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相談室(No.10901〜11000)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

ご相談メールの投稿はこちらからお願いします。

 

なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。


★ 過去にさかのぼって相談内容が検索できるようになりました。ご参考になれば幸いです。ご利用下さい。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

11000 13/04/22 M  断端陽性について(DCIS grade3) 須田
10999 13/04/22 K 乳癌治療後の妊娠・出産 須田
10998-1
10998-2

10998-3
13/04/18
13/05/18
13/09/02
H  再発治療について
局所再発の治療について
今後の治療について
鈴木
俵矢
俵矢
10997 13/04/18 Y.M. 骨転移? 鈴木
10996 13/04/18 KK 肺転移について(HPNo.10715) 鈴木
10995 13/04/18 R エゾウコギ(HPNo.10762) 鈴木
10994 13/04/18 K 再発の可能性は高いのでしょうか? 鈴木
10993 13/04/17 F  打撲のような胸の痛み 鈴木
10992 13/04/17 N.S 全部摘出と言われました 鈴木
10991 13/04/13 W  乳がんの治療について 鈴木
10990-1
10990-2
13/04/13
13/04/24
M  トリプルネガティブの術後治療について
トリプルネガティブの術後治療について(2)
鈴木
須田
10989 13/04/13 M.N. アリミデックス 鈴木
10988 13/04/09 P  母の乳がんについて 清水
10987 13/04/09 R 反対側がんの可能性ありでしょうか? 清水
10986 13/04/09 しずく 腫瘍マーカー上昇について 清水
10985 13/04/07 M.E. 微細円形石灰化 集簇性石灰化 カテゴリー3について 清水
10984 13/04/07 YI 骨転移の可能性は? 清水
10983 13/04/07 S 外科に受診したほうがよいでしょうか? 清水
10982 13/04/07 K  巨大線維腺腫 清水
10981 13/04/07 M.M 今後の治療について 清水
10980-1
10980-2

10980-3
10980-4
10980-5
13/04/07
13/08/18
14/04/16
15/08/24
15/08/31
Y.Y. 術側の腕への注意
転移、再発の可能性
エキセメスタン錠の副作用について
今後の治療について
アロマターゼ阻害剤の副作用について
清水
高橋

緒方
齋藤
10979 13/04/07 YT 再発転移乳がん 抗がん剤の選択について 斎藤
10978 13/04/07 R  乳管内乳頭腫 (HPNo.10960) 斎藤
10977 13/04/05 T しこりについて 斎藤
10976 13/04/05 S.T 胸のしこりと痛みについて 斎藤
10975 13/04/05 K  今後の治療・生存率について 斎藤
10974 13/03/25 JM グレード3は転移の速度がかなり速いのでしょうか? 久保内
10973 13/03/25 S 術後の状態について 久保内
10972 13/03/25 Y.I.  ルミナール 久保内
10971 13/03/11 Y.S.  アリミデックスの継続について 緒方
10970 13/03/11 M.N.   抗がん剤の投与期間について(2)(HPNo.10966-2) 緒方
10969 13/03/11 M.F. 病理について 緒方
10968 13/03/11 M アバスチンの投与について 緒方
10967 13/03/11 Y.I FDG−PETの集積について 緒方
10966-1
10966-2
13/03/11
13/03/11
M.N. 抗がん剤の投与期間について
抗がん剤の投与期間について(2)
緒方
緒方
10965 13/03/11 R 乳管内乳頭腫(HPNo.10960-2) 緒方
10964 13/03/11 O  乳管内乳頭腫とエストリール 緒方
10963 13/03/11 Y・I Pet検査の信頼度は? 緒方
10962 13/03/08 M.M 術後の薬物療法の選択について(2) 大西
10961 13/03/06 さくら 定期検査について 大西
10960-1
10960-2
10960-3
13/03/06
13/03/11
13/04/07
R 乳管内乳頭腫
乳管内乳頭腫(2)
乳管内乳頭腫(3)
緒方
緒方
斎藤
10959 13/03/03 追加の質問です(HPNo.10950-2) 大西
10958-1
10958-2

10958-3
10958-4
13/03/03
13/03/08
13/04/07
13/06/09
M.M 術後の薬物療法の選択について
術後の薬物療法の選択について(2)
今後の治療について
抗がん剤治療の継続について
大西
大西
清水
石川
10957 13/03/03 AK ホルモン剤 大西
10956 13/03/02 S.T.  左胸の石灰化 大西
10955 13/03/02 S 乳腺症と石灰化 大西
10954 13/02/25 K  このような場合、全摘を勧められますか? 石山
10953 13/02/25 H.S.  アポクリン嚢胞 石山
10952 13/02/22 A  今後の治療について 石山
10951 13/02/22 Y 治療の選択 石山
10950-1
10950-2
13/02/18
13/03/03
H 今後の治療方針
追加の質問です
石川
大西
10949 13/02/18 K.S. 術前抗がん剤投与の効果について 石川
10948-1
10948-2
13/02/16
13/02/25
H.S. 針生検をしました。とても不安でたまりません。
アポクリン嚢胞
石川
石山
10947 13/02/16 H.K. 術後の抗がん剤の選択とハーセプチンの適用について 石川
10946 13/02/16 C  フルツロン 石川
10945 13/02/16 E  反対側の左胸に良性のしこり 石川
10944 13/02/16 リュープリンの副作用による骨塩量低下?(HPNo.10675-3) 石川
10943 13/02/16 R.K.   再発率について 石川
10942 13/02/12 ck ホルモン治療について 吉田
10941 13/02/12 抗がん剤の使用について 吉田
10940 13/02/12 S  今後について 吉田
10939 13/02/12 T グレー判定 吉田
10938 13/02/08 K.E. 再手術後の病理と同時再建 吉田
10937 13/02/08 I 外科生検後に告知 吉田
10936 13/02/05 BT  再発後の投薬 浜口
10935 13/02/05 K リンパ郭清について 浜口
10934 13/02/03 K.E. 治療法と手術時期(HPNo.10872) 浜口
10933 13/02/03 S.A.  非浸潤がんのホルモン治療(HPNo.10046) 浜口
10932 13/02/03 C 胸のしこり 浜口
10931 13/02/01 ms 非浸潤ガンの補助療法について 浜口
10930-1
10930-2
13/02/01
14/03/18
K  CA15-3
CA15-3上昇について
浜口
清水
10929 13/02/01 B 手・足の痺れについて 浜口
10928 13/01/28 Y  Ki67のカットオフ値と遅退性再発について  徳田
10927 13/01/26 O  抗がん剤追加のメリットについて(HPNo.10924-2) 徳田
10926 13/01/26 S.F. 放射線治療後のハーセプチン投与について 徳田
10925 13/01/25 M.K.  病理結果と術後補助治療について 徳田
10924-1
10924-2
13/01/25
13/01/26
O 術後の治療について
抗がん剤追加のメリットについて
徳田
徳田
10923-1
10923-2

10923-3
13/01/25
13/07/30
13/08/05
放射線治療について
健側検診について
健側検診について(2)
徳田
清水
清水
10922 13/01/22 K  上腕のしこり、癌?(HPNo.10675) 俵矢
10921 13/01/22 m・k 術前化学療法について 俵矢
10920 13/01/20 タモキシフェンの10年投与について(HPNo.4979) 俵矢
10919 13/01/20 M.S.  リュープリンの副作用の対処方法について 俵矢
10918 13/01/20 A  リンパ浮腫について 俵矢
10917 13/01/18 術後の経過について 俵矢
10916 13/01/18 S  転移について 俵矢
10915 13/01/18 K  左胸全摘後の痛みと傷跡について 俵矢
10914 13/01/15 I  乳腺炎の手術について 加藤
10913 13/01/15 W・T 血性乳頭分泌について 加藤
10912 13/01/15 U  手術後8年目の治療について 加藤
10911 13/01/15 P のう胞について 加藤
10910 13/01/15 S  バコラ生検 加藤
10909 13/01/15 A・A 今後の治療方針 加藤
10908 13/01/15 N  今後の治療について 加藤
10907 13/01/15 骨転移について(2) (HPNo.10850) 加藤
10906 13/01/15 A.H. 健康食品や漢方との関連について (HPNo.10853) 加藤
10905 13/01/15 今後の治療について 加藤
10904 13/01/15 Y  骨転移 加藤
10903 13/01/15 M 外科生検
10902 13/01/15 C  粘液癌と診断されました
10901-1
10901-2
13/01/12
14/06/24
C.S 難治性乳腺炎
再発でしょうか?

久保内

 

No.11000】  13年04月22日   M  
断端陽性について(DCIS grade3)

お世話になります。次の診察まで日があるので、心配な点を教えてください。45歳。3月末に乳房温存手術を受けて、先日病理結果が出ましたが、悪性度が高いガンなので、術後に放射線治療をするようにと言われました。現在は、まだ、術後の内出血の腫れ(ボコボコと硬い)がかなり残っているので、放射線はまだ先になると思います。コピーしてもらった結果は下記です。

左 DCIS high grade(grade3)、 大きさ 41×16×31mm(病変全体)、 ly0 v0、 
切断断端 外側(-)内側(+)乳頭側(+)尾側(+)深部(+)表層(−)
充実性あるいは壊死巣を伴ったcomedo様の形態


1) 断端陽性の説明はありませんでした。4ヶ所陽性で、表層には露出していないという事でしょうか。
2) ホルモンリセプターの記載はありませんでしたが、DCISの場合調べないものでしょうか。
3) 放射線治療をした場合の再発率はどのくらいでしょうか。
4) 追加切除の必要性は少ないでしょうか。

どうぞよろしくお願いいたします。

1) 切除標本は立体的なものであり、表層に対しては深部、乳頭側に対しては尾側、外側に対して内側と言うように、表裏の関係にあります。外側と表層の面には露出していないという事です。
2) おそらく調べてあると思います。主治医にご確認ください。
3) 乳房温存手術+放射線治療は、一般的には、乳房切除術をした場合と同等の効果があると考えられています。放射線治療を行わなかった場合、DCISでは、生存率には影響を与えないものの、局所の再発率は有意に高くなり、およそ半分が浸潤癌で見つかります。
4) DCISの治療として、断端の状態・DCISのgrade・病変の広がり・年齢をスコア化して、手術の種類や放射線治療をどのように行うかを決めるという考え方もあります(・4〜6点 乳腺部分切除のみ ・7〜9点 乳房部分切除術+放射線治療 ・10〜12点 乳房切除術)。貴女の場合、スコア化すると12点になり、従って追加切除も選択肢のひとつになります。主治医と充分ご相談の上、納得のいく治療を行ってください。(文責 須田)

 

No.10999】  13年04月22日  K 
乳癌治療後の妊娠・出産

左乳房の温存術より6年が過ぎました。当時、リンパ節に1つの転移がありました。その後、放射線も受け、リュープリンを3年間続け、タスオミンを5年服用しました。今、38歳なのですが、出来れば出産したいと思っております。ただ、再発したら…という不安と、高齢のため奇形児だったら、という不安があります。私は、田舎に住んでいるのでよくわからないのてすが、都会では治療後に出産される方は多いのでしょうか? また、リンパ節に1つでも転移があった場合は、出産で再発のリスクが上がってしまいますか?

リンパ節に1ケ転移があった場合、転移の認められない人より再発のリスクは上がりますが、妊娠や出産・授乳によって、更に危険性を高めるという報告はありません。また、乳癌治療でタスオミンを内服されていますが、体内から薬物が出るまで2ヶ月かかりますので、妊娠は、それ以後ということになります。治療後に妊娠・出産しても、胎児に異常や奇形が起こる頻度は高くなりません。一般に、再発症例の多くは、術後2〜3年以内にみられるので、この期間の妊娠は避けた方が良いとされています。貴女の場合は、術後6年経過しており、この条件はクリアできていますが、妊娠・出産は、人生の問題でもありますので、データだけで判断できるものでもありません。ご家族、主治医とも、充分ご相談ください。(文責 須田)

 

No.10998-1】  13年04月18日  H 
再発治療について

再発治療についてお尋ねします。手術時 38才です。

【経過】
2010.4 左乳房全摘手術+エキスパンダー 挿入術
2010・4 FEC+タキソテール  4クールずつ、  ゾラデックス+ノルバデックスを処方、 現在まで投薬中
2013・3 術側リンパにしこり発見、 pet検査、 針生検(初発と同じ病理)、 細胞診 クラス5

【病理】
左硬ガン、 ホルモン陽性、 悪性度2、リンパ転移1、 ステージ3A

以上になります。主治医は、抗がん剤での治療を開始しますとおっしゃっていました。薬剤は、アバスチンとタキソールとの事です。投薬により腫瘍が小さくなったら、手術で腫瘍摘出し、その後、放射線治療に入るそうです。まだ、術側リンパに転移だけでも、アバスチンとタキソールは必要なのでしょうか? 今後、遠隔転移した場合に使用したほうがいいような気がするのですが…。一般的に、術側リンパに再発した場合は、どのような治療に入るのでしょうか? 

ご質問有り難うございます。38歳で手術をされて、やれやれという矢先に再発との事、ぜひとも、しっかり治療をされてまたリセットできるように応援しております。
さて、ご質問の内容ですが、ホルモン陽性の局所リンパ節転移ですので、一般的には、ホルモン療法が主体になるかと思います。ただ、ホルモン療法をしている最中の転移ですので、ホルモン療法の効果が乏しいのでは?との判断をされたのかもしれません。また、閉経前(実際に閉経前か閉経後かは、血液検査で判断する必要があります)に使えるホルモン療法の種類も限られているので、その点も考慮しての事だと考えます。実際の現場では、閉経前の方にゾラデックスで月経を止め、内服のホルモン療法剤は閉経後のものを使用する・・という治療をすることもあり、この場合は、ホルモン療法の選択肢が増えますが、実際の保険適応ではないので、主治医との相談が必要になります。今の目前の治療は、@閉経後か閉経前かの判断、A閉経前であれば、本来なら治療の選択肢は少ないが、ゾラデックスで閉経状態にして、内服のホルモン療法剤を閉経後に使うものを使用する(ただし、この方法は、保険適応外ですので、厳密には使用できません)、B閉経後であれば、閉経後に使用するホルモン療法剤を選択する、C使えるホルモン療法剤がなければ化学療法を選択する。以上のようなchoiceになるかと思います。ぜひ、頑張って治療を続けて下さい。(文責 鈴木)

 

No.10998-2】  13年05月18日  H 
局所再発の治療について

No.10998で相談させて頂き、ありがとうございました。追加で、治療についてアドバイスお願いします。、通常、局所再発の場合は切除してから薬物療法なのかな…と思っていたのですが、主治医は、「薬物治療してから、放射線か手術」と、おっしゃっています。「再発箇所の脇の下や腕が痺れ、明らかに触診でしこりに触れるので、精神衛生上も良くないので、手術先行でお願いします。」と、言ってみたのですが、「しこりの勢いがあるときに手術をすると、性格が変わって暴れだし、とたんに全身転移する場合がある。」と言われてしまい、抗がん剤で弱まってから手術がベストと、聞き入れてもらえませんでした。抗がん剤が効いてくれるならいいのですが、効くか効かないかしているうちに全身に転移してしまわないのでしょうか? 

切除を行うか否か、切除をする場合でも薬物療法を先行させるかどうかは、ケースバイケースで、決まった手順があるわけではありません。薬物療法で、いま腫れているリンパ節腫大が小さくなってくれば、臓器転移も一緒にコントロールされている可能性が高いと思います。大きくなったならば、その薬物療法の効果があまり期待できないと考えます。手術で切除した場合にそのことが分からないということもありますので、薬物療法を先行させようと主治医は考えているのではないかと思います。切除すること、しないこと、いずれもメリットデメリットがあり、前にも述べましたが、症例ごとに考えていくことになります。ですので、今一度主治医とよくお話になってください。場合によっては、セカンドオピニオンという形で、他の先生の意見を伺うのもよいのではないでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.10998-3】  13年09月02日  H 
今後の治療について

HPNo.10998で相談させて頂き、ありがとうございました。追加で、治療について、アドバイスお願いします。その後、抗がん剤治療を3クール終えたところで、CTで確認できないほど奏功しました。ところが肝機能数値が高くなり、休薬しながら投与してきましたが、肝臓を休める為にも、手術か放射線を勧められました。術側に若干の浮腫もあるので放射線を勧められましたが、希望なら手術でもよいとの、主治医の見解です。どちらにしたらよいのか悩んでおります。また、手術後も抗がん剤治療は続けていくそうで、いつまでやるか止め時も悩んでおります。遠隔転移は今のところありません。

腋窩リンパ節の再発が、化学療法で縮小したということですね。前出の質問分の中に、エクスパンダーを留置とありましたがそれはどうなっているのでしょう。エクスパンダー留置してあって、今後再建を考えるのであれば手術のほうがいいかもしれません。今後の再建をどうするかによっても違ってくるのではないかと思います。主治医と今一度相談なさってくださいね。(文責 俵矢)

 

No.10997】  13年04月18日   Y.M. 
骨転移?

お世話になります。2008年に左胸非浸潤で温存手術をしました。現在、ノルバデクス服用。一週間前から肋骨あたりが痛く、咳やくしゃみがひびきます。寝転んで、くしゃみをしたときにちょっと違和感があって、それからだんだん痛くなりました。4日前に整形外科に行き、レントゲンを撮りましたが、「骨に異常はないので、筋でも切ったのでしょう。」と、ロキソニンを5日分もらい、「5日たっても痛いなら、また来てください。」と、言われました。癌のことは伝えてあります。そして、5日たった現在も、薬が切れると痛いです。(がまんできない痛みではありません) 転移を考えたほうがいいのでしょうか?

ご質問有り難うございます。非浸潤がんであれば、転移を来すことはありませんので、あまり心配なさらずに。ただ、そうは言っても、もし転移と診断された場合、もとの非浸潤がんの病巣に、小さな浸潤癌が潜んでいた可能性はあります。あまりひどいようなら、今一度、整形外科を受診する、もしくは乳腺外科で相談する事が必要だと考えます。(文責 鈴木)

 

No.10996】  13年04月18日   KK
肺転移について(HPNo.10715-2)

前回HPNo.10715で回答いただき、ありがとうございました。いつも他の相談も読ませもらい、参考にさせていただいています。またご質問させていただきたく、宜しくお願いいたします。
その後、昨年10月、癌センターにセカンドオピニオンに行きましたが、主治医の意見とそう変わらなかったので、転院せず、乳腺クリニックでずっと診て頂いています。9月 1月 4月と、3カ月毎にCTを撮り、肺転移は、左8ミリが13ミリ、右3ミリが8ミリ (腫瘍マーカーCEA 6,8が12,6)と、1度も縮小せず、増大しています。ホルモン剤は、アリミデックスを6ヶ月飲み、今年1月からアロマシンに変わりましたが、来月からノルバテックスになる予定です。セカンドオピニオンで、「抗がん剤に移る前に腫瘍を摘出して、癌の性格を明確にする場合もある。」とのアドバイスを受けましたが、その時期は、フェマーラまでホルモン剤を試してからの方が良いのでしょうか? 4月4日のCT撮影結果では、「左腫瘍13ミリの形が少しいびつになり、多分乳がんからの肺転移でしょうが、もしかして原発肺癌の可能性もありうる。」と、今回初めて言われ、戸惑っています。
昨年の夏は体調が悪かったのですが、現在はお陰さまで自覚症状は何もないので、できたら暫くホルモン剤を続けたいのですが・・・。腫瘍摘出の時期とホルモン剤の順番をご教示下されば幸いです。(フェマーラが、いちばん抗エストロゲン作用が強いと聞いています。)

ご質問有り難うございます。肺転移に対して、ホルモン療法をされているが、やや大きくもなるご様子。次のホルモン療法は? 摘出する必要は?とのご質問です。
1) まず、摘出するか?その時期は?ですが、個人的には、摘出の必要はないと考えます。今回の「原発肺がんでは?」とのコメントから、肺がんか、乳がんの転移かを鑑別するために摘出する意味はあるかと思いますが、抗がん剤に移る前に摘出する意義は少ないと思います。むしろ、転移と診断された時点で、その腫瘍の性格を調べる意味で、摘出、針生検をすることはありますが、今後、必要性はないのでは?
2) ホルモン剤の順番は?ですが、結論から言えば、明確なデータはありません。前に使ったホルモン剤と作用機序の違うものを用いたりすることが多いようです。ただ、アロマターゼ阻害剤から別のアロマターゼ阻害剤に変更したときの効果は、数%の効果のようです。現状、アリミデックス⇒アロマシン⇒ノルバデックスとの事ですが、次いで考慮するものとしては、フェソロデックス、トレミフェンなどが良いと思います。ただ、ホルモン⇒ホルモンで経過して、大きな効果が得られてはいないようですので、どこかで化学療法に移行する判断が必要になるかもしれません。

お手紙を拝見するに、主治医の先生の方針も、がんセンターの方針も大きくぶれていないようですし、今の治療は、効果、副作用のバランスからも上手に治療出来ている様子がわかります。今後も、主治医の先生と相談しながら、治療を継続して下さい。(文責 鈴木)

 

No.10995】  13年04月18日   R 
エゾウコギ(HPNo.10762-4)

以前も投稿致しました、Rと申します。以前のNo 10762-1、No 10762-2、 No 10762-3 です。肝臓に影があると相談致しましたが、結果は良性の血管腫でした。今は、フェマーラ服薬のみです。今回はサプリのことでご相談したく、よろしくお願いいたします。私は、エストロゲンもプロゲステロンも陽性の乳ガンです。先日、エゾウコギというサプリメントを購入致しましたが、朝鮮人参と同じような作用があるとのこと。飲まないほうが良いのでしょうか? 良く調べないで、癌に効くと聞いて購入してしまいました。よろしくお願いします。

ご質問有り難うございます。乳癌の治療のみならず、癌の治療に関して、サプリメントほど怪しいものはありません。効果が実証されているものは何もありませんので、変に心酔しない方が宜しいと思います。特に、フェマーラと一緒に飲んで安全である・・などというデータは存在しませんので、全く勧められません。いわゆるビタミン剤としてビタミンCを摂るとか、カルシウムを摂るとかは別として、癌に効く、転移した癌が治る、医者から見放された癌が小さくなった、などと謳われているサプリメントはご自身の責任で飲まれるようにして下さい。(文責 鈴木)

 

No.10994】  13年04月18日   K 
再発の可能性は高いのでしょうか?

はじめてご相談させていただきます。53才・女性です。昨年8月に乳癌と診断されました。診断時点では、ステージ2b、浸潤がん:3p、拡がり:7p、核グレード:2、ホルモン陽性、HER2:2+(FISH陰性)、リンパ節転移:細胞診陽性(超音波では3個確定4個目がグレー)、kiー67:58%、でした。術前化学療法(FEC4回・DOC4回)のあと、手術(全摘・リンパ節郭清レベル2まで)を受けました。手術後の病理は、ステージ2a、浸潤がん:4.2p(しこりは無くなったが、点々状に残っている)、核グレード:1、ER:8、PgR:6、HER2:1+、ly:1、断端:陰性、リンパ節転移:0個、でした。今後、放射線(胸壁と頚部)、フェマーラ5年服用の予定です。リンパ節転移の個数別での再発率や生存率をネットで見ると、かなり心配になります。これだけ治療しても、やはり再発の可能性は高いのでしょうか。浸潤がんは消えなかったものの、リンパ節転移がなくなったことで、予後は少しは改善されたと考えてもいいのでしょうか。どうぞよろしくお願いします。

ご質問有り難うございます。一生懸命治療をされても、再発の恐怖、不安は何年経ってもぬぐえないものです。お気持ち、察します。
さて、再発のリスクは?ということですが、乳癌は、1cmでリンパ節転移がなくても10%くらいは命を落としてしまう病気です。従って、ご質問のケースでも、再発のリスクはゼロではありません。もともとのKi67が高いこと、リンパ節転移があった事を考えると、そのリスクは、やや高いのかもしれません。ただ、術前化学療法により、脇の下のリンパ節転移が消失したという事実は朗報です。やった治療は間違っていませんし、予後は改善されていると考えます。なかなか不安がぬぐえない現状、今まで、やるべき事はやって、頑張ってきましたから、結果はついてくるのではないでしょうか? 少しだけ自信を持って、前を向いて進まれることを望んでいます。応援申し上げます。(文責 鈴木)

 

No.10993】  13年04月17日   F
打撲のような胸の痛み

1ヶ月前から、右胸に打撲のような痛みがあります。乳首の横を押すと、ズキンと痛みます。触らなければ、特に痛みは感じません。しこりは、あるようなないような…、でこぼこしたものはいくつかあるのですが、両胸にあり、しこりかどうかわかりません。ちなみに今27歳です。病院に行こうと思うのですが、小さい子供もいて、なかなか行けません。乳がんの可能性はあるのでしょうか? 宜しくお願いします。

ご質問有り難うございます。恐らく、乳癌の可能性はかなり少ないと思います。以前にも同様の質問が多く寄せられていると思います。ご確認下さい。ただ、この回答だけで、乳癌では無い、とは言い切れませんので、検査を受けておく必要はあるかと思います。(文責 鈴木)

 

No.10992】  13年04月17日   N.S
全部摘出と言われました

初めてメールいたします。46歳、3児の母です。みなさまのご相談を少し拝見させて頂きましたが、薬の名前とか専門的な用語はわかりません。言葉を砕いてお返事頂けると助かります。毎年人間ドックを受けており、3月にマンモグラフィーを受けました。画像を見て、外科の先生が、「ここ、ヒトデの様でしょ」とおっしゃって、超音波でみることになりました。右の乳首の上に黒い影があり、そこから針を刺して細胞を採って検査しました。あと、骨シンチ、CT、採血をしましたが、結果、乳がんとわかりました。ステージとかは言われませんでした。腫瘍は3.5センチで、乳腺の方まで引っ張られている?ので、部分的にではなく、全部摘出と言われました。その検査では、リンパまではいっていないとの事です。明日、造影剤を使ってMRIを受けます。私のがんは、腫瘍を小さくしてから部分的にとるという事は、無理なのでしょうか? リンパまでいっていないと、がんだけとったら完了でしょうか? 抗がん剤とか放射線、ホルモン療法とか、やらなければならないのでしょうか? セカンドオピニオンも考えています。どれくらい手術を延ばしても大丈夫なのでしょうか? 時間が経つと、リンパまでいってしまうのでしょうか? なるべくなら乳首を残したいと思っております。素人なので、簡単な言葉しか使えなくて申し訳ありませんが、お返事頂けるなら嬉しいです。

ご質問有り難うございます。乳癌との診断を受けて、さて、どうすれば良いか・・と迷われているご様子が痛いほど伝わるお便りです。文面から判断するに、乳頭の上に35mm大のしこりがあり、乳頭が引っ張られている(乳頭がやや陥没しているような変化がありますか?)ので、乳頭近くまで、癌の広がりがありそうだ・・とのようです。ここで、乳頭を残す為に、抗がん剤を事前に投与し、腫瘤を小さくして、ということですが、抗がん剤の効き目がでて、腫瘤が小さくなれば(乳頭側への広がりが少なくなれば)、乳頭を残せる可能性は残されていますが、現状では、確実に残せる・・とは言い切れません。抗がん剤の効果次第です。リンパ節に転移がなくても、癌の性格により、転移しやすいもの、しにくいものに分けられます。もし、性格が悪いタイプの場合、必要に応じ、抗がん剤(化学療法)も必要になります。また、部分切除を行った場合は、残りの乳腺への再発予防の為に、術後、放射線治療が必要になります。乳癌は、手術で治療が完結する病気ではなく、術後の再発予防の治療をしっかり行うことで、完治も目指せる病気です。1ヶ月程度で病変が極端に変わる事はありませんので、仰るように、必要ならばセカンドオピニオンを求め、納得のいく治療をお受け下さい。それと、今後の為に・・、ご自身でも乳癌に関する薄い本でも買い求め、少しだけ勉強されることをお勧めします。あまり、深読みする必要はありませんが、言葉のこと、治療のことなど、一般的な知識はあって損はありません。(文責 鈴木)

 

No.10991】  13年04月13日   W 
乳がんの治療について

乳がん治療について、お尋ねいたします。本年3月中旬よりの乳がん検査(触診、マンモ、エコー、PET、MRI、生検)によって、左乳房に27x15X40oの浸潤性小葉癌と判定されました。転移については、その形跡は現在見られないとのことです。今週末にバコラ生検を行う予定です。当初、触診、マンモ、エコーでの検査では、乳房温存による部分切除が可能と言われましたが、後にPET&MRIによる検査で前述ような大きさと判明したため、全摘をと告げられました。しかし、なんとか部分切除で出来る方法はないかとの、私の強い希望で、術前化学療法により病変の縮小を図った後手術をするとの治療方法を、現在は予定しております。そこで質問ですが、

1) 部分切除にこだわり、リスクを高めるより、浸潤性小葉癌の特質(特殊型、進行性、他の組織に入り込みやすい、反対側の乳房にできやすい、等々)を考え、全摘を選択するのが最良の方法でしょうか。
2) 全摘を選択した場合でも、術前の化学療法は必要でしょうか。
3) もし、術前術後の化学療法が必要な場合、合計1年間に及ぶ化学療法で体力を保持できるのでしょうか、特に、術後化学療法で体力を失った体で手術に耐えられるか不安です。

以上、よろしくごお願い致します。

ご質問有り難うございます。術前化学療法vs術後化学療法、全摘vs部分切除について簡単にまとめてみます。@全摘と部分切除の治療成績(生存率)は同じ、A部分切除の場合は、残存乳腺への再発リスクを減らす為に放射線治療が必要、B残存乳腺への再発の場合、全摘が必要になることが多い、また、再発することで、命に関わることもある、C術前化学療法と術後化学療法の治療効果(生存率)は同じですので、D術前化学療法の適応は、腫瘤が大きいため全摘が必要だが、術前に治療を行い、小さくしてから部分切除の希望がある場合、ということになりますが、最近では、術前に行うことで、化学療法の効果を確かめることが可能なので、小さな腫瘍でも術前に治療を行うことが多いのが現状です。
その中で、浸潤性小葉癌の治療についてですが、原則は、上記のとおりですので、全摘も部分切除も正解ということになりますが、4cmの腫瘍ということになると、部分切除を行っても十分な整容性が保てないとの理由で全摘を勧められたのだと思います。個人的には、十分な整容性が保てなくても、本人が受け入れるのであれば部分切除も考慮してもよいと思いますし、選択肢のひとつに全摘+再建も入れるべきだと思います。
当初から全摘を希望するのであれば、化学療法はしなくても良いのですが、最近は、薬剤感受性を確認する目的や、術前の評価で術後に化学療法が必要と判断した場合などには、腫瘤が小さくても術前化学療法は行う施設が多いようです。また、全摘をしたとしても、術後の病理結果で、病変の性格、進行度が明らかになった後、化学療法が必要と判断されることもあります。術前後に化学療法を行うとしても、通常は半年前後だと思います。一年というのは、ハーセプチンの投与を予定しているのでしょうか?詳細不明ですが、おそらく、体力的にはほとんど問題無く治療は完遂できるはずです。応援申し上げます。(文責 鈴木)

 

No.10990-1】  13年04月13日   M 
トリプルネガティブの術後治療について

2011年1月、Ubの診断で、TC+EC後、8月全摘手術。TCでしこり縮小も、EC中急激に増大(大胸筋浸潤の疑い、乳房表面まで皮膚変化有)、セカンドオピニオンにて術前の抗がん剤(別の)の追加を…との意見いただくも、抗がん剤の効果は未知で、症状悪化もあり、予定通り手術をうけました。TNBCの場合、標準治療だと、手術後は経過を見るだけのようですが、術後3週間に1回のハーセプチン300mg(6mg/kg/u)と、3か月1回のドセタキセル70mg(対表面積計算なし)治療を受けています。最近、甲状腺に石灰化があるといわれましたが、他は問題なく経過しています。ちなみに、手術所見は、Papillotubular type グレード2、g+、f+、pT2、pN0、ER0%、PgR0
%、HER2スコア2+・増幅なし、Ki-67 52%でした。術後の抗がん剤治療も丸1年過ぎ、再発・転移の不安とともに、抗がん剤のデメリットについても心配です。

1) 現在の抗がん剤の量なら弊害(肝臓・造血機能…)がないのか?
2) 薬剤耐性(再発時効くのか)など考える必要はないのか?
3) 経過を見るとしたら、定期検査の種類と時期は? 

どうぞ宜しくご教示ください。

ご質問有り難うございます。記載された内容だと、ご質問に答えるのに情報が不十分で適格な答えが出せない点、また、終わってしまったこととは言え、術前後の治療内容について、個人的には意見がありますので、いくらか失礼な内容になりますが、ご容赦下さい。

@ 術前の治療内容ですが、TCは標準的ではありません。何か、臨床研究に参加されてのことであれば理解できますが、標準的な治療ではないと思います。術後の再発予防としてTC療法は認知されていますが、術前の治療に関しては、はっきりとした成績はありませんし、TC後にECというのも不確かな治療と思います。
A 現在、ハーセプチンとドセタキセル(3週毎?でしょうか)を行っているとのことです。HER2タンパクが2+ですが、FISH検査で増幅なし、とのことですから、ハーセプチンの効果はありませんので、投与はお勧めできません。2011年の8月に手術を受けてからですから、かれこれ1年近くは治療を続けられているのでしょうか? ハーセプチンを投与するにしても1、年以上は必要ありません。また、ドセタキセルもいつまで続けるのか?という問題もあります。実際、70mgの投与量は少なすぎると思われます。
従って、頂いた質問の1)、2)に関しては、明確にお応えできません。標準的な治療を、しっかりと、安全に受けて欲しいと思いますので、抗がん剤の種類、期間に関しては、主治医としっかり意見交換をして、必要により、他での意見を聞くことも必要だと思います。現在の治療の必要性、その根拠などは、明確にすべきでないでしょうか?
次いで、3)の質問に関してですが、今後、経過をみていく上で、検査の時期、種類は?というご質問です。これも、患者様向きの答えではありませんので、お許し下さい。日本、米国のガイドライン(教科書的なもの)には、術後の検査は、「年1回の反対側のマンモグラフィのみ」と記載されています。これは、再発してしまった病変は、なかなか完治が難しく、早期に見つけ、早期に治療した分、早く治療が完遂するのではない、という考えがあります。今、検査をして再発病変をみつけ、来週から抗がん剤というのと、3ヶ月くらいしてから、症状が出現したところで検査をして、翌週から抗がん剤というのと、長期的な治療成績は一緒だと言われます。一方、反対側の乳癌は早期に見つければ完治させることが可能だからです。患者様にとって良いことか、悪いことかは別として、日本でも有数の治療実績を数える病院では、術後の通院は、近所のクリニックで行い、何かあった時に、元の病院に戻るというスタイルが出来上がっています。そこで行う検査も年1回のマンモグラフィのみです。再発を早くにみつけること、早くに治療することが必ずしも幸せなことではないのでは?という考えです。ただ、現状、多くの病院で、年1回の検査(腹部超音波、CT、骨シンチ、PETなど)を行っているようです。これは、各施設で違いがありますので、検査の意味をご理解の上、主治医とご相談下さい。
化学療法の件は、必要により再度対応しますので、ご相談下さい。術前後の治療は、すでに終わった治療ですので、これから先、できること、やるべき事を一緒に考えましょう。(文責 鈴木)

 

No.10990-2】  13年04月24日   M 
トリプルネガティブの術後治療について(2)

早々に親身にご回答ありがとうございました。前回の補足ですが、術前化学療法は治験でもなく、標準治療の説明で受けました。術後のハーセプチンも適応外では?と質問しましたが、そんなことはないとのことでした。術前化学療法が効果がなかったため、再発予防を希望し、現在の治療を受けていますが、ハーセプチンの選択もドセタキセルの量も疑問だったのです。術前、TCでしこりの縮小がみられたので、ドセタキセルは再発時に取っておきたいのですが、3か月毎70mgの使い方では、薬剤耐性ができたりすることはないでしょうか? 現時点では、TNBCの再発予防にはゼローダの内服が推奨されているのでしょうか? 手術の際、感受性テストをやっていただきました。結果は、「マイトマイシン 72% 5FU 66% アドリアマイシン 64.7% シスプラチン 41.1% ゲムシイタビン 49.5% エトボシド 59.1% シクロフォスファミド 48.4% パクリタキセル 13.2 58.5 64 82.3%」です。術後の化学療法を考える上で参考になるでしょうか? 術後3年間に再発がないと、その後の再発率がグーンと下がるのですよね? 必死です。宜しくご教示ください。

トリプルネガティブで、術前化学療法を終えた後に手術された方に術後推奨される治療法に明確なものはありませんが、現在、術前化学療法で完全に癌が消えなかった患者さんにゼローダを術後半年間服用するという臨床試験が進行中です。ゼローダが選択肢の1つになるかもしれません。
次に、手術後2〜3年を経て再発転移した場合、術前化学療法でアンスラサイクリン系、タキサン系の抗癌剤を共に使用済みであっても、そのいずれかが非常に効果的であったならば、同じ薬を再度使用することも考慮されます。それ以外の抗癌剤としては、TS1、ナベルビン、ゲムシタビン、ビリレルビン、シスプラチン等があります。どれを選択するかは、感受性テストも参考になるかと思います。
最近、血管内皮細胞増殖因子受容体阻害剤チボザニブにパクリタキセルを使用したものと、パクリタキセル単独の比較試験が開始されましたが、再発転移トリプルネガティブ乳癌治療の選択肢になるのではないかと期待されています。乳癌治療は年々進化していますので、心配は尽きないと思いますが、治療を含め、日常できること、やるべきことを、一日一日積み重ねていくことを願っています。主治医とも充分ご相談の上、納得のいく治療を受けてください。(文責 須田)

 

No.10989】  13年04月13日   M.N.
アリミデックス

アリミデックスを服用して4年になります。1年位前から、視力低下、体中の湿疹、陰部の痒みなどの症状が出ています。かなり辛いです。湿疹に対してはキプレスとザイザルを服用していますが、効果がみられません。中止か、あと1年内服か、悩んでいます。

ご質問有り難うございます。再発しては困るので、その予防として内服するわけですが、一方で、「かなり辛い」と言われる症状がみられ(副作用かどうかは別として・・)、内服するかどうか悩みますよね。選択肢は大きく3つかと思います。@一度、3ヶ月くらい内服を中止してみて、その症状の発現を観察。Aいっそのこと、内服を中止し、元気な身体を取り戻す。B別の薬剤(フェマーラ、アロマシン、ノルバデックスなど)に変更してみる。以上だと思います。昨今、術後の再発予防として用いるホルモン療法は、より長期に内服する・・といった流れがありますが、一方で、副作用とも付き合わねばなりません。再発予防ですので、安全に行う必要があります。もしあまりに辛いのであれば、お休みするのも一考かと思います。(文責 鈴木)

 

No.10988】  13年04月09日   P
母の乳がんについて

81歳の母についてなのですが、昨年夏に乳がんと分かりました。しかし、発見が遅かったために、その時点でステージ4と告げられました(母は、ステージ4ということを知りません)。その後、色々検査は受けたものの、年齢的に手術・抗がん剤は出来ないこと、またホルモン治療も無理とのことで、詳しい病状の説明や治療方法の可能性のお話といったことも、これといって特にありませんでした。当方は、最初あせもか湿疹がひどいと聞いていただけでしたので、すぐに信じられる診断結果ではありませんでした。その後は、特に何の治療もないため、そのまま過ごすことになりました。故に、この半年間で病状がすっかり進み、癌を患っている右胸は、現在は原型を留めていません。病院側は、痛みがひどくなったら来院すること以外では、来院しても仕方ないと考えられているようです。よって、例えば、皮膚のただれがひどいといった場合には、院内で皮膚科を紹介されますが、病状に対し、気休めの対応にもなりません。また、目眩がひどく、少し歩いてもふらつきがあり、ごく近くの買い物しか行けないため、その件で病院に行って相談しても、仕方ないとか、我慢するしかないとかといった返事しかいただけません。最近は、胸からの出血もあります。転院も一時期考えたのですが、ツテがないこと、転院される側も受ける側も面子があるらしく、今の時点では見送っています。
こちらの希望としましては、今の病状がどの程度で、本当に治療方法は全くないのか(完治ではなく、延命として)など、現状と今後についてお話をお聞きして、『それならば仕方ないね』と納得したいのです。しかし、今の病院でそれを望むのは無理なようです。病院側は、痛みがひどくない限りは来院して欲しくない様子です。母は、精神がかなりしっかりしているので、多少の辛さは我慢していますが、母としては、やはりできれば、少しは病状の相談に乗って欲しいし、少しでも生きている間は、普通に暮らしたいと願っています。癌が治らないのは、もう充分分かっています。といって、ホスピスを望んでいるわけではありません。ただ、まるで命の尽きるのを待っているかのような病院の様子に、流石に失望しています。ホスピスではないけれど、病状に関して、もう少し親身になってくれるような医師がいる病院が、埼玉県や東京にはないでしょうか? 病状に関しても、やはり本当に詳しい説明を聞きたいのです。病院に何の知り合いもなくて、闇雲に、ただお電話やファックスで問い合わせても、どうもここまで進んだ病状だと、無視されたり、門前払いのようです。できれば、差しさわりないようでしたら、どこか良い病院とか、医師とかを教えていただきたくメールしました。また、このようなステージ4だと、西洋医学では、少しでも進行を遅らせる方法はないのでしょうか。できれば、この辺りも教えていただけると幸いです。お忙しい中、誠に恐縮ですが、どうぞよろしくお願いします。

Mailの内容からはとても悲しい気持ちになります。Mailの内容通りの病院であるなら2nd opinionを受けて、納得いく治療の受けられる病院を探されることをお勧めします。しかし、埼玉、東京方面でどこかと言われても、申し訳ありませんが、その心当たりはありません。病気の詳細はわかりませんが、現時点では病気を良くしたり延命を計る医療でなく、症状の緩和を計る緩和医療が一番の選択肢のように思えます。そうなるとホスピスという選択肢も取り入れてみては如何でしょうか。ホスピスは決して医療をあきらめるのではなく、苦痛を取り除く医療を行う場所ですから、あなたの望みが叶う可能性が高いように思われます。(文責 清水)

 

No.10987】  13年04月09日   R
反対側がんの可能性ありでしょうか?

56歳です。7年前に右側全摘手術後、抗がん剤はなしで、タスオミン3年後フェマーラ服用でしたが、半年程で肝機能障害によりタスオミンに戻しました。5年間服用後、5年間は1ヵ月毎の検診(エコー毎月、血液検査3ヶ月毎、CT半年毎、マンモ1年毎、その間骨シンチ有り)を経て、6年目より3ヶ月毎の検診となり(エコー3ヶ月毎、血液検査半年毎、CT,マンモ1年毎)、毎回異常なしできておりましたが、つい数日前のエコーのみの検査月に、術側反対側に、4ミリのモノが見つかりました。主治医は、以前のエコーも見比べて、「以前もあるけど、変化がないから、水泡か何かかも。大丈夫だと思います。」とうことでしたが、心配で心配でたまりません。7月はマンモ、CTの検査なのですが、4ミリを指摘されたのは今回が初めてだったもですから、「これはもしや再発、もしくは反対側がんなのか・・・」と、心配しております。これは水泡だと、安心できるものなのでしょうか。

検査を見ている訳ではないので判断できません。主治医の先生の言葉を信じるか、心配なら納得するまで検査し直してもらっては如何でしょうか?(文責  清水)

 

No.10986】  13年04月09日   しずく
腫瘍マーカー上昇について

左乳腺全体を占める乳癌(小葉癌)、皮膚.乳頭浸潤伴う、腋窩リンパ節転移あり、腫瘍45o 乳頭直下に円形石灰化2個あり、左腋窩リンパ節腫 直径24o。
乳房切除+腋窩リンパ節郭清、腫瘍大きさ5.5p×4.5p、リンパ節転移11個中8個、ホルモン感受性 ER3+ PGR2+、 ハーツー 陰性。
手術から5年が過ぎましたが、術後2年半から腫瘍マーカーが上がりだしましたが、1年半は検査をしても異常が見られませんでした。上がりだして2年近く経った頃、肝臓に転移が見つかり、現在、様子を診ているところです。

1) 腫瘍マーカーがどんどん上がり続けているのに画像に現れない事は、良くあることなのでしょうか?
2) 肝臓の転移(一カ所、15o、自覚症状無し)が見つかって1年が経つのですが、以前からのホルモン療法(フェアストン)のみの治療で、どんどん腫瘍マーカーが上がり続けるのは、薬を変えなくても良いのでしょうか?
3) 毎月採血し、腫瘍マーカーを見て、半年に一回のペースでPET検査と肝臓のエコーをしておりますが、PETだけで全身の転移が発見できるのでしょうか?
4) 肝臓の一カ所だけで、どんどん腫瘍マーカーが上がるのは何故でしょうか? ちなみに一番最近3月の腫瘍マーカーは、CEA 66.9 CA15-3 428.9です。

質問が似た様な内容になり、申し訳ございませんが、宜しくお願いいたします。

1)“よく”ではありませんが、しばしばあることです。
2)通常は、腫瘍マーカーより画像所見を優先して治療の変更をするかどうか判断します。
3)PETだけで全身の転移が全て発見できるかと聞かれれば、お返事はNoです。それではどの検査だったらわかるのか?と聞かれれば、そのような検査法はありませんとお答えします。どの検査も利点、欠点があり、転移を見つける力も100%ではありません。転移の状況に応じて検査法を選びます。貴方の場合は、肝転移の大きさの変化を調べることと、他に転移があるかどうかを調べることが検査の目的になりますから、肝臓のUS+PET、もしくはCTによる検査が良いと思われます。
4)原因はわかりませんが、二種類の腫瘍マーカーがコンスタントに上昇しているのであれば、やはりがんの再発巣が増殖していると考えるべきでしょう。その場合、転移巣が小さくても腫瘍マーカーが高いのか、目に見えない(検査で検出できない)転移巣が他にあるのではないかと考えます。(文責 清水)

 

No.10985】  13年04月07日   M.E. 
微細円形石灰化 集簇性石灰化 カテゴリー3について

先日受けた人間ドックで、マンモグラフィー検査にて、下記のような結果が出ました。
マンモグラフィー検査: 左下 乳輪下部に微細円形石灰化 集簇性石灰化 カテゴリ3の所見有り。1ヶ月以内の再検査要

再検査の予約をいれましたが、1ヶ月先までとれず、不安で一杯です。この所見ですと、癌の可能性は、どの程度ありますか? 私は38歳で、人間ドッグの4ヶ月前まで2年間、授乳をしておりました。最後の方は余り出ていなかった為、授乳終了後のケアなどもしておりませんでした。この事が石灰化の原因になったりもしますか? 宜しく御願い致します。

マンモグラフィーでカテゴリー3と診断されて、がんである確率は10〜20%程度と言われています。決められた手順での再検査を受けてください。石灰化は様々な要因が重なってできると考えられていますから、授乳もその要因の一つになります。しかし、授乳が原因でできた石灰化は良性の石灰化で問題ありません。マンモグラフィー検診では、そのような良性の石灰化とがんが作った悪性の石灰化を区別するのです。(文責 清水)

 

No.10984】  13年04月07日   YI
骨転移の可能性は?

先日、お世話になりました。ここ3週間、両太腿の痛みがある為、質問させて下さい。
2004年9月に手術。ステージ2A、リンパ転移無、 ホルモン陽性、Her2陰性、グレード2、断端 無。今年45歳、閉経前。
ここ最近の最終検査、1月21日に腫瘍マーカー(異常無し)、2月4日Pet-ct検査にて背骨に集積見られ、3月4日にMRI造形にて検査。結果、異常無しでした。しかし、3月14日頃から、両太腿の外側に軽い痛みを感じましたが、そのうち治るだろうと思い、放置。しかし、その後、両腿共 痛みが外側だったり、内側だったり、太ももの裏側だったり、膝の部分であったり、昨日から少しふくらはぎの部分も違和感があります。1日の間で、痛む場所がコロコロ変わります。また持病で脊髄側湾症を持っておりますが、ヘルニア等の症状で病院に通った事はありません。3週間前よりも若干痛みが強くなったとは思いますが、ズキズキ等の痛みではないので、鎮痛剤も服用しておりません。職業は接客業の立ち仕事です。腰痛もありません。仙骨などの骨転移の症状でしょうか? 2月4日にペット検査で異常がなくても、こんな早く他の部位で転移、痛み症状がでるものなもでしょうか? アドバイス、宜しくお願い致します。

Mailの内容からは骨転移の可能性は低いように思いますが、受診して診察してもらい、必要があれば検査をしてもらってください。(文責 清水)

 

No.10983】  13年04月07日   S
外科に受診したほうがよいでしょうか?

昨年、乳がん検診を受け、右が乳腺散在、非対称性乳房組織、マンモでひきつれがあると言われましたが、総合判定で異状なしになりました。最近、右の乳頭中央近くに、白いニキビのようなものがあるのを見つけました。乳がんでしょうか? 外科に受診したほうがよいでしょうか?

多分がんではないと思いますが、診察した訳ではないので、気になるならば、外科受診をお勧めします。(文責 清水)

 

No.10982】  13年04月07日    K 
巨大線維腺腫

巨大線維腺腫で、8〜9cmと、エコーの方がおっしゃっていました。10日にMRIも撮るのですが、病院によって違うとは思うのですが、手術となったときの費用は、一般的には、いくら位かかるものなのでしょう?  入っている保険がでないので、不安なりまして・・・。答えて頂けるとありがたいです。よろしくお願いします。

8〜9cmだと局所麻酔での手術は厳しそうですが、少し痛いのを我慢して頂いて局所麻酔で外来手術で行なえば、手術料が6万円強ですから、健康保険で2〜3万円程度でしょうか? 入院で、全身麻酔で行った場合は入院日数などによって費用は大きく異なりますが、麻酔料だけでも14万円くらいなので。保険でも6〜10万くらいかかるのではないでしょうか?(文責 清水)
 

No.10981】  13年04月07日    M.M. 
今後の治療について(HPNo.10958-3)

【No.10958-1 】【No.10958-2】で質問させていただいた者です。毎回的確なご回答をいただき感謝しています。ありがとうございました。先日、乳腺内科のセカンドオピニオンに意見を求めに行きました。その結果、「気になるのは『V1』で、これは血管の中に癌を認めるという事です。リンパ管の中に癌を認めることは時々ありますが、血管内に認めることは少ないです。これはひとつの危険な要素と考えるのがよいでしょう。総合的にはKi67は低値ではなく、V1というリスクがあるので、今ある情報だけでも抗がん剤を行って良いと思います」とのことでした。抗がん剤の種類も聞いたところ、「AC,CEF,TCがあげられます。効果の点ではTC,CEFがよりお勧めです」とのことでした。

1) V1というのは、そんなにリスクの高いものですか。とても不安になってしまいました。再発、転移しやすいということですか。私の場合、再発率は10年で最高20%と言われ、抗がん剤を追加することで、1/3〜1/2減らせるとのことです。先生のお考えをお聞かせください。
2) 以前の質問で、先生もTC療法を勧めてくださいましたが、AC<TC=CEFということなのでしょうか。CEFの副作用は吐き気が強いとのことでした。やはりTCを選択すべきでしょうか。また、TCの考えられる副作用と注意すべき点を教えてください。フルタイムで働いているので、QOLを下げずに仕事を続けられるか不安があります。
3) 術後の治療選択に迷っていたため、放射線の治療が3月下旬より始まります。私としては、抗がん剤をやる決心がついたので、先に抗がん剤をやりたいと言ったのですが、主治医は放射線の予約が入っているし、変更するのも大変、どちらからやっても構わないことになっていると言って、先に放射線をやって、GW明けから抗がん剤をやると言われてしまいました。そうなると、術後3ヶ月以上が経ってしまいます。それでも抗がん剤の効果は変わらないのでしょうか。
  
以上、どうぞよろしくお願いいたします。 

1)”v”という因子は、現時点で再発のリスクが高い因子とは考えられていません。“v”というのは、標本上で血管の中にがん細胞があるのが見えるかどうかを表すもので、一見、血管の中にがんがあれば転移しそうで、なければ大丈夫そうに思えますが、しかし、よく考えてください。例えば、水道管の中にゴミを流したとして、その管のどこか一部を輪切りにした時に、たまたまそこでゴミが見つかる確率が高いと思いますか? ですから、v0もv1もあまりかわりはないのです。Adjuvant onlineではあなたの乳癌の再発率(乳房内再発、対側乳癌も含む)が24%, 乳癌が原因の死亡率8%となります。それが、ホルモン単独で1/3、ホルモン+抗がん剤で1/2になります。
2)TCの主な副作用は、骨髄抑制で白血球が減少し発熱しやすくなること、脱毛、むくみ、手足のしびれ、倦怠感などです。AC<TC, AC=CMF<CEFですから、TCとCEFを比較した試験はないので両者の優劣は分かりません。副作用は個人差があるので、なかには抗がん剤治療をしながらフルタイムで仕事をしている方もいらっしゃいますが、仕事はできず休まなければならない方もいらっしゃいます。仕事をフルタイムで続けられるかどうかは、どの治療を選択しても五分五分と考えた方が良いと思います。
3)その3か月が治療効果に影響を及ぼすかどうかはわかりません。最近の考え方は、抗がん剤治療が先で放射線治療が後というのが一般的ですが、スケジュールの都合で逆になることもあります。貴女のように抗がん剤治療をやるかどうかで悩まれている方は、往々にして放射線治療を先に行なって、その間に抗がん剤治療についてよく考えてもらうということもよくあります。(文責  清水)

 

No.10980-1】  13年04月07日    Y.Y. 
術側の腕への注意

一度相談させて頂いた事がありますが、震災でパソコンを消失してしまったので、その時のNo.がわかりませんので、ご容赦ください。私は平成18年に右側の乳ガンで全摘し、リンパ節も切除しました。3個くらいだったと思います。その後、抗がん剤CEF治療、ホルモン療法でタスオミンを5年服用し、現在はエキセメスタン錠を服用しています。最初はフェマーラだったのですが、関節痛が酷く変更しています(現在も関節は痛いのですが・・・)。フェマーラからだと、1年2ヶ月経過しました。定期的に血液検査等を受け、現在は再発も転移もありません。長くなりましたが、お聞きしたいのは術側の腕の事です。術後、注射や血圧測定は反対側で、重い荷物を持つ等、負荷はかけないように言われました。幸いリンパ浮腫もありません。腕への注意は、ずっと続けなければないのでしょうか? 今、メディカルではなくリラクゼーションなのですが、リンパドレナージュと、全身もみほぐしの勉強を始めて、『腕への注意』を思いだし、不安になりました。よろしくお願いいたします。現在の年齢は51歳です。当時は、ステージU期Bと言われました。

昔は“注射や血圧測定は反対側で、重い荷物を持つ等、負荷はかけないように”と指導していましたが、そのようなevidenceがないこと、逆に負荷をかけてもリンパ浮腫の発生率は変らないことから、むくみがない場合は、そのような厳しい指導はしていません。強いて言えば、両腕があるので、最初は健側を使ってもらい、採血等が難しい場合は手術した方の腕を使ってもらっても問題ありません。(文責 清水)

 

No.10980-2】  13年08月18日    Y.Y. 
転移、再発の可能性

前回はご回答ありがとうございました。平成18年に右側を全摘、リンパ郭清有り、抗がん剤CEF投与、その後5年間タスオミン服用、現在はエキセメスタン錠25mg『テバ』を服用中です。現在、51歳です。本日、定期検診でエコー検査を受けたところ、右側(多分脇付近)のリンパ1個が8ミリ位になっていたそうです。先生の説明は、次回の検査(6か月後)まで様子を見る・・・という事でした。今のところは特に心配ないと言われたのですが、やはり心配です。癌と関係なく、腫れたりすることがあるのでしょうか? 残った(手術時)リンパに転移、あるいは再発した可能性もあるのでしょうか? よろしくお願いいたします。

御相談どうもありがとうございます。リンパ節郭清をしていても、術後に皮下のリンパ節が炎症で腫れることはあります。もしリンパ節が腫れていても、緊急で手術をしたり検査をするよりも静かに経過観察をするのが通常です。ご不安が強いと思いますが、まずは現在の治療で経過をみていただいて、次回の検査結果でまた主治医の先生に御相談くださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10980-3】  14年04月16日    Y.Y. 
エキセメスタン錠の副作用について

前回、前々回はご回答ありがとうございました。今回は、現在服用している「エキセメスタン錠25mgテバ」についてお伺いします。平成18年(45歳)に右側全摘後、抗がん剤を受けてタスオミンを5年服用後、エキセメスタン錠を服用しています。最初はフェマーラでしたが、全身の関節痛が酷く、エキセメスタン錠に変更してもらいました。エキセメスタン錠も、起床時の手指の関節痛はありましたが、段々気にならなくなっていました。しかし、最近また手指の関節痛と、ふわふわした眩暈のような感じと頭重感があり、足に力が入らなくなることがあります。副作用でしょうか? 更年期障害でしょうか? 2月のマンモと血液検査、エコー検査では異常がありませんでした。月経は、平成18年の抗がん剤投与時以降ありません(この時点で閉経したようです)。よろしくお願いいたします。

エキセメスタンもフェマーラと同様にアロマターぜ阻害剤に分類されるホルモン剤で、関節痛や更年期症状といった副作用はよく知られております。ただフェマーラに比べエキセメスタンの方が関節痛の副作用はいくらか少ないと言われており、フェマーラやアリミデックスなどを使用して関節痛が強く出た際に、エキセメスタン(アロマシン)に切り替えて様子を見ることは、私もしばしば行っております。よって、今生じている関節痛や眩暈・頭重感などの更年期様症状は、エキセメスタンの副作用である可能性は十分にあります。症状が強く生じるようであれば、エキセメスタンの変更や中止が検討されることになります。これを踏まえ主治医の先生とよくご相談なさってください。(文責 谷)

 

No.10980-4】  15年08月24日    Y.Y. 
今後の治療について

何度目かのご相談です(10980−1・2・3)..。本日、病院へ行き、血液検査と超音波検査を受けてきました。結果は、どちらも異常なしでほっとしております。2年前の超音波検査で指摘された術側の腫れ(本日の担当の先生は、良性の腫瘍とおっしゃていました)は、無くなっていたそうです。ただ、心配なのは現在の投薬が、あと1年半ほどで終了します(タスオミン5年の後に現在はエキセメスタンを服用)。その時点で、術後10年を迎えるわけですが、10年目に再発・・・と言うことも耳にします。わたしの場合、初期ではありませんでしたし、リンパ郭清もしております。決して10年経ったからと言って安心は出来ない・・・と思っております。本日の担当の先生にも伺ったのですが、現在の投薬終了後は経過観察のみとなるのが通常でしょうか? (本日の担当医を信用しないわけではないのですが・・・) 医学は日々進歩し、治験も行われ、現在の治療が終わる頃に新しい治療法が確立される事を祈りつつ、お伺いいたします。よろしくお願いいたします。

そうですね。内分泌療法を10年以上行った方が、10年で終了するよりも患者さんに利益があるという報告はどこにもないので経過観察で十分です。「10年目に再発・・」の人ばかりではありません、むしろ10年経って何もない人の方が多いですね。(文責 緒方)

 

No.10980-5】  15年08月31日    Y.Y. 
アロマターゼ阻害剤の副作用について

過去にも副作用の質問をしております(10980)。昨日、勤務先で受けた健康診断の結果が、HDLコレステロールとLDLコレステロールが異常値でした。以前、タスオミンを服用していた時は、急に中性脂肪が高くなり、服用を止めてからは正常値に戻りました。食生活は変わっていません。(むしろ、野菜中心を心がけています。)このコレステロールの異常値は、エキセメスタンの副作用でしょうか? 何度もすみませんが、よろしくお願いいたします。

ご相談ありがとうございます。私のお返事でY.Y.さんの不安が少しでも和らげば嬉しく思います。Y.Y.さんの異常値がどの程度の状態なのかがご質問内容からはわからないのですが、現在服用されているエキセメスタンの薬剤添付文書には副作用として高コレステロール血症の記載はございません。こちらにご相談なさるよりは、ご担当の先生に検査値をご報告して、今一度再検査等お受けになることをお勧めいたします。(文責 斎藤)

 

No.10979】  13年04月07日    YT
再発転移乳がん 抗がん剤の選択について

検索していてこのページにたどり着きました。お答えいただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。
51歳。1年4ヶ月前に乳がん再発し、上半身の骨ほぼ全域と、肝臓に多数転移があります。エストロゲン陽性、Her2陰性です。主治医から抗がん剤を勧められ、その選択を迷っています。2007年8月(45歳)の時、右乳房に2.8センチのしこりがあり、温存手術を受けました。その後、がん細胞の顔つきが悪い(グレード3)ということで、抗がん剤を半年間、EC4クール、ウィークリータキソール12回、放射線30回受けたあと、3年半ノルバデックスを服用していました。2011年12月に骨転移が見つかり、抗がん剤とほぼ同時期から生理が止まっていたため、閉経しているだろうという判断で、半年間フェソロデックスの注射とゾメタの点滴を受け、骨転移の痛みは取れましたが、腫瘍マーカーは徐々に上がっていきました。その後主治医が変わり、血液検査でエストロゲン値を調べると、90台の数値で、生理はとまっているものの、卵巣機能はまだ活発で閉経前の状態だと言われ、リュープリンとフェマーラを服用しましたが、エストロゲン値は下がらず、腫瘍マーカーは上がる一方でした。2012年11月にがんワクチンの治験を受けられることになりましたが、いよいよ1回目の投与という時に、直前のアレルギーテストで、まさかのアレルギ−反応がでてしまい、とても残念なことに不適格となりました。2013年1月からは、ゾラデックスとアロマシンでのホルモン治療を受けましたが、相変わらずエストロゲンは80台で、卵巣にも異常なく、ホルモン治療は効果なしと判断され、先週タキソール+アバスチンか、ハラヴェンか、ゼローダ、いずれかの抗がん剤治療を勧められ、決断がつかず、返事を保留してきました。2ヶ月前にゾメタからランマークに変更。腫瘍マーカーは CEA178、CA15-3 149です。肋骨が痛むため、1日3錠ロキソニンを服用して、痛みはおさまっている状態です。アルコールに対するアレルギーがあることと、一度使った抗がん剤なので、タキソールには不安があります。術後に受けたタキソールで生き残ったがん細胞が、ますます強くなって生き残るということはないのでしょうか? タキソールとアバスチンは奏功率は高いけれど、やめたときのリバウンドがすごいらしいという話も聞きました。私のような状態で、どの抗がん剤を選択したらよいのか、もしくはWT1ワクチンのような免疫療法に期待をもっていいものか、ご教示いただきたく、よろしくお願いいたします。

YTさん、ご相談ありがとうございます。私のお返事で疑問が少しでも減れば嬉しく思います。YTさんの病状は骨・肝転移に対して様々なホルモン療法を受けても、腫瘍マーカーが上がってきている状態ですね。腫瘍マーカーと共に、画像検査で転移の状態も悪化しているのでしょうか。画像検査でも病変の増大を認めているのであれば、やはりそろそろ抗がん剤治療に切り替えるべきだと思います。その場合の使用薬剤に、決まった使い方はありません。それぞれの薬剤の効果と共に、副作用や通院頻度などをお聞き頂き、担当の先生とよく相談し、ご納得のいくお薬を選択すればよいのではないかと思います。タキソールとアバスチンを中止したあとのリバウンドが具体的に何を意味しているのか不明なのですが、そのようなことはありません。アレルギーで使用できなくなったワクチンがどのようなワクチンなのか不明ですが、WT1ワクチンをはじめとして癌ワクチン療法は未だ確立した治療では無く、保険がききません。施行されるのであれば、臨床研究等に登録してお受けになることをお勧め致します。今後の治療法はまだまだ多く、何を選んでよいのかご不安だと思いますが、ぜひご担当の先生から詳しく説明をお聞きになり、後悔しない治療を選択して頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.10978】  13年04月07日    R  
乳管内乳頭腫 (HPNo.10960-3)

いつも相談にのっていただきありがとうございます。先日、再度針生検をしましたが、また判断つかずになってしまいました。そして、外科的生検をすることになりました。私としては、すぐに皮下乳腺全摘で乳輪と乳頭を残して、手術して、すっきりとしたいところですが、この手術をすると、癌だった場合に、脇の下のリンパの検査ができませんと言われてしまいました。どちらにしても、MRIの検査で4以上の結果が出ているので、切除はするというお話だったので、外科的生検をせずに早く手術したいのですが・・・。

1) センチネルリンパの検査は、この手術をすると検査ができないとは、どういうことでしょうか?
2) 皮膚に近いところにしこりがあるので、その部分は皮膚をとらないかもとのお話でしたが、非浸潤癌でも取らなければだめですか?
3) 乳輪、乳頭の下近くまでしこりがきているので、術中迅速診断で癌が無ければ残したいのですが、可能でしょうか?
4) 再建希望ですが、外科的生検で傷が残るでしょうか?

いろいろ質問してすみません。教えていただけたらと思います。

Rさん、ご相談ありがとうございます。私のお返事で疑問が少しでも減れば嬉しく思います。センチネルリンパ節生検を行う場合は、腫瘤の周囲や乳頭乳輪直下に生検に必要なお薬を注射します。そのため、乳房を全摘してしまうと、@お注射をすることができなくなる、Aセンチネルリンパ節へつながっているリンパ管が切れてしまう可能性がある、などの理由により、正確なセンチネルリンパ節生検ができなくなってしまいます。非浸潤癌であれば皮膚を切除しなくても理論的には問題ありませんが、非浸潤癌か浸潤癌かを術中に正確に判断することは困難だと思います。また乳頭乳輪直下に術中迅速で癌が無ければ乳頭・乳輪を残すことは可能ですが、術後の詳細な検査で断端(切った切り口)に癌があると判定が変更された場合は再手術で切除が必要になります。再建を行っても、残念ながら傷が消えることはありません。Rさんの以前のご質問も拝読致しました。今回はまず良悪性を判定するための手術だと思いますので、再建等はその診断がついてからお考え頂くのがよろしいのではないかと思います。(文責 斎藤)

 

No.10977】  13年04月05日    T 
しこりについて

9年前に乳ガンの診断を受けた53才の主婦です。浸潤性、ホルモン受容体陽性、骨転移していてV期で、診断時は痛みをコントロールすることが最優先の状態でした。手術は希望しませんでした。その後、ホルモン剤治療(アリミデックス)が効き、しこりは徐々に小さくなりました。腫瘍マーカーの値も、現在でも正常値です。2010年9月に、しこりが少しずつ大きくなりはじめた為、アリミデックスをやめ、タモキシフェン→更に最近ヒスロンに変えました。が、しこりは徐々に徐々に大きくなり、今は胸がパンパンの状態で、時々痛みも感じられます。この先、このままでいたらどうなりますか? 現在の状態は、癌は原発部分とリンパ節に数個あるのみで、他にはないということでした。完治することがないということは理解していますが、これからどうなるか不安です。よろしくお願いいたします。

Tさん、ご相談ありがとうございます。私のお返事で不安が少しでも減れば嬉しいです。Tさんの治療は今までホルモン療法のみを施行されていますので、今後どこかで抗がん剤を使用した治療に変更する時が来ると思います。抗がん剤に効果が認められれば、またお胸の張りも減り、柔らかい乳房になると思います。抗がん剤に効果が無かった場合は、他臓器(例えばまた骨や肺や肝臓など)に転移を起こす可能性が出てきます。しかし乳癌に使用できる抗がん剤は多数あります。今後も不安になることは多々あると思いますが、担当の先生とよく相談して治療をお続け頂く事をお勧め致します。(文責 斎藤)

 

No.10976】  13年04月05日    S.T
胸のしこりと痛みについて

4歳の子供がいる36歳の主婦です。一ヶ月前に、胸に母乳が湧いてくるような感覚があり(子供が卒乳して3年近く経ちます)、左の胸が岩みたいにガチガチになりました。胸の大きさが二倍になって、神経痛のような痛みがありました。一週間くらい経つと全体的な腫れはひいたものの、左胸内側上部に大きなしこりのようなものが残りました。内側からチクチク刺すような痛みと熱感もあります。産婦人科の乳腺科で、マンモグラフィーとエコーをしてもらいましたが、はっきりとした原因が分からないみたいで、経過観察となりました。現在はしこりが以前の半分くらいの大きさになったのですが、また卵くらいの大きさはあります。また、チクチクした痛みもあります。しこりは移動することもあり、しこりのある部分の皮膚が内出血みたいに少し青い気がします。病院の検査ではっきりした原因が聞けなかったので、一体しこりが何なのか心配です。考えられうる病名を教えていただければと思います。よろしくお願いします。

S.Tさん、ご相談ありがとうございます。私のお返事で不安が少しでも減れば嬉しく思います。ご相談頂きました内容からは、随分症状に変化のある乳房と感じました。乳房の痛み・腫れ・熱感があれば、乳腺炎が考えやすいです。しかし、ひどい乳腺炎は自然に改善することは少ないように感じます。また依然としてしこりが残っているのであれば、良性もしくは悪性の腫瘍性病変も疑わなくてはいけません。いずれにしても再度同じ病院で検査をお受け頂き、変化を確認して頂くのが一番よい方法と考えます。また病院での説明が不十分であったり納得がいかない場合は、セカンドオピニオンという方法もございます。ぜひ詳しく調べて頂き、納得いくまでご質問をなさって下さい。(文責 斎藤) 

 

No.10975】  13年04月05日    K 
今後の治療・生存率について

2010年12月に Bt+Ax+TRAM施行。
病理結果: IDC、SCIRRHOUS CARCINOMA、STATUR OF POST-OPEN BIOPSY(27・25・20mm)、histological gradeT、nuclear gradeT、ly(-) v(-) f(+)、ER3(+) PgR3(+) 、
HER2(0) 、 Ki-67about 5%、  p53 less than10%、  リンパ節Level T5/13
腫瘍はC領域の開放生検部近傍に3×3mmの浸潤癌と他にC領域・A領域にDCIS認める多発癌。
術前・術後に抗がん剤を…と言われましたが、拒否して、リュープリン注射とノルバテックス内服で丸2年経過しました。現在 37歳です。今月のエコーで患側の腋かに腫瘍らしきものがあ
るということで、5月に再検査予定です。その他の検査については問題なしできています。

1) リュープリン注射を終了するか継続したほうが良いのか迷っています。継続するメリットはありますか? 頭痛やホットフラッシュなどの副作用が辛いです。また生存率を教えてください。
2) リュープリンが2年終わったので、ノルバテックスもやめて、妊娠・出産したいと希望がありますが、現状では諦めたほうが良いですか? 主治医は、個人的にはやめてほしいが…とおっしゃいました。

アドバイス、よろしくお願い致します。

Kさん ご相談ありがとうございます。私のお返事で疑問が少なくなればありがたいです。今回のご相談内容を拝読して、私の疑問は、腋窩の腫瘤らしきものが再発かどうかという事です。まずこれの良悪性をしっかり判定して頂く必要があると思います。再発であれば妊娠・出産よりも再発の治療が優先順位の上位になりますし、リュープリンが無効であるとも考えます。したがって、この腫瘍らしきものに対する細胞や組織の検査を、主治医の先生とご相談なさることをお勧めいたします。(文責 斎藤)

 

No.10974】  13年03月25日    JM
グレード3は転移の速度がかなり速いのでしょうか?

実は過去二度ご相談させていただいた、68歳の女性です。二年半前に左乳房を温存手術いたしました。大きさも1.7センチと小さく、ステージ1で、安心していた所、術後判ったことは、センチネル0/2、脈管浸襲共に0、Ki67は32%だが、グレードが3 HER2+3 ホルモン反応強陽性(100%と70%)と、非常に悪質な癌であるという報告でした。その後、放射線治療、抗がん剤、ハーセプチン、ホルモン剤の服用と、思いがけない重い治療を言い渡されましたが、私の強い希望で、抗がん剤だけを経口抗がん剤に変えていただき、そのほかの治療は、フェマーラの服用をはじめ、全て粛々とこなして来ました。その折、医師から、「非常に元気の良い、転移しやすいタイプの癌なので、二年目から三年目が転移の一つの山場でしょう。」と、告げられていました。私としては、自分の意思とは言え、標準的抗がん剤を受けなかった事に対する引っかかりが心の中に常にあり、今回のご相談に至りました。次回の検査までに少し時間があるのですが、最近受けた検査は、昨年九月末に続き、今年の一月初めでした。二回とも、つまり、この半年の検査では何ら問題なくホッと致しました。しかし一ヶ月前より、時々咳と、少量ですが透明の痰が出ます。咳止め薬は服用していませんが、苦しいほどではなくとも、出ない日はなく、寝る前などは立て続けに出ます。今まで花粉症も気管支アレルギーもないので、短期間の間に肺に転移したのではなかろうかと、心配な毎日です。九月末の検査は骨シンチとCT、血液検査。一月初旬の検査は血液検査と乳房のエコーだけでした。そして二回とも何らの問題もなく安心しておりました。しかし最近 咳と痰が出始め、毎日が疑心暗鬼の暗い毎日です。それでお尋ねするのですが、半年前の九月の検査結果でも問題なく、二ヶ月前の血液検査結果も全く異常無し、それでも、今、突然転移の症状が現れるという事があるでしょうか? スピードの速い転移では、こういう事もあるのでしょうか? 病院に行くのが一番なのでしょうが、怖くて行けません! 次回の検査までもしばらくあるので、お尋ねいたしますが、どうぞ率直なご意見をお聞かせくださいませ。

咳や痰が出るのは、乳癌の再発だけでなく他に様々な病態・原因が考えられます。怖がってばかりいないで、きちんと検査なさることが第一と考えます。いきなり乳腺科の外来に行く必要はなく、2年半前に乳癌手術をしたことがあると既往歴を明記して、呼吸器科にかかられれば良いのではないでしょうか?(文責 久保内)

 

No.10973】  13年03月25日    S 
術後の状態について

術後2年弱になりますが、今まで乳房には問題なく過ごしてきました。最近超音波の検査をした時、脇、乳房に水が溜まってるとのことで、経過観察になりました。2ヶ月後の再検査で水の量が増えているとのことでしたが、術後よくあることで、心配する必要はないと、主治医からは言われたのですが、2年何もなく過ごしてきて、急にこういうことがあるのかと不安になりました。以前ノルバディクスを飲んでいましたが、副作用が出た為中止になり、乳ガンに対しての治療はしていないので、不安です。ステージ1、 閉経前、リンパ他転移はなく、乳管
内進展はあり、浸潤性小葉がんです。ハーツなし。

1) 術後2年たって、水が溜まり、増えるのは、原因は何が考えられるか?
2) ホルモン療法を、薬を変えて、今からでも再度治療を始めた方がよいか?

よろしくお願いします。

1) 腋窩や乳房切除部に水が溜まっているだけでしたら、多分手術によって生じた組織間隙に貯留した液体でしょうから、術後には良くあることです。ただ増加傾向であれば、経過観察や更なる検査をした方が良い場合があると考えますが、通常局所再発は腫瘤形成で、リンパ節再発もリンパ節の腫大という所見でしょうから、液体貯留が再発を疑わせる所見であることは極めて少ないと考えます。
2) 術後初期治療は、手術の後継続して行って意味のあるものと考えます。ノルバデックスは服用不能になるような副作用の少ない薬であり、また閉経前でノルバデックスの副作用があった方は、変わり得る治療法がトレミフェンンの内服位しかなく、それとても副作用なしで投与出来ないかもしれませんので、そのまま経過観察がよろしいのではないでしょうか。(文責 久保内)

 

No.10972】  13年03月25日    Y.I. 
ルミナール

腫瘍の大きさは3cm程の硬癌・ ホルモン陽性 ・Her2陰性・ 断端無し ・リンパ転移無し ・グレード2で、ステージ2aと言われ、放射線25回、皮下注射2年・薬を5年服用しました。ki-67が分かりません。このタイプは、ルミナールA・Bのどちらに当てはまるのでしょうか?

乳癌のサブタイプ(ルミナールA・Bを含めたいくつかのタイプ)は、本来マイクロアレイという遺伝子検査で分類されるもので、臨床的代替定義として免疫染色を含む病理所見で類推しているということを、まずご理解ください。またルミナールAとBを類推区別するには、ホルモン受容体の陽性の割合や、Ki67の値が必要になりますが、5年以上前の病理報告書ではそれらの値が明記されていないと思いますので、「どちらに当てはまるのかは不明」としか表現できません。(文責 久保内)

 

No.10971】  13年03月11日    Y.S.
アリミデックスの継続について

2007年に右全摘手術手術をしました。「硬癌、大きさは26×15ミリ、割面所見S、脈管侵襲ly3、v1 核異型度NG1 リンパ節転移2 ER90%以上、PGR90%以上 広範な乳管内進展と高度脈侵襲があります。」というものでした。抗がん剤のあと、しばらくノルバデックスを飲んだ後、アリミデクスをのんでいます。もうすぐ、服用して5年になります。このまま服用を続けてもよいでしょうか、教えてください。骨密度は普通です。ただ、両膝が痛く、レントゲンをとりましたが、特に、異常はありませんでした。

ある臨床試験では、タモキシフェン(ノルバデックス)5年内服の後に、フェマーラを5年追加して内服した方がやや再発リスクが下がるという結果でした。Y.S.さんは、その試験の内容と異なるため一概には言えませんが、アリミデックスを5年以上内服した方が良いというデータはなく、服用は続けても良いが、効果があるかどうかははっきりしません。膝関節痛が、アリミデックスが原因の可能性もあり、内服を継続することで弊害も継続すると考えて下さい。(文責 緒方)

 

No.10970】  13年03月11日    M.N. 
抗がん剤の投与期間について(2)(HPNo.10966-2)

42歳既婚で、10歳の子供がいます。抗がん剤の投与期間について質問します。12月に右側乳房の温存手術を受け、以下の結果が来ました。病理結果 大きさ13o 浸潤性乳管がん ステージ1 ER(+ 80%)、PgR(-) Her2 +1(FISH -) グレード2(9点中7点) Ki-67 51% リンパ節転移なし リンパ管侵襲なし 断端 (-)。 現在放射線治療を終了し、今後の治療について、以下のように提案されました。抗がん剤投与後、ホルモン療法(5年)、抗がん剤の期間について3か月と半年を言われ、病院側からは、根絶を目指すために半年を勧められました。抗がん剤の副作用や、3か月と半年の再発率などの差があいまいなため、迷っています。ぜひご意見を聞かせてください。

42歳でも、ホルモン療法のみで問題ない気がしますが、どうしても判断材料を増やしたいのであれば、自費の検査になりますがOncotype DXをお勧めします。(文責 緒方)

 

No.10969】  13年03月11日    M.F. 
病理について

1月末に温存手術を受けました。 40才、閉経前です。病理の結果で質問があります。術前の針生検の病理では、Her2 +1で陰性、このときFishも調べて、陰性とのことでした。術後の病理では、Her2 +2になっており、主治医にHer2陽性だからハーセプチンを投与するべきなのか聞いたところ、+2は疑陽性なので、術前のFishで陰性で出ているので、Her2は陰性であるとのことでした。ホルモン強陽性、ステージ1、グレード2で、ホルモン治療が始まったところなのですが、術前のFishで陰性の場合、術後に+2になってもハーツーは陰性なのでしょうか? 念のため、術後もFishで調べ直したほうが良いのでは?と思っていますが、その必要はないのでしょうか? (ハーツー陽性なら、ハーセプチンと抗がん剤を投与したほうが再発率を抑えられると思っているので・・・)

免疫染色検査で2+、その後FISHが陰性になることが多いのですが、その一因に、施設によって2+の割合が高い施設があるということがあります。まれに、針生検で+1で陰性、術後に3+ということもありますので、FISHをしなくても絶対大丈夫とは言い切れません。FISHで増幅有りと出る可能性は、低いとは思いますが。(文責 緒方)

 

No.10968】  13年03月11日    M 
アバスチンの投与について

65歳の末期患者です。骨、胸膜、肝臓に転移しています。今回、アバスチン・タキソールの投与をしました。私は元々尿たんぱくがプラスで、1クール後、尿たんぱくが2プラスになりました。主治医はアバスチンの副作用だから続けると言われますが、このまま続けても良いのでしょうか?

尿蛋白が2+であっても、継続して使用できない程度の副作用ではありません。主治医の意見に賛成です。(文責 緒方)

 

No.10967】  13年03月11日    Y.I
FDG−PETの集積について

初めて投稿させていただきます。よろしくお願いいたします。乳がん術後8年半、経過観察中です。毎年年1回のPET検診の前日、自宅の全身マッサージ機で、背中を中心に15分1セットを4−5セットやり(1時間)、自分自身はとてもスッキリして、翌日のPET検査を行いました。結果、背骨に疑いがあるとの事でした。MRI検査も行いましたが、結果が来週なので、不安な毎日です。腫瘍マーカーに関しては、CEA2.5  CA15−3は4.....と、去年とほぼかわりはありません。また骨が痛いなどの症状もありません。マッサージ機でグイグイとやり、炎症を起こしていたのでしょうか? その可能性もありますか?

もみ返しです。(文責 緒方)

 

No.10966-1】  13年03月11日    M.N. 
抗がん剤の投与期間について

抗がん剤の投与期間について質問します。12月に右側乳房の温存手術を受け以下の結果が来ました。病理結果は以下のとおりです。 
大きさ13o 浸潤性乳管がん ステージ1 ER(+ 80%)、PgR(-) Her2 +1(FISH -) グレード2(9点中7点) Ki-67 51% リンパ節転移 なし リンパ管侵襲 なし 断端 (-)。
現在放射線治療を終了し、今後の治療について、抗がん剤投与後、ホルモン療法(5年)を提案されました。抗がん剤の期間について3か月と半年を言われ、病院側からは、根絶を目指すために半年を勧められました。私としては3か月を希望していますが、抗がん剤の副作用や、3か月と半年の再発率などの差があいまいなため迷っています。ぜひご意見を聞かせてください。

抗がん剤の種類と組み合わせは、複数あり、単純には比較できません。したがって、3か月と半年の再発率などの差があいまいなのは、仰るとおりでです。また、M.N.さんのご年齢がわからないため、適切なお答えができません。抗がん剤の効き具合は、年齢に依っても変わってくるからです。主治医の先生は、増殖因子のKi-67が51%であることで、化学療法をお勧めしていると思われます。数字が高いほど、細胞が増える速さが速く、予後が悪い、もしくは抗がん剤が効く可能性があるというものです。しかし、Ki-67の値は、施設によってもばらつきがあり、要注意です。あくまで個人的な意見ですが、ホルモン療法(5年)のみでも十分な気がします。(文責 緒方)

 

No.10966-2】  13年03月11日    M.N. 
抗がん剤の投与期間について(2)

42歳既婚で、10歳の子供がいます。抗がん剤の投与期間について質問します。12月に右側乳房の温存手術を受け、以下の結果が来ました。病理結果 大きさ13o 浸潤性乳管がん ステージ1 ER(+ 80%)、PgR(-) Her2 +1(FISH -) グレード2(9点中7点) Ki-67 51% リンパ節転移なし リンパ管侵襲なし 断端 (-)。 現在放射線治療を終了し、今後の治療について、以下のように提案されました。抗がん剤投与後、ホルモン療法(5年)、抗がん剤の期間について3か月と半年を言われ、病院側からは、根絶を目指すために半年を勧められました。抗がん剤の副作用や、3か月と半年の再発率などの差があいまいなため、迷っています。ぜひご意見を聞かせてください。

42歳でも、ホルモン療法のみで問題ない気がしますが、どうしても判断材料を増やしたいのであれば、自費の検査になりますがOncotype DXをお勧めします。(文責 緒方)

 

No.10965】  13年03月11日    R
乳管内乳頭腫(HPNo.10960-2

返信ありがとうございます。経過観察していたのですが、しこりの大きさは2.6センチあり、先日のMRIではカテゴリー4以上となり、5センチが染まっているような状況でした。見過ごされてしまったのでしょうか? 手術はしたいと思います。大きく広がってしまっているため、四分の1の切除は確実のようです。
1) この状況で、浸潤癌の可能性はあるのでしょうか? 2年前より痛みがあり、先生には老化現象だといわれていましたが、とても心配です。
2) 四分の1切除で同時再建できるでしょうか?
3) セカンドオピニオンをしたほうがいいでしょうか?

1) 少ないと思います。
2) 同時再建は、基本的には全乳房切除が適応です。
3) 治療方法に迷っているのなら、セカンドオピニオンを取るのも手です。(文責 緒方)

 

No.10964】  13年03月11日    O
乳管内乳頭腫とエストリール

52歳です。5年くらい前から、乳管内乳頭腫で1年に1回の経過観察中です。閉経や重い物を持つのが原因で子宮が少し下がり、そのため膀胱も下がり、頻尿の治療のため女性ホルモンのエストリールを飲んでいます。産婦人科の先生は、弱いホルモン剤だから問題ないと言われました。エストリールは乳管内乳頭腫に悪影響はありませんか? 頻尿がおさまるのはいいのですが、乳管内乳頭腫が悪性化しないか心配です。

全くないとは言えないかもしれませんが、1年に1回の経過観察で変化がなければ、エストリールは継続可能です。(文責 緒方)

 

No.10963】  13年03月11日    Y・I
Pet検査の信頼度は?

初めて投稿させていただきます。 Pet検査の信頼度は?  44歳、乳がんを経験しています。まず、私の乳がんの症状をお知らせいたします。手術は2004年9月末に行いました。病院は県内でも乳がんの手術数が多い県立病院です。 しこりの大きさはT2、 リンパ節転移なし、 遠隔転移なし、ステージ2期Aでした。組織学的分類硬がん、 断端 無し、 組織異型度 グレード2、 ER+、 PgR+、 Her2/new?、 です。手術後、放射線や飲み薬等、他の方と同じ一般的な療法にて順調に経過していき、幸い2008年7月に女児出産もする事ができました。その後も経過順調でしたので、2009年度後半位からは 飲み薬もなくなり、年に一度の血液検査・マンモ・エコー・触診だけになりました。血液検査のCEAは毎回2.5以下、CA15-3は毎回4以下です。先日、年に一度の検査にて異常が見つからない事から、主治医の先生が、「また来年でいいでしょう。問題ありません。…」との事でした。とても嬉しい言葉だったですが、お守りの為に今回もPet検査を受けさせて下さいと要望し、6回目のFD-Pet検査を実施。結果は背骨に疑いがあるとの事です。来週にMRIの予約をしました。それでも疑い…の場合には骨シンチ? また他の検査をするような事を言っていましたが…。子供もまだ小さく、とても不安で、誰も居ない所で泣いています。他の方の知恵袋などを拝見すると、骨に転移した場合には「死」を覚悟しなければならないような書き込みがあったりするので、不安が倍増してしまいます。自分から自主的に受けたPet検査を後悔してしまい、気分が落ち込んでしまいます。Pet検査の信頼度はどの位なものでしょうか? 不安で仕方ない毎日です。適切なアドバイスをお願い申し上げます。

乳がん診療ガイドラインでは、PET検査を術後の経過観察に用いることは勧めていません。もしかして、お返事の時にはシンチで「白」の答えが出ているかもしれません。反省点は、自ら心配の種をまいてしまったことです。次回から主治医のことばを、素直に受けて下さい。(文責 緒方)

 

No.10962】  13年03月08日    M.M.  
術後の薬物療法の選択について(2) (HPNo.10958-2)

先日は貴重なご意見をありがとうございました。非常に難しく、はっきりとした結論がでていないタイプだということが改めてわかりました。そこで、追加で質問をお願い致します。

1) 年齢を書き忘れてしまいました。48歳(手術時)閉経前です。この年齢では、再発予防のためにきっちり初期治療を行うとすると、先生のお考えでは抗がん剤を追加されますか?
2) もし追加するとなると、私の場合はどのような抗がん剤の種類になると考えられますか? (例えば、AC、TC、EC等) また、UFT等の経口抗がん剤は選択肢にはなりませんか?
3) オンコタイプDX検査をお願いしようと思っています。でも、主治医はこの検査で中間リスクになるとまた(抗がん剤を使うか)迷うことになると言っています。もしまた中間リスクになった場合はどのように考えたらいいでしょうか?

1) 48歳でしたら抗癌剤を追加します。科学的な説明は出来ませんが、抗癌剤に十分耐えうる年齢であることと、平均余命を考えた場合に抗癌剤を追加するメリットは少なくないと思います。
2) 私なら三つのレジメンの中ではTCを選択します。TCはACよりも効果があり、HER2陰性ではアンスラサイクリン系抗癌剤の効果が少ない傾向にあるからです。多遺伝子アッセイでハイリスクの場合にはアンスラサイクリン系抗癌剤とタキサン系抗癌剤を順次投与することも選択肢になるかとは思います。高齢者などでは経口抗がん剤を考えることともありますが、通常は選択肢に入れません。
3) 中間リスクであればオンコタイプDXでは答えが出なかったということです。改めて担当医と相談してください。(文責 大西)

 

No.10961】  13年03月06日    さくら  
定期検査について 

お世話になっております。血液検査のほかに、年に一回の、マンモ、骨シンチ、胸部・腹部のヘリカルCTを行っています。また、たまに身体の痛みがある部位のレントゲン撮影と、人間ドックの方では胃の内視鏡を行っています。これらの被ばく量が気になりました。ネットや本などでは、さまざまな情報があり、それぞれ数値も違うので、メールさせていただきました。お忙しいところ申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願いいたします。50才主婦です。

胃の内視鏡検査では被曝しませんが、CTや骨シンチでは被曝します。マンモグラフィーやX線検査による被曝はその100分の一以下です。骨シンチとヘリカルCTの被曝量は計20mSv程度になると思われます。100mSvの被曝で発がん率が0.5%程度上昇するとの報告があり、それ以下の被曝量でのがん化については、はっきりとしていません。仮に年20mSvの被曝を続けていると5年で100mSvに達しますが、DNAの修復も同時に進みますので、実際に発がん率が上昇しているかは不明です。医療現場においても無用な放射線被曝は避けるべきですが、術後の再発リスクを考え、当院でも年一回程度の定期検診を行っています。発癌以外の身体への影響は、定期的な検査被曝では問題になりません。(文責 大西)

 

No.10960-1】  13年03月06日    R 
乳管内乳頭腫

初めて相談させていただきます。5年くらい前より、しこりがあり、乳管内乳頭腫と診断され、毎年診察を受けていました。2年前より、マンモ、エコー、針生検をし、異常なしでしたが、昨年の針生検の結果が判断できずとなり、異型乳管過形成と診断されました。MRIとCTの出来る病院を紹介されて、そちらの病院では、エコーのみで手術が決定してしまいました。

1) 先日MRIの検査をして、これからCTの検査、そして手術となっていますが、このまま確定診断をせず、手術してしまっていいのでしょうか?
2) MRIやCTの検査で診断が変わることはありませんか?
3) しこりの大きさから、四分の1切除で、下内側切除のため、変形が大きいと言われましたが、乳輪のまわりから切除など、どういった手術が、手術後きれいで目立たないのでしょうか?
4) 今いる病院は形成外科がないため同時再建が出来ないのですが、手術前に形成外科を紹介してもらい、乳がん手術の最適な方法と、再建方法を相談してもいいのでしょうか?

主治医と相談すればいいのでしょうが、何を相談しても手術をしなければ何もわかりませんと言われ、相手にしていただけません。よろしくお願いします。

1) 過形成があるとその周囲に非浸潤癌が潜んでいることがあり、厳密には切除の適応になるので手術してしまって良いと思います。
2) MRIやCTの検査で診断が変わることはありませんが、切除範囲をより詳しく判断することができます。
3) しこりの大きさが分からないので切除の範囲がはっきりお答えできませんが、乳管内乳頭腫で経過をみていた場合、1〜2cm程度のものが多いので、1/4まで切除する必要はないと思いますが、あくまで推測をもとにした感想です。
4) 3)の続きにもなりますが、通常、乳管内乳頭腫の手術方法は乳管区分切除といって、乳管内乳頭腫のある乳管をくりぬく形の手術です。乳輪の周りから皮膚を切開して行います。あまり大きく組織を取らない手術で、再建が必要になることはありません。乳がんの診断が付いているわけではないので、過剰な治療になってしまいます。(文責 緒方)

 

No.10960-2】  13年03月11日    R 
乳管内乳頭腫(2)

返信ありがとうございます。経過観察していたのですが、しこりの大きさは2.6センチあり、先日のMRIではカテゴリー4以上となり、5センチが染まっているような状況でした。見過ごされてしまったのでしょうか? 手術はしたいと思います。大きく広がってしまっているため、四分の1の切除は確実のようです。
1) この状況で、浸潤癌の可能性はあるのでしょうか? 2年前より痛みがあり、先生には老化現象だといわれていましたが、とても心配です。
2) 四分の1切除で同時再建できるでしょうか?
3) セカンドオピニオンをしたほうがいいでしょうか?

1) 少ないと思います。
2) 同時再建は、基本的には全乳房切除が適応です。
3) 治療方法に迷っているのなら、セカンドオピニオンを取るのも手です。(文責 緒方)

 

No.10960-3】  13年04月07日    R 
乳管内乳頭腫(3)

いつも相談にのっていただきありがとうございます。先日、再度針生検をしましたが、また判断つかずになってしまいました。そして、外科的生検をすることになりました。私としては、すぐに皮下乳腺全摘で乳輪と乳頭を残して、手術して、すっきりとしたいところですが、この手術をすると、癌だった場合に、脇の下のリンパの検査ができませんと言われてしまいました。どちらにしても、MRIの検査で4以上の結果が出ているので、切除はするというお話だったので、外科的生検をせずに早く手術したいのですが・・・。

1) センチネルリンパの検査は、この手術をすると検査ができないとは、どういうことでしょうか?
2) 皮膚に近いところにしこりがあるので、その部分は皮膚をとらないかもとのお話でしたが、非浸潤癌でも取らなければだめですか?
3) 乳輪、乳頭の下近くまでしこりがきているので、術中迅速診断で癌が無ければ残したいのですが、可能でしょうか?
4) 再建希望ですが、外科的生検で傷が残るでしょうか?

いろいろ質問してすみません。教えていただけたらと思います。

Rさん、ご相談ありがとうございます。私のお返事で疑問が少しでも減れば嬉しく思います。センチネルリンパ節生検を行う場合は、腫瘤の周囲や乳頭乳輪直下に生検に必要なお薬を注射します。そのため、乳房を全摘してしまうと、@お注射をすることができなくなる、Aセンチネルリンパ節へつながっているリンパ管が切れてしまう可能性がある、などの理由により、正確なセンチネルリンパ節生検ができなくなってしまいます。非浸潤癌であれば皮膚を切除しなくても理論的には問題ありませんが、非浸潤癌か浸潤癌かを術中に正確に判断することは困難だと思います。また乳頭乳輪直下に術中迅速で癌が無ければ乳頭・乳輪を残すことは可能ですが、術後の詳細な検査で断端(切った切り口)に癌があると判定が変更された場合は再手術で切除が必要になります。再建を行っても、残念ながら傷が消えることはありません。Rさんの以前のご質問も拝読致しました。今回はまず良悪性を判定するための手術だと思いますので、再建等はその診断がついてからお考え頂くのがよろしいのではないかと思います。(文責 斎藤)

 

No.10959】  13年03月03日    H
追加の質問です(HPNo.10950-2)

先日、HPNo.10950で質問させていただいた者です。追加で質問をさせていただきたく、お願い申し上げます。免疫染色の結果が出ました。「手術検体・生体検体ともに免疫染色を追加し、浸潤の有無を再度検討したところ、明らかな間質への浸潤は見られませんでした。」との結果でした。質問させていただきたいことは、下記のとおりです。  

1) 完全な非浸潤癌ととらえて良いか? それとも、たぶん非浸潤癌だろう、ということか?
2) すでに再発だが、本当に何も今後治療しなくて良いのか? まだ30代で、すでに再発、HER2タイプということで、不安がある。念のため、ハーセプチンや抗がん剤をしたほうがいいか?
3) 今後の再発・転移に不安があるため、セカンドオピニオンも考えています。病理のセカンドオピニオンを受け付けている病院もあると聞きました。あまり意味はないのでしょうか? セカンドオピニオンを受診するには、今の主治医の先生に少し切り出しにくいので、迷っています。

たびたびで恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いいたします。

1) 検査精度の限界を考えなければ、完全な非浸潤癌です。
2) 非浸潤癌ですので、再発することはありません。ホルモン感受整容性乳癌であれば対側乳癌の予防のためにタモキシフェンの内服に意味はあると思いますが、ホルモン感受性陰性ということですのでハーセプチンも化学療法も必要ありません。また今回は局所再発ということですが、再発までの期間が4年ですから同側乳房にできた新たな乳癌の可能性もあると思います。今後も定期的な検査をお勧めします。
3) 今回のケースはあまり意見が分かれるケースではないように思いますので、治療方針に違いはないと思いますが、セカンドオピニオンの目的は主治医の先生の方針を確認し、安心して主治医の提示する治療を受けることにあります。セカンドオピニオンの話をして嫌な顔をする先生はまずいないと思います。(文責 大西)

 

No.10958-1】  13年03月03日    M.M  
術後の薬物療法の選択について

薬物療法の専門家のご意見を聞かせていただきたいと思い、質問させていただきます。1月末に左乳房温存手術(部分切除)を受けました。先日、やっと病理検査の結果がでて、今後の治療方針を決めることになりましたが、抗がん剤をやった方がいいか、迷っています。主治医も非常に迷うところだそうです。医師によって判断が違うことがあるようなので、是非ご意見を聞かせていただきたいと思います。

<病理検査結果>
・浸潤性小葉がん ・腫瘍の大きさ 1.5×1.3×0.9cm ・腫瘍の広がり 2.5×1.6×0.9cm ・リンパ節転移の個数 0個/2個中 ・腫瘍の悪性度 2 ・ER陽性(95%) ・PgR陽性(95%) ・HER2 陰性 ・脈管(リンパ管、血液)への侵襲あり ・Ki-67 20%

1) 部分切除なので放射線と、ホルモン陽性なのでホルモン療法は決定なのですが、ホルモン療法だけでいくのか、抗がん剤を上乗せした方がいいか、ご意見を伺いたいです。(その根拠と抗がん剤の種類も) 私としては、脈管(リンパ管、血液)への侵襲あり と、 Ki-67 20% が非常に心配です。
2) ホルモン療法だけを選んだ場合と、抗がん剤を上乗せした場合では、どの位再発率に違いが出るかも教えてください。
3) 浸潤性小葉がんは、再発率が高く、乳管がんに比べると予後が悪いと聞きます。部分切除でよかったのかと思うこともありますので、今後の再発・転移を防ぐために、治療、検診等を含めて、やっておいたほうがいいこと、注意することがあれば教えてください。

1) まず化学療法が必要かどうかについてですが、このケースは非常に難しく、、まだ結論が出ていません。科学的ではありませんが、私であれば患者さんの年齢や希望を考慮して考えます。それでも決めかねる場合は多遺伝子アッセイを勧めます。乳癌遺伝子を検査することで従来の病理検査よりも確実に予後を予測することができると言われ、ハイリスクであれば化学療法の追加を検討します。ただ、保険適応はなく、自費で50万円ほどかかります。
2) 化学療法の上乗せ効果についてもはっきりとしていません。逆にこの数字が分かれば化学療法を追加するべきかどうか結論が出るところです。ざっくりでよければですが、5%前後だと思います。
3) 浸潤性小葉癌の予後についてですが、浸潤性乳管癌と比較して予後が悪いとの報告もありますが、その逆の報告もあります。再発形式として温存乳房再発、体側乳癌、腹膜播種などが特徴的と言われていますが、一般的な乳癌と同じように肝臓や肺、骨にも転移します。断端が陰性であれば部分切除でもよかったと思います。(文責 大西)
 

 

No.10958-2】  13年03月08日    M.M  
術後の薬物療法の選択について(2)

先日は貴重なご意見をありがとうございました。非常に難しく、はっきりとした結論がでていないタイプだということが改めてわかりました。そこで、追加で質問をお願い致します。

1)  年齢を書き忘れてしまいました。48歳(手術時)閉経前です。この年齢では、再発予防のためにきっちり初期治療を行うとすると、先生のお考えでは抗がん剤を追加されますか?
2)  もし追加するとなると、私の場合はどのような抗がん剤の種類になると考えられますか?(例えば、AC、TC、EC等) また、UFT等の経口抗がん剤は選択肢にはなりませんか?
3)  オンコタイプDX検査をお願いしようと思っています。でも、主治医はこの検査で中間リスクになるとまた(抗がん剤を使うか)迷うことになると言っています。もしまた中間リスクになった場合はどのように考えたらいいでしょうか?

1) 48歳でしたら抗癌剤を追加します。科学的な説明は出来ませんが、抗癌剤に十分耐えうる年齢であることと、平均余命を考えた場合に抗癌剤を追加するメリットは少なくないと思います。
2) 私なら三つのレジメンの中ではTCを選択します。TCはACよりも効果があり、HER2陰性ではアンスラサイクリン系抗癌剤の効果が少ない傾向にあるからです。多遺伝子アッセイでハイリスクの場合にはアンスラサイクリン系抗癌剤とタキサン系抗癌剤を順次投与することも選択肢になるかとは思います。高齢者などでは経口抗がん剤を考えることともありますが、通常は選択肢に入れません。
3) 中間リスクであればオンコタイプDXでは答えが出なかったということです。改めて担当医と相談してください。(文責 大西)

 

No.10958-3】  13年04月07日    M.M  
今後の治療について

【No.10958-1 】【No.10958-2】で質問させていただいた者です。毎回的確なご回答をいただき感謝しています。ありがとうございました。先日、乳腺内科のセカンドオピニオンに意見を求めに行きました。その結果、「気になるのは『V1』で、これは血管の中に癌を認めるという事です。リンパ管の中に癌を認めることは時々ありますが、血管内に認めることは少ないです。これはひとつの危険な要素と考えるのがよいでしょう。総合的にはKi67は低値ではなく、V1というリスクがあるので、今ある情報だけでも抗がん剤を行って良いと思います」とのことでした。抗がん剤の種類も聞いたところ、「AC,CEF,TCがあげられます。効果の点ではTC,CEFがよりお勧めです」とのことでした。

1) V1というのは、そんなにリスクの高いものですか。とても不安になってしまいました。再発、転移しやすいということですか。私の場合、再発率は10年で最高20%と言われ、抗がん剤を追加することで、1/3〜1/2減らせるとのことです。先生のお考えをお聞かせください。
2) 以前の質問で、先生もTC療法を勧めてくださいましたが、AC<TC=CEFということなのでしょうか。CEFの副作用は吐き気が強いとのことでした。やはりTCを選択すべきでしょうか。また、TCの考えられる副作用と注意すべき点を教えてください。フルタイムで働いているので、QOLを下げずに仕事を続けられるか不安があります。
3) 術後の治療選択に迷っていたため、放射線の治療が3月下旬より始まります。私としては、抗がん剤をやる決心がついたので、先に抗がん剤をやりたいと言ったのですが、主治医は放射線の予約が入っているし、変更するのも大変、どちらからやっても構わないことになっていると言って、先に放射線をやって、GW明けから抗がん剤をやると言われてしまいました。そうなると、術後3ヶ月以上が経ってしまいます。それでも抗がん剤の効果は変わらないのでしょうか。
  
以上、どうぞよろしくお願いいたします。   

1)”v”という因子は、現時点で再発のリスクが高い因子とは考えられていません。“v”というのは、標本上で血管の中にがん細胞があるのが見えるかどうかを表すもので、一見、血管の中にがんがあれば転移しそうで、なければ大丈夫そうに思えますが、しかし、よく考えてください。例えば、水道管の中にゴミを流したとして、その管のどこか一部を輪切りにした時に、たまたまそこでゴミが見つかる確率が高いと思いますか? ですから、v0もv1もあまりかわりはないのです。Adjuvant onlineではあなたの乳癌の再発率(乳房内再発、対側乳癌も含む)が24%, 乳癌が原因の死亡率8%となります。それが、ホルモン単独で1/3、ホルモン+抗がん剤で1/2になります。
2)TCの主な副作用は、骨髄抑制で白血球が減少し発熱しやすくなること、脱毛、むくみ、手足のしびれ、倦怠感などです。AC<TC, AC=CMF<CEFですから、TCとCEFを比較した試験はないので両者の優劣は分かりません。副作用は個人差があるので、なかには抗がん剤治療をしながらフルタイムで仕事をしている方もいらっしゃいますが、仕事はできず休まなければならない方もいらっしゃいます。仕事をフルタイムで続けられるかどうかは、どの治療を選択しても五分五分と考えた方が良いと思います。
3)その3か月が治療効果に影響を及ぼすかどうかはわかりません。最近の考え方は、抗がん剤治療が先で放射線治療が後というのが一般的ですが、スケジュールの都合で逆になることもあります。貴女のように抗がん剤治療をやるかどうかで悩まれている方は、往々にして放射線治療を先に行なって、その間に抗がん剤治療についてよく考えてもらうということもよくあります。(文責 清水)
 

No.10958-4】  13年06月09日    M.M  
抗がん剤治療の継続について

いつもお忙しい中、丁寧なご回答をいただきありがとうございます。悩んだ時、迷った時に、ここで主治医以外の専門の先生にお話を伺うことができて、本当に心から感謝しております。さて、私は、【No.10958- 】【No.10958-2】【No.10958-3 】で質問させていただき、回答をいただきました。 今回は抗がん剤治療の継続について伺いたいと思います。
1/31に左乳房部分切除術を受け、放射線治療を4月末に25回終了しました。そして、5/15に1回目のTC療法を開始しましたが、ドセタキセルでアナフィラキシー様の症状(しびれ、灼熱感、激しい動悸、呼吸困難等)が出てしまい、中断し、点滴をゆっくり落として、なんとかやり遂げることができました。エンドキサンでは異常はみられませんでした。でも、6/5、2回目のTC療法で、また同様の症状が起きて中止となりました。主治医は、「抗がん剤は危ないからやめましょう。ホルモン療法でいきましょう」と言います。私としては、色々考え、セカンドオピニオンも受けて抗がん剤をやることを決心しました。また、1回目のTC療法で、脱毛も進みました。このまま抗がん剤をやらないことになったら、何のために脱毛までしたのか意味がわからなくなってしまいます(主治医にはそのことも伝えました)。そこで、お聞きしたいことが2点あります。

1) 主治医は、「(もし抗がん剤をやるなら)タキサン系はやめましょう」と言っています。もうTC療法は無理なのでしょうか。また、タキサン系以外で、私の病状にあった抗がん剤となると、後は何があるでしょうか。 また、その効果と副作用(リスク)も教えていただきたいと思います。
2) もし、抗がん剤をやらないとすると、ホルモン療法のみになります。私のような病状で、抗がん剤をやらないとすると、転移・再発が非常に心配です。もし、先生なら、私のような場合、どのような治療計画の  変更を考えられますか。

以上、お忙しいところ誠に恐縮ですが、ご回答をよろしくお願い致します。

1)副作用の点から、TC療法は避けた方がよさそうです。タキサン系以外の化学療法となると、一般的にはアンスラサイクリン系のAC、EC,FEC療法などが妥当でしょうか。副作用は、脱毛、骨髄障害、消化器症状など多彩です。特に消化器症状の嘔気(嘔吐)、食欲不振などは、覚悟が必要です。
2)ER,PgRとも95%なので、ホルモン療法単独か、UFTなど内服の副作用の少ない抗がん剤併用を考えます。(文責 石川) 

 

No.10957】  13年03月03日    AK  
ホルモン剤

5年前の5月より、乳がん治療で、抗がん剤(術前)と2年間のリュープリン注射とホルモン剤ノルバデックス20を飲み、治療してきました。この度、もう3カ月で5年飲み終えるノルバデクッス20ですが、血液検査で閉経に近いと言われ、アルミレックスに変更しますと言われました。それで、アルミレックスを、もう5年飲んでくださいと言われ、困惑しています。副作用はないのでしょうか? 今飲んでいるノルバ20を、もう5年飲んでも意味がないのでしょうか?

ノルバデックスをあと5年継続することにも意味があるとの報告もあります。ただ再発予防効果としてはアロマターゼ阻害薬(アリミデックスなど)の方が高く、今後はアロマターゼ阻害薬を内服していただいた方が再発予防効果は高いでしょう。副作用はホットフラッシュ,関節炎,関節痛,筋肉痛などです。術後補助療法は副作用のほかにも費用も考えないといけませんので、手術時の再発のリスクなども考えて決めていくことになるかと思います。(文責 大西)

 

No.10956】  13年03月02日    S.T.
左胸の石灰化

昨年12月に、検診で、「左胸石灰化あり、要検査」と通知があり、総合病院乳腺外来を受診しました。やはりマンモでは、左胸に固まった感じの石灰化がありました。エコーでは、しこりは見つかりませんでした。カテゴリー3と言われ、はっきりするためにマンモトーム生検をすることになりましたが、医師が「プロにできるか聞いてみます」と言われ(検査技師かなと思いました)ました。回答は、乳房の厚さが少ないので、危険を伴い、できないとのことでした。私の乳房は、ほとんど平らに近く、マンモを撮る時も大変でした。2月中ごろに再受診。マンモをとりましたが、大きさに変化なしとのことで、次は半年後にマンモ、エコーをということで、経過観察になりました。貧乳の為、検査ができず、悪性だったらどうしようと思い、不安がつのります。私のような超貧乳でも、はっきりさせる検査はないのでしょうか? ちなみに、一昨年の7月に甲状腺癌になり、甲状腺の3分の2を摘出しました。関連性はあるのでしょうか?

乳癌を画像診断のみで確定することは困難です。マンモグラフィーとエコーのほかにはMRI検査があります。MRI検査でも確定診断にはなりませんが、診断のサポートになる可能性があります。甲状腺癌と乳がんの関連性は、今のところはっきりとしていません。(文責 大西)
 

 

No.10955】  13年03月02日    S 
乳腺症と石灰化

去年12月に母が乳がんと診断され、以前こちらで相談をさせて頂きました。その節はありがとうございました。今回は私(39才)のことで、ご意見をお聞かせください。
母の乳がんが発覚してから、両胸と脇の下にかけてチクチクとした痛みを感じるようになり(自己触診ではしこりは感じられません)、最初はそれまでは自覚症状がなかった為、母が乳がんになったことで精神的に痛みを感じるのかなと思っていたのですが、2カ月以上痛みが続いているので、母も抗がん剤治療が始まり、多少落ち着いてきたので、先日乳腺専門のクリニックを受診してきました。母が乳がんになったことを伝え、私自身今まで乳がん検診を一度も受けたことがなかったので、マンモグラフィーと超音波の両方の検査を受けました。結果、乳腺症とのことで、乳がんの所見は一切なく、心配ありませんとの診断を頂きました。マンモグラフィーの画像を見せて頂き、「石灰化している部分があるが、それは乳腺症によるもので心配なし。また、のう胞もあります。」との説明を受けました。石灰化=乳がんの可能性もあるとの知識はあったのですが、はっきり乳がんの心配はないと言って頂いたので、その時はすっかり安心してしまったのですが、帰ってからネットで調べると、乳腺症と乳がんの識別は難しいと書いてあり、あっさり乳腺症と診断され安心していましたが、本当に乳腺症なのかと心配になってしまいました。また、のう胞も乳がんに関係するものもあるとあり、ますます心配です。
先生は、乳腺症なので経過観察も特に必要なく、今後2年に一度のマンモグラフィーと、毎年超音波検査を受ければ充分とのことでしたが、念のため、他の病院でもう一度診て頂いた方がいいでしょうか? それとも、乳腺専門の先生に乳腺症と診断されたのなら、それを信じて、来年区の乳がん検診の対象になるので、その時に検診を受ければ大丈夫でしょうか? 実際、マンモグラフィーと超音波だけで、確実に乳腺症と分かるものなのでしょうか?
母が思いがけず乳がんになってしまい、私自身かなり神経質になってしまっているのかもしれないですが、万が一、石灰化しているものが癌だったとしたら、せっかく初期で見つかったかもしれないものを一年も放っておくのは心配です。お忙しいところお手数ですが、どうぞご意見をお聞かせください。

乳腺症と乳がんの鑑別が難しいケースも、のう胞内に乳がんが発生するケースもありますが、ほとんどの場合乳腺症は乳がんではなく、のう胞も乳がんではありません。稀に鑑別が難しいケースもありますが、その場合は経過観察するのが一般的です。担当医の先生が乳腺症で特に経過観察の必要がないと判断されているようですので、あまり心配する必要はないと思います。ただ、一度心配になるとどんどん不安が膨らむのも分かります。別の病院で診察を受けることで安心できるのであれば、受診してみてもいいかもしれませんね。(文責 大西)

 

No.10954】  13年02月25日    K 
このような場合、全摘を勧められますか?

先日、温存手術をして病理結果が出ました。血性乳汁と、7mmのしこりに続く乳管内進展があり、扇状切除したのですが、しこりの方は2mmの乳頭腺管ガン、乳管内進展の方は非浸潤で、5分の1はコメドタイプでした。術中診断で、断端陽性で、術中再切除しており、心配していたのですが、結果断端2mmにガンがあったのですが、うちの病院では2mmまでは陰性となるそうで、追加手術はしないそうです。また、乳腺症が強く、切除した物の中に過形成も多く見られたため、追加ブーストも勧められています。対側の予防の為にもホルモン剤を勧められています。今回、術後の変形も気になるので、安心の為に、やはり全摘にして再建した方が良いのでは?と、迷い始めました。詳しい病理は、乳頭腺管がん、脈管侵襲ナシ、センチネル生検0/1、ER8/9、PGR7/9、ハーツー陰性、グレード2です。再発の可能性はどれくらいでしょうか? このような場合、全摘を勧められますか?

現在の乳癌取扱規約では、5mm以内に癌があれば断端陽性と判断することになっているので、断端陽性となりますが、放射線治療など適切に行えば乳房内再発率は5%以下ではないでしょうか。それが心配なら全摘もやむをえませんが、当院であれば積極的には勧めませんし、万一再発した時に全摘をしても良いと思いますが。(文責 石山)

 

No.10953】  13年02月25日    H.S. 
アポクリン嚢胞(HPNo.10948-2)

bP0948でお世話になったものです。再度のご相談、宜しくお願いします。
今日、針生検の結果を聞き、「正常・良性」とのことでした。診断名は、複数のアポクリン嚢胞癌になる可能性はないが、2年間は半年毎にフォローということになりました。ようやく安心して帰りましたが、調べると、「アポクリン癌」というものもあるそうです。自分で病気を作り出している感ですが、今のところ絶対に大丈夫だって思いたくて・・・。生検までしたら、「アポクリン癌」も否定されるのでしょうか? 今のアポクリン嚢胞がアポクリン癌になる可能性は、あるのでしょうか? お答えづらいかもしれませんが、どうか宜しくお願いします。

アポクリン癌はまれな組織型ですので、発がんの原因も不明です。癌がアポクリン化生を起こす場合と、アポクリン化生上皮から癌が発生すると想定されています。アポクリン嚢胞が癌化するとは言われていませんが、絶対大丈夫かどうかは、アポクリン嚢胞に異型上皮が合併しているのかなど病理診断次第です。(文責 石山)

 

No.10952】  13年02月22日    A 
今後の治療について

お世話になります。現在48歳。
平成19年1月〜 FEC+タキソテール 各4回
平成19年7月 右乳房温存手術
平成19年8月 断端陽性のため、全摘手術
平成19年9月〜 放射線治療
平成19年10月〜平成20年3月 ノルバデックス・ゼローダ服用
平成20年4月〜 ノルバデックス服用
平成20年10月〜 アルミデックスに変更(ホルモン検査にて閉経状態確認)
平成22年4月〜 ノルバデックス・リュープリン(生理復活のため)
平成24年8月 ノルバデックスのみ

<病理結果>
 約5cm×約3cm×約2cm、  リンパ レベルT・・1個、 レベルV・・1個

術後まる5年を迎えた平成24年8月頃の診察で、主治医からは、「術後5年を迎えたので、ホルモン治療を止めても構わない」との話がありましたが、治療を止めるのも不安があったので、現在までノルバデックスを服用しております。ノルバデックスは計3年10か月、アリミデックスは1年6か月服用しています。今後の治療として、閉経していた場合は再度アリミデックスが使えると思いますが、もし、閉経前のままでしたら、どういう治療法がありますか? 病理結果が良くなかったので、できるだけの治療を続けていきたいのです。よろしくお願いいたします。

ホルモン感受性の強弱もあるので、どの方法が良いのか分かりませんが、E2とFSHを測りながら治療法を決めるのが良いと思います。閉経前と判断されれば、LHRHアゴニストとタモキシフェンの組み合わせなど試す価値があります。(文責 石山)

 

No.10951】  13年02月22日    Y 
治療の選択

5年前に、左胸6p、左脇リンパ節、左鎖骨下リンパ節、肺に遠隔転移ありのステージ4でした。ホルモン陰性、HER2陽性3+。 約半年間の抗がん剤投与(AC、タキソール&ハーセプチン)で、画像上では全て消える。しこりのあった場所を局所麻酔で手術し、癌がないことを確認して、更にナベルビン&ハーセプチン投与する。その後もずっとハーセプチン投与するも、去年の暮れに発症後5年で局所再発、今年1月中旬手術する。ホルモン陰性、HER2陽性1+(ハーセプチンを使っていたせい?)。今後の治療で、主治医から、無治療かゼローダ&タイケルブと言われています。無治療と言われるとは思わなかったので、迷っています。後悔はしたくないのですが、やらなくてもいいのなら、今は無治療でもいいのでしょうか? 今、やる方を選択するのと、やらなかったとして次に再発した時に始めても同じなのでしょうか?

局所再発が取り切れているのかにもよりますが、取り切れるているのであれば、ハーセプチンによる心不全も心配ですから、休薬も良いですし、タイケルブ+ゼローダも始めて、副作用がなければ続ければいいと思います。どちらがいいかは、まずやってみて、副作用があれば無治療にするというのも良いと思います。(文責 石山)

 

No.10950-1】  13年02月18日    H 
今後の治療方針

若年性乳がん患者です。今年1月に局所再発をして、全摘手術をしました。前回は4年前に非浸潤癌で温存、放射線治療をしています。今回病理結果が、ER-、PgR-、HER2+3、Ki67 5-10%、グレード2、がんの大きさ1.5センチです。センチネルリンパ節を前回も今回もしています。前回も今回も陰性でした。術後の病理結果では、「術後の変化や生検後の変化と思われるfibrosisに接して、中程度の異型を有する腫瘍細胞が乳管内でcomedo壊死を呈し、増殖・進展する所見を認める。手術検体でみられるがんの大部分は乳管内病変で、一部間質への浸潤が疑われる部分を認める。生検検体では浸潤ありとしたが、挫滅・断片状の部分もあり、免疫染色を追加し、浸潤の有無を再検討する」という結果でした。今、免疫染色の結果を待っている状態です。質問させていただきたいことは、下記の通りです。

1) 非浸潤癌の可能性はあるか? その場合、今度の治療は不要か? 免疫染色をしないと浸潤の有無がはっきりしないということは、ミクロの話で、非浸潤癌といっても、はっきりしないグレーの部分があるのではないか?
2) 浸潤していたとしても、その程度が小さければ、抗がん剤やハーセプチンは不要と聞いたが、本当に大丈夫なのか? 程度が小さいというのは、具体的にどれくらいなら大丈夫、という判断なのか? 再再発、転移をしないために、念のための治療を希望するが、その場合はどういった治療が考えられるか?
3) 免疫染色という検査は精度100%なのか?

よろしくお願いします。

1) 非浸潤癌の可能性は有り得ます。その場合、今度の治療は不要と思います。通常の意味ではグレーの部分はないと考えます。
2) 100%大丈夫という保障はありません。程度が小さいというのは数mm程度と思います。今後の治療としては、HER2+3なので、分子標的治療のトラスツズマブ(点滴)か、ラパニチマブ(内服)、またはホルモンリセプター陰性なので、化学療法(点滴・内服)が、また両者の併用なども考えられます。
3) 染色技術や使用する抗体の良し悪しが関係してくるので、精度100%とは言い切れません。(文責 石川)

 

No.10950-2】  13年03月03日    H 
追加の質問です

先日、HPNo.10950で質問させていただいた者です。追加で質問をさせていただきたく、お願い申し上げます。免疫染色の結果が出ました。「手術検体・生体検体ともに免疫染色を追加し、浸潤の有無を再度検討したところ、明らかな間質への浸潤は見られませんでした。」との結果でした。質問させていただきたいことは、下記のとおりです。  

1) 完全な非浸潤癌ととらえて良いか? それとも、たぶん非浸潤癌だろう、ということか?
2) すでに再発だが、本当に何も今後治療しなくて良いのか? まだ30代で、すでに再発、HER2タイプということで、不安がある。念のため、ハーセプチンや抗がん剤をしたほうがいいか?
3) 今後の再発・転移に不安があるため、セカンドオピニオンも考えています。病理のセカンドオピニオンを受け付けている病院もあると聞きました。あまり意味はないのでしょうか? セカンドオピニオンを受診するには、今の主治医の先生に少し切り出しにくいので、迷っています。

たびたびで恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いいたします。

1) 検査精度の限界を考えなければ、完全な非浸潤癌です。
2) 非浸潤癌ですので、再発することはありません。ホルモン感受整容性乳癌であれば対側乳癌の予防のためにタモキシフェンの内服に意味はあると思いますが、ホルモン感受性陰性ということですのでハーセプチンも化学療法も必要ありません。また今回は局所再発ということですが、再発までの期間が4年ですから同側乳房にできた新たな乳癌の可能性もあると思います。今後も定期的な検査をお勧めします。
3) 今回のケースはあまり意見が分かれるケースではないように思いますので、治療方針に違いはないと思いますが、セカンドオピニオンの目的は主治医の先生の方針を確認し、安心して主治医の提示する治療を受けることにあります。セカンドオピニオンの話をして嫌な顔をする先生はまずいないと思います。(文責 大西)

 

No.10949】  13年02月18日    K.S.  
術前抗がん剤投与の効果について

微小乳頭腺管癌と言われました。ステージU、ホルモン受容体両方(+)、ハーツー(-)、K167 5%、腫瘍大きさ3センチ、グレード2、3センチの腫瘍のまわりにも少し癌があり、乳頭へ癌が伸びている。CT・MRIを実施。PT遠隔転移なし。主治医から、術前TC療法→手術→ホルモン治療を勧められました。「術前抗がん剤治療で癌が小さくなり、なくなる可能性がある。乳房温存の可能性もある。術後よりも10%高くなる。傷も小さくてすむ。術前の方が抗がん剤の効果がわかるので、抗がん剤治療をやりきれる。」と、言われました。術前抗がん剤で、効果がなかったり、大きくなることもあるようで、その間に転移しないか、手術できなくならないか心配です。主治医は、術後抗がん剤→ホルモン治療も可能と言っています。放射線については説明がないので、わかりません。私は、乳房も変形がひどければ、乳房切除術でよいと思っています。私の質問は以下のとおりです。よろしくお願いします。

1) 手術の結果、どの程度変形するのか?
2) 癌を出来るだけきれいに取って、再発、転移しないようにするには、術前、術後抗がん剤投与、どちらがよいのでしょうか?
3) 再発転移を考えた時、温存が良いのか、乳房切除術がよいのか迷っています。

1) 手術術式、腫瘍の部位と大きさ、また切除乳腺量などで変形の内容が違ってきます。よくわかっている執刀医に聞くのがいいと思います。
2) 再発転移抑制効果は、術前、術後投与で変わらないとされています。
3) 再発転移だけを考えるなら、理論的には乳房内癌遺残の可能性が少ない乳房切除術がよいことになると思います。(文責 石川)

 

No.10948-1】  13年02月16日    H.S. 
針生検をしました。とても不安でたまりません。

偶然サイトを見つけ、神にもすがる思いで投稿しました。宜しくお願いします。
37歳、出産・授乳歴ありです(子供5歳、3歳)。1月31日、初めて健診センターにて乳がん検診、触診で右胸にしこり(+)マンモでは左右石灰化(+)だが異常所見なしとのことで、総合的には1年後経過観察でした。健診当日に「しこりがある」と言われたのがとても心配で、乳腺外来の表示もあるクリニックを2月2日に受診。再度マンモをし、初エコーもして、「エコーで空洞の箇所がありますが、嚢胞ですから全く心配ない」と言われました。それでもどうしてか気分が晴れず、ようやく予約がとれた乳腺外科に2月14日に受診。健診センターの結果表は持参しましたが、2月2日の受診結果については話しませんでした。そこで、またマンモ、エコーをしたところ、エコーでやはり空洞があり、その中に細胞のようなものがあること、また乳腺症とすれば両側性なのにしこりが右側のみであることから、針生検をしました。来週の結果待ちですが、今までそんな気にならなかったしこりが、生検後は自分でもしっかり分かり、急に大きくなったのではないかと、不安でたまりません。エコーの所見が素人の私から見ても、2月2日のと14日のとでは異なるようにあること(2日のは形も真ん丸で中は真っ黒、14日は形が細長く、中に白っぽい部分が少しある)から、急激にしこりの状態が悪化したのでしょうか? ネットで調べていたら、急激に大きくなる「葉状腫瘍」というのも知り、とにかく不安でたまりません。また、生検後にしこりが大きくなるということは、あり得るのでしょうか? 取り留めなくてすみません。宜しくお願いします。

急激にしこりの状態が悪化したとは考えにくいです。エコーの検査方向で形が違うのはよくあることです。嚢胞の内容液が濃縮されて白っぽく見えることもよく経験します。生検後にしこりが大きくなるというのは、穿刺後に出血して血腫を形成した可能性が高いのではないでしょうか。(文責 石川)

 

No.10948-2】  13年02月25日    H.S. 
アポクリン嚢胞

bP0948でお世話になったものです。再度のご相談、宜しくお願いします。
今日、針生検の結果を聞き、「正常・良性」とのことでした。診断名は、複数のアポクリン嚢胞癌になる可能性はないが、2年間は半年毎にフォローということになりました。ようやく安心して帰りましたが、調べると、「アポクリン癌」というものもあるそうです。自分で病気を作り出している感ですが、今のところ絶対に大丈夫だって思いたくて・・・。生検までしたら、「アポクリン癌」も否定されるのでしょうか? 今のアポクリン嚢胞がアポクリン癌になる可能性は、あるのでしょうか? お答えづらいかもしれませんが、どうか宜しくお願いします。

アポクリン癌はまれな組織型ですので、発がんの原因も不明です。癌がアポクリン化生を起こす場合と、アポクリン化生上皮から癌が発生すると想定されています。アポクリン嚢胞が癌化するとは言われていませんが、絶対大丈夫かどうかは、アポクリン嚢胞に異型上皮が合併しているのかなど病理診断次第です。(文責 石山)

 

No.10947】  13年02月16日    H.K.  
術後の抗がん剤の選択とハーセプチンの適用について

左乳房の皮下乳腺全摘術(リンパ節廓清あり)が終わり、今後の治療方針を決める段階に来ております。術後の抗がん剤の選択とハーセプチンの適用について、ご意見を頂けるとありがたいです。術後病理検査の結果は以下の通りです。
腫瘍径:5.0cm×3.0cm×2.0cm 、癌の種類:浸潤性乳管癌(硬がん) 、切除断端:陰性(-) 、波及度:乳腺あり、脂肪あり、皮膚なし、胸筋なし、胸壁なし 、リンパ管侵襲:- (ly0) 、血管侵襲(静脈侵襲):- (v0) 、エストロゲンレセプター(ER):陽性90% 、プロゲステロンレセプター(PgR):陽性99% 、組織学的悪性度(核異型度):グレード2 、HER2/neu:陽性(++) 、MIB-1(Ki-67)細胞増殖能:50% 、リンパ節転移(n):転移のあった個数4/切除リンパ節数15
術前の画像診断では、これ以外に、直径1.8cmと直径1.2cmの合計3個のしこりがありました。 HER2が(++)なので、ハーセプチンを追加するかどうか、現在、更に検査中です。
現在、医師から提示されている治療は、 「・抗がん剤(TC療法で3か月、または、FEC+DOCで半年) ・放射線(鎖骨と腋の下への照射は決定、場合によっては乳房へ照射) ・ホルモン療法(タモキシフェンとリュープリン、5年または10年) ・ハーセプチン(検査の結果、有効と出た場合)」です。

1) 抗がん剤の選択について
医師からの第一選択は、TC療法です。FEC+DOCで半年は、もしも温存を希望して術前に抗がん剤をする場合に提示されたものです。結局、しこりが複数あったので、温存は出来ずに全摘となったので、術前に抗がん剤はしなかったのですが、病理検査の結果が出て、抗がん剤の使用を提示された時に、こちらが、「以前、FEC+DOCと言われましたが、それではなく、こちらなのですね」と確かめた所、「そちらを希望するのなら、そちらでも良いです」との返答で、選択肢に加わったものです。ホルモン療法が大変良く効きそうなタイプなので、3か月でも良いのかとも思いますが、今後の転移の可能性などを考えると、今の段階で徹底的に癌細胞を叩いておきたい思いが強いです。素人は、3か月よりも6か月の方が、3か月の抗がん剤投与では死にきれず、よろよろと生き残った癌細胞にとどめをさせるのではないか?とも考えてしまいます。私のようなデータの場合、実際、どちらが良いのでしょうか? また、他の医療機関ではどのような選択をしているのでしょうか?

2) ハーセプチンの適用について
HER2が(++)なので、ハーセプチンを追加するかどうか、現在、更に検査中です。もしも、適用条件を満たさなかった場合は、使用しないとのことです。それが現在のスタンダードのようですが、それに従って良いのか、判断がつきません。「スタンダードは、今後変わる可能性があるのではないか?例えば、今は、効果があまりないので適用しないとしていても、今後、(++)でも使用した方が、予後が良かった、などというデータが出てきて、スタンダードが変わるという事があるのではないか?そうなった時に、あの時、ハーセプチンもやっておけば良かったという事になるのではないか?」という思いがあります。もちろん、今後の予測は誰にも解らないと思いますが、現段階で(++)で適用条件を満たさなくても、ハーセプチンを利用している、という医療機関はありますか? もしくは、私が懸念している事に関して、もう既に臨床データなどが出そろっていて、やはり、適用条件を満たしていなければ、使用しても効果が薄いので、
(++)では使用しないというのが普通なのでしょうか? もしも、(++)でのハーセプチン使用に関して、医療機関により判断がわかれるものであるのなら、上にも書きましたが、今の段階で徹底的に癌細胞を叩いておきたい思いが強いので、今行っている検査で適用条件を満たさないという結果が出ても、ハーセプチンを希望しようと思っています。

迷いにお答えいただけるとありがたいです。よろしくお願いします。

1) 抗がん剤の選択について
3か月よりも6か月の方がいいと思います。乳癌治療のガイドラインに沿って治療しますので、それほどの大きなずれは普通ないと考えられますが、医療機関により、また医師個人により治療法の違いは出てきます

2) ハーセプチンの適用について
現在のスタンダードに従って良いと考えます。(++)では使用しないというのが普通で、医療機関により判断が分かれるということはありません。(文責 石川)

 

No.10946】  13年02月16日    C
フルツロン

平成23年12月に左胸全摘出手術をしました。術前化学療法(FECとタキソテール&ハーセプチン)投与、その後一年間、ハーセプチン単独投与しました。Ki-67は50%と高いです。術後からタモキシフェンとフルツロンを処方されていますが、フルツロンはいつまで続けたらいいのでしょうか? またフルツロンを処方されるという事は、癌が残っているからなのでしょうか?

経口抗癌剤の投与期間は、患者さんのそれぞれの状況によって違います。腫瘍が大きかったり、リンパ節転移の程度、HER2陽性かどうか、Ki-67値などを考慮して決定します。画像診断や腫瘍マーカー値から癌の遺残が疑われなくても、細胞レベルではある可能性が否定できないので投与します。私は、FECとタキソテール、ハーセプチン療法を施行するような人には、術後最短5年間までは内服を勧めています。(文責 石川)

 

No.10945】  13年02月16日    E 
反対側の左胸に良性のしこり

ご相談させて頂きたいことがありまして、メールを送らせて頂きます。私は、2011/7に、ステージ1の乳がん手術で、右胸を全摘出しました。その結果、断端陽性でしたが、今のところ再発はしておりません。手術前のMRI検査で、反対側の左胸も怪しいと言われましたが、最終的には断乳後半年であった為、その影響だろうという話になりました。その後訳あって転院し、抗がん剤、放射線治療を経て、今はがん専門病院にてホルモン治療をしております。
そこで相談させて頂きたい内容は、今年2月に受けたエコー検査で、反対側の左胸に良性のしこり(6mm×7mm厚み3mm)が見つかった事です。主治医は、エコー検査で良性と出ているので他の検査は必要ないという考えですが、以前の事もあり気になっています。そこでお聞きしたいのが、
1) エコー検査だけでの良性判断で心配ないでしょうかないでしょうか?
2) 次の検査は5月で、エコー、マンモグラフィーもありますが、その時まて様子を見ても大丈夫でしょうか?
3) 2年前のように、MRIを撮らないとガンが見つからない事もあるでしょうか?(5月の検査ではMRIはありません)

お忙しい所、恐れ入りますが、ご助言頂けると助かります。どうぞよろしくお願い致します。

1) エコー検査だけで良性と確信できることが多いのですが、そうでない場合もあります。その場合、MRIとか針生検など他の検査が必要になることもあります。
2) 5月の検査まで様子を見て構わないと思います。
3) エコー、マンモグラフィーで悪性が否定できないときには、MRI検査を行うことは有り得ます。(文責 石川)

 

No.10944】  13年02月16日    K
リュープリンの副作用による、骨塩量低下?(HPNo.10675-3)

HPNo.10675で相談させていただいた者です。いつもお世話になり、ありがとうございます。他の方の相談についても、とても参考にさせていただいています。先日、リュープリンについての質問がありました。私の場合、7月から開始して5年の予定です。開始後、しばらくしてから、ホットフラッシュによる、玉のような汗を突然かくようになりました。他には、頭を押さえつけられるような感覚に、たまに襲われます。1月に3回目の注射後しばらくしてから、両膝に軽い痛みが出始めました。痛みが治まった時でも、常に違和感があります。リュープリンを注射することによって、骨塩量が低下するとのことですが、現在の私の症状は、骨に影響が出てきていると考えられるでしょうか?

リュープリンの長期注射による性腺機能低下で骨塩密度が低下し、骨粗しょう症が起こることがあります。7月からのリュープリン開始なので、現在の症状は、骨塩密度低下による可能性は低いように思われます。念のため、主治医に症状を話し、相談してください。(文責 石川)

 

No.10943】  13年02月16日    R.K.
再発率について

もう少しで、乳がん術後2年になります。病期は、3a リンパ節郭清も含む乳房切除術の手術を受けて、術後病理検査結果ではリンパ節にはガン細胞なし、体内にも取り残しなしの結果で、放射線治療なし。主治医の説明では、再発のないようにガッチリ取ってあるとの話。術後、単独でハーセプチン投与を1年間行い、今、術後ハーセプチン投与の2年目を行っている途中です。術後1年での検査では異常がなく、主治医の許可もあり、形成外科にて再建中です。このような治療中でも、再発することはあるのでしょうか? 体内に取り残しはなし、ハーセプチンはガン細胞の増殖を抑える効果のある薬と聞いています。

どんな治療でも、再発することはありえます。どこかに潜んでいる癌細胞に奏功する確率が100%と保障できる治療法はありません。効果は試してみなければわからないことが多いのです。定期的な検査が必要なのもそのためです。(文責 石川)
 

 

No.10942】  13年02月12日    ck
ホルモン治療について(HPNo.8667-5)

No.8667、No.8677、No.9769で相談させて頂いたものです。いつもお世話になっています。こちらで相談後、リュープリンとノルバデックスのホルモン治療を受けています。現在ホルモン治療を続けて2年半になります。途中で主治医の先生が変わったのですが、前の先生は、「2年でリュープリンは終わりにしましょう。」と言われていて、今の先生は、「長くリュープリンは続けていた方がいい。」と言われています。ノルバデックスは5年服用の予定で同じなのですが、このままリュープリンもなるべく続けた方がいいのか悩んでいます。

1) リュープリンをなるべく続けて、乳がんの再発予防と子宮体がんのリスクを上げないようにした方がいいのでしょうか?
2) 標準では、リュープリンはどれくらい続けるのが平均的なのでしょうか?
3) リュープリンを長く続けることによって起こる副作用にどんなものがあるのでしょうか?
4)  リュープリンを続けることで卵巣の機能が低下したり、月経が戻りにくくなったり、老化が進んだりということはあるのでしょうか?

的外れな質問がありましたら申し訳ありません。どうぞよろしくお願いいたします。

1) その様に思いますが 再発のリスクにもよります。
2) エビデンスはありませんが、2〜3年が標準的と思います。
3) 骨塩量が低下して、骨が脆くなることが挙げられます。
4) 卵巣機能低下し生理が戻りにくくなることはあると思いますが、年齢によると思います。3)のこと以外、老化が進むことはないと思います。(文責 吉田)

 

No.10941】  13年02月12日    H
抗がん剤の使用について

初発は3年前で、今回再発です。初発時は温存術+放射線でした。今回は局所再発で、全摘手術をしました。初発時はホルモン陽性でしたが、再発時はタイプが変わって、HER2陽性+3、ER-(0%)、PgR-(0%)、グレードは2です。今回、浸潤が5ミリ以下という術後の病理結果が出ました。そのため、ハーセプチン、抗がん剤の使用について、迷っています。まだ年齢が30代で子供が小さいので、とにかく今後の再発転移の可能性を少しでもなくしたいという希望があります。現時点でハーセプチンや抗がん剤をすることが予防に有効なのか、万が一次に再再発してしまったときに、ハーセプチンや抗がん剤をすでにしていることで、もう同じ薬の使用はできない、もしくは効きづらいということがあるのか、もしそうなら今は何も治療をせず様子をみるほうが良いのか、ということについて悩んでいます。どのように考えればよいでしょうか? ご教示いただければ幸いです。

浸潤部が5mm以下ということですが、再発転移の可能性を少しでも無くしたいならば、ハーセプチン+抗がん剤を受けるべきと思います。予防には十分有効的と考えます。再再発した場合は、出来るだけ再々発巣を切除して、そのサブタイプによって方針を決めるべきです。サブタイプを調べることができなければHer2タイプと考えて、再びハーセプチン+抗がん剤(現在とは違うタイプのもの)またはラパチ二ブを使用することになります。ハーセプチンを使用して再発した場合、ハーセプチンが効きづらくなるのではなく、ハーセプチンが効かなっかたものが再発すると考えます。(文責 吉田)

 

No.10940】  13年02月12日    S 
今後について

7月人間ドックで要精密検査となり、1月に検査しました。細胞診結果はVA、組織診(マンモトーム)は追加検査(染色)をしてから、2月1週目に湿潤癌、Papillotubular carcinoma,NG1(atypia 1, mitotic 1)、ホル
モン陽性、HER2 陰性の結果となりました。MRI等の検査は、まだしていません。結果に動揺し、十分な質問・説明を受けられず、こちらに相談させていただきました。検査した診療所では、検査、手術、治療ができず、遠方の本院にかかるため、次の検査にすすむか、他の病院に変わるかの返事を保留しています。

1) 転移の検査や手術は急がなくてよいのか。
2) 手術を待つ3ヶ月の期間が、今後の治療・再発に問題を残さないか。
3) セカンドオピニオンや病理結果の再診をしたほうがいいのか。
4) マンモトーム後に血腫2センチほど、麻酔針後にも小さなしこりができているが、問題ないのか。

よろしくお願いします。

1) 勿論手術前に転移の検査をやっておくべきです。必要な検査が済んでいれば、手術は早い方が良いでしょう。
2) ホルモン受容体陽性、NG1、Her2陰性の乳がんであれば、手術を待つ期間が将来問題を残すことは、まず考えなくて良いでしょう。
3) 主治医の説明や方針に納得がいかなければセカンドオピニオンという事になりますが、必要ないと思います。病理結果の再診も必要ないでしょう。
4) 全く問題ありません。(文責 吉田)

 

No.10939】  13年02月12日    T 
グレー判定

初めて相談させていただきます。6〜7年前頃から胸にしこりがあり、マンモグラフィや超音波検診で経過観察していましたが、今年初めて組織診(針生検)をしました。結果、乳腺症だったのですが、画像診断結果と不一致なのか、マンモトームまでして、はっきり診断をすることになりました。マンモトーム結果は、しこりのほとんどは良性の乳頭腫で乳腺症なのですが、一部分でDCISの疑いで良悪性判定の難しい病変という結果となりました。お二人の病理の先生(内1人は外部病院の先生)の診断です。

1) :こういったケースはよくある話なのでしょうか?
2) 病理のセカンドオピニオンを依頼中ですが、三回ともグレー判定は、ありえますか?
3) しこりが3センチと大きいので、マンモトームで取れてない部分に浸潤癌がある可能性はありますか?
4) 胸が小さい上しこりが大きいので、手術は全摘になるようですが、DCIS疑いだけで手術に踏み切るのは非常識なのでしょうか?
5) 手術後、癌が発覚した場合、全摘した後に癌に必要な検査(センチリンパ節生検や腋窩リンパ節郭清)はできるのでしょうか?

たくさんの質問をしてすみません。よろしくお願いします。

1) 時々この様なことはあります。
2) セカンドオピニオンでどちらかに決まると思いますが、3回ともグレーのこともありえます。
3) 可能性は非常に低いですが、ありえます。
4) グレーのまま乳房全切除のまえに、腫瘤だけを摘出して病理でDCISであるか否か、また浸潤がんが存在するか否かを検査すべきでしょう。
5) 勿論可能です。(文責 吉田)

 

No.10938】  13年02月08日    K.E. 
再手術後の病理と同時再建(HPNo.10872-4)

No.10872、10889、10934で相談させていただいた者です。いつも、いただく回答に支えられています。本当に、どうもありがとうございます。
現地での治療をほぼ決めていたのですが、シリコン同時再建後の日本でのアフターケアの可否を問い合わせた、乳房再建がご専門の先生から、「可能だが、再発のリスクがあるから、同時再建は勧めない」とのお返事をいただき、家族からも再建は日本でしてほしいと言われ、迷っています。前回のご回答で、再手術後の病理結果の可能性にも幅があることがわかったのですが(非浸潤癌でない可能性もあるということなのでしょうか。それとも仮に断端陽性であっても全体としては非浸潤癌ということなのでしょうか)、そうすると、同時再建の再発のリスクや、放射線や化学療法は必要ないと言われていることが、どこまで確実なのかも心配になってきました。中途半端な質問で大変申し訳ありません。明日、治療法の詳しい検討を、乳腺チームや病理、形成の先生方とすることになっているため、不明点については一定の説明を聞けると思うのですが、どこで受けるかの決断まで時間がなく、またぜひこちらの先生方のご意見も合わせて参考にさせていただけたらと思うのです。告知時に動揺していたため、術式は記憶していないのですが、付き添ってくれた友人の話では、「皮下乳腺全摘手術」と同じ内容の説明だったようです。どうぞよろしくお願いいたします。

再手術後の病理結果は、勿論非浸潤癌でない可能性もありますが、全体として非浸潤癌である可能性の方がはるかに高いでしょう。もし再手術で切除したものに浸潤癌があった場合でも、リンパ節に明らかな転移があった場合を除き、通常は乳房腺切除を行っていますので、放射線や化学療法は必要ないと思います。治療法の詳しい検討の結果で対処してください。(文責 吉田)

 

No.10937】  13年02月08日    I 
外科生検後に告知

このホームページを大変参考にさせていただいております。
去年11月に会社の人間ドックにて、マンモグラフィーで、1p弱の腫瘍がみつかり、「乳管内乳頭腫かもしれないけど癌かもしれない」と要精密検査と言われ、後日細胞診をしました。結果、良性とも悪性ともつかないとのことで、カテゴリー3でした。MRIをしたほうが良いと言われ、また後日大学病院に紹介状を持って診察してもらい、MRIのあと針生検をして、そこでも結果、良性とも言えず悪性ともいいきれないとのことで、後日、外科生検で腫瘍摘出術をして、結果、悪性のようです。「ほんの少し浸潤してるから浸潤癌です。」と言われ、もう一度手術をして、多めに腫瘍のまわりをとりましょうと言われました。その後、放射線治療とホルモン剤の投薬治療をするようです。再手術のため、造影CTや心電図などをして、今月末手術です。病理診断では、ステージ1でした。「しみ出てる様子もなさそうだし、なかなかわからなかった訳ですから、おとなしい癌だと思うので、転移はないと思いますが、外科生検をしているので、乳腺の流れが変わる可能性があるので、センチネルリンパ節の検査は形だけのことになると思います。」と言われました。先日診断書をもらった時、「1.5p乳房内上外部悪性腫瘍」と書いてあり、所見に「境界明瞭の、やや多角形の腫瘍」と書いてあり、とても不安になっています。
先生のパソコンの画面には、たしか、のう胞腫瘍という言葉が書いてあったと記憶していますが、くわしくは英語でわかりませんでした。のう胞腫瘍なら、多角形はないですよね? 「なかなかわからなかったということは、転移しているのもわかりづらいということがあったらどうしよう? 多角形とは、予後が悪いのか? センチネルリンパ節の検査が形だけなら、リンパ節もとったほうが安心できるのかな?」と、毎日すごく不安です。また、造影CTや乳房MRIで転移がわからなかった場合も多々あるのでしょうか。まとまりのない文章、大変申し訳ございません。どうぞご教授お願いいたします。

細胞診で判定がつかないのは、細胞が大人しく、異型が弱かったからでしょう。「一部に浸潤がみられる癌」とのことで、悪性度は低いのではないかと考えられます。リンパ節転移が小さい場合、CTやMRIで判らないことは多いです。確かに生検後のセンチネルリンパ節生検は解りづらいこともあるようですが、「形だけ」になるとは思いません。「やや多角形」ののう胞腫瘍は幾らでもありますし、特に予後が悪いこともありません。主治医の言葉を信じて、しっかり治療してください。(文責 吉田)

 

No.10936】  13年02月05日    BT
再発後の投薬

大変参考にさせていただいております。2011年2月、母74才が乳がんの診断をうけ、5月末に全摘出しました。高血圧症で、常時170くらいで、以前より薬を飲んでおります。
病理結果は、
        HER2 1+
        リンパ 4/14で転移あり
        ER陽性 10%以上
        染色強度 高度
        スコア 5+3=8

        PR陽性 10%以上
        染色強度 中等度
        スコア 4+2=6

        スコア判定 1+
        HER2発現 なし
        核グレード 3 ステージ3A でした。

7/29よりFEC、2回目より80%に減量して受けました。11月より放射線開始。2012年2月、ホルモン剤フェマーラにて経過観察。2013年1月、CTとエコーで、両上肺に多発結節影が出現。その他、画像上の転移はなし。今は自覚症状なく、外出もしています。1CTP 8.7  CEA 4.5  CA15-3 30.5。 ホルモンをアロマシンに変更しました。2013年2月1日 「アンスラサイクリン系の薬剤系薬剤とTS-1のランダム化比較試験」 を勧められました。74才という年齢、前回のFECの時に高熱が続いたりしたので、点滴の抗がん剤は無理。経口タイプの抗がん剤しか無理と言われました。こちらの病院からは、母のような転移患者を5名選ばないといけないそうです。「これに参加しない場合は、抗がん剤は使用せず、アロマシンだけのホルモン療法を続けましょう。」という事で、今月15日の診察日にどうするか、本人が意思を伝えなければなりません。
TS-1の副作用が心配ですし、かと言って肺転移の増悪も心配だし、15日までに決めなければならないし・・・。本人は、「まだまだ生き続けたい」と希望を捨てておりませんので、今回の抗がん剤試験を断れば、ホルモン剤だけの治療になる事を不安に思い、今回の抗がん剤治療を受けてみようと考えているように思います。私は、アロマシンでもう少し様子をみて、フェソロデックスも試してみてから、比較的に副作用を軽減して行える抗がん剤治療を望んでおります。今、TS-1をすぐにでも始めるべきでしょうか?心底悩んでおります。とても長文になり失礼いたしました。お忙しい中、本当に申し訳ございませんが、何卒ご教授お願いいたします。

アンスラサイクリン系の薬剤は使用量が増えるにしたがって、心臓への負担(心毒性)が増加することが知られており、アンスラサイクリン系の薬剤が選択肢に入っているランダム化比較試験にエントリーすることは難しいのではないかと思いますので、ご確認ください。確かに最初のホルモン療法であるフェマーラ開始後1年以内と比較的早い時期に再発してきているので、ホルモン療法に抵抗性で次のホルモン療法があまり効かない可能性も否定できません。しかし、現在無症状であり、緊急性は低く、すでにフェマーラをアロマシンに変更して開始しているのであれば、「ランダム化比較試験に参加しなければ、もう抗がん剤は使用しない」ということはありえないので、まずはアロマシンの効果をみて、効かないようであれば抗がん剤を考慮したらいいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.10935】  13年02月05日    K
リンパ郭清について

術前のお話で、センチネルリンパ生検をして軽度の転移の場合(OSNA法で+1)、リンパ郭清をしない事も選べると言われました。将来、リンパ再発した時点で郭清しても予後は変わらないという事でした。あまり聞かないお話なので、迷っています。今後は、このような方向に行くのでしょうか?

顕微鏡検査(病理検査)で行うセンチネルリンパ節生検の場合、2mm以上の転移が確認されれば転移と判断し、0.2-2mmの転移ならば微小転移と言います。センチネルリンパ節に転移があった場合、周囲のリンパ節にも転移がある確率は50%ほどで、周囲のリンパ節も併せて摘出(腋窩リンパ節郭清と言います)します。センチネルリンパ節に微小転移があった場合は、周囲に転移がある確率は20%ほどで、リンパ節郭清を追加しないでいい患者さんもいるのではと考えられています。OSNA法とは従来病理検査で判定していたリンパ節転移の有無を、リンパ節の中に転移があった時にのみ存在する遺伝子を検知する新しい方法です。(+1)というのは、ほぼ病理検査の微小転移に相当すると考えられており、リンパ節郭清の省略も検討されます。省略した場合、20%の患者さんにはがんが残っていることになりますが、薬物療法などの効果により実際に再発する方は更に少なく、統計学的には生存率に差はないということになりますが、どのような患者さんでリンパ節郭清を省略しても大丈夫なのかは、まだはっきりとした基準が決まっているわけではありません。もう一度主治医の先生とよく相談して、リンパ節郭清省略のメリット・デメリットを考慮して決められるとよいと思います。(文責 浜口)

 

No.10934】  13年02月03日    K.E.
治療法と手術時期(HPNo.10872-3)

No.10872、10889で相談させていただいた者です(36歳、未婚、海外滞在中です)。いつも貴重なアドバイスをいただき、心から感謝しております。1月10日に、結局、左胸のしこり部分のみを切除する手術を受けました。切除部位の大きさは、4 X 3, 5 X 3cmです。1月30日に出た病理の最終結果に基づいて、相談いたします。

病理の結果は以下の内容でした(英訳後和訳したため、念のため参考にした英語を併記します)。
「乳頭状非浸潤性乳癌(Papillary Carcinoma in situ)および非浸潤性乳管癌(DCIS:Ductal carcinoma in situ)、篩状構造 (cribriform pattern)、核グレード2、Comedoタイプ の巣状壊死と微細石灰化を伴う。病変は、検査された4つのスライドガラスすべてに存在し、染色された標本のマージン部分 にみられる。巣状に存在する。細胞の平坦型上皮異型(Flat epithelial atypia:FEA)、通常型乳管過形成(usual ductal hyperplasia) 、嚢疱(simple cysts)」

主治医の提示した治療内容は、
1.全摘手術、 2.同時再建(人工乳房:シリコン)一度で完了。エキスパンダーを入れる必要なし。 3.センチネルリンパ節生検の三点セットで、化学療法や放射線療法は不要とのことでした。また、その理由は、病変が染色された標本のマージン部分にみられるため、悪性の場合も放射線治療のみという手術時の当初案は適応外。可能な限り早期の手術が必要。部分切除手術の適用が可能だが、しこりが大きく、胸が小さいため、外見の変化に与える影響が大きくなり、メリットがないということでした。以下の点についてご助言をいただければ幸いです。

1) 上記の病理結果と治療法の妥当性について
2) 後になってから、ステージの情報や、ホルモンレセプターなどの病理結果がないことが気になっています。こうした情報は、部分切除や全摘手術後にしか出ないものなのでしょうか。
3) どの程度、進行を心配することなく手術を延ばすことが可能か(現時点で手術から20日が経過しています)。

主治医からは帰国した上での日本での治療も選択肢として示されましたが、日本のデメリットである、手術待ちの期間、自宅近くの病院で安心して人口乳房での同時再建を受けられるか等の不安と、滞在国のメリットである費用負担の安さ、カウンセリングへの容易なアクセス、治療の一貫性、迅速性などの理由から、現時点では、このまま現地で治療を継続したいと考えています。前回のご助言を参考に、スライド標本を貸し出してもらい、病理医のセカンドオピニオンを受ける必要があるのではと考えています。36歳、未婚のため、シリコンという再建方法は、おそらく私にとってはベストなのだろうと思っています。その他お気づきの点がありましたら、ご指摘いただけるとありがたく存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

切除生検の結果、広範囲に非浸潤癌が確認され、切除断端に癌が遺残していると考えられる状態ですので、追加治療としては主治医の勧める治療は妥当と考えます。非浸潤癌で転移がないことが確認されれば、Stage0となります。ホルモンレセプターなどの情報については、浸潤成分が確認されれば、浸潤部で測定することになりますので、追加切除の後で確認されればよいのではないでしょうか。どの程度まで手術までの期間を開けても大丈夫かについては明確な解答はありませんが、日本の現状ですと、浸潤癌の患者さんでも、診断がついてから手術まで2-3か月の待ち期間がある病院もありますので、非浸潤癌であれば、セカンドオピニオンを受ける時間はあると考えます。納得して治療を受けるためには、追加切除前に病理医のセカンドオピニオンを受けることは有用と考えます。滞在国で治療を受けるか、日本で治療を受けるかにつきましては、現在の主治医の先生の提示されている治療は日本での標準治療と変わりないと思いますので、信頼のできる先生で、しっかりコミュニケーションがとれているのであれば、お任せしてよいのではと個人的には思います。(文責 浜口)

 

No.10933】  13年02月03日    S.A.  
非浸潤がんのホルモン治療(HPNo.10046-4)

No.10046で質問させて頂いた者です。その後出産し、卒乳もしたので、検査してきました。無事異常無しでしたが、ホルモン治療(ノルバデックスのみ)を勧められました。二人目希望であれば、産後始めれば良いとの事。年齢的にも猶予がないのですが、年子は体力的に厳しく、もう少し先の予定と伝えると、それまで薬を飲み、妊娠をしたい時にお休みし、産後また再開すれば良いと言われました。五年を分割して治療しても効果は変わらないのでしょうか? 非浸潤がんの場合、生存率ではなく健側の発症を抑えるためのホルモン治療だと思うのですが、やはり非浸潤がんとはいえ、健側の発症の確率は高いのでしょうか? 副作用もあるので出来ればしたくないのですが、子供もいるので再発は避けたい…。非浸潤がんでもホルモン治療は必要なのでしょうか?

非浸潤がんの術後にタモキシフェンを5年間投与することにより、対側乳房の乳がん発生リスクは半分に減りますが、生存率は変わりません。あくまでも術後早期より行った場合のデータがもとになっておりますので、現時点でホルモン療法を開始し、途中妊娠で中断した後に再開することを強く勧めるだけの根拠は十分ではないと考えます。少なくとも生存率の改善効果はないので、これからホルモン療法を始めることを考えるより、対側乳房を含めた検診をしっかりしていくことが重要と考えます。(文責 浜口)

 

No.10932】  13年02月03日    C 
胸のしこり

私は、32歳の女性です。2ヶ月ほど前から、乳房の真ん中付近にしこりがあります。初めは大きく、直径3pくらいに腫れており、痛みもありましたが、今は1.5pほどになり、あまり痛みを感じません。乳房の奥の方でなく、皮膚のすぐ下辺りのしこりです。自分では判断がつかず、病院に行くのも怖いです。考えれられる病名を教えてください。お願いします。

しこりを触れ、痛みもあるのであれば、乳腺外科で一度診てもらうことをお勧めします。小さくなっているとのことですと、乳輪下膿瘍などの炎症性の疾患などが考えられますが、乳がんなどの腫瘍でないことを確認してもらって下さい。(文責 浜口)

 

No.10931】  13年02月01日    ms   
非浸潤ガンの補助療法について

右乳癌の疑いで生検後、非浸潤ガンと判明し、断端陽性だったことから追加手術で全摘をしました。生検の病理結果は、2.8×1.0×1.2cm  ER:陽性率5 シグナル3+  PR:陽性率5 シグナル3+ Her2:2+(乳管内)  Ki67 LI:5%以内(乳管内)。 全摘の病理結果は、3.7×1.8×1.4cm  センチネルリンパ 0/2 断端陰性 です。再発・片側乳癌の予防のために、ホルモン療法を受けた方がよいのでしょうか? 非浸潤ガンの全摘後は基本的に無治療でよいと聞きますが、腫瘍が広範囲にある為悩んでいます。

非浸潤性乳管がんで乳房切除後ですと、局所再発、遠隔転移ともにリスクは低く、術後ホルモン療法の効果はないと考えます。確かにタモキシフェンを5年間投与することにより、対側乳房の乳がん発生リスクは半分に減りますが、生存率に影響は投与してもしなくても変わりません。ホルモン療法は比較的副作用は少ないですが、更年期障害の症状や子宮内膜癌、血栓症などのリスクを上げるなどのデメリットもあります。基本的には術後ホルモン療法は不要と考えますが、メリット・デメリットを考慮して、もう一度主治医の先生と相談されて下さい。(文責 浜口)

 

No.10930-1】  13年02月01日    K   
CA15-3

65歳主婦です。何時も参考にさせて頂いております。平成23年10月に乳がん手術をしました。病理検査の結果、ステージ1、非浸潤ガンでしたけど、グレード3、Her2が+3で、たちの悪いガンなので、再発予防のためにハーセプチン治療をとなり、12回点滴をしました。その間、CA15-3の値が20-25−21−27−25−22−26−28となり、今月5日の値が30にもなってしまい、動揺しています。次回の治療日まで待っていてもいいものでしょうか? 不安で夜が怖くて仕方ない状態です。よろしくご指導下さい。

CA15-3などの腫瘍マーカーは、血液中の微量なたんぱく質を測定して、腫瘍の再発や転移がないかどうかの参考にするのですが、あくまでも参考程度であり、微量なものを測定していますので測定値が多少変動することはあります。あまり心配しすぎずに、次回の受診まで待ってよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.10930-2】  14年03月18日    K   
CA15-3上昇について

丁度1年前に、10930で相談にのって頂きました。ありがとうございました。1月にMRI、CT検査をして異常なしの結果にほっとし、帰宅したのですが、CA15-3は高い数値のままです。その後1年間30〜29〜26〜30でしたが、先生は何もおっしゃらなかってのですが、32になってしまい、転移したのかしらと心配になっています。CEAは0.6〜1.4の範囲です。これからどのようにすればよろしいでしょうか? ご指導お願い致します。

腫瘍マーカーは再発があっても基準値以下のことがありますし、再発がなくても基準値をこえることもあります。ですから現在の乳がん診療ガイドラインを見ると、術後経過観察のために定期的に腫瘍マーカーの検査をすることは推奨されていません。どうしてでしょうか? 考えてみてください。いまCA15-3が26だった人が、3ヶ月後に32になったとします。26の時は再発がなくて、32では再発があるというのはおかしくありませんか? 再発があるのならば、26の時にもあったはずですよね。ですから、再発転移があるかないかを正確に知る方法はない(CTやRIといった画像検査も同じこと)のです。ですから、極端な話、乳がんと診断された時から、自分の体の中には転移再発の芽があるのだと考えた方が良いのではないかとも考えられているのです。その再発の芽が育つのを少しでも遅くするために、その方にあった様々な治療を行うのです。(文責 清水)

 

No.10929】  13年02月01日    B  
手・足の痺れについて

61才の末期患者です。昨年の11月末より、アバスチンとパクリタキセルの治療をしています。首のリンパしこりは、だいぶ小さくなりました。2月に肺や肝臓の転移が縮小しているか、CTを撮る予定です。パクリの副作用か、最近 手や足の先に痺れが出てきました。パクリの点滴治療中は、手や足を冷却しています。牛車腎気丸・ビタミン6・ビタミン12を飲んでいます。散歩に、ママさんバレーに、スキーに、出来る限り維持したいので、何か他に方法あるでしょうか。先生のご意見聞きたく、よろしくお願いいたします。  

パクリタキセルによる末梢神経障害は可逆的な場合もありますが、長期間持続することも少なくなく、長く治療が続く場合には休薬が必要になることもあります。現在使っているビタミン剤や漢方薬の他、消炎鎮痛剤や末梢神経痛に効果のあるプレガバリン(リリカ)などが使用されますが、残念ながら特効薬のようなものはなく、パクリタキセルの効果と副作用をよく考えながら、上手につきあっていくことになります。また、ボールやくるみなどを握る運動や、温めることが症状を和らげる場合もありますので、試してみたらいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.10928】  13年01月28日    Y 
Ki67のカットオフ値と遅退性再発について 

いつも私達のためにありがとうございます。これからの治療を考えるにあたって以下の事をお教え下さい。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/sp/sabcs2012/201212/528130.html
術前化学療法のGeparTrio試験のデータを用いた解析で、Ki67値は治療効果や予後を予測する因子であり、臨床では低値(15%以下)、中間値(15.1-35%)、高値(35%超)の3つに分けることが有用である可能性が明らかになった。
      
1)  Ki67のカットオフ値は、術前化学療法をするにあたってのカットオフ値でしょうか? それとも、今までNCCNガイドラインやザンクトガレンの区切りで>14%をルミナルBとしていたものが、ルミナルAのカットオフ値が15%以下になるのでしょうか?
2) http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/sp/sabcs2012/201212/528137.html  ER陽性/HER2陰性乳癌患者の遅発性転移を予測できるかどうかについての論文です。EPスコアEP-clinは、日本で解析可能でしょうか?
3) 多変量解析では、「リンパ節転移陽性も、短期的、また長期的な遠隔再発に有意な影響を及ぼすことが示さかれた腫瘍の大きさやKi67、グレードは遅発性遠隔再発の予測因子ではなかった。」とありますが、上の事から遅発性転移は遺伝子情報とリンパ節転移の有無が予後を予測するキーワードになるということでしょうか?

1) 前述のカットオフ値は、あくまでも術前化学療法における、試験参加症例の解析結果に基づくもので、その絶対値は、普遍的なものではありません。
2) EPスコアは、私の知る限り、日本には導入されていないと思います。
3) そのとおりと考えます。ただし、ER陽性/HER2陰性乳癌のホルモン療法のみを受けた症例の場合に有用かもしれないということで、さらに、前向きに評価する必要があります。(文責 徳田)

 

No.10927】  13年01月26日    O 
抗がん剤追加のメリットについて(HPNo.10924-2)

No.10924で相談させていただきました。追加で質問させて下さい。抗がん剤追加のメリットが少ないというのは、どういう事からなんでしょうか?

ホルモン療法と抗がん剤の併用と、ホルモン療法単独と比較して、再発予防効果にあまり差がないと言うことです。そうであれば、副作用を考えると、抗がん剤を使うメリットはあまりないのではないでしょうか。(文責 徳田)

 

No.10926】  13年01月26日    S.F. 
放射線治療後のハーセプチン投与について

私の姉は昨年4月に乳癌摘出しました。その後放射線治療を受けましたが、12月に入って放射線の副作用で器質化肺炎に罹りました。今後の治療法として、ハーセプチン投与が医師より示されましたが、肺炎再発リスクが高く、強く勧められないとのことです。姉が決断するための情報をお願いいたします。

ハーセプチンが放射線による肺炎のリスクを高めるとの報告はありません。しかし、間質性肺炎の報告はあり、乳癌再発のリスク、ハーセプチンの効果との兼ね合いで判断すべきと考えます。(文責 徳田)

 

No.10925】  13年01月25日    M.K.  
病理結果と術後補助治療について

2012年12月に、右皮下全乳房摘出手術とティッシュエキスパンダー挿入を致しました。病理結果と術後補助治療について相談させて下さい。
腫瘍径 非浸潤癌・・・広がり8.8×7.5×0.7センチ 浸潤癌・・・ 0.8×0.3
がんの種類  非浸潤癌・・・非浸潤性乳管がん 浸潤癌・・・・特殊がん アポクリンがん
切除断端  陰性−、 波及度 乳腺、 リンパ管侵入 −、 血管侵襲 −、 エストロゲンレセプター  陰性−、 プロゲステロンレセプター  陰性−、 組織学的悪性度  グレード1、 リンパ節転移 0/2 、切除リンパ節数2、 HER2/new  陽性+++ HERたんぱく+、 ki-6細胞増殖能 50%、 
所見
HER2陽性がん、抗がん剤 + ハーセプチン、抗がん剤3ヶ月 TC療法 + ハーセプチン1年  でした。後日の診察で、マサチューセッツのプログラムを用いた15年後のデータを出してくださってました。その結果、術後無治療で15年後の再発率4.3%  TC+ハーセプチン治療では2.4%という数字が出ていました。よく見てみると death と alieveと記載されてます。これは再発率ではなく死亡率を示しているのかと思い、医師に確認しましたら、deathは再発率、alieveは無再発を示していると回答されました。医師を信頼しています。この数字なら術後治療はやめる予定でした。しかし、どの情報をみても、HER2陽性は予後が悪いと記載されてますし、ホルモンレセプター陰性の場合にはTC+ハーセプチン治療を勧められてます。こちらの先生方の見解を伺えたら幸いです。どうぞ宜しくお願い致します。

勧められている治療が、抗がん剤+ハーセプチンで、術後無治療で15年後の再発率4.3%  TC+ハーセプチン治療では2.4%とのこと、15年間で2%の再発抑制効果のために抗がん剤を勧めることは、まずありません。病理結果の記載もHER2/newおそらくHER2/neu, 陽性+++ しかし、HERたんぱく +?などよく理解できません。再発のリスクを予測する際の前提となる病理結果の正確な説明を主治医からうけるべきと思います。また、鍵となるHER2検査は、0.8cmの浸潤部で行なわれたのでしょうか。非浸潤部位が陽性で、浸潤部で陰性のこともあります。(文責 徳田)

 

No.10924-1】  13年01月25日    O
術後の治療について

術後の治療についてお考えを聞かせて下さい。49歳、閉経前で、昨年の12月に温存手術をしました。病理検査の結果は、「粘液癌hypercellular variant  腫瘍の大きさ 12ミリ ER (5+2=7) PgR (5+3=8) ハーツ陰性 Ki67標識率18%程度  リンパ節、遠隔転移なし グレード1」の所見でした。今後の治療として、抗がん剤は必要なんでしょうか?

抗がん剤の追加のメリットは、少ないと考えます。(文責 徳田)

 

No.10924-2】  13年01月26日    O
抗がん剤追加のメリットについて

No.10924で相談させていただきました。追加で質問させて下さい。抗がん剤追加のメリットが少ないというのは、どういう事からなんでしょうか?

ホルモン療法と抗がん剤の併用と、ホルモン療法単独と比較して、再発予防効果にあまり差がないと言うことです。そうであれば、副作用を考えると、抗がん剤を使うメリットはあまりないのではないでしょうか。(文責 徳田)

 

No.10923-1】  13年01月25日    N 
非浸潤癌部分切除+広背筋皮弁同時再建後の放射線治療について

12月初めに、温存+広背筋皮弁同時再建で手術しました。術後の病理検査結果は、「非浸潤癌 トリプルネガティブ Ki-67 10%  断端陰性」です。先週ようやく退院しました。自宅から病院まで1時間。雪の心配もあるので、利便性から寡分割照射も考えてはどうかと現在の主治医から提案がありました。実際30回(ブースト含む)は、正直きついのですが、寡分割照射の多施設合同研究中との説明を受けていますが、今後の治療は寡分割照射へ移行していく見込みなのでしょうか? 安全性は? 私としては、 安全性を第一に選択していきたいと考えています。また、同時に再建した胸も放射線でしぼむと聞いています。通常の方法と、寡分割照射では、しぼみ方に差が出ることはありますか? よろしくご教示いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

寡分割照射は、海外では行なわれていますが、本邦では、臨床研究の段階です。したがって、現在、効果や安全性の評価がなされているわけです。安全性を第一にお考えであれば、標準的は方法がよろしいと考えます。(文責 徳田)

 

No.10923-2】  13年07月30日    N 
非浸潤癌部分切除+広背筋皮弁同時再建後の健側検診について

以前HPNo.10923で質問させていただいたNと申します。25回の放射線治療も終わり、現在は月1回の定期受診をしております。今回の質問は、主治医の検査計画書によると、術後半年ごとのエコーと3か月ごとの血液検査、1年ごとのCT、骨塩定量、婦人科検診となっています。患側は確かにそれでよいのかもしれませんが、健側の検診はそこには入ってないように思うのです。40歳からは、2年に1度人間ドックでマンモグラフィをとっていて、たまたまエコーの年に、予約間違いでマンモグラフィを取った一昨年から、3か月の経過観察となり、昨年の8月のマンモグラフィで精密検査になりました。非浸潤癌は、エコーでは見つかりにくいため、マンモグラフィでしか発見されにくいと聞いています。右側をマンモグラフィとらなくても、検診としては支障ないのでしょうか?

乳がん手術後の経過観察方法の現在のガイドラインでは、当初は3ヶ月毎の診察(徐々に間隔を空けて最終的には一年に一度)と、一年に一度のマンモグラフィーが推奨されています。それ以外はオプションですから、それぞれの検査のmerit,demeritを主治医の先生とよく相談して決めてください。(文責 清水)

 

No.10923-3】  13年08月05日    N 
非浸潤癌部分切除+広背筋皮弁同時再建後の健側検診について(2)

早速御返事ありがとうございました。
もう一点、部切再建なので乳腺は残っているのですが、こちらもマンモグラフィの必要性はありますか?

難しい質問ですね。どこにどのくらい乳腺が残っているのかにもよりますが、MMGの撮影範囲内に乳腺組織が残っているのであれば、MMGは必要だと思います。
(文責  清水)

 

No.10922】  13年01月22日    K 
上腕のしこり、癌?(HPNo.10675-2)

時々『相談室』をありがたく拝見させていただいています。前回HPNo.10675で相談させていただいた者です。
7月に右乳房温存手術を受けました。術前検査では、「リンパ節転移なし」と、言われていました。しかし、センチネルリンパ節1/3で転移が見つかり、リンパ節郭清を追加されました。麻酔から目が覚めて、そのことを聞かされた時は、とてもショックでした。検査で、全部を調べることは不可能とわかっていますが、「手術待ちの間に、転移したのでは?」と考えてしまいました。その後、ノルバデックスとリュープリン、放射線治療も受けました。放射線治療では、一週間後位から、少し治まりかけていた、上腕の痺れが再発。胸から腋の下への突っ張り感も増してきました。何もかもが、良くなるのではなくて、悪くなる方向に進む気がしました。ここしばらくは、やっと精神的に落ち着いてきていました。(薬の副作用と思われる、ホットフラッシュ等の不快感はありますが・・・) ところが、先日、上腕に5ミリ程度のしこりを見つけました。特に、リンパ浮腫のような症状はありません。病院によっては、腕にサポータをするよう支持されているようですが、こちらの病院では、ありません。いきなり癌とは思えないのですが、気になって仕方ありません。現在、6週間に1回の通院(触診と問診)、3ヶ月に1回はリュープリンの注射と血液検査をしています。9日に通院したばかりです。

1) 次回診察まで、このしこりの件をそのままにしてよいでしょうか?
2) また、私としては、触診だけでなく、マンモやエコーも受けたいのですが、一般的にそれは過剰診療となるのでしょうか? ちなみに「左乳房にも多数のう胞あり」と指摘されていて、しこりのようなものを自分の手で確認できています。

1) 上腕のしこりが今回の乳がんに関係する可能性は低そうです。仮にがんに関係するものだとしても、次回の通院まで待ってもよいかと考えます。
2) マンモやエコーは、視触診で病変を疑う所見がなければ、一年に1回程度で十分であると思います。しこりが確認できていても、のう胞と判断されているならば、心配ないと思います。新しいしこりができる、今あるしこりがかなり大きくなるなどの症状があれば、主治医に申し出てください。 (文責 俵矢)

 

No.10921】  13年01月22日    m・k
術前化学療法について 

44歳 出産経験なし。ステージ2b、浸潤性乳管癌(硬癌)、エストロゲン90%、プロゲステロン70%、HER2は0、Ki67が15%、腫瘍の大きさはおよそ30mm、核異型度2です。リンパ節転移が現在1か所見つかっています。主治医からは、全摘手術(同時再建を希望しています)後、抗がん剤治療とホルモン剤治療を提案されました。最近では術前化学療法が一般化しつつあり、その効果も良いものであると聞きます。主治医に聞いたところ、反対はされませんでしたが、「標準治療として手術を先に行うことを勧める」とのことでした。私の目的は乳房の温存ではなく、完治(予後の良好)です。どちらにしてよいか悩み続け、2度も決断を保留し、手術予定も先延ばしにしています。主治医も、「どちらにするか、難しいですね。」と、私の希望を優先するとのことです。私の癌タイプは、術前化学療法の効果が望めないのでしょうか。デメリットとして腫瘍が大きくなる可能性もあると聞き、不安です。これは転移のリスクが上がるということでしょうか? どれだけ考えても答えが見つからず、こちらにご相談させていただきました。完治するための最善の方法はどちらだと思われますか? よろしくお願い致します。

ホルモン受容体が強陽性で、Ki67が比較的低いことから、ルミナルAタイプと考えると、ホルモン陰性などのがんよりも比較的化学療法が効きにくいと考えられるのだと思います。しかしGradeが1でなく2であり、腫瘍径は30mm、リンパ節転移もありとのことなので、相談者さんのように化学療法の副作用は厭わずなるべく再発リスクを下げたい場合には、ホルモン療法だけでなく化学療法も行ってもよいと思います。主治医と相談なさってください。(文責 俵矢)

 

No.10920】  13年01月20日    M
タモキシフェンの10年投与について(HPNo.4979-4)

いつも参考にさせて頂いています。以前No.4979でご相談させて頂き、大変勉強になりました。現在52歳、閉経、LuminalAタイプで、去年2月に5年間のノルバデックス服用が終わりました。対側に経過観察の集簇性石灰化(ほとんど変化無し)があります。ところで、先月のSABCS2012で、タモキシフェンの10年投与の方が再発、死亡の減少とのリポートがありました。子宮内膜癌のリスクよりも、またあと5年タモキシフェンの服用で少しでも再発率を低下できるなら、今からでもTAMを服用したいのですが、如何なものでしょうか? なお骨粗鬆薬のエビスタの服用は続けております。ぜひご意見をお聞きしたいです。よろしくお願い致します。

術後補助療法としてTAMの10年内服が、5年内服よりも再発、死亡リスクが低かったという結果が報告されておりました(ATLAS試験)。この試験の対象患者さんのなかには、リンパ節転移陽性の患者さんなど相談者さんの病状より再発リスクが高い患者さんも多数含まれております。この結果をうけて、再発リスクが高そうな患者さんに関しては、10年内服することもよさそうに思います。再発リスクの低い患者さんに関しては、子宮内膜がんの発症や血栓症のリスクの増大に比較して、なおメリットがあるかどうかは微妙なところがあるように思います。相談者さんの場合は、現在52歳で、生理がないとのことなので、アロマターゼ阻害剤を5年間服用する治療も選択肢にはいってくると思います。TAM5年のあと無治療かアロマターゼ阻害剤5年かTAMの内服を続けるかに関しては、主治医とよく相談のうえ決定してください。(文責 俵矢)

 

No.10919】  13年01月20日    M.S.  
リュープリンの副作用の対処方法について

リュープリンの副作用の対処方法について、お伺いします。ゾラディックス1.88mgを4回、リュープリン3.75mgを7回程投与しました。ここ最近、朝おきると右手がこわばります。このところ、左手もこわばるようになりました。もともと首が後湾ですが、肩や首凝りも酷い状態で、朝起きても足もむくみます。副作用でリューマチや糖尿病の発症が心配になり、検査中です。朝の手のこわばりは、どうしたらいいのでしょうか? 最初は、軽い感じだったのですが、だんだん関節の痛みが増しています。薬をやめられないし、どう対処したいいのか教えてください。お忙しい所、恐れ入りますが、ご回答の程よろしくお願いします。

関節のこわばりに関しては、朝などしばらく体を動かさないでいた状態から体を動かすと、症状が強くでるようです。体操したり、関節を温めると楽になることが多いようです。朝、お湯で手浴をすると楽になりますという方もいらっしゃいました。関節の痛みが強い場合には、鎮痛剤などを処方することもあります。これについては主治医と相談してみてください。(文責 俵矢)

 

No.10918】  13年01月20日    A 
リンパ浮腫について

お忙しいところ申し訳ございません。リンパ浮腫についてお教えください。どうぞよろしくお願い申し上げます。現在45歳で、8月に左胸の乳がんの手術を受け、手術の際に、リンパを4つ切除しました。TC療法を4回受け、次は、放射線治療を受ける予定です。腫瘍径:23mm、核異型度:2、脈管浸潤:あり、ER:20%、PgR:10%、Ki67:39.3%、親族に癌になった人はいません、不妊治療を受けていました。年末あたりから、両足が異常にむくんできました。家族にも、驚かれるほどです。私の場合は、左腕のリンパ浮腫を気をつけなければいけないと思い、腕は気をつけて、よく自分でも観察していたのですが、ズボンとブーツがはけなくなり、足のむくみに気付きました。しかも両足です。左胸近くのリンパを切除しても、足がリンパ浮腫になるということはあるのでしょうか。

子宮がんや卵巣がんなどの手術をして骨盤内のリンパ節の切除を行った方は手術の影響によるリンパ浮腫が発症する可能性がありますが、乳がんの手術の影響で、下肢のリンパ浮腫はでないと思います。おそらく、TCを行った後ということなので、タキソテールの副作用による浮腫なのではないでしょうか。主治医に相談してみてください。 (文責 俵矢)

 

No.10917】  13年01月18日    T  
術後の経過について

初めてご相談させていただきます。昨秋、右乳房に、2cmと1cmの浸潤性乳管癌が見つかりました。しこりが近かったため温存可能と最初言われたのですが、その後の精密検査により、右乳房外側上部に数ミリほどのしこりが数個見つかりました。温存手術でも乳房の四分の一がなくなるため、かなり変形すると言われ、乳輪に向かって癌が広がっている可能性があるため、乳輪も残せないと言われました。結果、右乳房全摘出しました。最近採取した組織の詳細な細胞診が出たのですが、硬癌は8×8mm一つしか見つからなかったとのことです。Nuclear grade NG1, Histological grade HG1, 脈管しんしゅうなし、センチネルリンパ節生検の結果、リンパ節転移なしでした。免疫染色は、ホルモン療法陽性、Her2 3+ です。

1)  結果からすると、全摘出の必要があったのかどうか疑問です。 術前に1cm以上のしこり2つと、数ミリのしこり数個と言われていたのに、取り出した結果(8mm1つ)があまりにも違いすぎて、戸惑っております。
2) リンパ節郭清無しのため、術後すぐは腕の運動障害もさほど感じず、病院からも特にリハビリを勧められなかったのに、術後2週間を過ぎたあたりから、傷の収縮に伴い、皮膚のひきつれがひどく、脇の下から数本にわたりシワがより、デコボコするようになりました。かなりひきつれているため、日を増すごとに腕が上がらず、運動障害が増しております。これは正常な治癒の段階でしょうか? それとも執刀医の技量の無さから縫い方が悪かったのでしょうか?リハビリ体操により、腕は徐々に上がるようになりますか?
3) ホルモン療法陽性のため、今後はホルモン療法を勧められております。ただ、現在40歳代で、閉経前です。もともとPMS がひどく、生理前の鬱、イライラ、肌荒れ、頭皮の油脂過剰などがあり、低用量ピルを長年服用しておりました。乳がんが見つかってから服用を中止しておりますが、再度PMSの症状が出始めています。それでもホルモン療法をする必要はありますでしょうか? 女性ホルモンを抑制すると、 さらに症状が悪化する可能性があるのではないかと懸念しております。

専門家のお医者様のご意見をお聞きしたいです。どうぞよろしくお願いいたします。

1) 硬がんの部分は8mmであっても、周囲に乳管内進展などが広がっているということも考えられます。また、術前診断で考えていたよりも進展範囲が狭いこともありえます。主治医にそのことを確かめてみてはいかがでしょうか。
2) 今の時期は傷のひきつれ感が強い時期で正常な経過だと思います。ですから、腕を上げたり開いたりしてストレッチ体操をするとよいと思います。あまり上がらなければ、リハビリの専門家にみてもらうのもよいと思いますので、主治医の先生に相談なさってみてはいかがでようか。
3) ホルモン陽性の乳がんの患者さんは、再発の確率を下げるためにホルモン療法が推奨されます。ホルモン療法の副作用として、ほてりやのぼせ感、いらいら感などが出ることがあります。まずホルモン療法を始めてみて、上記のような症状が出たらそれに対する対策もあります。いろいろ対策をしても、どうしても生活に支障がでるようならば中止を検討することもあります。まずは、始めてみて、体の調子をみていくとよいのではないでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.10916】  13年01月18日    S 
転移について(HPNo.10865-3)

No.10865-1・2で相談させて頂いた者です。先日相談させて頂いた内容に誤りがありましたので、追加で質問させてください。

1) 肺に網膜と書いてしまいましたが、今日母が手術前に先生から頂いた用紙を確認しましたら、「肺胸膜に肥厚あり。要観察」となっていました(無知の為、訳の分からないことを書いてしまい、すみません…)。レントゲン検査では肺もきれいで問題はなかったようですが、PET検査で上記のような状態が指摘された場合、やはり肺への転移と考えるべきなのでしょうか? ちなみに肝臓は転移なし、骨への転移の欄は空欄でした。骨シンチグラフィの検査は手術前には行っていないようですが、PETで骨への転移は分からないのでしょうか? お忙しい中、何度も申し訳ありません。よろしくお願い致します。

2) 今日自宅療養中の母の家に行くと、昨日位から傷の周りが赤くなってしまい、心配だから、来週病院の予約を取ったとのことでした。見せてもらうと、確かに赤いあざのようなものが広がっていました。その時は手術後の腫れかな?と、あまり気にならなかったのですが、家に帰ってから、もしかして皮膚転移?と思い、ネットで調べると、乳がんの皮膚転移の症状の進み方として、まず皮膚の赤みとなっていたので、心配になってしまいました。今のところ痛みはないようです。昨日母が病院に電話をして、当直の先生に相談したところ、「痛みがないなら、特に心配はないと思いますが…」との返事だったようですが、もし気になるならと、来週の初めに予約を取ってくれたそうです。母は手術後1ヶ月ちょっと経過したところです。来週病院で診てもらえば、はっきりするとは思いますが、まだ1週間近く先なので、その間不安です。実際に状態を見て頂いているわけではないので、お答え頂くのは難しいとは思いますが、皮膚転移の可能性について、お伺いできれば幸いです。よろしくお願い致します。

1) この情報からはなんとも言えませんが、おそらく、今の所見からは何とも言えないので、時間をおいて大きくなったり変化しないかを観察するということだと思います。変化があまりないのであれば心配ないのでしょう。ただし、これはやはり主治医に確認してください。
2) 術後一カ月しかたっていないのであれば、転移の可能性はそれほど高いとは思えません。むしろ化膿のほうが疑われます。化膿してなくても赤くなることはあります。高熱がなければ来週の診察で大丈夫だと思います。 (文責 俵矢)

 

No.10915】  13年01月18日    K
左胸全摘後の痛みと傷跡について

昨年、母(62)の乳癌が発覚し、左胸の全摘手術を受けました。術後からかなり痛みがあるようで、6ヶ月経った今でも毎日痛みに耐えています。定期受診の際に先生に痛みを訴えたところ、「そのうち痛くなくなりますよ」と言われるだけで、痛み止めももらえないようです。個人差はあると思いますが、この痛みはいつまで続くのでしょうか? 時間はかかっても、いつか治まるものなのでしょうか? また、術後の傷跡がかなりボコボコしているのですが・・・。縫い目の間の肉が盛り上がっています。インターネットで術後の画像などを見ても、そんなにボコボコしている方がいないので、なぜこんな傷跡なのか心配になりました。メールではわかりにくい点もあるとは思いますが、ご回答、宜しくお願い致します。

術後の痛みは、個人差がかなりあるようです。また、寒いときは痛みを強く感じる方が多いです。痛みを強く感じているようならば、主治医に痛みをとる治療を御願いするとよいでしょう。通常の鎮痛剤や、鎮痛補助薬などが有効なことがあると思います。傷あとの皮膚については、でこぼこしていても、心配ないことが多いです。患者さんの体型によっても、でこぼこの出方が異なると思います。(文責 俵矢)

 

No.10914】  13年01月15日    I 
乳腺炎の手術について

37歳、出産経験がありません。2006年に初めて乳腺炎になり、切開して、完治まで一年かかりました。2011年11月に、また同じような所が腫れだし、切開をしました。今年、三回目の切開をして手術をするか悩んでいます。手術をしても、再発の可能性が高いと言われました。手術をするべきでしょうか?

炎症を繰り返す場合は、手術を考慮することがあります。ただ、おっしゃる通り再発(再燃)することもありますので、メリット、デメリットを考慮した上決めていくしかないように思います。(文責 加藤)

 

No.10913】  13年01月15日    W・T
血性乳頭分泌について

はじめて相談させて頂きます。よろしくお願いします。45才、出産経験なしです。2010年、12月に右乳房温存手術をしました。ステージUa・充実腺管癌・2.5p×1.8p・リンパ節転移なし・グレード3・ER+・HER2−・リンパ管侵襲ly1。放射線治療25回、抗がん剤AC療法4回した後、現在はノルバデックス服用中です。抗がん剤により、閉経もしました。今年の8月より、術側の右胸乳頭一箇所の乳管より、血性の分泌液がではじめました。9月の診察時に分泌液を採取し、検査してもらいましたが、結果、異常はないとの事でした。主治医は、12月の2年検診まで様子をみましょう・・との事でしたが、3ヶ月経った今でも、毎日のように血性の分泌液は続いております。(日によって多い少ないはありますが・・・) 時々、ものすごい痒みもあります。皮膚表面ではなく、胸の中が痒いのです。痒みが酷い時の方が、分泌液の量も多いような気がします。

1) 血性乳頭異常分泌がある時は、痒みも伴うのでしょうか?
2) 12月の2年検診では CT・マンモ・骨シンチの検査予定ですが、血性分泌液の原因は、マンモなどで判るものなのでしょうか? 乳管造影検査などは必要ないでしょうか?
3) 温存手術の際、胸の中に、溶けるメッシュを入れましたが、2年近く経った今でも、その部分に水が溜まっており、円形状に腫れ上がっている状態です。見た目にも分かります。押さえたら、中央部分はプヨプヨしていますが、周りはだんだん硬くなってきており、部分的に痛みもあります。時々、水が溜まっているその部分に熱をもつ事もありますし、お風呂上りなどは、必ず右乳房全体が紅くなります。この水(浸出液)に関して、主治医は、問題ないという事でしたが、これは放っておいても大丈夫なものなのでしょうか? 水が減っている実感は今のところありませんし、その場合、ずっとこのままなのでしょうか? 病院によったら、水を抜くなどの処置をする場合もあるのでしょうか?

以上、よろしくお願いいたします。

1) 痒みを伴うこともあります。
2) US(エコー)もお勧めします(場合によってはMRI、造影検査なども考慮します)。
3) 浸出液が貯留し続けることもあります。それによって悪影響がなければ、 特に処置は必要としないでしょう。貯留液の排出であれば、自然に収まることもあります。(文責 加藤)

 

No.10912】  13年01月15日    U  
手術後8年目の治療について

お世話になっております。以前HP10492で相談致しました。今回は、手術後8年目の治療について質問させていただきます。現在55歳、経過良好。2004年12月に温存手術後、ゾラデックスを5年間使用しました。その後アリミデックスに変更したところ、生理再開によりアリミデックスを中止。ゾラデックスを1年追加しました。(最終2011年7月。ゾラデックスは合計6年間使用) 生理が復活しましたが、無治療でした。今月ホルモン値が閉経状態となったため、来年2月に採血で閉経が確認されたら、主治医はアリミデックスを1〜2年服用した方がよいと言っています。理由は、腫瘍径が大きく、リンパ節転移もあったためです。股関節炎の痛みもあり、アリミデックスの効果と副作用を考えると、服用した方がよいのか迷っています。是非、先生のお考えをお聞かせ下さい。よろしくお願い致します。

ノルバデックス服用後のアロマターゼ阻害剤はリスクによって考慮することもあります。ただ、年齢によって月経が再開する可能性もあり、ノルバデックスの更なる継続を考慮することもあります。おっしゃる通り、採血結果によって安易にアロマターゼ阻害剤に変更する医師が多いのが現状のように思いますので、その点をご確認された方がよいように思います。(文責 加藤)

 

No.10911】  13年01月15日    P
のう胞について

一昨年の乳がん告知の際に、本当にお世話になりました。今回も、お手数おかけしますが、宜しくお願いいたします。今は、術後半年毎のフォロー診断を受けていますが、昨日1年半後のエコー検査で、”4mmほどののう胞があるから” と言われ、針生検をしました。しかし、通常ののう胞であれば、エコーでも判別がつくようですので、再発の可能性が高いのではないか、と心配しております。トリプルネガティブであり、原発ガンの抗がん剤治療の副作用はかなり厳しかったので、もし再発であれば、かなりの覚悟で臨まなければならない状況です。実際のところ、のう胞でも生検が必要な例もあるのでしょうか?

4mmののう胞で、針生検をすることは考えづらいです・・・(確認のため細胞診をすることはあるかもしれませんが)。主治医は、のう胞以外のものを想定していると思います。(文責 加藤)

 

No.10910】  13年01月15日    S
バコラ生検

10日程前にバコラ生検を受けました。その後痛みも酷く、出血もあり、電話で指示を受け、30分程氷で冷やして止血しました。「紫色になる方もいますが、そのまま吸収されますので、大丈夫ですよ。」と、検査の時に言われたのですが、しばらく少し痛みが続き、乳房の半分位が黒紫になり、腫れています。腫れは少しひいて来た様ですが、中がカチカチの塊(血腫?)が出来ています。来週結果を聞きに行くのですが、とても気になり、その前に相談させて頂きました。よろしくお願いいたします。

血腫は時間と共に和らいでいきますので、あまり心配されずに結果をお待ちください。(文責 加藤)

 

No.10909】  13年01月15日    A・A
今後の治療方針

7年前に乳がんを患いました。44歳の主婦です。リンパ転移は1個、悪性度1、腫瘍の大きさ4センチ位?(あまりハッキリ覚えてません)。抗がん剤EC療法後、ゾラテックス、そしてノルバデックスを服用し、途中フェマーラに変え、1年近く服用。生理が戻ったので、ノルバデックスに変更。今年の1月よりホルモンレベルをみて閉経レベルだったので、フェマーラに再度変更しました。すると半年ほどで生理がまた戻ってきてしまい。主治医より、「ホルモン治療も5年以上行ってきた。生理が戻ってきてはフェマーラは服用できない」ということで、薬を飲まずに、様子を見ましょうということですが、とても不安です。またノルバデックスでも飲みたいと主治医に訴えてはいるのですが、ノルバデックスを飲み続けることも、子宮や骨に副作用もないわけではないから・・・と、あまり薬は処方したくない様子です。主治医は生理が戻ってきたことに対してと、薬を飲まないことに関して、そんなに神経質になることはないといいますが、罹患した年齢や、リンパ転移を考えると、素人判断ですが、恐いのです。ご意見いただけますでしょうか、お願いいたします。

年齢的にフェマーラに変更することはお勧めできません(おっしゃる通り月経が再開する可能性があります)。ノルバデックスの更なる継続も選択肢の一つです(御年齢、手術結果などによって、内服開始5年経過時に患者さんと相談することもあります)。主治医に続行を希望すれば叶うかもしれません・・・。(文責 加藤)

 

No.10908】  13年01月15日    N 
今後の治療について

41歳独身、今月初め、左乳癌で乳房部分切除(腋窩リ部節郭清を伴わない)手術をしました。先日、病理結果がでました。充実腺管癌、13×13mm、ly−、v−、f+、ElC+、pT1c、pNO(sn)、MO、pStagel)。Nuclear grade 2、Ki-67(MI−B1)は15−25%。ER:>80%で高度(+)、PgR:>90%で高度(+)、Her2:0(−)です。主治医からは、「ホルモン治療とAC療法をするか、ホルモン療法だけでも、どっちでもいいです。」と言われ、「抗がん剤も勧めるのですか?」と聞くと、「ルミナールBに近いタイプで、年齢的に若いし、10〜20%でもリスクが下げられるから」と言われました。抗がん剤の副作用に対し抵抗があるのですが、ここはがんぱって抗がん剤をしたほうがいいのか、一週間後に回答をせねばならず、毎夜眠れず、判断に迷っています。よろしくお願いします。

どちらかというと、抗がん剤は勧めません・・・。遺伝子検査(高額ですが)で、抗がん剤を受ける利益があるかどうか調べることもできますが、絶対的数値で10-20%もリスクの減少は見込めないと思います。(文責 加藤)

 

No.10907】  13年01月15日    K
骨転移について(2) (HPNo.10850-2)

10850で相談させて頂きました。早々のお返事ありがとうございました。再度、よろしくお願い致します。お返事いただいたあと、主治医に骨が溶けるのは転移ではないのか?と聞きに行きました。「転移は転移です。」との回答でした。それも、骨に転移すると全身に回ると‥‥またまた絶望的になりました。肺などは、そこを治療すればいいけど、骨は骨髄で血を造っているからと。骨が溶けるのは、転移しか考えられないんでしょうか? 痛み止めを出さないのは、自然に痛みが治まってくれば、それはガンではないからと言われました。PETで2.5の集積がボーダーラインで、私の場合2.95の集積だったので、今は何も治療は出来ないとのことでした。胸の痛みはまだ続いています。重い物を持ったりした時は、かなりの痛みですが、普段は我慢出来ます。3ヵ月後にCTの予定です。それまで痛みを気にし、治まって来なかったら悪いものなんだと自分で分かるのも辛いです。集積があっても別の場合もあるとお返事頂いて、すごく嬉しかったです。やはり骨転移なんでしょうか? よろしくお願い致します。

さらに骨シンチグラフィ、MRIなどの検査もありますので、確認のために受けてみてもよいかもしれません。転移でなかったとしても、痛みを和らげる治療は受けてもよいと思います。主治医からの処方がなくとも、薬屋さんで手に入れることができますので、お辛い場合は試されてみてはいかがでしょうか?(文責 加藤)

 

No.10906】  13年01月15日    A.H. 
健康食品や漢方との関連について (HPNo.10853-2)

お世話になります。ご回答ありがとうございます。分かりやすくて納得いたしました。追加で質問させてください。一般的なお話で結構ですので、健康食品や漢方との関連について教えていただけると幸いです。
抗がん剤の副作用を抑えるために、健康食品(サプリメント)や漢方を併用といった話を聞きました。効果があるのであれば、使用したいと思います。ただ、このような類のものは、摂取して、本当に副作用を抑えるのでしょうか? 抗がん剤の効果が低下しないものなのでしょうか? ネットで調べたり、周りの人に聞けば聞くほど、何が本当なのか、訳がわからなくなってきました(私の抗がん剤での不安は、体内に起こるもの、、、粘膜系のダメージや嘔吐などです。体力低下、もともと腎臓があまり丈夫でないので、腎臓機能に障害がでるのも怖いのです)。何度も申し訳ございませんが、宜しくお願いいたします。

併用により、副作用が抑えられることもあります。ただ、それにより別の作用が生じることもあり、効果、安全性に関してデータがある程度得られているものをお勧めします。おっしゃるように情報が氾濫しておりますので、怪しいものには手を出さないことも肝要です。(文責 加藤)

 

No.10905】  13年01月15日   K  
今後の治療について

70歳の母です。平成23年9月 ステージTの乳頭線管癌、病巣が乳房内に3〜4か所と診断され、平成23年10月半ばに左乳房全摘出しました。
悪性度:2、 脈管信襲:有、 リンパ節転移:無(0/1)、 ホルモン:非反応性、 ハーツ―レセプター:3+(染色法)
手術後、FECを3クール予定、その後ハーセプチン投与の予定でしたが、12月中旬FEC1クール目を投与後、体調不良のため取りやめ、以降、1月より3週間に1回ハーセプチンを投与しております(1月終了予定)。今年の10月に、術後1年後にして脇リンパ節に3センチ+1センチの転移が2か所認められました。この場合、もとよりハーセプチンが効かない体質だったのか、最初の検査の結果が間違っていたのでしょうか。そして1年前のセンチネルリンパ節生検では転移なし、との結果でしたが、今CT画像を見返すと、脇のリンパがわずかに腫れているように見える、とも言われました。これは1年前、センチネルリンパ節生検で、調べるリンパ節の数が少なすぎたのでしょうか…。また、脇リンパの切除をして、細胞診の結果が出るまでは、ハーセプチン投与を続ける考えのようですが、これは意味があるのでしょうか? 主治医の先生に聞いてみても、「わからない」「なんとも言えない」という返答のみで、要領を得ないのですが、やはりこういう事はわからないものなのでしょうか。場合によっては、セカンドオピニオンも考慮に入れて考えた方が良いのだろうかと悩んでいます。よろしくお願いします。

センチネルリンパ節に転移がみられなくとも、ほかのリンパ節(非センチネルリンパ節)に転移がみられることはあります(それほど多くはないですが・・・)。ハーセプチン投与の続行に関しては、組織検査の結果をみてから再考することになるかと思います(ハーセプチンは病状増悪後も続けて使用する場合があります)。意味があるかどうかについての主治医のコメントは、まさにその通りかもしれません。(文責 加藤)

 

No.10904】  13年01月15日   Y 
骨転移

以前骨転移で質問した者です。ゾメタで治療していたら、歯医者に通よわなければならず、ゾメタ中止です。その間に股関節だけでなく、近くの腰骨やひざに広がる可能性はありますか? 現在、肺と肺近くのリンパにも転移しています。その治療でジェムザールをしています。歯の治療も、根元にバイ菌が入り、消毒していたら、横の歯まで痛みが広がり、顎骨骨髄炎だろうということで、神経を抜き、消毒していく予定ですが、神経は抜いても大丈夫でしょうか? やはり、ゾメタは歯の治療後に開始すべきですか?

ゾメタは治療後しばらくしてからの開始となると思います。神経のことは適切なアドバイスができませんが、中止したことによって急にほかの部分に広がるということはないと思われますので、ご安心ください。(文責 加藤)

 

No.10903】  13年01月15日   M 
外科生検

50歳閉経前、未婚、出産歴なし。 11月末に、左胸内側表面に1p程の硬い可動性のあるしこりを触れた為、乳腺外科を受診。視触診、エコー(黒く楕円形のしこり)、マンモ(しこりは写らず2カ所に石灰化あり)の結果、線維腺腫でしょうとの事でしたが、念のために受けた細胞診が鑑別困難の結果で、針生検より確実な外科生検をすすめられ、MRI後に摘出手術します。そこで質問なのですが、針生検ではなく、本当に外科生検を選択すべきなのでしょうか。組織検査の結果、もし癌であれば再手術をするという事も負担ですし、線維腺腫であれば不必要な検査手術にもなりますし…。主治医の先生は、良性悪性どちらを強く疑っての判断なのでしょうか。お忙しいところご足労おかけしますが、先生のご意見をお聞かせいただければと思います。どうぞ宜しくお願いします。

1cm程度の良性腫瘍(線維腺腫)と考えられるしこりに対し穿刺細胞診にて確定診断が得られなかった場合、1)再度穿刺細胞診を行う、2)針生検による組織診を行う、3)切除生検(外科生検)を行う、4)追加処置をせず慎重に経過観察をする、などの選択肢があります。どれを選択するかはcase by caseということになりますが、この選択は主治医の先生によっても多少意見が異なりやすい部分です。直接拝見した訳ではありませんので主治医の先生が貴女のしこりに対しどの程度悪性の可能性を考えているのかは不明ですが、いずれにせよ針生検は有力な選択肢であろうと思います。再度主治医の先生に針生検の是非についてお聞きになられてはいかがでしょうか?(文責 谷)

 

No.10902】  13年01月15日   C 
粘液癌と診断されました

初めて相談させていただきます。平成24年12月に粘液癌と診断されました。36才、未婚、出産経験なしの女性です。

CNB:
mucinous carcinoma(mixed type) focally micropapillary pattern(+)、Er(90%)、PgR(90%)、HER2(0)、Ki67(30%)、D2-40(negative)

TM:
CA15-3 77 (基準値:0-31.3)、BCA225 240 (基準値:160未満)、CEA,NCC-ST-439,I CTPは陰性

左乳房MRI:造影あり、左乳房に5cm×5cmの腫瘍あり
胸・腹・骨盤内CT:造影あり、肝,肺,縦隔リンパ節転移なし、左腋窩リンパ節10mm腫大あり
腋窩リンパ節生検:転移性腺癌、鎖骨上窩リンパ節生検:転移性腺癌
PET-CTはこれからです。1月21日予定

平成25年1月4日から、術前化学療法(アブラキサンweekly4クール+FEC4クール予定)と卵巣機能保持の意味も含めてLH-RHの治療を始めました。調べてみても、粘液癌混合型のデータがあまり見つからないので、ステージ3Cであっても、あまり当てはまらないのではと思い、メール致しました。最良だと思われる他の治療法や5年生存率など、お分かりの事があれば教えていただけると幸いです。よろしくお願い致します。

粘液癌は乳管癌と比べて予後が良いとされており、また粘液癌の中では純型の方が混合型よりも予後が良いとされております。しかし、粘液癌混合型だけに限っての予後や特別な治療法は知られておらず、一般の乳管癌に準じて行っております。ですから貴女の場合もアンスラサイクリン系抗がん剤やタキサン系抗がん剤の使用が標準治療ということになり、故に今回から始まった治療法が標準療法ということになります。(文責 谷)

 

No.10901-1】  13年01月12日   C.S
難治性乳腺炎

現在38歳で、2児(8歳、2歳)の母です。昨年10月末に乳腺炎の症状が出て(乳房の腫れと38℃以上の発熱)、抗生剤の服用と点滴をしましたが全く効果なく、むしろ腫れがどんどんひどくなり、自壊寸前になったところで外来で切開してもらいました。ところが、切開後もなかなか症状が改善されず、別の場所にも膿瘍があったため、結局入院して全身麻酔の手術にて新たに切開、ドレナージしてもらい、退院後も引き続き外来で治療を続けています。現在2回切開した傷口も半分くらいの大きさになり(緑色の膿?はまだ出ています)、血液検査の値も落ち着いていますが、2回目のドレナージした部分を中心に、広い範囲で硬いしこりが残っていて、熱も、ここ最近は37℃前後常にあります。実は手術後一度はしこり部分を注射器で吸い出そうとしましたが、あまり出てきませんでした。来週超音波検査、月末にMR検査をする予定ですが、硬いしこりや微熱は、まだ膿が取りきれず残っているからでしょうか? 担当の先生から、「大学病院で症例はあるけど、珍しい難治性の乳腺炎ですね。」と言われ、再発の可能性もあるとのこと。ネットで調べても同じような症例は見つからず、完治が見えず不安です。少しでも情報が得られれば…と思い、相談させて頂きました。長文になってしまい申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。ちなみに、乳腺炎になる前まで下の子に授乳していましたが(寝る前のみ)、切開後母乳を止める薬を飲んだのもあり、今はしていません。

乳腺炎は授乳期にしばしば見られる炎症ですが、その回復が思うように行かないケースも時に経験します。その原因のひとつに、乳房内に貯まる膿が一箇所にとどまらず乳管を経由して乳房内の広い範囲に拡がりやすいということが挙げられます。例えれば、ちょうどアリの巣がいくつかの繋がったお部屋で形成されているのに似ています。今後エコー、MRIで詳しく調べるとのことですので、残存した膿のたまりを確認し、適切な処置を検討してゆくことになると思います。もちろんその際に他の原因(例えば腫瘍が存在するなど)も同時にチェックすることになると思います。早いご回復をお祈りいたします。(文責 谷)

 

No.10901-2】  14年06月24日   C.S
再発でしょうか?

1年半ほど前に、No.10901で相談させていただきました。その節はありがとうございました。
1年半ほど前に重症の乳腺炎にかかり、2度切開排膿しました。うち1度は入院、全身麻酔したうえでの切開でした。その後傷はふさがりましたが、まだ細かい膿が残っているということで半年ごとに経過観察を兼ねて検査や診察を受けています。検査を受けるたびに徐々に膿が小さくなっているようでしたが、先月末くらいからまた傷口回り(傷口は乳輪のぎりぎり内側です)や乳輪、乳房など周辺にしこりを感じるようになりました。最近はそのしこりがずいぶん大きくなった感じで触ると痛いです。でも前回と違ってしこり以外に高熱が出たりとかはありません。これは乳腺炎の再発なんでしょうか?それとも乳輪下膿瘍など別の病気の可能性もあるでしょうか? 来月半ばに半年ごとの診察日があるんですが、そこまで様子をみていいのか、受診を早めるべきか悩んでいます。

再燃する乳腺炎の場合、傍乳輪下膿瘍や肉芽種性乳腺炎等の難治再発性の疾患も考慮に入れる必要があります。2回切開排膿していて腫瘤・熱感・疼痛等の炎症様の所見がある場合、こういったことを念頭に置き、なるべく大きくしないうちに受診した方が良いでしょう。最近では、傍乳輪下膿瘍や肉芽種性乳腺炎とCorynebacterium Kloppenstedtiiという特別な細菌との関係が取り沙汰されており、抗生剤も通常のものが効きにくいことも有るようです。受診して、良くご相談なさった方が良いと考えます。(文責 久保内)

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