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相談室(No.11501〜11600)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

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なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。


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目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

11600 15/02/12 S.O. 抗がん剤(HPNo.11559) 加藤
11599 15/02/12 まみぞう 0.58センチのしこり 加藤
11598 15/02/12 主治医に触診をされたことがない 齋藤
11597
11597-2
11597-3
11597-4
15/02/12
15/02/18
15/03/18
15/04/15
JM 核異型度と抗がん剤の要・不要
核異型度と抗がん剤の要・不要(2)
ホルモン療法(2剤)について
ホルモン療法(2剤)について
清水
清水

石川
11596 15/02/12 サラ 余命について 清水
11595 15/02/12 抗がん剤治療 清水
11594 15/02/12 トリプルネガティブ乳癌 清水
11593 15/02/10 N.Y.  再発後の治療について 齋藤
11592 15/02/10 術後の治療について 齋藤
11591 15/02/10 E.C. 全摘の必要性について(HPNo.11581) 齋藤
11590 15/02/10 M.Y.  術後治療についてのご相談 齋藤
11589 15/02/10 術前の不安 齋藤
11588 15/02/10 P  マンモグラフィーの被曝 齋藤
11587
11587-2
15/02/03
15/02/27
I  ホルモン剤の変更
ホルモン剤の変更(2)
久保内
鈴木
11586 15/02/03 Y  センチネルリンパ節生検は必要か 久保内
11585 15/02/03 Y.N 今後の治療について 久保内
11584
11584-2
15/02/01
16/05/11
タモキシフェン
今後の治療について
久保内
石川
11583 15/02/01 T.O.  局所再発について 久保内
11582 15/02/01 要精密検査 久保内
11581
11581-2
11581-3
15/02/01
15/02/10
15/03/25
E.C. 再手術と抗がん剤の必要性について
全摘の必要性について
両側性乳がんについて
久保内
齋藤
俵矢
11580 15/01/21 乳頭からの微量の出血 緒方
11579 15/01/21 I  相談2件 緒方
11578 15/01/18 授乳中の血乳 緒方
11577 15/01/18 H.M. 乳がんステージWの治療の緊急度について 緒方
11576 15/01/18 術後の全身治療について 緒方
11575 15/01/14 乳がんと診断されました 大西
11574 15/01/14 A  乳管内乳頭腫疑いと妊娠 大西
11573 15/01/14 あさこ 乳がん発覚、今後について 大西
11572 15/01/14 Y お返事ありがとうございます(HPNo.11570) 大西
11571 15/01/14 N.K. 今後の治療について 大西
11570
11570-2
15/01/07
15/01/14
術後の治療について
お返事ありがとうございます
石山
大西
11569 15/01/07 MK 皮膚転移?(HPNo.11043) 石山
11568 14/12/31 E2の数値が上昇しています 石川
11567 14/12/31 甲状腺に腫瑠が見つかりました 石川
11566 14/12/31 LH-RHアゴニスト製剤(HPNo.11556) 石川
11565 14/12/31 さくら 左乳房の皮膚と左乳頭の感覚 石川
11564 14/12/31 R  再発の可能性が高いのでしょうか? 石川
11563 14/12/31 S.O.  抗がん剤(HPNo.11559) 石川
11562 14/12/24 MK 経過観察 吉田
11561 14/12/22 O いきなり5センチです 吉田
11560 14/12/22 M  今後の治療について 吉田
11559
11559-2
11559-3
14/12/22
14/12/31
15/02/12
S.O.  術後の抗がん剤の有無について
抗がん剤
抗がん剤
吉田
石川
加藤
11558 14/12/22 S  術後、抗がん剤の上乗せ効果について 吉田
11557 14/12/22 Y.N. 術後のセンチネルリンパ生検と、今後について 吉田
11556
11556-2
14/12/22
14/12/31
M 抗がん剤について
LH-RHアゴニスト製剤
吉田
石川
11555 14/12/19 K.N.  今後の治療について 浜口
11554 14/12/19 M 再発の種類と治療方法について 浜口
11553
11553-2
14/12/19
15/02/15
H 腫瘍マーカー
ホルモン治療薬
浜口
清水
11552 14/12/18 Y 術後補助療法の選択について(2)(HPNo.11506) 清水
11551 14/12/16 E  子宮筋腫と乳がん治療について 浜口
11550 14/12/16 N.T.  半年の間に急変しないのか? 浜口
11549 14/12/16 N マッサージ 浜口
11548 14/12/16 A 血性乳頭分泌物 浜口
11547 14/12/07 E  筋肉痛 徳田
11546 14/12/07 Y  センチネルリンパ節生検 徳田
11545 14/12/05 M  術後血液検査の間隔 徳田
11544 14/12/05 S 乳頭が大きくなってしまいました 徳田
11543 14/12/05 P 今後の治療について 徳田
11542 14/11/30 Y.N.  術後治療の選択について 俵矢
11541 14/11/30 K.M. 妻の乳がん(HPNo.11455) 俵矢
11540 14/11/30 O.T. 乳ガン治療全般について 俵矢
11539 14/11/29 A 今後の治療について(HPNo.11527)
11538 14/11/29 K ホルモン剤治療中の不正出血について
11537 14/11/24 M 女性ホルモン膣剤について 高橋
11536 14/11/24 アリス ナベルビンについて 高橋
11535 14/11/24 Y  ゾラデックスと化学療法の同時進行について(HPNo.11487)
11534 14/11/24 G  3.6ミリのしこり
11533 14/11/24 T 非浸潤がんの転移?
11532 14/11/19 S 抗がん剤の減薬、中止について(HPNo.11484) 高橋
11531 14/11/19 T セカンドオピニオン 高橋
11530 14/11/19 T.O   ホルモン治療前の採卵について 高橋
11529 14/11/16 抗ホルモン治療の副作用について 須田
11528 14/11/16 化学療法の薬の選択 須田
11527
11527-2
14/11/16
14/11/29
術後の治療について
今後の治療について
須田
11526 14/11/16 YIN 術前ホルモン治療の有効性について 須田
11525 14/11/10 M  排卵日後から乳房の張り、乳房の痛み、乳首も痛い 須田
11524 14/11/10 M・I  再発、転移の可能性 須田
11523 14/11/10 Y   今後の治療についてA 須田
11522 14/11/10 OT 術後補助療法について 須田
11521 14/11/10 Y.O. 葉状腫瘍について 須田
11520 14/11/10 M.T.  フェアストンについて 須田
11519 14/11/10 アキ  抗がん剤治療と病理判断について(HPNo.11507) 須田
11518 14/11/10 C.K. カテゴリー3 須田
11517
11517-2
14/11/05
15/04/17
T Y 乳房温存手術後の治療について
LH-RHアゴニスト製剤の使用について
鈴木
石山
11516
11516-2
14/11/05
14/11/10
今後の治療について
今後の治療についてA
鈴木
須田
11515 14/11/03 転移について 鈴木
11514 14/11/03 腫瘍マーカー上昇(HPNo.11483) 鈴木
11513 14/11/03 海外での治療による不安(HPNo.11487) 鈴木
11512 14/11/03 再発について(HPNo.11499-3) 清水
11511 14/11/02 アキ 術後の治療方針について(HPNo.11507) 清水
11510 14/11/02 乳頭からの分泌物について 清水
11509 14/11/02 S  術後治療について(HPNo.11490) 清水
11508 14/11/02 M.T. IPMNと白血球減少について 清水
11507
11507-2

11507-3
14/10/30
14/11/02
14/11/10
アキ 術後の治療方針について
術後の治療方針について(2)
抗がん剤治療と病理判断について
清水
清水
須田
11506
11506-2
14/10/30
14/12/18
術後補助療法の選択について
術後補助療法の選択について(2)(HPNo.11506)
清水
清水
11505 14/10/30 再発について(HPNo.11499) 清水
11504 14/10/30 経過観察(HPNo.11492) 清水
11503 14/10/25 MK 病理検査の結果について 齋藤
11502 14/10/23 タモキシフェンと蕁麻疹(HPNo.10058) 清水
11501 14/10/23 海外での治療による不安(HPNo.11487) 清水

)

No.11600】  15年02月12日    S.O.
抗がん剤(HPNo.11559-3

いつも回答いただきましてありがとうございます。私は9月中頃に手術したため、もう術後5カ月が経とうとしております。ですが前にアドバイスいただいた抗がん剤にふみきれていません。ホルモン療法ではタモにリュープリンを併用している状況ですが、これでは私の病理結果等(11559)からですと術後の治療としては不完全ということでしょうか。抗がん剤の上乗せ効果に10%ほどとありましたが、これは術後無治療に対しての数字なのでしょうか。それともホルモン剤を中断して抗がん剤をした場合なのでしょうか。抗がん剤をしていなかったことが毎日不安でなりません。よろしくおねがいします。

術後補助療法によって実際に恩恵を被れるかどうかを予測することは難しく(将来的には可能になるかもしれませんが)、現状では手術結果等をもとに、受けるかどうかを考えていくことになります(これで大丈夫だ、足りなかったと判断できるものでもありません)。前回の回答医はホルモン療法にプラスしてとの意味で申し上げたのではないかと思います(裏返せば90%の方は受けても受けなくても運命は変わらないことになります)。抗がん剤をしていなかったことで、日々不安が募り、Oさんにとって悔いが残るようでしたら、これから受けることも可能であると思われますので、主治医と相談なさってみてはいかがでしょうか?(文責 加藤)

 

No.11599】  15年02月12日    まみぞう
0.58センチのしこり

36歳、1歳半の息子がいます(半年前まで授乳していました。乳腺炎には2度なりました)。先日、婦人科で超音波検診をしたところ、0.58センチのしこりが左胸にあるといわれましたが、先生が触診してもしこりはわかりませんでした。3年前にも超音波検診で経過観察のB判定がでていましたが、妊娠、出産、授乳が1年あり、今にいたります。婦人科の先生は、「脂肪かもしれないし、母乳がつまったものかもしれない。しこりが大きくなるかどうかみたいから、3ヶ月後に再検査に来なさい。」とのことでした。ネットで調べると、0.6センチのしこりでも乳がんの場合があると知り、困惑しています。自分が乳がんかも?と思っているせいか、なんとなく両脇に違和感も感じています。もう一人こどもも欲しかったので、先月まで排卵誘発剤を飲んでいました。
1) 不妊治療はやめた方がいいでしょうか?
2) 乳がんの可能性もありますか? 乳腺外科の受診をすぐにした方がいいですか? それとも、3ヶ月後でも遅くないでしょうか?

1) 特に差し支えないと思います。
2) 担当医の方針通り、3ヶ月後の経過観察でよいと思います。あまり心配なさらずに、次の検査を待ちましょう。(文責 加藤)

 

No.11598】  15年02月12日    K
主治医に触診をされたことがない

43歳、妊娠経験のない主婦です。よろしくお願いします。2年半前、近所の産婦人科医院で、自治体主催の無料乳癌検診(触診とマンモグラフィー)を受けました。しこりはなかったものの、マンモグラフィーに石灰化が写り、総合病院の乳腺外科を紹介され受診。そちらで更なる検査(再びマンモグラフィー、超音波、マンモトーム)を受けたところ、FEA〜ADHとの診断。2年前に手術をしました。病変部はきれいに取れ、癌細胞は出なかったとの説明がありました。その後は同じ乳腺外科にて半年に1度超音波、1年に1度マンモグラフィーを続けており、特に問題なく現在に至っています。ご意見を頂戴したいのは、主治医の先生が触診をしないことについてです。紹介状を持って初めて診察室に入った日から一度も触診をされていません。ずっと同じ先生です。今どきはエコーやマンモグラフィーの画像を見れば全てわかるものなのでしょうか? 乳腺疾患について調べていると、時々「触診は重要」という表現に出会うので心配になっています。ご本人にお伺いするのは大変失礼な気がしますし、こちらから触診して下さいとお願いするのもおかしな気がするしで、どうしたら良いものか…ただし手術後半年ごとに行っている超音波検査の際、毎回ではありませんが、技師が「検査の前に触診します。気になるところはありませんか?」等言いながら乳房を触ることはあります。2年半前の無料乳癌検診で産婦人科の医師が行った触診に比べると時間も短く、世間話のついでにちょっと触っているような印象なのですが…。

ご相談ありがとうございます。 私のお返事でKさんの疑問が少しでも減れば嬉しく思います。さてご担当の先生が触診をなさらないとのご質問ですが、大変お返事に窮するご質問です。それは各医師の診療スタイルであって、触診はどの割合でどのようにやらなくてはいけないという詳細な決まりが無いからです。さらにKさんが乳がんではなく良性疾患であったことも関係しているのかもしれません。ご自身から言いにくいこととは存じますが、自己触診をして気になったのでご担当の先生に見て頂くという方法もあります。私どもが皆さんのお胸を拝見するのは外来という機会しかなく本当に少ないです。ぜひ自己触診も忘れずにお願いしたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.11597】  15年02月12日    JM 
核異型度と抗がん剤の要・不要

今年の年明けに右乳房切除の手術を受けました。 痩せていて乳房が小さく、浸潤がんが皮膚に近いところにあった(表面から見てわかるところにあった)ため、浸潤がんの周りの皮膚も若干切除しました。 41才、閉経前です。
病理の結果は、以下の通りです。
乳頭腺管癌
切除断端 陰性、
浸潤がんのサイズ 1.2×1.1cm(周りに5.2×2.3cmの範囲で非浸潤がんがあり、さらに乳頭をはさんで対極にも2.0×1.9cmの非浸潤がん、その他にも微小な非浸潤がんがいくつかあったとのこと)
センチネルリンパ節転移 なし(0/6個)
核異型度 3
Ki-67 4.9%
ER 陽性(80%)
PgR 陽性(95%)
HER2 2+、FISH法で陰性

主治医の先生からは、ホルモン陽性、HER2陰性なので、術後はホルモン療法のみでよい(再発の可能性10%程度、ホルモン療法でそれを4割程度下げることができる)と言われました。確かに、St.Gallen2013の表からすると、ルミナルAのようなので、ホルモン療法だけでもいいようにも思えますが、核異型度3であったことと、非浸潤がんが広範囲にわたっていたことが気になっています。 ネットや本などで調べると、核異型度3は、やはり悪性度が高く、再発率が高い(だいぶ前のようですが、1、2の5年生存率90%以上に対して、3だと81%程度、との研究結果もありました)、と書いてあり、数年前までは、「核異型度3」も抗がん剤治療を受けたほうがよいとされる因子のひとつだったようですが、現在ではどうなのかがわかりません。 (最新のSt.Gallen2013の表には核異型度に関する記載がないようです)
主治医の先生は、「核異型度は気にしなくていい」、「(2009のSt.Gallenの表を見て)これは古いから」と言われましたが、気にしなくていいものなら、なぜ検査があるのでしょうか?

1) 現在の核異型度の検査結果の扱いについて (抗がん剤の適用に影響しない、あまり重要度のない因子なのかどうか)
2) 非浸潤がんが広範囲にあったということは、他にも微小ながんがある可能性が高いということか
3) 上記病理結果の場合、本当に化学療法は不要なのか

について教えていただけないでしょうか?  よろしくお願いいたします。

1) 最近は核異型度よりKi67を重視する傾向です。核異型度というのは例えば、人の顔を見て、この人は悪いことをしそうな顔をしている、良いことをしそうな顔をしている、普通の顔をしていると3つに分類するようなもので、見た人の主観による差もあるのであまり信頼度の高い指標ではありません。それに代わって、最近はKi67が増殖因子のマーカーとして用いられるようになってきました。あなたの場合、NG3ですが、Ki67が4.7%と非常に低いので、おっしゃる通りLuminal Aです。ですから化学療法のメリットは小さいと考えます。
2) そうかもしれませんし、ちがうかもしれません。しかし、全摘をしたのであれば、微小な浸潤がたくさんあったからといって予後に影響を及ぼすことはありません。
3) 1)でお答えしたように抗がん剤のメリットは小さく、抗がん剤の副作用は強いです。ですから、効果と副作用のバランスを考えると抗がん剤治療はお勧めしません。しかし、メリットが全くないという訳ではありませんから、抗がん剤の副作用は厭わないので、たとえ1%でも生存率を高めたいと考えるならば、抗がん剤治療を行うという選択肢もあると思います。(文責 清水)

 

No.11597-2】  15年02月18日    JM 
核異型度と抗がん剤の要・不要(2)

お世話になります。わかりやすいご回答をいただきありがとうございます。当初は数%でも再発率を下げられるなら、と考えていましたが、ここ数日抗がん剤によるデメリット(副作用、2次がん、免疫力低下、など)についての情報をいろいろ見て、少し抗がん剤が怖くなっていたところです。主治医から聞いた再発リスク10%程度というのが何を根拠にした数字か確認し損ねたのですが、こういう数字は何をもとに算出するのでしょうか? Adjuvant onlineというサイトがあることを知り、自分でやってみようとしましたがよくわかりませんでした。グレード3の5年生存率が81%というのは、10年位前の国立がんセンターの研究結果のようなのですが、これは古いので気にしなくていいでしょうか? 再発リスクを知るためにオンコタイプという検査を受けることも少し考えていますが、私の病理結果だと、そこまでする必要はないでしょうか? (今からすると術後3ヶ月位になってしまうので、遅いでしょうか?) 再度の質問でお手数おかけしますが、よろしくお願いいたします。

再発のriskの算出は基本的には過去のデータから算出します。その元になるデータは、その病院独自のデータ、教科書的なデータ、外国の文献にある外人の最新データなど様々ですが、大きくは異なりません。しかし、10年前と現在では術後治療方針やガイドラインは異なっており、10年前のデータは参考にする程度、おおよその目安と考えてください。Adjuvant Onlineというのは臨床試験が盛んな米国で臨床試験に登録された患者さんのデータを用いているので、データの基本情報が正確なことと、予後の判明率が高いことが特徴で、かなり正確であると言われています。しかし、米国人の情報であって日本人にもあてはまるのかという疑問を呈する先生もいます。ちなみに貴女のDATAをAdjuvant Onlineにいれてみると、手術のみで薬物治療無治療の場合10年死亡率12%、内分泌療法のみ行った場合4%低下、AC程度の化学療法のみ行った場合3%低下、内分泌療法+化学療法両方行った場合6%の低下となりました。ちなみに他病死は2%です。
Oncotype Dxというのは、21個の遺伝子を用いて、リンパ節転移(—)ホルモン受容体(+)Her2(-)の方の術後治療が、内分泌療法単独で良いのか、化学療法を上乗せするメリットがあるのかを調べてくれる検査です。切除標本の一部を米国に送って調べるので、検査結果が判明するまでに約一ヶ月くらいかかること、保険が利かないので40万円くらいかかることなどのデメリットもあります。あなたの場合、Adjuvant Onlineでは内分泌療法を行った場合の10年再発死亡率8%が、化学療法の上乗せで更に2%低下するわけです。その2%という数字が化学療法の副作用を考慮した時に大きいと考えるか、小さいと考えるか、判断に迷うようようなら40万円出して別の見方で化学療法を加えた場合のメリットを推測するかだと思います。(文責 清水)

 

No.11597-3】  15年03月18日    JM 
ホルモン療法(2剤)について

お世話になっております。前回・前々回ともに、とてもわかりやすく、丁寧なご回答をありがとうございます。結局抗がん剤治療は行わず(オンコタイプの検査も行わず)、ホルモン療法のみで治療を進めることになりました。先月後半から経口のタモキシフェン(ノルバデックス)を開始し、今月後半から注射でのLH-RHアゴニスト(ゾラテックス)を開始する予定です。ただ、LH-RHアゴニスト(ゾラテックス)については、主治医の先生より、「(乳がん学会の患者向けの)ガイドラインにも書いてあるとおり、TAMほど効果についてのエビデンスはまだ確立されていませんが、うちでは年齢が若かったり、リスクが高めの人はLH-RHもやることが多いですが、どうしますか?」というようなことを言われましたが、実際どうなのでしょうか? LH-RHアゴニスト(ゾラテックス)のほうが、タモキシフェンより副作用が強いとの話も聞きますが、それでも多少なりとも再発リスクを抑えられるのであれば、両方やったほうがいいのではないかと考えています。LH-RHアゴニスト(ゾラテックス)も併行して行なったほうが、やはり多少なりとも再発リスクを下げられる可能性が高いのでしょうか? 通常やはりリスクが高めの人は、2剤併行で治療を行うことが多いのでしょうか? また、リスク高め、とはどういった場合でしょうか? 度々申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

今回貴女が悩んでおられること、すなわち閉経前乳がんの術後の方に対しタモキシフェンにLH-RHアゴニストを付加することが再発リスクを果たしてどのくらい下げられるのか、これがわれわれ乳がん専門医にとっての現在の大きな課題の一つです。ですから現時点ではLH-RHアゴニストを加えるのも正解、加えないのも正解、というのが、ガイドラインに基づいた答えということになります。ただし40歳以下の若年の方や再発リスクの高い方の場合は、LH-RHアゴニストを付加する方がよりリスクが下がる可能性も唱えられており、こういったケースでは、より使用される頻度が高いと言えます。しかしながら、再発リスクにも明確な基準はなく、貴女の場合は核異型度が3であるものの、KI-67は4.9と低く、リンパ節転移もなく、腫瘤サイズも小さいことなどより、それほど再発リスクが高いとは言えないと考えられます。以上の事柄を踏まえて、最終的にはご自身で納得された方法が、正しい方法であると私は考えます。(文責 谷)

 

No.11597-4】  15年04月15日    JM 
ホルモン療法(2剤)について

お世話になっております。いつも適格なご回答ありがとうございます。2週間前から、LH-RHアゴニスト(ゾラテックス)を開始しました。タモキシフェン(ノルバデックス)の副作用があまりなかったということもあってか、「3か月のを注射しましょうか?」と言われましたが、副作用が心配だったので、初回は1か月のゾラテックス注射にしてもらいました。

1) 副作用は1か月のものでも3か月のものでも変わらないと言われましたが、実際そうなのでしょうか?(効果も同じでしょうか?) 次回から3か月のものをと言われる可能性が高いと思うのですが、3か月分を注射してしまうと、副作用がきつくなってきたときに途中で薬剤変更や中止ができないのではと心配です。(よほどのことがないかぎり、中止はしないつもりですが、人によっては同じLH-RHアゴニストでも他の製薬会社のものに変更すると副作用が楽になることがある、という話を聞いたことがあります。)
2) ネットで調べると、タモキシフェンが効きやすいかどうかの遺伝子検査やホルモン療法の効果を血液中のエストロゲンの濃度(?)で調べたりすることもあるようですが、これらの効果測定方法は有効かつ必要なものでしょうか? あるいは、月経がとまれば、効いている、と判断していいものなのでしょうか?

よろしくお願いいたします。

1)私の経験では3ヶ月製剤を50人ぐらいに使用しましたが、1ヶ月製剤と副作用の違いは認めませんでした。効果の違いは比較が難しく評価できませんでした。しかし差はないだろうと推察しています。費用は3ヶ月製剤ではかなり割安になります。同一成分とされる薬剤でも、ジェネリック薬品と同じように、製薬会社で副作用も異なってくることはあり得ます。
2)血液中のエストロゲンの濃度で効果測定をすることは臨床的に行われていないと思います。月経が止まらなければ、卵巣機能抑制できていないということになり、効果不十分の可能性が高くなると考えられます。ホルモンリセプターやHER2発現などの状況によって、ホルモン療法の効果予測をしているのが現状です。乳癌組織の遺伝子ファイリング(Oncotype DX、MammaPrint検査など)は内分泌療法が適応とされる症例の中で予後不良と思われる症例、即ち化学療法適用症例の選別に有用であるとされ、保険適応ではありませんが、用いられることがあります。(文責 石川)

 

No.11596】  15年02月12日    サラ 
余命について

何度かこちらで相談させていただき、いつも温かいご回答を頂き、ありがとうございます。今回ナベルビンの治療を3ヶ月続けてのCT検査の結果です。

多発性リンパ節転移(左鎖骨上か〜腋か、右鎖骨上か〜胸筋背側〜腋か、左>右心横隔膜角、縦隔、肺門、上腹部、後腹膜くう)増大したものが多い。
対側乳腺転移ー少し憎悪。
左胸水は増加、胸膜の不整はく厚や結節状構造憎悪、右にもあり、両側癌性胸膜炎、憎悪。
心膜も少しはく厚、心膜にも病変が及んでいる可能性がある。
肺野には非特異的な結節、右上葉の結節も形態からは肉芽腫疑い、ただし右中葉気管支血管束周囲の陰影がやや憎悪、肺転移ないしリンパ節転移を見ている可能性がある。
肝転移疑い、ほぼ不変。
後腹膜癌症、少し憎悪、両側ステント挿入状態。
腹水は少し増加、ダグラスかや肝表にも結節を認め、癌性腹膜炎も疑われる。
骨盤骨やすい体には多発硬化巣あり、多発骨転移、少し憎悪。
左乳癌術後、多発転移状態(多発リンパ節、対側乳腺、両側癌性胸膜炎、肝転移、後腹膜癌症、癌性腹膜炎、肺や心膜も転移の可能性)
病勢は進行しています。

(誤字があると思いますがご了承ください)

転移から3年経ち、治療を続けておりますが、私のたっての希望で、髪の毛の抜けにくい抗がん剤をお願いしている関係上、あまり強い薬の治療はしておりません(ティーエスワン→ナベルビン→今回からハラヴェン&ゾメタをします)。以前は髪も抜けた治療もしておりましたが、身体がきつくて効き目もなかった事から、生活の質を変えたくないので、主治医の先生には相談しながら治療を続けております。術後7年経ち、8年目に入り、現在54歳です(1月現在 CEA 185.9 CA-15-3 4217.0)。お聞きしたいのは、治療をしなければ余命はどの位で、このような治療を続けていけば、平均どの位延命できるのでしょうか? 私は独身で子供も居らず、身内は兄だけです。兄だけには今後のことを話しておきたいし、残り少ないものなら、身体の自由が利くうちにやりたいこともしたいと思っております。主治医の先生にお聞きしたいのですが、先生のお顔を見ると、なかなか聞きだせず、こちらに相談させていただきました。どうかよろしくお願いいたします。

余命がどれ位かは誰にもわかりません。再発後生存期間の中央値は約2年から2年半と言われています。そういう意味では、貴女は平均以上長生きしています。しかしお聞きする病状からは、かなり厳しい状況と考えます。現在重要なことは米国でAdvanced care programingと呼ばれる終末期に向けた準備をすることではないでしょうか。死後の世界は誰もわかりませんが、生前の世界は自分で決められます。自分が人生の最期を迎える時にどうしたいか自分で考えて、できれば文書で、主治医と身近な人(お兄さん)に伝えておくのです。例えば、人工呼吸や心臓マッサージをして延命させて欲しいのか、食べられなくなった時にチューブからの栄養や点滴での高カロリー輸液をして欲しいのか、最後に会いたい人は誰なのか、自分の訃報を誰に伝えて欲しいのか、葬儀はどうして欲しいのか等々、考えて決めなければいけないことは沢山あります。それらを済ませたら、QOLよく少しでも延命できる治療法を選択して、現在できることは何かを考えて、できることを一つずつ行っていくのが良いのではないでしょうか。(文責 清水)

 

No.11595】  15年02月12日    T 
抗がん剤治療

50才 愛知県在住です。2009年12月乳ガン手術、2010年1月〜抗がん剤治療・放射線・ホルモン治療。2014年12月、5年目検査で遠隔転移性肝臓転移が見つかり、ホルモン治療注射1回終了。3回注射後、再検査で今後抗がん剤を始めるらしいです。最初の治療で副作用がひどく、白血球が100迄下がり、再入院したので、抗がん剤治療はしたくないです。入院時の病院側の接し方が最悪。5年間前向きに治療や仕事を続けて来たので、今回の転移がショックで、前向きに考えることができず精神的にまいっています。

乳がんを手術した方であれば、確率が高いか低いかの違いはありますが、皆さん再発、転移のリスクを背負って生活しています。転移したとわかったことは大変にショックなことですが、最近は治療薬の種類も増えています。あなたのがんに合った治療を探して、前向きに治療を進めることをお勧めします。病院に不満があるようなら転院することも考えて、自分で納得のできる治療を受けることをお勧めします。(文責 清水)

 

No.11594】  15年02月12日    K
トリプルネガティブ乳癌

現在63歳です。トリプルネガティブ乳癌、ステージ1で、リンパ節転移なし、悪性度3の乳癌にかかり、術後丸6年が過ぎ、現在経過観察中です。半年前に、エコー・CT・腫瘍マーカーの検査をして、異常なしでした。 ここ2ヶ月くらい左腰に鈍痛があり、夕方になると立っていられないくらいに痛みが強くなります。就寝時は仰向けに寝ていると、痛みはほとんどありません。明け方になると、寝返りをうつときに痛みが出てきます。また、今日赤褐色の出血が少しありました。子宮がんの検査も半年に1度定期的に受けていますが、とくに異常はありませんでした。トリプルネガティブ乳癌の場合、術後2〜3年に再発が多く、5年以降はほぼないという話を聞いたことがありますが、本当ですか? 痛みの原因はどういったことが考えられますか? 少し不安です。よろしくお願いします。

確かにトリプルネガティヴ乳がんでは5年以降の再発は少ないと言われていますが、全くないわけではありません。腰痛の原因はいろいろありますが、乳がんの術後で腰痛が出てきたら、やはり骨転移の有無を検査すべきだと思います。(文責 清水)

 

No.11593】  15年02月10日    N.Y.
再発後の治療について

1月末に針検査の結果、再発が判明してしまいました。今回針検査の結果はグレード5でした。余り良い状況じゃないようです。現在PET、CTの結果待ちで、治療に入ります。余り時間がないので、結果を待たずにご質問させて頂きます。
2008年8月 左胸グレード2、大きさ1センチ、リンパ転移なし、複数腫瘍あり、ホルモンレセプター+ 陽性、HER2陰性、切除断面3か所で、非浸潤ガンで陽性となっていた。
2008年11月 全摘再建手術、乳がんの遺残があった、すべて非浸潤ガンであった。再建後、ホルモン療法リュープリン3年 フェアストン5年。
2014年5月 高エストロゲン数値の為、子宮筋腫の為両卵巣と子宮全提出、。その際の同病院の婦人科の先生より、過去のデータを遡り、ホルモン療法治療中のエストロゲンの数値が700であり、ホルモン療法が出来ていなかったと言われました。
2015年1月 一番最初の手術したところの上部皮膚に再発。傷跡にそって、7ミリ×5ミリのしこりを発見 細長い形でしたが、2週間で形が変わってきているようです。針を刺したとき複数5回位刺しておりました。広がってきているように感じがします。

現在50歳ですが、卵巣を全て摘出しているのに、腫瘍が大きくなるということは、進行がんということでしょうか。現在アナストロソールを1週間服用しております。結果待ちなのでなんとも言えませんが、主治医はしこりの部分を切除し、放射線治療をするとのことです。まだPET検査の診断待ちなので、転移の可能性もあるので、なんとも言えませんが、結果次第で、すぐに手術で皮膚を切除してしまいます。質問ですが、再発した場合は、全身にがん細胞が広がっている場合が殆どだと。転移していなかった場合
@ 腫瘍を残して、腫瘍がなくなるまで放射線や抗がん剤で治療する。
A シコリ部分付近を切除し、放射線治療。

@を選択することは、意味のないことでしょうか。過激な治療と思われますか。

ご相談ありがとうございます。 再発といわれ、さぞ驚かれ、またショックをお受けだと思います。私のお返事でN.Y.さんの疑問が少しでも減れば嬉しく思います。N.Y.さんの病気の経過を整理させて頂きます。左乳がん全摘再建術後約6年5ヵ月の皮膚への再発で、他の臓器への転移は検査の結果待ちの状態です。術後の治療はホルモン療法を5年間お受けになり、さらに婦人科で両側卵巣と子宮を切除されているのですね。ご相談内容からの不明点は、術後のホルモン治療がいつまで行われていたのか、再発した癌がホルモン療法に反応するタイプかどうか等です。一般的に術後ホルモン治療終了後1年以上経過している場合と、1年以内では、多少ホルモン治療が変わることがあります。N.Y.さんは卵巣切除なさっているため閉経後と判断して、再発部位がホルモン療法に反応するタイプであれば今のアナストロゾール内服をお勧めします。また局所再発のみの場合ですが、ガイドラインでは可能であれば外科的切除を考慮してもよいとなっています。ただし局所切除しても再々発の割合は6〜7割あり、全身転移を抑えることができるわけではないと言われています。したがって現在のホルモン治療の効果を判定する目的で、あえて切除せずに残しておくという考え方もあります。またPET検査などで局所転移以外の転移がなければ、現時点でがん剤は不要と考えます。PETの検査結果が判明した後に、再度ご担当先生と良くご相談なさって、手術等についてお決め頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.11592】  15年02月10日     C
術後の治療について

質問の場を与えて頂きまして、ありがとうございます。46才既婚、妊娠歴なし、不妊治療を10年程前に2年間行うが、着床に至らずの私です。昨年8月、初めて受けたマンモでカテゴリー5、9月の細胞診で乳がん告知、11月6日に温存手術(腫瘍の大きさが小さいことから術前は浮腫の方がこわく、センチネルリンパ節生検を私の希望でやめてもらいました)。12月18日に以下の病理結果が出ました。
・浸潤性乳管癌乳頭腺管癌
・腫瘍の大きさ11×9×8ミリ
・ホルモンレセプター ER+++ PR+++
・HER-2 +- FISH陰性
・Ki-67 85%
・核グレード3

治療は、・抗がん剤(12月22日1回目1月13日2回目終了)TC4クール3ヶ月 そのあと ・放射線1ヶ月 ・ホルモン療法5年 となりました。術前の超音波で約1センチだったので、術後は放射線はしなければいけないとの認識だったので、ショックを受けました。でも、細胞増殖能の高さが半端でなく(ここまで値が高いのは、ネットで見てもありませんでした)、核グレードも高いので、抗がん剤を勧められ、治療を行っています。逆に、細胞増殖能、核グレードがこんなに高いのに、抗がん剤4クールだけで足りているのかが、心配です。治療内容が不足していないか、お聞きしたいです。なお、センチネルリンパ節生検をしていないので、リンパ節への転移の有無、程度は不明です。MRIとX線CTはやっていますが、骨シンチは、主治医から話がなかったので、やっていません。 よろしくお願いいたします。

ご相談ありがとうございます。術後の結果が予想外とのことで、ショックでしたね。私のお返事でCさんの不安が少しでも減れば嬉しく思います。今回リンパ節の情報が全くありませんので、術後治療を決めていく情報がやや不足しているため、難しくなっています。Cさんやご担当の先生が心配なさっているように、Ki-67が85%というのはかなり高い値だと思います。また核グレードが3ですが、他に核異型度や核分裂像はどのような結果でしたでしょうか?これらもお聞き頂けると良いと思います。他に再発リスクを確認する方法として「Oncotype Dx」という検査方法がありますが、これは保険適応がないため料金が高額です。さてお受けになる抗がん剤の種類ですが、TC療法以外にはアンスラサイクリンにタキサン系薬剤を追加する約6ヵ月の方法があります。ガイドラインでリンパ節転移陽性であれば、この治療が強く勧められます。リンパ節転移陰性の場合は、この治療を考慮してもよいとなっていて、やっていけないわけではありません。TC療法で不足はないと思いますが、Cさんがご心配であれば、さらに検査の追加や、治療の追加をご担当の先生とよくご相談なさって、後悔のない治療法を選択して頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.11591】  15年02月10日     E.C. 
全摘の必要性について(HPNo.11581-2)

投稿No.11581について、先日は丁寧なご回答ありがとうございました。不明瞭な部分がありご迷惑をおかけしたようで、もう一度詳細を記載しますので御回答いただければ幸いです。年齢は47歳で、12月半ばに温存手術。場所は右乳房 左上で、12時から1時の方向に8ミリの浸潤ガンで、左上四分の1切除予定でした。術中に追加切除があり、更にその上の乳腺がなくなるあたりに、12ミリの新しい浸潤ガンが見つかりました。術前のMRIやエコーでは見つかっていませんでした。一応この2箇所を切除し、結局右乳房3分の1を切除しました。うまく乳腺を寄せてもらえたので、思ったより著しい変形はありません。病理の結果、主治医は、この新しく見つかったガンは、更に上に根がのこっている可能性があるので、再手術して追加切除が必要であるとのことです。ただし更に切除するので変形は避けられないこと、また病理の結果右乳房下半分全体に細かいADHが点在しているので、10年で30%が局所再発することを考えると、全摘+再建も考慮に入れて考えてはどうかとのことでした。家族とも相談して、全摘だと放射線治療がほぼ無いこと、温存だと10年間再発の心配をしていなければならないこと、局所再発した場合、今度はリンパ節にも転移しているかもしれないことなどを考えると、全摘がベストなのではないかという事になり、主治医には全摘の希望を伝えて、2月末に再手術の予定でいます。勿論胸のあるないより命が最優先なので、これがベストな方法なら迷いはありません。ただせっかく一度は温存手術できたというのもあり、こういう場合、全摘が本当にベストであるのか、お伺いしたく質問させていただきました。自分の中で納得して手術、今後の治療に臨んでいきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。

ご相談ありがとうございます。 私のお返事で少しでも疑問が減れば嬉しく思います。さてE.Cさんのご相談内容ですが、大変お返事が難しいと感じています。術前にはわからなかった12mmの浸潤癌がさらに頭側に残っているというのは、切除断端が陽性という意味なのでしょうか?その場合は追加切除が必要だと思います。またADHが点在しているとの所見ですが、ADHがあるから乳房を全て切除してしまうのは、すこし過剰な手術の印象を受けます。「放射線治療をお受けになりたくない」もしくは、「形の整った乳房を希望する」場合は、全摘術が良いと考えます。しかし上記2点をご希望されない場合は、追加切除のみでも良いと思います。そして万が一局所再発してしまった場合に、全摘術を施行するという考えもあります。前回のご質問とほぼ同じお答えになってしまい、申し訳ございません。もしまだ迷っているようであれば、今一度ご担当の先生とご相談なさることをお勧め致します。(文責 斎藤)

 

No.11590】  15年02月10日     M.Y. 
術後治療についてのご相談

ご相談させていただきます。乳ガンの温存手術をうけました。その際の病理結果がでました。
浸潤性乳管癌、2a、しこり1.3mm、腋窩リンパ節転移あり 2/14(微小転移)、腫瘍周囲の脈管浸潤 なし、切除断端 一部近接した部位あり、グレード1、Ki67 13%、ER (+) 95%、PgR (+)95%、HER-2 1+、43才
上記のような結果でした。主治医からは、放射線治療25回プラス切除断端部へ5回。ホルモン療法は必須とのことでした。抗がん剤については自分で決めてくださいとのことでした。ホルモン療法がよく効きそうなタイプ(?)らしいのですが、リンパ節転移があったことと、切除断端部に近接した部位があるということで、化学療法をするべきかどうかを決めかねております。お忙しいところ申し訳ございませんが、ご助言いただければと思います。よろしくお願いいたします。

ご相談ありがとうございます。私のお返事でM.Y.さんの疑問が解消すれば嬉しく思います。M.Yさんの乳がんは、腫瘍は1.3mmと非常に小さいのですが、腋窩リンパ節転移が2個ありました。しかし、このリンパ節転移は微小転移(2mm以下)とのお返事です。さらにERとPgRが陽性であり、HER2陰性です。ガイドラインでは術後内分泌療法が推奨されていて、化学療法についての記載は無いことから、ホルモン療法のみで十分なのではないかと考えます。切除断端部に近接した部位があるとのことですが、切除断端に癌が存在しているわけではなさそうなので、放射線治療のプラス5回追加で良いと思います。今後の治療について、ご担当の先生とよくご相談してからお決め頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.11589】  15年02月10日     K
術前の不安

初めて相談させていただきます。作年末、12月29日に大きなしこりを見つけ、年明けの1月5日に乳腺専門クリニックを受診、エコー、マンモグラフィー、組織診検査をして、13日に悪性の結果が出ました。大学病院を紹介していただいて次の日受診しましたが、病院との相性が悪く、知人の医師に別の大学病院を紹介していただき、現在に至っています。急ぎで色々な検査をしましたが、組織診検査は改めてせず、最初のクリニックで行ったときの組織を現在の大学病院で検査中です。まだ結果が出ていないのですが、悪性はまず間違いないとのことなので、抗がん剤治療や手術の準備のために色々な検査をして待機中ですが、この待っている間に転移してしまわないか、とても不安です。22日のMRIや、骨に転移していないか調べたり、エコーも肝臓や心臓その他もやり、胸のレントゲンも撮り、23日の段階ではリンパ節も含めて転移は見られません。1年4ヶ月前の人間ドックで、マンモグラフィー、エコーは異常なかったのに、作年末いきなり2.2pの悪性腫瘍が見つかり、22日の検査で22×26.5×19pになっていて、HER2 2+ なので転移が早いんじゃないかと不安です。本当なら2日あたりから抗がん剤治療を開始できたのに、もしかしたら2月の15日あたりからになりそうです。先生は2週間延びても変わらないと言ってますが、私は転移してしまわないか不安でいっぱいです。乳ガンは進行が遅いと言いますが、私の場合はどうなのかわからないので不安なのです。伸ばし伸ばしでも本当に転移はしないものでしょうか? よろしくお願いします。

ご相談ありがとうございます。私のお返事でKさんの不安が無くなれば嬉しいです。さて乳がんと診断されてこれから治療が始まるところですが、いろいろなことを短期間で決めなければなりませんよね。また検査等にも時間がかかり、不安が尽きないと思います。私たちの施設でも治療開始まで時間がかかることはよくあり、Kさんと同じようなご質問をよく受けます。もちろん治療開始をむやみに遅くすることは憚られますが、検査やその他の都合で2週間遅延することはよくあります。治療開始までの2週間という時間について、御心配なさることはないと考えます。(文責 斎藤)

 

No.11588】  15年02月10日     P
マンモグラフィーの被曝

24歳女性です。小さい頃からアトピーがあり、乳首に荒れ、皮むけなどがあり、皮膚科に通ってはいたのですが、22歳の時とても心配になり、外科でエコーとマンモスグラフィーを受けました。その時は心配ないとの事で安心したのですが、つい先日またとても不安になり、乳腺外科を受診し、エコーとマンモグラフィーを受けました。そこでも特に問題はありませんでした。ですが22歳、24歳という若さでマンモグラフィーを2回も撮ってしまったことにより被曝がとても怖くなってしまいました。このことにより、私は将来乳がんになる可能性があがってしまったのでしょうか? よろしくお願いいたします。

ご相談ありがとうございます。私のお返事でPさんの不安が減れば嬉しく思います。22歳と24歳でマンモグラフィをお受けになって、その被爆がご心配なのですね。結論から申し上げますと、これにより乳がんになる可能性が高くなることはありません。1回のマンモグラフィでの被曝量は、年間に自然に受ける放射線量の約1/4〜1/2です。むやみに撮影するべきではありませんが、Pさんがお受けになったマンモグラフィは問題ないとお考え頂いて大丈夫です。ご安心下さい。(文責 斎藤)

 

No.11587】  15年02月03日     I
ホルモン剤の変更

48歳です。2013年9月に左乳房切除手術を受けました。
(病理結果)
腫瘍径:2.2*1.4cm組織分類:invasive ductal carcinoma, papillotubular carcinoma.
リンパ節転移なし。断端:−
核異型スコア:2、核分裂スコア:1(4/10HPF)、核グレード:1
波及度:g−in situ g f、リンパ管侵襲:ly0、静脈侵襲:v0
A領域の上記病変の他、EB領域に娘結節
ER:TS7、PgR:TS8、HER2 score:1+、MIB−1LI:10%

当初ノルバデックスを10年とのことで、飲み始めて1年3ヶ月になります。ところが手術前は定期的にあった生理が手術後(ノルバデックス飲み出してから)ぱったり止まり、先日の受診でホルモン値も低いことから閉経とみて、ホルモン剤をアリミデックス5年に変更にすることになりました。

1) 手術後(ノルバデックス飲み出してから)生理が突然止まったのですが、閉経とみて良いのでしょうか。
2) 閉経後も使用できるノルバデックスを2−3年続けた後にアリミデックスに変更した場合と、閉経後すぐにアリミデックスに変更した場合と、予後に違いはあるのでしょうか。
3) アリミデックス5年を終了後は、どのような治療が考えられますか。
4) 次の診察は5月です。それまで3ヶ月ほどアリミデックスを飲み、診察後ノルバデックスに戻した場合、予後に影響はございますか。

腫瘍径が2cmを超えていたのと、娘結節まであったため、長期にわたって再発の可能性があると思われ心配です。ご返答をよろしくお願いします。

1) ノルバデックスの副作用に月経停止があり、単に生理が止まったからと言って閉経になったわけではないことが結構あります。正確には脳下垂体のホルモンであるLHとFSHを測定して、著しい高値になったら閉経と言えます。(小生はその状態になったので閉経と思い、ノルバデックスをAI剤に変更したら生理が始まってしまってノルバデックスに戻した経験が1例だけあります)
2) 日本では閉経後はAI剤(アリミデックス等3種類の薬剤)と結構厳格に言われていますが、欧米では意外に閉経後にノルバデックスで済ましていることが多いようです。原因は閉経後患者さんの術後の内分泌治療で、ノルバデックスとアリミデックスで非再発率に有意差があったとされる論文が出たためですが、その差は有意とは言え、とても僅かです(両治療とも無治療に比べ著しい差がありましたが…)。途中でスイッチしたのと、最初からアリミデックスで治療したものとの成績は出ていないのですが、多分ごくわずかではないかと考えます。むしろ慌ててAI剤に切り替えて、実は真の閉経が来ていなかったとすれば、数か月で生理が来てしまいますが、その場合はAI剤を飲んでいた時期は無治療と同じことになり、全く意味がありません。ですからあわてない方が良いと思います。
3) あなたに乳癌はリンパ節転移の無いLuminal A typeの予後の良い乳癌ですので、5年以上の内分泌治療は必要なしだと思います。
4) ほとんど無しだと思います。

2cmを超えているとは言え、2.2cmの浸潤径ですので、Luminal Aである以上、ほとんど再発に影響しないでしょう。娘結節は局所再発のリスクファクターだと考えるので、遠隔転移・再発のリスクではないでしょう。(文責 久保内)

 

No.11587-2】  15年02月27日     I
ホルモン剤の変更(2)

NO11587で質問したものです。丁寧なご回答ありがとうございました。その後婦人科でホルモン検査をしたところ、LH:11.07、FSH:27.16、E2:10未満でした。ノルバデックスを飲んで1年4ヶ月生理がないことと、この数値で閉経に向かっているのは確実とのことです。ただ、FH、FSHが著しい高値なのかが不明です。再度アドバイスいただけましたら幸いです。

ご質問有り難うございます。E2(エストラジオール、女性ホルモン)が低値であること、FSH(卵胞刺激ホルモン)が高値であることから、閉経と考えても良さそうですが、ノルバデックスを内服している間はこれらのホルモン値が正確に現れません。またFSHも、ホルモン周期により基準値も様々で、この数字だけで閉経と判断するには難しいかと思われます。一般的には、50歳前で閉経になることはほとんど無いと言われていますので(月経が起こらないだけで、ホルモン環境は閉経前)、この数字と月経の発来が起こらない、ということだけでアリミデックスに変えるより、ノルバデックスを継続されてはいかがかと思います。このあたりの年齢で、閉経状態を評価するのは、私どもにとっても難しい問題ですので、婦人科の先生にご意見頂くのも良いのかと思います。(文責 鈴木)

 

No.11586】  15年02月03日     Y 
センチネルリンパ節生検は必要か

48才女性です。乳頭から少量の出血ありで受診。色々調べていただきましたが、診断がつかず、マイクロドケクトミーで外科生検しました。病理の結果、浸潤がん8ミリで断端陰性、おとなしい性格のガンであると言われました。放射線治療は勧められましたが、センチネルリンパ節生検は希望があればやりますと言われて迷っています。先生は、脇の方まで放射線を当てれば心配ないと思いますとおっしゃっていましたが、最終判断は自身に委ねられました。普通は腫瘍摘出と同時にする事を、また入院して手術するのが辛い気持ちと、調べてスッキリしたい気持ちとあり、本当に迷っています。色々なリスクも踏まえて、どうするのが最善でしょうか。よろしくお願いします。

マイクロドケクトミーだけで乳癌の手術が済んでしまったのであれば、大変ラッキーでしたね。そこで病理の検査ですが、非浸潤癌ではなく8mmの浸潤癌だったとのこと。この場合、数%の確率でリンパ節転移があると考えます。また例えリンパ節に転移があったところで、2mm以下の微小転移ではリンパ節廓清の必要がないと言われており、そのような場合は多分放射線治療で癌は消失するはずですので、あなたの主治医が言われるようにセンチネルリンパ節生検の必要は無くなります。しかしそこに転移があったのかどうかを知っておきたいなら、センチネルリンパ節生検をするべきだと思いますし、小生はそれを知りたいので自分の患者さんでは出来ればセンチネルリンパ節生検をお勧めしていますが、必須なことではないとも考えます。またセンチネルをRI法で行うなら入院が必要でしょうが、色素蛍光法でなら外来手術でも可能です。この辺のことは施設により差がありますので、おかかりになっておられる医療施設とよく相談されることが必要だと思います。(文責 久保内)

 

No.11585】  15年02月03日     Y.N. 
今後の治療について

48歳閉経前です。昨年10月に乳がんが見つかり、部分切除、現在放射線とリュープリン+タモキシフェンで治療中です。
硬がん 1.0×0.9×0.6cm、リンパ転移なし、軽度リンパ管侵襲あり(ly1)、断端陰性、核グレード1  組織学的グレード2 (核分裂像1 核異形度2 構造異形度3)、ER スコア8 PgRスコア8 HER2 1+、Ki67 40〜50%
ステージTで、グレードも高くはないのに、ki67がとても高いのが気になっています。主治医は、「ホルモンが強陽性だからホルモン治療が効く。他もリスクの低い因子だし、ステージTで、普通なら9割の生存率。Ki67が高いだけで、抗がん剤をしても、上乗せ効果は数パーセントだと思う」との意見。自分でもいろいろ調べましたが、ki67が高いと再発率が高いとか、予後が悪いという病院のグラフなど見つけてしまい、本当にホルモン単独でいいのか不安です。ステージTでも、ホルモン強陽性でも、やはりki67がこれほど高いと再発率はかなり上がってしまいますか。また、kiが高いと抗がん剤が効くということですが、私のような場合はそれほどの上乗せ効果にならないのでしょうか。核分裂像が、生検時も術後も1なのに、増殖率がこんなに高いというのはどういうことなのでしょうか。いろいろお聞きしてすみません。主治医に頼み込んで抗がん剤をするほどの根拠も見つからず、かといってこのままでいいのか・・と考え込んでしまいます。どうぞよろしくお願いいたします。

ホルモン受容体陽性乳癌はLuminal typeと言い、通常内分泌治療がなされますが、その中でLuminal Aは予後が良いので内分泌療法単独(純粋なLuminal Aは抗がん剤が効かない)で良いのに対し、Luminal Bは長期の予後が悪いので化学療法と内分泌療法の両方が勧められます。その分岐点はKi67や核(組織学的)異型度によります。またその色分けは、AとBとに真二つに分かれるものでは無く、連続的に違いがあると言われ、AっぽいとかBっぽいとか、その中間でどちらに入るか困る例も有ります。AかBか悩んだ場合には、患者さんが「助かるためには何でもしておきたいので(Luminal Aっぽいのに)抗がん剤選択」も有り得るし、「抗がん剤だけは何があってもしたくないので(Luminal Bっぽいのに)ホルモン療法のみ」も有り得ます。悩んで悩んでどちらにしてよいかわからなければ、切除標本をSRLという会社を通してアメリカに送って調べてもらい、Oncotype Dxという検査をしてもらうことも出来ます。(40万円位かかって保険は利きませんが…) 小生が思うに、あなたの乳癌はKi67がけっこう高いので、Luminal Bではないかと考えます。ですからどうしても化学療法がして欲しかったら、主治医にその方向でお願いするのも悪くはないと思います。(文責 久保内)

 

No.11584】  15年02月01日     T 
タモキシフェン

このような質問の場を設けていただきありがとうございます。よろしくお願いいたします。
40歳・閉経前・出産1度。2014年11月に告知、12月温存術、現在ホルモン剤を飲み、2.66グレイ16回の放射線治療中です。病理結果は、硬ガン0.8×0.5センチ、センチネルリンパ転移0/2、ホルモン受容体ER7/8・PR8/8、HER2陰性、組織学的悪性度1(10%以下)、切除断端−、脈管侵襲− でした。ホルモン治療はタモキシフェンを20ミリ飲んでいるだけです。ホルモン治療をされている方は皮下注射リューブリンを併せてされている方が多いみたいですが、どう違うのでしょうか? 先生が注射はしなくて良いと仰いましたので、その通りにしようと、さっさと帰ってしまましたが、調べると不安になってまいりました。また、タモキシフェンが効かない体質もあるとの記事もあり、タモキシフェンのみの治療に、更に不安になっております。
・タモキシフェンのみで大丈夫か? 
・タモキシフェンが効くか否かの検査は正確なのか?
この2点について、ご回答をよろしくお願い申し上げます。

非常に小さいStageTの乳癌で、しかもLuminal A typeに間違いない乳癌の術後とお見受けしました。このような方が生き残らなくて誰が助かるのか?(非浸潤癌だけには負けますが)というような、早期癌の先頭に立っているような方です。術後の全身治療は、遠隔再発の予防を目的として行われるべきものですので、乱暴な言い方をすれば、本来術後補助療法すら不要な乳癌術後と考えます。もしタモキシフェンの副作用で内服継続が出来なくなったら(著しい子宮内膜の肥厚・手術も考えないといけないほどの子宮筋腫の増大・進行性の視力障害・間質性肺炎etc.)、何も治療しなくても良いと考えます。45歳以下のエストロゲン受容体陽性乳癌では、通常はリュープリンのようなLH-RH agonistとtamoxifenでしょうが、腫瘍径が1.5cm以上だったり、ER・PgRが少し低かったり、Ki67が10~15%だったりすれば考慮しても良いとは思いますが、あなたには必要ないのではないかと考えます。(文責 久保内)

 

No.11584-2】  16年05月11日     T 
今後の治療について

以前、11584で質問させていただきました者です。よろしくお願いいたします。タモキシフェンを1年3カ月服用しています。この3月に婦人科検診を受けたところ、左の卵巣が腫れていると告げられました(昨年3月は異常無)。4月に再度検診を受けましたが、左は少し小さくなったが、今回は右も腫れているとの事で、来週再度検査いたします。今まで卵巣嚢腫と言われた事はなく、思い当たる事といえばタモキシフェンの服用くらいです。乳腺の先生に伺いましたら、生理を止めてしまう方法もあるけれど、来週の結果を待って考えるとおっしゃっています。前回こちらに質問させていただきました際には、私の場合、内服継続が難しい時には無治療でも良いのでは?とのご回答をいただきました。そこで質問ですが
1) このまま腫れが続くとタモキシフェンの服用継続は難しいのでしょうか?
2) 生理を止めても、女性ホルモンは脂肪からも出ているとの事で、予防の効果が低下するのではないか?
3) 早期とはいえ、生稲晃子さんの様な例もあるので、無治療になるのは大変勇気のいる事です。無治療でも良いと思われますか?

これは、私の判断しかないとも思いますが、色々な方の意見をお聞きしたいと思い、質問させていただきます。よろしくお願い申しあげます。

1)タモキシフェンは子宮体癌のリスク上昇は言われていますが、卵巣癌については指摘されていないので、服用継続は可能と考えます。
2)生理を止めても予防の効果が低下することはないと思います。
3)一般的には、状況からみて無治療でも良い思われます。(文責 石川)

 

No.11583】  15年02月01日     T.O. 
局所再発について

お忙しいところ申し訳ありません。よろしくお願いいたします。51才。2年前に右乳房温存手術を受けました。大きさ1p、ホルモン感受性あり、リンパ節転移なし。脈管侵襲なし。浸潤性。断端陽性のため、放射線を多めにかけました。放射線治療のあと、ホルモン剤を飲んでいます。今年術後2回目のマンモグラフィーを受けたところ、右乳房の手術を受けたところに石灰化があると言われました。まだ小さいので要観察と言うことでした。そこで質問ですが、
1) 断端陽性の場合、放射線をかけても3分の1位再発すると読んだことがありますが、今の段階で全摘手術を受けるという選択肢はありますか。
2) 主治医は1年後のマンモグラフィーで観察して、普段は自分で触診してとおっしゃっているのですが、それ位の間隔で大丈夫なのでしょうか。その間にリンパや遠隔に転移しないか心配です。初めの乳癌という診断の時も、石灰化・要観察だったので、また同じになるのではないかと頭によぎります。

1)  小生は出来るだけ断端陰性にして放射線治療をしているので、細かな成績は持っていませんが、断端陽性の局所再発率は1/3というのは多すぎるように思います。小生の患者さんの局所再発率は1.5%位ですが、断端陽性の人が多いという印象は有りません。あなたの場合、まだ癌の局所再発と診断されていない段階での手術は有り得ないと思います。
2)  石灰化で発見された乳癌なら、局所に新たな石灰化が出たなら、一応超音波位はやっておいて良いと思います。局所の縫合糸が石灰化の原因になることも多く、一概に悪性の所見とばかりは言えません。数が多くなって怪しければ、MRIやステレオガイド下のマンモトームも一手ではありますが、まずはマンモグラフィでの経過観察でしょう。所見にもよりますが、1年と決めずまずは半年後とか4か月後とかでも良いと思いますが、変化が無ければマンモの間隔を延ばしていくのは、通常の石灰化のfollow upと同じです。また石灰化病変は、壊死型石灰化では早く進むものも有りますが、分泌型石灰化は非常にゆっくり(何年も経ってから癌と診断されても超早期癌のままだったとか…)のことが多く、きちんとfollow upされている限りは、リンパや全身に転移を起こしたりしないうちに診断されます。過大な心配は不要です。(文責 久保内)

 

No.11582】  15年02月01日     C   
要精密検査

先日、乳ガンの集団健診で要精密検査になりました。検診でのマンモグラフィーの画像を持ち、総合病院で受診した所、カテゴリー3〜4の構築の乱れと言われました。今後、エコー検査などするようてすが、予約までかなり日にちがあり、不安で仕方ありません。触診ではしこりは無いようだと言われました。しこりに触れないような乳ガンもあるようなので心配です。私の場合、乳ガンの可能性は高いのでしょうか? また悪性度の高いガンの可能性もありますか? どうかよろしくお願いいたします。

マンモグラフィ検診は、「しこり」の触れない乳癌をより早期に診断するためのものであるので、このような質問は半分が愚問です。「構築の乱れ」にも様々あり、良性の場合も悪性の場合も有りますし、悪性の場合非浸潤癌という超早期癌のこともあれば、悪性度の高い乳癌のことも有ります。カテゴリー3は数~10数%位の確率で、カテゴリー4では30~50%位の確率で乳癌の可能性がありますが、単に乳房の伸展の左右差が構築の乱れを作ることが有り、この場合は異常なしになります。ご心配は良くわかりますが、早いうちに精密検査を受けてきちんとした診断を受けてください。精査の結果異常なしであれば、マンモグラフィだけで異常なしと言われるより何倍も高い安心が得られますし、万が一乳癌であっても「しこり」が触れる前に発見してもらえたのですから、命拾いをする可能性が高いのです。日本人は12人に1人が一生のうち一度乳癌に罹ると言われており、「私だけは絶対に乳癌にならない」とは言えない国民病になっています。もっとポシティブに検診結果を受け止めて頂きたいと思います。(文責 久保内)

 

No.11581】  15年02月01日     E.C. 
再手術と抗がん剤の必要性について

12月に乳がんの右乳房温存手術を終えて、先週病理の検査結果を聞いてきました。センチネルリンパ生検 転移なし、ER 90%、PgR 100%、Her2 score1、Ki67 15%。 当初浸潤ガンひとつ(8mm)で四分の1部分切除の予定が、術中の病理で新たに頭側に12mmの浸潤ガンが見つかり、追加切除になり、結局三分の一切除となりました。執刀医によると、「追加でとった浸潤ガンは、さらに上に根が伸びている可能性があるので、再手術で取った方が良いが、胸の変形が避けられない事、更に下の部分にはADHがあることを考えると全摘を推奨する。ほぼ完治に近くなる。ADHが将来ガンになる確率は10年で30%。」と言われました。質問ですが、この場合、部分再発など考慮して全摘が最適な方法と考えられますか? また抗がん剤については術後また話をするが、15%と微妙な数値なので、難しいところで何とも言えない、オンコタイプについても案内がありました。ホルモン治療がとてもよく効く比較的大人しいタイプのガンだそうですが、抗がん剤の必要性についても御意見をうかがわせて下さい。どうぞよろしくお願いします。

まず、乳癌の治療は局所での闘いと、全身の闘いがあることを理解して頂きたいと思います。局所では癌を残さず取り切る(プラス放射線治療の合わせ技で)ことで局所再発を防ぐことであり、全身の闘いは画像検査にも出てこないミクロの転移があった場合に(必ずあるとは限らないけれども)それを淘汰することで遠隔転移を防ぐことです。まず局所の問題ですが、ご質問の内容が理解しにくいので、大変答えづらいです。すなわち、病変が右乳房のどの部分にあり、どのような1/4切除をされ、頭側の新たな12mmの浸潤癌がどのようにあり、下側と言われているADHがどのように存在しているのかが判らないので、お答えに窮するのです。温存にこだわれば追加切除に次ぐ追加切除で切除断端を陰性にしていくことも一つのやり方ですし、全摘ですっきりして再建などを考慮するのも最近の流行ではあります。前者は断端陰性になっても放射線治療は付き物ですし、後者は再建の場合1期エキスパンダーにしてもらっても後日シリコンへの入れ替え手術が必要です。追加切除に次ぐ追加切除で私がこんな温存でも良いの?と思っていても納得されている患者様はいらっしゃいますし、追加切除のとき思い切って乳腺全切除をしてみたら、病変は限局性で温存は後から思うと可能だったという症例も有ります。
抗癌剤の件は、全身の闘いということになります。Ki67が15%なので微妙な値とのことですが、Luminal typeのAかBのどちらに入るのか?ということなのでしょう。Aならホルモン療法だけで良く、Bなら抗がん剤後にホルモン療法になるとされています。当初2011年のSt. Gallen国際会議では、Luminal typeで区別のつきにくい場合は15%の上下でA/Bを分けるように言われました。以降2年間日本で多くの施設が調べてみると、厳密な意味でのLuminal Aが非常に少なくなり、結構現場はパニックになりました。2013年のSt. Gallenでは、標本の固定・染色・病理医の判定等個々の施設で異なるので、それぞれの施設でKi67のcut off lineを決めるべきだとされました。Luminal Aは全乳癌の中で30~35%存在するはずですので、そのようにLuminal A/Bが分かれるようにKi67の境界線を決めるべきで、あなたの手術をされた病院での評価ということになります。Oncotype Dxは保険が効かず約40万円と高いので、小生は限られた症例(本当にAかBか迷った場合:年に1~2例)に限って検査をしています。(文責 久保内)

 

No.11581-2】  15年02月10日     E.C. 
全摘の必要性について

投稿No.11581について、先日は丁寧なご回答ありがとうございました。不明瞭な部分がありご迷惑をおかけしたようで、もう一度詳細を記載しますので御回答いただければ幸いです。年齢は47歳で、12月半ばに温存手術。場所は右乳房 左上で、12時から1時の方向に8ミリの浸潤ガンで、左上四分の1切除予定でした。術中に追加切除があり、更にその上の乳腺がなくなるあたりに、12ミリの新しい浸潤ガンが見つかりました。術前のMRIやエコーでは見つかっていませんでした。一応この2箇所を切除し、結局右乳房3分の1を切除しました。うまく乳腺を寄せてもらえたので、思ったより著しい変形はありません。病理の結果、主治医は、この新しく見つかったガンは、更に上に根がのこっている可能性があるので、再手術して追加切除が必要であるとのことです。ただし更に切除するので変形は避けられないこと、また病理の結果右乳房下半分全体に細かいADHが点在しているので、10年で30%が局所再発することを考えると、全摘+再建も考慮に入れて考えてはどうかとのことでした。家族とも相談して、全摘だと放射線治療がほぼ無いこと、温存だと10年間再発の心配をしていなければならないこと、局所再発した場合、今度はリンパ節にも転移しているかもしれないことなどを考えると、全摘がベストなのではないかという事になり、主治医には全摘の希望を伝えて、2月末に再手術の予定でいます。勿論胸のあるないより命が最優先なので、これがベストな方法なら迷いはありません。ただせっかく一度は温存手術できたというのもあり、こういう場合、全摘が本当にベストであるのか、お伺いしたく質問させていただきました。自分の中で納得して手術、今後の治療に臨んでいきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。

ご相談ありがとうございます。 私のお返事で少しでも疑問が減れば嬉しく思います。さてE.Cさんのご相談内容ですが、大変お返事が難しいと感じています。術前にはわからなかった12mmの浸潤癌がさらに頭側に残っているというのは、切除断端が陽性という意味なのでしょうか?その場合は追加切除が必要だと思います。またADHが点在しているとの所見ですが、ADHがあるから乳房を全て切除してしまうのは、すこし過剰な手術の印象を受けます。「放射線治療をお受けになりたくない」もしくは、「形の整った乳房を希望する」場合は、全摘術が良いと考えます。しかし上記2点をご希望されない場合は、追加切除のみでも良いと思います。そして万が一局所再発してしまった場合に、全摘術を施行するという考えもあります。前回のご質問とほぼ同じお答えになってしまい、申し訳ございません。もしまだ迷っているようであれば、今一度ご担当の先生とご相談なさることをお勧め致します。(文責 斎藤)

 

No.11581-3】  15年03月25日     E.C. 
両側性乳がんについて

以前11581と11591で全摘の必要性について質問させていただきました、その節は丁寧な御回答ありがとうございました。結論的には、乳輪乳頭を残して、乳腺を全て取ったのですが、2度目の手術後の病理結果で、ガン細胞は見つからなかったとの事でした。先週末に退院し、現在右側乳房再建中で、8月頃シリコンバックに入れ替える手術の予定です。本題に入りますが、昨年10月末に右側をエコー検査した際、左C領域2時方向に、左もエコーでカテゴリーVbとなり、針生検しましたが悪性とはならず、経過観察となりました。11月に今の病院に転院し、もう一度エコーしたところ、これ以外にも、パラパラと怪しいものが見つかり、今回少しいびつな形をしているとの事で、AC領域の4時方向に6ミリあったものを細胞診しました。左C領域2時方向の方は11ミリで、前の病院からプレパラートを取り寄せてもらいました。結果悪性所見はなく、また要経過観察となりました。そして今回3月初旬の入院中に、自分で左乳房にシコリを見つけ、入院中にエコー検査しましたところ、c領域2時方向(以前のところから32mm外側)に2.7ミリのモコモコしたものが写り、針生検となりました。以上がこれまでの流れですが、昨日生検の結果がでて、1,2,4小胞巣状 索状、一部腺腔形成性に浸潤、増殖する癌をみる。1ではanypical ductal hyperplasiaと腺菅内の石灰化を認める。
3 萎縮した乳腺組織であり、断片化した癌胞巣を見る。
免疫染色
ER80%. PgR80% hercep test score1+. Ki-67 labeling index 3%

MRI でもう少し詳しく調べられるがバックがはいっているので、エコーと生検の所見で決断しなければならず、主治医には、「部分切除ならば6センチ、大体乳房の三分の一取ることになる、パラパラと他にも気になるところがあって、ずっとこれから見ていかないといけないし、すでに右側再建しているので、整容性から見ても全摘を勧めます。」と、言われました。質問ですが、
1) 4ヶ月程で3センチ近くも新たにできるものでしょうか。主治医は、転移ではなく、新しくできたもので、以前調べた時には隠れていたのかもしれないし、わからないと言っています。
2) 右側とほぼ同時にできたようですが、両側にできる乳がんは遺伝性が多いと聞きます。うちの家系に、乳がんは、いとこが1人います。遺伝性と考えられますか?  調べた方が良いですか?
3) 今回も全摘が良いですか? 出来れば部分切除希望ですが、前回部分切除で断端陽性で再手術になり、もう何度も手術するのは避けたいです。

どうするか決めてきて欲しいと言われていますが、将来的な事を考えると、全摘がよいのか、迷っています。長々と書いてしまい分かりづらいかと思いますが、どうぞ宜しくお願い致します。

1) 広がりがあっても、マンモやエコーでうすくしかみえない病変は、濃くみえるようなったときには径が大きいことはしばしば経験されます。あり得ることと思います。
2) 両側の乳癌、比較的若い年齢で発症、家族歴があるとのことなので、相談してみることは良いと思います。一度カウンセリングを受けてみてもよいかもしれないですね。まずは主治医に相談を。
3) 文面だけからはお答えが難しいです。何度も手術をすることが避けたいのであれば全摘もよいかなと思います。こればっかりは、主治医とよくお話になって決めていただくしかないと思います。(文責 俵矢)

 

No.11580】  15年01月21日     C
乳頭からの微量の出血

乳頭からの微量の出血があり、乳腺科を受診。エコー、マンモ、MRIなどの検査をしても、はっきり診断ができずにいます。ほぼ乳管内乳頭腫で経過観察と言われましたが、経過観察とはどういうことでしょうか。とても不安です。思い切って外科生検などを受けたほうがいいのでしょうか。70歳です。よろしくお願いします。

経過観察とは、「出血が治まればそれで良し、治まらなければ再度検査をしましょう。」ということだと思います。はっきりしたものがMRIでもない場合、外科生検といっても何処まで取れば良いかわからないということになり、痛い思いをして結果よく分からないことになる可能性があるわけです。乳頭からの出血で早期の乳がんが見つかることがありますが、数ヶ月の間隔で経過観察をしていて、診断がついてもその間に進行して手遅れになることはないので、Cさんの主治医はおっとり構えているわけです。(文責 緒方)

 

No.11579】  15年01月21日   I
相談2件

私と友人の2人についてご相談したい事があり、メール送信しました。

1)相談1 友人31歳・出産なし
片側の乳首が1度も出た事ない陥没乳頭です。陥没乳頭の異変に気付いたのが2週間前の元旦、初詣で参拝並んでいる時、凄い人で前後の間隔がなく、前の人と接触した時、陥没乳頭側の胸に痛みがありました。帰宅後、触ると凹んでる乳首の先なのかシコリかわかりませんが、胸の中の中心部分辺り(寝ると乳首の真下)に丸い硬い物があり、痛みがありました。もう片方の乳首が出ている側にはありません。この場合、検診か乳腺外科のどちらが良いですか? 又、乳癌の可能性はありますか?

2) 相談2 私30歳・出産なし
良性腫瘍があり、乳腺外科で経過観察中です。2年前の1月下旬(28歳)、市の検診で乳腺専門医による触診とエコーを受けました。結果、カテゴリー3、要精密検査。2月1日(誕生日29歳)乳腺外科受診。初診の内容は、データーがない為、触診とエコーのやり直し(先生と技師さんの2回)と、マンモグラフィーを追加。半年後にエコー再検、細胞診を実施。結果:良性。この時点から経過観察にかわり、半年毎にエコーをしています。来月17日に2年ぶりのマンモグラフィーとエコーがあります。主治医の先生には聞けないので教えて頂きたいのですか、乳癌に変わる率はどのくらいあるのでしょうか? また、年末から腫瘍のない反対側の胸の外側の脇に痛みが続いていますが、しこりはありません。生理前以外に痛みが出た事がないので不安です。

長文で申し訳ありませんが、ご回答よろしくお願いします。

1)  乳腺外科を受診してきちんと調べましょう。これだけの情報では、乳がんの可能性は否定できません。高くはないと思いますが、いずれにしろきちんと調べましょう。
2)  良性腫瘍が癌に変化することはありません。主治医には、聞いて構わない内容です。後半のことも聞いてみましょう。(文責 緒方)

 

No.11578】  15年01月18日    T 
授乳中の血乳

授乳中の29歳です。左胸の1つの穴から血乳が出たので、病院でエコーを取ってもらいました。素人目にも左胸にぼわっとした黒い影が見えて、先生もサイズを測っていましたが、「授乳中のためよくわからないので、卒乳したあと、半年後また見ましょう」とのことでした。それ以降心配で、夜も眠れません。状況を下記します。
夜中の授乳で痛みを感じたので、手で絞ったら左胸の一つの穴からじわりと血乳が出た。血乳は1日2日続く。→ それとともに乳房下部の固さ、赤みも出る。→ 助産院でおっぱいマッサージをすると、赤み、固さが減る。血乳の穴はふさがってしまい、血乳は確認出来ず。→ 血乳の穴開通。血乳止まる。それ以降出ず。 → 病院で触診、エコー。なんとも言えないが、おっぱいの詰まりによるものだとは思う。よくわからないので、半年後またきて検査しましょうと言われる。 → 助産院で、またおっぱいマッサージ。しこりもだいぶ減ったね、たぶん大丈夫だと思うよ!と言われる。 → 赤みがあったところはまだ少し紫っぽい、乳房に違和感がある気がする。小さいしこりを感じる(助産師さんは、おっぱいがたまって竹の節のようになったものじゃない?と言う)。

お風呂でおっぱいを見るごとにに不安になってしまいます。どこに相談してよいかわからずメールしました。お返事をお待ちしております。

乳がんの可能性を心配されている訳ですね。赤みや硬さがあるということは、乳腺炎の可能性が最も考えられます。紫っぽいのは、皮下出血したからですが、これはマッサージによって溜まった血液が皮下脂肪にしみ出たからかもしれません。したがって、がんの可能性は低いと思いますが、少し落ち着いたところ(1−2週間)で、再度病院を受診してよく調べて貰いましょう。(文責 緒方)

 

No.11577】  15年01月18日    H.M.
乳がんステージWの治療の緊急度について

妹(53歳9ヶ月)が12月末に乳がん(CT検査で、手術できない癌、肝臓に影あり)との診断を受け、1月7日にPET検査を受けたところ、HER2陽性、ステージWで、リンパ、骨、肝臓に転移が見られるとの告知を受けました。17日(土)に再び診察を受け、セカンドオピニオンを取りたい旨、お願いする予定です。そこで質問ですが、すでに各所に転移しているステージWで、今からまた別の病院での診察予約を取り、治療を受けるまでに、さらに病状が進行してしまうということはないのでしょうか? それならば、初診のクリニックで1日も早く治療を開始した方がいいということになります。初診のクリニックでは、10年来のとろい癌なので、今日明日というような過激なものではない…という案内をされたようです。治療開始までの日常生活で気を付けるべきことなどの案内もないようでした。ステージWというかなり重篤な状況ということもあり、治療は万全の体制(病院の状態、本人及び家族の治療に対する理解と心構え)で受けさせたいと思っていますが、それで他の病院をあたっているうちに進行してしまっては元も子もないと感じています。アドバイスをいただけると助かります。よろしくお願いします。

ステージWは一番進行した状態でみつかったということです。5年生存率は40%程度(10人同じような患者さんがいたら、5年の治療の間に6人は亡くなってしまう)です。そこまで進むのに年の単位で経過している患者さんが多いのも事実です。一方、HER2陽性の乳がんは結構進みが早いことが多く、治療を急ぐことが良い結果(骨転移の痛みが取れるなど)に繋がることもあります。そして、HER2陽性の患者さんは、最近治療薬が多く出て、治療成績が良くなっているグループでもあります。セカンドオピニオンを取る手筈は取りつつ、初診のクリニックでの治療を進めて行き、セカンドオピニオンの結果で途中で施設を変わることも問題はありません。(文責 緒方)

 

No.11576】  15年01月18日    M
術後の全身治療について

術後の全身治療について、ご相談宜しくお願いいたします。12月12日に乳房全摘出をしました。病理検査の結果がわかり、1月20日までに抗がん剤を追加するか、決めなくてはいけません。 乳ガンと同時に、肝臓の数値が高い(経過観察)と糖尿病でインスリン治療もしています。

診断 非浸潤癌 一部のみ浸潤、 腫瘍径 0.1p、 脈管侵襲 なし、 核グレード3、 センチネルリンパ転移 1/11、リンパ節郭清しました。
エストロゲン、プロゲステロン 陽性、 her2 陰性、 年齢43

主治医には、「腫瘍径が小さいので、ホルモン治療を主に、抗がん剤をやるかは、自分で考えてください。」と言われていますが、ホルモン治療だけで大丈夫なのでしょうか?

自分で考えるにも情報が足りなさすぎてというところですよね。ホルモン療法に化学療法を追加した方が、再発率がさがるグループは、おおまかに、複数のリンパ節転移がある、浸潤がんの大きさが大きい(5cm以上とか)などの要素が当てはまる患者さん達です。また、HER2蛋白が陽性の患者さんも化学療法とハーセプチンを使用します。Mさんは、どれも微妙に当てはまらないのですが、核グレードが高く、浸潤部が0.1cmなのに、リンパ節転移があることから、主治医が化学療法も考えているのではないでしょうか。確かにそう考える医師もいると思います。もう一度良く主治医と相談することが大切です。最後は、主治医に決めて貰うことも間違いではないと思います。それが、主治医の仕事です。(文責 緒方)

 

No.11575】  15年01月14日    U 
乳がんと診断されました

はじめまして、投稿させていただきます。乳腺症と毎年乳がん検診をうけていました。1年前に大きな病院へと紹介され、
1、マンモ、超音波検診、注射器での組織検査で良性。
2、半年後の検査で、マンモ、超音波、変化なし
3、半年後、マンモ、超音波で変化なし。ただ、大きくなっている気がすると伝えると形もいびつなので念のため、前より太い針で生検しましょうとまた別の日に組織をとりました。また、このとき造影剤をいれてMRIも撮りました。
その結果、12月25日に、「ガン細胞があります。乳がんです。」と診断されました。詳しい検査をするので予約をとのことで、1月15日リンパの超音波、1月22日に主治医になる方から説明を受けるという運びになりました。生検で癌のタイプとかある程度はわかったのでは?と帰ってきてから心配になり、乳がんと診断されてから1ヶ月不安でたまりません。この時点でのセカンドオピニオンはできないですよね。癌とわかっでの1ヶ月、何もしないのは大丈夫なのでしょうか。この期間、首が痛く、リンパが心配です。

診断や検査に時間がかかっているため、心配になる気持ちはよく分かります。1月22日に新しい先生から説明があるとのことですので、聞きたいことをメモして受診されることをお勧めいたします。セカンドオピニオンはどのタイミングでも可能です。主治医の先生の話を聞いてもまだ不安なようであれば考えてはいかがでしょうか。(文責 大西)

 

No.11574】  15年01月14日    A  
乳管内乳頭腫疑いと妊娠

以前、血性乳頭分泌物で相談させてもらったものです。宜しくお願い致します。乳管内乳頭腫疑いで1年ほど経過観察しております。今現在、左右両側乳頭より分泌物があります。両側とも多孔性で自然には出てこず、絞るように圧迫すると4箇所程から分泌物があります。最近、妊娠が判明しました。そこでいくつか質問なのですが、
1) 左右両側の乳頭より分泌物があるため、赤ちゃんへの授乳は可能ですか?
2) 乳管内乳頭腫に乳がんを併発していた場合、妊娠、出産したことにより癌の進行に変化はありますでしょうか?
3) 三ヶ月ほど前に、造影剤有りの乳房MRI、分泌物の細胞診、エコー検査をしており、次回は半年後の検査になっていますが、妊娠したことで直ぐにでも受診し再度検査をした方がよろしいでしょうか?

妊娠おめでとうございます。
1) 乳管内乳頭腫、乳頭異常分泌症があっても授乳は可能です。
2) 妊娠、出産によって乳癌の進行が早くなることはありません。
3) 三ヶ月前の診断結果が分からないので何とも言えませんが、仮に怪しい病変があるのであれば、早めに乳腺外来を受診されてはいかがでしょうか。検査や治療が胎児に影響を与える可能性があります。そうでなければ予定通りの受診でいいと思います。(文責 大西)
 

No.11573】  15年01月14日  あさこ  
乳がん発覚、今後について

はじめて相談させて頂きます。現在23歳、社会人一年目、東京で一人暮らし中です。3か月前に仕事中に上の棚の荷物を取ろうと左腕を伸ばしたら左胸の下、肋骨あたりにビキンッ!と痛みが走り、それからしばらく痛みが続きました。安静にしていればなんともないのですが、腕をあげると痛むということが続きました。病院に行き、レントゲンを撮り、肋骨には問題なし。一応湿布をもらって帰りました。5日ほど経ったころ、その痛む場所を触っていて、その近くが左胸の外側の下辺りだったのですが、胸に触れたときにはっきりしたしこりに気づきました。それから1週間後、乳腺専門医のいる病院に行き、その日中にマンモグラフィとエコーをやりました。検査前から少し痛みがあったのですが、検査後さらに、生理痛のように波のある痛みがでるようになりました。とても痛いときは息が詰まる感じになります。結果を聞きに行くのに仕事が忙しいのと病院の予約が取れず、1か月後。結果は暗い影、エコーでも発見されました。この時点でしこりは2cm程。その日中に針生検をしました。一応痛みが酷かったので痛み止めをもらいました。2週間後、結果は悪性のもですと言われました。身内に癌の者がいないのと、大きな病気をしたことがなかったので、理解出来ず、自分から「癌なんですか?」と聞いたら、そうですと言われました。あまりのショックにその後の記憶が曖昧なのですが、全摘出するほどではないと言われた気がします。インターネットなどに掲載されている、血みたいなものが出る、えくぼみたいにへこみが出来るなどがありません。それでもこれは癌なのでしょうか? 来週MRIとCT検査をしてから今後の治療について考えていくのでどなたかご家族といらして下さいと言われました。
今後の生活、治療費など不安でいっぱいです。親は多分頼れないので、自分で治療費を出さなければならないので、仕事は続けたいです。治療法にもよるとは思うのですが、治療をしている最中でも仕事は続けられるのでしょうか? また、将来子供を産みたいと考えているのですが、気を付けるべきことなどはありますか? 現在他の病院でも診察して頂こうかと、母と考えております。長々と申し訳ありません。現在担当して頂いている先生の言葉だけを信じるのもどうかと思い、相談させて頂きました。どうぞ宜しくお願い致します。

妊娠中で診断が困難な場合や、前癌病変との鑑別が困難な場合もありますが、針生検の結果が乳癌であれば、まず間違いなく乳癌であると考えます。乳癌治療には、手術、放射線、薬物療法(抗がん剤、分子標的薬、ホルモン療法)を組み合わせて行うことが多いですが、若い方であれば仕事を継続しながら治療を受けておられる方のほうが多いかと思います。会社宛に診断書を書いていてもらった方が、会社を休みやすいかもしれません。ホルモン治療の適応であれば、5年間はホルモン薬を内服することになります。妊娠を考えておられるのであれば、その後つまり28、29歳での妊娠になるかと思います。決して高齢というわけではありませんが、大学病院などでは治療前の卵巣を凍結保存し、治療終了後に若い卵子に人工授精させる方法もあります。
セカンドオピニオンはいい考えだと思います。診断や治療方針については十分に納得された方がいいと思います。(文責 大西)

 

No.11572】  15年01月14日   Y  
お返事ありがとうございます(HPNo.11570-2)

お忙しい中、お返事頂きまして、本当に心から感謝します。嬉しかったです。昨日6日病院に行き、もう一度先生とお話して、3ヶ月と6ヶ月の治療はかわりはないと言われましたが、後の治療もまだありますし、3ヶ月の方にしまして、早速抗がん剤FFC4回の1回目を点滴してもらいました。まだ、これから他の症状がててくるとは思いますが、今の所は、少し気持ち悪いのと倦怠感、頭がぽーっとした感じがあるだけで、ご飯も食べられてます。こうやってお返事頂いて、やはり抗がん剤をして良かったと、今思っています。本当にありがとうございました。申し訳ないのですが、お時間ある時でいいので教えて頂きたいのですが、FECは3ヶ月6ヶ月、最終的には効果はあまり関係無いのでしょうか? それと、今回右胸を手術して頂きましたが、年末に石鹸で洗ってた時、左胸上の方、外側にぐりっと感じるものが。動くけど固いような? 前から、両胸にはいくつかぐりっとするものがあって、確か前からある物だと思って触っていたんですが、固い感じがして、昨日先生に言って触診してもらったら、固いねと言われ、10月はじめのエコーや、他の病院で撮ってもらったCT、MRIのデータをみて、結果は大丈夫だったから、様子をみましょうとのことでした。先生の言葉を信じていたいのですが、小葉癌は散らばりやすいとか、反対の胸とかにも出来やすいと聞いた事があるので、なんか怖くて心配で。検査で大丈夫だったら、そんなに心配しなくていいのでしょうか? もし、癌だったら転移?再発? 乳ガンの再発は、完治が難しいと聞きましたが、こういった場合治療したら大丈夫でしょうか? 神経質になりすぎてるのかもしれないですが、主治医ともゆっくりお話が出来ない状況で、不安状態でしんどい毎日です。お忙しい所申し訳ないのですが、お返事宜しくお願いします。

3ヶ月の抗がん剤と6ヶ月の抗がん剤の効果については、使用する薬剤、投与量によって効果が違ってきます。FEC3ヶ月と6ヶ月では同じ投与量であれば6ヶ月の方が効果的だとは思いますが、本当にFECで投与量も同じでしょうか。左胸のしこりですが、10月に検査して陰性であれば、普通は大丈夫かと思います。仮に乳癌であった場合ですが、転移や再発と言うよりは別の乳癌と考える方が普通です。治療により治る可能性は十分にあります。(文責 大西)
 

No.11571】  15年01月14日   N.K. 
今後の治療について

初めて質問します。13年前に、右胸乳癌、すでに肝臓に転移しており、タキソテールとハーセプチンを投与しました。途中心臓の収縮がおこり、ハーセプチンとタスオミンに変更後、右胸全摘手術を行い、今は、リュープリンを毎月、タスオミンを毎日、11年以上続けています。10月の血液検査では、CEA0.6 CA15-3 4.5 抗p53抗体は、1.90 毎回基準値より高めの数値です。主治医は、毎回高めに出るが、もう何年もこのような数値なので気にしなくてもいいと言っています。FSHは、1.32  エストラジオールは、10未満です。11年以上続けてきた治療ですが、主治医が辞めることになり、治療もやめてもいいようなことを言われたのですが、FSH値があがり、閉経が確定するまで、このまま治療を続けた方がいいのでしょうか。肝臓に転移してから、先は、長くないと思っていましたが、普通の生活を送れています。よろしくお願い申し上げます。

現時点で転移巣がない場合、微小転移は存在するものの癌細胞が休眠状態にあるか、細胞レベルでも癌細胞が存在しないと考えます。残念ながらこの二つを判断する検査はありません。細胞レベルでも存在しないのであれば、治療を中止することは全く問題ありませんが、休眠状態に癌細胞が存在する場合には治療中断が悪影響を及ぼす可能性もあります。主治医の先生は治療経過から癌細胞が存在する可能性が少ないと考えておられるのでしょう。これまでの経過をふまえて判断する必要がありますので、最終的には主治医の先生とよく相談して決めて下さい。また、閉経状態は治療中断の判断材料にしなくてもいいかと思います。(文責 大西)

 

No.11570】  15年01月07日   Y 
術後の治療について

はじめまして、ご相談宜しくお願いします。11月19日手術しました。術後の治療について、6日に主治医に返事をしなくてはいけなくて、とても迷ってます。
組織型 小葉癌
しこりの大きさ 1.2p
リンパ節転移 調べた数1  陽性0
ホルモン受容体 ER + PgR +   ki 67 35%
HER2 2でフィッシュは陰性でした
組織学的悪性度 1
切除断端 −
脈菅侵襲 +
リンパ転移はありませんでした。47才、閉経前です。

主治医から、術後の治療について、ホルモン療法と放射線治療、Kiが35%なので抗がん剤治療もいれた方がいいと言われました。万が一の為に、抗がん剤をした方がいいかと思うのですが、14年前から鬱になり、それから不安障害などで、心と体の調子が悪くて、抗がん剤の副作用に耐えられるか心配で…。そこで、主治医から3ヶ月の抗がん剤ではなく、6ヶ月の抗がん剤もあると言われました。6ヶ月のコースは、日はかかるがダメージは3ヶ月より少ない、効果はかわらない、脱毛もかつらまではいらないとのことでしたが、ネットで抗がん剤の説明を読んでいた所、6ヶ月の方は、3ヶ月より効果が低いと書いてありました(最近の情報かはわかりませんが)。また、親せきが以前看護師をしていて、6ヶ月の治療は3ヶ月よりは効果が低いから、やるなら3ヶ月しっかりやったらと言われました。やる以上、後悔がないように治療したい気持ちはあります。私の結果からは、抗がん剤治療は必要でしょうか? 実際の所、3ヶ月と6ヶ月では最終的に効果は一緒なのでしょうか? 6ヶ月の治療だと、髪の毛はあまり抜けないのでしょうか? お忙しいところ申し訳ないですが、ご意見頂けれたら嬉しいです。宜しくお願いします。

Ki67が高値ですので、当科でも抗癌剤をお勧めします。6か月と3カ月は同じ治療なのか抗癌剤の種類が違うのかにもよりますが、期間による違い、投与用量などによって効果は決まるので、本当に6カ月が悪いのかははっきりしないと思います。最近は抗がん剤の支持療法といって、吐き気や白血球減少など治療ができて、以前ほどつらくないので、一度治療をしてみて、どうしてもだめなら休薬、治療変更を考えれば良いのではないでしょうか。(文責 石山)

 

No.11570-2】  15年01月14日   Y 
お返事ありがとうございます

お忙しい中、お返事頂きまして、本当に心から感謝します。嬉しかったです。昨日6日病院に行き、もう一度先生とお話して、3ヶ月と6ヶ月の治療はかわりはないと言われましたが、後の治療もまだありますし、3ヶ月の方にしまして、早速抗がん剤FFC4回の1回目を点滴してもらいました。まだ、これから他の症状がててくるとは思いますが、今の所は、少し気持ち悪いのと倦怠感、頭がぽーっとした感じがあるだけで、ご飯も食べられてます。こうやってお返事頂いて、やはり抗がん剤をして良かったと、今思っています。本当にありがとうございました。申し訳ないのですが、お時間ある時でいいので教えて頂きたいのですが、FECは3ヶ月6ヶ月、最終的には効果はあまり関係無いのでしょうか? それと、今回右胸を手術して頂きましたが、年末に石鹸で洗ってた時、左胸上の方、外側にぐりっと感じるものが。動くけど固いような? 前から、両胸にはいくつかぐりっとするものがあって、確か前からある物だと思って触っていたんですが、固い感じがして、昨日先生に言って触診してもらったら、固いねと言われ、10月はじめのエコーや、他の病院で撮ってもらったCT、MRIのデータをみて、結果は大丈夫だったから、様子をみましょうとのことでした。先生の言葉を信じていたいのですが、小葉癌は散らばりやすいとか、反対の胸とかにも出来やすいと聞いた事があるので、なんか怖くて心配で。検査で大丈夫だったら、そんなに心配しなくていいのでしょうか? もし、癌だったら転移?再発? 乳ガンの再発は、完治が難しいと聞きましたが、こういった場合治療したら大丈夫でしょうか? 神経質になりすぎてるのかもしれないですが、主治医ともゆっくりお話が出来ない状況で、不安状態でしんどい毎日です。お忙しい所申し訳ないのですが、お返事宜しくお願いします。

3ヶ月の抗がん剤と6ヶ月の抗がん剤の効果については、使用する薬剤、投与量によって効果が違ってきます。FEC3ヶ月と6ヶ月では同じ投与量であれば6ヶ月の方が効果的だとは思いますが、本当にFECで投与量も同じでしょうか。左胸のしこりですが、10月に検査して陰性であれば、普通は大丈夫かと思います。仮に乳癌であった場合ですが、転移や再発と言うよりは別の乳癌と考える方が普通です。治療により治る可能性は十分にあります。(文責 大西)

 

No.11569】  15年01月07日    MK 
皮膚転移?(HPNo.11043-5)

何度かご相談をさせていただきましたNo11043 です。いつもありがとうございます。
25年4月に右乳房全摘出手術を行い、病理結果は浸潤乳管がん(硬がん)、ステージT、腫瘍径 18×17×13o、 血管侵襲なし、リンパ管侵襲なし、リンパ節転移 0/1、 ER 90%、PgR 90%、HER2(2+)FISH法で陰性、核グレード1、組織学的グレード2、Ki-67(10〜15%)とのことでした。半年後にシリコン挿入術で再建手術を受けましたが、今年(26年7月)に乳頭の形成手術を行った際に修正の為シリコンの入替えをしました。術後は激しい痒みに耐えられずかいていたせいか、10oくらいのかぶれが3つできてしまいました。最初は皮膚の表面がかぶれていたのですが、5ヶ月経った今もかぶれ痕のような赤いあざのようなものが消えません。赤いあざは皮膚の下が固いという症状はないのですが、あざの近くに米粒ほどのしこりがあるのを感じます。乳がんの転移なのではないかと思い、先日皮膚科を受診したところ、アンテベート軟膏を処方され、1ヶ月程 様子を見て治らないようなら細胞診の検査をしましょうとのことでした。乳腺科の先生にもご相談はするつもりですが、乳腺科で相談をしても結局皮膚科で細胞診をすることになるようなら、年明け早々に皮膚科で検査の予約をしてしまおうと考えております。皮膚転移の疑いがある場合、乳腺科ではどのような検査をするのでしょうか。悪い結果ばかり考えてしまい心配でたまりません。どうかご助言をお願いいたします。

乳腺外科でも皮膚科でも最初は穿刺吸引細胞診を行います。注意すべき点はシリコンバッグを刺さないように気をつけることぐらいです。ただ比較的悪性度の低い乳がんのようですので、術後1年あまりでの皮膚転移は考えにくいと思います。(文責 石山)

 

No.11568】  14年12月31日    S   
E2の数値が上昇しています

お忙しい中、このような場を設けてくださり心より感謝申し上げます。初めてですが、宜しくお願いいたします。
定期的に血液検査を受けていますが、E2の値が上昇しています(以下、単位はすべて pg/ml です)。一時 <14.0 まで下がったのですが、1年くらい前から急に上昇に転じました。直近で 2,000 くらいです。LH 16.2、FSH 9.2 で、こちらも微増。3年ほど前から、増減しつつも、やはり上昇気味です。しかし本格的な閉経前の一時的な現象と捉えて、気に留めておりませんでした。そのため、e2 が高いことは乳癌としてはよくはない、ということは主治医から聞かされておりましたが、すっかり忘れてしまっていました。そのため主治医の話を聞くことが出来ませんでした。あとになって e2 が前回(約 1,200)よりさらに高くなっていることに気づき、さらにE2が高いと再発率も高いと、たまたま知ってしまい、おまけに6年目の再発率が高いということを聞いてしまったこともあり(他の科で雑談混じりに)、やや動揺しております。次の通院日は3か月後なのですが、それまでじっと待つのが気持ち的に辛いので、こちらを利用させて頂いた次第です。一般論で構いませんので、ご意見頂戴できれば幸いです。血液検査自体は「問題なし」と言われています。現在40代、6年前に30代でステージ2A、全摘手術を受けました。術前療法は何もしていません。術後はホルモン療法のみで、ゾラデックスを2年間、他に現在までずっとノルバデックスを服用しています。165cm・54〜57kg の普通体型です。20代までは47〜48kg程度で(細すぎですが)、一時期、ストレスなどから過食気味になり、短期間で一気に60kgまで太りました。その後、30歳過ぎくらいからゆるやかに落ち始め、今は54〜57kgのあたりをうろうろという感じです。ホルモン療法をはじめてすぐ月経は止まりました。副作用はほとんどなく、何度か不規則に月経がきたこともありますが、ここ2年ほどはありません。以上のような状況です。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

ご指摘のように、ホルモンリセプター陽性乳癌ではE2 が高いことはよくはない、だからE2を下げるように働くものをホルモン剤として使います。が、E2値が低い閉経後でも再発は起こるわけで、高いからと言って必ず再発が起こってくるわけではありません。だからE2は腫瘍マーカーにはなっていません。術後6年も経っているので、それほど神経質にならくていいと思います。私は閉経かどうか見るときにE2は測りますが、術後経過観察で測ることはありません。再発予防という観点からはノルバデックス服用で十分と考えます。どうしてもE2を下げたいというなら、卵巣機能を抑えるゾラデックスなどのLH-RHアゴニスト製剤を追加する方法もあります。いちど婦人科受診して相談するのもよいかも知れません。(文責 石川)

 

No.11567】  14年12月31日    Y  
甲状腺に腫瑠が見つかりました

いつも参考にさせていただきありがとうございます。15年ほど前に温存療法で手術後、何とか今日まで無事に過ごしてきましたが、先日の人間ドックで甲状腺に腫瑠が見つかりました。乳癌は30mm、ホルモン療法、リンパに転移は1個でした。甲状腺の右側に境界不鮮明の17mm、左側に境界明瞭な12mmだそうです。精密検査は年明けですが、乳癌の転移なのか心配でなりません。質問させていただきたいのは次のとおりです。

1) 15年たっても転移はありえると思いますが、どれくらいの確率でしょうか?
2) 乳癌の転移であった場合は、他にも転移の可能性がありますよね?
3) エコーでの判定だと思いますが、境界不鮮明(右)の場合、悪性の可能性は高いのでしょうか?

以上御多忙のところ恐縮ですがアドバイスいただけると幸いです。

1) 15年後の再発は極めて稀です。まして甲状腺転移はもっともっと稀です。私は40年乳癌と甲状腺癌診療に携わってきましたが、甲状腺転移は経験したことがありません。
2) 乳癌の転移であった場合は、他にも転移の可能性はあり得ます。
3) エコーで境界不鮮明の場合、悪性の可能性は高いとは必ずしも言えないと思います。(文責 石川)

 

No.11566】  14年12月31日    M  
LH-RHアゴニスト製剤(HPNo.11556-2)

No.11556にて相談させて頂きました、ありがとうございました。もうひとつ不安に感じていることがあり、またご助言頂けましたら幸いです。術後の補助療法は現在タモキシフェンの内服のみですが、閉経前の場合はLH-RHアゴニスト製剤と併用している方も多いようですので主治医に尋ねましたところ、「あなたの年齢(47才)では必要ありません」との返答でした。現在月経はあり、タモキシフェン服用前の血液検査ではエストラジオール値が224という数値でした。主治医から月経の有無の質問はありません。年齢以外の要素で、この治療が除外される理由を尋ねましたが返答がなく、困惑しています。このまま主治医の方針に従っていいのでしょうか。

閉経前の場合は、LH-RHアゴニスト製剤にタモキシフェンの内服を併用することはよく行われています。特に化学療法までは必要でないけれど、少し心配な点があるような時で、ホルモン療法を徹底させたい場合には、行われる傾向があります。どちらが良い悪いという、はっきりした基準はないようです。併用を好まない医師も多数いるのが事実です。(文責 石川)

 

No.11565】  14年12月31日    さくら 
左乳房の皮膚と左乳頭の感覚(HPNo.11488-2)

No.11488で10月6日に相談させていただいた、さくらです。分かりやすい回答を、ありがとうございました。摘出生検から約3か月が経ちますが、手術した左乳房の皮膚と左乳頭の感覚が戻りません。触った感触はあるのですが、強くつまんでも痛みを感じません。摘出したしこりが2,6センチと大きく、かなり大きく剥いだため、感覚鈍麻があるが、そのうち感覚は戻ると主治医から聞いていますが、どのくらいで元の感覚に戻るのでしょうか? よろしくお願いいたします。

半年はかかるかもしれません。2年間要した場合もありました。焦らずに経過を見てください。(文責 石川)

 

No.11564】  14年12月31日    R
再発の可能性が高いのでしょうか?

3年半前に、ステージ1、トリプルポジティブ乳がんで温存手術をして、現在はホルモン治療中です。半年毎に定期検査をしています。今回MRI検査を受けた結果、手術した側に前回に比べ若干造影効果が目立つものがあるとのことで、エコー検査をすることになり、その検査にて2ミリ程度のものが見つかりました。主治医の先生からは、経過観察で良いと言われております。そこで御質問させて頂きたいのですが

1) 少しずつ大きくなっているということで、やはり再発の可能性が高いのでしょうか?
2) 再発で無いならばどういうことが考えられるのか、こういうことは良くあることなのでしょうか?
3) このまま次回検査まで経過観察でよろしいのでしょうか? 組織診するには、どのくらいの大きさから出来ますでしょうか?

お忙しい中大変恐縮でございますが宜しくお願い致します。

1)2ミリ程度の大きさだと、良性悪性の判別は普通つきません。主治医の先生から言われているように、経過観察がいちばん賢明な方法で良いと考えます。万一どんどん大きくなるようでしたら、その時に針生検を考えればいいと思います。
2)良性腫瘍、術後の変化など再発で無い場合も大いに考えられます。こういうことは珍しくありません。
3)このまま次回検査まで経過観察でいいと思います。私は超音波で大きさ5mm前後から組織診を行っています。(文責 石川)

 

No.11563】  14年12月31日     S.O.
抗がん剤(HPNo.11559-2)

No.11559のものです。アドバイスありがとうございます。現在ホルモン療法ですが、抗がん剤をするとするなら、いつまでにやればいいでしょうか。既に術後から3ヶ月以上過ぎております。施術したのは9月17日です。時すでに遅しでしょうか。抗がん剤をした場合、無再発の上乗せ効果は、かなり期待出来ますでしょうか?

化学療法(抗がん剤)をするなら早い方が望ましいと思いますが、術後から3ヶ月ならほとんど問題ないと考えます。抗がん剤の上乗せ効果は、個人(腫瘍)の感受性と薬剤によって奏功度が違いますが、10%近く期待できるのではないでしょうか。(文責 石川)

 

No.11562】  14年12月24日     MK
経過観察

9月に乳がんが5.4mmあるとの診断。でも、とりあえず3ヶ月様子を見ましょうとのこと。その後、12月に再検査(エコー)をしたところ、癌が6.1mmになっているとのこと。しかし、もう少し様子を見ましょうとのことで、次は半年後でいいと言われました。大きくなっているのに、このまま放置しておいていいのでしょうか?

本当に乳癌なのでしょうか? 余程の理由がない限り、小さくても原発の乳癌を様子観察していることはないと思います。まず診断が本当に乳癌なのかどうかを確かめてください。超音波で見られる乳腺腫瘤を経過観察することはよくあります。この場合、大きくなったら細胞診や針生検で診断を確かめます。(文責 吉田)

 

No.11561】  14年12月22日     O 
いきなり5センチです

6年から7年前にマンモグラフィーとエコー検査を受けて乳腺症でしたが、問題はありませんと言われていました。がんの進行は10年かけて1センチと聞いたことがあり、まだ大丈夫だとたかをくくっていたら、今年の3月くらいから右胸に違和感があり、硬いしこりや突っ張りなど、自覚症状で、マンモグラフィーとエコー検査の両方で乳がん検診を受けました。結果は乳がんだろうとのことで、5センチくらいと言われました。まだ生検していませんが、いきなり5センチくらい大きくなることがあるのでしょうか。部位は右乳房内側乳首下4分の1のあたりです。そのしこりは、手で触ると、硬かったり柔らかかったりします。まだ生検をうけておらず、マンモグラフィーとエコー検査の段階ですが、5センチと聞いてなんだか信じられません。早く大きくなることはあるのでしょうか。また、乳腺線維腫や乳がんの違いは、マンモグラフィーとエコー検査でわかるのでしょうか。

癌の増殖速度は千差万別です。一般に乳癌は比較的遅いですが、急速に大きくなるものもあります。腺維腺腫と癌の違いは、USやマングラフィで分かることが多いです。特に大きい場合は癌らしく見えます。(文責 吉田)

 

No.11560】  14年12月22日     M 
今後の治療について

左乳癌、しこりの大きさ3.6センチ、硬がん、リンパ節二個転移あり、ホルモン値 高度陽性、ハーツーはマイナスで、5年前に温存術後、放射線治療、その後、ゾラデックスとノルバデックスを始めましたが、薬剤性肺炎で、リュープリン3ヶ月製剤とアリミデックスに変更。5年たったので、一応、治療は中止しました。ただ、ホルモン療法は10年やった方が再発予防に効果的であること、ただ、アリミデックスを10年飲む症例がまだ無いこと、リスク(骨粗しょう症)を考えると、続けるのもどうかと! 既に骨粗しょう症になりかけて、エディロールカプセルも飲んでいます。発見時のしこりも大きく、浸潤が8センチあったこと、離れた所に小さなしこりもあったこと、リンパ節に二個だけど転移があったこと、抗がん剤治療をやらなかったことなどを考えると、ホルモン療法10年が推奨されるが、リスクを覚悟でアリミデックスを更に続けるべきが悩んでます。主治医は、心配ならやってもいいけど、リスクを考えてあまり勧めたくないけど、自分で決めてと! 他の先生の考えもお聞きしたくて相談させていただきます。

確かにタモキシフェンは10年が推奨されますが、アリミデックスではエビデンスはありません。ホルモン療法は無理に続ける意味がありませんが、アリミデックスを続けることで骨粗しょう症の悪化を懸念されるのなら、プラリアなどの注射をお勧めいたします。私はこのような場合、10年近くホルモン剤を続けることを奨めます。(文責 吉田)

 

No.11559】  14年12月22日     S.O.
術後の抗がん剤の有無について

年齢は34です。子供たちがまだ小さく、不安でなりません。今はホルモン療法をしておりますが、抗がん剤をしたいならやっても良いと主治医がおっしゃいます。素人の私には決めることがイマイチできません。ご助言よろしくお願いします。9月に全摘したものです。病理結果は、ステージ2、2.3×2×1.8、グレード1 、脈管侵襲ly+、エストロゲン 7、PGr 7、ハーツー マイナス、センチネル迅速では−病理ではITC200ミクロ以下あり、ki67 20%。セカンドでの病理では、上記と違うところは、グレード2 ly+++だったことです。オンコタイプでは中リスクのスコア20で、タモ単独での再発率13%でした。抗がん剤は必要でしょうか。

年齢がお若いこと、ki67が20%、オンコタイプが中間リスクであることより、出来れば抗癌剤をやっておいた方か良いと思います。行うとしたらECまたはACでいいと考えます。(文責 吉田)

 

No.11559-2】  14年12月31日     S.O.
抗がん剤

No.11559のものです。アドバイスありがとうございます。現在ホルモン療法ですが、抗がん剤をするとするなら、いつまでにやればいいでしょうか。既に術後から3ヶ月以上過ぎております。施術したのは9月17日です。時すでに遅しでしょうか。抗がん剤をした場合、無再発の上乗せ効果は、かなり期待出来ますでしょうか?

化学療法(抗がん剤)をするなら早い方が望ましいと思いますが、術後から3ヶ月ならほとんど問題ないと考えます。抗がん剤の上乗せ効果は、個人(腫瘍)の感受性と薬剤によって奏功度が違いますが、10%近く期待できるのではないでしょうか。(文責 石川)

 

No.11559-3】  15年02月12日     S.O.
抗がん剤(2)

いつも回答いただきましてありがとうございます。私は9月中頃に手術したため、もう術後5カ月が経とうとしております。ですが前にアドバイスいただいた抗がん剤にふみきれていません。ホルモン療法ではタモにリュープリンを併用している状況ですが、これでは私の病理結果等(11559)からですと術後の治療としては不完全ということでしょうか。抗がん剤の上乗せ効果に10%ほどとありましたが、これは術後無治療に対しての数字なのでしょうか。それともホルモン剤を中断して抗がん剤をした場合なのでしょうか。抗がん剤をしていなかったことが毎日不安でなりません。よろしくおねがいします。

術後補助療法によって実際に恩恵を被れるかどうかを予測することは難しく(将来的には可能になるかもしれませんが)、現状では手術結果等をもとに、受けるかどうかを考えていくことになります(これで大丈夫だ、足りなかったと判断できるものでもありません)。前回の回答医はホルモン療法にプラスしてとの意味で申し上げたのではないかと思います(裏返せば90%の方は受けても受けなくても運命は変わらないことになります)。抗がん剤をしていなかったことで、日々不安が募り、Oさんにとって悔いが残るようでしたら、これから受けることも可能であると思われますので、主治医と相談なさってみてはいかがでしょうか?(文責 加藤)

 

No.11558】  14年12月22日     S
術後、抗がん剤の上乗せ効果について

閉経前の45歳です。先月、乳房手術を受け、病理結果は下記の通りです。
組織型:硬癌
腫瘍の大きさ:浸潤部4×4mm (in situを含む全体=18×7×24mm)
浸潤の範囲:g,f 
脈管侵襲:ly1,v0
リンパ節転移:なし センチネルリンパ節転移(0/3)
核グレード:Grade3(核異型スコア=3、核分裂スコア=2)
随伴するDCIS:Extensive(25%^) (参考)Gradeおよび組織型:high,comede
切除縁:断端露出なし
免染果:ER+>95%, PgR+>95%, Her2(score3+), MIB-1 index≒35%

主治医からは浸潤部が小さい(5mm以下)ので、ホルモン療法のみでもよいと言われましたが、核グレード3、ly1、Her2陽性、 MIB-1も高いので、タキソテール+ハーセプチンの追加を希望しました。その後、担当が腫瘍内科に変更となり、タキソテール+ハーセプチンの他にFECも勧められました。アンスラサイクリン系の上乗せ効果があるのであれば、FEC(またはEC)を追加すべきかとも思います。

1) 放射線、ホルモン療法、タキソテール、ハーセプチンで再発リスクはどれくらいでしょうか。
2) FEC(またはEC)の追加で、再発リスクはどれくらい下がりますでしょうか。
3) FEC以外の抗がん剤の選択肢(ACなど)はありますでしょうか。

お忙しい中、申し訳ございません。ご回答のほど、よろしくお願いいたします。

1) 正確には分かりませんが、5−10%程度と思います。
2) 5%以下だと思います。
3) なぜFECであるのか分かりません。ECをすることが多いと思います。(文責 吉田)

 

No.11557】  14年12月22日     Y.N. 
術後のセンチネルリンパ生検と、今後について

48歳、硬がんグレードT、ホルモン強陽性、Her2陰性、ki67 40〜50%のルミナールBです。11/1に部分切除。担当医の都合で「たぶん転移してないし、検査結果を見てから後日やればいい」と、リンパ生検はせず。初めは「ルミナールAだから抗がん剤なし、放射線とホルモンで」と言われていたが、先日ki67の値がわかり、「抗がん剤も視野に入れて」と言われました。リンパも「ほぼ転移ないし、あっても放射線でカバーできる」と言われましたが、頼んでやってもらいました。そしたら生検前にエコーに写り、腫れていたものがあったので、センチネルと一緒にとったとのこと。今結果待ちですが、おそらく陽性と覚悟しています。主治医は乳腺専門の認定医ですが、何しろ楽天的というか、おそらく大丈夫、と言っては、私が頼みこんで検査をし、結果、悪かったことばかりです(針生検、ki67、リンパ生検、すべて、黙っていたらやらなかったと思います)。お聞きしたいのは二つです。
ひとつは、今回のセンチネルリンパ生検について。ネットで、「乳がん術後のセンチネル生検は、センチネルの同定が困難なため適応しない」と知りました。では今回とった五つばかりの青いセンチネルリンパ節(見ました)は、正しいセンチネルとは限らないのでしょうか。それなら陽性はともかく、陰性の場合信頼できません。術後でも、正しい検査ができる方法はあるのでしょうか。でないと、主治医がなぜ今、この検査をしたのか意味不明です。
もうひとつは、今後の治療ですが、Ki67が先日わかるまでは、来月からの放射線を予定していました。が、ルミナールBで、しかもリンパ転移がありそうなので、抗がん剤が先になりますよね。ただ、リンパ転移がある場合は、転移数を把握するためにもリンパ郭清が必要と思うので、抗がん剤にしても放射線にしても、始めてしまうと、リンパ転移の数を正しく把握できなくなるのではと思います。かといって、郭清の手術を終えてからだと、また先延ばしになります。今現在、術後1.5カ月たっていて、年末年始もあり、手術待ちもあり、うまくいっても抗がん剤開始は2月後半くらいになりそうなので、四か月近く何もせず経過してしまいます。しっかり調べて、手術時に何がなんでもリンパ生検をしてもらうべきだったと思いますが、あとのまつりです。今後、何を優先してすすめていくべきか悩んでいます。あまり一般的な例ではないとは思いますが、一般的にはこんな場合、どうするのでしょうか。主治医に相談するまえに、ある程度の知識を身につけておきたいと思います。よろしくお願いいたします。

乳房手術後にはセンチネルは正診率がおちる可能性があり、あまり一般的ではありません。主治医がそれでも行ったのには、患者さんの要請とki-67が高かったからでしょう。今一番大切なのは、リンパ節生検の結果でしょう。もし陽性であれば、郭清をして、抗癌治療、放射線治療の順になっていきます。陰性ならば郭清はしないでしょう。リンパ節転移が陽性である可能性はありますが、一般に乳房の手術のあとは反応性にリンパ節が腫大してくること多いです。また仮に陽性であったとしても、上記のことをキチンと行うようにすれば、初めからセンチネル生検を行ったのとそれほど大きな違いはないでしょう。(文責 吉田)

 

No.11556】  14年12月22日     M 
抗がん剤について

乳房温存手術後、現在タモキシフェン服用と放射線治療中の47歳です。 病理の結果は、腫瘍径12mm、センチネルリンパ節生検4個中1個に転移があり、ホルモン強陽性、Her2マイナスで、 kei67は15%です。 医師から、「ホルモン治療単独でいくか、タキサン系薬剤とティーエスワンの臨床試験の募集があるので(私はティーエスワンが適用されています)やりますか?やるやらないはご本人の意志に任せます。」と言われ、悩んでいます。 ティーエスワンは比較的副作用が軽いと言われているようですが、 骨髄に作用して白血球が減少するなど、身体へのダメージがそれなりに大きいようで、不安もあります。 かと言ってリンパ節に転移もありますので、ホルモン治療だけでは心配でもあります。転移、再発が見つかってからの抗がん剤でも遅くはないですか?

乳癌は最初の段階で再発がない様にできるだけのことをしておくことが原則です。一度再発転移を起こすと、ほとんどの場合、根治が難しくなります。どうしてもイヤでなければ臨床試験は受けた方が良いと思います。副作用は経口抗癌剤でもありますが、もし副作用が強いなら減量基準もきちんと定められているはずですので、心配はないと思います。(文責 吉田)

 

No.11556-2】  14年12月31日     M 
LH-RHアゴニスト製剤

No.11556にて相談させて頂きました、ありがとうございました。もうひとつ不安に感じていることがあり、またご助言頂けましたら幸いです。術後の補助療法は現在タモキシフェンの内服のみですが、閉経前の場合はLH-RHアゴニスト製剤と併用している方も多いようですので主治医に尋ねましたところ、「あなたの年齢(47才)では必要ありません」との返答でした。現在月経はあり、タモキシフェン服用前の血液検査ではエストラジオール値が224という数値でした。主治医から月経の有無の質問はありません。年齢以外の要素で、この治療が除外される理由を尋ねましたが返答がなく、困惑しています。このまま主治医の方針に従っていいのでしょうか。

閉経前の場合は、LH-RHアゴニスト製剤にタモキシフェンの内服を併用することはよく行われています。特に化学療法までは必要でないけれど、少し心配な点があるような時で、ホルモン療法を徹底させたい場合には、行われる傾向があります。どちらが良い悪いという、はっきりした基準はないようです。併用を好まない医師も多数いるのが事実です。(文責 石川)

 

No.11555】  14年12月19日     K.N.
今後の治療について

 

初めてメールいたします。12月初めに乳がんという診断が下されました。
左胸所見
針生検組織2本、いずれも腫瘍病変認めます。腫瘍は胞巣状、篩状、充実性、管状構造を示す異型上皮細胞の浸潤性増生からなるinvasive ductal carcinoma でpapillotubular carcinomaが考えやすいと思います。リンパ管浸襲、静脈浸襲はly1,v0程度、核グレード分類はGrade3(核異型スコア2点+核分裂像スコア3点)です。ホルモンレセプターについての免疫組織化学的染色結果は、ER:約2% PgR:0% HER2:3+、陽性 ki-67:約30% です。

右胸所見
針生検組織2本、いずれも腫瘍病変認めます。腫瘍は胞巣状、策状構造を示す異型上皮細胞の浸潤性増殖からなるinvasive ductal carcinoma で、scirrhous carcinomaが考えやすいと思います。リンパ管浸襲、静脈浸襲はly1,v0程度、核グレード分類はGrade2(核異型スコア2点+核分裂像スコア2点)です。ホルモンレセプターについての免疫組織化学的染色結果は、ER:約80% PgR:2% HER2:3+、陽性 ki-67:約20% です。。

以上の結果、医師に勧められている治療は、1.Fec(100)の投与*4コース 2.タキサン+ハーセプチン とのことです。でも、1と2は逆ではないかという説もあり、まったく自分では判断できません。医師がなぜ、Fec(100)という抗がん剤を勧めているのかも不明です。セカンドオピニオンも考えておりますが、まずは初回の投与を決めました。その後、合わないと思われたら、その時に考えるのでは遅いのか?  仕事も続けたいし、やめられないし、はたしてこれらの治療に持ちこたえられるのか? ぜひ、ご意見ご感想をお聞かせいただきたく。何卒よろしくお願いいたします。

両側乳がんでホルモンの感受性は左右で差がありますが、いずれもHER2;3+ということで、ハーセプチンを軸にした薬物療法をしっかり行っていく必要があります。タキサン+ハーセプチンから開始する方法もありますが、FECに含まれるアンスラサイクリン系の薬剤はHER2陽性乳がんに有効であることが知られていますので、FECから開始して、その後タキサン+ハーセプチンで治療し、タキサン終了後も引き続き1年間ハーセプチンを続けるのは一般的な治療と考えます。FEC治療中はハーセプチンを併用すると、心臓への副作用が心配されるため併用しないのが日本では一般的です。FECを開始したのであれば、副作用が許容範囲内であれば、4コースまで続けることをお勧め致します。(文責 浜口)

 

No.11554】  14年12月19日     M
再発の種類と治療方法について
 

50歳・既婚です。2003年に右乳房部分切除+郭清(1転移/14)を行い、術後、放射線50Gy/CEF ✕6/タモキシフェンを5年服用しましたが、2014年11月下旬に右鎖骨の3cmほど下に腫瘍が再発してしまいました。かなり乳房とは離れていますが、鎖骨下リンパではなく乳腺とのこと。病理の結果は以下の通りです。
原発:ER++ PR++ Her2 1+ NG1
再発:ER+++ PR+++ Her2 0 Ki-67 30%
     肝臓・リンパ節は検査結果待ち。骨・肺には転移なし。
     日常生活において何の症状もなし。
     3年前からγGTPが高値のまま安定(120前後上がったり下がったり)

1) 主治医からは、あまりに最初のものと場所もタイプも違うので、 再発ではなく別の乳癌が新たにできた可能性もあるため、手術を行うと言われていますが、手術前に再発なのか、新たな原発癌なのか明確に知る方法はありますか? 再発だった場合、手術をしても生存期間は変わらないので、手術はせずにホルモン療法に移行したいと考えています。
2) 肝臓に転移があった場合、完全に手術は適応外と考えてよいでしょうか? NCC-ST-439が64と高値だったので、肝臓への転移を疑っています。

主治医ときちんと話し合うための知識の裏付けとしてご意見いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。

再発か新たにできた乳がんなのかは、前回の乳がんとタイプが違うのであれば新たなものと判断しますが、厳密に区別することは難しいです。しかし、今回の腫瘍は再発だとしても局所再発の可能性が高そうであり、そうであれば再発でも治癒を目指して治療することが可能です。腫瘍マーカーは参考程度であり、遠隔転移の有無は画像で評価した上で、肝転移などがあれば手術より全身薬物療法を優先することになりますが、今回の腫瘍以外に病変がないようであれば、治癒を目指して手術や薬物療法を行うべきと考えます。(文責 浜口)

 

No.11553】  14年12月19日     H
腫瘍マーカー

妻(現53歳)が4年前に乳がんで左乳房を全摘しました。リンパも一部郭清し、リンパ転移あり。ホルモン陽性、her2陰性、ルミナールA型。注射で生理を止めノバッテクスを服用、ホルモン値も下がっていたので、1年前にアロマターゼ阻害剤に切り替えました。ところが先日、生理が復活し、ホルモン値も急上昇しました。それとともにがんマーカーに変動がありました。CSLEXは術前10を越していましたが、術後は2.5未満で安定していました。それが突然4になりました。主治医は、8以下が正常値であり 問題ないとおっしゃって下さっていますが、CSELEXは比較的安定で変動が少ないとも聞いており心配しています。
1) 正常値範囲内であれば、この程度の変動はよくあることでしょうか?
2) 再発を疑ってかかった方がよいのでしょうか?
3) 生理が復活して大量のホルモンが出たことが何か影響した可能性はあるのでしょうか?
4) 薬をノルバテックスに戻すが注射で生理を止めることはしないというのが新治療方針ですが、注射で生理を止める必要はないのでしょうか?

アドバイス、お願いいたします。

腫瘍マーカーは一般的に血液中の微量な物質を検出していますので、多少の変動があっても不思議ではなく、正常範囲内であれば心配しないでよいと考えます。治療方針も標準的治療と考えます。(文責 浜口)

 

No.11553-2】  15年02月15日     H
ホルモン治療薬
 

先日はありがとうございました。No.11553の者です。今回は治療薬について相談させてください。生理の復活で薬をノルバテックスに戻したのですが、また生理が遠ざかっており、単に遅れているだけなのか、閉経したのか、不明の状況です(現在、53歳です)。このような不明の状況では、ノルバテックスとアリミデックスを併用した方が良いということはないのでしょうか? 併用は保険がきかないとの話も聞きますが、実は、ノルバテックスに薬を戻した時、いくらか分のアリミデックスが残っております。併用した時の 問題点(副作用等)は何かあるのでしょうか? また併用した方が、治療(再発予防)効果があがると考えられるでしょうか?

この質問には明快なエビデンスに基づいた答えがあります。答えはNoです。ホルモンレセプター陽性の閉経後乳がん術後の患者さんに対して、ノルバデックスを内服する群と、アリミデックスを内服する群と、両剤を内服する群の3群での無病生存率をみたATAC(アタック)試験があります。試験前の予想では、異なる薬効をもつ両剤を内服する群の成績が一番良いのではないかと考えられたのですが、結果は、一番良かったのはアリミデックス群で、両剤併用群とノルバデックス群は同等でした。このことから、二剤一緒に内服すると、薬剤の負の相互作用としてノルバデックスがアリミデックスの効果を下げていると考えられています。ですから、両剤を一緒に内服することはお勧めできません。(文責 清水)

 

No.11552】  14年12月18日     Y
術後補助療法の選択について(2)(HPNo.11506-2)

お世話になります。以前質問をさせていただいた者です。現在41歳、放射線治療も無事終わり、ホルモン治療の選択が迫っています。妊娠を考えてのホルモン治療を一年間ほど見送るという考えに対し、主治医は当然あまりよい反応はなく、最終的にはリスクとを天秤にかけての自己判断と言われました。確かにその通りとはいえ、ご回答いただいた内容と真逆の反応に戸惑ってしまいました。何度も申し訳ございませんが、ご意見を再度お伺いしたいです。

1) 浸潤癌でも無治療にすることはあるのでしょうか?これまで受け持たれたケースでどのようなケースがありましたか?
2) アジュバントの結果をもう少し詳しく教えていただけませんでしょうか?無治療での無再発率、ホルモン治療をした場合の効果など。
3) 妊娠成功の場合、出産後にホルモン治療を始める場合の効果は実証されているのでしょうか?

よろしくお願いいたします。

1) 浸潤がんであっても、貴女のように再発リスクが低い方や、治療による副作用が出る方など、術後無治療としています。
2) 10年再発率のデータを見る場合には対側乳がんのリスク(10年で約7−8%)、乳房温存術後の同則乳房内再発、もしくは乳房切除後の局所再発(10年で5%前後)が加わわることを頭に入れておいてください。あなたの場合の10年再発率は、無治療で14%、ホルモン療法を加えた場合9%となります。
3) そのようなevidenceはありません。(文責  清水)

 

No.11551】  14年12月16日    E 
子宮筋腫と乳がん治療について

今年1月に右乳がんが見つかり、現在、治療中(45才)です。現在までの治療は、2月に全摘出手術。その後、EC療法4回/3週、パクリタキセル12回/毎週の化学療法を9月まで行いました。併せて、ハーセプチンを3週ごとに投与中、さらに10月からはホルモン剤として、タスオミンを服用しています。12年前に子宮筋腫がみつかり、筋腫だけをとる手術をしたのですが、その後再発し、筋腫が大きくなっています。乳がんが見つかる前は、婦人科のほうで再手術?と思っていたのですが、乳がんの発見で、そのままにしていました。先日、やっと婦人科を受診したのですが、やはり筋腫が大きくなっており、手術をするかは自分で決めるように言われました。その際は、卵巣も一緒にとることもできると。私としては、乳がんの手術をしたばかりというのもあり、また、入院、手術というのには、ちょっとためらいもあります。さらには、子宮、卵巣ともなると、女性としてのすべてが失われてしまう喪失感もあります。しかし、乳がんの再発を抑えられるのなら、という気持ちもあります。
乳がんのタイプは、浸潤性乳管癌(硬癌〉乳頭腺管癌)、腫瘍径18×14mm(pT1)、組織学的悪性度 grade2、ER 3+、 PgR 2+、HER2 2+、 fish法4.4、MIB-1 39.4%、センチネルリンパ節生検(1/1)、リンパ節転移level1(0/18)level2(0/2) です。子宮筋腫について、先生方であれば、どのようにお考えになるか、教えて下さい。

基本的には乳癌と子宮筋腫は別に考えて、子宮筋腫に対して必要な治療をすればよいと思います。もしも、手術を選択した場合には、乳癌再発予防の効果を期待して卵巣も一緒に摘出することはオプションとして考えられます。卵巣を摘出して、タモキシフェンから閉経後の治療薬であるアロマターゼ阻害剤に変更することでわずかに予防効果があがるかも知れません。ただ、薬物療法でも卵巣摘出とほぼ同等の効果は期待できますので、主治医の先生とよく相談して決めて下さい。(文責 浜口)

 

No.11550】  14年12月16日    N.T. 
半年の間に急変しないのか?

初めて投稿させていただきます。今年8月に乳がん検診を受診しました。マンモグラフィで、右石灰化あり、要精査と言う結果でした。セカンドオピニオンでは、「小さ過ぎで、針をさして検査ができないので、6ヶ月後に再度、検診に来て下さい。」との事でした。私は49歳、出産経験がありません。とても不安なんですが、このまま6ヶ月間様子を見て良いのか?その石灰化の物が悪性で、半年の間に大きくなったらと思うと不安で・・・。ご回答、よろしくお願いいたします。

石灰化のみでみつかるような乳癌のほとんどは、非浸潤性乳管癌という非常におとなしいがんであり、年単位かけて成長してくることがほとんどですので、6ヶ月後の再検査で心配ないと考えます。(文責 浜口)

 

No.11549】  14年12月16日    N
マッサージ

2年ほど前に温存手術を受けています。その際、センチネル検査は0/1でした。病理結果は、2mmの乳頭腺管がんで、ホルモン強陽性のためタスオミンを継続して服用しています。今回の相談なのですが、2日前、酷い肩こり、腰痛のため、マッサージを受けました。その際、寝てしまい、気がつくと、腕から脇をマッサージされていて、脇の下鎖骨下等、リンパのマッサージだったのでは?と、後で気づきました。次の日から、二の腕内側に違和感があり(手術後もありましたが最近は消えていました)、今は腕を動かすと脇の下に痛みがあります。 普段あまり気にしていなかったのですが、リンパ浮腫予防のために、患側で荷物を持ったり注射をしないなど注意事項があった事を思い出して、安易にマッサージを受けた事をすごく後悔しています。以降、なるべく患側は使わないように休めているのですが、他に出来ることはありますか?(病院で浮腫予防のためのマッサージなど)
しばらく様子をみて、症状がなくなっていくようでしたら、今回は浮腫に関しては心配なくなるのでしょうか?(何日くらい様子を見ればいいですか?) 浮腫の初期症状としては、どのような事に気を付けていればいいですか? また、リンパを流すという事で、万一、リンパに再発していたら、より全身に回りやすくなるのでは?と、色々心配になって来ました。ご意見、よろしくお願いいたします。

マッサージを1度受けたことが原因でリンパ浮腫を引き起こす心配はしないでよいと考えます。リンパ浮腫の初期症状としては、目に見えて腕にむくみが出る前に手の甲のむくみや、前腕の太さを計測して変化をみると早くに発見できる場合もあります。適度な運動は筋肉の動きがポンプのような作用をしてむくみの予防によいと考えられ、マッサージも皮膚を動かす程度のイメージで、腕の先から体の中心方向にさすってあげるとよいと言われています。再発・転移を増やす心配はありません。(文責 浜口)

 

No.11548】  14年12月16日    A
血性乳頭分泌物

36歳、既婚、子供無しです。昨年9月、定期検診の為、マンモグラフィーで胸を圧迫した際に左右両側の乳頭から血性分泌があったため、分泌物の細胞診、乳房MRI検査を受けました。その結果、右乳頭分泌物クラス1、左乳頭分泌物クラス2、MRIでの悪性所見なし、今の段階で乳管造影検査は必要なしとのことで、経過観察になりました。左右の乳頭からは血性分泌の他に2、3ヶ所の穴から透明〜薄い黄色の分泌物があります。経過観察を続けて1年程になり、始めは明らかな血液だったけれど、徐々にオレンジ色から、薄い黄色になっていました。しかし一週間前くらいから右乳頭よりまた明らかな血液の分泌があり(鮮血でした)、乳腺外科を受診して、只今乳頭分泌の細胞診結果待ちです。そこでいくつか質問があります。
1) 徐々に治まっていた血液分泌物が再度出るということは、乳管内乳頭種より非浸潤乳管がんの確率が高いでしょうか?
2) 分泌物は自然に出てくることはなく、絞ると出てきます。乳がんの場合、量も多く、自然に出てくるものでしょうか?
3) このように分泌物が続く場合、乳腺区域切除を考えた方がいいのでしょうか?

宜しくお願いいたします。

1) 血性分泌が再度出たからといって乳頭腫より非浸潤性乳管癌の可能性が高いということはありません。
2) 量の多い少ないで、癌かどうかの区別は困難です。
3) 確かに血性分泌が続く場合には、乳管内乳頭腫や非浸潤性乳管癌といった乳管内にできる腫瘍がみつかる場合があり、注意が必要です。現時点では、複数の乳管から分泌物が出ていて、MRIでも腫瘍を疑う所見がなく、また細胞診でも腫瘍を疑う細胞が認められておらず、腫瘍の存在を疑う所見はなく、すぐに手術を考慮しなくてもよいと考えます。(文責 浜口)

 

No.11547】  14年12月07日    E
筋肉痛

初めてメールします。49歳のとき、左乳がん全摘出しました。腋窩リンパ節郭清(3個)、ホルモン陽性、HER2陰性です。AC,ドセタキセルの化学療法が10月に終わり、放射線治療が先日終了しました。現在は、ホルモン剤(タモキシフェン)を11月7日から服用しています。どれの原因かは解りませんが、筋肉痛が治りません。特に朝起きるときに体中が強張っていて、階段を降りるのが容易ではありません。しばらく動いていると緩和されてきますが、じっとしていてその後動くと、また強張っています。どれの副作用でしょうか?

AC,ドセタキセルは,すでに終了していますので,その副作用としても,回復を待つしかありません.現在内服中のタモキシフェンが、一番可能性があります(あまり経験のない副作用ですが)ので,まず休薬してみて,副作用の発現状況を見てはどうでしょうか.(文責 徳田)

 

No.11546】  14年12月07日    Y 
センチネルリンパ節生検

乳頭から少量の出血があり、受診しました。エコー、マンモグラフィーではわからず、造影MRIで微小石灰化と6ミリの腫瘍らしきものが写っているとのこと。分泌液のCEA値が高く、細胞診でもカテゴリ4。しかし、マンモトーム生検では何も出ませんでした。そこで乳管に沿って扇状に切除して病理診断する事になったのですが、その時にセンチネルリンパ節生検はしないとのこと。悪性の確定がない時点でリンパを切るのはリスクがあるというのが理由だそうですが、その時は納得したのですが、帰ってから不安が出できました。病理診断の結果、周りにガン細胞が散ってなければ、もう手術はしないらしいのですが、腫瘍が悪性であった場合、リンパ転移の有無はどうやって調べるのでしょうか?

悪性でも,周りにガン細胞が散っていない,すなわち非浸潤癌の場合,リンパ節転移は理論的に考えられないので,調べる必要がないのです.(文責 徳田)

 

No.11545】  14年12月05日    M 
術後血液検査の間隔

いつも参考にさせて頂いており、ありがとうございます。術後2年半です。乳がん1期、グレード1、ly- v- で、温存、放射線、フェマーラ服用中です。1年目、2年目の検診は、胸部X線、血液検査、マンモグラフィー(健側)でした。2年目の検査も同じです。血液検査は半年に1回でしたが、2年過ぎたら、血液検査も1年に1回でいいと言われました。ずっと、血液検査に問題はないのですが、薬を服用中なので、1年も間隔が空くと心配です。フェマーラの副作用は出ていません。半年ごとに血液検査をしなくても、大丈夫でしょうか?

血液検査は,フェマーラの副作用のチェックのためと思います.現時点で副作用がなければ,1年に1回で十分と思います.(文責 徳田)

 

No.11544】  14年12月05日    S
乳頭が大きくなってしまいました

高校生です。以前右乳頭部分が痒くなり、かきむしって皮がむけてしまいました。その後、乳頭が大きくなってしまいました。アトピー性皮膚炎をもっているため、痒いこと自体は気にしていませんでしたが、大きくなったのは、高校3年の健康診断(4月)で指摘されました。患部に痛みや熱は無く、皮膚科の先生にはパンデルという塗り薬を塗るように言われましたが、患部の大きさが小さくなることはありませんでした。癌かどうか知りたいのですが、どういう病院を尋ねればよいかわからないので、教えてください。

悪性の可能性は,極めて低いと思いますが,皮膚科の主治医にまず相談しましょう.(文責 徳田)

 

No.11543】  14年12月05日    P 
今後の治療について

初めて相談させていただきます。46歳女性です。先月、約5cm超の葉状腫瘍の疑いにて摘出手術を受けました。病理検査の結果、良性葉状腫瘍にDCISの合併、葉状腫瘍内に8mmのDCIS、断端陰性、ホルモン陽性、ki67:10%、とのことです。補助療法について、無治療、放射線+ホルモン療法の選択をしなくてはなりません。症例が少なく、無治療との報告症例が多いのに倣い、無治療とすべきか、癌の補助治療をすべきか戸惑っております。葉状腫瘍の再発、放射線による2次癌、肉腫も心配です。また、経過観察の7cmの子宮筋腫もあり、ホルモン治療による子宮体癌リスクも心配です。0にはならないリスクを下げる為に、補助療法を受けるべきか、大変迷っております。放射線もしくはホルモン療法の一方の治療でも可能であるかを知りたく存じます。どうぞ宜しくお願い致します。

ホルモン受容体陽性のDCISの温存術術後の放射線療法およびホルモン療法は,局所再発を抑制するのが目的で,標準治療です.治療による有害事象より,メリットが大きいからです.もちろん,どちらかの一方の治療も可能ですが,併用の方が,より有効です.(文責 徳田)

 

No.11542】  14年11月30日    Y.N. 
術後治療の選択について

最近乳ガンの手術をしました。32歳で乳ガンになりました。術前に、「しこり1.4cm、リンパ節転移なし、ステージ1のグレード1」と診断されました。恐らく術後は放射線→ホルモン治療というながれになりそうですと、いわれました。そして、手術中に2ミリのリンパ節転移が見つかり、そちらも一緒に必要なところだけ残してとりました。温存手術です。もとのシコリのまわりには、他には見当たらなかったそうです。ステージ2aのグレード1に変わりました。主治医には、まだ若いので、抗がん剤→放射線→ホルモン治療を勧めらました。まだ手術したばかりで詳しい病理検査はでていませんが、質問です。

1) シコリが2ミリ以下でグレード1の場合でも、リンパ節に転移するのか。
2) グレード1のおとなしめのタイプでも、抗がん剤をしたほうがいいのか。また、した場合、効果があるのか。
3) ホルモン感受性が強くHersが陰性の場合は、抗がん剤はあまり効かないのではないか。

この3点です。若干似た質問になってしまいましたが、よろしくお願いいたします。長文になってしまって申し訳ございません。

1) 浸潤がんが2mm程度でも腋窩リンパ節に転移することは少ないですがあり得ます。しかしこの場合、しこりは1.4cmとの記載なので、乳房にできたがんの大きさは1、4cmで、そのがんが腋の下のリンパ節に転移。腋の下のリンパ節にできた転移がんの大きさが2mmということですね。
2) そのほか エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、HER2タンパク Ki67といった指標を調べてあるはずなので、それらの指標を参考にして、予測される予後と化学療法で得られるメリットを推量して患者さんには化学療法をするか否かお勧めします。こういった指標はどうなっているのか、再発する確率はどのくらいで、化学療法をした場合にどれくらいのメリット、デメリットがあるかを主治医に質問してみてください。
3) 確かにホルモン感受性が強陽性でHER2陰性で、細胞増殖マーカー(KI67など)が低いがんはルミナルAというサブタイプで化学療法の効果が限定的なこともありますが、PgR値が低い、Ki67が高い値の症例はルミナルBサブタイプに分類され、化学療法の追加を検討することがすすめられています。 また臨床病理学的なこうした指標のほかに自費検査になりますが、オンコタイプDXという検査があり、切除した乳癌をよく調べて、再発リスクがどの程度か、化学療法のメリットはどのくらいありそうかを調べる検査もあります。 (文責 俵矢)

 

No.11541】  14年11月30日    K.M. 
妻の乳がん(HPNo.11455-3)

お世話になります。No.11455でご相談したものです。その後の経過で、骨転移が多発していることがわかり、今後の治療が、アフィニトールを進められました。現在は自覚症状等はなく、普通に生活しているのですが、それほど現状は悪いのでしょうか。この薬は高価で、副作用等も気になります。他に使用できる薬はないでしょうか? 11月の腫瘍マーカ HER−2neu〜18.8 CA15−3〜33.1 CEA〜51.4 1CTP〜15.8 タキサン系の抗がん剤は、医師からは進められませんでした。

これまでにどのような化学療法、ホルモン療法をしてきたかにもよりますが、アフィニトール、アロマシンのほかにも、ホルモン療法単独や、化学療法の選択肢もあるように思います。主治医の先生 とよくお話になってみてください。 (文責 俵矢)

 

No.11540】  14年11月30日    O.T. 
乳ガン治療全般について

初めてご相談させて頂きます。素人目線の、かなりレベルの低い質問かもしれませんが、ご回答下さると助かります。
自分でシコリ(16mm)を発見し、今年8/13に乳腺クリニックへ。マンモ・エコーの診断では乳腺症で、念の為にと行った細胞診の結果が8/23に出て、乳ガンと判明。そこで更に太い針で再度細胞診。9/6に出た検査結果で初期の非浸潤ガンと確定。その後、そのクリニックから紹介された病院で色々な検査を経て、10/2に左乳房全摘出手術。幸いリンパ節等への転移はなく、全摘でガンが全て取り切れれば術後の補助治療は必要ないでしょうとの事だった為、全摘を希望。しかし1ヶ月以上経った11/4にやっと病理検査の結果が出たが、残念な事に1ミリの浸潤あり。1ミリの浸潤なら経過観察のみでもいいが、念の為にとノルバデックス服用のホルモン療法を勧められ、次の外来までにするかしないか決めて下さいとの事。後日、指定された11/14の外来日に、行う旨を主治医に告げるがその日は処方されず。今後は元のクリニックに戻ってもらっての治療となる為、そちらで処方して貰って下さい、データは送っておきますから・・・との事。とにかく疑問だらけです。例えば、細胞検査で非浸潤ガンと診断されたら、ずっと非浸潤ガンのままですか? 途中で浸潤ガンに変わったりはしないのですか? クリニックの先生曰く、細胞採取の際に採った組織がたまたま全て非浸潤のエリアの物だと、例えその時点で浸潤があっても非浸潤ガンと診断される為、本当に非浸潤ガンかどうかは手術で切り取った検体を調べてみないと解らないとの事。私の場合、病理検査の結果、結局浸潤があった訳ですが、これは最初からの物なのか、それとも手術までの時間が余りにも空きすぎた為に病状が進行して起こった物なのか。そもそも、細胞採取の段階で乳管に針を刺したら、当然乳管に穴があきますよね? そうなると、その穴から内部の組織が漏れ出した結果、非浸潤だった物が浸潤になってしまうのではないか。何も解らない素人は、単純にそう考えてしまいます。さらに、最初のクリニック受診からホルモン療法云々となる現在に到達するまでの期間、様々なタイミングで次の治療に進むまでの間が空きすぎて、その間にどんどん進行してしまったのではないか・・・もし1ミリの浸潤が最初からなら、もうだいぶ前から血液やリンパの流れに乗ってガン細胞が身体を巡ってしまっているのではないか・・・そんな状況なら今更ホルモン療法をしても遅いのではないか・・・そんな不安にもかられます。患者としては、医師の指示に従うしかない。今月は手術の予定が詰まっているから無理と言われたら、1ヶ月先でも待つしかない。ホルモン療法をするかしないか決めるだけで10日も待たされて挙句に処方されない。病気の治療って、こんなにもひとつひとつ、イチイチ時間がかかるものなのでしょうか・・・私が知らないだけで、これが普通なのでしょうか・・・。この先も不安しかありません。

8月末に初診で10月初旬に手術であれば、通常のスケジュールですすんでいるように思います。確かにがんの中にはかなり早く進行するものはありますが、このタイプは数週間ー1ヶ月の間に増大がみられるものとは違いますので、待ち時間がある間に進行したということは心配しなくてよさそうです。病変の中のがんがすべて乳管内がんだと非浸潤がんと診断し、一部にでも浸潤がんを伴っていた場合は浸潤がんと診断します。大部分が乳管内がんで一部に浸潤がんを伴うタイプのがんは、針生検や細胞診で術前に非浸潤癌か否か確定診断するのは非常に困難です。、結局は術後に切除した病変を詳細に検討して診断されるものなのです。ですので術後の結果を出すのに時間がかかったのでしょう。待っているほうもご心配なのは承知なのですが、この場合、焦って結果を出すよりも浸潤があるかないかをゆっくり検討して結果を出した方がよいと思います。まだ術後二ヶ月程度なので、いまからホルモン療法をはじめても決して遅くはないと思います。不安な気持ちでいらっしゃるのは文面から伝わってきます。いまここで質問していらっしゃるようなことを、クリニックや病院の先生に、お話になってもよいと思います。一つ一つの心配ごとが主治医とお話して解決されていれば、おそらく待つ時間の不安も少し和らぐ事でしょう。いまからでも遅くないので、担当の先生とよくお話をしてみたらいかがでしょう。この先の不安が小さくなることを願っています。 (文責 俵矢)

 

No.11539】  14年11月29日    A 
今後の治療について(HPNo.11527-2)

先日、相談させていただいたものです。断端陽性で追加手術で左全摘手術をしました。今後の治療について、ご相談させていただきます。
ER 90%、 Pgr 10%、 HER2 +3 ki67 5% リンパ転移なし、脈管侵襲なし 浸潤5o(他わずかに3箇所浸潤)
ハーセプチンは化学療法と併用とのことですが、ki67 5%の場合、抗ガン剤の上乗せ効果はどのくらいあるのでしょうか? 今、タキサン系4クールか、一週間に一度の抗ガン剤投与とで悩んでおります。また、Pgr値が低いとホルモン療法の効果は低いのでしょうか? よろしくお願いいたします。

再度の手術、お疲れ様でした。体力も少しお戻りになった頃ではとお察し申し上げます。Ki67(MIB-1)が5%と低い値であり、この値でもハーセプチンを使用するべきか?或いはハーセプチン使用の際に抗がん剤との併用が必要か?との質問であると思います。まず一般にKiの値が高くなると再発率も高くなることは知られておりますが、HER2過剰発現を有する乳がんにおいて、Kiの値とハーセプチン(+抗がん剤)の上乗せ効果を調べた詳しいデータは知られておりません。よって、Kiの値を問わずハーセプチン使用が奨められます。また前回の回答でもあるとおり、抗がん剤を使わずハーセプチンだけを使う方法はその再発予防効果が認めておらず、やはりお奨めできません。再発を防ぐことが今後の最大の目標であろうと思いますので、やはり標準通り抗がん剤併用のハーセプチン使用をお奨めしたいと思います。また貴女の場合、ER90%(強陽性)、PgR10%(弱陽性)ということになります。PgRも強陽性の場合に比れば、いくらかホルモン療法の効果が下がる可能性はありますが、ERが強陽性でありますので、ホルモン療法は十分に期待できると思います。(文責 谷)

 

No.11538】  14年11月29日    K 
ホルモン剤治療中の不正出血について

去年10月に右乳房温存手術を受けました。その後、放射線25回、アナストロゾー. ル5年、ということで現在ホルモン剤治療を行っていますが、今年5月から度々不正出血があります。担当医にその旨伝えたところ、婦人科の検査も受けて、異常はない、ということなのですが、また昨日から4回目の不正出血があります。量も多く、不安です。アナストロゾー. ルの副作用として、頻繁な不正出血は珍しくないのでしょうか。これからも、生理のような間隔で起こるのでしょうか。どうかよろしくお願いします。

アナストロゾールの副作用としてご存知のとおり不正性器出血があります。人によって、その出血の程度や頻度はまちまちです。ただ生理と匹敵するくらいの量や回数であるとすると、一般に副作用以外の可能性も考えなければなりません。一度婦人科を受診したとのことですが、再度婦人科を受診して、予想以上に多い出血に関して、原因とその対処をご相談されることをお奨めいたします。(文責 谷)

 

No.11537】  14年11月24日    M 
女性ホルモン膣剤について

乳がん温存手術から6年めになります、浸潤がん、ホルモン感受性です。現在フェマーラを飲んでいます。質問ですが、昨日体癌頸がん検査の際、膣が炎症してるとのことで 膣剤を使用、 薬の名前は、ホーリンV1ミリでした。女性ホルモンの薬だと、使用後にわかりました。私は全く自覚症状がなく、ホルモンの薬なら、使用を断っていました。一錠でも今後乳がんや体癌なとの副作用があるのではないかと心配です。

ご相談どうもありがとうございます。ご指摘の通り、乳がん術後の患者様はご使用にならない方が望ましいと考えます。一錠での影響をご心配する必要はありませんが、今後はご使用をお控えください。婦人科の先生、乳腺外科の先生にもご相談くださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11536】  14年11月24日    アリス
ナベルビンについて

現在、術後7年です。5年で再発し、右乳腺がん(小葉癌)、両側腋かリンパ節転移癌、肝転移、後腹膜癌、右水腎症、腫瘍性尿管狭窄、の治療の為、あらゆるホルモン療法が効かず、化学療法に変更で、ティーエスワンが効果なく、9月からナベルビンを開始し、3クール目が終わるところです。

1) 点滴から3日目ごろに肩から背中にかけてビリビリと感電したような痛みが3日ほどあります。それと同時期に胃痛があり、まともに食事ができるのは一週間の内2日ぐらいで、処方していただいた薬(タケプロン、チアトン)を飲んでもあまり効きませんし、他にロキソニン、ムコスタも服用しております。ナベルビンの量も少し減らしてもらったのですが、変わりません。主治医はどちらもナベルビンの副作用にはあまりみられないとおっしゃっていますが、副作用なのでしょうか? 胃の検査をしても異常はありませんでした。休みの週は胃痛も無く、食事も普通にできます。

2) ナベルビンを始めて3クール目ですが、来年早々に画像検査をするということですが、腫瘍マーカーが依然として上がり続けているのは、あまり効いていないのでしょうか? CEA 9月121.2→10月 123.2→ 11月134.7  CA15-3 9月2148.0 →10月2277.0→ 11月2378.0
画像検査をして効き目がない場合は、他にどんな抗がん剤が有効と考えますか?

《最初の診断》
左乳腺全体を占める乳癌(小葉癌)皮膚.乳頭浸潤伴う
      乳房切除+腋窩リンパ節郭清
       腫瘍大きさ5,5p×4,5p
       リンパ節転移11個中8個
       ホルモン感受性 ER3+ PGR2+
       ハーツー 陰性

ちなみに、術前化学療法(FEC療法6ヶ月間)は全く効果がありませんでした。

ご相談どうもありがとうございます。主治医の先生のおっしゃる通り、ナベルビンは神経に対する毒性が比較的弱いため、おっしゃるような痛みや胃痛の原因となる可能性は低いと考えられます。ひとつ考えられるのは、腋窩リンパ節や肝転移などにより痛みの可能性です。もしつらい痛みがある場合には、主治医の先生にオピオイドの処方もご相談いただけたらと存じます。腫瘍マーカーはほぼ横ばいと考えられますので急な変更はないかと存じますが、変更する場合には今まで使用していないタキサン系も考慮に入ってくると考えます。副作用について主治医の先生とご相談いただきつつ治療方針を決定していってくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11535】  14年11月24日    Y
ゾラデックスと化学療法の同時進行について(HPNo.11487-4)

11513で相談させて頂きました、スイス在住の者です。いつも、丁寧なお返事を頂き、ありがとうございます。感謝しております。またご意見を伺いたいのですが、10月2日にゾラデックスの3ヶ月用の注射を受け、タモキシフェンを服用しています。先日、オンコタイプDXの結果が出たのですが、スコア21の中間リスクでした。主治医は、どっちみち低リスクが来るから、オンコタイプDXはしなくても良いと言っていたので、中間リスクで驚いた様でした。主治医は、中間リスクは化学療法の効果はあまり無いので、このままホルモン療法でいいけど、私が希望するなら、AC療法を来週から始めようと言っています。ただ、私もいろいろ勉強して、化学療法は増殖の早い細胞に働くという事を知り、ゾラデックスを打っている状態で効果があるのか、不安に思っています。もし、化学療法を希望するなら、
1.タモキシフェンだけやめて、来週から受ける。
2.遅くなっても、ゾラデックスの効き目がなくなるまで待ってから受ける。この場合、化学療法は3ヶ月以内に受けた方が良いと聞いたので、その点が不安です。

まだ42歳なので、体力のある今、出来るだけの事をやって、後で後悔したく無いと思っています。勉強不足な時点でゾラデックスの3ヶ月用を打ってしまったのを既に後悔していますが…。また、ヨーロッパではAC療法が主流ですが、日本やアメリカではTC療法が主流と読みました。TC療法の方が優れているのでしょうか? いつもお忙しい所、申し訳ございません。お返事頂けると幸いです。よろしくお願いいたします。

海外で乳がんとなり、とても不安の強い中、納得のいく治療を受けるため人一倍勉強をなさっておられる姿勢にまず敬服いたします。病理結果が、浸潤性乳管癌、組織グレード2、ER、PgRともに90%、HER2陰性、Ki67=5%、切除断端陰性との結果であり、これらを踏まえゾラデックス+タモキシフェンの治療を開始したとのことです。これに更にオンコタイプDXを行ってみたところ、再発スコアが21と、中間リスクであったとのことですね。もしこの結果から何人かの日本の乳癌専門医に、「抗がん剤の追加を推奨するか否か」質問したとすると、おそらく大部分の専門医は抗がん剤の追加は推奨しないと答えるのではと考えます。この病理結果からは抗がん剤の上乗せによる再発率軽減のメリットがそれほど期待できず、一方で抗がん剤使用による副作用や時間的・経済的デメリットがメリットを上回るのではと考えられるからです。オンコタイプDXでも中間リスク群であって高リスク群ではないわけで、やはり再度抗がん剤使用の是非に関してよく検討されることをお奨めいたします。ちなみに、日本ではTC療法も増えてはきているものの、やはり中心はAC(EC)療法などのアンスラサイクリンベースの抗がん剤療法であるといえます。(文責 谷)

 

No.11534】  14年11月24日    G
3.6ミリのしこり

初めて投稿させていただきます。先日、年に1度の乳がん検診を受診しました。マンモグラフィと触診では何の所見も見られませんでしたが、エコー検査で3.6ミリのしこりが見つかりました。「今後消えてしまうがしれないし、大きくなるかもしれない。まだ小さ過ぎて針を刺しての検査もできないから、3ヶ月後に再度エコー。」とのことでした。私は47歳、2児を出産しています。しこりは左胸、外側上だそうです。とても不安なのですが、このまま3ヶ月間様子見でよろしいのでしょうか? 早速にもセカンドオピニオンをとる必要がありますか? ご回答よろしくお願いいたします。

エコーで3.6mmのシコリが見つかったとのこと、心配でお過ごしのことと存じます。もしこのシコリがガンであったとしても、主治医の先生がおっしゃるとおり、針生検(針を刺して細胞や組織を調べる検査)もまだ小さいため難しいと考えます。一方でもしガンであったとしても3ヶ月で何倍にも増大することはまずありませんので、3ヶ月後のエコー検査で少しシコリが増大したとしても、それから検査をして調べれば全く遅くはなく十分であると考えます。セカンドオピニオンをお受けになったとしても、まず同様のお話をされることになると思います。3ヶ月後のエコーまで、なるべく心中穏やかにお待ち頂きたいと思います。(文責 谷)

 

No.11533】  14年11月24日    T
非浸潤がんの転移?

5年前(32歳の時)に非浸潤がんの全摘手術をしました。しこりもはっきり触れる状態で、大きさも4〜5cmくらいあったので全摘手術をしましたが、術後の病理でもどこにも浸潤は認められずに、非浸潤がんと確定されました。リンパ生検でも転移はゼロでした。全摘でしたし、術後は無治療で、血液検査と1年に1度のCT検査を念のため行ってきたのですが、今回のCT検査で肺に腫瘍らしきものが写り、「肺転移の疑い」との放射線科からの結果に愕然としています。主治医は、患者で非浸潤がんで転移した人はいないと言うことと、転移の場合、多発している事が多いが、ハッキリと写っているのが1つしかないので、転移ではない可能性もあるとおっしゃってはいますが、CTにはもう一つ何か写っていました(主治医はこれは違うと言っていましたが…)。ただ、CTではわからないとの事で、来週から呼吸器科で詳しい検査をする事になってしまいました。気管支鏡というのでハッキリとさせるようなのですが、やはり転移でしょうか? しこりが大きかったので、浸潤箇所を見逃されていた場合、無治療でしたし転移してしまったのかと思ってしまいます。肺以外は、何も写らなかったようですが、CTに写っている以上、やはり良いものでは無いのでしょうか。ちなみに、同時に行った検査での血液マーカーは正常。反対の乳房のマンモと超音波も異常無しでした。眠れないくらい不安な日々です。長文で申し訳ありませんが、調べても非浸潤がんの転移の話は出てこないため、相談させて頂きました。よろしくお願いします。

乳房の非浸潤がんの場合でも、肺・肝・骨などの遠隔転移を起こす確率はゼロではなく、1%前後はあるとされております。これは術後に病理でいくら詳しく見ていただいても、すべての部位のチェックが行えるわけではなく、微小な浸潤部位は見過ごされるケースが隠されているからであると考えます。今回肺に見られたシコリが、まず悪性腫瘍なのかどうか、もし悪性であったとしたら乳がんの転移なのか原発(いわゆる肺がん)なのかなど、やはりこれからの検査で調べてゆくよりないと考えます。とても心配な日々をお過ごしでいらっしゃることと思いますが、今後の検査結果をお待ちいただきたいと思います。(文責 谷)

 

No.11532】  14年11月19日    S 
抗がん剤の減薬、中止について(HPNo.11484-2)

投稿No.11484のSです。丁寧な回答をありがとうございました。再度、相談させてください。
現在、抗がん剤治療に入っております。

EC1回目:投与2週間後に発熱(症状は発熱のみで翌日に熱は下がる)。
EC2回目:投与量を減らされる。
EC3回目:投与前に白血球が下がっていて1週間延期。その際、主治医に「このまま白血球が上がらないなら次のタキサンに変更するかも」と言われました。

なるべく私としては再発を抑える治療をしたく、完遂したいと思っています。(白血球減少以外には副作用なく、体調も良いこともあり)

1)白血球が上がらない場合、EC中止はやむを得ないのでしょうか。
2)抗がん剤の投与量を減らすのは一般的なことなのでしょうか。(がん雑誌で抗がん剤は減らすのは良くない、予定通り行うのが良い、と見ました。)
3)アジュバンドオンラインで、私の場合の生存率、再発率を教えてください。(ホルモン治療のみ、ホルモン+抗がん剤治療)
4)アジュバンドオンラインは、PgRは入力されない、と聞いたのですが、何を入力して判断されているのでしょうか。

主治医にもいろいろ質問していますが、わずかな診察時間のため全てを聞けません。お忙しい中すみません、どうかよろしくお願い申し上げます。

ご相談ありがとうございます。治療を頑張っていらっしゃいますね。
1)白血球が上昇しない場合には二週間延期して改善がなければ中止もやむを得ないと考えます。強行すると発熱性好中球減少症となり命の危険を伴う可能性があります。
2)予定通り減量せず完遂するのが理想ですが、臨床試験の段階で減量しておこなった患者様の成績も含めて有効性が確立されている抗がん剤ですので減量しておこなうことは妥当と考えます。
3)4)Adjuvant onlineは最新のパソコンでは表示がなされなくなっていること、Her2が考慮されていないことから、最近は参照されることが少なくなっております。

以上です。主治医の先生とも良くご相談いただきながら、治療方針を決定なさってくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11531】  14年11月19日    T
セカンドオピニオン

5年ほど前に、60代の母が健診で引っかかったため、ネットで調べて評判が良かったという病院で、1年ごとに定期的に検査を受けていました。先日、異常が見つかり、MRIの精密検査から、どうやら9割がた癌であろうということでした。それ自体は仕方ないかもしれないのですが、医師はどうやら3年前の時点で「もやもやがある」と異常を認めていたこと、そして母親が言うには目の前でPCの電子カルテを書き直していた?と言うのです。母親自身、該当の箇所に痛みのある手のひらより小さいしこりを感じているようで「早期発見なら大丈夫と信じていたのに、転移してるかもしれない」と大きなショックを受けています。そのことから母親は他の病院でも診断を受けることを考えているようです。どのようにしたら良いでしょうか。よろしくお願いします。

ご相談ありがとうございます。突然、がんの疑いと言われると驚いてしまいますよね。まずはMRIの結果だけではなく、乳腺の超音波検査、および組織の検査(針生検)をおこなっていただき、確定診断をつけることが一番大切です。ご不安だと思いますが、まずは確定診断をつけていただくように主治医の先生にご相談くださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11530】  14年11月19日   T.O
ホルモン治療前の採卵について

今年6月初旬に右乳癌で乳房温存術、センチネルリンパ節生検をしました。放射線治療30回終了、ホルモン療法のノルバデックス内服中です。LH-RHアゴニスト剤はまだ始めていません。
病理結果
硬癌、腫瘍大1.0×0.4、 ステージ1、グレード2、MIB-1LI 10-20%、ER5+3 PgR5+3 HER2 0、 ly 1 v 0、 センチネルリンパ節 陰性 リンパ節転移 陰性、 断端 陰性、
現在、38歳であり、今後挙児希望のため、10月初めからノルバデックスを内服しながら採卵をしています。思いの外、卵子が取れず、不妊治療医師からは、もう一度採卵することを勧められていますが、採卵をやめて、LH-RHアゴニスト剤を始めて治療を優先するか、もう一度採卵するか悩んでいます。 乳腺外科の先生に相談したところ、LH-RHアゴニスト剤はやってもやらなくてもいいと言われ、わからなくなってしまいました。私としては将来のために採卵したいと言う気持ちと、再発、転移が怖いので治療を始めたい気持ちと両方あり、本当にLH-RHアゴニスト剤をやらなくても、再発、転移の確率が上がらないなら採卵しようと思っています。

1) 一般的にノルバデックスに追加してLH-RHアゴニスト剤を使用した場合としなかった場合の、再発、転移の確率は上がりますか?
2) 私の病理結果の場合、LH-RHアゴニスト剤はやった方がよいのでしょうか?
3) 不妊治療により、再発、転移の確率は上がりますか?

まとまりのない文章ですみません。よろしくお願いします。

ご相談ありがとうございます。現時点までの研究では、LH-RHアゴニスト+タモキシフェン(ノルバデックス等)併用投与は、手術単独と比較した場合、再発リスクおよび再発後の死亡リスクを軽減したが、タモキシフェン単独に対してタモキシフェンへのLH-RHアゴニストの追加効果は認めなかった、となっております。従いまして、T.O.さまの場合、LH-RHアゴニストを追加した方が良いという明確なエビデンスは存在いたしません。また不妊治療により、転移・再発の確率が上がるという報告はありません。以上、主治医の先生ともご相談しながら方向性を決定していってくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11529】  14年11月16日   M 
抗ホルモン治療の副作用について

抗ホルモン治療の副作用が辛くて悩んでいます。中止した場合と継続した場合、どのようになるのか知りたいです。
リュープリン+ノルバディクス 半年・・・ひどいうつ状態と視力の異常、ホットフラッシュ、不眠、めまい 外出できないぐらい寝込む 更年期症状
変更し、リュープリン+アロマシン半年・・・ひどい頭痛と全身のしびれ、日に日に増す痛み、関節痛
変更し、ノルバディクスのみ・・・ひどいうつ状態と視力異常。外出できないぐらい寝込む。ホットフラッシュ、更年期症状。

術後は再発予防に抗がん剤も考えましたが、今は体調が悪くて日々の生活が苦しいです。特にノルバディクスを飲み始めると2週間ぐらいで今まで経験したことがない気分で暗くなります。薬を中断すると、何もなかったように明るくなります。この治療でどのぐらい再発が予防できるのでしょうか?  年齢47歳、閉経前、両側乳癌(右7ミリ、ki67…15.1%、左1.2a、ki67…8.2%)。 ER 98%陽性, pgr 100%陽性, HER2タンパクあるいは遺伝子 陰性、手術時左リンパ節転移 3ミリ郭清。未来も大事ですが今の生活も大切です。主人も子供も心配しています。どうぞよろしくお願いします。

閉経前の術後のホルモン療法で、ノルバデックスを5年間服用すると、再発の危険を半分近く減らすことができ、リュープリンを追加すると、更に上乗せ効果が期待できます。現時点では、ノルバデックスとうつとの関連性について一定の見解は得られていませんが、うつの症状がみられる場合は、精神腫瘍医や精神科医等、心の専門家に相談していただければと思います。まず主治医に、具体的にどうすればいいかを相談して、紹介状をもらって受診してください。専門医によく話を聞いていただくだけでも、心が軽くなり、症状が軽減されることがよくあります。(文責 須田)

 

No.11528】  14年11月16日   O
化学療法の薬の選択

この度はお世話になります。どうぞよろしくお願いします。10月31日に温存手術(リンパ節郭清も)を受けた47歳です。stageUb(術前は画像からはUaでしたが、センチネルは陰性でも、センチネルの近くに3mmのものが1個あったとのことでした)。昨日の退院後初回の診察で、まずは化学療法からと言われ、内容を、@TC 3週毎4回にするか、もっとしっかり治療したい場合にはAFEC 3週毎4回の後、ドセタキセル3週毎4回とするか、選んでと言われました(HER2陽性なら、それぞれのどこかに、どこと言われたかはっきり覚えていないのですが、ハーセプチンの点滴が、3週間毎1年間入るそうです)。主治医には、@とAで、Aの方がこれくらい再発率が下がるとか、細かい数字などは提示できないけどとも言われました。病理レポートの中間報告が以下のとおりです。

部位:左、C領域
浸潤径21mm
inavasive ductal carcinoma,pap-tub>scirrhous
浸潤の範囲:f 
脈管侵襲:ly疑わしい、v(-) 免疫染色追加中
リンパ節:pN1
[Level1(0/10)]   迅速[センチネル(0/3),センチネル外(1/1:3mm)]
断端:陰性
核グレード:Nuclear atypia=3,Mytotic counts=3,Nuclear grade=3
病期:pT2N1,UB

1) 現時点で、上記の@、Aは、どちらの方がいいでしょうか? つらい治療も生存率が上がるならちゃんと受けようと思いますが、「しっかりと」という感覚的な言葉だけでは今ひとつがんばる気がおきず、こちらでアドバイスいただければ大変ありがたいです。
2) 私のように、センチネルは陰性で、センチネルの近くに、画像ではうつらなかった小さなリンパ節の転移がみつかるということは珍しいことですか? 主治医は、このことの解釈を、もしかしたらリンパ管の流れが悪くて、うまく放射線が検出されたり色素に染まらなかったりしただけで、みつかったリンパ節は、部位も近いしセンチネルと考えるべきかもというようなことを言っていましたが、こういうこともよくあることですか?

ホルモンレセプターの結果の入った最終報告はもう1週間かかるそうです。治療の内容を自分で選ぶよう現時点で言われたので、とても自分では決められそうにないと思われ、こちらでご相談させていただいてしまったのですが、レセプター等によっていただけるお返事が違ってくるようでしたら、ご指摘いただければと存じます。煩雑で大変恐縮ですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

1) ハーセプチンの副作用として心毒性があり、アンスラサイクリン系の心毒性を考えると、 @ のTCを選択するのも一つです。
2) よくではありませんが、稀にはあり得ます。

最終報告を受ける際に、それぞれの治療の副作用と効果、日常生活への影響、その他の治療法などを主治医の先生に伺って下さい。その上で治療法を選択することになりますが、判断に迷った場合は、遠慮なく申し出、主治医の先生と一緒になって、納得のいく治療法を選択して頂ければと思います。(文責 須田)

 

No.11527】  14年11月16日   A
術後の治療について

2ヶ月前に左乳ガン皮下乳腺全摘術をしたものです(51歳、閉経)。今後の治療について、ご相談させていただきます。シコリは5ミリ大の小腫瘍結節、乳管内に病変が広がっており、浸潤部分は4個、最大径は5×5ミリ大でした。乳管外間質浸潤部では腫瘍細胞は乳頭管状、腺管状に増殖するとともに充実性小胞巣状に増殖とあります。
リンパ転移なし、明らかな脈管侵襲なし nuclear grade 2 ステージ 1  ER スコア3b(90%) PgR スコア2  HER2 スコア3+ MIB-1 5%
断端陽性で、これから追加切除します。その後、ハーセプチン、抗ガン剤、ホルモン治療を予定しています。不安に思っているのは
1) 左上脂肪部分の断端陽性の部分切除の予定ですが、全摘した方がよいのか、部分切除後、放射線治療は必要か。再建も考えていますが、再発しないことが一番だと思っています。
2) 抗ガン剤の必要性と、医師から軽めの抗ガン剤を考えていると言われておりますが、軽めで効果があるのか、私の場合、どのような抗ガン剤が適しているのか、抗ガン剤をやらない場合の再発率がどのくらいになるのか?
3) 最初の手術から2ヶ月経過しており、これから追加手術でハーセプチンなどの治療が遅れることが心配です。

現在、無治療で不安な毎日です。どうぞ、よろしくお願いします。

1) 基本的には断端が陰性であればよいということになります。皮下乳腺全摘を行っているとの事なので、乳腺部分切除というよりは、脂肪組織追加切除ということでしょうか? 再建も含めて、もう一度主治医の先生に確認し、ご相談なさってください。
2)3) 再発予防の目的で、抗癌剤を使わずハーセプチンだけを投与する方法については効果が確かめられていません。手術後に抗がん剤と組み合わせた治療を行った場合、再発の危険を半分に抑えることができます。アンスラサイクリン系またはタキサン系の薬剤を使用するのが一般的です。軽めの抗癌剤、手術の時期等については、現在のあなたの状況を一番把握してくださっている主治医の先生にお聞きになり、ご相談なさってください。納得のいく治療を受けることが大切です。(文責 須田)

 

No.11527-2】  14年11月16日   A
今後の治療について

先日、相談させていただいたものです。断端陽性で追加手術で左全摘手術をしました。今後の治療について、ご相談させていただきます。
ER 90%、 Pgr 10%、 HER2 +3 ki67 5% リンパ転移なし、脈管侵襲なし 浸潤5o(他わずかに3箇所浸潤)
ハーセプチンは化学療法と併用とのことですが、ki67 5%の場合、抗ガン剤の上乗せ効果はどのくらいあるのでしょうか? 今、タキサン系4クールか、一週間に一度の抗ガン剤投与とで悩んでおります。また、Pgr値が低いとホルモン療法の効果は低いのでしょうか? よろしくお願いいたします。

再度の手術、お疲れ様でした。体力も少しお戻りになった頃ではとお察し申し上げます。Ki67(MIB-1)が5%と低い値であり、この値でもハーセプチンを使用するべきか?或いはハーセプチン使用の際に抗がん剤との併用が必要か?との質問であると思います。まず一般にKiの値が高くなると再発率も高くなることは知られておりますが、HER2過剰発現を有する乳がんにおいて、Kiの値とハーセプチン(+抗がん剤)の上乗せ効果を調べた詳しいデータは知られておりません。よって、Kiの値を問わずハーセプチン使用が奨められます。また前回の回答でもあるとおり、抗がん剤を使わずハーセプチンだけを使う方法はその再発予防効果が認めておらず、やはりお奨めできません。再発を防ぐことが今後の最大の目標であろうと思いますので、やはり標準通り抗がん剤併用のハーセプチン使用をお奨めしたいと思います。また貴女の場合、ER90%(強陽性)、PgR10%(弱陽性)ということになります。PgRも強陽性の場合に比れば、いくらかホルモン療法の効果が下がる可能性はありますが、ERが強陽性でありますので、ホルモン療法は十分に期待できると思います。(文責 谷)

 

No.11526】  14年11月16日   YIN
術前ホルモン治療の有効性について

初めて質問いたします。56歳、既婚、出産経験はありません。先月右胸に浸潤ガンの告知を受けました。病理結果は核グレード1、ER(8)+、PgR(8)+、HER2陰性(1+)、Ki-67:13%。腫瘍の大きさは、MRIで21mm(超音波では19mm)、超音波検査ではリンパ転移はありません。来月温存手術の予定を入れていますが、40mmの切除になるため、術前のホルモン治療で小さくできないか希望を出しています。標準治療ではないこと、また治験の有効性もはっきりしないとの説明を受けました。ホルモン治療の場合3ヶ月ほど様子を診るとのことで、その間に最悪の場合拡大する不安もあります。今回の診断が出るまで4年ほど更年期の治療でメノエイドを貼付してきた経緯もあり、ホルモン治療の効果を期待していますが、どのように判断したらいいか、アドバイスをお願いします。また、Ki-67の数値13%は低いとの理解で正しいでしょうか?

閉経後の患者さんで、手術前にホルモン療法を行った場合、一般的には乳房温存率は向上します。貴女も、おそらく閉経後だと推測されるので、術前のホルモン療法で癌を小さくすることが期待できます。3ヶ月後に効果判定を行い、効果が認められず増大傾向になった場合は手術を選択することになります。(文責 須田)

 

No.11525】  14年11月10日   M
排卵日後から乳房の張り、乳房の痛み。乳首も痛い

ここ数ヶ月、排卵日後から乳房が張り、痛みがあります。特に左乳房が張って痛く、乳首は左右痛いです。ずっと常に痛いわけではなく、痛みが引く時もあります。乳がんでないか心配です。私は35歳で、出産経験はありません。今年1月に乳がん検診を触診とエコーでやりました。結果は異常なしです。よろしくお願いします。

乳癌の主な症状は、しこりです。痛みのあるなしに関係なく、硬いという症状があれば調べることになります。また、症状のない乳癌を発見するためには、マンモグラフィーによる検査が入口になります。あなたの場合、1月にも検診を行っているので、排卵後、張ったり痛んだりするのは、おそらく女性ホルモンの周期的変化による生理的な現象だろうと考えられます。不安を取り除くためにも、念のために乳腺外科を受診してください。(文責 須田)

 

No.11524】  14年11月10日   M・I 
再発、転移の可能性

私は50歳、生理はここ数ヶ月はあいまいになってきています。子供はおりません。両側乳癌で、今年10月半ばに両側共に全摘しました。病理結果は、左しこりの大きさ1.8p、乳管内わずかに浸潤、ハーツー1。右しこりの大きさ2p、乳管内わずかに浸潤、ハーツー2 fish法にて陰性の結果でした。両側共に硬癌、両側共に核異型2、核分裂1、核グレード1、ステージ1。ly0、vo0。Ki67 14%。ERスコア3b、PgRスコア3b。
今後の治療法は、抗がん剤を主治医はするかどうかを悩んでおられましたが、私の希望によりすることになりました。TCを3ヶ月で4クールです。その後、ホルモン療法を5年〜10年。このような結果ですが、私の再発、転移の可能性は将来どのぐらいか、とても気にしています。この内容でわかる範囲でどうか教えていただけませんか。お願い致します。

エストロゲン受容体陽性、HER2陰性乳癌に対する化学療法の追加基準として、「@グレード1 AKi67 14%(高い) BER、PgR陽性 Cリンパ節転移(なしでしょうか?) D脈管侵襲  ly0、v0 F 病理学的浸潤径≦2p 」があり、貴女の場合、Ki67が14%なので、化学療法を追加したほうがよいということになります。化学療法の追加で、しない場合に比べて44%程度の再発予防効果があります。(文責 須田)

 

No.11523】  14年11月10日   Y
今後の治療についてA (HPNo.11516-2)

先日質問させて頂いた者です。前回の内容にki-67の数値を入力し忘れていました。ki-67 2〜3 でした。先日の返信を頂き、お伺いしたいのですが…
1) 私の場合ki-67の数値により、抗がん剤治療の目安と考えてよいでしょうか?
2)今回の私の場合だと、再発率はどの程度でしょうか?

何度も質問させて頂きすみません。

1) ki-67が2〜3ですので、抗癌剤の追加は否定的です。
2) ホルモン療法で再発率を50%減少させ、更にハーセプチン使用でおよそ50%減少させることができると考えられています。(文責 須田)

 

No.11522】  14年11月10日    OT
術後補助療法について

初めて質問いたします。術後補助療法について決断しかねており、最終的には主治医と相談して決めることではありますが、自分の判断材料が少しでもほしかったため、ご相談させていただきたく、よろしくお願いいたします。
44歳、閉経前、未婚、出産経験なし。10月に左乳房温存。術前はリンパ節転移なしだったのが、転移ありになりT2N1M0でステージ2B。病理結果は以下です。
・ER70%、PgR90%、HER2 1+、MIB1 10%
・腫瘍浸潤部2.2cm、腫瘍の広がり2.4cm
・組織型invasive ductal carcinoma, solid tubular carcinoma
・浸潤度g+、f+
・娘結節−
・切断断端 −
・リンパ管浸潤、静脈浸潤−
・intraductal spreading+、EIC−、壊死comedo−、punctuate−、石灰化−
・Tumor grade1 (tubular formation 2(10%to75%)、Mitosis score 1(0-7/10hpf)、Nuclear atypia 2 =TotalScore5)
・リンパ節転移 レベル1=1/1、sentinel=1/1 合計2/2

術後補助療法は「化学療法(TC)+放射線照射(乳房+腋窩リンパ節)+内分泌療法5年(飲み薬+場合により卵巣機能抑制実施)」を推奨とのことでした。リンパ節転移があることと、年齢を考えるとしっかり治療した方がよいとのことでした。リンパ節転移がありショックですが、再発は避けたいので、できることはやった方がいいだろうと思う一方、体は弱い方で痛みにも弱く、普段から不快症状があると、それ自体がストレスとなり精神面で気持ちが落ちてしまうため、フルコース治療に耐えられるか、副作用が必要以上に体と心に与える影響が心配です。まだまだ仕事もしなければなりませんが、治療との両立は難しいため退職しており、この年齢で今後再就職も目指さなければなりません。再発リスクは減らしたい、でもQOLのさらなる低下も防ぎたく、後悔の少ない治療を選択したいですが、過剰と思えることは避けたい気持ちもあります。そこで質問させてください。

1) 私の場合、再発リスクはどのように考えられるのでしょうか? 中リスクよりは高リスク寄りになってしまうのでしょうか?
2) 病理結果から、リンパ節転移や年齢、腫瘍の大きさ以外に、リスク要因として考慮すべきことはほかにありますか?
3) 再発リスクや生存率は、無治療と各治療をした場合とでどれぐらい(何%ぐらい)変化するのでしょうか?
4) (質問がかぶるかもしれませんが)特に化学療法は不安先行になるため考えてしまいます。サブタイプはLuminalAだと思うので、内分泌療法の方が効くタイプだと思うのですが、化学療法で副作用と引き換えに得られる利益がどれほどあるのかわかりません。例えば、100人中何人に利益が得られるなど、客観的なデータはありますでしょうか?
5) TC療法というのはかなり作用は強いのでしょうか? 他の治療方法がわからないため、ほかにも選択があるのかわかりません。

以上、お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

1) リンパ節転移2ヶ、腫瘍径2.4pですので、中リスクの範囲内です。
2) 特には考えなくていいと思います。
3) 放射線治療を行った後ホルモン治療を行うと、再発リスクを50%減らせます。更にTC両方を行うと、40%の再発予防効果あると考えられています。
4) 効果と副作用を天秤にかけると一般的には、100人中40人程度に効果が認められると考えられています。ただし、個々の場合によって異なってきますので、データだけでは判断は難しいと思います。
5) 骨髄抑制、脱毛、末梢神経障害等の副作用がありますが、薬の効果、副作用は、個人個人で異なり、行ってみないとわかりません。アンスラサイクリン系を使用する方法もありますが、主治医とご相談ください。治療選択に関しては、それぞれの状況によって異なってくるので、やはりあなた自身の事を一番理解してくださっている主治医と充分なコミュニケーションをとることが基本です。前向きに頑張っていただきたいと思います。(文責 須田)

 

No.11521】  14年11月10日    Y.O.
葉状腫瘍について

葉状腫瘍についてです。25歳なのですが、線維腺腫と言われて経過観察中でしたが、本当に線維腺腫なのか不安になり、25mmの腫瘤を摘出生検をしてもらいました。結果は良性の葉状腫瘍だったのですが、葉状腫瘍は再発しやすく、再発を繰り返すと悪性化すると知りました。今のドクターは半年ごとの検診でいいとおっしゃいますが、私は線維腺腫と仮定しての摘出生検だったのでマージンをつけず摘出したのではないか、もしそうなら取り残しがあり、また再発するのでは…と不安です。葉状腫瘍で再発していない人って、いらっしゃるのでしょうか? ネットで調べる限りみなさん再発されていて…主治医に聞いても、あまり例がなく、返答が微妙で不安です。

葉状腫瘍にも、細胞の所見によって、再発を繰り返して悪性化するものから、再発しないものまで、いろいろあります。あなたの場合、良性の葉状腫瘍とありますので、細胞の悪性度は低いと思われますが、主治医に、摘出標本の詳細な病理所見を聞いてみてください。不安や心配なことがあれば、受診して、充分ご相談なさってください。(文責 須田)

 

No.11520】  14年11月10日    M.T.
フェアストンについて

センチネルリンパ節検査陰性、乳房全摘後抗がん剤治療を経てタモキシフェン服用中〔4年半)にリンパ節再発した者です。血液検査の状況から、まだ閉経とは判断できません。現在タモキシフェン継続で、血液検査をしながら様子を見る(閉経が確認されたらアロマターゼ阻害剤に)ことになっていますが、フェアストンまたはヒスロンに変えても効果は変わりないものでしょうか。タモキシフェンが効果なかったのではという不安もあり、保険適用外であってもLHRHアゴニストとアロマターゼ阻剤に変更しようかとも迷っています。

再発治療薬として、一般的にはホルモン受容体陽性の場合はホルモン剤を使用します。あなたの場合、閉経の状況が確認された後に何を使用するかを含めて検討することになっているものと思われますが、フェアストンの高容量とかヒスロンは閉経後で使用できますので選択肢の一つになりえます。いずれにしても貴女の状況を一番よく把握してくださっている主治医と充分ご相談の上、納得のいく治療を選択して、がんばっていただきたいと思います。(文責 須田)

 

No.11519】  14年11月10日    アキ
抗がん剤治療と病理判断について(HPNo.11507-3)

11507、11511にて質問させて頂きましたアキと申します。丁寧な回答、本当にありがとうございます。頂いた回答を含め、いろいろ考えて、術後薬物治療については、セカンドオピニオンを受けることに致しました。また新しい質問をさせて頂きます。
左乳房下外側部分 全摘
《術後病理検査結果》
硬癌、浸潤径 38o(全体50×21×10)、グレード2、リンパ節転移ナシ、ホルモン受容体 ER>90% PgR>90%、HER2 (+1)陰性、Ki67 15〜20%

1) ケモブレインという抗がん剤治療の副作用(後遺症)があると言いますが、どのくらいの割合で発症するのでしょうか。発症しないための対策はありますか。
2) 毎年会社の健康診断を受診しておりましたが、4年前の健診時までは問題なし(但し4年前に一度数日間褐色分泌あり)、昨年に再検査指示がありましたが、放置してしまい、今年精密検査指示となり、乳癌と診断されました。乳癌は進行が遅いと言いますが、私の場合腫瘍が4年あまりで急激に大きくなった(進行が早い)という事なのでしょうか。もしそうだった場合、やはり抗がん剤治療はしたほうが良いのでしょうか。

ご回答のほど、よろしくお願いします。

1) 抗癌剤使用中のほとんどの患者さんは、治療中に記憶力、集中力に問題を感じており、治療後も15%程度の方がこの症状が続くという報告があります。しかし、このような症状を訴えている方を検討すると、元来スローな傾向があり、治療前後で日常生活にギャップを感じることが少ない人もいるという別の報告もあります。ケモブレインでなくても、人間の脳は日々老化していきます。ケモブレインを発症しないために抗癌剤を使用しないという選択肢を考えられない場合は、なくなった機能はそれぞれが工夫して補っていく必要があります。 日常の生活に順位付けをして一つ一つ習慣づけをする、一つ以上の間隔で記憶する(連想記憶法)、ノートに書き留める、チェックリストを貼る等、小さな工夫を積み重ねていくことも効果があると思います。
2) 乳癌の腫瘍増加速度(体積が倍になる速度)は、一般的な考え方では3〜4ヵ月程度と言われており、4年前では 0.1〜0.4p大程度と思われ、検診時での発見は難しい状況にあったと推測されます。乳癌の発育速度が特に速かったとも思えませんが、Ki67が15〜20%と高いので、個人的には抗癌剤治療は行ったほうがよいと思います。主治医と充分ご相談なさって、納得のいく治療を受けてください。(文責 須田)

 

No.11518】  14年11月10日    C.K
カテゴリー3

先日、主人に初めて人間ドックに一緒に行こうと誘われ、50歳も目の前なので、気軽な気持ちで受けたところ、乳癌検査・マンモグラフーで、右中部・楕円形・境界明瞭・等濃度・カテゴリー3との結果でした。最初、カテゴリーと言うことばもわからず、不安だらけで、ネットでいろいろのサイトを調べました。良性かも悪性かもの両方が疑われる? 10%だけ悪性とか? 形もはっきりしている結果だと、癌の可能性大なのですか? 最初に病院に行ったら、どんな検査をして、結果はある程度そのときにわかるのですか? まだ、はっきりしてない状態なので、主人にも言わずに検査しにいくつもりです。

カテゴリー3の場合、基本的には良性ですが、悪性を否定できないということです。あなたの楕円形で境界明瞭な等濃度の腫瘤像ありという画像所見からは、一般的にはのう胞に代表される良性の像が考えられますが、のう胞内癌のように画像上区別がつきにくい乳癌が5〜10%存在します。従って腫瘤像が良性であることを確認するためにも、外来で細胞診や針生検を行って、どんな細胞を含んでいるかを調べることになると思います。安心するためにも、しっかりとした検査を行ってください。(文責 須田)

 

No.11517】  14年11月05日    T Y
乳房温存手術後の治療について

初めて相談させていただきます。よろしくお願いします。39歳,子供なし,9月に乳房温存手術を受けました。病理検査結果は以下の通りでした。
[診断結果] 悪性
[病理診断]
Scirrhous carcinoma,left breast,BP+SN(+sampling) Lymph node:Negative Surgical margin:See comment
[病理所見]
左乳房部分切除術材料。
癌は割面Fから最乳頭側の割面Nに存在し,浸潤癌はG-Kの連続5割面に存在しています。中等度異型を示す上皮が,部分的な管腔構造の形成を伴いながら主に大小の胞巣状,索状に浸潤性増殖を示しています。硬癌と診断します。浸潤性微小乳頭癌様の胞巣を呈する部分も小領域に認められます。主病変周囲には非浸潤癌が目立ち,断端に近接する部位が随所に認められます。センチネルリンパ節の凍結検体戻し標本,ならびにリンパ節Level Iに癌の転移はみられません。
病変の占拠部位:左BD領域,
Invasive ductal carcinoma,scirrhous carcinoma with micropapillary component,pT2(2.5(gross)×1.8×1.3cm),f,ly1,v0,
Tubular formation 2,Nuclear polymorphism 2,Mitotic counts 1
組織学的悪性度;Nottingham grade 1,Nuclear grade 1(取り扱い規約)
リンパ節(0/4)[sensible(0/2),Level I(0/2)]
免疫染色(#13で施行)
ER:90%,Allred score TS7=PS5+IS2
PgR:80%,Allred score TS8=PS5+IS3
HER2:陰性(score 1+)
MIB-1:23.7%
CK5/6(-)
UICC:pT2,pN0,M0

今後の治療ですが
1,化学療法:必須ではない
2,放射線治療(25回+5回),もしくは全摘:全摘の方が良いが放射線治療の選択肢もある
3,ホルモン剤(5年間):必須
との説明を受け,1の化学療法を受けるかどうかと,2の放射線療法と全摘の再手術のどちらにするか決めるように言われています。そこで教えて頂きたいのですが,

1) 化学療法で遠隔転移および局所再発の可能性,生存率はどの程度変わりますか。
2) 放射線治療を受けて全摘をしない場合の再発および遠隔転移の可能性はどの程度ですか。また,再発してから再手術で全摘した場合と今再手術をした場合の,生存率等の予後の違いはどうなりますか。
3) 化学療法とホルモン剤には局所の再発を抑える効果はありますか。

手術前の検査では化学療法はまずいらないと言われていましたが,手術後の検査では血管侵襲はないがリンパ管侵襲はあるとのことなので,化学療法は副作用を考えても受けた方が良いのか,化学療法と放射線治療とホルモン剤を受けることで再手術を避けることができるならそうしたいのですが,再発してしまったら悪性度が高くなっている,再度の放射線治療はできない等,今よりもっと予後不良になるのか,また,再度のリンパ節切除や化学療法が必要なのか,と分からないことばかりで、決断できずにいます。ご助言をどうぞよろしくお願いします。

質問有り難うございます。術後補助療法の選択に関しては、「後悔したくない」、「抗がん剤はできれば受けたくない」、「でも再発は怖い」といった気持ちが交錯します。お気持ちは十分察しますが、基本的には、主治医とよくご相談下さい、というのが答えです。治療の選択にあたり、いくつか考えるポイントをお伝えします。

@「ホルモン感受性あり」の乳癌は基本的に「ホルモン療法」、A「Ki67」が高い(14%とか15%以上)場合、「抗がん剤」の必要性が出てくる、B断端に腫瘍は近接しているものの、「浸潤癌」の露出はないので、放射線治療で十分であると思われる(ただ、施設、主治医によっては、近接しているので、追加で切除を・・という考えもある。この場合は、追加で部分切除もしくは、全摘になる。一般的に「浸潤癌」の露出はないのであれば、放射線治療を行うことが多いかと)、C今後の治療成績は、「腫瘍の性格」によるもので、「癌の取り残し」によるものではない(ただ、残存乳房への再発は、時に生命予後に関わることもあるので、しっかりと検査を行い、残存乳房への再燃は早期治療を目指す)、DOncotypeDXという検査(癌組織の遺伝子発現を調べ、化学療法の効果を見る。切除された病変を用い、自費検査で40万円くらい、結果が出るまで約1ヶ月)で化学療法の必要性、不必要性を判断する、Eしっかりと切除できている場合、「全摘」と「部分切除」の予後は同等である。施設、報告により若干の差がありますが、「部分切除」の場合、残存乳房に6-7%の癌ができます。「全摘」の場合2-3%に局所再発という報告もあります。

以上を参考に治療を選択されて下さい。個人的には、@「OncotypeDx」の検査を行い、化学療法の必要性を判断されるのがいいのではないかと思います。主治医は「化学療法は必須ではない」との判断ですが、「Ki67」の値をみる限り、「抗がん剤」の必要性を考慮すべきだと考えます。A追加切除はいらない、しっかりと放射線治療を行うのが私の答えです。ご質問の1)はOncotypeDxで生存率の結果が出てまいります。2)に関しては明確な数字がありません。3)はyesです。幸い、見せて頂いた病理結果もしっかりとしたレポートが作られており、しっかりとした施設で治療を受けていらっしゃるように思います。よく相談し、頑張って治療をお受け下さい。これ以上の質問は、できればセカンドオピニオンで他の先生のご意見を聞かれた方が良いかと思います。 (文責 鈴木)

 

No.11517-2】  15年04月17日    T Y
LH-RHアゴニスト製剤の使用について

No.11517で相談させていただいた者です。再度の相談をよろしくお願いします。 温存手術後、抗がん剤治療(TC療法)を受け、その後再手術で全摘しました。再手術後の血液検査結果は、エストラジオール10pg/ml未満、FSH80.39mIU/mlでした。この検査の2週間後からノルバテックスを飲み始めています。月経は、TC療法の1回目の時にあり、それを最後に止まっています。 今回相談させていただきたいのは、LH-RHアゴニスト製剤の使用についてです。主治医から、40歳以上の場合は不要で、閉経している場合も不要、私の場合は、今は閉経状態だが戻ってくる可能性は五分五分で、あと2ヶ月で40歳という微妙な年齢でもあるので、どうしますか、と言われています。使用する場合は、ノルバテックスを飲み始めて2週間後に初回の注射をすると言われています。
1)  LH-RHアゴニスト製剤を併用するメリット、デメリットはどのくらいありますか。(再発、転移率など)
2) 月経が戻ってしまってから併用を開始した場合、最初から併用した場合と比べて、効果はどの程度異なりますか。

米国等、日本以外の国では使用しないのが標準だ、とか、一方では、最新の研究では使用を推奨できるデータが出てきている、という話も聞きます。 私の場合、どのようにするのが良いのか、ご助言をよろしくお願いします。

ガイドライン上は積極的には勧められないという事になっています。新たなデータは出つつあるようですが、ガイドラインで推奨と言うまでには至ってはいません。投与開始時期については効果も不確定で良くわかっていません。(文責 石山)

 

No.11516】  14年11月05日     Y
今後の治療について

乳がん患者42歳です。今後の治療方針について悩んでいます。アドバイスを頂ければ幸いです。今年の8月に左乳房温存術を行いました。病理結果は、硬癌、大きさ 0.7×0.7×0.9cm 核グレード1 ly − v − ER 数値不明 強陽性 PgR 数値不明 強陽性 HER2 2+ ということでHER2を再検査する(fish法)ことになりました。HER2に問題がなければ、ホルモン療法+放射線治療の方針となりました。そして結果に日数がかかることもあって、先に放射線治療を開始することになりました。
結果ですが、HER2 +(2.67)でした。主治医からはHER2+の場合、抗がん剤+ハーセプチン治療が追加になる説明を受けました。ただHER2+でも、数値が微妙であり、さほどの効果はないかもしれないとの話もされました。その上で、自分でどうするか今後の治療を選択するようにと言われ、悩んでいます。主治医からは、ホルモンがよく効くタイプだからと言われました。もし抗がん剤+ハーセプチン治療を選択した場合、ホルモン療法はハーセプチンの治療が終了してからになると思うのですが、よく効くホルモン療法が1年後からで大丈夫なんでしょうか? ホルモン療法(10年)+放射線治療の選択をした場合、再発率はあがりますか? やはりハーセプチン治療をした方がよいでしょうか? ホルモン療法+単独ハーセプチン+放射線治療ではだめでしょうか? いろいろ考えてしまいます。あとになって後悔はしたくないと思います。どうかアドバイスを頂ければ助かります。

質問有り難うございます。確かに、「HER2陽性+ホルモン感受性あり」の時には、治療方法は難しくなります。@HER2陽性乳癌には術後補助療法として「ハーセプチン+抗がん剤」であり、ハーセプチン単独の術後補助療法の成績がない、Aホルモン感受性ありの乳癌には「ホルモン療法」、Bホルモン感受性ありの乳癌には「化学療法」ではなく、「ホルモン療法」、という基本的な考えがあります。その上で、いくつかの質問にお答えします。

@「抗がん剤+ハーセプチン+ホルモン療法」の選択時、ホルモン療法は抗がん剤終了後からですから、ハーセプチンと併用で行います。放射線治療も併用で行って大丈夫です。
A「ホルモン療法+放射線治療」ではダメか、ハーセプチンを行った方がいいか?については、ハーセプチンを行った方がいいと思います。海外のガイドラインでも「ハーセプチン+抗がん剤」を考慮すると記載されています。「ホルモン療法+放射線治療」で再発率が上がるか?ですが、「ハーセプチン」を加えることで、再発率が下がる、という理解をされてはいかがでしょうか?B「ホルモン療法+ハーセプチン+放射線治療」ではだめか?これが一番悩ましく、いつも苦慮します。上の基本的な考えのすべてに当てはまります。恐らく、「抗がん剤なし」の「ハーセプチンだけ」でも効くとは思いますが、そのデータがないので、強く勧める立場ではありませんが、「ホルモン感受性あり」も考慮すれば、「抗がん剤なし」という選択肢もあるかと思います。

自分の患者さんにも同じ説明をし、「ハーセプチン単独」のデータがないことを理解して頂いた上で、「抗がん剤なし」で「ハーセプチン+ホルモン療法」を行っている方も多いかと。
データが無い中で、個人的な意見を言えば、「ハーセプチン+ホルモン療法+放射線治療」を勧めさせて頂きます。ただ、一点、「Ki67」という増殖マーカーの数字が出ていないようです。これが高い場合(14%とか15%以上)、抗がん剤の必要性が出てきますので、この数字も参考にされてはいかがでしょうか? (文責 鈴木)

 

No.11516-2】  14年11月05日     Y
今後の治療についてA

先日質問させて頂いた者です。前回の内容にki-67の数値を入力し忘れていました。ki-67 2〜3 でした。先日の返信を頂き、お伺いしたいのですが…
1) 私の場合ki-67の数値により、抗がん剤治療の目安と考えてよいでしょうか?
2)今回の私の場合だと、再発率はどの程度でしょうか?

何度も質問させて頂きすみません。

1) ki-67が2〜3ですので、抗癌剤の追加は否定的です。
2) ホルモン療法で再発率を50%減少させ、更にハーセプチン使用でおよそ50%減少させることができると考えられています。(文責 須田)

 

No.11515】  14年11月03日     A
転移について

乳癌手術から7カ月目です。ステージ1で、ホルモン50%陽性 、グレード真中よりやや高め、ki67 38、リンパ節転移はありませんでした。2カ月前から咳と微熱が続き、転移ではないかと心配です。抗癌剤を終えて、ホルモン治療を受けています。最初は咽頭炎でしたが、喉の痛みが消えてから咳が出始め、2ヶ月間続いています。熱も夕方になると上がってきます。病院で、血液、尿、レントゲン、痰の検査をしました。他には何も無かったのですが、レントゲン写真に、以前からある肺Mac症の影と丸い新しい影があると言われ、追加の血液検査をして、来週にもう1度レントゲンを撮ります。ステージ1で肺に転移する確率は、どれ位でしょうか。丸い影の大きさは、1から2センチぐらいだと思います。検査が進めば、いずれ解ると思いますが、その事ばかり気になっています。宜しくお願いします。

乳癌の手術をすると、咳がでると肺転移、関節が痛いと骨転移、頭が痛いと脳転移、などと心配はつきません。爪が痛いから、歯が痛いから、などと心配で病院に来る方もいらっしゃいます。ステージ1で、何%が肺転移を起こすかは明確な数字がなくお答えできませんが、ひとまず、やれる検査を行い、その上で判断、相談されてはいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.11514】  14年11月03日     S
腫瘍マーカー上昇(HPNo.11483-2)

NO.11483で質問したものです。御回答ありがとうございました。あれから1か月経ち、採血の結果、CEA14.1(前回12.6)、CA15-3 1425.4(前回1136.3)NCC-ST-439 50.0(前回35.7)と、すべて上昇していました。また、CT検査を行ったところ、前回7月に検査した時より僅かに肺転移が増大しており、胃小弯側のリンパ節腫大の増大がありました。咳や呼吸が苦しいなどもなく、特別体調が悪いところは現在ありません。主治医は、このままの治療でいいのではないか(タスオミン、リュープリン、ゾメタ)と言います。もう少し詳しく検査したいのであれば、PET-CTをやってみてもいいですが、とも言われました。

1) 今のままの治療でいいのでしょうか?
2) ホルモン剤変更のタイミングはいつでしょうか?
3) 今PETをやる必要性はありますか?

どうしてよいのかわかりません。よろしくお願い申し上げます。

ご質問有り難うございます。再発乳がんに対して、その治療の変更時期、検査のタイミングは?・・とのことですが、ひとことで言えば、正解はありません。ただ、治療の変更(とくにホルモン療法→抗がん剤)は、患者さんと主治医が、治療の目的をお互いに共有し、よく相談された上で判断する必要があります。治療を変更する判断材料として、@転移・再発した病変に対して使える治療法は限られていますので、一つの薬剤を大事に使う、A変更するタイミングは個人個人で違う、B副作用、効果、体力と相談しながら治療を継続、休薬する、C腫瘍マーカーがいくつになったから、画像で何cm以上になったからという基準はない、D治療変更時、2-3ヶ月は腫瘍が一時的に増大することがある(特にホルモン療法)、E転移・再発の治療に、〜しなければならない、〜するべきだ、〜しないのは間違いだ、という言葉はありません。まだまだありそうですが、これらをベースにお答えします。

1)2)今のままの治療でいいか?ホルモン剤変更のタイミングは?ということですが、これに対しては、画像も見ていませんし、今の副作用も知り得ないので判断できませんが、腫瘍マーカーの上昇をみると変更時期でしょうか。ただ、症状がなく、次の治療の副作用も心配、選択肢が少なくなり一つの治療を大事に・・という考えから、今の治療をもう1-2ヶ月、2-3ヶ月継続するのも間違いではありません。次に行うとしたら、アロマシン+アフィニトールかと思われますが、ホルモン療法は継続していくと、次治療、次治療と少しずつ効果が劣るのと、元々のホルモン感受性をみると、ホルモン療法の効果はあまり良くないのかもしれないので、化学療法の選択肢も視野に入ります。
3)PETは必要ありません。現状、CTで病変の把握ができていますので、CTで見えないところを探り、そのために治療を変更するか?という話しになります。@画像上、ほとんど病変が消失した、でも腫瘍マーカーが高い、A術後の再発の有無を確認するため、などに用いるのが良いと思います。

今までの治療法も概ね、標準的な治療をされているようですが、今の治療法に不安、問題を感じているのであれば、遠慮無く主治医に申し出て、セカンドオピニオンを聞いてみてはいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.11513】  14年11月03日     Y
海外での治療による不安(HPNo.11487-3)

スイスでの治療について、11487、11501で相談させて頂いた者です。いつも丁寧にお返事下さり、感謝しております。申し訳ないのですが治療方針が変更となりましたので、それについて質問させて頂きます。9月24日に温存手術を受け、今週から放射線治療の予定でしたが、それでも残る再発の恐怖から、治療方針を変更して来月全摘手術を受ける事にしました。それで放射線治療はキャンセルになったのですが、放射線治療は本当に必要ないのでしょうか? 不安要因としては、
1.腫瘍の位置が乳房のかなり上の部分で、断端から4ミリである事。この後全摘しても、もっと上には切れないのでは?
2.周囲に新たな癌化を認めないと書かれてあったのですが、癌が脂肪組織中に向かって育っており、ところどころ結合組織化している(ドイツ語の直訳なのでちょっとどういう意味なのかわかりません)と書かれている事。
3.二度目の手術が一度目から2カ月経っている事。その間に癌の残留細胞が育って予後に影響するのでは? まだ弱い今のうちに放射線で死滅させた方がいいのでは?

温存を今更、全摘に変え、放射線治療をキャンセルした事でかえって予後を悪くしてしまったのではないかと不安です。主治医は、予後はどちらも変わらないとの意見です。先生はどうお考えですか? お返事よろしくお願い致します。

質問有り難うございます。今までのやりとりを拝見していて、海外での不安が大きいように見受けますが、ほとんど間違いない治療を受けられているように思います。そんなに心配なら日本に来て治療を受けたらいいのでは?という意見もありそうですが、そうもいかないでしょうから答えますが、@全摘と部分切除では、基本的に予後は一緒、A取り切れているのなら全摘は不要、B残存乳房への新規病変の発現を抑える意味で放射線治療が必要ですが、全摘の場合は基本的に不要。ただ、広がりが大きい場合、腋窩リンパ節に転移が多い場合は放射線治療も必要、ということがベースのコンセプトです。その上で、ご本人の質問に答えます。

1.腫瘍がかなり上の方、とのことですが、確かにこれ以上は切除不可能かもしれません。これは、もとの腫瘍部位や、現状、どこまで切除してあるか?などの問題から担当外科医にご質問頂く方が適切かと思います。
2.周囲の脂肪組織に癌が入り込むことはよくあり、特別なことではなく、予後にも影響しません。
3.二度目の手術までの時間もほとんど影響しません(何年も先、であれば別ですが)。乳癌は、その性格(ホルモン感受性、リンパ節転移、HER2タンパク発現の有無など)が治療成績に影響します。手術の内容ではありません。

もし、自分が主治医だったら、と思うと、温存+放射線+ホルモン療法かと思います。もともと、多発の可能性が低く、部分切除で十分取り切れていること、ただ、残存乳房への病変が出現するのを恐れて全摘にする。全摘も部分切除も予後は一緒ですから、これはこれで正解です。全摘を決断され、ホルモン療法も始められています。正しい治療を選択され、やれることはやっていますので、これからは、あまりネットで調べすぎず、もう少し肩の力を抜いて、治療を受けられることをお勧めします。(文責 鈴木)

 

No.11512】  14年11月03日     J
再発について(3) (HPNo.11499-3)

11505にて、ご回答ありがとうございました。乳ガン経験者の方に聞きますと、術後の治療は主治医様の所見でほぼ治療法が決まることが多いですが、私のように選択肢が多くある方がいらっしゃるということがわかりました。11505の2)の場合ですが、センチネルリンパ生検は行いました。その時は転移なしでした。(4年後に局所再発ということになります。) そこでご相談ですが、再発ということもあり、放射線と抗がん剤もしようかと思っています。抗がん剤にUFTという経口抗がん剤がありますが、私の場合、妥当な抗がん剤だと思われますか。他にありますか? 抗がん剤の中でも合う合わない、副作用がきつく出る出ないがありますが、経口の方が比較的きつい副作用が出ないと考えておりますが、よろしいでしょうか。

UFTを乳がん術後もしくは再発乳がんに使って有効であったという明確な臨床試験はありません。もし化学療法を選択するのであれば、Anthracyclineを含む、AC, EC, FAC, FECか、TCなどが推奨されると思います。放射線治療についても一言追記します。腋窩郭清した部位に放射線照射をすると高率に患側上肢のリンパ浮腫が起きることが知られています。放射線科の先生によく相談してください。(文責 清水)

 

No.11511】  14年11月02日     アキ
術後の治療方針について(2)(HPNo.11507-2)

先日メールをしてさせて頂きましたアキと申します。追加で質問させて頂きます。

1) オンコタイプDXを考えておりますが、私の場合やる価値はありますか。また、依頼してからどのくらいで回答が出るのでしょうか。主治医は、抗がん剤治療は術後2ヶ月以内には開始すべきと言っていたのですが、手術が9月22日だったので、すでに1ヶ月以上経過しております。抗がん剤治療開始が2ヶ月以上経過してからになってしまうとリスクに変化はありますか。
2) 私の病理検査結果だとセカンドオピニオンを受けても、意味ないでしょうか。
3) 抗がん剤治療をしながら、仕事をする事は可能でしょうか。もちろん、薬の種類や個人差はあると思うのですが…。主治医からは難しいだろうと言われているのですが、すでに数ヶ月休んでおり、生活を考えると働きたいと思います。もし働く場合の注意点はありますか。一人暮らしなので、生活面での注意点もあればお願い申し上げます。

細かい面倒な質問で申し訳ございませんが、何卒よろしくお願い申し上げます。

1) リンパ節転移がなく、ER(+)乳がんであれば、化学療法を追加した方が良いかどうかの判断にはOncotype Dxは有用です(高価ですが)。標本を作って米国に送って検査をするので1月以上かかります。抗がん剤治療は確かに術後早期に行うのが望ましいとされていますが、1ヶ月2ヶ月の遅れが生存率に影響するかどうかは分りません。治療開始が若干遅れることより、自分が納得した治療を受けることの方が重要だと思います。
2) 意味がないことはないと思います。
3) ご指摘の通りで、抗がん剤の種類似よっても違いますし、同じ抗がん剤でも副作用の出方は個人差があるので一概には言えません。可能であれば1コースは仕事を休んで、その副作用の様子から2コース目以降を判断するのがbestだと思います。注意点も抗がん剤の種類によって変るので、一概には言えません。(文責 清水)

 

No.11510】  14年11月02日     P 
乳頭からの分泌物について

36歳、出産授乳経験あり。4年くらい前に片側一ヶ所からの血性分泌があってから、定期的に受診を続けてきました。マンモグラフィとエコーでは病変がなく、分泌物の細胞診も異常なしで、経過観察を続けています。その間、妊娠出産授乳もありました。初めて出血があったときから2年間くらいは止まっていた…もしかしたら絞れば出ていたのかもしれませんが…、妊娠してからは授乳中も含めて、たまに出血していました。ただずっとというわけではなく、数ヵ月に一度で、数日で止まるという具合です。しかし、2か月前に断乳してから、また血性分泌があり、今回はなかなか止まらないようなのです。今まで、詳しい病名を言われたことはなく、不安だけが続くのですが、このような場合は、どういうことが考えられるのでしょうか。

血性乳頭分泌がある場合は、乳管内乳頭腫の可能性がもっとも高く、次が乳がんです。4年も断続的に続いていて、しこりもできていないとなると、乳頭腫の可能性が高いように思えます。しかし、乳がんとの鑑別は常に必要ですから、受診して、MMG,US、細胞診検査を受けることをお勧めします。(文責 清水)

 

No.11509】  14年11月02日     S 
術後治療について(HPNo.11490-2)

HPNo.11490で以前相談させてもらったものです。再度気になることがあり、質問させていただきました。再発にて手術を受けました。主治医の説明では、しこりだけでなく、皮膚にも再発しており、全摘し、取れるだけとったが、皮膚にある癌は取りきれなかったと説明を受けました。今後の治療としては、ホルモン療法と言われていますが、「ノルバディクスは子宮に異常があり中止しているので、使用できない。放射線も前回30回しているので、できない。ホルモン注射のみかな?」みたいな感じでした。
1) ホルモン注射だけで、残っている癌を抑えることはできるのでしょうか?
2) 閉経前で私のように使用ができないものが多い場合で、皮膚にとり残した癌の治療は一般的にはどういう治療をするのでしょうか? 

前病院から現在の病院に手術の為転院したのですが、前病院の先生は、抗がん剤をしましょうというお話があったのですが、現病院では抗がん剤の話はありません。今後治療は前病院に帰り受けたいと思っておりますが、見解の違いがあるので、迷っています。小葉癌はあまり抗がん剤が効かないときいたこともあり、ご相談させていただきました。よろしくお願いします。

1) 閉経前の再発乳癌の内分泌治療の標準はホルモン注射(ゾラデックス、リュープリン)+Tamoxifen(ノルバデックス)です。子宮の副作用が何か分りませんが、もし子宮体がんができたのならば手術ですが、子宮内膜の肥厚程度でしたら、検診を続けながら内服継続は可能だと思います。
2) 貴女のがんのER,PR,Her2,Ki67等のprofileがわからないので、化学療法の有用性については言及できません。しかし、内分泌療法が無効になれば、化学療法の出番だと思います。(文責 清水)

 

No.11508】  14年11月02日     M.T.
IPMNと白血球減少について

50歳、女です。昨年5月に浸潤性乳頭腺管癌のため右乳房全摘出、7月からタモキシフェン内服、今年の2月からリュープリン注射を追加して治療中です。
治療開始数日後から胃のむかつきや上腹部の違和感を感じ、胃のX線検査、内視鏡、ピロリ菌検査などでは異常が見つからず、この9月に初めて腹部超音波検査でIPMNであることがわかりました。これらの症状を訴えても乳腺外科では何もないため、近所のクリニックに行って1年がかりでようやく判明しました。IPMNはまだかなり小さく、どのような種類のものであるのかも確定できず、経過観察と言われています。
術前は5000前後だった白血球が1年間でだんだんと下がり、現在2100になりました。貧血に関する項目もひっかかっています。現在かかっている乳腺外科では、お願いしない限り血液検査はしないようで、1)の診断を受けた病院でこのことがわかり、「乳腺外科の先生にこれらのことを伝えて、ちゃんと定期的に血液検査をやってもらうなり、原因を探すなりしてもらいなさい」と言われました。

1) IPMNの発症原因はわからないそうですが、タモキシフェンが引き金になったという可能性はあるでしょうか。
2) 乳癌の転移と、他の原発ガンの発生を考えて、検診を怠らないようにクリニックの医師からは言われましたが、乳腺外科では「年1回のMMG検査のみ」と言われています。具体的に検査名をあげて、次回の乳腺外科の診察で依頼するしか方法はないと思うのですが、素人なので何をどういう頻度でお願いすればよいのかわかりません。現在行っている年に1回の子宮がん検査とMMG検査以外の検査項目とその頻度について、アドバイス頂ければ幸いです。血液検査の項目、腫瘍マーカーの項目などについてもお願いしたいです。
3) クリニックの先生から「乳腺外科でかかっている病院にまとめて診てもらったほうがいい」とアドバイスされ、IPMNの経過観察について紹介状をもらいました。しかし普通の総合病院なので、IPMNの症例数が少ないようで、症例数の多い大学病院やがん専門の医療機関に行ったほうがいいのではないかと思ったのですが、どのような転院をするのがベストか(乳腺外科とは別に他の病院にかかるのがよいか、両方合わせて一緒に転院するのがよいか、など)、アドバイス頂ければ幸いです。

本来は主治医に相談すべきことだと思いますが、普段は海外に在住して(治療のため3ヶ月ごとに帰国しています)、主治医との意思疎通が自由ではないため、大変恐縮ながらよろしくお願いいたします。

1) IPMNの発症にタモキシフェンが関係したというデータはありません。
2) 乳癌術後のフォローアップは、ガイドラインでは一年に一度のMMG検診のみが推奨されていて、CTやエコーや腫瘍マーカーは推奨されていません。ガイドラインの根拠となっているエビデンスは、術後に毎年CTや腫瘍マーカーの検査をした場合と、MMG以外何もしなかった場合で生存率に差がないというデータです。また、それぞれの検査にはある程度の偽陰性(転移があってもそれが見つけられないこと)があるので、検査で異常所見がないと言って安心できる訳ではないのです。そ他の原発のガンが心配であれば、それぞれのガンの早期発見のプログラムをそれぞれの専門の先生もしくは人間ドック等を利用して検査していただきます。原則として、乳腺の外来でそこまでの検査をカバーすることはできません。
3) IPMNのフォローについては、症例数の多い病院を探してそちらに通う方もいれば、通院に都合が良いように一つの病院ですませる方など、その方の考え方、病気の事情、その他の様々の因子によって変ってくるので、何がbestというアドバイスはできません。(文責 清水)

 

No.11507】  14年10月30日     アキ
術後の治療方針について

初めて投稿させて頂きます、アキと申します。よろしくお願いします。9月に左房皮下乳腺全摘をしました。年齢は46歳で独身です。病理検査結果は、硬癌、浸潤径 38o、グレード2、リンパ節転移ナシ、ホルモン受容体 ER>90% PgR>90%、HER2 (+1)陰性、Ki67 15〜20% との事でした。また、断端(乳頭下) 乳管内病変 近接0.7o(露出 −) ※術中の乳頭下迅速診断は陰性 という話もありました。主治医からは、今後の治療については、抗がん剤治療+ホルモン治療をすすめるが、数値的に絶対抗がん剤治療が必要なレベルではないため、自分で選択するように言われました。また、病変についても、乳頭切除の追加手術をするか経過観察するかの選択をするよう言われております。そこで下記質問をさせて頂きます。

1) 抗がん剤治療をせずホルモン治療のみにした場合、どの程度再発リスクは上がるのでしょうか? というか、私のようなタイプは、ホルモン治療に抗がん剤治療をプラスすることで、どのくらい再発リスクを下げられるのでしょうか?
2) 病変については、乳頭の追加手術をしないで経過観察にして、浸潤癌として現れてから乳頭切除するとしたら、再発や転移のリスクは高くなるのでしょうか?

回答のほど、よろしくお願い申し上げます。

1) Adjuvant Onlineに貴女の年齢、病理所見を入れてみると、術後無治療の場合、乳がんが原因で死亡するリスクは10年で21%、術後ホルモン療法を行った場合は6%減少して15%、術後化学療法とホルモン療法を両方行った場合は11%減少して10年までに死亡するリスクは10%になるとでました。
2) 明確なevidenceはありませんが、乳頭の部分に再発しても全身の転移のリスクは変らないと思います。また残った乳頭内の乳管に再発した場合、多くは乳頭びらん、乳頭血性分泌でといった症状で見つかることが多いので、非浸潤癌の状態で見つかるケースの方が多いと思います。(文責   清水)

 

No.11507-2】  14年11月02日     アキ
術後の治療方針について(2)

先日メールをしてさせて頂きましたアキと申します。追加で質問させて頂きます。

1) オンコタイプDXを考えておりますが、私の場合やる価値はありますか。また、依頼してからどのくらいで回答が出るのでしょうか。主治医は、抗がん剤治療は術後2ヶ月以内には開始すべきと言っていたのですが、手術が9月22日だったので、すでに1ヶ月以上経過しております。抗がん剤治療開始が2ヶ月以上経過してからになってしまうとリスクに変化はありますか。
2) 私の病理検査結果だとセカンドオピニオンを受けても、意味ないでしょうか。
3) 抗がん剤治療をしながら、仕事をする事は可能でしょうか。もちろん、薬の種類や個人差はあると思うのですが…。主治医からは難しいだろうと言われているのですが、すでに数ヶ月休んでおり、生活を考えると働きたいと思います。もし働く場合の注意点はありますか。一人暮らしなので、生活面での注意点もあればお願い申し上げます。

細かい面倒な質問で申し訳ございませんが、何卒よろしくお願い申し上げます。

1) リンパ節転移がなく、ER(+)乳がんであれば、化学療法を追加した方が良いかどうかの判断にはOncotype Dxは有用です(高価ですが)。標本を作って米国に送って検査をするので1月以上かかります。抗がん剤治療は確かに術後早期に行うのが望ましいとされていますが、1ヶ月2ヶ月の遅れが生存率に影響するかどうかは分りません。治療開始が若干遅れることより、自分が納得した治療を受けることの方が重要だと思います。
2) 意味がないことはないと思います。
3) ご指摘の通りで、抗がん剤の種類似よっても違いますし、同じ抗がん剤でも副作用の出方は個人差があるので一概には言えません。可能であれば1コースは仕事を休んで、その副作用の様子から2コース目以降を判断するのがbestだと思います。注意点も抗がん剤の種類によって変るので、一概には言えません。(文責 清水)

 

No.11507-3】  14年11月10日     アキ
抗がん剤治療と病理判断について

11507、11511にて質問させて頂きましたアキと申します。丁寧な回答、本当にありがとうございます。頂いた回答を含め、いろいろ考えて、術後薬物治療については、セカンドオピニオンを受けることに致しました。また新しい質問をさせて頂きます。
左乳房下外側部分 全摘
《術後病理検査結果》
硬癌、浸潤径 38o(全体50×21×10)、グレード2、リンパ節転移ナシ、ホルモン受容体 ER>90% PgR>90%、HER2 (+1)陰性、Ki67 15〜20%

1) ケモブレインという抗がん剤治療の副作用(後遺症)があると言いますが、どのくらいの割合で発症するのでしょうか。発症しないための対策はありますか。
2) 毎年会社の健康診断を受診しておりましたが、4年前の健診時までは問題なし(但し4年前に一度数日間褐色分泌あり)、昨年に再検査指示がありましたが、放置してしまい、今年精密検査指示となり、乳癌と診断されました。乳癌は進行が遅いと言いますが、私の場合腫瘍が4年あまりで急激に大きくなった(進行が早い)という事なのでしょうか。もしそうだった場合、やはり抗がん剤治療はしたほうが良いのでしょうか。

ご回答のほど、よろしくお願いします。

1) 抗癌剤使用中のほとんどの患者さんは、治療中に記憶力、集中力に問題を感じており、治療後も15%程度の方がこの症状が続くという報告があります。しかし、このような症状を訴えている方を検討すると、元来スローな傾向があり、治療前後で日常生活にギャップを感じることが少ない人もいるという別の報告もあります。ケモブレインでなくても、人間の脳は日々老化していきます。ケモブレインを発症しないために抗癌剤を使用しないという選択肢を考えられない場合は、なくなった機能はそれぞれが工夫して補っていく必要があります。 日常の生活に順位付けをして一つ一つ習慣づけをする、一つ以上の間隔で記憶する(連想記憶法)、ノートに書き留める、チェックリストを貼る等、小さな工夫を積み重ねていくことも効果があると思います。
2) 乳癌の腫瘍増加速度(体積が倍になる速度)は、一般的な考え方では3〜4ヵ月程度と言われており、4年前では 0.1〜0.4p大程度と思われ、検診時での発見は難しい状況にあったと推測されます。乳癌の発育速度が特に速かったとも思えませんが、Ki67が15〜20%と高いので、個人的には抗癌剤治療は行ったほうがよいと思います。主治医と充分ご相談なさって、納得のいく治療を受けてください。(文責 須田)

 

No.11506】  14年10月30日      Y   
術後補助療法の選択について

お世話になります。今後の補助療法についてお伺いしたく、ご相談させていただきました。
温存手術後、現在放射線治療中です。病理結果は「浸潤、乳頭腺管癌/ 0.8×0.7/脈管侵襲なし/リンパ節転移なし/grade1/stage1/ER、PgR80〜90%、HER2 0、Ki67 1〜2%/」です。
医師からは、今後はホルモン治療になり、先ずはタモキシフェンを飲んで調子を見て見ましょうとの話でしたが、ホルモン治療の不安を話した所、飲まない選択もあるとのこと。
術後の補助療法は最終的には患者が選択するのだと初めて知り、余計に不安になってしまいました。

1) 私の病理の場合、無治療での無再発率はどの程度なのでしょうか。低リスクということで、選択の余地があるのでしょうか。
2) 卵子凍結などの間は見送るなどした場合、無治療期間はどのくらいまであけられるものなのでしょうか。

お忙しい所申し訳ございません。よろしくお願いします。

1) 病理所見からは転移再発のリスクは非常に低そうに思えたので、念のためにAdjuvant OnlineにDATAを入れてみると、術後無治療での場合乳がんが原因で死亡するリスクは10年で1%でした。Tamoxifenを5年内服してもそのriskは変りません。私は、Tamoxifenによる子宮体がんの発生、更年期障害の副作用等のriskを考慮すると、benefitがあまりにも小さいので、無治療が良いのではないかと思います。
2) 無治療がお勧めですから問題ありません。蛇足ですが、妊娠が再発のリスクを高めることがないことも分っています。(文責 清水)

 

No.11506-2】  14年10月30日      Y   
術後補助療法の選択について(2)

お世話になります。以前以下のような質問をさせていただいた者です。現在41歳、放射線治療も無事終わり、ホルモン治療の選択が迫っています。妊娠を考えてのホルモン治療を一年間ほど見送るという考えに対し、主治医は当然あまりよい反応はなく、最終的にはリスクとを天秤にかけての自己判断と言われました。確かにその通りとはいえ、ご回答いただいた内容と真逆の反応に戸惑ってしまいました。何度も申し訳ございませんが、ご意見を再度お伺いしたいです。

1) 浸潤癌でも無治療にすることはあるのでしょうか?これまで受け持たれたケースでどのようなケースがありましたか?
2) アジュバントの結果をもう少し詳しく教えていただけませんでしょうか?無治療での無再発率、ホルモン治療をした場合の効果など。
3) 妊娠成功の場合、出産後にホルモン治療を始める場合の効果は実証されているのでしょうか?

よろしくお願いいたします。

1)浸潤がんであっても、貴女のように再発リスクが低い方や、治療による副作用が出る方など、術後無治療としています。
2)10年再発率のデータを見る場合には対側乳がんのリスク(10年で約7−8%)、乳房温存術後の同則乳房内再発、もしくは乳房切除後の局所再発(10年で5%前後)が加わわることを頭に入れておいてください。あなたの場合の10年再発率は、無治療で14%、ホルモン療法を加えた場合9%となります。
3)そのようなevidenceはありません。(文責  清水)

 

No.11505】  14年10月30日     J  
再発について(HPNo.11499-2)

11499で質問ご回答いただきました。有難うございました。左脇リンパ節局所再発後郭清術を受けて、15個切除中2個の悪性がみつかり、1ヶ月半がたち、治療方針も決まりました。以前相談させていただいたご回答の中にありました転移巣の性格は、ホルモン感受性がER,PgR共に+2あり、HER2は陰性でしたので、主治医はホルモン剤(今の時点ではノルバデックス継続して、閉経が確認できた時点で閉経後に使用するホルモン剤に変える方向)と合わせて左脇に(シリコンをいれている状態で)放射線をすることになりました。11499でご回答頂いた中で、2点質問があります。

1) 回答2)ホルモン剤継続とシリコン取ってからの放射線は勧めないと回答いただきましたが、シリコンを入れたまま脇に放射線をするのはかまわないものなのでしょうか? 又、放射線は意味がないのでしょうか。
2) ホルモン剤と合わせて抗がん剤はしたほうがよいのでしょうか?

私のように全摘、シリコンで再建して、ホルモン剤のみで治療し、4年後脇局所再発で2個見つかって、
癌の性格が以前と同じであるような事例は少ないものであるのかどうかはわかりませんが、何が私にとってベストか解りづらく、
不安で、主治医とも選択肢のことは相談していますが、後で後悔するのは嫌なので、申し訳ございませんが、再度相談させていただきました。どうか よろしくお願いします。

1) 私の知る範囲では、シリコンを入れたまま放射線をかけると何か害があるという報告はありません。また、シリコンを入れたまま放射線をかけても大丈夫という報告もありません。予想されることは、放射線の線量分布がどうなるのか?シリコンバックに放射線があたる影響はないのか?等未知の問題が多いので、現時点ではシリコンを入れた状態での放射線治療は推奨されていないのが現状です。一度、放射線科の先生の診察を受けて、その辺のところを詳しく聞いてみては如何でしょうか?
2) 一つ質問です。最初の手術の時にセンチネルリンパ節生検はおこなったのですか? 原発腫瘍が5mmでER(+)PR(+)Her2(-)で、Tamoxifenを内服していて4年目に腋窩リンパ節転移が2個、そのsubtypeはER(2+)PR(2+)Her2(-),Ki67<10%というお話を聞くと、原則は内分泌療法単独で良さそうに思います。ただし、リンパ節転移があったのだから化学療法を併用するという考え方もありだと思います。あなたが、どんなに副作用が辛い治療でも再発の可能性を少しでも低くしたいと考えるなら化学療法の併用を、できれば副作用に強い治療は避けたいと考えているなら内分泌療法単独が良いのではないでしょうか。どの治療を選ぶのがbestなのか知る方法はありません。貴女がいろいろな人に相談して、悩んで出した結論が正解です。(文責  清水)

 

No.11504】  14年10月30日     M
経過観察(HPNo.11492-2)

前回No.11492です。ご回答ありがとうございます。同封の病院一覧表の中から1番大きい(救命センターあり)病院を選び、14日に精密検査しました。初診の内容は、検診のデーターがないので、検診と同じ視触診・乳腺エコー(技師さん)のやり直しと、マンモグラフィの検査を受け、結果から診察室で先生がもう1度エコーをして細胞診を行いました。21日に、細胞診の結果、悪い物でない『良性腫瘍』でした。今後、経過観察の為、半年後に乳腺エコーの予約を取りました。

1) 『良性腫瘍(腫瘍名はわからない)』は、悪性に変わることがありますか?
2)  経過観察の6ヶ月後って長く感じますが、期間的にどうですか?
3)  細胞診後に触ったら受診前より小さいですが、細胞診でシコリが小さくなるは事ありますか?

よろしくお願いします。

1) 原則としてありません
2) 適当だと思います
3) あまりありません(文責   清水)

 

No.11503】  14年10月25日     MK 
病理検査の結果について

病理検査の結果について、詳しく教えていただきたいと思い、相談いたしました。主治医からは、粘液癌で、乳頭腺管癌とのミックスでおとなしいタイプ、と言われました。47歳、温存手術後に放射線治療、現在タスオミンを服用しています。

R−BDの0.6×0.4pの低エコー域病変
ABC、CNBでmuchinous ca をsusp.
Bpゲフリールでno malignacy

<1回目の術後病理診断>
muchinous carcioma, mixed type, d1, f1 of right breast

<概要>
tumorは@〜B/Dに認められます。
@では5ミリ大のintracystic papillary crucinomaが認められ、その全域にmuchinous substnace がみられます。
tumorは一部間質への浸潤を伴い、d因子、f因子陽性です。
また、ABの一部にも粘液を伴ったpapillary growthやductの拡張が認められ、surgical marginは陽性の可能性があります。
本腫瘍ではductal componet優位のmucinous carcinomaと考えます。

<2回目の術後病理診断>
*residual mucinous carcinoma, mixed type of right breast
* No evidnec of lymph node metastasis, n(SLN) 0/3

<概要>
@〜E
tomorの遺残は@A/Eに認められ、mucinous substanceを伴ったDCISからなり、今回の標本では間質内への粘液様物質の漏出は認められません。
mucinous carcinoma,mixed type のductal componetが目立つ所見をしまします。surgical marginは陰性です。
F〜M
tumorは認められず、乳頭側断端、surgical margin、 乳頭内乳管はともに陰性。

特にお聞きしたいのは、intracystic papillary carcinomaと、ductal componet優位のmucinous carcinomaについてです。粘液癌はおとなしいタイプだと言われますが、私の場合はどうなのでしょうか。どうぞよろしくお願いします。

ご相談ありがとうございます。 私のお返事でMKさんの疑問が少しでも減れば嬉しく思います。MKさんの病理レポートからですと、一部に間質浸潤があったとのことです(初回の手術結果より)。この一部というのが、どのくらいの大きさなのかがわかりません。2回の手術で腫瘍のほとんどが非浸潤癌状態であったようですから、粘液癌の悪性度を考えるよりは浸潤癌がどの程度の大きさであったかを検討した方がよい気がします。しかし大変申し訳ないのですが病理スライドを拝見しているわけではないため、MKさんのご質問にこれ以上十分にお答えすることができません。疑問を解消するためには再度ご担当の先生にご質問なさるか、病理スライドをお持ちになってセカンドオピニオンをお受けになることをお勧めいたします。(文責 斎藤)

 

No.11502】  14年10月23日     K
タモキシフェンと蕁麻疹(HPNo.10058-2)

お世話になります。2011年に、NO.10058でご質問をさせていただきました。おかげさまで無事に抗がん剤、放射線治療を終了し、現在タモキシフェン服用予定5年の内、3年少し過ぎたところです。今年の5月から蕁麻疹に悩まされるようになり、皮膚科にかよっているのですが、抗ヒスタミン剤では一向に改善されず(ステロイド剤も短期試しました)、検査をしても原因不明で、最初はタモキシフェンは関係ないと断言していたのに、先日の皮膚科受診で、もしかしたら・・・と言い出され、次回の腫瘍内科検診時に、副作用かどうか相談してみるよう言われました。それまでは軽いホットフラッシュがあるくらいで、特に副作用というほどのものは何もなかったのに、服用してから3年後に副作用として現れるという事はありえるのでしょうか。少しの間タモキシフェンを休薬して様子を見ることになるのでしょうが、どのくらいの期間でしたら再発転移を心配しなくてもいいのでしょうか。また、もしタモキシフェンが原因である可能性が高い場合、他のホルモン剤へ移行できるのでしょうか。(生理は抗がん剤で止まってますが、まだ閉経とは断定されていません) 主治医の検診時にきちんと話ができるように準備したいので、お手数ですが、どうぞよろしくお願いいたします。 

内服3年目の蕁麻疹となると、通常は薬が原因とは思えませんが、体調の変化等と重なって薬が引き金になった可能性は否定できません。どのくらいの休薬期間が再発に影響するのかのデータはありませんからわかりませんが、まず、1週間から1ヶ月程度休薬してみて、蕁麻疹が軽快するかどうか確認して下さい。蕁麻疹が軽快したら薬の内服を再開して下さい。その時に同じように蕁麻疹が発生するようであれば、薬が原因と断定できます。1ヶ月休薬しても軽快しないようなら、原因は他にあると考えて、皮膚科の先生の治療を受けながら内服を続行したらよいと思います。一つお尋ねしたいことは、現在内服している薬はジェネリックですか? タモキシフェンはたくさんのジェネリックが出ていますが、薬効成分はタモキシフェンで同じでも、錠剤に固めるための成分(添加物)は各社異なります。このような添加物に対するアレルギーの可能性も否定できません。もし、現在内服している薬が原因だと断定できたら、ジェネリックを他社のジェネリックもしくはオリジナルのノルバデックスに変更してみるという方法もあります。他のタモキシフェンでも蕁麻疹が出て、タモキシフェンという成分に対するアレルギーであると判明した場合は、Toremifen(フェアストン)というお薬がタモキシフェンと全く同等の効果がある事が証明されていますので、そのお薬に変更することも可能です。(文責  清水)

 

No.11501】  14年10月23日     Y
海外での治療による不安(HPNo.11487-2)

HPNo.11487でスイスでの治療について相談させて頂いたものです。スイスでの治療に不安を持つ必要がないとアドバイスを受けて安心しましたが、やはり海外での治療は不安が多く、また相談させて頂きます。

術後の結果、
HER2-FISH ネガティブ、
pT1b(0.7mm), pN0(i)(sn)(0/1), L0, V0, Pn0, R0
組織学的グレード2 (3+2+1=6)
組織学的にあまり分化されていない浸潤性乳管がん
リンパ管、血管、周辺への浸潤無し。
断片陰性(腫瘍から4ミリで切除)
ER, PgRは針検査時のみのようで、新たな記載はなく、ともに90%、Ki-65も術前のみで5%でした。
ホルモン治療でゴセレリン、タモキシフェンを始めました。放射線治療を受ける予定です。


1) 断片は陰性でしたが、エコーのみの検査だったので不安があります。これで癌は取り切れたと思っていいのでしょうか? 日本だと術前に浸潤をマンモグラフィなどで調べると思うのですが…
2)  Eカドヘリンが無いと書かれていました。予後に影響はありますか?
3) Adjuvant online では、私の場合、10年後の再発率、生存率はどの位でしょうか?
4) 42歳ですが、ホルモン治療を5年で終えた後、10年後、20年後ではホルモン治療の効果が落ちる分、再発率が増えるのでしょうか?

お忙しい中、申し訳ございませんが、お返事頂けると嬉しいです。よろしくお願い致します。

1) 断端陰性は病理検査の結果ですから、取りきれたと考えて問題ありません。ただし、多発の問題がありますから、放射線治療は必要ですし、今後も定期的なマンモグラフィー検査は必要です。
2) E-カドヘリンは乳管がんか小葉がんかを鑑別するために行う検査です。予後には影響しません。
3) Adjuvant Onlineによると、10年生存率は、術後無治療で95%,Tamoxifenを内服した場合で96%でした。10年無再発率は術後無治療で81%、Tamoxifenを内服した場合で87%でした。(注:10年再発率の計算は全身への転移再発のみならず、対側乳癌の発生(無治療10年で7%程度)も再発として扱っています。)
4) 最近、late recurrenceといって、10年以降の再発が注目されています。ER(+)乳がんは10年で見れば転移の再発の少ない乳がんですが、10年以降の再発の危険性は低いながらも継続します(私の経験では術後30年目の骨転移という方がいます)。昨年報告されたTamoxifen 5年内服と10年内服の比較試験で、10年内服することで10年目以降の転移再発が減少することが証明されました。現時点でホルモン療法は術後5年というガイドラインに変更はありませんが、注釈として、10年内服するお話をして、そのメリット(10年以降の再発転移が減少する)とデメリット(子宮体がんが増える、通院の負担、経済的な負担が増える)を患者さんとよく相談するようにとなっています。現在、他にもホルモン療法を長期に行う試験がたくさん行われていますから、貴女が内服を終了する5年後にはガイドラインが変っているかもしれません。(文責  清水)

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