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相談室(No.11701〜11800)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

ご相談メールの投稿はこちらからお願いします。

 

なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。    

 

第14回かながわ乳がん市民フォーラムは、終了いたしました。たくさんのご参加、有難うございました。
 

 

★ 過去にさかのぼって相談内容が検索できるようになりました。ご参考になれば幸いです。ご利用下さい。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

11800 15/11/21 T.T. 腫瘍及び石灰化摘出手術について 緒方
11799 15/11/21 K  両胸に乳癌が見つかりました 緒方
11798 15/11/21 Y.K. ホルモン療法の薬の種類について 緒方
11797 15/11/17 S I 乳首からの分泌物 緒方
11796 15/11/15 TM 肝臓転移について(HPNo.11766) 大西
11795 15/11/15 M.K.  再検査の必要性 大西
11794 15/11/15 A   ホルモン治療中の下剤について 大西
11793 15/11/09 Y.O. 術後の治療について 大西
11792 15/11/09 A 炎症性乳がんについて 大西
11791 15/11/01 HY フェマーラ副作用の出現時期 石山
11790 15/11/01 T.A. 今後の治療について 石山
11789
11789-2
15/10/31
16/01/19
T  今後の治療について
今後の治療について(2)
石川
俵矢
11788 15/10/31 H  悪性の癌でしょうか? 石川
11787 15/10/30 T  全摘手術後のしこり 石山
11786 15/10/30 C.T 慢性乳輪下膿瘍 石山
11785 15/10/30 N.I.  経過観察 石山
11784 15/10/20 A.O.  再発予防について 徳田
11783 15/10/20 Y・N 高齢者トリプルネガティブ 徳田
11782 15/10/20 M.O. 乳がん再発治療について 徳田
11781 15/10/19 K  非浸潤癌(石灰化)から浸潤癌に 徳田
11780 15/10/19 I.M. 今後の治療について 徳田
11779 15/10/15 T 乳がんについて 俵矢
11778 15/10/15 A MRI 俵矢
11777 15/10/15 Y・N 温存術後の赤みについて 俵矢
11776 15/10/15 A  化学療法について(HPNo.11771) 俵矢
11775 15/10/09 A  炎症性乳がんについて3(HPNo.11763)
11774 15/10/07 A  胸のいたみとしこり
11773 15/10/03 H  今後の治療について
11772 15/10/03 T.H. 乳癌の可能性について
11771
11771-2
15/10/03
15/10/15
A  脳転移
化学療法について

俵矢
11770 15/09/30 R.S. 術後の治療について 高橋
11769 15/09/30 R  10代でも乳ガンはあるのでしょうか? 高橋
11768 15/09/30 A  炎症性乳がんについて(2)(HPNo.11763) 高橋
11767 15/09/25 T.U.  アリミデックスへの変更 須田
11766
11766-2
15/09/25
15/11/15
TM 乳がんの定期検査結果について
肝臓転移について
須田
大西
11765 15/09/25 S  乳癌であると告げられました 須田
11764 15/09/19 H.I. 手術日(HPNo.11752) 鈴木
11763
11763-2
11763-3
15/09/19
15/09/30
15/10/09
A 炎症性乳がん
炎症性乳がん(2)
炎症性乳がん(3)
鈴木
高橋
11762 15/09/19 Y   ルミナールAの化学療法について 鈴木
11761 15/09/16 B.I.  乳がん再発後の治療法について 鈴木
11760 15/09/16 R  抗がん剤について 鈴木
11759 15/09/16 S これは乳がんですか? 鈴木
11758 15/09/11 HI センチネルリンパ生検の方法 清水
11757 15/09/11 M.I 手術予定 清水
11756 15/09/09 N.T. トリプルポジティブ ステージ1抗癌剤治療について 清水
11755 15/09/09 H 乳頭移植手術 清水
11754 15/09/09 ソフィ MRIの結果 清水
11753 15/09/07 Y.K. 生理について(HPNo.11711-2) 清水
11752
11752-2
15/09/07
15/09/19
H.I.  手術日
手術日(2)
清水
鈴木
11751 15/09/07 K 子宮頚がんだった場合の病院選びについて 清水
11750 15/09/07 N  乳がん胸壁転移再発、治療法について 清水
11749 15/09/04 M  10月5日手術(全摘出)予定 清水
11748 15/09/04 A ルミナールA・リンパ節転移有の場合の治療方法 清水
11747 15/08/31 K・K 肺転移の治療法について 齋藤
11746 15/08/31 J・M フェマーラ(HPNo.11740) 齋藤
11745 15/08/31 M.W.  オンコタイプDX(HPNo.11738) 齋藤
11744 15/08/31 H.Y. 術痕の痛みについて 齋藤
11743 15/08/31 Y.Y.  アロマターゼ阻害剤の副作用について(HPNo.10980) 齋藤
11742 15/08/31 D 術後の治療について 齋藤
11741 15/08/24 S.W.  フェマーラの服用ついて 緒方
11740
11740-2
15/08/24
15/08/31
J.M.  転移の可能性もありますか?
フェマーラ
緒方
齋藤
11739 15/08/24 Y.Y.  今後の治療について(HPNo.10980) 緒方
11738 15/08/20 M.W.  オンコタイプDX(HPNo.11732) 久保内
11737 15/08/20 左胸からの血乳 久保内
11736 15/08/05 S  リンパ液がたまる 大西
11735 15/08/05 M.S. 皮下注射 大西
11734 15/08/05 T 粘液癌の治療について 大西
11733 15/08/05 Y  妊娠希望 大西
11732
11732-2
11732-3
15/08/05
15/08/20
15/08/31
M.W. 今後の治療方針について
オンコタイプDX
オンコタイプDX
大西
久保内
齋藤
11731 15/08/05 Y.H.  再発率について 大西
11730 15/07/28 K HER2陽性乳ガンのホルモン治療の開始時期について 石山
11729 15/07/25 C   術後の治療について 石山
11728 15/07/25 T 再建手術後の腫れ 石山
11727 15/07/24 S トレミフェン 石山
11726 15/07/24 O.O 術後の治療について 石山
11725 15/07/22 MS リュープリンの継続について(HPNo.11216) 石川
11724 15/07/22 U.K.  経過観察 石川
11723 15/07/22 Y・N 76歳の母について(HPNo.11640) 石川
11722 15/07/19 N   今後の治療について 石川
11721 15/07/19 ST  HER2蛋白 石川
11720 15/07/13 F  癌が出来る可能性 徳田
11719 15/07/13 H  乳癌治療中の食事について 徳田
11718 15/07/07 S   腫瘍マーカーについて 俵矢
11717 15/07/07 T K 抗がん剤治療 俵矢
11716 15/07/07 M.S. 皮下注射の必要性と乳房変形(HPNo.11706) 俵矢
11715 15/07/07 P  アポクリン癌について 俵矢
11714 15/07/07 K.S.  リューブリンと歯科治療 俵矢
11713 15/06/29 T 術後の治療について
11712 15/06/29 M 再発治療について
11711
11711-2
11711-3
15/06/29
15/09/07
15/11/21
Y.K.  腫瘍マーカー CEAとCA15-3について
生理について
ホルモン療法の薬の種類について

清水
緒方
11710 15/06/29 M 術後の治療について
11709 15/06/29 K 病理結果の読み取り
11708 15/06/29 M HER2陽性について
11707 15/06/27 R 右胸の直径3センチ程の黄色いアザ 高橋
11706
11706-2
15/06/27
15/07/07
M.S. 術後の治療
皮下注射の必要性と乳房変形
高橋
俵矢
11705 15/06/27 Y  乳癌の最終診断について 高橋
11704 15/06/27 F リンパ節転移3個で放射線治療の必要性は? 高橋
11703 15/06/27 T 今後の治療法について 高橋
11702 15/06/27 D  非浸潤性乳管癌全摘出後の化学療法について 高橋
11701 15/06/19 B 温存術後の治療について 須田

 

No.11800】  15年11月21日     T.T.
腫瘍及び石灰化摘出手術について

HPを拝見し、ご連絡させていただきました。タイの病院で、石灰化を数年前から指摘されておりましたが、今年の健康診断の際に「石灰化の形が変わってきている」と言われました。また今回初めて、その石灰化の近くに3mmほどの腫瘍も確認されました。針生検を受けた結果、腫瘍に関しては「生検の際に取り切ってしまった」と思われると言われました。ただ、腫瘍の近くにあると思われていた石灰化には変化がないことから、少し離れた場所にあると思われるということ、また、その石灰化はその形から悪性の可能性も否定できず、直ぐに摘出した方がいいと言われ、今週末に手術の予約をしました。ただ、そんなに緊急性の高い状態なのか、タイの医師がどこまで信頼できるのか、言葉の問題もありますので、不安でいっぱいです。夫は、日本での手術を勧めますが、(検査から手術終了まで)どのくらいの滞在が必要なのかを含め、タイには子供もおりますので、それはそれで不安があります。

1) 摘出手術をする事によるデメリットが考えられる様であれば、教えてください。 
2) これは、取り残しなどの可能性が心配されるような、技術的に難しい手術なのでしょうか? 

先生の見解をお聞かせいただければ幸いです。何卒宜しくお願い致します。

おさらいをすると、「石灰化を調べるために針生検をしたところ、近くにある腫瘍を取って石灰化は取り残した。腫瘍は良性であったが、本来の目的の石灰化が悪性の可能性があるので、大きめに摘出生検を行いたい」とタイ人の医者が言っている。と受け取りました。
1) 創が大きくなる。変形もあり得る。以後の検診時にひきつれが正しい判断の邪魔になる可能性がある。
2) タイ人の医者の腕次第です。石灰化を取るつもりで離れた腫瘍を針生検した医者だったら、??の可能性もあるかもしれません。

という答えになります。数年前からある石灰化であれば、緊急性は高くなく、日本の健康保険があるなら、長めの一時帰国の際にセカンドオピニオンを受けるという手もあると思います。(文責 緒方)

 

No.11799】  15年11月21日     K 
両胸に乳癌が見つかりました

56才です。両胸に乳癌が見つかり、右胸に遠隔肺転移があります。2回目の抗がん剤治療が終わったところで、後2回します。腫瘍が小さくなって、左胸の乳癌を手術します。右胸はホルモン治療で、手術はしません。この治療方法で大丈夫ですか?

Kさんの病期は、肺に転移があることから、残念ながら病期Wになります。その場合、左胸の手術は、がんから出血があるとか、残しておくと再度大きくなって不自由なことになる可能性がある場合に行われます。手術をした方が寿命が延びると言うわけではありません。また、左右両方の乳癌がホルモン治療が効くタイプなのか、片方だけなのかわかりませんが、おそらく右はそうなのだと思います。想像の範囲を超えませんが、左の癌が右肺に転移して、これはホルモン治療が効かないか効きにくいタイプ、右の癌はホルモン治療が効くタイプなのだろうと思います。いずれにしろ、主治医の先生の診断をよーく聞いてください。(文責 緒方)

 

No.11798】  15年11月21日     Y.K.
ホルモン療法の薬の種類について(HPNo.11711-3)

いつもありがとうございます。ホルモン療法の薬の種類についてお聞きします。今年1月20日よりアリミデックスを服用していて、10か月経ってしまったので、今さらになってしまうのかもしれませんが、先生のご意見をお聞かせください。2014年10月20日からEC療法4クール行い、その途中の11月下旬に生理が来たのを最後に生理は止まっています。血液検査でホルモン量の検査をしたところ
2015/1/19  2015/9/14
LH        33.9     42.9
FSH        88.2    108.4
エストラジオール  25     25

ということで、閉経とみなし、アリミデックスを服用しているのですが、「乳がん診療ガイドラインで、閉経期または化学療法後に無月経状態になった患者に対してアロマターゼ阻害薬の単独使用は基本的に勧められないC2」というのを見て、愕然としています。主治医からは生理が戻ったら伝えるように言われているのですが、タモキシフェンにすぐに変更すべきなのでしょうか? 他のところでエストラジオールの値は22以下で閉経とみなすというのもみかけました。通常はアリミデックスを服用するとエストラジオールの値が小さくなっていくものなのではないのでしょうか? 私の場合、服用開始する前と服用途中でエストラジオールの値は同じです。これは服用していて効果が出ていないということなのでしょうか? また、前回質問させていただいた不正出血についても、8月に数日、10月に2日ほど、ほんのわずかな出血があり、子宮がんの検査は陰性、また10月のCT検査は異常なしでしたが、生理が戻る兆候となっているのでしょうか? 前回10月の不正出血の前に診察だったため、10月の出血の際は電話で問い合わせただけで、次回の1月の診察の時に話しましょうと言われているのですが、1年を無駄に過ごしてしまうような気がして、とても不安になってしまいました。すぐにでも予約を取り直して薬を変えるべきなのでしょうか? アドバイスをお願いします。

「閉経期または化学療法後に無月経状態になった患者」とは、本来は閉経していないのだけれども化学療法(EC)の影響で一時的に卵巣機能が低下している患者さんということです。完全に閉経しているかは、採血でホルモン値を測って判断することになります。アリミデックスは、不完全な閉経状態で内服すると、排卵を誘発して卵巣機能を戻す作用があるため、「アロマターゼ阻害薬の単独使用は基本的に勧められない」わけです。そうすると、アリミデックスを内服しているにも関わらず、ほぼ閉経と判断してよい血液結果であるということは、9月の時点では、まあ閉経と考えてよいと思います。したがって、服用していても問題ないと思います。(文責 緒方)

 

No.11797】  15年11月17日     S I
乳首からの分泌物

昨日から両方の乳首から分泌物が出るようになりました。痒みもあり、少しただれもあります。最初は少し黄色味がある透明の分泌物でしたが、乳首を強くつねると少量の出血が出ました。この様に両方から分泌物がでて、ただれている場合、乳がんの可能性はあるのでしょうか? 色々とネットの情報で見たところ、乳がんの場合、片方からしか分泌物がでない為、両方から分泌物がでた場合は乳がんの可能性は低いと書いてありましたが、確認をしたく質問させて頂きました。ご回答の方よろしくお願い致します。

年齢や、閉経状態などで状況が変わります。閉経前で、しかも生理前であれば、乳頭のかゆみや分泌物はそれだけで異常ではありません。両側に同時に乳がんが発見されることもあるわけで、ネットの情報源がわかりませんが、「乳がんの場合、片方からしか分泌物がでない」わけではありません。お答えするには情報が不足です。(文責 緒方)

 

No.11796】  15年11月15日     TM 
肝臓転移について(HPNo.11766-2)

先日にも相談させて頂いております(No.11766)。 ありがとうございます。妻(58歳)の件で再度ご相談いたします。妻は8年前に乳がんの手術を受けました。浸潤、リンパに転移無し、ステージT、センチネルリンパ節の手術をしました。ホルモン感受性 +1 HER2 陰性 5年間ホルモン治療(アロマシン 25mg)。 今年9月の初め、定期検査で、造影CTで肝臓に白い影と、骨シンチで腰の部分に薄黒い影あり、腫瘍マーカーは全て標準値内でしたが、CEAが4.4(昨年2.2)に上昇。10月の再検査で造影MRI、エコー、PETを行い、骨に転移なし、肝臓に3cmほどのガンが1個が確認されました。今週、脳のMRIの検査結果が出ます。現在、ホルモン治療フェソロディックスの2回目投与を終えています。先日、セカンドオピニオンで肝臓専門医に相談いたしました。先生からは、脳の検査結果にもよるが、画像から肝臓のガンは1個であること、場所、大きさなど条件が良いので、ラジオ波での局所治療を薦められました。主治医も現状での局所治療については消極的ではなく、む しろ前向きです。ご相談です(脳への転移なし前提)
1.局所コントロールが十分確認されていない現状での局所治療の可否。
  ・全身治療に徹し、局所治療はしない。
  ・現在の標準治療で、現状維持または縮小が確認された時点で局所治療をする。
  ・他にご教示頂ければ。
2.もし肝臓の局所治療を行った後の治療方針について。
  ・現状のホルモン治療から抗がん剤での積極的な治療方針への変更の可否など。
  ・他にご教示頂ければ。
3.肝生検の必要性(局所治療するしないに関わらず)
  ・転移したガンは性質が変わることもしばしばあると聞いています。
  ・今後の化学療法で、細胞レベルでガンの性質を調べ適切、適量な抗がん剤治療 ができるのでは?
  ・肝生検について肝臓専門医は、合併症、ハッシュなどのリスクは0.1%ほどで高くはないと指摘。

以上です。お忙しいところ大変恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

質問からは肝臓のガンは原発性肝臓癌ではなく、乳癌の転移ということでよろしいでしょうか。以下乳癌の転移ということで回答させていただきます。
1. 乳癌肝転移の標準治療は勉強されているように全身治療になります。9月の回答でもありましたが、再発はある程度の大きさにあるまで描出されませんので、他にも小さな病変があるかもしれません。フェソロデックスの治療を継続し他に病変がないことを確認してから転移巣への治療を考えてもいいかと思います。
2. ホルモン療法終了後3年での再発ですからホルモン療法への反応性が期待できます。私も同じようにフェソロデックスを薦めます。フェソロデックス後の治療は、フェソロデックスへの反応(効いている期間)などを考慮して決めます。
3.  播種のリスクが少ないのであれば、ご指摘の通り転移巣を生検することに意味があります。転移巣のバイオマーカーが変化していれば治療法が変わる可能性もありますし、仮に生検結果で(転移ではなく)原発性肝癌であれば、肝臓癌の手術により完治する見込みもあります。(文責 大西)

 

No.11795】  15年11月15日     M.K. 
再検査の必要性

乳がん検診後、乳房にエクボを見つけ不安になっています。アドバイス頂ければ、助かります。9月下旬、TVで乳がんのタレントさんの映像を見て不安になり、お風呂時に石鹸をつけて触った所、右胸乳頭近くに2cm位のシコリを見つけました。10月初旬、総合病院の乳腺外科にてマンモグラフィ、エコー、バネ式の針生検(5箇所)の検査をしましたが、結果は良性でした。11月に入って、ようやく検査の「青あざ」も取れて来た頃、怖くて触れなかった胸を改めて見直すと、手で胸を寄せた時に、ちょうどシコリがある部分にエクボが出来る事に気がつきました。他の場所、左胸、試してみましたがエクボはできません。良性なのにエクボが出来る事があるのでしょうか? 心配ならば、セカンドオピニオンでしょうか? それとも別の病院で再検査。もしくはPET検査などを受けた方が良いとか? 良性と言われても不安で仕方がなかった所で、エクボを見つけ混乱しています。年齢48才。何卒、宜しくお願い申し上げます。

針生検による皮膚や皮下組織の傷が硬くなってエクボ様になることはあるかと思います。それでも心配であれば同じ病院でも別の病院でも構いませんので、もう一度診てもらってはどうでしょうか。このケースであれば別の病院を受診するのに紹介状は必要ないかと思います。またエクボを伴う乳がんであれば、PET検査でなくてもマンモグラフィやエコーで十分に見つかりますので、PET検査をする必要はありません。(文責 大西)

 

No.11794】  15年11月15日     A 
ホルモン治療中の下剤について

乳がん温存手術、抗がん剤、放射線が終わり、ホルモン治療に入った41歳です。1日1回トレミフェン40を服用しています。抗がん剤治療中に痔になり、それ以来、痔にならないように便を柔らかくする為に肛門科の先生から言われ、アロ−ゼン(下剤)を飲んでいます。トレミフェンを服用し、下剤を飲むとすぐに排泄して効果が薄れないのか心配になりました。どうなのでしょうか?

アローゼンは大腸に作用して排便を促します。トレミフェンは小腸で吸収されます。併用しても吸収効果が薄れることはありません。(文責 大西)

 

No.11793】  15年11月09日     Y.O.
術後の治療について

術後の治療について相談をお願いします。9月30日に左乳房温存手術を受けました。61歳です。病理結果は、「非浸潤性乳管癌、広がり65x60mm、断端 頭側以外すべて陽性、ly(ー) v(ー)、リンパ節1/3 マイクロ(2mm以下)、グレード2、ER50%、PgR30%、MIB-I index2% です。リンパ節転移がありますが、浸潤部分は見つかってなくて、改めて詳しく病理診断しているそうです。追加手術は、全摘を12月9日にします。主治医はホルモン療法でいけますとの事でしたが、私は抗がん剤をしたいと考えています。初期治療をしっかりとしたいと思ってます。微妙なラインにいつも不安を抱えていたくないからです。抗がん剤治療は過剰でしょうか? どうか、ご意見よろしくお願い致します。

リンパ節転移は陽性ではあるものの2mm以下の微小転移であり、MIB-1=2%、浸潤範囲もおそらく軽度であることから抗がん剤治療は若干過剰かなと思います。ただし、これらのデータは再発しないことを保証するものではなく、抗がん剤治療により再発率が低下することも確か(たとえわずかであっても)なので、最終的には納得のいく治療を受けられた方がいいかと思います。もう少し数字的な裏付けがお望みであれば自費検査にはなりますが、オンコタイプDX検査を受けられるものいいかと思います。ご自身の再発リスクが0から100までにスコア化され、スコアによって抗がん剤による再発予防効果がある程度正確に分かります。(文責 大西)

 

No.11792】  15年11月09日     A
炎症性乳がんについて

炎症性乳がんで相談したものです。落ち込みつつも前向きに治療していたのですが、最近、実は鎖骨上リンパにいっていたことを知りました。ステージ3cです。手術後、放射線で治療するしかないようです。再発転移の確率がさらにあがりました。これでも治る可能性はありますか。

炎症性乳がんについては現在集学的治療(薬物療法、手術療法、放射線療法)が行われ、治療成績が向上しています。薬物は乳癌の特性(サブタイプ)毎に選択されます。サブタイプ毎で治療成績に差はありますが、いずれのサブタイプでも長期に生存されている方もいらっしゃいます。また鎖骨上リンパ節転移陽性というだけでは、根治不能にはなりません。(文責 大西)

 

No.11791】  15年11月01日     HY
フェマーラ副作用の出現時期

ステージ1で、乳房温存術を3年半前にうけました。アブラキサン、FECの抗がん剤を受け、現在はホルモン治療中(フェマーラ)です。ホルモン治療3年になりますが、最近、手足の指先のしびれが気になるようになりました。また、同時に右足首や左ひざなどの関節痛、とくに過去に捻挫などしたところが痛みます(時々、痛くて歩けなくなることがあります)。これは、フェマーラの副作用なのでしょうか? それとも、関節本来の病気なのでしょうか?

1) フェマーラ服用開始から3年たって、関節痛などの副作用が増大することはありますか?
2) フェマーラの副作用にしびれ感はありますか?(アブラキサン投与時にもしびれを少し感じましたが、今ほどではありませんでした。それが残っている可能性もあるのでしょうか?)
3) 右足首の痛みと同時にそのふくらはぎにかけて、むずむずした重たい痛みを感じる時があります。この症状は、フェマーラの副作用といわれる血栓性静脈炎を疑うものでしょうか?

フェマーラの副作用なのかどうか、アドバイスをいただきたく、お願いします。

アロマターゼ阻害剤の副作用と思われますが、整形外科的な要素も否定できないので、フェマーラを休薬するか、薬剤を変更して症状の変化を見るとはっきりしますが、いずれも主治医とよく相談してください。(文責 石山)

 

No.11790】  15年11月01日    T.A. 
今後の治療について

腋窩リンパに痛みがあり組織検査をしたところ、ガンでした。6年前に乳がん温存の手術を受け、その時点ではリンパ転移がなかったので、放射線、2年間ゾラテックス、5年間ノルバディクスで治療をしておりました。今回、腋窩リンパの除去手術を受けることになりました。担当医の話では、再発というよりホルモン治療が終わったため見逃していたであろう部分にガンが出てきたとの説明でした。骨シンチやペットでいろいろ調べても再発の場合生存率に変わりがないので、症状が出た時点で考えましょうとのことでしたが、手術後、今後どのような治療になるのでしょうか? 不安です。どうぞよろしくお願いします。

当院であれば、摘出することになれば再びそのリンパ節にホルモン感受性が残っているか等を確認したうえで、ホルモン感受性があればクエン酸トレミフェンなどの内分泌治療をお勧めしますし、転移先でホルモン感受性がなくなることもあるので、その時は抗癌剤治療を検討します。(文責 石山)

 

No.11789】  15年10月31日   T   
今後の治療について

お忙しい中にもかかわらず、分かりやすく丁寧に教えていただけ、大変助かっています。47歳の6年前に乳房温存術(扇状)を受けました。病理検査結果:浸潤性乳管癌(硬癌)、大きさ2.2cm 、核異型度スコア 2 、脈管浸潤 なし 、 センチネル節生検 0/6 、ER +60% PgR+80% 、化学療法 なし、HER2スコア(染色法)0 、放射線照射50グレイ後ノルバデックス5年とゾラテックス2年によるホルモン治療を受けました。最近、手術側の腋下リンパが石のようにグリグリに固く、痛みがあり、手がしびれています。再発の場合、できれば抗がん剤を避けたいと思っていますが、今後どのような治療になるのでしょうか? どうぞよろしくお願いします。

再発の場合、抗がん剤療法の他には手術(腋窩リンパ節郭清術など)、腋窩に放射線療法、ホルモン療法などの組み合わせの治療が考えられます。(文責 石川)

 

No.11789-2】  16年01月19日   T   
今後の治療について(2)

前回11789で回答いただき、ありがとうございました。検査の結果リンパ節に再発していたため、リンパ廓清しました。病理検査の結果、ER:90%、PgR:90%、ハーツー:2+がでたため、現在FISH検査の結果待ちです。陽性の場合と陰性の場合の今後の治療法はどのようになるのか教えてください。閉経しているかどうかの検査はまだしていませんが、生理はありません。どうぞよろしくお願いします。

最初の乳がんがHER2陰性であるということで、今回の転移がHER2 FISH陽性になる可能性はそれほど高くないと思います。もし陽性だった場合には、化学療法を行うならば抗HER2療法を加えることになると思います。陰性であれば化学療法のみで行うことになると思います。(文責 俵矢)

 

No.11788】  15年10月31日    H  
悪性の癌でしょうか?

今年2月に産婦人科病院で乳がん〔マンモと触診〕と子宮ガン検診をうけましたが、その時はどちらも異常なしでした。18日に、何気に左胸をチェックしたら、内側下の胸に体の中心の骨からおっぱいにむかって何か硬い触感が・・・。あわてて鏡をみれば、左の胸がふっくらしていて、上の方も右より硬い感じです。これは、速く成長すると聞いたことのある悪性の癌でしょうか? 明日、総合病院の乳腺外科に診察にいくのですが、悪性の癌で、他にも転移していたらどうしようと不安でなりません。左側鎖骨あたりが張り気味なのも気になります。転移でしょうか?

すでに総合病院の乳腺外科に行かれて乳房超音波検査など受けられましたでしょうか。今年2月にマンモと触診を受けられ異常なしでしたので、また症状からみても乳がんとは考えにくいと思います。万が一乳がんということになっても、成長速度の速く悪性度の高い癌という可能性は非常に少ないと思います。(文責 石川)

 

No.11787】  15年10月30日    T 
全摘手術後のしこり

いつも拝見して参考にさせていただいております。2006年2月(当時61歳)、左乳房全摘手術、ステージUaでした。センチネルリンパ節生検の結果、リンパ節郭清は受けておりません。術後の病理検査の結果、断端陽性ということで抗がん剤治療、その後5年間アロマターゼ阻害剤(アリミデックス)を服用しました。術後毎年3月に検査をしていただいていますが、クリアーしました。2日ほど前に気が付きましたが、手術の傷の上4cmくらいのところに、2cmと3cmのしこりがあります。痛みはありません。特に3cmのしこりは飛び出している感じです。これは胸壁に局所再発ということではないかと不安になっています。来年3月に、10年経過ということで最後の検査を受けることになっていますが、早く受診したほうがよいのか迷っています。ご意見お聞かせ下さいませ。よろしくお願いいたします。

しこりであればすぐに受診されることをお勧めします。(文責 石山)

 

No.11786】  15年10月30日   C.T
慢性乳輪下膿瘍

第2子出産後から何度も乳腺炎にかかり、授乳期を終えてからも慢性的に乳輪下膿瘍を繰り返しています(ここ3年間は、毎年かかっています)。通常乳輪下膿瘍を繰り返している場合は根治手術をするとのことですが、主治医に聞いたところ、私の場合は、その都度膿んでいる場所が違っていて、病巣がこことは特定できず、乳管閉塞も見られないそうです。こういった場合は、この先も都度都度切開排膿を繰り返していくしかないのでしょうか?

乳輪下膿瘍は確かに治りにくいので、切開排膿を繰り返す人が多いのは事実ですが、炎症を起こす前兆が分かれば予防的に内服薬で治療できる場合もあります。(文責 石山)

 

No.11785】  15年10月30日   N.I. 
経過観察

乳癌について検索していたら、こちらでご相談できる事を知りました。昨年30歳の誕生日に初めて市の検診を受け、乳腺専門医によるエコーで精密検査になりましたが、総合病院の乳腺外科で、良性腫瘍の為、経過観察中です。初診→半年後→本日の3回目の定期検査(マンモ、エコー)を行いました。1年前と同じでした。北斗昌さんのように乳癌を見落としされていたら怖いです。半年毎に検査していて、本当は乳癌でないのか心配です。違う病院の先生に再度、診察に行くか考えています。ご指導よろしくお願いします

乳腺専門医の診察を受けているなら普通は問題ないと思いますが、細胞診や針生検などの方法で精査することもありますが、必要性について聞いてみてください。納得がいかなければセカンドオピニオンとして別施設で相談されたほうが良いかもしれません。(文責 石山)

 

No.11784】  15年10月20日   A.O. 
再発予防について

初めて相談させて頂きます。30代後半、腫瘍径6mm、微小浸潤で、浸潤径は不明。リンパ節転移なし、ER、PgR共に+、HER2-、グレード1です。温存手術、放射線治療を終えて、ゾラデックス2年とノルバデックス5年のホルモン治療が始まります。乳がんの術前CTで7cmのチョコレート嚢胞が見つかり、片側の卵巣と卵管の切除が決まりました。婦人科の先生には、今後子供を望まないなら、手術ついでに乳がんの再発予防のため、子宮卵巣全摘をしてはどうかと提案されました。ゾラデックスで更年期の症状はどちらにしても出るのだし、デメリットは他には特にないと言われました。再発防止のためにそこまでした方が良いのか、本当にデメリットはないのか悩んでいます。ご回答、宜しくお願い致します。

ホルモン受容体陽性の微小浸潤癌の標準的な術後の補助薬物療法は,ノルバデックス5年です.早期の卵巣機能喪失による,骨粗鬆症,動脈硬化などのデメリットを考えると,両側卵巣切除は,おすすめしません.(文責 徳田)

 

No.11783】  15年10月20日   Y・N
高齢者トリプルネガティブ

76歳の母についてお伺い致します。右乳房温存術、両側リンパ節切除を行いました。乳房の腫瘍は大変小さかったのですが、両側リンパ節への転移数が合わせて30個。術前のサブタイプはルミナールbでホルモンの感受性が高かったのですが、術後の病理結果ではホルモンの感受性0%、サブタイプがトリプルネガティブになってしまいました。手術をするまで術前ホルモン療法としてフェマーラを服用しておりました。
1) 手術をする前はホルモンの感受性があったのに、術後なくなってしまったのはなぜでしょうか。
2) 現在の主治医から提示された今後の治療は放射線です。化学療法は高齢の為、すすめられないと言われました。ですが、トリプルネガティブの場合ホルモン剤が服用できないので、放射線が終わったあと無治療になることに、とても心配です。ホルモンの感受性がないのにホルモン剤を服用しても意味はないのでしょうか。
3) このような母への治療法を教えてください。(抗がん剤をやるしかないのか? そのほかの治療はないのか?)

リンパ節転移の数がとても多かったこと、ホルモン療法ができないこと。再発の可能性が高いのではと考えてしまい、不安でたまりません。トリプルネガティブに使用できる薬が1日でも早く認可され、使用できる日がくることを願っております。大切な母なので、まだまだ元気に過ごしてほしいのです。どうかご意見お待ちしております。

1)術前ホルモン療法で,感受性のある腫瘍は消失し,感受性のないトリプルネガティブの細胞が増殖したためと考えるのが自然です.
2)再発防止効果は,期待できません.
3)現時点では,抗がん剤しかありません.(文責 徳田)

 

No.11782】  15年10月20日   M.O.  
乳がん再発治療について

75歳の母の乳がん再発治療についてご相談させて下さい。
2013年7月 右胸温存手術。持病(悪性リンパ腫により造血幹細胞移植後の合併症及び脊柱管狭窄症による足のしびれ)があったので、放射線および抗がん剤治療は行わずに、ホルモン剤フェマーラを現在まで服用。リンパ節転移1個 ER=Allredscore=7、=Allredscore=8、Her2=マイナス Ki67=30%、ルミナルBタイプ。 Ki67の値が高かった為、抗がん剤治療を行うかどうか悩みましたが、オンコタイプDXの結果も、抗がん剤を行っても3%位の上乗せ効果しかなかった為、やりませんでした。今年7月の定期検診のマンモの検査では異常がなく安心しておりましたら、先月9月に受けた人間ドックで肺の異常を指摘され、PET検査の結果、肺、右胸、副腎への転移が発覚しました。胸の細胞の生検をしたところ、Ki67が高くなっていますが、2年前の結果とほぼ同じでした。R=Allredscore=8、PR=Allredscore=7、Her2=マイナス Ki67=50%。主治医の先生が予想していたより早い再発だったようです。ホルモン剤もきいているのに珍しいタイプともおっしゃっておりました。今後の治療方法について腫瘍内科の先生から下記3つを提案されています
・フルベストラント
・アロマシン+アフィニトール
・抗がん剤 パクリタキセル+アバスチン 

抗がん剤の副作用(特に手足のしびれ)のことを考えて、フルベストラントから始めたほうが良いのか、それとも抗がん剤からやったほうが良いのか悩んでいます。ご意見をお聞かせください。どうぞよろしくお願い致します。

フェマーラ内服中の再発ですので,ホルモン感受性は,低いように思います.個人的には,転移の状況がすぐに命に影響が及ぶようであれば,抗がん剤,余裕があるようであれば,アロマシン+アフィニトールを選択します.治療の効果判定には,4週間程度でPET検査を行い,ブドウ糖の取り込み具合で評価すれば,早期に無効な治療を中止できます.(文責 徳田)

 

No.11781】  15年10月19日   K 
非浸潤癌(石灰化)から浸潤癌に

私は 非浸潤癌手術から8年目をむかえました。両方の乳房は 温存手術でした。今回の検診で、左乳頭近くに癌が見つかりました。私は、詳しく自分は今どうなっているのか知りたいと思います。細胞診では、何が分かりますか。全身癌でしょうか。リンパ球+1は、何を意味しますか。細胞診検査報告書は、以下の通りです。
判断:悪性
Malignant cells:ductal carcinoma
細胞所見
papanicolaou 分類:classX
出現細胞
円柱上皮細胞 +1
赤血球 +1
好中球 +1
リンパ球 +1

よろしくお願いします。

細胞診ですので,100%がんの再発とは断定できませんが,可能性は,きわめて高いと思います.細胞診のリンパ球などは,血液由来のものと思われます.組織診で確定すべきと思います.がんの確定診断が得られた場合,全身再発がないかどうか確認します.明らかな転移がなければ,残存乳腺の局所再発ということになります.局所再発には,前回の手術時にがんが取り切れなかった場合と,新たながんが別の場所に発生した場合があります.温存手術後の残存乳腺に放射線照射が行われている場合には,局所再発に対し
て,残存乳腺切除(全摘術)が標準です.(文責 徳田)

 

No.11780】  15年10月19日   I.M.
今後の治療について

初めて質問させて頂きます。46歳、乳がんで右胸の温存手術、センチネルリンパ節生検を大学病院で受けて1ヶ月経ちました。術後の最初の診察では病理検査の結果は出ていなかったのですが、思ったより拡がっていたと言われました。浸潤部分が1.8cm、非浸潤部分もあわせると7cm程切りましたとの事でした。元々、腫瘍のあった部分が胸の上部だった為、1番上は物理的に取りきれなかったと言われました。取りきれなかった部分は放射線で大丈夫と言われましたが、本当に大丈夫なのでしょうか? 術前、手術で腫瘍を取り除き、目に見えない癌や再発防止の為に放射線をやるとの説明だっただけに、今現在残っている物に効果はあるのでしょうか? 残ってしまっているという事は、浸潤して他に転移していくと言う事も十分考えられますよね? 後日、病理検査の結果を聞きに行ったのですが、浸潤癌、ルミナルA、ステージ1、HAR2陰性、脈管浸潤なし、という説明だけで、今後の治療はホルモン治療と放射線治療で、抗がん剤は必要ないですと言われました。病理検査の結果も、もらえませんでした。
術前、傷は、腫瘍を取り除く箇所とセンチネルリンパ節生検の箇所の2箇所と説明されていました。術後、傷を見ると、2箇所以外に火傷の様な傷が、小さい物もあわせると4箇所あり、大きい物は2.5cm程あり、深い傷です。その事に対しても担当医からは何の説明もなく、こちらが聞いたら、電気メスがあたったのかな?と言う答えでした。大学病院ということは理解したつもりですが、担当医はその場にもいなかったのでしょうか? 手術前はとても信用していた先生だっただけに、今は不安だらけです。

基本的には,疑問に感じていることは,すべて,直接担当医に質問すべきと思います.私にコメントできることは,断端陽性でも,乳管内の癌,非浸潤癌で陽性の場合には,断端に追加照射することで対処可能とされていることです.(文責 徳田)

 

No.11779】  15年10月15日    T
乳がんについて

私は18歳ですが、最近ニュースなどで乳がんについてよく取り上げられて心配になりました。片側の胸なのですが、しこりとはまた違うような感じのものがあります。触った感じとしては、骨が出っ張っているという感じで、よく言われている豆のようなものという表現とは合わないものが胸にある気がします。平らという表現のほうがあっているかもしれません。触ると痛いことがありますが、骨をぶつけたり、強く押したりすると感じる痛みに似ている気がします。気になってネットで調べたのですが、10代ではあまり乳がんにはならず、また、しこりがあっても乳がんではない場合が多いとあったので、自分ではよくわかりませんでした。これは乳がんでしょうか?

10代では乳がんはかなり少ないと思います。多くの場合は乳腺が少し硬く触れているだけか、線維腺腫という良性のしこりだろうと思いますが、乳腺外来を受診してみるのをお勧めします。 (文責 俵矢)

 

No.11778】  15年10月15日    A
MRI

マンモ検査と組織を取った結果、乳癌の可能性があるとのこと。11月の中旬にMRIをうけることになりました。生理が終わってから10日間の間に受けなければならないとのことで、大丈夫なように予約はとりましたが、48才という年齢もあり、その通りにくるか不安でしかたありません。もし生理がこなかったら、MRIの検査はしても無駄なのでしょうか。通っている病院がなかなかMRIの予約が取れないようです。乳癌の可能性が大きいといわれ、MRIまで1ヵ月以上あき、不安で不安でおしつぶされそうです。よろしくお願いいたします。

乳腺のMRIは、病変が造影剤で造影されることで診断をします。月経のある方の場合、排卵期から月経までの間(黄体期)にMRIをすると、時々背景の正常乳腺の造影効果が強く、病変があるのかないのか判断するのが難しいことがあります。ですから、せっかく撮影するのであれば、月経の時期を考慮したほうがよいです。月経不順の方は月経の開始が読めないので、とりあえず撮影して結果をみて考えることもあります。一概には言えませんが、がんの中にもいろいろあって、早くの対処が必要ながんは、マンモ、エコー、針生検でほぼ診断できることがほとんどです。それらの基本検査で診断がつかないような病変は、もしがんであったとしても、それほど早期の対応が必要でないものが多いと思います。この場合、良性か悪性かを慎重に診断していく必要があるのではと考えます。
それでも不安な気持ちが強ければ、主治医にもう一度説明してもらうのが一番かと思います。(文責 俵矢)

 

No.11777】  15年10月15日    Y・N
温存術後の赤みについて
 

高齢の母について相談致します。1か月前に乳房温存術をしました。乳房の腫瘍は小さいのですが、リンパ節への転移はありました。脇の下を切除したので、乳房に傷は残っていません。術後1カ月経ちましたが、右乳房全体が赤く、まだらな血栓のようなものもあり心配です。真っ赤ではありません。痛みや腫れもありません。主治医には原因はわからないと言われましたが、何かの感染を起こしている可能性もあるということで抗生剤をもらい服用していますが、赤みは全く改善されない状態です。何か考えられる原因はありますでしょうか。術後の後遺症で、あることなのでしょうか。血流障害などをおこしているのでしょうか。もうすぐ放射線治療がはじまるため、このままで大丈夫なのか、母親も不安に思っております。ご意見をいただきたく、どうぞ宜しくお願い致します。

感染を起こしていれば、通常、痛みや腫れ、熱などを伴ってきます。また血流障害を起こしていれば、時間とともに皮膚が真っ黒になってきますから、どうもいずれでもないようです。しかし、こればっかりは診察しないとなんとも言えません。主治医の先生が放射線を開始するということは、あまり重篤な事態ではないのではないでしょうか。 皮膚の状態を一番観察していらっしゃる主治医にお聞きになるのがよいと思います。(文責 俵矢)

 

No.11776】  15年10月15日     A
化学療法について(HPNo.11771-2)
 

もうひとつ、化学療法で相談させてください。今後の治療を、前回から継続でハーセプチンとパージェタということです。サイバーナイフを行ったことで経過観察もするし、首から下は効果があったし、副作用が出ていなかったからです。今後またガンが出てきたら、脳に効果のある抗ガン剤を使用するとのことです。治療法を一つでも残していきたいということだと思います。
もとはHER2.+3で、右乳房全摘とリンパ節も切除しました。ドセタキセルとカルボプラチン4クール、ハーセプチン治療一年間しました。半年後の検査で、肺と脇リンパ節に転移がみられ、ナベルビン6クールとパージェタとハーセプチン(パクリタキセルはアレルギー症状が出て中止し、ナベルビンに変更)を行い、6月からパージェタとハーセプチンのみとなり、肺と脇は小さくなって抑えられておりますが、8月に倒れて脳転移がみつかりました。この時点で手術が必要な大きさになっていました。主治医を信頼しておりますが、今、自身の年齢が40代前半ですが、進行が早い気がします。脳に効果的な薬の方が、前回と同じ治療法のままで、また倒れたり手術となると再度乗り越える自信がなく、同じ治療方法で首から下を治療しつつリハビリに専念するのも後々に良い気がするし、他に方法がないのかとも思ったりします。良いアドバイスを頂戴できればと思い再度メールいたしました。ご返信頂きたく、よろしくお願いします。

開頭手術をされて、脳浮腫の原因のところは切除し、他のところをサイバーナイフということなのでしょうか。それであれば、手術して間もないうちは、あまり体に負担のかかる治療を避けて、体を回復させることと、リハビリを行うということは妥当であると、私も思います。抗がん剤を行うことだけが治療なのではなく、休んで体を回復させることも大切な治療の一環と考えてください。(文責 俵矢)

 

No.11775】  15年10月09日     A
炎症性乳がんについて(3) (HPNo.11763-3)

本当にありがとうございます。タキソテールについて、わかりました。効果は同じなんですね。では、ACとFECはどうでしょうか。私は、先にACをしています。あと、私は、ホルモンが効きません。ハーセプチンが頼りとなります。ホルモンが効かなくても、転移をおさえられる場合は、わずかであっても、ありますか。

ACとFEC(EC,CAFなども同様)はどちらも、アンスラサイクリン系薬剤を含む抗がん剤を組み合わせた治療法であり、同等と考えてください。貴女の場合、ホルモンの感受性がなくHER2が陽性のタイプ(HER2 typeともいう)と考えられますが、最近ではこのタイプの方に効果的とされる治療法がとても進歩してきており、転移が抑えられるケースももちろん多く見られております。一生懸命に前向きに頑張っておられる貴女を皆で応援しております。頑張ってください。(文責 谷)

 

No.11774】  15年10月07日     A
胸のいたみとしこり

胸に痛みがあり、しこりがあるようにも思うので、診察を受けたいと思っております。できるだけ誤診の可能性が少ない医療機関に掛かりたいと思い、

a.乳腺専門医がいる
b.マンモグラフィ検診施設画像認定施設である
c.検診マンモグラフィ読影認定医師がいる
d.撮影認定診療放射線科技師・医師がいる
e.体表臓器の超音波検査士がいる

すべてに当てはまる医療機関を探しましたところ、がん診療連携拠点病院など、紹介状が必要な施設ばかりになってしまいました。もう少し小さい医療機関を選ぶ場合、「上記の条件のうち、最低これだけは(例えば、「aとdだけは」等)当てはまる所を探した方がいい」「優先順位をつけるなら、a,c,e,d,b の順番」など、何を基準に選んだらいいか、教えていただけませんでしょうか? もしくは、最初から、がん診療連携拠点病院で診察を受けた方がいいでしょうか? ご回答いただけますと幸いに存じます。よろしくお願い致します。

なかなか難しいご質問です。乳腺疾患に関し受診する際、どの条件があれば確実、といったものはないと思います。個人的な意見で言わせていただきますと、まず「乳腺外科」を標榜している病院(クリニック)を選ぶこと、実際に自分を診察してくれるのがその専門医の先生なのかを受診する前に確認しておくこと、診察の際に自分の症状を担当医に詳しくお伝えすること、などがより重要であると考えます。これらを参考に受診なさってみてください。(文責 谷)

 

No.11773】  15年10月03日     H 
今後の治療について

60代乳癌患者です。今年8月にマンモトーム生検、CTその他あらゆる検査をして、最終病理診断で、ステージ1、2センチの浸潤性乳管癌、ホルモン受容体陽性、Har2陰性、リンパその他転移なしという事で、温存手術を目的として現在フェマーラを一ヶ月あまり服用中です。幸い まだ自己判断ではあるものの、かなり小さくなっている様に思います。ただ、これは周りの意見がおおいに影響しているのですが、少々疑問点があります。
1)  一箇所だけの、しかも当病院内での病理検査なので(大学病院ほどではないが、そこそこの大きさの総合病院)、信用しても良いのか。セカンドオピニオンの必要はないのか?
2) しこり部分の組織検査だけで、浸潤しているかどうかなぜわかるのか・・・
3) フェマーラは良性腫瘍にも効果があり、実は万が一良性腫瘍であって、たまたましこりが小さくなったのではないか?
4) そもそも良性腫瘍なら、ホルモン受容体、Har2などの数値は出ないのか?

以上沢山質問させて頂きましたが、何卒よろしくお願いいたします。

1)もし病理診断に疑問な部分があればセカンドオピニオンは良い手段ですが、メールを拝見する限りではとくに問題も無いように見受けられ、信用していただいて良いのではないのでしょうか?
2)浸潤性乳管癌の「浸潤」とは、がん細胞が乳管組織の外に出ていることを示しているもので、いわゆるミクロの世界での「浸潤」を示しております。
3)悪性の診断にもし疑問があるようであれば、主治医の先生にその疑問の理由を提示してお聞きになられるのが良いと思います。
4)良性腫瘍でもホルモン受容体、HER蛋白2などは存在し得ます。(文責 谷)

 

No.11772】  15年10月03日     T.H. 
乳癌の可能性について

32才未婚女性です。出産経験はありません。乳癌の可能性について相談させてください。3ヶ月ほど前、乳輪が痒く、かいてしまったためか、乳輪から膿のような分泌物がでるようになりました。私は婦人科(自治体の乳癌の検診を行なっているところのようです)に通っているので、そこの先生に相談したところ、細菌がいるだけだ、と言われました。その際、乳腺の中まで細菌が入り込んでいないことは検査で確認されました。またエコー検査もされました。その結果、ステロイド系の塗り薬と抗生物質を処方されました。すぐに落ちつきましたが、たまに、分泌物がでることがあります。薬を塗ると収まり、かさぶたのようなものになりますが、それが剥がれて、また分泌物がでるという感じです。ちなみに、片側からだけです。婦人科の先生に乳癌の可能性について聞きましたが、塗り薬で治るなら違う、と言われ、乳癌検査はしていただけていません。また、触診のみの乳癌検診が先日あり、そこの先生にも相談しましたが、乳癌の可能性なし、とは言われました。しかしながら、完全に治りきらないことから、不安で、色々調べたところ、分泌物のある乳癌、かゆみからわかる乳癌があるとのことで、不安でいっぱいです。さらに婦人科の先生では乳癌の発見はできない、とのことも聞きました。専門の医師をたずね、きちんと検査することも考えていますが、癌の可能性はありますか? 30代で出産経験がないことから、乳癌になる可能性が高いことも聞いています。ご回答、お願いします。

直接拝見しておりませんので想像でのお答えになります。乳輪周囲の湿疹を伴う乳癌にはPaget病という病気がありますが、この場合ステロイド軟膏などのクスリをつけても一時的せよよくなることは少なく、貴女の場合は乳がんである可能性は極めて低いと考えます。しかし治りが不十分だと判断された場合は、一度皮膚科専門医を受診なさったらいかがでしょうか?(文責 谷)

 

No.11771】  15年10月03日      A 
脳転移

乳がんで脳転移をし、脳浮腫がおこり、開頭手術をして三週間たちました。放射線治療もおわり、今はリハビリが必要で入院しています。術後から頭皮下に水が溜まり、今までに五回注射器で抜いて、まだ溜まるので、脳からお腹までチューブを通す手術をしたほうがいいと言われています。注射器で抜き続けても良くならず、感染症の恐れがあり、そちらのほうが大変なことになるからとのことです。手術するしか方法はないのでしょうか? 乳がんの治療も止まったままで、一ヶ月に2回も大きな手術をするのは私も気力がなくなります。頭の中が真っ白です。それとも、これが普通というか、こういうものなのでしょうか? これから、親に先生が説明して、明後日にでも手術と言われています。よろしくおねがいします。

乳がんの脳転移に対して、腫瘍摘出術、放射線治療と頑張っておられるとのことです。今回は脳の周囲に貯まる「みず」を逃がすためのチューブを留置する手術を提案されているわけですね。この手術自体は脳神経外科が担当しますので、われわれ乳腺外科医が手術するわけではありませんが、今回の手術は前回と比べて一般的には負担も少なく、お受けいただくことを私自身もお奨めしたいとおもいます。頑張ってください。(文責 谷)

 

No.11771-2】  15年10月15日      A 
化学療法について

もうひとつ、化学療法で相談させてください。今後の治療を、前回から継続でハーセプチンとパージェタということです。サイバーナイフを行ったことで経過観察もするし、首から下は効果があったし、副作用が出ていなかったからです。今後またガンが出てきたら、脳に効果のある抗ガン剤を使用するとのことです。治療法を一つでも残していきたいということだと思います。
もとはHER2.+3で、右乳房全摘とリンパ節も切除しました。ドセタキセルとカルボプラチン4クール、ハーセプチン治療一年間しました。半年後の検査で、肺と脇リンパ節に転移がみられ、ナベルビン6クールとパージェタとハーセプチン(パクリタキセルはアレルギー症状が出て中止し、ナベルビンに変更)を行い、6月からパージェタとハーセプチンのみとなり、肺と脇は小さくなって抑えられておりますが、8月に倒れて脳転移がみつかりました。この時点で手術が必要な大きさになっていました。主治医を信頼しておりますが、今、自身の年齢が40代前半ですが、進行が早い気がします。脳に効果的な薬の方が、前回と同じ治療法のままで、また倒れたり手術となると再度乗り越える自信がなく、同じ治療方法で首から下を治療しつつリハビリに専念するのも後々に良い気がするし、他に方法がないのかとも思ったりします。良いアドバイスを頂戴できればと思い再度メールいたしました。ご返信頂きたく、よろしくお願いします。

開頭手術をされて、脳浮腫の原因のところは切除し、他のところをサイバーナイフということなのでしょうか。それであれば、手術して間もないうちは、あまり体に負担のかかる治療を避けて、体を回復させることと、リハビリを行うということは妥当であると、私も思います。抗がん剤を行うことだけが治療なのではなく、休んで体を回復させることも大切な治療の一環と考えてください。(文責 俵矢)

 

No.11770】  15年09月30日      R.S.
術後の治療について

温存手術を終えて1カ月がたとうとしています。その後の治療についてご相談させてください。47歳です。術前の診断で非浸潤性で1.6センチの腫瘍と言われ、温存手術をしました。術後の病理検査において、「異形上皮細胞の主として乳管内面ぽう癌様の増殖が見られるが、一部で明らかな周囲への浸潤が見られる。比較的高度なリンパ球浸潤を伴っている。腫瘍はごく一部脂肪組織内へも浸潤しているが、切除断端は陰性で明らかな脈管浸潤は見られず、切除リンパ節にも転移を認めない。周囲は高度な硬化性腺症を伴う乳腺症である。」というものでした。
size:10×8mm,f, グレード2(2+2), ly(ー), V(ー), n(ー)、 センチネル:0/1, level 1:0/5、 腫瘍細胞はER+:50% PGR+:30%、 HER2(3+) MIBー1 index:>30% です。この結果から、すぐに放射線治療→抗ガン剤3カ月(エピルビシン、エンドキサン)→ハーセプチン1年間とホルモン治療(アリミデックス)5年間と言われました。治療の優先順序や薬剤の種類など、先生はどのようにお考えでしょうか。放射線治療がすぐにでも始まりそうです。お考えをお聞かせください。よろしくお願い申し上げます。

ご相談どうもありがとうございます。早期の浸潤がんで、ホルモン感受性があり、Her2が陽性、Ki-67(MIB-1 index)が30%以上ということでLuminal B、Her2陽性という分類になります。温存療法後ですので、局所再発を防ぐためにも放射線治療は欠かせません。また、Luminal B、Her2陽性では、抗がん剤治療、ハーセプチン投与を欠かすこともできません。放射線治療、抗がん剤治療、ハーセプチン投与、ホルモン治療を確実におこなっていくことが大切です。治療の順番による成績の違いはないと報告されています。主治医の先生の御指摘の通りに治療をおこなっていただければ良いと考えます。またご不安な時にはいつでもご相談くださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11769】  15年09月30日      R 
10代でも乳ガンはあるのでしょうか?

もうすぐ16歳になります。乳ガンについて質問です。母親も乳ガンで、少し自分の胸を気にしていたのですが、左だけ少し固く、高さが違っていて、なぜか乳首が少し割れています。また、最近左の乳首近くに少し紫ぽい色のあとがあるのを見つけました。痛みも1、2回ありました。これって、乳ガンなのでしょうか? 10代でも乳ガンはあるのでしょうか? 返答をよろしくお願いします。

ご相談どうもありがとうございます。おっしゃる内容から正確に判断することは難しいです。お母様が乳がんの場合、ご家族に乳がんのいらっしゃらない方と比較して乳がん発症の危険性は約2倍になると言われています。できれば25歳以上になりましたら毎年マンモグラフィーと乳腺エコーをおこなうことをお勧めいたします。10代での乳房の張り感の多くは、思春期乳腺炎で自然に軽快します。10代で乳がんになることは非常に稀ですが過去に報告はあります。ご不安な時は一度乳腺外来で検査をお受けになってみてくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11768】  15年09月30日      A 
炎症性乳がんについて(2)(HPNo.11763-2)

炎症性乳がんについて、励みになるお返事、ありがとうございます。炎症性乳がんの治療も少しは、向上しているということ、厳しい現実ではあることも認識しながら、頑張りたいと思います。また十年以上頑張っておられるかたも、いらっしゃるときき、希望を持ちたいと思います。
1) 私は、ACのあと、タキソテールとハーセプチンの予定ですが、タキソールをしてる方もいて、副作用の違いなどあるようですが、効果としてどうなんでしょうか。ホルモンは陰性です。
2) 前にも聞きましたが、放射線とハーセプチン一年間を終えて、転移をおさえられているかたはいらっしゃいますか。可能性はありますか。また、転移をおさえれる治療は、もうないでしょうか。

よろしくお願いします。

ご相談どうもありがとうございます。タキソールとタキソテールの役割についてですが、タキソテールを3週間ごとに投与するのと、タキソールを毎週投与することの効果が等しいという研究結果が発表されています。炎症性乳がんにたいして、放射線とハーセプチンを終えてお元気な方はいらっしゃいます。今後、もし再発が見られた場合にも、治療薬は開発されてきております。まずは、今の治療をしっかりとなさって、またご不安な時にはいつでもご相談くださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11767】  15年09月25日     T.U.
アリミデックスへの変更

54歳、手術後6年たちました。放射線治療とハーセプチン+タキソールで約1年治療し、その後、子宮筋腫があったこともあり、リューブリンを4年、その間、生理は止まっていました。去年の4月より、リューブリンをやめてフェアストン錠に切り替わりました。約1年半服用した今年の8月に受けた子宮体がん検査で擬陽性となり、婦人科の先生より、「子宮の状態から見てまだ閉経していない、卵巣からホルモンが出ていると思う、内膜が厚くなっているので生理が来ると思われる」と、言われました。結局、子宮体がん検査は陰性で、組織検査後の3,4日はごく少量の茶色い出血がありましたが、その後半月たちましたがは出血はしていません。この子宮の状態を乳腺の先生に報告したところ、年齢的にもアリミデックスに切り替えてもよいかもしれないので、ホルモンの値を調べてみましょうと言われ、血液検査を受けました。その結果、乳腺の先生の判断で、数値的に生理が復活するとは思えないし、子宮内膜の肥厚はフェアストン錠の副作用とも考えられるので、閉経と診断してアルミデックス錠に変更しますとのことでした。ところが、その血液検査の数値を子宮体がんを調べた個人病院の婦人科に持って行ったところ、数値を見たうえでも、「まだ閉経していない、ホルモンは出ている」と、おっしゃるのです。具体的な数値は 卵胞刺激ホルモン 11.88  黄体形成ホルモン  4.30  エストラジオール 10 プロゲストロン 0.33。 婦人科の先生は、卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンの値が低すぎる、閉経ならその数値がもっとあがるはずとおっしゃいます。ただ、婦人科の先生は、「フェアストン錠を内服しての数値なので、もしかしたらその影響で低くなってるのかもしれない、知識がないのでわからない。」とのことでした。アリミデックスは完全に閉経状態でないと生理が復活する恐れがあり、慎重に判断すべきとネットに書いてありました。婦人科の先生の意見を電話で乳腺の先生に問い合わせたのですが、先ほど説明した通りですと伝言され、詳しくは聞けませんでした。このような場合、、そのお薬に詳しい乳腺の先生に従うべきかなと思うのですが、あまりに婦人科の先生との意見の相違に戸惑ってしまいます。私はそのままアリミデックスを飲み、万が一生理が復活した場合、その乳腺外科あるいはその乳腺外科の病院の婦人科にかけこむということにしようかと思うのですが、どのように思われるでしょうか。

10年以後の再発リスクの低減のために、ホルモン療法も5年以上の投与が推奨変更された現在、閉経前でも閉経後でも効果のある抗エストロゲン剤を、閉経について外科と婦人科の意見が同じになる数年後まで更に使用するというのも1つの考え方だと思います。また、その間は、婦人科で体がん検診を定期的に行うことになりますが、主治医とご相談の上、納得のいく治療を選択してください。もちろん、明らかな閉経後はアリミデックスに変更してホルモン療法を続けることになると思います。(文責 須田)

 

No.11766】  15年09月25日     TM
乳がんの定期検査結果について

過去に妻の乳がんで相談させて頂いております。妻の件でご相談いたします。妻は8年前に乳がんの手術を受けました。リンパに転移無し、ステージT、センチネルリンパ節の手術をしました。先日定期検査をした結果、骨シンチで腰の部分に薄黒い影、造影CTで肝臓に2cmほどの白い影がありました。去年の検査結果では、骨シンチの影、肝臓の白い影は有りませんでした。先生からは、腫瘍マーカーCEAが標準値内であるが去年より上がっているとも言われ、造影MRIで再検査をすることになりました。10日後に再検査の結果が出ます、検査結果をみないと分かりませんが、
1) 癌以外の可能性はあるのでしょうか?
2) 乳がんの転移でしょうか?
3) 癌だとしたら1年前の検査結果から、こんなに速く進行するものなのでしょうか?
4) もし肝臓がんの場合、治療方法としてどんな選択しがあるのでしょうか?

よろしくお願いいたします。

1)2)3) 画像を拝見していないので何とも言えませんが、答えられる範囲で回答します。がん以外の可能性もありますが、乳癌の転移の可能性も否定できないので、MRIで検査して情報を収集する事が必要になるわけです。また、仮に癌があったとしても、ある程度以上の大きさがなければ画像上に描出されません。従って1年前には、癌が存在していなかったのではなく、画像上に描出される大きさではなかったと考えるのが妥当です。厳密には、画像検査で描出されなかったから転移がないということではないのです。
4) 肝臓がんの治療は、外科的治療、焼灼療法、肝動脈塞栓療法が中心となります。肝障害の状態、腫瘍数、癌の大きさ等によって、治療選択が変わってきます。(文責 須田)

 

No.11766-2】  15年11月15日     TM
肝臓転移について

先日にも相談させて頂いております(No.11766)。 ありがとうございます。妻(58歳)の件で再度ご相談いたします。妻は8年前に乳がんの手術を受けました。浸潤、リンパに転移無し、ステージT、センチネルリンパ節の手術をしました。ホルモン感受性 +1 HER2 陰性 5年間ホルモン治療(アロマシン 25mg)。 今年9月の初め、定期検査で、造影CTで肝臓に白い影と、骨シンチで腰の部分に薄黒い影あり、腫瘍マーカーは全て標準値内でしたが、CEAが4.4(昨年2.2)に上昇。10月の再検査で造影MRI、エコー、PETを行い、骨に転移なし、肝臓に3cmほどのガンが1個が確認されました。今週、脳のMRIの検査結果が出ます。現在、ホルモン治療フェソロディックスの2回目投与を終えています。先日、セカンドオピニオンで肝臓専門医に相談いたしました。先生からは、脳の検査結果にもよるが、画像から肝臓のガンは1個であること、場所、大きさなど条件が良いので、ラジオ波での局所治療を薦められました。主治医も現状での局所治療については消極的ではなく、む しろ前向きです。ご相談です(脳への転移なし前提)
1.局所コントロールが十分確認されていない現状での局所治療の可否。
  ・全身治療に徹し、局所治療はしない。
  ・現在の標準治療で、現状維持または縮小が確認された時点で局所治療をする。
  ・他にご教示頂ければ。
2.もし肝臓の局所治療を行った後の治療方針について。
  ・現状のホルモン治療から抗がん剤での積極的な治療方針への変更の可否など。
  ・他にご教示頂ければ。
3.肝生検の必要性(局所治療するしないに関わらず)
  ・転移したガンは性質が変わることもしばしばあると聞いています。
  ・今後の化学療法で、細胞レベルでガンの性質を調べ適切、適量な抗がん剤治療 ができるのでは?
  ・肝生検について肝臓専門医は、合併症、ハッシュなどのリスクは0.1%ほどで高くはないと指摘。

以上です。お忙しいところ大変恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

質問からは肝臓のガンは原発性肝臓癌ではなく、乳癌の転移ということでよろしいでしょうか。以下乳癌の転移ということで回答させていただきます。
1. 乳癌肝転移の標準治療は勉強されているように全身治療になります。9月の回答でもありましたが、再発はある程度の大きさにあるまで描出されませんので、他にも小さな病変があるかもしれません。フェソロデックスの治療を継続し他に病変がないことを確認してから転移巣への治療を考えてもいいかと思います。
2. ホルモン療法終了後3年での再発ですからホルモン療法への反応性が期待できます。私も同じようにフェソロデックスを薦めます。フェソロデックス後の治療は、フェソロデックスへの反応(効いている期間)などを考慮して決めます。
3.  播種のリスクが少ないのであれば、ご指摘の通り転移巣を生検することに意味があります。転移巣のバイオマーカーが変化していれば治療法が変わる可能性もありますし、仮に生検結果で(転移ではなく)原発性肝癌であれば、肝臓癌の手術により完治する見込みもあります。(文責 大西)

 

No.11765】  15年09月25日     S
乳癌であると告げられました

0代女性です。8月12日に乳がんであると告げられました。組織診断の結果の紙を渡されましたが、とくに説明もなく、オペの日程を決めておきましょうと言われました。次の週に、ペットCTを造影剤なし(小麦アレルギーがあるので)で受けました。結果についての説明もとくにはありませんでした。そして術前説明の日までに乳房の温存をするか全部とるか、きめてくださいと言われました。オペの日にちは10月初めです。私が不安に感じて、「私のがんの進行度は速いですか」と聞いたら、「普通です」と言われました。あとで、「もっと早い日にち、例えば最初に先生が提示された9月14日のほうがよかったですか?」と訪ねましたら、「治療成績に影響はないです」とのことでした。 組織病理診断の紙には、{病理診断} left breast cancer、invasive carcinoma 「所見;強い異型導管上皮が壊死を伴って侵潤増生している」判定「B5b 侵潤癌」SNOMED「T-04030+M-85003」 とありました。
]線非浸潤癌と医師が後で赤ペンで書き添えていました(私の腫瘍は左の脇のやや上部外側の脇の際ぎりぎりにあります)。 PET-CT の紙には、画像診断 左乳房 cT1c、N1、StageUA とありました。腫瘍は14ミリ 皮膚 胸壁侵潤認めず 左液かレベル1に左右差のある淡いFDG集積伴う小リンパ節を認めます 転移疑う。 明らかな遠隔転移の所見はなし(頭部以外)肝右葉後区域にのう胞認める。とありました。(2か月前の腹部エコー検査では異常なしでした)
私の乳がんの種類は日本乳がん学界の種類によるところの「扁平上皮がん」なのでしょうか? 5bの意味ですが、先生は何も言われませんでした。予後が悪いがんなので、リンパにも転移があるし、私の心情を察して詳しい説明を避けたのでしょうか? しかし、何の情報も知らないまま乳房を温存するか全部きるか判断ができにくいです。扁平上皮がんは再発転移しやすいとネットなどで調べると書いてありました。
もう一度先生にお会いして、疑問点をしっかり聞こうと思います。手術後の病理診断をしない限りは確定診断できなく、予後については今の段階では何も言えないのでしょうか?
私としては、今後の人生について時間が少ないのであれば、それまでにやっておかねばならないことがあります。ですから、化学療法が始まって副作用で苦しむ前に、できることはしておきたいのです。なにかアドバイスありましたら、よろしくお願いします。なお、私は5年前に別の病院で子宮体癌(1a期)にてオペしました。高分子型の悪性度の低い癌で、右の卵巣を一つ残しています。今のところ半年に一度の検診で、異常はないです。また通院に1時間40分かかります。今後通院しながらの治療ができるかどうか不安もあります。

病理学的検査とPET-CTの検査から、現時点で分かっていることは、浸潤性乳管癌で腋窩リンパ節に転移陽性ということです。詳細については手術後の摘除標本による病理診断を待つことになりますが、リンパ節転移ありとして、腋窩の郭清は行うことになると思います。「乳房温存+乳房照射」と「乳房切除」は同等の治療であり、どちらの治療を選択しても再発のリスクは変わりありません。乳房の形を残して放射線治療を行うか、全摘して放射線治療を回避するかを決めてくださいということです。患者さんご自身の考え方を優先して治療をすすめるということですが、疑問点、不安点がある場合は、主治医にご相談し、納得のいく治療を選択して下さい。前向きに病気と向き合うためにも大切なことだと思います。(文責 須田)

 

No.11764】  15年09月19日     H.I.
手術日(HPNo.11752-2)

再度質問させていただきますので、よろしくお願いします。8月17日にしこりを取り、病理検査の結果、8月31日に乳がんと診断されました。温存手術日を9月29日から10月13日に再延期したいと考えています。再延期しないで、できるだけ早く手術しなければならないでしょうか? まわりからは、早くしなければだめだといわれています。たいへん悩んでいますので、ご助言をよろしくお願いします。

しこりを切除された後、ほとんど取り切れた状態で手術を待っていらっしゃるので、早急に手術をする必要もないと思います。ただ、少しでも病変が残っている場合も想定されます。精神衛生上、早くしたほうが、気持ちはすっきりするように思いますし、逆に遅らせる理由もありませんので、できる限り速やかに・・ということになります。ご自身の予定と気持ちで日程を決めたら良いと思います。乳房にメスを入れるのでためらう気持ち、お察します。頑張って下さい。(文責 鈴木)

 

No.11763】  15年09月19日     A
炎症性乳がん

炎症性乳がんと8月に診断、EC二クール目です。今後は、タキソテール+手術ハーセプチン、放射線治療の予定と聞いています。ステージ3B、ホルモンは効かずです。炎症性乳がんは、大変難しいことはわかっています。私はどうなるのか、それは誰にもわからないことです。治療で、転移をおさえられている人は、いらっしゃるのでしょうか。炎症性乳がんの治療経過は向上しているのでしょうか。

質問有り難うございます。「炎症性乳がん」と聞くと、ネットでみても、あまり良いことは書いてありませんね。ただ、薬物療法の種類は格段に進歩していますし、HER2タンパク陽性の乳がんのようですから、HER2タンパクを抑える薬剤(ハーセプチン、パージェタ、カドサイラなど)の効果は目を見張るものがあります。自身の担当した方でも、10年以上も前に「炎症性乳がん」と診断されて、今も元気な方はたくさんいらっしゃいます。長い闘いだと思いますが、足元を見ながら、時々、息抜きもし、ご本人のペースで治療を続けて下さい。また、何かございましたら寄って下さい。(文責 鈴木)

 

No.11763-2】  15年09月30日     A
炎症性乳がん(2)

炎症性乳がんについて、励みになるお返事、ありがとうございます。炎症性乳がんの治療も少しは、向上しているということ、厳しい現実ではあることも認識しながら、頑張りたいと思います。また十年以上頑張っておられるかたも、いらっしゃるときき、希望を持ちたいと思います。
1) 私は、ACのあと、タキソテールとハーセプチンの予定ですが、タキソールをしてる方もいて、副作用の違いなどあるようですが、効果としてどうなんでしょうか。ホルモンは陰性です。
2) 前にも聞きましたが、放射線とハーセプチン一年間を終えて、転移をおさえられているかたはいらっしゃいますか。可能性はありますか。また、転移をおさえれる治療は、もうないでしょうか。

よろしくお願いします。

ご相談どうもありがとうございます。タキソールとタキソテールの役割についてですが、タキソテールを3週間ごとに投与するのと、タキソールを毎週投与することの効果が等しいという研究結果が発表されています。炎症性乳がんにたいして、放射線とハーセプチンを終えてお元気な方はいらっしゃいます。今後、もし再発が見られた場合にも、治療薬は開発されてきております。まずは、今の治療をしっかりとなさって、またご不安な時にはいつでもご相談くださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11763-3】  15年10月09日     A
炎症性乳がん(3)

本当にありがとうございます。タキソテールについて、わかりました。効果は同じなんですね。では、ACとFECはどうでしょうか。私は、先にACをしています。あと、私は、ホルモンが効きません。ハーセプチンが頼りとなります。ホルモンが効かなくても、転移をおさえられる場合は、わずかであっても、ありますか。

ACとFEC(EC,CAFなども同様)はどちらも、アンスラサイクリン系薬剤を含む抗がん剤を組み合わせた治療法であり、同等と考えてください。貴女の場合、ホルモンの感受性がなくHER2が陽性のタイプ(HER2 typeともいう)と考えられますが、最近ではこのタイプの方に効果的とされる治療法がとても進歩してきており、転移が抑えられるケースももちろん多く見られております。一生懸命に前向きに頑張っておられる貴女を皆で応援しております。頑張ってください。(文責 谷)

 

No.11762】  15年09月19日     Y  
ルミナールAの化学療法について

51歳 閉経期です。現在、化学療法を追加するか悩んでいます。今年7月初め(約2ケ月前)、乳房切除手術+リンパ節郭清(センチネルリンパ節に転移1個)しました。小葉がん 右側乳房に腫瘤が3個ありました。
@ 浸潤径0.9mm ER95%PgR95%  A 浸潤径0.6mm ER95%PgR10%  B 浸潤径0.5mm ER95%PgR 0%   @〜BすべてGrade1,Ki-67 3%未満

手術から1ヶ月半後よりホルモン療法を開始し、私の希望で、今月中旬、放射線治療も追加しようと考えています。さらに上乗せ効果が1%でもあれば抗がん剤もしたいと思う一方、副作用を考えて効果がないのならやめた方がいいかという気持ちもあり、毎日眠れない日々が続いております。主治医は当初ホルモン治療単独と考えていたため、先日オンコタイプを受けることにしました。

1) 標準治療とは順番が違ってしまいますが、ホルモン治療をしてからTC療法など抗がん剤を併用しても大丈夫でしょうか?
2) また、放射線治療について術後2か月半が経ってしまいましたが、効果に影響はあるでしょうか。
3) 9ケ月間生理がなく、血液検査からも閉経と考えてフェマーラを服用しリューブリン注射もしていますが、問題はないでしょうか。
4) オンコタイプは小葉がんでも参考になりますか?

以上、どのような治療がいいか、お考えをお聞かせいただけたら嬉しく思います。

質問有り難うございます。抗がん剤を使うか、ホルモン療法のみにするか、恐らく、どの患者さまも乳癌の治療で一番悩まされる点ではないでしょうか。
1) ホルモン療法を少し始めたのちに化学療法は?ということですが、明確な答えはありません。恐らく大勢に影響はないと思われます。
2) 放射線治療までの期間も大きな問題になりません。ただ、これもいつまで開けて良いか、という明確なデータはありません。
3) 保険適応上、閉経前のリュープリンと、閉経後に使用するフェマーラは併用できず、公には容認できません。どうしても必要にかられ、使用せざるを得ない再発症例などでは使用することもありますし、ご本人に金銭的負担が生じる訳ではありませんので早急に解決しなくてはならないことではありません。これに関しては、主治医とよくご相談下さい。ホルモン値から、閉経後とするのであれば、リュープリンは不要と思われます。
4) オンコタイプは小葉癌でも使えます。一点、注意したいのは、病理学的におとなしい結果でも、オンコタイプを行うとその逆の結果がでることもあります。その反対もあり得ます。ふたつの結果を総合的に判断し、今後の治療方針を決めたら良いと思います。一般的に、1%の上乗せ効果であれば、抗がん剤はお勧めしませんが、これは感覚的な問題で、5%なら頑張りたいと思う方と、5%ならやらないと思う方がいるように、個人個人で求めるものが違いますので、ご自身の治療目標をしっかり定めて決めたら良いと思います。(文責 鈴木)

 

No.11761】  15年09月16日    B.I.  
乳がん再発後の治療法について

乳がん再発後の治療法について相談させて頂きます。2013年10月に乳房全切除し、抗がん剤治療FECをし、現在ホルモン療法中(ゾラデックス+ノルバデックス)。病理検査結果は、ER 3b PR 3a iy(+) v(-) HER2陰性 リンパ節転移なし。主たる腫瘍は13mmで、他にも数個小さい腫瘍がありました。FEC療法終了直後の血液検査で、ST-439が4.8H、その後半年ごとの検査で5.7H、6.5Hと上昇していき心配していたところ、2015年7月初旬、術側胸壁に5mmのしこりを発見し、部分切除。病理検査の結果は悪性腫瘍で、大胸筋内に腺癌浸潤巣。その3週間後の7月下旬、再び胸壁にしこりを発見。PET検査を行い、他臓器に転移が無いことを確認して、8月下旬に大胸筋切除術を受ける。病理検査の結果、今回切除した大胸筋内には、癌の残存は見られなく、非腫瘍性病変の診断。主治医は、局所再発と考え、今後の治療法としては、ホルモン剤をノルバデックスからフェアストンに変更(40歳で閉経前です)、放射線治療、抗がん剤治療はしなくても良いとの見方です。本当に、放射線と抗がん剤をやらなくてもいいのか、不安を感じています。部分切除をした腫瘍はあきらかに再発であり、筋層内に浸潤していたということもあり、再発に対しての化学療法をしたほうが、今後の転移再発の可能性を、抑えられるのではないかと考えてしまいますが、予後には大差ないのでしょうか? もし、抗がん剤治療をするなら、TC療法と言われています。セカンドオピニオンでは、局所再発と見るならTC療法と放射線を考えるが、筋層内の再発は遠隔再発なので、TC療法ではなくエリブリン、カペシタビンなどを単剤で投与という見解でした。主治医とセカンドオピニオンの意見が全く違うので、ますます分からなくなって来てしまい、相談させていただきました。よろしくお願い致します。

質問有り難うございます。いろいろ難しい要素が含まれていますので、簡潔に述べたいと思います。
@まず、胸筋内の再発ですが、当初の腫瘍があった部位の近くでしょうから、局所再発と考えるべきだと思います。だとすると、遠隔転移がなく、局所再発のみで、かつ取り切れているのであれば、放射線治療が一般的かと思います。
Aホルモン療法を変更するか?ですが、現在、閉経前でしょうか?だとすると、実際に使用できるホルモン治療薬は限られており、フェアストンは閉経後に用いる薬剤ですので、保険適応上、使用するのは問題が生じる可能性があります。ゾラデックスなどで閉経後状態にして、閉経後のホルモン治療薬(フェアストン、アロマターゼ阻害剤など)と用いることも、効果的ですが、保険適応上、問題が生じます。これら、閉経後の薬剤を用いることは、主治医とよく相談下さい。
B局所再発に対して、切除を行い、病変がない状況での抗がん剤はoverな感じがします。ただ、ご心配のように、ホルモン療法をしている最中での再発ですので、ホルモン療法の効果が乏しい可能性があります。しかし、病変がないので、治療効果判定ができず、いつまで続けるのかが規定できません(病変が出ないことを確認しつつ、腫瘍マーカーが下がっていることをみながらずっと続けることになります?)。仮に抗がん剤を行うとしたら、TC療法ではなく、一つの抗がん剤を行うのが一般的と思われます。
以上です。あくまで、個人的な見解を言わせて頂ければ、局所再発で遠隔転移なし、取り切れている、という考えのもと、放射線治療を勧めます。現在のホルモン療法が効いていないと考え、閉経後であれば、種々のホルモン療法がありますが、閉経前であれば、ゾラデックスを使いながら、閉経後に使用するホルモン治療薬を使用します。抗がん剤は、治療効果の判定ができず、現状では使用しません。
明確な答えが出せず、失礼致しました。参考になれば幸いです。(文責 鈴木)

 

No.11760】  15年09月16日    R 
抗がん剤について

抗がん剤について悩んでおります。よろしくお願いいたします。60才。7月に両側全摘手術。 右 非浸潤癌 乳管内症0期、左 浸潤性乳管癌VA、リンパ節転移6/23、大きさ 2.6センチ、核グレード3、Ki 50%、 ER V DR +、 ルミエールB、 HER2 陰性 です。現在、EC2週毎×4の2回目終了です。その後、DTX3週毎×4の予定ですが、できればECのみでDTXを受けず、放射線、ホルモン剤と思っております。主治医の説明では、DTXを追加した場合の再発予防率は10%上乗せとのことです。不確かな10%の為に本当に受ける価値があるのか不安です。ご回答よろしくお願いいたします。

質問有り難うございます。両側の乳房を切除、抗がん剤と、つらい思いをされていらっしゃいますね。お気持ち察します。
術後に再発予防で行う抗がん剤は時代とともに変遷し、@CMF療法、AEC療法に代表されるアンスラサイクリン系抗がん剤、Bアンスラサイクリン系薬剤と、その後にタキサン系薬剤(ドセタキセル、もしくはパクリタキセル)を行う治療法、もしくは、TC療法というように、新しい抗がん剤の出現により、より効果の高い薬剤、メニューに進歩してきました。従って、現在、術後補助療法として行う抗がん剤は、Bのメニューが頻用されています。さて、ご質問ですが、ECで終了し、放射線、ホルモン剤に、ということですが、副作用がきつかったのでしょうか? だとしたら、そこは主治医とよく相談し、10%の再発抑制効果があることは理解できるが、副作用がきつく、モチベーションが続かない、とか、自分の思いを伝えたらいいと思います。確かにAよりBの方が効果は高いですが、この10%をどうとらえるか?です。あくまで再発予防ですので、「しっかり治療をする」というのも大事ですが、「安全に治療をする」というのも大事です。ドセタキセルを止めたい理由がはっきりしませんが、副作用でクタクタになるのであれば、しっかり食べて、体を動かし、元気に過ごす、というのも考え方かと思います。個人的には、病理結果を拝見するに、しっかりと抗がん剤をやられた方がいいのでは、と思いますが、今一度、良くお考えになり、主治医とよくご相談下さい。これからも長い闘いですが、自分のペースで頑張って下さい。応援申し上げます。(文責 鈴木)

 

No.11759】  15年09月16日    S
これは乳がんですか?

今年16になる高校1年生です。昔から陥没乳首だったのですが、最近よく見てみると、乳首がただれているようで、ボロボロになっていました。乳首のただれは乳がんかもしれないと、複数のサイトで見たので心配です。しこりがどのようなものかわからないのですが、多分ないと思います。10代での発症は稀らしいのですが、もしかしてと、不安で仕方がありません。これは乳がんの可能性はありますか? 検診に行きたいと考えているのですが、何科に行くのが望ましいのでしょうか? 長々と失礼しました。

質問有り難うございます。恐らく、いわゆる「湿疹」ではないかと思います。年齢的にも乳癌が発症するのはきわめてまれです。まずは乳腺外科でみて頂き、軟膏などを処方して頂ければいいのではないでしょうか?

 

No.11758】  15年09月11日    HI
センチネルリンパ生検の方法

今月末に乳がんの乳房温存手術を予定しています。手術に際して3つご質問があります。

1) センチネルリンパ生検をを行う場合、色素法RI法の併用が望ましいと聞いていますが、色素法だけでもよいのでしょうか? 現在、手術予定の病院は色素法だけですので、もし併用にすべきなら他の病院を探さなくてはならないと考えています。
2) シリコンを入れています。放射線治療のため、手術時に取り除かなくてはなりませんか? それともそのまま残して手術しても大丈夫でしょうか?
3) 手術と放射線治療は別の病院でも問題ないでしょうか? 手術の病院が遠くにあるため、放射線は近くの病院にお願いしたいと考えています。

お忙しい中、恐縮ですがよろしくお願いします。

1)  色素とRIの併用法が勧められる最大の理由は、併用した方が手術がやり易いということで、色素法単独でもRI法単独でも、その方法でやり慣れた施設であれば問題ありません。もう一つの理由は、ごく稀に色素法とRI法で異なるセンチネルリンパ節が見つかることがあるということがありますが、大きな問題ではありません。
2)  入っているシリコンの種類、状態によると思います。シリコンを入れてもらった施設に問い合わせて確認していただくのが良いと思います。
3)  問題ないと思います。(文責  清水)

 

No.11757】  15年09月11日    M.I
手術予定

ご相談させていただきたいことがあり投稿させていただいています。よろしくお願いします。8月15日にしこりの摘出手術をうけ病理検査の結果、8月28日に乳がんと診断されました。検査の詳細はHER2,ER100%,PgR100%, pT1a,g,Ly0,v0, 乳頭腺管がん、Maegin 1,核レベル1です。

1) 9月28日に手術予定ですが、仕事の都合で延期を考えています。いつまで延期可能と考えたらいいでしょうか? 早急に手術した方がいいとは理解していますが。
2) また今回の病理結果から考えてリンパ節への転移はないと考えていいのでしょうか?
3) 最後に難しい質問ですが、いつがんになったと考えたらいいでしょうか?

お忙しい中申し訳ございませんが、よろしくお願いします。

1) 何ヶ月放っておいたら予後が悪くなるというデータはありませんが、早急である必要はありません。可能な範囲であまり遅らせないと考えていただいて良いと思います。
2) それはわかりません。ですから通常はセンチネルリンパ節生検を行います。
3) わかりません。(文責  清水)

 

No.11756】  15年09月09日    N.T.
トリプルポジティブ ステージ1抗癌剤治療について

8月でAC療法は終わりますので、出来るだけ早くのご相談を希望しております。5月13日に左乳癌の全摘手術を行いました。術後の化学療法で、現在AC投薬治療中です。HAR2が陽性でしたので、ネットで検索しましたところ、タキサン系の抗がん剤(タキソール)をハーセプチンと併用すると再発・転移の予防の治療効果が高くなるというデータがあり、主治医にタキサン系の抗がん剤を追加してほしいと希望したところ、治療の上乗せ効果は数パーセントだが、本人が希望するのならば行ってもよいという返答でした。私としては、再発・転移の精神的恐怖を少しでも多く取り除くため、タキサン系抗がん剤を追加したいと思います。

@  最初に主治医から勧められた治療
 AC 6月9日より開始 4クール。AC後ハーセプチン1年投与。ハーセプチンと併用でホルモン療法開始5年から10年。
A タキサン系を追加した希望する治療
 AC6月9日より開始 4クール。AC後ハーセプチン1年投与。ハーセプチンと併用でタキサン系の抗がん剤(タキソール)をウィークリー12週投与、その後残りのハーセプチンと併用でホルモン療法開始5年から10年。

診断

INVASIVE DUCTAL CARCINOMA,LEFT BREAST,OPERATED pT1(Cm):Tumor size:14×10mm&6×5mm,f, grade2(3+2+2),ly(+/-),v(-)
NO LYMPH NODE METASTASIS:pN0
SLN(G1-1,G1-2)(0/2)
【UICC 7th Ed: pT1N0M0,pStage 1A】
Herceptest Score:2+
HER2/neu(HER2/CEP17>10)
ER 4+3=7
PR 1+2=3
ki-67 labeling index 20%(focal)以上

私の年齢は51歳です。セカンドオピニオンにも数件いきましたが、どちらかあなたが決めてくださいといわれるばかりでした。タキサン系抗がん剤を追加することに間違いがないかどうかのご相談です。

精神的な恐怖感が和らぐかどうかはわかりませんが、再発転移のriskを下げたいとお考えであれば、ハーセプチン+タキサンの併用がお勧めです。(文責 清水)

 

No.11755】  15年09月09日    H
乳頭移植手術

初めて投稿します。昨年、非浸潤癌で左乳房を皮下全摘し、一時再建でエキスパンダを入れ、今年4月にシリコンに入れ替えをしました。再建の仕上げで、明後日乳頭移植手術を受けますが、3日前からゲップや咳の時に左胸や背中が痛みます。特に寝起きするときに、ある体制で痛みます。息が出来ないほどではありません。日常生活は普通に送れますが、体制によって時々痛む感じです。移植前に先生に相談した方が良いですか? その場合、乳腺外科、形成外科どちらでしょうか?

心配ないと思いますが、まずは乳腺外科の先生に相談すべきと思います。(文責 清水)

 

No.11754】  15年09月09日    ソフィ
MRIの結果

アメリカ在住です。51歳。2013年 乳がん ステージ3  部分切除手術(5/11リンパ節)  トリプルポジティブ。TCH 6回、放射線 35回 フェマーラ服用。先日、MRIをとり、その結果で分からないところがありました。
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There is heterogeneous fibroglandular tissue.
Mild bilateral background Parenchymal enhancement is seen.
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ヘテロジェヌウアス (均一ではない)筋繊維質とは、どういう物でしょうか? 癌化しやすい物なのでしょうか? どうぞ宜しくお願いします。

乳房のMRIの所見だと思いますが、1行目は不均一に乳腺組織が造影されているという所見で、いわゆる乳腺症に相当する所見と考えていただいて良いと思います。2行目は背景—乳腺全体—が均一に淡く染まっているという所見で、閉経前の方によく見られる所見で、問題ありません、(文責 清水)

 

No.11753】  15年09月07日    Y.K. 
生理について(HPNo.11711-2)

11634,11711にて相談したものです。いつも相談にのっていただきありがとうございます。なかなか状態が落ち着かず不安な毎日です。今回は生理についてです。昨年の抗がん剤治療2回目の点滴の後、生理が止まり、ホルモンの数値も閉経とみなすということで、今年の1月よりアリミデックスを服用しています。8月10日夜から5日間ほど、ほんのわずかですが、出血があり、不正出血か生理か判断できず、とりあえず子宮体がんの検査はしましたが、陰性でした。4週間後にまた出血があれば、生理だろうが、念のため血液検査でホルモンバランスを9月14日にみるということになりました。このような状況で、9月1日より、排尿の終わりごろに痛みを感じるようになり、さらに残尿感、ひん尿と症状がでたので、本日9月3日に近くの内科を受診し、膀胱炎だろうと診断され、薬を処方されました。その後、まだ薬を飲む前から、わずかな出血がはじまり、これは膀胱炎なのか、生理なのか、またまた自分で不安に思っています。膀胱炎のときの血尿なら尿と一緒に液体状で混ざって出ますか? 少しどろっとした感じの塊っぽければ、やはり生理なのでしょうか? さらに生理だとすると、早くに薬をアリミデックスから変更すべきでないかと思うのですが、医師によると、そんなにあわてなくても大丈夫とのことなのですが、本当に大丈夫なのでしょうか? 不安がつきず、すみませんが、回答よろしくお願いします。

不正性器出血に対しては、子宮がんを否定した上で、周期的な出血かどうか、ホルモンの値がどうかで生理かどうか判断します。9月14日の血液検査の結果でわかると思います。薬の変更はそれからでも遅くはありません。(文責 清水)

 

No.11752】  15年09月07日    H.I. 
手術日

8月18日にしこりをとったところ、31日に乳がんと診断されました。部分摘出手術を受けなければなりません。9月15日と29日と候補日があります。私としては29日希望ですが、すこしでも早い方がいいのでしょうか? 迷っていますのでアドバイスをお願いします。

2週間くらいの差は問題ないと思います。(文責 清水)

 

No.11752-2】  15年09月07日    H.I. 
手術日(2)

再度質問させていただきますので、よろしくお願いします。8月17日にしこりを取り、病理検査の結果、8月31日に乳がんと診断されました。温存手術日を9月29日から10月13日に再延期したいと考えています。再延期しないで、できるだけ早く手術しなければならないでしょうか? まわりからは、早くしなければだめだといわれています。たいへん悩んでいますので、ご助言をよろしくお願いします。

しこりを切除された後、ほとんど取り切れた状態で手術を待っていらっしゃるので、早急に手術をする必要もないと思います。ただ、少しでも病変が残っている場合も想定されます。精神衛生上、早くしたほうが、気持ちはすっきりするように思いますし、逆に遅らせる理由もありませんので、できる限り速やかに・・ということになります。ご自身の予定と気持ちで日程を決めたら良いと思います。乳房にメスを入れるのでためらう気持ち、お察します。頑張って下さい。(文責 鈴木)

 

No.11751】  15年09月07日    K
子宮頚がんだった場合の病院選びについて

現在30代後半、3年前乳がんの温存手術を受け、ホルモン治療(リュープリン、タスオミン)を受けております。術後は、断端陽性ということもあり放射線治療を受けました。術後検査(子宮は無し)は受けていたのですが、このたび人間ドックで子宮頚がんの要検査となり、検査を受けようと考えています。仮に子宮に係るがん治療となった際に、現在通院(乳がん:外科)中の総合病院の方がよろしいでしょうか。総合病院の場合、産婦人科受診となるのですが、産科が主と思われるため、治療件数等の多い病院での検査を受けた方が安心できるようにも思えるので、悩んでおります。通院中の病院と別の病院を選択した際のメリット・デメリット、また、子宮頸がんの場合と、乳がん及びその治療によると考えられる新たな腫瘍(転移、子宮体がん)で病院の選択方法に違いがあるようでしたら教えていただきたいと思います。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

それぞれの病院の事情が分からないのでお答えしようがありません。要検査となった人間ドックで勧められた病院を受診するのが良いのではでしょうか。そこでの対応に疑問があれば、2nd opinionという方法もあるのですから。乳がんの転移であれば、現在の主治医の先生と一緒の治療を考えます。それ以外の新しいがんであれば、それぞれの専門の科を受診します。どこの病院が良いかはご自分で判断するしかないと思います。病院を選ぶ特別な方法はありません。(文責 清水)

 

No.11750】  15年09月07日    N  
乳がん胸壁転移再発、治療法について

「経過」:1999.11 乳がん、左乳房温存手術。 以後再発することもなく15年経過。 ところが、昨年5月、胸壁転移再発(前年12月の定期検査では異常なし)。 腫瘍マーカー (CA15-3)226 (CEA)76.8。 昨年5月よりホルモン剤フェマーラ服用。一方代替治療として漢方薬も併用。1年経過した今年の5月、腫瘍マーカーは(CA15-3)57.9 (CEA)13.4と下がり安心しておりました。 しかし、その一方で胸壁部に傷口が開口、時々出血する状態が続いております。 6月、フェマーラに対する耐性が現れ、腫瘍マーカー数値も上がり始めました。 6月、HER2検査結果、陰性。6月5日よりフェマーラに代わってフェセロデックス注射開始。フェセロデックス注射4回するも効果見られず4回で中止。8月28日 腫瘍マーカー(CA15-3)138 (CEA)22.2 CT検査結果 胸壁腫瘍増大、肝臓にも数か所小さな影(肝機能数値は正常値)。フェセロデックス注射に代わる治療法として、主治医より二つの治療法を提示されました. <A>ホルモン剤+分子標的剤アフィニトール <B>経口抗がん剤ゼロータ

1) <A> <B> 何れの治療法を選択すべきか思案しております。ご意見をお聞かせ下さい。私が抗がん剤に対する強い抵抗感を示したため、それを勘案して主治医の先生は二つの治療法を提示して下さったものと思います。又、他に選択可能な治療法があれば参考までにお教え下さい。
2) アフィニトールの副作用の一つに(第二次発がん)が示されておりますが、この意味は?
3) 私のような再発 乳がん胸壁転移の事例は、割合としては、どれぐらいのものでしょうか?
4) また胸壁腫瘍の傷口開口部のケアについて、何かアドバイスを頂けましたら大変有難く思います。

補足:
 (1)年齢65歳(2)手術時の病理所見。リンパ節転移、無し。 (3)傍胸骨リンパ節転移が大きくなったもの(胸の真ん中にある)(4)HER2検査、組織検査によるもの。ERは陰性 

1) 生検組織のERが陰性ということであれば、標準的な化学療法(AC,ECなど)が推奨されます。主治医の先生も同じ考えだと思いますが、貴女が脱毛を嫌っているのでA,Bの治療を提案したのでしょうか。ERが陰性ならBだと思います。(ただし、最初のフェマーラが効いているので本当にER陰性でしょうか?)
2) どのような薬剤にも二次発がんのリスクはあります。将来の二次発がんの心配より現在の病気の治療を優先して考える必要があると思います。
3) 決して珍しい再発ではありません。
4) 現在どのような処置をしているかわかりませんが、出血がひどい場合はモーズペーストという止血の処置があります。状況によっては放射線治療も検討の価値があると思います。(文責 清水)

 

No.11749】  15年09月04日    M 
10月5日手術(全摘出)予定

52才になる女性です。10月5日手術(全摘出)予定なのですが、検査から2か月以上経つため、この間に浸潤ガンになってしまわないかが不安です。今年7月11日にエコー、CT検査、7月17日にマンホグラフィと組織検査(乳房しこり部分を採取)の結果、大きさ22mm、非浸潤ガン、リンパへの転移なし、HER2 3+、ホルモン感受性なしと診断されました。ただ、触診などでは5センチ以上の大きさがあるように感じられ、医師の先生も検査結果について不安に思っているようです。手術後、やはり浸潤ガンであったという結果になる可能性はどれくらいなのでしょうか? よろしくお願いします。

針生検で非浸潤ガンと診断されても、手術後の検査で浸潤ガンが見つかることは珍しいことではありません。とくに腫瘤径が大きい場合はその確率が高くなります。22mmの腫瘤の場合、どの程度の確率かというデータは持ち合わせていませんが、気持ちとしては、五分五分と思っていた方が良いと思います。(文責  清水)

 

No.11748】  15年09月04日    A
ルミナールA・リンパ節転移有の場合の治療方法

27歳、閉経前です。現在、手術(右全摘及びレベル2まで腋窩廓清)を経て、病理診断が出たところです。 
腫瘍径 1.3×1.2×2cm(硬癌) 腫瘍周辺の非浸潤部の広がり 3×1×6cm 断端陰性 エストロゲン・プロゲステロン:いずれも陽性(いずれも8スコア中の6評価) HER2:0 陰性 Ki68:10% グレード2 リンパ節転移数:計2個 センチネル:1/1個 レベル1:1/28個 レベル2:0/3個
リンパ菅侵襲・静脈侵襲ともに− サブタイプ:ルミナールA  ステージは2B寄りの2A(T1N1M0)
ルミナールAということもあり、主治医はホルモン治療のみを提案していますが、私としては、リンパ節転移があることからも「やれることは全てやっておきたい」という気持ちがあり、抗がん剤・放射線・ホルモン治療の全てを受けるという気持ちでおります。しかし、27歳という年齢もあり、今後の妊娠・出産を望んでいます。

1) 「ホルモン治療のみ」に上乗せして「抗がん剤+放射線治療」をやった場合の再発率の変化はどのくらいでしょうか?
2) ルミナールAタイプにはリンパ節転移(1〜3個)があっても抗がん剤をしない場合が多いと聞きますが、これは「副作用に見合うだけの効果が無い」ためでしょうか? リンパ節転移があるのに抗がん剤をしないというのは、非常に不安です。
3) 比較的大人しいタイプと言われているルミナールAですが、抗がん剤をすることで癌の質が悪性に変化したり、耐性がついたりして、逆に予後が悪くなる可能性はありますか?
4) 20代後半という年齢であれば、抗がん剤治療後に生理が戻る(妊娠機能が復活する)可能性は、どのくらいでしょうか?

以上、長文となり大変恐縮ではございますが、何卒宜しくお願い申し上げます。

1)  化学療法と放射線を追加することでどの程度生存率が上がるか、具体的な数字はお示しできませんが、化学療法の追加で確実に生存率は上昇すると思います。放射線治療の追加は議論のあるところですが、若干の上昇は見込めると思います。
2)  リンパ節転移のあるLuminal A様の乳がんに化学療法を追加すべきかどうかは議論のあるところで、細かいデータを吟味し、化学療法の効果と副作用を考慮して、患者さんと主治医がよく話し合って決めるのが良いと思います。どちらを選んでも間違いということはありません。貴女の乳がんは定義上はluminal Aに分類されますが、ER,PRの陽性率があまり高くないこと、グレードが2であること、リンパ節転移があること、若年であることなどを考え合わせると、luminal Bに近いAと考えます。ですから、ご本人が化学療法を嫌うのでなければ、化学療法をお勧めします。
3)  その様なことはありません。
4)  20代の場合、月経が回復する可能性はかなり高いと思います。それでも、化学療法を行うのであれば、LH-RH analogue(ゾラデックス、リュープリン)を用いて卵巣を保護することをお勧めします。(文責 清水)
 

 

No.11747】  15年08月31日     K・K
肺転移の治療法について

今後の治療法についてアドバイスをいただけたらと思いメールいたしました。よろしくお願いします。発病36歳、現在45歳、生理あり。
2005年7月右温存手術 T2N0M0 ER + PgR+  her2(2+)→詳しくは検査せず。AC4クール(骨髄抑制により薬剤減量、延期しつつ) 放射線 ゾラデックス2年単独 → 現在までノルバデックス服用
2015年7月造影CTにて、右肺小結節4mm一つありと指摘。肝臓、腫瘍マーカー、リンパ節など異常なし。気管支鏡では届かない位置にあるので、次回10月末頃再度CT撮影予定。
主治医が転移であろうという発言をされましたので、今後の治療について考えております。また、主治医は「単発ならば腫瘍量を減らすという意味での手術もできる」とのこと。自分としてもそれは賛成です。単発→手術→ホルモン療法or化学療法、 多発→ホルモン療法or化学療法 このように考えております。以下が質問です。

1) 生理があり、ノルバデックス服用中に転移したとなると、残るホルモン療法はないのでしょうか? 例えばノルバデックスにゾラデックスを追加、あるいはゾラデックスで生理を止め、閉経後のホルモン剤を服用または卵巣摘出に閉経後のホルモン剤。乳癌治療のために卵巣摘出はできるのでしょうか?
2) ホルモン療法ができないとなると、化学療法しかありませんが、ACの後、現在でも白血球がようやく3700になったところで、他の薬剤でも骨髄抑制が心配です。比較的抑制の少ないものはありますか? ウィークリーパクリタキセル(?)

以上よろしくお願いします。

ご相談ありがとうございます。 私のお返事でK・Kさんの疑問が少しでも減れば嬉しく思います。ご質問にお返事申し上げます。
1)ガイドラインによると、ノルバデックス内服中に再発してしまった場合の治療法として、データは少ないのですがK・Kさんご提案の再度ゾラデックス+ノルバデックス投与が一つの方法です。他にはゾラデックス+アロマターゼ阻害剤やゾラデックス+フェソロデックスという治療法も選択肢としてありますが、これらは保険適応外治療であることから提案されない先生もいらっしゃると思います。卵巣機能を抑制する方法には、卵巣摘出や卵巣への放射線照射がありますが、私は今まで行ったことはありません。
2)骨髄抑制が少ない化学療法の薬剤には、ご提案のタキソール毎週投与の他に、点滴薬にはジェムザール、内服薬にはゼローダやTS-1などがあります。どの薬剤でも骨髄抑制には個人差がありますので、慎重な投与と経過観察が必要です。(文責 斎藤)

 

No.11746】  15年08月31日     J・M.  
フェマーラ(HPNo.11740-2

先日膀胱がんの疑いで検査中に、ご相談させていただいたものです。この五年間、尿潜血が常にプラス2から3、時々4もあり、今回の出血から膀胱がんの疑い有りと言うことで、徹底的に検査をいたしました。造影剤を入れての尿路検査、CTスキャン、レントゲン、尿細胞診、血液、尿検査などなど、、、、。全ての検査が終了したところで、「全く膀胱がんの疑いはなし、腎臓、尿管を含め膀胱にも異常なし。」と言う、嬉しい結果がでました。で、医師の判断が変わりまして、出血の仕方から 膀胱からの出血ではなく、膣からではなかろうか、、、、その理由として私の年齢(70歳)もありますが、長期にわたるフェマーラ服用の影響が考えられるとのこと。残すところ4か月で、5年間のフェマーラの服用も終了するところです。今年から骨密度のレベルが急に下がり、最近エディロールも服用しています。骨密度の方はさて置き、出血が気になります。後4か月ですから、このまま我慢してフェマーラを続けるか他の薬に変えるか。担当医はこの夏転勤で他の先生に変わり、次回診察日は10月27日になっています。次の検診日が来る前に、この件を相談したいのですが、公共の大きな病院では気楽には行かないものがあります。先生ならどのようになさいますか? お考えいただければ助かります。毎日出血を気にしながらフェマーラを飲むのも、だんだん嫌になりつつあります。次々重ねてのご相談、本当に申し訳ありませんが、なにとぞよろしくお願い致します。

ご相談ありがとうございます。私のお返事でJ.Mさんの不安が少しでも減れば嬉しく思います。まず膀胱がんでなくて良かったですね。一安心ですが、ではこの出血はどこからなのかという疑問は残ります。現在内服されているフェマーラの副作用に、「膣からの出血」が1%未満の頻度であります。今後どのようにするかですが、まず婦人科で検査をお受けになり、出血が膣からなのか、もしくは子宮からなのかなどを調べて頂くのがよいのではないかと思います。その際は婦人科の先生にフェマーラを内服していることをお伝え下さい。婦人科での検査結果をお聞きになった上で、フェマーラの内服をどのようにするかお考え頂くのがよいのではないかと思います。(文責 斎藤)

 

No.11745】  15年08月31日     M.W. .  
オンコタイプDX(HPNo.11732-3)

No.11732、11738で相談させて頂きました。いつも丁寧な返信をありがとうございます。本日、診察でオンコタイプDXを受ける事にしました。放射線が7月28日に終わり、8月21日〜予定ではホルモン治療に入る予定だったのですが、オンコタイプDXを受けると、ホルモン治療は結果が出てからになるということでした。その間無治療でいて、再発のリスクや今後の病気へのデメリットは発生するのでしょうか。先生は、「こんなに受けなくても良いって言ってるのに受けるのだから、それくらいのリスクは仕方がないし、万が一結果が抗がん剤を受けた方が良いとなった場合は、その方がデメリットが高い。」と、言われました。次の診察の予約もわからず帰る事になったので、不安になってしまいました。リスクがどれくらいのものなのか、回答頂けるようでしたらよろしくお願い致します。先生を怒らせてしまったのかと思うと不安で仕方ありません。

ご相談ありがとうございます。まずオンコタイプDXの結果ですが、約1ヶ月ぐらいで報告がでます。以前のご質問も拝読させて頂きました。手術をお受けになって4ヶ月弱が経過しています。昨年、手術日から化学療法を開始するまでの期間が短い場合と長い場合で、治療効果に差があるのかを検討した結果が報告されました。ステージ1の乳がんでは、治療開始までの期間が短くても長くても効果に差はありませんでしたが、ホルモン受容体陽性乳がん(この中にはステージ1〜3の人が含まれています)では、治療開始までの期間は短い方が治療効果が高いという結果でした。残念ながらステージ1でホルモン受容体陽性乳がんの人のみを選んで検討した結果はありません。したがって、M.W.さんがお知りになりたいデメリットの程度は不明であるというのがお答えになってしまいます。不安を減らすことができずに申し訳ございません。私の個人的な意見は、せっかくオンコタイプDX検査までお受けになったのですから、この結果を待って最終的な術後薬物療法をお決めになり開始する方が良いのではないかと思います。(文責 斎藤)

 

No.11744】  15年08月31日     H.Y.  
術痕の痛みについて

40代前半。3歳の子供がいます。7年前右胸温存術(トリプルポジティブ)、2年前再発して全摘術(ホルモン−、HER2陽性+3)。ki67が50%以上と高く、顔つきの悪いタイプのガンと説明を受けました。当時リンパへの転移はみられませんでした。ここ2週間くらい、術痕がこれまでにないくらい痛みます。例えば、うがい、あくびでも痛むし、くしゃみするとしゃがみこむくらい痛いです。先日、そのため主治医のところへ受診に行きました。たまたま1か月前にCTをとったところで、その時に異常がないので、骨の転移ではないだろう、とのこと。私としては骨か胸膜の転移ではないかと思ったのですが、主治医の先生は、肋間筋か肋間神経を痛めたのだろう、とのこと。

1) 骨か胸膜の転移の初期症状はどのようなものでしょうか。1か月前にとったCTに所見がなくても、ここ2週間くらいで転移し、痛みを感じるという可能性はありますか?
2) もし1%でも転移という可能性があるのであれば、その後のQOLも考えて(今痛いので)、早めに検査をもう一度お願いしてみようと思っています。その際、どのような検査をお願いするとよいでしょうか? 血液検査orレントゲン? 骨シンチまで必要でしょうか?
3) 肋間筋、肋間神経を痛めるということは、乳がん術後患者には多いと、主治医の先生が説明してくれましたが、その場合、どのように痛みをとったらよいでしょうか。3歳のこどもが体調を崩しており、抱っこをする日が多いのですが、痛みを感じて負担に感じるので、早く痛みをとりたいです。転移の可能性は100%なければ、肋間筋、肋間神経の病院を受診したいと思います。何科を受診すればよいでしょうか?

お忙しい中恐縮ですが、ご教示いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。

ご相談ありがとうございます。私のお返事でH.Y.さんの疑問が少しでも解消できれば嬉しく思います。
1)骨や胸膜に転移した初期の状態では、症状はほとんどありません。2週間という期間ですが、急激に転移部位が大きくならなければ痛みも出ないと考えます。
2)現在使用可能な画像診断やその他の検査では、骨や胸膜にできた数mmの転移を見つけることは困難と考えます。
3)痛みを取る方法には、内服薬・塗擦剤・貼付剤・坐剤、他に神経ブロックという方法があります。受診する科は、たとえば整形外科や麻酔科(ペインクリニック)などをお受けになるのも一つの方法と考えます。(文責 斎藤)

 

No.11743】  15年08月31日     Y.Y. 
アロマターゼ阻害剤の副作用について(HPNo.10980-5)

過去にも副作用の質問をしております(10980)。昨日、勤務先で受けた健康診断の結果が、HDLコレステロールとLDLコレステロールが異常値でした。以前、タスオミンを服用していた時は、急に中性脂肪が高くなり、服用を止めてからは正常値に戻りました。食生活は変わっていません。(むしろ、野菜中心を心がけています。)このコレステロールの異常値は、エキセメスタンの副作用でしょうか? 何度もすみませんが、よろしくお願いいたします。

ご相談ありがとうございます。私のお返事でY.Y.さんの不安が少しでも和らげば嬉しく思います。Y.Y.さんの異常値がどの程度の状態なのかがご質問内容からはわからないのですが、現在服用されているエキセメスタンの薬剤添付文書には副作用として高コレステロール血症の記載はございません。こちらにご相談なさるよりは、ご担当の先生に検査値をご報告して、今一度再検査等お受けになることをお勧めいたします。(文責 斎藤)

 

No.11742】  15年08月31日     D
術後の治療について

初めて相談させていただいてます。9年前に左胸にしこりができ、温存しました。非浸潤がんで放射線治療をし、それから、4年前に同じ左胸に石灰化が見つかり同時再建し、その後ホルモン療法をしました。そして、今年7月に今度は右胸にしこりができ、皮下腺全摘出をしました。その時の病理診断は以下のとおりでした。

Invasive ductal carcinoma, scirrhous carcinoma (Nottingham histologic grade II, nuclear grade 1, ER(+), PgR(+), HER-2(-)), breast, total mastectoma(Bt) with lymphadenectomy: pT2, f, ly2,  v2, pN1. Carcinoma metastasis, lymph node.
右乳腺全摘標本とリンパ節の提出により、乳腺には、直径22oの結節性病変が観察されます。組織学的には、やや乳管内成分が多く見られますが、浸潤性乳管癌、広義の硬癌と考えます。波及度 f、リンパ管侵襲像、小静脈侵襲像ともに中等度です。ottingham histologic grade II (tubule formation3,nuclear pleomorphism 2,mitotic index 1, 従って規約上の核 Grade 1)相当です。免疫染色では、ER陽性(Proportion Score (PS) 5, Intensity Score(IS) 3, Total Score 5+3=8), PgR陽性(Proportion Score(PS) 5, Intensity Score(IS) 3, Total Score 5+3=8), HER-2 陰性(score 0)でした。また、Ki-67陽性率(MIB-1 labeling index)は7%でした。リンパ節への転移はセンチネルリンパ節にとどまっていました。:SLN(1/1),腋窩LN(0/7),total(1/8)

インターネット等で色々調べましたが、経口薬のUFTとホルモン療法と考えていますが、いかがなものでしょうか。気になるのは、リンパ節に転移があるので、これだけでは、足りないのでしょうか。自分としては仕事をしているので、脱毛は避けたいと思っております。どうか教えてください。よろしくお願いします。

ご相談ありがとうございます。私のお返事で少しでも疑問が減れば嬉しく思います。Dさんの乳がんは、pT2, pN1(1/8), ホルモン受容体陽性、HER2陰性、ki-67 7%, grade II, リンパ管浸潤と静脈浸潤を中等度に認める状態です。Dさんのご質問は、術後薬物治療をどのような内容にするかですね。Dさんのご年齢がご質問内容からはわからないのですが、閉経後であればオンコタイプDXという検査を行って強い化学療法を行うかどうかの判断材料にするという方法があります。しかしこの検査は保険適応外のため、検査費用として約40万円の金額を要します。Dさんお考えのUFT(2年間内服)+ホルモン療法について、ガイドラインには、「CMF療法(以前はよく使用されいました)とほぼ同等の治療成績で脱毛は少ないことから治療選択肢として検討してもよい」と記載されています。しかしCMF療法は、現在リンパ節転移がある患者さんによく使用するアンスラサイクリンにタキサンを加えた治療より成績は劣ります。Dさんの脱毛に対する思いの強さで、今後の治療内容をお決め頂くのが良いのではないかと考えます。左乳がんのホルモン治療中にできた、ホルモン受容体陽性の右乳がんですので、御担当の先生と今後の治療内容について納得いくまでご相談なさることをお勧めいたします。(文責 斎藤)

 

No.11741】  15年08月24日     S.W. 
フェマーラの服用ついて

いつも拝見させていただいております。81歳の母の件の相談です。昨年両胸全摘手術を受け、リンパの転移もなく、術後は5年間のフェマーラ服用の治療中です。もともと骨密度も低いので、手術前から骨密度低下予防のお薬も服用しておりました。1か月まえから腰の痛みがひどく、整形外科で診察を受けたところ、腰椎圧迫骨折の診断を受けました。フェマーラは骨密度低下の副作用があるとの事ですが、母のような場合、フェマーラ服用は継続が必要でしょうか? 素人判断で申し訳ないのですが、骨密度低下に拍車をかけるような心配がつきません。主治医の診察が10月とまだかなり先なため、相談させていただきました。まとまりのない文章で申し訳ありません。どうぞ宜しくお願い致します。  

お母様の主治医と早めに相談しておくことを勧めます。フェマーラに替えて骨粗鬆症にあまり影響のないタモキシフェンに変更するとか、ビスフォスフォネート剤を追加するとか方法があります。また、整形外科の先生がご存じないことが多いのですが、エビスタという骨粗鬆症の薬は、フェマーラの効果を弱めてしまう可能性があり注意が必要です。ということで、双方での薬をしっかり把握しておく必要があります。(文責 緒方)

 

No.11740】  15年08月24日      J.M. 
転移の可能性もありますか?

五年前に乳がん初発、何度かご相談させていただいた者です。来月で手術後五年になり、ホッとした矢先、今回膀胱がんの疑いがあり、検査中です。もし膀胱ガンが確定した場合、乳がんの転移の可能性もありますか? 以前担当医から、肺、肝臓、骨 頭部への転移より先にいきなり膀胱は無いと聞いていたので、今回は原発だろうか・・・。悶々と過ごしています。検査をすればすぐ分かる事ですが、一時も早くその辺を知りたく、お尋ねいたします。お忙しい中、宜しくお願いいたします。気持ちが焦り、このようなメールですみません。

担当医の意見に賛成です。膀胱がんはそう多くないがんですが、乳がんの膀胱への転移が他の転移より先に見つかることはもっと少ないことです。まずは、しっかり膀胱がんの治療をしましょう。(文責 緒方)

 

No.11740-2】  15年08月31日      J.M. 
フェマーラ

先日膀胱がんの疑いで検査中に、ご相談させていただいたものです。この五年間、尿潜血が常にプラス2から3、時々4もあり、今回の出血から膀胱がんの疑い有りと言うことで、徹底的に検査をいたしました。造影剤を入れての尿路検査、CTスキャン、レントゲン、尿細胞診、血液、尿検査などなど、、、、。全ての検査が終了したところで、「全く膀胱がんの疑いはなし、腎臓、尿管を含め膀胱にも異常なし。」と言う、嬉しい結果がでました。で、医師の判断が変わりまして、出血の仕方から 膀胱からの出血ではなく、膣からではなかろうか、、、、その理由として私の年齢(70歳)もありますが、長期にわたるフェマーラ服用の影響が考えられるとのこと。残すところ4か月で、5年間のフェマーラの服用も終了するところです。今年から骨密度のレベルが急に下がり、最近エディロールも服用しています。骨密度の方はさて置き、出血が気になります。後4か月ですから、このまま我慢してフェマーラを続けるか他の薬に変えるか。担当医はこの夏転勤で他の先生に変わり、次回診察日は10月27日になっています。次の検診日が来る前に、この件を相談したいのですが、公共の大きな病院では気楽には行かないものがあります。先生ならどのようになさいますか? お考えいただければ助かります。毎日出血を気にしながらフェマーラを飲むのも、だんだん嫌になりつつあります。次々重ねてのご相談、本当に申し訳ありませんが、なにとぞよろしくお願い致します。

ご相談ありがとうございます。私のお返事でJ.Mさんの不安が少しでも減れば嬉しく思います。まず膀胱がんでなくて良かったですね。一安心ですが、ではこの出血はどこからなのかという疑問は残ります。現在内服されているフェマーラの副作用に、「膣からの出血」が1%未満の頻度であります。今後どのようにするかですが、まず婦人科で検査をお受けになり、出血が膣からなのか、もしくは子宮からなのかなどを調べて頂くのがよいのではないかと思います。その際は婦人科の先生にフェマーラを内服していることをお伝え下さい。婦人科での検査結果をお聞きになった上で、フェマーラの内服をどのようにするかお考え頂くのがよいのではないかと思います。(文責 斎藤)

 

No.11739】  15年08月24日      Y.Y..
今後の治療について(HPNo.10980-4)

何度目かのご相談です(10980−1・2・3)。本日、病院へ行き、血液検査と超音波検査を受けてきました。結果は、どちらも異常なしでほっとしております。2年前の超音波検査で指摘された術側の腫れ(本日の担当の先生は、良性の腫瘍とおっしゃていました)は、無くなっていたそうです。ただ、心配なのは現在の投薬が、あと1年半ほどで終了します(タスオミン5年の後に現在はエキセメスタンを服用)。その時点で、術後10年を迎えるわけですが、10年目に再発・・・と言うことも耳にします。わたしの場合、初期ではありませんでしたし、リンパ郭清もしております。決して10年経ったからと言って安心は出来ない・・・と思っております。本日の担当の先生にも伺ったのですが、現在の投薬終了後は経過観察のみとなるのが通常でしょうか? (本日の担当医を信用しないわけではないのですが・・・) 医学は日々進歩し、治験も行われ、現在の治療が終わる頃に新しい治療法が確立される事を祈りつつ、お伺いいたします。よろしくお願いいたします。

そうですね。内分泌療法を10年以上行った方が、10年で終了するよりも患者さんに利益があるという報告はどこにもないので経過観察で十分です。「10年目に再発・・」の人ばかりではありません、むしろ10年経って何もない人の方が多いですね。(文責 緒方)

 

No.11738】  15年08月20日      M.W.  .
オンコタイプDX(HPNo.11732-2)

No.11732でご相談させて頂きました。ご回答ありがとうございます。申し訳ないのですが、もう一度ご相談させてください。8月10日に主治医の診察を受けて、オンコタイプDXをお願いしました。主治医のお話では、オンコタイプDXは大きさは関係ないから、結果が出ても、今あるデータで総合的判断をするので、オンコタイプDXの結果が高く出ても、その半分で考える為、結果としては治療方針は同じになる可能性が高いということでした。抗がん剤も、心配なら受けても良いとの事でしたが、抗がん剤の効き目があまりないのに受けるのもと、悩んでしまいます。しこりの大きさは1.1p、エストロゲンは90%です。次回の診察までにオンコタイプDXを受けるか考えて来てくださいと言われてます。最終的には自分で決めないといけない思うのですが、私みたいにホルモンが強陽性の場合は、ホルモン治療が標準治療なのでしょうか? 抗がん剤の効き目は低いのでしょうか? やはりそれをはっきりさせる為にもオンコタイプDXを受けるのが良いのでしょうか? 何度も同じ質問になってしまい申し訳ございません。よろしくお願いいたします。

術後化学療法の効果予測を知るためには、オンコタイプDXは有力な検査ですが、1件40万円近くかかり健康保険のきかない検査であることから、全ての方に施行できるわけではないと思います。一生に一度のことで、化学療法の要否を間違いないものにしたい場合、経済的に余裕があれば、施行なさるのは必要でしょう。
浸潤性乳管癌の通常型の場合、4~5のサブタイプに分けて術後(場合によると術前も含む)治療を決めるのですが、本来そのサブタイプは遺伝子検査で分類可能なだけで、その遺伝子検査は臨床では使うことができません。このためエストロゲン受容体・プロゲステロン受容体・HER-2タンパク(またはFISH法等の追加)・Ki67値で類推することで代用としますが、@(医療者側が)その代用サブタイプが決めにくい場合、A(患者さん側が)代用サブタイプより確かなDataが欲しい場合に、オンコタイプDXの検査になろうかと考えます。ですから、上記のAなら施行をお願いすればよいのではないでしょうか?(文責 久保内)

 

No.11737】  15年08月20日     k  .
左胸からの血乳

26歳です。6月末に出産を終えて、完全母乳で育てています。5日位前から毎回ではないですが搾乳すると左胸の一つの乳管から母乳にうっすら血液が混じります。心配になったので乳腺外科に行き、エコー検査をしたいただきました。エコーではしこりもないし、心配なさそうとの事でした。血乳を採取して検査に出しましょうとの事だったのですが、血乳が毎回出るわけではないので、その時は病院で出なくて検査出来ませんでした。エコーでは異常なかったのですが、血乳を検査に出して乳がんが発覚することのあるのでしょうか? 安心するためにも血乳を検査してほしいのですが、毎回出る訳ではないので、中々採取出来ません。エコーで異常なければ乳癌は心配ないですか?

授乳中の血乳で、必ずしもいつも出るわけではないとのこと、そして超音波検査で異常を指摘できないことから、現時点で乳癌等の疾患を悩んで診断を急がれる必要はないと思います。血乳から乳管内病変が診断される場合、黒褐色や茶褐色の分泌が単孔性に何時でも分泌されることが多く、超音波検査や細胞診で何か所見があり、乳癌よりも乳管内乳頭腫という良性腫瘍の頻度の方が高く、乳癌であっても非浸潤性乳管癌(0期乳癌)であることの確率が高いのが通常です。また授乳中は、授乳に伴い軽度の炎症や噛まれる吸引される等の外力によって出血することが結構多いものですし、マンモグラフィやMRIといった検査の診断が施行しにくい状況です。超音波検査で明らかな単一の乳管拡張や乳管内乳頭病変がなければ、卒乳後暫くするまで静観されて良いと考えます。(文責 久保内)

 

No.11736】  15年08月05日     S  .
リンパ液がたまる

温存手術(リンパ節への転移はなし)後、2か月経ちましたが、まだ水がたまります(10ml/1日くらい)。注射器で水を抜いてもらうほかに、ドレーン、ペンローズドレーンをしましたが、改善されません。主治医によると、内部の傷が膜を作ってくっつかず、 水がたまるのだそうです。こういう症例はないとのことで、現在対処に困っている状態です。当初の予定では、傷が落ち着いたら放射線治療の予定でしたが、治療のめどが立たず、不安を感じております。何かよい方法がありましたらご教授ください。

温存手術後にリンパ液が貯まることは一般的ですが、通常は治療には至りません。稀に長期間の治療を要するケースがありますが、基本的には自然に吸収されます。実際に見てみないと何とも言えませんが、1日10ml程度ということですので、もう少し経過観察 されてはいかがでしょうか。(文責 大西)
 

 

No.11735】  15年08月05日     M.S.
皮下注射

以前も皮下注射について質問したものです。ホルモン療法に皮下注射を追加するか悩んでおりまして、色々情報を見ていたところ、SOFT試験の結果、化学療法をしたり若年層だったりと、ハイリスクグループではない適応外のグレーゾーンの患者に皮下注射を勧める場合、その患者の卵巣機能が強いと判断したのではないか?との意見がありました。その場合、どのようなところから卵巣機能が強いと判断するのでしょうか? また、このような理由で皮下注射を勧めることは多いのでしょうか?

卵巣機能の評価は血液所見や画像所見、負荷試験などをもって行うようですが、実際にしたことはありません。40代の方や低リスクグループの人に皮下注射を検討する場合、治療の上乗せ効果はそれほどないことと、副作用(閉経)についてお話し、決めます。 (文責 大西)

 

No.11734】  15年08月05日     T
粘液癌の治療について

初めて相談させていただきます。45歳。今年1月に右乳癌(粘液癌、pure type)と診断されました。昨年8月にしこりに気付き、9月に針生検したところ、「正常組織。脂肪」ということで経過観察になりましたが、今年1月に再度エコーをとったところ、13mm大だっ たものが25mm大になり、全摘出をして病理検査をということになりました。その結果が

Breast carcinoma,right,25×20×19mm、Mucinous carcinoma,g、f、ly(−)
nuclear grade1,Duct内進展(+)、comedo necrosis(+)、断端近くにcarcinoma(+)
ER(+)95%,PgR(+)85%,HER2 1+,Ki67 20%
fish法(−)

断端近くに腫瘍があるということで、2月に拡大オペをしました。その結果が

Breast carcinoma,A area ,about 24×24×4mm、Mucinous carcinoma,g、f、ly(−),V(-),n(-)(SN=0/1)
浸潤巣は約24×24×4mmの範囲に散在性に認められ、全ての乳管内進展巣、浸潤巣を含めると腫瘍は約38×28×19mmの範囲に広がっています。腫瘍は乳腺周囲脂肪組織に浸潤しています。リンパ管、静脈の侵襲は認められません。切除断端に腫瘍細胞は認められません。
Mitotic counts score:1点
Nuclear grade:grade1
Tubule and gland formation:score3
Nuclear pleomorphism:score2
Mitotic counts:score1
Histological grade:grade2(moderately differentiated)
センチネルリンパ節に転移なし。
 
T2N0のstageUa、Ki67は20%と高めだけど、悪性度が低いということで術後、追加照射含めて26回放射線治療をし、現在はタモキシフェン内服のみです(5年継続ということです)。

1) 私の場合、Ajuvant onlineでいうと10年生存率、10年再発率はどのくらいでしょうか?
2) ホルモン療法、抗がん剤を追加した場合は、どのくらい生存率、再発率は改善するのでしょうか?
3) 抗がん剤治療はあまりしたくはありませんが、オペ+放射線+ホルモン剤の治療の選択でよかったのか、時々不安になります。この治療の選択で適切だったでしょうか?
4) 拡大オペをした際、腫瘍の周囲に小さな腫瘍巣がパラパラと散らばっていて、もしかしたら取り残しがあるかも、ということだったのですが、放射線で消えるものでしょうか?

お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いします。  

Adjuvant onlineは浸潤性乳癌を対象としていますが、質問者さんのように特殊な浸潤性乳癌(粘液癌)の場合は必ずしもあてになりません。またAdjuvant onlineはHER2やKi67に対応していませんので、参考程度に考えて下さい。
1)2) Adjuvant onlineでは10年生存率が83.8%、10年再発率が65.2%になります。ホルモン療法を追加することで、10年生存率が88.1%、10年再発率が76.8%に改善します。ホルモン療法に抗がん剤治療を追加することで10年生存率が90.7%、10年再発率が83.8%に改善します。ちなみに抗がん剤治療のみでは10年生存率が87.8%に、10年再発率が75.8%に改善します。粘液癌は一般的に予後良好とされていますので、この数字よりはいいと思います。
3) Ki67=20%の値を高いと考えるか、低いと考えるかは難しい問題ではありますが、粘液癌であることを考慮すると妥当な選択ではないかと思います。
4) パラパラと散らばっているといっても、切除断端が陰性のようですから、遺残病変の可能性は少ないのではないでしょうか。放射線照射で十分かと思います。(文責 大西)

 

No.11733】  15年08月05日     Y 
妊娠希望

先月、非浸潤性乳管がんで右乳房全摘手術を行いました。病理結果でも非浸潤性乳管がん、主治医からは無治療でOKと言われました。術後の外来で採血、レントゲン等も行い、すべて問題無しとの事でしたが、術後1ヶ月後の検診で妊娠して良いか聞いたところ、 「大丈夫だけど、まあもう少し様子を見ましょう。」と、曖昧な反応でした。次回は3ヶ月後に検診の為、妊娠しても良いのか、もやもやしています。傷口の経過を見る為に様子を見るという事なのでしょうか。妊娠しても問題ないのでしょうか。30歳です。

非浸潤性乳管癌で今後無治療であれば、妊娠にためらう要素はなさそうですが、主治医の先生は術後一ヶ月というタイミングでの体調的な点を気にされたのではないでしょうか。(文責 大西)

 

No.11732】  15年08月05日     M.W. 
今後の治療方針について

今後の治療方針についてご相談させてください。私は今年の5月13日に左乳房温存手術を致しました。病理検査の結果が、核異型度1、組織異形度1、ki67 31.4%、リンパ節転移なしでした。先生からの今後の治療方針の説明は、今後タモキシフェンを5年間服用で した。ki67の値は30%以上だと増殖能の早さが高く、サブタイプがルミナールBになり、予後が良くない為、抗がん剤+ホルモン療法が標準治療と本に書いてありました。抗がん剤はやらなくて大丈夫なのでしょうか? 抗がん剤が効かないのに無理にやりたい訳ではありません。でも、やらなかった事により、転移したらどうしようかと不安で仕方がありません。放射線治療は7月28日に終了しました。次回の先生の診察は8月10日になります。オンコタイプDXをお願いしようと考えていますが、術後こんなに期間が開いていても良いのかも心配です。また、結果が中間の値の場合は抗がん剤を受けた方が良いのでしょうか。どうか回答の方、よろしくお願い致します。

術後の病理結果からするとKi67は高めではあるものの、核異形度、組織異形度は低く、リンパ節転移がないため、抗がん剤投与を行うかどうか悩むケースです。オンコタイプDXはそれを解決してくれる一つの指標になりますが、質問者さんの言われるように中間リスクが存在するなど全てを解決してくれるわけではありません。術後3ヶ月で検査の精度が落ちることも治療成績が落ちることもないと思います。中間リスクが出た場合、低リスクよりの中間リスクなのか、高リスクよりの中間リスクなのかを考慮することが多いようです。(文責 大西)

 

No.11732-2】  15年08月20日     M.W. 
オンコタイプDX

No.11732でご相談させて頂きました。ご回答ありがとうございます。申し訳ないのですが、もう一度ご相談させてください。8月10日に主治医の診察を受けて、オンコタイプDXをお願いしました。主治医のお話では、オンコタイプDXは大きさは関係ないから、結果が出ても、今あるデータで総合的判断をするので、オンコタイプDXの結果が高く出ても、その半分で考える為、結果としては治療方針は同じになる可能性が高いということでした。抗がん剤も、心配なら受けても良いとの事でしたが、抗がん剤の効き目があまりないのに受けるのもと、悩んでしまいます。しこりの大きさは1.1p、エストロゲンは90%です。次回の診察までにオンコタイプDXを受けるか考えて来てくださいと言われてます。最終的には自分で決めないといけない思うのですが、私みたいにホルモンが強陽性の場合は、ホルモン治療が標準治療なのでしょうか? 抗がん剤の効き目は低いのでしょうか? やはりそれをはっきりさせる為にもオンコタイプDXを受けるのが良いのでしょうか? 何度も同じ質問になってしまい申し訳ございません。よろしくお願いいたします。

術後化学療法の効果予測を知るためには、オンコタイプDXは有力な検査ですが、1件40万円近くかかり健康保険のきかない検査であることから、全ての方に施行できるわけではないと思います。一生に一度のことで、化学療法の要否を間違いないものにしたい場合、経済的に余裕があれば、施行なさるのは必要でしょう。
浸潤性乳管癌の通常型の場合、4~5のサブタイプに分けて術後(場合によると術前も含む)治療を決めるのですが、本来そのサブタイプは遺伝子検査で分類可能なだけで、その遺伝子検査は臨床では使うことができません。このためエストロゲン受容体・プロゲステロン受容体・HER-2タンパク(またはFISH法等の追加)・Ki67値で類推することで代用としますが、@(医療者側が)その代用サブタイプが決めにくい場合、A(患者さん側が)代用サブタイプより確かなDataが欲しい場合に、オンコタイプDXの検査になろうかと考えます。ですから、上記のAなら施行をお願いすればよいのではないでしょうか?(文責 久保内)

 

No.11732-3】  15年08月31日     M.W. 
オンコタイプDX(2)

No.11732、11738で相談させて頂きました。いつも丁寧な返信をありがとうございます。本日、診察でオンコタイプDXを受ける事にしました。放射線が7月28日に終わり、8月21日〜予定ではホルモン治療に入る予定だったのですが、オンコタイプDXを受けると、ホルモン治療は結果が出てからになるということでした。その間無治療でいて、再発のリスクや今後の病気へのデメリットは発生するのでしょうか。先生は、「こんなに受けなくても良いって言ってるのに受けるのだから、それくらいのリスクは仕方がないし、万が一結果が抗がん剤を受けた方が良いとなった場合は、その方がデメリットが高い。」と、言われました。次の診察の予約もわからず帰る事になったので、不安になってしまいました。リスクがどれくらいのものなのか、回答頂けるようでしたらよろしくお願い致します。先生を怒らせてしまったのかと思うと不安で仕方ありません。

ご相談ありがとうございます。まずオンコタイプDXの結果ですが、約1ヶ月ぐらいで報告がでます。以前のご質問も拝読させて頂きました。手術をお受けになって4ヶ月弱が経過しています。昨年、手術日から化学療法を開始するまでの期間が短い場合と長い場合で、治療効果に差があるのかを検討した結果が報告されました。ステージ1の乳がんでは、治療開始までの期間が短くても長くても効果に差はありませんでしたが、ホルモン受容体陽性乳がん(この中にはステージ1〜3の人が含まれています)では、治療開始までの期間は短い方が治療効果が高いという結果でした。残念ながらステージ1でホルモン受容体陽性乳がんの人のみを選んで検討した結果はありません。したがって、M.W.さんがお知りになりたいデメリットの程度は不明であるというのがお答えになってしまいます。不安を減らすことができずに申し訳ございません。私の個人的な意見は、せっかくオンコタイプDX検査までお受けになったのですから、この結果を待って最終的な術後薬物療法をお決めになり開始する方が良いのではないかと思います。(文責 斎藤)

 

No.11731】  15年08月05日     Y.H. 
再発率について

去年、こちらで抗ガン剤治療の相談をさせていただいた者です。その際は、本当にありがとうございました。Adjuvand Onlineの結果から、抗ガン剤をした場合の上乗せ率を教えて頂き、大変参考になりました。結局、上乗せはあまり期待でき無いとの結果で、ホルモン治療のみで治療を受けております。最近、少し余裕が出てきた事もあり、頂いたAdjuvand Onlineの結果を見直してみた所、疑問点が出てきましたので、質問させていただきます。

10年生存率無治療95%(うち乳がん死3%)
10年生存率ホルモン治療96%(うち乳がん死2%)
10年再発率無治療17%
10年再発率ホルモン治療11%

とありますが、乳がん死亡率(3%、2%) と、再発率(17%、11%)の差がかなり違う印象を受けるのですが、どうしてでしょうか? 局所再発率も含まれているのでしょうか? その場合、ホルモン治療での11%の内訳はどれ位でしょうか?

42歳、腫瘍径5ミリ×7ミリ、Er, Pgr 共に強陽性(90%以上)、Ki-67 5%、HER 2 陰性、脈管侵襲・血管・リンパ管共に無し、リンパ節転移 無し(センチネル)、グレード2

よろしくお願い致します。

再発率には局所再発も含まれます。再発率と生存率に解離があるのは再発をしても治癒した人(局所再発を治癒切除できた人など)と、再発生存中の人がいるためです。Adjuvant onlineにおける局所再発率は公表されていません。ちなみに自施設での局所再発率は1.3%です。(文責 大西)

 

No.11730】  15年07月28日     K 
HER2陽性乳ガンのホルモン治療の開始時期について

HER2陽性乳ガンのホルモン治療の開始時期についてお聞きします。
腫瘍径 5×5o 核グレード 2  HER2陽性 3+  ER 90%  Pgr 10%  リンパ転移(ー)  脈管侵襲(ー)
ステージ1の乳ガンで、FEC4クールとドセタキセル+ハーセプチン4クールを終え、現在、ハーセプチン単独治療になっております。主治医からは、ハーセプチン終了後、ホルモン治療(閉経)を開始すると言われましたが、周りの方でハーセプチンとホルモン治療を同時にやっている方がいて、同時の方が治療効果があるように思うのですが、ハーセプチン終了後ホルモン治療は標準治療なのでしょうか?

HERA study という大規模比較試験の結果、HER2陽性乳癌の補助療法は化学療法後ハーセプチンを1年することが有用となっています。ホルモン剤は同時併用することの検討はされていないので、同時併用がよいかどうかは不明です。現代の科学的根拠に基づく乳癌治療ではホルモン剤の同時併用の有効性は証明されていないのでやらないほうが無難で、ハーセプチン終了後、5年間投与を検討すればよいと思います。(文責 石山)

 

No.11729】  15年07月25日     C
術後の治療について

初めてご相談させていただきます。54才です。2014年秋に診断を受け、FEC4クール、ドセ+ハーセプチン4クールを行いました。そして今年5月に部分切除(センチネル4個陰性)を行い、結果、pCRを得られました。現在放射線治療中で、月末からAI内服+ハーセプチン14回の予定です。もともと不整脈があるため心臓に負担をかけたくないのと、FECで血管を傷めてしまったことから、今後14回もの点滴を受けることは苦痛に思われ、心配です。pCRを獲得できた場合でも、術後のハーセプチン投与は必要なのでしょうか。またこの場合の再発・転移の割合などで明らかになっているデータがあれば教えていただければ有り難いです。よろしくお願いします。

pCRが得られて初めて延命効果があると証明されています。再発率などは不明ですが、HER2陽性は、やはり遠隔転移を含め再発リスクは高いと考えられ、HER3週法14回は妥当でお勧めします。(文責 石山)

 

No.11728】  15年07月25日     T  
再建手術後の腫れ

非浸潤乳ガンで昨年左側を全摘しました。今年3月に広背筋による再建手術を受けました。手術後すぐに出血があり、再度止血手術をうけました。その影響かわかりませんが、4ヶ月たった現在も腰の付近が腫れています。主治医にきいても、だんだんよくなりますとのことで、ちょっと心配です。

腫れの原因は、リンパの流れが滞っての浮腫や皮下の液体(血液や血漿成分、リンパ液)のたまり、感染による蜂窩織炎など色々考えられます。熱がなければ、おそらくリンパ液の貯留などが最も考えられます。(文責 石山)

 

No.11727】  15年07月24日     S 
トレミフェン

乳癌温存手術も終わり、抗がん剤治療、放射線治療も終わり、ホルモン治療に入った41歳です。抗がん剤を去年12月に始めてから、生理は7カ月位止まっています。6月からタスオミン20rを1日1錠飲んでいましたが、おりものが増え、薬のせいなのか、目も結膜炎のようなアレルギ−のような症状がでたので、トレミフェン40rに変更しました。通常閉経の方に使うホルモン剤とききました。ネットで調べても、効果はあまり変わらないとか、変わるなど、いろいろ書かれていましたが、どうなのか参考として教えていただきたいです。

保険収載のトレミフェンの適応庄は閉経後乳がんと書かれていますが、理論上タスオミンとほぼ同じ薬理作用なので、実際の臨床の場では閉経前でも投与しています。特にタスオミンで副作用がある場合などには当院でも変更することがあります。(文責 石山)

 

No.11726】  15年07月24日     O.O
術後の治療について

術後の治療についての質問です。若年性の乳がんで、右胸の温存手術を受けました。2cm程のしこりがあり、手術前は非浸潤の可能性もあるとのことでしたが、病理の結果、1mm程の浸潤部分があり、乳頭腺管がんでホルモン陽性2+、HER2は陰性、核異型度1で、断片陽性でした。リンパ節転移はありません。断片陽性と出た部分は、その先(残っている部分)にどの程度がんがあるのか、もしくは無いのかは「取ってみないとわからない」と。この先の治療方針を決めなくてはならないのですが、「追加手術(温存)+放射線治療」か「放射線のみ」という選択肢が良いのではと主治医からは説明を受けました。私が独身で、年齢のこともあってか、薬での治療は勧められませんでしたが、私のような病状の場合、ホルモン治療なしという選択はよくあることなのでしょうか? 「放射線のみ」という選択肢が挙がるということは、それだけでも残っているかもしれないがんに効果があるであろう、と医師側が判断している、ということなのでしょうか? できれば追加手術もホルモン治療も避けたいですが、それによって再発や転移のリスクが上がってしまうと思うと、今の初期の段階できちんと対処をしておいた方が良いのだろうとも考えてしまいます。現在に至るまでの経緯(当初しこりは悪性の可能性は少ないと言われ、何度も検査をして非浸潤の可能性が高いと言われ、しかし結果は浸潤で断片陽性だった)も踏まえると、最低限の治療だけでは、また悪い方向に進むのではという不安もあります。どのような治療であってもメリット/デメリットがあり、主治医も色々な状況を考慮の上で判断して下さっているのは承知していますが、自分がどのように治療を進めればよいのか決めかねています。「放射線治療のみ」というのは妥当な治療でしょうか?

当院では術前に造影MRIをやって広がり診断をして、術中断端の癌の有無を迅速病理診で確認しているので、大体の残存範囲なども想像がつきます。したがって追加切除も勧めますが、大抵は残っているのがわずかなので、放射線治療のみとなることが多いです。ただそう言った手順を踏んだ上の断端陽性なのか、単に触ってしこりのある部分を切除しただけの温存術なのかでも状況は違います。(文責 石山)

 

No.11725】  15年07月22日     MS. 
リュープリンの継続について(HPNo.11216-2)

以前、11216で質問させていただきました。丁寧な回答有難うございました。その後ホルモン療法で、タモキシフェンとリュープリンを行っていますが、もうすぐ2年がたち、リュープリンをこのままやめるか、3年まで延長するか悩んでいます。ホルモン強陽性で、生理が戻ってきても大丈夫なのか、すぐに出産を望んでいないこともあり、延長すべきかと思うのですが、副作用のホットフラッシュが酷いので、終了することで軽減すればと思う気持ちもあります。リュープリン2年と3年では、さほど再発率など変わらないのでしょうか? 腫瘍が2.6センチと少し大き目だったことも気になっています。またCYP2D6遺伝子検査をして低ければ、3年続けた方がいいのでは?とも思うのですが、この検査自体は有効なものでしょうか? お忙しい所申し訳ありませんが、回答お願いいたします。

リュープリン2年よりは3年の方が多少再発率は少ないと思います。CYP2D6遺伝子検査は、タモキシフェンが効きやすいかどうかをみる検査です。日本乳癌学会による乳癌診療ガイドラインの推奨グレードでは、CYP2D6遺伝子タイプを調べることは科学的根拠は十分といえず、実践することは基本的に勧められないとなっています。(文責 石川)

 

No.11724】  15年07月22日     U.K. 
経過観察

乳がんの術後5年目です。先ごろのマンモグラフイ検査で石灰化があると言われました。担当医師からは「@腫瘍マーカーも異常値を示す変化がない A昨年の石灰化映像と比較して変化がない」との理由で、このまま経過観察となりました。

1) 再発したのか不安です。実は昨年検査時に石灰化があると聞いていなかった〔聞きもらした?〕ので、ビックリしています。ステレオガイド下マンモトームを受けたほうがいいですか?  再発の場合、早く治療を始めても、明らかな転移兆候が現れてから治療を始めても予後に変わりはないという資料を見たことがあります。このまま次回のマンモグラフイ検査を待ったほうがいいのでしょうか?  (心理的には不安感が強いので、良性か悪性度の高いものか、はっきりしたいと思っています) 
2) 石灰化のカテゴリーを医師から聞いていませんが、次回医師に会うとき確認しておいた方がいい事項は他に何かありますか?

乳がんの治療内容
手術 2010年7月、乳頭腺管ガン、乳房温存方法、左乳房です。リンパ転移なし。悪性度が3のため、放射線治療と抗がん剤治療をしました。大きさ 0.6〜1センチ

1)昨年の石灰化映像と比較して変化がないなら、ステレオガイド下マンモトームを受ける必要はありません。このまま次回のマンモグラフイ検査を待つべきと考えます。 
2)もし確認するとすれば、部位と範囲ぐらいでしょうか。(文責 石川)

 

No.11723】  15年07月22日     Y・N
76歳の母について(HPNo.11640-2)

前回 11640番で相談をさせていただきました。76歳の母が、右乳癌リンパ節転移有の為、手術する前に術前内分泌療法を行っています。フェマーラを服用し、5カ月がたちました。 2ヵ月目の経過観察では、腫瘍マーカーが下がっておりましたが、今回結果を聞きに行ったところ、腫瘍マーカーの上昇と、左のリンパ節レベル1〜2にも転移が確認されました。担当医は、「フェマーラが効かなくなったので、違う飲み薬に変更をして、再度腫瘍の縮小に期待をしましょう」という治療を勧めてきましたが、とても動揺しております。

1) 閉経後、フェマーラで効果がない場合、どのような薬が適しているのでしょうか。
2) 左の胸には癌が認められないのに、左のリンパ節に転移しているとは、右のリンパ節から転移したのでしょうか。
3) ここで、癌がとりきれない、手術後の後遺症なども踏まえて、内分泌療法を継続した方が良いのか、又は手術でとりきれる癌をとってしまった方が良いのでしょうか。

とても判断に困っており、ご質問をさせて頂きました。宜しくお願いします。

1) 異なる閉経後用のホルモン剤を使用する方法も無いわけではありませんが、同じホルモン療法は多くは期待できませんので、また時間的にも後がありませんので、化学療法を行うべきと考えます。
2) 右のリンパ節から転移したものか、血行性に転移したものと考えます。それだけ病勢は進行しているということになります。
3) 取りきれるなら迷わず手術を勧めますが、左のリンパ節にまで転移しているとすると、それは難しいと思います。乳癌そのものと転移したリンパ節だけ切除する姑息的手術も、腫瘍量を減らことができ、意味がある場合もあります。(文責 石川)

 

No.11722】  15年07月19日     N 
今後の治療について

昨年11月に、左乳がんで全摘出しました。病理診断結果は、浸潤径13×11ミリ、核グレード2、脈管侵襲 血管・リンパ管ともあり、ER・PGRとも1パーセント、HER2 スコア3、KI67 90% でした。1月よりハーセプチン+タキソール3か月(12回)、4月末よりFEC 3か月(4回)を行いました。今後はハーセプチン9か月とホルモン療法(飲み薬)を勧められておりますが、ER・PGRとも1パーセントであり、するべきかどうか迷っています。私のような場合、ホルモン療法による子宮体がん発生のリスクと、ホルモン療法をしない場合の再発のリスクは、どちらが高いのでしょうか。子どもが小さいため、絶対に再発はしたくないので、どんな治療でも受けたいのですが、子宮体がんになっては元も子もありません。乳がんは再発すると完治は難しいと聞きますが、子宮体がんは早期に発見できれば完治できるのでしょうか。40歳、閉経前です。どうぞよろしくお願いします。

一般的には、ホルモン療法による子宮体癌発生のリスクは、ホルモン療法をしない場合の再発のリスクよりも低く、また定期検診をしていれば、子宮体癌になったとしても早期に発見治療でき、完治となる可能性が高いと思われます。したがってホルモン療法はしたほうがいいと考えます。(文責 石川)

 

No.11721】  15年07月19日     ST
HER2蛋白(HPNo.11614-3)

HPNo.11614でお世話になったSTです。いつもありがとうございます。その後、フェアストンの服薬(ネオファーゲンC,ロキソニン、セルベックスも)と月1回のランマークの注射で約5カ月が経過し、日々の不調はありますが、普通に生活しています。子宮筋腫は婦人科の先生に診察していただき、手術の検討をしましたが、この先フェアストンの使用期間が不明(ほかの治療になれば小さくなる)ということ、また手術による全身への影響も考えられるため、見送りになりました。ALPは990から605に下がってきましたが、腫瘍マーカーは、じわじわと上がってきています。また血液検査によるHER2蛋白も23から28に上がってきています。主治医の先生は、「いろいろ調べてみたけれど、血清HER2蛋白に対してハーセプチンは効果が不明なところがあるので、もうしばらく様子を見たい」とのことでした。

1) 11年前の病理組織検査でのHER2蛋白(マイナス)と血清HER2蛋白は、どのような関係になっているのでしょうか? また、血清HER2蛋白のハーセプチンの効果について教えてください。
2) ピロリ菌の除菌でお世話になっている先生が腫瘍内科も担当しているとのことで、お話ししたところ、肝臓に転移している腫瘍に針生検をすればHER2蛋白に関してはっきりするというお話がありましたが、ご意見をお聞かせください。

以上、どうぞよろしくお願いいたします。

1) 病理組織検査でHER2陽性の場合、血清HER2蛋白陽性(高値)になる傾向があるようですが、病理組織検査でHER2陰性でも血清HER2蛋白が高値になることがあります。理ははわかっていません。血清HER2蛋白値が高いとハーセプチンの効果が出やすいとの報告が無いわけではありませんが、主治医の先生が言われたように血清HER2蛋白に対してハーセプチンは効果が不明なところがある、即ち当てにならないと現在のところ考えられています。
2) 肝臓腫瘍の針生検でHER2陽性かどうかわかりますが、その生検には入院が必要で、リスクもあります。その代用に血清HER2蛋白値がなればいいのですが、信頼性に乏しく、参考程度にとどまっています。(文責 石川)

 

No.11720】  15年07月12日     F   
癌が出来る可能性

ポリープを採取して病理検査に出したのですが、言葉はわかりませんが、「値が0.1から1が正常値ですが、あなたは3.5ありました。5だと悪性腫瘍です。悪性に変異する寸前でした。」と、言われました。ちなみに、術後のCEAは7.5です。将来的に癌が出来る可能性を教えて下さい。

乳管内のポリープについて,多少異型があったとのことと理解いたします.この場合,完全に切除した場合でも,体質的に,乳癌のリスクは,上昇します.したがって,定期的な,マンモグラフィーや超音波などの画像による検診をお願いします.術後のCEAの異常値は,今回のポリープとは,無関係と考えます.一時的なものと思いますが,大腸癌など他の部位の癌も完全には否定できませんので,主治医にご相談ください.(文責 徳田)

 

No.11719】  15年07月12日     H   
乳癌治療中の食事について

現在61歳、乳癌治療中の食事について、質問宜しくお願い致します。15年前に左側乳癌温存手術、2年前に右側の非浸潤がん乳癌が見つかり、温存手術しました。何れもホルモン受容体陽性でしたので、現在ホルモン療法治療中です。タスオミンを5年間服用との事です。最近になり、ホルモン治療中にイソフラボン摂取をすると乳癌リスクが高くなると知りました。今まで大豆、イソフラボンをなるべく摂取するよう心がけておりましたので、とても気になり、心配になりました。又、アルコールもリスクを高めるとの事ですが、毎日缶ビールを1本飲酒していますが、今後についてアドバイス宜しくお願い致します。


乳癌術後の方のイソフラボン摂取の意義は,不明です.したがって,食物から摂取するのは,問題ないと考えます.しかし,くれぐれも,食物より抽出したような,大量のイソフラボンを服用することのないようにお願いします.アルコールについても,術後の方の影響は不明です.わかっているのは,術後の肥満は,悪影響を及ぼす可能性があり、ご注意ください.(文責 徳田)

 

No.11718】  15年07月07日     S  
腫瘍マーカーについて

2011年7月に、ステージ1、左乳癌、浸潤性小葉癌で温存手術し、放射線治療、半年ノルバディクス服用。その後、副作用の為、中止。2014年10月再発、胸筋まで浸潤しているとのことで、胸筋も含めて全摘。皮膚に広範囲に転移がみられ、とりきれず残っているとの説明があり、内臓等他には転移はありませんでした。腫瘍マーカーは、術前、術後も、CEA 1前後 CA15-3も10前後で低い状態です。エコーもCT も術前から異常なしでした。唯一PET のみ1. 2pの腫瘍があるとのことで、手術しましたが、実際には7.7pあり、広範囲な皮膚浸潤もあり、ki- 67は60%で、深部等断片に癌が残っているかは、判断できないとの病理の結果で、PET には皮膚転移は写っていませんでした。閉経前の為、リュープリンとノルバディクスでの治療を開始しましたが、副作用で食欲低下等あり、体重10s程落ち、栄養状態も悪化した為、4カ月でリュープリン中止し、ノルバディクスのみです。相談内容は、腫瘍マーカーは内臓に転移したら、上がってきますか? 皮膚転移は、薬がきかなくなると、出血してくるのでしょうか? 術前には2箇所の病院で、皮膚にできているのは転移ではないと思うといわれ、一年間放置した結果、とりきれない程に広範囲に広がってしまったこともあり、見た目で自分でもわかるので、今後皮膚転移部分はどのような経過をたどっていくのか知りたいのですが、現在は、皮膚の表面にはでていない状態です。PET の検査では皮膚転移は写りますか? よろしくお願いします。

浸潤性小葉がんは、マンモグラフィ、超音波検査、MRIなどの画像検査で考えていたより、切除してみると広がりが 大きいことがよく経験されます。がんの病巣はすべてがPETで描出されるとは限りません。PETで描出されないものもたくさんあります。腫瘍マーカーは、内臓に転移したら必ず基準値を超えるわけではなく、基準値以下の場合もよくあります。今後の経過に関しては、文面から判断するのは難しいです。主治医の先生にお聞きになってみてください。 (文責 俵矢)

 

No.11717】  15年07月07日     T K
抗がん剤治療

73才母のことで相談させて頂きます。今年5月初めに違和感があると聞き、急遽検査、2cm程の乳ガン、CT で転移は見つからず、母の即決で直近の6月5日に右胸温存手術をしました。その際、リンパ節に微小の転移が見つかり、リンパ郭清しました。リンパ液が少なかったので4日で退院しましたが、2日後に2倍以上にパンパンに腫れたらしく、翌日リンパ液を取りました。腫れたわりには摂取量が少なかったようです。その後、パンパンに腫れ上がることはないらしいのですが、胸の奥に塊のような違和感があり、下を向くと重い感覚のような痛みがあり、夕方は胸が浮腫むとのことです。郭清した右腕は浮腫みは無いようですが、ヒリヒリ擦れる感覚があります。三週間後、病理結果が出まして、ルミナルタイプA 型、ステージ2a【リンパ節15個のうち転移1個、ホルモンリセプター 陽性、ハーセプチンリセプター 陰性、K i67】なので、まず抗がん剤治療、放射線、ホルモン剤と治療していくとのことでした。術後1ヵ月で化学療法を開始するのが一般的なのと、タチは悪くないが、リンパ節転移が1個でもあったので、直近の7月7日に抗がん剤を開始することを、母は即返事しました。その後、看護師、薬剤師から抗がん剤治療について聞き、主治医は95%が生活に支障無いと言っていたことが覆された感じがしました。病院が誠意が無いとかではなく、現実が恐ろしい。
母が即決するのは、糖尿病で何年も通院している総合病院で、胆石手術、人工股関節、盲腸も同じ病院で、カルテが揃っているから安心というのが第一だったのではと思います。しかし、乳腺外来はあるものの、もっと乳ガン件数の多い病院が良いのではと考えることもあります(2011年乳ガン手術26件)。ただ、今までの主治医の説明も納得いくものでしたし、大病院だから良い治療とも限らないとか・・・。
抗がん剤治療の予約をした夜、母から電話があり、「まだ胸の奥にある塊と夕方胸が浮腫むのが心配だから、治療を先伸ばししたい、期日に余裕あるよね?」と、相談されました。私は、当日でもキャンセル可能だから、体調の経過をよくみていこう、と話しました。元々リハビリに前向きで、こんな事を娘の私にさえ話さない母が、相当恐怖を感じていて、精神面も心配です。
母が気にしている胸の中の塊も時間とともに柔らかくなるし、血液検査も糖が高い以外は心配なく、治療を始められると主治医は言っています。私も、塊に問題があれば血液検査で炎症反応がでたり発熱があるのではと思います。しかし、夕方胸が浮腫むのは、炎症反応ではと考えてしまったり、CT で転移が見られなかったのが、リンパ節転移があったので、今回の手術は悪い予感がすると入院前から言っていたこともあり、医学を信じたい反面、母のカンも一理あるのかとも。
ご相談させて頂きたいことは、「抗がん剤治療は、術後1ヵ月過ぎると手遅れになるか。胸の奥に感じる塊を他の病院に相談出来ないか? 他の病院でも主治医と同じ回答なら、母の覚悟の背中を押してくれて治療開始できると思いますが、時間もかかると思うので、間に合うか。」です。長々と綴り申し訳ありません。どうかよろしくお願い致します。

胸の奥の違和感や表面のすれる感じはおそらく手術の傷のためと考えます。時間とともに徐々に軽快する者と思いますが鎮痛剤を使用して楽になればしばらく使用してみてもよいかもしれません。主治医に相談してみましょう。
化学療法を受けるか否かに関して疑問をもたれているようならば、セカンドオピニオンを受けてみるのはいかがでしょうか。セカンドオピニオンの結果をふまえて主治医と今一度相談されてみてはいかがでしょうか。
化学療法の副作用を抑えるためにステロイドホルモンを使用することが多いこと、また食事摂取量が変化することから糖尿病の治療を一緒にできるところの方が安心 かと考えます。 (文責 俵矢)

 

No.11716】  15年07月07日    M.S. 
皮下注射の必要性と乳房変形(HPNo.11706-2)

前回の質問No.11706です。前回はお答え頂きましてありがとうございました。考えが決まり、抗がん剤の上乗せはせず、ホルモン治療を開始しました。そこで追加でぜひお聞きしたいことがございまして、再度質問させて下さい。

1) 皮下注射について
ここのサイトの過去の質問でもいくつかみられるのですが、タモキシフェンに皮下注射を併用するかどうかです。最近の試験で化学療法を受けた高リスク群や35歳以下の若年層には併用の効果ありとのことですが、閉経前40代で化学療法上乗せをしないホルモン治療で、皮下注射の話しが出ました。抗がん剤を上乗せするならわかります。しかし、はじめから担当医も抗がん剤上乗せは勧めておりませんでしたが、皮下注射の話しは出ていました。核グレードなどからの悪性度は低いのですが、腫瘍が2.9センチと大きかったからかなとは思いますが、このような場合、皮下注射は必要なのでしょうか。効果があるのか不安になりました。

2) 術後の乳房変形
担当医の勧めで温存手術を受けましたが、しこりが大きかったことやシコリの位置が乳房上部だった為、乳首の位置が上に吊りあがり、変形に悩んでおります。最近の温存は形容性も考え、酷くなりそうなら温存を勧めていないそうですが、私の場合は最初から温存を勧められており、変形の話は出なかったので、ショックが大きく、今はシャワーをあびるのもつらい感じです。担当医にも話しをしましたが、数年たってから形成など考えたらと言われましたが、いろいろな情報を見ると、放射線治療を受けてからだと、かなり困難がありそうです。再手術しての全摘も考え、放射線治療はまだ受けておらず、ホルモン治療のみ開始しました。他院の美容外科系の先生にもお話を伺ったのですが、その先生は、術側を乳首や乳輪は残し皮下乳腺全摘して、健側は乳首などを釣り上げる手術、とおっしゃいました。健側も豊胸するぐらいならまだしも、もっといじることへたじろいでしまいました。健側を今いじっても、そちらは垂れてくるだろうし、との思いもあります。
担当医のいうとおり、放射線後数年たってから、というのはかなり困難ではないかとも思いますし、実際今生活していての苦痛もあります。美容外科で全摘して同時再建された方がミーティングしているところに参加しましたが、みなさんびっくりするくらい明るいのを見て、更に自分の現状に悩んでしまいました。40代独身なので、出産などは諦めても普通にお風呂をたのしんだりはしたいなあ、と思います。今温存して片方が釣り上がった状態ですが、再手術も含めて考えた時、どうしたら良いのかわからなくなりました。命あってのことは理解しておりますが、悩みがつきません。

お忙しいところ大変申し訳ありませんが、ご回答お願い致します。術後ストレスなく再発に注意したいのですが、悩みばかりです。よろしくお願い致します。

1) 早期乳がんに対する術後内分泌療法としてタモキシフェンにLH-RHアゴニストを追加することで、タモキシフェン単独にくらべて再発リスクや死亡リスクを明らかに減らす効果は証明されておりません。しかし再発乳がんに対する治療効果はLH−RHアゴニストを追加したほうがタモキシフェン単独よりも高いことから考えると、がんの再発を抑制する力は追加したほうが強いと思われます。腫瘍も確かに少し大きめですので、追加することをおすすめされたのだろうと思います。通常より早期に閉経させるリスクをどう考えるかだと思います。主治医の先生と今一度お話になってみてください。
2) 部分切除を行ったのであれば、通常放射線療法行うことをおすすめします。放射線療法は、術後科学療法を行うのでなければ 2ヶ月以内くらいには開始したほうがよいと思います。もし、形状に不満があるのであれば早いうちに全摘して再建を考えるのも一法と思います。形成外科の先生に健側をいじりたくない旨をお話して、どうしたらよいか相談されたら良いと思います。形成外科担当医、主治医と話あって結論を出しましょう。 (文責 俵矢)

 

No.11715】  15年07月07日    P 
アポクリン癌について

先日、左胸に浸潤性アポクリン癌が見つかりました。温存手術をし、今後は放射線治療(25回)の予定です。トリプルネガティブなので、その後の治療は抗がん剤(UFTカプセル)しかないらしく、次回の受診までに使うか?使わないか?考えてくるように言われています。今後の治療について先生のご意見をお聞きしたく、メールさせていただきました。

*浸潤性アポクリン癌(2.7×1.9)と乳房脇に1〜2ミリの前がん病変があり二か所摘出
*ステージ T
*センチネルリンパ節生検 陰性
*女性ホルモン依存性 なし
*HER 2  なし
*治癒率   90%
*骨シンチ  異常なし

アポクリン癌は大人しいタイプの癌らしいですが、抗がん剤の有効性のデーターが少ないらしく(ネットで見た限りでは)、ステージTで抗がん剤を使う必要があるのか? 私としては使いたくありません。トリプルネガティブなので…と主治医から言われておりますが、自分の体なので良く考えてご返事したいとおもっています。私のようなタイプの癌について、治療法なども含め、詳しく教えてください。お忙しいところ、宜しくお願い致します。64才です。

アポクリンがんは、特殊型に分類される組織型です。確かに通常型乳がんと多少異なる性質を持っていますが、術後補助療法 としてはサブタイプを考慮して術後化学療法を選択されることが多いと思います。ですので、トリプルネガティブ乳がんとして考えますと、化学療法の追加をおすすめします。アンスラサイクリン系とタキサン系を含んだ化学療法が第一選択と考えます。合併症や年齢、患者さんの選択等によりUFT内服療法も選択されることがあります。主治医とよく相談なさってください。 (文責 俵矢)

 

No.11714】  15年07月07日     K.S. 
リューブリンと歯科治療

リューブリン6回目、歯の根元の治療で出血するのですが、リューブリンと関係はあるのしょうか?

出血傾向などが起こりやすい薬剤ではないので、あまり関連はないと考えます。 (文責 俵矢)

 

No.11713】  15年06月29日    T
術後の治療について

お世話になります。41歳の既婚、出産経験有りの女性です。今年2月に左胸内側のしこりを浸潤性乳がんと告知され、4月に全摘出手術をしました。病理の結果は以下です。
Her2 マイナス(fish)、ER+PR+、高分化型(invasive cribriform)腺癌、リンパ転移無し、脈管侵襲無し、40×33×20mm、ki67=50%
当初はハーツーが+3の強陽性と診断されたため、抗がん剤、ハーセプチン1年間、ホルモン療法をするよう言われましたが、ハーツーをFISH法で調べたところ陰性になり、主治医から、ホルモン療法のみで抗がん剤は必須ではないと言われました。しかし、腫瘍の大きさとki67の値が気になり、再発リスクについて質問したところ、高分化型のもっともおとなしい癌だから、そんなに心配はいらないと言われました。抗がん剤は必須ではないと言われ喜びましたが、ハーツー強陽性がFISHで陰性になったことで治療法が大幅に軽減され、本当に大丈夫か不安になっています。私自身は抗がん剤は避けたいと思ってはいるのですが、家族が心配しております。ご意見をいただけると、とても助かります。どうぞよろしくお願いいたします。

HER2検査で3+であったにもかかわらずFISH法も追加したというのは、3+という結果に何らかの疑問があったからなのかその点が不明ですが、結果的にFISH法で陰性とのことですので、HER2は陰性と考えて良いのでしょう。Ki67が50%と少し高く、腫瘍サイズも40mmとやや大きいと言えますが、それ以外に核グレードも調べていただけるとさらに参考になるかもしれません。いずれにせよ、ホルモン療法を行うことは必然と考えますが、それに抗がん剤治療を上乗せすることの是非はとても重要なことでもあり、そのメリットとデメリットを再度よくご検討される必要があると考えます。もしチャンスが許せるのであれば、ご家族の方も交えて主治医の先生と再度よくご相談されるのが良いのではないでしょうか?(文責 谷)

 

No.11712】  15年06月29日    M
再発治療について

再発治療について、ご相談させていただきます。現在57才、多発性骨転移と多発性肝転移をしています。骨転移は2008年に見つかり、ホルモン治療をしてきました。また、ランマークの治療をしています。2013年夏に肝転移が見つかり、タキソールとアバスチンの併用療法を続けてきましたが、最近肝臓のがんの大きさが少し大きくなってきていると言われ、ショックでした。ハラヴェンに替える事もできるが、主治医より、「肝生検査をして、がん細胞の性質を調べ、ホルモンが効くようならアヒィニトールも新薬で使えるかもしれない。」と言われました。肝生検査はリスクもあるかと思い、考えております。アドバイスを頂けましたら有難いです。よろしくお願いいたします。ちなみにハーツーは陰性で、ホルモンは陽性ですが、変化する事もあると聞きました。

もともとはホルモンに感受性のあるタイプの乳がんであったとのことですので、その転移巣である肝腫瘍もホルモン感受性陽性のはずなのですが、実際にはホルモン感受性が陰性に変わることはしばしば生じます。アフィニトールという薬剤はホルモン感受性陽性の腫瘍に対しホルモン剤と一緒に使用する薬剤で、間質性肺炎や口内炎などの副作用に十分に留意しながら慎重に使用する必要があります。よって、その適応を決定すべく肝臓の腫瘍細胞の一部を採取(肝生検)してホルモン感受性を調べるというのは、とても理にかなった方針です。肝生検自体のリスクはゼロとは言えませんが、それほど高いリスクとは考えられず、主治医の先生と私も同意見です。(文責 谷)

 

No.11711】  15年06月29日    Y.K. 
腫瘍マーカー CEAとCA15-3について

三回目の相談になります。いつもお忙しい所ありがとうございます。昨年9月に手術をし、腫瘍1.1cmx1.1cm,リンパ節転移なし、ホルモン陽性(2+)、ハーツー(-)、Ki67 40 という結果でした。前回の相談の白血球は、ようやく3000を超えるようになりました。
今回は、腫瘍マーカー CEAとCA15-3について相談です。
           CEA CA15-3 
手術前(2014.8月) 2.1  13
手術後(2015・3月) 2.9  15
 〃 (2015.6月) 3.6  17
この検査は、手術前は最初にかかった乳腺外科の病院で、手術後は手術から現在もかかっている病院で行いました。診察の際に、主治医はこの数値のことは触れず、私も今回先生に聞き忘れ、次回の診察までまだ日数が空いているため、不安なので教えてください。ネットで調べると、通常手術の後は、この数値は小さくなると書いてありましたが、手術の直後は測っていないので不明ですが、減ることなく、少しずつ増加しています。正常の範囲なら増減については全く気にしなくてよいものか、このように増加しているのは、抗がん剤治療(EC4回)や放射線(50グレイ)、ホルモン療法(抗がん剤2回目以降生理が来ていないのと血液検査の結果より閉経としてアリミデックスを服用中)が効いていなくて、体の中で癌細胞が少しずつ増殖中で、このままこのマーカーの数値は増加の一途で、いずれCTなどで腫瘍が見つかるということなのでしょうか? このペースで増えていくとすると、次回9月には上限にかなり近くなるので、上限をこえるのも遠くないような気がします。再発や転移しない人は、やはりこのように数値は大きくなっていかないものでしょうか? この時点で何ができるというわけでないのはわかりますが、再発や転移などに関係ないということであれば安心できますし、もしやはりこの数値の上がり方はいつか転移再発する人のタイプだというのであれば、心の準備もできるかと思います。とにかく不安なので、すみませんが宜しくお願いします。

ご存知のようにCEAは5以下、CA15-3は25以下がそれぞれ正常範囲となりますので、現在の値は正常の値です。これは言い換えれば、癌にかかったことのない人でも、もし測定すればこのくらいの値にはなるということです。また正常範囲の中でこの程度の多少の数値の変化は誰にでも認めます。よって今の値の変化は「腫瘍マーカーの上昇」とは判断しません。あまりご心配なさらずにお過ごしいただきたいと思います。(文責 谷)

 

No.11711-2】  15年09月07日    Y.K. 
生理について

11634,11711にて相談したものです。いつも相談にのっていただきありがとうございます。なかなか状態が落ち着かず不安な毎日です。今回は生理についてです。昨年の抗がん剤治療2回目の点滴の後、生理が止まり、ホルモンの数値も閉経とみなすということで、今年の1月よりアリミデックスを服用しています。8月10日夜から5日間ほど、ほんのわずかですが、出血があり、不正出血か生理か判断できず、とりあえず子宮体がんの検査はしましたが、陰性でした。4週間後にまた出血があれば、生理だろうが、念のため血液検査でホルモンバランスを9月14日にみるということになりました。このような状況で、9月1日より、排尿の終わりごろに痛みを感じるようになり、さらに残尿感、ひん尿と症状がでたので、本日9月3日に近くの内科を受診し、膀胱炎だろうと診断され、薬を処方されました。その後、まだ薬を飲む前から、わずかな出血がはじまり、これは膀胱炎なのか、生理なのか、またまた自分で不安に思っています。膀胱炎のときの血尿なら尿と一緒に液体状で混ざって出ますか? 少しどろっとした感じの塊っぽければ、やはり生理なのでしょうか? さらに生理だとすると、早くに薬をアリミデックスから変更すべきでないかと思うのですが、医師によると、そんなにあわてなくても大丈夫とのことなのですが、本当に大丈夫なのでしょうか? 不安がつきず、すみませんが、回答よろしくお願いします。

不正性器出血に対しては、子宮がんを否定した上で、周期的な出血かどうか、ホルモンの値がどうかで生理かどうか判断します。9月14日の血液検査の結果でわかると思います。薬の変更はそれからでも遅くはありません。(文責 清水)

 

No.11711-3】  15年11月21日    Y.K. 
ホルモン療法の薬の種類について

いつもありがとうございます。ホルモン療法の薬の種類についてお聞きします。今年1月20日よりアリミデックスを服用していて、10か月経ってしまったので、今さらになってしまうのかもしれませんが、先生のご意見をお聞かせください。2014年10月20日からEC療法4クール行い、その途中の11月下旬に生理が来たのを最後に生理は止まっています。血液検査でホルモン量の検査をしたところ
2015/1/19  2015/9/14
LH        33.9     42.9
FSH        88.2    108.4
エストラジオール  25     25

ということで、閉経とみなし、アリミデックスを服用しているのですが、「乳がん診療ガイドラインで、閉経期または化学療法後に無月経状態になった患者に対してアロマターゼ阻害薬の単独使用は基本的に勧められないC2」というのを見て、愕然としています。主治医からは生理が戻ったら伝えるように言われているのですが、タモキシフェンにすぐに変更すべきなのでしょうか? 他のところでエストラジオールの値は22以下で閉経とみなすというのもみかけました。通常はアリミデックスを服用するとエストラジオールの値が小さくなっていくものなのではないのでしょうか? 私の場合、服用開始する前と服用途中でエストラジオールの値は同じです。これは服用していて効果が出ていないということなのでしょうか? また、前回質問させていただいた不正出血についても、8月に数日、10月に2日ほど、ほんのわずかな出血があり、子宮がんの検査は陰性、また10月のCT検査は異常なしでしたが、生理が戻る兆候となっているのでしょうか? 前回10月の不正出血の前に診察だったため、10月の出血の際は電話で問い合わせただけで、次回の1月の診察の時に話しましょうと言われているのですが、1年を無駄に過ごしてしまうような気がして、とても不安になってしまいました。すぐにでも予約を取り直して薬を変えるべきなのでしょうか? アドバイスをお願いします。

「閉経期または化学療法後に無月経状態になった患者」とは、本来は閉経していないのだけれども化学療法(EC)の影響で一時的に卵巣機能が低下している患者さんということです。完全に閉経しているかは、採血でホルモン値を測って判断することになります。アリミデックスは、不完全な閉経状態で内服すると、排卵を誘発して卵巣機能を戻す作用があるため、「アロマターゼ阻害薬の単独使用は基本的に勧められない」わけです。そうすると、アリミデックスを内服しているにも関わらず、ほぼ閉経と判断してよい血液結果であるということは、9月の時点では、まあ閉経と考えてよいと思います。したがって、服用していても問題ないと思います。(文責 緒方)

 

No.11710】  15年06月29日    M
術後の治療について

いつも丁寧なご回答ありがとうございます。また相談します。先日、非浸潤がんの乳房温存術をうけました。病理組織診断結果は次のとおりです。

病理組織診断 
Breast,Rt,operated
Ductal carcinoma in situ of the right breast

所見
検体:右乳腺 乳がん病巣単数:1病巣
 切除術: Bp 8.5×9.0×3.0p、占拠部位:右upper-outer(c)領域
 腫瘍慶in situ ca含む:0.2×0.1 p
 組織分類:ductal carcinoma in situ
核異型スコア:2、核分裂スコア:1(1/10HPF),核グレード:1
波及度:g-in situ,リンパ管侵襲:ly0、静脈侵襲:v0
断端:皮ふ側:−、深部側:−、側方−、乳頭側:−
Comedo+、石灰化+

検体は、右乳房部分切除検体。肉眼的にtumorは明らかではありません。

組織的に、ごく一部に乳管内に限局した核腫大の見られる乳管上皮の充実性増生が見らます。
Noninvasive ductal carcinoma (ductal carcinoma in situ)です。
一部、 腫瘍内にコメド壊死及び石灰化を認める。背景にpapillomatosisを認める。
標本上での腫瘍の大きさは2×1mmです。
脈管侵襲は見られない。断端は陰性
以上の通りです。

つきましては、今後の治療について教えてください。主治医は、今後は経過観察との意見ですが、記載しました報告書から、放射線治療は必要ないのか、そうであればその理由など、ご意見をいただきたく、メールさせていただきました。よろしくお願いします。

非浸潤性乳管癌の乳房温存術の術後は、温存した乳房に放射線治療を行うことが一般的です。よって貴女の場合も放射線治療が標準治療であると言えます。しかし一方で2x1mmの非浸潤癌というのは、ガンとはいえ極めて小さなガンであり、主治医の先生がそのあたりをどのように評価しておられるのかが、今後の方針に関わってくるのだと思います。これを踏まえて、ぜひもう一度主治医の先生によくお聞きになってください。(文責 谷)

 

No.11709】  15年06月29日    K 
病理結果の読み取り

月初め、乳がんと診断されました。超音波の下で組織を取っての病理検査となり、12日結果がでました。
ER:0% PgR:0% HER2:3+ Ki−67:約30% 非浸潤性乳管癌 NG2 microinvasionの可能性はあり、断定できない。
無知識なので、怖くて眠れません。教えて下さい、お願いします。

組織を取っての病理検査の結果とのことですから、乳がんの確定診断がされたことになります。しかし非浸潤性乳管癌であるとすると、他の臓器への遠隔転移は起こさない種類のガンということであり、手術により根治の可能性が極めて高いと言えます。主治医の先生ともよく話し合って、ぜひ落ち着いて今後の検査や治療と向き合ってください。(文責 谷)

 

No.11708】  15年06月29日    M 
HER2陽性について

現在、母が末期の乳癌です。2013年の夏頃にステージ1、手術とホルモン内服薬にて経過。2014年9月 多発性肝臓転移(手術不可)、胸水の為、ハーセプチン、パージェダ、タキソテール開始(タキソテールについては数値が安定したころから本人希望で中止しました)。2014年10月頃 食事療法、樹状細胞開始。2015年5月 骨、脳転移 タキソテール、ゾメタ開始という流れで現在きています。先日のPETでは、肝臓の癌は取り込んでいませんでした。ハーセプチン、バージェダが効いている可能性が高いとのことです。骨折の危険性があるとのことで、入院しながら放射線をすることになりました。入院する前日にBCGワクチンをして頂きましたが、現在、緊急入院中の為、継続できなくなりました。入院中は、しいたけ菌糸体と漢方薬で対応する予定です。主治医からは、2ミリの初期癌から現在の状態は見たことのない進行であることを言われました。
本題ですが、治験や未承認薬等を考えているのですが、ご存知ないでしょうか、どんな情報でも教えて頂けたら有難いです。癌の完治が難しいのはわかりますが、癌との共存の中で生きてほしいと思っております。ファイザーがHER2陽性の治験を募集していますが、要件として、再発、転移後に抗がん剤を受けていない人と記載していますので、母のように転移発覚後にファイザーの治験は本当に受けられないのでしょうか。それから、二ポルマブというのが画期的と耳にしたのですが、こちらの治験はまだ先のことでしょうか。最新治療である樹状細胞も結果はでず、主治医からはこの速さの進行は見たことがないと言われ…治験や未承認薬しか助けられない気がしまして。母は食欲もあり、全て理解しております。急にメールして失礼は承知ですが、ご存知なことがあれば教えて頂けたら幸いです。どうぞよろしくお願い致します。

お母様の今の病状に対し、なんとか少しでも良くしてあげたいというお子様の思いが、とてもよく伝わってまいりました。私も何か少しでもお役に立てればと、心より思います。さて現状を整理すると、乳癌術後2年足らず、骨転移と脳転移があり、肝転移と胸水は比較的落ち着いている、といった状態だと思います。現在ハーセプチン+パージェタ+タキソテール+ゾメタを使用しており、骨転移に対し放射線治療を予定、食事療法、樹状細胞療法、免疫療法、漢方薬治療なども行っている(予定している)状態だと言えます。しかし現在の最大の問題点は脳転移であり、これにはいずれの薬物療法も期待できませんので、まず脳に対する放射線療法(ガンマナイフまたは全脳照射)も必要であると考えます。脳転移のコントロールが可能となったら、薬物療法の再検討となりますが、仰っているような治験薬や未承認薬で期待できるものは私は知りません。しかしながら昨年発売されたカドサイラ(トラスツズマブエムタンシン;T-DM1)は、ハーセプチン、パージェタなど抗HER2薬が効果的であったお母様の病状には十分に期待できる薬剤ではないかと考えますので、今後薬剤の変更を行うのであれば検討していただきたいと思います。いずれにせよ、このように一生懸命に考えてくださるお子様の思いが、お母様にとって最大の治療薬であると思います。ぜひ今後もお母様と一緒にずっと寄り添って支えてあげてください。(文責 谷)

 

No.11707】  15年06月27日    R 
右胸の直径3センチ程の黄色いアザ

10年程前に、右胸を全摘、リンパ節転移無しのステージ1、ハーツー陽性。抗ガン剤治療、たしかCEFを6クール、アリミデックス服用。3ヶ月に一度、主治医の先生にお世話になっております。2月の血液検査、触診異常なし。5月の触診異常なし。8月にマンモ検査の予定。高齢の為、毎日お風呂に娘が一緒に入っているのですが、あざには気が付かず、今日、昼間のお風呂でたまたま発見。右胸の乳輪のすぐ下あたりです。軽く物忘れがあるので、ぶつけた記憶等を尋ねましたが、不明です。黄色いアザの様子は、うちみの治りかけに様子が似ているのですが、とても心配になり、相談させて頂きました

ご相談ありがとうございます。乳房切除をされた反対側の胸の乳輪近くのあざがご心配になってしまったのですね。黄色いのであれば、御指摘の通り打撲などの内出血が治りかけの色だと考えます。内出血の原因が分かりませんが、無意識にひっかいたりぶつけたりして内出血することはあるかもしれません。このまま自然消失していけば内出血、もし改善がなければ早めの乳がん検診をして安心なさってくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11706】  15年06月27日    M.S.   
術後の治療

初めてご相談させて頂きます。温存手術をしまして、今後、放射線やホルモン治療となります。未婚 44歳 ルミナルA 病理結果pT2,pN0,ly0.v0です。核グレード1、ホルモン強陽性で、術前は共に8、病理結果では、ERが5でPgRが8、Ki67は、術前15%が、病理では3%でした。腫瘍の大きさは2.9センチです。もともとホルモン治療のみの予定でしたが、Adjuvant!の情報をみて考えてしまっています。また、あまり副作用のないUFTを加えると良いとの情報も見て、更に考えてしまいました。Adjuvant!はki67の情報は入れないようですし、UFTをプラスすると良いというのも、3つの要素のうち一つあてはまればというもので、私の場合は1つしかあてはまらなく、2つの要素はホルモン治療のみの方にあてはまります。主治医はもともと抗がん剤でもなんでもやるという感じに私が見えなかった為、もちろんホルモン治療しか言わなかったし、いろいろな情報見ても、ルミナルAはホルモン治療のみでしたので、抗がん剤の事は考えてなく、Adjuvant!を見て悩んでしまいました。何かご意見いただけませんか?

ご相談どうもありがとうございます。ルミナルA、核グレード1、Ki-67 3%、リンパ節転移なしであれば、ホルモン治療のみの術後治療を選択します。Adjuvant onlineはHer2やKi-67の情報が加味されておりませんので最近は参考にすることは少ないです。主治医の先生にもう一度ご不安なお気持ちをお伝えした上で、今後の治療方針を決定なさってくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11706-2】  15年07月07日    M.S.   
皮下注射の必要性と乳房変形

前回の質問No.11706です。前回はお答え頂きましてありがとうございました。考えが決まり、抗がん剤の上乗せはせず、ホルモン治療を開始しました。そこで追加でぜひお聞きしたいことがございまして、再度質問させて下さい。

1) 皮下注射について
ここのサイトの過去の質問でもいくつかみられるのですが、タモキシフェンに皮下注射を併用するかどうかです。最近の試験で化学療法を受けた高リスク群や35歳以下の若年層には併用の効果ありとのことですが、閉経前40代で化学療法上乗せをしないホルモン治療で、皮下注射の話しが出ました。抗がん剤を上乗せするならわかります。しかし、はじめから担当医も抗がん剤上乗せは勧めておりませんでしたが、皮下注射の話しは出ていました。核グレードなどからの悪性度は低いのですが、腫瘍が2.9センチと大きかったからかなとは思いますが、このような場合、皮下注射は必要なのでしょうか。効果があるのか不安になりました。

2) 術後の乳房変形
担当医の勧めで温存手術を受けましたが、しこりが大きかったことやシコリの位置が乳房上部だった為、乳首の位置が上に吊りあがり、変形に悩んでおります。最近の温存は形容性も考え、酷くなりそうなら温存を勧めていないそうですが、私の場合は最初から温存を勧められており、変形の話は出なかったので、ショックが大きく、今はシャワーをあびるのもつらい感じです。担当医にも話しをしましたが、数年たってから形成など考えたらと言われましたが、いろいろな情報を見ると、放射線治療を受けてからだと、かなり困難がありそうです。再手術しての全摘も考え、放射線治療はまだ受けておらず、ホルモン治療のみ開始しました。他院の美容外科系の先生にもお話を伺ったのですが、その先生は、術側を乳首や乳輪は残し皮下乳腺全摘して、健側は乳首などを釣り上げる手術、とおっしゃいました。健側も豊胸するぐらいならまだしも、もっといじることへたじろいでしまいました。健側を今いじっても、そちらは垂れてくるだろうし、との思いもあります。
担当医のいうとおり、放射線後数年たってから、というのはかなり困難ではないかとも思いますし、実際今生活していての苦痛もあります。美容外科で全摘して同時再建された方がミーティングしているところに参加しましたが、みなさんびっくりするくらい明るいのを見て、更に自分の現状に悩んでしまいました。40代独身なので、出産などは諦めても普通にお風呂をたのしんだりはしたいなあ、と思います。今温存して片方が釣り上がった状態ですが、再手術も含めて考えた時、どうしたら良いのかわからなくなりました。命あってのことは理解しておりますが、悩みがつきません。

お忙しいところ大変申し訳ありませんが、ご回答お願い致します。術後ストレスなく再発に注意したいのですが、悩みばかりです。よろしくお願い致します。

1) 早期乳がんに対する術後内分泌療法としてタモキシフェンにLH-RHアゴニストを追加することで、タモキシフェン単独にくらべて再発リスクや死亡リスクを明らかに減らす効果は証明されておりません。しかし再発乳がんに対する治療効果はLH−RHアゴニストを追加したほうがタモキシフェン単独よりも高いことから考えると、がんの再発を抑制する力は追加したほうが強いと思われます。腫瘍も確かに少し大きめですので、追加することをおすすめされたのだろうと思います。通常より早期に閉経させるリスクをどう考えるかだと思います。主治医の先生と今一度お話になってみてください。
2) 部分切除を行ったのであれば、通常放射線療法行うことをおすすめします。放射線療法は、術後科学療法を行うのでなければ 2ヶ月以内くらいには開始したほうがよいと思います。もし、形状に不満があるのであれば早いうちに全摘して再建を考えるのも一法と思います。形成外科の先生に健側をいじりたくない旨をお話して、どうしたらよいか相談されたら良いと思います。形成外科担当医、主治医と話あって結論を出しましょう。 (文責 俵矢)

 

No.11705】  15年06月27日    Y   
乳癌の最終診断について

31歳女性です。4月の初め頃から左脇あたりに違和感があり、4月の終わり頃に乳頭左下に小さなしこりを見つけました。すぐに乳腺外来を受診し、視触診+超音波で、「乳腺が腫れてるだけで、しこりではない」と言われました。不安だったので、違う乳腺外来へ行き、そこで視触診+超音波+マンモをしてもらい、「良性だと思うが、細胞診しておく?」と聞かれ、細胞診をしてもらいました。その細胞診の結果が、クラス5でした。ただ、クラス5の結果ではあるけど、病理の所見は「疑い」とのこと。ものすごくショックで、家族全員で落ち込みました。細胞診の結果が出たその同日に、針生検(組織診)をしました。その組織診の結果では悪性は認められず、良性でした。先生の最終診断は、「良性だから心配ない」ですが、一応ということで、がんセンターを紹介されました。昨日紹介先のがんセンターへ行ってきましたが、がんセンターの先生は、診察開始と同時に、「細胞診のクラス5が出てるんだから、ほぼ乳ガン確定だよ。組織診で良性だったのは、組織が取れてないんだよ、きっと」と。またどん底に落とされた気持ちでした。検査をすべてやり直しになりました。がんセンターの先生に視触診をしていただきましたが、「これは悪いものじゃなさそうだなぁ」と。その後、ようやく前の病院から持ってきた書類に目を通しはじめ、「この良性が出ている組織診の組織は取れてそうだなぁ、向こうの先生の所見は良性だけどね」と。昨日はそのままマンモ+超音波をしました。結果は半月後です。4月から結果が二転三転して、夜も眠れず、吐き気もあり、食べられません。一生懸命明るく振る舞っていますが、そろそろキツいです。いつになったら結果が出るのか…乳ガンの検査や診断はこんなものなのか。ここまでのいきさつで、どう思われますか? 難しいとは思いますが、私は何を信じたらいいのでしょうか。組織診の組織が取れているかは、見てわかるものなのか? 細胞診の結果、疑いなのにクラス5をつけることがあるのか? 細胞診がクラス5で組織診が良性の場合は珍しいのか? その場合、どちらが確実なのか。今のところ、乳腺外来の先生三人の視触診で良性と言われ、その内二人の先生に画像も良性と言われています。加えて組織診は良性です。細胞診のクラス5のみが気がかりです。動揺していて内容がしっかりお伝えできているか心配ですが、ご意見をくださいますと幸いです。よろしくお願いいたします。

ご相談どうもありがとうございます。結果が二転三転するのは精神的にもきついですよね。残念ながら、どんな検査でも100%確実というものはありません。もし今後の検査でもはっきりとしない場合には、しこりを小さい傷で切除して調べる外科生検という方法がございます。だから大丈夫です。まずは結果を待ちましょうね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11704】  15年06月27日    F 
リンパ節転移3個で放射線治療の必要性は?

66歳の妻が、5月中旬に乳房内しこりと腋下しこりの症状で乳腺外科外来を受診し、その際両方とも直径2cm程度のエコーが検出され、そのうち乳房内しこりの組織診断で、6月3日に充実腺管癌と診断されました。6月10日に乳房切除術を行い、その際のセンチネルリンパ節生検で1/3の転移が認められ、レベル1の腋窩リンパ節郭清を行いましたが、術後顕微鏡検査で新たに2個の転移が認められました。現在手術で切除したがん細胞の病理結果待ちです。

1) 腋窩リンパ節の局所転移が気になりますが、レベル2までの郭清は必要ないのでしょうか?
2) 標準治療では転移が3個以下の場合は放射線治療無しと聞いていますが、昨年春に英国グラスゴーで開催された第9回European Breast Cancer Conference(EBCC2014)で、リンパ節転移数1個から3個の乳癌患者への術後放射線治療は再発と乳癌死のリスクを低減させたとの報告があったと新聞記事にありました。とすれば、積極的に主治医に放射線治療を申し出た方がいいいのでしょうか? メリットデメリットについて教えてください。
3) 遠隔転移が気になっていますが、化学治療に入ってからか、あるいは経過観察の時でもいいのでしょうか?
4) 化学治療では病理検査・年齢などの条件で、とるべきコースが標準治療として一義的に推奨されるのでしょうか?
5) しかし「自分の乳がんの病理結果と再発の危険性を踏まえ、主治医の推奨する治療についてよく吟味し、あなた自身で自分の治療を選びましょう。」といわれると、何を基準に判断したらいいか悩みます。「再発の危険性と治療の副作用のトレードオフ。(苦い薬ほどよく効く)」などのように、判断材料として患者や家族として考慮すべきものになにがあるか教えてください。

今日6月15日に退院したばかりの妻ですが、以上よろしくお願いします。

ご相談どうもありがとうございます。ガイドラインでは、手術前の検査で明らかなリンパ節転移が認められなければレベル1までのリンパ節郭清で十分とされています。リンパ節転移が3個以下であれば現時点では放射線治療は必要ありません。遠隔転移の検査は、手術前にもおこなっていると思います。手術や抗がん剤治療が終了してから定期検査は追加してくださることでしょう。抗がん剤治療は、病理検査の結果をもとに再発のリスクを評価し決定していきます。内容については各病院によって若干の違いはありますが、使用する薬剤の種類や順番はほぼ統一されています。最初に選択すべき抗がん剤の種類は限定されています。脱毛などの副作用に対してどのような対策を立てていくのかなどを、主治医の先生や看護師さんとご相談なさってみてください。様々なご不安があると思いますが、最終的には抗がん剤をやるか、やらないか。やるとすればどのような副作用が予想され、どのような対策があるのか。副作用は、どれぐらいの期間で解消されるのか。などをご相談いただき方向性を決定なさってくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11703】  15年06月27日    T
今後の治療法について

T期の乳がん、ハー2タイプ、転移なし、大きさは 1.8です。術前治療として、FEC4クール、タキソテール+ハーセプチン4クール、術後ハーセプチン14回+放射線の予定です。化学療法の途中で腫瘍がなくなっていても4+4クールを行うし、手術をして組織を取り、検査するそうです。この流れは、一般的に効果の高い治療法であり、再発防止のために最善なのでしょうか? 教えてください。

ご相談どうもありがとうございます。ご呈示されている治療方法は、再発予防効果が高いとされているものです。手術を先におこなうか、抗がん剤治療を先におこなうかでの治療成績は同等とされています。腫瘍が無くなっても手術は必要というお話も、その通りだと考えます。主治医の先生を信じて治療の第一歩を歩き始めてくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11702】  15年06月27日    D
非浸潤性乳管癌全摘出後の化学療法について

母について相談させていただきます。母(65歳)はステージ0期の非浸潤性乳管癌で、左胸を全摘出しています。しこりは3p程度、リンパ転移なし、ホルモン受容体陰性、Her2は陽性でかなり強く、KI67は30%と診断されました。左胸のしこりが悪性とわかり、左胸を全摘出して、リンパも少し切り取っての検査結果です。医師から、再発、転移の可能性は極めて低いが、Her2やKI67の値から、増殖能力はまあまあ高く、普通の乳癌だと予後が悪いタイプと言われました。そして、万が一再発したらショックだと思うので、一応、約3ヶ月のAC療法(ドキソルビシン+シクロフォスファミド)及びDTX療法(ドセタキセル)、約1年のハーセプチン療法を勧めるとのことでした。ただ、そもそも0期でガイドラインもないので、考え方の問題とも言われました。
今の段階では、化学療法をせず、日々の生活で免疫力を高める方向でいますが、「母の場合、正常細胞に存在するというHer2までもが、人より強いのか」「全摘出したことで、他の細胞に眠っていたHer2が活発化する可能性があるのか」と疑問に思い、ご相談しました。術前、まだ非浸潤と分からなかった段階では、「手術すると他に転移していたかもしれない癌細胞が目覚める可能性があるので、化学療法を」という説明もあったので、そのように疑問に思った次第です。長文で申し訳ありません。回答をいただけたらとても幸いです。よろしくお願いいたします。

ご相談どうもありがとうございます。非浸潤性乳がんに対して抗がん剤治療をおこなうことは一般的ではありません。非浸潤がんは、手術のみで経過をみていきます。術後の定期検診が大切です。もし、抗がん剤治療をご提案されるのだとしたら、大部分は非浸潤がんであるが、一部に浸潤部分がある場合です。その場合には、浸潤がんと同等と考えて、抗がん剤治療を追加する場合があります。主治医の先生と、術後治療について再度ご相談なさってみてくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11701】  15年06月19日    B
温存術後の治療について

4月に乳ガンと診断され、5月に温存手術を受けました。手術内容としては、2センチ程のしこりの除去ならびにセンチネル生検の結果で腋窩リンパ隔清をしました。今は痛みも痺れなどもありません。先日除去した細胞の細胞診結果が下記の様に出ました。
ルミナルB、ホルモン感受性+ HER2+ KI67:45%
この結果を受けて、今後の治療法についてのご相談です。今、主治医からは次の順番と薬で対応するとの事でした。
@ハーセプチン(1年) + Aパクリタキセル(15回:約半年) → 抗がん剤終了後、Bホルモン療法&放射線療法(具体的な薬名や期間は不明)

この治療法がベストだが、再発率は45%と言われています。先生は、この治療法をどの様に思われますか? また、他の治療法でしたら、どの様な治療法がありますか?

ルミナルタイプの乳癌は、ホルモン受容体陽性乳癌とほぼ同義で、乳癌全体の70〜80%を占め、ルミナルタイプの中で比較的増殖の遅いものをルミナルA、速いものをルミナルBとして分類します。ルミナルBの場合、ホルモン受容体に対するホルモン療法に加えて、増殖能力を抑制する化学療法が必要になります。更に、HERUが陽性であれば、トランスツズマブを追加します。貴女の場合、主治医は、心毒性を考え、アンスラサイクリンを含むレジメを避けてタキサンを使用する提案をされたのだと考えられます。ルミナルBに対する治療戦略に沿った提案だと思いますので、まずはこの治療を受け、この治療を続けることが困難な状況がおきた場合に、また別の治療法を考えていただくことで良いと思います。頑張ってください。(文責 須田)

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