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相談室(No.11601〜11700)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

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なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。    

 

第14回かながわ乳がん市民フォーラムは、終了いたしました。たくさんのご参加、有難うございました。
 

 

★ 過去にさかのぼって相談内容が検索できるようになりました。ご参考になれば幸いです。ご利用下さい。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

11700 15/06/19 S  抗エストロゲン剤5年服薬後の追加5年投薬について 須田
11699 15/06/19 KK 肺転移について(HPNo.10715-3) 須田
11698 15/06/16 H 細胞診の針の跡 鈴木
11697 15/06/16 K 不正出血 鈴木
11696 15/06/16 再発乳がんの治療効果、状態チェックについて(HPNo.11681) 鈴木
11695 15/06/16 H  浸潤性小葉癌(HPNo.11692) 鈴木
11694 15/06/16 手術後の状態について 加藤
11693 15/06/16 K.A.  乳がん治療方法 加藤
11692
11692-2
15/06/03
15/06/16
乳癌の種類について
浸潤性小葉癌
清水
鈴木
11691 15/05/31 N  ゾメタの治療 清水
11690 15/05/31 ホルモン剤の変更について 清水
11689 15/05/31 リューブリン追加と再発率について(2)(HPNo.11686) 清水
11688 15/05/28 K.H 集簇性石灰化について 齋藤
11687 15/05/28 F  抗がん剤の途中でオンコタイプDXをすること 齋藤
11686
11686-2
15/05/25
15/05/31
リューブリン追加と再発率について
リューブリン追加と再発率について(2)
齋藤
清水
11685 15/05/25 A  経過観察 齋藤
11684 15/05/21 Y.F. 病理結果について 久保内
11683 15/05/21 T.O. 石灰化 久保内
11682 15/05/08 Y.N. 手のひらくらいまで青く変色. 緒方
11681
11681-2
15/05/08
15/06/16
腫瘍マーカーの上昇について
再発乳がんの治療効果、状態チェックについて
緒方
鈴木
11680
11680-2
15/05/08
16/02/23
Y.I. 転移のマーカーについて
今後の治療について
緒方
緒方
11679 15/04/28 HER2遺伝子標本 大西
11678 15/04/28 E.S. 精密検査について 大西
11677 15/04/28 S  化学療法 大西
11676 15/04/25 M  治療内容について 大西
11675 15/04/25 Y.M ステージWと診断されました 大西
11674 15/04/21 ホルモン療法について 石山
11673 15/04/21 乳癌の遺伝性について 石山
11672 15/04/20 M.S. 再発の可能性はありますでしょうか? 石山
11671 15/04/20 Y.S 術後の再発予防治療についてA(HPNo.11659) 石山
11670 15/04/17 K.K. 術後治療について 石山
11669 15/04/17 T Y LH-RHアゴニスト製剤の使用について 石山
11668 15/04/17 M.K 術後治療について 石山
11667 15/04/15 FY ホルモン治療中の生ワクチン接種 石川
11666 15/04/15 T  治療法の選択について 石川
11665 15/04/15 Y.K. 白血球について(HPNo.11634) 石川
11664 15/04/15 Y.Y 乳がんの手術や治療法について 石川
11663 15/04/15 NCCST439が上昇し続けています(HPNo.11301) 石川
11662 15/04/15 JM ホルモン療法(2剤)について(HPNo.11597) 石川
11661 15/04/15 AY 乳がん要因となりうる食材について 石川
11660 15/04/09 H  乳首からの出血 浜口
11659
11659-2
15/04/09
15/04/20
Y.S. 術後の再発予防治療について
術後の再発予防治療についてA
浜口
石山
11658 15/04/09 Y.Y. 骨シンチ検査結果 浜口
11657 15/04/06 T.O. 再発リスクについて 浜口
11656 15/04/06 N.S. ノルバデックス(HPNo.11648) 浜口
11655 15/04/06 フェマーラ 浜口
11654 15/03/29 Y 右脇下の膨らみ 徳田
11653 15/03/29 N.U. 転院について(HPNo.11643) 徳田
11652 15/03/29 T.O 再発リスクについて(HPNo.11475) 徳田
11651 15/03/29 K  今後の治療について 徳田
11650 15/03/29 MIBI−13%(HPNo.11618) 徳田
11649 15/03/29 N  再々度の質問で申し訳ありません(HPNo.11635) 徳田
11648
11648-2
15/03/25
15/04/06
N.S. 定期検査について
ノルバデックス
俵矢
浜口
11647 15/03/25 左脇の痛みについて 俵矢
11646 15/03/25 pa トリプルネガティブ乳がん、術前化学療法のその後 俵矢
11645 15/03/25 E.C. 両側性乳がんについて (No11581 No11591) 俵矢
11644 15/03/25 N 再度ご相談です(HPNo.11635) 俵矢
11643
11643-2
15/03/25
15/03/29
N.U. 確定診断
転院について
俵矢
徳田
11642 15/03/25 術後の化学療法について 俵矢
11641 15/03/23 NN 非浸潤がんについて
11640
11640-2
15/03/23
15/07/22
Y.N 76歳の母の治療について
76歳の母について

石川
11639 15/03/23 M.T トリプルネガティブ局所再発 全摘か部分切除か
11638 15/03/23 乳がん病理診断について
11637 15/03/23 K.F. 術後治療のハーセプチンの必要性について
11636 15/03/23 AY 転院について
11635
11635-2
11635-3
15/03/18
15/03/25
15/03/29
今後の治療について
再度ご相談です
再々度の質問で申し訳ありません

俵矢
徳田
11634
11634-2
15/03/18
15/04/15
Y.K. 樹状細胞ワクチン
白血球について

石川
11633 15/03/18 E.T.  サプリメント
11632 15/03/18 JM ホルモン療法(2剤)について (HPNo.11597)
11631 15/03/18 M.K. 生理再開
11630 15/03/18 治療法について(2)(HPNo.11615)
11629 15/03/12 今後の治療について(HPNo.11618) 高橋
11628 15/03/12 S.T. ドセタキセルかアブラキサンか 高橋
11627 15/03/12 M  マンモト―ム生検とMRI(造影剤) 高橋
11626 15/03/12 W.R. 術後化学療法の上乗せ効果について 高橋
11625 15/03/12 K.O 抗がん剤治療が必要でしょうか 高橋
11624 15/03/12 S.T.  今後の治療についてA(HPNo.11614) 高橋
11623 15/03/12 O.Y. 乳頭内にしこり 高橋
11622 15/03/12 C.G. 組織診結果について 高橋
11621 15/03/12 今後の治療方針と検査について 高橋
11620 15/03/12 C.U 現在の状況について 高橋
11619 15/03/05 I.S. 胸のしこり 須田
11618
11618-2
11618-3
15/03/05
15/03/12
15/03/29
今後の治療について
今後の治療について(2)
MIBI−13%
須田
高橋
徳田
11617 15/03/05 Y.M. 胸の輪郭に接する丸い影 須田
11616 15/03/05 T  放射線療法について 須田
11615
11615-2
15/03/05
15/03/18
治療法について
治療法について(2)
須田
11614
11614-2
11614-3
15/02/27
15/03/12
15/07/19
S.T. 転移後の治療について
今後の治療についてA
HER2蛋白
鈴木
高橋
石川
11613 15/02/27 C  乳がん術後抗ガン剤について 鈴木
11612 15/02/27 ホルモン剤の変更(HPNo.11587) 鈴木
11611 15/02/18 K.K. ノルバテックスの服用期間延長について 清水
11610 15/02/18 頸部リンパ転移について 清水
11609 15/02/18 JM   核異型度と抗がん剤の要・不要(2)(HPNo.11597) 清水
11608 15/02/15 E.O. ホルモン治療について 清水
11607 15/02/15 M.R.  ホルモン治療 清水
11606 15/02/15 H   ホルモン治療薬(HPNo.11553) 清水
11605 15/02/12 針生検のリスクについて 加藤
11604 15/02/12 骨転移について 加藤
11603 15/02/12 H  1cmのしこり 加藤
11602
11602-2
15/02/12
15/12/13
C.I 薬剤性肺炎について
インプラント歯科治療について
加藤
清水
11601 15/02/12 M.I. ハーセプチン(HPNo.11367) 加藤

 

No.11700】  15年06月19日    S 
抗エストロゲン剤5年服薬後の追加5年投薬について(HPNo.9327-3)

前回9327番9455番でも相談いたしました、現在56歳主婦です。お陰様で2008年2月に温存手術を致しましてから、早いもので今年2月で7年目となりました。治療の節目節目で、こちらの相談室様には大変お世話になりまして、感謝の気持ちで一杯です。 さて現在までの状況でございますが、2008年2月右乳房7時の方向を温存手術手術→放射線治療のあと、2008年6月〜2013年の6月までの5年間、ノルバデックス1.5年+フェアストン3.5年(ノルバデックスによる性器不正出血などの副作用があった為変更)を無事終了致しまして、『晴れて卒業』と思っておりましたが、主治医から、血液検査の結果私はすでに『閉経状態』なので『アロマターゼ阻害剤をプラス5年勧められました』が、巷でのアロマターゼ阻害剤による副作用もきいておりました。病院内ではアロマターゼ阻害剤服薬前の準備として、『私自身の骨密度検査は年齢相応』と結果は出ておりましたが、困ったことに私は『人生の3分の1は歯科通い』で、通院中の歯科大学病院では顎の骨が普通の人より薄い治療困難なタイプと言われているので、『将来総入れ歯にできるような状態には骨密度を保ちたい』のですが、乳腺検査の骨密度検査対象には如何せん顎は入っておりませんので困惑しておりました。そこで2013年6月、乳腺主治医に『セカンドオピニオンを含めプラス5年服薬するか否かを考えたい』と申し出まして、『1年半』猶予をいただきました。外部にセカンドオピニオンを出すにあたり、私の手術をしたときのカルテデータ開示を依頼しました。加えて2008年では行っていなかったKi67検査を、昨年2014年2月に、保管してある当時の組織から再検査していただきまして下記のようなことがわかりました。

[手術日]2008年2月右T1NOMO
[術式] Bp+SLNB(0/2)
[最終病理結果] PT=0.1pDCISあるいはpredominant intraductal compornentか難しいとのこと 。ly0 v0 NG2 ER6 PgR6 HER2 1+ Ki67陽性率:2%(low)

上記の結果から、当初私の癌はステージ1とだけ聞いていましたが、カルテ開示していただくことにより 「@私の主腫瘍は浸潤癌で、0.6p 充実腺管癌 であること A手術内容は患部を1回目に切りとると断端陽性であることが『迅速生検』でわかり、もういちど大きくくりぬいて(追加切除)再度『迅速生検』をして『断端陰性』を確認をした上で患部閉じたこと。 B核グレード2であったが、総合的にみてルミナルAタイプとした。」ということを認識致しました。そこで先生方に質問ですが、私は自分が『核グレード2』であることに、カルテ開示で初めてわかりました。同じ病院の『ステージ1温存手術』で、プラス5年継続服薬を断っても、私の主治医にあっさり終了を了承してもらえた患者仲間に聞いてみると、皆さん『核グレード1』だったことから、私の担当医があと5年服薬を今でも私に勧めるのは、やはり『核グレード2』だからでしょうか? 実は今年の1月〜3月まで(一昨年から休薬してから1年半ぶりに)抗エストロゲン剤のフェアストン(アロマターゼ阻害剤は顎の骨への支障を考えて乳腺主治医と相談したうえで)を再開致しましたが、ロキソニンが必要な位の下腹部痛が後半の二週間あり、その後すぐに現在6月に致るまで休薬中ですが、乳腺主治医は『1年半前まで服薬していたときは腹痛も出血も無かったのだから、また服薬を再開してみて、やはり身体に合わなかったら治療は打ち切りにしましょうか?』といわれました。因みにプラス5年『抗エストゲン剤のフェアストン』を私が希望したのは、構造上フェアストンも『閉経後の人にも効く』からで、主治医は『できれば前半5年と後半5年は違う構造の薬の方が効きがよいのですが』と、渋々フェアストンを了承してくれました。上記の私の手術データで、あと5年私は服薬するべきなのでしょうか?『核グレード2』だけが気がかりです。私の再発転移リスクの大きさは、どの程度なのでしょう?
一般的には私と同じタイプの癌の方ならプラス5年をどんなことをしても服薬したほうがよいのでしょうか?

(イ)抗エストロゲン剤フェアストンをトータル10年服薬
(ロ)後半プラス5年アロマターゼ阻害剤フェマーラ服薬
(ハ)後半プラス5年の服薬を完全にやめる

以上イ〜ハの3つの中からでは、私の場合、どのくらい再発転移リスクが違うのでしょうか? 因みに婦人科的には定期的に検査していますが、子宮内膜は一年半休薬していたら、服薬中3p→現在2.5pになりました。余談ですが、5年間服薬中のラスト2年間に、うっすらと所々に脂肪肝が出来まして、そういうこともあり、1年半休薬致しましたら、脂肪肝が消えました。この5年間で体重も7キロも増えてしまいました。これに関しては、ホルモン剤のせいなのでしょうか? といって『無治療』と決まれば、あと2年半で通院卒業となってしまうのも『再発転移』が不安です。見極めは上記データでわかるとしましたら、是非先生方のアドバイスをお願い申し上げます。思い悩みながらメールをしたためました。ご多忙な先生方には大変失礼な長文を申し訳ございません。

タモキシフェンを5年使用した群と10年使用した群の比較試験で、10年使用群で、10年目以降の再発率、死亡率が3〜4%低くなることがわかり、米臨床腫瘍学会の乳癌診療ガイドラインでは、術後ホルモン療法としてタモキシフェンを5年間投与し、その後は閉経しているかどうかにより、タモキシフェンあるいはアロマターゼ阻害剤を5年間投与することが推奨されています。これまでの標準治療だったタモキシフェン5年でも、再発の危険性を半分に減らすことができます。また、タモキシフェンを代表とする抗エストロゲン剤と、体内のエストロゲンの量を減らすアロマターゼ阻害剤の比較では、閉経後の場合、アロマターゼ阻害剤の方が再発の可能性を数%改善させることが分かっています。従って、単純に効果だけを考えると、推奨は(ロ)(イ)(ハ)の順位なりますが、期間を延長して服用することのリスクや想定される有害事象も考慮しなければならず、再度主治医とご相談の上、納得のいく治療法を選択してください。(文責 須田)

 

No.11699】  15年06月19日    KK
肺転移について(HPNo.10715-3

前回HPNo.10996で回答いただき、ありがとうございました。いつもこちらを参考にさせていただき、とても感謝しています。2013年4月18日以来、今回3回目の相談です。よろしくお願いいたします。
初発から13年半、肺転移3年になる60歳です。前回の相談から2年ちょっと経ちます。2013年11月に、右肺腫瘍(8ミリ)を胸腔鏡手術でくり抜き手術しました。術後の病理結果 ハーツ-2プラス フイッシュ法でハーセプチン適用になったので、2014年4月〜2015年3月まで1年間3週間毎にハーセプチンを投与しましたが、最初腫瘍マーカーCEA14が5まで下がり、喜んだのもつかの間、徐々に11まで上がり、左肺腫瘍も2センチまで増大したので、先月5月11日に左肺腫瘍を胸腔鏡手術で摘出しました。まだ、たまに痛みがありますが、術後の経過もとてもよく、手術して良かったと思っています。先日病理結果が出て、ホルモン5% ハーツ1 K@67 60% でした。腫瘍マーカーCEAも、2まで下がっていました。13年診ていただいている乳腺クリニック主治医の今後の治療方針は、ホルモン療法で暫く様子をみて、今後再び腫瘍マーカーが上がったり、他の転移が出てきたら、抗がん剤に切り替えるそうです。このようなトリプルネガティブに近い病理結果で、今後ホルモン剤(フェマーラ)だけの治療で良いものでしょうか? 初発の乳がん術後は副作用がきつくて、抗がん剤は1回しか受けていません。昔と違って今は副作用対策も万全と聞いて、現在体力のあるうちに抗がん剤を試すのもありかな?!と、いろいろ考えています。ちなみに肺転移3年になりますが、転移の自覚症状はほとんど無く、ホルモン剤の副作用もホットフラッシュが強いくらいです。

遠隔転移で、ホルモン受容体陽性で骨軟部組織転移のみの場合、あるいはホルモン受容体陽性で症状のない内臓転移の場合は、まずホルモン療法を行います。効果がある場合はホルモン療法を継続し、効果がみられなくなった時点で抗癌剤に移行するのが一般的な治療法です。主治医の提案通りでよいと思います。(文責 須田)

 

No.11698】  15年06月16日   H
細胞診の針の跡

49歳、在米です。約15年前、イギリスの病院で胸の細胞診をしたのですが、針の跡の赤い点が2つ残ってしまいました。小さかったので、そのうち自然に消えると思っていたのですが、最近目立ってきた感じがします。昔から、石灰化している所がたくさんあるとか、シストがあるとか言われているのですが、針を刺した所が悪性化に変わった為、赤い跡が大きくなった可能性はありますか? (ほとんど毎年マンモグラフィーをしていますが、今年はまだです。) そのような可能性が少ないなら、今更ですが、何かクリームなどで針の跡を消すことはできないでしょうか。よろしくお願いいたします。

ご質問有り難うございます。針を刺した跡が悪性化することは考えられません。もし癌であれば、当時すでに悪性だったはずなので、15年経過して全く所見がないのであれば、その心配はないでしょう。また、クリームを塗って、ということですが、これも効果は乏しいと思われます。(文責 鈴木)

 

No.11697】  15年06月16日    K
不正出血

初めてご相談します。 2013年5月に乳がん手術(2bクラス、リンパ節への転移一部有)をしました。術後は、放射線治療(終了しました)、ホルモン療法をしております。 今年の2月にリュープリン注射が終了。タモキシフェンは現在も服用中です。1月ぐらいから不正出血があります。 ずっと少量だったのですが、最近は量が増えてきたような気がします。昨年末に子宮頸がん検査、今年2月に子宮体がん検査をしましたが、いずれも陰性でした。2月にMRI検査をしたところ、1センチほどの子宮筋腫があるとの診断でした。手術で取るには、開腹ではなく人工中絶のような手術を2泊3日でするということでした。経過観察をしましょうということで5月に受診したところ、子宮頸管にポリープが3個あり、外来で取りました。取ったポリープを検査したところ悪性ではないとのこと。その後は出血があったり、なかったりでしたが、昨日、いつもより多めの出血がありました。この先、このまま経過観察をしていていいのだろうか、今の状況で筋腫を取った方がいいのか、セカンドオピニオンを受けたほうがいいのか悩んでおります。ご意見をお聞かせいただきたく、よろしくお願いいたします。

ご質問有り難うございます。タモキシフェン内服中の不正出血ということですが、これは婦人科の先生とよくご相談下さい、というのが答えになります。子宮体癌の可能性がないのであれば、実際は経過観察で問題ありませんが、子宮内膜が厚くなり、子宮体癌の可能性が否定できない、などであれば、タモキシフェンを中止せざるを得ません。閉経状況(閉経前なのか閉経後なのか)により内服するホルモン剤を変更するのも選択肢になるかと思います。筋腫からの出血であれば、筋腫を切除すれば不正出血はコントロール出来ると思われます。(文責 鈴木)

 

No.11696】  15年06月16日    Y 
再発乳がんの治療効果、状態チェックについて(HPNo.11681-2)

HPNo.11681 でご相談させていただきました。ありがとうございます。その後の経緯です。pet検査結果により、多発性骨転移(3か所)と診断。ゾラテックス12週毎、ノルバテイクスの投薬を開始。痛み等もあり、放射線治療30Gy10回分割照射、症状改善。再発治療開始後1か月が経過し、腫瘍マーカー微増。放射線治療の効果の画像による確認はしないとのことでした。以下ご質問です。
再発乳がんの治療効果、状態チェックは、一般的にはどのようにすすめられるのでしょうか。家内の場合、3か月ごとのゾラテックス注射時に受診する予定ですが、腫瘍マーカーのチェック以外に画像による病変の変化の確認は、時期を決めて検査するのではなく、腫瘍マーカーの上昇が確認されたときに画像による検査をするのでしょうか。以上、よろしくお願いします。

ご質問有り難うございます。再発乳がんに対して治療を始めたところで、不安がいろいろとよぎると思います。お気持ち、察します。患者様にとってもご家族にとっても必ずしもポジティブな話しではないかと思いますが、お答え申し上げます。再発乳がんは一般的に完治が難しいとされ、その治療は長期に及びます。3ヶ月治療して、マーカーが下がり、症状が改善したらもう3ヶ月・・という具合に、副作用と相談し、効果を見ながら治療を継続することになります。画像上、病変が消失しても、完治したとは言い切れず、効果があるなら続ける、効いているからまた続ける、ということになります。治療に使う薬剤は限られていますので、ひとつひとつの薬剤を大事にしながら、上手に治療を続ける、というのが、再発乳がん治療の基本的な考え方です。従って、腫瘍マーカーがよほど上昇する、症状の進行が早い、新たな症状がある、などの場合以外、検査は定期的に行いません。画像と腫瘍マーカー、症状は必ずしも平行して動きませんので、マーカーが下がり、症状が改善しても画像はあまり変化がない、などは度々経験します。確かに、症状やマーカーが良くなっているのであれば、その効果を確認し、次に頑張るモチベーションとする、というのも間違いではありませんので、そこは主治医と相談の上、検査を行ってみたらいかがでしょうか?ただ、上述のようにマーカー、画像、症状は平行して動きませんので、画像で若干の悪化があっても症状が改善しているのであれば、現状の治療を継続するのは間違いでありませんし、画像の悪化だけで、治療を変更すると、限られた選択肢のなかで、次から次に治療薬を変えるのは、選択肢が狭まることになります。野球で例えれば、リリーフピッチャーを上手に使い、要所は抑えてくれる、そんな治療を目指します。ベンチに入れるリリーフの数は限られています。長くなりましたが、お答えになりましたでしょうか?
一点、疑問に思いましたが、骨折予防、高カルシウム血症(骨からカルシウムが溶け出す)の予防などにランマーク、ゾメタなどの薬剤は使用していませんか? 今後の症状改善のためにもこれらの薬剤は必要に思います。一度、主治医とご相談下さい。何かございましたら、いつでもお声かけ下さい。(文責 鈴木)

 

No.11695】  15年06月16日    H
浸潤性小葉癌(HPNo.11692-2)

お忙しいところ、ご返答いただき、ありがとうございます。おっしゃるとおり、おそらく放射線科医の間違いではないか?と思います。言い方は失礼なのですが、放射線科医はまだお若い方だったので・・。申し訳ないですが、もう1つご教示いただけないでしょうか? 担当医の診断の”浸潤性小葉癌”ですが、この癌の特徴のひとつが通常の転移する場所以外に転移する可能性が多いという記述をインターネットでみました。これは予後が悪いということでしょうか? 他にこの癌で注意をしないといけないことはありますか? 治療歴ですが、昨年10月より術前化学療法を半年受けました。4月末に乳房温存・センチネルパネルリンパ節の手術を受けました。病理診断の結果、1ヵ所陽性で、リンパも3つとったうちの1つが陽性でした。来週から放射線治療が始まります。どうぞ宜しくお願い致します。

ご質問有り難うございます。一般に浸潤性小葉癌は、浸潤性乳管癌と同じステージの場合、予後良好であるといわれています。その他、全例ではありませんが、乳房の中で多発したり、両側の乳房に病変が認められたり、という特徴があると言われます。また、転移先としては骨、卵巣、消化管、髄膜などに転移を来すことが多いと言われていますが、その事が、イコール予後不良ということではありません。浸潤性小葉癌だから・・と言って特別注意する必要はないと思われます。(文責 鈴木)

 

No.11694】  15年06月16日     Y
手術後の状態について

お世話になります。74歳の家内の乳がんで、手術後の件で相談します。病院は神奈川県立癌センタ−。発症は2008年7月、半年間抗癌剤投与、手術が翌年2月5日左乳房除去、リンパは除去、術後、手足の痺れで悩む。年々ひどくなり、歩いてはいるが足が非常にだるく重い感じ、躓く回数も増える。手足は触ると表面は年中冷たいと思う程度だが、本人の言葉では、手足の中心が冷たく辛い。肩甲骨付近を30分前後もみだすと、肩甲骨付近のかゆみが出る。私の感じでは、血流が悪い様子。最近は足の腿付近まで、又、頭も痺れている感じだと本人は主張。調子の悪い時は頭が痺れてる感じです。癌センタ−の緩和センタ−へ行くも、シュ−ブレンが持病で有ると説明したが、漢方薬を処方された。普通でも口の中が乾いているのに、乾き方が尚更酷いほうになり、それっきり緩和センタ−には行かず。除去手術後の吊られてる感じと腕の痺れと痛み(吊られた)は、経過年数による痛みの緩和は全く軽減されていない。文脈は整理されず申し訳有りませんが、要約すれば上記の内容で相談させて頂きます。宜しくお願い致します。

手術後(特に腋窩リンパ節郭清後)の後遺症は悩ましいものです。おっしゃる通り、経年的緩和はなかなか期待できず、理学療法等をうまく組み合わせながら、改善を図っていくしかないのが現状です。手足のしびれは、抗がん剤(3ヶ月間のタキサン製剤)投与の後遺症と思われます。このしびれにも多くの方が悩まされており、数年経過後の残存はなかなか経年的に軽快しません・・・。様々な治療法(投薬など)が模索されていますが、これといって有効打が見当たらないのが現状です(ただ、朗報となるかわかりませんが、最近有効な可能性がある薬剤の報告が海外よりありました)。どちらもよいお返事ができず、申し訳ありません。 (文責 加藤)

 

No.11693】  15年06月16日     K.A.
乳がん治療方法

先日、組織検査にて、硬がん、1.1pと診断されました。治療方法は、手術(温存)・ホルモン療法・放射線。後日、MRI結果にて治療方法の決定とのこと。手術以外の方法を調べたところ、凍結治療、ラジオ波熱焼灼療法がありました。手術(温存)・ホルモン療法・放射線・凍結治療・ラジオ波熱焼灼療法、治療が受けられるのかは不明ですが、それぞれのリスクに対して、自分が一番納得できる治療方法を選びたいと思うのです。それぞれの治療方法についての長所、短所を教えていただけますでしょうか。よろしくお願いします。

凍結療法、ラジオ波熱焼灼療法は現在一般的な治療法ではなく、限られた施設で行われてるのが現状です。手術の創が残らないことをメリットとしていますが、がんの再発や後遺症と行った長期的データはまだ不明なところがあります(思いのほか美容的ダメージをきたす場合もあります)。ただ、Aさんの治療法の候補の一つであれば、施行病院に意見を伺うことも可能ですので、主治医にご相談されてみてはいかがでしょうか? (文責 加藤)

 

No.11692】  15年06月03日     H
乳癌の種類について

お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いします。術後病理診断結果が、「担当医ー浸潤性小葉癌  放射線科医ー浸潤性乳管癌」 と 記載が 違っています。2つの癌を患っているということでしょうか? 教えていただきたく よろしくお願いします。

乳がんの病理診断では純粋に一つだけの病理組織型であることは少なく、通常は幾つかの病理組織型が混在していることが多いのです。その場合は最も広い面積を占める病理組織が診断名として使われます。ですから、貴女が二つの病理組織型を持っているということはあり得ます。しかし、我々臨床医が最終的な病理診断の報告書を見ると、その報告書には代表となっている一つの病理組織型が記載されているはずですから、担当医と放射線科医での記載の違いというのは、どちらかの医師の記載間違いではないかと思います。まずは担当医の先生に確認されてはいかがでしょうか?(文責 清水)

 

No.11692-2】  15年06月16日     H
浸潤性小葉癌

お忙しいところ、ご返答いただき、ありがとうございます。おっしゃるとおり、おそらく放射線科医の間違いではないか?と思います。言い方は失礼なのですが、放射線科医はまだお若い方だったので・・。申し訳ないですが、もう1つご教示いただけないでしょうか? 担当医の診断の”浸潤性小葉癌”ですが、この癌の特徴のひとつが通常の転移する場所以外に転移する可能性が多いという記述をインターネットでみました。これは予後が悪いということでしょうか? 他にこの癌で注意をしないといけないことはありますか? 治療歴ですが、昨年10月より術前化学療法を半年受けました。4月末に乳房温存・センチネルパネルリンパ節の手術を受けました。病理診断の結果、1ヵ所陽性で、リンパも3つとったうちの1つが陽性でした。来週から放射線治療が始まります。どうぞ宜しくお願い致します。

ご質問有り難うございます。一般に浸潤性小葉癌は、浸潤性乳管癌と同じステージの場合、予後良好であるといわれています。その他、全例ではありませんが、乳房の中で多発したり、両側の乳房に病変が認められたり、という特徴があると言われます。また、転移先としては骨、卵巣、消化管、髄膜などに転移を来すことが多いと言われていますが、その事が、イコール予後不良ということではありません。浸潤性小葉癌だから・・と言って特別注意する必要はないと思われます。(文責 鈴木)

 

No.11691】  15年05月31日     N
ゾメタの治療

ゾメタをする前に歯の治療は済ませてあったのですが、歯の検診で小さな虫歯が出来てしまいました。歯の神経を抜くほどではないのですが、麻酔が必要かもしれないということです。やはり、ゾメタを中止しなけばダメなのでしょうか。

ゾメタをどのような状況で使用しているのかわかりませんが、抜歯が必要であれば、原則は一時休止することをお勧めします。ゾメタはあくまでも骨折の予防が目的ですから、一時期休むことはそんなに問題になりません。どうしてもゾメタの投与を休めない事情があるなら、ゾメタを使いながら抜歯をしてもらいます。抜歯をすると必ず下顎骨壊死になるわけではありません。その確率が高くなるということですから。歯科、口腔外科の先生と連携しながら、口腔内衛生を十分にケアしていただくことで、治療継続も可能と考えます。主治医の先生、口腔外科の先生とよく相談してください。(文責 清水)

 

No.11690】  15年05月31日     Y
ホルモン剤の変更について

57歳になります。2007年に乳癌の温存手術を受けました。腫瘍の大きさは10mmで、ホルモンはエストロゲン、プロゲステロン(+)、HER2(−)。センチネルリンパ節転移なしで、手術後放射線治療、5年間ノルバデックス服用し、現在アリミデックスを2年半服用中です。骨密度検査で、当初はYAM88%〜85%でしたが、年々減少して、今年はついに78%にまで減少してしまいました。明らかに副作用が出ています。骨粗鬆症の薬ビスホスホネートは、顎骨壊死の副作用などがあり、服用する事に慎重になっています。2012年12月にサンアントニオ乳癌シンポジウムで、「ノルバデックスを10年間服用することにより、5年間のみの服用よりも、乳癌再発、死亡の減少につながる。」と言う記事を読みました。私はノルバデックスの副作用はありませんでした。ノルバデックス止めて2年半アリミデックスを服用しましたが、またノルバデックスに戻る事は可能なのでしょうか? 今どのような選択肢があるのかわかりません。アドバイス、よろしくお願い致します。

内分泌療法のExtend(5年が標準だがそれ以上延長すること)に関するご質問と理解しました。現時点でEvidenceがあるのはノルバデックス5年内服後アロマターゼ阻害剤(アリミデックスなど)を5年追加すると5年以降の再発率が低下すること、ノルバデックス5年の後にさらにノルバデックスを5年追加して10年内服すると、10年以降の再発率が低下することの二つの臨床試験の結果がわかっています。最初のアロマターゼ阻害剤を追加する試験は2年目の解析で差がついてしまったため、試験はそこで中止(ノルバデックス5年群の人が明らかに不利なので人道的な意味で中止)になってしまい、長期の副作用などの問題は未解決のままです。ノルバデックス10年の試験では予想どおり子宮体癌が増えましたが、それ以外には大きな副作用はなかったようです。ですから、貴女の場合、ノルバデックス5年の後アリミデックス2年半、その後ノルバデックスに変えたらどうなるかというご質問ですが、そのような臨床試験がないので正確にはわかりません。しかしそれではみもふたもないので、二つの試験の結果や、5年間までの内服の試験の結果などを踏まえて総合的に判断すれば、子宮体癌の検診を行っていればノルバデックスに変更することに特に問題はないと思われます。術後5年間の試験ではアリミデックスがノルバデックスに勝っているので、副作用の問題が解決できればアリミデックス継続の方が良いのではないかとも思います。その場合、プラリアという骨粗鬆症の注射(6ヶ月に1回の皮下注射)はアリミデックスと併用して骨粗鬆症を予防できたというEvidenceがあるのでオススメです。しかし、この薬も下顎骨壊死の副作用が全くないわけではありませんから、それが心配ならノルバデックスの方が良いかもしれません。(文責 清水)

 

No.11689】  15年05月31日     S 
リューブリン追加と再発率について(2)(HPNo.11686-2)

丁寧なご回答をありがとうございました。グレード2、年齢48歳が抜けてしまいました。申し訳ありませんが、再度、ノルバテックス服用のみの場合の再発率を教えていただけるとありがたいです。よろしくお願い致します。

昨年12月にSOFT trialと言われる臨床試験の結果が報告されました。SOFT trialというのは、閉経前ホルモンレセプター陽性の患者さんを対象に、ノルバデックス単独群とノルバデックス+ゾラデックス併用群を比較した試験です。その結果、両群の生存率に差がないことがわかり、原則として閉経前ホルモン陽性、Her2陰性の患者さんの術後補助療法はノルバデックス単独で良いということになりました。ただし、その中で、若年で抗がん剤治療を受けたにもかかわらず月経が停止しなかった、もしくは月経が戻ってきた方については併用群の方が生存率が良かったのです。それも、ノルバデックスではなくアロマシンとゾラデックスの併用が一番良いという結果でした。ですから、貴女の場合はノルバデックス単独が標準的な治療と考えられます。(文責 清水)

 

No.11688】  15年05月28日    K.H
集簇性石灰化について

お世話になっております。乳腺症のため、定期的に診てもらっておりますが、前回のマンモグラフィーにて、集簇性石灰化カテゴリー3を指摘されました。経過観察1年ということなのですが、その施設はマンモトームの設備がありません。居住の地域は田舎のため、残念ながら持っているところがありません。マンモトームを持っていない場合、一般的にどのようにフォローをしていくのでしょうか。1年後に石灰化が増えた場合でも、MMTがなければ確定診断ができないように思うのですが、腫瘤を形成するまで経過観察になるのでしょうか。また、MMTが出来る以前は、非浸潤癌に対しての積極的な治療はなかったのでしょうか。お手数ですが、教えていただけると幸いです。

ご相談ありがとうございます。私のお返事でK.Hさんの疑問が減れば嬉しく思います。マンモトームという針の検査ができる以前の石灰化部分の診断方法についてお答え致します。マンモトームという便利な検査ができる前は、フックワイヤーという道具を使った方法で石灰化の部分を切除していました。詳しい方法は割愛させて頂きますが、このワイヤーを乳房に入れた状態で、局所麻酔下に石灰化の部分を摘出していました。今でもこの方法はマンモグラフィがある施設であれば可能です。したがって腫瘤を形成するまで経過観察する必要は無いと思います。(文責 斎藤)

 

No.11687】  15年05月28日    F
抗がん剤の途中でオンコタイプDXをすること

私は、右上側乳癌で、種瘤2.2p、リンパ節転移 3個(12個中)、浸透性乳管癌(硬癌)、核異型度2、切除断端 陰性、リンパ管浸襲 なし、血管浸襲 なし、ホルモン感受性 あり、ER/PgR ハーツータンパク 陰性、ki67 80% なのですが、抗がん剤のFECをいま投与し、次にドセタキセル療法の予定ですが、この間にオンコタイプDXをやっぱりやってから決めたいと思いますが、いかがなものでしょうか? よろしくお願いいたします。

ご相談ありがとうございます。私のお返事で少しでもFさんの迷いが整理できれば嬉しく思います。まずオンコタイプDx検査は、乳癌の予後(病気の先行きの見通し)と治療効果の予測を見ることができると言われています。ホルモン受容体陽性乳癌でリンパ節転移陽性の場合は、閉経後の方が検査の対象です。Fさんのご質問を拝読すると、閉経状況が不明であることと、「ホルモン感受性あり、ER/PgR ハーツータンパク陰性」とお書きになっていてオンコタイプDxの対象となる乳癌かどうかが不明です。
この検査は化学療法を施行する前に行うことが一般的です。既に化学療法を開始していらっしゃるようですので、この結果から化学療法の継続を判断するのではなく、乳癌の予後を予測する目的で行うのであれば有用と考えます。保険適応がない検査のため、金額はお高いです。ぜひ検査前にもう一度ご担当の先生と検査の目的を話し合ってから、検査をお受けになるか決めて頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.11686】  15年05月25日    S 
リューブリン追加と再発率について

いつも参考にさせていただいております。今年1月にステージ1で乳癌部分切除手術した者です。腫瘍1.4センチ、ホルモン受容体陽性、ハーツー2+ FISH 陰性、kl67 4% 、リンパ節転移陰性。術後、放射線治療と、2月よりノルバテックのみ服用となりました。生理は服用前まではしっかり正確にきていたのですが、服用後は4月に一度だけありました。先週、主治医から、リューブリンの追加はいらないと思うが、やりたいならやっても良いと言われました。毎日、再発の心配ばかりの日々で、安心するためにもリューブリンを受けるべきでしょうか? どちらにしても再発率にあまり変わりないようなことも書いてありますが、悩んでおります。また、ノルバテックのみ服用の場合、再発率はどれくらいになるのでしょうか? ご回答よろしくお願いいたします。

ご相談ありがとうございます。私のお返事でSさんの疑問が少しでも減ればうれしく思います。1月に手術、その後放射線治療をお受けになり、ノルバデックスが始まり、少しのんびりされている頃と思います。さて1月にお受けになった手術で切除した乳がんは、ホルモン治療の効果がよくでるタイプの乳がんです。Sさんのご年齢が不明なため断定はできませんが、リュープリンの追加は不要だと思います。リュープリンにも副作用がありますので、安心感を得るためだけに使用することはおすすめできません。Sさんのご年齢と乳がんの組織学的悪性度が不明なため、残念ながら再発する割合の正確な算定は不能です。10年の間に再発する割合は、おそらく2割以下だと思います。(文責 斎藤)

 

No.11686-2】  15年05月31日    S 
リューブリン追加と再発率について(2)

丁寧なご回答をありがとうございました。グレード2、年齢48歳が抜けてしまいました。申し訳ありませんが、再度、ノルバテックス服用のみの場合の再発率を教えていただけるとありがたいです。よろしくお願い致します。

昨年12月にSOFT trialと言われる臨床試験の結果が報告されました。SOFT trialというのは、閉経前ホルモンレセプター陽性の患者さんを対象に、ノルバデックス単独群とノルバデックス+ゾラデックス併用群を比較した試験です。その結果、両群の生存率に差がないことがわかり、原則として閉経前ホルモン陽性、Her2陰性の患者さんの術後補助療法はノルバデックス単独で良いということになりました。ただし、その中で、若年で抗がん剤治療を受けたにもかかわらず月経が停止しなかった、もしくは月経が戻ってきた方については併用群の方が生存率が良かったのです。それも、ノルバデックスではなくアロマシンとゾラデックスの併用が一番良いという結果でした。ですから、貴女の場合はノルバデックス単独が標準的な治療と考えられます。(文責 清水)

 

No.11685】  15年05月25日    A
経過観察

65歳、子ども1人の主婦です。4年前、乳がんの温存手術をしました。非浸潤 リンパ節転移無し ステージ0。 左側温存手術後、放射線のみで、無治療中です。同時期に右側にもしこりがあり、良性の為、経過観察中でした。今年4月、4年目のCTで、しこりが大きくなっていたので、細胞診をし、良性の乳頭腫と言われました。悪性に変わる事もあるので、経過観察していきましょうとの事でした。術後から1年に1回CT、半年に1回超音波エコー、3か月に1度血液検査をしています。乳頭陥没の為か、白いチーズの様なものが出る時があります。
1) 乳頭腫ってなんでしょうか?
2) 今の検査を続けながら 経過観察すれば良いのでしょうか?
3) 術後マーモは一度も取っていません。マーモも検査にプラスした方が良いですか?
4) しこりを取って調べたほうが良いのですか?

とても不安ですので、宜しくお願いします。

ご相談ありがとうございます。私のお返事でAさんの不安が少しでも少なくなればうれしいです。乳頭腫とは、乳管内にできるしこり(腫瘍)です。これ自体は良性ですが、経過をみて変化があるようであれば悪性=癌を否定する目的で切除も検討します。術後の検査はマンモグラフィが推奨されていますので、一度ご担当の先生に申し出てみてください。(文責 斎藤)
 

 

No.11684】  15年05月21日    Y.F.
病理結果について

初めてご相談させていただきます。病理結果にわからないところが多く、お教え願えればと思い、投稿させていただきました。

1) 組織型:invasive ductal carcinoma. scirrhous(2a3>2a1)⇨硬癌だと説明されましたが、(2a3>2a1)とは、なんのことでしょうか?
2) 浸潤様式:INF-γ 
3) ガンを認める割面:J)M)N)
4) 乳管内進展:(+)
5) 組織学波及度:f

乳管内に癌が止まらず、脂肪まで浸潤していたと説明を受けましたが、4)と5)は、両方この事ですか? 普通のことなのでしょうか?

6) 脈管侵襲:ly0,v0
リンパや血管に侵襲がないと説明を受けましたが、リンパに侵襲がなくても、リンパ節に転移がある可能性はあるんでしょうか?

報告書のコメント欄には、核クロマチンの染色を示す楕円形核と好酸性の細胞質を持った、carcinoma cellsが、繊維性間室内に索状、あるいは不規則腺腔を形成し増殖しています。invasive ductal carcinomaの組織像で、scirrhous(2a3>2a1)に亜分類されます。とありますが、意味がわかりません。組織学悪性度は、悪くないと言われましたが、報告書に意味がわからないところが多く、悪い事が書いてあるのではないかと気になっています。手術を受けた病院(病理検査をした病院)は、現在治療を受けている病院ではないので、病理結果については、お聞きしにくく思い、こちらに相談させていただきました。どうぞよろしくお願いします。

病理報告書は、病理医が臨床医(この場合は乳腺外科医)に、患者様の病態を説明するために記載しているもので、そのすべてを患者様が事細かく理解する必要はないと考えます。
@ Invasive ductal carcinoma(浸潤癌)には、乳頭腺管癌(2a1)と充実腺管癌(2a2)と硬癌(2a3)の3つに分類され、2a3>2a1では硬癌の要素が多く乳頭腺管癌の要素が少ない浸潤性乳管癌ということになります。2a1だろうと2a3だろうと、五十歩百歩でそれ程差がありません。
A 脂肪織への浸潤は「f」です。乳管内進展は癌が乳管の中を広がっている所見で、脂肪への浸潤ではありません。
B ly0v0でもリンパ節に転移したり遠隔転移をする場合があり得ますが、ly1以上のケースより少ないと思います。
C この報告書の意味が分からなくても、「組織学的悪性度は悪くない」という説明で十分だと思います。ここで記載された内容より、エストロゲン受容体・プロゲステロン受容体・HER2抗原・Ki67値(Mib-1とされているかもしれません)等の免疫染色結果の方が今後の治療を決めるために重要な因子だと思います。今の主治医から、その説明を十分にお受けになってください。(文責 久保内)

 

No.11683】  15年05月21日    T.O.
石灰化

初めての投稿です。先日、乳ガン検診で、石灰化しているところがいくつもあるが、良性で心配ないと言われました。そのときに、まだ子供を産むつもりはあるかと聞かれました。もし、今から子供を出産後、母乳でそだてると、この石灰化はなくなるのでしょうか? マンモグラフィーでの良性と悪性の区別はなんですか?

マンモグラフィで見られる石灰化にはさまざまな種類があり、大きく分けて @良性のもの A良悪性の鑑別を要するもの B石灰化を見ただけで悪性と判定できるもの(極めて少数例)の3つがあり、AとBの所見の場合、精密検査にまわります。「どのように見えたら@なのかBなのか?」ということに関しては、医師に教える講習会でも2日間かかるほどの内容ですので、ここで述べることはとてもできません。検診のマンモグラフィは、前述した講習会を受け、試験で合格した医師が読影しているので、その結果は正しいと認識していただき、「良性の石灰化」は乳癌を考える異常所見ではないのだと、思っていただいて結構です。石灰化は消えることはほとんど有りませんが、良性なら放置してかまいません。(文責 久保内)

 

No.11682】  15年05月08日    Y.N. 
手のひらくらいまで青く変色.

この相談室があるお陰で色々な不安が解消され、とても助かっております。60歳 乳がん肺転移8年目の者ですが、4/28日にCTで確認したところ、肺転移の腫瘍がかなり増え、大きくなり、胸水がたまり、リンパ節(気道ちかく)にも転移が認められる状態となりました。まだ胸水を抜く程ではなく、咳もでませんが、両手の指先から手首くらいまで青く変色しています。主治医に手を見せて、「朝ベットの中で確認しても普通なのに、動き出すとどんどん青くなります」と説明するのですが、酸素は94ありましたし、心電図も正常なので、原因不明という事で、そのままとなりました。しかし,自分的には、手の先が異常に冷えて、しびれもでてきているように感じます。背中に痛みもあります。肺転移からくるチアノーゼではないかと考え、酸素をいれることで少しでも楽になればと考えますが、今の段階で酸素をお願いする事はできないでしょうか? 色々と思い詰めてしまう性格で、安定剤と睡眠薬をもう2年程飲んでいます。主治医からはタキソールの提案がありましたが、仕事柄指をつかうため、QOL重視で、ずっとホルモン療法を選択しており、最後のアロマシンを選択いたしました。このまま緩和を組み合わせて、残りの人生を過ごすのが希望です。どうぞ宜しくお願い致します。

血液中の酸素が少ない可能性(チアノーゼ)はあると思います。治療法を変更したり、入院して酸素を投与したり、生活の質を高めることは十分可能です。主治医の先生とよくよくご相談下さい。(文責 緒方)

 

No.11681】  15年05月08日    Y
腫瘍マーカーの上昇について

腫瘍マーカーの上昇についてお尋ねします。現在48才の妻の概略経過です。2007年3月に温存手術、ステージ1の浸潤性乳管癌 grade3、センチネル(0/2)、中間リスク。術後治療として、FEC100 6回、放射線 週5回を6週間、ホルモン治療を5年間。術後8年となりましたが、10月の検査までは平常値だったのですが、cea 11.8 ca15-3 85.3 と、先日の検査で基準値を大きく上回り、近日中にPET検査を受ける予定です。自覚症状としては特にないとのことですが、肋間神経痛のような症状も長引く事はあったようです。2カ月ほど前からは、臀部から太ももあたりにかけて、「はり、しびれ」が続いています。

1) 短期間に腫瘍マーカーは急激上昇するものなのでしょうか?  (2007年当時から腫瘍マーカーはすべて基準値内でした)
2) 骨転移の可能性が高いと素人ながらに想像しますが、その場合でも上記腫瘍マーカーは上昇するものでしょうか?

よろしくお願いします。

詳しい検査の結果待ちですが、骨の転移の可能性があります。短期間に上昇することはあります。6ヶ月の間隔でも、Yさんのような経過を辿る患者さんは確かにいらっしゃいます。PET検査の結果を待って、主治医の先生と相談して下さい。(文責 緒方)

 

No.11681-2】  15年06月16日    Y
再発乳がんの治療効果、状態チェックについて

HPNo.11681 でご相談させていただきました。ありがとうございます。その後の経緯です。pet検査結果により、多発性骨転移(3か所)と診断。ゾラテックス12週毎、ノルバテイクスの投薬を開始。痛み等もあり、放射線治療30Gy10回分割照射、症状改善。再発治療開始後1か月が経過し、腫瘍マーカー微増。放射線治療の効果の画像による確認はしないとのことでした。以下ご質問です。
再発乳がんの治療効果、状態チェックは、一般的にはどのようにすすめられるのでしょうか。家内の場合、3か月ごとのゾラテックス注射時に受診する予定ですが、腫瘍マーカーのチェック以外に画像による病変の変化の確認は、時期を決めて検査するのではなく、腫瘍マーカーの上昇が確認されたときに画像による検査をするのでしょうか。以上、よろしくお願いします。

ご質問有り難うございます。再発乳がんに対して治療を始めたところで、不安がいろいろとよぎると思います。お気持ち、察します。患者様にとってもご家族にとっても必ずしもポジティブな話しではないかと思いますが、お答え申し上げます。再発乳がんは一般的に完治が難しいとされ、その治療は長期に及びます。3ヶ月治療して、マーカーが下がり、症状が改善したらもう3ヶ月・・という具合に、副作用と相談し、効果を見ながら治療を継続することになります。画像上、病変が消失しても、完治したとは言い切れず、効果があるなら続ける、効いているからまた続ける、ということになります。治療に使う薬剤は限られていますので、ひとつひとつの薬剤を大事にしながら、上手に治療を続ける、というのが、再発乳がん治療の基本的な考え方です。従って、腫瘍マーカーがよほど上昇する、症状の進行が早い、新たな症状がある、などの場合以外、検査は定期的に行いません。画像と腫瘍マーカー、症状は必ずしも平行して動きませんので、マーカーが下がり、症状が改善しても画像はあまり変化がない、などは度々経験します。確かに、症状やマーカーが良くなっているのであれば、その効果を確認し、次に頑張るモチベーションとする、というのも間違いではありませんので、そこは主治医と相談の上、検査を行ってみたらいかがでしょうか?ただ、上述のようにマーカー、画像、症状は平行して動きませんので、画像で若干の悪化があっても症状が改善しているのであれば、現状の治療を継続するのは間違いでありませんし、画像の悪化だけで、治療を変更すると、限られた選択肢のなかで、次から次に治療薬を変えるのは、選択肢が狭まることになります。野球で例えれば、リリーフピッチャーを上手に使い、要所は抑えてくれる、そんな治療を目指します。ベンチに入れるリリーフの数は限られています。長くなりましたが、お答えになりましたでしょうか?
一点、疑問に思いましたが、骨折予防、高カルシウム血症(骨からカルシウムが溶け出す)の予防などにランマーク、ゾメタなどの薬剤は使用していませんか? 今後の症状改善のためにもこれらの薬剤は必要に思います。一度、主治医とご相談下さい。何かございましたら、いつでもお声かけ下さい。(文責 鈴木)

 

No.11680】  15年05月08日    Y.I.    
転移のマーカーについて

1993年左側全摘、ステージ2。1996年右側全摘、ステージ1.2004年肺に転移、アリミデックスTS−1で治療・2010年仙骨に転移、CEA8.73,CA15−3が15でした。仙骨に放射線40グレイ,肺に効果がありましたのでTS−1,ヘエマーラ、ゾメタで治療中です。2012年CEA0.50.CA15−3が9まで下がりました。2013年頃からマーカーが少しずつ上がり始めて、現在CEA2.2 CA15−3が23.4です。主治医は範囲内なので安定していると言われますが、明らかに上がっていますので不安です。6カ月ごとにCT、骨シンチ、エコー検査をしていますが、現状維持で変化はないと、画像をみながら説明を受けています。大きくマーカーが上がらないと病変はわからないので、待つしかないのでしょうか。

腫瘍マーカーは治療の目安になる指標のひとつと考えて下さい。私も主治医の先生と同じ考えです。薬が効いているということです。どの位の期間、現状が維持されるかわからない不安はあるかもしれませんが、新しい病変が見つかるまで、治療続行で行きましょう!(文責 緒方)

 

No.11680-2】  16年02月23日    Y.I.    
今後の治療について

NO11680です。よろしくお願いします。昨年5月に腫瘍マーカーについて相談させていただきましたが、その後上がり続け、昨年10月にCEAが3.4、CA15-3が35になりました。治療方法がフエソロデックスとランマークに変わりました。今月で7回目の治療を受けました。数値は、CEAが4.9   CA15-3が34.9と、下がりそうな変化がありません。今、検査をしています。結果をみて治療方法を変えるかどうするか考えようといわれています。次は点滴になると聞いています。昨年9月に検査しました時は、仙骨の腫瘍が少し大きくなっていました。他に変化がなければ今の治療を続けてみようと思っていますが、効果について、どの時点で判断するのでしょうか。効果がある場合は、もっと短い期間に数値は下がるのでしょうか。次の治療はどんな薬がありますか。よろしくお願いします。70歳です

腫瘍マーカーの数値が、これ以上になったら変更というような絶対的なものはありません。CTなどの画像検査とマーカーの推移で判断します。また、痛みなどの自覚症状が出たり進んだりした際も、変更のタイミングです。数値が、下がらなくても上がっていかない場合は、継続して治療を受けていただくことが多いです。「効かなくなったら変更する」で良いんです。仙骨の腫瘍には、すでに放射線治療が行われているので、基本的に全身治療のなかでお薬を変更することになります。ホルモン治療のなかに、まだ使用していなく、効果が期待できるものとして、アロマシンとアフィニトールの組み合わせの治療があります。ランマークは引き続き使った方がよいと思います。(文責 緒方)

 

No.11679】  15年04月28日    M   
HER2遺伝子標本

乳がんの手術をするかどうか迷っています(60歳)。組織検査で、非浸潤性がん(0期)との結果が出ています。いま、「HER2遺伝子標本」の結果待ちですが、これは何を調べるために行っているのか、また、この結果が手術等に影響するのか、手術以外のどのようなことの判断材料になるのでしょうか。教えてください、よろしくお願いします。

HER2遺伝子またはタンパクを調べることで、癌細胞の細胞膜受容体の有無を調べます。浸潤癌の場合、抗がん剤や分子標的薬の選択に関わってきます。非浸潤癌の場合は、このHER2受容体の有無で治療が変わることはありません。基本的には手術(+放射線)です。
放射線は部分切除の場合には照射しますが、全摘であれば照射しません。非浸潤の場合、手術で切除すれば完治します。経過観察すると浸潤癌に発展し、遠隔転移の可能性も出てきますので、非浸潤のうちに手術することになります。(文責 大西)

 

No.11678】  15年04月28日    E.S.  
精密検査について

初めて相談させていただきます。乳ガン検診で精密検査の結果が出ました。検診は、触診とマンモグラフィーです。精密検査を受け、異常なしと診断されました。検査は、エコーとマンモグラフィーです。触診は、生理中のため、軽くふれる程度でした。一般的に、精密検査は、1回(一人の医師)だけ診ていただく場合が多いのでしょうか? 癌と診断された場合、セカンドオピニオンとよく聞きますので、どうなのかな?と思い、質問させていただきました。検診は、市の検診センターで、精密検査は、総合病院の乳腺専門医師に診ていただきました。検診センターのマンモグラフィーでは疑いありで、総合病院のマンモグラフィーでは何も写らないということはあるのでしようか?

検診要精査の場合、実際に乳癌と診断されるのは2%前後(60代4%)です。一般的に検診要精査で、精密検査を受けるのは一施設、一医師ですが、不安であれば他院で再検査を受けることは可能かと思います。検診センターのマンモグラフィも総合病院のマンモグラフィも同じ検査ですが、検診センターの場合、見落としを避ける目的で、僅かな異常(実際にはほとんどの場合が良性)も要精査となります。(文責 大西)

 

No.11677】  15年04月28日    S 
化学療法

化学療法をしたほうが良いか迷っています。検診で微細石炭化が見られ、検査後がん確定し、温存手術しました。病理検査の結果です。硬癌、腫瘍の大きさ1cm、センチネルリンパ0/1、核異型1、ER陽性、PgR陽性、Her2陰性、脈管への侵襲リンパ血管共になしで、おとなしめのがんと思ったら、Ki67が40%でした。今後放射線とホルモン療法は決定していますが、Ki67が高いので、化学療法をするべきなのか、迷っています。56歳、閉経後です。アドバイスをお願いいたします。

ER陽性、PgR陽性とのことですが、どちらも強陽性でしょうか? もし低値であれば、化学療法のお話しをします。どちらも強陽性であれば、質問者さんと同じように迷いますね。もう少し具体的な再発率と、化学療法による抑制率を望まれるのであれば、保険診療外ですが、多遺伝子アッセイのお話しをします。(文責 大西)

 

No.11676】  15年04月25日    M 
治療内容について

43才既婚、子供ありです。よろしくお願いします。2014年9月に左乳房全摘手術、リンパ節郭清しました。病理の結果、ステージ3a、リンパ節転移あり(level1 1/11,level2 0/5) グレード2 ly- v- ER33%PgR10%、HER2 +3、Ki67-30。現在FEC、アブラキサンが終わり、現在ハーセプチンとホルモン療法です。
1) 私の場合ホルモン療法の効果がないのではと心配です。あまり期待は出来ませんか?
2) 放射線治療の話は出ていませんが、放射線を行った場合、再発率は変わりますか?

全摘でもしこりが大きく(5センチ超)、リンパ節転移もあるため再発転移が心配です。ご回答よろしくお願いします。

ER33%、PgR10%であればホルモン剤が効かないというデータはありません。放射線についてはリンパ節転移が4個以上では放射線照射を加えた方がいいとされています。1-3個の患者さんでも放射線照射した方が生存率を改善するをというデータもあり、放射線照射を検討してもいいかもしれません。(文責 大西)

 

No.11675】  15年04月25日    Y.M  
ステージWと診断されました

いつも拝見しております。以下、相談にのっていただけると幸いです。44歳主婦です。3月に左胸から首にしこりを発見し、検査したところ乳がんと診断されました。その後精密検査(PET等)したところ、トリプルネガティブで、胸骨、肝臓にすでに転移があり、また初発でありながら、大腸にも転移が見られるとのことで、ステージWと診断されました。先生は、この状態では治療しなくてもいいレベルのガンと言われました。もし治療を選択するなら、抗がん剤。まず、タキサン/エンドキサン、もしくは、タキサン/アントラサイクリンとのことです。

1) 先生が提示した抗がん剤は適切でしょうか? 効果はあるのでしょうか。
2) セカンドオピニオンを戴いた病院では、遺伝性乳がんの治験に誘導されました。トリプルネガティブ、姉が若年性乳がんということで、遺伝性では?とのことでした。抗がん剤はカルボプラチンを使うそうです。遺伝性乳がんの治療に、カルボプラチンは奏功しているのでしょうか。有効な治療法なのですか?
3) ほかに治療の選択肢はありませんか? 子供がまだ小さく、死ぬわけにはいかないのです。せめてあと5年は生きたい。そのためにどんな治療が考えられますか?

ご意見お聞かせください。

主治医の先生が提示された抗がん剤は第一選択薬で、適切だと思います。効果も確認されています。タキサンを使用する場合は、アバスチンを併用するケースもあります。セカンドオピニオンで提示されたカルボプラチンという抗がん剤は、家族性乳癌(BRCAという癌関連遺伝子に変異があるタイプの乳癌)の患者さんには、さらに効果があるとの海外データがあります。ただしトリプルネガティブ乳癌には保険適応外ですので、日本で治療を受けるには臨床治験に参加する必要があります。今後も有効な薬が登場するかと思いますが、今のところは提示されている通りだと思います。抗がん剤以外で効果が確認されている治療法はありません。(文責 大西)

 

No.11674】  15年04月21日    K  
ホルモン療法について

ホルモン療法についてご意見をお願いいたします。2013年に43才で乳がん(ステージ2b)と診断され、術前化学療法(ドセ+ハーセプチン、FEC)ののち、全摘手術を受けました。病理結果は、ER:95%、PgR:60%、Her2:3+ 腫瘍の大きさ1.7cm、リンパ節転移:1/7 で、術後にハーセプチン単独の治療を行い、現在はタモキシフェンを服用しています。術前化学療法開始後すぐに生理が止まり、それ以降ずっと来ていません。昨年、タモキシフェン服用開始前にホルモン値を調べたところ、FSH:124、E2:10以下で、閉経の値ですと言われました。今年に入ってまたホルモン値を調べると、FSH:58、E2:10以下でした。実母も40代で自然閉経していて、私ももう完全に閉経したのでは?と思っています。この場合、アロマターゼ阻害剤に変更したほうがいいのでは、と思うのですが、まだ時期尚早でしょうか。アロマターゼ阻害剤のほうが高い効果があったという記事を読み、気になっています。よろしくお願いいたします。

化学療法による閉経か自然閉経かわからないのであれば、当院でもタモをお勧めします。アロマターゼ阻害剤のほうが再発予防効果は高いのですが、その差は大きくはなく、化学療法後の閉経を対象にした結果ではないので、タモのほうが安全で安価と思います。(文責 石山)

 

No.11673】  15年04月21日    O 
乳癌の遺伝性について

初めて投稿させて頂きます。病院で薬剤師として働いており、末期乳がんの方と接することがあるため、ある意味身近であり、怖く感じています。母の双子(一卵性)の妹が乳がんに羅患しました。現在は乳房切除後5年以上経過し、転移もなく、ホルモン治療を継続しています。調べると、遺伝性乳がんは母親等近親者がかかると、自分が羅患する確率も高まるが、叔母等はあまり心配ないと書かれてます。一卵性双生児の叔母でも心配ないでしょうか。母親と同じと考慮した方が良いのでしょうか。お手数をお掛け致しますが、ご回答の程、どうぞ宜しくお願い致します。

遺伝性乳癌かどうかの判断に一卵性双生児の規定はないと思いますが、遺伝的に同じと考えれば母親が乳癌という事と同義と思います。乳癌自体が急激に増えているので、母親が乳癌としても遺伝性乳癌とは限りません。他に卵巣がんの人や若年性乳癌、男性乳がんなどの細かい規定があります。(文責 石山)

 

No.11672】  15年04月20日    M.S.
再発の可能性はありますでしょうか?

昨年3月に右乳癌の温存手術を受けました。結果は非浸潤がん。広がりは 4 ×3 ×2センチ、参考として、ホルモン陽性、ハーツ陽性。断端陽性でしたが、追加切除なしで、放射線治療20回行いました。今年3月の検診では異常なしでしたが、昨年の12月頃から乳房の上の骨あたりが痛み、腫瘤があるように感じられます。主治医にも話しましたが大丈夫とのことでした。しかし、生理に関係なく痛みがあります。手術した非浸潤がんのときも痛みました。再発ではないかと非常に不安です。ペット検査を受けようかと思っていますが、再発の可能性はありますでしょうか。昨年、姉(52才)を乳癌で亡くしております。

断端陽性であればその可能性は低いけれど、0ではないので、心配であればPETでも受ければ良いと思います。(文責 石山)

 

No.11671】  15年04月20日    Y.S.
術後の再発予防治療についてA(HPNo.11659-2)

No.11659で相談させていただいた者です。その節は丁寧なご回答をありがとうございます。術後の病理組織診断報告書では、組織学的治療効果判定:グレード3(完全奏効)でしたが、Nuclear grade(H14-3403) : 3 Tubule formation:3 Nuclear
pleomorphism:2 Mitotic counts:3 とあります。CNB時の報告書をよく読み返してみると、『腺管形成がほとんど見られず、不整な胞巣を形成しながら浸潤しています。 ER,MIB-1は剥がれのため標本作製できませんでした。
PR:PS(2)+IS(2)=TS(4) 陽性細胞4%  HER2/neu score:3+』と書かれています。CNB後の主治医の説明では『ホルモン陰性』という事で、術前抗がん剤+ハーセプチン治療をしましたが、
1) 本当に抗ホルモン治療は必要ないのでしょうか?
2) pCRでも悪性度が高ければ、再発する確率も高いのでしょうか? 私のようなケースだと、どのくらいの割合でしょうか?

恐れ入りますが、ご回答をどうぞよろしくお願いいたします。

術前化学療法でpCRとなる頻度は少ないので、なかなか再発の頻度までは判り兼ねますが、術前化学療法の最大のメリットはpCRとなった人が唯一生存率が良いという事ですので、本当にpCRであれば、無治療で良いと思います。(文責 石山)

 

No.11670】  15年04月17日    K.K.
術後治療について

3月初めに右温存手術をしました。浸潤性小葉がん、病理的浸潤径4.8p 肉眼的浸潤径2.6p ER6/8 PGR7/8 核グレード3、センチネルリンパ節転移なし0/4、ly+ v− ki67 28% でした。術前は腫瘍径1.3pと言われていたため、驚いています。術後の治療は、放射線25回、ホルモン治療のみで大丈夫じゃないかなと言われましたが、ダメ元でTC療法してもいいとのことでした。小葉がんには化学療法は効きにくいとのことでしたが、やる価値はないでしょうか? オンコタイプも考えておりますが、小葉がんでも調べる意義はありますか? よろしくお願いいたします。

小葉癌の頻度が少ないので、実際どの程度抗がん剤が効きにくいのかよくわからない以上、抗がん剤治療をお勧めします。Ki67の値が高いですから、悪性度は高いと考えられます。(文責 石山)

 

No.11669】  15年04月17日    T Y
LH-RHアゴニスト製剤の使用について(HPNo.11517-2)

N)o.11517で相談させていただいた者です。再度の相談をよろしくお願いします。 温存手術後、抗がん剤治療(TC療法)を受け、その後再手術で全摘しました。再手術後の血液検査結果は、エストラジオール10pg/ml未満、FSH80.39mIU/mlでした。この検査の2週間後からノルバテックスを飲み始めています。月経は、TC療法の1回目の時にあり、それを最後に止まっています。 今回相談させていただきたいのは、LH-RHアゴニスト製剤の使用についてです。主治医から、40歳以上の場合は不要で、閉経している場合も不要、私の場合は、今は閉経状態だが戻ってくる可能性は五分五分で、あと2ヶ月で40歳という微妙な年齢でもあるので、どうしますか、と言われています。使用する場合は、ノルバテックスを飲み始めて2週間後に初回の注射をすると言われています。
1)  LH-RHアゴニスト製剤を併用するメリット、デメリットはどのくらいありますか。(再発、転移率など)
2) 月経が戻ってしまってから併用を開始した場合、最初から併用した場合と比べて、効果はどの程度異なりますか。

米国等、日本以外の国では使用しないのが標準だ、とか、一方では、最新の研究では使用を推奨できるデータが出てきている、という話も聞きます。 私の場合、どのようにするのが良いのか、ご助言をよろしくお願いします。

ガイドライン上は積極的には勧められないという事になっています。新たなデータは出つつあるようですが、ガイドラインで推奨と言うまでには至ってはいません。投与開始時期については効果も不確定で良くわかっていません。(文責 石山)

 

No.11668】  15年04月17日    M.K. 
術後治療について

初めてご相談させて頂きます。49歳です。小学校3年生の娘が一人いて、夫と3人暮らしです。平成27年3月17日に左乳癌(T1N1M0)で、乳房切除+リンパ節郭清術(レベルU)を施行しました。手術前はリンパ節転移は無いとの診断でしたが、術中病理診断の結果でリンパ節郭清をしました。手術前の話では、「ホルモン感受性(ER・PGRとも100%)が強いので、抗がん剤はしないで、ホルモン療法を行う。」と、言われていたので、自分もそのつもりでおりました。
<手術後の病理結果>
硬癌、gft=1 1cm,ly1,v0n=3/13,NG2
ER(+++)PgR(+++)
HER2(0)FISH(-)、Ki-67(15%)

リンパ節転移があったものの、抗がん剤の効果は期待出来ないので、術前の通りホルモン療法(LH-RHa 5y+TMA 5y+ANA 5y)で行くのが良いのではと説明をされました。「どうしても私が抗がん剤や放射線療法をやりたいと言うなら、その先は止めませんが、過剰な治療で、体にもたらす副作用を考えると、やる意味があるのか。」と、主治医は話されました。「乳癌」と告知されて辛い日々でしたが、それでも手術して悪い物を切除すると言う事で、前向きになれました。しかし、術後の病理結果を踏まえての治療方針の決定は、一番考えて、眠れない日々です。最終的に決めるのは自分自身と思っていますが、先生の意見をお聞きしたく、ご相談させていただきました。誰でも考えていることは同じですが、再発が怖いです。宜しくお願いいたします。

当院であれば、化学療法をお勧めしています。実際に投与する薬剤は施設ごとに違う事がありますが、施設ごとのやり慣れた治療で良いと思います。再発を心配されている訳で、納得がいかなければセカンドオピニオンに他施設の意見を聞いてみてもいいと思います。(文責 石山)

 

No.11667】  15年04月15日    FY
ホルモン治療中の生ワクチン接種

お世話になります。49歳ですが、2014年10月末に左乳房の管状癌を摘出致しました。腫瘍の大きさは6 x 4 x 3 mmのステージ1b、ホルモン陽性、HER2 +2 (FISH法で陰性確定)となり、放射線治療を受け、タモキシフェンを服用しています。来月主人のインド赴任に伴いデリーに行く事になり、現在狂犬病等の予防接種を受けておりますが、生ワクチンの接種は可能でしょうか? 予防接種の先生からは、タモキシフェンと生ワクチンの因果関係がどうなっているか確認した方がよいとの事でした。ご意見お聞かせ頂きたく、お願い致します。

生ワクチンの接種は可能です。因果関係はなく、タモキシフェン内服中の接種に問題ありません。(文責 石川)

 

No.11666】  15年04月15日    T 
治療法の選択について

1月頭に、母が乳癌の手術を受け、現在治療中です。65歳閉経。
invasive ductal cacinoma, papillotubular cascinoma 腫瘍径1.3mm, skin(s)ly(+)v(−) comedo component(+) EIC(+)グレード2 ki-67 高い部で約15%、かなりムラがあり大部分は10%位とのこと。免疫組織化学的検索において、D2-40で検索してリンパ管侵襲の確認が難しくly1。辺縁部duct内で切除時のものと思われる変性の加わった異型上皮を認めます。ホルモンレセプターER.PgRともに陽性10%以上、染色濃度高度。HER2 1+、過剰発現なし。という結果でした。断端については、焼き切れている可能性が高いが陰性とは言えないとのことでした。放射線25回、ブースト5回。現在ホルモン治療中です。主治医は、抗がん剤まではやる必要がないとおっしゃり、ホルモンがよくきき、副作用の割りに再発率が少ししか変わらないため。抗がん剤はしていません。ただ、ki-67の高い部分が14%以上であること、ly1、グレード2という点から、本当に抗がん剤をしなくて良かったのか不安です。私が通っている乳腺専門の先生にお聞きしたら、それだけでは弱いと思うので、私ならUFTを追加します。と言われました。先生なら、どのような治療法になさいますか? 又、母の乳癌の再発率はどれ位でしょうか? リスクは高いでしょうか? 主治医の先生は比較的予後は良いと思うとおっしゃってましたが、正直なところ不安でいっぱいです。

私はホルモン療法だけを選択します。再発率はかなり低く、5年間で10%以下(5%前後)と考えます。(文責 石川)

 

No.11665】  15年04月15日    Y.K.
白血球について(HPNo.11634-2)

以前11634で相談したものです。その際は的確なご回答ありがとうございました。今回は別の質問です。宜しくお願いします。
白血球についてです。抗癌剤4回目の点滴終了4週間後は4000、その2週間後は2500(放射線開始2回目)、さらにその8週間後は2000(放射線治療終了後25日)と減ってきているので、原因を特定するため、現在アリミデックスを中止して、次回20日に血液検査をする予定です。それでさらに白血球が低くなっているようなら血液内科で検査をすることになるそうです。私としては、3月の中旬から子供の進学、引っ越し準備などでかなり忙しく、特に2000となってしまった日の前日、前々日は泊まりで引っ越しをしていたので、食事もかなりいい加減で、さらに睡眠時間も少なく、疲労がたまっていたせいではないかと考えているのですが、主治医の先生からは、そういうことはあまり関係ないからと言われ、とても不安になっています。私は人間ドックを10年ほど前から受診していますが、その際の白血球の値は3000〜3500程度です。白血球の減少する理由として考えられるものは何かありますか? 通常白血球の数値がいくつくらいで治療が必要になるものでしょうか? 白血球の減少に骨髄転移の場合があるというのがあったのですが、そういうのも考えられるのでしょうか? そのことを考えると背骨や首の後ろが痛いような気がしてしまいます。6月にCT検査をする予定です。またネットで検索していたところ、抗がん剤の治療後数年経っても白血球の数値が戻らないという人のブログを見つけてしまい、副作用がおさまらないのではないかという不安もでてきてしまいました。また、さらに現在アリミデックスを中止しているためにホルモン剤を服用していません。3週間ほど治療をストップしている状態ですが、これは今後の再発、転移に影響しないでしょうか? ホルモン剤を服用していないことも不安で仕方ありません。ちなみにホルモン受容体はどちらも2+でした。これが最高だからといわれましたが、こちらの質問の方に3+という方がみえ、まだ上があるの?と思ってしまいました。病院によってこの数値の出し方も違うのでしょうか? とにかくなかなか安定した治療とならず不安は尽きません。長々と多くの質問をしてしまいすみませんが、宜しくお願いします。

疲労や軽い低栄養では白血球減少は起こりません。白血球の減少する理由として考えられるものは、普段の白血球数値が3000〜3500程度でもともと低めですから、それに加えて抗癌剤点滴や放射線治療の影響が遷延している可能性が高いと考えます。通常白血球の数値が1000以下になると、重症感染症への懸念から治療を始めることが多いようです。骨髄転移ではその前に赤血球減少症(貧血)、血小板減少症が見られるのですぐわかります。ホルモン治療でアリミデックスやタモキシフェンは極めて稀ですが白血球減少を悪化させることがあるので、止めておいた方がいいかと思います。ホルモン受容体の判定方法が病院(病理医)によって異なる場合はあります。(文責 石川)

 

No.11664】  15年04月15日    Y.Y.
乳がんの手術や治療法について

乳がんの手術や治療法についての問い合わせです。46歳で都内に住んでいます。町の中規模病院で初診していただきました。乳腺専門医は年配の医師が1人です。明日診察を予約しており、前回のマンモやエコーの検査結果を聞き、その後に細胞診の予定です。初診の日に病院に行って、患者さんは年配の方ばかりという印象でした。地元の病院で安心感のある雰囲気なのですが、万一乳がんだった場合に、もしかしたら有名なガン専門病院と色々な面で違うのではないかと不安になりました。同じ症状の場合、病院の規模や先生の年齢や先生の人数により、治療法に違いが出てきますか? また手術の結果や再発等の確率も違いが出るのでしょうか? ご返答よろしくお願いします。

病院の規模や医師の年齢というより、担当する医師の経験や考え方で治療法に違いが出ることはあります。治療法が異なれば、手術の結果や再発等の確率も違ってくることは大いにあり得ます。(文責 石川)

 

No.11663】  15年04月15日    H
NCCST439が上昇し続けています(HPNo.11301-2)

2014年の1月に相談させていただいたNo.11301です。その節はありがとうございました。あれからさらにNCCST439が上昇し続けています。42→55→65→99(2014年8月)→220.8(2014年11月)→260.6(2015年2月)。99になった時にPET−CT、260.6のときに骨シンチを受けましたが、画像には何も写りませんでした。CEAとCA15−3も右肩上がりで上昇中ですが基準値内にとどまっています。2015年2月CEA 2.3 CA15−3 25.8。 画像に何も写らない場合は治療を変える必要はないということで、タスオミン単独の治療を継続中です。このままNCCST439が上昇を続ける場合、次の画像検査のタイミングはいつ・どの検査にすべきでしょうか? お忙しいところ恐れ入りますが、先生のご意見をお聞かせいただけると幸いです。

再発がなくても腫瘍マーカーの高値や乖離は稀に見られます。CEAとCA15-3が基準範囲なのと、PET-CTや骨シンチでは異常所見がなかったので、このまま経過見ることが普通と思います。再検査は私見では3ヵ月後以降と考えます。(文責 石川)

 

No.11662】  15年04月15日    JM
ホルモン療法(2剤)について(HPNo.11597-4)

お世話になっております。いつも適格なご回答ありがとうございます。2週間前から、LH-RHアゴニスト(ゾラテックス)を開始しました。タモキシフェン(ノルバデックス)の副作用があまりなかったということもあってか、「3か月のを注射しましょうか?」と言われましたが、副作用が心配だったので、初回は1か月のゾラテックス注射にしてもらいました。

1) 副作用は1か月のものでも3か月のものでも変わらないと言われましたが、実際そうなのでしょうか?(効果も同じでしょうか?) 次回から3か月のものをと言われる可能性が高いと思うのですが、3か月分を注射してしまうと、副作用がきつくなってきたときに途中で薬剤変更や中止ができないのではと心配です。(よほどのことがないかぎり、中止はしないつもりですが、人によっては同じLH-RHアゴニストでも他の製薬会社のものに変更すると副作用が楽になることがある、という話を聞いたことがあります。)
2) ネットで調べると、タモキシフェンが効きやすいかどうかの遺伝子検査やホルモン療法の効果を血液中のエストロゲンの濃度(?)で調べたりすることもあるようですが、これらの効果測定方法は有効かつ必要なものでしょうか? あるいは、月経がとまれば、効いている、と判断していいものなのでしょうか?

よろしくお願いいたします。

1)私の経験では3ヶ月製剤を50人ぐらいに使用しましたが、1ヶ月製剤と副作用の違いは認めませんでした。効果の違いは比較が難しく評価できませんでした。しかし差はないだろうと推察しています。費用は3ヶ月製剤ではかなり割安になります。同一成分とされる薬剤でも、ジェネリック薬品と同じように、製薬会社で副作用も異なってくることはあり得ます。
2)血液中のエストロゲンの濃度で効果測定をすることは臨床的に行われていないと思います。月経が止まらなければ、卵巣機能抑制できていないということになり、効果不十分の可能性が高くなると考えられます。ホルモンリセプターやHER2発現などの状況によって、ホルモン療法の効果予測をしているのが現状です。乳癌組織の遺伝子ファイリング(Oncotype DX、MammaPrint検査など)は内分泌療法が適応とされる症例の中で予後不良と思われる症例、即ち化学療法適用症例の選別に有用であるとされ、保険適応ではありませんが、用いられることがあります。(文責 石川)

 

No.11661】  15年04月15日    AY
乳がん要因となりうる食材について

45歳女性。再発転移し、現在ゼローダ治療中です。乳がん患者が避けるべき食材があれば教えてください。様々な本に乳製品、哺乳類の肉は乳がん患者は避けた方が良いなどと書かれていますが、実際、乳製品、肉は乳がん患者に悪影響を及ぼす可能性があるのでしょうか? 「○○は乳がんに良くない」などと本で読んだりすると、その食材を口にすることが罪悪に感じてしまいます。本やネットがすべて正しいわけではないということはわかっているいるのですが・・・。どうぞよろしくお願いします。

乳癌と食物・栄養との関連を検討した膨大なデータから因果関係を評価した報告書に、世界がん研究基金/米国がん研究協会の[食物・栄養・身体活動とがん予防:国際的な視点から]があります。これではアルコール、肥満(体重増加)が確実によくないとされていますが、牛乳と乳製品、大豆製品(イソフラボン)、肉類、コーヒーなどは証拠不十分で可能性ありとはされていません。疫学的見地からは身体活動(運動)と野菜摂取が勧められると思います。喫煙も良くないと考えています。(文責 石川)

 

No.11660】  15年04月09日    H
乳首からの出血

33歳です。3ヶ月前から、乳首より出血があります。初めは血の混じった分泌物が出ました。断乳して2年になります。元々、乳腺症で乳腺外来に通っていました。生理が終わったにも関わらず、胸の張りがあったので、入浴中にお乳をきつく絞りました。母乳は、左側が殆どでないで、右側だけあげていました。なので、左側は殆ど出ず、右側から、にゅるっと黄色っぽい膿みたいなものが、搾るたびにでました。ネバネバで、油みたいな感じです。それを繰り返していると、三ヶ所ぐらいから分泌物がでるうち、一箇所が、黄身がかったサラダ油みたいなものに変わり、気づくと、血が混じった様なオレンジ色の分泌物にかわりました。ティッシュにとると、やはり、血が混じっているような色味だったので、乳腺外来にてマンモ、エコー、触診、異常なしでした。分泌物の検査も希望しましたが、「マンモでお乳を挟んだ時や、乳首を軽くつまんだ状況、下着に分泌物が付くのであれば検査に回しますが、出ないし、マンモ、エコー、触診も異常ないので、また数ヶ月後に来てください。お乳を絞らないで下さいね。」との事でした。約1ヶ月。搾らず過ごしましたが、そろそろ出血しないかな?と思い、1ヶ月ぶりぐらいに乳房に力を入れ搾り出すと、鮮血に近い色の分泌物がやはりダラダラと出てきました。搾っていると量は減りますが、見るからに血が混じっている色です。マンモ、触診、エコーは異常なしだったので、乳管が傷付いての出血だろう。または、乳頭腫との診断でした。また、一カ月後、絞ると、見るからに血といった色です。決まった乳房の場所を掴んで搾ると出ます。搾らなければ出ません。軽く乳頭を摘んだり、下着に血が着くことはないですが…搾ると出ます。こんなに長く続くものなんでしょうか? 分泌物検査を希望するものの、搾らないと出ないのであれば必要ないとのことで、検査に至りません。出血が続くので心配です。ご回答よろしくお願い致します。

乳管内乳頭腫などの腫瘍が原因であれば、血性分泌が続くことは珍しいことではありません。画像検査で腫瘍が疑われる場合には針生検等で病理検査により診断をつけますが、マンモグラフィや超音波検査で異常がないようであれば、経過観察で定期的検査で宜しいと考えます。心配であれば、MRIや乳管造影などの検査で腫瘍の存在がわかる場合もあります。乳汁細胞診については、腫瘍があっても必ずしも分泌物中に腫瘍細胞が認められるとは限りませんので、乳汁細胞診で腫瘍細胞が無くても腫瘍が無いとは断言できませんので、現時点では必須の検査ではないと考えます。(文責 浜口)

 

No.11659】  15年04月09日    Y.S.
術後の再発予防治療について

46歳、女性。2014年7月の針生検で浸潤性乳管がんの告知を受けました。腫瘍径3センチ強、腋窩リンパ節転移疑いあり(CTに映っていました)、ホルモン感受性陰性、HER2スコア3+、Ki−67:30% 悪性度:グレード3、ステージUb と言われました。同年8月末より術前化学療法 :
FEC4クールと、ワンタキソテール+ハーセプチン4クールを投与し、CTやエコー検査で縮小していく様子が見られました。その後、2015年3月に乳房全切除+腋窩リンパ節郭清をいたしました。術後病理検査の結果は、『がん細胞は検出されず』という事でした。6個取ったというリンパ節にも、転移は認められないとの事です。再発予防治療として、放射線治療25回とハーセプチン14回を提案されています。そこでご質問なのですが、全摘でpCRでも、胸壁と鎖骨上リンパ節に25回の放射線治療はした方がよろしいですか? しなかった場合は予後が変わりますか? アドバイスを宜しくお願いいたします。

リンパ節転移陽性乳癌の術前化学療法後にpCRが得られた場合は、予後良好ですが再発がゼロになるわけではありません。リンパ節転移を認める乳癌の術後には、胸壁・リンパ節領域に放射線照射を追加することにより、局所再発のリスクを軽減するだけでなく、予後を改善する効果もあることが知られています。米国のMDアンダーソンがんセンターによれば、局所進行した乳癌で術前化学療法でpCRが得られた症例で、乳房切除後に放射線治療を省略した場合は局所・所属リンパ節再発が増えることが報告されています(10年再発率で照射群 7.3%、非照射群 33.3%)。pCRを得られた場合でも、放射線治療を省略できるという十分な根拠はないと考えられ、やはり放射線照射はするべきだと考えます。(文責 浜口)

 

No.11659-2】  15年04月20日    Y.S.
術後の再発予防治療についてA

No.11659で相談させていただいた者です。その節は丁寧なご回答をありがとうございます。術後の病理組織診断報告書では、組織学的治療効果判定:グレード3(完全奏効)でしたが、Nuclear grade(H14-3403) : 3 Tubule formation:3 Nuclear
pleomorphism:2 Mitotic counts:3 とあります。CNB時の報告書をよく読み返してみると、『腺管形成がほとんど見られず、不整な胞巣を形成しながら浸潤しています。 ER,MIB-1は剥がれのため標本作製できませんでした。
PR:PS(2)+IS(2)=TS(4) 陽性細胞4%  HER2/neu score:3+』と書かれています。CNB後の主治医の説明では『ホルモン陰性』という事で、術前抗がん剤+ハーセプチン治療をしましたが、
1) 本当に抗ホルモン治療は必要ないのでしょうか?
2) pCRでも悪性度が高ければ、再発する確率も高いのでしょうか? 私のようなケースだと、どのくらいの割合でしょうか?

恐れ入りますが、ご回答をどうぞよろしくお願いいたします。

術前化学療法でpCRとなる頻度は少ないので、なかなか再発の頻度までは判り兼ねますが、術前化学療法の最大のメリットはpCRとなった人が唯一生存率が良いという事ですので、本当にpCRであれば、無治療で良いと思います。(文責 石山)

 

No.11658】  15年04月09日    Y.Y. 
骨シンチ検査結果

初めてご相談申し上げます。53才です。2012.8月 全摘(右) 、リンパ節レベルUまで郭清。組織検査は、浸潤性小葉がん、浸潤径 40×55×22 mm、リンパ節転移 16個/29個中、グレード2、ki67=19.5%、ホルモン受容体:陽性、HAR2:陰性 でした。術後、FEC 4回+ドセタキセル 4回。放射線。ホルモン剤(ノルバデックス)服用中です。先日、検診にて、マンモ、エコー、腫瘍マーカーに異常はなかったのですが、骨シンチ検査結果が郵送され、「少し異常値を認めますが、経過観察してよいでしょう。打撲や関節炎と思われる集積を認めます。今後も画像で観察していきます。」とありました。実際、物を持つ時や握りしめた時、左腕の関節に痛みがあります。昨年はCTにて肋骨骨折を認めました。骨転移には、何か兆候が現れるのでしょうか? このままでよいのでしょうか?ご教示ください。お願いします。

骨転移の症状としては痛みや骨折などがありますが、必ずしも転移に特有な症状ではありません。特に骨シンチでわずかな異常を認めるだけの場合には、骨転移の初期であるのか、良性の変化であるのかの判断が難しいケースも珍しくありません。骨シンチでどのような異常があるのかにもよりますが、MRIやPET-CTが転移の判断に有効な場合もありますので、主治医に相談してみて下さい。(文責 浜口)

 

No.11657】  15年04月06日    T.O. 
再発リスクについて

以前、11475で相談させていただきました。ありがとうございました。再度、よろしくお願いします。
昨年6月初旬に右乳癌で乳房温存術、センチネルリンパ節生検をしました。
病理結果
硬癌、腫瘍大1.0×0.4、ステージ1、グレード2、MIB-1LI 10-20%
ER5+3 PgR5+3 HER2 0、ly 1 v 0、センチネルリンパ節 陰性 リンパ節転移 陰性
断端 陰性

現在、放射線治療30回終了、術後4カ月後からノルバデックス内服開始、術後6カ月からリュープリン開始しています。挙児希望で不妊治療していたため、治療が遅れてしまいました。昨年10月に採血した時は、CEA 1.0、CA15-3 8.5だったのが、先日の採血結果で、CEA 1.3、CA15-3 9.1に上昇していました。ちなみに術前は、CEA 1.9、CA15-3 9.1でした。ここ1ヵ月半前から右の肋骨にも痛みがあります。(痛みは、有るときと無いときがあり、痛みが強くなっているわけではありません。) 骨シンチ等、画像の検査は5月に予約を入れました。

1) 骨転移の可能性は高いですか?
2) 手術の病理検査結果からは、こんなに早く再発するのは考えづらいと思うのですが、再発することもありますか?
3) 腫瘍マーカーは上がったり下がったりすると聞きましたが、そうなんですか?

度々申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

腫瘍マーカーは血中に存在する微量な物質を検出していますので、今回程度の変動は誤差範囲ですぐに再発を疑う必要はないと考えます。ホルモン感受性タイプの乳がんは時間が経ってから再発するケースが多いことが知られてはいますが、早期で再発するケースもゼロではありません。まずはあまり心配せずに、画像検査の結果を待って宜しいのではないでしょうか。(文責 浜口)
 

No.11656】  15年04月06日    N.S
ノルバデックス(HPNo.11648-2

先日は心のこもったお返事、本当にありがとうございました。お陰さまで、気持ちも落ち着き、大丈夫だと少し自信が着きました。次回診察時には、主治医とよく話そうと思います。
再度、質問なのですが、肝機能の血液検査の値(2種?アスパラギン酸?等)が去年辺りから少し高くなり始め、脂肪肝も酷いし、「このままだとノルバデックスは続けられない。次の診察までに運動して痩せておいで。」と言われました。少し努力し・・・の繰り返しで、ノルバデックスか禁止になることは一度もありませんでしたが、今回の検査結果で、90-170-120という変動が出ています、主治医から、人間ドックでしっかり見てもらっておいでと言われましたが、人間ドックでエコーをやり、軽い脂肪肝、とだけ言われています。ちなみに中性脂肪はここ最近で400ほどあり、かなり高いです。まだ主治医にお会いしていないのて、どんな診断が下されるのか、先生方のご意見お聞かせいただけないでしょうか? 万が一ノルバデックスが禁止になった場合、代替え治療はあるのでしょうか。また、肝機能の値が異常を示す場合、遠隔転移の可能性は強いのてしょうか? 腫瘍マーカーは四年間ずっと正常です。主治医に聞いたときは、関係ないよ、と言って下さったのですが、来週の診察がとても怖いです。どんな展開になるのか、診断が下されるのか・・・。長文大変失礼しました、宜しくお願い致します。

2011.5より、TC療法×6回済み、
現在、ノルバデクス服用中になります。また、不正出血を収めるため、去年デュープリンも始めました。2回に渡り、各6回実施しました。
病歴:2011.3全摘
粘液癌(乳管内に非浸潤癌が広がり、基底膜を破っていたのが3か所との事でした)、 サイズ 8o、4o、2o の3つ、  グレード2、  ホルモン共に90%、 脈管侵襲共になし(−)、  リンパ転移なし(−)、  センチネル生検 (0/3)、 Her2(−)、  増殖能(−)

ノルバデックスの副作用として、ほてりなどの更年期障害の症状の他に、中性脂肪の増加はしばしばみられます。生活習慣の改善等で改善しない場合には、薬剤の変更を考慮します。同様の抗エストロゲン薬であるフェアストンは、ノルバデックスよりも脂質代謝に与える影響が少ないので候補の一つとなりますし、リュープリンを併用しているのであれば、アロマターゼ阻害剤に変更する選択肢も考えられます。主治医とよく相談してみて下さい。また、画像診断で異常がないのであれば、肝機能の異常のみで遠隔転移を疑う必要はないと考えます。(文責 浜口)

 

No.11655】  15年04月06日    T
フェマーラ

胸筋温存乳房切除術+センチネルリンパ節の手術をしました。癌は転移してなく、今はフェマーラを服用して6ヵ月になります。膝の関節がものすごく痛くなりはじめて辛いです。毎日散歩したりしていますが、日に日に悪くなっていくような感じがします。このフェマーラという薬は、1日おきに飲んだり、激痛のときは薬の服用をやめたりしてもいいのでしょうか?

フェマーラなどのアロマターゼ阻害薬の副作用で、関節痛は比較的よくみられる副作用です。痛みが強い時には、鎮痛剤を使用したりして対処します。毎日内服することにより再発予防効果が認められており、1日おきの内服での効果は不明ですので、やはり毎日内服するべきと考えます。(文責 浜口)

 

No.11654】  15年03月29日    Y
右脇下の膨らみ

2014年2月に、左胸全摘手術を受けました。43歳です。ホルモン陽性(80,80)、HER2 0、 ki-67 13% リンパ転移なし。非浸潤が広がっており、その中に浸潤が点在。ルミナールAとの診断で、10年のノルバデックス治療中です。これといった副作用はありません。一週間前、右脇の下に、蚊に刺されたような膨らみを発見。手で触れると少しぷくっとした感じで痛みはありません。風邪気味だったので、その影響かな、とも思いましたが、場所が場所なだけに心配でこちらに問い合わさせて頂きました。よろしくお願いします。

手術した側と反対の脇の下であり、蚊に刺されたような膨らみですので、皮膚転移や、リンパ節転移は考えにくいです。しかし、今までなかった症状であれば、心配しているより、主治医に相談するか、診察をうけた方がよいと思います。(文責 徳田)

 

No.11653】  15年03月29日    N.U.
転院について(HPNo.11643-2)

お忙しい中、返信頂きありがとうございました。その後なのですが、こちらの不安を病院に申し上げた際の対応に、父がますます不安を募らせてしまいました。今後、場合によっては転院を考える必要が出てくるのですが、その場合、現在の病院に検査結果をいただくことはできるのでしょうか? 別の病院で再度検査をするとなると、父の体に負担にもなりますし、また時間がかかってしまうので、それまでに行った検査結果をいただいて転院したいと考えています。カルテの開示義務がないことは、調べてわかったのですが、検査結果についても、同様でしょうか? 現在の病院が協力してくれない以上は、検査結果をいただくことはできないでしょうか? 再度の質問で申し訳ありませんが、どうかご教授お願い致します。

いわゆる、セカンドオピニオンあるいは転院を希望する旨を主治医にお話しいただき、画像診断を含めた検査結果を情報提供していただくのがよろしいと思います。通常は、患者さんが希望される施設に情報提供していただけるはずですが、万が一、それが出来ない場合には、転院先の担当医から、照会していただくのがよろしいと思います。(文責 徳田)

 

No.11652】  15年03月29日    T.O
再発リスクについて(HPNo.11475-2)

以前、11475で相談させていただきました。その節はありがとうございました。今回、再度よろしくお願いします。昨年6月初旬に右乳癌で乳房温存術、センチネルリンパ節生検をしました。

病理結果
硬癌、腫瘍大1.0×0.4、ステージ1、グレード2、MIB-1LI 10-20%、ER5+3 PgR5+3 HER2 0、ly 1 v 0、センチネルリンパ節 陰性 リンパ節転移 陰性、断端 陰性

現在、放射線治療30回終了、術後4カ月後からノルバデックス内服開始、術後6カ月からリュープリン開始しています。挙児希望で不妊治療していたため治療が遅れてしまいました。

1) 病理結果でMIB- 1LI 10-20%、グレード2、リンパ菅浸潤ly 1という結果が気になってます。私の再発リスクは低リスクでしょうか? 中リスクでしょうか?
2) MIB-LI 1 10-20%とはっきりした数値が出ていないのですが、どういう意味なのですか? 14%が基準ということで10%なら低いし、20%なら高いので、自分が20%寄りかもしれないと思うと不安です。
3) 不妊治療で治療が遅れたため、再発率が上がっているのではないか心配です。治療の遅れは再発率を上げますか?
4) Adjuvant online で再発率を調べようとしたのですが、どこに何を入れたらいいのかわからずできませんでした。もし可能であれば入力方法、もしくは再発率を教えていただけますか?

まとまりのない文章ですみません。よろしくお願いします。

1) リスクの基準がよくわかりませんが,どちらかというとリスクは低いと思います.
2) MIB-1LIは,世界的にも測定方法の質のコントロールがなされていないので,施設関の誤差も大きく,参考数値と考えるべきです.主治医に施設の基準としては,どうなのか,伺ってください.数値だけをみると,高くはないと思います.
3) 妊娠が予後に影響を与えないとすると,不妊治療は,再発率を上げることはないと思います.
4) 登録が必要ですので,主治医に計算していただきましょう.(文責 徳田)

 

No.11651】  15年03月29日    K
今後の治療について

母(66才)についてご相談いたします。今年2月初め、非浸潤がんであろうとの診断により、左胸部分切除いたしました。病理の結果、非浸潤がんが主だが、一部に微小浸潤がんが認められました。非浸潤がんの拡がりは44×6×4o。浸潤部は ER90%+、PgR80%+、HER2 3+、ki67 30%とのこと。センチネルリンパ節転移無し。断端陽性が1腺管で認められる為、放射線療法+ブーストで対応。ホルモン剤5年との提案がありました。まだ癌が残っている可能性があるのなら全摘で切除していただこうかと、話を進めているところです。その後シリコンにて再建を望んでいます。そこで色々と私なりに調べ、浸潤がんであり、HER2 3+と、そこそこたちが悪い癌の様に思うのですが、術後の抗がん剤やハーセプチンなどの話が全くないので、ふと心配になりました。微細な浸潤がんであり、リンパ節転移無しの為、そこまでは必要ないのでしょうか? ホルモン剤5年で対応できるのでしょうか?よろしくお願いいたします。

微小浸潤がんは,ほぼ非浸潤がんとして考えてよいと考えます.したがって,抗がん剤やハーセプチンは標準ではありません.(文責 徳田)

 

No.11650】  15年03月29日    M
MIBI−13%(HPNo.11618-3)

NO11618です。毎回、ご回答いただきましてありがとうございます。さて、今回はMIBI−13%について、ご質問させていただきたいと思います。ki67との違いは何ですか? 14%からが境界と聞いたことがあります。別の施設で標本を検査してki67を調べ直すことはできるのでしょうか? 断端に(+/-)だったこともあり、希望していますが、どうしたらよいかわからないので詳しく教えていただけたら幸いです。よろしくお願いします。

MIB-1は,Ki-67 調べる試薬の名前ですので,同じものと考えて結構です.もちろん,別の施設で調べ直すことも可能ですが,世界的にも測定方法の質のコントロールがなされていないので,施設関の誤差も大きく,参考数値と考えるべきです.したがって,13%であれば,比較的おとなしいレベルと思います.(文責 徳田)

 

No.11649】  15年03月29日    N 
再々度の質問で申し訳ありません(HPNo.11635-3)

NO.11635で先日ご相談させて頂きましたNです。ご丁寧なお返事ありがとうございました。先日の内容の中でいくつか再度質問させて頂きました。その質問の後すぐに放射線の説明やCTをし、身体に線を描くなどで病院に行ったので、乳腺の診察もついでに入れられて、ホルモン剤の処方をして頂き飲み始めました。どうしてもジェネリックは嫌だったので、ノルバデックスにして頂きました。その際に当初の治療方針ではゾラデックスかリュープリンのどちらかを皮下注射2年となっていたのに、「やっぱり50歳なので閉経も近いからやらない方向にしました」と言われました。あまり予後には変わりないし、お金もかかるから・・・との事でした。50歳ですが、まだ閉経していません。ゾラかリュープリンの皮下注射をしなくても今後の状況に変わりは本当に無いのでしょうか? お金の事よりも中学生の子がいるので、今後健存する事の方が私にとって大切なのです。アドバイスを宜しくお願いします。何度も何度も申し訳ありませんが、宜しくお願いします。

最新のデータでは,タモキシフェンに卵巣機能抑制剤を併用する意義はないとの結果です.(文責 徳田)

 

No.11648】  15年03月25日    N.S.
定期検査について

お世話になります。以前にもご相談させて頂き、ありがとうございます。今回、ご相談させて頂きたい事は、術後4年が経過し、その定期検査についてです。本日、CT、マンモ、エコーを行って来たのですが、健側のエコーをした際、先生(主治医ではないです)が、同じ場所をずっとエコーされていて、「え〜〜」と言いながら、更にエコーしていました。かなり、私も覚悟を決めていましたが、術側を次にエコーして下さり、「びっくりさせちゃってごめんね、乳管にちょっと気になる箇所があったのだけど、大丈夫だったからね」と言って下さいました。しかし、どうしても心配になり、本当に大丈夫なのでしょうか?と聞きましたら、「ちょっとでも大丈夫でなければ、細胞診とか精密検査していますよ」とおっしゃって下さったので、安心して帰宅しましたが、不安が募っています。術側(全摘)の時もしこりが一切なく、良性だろうけれど念の為、とMRIを実施し(他病院で)乳がんが発見され、精密検査をし、恐らく非浸潤だと言われ安心していたら、病理結果が稀な粘液がんでした。この経緯が有る為、健側も、もしかして、、と思ってしまいます。4月の頭に主治医の受診(結果も含めて)があり、この際、術側が乳がん診断される何年も前から、健側には、嚢胞?がある、が、心配ない、と言われているので、大丈夫かなと思うのですが、検査して下さった先生のびっくりした様な声で、え〜と言われた事がひっかかってしまいます。(術側の細胞診の際も健側の嚢胞?も一緒に細胞診していて、良性と言われています) 良性が悪性になる可能性はあるのでしょうか、また、今回は乳管、、と言われたのですが、以前より見受けられた嚢胞とは別物になるのでしょうか? また、最悪の場合、術側からの転移は有りうるのでしょうか? あれもこれも質問してしまい、申し訳ありません、もし検査が必要な状態であれば、勇気を出して主治医にお願いしてみようと思い、ご相談させて頂きました。宜しくお願い致します。

2011.5より、TC療法×6回済み、
現在、ノルバデクス服用中になります。また、不正出血を収めるため、去年デュープリンも始めました。2回に渡り、各6回実施しました。
病歴:2011.3全摘
粘液癌(乳管内に非浸潤癌が広がり、基底膜を破っていたのが3か所との事でした)、 サイズ 8o、4o、2o の3つ、  グレード2、  ホルモン共に90%、 脈管侵襲共になし(−)、  リンパ転移なし(−)、  センチネル生検 (0/3)、 Her2(−)、  増殖能(−)

昔、先輩医師に検査のときは絶対に「あ行」は使うなと教わりました。検査中にあーっつ、えーっとか言われると心配になりますよね。しかし、おそらく文面から判断するかぎり、現在のところがんを心配するような病変はないと主治医の先生は判断されているのだと思いますが、勇気をだして聞くというより、気軽に主治医に相談してみてはいかがでしょうか。文面をみているだけの私より安心できる答えがかえってくるのではないでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.11648-2】  15年04月06日    N.S.
ノルバデックス

先日は心のこもったお返事、本当にありがとうございました。お陰さまで、気持ちも落ち着き、大丈夫だと少し自信が着きました。次回診察時には、主治医とよく話そうと思います。
再度、質問なのですが、肝機能の血液検査の値(2種?アスパラギン酸?等)が去年辺りから少し高くなり始め、脂肪肝も酷いし、「このままだとノルバデックスは続けられない。次の診察までに運動して痩せておいで。」と言われました。少し努力し・・・の繰り返しで、ノルバデックスか禁止になることは一度もありませんでしたが、今回の検査結果で、90-170-120という変動が出ています、主治医から、人間ドックでしっかり見てもらっておいでと言われましたが、人間ドックでエコーをやり、軽い脂肪肝、とだけ言われています。ちなみに中性脂肪はここ最近で400ほどあり、かなり高いです。まだ主治医にお会いしていないのて、どんな診断が下されるのか、先生方のご意見お聞かせいただけないでしょうか? 万が一ノルバデックスが禁止になった場合、代替え治療はあるのでしょうか。また、肝機能の値が異常を示す場合、遠隔転移の可能性は強いのてしょうか? 腫瘍マーカーは四年間ずっと正常です。主治医に聞いたときは、関係ないよ、と言って下さったのですが、来週の診察がとても怖いです。どんな展開になるのか、診断が下されるのか・・・。長文大変失礼しました、宜しくお願い致します。

2011.5より、TC療法×6回済み、
現在、ノルバデクス服用中になります。また、不正出血を収めるため、去年デュープリンも始めました。2回に渡り、各6回実施しました。
病歴:2011.3全摘
粘液癌(乳管内に非浸潤癌が広がり、基底膜を破っていたのが3か所との事でした)、 サイズ 8o、4o、2o の3つ、  グレード2、  ホルモン共に90%、 脈管侵襲共になし(−)、  リンパ転移なし(−)、  センチネル生検 (0/3)、 Her2(−)、  増殖能(−)

ノルバデックスの副作用として、ほてりなどの更年期障害の症状の他に、中性脂肪の増加はしばしばみられます。生活習慣の改善等で改善しない場合には、薬剤の変更を考慮します。同様の抗エストロゲン薬であるフェアストンは、ノルバデックスよりも脂質代謝に与える影響が少ないので候補の一つとなりますし、リュープリンを併用しているのであれば、アロマターゼ阻害剤に変更する選択肢も考えられます。主治医とよく相談してみて下さい。また、画像診断で異常がないのであれば、肝機能の異常のみで遠隔転移を疑う必要はないと考えます。(文責 浜口)

 

No.11647】  15年03月25日    H
左脇の痛みについて

70歳です。8年前左乳房温存手術、抗がん剤、放射線治療をして、以後再発もなく、年2回の検診のみです。今回の相談は、1月に右上腕を骨折して手術を受け、その為右腕が使えず、日常の殆どを左手で行いました。更にリハビリで、両手を組み、左手の力で右腕を上げ、可動域を広げる動きを1日数十回繰り返しました。最近左脇の下、及び手術傷痕に、じりじりと神経的な痛みが出ました。左手酷使の影響での症状でしょうか。尚、手術の折、採血、点滴、血圧測定など左腕にできないと足からになりましたが、その注意は今後も必要でしょうか。

左手をたくさん使った影響はある程度あると思いますが、それだけのせいかどうかはなんともいえません。採血、点滴、血圧測定がだめなのは、リンパ浮腫の発症を恐れてということになります。なるべくは手術したほうの腕は使わない方がもちろんよいですけれど、その時の病状にあわせてケースバイケースで判断していくことになると思います。 (文責 俵矢)

 

No.11646】  15年03月25日    pa
トリプルネガティブ乳がん、術前化学療法のその後

ステージ2b トリプルネガティブ、腫瘍径は約5センチ、リンパに転移が2つ以上ありと診断されまして、FEC×4+ウイークリーパクリタキセル×12回の術前化学療法を終え、もうすぐ手術を受ける者です。35歳です。FEC4クール終了後のマンモとエコーでは腫瘍径は約2.5センチに縮小、リンパのしこりは消えて見えました。ですが、パクリタキセル12回終了後の術前検査で腫瘍径が3センチになり、リンパのしこりも元の大きさ(1センチ以上)に戻ってしまいました。個数もいくつかありそうです。遠隔転移はありません。手術は胸筋温存乳腺全摘出、リンパはレベル3まで廓清の予定です。主治医からは、術後の放射線に加えて、術後の病理結果次第では効果があったと思われるということでFEC2回を追加したほうが良いのではないかというお話をいただいています。トリプルネガティブのNACで遺残腫瘍があった場合、リンパ転移も残った場合の追加の治療というのは、お医者様の間でも意見が分かれるところだと存じております。私自身もいろいろ調べ、プラチナ系やTS-1といった薬剤を試してみたい気持ちもあります。(このタイミングで行うのはおかしいでしょうか?) もちろん、効いたという事でFECも良いのかなと思ってもいます。pCRが得られなかった場合、再発率が高いのを知っており、何か方法はないものかと悩んでおります。絶対に再発させたくありません。術後、どういった選択肢が考えられるでしょうか、教えてください。よろしくお願いいたします。

この場合、何を推奨するかについては確かに難しいです。ガイドライン通りだと追加治療なしで経過観察ということになると思います。切除したあとのタイミングだと、化学療法が効いているか否かをはかる指標となる病変がないので、何をどの期間つかったらよいか何とも判断がつかないということです。 主治医とよく相談して決めていただくのがよいと思います。(文責 俵矢)
 

No.11645】  15年03月25日    E.C.
両側性乳がんについて (No11581-3)

以前11581と11591で全摘の必要性について質問させていただきました、その節は丁寧な御回答ありがとうございました。結論的には、乳輪乳頭を残して、乳腺を全て取ったのですが、2度目の手術後の病理結果で、ガン細胞は見つからなかったとの事でした。先週末に退院し、現在右側乳房再建中で、8月頃シリコンバックに入れ替える手術の予定です。本題に入りますが、昨年10月末に右側をエコー検査した際、左C領域2時方向に、左もエコーでカテゴリーVbとなり、針生検しましたが悪性とはならず、経過観察となりました。11月に今の病院に転院し、もう一度エコーしたところ、これ以外にも、パラパラと怪しいものが見つかり、今回少しいびつな形をしているとの事で、AC領域の4時方向に6ミリあったものを細胞診しました。左C領域2時方向の方は11ミリで、前の病院からプレパラートを取り寄せてもらいました。結果悪性所見はなく、また要経過観察となりました。そして今回3月初旬の入院中に、自分で左乳房にシコリを見つけ、入院中にエコー検査しましたところ、c領域2時方向(以前のところから32mm外側)に2.7ミリのモコモコしたものが写り、針生検となりました。以上がこれまでの流れですが、昨日生検の結果がでて、1,2,4小胞巣状 索状、一部腺腔形成性に浸潤、増殖する癌をみる。1ではanypical ductal hyperplasiaと腺菅内の石灰化を認める。
3 萎縮した乳腺組織であり、断片化した癌胞巣を見る。
免疫染色
ER80%. PgR80% hercep test score1+. Ki-67 labeling index 3%

MRI でもう少し詳しく調べられるがバックがはいっているので、エコーと生検の所見で決断しなければならず、主治医には、「部分切除ならば6センチ、大体乳房の三分の一取ることになる、パラパラと他にも気になるところがあって、ずっとこれから見ていかないといけないし、すでに右側再建しているので、整容性から見ても全摘を勧めます。」と、言われました。質問ですが、
1) 4ヶ月程で3センチ近くも新たにできるものでしょうか。主治医は、転移ではなく、新しくできたもので、以前調べた時には隠れていたのかもしれないし、わからないと言っています。
2) 右側とほぼ同時にできたようですが、両側にできる乳がんは遺伝性が多いと聞きます。うちの家系に、乳がんは、いとこが1人います。遺伝性と考えられますか?  調べた方が良いですか?
3) 今回も全摘が良いですか? 出来れば部分切除希望ですが、前回部分切除で断端陽性で再手術になり、もう何度も手術するのは避けたいです。

どうするか決めてきて欲しいと言われていますが、将来的な事を考えると、全摘がよいのか、迷っています。長々と書いてしまい分かりづらいかと思いますが、どうぞ宜しくお願い致します。

1) 広がりがあっても、マンモやエコーでうすくしかみえない病変は、濃くみえるようなったときには径が大きいことはしばしば経験されます。あり得ることと思います。
2) 両側の乳癌、比較的若い年齢で発症、家族歴があるとのことなので、相談してみることは良いと思います。一度カウンセリングを受けてみてもよいかもしれないですね。まずは主治医に相談を。
3) 文面だけからはお答えが難しいです。何度も手術をすることが避けたいのであれば全摘もよいかなと思います。こればっかりは、主治医とよくお話になって決めていただくしかないと思います。(文責 俵矢)

 

No.11644】  15年03月25日    N
再度ご相談です(HPNo.11635-2)

NO.11635で先日ご相談させて頂きましたNです。ご丁寧なお返事ありがとうございます。乳がん以外の部位の検査については 放射線が終わったら随時受診していこうと思っております。先日の内容の中でいくつか再度質問させて頂きます。宜しくお願いします。

1) 私の術後病理結果からの無再発健存率(5・10・15年・・・)はどの程度でしょうか? Adjuvant onlineに照らし合わせた場合 経口のUFTなどを飲んだ場合とホルモン剤のみとではどの程度の差になるのでしょうか?
2) ホルモン剤ですが、ゾラデックス又はリュープリンのどちらかを主治医から提案されていますが、どちらがより良いのでしょうか?
3) 経口ホルモン剤はタスミオンと指定されているのですが、出来ればジェネリックではない薬を飲みたいのですが、ジェネリックとの差は、金額と添加物以外は有るのでしょうか?
4) 放射線は25回照射なのですが、30回にする必要は無いのでしょうか?

何度も大変申し訳ありません。主治医は簡単に大丈夫 大丈夫と仰るのですが・・・まだ中学生の子がいるので、せめて成人するまではとの思いが強いので、簡単に大丈夫とは思えず 考えてしまう事が多いので、宜しくお願いします。

1) それほど再発リスクの高いがんではないと考えます。10年での再発リスクがおそらく10−20%程度でホルモン療法単独でおこなうと再発リスクが6−10%程度になるという具合でしょうか。UFT製剤二年間はCMFと同等の効果と言われています。この場合上乗せして下がる再発リスクは多くても5%は超えない程度と考えます。
2) どちらでもほぼ同等の効果と考えます。どちらでもよいと思います。
3) タモキシフェンとしては、現在タスオミンが日本で最も多く使われているのではないでしょうか。ですので、それほど心配しなくてよいと思います。しかし、ノルバデックスがお好みであれば、先発品に指定することは可能ですので、そうされてはいかがでしょうか。
4) 切除断端に非常に近いところまで乳がんが広がっている場合は、通常の25回照射に、照射野を少し小さくして5回前後の照射を追加することが多いです。切除断端が十分確保されておれば、照射は25回でよいと思います。(文責 俵矢)

 

No.11643】  15年03月25日    N.U.
確定診断

初めて投稿いたします。今回は父(62歳)のことで相談させていただきたくメールしました。

@3月7日  個人のクリニックにて触診、エコー、細胞診をしました。
A3月14日 検査結果が出て、悪性の恐れがあるため組織診をするよう総合病院を紹介されました。
B3月16日 総合病院にて、マンモグラフィー、エコー、採血、心電図、レントゲン、組織診をしました。

3月16日の組織診の結果が4月14日になるとのことで、それまでにMRI、CT、核医学検査をし、4月14日に全ての結果を元に確定診断をすると言われたそうです。家族としては、確定診断までに日数がかかりすぎているように思うのです。現在、脇の下にもしこりがあるのがわかりますし、患部が赤くなっています。1ヶ月近くも待っていては、その間にどんどんガンが進んでしまうことを恐れています。そこで質問なのですが、
1) 組織診の検査結果が出るまでに通常どれくらい必要なのでしょうか? 1ヶ月近くも待つことは通常なのでしょうか? 病院は、大学病院ではありませんが、都内の総合病院です。
2) もっと早く確定診断が出る方法はないでしょうか?

お手数ですが、ご回答をいただければ幸いです。

確定診断が出るまでに行うべき検査、待つ時間は病変によっても、また施設によっても異なってきます。申し訳ありませんが、文面のみからはなんともいえません。 脇の下のしこりがある、患部が赤くなっているのであれば、がんの進行だけではなく、例えば針生検の部分が化膿しているなどのことも考えられます(何もないかもしれませんが)。結果が出る前でも一度診察してもらってはいかがでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.11643-2】  15年03月29日    N.U.
転院について

お忙しい中、返信頂きありがとうございました。その後なのですが、こちらの不安を病院に申し上げた際の対応に、父がますます不安を募らせてしまいました。今後、場合によっては転院を考える必要が出てくるのですが、その場合、現在の病院に検査結果をいただくことはできるのでしょうか? 別の病院で再度検査をするとなると、父の体に負担にもなりますし、また時間がかかってしまうので、それまでに行った検査結果をいただいて転院したいと考えています。カルテの開示義務がないことは、調べてわかったのですが、検査結果についても、同様でしょうか? 現在の病院が協力してくれない以上は、検査結果をいただくことはできないでしょうか? 再度の質問で申し訳ありませんが、どうかご教授お願い致します。

いわゆる、セカンドオピニオンあるいは転院を希望する旨を主治医にお話しいただき、画像診断を含めた検査結果を情報提供していただくのがよろしいと思います。通常は、患者さんが希望される施設に情報提供していただけるはずですが、万が一、それが出来ない場合には、転院先の担当医から、照会していただくのがよろしいと思います。(文責 徳田)

 

No.11642】  15年03月25日    M
術後の化学療法について

初めてご相談させていただきます。手術後の化学療法について、ご意見を聞かせていただければ幸いです。2015年2月27日に浸潤性乳管癌(乳頭腺管癌)で、左胸の全摘出手術を受け、乳房再建中です。病理検査の結果は以下のとおりです。

・浸潤径5mm(癌の範囲35mm)
・リンパ節転移なし(センチネルリンパ節)
・グレード1
・脈管侵襲(−)、リンパ管侵襲(−)
・MIB1 5%
・断端陰性
・エストロゲンレセプター +1
・プロゲステロンレセプター +1
・HER2蛋白の過剰発現 なし

主治医の先生のお話では、ホルモン療法は効果があまり期待できず、抗がん剤治療が必要がどうかは判断が難しいところで、絶対にしてくださいともいえない、しなくてもいいともいえない、とのことでした。最終的には、こちらで選択しないといけないのですが、非常に悩んでいます。抗がん剤治療をするとしたら、アンスラサイクリン系薬剤やタキサン系薬剤ほどの強い効果の治療ではなく、乳房の再建後(6ヶ月程度後)に5−FU系の薬剤の長期投与でもよいのでは、と言われました。アドバイス等いただければ幸いです。お忙しいところ恐縮に存じますが、どうぞよろしくお願いいたします。

ホルモン受容体のスコアが1と低いので、ホルモン療法の効果は無い訳ではないが、期待しづらいということですね。この場合 浸潤がんの部分が小さく、グレード1、MIB1も低値なので薬物療法なしでも再発リスクはそれほど高くはないと思います。アンスラサイクりんやタキサンなどの化学療法は副作用と得られる効果を天秤にかけるとあまりおすすめできないと思います。CMFという20年ほど前まで乳癌の術後化学療法として使用されていたレジメンと5FU系の経口抗がん剤 UFT二年間の内服が、術後再発予防としてほぼ同等の効果があったという臨床試験があります。UFTの内服はそれほど副作用が強くはないので、選択肢の一つになるかもしれません。ホルモン療法のみ、または薬物療法なしというのも選択肢にはいってくると思います。主治医先生とよく相談してください。(文責 俵矢)

 

No.11641】  15年03月23日    NN
非浸潤がんについて

質問させていただきます(51歳です)。8年前に左乳がんで、約2.5pの腫瘍を部分切除しました(+放射線治療)。非浸潤ガン NG(3)、ER(0)、PgR(0)、HER2(3)でした。2015年1月のマンモグラフィーで、右の石灰化がみられるということで、2月に針生検したところ、非浸潤ガン NG(1)、ER(8)、PgR(8)、HER2(0)、広がりは、1.6×1.5×2.0p です。主治医からは手術を勧められ、造影剤MRIを受けたところです。結果報告等、手術前最後の診察が来週、手術が再来週と時間がなく、そこで、お教えいただきたことがございます。

1) この状況での治療として、手術は標準治療でしょうか? また、手術の代替えになる治療はありますか?
2) ホルモン感受性ありなので、ホルモン治療もと言われていますが、副作用が心配で、非浸潤ガンということもあり、気が進みません。ホルモン治療は必要(標準)でしょうか? また、どのような効果がありますか?
3) 放射線治療も標準でしょうか?
4) 治療計画を立てる上で、「左に続いて、右も」という点で、注意することはありますか?
5) 1年前のマンモで石灰化が見え始め、半年前の検査(7月)の結果、半年後に再検査と言われました。約2pの広がりになる前に判らなかったのかなという気がして、3か月後の10月に検査をお願いすべきだったかなと思う今日この頃です。石灰化の経過観察として、半年後に再検査というのは、一般的でしょうか?

以上、宜しくお願い致します。

1)手術が標準治療であり現時点ではそれに代わる治療はありません。
2)針生検では非浸潤がんとのことですが、それはしこりの一部を調べた結果であって、術後にしこりを詳しく調べると実は浸潤がんであることもしばしばあります。もし術後結果が浸潤がんであったとすれば、今後肺・肝・骨などの遠隔転移再発の可能性も生じてきますので、それらの可能性を減ずる目的でホルモン治療は効果的であると考えます。一方で術後結果でも非浸潤がんであったとすると、ホルモン治療を行う意義はそれほど高くないと考えられます。
3)術後病理結果のいかんを問わず、乳房部分切除を施行した場合、残存乳房への再発を予防するために放射線治療は行うべきです。
4)両側乳癌であることで特別に注意する必要はありません。
5)石灰化を認めた際の再検査までの期間は3-6ヶ月が一般的であると思います。メール内容からは貴女の場合も決して進行しているわけではありませんので、変な後悔はせず前向きに治療に臨んでいただきたいと思います。(文責 谷)

 

No.11640】  15年03月23日    Y.N
76歳の母の治療について

76歳の母の事でご相談させて頂きます。浸潤性乳癌と診断をされ、しこりの大きさ1センチ位。ですが脇のリンパ節にも転移しており、腕も浮腫んでいます。ステージは3a。ホルモン受容体は陽性、HAR2は陰性。担当医には、脇のリンパ節への癌の広がりが大きい為、今すぐには手術ができないと言われました。そこで抗がん剤又はホルモン療法の話を伺いましたが、高齢者であるので、抗がん剤の副作用への心配もあり、又ホルモン受容体が陽性だったので、まずホルモン療法から勧められ、フェマーラを1ヶ月服用しています。長文になり大変申し訳ありませんが、今後についてご質問致します。
乳癌のガイドラインを見ますと、ステージ3以上の場合は化学療法は行うようですが、76歳の高齢者でも、元気であれば術前化学療法を行ったほうがしこりは小さくなるのでしょうか。副作用への心配もありますが、化学療法を行わず癌が進行してしまうのも心配です。痛みはありませんが、腕がパンパン浮腫んでいるので、見ていると心配で仕方ありません。一番は担当医と話し合って今後の治療を決めていくものだと理解していますが、ご意見聞かせて頂ければと思います。宜しくお願いします。

腋窩リンパ節転移が顕著で手術施行困難なお母様に対し、フェマーラでまず経過を見ているとのことですので、効果が認められるようであればそれを継続して、腋窩リンパ節の縮小に期待したいと考えます。しかし数ヶ月使用しても効果が得られないようであれば、76歳であってもお元気とのことですので、比較的安全に抗がん剤治療を行うことは可能であると思います。主治医の先生とよくご相談ください。(文責 谷)

 

No.11640-2】  15年07月22日    Y.N
76歳の母について

前回 11640番で相談をさせていただきました。76歳の母が、右乳癌リンパ節転移有の為、手術する前に術前内分泌療法を行っています。フェマーラを服用し、5カ月がたちました。 2ヵ月目の経過観察では、腫瘍マーカーが下がっておりましたが、今回結果を聞きに行ったところ、腫瘍マーカーの上昇と、左のリンパ節レベル1〜2にも転移が確認されました。担当医は、「フェマーラが効かなくなったので、違う飲み薬に変更をして、再度腫瘍の縮小に期待をしましょう」という治療を勧めてきましたが、とても動揺しております。

1) 閉経後、フェマーラで効果がない場合、どのような薬が適しているのでしょうか。
2) 左の胸には癌が認められないのに、左のリンパ節に転移しているとは、右のリンパ節から転移したのでしょうか。
3) ここで、癌がとりきれない、手術後の後遺症なども踏まえて、内分泌療法を継続した方が良いのか、又は手術でとりきれる癌をとってしまった方が良いのでしょうか。

とても判断に困っており、ご質問をさせて頂きました。宜しくお願いします。

1) 異なる閉経後用のホルモン剤を使用する方法も無いわけではありませんが、同じホルモン療法は多くは期待できませんので、また時間的にも後がありませんので、化学療法を行うべきと考えます。
2) 右のリンパ節から転移したものか、血行性に転移したものと考えます。それだけ病勢は進行しているということになります。
3) 取りきれるなら迷わず手術を勧めますが、左のリンパ節にまで転移しているとすると、それは難しいと思います。乳癌そのものと転移したリンパ節だけ切除する姑息的手術も、腫瘍量を減らことができ、意味がある場合もあります。(文責 石川)

 

No.11639】  15年03月23日    M.T 
トリプルネガティブ局所再発 全摘か部分切除か

いつもお世話になっております。左乳がんリンパ節転移を繰り返し、今回局所再発(左胸の下、しこり1.5センチ)が認められ、全摘+抗がん剤ハラヴェンもしくは部分切除+ハラヴェンの選択を迫れているトリプルネガティブの患者です。
これまでの治療は、2009年5月ステージ2aで、標準治療(術前抗がん剤パクリタキソル、FEC、乳房温存手術、放射線25回)を2010年3月に終了後、2011年12月にリンパ節転移1個摘出。抗がん剤ゼローダを10ヶ月服用後、前回摘出したリンパ節周辺に1個転移が認められ、2013年1月末にリンパ節郭清手術(レベル1,2,3リンパ節26個取り、病理結果1個のみがんでKi67が90%と判明)を施し、抗がん剤なしで経過観察。その後、2014年3月に左胸脇の下リンパ節転移で摘出。更に抗がん剤治療を見送ったところ、7月中旬に左胸の鎖骨上と腋窩のリンパ節にがんが認められ、私の希望で放射線治療トモセラピー治療を受け、がん縮小し、経過良好。ところが、最近、左胸下に局所再発(左胸の下、しこり1.5センチ)しました。そこで質問です。
1) 主治医からは全摘+抗がん剤ハラヴェンか、部分切除+抗がん剤ハラヴェンか、選択を迫られております。現時点での再発率防止として全摘にするか、部分切除にするか、どのくらい再発率の割合が違いますか。全摘のほうが優位に再発防止になりますか。数字のパーセンテージで違いを教えていただけますでしょうか。
2) 全摘も部分切除も抗がん剤をするのであれば、身体的ダメージが少ない部分切除のほうが有り難いように思いますが、ハラヴェンが効かなかった場合に、部分切除を選んだ分、遠隔転移の可能性が高まりますか。逆に、ハラヴェンが効いた場合、全摘にせず部分切除でも全摘と同等に十分延命となるのか。
3) 全摘にして抗がん剤をしばらく見送ることは無謀なのでしょうか。例えば肺に転移してから抗がん剤を追加するのと、遠隔転移をしていない状態で、予後のための抗がん剤をしたほうが遠隔転移を防ぎ、より延命に繋がるのでしょうか。遠隔転移してから抗がん剤を使用しても2.5月の延命にしかならないと聞いておりますが、間違っていますでしょうか。
4) 部分切除して抗がん剤を見送るのは更に危険でしょうか。

お忙しいところ、恐縮ながら、以上の質問事項にご返答のほど、宜しくお願い申し上げます。

1)2)全摘にするか部分切除にするかはしこりの大きさやその部位、乳房そのものの大きさなどで決定されます。部分切除にすれば全摘と比較して残った乳房に再発する可能性はありますが、遠隔転移の可能性は同等と考えて良いと思います。よって部分切除にすると残存する乳房に再発する可能性が残るわけですが、再発の確率はそのケースによって変わってきますので主治医の先生にお聞きになってください。
3)4)全摘にしても部分切除にしても抗がん剤療法を行う意義は、局所のコントロールよりも遠隔転移の予防がメインとなります。これまでの経過や既に判明している癌の性質などを鑑みて主治医の先生は抗がん剤の使用が好ましいと判断されているものと考えます。私も抗がん剤を使用することを推奨しますが、手術を施行して何もせず経過観察することも立派な選択肢の一つであると考えます。再度主治医の先生とよくご相談ください。(文責 谷)

 

No.11638】  15年03月23日    T 
乳がん病理診断について

初めまして、お世話になります。今年の2月に乳腺全摘術で手術しました。先日、病理検査結果と今後の治療方針を主治医から話ありました。
T1 ステージ 1、大きさ 15mm、グレード 2、組織型 硬癌、リンパ節移転 0、脈管浸潤 リンパ管 +、ホルモン受容体 (+/+)、HER2 2+ (FISH法で陰性)、Ki 67 40% と言う結果でしたが、今後の治療は、ホルモン療法(タモキシフェン)5年、必要であれば、10年との事でした。硬癌、ki67 40%だけの数字が気になります。抗がん剤はしなくても変わらないのでしょうか? 45歳 女性 閉経前です。今朝からホルモン剤は飲み始めました。宜しくお願いします。

病理結果からリスクファクターという観点で申しますと、Ki-67が40%と高値を示すのと、グレードが2、脈管浸潤が少しある、というのがそれにあたります。ホルモン感受性が陽性でありHER2陰性ですので、ホルモン治療単独か、リスクファクターを重視すればホルモン治療の前に抗がん剤を上乗せするかというのが標準的な治療になります。よってどちらを選択するかは主治医の先生との相談で決められることになります。再度主治医の先生とご相談されてはいかがでしょうか?(文責 谷)

 

No.11637】  15年03月23日    K.F. 
術後治療のハーセプチンの必要性について

64才。2015.1月に左乳房全摘。術後の治療にハーセプチンは必要か選択に迷っています。病理検査結果は以下です。
・Scirrhous carcinoma (乳頭腺管癌崩れの硬癌) ( 浸潤) ・FISH : HER2(+)  シグナル比2.0 HER2 遺伝子の増幅あり。
詳細
f, ly(-), v(+), pT3, pNO, ER+, PgR+, HER2(2+), Nuclear grade (Grade 2)  MIB-1 陽性細胞は5%程度  因みにKiの記述はなし ・ER+( PS 4+IS 2=6 )  ・PgR+(PS 3+ IS 2=5 )

腫瘍の大きさは最初のエコーとマンモの検査では、2.6cmと0.6cm(2ヶ所)でしたが、病理の結果は、多分2.6cmの方だと思いますが、「5.5×4.5×1.5cmの範囲に拡がる黄灰白色充実性で境界やや不明瞭な腫瘍を認める」です。
私は抗がん剤は使いたくないと申し出、主治医からハーセプチンの治療を提示され、3月末開始となりましたが、迷っています。上記の結果からすると、HER2陽性と判断されたようですが、HER2陽性定義では、抗HER2治療法の対象としては、(3+) もしくはシグナルは2.2以上となっています。(St.gallen)
私の場合、HER2は (3+) ではなく (2+) ですし 2.0です。これらについて主治医より説明はなかったので、この境界域でハーセプチンが奏効するのかどうか疑問に思っています。この境界域でも再発予防のためハーセプチンで治療したほうが良いのか迷います。 選択肢としては、@ハーセプチン単独治療後ホルモン療法 Aホルモン療法のみを続けて再発した時にハーセプチンを使うか  ではないかと思っています。どうかよろしくお願いいたします。

まずHER2の判定に関してですが、FISH法でシグナル比2.0というのはちょうど境界域で、陽性と陰性の境目と言えます。2.0以上を陽性と定義付ければ陽性に分類されるし、1.8〜2.2を境界域と定義付ければ境界域に分類されます。すなわちハーセプチンが効果ある可能性はあるが、効きにくい可能性もあると考えるよりありません。また今後の方針に関してですが、もしHER2陽性と考えるのであれば、ハーセプチンは抗がん剤併用での使用で効果が証明されておりますが、ハーセプチン単独での使用はその効果の証明が得られておりませんので、主治医の先生と貴女とでその使用法を相談するしかありません。もし私が主治医なら、抗がん剤併用を希望されないのであれば、ホルモン療法単独で経過をみて、万が一再発があればその段階で再度方針を相談したいと考えます。(文責 谷)

 

No.11636】  15年03月23日    AY 
転院について

転院のタイミングについての質問です。よろしくお願いします。
45歳女性。2007.8月に右浸潤性乳管癌温存術。ステージ2A、ホルモン受容AER1%、PgR60% HER2陰性。術後、放射線治療、ホルモン治療(ゾラ/リュープリン+ノルバデックス)3年。その後ノルバデックスのみ服用〜2013.3月。 2013.3月多発肺転移。 ECC、WPXTC実施。多発肺転移縮小。現在リュープリン+:ノルバ中。2015.3月の検査で、前回2014.9月の画像と比較したところ、多発肺転移に著変はないものの、今回初めて左肺側胸膜転移15mmが出現しました。
昨日、主治医には「ホルモン治療を続け、3か月後(2015.6月)にCT画像で変化を見て、場合によっては薬を変えましょう」と言われました。現在の主治医の先生には、手術から8年間ずっと診ていただいており、特に不満はないのですが、現在かかっている総合病院は乳腺外科専門外来がなく、主治医は消化器の患者さんが多いようです。近くにある大学病院の乳腺外科専門の外来があるところへ移ったほうが良いのかと思い始めました。これから進行乳がんと向き合っていくにあたり、治療方法の選択を決断する場面が何度かあると思うのですが、その際に大学病院の乳腺外科のほうが選択肢が広がる可能性があるのではという期待があります。2015.3月の画像・紹介状を持って、今すぐに大学病院に移るか、昨日リュープリンを打ったので、2015.6月のCT検査を受けてから、その画像を持って転院するのが良いのか、転院時期についてアドバイスをお願いいたします。

乳癌術後の肺・胸膜転移再発に対し冷静に方針を検討されている由、敬服いたします。おっしゃるとおり今後の治療には標準治療といったものがないので、主治医の経験や裁量といった要素が方針決定に大きく影響するものであると思います。もし、もう転院の決断をされたのであれば、少しでも早く転院することを私はおすすめしたいと思います。ただ転院してからその病院が納得いかないとおっしゃるケースもよくお聞きしますので、その病院自体の体制や通いやすさ、主治医の先生との相性などもよく検討してからご決断いただきたいと思います。(文責 谷)

 

No.11635】  15年03月18日    N
今後の治療について

現在50歳、閉経前です。宜しくお願いします。20年以上前から、毎年5月〜7月に人間ドックで、右側乳房にしこりが有るので必ず要精密検査となる為、5年前から人間ドックから乳腺の検査を省き、9月〜11月に別箇にマンモグラフィー、エコーと視触診の検査をしてきました。2014年11月末に検査で左乳がんが疑わしく、細胞診グレーの為、マンモトーム生検をしました。カテゴリー4で、12/24に告知されました。腫瘍6_、浸潤がんと言われました。2012年9月には乳白色の分泌液が両乳頭から有った為、採取して検査しましたが、問題無しでした。本当はこの時点で非浸潤がんが見つけられたのでは?もしくは2013年10月の検査で非浸潤がんでは見つけられなかったのかと、検査病院に不信感を抱きました。がん専門病院に紹介状を出してもらい、12/26初診・1月中はCT・MRI・骨シンチ・血液・肺等々の検査をしました。 (年末年始休みや、1つの検査に1週間・10日と待たされ、精神的に参りました) 術前説明(初診から1ヶ月半)で、腫瘍は10_になっていました。右乳房のしこりもMRIで疑わしいとの事で、マンモトーム生検しましたが、乳腺線維腺腫との診断でした。2月中旬に左乳房温存手術をしました(全摘を希望しましたが、却下されました)。

術後病理結果
乳頭腺管がん 浸潤した部分14_(2ヶ月半で倍以上) 腋窩リンパ節転移0(SNB0/2) 組織学的異形度 T  KI67 10.7% リンパ管侵襲(−) 血管侵襲(−) ホルモン受容体 ER95% PgR80%  Her2(1+)陰性 断端陰性

以上の結果から、放射線25回照射 ゾラデックスorリュープリン(4週毎 最低2年皮下注射) タスオミン(5年間1日1回毎日内服) となりました。薬剤指定されているので、次回の診察で、ノルバデックスを希望するつもりです(ジェネリックに不信感が有る為)。再発をしたくないので、TS-1 か UFTを内服したいと希望しましたが、経口とはいえ、抗がん剤なので、殆ど再発率は変わらない事を考えると勧めない と言われました。抗がん剤の副作用や正常な細胞へのダメージなどの説明を受けました。オンコタイプDXやマンマプリント検査を受けたい旨も伝えましたが、必要ないと思うと言われ・・・はっきりでは有りませんが、却下されました。CYP2D6については、ネットでキットを購入して受ける事にしました(病院で受けると、今までの治療費が3割負担から全額負担になってしまいますから・・・との事)。それから、術前検査で、骨・肺・脳・内臓に遠隔転移は無いと言われたのですが、子宮体がん・卵巣がん・膵臓がん・大腸がんなどもCTで分かるのでしょうか? 背中の張り(筋肉なのか骨なのか)や、腰骨の痛みや、手足の関節痛なども有るし、吐き気もしますし、風邪でもないのに、いつも痰が絡んでいて、全身が不調です。背中の痛みは、膵臓がん? 痰が絡むのは甲状腺がん? 腰骨の痛みは卵巣がん?と、どんどん不安が増しています。毎年人間ドックで内臓エコーをしていて、胆嚢と肝臓に嚢胞が有るので、毎年チェックされてますが、特に問題なしの結果でした。大腸がんは便の検査しかしていませんが、問題なしでした。子宮頸がんは、2014年6月の人間ドックと先週市の無料検診を受けて、問題無しでした。人間ドックでは、子宮筋腫がみられるので、2015年の人間ドックにはエコー検査をオプション追加した方がいいとは言われています。子宮体がんと卵巣がんについては検査していません。腰骨が痛いのと頻尿なので、子宮体がん・卵巣がんを、今すぐに検査しに行った方がいいのか、今年の6月迄待って、人間ドックにオプション追加して検査するか、どうしたらいいのか悩んでいます。
今回の乳がんの件で、検査病院に不信感を持ってしまったのですが、じゃあ他にどこで検査したらいいのかを考えると、どこの病院が見逃さずに見つけられる事が出来るのか・・・と、考えてしまいます。次の診察まで2週間有り、がん専門の大病院なので、気になるからちょっと診て貰おうが出来ないし、他の部位のがんについては、自分で他病院で検査するようにとなっています。全ての科が有る病院なのに、乳腺以外については自分で他病院で検査・・・という病院よりも、ちょっとの不調を訴えると同じ病院内で連携して診て貰える病院に転院した方がいいのでしょうか? 今更ですが・・・。また、地域連携で、ある程度の治療が終わると、近所の乳腺クリニックに通うシステムなのも不安です。ちなみに近所の乳腺クリニックより、今のがん専門病院の方が近いのも、気持ち的には納得がいかないのも有ります。病理結果を見れば、そんなに悪い結果じゃないので、もっとポジティブに考えろと主人には言われるのですが、それが出来ません。適応障害もしくは鬱になっているとも思うので、精神腫瘍科に定期的に通院した方がいいのでしょうか? 術前検査中に3回受診して、とんぷく薬は貰いました。長々となりまして申し訳ありません。アドバイス頂けるとありがたいです。宜しくお願いいたします。

私は長い期間にわたって多くの乳がん患者さんを拝見してまいりました。ほとんどの患者さんは、その再発を心配して過ごされます。そのため、少し頭が痛いと脳に転移したのでは、腰が痛いと骨に転移したのではと疑心暗鬼になられます。心配し過ぎてはいけないと理屈ではわかっていても、多くの方が避けることのできない事柄であると思っています。なぜなら人間は考える生き物だからです。貴女にとって、乳がんになったことは、とても残念なことであったと思います。しかしメールで拝見した限りでは、その程度はかなり軽い方であると考えてよく、放射線療法やホルモン療法を追加することにより、再発率はさらに低く抑えられていると思います。もちろん再発以外にも今後新たながんがどこかに生じる可能性もありますが、それは他の人と同等の確率です。もっともCTだけで他のガンすべてが調べられるわけではありませんので、今後も検診の受診は継続していただきたいと思います。このような精神的な負担を少しでも減ずるために、精神腫瘍科を受診することはとても効果的であると思いますし、まだ不安があるようなら再度受診いただくことを強くお奨めします。(文責 谷)

 

No.11635-2】  15年03月25日    N
再度ご相談です

NO.11635で先日ご相談させて頂きましたNです。ご丁寧なお返事ありがとうございます。乳がん以外の部位の検査については 放射線が終わったら随時受診していこうと思っております。先日の内容の中でいくつか再度質問させて頂きます。宜しくお願いします。

1) 私の術後病理結果からの無再発健存率(5・10・15年・・・)はどの程度でしょうか? Adjuvant onlineに照らし合わせた場合 経口のUFTなどを飲んだ場合とホルモン剤のみとではどの程度の差になるのでしょうか?
2) ホルモン剤ですが、ゾラデックス又はリュープリンのどちらかを主治医から提案されていますが、どちらがより良いのでしょうか?
3) 経口ホルモン剤はタスミオンと指定されているのですが、出来ればジェネリックではない薬を飲みたいのですが、ジェネリックとの差は、金額と添加物以外は有るのでしょうか?
4) 放射線は25回照射なのですが、30回にする必要は無いのでしょうか?

何度も大変申し訳ありません。主治医は簡単に大丈夫 大丈夫と仰るのですが・・・まだ中学生の子がいるので、せめて成人するまではとの思いが強いので、簡単に大丈夫とは思えず 考えてしまう事が多いので、宜しくお願いします。

1) それほど再発リスクの高いがんではないと考えます。10年での再発リスクがおそらく10−20%程度でホルモン療法単独でおこなうと再発リスクが6−10%程度になるという具合でしょうか。UFT製剤二年間はCMFと同等の効果と言われています。この場合上乗せして下がる再発リスクは多くても5%は超えない程度と考えます。
2) どちらでもほぼ同等の効果と考えます。どちらでもよいと思います。
3) タモキシフェンとしては、現在タスオミンが日本で最も多く使われているのではないでしょうか。ですので、それほど心配しなくてよいと思います。しかし、ノルバデックスがお好みであれば、先発品に指定することは可能ですので、そうされてはいかがでしょうか。
4) 切除断端に非常に近いところまで乳がんが広がっている場合は、通常の25回照射に、照射野を少し小さくして5回前後の照射を追加することが多いです。切除断端が十分確保されておれば、照射は25回でよいと思います。(文責 俵矢)

 

No.11635-3】  15年03月29日    N
再々度の質問で申し訳ありません

NO.11635で先日ご相談させて頂きましたNです。ご丁寧なお返事ありがとうございました。先日の内容の中でいくつか再度質問させて頂きました。その質問の後すぐに放射線の説明やCTをし、身体に線を描くなどで病院に行ったので、乳腺の診察もついでに入れられて、ホルモン剤の処方をして頂き飲み始めました。どうしてもジェネリックは嫌だったので、ノルバデックスにして頂きました。その際に当初の治療方針ではゾラデックスかリュープリンのどちらかを皮下注射2年となっていたのに、「やっぱり50歳なので閉経も近いからやらない方向にしました」と言われました。あまり予後には変わりないし、お金もかかるから・・・との事でした。50歳ですが、まだ閉経していません。ゾラかリュープリンの皮下注射をしなくても今後の状況に変わりは本当に無いのでしょうか? お金の事よりも中学生の子がいるので、今後健存する事の方が私にとって大切なのです。アドバイスを宜しくお願いします。何度も何度も申し訳ありませんが、宜しくお願いします。

最新のデータでは,タモキシフェンに卵巣機能抑制剤を併用する意義はないとの結果です.(文責 徳田)

 

No.11634】  15年03月18日    Y.K.
樹状細胞ワクチン

初めての相談です。宜しくお願いします。昨年9月に乳がんの温存手術をしました。47歳です。1.1cm、リンパ節転移なし、ホルモンレセプター陽性でしたが、Ki67が40と高値でしたので、抗がん剤のEC療法を4クールしました。その後、放射線治療をして、現在はホルモン療法でアリミデックスを服用中です。生理は抗がん剤の2回目の点滴後来なくなりました。相談したいのは、Ki67が高値のため、なんとなく不安なので、再発・転移する前にできるだけの治療をしておきたいという思いから、先進医療の樹状細胞ワクチンをやったらどうかと考えたので、それについてのご意見を伺いたいと思ったからです。費用がかかるのはわかっていますが、費用面は無視して、このワクチンを使用するメリットとデメリットを教えてください。なんとか通える距離に先進医療として指定されている大学病院はあります。ガン保険や会社の共済会から費用の負担がでないようなら、もう少し近くにある全て自由診療で治療してくれる病院を選ぼうと思います。また、ホルモン陽性とは聞いているものの、陽性の%を聞いていないので、わずかに効くのか、とても効くのか、そこもわかりません。Ki67が高値の場合、ホルモンレセプターの数値は低いものなのでしょうか? そしてホルモンの数値が低い場合は、ホルモン療法の効果も低いのでしょうか? お忙しい所申し訳ありませんが、教えてください。お願いします。

樹状細胞ワクチン療法とは免疫療法の一種ですが、まだその効果については一般的な証明はされておらず、お奨めできません。ホルモン感受性の程度に関しましては、とても良く効くと期待できる場合から、あまり期待できない場合までありますが、主治医の先生にお聞きになれば、その値は教えていただけると思います。Ki-67の値とホルモン感受性の値との相関はないと思います。(文責 谷)

 

No.11634-2】  15年04月15日    Y.K.
白血球について

以前11634で相談したものです。その際は的確なご回答ありがとうございました。今回は別の質問です。宜しくお願いします。
白血球についてです。抗癌剤4回目の点滴終了4週間後は4000、その2週間後は2500(放射線開始2回目)、さらにその8週間後は2000(放射線治療終了後25日)と減ってきているので、原因を特定するため、現在アリミデックスを中止して、次回20日に血液検査をする予定です。それでさらに白血球が低くなっているようなら血液内科で検査をすることになるそうです。私としては、3月の中旬から子供の進学、引っ越し準備などでかなり忙しく、特に2000となってしまった日の前日、前々日は泊まりで引っ越しをしていたので、食事もかなりいい加減で、さらに睡眠時間も少なく、疲労がたまっていたせいではないかと考えているのですが、主治医の先生からは、そういうことはあまり関係ないからと言われ、とても不安になっています。私は人間ドックを10年ほど前から受診していますが、その際の白血球の値は3000〜3500程度です。白血球の減少する理由として考えられるものは何かありますか? 通常白血球の数値がいくつくらいで治療が必要になるものでしょうか? 白血球の減少に骨髄転移の場合があるというのがあったのですが、そういうのも考えられるのでしょうか? そのことを考えると背骨や首の後ろが痛いような気がしてしまいます。6月にCT検査をする予定です。またネットで検索していたところ、抗がん剤の治療後数年経っても白血球の数値が戻らないという人のブログを見つけてしまい、副作用がおさまらないのではないかという不安もでてきてしまいました。また、さらに現在アリミデックスを中止しているためにホルモン剤を服用していません。3週間ほど治療をストップしている状態ですが、これは今後の再発、転移に影響しないでしょうか? ホルモン剤を服用していないことも不安で仕方ありません。ちなみにホルモン受容体はどちらも2+でした。これが最高だからといわれましたが、こちらの質問の方に3+という方がみえ、まだ上があるの?と思ってしまいました。病院によってこの数値の出し方も違うのでしょうか? とにかくなかなか安定した治療とならず不安は尽きません。長々と多くの質問をしてしまいすみませんが、宜しくお願いします。

疲労や軽い低栄養では白血球減少は起こりません。白血球の減少する理由として考えられるものは、普段の白血球数値が3000〜3500程度でもともと低めですから、それに加えて抗癌剤点滴や放射線治療の影響が遷延している可能性が高いと考えます。通常白血球の数値が1000以下になると、重症感染症への懸念から治療を始めることが多いようです。骨髄転移ではその前に赤血球減少症(貧血)、血小板減少症が見られるのですぐわかります。ホルモン治療でアリミデックスやタモキシフェンは極めて稀ですが白血球減少を悪化させることがあるので、止めておいた方がいいかと思います。ホルモン受容体の判定方法が病院(病理医)によって異なる場合はあります。(文責 石川)

 

No.11633】  15年03月18日    E.T. 
サプリメント

一昨年、乳ガンになりました。初期ということで、温存手術と放射線治療を終え、今はアリミデックスを飲んでいます。副作用で、膝や腰の痛みがあり、緩和するサプリメントをさがしています。コマーシャルでやっているコンドロイチンやセサミ、ヒアルロンサンなどの関節痛に効くサプリを飲みたいのですが、ホルモン剤とケンカしてしまうようなことはありませんか?

コンドロイチン、セサミ、ヒアルロン酸などのサプリメントが乳がん治療において悪影響を及ぼすといった報告は、いまのところ指摘されてはいないと思います。しかし、もし使用を希望される場合は、やはり主治医の先生によく相談されるのがよろしいのではないでしょうか。(文責 谷)

 

No.11632】  15年03月18日    JM 
ホルモン療法(2剤)について (HPNo.11597-3)

お世話になっております。前回・前々回ともに、とてもわかりやすく、丁寧なご回答をありがとうございます。結局抗がん剤治療は行わず(オンコタイプの検査も行わず)、ホルモン療法のみで治療を進めることになりました。先月後半から経口のタモキシフェン(ノルバデックス)を開始し、今月後半から注射でのLH-RHアゴニスト(ゾラテックス)を開始する予定です。ただ、LH-RHアゴニスト(ゾラテックス)については、主治医の先生より、「(乳がん学会の患者向けの)ガイドラインにも書いてあるとおり、TAMほど効果についてのエビデンスはまだ確立されていませんが、うちでは年齢が若かったり、リスクが高めの人はLH-RHもやることが多いですが、どうしますか?」というようなことを言われましたが、実際どうなのでしょうか? LH-RHアゴニスト(ゾラテックス)のほうが、タモキシフェンより副作用が強いとの話も聞きますが、それでも多少なりとも再発リスクを抑えられるのであれば、両方やったほうがいいのではないかと考えています。LH-RHアゴニスト(ゾラテックス)も併行して行なったほうが、やはり多少なりとも再発リスクを下げられる可能性が高いのでしょうか? 通常やはりリスクが高めの人は、2剤併行で治療を行うことが多いのでしょうか? また、リスク高め、とはどういった場合でしょうか? 度々申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

今回貴女が悩んでおられること、すなわち閉経前乳がんの術後の方に対しタモキシフェンにLH-RHアゴニストを付加することが再発リスクを果たしてどのくらい下げられるのか、これがわれわれ乳がん専門医にとっての現在の大きな課題の一つです。ですから現時点ではLH-RHアゴニストを加えるのも正解、加えないのも正解、というのが、ガイドラインに基づいた答えということになります。ただし40歳以下の若年の方や再発リスクの高い方の場合は、LH-RHアゴニストを付加する方がよりリスクが下がる可能性も唱えられており、こういったケースでは、より使用される頻度が高いと言えます。しかしながら、再発リスクにも明確な基準はなく、貴女の場合は核異型度が3であるものの、KI-67は4.9と低く、リンパ節転移もなく、腫瘤サイズも小さいことなどより、それほど再発リスクが高いとは言えないと考えられます。以上の事柄を踏まえて、最終的にはご自身で納得された方法が、正しい方法であると私は考えます。(文責 谷)

 

No.11631】  15年03月18日    M.K. 
生理再開

3年前、44歳の時に乳がんの手術を受けた者です。
腫瘍の大きさ 1.2×0.8×0.5、 充実腺管がん、リンパ節転移なし、グレード3、細胞増殖能40%
温存手術後、放射線治療、ホルモン治療有効でタモキシフェン服用、生理を止めるリュープリン注射をしています。リュープリンは、当初3年と言われていたのですが、更年期障害の症状が酷く、2年で辞めて、現在はタモキシフェン服用のみの治療です。リュープリンを辞めてからの1年は生理が全く来なかったのですが、つい先日突然に生理が始まりました。手術前までの生理は量も普通で、3日くらいで徐々に少なくなっていく感じだったのですが、今回の生理は大量で、ナプキンが1時間もたず、洋服を汚してしまう程です。その状態が3日以上続いており、心配です。3年無かった生理が突然来たので、量が多いのでしょうか。また、エストロゲンを抑えるように治療をしてきたのに、この生理復活はエストロゲンが復活しているということですよね? また再度リュープリンで注射して生理を止めた方が良いのでしょうか。今になって3年注射をした方が良かったのかと後悔しています。2年と3年の治療の差は大きいのでしょうか。以前のような生理痛は無く、少し身体が怠い程度です。お返事お待ちしております。

通常リュープリンの使用は2-3年とされており、3年の予定が2年となったとしても、その効果が明らかに劣るといった事はないと考えられます。リュープリンを中止してから最初の生理が再開するまでに1年以上経過することもそれほど珍しいことではなく、特に最初の頃は生理がとても重い場合もよく聞かれます。また生理が戻ったとしても、タモキシフェン使用中であるため、エストロゲンはしっかりと抑制されていると考えられ、副作用でおやめになったリュープリンを再開することは必要ないと考えます。(文責 谷)

 

No.11630】  15年03月18日    T
治療法について(2)(HPNo.11615-2)

以前に11615で質問した者です。現在の主治医が、説明をあまりしてくれず、納得がいかないため、手術前迄主治医だった先生(同じ病院です)におうかがいしたところ、追加照射も選択肢の一つだとのことでした。ただ、断端−とは断言しかねるという病理が、どの程度なのかを、病理の先生に再度聞いてみてくださるとのことで、その結果を聞いて決めることにしました。HER2、ホルモンレセプター、ki-67は、術前しか調べておらず、先生に術後のものを基準に治療法を決めるべきでないかとお話ししたところ、再度調べてもらうよう依頼するとのことでした。1月7日に手術をしたため、今から調べることができるのでしょうか? 又、できたとしても日にちが経っているため、正しい数値がでるのでしょうか? 術前は、ホルモン陽性、HER2 1プラス、ki-67 10%程度でした。大きく変わることはあるのでしょうか? もし、術後も数値が変わらないと仮定して、放射線治療とホルモン治療だけでよろしいでしょうか? グレード2とリンパ管侵襲プラスというのが気になります。詳しい病理は最初の質問に書いております。

手術の際の癌の検体は、いつでも追加検査できるようきちんと保存のできる形で保管されているため、HER2やホルモンレセプター、Ki-67などは、いつでも調べることができます。ホルモンレセプターやHER2は、再度調べても結果が変わらないことが多いですが、Ki-67はしこりのどの場所で測定するかによって大きく数値が異なることがあります。また、手術標本でも、これらが同様の値であったとすると、抗癌剤使用のメリットはあまり高くないと推測され、放射線治療とホルモン治療だけでよろしいかと考えます。(文責 谷)

 

No.11629】  15年03月12日    M
今後の治療について(HPNo.11618-2)

先日、ご相談させて頂きました。NO11618です。閉経はしておらず、毎月きちんと生理があります。生理前に両方の乳房の張りと痛みがあります。婦人科で血液検査をしたら、まだまだ閉経しないだろうとのこと。タスオミンの次にトレミフェンも試しました。乳房が張り、痛みが出たことで、それも中止。MRIやCTも一度もやってないこと、NCC…というマーカーが1項目だけ高く、不安です。前回の質問でのホルモン療法については理解してます。しかし、主治医は、毎回、痛み止めを処方してくれるだけです。本当にこのままでいいのか? 私の場合は、この先、無治療でも大丈夫なのか、もっと他にも治療法があるのか、もう一度、質問をさせて頂きたく、再度、お忙しい中、申し訳ありません。よろしくお願いします。

ご相談どうもありがとうございます。乳がん再発の一番の予防方法は、生理を止めることです。従いまして、閉経されていないのであれば、LH-RHアゴニストの注射をおこなうことを考慮していただくのが良いと存じます。次回、主治医の先生へご提案なさってみてください。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11628】  15年03月12日    S.T.
ドセタキセルかアブラキサンか

初めて投稿させて頂きます。41歳。2014年11月に左乳房全摘、リンパ節郭清level1しました。ステージUA。ルミナルB。
リンパ節転移 4/16個 大きさ 20×13×12mm (多発:乳頭下にも4×3mm) 核異型度 1 Ki67 17% 血管侵襲 0  リンパ管侵襲 3 エストロゲンレセプター 8/8 プロゲステロンレセプター 7/8 Her2 1+
現在FEC100療法(4クール予定)をしていて、次のタキサン系の薬剤の種類をどうするかを悩んでいます。医師からは、ドセタキセルかアブラキサンかどちらかにと言われました。効果は、ほぼ同じと言われましたが、若干アブラキサンのほうが高いかも知れないと。どの程度の治療効果の差があるのでしょうか。ドセタキセルは、むくみが気になりますが、見た目にわかるほど酷いのでしょうか。アブラキサンは、体質に合わなくて、途中で中止される方が多そうなイメージですが、実際はどうなのでしょうか。通常の白血球が4500〜5000くらい。FECと合わせて、ジーラスタの皮下注射をしています。貧血があり、赤血球は10程度です。子どもが小さいので、習い事などの付き添いもあり、副作用が気になるのですが、高リスクなので、しっかりと治して行きたいと思います。化学療法後、放射線、ホルモン療法10年を予定しています。治療を重ねて行って、どの程度再発率が下がるかも教えていただけると有難いです。

ご相談どうもありがとうございます。術後補助化学療法に関するご質問ですね。アブラキサンに関しては、転移性乳がん患者においてアブラキサンが他のタキサン系に優っているというデータがでております。このデータを引用し、術後補助化学療法においてもアブラキサンを他のタキサンの代用として使用することも多くなってきております。ドセタキセルの副作用としての浮腫やアレルギーを解決する目的で開発されたのがアブラキサンです。アブラキサンは外来でおこなうことのできる抗がん剤治療です。もちろん個人差がございますので、主治医の先生とご相談いただきながら慎重に経過をみていってください。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11627】  15年03月12日    M
マンモト―ム生検とMRI(造影剤)

マンモト―ム生検とMRI(造影剤)をする予定です。検査自体に大変不安です。出血が止まらなかったり、造影剤の危険性はどうなんでしょうか。医者の説明はあっさり終わったので、よくわかりませんでした。過去に事故で後遺症が残った症例があったら教えてください。

ご相談どうもありがとうございます。検査前のご不安なお気持ち、良く分かります。検査にはそれぞれ、利益と不利益がございます。おっしゃるように、造影MRIには造影剤によるアレルギーや吐き気や喘息発作などの可能性がございますし、非常にまれですが命が危うくなる可能性も100万人に一人の割合でございます。マンモトームでは、ご指摘の通り出血の危険性がございますが、検査後にしっかりと圧迫止血をすることで可能性を下げることができます。主治医の先生に、今一度ご相談を良くなさって、ご判断をされてください。「なぜその検査が必要なのか」を、良くご確認ください。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11626】  15年03月12日    W.R.
術後化学療法の上乗せ効果について

46歳初発、浸潤性小葉癌で、2月初旬に全摘手術を受けました。病理結果は、サイズ2.3cm、ER陽性、HER2陰性、センチネルリンパ節転移なし、脈管侵襲ly+、v-、小葉癌のためグレード判定なし(針生検時点でグレード2)、ki67index20%
主治医から、今後の補助療法は「抗がん剤の上乗せ効果が5%程度で、副作用を考えると、ゾラ2年+TAM5年でいいと思うが、やりきりたいとか、ほんの数%でも改善できるならそっちを選ぶなら、+ドセ単独投与3w毎×4クールを提案するけど、どうします? どちらも大きくは変わらないから、やりたい方を選んでいい」と言われています。最初は、抗がん剤はデフォルトと思っていたので戸惑っています。家族は、主治医がどちらも大きく変わらないと言うなら、ホルモン単独でいいと言います。オンコタイプDXをやろうかとも考えましたが、中間だと、また悩むと思い、踏み切れません。第一選択はホルモン単独でも問題ないでしょうか。再発率に大きな差がないなら、気持ちの問題と考えて、ホルモン単独でいこうかと思いますが、小葉癌は多発しやすいと聞いて、不安に感じています。やはり抗がん剤の上乗せをするべきでしょうか。

ご相談どうもありがとうございます。小葉がんは多発しやすいとご心配されていらっしゃるのですね。確かに、浸潤性小葉がんは、切除した乳腺の反対側の乳がんが発生する場合がありますので、定期的に対側の乳がん検診を今後お勧めいたします。小葉がんは乳管がんに比較して情報が少なく、化学療法をするべきかどうかの判断は一概に申し上げられません。ただし、小葉がんというだけで、抗がん剤を選択することはありません。小葉がんはホルモン治療に対する感受性が高く、内分泌療法が有効に使用されます。抗がん剤をおこなうかどうかは、最終的には主治医の先生と良くご相談いただき、決定なさってください。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11625】  15年03月12日    K.O.
抗がん剤治療が必要でしょうか

知恵をお借りしようと思い、投稿させていただきます。同じような投稿があるかと思いますがお許しください。
先日乳癌の診断を受けました39歳女性です。 ホルモン陽性(2つとも99%)、ハーツ +1、病巣 1.6cmほど、Ki-67 30%
間もなく手術で、おそらくリンパ節転移はないだろうとの医師の見立てです。リンパ節転移が無かった場合、KI-67が30%と高めでも、放射線治療とホルモン治療のみで大丈夫でしょうか。ルミナールBになると見解が分かれるという事で心配になりました。可能であれば抗がん剤治療は避けたいです。ホルモンへの反応は99%以上ということは、微小転移があった場合、1%はホルモン治療が効かないという事になりますでしょうか。Ki-67 30%というのが、かなり気になってしまいます。通常このような高い値の場合は、抗がん剤治療が必要でしょうか。病巣もまだ体の中にありますし、不安な毎日を過ごしています。御意見をお聞かせいただければ幸いです。

ご相談どうもありがとうございます。これから手術とのことで、ご不安のことと思います。術前の針生検の結果と、手術で摘出した乳がんの最終結果で異なる場合があるので、現時点でははっきりとしたことは申し上げられません。一般的には、Ki-67が14%を超えているようであれば悪性度が高いと判断します。その際には、手術後の結果を総合的に判断し、ホルモン感受性が強陽性でも、抗がん剤を追加する可能性がございます。まずは手術を乗り越えて、その結果を待ってから主治医の先生とご相談くださいませ。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11624】  15年03月12日    S.T. 
今後の治療についてA(HPNo.11614-2)

11614を投稿させていただいたSTです。ご丁寧な回答をありがとうございました。
その後、2月24日にHER2の結果はマイナスでした。先生は、「なぜ当時陽性になっていたかわからないが、マイナスだったからこそ10年間無事に経過したのかもしれない。今回は抗がん剤は使わずにホルモン療法で経過を見ましょう。」ということになりました。ただ今回の血液検査では、HER2蛋白の値が23で、正常値15に比べると高いので、上がるようならハーセプチンを使うということになりました。また、肝臓(AST:48,ALT:43,LD:399)の機能も悪いので、今後はフェアストン、ロキソニン、ネオファーゲンC錠、セルベックスを毎食後に服用、ランマークの注射を月1回(デノタスチュアブル服用)の治療になりました。そして本日、フェアストンの服用後ひと月たち、血液検査の結果、ALPは925から626に下がってきました。肝臓は、服用を始めてまだ1週間のせいか、変わりありませんでした。抗がん剤をするつもりでいたので気が抜けてしまいましたが、骨転移だけでなく、肺、そして肝臓機能も悪いので不安です。

1) 背中や腰からお尻、太ももにかけての痛みに関しては、すぐに放射線治療をしてもいいしということでしたが、今は何とかなっているので、もう少し辛くなってきてからでも良いのかと思います。痛みだけでなく、骨の強化にもなるようなので、受けたいと思っていますが、どんなタイミングで受けるのが良いでしょうか?
2) 肺にも転移があるせいか、咳が良く出るようになり、心配です。
3) 5年前にアロマシンをフェアストンに変えたとき、子宮筋腫が大きくなりましたが、今回もお腹の張りや、鈍痛を感じるようになりました。場合によっては子宮摘出手術をしたほうが良いのでしょうか?

以上、よろしくお願いいたします。

ご相談ありがとうございます。少しでもお力になれましたら幸いです。
1) 骨転移の痛みは、まずはNSAIDsと呼ばれる痛み止めを内服し、改善がなければオピオイドという痛み止めの内服を追加いたします。それでも耐えられない痛みがある場合には、骨の痛みの部位に放射線治療をおこないます。骨転移に対する放射線治療は、ご本人の痛みのレベルによって必要性を判断していくものです。
2) 両肺に腫瘍が一つずつであれば、急激に咳がひどくなるとは考えにくいです。花粉症などのアレルギーや気管支炎がないかどうかも含めて、内科の先生にご相談いただくのも一つの選択肢です。
3) 内服薬の影響で子宮が大きくなっているのかどうかは、CT検査やエコー検査でご確認くださいませ。慌てる必要はありません。主治医の先生ともご相談し、お腹が張る原因を調べてみてくださいませ。

以上です。これからも応援しています。(文責 高橋)

 

No.11623】  15年03月12日    O.Y.
乳頭内にしこり

47歳。昨夏、閉経しています。12年前に右、昨年左に乳管内乳頭腫で手術しています。今回、MRIにて、右乳頭部内に5mmのしこりがみつかりました。様子見するか、検査するか選ぶよう言われ、CN針生検をする予定ですが、検査しにくい場所であること、血腫ができて乳頭が壊死する可能性もあると言われ、不安です。乳頭なので、マンモトームはできないと言われました。他に調べる方法はありますか? また、乳頭腺腫とは、どのようなものでしょうか? 乳頭部に乳管内乳頭腫ができることってあるのでしょうか? よろしくお願いします。

ご相談ありがとうございます。乳頭付近の検査はデリケートですから、ご心配になってしまいますよね。乳頭部腺腫は、乳頭内あるいは乳輪部直下の乳管内にできる腫瘍で、良性です。しかし、乳がんとの鑑別が難しく、乳頭分泌液の細胞診やCNBによる針生検は必要と考えます。針生検の際には、穿刺時に圧迫止血を十分におこなえば、安全におこなえると考えます。マンモトームは乳頭壊死の危険性は高くなります。様子をみるのもひとつの選択肢かと存じますが、ご不安が強ければ針生検をおすすめいたします。主治医の先生ともご相談くださいね。(文責 高橋)

 

No.11622】  15年03月12日    C.G.
組織診結果について

現在62才の女性です。この1月末に乳腺腫瘍画像ガイド下吸引術をうけ、2月に下記の組織診報告書を頂きましたが、ハーセプチンが効かないタイプ以外の説明を聞き洩らしてしまったので、質問をさせて頂きます。
診断 
Breast, left, biopsy ----Invasive carcinoma
@nuclear  atypia:Score2. number of mitotic figures:Score1 →nuclear grade:1
所見
左乳腺針生検検体では、腫大核を有する異型上皮が小胞巣を形成し間質へ浸潤し、周囲に乳管内進展を示す像を、粘液湖を背景に小胞巣を形成する粘液癌の像とを認めます。
浸潤癌の所見です。ご依頼の特染を行います。
所見
特染の結果は以下の通りです。
AEstrogen receptor:
Total score8=Proportion score5 +Intensity score3 BProgesterone receptor:
Total score3= Proportion score2+Intensity score1
CHER2 (erbB-2): スコア2+
DMI B-index (invasive front): 15%

質問 @ABCDにそれぞれ英語で記載されていることは、わかりやすく具体的にいうとどういう意味でしょうか? @〜Dまで各々について誠にお手数ですが、お教え頂けましたら、幸いです。よろしくお願い致します。

ご相談どうもありがとうございます。英語で書かれていると分かりにくいですよね。少しでもお力になれましたら幸いです。
@ 核グレード1:いわゆる「がん細胞の顔つき」です。病理学的悪性度を核グレードと言います。核グレード1は細胞分裂のスピードがゆっくりで悪性度が低い状態です。
ABについては、ホルモンレセプターについて書かれています。Allredスコア分類が用いられており、8段階の分類のうち3以上で陽性と判断します。従いまして、エストロゲンレセプター陽性、プロゲステロンレセプター陽性となり、ホルモン治療の適応となります。
C ハーセプテストの結果、2+であれば、陽性の可能性があります。この場合追加でFISH法をおこない、最終的に陽性であれば、分子標的治療薬であるハーセプチンの適応となります。
D MIB indexとは、いわゆるKi-67の数値です。こちらも悪性度の評価になります。正常値の判断が世界的に最終結論がでておりません。現時点では14%という数字を参考にして、明らかに14を上回る場合には悪性度が高く、抗がん剤治療が必要と判断いたします。14周辺の数字の場合には、境界値と考えたうえで、今後の治療方針の相談が必要となります。

以上です。詳細は主治医の先生にもご相談くださいね。(文責 高橋)

 

No.11621】  15年03月12日   M
今後の治療方針と検査について

2014年10月に左乳がん4期で 左肺転移 右肺転移 右胸膜播種で右肺に水が90%以上溜まっていたので、水を抜いてピシバニールを入れて、水が貯まらないように癒着させました。ハーツー遺伝子陰性で、化学療法とホルモン療法の2種類しかないとのことでした。退院時に、今後の治療をどうするかを聞かれました。「2種類しか無いのなら、両方お願いします。」という返事をしました。治療方法の説明とかは無しでした。最初にFEC療法3週に1回×4回 タキソテール3週に1回×4回(現在タキソテールの2回目が終了したところです。 ) その後、いつまで化学療法が続くのか質問した所、化学療法後、ホルモン療法ということでした。FEC療法を始める日(11月初め)に撮影した胸部CTと、タキソテール1回目終了した時点(治療開始から4か月)でのCTは、ほとんど変化なしです。効果は出ていないとのことでした。もし4回終了しても変化がないなら、タキソテールを延長しようかという話をされました。ホルモン感受性についての説明もまだ聞いていないのですが、最初にホルモン療法をした方が良かったのではないかとか、抗癌剤の選択肢、名前など、説明が余りなく、診療明細から情報を得ています。検査結果は、CEAは2.5 、 3.2、 3.9 となだらかに上がっていっています。CA15−3は 300以上で測定不能です。この先、治療方法の選択肢はあるのでしょうか? 転移などの検査方法はあるのでしょうか? 宜しくお願い致します。

ご相談ありがとうございます。治療の効果がないと言われてしまうと、心配になってしまいますよね。ステージ4で、抗がん剤治療開始から4ヶ月で変化がないということは、抗がん剤の効果があると一般的には考えます。変化がないということは、抗がん剤により、がんの勢いを止めることができているという根拠になります。従いまして、FEC療法後のタキソテールを継続して行くという選択肢が第一選択と考えます。もちろん、がんの病変がゼロになることが理想ではありますが、そのためには多量の抗がん剤を使用する必要があり、多大な副作用を覚悟しなければなりません。まずは、病変が落ち着いた状態を維持することが大切です。抗がん剤とホルモン治療を重ねることで、それぞれの効果が落ちるという報告もあります。焦って同時におこなう必要はありません。またホルモン治療は効果発現までに3ヶ月から半年ほど時間がかかるため、命に関わる肺転移、胸膜転移の際には、抗がん剤治療を第一選択とすると思います。全身への転移の有無は、PET-CTや骨シンチグラムなどで評価をしていきます。現在、最も命を左右するのは肺転移や胸水と考えますので、治療効果については胸部CTで評価をしていくのが一般的です。以上です。お役にたてましたら幸いです。主治医の先生とも良くご相談なさってくださいませ。(文責 高橋)

 

No.11620】  15年03月12日  C.U
現在の状況について

昨年8月、妻の件で相談させてただきました(NO.11461/8月29日)。その後の件で二点ご相談があります。
<相談@>
ノルバデックスの影響かと思われますが、子宮内膜がどんどん厚くなり、昨年12月頃に30mmを超える状態になりました。また、子宮内膜ポリープの大きさが約10cm位になり、分娩状態で痛みと出血が酷く、2回に分けて内膜ポリープ摘出手術を行いました(子宮鏡)。これを機に、ノルバデックスを飲むのをやめました。(3年半で終了) 年が明けてから出血は収まり、安心していましたが、1月下旬に出血(5~6日程度)、その後、2月上旬にも7~8日出血がありました。ちなみに、最後のリュープリン注射(3ヵ月製剤)から9ヵ月以上経過していましたので、1月下旬の出血は生理復活したのではないかと思いましたが、その後の出血のこと、そしてそれ以降は出血がありませんので(生理の周期を超えている)、それぞれの出血は一体何だったのだろうか?という疑問があります。通院している婦人科医の考えでは、2回目の出血は不正出血だろうとのことですが、最初の出血はわかりません。一般的に、リュープリンを終えてから、どのくらいで生理が戻りますでしょうか? 妻は39歳ですが、そのまま閉経する可能性もありますでしょうか? ノルバデックスの影響で、生理再開が遅れたり閉経することはありますでしょうか?

<相談A>
数日前、妻の乳がん手術から4年半の検診がありました。その際、血液検査で肝臓の数値が基準値を上回っており、4月下旬に再度血液検査を行うこととなりました。
GOT:129 GPT:40 LDH:388 なお、腫瘍マーカーに関しては、全く以上ありません。CEA:0.7 CA15-3:8.9
上記のことから、当然ながら肝臓の疾患等を疑うと思いますが、血液検査の2日前に激しい運動(ジムトレーニング)を行い、1月から健康食品、血液検査数日前から花粉症薬を飲んだりしたようなのですが、それらが原因で肝臓の数値が上昇することはありますでしょうか? また、妻は毎回採血に時間がかかり、何度も針を刺しなおしたようです。こういったことも要因になりますでしょうか?

宜しくお願い致します。

ご相談どうもありがとうございます。様々なご不安が襲ってきてしまいますよね。お役に立てましたら光栄です。ご質問1については、リュープリンを中止して 2ー3ヶ月で生理が再開される方もいらっしゃいますが、不正出血のような形で不定期に出血される方もいらっしゃいます。またノルバデックスの副作用でも、生理が遅れたり不規則になったり、性器出血がおこることもあります。その際には婦人科で子宮がん検診をお受けになってくださいませ。その結果、異常がなければ心配ありません。出血が時々繰り返すようであれば、生理再開の可能性があると思います。ご質問2については、激しい運動のレベルや内服薬等により肝障害の見られる可能性はございます。次回採血時には、これらの影響がないように、主治医の先生とご相談しながら採血をおこなってみてください。採血手技による影響は、主に血小板やカリウムの数字に現れる可能性がございますが、その場合には主治医の先生のご判断で再検査となると思いますので、ご心配されなくて大丈夫です。以上です。よろしくお願いいたします。(文責 高橋)

 

No.11619】  15年03月05日   I.S.
胸のしこり

来週で妊娠7ヶ月の26歳です。去年の11月上旬に(妊娠7週くらいの時)左胸にしこりを見つけ、乳がんが心配だったので病院に行きました。妊娠中だったため、エコー検査のみをしてもらいましたが、異常なしでした。ちなみにマンモグラフィは2年前にしています。先日、また左胸の下の方の胸のきわ?の部分にしこりを見つけてしまいました。去年の11月のエコー検査で異常なかったのに、新たに乳癌が出来ることはありますか? マンモグラフィをしていないので、不安です。父方のひぃおばあちゃんが昔乳がんになったり、私の母も卵巣癌になったのですが、私にも遺伝しますか?

一般的に家系内に乳癌患者さんがいる場合、血縁が近いほど、家系内に多くいればいるほど、乳癌の発症リスクが高くなります。また、卵巣がんにかかった人が家系内にいる場合も、乳癌発症のリスクは高くなる可能性があります。あなたの場合、妊娠7か月との事、妊娠中で副乳が発達して、しこりとなっている可能性も考えられるので、不安を取り除くためにも、一度、乳腺外科を受診してください。(文責 須田)

 

No.11618】  15年03月05日   M
今後の治療について

現在48歳です。よろしくお願いします。
2014年夏に左乳房にしこりあり。マンモグラフィーとエコー検査をし、3pの嚢胞の中に1〜2pの腫瘤があり。生検しました。結果は判定困難とのことで、生検目的の摘出手術をしました。
その結果は、乳管内進展2p以上、断端(+/−)(5o未満)、ERスコア3b、PgRスコア3b、
HER2スコア0、MIB-1 13%
手術後の嚢胞は6pで腫瘤は3p弱ありました。乳管内に乳頭状、篩状に増生しています。繊維性結合組織の介在もみられますが、荕上皮は不明瞭。一箇所に1oほどの間質浸潤あり。乳管内進展が見られ断端は5o未満。グレード1
摘出手術の後に、センチネルリンパ節生検をしましたが、(0/1)でした。タスオミンで不正出血があり。中止。放射線療法も先延ばしでよいと言われましたが心配なので相談したところ、放射線科医は25+5の60グレイをすすめてくださり、無事放射線療法も終了しました。今後は無治療になるのですが、今やるべき治療は他にはないのだろうかと不安な日々を過ごしています。お忙しい中、申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願い致します。

一般的には、年齢が60歳以上か、45歳以上で過去1年以上生理がない場合に閉経とみなしますが、貴女の場合、仮に閉経前の乳癌と考えると、タスオミン(タモキシフェン)を5年間内服すると、再発の危険を半分近く減らすことができるのですが、不正出血があり、中止となったのですね。それ以外のホルモン療法としては、卵巣でのエストロゲン合成を抑えるLH−RHアゴニスト剤(リュープリン)を1ヵ月もしくは3ヵ月に1回、5年間、皮下に注射をすると、更に再発の危険性を減らすことができます。もし閉経後であれば、アロマターゼ阻害剤によるホルモン療法を行うことになります。(文責 須田)

 

No.11618-2】  15年03月12日   M
今後の治療について(2)

先日、ご相談させて頂きました。NO11618です。閉経はしておらず、毎月きちんと生理があります。生理前に両方の乳房の張りと痛みがあります。婦人科で血液検査をしたら、まだまだ閉経しないだろうとのこと。タスオミンの次にトレミフェンも試しました。乳房が張り、痛みが出たことで、それも中止。MRIやCTも一度もやってないこと、NCC…というマーカーが1項目だけ高く、不安です。前回の質問でのホルモン療法については理解してます。しかし、主治医は、毎回、痛み止めを処方してくれるだけです。本当にこのままでいいのか? 私の場合は、この先、無治療でも大丈夫なのか、もっと他にも治療法があるのか、もう一度、質問をさせて頂きたく、再度、お忙しい中、申し訳ありません。よろしくお願いします。

ご相談どうもありがとうございます。乳がん再発の一番の予防方法は、生理を止めることです。従いまして、閉経されていないのであれば、LH-RHアゴニストの注射をおこなうことを考慮していただくのが良いと存じます。次回、主治医の先生へご提案なさってみてください。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11618-3】  15年03月29日   M
MIBI−13%

NO11618です。毎回、ご回答いただきましてありがとうございます。さて、今回はMIBI−13%について、ご質問させていただきたいと思います。ki67との違いは何ですか? 14%からが境界と聞いたことがあります。別の施設で標本を検査してki67を調べ直すことはできるのでしょうか? 断端に(+/-)だったこともあり、希望していますが、どうしたらよいかわからないので詳しく教えていただけたら幸いです。よろしくお願いします。

MIB-1は,Ki-67 調べる試薬の名前ですので,同じものと考えて結構です.もちろん,別の施設で調べ直すことも可能ですが,世界的にも測定方法の質のコントロールがなされていないので,施設関の誤差も大きく,参考数値と考えるべきです.したがって,13%であれば,比較的おとなしいレベルと思います.(文責 徳田)

 

No.11617】  15年03月05日   Y.M. 
胸の輪郭に接する丸い影

身長155cm、体重42kg、年齢61歳、女性です。肺のレントゲン写真に直径18mm程の丸い白い影が写っていたため、乳房かもしれないとRLで撮ったところ、骨よりも外側で、胸の輪郭に接する感じで、輪郭が18mm程のくっきりしたが写りました。10年前に肺のレントゲンを撮った時にも影があると言われて、すぐに市民病院でもレントゲンを撮りましたが、血管の影だろうから心配なしということでした。その時も今回と同じ写真の右側で、人差し指の爪くらいの、はっきりした丸だったように覚えています。そんな太さの血管があるのかなと少し疑問に思った覚えもあります。今回、結核の家族ということで、一昨年の秋頃から半年ごとにレントゲンを撮っていますが、保健所の医師は、「大きくなってはいないようだが何だろう」と疑問符でした。もし自分の記憶が正しければ、10年で人差し指(爪)大から親指(爪)大に大きくなったことになります。田舎ゆえに総合病院の外科しかありませんが、乳腺外来へ行くべきでしょうか? 癌の可能性はありますか? ご回答、よろしくお願いいたします。

胸部の側面像で、胸壁と皮膚の間に影があるとの事ですので、皮膚・皮下・乳腺・筋肉等から発生しているものと考えられます。まずは外科を受診し、相談してみるので良いと思います。(文責 須田)

 

No.11616】  15年03月05日   T
放射線療法について

右乳房非浸潤乳管がん(外側下部)で、昨年の12/26に部分切除の手術を行いました。病理の結果、「非浸潤乳管がん 一部分断端陽性 エストロゲン90% プロゲステロン70% HER2陰性 ステージ0 Ki678パーセント グレード1 センチネルリンパ節生検行わず。ホルモン治療なし(副作用がない訳ではないので、どちらでもいいとのことで、なしを選択しました)。」ということになりました。放射線治療が、H27/2/25日より開始。16回×ブースト4回の計20回。放射線科医師によると、25回×ブースト5回との差はほとんどないため、当院での90パーセントが20回を選択していると言われ、治療計画受診時にも再度「25回と20回の差」を聞いたのですが、「どちらも変わりない」と言われ、結局16回×4回を選択しました。しかしながら書き込みのほとんどが25回であり、断端陽性なので、とても不安に思っています。16回×4回はベストな選択だったのでしょうか。術後2ヶ月後からの開始というのも遅い気がしますし・・・。「今、忙しいから」と言われ、1ヶ月以上待たされました。病理の結果を見ても深刻な状態ではないと理解は出来ますが、やはり色々不安です。料金や通院回数以外のメリット、デメリットなど教えていただけたらと思っています。よろしくお願いいたします。

乳房温存術後の少分割照射についてですが、1回の照射線量が増えるほど皮膚への色素沈着・萎縮。硬化等の副作用が起こりやすくなります。イギリス、カナダでの少分割照射と通常の分割照射のランダム化比較試験では、治療効果、急性期及び晩期の障害について有意の差が認められないと報告されています。治療の開始は、それぞれの病院によっても異なりますが、非浸潤乳管癌の場合、3ヵ月以内が多いようです。(文責 須田)

 

No.11615】  15年03月05日   T
治療法について

母が乳癌の手術をしました。65歳。閉経。
「乳頭腺管癌 グレード2、ステージ1 13mm、波及度 skin(s)ly(+)v(−)comedo component(+)、EIC(+)。3.7の標本の近縁部duct内で、切除時のものと思われる変性の加わった異型上皮を認めます。断端(-)とは断定しかねます。」と書いてあります。二箇所で、断端は陽性ではないけれど、陰性であるともいえないということですよね? こういう場合、放射線の追加は考えられますか? この内容では、浸潤がかなり進んでいるということですよね? ちなみに、乳首の真下にガンがあり、皮膚や脂肪に浸潤していると言われました。乳首をとっての温存です。主治医は、放射線25回とホルモン治療5年と言っています。ルミナルAですが、グレード2、リンパ管侵襲1プラスという点から、低リスクではなく、それだけでは弱いのではないかと思いました。また、断端陽性疑いがあることから、主治医に、「追加照射をした方がいいのでは?」と、何度も確認しましたが、必要ないといって、患者家族の意見を全く聞いてくれません。これでは、今後ずっと不安なままです。主治医に確認すると、目に見えないガンを取り残している可能性があるけど、追加はいらないの一点張りです。同じ病院の他の先生にも聞きたいのですが、どうしたらいいでしょうか? また、先生ならどういった治療をされますでしょうか? 外科医が6人いる病院ですが、普通術後の治療方針は主治医が一人で決めるのでしょうか?

病理検査の結果報告で断端(+)の可能性が高ければ追加照射をしたほうがよいと思われますが、変性の加わった異型上皮が癌でない可能性もあるので、貴女の情報をもっとも把握してくださっている主治医にご相談し、伺ってみてください。病気と前向きに取り組むためにも、納得のいく治療を受けることが大切だと思います。それでも疑問が残る場合は、セカンドオピニオンを求めるのも一考です。(文責 須田)

 

No.11615-2】  15年03月18日   T
治療法について(2)

以前に11615で質問した者です。現在の主治医が、説明をあまりしてくれず、納得がいかないため、手術前迄主治医だった先生(同じ病院です)におうかがいしたところ、追加照射も選択肢の一つだとのことでした。ただ、断端−とは断言しかねるという病理が、どの程度なのかを、病理の先生に再度聞いてみてくださるとのことで、その結果を聞いて決めることにしました。HER2、ホルモンレセプター、ki-67は、術前しか調べておらず、先生に術後のものを基準に治療法を決めるべきでないかとお話ししたところ、再度調べてもらうよう依頼するとのことでした。1月7日に手術をしたため、今から調べることができるのでしょうか? 又、できたとしても日にちが経っているため、正しい数値がでるのでしょうか? 術前は、ホルモン陽性、HER2 1プラス、ki-67 10%程度でした。大きく変わることはあるのでしょうか? もし、術後も数値が変わらないと仮定して、放射線治療とホルモン治療だけでよろしいでしょうか? グレード2とリンパ管侵襲プラスというのが気になります。詳しい病理は最初の質問に書いております。

手術の際の癌の検体は、いつでも追加検査できるようきちんと保存のできる形で保管されているため、HER2やホルモンレセプター、Ki-67などは、いつでも調べることができます。ホルモンレセプターやHER2は、再度調べても結果が変わらないことが多いですが、Ki-67はしこりのどの場所で測定するかによって大きく数値が異なることがあります。また、手術標本でも、これらが同様の値であったとすると、抗癌剤使用のメリットはあまり高くないと推測され、放射線治療とホルモン治療だけでよろしいかと考えます。(文責 谷)

 

No.11614】  15年02月27日   S.T.
転移後の治療について

現在58歳です。2004年7月に右乳房温存手術をし、その後抗がん剤(CEF)を3週おきに6回、その後放射線治療、アロマシンを10年間続け、元気に過ごしていました。アロマシンは5年経過後フェアストンに変更したところ、子宮筋腫が大きくなってしまい、またアロマシンに戻しました。今回1月の定期健診で骨転移と肺転移(左右1個ずつ)がわかり、ショックを受けています。担当医に当時HER2陽性だったことを伝えると、Fish法で確認して陽性ならば、ハーセプチンと抗がん剤を使って治療しましょうと言わています。今はランマークを注射し、フェアストンを毎食後飲んでいます。

1) 昨年9月の定期検診で全く問題が無かったのに、レントゲンをを見ると、短期間で素人目にもわかるくらい骨が溶けているのがわかります。HER2の結果が出るまで2週間かかり、実際に治療できるのは3月に入ってしまい、その間に進んでしまうのではないかと不安です。
2) 担当医はもしHER2陽性であればハーセプチン単独より+抗がん剤を使ったほうが良いと思うとお話されましたが、ネットで生存期間にはあまり差が無いと書かれており、それならば単独で様子を見ながら治療したほうが良いのか?多少辛くても抗がん剤を使って少しでも状況を良くしたほうがいいのか悩んでいます。

ご質問有り難うございます。術後11年経過し、やれやれ・・と思った矢先の出来事。お気持ち察します。治療を早く受けたい気持ちはわかりますが、HER2の結果をしっかりと確認して、適格な治療を行った方がいいと思います。HER2陽性であれば、当初から抗がん剤とハーセプチンを用いた方が治療成績は良好ですので、一緒に使うことをお勧めします。また、最近では、HER2陽性の再発時には、ハーセプチン+抗がん剤の治療より、ハーセプチン+パージェタ+抗がん剤(一般的にはタキソテール)という、HER2をブロックする薬剤を2剤使う方が効果的ですので、こちらの治療法を考慮してもいいのではないでしょうか。
ただ、仰るように、@再発乳がんの治療は進歩し、かなり治療成績も向上したとは言え、完治は難しいと言われている、A抗がん剤の副作用、この2点を考えると、副作用の軽いものから使っていく、という考えも間違ってはおりません。現に、術後10年の間、ホルモン療法を行っていて順調に経過していたので、ホルモン療法の効果も高いと思います。ハーセプチン+ホルモン療法(アロマシン、フェアストン以外)も選択肢になるのではないでしょうか?
いずれにせよ、HER2の結果を待つこと、それと、これからの治療は長くなるので、ひとつひとつの薬剤の効果、副作用、ご本人のモチベーションなどと上手にバランスを保ちながら(どれかが欠けるとうまくいかない、長続きしない)治療を継続して下さい。応援申し上げます。(文責 鈴木)

 

No.11614-2】  15年03月12日   S.T.
今後の治療についてA

11614を投稿させていただいたSTです。ご丁寧な回答をありがとうございました。
その後、2月24日にHER2の結果はマイナスでした。先生は、「なぜ当時陽性になっていたかわからないが、マイナスだったからこそ10年間無事に経過したのかもしれない。今回は抗がん剤は使わずにホルモン療法で経過を見ましょう。」ということになりました。ただ今回の血液検査では、HER2蛋白の値が23で、正常値15に比べると高いので、上がるようならハーセプチンを使うということになりました。また、肝臓(AST:48,ALT:43,LD:399)の機能も悪いので、今後はフェアストン、ロキソニン、ネオファーゲンC錠、セルベックスを毎食後に服用、ランマークの注射を月1回(デノタスチュアブル服用)の治療になりました。そして本日、フェアストンの服用後ひと月たち、血液検査の結果、ALPは925から626に下がってきました。肝臓は、服用を始めてまだ1週間のせいか、変わりありませんでした。抗がん剤をするつもりでいたので気が抜けてしまいましたが、骨転移だけでなく、肺、そして肝臓機能も悪いので不安です。

1) 背中や腰からお尻、太ももにかけての痛みに関しては、すぐに放射線治療をしてもいいしということでしたが、今は何とかなっているので、もう少し辛くなってきてからでも良いのかと思います。痛みだけでなく、骨の強化にもなるようなので、受けたいと思っていますが、どんなタイミングで受けるのが良いでしょうか?
2) 肺にも転移があるせいか、咳が良く出るようになり、心配です。
3) 5年前にアロマシンをフェアストンに変えたとき、子宮筋腫が大きくなりましたが、今回もお腹の張りや、鈍痛を感じるようになりました。場合によっては子宮摘出手術をしたほうが良いのでしょうか?

以上、よろしくお願いいたします。

ご相談ありがとうございます。少しでもお力になれましたら幸いです。
1) 骨転移の痛みは、まずはNSAIDsと呼ばれる痛み止めを内服し、改善がなければオピオイドという痛み止めの内服を追加いたします。それでも耐えられない痛みがある場合には、骨の痛みの部位に放射線治療をおこないます。骨転移に対する放射線治療は、ご本人の痛みのレベルによって必要性を判断していくものです。
2) 両肺に腫瘍が一つずつであれば、急激に咳がひどくなるとは考えにくいです。花粉症などのアレルギーや気管支炎がないかどうかも含めて、内科の先生にご相談いただくのも一つの選択肢です。
3) 内服薬の影響で子宮が大きくなっているのかどうかは、CT検査やエコー検査でご確認くださいませ。慌てる必要はありません。主治医の先生ともご相談し、お腹が張る原因を調べてみてくださいませ。

以上です。これからも応援しています。(文責 高橋)

 

No.11614-3】  15年07月19日   S.T.
HER2蛋白

HPNo.11614でお世話になったSTです。いつもありがとうございます。その後、フェアストンの服薬(ネオファーゲンC,ロキソニン、セルベックスも)と月1回のランマークの注射で約5カ月が経過し、日々の不調はありますが、普通に生活しています。子宮筋腫は婦人科の先生に診察していただき、手術の検討をしましたが、この先フェアストンの使用期間が不明(ほかの治療になれば小さくなる)ということ、また手術による全身への影響も考えられるため、見送りになりました。ALPは990から605に下がってきましたが、腫瘍マーカーは、じわじわと上がってきています。また血液検査によるHER2蛋白も23から28に上がってきています。主治医の先生は、「いろいろ調べてみたけれど、血清HER2蛋白に対してハーセプチンは効果が不明なところがあるので、もうしばらく様子を見たい」とのことでした。

1) 11年前の病理組織検査でのHER2蛋白(マイナス)と血清HER2蛋白は、どのような関係になっているのでしょうか? また、血清HER2蛋白のハーセプチンの効果について教えてください。
2) ピロリ菌の除菌でお世話になっている先生が腫瘍内科も担当しているとのことで、お話ししたところ、肝臓に転移している腫瘍に針生検をすればHER2蛋白に関してはっきりするというお話がありましたが、ご意見をお聞かせください。

以上、どうぞよろしくお願いいたします。

1) 病理組織検査でHER2陽性の場合、血清HER2蛋白陽性(高値)になる傾向があるようですが、病理組織検査でHER2陰性でも血清HER2蛋白が高値になることがあります。理ははわかっていません。血清HER2蛋白値が高いとハーセプチンの効果が出やすいとの報告が無いわけではありませんが、主治医の先生が言われたように血清HER2蛋白に対してハーセプチンは効果が不明なところがある、即ち当てにならないと現在のところ考えられています。
2) 肝臓腫瘍の針生検でHER2陽性かどうかわかりますが、その生検には入院が必要で、リスクもあります。その代用に血清HER2蛋白値がなればいいのですが、信頼性に乏しく、参考程度にとどまっています。(文責 石川)

 

No.11613】  15年02月27日  C
乳がん術後抗ガン剤について

現在49歳、1/14に右全摘手術をおえ、来週からハーセプチン1年+TC4クールの予定です。
腫瘍 ⒉5×⒈5 リンパ節転移なし  HER2(3+)  ホルモン陰性  Ki67 40%  
グレード3
標準治療では必ず抗ガン剤をプラスされるようですが、ハーセプチン単独での効果と、どれだけの再発に対する差があるのでしょうか? ハーセプチン単独でのデータはないようですが、副作用を考えると、どうしても抗ガン剤に対する不安が拭えず、差が軽微ならハーセプチンだけでの治療を希望したいと思ってしまいます。よろしくお願いします。

ご質問有り難うございます。HER2陽性乳がんの術後治療について、ハーセプチン単独と、ハーセプチン+抗がん剤で、その効果の違いは?という内容ですが、一言で言えば、ハーセプチン単独のデータはなく、その効果は全く不透明です。HER2陽性乳がんの術後治療は、HER2陽性乳癌の方を、抗がん剤→ハーセプチンの治療を受ける方と、抗がん剤のみ受ける方に分けて(専門的には無作為化割り付けと言います)比較した臨床試験の結果に基づき、治療後2年経過した時点での、生存率(厳密には、難しくなりますが、無病生存率)は、抗がん剤→ハーセプチンの治療で約86%、抗がん剤のみで約78%です。いくつかこれらの臨床試験は行われていますが、概ね同じような結果です。ハーセプチンを上乗せすることで、概して10%前後、再発を抑制してくれるというものです。繰り返しになりますが、HER2陽性乳癌の術後治療で、ハーセプチン単独というデータはどこにもありませんので、適格にお答えできるものはありません。ハーセプチン単独でも効果はあるのでは?と思いますが、現在ある臨床試験のデータしか頼りにならない、ハーセプチン単独では、全く無意味かもしれない・・ということをわきまえた上でハーセプチン単独の治療を受けるべきです。病理結果を見させて頂くと、やはり化学療法を行うのが正しいかとは思います。よくご相談して決められて下さい。(文責 鈴木)

 

No.11612】  15年02月27日   I
ホルモン剤の変更(HPNo.11587-2)

NO11587で質問したものです。丁寧なご回答ありがとうございました。その後婦人科でホルモン検査をしたところ、LH:11.07、FSH:27.16、E2:10未満でした。ノルバデックスを飲んで1年4ヶ月生理がないことと、この数値で閉経に向かっているのは確実とのことです。ただ、FH、FSHが著しい高値なのかが不明です。再度アドバイスいただけましたら幸いです。

ご質問有り難うございます。E2(エストラジオール、女性ホルモン)が低値であること、FSH(卵胞刺激ホルモン)が高値であることから、閉経と考えても良さそうですが、ノルバデックスを内服している間はこれらのホルモン値が正確に現れません。またFSHも、ホルモン周期により基準値も様々で、この数字だけで閉経と判断するには難しいかと思われます。一般的には、50歳前で閉経になることはほとんど無いと言われていますので(月経が起こらないだけで、ホルモン環境は閉経前)、この数字と月経の発来が起こらない、ということだけでアリミデックスに変えるより、ノルバデックスを継続されてはいかがかと思います。このあたりの年齢で、閉経状態を評価するのは、私どもにとっても難しい問題ですので、婦人科の先生にご意見頂くのも良いのかと思います。(文責 鈴木)

 

No.11611】  15年02月18日   K.K. 
ノルバテックスの服用期間延長について

5年前に左乳房温存手術をいたしました。ゾラデックス2年 ノルバデックス5年、現在はノルバデックスのみ服用しております。年齢は47歳です。
浸潤径 0.9cm(9mm)、 ホルモン受容体 エストロゲン 90 % プロゲステロン 90%、 Her2 陰性、ステージ1、リンパ節転移なし、核異形度2、Kiー67 8%、断端陰性、脈管侵襲 無し
現在はノルバデックスを10年という考え方も出てきているという文献をどこかで拝見し、 私のような症例ですと、 5年、 10年、どちらが適切か、先生のご意見を伺いたいと思いました。どうぞ宜しくお願い致します。

一昨年、ATLAS試験、Atom試験と次々とTamoxifen(ノルバデックス)5年vs 10年の臨床試験の結果が報告され話題になりました。結論を簡単にいうと、10年内服すると10年以降の転移再発の頻度は明らかに減少する。子宮体癌の頻度は増えるが、それ以外に大きな問題はなかった、でした。しかし、10年以降の再発転移は確かにありますがその頻度は決して高くないこと、患者さんにとって10年間内服を続けるということは時間的経済的負担が大きいこと、などを考慮しなければなりません。ですから、試験の結果を受けてガイドラインでは、すべての方に10年内服がお勧めとはならず、10年内服を続けるメリットとデメリットを患者さんとよく相談して決めましょうということになっています。貴女の場合、もともとの転移再発のリスクはかなり低い方ですから、10年内服によるメリットはとても小さいと思います。しかし、メリットがどんなに小さくても、ノルバデックスによる副作用がなく、子宮体癌の検診を行っていて、時間的経済的負担もきつくないというのであれば、その小さなメリットを享受するために10年内服という選択肢もあると思います。(文責 清水)

 

No.11610】  15年02月18日   S 
頸部リンパ転移について

11年目、温存手術しました。大きさ2.3センチ、わきの下リンパ節転移なし(0/23)でした。それから順調にきておりました。5日ほど前、耳たぶの下が痛痒かったので、触ってみたら少し膨らんでおりました。押すと少し痛い状態でした。乳がんの転移の不安もあったのですが、耳鼻科を受診したところ、リンパ節が腫れており、耳の中、のど等を検査しましたが特に異常がなく、虫歯等でも腫れることがあるとのことでしたが、他の頸部のリンパ節も触診されました。既往歴で乳がんのことは言っておりましたが、11年たっているのでそちらは考えにくいとのことで、抗生物質を処方されましたが 、不安です。乳腺の担当医を受診した方がよろしいでしょうか。

頚部のリンパ節が腫れる原因には炎症(細菌性、ウィルス性)、がんの転移、リンパ腫など様々あります。一般的には、耳や歯や喉などが炎症の原因となっている頻度が高いので、それらに病変があるかどうか診察し、診断と治療を兼ねて、まずは抗生物質を使って治療します。抗生物質で小さくなれば細菌性の炎症が原因だったと考えられますが、小さくならなければ、ウィルス性の炎症、がんの転移、悪性リンパ腫などを考えます。ウィルス性の炎症は診断法も治療もありませんので、次はリンパ節に針を刺して細胞診を行い、転移、リンパ腫であるかどうかを確認します。ですから、今回の抗生物質の治療でリンパ節が縮小しなければ乳腺の担当医を受診して転移かどうかの検査をしてもらうことをお勧めします。乳がんの場合は他のがんと異なり、10年、20年の転移というのは決して珍しい現象ではありません。(文責 清水)

 

No.11609】  15年02月18日   JM 
核異型度と抗がん剤の要・不要(2)(HPNo.11597-2)

お世話になります。わかりやすいご回答をいただきありがとうございます。当初は数%でも再発率を下げられるなら、と考えていましたが、ここ数日抗がん剤によるデメリット(副作用、2次がん、免疫力低下、など)についての情報をいろいろ見て、少し抗がん剤が怖くなっていたところです。主治医から聞いた再発リスク10%程度というのが何を根拠にした数字か確認し損ねたのですが、こういう数字は何をもとに算出するのでしょうか? Adjuvant onlineというサイトがあることを知り、自分でやってみようとしましたがよくわかりませんでした。グレード3の5年生存率が81%というのは、10年位前の国立がんセンターの研究結果のようなのですが、これは古いので気にしなくていいでしょうか? 再発リスクを知るためにオンコタイプという検査を受けることも少し考えていますが、私の病理結果だと、そこまでする必要はないでしょうか? (今からすると術後3ヶ月位になってしまうので、遅いでしょうか?) 再度の質問でお手数おかけしますが、よろしくお願いいたします。

再発のriskの算出は基本的には過去のデータから算出します。その元になるデータは、その病院独自のデータ、教科書的なデータ、外国の文献にある外人の最新データなど様々ですが、大きくは異なりません。しかし、10年前と現在では術後治療方針やガイドラインは異なっており、10年前のデータは参考にする程度、おおよその目安と考えてください。Adjuvant Onlineというのは臨床試験が盛んな米国で臨床試験に登録された患者さんのデータを用いているので、データの基本情報が正確なことと、予後の判明率が高いことが特徴で、かなり正確であると言われています。しかし、米国人の情報であって日本人にもあてはまるのかという疑問を呈する先生もいます。ちなみに貴女のDATAをAdjuvant Onlineにいれてみると、手術のみで薬物治療無治療の場合10年死亡率12%、内分泌療法のみ行った場合4%低下、AC程度の化学療法のみ行った場合3%低下、内分泌療法+化学療法両方行った場合6%の低下となりました。ちなみに他病死は2%です。
Oncotype Dxというのは、21個の遺伝子を用いて、リンパ節転移(—)ホルモン受容体(+)Her2(-)の方の術後治療が、内分泌療法単独で良いのか、化学療法を上乗せするメリットがあるのかを調べてくれる検査です。切除標本の一部を米国に送って調べるので、検査結果が判明するまでに約一ヶ月くらいかかること、保険が利かないので40万円くらいかかることなどのデメリットもあります。あなたの場合、Adjuvant Onlineでは内分泌療法を行った場合の10年再発死亡率8%が、化学療法の上乗せで更に2%低下するわけです。その2%という数字が化学療法の副作用を考慮した時に大きいと考えるか、小さいと考えるか、判断に迷うようようなら40万円出して別の見方で化学療法を加えた場合のメリットを推測するかだと思います。(文責 清水)

 

No.11608】  15年02月15日   E.O.
ホルモン治療について

今年1月に左胸全摘手術を受けました。針生検では非浸潤性乳管癌とのことでしたが、病理検査で浸潤性乳管癌と判明。腫瘍は1.5p、T1cN0M0、センチネル転移なし(0/4)、切除断端・脈管侵襲ともにマイナスで、ホルモン受容体ER90%以上、PgR90%以上、HER2マイナス、Ki671.0%なので、ホルモン治療(タモキシフェン)を始めることになりました。が、現在50歳で更年期でもあり、もともとあまり体調が良くなく、副作用に耐えられるか不安です。閉経前ですが、月経1日目のホルモン検査ではFSH10.5、エストラジオール14.1。エストロゲンは若いころより減っていると思うのですが、それでもホルモン治療をやる意味は大きでしょうか? 8年前に子宮筋腫の手術(核摘出)もしており、子宮体癌の確率が高まるという副作用も心配です。そもそも乳がん(特に私の場合Ki671.0%)は進行が遅く、10年以上経ってからの再発転移もあるとのことですし、5年間のホルモン治療で再発を遅らせたとしても、その後どうなるかの方が気になります。

1) 今すぐホルモン治療を始めることに大きな意味はありますか? とりあえず始めてみるというのが一般的だと思うのですが、今すぐ始めなくても予後にあまり差がない可能性が高いのなら、体調や精神を整えるために、1年くらい待ってみたいのです。
2) 自然閉経を待って(いつになるかはわからないと思いますが)、アロマターゼ阻害剤から始める、という選択肢はありませんか?
3) CYP2D6遺伝子チェックテストを受けて、低い場合はホルモン治療は避けたいのですが、どう思われますか? 主治医からは、たとえそれで「低い」という結果が出ても、ゼロではないので、治療をやった方がいいというお返事をいただいています。

1)  内服開始を1年待った場合と待たない場合とで予後の差あるかどうか、そのような臨床試験はないので答えはわかりません。ただし、術後のホルモン療法が有効であるということを証明した臨床試験では、通常術後1〜3ヶ月以内に内服を開始するという条件のもとでおこなわれています。また、1年待って体調が良くなるという保証はありませんから、待つ意味はないと思います。
2)  現在月経がある状態であれば、アロマターゼ阻害剤が使えるような、完全な閉経状態になるには、まだ数年かかると思います。
3)  CYP2D6が低値の場合、Tamoxifenの効果が低下するのではないかと言われていますが、それを証明した臨床試験はないのでなんとも言えません。現在再発の一次治療での前向きの臨床試験が行われています。その試験でもCYP2D6が低値の場合、Tamoxifen内服の量を増やすことで有効性が高まるかをみていて、内服しなくても同じという状況は検証していません。

まとめると、現在閉経前なので術後補助療法としてはTamoxifenが推奨されます。しかし、T1cN0M0,Luminal A乳がんであれば、10年生存率は90%以上が予想されるので、内服することによるmeritは数%しかありません。ですから内服をしないという選択肢もあると思います。その場合、1年待って内服を始めてみるという方法より、通常通り術後に内服を開始して、副作用がどの程度出るかを見て、でた副作用と効果のバランスで内服するかどうか判断するのが良いのではないかと思います。内服しないと決めて数年後にまた内服したくなったら、その時点でまた考えてみるのが良いのではないでしょうか(その時点から内服を開始することが有効というevidenceはありませんが、内服を開始することは可能です)またおっしゃる通りこのタイプの乳がんでは10年以降の再発に対しても注意が必要です。そこをケアするためには、最初5年間Tamoxifenを内服した後で、Tamoxifenもしくはアロマターゼ阻害剤を更に5年内服することが検討され、有効性が少しずつ証明されてきています。(文責 清水)

 

No.11607】  15年02月15日   M.R. 
ホルモン治療

42歳、閉経前です。昨年12月に温存手術を行ない、放射線治療を終え、ホルモン治療を行うか迷っています。非浸潤乳管がん 腫瘍系3×5mm ホルモン受容体 両方79% ki67-5%  全身治療としてホルモン治療をすすめられました。温存の場合、全摘よりも治療をすすめられるのでしょうか? 主治医は、ホルモンの感受性があれば非浸潤でもすすめると仰いました。無治療の場合と治療した場合の再発や転移の確率に違いがありますか? よろしくお願いします。

温存手術でも全摘でも術後の治療は変わりません。原則として、今回の非浸潤がんの術後治療としての補助療法(ホルモン治療)は不要です。非浸潤がんで治療をお勧めする理由は、温存した乳房、対側乳房の次の乳がんの発生率を低下させる目的です。また腫瘍径が大きい場合は調べられた割面以外で微小浸潤がある可能性がゼロでないと考えて術後補助療法をお勧めする先生もいらっしゃいます。但し、ノルバデックスの内服によって子宮体癌のリスクが高くなることもよく知られた事実ですから、薬を内服するメリットとデメリットをよく考えて主治医の先生とよく相談してください。(文責 清水)

 

No.11606】  15年02月15日   H  
ホルモン治療薬(HPNo.11553-2)

先日はありがとうございました。No.11553の者です。今回は治療薬について相談させてください。生理の復活で薬をノルバテックスに戻したのですが、また生理が遠ざかっており、単に遅れているだけなのか、閉経したのか、不明の状況です(現在、53歳です)。このような不明の状況では、ノルバテックスとアリミデックスを併用した方が良いということはないのでしょうか? 併用は保険がきかないとの話も聞きますが、実は、ノルバテックスに薬を戻した時、いくらか分のアリミデックスが残っております。併用した時の 問題点(副作用等)は何かあるのでしょうか? また併用した方が、治療(再発予防)効果があがると考えられるでしょうか?

この質問には明快なエビデンスに基づいた答えがあります。答えはNoです。ホルモンレセプター陽性の閉経後乳がん術後の患者さんに対して、ノルバデックスを内服する群と、アリミデックスを内服する群と、両剤を内服する群の3群での無病生存率をみたATAC(アタック)試験があります。試験前の予想では、異なる薬効をもつ両剤を内服する群の成績が一番良いのではないかと考えられたのですが、結果は、一番良かったのはアリミデックス群で、両剤併用群とノルバデックス群は同等でした。このことから、二剤一緒に内服すると、薬剤の負の相互作用としてノルバデックスがアリミデックスの効果を下げていると考えられています。ですから、両剤を一緒に内服することはお勧めできません。(文責 清水)

 

No.11605】  15年02月12日    K 
針生検のリスクについて

54歳で、出産経験は2回です。年1回受けている乳がん検診で要精検となり、乳腺専門のクリニックでマンモとエコーを受けました。4ミリの丸く見える腫瘤があり、念のためということで細胞診をしましたが、良性とは言い切れない(悪性を否定できない)細胞があるとのことで、鑑別困難という結果でした。大人しそうな顔つきの細胞なので、心配ないとは思うが、針生検をしておけば安心とのことで、先日乳腺外科の先生の診察を受けたのですが、エコーで見ると腫瘤のすぐそばに結構太い血管があり、その血管に触らずに針を刺すことは至難の技で、かなり出血する可能性が高いと言われました。心配なのは、針生検で播種が起きると、ネットでよく目にすることです。仮に腫瘤が悪性であれば、針生検によって血管を傷つけた場合、悪い細胞が血管の中に入り、転移の原因になることはないのでしょうか? まさかの要精検と、細胞診の悩ましい結果に、とても不安な日々を送っています。どうぞよろしくお願いします。

針生検時は多少なりとも出血がみられます。ただ、そのことが直接転移の原因となることはないように思われます(播種はおっしゃるようにないとはいえませんが)。あまり心配なさらずに安心して検査をお受けください。(文責 加藤)

 

No.11604】  15年02月12日    S 
骨転移について

ご相談お願いします。妻ですが、10年前、乳がん手術をしました。大きさ2.3cm、リンパ節転移なしでした。1月7日頃から、左背中の肩甲骨の下あたりが、ねじったりしたりするとちょっと痛く、ちょっとずつよくなっている気がするとのことですが、乳がんの骨転移ではないかと心配しております。1月5日に会社の棚卸があり、ちょっと重いものを上にあげたりしたので、そのせいかな、と言ったりしてますが、長引いているので・・・。昨年の3月に骨シンチ、CTで、異常なしでした。よろしくお願いします。

痛みが引いてくるのであれば、おっしゃるように力仕事の影響かもしれません。しかし、長引くようであれば(あるいは悪化するようであれば)一度担当医へ連絡されてみてはいかがでしょうか?(骨転移の検査を考慮するかもしれません)。(文責 加藤)

 

No.11603】  15年02月12日    H 
1cmのしこり

初めて投稿させていただきます。マンモグラフィ、超音波の結果から、1cmのしこりが見つかりました。医者の所見では、悪性・良性は半々の可能性と言われ、細胞診を受けることになり、悪性疑いの結果が出ました。この時点で、かなりがんの可能性が高いと言われました。次に針生検をすることになり、その結果、がん細胞は見つかりませんでした。今後なのですが、このまま経過観察するか、手術をしてしこりをとるか決めるように言われています。1cmのしこりのすべてを取ったわけではないので、悪性の可能性が0ではないと言われ、それなら取った方がいいのか、でも胸に傷が残るとも言われているので、安易には決められず、困っています。今後どのようにしたらいいのか、アドバイスお願いいたします。

しこりの画像、細胞診、針生検の結果を総合的に考慮し、判断する必要があります。すみませんが、その結果を踏まえないと的確なアドバイスは難しいと思われます。担当医と、それぞれのメリット、デメリット等を考慮しながら、再度話し合うことをお勧めします。(文責 加藤)

 

No.11602】  15年02月12日    C.I
薬剤性肺炎について

はじめてご相談申し上げます。術後10年経ち、乳癌の肺転移となりましたが、薬剤性肺炎をおこし、処方して頂ける薬が無いと言われてしまいました。ゾラッデックス→ノルバデックス→アリミデックスと服用しましたが、肺炎は出てしまいます。今は、気質化肺炎を繰り返しておりますが「何もしないよりは良い。症状が出たらすぐ病院に来て」という前提で、リュープリン(注射)だけしています。今後、癌の進行を抑える薬はあるのでしょうか? また、このようになった場合、何も出来る事はない…という事なのでしょうか? ご回答頂けると、精神的にとても助けになります。どうぞ、宜しくお願い申し上げます。
2015年、46才になります。2003年、33歳時に左乳癌と診断され温存手術を致しました。クラス等がうろ覚えですみません。確か、クラス5、ステージ3だったと思います(浸潤・約2cm双子状・ホルモン受容体陽性)。リンパへの転移は有りませんでした。手術後、放射線療法週5回5週間(25回)、化学療法(EC)12週間 その後、ホルモン剤(ゾラデックス+ノルバデックス)と、標準治療を受けて参りました。2012年、体調不良で内科にかかったところ肺炎と診断され、乳腺外科の担当医師を受診し、初期肺癌らしいと診断。呼吸器外科の先生とも連携して頂き、CT読影して頂きましたが、やはり肺癌疑いとなり、2013年9月、胸腔鏡にて摘出OP→「乳癌の転移」と診断されました。その後は、上記に記しました通りホルモン療法中、間質性肺炎(気質化肺炎)を起こし現在に至っております。

他の治療法(進行を抑える手立て)はたくさんありますので、ご安心ください。御病状の経過から、すぐに進行する可能性は低く、現在症状がないのでしたら、あわてず今お受けになっている治療を続けて行かれるのがよいと考えます。(文責 加藤)

 

No.11602-2】  15年12月13日    C.I
インプラント歯科治療について

2回目のご相談です。前回のご回答、本当にありがとうございました(No.11602:薬剤性肺炎について)。大変、心強く、現在も前向きに頑張っていこうという心のゆとりが出来ました。本当に感謝申し上げます。1ヶ月毎リュープリン注射+胸部CT+採血が、現在はリュープリン3ヶ月毎となりました。さて、今回の相談なのですが「インプラント歯科治療」についてです。8年程前から、かかりつけの歯科医にて口腔内のメンテナンスをして頂いております。(歯科先生は、私が乳癌→肺転移したという事はご存知です。) 左下奥歯部分のインプラントを強く勧められております。「入れ歯より、物が良く噛める様になるという事が大切」というご説明を頂きましたが、インプラントをした後、いづれ骨転移があった場合(過程ですが…)、インプラントが災いする様な事になったら…という事が憂慮の種です。検索で調べてみたところ、ビスフォスフォネートを使用している場合などについては色々と情報がありましたが、骨転移を起こしていない状態の場合、「インプラント治療をする」という事をどう解釈したらよいのでしょうか? 今回の場合、詳しい事が全く解らず、決断が出来ません。

1)未骨転移の乳癌患者がインプラントをする…という事はどういう事なのでしょうか? そのメリット/デメリットについて知りたいと思っております。
2)インプラント治療後、骨転移があった時、インプラントした事が問題になる…といった事例があるのでしょうか?
3)「下顎骨壊死」という事が起る可能性がある…と知りました。インプラントが関連する…という事なのでしょうか? インプラントしなくても…という事なのでしょうか?
4)一般的には、乳癌患者は歯科治療というのは、どうしておいたら良いのでしょうか?

ご回答、宜しくお願い申し上げます。

1) ビスフォスフォネート製剤(ゾメタ等)、デノスマブ(ランマーク)を使用している場合、歯科治療で歯根部をいじる治療を行うと下顎骨壊死の合併症が増えるということが問題で、このようなお薬(通常は骨転移の時に使用)を使っていなければ問題ありません。
2) ありません
3) インプラントと下顎骨壊死の関連はありません。
4) 化学療法中で好中球(白血球)が少ない時、骨転移で上記薬剤を使用している時以外は、一般の方と同じです。(文責 清水)

 

No.11601】  15年02月12日    M.I. 
ハーセプチン(HPNo.11367-4)

NO.11367(1・2・3)にて質問した者です。何度も申訳ありません。乳房全摘は終了しました(以前と同じでハーツー陽性、ホルモン−)。外科主治医及び腫瘍内科医と私の希望を相談し、ハーセプチン単独となりました(化学療法併用をお勧めいただいたのに申訳ありません)。次にハーセプチンの回数ですが、3W毎投与で1年間(17、18回?)が標準のようですが、腫瘍が1・5cmと小さく、初発から8年半近く経過しているのは悪性度が低いと聞きました。ネットでは少し効果が落ちるかもだが、心臓の影響も鑑みると半年投与もありと見かけました。先日投与を受けびっくりしましたが、薬代が非常に高価でした。仮に18回受けると計100万円以上になります(高額医療は私は対象外です)。遠隔転移がなく、今自分の体にガン細胞があるかどうかは神のみぞ知る状況であり、ないかもしれないが予防のためにそのような金額を投資するのもどうかと思い、半年にしたいのです。どのように思われますでしょうか?

今回は局所再発であり、1年あるいは6ヶ月投与の場合の正確なデータはありません。M.I.さんのご希望を尊重してもよいのではないか思います。(文責 加藤)

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