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相談室(No.11001〜11100)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

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なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

第12回かながわ乳がん市民フォーラムに、たくさんのご参加、有難うございました。

 


★ 過去にさかのぼって相談内容が検索できるようになりました。ご参考になれば幸いです。ご利用下さい。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

11100 13/08/04 A・K 術側の痛みについて 鈴木
11099 13/08/04 E.K 術前治療が効いた時の手術について 鈴木
11098-1
11098-2
13/08/04
13/08/17
N  レディース健診
検診の意義
鈴木
須田
11097 13/07/30 C.Y.  低エコー 清水
11096 13/07/30 R.H. 乳がんではないか不安です 清水
11095 13/07/30 N  非浸潤癌部分切除+広背筋皮弁同時再建後の健側検診について(HPNo.10923) 清水
11094-1
11094-2

11094-3
11094-4
11094-5
13/07/30
13/08/07
13/08/17
13/08/17
13/09/26
S  今後の治療について
乳がんの骨シンチについて
非浸潤性乳管がん0期について
たちの悪い癌細胞
医学用語について
清水
鈴木
須田
高橋
石川
11093 13/07/30 KG 術後の抗がん剤治療 清水
11092 13/07/30 A子 腋窩の痛み 清水
11091 13/07/29 R  アロマターゼ阻害剤の選択について 清水
11090 13/07/29 MM 母の今後(2)(HPNo.11079) 清水
11089 13/07/29 N 中学生の息子のしこりについて 清水
11088 13/07/29 T HER2陽性の治療について(HPNo.11012) 清水
11087 13/07/29 R 両脇下のしこり 清水
11086 13/07/29 M.S. 今後の補助療法について  清水
11085 13/07/27 I  胸にしこりをみつけました 清水
11084 13/07/27 E 術後の治療方法について 清水
11083 13/07/27 M.K.   再発リスク(HPNo.11043-2) 清水
11082 13/07/25 M 術後のリンパ液貯留について 斎藤
11081 13/07/25 緩和治療について(HPNo.11076) 斎藤
11080 13/07/25 A  無治療の生存率(HPNo.11050-2) 斎藤
11079-1
11079-2
13/07/24
13/07/29
M.M 母の今後
母の今後(2)
斎藤
清水
11078 13/07/24 K.T 今後の経過と治療について 斎藤
11077 13/07/16 M トリプルネガティブ 久保内
11076-1
11076-2
13/07/16
13/07/25
今後の治療について
緩和治療について
久保内
斎藤
11075 13/07/13 K.M.  予後について 久保内
11074 13/07/13 MK   病理の結果を見て不安です 久保内
11073 13/07/13 M 今後の治療について 久保内
11072 13/07/01 K  遺伝子検査(オンコタイプDX)の必要性(HPNo.10675) 緒方
11071 13/07/01 K 骨転移について(HPNo.10850-3) 緒方
11070 13/07/01 Y.E.  抗がん剤が中止となった時・・・(HPNo.11015-2) 緒方
11069 13/06/26 C.I.   乳がんの疑い 大西
11068 13/06/26 N 今後の治療について  (HPNo.11031) 大西
11067 13/06/23 S  転移の可能性 大西
11066 13/06/23 M.O. 70代乳がんの手術について 大西
11065 13/06/23 Y.H. 胸左上部に1cmほどの腫瘍 大西
11064 13/06/23 R.T.  生理と出産の可能性 大西
11063 13/06/23 アリス 今後の治療について(HPNo.11026) 大西
11062 13/06/18 M.S. No.11056 断端についての追加質問(HPNo.11056-2) 石山
11061 13/06/18 N.N. 良性のしこりと言われたが?? 石山
11060 13/06/15 N.S.  妻の乳癌について 石山
11059 13/06/15 K 術後検査について 石山
11058 13/06/11 T 抗がん剤の副作用と治療の継続について(HPNo.11028) 石川
11057 13/06/11 T  術前抗がん剤後の病理結果の追加質問(HPNo.11052) 石川
11056-1
11056-2
13/06/11
13/06/18
M.S. 今後の治療について
No.11056 断端についての追加質問
石川
石山
11055-1
11055-2
13/06/09
13/12/03
R.O.  全摘か温存か
今後の治療について
石川
大西
11054 13/06/09 M.M 抗がん剤治療の継続について(HPNo.10958) 石川
11053 13/06/09 Y.N. センチネルリンパ節生検を行うかどうかの判断 石川
11052-1
11052-2

11052-3
13/06/08
13/06/11
13/08/15
T  術前抗がん剤後の病理結果
術前抗がん剤後の病理結果の追加質問
HPNo.11052の追加質問
石川
石川
加藤
11051 13/06/08 G  抗がん剤をするのかしないのか 石川
11050-1
11050-2
13/06/08
13/07/25
A  非浸潤性乳管癌の治療
無治療の生存率
石川
斎藤
11049 13/06/04 T   大きくなったしこり 吉田
11048 13/06/04 T.M 乳がん検診 吉田
11047 13/06/04 D  今後の治療について 吉田
11046 13/06/02 H  局所再発(一部に浸潤性微小乳頭がんを含む〕の治療 吉田
11045 13/06/02 H.K.  術後の治療に関して 吉田
11044 13/06/02 M  手術前治療 吉田
11043-1
11043-2

11043-3
11043-4
11043-5
11043-6
13/06/02
13/07/27
14/01/13
14/03/25
15/01/06
17/04/30
M.K. HER2疑陽性の今後の治療について
再発リスク
乳頭の形成手術
オンコタイプ結果について
皮膚転移?
健側の腫瘍
吉田
清水
浜口
鈴木
石山
徳田
11042 13/06/01 M.C.  今後の治療について 吉田
11041 13/06/01 M  母の乳癌について 吉田
11040 13/06/01 M.K.  転移 吉田
11039-1
11039-2
13/06/01
13/11/12
A 腫瘍マーカー
肺転移?
吉田
斎藤
11038 13/05/30 N 腫瘍マーカーについて 吉田
11037 13/05/30 HU 月経再開後の治療法について 吉田
11036 13/05/27 A  妻の乳癌治療について 浜口
11035 13/05/27 M   マンモトーム2回目 浜口
11034 13/05/24 T  今後の治療について(HPNo.11028) 浜口
11033 13/05/24 さくらこ コラーゲンの摂取 浜口
11032 13/05/24 S.T.  術後のしこり 浜口
11031-1
11031-2
13/05/24
13/06/26
N  針生検の結果
今後の治療について
浜口
大西
11030 13/05/24 N.T 母の乳癌手術について 浜口
11029 13/05/24 Z  乳ガンや胸の病気ではないかと不安です 浜口
11028-1
11028-2

11028-3
13/05/20
13/05/24
13/06/11
T   今後の治療について
今後の治療について(2)
抗がん剤の副作用と治療の継続について
徳田
浜口
石川
11027 13/05/20 H  叔母の乳癌再発について 徳田
11026-1
11026-2
13/05/18
13/06/23
アリス 放射線治療とリンパ浮腫について
今後の治療について
徳田
大西
11025 13/05/18 S   ホルモン療法 徳田
11024 13/05/18 C  悪い可能性が高いでしょうか? 俵矢
11023 13/05/18 H 局所再発の治療について(HPNo.10998-2) 俵矢
11022 13/05/16 R  MRI検査(2) (HPNo.10841) 徳田
11021 13/05/16 M.K. 乳輪にしこり 徳田
11020 13/05/16 M 母の乳癌 徳田
11019 13/05/13 S.W 今後の治療について 俵矢
11018 13/05/06 E 骨粗鬆症の治療薬の影響について
11017 13/05/05 M 術後、抗がん剤治療について
11016 13/05/05 Y.I 術後の痛みについて
11015-1
11015-2
13/04/30
13/07/01
Y.E. 抗がん剤
抗がん剤が中止となった時・・・
高橋
緒方
11014 13/04/30 K  授乳中のしこり 高橋
11013 13/04/30 U   ホルモン療法中です 高橋
11012-1
11012-2
13/04/24
13/07/29
T  HER2陽性の治療について 高橋
清水
11011 13/04/24 N  Cat5乳頭腺管がんの疑い 高橋
11010 13/04/24 E M   リンパ管侵襲が+ 高橋
11009 13/04/24 M トリプルネガティブの術後治療について(HPNo.10990) 須田
11008 13/04/22 T.M 子宮内膜増殖症 加藤
11007 13/04/22 F 抗がん剤治療 加藤
11006 13/04/22 F.M.  リンパ管症(HPNo.10252) 加藤
11005 13/04/22 M.S. リュープリン投与による手のこわばりについて 加藤
11004 13/04/22 Y.S リュープリン(HPNo.9292) 加藤
11003 13/04/22 MA  ホルモン療法と再発率と生存率について 加藤
11002 13/04/22 M  今後の治療について 加藤
11001 13/04/22 R HER2のFISH法について 加藤

 

No.11100】  13年08月04日    A・K
術側の痛みについて

2年3ヶ月ほど前に最後の相談をさせていただいたものです。現在術後8年目に入っています。その時はホルモン療法を継続して5年になり、主治医の先生は終了してもよいとのこと、こちらにも相談をさせていただき、同じお答えを頂いて、終了しました。今のところは順調に来ています。が、術側に圧迫感のような引き攣れのようなものが出ます。今年は特にきついです。天候が不順のせいかもしれませんが。今年は特にひどく、困っています。以前、乳房術後疼痛症候群と診断され(こちらの相談室でも同じお答えを頂きました)、トリプタノールを服用しました。このお薬は口渇がひどく、2年半くらいで止めました(お話をするお仕事をしている関係上)。痛みを取るために、何か良い方法はございませんでしょうか。ご指導くださいます様、よろしくお願いいたします。

質問有り難うございます。術後の痛みに対する相談ですが、これはなかなか特効薬がありません。天候や、体調により痛みの程度が変化するように思います。寒い日、雨降りの日は悪いようです。現状では、通常の痛み止めや、以前に内服されたトリプタノールなどを処方することが多いかと。最近では、神経痛に効果的なリリカ、サインバルタなどといった薬剤も出ておりますので、試してみるのもいいかもしれません。あまりお役に立てず申し訳ありません。 (文責 鈴木)

 

No.11099】  13年08月04日    E.K
術前治療が効いた時の手術について

いつも参考にさせていただいております。私も含め、多くの患者が大変感謝をしております。「術前治療が効いた時の手術について」というタイトルで相談させていただきたく、よろしくお願いいたします。44歳です。今年の3月末に、左胸の乳がんが分かり、4月から術前治療を始めております。3か月のウイークリータキソールとハーセプチン+現在FECの1/4回目です。術後、放射線、ハーセプチンの予定です。最初の病理診断は、「ホルモン(−)、Her2+3 グレード2、ステージUaかb、その他リンパに転移がある」と、言われています。最初の一ヶ月で、薬がかなり効いていて、タキソールが終わるころには、エコーでほとんど見えないくらい薬が効いていたので、
1)温存で十分いける (全摘はどうしてもと私が言うならば相談の上、とのこと)
2)リンパ廓清をするので、念のため、そこと鎖骨部分も放射線を当てた方がいいと思う
と先生がおっしゃってくださいました。もともと絶対に全摘にすると思い込んでいましたが、病気のことを知るうちに、最近は温存でもいいのでは?と迷いが出てきました。そこで、先生にお聞きしたいのですが、全摘をしても放射線をかけるならば、温存で放射線をかけるのと同じことなのでしょうか? それとも、全摘をしたうえでの放射線治療は、乳房が残っていない分、もっと直接的に効くのでしょうか? (その分、副作用もあるでしょうか) 手術は秋になるので、それまで悔いのないように十分考えたいと思います。再建は考えていません。お忙しいところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願いいたします。

質問ありがとうございます。手術方法で悩まれているご様子ですね。まず、現状の治療内容は極めて基本に忠実な治療法であり、それが非常に効果的あるこが何よりだと思います。
さて、全摘か、部分切除か?ということですが、答えはどちらも正解です。というのも、全摘も部分切除も治療成績(長期予後)は一緒で、どちらも生存率は同等です。ただ、部分切除の場合、残りの乳房への局所再発率が5-20%と言われるのに対し、全摘の局所再発率は2-18%くらいと、部分切除の方が高率な為、術後の放射線治療が必要となります。局所再発した場合、また切除も可能なことが多いですが、局所再発率が高くなると、生存率にも影響すると言われています。特に、広範囲に広がっている、多発している、術前化学療法を行った、などでは局所再発率が高くなる傾向にありますので注意が必要です。一方、全摘の場合、術後の病理検査で、腋窩リンパ節転移が4個以上の場合、腋窩と鎖骨の上、真ん中の胸骨という骨の部分を含めて放射線治療が必要です。従って、現在、全摘+放射線の選択肢もあるようですが、全摘後の放射線は病理結果を待ってから考えた方が宜しいと思います。
術前の治療がかなり効果的で、腫瘍がかなり小さくなったのならば、部分切除+放射線治療という選択が良いような気がします。あとは、局所再発に対する考え方、人によっては放射線治療への拒否感を持たれるかたもいるかと思いますので、このあたりを考えて術式を選択されたらいかがでしょうか?残りの治療も頑張って続けて下さい。(文責 鈴木)

 

No.11098-1】  13年08月04日    N  
レディース健診

いつもお世話になっております。何度か相談に乗っていただいていますNと申します。術後2年が無事経過しました。乳腺外来での定期的な血液検査や、一年毎の精密検査で満足していたのですが、やはり、それとは別に健診は必須なのでしょうか? 年に一度、CTもやっているし、何かあれば、早期発見出来る、と思い込んでいましたが、これは間違っているのでしょうか? お世話になっている乳腺の病院は総合病院なのですが、そういった健診は受け付けていないようです。主人の会社で年に一回行っているレディース健診は、毎回お知らせを戴いていますが、病気発覚後からは一度も受けていません。全摘の身でありますので、集団で受けるレディース健診に抵抗もあります。しかし、折角、早期発見出来た乳がんなのに、ほかの病気に係ってしまうのも辛いので、必要であれば、思い切って受けてみようと思います。婦人科は、個別に定期的に検査しています。その他の検査の必要な種類や、検査の間隔を、先生方のご指導を戴ければ幸いです。

病歴:
粘液癌(乳管内に非浸潤癌が広がり、基底膜を破っていたのが3か所との事でした)、
サイズ 8o、4o、2o の3つ、  グレード2、  ホルモン共に90%、  脈管侵襲共になし(−)、  リンパ転移なし(−)、  センチネル生検 (0/3)、 Her2
(−)、  増殖能(−)

質問有り難うございます。術後2年経過したとのこと、良かったですね。
さて、年1回の検査(再発や転移を見つけるための検査)は必要か?とのことですが、現状では「No」です。再発してしまった病変や、転移した病変を早期に見つけてもなかなか完治が難しいというのが、その大きな理由です。
肝転移、肺転移を早期に1cmの状態で見つけても、しばらくして3cmになって見つけても、実際に行う治療は一緒で、手術で摘出するのではなく、抗がん剤や内服のホルモン療法ということになります。早く見つけた分、早くから治療が始まりますが、完治した、治癒した、という判断が難しい(画像で消えても、血液の中には潜んでいる可能性が高い)ので、頑張ったから消えた、消えたからもう少し頑張る・・ということになり、なかなか治療を中止するわけにはいきません。従って、早期に発見しても、治療を長く続けなくてはいけないというデメリットがあります。国内外の教科書、ガイドラインにも、術後の検査(採血、CT、エコー、レントゲン、PET、骨シンチなど)は不要である、唯ひとつ、手術と反対側のマンモグラフィは年1回行いなさいと記載されています。反対側のマンモグラフィを行うことで、新規の病変(反対側の乳癌)を見つけられ、これは早期に見つければ完治が可能であるという考えです。ただ、再発した病変、転移した病変の治療成績はここ10年で格段に向上していますので、それらの病変を早期に発見することで、完治できるかも・・という考えもあり、現在、国内で研究も行われています。国内の大きながんセンターなどでも、術後の検査は一切行わないというところもあるようですが、日本人の多くが、1年に1回の検査をして、安心感を得るために1年に1回の検査をしているのが現状のようで、かく言う私も、検査を予約しています。
一方、健康診断という意味での、胃癌検診、大腸癌検診、子宮癌検診などは、通常の間隔で必要と考えます。主治医と患者様が検査の意義を理解して検査を受ける必要があるかと思います。(文責 鈴木)

 

No.11098-2】  13年08月17日    N  
検診の意義

つい先日回答頂きました(11098)Nと申します。先日もわかりやすく、ご丁寧なお返事を頂けた事、とても有り難く、感謝しています。乳がんの再発発見の検査の無意味な理由も納得です。私のお世話になっている病院でも、そういう方針だと助かりますが・・・。ただ、上記の再発、転移を見つけるための一年に一度のCTや骨シンチ、これは乳がんに全く関係のない新たな癌があった場合の早期発見の役に立ちますか? 乳がんの転移は不安ではありますが、絶対ないって思っていて、むしろ、乳がん性ではなく、ほんとに関係のない新たな癌、胃、大腸、肺等が一番心配です。こうした検査は、個別にやらないと早期発見に繋がらないでしょうか? 乳腺外科で年一回やる、再発転移はないかのCT検査や骨シンチやエコーや血液検査で、偶然に上記の心配している他部位の早期発見には役に立たないのでしょうか。意味がないなら、やはり個別に癌健診を受けるべきでしょうか? 宜しくお願い致します。

厚生労働省が税金を使って勧めている検診は対策型検診といい、その臓器の癌の死亡率を下げるために、対象集団に対して、現時点でエビデンスが明らかになっている方法で行われています。たとえば、胃であれば胃透視、大腸であれば便潜血検査、肺であれば胸部X-P及び痰の細胞診、乳腺であればマンモグラフィーというふうに行っています。これらの方法で集団検診を行えば、それぞれの臓器での癌死亡率を減少させることが分かっていますが、更に死亡率を下げるためには、受診率を向上させることが喫緊の課題です。
一方、人間ドックのように個人が癌の心配がないかどうかを調べる検診を任意型の検診といい、個人的に癌を発見するために、対策型検診ではエビデンスの明らかになっていない方法でも、その時点でできる組み合わせメニューを駆使して検査をします。たとえば、胃癌であればピロリ検査とか内視鏡検査、肺癌であればCT検査、大腸癌であれば大腸の内視鏡検査等を行って、その時点での癌の可能性がないことを調べることになります。このメニューの中には、勿論対策型検診の方法も含めて考えられていますが、検診の金額により一定ではありません。貴女のご質問ですが、乳腺外科でのfollow 検査は、あくまで乳癌のフォローを目的に行っているので、他の癌の早期発見につながることは少なく、そのためには、対策型の検診を含め、個別にがん検診を受けることが必要だと思います。(文責 須田)

 

No.11097】  13年07月30日    C.Y. 
低エコー

今月、乳がん検査をしました。結果は、超音波検査で、右低エコー領域12mm  要経過観察。 マンモグラフィー良性石灰化 放置可というものでした。前々回は、超音波で右線維腺腫の疑い。 マンモグラフィーは左右乳腺石灰化(放置可)、前回は両乳腺良性石灰化(放置可) 超音波異常なしでした。低エコーと初めて診断され、不安に思っています。要経過とありますが、年一回の検診を半年または3ヶ月に一度と、回数を増やした方がいいのでしょうか? 低エコーは、がん化の可能性があるということですか? 検査結果は封書で送り返されたもので、直接診断結果の説明は受けていません。よろしくお願いいたします。

要経過観察とあったなら、指示された時期に次の検診を受ければ良いのではないでしょうか。どうしても心配ならば、検診施設に問い合わせて詳しい説明を聞くか、他の検診機関を受診して再検査をしてもらっては如何でしょうか。“低エコー”ががん化する可能性は有りませんが、“低エコー”ががんである可能性は否定できません。しかし、診断した先生が、その“低エコー”が癌である可能性が低いと判断したので、要経過観察になったのだと思います。(文責 清水)

 

No.11096】  13年07月30日    R.H.  
乳がんではないか不安です

自分が乳がんではないか不安です。2日前に左胸の付け根あたりに押さえたり軽く叩くと筋肉痛のような痛みが少しでるようになりました。右と比べると胸は張っているような感じです。外見に異変はないです。
胸の中には元々筋肉や脂肪でしこりのような硬いものがあると聞きます。実際両胸になにか塊はあります。しかし、それが左の方が硬いのです。しこりのようなものはそれしか触った感じ、ないです。硬く痛いのは谷間よりの方です。本当につい最近感じるようになったことです。乳がんについていろいろ調べ、チェックなどもしてみましたが、いまいちわかりません。月経の5日前ですが、今まで月経前でこのようなことを経験したことはありません。来月から短期ですが他の国へ滞在しなければいけません。それもあるせいか不安になるばかりです。家の近くには病院もないので、一度相談してみようと思いました。年齢は18歳で今年19歳です。もしこの時期に本当に癌だとしたら進行がとても早いとききます。本当に考えれば考えるほど心配です。お忙しいとは思いますが、お返事をお願いします。

Mailの内容からは乳癌である可能性は低いように思えます。時間がある時に、一度乳腺外来を受診することをお勧めします。(文責 清水)

 

No.11095】  13年07月30日    N
非浸潤癌部分切除+広背筋皮弁同時再建後の健側検診について(HPNo.10923-2)

以前HPNo.10923で質問させていただいたNと申します。25回の放射線治療も終わり、現在は月1回の定期受診をしております。今回の質問は、主治医の検査計画書によると、術後半年ごとのエコーと3か月ごとの血液検査、1年ごとのCT、骨塩定量、婦人科検診となっています。患側は確かにそれでよいのかもしれませんが、健側の検診はそこには入ってないように思うのです。40歳からは、2年に1度人間ドックでマンモグラフィをとっていて、たまたまエコーの年に、予約間違いでマンモグラフィを取った一昨年から、3か月の経過観察となり、昨年の8月のマンモグラフィで精密検査になりました。非浸潤癌は、エコーでは見つかりにくいため、マンモグラフィでしか発見されにくいと聞いています。右側をマンモグラフィとらなくても、検診としては支障ないのでしょうか?

乳がん手術後の経過観察方法の現在のガイドラインでは、当初は3ヶ月毎の診察(徐々に間隔を空けて最終的には一年に一度)と、一年に一度のマンモグラフィーが推奨されています。それ以外はオプションですから、それぞれの検査のmerit,demeritを主治医の先生とよく相談して決めてください。(文責 清水)

 

No.11094-1】  13年07月30日    S 
今後の治療について

はじめて相談させていただきます。今年の5月2日に、半年前から乳腺から分泌液がでていて、左側だけですが、マンモグラフィを初めて受けにいきました。右側は大丈夫でしたが、左側に怪しい砂のようなつぶつぶが沢山あり、細胞診をしました。やはり癌でした。乳腺外科クリニックの先生は、非浸潤性乳管がんだと言われました。早期の癌だと言われました。国立医療センターで手術をする事になり、医療センターに行きました。医療センターでも、マンモグラフィと肺のレントゲンをとりました。「範囲が広いので、温存してもいびつな胸になるから」と言われ、全摘出にいたしました。5月23日に手術をしました。手術中にリンパ節生検をしましたが、リンパ節に転移はみられませんでした。リンパ節に転移がなければ、ほかの所 骨 肺 肝臓 頭には、転移はないんでしょうか? 手術で取った細胞は、検査の結果、非浸潤性乳管がん(DCIS)でした。国立医療センターでの手術で取り除いた細胞では、ホルモンの感受性は低いと言われました。癌細胞の分裂のしやすさ 増えやすさや、細胞の活性度合は、高いと言われました。後の 抗ホルモン剤の治療をどうするか、検討すると言われました。その足で乳腺外科クリニックに行って、先生に、「非浸潤性乳管がん初期でした。」と、した所、「よかったね。10年間のアフターフォローは、こちらでするから。」と、言われました。乳腺外科クリニックで細胞診をしていただいたとき、3回細胞をとられましたが、その時の検査では、ホルモンが効きますと言われ、現在アリミデックスを飲んでいます。飲み始めてから約2ヶ月です。医療センターでの 手術で取り除いた細胞は、ホルモンは効かないと言われ、乳腺外科クリニックの先生は、効くと言われ、意見がわかれています。でも、わたしは、飲むことに決めて、飲んでいます。細胞診で取った細胞は、ホルモンが聞いて、手術で取り除いた細胞は、ホルモンが効かない、 そんなことがあるのでしょうか? しかし、乳腺外科クリニックの先生を信じて飲むことしました。それと、私の場合、非浸潤性乳管がん全摘出0期と言われていますが、転移とか再発は何パーセントでしょうか? それと、7月26日に、医療センターのほうで、骨シンチと全腹部CTをとりました。 非浸潤性乳管がん0期全摘出でも、骨シンチと全腹部CTをとるものですか? 結果は8月2日に聞きにいきますが、教えていただけますか? 転移、再発しているのかと、心配でたまりません。

“リンパ節に転移がなければ、ほかの所 骨 肺 肝臓 頭には、転移はないんでしょうか?” そんなことはありません。リンパ節に転移がある場合に比べて、転移がない場合の方が遠隔転移の確率は低いということです。非浸潤癌であれば遠隔転移の可能性は極めて低く、0%に限りなく近いです。また、ER、PR、Her2、Grade、Ki-67といった様々な指標は浸潤癌についての話なので、非浸潤癌では当てはまりません。非浸潤癌の術後にアリミデックスを内服した方がよいというエビデンスはありません。(文責 清水)

 

No.11094-2】  13年08月07日    S 
乳がんの骨シンチについて

No.11094 Sです この間はありがとうございました。7月26日に骨シンチをしました。非浸潤性乳管がん0期で、リンパ節の転移はなく ても、念のため骨シンチをしますとのことでした。朝8時45分に造影剤を注射、「検査の時間は13時30分です」と、言われました。13時30分の検査まで、尿がしたくて、トイレに7回から8回通いましたが、骨にきちんと造影剤がゆきわたっているのでしょうか? きちんと骨シンチができているのでしょうか? 心配で、おたずねいたします。きちん、骨シンチが撮れていればいいのですが 、非浸潤性乳管がん0期でも、骨シンチはするものですか? 全腹部のCTも、その日にとりました。非浸潤性乳管がん0期でも、再発とか転移がないのか、調べるためでしょうか? 検査の結果、何も異常がなければ、再発とか転移はないので、安心していいのでしょうか? あと、ホルモンの感受性が10パーセントで、アリミデックスを飲んでいますが、効くのでしょうか? よろしくお願いします。

ご質問有り難うございます。非浸潤がんであれば、遠隔転移は起こりえませんが、ごくまれに、非浸潤がんと診断されていて、遠隔転移を起こすことがあります。これは、よく調べてみると、もともとの非浸潤がんの中に、微小な浸潤がんが潜んでいたことが明らかになったりもします。ただ、その可能性は極めて少ないので、非浸潤がん=遠隔転移なしと考えればいいと思います。従って、CTなども全く不要で、むしろ被爆の問題も考慮しなくてはいけません。たとえば、肺がん検診の意味として撮影・・くらいの考えであれば、それも有りかとは思いますが、遠隔転移を探すため、念のために検査を・・は、止めた方がいいと考えます。主治医とよく相談し、検査の意味を理解しましょう。それと、非浸潤がんに対するアリミデックスですが、これも、標準的ではなく、ノルバデックスという薬剤が標準的です。非浸潤がんに対するホルモン療法は、反対側の乳癌の発生を抑えるように働くものの、内服した方と、内服しない方を比較しても、生存率に差がありません。内服した場合、子宮体癌のリスクが増加することも考慮すると、賛否両論の状況です。こちらに関しても、主治医とよく相談された方が良さそうです。 (文責 鈴木)

 

No.11094-3】  13年08月17日    S 
非浸潤性乳管がん0期について

11094のSです。リンパ節への転移はなく、範囲が広かったため、左側乳房全摘出しました。病理検査の結果、非浸潤性乳管がん0期でした。非浸潤性乳管がん0期の生存率は、何パーセントですか? それと、左側が乳がんになると、右側もなりやすいということで、アリミデックスを飲んでいます。ホルモン感受性は10パーセントですが、アリミデックスは効くのでしょうか? よろしくお願いします。

非浸潤癌は局所の病気であり、理論的には手術ですべてを取り除くことができ、生存率は100%ということになります。しかし、実際には、摘除された病変を細かく調べるわけですが、不可抗力で、微細な浸潤癌を見つけきれないことあり。「定義どおりの非浸潤癌」でない場合もあります。
ホルモン感受性陽性の場合、ホルモン剤を使用することによって、反対側の乳房にできるかもしれない「別の新たな乳癌」の発生を抑制する効果が期待できます。アリミデックスの抑制効果については、現在進行中のATAC試験において、反対側の発癌リスクを53%抑えるという中間報告がなされています。今後治療を続けるにあたっての参考になるかもしれません。(文責 須田)

 

No.11094-4】  13年08月17日    S 
たちの悪い癌細胞

またまた悩んで、先生のご意見が聞きたく、投稿いたしました。HPNo.11094のSです。「非浸潤性乳管がん0期、ER 陰性、 PR 陰性、 Her2 3+陽性、グレード 3、核異型は中等度〜高度、間質浸潤とすべき像はみられず」とあり、 たちの悪い癌細胞です。左側乳房全摘出しました。リンパ節には転移もなく、病理検査の結果、 非浸潤性乳管がん0期と、先生から聞かされました。
1) たちの悪い癌細胞でも、非浸潤性乳管がん0期だったら、転移とか再発とか、気にしなくていいのでしょうか? 
2) ホルモンの感受性が10パーセントしかないのに、「転移とか再発をしないために、1パーセントでも感受性があれば、アリミデックスを飲んでいただきます。」と、先生に言われました。私の場合は、非浸潤性乳管がん0期で、全摘出しましたので、放射線治療も抗がん剤治療もなく、術後はホルモン治療のみです。非浸潤性乳管がん0期の場合の転移や再発は、癌細胞の顔つきが悪くても、遠隔転移はなしと考えてもいいのでしょうか? 
3) 非浸潤性乳管がん0期の20年の余命は、何パーセントですか? それとも、完治する乳がんなのでしょうか? 

最近、考えすぎて、夜も眠れない日をすごしています。どうか、どうか、ご意見を、宜しくお願いいたします。

ご相談どうもありがとうございます。
1)非浸潤がんでも転移が起こることはあります。それはごくわずかな浸潤部分が隠れていた場合です。通常は非浸潤がんでは転移は起こりません。
2)前述のとおり転移の可能性は限りなく低く、もしホルモン治療をおこなうのであれば、反対側の乳がんの予防という目的になります。
3)完治する乳がんと考えています。しかし、反対側の乳がんが発生する可能性はゼロではありませんし、また女性の病気は乳がんだけではありませんので、全身の健康診断は継続なさってくださいね。

以上、主治医の先生にもご不安をお伝えいただき、さらに良い関係を築いてくださいませ。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11094-5】  13年09月26日    S 
医学用語について

以前にもご相談させていただきました11094のSです。わからないことが沢山あり、ご相談させていただきます。9月20日に、医療センターの先生より連帯ノートに書き込んでいただきました。

1) 組織学的分類 (DCIS) TNM分類 T(?) N(0) M(0) Tisと書かれてありましたが、 Tisとは、なんですか? 臨床病期の所には 0と書かれていましたが、0とは、非浸潤性乳管癌0期の意味ですよね?
異型度 Grade3。術式 乳房切除。病理組織学的腫瘍径 腫癌形成タイプではなく、石灰化のため、判定は困難と書かれていました。断端はマイナス。脈管浸潤 マイナス。センチネルリンパ節生検 実施 SLN (0/1)。ホルモン受容体10%で、ER陰性 PgR陰性。HER2...3+ 。
2) ホルモン受容体が陰性と出ていても、1%あれば、アリミデックスを飲んでいただきますと言われ、今年の5月23日に手術したのですが、5月30日から飲んでいますが、アリミデックスは、ききますか?
3) 私の場合は、非浸潤性乳管癌0期ですが、遠隔転移とか再発の可能性は0に近いのですか? ☆非浸潤性乳管癌0期の全摘出の場合、術後の経過は極めて良好なんですか?
4) HER2とかグレードとかki67とかは、浸潤癌の事で、非浸潤性乳管癌0期の場合は、気にしなくていいのですか?
5) 非浸潤性乳管癌のタイプは、ふるい型と、低乳頭型と、書かれていました。☆ふるい型、低乳頭型とは、なんですか?
6) DCIS のタイプは、乳管進展型ですが、乳管進展型とは、なんですか?
7) これらのデータから考えて、私の20年の生存率は、ほかの病気になる死亡を考えないで、乳癌だけを考えた場合は、ほぼ100%と考えていいのでしょうか? 
8) 非浸潤性乳管癌0期で、左乳房全摘出ですが、ほぼ完治と考えてよいのでしょうか?

よろしくお願いします。

1)Tisとは簡単に言うと非浸潤性乳管癌のことです。tumor in situの略です。臨床病期0とは、非浸潤性乳管癌0期の意味です。
2)ホルモン受容体が10%でも、ホルモン剤(アリミデックス)は有効なことは十分考えられます。
3)ほんとうに非浸潤性乳管癌で、全摘出手術で、断端陰性の場合、術後の経過は極めて良好で、遠隔転移とか再発の可能性は0に近いと考えられます。
4)HER2とかグレードとかki67とかは、非浸潤性乳管癌で全摘出手術で断端陰性の場合、気にしなくてよいと考えます。
5)腫瘍の乳管内発育(増殖)形態が、ふるい型は篩状の、低乳頭型は丈が低い隆起状のものを指します。
6)乳管進展型とは癌細胞が乳管の中を広がっていく発育形式を言います。
7)再発率は0%に近い、即ち予後はほぼ100%ということになります。 
8)非浸潤性乳管癌0期で、左乳房全摘出で断端陰性なので、理論上は完治するとの予想になります。(文責 石川)

 

No.11093】  13年07月30日    KG
術後の抗がん剤治療

初めて質問させていただきます。約3週間前に手術を受けました。術中の判断で左の胸を全摘出しました。術後の抗がん剤治療を受けるかどうかでとても悩んでいます。
病理結果を記します。
ER 約70%、PgR 約40%、ki –67 約40%、しこりは2.6×1.2×1.6cm 腫瘍の広がりも同じです、浸潤度 g+ f+ s+、娘結節 −、リンパ浸潤 −、リンパ節転移なし0/6、静脈浸潤 −、組織学的異型度 2(10% to 75%)、hsrceptest:3+、Tumor grade:2
病院の先生は、アンスラサイクリンとタキサンとハーセプチンの化学療法、プラス ホルモン治療を勧めてきましたが、何が何かわからず、悩んでいます。転移していないこと、全摘出したことから、出来れば抗がん剤は避けて、ハーセプチンとホルモン治療でやりたいと考えていますが、一方で再発は怖いです。ご意見をうかがいたいと思いますので、よろしくお願いします。

私も主治医の先生の意見に賛成です。確かに化学療法の副作用は軽くはありませんが、再発した時の辛さに比べたら比べ物になりません。目先の辛さに惑わされないでください。ハーセプチン+ホルモン療法という選択肢は再発治療における治療で、術後補助療法としてのエビデンスはありません。(文責 清水)

 

No.11092】  13年07月30日    A子
腋窩の痛み

以前ご相談させていただき、ありがとうございました。NO.10499のA子です(閉経前 48歳)。2年前、非浸潤性乳管癌の充実型で、右温存手術後、放射線治療のみです。ホルモン療法は、卵巣嚢腫のため、半年で中止しております。ひと月ほど前から左右腋窩が少し腫れて痛みがおこりました。近医内科にて、リンパでなく、ばい菌による感染ということで、クラビット250ミリを10日間飲みました。しかし、まだ痛みが完全に引かず、まだ腫れている気もして、心配となっております。乳腺外科主治医の診察を早めにしていただきましたが、あと2週間あり、ご相談させていただきました。再発なども不安ですが、放射線の影響なども考えられるのでしょうか? 脇を剃るときや、汗かきのため、臭いとりのスプレーなども使っていますが、影響しますか? よろしくご教授お願いいたします。

Mailの内容からは再発の可能性は低いように思えます。主治医の先生に診察してもらって下さい。(文責 清水)

 

No.11091】  13年07月29日    R 
アロマターゼ阻害剤の選択について

49歳、術後5年です。2008年1月〜6月術前でCAF、7月右全摘、8月よりタスオミン開始で、5年経ちました。主治医より、今後「エクステンド」でアロマターゼ阻害剤の服用という選択肢もあると言われました。アリミデックスとフェマーラでは、どちらが成績がよいのでしょうか、また副作用が少ないのはどちらでしょうか。タスオミン服用時は、さして副作用もなく、ホットフラッシュ等更年期症状もありませんでした。生理はCAFで止まり、5年経っています。よろしくお願いします。

基本的にどちらも全く同じ作用機序を持つ薬なので、効果に大差はありません。副作用も同じですが、個人差がありますから、どちらかを内服して副作用があったら違う方に替えてみてはどうでしょうか。もう一つアロマシンという選択肢もあります。(文責 清水)

 

No.11090】  13年07月29日    MM
母の今後(2)(HPNo.11079-2)

NO.11079で相談させて頂いたMMです。ご回答ありがとうございます。書き足りてない内容を追記させて頂きます。
母の年齢は9月で68歳になり、持病はありません。乳癌になる前は至って健康で、ぽっちゃりして、かわいらししく、食べる事が大好きな母でしたが、昨年から20キロ弱痩せて、ガリガリになっちゃいました。見ていて、ほんと辛いです。話がそれましたが、フェントステープとオキノームで痛みはほとんどないようで、それだけは救いです。3分の2寝ているのは、痛みからではなく、少し動くと息切れがして、ハアハア言って、しんどくなって、横になるっていう繰り返しで、日々過ごしている感じです。ですから、外出もほとんどが車椅子です。「息切れするのは、肺に水が少し水が溜まってのが原因かな」と、主治医の先生の判断です。抜くほどの量でもないので、ラシックスという尿が出やすくなる薬を2ケ月程飲んでいる状況ですが、レントゲンを見ても、ずっと現状維持で、変化なしです。抗がん剤の影響か、何食べても味がしなくて、美味しくないらしく、ゾメタの影響で顎もしびれがひどくなっているし、今年になって歯が4本も抜け、歯槽膿漏も進んでいて、歯も痛いのもあり、食が細くなりました。こんな状態なので、最近になり、「ご飯も美味しく食べられないし、寝てばかりで何の楽しみもない。」と、よく愚痴をこぼすようになりました。ほんとに母の気持ちになったら、そのとおりだと思います。抗がん剤を始めた1月頃は頑張って治すと張り切っていたのですが、最近は抗がん剤はやりたくないと言うようになり、どうしたらいいのかなと相談させて頂きました。アバスチンを投与していた時の方が元気だった気がするので、ジェムザールをやめて、またアバスチンに戻してもらうのがよいのか、CA-15の数値は下がっているけど、ここ1ケ月位は以前よりベットにいる時間が確実に増えているので、一時抗がん剤はやめて、ゆっくりさせてあげるのがよいのか、何か他に良い方法ありましたら、アドバイス頂きたいです。長々と書いてしまいましたが、宜しくお願いいたします。

再発した乳がんの治療に正解はありません。その時その時に最も良いと思う判断を下す事です。原則は、根治する事はない(絶対ではありませんが、極めてその確率は低いという事)。がんによる辛い症状も治療の副作用も同じように考えて緩和する策を講じる事、そして少しでも良い状態で延命する事です。お母様の状況は、がんよる症状(息切れ等)があること、治療による副作用(味覚障害、顎の症状等)があると考えられます。この状況で、どの程度の生活ができるかを考えて、現時点での治療のゴールを考えてください。息切れがある状況で、元通り元気に暮らす事は難しいと思います。体を動かす範囲は縮小して、息苦しくない範囲で動く事、もしくは在宅酸素の導入を考えたほうがよいでしょう。顎の症状はランマークの副作用の可能性があり、歯科口腔外科受診をお勧めします。味覚障害は抗がん剤の副作用ですから、しばらく休むというのも選択肢の一つです。また亜鉛の補充も考えてみては如何でしょうか。アバスチンは胸の水には効果がありますから、もう一度使ってみるという選択肢もありますし、何も治療せずにホスピスという選択もあります。いずれにしても、マーカーの値よりお母様の状況をみて治療を判断してください。(文責 清水)

 

No.11089】  13年07月29日    N 
中学生の息子のしこりについて

岡山県在住のNと申します。数年前は、私自身のことで、この相談室にお世話になりましたが、今回は、中学1年生の息子(12歳)の右胸のしこりについてのご相談です。先日、入浴前に「右胸の乳輪のところが痛いし、つまむとかたい」というので確認したところ、ちょうど右乳首のすぐ外側辺りを押さえると、確かにコロコロと堅いものに触れました。5ミリ程度だと思うのですが、明らかに左にはありません。本人に聞くと、半年ほど前からあったとのこと。以前と大きさに変化があるかどうかは分からないとのことでしたが、つまむと触れるようになった気がするという表現をしています。男子なのに半年ほど前から両胸が少し出てた様子もあったものの、それについては成長期でもあり、「そんなこともあるのだろう」と、親としては気にとめもしていませんでいたが、今回はやはり気になります。本人も不安なようなので、ひとまずお尋ねすることにしました。質問は以下の3点です。
1) このくらいの少年の胸にできる「かたいもの」は、何である可能性が高いのか?
2) 急いで受診をしたほうがよいか?
3) 受診する場合、何科にかかればよいのか?
以上、よろしくお願いいたします。

1) 思春期の女性化乳房症だと思われます。
2) 急ぐ必要はありませんが、一度受診する事をお勧めします。
3) 外科もしくは乳腺外科がよいと思います。(文責 清水)

 

No.11088】  13年07月29日    T
HER2陽性の治療について(HPNO.11012-2)

前回はお世話になり、有難うございました。検討の結果、フェマーラとハーセプチンの治療を始めることにしました。フェマーラは4月開始、ハーセプチンは5月開始で2回実施しましたが、6月下旬よりどちらも休薬中となっています。再開は、自己責任によるものと自覚していますが、再度ご教示いただきたく、よろしくお願い致します。両薬の副作用の可能性について、教えて頂ければ有難く思います。5月下旬より鼻出血があり、耳鼻科受診の結果、良悪性を確定すべき腫瘍摘出が必要とのことで、入院手術を受けました。外科主治医と相談し、ハーセプチン2回目の11日後に手術、結果は良性で、副鼻腔炎等の治療となりました。3回目点滴までに回復予定をしていましたが、止血状態が悪く、鼻の構造にもよるらしく、回復が遅れ、入院が3週間もかかり、ようやく回復の目途がつきつつある所です。フェマーラは手術後すぐに再開したのですが、術後2週間後子宮出血があり、婦人科受診、フェマーラを休止後、出血は止まりました。ハーセプチンの薬品情報の副作用の欄に、鼻出血、副鼻腔炎というのがあり、不安に思っています。又、ホルモン治療各種の薬の副作用にも子宮出血というのがあり、当初予定の治療再開に不安を感じています。治療のメリット、デメリットを比較の上、自分で判断するしかないと思うのですが、主治医には、取りあえず鼻の治療の目途がつくまで休薬にしてもらっています。鼻の治療は少々辛いものでしたので、こちらの再発も心配です。病理検査の結果は、悪性度が高く、重く受け止めていますが、、NG3、HER2-3+のわりには、断端陰性、リンパ節転移1個 MIB1-10%というのは、どうなのでしょうか? 休薬の状態は影響を受けますでしょうか? 主治医受診までに、両薬の副作用について、情報があれば教えて頂きたく、よろしくお願い致します。

ハーセプチンが原因で鼻出血というのは、極めて稀な副作用と考えます。ましてや、鼻に出血の原因があったのですから、ハーセプチンとは無関係と考え、継続する事が良いのではないかと思います。子宮出血については、婦人科を受診されて出血の原因となる疾患がなかったのですから、フェマーラの副作用と考え、薬を換える等を考えた方が良いと思います。断端陰性、リンパ節転移1個はともかく、NA3,MC2でMIB1 10%は矛盾した結果に思えます。そもそも、ハーセプチン+フェマーラという治療は、再発治療でのエビデンスはありますが、術後補助療法としてのエビデンスはありませんから、休薬の影響等全く分かりません。(文責 清水)

 

No.11087】  13年07月29日    R 
両脇下のしこり

高校生ですが、両脇の下に、手でつまめるほどのしこりがあります。しこりは硬いですが、押すと動きます。痛みはありませんが、違和感があります。乳がんではないか心配です。

手でつまめるしこりであれば、乳腺のしこりというより皮膚のしこりを考えます。とにかく一度乳腺外科、もしくは外科を受診してください。(文責 清水)

 

No.11086】  13年07月29日    M.S.
今後の補助療法について 

36歳、子供ありです。 非浸潤がんが左脇近くと そこから乳頭に向かって4cm離れた所に同じ癌細胞がみつかり、6月25日に左胸全摘手術をしました。7月22日に病理検査の結果が出ました。
「DCISを否定できないが、IDCが疑われる。8mm、NIG1、 HG2、Surgical margin negative、SLN negative(0/2)。免疫染色は(IDC pap)ER60%, PR20%, HER 2 2+(Fish 1.41), kI67 30%、CNBでは ER100%, PR20%, HER2 2+(Fish 1.68), Ki37 60%。 BR 81.1% HT +6.7 CT +6.1 HT+CT +10.6」と、言われました。先生に、「PR20% と言うのがグレーゾーンで、抗がん剤をするかしないかは、ご自分でお決めください。」と、言われました。ホルモン治療をすることは決めたのですが、他の先生の意見も聞きたく、相談いたしました。定期健診は欠かさずしていく予定です。抗がん剤をすると しないとでは、再発 遠隔率が違ってきますか? 「術後6週間以内に治療を始めたい。」と言われたのですが、早い治療の方が効き目があるのでしょうか? よろしくお願い致します。

ホルモン療法だけで良いのか、抗がん剤治療を加えた方が良いか、一番判断の難しいところです。一昔前であれば、8mmでリンパ節転移がなければホルモン療法のみで良かったと思いますが、最近のがんのbiology(生物学的性質)を重視する考え方では、Ki-67が60%であれば、抗がん剤の追加が推奨されます。最近の考え方に基づく長期データはないので、抗がん剤を加えたらどのくらい再発率が違うかはわかりませんが、Adjuvant Onlineのデータで3.9%生存率がupするというデータをどう考えるかだと思います。個人的には、あとで後悔しないためには化学療法を加える事をお勧めします。(文責 清水)

 

No.11085】  13年07月27日    I 
胸にしこりをみつけました

不安になり、質問させて頂きたく、投稿しました。自分の胸にしこりをみつけました。会社の健康診断でマンモグラフィーをうけたところ、至急専門医を受診して下さい、という指示でした。近所の内科を受診した際にその件を話したところ、エコー検査をしてくれましたが、「1.5cmの、たぶん硬がんだと思います。」ということでした。本来なら速やかに専門医に受診すべきですが、一身上の都合により、後3週間程は専門医受診が出来ません。内科医院の先生は、「まあ、一ヶ月位なら、それ程進んだりはしないと思いますが・・・」と言って、しぶしぶ了承して下さいましたが、本当に大丈夫な感じでしょうか? 乳がんの進行具合は、割りにゆっくりしたものなのでしょうか? 宜しくお願い致します。

他のがんに比べて一般的に乳がんの増殖のスピードは比較的ゆっくりだと言われています。しかし、個人差があるので、ここで一概に大丈夫とは言えません。しかし最近では、乳がんの進み具合より乳がんの性質の方が大切だと考えられています。ですから焦る事なく、自分でできる事を一つずつ行なっていくしかないと思います。大きな病院では手術待ちが2−3か月というところもありますから。(文責 清水)

 

No.11084】  13年07月27日    E
術後の治療方法について

40歳です。去年暮れに、健診で悪性腫瘍が見つかりました。3月に右胸の一部摘出手術を行い、放射線治療26回を終えて、今は、抗がん剤UFTを朝晩飲み、リュープリンの注射を一回打ちました。来週から、アリミデックスを飲用予定です。病理結果は、「がん1.5cm、 段階 1 おとなしい顔つき 、リンパ節転移2つ、 ホルモン受容体 陽性、 HER2ハーセプチン 陰性、 ki67 15%、 進行度 2」です。抗がん剤 UFT、 ホルモン注射 リュープリン、 ホルモンの飲用薬 アリミデックス、 パニックの薬(ジェイゾロフト、メデタックス)も飲用してます。今まで特に副作用もなく、順調にきましたが、先日、友人の乳腺外科の看護師に話をして、その友人が勤める病院の先生に話したところ、治療方法に疑問があると言われたそうです。まず、転移があるなら、もっと強い抗がん剤を使うべきではないか。また、ホルモン療法のやり方も閉経後の人のやり方じゃないかと言われ、少し不安になりました。一応、来週また診察があるので、主治医にも相談しますが、このことについて、どう思われますか? まだ子供が小さいので、重い副作用は避けたいのが本音です。よろしくお願いします。

“ホルモン受容体 陽性、 HER2ハーセプチン 陰性、 ki67 15%”であれば、リンパ節転移が2個あってもホルモン療法が推奨されます。確かに閉経前のホルモン療法ではノルバデックスが標準で、アリミデックスは奇異に聞こえます。しかし、ジェイゾロフトを内服している場合、ノルバデックスの効果が減じる事が危惧されているので、保険診療的には問題があるのですが、純粋な医学的見地からはやむを得ない選択だと思います。(文責 清水)

 

No.11083】  13年07月27日    M.K. 
再発リスク(HPNo.11043-2)

以前に【No.11043】でわかりやすいご教示をいただき、大変感謝いたしております。術後の病理結果でHER2が疑陽性だった為、FISH検査をしましたが、結果は1.1で、陰性でした。51歳、腫瘍の大きさ17×13×18o、核グレード1、組織学的グレード2、リンパ節転移0/1、ly0、v0 で、術後治療はホルモン療法(ノルバデックス)のみですが、アジュバンドオンラインでは再発リスクは何%になるのか、わかりましたら教えてください。
もう1つ教えていただきたいことがあるのですが、「DCIS: + ,comedo and solid, NG1 」というのは、コメド型の非浸潤がんという意味でしょうか。実は、切除した右乳房には、もう1つ11oの悪性腫瘍、他に良性腫瘍が1つあると手術の前に聞いているので、腫瘍が3個あったことは認識しています。主治医の先生の説明では、「type: lnvasive ductal carcinoma subtype: scirrhous>tubular type 浸潤性乳管癌(硬がん)」 だけでした。コメド型は悪性度が高いという情報を、ネットで見て、不安になっています。悪性度が高くても、全摘出をしているので、予後は変わらないのでしょうか。色々お尋ねして申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。

Adjuvant Onlineでは、51才の方の他病死4%、無治療での再発死亡率7%、ノルバデックスによる減少率2%です。ノルバデックス内服で、乳がんで死亡する確率と、現在予想していない他の病気で死亡する確率とほぼ同程度になります。浸潤性乳管癌と非浸潤性乳管癌では天と地程の違い(浸潤性は程度の差はあれ転移再発の危険がありますが、非浸潤性であれば転移再発の可能性は極めて低い)があります。Comedo typeの悪性度が高いというのは、非浸潤性乳管癌だった場合に他のtypeに比べて悪性度が高いという事で、浸潤性乳管である場合、そこにどのようなtypeの非浸潤性乳管癌を合併していても予後には影響しません。(文責 清水)

 

No.11082】  13年07月25日    M
術後のリンパ液貯留について

79才の母が、5か月前に温存手術をしました。退院後数日で胸に軽い痛みを感じ、80mlほどリンパ液を注射で抜き取って頂きました。抜き取っても、10日も経てば、また同じように溜まり、4か月間、2週間間隔で注射で抜き取る治療が続きました。しかし、リンパ液の量が全く減らず、この状態では回復の見込みがないと言う事で、5か月目にまたドレーンを入れて、1ヶ月間様子を見ることになりました。1日の溜液は10ml〜15mlです。1ヶ月経過した今日、ドレーンを抜きましたが、これでもまた溜まるようなら、内膜をそぎ取る手術をして皮膚を密着しやすくするしかないかなぁと話されました。今までに、医師はこのような治療を経験した事がないそうです。簡単な手術だそうですが、やはり他に治療方法はないものなのでしょうか。宜しくお願いします。

ご相談ありがとうございます。私のお返事でMさんの不安が少しでも減れば嬉しく思います。御母様が5か月前に手術をなさって、その傷にお水がたまってしまっているのですね。私も時々そのような患者様を拝見します。多少の張りにより痛みを伴うことはありますが、生活に支障がでないようであれば、そのまま様子を見て頂いています。しかし細菌感染等を起こした場合は、傷をあえて開いて、自然にふさがるのを待つことがあります。直接状態を拝見していないので、これ以上のお返事は難しいのですが、様子を見るという選択肢もございます。ご担当の先生と再度よくご相談なさって、納得のいく治療をお受け頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.11081】  13年07月25日    R
緩和治療について(HPNo.11076-2)

No.11076で質問させて頂きました。ご回答ありがとうございました。今後の母の治療についてですが、主治医は、緩和治療をと言っておりましたが、「アリミデックス投与、TS-1ゾメタ、ランマーク、CEF、オキシコンチン、パクリタキセル、フェソロデックス」と言ってってきました。この治療とは全く異なるのでしょうか?

ご相談ありがとうございます。御母様の治療の疑問について、私のお返事で少しでも減れば嬉しく思います。ご担当の先生がご提案下さいました治療内容についてご説明申し上げます。まずアリミデックスとフェソロデックスは、ホルモン治療剤です。アリミデックスは飲み薬、フェソロデックスは1か月に1回お尻に2本のお注射をするお薬です。以前のご質問では、共に使用されて効果が認められていないようですので、再度の使用は積極的にはお勧めできません。TS-1、CEF、パクリタキセルは抗がん剤になります。TS-1は飲み薬、パクリタキセルとCEFは点滴で使用するお薬です。CEFは3種類のお薬(エンドキサン+ファルモルビシン+5FU)を使用する治療です。またゾメタとランマークは骨転移がある場合に使用するお薬で、骨転移に伴う骨折などを防ぐ目的で使用します。2つのお薬を一緒に使用することはなく、どちらかですが、ホルモン治療剤や抗がん剤と併用することが可能です。オキシコンチンは医療用麻薬で、癌に伴う痛みが強い場合に使用します。オキシコンチンと癌の治療は並行して行うことが可能です。以上簡単ではありますがご説明申し上げます。今後の治療については、ご担当の先生と良くご相談してお決め頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.11080】  13年07月25日    A 
無治療の生存率(HPNo.11050-2)

二度目の相談になります。「No.11050 非浸潤性乳管癌の治療」で、相談させて頂きました。その節は、どうもありがとうございました。今回、治療の方向と再発率で、また悩んでおります。娘の産後が思わしくなく、まだ治療が出来ておりません。このまま無治療で、再発率は、何%になるのか、放射線治療を受ける事で、何%再発率を下げられるのか、不安な毎日を送っております。再発率に大きな差があるなら、どうにかして、放射線治療を始めたいので、ご意見を宜しくお願いします。前回の相談後、詳しい病理検査の結果を聞きましたので、追加させて頂きます。「ki-67 陽性率 3% 核グレード1 」というのを、追加で調べて頂きました。腫瘍5ミリのDCIS  ER、PgR共に100% 断片陰性です。宜しくお願いします。

Aさん、ご相談ありがとうございます。ご家庭の事情で思うように治療がはかどらなく、不安のことと思います。私のお返事で少しでも不安が減れば嬉しく思います。さて手術の結果は非浸潤癌で有り、大変早期の乳癌であることはご存じと思います。非浸潤癌で放射線治療を行うことにより、手術をお受けになった乳房内の再発は約15%低下すると報告されています。しかし乳癌による死亡は、放射線治療を施行しても施行しなくても差はありませんでした。この乳房内再発を15%低下するという数字を、Aさんにとって大きいと考えるか小さいと考えるかで、治療を行うかどうかお決め頂くのがよろしいかと思います。また放射線照射は術後20週間以内に行うことが勧められています。今後の治療については、ご家庭の事情などを勘案しながら、ご担当の先生と良く相談してお決め頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.11079-1】  13年07月24日    M.M
母の今後

母が、術後9年目を過ぎて、安心していた矢先に、3年前に乳がんが再発しました。最初は骨転移だけだったので、ランマークとフェマラーなどの治療をしてきましたが、CA15-3は調べる度に上昇して、50くらいから最終的には2000まであがり、昨年の11月位から激痛でどうしようもなくなり、入院しました。麻薬をうってもらってからは痛みはなくなりましたが、主治医からは、「内臓に何か所か転移しているので、もう治療はできないので、ホスピスに入って下さい。」と、言われました。余命1ケ月とも言われました。あまりに突然で、納得いかないので、他の病院に転院して、その病院で、アバスチン(3クール)→ジェムザール(3クール)をしてもらい、CA15-3も300まで下がりました。昨年末、寝たきりだった母が、1日の3分の1くらいは起きて、家事も少しできるようになりました。このまま抗がん剤を継続していたら、正常値までさがって、昔みたいに元気に生活はできるのでしょうか? 抗がん剤をやめてしまったら、また上昇してしまうのでしょうか? ご回答、宜しくお願い致します。

M.Mさん ご相談ありがとうございます。お母様のご病状、さぞご心配のことと思います。私のお返事で治療についての疑問が少しでも減れば嬉しく思います。ご相談頂きました内容からは、現在のお母様の御年齢や転移の詳しい状況が分からないためお答えが難しいのですが、今までの治療を拝見しますと、癌に対して使用できるお薬はまだ多く残っています。しかし、ご高齢であった場合や、癌以外の持病をお持ちであった場合は、使用が困難な場合があります。痛みがひどい状態からだいぶ軽減された様ですが、それでも現在お母様が1日の2/3寝ている理由は、まだ痛みが残っているからでしょうか? もし痛みが理由で寝ている時間が多いのであれば、痛みの治療をしっかり行って頂ければ、たとえ転移している癌があっても、CA15-3が高い値でも、元気に生活できる可能性はあります。苦痛の治療と癌に対する治療は並行してできますので、ご担当の先生とご相談なさってみてはいかがでしょうか。最後に、抗がん剤をやめてしまった場合ですが、この場合、癌は成長し続けるため、CA15-3の値は上昇することが予想されます。しかしその場合でも、苦痛に対する治療をしっかり行えば、昔に近い状態の日常をすごせる方を多く経験しています。ぜひ今一度、ご担当の先生と抗がん治療や苦痛の軽減についてご相談なさって頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.11079-2】  13年07月29日    M.M
母の今後(2)

NO.11079で相談させて頂いたMMです。ご回答ありがとうございます。書き足りてない内容を追記させて頂きます。
母の年齢は9月で68歳になり、持病はありません。乳癌になる前は至って健康で、ぽっちゃりして、かわいらししく、食べる事が大好きな母でしたが、昨年から20キロ弱痩せて、ガリガリになっちゃいました。見ていて、ほんと辛いです。話がそれましたが、フェントステープとオキノームで痛みはほとんどないようで、それだけは救いです。3分の2寝ているのは、痛みからではなく、少し動くと息切れがして、ハアハア言って、しんどくなって、横になるっていう繰り返しで、日々過ごしている感じです。ですから、外出もほとんどが車椅子です。「息切れするのは、肺に水が少し水が溜まってのが原因かな」と、主治医の先生の判断です。抜くほどの量でもないので、ラシックスという尿が出やすくなる薬を2ケ月程飲んでいる状況ですが、レントゲンを見ても、ずっと現状維持で、変化なしです。抗がん剤の影響か、何食べても味がしなくて、美味しくないらしく、ゾメタの影響で顎もしびれがひどくなっているし、今年になって歯が4本も抜け、歯槽膿漏も進んでいて、歯も痛いのもあり、食が細くなりました。こんな状態なので、最近になり、「ご飯も美味しく食べられないし、寝てばかりで何の楽しみもない。」と、よく愚痴をこぼすようになりました。ほんとに母の気持ちになったら、そのとおりだと思います。抗がん剤を始めた1月頃は頑張って治すと張り切っていたのですが、最近は抗がん剤はやりたくないと言うようになり、どうしたらいいのかなと相談させて頂きました。アバスチンを投与していた時の方が元気だった気がするので、ジェムザールをやめて、またアバスチンに戻してもらうのがよいのか、CA-15の数値は下がっているけど、ここ1ケ月位は以前よりベットにいる時間が確実に増えているので、一時抗がん剤はやめて、ゆっくりさせてあげるのがよいのか、何か他に良い方法ありましたら、アドバイス頂きたいです。長々と書いてしまいましたが、宜しくお願いいたします。

再発した乳がんの治療に正解はありません。その時その時に最も良いと思う判断を下す事です。原則は、根治する事はない(絶対ではありませんが、極めてその確率は低いという事)。がんによる辛い症状も治療の副作用も同じように考えて緩和する策を講じる事、そして少しでも良い状態で延命する事です。お母様の状況は、がんよる症状(息切れ等)があること、治療による副作用(味覚障害、顎の症状等)があると考えられます。この状況で、どの程度の生活ができるかを考えて、現時点での治療のゴールを考えてください。息切れがある状況で、元通り元気に暮らす事は難しいと思います。体を動かす範囲は縮小して、息苦しくない範囲で動く事、もしくは在宅酸素の導入を考えたほうがよいでしょう。顎の症状はランマークの副作用の可能性があり、歯科口腔外科受診をお勧めします。味覚障害は抗がん剤の副作用ですから、しばらく休むというのも選択肢の一つです。また亜鉛の補充も考えてみては如何でしょうか。アバスチンは胸の水には効果がありますから、もう一度使ってみるという選択肢もありますし、何も治療せずにホスピスという選択もあります。いずれにしても、マーカーの値よりお母様の状況をみて治療を判断してください。(文責 清水)

 

No.11078】  13年07月24日    K.T
今後の経過と治療について

初めてメールいたします。どうぞよろしくお願いします。
37歳、独身です。2013年6月5日に、右胸全摘手術を受けました。病理結果は、「ハーツ+2 陽性、index32%、エストロゲン7/8、プロゲステロン8/8陽性、リンパ転移なし、ガンの種類はルミナールB陽性タイプ」でした。これからの治療方法として、抗がん剤治療タキソテール+エンドキサン(TC)3週×4回+ハーセプチンのみ13回、その後にホルモン治療に入ります。

1) これからの治療方法は、上記で大丈夫でしょうか? また、現在仕事が忙しく、抗がん剤スタートを8月中旬からと先生とお話ししていましたが、都合が悪く、9月上旬からでも大丈夫でしょうか? あと、上記の治療方法での1回に支払う金額は、社会保険3割負担で、だいたい、いくらくらいでしょうか?
2) .後日再建手術をする為に、エキスパンダーが胸に入っています。心配でバストバンドをまだ巻いておりますが、1カ月過ぎて、長く巻く分には大丈夫でしょうか? また、抗がん剤治療も大丈夫でしょうか?
3) .ジェネリック医薬品について、良くわからないのですが、私の場合、例えばホルモン治療とかで使えますか? メリット、デメリットを教えて下さい。
4) .やはり抗がん剤の脱毛は絶対にさけられないのでしょうか? 色々調べたのですが、現在は難しいんですよね? 爪がはがれないような手袋もしている所もあるみたいですが、病院がやっていなければ無理ですか?
5) .来年結婚の予定です。先生からは、5年は子供は難しいと言われてしまいました。これから卵巣機能も低下する中、子供は欲しいのですが、無理ですか? 何か方法は、ないでしょうか?

以上今、私が不安に思っている事です。よろしくお願いします。

K.Tさん ご相談ありがとうございます。手術が終わったばかりでこれからまだしばらく治療が続きそうですね。私のお返事で少しでも不安が解消されれば嬉しく思います。まず術後の薬物療法ですが、ご担当先生のお考えで特に問題ないと思います。開始は早いほうが良いですが、途中お仕事の都合で間が空いてしまうのであれば、きちんと3週毎にできる方が良いです。また金額については、使用する抗がん剤の量や吐き気止めの量により変わってきますので、受診されている病院の会計にお聞き頂ければ、概算を教えて頂けると思います。副作用についてですが、タキソテール+エンドキサンの治療では、残念ながら脱毛は避けられません。爪の変化や皮疹に対しては、点滴中にコールドグローブという冷たい手袋を使用するという方法がありますが、導入されていない病院もあります。導入されていない場合は、ケーキなどに入っている保冷材等でも十分ですので、抗がん剤点滴中に手を冷やすことをお勧めしています(足の肌荒れがひどい場合は、足も冷やして下さい)。
抗がん剤やホルモン剤のジェネリックについてお答えいたします。ジェネリックとは、日本語では「後発医薬品」と言い、効果や安全性が確認されてきた新薬と同等と認められた低価格なお薬です。先生や薬局からご提案があった場合も心配はありません。点滴のお薬については、病院によってジェネリックを導入している病院と導入していない病院がありますので、ご担当の先生にお尋ね下さい。処方薬であるホルモン剤については、薬局でジェネリックをお勧めされる場合があります。次に妊娠出産についてですが、抗がん剤を使用することにより卵巣機能は極端に低くなり、またホルモン治療はわざと閉経を起こす治療になりますので、ホルモン治療中は妊娠はできませんし、治療後に卵巣機能が必ず元に戻るわけではありません。ご結婚なさっているのであれば、受精卵の凍結保存という方法が確立されています。結婚前のK.Tさんの場合は、卵子や卵巣の保存という方法はありますが、これらの方法は、どの施設でも行っているわけではありません。妊娠や出産については、ご担当の先生とよくよくご相談した後に、術後の治療を行うかどうかお決めになることをお勧めいたします。(文責 斎藤)

 

No.11077】  13年07月16日    M 
トリプルネガティブ

はじめて相談させていただきます。宜しくお願いします。
46才。既婚。子供有。閉経前。先月、温存手術が終わり、病理の結果が出ました。
14×13o。浸潤。リンパ節転移−、ホルモン−、HER2−のトリプルネガティブ。グレード3。Ki67 20%以上。
抗がん剤治療+放射線治療との事です。サイズも小さく、リンパ転移なしですが、抗がん剤はやるとやらないのでは、再発率と生存率はどれ位変わるのでしょうか? 宜しくお願いします。

14x13mmでリンパ節転移なしですから、StageTの乳癌ということになります。このStageでは全体で90%近くの10年生存が望めるので、抗がん剤治療を省略したい気持ちは有るのではないかと考えます。しかし、triple negative typeでGrade 3とすると、その10年生存率は約80%に低下し、抗がん剤治療を加えることで7%が救われるというアメリカのデータ(Adjyuvant online)があります。私なら患者様にはおすすめしますが…。(文責 久保内)

 

No.11076-1】  13年07月16日    R 
今後の治療について

母の病のことです。H21年に乳ガン手術で右乳房全摘出手術をしました。その後、アリミレクスホルモン療法?を続けるも…H24年3月に多発肺.肝臓.骨転移発覚(1p)、H24年4月から抗がん剤治療を開始、TS-1ゾメタ、ランマーク、CTF療法、H25年1月からはオキシコンチン(痛み止め?) バクソタキセル? ホルモン注射(フェソロデスク?)。今まで、抗がん剤の治療やホルモン注射をしてきたが、これ以上、劇的な効果は見込めず、後は緩和治療しかない。医師は明確な答えは避けたが、余命2ヵ月程度だと言う。肝臓ガンの影響で腹水も溜まり(調べてはないが、主治医はガン性腹膜炎ではないかと言う)、母は、腹部の腫れが辛そうなので、腹水濾過濃縮再静注法を依頼しました。本当に、緩和治療しか方法はないのでしょうか?? 何か治療はないのか…。主治医からは、在宅治療の話も出ました。

お母様の乳癌に対しては、術後全身治療として行われたアリミデックス投与の、再発後に施行された様々な治療も十分なことがなされているように思います。特にCEFやパクリタキセルやフェソロデックスは有効性が期待されているのに、効果がなかったとしたら大変残念な結果だったろうと思います。それぞれの抗悪性腫瘍剤の効果と副作用を照らし合わせて考えた場合、或る時期に緩和ケアに移行することは仕方がないかと考えます。今がその時期かどうかは、状況がすべて伝わらないので明言できませんが、腹膜癌腫症による腹水貯留だとすれば、その可能性が大であると言わざるを得ないと思います。もちろん症状の緩和が出来ていれば、在宅治療も視野に入れて良いでしょう。(文責 久保内)

 

No.11076-2】  13年07月25日    R 
緩和治療について

No.11076で質問させて頂きました。ご回答ありがとうございました。今後の母の治療についてですが、主治医は、緩和治療をと言っておりましたが、「アリミデックス投与、TS-1ゾメタ、ランマーク、CEF、オキシコンチン、パクリタキセル、フェソロデックス」と言ってってきました。この治療とは全く異なるのでしょうか?

ご相談ありがとうございます。御母様の治療の疑問について、私のお返事で少しでも減れば嬉しく思います。ご担当の先生がご提案下さいました治療内容についてご説明申し上げます。まずアリミデックスとフェソロデックスは、ホルモン治療剤です。アリミデックスは飲み薬、フェソロデックスは1か月に1回お尻に2本のお注射をするお薬です。以前のご質問では、共に使用されて効果が認められていないようですので、再度の使用は積極的にはお勧めできません。TS-1、CEF、パクリタキセルは抗がん剤になります。TS-1は飲み薬、パクリタキセルとCEFは点滴で使用するお薬です。CEFは3種類のお薬(エンドキサン+ファルモルビシン+5FU)を使用する治療です。またゾメタとランマークは骨転移がある場合に使用するお薬で、骨転移に伴う骨折などを防ぐ目的で使用します。2つのお薬を一緒に使用することはなく、どちらかですが、ホルモン治療剤や抗がん剤と併用することが可能です。オキシコンチンは医療用麻薬で、癌に伴う痛みが強い場合に使用します。オキシコンチンと癌の治療は並行して行うことが可能です。以上簡単ではありますがご説明申し上げます。今後の治療については、ご担当の先生と良くご相談してお決め頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.11075】  13年07月13日    K.M. 
予後について

1) リンパ節転移、リンパ菅侵襲、の違いを教えてください。
2) リンパ菅侵襲の場合、全身転移の可能性はどのくらいですか?
3) 「37歳、左乳癌腫瘍2.1センチ&1.3センチ、ホルモン(-)、ハーツー(-)、グレード3、Ki90」です。予後を教えてください。5年間生存できますか?10年間生存できますか?妊娠は可能でしょうか?

1) リンパ管侵襲というのは、腫瘍周囲の細かなリンパ管に腫瘍が入り込んでいる状態を示します。リンパ行性に転移する可能性を示している姿で、0〜+++まで表現されます。リンパ節転移というのは、癌がリンパ管を介してリンパ節に入って増殖した姿です。
2) リンパ管侵襲の程度にもよりますし、他の因子(リンパ節転移・ER,PgR・HER-2・核グレード(Ki67で代用可)・静脈侵襲・浸潤癌径等)によっても異なります。リンパ管侵襲が0より+++の方が可能性大になりますが、複数の因子によるわけですから、一概に何%とは言えません。
3) この場合、triple negative typeでKi67=90%(グレード3)と非常に高いのですから、周術期に十分な化学療法を施行することが望まれます。術前化学療法での完全寛解率が高く、完全寛解が得られれば生存率は著しく高くなるので、(化学療法が良く効く限りにおいては)5年・10年の生存は可能だと考えます。しかし、十分な化学療法を行う限り、卵巣抑制はほぼ必発ですので、妊孕性は著しく低くなり通常では望めません。この場合腹腔鏡下に採卵し、卵や胚の凍結で妊娠を狙うことが現在研究されています。(文責 久保内)

 

No.11074】  13年07月13日    MK
病理の結果を見て不安です

昨年3月に右乳がんの温存手術を行いました。病理の結果を見て不安です。
一昨年9月に乳がん発覚、FEC4回、ドセタキセル4回行った後、温存手術。病理の結果後、術後に抗がん剤FEC追加2回、5月より放射線25回、同時にホルモン治療リュープリン注射ノルバデックス服用、現在に至ります。病理の結果は、浸透性乳巻癌、硬癌、管内癌(腫瘍中心部に小域認める;漢字の読み方がわかりませんが竹の下に師状)核異型スコア2点、+核分裂像スコア1点=Grade1病期2A、Grede0 ER(+);J-Score=3b(Allscore(TS8=PS5+IS3)、PgR(+);J-Score=1(Allscore(TS3=PS1+IS2)、HER-2(1+) MIB-1(占有率は5%以下です) 。
切断端は、外側陰性(0.9cm) 内側陰性(1.2cm)、頭側陰性(3.0cm)、尾側陰性(1.5cm)、直上(0.7cm)、直下(0.5cm)←これは陽性で取り残しですか?(主治医は取り残しではないとこと) 再度手術をした方がいいのでしょうか?
リンパ節; 最大1.8×1.3cm大、節外転移なし
(0/0)は#4#8#10#11#15#16#17#19#20
(0/1)は#1#2#3#5#6#7#12#13#14#18#21#22#23#27
(1/1)は#9#24#25#26

リンパ節と細かく検査した結果4つ残っていたということでしょうか? この結果をみて、今の治療でいいいのか、がんの取り残しはないのか、不安です。主治医は、「ルミナールAで、ホルモン治療がよく効くタイプなので、」がんばりましょう。とのことでした。今出来る最善の治療だと言っていました。よろしくお願いします。

@ 切除断端は、乳腺組織の存在する部分では5mmの正常部分が無いと陽性ですが、乳腺組織の存在しない部分(この場合の直上や直下)は露出が無い限り陰性です。すなわち、この場合は断端陰性となりますので、追加切除が不要になります。
A このリンパ節の表記方法は馴染みがないので、はっきり言ってよく解りません。しかし類推するに、27個のリンパ節と思しき組織を顕微鏡で診て、18個がリンパ節で、そのうち4個の節には転移が残っていたのでしょうか?主治医にもう一度訪ねられたら良いと思います。
B あなたはLuminal type(必ずしもAではなくてBかもしれないと思いつつも)ですから、化学療法だけでは完全寛解になり難く、内分泌治療を併せることが重要であると考えてください。最近の研究では、Luminal typeで完全寛解になった方と、そうでない方の予後はほぼ一緒であることが示されたデータが複数発表され、術後の内分泌治療の重要性が強調されています。(文責 久保内)

 

No.11073】  13年07月13日    M
今後の治療について

40歳です。5月に左乳がん全摘し、6月からリュープリン注射とノルバデックスを10年と言われ服用していましたが、副作用で目の視野の異常、かすみ目のため、服用中止になり、今は月一のリュープリン注射のみになり、不安になっています。担当医師は、リュープリン注射で生理を止めてから、閉経後に使うホルモン剤を出しますと・・・。本当は閉経前の薬じゃないといけないのに、大丈夫なんでしょうか?他に閉経前の薬はないからといっていました。
病理の結果は、「浸潤性乳管ガン、ステージ1、グレード1、核異型1、核分裂像1センチネルリンパ節4個とり、微少の転移もなし。脈管浸潤なし、リンパ管浸潤なし、ki67. 10%、HER2 陰性、ER100% 、PR60%、ルミナールAタイプ。広範囲に進展するlow gradeDCISを背景に複数の浸潤巣が確認されました。最大のものから浸潤径は、17mm 10mm 8mmです。他にも微少の浸潤巣が散見されDCISは約7pの範囲で進展しています。」と、書いてありした。先生は、本当は注射だけで充分なんですよと言っていましたが、初めはノルバデックス10年と言われて服用していたので、それ ら初めから飲まなかったら不安になることもなかったと思っています。お忙しい中すみませんが、どうぞご意見を聞かせてください。よろしくお願い申し上げます。

Luminal A typeでStage T の乳癌ですので、極めて予後の良い群の患者様だと考えます。20~30年前なら術後治療としてNorvadexの投与のみを2年間行い、95%位の10年生存率が得られていたと考えますし、同剤の副作用で中止せざるを得なくても生存率や健存率(非再発率)に大きな違いは無いと考えます。リュープリンの使用は40歳という若さで追加されたものと思いますが、これだけでも十分な効果が望めると思いますので、心配なさらないで良いと考えます。(文責 久保内)

 

No.11072】  13年07月01日    K 
遺伝子検査(オンコタイプDX)の必要性(HPNo.10675-4)

いつもお世話になります。4回目の相談です(No10675)。不安に思った時に直ぐに相談でき、本当にありがたく、感謝しています。今回は、遺伝子検査について、よろしくお願いします。アンジェリーナジョリーさんが遺伝子検査を受け、その結果、乳癌となる確率が高いとのことで、予防的乳房切除をされました。現在、この遺伝子検査は保険適用外で、40万円位とのこと。病理検査より遺伝子検査のほうが、より詳しく、新たなこともわかる可能性があるのでしょうか? 私がこの検査を考えた理由は、一つの疑問からです。20年近く、毎年、エコーとマンモ検査を受けていましたが、たった一年だけ、福島第一原発による放射能の体内被曝を少しでも減らしたいと思い、マンモ検査を受けませんでした(エコーは受けました)。その翌年の検査で、いきなり3センチの浸潤癌がみつかりました。温存手術を受けました。

病理検査結果

ER100% PgR70% HER2マイナス
MIB−1 5%
GradeU(tubular3 nuclear2 mitosis1)
周辺部にDCISを伴い、線維性間質内に個細胞性、
索状配列を示して浸潤するscirrhous typeの浸潤癌
脂肪織内に浸潤
リンパ節転移 1/6

素人判断ですが、MIB−1が低ければ、癌の進行は遅いということではないのですか? なぜ3センチもの大きさになってしまったのか理解できません。病理検査を全て信頼して大丈夫なのでしょうか? 疑問が頭から離れません。もしも、遺伝子検査をすることによって、他に何か有益な情報が得られ、それが治療に役立つのなら、高価でも検査を考えたいと思います。(今後、保険適用になる可能性があるのなら、待ちたいです)

AJが受けた検査は、オンコタイプDXではありません。家族性乳がんの遺伝検査です。Kさんの質問中の「この遺伝子検査は保険適用外で、40万円位とのこと。病理検査より遺伝子検査のほうが、より詳しく、新たなこともわかる可能性があるのでしょうか? 」の検査は、オンコタイプDX のことのようです。この検査の目的は、ホルモン療法だけではなく化学療法を追加した方がより再発を抑えられるかどうかを、患者さんのがんの遺伝子の組み合わせから知ることです。ですから、「他に何か有益な情報が得られ、それが治療に役立つ」ことになるわけです(微妙な結果の時もあることはあるんですが・・)が、「なぜ3センチもの大きさになってしまったのか」という疑問には、答えられません。(文責 緒方)

 

No.11071】  13年07月01日    K
骨転移について(HPNo.10850-3)

10850,10850-2で、相談させていただきました。再度お願いいたします。
2月にCTと血液検査を受けましたが、CTの所見では、「胸骨に結節状の骨硬化像あり。炎症性変化か。以前のCTと変化なし」とあります。血液検査も異常がないとのことでした。3ヶ月でどうもなかったから、次は思い切って6ヶ月後と言われました。重い物を持ったりすると痛みが出てくるので、注意していましたが、5月末からまた痛みがきつくなって、一日中ズキズキして、寝返りを打つのも痛みます。その日によって痛む所が広がったりしています。8月に血液検査だけの予定ですが、こんなに痛みがあるので、毎日が不安で仕方がないです。仕事には行っていますが、重い物を持ったり、力の使う仕事もあるので、段々と辛くなって来ています。痛みが続いているのは、骨の溶けている範囲が広くなっているんでしょうか? この相談室で回答をいただけた時は、気持ちが少し楽になりました。どうかよろしくお願いいたします。

普通の生活や仕事がままならないのは、何とかしなければなりません。乳がんの骨転移には、骨が溶ける溶骨性変化を起こす場合と、骨が硬くなる硬化性変化を起こす場合、両方が同時に起こる場合などがあり、骨硬化像は転移ではないとは言い切れません。また、痛みの程度と期間が長いことも気になります。患者さんへの負担にはなりますが、胸骨のその部分を手術で取ってきて病理診断をする生検が、白黒はっきりさせる最も確実な方法です。さらに、その結果によって治療薬の選択も可能です。主治医の先生と相談する様にして下さい。(文責 緒方)

 

No.11070】  13年07月01日    Y.E. 
抗がん剤が中止となった時・・・(HPNo.11015-2)

前回は有難うございました。4月より、抗がん剤EC療法(4クール)の投与を開始しておりましたが、副作用がきつく、4回目の投与が中止となりました。1回目も2回目も副作用はきつかったのですが・・・、3回目の投与で体力がぐっと落ちました。3回目の投与前に、白血球が2400まで減少しておりましたが、医師の判断で抗がん剤を投与し、翌日に白血球を増やす注射をしました。このあとの副作用がすごかった・・・。舌はヨーグルトを塗ったような粘液がついて真っ白。倦怠感と寒気(低体温34.7℃)が続き、味覚障害による吐き気で、体重が2.5キロ減少しました。医師は、4回目は中止しようと言われます。「体が痛んでは本末転倒。今まで3回投与してるから・・・」と、少し考えて、「ホルモン療法にしよう。」と言われました。しかし、私は、KT67が20%〜30%で、境界線より、やや上です。抗がん剤の最後の1回を中止しても大丈夫でしょうか。不安です。あと、センチネルリンパ節に微少転移していたのですが、センチネルリンパ節もリンパにはかわりないので、腋窩リンパ節の転移はなくても、全身に癌がひろがっているのでしょうか? 怖いです・・・。

センチネルリンパ節に微小転移があるということは、腋窩リンパ節に微小転移があるということです。ここで重要なのは、微小転移は、わずかな癌細胞がリンパ節に転移している(2mm以下)状態で、リンパ節(脇の下のすべてのリンパ節ではありません、1個のリンパ節ですよ)全てが癌細胞に置き換わっているような転移(マクロ転移)とは区別して考えて構わない状態です。言い替えれば、転移がない状態と全く同じではないけれども、あまり変わりがない状態です。ですから、体中に広がっている状態では全くないわけです。もともと、ホルモン治療だけでも十分な再発抑制効果があるタイプですが、微小転移があるので念のために化学療法も行っておきましょうと言う説明だったと推察されます。それが、途中で終了になったとしても、あまりショックを受ける必要はありません。(文責 緒方)

 

No.11069】  13年06月26日    C.I.
乳がんの疑い

初めて相談します。よろしくお願いします。38歳で、二人の子供がいます。8月末に初めてエコー検査を受けて、乳がんの疑いがあるとのことで、再検査を2カ月受けてきました。マンモグラフィーでは特に石灰化くらいしか映らず、エコーでは、影が写ります。1cmちょっとの大きさとのことです。その後、造影剤を使ってMRIを撮ったところ、がんの疑いが高いということで、針で細胞をとり出して検査をしました。採取量は十分で、特に顔つきのわるい細胞は見当たらないとのことでしたが、細胞が増えているらしく、マンモトームを来週行います。見えないところに悪性の細胞がいるのかもしれないと言われました。家系的には、ガン家系ではないと思います。今のところわからないということで、クラスやステージなど何も説明を受けていません。子供も小さく、仕事を休む可能性もあるので、少しでも状況を知りたいのですが、自分が今どういう状況にいるのかもよくわかりません。どのような状況で、どのような可能性があるのか、教えていただけますでしょうか? セカンドオピニオンも受けたいのですが、どのタイミングで受ければよいのか分かりません。ただ、マンモトームで悪性と分かった場合は、なるべく早く手術をしたほうがよいと言われたので、急いだほうがよいのでしょうか? 二十年ほど前に、扁桃腺肥大のために扁桃腺を取り除いています。その前から変わらずリンパが腫れているようなのですが、それも今回の件には悪い影響を及ぼす可能性があるのでしょうか? わきの下が痛い(我慢できないような痛さではない)時があることも気になっています。よろしくお願いします。

担当医の方と同じで、がんの疑いがある以上のことは言えないと思います。仮に癌であった場合、1cmちょっとで、リンパ節転移がなければステージIになります。セカンドオピニオンはどのタイミングでも可能ですが、マンモトーム検査の結果を聞いてからで十分かと思います。どこのリンパが腫れているかにもよりますが、腋窩リンパ節でなければ通常、影響はないと思います。わきの下の痛みについても、あまり関係はないと思います。(文責 大西)

 

No.11068】  13年06月26日    N
今後の治療について  (HPNo.11031-2)

お世話になっております。前回も投稿させていただきました。今回術後の病理結果がでました。「浸潤性充実腺菅癌、しこりの大きさ1.4センチ、リンパその他転移なし、ホルモン陽性、エストロゲン50%〜、Pg 50%〜、HER2 陰性、ki67 20%、グレード1」でした。抗がん剤は使わず、放射線とホルモン治療のみということになりました。あとになり気になってきたのですが、ki67が20%は、高値にはなりませんか? このタイプですとルミナールは? 再発率はどのぐらいですか? 抗がん剤を上乗せしなくても大丈夫でしょうか。色々質問して申し訳ありません。よろしくお願いします。

Ki67は何%以上を高値とするかについては実は決まってはなく、15%以上を高値とする施設から30%以上を高値とする施設があります。ルミナールAなのかBなのかということですが、上記の理由で微妙なところです。再発率を数字に出すのは難しいですが、おそらく10%程度ではないでしょうか。また抗癌剤を投与することで、何%程度再発を予防できるかと考えた場合、実際には数%程度でしょう。抗癌剤にはそれなりの治療コストがかかりますし、副作用もあります。Nさんのような方には、あまり勧めない施設が多いのが現状でしょうか。(文責 大西)

 

No.11067】  13年06月23日     S 
転移の可能性

71歳の母が、去年12月に乳がんの手術を受けました。病理の結果、腫瘍の大きさ…6.5センチ、リンパ節転移…11個中8個、核異型度3と、かなり高リスクの為、1月末より抗がん剤治療(AC 4回→ウィークリータキソール12回)を行っています。ようやく抗がん剤治療も残すところあと数回となった先日、術後半年の検診があり、肺に水がたまっている為、来週CT検査をしましょうと言われたそうです。手術前のX線では、肺はきれいな状態でしたが、PET検査では、「肺胸膜に肥厚あり。要観察」との診断でした。手術後の1月に違う病院でX線の検査をした時も、特に異常はなかったようです。ただ、手術後の腫瘍マーカー検査で、CA15−3の数値が42あり、その後抗がん剤を始めてから31になりましたが、その後32→35と増え、一番最近の数値は36で、手術後一度も基準値(30)内になったことがありません。
CEAは4→2.1→2.6→4.9と、ぎりぎり基準値内ですが、上昇しているようです。やはりこのような場合、肺への転移の可能性が高いのしょうか? 今のところ、咳など特に自覚症状はないようです。手術前の検査では異常が見つからなかったのに、手術後すぐに転移が発覚したというケースもあるようですし、術後半年で転移することもありえると、頭では理解していますが、気持ちがついていきません。抗がん剤の副作用に苦しみ、ようやくもう少しで解放されると思っていた矢先の出来事で、母もかなり動揺しています。肺に水がたまる原因として、がんの転移以外(例えば抗がん剤の副作用など)は考えられないのでしょうか? また、もしこれが癌の転移によるものだとしたら、予後はどの位になるのでしょうか? 治療はどのようなものになりますか? ちなみに、母はホルモン陽性で、抗がん剤の後にホルモン治療が予定されています。少ない情報で申し訳ありませんが、分かる範囲でお答え頂ければ幸いです。お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

胸水がたまる原因としては心不全や抗がん剤の副作用などもあり、必ずしも癌の転移とは限りません。仮に癌の転移であった場合、予後はその後の治療経過によります。今後の治療はホルモン治療が予定されているとのことですが、仮に転移であっても、おそらくそれは変わらないかと思います。(文責 大西)

 

No.11066】  13年06月23日     M.O.
70代乳がんの手術について

初めて相談させて頂きます。73才の母の右胸とリンパ節に1個ずつのしこりを本人が発見し、乳がんが発覚、7月1日に手術をします。現在わかっているのは以下の通りです。
腫瘍径24mm、 ER=Allredscore=7、 PR=Allredscore=8、Her2=1+、 Ki67=30%、Pet検査の結果、骨や臓器へ転移は見られずステージ2Bと診断されております。
母の健康状態は、10年前に血液の癌により造血幹細胞移植を行い、その後の合併症(皮膚、粘膜が弱い)と、2年半前に脊柱管狭窄症の手術を行い、足の痺れなどがあり、もうこれ以上、痛みを増やしたくないのが実情です。手術については、主治医からは、温存でも全摘でも構わないと言われております。温存の場合、放射線治療がセットになると思うので、体力的に約1か月間毎日通院できるかと、また皮膚も弱いので心配です。温存と全摘では、術後の患部の違和感やひきつれなどは、やはり全摘のほうが大きいのでしょうか? どちらにしようか悩んでいます。リンパ節の郭清をレベル1とレベル2は軽く行う予定です。本人はリンパ浮腫もとても心配しております。どの程度の割合で起こるのでしょうか? どうぞよろしくお願い致します。

術後の違和感やひきつれは全摘の方が大きいですが、温存手術の場合でも、大きく切除せざるを得ない場合は、あまり変わらないかもしれません。腋窩リンパ節郭清を施行すると、10-20%の方でリンパ浮腫を認めますが、その程度は以前の拡大手術と比較すると軽減されているようです。(文責 大西)

 

No.11065】  13年06月23日     Y.H.  
胸左上部に1cmほどの腫瘍

30代後半で、現在アメリカに住んでいます。1歳10ヶ月の子供がおり、まだ授乳中ですが、先日、人間ドックの際に、乳がん検診「触診+エコー」を受診しました。触診では異常なしでしたが、エコーで、左胸左上部に1cmほどの腫瘍が見つかりました。腫瘍の形状は分葉状であるとのことです。今回の件は、ホームドクターから本日電話で伺ったのですが、ホームドクターは、「授乳中の胸のエコーははっきりしないので、6か月後に再検査」とおっしゃいましたが、不安なので、すぐ細胞検査をして欲しいと依頼しています。分葉状の腫瘍は悪性の物が多いと聞きますが、授乳中は乳腺の発達等で、専門の技師が見ても判別がつかないほど、形状がはっきりしないものなのでしょうか? 形状から考えると、良性の可能性は低いのでしょうか? ちなみに、1年半前(出産後3ヶ月後)に、日本で「触診+エコー+マンモ」の検査もしています。その際、触診とエコーでは異常なし、マンモで、「両胸に恐らく良性の石灰化が見られる」との事でした。今より相当胸が張っていましたが、そういう状態だと、エコーでもしこりは発見しづらいものだったのか、それとも、この1年半で腫瘍が大きくなったのなら、悪性度が高いのではないかと不安になります。また、検査結果次第では帰国し、自宅がある神奈川県内の病院で手術したいと思っています。その際、手術する病院で、再度全ての検査が必要になるのでしょうか。そうなるのであれば、時間だけが、またかかってしまうような気がするので、すぐにでも帰国をし、神奈川県内の病院で今回の細胞の検査もしてしまった方が良いのではないか…とも悩みます。色々とご質問をしてしまい申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

エコー所見は実際に見てみないと分らないことが多く、形状だけでは良悪性の評価は困難です。分葉状でも良性腫瘍はたくさんあります。ホームドクターの言うように、授乳中乳腺の評価は難しく、慎重に経過観察することは多いです。ちなみに多くの場合は良性腫瘍です。悪性腫瘍を強く疑う場合は経過観察しませんので。日本では、検診で腫瘍が指摘され、経過観察と総合評価された場合でも、心配で専門外来を受診される方はいます。その場合、再度同様の検査をしますが、人間ドックを同じ評価をすることが多いです。それでも心配される方には、針生検や細胞診を行うこともあります。他院から癌と診断され紹介いただいた場合、再度すべての検査をするかどうかは受診する病院によると思います。診断されてから1,2か月治療までに時間がかかっても、それで手遅れになるようなことはありません。(文責 大西)

 

No.11064】  13年06月23日     R.T. 
生理と出産の可能性

3年前(当時37歳)に乳癌(非浸潤性)が見つかり、温存手術を受けました。その後、放射線治療を約1カ月、リュープリン注射(3カ月おき)2年間を経て、今はタモキシフェンを服用し、3年が経ちました。あと2年間(トータル5年間)飲み続ける予定です。勝手に、リュープリン終了後、約1年を目安に生理が戻ると思っていましたが、未だに生理が戻っておりません。リュープリン注射終了時に病院の先生に尋ねると、「年齢(40歳)から言って、このまま生理が上がるかも…」と言われ、ショックでした。治療前に何も確認しなかった自分もいけないのですが、未婚なので、出産のことも少しは希望を持っていました。今も更年期の症状がかなりあり、体重も約5kg増加し、心療内科にも通っております。毎日薬漬けの日々です。
以前(乳癌発覚前)に通っていた婦人科で、子宮筋腫が4〜5個あると言われ、少しずつ大きく成長していました。特に問題ないとのことで、様子見のため、定期的に検診を受けていたのです。リュープリン注射で生理を止めていたので、筋腫が少しでも小さくなったか期待していましたが、術後1年くらいしてから再来してみたところ、カルテを無くされていて、何も経過が分かりませんでした。その後、病院を変え、「子宮がん検診」を受けていましたが、その婦人科の先生も、あまり詳しいことは教えて頂けませんでした。タモキシフェンの服用が終われば、生理が戻ることがありますか? 今後、生理が戻るかどうか検査する方法はありますか? もともと生理不順でもなく、生理痛もなく、出血量も少なく、3〜4日で終わっていたため、生理が上がってしまうのでは?と、不安はありました。今後、出産することは諦めた方が良いのかどうか? 治療が終わったら、誘発剤などで、生理がくるようにすることは可能かどうか?何も分からず不安です。回答いただけますよう、よろしくお願い致します。

通常タモキシフェンでは生理は止まらないので、経過からすると、生理が戻る可能性は少ないかと思われます。ホルモンの状況によっては、治療により生理が戻る場合もあれば、戻らない場合もあるようです。今後の妊娠の可能性も含め、一度婦人科の先生を訪ねてみてはいかがでしょうか。(文責 大西)

 

No.11063】  13年06月23日     アリス
今後の治療について(HPNo.11026-2)

先日はありがとうございました。MRIの結果、「左鎖骨下〜左腋窩リンパ節は範囲が大きく動脈を巻き込み、静脈も同部で閉塞している可能性あり」という結果が出ました。腫瘍摘出手術はリスクが大きく、無理とのこと、放射線治療を行っているようです。肝臓の転移は、1.5pの物が一個で、最近、針生検の結果、反対側の乳癌とリンパ節にも悪性の腫瘍が見つかり、こちらも手術はしないようです。
ちなみに 左)小葉癌(ER3+ PGR2+  ハーツー 陰性 )   右)小葉癌(ER3+  PGR-  ハーツー陰性 )です。
放射線治療も後2回で終わりですが、一ヶ月後に、CTあるいはPET検査をする予定ですが、先生は抗ガン剤治療に切り替えた方が良いとおっしゃいます。ホルモンの薬も、ノルバデックス→フェマーラ→フェアストン→アロマシンと変えておりますが、腫瘍マーカーが、CEA66.6 CA15-3 416.9 (6月現在)です。以前、術前に行った抗癌剤で、全く腫瘍(5.5×4.5)が小さくならなかった事や、副作用の辛さから、抗ガン剤治療に対し、どうしても踏み切れない気持ちです。先生は、吐き気のない物や髪の毛が抜けないような物もあるとおっしゃいますが、効き目が弱く、結局強い副作用の物をする事になるのでは?と思ってしまいます。

1) ホルモン療法に効く癌だと聞いておりますが、他の薬では無理でしょうか? 他に何か治療法はないでしょうか?
2) 抗ガン剤を使うとしたら、髪の毛が抜けないものでは、どのような薬を使いますか? 又、吐き気をおさえたものでは、どのようなものがあるのでしょうか? 6年前は、息子の小学校の卒業、中学入学式に髪の毛がありませんでした。今回は高校の卒業式に髪の毛が無いと考えると悲しくなります。とはいえ、毎月の採血の結果を見ながら、一ヶ月後の画像検査で結果を出そうと思っております。どうぞ宜しくお願いいたします。

1) 今後の治療法としては、ホルモン療法の継続または化学療法への切り替えになります。ホルモン療法は、ほかにアリミデックスやフェソロデックス、ヒスロンが選択肢になります。
2) 抗ガン剤のなかでは、脱毛の頻度が少ないものとしては点滴でジェムザールがあり、経口薬ではゼローダやTS-1があります。嘔気が少ない薬としては上記のものに加え、タキソールやハフラヴェンがありますが、脱毛の頻度は、それぞれ100%、50%程度になります。(文責 大西)

 

No.11062】  13年06月18日     M.S.
No.11056 断端についての追加質問(HPNo.11056-2)

No.11056 で質問したものです。大変わかりやすいご回答を頂きまして、有難うございました。もう1つだけ質問させて頂きたく、よろしくお願いいたします。
断端:皮膚側:− 深部側:close, 0.3mm inv #26, 側方:−, 乳頭側:−
上記を「断端陰性」としてよろしいのでしょうか、それとも「断端陽性」と解釈するのでしょうか。医師によって色々で、病院によってもさまざまなのでしょうか。申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

深部断端が近いのはそれ以上切除するものがないので、断端陽性でも仕方ない場合が多いので、臨床的には陰性で良いと思います。いずれにしても、温存術では照射が必須となっていますので、照射で十分根治可能という事です。(文責 石山)

 

No.11061】  13年06月18日      N.N. 
良性のしこりと言われたが??

45歳既婚、子供なしの女性です。昨日、1年半ぶりにマンモと超音波で検査したところ、右胸に4つ、硬いしこりが発見されました。あとひとつは、やわらかいしこりもありました。大きさは5ミリから7ミリで、ひとつは11ミリでした。診断した医師は、「大きさが小さいこと、表面がなめらかなことから、良性と判断できます。今すぐ針を刺して調べる必要はなく、半年後の超音波検査でフォローアップしてください。」と言われました。この場合、ほおっておいて、半年後の再検査でいいのでしょうか? 血液検査は、乳がんの腫瘍マーカーはやっていませんが、正常でした。10年前に、今回と反対側の左胸に9ミリのしこりが見つかり、そのときは細胞をとったのですが、うまく取れず、検査は失敗。「良性のしこりと思われるので、もう一度針をさす必要はない。3か月ごとに検診してください。」ということになりました。そして、半年後には、しこりは消滅していました。その後、左胸には、しこりはできていません。石灰化が何年か前から見られます。

現在おかかりの病院が乳腺外科など乳腺専門であれば、その診断に大きな問題はないように思いますが、細胞診は腫瘍の種類や細胞成分の多い少ないでうまく取れないことも多いので、検査が失敗という事ではありません。よくあることで、画像上悪性の疑いがあれば、さらにCNB(針生検、細胞で無く組織を取る検査)などの侵襲的な検査になります。乳腺専門でなければ、再度専門医の診察をお勧めします。(文責 石山)

 

No.11060】  13年06月15日      N.S.
妻の乳癌について

突然のメール、失礼いたします。私の妻(39歳)のことですが、腰痛がひどく、近隣の整形外科を受診した所、腰の辺りに気になるところがあるからと、総合病院へ紹介状が出され、検査入院することになりました。CTより、腰椎に3cmほどの腫瘍があり、癌の転移の可能性が高いと、MRIや骨シンチ、血液検査などの検査をしましたが、特に異常はみつかりませんでした。その後、腰椎の腫瘍の組織を採取し、生検に出して、転移性の悪性腫瘍ということは分かったようですが、原発巣はまだ特定できていないようです。可能性としては、乳がんの転移の可能性が高いという、主治医の先生のご意見でした。本人は、腰痛以外の体調の不良はありません。一般的に言われる、しこりやひきつれ、くぼみ、分泌物などは一切ないようです。体重減少や、食欲不振もありません。このような状況でも、進行してしまった乳がんなのでしょうか? 何か少しでもご助言をいただけるのなら、ありがたいです。へたくそな文章を最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

39歳女性という事から、転移性骨腫瘍の原因は乳がんが最も可能性が高いと思いますが、乳がん検診受診歴の有無にもよりますが、自覚のない乳がんはいくらでもあるので、至急検査することが必要で、並行して肺や消化器の検査もしないといけないと思います。また組織検査をしたのであれば、その検体を調べて、ホルモン感受性、HER2蛋白の有無などを調べれば、乳癌の診断、治療の参考になるので、調べることをお勧めします。原発不明癌という場合もあるので、PET-CTなども検査が必要になるかもしれません。(文責 石山)

 

No.11059】  13年06月15日      K
術後検査について

2年前、乳がんの温存手術を受け、ホルモン強陽性であったため、現在ホルモン治療を受けております(術後は、断端陽性ということもあり、放射線を30回受けております)。術後の検査として、ホルモン治療のための通院時に、毎回血液検査と、6ヶ月ごとの転移・再発を早期に発見するための検査を行っております。転移に関する検査は推奨されていないようですが、今時点では良い薬が出てきている(?)ため、早期で発見することに意味があるとも考えられる状況なのでしょうか? あまり意味のない事なのであれば、苦痛・金銭的な負担があるので止めたいと思うのですが、個々に応じて検査方法も変わるのでしょうか?  また今後、人間ドック等で乳がん検診を受ける事は無意味でしょうか? 違う目で見ていただいて安心したい気もしますが、術後の影響で、主治医でないと常に偽陽性となるというような事も聞き、どうする方が良いのか教えてください。よろしくお願いいたします。

術後の再発チェックの検査は無意味との結果が出ていますが、この事を証明するためのデータは古く、最近では骨転移治療薬や再発乳がん治療薬が増えているので、今後は変ってくると思われます。乳癌検診は現時点では受けなくていいと思います。偽陽性が増えることと、術後の検査としてMMGを撮影することが推奨されていますので、今の主治医がMMGを撮ってくれると思います。(文責 石山)

 

No.11058】  13年06月11日     T 
抗がん剤の副作用と治療の継続について(HPNo.11028-3)

いつもお世話になっております。以前ご相談させていただいたHPNo.11028の者です。その節は、大変ありがとうございました。現在、左胸の乳がんの術後療法として、抗がん剤治療
を受けております。抗がん剤の種類は、点滴と服用、それぞれ以下のとおりです。

1. 点滴:タキソールとエンドキサン
タキソールとエンドキサンを月に一度、タキソールのみを月に二度。これを1クールとして半年間予定。現在、2クール目です。
2. 服用:ユーエフティー E配合顆粒 T120
朝と晩1回ずつ、3年間服用予定。服用開始から1ヶ月半が経ちました。

副作用と思われる症状ですが、関節痛や顔の赤らみなどの症状以外に以下の2つが気になっています。

1. 胸の間に締め付けるような痛みを感じるようになりました。痛む場所が心臓だったので、病院で心電図を取ってもらいましたが、問題ないと言われました。
2. 抗がん剤投与後にした、家でできる大腸がん検診で、血便が見つかりました。乳がんの病院と相談した結果、大腸がんの精密検査を受けることになりました。精密検査の結果
が出るまでに半月ほど時間がかかります。

このような状況ですが、これから先、抗がん剤投与を続けるべきか悩んでおります。以下2点、質問させていただきます。

1) 上記の心臓の痛みや大腸の出血は、抗がん剤の副作用と言えるでしょうか。副作用だったとすると、点滴と服用のどちらが原因だとわかるものでしょうか。
2) 抗がん剤治療を中断することについてご意見いただけますでしょうか。まず点滴についてですが、予定されている6クールではなく、3クールで終了した場合、抗がん剤の効
果というのは、無くなってしまうものでしょうか。服用している抗がん剤について、続けるべき最低限の期間というのは、ございますでしょうか。

以上、抗がん剤の副作用と治療の継続についてご相談させていただけないでしょうか。どうかよろしくお願い致します。

1) 心臓の痛みや大腸の出血は、使用薬剤からみても、副作用である可能性はかなり少ないと言えます。
2) 3クールで終了しても、抗がん剤の効果がゼロになることはありません。内服の抗がん剤は3〜5年間続けることが効果の点から推奨されているようですが、実際には1年、
2年で中止された方も少なくありません。(文責 石川)

 

No.11057】  13年06月11日     T 
術前抗がん剤後の病理結果の追加質問(HPNo.11052-2)

ご回答、ありがとうございます。私のケースは、がんが発見されたときに、すでに腋下リンパへの転移がいくつも見られる状態ということと、年齢が若いというとで、治療開始時に
、予後がかなり悪いと言われていました。手術で乳房温存、腋下リンパレベル3まで郭清(全部取ると言っていたので、3までということですよね?)、放射線は、乳房と胸骨と鎖
骨にあてる。術後ホルモン治療を5年(薬の名前は忘れてしまいましたが、生理は止まらないと言っていました。卵巣機能を停止させる注射をする人もいるとのことですが、私はす
るとは言われなかったように思います)。リンパに残っていたがんの状態は、主治医がまだスライドを見ていないということで不明です。

1) この状態での再発率は何%ほどあるのでしょうか?
2) 私の場合はステージなにになるのでしょうか?

よろしくお願いします。

1) 術前化学療法以前の腫瘍の大きさなど不明な点があり、不確かにしか判定できませんが、Adjuvant!Onlineによると、化学療法とホルモン療法併用して、術後10年で再発率
は58%前後と予想されています。化学療法がかなり奏功しているので、もっと再発率はもっともっと低くなると考えられます。
2) 化学療法施行前のステージは T1or 2N2MoでStage VAになると思います。 (文責 石川)

 

No.11056-1】  13年06月11日    M.S. 
今後の治療について

最初に長文、失礼いたします。4月に右乳房に乳がんの診断を受け、5月13日に手術、今日病理診断結果を受取りました。結果は以下のとおりです。

診断:
Invasive ductal carcinoma, papillotubular carcinoma breast, Bt+
SNB, area=A, 0.40*0.40 cm, n(0/1,i-), margin close, NG(3), ER(8),
PgR(7), HER2(0), g f, ly0, v0, status:primary,UICC 7th:pT1a pN0 pM0
Stage 1A, Jap 17th:pT1a pN0 pM0 Stage 1

所見:  右乳腺 乳癌病巣数:1病巣
切除術 Bt+SNB 15.0×17.0×3.0cm
腫瘍径:0.40×0.40cm、腫瘍径 in titu ca 含む:0.50×0.40cm
組織分類:invasive ductal carcinoma, papillotubular carcinoma
核異型スコア:2 核分裂スコア:3(12/10 HPF)、核グレード:3
ER:Allred PS 5 IS 3 TS 8 PgR:Allred PS 5 IS 2 TS 7
HER2:score 0, 強陽性:0% 中等度陽性:0% 弱陽性:3%
波及度:gf, リンパ管侵襲ly:0  静脈侵襲:v0
断端:皮膚側:− 深部側:close, 0.3mm inv #26, 側方:−, 乳頭側:−
in situ ca+、EIC −, 娘結節−, comedo +,  石灰化 −, リンパ球浸潤 +
リンパ節転移:合計(0/1,i-)
UICC 7版:pT1a pN0 pM0 Stage 1A 規約17版:pT1a pN0 pM0 Stage 1
A領域に異型乳管上皮が腺管状、乳頭腺状に間質に浸潤する、invasive ductal carcinoma,
papillotubular carcinoma が見られます。
papillary,comedo type のductal component が少量見られます。

質問
1) 術前、3つの病院で診察を受け、超音波エコー、MRIの結果などから、腫瘍の大きさは12mm〜13mm、浸潤していない部分も含めると26mm、と、言われていまし
た。3つの病院とも共通していました。ところが今日、上記の結果をいただき、腫瘍の大きさが大きく異なるため、半信半疑でおります。ガンのすぐそばにもう1つ良性腫瘍がある
、とも言われていたため、何か間違いが起きたのではないかと思うのですが、この診断結果を信じてよいのでしょうか?
2) 術前、どの病院でもKi 50%、核グレード3であることから、術後の抗がん剤治療を勧められていましたが、この病理結果から、「必要ない」と言われ、戸惑っています
。治療に備えて長かった髪の毛も切り、心の準備をしていました。医者からは、抗がん剤治療をどうするのか、よく考えて決めてくるように言われました。断端の一部(深部側)が
、非常に近かった(0.3mm)ようで、素人が結果を見た限りですが、放射線治療も受けたほうがいいように思えてきました。果たしてホルモン治療だけで再発が防げるのか、抗
がん剤治療を受けるべきなのか、全摘しましたが、断端が近かったようなので、放射線治療も受けたほうがいいのか、アドバイス頂ければ幸いです。

1) この病理診断結果が最終結果であり、信じてよいと思います。
2) 深部側断端の一部が腫瘍に近いのは解剖学的理由から、珍しくありません。断端陰性なら放射線治療は要らないと思います。腫瘍径 0.40×0.40cm、センチネルリ
ンパ節転移なしで 脈管侵襲なく、HER2:score 0なので,抗がん剤治療は不要で、ホルモン療法だけでいいと考えます。(文責 石川)

 

No.11056-2】  13年06月18日    M.S. 
No.11056 断端についての追加質問

No.11056 で質問したものです。大変わかりやすいご回答を頂きまして、有難うございました。もう1つだけ質問させて頂きたく、よろしくお願いいたします。
断端:皮膚側:− 深部側:close, 0.3mm inv #26, 側方:−, 乳頭側:−
上記を「断端陰性」としてよろしいのでしょうか、それとも「断端陽性」と解釈するのでしょうか。医師によって色々で、病院によってもさまざまなのでしょうか。申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

深部断端が近いのはそれ以上切除するものがないので、断端陽性でも仕方ない場合が多いので、臨床的には陰性で良いと思います。いずれにしても、温存術では照射が必須となっていますので、照射で十分根治可能という事です。(文責 石山)

 

No.11055-1】  13年06月09日    R.O. 
全摘か温存か

7月に手術を控えています。それまでに全摘か温存か決めてくるように言われています。1.5センチのしこりがあり、画像でわかる転移はないそうです。ただ…MRIに気になるものが映っていました。再度超音波検査をして、それらしきものの細胞診をしました。結果は、がん細胞ではありませんでした。ただ、「MRIに映っているものと、細胞診したものが、同一とは限らないこと。その場合、胸にがんを残すことになる。放射線治療をするので、それで抑えることができるだろうとは思うけど、どうするかは自分で決めておいで。」との事でした。色々と調べてみました。MRIにしか映らないがんもある。MRIに反応する良性の線維腺腫もある。本当に迷っています。どうしたらいいのでしょうか・・・。

MRIなどの画像を実際に見ていないので、正直に言うと、判断に困ります。1.5cmのしこりであり、画像でわかる転移はなく、再度超音波検査をして細胞診の結果も悪性でないことから、どちらかといえば、術後に放射線治療をする条件で、温存手術を選択してもいいのかなと私は考えます。(文責 石川)

 

No.11055-2】  13年12月03日    R.O. 
今後の治療について

以前NO,11055で相談させて頂きました。その節はありがとうございました。温存にて手術を終えました。結局、先生の判断で少し大きめに切ってくださり、前回相談したMRIに映ったものは良性でした。しかし、センチネルの結果は陽性。病理の結果、リンパを10個採った内の1つに転移がありました。ホルモン(+)Her2(-)でしたが、顔つきが悪いとのことで、TC×4回の抗がん剤を受けました。次は放射線の予定でしたが、お正月休みの間受けられないとのことで、それでは効果がなくなるので…、先に来月からホルモン治療を開始することになりました。

1) ホルモン治療を開始後、年明けから放射線を始めると治療がかぶるのですが、大丈夫なのでしょうか?
2) 抗がん剤で既に生理が止まっているのですが、主治医は、皮下注射(ゾラデックス)と飲み薬を行うとのこと。同じ病で大学病院に通っている友人も、抗がん剤で生理が止まっている同じ状況で、皮下注射は意味があまりないからと言われ、飲み薬だけになるそうです。どちらが、標準的な治療なのでしょうか? 意味がないのに、痛くて高い注射を何年も受けるのはつらいので…。教えてください。よろしくお願いします。

1) ホルモン療法と放射線照射の併用については安全とされているので、心配はないでしょう。
2) 閉経期の方は抗癌剤治療で閉経する場合もあればしばらくすると再開する場合もあります。閉経前の方でホルモン治療をする場合抗エストロゲン薬を使用しますが、LHRHアゴニスト(ゾラデックス)を併用するかどうかは主治医の判断にゆだねられるところがあります。つまり質問に対してはどちらも標準的な治療になりますし、意味がないこともないというのが正直な回答になります。(文責 大西)

 

No.11054】  13年06月09日    M.M
抗がん剤治療の継続について(HPNo.10958-4)

いつもお忙しい中、丁寧なご回答をいただきありがとうございます。悩んだ時、迷った時に、ここで主治医以外の専門の先生にお話を伺うことができて、本当に心から感謝しております。さて、私は、【No.10958- 】【No.10958-2】【No.10958-3 】で質問させていただき、回答をいただきました。 今回は抗がん剤治療の継続について伺いたいと思います。
1/31に左乳房部分切除術を受け、放射線治療を4月末に25回終了しました。そして、5/15に1回目のTC療法を開始しましたが、ドセタキセルでアナフィラキシー様の症状(しびれ、灼熱感、激しい動悸、呼吸困難等)が出てしまい、中断し、点滴をゆっくり落として、なんとかやり遂げることができました。エンドキサンでは異常はみられませんでした。でも、6/5、2回目のTC療法で、また同様の症状が起きて中止となりました。主治医は、「抗がん剤は危ないからやめましょう。ホルモン療法でいきましょう」と言います。私としては、色々考え、セカンドオピニオンも受けて抗がん剤をやることを決心しました。また、1回目のTC療法で、脱毛も進みました。このまま抗がん剤をやらないことになったら、何のために脱毛までしたのか意味がわからなくなってしまいます(主治医にはそのことも伝えました)。そこで、お聞きしたいことが2点あります。

1) 主治医は、「(もし抗がん剤をやるなら)タキサン系はやめましょう」と言っています。もうTC療法は無理なのでしょうか。また、タキサン系以外で、私の病状にあった抗がん剤となると、後は何があるでしょうか。 また、その効果と副作用(リスク)も教えていただきたいと思います。
2) もし、抗がん剤をやらないとすると、ホルモン療法のみになります。私のような病状で、抗がん剤をやらないとすると、転移・再発が非常に心配です。もし、先生なら、私のような場合、どのような治療計画の変更を考えられますか。

以上、お忙しいところ誠に恐縮ですが、ご回答をよろしくお願い致します。

1)副作用の点から、TC療法は避けた方がよさそうです。タキサン系以外の化学療法となると、一般的にはアンスラサイクリン系のAC、EC,FEC療法などが妥当でしょうか。副作用は、脱毛、骨髄障害、消化器症状など多彩です。特に消化器症状の嘔気(嘔吐)、食欲不振などは、覚悟が必要です。
2)ER,PgRとも95%なので、ホルモン療法単独か、UFTなど内服の副作用の少ない抗がん剤併用を考えます。(文責 石川) 

 

No.11053】  13年06月09日    Y.N.
センチネルリンパ節生検を行うかどうかの判断

平成24年12月、検査結果より、非浸潤性小葉癌の疑い、非浸潤性乳管癌も混ざっているかもしれないとの事で、手術を勧められ、3月に手術しました。手術前の先生の判断では、おそらく浸潤はしていないであろうとの事で、センチネルリンパ節生検はしない温存手術でした。術後1ヶ月の病理検査結果において、切除した5p径のうち、浸潤径が4o存在し、術後治療は放射線治療、タモキシフェンの服用になりました。浸潤癌であった以上、再発、転移が心配です。先生は“多分、リンパ節は大丈夫だろう”と言ってくれますが、調べていない事が気になります。このようなケースの場合、追加でもう一度センチネルリンパ節生検をするべく手術をしたほうがいいのでしょうか? それにより術後治療も変更になることはあるでしょうか? 病理検査結果は、ホルモン感受性(+)、ki陽性細胞の合(3%)、脈管侵襲なしで、非常におとなしい癌と言われました。

病理検査結果が、ホルモン感受性(+)、Ki陽性細胞の割合 3%、脈管侵襲なしで、浸潤径が4oなら、腋窩リンパ節転移陰性の確率は100%の保証はありませんが、極めて高いと思われます。今からでもセンチネルリンパ節生検をすることは簡単にできますが、施行せず、経過を見ていく医療機関が多いように思えます。もしセンチネルリンパ節生検で転移が陽性なら、腋窩リンパ節転移追加など治療法が変わることはありえます。(文責 石川)

 

No.11052-1】  13年06月08日    T 
術前抗がん剤後の病理結果

30歳で乳がんと診断されました。乳腺に8ミリ、腋下リンパ節にはいくつも転移がみられ、その一部がブドウのようにくっついている状態でした(可動性あり)。サブタイプはトリプルネガティブで、術前抗がん剤にFEC×4 DOC×4の後、手術を行いました。病理結果は、乳腺のがんは顕微鏡でも全く見られなかったが、リンパは13個中1個に残っており、6ミリくらいの大きさのようです。トリプルネガティブだったのが、ER+50%という結果で、術後は放射線+ホルモン療法を行うようです。

1) 抗がん剤でここまで縮小したとしても、全部消失したわけではないので、予後は改善しないのでしょうか?
2) 主治医はトリプルネガティブよりはホルモン陽性のほうが予後は改善すると言っていたのですが、再発のリスクは、どのくらいあるのでしょうか?
3) 増殖が速かったため、ルミナルBではと思うのですが、主治医は原発巣が消失しているので判断できないとのことでした。ルミナルBだとホルモン剤の効果はあるのでしょうか?

ご回答よろしくお願いします。

1) 抗がん剤で縮小したので、予後は改善するはずです。
2) ホルモン受容体陽性でトリプルネガティブではなかったので、また術前抗がん剤治療で乳腺内腫瘍が組織学的にも消失したようなので、再発のリスクは高くないと考えられますが、油断はできません。
3) Luminal Bでもホルモン剤の効果あります。(文責 石川)

 

No.11052-2】  13年06月11日    T 
術前抗がん剤後の病理結果の追加質問

ご回答、ありがとうございます。私のケースは、がんが発見されたときに、すでに腋下リンパへの転移がいくつも見られる状態ということと、年齢が若いというとで、治療開始時に
、予後がかなり悪いと言われていました。手術で乳房温存、腋下リンパレベル3まで郭清(全部取ると言っていたので、3までということですよね?)、放射線は、乳房と胸骨と鎖
骨にあてる。術後ホルモン治療を5年(薬の名前は忘れてしまいましたが、生理は止まらないと言っていました。卵巣機能を停止させる注射をする人もいるとのことですが、私はす
るとは言われなかったように思います)。リンパに残っていたがんの状態は、主治医がまだスライドを見ていないということで不明です。

1) この状態での再発率は何%ほどあるのでしょうか?
2) 私の場合はステージなにになるのでしょうか?

よろしくお願いします。

1) 術前化学療法以前の腫瘍の大きさなど不明な点があり、不確かにしか判定できませんが、Adjuvant!Onlineによると、化学療法とホルモン療法併用して、術後10年で再発率
は58%前後と予想されています。化学療法がかなり奏功しているので、もっと再発率はもっともっと低くなると考えられます。
2) 化学療法施行前のステージは T1or 2N2MoでStage VAになると思います。 (文責 石川)

 

No.11052-3】  13年08月15日    T 
HPNo.11052の追加質問

前回は詳しく教えてくださって、ありがとうございました。追加で質問させてください。
1) ホルモン療法を開始したのですが、タモキシフェン単独と、LH−RHアナログもする場合の違いは何なのでしょうか?
2) 私はタモキシフェンのみですが、タモキシフェン+LH−RHアナログと比べて、どの程度再発率が違うのでしょうか?
3) 原発巣がトリプルネガティブで、リンパ節転移巣がER陽性ということは、あるのでしょうか?
4) 放射線を再発予防で鎖骨にも追加照射するのですが、予防で照射したのに、そこに再発するのはなぜですか?(入院中にそういっていた人がいました)

よろしくお願いします。

1) 御年齢や閉経状況、手術結果(再発リスク)、副作用等を考えて判断しています。
2) 化学療法によって閉経状況にあるようでしたら、差はないでしょう。そうでないとしてもほんのわずかな差です。
3) 転移巣での変化は時々見られます。
4) 腫瘍細胞が生き延びる、あるいは新たに移動してくることによって現れる可能性があります。(文責 加藤)

 

No.11051】  13年06月08日    G  
抗がん剤をするのかしないのか

初めての相談になります。42才、既婚、子供あり、閉経前です。3月にしこりが見つかり、温存予定でしたが、手術直前のエコーで、離れた所に5ミリ程のしこりが見つかり、左乳房全摘となりました。手術から1ヶ月経とうとしています。先日、病理結果が出ました。

T1N1M0 、ステージUA
1.5×1.8×1.2
0.3×0.2程度
ER.(+)PR(+)両強陽性
HER2 1(+)
Ki67 40%
NG(グレード?)1

「センチネルは1個取って陰性だったが、乳管に陽性。入口のギリギリに細かいのがいっぱいいました。」と、われました。教えて頂いた情報は以上です。毎日、抗がん剤をするかしないか、大変悩んでいます。先生は、「2bだったら抗がん剤を勧めるんだけどね。どちらでもいいと思いますよ、抗がん剤は」と。私も主人も抗がん剤はできればしたくなかったので、一瞬はほっとしました。しかし、乳管に居たのと、Ki値が高い事が気になり、どうしていいかわかりません。抗がん剤を受ける効果はあるのでしょうか。ご意見よろしくお願いいたします。

乳腺全摘なので乳管云々は心配しなくていいと思いますが、Ki67値の40%は高いので、化学療法は勧める医療施設が多いと思われます。ER(+)、PR(+)ともに強陽性なので、ホルモン療法にする方法も考えられます。(文責 石川)

 

No.11050-1】  13年06月08日    A 
非浸潤性乳管癌の治療

初めて相談させて頂きます。宜しくお願いします。今年4月30日に、乳ガンの温存手術をしました。年齢46才。なかなか病理検査の結果が出ず、5月29日に下記の結果が出ました。「非浸潤性乳管癌、経5ミリ程度の境界明瞭な病変が認められる。組織学的には、クロマチンに濃鮮する異型細胞が、管状構造、乳頭状構造を形成する像を認める。明らかな間質浸潤は認めれず、DCISの像と考えられる。病変中に壊死を伴う。断片は、陰性と考えられる。MaIignancyレセプターER PgR共に陽性、100%」と、あります。医学書やネットで色々調べているんですが、今後どのような治療が最適なのか、悩んでいます。主治医には、ホルモン治療のみの治療を薦められましたが、放射線は必要ないのか、悩んでいます。私は、更年期障害の治療で、プレマリンを三年間飲んでいました。手術から1ヶ月以上経っていますが、今月、娘が出産の為に帰省しますので、治療は七月から始めたいのですが、手術から2ヶ月経つのは遅すぎますか? ご指導、宜しくお願いします。

非浸潤性乳管癌で断端陰性ならば、術後の乳房放射線治療(照射)は必ずしも必須ではありませんが、念のため勧める医師が多いと思います。その他の治療としては、ER・PgR 共に陽性、それも100%なので、ホルモン治療のみでいいと考えます。手術から2ヶ月後の開始でも遅すぎるということはありません。(文責 石川)

 

No.11050-2】  13年07月25日    A 
無治療の生存率

二度目の相談になります。「No.11050 非浸潤性乳管癌の治療」で、相談させて頂きました。その節は、どうもありがとうございました。今回、治療の方向と再発率で、また悩んでおります。娘の産後が思わしくなく、まだ治療が出来ておりません。このまま無治療で、再発率は、何%になるのか、放射線治療を受ける事で、何%再発率を下げられるのか、不安な毎日を送っております。再発率に大きな差があるなら、どうにかして、放射線治療を始めたいので、ご意見を宜しくお願いします。前回の相談後、詳しい病理検査の結果を聞きましたので、追加させて頂きます。「ki-67 陽性率 3% 核グレード1 」というのを、追加で調べて頂きました。腫瘍5ミリのDCIS  ER、PgR共に100% 断片陰性です。宜しくお願いします。

Aさん、ご相談ありがとうございます。ご家庭の事情で思うように治療がはかどらなく、不安のことと思います。私のお返事で少しでも不安が減れば嬉しく思います。さて手術の結果は非浸潤癌で有り、大変早期の乳癌であることはご存じと思います。非浸潤癌で放射線治療を行うことにより、手術をお受けになった乳房内の再発は約15%低下すると報告されています。しかし乳癌による死亡は、放射線治療を施行しても施行しなくても差はありませんでした。この乳房内再発を15%低下するという数字を、Aさんにとって大きいと考えるか小さいと考えるかで、治療を行うかどうかお決め頂くのがよろしいかと思います。また放射線照射は術後20週間以内に行うことが勧められています。今後の治療については、ご家庭の事情などを勘案しながら、ご担当の先生と良く相談してお決め頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.11049】  13年06月04日    T  
大きくなったしこり

7年前、乳がんを告知されてから、いつも励まされ、力づけられております。有難うございます。温存手術し、断片(+)のため、放射線30回、並行してアリミデックスを5年間飲みました。今回、年1回の検査の前に、断片(+)だった場所、傷跡の真ん中に、大きくなったしこりを見つけました。手術後2年位の時に先生にお伺いしたところ、脂肪だから大丈夫ですよ・・・という事で安心しておりましたが、とても大きくなり、最初の時のしこりと、まるで同じようです。乳房の真ん中に、このように脂肪ができ、大きくなるものでしょうか? 検査結果によるとは思うのですが、わかる範囲で教えて頂ければ・・と思います。宜しくお願いいたします。

断端(+)の所にしこりがあり徐々に増大してくるのであればまず再発を考えます。その他では、嚢腫ということもあります。いずれにしても検査を急ぐ必要があります。(文責 吉田)

 

No.11048】  13年06月04日    T.M
乳がん検診

初めてメールさせて頂きます。気になることがありメールさせて頂きました。去年6月に自己触診をしていて、何かあるような感じがしたので、乳腺外科で触診とエコー検査を受けました。正常な乳腺ということで、また一年後にでもということでした。今年に入り、たまたま読んだ雑誌で、乳がん検査3ヵ月後に乳がん発覚というニュースを見て不安になり、2月に再度検査を受けました。昨年6月と変わらず、異常なしとのことですが、不安が取れません。毎日何回も触診しては何かあるような感じがして、かえって不安になります。最近は胸がつるような、張るような感覚もあります。乳がん検診後3ヵ月程度の短期で、乳がんができるようなことは、よくあるのでしょうか? 再度検査を受けた方がいいのでしょうか。くだらない質問で申し訳ありませんが、教えて頂けますと幸いです。42歳、子供1人 5年程前に乳腺症と診断されたことがあります。

胸が釣るような、張るような感覚は、恐らく乳腺症だと思います。乳がん検査後3か月で乳癌が発症することはあり得ますが、極めてまれです。月に1回の自己触診を続けていれば大丈夫でしょう。(文責 吉田)

 

No.11047】  13年06月04日    D 
今後の治療について

37歳です。出産経験は、なしです。先日、乳がんのため右胸の全摘出をしました。術後の病理検査結果は、以下のとおりです。
腫瘍の数・大きさ : 2個  A 1.4X1.2p  C 1.5X1.3p
組織型 : A 浸潤がん 硬癌    C 浸潤がん 硬癌 >充実腺管癌
脈管浸潤  : 脂肪組織への浸潤。リンパ管侵襲は軽度、血管侵襲はない。少数のDCIS(非浸潤癌)がみられる。センチネルリンパ節生検の結果、陰性のため、腋窩リンパ節郭清なし。
核グレード : 2(異型スコア 2 分裂像スコア 2)
ホルモン感受性 : 高度ホルモン反応性              
              ER  A IS(3)+PS(5)=8  C IS(3)+PS(5)=8
              PgR  A IS(3)+PS(4)=7  C IS(3)+PS(5)=8
HEAR2スコア  : 0(陰性)
Ki-67  : 陽性率30%以上(高値)

サブタイプは【ルミナールb(HER2陰性)】ということで、主治医の先生が提案された術後治療は、化学療法(抗がん剤)の後に、ホルモン治療という話でした。私が、「副作用の不安から 抗がん剤治療は、出来ればやりたくない。もう少し考えたい」と話をしたところ、以下の話がありました。
予定している治療は、TC療法で(タキサン、エンドキサン)で、3週に1回4クール。気になる点としては、「リンパ節への転移はないが、少量のリンパ管侵襲がみられること。グレード数値が【2】であること。Ki-67値が30%以上と高値の為、抗がん剤治療も効果があるとみられるが、ホルモン反応の値が大きいので、抗がん剤の効きが悪いかも・・・っとボソリと話していたような。」などです。
その時点では 頭がいっぱいで考えれなかったのですが、後からいろんな疑問が出てきましたので、教えてください。

1) リンパ節への転移はなくても、リンパ管侵襲があれば、転移している確率は高くなっているのですか?
2) Ki-67値が高い場合でも、ホルモン反応が高いと抗がん剤の効きが悪くなるのですか? 術後で腫瘍を取ってしまった後でも 抗がん剤治療が効いているのか、いないのかは、わかるのですか? また、効果があるかどうか調べる検査にオンコタイプdx検査というものがあるとききましたが、他にもありますか(リーズナブルなもので・・・)。
3) 私の場合は、ホルモン治療のみだと再発リスクはどれぐらい違いますか? ホルモン治療+化学療法(抗がん剤)をした場合とでは、再発リスクはどれぐらい違いますか?

抗がん剤治療は出来ればやりたくはないですが、必要ならばやろうと考えています。しかし、副作用も強い事を考えると、癌細胞への効力があるのかわからないと、なかなか踏み切れないのです。後悔しないためにも、しっかり考えて答えを出したいと思っています。長くなってしまいましたが、お願いいたします。

1) リンパ管侵襲がある場合、ないものに比べてリンパ節転移の可能性は多くなりますが、リンパ節転移とは同義ではありません。リンパ管侵襲の程度が3+以上の時は注意が必要です。
2) ホルモン反応が高い場合には抗癌剤の効きは悪くなります。この傾向はKI-67が高くても同様ですが、どの位悪くなるかは不明です。一般的に言ってKI-67が15%以上の時は抗癌剤投与を考慮いたします。術後腫瘍を切除した状態では、抗がん剤が効いているのかどうかはわかりません。確かにオンコタイプDXは有効だと思いますが、高価であるのが欠点です。他にリースナブルのもは知りません。
3) 5%前後は違うと思います。(文責 吉田)

 

No.11046】  13年06月02日    H  
局所再発(一部に浸潤性微小乳頭がんを含む〕の治療について

乳がんと診断されて10年になります。以前にも何度かお世話になっています。その際は、的確で親身なご回答を頂き、本当にありがとうございました。初発時:69歳(出産経験あり)、ステージ1 温存手術、腫瘍径1.5センチ、浸潤性乳管癌、ER+ Pgr− HER2− grade3、センチネルリンパ節生検で0/2、断端陰性/リンパ管・静脈・脂肪浸潤無し、放射線については、当方のたっての希望で照射せず。術後補助治療 タモキシフェン 3年、アリミデクス 2年+ボナロン1年。補助療法終了後(5年前)、手術の傷跡の直下にあるしこりに気付く。半年に一度の健診のたびに、主治医にしこりの精査をお願いするが、手術後の肉芽組織だろうとのことで、生検せずそのまま経過観察。その後のPET-CT/骨シンチ/半年毎の腫瘍マーカー すべて異常なし。
今年4月主治医が交代し、4月 乳腺穿刺。
推定診断:invasive ductal carcinoma with micropapillary component           
細胞所見:異型細胞は小乳頭状の集塊で出現。invasive micropapillary carcinomamaまたはmicropapillary構造を伴う乳管癌。
5月 CNB
診断 :invasive ductal carcinoma
所見 :充実性胞巣や管状構造を示して浸潤増生する腫瘍を認める。胞巣周囲に裂隙を形成し、微小乳頭状パターンのように見える部分を伴う。ER-95% Pgr-20% Ki-67 15% HER2− 11o×19o
     
治療としては、「5年前に再発していたとしても進行は遅い。ホルモン感受性が高いので、前回同様アリミデクスとボナロンで様子を見る。効かなくなれば薬を替えるが、薬物療法をずっと続ける。」とのことでした。

1) 放射線照射は行わなかったものの、ステージ1でグレード以外は問題なく見えたのに、再発するようなことはよくあるのか。
2) 再発の原因として、術中にがん細胞をこぼしたとも考えられるか。(今回の担当医も、そのようなことを言われています。)
3) ホルモン療法をするにしても、初回に投薬されたアリミデクスは耐性ができていると考えられるので、別のホルモン療法が適応ではないか。
4) Ki67 15%の値は、低いリスクから中間リスクに該当するのか。
5) CNBの病理結果は、「浸潤性乳管癌の中に一部浸潤性微小乳管癌を含む」ということなのか。
6) 初めの説明では手術も視野にいれるとのことだったのに、局所再発でも手術の適応にならないのは、悪性度が高いといわれる微小乳管癌との確定診断が出たので、既に転移していると想定したからなのか。或いは、現在の年齢から考えて負担の掛かる手術は避け、比較的負担の少ないホルモン療法を選択されたのか。

本来担当主治医に聞くべきところですが、日々不安が募るばかりで、考えるのは最悪の結果ばかりです。ただ、悪性度が高いと言われる微小乳管癌ですが、現時点でリンパ管に浸潤している所見はありません。次回の診察までに少しでも専門家のご意見を頂き気持ちを整理したいと思い、ご相談いたします。どうぞ宜しくお願いいたします。

1) よくあると思います。ですから温存術と照射がセットになっております。
2) こぼした可能性もあるかも知れませんが、多くは調べていない所の断端に癌が存在した可能性もあります。
3) 別のホルモン剤にすべきでしょう。
4) その通りです。
5) 「微小乳頭癌パターンを示す部分かある」ということで、「一部」であるか否かはわかりません。
6) よく状況がわかりませんが、遠隔転移の有無をよく調べて、転移がなければ局所を手術すべきと考えます。それからホルモン療法でしょう。(文責 吉田)

 

No.11045】  13年06月02日    H.K. 
術後の治療に関して

はじめてご相談させていただきます。先日、乳癌の手術を受けました、40歳女性です。浸潤ガン、乳房の全摘ではなく、癌部分のみ切除しました。大きさは15ミリ以下で、センチネルリンパ検査で、転移はありませんでした。エストロゲン受容体などの検査結果はまだ出ていませんが、先日主治医から、放射線治療に関して、「心配だったらやってもいいけれど、やらなくてもよい」と言われました。再発率などの具体的な数字も挙げてくださいましたが、積極的に放射線治療をすすめられませんでした。放射線治療をしなくてもよさそうという話は、術前からも出ていたので、「自分の症例はそんな感じなのかな」と、漠然と思っていました。センチネルリンパ検査も、「本当にやりますか?」と言われて、こちらからお願いしています。しかし、その後HPなどで調べ、こちらの相談室の内容なども見せていただいたのですが、ほとんどが温存治療の場合、放射線投射を行うというものばかりで、不安になってきました。術後の経過は非常によく、次の日から普通に仕事もしている状態です。放射線治療は術後できるだけ早く始めるべき、とあるのに、既に2週間以上が経過しています。実は事情があって、5週間の連続治療を行うには、今すぐでなければ術後3ヶ月以上たってからでしか始められそうにない(そのことも先生とは既に相談済みです)、ということもあって、他の先生のご意見を伺いたく、こちらに相談させていただきました。主治医の先生は、とても親身になってくださり、信頼しています。手術経験も多く、通常は放射線治療との組み合わせで行っているようなのですが、自分の場合、高齢でもないのに、「やらなくてもいい」という選択肢があるのかがわからなく、不安になっています。放射線治療を行うとしても、3ヶ月後からでも効果があるのでしょうか? ご意見をお聞かせいただければと思います。よろしくお願いいたします。

現在では温存術を行った場合、術後照射を行うのが標準的です。なぜ術後照射をすすめないのかは不明ですが、照射の時期については規定はありません。化学療法を先行させた場合なと、術後6ヶ月位になってしまうこともあります。3ヶ月後でも良いと思います。(文責 吉田)

 

No.11044】  13年06月02日    M
手術前治療

母から聞いたので、詳しく説明できないかも知れませんが、姉(45歳)が乳ガンと診断され、リンパ腺にもガン細胞があるそうです。6月下旬に手術(たぶん全摘出)をするらしいのですが、それまで何の治療も受けません。進行が早まったりしないのでしょうか? 手術前治療は、転移していない方しかやらないのでしょうか? よろしくお願いします。

乳がんと診断され 一日も早く治療を受けたいと云う気持ちはわかります。殆どの施設で、手術までは1-2ヶ月かかります。しかしこの間、病気が進行してしまうということは通常ありません。(文責 吉田)

 

No.11043-1】  13年06月02日    M.K. 
HER2疑陽性の今後の治療について

初めてご相談させていただきます。4月22日に右乳房切除術、即時エキスパンダー挿入術を受けました。51歳です。術後の病理結果は、「浸潤乳管がん(硬がん)、ステージT、腫瘍径 18×17×13、 血管侵襲なし、リンパ管侵襲なし、リンパ節転移 0/1、 ER 90%、PgR 90%、HER2(2+)、核グレード1、組織学的グレード2」です。術前は、HER2(1+)陰性、Ki−67(10%〜15%)と聞いていましたが、術後に疑陽性とのことで、FISH検査をすることになりました。結果は約1ヶ月後です。本日から、ノルバデックス錠(20r)を服用し、FISHの結果でHER2が陽性なら一旦ホルモン治療を中止して、抗がん剤治療に切り替えるとのことです。やはり陰性であればホルモン治療のみとのことですが、不安です。少しでも陽性の可能性があるのなら、抗がん剤治療をした方が安全なのではと思いますが、上乗せしても効果はないのでしょうか。また、閉経については、2月に乳がんの告知を受けた途端に生理が止まりました。次回の受診日に検体検査をしていただきますが、結果がでるまでの間、『閉経前』ということで、ノルバデックス錠を服用していて良いのでしょうか。主治医の先生の説明を理解したつもりですが、念の為、ご教授をいただきたいのでお願いいたします。

FISHが陽性の場合は、抗がん剤+ハセープチンを行うのが標準的です。陰性の場合、ホルモン感受性が強いので、ホルモン剤で十分でしょう。抗がん剤の効果は非常に低いと思われ、やる意味はあまりありません。検査で閉経後であれば、ホルモン剤を現在のノルバテックスからアロマターゼ阻害剤に変える必要があります。(文責 吉田)

 

No.11043-2】  13年07月27日    M.K. 
再発リスク

以前に【No.11043】でわかりやすいご教示をいただき、大変感謝いたしております。術後の病理結果でHER2が疑陽性だった為、FISH検査をしましたが、結果は1.1で、陰性でした。51歳、腫瘍の大きさ17×13×18o、核グレード1、組織学的グレード2、リンパ節転移0/1、ly0、v0 で、術後治療はホルモン療法(ノルバデックス)のみですが、アジュバンドオンラインでは再発リスクは何%になるのか、わかりましたら教えてください。
もう1つ教えていただきたいことがあるのですが、「DCIS: + ,comedo and solid, NG1 」というのは、コメド型の非浸潤がんという意味でしょうか。実は、切除した右乳房には、もう1つ11oの悪性腫瘍、他に良性腫瘍が1つあると手術の前に聞いているので、腫瘍が3個あったことは認識しています。主治医の先生の説明では、「type: lnvasive ductal carcinoma subtype: scirrhous>tubular type 浸潤性乳管癌(硬がん)」 だけでした。コメド型は悪性度が高いという情報を、ネットで見て、不安になっています。悪性度が高くても、全摘出をしているので、予後は変わらないのでしょうか。色々お尋ねして申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。

Adjuvant Onlineでは、51才の方の他病死4%、無治療での再発死亡率7%、ノルバデックスによる減少率2%です。ノルバデックス内服で、乳がんで死亡する確率と、現在予想していない他の病気で死亡する確率とほぼ同程度になります。浸潤性乳管癌と非浸潤性乳管癌では天と地程の違い(浸潤性は程度の差はあれ転移再発の危険がありますが、非浸潤性であれば転移再発の可能性は極めて低い)があります。Comedo typeの悪性度が高いというのは、非浸潤性乳管癌だった場合に他のtypeに比べて悪性度が高いという事で、浸潤性乳管である場合、そこにどのようなtypeの非浸潤性乳管癌を合併していても予後には影響しません。(文責 清水)
 

 

No.11043-3】  14年01月13日    M.K. 
乳頭の形成手術

No.11043 No.11083でご相談させていただきました。いつも分かりやすいご説明をいただき、励みになっております。昨年9月に人工物再建手術を受け、5月以降に乳頭の形成手術を予定しています。術側のバストに皮膚が薄くなったことによる『くぼみ』ができているため、お腹の脂肪をくぼみに注入することができるそうなのですが、後々、しこりや石灰化ができやすいということなので迷っています。麻酔をかけている間に同時にできるなら修正をしたいとも思うのですが、再発することが何よりも怖いです。脂肪を注入した箇所にできるしこりや石灰化は、乳がんの再発とは関係ないものなのでしょうか。それとも再発しやすくなるということでしょうか。乳腺科の先生にも相談して決めようとは思いますが、先生方のご教示も頂きたくご相談させていただきます。どうか宜しくお願いいたします。

人工乳房による再建術後のくぼみなどの修正に、脂肪注入は最近では比較的よく行われる方法であり、注入方法の工夫により生着率はあがってきています。注入した脂肪の一部が生着せずに壊死すると、しこりのように硬くなったり、石灰化や嚢胞ができたりします。それを完全に防ぐことは難しいですが、脂肪注入後のしこりや石灰化が乳癌の再発リスクをあげるわけではありませんので、心配はいりません。(文責 浜口)
 

 

No.11043-4】  14年03月25日    M.K. 
オンコタイプ結果について

No11043で何度かご相談をさせていただいております。いつも解りやすいご説明をいただき、大変感謝しております。間もなく右乳房全摘出手術から1年が経ちます。今更ですが、以前に検査をしたオンコタイプの結果について疑問が出てしまい、教えていただきたいのですが、再発率5%(95% CI:3%〜7%)のカッコの中は、どんな意味なのでしょうか。その他の結果はER=9.9 PR=8.6 HER2=9.4 Breast Cancer Recurrence Score=5 です。お忙しいところ申し訳ございません。宜しくお願いいたします。

質問有り難うございます。これは難しい話しですので、「95%信頼区間」とでも検索されたほうが、いいのかもしれません。むしろ混乱する回答がwebにたくさん出ています(笑)。何人かの方の再発率を調べた時に、ばらつきが生じます(人それぞれです)。それらが、3〜7%の間に収まる確率が95%という解釈でしょうか。この3〜7が小さいばらつきの方が、統計上は信頼おけるデータということになります。この分野、一般の方は、あまり深入りしないほうがいいのではないかと。自分の理解も間違っているかもしれないです(笑)。(文責 鈴木)

 

No.11043-5】  15年01月07日    M.K. 
皮膚転移?

何度かご相談をさせていただきましたNo11043 です。いつもありがとうございます。
25年4月に右乳房全摘出手術を行い、病理結果は浸潤乳管がん(硬がん)、ステージT、腫瘍径 18×17×13o、 血管侵襲なし、リンパ管侵襲なし、リンパ節転移 0/1、 ER 90%、PgR 90%、HER2(2+)FISH法で陰性、核グレード1、組織学的グレード2、Ki-67(10〜15%)とのことでした。半年後にシリコン挿入術で再建手術を受けましたが、今年(26年7月)に乳頭の形成手術を行った際に修正の為シリコンの入替えをしました。術後は激しい痒みに耐えられずかいていたせいか、10oくらいのかぶれが3つできてしまいました。最初は皮膚の表面がかぶれていたのですが、5ヶ月経った今もかぶれ痕のような赤 いあざのようなものが消えません。赤いあざは皮膚の下が固いという症状はないのですが、あざの近くに米粒ほどのしこりがあるのを感じます。乳がんの転移なのではないかと思い、先日皮膚科を受診したところ、アンテベート軟膏を処方され、1ヶ月程 様子を見て治らないようなら細胞診の検査をしましょうとのことでした。乳腺科の先生にもご相談はするつもりですが、乳腺科で相談をしても結局皮膚科で細胞診をすることになるようなら、年明け早々に皮膚科で検査の予約をしてしまおうと考えております。皮膚転移の疑いがある場合、乳腺科ではどのような検査をするのでしょうか。悪い結果ばかり考えてしまい心配でたまりません。どうかご助言をお願いいたします。

乳腺外科でも皮膚科でも最初は穿刺吸引細胞診を行います。注意すべき点はシリコンバッグを刺さないように気をつけることぐらいです。ただ比較的悪性度の低い乳がんのようですので、術後1年あまりでの皮膚転移は考えにくいと思います。(文責 石山)

 

No.11043-6】  17年04月30日    M.K. 
健側の腫瘍

No.11043 で何度かご相談をさせていただいており、現在はノルバデクスを服用し、体調は良好です。いつもご丁寧な回答を戴きまして感謝しております。4年前(当時51歳)に右乳房を全摘出、その後インプラント挿入による再建手術をしています。その際に健側の乳房が元々小さかった為、バランスが悪くなるという理由から、左乳房にもインプラントを挿入しました。乳がんと診断された当時は、右乳房に3個 左乳房に1個の腫瘍が見つかりました。術後の検査の際は、マンモグラフィーだとインプラントが入っているため画像診断がつきにくいので、自分の希望で超音波の検査もお願いしています。これまでは健側にある1個の腫瘍は良性なので心配ないと言われていましたが、この度の検査結果では腫瘍が3個増えており そのうちの1個に?マークがついているので、7月にまた超音波の検査をすることになりました。心配なので直ぐにでも針生検をして頂きたいところですが、インプラントが入っている為、7月の検査で腫瘍(5o)が大きくなっていたら針生検をすることになりました。疑わしい腫瘍は今回初めて見つかったわけではなく、昨年も(5o)あったようでしたが、大学病院の主治医が転勤になったあとの先生からは何の説明もなく、順調ですと言われてました。今回また、新しい先生に代わり その先生から健側に4個の腫瘍があることを知らされました。7月には形成科の定期診断(年に1度)もありますが、インプラントを除去する方向で相談をした方が良いでしょうか。また、この腫瘍が悪性のものだとしたら これは再発ですか?転移ですか? 病院では少し動揺してしまい、担当の先生に冷静に質問ができませんでした。お忙しいところ大変申し訳ございません。ご教示いただけますと幸いです。宜しくお願いいたします。

インプラントについては、現時点で除去する必要はないです。経過から可能性は低いですが、腫瘤が悪性であることがわかってから考えればよいと思います。また、通常、針生検の障害にはなりませんので、心配な腫瘤が超音波検査で明らかになれば、穿刺していただきましょう。安心できると思います。(文責 徳田)

 

No.11042】  13年06月01日    M.C. 
今後の治療について

初めて投稿します。47歳閉経前で乳癌が見つかり、温存手術及び放射線治療は済ませました。これから今後の治療を主治医と決定します。主治医は、「定期健診のみで今後の治療なし、心の問題で貴方が何かしておきたいなら、ホルモン治療をすすめます。ハーセプチン単独利用は、現在いいとも悪いとも言えない、抗がん剤は、もったいない」と仰ってます。ステージ1でトリプルポジティブ、Her2陽性3+が心配です。ご見解を御教示戴けたら幸いです。どうぞよろしくお願いします。

<臨床診断>
右乳癌//US上、右AC領域に19×14×9mmの低エコー領域、およびその内側に拡張乳管で連続した17.5x12x8.7mmの低エコー領域あり。

<所見>
乳管内に異型上皮の増殖が見られます。壊死も見られhigh nuclear gradeのductal carcinoma in situ(DCIS)の像です。一見浸潤を疑う部分も見られますが、酵素抗体法ではおおむね筋上皮が見られ、わずかに(1mm未満)間質浸潤を認めるのみですので microinvasive carcinomaとします。酵素抗体法は浸潤部がごくわずかなため、乳管内成分で評価しました。腫瘍細胞はestrogen recepter、progesterone receptorに対する抗体で50%にはいたりませんが、10%以上の細胞に染まり、いずれも陽性と判定します。Her2に対する抗体で、腫瘍細胞の細胞膜に強く染まり、判定スコア3+です。Ki67については浸潤部の近傍の多いところでは20%程度の部分が見られますが、参考にとどまります。浸潤部からの断端は保たれていますが、#2で深部断端近傍まで見られ、断端までの距離は約0.3mmです。#26では皮膚側端近傍まで見られ、断端までの距離は約0.1mmです。リンパ節:センチネルリンパ節7個(#45-51)は全て2mm割で標本作成しました。#45-49,51はいずれもmetastasisは認めません、#50は脂肪織のみでリンパ節は認めません。

基本的には主治医の意見に賛成です。しかしmicroinvasive carcinomaで転移を起こした患者さんを経験したことがありますので、個人的にはホルモン療法を奨めます。ハーセプチンや抗癌剤は必要ないと思います。(文責 吉田)

 

No.11041】  13年06月01日    M 
母の乳癌について

突然お便りして、申し訳ありません。母の乳がんのことで、お聴きします。実は昨年の8月に乳がんだとわかったのですが、発見が遅すぎて、本人には話していませんが、ステージ4です。年齢も81歳の為、手術や抗がん剤は無理なようです。またホルモン剤治療も難しいようです。検査は色々と受けましたが、結果、治療はできないとのことで、痛みがひどくなったら、来院するようにとのことです。今現在、痛みは、まだそれほどではありませんが、この半年間で病状はかなり悪化し、がんを患っている右胸は、もう原形をとどめていません。また、外を歩くと、めまいもひどく、本当に近くの買い物しか行けません。せめて、めまいだけでも少し減らせればと思い、病院にお話ししても、全然相談に乗ってもらえません。正直言って、痛みがひどくならないなら、来院してほしくないようです。かといって、他の病院に紹介するのは、嫌なようです。本人も、もう治らないのは良く分かっていますが、せめて、生きている間は、もう少し普通の暮らしができればと願っています。例えば、めまいがひどかったり、かゆみや痛みが交互にやってきてつらい時など、お医者さんに相談に乗ってほしいのですが、このようなお医者さんがいる病院が、埼玉県とか東京にないでしょうか? 特に医療関係で知り合いもいないので、できれば教えていただきたく、メールしました。今の母の状態から、ホスピスがもう該当するかもしれませんが、今現在は、母はホスピスへ行くのは嫌とのことです。あくまでも、もう少し自分で自由に生活したいと願っています。

お母上は、とてもひどい扱いを受けているようです。どんな状態の乳癌であっても、いろいろ手はつくすべきで、また当然、妥当な医療を受ける権利があるはずです。事実関係がはっきりとはわかりませんが、主治医をかえるか、あるいは紹介状を書いてもらい他の病院に移ったほうが良いでしょう。乳癌をある程度扱っている病院なら、どこでも良いと思います。病院は書籍とかインターネット等でお調べください。(文責 吉田)

 

No.11040】  13年06月01日    M.K.
転移

リンパ節転移、リンパ管転移、血管転移、の違いはなんですか?

リンパ節転移とは、がん細胞がリンパ管に入り(浸潤し)リンパ管の中を流れて行ってリンパ節に到達し、リンパ節にがん病巣ができたものを云います。リンパ管転移とは、あまり使用しない言葉ですが、リンパ管ががん細胞で詰まってしまった状態をさすのでしょう。血管転位という云い方もあまりしませんが、がん病巣の周囲の血管にがん細胞が入り込むことを指します。乳癌の場合、いすれもこれらの所見があると、骨、肺、肝臓などへ転移する可能性があります。(文責 吉田)

 

No.11039-1】  13年06月01日    A
腫瘍マーカー

2003年2月に左胸を全摘しました。腫瘍の大きさ2.2p、リンパ節転移あり(2/18)。 抗ガン剤治療を行いました。術後10年となります。2月に行った骨シンチと胸部・腹部のCTの検査で、骨シンチに1カ所集積が見られましたが、明らかな転移とは言えないという診断でした。9月にもう一度骨シンチを行う予定です。胸部・腹部CTに異常は見られませんでした。腫瘍マーカーのST439の値が、A病院では、2012年12月に7.5となり、2013年5月28日5月に7.7となりました。CA15−3は、5月が7.7です。B病院で、2013年4月に、ST439の値は6.8でした。CA15−3は6.3でした。(主治医が年に数回B病院に来て下さる関係で、二つの病院に通っていますが、同じ先生です。) 腫瘍マーカーのST439の値が基準を超えているが、様子を見ましょうとのことで、半年後に来るように言われました。再発なのかと思うと、最近は胃の痛みを感じることもあり、半年後でよいのか、胃の方が悪いのかと、あれこれ考えてしまいます。腫瘍マーカーの一つが基準を超えたという場合では、半年くらいの経過観察が妥当なのでしょうか。また、胃の痛みが何かマーカーの上昇に関係ある場合もあるのでしょうか。 お忙しいところ、大変申し訳ございませんが、お答えをいただけましたら、幸いです。しばらくぶりで検索したところ、この相談室が続いており、大変ありがたく思いました。お忙しい中、先生方が親切にお答え下さり、先生方の熱意に頭が下がる思いです。

骨シンチは転移でなくても集積が見られることが多く、半年後の再検査で十分と思います。ST439の上昇も直線的な上昇ではないようで、様子を見ていて良いと思います。こうした状況で、気を病んで胃が痛くなる人は多いですが、あまり痛いようでしたら、消化器科等を受診してください。ST439の上昇と胃の痛みは直接的には関係ありません。(文責 吉田)

 

No.11039-2】  13年11月12日    A
肺転移?

以前 NO11039で相談させていただいたAです。2003年2月、左胸全摘。硬がん。リンパ節転移有り(2/18)。T2N1M0。抗ガン剤、エピルビシン・タキソテール4回投与。2012年12月の血液検査で、st439が7.5となる。その後2013年2月のCT検査は異常なし。骨シンチに1箇所集積あり。9月の骨シンチの結果、以前の所は変わりなく、打撲痕で心配ないが、新たな集積が1カ所あるので、腹部、胸部CTを10月21日(月)に受けました。その結果が本日(11月5日)わかりました。肺に4カ所、今まで無かったところに白く映っていました。先生は、「極めて転移だと思うが、呼吸器内科で専門家に診てもらい、確定してから治療方針を考えましょう、呼吸器内科で必要なら組織をとって調べてもらってください。」とのことです。腫瘍マーカーが極端に上がっていたら確定するが、そうでもないので…ということでした。肺転移として、どのような治療が考えられますか。また今後どのような症状が現れるのでしょうか。なぜ今日肺転移という診断がくだらなかったのでしょうか。仕事はすぐに辞めるべきなのか(フルタイムでしています)など、不安だらけです。主治医だった先生は個人病院で家から遠く、家の近くの総合病院で、毎年CTと骨シンチを受けていました。今後は総合病院の先生に診ていただくつもりです。この場合、最初の手術の病理結果などを今までの主治医から書類に書いていただいて、新しい先生に持っていった方が良いのでしょうか。まとまりのない文章で申し訳ございません。今は不安ばかりです。あとどれくらい生きられるのか?誰にもわかりませんよね。これは。でも、受けられる治療をしっかりうけていきたいです。お忙しい先生方に大変申し訳ないとは思いましたが、相談させていただきました。

Aさん、ご質問ありがとうございます。私のお返事で少しでも不安が減れば嬉しく思います。
さて胸部CTでの、腫瘍についてお返事申し上げます。術後10年経過して見られた肺腫瘍のため、ご担当の先生は組織学的に乳癌の転移なのか、それ以外の腫瘍なのかをしっかり調べて治療方針をお決めになりたいのだと思います。また転移であった場合でも、最初に手術した乳癌の性格と、転移をした乳癌の性格が変わっていることがあります。このため組織を取れるようであれば、組織も取って調べてもらって下さいとおっしゃったのだと思います。肺転移への治療ですが、薬物療法が一般的です。薬物療法には、ホルモン剤、抗がん剤、分子標的治療薬とあり、飲み薬であったり、点滴のお注射であったり、様々な方法があります。しかし副作用で寝込んでしまうことは少ないので、すぐにお仕事をお辞めになる必要は無いと思います。また今後見て頂く総合病院の先生にとっては、最初の手術やその後の治療経過などは非常に重要な情報ですから、ご自宅の近くの先生にお願いして、ぜひ紹介状をお書き頂いてもらって下さい。突然のことで多くの不安があると思いますが、一つ一つ解決していって今後の治療に望んで頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.11038】  13年05月30日  N
腫瘍マーカーについて

腫瘍マーカーについて、ご相談させて戴きたく メール致しました。
2011年3月に全摘手術を受け、TC療法を 6回、その後ノルバデックスにてホルモン療法 とリュープリン注射を継続中の39歳です。本日受診日で、今年3月の2年目検診(CT,エコー、マンモ、骨シン チ異常なし)を終え、その時に採血した結果 を今日戴きました。主治医からは、「何も問題 なし」との説明を受け、そのまま帰宅したのですが、今まで特に目を通さなかった(問題ない と言われて戴いている結果なので、あえて見な い様にしていました)過去の検査結果をまとめておこうと、何気なく見てみたら、腫瘍マー カーが上昇している事に気づきました。下記 の推移です。
CA15−3   11年10月13.1⇒ 12年 6月12.6⇒ 12年12月11.4 ⇒ 13年3月18.3
NCC−ST−439   12年6月1.0以下 ⇒1 2年12月1.4 ⇒ 13年3月2.3

以上です。CA15−3は1ずつ下がっていたにも関わらず、今回ドンと上昇、NCC−ST-439に至っては、初回1以下という表示 だったのに、1を超しています。 やはり再発の可能性を覚悟しなくてはいけませ んか? 怖くて仕方ありません。次の受診まで期 間がありますが、早めた方が良いのでしょう か? ふたつの項目とも右肩上がりなのも不安要素です。一つだけならまだ気分的に楽なのですが・・・。申し訳ありませんが、先生方のご意見を教えて戴きたく思います。宜しくお願い致します。

病歴:
粘液癌(乳管内に非浸潤癌が広がり、基底膜を破っていたのが3か所との事でした)、 サイズ 8o、4o、2o の3つ、  グレード2、  ホルモン共に90%、  脈管侵襲共になし(−)、  リンパ転移なし(−)、  センチネル生検 (0/3)、 Her2(−)、  増殖能(−)

いずれのマーカーも正常値内の変動であり、よくあることで、特に気にすることはないと思います。病歴を拝見しても、特にリスクが高いとは思えません。(文責 吉田)

 

No.11037】  13年05月30日   HU
月経再開後の治療法について

術後、ゾラデックスを二年間投与後(ノルバデックスも服用)、半年経ち、生理が再開しています。二年五ヶ月続けたノルバデックスをフェアストンに変えてまもなくの生理再開で、慌てて血液検査を受けたところ、「現役バリバリの女性」並みの数値が出ました。主治医曰く、この数値ではまだ数年以上、生理が続くかもしれない・・とのことでした。ただ不正出血の可能性もあるので、様子をみたところ、以前の周期と同様に次の出血が始まりました。どう考えても、生理のようです。二回めの生理があったことは、まだ主治医には報告はしておりません。なお、今もフェアストンを服用しています。私は52歳ですが、ゾラデックス投与前には普通に生理がありましたし、母や母方の叔母達は皆、生理が50歳代後半までありました。そういう不安からも、ゾラデックスとノルバデックスを再開した方がより安心なのかどうか、教えて頂ければ幸いに存じます。宜しくお願いいたします。

ゾラデックス+ノルバデックスを2年以上続けた方が効果的であるという、エビデンスはありません。生理がもどったからといって、ゾラデックスを再開する必要はなく、現在のフエアストンを続けていて良いと思います。(文責 吉田)

 

No.11036】  13年05月27日   A 
妻の乳癌治療について

妻が乳がんになり手術を行いました。温存せず全摘を選びました。術前に針生検で、硬癌と診断されたのですが、術後の結果は以下のとおりです。
special type. Invasive micropapillary carcinoma
2✖1.4cm f,ly(++),v(-),nuclear grade 1
pN1mi(1/3) ER(+)70%,PgR(+)40%,HER2 score 0,ki67(10-20%)

もともと、抗がん剤は使用せず、ホルモン療法だけでの治療を考えておりますが、主治医からオンコタイプDXを勧められ、抗がん剤による上乗せ効果について説明されました。再発率が5%から30%の幅があり、low riskかhghi riskか調べてから、抗がん剤を考えたらどうかと説明を受けましたが、ホルモン療法を選択して薬を処方してもらいました。ただ、帰宅後、組織診断の違いについては、主治医から何も触れられず、ネット検索で予後が悪いことを知った次第です。こんなに違いが起こるのでしょうか。組織の再検査をする価値はあるでしょうか。ホルモン療法だけで、生存率、再発率は、どのくらいなのでしょうか。予後が悪いと聞いて、正しい選択だったか迷っております。抗がん剤による上乗せ効果が大きければ、妻を説得すべきか迷っております。本人は、組織診断の違いには気がついておりません。精神的に弱いので、そのことを伝えるべきか迷っております。

浸潤性微小乳頭癌は浸潤癌の特殊型に分類される比較的稀な組織タイプで、乳がん全体の0.5%ほどと言われています。リンパ管に入り込みやすく、通常の浸潤癌に比べ、リンパ管侵襲やリンパ節転移をきたしやすく、それが予後を悪くしている原因と考えられます。稀なタイプであるため、浸潤性微小乳頭癌に対する最適な治療というものは確率されてはおらず、リンパ管侵襲やリンパ節転移の状況を考慮して、通常の浸潤癌に準じて治療方針を決めることになります。ly(++)とリンパ節に微小転移があったことを考慮すると、化学療法の追加も選択肢になると思います。もう一度、主治医と相談してみたらよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.11035】  13年05月27日   M
マンモトーム2回目

胸に3センチくらいのしこりがあり、画像上は乳ガンの疑いが強いとのことだったので、2013年2月にマンモトーム生検をしました。2人の病理の先生がグレー判定だったので、病理セカンドオピニオンに出し、結果、乳管内乳頭腫で良性の病変でした。経過観察になり、3カ月後の先日、超音波検診を受けたところ、大きさや形に変化はないとの事でしたが、マンモトーム生検を8月に再度する方がいいとの診断でした。しこりだけを切除生検できればいいのですが、乳房の下半分がMRIで白く映っており、全摘になるようです。半年間隔開いての2回目マンモトーム生検は、経過観察上よくある事なのでしょうか? 通院している病院は都内有名病院です。違う病院で一度診察を希望しようかとも考えますが、万が一マンモトーム検査などをすることになれば、複数の病院で組織検査は不利益があるのでしょうか? 3名の病理の先生の内1人だけ白判定だったと言うことと、画像上、形・大きさが変わらないのにマンモトームをすすめられた現実に、どうすればいいのか悩んでいます。宜しくお願いします。

マンモトーム生検では比較的多くの標本を採取できるので、細胞診や通常の針生検に比較して良悪性の診断を確実につけやすいですが、診断が難しいケースがあるのも事実です。乳管内乳頭腫で良性との診断ですが、病理の先生の間でも意見が分かれるような診断に苦慮する病変ということでしょうか。短期間に再度マンモトーム生検を行うということは、画像の検査結果と病理結果が一致せず、やはり乳がんの可能性も否定できないと考えられているからではないかと思います。また、乳房の下半分に広がる病変だとすると、前回採取した部位とは別の場所にも乳がんを疑う場所があって、マンモトームを行うという可能性も考えられます。主治医に再度マンモトームを行う理由を聞いてみたらいかがでしょうか? もし、説明に納得いかなければ、前回採取のマンモトーム標本の病理検査も含めて、セカンドオピニオンを希望したらいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.11034】  13年05月24日   T
今後の治療について(HPNo.11028-2)

いつもお世話になっております。早速ご回答いただきましたこと、大変感謝しております。追加でご質問させていただければと思います。すでに抗がん剤や放射線治療が始まっています。このような治療が始まる前に、病院側からの事前の説明はありませんでした。再発の可能性を低下させるために、治療後に追加切除するということは、ありうることでしょうか。そのようなことが考えられるとしたら、できるだけ早い時期として、どのようなタイミングが考えられるでしょうか。例えば、放射線治療が終わる1ヵ月後でしょうか、それとも抗がん剤点滴が終わる半年後でしょうか。また、このように抗がん剤や放射線治療のあとで追加切除することについて、考えられるメリットやデメリットなどありましたら、お教えいただけないでしょうか。いろいろご質問してしまい申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

放射線治療は乳房温存術後に局所再発のリスクを減らすために行う治療です。今後局所再発が確認されれば追加切除を行う可能性はありますが、再発の可能性を低下させるために、放射線治療後に追加切除をすることは通常ありません。(文責 浜口)

 

No.11033】  13年05月24日   さくらこ 
コラーゲンの摂取

以前、三度ほど質問させていただきましたさくらこです。2011年に温存手術を受け、その後、放射線治療をしました。ルミナールA型で、リンパ節転移あり(2個)ですが、悪性度1、ステージUaで、オンコDXテストにより、抗がん剤の上乗せ効果がほぼゼロと出ましたので、今は定期健診を受けながらフェマーラ服用の治療のみです。ありがたいことに副作用はほとんどありません。先日、ネット検索をしていましたところ、乳がんのホルモン治療をしている間は、コラーゲンの摂取は避けるようにとの記述に当たりました。美容と健康のために、ここ何年もコラーゲンの液状サプリを毎日飲んでいます。サンスター製で、かなり高価なもので、半年分まだ残っていますが、やめたほうがいいのでしょうか?

がんに効果のあるサプリメントはないというのが、アメリカ食品医薬品局(FDA)の見解です。乳がんの予防に効果があるかも知れないと考えられている大豆イソフラボンも、食品で摂取するのはいいかも知れませんが、サプリメントなどで大量に摂取することはどのような作用があるかは不明でお勧めできません。コラーゲンについても大量に摂取することがどのような影響を与えるかは不明ですので、個人的な意見ですが、わからないものはやめておくのがよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.11032】  13年05月24日   S.T.
術後のしこり

初めて投稿します。H25年4月に、浸潤ガンで温存手術をしました。「1.2センチ リンパ転移なし ホルモン強陽性 HRE2陰性」で、現在、放射線治療+ホルモン療法を行っています。創部はきれいなのですが、手術後 乳を這うように沿ってしこり?があり(線になっています)ます。手術後、退院して1回目の病理結果を聞いたときは、「痛さ+硬さ」で、気づきませんでした。ホルモン療法の注射をするために同じ週に受診したときに、先生に確認したら、ドレーンの後とのことでした。あーそうなのかと、その時は思ったのですが、どんどん下に下がってきていて、それから乳の下から肋骨〜腹部まできて、その部分で、またしこり?となっています(線となっています)。ゴールデンウイーク明けに、あまりにも心配で、お願いして診察してもらいました。エコーをしましが、よくわからないとのこと。経過をみましょうと言われましたが、放射線を始めてから、なんとなく痛い?感じがあります。現在も吸収されるわけでもなく、胸から腹部まで、ずーと線となって腹部に溜まっているような状態で、何かがあります。また今度の診察でお願いして検査してもらおうとは思っていますが、このような状態となることはあるのでしょうか? リンパ?性で、癌がこのように流れていくことはあり得るのでしょうか? このような状態だと、検査は何をするのでしょうか? MRI、PETの検査は3月に行っています。いろいろブログ等調べたのですが、そのような症状が見当たらないので、よろしくお願いします。

乳房や体表の静脈に炎症を起こし、痛みを伴う皮下の索状物を触れるモンドール病という病気がありますが、乳がんの術後には手術や放射線治療の影響やホルモン療法などにより、同様の病態がしばしば起こります。質問の内容からは再発などではなく、恐らくそれが原因と考えられるのではないでしょうか。基本的には経過は良好で治療は不要なことが多いので、あまり心配せずに改善するのをお待ち頂いて宜しいと思います。(文責 浜口)

 

No.11031-1】  13年05月24日   N 
針生検の結果

前回も投稿させていただきました。46才、主婦です。また何点かお願いします。先日、針生検の結果がわかりました。「ER+50% PR+50% HER2 1+ グレード1 大きさ1.5から2p」でした。この結果は術後の病理結果で変わる事はありますか? 予定だと、術後はホルモン治療、放射線になるとのことでした。50%ということは、ホルモン治療も50%の割合でしか効かないということでしょうか。HER2は陰性なので、抗がん剤が効きにくいと言われました。抗がん剤が効きにくいとなると、今後転移した場合の治療はどうなるのでしょうか。とても不安です。HER2が陽性よりも予後は悪いのでしょうか。よろしくお願いします。

「ER+ 50%」というのは、観察した腫瘍細胞の約半分がホルモン感受性であることを示します。観察した場所によって多少パーセンテージが変わる可能性はありますが、基本的にはホルモン感受性の乳がんということが変わる可能性は低いと考えます。ホルモン治療も50%の割合でしか効かないというわけではありませんが、100%に比べれば効果はやや低く、10%よりは効果があると考えられます。術後の再発予防の治療がホルモン療法だけでよいのか、抗がん剤治療が必要ないかどうかは、術後の病理の結果も確認した上で決定することになると考えます。HER2については、一般的には陽性の方が陰性よりも悪性度が高く、予後が悪いと考えられます。もしも、転移した場合にはホルモン療法の効果が不十分な場合には抗がん剤治療などを行うことになります。(文責 浜口)

 

No.11031-2】  13年06月26日   N 
今後の治療について

お世話になっております。前回も投稿させていただきました。今回術後の病理結果がでました。「浸潤性充実腺菅癌、しこりの大きさ1.4センチ、リンパその他転移なし、ホルモン陽性、エストロゲン50%〜、Pg 50%〜、HER2 陰性、ki67 20%、グレード1」でした。抗がん剤は使わず、放射線とホルモン治療のみということになりました。あとになり気になってきたのですが、ki67が20%は、高値にはなりませんか? このタイプですとルミナールは? 再発率はどのぐらいですか? 抗がん剤を上乗せしなくても大丈夫でしょうか。色々質問して申し訳ありません。よろしくお願いします。

Ki67は何%以上を高値とするかについては実は決まってはなく、15%以上を高値とする施設から30%以上を高値とする施設があります。ルミナールAなのかBなのかということですが、上記の理由で微妙なところです。再発率を数字に出すのは難しいですが、おそらく10%程度ではないでしょうか。また抗癌剤を投与することで、何%程度再発を予防できるかと考えた場合、実際には数%程度でしょう。抗癌剤にはそれなりの治療コストがかかりますし、副作用もあります。Nさんのような方には、あまり勧めない施設が多いのが現状でしょうか。(文責 大西)

 

No.11030】  13年05月24日   N.T 
母の乳癌手術について

先月、母の乳がんが発覚して以来、こちらを拝見させて頂いております。一週間後に予定されている母の乳がん手術について、ご意見をお聞かせ下さい。年齢61歳、左乳房乳頭付近に3cmの腫瘍あり、Her2陰性でホルモン受容体が高く、診断から手術までの約一ヶ月間、ホルモン剤を服用しています。手術前検査を一通り終え、画像上、転移は見られないので、部分切除が可能とのこと。ただ、乳頭付近であることが理由かどうかはわかりませんが、再手術の可能性もあるとのことです。また、術中にリンパへの転移が見られた場合は、再手術になるとのこと。担当の先生は、「部分切除、全摘どちらも可能だが、部分切除でいけるので、そうしましょうか。」ということで、部分切除でいくということになったそうです。母自身は、温存にはこだわっていないのですが、温存の際に術後必要となる放射線治療に毎日通う(片道1時間強)ことは、少々負担になると思います。部分切除でも全摘でも、再発の可能性等には変わりがないものなのでしょうか。それなら少しでも身体の負担のない部分切除で、というのは、標準の判断でしょうか。素人の質問で申し訳ありませんが、ご意見をお聞かせ頂ければ幸いです。

乳房部分切除と乳房切除(全摘)では、遠隔転移再発のリスクは同等で、生存率に差はありませんが、乳房切除と比べ、乳房部分切除では乳房を残すことにより、整容性に優れていますが、乳房局所の再発率が高くなり、そのリスクを軽減するために放射線治療が必要になります。乳頭に近い腫瘍の場合には、乳頭側断端に腫瘍が残ってしまった場合には再切除が必要になったり、経過中に乳房に再発をきたした場合には、再手術が必要になります。残すことが可能であれば、乳房温存手術を選択するのが一般的と考えますが、メリット、デメリットを考慮して、どちらも選択しうると考えます。(文責 浜口)

 

No.11029】  13年05月24日   Z 
乳ガンや胸の病気ではないかと不安です

初めて相談させて頂きます。昨日の朝起きるときに、左胸の筋がつるような痛みがありました。少し動かしたり、息を吸い込むときにも痛みがあります。少し前にも、同じく朝起きるときに左胸の筋がつるような痛みがあり、一日で治ったのですが。もしかしたら乳ガンや胸の病気ではないかと不安です。現在28歳です。一度も乳ガン検診は受けたことがないので、受けようとは思っているのですが・・・。触った感じ、シコリなどの異変はありません。回答、よろしくお願い致します。

乳房の痛みがあっても、すぐに乳がんが疑われるわけではありませんが、心配であれば一度乳腺科を受診することをお勧め致します。(文責 浜口)

 

No.11028-1】  13年05月20日   T 
今後の治療について

妻が乳がんの温存手術を、3月後半に受けました。年齢51、ステージI、グレードIII、トリプルネガティブ(ベーサル)、KI67 70%、腫瘍の大きさ0.7cm、リンパ節転移なしと診断されました。病院から渡された摘出組織の検査結果に記されていた内容は以下のとおりです。

「材料は部分切除された左乳腺組織及びリンパ節です。写真のように全割し8個の標本を作製しました。No 1-6では中等度から高度の核異形示す細胞が充実性あるいはcomedopatternを呈して増生しており、No4,5では小型から中等大の不整形策状構造を呈して浸潤増生しており、脂肪浸潤もともなっています。EIC伴うinvasive ductalcarcinomaで、組織学的異形度は構造異形3点、核異形3点、核分裂像2点(7-8個/10HPF)でグレード3になります。No1は乳頭側断端最近傍面で標本の端に乳管内病変が存在しており、乳頭側断端陽性が疑われます。リンパ節はSLN(0/1).LN-1(0/4)とetastasisは認めません。」

手術から2ヶ月が経った現在、以下の治療をしています。
・点滴による抗がん剤治療(現在はタキソールとエンドキサン、約半年間継続予定)
・服用による抗癌剤治療(現在はユーエフティ E T120を服用。3年間継続予定。)
・放射線治療(1回2Gy、30回、合計60Gy。うち、ブースト照射のための追加分5回を含む。)

断端陽性の疑いがあるということで、再発が心配です。再切除にすべきか、それとも今の治療を続けるべきか迷っています。今の治療で完治するでしょうか。仮に再手術するとしたら、放射線治療が終わった直後あたりが良いのでしょうか。

ごく一部の乳管内病変による断端陽性は、放射線のブースト照射の追加でよいとされています。放射線の手術への影響を考えると、追加切除手術をするとすれば、放射線治療前にすべきです。(文責 徳田)

 

No.11028-2】  13年05月24日   T 
今後の治療について(2)

いつもお世話になっております。早速ご回答いただきましたこと、大変感謝しております。追加でご質問させていただければと思います。すでに抗がん剤や放射線治療が始まっています。このような治療が始まる前に、病院側からの事前の説明はありませんでした。再発の可能性を低下させるために、治療後に追加切除するということは、ありうることでしょうか。そのようなことが考えられるとしたら、できるだけ早い時期として、どのようなタイミングが考えられるでしょうか。例えば、放射線治療が終わる1ヵ月後でしょうか、それとも抗がん剤点滴が終わる半年後でしょうか。また、このように抗がん剤や放射線治療のあとで追加切除することについて、考えられるメリットやデメリットなどありましたら、お教えいただけないでしょうか。いろいろご質問してしまい申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

放射線治療は乳房温存術後に局所再発のリスクを減らすために行う治療です。今後局所再発が確認されれば追加切除を行う可能性はありますが、再発の可能性を低下させるために、放射線治療後に追加切除をすることは通常ありません。(文責 浜口)

 

No.11028-3】  13年06月11日   T 
抗がん剤の副作用と治療の継続について

いつもお世話になっております。以前ご相談させていただいたHPNo.11028の者です。その節は、大変ありがとうございました。現在、左胸の乳がんの術後療法として、抗がん剤治療
を受けております。抗がん剤の種類は、点滴と服用、それぞれ以下のとおりです。

1. 点滴:タキソールとエンドキサン
タキソールとエンドキサンを月に一度、タキソールのみを月に二度。これを1クールとして半年間予定。現在、2クール目です。
2. 服用:ユーエフティー E配合顆粒 T120
朝と晩1回ずつ、3年間服用予定。服用開始から1ヶ月半が経ちました。

副作用と思われる症状ですが、関節痛や顔の赤らみなどの症状以外に以下の2つが気になっています。

1. 胸の間に締め付けるような痛みを感じるようになりました。痛む場所が心臓だったので、病院で心電図を取ってもらいましたが、問題ないと言われました。
2. 抗がん剤投与後にした、家でできる大腸がん検診で、血便が見つかりました。乳がんの病院と相談した結果、大腸がんの精密検査を受けることになりました。精密検査の結果
が出るまでに半月ほど時間がかかります。

このような状況ですが、これから先、抗がん剤投与を続けるべきか悩んでおります。以下2点、質問させていただきます。

1) 上記の心臓の痛みや大腸の出血は、抗がん剤の副作用と言えるでしょうか。副作用だったとすると、点滴と服用のどちらが原因だとわかるものでしょうか。
2) 抗がん剤治療を中断することについてご意見いただけますでしょうか。まず点滴についてですが、予定されている6クールではなく、3クールで終了した場合、抗がん剤の効
果というのは、無くなってしまうものでしょうか。服用している抗がん剤について、続けるべき最低限の期間というのは、ございますでしょうか。

以上、抗がん剤の副作用と治療の継続についてご相談させていただけないでしょうか。どうかよろしくお願い致します。

1) 心臓の痛みや大腸の出血は、使用薬剤からみても、副作用である可能性はかなり少ないと言えます。
2) 3クールで終了しても、抗がん剤の効果がゼロになることはありません。内服の抗がん剤は3〜5年間続けることが効果の点から推奨されているようですが、実際には1年、
2年で中止された方も少なくありません。(文責 石川)

 

No.11027】  13年05月20日   H 
叔母の乳癌再発について

叔母の事で相談があり、メールさせて頂きました。ちょうど10年前に乳癌を発症、左胸全摘出しました。4月の終わり頃に首から肩にかけてシコリを発見、病院に行けと言っても聞かず、働いていたら左腕が腫れ、ぶつけたのかと勘違いして仕事続けるが治らず、ゴールデンウィークに入るので掛かり付けの病院で検査してもらったら緊急入院と告げられ、そのまま入院。ゴールデンウィーク明けに検査したら、「肝臓に影があり、首のシコリを取ってがんセンターに送ります。」と言われて、今日で8日になります。緊急入院と言われたのに、さほどの治療もしていません。入院当初は点滴をしていたのですが、今は腫れもひき、本人も元気なのですが、そんなものなのでしょうか。担当医は、乳癌の再発だと思うが、結果がでないと何とも言えないと言っています。病院を変えたほうがいいのでしょうか? お忙しい中、宜しくお願いいたします。

叔母様の状況から、乳癌の再発だとすると、左の鎖骨上リンパ節などのリンパ節に転移があり、左上肢のリンパ浮腫をおこしているのではないかと思われます。また、肝臓にも転移がありそうですが、入院する必要があるかどうかは、これだけではわかりません。病院を変えるかどうかは、乳腺専門医がいるかどうかで判断されてはいかがでしょうか。(文責 徳田)

 

No.11026-1】  13年05月18日   アリス
放射線治療とリンパ浮腫について

いつも拝見させていただいております。私は6年前に左乳ガン(小葉癌)乳房切除+腋窩リンパ節郭清を致しました。術後放射線治療もし、術後1年半にリンパ浮腫になりました。この度、肝臓転移と左腋窩リンパ節再発の為、リンパ節に放射線治療をすることになりました。2グレイ×30回で、現在5回目を終えたところですが、腕のだるさに加え、痛みが強く、むくみが更に増した気が致します。腕だけでなく、肩、背中などにも痛みを覚え、このまま続けても大丈夫なのか、リンパ浮腫が更に悪化するのではないかが心配です。放射線治療の副作用として、倦怠感や肌の日焼けのような感じになる説明は受けましたが、私のようなリンパ浮腫の者が放射線治療をしたときは、どのような影響があるのでしょうか? 一週間に一度の放射線医の診察にお聞きするつもりですが、こちらの先生のご意見もお聞きしたく、宜しくお願いいたします。

腋窩のリンパ節への放射線照射により、リンパ浮腫は悪化する可能性があります。照射するかどうかは、メリットとデメリットのバランスです。予後については、肝転移が大きな影響を及ぼしますので、全身療法が重要です。しかし、腋窩に大きな転移リンパ節があり、手術以外の方法で症状をコントロールする必要がある場合はやむを得ないと思います。(文責 徳田)

 

No.11026-2】  13年06月23日   アリス
今後の治療について

先日はありがとうございました。MRIの結果、「左鎖骨下〜左腋窩リンパ節は範囲が大きく動脈を巻き込み、静脈も同部で閉塞している可能性あり」という結果が出ました。腫瘍摘出手術はリスクが大きく、無理とのこと、放射線治療を行っているようです。肝臓の転移は、1.5pの物が一個で、最近、針生検の結果、反対側の乳癌とリンパ節にも悪性の腫瘍が見つかり、こちらも手術はしないようです。
ちなみに 左)小葉癌(ER3+ PGR2+  ハーツー 陰性 )   右)小葉癌(ER3+  PGR-  ハーツー陰性 )です。
放射線治療も後2回で終わりですが、一ヶ月後に、CTあるいはPET検査をする予定ですが、先生は抗ガン剤治療に切り替えた方が良いとおっしゃいます。ホルモンの薬も、ノルバデックス→フェマーラ→フェアストン→アロマシンと変えておりますが、腫瘍マーカーが、CEA66.6 CA15-3 416.9 (6月現在)です。以前、術前に行った抗癌剤で、全く腫瘍(5.5×4.5)が小さくならなかった事や、副作用の辛さから、抗ガン剤治療に対し、どうしても踏み切れない気持ちです。先生は、吐き気のない物や髪の毛が抜けないような物もあるとおっしゃいますが、効き目が弱く、結局強い副作用の物をする事になるのでは?と思ってしまいます。

1) ホルモン療法に効く癌だと聞いておりますが、他の薬では無理でしょうか? 他に何か治療法はないでしょうか?
2) 抗ガン剤を使うとしたら、髪の毛が抜けないものでは、どのような薬を使いますか? 又、吐き気をおさえたものでは、どのようなものがあるのでしょうか? 6年前は、息子の小学校の卒業、中学入学式に髪の毛がありませんでした。今回は高校の卒業式に髪の毛が無いと考えると悲しくなります。とはいえ、毎月の採血の結果を見ながら、一ヶ月後の画像検査で結果を出そうと思っております。どうぞ宜しくお願いいたします。

1) 今後の治療法としては、ホルモン療法の継続または化学療法への切り替えになります。ホルモン療法は、ほかにアリミデックスやフェソロデックス、ヒスロンが選択肢になります。
2) 抗ガン剤のなかでは、脱毛の頻度が少ないものとしては点滴でジェムザールがあり、経口薬ではゼローダやTS-1があります。嘔気が少ない薬としては上記のものに加え、タキソールやハフラヴェンがありますが、脱毛の頻度は、それぞれ100%、50%程度になります。(文責 大西)

 

No.11025】  13年05月18日   S 
ホルモン療法

初めて相談します。今年4月に左胸全摘手術を受けて、今月8日からホルモン療法でタモキシフェン20mg朝食後1錠飲み始めました。顔や首にブツっと吹き出物がでていますが、薬と関係ありますか?

タモキシフェンの副作用の可能性は、否定できません。主治医に相談のうえ、皮膚科を受診してはいかがでしょうか。(文責 徳田)

 

No.11024】  13年05月18日   C 
悪い可能性が高いでしょうか?

4月の終わり頃、左乳房に痛みを感じ、どこが痛いのかと触ってみたところ、しこりのような物を見つけました。早速毎年検診を受けている病院へ行き、マンモとエコーをしてもらいました。結果、「嚢胞だろうけど、まだ若いし?、この際、針をさして中身を検査してみてもいいかもしれませんね。」と言われ、次に穿刺細胞診もしくは針生検とMRI検査をすることになりました。後日まずMRIを受け、その後穿刺細胞診、針生検と両方されました。最初の検査では、あくまでも念のためだからと言われていたのですが、細胞診も針生検もされたというのは、やはり悪いものがあったからなのでしょうか? 細胞診で採れたものが血液のような色であったことや、針生検をしている時に、先生が壁があるから?とかなんとか言いながら、何度か刺されていたことも気になりますし、ネットなどで見ると、MRIは癌の転移などを調べるためのように書いてあった気がします。検査結果まで不安で不安で、ここまで調べるというのは悪い可能性が高いでしょうか? よろしくお願いします。

乳房のMRIは乳腺疾患を詳しく調べるもので、転移を調べるものではありません。単純な嚢胞ではないということなのだと思いますが、文面からだけではなんともいえません。御心配でしょうが、結果を待ってくださいね。 (文責 俵矢)

 

No.11023】  13年05月18日   H
局所再発の治療について(HPNo.10998-2)

No.10998で相談させて頂き、ありがとうございました。追加で、治療についてアドバイスお願いします。、通常、局所再発の場合は切除してから薬物療法なのかな…と思っていたのですが、主治医は、「薬物治療してから、放射線か手術」と、おっしゃっています。「再発箇所の脇の下や腕が痺れ、明らかに触診でしこりに触れるので、精神衛生上も良くないので、手術先行でお願いします。」と、言ってみたのですが、「しこりの勢いがあるときに手術をすると、性格が変わって暴れだし、とたんに全身転移する場合がある。」と言われてしまい、抗がん剤で弱まってから手術がベストと、聞き入れてもらえませんでした。抗がん剤が効いてくれるならいいのですが、効くか効かないかしているうちに全身に転移してしまわないのでしょうか? 

切除を行うか否か、切除をする場合でも薬物療法を先行させるかどうかは、ケースバイケースで、決まった手順があるわけではありません。薬物療法で、いま腫れているリンパ節腫大が小さくなってくれば、臓器転移も一緒にコントロールされている可能性が高いと思います。大きくなったならば、その薬物療法の効果があまり期待できないと考えます。手術で切除した場合にそのことが分からないということもありますので、薬物療法を先行させようと主治医は考えているのではないかと思います。切除すること、しないこと、いずれもメリットデメリットがあり、前にも述べましたが、症例ごとに考えていくことになります。ですので、今一度主治医とよくお話になってください。場合によっては、セカンドオピニオンという形で、他の先生の意見を伺うのもよいのではないでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.11022】  13年05月16日   R
MRI検査(2) (HPNo.10841-2)

以前質問させて頂いた者です。その節はありがとうございました。前回、その後のエコー検査では映らずに様子見となっておりましたが、今回半年経ったので、MRI検査を致しました。結果としましては、半年前の検査と変わらずに同じように映り、検査技師の方のコメントでは、わりと速く染まったので、疑いが強いのではないかとのことでした。主治医の先生からは、前回同様エコー検査をして映れば組織をとるとのことで、映らなければまた半年後に検査するとのことでした。先生は、「前回エコーにも映らなかったし、大丈夫ではないか」と言われましたが、局所再発してるのではないかと、とても不安です。局所再発でない場合でも、こんなふうな結果になるんでしょうか? 仮にそうでないとするならば、何が映っているのでしょうか? またそうでない場合、半年ごとの検査で充分なのでしょうか? 同じような質問ばかりで申し訳ありません。よろしくお願いします。

放射線の影響や断端の傷の修復過程の変化などさまざまな良性の病態が考えられますが、悪性の病変でなければ経過観察でよいわけです。6ヶ月間の経過で変化がなかったことは、良い結果と思われます。超音波上でなんらかの病変がとらえられれば、組織診を行なうという主治医の方針に賛成です。(文責 徳田)

 

No.11021】  13年05月16日   M.K.
乳輪にしこり

2日前に乳輪にしこりがあることに気づきました。お風呂に入ろうと服を脱いだら、右の乳房乳首の外下側が赤く、なんだろうと思い触ったら、こりこりするものが…。触ると、多少痛みもあります。私は昨年左乳房を温存手術し、先月、半年検診も無事終ったばかりです。気づいた2日前は性交渉もしており、それが原因なのか、でもしこりが出来ているので不安です。次の検診まで先が長いので、相談させてもらいました。宜しくお願いします。

おそらく良性の変化と考えますが、左の既往もあり、対側のリスクも高いので、すぐに専門医を受診すべきと思います。(文責 徳田)

 

No.11020】  13年05月16日   M 
母の乳癌

初めて投稿します。最近母が仕事をやめてから新しい職につかず、ずっと家にいます。「いつから仕事するの? そんなんでいーの?」とか言うと、そのたびに不機嫌になって、「もー死ぬけん、仕事せんとよ。」などと言うのです。私は高校生で、姉は大学生で、今はお金がいるのに変だなと思って、仲の良い叔母に何か聞いているか尋ねたのですが、知らないと言われて数日後、母の携帯のメールボックスを見てみると、叔母とのメールのやりとりを発見しました。そこで初めて、母が乳ガンの検診にひっかかったことを知りました。結果が軽度なら言うと思うのですが…。検診にひっかかったら、もう死に直結するんですか? 結果に間違いがあることはあるんですか? よろしくお願いします。

検診の結果ですから、悪性の可能性が否定できないので、詳しく調べましょうという段階です。したがって、まだ確定診断はついていないと思います。手遅れというわけではないのですから、すぐに専門医を受診して、がんを否定するようにすすめてください。(文責 徳田)

 

No.11019】  13年05月13日   S.W
今後の治療について

いつも拝見させていただいております。2009年8月に左乳房切除術後、EC→Tそれぞれ4回を終えたろころで肋骨に転移が発見されました。今までの治療は、2010年3月よりフェマーラ、ゾメタをしております。新たな転移もなく、安定した状態でおりましたが、ここ数日肋骨に転移が発見された時と同じような背中の鈍い痛みを感じるようになりました。近日中に主治医の診察を受けますが、まだ新たな骨転移出現や病巣の進行と決まった訳ではありませんが、現在の治療が効果が期待できなくなった時、次はどのような治療になるのでしょうか? 素人の考えで恐縮ですが、ホルモン剤をフェソロデックス、ゾメタをランマーク皮下注射などに変更になるのでしょうか? 今まで順調に治療を続けてまいりましたので、病状が進行した時の事を考えますと心配でたまらない気持でおります。ただ、病気には絶対に負けたくありません。頑張って治療を続ける覚悟でおります。お忙しいところ申し訳ありませんが、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

どのサブタイプの乳がんで、現在の背中の痛みが骨転移などと関係するか否かで治療法は異なってきます。閉経後でホルモン感受性の乳がんと文面から受け取れますが、ホルモン感受性が強いのか弱いのか、骨転移のほかに転移があるかによっても対応が異なってきます。いずれにせよ、「@フェマーラを他のホルモン療法薬に変更するか、もしくは化学療法を行うかいずれか。A痛みの原因が骨転移ならば、痛みを軽減する治療を追加する。ランマークも選択の一つですし、放射線療法などを考慮する。」などです。@とAを並行して治療をすすめていくことになるでしょう。主治医の診察、検査の結果を待って、どのように治療なさるかを相談してください。(文責 俵矢)

 

No.11018】  13年05月06日   E
骨粗鬆症の治療薬の影響について

お世話になります。骨粗鬆症薬の乳がんへの影響について、よろしくお願い致します。青天の霹靂で、この度、乳がんの部分切除+腋窩リンパ節郭清の手術を受けました。「ER+90%、PGR−、NG3、Ki67+10%、E-cadherin+、HER2 3+、リンパ節転移1/14」 という結果でした。来週よりハーセプチン等の治療を予定しています。数年前より整形外科にて骨粗鬆症の治療を受けていますが(60代です)、今回、フェマーラの服用もあるため、外科の先生から骨粗鬆症の治療薬は続けて飲むように言われています。整形外科で処方の薬は、SERMという(薬品名ビビアント錠)閉経後エストロゲン補充療法の薬です。SERMは、骨に対してはエストロゲンと同じ作用を有するものの、子宮や乳房に対してはアンタゴニストとして作用することで、乳がんの発生を有意に低下させる等エストロゲン製剤のデメリットをカバーできるということで、整形外科の先生は問題なしといわれます。色々副作用等の関係から薬を変え現在に至っているのですが(約2年)、ER陽性の私の場合、本当に問題はないでしょうか? 薬品情報(ホームページ)でも乳がん患者に対する注意は出ていないのですが、薬の選択肢が狭まり、乳がん治療の不安もあり、本当に悩ましい毎日です。この薬品についてのご見解や問題点等ありましたら教えていただければと、祈る思いで投稿させていただきました。よろしくお願い致します。

ご自分の病気やその治療法など詳細にお調べになり、医師の言葉を元にご自身でもよく検討されている姿勢に敬服申し上げます。ビビアントは数年前に発売になったまだ比較的新しい薬で、以前からよく用いられてきた薬としては、エビスタがほぼ同じ作用の薬と言えます。貴女の仰るとおり、これらは選択的エストロゲン受容体調整薬(SERM)の一種で、エストロゲンそのものを投与する場合と違い、骨に対してはエストロゲン作用として骨粗鬆症を食い止める作用がありますが、乳房に対してはエストロゲンに抗う作用があるため、乳がん予防薬としても使用されることがあります。よってER陽性の貴女の場合、ビビアントはどちらかといえば乳がんの再発を予防する可能性があるとも言えます。今後フェマーラを使用するとなると、それにより骨粗鬆症はさらに進行する可能性がありますので、ビビアントを継続しつつ、適度な運動と適度のカルシウム摂取により骨粗鬆症の進行を予防しておく必要があります。ビビアントの副作用としては、火照り、乳房痛などが主なものですが、頻度の低いものの中では、血管の中で血液が固まり血管が詰まってしまう血栓症の発生の可能性がやや高くなることも報告されており、特に夏場などはこまめな水分補給と同じ姿勢を長く取らないなどの注意が必要です。今後の治療頑張ってください。(文責 谷)

 

No.11017】  13年05月05日   M 
術後、抗がん剤治療について

抗がん治療をするべきか迷っております。46歳、閉経前です。12日に、左皮下乳房亜全摘「乳頭温存」手術を終えました。病理の結果、硬癌で、ルミナールBタイプ 3.2×2.6 センチネルリンパ節転移ナシ ki67.33% 悪性度U ER PgR 陽性70% HER2タンパク 無印 ly+v−断端陰性 です。今後の治療は、抗がん剤3か月 放射線治療 ホルモン治療になりそうですが、主治医は、「ホルモン治療は効くが、やや弱め 抗がん剤も効くが、かなり弱めです。抗がん剤はやっておいて悪くないないという考えもありますが、やはり微妙です。」と、はっきり言われました。放射線治療とホルモン治療は絶対条件ですが、抗がん剤治療をすれば5%再発のリスクが抑えられ、12%位だそうです。オンコタイプの必要性も視野に入れましたが、やはり高く・・・。私は強い副作用の事もあり、やる必要がないならと思っていましたが、やはりki67が高いのと、lyが+ということを踏まえると、やっとくべきでしょうか? UFT薬剤とは、どんな効果やリスクがありますか? 私のタイプだと、どうなんでしょうか? ご回答、よろしくお願いします。

ホルモン感受性陽性、HER2陰性に加え、Ki67が33%と高値を示し、いわゆるHER2陰性のルミナールBタイプになります。よって、術後補助療法としては、ホルモン治療は強く推奨、抗がん剤治療はよく検討の上その是非を決定することになります。抗癌剤治療は通常は点滴をお奨めしますが、その内容はアンスラサイクリン系を含む薬剤(EC療法、FEC療法、AC療法など)、またはタキサン系薬剤(パクリタキセル、ドセタキセルなど)が標準療法ということになります。これらにより貴女の再発リスクをいくらか下げてくれる期待が持てますが、その反面、脱毛、白血球減少、嘔気、しびれなどの副作用が生じる可能性があります。UFTは経口(飲み薬の)抗がん剤であり、上記の抗がん剤ほどの再発リスク減少は期待できませんが、これを1〜2年服用することにより、抗がん剤を使用しない場合に比べれば、いくらか再発リスク減少が期待できます。UFTの副作用としては嘔気・下痢などの消化器症状、白血球減少や肝機能障害などの血液毒性、皮膚の色素沈着等がありますが、比較的軽微なことも少なくありません。これらを踏まえ、再度主治医の先生とよくご相談なさってください。(文責 谷)

 

No.11016】  13年05月05日   Y.I
術後の痛みについて

8年半前に乳がんの手術をしております。リンパ転移無しのステージ2A。今年の2月4日にPet-ctを受けて、異常なしでした。ここのところ、腕の付け根・首付近の肩 前側・ 三角筋付近・腕の部分に痛みがありますが、場所がかわります。痛みはずっとあるわけでなく、痛かったり、痛くなかったりします。また、肩付近の痛みには、熱感も伴います。この様に痛い場所が特定されない場合や、痛みの持続がない場合、熱感がある場合、他の原因と考えていいのでしょうか? よろしくお願いします。是非、ご回答下さい。

8年半前に乳がんの手術を受け、今年の2月のPET検査でも異常なしであったとの由、順調な経過が何より嬉しく感じます。今回腕から肩にかけての痛み・違和感をお感じになっておられるとのことですが、乳がんの再発としては決して典型的な症状とは思えません。しかし、それらの症状が続くようであれば、心配を払拭する意味でもまず整形外科を受診することをお奨めしたいと思います。(文責 谷)

 

No.11015-1】  13年04月30日   Y.E.
抗がん剤

3月末に乳がんの手術をしました。左乳頭にある2センチの腫瘍を部分切除した後、センチネルリンパ節を郭清し、微少転移していました。その後、腋窩リンパを郭清したものの、転移はなし。KI=20%〜30% ホルモン療法がよく効く癌でした。「ステージ2a か ステージ2b か」、Drが少し考えられて、「ステージ2b とみよう。」と、言われました。KIの数値が15%以上あるので、抗がん剤(EC療法)4クールを勧められました。ホルモン療法がよく効く私の癌は、抗がん剤治療が効果あるのでしょうか?

ご相談どうもありがとうございます。お話の内容からは、Luminal Bタイプの乳がんと判断され、先生のおっしゃるとおり、術後の治療としては抗がん剤治療とホルモン治療、さらに放射線治療であると考えます。Luminal Aタイプ、つまりKi-67が低値であれば抗がん剤治療の効果は低いと判断されますが、Ki-67が高値であれば抗がん剤治療の上乗せ効果を期待し、行います。ただし、Ki-67の最適な低値、高値の境目がいまだはっきりしておらず、20-30%というのは、ちょうど境界線からやや上、というような値です。副作用のことも良く主治医の先生とご相談いただき、最終判断をしてくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11015-2】  13年07月01日   Y.E.
抗がん剤が中止となった時・・・

前回は有難うございました。4月より、抗がん剤EC療法(4クール)の投与を開始しておりましたが、副作用がきつく、4回目の投与が中止となりました。1回目も2回目も副作用はきつかったのですが・・・、3回目の投与で体力がぐっと落ちました。3回目の投与前に、白血球が2400まで減少しておりましたが、医師の判断で抗がん剤を投与し、翌日に白血球を増やす注射をしました。このあとの副作用がすごかった・・・。舌はヨーグルトを塗ったような粘液がついて真っ白。倦怠感と寒気(低体温34.7℃)が続き、味覚障害による吐き気で、体重が2.5キロ減少しました。医師は、4回目は中止しようと言われます。「体が痛んでは本末転倒。今まで3回投与してるから・・・」と、少し考えて、「ホルモン療法にしよう。」と言われました。しかし、私は、KT67が20%〜30%で、境界線より、やや上です。抗がん剤の最後の1回を中止しても大丈夫でしょうか。不安です。あと、センチネルリンパ節に微少転移していたのですが、センチネルリンパ節もリンパにはかわりないので、腋窩リンパ節の転移はなくても、全身に癌がひろがっているのでしょうか? 怖いです・・・。

センチネルリンパ節に微小転移があるということは、腋窩リンパ節に微小転移があるということです。ここで重要なのは、微小転移は、わずかな癌細胞がリンパ節に転移している(2mm以下)状態で、リンパ節(脇の下のすべてのリンパ節ではありません、1個のリンパ節ですよ)全てが癌細胞に置き換わっているような転移(マクロ転移)とは区別して考えて構わない状態です。言い替えれば、転移がない状態と全く同じではないけれども、あまり変わりがない状態です。ですから、体中に広がっている状態では全くないわけです。もともと、ホルモン治療だけでも十分な再発抑制効果があるタイプですが、微小転移があるので念のために化学療法も行っておきましょうと言う説明だったと推察されます。それが、途中で終了になったとしても、あまりショックを受ける必要はありません。(文責 緒方)

 

No.11014】  13年04月30日  K 
授乳中のしこり

23歳です。先週、第二子の出産を終えて、完全母乳で育てているニ児の母です。上の子も母乳で育て、一歳半で断乳しました(現在2歳)。昨日、搾乳中に右胸の乳頭のすぐ横(外側)にしこりがあるのをみつけ、「乳癌ではないか...」と、不安で不安で、投稿させていただきました。授乳中ですが、胸はカチカチにはることもなく、比較的柔らかい状態で、母乳育児自体は順調に進んでいると思い、乳腺炎とは考えにくい(自己判断ですが...)ので、余計に不安で仕方がありません。しこり自体は小さく(1cm前後)、球状でクルクルした感じです。硬さはよくわかりません。表面を軽く触っただけでは分からない時もあるのですが、胸を少し強めに指で押してみると、必ず触知できます。押しても痛みはありません。授乳後の胸がふにゃふにゃした状態でも、しこりがなくなることはありません。病院で検査してもらえばよいというのは承知しているのですが、ゴールデンウイークということもあり、すぐに検査してもらうことができないので、少しでも情報を頂けたらと、すがるような思いで投稿させていただきました。やはり、乳癌の可能性もあるのでしょうか?

ご相談、どうもありがとうございます。授乳中は乳管がつまってしまうことも良くあることなので、しこりがあるからといってすぐに乳がんを疑う必要はないでしょうが、ゼロではありません。いつまでもしこりが消えない時には、連休明けに一度乳腺外来を受診して、不安を解決してきてくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11013】  13年04月30日  U 
ホルモン療法中です

私は、現在ホルモン療法中です。ゾラデックスとノルバデックスです。昨夜から歯痛で、歯科から抗生剤メイアクトとロキソニンを処方されていますが、服薬しても大丈夫でしょうか? 歯科医にはホルモン療法中だとは伝えています。不安になり、投稿させていただきました。回答、宜しくお願いいたします。

ご相談、どうもありがとうございます。緊急のご相談ですね。ホルモン治療中の痛み止めは特に問題有りません。大丈夫です。徐々に不安は解決されていきますからね。また何かご相談がございましたらおっしゃってくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11012-1】  13年04月24日  T 
HER2陽性の治療について

私自身、乳がん患者、いつも参考にさせていただき有難うございます。今回は、身体に少々ハンディを持つ妹の治療につき、取り急ぎご相談させて下さい。本人62歳。本日右乳がん、部分切除+腋窩リンパ節郭清の病理診断の結果を聞きました。「連続切片#1〜6の内2〜5にはInvasive ductalcarcinoma,Scirrhous(>Papillotubular)carcinomaの乳腺〜周囲脂肪組織への浸潤性増生を認めます。各断端にcarcinoma cellは認めません。 残る#1,6にはcarcinoma cellはみられません。 (g, f), ly-1, v-1, 腫瘍径:16×7o。 核異型
(NA)score 3, 核分裂像(MC)score2 でNuclear Grade(NG)の合計は5点で NG3です。免疫染色の結果、ER(+)(>90%), PR(-), MIB-1(+)(約10%), P53(+)(約2%), E-cadherin(+), HER-2
score 3+, リンパ節:Ax(+)[1/14] 」  という書面をいただきました。ハンディの関係から、術後の放射線治療は通院が厳しい旨予め相談していましたが、PET、MRI等で確認の結果、限局した場所なので、きれいに切除できれば年齢的に局所の放射線を必ずしなくても、リンパ節転移があるので、後の全身治療をしっかりすればよいとのことで、手術時の先生の判断にお任せしました。 結果は断端陰性で 、ほっとして、HER2陽性ではあるものの、ホルモンのよく効くタイプなので、フェマーラ5年、ハーセプチンを3週毎に1年しましょうという説明で、本日はフェマーラをいただきました。抗がん剤は体力的に無理だろうと思っていましたので、ほっとして納得したのですが、NG3というのは、悪性度が高いのでしょうか? 帰宅後、学会の「乳がん診療ガイドライン」を見ると、2009年版ですが、ハーセプチンは抗がん剤と併用が前提と書いてありました。効果がなければ副作用のデメリットが厳しいかなと不安になり、次回に再度確認するつもりですが、HER2自体も結構悪性度は強そうなので、厳しくとも万全を期した方がよいのか、その結果、うまくいかなかった時には〜と思うと決断ができかねます。他にも色々治療を受けていますので、ホルモン治療のみという選択肢はリスクが高すぎるでしょうか? ご教示いただければ大変有難く、よろしくお願い致します。

ご相談どうもありがとうございます。ホッとしながらも、不安になってしまうお気持ち良くわかります。おそらくハンディがなければ、NG3つまり核グレード3であること、ハーツー陽性であることから、おっしゃるように抗がん剤とハーセプチンを行うのではないかと考えます。でも、危険性が高ければ再発予防のための治療で命を落としてしまうかもしれません。総合的な判断を主治医の先生はなさっているのだと思います。ご不安なお気持ちを再度主治医の先生にもご確認くださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11012-2】  13年07月29日  T 
HER2陽性の治療について(2)

前回はお世話になり、有難うございました。検討の結果、フェマーラとハーセプチンの治療を始めることにしました。フェマーラは4月開始、ハーセプチンは5月開始で2回実施しましたが、6月下旬よりどちらも休薬中となっています。再開は、自己責任によるものと自覚していますが、再度ご教示いただきたく、よろしくお願い致します。両薬の副作用の可能性について、教えて頂ければ有難く思います。5月下旬より鼻出血があり、耳鼻科受診の結果、良悪性を確定すべき腫瘍摘出が必要とのことで、入院手術を受けました。外科主治医と相談し、ハーセプチン2回目の11日後に手術、結果は良性で、副鼻腔炎等の治療となりました。3回目点滴までに回復予定をしていましたが、止血状態が悪く、鼻の構造にもよるらしく、回復が遅れ、入院が3週間もかかり、ようやく回復の目途がつきつつある所です。フェマーラは手術後すぐに再開したのですが、術後2週間後子宮出血があり、婦人科受診、フェマーラを休止後、出血は止まりました。ハーセプチンの薬品情報の副作用の欄に、鼻出血、副鼻腔炎というのがあり、不安に思っています。又、ホルモン治療各種の薬の副作用にも子宮出血というのがあり、当初予定の治療再開に不安を感じています。治療のメリット、デメリットを比較の上、自分で判断するしかないと思うのですが、主治医には、取りあえず鼻の治療の目途がつくまで休薬にしてもらっています。鼻の治療は少々辛いものでしたので、こちらの再発も心配です。病理検査の結果は、悪性度が高く、重く受け止めていますが、、NG3、HER2-3+のわりには、断端陰性、リンパ節転移1個 MIB1-10%というのは、どうなのでしょうか? 休薬の状態は影響を受けますでしょうか? 主治医受診までに、両薬の副作用について、情報があれば教えて頂きたく、よろしくお願い致します。

ハーセプチンが原因で鼻出血というのは、極めて稀な副作用と考えます。ましてや、鼻に出血の原因があったのですから、ハーセプチンとは無関係と考え、継続する事が良いのではないかと思います。子宮出血については、婦人科を受診されて出血の原因となる疾患がなかったのですから、フェマーラの副作用と考え、薬を換える等を考えた方が良いと思います。断端陰性、リンパ節転移1個はともかく、NA3,MC2でMIB1 10%は矛盾した結果に思えます。そもそも、ハーセプチン+フェマーラという治療は、再発治療でのエビデンスはありますが、術後補助療法としてのエビデンスはありませんから、休薬の影響等全く分かりません。(文責 清水)

 

No.11011】  13年04月24日   N  
Cat5乳頭腺管がんの疑い

はじめて投稿します。46才です。3月中旬の乳癌検診マンモグラフィーで異常なしでしたが、乳腺が発達しているため、全体的に白く写ってしまうので、気になるなら念のためエコーしますか?ということで、一週間後エコーをしました。結果、腫瘍をみつけ、細胞診、MRIを終え、今結果待ちです。MRIは別の病院だったのですが、そこで初めてエコーの結果が、「Cat5乳頭腺管がんの疑い」と記入されていることがわかり、ショックをうけています。覚悟はしていますが、ほぼ乳癌に間違いない結果が出るのでしょうか。あと転移について、3つほど気がかりなことがあります。4年ほどまえから便通異常で、去年大腸ファイバーで検査しましたが、大腸には異常がありませんでした。もう1つは、昨年11月から今年1月ぐらいまで、ひどい耳鳴りで、耳鼻科を受診しましたが、わからずでした。その間、血圧が上がったりして、病院で血液検査をしましたが、異常なし。耳鳴りもいつのまにかなくなり、今は起きがけにたまに片方の耳だけザーザーと時々聞こえます。あと1つは、1年以上、肩から肩甲骨あたりのこりがひどく、胸もしんどくなるほどでした。骨のレントゲンをしたりしましたが、問題なく、こりでしょうと言うことで、結局長い間悩まされていましたが、リンパを流してもらうところへ通い、それは今はほぼ改善しています。この流れから、転移しているとすれば、脳、骨に可能性はありますか?
あと、体重が変わらないのに、いつのまにか、太もも、おしりが確実に一回りやせています。運動不足? 検査から約二週間で、眠れない夜が続き、2キロやせました。なにか関連はありますか? つたない文章で申し訳ありません。よろしくお願いします。

ご相談どうもありがとうございます。検査結果待ちの期間が一番不安ですよね。でも結果が出るまではじっとお待ちいただく方が良いのです。色々な症状を転移に結びつけてしまうことも良くあります。不確定な状態では何も考えない事が一番大切です。一つずつ結果を待ち、その結果により次の方向性を考えて行きましょう。もちろんご心配な時には、主治医の先生にも症状をお伝えいただき、きちんと検査をお願いしてくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11010】  13年04月24日  E M  
リンパ管侵襲が+

初めてご相談させて頂きます。先日病理の結果が出ました。ステージ1で、リンパ節に転移は無かったものの、リンパ管侵襲が+でした。この事は、やはり予後に大きな影響を来たすのでしょうか? 主治医は、「リンパ節が大丈夫だからそんなに気にする事ではない。」と仰っていますが、調べると良くない事がたくさん書いてあって不安です。宜しくお願いいたします。

ご相談どうもありがとうございます。調べれば調べるほど、不安になってしまいますよね。現在、乳がんの性格は、リンパ節転移個数、腫瘍の大きさ、核グレード、Ki-67を中心に判断しております。まずは主治医の先生のご判断を信じて、そして疑問に思うことは主治医の先生にも何度もご確認くださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11009】  13年04月24日   M
トリプルネガティブの術後治療について(HPNo.10990)

早々に親身にご回答ありがとうございました。前回の補足ですが、術前化学療法は治験でもなく、標準治療の説明で受けました。術後のハーセプチンも適応外では?と質問しましたが、そんなことはないとのことでした。術前化学療法が効果がなかったため、再発予防を希望し、現在の治療を受けていますが、ハーセプチンの選択もドセタキセルの量も疑問だったのです。術前、TCでしこりの縮小がみられたので、ドセタキセルは再発時に取っておきたいのですが、3か月毎70mgの使い方では、薬剤耐性ができたりすることはないでしょうか? 現時点では、TNBCの再発予防にはゼローダの内服が推奨されているのでしょうか? 手術の際、感受性テストをやっていただきました。結果は、「マイトマイシン 72% 5FU 66% アドリアマイシン 64.7% シスプラチン 41.1% ゲムシイタビン 49.5% エトボシド 59.1% シクロフォスファミド 48.4% パクリタキセル 13.2 58.5 64 82.3%」です。術後の化学療法を考える上で参考になるでしょうか? 術後3年間に再発がないと、その後の再発率がグーンと下がるのですよね? 必死です。宜しくご教示ください。

トリプルネガティブで、術前化学療法を終えた後に手術された方に術後推奨される治療法に明確なものはありませんが、現在、術前化学療法で完全に癌が消えなかった患者さんにゼローダを術後半年間服用するという臨床試験が進行中です。ゼローダが選択肢の1つになるかもしれません。
次に、手術後2〜3年を経て再発転移した場合、術前化学療法でアンスラサイクリン系、タキサン系の抗癌剤を共に使用済みであっても、そのいずれかが非常に効果的であったならば、同じ薬を再度使用することも考慮されます。それ以外の抗癌剤としては、TS1、ナベルビン、ゲムシタビン、ビリレルビン、シスプラチン等があります。どれを選択するかは、感受性テストも参考になるかと思います。
最近、血管内皮細胞増殖因子受容体阻害剤チボザニブにパクリタキセルを使用したものと、パクリタキセル単独の比較試験が開始されましたが、再発転移トリプルネガティブ乳癌治療の選択肢になるのではないかと期待されています。乳癌治療は年々進化していますので、心配は尽きないと思いますが、治療を含め、日常できること、やるべきことを、一日一日積み重ねていくことを願っています。主治医とも充分ご相談の上、納得のいく治療を受けてください。(文責 須田)

 

No.11008】  13年04月22日   T.M
子宮内膜増殖症

3年ぶりに相談させて頂きます。 39歳で乳がんを発症しました。1期で部分切除・リンパ節切除なしの手術後、grade3だったので、化学療法TCを施行しました。その後の治療は、放射線→リュープリン・ノルバデックスによるホルモン療法を行い、現在も治療継続中です。術後3年ですが、先日のMMG・CT等で再発は認められませんでした。ところが、先日婦人科で検診を受けた際に、「子宮内膜増殖症」であり、早急に子宮内膜そうは術を受けるようにすすめられました。以上のような経過ですが、質問させて下さい。

1) 乳がんホルモン治療中の子宮体がんの発症率は、実際何パーセントでしょうか?
2) 一度きれいに子宮内膜をそうはしても、このままノルバデックスの服用を続けると、また子宮内膜が増殖し、子宮体がんに移行してしまうのではないでしょうか? 休薬するべきでしょうか。
3) 今現在、再発率はどれくらいでしょうか?

お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

1) 2)  欧米人で約1%(10年)ですので、日本人で、しかも御年齢を考慮すると、実際はこれよりかなり低い数字になると思います。
3)  Adjuvant onlineでは13.5%(10年)という数字になります。(文責 加藤)

 

No.11007】  13年04月22日   F 
抗がん剤治療

妻が、今年3/15に乳癌の手術を初めて受けました。結果は、ステージUaで、腋下リンパ節に転移は無いが、センチネルリンパ節に2個の転移有り、ER84% her2(−)  ki-48% ガンの悪質度が3とのことで、先ずは抗がん剤治療をすすめられています。年は65歳になりましたが、頚椎症があり、満足な歩行が出来ないのに、抗がん剤の治療を受けても大丈夫でしょうか。色々調べてみましたが、副作用の心配も有り、不安な毎日です。どうか適切なアドバイス頂けたら幸いです。術前治療は受けていません。

術後の抗がん剤治療は必ず行わなければならないといったものではなく、行うにあたってはおっしゃるように普段の生活状況も十分考慮する必要があります。追加の全身療法として抗がん剤は行わず、ホルモン療法のみ(あるいは何も行わない)という選択肢もありますので、主治医との相談をお勧めします。(文責 加藤)

 

No.11006】  13年04月22日   F.M.
リンパ管症(HPNo.10252-2)

前回、HPNo.10252で相談いたしました。その後、昨年の九月頃から胸水が溜まるようになり、何回かぬきました。リンパ管症ではという診断です。それでも抗がん剤(ジェムナール)の治療を続け、腫瘍マーカーも少し下がったところでしたが、休薬の次の週に急に息苦しさがひどくなり、緊急入院、酸素吸入とリンデロンの治療をしました。二週間の入院で退院し、家で酸素1リットルとリンデロン1ミリで治療中です。リンパ管症には、抗がん剤の治療は効果が期待できないのでしょうか? 体力的に治療は無理ということでしょうか? 

抗がん剤の効果は当初みられても、次第に少なくなってきます。そうしますと、むしろメリットよりもデメリット(おっしゃるように体力も低下します)が多くなり、受けないほうがよいということになります。あるところでご病状を受け入れて、抗がん剤治療も中止をしなければならないでしょう(必ずしも治療することがよいこととは限りません・・・)。(文責 加藤)

 

No.11005】  13年04月22日   M.S.
リュープリン投与による手のこわばりについて

いつも回答に感謝しております。リュープリン投与による、朝の手のこわばりについて質問いたします。リュープリンを12回投与して、11回目が終わったくらいから、朝、手のこわばりがひどくなりました。リューマチを疑い検査をしたところ、こちらは問題ありませんでした。リュープリンを現在中止して、1度、生理がきました。リュープリン投与中止から3か月が経過したのに、いまだに朝の手のこわばりは治りません。このまま、手が痛い状態なのでしょうか? それとも、他の病気を疑った方がいいのでしょうか? もう薬をやめて楽になりたい気持ちでいっぱいです。リュープリンの有効性はどのくらいなのかと、朝の手のこわばりが、ずっと続くのかを知りたいです。ご回答の程、よろしくお願いします。

リュープリンの追加は一人ひとりのリスクにもよりますが、ここ最近のデータを見ますと、その有効性は限られています(特に40歳以上の方はほとんど上乗せ効果がありません)。症状はこれから徐々に改善する可能性があります。ただ、少なくとも数か月はかかりますので、もう少しお待ちください。加温や体操によって改善することもありますので、試されてみてはいかがでしょうか?(文責 加藤)

 

No.11004】  13年04月22日   Y.S
リュープリン(HPNo.9292-2)

以前NO.9292でお世話になりました。2009年に手術をして、リュープリン3年+タスオミン3年したところです。病理は以下の通りです。「粘液癌・腫瘍径2.7cmと0.8cm ・乳管内進展(-) ・組織学的所見ly1 ・v0 ・核グレード2 ・SN 0/3 ・HER2 1+ ・ER:TS 8/8 ・PgR:TS 7/8 」 年齢は、現在34歳です。今回ご質問したいのは、リュープリンを5年にした方がいいのかと言う事です。主治医の先生は、3年やったからもういいでしょうとおっしゃってくださいましたが、少しでも再発を少なく出来るなら、あと2年はしたいというのが本音です。いつかは治療が終わるので、どこかでキリをつけないといけないとは思っていますが、若年性ということもあって不安が大きいです。先生のご意見お聞かせいただければ幸いです。よろしくお願いします。

主治医の方針通り、もう2年続けることによるメリットは少ないように思います。治療終了には少なからず不安がついてきますが、おっしゃる通りどこかでストップしないとなりません(やることはやった、卒業だとおっしゃっていた患者さんもいました)。タスオミンのみでも補助療法としては充分であると考えます。(文責 加藤)

 

No.11003】  13年04月22日   MA 
ホルモン療法と再発率と生存率について

いつも参考にさせていただいております。ありがとうございます。再発への恐怖で押しつぶされそうな日々を送っています。現在45歳。昨年7月に出産、翌月に左胸の温存手術を受け、センチネルリンパ節生検で4つ切除、リンパ節転移はありません。腫瘍径:23mm、核異型度:2、硬癌、脈管浸潤あり、f(+)、ly(+)、V(-)、Ki67値が39.3%と高く、オンコタイプで再発率が36%で、ハイリスクグループに入ると言われました。ER6.7(Positive)、PgR4.2(Nagative)、Her2 8.1(Negative)、不妊治療で6年間ホルモン療法を受けていました。TC療法(終了)→放射線治療(終了)→ホルモン療法がはじまりました。今後、ノルバデックス錠10mgを一日2回、5年間服用する予定です。トリプルネガティブに近いホルモン受容体レベルで、このまま5年間服用して、副作用の子宮体がんの恐怖もあります。他の方法はありませんでしょうか。高望みをしてはいけないのですが、このようなケースで、再発しない方もいらっしゃいますか? アジュバントオンラインのことを最近知ったのですが、生存期間や再発率をお聞きしてもよろしいでしょうか。お忙しいところ誠に恐縮でございますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

むしろ再発しない方のほうがずっと多いです(adjuvant onlineによると、10年生存率は90%を超え、再発率は16%ほどです)。行いうる治療もしっかり受けておられますので、少しでも日々の生活の中で不安が軽減されることを願っています。(文責 加藤)

 

No.11002】  13年04月22日   M 
今後の治療について

44歳です。8月3日に右乳房温存手術、リンパ節もとりました。「浸潤性乳管癌、乳頭腺管癌、G2、NG3、リンパ管侵襲を認めるが、静脈侵襲はみられない、リンパ転移有り、ER:3+、ki−67 18.5%、ステージ VA」です。術後抗がん剤治療で、 ・AC療法  ・パクリタキセル を3月7日に終わりました。先日本屋へ行きましたら、「医者に殺されない47の心得」と言う本が目につき、読みましたら、これから受ける放射線治療、ホルモン治療(タモキシフェン)が本当に自分に必要な治療なのか、不安になってきました。12日には、放射線治療を受ける為のCT検査の予約を入れているのですが、今になって、すごくまよっています。数パーセントの再発防止を選ぶか、いろいろな副作用とこれから付き合っていく方がいいのか? 何か助言をください。よろしくお願いいたします。

放射線、ホルモン療法は「ガイドラインでは」抗がん剤治療後の標準治療となります(抗がん剤よりも負担は少ないと思われます)。ただ、これは決して強制的なものではなく、ご希望で回避することも可能です。おっしゃるようにわずかなリスク軽減か、副作用かということになりますが、不確定要素が多く、そのメリット・デメリットは皆さん一人ひとり異なるもので、一概にどちらが良いと決められるものではありません。一番ご病状を理解している主治医との相談をお勧めいたします。(文責 加藤)

 

No.11001】  13年04月22日   R
HER2のFISH法について

13年2月に左乳房を全摘し、センチネルリンパ節生検でミクロ転移があり、リンパ節廓清を行いました。先日病理診断結果がでて、リンパ節への転移はセンチネルリンパ節の1個のみで、他の13個は転移なしでした。CDE領域に広範な拡がりを示すDCIS像が主体で、ごく一部で浸潤像を認め、管内伸展は追加切除された乳頭直下まで及んでいた。Grage1/l相当。 別に摂取された結節は low grade DCIS像。ER&PgR(IHC):ER(+), score 3b(95%<), 染色強度 高度, PgR(+),score 3b(60-70%), 染色強度 中等度〜高度, Ki-67標識律は15%前後、HER2タンパク染色法(IHC):浸潤部の評価はできませんが、非浸潤部ではscore2+相当 (HER2以外は生検時のもの)との報告でした。主治医からは、ステージは2期aで、サブタイトル分類がルミナルAとの判断で、ホルモン療法と、43歳と若いのでTC療法の抗がん治療を勧められ、今月21日から実施予定です。通常HER2がscore2+の場合はFISH法で追加検査をすると聞き、その質問をすると、「浸潤部がごくわずかだったのでFISH法ができなく、やってもほとんど陰性反応が出る」と、言われました。もし仮にHER2陽性だとするとルミナルBとなり、ハーセプチン療法をすると効果があると言われますが、このような対応が通常なのでしょうか? それともこの結果だと、ハーセプチン療法をした方が良いのでしょうか? よろしくお願い致します。

おそらくHER2は陰性と推測されますが、FISHを行ってみてもよいと考えます。浸潤部がごくわずかで、IHCでも評価困難と記載がありますが、切除組織のより詳細な検索によって、よりはっきりとした浸潤部が見つかることもあります(また、リンパ節転移巣でも検査は可能です)。HER2陰性であれば、抗がん剤の追加効果はないか、あってもほんのわずかなものと考えますので、再考の余地があるかもしれません。(文責 加藤)

 

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