2陰性という結果のため、一ヶ月放射線治療のあと、抗がん剤治療をして、次にホルモン剤治療になるだろうといわれました。
1) 一般的な治療はどういったものですか。
2) 胸・背中の痛みは、見えない転移の可能性があったりするのでしょうか。
3) 抗がん剤はしなければなりませんか? 
4) ホルモン剤だけと、抗がん剤+ホルモン剤とでは、再発率・生存率は、どれくらい違いますか?

体が強いほうではなく、60歳を過ぎているので、抗がん剤は副作用が心配です。どうかアドバイスをお願いします。

1) 一般的治療はやはり、局所再発抑制のための放射線療法と転移・再発予防のための全身療法(ホルモン療法、化学療法)の組み合わせになると考えます。
2) 転移の可能性は低いのではないでしょうか。
3) ホルモン感受性(ホルモン療法が効く)ですので、化学療法を施行せずに、ホルモン療法のみで治療するという選択もあると考えます。
4) 乳癌のリスク予測因子から再発率、生存率を予測するNew Adjuvant Onlineによれば、60歳で計算すると、ホルモン療法のみ、ホルモン+強力な化学療法の場合の10年無再発生存率(再発せずに生存している率・u・SPAN lang=EN-US>)はそれぞれ61%、71%で、10年生存率(再発も含めて10年目に生存している率)は、73%、78%です。あくまでも目安ですが、再発率で10%、生存率で数%の違いと副作用を考えて、どうするうか決めればよいと思います。(文責 浜口)

 

No.9134】  09年09月03日   T.K.
右乳房の痛みと違和感

28歳女です。痩せ型で、161センチで体重44キロくらいです。生理はきわめて周期的、持病等ありません。以前(3年ほど前)より、左胸下部に線維腺腫がありますが、線維腺腫は自己検診で気づき、年に1回の経過観察をしてもらっています。しかしながら、それとは別に、最近、右胸外側の張る様な痛みが気になっております。生理前とは関係なく、生理が終わって1週間経つ今でも全く症状が消えません。具体的な症状としては、パンパンに張ったような時もあれば、ゴリゴリ押されたような痛みのときもあります。脈打ちのタイミングでジンジンする時もあります。具体的な患部がはっきりしないですが、押さえると不快感のある痛みがあるときもあります。痛くて自己流でマッサージのようなことをしていたら、内出血のように青タンが出来てしまいました。触って見ても、いわゆる丸いしこりのようなものは見当たらないのですが、乳房の中心から脇にかけて7〜8センチの筋状のゴリゴリしたものは感じます。左にもそのような筋状のしこりはあるのですが、右よりは目立たないです。左のほうが胸のサイズが2サイズほど大きいので、感触も異なり、比較が難しいためかもしれません。痩せているので、普通に鏡の前に立って見ただけでも、肋骨が浮き出ている状態です。細かく乳房を観察したところ、右は左に比べ上部の肉が顕著に貧弱で、横から見ると上部はえぐれているいる位です。(お椀のようにふっくらしていないという意味です。)
当方、バレエを習っており、先日のレッスンで、右脇のストレッチをしたときに、ピキッとした痛みが走り、数分間痛みました。なにか関係あるのでしょうか?
前回の検診の時には、「しこりの大きさは少し大きくなったくらいで問題ないですね。右胸が張ってるね〜痛くないの?」と言われたのは覚えています。そのときは自覚症状はあまり感じなかったのですが、その頃から存在していたしこりかと思うと心配で・・・。そのときに張っている理由など聞けばよかったのですが、まったく思いつかなかったです。長くなりましたが、御返事頂けますと幸いです。よろしくお願いいたします。

多くの症状は乳腺症の症状と考えてもよいと思われ、定期的に診察して頂き問題ないのであればあまり心配はないのではないでしょうか。心配であれば主治医に相談してみてはいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.9133】  09年09月03日   C.Y
非浸潤乳がんでの手術方法

43歳、女性です。非浸潤性乳がんでの診断及び手術についてご相談があり、メールさせて頂きました。先日、乳腺専門検査センターでマンモグラフィー・超音波・生検の結果、1cm程度の非浸潤性乳がんと診断を受け、紹介された大学病院で検査を受けました。MRI検査の結果、4cm程度の広がりがあるので乳房全摘出の可能性が高いと言われ、同時再建もその病院ではできないとわれました。検査センターでは1cmと言われたのが、MRIで4cmということはあるのでしょうか、また非浸潤で仮に浸潤があっても少ないはずとの診断でしたが、検査センターでの診断の正確性はどの程度と考えれば良いのでしょうか。このような症例では、全摘出以外の選択肢は無いのでしょうか。仮に全摘の場合でも、皮下乳腺全摘の対象にはならないのでしょうか。皮下乳腺全摘出は行っていないようなのですが、対象になる可能性があれば、行っている病院名を教えていただけないでしょうか。宜しくお願い申し上げます。

非浸潤癌は、癌が乳管内に収まった浸潤傾向のないおとなしい乳癌で、マンモグラフィ検診の普及に伴い石灰化などで多く見つかるようになってきています。非浸潤癌は、浸潤はしないものの、乳管の中には広く拡がっている症例も多く、その広がりを診断するにはMRIが有用であり、マンモグラフィや超音波で1cm程度と思われた非浸潤癌がMRIで4cmの広がりをもつということがわかることは決して珍しいことではありません。非浸潤癌は局所を取り残さずに切除しきれば治癒する可能性が非常に高いので、広範な非浸潤癌であれば乳房全摘は確実な方法ですが、乳頭側に癌の進展が疑われれば、皮下乳腺全摘は困難ですが、進展がなければ可能と考えます。病院選びの本に載っている乳癌手術症例の多い病院であれば大体可能と思われます。(文責 浜口)

 

No.9132】  09年09月03日   M
術前の抗がん剤治療中です

現在、術前の抗がん剤治療中です。42歳、浸潤乳がん、ステージU、しこり2cm、リンパ節転移疑いあります。3週間ごとにタキソテール投与、3回目、終了しました。1回目の抗がん剤治療から2週間後、PET-CT検査により、がん細胞の数値が10から5に減少しました。術前6ヶ月抗がん剤治療を行う予定でしたが、今すぐに手術を希望しています。先生に相談したところ、4回終了後の手術をすすめられました。3回と4回では、今後の再発のリスクの差は大きいですか。 

術前にしても術後にしても化学療法は決められた治療計画に基づいて治療するのが基本であり、副作用が強い場合や治療効果がなく、腫瘍が大きくなった場合には途中で中止することがありますが、効果があるのであれば、よほどの事情がない限りは続行することをお勧め致します。4回を3回に減らしてよいというデータはないと考えます。(文責 浜口)

 

No.9131】  09年09月03日   M.U
サプリメントについて

6月に乳房温存手術をして、放射線治療後、先週から月1回のゾラテックスの注射と毎朝タスオミンを飲み始めました。以前から、朝食後、カルシウムとビタミンCのサプリメントを飲んでいます。タスオミンとこのサプリメントを一緒に飲んでも、いいのでしょうか? 場違いな質問でしたら、申し訳ございません。よろしくお願い致します。

よいと思います。ですが、どんなものでも思いもよらない相互作用(飲み合わせによる副作用)がおこることはあるので、主治医に申告して、OKをもらうようにして下さい。(文責 浜口)

 

No.9130】  09年09月03日   T.O.
再発か転移か不安です

母70歳のことでご相談です。左乳房全摘(脇下リンパ転移ありました)し、抗がん剤→放射線→現在ホルモン療法中です。術後4年目に入ります。前々回の検査で、鎖骨あたりに石灰化があると言われました。その際に、主治医に鎖骨あたりが少し痛むと伝えてました。今回の検査で、特に前回と変わりはなく、異常は見られないとのことでしたが、念のためということで、細胞をとって調べましょうということになりました。その検査は来年2月です。再発か転移の恐れはあるのでしょうか? 鎖骨部分に特にしこりなどはありません。

ちょっと状況がはっきりわかりませんので参考になるかわかりませんが、すでに細胞をとって調べた結果を聞くのが来年の2月ということでしょうか? 主治医も再発を疑っていれば、もう少し早く結果をチェックすると思いますが・・・。心配であれば、2月まで待たずに、もう一度話を聞きに行かれたらいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.9129】  09年09月03日   N
ゾラデックスの副作用でしょうか?

いつも大変勉強させて頂いております。 またいつもご丁寧なご回答に感謝申し上げます。
昨年11月に左胸温存手術をしました。 センチネルリンパ節生検の結果、転移なしでした。 乳頭腺管癌(半分は粘液癌) 腫瘍径:1cm以下、ステージT、 リンパ節転移なし(センチネル)、ER:+80%、PgR:+60%、HER2:-、 異型度:3、脈管浸潤なし、年齢33歳、 現在ホルモン治療中(ゾラデックス)、抗がん剤はなし 。
ゾラデックスを始めて約9ヶ月になりますが、これまで特に目だった副作用はありませんでしたが、一週間前より急に背中に痛みを感じる様になりました。 場所は背中の真ん中より少し左上あたりで、背骨というよりは筋肉の痛みの様な感じです。 押しても特に痛みはなく、触っても、見た目も何もありません。 呼吸する度にズキズキと痛む様な感覚ですが、何とも伝えづらく申し訳ございません。体勢によっては痛まない時もありますが、基本的にはずっと痛みます。
1) 以前のご回答でホルモン療法の副作用で背中の痛みもあると拝見しましたが 、 この様な私の症状も副作用によるものでしょうか?
2) 副作用であった場合、どの様な処置をすれば宜しいでしょうか?
3) 骨もしくは肺への転移という可能性もありますでしょうか?

以上、宜しくお願い申し上げます。

ゾラデックスの副作用としては、投与により閉経後のホルモン状態になることによる更年期障害が主なもので、それに伴ってか骨痛や関節痛も5%以下で起こると言われています。今回の背部痛が副作用である可能性はもちろん否定はできませんが、副作用だとした場合の対処としては、副作用が作用(再発予防効果)を上回ると考えれば投薬を中止しますし、そうでなければ続行して、必要であれば鎮痛剤などの対症療法を考慮します。進行度から考えると、転移のリスクは低いと考えますが、症状が増悪するようであれば、主治医に相談して検査をしてみたらいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.9128】  09年09月01日   Y.A.
温存後の再手術か放射線かについて

温存術後断端陽性で治療法に迷い、アドバイスいただきたくメールさせていただきます。
44歳独身、出産経験なし。7月中旬に左胸乳がんで左下扇状切除で温存手術を受けました。センチネルリンパ生検の際に微小なものが隣にあったということで、リンパステージI のカクセイを行いました。ステージIIb 2センチ未満の癌でしたが、石灰化が広がっており、6cmX8cm程切除しました。形を整えるために脇の脂肪を若干移動していただけて、なんとか形はとどめています。先週病理結果が出て、硬癌、ER+、PgR+、HER2 1+、脈管侵襲なし、核異型度2、リンパ節への転移 微小なものが1。断端陽性で、石灰化が少し残ってしまっているので、全摘の再手術か放射線のみで終えるか、今週中に選択するように言われています。ホルモン治療はもう来週から先行して開始します。(飲み薬と4Wごとの注射です。) 断端陰性だった場合に念のため温存手術のセットで行うのが放射線治療と思っていたので、放射線治療を受けるのは、かまいません。そしてあまり再発リスクが変わらないのであれば、このまま胸を温存したいと思っています。しかし断端陽性の場合にも放射線のみということはケース的にありで、取り残した癌を消すことは可能なものなのでしょうか? もしも全摘ならば再建しようと思っていますが、放射線治療を受けると、もしもその後全摘ということになった場合に再建は可能なのでしょうか? 
最初から全摘再建された方のケースが多く、全摘した経験者の方に相談できる内容でもないので、どうぞよろしくお願いいたします。

断端陽性が乳管内の癌で陽性の場合、放射線治療をすると、残存乳腺の再発率は、状況にもよりますが、30%程度です。100%再発するわけではありません。断端陽性が浸潤癌の場合は、再手術すべきです。放射線治療後でも再建は可能です。(文責 徳田)

 

No.9127】  09年09月01日   E.M.
集簇性石灰化について

集簇性石灰化についてお聞かせください。健診で3年ほど前から良性石灰化の結果がでていました。毎年、マンモグラフィーを受けていましたが、7月末の健診結果が集簇性石灰化となり要精密検査でした。良性石灰化から集簇性石灰化に変化することは、よくあることなのでしょうか? 良性石灰化は癌にはならないと聞いていたので、集簇性石灰化の結果にショックを受けています。また集簇性石灰化とは、どの様な状態をいうのでしょうか?

集簇性石灰化とは、微細な石灰化が小範囲に集まっている状況で、良悪の鑑別を要する状態です。(文責 徳田)

 

No.9126】  09年09月01日   T 
乳房のごつごつについて

妊娠経験のない39歳女性です。先日初めて人間ドックを受けに行ったところ、待合室に(乳癌自己検診の練習用の)乳房の模型が置いてありました。触ると、乳房全体は柔らかく弾力があり、中に硬い丸いシコリがありました。丁度こんにゃくの中にパチンコ玉が入っているような感触でした。でも私の乳房の感触は、模型とは全然違います。私の乳房は、全体にごつごつ・でこぼこした硬いものが入っている感じです。それが生理前には大きくなり少し痛み、生理が終わると元に戻ります。若い時からずっとそうなので、そのごつごつした中身そのものが乳腺だと思っていたのですが、これは異常なのでしょうか。案の定?というか、触診で、左乳房の外側上部に「硬結」ありと指摘され、マンモグラフィを薦められています。「硬結」とは、「しこり」とは違うのでしょうか。私が普段感じているごつごつが「硬結」なら、それは外側上部だけでなく全体に、また右乳房にも同じようにあります。今回指摘されたのは左だけですが、マンモグラフィは左右両方を受けるべきですか。なお、初潮が11歳すぐと早く、父方の祖母とおばも乳癌でしたので、ハイリスク群であることは認識しています。よろしくお願いいたします。

乳腺自体が、全体的に硬い状態で、閉経前の女性によく見られる状態と考えます。硬結としこりは、ほぼ同じと考えてください。マンモグラフィ検査は、原則として左右撮影します。(文責 徳田)

 

No.9125】  09年09月01日   Y
乳がんの可能性

21歳男です。1ヶ月ほど前から左乳首の下あたりにしこりができていました。中学生ぐらいのときにも同じようなことがありましたが、そのときは、しこりに少しでも触れると痛みがかなりありましたが、今回の場合はそこまで痛みがなく、たまにうつ伏せになると、すこし傷みがあるぐらいです。自分で調べてみたところ、女性化乳房症の症状かもしれないということなのですが、極まれに男性乳がんの可能性もあるということなので心配です。また乳がんの特徴として、脇の下のリンパ節に触れるとしこりのようなものがあるということらしいのですが、左脇すこし下に、触ってみると、しこりというよりリンパ節が少し腫れている状態です。男性乳がんの可能性は高いでしょうか? また、もし病院で診察してもらった場合、乳がんの検査もすると思いますが、費用はどれくらいなのでしょうか?

年齢的に、男性乳癌の可能性は、低いと思います。女性化乳房が最も考えられると思います。検査は、状態によりさまざまで、費用の算定はむずかしいですが、すべて保険の適応です。(文責 徳田)

 

No.9124】  09年09月01日   M
LH-RHアゴニストについて

私の妻は、現在49歳で、2年前の8月に手術し、20mm、14mm、12mmの3つの浸潤癌がありました。術中迅速診断で断端陽性だったため、追加切除を2回行いました。ホルモン受容体は、ともに陽性(どれほどのパーセントかは不明)で、HER2陰性、グレード1、リンパ節転移なし、脈管浸襲なし、リンパ管浸襲なしでした。タモキシフェンを飲むと妊娠できなくなるため、術後1年間は全く薬を飲まず、昨年の7月からタモキシフェンを飲み始めました。飲み始めて3ヵ月後に3ヶ月ほど生理が止まりましたが、その後生理がまた始まりました。そのため、主治医の先生に、「生理が止まらないということは、タモキシフェンがあまり効いていないということか」と尋ねると、「タモキシフェンによって閉経になる人とそうで無い人とでは、確かに予後に差がある。完全に生理を止めるならLH−RHアゴニストがあるが、あなたの奥さんの場合は、それを是非にと薦めるほどの差は無い。」とのことでした。私としては、少しでも効果が上がるのであれば、LH−RHアゴニストを打つべきだと思うのですが、主治医から頂いたLH−RHアゴニストのパンフレットを見ると、副作用が90%以上だったため、家内は、LH−RHアゴニストを嫌がっています。うちの家内のケースの場合、どれほど効果が上がるのか、また、薬の副作用で、あまり取るに足らない副作用を除くと、どれほどの確率で副作用があるのかを教えていただければと思います。また、LH−RHアゴニストを使用した方が望ましいのか、どうなのかのアドバイスも頂ければと思います。

副作用については、患者さんにより発現の程度や感じ方が異なるので、確率を議論するのは意味がないと思います。むしろ、使ってみて、副作用がひどければやめるという方法が良いと思います。ただし、術後2年たってから開始しての効果については根拠はありません。(文責 徳田)

 

No.9123】  09年08月30日   S 
乳がん検診の結果

44歳の主婦です。先日初めて乳がん検診を受けました。結果は左胸に微小石灰化が点在しており、6ヵ月後にマンモの再検査です。それほど深刻ではないようですが、なんでもないと思っていたのに、聞いた事のない石灰化と言われ、少し不安です。これがガンである事も考えられるのですか?

石灰化の所見によりますが、早期のがんの場合もあります。(文責 徳田)

 

No.9122】  09年08月30日   S.Y. 
局所再発の疑い

今年5月に浸潤性小葉癌で左乳房皮下乳腺全摘をしました。組織診断結果、「pT1c  核・WHOグレード共に1 ER PgR90−100% 」です。術後治療ゾラ月一注射とタスオミンを内服中です。3カ月検査のエコーで、手術跡すぐ横に局所再発の疑いがでました。2個のシコリがあり7、月に気がつき、今現在はシコリの部分が赤くなっています。手術痕が肥厚性瘢痕で赤く盛り上がって痛みがあります。主治医は、形成外科の先生と相談させて欲しいとの事でした。再度手術し、同時に再建も考慮してはどうかとお話してくださいました。再発時には遠隔転移も濃厚と本に記されておりました。再発があまりに早く、今後の予後も心配です。どの様な治療方法が考えられますか?

まず、再発なのかどうか、組織診を行うことです。再発であれば、局所再発かどうか、遠隔臓器に転移がないかどうか調べます。局所のみであれば、病巣周囲の皮膚を含めた広範囲切除+放射線照射。術後早期の局所再発は、全身再発の一部であることも多く、再発病巣がホルモン感受性であれば、ホルモン療法の変更もします。たとえばゾラ+アロマターゼ阻害剤などを考えます。(文責 徳田)

 

No.9121-1】  09年08月30日   M.O.
検査結果について

ご相談にのっていただきたくメールいたしました。40歳、子供が3人います。乳がん検診の初めてのマンモグラフィで“右FAD”で要精検となりました。乳腺外科のある総合病院で再びマンモ・エコー・視触診を受けたところ、エコー・視触診異常なし。マンモでは横からの画像だと白く濃く写っているところが(乳腺が密集している?)腫瘤のように見えるが、上からの画像ではその部分が確認されない、とのことでした。MRI検査を勧められましたが、予約が1ヶ月も先なので不安です。MRIを受ければ、異常の有無、位置などはっきりするのでしょうか?

乳腺のMRI検査は、マンモグラフィ検査より癌の発見率が高いとされています。しかし、超音波でFADに関連する所見がないのであれば、必要ないように思います。(文責 徳田)

 

No.9121-2】  09年10月06日   M.O.
構築の乱れについて 

HPNo.9121で質問させていただいたものです。視触診、異常なし。マンモでFAD要精密検査となりました。再検査でエコーは異常なしだったのですが、先生がマンモの画像が気になるとのことで、MRIを勧められました。どうやら“構築の乱れ”疑いのようなのですが(乳腺が折れ曲がっているように見えるところがありました)、構築の乱れは、エコーで異常として出てこないものなのでしょうか? 10年ほど前の授乳時、そのあたりが乳腺炎でパンパンに腫れたことがあるのですが、なにか影響は考えられますか?

炎症による瘢痕が構築の乱れとなることが多いので、おそらく乳腺炎のあとの可能性が高いと思われます。癌との鑑別にはMRIが適していると思われますので、受けられたほうが良いと思います。 (文責 石山)

 

No.9120】  09年08月30日   S.O.
ST-439の数値に関して

いつも貴重な情報をたくさん頂き、心より感謝しております。本日はご意見を伺いたくメールを送らせていただく次第です。45歳、未婚、右側・非浸潤乳管癌、温存手術後3年が経過、現在ノルバデックス単独にて治療中です。健側にマンモトーム検査後、良性と診断された腺腫があり、エコーにて経過観察中でもあります。先日の定期検査の結果、CEA、CA15-3のマーカーは基準値内でしたが、ST-439が上昇しており、基準値の約3倍の数値(16)を示しました。基準値を越えたのははじめてです。インターネットで調べましたところ、このマーカーは偽陽性率がかなり低いと記載されていましたので不安に思っております。他の血液の検査項目ではGOTとGPT値が基準値を越え、毎回 健康診断でも再検査対象になっております。上記のような検査結果の場合、良性と診断された腺腫が悪性化したことを示唆している可能性はありますか? もしくは、術側は非浸潤だったため(放射線治療済み)、転移、再発の可能性は低いと思いますので、数値が高い肝臓をはじめ、他の消化器系の癌を疑う方が妥当でしょうか? 腫瘍マーカーの[基準値越え]と[異常値越え]を分ける数値がいくつなのかよくわからないのですが、いずれにせよ陽性であれば、やはり体内のどこに癌細胞が存在していると考え、CTなどでそれを明らかにする事が急務でしょうか? 主治医にご意見を聞くまで数日あるので、それまで落ち着かず、仕事が手につきません。もしよろしければご意見を伺えれば幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

経過から判断するとST-439の異常は、乳腺とは無関係と思います。乳腺以外の異常については判断つきません。心配であれば、肺、消化管や婦人科の癌検診をしておくと安心できると思います。(文責 徳田)

 

No.9119】  09年08月30日   D
化学療法の必要性に(HPNo.9100-2)

HPNo.9100で相談差し上げたものです。再度ご相談させてください。
44歳独身で働いています。浸潤癌一般型と言われ、6月に手術を受けました。病理の結果は、リンパ転移なし、ER+ PgR+ 癌の大きさ2cm×1.8cm 脈管浸襲なし。癌異型度2。HER2が1に近い2ということで再検査し、結果が0でした。乳腺科の先生は、HER2が0とリスクが減ったので、ホルモン治療だけでも十分かもしれないと言って下さったのですが、化学療法科の先生は、リスクを少しでも下げるために抗がん剤のCAF療法を勧めて下さいました。
私の乳癌は、ルミナールAとあり、このタイプは抗がん剤の効果も弱い?と、うかがったような気がします。2009年の学会では、抗がん剤をしない方向にあると知人から聞きました。実際はいかがでしょうか? 病理の結果や、再検査を待って、化学療法を受けるのが術後3か月近くになってしまっても効果は変わらないのでしょうか? 少しだけでもリスクを下げるために、抗がん剤を受けようという気持ちと、独身で働いていて、休職や、欠勤による仕事への影響も気になり、ホルモン治療だけの効果を期待しようという気持ちで揺れてしまいます。化学療法をしないと、リスクはやはり高いでしょうか? 悩んでいます。どうかご教示下さい。

化学療法の追加効果は、10年間で7%程度の再発率の減少です。この効果を副作用や、仕事への影響などのマイナス面と天秤にかけて判断してください。(文責 徳田)

 

No.9118】  09年08月29日   Y 
胸のしこりについて

私は以前からアトピー体質でして、胸にブラがあたるだけで痒くなって掻いていたのですが、きっとそれが原因だと思うのですが、乳腺炎かと思われる症状になっています。ちゃんと測っていないのではっきりしていませんが、直径3センチほどのしこりが乳首辺りにあります。2ヶ月ほど前、同じような病状で自力で膿を搾り出してみたところ、痛みはなくなったのですが、3日前ぐらいから、またしこりが肥大してきて、自然痛や圧痛があります。腫れていて、ほんのり赤くなっています。しかし今回は絞ろうと思っても膿が出てきません。これはなんなのでしょうか? 痛みがあることから、がんではないと思いますが、どうでしょうか? また、乳腺炎を放っておくと命に別状はありますか? 自力で膿を出すことは治療法としてどうでしょう? 長文で申し訳ないのですが、御願いいたします。

乳輪の下に、膿がたまっている可能性があります。癌ではありませんが、外科的に膿を出す必要があるかもしれないので、いずれにせよ、乳腺外科を受診してください。(文責 徳田)

 

No.9117】  09年08月29日   C.T.
リンパ節に転移している可能性

乳がん手術で、断端陽性で、癌が残っている場合、2〜3年で再発するということですが、ぞの場合リンパ節に転移している可能性はどのくらいあるのでしょうか? よろしくお願いいたします。

断端陽性の状況、乳管内の癌なのか、乳管外に浸潤している癌なのかにより違います。また、放射線照射をするかどうかでも異なります。断端の状況と、現時点で、リンパ節転移があるかどうかとは、関係しません。(文責 徳田)

 

No.9116】  09年08月29日   T
転移について

私の母(53才)ですが、一年半ほど前に乳ガンが見つかり、乳房温存法で、先に抗癌剤治療を半年程行い、手術をしましたが、この時にリンパ節転移が4箇所見つかりました。病理では、ステージ3bという診断でした。術後、ホルモン・HER2陽性だったため、放射線療法を開始し、ハーセプチン治療、ホルモン療法と3つの治療を始めたのですが(まだ治療中)、先日撮ったCTで肺に影が見えると言われたそうです。まだ治療も終わってないのに、こんなに早く転移する可能性はあるのでしょうか。術後ちょうど1年になります。お願いいたします。

残念ですが、再発防止の治療中に再発することもあります。まず、転移かどうか確認することが必要です。(文責 徳田)

 

No.9115】  09年08月29日   K 
ハーセプチンはもう出来ないのでしょうか・・・

今後の治療方針について相談させて下さい。
平成19年12月、41歳の時に温存手術を受けました。病理の結果、「浸潤性乳管癌、大きさ18×18×12、リンパ節転移〔リンパ節T29個中4個〕、悪性度2、ER+、PgR+−、HER2 3+、断端−」でした。CEF療法6サイクル終了後、タキソールとハーセプチン併用6サイクル、その後はハーセプチン単独を行う予定でしたが、心機能低下の症状がでてしまい、心エコーが55%、BNPの数値が300まで上がったため、3サイクルで休薬となりました。しばらく様子を見ましょうということで、半年程はゾラデックスだけを続けていました(子供を希望していたため、卵巣保護の目的で化学療法とゾラデックスを併用)
毎月の心エコー、採血の結果なかなか改善せず、現在の心エコーは57%位、BNPは30〜70といったところです。そのため、主治医から、「もう化学療法とハーセプチンは出来ないので、ノルバデックスを開始しましょう。」と言われ、今年4月よりゾラデックスの注射とノルバデックスを服用しています。「心機能が回復すれば内服の抗がん剤を始めましょう。」と言われていますが、ハーセプチンが出来ないとの結果に、とても不安を感じています。
主治医にその旨伝えたところ、「一番良いと思う治療法を行っているのに不安だというのは、信頼してないからだ。」と言われてしまい、それ以上、何も言えなくなってしまいました。素人考えですが、心機能改善の薬を飲んでのハーセプチンなどは、やはり無理なのでしょうか? 採血でのHER2の数値が、ずっと9.7だったのに、12.6に上昇したのも気になります・・・。お手数ではございますが、アドバイスをいただけたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

あくまで再発防止ですので、無理をする必要はないと思います。また、血清HER2の有用性は確立していないので、気にする必要はないと思います。(文責 徳田)

 

No.9114】  09年08月29日   F.T.
術後の治療方法について

以前は確か乳がんの手術方法についての相談をさせて頂いたと思うのですが、今回はその手術が無事終わり術後の治療方法について、アドバイスを頂きたく投稿しました。年齢50才で閉経前です。微小石灰化、非浸潤性乳がんで、乳房温存手術も可能でしたが、皮下乳腺全摘をお願いしました。病理検査結果は、非浸潤がんで、低リスク、センチネルリンパ生検にて転移なし。エストロゲンとプロエストロゲン受容体が陽性でした。術後の体調は良好です。治療方法を無治療でいくか、ホルモン療法でいくかを決断するように言われ、判断できない状態です。皮下乳腺全摘術というのは、胸筋温存乳房切除術と同じような根治手術になるのでしょうか? できれば、生活の質を維持できる局所再発予防と健側の発症予防の治療を求めたいのですが、どうすればよいでしょうか?よろしくお願いいたします。

皮下乳腺全摘術は、乳頭が残っているので、その部分での再発がないわけではありませんが、リスクは、きわめて低いと考えます。したがって、副作用を考えると、対側予防のメリットだけでは、ホルモン療法の適応はないと考えます。(文責 徳田)

 

No.9113】  09年08月27日   Y.M
生理中からある右胸の痛み

31歳独身、10日前から右胸外側上部に、触るとぴりぴりしたような痛みがあります。生理の2日目から胸が張ったような痛みがあり、生理が終わっても痛みが取れません。 3週間前にたまたま乳がん検診を受けましたが、その時は今のような症状が起こったことはなく、触診でもしこりなどの異常は認めませんでした。マンモグラフィも撮りましたが、結果は1ケ月後とのことで現在不安な気持ちで結果を待っています。生理前に胸が張るような痛みがあるのは普通とのことですが、生理が終わっても続く痛みが気になります。ホルモンバランスの影響(今回の生理が1週間ほど早く来たので)かとも考えますが、マンモグラフィの結果が問題なくとも、乳腺外科を受診すべきでしょうか? 検診では、エコー検査をしていないので、受診し検査を受けたほうが良いですか?よろしくお願いします。

年齢やお話から、マンモグラフィでは、乳腺が全体に白っぽくうつる高密度乳房であることが予想されるので、エコー検査を併用したほうがよいと思います。乳腺科を受診してください。(文責 徳田)

 

No.9112】  09年08月27日   O
ホルモン療法の時期について

今月中旬から、術後の治療で放射線治療、ホルモン療法を同時期に開始しました。こちらの過去の放射線の相談の所で、同時開始は好ましくないとの相談を見て不安になりました。このまま続けても大丈夫でしょうか?宜しくお願いします。

ホルモン療法と放射線は同時におこなっても問題ありません.(文責 徳田)

 

No.9111】  09年08月27日   C.H.
検診のマンモで気になる結果が…

先日、会社の健康診断で乳がん検診を行ったのですが、心配な内容が書いてあったのでメール致しました。私は、35歳で既婚者、子供はいません。一昨年の検診で、乳腺症と診断され、それから、乳腺外来に通い始めました。年に一度は検診で、エコーとマンモを行うことを伝えたら、「ではその半年後に病院でエコー検査を行い、検診と併用して年に二回の検査で経過観察をしましょう」と言われ、通っていました。去年の検診では、触診・超音波・マンモ共に異状なしで、病院の検査でも「乳腺症」という所見でした。ところが、今年の8月に行われた検診の結果で、「・触診:両側乳腺症の疑い ・超音波:異状なし ・X線(マンモ):左側腫瘍陰影疑い、左側石灰化」との所見。しかし、判定は、「要経過観察(6ヶ月後)」とのことでした。
触診に関しては、当日に生理が来てもおかしくない状態でしたので、正直、胸は張っていたし、触診のときにも、そのことは伝えてあります。今まで、乳腺症の疑いという所見はあったものの、左側腫瘍陰影疑い、左側石灰化といった結果は初めてす。
1) このまま半年も待っていて大丈夫なのか、がんなのか、心配です。例えば、良性のものも映像には映るもなのでしょうか。
2) 石灰化とは、いったい何なのでしょうか。
3) マンモだけでは、「腫瘍陰影疑い」の「疑い」だけで、断定はできないのでしょうか。その場合、経過観察(半年後)ですが、待っていたも大丈夫なのでしょうか?

よろしくお願いいたします。

すこしでも異常所見があれば精密検査をすすめる検診と乳腺外来での診断とがことなることはあると思いますが、6か月待つより、まず、乳腺外科の主治医に検診の結果を相談すべきです。その際、石灰化にもいろいろあるので、説明してもらってください。(文責 徳田)

 

No.9110】  09年08月27日   H.T. 
ホルモン治療の中断

ホルモン治療の中断について質問します。平成19年10月に、36歳と8ヶ月で左乳がん2cm(硬がん)を温存手術しました。結果、乳管進展部を含めると3.5cm、切除断端5mm以内−、リンパ節転移−、浸潤度 g+ f+ 、娘結節−、静脈侵襲−(リンパ管には少し見られる)、悪性度グレード1、ホルモン受容体ER+  PgR+(>95%)、ハーセプテスト1+ でした。術後治療として、放射線のゾラデックス注射を月1回、ノルバデックス薬を毎日服用し、2年経ったところです。結婚してすぐにガンが見つかり、子供がない為、ここでノルバデックスを終了して子供を持つか、子供を持たず5年間服用するか悩み、決断できません。主治医からは、自分で決断するより他無いとしか意見がありません。そこで以下の質問があります。
1) 途中でやめてしまうのは危険でしょうか?
2) 仮にノルバデックス服用を一時中断し、子供ができても、できなくても、中断からたとえば2年後にまた服用を再開した場合、効果はどのようなものでしょうか?下がってしまうのでしょうか?
3) 質問2のようにノルバデックスの服用を中断した場合、服用再開後の服用年数は残り3年と考えてよろしいのでしょうか?
4) もし再発、転移を繰り返すと長く生きられないでしょうか?

以上いろいろと質問して申し訳ありませんが、ご回答のほど、よろしくお願いいたします。

1)ノルバデックスの2年と5年では,若干再発率が違いますが、あなたの再発リスクから考えると10年で数%以下と考えます。
2)3)途中で数年中断してから再開した場合効果はどうなのか、データはないと思います。
4)再発したら寿命は限られます。(文責 徳田)

 

No.9109】  09年08月27日   T 
術後の定期的な検査について

今年6月に乳がんと診断され手術をうけました。
術後の病理検査で、「ステージT ・硬癌・グレード2 ・腫瘍の大きさ1.2cm ・ly(−) ・v(+) ・N(リンパ節)因子 陰性 ・ホルモンレセプターER(3+) PGR(3+) ・HER2(1+)」と診断され、現在ホルモン療法と放射線治療を受けています。(ホルモン療法はリュープリン注射2年、ノルバデックス内服5年です。)
術後の定期的な検査について質問いたします。3か月毎に触診、1年後にCT・MRI・マンモグラフィ・腫瘍マーカー検査があり、2年後に骨シンチ検査と言われています。今、治療中のホルモン療法の効果がでているかどうかの評価は、どのようにして判断したら良いのでしょうか。判断する基準となる検査などがありましたら教えて頂きたく、よろしくお願いいたします。

術後療法の効果は、再発するかどうかで判断せざるを得ません。(文責 徳田)

 

No.9108】  09年08月26日   S
怪我をしました(HPNo.8510-3)

何度か相談をしています。いつも丁寧な回答をいただきありがとうございます。安心できますし、答えてもらえた事が本当にうれしいです。HPNo.8510の投稿のSです。リンパ節を切除しています。半月ほど前に切除側の指を切ってしまいました。たいしたことはないと手当てもしなかったのですが、翌日ぐらいに腕が張るような感じになり、慌ててしまいました。その後、自然にもとに戻りましたが、主治医には叱られました。もっと詳しく聞きたかったのですが、限られた時間なので諦めました。色々と注意が必要だと本にも書いてありました。今回の怪我で、癌患者なのだと改めて思いしらされました。今の時期、虫刺されにも気をつけるように言われました。これからもっと慎重に暮らしていきたので、どうして怪我などが簡単に張りのような痛みを引き起こすのか教えて下さい。お願いします。

けがをしたり、虫刺されをすると、通常(手術をしてない方の腕でも)腫れがおこります。そこに感染をおこすと、もっと腫れます。リンパ節切除を行ったほうの腕では、通常より腫れがひきにくい傾向があり、そのことをきっかけに、腕のリンパ浮腫(むくみ)を発症することがあるので「注意してください」といわれるのです。もちろん必ずリンパ浮腫を発症するというわけではないですが、なるべくそういう機会を減らした方がむくみを発症しにくくなるので、注意してくださいね。(文責 俵矢)

 

No.9107】  09年08月26日   O k
線維腺腫との診断について

現在43歳、出産は28、30才の2回です。職場で毎年触診とマンモを受け、これまで異常なしでした。今年8月の健診で、触診とマンモで1.5pのしこりが見つかりました。乳腺専門医のもと、細胞診結果はTorU、しこりも丸く、よく動く、エコー画像、etcから線維線腫と診断、半年後の経過観察です。専門医は、「@前からあったのでしょう。また、Aしこりがやわらかくなっている場合は、触診では発見されにくい。B乳腺と重なっていれば、マンモに映らないことはよくあること。」とのことです。

1) 過去数年に亘り、触診でもマンモでも1.5pのしこりを見落とされるという可能性は高いでしょうか。
2) (最近できたしこりだとして)40代になって初めて線維腺腫ができることはあるのでしょうか。
3) 腺腫の平均的な成長速度はどのくらいでしょうか。
4) 別の専門医の細胞診を考えていますが、前回と期間はどの程度あければよいでしょうか。また、1〜2か月の間にマンモを3回受けても大丈夫でしょうか。(健診時、要精検時、別の病院で)
5) 背も高く、叔母が乳がんでなくなっており、職場でのストレスも大きいため、乳がんへの不安が頭を離れません。毎年受けているにもかかわらず、突然1.5pと大きめのしこりを発見されたことが大変ショックです。(触診とマンモの意味が・・・。毎月大きさには注意していきます。よろしくお願いします。

1) しこりが柔らかいもので、マンモグラフィに映りにくいものだと、わからないこともあると思います。
2) あり得ると思います。
3) わかりません。
4) 期間を空ける必要はないと思います。マンモを3回受けることについては、一時的なものであれば害はないと考えます。ただその前に、今見てもらった先生にもう一度、ここで質問されているようなことを聞いてみてください。納得できれば第3の先生にかかる必要がないかもしれませんし、納得できなければ紹介状を書いてもらってから他医にかかるとよいでしょう。マンモグラフィなどの資料を借りられれば、なおよいと思います。
5) 見つかったしこりが幸い良性のものだということなので、良かったと考えてみてはいかがでしょうか。マンモグラフィなどの検診をして、さらに自己チェックを定期的にしていれば、多くの場合は乳がんを早めに見つけることができると思います。検診と自己チェックをする習慣があることは大変よいことだと思います。これからも続けていってください。(文責 俵矢)

 

No.9106】  09年08月26日  B
太ももの内出血について

現在50歳。3年前に硬癌1.5センチのシコリが見つかり、右胸温存手術を受けました。リンパ節の一つに微量の転移が術後の検査で確定した為、抗癌剤AC4クール、放射線25回を終え、現在はタスオミン20を毎朝1粒服用しています。特にぶつかった訳でもないのですが、太ももの内側に、手のひらくらいの内出血を見つけました。触ると少し痛いです。タスオミンの副作用でしょうか? 前回の血液検査で、WBC37 MPV6.7 NEUT%41,2と、基準より低く、LWP%47,4 Mono%9,2は基準より出ていましたが、あとは腫瘍マーカー含め全て枠内で、特に先生のコメントはありませんでした。白血球が少ないからかなと思いながらも、心配になり、ご相談させていただきました。次の診察は11月ですが、特にそれまで、ほおって置いてよろしいでしょうか? 又は、その他の科で診ていただいたほうがよろしいでしょうか? その場合、内科、皮膚科?何科がよろしいでしょうか?

止血に関連があるのは白血球というより血小板のほうです。内出血なのか、薬疹なのかわからないので、一応とりあえず皮膚科の先生にみてもらったらよろしいでしょう。主治医の先生にも聞いてみてください。(文責 俵矢)
 

No.9105】  09年08月26日  mm
乳がん再発の今後の治療について

家内(54歳)の今後の治療について、よろしくお願いいたします。現在までの経過ですが、3年前に乳がんが発覚(ER+、Her2:1+、ステージUb)し、その8月に左乳房全摘出。その後、抗がん剤(FEC)治療、ホルモン剤(アリミデックス)治療中、昨年5月に腰椎、頚椎への骨転移再発。腰椎に痛みがあるため、放射線治療後、ゾメタの点滴とホルモン剤をノルバデックスに変更。今年に入り徐々に腫瘍マーカー値上昇と頚椎に痛みがあるため、2月に放射線治療。アロマシンに変更後7月ごろから徐々に腫瘍マーカー上昇、脳のMRIにより脳には転移は無いが、頭蓋骨に転移が見られるとのこと。担当医からは、以前から他の臓器に転移があれば、ホンモン剤治療から抗がん剤治療に切り替えるとの説明があり、9月はじめの診察時までに、タキソールへ変更を勧めるが、副作用の影響もあるので、このままホルモン剤治療を続けるかを判断してくださいとのことです。ゾメタは引き続き使用。そこでご相談ですが、
1) このタイミングで抗がん剤に切り替えたほうが良いでしょうか?
2) タキソテール単独療法より、ゼロータ併用療法のほうが、効果期間が長いとの記事 (5月の第45回米臨床腫瘍学会)があるので、併用療法を検討していますが、検討に値しますか?
3) タキソテールは一般的に何クールぐらいで効果が出て、どれぐらいの期間使用できますか?
4) 効果がある場合、一旦中断し、副作用の少ない経口抗がん剤やフェマーラ等のホンモン剤に変更できますか?
5) 現在の病院ではガンマナイフやトモセラピーの医療設備はありませんが、脳転移の治療は、その医療設備による治療のほうが有効ですか?
6) 今後アバスチンの承認を期待しており、タキソールとの併用療法に効果があるとのことですので、 タキソールは残しておいたほうが良いでしょうか?
7) ホルモン剤の効く期間が短くなっています。原発巣と転移巣でER、PR、Her2の状態が変わることがあるので、Her2チェックを、とこの相談室の回答であったのですが、Her2の再チェックによるハーセプチン治療は期待できますか?

担当医と家内と十分相談しますが、よろしくお願いいたします。  

1) AI剤、ノルバデックス、いずれを使用しても病状の進行があるので、抗がん剤投薬を考えてもよいのではないでしょうか。
2) 再発乳がんに対して、抗がん剤の単剤順次投与がよいか、併用療法がよいかは、症例や場合によってどちらか絶対によいということは言えません。併用投与だと、どちらの薬が効いているかの判別が困難であることと、副作用が多くなることから、基本的には単剤順次投与がよいとされてきました。しかし相談者さんのゼローダとタキソテールの併用療法のほうが、タキソテール単剤よりも全生存期間を延ばしたという結果も発表され、特に効果を急ぐような場合は併用療法も行われています。この患者さんでは、現在のところ骨転移だけのようなので、タキソテール単独療法ではじめて、増悪したらゼローダでもよいと思いますし、今年にはいってからの病勢の進行が早いと判断して、効果を急ぎたい場合には併用療法も検討してもよいと思います。
3) 一般に化学療法は、だいたい1-2か月で効果が現れ始めると思います。ただし、この患者さんの病変は「骨転移」なので、効果のありなしを判定しづらいということがあります。なので、大きな病勢の増悪がなければ2-3か月くらいやってみて、腫瘍マーカーの推移や症状、画像診断を参考に効果判定していくのが妥当かと考えます。続行可能期間ですが、薬剤の量にもよります。3-6か月くらいは続行可能かと思います。それ以上は副作用のでかたと量によると思います。
4) 効果がでていて、副作用が許容範囲内であれば、同じ抗がん剤を続行するのが基本です。効果がでていても副作用が許容範囲を超えれば、休薬してホルモン療法ということもいいと思います。
5) 脳転移が小さく、数が数個以内ならば、ガンマナイフなどの定位放射線療法を考慮します。たいてい数日の入院で可能ですので、その病院になくても、必要な場合は施設を紹介してもらって行うことが可能です。
6) アバスチンはタキソテール以外の抗がん剤との併用レジメンも報告されていますし、タキソテールを「とっておく」必要はないと思います。効果があれば早めに使っていく方がよいでしょう。
7) もし、骨生検を行って組織を採取できる部位があれば、転移巣でのホルモン感受性、HER2発現を評価可能ですが、骨は組織をとりにくい場所なので、組織の採取が難しいかもしれません。それとも原発巣を再評価という意味でおっしゃっているでしょうか? IHC法で、HER2スコアが1+の場合でも、FISHでHER2増幅ありと判断されることもあります。ただし、いろいろな報告をみると、その頻度は5%前後かと思いますので、確率は低いかもしれませんね。

再発乳がんは、患者さんの状態や再発巣の状態によって、適する治療を選んでいかなければなりません。ここでの回答は、あくまで文面をみて、考えうることで答えています。必ずしも患者さんに最適かどうかはわかりません。ですので、相談者さんもおっしゃるように、主治医と患者さん本人とよくお話なさって、治療方針を決めてください。(文責 俵矢)

 

No.9104】  09年08月20日  M.O.
病理結果と今後の治療

質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
7月に右全摘手術を受けました。病理結果は腫瘍径3センチ、充実腺管ガン、ホルモン両方とも90%以上、Her2陰性、 リンパ管浸襲+、血管浸襲−、センチネル生検の結果リンパ郭清はしませんでした。年齢は48才です。手術をした病院では、「抗ガン剤はしてもしなくてもいいが、年齢を考えるとしておいたほうがいいかも。」とのことで、FEC4クールをすすめられました。この病院では標準療法が基本のようです。セカンドオピニオンを求めたところ、アンスラサイクリン系はホルモン陽性、Her2陰性の場合効果が期待できないとのことで、ウイークリータキソール18回をすすめられました。FECは効果が期待できないといわれる上に副作用も心配で、ふんぎりがつきません。ホルモン陽性、Her2陰性にはタキサン系も効かないという話しも聞きますし、18回ですと期間も長く、本当に悩んでいます。最近よく聞くTC療法のほうがいいのでしょうか? あるいはホルモン療法だけでいいのでしょうか?

ホルモン療法だけでもよいかもしれませんが、この場合は腫瘍も3cmありますしリンパ管侵襲もあるということなので抗がん剤を加えてもよいと思います。(絶対に加えた方がいいという意味ではありません。選択の余地はあると思います)
確かにホルモン陽性のがんとホルモン陰性のがんを加えるとホルモン陽性のがんのほうが効き目は弱いですが、まったく効果がないという意味ではありません。アンスラサイクリン系がよいのかタキサン系がよいのか両方使うのがいいのははまだ結論の出ていないところです。いずれの方法にも一長一短があるのでここでどれがよいというのはいえません。主治医
とよくお話になってきめていただくのがいいと思います。(文責 俵矢)

 

No.9103】  09年08月20日  R.H
粘液がんについて

相談をさせてください。集団検診で精密検査となり、先日乳腺外来にて再検査をうけました。「触診で触れるようなしこりはない」と言われましたが、マンモグラフィーおよびエコー撮影では1.5cm程の穴の開いた様な感じで写っていました。Dr.が「液状の中に浮遊物がありますね。これは触診では見つけることは難しいのです。一度この浮遊物を取って調べましょう。慎重に考えましょう」といわれました。もしこれがガンだとしましたら、手術は直ぐに行わないとならないのでしょうか。また、転移の心配はどうなのでしょうか。不安です。

文面から拝見するだけでは乳癌かどうかはわかりませんが、まだそこまで心配しなくてもよいと思います。追加の検査の結果を待っていただくといいと思います。(文責 俵矢)

 

No.9102】  09年08月20日   Y 
今後の治療について

46歳未婚。スコア3(HER2)陽性乳がん 30mmです。術前化学療法がいいということで、半年間、ハーセプチン+エンドキサン+タキソテールの抗がん剤投与(臨床試験)です。いろいろ、考えたのですが、極論で、仮に、このまま、放置してしまうと、やはり、身体に悪影響するものでしょうか? 乳癌は進行度が遅く、告知されてからも、10年近くは発症しない人もいると知りました。抗がん剤副作用・手術・費用等々、考えると・・・悩んでしまいます。自覚症状もなく、今まで、元気に過ごしているだけに、考えてしまいます。よろしくお願い致します。

ほうっておくのは良くないです。術前抗がん剤、ハーセプチンを行ってから手術をうけるか、手術を受けてから術後に抗がん剤、ハーセプチン行うかはいずれでもよいと思いますが、放置するのはよくありません。(文責 俵矢)

 

No.9101】  09年08月20日   M・I 
再発リスクと術後治療について

妻のことでお伺い致します。47才、閉経前です。6月初めに乳癌温存手術をしました。その後放射線50グレイが今月いっぱいで終ります。今後は、ステージ1で再発リスクも低いし、ホルモン依存性ということで、ゾラデックスを2年ノルバデックスを5年と言われたそうです。病理の報告書を見ましたところ、「浸潤性乳管癌(充実腺管癌)・腫瘍浸潤径1.9cm・Grade3・ER+・PgR+・HER2−・脂肪織浸潤+・脈管侵襲+・リンパ節転移−(センチネルリンパ節生検)・切除断端陰性」とありました。腫瘍が2センチ以下で、リンパ節転移がなかったことは朗報ですが、Grade3と脈管侵襲+という点では、再発低リスクではなく中間リスクになるのではないかと思われます。 こういう場合、抗癌剤を使用せず、ホルモン治療のみで大丈夫なのでしょうか?  私が今単身赴任中で傍に付いていてやれない為、副作用の大きい抗癌剤を使わないで済むのは有難いのですが、初期治療が最も重要とされていることを考えると不安が残ります。ご意見を頂ければ幸いです。     

このような患者さんに、抗がん剤を加えるか、ホルモン療法のみとするかは、意見のわかれるところです。どっちが絶対によいとは言いにくいところです。判断の一助になるものとして がんの組織で、遺伝子発現のパターンを解析して、再発リスクを分析する手法があります(Oncotype DX)。この検査で再発リスクが高いとされるかどうかも、判断の一つの助けになるかもしれません。ただしこの検査は「保険適応」となっていないため、自費の検査となり実費で45万円くらいする検査となります。(文責 俵矢)

 

 

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