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相談室(No.11301〜11400)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

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なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。


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目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

11400 14/06/04 A.S.  浸潤癌の皮下乳腺全摘術 大西
11399 14/06/04 Y.T. オンコタイプDX 検査結果(HPNo.11342) 大西
11398 14/05/31 O.K.  胸の引きつれ、えくぼについて 大西
11397 14/05/31 Y  コメドタイプについて 大西
11396 14/05/31 F 齢者の手術後の治療方針について(HPNo.11392) 大西
11395 14/05/27 T  ホルモン微弱陽性 石山
11394-1
11394-2
14/05/26
14/06/17
M 胸の張りと痛みについて
良性のしこり
石山
緒方
11393 14/05/26 H ホルモン療法の副作用 石山
11392-1
11392-2
14/05/26
14/05/31
F  治療方針
高齢者の手術後の治療方針について
石山
大西
11391 14/05/25 A.S. 術後治療について 石山
11390 14/05/25 S.H 血管炎? 石山
11389 14/05/25 H.O. 2回目のご相談となります(HPNo.11307) 石山
11388 14/05/25 Y.M.   低エコー域 石山
11387 14/05/21 H.K.  転移後の治療について 石川
11386 14/05/21 Y  硬いしこりのようなもの 石川
11385 14/05/21 R  ホルモン療法 石川
11384 14/05/21 N アフィニトールについて 石川
11383 14/05/21 K 治療方法の選択について 石川
11382 14/05/21 B 抗がん剤 石川
11381 14/05/21 E  非浸潤がん 石川
11380 14/05/12 Y2  今後のフォローについて 吉田
11379 14/05/12 M  術後の治療について 吉田
11378 14/05/12 W  乳菅内乳頭腫(HPNo.11368) 吉田
11377-1
11377-2

11377-3
14/05/12
14/07/25
14/07/31
O 再々発後の治療
アリミデックスについて
有効なホルモン剤
吉田
須田
高橋
11376 14/05/07 I.T.  小さい傷ですが・・・ 浜口
11375 14/05/07 Y  肺の検査について 浜口
11374 14/05/04 よん  局所再発後の治療について(HPNo.11348) 浜口
11373 14/05/04 M   初発か再発か 浜口
11372 14/05/04 T.N. 0期のがんが1個見つかりました 浜口
11371 14/04/30 M.S.  今後の治療について 徳田
11370 14/04/30 K.Y. 抗がん剤治療について 徳田
11369 14/04/30 S 乳がんのホルモン治療と卵巣摘出について 徳田
11368-1
11368-2
14/04/27
14/05/12
W 乳菅内乳頭腫
乳菅内乳頭腫(2)
徳田
吉田
11367-1
11367-2

11367-3
11367-4
14/04/27
14/09/11
14/09/22
15/02/12
MI 少し前倒しで受診したほうがよいものでしょうか?
術後局所再発?
局所再発について
ハーセプチン
徳田
石山
大西
加藤
11366 14/04/27 S.C. 今後の治療について 徳田
11365 14/04/27 K.T.  授乳中のマンモグラフィ 徳田
11364 14/04/27 T.U. ホルモン治療 徳田
11363 14/04/27 T,T ステージ 徳田
11362 14/04/26 T.Y. 今後の治療について(HPNo.11347) 俵矢
11361 14/04/26 K.M.  放射線性間質性肺炎(HPNo.11262) 俵矢
11360 14/04/22 トリプルネガティブ 俵矢
11359 14/04/22 K.S. 今後の治療について 俵矢
11358 14/04/22 H 放射線治療とホルモン療法について 俵矢
11357 14/04/18 N.K しこりについて 俵矢
11356 14/04/18 Y.W. 今後の治療について 俵矢
11355 14/04/18 Y 乳頭腫? 俵矢
11354 14/04/16 S.Y.  多発性浸潤性小葉ガン
11353 14/04/16 Y.Y. エキセメスタン錠の副作用について(HPNo.10980)
11352 14/04/14 H.O. 今後の治療方針に関して
11351 14/04/14 ぱんだ 全摘・広背筋による再建に伴う筋の痛み
11350 14/04/14 Y.K. 抗がん剤の治療開始について
11349 14/04/14 Y.S. 情報と治療について
11348-1
11348-2

11348-3
14/04/14
14/05/04
14/07/25
よん 局所再発後の治療
局所再発後の治療について(2)
間質性肺炎について

浜口
須田
11347-1
11347-2
14/04/10
14/04/26
T.Y. 浸潤性乳管癌(T1)
今後の治療について
高橋
俵矢
11346 14/04/10 A TC療法 高橋
11345 14/04/10 A  抗がん剤治療 須田
11344 14/04/10 M.I. リンパ節転移 須田
11343 14/04/07 ひまわり NCC-ST-439の数値 高橋
11342-1
11342-2
14/04/07
14/06/04
Y.T. オンコタイプディーエックス
オンコタイプDX 検査結果
高橋
大西
11341-1
11314-2
14/04/07
14/04/27
C.S. ドキタキセルの投与について
今後の治療について
高橋
徳田
11340 14/03/25 S  タスオミンの副作用か? 鈴木
11339 14/03/25 これからの治療について(HPNo.11325) 鈴木
11338 14/03/25 今後の治療について(HPNo.11241) 鈴木
11337 14/03/25 M.K. オンコタイプ結果について(HPNo.11043) 鈴木
11336 14/03/25 I.S. 胸のしこり 鈴木
11335 14/03/20 乳管内乳頭腫 清水
11334 14/03/20 k・m  抗がん剤治療について 清水
11333 14/03/20 D   悪性葉状腫瘍について 清水
11332 14/03/20 オレンジ 今後の治療について 清水
11331 14/03/20 M.T. 乳がん検診 清水
11330 14/03/18 抗ホルモン剤について 清水
11329 14/03/18 T  病理結果&生存率 清水
11328 14/03/18 今後の状態について 清水
11327 14/03/18 悪性度の高いガン 清水
11326 14/03/18 主治医の所見と病理結果 清水
11325-1
11325-2
14/03/18
14/03/25
これからの治療について
これからの治療について(2)
清水
鈴木
11324 14/03/18 M  今後の治療方法について (HPNo.11318) 清水
11323 14/03/18 S  肺(胸膜?)への転移の可能性 清水
11322 14/03/18 CA15-3上昇について(HPNo.10930) 清水
11321 14/03/12 K  全摘手術の方がいいのでしょうか? 斎藤
11320 14/03/12 今後の治療方針 斎藤
11319 14/03/12 M  術後検診について 斎藤
11318-1
11318-2
14/03/12
14/03/18
M   今後の治療方法について
今後の治療方法について(2)
斎藤
清水
11317 14/03/05 胸の痛み 久保内
11316 14/03/01 S  右乳房周辺の痛みの原因 久保内
11315 14/02/18 Y  術後の治療法について 緒方
11314 14/02/18 K.S.  今後の治療について(HPNo.11306) 緒方
11313 14/02/18 A.O. 今後の治療について 緒方
11312 14/02/18 しんゆう 術前化学療法について 緒方
11311 14/02/14  T エコー検査 緒方
11310 14/02/14 E   病理検査結果の変化、オンコタイプDXの有用性 緒方
11309 14/02/13 NEKO タモキシフェン服用中によるE2高値について 大西
11308 14/02/13 H   放射線治療 大西
11307-1
11307-2
14/02/13
14/05/25
H.O. 完治できる望みは?
2回目のご相談となります
大西
石山
11306-1
11306-2
14/02/13
14/02/18
K.S.  非浸潤がんの診断
今後の治療について
大西
緒方
11305-1
11305-2
14/02/13
14/04/07
Y.T.  手術以外の治療希望
オンコタイプディーエックス
大西
高橋
11304 14/02/13 術後の抗がん剤について 大西
11303 14/02/05 S.M.  非浸潤性小葉癌 石山
11302 14/02/05 左鎖骨周辺の痛みと違和感 石山
11301
11301-2
14/01/31
15/04/15
H  NCCーST−439について
NCCST439が上昇し続けています
石山
石川

 

No.11400】  14年06月04日    A.S.   
浸潤癌の皮下乳腺全摘術

先日は回答を頂きありがとうございました。何度も申し訳ないのですが、疑問がありますのでよろしくおねがいします。
術前の針生検で、非浸潤癌との診断をうけました。しこりも7ミリ程との事で温存できると言われましたが、再発を防ぎたいために全摘を希望しました。主治医が乳首を残す方法もあるというので、皮下乳腺全摘を受けました。ですが、術後の病理で、浸潤が6ミリあると言われました。非浸潤だから大丈夫といわれていたためこの術式を選んだのに、ショックが大きく、それと同時に、浸潤しているのに、乳頭乳輪、皮膚(針生検の痕やしこり真上部分)が残っている状態が怖くてたまりません。乳癌学会のHPや色んな情報を探しても、皮下乳腺全摘は浸潤癌には標準治療ではないとの事。
リスクファクターで核グレード2だけが引っかかり、中リスクになってしまったこともあり、局所再発の不安が頭から離れません。主治医に、再発が怖いので再手術(皮膚と乳頭乳輪の切除)をお願いしたのですが、すべて取り切れているので必要ないと言われました。せめて放射線だけでもとお願いもしましたが、全摘だから意味がないと、まったく取り合ってもらえませんでした。

1) 癌の取り残しがない場合は、追加切除は普通はしてもらえないのでしょうか?
2) 針生検の痕や、しこり真上の皮膚に再発することは、浸潤がある以上、リスクは多いですか? あるとすれば、初期症状はどのようなものでしょうか。
3) センチネルリンパ生検で3個、その横に1個腫れているリンパがあったとの事でしたが、4個すべて陰性でした。リンパが腫れていても転移が見られない事はあるのでしょうか?

病理結果は、ER、PgRともに70〜80%、HER2、1+、Ki-67 4%、波及度g、脈管侵襲なし、リンパ転移なし、核グレード2、浸潤径6ミリです。現在りゅープリン、ノルバデックスでの治療のみで、化学療法はなしです。これは私のような状態の術後の標準治療でしょうか? お忙しい所、恐縮ですがよろしくお願いします。

術前の針生検で非浸潤癌であっても手術検体を確認してみると浸潤成分が見つかることは、時々経験します。乳頭・乳輪を温存する乳房切除術については早期乳癌であり、温存した乳頭・乳輪や皮膚に浸潤がなければ考慮していい術式だと思います。6ミリの浸潤であり、切除断端に癌がなければこの術式でもいいのではないでしょうか。
残りの質問ですが、
1) 癌の取り残しがなければ、保険診療上からも難しいかもしれません。
2) ごく稀に針生検の痕に再発することが報告されていますが、浸潤癌であったとしてもリスクは少ないでしょう。初期症状としては皮膚の色調の変化や結節になります。
3) リンパ節が腫れていても転移していないことはよくあります。むしろ転移していないことの方が多いです。

最後の質問ですが、術後の治療としては標準治療だと思います。(文責 大西)
 

 

No.11399】  14年06月04日    Y.T.  
オンコタイプDX 検査結果(HPNo.11342-2)

4/7に11342で御相談させて頂き、今回、3回目の投稿となります。大変、有り難く、心強く、拝見させて頂いております。
放射線治療 25回を終えました。念のために、オンコタイプDXいたしました。
再発スコア;17   臨床評価;11%
再発スコアが低リスク群の上限、抗がん剤は使用せず、タスオミン錠20mgの服用となりました。

ERスコア;8.0 (Positive) PRスコア;7.7 (Positive) HER2スコア;8.7 (Negative)
こちら、主治医に聞きそびれたのですが、(Negative)が気になりました。検査結果が専門的な英文でよく分かりません。現状の治療方針で、大丈夫ですよね? 御指南、宜しくお願い致します。

ERスコア=8.0(陽性)、 PRスコア=7.7(陽性)、 HER2スコア=8.7(陰性)とありますが、先日の病理結果 ER=7 PgR=8、HER2 score:1+(陰性)と同じ意味です。現在の治療方針で間違いないと思います。(文責 大西)

 

No.11398】  14年05月31日    O.K. 
胸の引きつれ、えくぼについて

昨年末、左胸に違和感、痛みがでました。2014年1月に、都立病院で、マンモグラフィー、エコーで検査を受け、石灰化もなく「まったくの異常なし」とのことで安心していました。その後胸の痛みもほどんど消え今に至ったのですが、あれから約5ヶ月たち、違和感をおぼえたので、左腕をあげて鏡で見てみると、左胸の左下部分に小さな凹みがあり、上げた腕にひきつられていました。右胸はそうなりません。検査するにも病院が予約待ちで一ヶ月先になりそうです。ひきつれやえくぼの症状は、100%がんなのでしょうか? 良性の腫瘍ではそのような症状はないとネットにでていて不安です。ほかに可能性があるとしたら、どんな病気があるのでしょうか。どうぞ宜しくお願いいたします。

良性の腫瘍でも、引き連れるような症状があることもあります。ただし仮に乳がんであった場合には早期発見が一番の薬ですから、近く乳腺科で検査を受けられてはいかがでしょうか。都立病院でなくても、しっかりとした診断は受けられると思いますよ。(文責 大西)

 

No.11397】  14年05月31日   Y 
コメドタイプについて

昨年6月に、非浸潤がんで、範囲が広範囲だった為に右胸を全摘出しました。この5月に乳房再建手術をすませました。0期乳ガンが再発率も低いとの事ですが、コメドタイプでした。あまり気にしていなかったのですが、コメドタイプは悪性度が高く、顔つきの悪いがんだと知りました。0期だとしても、コメドタイプの場合はどうなのでしょうか?

コメドタイプの悪性度は確かに高いので、浸潤する前に手術を受けることが出来て良かったですね。タイミングが遅ければ浸潤癌となり、再発の心配をしなければいけないことになっていたかもしれません。(文責 大西)

 

No.11396】  14年05月31日    F 
高齢者の手術後の治療方針について(HPNo.11392-2)

お世話になります。先日、高齢者の手術後の治療方針について相談をさせていただきましたNo.11392です。母の身体状況については、合併症は無く、検査データにも問題はありません。既往歴は、15年ほど前に今回とは反対側の乳房切除を行っています。その時は手術後に抗がん剤を経口的に服用しました。主治医によると、今回はその時のがんとはタイプも違い、総合的に考えると再発ではなく、新たながんが発生したものと考えられるそうです。今回、無治療とした判断は、高齢であることが最大にして唯一の理由であるような説明でした。高齢者であるがゆえに、抗がん剤治療に伴う副作用の発生した時のデメリットと、ここで抗がん剤の治療をした場合に遠隔転移をどの程度防げるのかを比較したうえでの判断だと思いました。個人差はあると思いますが、この年齢から将来にわたり、抗がん剤治療により遠隔転移がどの程度防げると考えられているのでしょうか。転移の心配をしながら生活するのと、100%の効果があるものでもない治療を副作用を我慢してまで行うのとでは、今後の人生を考えるとどちらを選択するケースが多いのでしょうか。また、6か月ごとの経過観察を選択した場合には、万が一、遠隔転移が見つかっても、それに対する治療は難しいのでしょうか。どうぞ宜しくお願いいたします。

抗がん剤の効果は乳がんのタイプで変わることがあっても、年齢で左右されるものではないと思います。副作用に関しては、高齢者の場合はより慎重になります。ただし同じ年齢でも元気な人もいらっしゃれば、年齢以上に老け込んでいらっしゃる方もおられますので、年齢だけでは判断できません。お母様も悩んでおられるようでしたら、もう一度先生と相談されてもいいと思いますし、セカンドオピニオンを検討されてもいいかと思います。遠隔転移が見つかった場合、根治するのは一般的には困難ですが、無治療中の再発は抗がん剤が奏功する場合もあります。(文責 大西)

 

No.11395】  14年05月27日    T
ホルモン微弱陽性

いつも参考にさせて頂いております。腫瘍38mm リンパ節転移なし 脈管侵襲なし ホルモン受容体共に2〜3% Her2陰性 トリプルネガティブ(もしくはルミナルB)です。温存手術後、FEC4回、タキソール8回(12回の予定が帯状疱疹により中止)、放射線治療25回を終了し、タモキシフェンの服用を始めました。

1) タキソールの途中中止の影響はありますか。再発予防として充分なのでしょうか。
2) ホルモン微弱陽性と陰性には、がんの性質上、何か大きな違いがあるのでしょうか。
3) HBOCの可能性大とのことなのですが、タモキシフェンの服用は長期間続けた方が良いのでしょうか。

お忙しい中恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。

1) タキソール12回も毎週投与であれば用量次第ですが足りないという事はありませんが、帯状疱疹で中止するのはやむを得ないと思います。
2) ホルモン陰性は一般的に悪性度が高いと言われていますが、その辺の鑑別には、Ki67Labeling indexなどを調べるのも重要と言われています。
3) HBOCの可能性があるなら、可能性で無く、遺伝子カウンセリングができる施設で遺伝子検査を受けて確認されたほうが良いと思います。タモの延長はその辺を確認して検討すればいいと思いますが。(文責 石山)

 

No.11394-1】  14年05月26日    M 
胸の張りと痛みについて

気になる事があり、初投稿する30歳、出産なしです。毎回、生理前に胸の張りと痛みがあり、生理が終わると治まっていたのですが、今回はじめて生理後にもズキズキ(何もしない時も含む)する胸の痛みが気になっています。ずっとでなく、痛かったり、痛くなかったりを繰り返して、1ヶ月になります。毎年10月に、乳腺外科で乳がん検診を受けてます。今年も10月を予定してますが、検診まで待つか、早めに受診した方が良いか、教えて下さい。宜しくお願い致します。

痛みは直接乳がんの症状ではないので、気にしなくていいとは思いますが、症状に変化の有った時には精密検査をしたほうが良いと言われていますので、早めの受診をお勧めします。(文責 石山)

 

No.11394-2】  14年06月17日    M 
良性のしこり

前回No.11394 胸の張りと痛みについて相談しました。回答ありがとうございました。先週、乳腺外科を受診して、視触診、マンモグラフィ、乳腺エコーを受けました。一ヶ所にシコリが見つかり、細胞診をしました。今日きいた結果、良性でした。教えてほしいのですが、経過観察で半年後に再検査の予約をとりましたが、良性が悪性に変わることありますか?ま た今後気をつけることありますか? よろしくお願い致します。

良性のしこりが悪性に変わることはありません。6ヶ月後の受診は、しこりの大きさやその他の乳腺に変化がないことを確認する意味があります。また、今後気をつけることは、定期的に受診することです。(文責 緒方)

 

No.11393】  14年05月26日    H 
ホルモン療法の副作用

非浸潤性乳癌で4年前に皮下式全摘し、その後、ホルモン療法をしております。今、4年と2か月です。年に一度、子宮がん検診をうけていますが、昨日、検診に行きましたら、子宮内膜が厚いと言われました。多分副作用だろうと。毎年、少しずつ厚みが増えてきてるようです。まだ、検診結果はでていませんが、薬は飲み続けた方がいいのでしょうか? 閉経前のため、ノルバデックスしか薬もないですよね? かかりつけの先生は、5年は飲んだ方がいいからと言われました。乳癌の再発をおさえるために、子宮癌になるかもしれないリスク、わからなくなりました。このような患者には、どのような対応をされるのでしょうか? 宜しくご指導お願いします。

一般的には乳癌を防ぐ作用が子宮体がんのリスクより大幅に上回るので、子宮体癌検診を受けつつ、ノルバデックス内服をすることが勧められています。(文責 石山)

 

No.11392-1】  14年05月26日    F 
治療方針

初めて相談させていただきます。3月末に、76歳の母が乳癌の手術(単純乳房切除術)をしました。結果は、大きさ2センチで、リンパ節転移はなく、ステージ1、グレードは3でした。また、ホルモン療法は適用しないタイプでした。主治医の説明では、グレードが3のため、通常のケースでは、このような場合は、抗がん剤の点滴治療を6か月行うとのことでした。しかし、患者が高齢であることから、副作用等を考慮すると、今回は抗がん剤治療はせずに経過観察のほうが良いのではないかとのことでした。この説明で納得したのですが、後日いろいろと調べてみると、グレード3では治療をしたほうが良いとの情報が多くみられ、心配になってきました。しかしその反面、年齢と副作用のことを考えると、主治医の考えるように経過観察のほうが良いのか、本人も私もわからなくなってしまいました。本人が決める問題かもしれませんが、このケースでは、総合的に考えて、どちらを選択するのが良いのでしょうか? どうぞよろしくお願いいたします。

当院であれば、化学療法(抗癌剤)を76歳でもお勧めしていますが、患者さんによって合併症や既往歴、検査データ(心機能、腎機能、呼吸機能など)が様々ですので、総合的に判断すると思います。そういったことまで考慮して無治療なのか、単に年齢だけでそうなったのか不明です。心配ならセカンドオピニオンに、検査データなどをもらって行かれるのも一つの方法ですが。(文責 石山)

 

No.11392-2】  14年05月31日    F 
高齢者の手術後の治療方針について

お世話になります。先日、高齢者の手術後の治療方針について相談をさせていただきましたNo.11392です。母の身体状況については、合併症は無く、検査データにも問題はありません。既往歴は、15年ほど前に今回とは反対側の乳房切除を行っています。その時は手術後に抗がん剤を経口的に服用しました。主治医によると、今回はその時のがんとはタイプも違い、総合的に考えると再発ではなく、新たながんが発生したものと考えられるそうです。今回、無治療とした判断は、高齢であることが最大にして唯一の理由であるような説明でした。高齢者であるがゆえに、抗がん剤治療に伴う副作用の発生した時のデメリットと、ここで抗がん剤の治療をした場合に遠隔転移をどの程度防げるのかを比較したうえでの判断だと思いました。個人差はあると思いますが、この年齢から将来にわたり、抗がん剤治療により遠隔転移がどの程度防げると考えられているのでしょうか。転移の心配をしながら生活するのと、100%の効果があるものでもない治療を副作用を我慢してまで行うのとでは、今後の人生を考えるとどちらを選択するケースが多いのでしょうか。また、6か月ごとの経過観察を選択した場合には、万が一、遠隔転移が見つかっても、それに対する治療は難しいのでしょうか。どうぞ宜しくお願いいたします。

抗がん剤の効果は乳がんのタイプで変わることがあっても、年齢で左右されるものではないと思います。副作用に関しては、高齢者の場合はより慎重になります。ただし同じ年齢でも元気な人もいらっしゃれば、年齢以上に老け込んでいらっしゃる方もおられますので、年齢だけでは判断できません。お母様も悩んでおられるようでしたら、もう一度先生と相談されてもいいと思いますし、セカンドオピニオンを検討されてもいいかと思います。遠隔転移が見つかった場合、根治するのは一般的には困難ですが、無治療中の再発は抗がん剤が奏功する場合もあります。(文責 大西)

 

No.11391】  14年05月25日    A.S. 
術後治療について

乳がんの術後治療について相談させてください。42歳(閉経前)で、乳頭乳輪温存皮下乳腺全摘術をうけました。病理結果は、乳頭腺乳管癌、乳管内の広がり1センチ、そのうち6ミリの浸潤、ER 70%、PgR 80%、HER2 1+、Ki-67 4%、グレード2(2+2=4と書かれていました)脈管皮膚脂肪全て侵襲なし、リンパ転移なし、でした。主治医には、リスクはグレード2だけど、でもKi-67が低いからグレード1に近いグレード2、浸潤も6ミリで小さいから、リュープリン3年とノルバデックス5年の治療でいいと思うとのことで、治療を始めたところです。

1) グレード1に近いグレード2という診断は、一般的にあるのでしょうか?
2) グレード2である事、年齢が少し若い事から、ホルモン治療だけでなく抗がん剤治療も受けたほうが再発率が下がるのではと思いますが、必要でしょうか?
3) 乳頭乳輪皮膚を残しているので、全摘術よりも再発リスクが高いと言われましたが、どれくらい差があるのでしょうか?
4) 浸潤癌の周りに非浸潤が見られたそうで、この場合、悪性度も高い(コメド型?)と聞きました。トータルで見て予後は悪いでしょうか?

たくさん質問してしまい、すみません。再発、転移を防ぐ為、できる治療は全て受けたいと思っています。よろしくお願いいたします。

1)グレード2はグレード2です。
2)リスク低減効果はわずかな差ですので、一般的にはこの治療だと思います。
3)多く行われる手術ではないので、はっきりしたデータは少ないのと、施設によって結果が異なりますが、一般的には1〜2%と思います。
4)生存率から考えると、周囲の非浸潤癌がコメド型でも浸潤癌による悪性度が高いので、早期乳がんで、予後は悪くないと思います。95%以上の10年生存率と思われます。(文責 石山)

 

No.11390】  14年05月25日     S.H.
血管炎?

脇の下と乳房の間あたりにしこりがあり、近所の小さな病院(乳腺外科あり)を受診しました。授乳中なので、エコーで診ていただきました。結果、「静脈の血管炎でしょう」とのことで安心したのですが、最近、しこりが線のように伸びてきた感じがします。痛みは全くありません。血管炎なら放置してもいいのか?と思うのと、血管炎は誤診で、乳ガンだからしこりが大きくなっているのではないかと、心配になってきました。乳ガン経験者の友人が脇の下に転移したと聞いたので余計に心配になり、質問させていただきました。よろしくお願い致します。

診察もしないでの判断はできませんので、心配なら乳腺外科の受診をお勧めします。Mondor氏病という良性疾患もありますが、診察しないとわかりません。(文責 石山)

 

No.11389】  14年05月25日   H.O.
2回目のご相談となります(HPNo.11307-2)

前回は大変お世話になりました。2回目の相談になりますが、宜しくお願いします。あれから術前抗がん剤治療が終わり、6月5日に手術の説明があります。転院先の主治医からは、この分だと温存も出来ると思いますが…と言われております。HER2 3+、2センチちょっとだった腫瘍は、「今5ミリはまだあるね」と、言われました。場所も、最初の病院では10〜11時の方向と言われましたが、4月に転院し、今の主治医の話では、その場所にはハッキリと映っているものは無く、12時の方向に、エコーにて5ミリ程度の腫瘍らしきものが映っていると言われました。無くなってしまうと手術の場所が分からなくなるので良かったと言われましたが、場所が術前抗がん剤治療で変わることがあるのでしょうか? 最初の病院のCTでも確認はしているのですが…。あと、まだ5ミリは最低あるし、ki67、40%なので、本当に温存で良いのでしょうか? そのあとの病理検査で悪かった場合、再手術もあると思うのですが、また手術するなら、最初から全摘でも良いと思っています。再手術する可能性はどれ位あるものでしょうか? 乳首だけ残して、乳腺全摘も出来るのでしょうか? 乳癌専門病院で、同時再建もやっているようですが…、その方法はあまり良くないのでしょうか?

3cm以下の腫瘤であれば温存可能ですので、温存術で良いと思いますが、腫瘤の部位が異なっているというのが気になります。違う場所を温存術として部分切除をするのが問題です。ただ前医の腫瘤の存在部位は、触診での場所であれば、座っている状態とCTで寝ている状態、MRなどでは腹這いになることもあり、体位によって異なることがあります。Ki67は、HER2(3+)なら当然高いと思います。(文責 石山)

 

No.11388】  14年05月25日    Y.M. 
低エコー域

お世話になります。2008年に左DCISで温存手術をしました。昨年9月に術後5年を迎え、一通り検査をし、異常なし。ノルバデックスも10月で終了し、無治療になりました。以前から右に良性の腫瘍があるのですが、今回、低エコー域精密検査と、人間ドックで言われてしまいました。マンモは異常なかったです。来月乳腺の検診があるので、その時に主治医に相談したいと思いますが、ちょっと不安になり、相談させていただきました。やはりよくない結果も想定しておいたほうがいいですよね?

当然一方の乳癌になった方は反対のリスクも高いので、慎重に調べる必要があると思いますが、ノルバデックスの内服は反対側の乳がんの発症を減らすメリットはあるので、その点はリスクは低いかもしれません。(文責 石山)

 

No.11387】  14年05月21日    H.K.
転移後の治療について

いつも参考にさせていただいています。
2007年12月、左乳癌と診断、全摘予定でしたが、術前検査で左腋下、左大腿骨に転移が見つかり、手術はせず、ノルバデックス、リュープリンの治療を7年近くおこなってきました。進行もみられず、ホルモン療法の副作用もひどいものではなく、治療を続けてきましたが、今年1月ぐらいから新たに胸椎、腰椎、左鎖骨リンパ節に転移が見つかり、腫瘍マーカーも上昇しはじめました。肝臓に1センチほどの影があり、小さなのう胞も点在しているとのことで、フェソロデックス、ゾラデックス、ランマークの治療にかわりました。

1) 今回の転移にあたり、CT,MRI,骨シンチの検査をしたのですが、骨シンチでは転移の所見は見当たらないとのことでした。骨に転移していて、こういったことはよくあることなのでしょうか?
2) 肝臓の1センチの影が肝転移と断定されるには、画像による診断以外に方法はありますか?(LDHは272でした。)
3) 骨転移と診断されてから7年近くもたっているのに、左大腿骨にも痛みは全くありません。骨転移じゃないのでは?痛みもないのにランマークをうっているのが不安です。
4) 今の治療法で進行がみられた場合、次はホルモン療法ではどんな治療がありますか?
5) 左腋下にズキズキと痛むときがふえました。放射線またはリンパ摘出したほうがよいでしょうか?

回答よろしくお願いいたします。

1) 骨転移がしっかりあるのに、骨シンチ検査で転移の所見は見当たらないことは非常に稀です。
2) 一般的に肝転移を診断するのに、画像所見(超音波、造影CT、MRIなど)、肝機能・腫瘍マーカーなどの血液検査、超音波ガイド下針生検などによる方法がありますが、危険性が高いこともあり、針生検はめったに行われません。肝臓の1センチの影が転移かどうか診断するのは、現実的にかなり難しいと思います。
3) 痛みの出にくい骨転移もあります。ランマークは痛みだけのためでなく、骨転移の進行を抑え、病的骨折を防ぐために使用します。
4) 次のホルモン療法となると、まだ使ってない種類の薬剤ということになります。抗エストロゲン剤、プロゲステロン剤、アロマターゼ阻害剤から選択することになると思います。詳しくは主治医にお尋ね下さい。
5) 左腋窩の痛みがリンパ節転移に因るものだとすると、手術(摘出)は大変で、かつ効果も期待できない場合が多いので、放射線照射の方をお勧めします。(文責 石川)

 

No.11386】  14年05月21日    Y
硬いしこりのようなもの

はじめて相談させていただきます。元々がん検診で引っかかり、マンモでは「3良性、ただし悪性の可能性も否定できない」という通知がありました。その際、自覚症状は一つもありませんでした。精密検査のため、エコーや触診の後、注射針のようなもので3カ所くらい刺して、細胞を取る検査をしたものの、「判別不能」でした。触診の際には、「しこりには触れなかった」と言われました。そのため、4月下旬にマントモーム生検を受けました。幸い、5月上旬に「悪性の所見を認めず」という結果を頂きました。ところが、マントモーム後、傷痕を覆っていたシール(ばんそうこう)を外した後、自宅で触ってみると、黒あざになっていたあたりに、硬いしこりのようなものを感じました。マントモーム以前には感じなかったので疑問に感じたものの、検査の跡で腫れているのかな、と思ったのですが、今日(5/15)になっても硬いものに触れます。これはどういうものなのでしょう? 心配しなくても大丈夫でしょうか? 次回の予約は8月末にとってありますので、それまで様子見で良いでしょうか? 教えて頂けると助かります。お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

まずマントモーム生検後の血腫と思います。時間はかかりますが、自然に吸収されて消失するので心配いりません。次回の予約の8月末まで様子を見ていて構いません。(文責 石川)

 

No.11385】  14年05月21日    R  
ホルモン療法

以前にも質問させていただきましたが、非浸潤がんで手術をし、1年後の検診で心配ごとがあり、またご相談したいと思い、メールさせていただきました。先日、血液検査の結果、白血球の数値が2800まで下がりました。毎回、検査ごとに下がっていますが、先生は心配ないとのことでした。現在、ホルモン療法中で、閉経前ですが、フェアストンを飲んでいますが、この影響でしょうか? また手術後半年より術側に湿疹ができ、広がってきています。大きさは、5ミリ程度で、普段は乾いていて水いぼのように見えますが、入浴するとジクジクしたようになります。先生は、問題はないとのことですが、検査するとすれば、どのようなことが出来ますか。再建をしている ので、先生は傷を心配されているようです。皮膚科を受診したほうがいいのでしょうか? 教えて下さい、よろしくお願いします。 

白血球数は、正常でも変動がかなりあります。白血球の数値が2800なら、今のところ心配ないと思います。フェアストンの影響ということは、まずありません。非浸潤癌の手術後の放射線照射で白血球数低値が出現し、遷延することがあります。この場合も重篤になることは殆どありません。手術側の湿疹は、原因を突き止め、治療を行うために、皮膚科を受診すべきと考えます。(文責 石川)

 

No.11384】  14年05月21日    N 
アフィニトールについて

いつも読んで治療の参考にさせて頂いております。先生方お忙しい中、この相談室を永きにわたり継続していただきまして、本当に有難うございます。
アフィニトールですが、私はホルモンの新薬がでたと思っていましたが、これはホルモン療法の新たなやり方としてアフィニトールがでたと記事で読みました。

1) アロマシンとの併用で効果有り?という事らしいですが、アリミデックスなど他のホルモン剤との併用もよいのでしょうか?
2) アフィニトール自体は抗がん剤(分子標的剤)ということで、この治療方法は、抗がん剤+ホルモン剤という捉え方になりますでしょうか?
3) 一般に再発のホルモン療法はQOLの維持として、選択すると思うのですが、アフィニトールは維持ではなく、「戦う治療法」と考えるのでしょうか? ホルモン療法よりはかなりきつい治療である?と、いう事でしょうか。
4) 現在フェソロデックスを使用しておりますが、ソロソロかえ時になりました。この先もQOL重視で治療をしたいのですが、ホルモン剤のスイッチ療法もあるそうですが、効果のほどはいかがなのでしょうか?

どうぞよろしくお願い致します。

1) アリミデックスなど他のホルモン剤との併用の使用成績がなく、また保険でも原則として認められていません。
2) この治療方法は、抗がん剤+ホルモン剤という捉え方になります。
3) ホルモン療法も腫瘍根治を目指しています。エべロリムス(商品名アフィニトール)は腫瘍の増殖、成長及び血管新生の調節因子である哺乳類ラパマイシン標的タンパク質を持続的に阻害することにより抗腫瘍効果を発揮する薬剤です。副作用も間質性肺炎、口内炎など、いろいろ報告されており、きつい治療と考えた方がよさそうです。
4) ホルモン剤のスイッチ療法もありますが、これも個人によって奏功の程度が異なり、実際に使用してみないとその効果はわかりません。(文責 石川)

 

No.11383】  14年05月21日    K
治療方法の選択について

84歳になった車いすで生活している母が、浸潤性小葉乳がんと診断されました。2.3cmです。先生から、今後の治療について、2つの案が提示されました。その1は温存手術+放射線3回、その2は全摘です。温存しても全摘しても、再発の可能性は1%と言われました。高齢なので術後の生活や傷の痛み等を考えると、温存の選択を考えていますが、迷っています。ご返事お願いします。

年齢を考慮すると、ふつうは温存手術+放射線療法を選択します。全摘手術と予後が変わらないとするとなおさらです。(文責 石川)

 

No.11382】  14年05月21日    B
抗がん剤

妻が、ひと月前に乳がんの温存手術をしました。ステージ1、リンパ節転移無しでしたが、ki67が高いといわれ、値は40%前で、抗がん剤をすすめられましたが、ホルモン療法だけでは再発リスクは高くなってしまうのでしょうか?

再発の1番のリスクは、リンパ節転移を有することです。ki67が高いと癌細胞の増殖能、即ち悪性度が高いということになります。腫瘍の大きさが小さく、リンパ節転移がない早期のがんでも、再発のリスクは無視できないとみなされ、化学療法をしたほうが、より再発率が低くなると考えられています。しかし、絶対に化学療法をしなければいけないというわけではありません。(文責 石川)

 

No.11381】  14年05月21日    E
非浸潤がん

お忙しいところ、恐れ入ります。心配なことがあり、ご相談させて頂きたいと思います。
私は、2011年7月に、全摘手術を行いました。その結果、浸潤がん2p、グレード2、ホルモン+、ハーツー+、非浸潤がん断端陽性(4枚のプレートで切断面までがん細胞あり)という結果でした。その後、半年の抗がん剤、放射線、ホルモン治療と続いております。そこで質問ですが、非浸潤がんは、手術の切断面から全身に流れ、流れついた場所でいずれ浸潤がんになるという事はあるのてしょうか。今のところ、局所再発はしておらず、ただ局所再発していなくても、遠隔転移する事があるのか質問です。また、非浸潤がんが局所再発する危険があるのは、何年間くらいと考えれぱいいでしょうか。お忙しいところ、大変申し訳ありませんが、ご助言頂ければ、幸いです。どうぞよろしくお願い致します。

切除断端の非浸潤がんが、いきなり全身に流れることはありません。乳管内の断端近くに残っていた癌が増殖して、乳管内に広がったり(非浸潤癌)、その場で乳管外に進展して浸潤癌になるのが、即ち局所再発が再発の最初のステップということになります。遠隔転移を起すのは浸潤癌になってからのことです。まず、先に局所再発ありきと考えられます。非浸潤がんが局所再発するとすれば、私の経験では手術後1.5年から3年以内が多いと思います。でも再発でなくても、残存乳房(乳管)に新たな癌の発生もありうるので、それ以降も注意は必要です。(文責 石川)

 

No.11380】  14年05月12日    Y2
今後のフォローについて

47歳、6年前初めて両乳房に石灰化(カテゴリー3)を指摘され、以後、毎年、マンモ+エコー+触診でチェックしています。以降マンモ変化なし、しこりも無いらしく、マンモトームなどの検査の経験はありません。そこで相談ですが

1) これらが万が一ガンだったとして、6年もマンモ上変化が無いということはありえますか? 画像上必ず何かしらの変化があるのでしょうか。
2) 石灰化が初期のガンだった場合、どれくらいでマンモ上変化が現れるのでしょうか。
3) 私の場合、今後も1年毎の経過観察でいいのか。石灰化を指摘された最初の年は半年毎の経過観察でしたが、今後は2年に1回でもいいような感じで言われました、でも心配です。

1) いつから癌になったのかわかりませんが、石灰化を5年以上様子観察していて、石灰化の数が増えたのでマンモトームをしたら、癌であったということはあります。いつまで経過観察するのかは、主治医とご相談ください。
2) データがありませんので分かりません。
3) 6年以上変化がないのであれば、一年に一度で十分でしょう。思い切ってマンモトームを行ってもらうのも手でしょう。(文責 吉田)

 

No.11379】  14年05月12日    M 
術後の治療について

術後、再発予防に、抗ホルモン治療に加えて経口抗がん剤治療が必要か迷っています。主治医はTS-1、UFTを勧めています。以下詳細です。
両側乳癌(右7ミリ、左1.2a) ER・・・98%陽性, pgr・・・100%陽性, HER2タンパクあるいは遺伝子…陰性、手術時左リンパ節転移…3ミリ郭清、 術前治療5カ月…リュープリン注射、ノルバリックス経口、 術後も同じです。
私のようなケースで、TS-1、UFTを使用すると、どれぐらいの確率で再発を予防出来るのでしょうか? 主治医は自分で決めたメニューを提示するタイプなので、詳細は教えてくれませんでした。マイルドな抗がん剤でも、2年も服用するので決心がつきません。アドバイスお願い致します。

この様な場合、経口の抗癌剤を追加するのは、現在あまり行われていないと思われます。もし追加が必要であるとしたら、ノルバテックスの投与期間をのばします(最長10年まで)。(文責 吉田)

 

No.11378】  14年05月12日    W 
乳菅内乳頭腫(HPNo.11368-2)

以前11368で相談させて貰いました。入院説明で疑問が出た為、教えてください。腫瘍が小さければ経過観察で良かった所、3センチ位有り、切除すると言われました。

1) 腫瘍が大きいから切除するのは、今現在悪性の可能性が高い為ですか? 今後悪性になる可能性が高い為の切除でしょうか?
2) 前回早期の癌が予想されると回答して頂きましたが、それは腫瘍が小さい場合の事ですか? 私みたいに大きい腫瘍でも、早期の可能性はありますか?
3) 血性分泌物も乳汁も悪性所見無しでも、切除してみたら悪性だったという事は、よくある事ですか?

1) 腫瘍が大きくなった場合は、悪性である可能性が、小さい場合よりも高くなります。今後悪性となる確率ではなく、現在悪性である可能性が高いということです。
2) 乳癌の早期がんとは何かということになりますが、3p位でも非浸潤癌のことはよくありますので、早期がんである可能性はあります。
3) よくあります。(文責 吉田)

 

No.11377-1】  14年05月12日    O 
再々発後の治療

現在49歳です。40歳の時、非浸潤がんで全摘後、リュープリンを2年、その後は無治療でした。6年後、再発しました。病理結果は、粘液がん、ホルモン陽性、リンパ節転移無し、グレード1でした。手術、放射線の後、ノルバデックスを飲んでいましたが、その2年半後、再々発しました。主治医は、ノルバデックスからアリミデックスへの薬の変更だけで、今回は、手術をする意味は無いとのお考えです。しこりは2箇所あり、1cmと4mmです。アリミデックスで消失する可能性はありますでしょうか。手術は必要ないのでしょうか。

すぐに手術はしないまでも、アリミデックスを服用しても再再発巣が増大傾向〜不変の場合は、手術をして、もう一度組織系やサブタイプを調べるべきと思います。アリミデックスで消失する場合は時にあります。縮小している場合は、そのまま様子を見ても良いと思います。(文責 吉田)

 

No.11377-2】  14年07月25日    O 
アリミデックスについて

以前、No.11377でご相談させていただきました。とても丁寧なお返事をありがとうございました。不安なことがあり再度、メールさせていただきました。
私は、再発時46歳からタモキシフェンを飲み始めて、2年半で再々発しました。生理が無くなって2年以上になるので閉経とみなし、今度は、アリミデックスを服用することになりました。
これは、タモキシフェンにより生理が止まったのかもしれません。この場合、生理が止まっても閉経ではないこともあると聞きました。血液検査をして、閉経しているか、きちんと調べた方がよろしいでしょうか。もし、閉経していなければ、アリミデックスの効果がないので不安です。また、アリミデックスの効果は、何ヶ月位で現れるのでしょうか。よろしくお願いします。

一般的に、「60歳以上、45歳以上で過去1年以上の期間月経がない場合、両側卵巣摘出後」以外で閉経かどうか不明な場合は、血液中のホルモンを測定して調べます。不安を解消するためにも、一度血液検査をして確認してみてはいかがでしょうか。
再発乳癌の薬の治療効果についてですが、治療開始後3〜4カ月毎に転移病巣を前回と比較し、明らかに大きくなっていない場合、新しく病巣が出現していない場合は、同じ治療を続けます。あなたの場合も、3〜4か月後にアリミデックスの治療効果を評価することになると思います。主治医の先生と充分ご相談の上、納得のいく治療を受けてください。(文責 須田)

 

No.11377-3】  14年07月31日     O
有効なホルモン剤

以前、11439でお返事頂きました。詳しくお答え下さり、感謝しております。ありがとうございました。あれから、主治医からは必要無いと言われましたが、血液検査をお願いしました。やはり閉経していないとの結果でした。しこりは少し大きくなっているようにも見えるが、測り方にもよるとの事です。この場合、次はどのようなホルモン剤が考えられますでしょうか。

ご相談どうもありがとうございます。これまでに、リュープリン、ノルバデックス、アリミデックスを内服してきているのですね。今のところ、大きな変化がないようですので、今の治療を継続するのが良いのではないでしょうか? サイズがほとんど変わらないのも、十分に効果があると判断いたしますから。今後、もし悪化傾向がみられましたら、酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)を内服していただくことになると思います。詳しくは主治医の先生にご相談くださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11376】  14年05月07日     I.T.
小さい傷ですが・・・

いつもいろいろと読ませていただき、参考にしています。左胸温存手術から丸5年が過ぎました。現在ホルモン剤を継続して飲んでいます。今のところ何事もなく元気にしているのですが、2・3日前に、包丁で左中指を切ってしまいました。慌てて止血して包帯で保護しているのですが、リンパ浮腫とか破傷風とか、気になってしまいます。小さい傷ですが、病院で治療した方がいいでしょうか。つまらぬことで相談するようで恥ずかしいのですが、よろしくおねがいします。

土のついたようなものや汚れたものを切っていたのでなければ、破傷風や感染、リンパ浮腫の心配は低いと考えますが、心配でしたら、一度診てもらうことをお勧めします。(文責 浜口)

 

No.11375】  14年05月07日     Y 
肺の検査について

私の母親が乳がんを患い 抗がん剤-アリミデックス(6年目)の治療中です。1ヵ月程前から しつこい咳に悩まされていまして、先日 近くの病院の呼吸器内科を受診しました。レントゲンを撮っていただきましたが、異常無いとの事でした。家族としましては、咳が頻繁にある事と乳がんの関連性があるのではないかと心配しています。胸部レントゲン検査だけで、肺転移などは、わかりますでしょうか? また 胸部レントゲンで異常が見られなければ 気にしなくていいのでしょうか? 宜しくお願い致します。

咳の原因になるような肺転移であれば、胸部単純レントゲン写真でも判断可能と思いますので、あまり心配しないで宜しいと考えます。症状の出ないような小さな病変であればCTの方がわかりますので、心配であれば主治医の先生にご相談してみてはいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.11374】  14年05月04日     よん
局所再発後の治療について(HPNo.1134-2)

前回、局所再発後の治療について、ご相談させていただきました「bP1348」よんと申します。丁寧で分かりやすいご回答を、ありがとうございました。あれから色々考え悩んで、時間ばかりが過ぎていくので(オンコタイプDXは結果がまだです、)主治医からは先に放射線を勧められました。
そもそも主治医はオンコタイプには賛成的ではなかったので、抗がん剤を勧めておりました。放射線治療は、シリコンを入れたままとなります。放射線治療の期間にシリコンに異常がでれば、抜く事になっています。腋窩リンパ節転移も、エコーやCT/PETや触診などで陰性だと思うが、放射線は念のために腋窩にもあてておく事となりました。センチネルが初回の手術で採って、ないので、改めての郭清は、あきらかに腫れていないので、省略しても良いと言う事を、おっしゃっていました。本当に腋窩リンパ節郭清は省略しても良いのでしょうか? 浮腫になる確率を思えば、する必要はないと言います。それに、微小なものは放射線照射で消えてしまうとも言います。これから先にリンパ節に転移しても、一度放射線を当てていると、もう当てる事は出来ないんですよね。やはり郭清をして、きっちり調べるほうが良いのでしょうか? それによって抗がん剤を先にする方が良いのでしょうか? もう毎日毎日悩んでばかりです。すいません。良いアドバイスをお聞かせ下さい。

非浸潤性乳管癌に対する皮下乳腺全摘+センチネルリンパ節生検術後の局所再発(浸潤癌)の治療についてということですが、局所再発に対する明確な標準治療は確立されておらず、原発乳癌の治療を参考にしつつ、それぞれの状況に応じて治療を考えていくことになります。治療を考えていく上では、腋窩リンパ節領域を含めた局所の治療と、遠隔転移再発予防の全身治療に分けて考えていくことになります。局所の治療につきましては、局所再発した周囲への胸壁の放射線治療に加え、腋窩リンパ節を外科的に郭清するか、放射線治療で対応するかですが、原発乳癌の治療に準じて考えれば、生存率は同等と考えます。郭清をするメリットがあるとすれば、リンパ節転移があった場合に遠隔転移再発予防の治療計画の参考になることと、局所のコントロールが良好になる可能性があることです。しかし、画像上明らかなリンパ節転移がないこと、再発部位が7mmと比較的小さい浸潤癌であること、初回手術によりリンパの流れは変わっていることを考えると、追加での腋窩郭清のメリットは少ないと考えます。胸壁にプラスして腋窩領域も放射線治療を行う治療はバランスの良い治療と考えます。全身治療の薬物療法につきましては、前回の谷先生の意見と同様です。OncotypeDXの結果が低リスクであればホルモン療法を選択するという考えもありますが、再発治療に関してはあくまでも参考程度に考え、主治医とよく相談して決めて下さい。(文責 浜口)

 

No.11373】  14年05月04日     M 
初発か再発か

よろしくお願いします。51才、8年前に左胸温存手術(腫瘍径2センチ浸潤がん、リンパ節転移なし、放射線、ホルモン療法)をしました。今回の定期検査で、同胸にごくわずかな石灰化がみつかり、精密検査の結果、初期の非浸潤がんと診断されました。前回断片陰性だったこと、今回と場所が違うことなどから、再発ではなく、初発だと言われました。その時は少しホッとしましたが、よく考えてみると、前回と場所が違い、断片陰性とはいえ、前回の時はまだ検査でもわからないようなガン細胞がとり残されていて、それが再発した可能性はないのか?という不安もでてきました。主治医が言った言葉は百%正しいと理解して良いでしょうか。初発か再発では自分の気持ちが全然違うため、教えていただけますか?よろしくお願いいたします。

前回とは違う場所であれば、主治医の先生の言葉通りに理解してよろしいと思います。再発なのか新しくできた癌なのかは、厳密に区別するのは難しいケースもありますが、いずれにしても定期的な検査をしていたので、非浸潤癌という非常に早期の段階で発見することができたと考えて良いのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.11372】  14年05月04日     T.N. 
0期のがんが1個見つかりました

HER2陽性乳がんで、術前抗がん剤治療を半年受け、手術をしました。病理検査で、がんは痕跡のみでしたが、乳腺内に0期のがんが1個見つかりました。主治医は、ステージ3で、予後良好と言われましたが、0期のがんがあっても良好なのでしょうか。

乳癌は乳管や小葉の表面にある細胞から発生し、乳管や小葉内に留まっている状態を非浸潤癌(0期の癌)、それを超えて周囲の組織に浸潤しているものを浸潤癌と言います。術前化学療法によって、浸潤癌の部分は全て消え、非浸潤癌がわずかに残っている状態ということになりますが、術前化学療法で非浸潤癌が残っていても、浸潤癌の部分が全て消えた場合には、浸潤癌が残っている場合に比較して予後が良好になります。(文責 浜口)

 

No.11371】  14年04月30日     M.S. 
今後の治療について

初めてご相談させていただきます。1年半前に右乳がんを温存で手術しております。その後、放射線とホルモン治療を勧められましたが、行いませんでした。そして、今年1月にしこりを見つけました。手術をしていただいた病院にいくと、超音波の段階で、再発ですと言われました。その後、MRIをして、MRIの検査結果を伺いにいったときに、細胞診をしないで、悪性と断定できますかと伺うと、MRIの画像をみて、悪性とおっしゃいました。その後、温存で手術をすることになりました。そして、術後の病理結果の説明では、採取したサイズの説明だけで、その他の説明をしてくれませんでした。また、ER,PR,HER2も今回は行っていないと言われました。その後、前回の病理資料をみて、抗がん剤も必要かもと言われました。術後の説明を聞きに伺ったのに、話をすり替えられた印象です。病理は外部の研究所に出しています。前回と同じ研究所かは不明ですが、病理組織検査の説明として受けたのは採取したサイズのみで、悪性のサイズもわからず、現在は放射線治療をしております。放射線の病院では、手術をした病院からの紹介状をみて、悪性のサイズを3cmと認識しておりました。局所再発の場合、ER,PR,HER2の検査をしないことは、常識でしょうか? また今から依頼すれば、可能でしょうか? 手術のときもトリプルネガティブで再発したと言われましたが、ER陽性90%、PR陰性1%、HER21+でしたので、トリプルネガティブではないと思います。言っていることが毎回違うので、正直不安です。もう一度、術後の病理結果については、説明を聞きにいくつもりですが、ERなどの検査をしていないのが不自然に感じたので、こちらにご相談させていただきました。また、前回の病理結果でわからないところがあるので、合わせてご教授いただけると幸いです。浸潤タイプで、乳頭側断片ポジティブです。ステージ2で、リンパ節には2個採取して1個転移していました。

pT→pT2
Grading→Nottingham grade=2+1
浸潤範囲→g f
浸潤様式→INFc

また、Ki67の検査を前回もしていません。今からでも可能でしょうか? 現在は、タモキシフェンを服用しています。Ki67は採血で分かるのでしょうか? こちらの病院では採血を一度もしたことがなく、癌の腫瘍マーカーなども計りません。乳がんの場合、必要ないのでしょうか? よろしくお願いします。

情報から,右の温存手術後の局所再発ですね.局所再発の理由としては,初回の手術での取り残しと初回の病巣とは別の部位に病変が発生した場合が考えられますが,乳頭断端が陽性で,放射線療法等もされていないので,前者の可能性が高いように思われます.
原則的に再発腫瘍も初回の腫瘍と同様の病理検査を行ないます.それにより,初回腫瘍の再発なのか,あるいは,別の腫瘍が新たに発生したのか推定します.また,再発腫瘍のERやHER2の状況によって術後の補助療法も変わってきます.Ki-67を含め,ERなどの検査は,切除標本で行ないますので,今からでも可能です.
現在,タモキシフェンを内服されているので,再発巣もER陽性であったと思われます,
初回の病変の病理結果,局所再発の病理結果,再発のリスク,腫瘍マーカーを含めた今後の経過観察の方法など主治医から,十分に説明を受け,理解,納得することが何より大切です.(文責 徳田)

 

No.11370】  14年04月30日     K.Y.
抗がん剤治療について

はじめてご相談させていただきます。宜しくお願い致します。
41歳女性です。昨年(2013年)9月に乳がんと診断され、10月に乳房温存で分切除しました。
病理の結果は以下の通りです。
・腫瘍径 10mm×10mm、 ・浸潤性乳管がん、硬がん  ・切除断端 陰性(−) ・波吸度 f(脂肪 fat)  ・リンパ管侵襲 陰性(−)  ・血管侵襲(静脈侵襲) 陰性(−)  ・エストロゲンレセプター 陽性(+)10%  ・プロエストロゲンレセプター 陽性(+)%はわかりません  ・組織学的悪性度 グレード3  ・Her2 陽性+3 Fish4,4  ・リンパ転移 陰性(−)  ・センチネルリンパ転移 陰性(−)0/4  ・Ki67 10%

術後放射線治療で全25回、合計50グレイをし、その後Her2陽性のため、アブラキサンを週に一回を三週・一週休みを1コースとして5コース、同時に三週に一回のハーセプチンを一年間、その後ホルモン剤を5年間の予定で現在治療中です。血液検査でわかる副作用として白血球減少が少しありましたが、好中球とのバランスはよく、グランなどの投与も必要なく、アブラキサンを基準量の4/5にして投与していました。しかし、肝機能の数値を表すGTPが徐々にあがり、アブラキサン2コースが終わった時点で基準値を上回ってしまったため(最高でも48)、アブラキサンは中止して、強ミノを投与しました。現在は基準値に回復したので、またアブラキサンを再開するのかと思ったのですが、主治医の『再発・転移予防でしているアブラキサンで、肝臓が悪くなってしまったら良くない』『肝臓は大切な臓器で一度悪くしてしまうと治りにくい』との考えで、アブラキサンは完全にやめてしまう事になりました。ハーセプチンは副作用も少ないので、このまま続ける予定です。ハーセプチンは抗がん剤も使ったほうが再発・転移率が少なくなるらしいので、アブラキサンを中止してしまっては、再発・転移率が上がってしまうのでは?と心配です。アブラキサンがダメなら他の抗がん剤を使ってみたりするのかと思ったのですが、あっさり抗がん剤はやめましょう、となるのでしょうか? 腫瘍も小さく、センチネルも陰性で、Ki67も低いので、主治医はそう考えたのかもしれませんが、Her2陽性やグレード3というのは、悪性度が高いということですよね? でもKi67は10%と低いのですが、どうなのでしょうか? 2コースのアブラキサンで脱毛したり体がだるかったりの副作用は、決して楽なものではありませんが、それでも再発や転移のリスクを下げたいと今まで頑張ってきたので、続けたいという思いと、経験豊富な主治医に任せようという思い、将来もし転移再発したときに、しっかりと抗がん剤治療ができるように今は肝臓を大事にしてあげよう、などなど、毎日色々と考え、気持ちの整理がつきません。宜しくお願いします。

HER2陽性の標準的な術後補助療法は,アンスラサイクリン+シクロフォスファミド3週ごと4サイクルおよびタキソール毎週12回+ハーセプチン(合計1年)あるいは,タキソテール+カルボプラチン+ハーセプチン3週ごと6サイクル,その後,ハーセプチン3週ごと合計1年です.したがって,週1回のアブラキサン+ハーセプチン6回投与した状況で,あと治療をどうするかは,標準的ではないレジメンですので,データが乏しく,なんともコメントできません.すくなくともハーセプチンは,合計1年間投与すべきですが,アンスラサイクリンを追加するなども考えられます.最終的には,主治医と相談のうえ,ご自分で決定するほかありません.(文責 徳田)

 

No.11369】  14年04月30日     S  
乳がんのホルモン治療と卵巣摘出について

43歳です。まだ手術前です。10センチほどの子宮筋腫があります。バネ式生検での結果なのですが、ホルモン感受性が強いとのことで、先生に「卵巣摘出も選択のひとつとしてある」といわれました。日本では一般的ではないようですが、どうしてでしょうか? ホルモン治療と卵巣摘出のそれぞれのメリット、デメリットがあったら教えてください。私が希望すれば、乳がんと卵巣摘出手術は同時に行われます。

開腹手術による卵巣摘出のデメリット(腸管の癒着など開腹手術の合併症,不可逆性の卵巣機能抑制など)を考えると,薬剤による卵巣機能抑制の方が,非手術で可逆性でもあり,デメリットが少ないという判断と思います.(文責 徳田)

 

No.11368-1】  14年04月27日     W
乳菅内乳頭腫

37歳です。癌が不安なので教えて下さい。4年位前から左の乳頭から出血が有り、病院に通っていました。その時は出血の分泌物だけ検査し、何か分からないが悪いものでは無いと言うことで、何度か出血は有りましたが、経過観察で、半年から一年でエコーやマンモだけしてきました。先月また出血と弾力性のしこりを見つけ、細胞診では判断出来なかった為、分泌物と針生検の検査をしました。分泌物の悪性は無く、針生検で乳菅内乳頭腫の疑いとでました。乳腺腺葉切除をして悪性が無いか確認するのですが、癌が見つかったら、どの位の進行していると思われますか? 4年も何もしなかった為、かなり進行しているのでは?と、不安です。

針生検で、乳管内乳頭腫という良性の乳管内に限局した病変が予想され、念のため、腺葉区域切除で病巣を全部切除して、悪性を否定するわけですから、万が一がんが見つかったとしても、乳管内が主体であり、非浸潤癌という、きわめて早期のがんが考えられます。(文責 徳田)

 

No.11368-2】  14年05月11日     W
乳菅内乳頭腫(2)

以前11368で相談させて貰いました。入院説明で疑問が出た為、教えてください。腫瘍が小さければ経過観察で良かった所、3センチ位有り、切除すると言われました。

1) 腫瘍が大きいから切除するのは、今現在悪性の可能性が高い為ですか? 今後悪性になる可能性が高い為の切除でしょうか?
2) 前回早期の癌が予想されると回答して頂きましたが、それは腫瘍が小さい場合の事ですか? 私みたいに大きい腫瘍でも、早期の可能性はありますか?
3) 血性分泌物も乳汁も悪性所見無しでも、切除してみたら悪性だったという事は、よくある事ですか?

1) 腫瘍が大きくなった場合は、悪性である可能性が、小さい場合よりも高くなります。今後悪性となる確率ではなく、現在悪性である可能性が高いということです。
2) 乳癌の早期がんとは何かということになりますが、3p位でも非浸潤癌のことはよくありますので、早期がんである可能性はあります。
3) よくあります。(文責 吉田)

 

No.11367-1】  14年04月27日     MI
少し前倒しで受診したほうがよいものでしょうか?

42歳の時に左乳房温存手術を受け、FEC+タキサン系の抗がん剤及び放射線60グレイを受けました。ホルモンマイナス、ハーツー強陽性、リンパ転移1個のみ、グレード3でした。腫瘍径計は2センチ以内程度で2、3個。乳頭下にもあったのですが、温存してもらえました。複数個だったので、結構えぐれていたり、アルファベットYを横にした縫い後があるのですが、最近縫っていない部分に大きな皺ができているのに気づきました。年齢的に垂れてきたからかなと思いましたが、触るとしこりがある気もします。診察は年に1回で、5か月前に受けたばかりで、異常はありませんでした。5か月で急にしこりができることも考えにくいので、次回診察まで半年待とうとも思いますが、少し前倒しで受診したほうがよいものでしょうか?

HER2陽性乳がんで、術後ハーセプチンを行なっていない時代に手術をされたようです。HER2陽性乳がんは、悪性度が高いので、早めに受診して、再発を否定しておいた方がよろしいと思います。(文責 徳田)

 

No.11367-2】  14年09月11日     MI
術後局所再発?

4月にNO.11367にて、8年目の術後局所再発を疑う相談をさせていただいた者です。先日、診察を受けたところ、マンモで10か月前に受けた時はなかった石灰化部分がみられるとのことでした。細胞診を受け、結果待ちです。石灰化=ガンではないという知識はありますが、私の場合、どのような感じでしょうか? 来週の診察を待てばいい話ですが、心構えをしておこうと思いまして・・・。あと、前回質問させていただいたように、5ヶ月で急に腫瘍ができるものなのでしょうか?

検査、通院の間隔によって、どの期間で腫瘍ができるかの診断は左右されます。石灰化は、その形態、分布の仕方で悪性の可能性が全く異なります。また一般的に細胞診だけでは石灰化の病変の診断は難しいこともあります。石灰化がより悪性の可能性が高いなら、細胞診で大丈夫でもCNBやマンモトームなどを行う必要もあります。石灰化の形態、分布の診断結果(悪性の可能の高さ)次第ではないでしょうか。(文責 石山)

 

No.11367-3】  14年09月22日     MI
局所再発について

No.11367⇒No.11472で質問したものです。ご回答有難うございました。細胞診の結果は局所再発でした。画像では1・5cm程度のようです。手術は全摘になりますが、もし非浸潤なら手術のみで済みますか? 抗がん剤をする場合、できればまたの脱毛を避けたいので、ハーセプチンのみ(今回もHER2陽性だったとして)受けるということは、可能なものでしょうか?

非浸潤癌の再発であれば、手術のみで経過観察が可能です。HER2陽性浸潤癌であった場合ですが、ハーセプチン単独療法は、化学療法との併用療法に効果の点で劣る可能性があります。遠隔転移が無く根治が望めるのであれば、化学療法との併用が第一選択ではないでしょうか。(文責 大西)

 

No.11367-4】  15年02月12日     MI
ハーセプチン

NO.11367(1・2・3)にて質問した者です。何度も申訳ありません。乳房全摘は終了しました(以前と同じでハーツー陽性、ホルモン−)。外科主治医及び腫瘍内科医と私の希望を相談し、ハーセプチン単独となりました(化学療法併用をお勧めいただいたのに申訳ありません)。次にハーセプチンの回数ですが、3W毎投与で1年間(17、18回?)が標準のようですが、腫瘍が1・5cmと小さく、初発から8年半近く経過しているのは悪性度が低いと聞きました。ネットでは少し効果が落ちるかもだが、心臓の影響も鑑みると半年投与もありと見かけました。先日投与を受けびっくりしましたが、薬代が非常に高価でした。仮に18回受けると計100万円以上になります(高額医療は私は対象外です)。遠隔転移がなく、今自分の体にガン細胞があるかどうかは神のみぞ知る状況であり、ないかもしれないが予防のためにそのような金額を投資するのもどうかと思い、半年にしたいのです。どのように思われますでしょうか?

今回は局所再発であり、1年あるいは6ヶ月投与の場合の正確なデータはありません。M.I.さんのご希望を尊重してもよいのではないか思います。(文責 加藤)

 

No.11366】  14年04月27日    S.C.
今後の治療について(HPNo.11341-2)

以前No.11341で解答を頂いたものです。ご丁寧に解答頂き、感謝いたします。度々申し訳ありませんが、再度質問をさせて頂きます。
ドセタキセル+ハーセプチンの入院での初回投与でドセタキセルに変えて間も無くアレルギー症状が出てしまい、投与が中止になってしまいました。今後の治療に関して、予定していたドセタキセルを全て中止するとのことだったのですが、退院前に、アレルギー症状か副作用か難しいところだから3週間後にもう一度トライしてみるとのことで、4月21日にトライしましたが、結局ドセタキセルに変えて2~3分でまた症状が出てしまい、投与中止になってしまいました。4月21日に投与前に主治医と話をした際、投与中止になった分も1回と数えると言われました。私は一から仕切り直しで投与期間が延びるものだと思っていたので、ほとんど投与出来てないのに、それも1回なんて、ただ治療の回数が減っているようにしか思えませんでした。抗がん剤投与中止になった場合、このような数え方をするのが普通のことなのでしょうか? また、次回の投与予定日にハーセプチンのみでいくか、他の薬を考えるかのお話をするので以前ご回答頂いたお薬の話をしようと思っていますが、他の薬に変更になった場合も同じような数え方をするのでしょうか? その薬が使えなかった場合、ハーセプチンのみの投与でも問題はないのでしょうか? 治療が上手く進まず、予定していた治療ができなくなってしまうかもと思うと不安ですが、主治医にしっかり話しができるよう、お力を頂ければ幸いです。お手数をおかけ致しますが、よろしくお願いします。

アンスラサイクリン(FEC)→ハーセプチン+タキサン→ハーセプチン1年の残り+ホルモン療法が標準です。あなたの積極的なお気持ちであれば、ハーセプチン+アブラキサンを12週行なう方がよろしいと思います。担当医にご相談ください。(文責 徳田)

 

No.11365】  14年04月27日    K.T. 
授乳中のマンモグラフィ

9年前に右乳がんを患い全摘手術、抗がん剤、ホルモン療法をやりました。昨年不妊治療の末に妊娠、今年1月に出産しました。今は授乳中でが、先日、年に一回の定期検診でマンモグラフィをしました。その結果、区域性の微細石灰化が見つかり、DCISの癌の疑いとのことでした。妊娠直前のマンモグラフィでは異常なしだったのですが、今回見つかった石灰化は、母乳が石灰化のように写ったとは考えられませんか? 不安で不安で仕方ありません。よろしくお願いします。

画像がないので、なんともいえませんが、DCIS疑いということは、悪性を否定できない石灰化と考えます。したがって、吸引針生検(マンモトーム)をおこなって、石灰化の一部を採取して、良悪をはっきりさせるべきです。1時間程度で、もちろん日帰りで行える検査です。(文責 徳田)

 

No.11364】  14年04月27日    T.U. 
ホルモン治療

53歳です。5年前の2月にHER2陽性の2センチ弱、リンパ節転移なしの乳がんの手術を受け、その後25回の放射線治療、ハーセプチンとタキソールの抗がん剤治療を、翌年3月まで行いました。4年前よりホルモン治療に入りましたが、閉経前、子宮筋腫ありで出血も多かったので、リューブリン注射の治療となりました。リューブリン投与してすぐに生理は止まり、それまで大変だった生理の出血もなくなりました。今年の3月でリューブリン投与が丸4年となり、リューブリンは終わり、今月からフェアストン錠の飲み薬になり、すでに2週間ほど服用しています。先生のお話では、抗エストロゲン剤であるノバルデックスは子宮筋腫に悪く、フェアストンの方がまだ良いとのことで、とりあえず2カ月ほど飲んでみて様子をみましょうとのことでした。私なりに調べたところ、閉経後のホルモン治療の選択肢として、抗エストロゲン剤のほかにアロマターゼ阻害剤というものがあるようなのですが、子宮筋腫持ちの私には、アロマターゼ阻害剤の方が良いのではないかと思ったのですが、いかがでしょうか。子宮筋腫は当初7センチほどの大きさでしたが、現在は少し小さくなっているようです。2月に子宮がん検診も受け、大丈夫でした。また、リューブリンスタート時にはあった生理も、現在53歳という年齢を考えると、このまま閉経すると思うのですが、母が55歳で閉経したとのことで微妙です。私にとって、これからの一番良いホルモン治療は、どのようなものが考えられるでしょうか。ちなみに主治医の先生は、このまま無治療という選択肢もあるというようなことも言っておられましたが、私が心配で、治療を続けることにしました。

現在は、リュープリンや抗がん剤により生理は止まったままと予想されますが、53歳という年齢では、卵巣機能が閉経かどうか、はっきりしません。血液検査で卵巣機能を調べて、閉経状態であれば、閉経後のホルモン療法がよろしいと思います。(文責 徳田)

 

No.11363】  14年04月27日   T,T
ステージ

先週末、69歳の母が乳がんと言われました。個人病院なので、詳しい検査等は、今週、総合病院へ紹介状を書いてもらい、行きます。半年〜1年弱前位から、あちこち動くしこりが1つあったのですが、つい先日、急に色が黒のような紫色のように変色して、しこりの周りがガチガチに硬くなりました。今の時点で、ステージはどのくらいか大体わかりますか。急に色づいて硬くなるものなのでしょうか。

さすがに、この情報だけでは、ステージについて、何とも回答しようがありません。しこりの周囲の変化は、出血に伴うものかもしれません。血流の豊富な腫瘍の場合、少しぶつけただけで出血することがあります。(文責 徳田)

 

No.11362】  14年04月26日   T.Y.
今後の治療について(HPNo.11347-2

回答へのお礼が遅れて申し訳ございませんでした。ありがとうございました。先日、主治医から、サブタイプは「ルミナルA」と説明を受けました。しかし、Ki67の値は調べてないとのことです。Ki67の値がわからないのに、「ルミナルA」と「ルミナルB」の区別がつくのでしょうか? AとBの判別根拠がわからないので教えてください。また、部分切除にするか全切除にするか、すごく迷っています。利点欠点は、いろんな本で確認しました。私の優先事項は以下の3点です。
@局所再発率および再発率を限りなくゼロに近づけたい。
Aできれば放射線治療を受けたくない。
B術後はできるだけ早く職場に復帰したい。

部分切除と全切除術後の回復過程の違いを教えてください。よろしくお願いいたします。

St gallenのコンセンサスでは、「ER陽性 HER2陰性 Ki67高値 PgR陰性か低い」場合を、HER2陰性 ルミナルB様サブタイプと定義しています。そのあたりは主治医の先生に確認してみてください。
主治医には、どちらでもよいといわれているのでしょうか。そうであるならば、放射線治療を避けて、局所再発率を下げて、術後できるだけ職場に早く復帰できるという希望を全部かなえると、再建術のない乳房全摘になりますね。部分切除するなら、放射線療法は通常行う必要があります。しかし、放射線療法は職場環境によっては、通院しながらでも可能ですし、一ヶ月半は長いようでいて、長い職業生活から考えると、それほど長い期間ではないので、仕事を調節する方法を探ってみることはできるのではないでしょうか。部分切除、全摘には、それぞれメリット・デメリットがあります。どんな病変かによって、それはかなり異なってきます。迷われるなら、今一度主治医の先生とよくお話をしてください。(文責 俵矢)

 

No.11361】  14年04月26日   K.M. 
放射線性間質性肺炎(HPNo.11262-2)

No.11262 で相談にのっていただいた者です。先日,術後1年検診として造影CTを受けましたところ,検査報告書に「放射線性間質性肺炎を考えます」との記載がありました。(昨年の10月〜11月に,左乳がん部分切除手術後,50グレイの放射線治療を受けました。) 
1)  空咳,息切れ等の間質性肺炎の症状は全くありません。症状が出るまで,治療する必要はないのでしょうか。
2)  間質影は,時間の経過とともに消失するものなのでしょうか。

ご教授、よろしくお願いします。

放射線照射後の肺炎に関しては CT検査をすると肺の陰影としては見つかるが無症候の方はたくさんいらっしゃいます。無症候ならば特に治療をする必要はありません。肺炎の症状があれば、治療の必要があります。 (文責 俵矢)

 

No.11360】  14年04月22日    恵
トリプルネガティブ

現在、トリプルネガティブ乳癌で、FECを三回受けましたが、腫瘍が小さくなりません。これは、予後が悪いでしょうか? 不安です。

術前化学療法で腫瘍が消失した場合(病理学的完全奏功)の患者さんと、そうでない場合は、前者の方が予後がよいと考えられます。おそらく今後タキサン系の抗がん剤を追加すると思われますので、これで腫瘍が縮小する場合もありますね。広範の治療をがんばりましょう。 (文責 俵矢)

 

No.11359】  14年04月22日    K.S. 
今後の治療について

今回で3回目の投稿になります。いつも丁寧なご回答をありがとうございます。3月に温存手術を受け、非浸潤がんで、悪性度の低い、おとなしめのがんであるとの病理結果でした。ただ広範囲で乳頭近くまで達しており、断端陽性でした。ホルモン陽性、HER2陽性です。6月から30回の放射線療法が始まります。そこで質問です。
1) 断端陽性の場合でも追加切除はしなくても大丈夫でしょうか。また、ホルモン療法も必要はないでしょうか。
2) 3月10日に手術を受けました。放射線治療は6月から開始で3カ月も空いてしまいますが、問題ないのでしょうか。
3) フルタイムで仕事をしているため、30回の治療ではなく、20回での治療もできると話がありましたが、20回だと1回の放射線量が多いので心配です。肌やその他からだへの放射線の影響はないのでしょうか。(アレルギーを持っているため、非常に肌が敏感で、かぶれやすいです。)
また仕事で6月からプールに入る予定ですが、塩素等大丈夫でしょうか。
4) 放射線治療後の非浸潤がんの再発率は、どのくらいでしょうか。近親者に乳がんを患っているものがいる場合、再発率は高くなるのでしょうか。

よろしくお願いします。

1) 原則的に癌が明らかに切除断端に露出している場合は、追加切除が望ましいと思います。しかし、術前の画像診断と切除標本の病理診断をよく検討して、病変がほぼ取りきれていると判断される場合や、切除断端に近接しているけれども切除断端そのものに露出が無い場合は、追加切除を行わず放射線照射のみを行うこともあります。乳癌取り扱い規約の定義では、切除断端陽性は切除断端の内側5mm以内にがんがある場合と定義されているので、断端陽性でも必ずしもがんが露出しているわけではないと思われます。
ホルモン療法については、非浸潤がんであるならば、なくてもよいと思います。しかし病変が広範であったり、比較的短期間に浸潤を起こしそうなタイプの非浸潤がんの場合には、ホルモン療法を行ったほうがよいと判断される場合は、ホルモン療法をおすすめする場合がしばしばあります。
2) 放射線療法は術後8週以内に開始することが望ましいとされていますが、例えば化学療法を優先させる場合などは、このかぎりではありません。またそれ以上あいたからといって、効果がなくなるわけではないと思います。
3) 乳癌治療ガイドライン2013によると、通常より期間を短縮した寡分割照射は50歳以上 乳房温存術後T1−2N0 全身化学療法を行っていない、線量均一性が保てる患者ではグレードBの推奨度(科学的根拠があり実践するよう推奨する)となっています。この条件にあてはまらなければ、推奨度C1(十分な化学的根拠はないが細心の注意のもと行うことを考慮してもよい)とされています。欧米人を対象にした臨床試験では有害事象は許容範囲内であったと報告されていますが、日本人では体型や乳房の大きさが異なるので、皮膚障害の程度が同様とはかならずしもいえません。現在日本人に短期照射が安全に行えるかどうかを検証する臨床試験が進行中です。
4) 近親者に乳癌のかたがいても、再発率は基本的に変わらないと思います。断端陰性ならば、照射後の乳房内再発率は10%未満と思われます。乳房内再発をした場合、浸潤がんで再発する場合と乳管内がんで再発する場合は半々くらいと考えられます。

以上一般的なことを述べましたが、病変や患者さんの条件など個々に異なります。主治医に今一度疑問点を確認することをおすすめします。(文責 俵矢)

 

No.11358】  14年04月22日    H
放射線治療とホルモン療法について

今後の治療についての質問です。良性腫瘍ができ、急激に大きくなったので、摘出しようとして、術前検査で低エコー域がみつかりました。細胞診は鑑別困難であったため、一緒に取り出して病理にかけたところ、癌が見つかり、1mmのNeuroendcrine DCISでした。
臨床経過 : 左C領域に3.5cm大楕円形腫瘍を摘出しました。当院CNBはFA疑い(または良性葉状腫瘍)でした。腫瘍尾側に低エコー域(乳管内腫瘤疑い)を認め、細胞診は鑑別困難でした。この部位を腫瘍と連続して摘出しました。
病理組織診断 :
  1) Noninvasive ductal carinoma (ductal carcinoma in situ, DCIS), cut end (-/?)
2) Fibroadenoma
3) Intraductal pappilloma

所見:
楕円形腫瘍は、顕微鏡的には、Fibroadenomaの像です。間質に出血を伴っています。細胞診部の糸の近傍(標本8a)で、2mm程度で、CK5/6のモザイク発現を示す乳管内乳頭腫の像を認めます。それより尾側よりの標本10aで、1mm程度で乳管内で充実性増生を示し、免疫組織化学染色で  Chromogranin A (+) ,Synaptophysin(+) となるNeuroendcrine DCISの像を認めます。それより尾側よりの標本10bでも認めますが、量的には標本10aより少なく、尾側切除断端は、陰性を考えますが、正確な判断は困難です。

Malignancy :
(参考所見:非浸潤部での評価より、ER(+) (score 3)≒100%, PgR(+)(score3) ≒100%, HER2(-)=score1))

元々はクリニックにかかり、手術は近くの総合病院の乳腺外科で受けました。放射線治療についてですが、op担当のDr.は、放射線なしで行くとの事。「乳房温存で切除断端も陰性を考えますが、正確な判断は困難。」と、病理結果にもあり、DCISでも放射線有と無しでは、再発率が10%から30%強、増えると本にも書いてあり、放射線治療無しでは不安を感じると、Dr.に聞いたところ、乳房温存と放射線はセットが基本ではあるが、乳癌は個別治療であるから、1mmのしかもおとなしいタイプの癌に、きつい副作用がでる放射線をかけてまでの再発予防効果があるか疑問だとの事。このような場合、放射線治療有と無しでは、再発率はどの程度違うのでしょうか? 再発率が大して変わらないのであれば、もちろん放射線はかけたくないのですが、再発率が10%から30%に増えるのであれば、かけたいと思っています。ホルモン療法ですが、こちらはop担当のDr.とクリニックのDr.の意見がちょっと違ってきており、op担当のDr.は、今後無治療で、3〜6か月ごとの経過観察(ホルモン療法でも、副作用が結構あるし、その割に効果が少なく思えるとの事)。クリニックのDr.は、ホルモン療法は一定の予防効果があるので、副作用がなければ薦めるが、副作用があるので、自分で決めるようにとの事。年齢は48歳、閉経前です。私のような0期の非浸潤癌(Neuroendcrine DCIS)では、ホルモン療法による予防・再発防止効果がどの程度あるのか? ホルモン療法によるリスクと利益。また、1〜4の10年後の再発率と死亡率の違いについても知りたいのです

1 手術(乳房温存)のみ
2 手術(乳房温存)+放射線療法
3 手術(乳房温存)+ホルモン療法
4 手術(乳房温存)+放射線療法+ホルモン療法

せっかっく早期で見つかった癌なので、今後、後悔の無いように、しっかり考えていきたいと思います。それと、病理結果にグレードの表記は無いのですが、グレードも調べてもらえるようにお願いしたほうがいいのでしょうか? 1mmの非浸潤癌となると、自分で調べてみても分かることは少なく、Dr.に聞いても未知の領域だからと、判断に迷うことばかりです。

線維腺腫とそのそばの低エコー領域を切除したら、低エコー領域の中にたまたま1mmの非浸潤がんが見つかったということでしょうか。この場合、術後治療うんぬんというより、そのがんがすべて今回の切除で切除されているかどうかが問題なように思います。
このがんが、すべて取りきれていると思われれば、経過観察でよいかもと思います。 がんの病変の範囲が明らかでなく、残してきた組織の中にまだ病変が残されている可能性があれば、そこを切除して確認したほうがよいと思われます。主治医の先生が厳重に経過観察といわれたのは、そのことも含めて、残った乳腺を詳しく経過観察しつつ、怪しいところがあれば対処しようというお考えかもしれないですね。いずれにせよ、文面だけから類推しているだけですから、やはり今一度主治医の先生とよくお話しになってください。(文責 俵矢)

 

No.11357】  14年04月18日    N.K
しこりについて

お忙しい中恐縮ですが、ご相談させて頂けましたら幸いです。
現在29歳(今年30歳)、H25.12月上旬に4.5mm程のしこりを乳腺外科にて指摘されました。(ほぼ毎年検診はしておりました。) H26.2月に経過観察でエコー・マンモを実施して頂いたところ、大きさあまり変わらずだったのですが、細胞診を希望。結果=判定不明と出ました。慎重にフォローということで、3月下旬エコーにて確認して頂きましたところ、しこりの大きさ5.5mm程でした。こちらの希望で生検という流れになり、実施日(H26.4/7)を迎えたのですが、お恥ずかしながら検査方法を勘違いしており、当日になるまで検査の詳細(外科処置にてしこりを摘出→病理検査)をいまいち理解しておりませんでした。担当のDrとは意志疎通がうまくいかなかったこともあり、最終的に心無い言葉を放たれてしまい、(『検査をやらないならやらないで看護師を早く帰してやりたいから早く決めてくれ(個人院ということもあり)・診察をもう終わりにして良いか・いくらでも紹介状を書く』等..) 不安な気持ちを押さえていたこともあり、それまで保っていた心が折れてしまいました。
結局、転院せざるを得なくなり、他院に新たに予約が取れましたのが4月28日なのですが、おそらく当日は生検の検査はして頂けないとは思うのですが、確定診断が遅くなり悪性だった際に治療が遅くなるのではないかと、不安な日々を送っております。(最初のしこりの発見より現状約5ヵ月弱経っておりますので、進行具合が不安です。)

1) 5mm以下のしこりであれば一般的に初期段階、治療方法も多々選べる場合もあると聞きましたが、5mmを越えた場合、大きく治療法は変わってしまうのでしょうか?(どこまでが初期になるのかが、いまいち解りかねます...。)
2) また、5mm程のしこりでも、リンパに広がっていたり多臓器転移の可能性もあるのでしょうか? 脇下までエコーで診ていただいておりますが、リンパまで広がっていたりした場合はエコーでは解らないものなのでしょうか? (確定診断がついておりませんので、CT.MRIは未実施になります。年に一度の一般検診・また、別件にて定期的に内科にかかっており、腹部エコー・胃カメラ・採血等は近日実施致しております。)

知人や親族が若年にて癌で他界しておりますことから頻繁に検診をしておりましたし、敏感になりすぎかとも思うのですが、なさけないことに前院より帰宅してからというもの何をするにも身が入らず、病気や次の病院への不安感を考えてしまう毎日でありまして...。不安解消・情報収集のためにネットを拝見しておりましたところ、こちらのサイトを発見致しましてご相談をさせて頂きました次第でございます。脈絡の無い文章にて大変失礼かと存じますが、お手透きの際にご回答頂けましたら幸いです。

もちろん がんであるかないかは調べてみないとわからない訳ですが、29歳の患者さん、5mmの腫瘤がある場合に、「@がんであって、多臓器転移がある、Aがんであるが、転移はない Bがんでなく、良性の病変である」の三つを考えた場合、圧倒的にBの頻度が高いです。@のパターンはないとはいえませんが、非常に少ないケースでしょう。Aもかなり少ないケースだと思います。現時点で、そこまで心配しなくてもよいでしょう。楽な気持ちで検査を待ちましょう。(文責 俵矢)

 

No.11356】  14年04月18日    Y.W.
今後の治療について

【治療経過】
発病2005年11月、発病時より骨転移で手術は受けていません。
グレート2、 ホルモン受容体 エストロゲン:陽性 プロゲステロン:陽性、 HERT2受容体 染色法:1+ FISH法 陰性。
骨への放射線  頸椎、胸椎、腰椎に12回 24グレイ                
アレディア開始→ゾメタ(08年6月から)→ランマーク(2012年8月から)現在継続中 
ホルモン治療は アリミディクス→フェアストン→アロマシン→ノルバディクス→フェマーラ→2013年10月フェソロディクス

【相談内容】
腫瘍マーカーは検査のたびに上昇。CEAは103 NCC−ST−4 270 CA15−3 42.8(2014年3月)。4月に行ったPETとMRIの検査では、他臓器には転移はなかった。主治医は、「PET検査で前回より光が強くなっていて、マーカー値の上昇は、前からある骨盤への転移の増悪・・・と考えられる。」とのことでした、今後の治療選択として @骨盤への照射、ホルモン薬 Aアフィ二トール錠 BヒスロンH 今の状況で一番良い選択は@でしょうか? 来週より治療を開始のため、選択を迷っています。よろしくお願いいたします。

骨盤のあたりに骨転移が原因の痛みがあれば、放射線照射をするのがよいと思います。病勢が進行しているとの判断であれば、薬物療法を変更するのがよいと思います。その場合、ホルモン療法で変更とすると、ヒスロンやアロマシン、アロマシン+アフィニトールも選択肢です。また化学療法を全く行っていないので、化学療法も選択肢に入りますね。どれが一番よい選択かは難しいですが、副作用が少ない治療をご希望ならばヒスロンやアロマシン単独がよいでしょうし、副作用があってもということであれば化学療法やアフィニトールも考えてみましょう。(文責 俵矢)

 

No.11355】  14年04月18日    Y 
乳頭腫?

先日エコー検査を受けたところ、5ミリの腫瘤があり、形はほぼ円形、境界明瞭、エラストグラフィーも行い、良性のものだろうとのことでした。繊維線種か乳頭腫と言われました。乳頭腫について調べたら、ガンになるリスクがあるとか、ガンと見分けがつけにくいとあり、怖くなりました。針の検査はしていなくて、経過観察となりました。乳頭腫はあまり腫瘤を形成しなくて分泌物でみつかるとありましたが、私の場合のようにきれいな形の腫瘤もありうるのでしょうか? 分泌物は確かに出ますが、両方から透明なのが少量出ます。子供は2人おり、5年前まで授乳していました。線維腺腫と乳頭腫の違いは、エコーではわかりにくいのでしょうか? 腫瘤の位置は、乳頭より2センチほど横です。

エコー検査は、小さいがんを見つけることができますが、がんでない病変もたくさん見つかります。全部針をさしていたら我々も患者さんも大変です。ですので、経過観察も大切な診断手段になります。5mmの腫瘤ならば、形が悪くて小さくても、癌を考えさせる場合は針生検などを行います。しかし、形が悪くなく、あまり癌を考えさせる形でなければ、通常は経過観察をします。腫瘤が2cmくらいあれば、線維腺腫なのか、乳頭腫なのかエコーで見当がつくことが多いですが、この大きさだとなかなか区別はつきづらいし、つける必要もないと思います。経過観察をして、腫瘤が大きくなる傾向があったり、形が変わったりすれば、針生検をしましょう。(文責 俵矢)

 

No.11354】  14年04月16日    S.Y..  
多発性浸潤性小葉ガン

多発性浸潤性小葉ガンで皮下乳腺全摘をした、現在49歳です。5年間のタスオミン、その間2年ゾラ注をし、この6月、5年を迎えます。タモキシフェン10年継続服用の方が再発リスクが減ると、オックスフォード大の報告がありました。どのようにしたら良いか悩んでいます。御意見お聞かせください。

タスオミン(タモキシフェン)は5年投与が標準治療とされておりますが、5年投与と10年投与との比較試験が進行中で、10年投与の方が治療効果が高いといった結果の報告もいくつか出つつおります。しかし、まだ断定するには時期尚早であることと、副作用が増加する可能性に関しても、まだ結論が出ておりません。これらの結果を踏まえて、さらに投与継続するかどうか決定する必要があります。主治医の先生とよくご相談なさってください。(文責 谷)

 

No.11353】  14年04月16日    Y.Y.  
エキセメスタン錠の副作用について(HPNo.10980-3)

前回、前々回はご回答ありがとうございました。今回は、現在服用している「エキセメスタン錠25mgテバ」についてお伺いします。平成18年(45歳)に右側全摘後、抗がん剤を受けてタスオミンを5年服用後、エキセメスタン錠を服用しています。最初はフェマーラでしたが、全身の関節痛が酷く、エキセメスタン錠に変更してもらいました。エキセメスタン錠も、起床時の手指の関節痛はありましたが、段々気にならなくなっていました。しかし、最近また手指の関節痛と、ふわふわした眩暈のような感じと頭重感があり、足に力が入らなくなることがあります。副作用でしょうか? 更年期障害でしょうか? 2月のマンモと血液検査、エコー検査では異常がありませんでした。月経は、平成18年の抗がん剤投与時以降ありません(この時点で閉経したようです)。よろしくお願いいたします。

エキセメスタンもフェマーラと同様にアロマターぜ阻害剤に分類されるホルモン剤で、関節痛や更年期症状といった副作用はよく知られております。ただフェマーラに比べエキセメスタンの方が関節痛の副作用はいくらか少ないと言われており、フェマーラやアリミデックスなどを使用して関節痛が強く出た際に、エキセメスタン(アロマシン)に切り替えて様子を見ることは、私もしばしば行っております。よって、今生じている関節痛や眩暈・頭重感などの更年期様症状は、エキセメスタンの副作用である可能性は十分にあります。症状が強く生じるようであれば、エキセメスタンの変更や中止が検討されることになります。これを踏まえ主治医の先生とよくご相談なさってください。(文責 谷)

 

No.11352】  14年04月14日    H.O.
今後の治療方針に関して

妻の転移性乳がんの今後の治療方針に関して相談させていただきます。主治医の先生も親身になって相談にのっていただいていますが、私自身悩んでおり、第三者の方のご意見もうかがいたく、相談させていただいております。平成19年10月に乳がんを発症し、浸潤性乳管がんとの診断を受けて乳房を温存し、がんを切除しました。センチネルリンパ生検の結果「転移無し」、ホルモン感受性「陽性」であったことから、放射線を30回かけた後、ホルモン治療を3年間継続し、その後治療を終えて、現在に至っていました。しかし、今年1月の6年目検診にて、腋下と鎖骨下にリンパ節転移が発見されたため、PET-CTと骨シンチにて骨や他臓器への転移が認められないことを確認のうえ、平成26年3月に手術により鎖骨下と腋下のリンパ節郭清手術を受けました。その病理組織診断結果は次の通りです。
<Diagnosis>
Metastatic carcinoma of the left axillary lymph node(n=18/27),lymph node dissection -ER(+),PgR(+),HER2:score2+ <Comments>
組織学的には鎖骨下及び腋下のリンパ節に腫大した核形不整な核を持ち、細胞質は比較的乏しい腫瘍細胞がびまん性に増殖したcarcinomaの転移巣を認めます。リンパ節転移数は、郭清リンパ節27個のうち18個に異常があり、内訳は鎖骨下に11/13、腋下に7/14となっています。また、免疫染色ではER,PgRともに腫瘍細胞の核に陽性であり、HER2については Score2+と判断します。

上記の病理組織診断結果を受けて、主治医の先生の治療方針は次の通りです。
@ CEF100を3週間毎に4回実施後、タキサン系抗がん剤を3週間毎に4回実施
A 抗がん剤治療後、鎖骨上と首下(可能であれば)に放射線をかける
B 放射線治療と合わせてゾラデックスとフェラーマのホルモン治療を開始
なお、HER2がscore2+であったことから、更に詳しい検査を行ったのち、ハーセプチンを使用できるかどうか決定とのこと

治療方針の中で、抗がん剤治療後のホルモン治療において、ホルモン治療の効果が出ずに、1年以内に臓器転移に至ってしまう可能性をうかがったところ、その可能性は60%〜70%とのことでした。また、臓器転移発症以降の治療方針をうかがったところ、再び抗がん剤治療に戻ってしまうということでした。このように、かなり高い確率で抗がん剤治療に戻ってしまうのであれば、副作用などの影響を考えると、素人考えですが、最初は抗がん剤を使わずにホルモン治療から始めて、臓器転移発症以降、抗がん剤治療を実施した方が良いのではないかとも思ってしまいます。一度抗がん剤でがんをたたいた後の臓器転移治療と、抗がん剤でたたかない場合の臓器転移治療では、生存率に明らかな差が出るのであれば、副作用も我慢できると思うのですが、あまり変わらないとなると、どちらが良いのか分からなくなります。結局はホルモン治療が効くか、効かないかに、かかっているような気がしています。今後の治療方針に関して、是非ご意見をお願い致します。

奥様の病状に際して一生懸命に乳がんの勉強をされ、奥様になんとか最善の治療を施してあげたいというご主人様の強い思いに心より敬服申し上げます。幸い主治医の先生も熱心にご説明くださるという由、救われる思いです。さて、術後6年目の腋窩から鎖骨下リンパ節への初再発で、調べ得た範囲では多臓器への再発がないとのことです。最発がんの性質を確認する目的を兼ねてリンパ節郭清術を行い、ホルモン陽性、HER2(2+)との結果だということですね。まずHER2を他の検査(おそらくFISH法)で再検されているとのことですので、その結果は今後の方針にとても重要になると思います。もしHER2陽性の結果が得られたならば、ハーセプチン(場合によりパージェタも)の使用の有無は今後の予後を大きく左右する可能性がありますので、強く使用をお奨めします。その際は抗がん剤との併用が原則となりますので、主治医の先生がお示しされている治療方針にハーセプチン(+パージェタ)が加わるとお考え下さい。HER2が陰性であった場合ですが、ご主人様のおっしゃるとおり辛い抗がん剤治療を行っても再発する可能性も十分にあることは事実だと思います。しかし、初再発まで6年と比較的長い経過があることや、抗がん剤治療はまだ行ったことがないこと、リンパ節転移の性質にホルモン感受性が残っていることなどを考え合わせると、抗がん剤の効果は比較的高いと考えられ、一般論の1年以内の再発率である60-70%という数字は、奥様にはもう少し低くできる可能性があると個人的には考えます。やはり主治医の先生がお奨めされているとおり抗がん剤、放射線治療、ホルモン剤と最大限に使用してできる限り病気と戦い、少なからず存在する治癒の可能性やもし再再発するとしてもそれまでの期間を長くすることに十分寄与してくれるのではないでしょうか?あと現在は抗がん剤の副作用に対する支持療法も以前と比べ格段に進歩しておりますので、奥様にとって少しでも抗がん剤治療が受け入れやすくできると考えます。ぜひ良い結果を信じて奥様と一緒に頑張ってください。心より応援しております。(文責 谷)

 

No.11351】  14年04月14日    ぱんだ
全摘・広背筋による再建に伴う筋の痛み

2/14に左乳房全摘と、広背筋による再建を行いました。運動も出来るようになったし、突っ張り感や、部分的な軽い痛みはあるものの、動き的には楽になりつつあります。一つ気になることがあります。脇に2〜3本の筋がありますが、それが、突っ張りがあります。手のひらを上にし、腕を伸ばして、徐々に上に上げていくと、肘の内側に痛みが出ます。同時に2〜3本、細い筋が浮き出て痛みが出ます。もっと上げると、二の腕内側のその筋の所が、若干へこみ、痛みの範囲が広がります。以前は、肘の内側の大きな血管が浮き出ていましたが、丁度その血管の上に筋が斜めに浮き出ています。広背筋が柔らかくなるにつれ、筋の突っ張りもなくなるんでしょうか・・・

左乳房全摘、広背筋皮弁再建術後まだ2ヶ月足らずとのことですので、手術の影響で突っ張り感や軽い痛みが生じることは一般的には自然であると考えます。ただ直接手術に関わった先生にしかわからない要因もありえますので、症状が増強したりいつまでも治まらないようであれば、主治医の先生によくご相談なさってください。(文責 谷)

 

No.11350】  14年04月14日    Y.K.
抗がん剤の治療開始について

初めてお伺いいたします。年齢 53歳。閉経しています。2014年3月に乳癌の部分摘出手術を受けました。ようやく1か月が過ぎましたが、次の治療方法をご相談したく思います。
組織診断 浸潤性乳管癌(scirrhous)
大きさ 11×6mm、腫瘍細胞(核異型度スコア 2)、核分裂像スコア 2、脈管浸襲( ー)、切除断端 (ー)、リンパ節転移 (0/4)、ER>90%、PgR 10〜15%、Her2 score 1+、MIB-1 5%
Kiー67 3%〜5%

オンコタイプDXの検査の説明も受けました。日本での検査現状も考えて、オンコタイプDXの検査は実施せずに、次の治療を考えています。やはり抗がん剤治療をすべきかどうか判断しかねています。アドバイス等いただけたらと存じます。

組織診断を拝見すると、核グレードが2(核異型度スコア2と核分裂像スコア2より)となりこの点ではやや悪性度が高いということになりますが、それ以外に悪性度が高くなる要因はなく、比較的おとなしい乳がんと言って良いと思います。私ならば抗がん剤は使用せず5年間のホルモン剤投与と残存乳房への放射線照射をおすすめしたいと思います。(文責 谷)

 

No.11349】  14年04月14日  Y.S.
情報と治療について

乳がん検査結果を受け、ルミナルAタイプ、ER+、PR+、HER@、核グレード3、臨床病期UB〜VCとのことでした。まずは病院を決めてください。抗がん剤は、リンパが腫れているので術前でも後でもいいが、先の方がリンパの腫れがひくかもしれないということで、すすめられました。ただ、抗がん剤は効きにくいタイプだと言われました。抗がん剤の種類もわかりません。しこりは片胸にいくつかちらばっているようで、全摘となるとのこと。しこりが何個あるのか聞いたのですが、教えてくれませんでした。数は関係ないとのことでした。メモ書きで最初の状況を書いてくださいましたが、詳細情報はなく、一般的にもこれだけなのでしょうか? 病状のわかるもので頂けるものがあるかと問いましたが、ないとのことでした。これからたくさん勉強しなければと思っていますが、私のような場合の一般的な治療スケジュールというのは、どのような感じであるか教えてください。よろしくお願いします。

乳がんの診断は残念ながら確定してしまい、今後その治療をする施設を探す段階ということですね。病期がUB〜VCということなので、全身臓器への明らかな転移はなく、同側腋窩リンパ節転移は陽性、さらに奥(鎖骨の上下や胸骨下など)のリンパ節にも転移がいっている可能性有りとの評価のようです。まず乳腺外科を掲げている病院または乳腺を専門にしている外科医が勤務している病院を探すことが必要でしょう。インターネットで各病院のホームページをご覧になるのが手っ取り早いと思います。まず早く受診し、手術を先行するのか、抗がん剤やホルモン剤などの薬物治療を先行するのかの判断が求められます。もちろんそれらによって治療スケジュールは異なりますので、新たな主治医の先生によくお聞きになるのがよろしいかと存じます。頑張ってください。(文責 谷)

 

No.11348-1】  14年04月14日  よん 
局所再発後の治療

治療の事で悩んでいます。二年前、非浸潤癌の為、皮下乳腺全摘後、シリコンで同時再建いたしました。術後断端陽性の為、追加切除をしました。しかし、二年後に浸潤癌として局所再発いたしました。自分でシコリをみつけました。2ミリと7ミリです。2ミリのほうは非浸潤でしたが・・・。初発は非浸潤という事も有り、子宮内膜症もあるため、ホルモン療法は副作用が怖くて、しておりません。主治医も、乳腺全摘しているので無治療で良いと言う事でした。しかし、今回のものは、グレード3 という悪性度の高いものです。ホルモン療法だけではなく、抗がん剤をするかしないかで、先生方の意見が分かれています。今、オンコタイプDXという検査結果待ちなのですが、別の先生は、閉経前の人のデータが少ないといい、あげく再発後の検体は信憑性がないと言います。検査を勧めてくれた先生は、グレード3以外はホルモンも効くタイプなので、ホルモン療法だけでいければ抗がん剤はする必要がないといいます。Kiは35%と、高いです。結果がでるまで一ヶ月かかるのと、結局リスクが高ければ抗がん剤ですし・・・。今ホルモン療法をしながら、術後二ヶ月たっています。まだこの先一ヶ月待って、その後、センチネルを初発で取ってあるので、改めて腋窩リンパ節郭清をする予定です。その結果が、更に一ヶ月。抗がん剤をするのは、そのあとになってしまいます。先生は、半年ぐらい先までなら大丈夫とかいいますが、本当でしょうか?今すでにリュープリンとノルバデックスで治療しているので、待っても大丈夫といいます。すごく不安です。一度目の治療で後悔してるので、もう別の病院で抗がん剤を始めようかとも考えています。シリコンも入っているので、全摘して(局所再発部分は取り切れましたが)放射線を当てるのがいいのか、腋窩リンパ節郭清だけでいいのかも悩んでいます。この件も、別の先生は取る必要がないともいいます。真逆の意見で悩んでいます。
長々とすみません。どうぞ良い知恵をお貸しください。ちなみに年齢は49才。閉経前。皮膚浸潤、リンパ管、血管侵襲はありません。切除断端陰性。グレード3、 Ki67は35%、ER PgR とも100%です。HER2は+1です。

局所再発巣摘出後の追加治療(補助療法)について悩んでおられるとのことですね。よく勉強されており、知識をたくさん持っているゆえに多くの心配が生じてきたといった印象です。ご質問の内容をまとめますと、1)そもそも抗癌剤は必要か? 2)もし抗がん剤を施行する際に半年も経ってから施行して大丈夫か? 3)全摘して放射線治療をする選択肢はどうか? の3点です。いずれも専門医でも即答しかねる問題であり、言い換えると、どれが正しいとは言い切れない問題であるといえます。1)に関しては私見を述べさせていただきますと、再発後に悪性度が増加(浸潤癌、グレード3、Ki67=35%)しており、今後の遠隔転移再発の予防という観点では、抗癌剤治療を行い、その後しっかりとホルモン治療も行うのがベストと考えます。しかし一人の先生がおっしゃておられるように、ホルモン治療は感受性が高く効果が十分に期待できますので、もし貴女が抗癌剤を受け入れることがとても難しいと感じられるのであれば、ホルモン剤だけで行うことも立派な選択肢であると考えます。2)に関しましては、抗がん剤施行をいつまでに行うのが良いかという科学的な根拠は特にありませんが、現在ホルモン治療を行っている点も鑑みて、半年後ならば十分に許容範囲内であると考えます。3)に関しましては、あくまでも局所の再再発の予防に対しての治療ということになりますが、より再再発のリスクを減ずるという点だけで考慮すればベストの方法であると考えます。しかし、ホルモン治療(場合によっては抗がん剤療法)を行っていることや、今回の再発手術で切除断端は陰性であったこと、何より最初の手術時に施行した再建乳房を取るという口惜しさ等を合わせて考えると、私見ではそこまでは行わなくても良いのかと考えます。いずれにせよ、ご自身での納得のいく選択がベストの選択であると考えます。再度よく主治医の先生とご相談されたうえで、ご検討下さい。(文責 谷)

 

No.11348-2】  14年05月04日  よん 
局所再発後の治療(2)

前回、局所再発後の治療について、ご相談させていただきました「bP1348」よんと申します。丁寧で分かりやすいご回答を、ありがとうございました。あれから色々考え悩んで、時間ばかりが過ぎていくので(オンコタイプDXは結果がまだです、)主治医からは先に放射線を勧められました。
そもそも主治医はオンコタイプには賛成的ではなかったので、抗がん剤を勧めておりました。放射線治療は、シリコンを入れたままとなります。放射線治療の期間にシリコンに異常がでれば、抜く事になっています。腋窩リンパ節転移も、エコーやCT/PETや触診などで陰性だと思うが、放射線は念のために腋窩にもあてておく事となりました。センチネルが初回の手術で採って、ないので、改めての郭清は、あきらかに腫れていないので、省略しても良いと言う事を、おっしゃっていました。本当に腋窩リンパ節郭清は省略しても良いのでしょうか? 浮腫になる確率を思えば、する必要はないと言います。それに、微小なものは放射線照射で消えてしまうとも言います。これから先にリンパ節に転移しても、一度放射線を当てていると、もう当てる事は出来ないんですよね。やはり郭清をして、きっちり調べるほうが良いのでしょうか? それによって抗がん剤を先にする方が良いのでしょうか? もう毎日毎日悩んでばかりです。すいません。良いアドバイスをお聞かせ下さい。

非浸潤性乳管癌に対する皮下乳腺全摘+センチネルリンパ節生検術後の局所再発(浸潤癌)の治療についてということですが、局所再発に対する明確な標準治療は確立されておらず、原発乳癌の治療を参考にしつつ、それぞれの状況に応じて治療を考えていくことになります。治療を考えていく上では、腋窩リンパ節領域を含めた局所の治療と、遠隔転移再発予防の全身治療に分けて考えていくことになります。局所の治療につきましては、局所再発した周囲への胸壁の放射線治療に加え、腋窩リンパ節を外科的に郭清するか、放射線治療で対応するかですが、原発乳癌の治療に準じて考えれば、生存率は同等と考えます。郭清をするメリットがあるとすれば、リンパ節転移があった場合に遠隔転移再発予防の治療計画の参考になることと、局所のコントロールが良好になる可能性があることです。しかし、画像上明らかなリンパ節転移がないこと、再発部位が7mmと比較的小さい浸潤癌であること、初回手術によりリンパの流れは変わっていることを考えると、追加での腋窩郭清のメリットは少ないと考えます。胸壁にプラスして腋窩領域も放射線治療を行う治療はバランスの良い治療と考えます。全身治療の薬物療法につきましては、前回の谷先生の意見と同様です。OncotypeDXの結果が低リスクであればホルモン療法を選択するという考えもありますが、再発治療に関してはあくまでも参考程度に考え、主治医とよく相談して決めて下さい。(文責 浜口)

 

No.11348-3】  14年07月25日  よん 
間質性肺炎について

以前二回相談させて頂きましたNo.11348の「よん」と申します。いつも丁重、的確なアドバイス、心強くありがたく思っております。あれから抗がん剤治療を迷っている間に、腋下や鎖骨の予防照射も含めた放射線治療を25回終了いたしました。オンコタイプを待って抗がん剤を考える予定でしたが、検体がバラバラでキチンと検査が出来ない状態で、結局主治医の勧めもあり、オンコタイプは、あきらめました。その後、放射線治療が終了した二週間後から、TC療法を開始いたしました。4クールの予定だったのですが、最初の一週間で放射線治療後の胸が酷い火傷状態になり、痛みで全く眠る事ができず、8日目には白血球が800まで下がり、三日間白血球を上げる薬をうちました。元には戻ったのですが、その頃から激しい咳き込みと熱がずっと続いて、何かに感染したのかと、咳きどめの薬、解熱剤などを服用しても全く効果なく、CTも撮り、採血や胸部レントゲンは1日おきに検査したのですが、何もその時点ではうつっていなかったのですが、あまりにも熱と咳き込みが続くので二日前にまた、CTを撮った所、今度ははっきり肺炎の影があり、放射線による間質性肺炎と診断されました。その日から急遽入院で、今日三回目のステロイド点滴を打っています。
1%の確立ぐらいだと言われていたのに、その副作用に入ってしまい、気分も落ち込んでいます。TCもまだ一度しか行っていないですが、脱毛もしっかり始まり、今はほとんど抜け落ちました。この先、退院後様子を見て始めるにしても、別のお薬に代わるか(ACになるかも)、最悪もう抗がん剤を終えるか検討中みたいですが、一度しかしてなくて、効果も期待できず、脱毛までして、 なんだかやりきれません。この間質性肺炎は、完治するのでしょうか? 一度治った様に見えても、ずっと経過観察をしていかなくてはいけないみたいで・・・。抗がん剤治療を続けていくにあたって、やはり又、肺炎が再発する可能性は大きいのでしょうか? 主治医としっかり話し合いをするつもりですが、アドバイスお願いします。

放射線性の間質性肺炎の診断とのことですが、今後の抗癌剤治療の検討をしていることからすると、薬剤性の間質性肺炎も疑われているのかもしれません。いずれの間質性肺炎でも、軽いものから重篤なものまで様々であり、個々によって異なります。主治医の先生のおっしゃるように、どのような場合でも慎重に経過をみていく必要があります。相談室で回答できることには限界がありますので、あなたの経過を一番把握してくださっている主治医の先生によく伺って、あなたに合った最適の治療法を探してください。(文責 須田)

 

No.11347-1】  14年04月10日   T.Y.
浸潤性乳管癌(T1)

一年前より右乳房の6時方向に1cm大のしこりがあり、2013年8月に生検をしました。結果は良性でしたが、半年で5mmずつ大きくなっていたので、自らの希望で2014年3月27日に切除術を受けました。術後の組織検査の結果は、5mmの浸潤性乳管癌(T1)と言われました。遠隔転移の検査結果待ちの状況です。今後の治療方針は、部分切除と放射線治療、もしくは乳房切除と再建術と説明を受けました。一般的な治療方針なのでしょうか? また、この二つの治療法は、再発率に違いがありますか? また、病期、ステージ、T1など、色々表し方がありますが、どのような違いなのでしょうか?

ご相談、どうもありがとうございます。色々なご不安があると思います。今、判明していることは、5mmの早期乳がんが発見されたという事実です。乳房温存手術+術後放射線治療と、乳房切除+乳房再建を比較しての違いは、前者では乳房が残っていますので乳房内再発の可能性が10%程度あることです。それ以外の違い、つまり生存率や全身への転移再発の可能性は術式では変わりません。一番大切なのは、術後の再発予防のための抗がん剤やホルモン治療になります。今後の全身検査で、治療方針は決まっていくと思います。主治医の先生にも、良くお話を聞かれてくださいね。応援しています。(文責  高橋)

 

No.11347-2】  14年04月26日   T.Y.
今後の治療について

回答へのお礼が遅れて申し訳ございませんでした。ありがとうございました。先日、主治医から、サブタイプは「ルミナルA」と説明を受けました。しかし、Ki67の値は調べてないとのことです。Ki67の値がわからないのに、「ルミナルA」と「ルミナルB」の区別がつくのでしょうか? AとBの判別根拠がわからないので教えてください。また、部分切除にするか全切除にするか、すごく迷っています。利点欠点は、いろんな本で確認しました。私の優先事項は以下の3点です。
@局所再発率および再発率を限りなくゼロに近づけたい。
Aできれば放射線治療を受けたくない。
B術後はできるだけ早く職場に復帰したい。

部分切除と全切除術後の回復過程の違いを教えてください。よろしくお願いいたします。

St gallenのコンセンサスでは、「ER陽性 HER2陰性 Ki67高値 PgR陰性か低い」場合を、HER2陰性 ルミナルB様サブタイプと定義しています。そのあたりは主治医の先生に確認してみてください。
主治医には、どちらでもよいといわれているのでしょうか。そうであるならば、放射線治療を避けて、局所再発率を下げて、術後できるだけ職場に早く復帰できるという希望を全部かなえると、再建術のない乳房全摘になりますね。部分切除するなら、放射線療法は通常行う必要があります。しかし、放射線療法は職場環境によっては、通院しながらでも可能ですし、一ヶ月半は長いようでいて、長い職業生活から考えると、それほど長い期間ではないので、仕事を調節する方法を探ってみることはできるのではないでしょうか。部分切除、全摘には、それぞれメリット・デメリットがあります。どんな病変かによって、それはかなり異なってきます。迷われるなら、今一度主治医の先生とよくお話をしてください。(文責 俵矢)

 

No.11346】  14年04月10日    A  
TC療法

抗癌剤TC療法で腎機能低下があるとの事で量を減らすとのことですが、それでも効果はありますか。耐性ができかえって悪いのではないかと心配です。

ご相談、どうもありがとうございます。腎機能障害の際の抗がん剤治療は、特に怖いのが副作用が強く出現する可能性があることです。安全に抗がん剤を行うことが第一の目標です。もちろん、効果が維持できる範囲で減量を行いますので、ご心配なさらないようにしてください。詳しくは主治医の先生にもお尋ねくださいね。応援しています。(文責  高橋)

 

No.11345】  14年04月10日    A  
抗がん剤治療

手術後の結果、グレードは真ん中よりやや高め、Ki67は35、腫瘍は1.2センチ、リンパ節転移なし、断面にがん細胞は見当たらない、ホルモン陽性50%、HER2陰性、との事でした。抗がん剤治療は受けようと思います。脈管侵襲のことは言われませんでしたが、聞いた方が良いでしょうか。抗がん剤治療で生存率は上がりますか。64歳です。

あなたの場合、ホルモン陽性・HER2陰性・Ki67高値ですので、推奨される治療法は「化学療法+ホルモン療法」ですが、抗癌剤治療を受けるにあたって、脈管侵襲の事より、再発に関連する遺伝子検査について伺ったほうが参考になるかもしれません。ホルモン受容体陽性・HER2陰性の場合、乳癌細胞の再発に関連する遺伝子を調べて、治療方法を決定する「オンコタイプDX」検査の対象となります。この検査は保険適用外で、30〜40万円ほどかかりますが、納得のいく根拠として検査を受けてみるのも、選択肢の一つかもしれません。オンコタイプDXの検査結果で、再発リスクが、低リスク・中リスク・高リスクの3つに分類されますが、アメリカで行われた臨床試験では、高リスク群では、ホルモン剤単独に比べて、抗癌剤を加えることによって、無再発生存率が、60%から88%に上昇したという報告があります。このことからも、高リスク群の場合は、抗癌剤治療を行う価値があると考えられます。いずれにしても、主治医と充分ご相談の上、納得のいく治療法を選択し、前向きに頑張っていただきたいと思います。(文責 須田)

 

No.11344】  14年04月10日    M.I. 
リンパ節転移

術後丸9年たちました。今回、血液検査や骨塩量は問題ありませんでしたが、エコーにて術側脇に疑わしいリンパ節がみつかりました。病理に回し、来週結果が出ます。もし悪性だった場合、これは遠隔転移として全身治療をするのか、局所再発だとしたらその部分を取るだけでいいのか、よくわからないので教えていただけたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

9年前の手術でセンチネルリンパ節(-)であったとすれば、今回転移(陽性)という結果が出た場合は、まず腋窩リンパ節郭清をし、念のためにホルモン療法などの全身療法を行うことになると思います。年齢、病理所見、前治療等を考慮の上で治療方針を決めることになります。主治医と充分ご相談なさって、納得のいく治療を選択してください。(文責 須田)

 

No.11343】  14年04月07日    ひまわり 
NCC-ST-439の数値

60代乳がんの骨転移(ランマーク)ホルモン療法でフェソロデックスを使用していましたが、年末に胸膜転移がみつかり、フェアストンに切り替えて治療をしております。三月末にCT検査、採血をしたところ、CT画像では胸膜水が無くなり、腫瘍も小さくなっており、フェアストンの効果があらわれていると主治医に言われましたが、翌週採血結果を伺うと・・・NCC-ST-439の数値が、二か月前の採血の時の数値よりも数倍も高くなっていました(二か月前は82、今回は600台)。このような採血結果で、どのような事が考えられますか? ほかにどのような検査を受ければよいでしょうか? 主治医は、今回の採血結果をみて、「意味が分からない・・・」としか言わず、詳しく調べてくれようとはしないので、ご相談させていただきたいのです。ちなみに、主治医は「マーカーの数値はあまり気にしないでいいと思います。ときどき高い数値がでることがあるんです。詳しい理由はよくわかりませんが。」と、おっしゃっていました。どうか見解をお聞かせください。よろしくお願いいたします。

ご相談どうもありがとうございます。腫瘍マーカーで一喜一憂する必要はないと思います。今回のお話の場合、ホルモン治療の効果が見られた時に一過性に腫瘍マーカーの数値が上昇するいわゆる「フレア現象」が起きている可能性もあります。ですから腫瘍マーカーは、一ヶ月単位でみるのではなく半年や一年という長い目で、動きを見ていく必要があります。一ヶ月後、二ヶ月後、三ヶ月後の数字も追っていきましょう。今は画像で治療効果が見られているということだけを心に残しておきましょうね。応援しています。(文責:高橋)

 

No.11342-1】  14年04月07日    Y.T.
オンコタイプディーエックス(HPNo.11305-2)

2/13に、11305で、ご相談させて頂きました。その節は、キッパリした御返事、有難うございました。心惑わす書籍は破棄し、主治医を信じることに決めました。3月末に手術し、温存+リンパセンチネル(転移無し・郭清せず)、術後、翌日には退院できました。病理検査の結果が出ました。主治医曰く、『「オンコタイプディーエックス」で精度の高い遺伝子検査を受け、今後の方針を決めることも可能、但し、健康保険適用外のため40万円ほど掛かる。所見判断では、ホルモン療法のみで良いかと思うが、遺伝子検査した方が確実ではある。。。』とのことでした。
病理検査結果は以下の通りです。
・浸潤癌大きさ:1.0*0.7*0.5 ・pt分類:pT1b ・腫瘍の割面:Infiltrative ・娘結節の有無:− ・組織学的所見:ductal carcinoma。背景に、mastopathyが見られる。 ・乳腺外脂肪浸潤:f+ ・皮膚浸潤:s- ・大胸筋浸潤:p- ・乳管内病変の程度:+ ・乳管内病変comedo necrosisの有無:− ・リンパ管侵襲:ly1 ・静脈侵襲:y1 ・核異型スコア:2 ・核分裂像スコア:1 ・切除検体のスコア HER2 score:1+ ・ER score:7=proportion5 + intensity2 ・PgR score:8=proportion5 + intensity3 ・Ki-67 index:5%以下 ・切除断端:- ・治療効果判定:grade 0 ・リンパ節転移:- センチネル(0/1)

高額な遺伝子検査結果が所見判断と同様となるか、化学療法も必要となるかは不明ですが、「オンコタイプディーエックス」どう思われますか? やはり、受けた方が安心ですよね…。宜しくお願いします。

ご相談どうもありがとうございます。早期がん温存術後でリンパ節転移なし、ホルモンレセプター陽性、Ki-67 5%以下(陰性)、Her2 1+(陰性)であり、通常であればオンコタイプDX をおこなうことなく、術後放射線治療およびホルモン治療を選択すると思います。もちろん、オンコタイプDXを選択されるとよりはっきりするとは思います。しかし、オンコタイプDX を標準的に全員におこなう状況には日本はまだなっておりません。すぐに治療を開始するか、オンコタイプDXを待つか。気になるのであれば、お受けになって納得して治療を受けるべきだと考えます。応援しています。(文責:高橋)

 

No.11342-2】  14年06月04日    Y.T.
オンコタイプDX 検査結果

4/7に11342で御相談させて頂き、今回、3回目の投稿となります。大変、有り難く、心強く、拝見させて頂いております。
放射線治療 25回を終えました。念のために、オンコタイプDXいたしました。
再発スコア;17   臨床評価;11%
再発スコアが低リスク群の上限、抗がん剤は使用せず、タスオミン錠20mgの服用となりました。

ERスコア;8.0 (Positive) PRスコア;7.7 (Positive) HER2スコア;8.7 (Negative)
こちら、主治医に聞きそびれたのですが、(Negative)が気になりました。検査結果が専門的な英文でよく分かりません。現状の治療方針で、大丈夫ですよね? 御指南、宜しくお願い致します。

ERスコア=8.0(陽性)、 PRスコア=7.7(陽性)、 HER2スコア=8.7(陰性)とありますが、先日の病理結果 ER=7 PgR=8、HER2 score:1+(陰性)と同じ意味です。現在の治療方針で間違いないと思います。(文責 大西)

 

No.11341-1】  14年04月07日    C.S. 
ドキタキセルの投与について

現在37歳で未婚です。トリプルポジティブ、ステージT期の乳癌と診断され、昨年11月に全摘の手術をしました。センチネルリンパ節生検の結果でも、リンパ節転移はありませんでした。年明けから3週間に1回ペースでFEC療法を4回終えて、ドキタキセル+ハーセプチンを3週間に1回ペースでの投与の予定だったのですが、初回投与の際、ドキタキセルの点滴に変えて間も無く、胸部圧迫感、呼吸困難、腹痛、吐き気、顔面紅潮、めまい(目の前をキラキラするものがチラチラ舞うのが見えた)などが起こり、投与が中止になりました。その後、主治医からは、「予定していたドキタキセル4回を中止にして、ハーセプチンのみ(残り17回)とホルモン療法で行きましょう。」と、お話しがありました。アレルギー反応が出たからドキタキセルはやらないほうがいいと言うのは分かるのですが、果たしてやらなくて大丈夫なのでしょうか? 転移再発の確率を下げられるならと覚悟を決めて抗がん剤を受けることにしたものが、できないことで確率が上がってしまうのではないかと思ってしまいます。ドキタキセルをやらないことで転移再発の確率があがるなど、何か不利になることはあるのでしょうか? ドキタキセルを中止し、ハーセプチンとホルモン療法と言う選択肢も考えられるものなのでしょうか? また、ドキタキセルではない抗がん剤をするという選択肢はないのでしょうか? 辛くても出来る限りの最善の治療をしたいと思っているので、ご質問させて頂きました。 お忙しいところ申し訳ありませんが、ご回答いただければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。

ご相談どうもありがとうございます。ドセタキセルやパクリタキセル(タキソール)で問題になるのが強いアレルギー症状です。これを解決する目的で開発されたのが、アブラキサンです。アルブミンとパクリタキセルを結合させたアブラキサンはアレルギー症状の原因となりうる薬液を使用しておりませんので、アレルギーの観点からは安全に使用できる可能性が高いです。主治医の先生に、アブラキサンの使用は可能かどうかをご確認くださいませ。応援しています。(文責:高橋)

 

No.11341-2】  14年04月27日    C.S. 
今後の治療について

以前No.11341で解答を頂いたものです。ご丁寧に解答頂き、感謝いたします。度々申し訳ありませんが、再度質問をさせて頂きます。
ドセタキセル+ハーセプチンの入院での初回投与でドセタキセルに変えて間も無くアレルギー症状が出てしまい、投与が中止になってしまいました。今後の治療に関して、予定していたドセタキセルを全て中止するとのことだったのですが、退院前に、アレルギー症状か副作用か難しいところだから3週間後にもう一度トライしてみるとのことで、4月21日にトライしましたが、結局ドセタキセルに変えて2~3分でまた症状が出てしまい、投与中止になってしまいました。4月21日に投与前に主治医と話をした際、投与中止になった分も1回と数えると言われました。私は一から仕切り直しで投与期間が延びるものだと思っていたので、ほとんど投与出来てないのに、それも1回なんて、ただ治療の回数が減っているようにしか思えませんでした。抗がん剤投与中止になった場合、このような数え方をするのが普通のことなのでしょうか? また、次回の投与予定日にハーセプチンのみでいくか、他の薬を考えるかのお話をするので以前ご回答頂いたお薬の話をしようと思っていますが、他の薬に変更になった場合も同じような数え方をするのでしょうか? その薬が使えなかった場合、ハーセプチンのみの投与でも問題はないのでしょうか? 治療が上手く進まず、予定していた治療ができなくなってしまうかもと思うと不安ですが、主治医にしっかり話しができるよう、お力を頂ければ幸いです。お手数をおかけ致しますが、よろしくお願いします。

アンスラサイクリン(FEC)→ハーセプチン+タキサン→ハーセプチン1年の残り+ホルモン療法が標準です。あなたの積極的なお気持ちであれば、ハーセプチン+アブラキサンを12週行なう方がよろしいと思います。担当医にご相談ください。(文責 徳田)

 

No.11340】  14年03月25日    S 
タスオミンの副作用か?

昨年4月左乳頭腺管癌で左乳房全摘、昨年5月よりタスオミン20mg朝1錠服用中です。今日、先月やった市の子宮ガン検診の子宮頸癌・体癌の結果を聞きに行ったところ、体がんのほうで、「細胞診断は陰性だけど、軽度の核腫大あり」とのことで、3ヵ月後また検査しましょうと言われました。タスオミン錠の副作用で子宮体がんになりやすいとのことで、すごく不安です。細胞診の軽度核腫大って、なんですか?

質問有り難うございます。タモキシフェンの内服により、ごくわずかではありますが子宮体癌のリスクが増えます。子宮体癌の検診に関しては賛否両論あるようですが、今回は、「軽度の核腫大」とのこと。これは、正常の細胞には無い変化で、炎症や、ウイルス感染などでも見られますが、癌が存在したりすると、「核異型」といって、核の顔つきが変わってきます。おおまかに言えば、「核異型」の中に「核腫大」が含まれると考えてもいいとは思いますが、今回の結果は、「核腫大が軽度」で「細胞診は陰性(良性ということ)」ですので、炎症があるのか、やや核は腫大して変化しているものの、細胞診は陰性なので、心配ない変化と考えます。(文責 鈴木)

 

No.11339】  14年03月25日    C 
これからの治療について(HPNo.11325-2)

回答ありがとうございます。自分の病理の結果で不安がありましたので、最初に担当医にきちんと質問すべきでした。 リンパ節転移あり、グレード3の場合、TC療法とホルモン療法で標準治療ですか。他の抗がん剤は必要ないですか? 徹底的にガン細胞をやっつけたいです。

質問有り難うございます。乳癌術後の補助化学療法は、一般的にアンスラサイクリン系薬剤(一般名エピルビシン、商品名ファルモルビシン、略語Eや、一般名アドリアマイシン、商品名ドキソルビシン、略語A)が含まれるFEC、CAF、EC、ACなど(Fは5FU、Cは一般名シクロフォスファミド、商品名エンドキサン)のレジメンを行ったあと、タキサン系薬剤(一般名ドセタキセル、商品名タキソテールや、一般名パクリタキセル、商品名タキソール)を行うFEC-T、CAF-T、EC-T、AC-Tなど(一般的にアンスラサイクリンを含むレジメンと言われる。最近では、タキサンを先に行う施設もある)や、最近ではアンスラサイクリン系薬剤の心毒性(アンスラサイクリンで心機能の低下が起こることがあり、治りにくい)を懸念して、TC療法(ドセタキセル+シクロフォスファミド)も汎用されています。TC療法4サイクルは、AC4サイクルに比べ、治療効果が高いことが証明されていますので、日常診療でも良く使われています。ただ、現状、最も効果が高いとも言われるアンスラサイクリン→タキサンの治療効果と、TC4サイクルとの比較データがありませんので、アンスラサイクリン→タキサンを使われる先生も多いかと思われます。従って、現状行われた治療(TC療法→ホルモン療法)は、きわめて標準的で問題のない治療といえます。他の抗がん剤も必要ありません。(文責 鈴木)

 

No.11338】  14年03月25日    K 
今後の治療について(HPNo.11241-4)

お忙しいところ申し訳ありません。以前、No.11241で相談させていただいたものです。今回、EC8回後の次の治療を決める際のことでお聞きしたいのですが、主治医からホルモン剤に切り替えるか抗がん剤を続けるかと聞かれています。今現在、cCRなのですが、pCRになる可能性を少しでも増やすためには、1種類(ECのみ)の治療で抗がん剤治療を終えるより、2種類(プラス、タキサン系)した方が確率が高くなるのではないかと思うのですが、どうなのでしょうか? ホルモン剤は増殖の抑制効果はあると聞きますが、抗がん剤のように癌を死滅させる効果はないのでしょうか? あと、治療のことではないのですが、主治医に直接聞きにくいのでここでお聞きしますが、夫婦生活はしても大丈夫でしょうか? その場合、何か注意することはありますか? よろしくお願いします。

質問有り難うございます。まず、大変な治療をお受けになり、結果が伴っているようで安心しております。さて、この後の治療ですが、stage4にしても、再発乳癌にしても、化学療法、ホルモン療法に終わりはなかなか見出せません。効くからやる、やったから効いた、効いたので続ける・・といった具合です。したがって、どちらの治療をしても長く続ける必要があります。現状、cCR(clinical complete response、ときにremission)という、完全奏効(完全に消えた、ただし画像上ですので、見えない癌細胞は潜んでいるものとご理解下さい)の状態ですので、次の治療薬を用いた時に、治療効果の判定が難しくなります。先に書いたように、頑張ったので消えています、消えているのでもう3ヶ月頑張りましょう、その調子でもう3ヶ月・・といった具合に継続することになります。抗がん剤を行った場合、継続すればするだけ副作用は強くなってくるのが一般的ですので、どこかで中止、休薬が必要なこともあると思います。したがって、抗がん剤を用いても良いのですが、長く継続したときの副作用、という観点からすれば、ホルモン療法で身体を休める、という考えもあるかと思います。もし、現状、さほどつらい症状がないのであれば、タキサン系の抗がん剤(ドセタキセルなら3w毎に4回、パクリタキセルなら毎週で12回)を使用して、その後、ホルモン療法でメンテナンスを行うというやり方も間違いではありません。現状の副作用の有無、効果判定の難しさ、ということからすればホルモン療法を行い、効果が乏しいようであれば、抗がん剤の変更する、というのが良いのかもしれません。よくご相談の上、決めて下さい。
今回、ECを8回とのことですので、この治療は、どちらにしても終了です。心臓の働きがわるくなることがあります。動悸、息切れを感じる時は、主治医に連絡をして下さい。(文責 鈴木)

 

No.11337】  14年03月25日    M.K.
オンコタイプ結果について(HPNo.11043-4)

No11043で何度かご相談をさせていただいております。いつも解りやすいご説明をいただき、大変感謝しております。間もなく右乳房全摘出手術から1年が経ちます。今更ですが、以前に検査をしたオンコタイプの結果について疑問が出てしまい、教えていただきたいのですが、再発率5%(95% CI:3%〜7%)のカッコの中は、どんな意味なのでしょうか。その他の結果はER=9.9 PR=8.6 HER2=9.4 Breast Cancer Recurrence Score=5 です。お忙しいところ申し訳ございません。宜しくお願いいたします。

質問有り難うございます。これは難しい話しですので、「95%信頼区間」とでも検索されたほうが、いいのかもしれません。むしろ混乱する回答がwebにたくさん出ています(笑)。何人かの方の再発率を調べた時に、ばらつきが生じます(人それぞれです)。それらが、3〜7%の間に収まる確率が95%という解釈でしょうか。この3〜7が小さいばらつきの方が、統計上は信頼おけるデータということになります。この分野、一般の方は、あまり深入りしないほうがいいのではないかと。自分の理解も間違っているかもしれないです(笑)。(文責 鈴木)

 

No.11336】  14年03月25日    I.S.   
胸のしこり

私は25歳です。昨年10月にしこりを見つけマンモグラフィと超音波と触診をしましたが、特に異常は見られませんでした。そして昨日、新たに胸をつまむと、グリッとしたものがありました。つまむとあるのです、普通に触る分には見つかりません。つまむとやはり乳腺に触るのでしこりと感じることがあるのかなと思いますが、心配ないでしょうか? 10月に検診をしているので心配しなくても大丈夫ですか? こんな短期間でしこりが出来て癌になることはないですよね? 身内に乳がんの人がいるので、とても過敏になってしまいます。

質問有り難うございます。つまんでしこりがあるものの、普通に触るとはっきりしない・・・これは、硬い乳腺を触っている可能性が高いと思います。昨年の10月に検診を受けたから大丈夫とは言い切れませんが、年齢的にみても、あまり心配な症状ではないと思います。気になるようでしたら、検査を受けてはいかがでしょうか? (文責 鈴木)

 

No.11335】  14年03月20日  T  
乳管内乳頭腫

ご相談させてください。2012年11月、3〜4年前からあった乳腺腫瘤の超音波画像が悪性の疑いありで、針生検をしました。結果、乳頭腫、閉塞性腺症、嚢胞を含む乳腺症でした。しこりが3センチほどあり、画像上疑いが強いとのことで、2013年2月にマンモトームを受け結果、乳頭状に増殖する上皮細胞の核が軽度肥大し、細胞質が豊かになった部分があり、グレー判定。病理のセカンドオピニオンで、乳管内乳頭腫でした。2013年8月に再度マンモトームを受け、結果硬化性腺症といった乳腺症を認め、その中にフラットタイプの異形乳管上皮を認めますとあり、今経過観察中です。医師には、このままマンモトームをしつつ経過観察していくか、しこり部分を切除生検して、より詳しく病理検査するかと言われています。

1) 2度もマンモトームをして、良性だと安心していいのか。
2) 切除生検は組織を複雑化させるから、しこりが良性で経過観察を終え、その後癌になった場合、見つかりにくいのか。
3) 切除生検のデメリットは何か。
4) フラットタイプの異型乳管上皮は、前癌状態であるのか。

切除生検した方がいいのか、マンモトームしながら経過観察で大丈夫なのか悩んでいます。長文、申し訳ありません。よろしくお願いします。

1)  原則としてマンモトーム生検で怪しい部分の一部を切除していますから、良性と判断されれば安心してよいと思います。しかし、絶対に安心かと言われれば、乳腺症の一部にがんがあったとか、刺した針がずれていた等、稀な事象もありますから、絶対に安心とは言いきれません。ですから、どこの施設でも、生検後も定期検診を勧めていると思います。
2)  切除生検は組織を複雑化させることはありませんが、切除した部分はいわゆる“傷”になりますから、瘢痕化して固くなります。そうすると、触診でその部位に固いがんができたかどうかはわかりにくくなります。
3)  切除生検のデメリットは切開した傷跡が残ること、2)に書いた瘢痕化の問題です。
4)  フラットタイプの異型乳管上皮という病理所見は前癌状態ではありませんが、長期観察の結果、通常の乳管上皮過形成よりがんになった人が多いことがわかり、長期の経過観察が必要と言われています。(文責 清水)

 

No.11334】  14年03月20日  k・m  
抗がん剤治療について

50歳の女性です。現在手術が終り、入院中です。手術前検査はルミナルAで腫瘍サイズ7x6x4と小さかったのですが、温存手術中のセンチネル検査で1/2陽性の為、脇リンパ節削除しました。現在病理結果待ちですが、1個でもリンパ転移が有った場合は抗がん剤治療となるのでしょうか? それとも他のグレードやki67などの総合から、避けられる事があるのでしょか? 出来れば抗がん剤は避けたいので、今とても不安がな気持ちです。どうかよろしくお願い致します。

まず最初に、抗がん剤は避けたいというお気持ちはわかりますが、術後の治療を決める時は、その気持ちを抑えて抗がん剤を行うメリットとデメリットをしっかり評価してから判断して下さい。その時に、もちろん“自分は抗がん剤をしたくないという気持ち”がデメリットの一部になりますが、メリットがその気持ちを上回るかどうかをしっかり考えて下さい。
一昔前はリンパ節転移が一つでもあれば必ず抗がん剤治療を勧めていましたが、subtypeの概念(乳がんはLuminal A,B,Her2,triple negativeの4つに亜分類される)が定着してきた最近の考え方では、Luminal Aの場合は化学療法の効果があまり高くないことがわかってきたので、リンパ節転移があってもホルモン療法だけで良いのではないかという考え方もでてきています。主治医の先生とよく話し合って、納得できる治療を選択して下さい。(文責 清水)

 

No.11333】  14年03月20日   D
悪性葉状腫瘍について

昨年夏に、葉状腫瘍で腫瘍の摘出手術を受け、病理の結果、悪性葉状腫瘍でした。その後経過観察をしていましたが、2ヶ月後再発し、大胸筋まで浸潤していたので、乳房と大胸筋の全摘出をしました。その後2ヶ月ちょっと経つのですが、3週間前から胸部の骨(体の中心側)が刺すような痛みがあります。病院に行き、超音波検査をしましたが、特に異常はありませんでした。その後内科にかかることがあったので、聞いてみたら、筋肉痛だといわれました。内臓ではないとのこと。大胸筋が無いので、肋間の筋肉などに負担がかかっているのでしょうとのこと。動かさなくても痛いのですが、骨転移という可能性はあまり考えられないのでしょうか? 再発の時もそうでしたが、出来たら大きくなるのが早いのですが、骨転移でも、しこりのように表面に膨らみが出るのでしょうか? 転移は、もっと違う症状なのでしょうか? あまり心配じゃなさそうなので。よろしくお願いします。

悪性の葉状腫瘍で、2ヶ月で再発したとのこと、かなり悪性度の高い腫瘍であることが伺われます。そう言った意味で、今回の症状も転移再発の初期兆候の可能性がないとは言いきれないと思います。慎重に経過をみてください。(文責 清水)

 

No.11332】  14年03月20日   オレンジ
今後の治療について

40代、閉経前の既婚者です。先月中旬に、右乳房の全摘出手術をうけました。先日、病理検査の結果が出ましたので、今後の治療方針のアドバイス、宜しくお願いします。

侵潤乳管癌 ly2,v1
Nuclear atypia 2 Mitoic counts 3
ki67 陽性細胞:20%−50%
ER陽性細胞:50%以上
PgR陽性細胞:50%以上
HER2/neu:1+
センチネルリンパ節:0/1
乳腺:周囲との境界明瞭で、結節状に増殖する腫瘍。小胞巣状〜微小乳頭状増殖を示す
Invasive ductal carcinoma の所見で面ぽう?壊死を伴う Ductal carcinoma in situ(DCIS)
成分を混ずる。背景乳腺には Columnar cell change without atypia,Epitheliosis,Blunt duct adenosis,Fibroadenomatous lesion,Cyst 等の所見を認める

医師の説明と自分なりに調べた知識からも、あまり性質の良いものではないことはわかります。今はタモキシフェンの服用が始まりました。今後ホルモン剤の種類が増えたり、抗がん剤による治療も必要になってくるのでしょうか? 副作用のリスクを背負ってまで使用していく必要性を理解した上で決めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

基本はホルモン療法(Tamoxifen(ノルバデックス)5年内服+/-ゾラデックスもしくはリュープリン2年)です。問題は化学療法を行うかどうかどうかです。貴女の場合、いわゆるLuminal Bと呼ばれるタイプですから、現在は化学療法を併用することが勧められます。しかし、化学療法はご存知の通り脱毛等の副作用が強いことが知られており、そのメリット(生存率が高くなる)と副作用を天秤にかけることになります。化学療法のメリットをできるだけ正確に知るためには、上記の情報以外に年齢、腫瘍径がわかればAdjuvant OnlineのDATA(少し古いデータになりますが)を参考にする方法と、高価ですがOncotype Dxという遺伝子検査を使う方法もあります。(文責 清水)


 

No.11331】  14年03月20日   M.T. 
乳がん検診

41歳主婦です。先日、初めて乳がん検診を受けました。触診、マンモグラフィは異常なしでしたが、超音波で右乳腺に境界明瞭粗雑な低エコー腫瘤が認められ、血流シグナルは内部に認められるとの事でした。もう一度超音波の検診(二次)をする事になりました。カテゴリー4でした。触診、マンモグラフィで異常なくても、超音波で具体的に診断されたら、信ぴょう性があるのでしょうか? ちなみに、9カ月前に肺カルチノイド(ステージ1A)で、右肺1/3切除しました。転移から来ているものなのでしょうか? 家族の事もあるので、ある程度見通しを決めたいので、情報を教えて下さい。宜しくお願いします。

触診、マンモグラフィー、超音波検査の全ての所見が悪性を示唆していれば、がんである信憑性は高く、3つの検査の所見がいずれも悪性でないというならば、がんでないという信憑性は高くなります。いずれか一つが悪性であるといっている場合、いずれか一つが悪性でないといっている場合は、細胞診や組織診を行ったり、経過観察をして慎重に診断を進めます。(文責 清水)

 

No.11330】  14年03月18日   M 
抗ホルモン剤について

抗ホルモン剤の効果について教えてください。12月に温存手術を受けました。51歳、閉経前です。手術より少し前の12月1日からタモキシフェン(ノルバデックスのジェネリック)を服用しています。ちょうど三ヶ月になりますが、きのう三回目の生理が始まり、少し驚いています。抗ホルモン剤の副作用としてホットフラッシュや生理不順などがあげられていますが、私は今のところ何の副作用もありません。ホルモン受容体は、ER80%, PgR60%、HER2は 0%、Ki-67 21%で、現在放射線治療中です。抗ガン剤治療はしていないので、全身治療としてはタモキシフェンが頼りだと思うのですが、次の二つの点を教えてください。

1) 全く副作用がなくても、癌細胞には効き目がでているのでしょうか。
2) ジェネリック薬品の場合には、人によって効き目が違ったりするのでしょうか。

よろしくお願いします。 

1) 副作用と効果は原則として関係ないと言われています。
2) オリジナルの薬品でもジェネリック薬品でも薬効のある成分は変りませんから、効果は同じと考えられています。本当にそうかどうかを確かめるためには臨床試験が必要ですが、国の法律で、それは行わなくても良いことになっています。ですから、中には効果に一抹の不安を覚える医師(ジェネリックを嫌う医師)もいるのです。(文責 清水)

 

No.11329】  14年03月18日   T 
病理結果&生存率 

質問させて下さい。病理結果は以下の通りです。全摘手術後、TC療法4クールを終え、現在ホルモン療法(ノルバデックス)を飲んでいます。

1)TF:3,NM:1,NA:2,HG:2の詳しい意味を教えて下さい。アルファベットが何の略かという事と、数字の度合いを教えて下さい。
2)無治療、ホルモン療法単独、化学療法単独、両療法併用した場合の10年生存率を教えて下さい。

よろしくお願い致します。

■ invasion25mm,total32mm
■ Histological type
(1)invasive ductal carcinoma (2)scirrhous carcinoma ■ Invasion:f ■ ly:+ ■ v:- ■ Surgical margin:X ■ Lymph node:1(-),2(+.ITC),3(-),4(+.ITC.FR)

■Comments:
TF:3, NM:1, NA:2, HG:2

■ki67: 30.4%

【術前の針生検の結果】
HER2: score1、 ER: score3b(Alled score7)、 PgR: score3b(Alled score8)

1) TF:Tuble Formation 腺腔形成度。NM:Nuclear Mitosis 核分裂数 NA:Nuclear Atypia:核異型度。いずれも高、中、低の3段階で表現します。TFは高いと1低いと3、NMは少ないと1多いと3、NAは異型が弱いと1強いと3です。3つの因子の合計点がHG:Histological Grade 組織学的悪性度(いわゆるグレード)で、合計点数が3〜5点はHG 1、6〜7点はHG 2、8〜9点がHG 3です。
2) 年齢がわからないので40歳とさせていただきました。無治療 83%、ホルモン療法のみ88%、化学療法(TC)のみ 90%、両方 92%でした。40歳より年齢が上であれば、他病死の率が少し高くなるので全体に少し下がりますが、その差は変りありません。(文責 清水)

 

No.11328】  14年03月18日    K 
今後の状態について

初めて相談させて頂きます。60才で左乳頭腺管癌の手術後、1年を過ぎました。手術後の診断は、乳頭腺管癌、核異形型度3、 浸潤経14ミリ、断片陰性、g,Ly(0)v(0)、 ERー0% 、PgRー0% 、 HER2/neu score0 kiー67 LI70% 、腫瘍細胞はp63小数陽性、Ck5/6陰性、 術後に主治医の説明の時に頂いたものです。その時、主治医は、「やんちゃくれな顔つきの癌だから、TC療法3週間を4サイクルと25回の放射線治療をしましょう。」と言うことでした。副作用もありましたが、無事終了して、今無治療の状態です。全く乳癌のことに知識もなく、告知から全治療が終わるまで無我夢中で、今無治療になって色んな本を読んだり、インターネットで調べたり、同じように病気になっている方々のブロクを読んだり、自分なりに勉強しました。ただどうしても解らない事があります。比較的予後の良い乳頭腺管癌、ステージ1で、リンパ転移なし、 でもトリプルネガティブ乳癌は予後が良くない。再発転移が速い。年齢的にも、少し体調が良くないと再発か?と気になってしまいます。主治医に聞ければ良いのですが、6か月後になって先生の前に座ると、頭が真っ白になって固まってしまいます。私の癌の状態は10年後も元気で要られるのでしょうか? すみません、初歩的なことで宜しくお願いします。

初歩的ですが、一番難しい質問です。答えは“わかりません”です。がんでない人も10年後に元気でいられるかどうかわからないのですから。(文責 清水)

 

No.11327】  14年03月18日    C 
悪性度の高いガン

初めてメールさせていただきます。現在37歳です。1月半ばに胸にしこりと痛みを感じて検査を受け、乳ガンと診断されました。その後転院し、詳しく検査した結果、トリプルネガティブであること、核異型度3、ki67 90%と、悪い結果ばかり出てきて、落ち込んでいます。腫瘍径は13ミリで今の所リンパへの転移はないそうです。術前抗がん剤治療を行うことになり、FEC4回、タキソテール4回と言われています。
1)かなり悪性度が高いように思うのですが、根治する事は可能でしょうか?
2)抗がん剤の種類が色々あるようですが、私のガンのタイプでは、この抗がん剤と回数で良いのでしょうか?

悪性度が高いことが気になり、心配でたまりません。よろしくお願いいたします。

1) 確かに悪性度は高そうですが、根治できる場合もありますし、できない場合もあります。
2) 現在あるエビデンスでは、この治療選択は最善と考えます。(文責 清水)

 

No.11326】  14年03月18日    M
主治医の所見と病理結果

私は今年1月に右乳房を全摘した48才の乳がん患者です。病理結果は、非浸潤性乳管癌 ・リンパ節転移数 0 ・ ER 2 P&R 6 HER2 2+ ・断端陰性 でした。乳管の中を広く癌細胞が広がっていたので、5年間ノルバデックスを飲んで下さいと言われました。術前のCT・MRIなどで広範囲に広がっているの分かっていたので、ホルモン療法は納得しているのですが、電子カルテに、主治医のコメント? 所見?のようなものが書いてあり、読んでしまいました。標本を見ると、浸潤性癌に近い見た目、浸潤していてもおかしくない状態、今後の生命予後の為にホルモン療法は必要と書いてありました。病理結果は非浸潤性で、「主治医は浸潤性に近い見た目って何???」となって、頭の中がパニックになりました。もし浸潤していたら、抗がん剤を使ったほうがいいんじゃないかとか、非浸潤性という結論はまちがっているんじゃないかとか、疑心暗鬼になっています。 
病理結果は、病理医のみの判断ですか? それとも主治医や複数の医師も見ての判断になるのですか? また、浸潤があった場合の為に、ホルモン治療だけで大丈夫でしょうか? うまく思っていることが文章にならず、読みずらくなりました。申し訳ありません。どうかよろしくお願いします。

病理診断は病理医が責任をもって行います。自分で病理標本を見る外科の先生もいます。浸潤か非浸潤かの疑問は、主治医に聞いてください。その後の治療も主治医とよく相談して下さい。(文責 清水)

 

No.11325-1】  14年03月18日     C
これからの治療について

今年38歳になります。本年1月末に左乳房全摘、3月初めから抗がん剤TC療法を始めました。
術後病理結果
・浸潤性乳菅癌 2.8×2.6×1.1cm(乳頭直下まで癌の進展あり、広がりは術前では4.6cm位あると言われていたのですが、術後病理結果ではもっと広がっていたという感じです。)
・リンパ節転移あり 2/14個   ・核異型度 3  ・ki67 10〜15%  ・エストロゲン プロゲステロン 強陽性  ・HER 陰性  ・リンパ菅に侵襲ありだそうです  ・脈管はなしだそうです

詳しい病理結果は頂いてなく、先生が私に分かりやすく書いてくれた結果をそのまま写しています。中間リスク乳癌と言われました。他の先生ならホルモン強陽性なのでホルモン療法だけでいいと言われるかもだけど、リンパ節転移ありで、グレード3、年もまだ若いという事で、化学療法を勧められました。ホルモン療法は絶対、抗がん剤は担当医も勧めるし、私も体の中にある癌細胞をなくしたいので受けました。 自分と同じような病理結果の方のブログをみたりしていると、ほとんどの方がFEC療法とTC療法をしています。私も今TC療法をしていますが、副作用が余り強くなく、本当に効いているのかと不安があったりしています。FEC療法の方が効果があったりしますか。また、ホルモン強陽性なので、TC療法を4クール終わらせて早くホルモン療法をしたほうがいいのでしょうか。グレード3なのにki67が低いのも、なんだか矛盾している感じもします。今からセカンドオピニオンするのは、もう遅いですか。

治療法について考えたり悩んだりするのは、治療を受ける前にしましょう。一度決めた治療は、決めた自分を信じるしかありません。どの治療が良いかという問いに対する絶対的な正解はありません。急いでホルモン療法に移る必要はありません。できる治療、するべき治療を一つずつ行っていくことが大切です。一般的にはグレードが3であればki-67は高値になることが多いのですが、そうでないこともよくあります。2nd opinionを受ける場合は、2nd opinionを何の目的で受けて、意見を聞いたあと自分はどうするのかをよく考えてから受けるのがよいと思います。ですから、現在の状態で、何について2nd opinionを受けるのでしょうか?(文責 清水)

 

No.11325-2】  14年03月25日     C
これからの治療について(2)

回答ありがとうございます。自分の病理の結果で不安がありましたので、最初に担当医にきちんと質問すべきでした。 リンパ節転移あり、グレード3の場合、TC療法とホルモン療法で標準治療ですか。他の抗がん剤は必要ないですか? 徹底的にガン細胞をやっつけたいです。

質問有り難うございます。乳癌術後の補助化学療法は、一般的にアンスラサイクリン系薬剤(一般名エピルビシン、商品名ファルモルビシン、略語Eや、一般名アドリアマイシン、商品名ドキソルビシン、略語A)が含まれるFEC、CAF、EC、ACなど(Fは5FU、Cは一般名シクロフォスファミド、商品名エンドキサン)のレジメンを行ったあと、タキサン系薬剤(一般名ドセタキセル、商品名タキソテールや、一般名パクリタキセル、商品名タキソール)を行うFEC-T、CAF-T、EC-T、AC-Tなど(一般的にアンスラサイクリンを含むレジメンと言われる。最近では、タキサンを先に行う施設もある)や、最近ではアンスラサイクリン系薬剤の心毒性(アンスラサイクリンで心機能の低下が起こることがあり、治りにくい)を懸念して、TC療法(ドセタキセル+シクロフォスファミド)も汎用されています。TC療法4サイクルは、AC4サイクルに比べ、治療効果が高いことが証明されていますので、日常診療でも良く使われています。ただ、現状、最も効果が高いとも言われるアンスラサイクリン→タキサンの治療効果と、TC4サイクルとの比較データがありませんので、アンスラサイクリン→タキサンを使われる先生も多いかと思われます。従って、現状行われた治療(TC療法→ホルモン療法)は、きわめて標準的で問題のない治療といえます。他の抗がん剤も必要ありません。(文責 鈴木)

 

No.11324】  14年03月18日     M
今後の治療方法について (HPNo.11318-2)

ご丁寧に質問への返答をいただきまして、誠にありがとうございました。とても判りやす説明で、不安が和らぎました。本当にありがとうございました。今後何か困った事がありましたら、相談させていただけると幸いです。最後に、簡単な質問を2つさせてください。

1) 卵巣切除に伴う合併症の確立はどれくらいなのでしょうか? 頻繁にあるのですか? (切開と数か所穴をあける方法で違いはありますか?)
2) 検査結果の読み方が判りません(説明もなし)、私の場合は、将来再発転移する可能性はどれくらいですか?

何度も申し訳ありませんが、宜しくお願い致します。

1) 申し訳ありませんが、卵巣手術に関しては婦人科の先生にお聞きになって下さい。そんなに危険な手術だとは思いませんが。
2) 日本とは違う検査もしているので、全てを読み解くことはできませんが、世界的に標準となっている検査から類推して、10年生存率は、内分泌療法を5年行った場合で96%、他病死2%、乳癌死2%で、術後何も治療をしなかった場合でも10年生存率は95%、乳癌死3%でした。(文責 清水)

 

No.11323】  14年03月18日     S
肺(胸膜?)への転移の可能性

以前にも何度か相談させて頂きました。またよろしくお願い致します。現在72歳の母です。一昨年の12月に右胸全摘手術を受けました。病理の結果、腫瘍の大きさ…6.5センチ、リンパ節転移…11個中8個、核異型度3と、かなり高リスクの為、1月末より抗がん剤治療(AC →ウィークリータキソール)を行いました。去年6月の術後半年のX線検査で肺に水が見つかり、タキソール12回の予定のところ10回で終了し、ホルモン治療となりました。その後予定されていた放射線治療は行わず、今は1〜2か月に1回程、血液検査と胸部X線検査の為、通院しています。CEAは、抗がん剤治療をしている時は4→2.1→2.6→4.9と、ぎりぎり基準値内でした。ホルモン治療を始めてからは、右肩上がりに上がっていき、一時は15近くまで上がりましたが、その後下がり、今は基準値内です。今月初めに行ったX線検査でも、肺の水は全く変わらず、少量ながらも、あるそうです。何度かCT検査もしましたが、癌かどうかはっきりせず、少量なので水を抜いて調べることも出来ず、腫瘍マーカーが下がっていることから、ホルモン治療で様子を見ている状態です。癌でお世話になっている病院で肺の水が見つかったのは術後半年の検査でしたが、術後1ヶ月の時に他の病院でレントゲンを撮ったのですが、後で聞いたところ、その時には既に肺に水がある状態だったそうです。ちなみに術前の検査では、特に異常はありませんでした。6月から何度もX線やCT検査をしてきましたが、「全く変化がないから分からない」と、主治医は言います。こんなグレーな状態が一年近く続き、今日母と会ったら、咳をしていて、本人は風邪をひいたと言っていましたが、「もしかしたら、肺転移の症状が出たのでは?」と、ちょっとしたことで心配になってしまいます。やはり肺(胸膜?)への転移の可能性が高いのでしょうか? その場合、1年以上も全く状態が変わらないなんてことがあるのでしょうか? 腫瘍マーカーは1年間で上がったり下がったりしているので、もし転移だとしたら、何かしら変化があってもいいかと思うのですが、本当に全く大きさなども変わらないそうです。こんな状態で、転移以外で肺に水がたまる原因が他に何かあるのでしょうか?

胸水が溜まった場合は、乳がんの転移の可能性がありますが、高いとは言い切れません。再発の症状が一年間変わらないということもあり得ます。ただ症状もしくは検査所見が変化なく過ぎる時間が長くなれば長くなるほど転移の可能性は低くなります。乳がんの転移以外に、炎症、心臓の働きが悪い場合など、様々な原因が考えられます。現時点では、心臓の検査を受けてみることをお勧めします。乳がんの再発が一番心配でしょうが、疑いがあるというグレーな状態に変わりはありません。現時点で白黒つける方法はありません。白でも黒でもグレーでも、お母様が元気にしていることが大切ではないでしょうか。(文責 清水)

 

No.11322】  14年03月18日     K
CA15-3上昇について(HPNo.10930-2)

丁度1年前に、10930で相談にのって頂きました。ありがとうございました。1月にMRI、CT検査をして異常なしの結果にほっとし、帰宅したのですが、CA15-3は高い数値のままです。その後1年間30〜29〜26〜30でしたが、先生は何もおっしゃらなかってのですが、32になってしまい、転移したのかしらと心配になっています。CEAは0.6〜1.4の範囲です。これからどのようにすればよろしいでしょうか? ご指導お願い致します。

腫瘍マーカーは再発があっても基準値以下のことがありますし、再発がなくても基準値をこえることもあります。ですから現在の乳がん診療ガイドラインを見ると、術後経過観察のために定期的に腫瘍マーカーの検査をすることは推奨されていません。どうしてでしょうか? 考えてみてください。いまCA15-3が26だった人が、3ヶ月後に32になったとします。26の時は再発がなくて、32では再発があるというのはおかしくありませんか? 再発があるのならば、26の時にもあったはずですよね。ですから、再発転移があるかないかを正確に知る方法はない(CTやRIといった画像検査も同じこと)のです。ですから、極端な話、乳がんと診断された時から、自分の体の中には転移再発の芽があるのだと考えた方が良いのではないかとも考えられているのです。その再発の芽が育つのを少しでも遅くするために、その方にあった様々な治療を行うのです。(文責 清水)

 

No.11321】  14年03月12日     K
全摘手術の方がいいのでしょうか?

乳癌の大きさ3.5センチ、悪性度70%、リンパ節転移無しです。術前化学療法でアブラキサンとハーセプチンを四回投与して、先日CTと、MRI、エコーで検査した結果、殆ど癌が消えている状態で、残骸が見える程度と言われました。
今後FECを四回投与して手術の予定です。効果があれば温存手術も可能だと言われました。今後の再発率などを考えたら、全摘手術の方がいいのでしょうか?

ご相談ありがとうございます。現在Kさんは術前化学療法中ですね。辛いこともあるかと思いますが、かなり効果が認められているようなので、頑張って最後まで続けて頂きたいと思います。
さてご相談のお返事ですが、治療効果が高く、温存手術が可能であれば、全摘の必要はありません。ただ、し温存手術の場合は、残した乳房への放射線治療はぜひお受け頂きたいと思います。この放射線治療により、局所再発率や生存率が改善すると報告されています。FEC療法終了後に再度癌の状態を確認されると思いますが、温存手術が可能なのであれば、あえて全摘手術をお勧めする理由はないと思います。(文責 斎藤)

 

No.11320】  14年03月12日     N 
今後の治療方針(HPNo.11278-3)

【No.11278】で相談させていただいたものです(妻48歳の相談)。いつも拝見させていただいております。
小脳遠隔転移の術後のPET-CTの結果、転移巣はありませんでした。原発巣と遠隔転移の病理結果に変化があり、今後の治療方針を主治医と相談することになっております。

【原発巣】平成21年2月:左乳房全摘出+リンパ節郭清腋
 ・腫瘍径:1.8cm×1.2cm
 ・種類:浸潤性乳頭腺管がん
 ・切除断端:陰性
 ・波及度:脂肪
 ・リンパ節転移:24/25
 ・リンパ管浸襲:ly++
 ・血管浸襲:v0
 ・ER:2+
 ・PGR:3+
 ・HER2:−
 ・組織学的悪性度:3

【小脳単発遠隔転移】平成25年12月:摘出手術
 ・腫瘍径:5.6cm×3.8cm
 ・ER:3+
 ・PGR:+
 ・HER2:3+
 ・Ki-67:38%

HER2:3+ということもあり、ハーセプチン3週毎18回+タキソール4回のお話があがりましたが、bllood brain barrierにより、脳へは届きにくいため、脳に届きやすいラパチニブ+ゼロータも治療方針として候補にあがっています。
平成21年2月の術後は、抗がん剤治療(FEC+T)を経て、ホルモン療法(リュープリン皮下注射+ノルバテックス)を継続していました。現在はノルバテックスのみです。
そこで相談なのですが、以下の@からCの治療方針のうち、私はBかCを選択したいのですが、やはり、HER2:3+に変化したため、分子標的療法を導入すべきでしょうか? (ハーセプチンはホルモン感受性陰性のほうが、効くというのを見たことがありますが。。。)

@ハーセプチン3週毎18回+タキソール4回 →妻がタキソールによる脱毛を回避したいと言っている。
Aラパチニブ+ゼロータ →本当に脳に届くのか?
Bノルバテックスのみを継続。 →脳以外はコントロールされているから、そのまま継続し、小脳腫瘍摘出周囲はサイバーナイフ治療を受ける。
C閉経後の標準治療であるアロマターゼ阻害剤に切り替え。 →脳以外はコントロールされているから、閉経後の標準治療のアロマターゼ阻害剤に切り替え、小脳腫瘍摘出周囲はサイバーナイフ治療を受ける。

ちなみにBとCはHER2:3+に変化があったことに気づく前に主治医からお話が出た方針で、HER2:3+を確認した後は、@とAのお話があがりました。次回の通院時までに、主治医が院内の腫瘍内科医とも相談し、治療方針が提示される予定です。
以上、長文となりましたが、先生方の治療方針をお聞かせいただきたく、よろしくお願いいたします。

ご相談ありがとうございます。 私のお返事でNさんの奥様の治療に対する疑問が少しでも減れば嬉しく思います。
奥様の今後の治療方針を決めるのは大変難しいと思います。奥様に合う治療選択に役立つような過去の研究も少ないと思います。そのため、相談する医師によって、お返事も変わってくると思います。
以下内容は私の考えです。現在小脳以外には、画像検査では明らかな転移はありません。そして、小脳転移は手術で大部分が切除されています。そこで、脳転移と、脳転移以外の全身治療とに分けて考えたいと思います。脳に対しては転移腫瘍が5cm以上とかなり大きい腫瘍であったため、私は全脳照射が良いのではないかと考えます。ただし全脳照射とサイバーナイフどちらが良いかは、放射線治療の先生のご意見もお聞きになってからお決め頂きたいと思います。
さて全身治療ですが、明らかな転移部位はありませんが、顕微鏡でしか見えないような転移はあると考えて治療をすすめたいと思います。そのため、私は全身治療をかなり長期間続けたいと考えますので、副作用の少ないホルモン療法をお勧めしたいです。ホルモン療法の薬剤を何にするかは、現在の血中エストロゲン濃度を測定し、閉経前・後どちらなのかを確認して薬剤を選択したいと考えます。転移部位のHER2が3+と陽性なので、ホルモン療法にハーセプチンを追加するのは一つの選択肢かもしれません。
しかし、この場合のハーセプチン使用目的は、脳転移の予防や脳転移が良くなると期待して使うわけではありません。ぜひ担当医の先生とよくご相談して、治療をお受けになる奥様と、サポートされているご主人のお二人が後悔しない治療法を選択して頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.11319】  14年03月12日     M 
術後検診について

いつも参考にさせて頂いており、ありがとうございます。術後2年です。定期健診についてお伺いします。乳がん1期、グレード1、ly- v- で、温存、放射線、AI剤服用中です。血液検査は、半年に1度。1年目の検診は、胸部X線、血液検査、マンモグラフィー(健側)でした。2年目の検査も同じです。主治医に、手術した側のマンモをお願いしたら、やりたいならやったほうがいい位の感じでした。術側の局所再発や、新しくできたガンに対して、定期的な術側マンモの有効性はないのでしょうか? 

ご相談ありがとうございます。 私のお返事でMさんの疑問が解消されれば嬉しく思います。
乳房温存術後の手術をした乳房のマンモグラフィですが、早期発見は可能ですが、触診と比較して生存を延長するという効果は証明されていません。しかし治癒可能な局所再発の約半数がマンモグラフィで発見されているという報告があります。さらにカナダのデータでは、経過観察のマンモグラフィにより乳癌死が減少しているという報告があります。これらのいくつかの報告をまとめた結果、定期的なマンモグラフィは有用であるとされています。ただし、手術で残した乳房の大きさによっては、マンモグラフィの撮影にかなり苦痛を伴う方もいらっしゃいます。ご不安でしたら、ぜひ担当の先生に申し出て、手術側のマンモグラフィもお受け頂きたいと思います。(文責 斎藤)
 

No.11318-1】  14年03月12日     M 
今後の治療方法について

初めて相談させていただきます、現在45歳で、海外(小さな国)に10年住んでおります。42歳の時(2年9ヶ月前)に、乳癌手術を受けましたが、日本のようにお医者様からの詳しい説明はなく、検査、手術結果の紙を渡され、お医者様の言うとおりに治療が行われ、現在に至っております。医療事情も日本より遅れているでしょうし、最近の診察でお医者さんと意見が判れ、誰にも聞けず心細く、勇気を出して相談してみることにしました。皆さんが書いてるような検査記載が全部あるか判りませんが、判る範囲で記載させていただきます。
42歳の時に、右胸に浸潤と、その周りに非浸潤が見つかり、手術は部分切除で、センチネルリンパ節では転移はありませんでした。手術直後からゾラデックス注射を2年間続け、9ヶ月前に終了しました。その他、手術8週間後から放射線治療を25回受けました。現在は手術後から服用しているタモキシフェンのみです。検査は、一年に一度、マンモグラフィ、骨シンチ、胸レントゲン、内臓エコーと、半年に一度、胸のエコーをしています(血液検査等はなし)。ゾラデックスが終わってからは、癌科先生には3ヶ月に一度、手術した先生には1年に一度診てもらっているのですが、この間の診察(手術先生)で、卵巣を取れと1時間説教され、戸惑っている私に、「医者からは説明も聞いた、納得した、その上で処置を拒否しました」というものに署名までさせられました。実は、ゾラデックスが終了して半年後(昨年12月)に、止まっていた生理が再度始まりました。40日に一度位の割合ですが、生理かどうかを確認に行った婦人科先生から、タモキシフェンを服用しているのに生理が始まるのは危険と言われ、この手術した先生(産婦人科)にも、生理が始まったと言うことはタモキシフェンが効いてない可能性もあるし、エストロゲン受容体100%の私は卵巣を取るべきだとなったのです。ちなみに癌科の先生には再来週行くので、まだこの事は話していませんが、よく相談して返事するように言われました。こんな年にもなって恥ずかしいですが、もし可能性があるのなら・・・と、子供を諦めてなく、その話を先生にしたら、早いほうがいいから今直ぐに産みなさいとまで言われました。私の知識不足かもしれませんが、以前インターネット等で、ゾラデックスが終了して半年位で生理が戻ってくるのは普通と書いてあった記憶があり、その後に出産も可能では?と思っていました。最初は頑なに断っていましたが、ここまで説得されて危険だと言われると、この年になって妊娠も厳しいでしょうから、卵巣は取った方がいいのかと迷ってしまいます。そこで質問と相談なのですが、

1. 私の病状タイプだと、一般的に今後の治療はどのようなものになりますか?
2. ゾラデックスを終了して、半年後に生理が戻るのはおかしいのですか? タモキシフェンを服用中に生理がくると、タモキシフェンが効いてないという事ですか?
3. 卵巣を取らない時と取ったときのメリット、デメリットを教えていただけますか?
4. 出産すると、癌再発、転移の危険性が高まりますか? もし出産したいなら、現在治療中でも、タモキシフェンを止めてでも、出産した方がいいのでしょうか? それともタモキシフェン終了後がいいですか?
5. 日本だと色んな検査が行われているようですが、現在の検査に何か追加してもらった方がいいでしょうか?

長々と申し訳ございませんが、どうぞ宜しくお願い致します。

検査結果(現地語を、判る範囲で英語と日本語を交えて訳しました)

<手術前針生検>
Well-differentiated 高分化型浸潤がん(Nottingham Classification_grade 1, skore3 ) with presence of intraductal tumor component (DCIS) in the periphery.
(周辺に非浸潤がん)
T 0401, M 8500/3, G1, M8500/2
Calponin negativ__ negativity suggests the absence myoepithelial the periphery of invasive bearings E-cadherin__weak expression only in some tumor cells.(いくつかの腫瘍細胞のみで弱い発現)
Estrogen, Progesterone receptors_positive 100% in tumor cells.(陽性100%)
MIB1 proliferative activity__demonstrated in 10% of the invasive component of the tumor cells.(腫瘍細胞の侵襲性成分の10%)
CERB2__completely negative (完全陰性)

<手術後>
高分化浸潤性乳管癌 9x6x6 mm、T 04020, M85003, Bloom-Richardon skore 2+2+1=5, G1, C50, pT1b, N0(sn), MX, V

ご相談ありがとうございます。私のお返事でMさんの不安や疑問が少しでも減ればうれしく思います。
さてMさんの現在の治療ですが、ノルバデックスの内服のみをおこなっている状態です。そして生理が戻ってきてしまったのですよね。またMさんには挙児(妊娠と出産)のご希望もあります。まず今後の治療を決めるにあたって、乳がんの治療もしくは挙児どちらを優先すべきか決める必要があると思います。挙児を優先するのであれば、妊娠が難しいお歳になってきていますので、タモキシフェンもすぐに止めた方が良いと思います。タモキシフェン終了後約2ヵ月は妊娠は避けるべきとされています。妊娠が乳がんの再発リスクを積極的に高めるという報告はありません。乳がんの治療を優先するのであれば、採血で女性ホルモンの値を測定し、血中エストロゲンが高値であれば、ゾラデックスを再開するのも一つの治療法と考えます。しかし「ゾラデックス+タモキシフェン」と「タモキシフェンだけ」の比較は、2つのお薬を使用した方が良いという明確なデータはありません。さらにゾラデックスをどれくらい続けた方が良いというデータもないため、タモキシフェンのみを継続するのも一つの方法です。卵巣を手術的に切除する場合の利点は、確実に卵巣由来の女性ホルモン産生を抑えることができます。また卵巣癌の発生も予防可能です。デメリットとしては、手術に伴う合併症(出血・感染・癒着による腸閉塞など)が起こる可能性があります。日本では卵巣機能抑制目的に手術を行うことは、ほとんどありません。最終的には現在一番よく見て頂いている癌科の先生とよくご相談頂く事が良いのだと思いますが、その前にMさんが何を優先したいのか、よくお考えになって、後悔しない方法を選択して頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.11318-2】  14年03月18日     M 
今後の治療方法について(2)

ご丁寧に質問への返答をいただきまして、誠にありがとうございました。とても判りやす説明で、不安が和らぎました。本当にありがとうございました。今後何か困った事がありましたら、相談させていただけると幸いです。最後に、簡単な質問を2つさせてください。

1) 卵巣切除に伴う合併症の確立はどれくらいなのでしょうか? 頻繁にあるのですか? (切開と数か所穴をあける方法で違いはありますか?)
2) 検査結果の読み方が判りません(説明もなし)、私の場合は、将来再発転移する可能性はどれくらいですか?

何度も申し訳ありませんが、宜しくお願い致します。

1) 申し訳ありませんが、卵巣手術に関しては婦人科の先生にお聞きになって下さい。そんなに危険な手術だとは思いませんが。
2) 日本とは違う検査もしているので、全てを読み解くことはできませんが、世界的に標準となっている検査から類推して、10年生存率は、内分泌療法を5年行った場合で96%、他病死2%、乳癌死2%で、術後何も治療をしなかった場合でも10年生存率は95%、乳癌死3%でした。(文責 清水)

 

No.11317】  14年03月05日     Y
胸の痛み

34歳です。最近、生理前になると胸が固くなり、痛いです。20代前半ぐらいまではそのようなこともあったのですが、ここ10年ぐらいはなかったのに、どうしてまた始まったのだろうと気になります。去年ぐらいから、月ごとに痛みなどは増していく感じです。母、母方の伯母が40代で、祖母が70代で乳がんと診断されました。痛みはがんに直接結びつくものは少ないようですが、検査してもらった方が良いでしょうか。また、検査の種類についてと、頻度はどのぐらいが適当でしょうか。よろしくお願いいたします。

生理前に乳房が痛くなるのは、排卵〜月経までの間に分泌している黄体ホルモンという、ホルモンによるものです。若い頃痛かったのが、途中無くて中年に差し掛かって再燃してきたとすれば、その間に妊娠・出産・授乳が1~2回なかったでしょうか? 分娩後しばらく生理前の乳腺痛を忘れることは、良くあることのようです。
ところで、35歳以上で乳癌の発症が増えますので、身内の方にお二人乳癌の方がいれば、30代では乳がん検診をしておいた方が良いかもしれません。マンモグラフィと超音波検査がありますが、乳癌死亡減少効果のエビデンスがある検診は、40歳以上のマンモグラフィだけですので、自治体検診は2年に1度行っています。アメリカでは40歳代のマンモグラフィ検診の死亡率減少効果は有るとしながらも、必要以上に要精検者が増えるための不利益が増加することから、2008年に「40歳代のマンモグラフィは利益と不利益の差が少ないので推奨しない」という報告がなされています。欧米は60歳をピークとした高齢者乳癌が圧倒的に多いのに対し、日本では40・50歳代の若年発症の乳癌が多いので、従来通り「40歳以上での2年に1度のマンモグラフィ検診」を行っています。しかし30歳代の方々への検診は考慮されておらず、現在J-STARTという研究がなされていますが、結論が出ていないのでエビデンスが有りません。しかし、職域検診や人間ドック等の任意検診で超音波やマンモグラフィでの検査がされていることが多く、そういった検診をお受けになることが良いと思います。30代では超音波検査を、40歳過ぎれば隔年のマンモグラフィと、その隙間の超音波検査が良いのではないでしょうか。(文責 久保内)

 

No.11316】  14年03月01日     S  
右乳房周辺の痛みの原因

お世話になります。現在52歳、昨年10月閉経です。35歳から毎年健診センターで、触診とマンモグラフィーを受診。42歳の時、マンモに腫瘤があるということで、地元の乳腺クリニックで検査(細胞診)を致しましたが、結果、乳腺症。その後、1年に1回検診を受けています(2013年は、検診できませんでした)。今年1月1日、風呂場で転倒し、胸を強打したため、整形外科を受診。その際、先生からは「骨・肺には異常なし。ただしばらくは胸の痛みが続く」と言われました。でも、1か月経過しても胸(乳房)の痛みが引かず、右手の火照り・右側の鎖骨下の骨(あばら骨)やわきの下、肩や背中に痛みが出てきたので、自己触診したら、右乳房上の鎖骨と乳首の真ん中あたりにしこりを見つけました。2月初め、乳腺クリニックでマンモグラフィー・エコー検査していただいたところ、右乳房に42歳の時に見つかったしこりが、1pから1.4pに大きくなっているのと、新たにしこりが2個見つかりました。まずは大きくなったしこりの細胞診をしましたが、結果は異常なし。ただ、クリニックの先生からは、異常なしでも画像ではしこりがあるので、2〜3か月後の針生検をすすめられました。新たなしこりの方は、経過観察と言われました。お尋ねしたいのは、細胞診で異常無しだったしこりを、また2〜3か月後に針生検するのは、一般的なことなのでしょうか? 右乳房も含め、その周辺の痛みが、異常無しのしこりや、新たなしこりが原因ということはあるのでしょうか? 未だに引かないあちこちの痛み、また最近咳も出始め、2〜3か月後の針生検まで待ったため、仮に悪性だった場合、病気が進んでしまうのでは・・と不安です。アドバイス宜しくお願い致します。

・ 画像診断の読みと細胞診の結果が食い違った場合、別の細胞検査(例えば針生検)を行うことは有りますし、2〜3か月後でなくとも直後にやり直しをする場合も有り得ます。
・ 打撲したことによる痛みと乳腺内の腫瘍とは、何の関係もないと思います。ただし打撲して痛かったので、今回の腫瘤の触知の動機になっただけですね。
・ 悪性腫瘍の場合、極めて少ないのですが短期間に増大するものも有ります。しかしその場合でも、触知されているしこりが大きくなったと感じるので、ご自身でも自覚されると思います。通常乳癌は2~3か月ではそれほど進まないので、「2年に1度のマンモグラフィ検診」と言われているのですが、その2〜3か月の期間が待てないようでしたら、担当の先生とご相談になり、必要があれば針生検や造影MRI等の検査を考えて頂いたらいかがでしょうか?(文責 久保内)

 

No.11315】  14年02月18日     Y  
術後の治療法について

術後の治療法についてお聞きします。年齢57歳、乳頭腺管癌で右乳全摘、ステージ2Aです。腫瘍の大きさ:2.5p、リンパ節転移:なし(センチネルリンパ節生検:0/1)、腫瘍の悪性度:グレード1、ER:陽性、PgR:陽性、 HER2:3+、脈管(リンパ管・血管)への侵襲:なし。 術後療法は、中リスクということで、化学療法+ハーセプチン(1年)とホルモン療法(5年)と言われました。化学療法は極力短い期間で終わらせたいので、TH療法(タキソテールとハーセプチン併用投与)3週×4回、その後ハーセプチン1年継続の予定でした。初回のみタキソテールとハーセプチンは別々に投与して副作用の様子を見るということで、まず1回目のタキソテールの投与を受けました。投与後すぐから弱い腹痛が始まり、翌日からはひどい腹痛と下痢で食事もままならず寝たきり状態、6、7日目は水も飲めない状態でした。8日目から少し腹痛も治まり、10日目からやっと普通に起きて食事がとれるようになりました。8日目は、初回ハーセプチン投与予定日だったので病院を受診のですが、あまりに体調が悪い状態なので、ハーセプチンは中止となりました。その際、首にできた湿疹を診てもらうと、「アレルギー反応による薬疹だからタキソテールの継続は止め、抗がん剤をFECに替えましょう。」と言われました。1週間後に今後の治療と抗がん剤FECの説明を受けるのですが、たった1回投与量のタキソテールで、これだけひどい副作用になり、体力的にぼろぼろです。次の抗がん剤として提示されたFECも副作用として比較的強い消化器症状を示すとのこと、体へのダメージを考えると、もう抗がん剤の使用に躊躇してしまいます。HER2陽性のリスクを考え、ハーセプチン単剤1年投与を希望しますが、ハーセプチンは抗がん剤と併用の場合のみ保険適用と聞きます。抗がん剤を1回目で中止した場合、ハーセプチン単剤投与は保険適用対象となるのでしょうか。また、抗がん剤+ハーセプチン療法をせず、ホルモン療法のみにした場合、再発率はかなり高くなるのでしょうか。腫瘍の大きさが2pをこえること、HER2陽性であることを考えると、やはりFEC+ハーセプチンをしたほうがいいのでしょうか。どのような治療が良いか、ご意見お聞かせください。よろしくお願いします。

ドセタキセルによる副作用が強い場合、他のタキサン系薬剤であるパクリタキセルを試みることがあります。投与方法や副作用などは、主治医の先生に聞いてみて下さい。HER2陽性の場合、アンスラサイクリン系の薬剤に感受性が高い患者さんが多いことから、FECを勧められたのですが、効果の高い吐き気止めなどもあり、必ずしもドセタキセルと同様の副作用がでるとは限りません。
保険診療の件ですが、併用の抗がん剤に対するアレルギーがあるため、ハーセプチンを単独で使用する旨の「症状抄記」を主治医が保険審査側に提出すれば問題ないと思います。
化学療法が体力的に厳しい場合、ハーセプチン+ホルモン療法をお勧めします。(文責 緒方)
 

 

No.11314】  14年02月18日     K.S. 
今後の治療について(HPNo.11306-2)

2回目の相談です。1月に非浸潤がんと診断を受け、乳房温存+放射線治療と決まり、3月に手術となりました。非壊死型で悪性度の低い癌であることなどから温存でよいとのことでした。しかし、MRIの結果から思った以上に広がりがみられ(7p)、ネットなどを見て不安になってきました。病院は施設、設備や手術件数などからも十分に信頼できると思われますし、主治医の先生も質問に親切に答えてくれましたが・・・。
1) 7pの広がりがあっても温存で取りきれるのでしょうか。(場所は右乳房の上部内側)
2) セカンドオピニオンも行っているような有名な病院ですが、セカンドオピニオンしたほうがよいでしょうか。
3) 手術後の病理検査の結果、浸潤がんが見つかる確率はどのくらいでしょうか。
 
転移のない非浸潤がんですが、いま非常に不安な気持ちです。よろしくお願いします。

1) 切除する範囲と、残る乳房の範囲の割合で温存術が可能か判断している施設が多いと考えます。大きい乳房の方の7cmと、小振りの乳房の方の7cmは随分と違います。また、下半分にくらべて、上半分は大きめに取っても変形が出にくい傾向はあります。
2) ネットの内容を重視するのではなく、主治医の判断を重視したほうが良いことは明らかですよね。質問に親切に答えてくれた結果で納得出来なければ、セカンドオピニオンを受けても構わないのでは? ただし、迷いが深まることもあるかも・・・。
3) 具体的な数字はわかりません。針生検で「非壊死型で悪性度の低い癌である」のなら、MRIなど画像診断と併せて浸潤癌が見つかる確率は低いのではないでしょうか。(文責 緒方)

 

No.11313】  14年02月18日      A.O.
今後の治療について

45歳。11月19日に右乳房全摘+エキスパンダー挿入。
病理結果: 原発巣22×11×8o、リンパ節0/2、グレード2、HR90%Pg90%、Her2(2+)fish(―)、ly(+)v(―)、Ki67 20%。
「グレード2とly+は、気にしなくていいが、ki67が少し気になるなら化学療法を加えてもよい。本人の気持ち次第でホルモン単独か決めるように。」と言われました。病理結果が一ヶ月以上かかっており、オンコタイプdxの結果を待てるのか主治医に聞いたところ、ホルモン療法を開始し、結果次第で化学療法に切り替えましょうとのことで、1月よりタスオミン服用とリュープリン接種。オンコタイプ結果の外来予約は、3月3日です。術後3ヵ月半を経て化学療法に切り替えても、効果は変わりませんか? 毎日不安です。

厳密に術後何ヶ月経ったら化学療法の上乗せ効果が変わるか、誰もわかりません。現実問題として、なるべく副作用の少ない化学療法を回避したいA.O.さんのようなルミナールAタイプの患者さんは、オンコタイプDXなどの診断補助ツールを用いて、化学療法の追加効果の情報を得るほかありません。時間がどうしてもかかります。ただし、ものは考えようです。内分泌療法が効果があることはわかっているのですから、もうすでに治療は始まっているわけです。あまり不安がらずに「果報は寝て待て」です。(文責 緒方)

 

No.11312】  14年02月18日      しんゆう
術前化学療法について

44歳です。リンパ節転移疑いあり、HAR2 3+。現在乳癌の術前化学療法中です。EC療法4回、3か月後、現在ハーセプチン+パクリタキセルを週一投与中です。 
1)  術前化学療法でガンが消えることがあるそうですが、その場合でも、なぜ手術をしなくてはいけないのでしょうか? 又、どこを切るのでしょうか?
2)  今回の抗がん剤で一部ガンが残った場合、再度ハーセプチンを投与して様子を見ることはしないのですか? 

よろしくお願いいたします。

1)  一般的に超音波検査、CTなど画像診断を行い治療効果を見るわけですが、これはあくまで影絵です。実際に切除して、病理検査で確認することが必要です。本当に手術する場合と手術しないで経過を見る場合を比べて、数年後に再発率などで差がないことが証明されれば、切らずに経過を見ることができるようになります。まだ、そのような臨床試験結果は、得られていないのです。
2) 術前化学療法は、予め臨床試験で得られた結果をもとに、必要十分な回数を行うものです。現在、効果が不十分な患者さんに追加で化学療法を行っても、そのメリットが不十分であるという試験結果しかありません。したがって化学療法を追加することは原則ありません。ハーセプチンは、合計1年間の投与が勧めらているので、手術を挟んで治療します。(文責 緒方)

 

No.11311】  14年02月14日      T
エコー検査

相談させて頂けますでしょうか? 一般的な意見で構いません。
4ヶ月程前にエコー検査を受け、異常無しでしたが、先日自己触診をしていて、シコリのようなものに触れました。左右にあるようにも感じ、肋骨のようにも感じますが、はっきりしません。以前からあったか、最近できたのかはわかりません。前回のエコー検査から、こんな短期間に手に触れるようなシコリができることはありますか? その場合、悪性の物の可能性が高いですか? 自己触診をすると何でもシコリに感じてしまい、今までもその度に受診しています。先生も、「少し過敏になっているのでは」とおっしゃるのですが、心配で仕方ありません。4ヶ月前に受診した際も、一年後で大丈夫と言われたのですが…。4ヶ月前にエコー検査で異常がなくても、こんな短期間に手に触れるシコリができる乳がんになっている可能性はあるのでしょうか? お忙しいところ恐れ入りますが、ご回答頂けますと助かります。よろしくお願い致します。43歳です。

触診の精度は、エコーよりずっと低いものです。「すごく過敏になっている」と思います。1年後で構いません。(文責 緒方)

 

No.11310】  14年02月14日     E
病理検査結果の変化、オンコタイプDXの有用性

先月、妻が乳がんの手術を受けましたが、術前の針生検による病理検査と、術後の病理検査で、癌の種類、グレードが変化し、戸惑っています。リンパ節転移無し、サブタイプもルミナルAと術前と変化が無いので、治療はホルモン治療のみとなります。ただ、術前は乳頭腺管癌でグレード1、ルミナルAと最も予後が良いと思われていた為、変化が気になります。主治医の話では、癌の種類やグレードは病理医によっても見方が変わるとのことでした。確かに、術前(クリニック)と、術後(手術実施病院)で病理検査を実施した病院は違います。このような状況ですが、
1) この病理検査結果の変化(癌の種類、グレード)は、治療方針や予後の面でさほど気にするレベルではないのでしょうか。
2) 今からオンコタイプDXによる検査は有用でしょうか? 検査の結果により、仮に抗がん剤が勧められる場合、既にホルモン治療をスタートしていますが、有用でしょうか?
3) 病理検査のセカンドオピニオンを取ることは意味のあることでしょうか?(術前結果の癌の種類、グレードであれば、精神衛生上良いのかな・・・と)

まとまりのない文章で申し訳ありませんが、アドバイスを頂けますと幸いです。

(術前)
•乳頭腺管癌 •グレード1 •ルミナルA(ER,pgr高値、Her2陰性、ki67低値) •1.6×1.9センチ

(術後)
• 硬癌 •グレード2 •ルミナルA(ER,pgr高値、Her2陰性、ki67低値) •1.4×2.2センチ •センチネルリンパ節転移陰性 •リンパ管侵襲 ly1 •血管侵襲無し

主治医の言うとおりです。手術後の病理を優先して考えましょう。
1) その通りです。サブタイプが変わらず、リンパ節転移もなかったことから、予後は良好なタイプです。
2) 不要です。再発スコアーが高値を示す可能性は低いと考えます。
3) 精神衛生上の利点より、面倒な段取りを踏まなくてはいけない不衛生の方が勝ると思います。それより、ホルモン治療をストレスなく進められるように、奥様をサポートしてあげましょう。(文責 緒方)

 

No.11309】  14年02月13日     NEKO
タモキシフェン服用中によるE2高値について

E2値について相談させて下さい。47歳。乳がん術後2年9カ月経過。
病理結果:浸潤性小葉がん、ER90%、PgR60%、Her2→1、核グレード1 リンパ節転移なし、Ki67→1-5%
2年間のリュープリン注射を終え、現在、タモキシフェン単独服用中です。リュープリン注射後から生理が止まり、注射終了後も生理は戻っておりません。更年期症状が続くことや、齢的なことから閉経の可能性もあり、先日女性ホルモン値の検査をしました。結果によってはAI剤への変更も視野に入れるとのことでした。
結果 : E2→1400、 FSH→7.6、 LH→5.5

主治医からはこの結果だとまだ閉経はしていないので、このままタモキシフェンを継続しましょうと言われました。ちょっと数値が気になったので、ネットで調べたら、通常値よりもE2の数値がすごく高いようです。こんなにエストロゲンが多くては再発の可能性が高くなるのではと心配です。どうしてこんなに高いのか? タモキシフェン服用のせいでしょうか? この数値だと、リュープリン注射を再開した方が良いのでしょうか? お忙しいところ申し訳ありませんが、ご回答よろしくお願いいたします。

タモキシフェンの投与でE2の値が上昇することはあるみたいです。機序についてはいろいろとあるみたいですが、正確には不明なようです。理屈からするとE2濃度が低い方がいいのですが、タモキシフェンを服用されている状況下で、E2がどの程度癌細胞を刺激しているかどうか不明ではあります。リュープリンの投与期間についてもはっきりと決まったものはなく、延長することで副作用がなければ再開しても良いかもしれませんね。(文責 大西)

 

No.11308】  14年02月13日     H
放射線治療(HPNo.11293-3)

HPNo.11293 です。ご回答いただきまして、ありがとうございました。別の病院でも放射線治療は受けられる点、理解しました。何度も申し訳ありませんが、もう少し質問させてください。まず追加情報として、病理のコメント欄に「断端は陰性」とあったので、前回コメントを頂いた、切除断端に癌細胞(-)ということでしょうか。あと、お伝えしてなかった既往症として、患者は20〜30年前に子宮を摘出してます。病名は忘れましたが、のう胞だったかもしれません(悪性腫瘍ではないです)。 放射線のリスクとして、乳癌学会のHP等には、まれに間質性肺炎を起こすとありますが、呼吸器関連のHP等では、症状の有無によらず、ある程度のダメージを受ける場合が多いという内容も見られ、高齢者の場合、意外に負担が大きいのではないかと懸念しました。肺へのダメージによるQOLの低下リスクと、局部再発のリスクを考えたとき、母の場合、やはり治療した方が利益が大きいでしょうか。本来あまり悩むところではないのかもしれませんが、追加情報も踏まえまして、再度お考えを頂けると助かります。よろしくお願いします。

ご指摘の通り、「断端は陰性」とは、切除断端に癌細胞(-)ということです。呼吸器関連のHPと乳癌学会のHPでリスクが違うのは、乳癌の場合と肺癌の場合では放射線の照射方法が違うからではないでしょうか。70歳以上の患者さんを対象とした臨床試験があります。この臨床試験は部分切除術を受けたホルモン感受性乳癌患者さん600人を対象とし、ホルモン療法と放射線照射をうけるA群と、ホルモン療法のみのB群に分けています。術後10年間におけるA群の局所再発率は2%で、B群の局所再発率は10%でした。また生存率には差がありませんでした。他の先生と同じように私も放射線照射を勧めますが、上記データを踏まえて、高齢者には強く勧めない場合もあります。(文責 大西)


 

No.11307-1】  14年02月13日     H.O.  
完治できる望みは?

私は今、術前の抗がん剤治療を2ヶ月程始めております。ハーセプチンとリノレルビン(三週一回休み)を毎週投与しています。次はバクリタキセルの予定です。最初の診断は、乳管ガン、病理診断はRight Breast, CNB:Ductal-Carcinoma, nuclear,grade3(3+2),
Immunostain:ER(Allred-score0+0=0,0%)、PgR(Allred-score0+0=0,0%),  HER2score(3+), MIB-1、labeling(40%)です。セカンドオピニオンに行った先で怖くなり、慌ててそこの医院に治療をお願いする事になりました。しかし詳しい事は余り教えてくれず、ステージUA?b?とか、しこりは2センチ、リンパに超音波検査で転移が2ヶ所写っていました。最初の違うところでの診断は、1.7センチ、リンパに転移は無しと言われたのですが、一気に奈落の底に落とされた感じで、この先治るのか治らないのかも良くわからず、不安の毎日を送っています。HER2は転移再発しやすいガンと聞きました、半年、術前抗がん剤治療をして、温存手術をして、またハーセプチンの治療を半年する予定ですが、それで良かったのか不安です。HER2でも温存で良いのか? 手術してからの半年再発の可能性はあるのか? 完治できる望みはどの位あるのか? 治療に入る前に、脳のCTや、骨とかの検査もしていません。主治医は、「脳はやらない方が良い、抗がん剤治療のやる気が失せるから、症状が出てから検査をすれば良い」と言います。そうなのでしょうか? 通常一年間の治療中に全身に転移がないか検査をしてくれるのでしょうか? 宜しくお願い致します。

HER2陽性乳癌は、以前は再発率の高い乳癌として知られていましたが、ハーセプチンの登場により再発率は大きく低下されました。そのため、HER2陽性乳癌に対してハーセプチンを併用した化学療法を施行することは標準的治療となっています。HOさんの場合でも十分に根治する見込みはあるかと思います。ごく稀に術後半年で再発することもありますが、あくまでもごく稀なケースです。術後再発を早く見つけることのメリットについて、はっきりとした確証はなく、まめに検査をすることによる費用、不安、被曝などのデメリットも指摘されています。術後の検査スケジュールに標準的なものはなく、主治医の先生とよく相談されてはいかがでしょうか。 HER2陽性乳癌でも温存手術を受けることは問題ないでしょう。(文責 大西)

 

No.11307-2】  14年05月25日     H.O.  
2回目のご相談となります

前回は大変お世話になりました。2回目の相談になりますが、宜しくお願いします。あれから術前抗がん剤治療が終わり、6月5日に手術の説明があります。転院先の主治医からは、この分だと温存も出来ると思いますが…と言われております。HER2 3+、2センチちょっとだった腫瘍は、「今5ミリはまだあるね」と、言われました。場所も、最初の病院では10〜11時の方向と言われましたが、4月に転院し、今の主治医の話では、その場所にはハッキリと映っているものは無く、12時の方向に、エコーにて5ミリ程度の腫瘍らしきものが映っていると言われました。無くなってしまうと手術の場所が分からなくなるので良かったと言われましたが、場所が術前抗がん剤治療で変わることがあるのでしょうか? 最初の病院のCTでも確認はしているのですが…。あと、まだ5ミリは最低あるし、ki67、40%なので、本当に温存で良いのでしょうか? そのあとの病理検査で悪かった場合、再手術もあると思うのですが、また手術するなら、最初から全摘でも良いと思っています。再手術する可能性はどれ位あるものでしょうか? 乳首だけ残して、乳腺全摘も出来るのでしょうか? 乳癌専門病院で、同時再建もやっているようですが…、その方法は余り良くないのでしょうか? 

3cm以下の腫瘤であれば温存可能ですので、温存術で良いと思いますが、腫瘤の部位が異なっているというのが気になります。違う場所を温存術として部分切除をするのが問題です。ただ前医の腫瘤の存在部位は、触診での場所であれば、座っている状態とCTで寝ている状態、MRなどでは腹這いになることもあり、体位によって異なることがあります。Ki67は、HER2(3+)なら当然高いと思います。(文責 石山)

 

No.11306-1】  14年02月13日     K.S. 
非浸潤がんの診断 

11月に乳がんの検診を受け、1月に非浸潤がんの診断を受けました。主治医には、早期なので乳房温存と放射線治療と言われました。その後転移はしないとされる非浸潤がんですが、肝臓の超音波や骨シンチ、CT検査などの検査を受けました。非浸潤がんでも、このような検査を行うのが標準というか一般的なのでしょうか。それとも浸潤がんもあるかもしれないことを想定しての検査でしょうか。大きさは2センチ以下です。また、手術をした場合、すぐに仕事復帰できるでしょうか。アメリカでは日帰り・一泊手術だとネットで読みました。よろしくお願いします。

組織診(針生検)で非浸潤がんと診断されても、手術により腫瘍全体を切除し、病理検査によって浸潤部分が見つかることがあります。そのために術前に浸潤がんであることも想定して検査をすることはあります。検査の種類は施設間で微妙な違いはあると思います。職場復帰についてですが、年齢にもよると思いますが、早期に出来ると思います。アメリカと日本では保険制度の違いがあり、日帰り手術や一泊手術も行われているようですが、日本で乳癌の手術を受けると一週間前後の入院となるかと思われます。(文責 大西)

 

No.11306-2】  14年02月18日     K.S. 
今後の治療について

2回目の相談です。1月に非浸潤がんと診断を受け、乳房温存+放射線治療と決まり、3月に手術となりました。非壊死型で悪性度の低い癌であることなどから温存でよいとのことでした。しかし、MRIの結果から思った以上に広がりがみられ(7p)、ネットなどを見て不安になってきました。病院は施設、設備や手術件数などからも十分に信頼できると思われますし、主治医の先生も質問に親切に答えてくれましたが・・・。
1) 7pの広がりがあっても温存で取りきれるのでしょうか。(場所は右乳房の上部内側)
2) セカンドオピニオンも行っているような有名な病院ですが、セカンドオピニオンしたほうがよいでしょうか。
3) 手術後の病理検査の結果、浸潤がんが見つかる確率はどのくらいでしょうか。
 
転移のない非浸潤がんですが、いま非常に不安な気持ちです。よろしくお願いします。

1) 切除する範囲と、残る乳房の範囲の割合で温存術が可能か判断している施設が多いと考えます。大きい乳房の方の7cmと、小振りの乳房の方の7cmは随分と違います。また、下半分にくらべて、上半分は大きめに取っても変形が出にくい傾向はあります。
2) ネットの内容を重視するのではなく、主治医の判断を重視したほうが良いことは明らかですよね。質問に親切に答えてくれた結果で納得出来なければ、セカンドオピニオンを受けても構わないのでは? ただし、迷いが深まることもあるかも・・・。
3) 具体的な数字はわかりません。針生検で「非壊死型で悪性度の低い癌である」のなら、MRIなど画像診断と併せて浸潤癌が見つかる確率は低いのではないでしょうか。(文責 緒方)

 

No.11305-1】  14年02月13日     Y.T. 
手術以外の治療希望

初めてご相談させて頂きます。昨年12月の婦人科検診・マンモグラフィで再検査となり、都内・乳腺外来で精密検査(組織・MRI・CT諸々)実施。左胸乳首より3cm程左寄り、9.5mm程のしこり。現在、ホルモン剤(タスオミン錠20mg)服用。副作用は無し。3月下旬に入院手術予定。年度末で仕事多忙と、子どもたちのの春休みに家を空けたく、主治医に相談。非浸潤と思われ、ホルモン剤で小さくなる可能性も高く、薬服用で様子を見て、2月末にエコーで経過を判断と。手術は、『温存(部分切除)+センチネルリンパ節生検』予定。ご相談は、ホルモン剤と放射線治療等で、ガンを「手術」ではなく「治療」出来ないでしょうか? 1cm以内なので、「凍結療法」も考えましたが、自由診療、且つ、主治医曰く「亜流の手術は術後のトラブルが多い」とのことで、二の足を踏んでいます。また、今の病院は、都内では癌研有明に次ぐ程の病院であり、セカンドオピニオンの必要があるとは思えません。しかし、「近藤誠」さんの「医者に殺されないための47の心得」を読むと、ガンの手術自体が否定され、どうして良いのか判らなくなります。現在、「患部へのひまし油湿布」「チャーガ(白樺に寄生する茸)服用」「冷え取り」等々で、活性酸素と冷えの排除に努めています。取り留めなく申し訳ありません。入院手術を避けたく、ジタバタしてます。宜しくお願いいたします。

手術を受けたくない気持ちはよく分かりますが、手術ほど確実に根治を目指せる治療はありません。特に非浸潤癌であれば、切除によって99%治りますので、手術を受けてください。それ以外の方法でも治ることはあるかもしれませんが、エビデンスがあるわけではなく、お勧めできません。いろいろな情報があるかもしれませんが、手術を受けたくないという気持ちで飛びつかないで下さい。(文責 大西)

 

No.11305-2】  14年04月07日     Y.T. 
オンコタイプディーエックス

2/13に、11305で、ご相談させて頂きました。その節は、キッパリした御返事、有難うございました。心惑わす書籍は破棄し、主治医を信じることに決めました。3月末に手術し、温存+リンパセンチネル(転移無し・郭清せず)、術後、翌日には退院できました。病理検査の結果が出ました。主治医曰く、『「オンコタイプディーエックス」で精度の高い遺伝子検査を受け、今後の方針を決めることも可能、但し、健康保険適用外のため40万円ほど掛かる。所見判断では、ホルモン療法のみで良いかと思うが、遺伝子検査した方が確実ではある。。。』とのことでした。
病理検査結果は以下の通りです。
・浸潤癌大きさ:1.0*0.7*0.5 ・pt分類:pT1b ・腫瘍の割面:Infiltrative ・娘結節の有無:− ・組織学的所見:ductal carcinoma。背景に、mastopathyが見られる。 ・乳腺外脂肪浸潤:f+ ・皮膚浸潤:s- ・大胸筋浸潤:p- ・乳管内病変の程度:+ ・乳管内病変comedo necrosisの有無:− ・リンパ管侵襲:ly1 ・静脈侵襲:y1 ・核異型スコア:2 ・核分裂像スコア:1 ・切除検体のスコア HER2 score:1+ ・ER score:7=proportion5 + intensity2 ・PgR score:8=proportion5 + intensity3 ・Ki-67 index:5%以下 ・切除断端:- ・治療効果判定:grade 0 ・リンパ節転移:- センチネル(0/1)

高額な遺伝子検査結果が所見判断と同様となるか、化学療法も必要となるかは不明ですが、「オンコタイプディーエックス」どう思われますか? やはり、受けた方が安心ですよね…。宜しくお願いします。

ご相談どうもありがとうございます。早期がん温存術後でリンパ節転移なし、ホルモンレセプター陽性、Ki-67 5%以下(陰性)、Her2 1+(陰性)であり、通常であればオンコタイプDX をおこなうことなく、術後放射線治療およびホルモン治療を選択すると思います。もちろん、オンコタイプDXを選択されるとよりはっきりするとは思います。しかし、オンコタイプDX を標準的に全員におこなう状況には日本はまだなっておりません。すぐに治療を開始するか、オンコタイプDXを待つか。気になるのであれば、お受けになって納得して治療を受けるべきだと考えます。応援しています。(文責:高橋)

 

No.11304】  14年02月13日     K
術後の抗がん剤について

1月に右乳房の全摘手術を受け、病理の結果が出ました。微小乳頭がん pt2 ly1 v0 グレード3 ステージUA Her2(1+) ER90-100% Pgr90-100% Ki-67(50-60%)とのことでした。センチネル生検で1/3腫れがあり、念のために取ったリンパにも、1/4転移が見つかっています。主治医からは、35歳という年齢面、グレード、Kiの数値から、抗がん剤(EC+T療法)を勧められました。もう一つの選択肢として治療期間が短くなるTC療法もあるが、主治医が見てきた中では副作用が強く出る人が多く、EC+T療法の方がいいのではとのことでした。その後ホルモン療法だそうです。抗がん剤の治療は必要なのでしょうか。抗がん剤の中でも強い治療法の様ですし、副作用の可能性を聞いていると、出来れば抗がん剤を使わないで済まないかと思ってしまいます。抗がん剤を行わないと、再発や転移の可能性が多くなってしまうのでしょうか。EC+T療法とTC療法の効果は、違いがあるのでしょうか。

最近では制吐剤などの改善により以前よりも副作用が軽減されています。私が主治医と同じ立場でも抗癌剤を勧めます。EC+T療法と比較してTC療法の方が、治療期間が短く好まれる場合もありますが、主治医の先生と同様に副作用が強く出る印象があります。治療効果はEC+T>EC、TC>ECですが、EC+TとTCを直接比較した臨床試験はありません(見つけられませんでした)が、単純に考えると、Eが入る分EC+Tの方が効果的でしょう。(文責 大西)

 

No.11303】  14年02月04日     S.M.  
非浸潤性小葉癌

お世話になります。妻、45歳。マンモ、エコーを経て、念のためのMRI検査で、1センチの影が1つ見つかり(対側は異常なし)、針生検で非浸潤性小葉癌と診断されました。ER+80-100、PgR+80-100、HER2マイナス、MBI-1、index:5%。 手術の予定ですが、提示されてる方法は、温存(術中迅速検査で追加切除)とホルモン療法です。主治医も、この癌に関してはデーターが少ないので、最終判断は患者がすることになりました。ネットですが、非浸潤性小葉癌の特徴を調べておりますと、治療方法は臨床経過観察か全乳房切除術などの記述が多く有ります。非浸潤性小葉癌の温存手術の選択はあり得るものなのでしょうか。妻ともども迷っております。アドバイス宜しくお願いいたします。

非浸潤性小葉癌では多発や対側乳がんが多く、色々な可能性があり、当院でも確定的なことは分からず、同じ選択肢になります。また針生検と異なって手術標本の病理診断では結果が異なることもあり、不確定な要素が多いと思います。私のところでも、温存を勧めて、病理結果で再検討という事になると思います。(文責 石山)

 

No.11302】  14年02月04日     Y  
左鎖骨周辺の痛みと違和感(HPNo.11296-2)

NO11296で相談したYです。その後MRIの検査結果では転移を疑わせるような結果はなく、いわゆる50肩の所見をいただきました。乳腺科医師は同じがんセンターの整形外科医を紹介して下さいましたが、私の痛みや違和感は左鎖骨周囲であり、整形外科の医師も、MRIの所見から連想される痛みと現実に私が感じている痛みは違うとおっしゃいます。私は主治医にPET−CTも組み合わせていただきたい希望を伝えましたが、MRI造影の方が精密検査になるからPET−CTをしても意味がないとおっしゃいます。
1) 半年前の超音波検査で、「左鎖骨下や鎖骨上窩に3ミリ大のリンパ節を描出しますが形状扁平です。」という所見を貰っています。主治医は、表面がつるっとしているので、癌ではなく、生まれつきリンパ節が大きいのだとおっしゃいますが、初期の転移で腫大して、違和感や痛みになっているのでは?と不安です。この左鎖骨下や鎖骨上窩に3ミリ大のリンパ節の転移の有無は、どのような検査で調べることはできますか?
2) ある文献に、「造影MRIでは鎖骨上窩のリンパ節転移は通常撮影野には入らないため描出されず、比較してPET−CTでは撮影野が広いので描出される…」とありましたが、MRI造影では鎖骨下や鎖骨上窩のリンパ節は写らないのでしょうか?
3) 私のMRI報告書には、「依頼内容からもカルテ上からも肩部についての所見記載が全くないので、これ以上の記載は困難。想定される疾患により撮影方法も異なります。」とありました。検査の際も、頚部MRIになっていて、私が首ではなく鎖骨周囲だと申し出ましたが、報告書には左肩関節痛とあり、左肩周辺を撮影していました。私の痛みから想定して、主治医が撮影医にどこをどのようにとるかの指示が伝わっていなかったと感じました。また、撮影医も私の話を聞いていたのか? 再度主治医に痛みの場所をしっかり伝え、MRIを取り直す意義はありますか? このような所見を見てしまうとすごく不安です。どうしたらいいでしょうか?
4) 仮にリンパ節に転移があったとしても、大きさが5ミリ以上でないとPET−CTには集積は見られないのでしょうか?
5) 半年前から我慢できない程ではありませんが、左鎖骨周辺に違和感や痛みを感じます。痛みは増しています。鎖骨そのものが痛んでいるのか? 周辺が痛いのか? よくわかりません。このような場合、骨シンチやPET−CT等、どのような検査の組み合わせがよいのでしょうか?

長々と申し訳ありません。よろしくお願いいたします。

MRIは、最新のものと10年前のものでは全く解像度が違います。最新ものであれば1mmでも診断できますが、10年前のMRであれば、1pでも映らないこともあります。色々心配で主治医が対応してくれないなら、セカンドオピニオンを求めて乳腺外科に相談に行けばいかがですか。現在の検査の精度が分からないと、お答えのしようがありません。(文責 石山)

 

No.11301】  14年01月31日     H 
NCCーST−439について

いつもHPを参考にさせていただいています。私は6年前の42歳の時にT4bN3aM0の乳がん発覚、術前抗がん剤(FEC100×4 タキソテール100×4《臨床試験により増量》)→温存手術→放射線→TS1内服1年《臨床試験》→タスオミン内服(約5年半継続・10年内服予定)という治療を受けています。2012年の9月よりNCC−ST−439の値が、9.2→8.6→9.3→25→20→23→39→42と、上昇しています。2013年4月にCT検査を受けて、異常なしでした。来月もう一度CT検査を受けることになっています。CEAやCA15−3は基準値内ということ、NCC−ST−439は乳がんではあまり重要な腫瘍マーカーではないということもあり、来月のCT検査で異常がなければ、NCC−ST−439については、もう調べるのをやめてはどうかという提案が主治医からありました。私のような場合、先生ならNCC−ST−439の検査継続をどうされますか? 是非アドバイスいただけたらと思います。どうぞよろしくお願いします。

当院でもNCC-ST439は乳癌の特異性が低いと考え、施行していません。ただ上がり続けているのであれば、CTで写らないことも考えて、PET−CTなどをして見るのも良いかもしれません。(文責 石山)

No.11301-2】  15年04月15日     H 
NCCST439が上昇し続けています

2014年の1月に相談させていただいたNo.11301です。その節はありがとうございました。あれからさらにNCCST439が上昇し続けています。42→55→65→99(2014年8月)→220.8(2014年11月)→260.6(2015年2月)。99になった時にPET−CT、260.6のときに骨シンチを受けましたが、画像には何も写りませんでした。CEAとCA15−3も右肩上がりで上昇中ですが基準値内にとどまっています。2015年2月CEA 2.3 CA15−3 25.8。 画像に何も写らない場合は治療を変える必要はないということで、タスオミン単独の治療を継続中です。このままNCCST439が上昇を続ける場合、次の画像検査のタイミングはいつ・どの検査にすべきでしょうか? お忙しいところ恐れ入りますが、先生のご意見をお聞かせいただけると幸いです。

再発がなくても腫瘍マーカーの高値や乖離は稀に見られます。CEAとCA15-3が基準範囲なのと、PET-CTや骨シンチでは異常所見がなかったので、このまま経過見ることが普通と思います。再検査は私見では3ヵ月後以降と考えます。(文責 石川)

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