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相談室(No.11401〜11500)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

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なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。


★ 過去にさかのぼって相談内容が検索できるようになりました。ご参考になれば幸いです。ご利用下さい。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

11500 14/10/23 S.A. 術後の不妊治療(HPNo.10046) 清水
11499-1
11499-2

11499-3
14/10/21
14/10/30
14/11/03
再発について
再発について(2)
再発について(3)
加藤
清水
清水
11498 14/10/21 術後の治療について 加藤
11497 14/10/21 今後の治療について 齋藤
11496 14/10/21 T.M. ホルモン療法アリミデックス副作用関節痛 齋藤
11495 14/10/12 MM 断端陽性(HPNo.11471) 久保内
11494 14/10/12 mom 85歳の母が乳がんになりました 久保内
11493 14/10/12 前がんと言われました 久保内
11492-1
11492-2
14/10/12
14/10/30
M  硬結
経過観察
久保内
清水
11491 14/10/12 胸のしこり 久保内
11490
11490-2
14/10/06
14/11/02
局所再発について
術後治療について
加藤
清水
11489 14/10/06 K  バコラ生倹 加藤
11488
11488-2
14/10/06
14/12/31
さくら 摘出生検の全身麻酔について
左乳房の皮膚と左乳頭の感覚
加藤
石川
11487-1
11487-2

11487-3
11487-4
14/09/30
14/10/23
14/11/03
14/11/24
海外での乳がん治療についての不安
海外での治療による不安(2)
海外での治療による不安(3)
ゾラデックスと化学療法の同時進行について
緒方
清水
鈴木
11486 14/09/30 病理検査と再発率 緒方
11485 14/09/30 アフイニトール(HPNo.11470) 緒方
11484
11484-2
14/09/30
14/11/19
術後の治療方針について(ステージUB)
抗がん剤の減薬、中止について
緒方
高橋
11483
11483-2
14/09/27
14/11/03
S  乳がん再発 今後の治療法について
腫瘍マーカー上昇
緒方
鈴木
11482 14/09/27 K.M  妻の乳がん(HPNo.11455)   緒方
11481 14/09/24 乳癌ステージΙの術後補助療法について 大西
11480 14/09/24 乳房全摘手術 大西
11479 14/09/24 乳房の窪み 大西
11478 14/09/22 M.I. 局所再発について(HPNo.11367) 大西
11477 14/09/22 S  使えるホルモン剤 大西
11476 14/09/22 ぽん 頭痛が続いています(HPNo.11467) 大西
11475
11475-2
14/09/14
15/03/29
T.O ホルモン治療前の採卵について
再発リスクについて
石山
徳田
11474 14/09/14 S  母について(HPNo.11469) 石山
11473 14/09/14 J.K. 左粘液がん 石山
11472 14/09/12 MI 術後局所再発?(HPNo.11367) 石山
11471-1
11471-2
14/09/12
14/10/12
MM  センチネルリンパ節生検
断端陽性
石山
久保内
11470-1
11470-2
14/09/12
14/09/30
多発骨転移
アフイニトール
石山
緒方
11469-1
11469-2
14/09/10
14/09/14
私の母について
私の母について(2)
石川
石山
11468 14/09/02 いつからカウントした数字なのでしょうか? 吉田
11467-1
11467-2
14/09/02
14/09/22
ぽん 骨転移のcheck
頭痛が続いています
吉田
大西
11466 14/09/02 K.O. ホルモン療法の遅れについて 吉田
11465 14/09/02 M.T 今後の治療について(HPNo.11193) 吉田
11464 14/08/29 乳ガンの告知 吉田
11463 14/08/29 O.E. 乳がんの手術 吉田
11462 14/08/29 T.F. ヒスロンH 吉田
11461 14/08/29 C.U 乳癌と妊娠について 吉田
11460 14/08/29 要精密検査 吉田
11459 14/08/26 K.I. これからの治療 浜口
11458 14/08/26 K.T Her2 +2陽性 浜口
11457 14/08/26 ボンダラママ  肺転移後について 浜口
11456 14/08/18 乳がん治療薬 徳田
11455-1
11455-2

11455-3
14/08/16
14/09/27
14/11/30
K.M 妻の乳がん
妻の乳がん(2)
妻の乳がん(3)
徳田
緒方
俵矢
11454 14/08/16 L  リンパ節転移について 徳田
11453 14/08/15 タモキシフェンと緑内障 俵矢
11452 14/08/15 M.Y  今後の治療について 俵矢
11451 14/08/15 HY HR陽性、HER2陽性 俵矢
11450 14/08/15 Y.H. 1.5センチほどのしこり 俵矢
11449 14/08/15 術後4年経過後の抗がん剤治療? 俵矢
11448 14/08/15 術後の治療 俵矢
11447 14/08/04 Y.D.  石灰化
11446 14/08/04 術後のハーセプチン
11445 14/07/31 有効なホルモン剤(HPNo.11377) 高橋
11444 14/07/28 H.M 閉経前のホルモン療法 高橋
11443 14/07/28 IF 9センチのしこり 高橋
11442 14/07/25 よん 間質性肺炎について 須田
11441 14/07/25 K  乳ガン手術後の補助療法について 須田
11440 14/07/25 ホルモン治療の継続について 須田
11439 14/07/25 アリミデックスについて(HPNo.11377) 須田
11438 14/07/18 U.Y. No.11429 今後の治療について(HPNo.11429) 清水
11437 14/07/16 A.S.  乳癌について 鈴木
11436 14/07/16 MS  10年後の再発治療について 鈴木
11435 14/07/16 K.N.  ホルモン療法だけの場合 鈴木
11434 14/07/16 TY  今後の治療方針について 鈴木
11433 14/07/16 N.O. 転移後の治療について 鈴木
11432 14/07/13 今後の治療について 鈴木
11431 14/07/13 乳腺MRI 鈴木
11430 14/07/13 今後の治療について(HPNo.11110) 鈴木
11429-1
11429-2
14/07/09
14/07/18
U.Y. 術後の治療方針について
今後の治療について
清水
清水
11428 14/07/09 手術後の治療について 清水
11427 14/07/09 A.M. アポクリン乳菅癌について 清水
11426 14/07/09 C  化生癌(HPNo.11412) 清水
11425 14/07/09 J.M. 乳がんと歯科治療 清水
11424 14/07/09 乳ガン手術側の皮膚症状について 清水
11423 14/07/09 N.S.  今後の治療について 清水
11422 14/07/04 F  骨髄異形性症候群の乳癌治療 清水
11421 14/07/04 ホルモン療法(HPNo.11110) 清水
11420 14/07/04 K    妻の乳癌 清水
11419 14/07/04 リュープリン継続について 清水
11418 14/07/04 H.I.  初めて相談させていただきます 清水
11417 14/07/04 N.K  今後の治療について 清水
11416 14/07/04 T 切除術によるリスクの違い 清水
11415 14/07/01 I  ホルモン治療の中休み 齋藤
11414 14/07/01 Y アロマシン服用期間について 齋藤
11413 14/07/01 Y.N. 反対側の脇から胸にかけての痛み 齋藤
11412-1
11412-2
14/07/01
14/07/09
C 化生癌
化生癌(2)
齋藤
清水
11411 14/07/01 k m 今後の抗がん剤治療について 齋藤
11410 14/06/26 K 手術後の治療について 久保内
11409 14/06/26 E.N.   術後の治療方針について 久保内
11408 14/06/24 C.S.  再発でしょうか?(HPNo.10901) 久保内
11407 14/06/24 R 再建後の治療(HPNo.11110) 久保内
11406 14/06/24 mammy CA15-3値が下がりません 久保内
11405 14/06/17 T  乳がん疑い 緒方
11404 14/06/17 O  温存か全摘か? 緒方
11403 14/06/17 M.O.  術後5年以降のホルモン療法の継続 緒方
11402 14/06/17 M.N. 新たに早期の非浸潤がん 緒方
11401 14/06/17 M  良性のしこり(HPNo.11394) 緒方

 

No.11500】  14年10月23日     S.A.
術後の不妊治療(HPNo.10046-5)

No.10046で質問させていただいたものです。その後ホルモン治療はせず、いま二人目の不妊治療中です。高齢のため、すぐにでも体外受精に進んだ方がといいと言う婦人科と、体外受精はやめた方がいいと言う乳腺科の意見の違いで悩んでいます。非浸潤だったので大丈夫なのでは?という気持ちと、治療したせいで再発してしまったら…と、なかなか結論が出せません。リスクはどのくらいなのでしょうか? 以前の質問と重複してしまいますが、あれから数年たったので情報も変わったのでは?と質問させていただきました。よろしくお願いします。

乳癌術後の妊娠についての新しいevidenceはありません。非浸潤癌で、術後一人妊娠出産している方であれば、基本的には乳がんでない方と同じと考えて良いと思います。新しい乳がんを見つけるために一年に一度のMMG(+US)を行うだけで、それ以外は内服も、検査も不要だと思います。体外受精を行ったら、非浸潤癌が再発するという話はありません。(文責  清水)

 

No.11499-1】  14年10月21日     J
再発について

2010年2月に左胸非浸潤ガンで温存摘出を受け、術後5mmの浸潤ガンがあった為、2ヶ月後全摘しました。詳しい病理結果は、硬ガン、切除断端陰性、波及度gland、−(ly0)、−(v0)、ER2+、PgR2+、HER2陰性、グレードは5mm以下だったのでわからないと、主治医がおっしゃいました。その後の治療はホルモン剤のみノルバデックス服用し、全摘後にシリコンで再建をしました。2014年9月に局所再発のみ他転移なしで、左脇リンパ節転移が見つかり、手術しました。切除リンパ節数15個中2個見つかりました。又、ki67は10%以下でした。手術後の治療について教えて頂きたく投稿しました。(現在52才で閉経の検査をしましたが、完全に閉経はしていないとのことでした。)
「1)ノルバデックス剤継続のみ。(2個ということで放射線をするリスクを考えて) 2)ホルモン剤+シリコン切除をして放射線をする。」の治療法を、主治医から言われています。どちらにするべきか迷っています。又、他の治療法があれば(例えば、LH-RHアナログ、ドレミフェン、ヒスロン追加、又はts-1追加など)教えて下さい。今後生きていく中で、過剰な治療もかえって負担ですし、不安に思いながらも心配です。申し訳ありませんが、ご助言願えませんでしょうか。

初回手術後4年以上ノルバデックスを服用されていたとしますと、1)はあまり勧められません。Jさんのご希望(過剰な負担は避けたいが、治療は継続したい)を叶えるとすると、転移巣の性格(ホルモン感受性、HER2など)にもよりますが、他のホルモン療法(LH-RH+アロマターゼ阻害剤)を提示するかもしれません。2)のシリコン切除+放射線療法についても、あまり勧められませんので、再度主治医とご相談されてみてはいかがでしょうか?(文責 加藤)

 

No.11499-2】  14年10月30日     J
再発について(2)

11499で質問ご回答いただきました。有難うございました。左脇リンパ節局所再発後郭清術を受けて、15個切除中2個の悪性がみつかり、1ヶ月半がたち、治療方針も決まりました。以前相談させていただいたご回答の中にありました転移巣の性格は、ホルモン感受性がER,PgR共に+2あり、HER2は陰性でしたので、主治医はホルモン剤(今の時点ではノルバデックス継続して、閉経が確認できた時点で閉経後に使用するホルモン剤に変える方向)と合わせて左脇に(シリコンをいれている状態で)放射線をすることになりました。11499でご回答頂いた中で、2点質問があります。

1) 回答2)ホルモン剤継続とシリコン取ってからの放射線は勧めないと回答いただきましたが、シリコンを入れたまま脇に放射線をするのはかまわないものなのでしょうか? 又、放射線は意味がないのでしょうか。
2) ホルモン剤と合わせて抗がん剤はしたほうがよいのでしょうか?

私のように全摘、シリコンで再建して、ホルモン剤のみで治療し、4年後脇局所再発で2個見つかって、
癌の性格が以前と同じであるような事例は少ないものであるのかどうかはわかりませんが、何が私にとってベストか解りづらく、
不安で、主治医とも選択肢のことは相談していますが、後で後悔するのは嫌なので、申し訳ございませんが、再度相談させていただきました。どうか よろしくお願いします。

1) 私の知る範囲では、シリコンを入れたまま放射線をかけると何か害があるという報告はありません。また、シリコンを入れたまま放射線をかけても大丈夫という報告もありません。予想されることは、放射線の線量分布がどうなるのか?シリコンバックに放射線があたる影響はないのか?等未知の問題が多いので、現時点ではシリコンを入れた状態での放射線治療は推奨されていないのが現状です。一度、放射線科の先生の診察を受けて、その辺のところを詳しく聞いてみては如何でしょうか?
2) 一つ質問です。最初の手術の時にセンチネルリンパ節生検はおこなったのですか? 原発腫瘍が5mmでER(+)PR(+)Her2(-)で、Tamoxifenを内服していて4年目に腋窩リンパ節転移が2個、そのsubtypeはER(2+)PR(2+)Her2(-),Ki67<10%というお話を聞くと、原則は内分泌療法単独で良さそうに思います。ただし、リンパ節転移があったのだから化学療法を併用するという考え方もありだと思います。あなたが、どんなに副作用が辛い治療でも再発の可能性を少しでも低くしたいと考えるなら化学療法の併用を、できれば副作用に強い治療は避けたいと考えているなら内分泌療法単独が良いのではないでしょうか。どの治療を選ぶのがbestなのか知る方法はありません。貴女がいろいろな人に相談して、悩んで出した結論が正解です。(文責  清水)

 

No.11499-3】  14年11月03日     J
再発について(3)

11505にて、ご回答ありがとうございました。乳ガン経験者の方に聞きますと、術後の治療は主治医様の所見でほぼ治療法が決まることが多いですが、私のように選択肢が多くある方がいらっしゃるということがわかりました。11505の2)の場合ですが、センチネルリンパ生検は行いました。その時は転移なしでした。(4年後に局所再発ということになります。) そこでご相談ですが、再発ということもあり、放射線と抗がん剤もしようかと思っています。抗がん剤にUFTという経口抗がん剤がありますが、私の場合、妥当な抗がん剤だと思われますか。他にありますか? 抗がん剤の中でも合う合わない、副作用がきつく出る出ないがありますが、経口の方が比較的きつい副作用が出ないと考えておりますが、よろしいでしょうか。

UFTを乳がん術後もしくは再発乳がんに使って有効であったという明確な臨床試験はありません。もし化学療法を選択するのであれば、Anthracyclineを含む、AC, EC, FAC, FECか、TCなどが推奨されると思います。放射線治療についても一言追記します。腋窩郭清した部位に放射線照射をすると高率に患側上肢のリンパ浮腫が起きることが知られています。放射線科の先生によく相談してください。(文責 清水)

 

No.11498】  14年10月21日     I 
術後の治療について

初めてメールします。44才、閉経前、子どもありです。術後の治療の件で悩んでおります。宜しくお願いします。7月末に針生検の結果、左乳癌非浸潤癌と診断。MRIにて全体的な範囲は53×41×29o前後。CTにて35×25oの造影領域。骨シンチ、MRI、CTより胸壁浸潤、リンパ節転移認めず、骨転移なし、浸潤癌が混在している可能性ありとのことでした。8月末に全摘、術中センチネルリンパ節生検にて転移なし(0/3)の為、郭清しませんでした。9月末、術後病理結果(主治医が紙に書いてくれた)は、以下の通りです。
大部分は非浸潤癌の広がりあり、 浸潤径4o(画像で見ると3ヵ所ありました)、 悪性度2、 ホルモン感受性あり、 Ki67 18%、 血管・リンパ管への広がりなし、 リンパ節転移なし(0/3)、 Her2は調べないとのことです。(針生検では非浸潤部で2とのことです)

今後の治療としてホルモン剤注射2年、ホルモン剤内服5年と言われました。オンコタイプDXは必要ないのではとの主治医の意見です。

1)浸潤部が4oとはいえ3ヵ所あり、Her2は調べず、Ki67は18%です。抗がん剤の必要はないでしょうか?
2)全摘でも断片陽性はあるのでしょうか?
3)治療によりどのくらいの生存率、無再発率に変わりがあるのでしょうか?

宜しくお願い致します。

1) おそらく化学療法を受けることによって得られる利益は少ないでしょう。ただ、ホルモン感受性の程度、HER2の有無(4mmでも調べられます)によって考慮する場合もあります。ホルモン療法を行う場合、注射剤を付加するメリットについて再確認されてもよいかと思います。
2) 多くはないですが、可能性はあります。
3) ホルモン療法により10年生存率が3→2%、再発率が18→11%へと変化します。(文責 加藤)

 

No.11497】  14年10月21日    H
今後の治療について

5月に乳癌検診でマンモ異常なし。触診で脇にコリコリとしたしこりに触れ、質問したところ、脂肪かなとのこと、様子を見るとの診断でした。7月に再度脇の下しこりが気になり受診。少し大きくなった様なので、「後…エコー検査、手術しますか?」ということで、7月半ばに摘出しました。二週間後の病理で、乳癌の転移という診断。後日検査で、エコー MRI PET では異常なし。脇の下の腫瘍は5ミリでした。病理結果を持って、セカンドオピニオンに行きました。ホルモン受容体はどちらもなく、Hea2陽性 3、Ki 67 47.3、オカルト乳癌でした。9月より入院。前回とは違う病院にて手術。リンパ1個、腫瘍は5ミリ。今回5個とっても転移なし!とのこと。放射線治療25回の最中です。補助療法はまだはっきりしたことを言われてないのですが、EC療法4クールの後、ハーセプチン12カ月と言われています。病院を変わり、9月に造影CTもしました。転移なし。補助療法についてお尋ねさせてください。オカルト乳癌でリンパ転移1個、原発なし乳癌、hea2陽性で、妥当なものでしょうか? タキサン系の情報が見られるので…。アンスラサイクリン系だけでも有りなのか? 主治医を信頼してない訳ではないのですが、納得してからのぞみたく、宜しくお願い致します。

Hさん ご相談ありがとうございます。私のお返事で少しでも疑問が減れば嬉しく思います。
Hさんの乳がんについて整理させて頂きます。リンパ節転移(1個)で発見されたオカルト乳がん(潜在性乳がん)。乳がんはホルモン受容体陰性、HER2 強陽性、Ki-67 47.3%でした。現在乳房への放射線治療を施行中。以上の状態で今後の治療についてお返事をさせて頂きます。
@ まずリンパ節転移陽性乳がんに対する術後の補助化学療法として、ガイドラインではアンスラサイクリン(今回はEC療法)にタキサンを順次投与または同時併用することが強く勧められています。
A またHER2陽性乳がんに対しては、ハーセプチン12ヵ月が推奨されていますが、このときに一緒に使用した薬剤はタキサン系薬剤であり、アンスラサイクリン後にタキサンを投与し、トラスツズマブを同時あるいは順次使用することが推奨されると記載されています。

以上@とAから考えると、Hさんのこれからの化学療法は、EC療法4回施行後にタキサン系薬剤を投与しながら、ハーセプチンは12ヵ月使用するのが良いのではないかと考えます。主治医の先生にも何かお考えがあってのことかもしれませんので、再度よくご相談なさって納得のいく治療をお受け頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.11496】  14年10月21日    T.M.
ホルモン療法アリミデックス副作用関節痛

1年目ですが、15分も歩くと股関節腰痛く歩けません。また、いすに座る時も左腰に痛みが走ります。手の指もこわばり、朝はペットボトルも開けられません。トイレのドアノブも痛くて整形外科にいきましたが、薬の副作用が出てきたと、主治医はアロマシンに変えてくれました。変更後1ヶ月目ですが口内炎、ほてり、吐き気がひどくあり、72歳の生活に支障が出ています。後4年もあり、これ以上寝たきりにならなければと、ホルモン薬を止めてみようと思い悩んでいます。どうか先生のご意見をお願いいたします。

T.M.さん ご相談ありがとうございます。私のお返事で少しでも今後の治療の参考になればありがたいです。
さてアリミデックスとアロマシンによる副作用が辛いとのことでお悩みの状態です。現在施行されている治療の目的は、「再発する可能性を少しでも少なくしましょう」です。術後のホルモン治療を行わないことで、必ず再発するわけではありません。したがって多少再発する可能性が低くなくても日常生活に支障が出る方がT.M.さんにとって不都合であれば、術後ホルモン治療を中止するのも一つの方法だと思います。ぜひ担当の先生とよくご相談なさって、後々後悔が少ない選択をして頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.11495】  14年10月12日    MM
断端陽性(HPNo.11471-2)

No.11471で質問したものです。先日はお返事ありがとうございました。温存手術を済ませ、病理結果がでました。非浸潤乳がん(グレード1)で、瘢痕部に少量の癌細胞が見られたとのことです。問題は切り取った組織の塊の端に腫瘍部があり、断端が一か所3mmのところに迫っていました。追加切除は難しいとのことです。主治医からは放射線治療を勧められています。こちらの施設では、断端が5mmあれば放射線治療をしない方針です。ホルモン受容体はまだ結果が出ていませんが、薬物治療はしないとのことです。もし、全摘が希望なら手術しますが、放射線治療がおすすめと言われました。手術前、断端陽性なら全摘だと思っていたのが、放射線治療で済むと言われて、有難いような不安なような気持ちです。断端陽性、薬物治療なしの場合、放射線治療で局所再発する確率はどれくらいなのでしょうか? 全摘した場合は、もっと低くなるのでしょうか? もし、全摘をする場合、センチネルリンパ節生検をしていないので、してもらった方が良いでしょうか? どうぞご回答、よろしくお願いたします。

切除標本の病理検査結果が非浸潤癌であった由、大変良かったと思います。ふた昔前までは「非浸潤癌の場合は全摘」と言っている施設が多くありました。当時は検診受診率が極めて低くて小さい非浸潤癌が珍しく、当時の診断技術が今よりはるかに低かったためです。今は、小さい非浸潤癌は温存療法でも大丈夫と言われていますが、浸潤癌の浸潤部分に比較して、非浸潤癌の方が乳管内に広く進展しやすいことは、その病巣の有り様を考えても理解できると思います。しかし、切除標本に病変の露出が無く、1か所に限られていて断端から3mmでの陽性所見なら、そして追加切除が難しい(ちょっと理解に苦しみますが…)となれば、放射線治療で良いのではないかと考えます。断端陽性での局所再発率を出している施設を聞いた事は無いのですが、この程度の断端陽性ならBoost照射を加えれば通常の温存+照射の局所再発率(2%以下)に収まると考えます。これ以上の治療効果を期待するとすれば、乳房切除しかないのですが、温存療法のかなり多くの患者様が術後全摘を受けなければならなくなってしまいます。(文責 久保内)

 

No.11494】  14年10月12日    mom   
85歳の母が乳がんになりました

85歳の母が乳がんになりました。幸い早期発見で、9ミリくらいの腫瘍らしいです。本人は全摘すると言ってますが、全摘した方が良いのでしょうか? 術後の生活が心配で相談しました。

全摘するか温存するかは、(温存手術等で局所が取り切れる限りは)術後の生存率に変わりは有りません。違いは局所再発の有無で、局所再発を防ぐ目的で温存手術後は放射線治療が勧められています。放射線治療は5~6週間連日(土日祝を除く)通院することが必要で、ご高齢の方の場合これがネックになって全摘に切り替える場合があります。確かに「9mmという非常に小さい乳癌で発見されたので、全摘までしなくとも」と思われるでしょうが、ケースバイケースです。主治医の先生と術後の治療のことまで、ご相談なさると良いと思います。(文責 久保内)

 

No.11493】  14年10月12日    M  
前がんと言われました

マンモグラフィで石灰化がみつかり、エコーではしこりを確認できない状態でした。次に造影MRI検査を行い、結果は陰性でした。念のためマンモトームもと云うことになり、マンモトームができる病院を紹介され、検査を行いました。結果、前がんと言われました。経過観察か切るかは、初めの病院の医師の診察で、これから話し合う予定です。私は37歳で、これから子供を作ろうとしていたので、とても悩んでいます。年齢も高いので、早く産まないとと、焦りもあります。子作りをしながら経過観察は可能でしょうか?
または、切除手術を受けた場合は、どのくらいで子作りを再開できるものなのですか?

我々は前がんと言う言葉では想像するしかないのですが、「異型乳管過形成」だったのでしょうか? そうだったとして、病変と思われる部分を切除するのか、経過観察をするかは、通常は患者様のTPOにより考えるのですが、これから妊娠・出産・授乳・子育てを考えておられるのなら、私見ですが怪しい部分は切除してから妊活に向かわれた方が良いと思います。乳癌までいっていなければ(切除しても異型乳管過形成以下の病変だったら)、すぐに妊娠可能ですし、非浸潤癌であっても「取り切れていて十分な局所治療(放射線も含む)が終わったら」妊娠可能だと思います。(文責 久保内)

 

No.11492-1】  14年10月12日    M 
硬結

31歳です。先週はじめて乳癌検診を受けました。乳癌検診内容は、視触診とエコーです。検査結果表に、左側『硬結のみ』エコーカテゴリー3と乳房の絵が書いてある用紙と、「今回の検診結果で精密検査が必要。専門医を受診して下さい。」と、近隣の医療機関一覧表が書いてある用紙2枚が入っていました。『硬結』と言う言葉が初耳です。『硬結』が関係する病気は何ですか? 連休明けに乳腺外科を受診しますが、乳癌だったらと考えると怖く、不安でいっぱいです。宜しくお願いします。

『硬結』というのは、硬い結節の略語です。腫瘤(いわゆる「しこり」)が「正常部分より硬くて高さのある部分」だとすれば、硬結は「正常部分より硬いが高さがはっきりしない部分」と考えてよく、「しこりのようで、しこりと言い切れない異常所見」と考えてください。あくまで触診での所見です。要精密検査となったのは、「エコーカテゴリー3」の方で、「カテゴリー3」は「一見良性にも見えるけど、悪性の可能性が否定できない」ので精査が必要という意味で、この中から乳癌は10~20人に1人くらいの頻度で考えられます。「乳がんでないことを確認に行く」位のつもりで、精査を受けてください。(文責 久保内)

 

No.11492-2】  14年10月30日    M 
経過観察

前回No.11492です。ご回答ありがとうございます。同封の病院一覧表の中から1番大きい(救命センターあり)病院を選び、14日に精密検査しました。初診の内容は、検診のデーターがないので、検診と同じ視触診・乳腺エコー(技師さん)のやり直しと、マンモグラフィの検査を受け、結果から診察室で先生がもう1度エコーをして細胞診を行いました。21日に、細胞診の結果、悪い物でない『良性腫瘍』でした。今後、経過観察の為、半年後に乳腺エコーの予約を取りました。

1) 『良性腫瘍(腫瘍名はわからない)』は、悪性に変わることがありますか?
2)  経過観察の6ヶ月後って長く感じますが、期間的にどうですか?
3)  細胞診後に触ったら受診前より小さいですが、細胞診でシコリが小さくなるは事ありますか?

よろしくお願いします。

1) 原則としてありません
2) 適当だと思います
3) あまりありません(文責   清水)

 

No.11491】  14年10月12日    M 
胸のしこり

15歳の女子です。左胸の内側に3〜4センチほどのしこりがあります。消しゴムのような感じで、境目がはっきりしていてよく動きますが、でこぼこして、形がいびつです。乳がんの心配はありますか?

弾性で硬い可動性の腫瘤が15歳の女子の胸にできたのであれば、乳がんは普通考えません。乳腺線維腺腫か葉状腫瘍ではないかと考えます。頻度は線維腺腫の方が50倍位多いので線維腺腫と言ってもはずれは少ないと思いますが、急速に大きくなっているのなら葉状腫瘍も考慮に入れなくてはなりません。両方とも腫瘍ですので右肩上がりに大きくなることが考えられ、3~4cmなら腫瘍の部分のみの切除(局所麻酔で日帰り手術も可能)が必要になると考えます。しかし葉状腫瘍ですと、正常部分を少し付けて取らないと局所再発の危険が有ります。まずは診断してもらうことが大事です。乳腺専門の施設に受診してください。(文責 久保内)

 

No.11490】  14年10月06日   S
局所再発について

3年前に浸潤性小葉がんで、左乳房温存手術をし、ステージ1、放射線を追加照射もいれ、30回行いました。ノルバディクスを半年飲みましたが、子宮に副作用がでて中止しました。8月に定期検診の際、腫瘍マーカー、CT、エコー異常がないということで、ほっとしていましたが、胸の痛み、ひきつれ、乳房の変形、皮膚の湿疹等がみられた為、念の為にとPET検査を行い、局所再発と思われるといわれました。1年半くらい前に、CTでその部分が変化しているとのことでエコーをとりましたが、術後変化で腫瘍ではないとのことだったのですが、その部分に癌があるといわれ、困惑しております。主治医に聞きましたが、腫瘍としてうつってはいない。細胞レベルのものが、広範囲に広がっていると思われるとのことでした。乳房の状態から組織検査はできないので、手術をして調べるしかないといわれました。質問ですが、再発でも腫瘍マーカーは正常ということはありえますか? PET検査だけ異常だけで、再発はありえますか? 癌でない可能性はありますか? この状況で再発といわれても信じがたく、質問しました。よろしくお願いします。

再発が起こっていても、腫瘍マーカーが正常ということはよくあります。小葉がんはしこりとして出現しないことも多く、主治医の言うようにしこりを作らず、細胞がパラパラと広がるような進行をすることがあります(この場合診断はより困難になります)。ただ、何らかの方法で組織検査は可能であるようにも思いますので、手術を受ける前に再度確認をされたほうが宜しいかもしれません。PETでクロであればそうであることが多いですが、必ずしも万能ではなく、がんでなくても写ってきてしまうこともあります。(文責 加藤)

 

No.11490-2】  14年11月02日   S
術後治療について

HPNo.11490で以前相談させてもらったものです。再度気になることがあり、質問させていただきました。再発にて手術を受けました。主治医の説明では、しこりだけでなく、皮膚にも再発しており、全摘し、取れるだけとったが、皮膚にある癌は取りきれなかったと説明を受けました。今後の治療としては、ホルモン療法と言われていますが、「ノルバディクスは子宮に異常があり中止しているので、使用できない。放射線も前回30回しているので、できない。ホルモン注射のみかな?」みたいな感じでした。
1) ホルモン注射だけで、残っている癌を抑えることはできるのでしょうか?
2) 閉経前で私のように使用ができないものが多い場合で、皮膚にとり残した癌の治療は一般的にはどういう治療をするのでしょうか? 

前病院から現在の病院に手術の為転院したのですが、前病院の先生は、抗がん剤をしましょうというお話があったのですが、現病院では抗がん剤の話はありません。今後治療は前病院に帰り受けたいと思っておりますが、見解の違いがあるので、迷っています。小葉癌はあまり抗がん剤が効かないときいたこともあり、ご相談させていただきました。よろしくお願いします。

1) 閉経前の再発乳癌の内分泌治療の標準はホルモン注射(ゾラデックス、リュープリン)+Tamoxifen(ノルバデックス)です。子宮の副作用が何か分りませんが、もし子宮体がんができたのならば手術ですが、子宮内膜の肥厚程度でしたら、検診を続けながら内服継続は可能だと思います。
2) 貴女のがんのER,PR,Her2,Ki67等のprofileがわからないので、化学療法の有用性については言及できません。しかし、内分泌療法が無効になれば、化学療法の出番だと思います。(文責 清水)

 

No.11489】  14年10月06日   K
バコラ生倹

9/17に右乳のバコラ生倹を受けたのですが、シコリ(血膿)は小さくならず、熱をもっていて、触るとチクチク痛む感じが、ずっと続いています。先生に聞いたところ、『ガンは痛くないから大丈夫』との応えだけだったので、胸の中で炎症が拡がって、ガンにも影響があるのではないかと、心配で投稿しました。結果は非浸潤ガン(乳腺に石灰化を作るガン)でしたが、ガンセンターに行くのは10/22で、それまでに炎症は治まるのでしょうか…? よろしくお願いいたします。

生検後は内出血が起こり、あざができたり、腫れたりすることがあります。通常は数週間程度でおさまります(もう少しかかることもあります)。炎症が広がってがんに影響することはありませんので、ご心配されずに受診日をお待ちください。その頃には腫れも落ち着いていると思います。(文責 加藤)

 

No.11488】  14年10月06日    さくら
摘出生検の全身麻酔について

私は48歳で、22歳と20歳の子ども(完全母乳)がいます。今年6月に職場健診で、マンモグラフィ(異常所見なし)、視触診(2センチのしこり)を行い、健診医師から「念のために他の医師にみてもらいましょう」と紹介状をもらいました。昨年の健診でも同じ結果で、追加でエコーを行い、良性だから経過観察と言われました。実は10年前にもほぼ同じ場所で、エコーでしこりを指摘され、総合病院乳腺外科外来で局麻で摘出生検し、のう胞内乳頭腫と診断をうけています。9月に入り、10年前とは違う乳腺外科を受診し、マンモグラフィ、エコー、針生検を行い、結果が出るまでに造影材を入れて乳房MRIを受け、結果は「良性のようだが悪性も否定できない。しこりも大きいため、摘出生検をしましょう」と言われ、9月27日に1泊入院、全麻で摘出しました。結果は3週間後と聞いています。摘出生検手術は、14時に入室し、15時半には病室に帰っていました。看護師からの術前オリエンテーションでは、「バルンカテーテルは挿入しない。術後3時間はベッド上安静で、その後は歩行も夕食も可能」と説明がありました。その後主治医が診察、エコーで摘出部分のマーキング、「しこりとその周りのもやもやした部分を摘出予定。極力乳房が変形しないように配慮する」と言われました。
術後、意識が戻ったら、喉の痛み(挿管したらしい)、バルンカテーテル、モニター管理、朝までベッド上安静、飲食不可と、術前オリエンテーションの説明と全く違う状況。家族の付き添い不要と言われていたので、家族への説明もなく、術中にトラブルがあったのかと心配で、看護師に聞きましたが、「キズが大きくなるから、術前説明と変わった」と言われました。キズは乳輪に添って4センチ程度です。翌日朝の回診で、再度医師に尋ねたら、「術中トラブルはなく、麻酔科医の判断」と言われ、明確な理由の説明がありません。どのような理由が考えられますでしょうか? また退院後、シャワー後に術側乳房を拭いていると、乳房内部でポチャポチャと水が揺れるような音がします。これは問題ないのでしょうか?

特にトラブルがあったということではなく、主治医の言うように麻酔科医からの指示によるものだと思います(術前の説明と多少異なることもあります)。術後の酸素吸入時間、飲食開始時間等は手術中の状況にもよって変わり、麻酔科医より指示が出されます。手術後は摘出した部位に血液、浸出液が貯留しますので、ポチャポチャと音がすることが時々あります。特に心配ありませんので、ご安心ください。(文責 加藤)

 

No.11488-2】  14年12月31日    さくら
左乳房の皮膚と左乳頭の感覚

No.11488で10月6日に相談させていただいた、さくらです。分かりやすい回答を、ありがとうございました。摘出生検から約3か月が経ちますが、手術した左乳房の皮膚と左乳頭の感覚が戻りません。触った感触はあるのですが、強くつまんでも痛みを感じません。摘出したしこりが2,6センチと大きく、かなり大きく剥いだため、感覚鈍麻があるが、そのうち感覚は戻ると主治医から聞いていますが、どのくらいで元の感覚に戻るのでしょうか? よろしくお願いいたします。

半年はかかるかもしれません。2年間要した場合もありました。焦らずに経過を見てください。(文責 石川)

 

No.11487-1】  14年09月30日    Y
海外での乳がん治療についての不安

初めて相談させていただきます。42歳です。よろしくお願いいたします。スイス在住のものですが、乳がんがみつかり、先週温存手術を受けました。乳がんが見つかってからの治療が、ネットなどで見る日本のものとはあまりにも違うので、とまどっております。まず、7月に首(耳の付け根の下)のリンパ節が両方2センチほどにはれているのを見つけ、内科で診察を受けました。その際、血液検査で、白血球の数値は正常だが、リンパ球が57%と高く、ウイルス性と考えて様子見(5月にインフルエンザにかかった為)。1ヵ月後、しこりが右が1センチほど、左が5ミリほどに小さくなり、リンパ球も39パーセントになった事から、大丈夫だと言われました。同時に左胸にしこり1センチほどを見つけ、婦人科で検診、エコーで判断がつかなかったので、専門病院でまたエコーの診断を受けました。悪性の可能性ありで(5mm x 6mm)、針生検を受け、悪性の告知を受けました。そのときの病理組織結果は、以下の通りです。

浸潤性乳管癌、 組織学的グレード2 (3+2+1=6)、 ER90% PgR90%、 Ki-67 5%、 
組織学的にあまり分化されていない大きな塊があり、最長0.6センチである。
形態学的には乳管癌であるが、E-Kadherinがみられない。
HER-FISH結果はまだでていない。

術前に、エコーによるとリンパ節転移はないと考えるが、もしあった場合はもっとリンパ節を切る事になる事、腫瘍を切り取って、まわりに癌細胞が見られれば、もっと大きく切る事になる等の説明を受けますた。術後、センチネルリンパ節への転移なし。まわりへの浸潤はなかったので、放射線治療、ホルモ ン治療になると言われました。術後の病理結果は、まだきておりません。

質問なのですが、
1) 首のしこりの事を何度も言いましたが、関係ないと言われました。転移ではないかと不安なので、もっと強く検査を希望したほうがいいでしょうか? 今もまだしこりがあります。その場合、頚部MRIでしょうか?
2) 手術前の検査がエコーだけでしたので、CTの遠隔転移検査はしないのか聞いたところ、術後リンパ節に転移が見られれば検査するが、この病理結果を見る限り、遠隔転移は考えられないので、必要ないと言われました。
3) あまりにも切り取った部分が小さいような(しこり部分のみ)気がするのですが、そういう乳がん手術もあるのでしょうか?

来週、病理結果が来る予定です。オンコタイプDXの検査はしようと思っていますが、もっとしておいたほうがいい事などありましたら、教えてください。お忙しい中、申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。

1) さすがスイス人、きっちりしています。良い仕事しています。更なる検査は不要です。
2) CTは広がり診断で行われることが日本では多いのですが、検査の方法の違いは、断言はできませんが保険制度の違いが影響していると思います。数ミリの病変が多発している可能性がエコーであれば、CTもしていたかもしれません。「この病理結果を見る限り、遠隔転移は考えられないので、必要ない」という答えは、正しいです。
3) 結果的に取り残しがなく周囲にがんが露出していなければ正しい手術であったと思います。へっぽこ日本人外科医による小さいがんを大きく取ることの言い訳を鵜呑みにする必要はありません。ただし、最終の病理結果で断端陽性(周囲にがんが露出)という結果であれば、もちろん話は別です。オンコタイプDXまでされるのであれば、もう十分です。(文責 緒方)

 

No.11487-2】  14年10月23日    Y
海外での乳がん治療についての不安(2)

11487でスイスでの治療について相談させて頂いたものです。スイスでの治療に不安を持つ必要がないとアドバイスを受けて安心しましたが、やはり海外での治療は不安が多く、また相談させて頂きます。

術後の結果、
HER2-FISH ネガティブ、
pT1b(0.7mm), pN0(i)(sn)(0/1), L0, V0, Pn0, R0
組織学的グレード2 (3+2+1=6)
組織学的にあまり分化されていない浸潤性乳管がん
リンパ管、血管、周辺への浸潤無し。
断片陰性(腫瘍から4ミリで切除)
ER, PgRは針検査時のみのようで、新たな記載はなく、ともに90%、Ki-65も術前のみで5%でした。
ホルモン治療でゴセレリン、タモキシフェンを始めました。放射線治療を受ける予定です。


1) 断片は陰性でしたが、エコーのみの検査だったので不安があります。これで癌は取り切れたと思っていいのでしょうか? 日本だと術前に浸潤をマンモグラフィなどで調べると思うのですが…
2)  Eカドヘリンが無いと書かれていました。予後に影響はありますか?
3) Adjuvant online では、私の場合、10年後の再発率、生存率はどの位でしょうか?
4) 42歳ですが、ホルモン治療を5年で終えた後、10年後、20年後ではホルモン治療の効果が落ちる分、再発率が増えるのでしょうか?

お忙しい中、申し訳ございませんが、お返事頂けると嬉しいです。よろしくお願い致します。

1) 断端陰性は病理検査の結果ですから、取りきれたと考えて問題ありません。ただし、多発の問題がありますから、放射線治療は必要ですし、今後も定期的なマンモグラフィー検査は必要です。
2) E-カドヘリンは乳管がんか小葉がんかを鑑別するために行う検査です。予後には影響しません。
3) Adjuvant Onlineによると、10年生存率は、術後無治療で95%,Tamoxifenを内服した場合で96%でした。10年無再発率は術後無治療で81%、Tamoxifenを内服した場合で87%でした。(注:10年再発率の計算は全身への転移再発のみならず、対側乳癌の発生(無治療10年で7%程度)も再発として扱っています。)
4) 最近、late recurrenceといって、10年以降の再発が注目されています。ER(+)乳がんは10年で見れば転移の再発の少ない乳がんですが、10年以降の再発の危険性は低いながらも継続します(私の経験では術後30年目の骨転移という方がいます)。昨年報告されたTamoxifen 5年内服と10年内服の比較試験で、10年内服することで10年目以降の転移再発が減少することが証明されました。現時点でホルモン療法は術後5年というガイドラインに変更はありませんが、注釈として、10年内服するお話をして、そのメリット(10年以降の再発転移が減少する)とデメリット(子宮体がんが増える、通院の負担、経済的な負担が増える)を患者さんとよく相談するようにとなっています。現在、他にもホルモン療法を長期に行う試験がたくさん行われていますから、貴女が内服を終了する5年後にはガイドラインが変っているかもしれません。(文責  清水)

 

No.11487-3】  14年11月03日    Y
海外での乳がん治療についての不安(3)

スイスでの治療について、11487、11501で相談させて頂いた者です。いつも丁寧にお返事下さり、感謝しております。申し訳ないのですが治療方針が変更となりましたので、それについて質問させて頂きます。9月24日に温存手術を受け、今週から放射線治療の予定でしたが、それでも残る再発の恐怖から、治療方針を変更して来月全摘手術を受ける事にしました。それで放射線治療はキャンセルになったのですが、放射線治療は本当に必要ないのでしょうか? 不安要因としては、
1.腫瘍の位置が乳房のかなり上の部分で、断端から4ミリである事。この後全摘しても、もっと上には切れないのでは?
2.周囲に新たな癌化を認めないと書かれてあったのですが、癌が脂肪組織中に向かって育っており、ところどころ結合組織化している(ドイツ語の直訳なのでちょっとどういう意味なのかわかりません)と書かれている事。
3.二度目の手術が一度目から2カ月経っている事。その間に癌の残留細胞が育って予後に影響するのでは? まだ弱い今のうちに放射線で死滅させた方がいいのでは?

温存を今更、全摘に変え、放射線治療をキャンセルした事でかえって予後を悪くしてしまったのではないかと不安です。主治医は、予後はどちらも変わらないとの意見です。先生はどうお考えですか? お返事よろしくお願い致します。

質問有り難うございます。今までのやりとりを拝見していて、海外での不安が大きいように見受けますが、ほとんど間違いない治療を受けられているように思います。そんなに心配なら日本に来て治療を受けたらいいのでは?という意見もありそうですが、そうもいかないでしょうから答えますが、@全摘と部分切除では、基本的に予後は一緒、A取り切れているのなら全摘は不要、B残存乳房への新規病変の発現を抑える意味で放射線治療が必要ですが、全摘の場合は基本的に不要。ただ、広がりが大きい場合、腋窩リンパ節に転移が多い場合は放射線治療も必要、ということがベースのコンセプトです。その上で、ご本人の質問に答えます。

1.腫瘍がかなり上の方、とのことですが、確かにこれ以上は切除不可能かもしれません。これは、もとの腫瘍部位や、現状、どこまで切除してあるか?などの問題から担当外科医にご質問頂く方が適切かと思います。
2.周囲の脂肪組織に癌が入り込むことはよくあり、特別なことではなく、予後にも影響しません。
3.二度目の手術までの時間もほとんど影響しません(何年も先、であれば別ですが)。乳癌は、その性格(ホルモン感受性、リンパ節転移、HER2タンパク発現の有無など)が治療成績に影響します。手術の内容ではありません。

もし、自分が主治医だったら、と思うと、温存+放射線+ホルモン療法かと思います。もともと、多発の可能性が低く、部分切除で十分取り切れていること、ただ、残存乳房への病変が出現するのを恐れて全摘にする。全摘も部分切除も予後は一緒ですから、これはこれで正解です。全摘を決断され、ホルモン療法も始められています。正しい治療を選択され、やれることはやっていますので、これからは、あまりネットで調べすぎず、もう少し肩の力を抜いて、治療を受けられることをお勧めします。(文責 鈴木)

 

No.11487-4】  14年11月24日    Y
ゾラデックスと化学療法の同時進行について

11513で相談させて頂きました、スイス在住の者です。いつも、丁寧なお返事を頂き、ありがとうございます。感謝しております。またご意見を伺いたいのですが、10月2日にゾラデックスの3ヶ月用の注射を受け、タモキシフェンを服用しています。先日、オンコタイプDXの結果が出たのですが、スコア21の中間リスクでした。主治医は、どっちみち低リスクが来るから、オンコタイプDXはしなくても良いと言っていたので、中間リスクで驚いた様でした。主治医は、中間リスクは化学療法の効果はあまり無いので、このままホルモン療法でいいけど、私が希望するなら、AC療法を来週から始めようと言っています。ただ、私もいろいろ勉強して、化学療法は増殖の早い細胞に働くという事を知り、ゾラデックスを打っている状態で効果があるのか、不安に思っています。もし、化学療法を希望するなら、
1.タモキシフェンだけやめて、来週から受ける。
2.遅くなっても、ゾラデックスの効き目がなくなるまで待ってから受ける。この場合、化学療法は3ヶ月以内に受けた方が良いと聞いたので、その点が不安です。

まだ42歳なので、体力のある今、出来るだけの事をやって、後で後悔したく無いと思っています。勉強不足な時点でゾラデックスの3ヶ月用を打ってしまったのを既に後悔していますが…。また、ヨーロッパではAC療法が主流ですが、日本やアメリカではTC療法が主流と読みました。TC療法の方が優れているのでしょうか? いつもお忙しい所、申し訳ございません。お返事頂けると幸いです。よろしくお願いいたします。

海外で乳がんとなり、とても不安の強い中、納得のいく治療を受けるため人一倍勉強をなさっておられる姿勢にまず敬服いたします。病理結果が、浸潤性乳管癌、組織グレード2、ER、PgRともに90%、HER2陰性、Ki67=5%、切除断端陰性との結果であり、これらを踏まえゾラデックス+タモキシフェンの治療を開始したとのことです。これに更にオンコタイプDXを行ってみたところ、再発スコアが21と、中間リスクであったとのことですね。もしこの結果から何人かの日本の乳癌専門医に、「抗がん剤の追加を推奨するか否か」質問したとすると、おそらく大部分の専門医は抗がん剤の追加は推奨しないと答えるのではと考えます。この病理結果からは抗がん剤の上乗せによる再発率軽減のメリットがそれほど期待できず、一方で抗がん剤使用による副作用や時間的・経済的デメリットがメリットを上回るのではと考えられるからです。オンコタイプDXでも中間リスク群であって高リスク群ではないわけで、やはり再度抗がん剤使用の是非に関してよく検討されることをお奨めいたします。ちなみに、日本ではTC療法も増えてはきているものの、やはり中心はAC(EC)療法などのアンスラサイクリンベースの抗がん剤療法であるといえます。(文責 谷)

 

No.11486】  14年09月30日    C
病理検査と再発率

お世話になります。50才の女性です。1年前に左乳房温存手術をしました。EC化学療法3回投与(4回目は体調不良にて中止)。その後ホルモン療法(アリミデックス)を続けています。

※検査結果
術前超音波検査で医師が測った大きさ T2(⒉0×⒉0)
術前のCT検査で出た腫瘤の大きさ 1.5cmの八頭状の腫瘤
T2(2.0×2.0)N1+M0
S2N施行 N+(Macrsmeta)→リンパ節郭清 Level1 N0(0/8+α)
f. ly. v(−)核グレード3
ki67=20%〜30%
ステージ2b

1) リンパ管や静脈に転移がなくても、センチネルリンパ節に転移をする事があるのでしょうか? センチネルリンパ節に1個マクロ転移していたので残念です。乳がんは医療の発展で完治する癌と聞いています。ki67=20%〜30%の私の癌の再発率はどのくらいなのでしょうか?
2) 鎖骨に時々違和感があるのですが、鎖骨に転移することもあるのでしょうか?

1)  lyとvは、病理診断の際にがんの周囲のリンパ管や血管にがん細胞が見られるかの指標です。周囲のリンパ管にがん細胞が入り込んでいなくとも、リンパ節自体に転移していることはあります。それは、揺るぎない事実として受け止めましょう。また、後半の質問ですが、腫瘍径2.0cmはT1でステージUBではなくUAになります。ステージUAは、10年生存率がおよそ75-80%と言ったところです。Ki-67の数値で再発率をお示しすることは、データがないのでできません。欧米のデータでは、14%より高いか低いかで比較した場合、予後に差が出たというものです。ですから、20%〜30%だと、それより低くて他の要因が同じ条件の患者さんと比べると予後が悪くなる可能性が出るために、ホルモン療法だけではなく化学療法も行いましょうということになるわけです。
2)  違和感があるから転移とは即断できません。鎖骨の裏にあるリンパ節転移はよくありますが、鎖骨転移は珍しいと思います。(文責 緒方)

 

No.11485】  14年09月30日    F
アフイニトール(HPNo.11470-2)

いつも有難うございます。アフイニトール服用の際の注意として、グレープフルーツは食べない方がいいとなっていますが、他の柑橘系は食べてもジュースとして飲んでもいいでしょうか? また、頻繁に眠気がおそってきます。このごろは、家事もほとんどできず、寝てばかりいます。これは、肝機能の低下? 薬 ーアリミデックス、アフイニトール、ロキソニンの副作用? それともがん末期の症状? まだ末期とは言われていませんが…身体全体が腰砕けのような感じもあり、起きる元気がないときもあります。よろしくお願いします。

添付文書には、グレープフルーツジュースが腸内の代謝酵素を阻害するため、血中濃度があがる恐れがあるためと書いてあります。柑橘系とは書いていませんが、控える方が安全と思います。眠気は、ホルモン療法の副作用で出ることがあります。肝機能異常、ロキソニン、がん末期などとの関係は、判断しかねます。主治医に聞いて下さい。(文責 緒方)

 

No.11484】  14年09月30日    S
術後の治療方針について(ステージUB)

40歳、閉経前、子どもありです。先日乳ガン手術を終え、病理は以下の通りでした。

手術方法:全摘出(Bt×Ax)
種類:浸潤がん、硬がん
腫瘍径:2,5×1,7×1センチ
断端:陰性
リンパ管:センチネル転移あり(1/1)、レベルT、Uともに転移なし
ER:強陽性
PGR:強陽性
組織学的悪性度:グレード1
HER2:+1(フィッシュ法)
ki67:40%

術後の治療方針は、「EC法4回+ドセタキセル4回」と提示されました。主治医を信じ、治療を始めるつもりですが、こちらの先生方にも客観的な意見を頂きたく、お忙しいとは思いますが、よろしくお願い申し上げます。

1) 以上の治療方針で無再発率は上がるでしょうか(もっと強い抗がん剤(FEC療法)のほうが妥当ですか)
2) HER2が+1は、ハーセプチンは必要ないでしょうか
3) ki67高値とセンチネル転移は、予後不良でしょうか

再発がないように初期治療をしっかりしたいと思っております。素人知識で、分かりにくい表現があると思いますが、申し訳ありません。

1) ECとFECで大きな差が出るわけではありません。「EC法4回+ドセタキセル4回」でよろしいと思います。
2) 1+は陰性です。不要です。
3) Ki-67のカットオフ値(これより上下で分けて比較すると予後に差が出てくる値)は、14%だったり、20%だったり、施設によって違います。それは、まだKi-67の測定方法が標準化されていないからです。ある施設は、おしなべて高く出る傾向があったりするわけです。40%は、いずれにしろカットオフ値より高いので、低い人に比べて予後が不良と言えますが、程度の問題なので、他の要因も絡めて判断しないといけません。Sさんは、ER/PgR強陽性でki-67高値であり、ルミナールBタイプの乳がんにあたります。このタイプは、ホルモン療法だけでは不十分なので、化学療法も再発予防として行っておきましょうグループです。(文責 緒方)

 

No.11484-2】  14年11月19日    S
抗がん剤の減薬、中止について

投稿No.11484のSです。丁寧な回答をありがとうございました。再度、相談させてください。
現在、抗がん剤治療に入っております。

EC1回目:投与2週間後に発熱(症状は発熱のみで翌日に熱は下がる)。
EC2回目:投与量を減らされる。
☆EC3回目:投与前に白血球が下がっていて1週間延期。その際、主治医に「このまま白血球が上がらないなら次のタキサンに変更するかも」と言われました。

なるべく私としては再発を抑える治療をしたく、完遂したいと思っています。(白血球減少以外には副作用なく、体調も良いこともあり)

1)白血球が上がらない場合、EC中止はやむを得ないのでしょうか。
2)抗がん剤の投与量を減らすのは一般的なことなのでしょうか。(がん雑誌で抗がん剤は減らすのは良くない、予定通り行うのが良い、と見ました。)
3)アジュバンドオンラインで、私の場合の生存率、再発率を教えてください。(ホルモン治療のみ、ホルモン+抗がん剤治療)
4)アジュバンドオンラインは、PgRは入力されない、と聞いたのですが、何を入力して判断されているのでしょうか。

主治医にもいろいろ質問していますが、わずかな診察時間のため全てを聞けません。お忙しい中すみません、どうかよろしくお願い申し上げます。

ご相談ありがとうございます。治療を頑張っていらっしゃいますね。
1)白血球が上昇しない場合には二週間延期して改善がなければ中止もやむを得ないと考えます。強行すると発熱性好中球減少症となり命の危険を伴う可能性があります。
2)予定通り減量せず完遂するのが理想ですが、臨床試験の段階で減量しておこなった患者様の成績も含めて有効性が確立されている抗がん剤ですので減量しておこなうことは妥当と考えます。
3)4)Adjuvant onlineは最新のパソコンでは表示がなされなくなっていること、Her2が考慮されていないことから、最近は参照されることが少なくなっております。

以上です。主治医の先生とも良くご相談いただきながら、治療方針を決定なさってくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11483】  14年09月27日    S
乳がん再発 今後の治療法について

お世話になります。43歳、14歳と13歳の子供あり。
<治療経過>
2005.11右乳がん手術。34歳 。温存術後、FEC4回、PTX12回→放射線→ノルバデックス5年、ゾラデックス2年
《病理》乳頭腺管がん、充実腺管がん リンパ管侵襲(+)血管侵襲(+)ER(+)10%以上 PgR(+)10%以上 Her2(-)グレード3 リンパ節転移2/6 
2012.11 縦隔リンパ節、胸膜、骨転移(CEA35.2、CA15-3 266.4)→2012.12フェソロデックス500mg4回、ゾメタ開始
2013.3 胃転移 生検《病理》ER(+)、PgR(+)、HER2(1+)、Ki-67 40% 
リュープリン、フェマーラに変更(2013.3 CEA81.0 CA15-3 3334.4)
2013.6 脳髄膜転移(CEA5.6 CA15-3 1256.1)
2014.6 右鎖骨上リンパ節転移→生検《病理》ER(+)8、PgR(+)3、HER2(-)、Ki-67 60%
2014.7 肺転移増大 タスオミンへ変更(CEA11.4 CA15-3 843.7)
2014.9  CEA12.6 CA15-3 1136.3

<相談内容>
1) 2014.7月にタスオミンに変更する際に、3か月位飲んでみてだめなら薬の変更もあるといわれました。2か月半飲みましたが、体調は良いですが、マーカーの上昇があるので、このままタスオミンを続けていいものか、他の薬に変えた方がいいのか、迷っています。(先週主治医からは、体調がいいのであればタスオミンでいいのでは?と言われましたが・・・)
2) 以前腫瘍内科医に提案された、プロセキソール、アフィニトール+エキセメスタン、どちらを優先して試してみたらいいのか迷っています。
3) もしくは他に使える薬があるのでしょうか?

よろしくお願いいたします。

1) 腫瘍マーカーが治療の効果と相関しているようなので、腫瘍マーカーが上昇し続けるようなら、どこかで変更するのも選択肢の一つです。個人的には、基本的に進行が遅らせられているのなら、その治療は効果があるということだと考えているので、増え方がゆっくりでも、効果としてはあると思って判断しています。
2) アフィニトール+エキセメスが先ではないでしょうか。正解はありませんが。
3) あとは、化学療法だと思います。(文責 緒方)

 

No.11483-2】  14年11月03日    S
腫瘍マーカー上昇

NO.11483で質問したものです。御回答ありがとうございました。あれから1か月経ち、採血の結果、CEA14.1(前回12.6)、CA15-3 1425.4(前回1136.3)NCC-ST-439 50.0(前回35.7)と、すべて上昇していました。また、CT検査を行ったところ、前回7月に検査した時より僅かに肺転移が増大しており、胃小弯側のリンパ節腫大の増大がありました。咳や呼吸が苦しいなどもなく、特別体調が悪いところは現在ありません。主治医は、このままの治療でいいのではないか(タスオミン、リュープリン、ゾメタ)と言います。もう少し詳しく検査したいのであれば、PET-CTをやってみてもいいですが、とも言われました。

1) 今のままの治療でいいのでしょうか?
2) ホルモン剤変更のタイミングはいつでしょうか?
3) 今PETをやる必要性はありますか?

どうしてよいのかわかりません。よろしくお願い申し上げます。

ご質問有り難うございます。再発乳がんに対して、その治療の変更時期、検査のタイミングは?・・とのことですが、ひとことで言えば、正解はありません。ただ、治療の変更(とくにホルモン療法→抗がん剤)は、患者さんと主治医が、治療の目的をお互いに共有し、よく相談された上で判断する必要があります。治療を変更する判断材料として、@転移・再発した病変に対して使える治療法は限られていますので、一つの薬剤を大事に使う、A変更するタイミングは個人個人で違う、B副作用、効果、体力と相談しながら治療を継続、休薬する、C腫瘍マーカーがいくつになったから、画像で何cm以上になったからという基準はない、D治療変更時、2-3ヶ月は腫瘍が一時的に増大することがある(特にホルモン療法)、E転移・再発の治療に、〜しなければならない、〜するべきだ、〜しないのは間違いだ、という言葉はありません。まだまだありそうですが、これらをベースにお答えします。

1)2)今のままの治療でいいか?ホルモン剤変更のタイミングは?ということですが、これに対しては、画像も見ていませんし、今の副作用も知り得ないので判断できませんが、腫瘍マーカーの上昇をみると変更時期でしょうか。ただ、症状がなく、次の治療の副作用も心配、選択肢が少なくなり一つの治療を大事に・・という考えから、今の治療をもう1-2ヶ月、2-3ヶ月継続するのも間違いではありません。次に行うとしたら、アロマシン+アフィニトールかと思われますが、ホルモン療法は継続していくと、次治療、次治療と少しずつ効果が劣るのと、元々のホルモン感受性をみると、ホルモン療法の効果はあまり良くないのかもしれないので、化学療法の選択肢も視野に入ります。
3)PETは必要ありません。現状、CTで病変の把握ができていますので、CTで見えないところを探り、そのために治療を変更するか?という話しになります。@画像上、ほとんど病変が消失した、でも腫瘍マーカーが高い、A術後の再発の有無を確認するため、などに用いるのが良いと思います。

今までの治療法も概ね、標準的な治療をされているようですが、今の治療法に不安、問題を感じているのであれば、遠慮無く主治医に申し出て、セカンドオピニオンを聞いてみてはいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.11482】  14年09月27日    K.M
妻の乳がん(HPNo.11455-2) 

お世話になります。No.11455でご相談したものです。その後の経過で、鎖骨上(頚椎)のリンパに2箇所(5ミリ)悪性腫瘍と言われました。治療法は、これといって変更はなしです。9月はじめに、念のためMRI検査等をすませました。結果は、まだ言われていません(次回10月に教えていただけると思います)が、連絡がないところをみると、すぐに緊急性はないかもしれません。ご相談ですが、ここのところ体調が思わしくありません。毎朝37.8Cの熱、夜中から冷や汗、また、若干の手のふるえ、脱力感等もあります。これらから、脳転移の可能性があるでしょうか? また、主治医に早めに連絡を入れたほうがよいでしょうか? お忙しい中すみません。

それらの症状だけで脳転移と診断することはできません。他の臓器への転移の可能性も含めて主治医に連絡をいれることは、悪いことではないと思います。(文責 緒方)

 

No.11481】  14年09月24日    C
乳癌ステージΙの術後補助療法について

ステージΙの術後補助療法についてご質問いたします。
44歳 左胸3箇所に浸潤性乳管癌(硬癌) 左乳腺全摘手術。
一次結果報告
3箇所の内、最大の物で12o×10oで3箇所全て2p以下。リンパ管、静脈ともに浸襲 なしです(f+,lyー,vー)。切除断端 陰性 センチネルリンパ節 転移なし(0/4) です。
二次結果報告
3箇所の病変について、すべてホルモン受容体は陽性でした。HER2とMIB-1については、それぞれ
@ HER2 : スコア 1+、過剰発現 ー  MIB-1 : 18%
A HER2 : スコア0、過剰発現ー  MIB-1 : 15%
B HER2 : スコア2、過剰発現+ー  MIB-1 : 20%

病変Bについては、HER2検査の追加を行っております。主治医の先生は抗がん剤治療6ヶ月、ホルモン療法5年もしくは10年と仰いました。私としては、出来ればリスクと副作用を伴う抗がん剤治療は行わず、ホルモン療法だけで行きたいと思っております。ステージΙの乳癌でも、MIB-1のパーゼンテージ(14%以上と仰ってました)が少しでも高いと、抗がん剤治療をした方が良いのでしょうか? 生存率がかなり上がったり、再発のリスクがかなり下がったりするのでしょうか? 素人考えで、癌の大きさも小さく、脈管浸襲もなく、センチネルリンパ節にも転移がなければ、リスクを背負って抗がん剤までしなくても良いのではと考えてしまいます。長々と申し訳ありませんが、是非ご回答を宜しくお願い致します。

HER2陽性であればハーセプチン+抗がん剤がかなり有効であるので、ホルモン療法に加え、抗がん剤(+ハーセプチン)を勧めます。問題はHER2陰性であった場合です。ホルモン受容体陽性で、HER2陰性で、かつMIB-1高値の早期乳がんの場合には、常に悩みます。医学的ではないかもしれませんが、年齢を考慮すると、再発のリスクを少しでも下げるために化学療法を勧めるかもしれません。多遺伝子アッセイをする方法もあります。保険適応がなく自費診療になりますが、多遺伝子アッセイをすると低リスク、中間リスク、高リスクに分類され、低リスクであればホルモン療法のみ、高リスクであればホルモン療法に抗がん剤を追加することが勧められます。ただし中間リスクであれば、また悩むことになります。(文責 大西)

 

No.11480】  14年09月24日    F
乳房全摘手術

今度乳ガンで乳房全摘手術をやります。不安でネットで調べたら、術後に肺寒栓症になる可能性があるとネットに書いてあったのですが、本当なのでしょうか? 手術は私の母がするのですが、年が63で高齢というのもあって心配です。

深部静脈血栓症や肺塞栓を発症した方の一部が肺梗塞になりますので、以下深部静脈血栓症と肺塞栓についてコメントさせていただきます。 手術後に深部静脈血栓症や肺塞栓になる可能性はありますが、乳がんの場合は少なくリスクは0.16%という報告(米国)があります。ちなみに4000例以上の検討で死亡された方はいなかったようです。日本人の方が肥満の割合が少ないので、さらにリスクは少ないかと思います。深部静脈血栓症や肺塞栓を予防するには、術翌日から歩くことの有効性が証明されています。(文責 大西)

 

No.11479】  14年09月24日    A
乳房の窪み

35歳未婚女性(出産経験なし)で、現在乳がんの心配をしております。少し前から、自分からみて右側乳房の右上脇側(時計でいう12時から3時の部分)が大きく窪んでいるような(脂肪が無くぺたんこのような)状態になっていることに気付き、年齢が原因で、ただ単に胸が痩せただけなのか、乳がんの疑いがあるのかで悩んでいます。なお、左側乳房はそのような状態にはなっておらず、膨らみがあります。もともと、痩せ型で胸板は薄く、上部に膨らみは少ない方だと思いますが、小さすぎるほどでもなく、平均的なサイズだと思います。また、昔から左右のサイズが1サイズ程度違っており、右胸の方が小さいので、痩せて垂れただけのような気もしないでもないのですが、左右に違いがあることと、鏡に映った胸の凹み具合がその部分だけペタンとしていて全く膨らみが無いように見えます。ちなみに、えくぼのような窪み方ではなく、乳房の右上4分の1の膨らみが均一に無いような感じで、上向きに寝て左手で触ってみましたが、特に気になるしこりは発見できておりません。ここ2年くらいは乳がん健診をしておりませんが、それ以前は会社の健康診断で、毎年超音波等で検診をしておりました。その際に、乳腺症(かもしれない?)の指摘と、右側の乳房に1〜2センチくらいだったと思いますが、嚢胞があると言われました。嚢胞に関しては、ホルモンバランスの乱れが原因にもなると言われた記憶があるのですが、私は高校生くらいからずっと生理不順で、定期的に産婦人科に通い、時にはクロミッド(生理が止まった時に、お尻にホルモンの筋肉注射と、1日1回クロミッド錠剤を飲むかのまないか、くらいで軽度のようです。)を飲むこともあるので、それが原因の一つなのかなと思い、特に何もしておりません。適切な情報であるか不明ではありますが、以上の内容から、乳がんである可能性は少なからずありそうでしょうか? 少しでも気がかりであるなら、病院を受診すべきだとは思うのですが、一般的な見解で構いませんので、ご意見をお聞かせいただきたく、何卒よろしくお願い致します。

お話のように乳房は年齢とともに退縮していきます。立った状態で乳房の上部にふくらみが無いことは不自然ではありません。一般的な回答はこんな感じになるかと思いますが、相談者さんが乳がんでないことを保証する訳ではありませんので、一度乳腺外来を受診してみてはいかがでしょうか。(文責 大西)

 

No.11478】  14年09月22日    M.I.
局所再発について(HPNo.11367-3)

No.11367⇒No.11472で質問したものです。ご回答有難うございました。細胞診の結果は局所再発でした。画像では1・5cm程度のようです。手術は全摘になりますが、もし非浸潤なら手術のみで済みますか? 抗がん剤をする場合、できればまたの脱毛を避けたいので、ハーセプチンのみ(今回もHER2陽性だったとして)受けるということは、可能なものでしょうか?

非浸潤癌の再発であれば、手術のみで経過観察が可能です。HER2陽性浸潤癌であった場合ですが、ハーセプチン単独療法は、化学療法との併用療法に効果の点で劣る可能性があります。遠隔転移が無く根治が望めるのであれば、化学療法との併用が第一選択ではないでしょうか。(文責 大西)

 

No.11477】  14年09月22日     S
使えるホルモン剤

よろしくお願いします。私は、タモキシフェンを服用中に、局所再発をしてしまい、ts-1を服用してます。50歳ですが、生理があるため、使えるホルモン剤が他にないと言われました。ホルモン陽性のタイプは、抗がん剤は、あまり効かないのではないかと思っています。それでも今は、ts-1が最良でしょうか。やはり、使えるホルモン剤は無いのでしょうか。

局所再発のみで遠隔再発が無ければ、再発巣を切除するという選択肢があります。その後の治療についてですが、手術から再発までの期間が長く、ある程度ホルモン治療が効いていると判断すれば、ホルモン治療を継続することも選択肢の一つになります。閉経前であることを考えると、タモキシフェンにLH−RHアナログを追加するか、トレミフェン、ヒスロンという選択になります。ホルモン治療があまり効いていないと判断すれば、抗がん剤治療になります。抗がん剤の選択でこれが最良というのは難しいですが、ts-1も選択肢の一つになることは間違いありません。(文責 大西)

 

No.11476】  14年09月22日     ぽん 
頭痛が続いています(HPNo.11467-2)

先日11467の質問で、骨転移について聞いたのですが、肋骨の状況は同じなのですが、ここ3日ほど頭痛が続いています。通常の頭痛と違い、目のピントが合わないような、頭がぐらつくような感じで、昨晩は身体が辛く横になると頭痛がひどくなりました。脳転移は、3cm以内で見つけないと、後が大変とも聞いています。来々週の水曜が診察日ですが、そこまで様子を見ていいのか非常に不安です。頭痛に関しては、どの程度様子を見ればいいのでしょうか? アドバイス、よろしくお願いいたします。

頭痛の原因が心配されている脳転移によるものなのか、ほかの原因によるものなのかは、検査しないとはっきりとしません。仮に転移であった場合、大きさや場所によって様子を見ていい場合もあれば、急を要する場合もあります。再来週の水曜日まで診察を受けられないということはおそらくありませんので、予約を早めてもらってはどうでしょうか。(文責 大西)

 

No.11475】  14年09月14日     T.O  
ホルモン治療前の採卵について

今年6月初旬に、右乳癌で乳房温存術、センチネルリンパ節生検をしました。後治療として、現在放射線治療18回終了、今後ホルモン療法の予定です。
病理結果
硬癌、腫瘍大1.0×0.4、 ステージ1、 グレード2、 MIB-1LI 10-20%、 ER5+3 PgR5+3 HER2 0、 ly 1 v 0、 センチネルリンパ節 陰性 リンパ節転移陰性、 断端 陰性

現在38歳であり、今後挙児希望のため、採卵をしています。思いの外、あまりにも卵子が取れず、9月に再度採卵予定でしたが、前回の採卵の影響が残っているため、10月に採卵予定に延期にされました。前2回の採卵の際はホルモン値が上がらないようにフェマーラを内服しながら採卵しましたが、今回は病院を変えて採卵を行うため、採卵方法が変わります。今回の採卵ではフェマーラは内服せず、タモキシフェンの内服をすぐに始め、乳癌の治療を開始してしまい、タモキシフェンを内服しながら採卵をすると言われました。最近の生殖医療学会の論文で発表されたそうです。その場合、E2値がかなり上値になるそうですが、生殖医療の先生は、E2値が高値になっても乳癌への影響は関係ないから大丈夫!とおっしゃられていましたが、ホルモン治療の開始も遅れているので心配です。

1) 本当にE2値が高値になっても乳癌への影響がないのでしょうか??
2) この方法で採卵を行った場合、タモキシフェンによる乳癌治療の効果は採卵を行ってE2値が高値になっても継続されますか?

よろしくお願いします。

採卵の方法は婦人科医によって異なり、タモキシフェン内服の目的が良くわかりませんが、タモキシフェンは乳がん治療薬ですので、E2が高いことがリスクになりません。(文責 石山)

 

No.11475-2】  15年03月29日     T.O  
再発リスクについて

以前、11475で相談させていただきました。その節はありがとうございました。今回、再度よろしくお願いします。昨年6月初旬に右乳癌で乳房温存術、センチネルリンパ節生検をしました。

病理結果
硬癌、腫瘍大1.0×0.4、ステージ1、グレード2、MIB-1LI 10-20%、ER5+3 PgR5+3 HER2 0、ly 1 v 0、センチネルリンパ節 陰性 リンパ節転移 陰性、断端 陰性

現在、放射線治療30回終了、術後4カ月後からノルバデックス内服開始、術後6カ月からリュープリン開始しています。挙児希望で不妊治療していたため治療が遅れてしまいました。

1) 病理結果でMIB- 1LI 10-20%、グレード2、リンパ菅浸潤ly 1という結果が気になってます。私の再発リスクは低リスクでしょうか? 中リスクでしょうか?
2) MIB-LI 1 10-20%とはっきりした数値が出ていないのですが、どういう意味なのですか? 14%が基準ということで10%なら低いし、20%なら高いので、自分が20%寄りかもしれないと思うと不安です。
3) 不妊治療で治療が遅れたため、再発率が上がっているのではないか心配です。治療の遅れは再発率を上げますか?
4) Adjuvant online で再発率を調べようとしたのですが、どこに何を入れたらいいのかわからずできませんでした。もし可能であれば入力方法、もしくは再発率を教えていただけますか?

まとまりのない文章ですみません。よろしくお願いします。

1) リスクの基準がよくわかりませんが,どちらかというとリスクは低いと思います.
2) MIB-1LIは,世界的にも測定方法の質のコントロールがなされていないので,施設関の誤差も大きく,参考数値と考えるべきです.主治医に施設の基準としては,どうなのか,伺ってください.数値だけをみると,高くはないと思います.
3) 妊娠が予後に影響を与えないとすると,不妊治療は,再発率を上げることはないと思います.
4) 登録が必要ですので,主治医に計算していただきましょう.(文責 徳田)

 

No.11474】  14年09月14日     S
母について(HPNo.11469-2)

No.11469です。母について相談させて頂きました。あれから検査結果がでて、CTの画像から、袋?カラ?が大きくなっていて、その中にしこりがあり、針生検で細胞検査もしました。針生検で、しこりに届いていないかもしれません。ただ、これだけ、袋?カラ?が大きくなっていれば、100%ではないが、乳ガンではないかという診断でした。しかも全摘だと言われました。仮に手術になっても、全摘ではない方法はないのでしょうか? お忙しいとは思いますが、宜しくお願いします。

全摘になる理由が不明です。腫瘍径が大きいのか、乳頭直下にあるためか、その辺を聞いてみて、理由が不明確ならセカンドオピニオンを受けてはいかがですか。(文責 石山)

 

No.11473】  14年09月14日     J.K.
左粘液がん

40歳を迎えたばかりの今年3月に左乳がんの診断を受け、4月に全摘手術をしました。病理では、左粘液がん(多発性)、腫瘍2cm、センチネルリンパ転移なし、グレード1、断片陰性、浸潤なし、ハーツ陰性、ホルモン強陽性、ki67-10%でした。治療はホルモン療法のみで、リュープリン2年、タスオミン5年となりました。この結果での再発率や5年10年の生存率を教えてください。

一般的にStageT乳癌、Luminal A ですので、5年生存率は95%以上、10年でも90%以上でしょう。粘液癌単独の生存率は頻度が少ないので、データは少ないですが、ほかの種類の乳癌組織型に比べ予後が良いので、生存率はさらに高いことが想定されます。(文責 石山)

 

No.11472】  14年09月11日     MI
術後局所再発?(HPNo.11367-2)

4月にNO.11367にて、8年目の術後局所再発を疑う相談をさせていただいた者です。先日、診察を受けたところ、マンモで10か月前に受けた時はなかった石灰化部分がみられるとのことでした。細胞診を受け、結果待ちです。石灰化=ガンではないという知識はありますが、私の場合、どのような感じでしょうか? 来週の診察を待てばいい話ですが、心構えをしておこうと思いまして・・・。あと、前回質問させていただいたように、5ヶ月で急に腫瘍ができるものなのでしょうか?

検査、通院の間隔によって、どの期間で腫瘍ができるかの診断は左右されます。石灰化は、その形態、分布の仕方で悪性の可能性が全く異なります。また一般的に細胞診だけでは石灰化の病変の診断は難しいこともあります。石灰化がより悪性の可能性が高いなら、細胞診で大丈夫でもCNBやマンモトームなどを行う必要もあります。石灰化の形態、分布の診断結果(悪性の可能の高さ)次第ではないでしょうか。(文責 石山)

 

No.11471-1】  14年09月11日     MM 
センチネルリンパ節生検

お世話になります。47歳、子供ありです。この度、乳がんが見つかり、温存手術をする予定です。エコーでは大きさ6ミリ、マンモトーム生検で非浸潤性乳管癌と言われています。マンモトームで腫瘍部分が取れてしまったようで、エコーでは瘢痕が見られ、この部分を目標に切除することになっています。MRIでは広がりは見られず、手術で開けてみて、思った以上に広がりがあったら再手術で全摘と言われています。リンパ節は腫れていません。主治医はセンチネルリンパ節生検を行わない方向ですが、まれにリンパ節に飛んでいるという情報を目にし、不安に思っています。主治医は本人が希望なら行ってもいいと言ってくれています。そこで、質問です。

1) 病理結果が本当に非浸潤性乳癌と出たら、センチネルりンパ節生検をしなくても、「リンパ節に転移なし」と思って良いのでしょうか?
2) センチネルリンパ節生検をせず、病理結果で浸潤部分があった場合、リンパ節への転移の有無はどうやって評価するのでしょうか? センチネルリンパ節生検を改めてするのでしょうか。

身体にとっては生検をしない方が負担が少ないのでありがたいのですが、リンパ節転移のことを考えると悩んでしまいます。ご回答、よろしくお願いします。

マンモトーム生検ですべてとれて、非浸潤癌であれば、センチネルは不要と思います。ただ、すべてとれたという保証がなかなかできないので、センチネルをすることもあります。取りきれたのが間違いないのかという点を確認しないと、すべての前提が崩れます。(文責 石山)

 

No.11471-2】  14年10月12日     MM 
断端陽性

No.11471で質問したものです。先日はお返事ありがとうございました。温存手術を済ませ、病理結果がでました。非浸潤乳がん(グレード1)で、瘢痕部に少量の癌細胞が見られたとのことです。問題は切り取った組織の塊の端に腫瘍部があり、断端が一か所3mmのところに迫っていました。追加切除は難しいとのことです。主治医からは放射線治療を勧められています。こちらの施設では、断端が5mmあれば放射線治療をしない方針です。ホルモン受容体はまだ結果が出ていませんが、薬物治療はしないとのことです。もし、全摘が希望なら手術しますが、放射線治療がおすすめと言われました。手術前、断端陽性なら全摘だと思っていたのが、放射線治療で済むと言われて、有難いような不安なような気持ちです。断端陽性、薬物治療なしの場合、放射線治療で局所再発する確率はどれくらいなのでしょうか? 全摘した場合は、もっと低くなるのでしょうか? もし、全摘をする場合、センチネルリンパ節生検をしていないので、してもらった方が良いでしょうか? どうぞご回答、よろしくお願いたします。

切除標本の病理検査結果が非浸潤癌であった由、大変良かったと思います。ふた昔前までは「非浸潤癌の場合は全摘」と言っている施設が多くありました。当時は検診受診率が極めて低くて小さい非浸潤癌が珍しく、当時の診断技術が今よりはるかに低かったためです。今は、小さい非浸潤癌は温存療法でも大丈夫と言われていますが、浸潤癌の浸潤部分に比較して、非浸潤癌の方が乳管内に広く進展しやすいことは、その病巣の有り様を考えても理解できると思います。しかし、切除標本に病変の露出が無く、1か所に限られていて断端から3mmでの陽性所見なら、そして追加切除が難しい(ちょっと理解に苦しみますが…)となれば、放射線治療で良いのではないかと考えます。断端陽性での局所再発率を出している施設を聞いた事は無いのですが、この程度の断端陽性ならBoost照射を加えれば通常の温存+照射の局所再発率(2%以下)に収まると考えます。これ以上の治療効果を期待するとすれば、乳房切除しかないのですが、温存療法のかなり多くの患者様が術後全摘を受けなければならなくなってしまいます。(文責 久保内)

 

No.11470-1】  14年09月11日     F
多発骨転移

両側乳癌手術から3年目、多発骨転移。アフイニトールとアリミデックス、ゾメタで治療中。2日ほど前から、口内炎発症。アロマシンの方が良かったでしょうか?

保険適応上は、アフィニトールはアロマシンとの併用のエビデンスがあると言われています。理論上はアリミデックスでも効果はあると思いますが・・・。口内炎はアフィニトールの症状と思われます。(文責 石山)

 

No.11470-2】  14年09月30日     F
アフイニトール

いつも有難うございます。アフイニトール服用の際の注意として、グレープフルーツは食べない方がいいとなっていますが、他の柑橘系は食べてもジュースとして飲んでもいいでしょうか? また、頻繁に眠気がおそってきます。このごろは、家事もほとんどできず、寝てばかりいます。これは、肝機能の低下? 薬 ーアリミデックス、アフイニトール、ロキソニンの副作用? それともがん末期の症状? まだ末期とは言われていませんが…身体全体が腰砕けのような感じもあり、起きる元気がないときもあります。よろしくお願いします。

添付文書には、グレープフルーツジュースが腸内の代謝酵素を阻害するため、血中濃度があがる恐れがあるためと書いてあります。柑橘系とは書いていませんが、控える方が安全と思います。眠気は、ホルモン療法の副作用で出ることがあります。肝機能異常、ロキソニン、がん末期などとの関係は、判断しかねます。主治医に聞いて下さい。(文責 緒方)

 

No.11469-1】  14年09月10日     S
私の母について

私の母について相談させていただきます。母は60代で、15-16年前に乳首付近から膿みの様なものがでて、その時にしこりも発見されました。その時は、乳ガンの検査をしましたが、乳ガンではないという診断でした。去年12月に、しこり、変色という症状がでたので、病院で乳ガンの検査をしました。その時は、乳ガンではないとの診断でした。しかし、9月になって出血して、別の病院で診察したら、「乳ガンの疑いがあるので検査する」。という診断でした。CTで撮影した画像を見ると、袋があり、その中にしこりが有るという診断でした。これが乳ガンかもしれないと話がありました。今、しこりの細胞をとり、検査しています。同じような事を去年12月の病院でもしています。結果は、乳ガンではないという診断でしたので安心していました。これらどうしたらいいか、教えてください。宜しくお願いします。

しこりの細胞検査の結果待ちでいいと思います。CTの検査では嚢胞内腫瘍のようなので、それが悪性である可能性は頻度的に高くありません。もし悪性(がん)であっても嚢胞内癌ということになるので、嚢胞の袋の中にとどまっていることが多く、摘出(切除)してしまえば、治癒してしまう確率が高いと考えられます。(文責 石川)

 

No.11469-2】  14年09月14日     S
私の母について(2)

No.11469です。母について相談させて頂きました。あれから検査結果がでて、CTの画像から、袋?カラ?が大きくなっていて、その中にしこりがあり、針生検で細胞検査もしました。針生検で、しこりに届いていないかもしれません。ただ、これだけ、袋?カラ?が大きくなっていれば、100%ではないが、乳ガンではないかという診断でした。しかも全摘だと言われました。仮に手術になっても、全摘ではない方法はないのでしょうか? お忙しいとは思いますが、宜しくお願いします。

全摘になる理由が不明です。腫瘍径が大きいのか、乳頭直下にあるためか、その辺を聞いてみて、理由が不明確ならセカンドオピニオンを受けてはいかがですか。(文責 石山)

 

No.11468】  14年09月02日     T 
いつからカウントした数字なのでしょうか?

2012年10月に乳がんと告知されました。30歳でした。その後、抗がん剤→手術→放射線→ホルモン療法(現在)という流れです。伺いたいのは、「2〜3年は再発の危険性が高い」「5年生存率」等の言葉を耳にしますが、いつからカウントした数字なのでしょうか? 術後なのか、治療開始の日なのかわかりません。教えてください。

現在では治療開始日からカウントするのが一般的です。(文責 吉田)

 

No.11467-1】  14年09月02日     ぽん
骨転移のcheck

左胸トリプルネガティブ ステージ2A 腫瘍径3.5cm リンパ転移なし 2011年5月に温存手術 術前抗がん剤でPCR。
3w前ほどから左胸の下あたりの肋骨に違和感があります。当初は咳や、身体に力を入れると痛い感じでした。10日ほどで痛みはほとんどなくなったのですが、身体をひねったりすると、何かがあるような違和感があります。術後3年のため、今月末にマンモと上半身CTを撮る予定なのですが、骨シンチもオーダーしてもらった方がいいのか悩んでいます。肋骨が乳がんの骨転移しやすい場所でなければ、ここまで悩まないのですが…。とはいえ、トリプルネガティブは再発すると進行が早く、身寄りがなく、自分で身辺整理をすべてやる必要もあります。この状況で、骨転移のcheckをすべきでしょうか? どうぞ、アドバイスよろしくお願いいたします。

骨シンチは疑陽性が多く、以前に比べ、あまり行われなくなっています。骨のcheckは、CTでも行えるのではないでしょうか?  勿論骨シンチを受けることに反対はいたしませんし、それなりの情報は得られると思います。(文責 吉田)

 

No.11467-2】  14年09月22日     ぽん
頭痛が続いています

先日11467の質問で、骨転移について聞いたのですが、肋骨の状況は同じなのですが、ここ3日ほど頭痛が続いています。通常の頭痛と違い、目のピントが合わないような、頭がぐらつくような感じで、昨晩は身体が辛く横になると頭痛がひどくなりました。脳転移は、3cm以内で見つけないと、後が大変とも聞いています。来々週の水曜が診察日ですが、そこまで様子を見ていいのか非常に不安です。頭痛に関しては、どの程度様子を見ればいいのでしょうか? アドバイス、よろしくお願いいたします。

頭痛の原因が心配されている脳転移によるものなのか、ほかの原因によるものなのかは、検査しないとはっきりとしません。仮に転移であった場合、大きさや場所によって様子を見ていい場合もあれば、急を要する場合もあります。再来週の水曜日まで診察を受けられないということはおそらくありませんので、予約を早めてもらってはどうでしょうか。(文責 大西)

 

No.11466】  14年09月02日     K.O. 
ホルモン療法の遅れについて

いつも拝見しております。今年6月初旬に右乳癌で乳房温存術、センチネルリンパ節生検をしました。後治療として、放射線治療とホルモン療法の予定です。
病理結果
硬癌、腫瘍大1.0×0.4、 ステージ1、 グレード2、 MIB-1LI 10-20%、 ER5+3 PgR5+3 HER2 0、 ly 1 v 0、 センチネルリンパ節 陰性 リンパ節転移 陰性、 断端 陰性

現在37歳であり、今後挙児希望のため採卵をしています。思いの外、あまり卵子が取れず、9月に再度採卵予定です。採卵の際はホルモン値が上がらないようにフェマーラを内服しながら採卵しています。

1) 採卵には関係ないとのことで、放射線治療は術後11週から始めましたが、ホルモン療法がまだ始められてません。早く始めないとと思っていますが、ホルモン療法は最長でも術後何ヶ月後には始めなければいけませんか? また、この遅れが今後の再発や転移の原因になりますか?
2) 主治医にはルミナルAと言われてますが、MIB 1LI 10-20%とly 1が気になります。抗がん剤はやらなくても大丈夫でしょうか?
3) 放射線治療が術後11週目からになってしまいましたが、遅すぎますか? 効果はありますか?

よろしくお願いします。

1) 化学療法(抗癌剤)は一応2カ月以内に行った方が良いということが言われておりますが、ホルモン剤ではいつ以内ということはないようです。放射線治療が終わったら直ちに開始しましょう。
2) LIが明らかに高値ではなく、ホルモン感受性が高いと考えられますので、抗カン剤は必要ないと思います。
3) 放射線は早く開始するにと越したことはないと考えますが、ガイドライン上20週以内に始めれば良いことになっております。11週で遅すぎるということはないと思います。(文責 吉田)

 

No.11465】  14年09月02日     M.T 
今後の治療について(HPNo.11193-2)

No.11193に初めて質問させていただき、今回が2度目になります。宜しくお願いいたします。
左乳がんリンパ節転移を繰り返しているトリプルネガティブの患者です。
2009年5月ステージ2aで標準治療(術前抗がん剤パクリタキソル、FEC、乳房温存手術、放射線25回)を2010年3月に終了後、2011年12月にリンパ節転移1個摘出。抗がん剤ゼローダを10ヶ月服用後前回摘出したリンパ節周辺に1個転移が認められ、2013年1月末にリンパ節郭清手術でレベル1,2,3リンパ節26個取り、病理結果1個のみがんで、Ki67が90%と判明。癌研有明病院腫瘍内科医のセカンドオピニオンの選択肢にもありました予後抗がん剤をしないことを選択した後、No.11193でご質問させていただいた左胸脇の下リンパ節のしこりを2014年3月に摘出したところ、がんであることが判明。抗がん剤なしで様子を見ていたところ、7月中旬のCT検査で同じく左胸の鎖骨上と腋窩のリンパ節にがんが認められました。私は局所の間は抗がん剤でなく手術の方を希望しましたが、主治医は手術を望むならハルステッド手術、または抗がん剤であればハラヴェンを勧められています。癌研有明の腫瘍内科医のセカンドオピニオンに臨んだところ、意見が分かれるところだが、手術が難しく、サイバーナイフ治療が有効であれば、時間稼ぎしてから抗がん剤ハラヴェンを勧められました。そこで、日赤医療センターのサイバーナイフセンターを受診したところ、鎖骨上はサイバーナイフを照射可能だが、腋窩は背骨からの距離が長く成功率が低いので引き受けられない、腋窩だけ手術を頼めないか主治医に再度確認を取るようにと言われました。ところが主治医は腋窩リンパ節の摘出は可能だが、根本治療にならないのでお引き受けいただけないとおっしゃっています。そこで、質問です。
1) ハラヴェンの奏功率は6割と聞いておりますが、今ある局所のがんを摘出できるものであれば、サイバーナイフや手術で現れているがんを無くして、なるべく抗がん剤の使用を先送りしてQOLを維持するという選択肢は意味のないことなのでしょうか。
2) 今回現れたがん化したリンパ節が位置的にスピードを増して全身に行く可能性があって、即ハラヴェンの抗がん剤選択が必須もしくは賢明なのでしょうか。つまり、ハラヴェンで今あるがんを消すことができなくても、全身治療を優先すべきでしょうか。

お忙しい所、申し訳ございませんが、宜しくお願いいたします。 

1)2)のどちらの考えに従った方が良いかはわかりません。ただ一般的には2)を選ぶ人が多いと思います。すでに3回も切除を行っていますし、手術も難しいことと思います。今後はハラヴェンを使用し、切除しなければ生活の質が低下するような局所再発、増大傾向にある再発巣が出現した場合に手術を行ってもらうというようにした方が良いのではないでしょうか。(文責 吉田)

 

No.11464】  14年08月29日     F 
乳ガンの告知

一週間前に医師から乳ガンと告知されたのですが、ショックで話は殆んど聞けませんでした。家に帰って冷静に考えたら、撮影したマンモグラフィーの画像を見せて説明するのが普通ではないかなと思ったのですが、画像とかで説明しないところもあるのでしょうか? 口で説明されるばかりで、こちらが聞き返すと、だからとかいいとかで、ただ無理やり納得させるような感じで、不安しかありません。教えてください。

乳癌の診断は画像診断と組織(細胞)診断を組み合わせて行われますが、画像診断ではあまりはっきりしない場合もあります。しかし、組織(細胞)診断がついていれ、ば患者さんに癌であることをお伝えいたします。まずこのことを確認して、マンモグラフィ、超音波、MRIなどの画像を見せて貰う様にしてください。落ち着いて納得いくまで説明を受けることが大切です。(文責 吉田)

 

No.11463】  14年08月29日     O.E.
乳がんの手術

60歳です。乳がんと診断され、浸潤癌、腫瘍は1センチ、周りに4個白い小さい物があります。ER(+)、PgP(+)、HER2、3+でした。全摘手術を受けるつもりですが、陽子線治療をみつけ、迷っています。術後に再発した時の治療が心配なのですが、どちらをうけた方が良いですか?

乳癌の治療法として陽子線など新しい方法がどんどん出てきています。これらは優れた点をもっていますが、まだ試験段階の域を出ておらず、十分なエビデンスがあるとは言えない思います。乳癌は古くから手術療法と放射線療法や薬物療法との組み合わせで行われており、一応治療大系が確立されております。確実を求めるのであれば手術でしょう。(文責 吉田)

 

No.11462】  14年08月29日     T.F.
ヒスロンH

両側乳癌温存手術から約5年が経ちました。3年目で、骨折により骨転移発覚。途中1年ほど、仕事と、もう大丈夫だろうという慢心から通院せず後悔。現在ゾメタ。フェソロデックスは効果なく、6回目にて中止。ca15-3 310を超える。 CEA8 ALP520。 ヒスロンHがどうしてもいやだったので、次からアンフイニトールに変更の予定。 ただ、咳が出ているのと皮膚に痒みの強い湿疹があるので心配。やはりヒスロンHの方が良いでしょうか。他のホルモン剤は、全部ためしています。

アフィニトールとアロマシンの組み合わせが、ホルモン陽性乳癌で他のホルモン剤が無効であった人に有効であることが示されております。高価な薬ですが、副作用管理をきちんとしてもらって服用すべきと考えます。ヒスロンHは、アフィニトールが無効なときで良いでしょう。(文責 吉田)

 

No.11461】  14年08月29日     C.U 
乳癌と妊娠について

妻の件で相談です。2010年夏、妻は乳がんの診断を受け、手術しました。
<状況>
・当時35歳(子供なし) ・右乳房全摘+腋下リンパ節郭清(リンパ転移3個) ・ステージ2(腫瘍の大きさは約2センチ) ・Her2陰線、ホルモン陽性 ・脈管侵襲あり ・グレード1

術後(2010年秋)から化学療法(AC+TC)を6か月、2011年5月からホルモン療法(ノルバデックス+リュープリン)を行い、今年春にリュープリン終了。これまでの経過としては、再発・転移の兆候はなく、順調です。腫瘍マーカーも基準値内です。最近はインプラントを利用する予定で、二期再建中です。しかし、ホルモン療法の副作用からか、子宮筋腫が大きくなり(リュープリン服用時も小さくならず)、子宮内膜が厚くなり、内膜ポリープもできており、最近は毎日不正出血があります(婦人科の先生の見立てでは、生理の復活ではなく、内膜ポリープからの出血だろうとのこと)。
そこでご相談です。我が家には子供はいませんが、やはり欲しいという思いは私にも妻にもあります。年齢的なことを勘案すれば、ここ数年が子作りの最後の勝負になると考えますので、ホルモン療法の中止を検討しています。主治医の先生、セカンドオピニオンの先生にも多少相談はしましたが、決して「大丈夫」とは言っていただけない状況です。リンパ節転移があった以上、当然といえば当然ですが、それでも最終的には「二人の気持ち次第」とのこと。近日中に中止か継続かの判断をします。その前に、可能な限りご相談に乗っていただけますと幸いです。

<質問>
1) 状況からして、ホルモン療法を中止した場合、再発・転移の確率は、3年、5年、10年で見た場合、おおよその数字はわかりますでしょうか?
2) また、子供ができるできないは置いておいて、一旦中止したホルモン療法を数年経ってから再開することに意義はありますでしょうか?
3) あと、今回のようなケースで出産に至ったケースはご存じでしょうか?

お忙しいところ恐縮ですが、ご返答いただけますと幸いです。何卒、宜しくお願い致します。

1) 少し違いますが、ホルモン療法(タモキシフェン)を2年続けたものと5年続けたものでは、3年後の再発率に差はみられず、5年後では2-3%、10年後では5-6%、2年でホルモン療法をやめた群で再発率が高くなっていることが示されていま
す。
2) まさに臨床試験が行われておりますが、結果はまだわかりません。再開する意義は十分あると思います。
3) 残念ながら私は知りません。(文責 吉田)

 

No.11460】  14年08月29日    M
要精密検査

29歳で初めて市の乳がん検診(視触診・エコー)を、指定病院の乳腺専門医で受けました。20代最後にと気楽に受けた検診なのに…結果、エコーで引っかかり、要精密検査でした。自覚症状がなかったので、結果をみてビックリしました。すぐに受診したいですが、曜日が合わないので来週になります。その間、不安で色々検索して、こちらに辿りつきました。
乳がんの症状の一つに陥没するとありましたが、私は乳首が凹んだまま、今まで1度も出た事ない陥没乳頭←(こっちが引っかかりました)と、乳首が出たりへこんだりしている胸です。

1) やはり陥没乳頭があるとガンですか?
2) 精密検査って、どんな検査をしますか? 
3) 精密検査受ける病院は、1次・2次・3次のどれがいいですか?

お忙しい所、申し訳ありませんが、宜しくお願いします。

1) 陥没乳頭が存在すると、その周囲に「ガン」が存在することが、時にあると云った程度で、陥没乳頭イコール「ガン」ではありません。
2) 次に行われる可能性がある検査として、マンモグラフィー、細い針を用いた細胞診、太い針での組織診、MRIなどが考えらえますが、もう一度エコー検査をやり直すかも知れません。
3) 2次以上が良いでしょう。(文責 吉田)

 

No.11459】  14年08月26日    K.I.
これからの治療

3年前に温存手術を受けました。病理検査の結果は、以下の通りです。
年齢 46歳、 腫瘍径 約2cm (範囲は3.5cm)、 断端 ➖、 ki-67 5%、 組織型 硬癌(中心に繊維化、硝子化あり)、 異型度 1、 リンパ節転移 陽性(微小転移)合計1/5、 リンパ管 ➖ 血管➖ 脂肪f、 ホルモンレセプターER ➕10%以上 中 PgR➕10%以上中、 ハーセプト0、 遠隔転移 UA、 腫瘍マーカー CEA1.5 CA15-3 4.5 BCA225 34 ICTP 3.1 NCC-ST439 <2.5
リンパ節郭清はしていません。術後、放射線治療50G。閉経前ホルモン療法。ゾラデックス 月に一度3年間、ノルバデックス5年間(10年になるかも)。
治療を始めると、ホットフラッシュ、骨痛、精神不安定など辛かったのですが、現在は何とか上手く生活出来ています。術後3年を迎え、ゾラデックスを2年追加の提案を頂き、ホルモン療法は長くなる傾向にあり、私の場合、微小転移をどう考えるか、副作用を考え終了しても、ノルバデックスの服用で無治療になる訳ではない…と言うお話でした。戸惑っています。再発のリスクを下げる事が一番。メリットを考えると、副作用は我慢出来ます。ゾラデックスのガイドラインでは、近年では延長してきており、2~3年(妥当)の記載が2010年のガイドラインからは18ヶ月~5年が目安、エビデンスは不明とありました。現在49歳、病理検査の結果から、ゾラデックス終了、ノルバデックス10年と考えましたが、ゾラデックスを終了する不安もあります。アドバイスをよろしくお願い致します。

閉経前ホルモン感受性乳癌の術後補助療法としては、理論的にはLHRHアゴニストで長期間卵巣機能を抑制することで再発を抑える効果が期待できそうですが、ご指摘の通り、その最適な投与期間は明確になっていません。現在49歳という年齢も考慮しますと、LHRHアゴニスト継続のメリットはそれほど大きくはないと考えますので、個人的には、そろそろタモキシフェン単独に切り替えてもよいかと考えます。ただ、副作用が許容範囲内で、LHRHアゴニスト継続のデメリットも少ないのであれば、継続するオプションもあると思いますので、よく主治医の先生と相談して決めて下さい。(文責 浜口)

 

No.11458】  14年08月26日    K.T
Her2 +2陽性

友人の妹が乳がんになりました。ステージ2、直径2.8センチです。友人によると、Her2の検査を詳しく受けたら、結果が+2陽性と出たそうです。でも、この結果がいい結果なのか、悪い結果なのかが分からないので、教えて欲しいのですが、よろしくお願いします。

HER2とは乳癌の増殖にかかわるたんぱく質で、過剰に発現している場合には増殖能が高いのですが、ハーセプチンなどのHER2を抑える治療薬が有効であることが知られています。腫瘍細胞のHER2タンパクを免疫染色という方法で調べ、3+であれば過剰発現あり、0〜1+であれば過剰発現なしと判断し、2+の場合には判定保留となり、FISH法という方法などでHER2遺伝子の増幅の有無をチェックして、増幅があれば抗HER2療法の効果が期待できるので、治療の対象となります。(文責 浜口)

 

No.11457】  14年08月26日    ボンダラママ
肺転移後について

現在40歳の主婦です。アドバイスをよろしくお願いいたします。
2010年8月 右胸に悪性の乳癌が発覚(レベル2)。2011年8月 右乳房温存手術→免疫療法4クール。その後いたって元気に過ごし、妊娠・出産もしました(現在1歳児の育児奮闘中)。2014年6月 町のマンモ検診にて、右側乳房要検査→CTにてリンパ節転移発覚(腫瘍は2ヶ、1つは11mm)。肺にもいくつか点のようなものがあるが、医師は心配ないとこのこと→腫瘍マーカー異常なし。2014年8月 リンパ節郭清手術を検討し、ひとまずPETにて全身転移検査→肺転移発覚。
こういった経緯で、医師から「根治は難しい、手術は意味がないし、これから延命治療になります(ステージ4)」と説明を受けました。慣れない育児に時折疲労はあるものの、病人と思えないほど自分は元気ですし、医師たちからも、本人は元気そうなので、治療は抗がん剤は避けて、ホルモン療法(ノルバデックス+ゾラデックス)で様子を見ようと言う結果になりました。現在はノルバデックスの服用をはじめて、来週ゾラデックスの注射待ちといったところなのですが、こういったホルモン治療によって余命は延びるのでしょうか?(無治療では、およそ1〜2年と言われました) そもそも、こんなに元気なのに、本当に私は肺転移しているのでしょうか?(気管支炎持ちで、PET検査時は咳がひどかったです) 大学付属病院の医師と家族の意見で、今後セカンドオピニオンに相談に行くことになっております。私のような場合は、どういった専門病院がいいのでしょうか?(乳腺?腫瘍?緩和?) そして、家事と育児に追われ、あわただしく時間が過ぎていく中で、私はどう過ごせばよいのでしょうか?(常に自分のことは後回しです) 子の寝顔を見ていると、時折どうしようもない絶望感におそわれますが、漢方と安定剤で元気を取り戻しています。情緒も文章も安定しておらずすみません。何卒アドバイスをよろしくお願いいたします。

閉経前ホルモン感受性乳癌の転移の治療は、無症状の場合であれば、まずはホルモン療法としてタモキシフェン(ノルバデックス)とLHRHアゴニスト(ゾラデックス)で開始するのが基本になり、効果があれば、長期間病状の進行を抑えられることが期待されます。病状が進行し、ホルモン療法抵抗性と考えられる場合には、化学療法を考慮します。転移に対する治療は、なかなか根治を期待するのが難しく、不安も強いことと思いますが、今の状態をキープできれば、いつも通りの生活がおくれるのですから、まずは今の病状を進行させないことに目標を置いて、焦らずに治療していくのが大切だと思います。セカンドオピニオンを希望されるのであれば、薬物療法を専門とする腫瘍内科がよいでしょう。(文責 浜口)

 

No.11456】  14年08月18日   S
乳がん治療薬

いつも相談を読ませていただき、大変参考にしております。今日は、乳がん治療薬のことで、ご相談お願いいたします。私は60歳。約3年前に乳がん温存手術。ステージTで、リスクも少なく、放射線療法をして、アルミデックスを服用。その2年後、痛みを訴えたことから、骨シンチ、CTなどで骨転移が疑われ、その時点で、まずはホルモン療法の中で薬の変更とのことで、フェアストンに変更。日常生活は変更後が楽でした。そして半年後、骨転移の診断ではたまにあるらしく(?)、CT、MRI等経過観察で骨転移ではないとの話。信じられない思いでした。その時、閉経後の一番の選択肢であるアロマターゼ阻害剤に戻ると思ったのですが、その後もフェアストンの処方です。そこで約半年間気になっていることのお尋ねです。

1) 乳がん治療では、一度薬を変更すると、以前使用した薬は二度と(?)使わない、使えないものなのでしょうか。
2) 閉経後の者にとって、アロマターゼ阻害剤と抗エストロン薬との効果の差をどのように考えればいいのでしょうか。
3) 当初アリミデックス5年服用、との話でしたが、薬を変更しても5年、(あと2年)服用、と考えてよいでしょうか。

1) 乳癌の転移や再発の治療において,一度使用して,無効と判定した薬剤は,他に,未使用の薬剤がある場合には,原則として使用しません.
2) 術後の再発予防に関して,アロマターゼ阻害薬5年投与のほうが,抗エストロゲン剤5年よりすぐれていることが示されています.
3) アロマターゼ阻害薬5年が一般的ですが,アロマターゼ阻害薬2年の後,抗エストロゲン剤3年と効果に差がないとのエビデンスもあります.(文責 徳田)

 

No.11455-1】  14年08月16日   K.M 
妻の乳がん

お世話になります。妻は、H16年(当時39歳)に左乳房を全摘 腋窩リンパ節転移、胸椎転移(1箇所)ありでした、治療は、化学療法やホルモン療法で、現在にいたります。(これまで他に転移なし) 現在の治療は、毎月ゾメタ点滴、TS-1 ヒストロンHを服用しております。7月のエコー検診で鎖骨上のリンパ2箇所に影らしき?があると言うことで、今月に病理検査をするのですが、転移が疑われる場合、ペット検査もしたほうが良いでしょうか? また、これからの治療法はいかがなものでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。

病理検査で、陽性であれば、PET検査でそのほかに転移がないかどうか確認するのは、今後の治療戦略を考える上で、有意義と思います。また、鎖骨上リンパ節に転移が新たに出現したとすれば、少なくとも現在の治療は無効で、治療法を変更すべきです。(文責 徳田)

 

No.11455-2】  14年09月27日   K.M 
妻の乳がん(2)

お世話になります。No.11455でご相談したものです。その後の経過で、鎖骨上(頚椎)のリンパに2箇所(5ミリ)悪性腫瘍と言われました。治療法は、これといって変更はなしです。9月はじめに、念のためMRI検査等をすませました。結果は、まだ言われていません(次回10月に教えていただけると思います)が、連絡がないところをみると、すぐに緊急性はないかもしれません。ご相談ですが、ここのところ体調が思わしくありません。毎朝37.8Cの熱、夜中から冷や汗、また、若干の手のふるえ、脱力感等もあります。これらから、脳転移の可能性があるでしょうか? また、主治医に早めに連絡を入れたほうがよいでしょうか? お忙しい中すみません。

それらの症状だけで脳転移と診断することはできません。他の臓器への転移の可能性も含めて主治医に連絡をいれることは、悪いことではないと思います。(文責 緒方)

 

No.11455-3】  14年11月30日   K.M 
妻の乳がん(3)

お世話になります。No.11455でご相談したものです。その後の経過で、骨転移が多発していることがわかり、今後の治療が、アフィニトールを進められました。現在は自覚症状等はなく、普通に生活しているのですが、それほど現状は悪いのでしょうか。この薬は高価で、副作用等も気になります。他に使用できる薬はないでしょうか? 11月の腫瘍マーカ HER−2neu〜18.8 CA15−3〜33.1 CEA〜51.4 1CTP〜15.8 タキサン系の抗がん剤は、医師からは勧められませんでした。

これまでにどのような化学療法、ホルモン療法をしてきたかにもよりますが、アフィニトール、アロマシンのほかにも、ホルモン療法単独や、化学療法の選択肢もあるように思います。主治医の先生 とよくお話になってみてください。 (文責 俵矢)

 

No.11454】  14年08月16日    L 
リンパ節転移について

術前は、9ミリ非浸潤ガン。広範囲に広がっていたため、全摘となりました。浸潤部分も小さいがみられるとのことでした。主治医は、グレード1で、ホルモン剤がよくきき、比較的おとなしいタイプで、増殖もゆっくりだから、リンパ節に転移はないと思ってもらっていいといわれました。ですが、術中のリンパ節転移の検査で、1つ転移がみつかりました。この場合、どのようなことが考えられるのでしょうか? 9ミリなのに転移があったということは、悪性度が高く、予後も悪く、再発率もあがるのでしょうか? 不安です。

やはり、腋窩リンパ節転移が陰性の場合と比較して再発率はあがります。10年のリスクで10%程度あがると予想されます。しかし、ホルモン療法による術後療法で、そのリスクの増加は、抑えられると思います。(文責 徳田)

 

No.11453】  14年08月15日    T  
タモキシフェンと緑内障

昨年11月に温存手術し、非浸潤性でした。その後、放射線を25回受け、今年の1月からホルモン治療を始めました。ゾラデックスとタスオミンです。ホトフラと若干の足の甲の痛み、睡眠が浅いということがありますが、許容範囲です。特に内蔵の数値も問題ありません。私がホルモン治療をする理由は対側のためです。このままだと後4年ちょっと続けられると思っていました。今回の相談は、眼への影響です。先日職場の健康診断がありました。眼底検査で緑内障の疑いと出ました。近いうちに眼科にいくつもりですが、タモキシフェンと緑内障は何らかの影響があるのでしょうか?

タモキシフェンの添付文書をみると副作用として視力異常(0.1~5%),視覚障害(0.1%未満)が記載されていますが緑内障の記載はありません。まずは眼科で診察していただきましょう。 (文責 俵矢)

 

No.11452】  14年08月15日    M.Y  
今後の治療について

初めてご相談させて頂きます。65歳の母のことで相談させてください。昨年10月に乳がんの診断を受けました。ステージW、肺と骨に転移があり、完治は難しいと言われ、一時は母も私も最悪の事態を想像しましたが、抗がん剤が想像以上に効いてくれたおかげで、母は乳がんと共存することができています。肺の転移は、肉眼ではほとんど見えなくなりました。パクリタキセル+アバスチンを3投1休(3週投与し1週休み)で10クール治療を受けましたが、主治医より、副作用が強くなってきたため薬剤の変更を提案されました。パクリタキセル+アバスチンを3投1休→タキソテール3週に1回への変更を主治医より勧められています。母の副作用は、手足のしびれ、咳が続く、下痢、倦怠感です。

1)  タキソテールに変更することが最善の選択なのでしょうか?(主治医からは、なぜこの薬剤を選択していただいたのか説明がありませでした)
2)  この薬剤の変更で副作用は緩和されるのでしょうか?
3)  タキソテールに変更する前に1ヶ月の休薬期間を提案されましたが、1ヶ月も休薬して大丈夫なのか主治医に確認したところ、「休薬しなくてもいいですよ」と言われました。たぶん状態が落ち着いているから休薬のお話がでたのだと思うのですが、「2ヶ月空けたら危ない」とも言われ、どうすべきか判断に困っています。10クールも治療を頑張ってくれた母に労りの期間として1ヶ月休薬しても、問題ないでしょうか?

初めてご相談させていただくので、取り留めなく申し訳ありません。情報が少なく、主治医もあまり詳細に説明してくださるタイプではないため、何が最善の選択かジタバタしてます。アドバイスいただけましたら嬉しいです。何とぞ宜しくお願いいたします。

タキソテールはタキサン系の薬剤で、手足のしびれ、むくみ、倦怠感、白血球減少などのパクリタキセルと似たような副作用があります。
化学療法としては、タキサン系以外にも ハラヴェン、ゼローダなどの別の系統の抗がん剤もあります。またホルモン受容体の状況はいかがでしょう。ホルモン受容体陽性ならばホルモン両方に行ってもよいでしょう。
現在、化学療法が非常に奏功しているようなので、おそらくは一ヶ月の休薬は問題ないと思います。次の化学療法に入る前に少しお休みを入れることは 体力の回復に役立つのではないでしょうか。
特に転移性の乳癌においては何が最善の治療かは、病状、本人の希望、環境などによって異なります。ですから最善の治療は、主治医、患者さん本人、ご家族がよく話し合って選択されるものだと思います。主治医にここで聞かれたようなことをお話してみてはいかがでしょう。(文責 俵矢)

 

No.11451】  14年08月15日   HY 
HR陽性、HER2陽性

いつも拝読させていただいています。HR陽性、HER2陽性のトリプルポジティブで、温存手術をうけ2年半です。術前化学療法の開始からですと、もうすぐ3年になろうとしています。サブタイプごとの再発しやすい時期について教えてください。HR陰性、HER2陰性のトリプルネガティブや、HR陰性、HER2陽性のHER2陽性乳がんは、比較的早期(術後3年)に再発しやすく、逆にそこをのりきれば再発は少ないと聞きます。一方、HR陽性、HER2陰性のルミナールは5年をこえても再発のリスクがあると聞きます。私のHR陽性、HER2陽性では、再発しやすい時期はどういうパターンとなるのでしょうか? HER2陽性ですので、当然早期に再発しやすいという認識なのですが、5年をこえての再発リスクもHR陽性なのでかなり高いままなのでしょうか?

ホルモン受容体陰性の乳癌は術後2年ー3年程度に再発のピークがあり、5年を超えると再発が逆に少なくなっていきます。ホルモン受容体陽性の乳癌は当初の再発率は少ないものの、5年すぎてからの再発も珍しくありません。ホルモン受容体、HER2ともに陽性の乳癌は、いろいろなものが含まれると考えられ一概にはいえません。ハーセプチンなどの治療もされていると思いますので、5年すぎても再発リスクはある程度はあるものと思います。(文責 俵矢)

 

No.11450】  14年08月15日    Y.H. 
1.5センチほどのしこり

妊娠8ヶ月の者です。毎年この時期に乳がん検診(触診、エコー、マンモ)を乳腺外来で受けていますが、今年は妊娠中であるため触診とエコーのみを受け、右胸の上・外側に1.5センチほどのしこりが見つかりました。先生からは、「しこりの形から多分良性だろうけど、針生検を受けた方がよい。」と言われました。「検査は安定期になれば受けた方がよい。」と言われたため、8ヶ月であることを伝えると、「出産まであと2ヶ月、その後少し落ち着いたとして3ヶ月なので、出産後でも構わない。」と言われました。私の体質により、麻酔で血圧が下がり胎児に影響がある場合も考えられるため、可能であれば出産後に検査をしたいと思っています。しかし、自宅に戻りネットで検索したところ、「針生検と言われる場合は、良性と説明しているが、悪性を疑っている場合が多い。」と書かれており、すぐにでも検査を受けるべきか悩んでいます。検査を受けた病院の先生からは、乳癌は進行が遅いので、1年で1.5センチも大きくなることはないとも説明を受けていますが、これも妊娠中は進行が速いとの意見(ネット)もありました。私のような場合、今すぐ検査を受けるべきでしょうか。受ける場合は、検査を受けた病院(乳腺外来のみ)か、産科も併設されている総合病院のどちらで受けるべきでしょうか。来週、産科の先生に相談に行く予定ですが、それまで時間がありモヤモヤしているので質 問させていただきました。よろしくお願いいたします。

麻酔に関しては、八ヶ月であれば局所麻酔は問題ないので針生検は可能であると考えます。癌を強く疑えば行ってよいと思います。出産後でとおっしゃっているということは、 画像所見から癌の可能性は低いと考えていらっしゃるのではないでしょうか。乳腺の主治医に確認してみてはいかがでしょう。(文責 俵矢)

 

No.11449】  14年08月15日    M 
術後4年経過後の抗がん剤治療?

つかえている気持をはっきりさせたくて、ご相談をさせていただきます。よろしくお願いいたします。2010年に温存手術を受けました。64歳です。当時病理検査結果で次のように言われ、手術、放射線、そして、ホルモン療法を受けてきました。

・浸潤性乳管がん(硬がん) ・腫瘍の大きさは11mm×12mm  ・切断断端 陰性  ・波及度 乳房内、脂肪織  ・リンパ管浸襲 0  ・血管浸襲 0  ・グレート 1  ・ホルモン受容体 ER +(<90%) PgR −(1%) ・HER2 (ICH法)+1  ・腋窩リンパ節郭清 なし  ・リンパ節転移 0個(センチネルリンパ節生検0/5)  ・Ki-67<10% 

その後、臨床病理学的な分類によると、プロゲステロン20%以下は、術後補助療法として、抗がん剤を使うということを耳にしました。そこで気になっている点について教えていただきたいと思います。
1) 先生からは、当時、術後補助療法としてはホルモン療法のみでいいと言われ、オンコタイプDXも特に薦めないとのことでしたので、ずっとLuminal A と思ってきましたが、今の分類ですと、私の場合は、Luminal Bでしょうか。
2) 今の治療では、プロゲステロン1%の私は、術後補助療法として抗がん剤使用となるのでしょうか。
3) もしも今であれば抗がん剤使用、ということであれば、手術後4年経過している現在でも、一大決心が必要ですが、これから抗がん剤治療を受けるという考え方もあるのでしょうか。

1) St gallenのコンセンサス2013年のサブタイプの臨床代替定義では、ER陽性、HER2陰性、PgRおよびKi67が低値のものをルミナルA-likeサブタイプと定義しています。PgR,Ki67がどのくらいなら低値であるかについては、参考としてはそれぞれ20%、14%が示されていますが、ここは議論の余地がある部分です。 この場合、PgRが陰性ということなので、この定義にてらすと、ルミナルB-likeサブタイプと推測されます。
2)  60歳時点で手術を受けたと考えて、手術を受けた時点から10年での再発リスクは15−20%程度と考えられ、ホルモン療法を5年間行った場合、再発リスクは10%程度になります。さらに化学療法を上乗せした場合の上乗せ効果は、再発リスクを3−5%程度下げる程度と推測されます。これをメリットと考えるかどうかですね。
3)  現在すでに4年経過していて再発していないのですから、おそらくこれから化学療法を行うメリットは、副作用によるデメリットを上回るものではないと思います。(文責 俵矢)

 

No.11448】  14年08月15日  T
術後の治療

いつも参考にさせて頂いています。40歳、DCISで先日、皮下乳腺切除術+同時再建を受け乳輪乳頭は切除なしでした。病理の結果、無治療となりましたが、非浸潤癌でもホルモン療法を受けると聞きますが、無治療でもいいのでしょうか?

腫瘍径in situ ca含む4.10×4.40×1.70cm、 組織分類 ductal carcinoma in situ、 核異型スコア 2、 核分裂スコア1(1/10HPF)、 核グレード1、 ER Allred PS5 IS5 TS8、 PgR Allred PS5 IS5 TS8、 HER2 score 2 強陽性0% 中等度陽性30% 弱陽性30%、 波及度g-in situ リンパ管侵襲ly0、 静脈侵襲v0、 断端 皮膚側:close,0.1mm in situ #21.23、 深部側:- 側方:- 乳頭側:-、 comedo+,石灰化++,リンパ球浸潤++、 リンパ節転移(0/1,I-)、 SNB(0/1)、 papillary,flat,comedo typeのductal carcinoma in situです。papillomaの中にDCISが進展している部位が多いと思われます。検索範囲内で間質浸潤は認めません。背景の乳腺組織にはduct papilloma todos, blunt duct ad enosis,cyst などよりなるmastopathyを認めます。

1) 無治療で大丈夫でしょうか?
2) コメド型は悪性度が強いと聞きますが、私の病理結果は局所再発、遠隔再発の可能性は何%位でしょうか?
3) 断端の皮膚側の病理結果は陰性と考えていいのでしょうか?
4) 組織学的異型度は低いという解釈で間違いないでしょうか?
5) 遺伝子検査は受けるべきですか?
6) 局所再発した場合は浸潤癌になるのですか?

多くの質問で申し訳ございません。よろしくお願いします。

1)非浸潤がんは、再発死亡のリスクは非常に低いです。ですので非浸潤癌に対して内分泌療法(タモキシフェン )を行うメリットは、主に対側乳癌の発生、局所再発を抑制することになります。家族歴など他のリスクが高いとか、皮膚ぎりぎりまで進展していて局所再発が心配だといった場合には行ってもよいでしょう。
2)皮下乳腺切除術の局所再発率は数%〜10%程度と考えます。遠隔転移再発は理論的にはゼロですが、実際には2−3%程度と考えられます。
3)0.1mm? cm?どちらでしょうか。どちらにせよ皮下ぎりぎりまで病変はあったようですね。
4)非浸潤がんのコメド型はノンコメド型に比べると病変の進展が早いので悪性度は高いといえます。しかし浸潤がんに比べると予後は良好です。
5)オンコタイプDX DCISのことでしょうか。原則自費診療になりますし乳腺切除がされているので受けるべきとは考えません。
6)非浸潤がんの局所再発は、その半数が非浸潤がんで、半数が浸潤がんで再発すると考えられます。(文責 俵矢)

 

No.11447】  14年08月04日   Y.D.
石灰化

健康診断で石灰化の診断を受け、乳腺外来の診察を受けたものです。エコーと細胞をとりました。結果は8/13の予定ですが、先生は、「マンモグラフィーを見て治療方針を決めましょう」と、言われました。毎年マンモグラフィーはしていたのですが、異常なしでした。一方、ここ3-4年、背中が痛かったのです。整形外科のレントゲンでは、骨の一部の間隙が4mmあると言われました。足のしびれもありますし、そういえば一時、話しにくいこともありました。一般の血液検査は、何の問題もありませんでした。ただ、背中に向けて、「コリ」が流れていき、左右の脇の下も固いです。ネットで検索して、ほぼ末期症状のように見えるので、恐ろしいです。精神科で、安定剤をもらったほうがいいでしょうか? よろしくお願いいたします。

直接拝見しているわけではありませんので確たることは申し上げられませんが、もし乳がんであったとしても今あるいくつかの症状と乳がんとの関連は考えにくく思います。あまり深く心配されずにまず検査の結果をお待ちいただくのが良いかと考えます。結果を聞いた上で再度精神科受診が必要か否かご検討ください。(文責 谷)

 

No.11446】  14年08月04日   K 
術後のハーセプチン

家内(59歳)の治療について相談させてください。マンモトーム生検で、HER2 3+ MIB-1 32% ER:4b(JS) PgR 2(JS) 浸潤性硬がんと判定されました。TCHを6クール後全摘、エキスパンダ―同時再建を行いました。手術の病理結果は、センチネル生検 陰性, 組織学的治療効果 Greade 2b,ステージTである事が判明しました。これを元に、主治医からは、術後のハーセプチンは止めると言われました。治療計画では、ハーセプチンを術前6回、術後12回と聞かされていました。また家内は術前治療では特に心臓には問題ありませんでした。私がインターネットで調べた限りでは、そのような(術後取止め)事例および論文等は見つかりませんでした。再発を考えると、標準治療通り術後12回受けさせた方がいいと思うのですが、いかがでしょう。先生のご意見お聞かせください。

HER2陽性乳がんに対し術前化学療法でハーセプチンを施行する場合、術後にもハーセプチンを使用し、術前術後合わせて1年間使用するのが基本です。それゆえ問題がないのであれば、仰るとおり術後にさらに12回使用することが推奨されます。しかし、例えば手術標本でHER2が陽性の証明が得られなかったなど何か手術の病理結果で術前の予想と反した結果となった場合、方針を変更することもありえます。ぜひ再度主治医の先生からよくご説明をお聞きになってください。(文責 谷)

 

No.11445】  14年07月31日   O 
有効なホルモン剤(HPNo.11377-3)

以前、11439でお返事頂きました。詳しくお答え下さり、感謝しております。ありがとうございました。あれから、主治医からは必要無いと言われましたが、血液検査をお願いしました。やはり閉経していないとの結果でした。しこりは少し大きくなっているようにも見えるが、測り方にもよるとの事です。この場合、次はどのようなホルモン剤が考えられますでしょうか。

ご相談どうもありがとうございます。これまでに、リュープリン、ノルバデックス、アリミデックスを内服してきているのですね。今のところ、大きな変化がないようですので、今の治療を継続するのが良いのではないでしょうか? サイズがほとんど変わらないのも、十分に効果があると判断いたしますから。今後、もし悪化傾向がみられましたら、酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)を内服していただくことになると思います。詳しくは主治医の先生にご相談くださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11444】  14年07月28日   H.M
閉経前のホルモン療法

10月で50歳になります。よろしくお願いします。
3年前に局所再発をして、術後、タモキシフェンを服用してきましたが、3月にまた再発してしまいました。生理は止まっていたので、アリミデックスに変更しましたが、4ヶ月経ち、生理がきました。検査の結果、閉経していないということでした。私は、ゾラデックスを追加して欲しいとお願いしましたが、この病院では出来ないと言われました。選択肢としては、このままアリミデックスで様子を見るか、ゾラデックス+タモキシフェンのどちらかだと言われました。どういう病院に行けば、ゾラデックス+アリミデックスの治療が受けられるのでしょうか。がんセンターでしょうか。

ご相談どうもありがとうございます。閉経前後の年齢では、アリミデックスが生理を誘発することもございます。もしアリミデックス開始で生理が来たのであれば、閉経前としてLH-RHアゴニスト(ゾラデックスやリュープリン)+タモキシフェンに戻すのが標準的です。タモキシフェン使用中に再発したことがご不安の原因なのだと考えますが、LH-RHアゴニストの追加投与で生理を抑えることが今もっとも大切な再発抑制につながると考えます。日本の保険診療では、ゾラデックス+アリミデックスの組み合わせは許可されない可能性が高いです。どこで可能なのかは分かりません。少しでもお役にたてましたら幸いです。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11443】  14年07月28日   IF  
9センチのしこり

20代前半の娘について相談させていただきます。
健康診断で、左乳房に9センチ大のしこりが見つかり、組織診にて繊維線種か葉状腫瘍(良性)であると診断されました。本人は、若い女性の胸は硬いこともあると聞いて、それほど気にしていなかったらしく、ここまで大きくなってしまったようです。主治医の先生には、手術でとるようにと、勧められました。しこりが大きいので、変形をきたすだろうということで、乳房再建も視野に入れるようにと、形成外科も紹介され受診しました。私たちは、しこりを取り除いたあとの空洞(?)となったところに、インプラントでも入れるのかと思っていましたが、葉状腫瘍であれば将来授乳などは見込めないので、左乳房の乳腺すべてをとりのぞき、インプラントを入れることを提案されました。それが一番傷も少なく、きれいであるといわれました。本人は、どうせ保険のきかない診療ならば、幹細胞による再建も視野に入れたいといっています。形成の先生は、腫瘍のできたところに、肝細胞を入れるのは勧められないとおっしゃいました。このような場合、やはり今提案されている方法がベストなのでしょうか。このまま、定期受診をしながらの経過観察は無謀でしょうか。ご意見お願いいたします。素人で、説明不足な文章で分かりにくいかもしれませんが、よろしくお願いいたします。

ご相談どうもありがとうございます。娘様のことですからご自身のこと以上にご心配のことと存じます。まず、一番大切なことは大きさが9cmであればしこり全体を取り残し無く摘出し、悪性の成分がないかどうかを確認することです。まずは乳腺腫瘤の摘出を最小限の傷で、保険診療でおこなっていただくのがよいと思います。手術の際に、皮膚や周囲乳腺としこりが固く接していれば乳房切除もやむを得ない場合もございます。乳房再建は手術後の状況を確認し、必要であればおこなえばよいと考えます。ご不安だと思いますが、まずは一番大切なことをおこない、必要なことを追加していってくださいませ。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11442】  14年07月25日   よん 
間質性肺炎について(HPNo.11348-3)

以前二回相談させて頂きましたNo.11348の「よん」と申します。いつも丁重、的確なアドバイス、心強くありがたく思っております。あれから抗がん剤治療を迷っている間に、腋下や鎖骨の予防照射も含めた放射線治療を25回終了いたしました。オンコタイプを待って抗がん剤を考える予定でしたが、検体がバラバラでキチンと検査が出来ない状態で、結局主治医の勧めもあり、オンコタイプは、あきらめました。その後、放射線治療が終了した二週間後から、TC療法を開始いたしました。4クールの予定だったのですが、最初の一週間で放射線治療後の胸が酷い火傷状態になり、痛みで全く眠る事ができず、8日目には白血球が800まで下がり、三日間白血球を上げる薬をうちました。元には戻ったのですが、その頃から激しい咳き込みと熱がずっと続いて、何かに感染したのかと、咳きどめの薬、解熱剤などを服用しても全く効果なく、CTも撮り、採血や胸部レントゲンは1日おきに検査したのですが、何もその時点ではうつっていなかったのですが、あまりにも熱と咳き込みが続くので二日前にまた、CTを撮った所、今度ははっきり肺炎の影があり、放射線による間質性肺炎と診断されました。その日から急遽入院で、今日三回目のステロイド点滴を打っています。
1%の確立ぐらいだと言われていたのに、その副作用に入ってしまい、気分も落ち込んでいます。TCもまだ一度しか行っていないですが、脱毛もしっかり始まり、今はほとんど抜け落ちました。この先、退院後様子を見て始めるにしても、別のお薬に代わるか(ACになるかも)、最悪もう抗がん剤を終えるか検討中みたいですが、一度しかしてなくて、効果も期待できず、脱毛までして、 なんだかやりきれません。この間質性肺炎は、完治するのでしょうか? 一度治った様に見えても、ずっと経過観察をしていかなくてはいけないみたいで・・・。抗がん剤治療を続けていくにあたって、やはり又、肺炎が再発する可能性は大きいのでしょうか? 主治医としっかり話し合いをするつもりですが、アドバイスお願いします。

放射線性の間質性肺炎の診断とのことですが、今後の抗癌剤治療の検討をしていることからすると、薬剤性の間質性肺炎も疑われているのかもしれません。いずれの間質性肺炎でも、軽いものから重篤なものまで様々であり、個々によって異なります。主治医の先生のおっしゃるように、どのような場合でも慎重に経過をみていく必要があります。相談室で回答できることには限界がありますので、あなたの経過を一番把握してくださっている主治医の先生によく伺って、あなたに合った最適の治療法を探してください。(文責 須田)

 

No.11441】  14年07月25日   K
乳ガン手術後の補助療法について

以前、乳ガン手術後の補助療法について、相談させていただいたものです。もう一度御願い致します。左乳房切除後、腋窩リンパ節に微小転移が見つかりましたが、ルミナールAということで、抗がん剤や放射線治療はせず、ホルモン療法のみで、現在フェマーラを服用しております。念のためオンコタイプDxも調べ、結果は16で、中間リスクに近い低リスクでした。最近、インターネットで、「ルミナール Aで、閉経後の乳ガンにはホルモン療法プラス経口抗がん剤のUFTを服用することで、再発防止の効果がある。」という論文を見つけました。私のがんはルミナールAではありますが、悪性度が2で硬がん、また微小転移だったので腋窩リンパ節も郭清しておりません。リスクが多少高いと思います。オンコタイプDxで低リスクだった場合、通常抗がん剤の上乗せ効果はないという事ですが、私のようなリスクがある場合も、効果は期待できないのでしょうか? 出来るだけ再発のリスクを減らしておきたいです。よろしくお願い致します。

オンコタイプDXは、乳癌の再発に関する21種類の遺伝子を調べることで、再発する可能性と術後補助療法の治療効果を予測するものです。低リスク群では、ホルモン療法に化学療法を加えても治療効果に差が見られませんが、高リスク群では、化学療法を加えることによって治療効果が期待できます。したがって、この検査をすることによって、低リスク群であれば、不要な化学療法を避けることができます。再発スコアは 0 – 100 の数字で表され、低リスク群 0 – 17、中間リスク群 18 – 30、高リスク群 31 – 100 です。あなたの場合は16ですので、低リスク群となり、化学療法を行っても行わなくても治療効果に差がないということになります。(文責 須田)

 

No.11440】  14年07月25日   N 
ホルモン治療の継続について

はじめ投稿させていただきます。よろしくお願いします。
2011年1月に、左乳房全摘出術と再建術をしています。早期乳癌(病期1)術前組織検査は、非浸潤性乳管癌でしたが、術後に浸潤部分が、1ミリ以下が数ヶ所、リンパ節転移無し、ほぼ非浸潤癌でした。術後治療はホルモン治療のみで、再発の可能性は多く見積もって10~15%、抗がん剤の使用では5~10%位ということでした。57歳で閉経もしていましたので、同年3月よりアリミデックスの服用開始。特に副作用も感じなかったが、2012年末頃より体調不良や気分がふさぐようになりました。2013年に入り、だるさや不眠症、体重減少、過呼吸等が酷くなり、6月に心療内科でうつ病の薬を処方されました(リフレックス、デパス)。しかし、11月にはうつの症状に加えて、動悸、頭痛、肩こりに血圧上昇で、更に体調が悪くなって、漢方内科で降圧剤アジルバ、加味逍遥散を処方されました(リフレックスとデパスの服用は止める)。
2014年1月より、両肩、膝、足首等の関節痛のため眠れないほどで、3月に乳腺科の医師に相談して、アリミデックスの服用を中止しました。その時は、「今頃副作用はあり得ない!」と言われましたが、念のため、ひととおりの検査はして、骨シンチも異常なしでした。4月には、体温調節ができず、常に寒い、足首がパンパンに張る、肩こり、発汗…の症状が酷くなったのですが、乳腺科の医師に、「更年期障害と、癌になった事によるうつ病なので、心療内科を受診して、落ち着いたらタモキシフェンの服用をするように。」と、言われました。アリミデックスをやめて4か月、加味逍遥散とマイスリー、降圧剤の服用で、関節痛はなくなり、心もだいぶ落ち着きました。この状況で、癌の再発を考えてタモキシフェンの服用を開始したところです。2週間経ちました、服用3日めで唇が腫れ、頭痛と身体がフワフワした感じ、眼の疲れ、おりものが多いです。何よりも不安で、薬を信じて服用することができないのです。
説明が長くなりましてすみません。今ようやく自身の身体に起きていたことが理解できたところです。アリミデックスの服用で関節痛と更年期障害とうつ病を発症していたと! 服用を中止して、やっと身心が楽になったのに、またホルモン治療の副作用に苦しむ道を選ぶしかないのでしょうか? 今度も、更年期障害やうつ、更に子宮体癌の不安を抱えてまでホルモン治療を継続するべきか悩んでいます。(アリミデックスは3年服用しました。) よろしくお願い致します。

標準的な治療として、術後のホルモン療法は、閉経後ではアロマターゼ阻害剤(アリミデックス、アロマシン、フェマーラ)もしくは抗エストロゲン剤(タモキシフェン、トレミフェン)を5年間内服します。アロマターゼ阻害剤の副作用が問題になる場合は抗エストロゲン剤に変更しますが、あなたの場合は、いずれの薬剤も合わないようですね。治療効果と副作用を天秤にかけ、それぞれに合った最適な治療法を探っていくことになります。個人的には、体に合う薬を見つける努力をし、5年間続けたほうがよいと思いますが、あまり副作用が強い場合は、QOLも考えなければなりません。主治医の先生と充分コンタクトをとって、納得のいく治療を受けて下さい。(文責 須田)

 

No.11439】  14年07月25日   O 
アリミデックスについて(HPNo.11377-2)

以前、No.11377でご相談させていただきました。とても丁寧なお返事をありがとうございました。不安なことがあり再度、メールさせていただきました。
私は、再発時46歳からタモキシフェンを飲み始めて、2年半で再々発しました。生理が無くなって2年以上になるので閉経とみなし、今度は、アリミデックスを服用することになりました。
これは、タモキシフェンにより生理が止まったのかもしれません。この場合、生理が止まっても閉経ではないこともあると聞きました。血液検査をして、閉経しているか、きちんと調べた方がよろしいでしょうか。もし、閉経していなければ、アリミデックスの効果がないので不安です。また、アリミデックスの効果は、何ヶ月位で現れるのでしょうか。よろしくお願いします。

一般的に、「60歳以上、45歳以上で過去1年以上の期間月経がない場合、両側卵巣摘出後」以外で閉経かどうか不明な場合は、血液中のホルモンを測定して調べます。不安を解消するためにも、一度血液検査をして確認してみてはいかがでしょうか。
再発乳癌の薬の治療効果についてですが、治療開始後3〜4カ月毎に転移病巣を前回と比較し、明らかに大きくなっていない場合、新しく病巣が出現していない場合は、同じ治療を続けます。あなたの場合も、3〜4か月後にアリミデックスの治療効果を評価することになると思います。主治医の先生と充分ご相談の上、納得のいく治療を受けてください。(文責 須田)

 

No.11438】  14年07月18日   U.Y. 
No.11429 今後の治療について(HPNo.11429-2)

先日は早速のお返事、有難うございました。私のDCISの診断は最終病理での結果でしたので、回答に勇気をもらいました。本日、主治医の先生にRTの依頼書を貰い、もう一度今後の治療方針を伺いました。主治医の先生は、「5センチもあるのだからリュープリンの注射とタモキシフェンの内服」を強く勧めてくれました。整容的にと部分切除にしたけど、本来5センチもあるのだから全摘適応だったんだと。断端陰性であるし、病理結果をみて、自分自身がホルモン療法に前向きになれない旨も伝えましたが、5センチもあるのだか、らと、話は平行線な感じです。勿論、主治医の先生も予後をとても考えてくださっているのが良くわかるのですが、私自身は、毎年PETを受けるくらいの覚悟でRTまではダメなのかな、と考えいましたが、「5センチもあるんだよ」と繰り返し言われ続けてしまい覚悟が少しぐらつきました。病気を受け入れ、我儘ですがQOLを求めたい。これが正直な気持ちです。5センチという大きさは、RTまでの適応ではないのでしょうか? リュープリンの副作用はホットフラッシュ位といわれましたが、それ以上の物を覚悟しております。兎に角生理を早くとめないとならない、とも言われ、RTの最初の受診を明日に控え、注射の返事を来週にと言われてしまい、こちらにまた相談させていただきました。セカンドオピニオンを受ける事なくOpをしたのですが、今後の治療方針については、時間をかけて考えることは出来ないのかなと不安であります。先生なら、どうなさいますか? ご意見、宜しくお願いいたします。

Mailの内容から類推すると、主治医の先生が5cmにこだわる理由は、非浸潤癌(DCIS)の場合、腫瘤径が大きいと浸潤部が隠れている可能性が高くなる、その結果転移再発のリスクが、腫瘤径が小さいDCISに比べると高い、だから腫瘤径の大きなDCISの全身治療を考える時には、DCISというより小さな浸潤がんとして考えた方が良い、とお考えなのでしょう。その考えも一理ありますが、それでは、非浸潤癌という診断の概念がなくなってしまいます。私個人的には、貴女のようにホルモン療法の副作用を強く心配するDCISの方に無理にホルモン療法をお勧めしようとは思いません。一つの解決法は2nd opinionを受けることだと思います。もう一つの解決法は一度は主治医の先生の指示にしたがって治療を行ってみて、副作用を確認して、あらためて主治医の先生と相談するという方法もあるかもしれません。ホルモン療法の副作用は化学療法の副作用(特に脱毛)と違って中止すれば元に戻りますから。(文責 清水)

 

No.11437】  14年07月16日    A.S. 
乳癌について

いつも参考にさせていただいています。回答お願いいたします。
1) 私の乳癌ですが、乳管内進展が1センチあり、そのうちの浸潤径は6ミリでした。結果6ミリの癌という診断になりましたが、なぜ1センチの癌にならないのでしょうか? 乳管内進展の部分の癌は、浸潤している所からすべて全身に流れていくわけではないのでしょうか?
2) 核グレード2(核異形度2+核分裂度2=4)でした。同じグレード2でも核分裂度の点数が悪性度に影響すると聞いたのですが、本当ですか? もしそうなら、核分裂度が2や3の場合は、1に比べて悪性度が高いのでしょうか?
3) ERが70%でしたが、主治医に「強陽性ではないからノルバデックスの効果はわからないけど」と言われました。強陽性は80〜100%との事ですが、強陽性でないと薬の効果は少なくなるのでしょうか?
4) ステージでわけると私はT1bになり、T1aと1ミリの差になりますが、この1ミリの差はどれほどの物なのでしょうか? 癌の大きさではなく、癌の性質で治療が決まるように思いますが、なぜステージ分類があるのでしょうか?

たくさんの質問すみません。以上、宜しくお願いいたします。

質問有り難うございます。@乳管内進展の部分は、予後に影響しませんので、大きさは、浸潤部の大きさで決定します。A核異型度、分裂度の違いにより、どちらの影響力が高いのかは存じ上げません。細かく考えるよりもグレードで判断したらいかがでしょうか。Bホルモン療法の効果は、陽性度が高いほど、効果的ですが、70%という数字は決して低くありませんので、効果は期待できると思います。C言葉は悪いですが、測定誤差かと思います。癌の性質で治療が決まるのですが、客観的に病変の素性を表す指標としてステージ分類があり、これは全世界で共通の考えかたです。

 

No.11436】  14年07月16日    MS 
10年後の再発治療について

10年ぶりの相談です。宜しくお願いします。
現在51歳。2003年12月、40歳で右乳房全摘しました。右乳房の半分より下に広がっており、一部侵潤していました。リンパ節転移2/21、ホルモンレセプター陽性、ハ―ツー陰性、硬がん、グレード2or32bと言われました。
術後は、CEF6回、ゾラデックス2年、ノルバデックス9年(主治医は5年と言いましたが無治療に不安があり、長くお願いしました)、抗がん剤使用により生理は止まり、今に至っております。2013年12月で丸10年経過し、やっと乳がんから卒業出来たと喜んでおりましたが、6月初め、手術跡に7ミリくらいのしこりを見つけました。すぐに主治医に見てもらいましたが、大したものではないと思うが気になるなら取りましょうという事で、パンチでとり、2針縫いました。後日、抜糸と検査結果を聞きに行ったところ、主治医もびっくりのガンという結果でした。骨シンチ、胸腹部エコー、胸部造影剤CT、造影剤MRI、血液検査をし、先日主治医と話したところ、「全身には無いようです。乳房にかなり広がっていたので、手術時に取りきれず残ったものと思われます。今回パンチで取った所を、全麻酔で、もっと大きく取り、放射線をかけましょう。」と、言われました。私の方から、初発の時のように抗がん剤をやらなくてよいのか伺ったところ、出来る事はやっておきたいという事であればそれもありですが・・・との事。CEF3タキサン3かな〜との返事、まあまずは手術して考えましょうとなりました。手術は7月末の予定です。そこで、10年後の局所再発ですが、やはりこれから全身に出てくる事も考えて対処したほうが良いのでしょうか? その場合、どのような化学療法が良いのか、ホルモン陽性には、ACやCEFは効き目がないとおっしゃっている先生もおられますが・・・。化学療法後、放射線、ホルモン療法と、初発時のように治療するべきか、ご助言お願い致します。完治を望んでおりますが、再発という事に動揺しております。
また10年後の再発で、ガンの性質など変わっている事もあるようなのですが、主治医に聞いたところ、手術ではこれがガンというのは取れないので、そこまで調べられないかもとの話でした。ただ、パンチで取った結果を聞きに行った時は、充実という文字と、コメドと読めるスペルが書いてあったようなのですが・・・、再発と言われたショックで、聞くべき事も聞けなかったというのが本当のところです。勿論主治医とよく相談するつもりですが、その前にどのような治療の選択肢があるのか知っておきたいと思います。どうぞ宜しくお願いいたします。

質問有り難うございます。再発後の治療ということで、十分答えきれませんのでご容赦下さい。再発だとしても遠隔転移がなく、晩期再発なので、局所切除を行い、放射線治療+ホルモン療法というのが一般的かと考えます。ノルバデックスを終了して1-2年して出てきているので、ノルバデックスの効果はあったと考え、まずノルバデックスを再開して、効果を見てから手術を考慮するのも選択肢かと思います。多くは、今回の治療で一段落しますが、時に、ここ2-3年のうちに、ポツポツと病変が出てくることも時に経験しますので、注意深くケアした方がいいでしょう。現状の病気で、手術後に化学療法というのはややoverな印象です。その根拠はどこにもありませんので、主治医とよくご相談下さい。

 

No.11435】  14年07月16日    K.N. 
ホルモン療法だけの場合

初めて相談させていただきます。現在44歳、閉経前です。今年6月に左乳房全摘手術を受けました。ステージはUa、術前治療としてゾラテックス+タモシキフェンを投与。術後、しこりの大きさは2.2センチ、センチネルリンパ節転移なし。病理の結果でも、転移はみられませんでした。組織型は硬癌で、ki67 50%、癌細胞の悪性度は2。ER陽性50%〜30%、PgR陽性50%、 HER2蛋白0、 Ly因子+ でした。Ki67の数値が高いので、TC療法×4、その後ゾラテックス3年+タモキシフェン5年〜10年と、先生から提案されました。私自身、免疫力が低く、膠原病の数値も高かったりするので、化学療法に踏み切れない気持ちがあります。ホルモン療法だけの場合では、化学療法する場合と、再発はそんなに違いがあるのでしょうか?

術前のホルモン療法により、どれくらい効果があったか?ということが肝になります。もしかなり効果的だったのであれば、ホルモン療法で再発予防もreasonableだと思います。実際、効果が乏しかったのであれば、Ki67の高値を鑑みても、化学療法は行った方がいいのではないでしょうか?実際、ホルモン療法のみの効果と化学療法を追加した場合の効果は、Oncotype Dxという遺伝子を調べる検査があります。30〜40万円くらいかかり(施設により若干の幅あり)、結果が出てくるまでに1ヶ月ぐらいかかりますが、ご質問も答えが出ると思います。

 

No.11434】  14年07月16日    TY 
今後の治療方針について

初めて相談させて頂きます(41歳・女)。2011年に、ステージT乳がんと診断され、左側乳房全摘しました。高齢で妊娠出産を希望していたため、医師と相談のうえ、化学療法やホルモン療法は行わず、無治療で経過観察としてきましたが、2014年に、左胸の腋窩リンパ節および鎖骨下リンパ節転移と診断されました。PET検査の結果、遠隔転移はありませんでした。病理診断の結果は、ER(+)、 Pgr(+)、HER2 (2+)、グレード3、Ki-67 High、リンパ節転移多数 とのことです。医師からは、抗がん剤治療(CEF 6クール後、タキサン系)⇒外科手術+放射線治療⇒ホルモン治療5年 の治療メニューを提示されました。そこで、ご質問ですが
1) 提示された治療メニューは妥当でしょうか?(もっと効果がある治療はありませんでしょうか)
2) 提示された治療を全て受けた場合の、5年および10年生存率はどの程度でしょうか?
3) 医師からは、抗がん剤治療によって再発を50%減らせると説明を受けましたが、私のようなホルモン受容体が陽性の場合は、この数値よりも効果が低いのではないかと懸念していますが、いかがでしょうか?
4) もし抗がん剤治療をしなかった場合の再発率は、どの程度でしょうか?
5) 抗がん剤治療をする場合、漢方療法や免疫療法を同時並行で行うことで、不利益はありますでしょうか? (副作用が少なく、プラスになる可能性があることは、やってみたいと考えています)

たくさんの質問で大変恐縮ですが、ご回答頂けると幸いです。何卒よろしくお願いいたします。

質問有り難うございます。
まず、頂いた質問ですが、明確な答えのない質問が多いので、わかる範囲で答えますが、基本は主治医とdiscussionすべき内容だと考えておりますので、ご検討下さい。その上で回答申し上げます。@遠隔転移がなく、初再発なのですが、再発乳がんの基本は手術ではなくて、ホルモン感受性のある病変はホルモン療法です。それを何種類か続けて、効果が乏しい時に化学療法に移行する、というのが正しい考え方と思います。一般的に再発乳がんの完治は難しいと言われていますので、化学療法でたたいて、手術→放射線、ホルモン療法という根治を目指す治療は疑問を感じます。完治を目指すのは、術後の再発予防の時期でした。再発乳がんに正解と呼ばれる治療法は無い、と言わざるを得ませんので、現在の病気、病状とご自身の生活パターン、治療の副作用と相談しながら、治療方法は決めて下さい。A転移・再発乳がんということで、正解と呼ばれる治療がないため、5生率、10生率は、答えがありません。化学療法の効果であれば、40-50%くらいでしょうか。B一般にホルモン受容体が陽性の場合、化学療法の効果が劣るとも言われます。C抗がん剤が効かなかった場合の再発率・・。冷たいようですが、すで再発ですので、答えがありません。D漢方はともかく、免疫療法に何一つ効果が証明されたものはありません。一緒に併用することはおやめ下さい。
いずれにしても、いまの病状は完治が困難である。上手に病気と付き合うという考えが必要になります。主治医と納得のいくdiscussionをして、治療法を一緒に考えていきましょう。

 

No.11433】  14年07月16日    N.O.
転移後の治療について

8年前に乳癌の手術をしましたが、今年になり、胸骨ぼうリンパの3ヶ所に、2p、1p、1.5pの転移をしました。 今までの経過は、術前抗がん剤 EC+T 4コース、手術の結果、ホルモン ER++、pgR +、 ハーセプト 0、 リュープリン5年、 ノルバデックス8年目の転移です。現在、リュープリンを再開し、フェアストンを服用中。先日、主治医より、卵巣摘出手術はお勧めと言われました。理由は、閉経後のホルモン剤が使えるとのことです。現在のリュープリン+フェアストンが効かない場合、他に治療はどのようなものがありますか。卵巣摘出は普通なのでしょうか? 婦人科では、家族性の乳癌では卵巣摘出はあるが保険がきかないと言われました。また卵巣摘出により、予後が良くなるのでしょうか? よろしくお願いします。

質問有り難うございます。術後の再発予防にしても、再発後の治療にしても、閉経前のホルモン療法で使える薬剤は限られており、LH-RHアゴニスト(リュープリン、ゾラデックス)、タモキシフェン(ノルバデックス)の2種類のみです。これらの薬剤を使用している最中での再発のようですので、他の薬剤を・・ということになるのですが、現実的にホルモン療法として使用できる薬剤はありません。フェアストンも閉経後に使用する薬剤です。実際の現場では、LH-RHアゴニストを使用して閉経状態にしてから、閉経後に使用するアロマターゼ阻害剤(アリミデックス、アロマシン、フェマーラ)、フェアストン、フェソロデックスなどを使ったりもしますが、これは保険適応外の使用方法ですので、当方としても勧める立場ではありません。現状は、リュープリンで閉経状態にして、閉経後のフェアストンを使っている・・という状況です。ただ、閉経前乳癌に対して、LH-RHアゴニスト製剤とアロマターゼ阻害剤との組み合わせは、効果もしっかりと証明されていますし、現場では、このような使い方をすることはあります。おそらく主治医の先生は、手術で卵巣摘出をすることにより、実際の閉経状態にしてからであれば、閉経後に使用できる薬剤の選択肢が増える、ということを考えていらっしゃるのではないでしょうか?
リュープリンで卵巣摘出状態と同じホルモン環境にできますので、卵巣摘出しても恐らく予後は変わりません。一度、良く相談されてはいかがでしょうか?

 

No.11432】  14年07月13日    S
今後の治療について

初めて御相談させていただきます。アブラキサンの期待したほどの効果が得られず、次の薬剤を検討中です。主治医に、「ハラヴェン」「ナベルビン」「ゼローダ」「TS−1」の4種類の提示をいただきました。仕事と治療の両立がし易いと思われるものを選んでいただいています。もう抗がん剤は手放せないと思いますので、できるだけ長く治療を続けるために、使用する順番で変わってくるものなのか、アドバイスをよろしくお願いします。
【治療経過】
1997.6(27歳) 右温存、リンパ節隔清(転移なし)、腫瘍1.5〜2センチ、放射線治療、リュープリン注(6月後、タスオミン内服)、フルツロン内服
2002.2   局所再発(トリプルネガティブ)、CMF(同年12月まで)、フルツロン(CMF終了後)、タスオミン中止
2006.4頃  フルツロン卒業 CEA、CA15-3とも正常値
2009.8   CTにて胸骨が硬化していることが判明 リュープリン+フェアストン開始 ゾメタ開始、 CEA12〜13をキープ CA15-3 29→22、 胸水(左)も溜まり始めていたらしい(2010.3に告知)
2010.6   胸膜癒着術、骨硬化はリンパ節転移が原因、パクリタキセル開始、ホルモン治療およびゾメタ中止
2014.3   パクリタキセル終了 計28クール CEA13、CA15-3 29.7
同年4   アブラキサン開始 3回終了時点 CEA17.7、CA15-3 38.7

質問ありがとうございます。若いうちから治療に入られて、大変なこともあっただろうと察します。さて、今回のご質問ですが、「再発乳がん」に対して使う薬剤は、どちらが良く効いて、どちらは効かないといったデータが乏しく、副作用と効果、ご本人の体力、気力、仕事のこと、などを勘案しながら、ひとつひとつの薬剤を上手に使う・・ということになります。従って、ご呈示された薬剤はどれもこれも治療の選択肢になり、どれが一番効果的かは明確ではありません。私はいつも、今の一番大変な副作用をお聞きし、ご本人の希望を考慮に入れながら治療法を相談しています。今は、タキソール、アブラキサンを続けて使われ、恐らくしびれ、関節痛、爪の変化などがあると察しますので、しびれが少なめの薬剤を提示すると思います。もししびれがさほどきつくなければ、「ハラヴェン」の効果が高いのではないかと思われます。いずれにせよ、主治医と、自分の体とよく相談しながら治療を続けて下さい。応援申し上げます。(文責 鈴木)

 

No.11431】  14年07月13日    S
乳腺MRI

50才主婦です。6月の初めに人間ドックを受け、マンモグラフィの結果が、左乳房 カテゴリー3 区域性微小円形石灰化 要精検となり、乳腺科に駆け込みました。エコーで何度見ても何にも見えなく、触診も何もないそうです。てっきり様子を見ましょうと言われると思っていたら、「じゃあMRIをしましょう」と、先生に言われました。「何にもないなら、いいんじゃないの?」と言う私の心の声は先生には届かず、日にちが決まりました。1週間後に予約となっています。どうして何にもないのにMRIなんでしょうか? 不安で仕方ありません。先生は、「ハッキリさせたいでしょ?」と、言われました。MRIも怖いし、結果も怖くて、寝れないし、食欲もありません。どのように気持ちを持って過ごせばいいのでしょう。毎晩涙が出ます。

質問有り難うございます。マンモグラフィで乳腺に微少の石灰化が認められた場合、その石灰化の形態、分布から判定し、良性から悪性まで5つのカテゴリーに分け、時に精密検査の対象になります。今回は、エコーで異常を発見出来なかったとのことですが、微少石灰化は、エコーでは十分発見できないこともあり、MRIを次段回の精密検査として使われる先生もいるようです。微少石灰化のみでみつかる病変は早期の乳癌が多く、しっかりと治療すれば完治しうるので、私どもとしては、見逃しを避けたいので突っ込んで検査をすることになります。「見つけるのならば、見逃しなく、早期に見つける」、「何もないのであれば、種々の検査で絶対大丈夫であることを確認する」、こういった考えでいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.11430】  14年07月13日    R
今後の治療について(HPNo.11110-4)

いつもありがとうございます。再度質問させてください。リュープリンは自分で先生にお願いして変更しました。再発していたらリュープリンで抑えられますか。これからどのくらいの頻度で、腫瘍マーカーの推移と画像診断を続けていけばいいのでしょうか? どのくらいまで上がったらPETを考えたほうがいいいのでしょうか? 現在は、半年前より足の痛みと首のリンパ節の痛みがあります。今、どうすればいいのでしょうか? 教えてください。

質問有り難うございます。乳癌の手術をすると、首が痛ければ首のリンパ、関節が痛ければ骨、頭痛があれば脳、といろいろなところに転移してしまっているのではないか?と不安がよぎります。まして、自覚的に乏しければ、腫瘍マーカーの推移で振り回されることもしばしばです。お気持ち察します。
さて、もともとの病理結果が「非浸潤がん」であったとのこと。であれば、この腫瘍は再発せず、完治します。もし、この病変が転移したとしたら、微少の「浸潤癌」が潜んでいた可能性はありますが、きわめて少ない現象です。もし万が一、「転移・再発」を疑われているとしたら、納得のいくように検査されてはいかがでしょうか? 腫瘍マーカーがいくつ以上だからPETとか、決まりはありません。一度受けて、安心されるのも一考かと思います。今一度、ご自身の病気、病理結果を踏まえ、今後のつきあい方を見直してはいかがでしょうか? 「非浸潤がん」であれば、必要以上に敏感になりすぎない方が賢明だと思います。もし再発の可能性が否定されれば、今後の検査は、年1回の健診という意味でのマンモグラフィを受ければ十分で、腫瘍マーカーの検査も不要と考えます。もう一点、リュープリン、フェアストンの使い方についてですが、「非浸潤がん」でのホルモン療法は、反対側の「浸潤癌」の発症を抑える意味、患側の残存乳房への新規病変の発症を抑える目的で行い、タモキシフェン(ノルバデックスです)。副作用などで、タモキシフェン→フェアストンに変更したのかは不明ですが、現在、使用している薬剤は、「非浸潤がん」の治療としては使うべきではない薬剤と考えます。一度、主治医と相談されることを勧めます。(文責 鈴木)

 

No.11429-1】  14年07月09日    U.Y.
術後の治療方針について

術後の治療方針について質問させてください。41歳、閉経前です。先日、DCISで右温存Opを受けました。NG2 5×3センチ。リンパ節転移なし(0/2)。エストロゲンレセプター 陽性。プロゲステロンレセプター 陽性。HER2 陰性。 Iy なし。断端陰性。
今後の治療方針として、リュープリン二年+タモキシフェン5年を推奨されましたが、更年期様の副作用や、性生活への影響、肥満などを危惧しております。この結果で、注射や内服までをしたほうがいいのか?と。実は、3年前からピルを婦人科から勧められ内服していました。今は服薬中止しています。それも悪かったとはおもいますが、OP後の治療方針として、放射線にリュープリンとタモキシフェンを服用するか、放射線のみにするか悩み所でした。ご意見をお聞かせいただけれは有り難く思います。宜しくお願いいたします。

確認です、手術標本の最終的な病理診断で、DCIS(非浸潤性乳管癌)と診断されたのでしょうか? そうであると仮定して回答します。基本的にDCISの遠隔転移再発率は極めてゼロに近い(ゼロではないが)数字です。ですから、術後に行う治療は、同側内乳房にもう一度癌ができる確率を下げ、対側の乳がんの予防効果を考えます。基本的には、同側内の乳房内再発の確率は、無治療>放射線治療=ホルモン療法>放射線治療+ホルモン療法です。ですから、主治医の先生のお勧めは、二度目の癌をできるだけ防ぐ治療をしましょうと考えてのことだと思います。一方で、ご承知の通りホルモン療法には、かなりきつい副作用があります。次の癌を見つけるためには、ホルモン治療をしてもしなくても、毎年定期的なMMG検診を行う訳ですから、生命予後に影響ないなら、ホルモン療法を行なわず、定期検診でcheckしていけばよいという考え方もあると思います。主治医の先生とよく話し合って下さい。(文責 清水)

 

No.11429-2】  14年07月18日    U.Y.
今後の治療について

先日は早速のお返事、有難うございました。私のDCISの診断は最終病理での結果でしたので、回答に勇気をもらいました。本日、主治医の先生にRTの依頼書を貰い、もう一度今後の治療方針を伺いました。主治医の先生は、「5センチもあるのだからリュープリンの注射とタモキシフェンの内服」を強く勧めてくれました。整容的にと部分切除にしたけど、本来5センチもあるのだから全摘適応だったんだと。断端陰性であるし、病理結果をみて、自分自身がホルモン療法に前向きになれない旨も伝えましたが、5センチもあるのだか、らと、話は平行線な感じです。勿論、主治医の先生も予後をとても考えてくださっているのが良くわかるのですが、私自身は、毎年PETを受けるくらいの覚悟でRTまではダメなのかな、と考えいましたが、「5センチもあるんだよ」と繰り返し言われ続けてしまい覚悟が少しぐらつきました。病気を受け入れ、我儘ですがQOLを求めたい。これが正直な気持ちです。5センチという大きさは、RTまでの適応ではないのでしょうか? リュープリンの副作用はホットフラッシュ位といわれましたが、それ以上の物を覚悟しております。兎に角生理を早くとめないとならない、とも言われ、RTの最初の受診を明日に控え、注射の返事を来週にと言われてしまい、こちらにまた相談させていただきました。セカンドオピニオンを受ける事なくOpをしたのですが、今後の治療方針については、時間をかけて考えることは出来ないのかなと不安であります。先生なら、どうなさいますか? ご意見、宜しくお願いいたします。

Mailの内容から類推すると、主治医の先生が5cmにこだわる理由は、非浸潤癌(DCIS)の場合、腫瘤径が大きいと浸潤部が隠れている可能性が高くなる、その結果転移再発のリスクが、腫瘤径が小さいDCISに比べると高い、だから腫瘤径の大きなDCISの全身治療を考える時には、DCISというより小さな浸潤がんとして考えた方が良い、とお考えなのでしょう。その考えも一理ありますが、それでは、非浸潤癌という診断の概念がなくなってしまいます。私個人的には、貴女のようにホルモン療法の副作用を強く心配するDCISの方に無理にホルモン療法をお勧めしようとは思いません。一つの解決法は2nd opinionを受けることだと思います。もう一つの解決法は一度は主治医の先生の指示にしたがって治療を行ってみて、副作用を確認して、あらためて主治医の先生と相談するという方法もあるかもしれません。ホルモン療法の副作用は化学療法の副作用(特に脱毛)と違って中止すれば元に戻りますから。(文責 清水)

 

No.11428】  14年07月09日    I  
手術後の治療について

乳がんの手術後の治療について相談します。術前はホルモン剤がよく効くおとなしいタイプということで、手術直後もセンチネルリンパ生検も陰性ということでしたので、あとは放射線とホルモン治療だと思っていましたが、術後の正式な病理が出たところ、センチネルリンパ節3個中の1個に2mmの微小転移があったということで、抗がん剤(タキソールまたはタキソテール3ヶ月とFEC3ヶ月)を勧められました。理由は、閉経前で、リンパ節転移ありの標準治療だからとのことです。リンパ節転移ありということで再発リスクが上がったことはわかるのですが、ホルモン剤がよく効くタイプは、逆にいうと抗がん剤の効果が少ないと聞いていましたので、より重要なホルモン治療の開始を遅らせてまで、副作用で体力も奪われるであろう抗がん剤治療をして、再発リスクを下げる効果の上乗せが期待できるのか?と決断しかねています。
1. 抗がん剤を追加した方がよいのでしょうか。
2. 追加する場合の薬は、提案のものがよいのでしょうか。
3. ホルモンと放射線治療の開始が遅れることとのメリットデメリットは、どう考えたらよいでしょうか。

46歳閉経前。先月乳房部分切除とセンチネルリンパ生検(リンパ節郭清なし)を実施。術後の病理結果が以下でした。
腫瘍径in situ caを含む:2.50×3.30×1.20cm
核異型スコア:2、核分裂スコア:1(1/10HPF)、核グレード:1
ER:8、PgR:8、HER2:0
波及度:gf、リンパ管侵襲:ly2、静脈侵襲:v0
断端:皮膚側−、2.0mm inv #24、深部側−、速報−、乳頭側−
In situ ca++、EIC+、娘結節−、comedo+、石灰化+、リンパ球浸潤+
リンパ節転移:合計1/3、SNB(1/3)
T2、N1mi、M0 ステージUB
また、ki-67は術前のデータしかわかりませんが20%でした。

よろしくお願い申し上げます。

1) これも現在、混乱している状況の質問の一つです。整理してみましょう。20世紀の終わりから21世紀初頭にかけて、リンパ節転移陽性乳がんを対象に多くの術後補助療法の臨床試験が行われた結果、リンパ節転移がある乳がんは、抗がん剤治療を行うことで再発転移が減少することが証明され、現在でもこの臨床試験の結果を覆す臨床試験はありません(これが、リンパ節転移があれば抗がん剤を勧めるという先生の根拠)。一方、2010年代になって、乳がんは一種類ではなく、4つのsubtype(Luminal A, Luminal B, Her2, Basal Type)に分かれることが解ってきました。そして、昔行われた臨床試験の結果をsubtypeで分けて再検討したところ、抗がん剤が有効であったのはLuminal B, Her2, Basal Typeで、Luminal Aでは抗がん剤の効果が小さいことが解りました(これが、抗がん剤をお勧めしない先生の根拠)。しかし、厳密には、この検討は後ろ向きの検討と言われて、正確な検討法ではないので、これを証明するためにはsubtype別の臨床試験を組んで、10年後の結果を待たなければなりません。これが二つの説が混同している理由です。どちらの意見を採用するか、主治医の先生とよく話し合って決めて下さい。ちなみにあなたの乳がんは、ぎりぎりLuminal Aに分類されると思います。
2) 1)の理論で行けば、リンパ節転移がある場合の推奨レジメンは、Taxan->Anthracyclineもしくはその逆ですから、主治医の先生のお勧めのレジメンです。ところが、中間派の意見もあり、抗がん剤をやらないよりやった方が良いが、かといって、この状況で最強レジメンを使うのはいかがなものかと考えて、AC,TC等のshort courseレジメン(3ヶ月)を勧める先生もいます。ただし、1)の根拠にしたがって抗がん剤を使おうと考えたならば、主治医の先生のお勧めレジメンになります。
3) ホルモン療法は5年間行うので、startが少しくらい遅れても問題ありませんし、放射線治療は同側の乳房内再発の予防のために行うのですから、開始が遅れても生命予後に影響することはないと思われます。治療開始が遅れるのは、何もしないで遅れるのではなく、その間に治療をしているのですから、心配することはありません。(文責 清水)

 

No.11427】  14年07月09日    A.M.
アポクリン乳菅癌について

はじめまして宜しくお願いします。今年1月に温存手術を受けました。手術前は非浸潤のアポクリン乳癌で、腫瘍は2センチと診断されましたが、術後病理の結果は、2.8x1.5x0.7センチでした。
浸潤部分が1ミリありました。切除断片は陰性でした。
f(ー) ly(ー) v(ー) duct spreading(+) ER=0 PgR=0 HER2=1+(10%程度2+) Ki67 高い部分で20% センチネルリンパ節 SLN 0/4 陰性  Histological grading (2)
1, Tubular fomation (1)
2, Nuclear pemorphism (2)
3, Mitotic count (2)
合計(5) 微小浸潤のため参考値
Nuclear grade (2)
術後8週間後から放射線治療を25回受けました。主治医は抗がん剤はやらないで経過観察で良いと仰っております。浸潤部分があったことと、腫瘍が思ったほど大きかったので、再発のリスクが心配です。トリプルネガティブアポクリン乳菅癌についての情報が少ないので悩んでおります。どうぞ宜しくお願いします。

確認です。1mmの浸潤部は、アポクリン癌だったのでしょうか? ER,PR,Her2,Ki67の情報は、浸潤部のものでしょうか? どちらの答えもYesと仮定してお答えします。このような微小浸潤癌では、浸潤している癌の部分が生命予後を規定します。ですから、非浸潤部の情報はどれだけ広くても無視して考えて下さい。また、アポクリン癌は、基本的にER(-)PR(-)の癌ですので、triple negativeであることは普通のことです。そうなると、1mmで、腋窩リンパ節転移のないアポクリン癌(浸潤性)の術後補助療法は何をするかということになります。アポクリン癌も決して頻度の高い癌ではないので、アポクリン癌だけ集めて、腫瘤の大きさ別、もしくはstage別に、抗がん剤治療を行うか行わないかを比較した臨床試験というのはありません。ですから、正確な答えはありません。それでは実も蓋もないので、いろいろ考えます。まず、アポクリン癌全体を見ると、その予後は通常の浸潤性乳管癌(乳がん全体の約8割を占める)とほぼ同じであると言われています。そこで、アポクリン癌も浸潤性乳管癌と同様な治療で良いのではないかという少し乱暴な理論になるのです(乱暴だが、そうするしかない)。そうすると、1mmのtriple negative 乳がんに対する術後の治療は何にするかという質問になります。これも悩ましい質問で、triple negative乳がんは、他のsubtypeに比べて予後不良であり、ホルモン療法や抗Her2療法が効かないため、小さな癌でも化学療法をお勧めするというのが一般的です。それでは、どのくらい小さい乳がんまで化学療法を勧めるのかというと、これも明確な答えがありません。1mmであれば、一般的に1mmの乳がんの転移再発例は極めて少ない(ゼロではない)ので、抗がん剤治療は不要と考える先生が多いのではないでしょうか。しかし、中には、その稀な再発例はtriple negative や抗Her2療法を行わないHer2乳がんであることが多いので、1mmであっても抗がん剤治療を行うと考える先生もいます。長くなってすみません、このような考え方に基づいて、主治医の先生とよく話し合って決めていただけたらと思います。(文責 清水)

 

No.11426】  14年07月09日    C
化生癌(HPNo.11412-2

化生癌で質問したものです。ご回答ありがとうございました。術前に抗がん剤をしたのですが、縮小せず、病理の結果ステージ2aでしたが、悪性度が高いので、追加でカルボプラチンとパクリタキセルを追加しています。自分なりに調べたのですが、化生癌は予後不良とのこと、今後の再発率、生存率についても教えてもらいたいです。化生癌と言っても惹かんすることは無いんでしょうか? 不安です。宜しくお願いします。

化生癌と一口に言っても、何に化生しているのかで異なってきます。化生癌としてひとくくりにまとめても、かなり稀なガンなので、更に細分化すると、症例報告レベルになってしまいます。そのため、生存率や再発率といった情報は算出できません。一般論として悪性度が高く再発が多いと言われている、と理解して下さい。もちろん化生癌でも長期生存している方もいらっしゃいます。どのガンでも同じことですが、できることをきちんと行って天命を待つというところでしょうか。(文責 清水)

 

No.11425】  14年07月09日    J.M. 
乳がんと歯科治療

今年の九月で術後四年が経ちます。グレード3の、すべてに於いて最悪の性格を持つガンでしたが、色々な治療をこなし、三年目をクリアーし、今はフェマーラを服用しているだけです。実は今回の相談内容ですが、先日歯の治療でインプラント手術をしました。術前の問診票には、乳がんの治療中であることは勿論申告し、フェマーラ服用中も書き添えました。で、後で気づいた事なのですが、インプラント手術が終了後、血液を腕から少量採られ、遠心分離機にかけられた後に、それを治療後の患部に注入されました。全てが終わった後に、自身の血液から血小板を取り出し、細胞成長因子を加えて注入しました。これは組織の再生力を増すためですと説明がありました。帰宅後に気になり始めたのですが、ガンの治療中に、そのような事をしてよかったのかどうか・・・。済んだ事で仕方ないのですが、反対側のインプラントを、また二本する予定です。それで知っておきたくてメールいたしました。以前 ガンにはアンチエイジング治療は敵対すると何かで読んだ事を思い出し、これもその一部ではないかと思うと心配で仕方ありません。次回の主治医の先生との面会は三か月後になりますので、どうかよろしくお願いいたします。

問題はないと思いますが、主治医に相談してみて下さい。(文責 清水)

 

No.11424】  14年07月09日    S
乳ガン手術側の皮膚症状について

左乳ガン温存手術後放射線治療を行い、「ステージ1、 リンパ節転移なし、浸潤性小葉がん」で、術後3年が過ぎた所です。質問ですが、1年くらい前から温存手術した側の乳房にしこりのようなものが、どちらかというと皮膚表面にある感じで、米粒大のが無数できています。最初は、しこりの色は、色がついてなくて肌の色だけでしたが、ここ何ヶ月かの間にピンク色のような色がついてきました。一年前に乳腺外科の主治医にみせたことはありますが、その時は数も少なく、色もついてなかったため、みただけで、触診もなく、気にしなくてよいからと言われたのですが、色がついてきたことや、数が増えてきたので、心配になってきました。半年に一回、検診には行っていますが、触診はしてもらっていません。CTと血液検査のみで、腫瘍マーカーも異常がないからと触診はしてもらえないので、今度の検診時に主治医に聞くべきかどうか迷っています。こういう症状がでることは、普通よくあることなのでしょうか?

症状については、実際に見ていないので何とも言えません。しかし、異常があったら主治医に連絡を取って、臨時にでも診てもらうべきだと思います。次回の予約診察まで待つ必要はありません。(文責 清水)
 

No.11423】  14年07月09日    N.S.
今後の治療について

一昨年10月、乳房温存手術をしました。病理結果は、乳頭腺管癌、 腫瘍径 1.2センチ、 センチネルリンパ節転移陰性、 ホルモン受容体はどちらも陽性、 HER2陰性、 KI67 10%未満、 核グレード2、 脈管侵襲 リンパ−、静脈+、 診断時51歳 閉経前 です。現在は、ゾラデックスとタスオミンによるホルモン治療を行っています。術後の治療を決定する時に、主治医に、核グレード2と静脈+が気になったため、抗がん剤が必要なのでは?とお聞きしましたが、ホルモン受容体が沢山あるので不要ですと言われました。静脈に癌細胞があったからと言って、それは決定的なものではないとも言われました。 納得して治療を開始しましたが、悶々とした心理状況の中、色々な情報を知るにつれ、不安が大きくなりました。そのような折、つい最近になって、主治医とは別の乳腺専門医から、意見を聞く機会がありました。そして、抗がん剤はやってもよかった、今からやる意義はないと言われました。再発率は20パーセント近くあり、低くはないとも言われました。なぜ、治療を決定する時にセカンドをしなかったのかと後悔ばかりです。そこで、先生にお聞きしたいのですが、今後、最善と思われる治療があるのでしたら、ご助言いただけますでしょうか? 一般的なことでも何でもかまいませんので、どうか宜しくお願いします。  

貴女の乳がんの病理診断の結果からは、基本的にはホルモン療法単独が推奨されます。これは、世界的なガイドラインでもそのように推奨されています。静脈侵襲(+)という情報を過剰に考える傾向がありますが、静脈侵襲(+)も静脈侵襲(-)も、予後に大きな違いはありません。逆に抗がん剤治療をやる意味がないかというと、決してその治療効果はゼロではありません。ですから、どのような副作用があろうと、少しでも(たとえ1%でも)再発のリスクを下げたいと考えるならば、抗がん剤治療を受ける意味はあります。しかし、副作用の大きさ、効果の大きさを天秤にかけると、一般的には抗がん剤治療は推奨されないということです。(文責 清水)

 

No.11422】  14年07月04日   F
骨髄異形性症候群の乳癌治療

先月、乳房切除し、病理結果は以下の通りです。
浸潤性乳管癌、核異型度1、リンパ管侵襲1、ki-67 50%、p53−、HER2−、ホルモンER70%、PgR70%、リンパ節17中16個
私が骨髄異形性症候群(経過観察中)を持っているので、抗がん剤は使わない方が良いとの事、放射線治療とホルモン治療だけだと再発リスク他違ってくるのでしょうか? また、放射線は大丈夫なのでしょうか? 主治医の先生も、これまで血液疾患で乳癌の患者さんを担当した事がないそうなのです。宜しくお願いします

病理の結果からは、化学療法+ホルモン療法が推奨されます。私も骨髄異形成症候群については詳しくありませんが、貴女の乳がんの主治医と骨髄異形性症候群の主治医とでよく相談してもらって、現時点でできる最良の治療法を探ってもらうのが良いのではないかと思います。化学療法が入らないと、再発率は高くなると思います。放射線治療は骨髄にあたることはないので問題ないと思いますが、放射線治療は全身の再発のリスクを下げる治療ではありません。(文責 清水)

 

No.11421】  14年07月04日   R
ホルモン療法(HPNo.11110-3)

いつも相談させていただきありがとうございます。不安が少し解消されました。PETも、今回は先生と相談し、見送ることにしました。前回に引き続き、ホルモン療法の件で教えてください。手術後、反対側の乳がんの発生予防のためということで、閉経前ですが(45歳)、フェアストンを飲んでいました。先日、腫瘍マーカーが上がったため、リュープリンの注射に変更しました。この治療法でいいのでしょうか? リュープリンの副作用は、どのようなものがあるでしょうか? よろしくお願いします。

最初に、腫瘍マーカーというのは、偽陰性、偽陽性があるので、基本的には腫瘍マーカーの変化だけで治療法を変更することはあまりありません。腫瘍マーカーで再発を疑った場合は、画像検査で確認することが原則です。リュープリンの主な副作用は更年期障害の症状ですが、早期閉経に伴う副作用として骨粗鬆症の問題、コレステロール値の変化等が上げられます。(文責 清水)

 

No.11420】  14年07月04日   K
妻の乳癌

妻が2週間前に乳癌の疑いがあると言う事で、胸の細胞やMRIなどの精密検査をし、結果乳癌で、右胸の全摘を言われました。更に他に転移がないかの検査で、別な箇所の細胞、CTを撮り、今月3日に病院のほうから私が来るようにと言われてます。相談と言うのは、聞きたい事をまとめておいて下さいと主治医から言われたみたいで、どういう質問をすれば良いか、この事は聞いておいたほうが良いですよって事を教えて頂きたいのですが・・・。ちなみに病院名は羽曳野市のS病院です。嫁は化粧品の製造業でパート勤務しております。よろしくお願い致します。

大事なことですね、準備を怠らない姿勢は素晴らしいと思います。二つweb siteを紹介します。一つは日本語で、乳がんの患者会であるVOL-Netが作成したもので、VOL-Net->治療のフローチャートー>乳がんと言われたらー>診断結果チェックリスト、で開きます。もしくは、下記をコピーしてみて下さい。http://www.vol-net.jp/flow/paper10.html
もう一つは英語になりますが、本格的な質問事項が書いてある米国のCancer.Netのホームページです。少し日本の事情にはそぐわない質問もありますが、参考にはなると思います。Cancer.Net->Navigating Cancer Care->Diagnosis Cancer->Questions to Ask the Dotor
で開きます。もしくは下記のアドレスをコピーして下さい。
http://www.cancer.net/navigating-cancer-care/diagnosing-cancer/questions-ask-doctor  (文責 清水)

 

No.11419】  14年07月04日    Y
リュープリン継続について

初めて相談させて頂きます。乳がんを発見してから3年が経過いたしました。幸いなことに再発・転移は見つからず、日々淡々と過ごすことができておりますが、3年が経過しリュープリンをやめるよう、主治医より強く提案されております。
浸潤性小葉癌、2010年10月発見、当時35歳(現在38歳、もうすぐ39歳)、2010年12月左胸全摘、リンパ節転移 29個中11個、他臓器への転移なし、腫瘍の大きさ長径11.5cm、組織学的グレード3a、ER(8)=PS(5)+IS(3)、Pgr 6=PS(3)+IS(3)、Her2:1+
2011年2月〜5月 FEC1回→副作用が酷くて断念。アブラキサン4回→副作用は耐えられないほどではなかった。 2011年6月:断端陽性だったため追加手術。抗がん剤が効いていなかったことが判明。 2011年7月〜現在継続中 ノルバテックス(タスオミン服用)リュープリン3ヶ月毎、12回(3年)注射。 2011年10月〜11月:放射線25回。
主治医より、リュープリン24回(2年)が終了した時、2年以上続けて効果があるというエビデンスが無い、2年以上やっても意味が無い、と言われました。が、何かの治療をやめるという選択ができず、例え意味が無くても、気休めでもいいからもう1年、と言って、3年打つことになりました。リュープリンは癌のえさになっているホルモンを抑制する役割だと理解しております。これを止めてしまうと、転移が始まってしまうのではないか、という心配があります。かといって、長期間続けることに対する主治医の意見は否定的。幸い副作用はホットフラッシュ以外はなく、スポーツも楽しんでおり、骨粗しょう症の気配も感じません。リンパ節転移の多さから、治療を1つやめてしまうことに対する恐怖が大きいのですが、主治医は、「放射線も抗がん剤もやってしっかり治療してきたのだから、そんなに心配することない」とおっしゃいます。リュープリンを3年以上継続させることに、本当に意味が無いのでしょうか。癌のエサを減らすという点では効果があると思うのですが。その効果より、骨粗しょう症を引き起こす、というデメリットを考えると、続けることのメリットは少ない、と主治医は言うのですが。ご意見をお聞きしたくメールさせて頂きました。どうぞよろしくお願い致します。

リュープリン、ゾラデックスは質問が多い薬の一つです。その理由は、術後補助療法での明確なevidenceがないからです。今年の12月にノルバデックス単独vsノルバデックス+ゾラデックスの臨床試験(SOFT trial)の結果が発表されるという話なので、それで明確になるでしょう。ですから、現時点では、エビデンスを重視する先生は、ゾラデックス、リュープリンを追加するメリットは証明されていないので使わないと言います(欧米では多い)が、追加して効果がないというevidenceがないのだからで、Yさんと同じように、月経を停止することは、ER(+)乳がんには効果がありそうだから使うという先生もいます。あとは副作用を考慮して、主治医と患者さんで相談するしかありません。Yさんの言うことにも一理あり、先生のおっしゃることにも一理あるのです。ただ、骨粗鬆症は現在が問題ではなく、骨密度がこれからだんだん下がってくるので、将来若くして骨粗鬆症になるという問題です。(文責 清水)

 

No.11418】  14年07月04日    H.I.
初めて相談させていただきます

69歳女性が4月の乳がん検診で異常を指摘され、詳しい検査(生検等)をしたところ、乳がんと診断されました。腫瘍の大きさは、1.7ミリ CEA 1.6  CA15-3 24.6  その他の血液検査はほぼ異常なし。入院、手術が決まっていたのですが、MRI、CT画像で胸椎(10番目)に白い影が見つかり、すべて白紙になりました。転移の疑い? その後PET検査を行ったのですが、PETでは異常なし…。本当に転移なのか?…先生も100%転移とは言い切れないが、転移がある以上手術はできないと、ホルモン療法(3ヶ月服用)に治療を変えることに…。がんが進行してしまわないか心配です。1.7ミリのしこり…リンパ節に転移は見られない模様なのに、ステージWの診断。。。疑問を抱いてしまうのですが…、乳がんとはそう言うものなのでしょうか? 一般的見解でかまいませんので、ご意見聞かせてください。最良と思われる治療法などもアドバイスお願いします。

難しいお話ですね。ポイントは、CT,MRIで指摘された病巣が本当に転移かどうかだと思います。しかし、胸椎の病巣は生検できませんから、確定診断はつきません。そうなると、
1)1.7mmでN0の乳がんがはじめから遠隔転移を起こしている可能性は極めて低いし、PET-CTでnegativeなので、CT,MRI検査の偽陽性ではないかと考え、予定通り手術を行って、術後にその病巣を経時的に追って行くという考え方、
2)乳がんは基本的に全身病なのだから、こういうことも起こりうるので、手術でなく薬物療法でいくという考え方、
どちらの考え方もありだと思います。10人の専門医に尋ねたら、過半数は1)の考えではないかと思います。患者さんと主治医とよく相談して決めることになると思います。乳がんのsubtypeが分からないので、治療法については何とも言えませんが、ER(+)乳がんであればホルモン療法を行って、有効であれば原発巣も小さくなりますから、進行してしまうという心配はありません。逆に治療中に大きくなるようなら、その治療が効いていないということなので、治療法を変更します。薬の治療を最初に行うということ自体は、間違った治療法ではありません。(文責 清水)

 

No.11417】  14年07月04日    N.K 
今後の治療について

今年30歳、子供なし。1ヶ月前に温存手術をしたものです。今後の治療についてご相談させて下さい。
先日病理の結果が出たのですが、下記と説明をうけました。(コピーをいただけなかったので、自分でメモを取った結果になります。)
浸潤性乳管癌ステージ1、しこり6.5mm程(手術前のエコー上で)、浸潤部分4mm×4mm、ホルモン(+ 90%)エストロゲン(+ 90%)、組織グレード2、核グレード2、ki67...6% 、HER2(-)

手術の前の病理の結果にてホルモン療法になるであろうと説明を受けていましたので、そのつもりでおりました。が、先日担当の先生より、術後の結果を見る限りではホルモン療法を受けなくてもよい選択肢もあると聞かされ、大変迷っております。おそらく年齢的に、これからの妊娠出産についての考慮をして下さってのことかとは思いますが、優先順位としては、第一を再発防止を望んでいる旨を伝えました。そこで、与えられた選択肢は下記になります。

1)ゾラデックス2年+タモキシフェン5年
2)無治療

担当医の方からは、『抗がん剤は不必要。ホルモン療法についても、副作用と天秤にかけると、自分ならやらない方を選択する。』とのことでした。そこで、お伺いしたいのが

1) 抗がん剤は確実に不必要で良いのか?
2) ゾラデックス2年+タモキシフェン5年治療の再発率
3) ゾラデックス2年のみの治療の再発率
4) ゾラデックス2年+タモキシフェン2年の再発率
(タモキシフェンのみの治療をされている方も多いようなのですが、どのような基準で決めていらっしゃるのでしょう? 私の場合、主治医のほうからは、タモキシフェンのみの治療の提案はされておりません。また、標準治療で5年のものを2年など減少することのリスクもあれば教えて頂きたくおもいます。)
5) 無治療の場合の再発率
6) 核グレード、組織グレードが2で無治療の選択肢はありなのか?
7) 例えば出産をしてから治療を開始するでは無意味なのか?

第一優先順位としては、無再発が第一条件なのですが、今後出来ましたら妊娠も望んでおります。もちろん命あってのことなので、一番後悔のない選択をと日々模索しております。お忙しい中で恐縮ではございますが、ご回答頂けましたら幸いです。

リンパ節に関する情報がないのですが、リンパ節転移はなかった(n0)ということでお答えします。
1) いわゆるLuminal Aと呼ばれるタイプなので、抗がん剤治療は必要ないと思います。
2) 無治療でも10年間の再発率は5〜10%程度と考えます、ですから、ゾラデッックス+タモキシフェンで2〜3%程度再発率が下がると思います。
3) ゾラデックスのみという治療のデータはないのでわかりませんが、ほぼ同程度かやや低い程度ではないかと思います。
4) タモキシフェン2年と5年は、リンパ節転移がある場合の比較のデータがあり、5年内服した群の方が再発率が低いことがわかっています。
5) 2)でお答えしたとおりです。
6) 上記のように無治療の再発リスクが低く、治療による再発リスク減少が小さいので、治療による副作用が強く、副作用によるデメリットが再発減少のメリットより大きいと判断されれば無治療という選択肢もあると思います。その場合、組織グレード2はあまり考慮されません。
7) 意味がないことはありません。今まで述べたように基本的な再発リスクが低いので、先に妊娠出産、その後に治療という選択肢もあると思いますし、何年か治療してその後治療を止めて妊娠出産にchallengeする方法もあると思います。(文責 清水)

 

No.11416】  14年07月04日    T 
切除術によるリスクの違い

相談させて下さい。同時再建を考えるとしたら、@胸筋温存乳房切除術で全摘するのと、 A皮下乳腺切除術で皮膚を残して乳腺のみを全摘するのと、B乳輪乳頭温存乳房切除術とあると聞きましたが、@→A→Bと、再発率は高まるのしょうか? また同時再建は、@の術式で可能ですか?
また、手術後浸潤ガンが判明した場合、@ABの術式の場合、エキスパンダーを取り出し、放射線や皮膚、乳輪乳頭を摘出する再手術になるのでしょうか? 胸のサイズも小さく、必ず再建したいというよりは、再発率を少しでも下げられるような治療を望んでいます。再建を考えていることにより、再発率が上がることはあるのでしょうか?  よろしくお願いします。

皮下乳腺全摘と乳輪乳頭温存乳房切除術は、呼び方が違うだけで、同じ手術です。これらの手術の方が、胸筋温存乳房切除術に比べて、残存した乳輪乳頭部の再発の可能性がわずかですが高くなります。胸筋温存乳房切除術でも、同時再建は可能です。乳頭は、後日再建することになります。“手術後浸潤ガンが判明した”というのは、切除断端に浸潤癌があったという意味でしょうか? その場合はエキスパンダーを取り出し、乳頭乳輪部の再手術は可能です。そのようなことにならないように、通常は術中迅速診断で切除断端を確認することが多いです。再発率とは何の再発ことでしょうか? 生命予後に関わる全身の再発のリスクは、再建の有無、術式による差はありません。一方、乳房内再発のリスクは、残る乳腺組織の量に応じて高くなります。この二つの再発(命に関わる全身の再発と、温存した乳房内にもう一度がんができる乳房内再発)を混同しないで下さい。(文責 清水)

 

No.11415】  14年07月01日    I 
ホルモン治療の中休み

ノルバデックスを約3年服用して、1年ほどストップした後、再び服用を再開することになりました。1年のブランクは効果に影響しますか?

Iさん、ご相談ありがとうございます。 私のお返事で少しでも疑問が減れば嬉しく思います。
さてIさんはノルバデックスを3年内服後に、1年間お薬をお休みしていました。このノルバデックスが、ご相談内容からでは術後の治療なのか再発等の治療なのか不明なのですが、術後の治療としてお返事申し上げます。内服をお休みした場合は、内服を続けた方と比較すると、再発リスクは高くなるという報告があります。しかしその後内服を再開した場合については、私が調べた範囲で効果に影響するかどうかはわかりませんでした。1年ほど中止なさった理由もよくわからないのですが、今後についてはご担当の先生とよくご相談頂き、後悔の少ない治療を選択して頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.11414】  14年07月01日     Y 
アロマシン服用期間について

アロマシンを服用しています。今年の10月24日で、ちょうど5年になります。先日病院にいき、先生からクスリを出していただき、「これを飲み終われば終了です。」と言われましたが、家で日数を数えたら9月23日までの分しかありませんでした。ちょうど一ヶ月分たりませんでした。まるまる5年に一ヶ月たりないということで、少し不安です。先生に聞き直すこともできなくて、一人で心配しています。よろしくお願いします。

Yさん、ご相談ありがとうございます。もう少しでホルモン治療は終了ですね。さてご相談頂きました内容についてお返事申し上げます。まだお薬を内服中で、そのお薬は9月下旬までお持ちですので、Yさんご都合の良いときに病院を受診なさり、足りない1ヵ月分のお薬を処方して頂くのが最善かと思います。予約外の受診になり、多少お待ち頂く事になるのかもしれませんが、ご不安であれば5年間しっかり内服をして頂くことが一番良いと考えます。(文責 斎藤)

 

No.11413】  14年07月01日     Y.N. 
反対側の脇から胸にかけての痛み

昨年6月に、母が左胸の乳がんと診断されました。ステージ3a 腫瘍は5.5cm リンパ節転移あり Her2プ ラス ホルモン受容体あり。 県立がんセンターにて治療を進めました。術前抗がん剤を8クール行い、2月半ばに左胸を全摘手術しました。5.5cmが4mmまで小さくなっていたとのことです。術後は痛みもあったようですが、腕も上がるようになっていました。現在はハーセプチンのみ、3週間に一度点滴中です。術後のことなのですが、反対側の右側の脇から胸にかけて、突っ張るような痛みがあると言っていました。実は2013年9月ごろに、右側の石灰化にも乳がんの疑いがあるとのことで、同じくがんセンターでマンモも針生検もやっているのですが、その際は良性でした。なので主治医に伝えても、「触診でも画像でもなんともないから生理的なものかもね。」と、言われています。実際、現在も触診の状態は、しこりなどは確認されていません。私は心配性なので、転移?と考えてしまいますが、心配しすぎなのでしょうか。母は肋間神経痛かも…と言っていますが、これは肋間神経痛の症状が当てはまりますでしょうか。。確かにストレスフルな生活をしていたりするので、可能性はあるかもしれないと思います。また、術後、左側に負荷をかけないように生活しているので、そのせいで右側に負荷がかかっているのも事実のようです。雨が降ると痛みが増したりするようです。不安で不安で仕方ありません。よろしくお願いします。

Y.N.さん、ご相談ありがとうございます。私の御返事で少しでも不安が減れば嬉しく思います。
さて結論から先に申し上げると、転移の可能性は非常に低いと判断します。がんセンターでしっかりと検査を受けて頂き、その結果問題ないのであれば、一般的には経過観察を行います。痛みで乳癌が見つかることは無いとは言いませんが、その割合は非常に少ないです。Y.N.さんが御母様のお体を心配されるお気持ちはよくわかりますが、ぜひご家族の一人として、ご本人の不安を取り除いて差し上げる存在となって頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.11412-1】  14年07月01日     C 
化生癌

トリプルネガティブ乳癌です。病理検査の結果、化生癌と言われました。 稀な癌で、抗がん剤が効きにくいと言われました。リンパに転移は無かったのですが、血液にのって転移しやすいと言われました。 化生癌の情報を教えてもらいたいです。宜しくお願いします。

Cさん、ご相談ありがとうございます。私のお返事で少しでも化性癌について知って頂ければ嬉しく思います。化性癌については私も詳しくなかったので、調べてみました。調べた結果を以下に記載いたします。
乳癌の中の特殊型という、比較的稀な組織です。その割合は乳癌全体の0.2〜0.6%で、化性癌患者さんの平均年齢は47〜61歳です。女性ホルモン受容体やHER2蛋白は陰性が多く、Ki-67の数値は高いことが多い悪性度が高く、転移を起こす可能性の高い乳癌の一つと報告されています。しかしリンパ節転移は無いことが多いようです。特殊型ではありますが、治療は一般の乳癌と同様に行うようです。以上簡単にご説明申し上げます。(文責 斎藤)

 

No.11412-2】  14年07月09日     C 
化生癌(2)

化生癌で質問したものです。ご回答ありがとうございました。術前に抗がん剤をしたのですが、縮小せず、病理の結果ステージ2aでしたが、悪性度が高いので、追加でカルボプラチンとパクリタキセルを追加しています。自分なりに調べたのですが、化生癌は予後不良とのこと、今後の再発率、生存率についても教えてもらいたいです。化生癌と言っても惹かんすることは無いんでしょうか? 不安です。宜しくお願いします。

化生癌と一口に言っても、何に化生しているのかで異なってきます。化生癌としてひとくくりにまとめても、かなり稀なガンなので、更に細分化すると、症例報告レベルになってしまいます。そのため、生存率や再発率といった情報は算出できません。一般論として悪性度が高く再発が多いと言われている、と理解して下さい。もちろん化生癌でも長期生存している方もいらっしゃいます。どのガンでも同じことですが、できることをきちんと行って天命を待つというところでしょうか。(文責 清水)

 

No.11411】  14年07月01日     k m. 
今後の抗がん剤治療について

下記の経緯で今後の治療を検討中です。主治医からは、タキサン系の使用を勧められておりますが、これまで、脱毛を避け、なるべく生活に支障のない治療を選択してきました。転移による自覚症状はない状況です。
2005年 1月:乳房温存手術・腫瘍径20o・充実腺管癌・リンパ節転移なし・ホルモン弱陽性・HER2 3+ ⇒タモキシフェン・ゾラデックス
2006年12月:肺転移・最大径15mm ⇒ハーセプチン単剤
2007年10月:肺転移・最大径33mmへ増大 ⇒ハーセプチン+ゼローダ
2008年 1月:肺転移・最大径 9mmへ縮小・頸椎転移 ⇒ハーセプチン+ゼローダ(減薬3→2錠)
2009年12月:肺転移・最大径 9mm・頭蓋骨転移の可能性 ⇒ハーセプチン+ゼローダ(更に減薬)
2012年 2月:肺転移・最大径11mmに増大 ⇒ハーセプチン+ゼローダ継続
2012年 9月:肺転移・最大径13mmに増大・頭蓋骨転移確定 ⇒ハーセプチン+ゼローダ継続
2013年 5月:肺転移・最大径15mmに増大 ⇒ハーセプチン+ゼローダ継続
2013年11月:肺転移・最大径22mmに増大 ⇒ハーセプチン+パージェタ+ゼローダ継続
2014年 5月:肺転移・最大径25〜30mmに増大+15mmの腫瘍あり、腹部リンパ節に腫れが認められる(転移なのか?) ⇒ハーセプチン+パージェタ・(ゼローダ中止)

下記について、教えてください。尚、ハーセプチン、又は、ハーセプチン+パージェタは継続希望です。
1) タキサン系(タキソール・タキソテール・アブラキサン)で、 最も副作用が軽くなる可能性の高い薬剤・投与方法は、何が考えられるでしょうか?
2) タキサン系以外で、脱毛可能性の低い薬剤は何があるでしょうか?
3) カドサイラ単剤、又は、カドサイラ+パージェタは可能でしょうか?

お手数ですが、ご回答をお願い致します。

Kmさん、ご相談ありがとうございます。 私のお答えで少しでも疑問が減れば嬉しく思います。
タキサン系薬剤の副作用ですが、3剤とも脱毛はほぼ70〜80%以上の割合で発生してしまいます。またタキソールとアブラキサンで特徴的な副作用は、「しびれ」(末梢神経障害と言います)があります。タキソテールの特徴的な副作用は、「倦怠感」「吐き気・嘔吐」「発疹」です。タキサン以外で脱毛の可能性が低い乳癌に使用可能な薬剤には、「ジェムザール」「ティーエスワン」などがあります。また最近使用可能となった「カドサイラ」はkmさんに使用可能ですが、「カドサイラ+パージェタ」は、世界的な試験の結果が未発表のため未だ効果があるかどうか不明なため使用できません。副作用については、ぜひご担当の先生と良くご相談なさってから、薬剤を選んで頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.11410】  14年06月26日     K. 
手術後の治療について

手術後の治療について相談します。5月に浸潤性乳がんの左乳房全摘手術をしました。
乳ガン 14mm ER 8 PgR 7
HER2(1+) Ki67 約5%
センチネルリンパ節に術後の検査で0.4mmの転移あり。
悪性度2
主治医はホルモンレセプターが、強いのでホルモン療法を勧めています。乳房全摘出だったので、腋窩の放射線治療はしていません。術後にリンパ節転移がわかった場合、何もしなくても大丈夫なのでしょうか?リンパ節郭清をしていないので、何個くらいリンパ節転移が実際にあるのか不明です。抗がん剤はしなくても良いのでしょうか?

あなたの乳癌は、ER・PgR強陽性でKi67が著しく低いので、ルミナールAというタイプだと思います。ルミナールAは、内分泌療法感受性が高く、化学療法感受性が低いので、基本的には術後内分泌治療のみが勧められます。センチネルリンパ節で0.4mmの転移巣だったなら、これは微小転移と言う範疇に入り通常追加廓清はしません。郭清してもその先にはリンパ節転移が無いことが98%で、もし仮に殆どありえない残りの2%に入ったとしても、ルミナールAなら後年診断された時に追加郭清すれば間に合います。むしろ、今慌ててリンパ節郭清をした場合、20%位の人がリンパ浮腫で悩み続けるだろうことを考えると、何もしないのを選んだ方がずっと得だと思います。(文責 久保内)

 

No.11409】  14年06月26日    E.N. . 
術後の治療方針について

【経緯】
昨年秋、乳がんが発覚しました。トリプルネガティブです。術前化学療法としてドセタキセル4回→FEC4回をやり、5月に全摘&腋窩リンパ節郭清をしました。今日、術後1回目の化学療法をやりました。

【病理検査の結果です】
部位:Left ABCDE
腫瘤の大きさ:全体(浸潤部分+管内性)80×60×15o、最大浸潤部分60×50×7o
組織型:Invasive ductal carcinoma
浸潤度:f
リンパ管侵襲:ly+ 静脈侵襲:v-
断端:皮膚側(-) 筋膜側(-) 側方(-)
効果判定:Grede2a(2/3以上が高度の変化)
リンパ節転移:(+) Total:(5/8)
LevelT(3/6、1個はリンパ節外にも癌細胞あり)、LevelU(2/2)

化学療法後のため、分化度は参考所見
WHO grade 1(total 5 points): Neo-adjuvant Tubule and grand formation:2
Nuclear pleomorphism:2
Mitotic counts:1
取扱い規約 Nuclear Grade 1(total 3 points)
Nuclear atypia:2
Mitotic counts:1

ER:J-score0(陰性)、Allred score 0+0+0
PgR:J-score0(陰性)、Allred score 0+0+0
Hercep test:Score 1+
MIB-1 index:1.3%(7/521)
(以下省略)

【ご相談】
退院後の診療で、術前化学療法後に撮ったMRI画像を見ました。前半のドセタキセル4回終了後の画像では、腫瘍の所々に穴が開いて影が薄くなっているものの、全体の大きさは変わっていませんでした。その後のFEC4回終了後の画像では、ドセタキセル後に影が薄くなっていた所に再び濃い影ができていて、FECは効かなかった(むしろ逆効果?)ことが分かりました。先生は、今後の治療として、化学療法を半年やってから放射線治療をやると言い、「術後の化学療法には標準治療というものがない。次の3つのうちどれがいいか選んで下さい:@ドセタキセル100(投与量が多いので副作用の危険あり)、Aドセタキセル75、Bドセタキセル+ゼローダ(外国の研究でドセタキセルとゼローダの併用で効果が上がった)」と提案しました。私は、とにかく早く治療を終わらせたかったので、その場で「Bをやります。」と答えました。しかし、その後、ゼローダという薬について調べたら、FECに含まれていた5-FUと同じであることが分かり、術前FECで増悪したのに大丈夫だろうか…と不安になりました。今日の点滴前の診療でそのことを先生に質問したら、「でもドセタキセルは効いたから。」との答えでした。その時はそれ以上突っ込んだ質問はできず、点滴をして帰ってきました。ゼローダを加えることによって、ドセタキセル単独の場合よりも効果が減殺されてしまわないでしょうか? 効果が減殺されないとしても、ドセタキセル単独の場合と変わらないのであれば、わざわざ副作用のリスクと高い医療費を負担してゼローダを上乗せする意味がないので止めたいと思います。またそもそも、術前化学療法をやったのに、術後化学療法を半年もやるというのはあまり聞かないので、どうしてだろうと考えてしまいます。主治医ははっきり説明してくれませんが、トリプルネガティブでリンパ節に5個も転移があったので、近々再発する可能性が高いからなのでしょうか? 専門家の先生のご意見を伺いたく投稿しました。どうぞよろしくお願いします。

まず、術前化学療法をしたのに、追加で術後化学療法する理由ですが、標準的治療で必ずしも十分な効果が得られない(完全寛解を得られなかった症例全てにとはいえませんが)場合、切除部位を超えて残っているかもしれない癌細胞を駆逐する目的で術後化学療法を加えるのは有り得ます。内分泌療法の効果が望めるルミナール乳癌なら内分泌治療も一手ですが、化学療法しか手段が無いトリプルネガティブ症例では、必要なことでしょう。その際に術前治療を参考にして投与薬剤を決めるのが、ベストと考えます。
主治医の先生が言われるように、「術前化学療法の効果が今一つであった場合に、術後追加する化学療法に標準治療は無い」のです。しかし術前にしろ術後にしろ、補助化学療法でしょうから、(FECのような)アンスラサイクリン中心のものと、(ドセタキセルのような)タキサン中心のものの2種類を通常考えます。再発治療において併用効果があったドセタキセルとゼローダの併用を提案されたのは、より効く治療を目指してのことと考えられ、良く言えば主治医の先生の愛情だと思います。術前治療でFECがむしろ効いていないようですので、この際ドセタキセル中心で行くのは良いように思います。FECの中には確かに5-FUは含まれていますが、FECはあくまでアンスラサイクリン(E:エピルビシン)の作用であり、ゼローダは5-FUの副作用を弱めて効率良く大量の5-FUを組織に移行させ得るために作られた製剤ですので、試してみる価値は有るかと思います。ただし、ドセタキセル単剤より副作用が強く出る可能性があることは、念頭に置かれてよいと考えます。(文責 久保内)

 

No.11408】  14年06月24日    C.S. 
再発でしょうか?(HPNo.10901-2)

1年半ほど前に、No.10901で相談させていただきました。その節はありがとうございました。
1年半ほど前に重症の乳腺炎にかかり、2度切開排膿しました。うち1度は入院、全身麻酔したうえでの切開でした。その後傷はふさがりましたが、まだ細かい膿が残っているということで半年ごとに経過観察を兼ねて検査や診察を受けています。検査を受けるたびに徐々に膿が小さくなっているようでしたが、先月末くらいからまた傷口回り(傷口は乳輪のぎりぎり内側です)や乳輪、乳房など周辺にしこりを感じるようになりました。最近はそのしこりがずいぶん大きくなった感じで触ると痛いです。でも前回と違ってしこり以外に高熱が出たりとかはありません。これは乳腺炎の再発なんでしょうか?それとも乳輪下膿瘍など別の病気の可能性もあるでしょうか? 来月半ばに半年ごとの診察日があるんですが、そこまで様子をみていいのか、受診を早めるべきか悩んでいます。

再燃する乳腺炎の場合、傍乳輪下膿瘍や肉芽種性乳腺炎等の難治再発性の疾患も考慮に入れる必要があります。2回切開排膿していて腫瘤・熱感・疼痛等の炎症様の所見がある場合、こういったことを念頭に置き、なるべく大きくしないうちに受診した方が良いでしょう。最近では、傍乳輪下膿瘍や肉芽種性乳腺炎とCorynebacterium Kloppenstedtiiという特別な細菌との関係が取り沙汰されており、抗生剤も通常のものが効きにくいことも有るようです。受診して、良くご相談なさった方が良いと考えます。(文責 久保内)

 

No.11407】  14年06月24日     R 
再建後の治療(HPNo.11110-2)

以前、こちらで以下の質問をさせていただきました。それでまた質問させてください。
先日、1年後の検診を受け、腫瘍マーカーがNCC-ST-439が23まで上がってしまいました。その他の腫瘍マーカーも基準値内でありながら、再検査でじわじわと上がっています。DCISですので、取り切れていれば完治できるという希望のもとに治療していましたが、再発の可能性も出てきてしまいました。現在は、PETの検査待ちです。やはり、癌が残っていたと考えていいのでしょうか? 今後、どうしたらいいのでしょうか? 教えてください。

NCC-ST-439は、再発では無い患者さんでも40位まで上がることがあり、他の腫瘍マーカーに比べて高値だからと言って、それ程心配なさることはありません。右肩上がりに増え続けていて、他のマーカーも正常上限を超えるようなら、画像診断等考えて良いでしょう。No1.の方と同じように、腫瘍マーカーの上下で余り敏感になる必要は無く、PETも本当に必要なのでしょうか? 画像診断や今後のマーカーの推移を見ておけば良く、病理診断が正しくDCISだとしたら、ほぼ再発は考えられないと思いますが…(文責 久保内)

 

No.11406】  14年06月24日     mammy   
CA15-3値が下がりません

いつもとても参考になり、拝見させていただいてます。2月末に乳がんの手術を終え(ステージ2、リンパ節転移あり、温存療法)、先日術後3ヶ月検診がありました。エコーやマンモではとくに異常なしだったのですが、血液検査の結果をみたところ、CA15-3とCEA値が下がっておらず、むしろ上昇していました。これはガンがまだ体内にあるということでしょうか。現在はタモキシフェンを服用中です。数値はCA15-3が16.4、CEAが2.3です。41歳という年齢ですが、LH-RHアゴニストもした方が良いでしょうか。不安な要素が出てしまい落ち着きません。ご回答よろしくお願いいたします。

この値ではCA15-3もCEAも正常範囲内と思います。多くの場合再発している乳癌のうち、腫瘍マーカーが正常値を超えている場合に、有効ならば下がり無効ならば上がるというように、治療の効果が有るかどうかを見ることが多く、正常値を超えて右肩上がりで増えている場合に再発を疑うというように使います。従って、正常範囲内での多少の上がり下がりは、腫瘍の存在とは関係ないと考えてください。Stageや内分泌感受性にもよりますが、上記腫瘍マーカーの動きとは別に考えて、41歳という年齢での術後内分泌療法なら、LH-RHアゴニストは考慮されても良いと思います。(文責 久保内)

 

No.11405】  14年06月17日     T  
乳がん疑い

以前にも相談させて頂いています。2012年 針生検で乳腺症。2013年2月にマンモトーム1回目で乳管内乳頭腫。2013年8月にマンモトーム2回目で乳腺症を認め、フラットタイプの異形乳管上皮を認める。経過観察していて、今回前方境界線が断裂しているように見え、画像上強くDCISあるいは浸潤があってもおかしくない悪性を疑うとの所見でした。担当医は、しこりの摘出をするべきとの考えです。問題は胸の下半分をしめる部分がMRIで白くなっていて、しこりだけを取った後の形を考えると、全摘して再建の方がスマートで、一度の手術で終わるメリットがあると聞きました。理解はできるのですが、自分自身も経過観察で不安もあり手術を受けようと考えていますが、病理が確定診断と聞いてるので、臨床上強くガンを疑う事だけで手術すべきなのか悩んでいます。アドバイスをよろしくお願いします。

がんの診断が病理検査でついていない患者さんに、乳房切除や再建術を行った結果ががんでなかった場合、揉めることが多々あります。全部取らなくてもよかったのではないか、経過を見ていたら本当にがんが出てきたのか、思ったような形に再建できなかった、などなど。個人的には、病理診断が付いていない患者さんに再建を伴う手術は選択しません。しこりの一部の切除生検を行って、がんが出なければ、経過観察を勧めています。(文責 緒方)

 

No.11404】  14年06月17日     O 
温存か全摘か?

初めて相談します。しこりは左胸上3p弱、HER2,1+、ER/PgR共に+・10%以上・高度、ki‐67は14%、リンパへの転移は有りません。1/4切除後、放射線治療無し、ホルモン剤及び抗がん剤を2年程度服用と言われました。副作用や再発を考えると、全切除も考えましたが、温存できるものを全部切除するのもと迷っています。術前にユーエフテイとフエマーラを飲んでいます。宜しくお願いします。

まずは、Oさんが「1/4切除後、放射線治療無し、ホルモン剤及び抗がん剤を2年程度服用」と言われた内容に、いささか違和感を覚えます。温存手術と術後の放射線治療を組み合わせて温存療法と呼びます。つまり、セットのようなもので、温存手術(1/4切除も含まれます)を選択される場合、放射線治療は必須です。手術後の乳房内再発が照射で半減するからです。ただし、年齢が75歳以上の場合、照射をしない施設もあります。温存か全摘かで迷われていますが、たしかに乳房内再発は全摘を選択すればなくなります。一方、温存術を選択される場合、乳房内再発を減らす意味で放射線治療は受けるべきです。ただし、いずれの手術も、遠隔転移(他の臓器への転移・再発)には影響しません。再発率は、全身治療を受けるかどうかで変わって来ます。Oさんの場合、フェマーラを5年間内服すると、内服しない人と比べ遠隔転移が減るわけです。ちなみに、ホルモン治療と化学療法(UFT)の併用は一般的ではありません。フェマーラは、5年間の内服が一般的です。(文責 緒方)

 

No.11403】  14年06月17日    M.O.
術後5年以降のホルモン療法の継続

いつも相談室を拝見しており、ご回答くださっている先生方に大変感謝しております。2009年7月に右全摘手術を受けました。術後まもなく5年になります。病理の結果、再発リスク中程度となり、同年8月からTC4回→11月からアロマシンを服用しています。病理結果は以下のとおりです。
腫瘍径 3.0×2.9×1.8、 エストロゲン、プロゲステロンとも90%以上の強陽性、 Her2陰性、 グレード2、 リンパ管侵襲+、静脈侵襲−、 リンパ節転移−(センチネルリンパ節生検の結果)
当時48才で、抗ガン剤により生理がとまったため、アロマシンによる治療となりました。当初5年の予定でアロマシンの服用を始めましたが、最近ホルモン療法は5年より10年のほうが治療成績が良いとのことで、10年に延長される傾向にあるようです。「閉経前の人は10年のほうがよい」「再発高リスクの人は10年、低リスクの人は5年」とも聞きました。FSHとE2を年に1回計っていますが、E2は10程度ながらFSHは高値です。再発リスクは中程度です。このような場合、ホルモン療法は10年のほうがいいでしょうか。

先日、発表されたASCOのガイドラインで、ホルモン治療の期間が延長されました。閉経前後に使用されるタモキシフェンが5年から10年に延長されたわけですが、閉経後に使用されるアロマターゼ阻害剤の投与期間は、現在も変わらずに5年と考えられています。したがって、M.O.さんの場合、アロマシンの内服は5年で終了です(ちなみに、アロマシンを内服して、かつ「E2は10程度ながらFSHは高値」の状態は、確実に閉経と考えられます)。そして、再発リスクが中程度(現在はあまり使われない分け方です)であろうがなかろうが、M.O.さんが5年以上のホルモン療法を受けた方が良いとする根拠が、今はない状況です。ですから、5年以上のホルモン療法を希望される場合、タモキシフェンを追加で5年使用するという選択になります。最終的に、11月以降にタモキシフェンを追加するかどうかは、主治医の先生とよくご相談下さい。(文責 緒方)

 

No.11402】  14年06月17日    M.N.   
新たに早期の非浸潤がん

約8年前に温存手術(径2センチ、リンパ節転移無し、放射線ホルモン治療) をし、今回新たに早期の非浸潤がん(一部浸潤)が見つかり、手術することになりました。再発ではなく、新しいものだと言われました。その術前の血液検査で、NCCーST439の数値が12とでてしまいました。毎年の定期検査では、CEー15ー3など他の検査項目はあったのですが、NCC…は何年も検査しないなかったようで、主治医からは「今回の手術をして数値が下がれば問題ないし、それで下がらなかったら半年後にまた検査しよう」と言われました。しかし、私なりに色々調べると、早期がんでは殆ど数値があがらないとのことで、そうなると、その値は今回の乳ガンに対してではなく、8年前のがんの遠隔転移、もしくは他の臓器に新たながん、の可能性もあるのかなと不安になりました。新たながんで特に気になるのは、子宮がんです。

1) 術後8年以降で遠隔転移を起こすこともありますか?
2) 8年前から婦人科でガン検診はしてきましたが、ここ2年程行っていません(2年前の検査では異常なしでした。しかし、その前はたまに軽度異形成になることはありました)。 もしこの2年で子宮頸がんになってしまっていた場合、その数値が上がることもありますか?

よろしくお願いします。

1)一般的に、術後8年で遠隔転移はありますが、M.N.さんの場合は、乳房にがんが出来たので、8年前と同じ側(右乳房なら右)なら局所再発、反対側なら遠隔転移になります。これは、8年前のがんが再発した場合です。新しくできたがんなら、話が全く違ってきます。再発かどうかは、最終的には切除したがんの病理結果を照らし合わさないとわかりません。
2)専門外なのでわかりません。ただ、腫瘍マーカーは、診断に用いるには適さない指標です。まずは、乳がんの治療を先行させて、それからにしてみてはどうでしょう。(文責 緒方)

 

No.11401】  14年06月17日    M   
良性のしこり(HPNo.11394-2)

前回No.11394 胸の張りと痛みについて相談しました。回答ありがとうございました。先週、乳腺外科を受診して、視触診、マンモグラフィ、乳腺エコーを受けました。一ヶ所にシコリが見つかり、細胞診をしました。今日きいた結果、良性でした。教えてほしいのですが、経過観察で半年後に再検査の予約をとりましたが、良性が悪性に変わることありますか?ま た今後気をつけることありますか? よろしくお願い致します。

良性のしこりが悪性に変わることはありません。6ヶ月後の受診は、しこりの大きさやその他の乳腺に変化がないことを確認する意味があります。また、今後気をつけることは、定期的に受診することです。(文責 緒方)

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