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相談室(No.9701〜9800)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

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なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

★ 過去にさかのぼって相談内容が検索できるようになりました。ご参考になれば幸いです。ご利用下さい。

 

目 次

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No

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名 前

件  名

担 当

9800 10/08/14 U 今後の治療について(2)(HPNo.9789) 石山
9799 10/08/14 Y.M. 乳癌術後の生理について(2)(HPNo.9795-2) 石山
9798 10/08/14 A  すぐに病院に行った方がいいでしょうか? 石山
9797 10/08/12 B  わきの下のしこり 石山
9796 10/08/12 K 手術側と反対側の乳房について(HPNo.9419) 石山
9795-1
9795-2
10/08/12
10/08/14
Y.M. 乳癌術後の生理について
乳癌術後の生理について(2)
石山
石山
9794 10/08/12 H.N.  乳腺脂質 石山
9793 10/08/12 S  術後治療について 石山
9792 10/08/10 M  白血球について 石山
9791 10/08/10 S  今後の治療について 石山
9790 10/08/10 T.N.  ホルモン療法と飲酒 石川
9789-1
9789-2

9789-3
9789-4
9789-5
10/08/09
10/08/14
11/12/28
12/12/13
13/01/15
U  今後の治療について
今後の治療について(2)
無治療は不安です
術後8年目の治療について
手術後8年目の治療について
石川
石山
斎藤
清水
加藤
9788 10/08/09 G  術後の検査について 石川
9787 10/08/09 S  抗がん剤について 石川
9786 10/08/09 U  class1 石川
9785 10/08/08 アリス 検査結果について(HPNo.9707) 石川
9784 10/08/08 S.K.  肝臓の機能低下 石川
9783 10/08/08 H  治療中の食事について 石川
9782-1
9782-2
10/08/08
10/10/23
S 粘液癌の治療法選択について
放射線治療開始時期について
石川
9781 10/08/06 YK 術後の治療と検診について 石川
9780 10/08/06 浸潤性小葉がんの治療方法について(HPNo.9533) 石川
9779 10/08/06 mc 女性化乳房 石川
9778 10/08/05 G  今後の治療について 石川
9777 10/08/05 M  手術までの時間について 石川
9776 10/08/01 Y.T 術後(5年)の治療について  吉田
9775 10/08/01 N・N 抗癌剤治療について 吉田
9774 10/07/31 S.A 乳房の腫れと痛み 吉田
9773 10/07/31 トラ 甲状腺の腫れ 吉田
9772 10/07/28 M.T. 再検査 吉田
9771 10/07/28 I.M.  腫瘍マーカーについて 吉田
9770 10/07/28 K・N 乳がん検査について(HPNo.9660) 吉田
9769 10/07/26 c.k ホルモン治療について(HPNo.8667) 浜口
9768 10/07/26 K.O.  胸のしこりについて 浜口
9767 10/07/24 M.N. 今後の治療について(HPNo.7559-6) 浜口
9766 10/07/24 SH 血流のあるしこり 浜口
9765 10/07/23 S.A.  術後の治療について 浜口
9764 10/07/23 Y.M. このまま同じ治療で良いのでしょうか? 浜口
9763 10/07/23 I.Y. 乳癌との診断をうけました 浜口
9762 10/07/22 M.T.  今後の検査について 浜口
9761 10/07/22 R子 転移後の治療について 浜口
9760 10/07/22 A.S.  予後および今後の治療について(HPNo.9629) 浜口
9759 10/07/21 M 術後の治療について 徳田
9758 10/07/21 N 再発治療について(HPNo.9684-2) 徳田
9757 10/07/19 K.S. 今後の治療について 俵矢
9756 10/07/19 S  1年検診で反対の胸も 俵矢
9755 10/07/19 リン 非浸潤性小葉癌について 徳田
9754 10/07/19 Y.S.  脳への転移が心配です 徳田
9753 10/07/19 T.N. 要精検 徳田
9752 10/07/19 S 術後の治療について 徳田
9751 10/07/19 T  予後と生存率について 徳田
9750 10/07/19 E.O. セカンドオピニオンについて 徳田
9749 10/07/19 T.K. タモキシフェン服用について 徳田
9748 10/07/17 T 腋窩リンパ節転移後の放射線照射(HPNo.9692) 須田
9747 10/07/17 K.K.I 線維腺腫について 俵矢
9746 10/07/17 K  左胸の痛みについて 俵矢
9745 10/07/17 T.K 全摘・断端陽性その後の治療について 俵矢
9744 10/07/17 H  抗がん剤治療について 俵矢
9743 10/07/15 M  抗癌剤使用中の手術について(HPNo.9726-2) 徳田
9742 10/07/15 Y  化学療法について 徳田
9741 10/07/15 しょう子 骨転移について 徳田
9740 10/07/15 M.T. 検査結果がでました(HPNo.9715-2) 徳田
9739 10/07/13 ハッピー ノルバデックスとタスオミン 俵矢
9738 10/07/13 K  乳房の痛み 俵矢
9737 10/07/13 S タモキシフェン 俵矢
9736 10/07/13 sstk 治療HER2,ホルモン治療について 俵矢
9735 10/07/10 W  胸のしこりについて
9734 10/07/10 K  術後の傷跡
9733 10/07/10 H  5mmの腫瘍
9732 10/07/10 KT  腺腫切除術と乳房温存術
9731 10/07/10 ポポ ゾメタについて(HPNo.9661-2)
9730 10/07/10 H.S 生存率、再発率について
9729 10/07/10 KA マンモトーム生検後の出血とCT造影剤
9728 10/07/10 anony LCIS術後の治療について
9727-1
9727-2
10/07/10
11/09/25
MK ホルモン治療
ホルモン治療(2)

鈴木
9726-1
9726-2
10/07/09
10/07/15
M タキサンについて
抗癌剤使用中の手術について
俵矢
徳田
9725 10/07/09 アリス  腫瘍マーカーについて(HPNo.9707) 俵矢
9724 10/07/07 G  乳ガン治療の時の保険適用について
9723 10/07/07 みっちん  セカンドオピニオン
9722 10/07/07 かすみ プローベランペクトミーについて
9721 10/07/07 T  がんの血行性の転移について
9720 10/07/07 S.A.  放射線治療について
9719 10/07/07 A  大豆の摂取について
9718 10/07/07 T リンパ節郭清について
9717 10/07/02 K.N. 今後の治療について
9716 10/07/02 T  のう胞内乳頭腫
9715-1
9715-2
10/07/02
10/07/15
M.T.  マンモグラフィ検査の結果について
検査結果がでました

徳田
9714 10/07/02 M.O. リンパ節への転移でしょうか?(HPNo.496)
9713 10/07/02 Y  CA15−3の変動(HPNo.9699)
9712 10/07/02 H.M.  非浸潤性乳癌のホルモン療法について
9711 10/07/02 H.M. 炎症性細胞浸潤を伴う間質反応について(HPNo.9696)
9710 10/07/02 じじ 新たなしこり(HPNo.9429)
9709 10/06/30 S.S 再発骨転移の母について2(HPNo.9621) 須田
9708 10/06/30 K.I.  今後の治療について 須田
9707-1
9707-2

9707-3
10/06/30
10/07/09
10/08/08
アリス 骨転移について
腫瘍マーカーについて
検査結果について
須田
俵矢
石川
9706 10/06/30 B 生理の再開 須田
9705 10/06/29 H ホルモン療法 高橋
9704 10/06/29 S 再発率(HPNo.9478) 高橋
9703 10/06/29 wanwan 肋骨骨折について 高橋
9702 10/06/27 マトリックス産性乳癌について 高橋
9701 10/06/27 ym 抗がん剤の治療について(HPNo.9554) 高橋

 

No.9800】  10年08月14日   U
今後の治療について(2)(HPNo.9789-2)

HPNo.9789でお答えを頂き、ありがとうございました。再度質問させていただきます。

1) 貴病院では、再発・転移のない患者に、ゾラデックスを5年以上使用することはありますか。また、長期使用による副作用としては、どのようなものが考えられますか。
2) ゾラデックスに戻る場合は、今後何年間続けたらよいでしょうか。今回のように1年後に中止して、アリミデックスに変更後、しばらくしてホルモン値を測定するという方法でよいのでしょうか。それとも2〜3年続けたほうが良いのでしょうか。何年続けたらよいのか、先生の考えをお聞かせください。よろしくお願いします。

全体にホルモン治療は長期治療になりつつあります。最近ではゾラデックスは2年より3年、さらに5年という成績が出てきていますが、著しく成績が良いとういう印象はなく、それぞれの治療症例数はまだ少なく、当院では低リスクは2年、高リスクは3年をお勧めしています。ただ希望者には5年もやるようにはします。ホルモン値を測りながらというのは良い目安になります。副作用は更年期障害様の症状、長期使用では骨粗鬆症なども問題になります。(文責 石山)

 

No.9799】  10年08月14日  Y.M.
乳癌術後の生理について(2)(HPNo.9795-2)

御回答頂き、ありがとうございます。まずは訂正です。浸潤ではなく、「非浸潤性」の乳癌でした。年齢は38歳です(手術も38歳で行いました)。今、処方して頂いてるのは、乳癌の手術を行った総合病院の婦人科の医師です。一応私の乳癌の詳細も伝えております。ホルモンの検査も致しましたが、特に卵胞ホルモンも黄体ホルモンにも問題が無い様で、ストレスから来る脳下垂体の異常との事でした。そこで、クロミッドを使うとすんなり生理が起きます。今回の先生のメールを拝見して、改めて生理を起こさせるのがあまり良くない事だと思いました。黄体ホルモンの注射はやめようと思いますが、無月経で問題はないでしょうか? 素人知識ですが、乳癌の術後に「ヒスロン」など黄体ホルモンを使うと、ネットで拝見しましたが、それは良いことなのでしょうか? このまま放っておいて様子を見て大丈夫でしょうか?

乳がんに対するヒスロンの作用機序は分からない点も多いのですが、無月経に対する時は投与法や治療用量が違うので、比較はできません。非浸潤癌であれば、色々な治療をされて問題ないのではないでしょうか。(文責 石山)

 

No.9798】  10年08月14日  A
すぐに病院に行った方がいいでしょうか?

はじめてのメールです。よろしくお願い致します。年齢は60歳です。H20年9月に右乳房の温存手術を受け、その後、放射線治療25回、ハーセブチン3週間隔で1年間受けました。現在はアリミデックスを服用しています。手術後の検査結果は、「腫瘍の悪性度3・ER陽性・PgR陰性・HER2 3+・リンパ節転移なし」です。今年4月のエコーで、手術した近くに疑わしい腫瘍がありました。6月に再度エコー後、医師から、「〇〇さんは悪性度が3ですからね。今度は全摘ですよ」とのことでした。9月にCTを撮影します。家族や友だちに話すと、「そんなにほっておいていいの」と言われ、少し心配になって来ました。
1)  病院に行った方がいいでしょうか。
2) これは再発・転移でしょうか。これから他にも転移する率はどうなんでしょうか。

よろしくお願い致します。

照射併用温存術後、乳房内再発は、1から5%という頻度が言われています。かなり少ないのですが、心配であればエコー下で穿刺吸引細胞診をお勧めします。(文責 石山)
 

No.9797】  10年08月12日   B 
わきの下のしこり

はじめて相談いたします。45歳の主婦です。昨年7月の人間ドックで胸の超音波検査で、はじめて良性腫瘤の疑いを指摘され、半年後の今年1月に近所の外科で視触診と超音波検査を受けました。大きさは、縦横ともに6〜7ミリほど、おそらく良性であろうということで、引き続き3〜6ヶ月後に経過観察していこう、ということになりました。3ヵ月後(4月)に再度検査をして大きさもほぼ変わらないので、1年ごとの検査で良いと判断されたのですが、すごく心配な気持ちになっていたので、乳腺外科のある病院を紹介していただきました。そこで再度マンモグラフィーと超音波検査、視触診を経て(6月)、大きさも最初と変わらずで、脂肪のかたまりでは?とも言われました。私としては細胞診を希望したのですが、現時点でそこまでする必要はない、半年後に再検査しようという診断でした。それ以来落ち着いた気持ちで日々過ごしていたのですが、昨日入浴中、体を洗っている時に、右のわきの下にぐりぐりするものを感じました。左の脇には感じません。良性腫瘤は、やはり右にあります。入浴後に再度確認してみると見つけられませんでした。(石鹸をつけて洗っていると胸のしこりがよくわかるのですが、普通にさわるとほとんどわからないのと一緒でしょうか? なぜでしょうか?)
今、生理数日前で、胸は張っている状態なので、その影響でしょうか? まずは、生理のあとで、それがまだあるのかどうか確かめようとは考えています。その時点でまだ残っていた場合、すぐ見てもらったほうが良いでしょうか? 次回の検査(12月)のときに相談するので遅くはないですか? お忙しい中、本当に申し訳ありません。よろしくお願いいたします。

症状に変化があれば今すぐ受診してください。(文責 石山)

 

No.9796】  10年08月12日  K 
手術側と反対側の乳房について(HPNo.9419-3)

参考にさせていただきお世話になっており感謝しております。ありがとうございます。以前、HPNo.9419−1・2 にてお世話になりました。術前化学療法を終え、5月に左乳房切除術・左リンパ節郭清を受け、病理の結果は、以下の通りでした。

術前化学療法の効果・1b 
腫瘍サイズ21×7ミリ pT2,f,ly,(+/−)、v(−)
核異型1(核異型2・核分裂像1)
pT1 (2/20) レベルVまで郭清 レベルTに2/14の転移

1) (+/−)とは、どういう意味なのでしょう。(+)とは、何か異なる意味があるのでしょうか? 所見には、「肉眼では、明らかな結節は見られなかったが、標本上、異型細胞が小嚢胞を形成しながら増殖し周辺の脂肪組織へ浸潤、乳管内成分も広く観察される。Viablenな腫瘍細胞が観察されるが、周辺の組織には、線維化が観察され、一定の治療効果がみられる。」とありました。当初の診断では、乳頭腺管癌とありました。

2) 術後、左胸壁と鎖骨上に放射線照射を受け、それと並行し3週に1度のハーセプチン投与とノルバデックス20ミリの服用をしています。術前化学療法の終わりの4月頃から、右乳房の右腋の内側辺りと乳頭にも違和感を感じるようになり、手術後、暫くは治まっていましたが、また術後療法の前くらいから症状があり、今思えば左の時と酷似しており、不安に感じています。主治医は、術前化学療法により生理が止まってしまったので、ホルモンのバランスが崩れているのかもしれない、とおっしゃっています。先月、念の為、エコーとマンモグラフィーの検査を受け、異常は見当たらないと言われ、腫瘍マーカーは、CEAが0.9とCA-15が5です。再発高リスクという点からみて、右へのリンパ節転移が始まっている可能性があると思った方がよいのでしょうか? その場合は、どう対処すればよいのでしょうか? 現在受けている術後の治療法は、その場合に効果がありますか? たとえ再発したとしても、まだ子供が小さいので、少しでも生き延び、前向きに治療に励みたいと思っています。

一昨年、健診で異常を指摘されたにもかかわず、再検査を受けた病院で見落とされてしまい、かなり放置期間が長くなってしまった後に、昨年診断された経過があります。同じ過ちを繰り返したくないと思っています。長々と記し、お手数かけますが、どうかよろしくお願致します。

1) (+/−)とは、どういう意味なのかは記載した病理医しかわかりませんが、陰性に近いが、わずかに陽性という意味でしょうか。当初の診断では、乳頭腺管癌であればその通りです。手術標本は抗癌剤の影響で変化しているはずです。
2) エコーとマンモグラフィーで異常がなければ普通は心配ないと思いますが、不安ならPET-CTなどもされてはいかがですか。(文責 石山)

 

No.9795-1】  10年08月12日  Y.M.
乳癌術後の生理について

今年2月に乳癌の手術(温存手術)を致しました。浸潤性の乳癌だった為、薬物療法はせずに放射線治療を行い、今に至ります。元々生理不順でしたが、術後も無月経で体調が悪く(だるく)、主治医と相談し、エストロゲンは禁忌だった為、排卵誘発剤「クロミッド」を使用し、毎月順調に生理が来ておりました(生理が順調だと調子がいい感じがするため・・・)。が、新たに先月から「クロミッドが乳癌患者には禁忌」の報告がメーカーから配信され、中止しました。クロミッドを中止したので、やはり今月から又、無月経になりました。主治医は、来月から黄体ホルモンの注射で生理を起こさせると言いますが、この治療法には問題はないでしょうか? 乳癌が発見される以前に、プロベラ錠やプレマリン錠を服用していた時期がありました。今になっても恐怖で、治療は慎重に進めたく、良きアドバイス、回答、お願い致します。

年齢の記載がなく、乳腺外科医としては月経がないほうが再発のリスクは減らせるので一応安心できますが、乳がんのホルモン感受性や現在の女性ホルモン(エストロゲンなど)の採血結果などで総合的に勘案すべきことです。調子が良い感じのために薬物投与までして月経を起こさせるのも疑問です。
浸潤癌であっても無治療というのは、再発リスクがゼロに近いと言う事でしょうか。腫瘍の大きさが1mmとか2mmとかでしょうか。そうであれば調子が良い感じのために色々考えて薬を使うのも構わないのですが・・・。乳がん再発リスクとの兼ね合いが大事ですから、そこを主治医に確認してみてください。(文責 石山)

 

No.9795-2】  10年08月14日  Y.M.
乳癌術後の生理について(2)

御回答頂き、ありがとうございます。まずは訂正です。浸潤ではなく、「非浸潤性」の乳癌でした。年齢は38歳です(手術も38歳で行いました)。今、処方して頂いてるのは、乳癌の手術を行った総合病院の婦人科の医師です。一応私の乳癌の詳細も伝えております。ホルモンの検査も致しましたが、特に卵胞ホルモンも黄体ホルモンにも問題が無い様で、ストレスから来る脳下垂体の異常との事でした。そこで、クロミッドを使うとすんなり生理が起きます。今回の先生のメールを拝見して、改めて生理を起こさせるのがあまり良くない事だと思いました。黄体ホルモンの注射はやめようと思いますが、無月経で問題はないでしょうか? 素人知識ですが、乳癌の術後に「ヒスロン」など黄体ホルモンを使うと、ネットで拝見しましたが、それは良いことなのでしょうか? このまま放っておいて様子を見て大丈夫でしょうか?

乳がんに対するヒスロンの作用機序は分からない点も多いのですが、無月経に対する時は投与法や治療用量が違うので、比較はできません。非浸潤癌であれば、色々な治療をされて問題ないのではないでしょうか。(文責 石山)

 

No.9794】  10年08月12日  H.N. 
乳腺脂質

はじめて投稿させていただきます。先日乳がん検診で疑いありと診断され、再検査をしました。マンモと超音波で検査し、乳腺脂質と言われました。そのことを生命保険契約の際に告知したら、加入できませんでした。「乳がんのリスクが高いから」との理由でした。ネットで調べたら、そもそも乳腺脂質という言葉がヒットせず、どういうものなのかわかりません。乳がんの心配やリスクがないことを診断書で提出してくれと言われましたが、病名のない診断書って書けるのでしょうか。診断書が欲しいのですが、どういう病名がつくのか、保険に入れないのも心配です。教えてください。お願い致します。

乳腺脂質は病気でないですし、そもそも乳腺内に脂肪組織が入り込んでいるという意味だと思いますし、そのような医学用語はないと思います。保険契約で検診で異常を指摘されましたかという質問であれば、異常なしと答えていい性質のことだと思います。乳がん検診を行った施設に問い合わせ、その医師に確認すべきだと思います。「乳がんリスクが高い」というコメントも、科学的根拠なないと思いますが。(文責 石山)

 

No.9793】  10年08月12日  S 
術後治療について

6月中旬に右乳房温存手術を受けました。その後の結果、腫瘍の大きさ1.8p、異形度3、リンパ節の転移が3つ中2つあり、それも取り除きました。断片にはガン組織はなく、HERマイナス、ホルモン療法が100%効くタイプとの説明を受けました。現在放射線を5週間照射しているところですが、これが終わって2週間ほどしたら、抗ガン剤治療を4クール行う予定です。主治医の話では、わたしは48歳、閉経前ですが、35歳以下では違う抗ガン剤でもう4クールを勧め、もっと高齢なら、ホルモン療法だけを勧めるとおっしゃっていました。誰もがそうだと思いますが、再発・転移をさせないためにこの治療でよいでしょうか。抗ガン剤治療の後にはホルモン療法を5年間やるとはおっしゃっていました。教えていただけるとありがたいです。

当院でもそのような場合化学療法を勧め、抗癌剤の種類はその施設でやり慣れたもので良いと思いますが、アンスラサイクリン系を中心とした抗癌剤だと思います。ただ普通は抗癌剤をやる場合、抗癌剤先行で、その後放射線を行うのが普通だと思いますが。(文責 石山)

 

No.9792】  10年08月10日  M 
白血球について

FEC6回の予定でしたが、白血球の戻りが悪く、3,4回は減薬され、5回目は一週延期されました。L-システインがいいと聞き、市販のハイチオールCを飲んだところ、5回目がOKになるほど白血球が戻っていました。最終の6回目も減薬や延期がないように飲みたいのですが、抗がん剤の効きへの影響など、ないでしょうか? また影響がないように飲む時期などあれば教えて下さい。

抗癌剤の白血球減少に効果があるかどうかの科学的根拠はありません。それよりも抗癌剤の投与方法(用量、休薬期間)を工夫したせいだと思われます。したがって影響があるのかないのか、不明です。主治医にご相談ください。(文責 石山)

 

No.9791】  10年08月10日  S
今後の治療について

6月中旬に右乳癌温存手術を受けました。その時に、リンパ節への転移が2コ(3こ中)あり、リンパをとりました。その後の結果は、「腫瘍1.8p、異形度3、ホルモンが100%効く、断片にガン組織はない、ハー2マイナス」と、言われました。7月中旬から5週間放射線治療中で、もうすぐ終了します。ホルモン療法が効くタイプなので、それだけにするのか、あるいは化学療法も行うかは患者の選択だが、リンパへの転移2つはグレーゾーンで、それ以上に異形度が3なので、化学療法を行うことを勧めると言われました。化学療法の薬の名はわかりませんが、4クールで良いでしょうと言われました。私は48歳ですが、35歳以下であれば、別の薬でもう4クールを勧めるし、もっと高齢であれば、ホルモン療法だけと言われました。この方法でよいでしょうか。他にデータとして何か必要でしょうか。教えてください。

当院でも、そのような場合化学療法を勧めています。抗癌剤の種類はその施設でやり慣れたもので良いと思いますが、アンスラサイクリン系を中心とした抗癌剤だと思います。(文責 石山)

 

No.9790】  10年08月10日  T.N.
ホルモン療法と飲酒

いつも参考にさせていただいています。現在ホルモン治療中(ゾラデックス・ノルバデックス)ですが、ノルバデックスの注射当日にお酒を飲んでも大丈夫でしょうか?

特に悪いということはないと思います。でも多量飲酒は控えたほうが無難です。 (文責 石川)

 

No.9789-1】  10年08月09日  U 
今後の治療について

52才、女性です。2004年12月に右乳房温存手術、リンパかく清を受けました。乳頭腺管癌、腫瘍径2.4×1.3×3.5、断端陰性、リンパ節転移3/13、Her2(−)、グレードU、エストロゲン100%、プロゲステロン100%の結果で、2005年3月から2010年2月まで5年間、ゾラデックスのみで治療し、経過は良好です(持病のため、ノルバデックスは不使用)。 2010年3月よりアリミデックスを服用開始。6月と7月に生理が再開したため、ホルモン値を測定したところ、E2は閉経レベルだが、FSHは12.59で閉経レベルではありません。閉経前のアリミデックスの使用は排卵を誘発する可能性があるとのことで、中止しました。

1) 今後は無治療か、ゾラデックスに戻るか、次の診察日までに決めなくてはなりません。主治医は、「リンパ節に転移があったため、さらに5年間治療を続けた方が良いが、ゾラデックスの長期使用による副作用も心配。」と、おっしゃっています。私は、ゾラデックスの副作用もかなり強かったのですが、無治療も不安なので、すごく迷っています。どちらを選択すればよろしいですか。
2) ホルモン感受性100%なので、「生理の再開」は再発、転移につながると思うのですが、主治医は一概には言えないとおっしゃいます。「生理再開と再発・転移」についてはどのように考えたらよいですか。
 
先生の考えをお聞かせください。よろしくお願いします。

1) リンパ節転移(+)、ホルモンリセプター強陽性(エストロゲン100%、プロゲステロン100%)なので、どちらかといえばゾラデックス選択をお勧めします。 
2) 主治医が言われているように ホルモン感受性100%だからといって、生理の再開が再発・転移に直接つながるとは思いません。ホルモン療法をしていても、また閉経になってからでも再発は起こるわけで、癌細胞の発育を促進すると予想されるホルモンをいかにして抑えるかが問題だと考えます。(文責 石川)

 

No.9789-2】  10年08月14日  U 
今後の治療について(2)

HPNo.9789でお答えを頂き、ありがとうございました。再度質問させていただきます。

1) 貴病院では、再発・転移のない患者に、ゾラデックスを5年以上使用することはありますか。また、長期使用による副作用としては、どのようなものが考えられますか。
2) ゾラデックスに戻る場合は、今後何年間続けたらよいでしょうか。今回のように1年後に中止して、アリミデックスに変更後、しばらくしてホルモン値を測定するという方法でよいのでしょうか。それとも2〜3年続けたほうが良いのでしょうか。何年続けたらよいのか、先生の考えをお聞かせください。よろしくお願いします。

全体にホルモン治療は長期治療になりつつあります。最近ではゾラデックスは2年より3年、さらに5年という成績が出てきていますが、著しく成績が良いとういう印象はなく、それぞれの治療症例数はまだ少なく、当院では低リスクは2年、高リスクは3年をお勧めしています。ただ希望者には5年もやるようにはします。ホルモン値を測りながらというのは良い目安になります。副作用は更年期障害様の症状、長期使用では骨粗鬆症なども問題になります。(文責 石山)

 

No.9789-3】  11年12月28日  U 
無治療は不安です

2010年8月にお世話になった者です。再度質問させていただきます。手術日 2004.12.16(47歳)。現在54歳。右乳房温存手術後、ゾラデックスを5年使用。その後、アリミデックスに変更したところ生理が再開したため、アリミデックスを中止。再びゾラデックスを1年間使用し、2011.7に終わっています。現在は無治療ですが、数日前に生理が再開したので、どのように対処すればよいのか迷っています。 ゾラデックスの副作用が強く、股関節炎が進行しており、更年期障害も強く出ました。主治医は、「ゾラデックスの長期使用による副作用を考慮すると、無治療・経過観察でよいのではないか。」とおっしゃいます。しかし、ホルモン感受性100%、リンパ節転移3個を考えると、無治療は不安です。 このまま、無治療でよいのか、先生の考えをお聞かせください。よろしくお願いします。

手術時のデータ: 2.4×1.3×3.5p、 ER、PgRとも100%、 リンパ節転移3/12、 Her2(−)、 グレードU

御相談ありがとうございます。乳癌の手術後6年経過してホルモン療法も終了したところですね。本当にお疲れ様でした。現在の閉経前の方の術後ホルモン治療は5年間のホルモン療法施行後に生理があったとしても、さらに内分泌療法は行わずに経過観察するのが標準治療となっています。治療を継続しても再発予防効果が得られずに副作用が強く出てしまう治療内容は、不安を軽減するだけで実際の効果は全くありません。無治療は不安かもしれませんが、ご担当の先生のご意見通り、無治療で経過をみて頂くことをお勧めいたします。(文責 斎藤)

 

No.9789-4】  12年12月13日  U 
術後8年目の治療について

お世話になっております。以前10492で相談致しました。今回は、手術後8年目の治療について質問させていただきます。現在55歳、経過良好。2004年12月に温存手術後、ゾラデックスを5年間使用しました。その後アリミデックスに変更したところ、生理再開によりアリミデックスを中止。ゾラデックスを1年追加しました。(最終2011年7月。ゾラデックスは合計6年間使用) 生理が復活しましたが、無治療でした。今月ホルモン値が閉経状態となったため、来年2月に採血で閉経が確認されたら、主治医はアリミデックスを1〜2年服用した方がよいと言っています。理由は、腫瘍径が大きく、リンパ節転移もあったためです。股関節炎の痛みもあり、アリミデックスの効果と副作用を考えると、服用した方がよいのか迷っています。是非、先生のお考えをお聞かせ下さい。よろしくお願い致します。

術後補助療法としては標準的でない経過を辿っているので、現時点でどうするのがよいか判断するのは難しいです。ゾラデックス使用時は一緒にノルバデックスを投与されていたと思うので、そうなると術後5年以上ノルバデックスを投与しているので、治療を終了するのが標準的かと思いますが、リンパ節転移陽性乳癌でノルバデックス5年投与後にアロマターゼ阻害剤を投与すると5年目以降の再発が減少するという臨床試験もありますので、アリミデックスの追加投与はそのメリットとデメリットをよく考えて、主治医の先生と相談して決めて下さい。(文責 清水)

 

No.9788】  10年08月09日  G 
術後の検査について

昨年乳癌温存手術をし、現在ホルモン療法(ノルバデックスとゾラテクス)にて治療を続けています。毎月1回血液検査と触診、半年に1回マンモとCT検査、肺のレントゲンを行っています。放射線治療をしているので、半年に1度マンモを撮影するのに抵抗があります。エコーでは再発を見つけることは難しいのですか? また通常術後の検診のガイドラインをお教えください。

エコーでは再発を見つけることは難しくありません。特に術後の乳房ではマンモグラフィーより優れている場合も少なくありません。今受けている術後の検診は標準的だと思います。患者さんの手術時の状態(臨床病期、リンパ節転移などによるリスク判定)、また医療機関の方針、医師個人の考え方によって違ってきます。(文責 石川)

 

No.9787】  10年08月09日  S  
抗がん剤について

現在56歳です。9年前に右乳がんを発症して、乳房温存手術とリンパ郭清を行いました。8年目に局所再発し、右傍胸骨リンパ節と左腋下に転移もありました。再発時、トリプルネガティブに変化していました。ゼローダを服用していました。仕事がきついので、仕事を続けられる範囲で(3錠×2回×2週、1週休薬)で 8ヶ月くらいおこなっています。転移部分は縮小化していますが、再発部が増大傾向にあります。乳房部が赤くなり、痛みが出てきたので、先日右乳房を全摘しました。再発部が増大傾向にあったとき、6月に2週間ゼローダとエンドキサン(2錠×2)を服用しましたが、正常範囲にあった白血球数とNeutが下がったため、「休薬して様子を見ましょう。」と、言われていました。手術は、私の都合で、40日程開いていたので、多分回復していたと思います。

1) 術後も当然抗がん剤が始まるのですが、主治医は、ゼローダとエンドキサンで残ったガンをたたきたい意向があるようです。でも私は、ゼローダ単体のときより倦怠感が強かったような気がするし、好中球数や白血球が減ってしまうと、遠隔転移のリスクが高くなるのではないかと心配です。ゼローダ単体だと、体に感じる副作用はありますが、血液検査上は特に問題ないようです。それならば規定量の(5錠×2回)のほうが、体には優しいのではないだろうかと思うのですが・・・。素人が何もわからないで勝手に思っているのですが、ご意見をいただきたく存じます。手術の回復を待って仕事に復帰したいと思いますが、今しっかり抗がん剤をしたほうがよいのなら休職することも考えています。
2) 腫瘍マーカーについてですが、私の場合は腫瘍マーカーが出ないタイプと言われました。好中球数で判断していると説明を受けましたが、よく理解できません。他の臓器への転移の疑いなどは、血液検査からどのように判断するのでしょうか、お教えください。

1) ゼローダだけでは効いていないと考えられるので、エンドキサンを追加するなり、他のタキサン系薬剤やアンスラサイクリン系薬剤(AC、FECなど)などの点滴による化学療法で、しっかり抗がん剤治療ををしたほうがよいと考えます。
2) 遠隔臓器転移の診断は、血液検査では腫瘍マーカーでしか予測できません。腫瘍マーカーが出ないタイプでは、画像診断(CT、シンチ、超音波、PET検査など)による他は判断の方法は無いように思います。(文責 石川)

 

No.9786】  10年08月09日  U 
class1

数年前に妻の左乳房に腫瘤が見つかり、半年ごとに検診を受けていたのですが、今回乳頭分泌があり、今月末に手術を受けることになりました。検診を受けているクリニックには手術設備がないので、別の病院で手術を受けるのですが、その申し送り?には以下のように書かれております。2009年2月に施行した細胞診はpoor specimen 、CNBは悪性所見なしとの結果でした。その後腫瘤は増大していませんが、今回乳頭分泌を来たしました。腫瘤は左乳房AC領域に3cm。単孔性分泌はマンモテック400倍。細胞診はclass1。超音波では0.16×1.24×0.74に続き乳頭方向へ乳管拡張所見を認めますが、乳管内増殖性病変は確認できませんでした。今回、乳頭よりカニュレーション施行し、腫瘤部位を含めて乳管腺葉区域切除を行うということなのですが、細胞診がclass1の場合でも、通常切除手術を行うものなのでしょうか。穿刺吸引細胞診は行ったようなのですが、乳管内視鏡検査は行っておりません。腫瘤ががん細胞であるかどうかの組織診を兼ねているということのようなのですが・・・。また、細胞診の判定というのは、分泌物のものなのでしょうか、穿刺吸引のものなのでしょうか? 妻が医師から説明を受けたようなのですが、手術という言葉に動顛してしまい覚えていないようなのです。ご意見をお聞かせ願えたらと思い、メールをさせて戴きました。よろしくお願い致します。

細胞診がClassTの場合、普通は経過を見ることが多いのですが、マンモテック400倍で、腫瘤もあることから、悪性病変が否定できず、腫瘤部位を含めた乳管腺葉区域切除を行うのだと思います。細胞診の判定は、分泌物のものと思います。(文責 石川)

 

No.9785】  10年08月08日  アリス
検査結果について(HPNo.9707-3)

度々、ご相談に乗っていただき、心強く、大変感謝しております。PET検査で、「上咽頭部と左腋窩〜左鎖骨窩にかけて淡い集積を認める。」という結果を聞き、耳鼻咽喉科(頭頸部外科)で検査したところ、上咽頭部に異常は見られませんでした。左腋窩〜左鎖骨窩にかけての淡い集積については、ホルモン療法をノルバデックス→フェマーラ2.5rに変更して様子を見ることになりました。依然として腫瘍マーカー CA15-3 64.9と、上昇が気になります。CA15−3の数値が上がり続けているということは、転移の可能性は高いと考えて間違いありませんか? 左腋窩〜左鎖骨窩にかけても淡い集積は、今後はっきり画像に出てくる可能性もあるのでしょうか? 脇の痛みは以前から変わらずあり、リンパ浮腫の治療のためのスリーブも医師から一端中止するように言われて、着けていませんが、更に浮腫が2p→3pと増えているので心配です。はっきりした結果が出ず、不安な毎日です。なにかアドバイスがあればお聞かせください。宜しくお願いいたします。

腫瘍マーカーCA15-3の数値が上がり続けるのは、やはり転移の可能性が高いと考えます。左腋窩から左鎖骨窩にかけての集積が今後はっきり画像に出てくる可能性があります。(文責 石川)

 

No.9784】  10年08月08日  S.K.  
肝臓の機能低下

45歳の娘の乳がんの件で、お伺いいたします、左乳房とリンパを切除して、18ヶ月になります。抗癌剤服用中です、昨日の検査で肝臓の機能低下がひどく、即抗癌剤停止とのことです。
1) 抗がん剤をやめても心配いらないでしょうか。
2) 肝臓機能回復には、通常何日かかるのでしょうか。
3) 注意しなくてはならないことはありますか。
4) 食事で注意すべきことがありましたらご指導下さい。

宜しくお願いいたします。娘は1週間2日は休みで働いています。食欲はほそいです。

1) 抗癌剤を続ける方が、現在は害が大きいと思います。抗癌剤が必ずしも有効とは限りません。
2) 肝臓機能回復にかかる期間は個人によって違ってきます。月単位でかかることが多いと思います。
3) ゆっくり休養して(過労をさけ)、肝臓を休ませてください。
4) 普通の肝機能障害と同じで、刺激物を避け、バランスの良い食事を心がけてください。(文責 石川)

 

No.9783】  10年08月08日  H 
治療中の食事について

以前質問をさせて頂きました。その際はありがとうございました。今度、術後の治療で、放射線治療とホルモン療法(閉経前)を行います。乳がんになってから色々と本を読み、食生活を見直してみました。大豆製品が良いと聞き、以前はお味噌汁1杯程度しか取っていなかったのですが、術後は1日に、お味噌汁1杯、納豆1パック、豆腐3分の1、酢豆(お酢に大豆を漬けたもの)10粒、お弁当に煮物のお豆を食べています。また、にんじんジュースも良いと聞き、冷凍パックされたジュースを取り寄せて、毎日100cc〜200cc程飲んでいます。青汁(1杯〜3杯)も粉末になったものを飲んでいます。そこで、質問させて頂きたいのですが、
1) 放射線治療中の食事について
乳がんの食事療法が書いてあった本で、放射線治療中は抗酸化作用の食品は控えるようにと書いてありましたが、にんじんはその効果が高い食品ですが、飲んでも大丈夫でしょうか? ちなみに100cc中に6010mgのカロテンが含まれています。1日に200ccは多すぎますか? 出来れば放射線治療中は、やめたほうがいいのでしょうか?
2) ホルモン治療中の食事について
ホルモン治療中はエストロゲンを抑える為、大豆製品の摂取を控えるようにと聞きますが、1日にお味噌汁1杯、納豆1パック、豆腐3分の1、酢豆(お酢に大豆を漬けたもの)10粒、お弁当に煮物のお豆は取りすぎになりますか?
3) その他、治療中に気をつける事などありますか?
摂取するべきもの、出来るだけ摂取してはダメなものがありましたら教えて下さい。

よろしくお願いします。

1) にんじんを摂取してもかまわないと思います。200ccは必要以上と思いますが、害はないと考えます。 
2) こちらも必要以上と考えます。野菜、ビタミンと同じく、バランスよく、偏らずに摂取していただいたほうが良いと思います。
3) ありきたりですが、過労を避け、適度な運動と十分な睡眠を心がけましょう。(文責 石川)

 

No.9782-1】  10年08月08日  S 
粘液癌の治療法選択について

七月後半、Mucinous carcinoma(タイプ、ステージ共に不詳)と診断され、MRI等も撮り終え、「術前化学療法(臨床試験/TS-1&Docetaxel併用療法)」をすすめられています。現在は、返答を保留し、セカンドオピニオン予約日を待っているところです。生検等の結果は、「35mm大の柔らかい腫瘤、ER(+90%)、PgR(+90%)、HER2(0)」です。なお、私は49歳、月経は規則正しく訪れています。「半年間抗癌剤を投与→手術(内視鏡下)→放射線」と進むそうですが、いまひとつ納得出来ずにいます。と言いますのも、数年前に従姉妹(45歳、月経あり)が同じような数値の純型粘液癌に罹った際に、「温存手術+センチネル→放射線+ホルモン治療」を行ったのですが、このタイプは抗ガン剤の効果は期待できない、と聞いていた為です。数年間で、治療方針の流れに大きな変化があったのでしょうか。さりげなく主治医に伺ったのですが、やはり臨床試験が私に最善だと仰り、手術先行のホルモン治療については説明して頂けませんでした。こちらの質疑応答も多く読ませて頂きましたが、手術が先行される方が多いように感じてなりません。また、内視鏡で腫瘤や複数の乳管がとりきれるのか等、わからないことだらけで決められずにいます。とりとめのない質問で申し訳ありませんが、治療方針の差異をどう受け止めればよいのか、何かご助言賜れば幸いです。

粘液癌でも抗癌剤の効果は期待できます。ER(+90%)、PgR(+90%)ですから、ホルモン療法も当然治療選択肢に入ります。術前化学療法も行われていますが、一般的に、腫瘍が大きくなくて温存手術が可能な場合や乳房切除術の場合は、手術先行の治療が行われる場合が多いようです。内視鏡下手術も一長一短があり、適応を正しくすることが大切と考えます。(文責 石川)

 

No.9782-2】  10年10月23日  S 
放射線治療開始時期について

<9782>の質問者です。ご回答賜り有難うございました。八月前半に、セカンド、サードオピニオンをお願いし、熟考の結果、「温存手術+センチネル→放射線30回→ホルモン療法」を選択いたしました。9月前半に手術、病理診断もほぼ7月の診断結果通りで安堵しました。ただ術後6週目に入った現在も、受け入れ病院の事情や私の仕事の都合で、放射線治療計画が立っておらず、未だに始められていないことが不安です。私の希望する病院での放射線治療は、当初の予定(11月)から一か月遅れ、早くても術後14週目の12月以降になる、との連絡がありました。そこで主治医は、他の病院での11月からの放射線治療を勧めますが、これ以上治療を遅らせない方が良いのでは、という思いもありながら、仕事場所から至近距離であり、慢性疾患で長年通院している希望病院放射線科での治療が安心、という思いもあり、決めかねております。年末年始に治療間隔をあけない方がよいというのもわかるのですが、年内に終わらせる為、通いにくい場所の病院での治療を6週間続けるには、仕事上問題が生じてしまいます。術後14、5週目の開始、また、年末年始十日間ほど治療を休む、というのは、相当にリスクが高いのでしょうか。術後長い間、何も治療を受けないことについては問題がないのでしょうか。何らかのご助言を頂ければ幸いです。

乳癌診療ガイドラインでは、術後化学療法を施行しない場合、術後8週間以内の放射線治療開始が望ましいとしています。ただ8週間を超えると明らかに再発率が増加するといったデータも乏しく、現実問題としては術後経過が時間を要した場合やとりまく環境の影響などで、放射線照射が遅れてしまうケースはしばしば見られます。また年末年始やゴールデンウイークといった長期の休日が続くときは、その間放射線治療もお休みとなってしまうため、なるべく途中で長期の休みに入らないように日程を組んだりもしています。貴女のケースでは仕事をなんとか都合をつけて、11月からの放射線治療をやってくれる所でお願いするのが一番良いと考えます。やはり自分の身体が最優先とわたくしは考えるからです。しかし、それが不可能と判断されるのならば、多少の放射線効果の低下は甘んじて受ける覚悟で、12月から放射線をお受けになるよりないのではないでしょうか? もちろんそれでどの程度の放射線効果の減少があるかは、わかっておりません。(文責 谷)

 

No.9781】  10年08月06日  YK
術後の治療と検診について

いつも大変参考にさせていただいております。術後の治療と検診につきまして質問がございます。よろしくお願いいたします。49歳です。昨年の8月10日に右乳房部分切除で手術をし、病理の結果は、「充実腺管がん、浸潤部分の腫瘍径1.0×0.7、断端陰性、リンパ管・血管侵襲なし、ER/PgRともに強陽性、HER2陰性、グレード1、リンパ節転移ゼロ」でした。術後の治療としては、放射線とホルモン療法ノルバテックスのみ5年間という予定で、昨年に放射線治療を修了し、現在は、タモキシフェンを服用しております。

1) 手術後もうすぐ1年になりますが、その間、何の検査もされておりません。薬の処方のため、3ヶ月に1度は診療を受けますが、その際も、傷を診ていただくこともなく、ただ薬の処方をいただくのみです。1年後の検査としては、両乳房のエコーと健側乳房のみのマンモグラフィーということで、もうすぐ受ける予定です。血液検査その他は一切ありません。術後の検診は医療機関によって違うようですが、1年間なんの検査もないということで大丈夫なのでしょうか? また、1年後の検査もエコーとマンモのみでよいのでしょうか? 本やネットで調べますと、6ヶ月おきに検査をしたり、また血液検査をしたりと、あります。私は低リスク群に入るのだとは思いますが、1年間何の検査もなく、非常に不安に思っております。
2) これに付随して、今後長期での経過観察のことを考えますと、今の医療機関では非常に不安を覚えております。術後1年近くたっても転院は可能なのでしょうか? このようなケースで受け入れてくれる医療機関はあるのでしょうか?
3) 術前にやはりホルモン療法をしており、その時から現在まで生理がとまっています。年齢的にいっても閉経の可能性もあるかと思います。閉経の場合は、服用する薬も変わってくると思います。閉経したかどうかというのは、何か検査でわかるのでしょうか? 通院している病院では、年齢的な大体の目安により、それくらいなら閉経しているだろうということで薬を変えると聞いています。このようなことがあるのでしょうか?

いずれにしろ、術後の検査・診療について非常に不安を覚えております。このままの診療でよいのでしょうか? どうぞよろしくお願いいたします。

1)根治手術となっており、低リスク群でもあるので、遺残癌(転移巣)があったとしても、顕微鏡でみないとわからないぐらいの、ミクロレベルの、とても小さい病巣なので、手術後1年以上経たないと画像診断(超音波,CT,X線、シンチグラム検査など)で捉えられないのが普通です。そんなわけで検査しないことも多いのです。乳房局所に再発がなければ、他の遠隔臓器転移はないだろうと推測もしているのだと思います。勿論、医療機関や医師個人によって検査の方針が異なることは、よくあることです。
2)術後1年以上経っても転院は可能で、受け入れてくれる医療機関はあります。でもその場合、それまでの治療経過などがわかる紹介状が必要です。
3)閉経したかどうかは、血中のホルモンを測定すればわかります。閉経の時期は個人差があり、またストレス、化学療法やホルモン療法により修飾されますので、推測で薬を選択することは一般的にはしません。(文責 石川)

 

No.9780】  10年08月06日  K
浸潤性小葉がんの治療方法について(HPNo.9533-4)

再度、教えて頂きたいことがあり、メールをしております。無事放射線も30クールで、6月22日に終わりました。人より肌が敏感な為、酷い皮膚炎を起こしてしまいました。2−3週間程で、皮も剥け、きれいな肌に戻ったのですが、突然放射線終了の1ヵ月後の7月22日から、放射線を当てた部分のみが、又、皮膚炎を起こしました。放射線科の先生に聞いても、乳癌の担当の先生に聞いても、はっきりとした返事が返ってきませんでした。お医者様からは、ステロイドを処方されました。今のところ、ずいぶんと炎症はなくなりましたが、センチネルリンパ節生検をした脇の部分が、未だ熱を持ち、茶色に変化してます。リンパ浮腫が少しある為、マーサージに通ってますが、その先生からアドバイスを頂き、乾燥を防ぐ為にクリームを塗ったり、リンパを流す時にクリームをつけたのが原因なのでしょうか? 元々使っていた物です。このような事は、まれにあるのでしょうか? 他の病気等、考えられますか? 教えて頂ければ幸いです。

クリームが関係している可能性はありえると思います。このような事は稀ですがあります。治るのにかなり時間がかかります。他の病気は考えにくいと思います。 (文責 石川)

 

No.9779】  10年08月06日  mc 
女性化乳房

以前に一度、しこりが出来て不安だとメールをさせてもらったのですが、半年たっても、しこりが消える気配がありません。女性化乳房の場合は、どのくらいでしこりが消えるんでしょうか?

女性化乳房のしこりは何年も続くことがあります。一度専門医を受診されてみてはいかがでしょうか。(文責 石川)

 

No.9778】  10年08月05日  G 
今後の治療について

質問させていただきます。私の妻(50才)ですが、平成6年右乳癌で全摘、平成17年腰の痛みがあり、精査により骨転移判明し、ゾメタ開始。組織検査では、ホルモン感受性(+) HER(−) 、ただ前回OPEを受けた病院と現在の病院が違うため、詳しい組織検査の情報がありません。
腰椎に放射線治療10回。CTにて肝臓、肺の転移なし。腫瘍マ−カ- CA15-3 32  CEA1.0。ゾメタの点滴約2年。ホルモン剤ノルバテックス開始しましたが、平成20年、頭部MRにて頭頂部に髄膜腫(他に病変は無)が見つかり、静脈洞付近のためガンマ−ナイフにて治療を行いました。平成22年7月の診察にて、MR検査などは問題ないため、四か月ごとの検査でフォロ−中です。平成21年6月よりCA15-3の数値が22.0 7月28.0 8月32.0になり、ノルバテックスからフェラ−マに変更になりました。その後CA15-3の数値は降し、11.0前後で推移していましたが、今回14.2と、やや上昇しました。毎月測定していますが、前回の薬変更の時も、少しずつ数値が上がってきて変更しましたが、担当医師は、「横ばいの値であり、非常にホルモン剤が効いている例で、値が正常値を超えたら変更を考える。」と、言われます。本人は、多分薬の変更がある事を不安に感じています。他の所見は、骨シンチを3月に行い問題なし、CT他の血液デ−タ−、8月のCEAなども、問題無しです。時に症状もありません。今回お聞きしたいのは、現在のホルモン剤の次のホルモン剤治療は、まだ可能でしょうか。抗ガン剤などは行っていません。またCA15-3の数値の変動についてもお聞かせ下さい。

次のホルモン剤治療は可能と思います。CA15-3の数値の変動については、測定値のばらつきもありますので、正常値範囲内の小さな減ったり増えたりの変動はあまり気にしなくていいと思います。ただ常に右肩上がりの上昇傾向には注意が必要です。(文責 石川)

 

No.9777】  10年08月05日  M 
手術までの時間について

先日、今まで病気知らずだった母(70歳)が乳癌を告知されました。毎年人間ドックを受けていたのですが、見つからず、6月中旬に自分でしこりを見つけ、慌てて病院へ行きました。一通りの検査をして、細胞診をしてもグレー状態で、腫瘍マーカーの値も標準以下だったので、白である事を願っていたのですが、組織診断後2週間待って、結果は乳癌ということでショックです。お医者様からは、「しこりの大きさは1センチくらいで、今のところリンパへの転移はしていない。転移し重篤な人から手術は優先なので、とりあえず手術は10/5に」と、言われたそうです。今は転移していなくても、明日転移するかも知れないのに、手術がそんなに先になってしまって大丈夫なのかと不安でなりません。私は7歳と4歳の子供がおり、実家からは電車で2時間の所に住んでおり、自分に出来る事は限られているけれど、出来る事はやりたいと思っています。母の乳癌手術の事等で、ご意見等お聞かせ頂けたら幸いです。どうぞ宜しくお願い致します。

なんでも治療は早い方が望ましいとは思いますが、昨今の医療事情で混んだ病院では乳癌の手術待ちが2ヶ月ともいうのも珍しくないようです。(文責 石川)

 

No.9776】  10年08月01日  Y.T
術後(5年)の治療について 

術後(5年)の治療に関しご相談致します。2005年8月にこちらのコーナーで助言を頂き、右全摘手術を致しました(2005年、52歳、閉経後1.5年、病期UA、しこりの大きさ2.5、リンパ節転移なし、グレード1)。術後すぐにアリミデックスを服用し、5年を迎えようとしております。初めは5年間服用と言われておりましたが、主治医からガイドラインに10年服用が有要とあるので、考えるようにと言われました。手指の関節痛等がありますが、副作用も我慢できる範囲ですが、全く無いわけでもなく、5年目を楽しみにしてきましたので、とてもショックです。6ヵ月毎の血液検査と1年毎のRI等の定期検査では、特に問題はありません。やはり、10年服用するべきでしょうか? 決めるのは自分自身だと思いますが、先生方のご意見を伺いたく、ご相談致します。また、ホルモン剤を中止して以降にマーカーの数値が上がる等が起こった場合に、再服用する事は可能なのでしょうか? 宜しくお願い致します。

ホルモン感受性陽性例は、術後5年以上経過した方でも時々再発する人があり、アリミデックス等は出来るだけ長く服用した方が良いとされております。このまま服用することに大きな支障がないようでしたら、骨塩量の減少などの副作用に注意して服用を続けることをお勧めします。勿論一旦中止し、再発の兆候がみられたら再服用するということも可能です。(文責 吉田)

 

No.9775】  10年08月01日  N・N
抗癌剤治療について

この度は乳がんの治療法についてアドバイスを頂きたくメール致しました。年齢は37歳です。私は、今年6月に生検手術で右胸の浸潤性小葉がんと診断されました。7月に追加で温存手術を受けました。病理結果は以下のとおりです。
腫瘍径 約1p(他に術前のMRIにて2個のしこりがみつかる。術後1個が5ミリの浸潤がんでした)、異型度 あえて言うならグレード1だそうです。リンパ節移転 陽性 T2/19 U0/4 V0/1 合計2/24、 ly(−) V(−) f、
ホルモンレセプター ER(+)10%以上高級 PgR(+)10%以上中級、 ハーセプテスト 0、 Ki67 16%、 遠隔転移 なし、 ステージ UA、 腫瘍マーカー CEA 2.1 CA15-3 7.0  BCA225  59、  I CTP  3.9 、 NCC-ST439 5.5。

主治医の先生は、私の年齢とKiの検査結果が気になるので、抗がん剤を勧めるとの事でした。治療順は、抗がん剤 タキソール(P)のみを1週間に1回×3回を4コース×2 =4カ月、次に、ファルモルビシンとエンドキサンを3週間に1回を4回 =3カ月。抗がん剤終了後、ホルモン剤 ゾラデックス→放射線→ホルモン剤 ノルバデックス。リンパ節転移が陽性である事と年齢の事が気になり、抗がん剤は必要かなと思う気持ちと、ホルモンレセプターが陽性なのと抗がん剤の副作用が怖いのとで、ホルモン治療だけで良いのではないかと思う気持ちがあります。皆さん同じ事だと思いますが、再発だけはできる限り避けたいのが一番の望みです。そう考えると、やはり抗がん剤を受けた方が少しでも再発の確率を減らす事が出来るのでしょうか? それとも、私は抗がん剤を受けたところで、さほど治療結果が変わらないようなタイプなのでしょうか? 抗がん剤治療をするかどうかで、大変悩んでおります。また、使用予定の抗がん剤も未知の物で適しているのかが分かりません。是非、治療法についてのご意見を頂ければと思います。勝手ながら、お返事をお待ちしております。お忙しい中、つたない文章を読んで下さり有難うございました。 

年齢37歳、浸潤性小葉癌、リンパ節転移が2ケ存在すること、増殖能(Ki)が低くない事より、抗がん剤の治療は受けるべきと考えます。私だけでなく、多くの乳癌専門医も抗がん剤の投与をすすめると思います。抗がん剤とホルモン剤のスケジュールも主治医の示されたものに賛成です。副作用は弱くはありませんが、前向きに頑張ってください。再発のリスクは、この治療により1/2〜2/3軽減できるはずです。(文責 吉田)

 

No.9774】  10年07月31日  S.A
乳房の腫れと痛み

術後9年、右乳房温存、術後放射線は受けておらず、リンパ転移もなく、癌の種類は髄よう癌でした。現在60歳です。5、6ヶ月前頃より右乳房・乳輪が下の方から少しずつ腫れを増し、今では、乳房の3分の2くらいが腫れて硬く、最近では少し痛みもあります。お風呂上りは、いつもその部分がピンク色になります。マンモ検査、エコー検査の異常は認められず、医師も2年に一度、マンモ検査をするようにとの事ですが、心配です。術後、右腕が上がらず、右手を使いすぎると、熱が出たり体調不良になり、5年くらいは回復しませんでした。最近は元気になり、かなり右手を使います。以前ほど右手も腫れなくなりましたが…。このまま様子をみて大丈夫なのでしょうか? アドバイス、よろしくお願い致します。  

右乳房の2/3位が硬く腫れている状態で受診し、US、マンモグラフィの検査で異常なしと云われたのならば、心配ないでしょう。どうしても心配ならば、細胞診でもしてもらってください。乳房温存後何年かしてから乳房が硬くなることは、しばしば経験いたします。(文責 吉田)

 

No.9773】  10年07月31日  トラ
甲状腺の腫れ

度々こちらの相談室でお世話になっております。4年前に乳がん手術を行った47歳の既婚主婦です。乳癌手術を行う一年前に、膀胱炎で受診した病院で、甲状腺が大きいということで検査した結果、なんともありませんでした。一年後に乳癌手術を終え、リュープリン治療に入る前に、やはり甲状腺が大きいということで、CT検査を行った結果、やはりなんともありませんでした。その後、リュープリンを2年前に終了、現在タスオミンを服用中ですが、4年前より甲状腺がますます大きくなり、のどがあつぼったく、声がかすれ、夜中口をあけて寝ることが多く、食べ物の飲み込みが悪い時があります。また、疲れやすく、眠くてめまいもします。来月8月20日に定期健診があります。

1) その前に、早めに受診した方が宜しいのでしょうか? 
2) 昨日から口の中(左頬の内側)に、最初は口内炎だと思っていたのですが、今日、鏡で見たところ、2,3ミリの黒い突起物ができていました。これも、早めに受診した方が宜しいのでしょうか?
3) 今年4月に健康診断を行いました。乳癌治療の前と比べ、尿酸値が3.6から6.3、中性脂肪が47から126、LDLコレステロール85から100、空腹時血糖値が79から89と上昇しています。乳癌と分かった時から、脂質、甘いものをかなり減らし、野菜・果物を多くとるように心がけ、ほぼ毎日のウオーキングと、体重も57キロから51キロに減りました。にもかかわらずこのような結果で意外でした。これはホルモン療法の影響でしょうか?
4) こちらの相談室で拝見した相談内容と似ているのですが、CEF4クール、リュープリンとタスオミン1年療法後、背中に1センチ以上の脂肪の塊のようなものができて、慌ててて受診したところ、悪いものではありませんでした。そのままの状態で過ごしていたところ、今年3月に化膿して受診しました。切開して膿を出して頂いたのですが、治りが悪く、やっとかさぶた状態になりました。お医者さまは、「とり急ぎ手術する必要はないですが、中に袋が残っているので、また、再発するかもしれません。」とのことでした。こちらで皮膚がんに移行する場合もあるかもしれませんと拝見しまして心配になりました。やはり早めに手術して袋を取り除いた方がよろしいのでしょうか?
5) 乳癌になる以前は、油っこいもの、甘いものが好きで、にきび、吹き出物ができやすかったのですが、このような脂肪の塊ができるのも、ホルモン療法の副作用なのでしょうか?

来年4月でタスオミン5年服用となります。これらのことが、ホルモン療法の副作用であれば、主治医と相談し、このままホルモン療法の継続は考えようかと思っています。リンパ節転移ありで、決して低リスクではないのですが・・・。長くなりましたが、お忙しい中、誠に申し訳ございません。どうぞよろしくお願い致します。 

1) 甲状腺の病気の中には恐ろしいものもありますので、早めに受診することをお勧めします。場合によっては甲状腺の専門医の診察が必要なこともあります。
2) 何だかわかりませんが、受診したついでに見てもらってください。
3) ホルモン剤の影響ではないと思います。甲状腺機能が低下しているのではないでしょうか?
4) また膿がたまるなど再発・再燃を繰り返す様でしたら、手術の必要があると思います。そうでなければ、そのままで良いでしょう。
5) 違うと思います。(文責 吉田)

 

No.9772】  10年07月28日  M.T. 
再検査

いつも大変お世話になっております。細胞診の際、エコーでの所見がうまく探せず、結果「判定不能」となり、ドクターのすすめでMRIを撮った者です。以前も何回かご相談に乗っていただいております。MRIの結果が出まして、「腫瘤なし」とのことで、「半年後のマンモグラフィーとエコーの再検査」ということになりました。
1) MRI検査は病変の有り無しを調べるのに有効であると聞きましたが、それはしこりを触れないような非浸潤がんでも有効なのでしょうか?
2) 半年後の再検査ということで落ち着きましたが、しこりがなかったという結果が嬉しい反面、このまま半年ほおっておいて本当に良いのかと、漠然とした不安もあります。すぐにでもエコー検査のみしたほうがよいでしょうか?

1) MRIは非浸潤癌を描出するのに非常に有効です。
2) 半年後の再検査で十分でしょう。急いで検査する必要はありません。(文責 吉田)

 

No.9771】  10年07月28日  I.M.
腫瘍マーカーについて

初めて相談させていただきます。私は32歳、女性です。先日初めて乳がん検診をしました。内容は以下のとおりです。
・触診 ・マンモグラフィー ・エコー ・腫瘍マーカー(CA15−3、BCA225)

どの検査も特に問題はないということだったのですが、BCA225のみ数値が201と基準値をやや超えていました。実母が乳がんで他界しているので、先生からは、「お母さんが乳がんをしているので、遺伝的に元から高めの可能性もある。3ヵ月後にもう一度検査をしましょう。ただ、再検査をして下がる人もいれば変わらない人もいます。」と言われました。最初は気にもとめていなかったですが、少し不安になってきてしまいました。癌の他にも数値が上がることもあるのか、元からなら高めのままでも良いのかなど、気になります。かかりつけの医師に直接質問するべきなのですが、お答えいただけたらありがたいです。よろしくお願いいたします。

BCA225に限らず腫瘍マーカーが上昇する癌は進行がんであることが多いです。また体質的に、ある腫瘍マーカーが高い人もおります。触診、エコー、マンモグラフィーで異常がない場合は体質的なものと考えてよいでしょう。念のため3ケ月後の再検査は受けてください。(文責 吉田)

 

No.9770】  10年07月28日  K・N
乳がん検査について(HPNo.9660-2)

以前HPNo.9660で質問させていただき、ありがとうございました。乳頭の血性分泌物でエコーを撮りました。そのとき、腫瘤らしきものがあるので大学病院でマンモトームを受けるよう言われ、紹介されました(腫瘤は触ってもわかりません)。分泌物は、同じ部位を押すとそこから出てきます。初診日にマンモトームが受けられるものだと思い行きましたら、診察と触診だけで、新たにマンモグラフィとエコー、MRIを撮ることになりました。前回と同じでマンモには写らず、エコー、MRIには腫瘤らしきものが写っていました。MRIには乳腺拡張も写っていました。腫瘤らしき物があるので、次の検査マンモトームに進むことになりました。そこで質問なのですが、MRIだけでは良、悪の判断はつきにくいものなのでしょうか? 他の方の質問に、MRIは乳がんが確定していて広がりなど見る為?に行う検査とありましたが、私の場合、MRIの所見でほぼ悪性ということで、次のマンモトームに進み悪性を確定させる為なのでしょうか?
先生に、「今の所(MRI)悪性の可能性が高いのでしょうか。」とお聞きした所、「なんとも言えない。マンモトームでもはっきりしなければ、腫瘤を摘出しての検査になる。」と言われました。先生は、乳頭分泌物の場合は良、悪の判断が非常に難しいとおしゃっていました。自分で調べても、先生のおしゃっている事と同じでした。かたや、マンモやエコーだけで良、悪の判断がつく場合もあるのに、私のように検査が続いても、まだ良性の場合があるのでしょうか? マンモトーム検査まで行ったら、ほぼ悪性と思って検査に臨んだ方がよいのでしょうか? 検査も結果も来月なので、あまり考えないように過ごしてはいるのですが、いろいろなこと頭から離れません。長々とすみません。色々な方の質問を拝見させていただいているうちに、何だかまた不安を感じてきたので、よろしくお願いします。

乳腺腫瘤の良、悪性の診断は最終的には組織検査によります。マンモトームは太い針生検ですので、小さな組織が採れます。これで殆どは診断が付きますが、ごく稀に腫瘤を切除しないと診断がつかない場合もあります。MRIなどは悪性らしいことは判っても、それだけでは決定できません。典型的な癌はマンモやエコーだけでもほぼ診断を確定できますが、非典型的なものである場合は、いろいろ検査をしても判らず、マンモトームや腫瘤を切除しての組織検査によってはじめて診断が付きます。あなたの場合はどちらかと云うと後者でしょう。(文責 吉田)

 

No.9769】  10年07月26日  c.k
ホルモン治療について(HPNo.8667-4)

No.8667とNo.8677で相談させていただいたものです。いつもお世話になっています。こちらで相談後、FECを6クールとハーセプチンを一年間受けることが出来ました。次にホルモン療法でリュープリン(初回月に1回、2回目から3カ月に1回のもの)とノルバデックス1日1回服用を5年間の予定なのですが、副作用で子宮体がんになりやすくなると聞きました。ホルモン治療中は、子宮体がん検査を定期的に受けている方が多いと思うのですが、自分は性交渉の経験がなく、かなり辛い検査になると聞き悩んでいます。いくつか婦人科の先生にもお話を聞いたのですが、現在乳がんの治療を受けている病院の婦人科では、なる人はなるので半年に1回くらいした方がいいと言われました。他のところでは、肛門からのエコーで内膜の厚さを測って、厚くなっているようだったら、MRIなどで検査をして、細胞診は最終段階でいいのではないかとのことでした。膣からのエコーも試みたのですが、膣が狭く、入れることが出来ませんでした。婦人科によっても、生理を止めることで子宮体がんの確率は下がるという考え方の先生もいて、よくわからなくなってしまいました。治療を五年間続けていけるか不安です。

1) ホルモン療法では、どれくらい子宮体がんになりやすくなるのでしょうか?(ノルバデックスの副作用によって子宮体がんになりやすくなり、リュープリンで生理を止めることによって子宮体がんになりにくくなる作用の両方があるのでしょうか?)
2) 子宮体がん検査ではなく、肛門からのエコーやMRIを定期的に受けながらホルモン療法を続けても大丈夫でしょうか?

何度も申し訳ありません。どうぞよろしくお願いいたします。

確かに、閉経後の乳がん患者さんがタモキシフェンを内服することにより、子宮体がんのリスクがあがることは事実で、発生リスクは3倍程度になるとの報告がありますが、乳がんの再発リスクを47%低下させ、また対側乳がんの発生リスクも47%低下させることもわかっており、タモキシフェン内服のメリットがデメリットを上回ることは間違いありません。閉経前については、十分なデータはなく、閉経後に準じて判断するということになりますが、また、リュープリンとタモキシフェンを併用するとどうなのかはわかりませんが、少なくともタモキシフェン単独より子宮体がんのリスクが高くなる可能性は低いと思います。現在の治療を続行してよいと考えます。
タモキシフェンは子宮体がんリスクをあげるということで、定期的な子宮体がんの検診をお勧めすることが多いですが、出産経験のない女性にはかなり苦痛を伴う検査です。更に、症状がない患者さんに子宮体がんの検診で細胞診をすることが有用であるかについては賛否両論があるようです。細胞診の苦痛が強いようであれば、他の検査で代用したり、不正出血等の症状があった時に調べるという方法も選択してよいと思います。(文責 浜口)

 

No.9768】  10年07月26日  K.O.
胸のしこりについて

半年前、個人病院(乳腺外来を外科の先生が兼任しておられる) で触診、エコー、マンモを受けました。左右に1センチ以下のしこりがあったのですが、左はおそらく良性、右は脂肪?の可能性が高いとのことで、半年後の経過観察となりました。その際は、まだ授乳中で分かりにくいとも言われました。2ヶ月前に断乳し、このたび同病院に再検査(エコーのみ)に行ったのですが、左は問題なし、右については、「1センチ以下ではあるが若干大きくなっているようにも見える。縦のラインが入っているのは良性によく見られるが、形がいびつ。脂肪にも見えなくもないが、悪性の可能性も否定できない。乳腺炎が変化したようなものにも思える。」ということで、エコーを見ながら細い針を刺して細胞を採取しました。その際、一度では必要量をとりきれず二度刺したのですが、採取後、「細胞が取れにくい=脂肪を刺している印象。触ると形がしっかりある感じがした。」との所見を言われましたが、あくまでも個人的な感覚だからとも言われました。検査結果は一週間後で、その前から長期帰省するため結果は電話でもよいとのことでしたが、深刻度によっては帰省予定を変更してもよいかと考えています。また、検査をした先生が乳腺の専門医ではないことも気になっています。東京に在住しているため、帰省前、検査結果を待たずに専門医の多くいる大きな病院で再度検査をしてもらおうかと思ったりもしているのですが、この状況を踏まえ、その必要性はあるのでしょうか?年齢は33歳で、2年2ヶ月前に初産でした。母親や姉妹に乳がんの者はおりません。祖父が大腸がんを経験しております。まだ子供も小さく、2人目も考えていたため、思わぬ状況に少し動揺しています。

あまり悪性を強く疑う所見はないと考えますので、細胞診を施行したのであれば、細胞診の結果を待って、説明に納得できなければ、画像と紹介状をもらって、セカンドオピニオンを考慮したらいかがでしょうか? 不安になる気持ちも理解できますが、一刻を争う状況ではないと考えますので、不要な検査を避けるためにも、まずは結果を待つことをお勧め致します。(文責 浜口)

 

No.9767】  10年07月24日  M.N.
今後の治療について(HPNo.7559-6)

いつも大変参考にさせて頂いております。以前に何度かご相談をさせて頂いたのですが、今回、母の治療に変化があったため、再度メールをさせていただきます。前回は、ヒスロン以降の治療についてご相談させていただきました。その後、CTにて影が見つかり、マーカー値の上昇も伴ったため、下記のようにタキソテール、TS-1といったように抗がん剤を変えて治療を継続してまいりました。

<治療経過>
・ 2008年2月〜2008年10月 AC投与 (11回, 1回/3週)→ 2008年10月の時点で、肝臓の転移縮小。CTでは見えなくなる。CEA= 65.66, CA15-3= 52.6までマーカー値は下がる。
・ 2008年10月〜2009年5月 ヒスロン服用→ 2009年4月のCT検査にて肝臓の転移増大。この時点でのマーカー値は、CEA=335.2, CA15-3=165.4。
・ 2009年5月〜2009年12月 タキソテール投与 (11回, 1回/3週) → 一時期はCEA=56.38, CA15-3=44.2(2009年9月)まで下がるが、同年11月から値の上昇が始まり、2010年1月にて、CEA=207.1, CA15-3=261.1。
また、CT検査にて、肝転移巣は明らかな増大。
・ 2010年1月〜現在 TS-1服用 (6錠/日を4週間飲んで、2週間休薬)  → 現在も服用中。マーカー値はCEA=114.2, CA15-3=109.6(2010年3月)まで下がるが、2010年4月に再び上昇に転じ、CEA=229.2, CA15-3=224.1 (2010年6月)

今回CTにて検査をして、今後の治療を決める予定です。先生は、「・CTにても臓器に影が見られなければ、このままTS-1服用を続ける。 or ・CTにて転移の増大が見られた場合は、抗がん剤の変更を検討。その選択肢として、幾つかまだ試していない抗がん剤はあるので大丈夫」とのことでした。こちらから、まだ認可されていないが、アバスチン+タキソールの組み合わせ、あるいはアブラキサンという候補も考えられるのかを質問をしたところ、どちらも候補にはなり認可は近い、とのことでした。

<質問>
1) マーカー値はどんどん上昇していますが、先生のおっしゃる通り、CTでの転移増大が見られるまでは、TS-1を継続したほうがいいのでしょうか。
2) 他抗がん剤に変える場合ですが、その他の認可されている抗がん剤候補とは、どういうものになるのでしょうか。調べたところ、効果が高いと思われるのはタキソールやゼロータ、ナベルビン (転移性乳がんに対して認可されているか不明ですが・・・) 程度しかないように思われて・・・。
3) まだ認可外となりますが、母の状況においては、アバスチン+タキソールの組み合わせ、またはアブラキサンを考える場合、どちらを先に試した方がいいでしょうか。
4) 一般的な質問となり恐縮ですが、混合診療というのは可能なのでしょうか。認可されていなくても、効果が期待できるのであれば、家族としては、認可外の抗がん剤を試したいと思っています。しかし、母は骨にも転移しているため、ゾメタも続けています。治療に認可されているものと適用外のものが混ざることが可能なのかよくわからず・・・。アドバイスを頂戴できれば幸いです。
5) TS-1を飲み始めてから(2010年1月〜)、母の体重の減少が激しく、10キロ近く減りました(63キロ→53キロ)。TS-1の副作用として食欲不振があると聞きましたが、これは癌細胞の増大による体重減少ということも考えられるのでしょうか。 先生に相談していますが、特に気にしなくてもよいといわれています。しかし、以前に比べかなり痩せて、見た目にもその変化が明らかであるため、、癌細胞増大による体重減であるならば、やはり抗がん剤を変えた方がいいのでは・・・と、家族は思っています。恐縮ですが、アドバイス頂ければ幸いです。

長文となり大変申し訳ありません。。母の治療においては、すでに多くのホルモン剤・抗がん剤を試しており、選択肢が限られてきている中で、是非アドバイスを頂戴できればと思っております。お忙しい中大変恐縮ですが、どうぞ宜しくお願い致します。

再発・転移の治療の場合には、まずは今より腫瘍が増大しないようにして、今まで通りの生活をできることが目標になりますので、腫瘍が縮小してくれれば更によいですが、現在CTなどの画像で明らかな増大がないのであれば、TS1続行をまず第一に考えたいです。癌細胞は非常にエネルギーを使いますので、がんの治療中の患者さんは、なかなか体重が増えなかったり、食欲低下があると体重が減ってしまうことはありますが、まずは口に合うものをなるべく摂取して、体力を落とさないようにするのがよいのではないでしょうか。食欲低下は、がんが原因の場合も、薬の副作用が原因の場合もありますが、明らかに薬の影響であれば、薬の変更も考慮してみたらよいと思います。次の治療をどうするかは、いろいろな考え方があると思いますが、個人的には今まで使用した薬とは違う種類ということでナベルビンをまず使用して、その後ゼローダやタキソールを考慮します。アブラキサンにつきましては、使用経験がないので、はっきりしたことは言えませんが、7月23日に承認されて、乳癌の適応が通ったようですので、主治医の先生にも相談してみたらいかがでしょうか? アバスチンについては適応外ですので、やはり保険適応の薬をまず使っていくのがよいと思います。保険適応の薬と保険適応外の薬を併用していくのは、保険医療機関では基本的には難しいです。
まとめますと、まずはTS1続行を考え、副作用や病状進行の場合にはナベルビンをはじめとした未使用の薬に変更を考慮するのがよいでしょう。抗がん剤治療は種類を変えていっても、後半の薬ほど効果がある可能性は低くなっていきますので、副作用が強かったり、体力が落ちてきた場合には、抗がん剤をやめて症状緩和に専念する治療にシフトしていくタイミングも考慮しながら治療を進めていくことが大事だと思います。(文責 浜口)

 

No.9766】  10年07月24日  SH
血流のあるしこり

はじめて相談させていただきます。43歳です。左胸にしこりを見つけ、マンモ、超音波、細胞診で確定がつかず、しこりを切除して組織診をしたところ癌と確定。乳頭腺管癌、2cm 、グレード1でした。切除した断片が+なのと、MRIでもう一か所あやしい部分があるということで、まもなく手術をします。主治医の先生のお話では、場合によっては温存も可能ということでしたが、全摘を希望しました。昨日逆側の右胸の乳首の少し上の部分に硬いしこりのようなものを見つけ、ちょうど2回目の超音波検査(一回目とは違う機械のようでした)があったので見てもらったところ、血流ありとのことでした。先生の診断では癌ではないだろうということでしたが、左胸のしこりもマンモや一回目の超音波でははっきりうつらなかったこともあり、心配しています。手術日がせまっており、セカンドオピニオンをとりにいく時間もありませんので、教えていただけますでしょうか。

1) MRI(撮影済特に問題なし)、CT(入院日撮影予定)にうつっていない場合、癌でないと判断して大丈夫なのかどうか。
2) 今のところ細胞診の予定はないようですが、やはりお願いしたほうがいいでしょうか。
3) 左をとるときに右のしこりも切ってもらって、術中診断後癌だったら、断片が陰性になるまで切除という両胸同時手術は可能ですか? 可能であった場合のデメリットはありますか?

以上です。よろしくお願いします。 

MRI等で心配なさそうであれば、おそらく大丈夫ではないでしょうか。診断を確定させるには細胞診や組織診が必要になりますが、主治医の先生は現時点では必要ないと判断しているのであれば経過をみて、まずは左の治療を優先したらいかがでしょうか。左の手術の時に右も確認することは、技術的には可能ですが、良悪性の判断が微妙な病変では、術中迅速病理診断で確定が困難なケースもありますので、やはり、まずは左の治療をして、経過をみて右の検査を考えていけばいいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.9765】  10年07月23日  S.A. 
術後の治療について

術後の治療についてご相談します。年齢51歳です。閉経前です。手術後の病理検査の結果が、「surgical margin(-)、肉眼的波及度はG、組織学的波及度はg、リンパ節転移n0、粘液変性(muc)は0、脂肪・皮膚・大胸筋の浸潤なし、リンパ管・皮膚リンパ菅・静脈の侵襲なし、乳菅内進展の程度は2、乳菅内癌の亜型は充実と乳頭状で、浸潤径(inv)1mm、浸潤部の亜型nest,中心壊死0・中心線維化0 ・核異型度1・核分裂像0・腺菅形成性0」となっておりました。先生は経過観察でいいとおっしゃたのですが、なにも治療しないのも不安だというと、非浸潤癌の人も予防の為にノルバデックスを飲む人もいるといわれたので、とりあえず1ヶ月分処方してもらいました。副作用がでたら、すぐやめていいと言われました。術後のホルモン感受性を先生に確認するのを忘れたのですが、針生検ではトリプルネガテイブでした。トリプルネガテイブでもノルバデックスは再発予防に少しでも役に立つのでしょうか? また、5年飲み続けたとして、どの程度再発率はかわるのでしょうか。どうぞよろしくお願いします。

ほとんどが非浸潤がんで1mmだけ浸潤がんがあるということであり、転移のリスクは非常に低く、また、トリプルネガティブであれば、ホルモン療法は効果がありませんので、ノルバデックスは必要ないと考えます。(文責 浜口)

 

No.9764】  10年07月23日  Y.M. 
このまま同じ治療で良いのでしょうか?

お世話になります。49歳です。2001年2月乳がんで右全摘手術を受け、リンパ移転もあり、術後6カ月タキソールを点滴投与しました。その後、薬(名前はわかりません)を3年ほど飲みました。定期健診を欠かさず、異常もなく過ぎましたが、2007年から腫瘍マーカーがじわじわと上がりはじめました。

CA-15-3=【2007年】1月22.8 【2007年8月】27.2  【2008年】(約2カ月毎)38.4→45.6→53.0→.51.5→56.7→65.3  【2009年】78.5→94.9→112→132
NCC-ST-439=【2007年】2.3→6.5 【2008年】6.1→8.3→9.8→14.1→10.9→20.6 【2009年】21.1→26.6→32.9→40.9
CEA 1.0前後でほとんど変わりません

この間、CT、骨シンチ、PETなどの検査をしましたが、画像に異常は見つからず、治療はしていません。腫瘍マーカーだけが、ゆっくりじわじわ数字が上がって、主治医が不思議がっていました。昨年2009年6月医師の触診とCTで首に腫瘍が見つかり、手術はせずに、7月よりハーセプチンを毎週、タキソールを3回やって1回休む、というパターンを1年、現在に至ります。約半年で首の腫瘍も石灰化(CTで確認)したそうですが、CA-15-3の数値が、12月に60まで下がり、その後は60前後で下がりません。このまま同じ治療で良いのでしょうか? 主治医は、まだしばらくこのままで、だめなら他の薬を、との事。あと、統合医療などを受けてみようかと思いますが、ご意見があれば、教えていただけないでしょうか?

首の腫瘍というのは、おそらくリンパ節再発でしょうか。現在ハーセプチン+タキソールの治療で病状はコントロールされているようですから、副作用などが強くなければ今の治療を続行することをお勧め致します。もし、病状が進行した場合でも、他に効果の期待できる薬がいくつもありますので、統合医療の前に、そのような治療を考慮したらよいと思います。(文責 浜口)

 

No.9763】  10年07月23日  I.Y.
乳癌との診断をうけました

突然のメールにて失礼致します。昨日、34歳の妻が乳癌検査を受け、結果乳癌の診断を受けました。6月、右乳房の中央下部分に小さく柔らかい、しこりを見つけ、MRIを受けました。その時は下記のような内容で、異常なしの診断を受けました。
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[右]
@右側NT≠43mmに8x6x4mmの、やや境界不明瞭な楕円形腫瘤を認めます。
A@の尾側に5x5x4mm大の、やや境界不明瞭な楕円形腫瘤を認めます。
[左]
全体に乳腺厚く、やや乳腺症に観察され嚢胞を認めます。

[診断]
右:線維腺腫疑い@A
左:嚢胞
-----------
念のため、こちらで希望して、細胞診検査を受けましたところ
-----------!
細胞診断
乳腺 ASPエコー (CLASS X)
Adenocarcinoma a2

細胞所見
少量の壊死様蛋白物質とともに中型異型細胞が集塊ないし孤立散財性にみとめられます。pair cell(+)
判定区分 ◎検体適正 悪性
-----------
と、昨日結果を渡されました。病院からは上記の用紙を頂いたのみで、何の説明も受けておらず、検査が混み合っているという理由で、次の診察まで一ヶ月間待つように言われているのですが、「癌である」という事以外に何の情報もない状況に、一日目から精神的にまいっております。どうか、上記から読み取れる事のみで結構ですので、妻は今どういう状況なのか?(しこりは小さいようだが現材料上においては早期発見と理解していいのか?)、また、今後どのような心づもりが必要なのかについて教えて頂けませんでしょうか。ご多忙かと存じますが、何卒よろしくお願い致します。長文に目を通していただき、心より感謝致します。また、このような質問フォームを用意頂きましたことに心より御礼申し上げます。

細胞診の結果で乳がんの診断となり、詳しい説明がなくて次回1ヶ月後の診察となると、不安で心配でしょうがないお気持ち、お察し致します。MRIでは、右の乳房に8mmと5mmの腫瘤があり、画像上は線維腺腫が疑われていますが、似た画像所見を示す乳がんに充実腺管がんというタイプがあり、細胞診でも充実腺管がんを疑う細胞が出ているようです。2か所に別々に乳がんができる可能性もゼロではないですが、2つのしこりは関連があると考えた方が自然で、非浸潤性乳管がんという非常におとなしいがんがあり、その一部が浸潤がんとなって、2か所のしこりを形成した可能性が高いのではないかと思います。乳がんは浸潤した大きさが2cm以内で、他に転移がなければ早期がんということになり、特に1cm以下のものは転移の可能性も低いですので、リンパ節転移がないかなどの検索は必要ですが、早期発見の可能性が高いと考えます。次回1ヶ月後というのは、医師の立場からすると納得できるところですが、患者さんの立場からすると十分な説明がない状況で1ヶ月待つのは非常に辛いと思います。担当の医師とはこれからも長いお付き合いになりますので、信頼関係が非常に大事だと思います。遠慮せずに、一度早めに受診して不安な気持ちを正直にお話しして、詳しくお話をしたらいいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.9762】  10年07月22日  M.T.
今後の検査について

いつもお世話になっております。先日、初診時に指摘されたエコーの所見が、1週間後の細胞検査の際見つからず、検査がうまくいったのか不安であるとご相談申し上げたものです。本日、細胞検査の結果を聞きにいってきましたが、案の定、細胞が取れておらず、「判定不能」との診断が下りました。ドクターはMRIをすすめますが、MRIは乳がんと確定したものに対して広がりを調べる時に使うものであって、悪性良性の判断がついていない私の場合、次に行う検査としてどうなのでしょうか? ドクターははっきり言いませんが、悪性の可能性が強いということなのでしょうか?

MRIは微小な腫瘍性病変の拾い上げには有用な検査であり、エコーで腫瘍を疑った場所に腫瘍があるのか、それとも乳腺症などで腫瘍とまぎらわしい病変だったのかを判断するのには役立つと考えます。MRIでも乳癌などの腫瘍が疑われるようであれば、さらに組織を採取する検査を考慮することになります。(文責 浜口)

 

No.9761】  10年07月22日  R子 
転移後の治療について

初めてご相談いたします。67歳で、2年前に抗ガン剤(FEC)を6クール受け、その後ハーセプチンとタキソールを受けましたが、タキソールで薬しんが出て、週1でハーセプチンを受けて現在に至っています。昨年の秋に脳に転移し、手術とサイバーナイフをし、経過観察中です。脳外科の先生は、新たに腫瘍が見られないのはハーセプチンが効いているのではないかと言われます。でも先日の胸のCTで、左鎖骨の上と右腋に影がでているとの事で、タキソテールを4クール考えてくださいとの事です。ハーセプチンで首から下はコントロール出来ているのだと思っていましたが、1年半やっているので効かなくなっているとの事です。効かなくなっていても、ハーセプチンとタキソテールを併用しても効果があるのでしょうか。脳の事も心配です。よろしくお願いいたします。

乳癌の転移は、完全に治すことが難しく、効果の期待できる抗がん剤やホルモン剤による全身療法を続けていくことが必要です。ハーセプチンとタキソテールは相乗効果のある組み合わせで、効果も期待できるのではないでしょうか。また、ナベルビンや、タイケルブ+ゼローダなど、期待できる治療は他にもいろいろありますので、治療は大変ですが、病状や体力と相談しながら、治療を続けるとよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.9760】  10年07月22日  A.S. 
予後および今後の治療について(HPNo.9629-2)

HPNo.9629 再投稿です。前回の相談では、ご丁寧な回答ありがとうございました。現在は納得して、予定通りの治療を受けているところです。 今回は改めて、治療及び予後について伺いたいので、よろしくお願いいたします。
温存手術後の病理検査の結果は、「・大きさ:18×11×35 ・組織型:micropapillary type ・組織学的異型度:Grade2 ・リンパ管侵襲:marked 3+  ・血管侵襲:negative ・リンパ節転移:LevelT(3/34) ・HER2:1+ ・ER:陽性(80〜90%) ・PR:陽性(50〜60%)」です。 悪性度が高いとのことで、乳房全摘の再手術を受け、抗がん剤治療(FEC4クール、タキサン系4クール)を行っているところです。抗がん剤終了後に放射線、ホルモン療法も行う予定です。そこで、ご質問したいことは、
1) micropapillaryについては、悪性度が高く、予後不良としか情報が得られません。もう少し詳しい特徴があれば教えていただきたいと思います。
2) 現在遠隔転移はありませんが、このタイプはかなりの確率で再発してしまうのでしょうか。進行が早いとの記述も見かけました。予後はどのようなものでしょうか。
3) 治療について、これ以外の選択肢はありますか。

以上、よろしくお願いいたします。

1) 浸潤性微小乳管癌(invasive micropapillary carcinoma)は、乳癌の浸潤癌の特殊型に分類される組織型で、1993年に初めて提唱され、日本乳癌学会の乳癌取扱規約にも2008年に追加されたばかりの比較的新しく認識された組織型です。リンパ管侵襲やリンパ節転移が多く、予後不良な組織型として注目されるようになりましたが、詳細はまだまだ解明されていません。比較的まれであること、歴史が浅いことより、その治療法については組織型で治療を変えるというのではなく、浸潤性乳管癌に準じて治療をしていくということになります。
2) 浸潤性微小乳管癌は頻度が少ないことより、組織型のみで予後を予測することは困難ですが、おそらくはリンパ管やリンパ節に入りやすいことが予後の悪い原因となっていると考えられ、通常の浸潤性乳管癌に準じて、再発リスクに関わる因子から再発リスクを予測するAdjuvant! Onlineで予測してみますと(年齢が不明でしたので仮に50歳で調べました)、手術のみで、術後の再発予防治療をしない場合のリスクは52%、現在の治療方針で再発リスクは29%減り、23%となります。
3) 先ほどの繰り返しになりますが、浸潤性微小乳管癌だからこの治療というものは確立されておらず、今後もおそらく確立は困難であり、治療感受性に応じて、また再発リスクに応じて、浸潤性乳管癌に準じた治療をしていきます。ホルモン感受性、HER2陰性ですが、再発リスクは比較的高いと考えられますので、やはり現在の治療がよいと考えます。(文責 浜口)

 

No.9759】  10年07月21日  M
術後の治療について

術後の治療についてご相談します。42歳、閉経前です。術前にEC4クール、タキソテール4クール後、1月に右乳房摘出手術&腋下リンパ節郭清を行いました。乳頭腺管癌・腫瘍5cm→2.5cm、ホルモン強陽性・HER2陰性、リンパ節転移無し、脈管侵潤−・グレード1。その後はタスオミンとリュープリンで治療していました。手術前まで右と同時に左も検査をしていたのですが、術後4カ月で自分で左側もにしこりをみつけ、検査の結果悪性で全摘手術をしました(私は造影剤を使って検査ができない為、全摘を選びました)。 腫瘍2cm ・ER10〜30% ・PgR− ・HER2 3+ ・リンパ節転移無し ・非浸潤と浸潤が混じっていたとのことで(その場合は)グレード検査はやっていません。
術後の治療ですが、ホルモン治療はそのまま続けるのですが、左側の治療として
1.ハーセプチン単独
2.ハーセプチン+タキソール
の提案がありました。主治医は最初併用の考えでしたが、私の場合単独でも良いと変わりました。自分としては併用と単独と迷っています。アドバイスよろしくお願いいたします。

エピルビシン、タキソテール治療後12か月以内に対側にHER2陽性のがんが発生したということです。腫瘍径の2cmは浸潤した大きさでしょうか? 浸潤径が2cmであれば、ハーセプチン+化学療法が標準と思います。化学療法については、むずかしいですが、個人的には、右側の治療を考慮して、タキソールをお勧めします。(文責 徳田)

 

No.9758】  10年07月21日  N
再発治療について(HPNo.9684-2)

HPNo.9684で相談させていただいたものです。その際はありがとうございました。無事手術も終わり、この度、病理検査の報告書を医師よりもらいましたので、改めて、ご相談させて頂きます。生体検査、手術の検査報告書を少し長くなりますが書かせて頂きます。前回の質問では、医師から伝えられた検査結果を元に先生にお聞きしましたので、これらの報告書の内容から、判断が違ってくるかもしれませんが、率直な意見をお聞きできれば幸いです。

6月1日 生体検査
1) 臨床材料検査報告書  6月4日
病理組織学的診断: Breast right excisional biopsy - Ductal carcinoma
追記: 検体では拡張した乳管内には腫大核核を有する異形細胞の充実性の増殖を認めます。乳管癌の所見です。大部分は乳管内病変ですが、ごくわずかに間質侵潤を疑わせる所見を認めます。シャププターの染色については後日報告します。

2) 臨床材料検査報告書  6月8日
病理組織学的診断: Additional report
追記: シャプター染色結果は以下のとおりです。  ER(-) PgR(-)

3) 臨床材料検査報告書6月16日
病理組織額的診断: Additional report 2
          Breast right excisional biopsy - Ductal carcinoma
追記: 切除断端について、割がはいっている部分については評価困難です。他は明らかな断端陽性像(露出)は認めませんが、断端から1mmの部分に病変が認められる
HRE2/neuタンパク染色法(IHC)  スコア判断 1+ 過剰発現  なし
    
手術   6月29日
1) 臨床材料検査報告書  6月29日
病理組織額的診断: Frozen section
* Lymph nodes dentinel excision @ - No meastusis of carcinoma
* Breast right sargical margin excision @ 〜 D
         − No invasion of carcinoma
追記: @センチネル A上方 B乳頭側 C下方 D内側

検体1では癌の転移を認めません。 検体2〜5では癌の浸潤を認めません。

2) 臨床材料検査報告書  7月5日
病理組織学的診断:Breast right partical excision - State after excisional biopsy
(Inflammation and fibrosis with foreign body reaction)
No detihite ebidence of residual cancer cell. see description

追記: 検体を全割して検索しました。切除生検後の変化と考える異物反応を伴う炎症と繊維化が目立ちますが、明らかな癌の残存は認めません。迅速標本の断端部に良悪性の判断が難しいductsの出現があるため、follow-upが必要と考えます。

3) 臨床材料検査報告書   7月5日
病理組織学的診断: Paraffin section
* Lymph nodes sentinel excision @ーNo metastasis of carcinoma
* Breast right sargical margin excision A〜D
ーA small number of atypical ducts see description. see escription ! C
ーNo inbolvement of carcinoma A〜D
 
@センチネル A上方 B乳頭側 C下方 D内側

追記: 検体@では癌の転移を認めません。 検体Cでは Frozen section で明らかでなかった異形腺管が少数ながらも出現しました。 変性を伴っているため判断が難しいものの、DCIS の可能性を疑います。詳細は切除検体のレポートを参照ください。検体ABDでは癌の浸潤は認めません。

検査報告書は以上です。手術を執刀してくれた医師は、リンパおよび断端にも問題がないため、術後治療は放射線のみで十分とのことでした。2005年の手術の際、トリプルネガティブで抗がん剤治療は必要なしといわれ、放射線治療後に抗がん剤治療を受けた経緯があるため、そのとき、お世話になった腫瘍内科の医師にセカンドオピニオンを受けたところ、非浸潤癌なのでトリプルネガティブであっても、家族性があっても抗がん剤は必要ないといわれました。 

1) 上記の報告書から、私の術後治療について先生の意見をお聞かせください。私の母も同じ両乳房癌でした。
2) 今回、グレード、腫瘍径、癌の種類等の詳しい内容は記載されておりませんが、非浸潤癌の場合、必要ないとは本当ですか。
3) 7月5日の報告書の追記のところで − 「検体Cでは Frozen section で明らかでなかった異形腺管が少数ながらも出現しました。変性を伴っているため判断が難しいものの、DCIS の可能性を疑います。」とありますが、これはDCISではなく浸潤癌の可能性があるということでしょうか。

お忙しいところ、何度も申し訳ありません。宜しくお願いいたします。

1) 原発巣の”わずかな浸潤”というのが不明ですが、5mm以下であれば、抗がん剤は必要ないというのが標準です。
2) 抗がん剤の投与の必要性を検討するうえでは、影響しないと考えます。
3) 下方の断端近くまで、DCISがあるということと考えます。放射線照射+断端への追加照射を行ったほうがよいと思います。(文責 徳田)

 

No.9757】  10年07月19日  K.S.
今後の治療について

4月にマンモで右に多様性石灰化が見つかり、クリニック病院の迅速な連携にて、5月には非浸潤癌、たぶん1期のリンパ節転移なしだろうと、全摘リンパ郭清無しのオペを受けました。病理結果はtis ,n0 ,m0ハーべー3+のステージ0期にて、予後療法は何も無し。乳房をなくし、入院の為老いた老犬を死なせ、癌患者としてレッテルをはられ、失う物が多すぎました。自分で考える間も無く検査オペと流れていた事を後悔しています。1期と聴きセカンドオピニオンもうけず、0期でもう少し時間は貰えなかったかと受け入れられなくなっています。今後は月1の様観受診通院予定ですが、医師に対する不審感がある状態で、どうしようかと悩んでいます。病理標本の所有権は患者には無いのでしょうか? また、見つけしだいごく初期でもオペにかかるのが一般的なのですか?

乳がんは、早期の病変ほど手術が大事な治療になってきます。特に非浸潤癌では、手術が最も有効な治療となるので、おそらく間違った治療を受けたわけではないと思います。しかし、「考える時間」「腑に落ちる時間」が足りなかったとお考えなのですね。いったん治療が済んでから同じような気持ちになる方は、時々いらっしゃいます。主治医に「不審」という前に、その気持ちを主治医にお話しになってはいかがでしょうか。場合によっては、治療は済んでいますが、他の先生の意見も聞くセカンドオピニオンを受けてみてもよいと思います。
病理標本の所有権のことですが、病理標本の管理は通常手術した病院で行います。法的に「所有権」が患者さんにあるのか病院にあるのかは、私はわかりません。しかし病理標本を使用する場面を想定すると、セカンドオピニオンに行く際や、万が一再発した時にもとの病変を見直すといった場面が考えられます。このような場面にすぐ標本を出せるということを考えると、個人で保管されるよりも病院で保管されたほうがよいと思います。そのほうが紛失もないし、温度湿度などのため変性してしまうリスクも少ないと思います。患者さんがセカンドオピニオンなどの際に貸出ししてほしいと要求すれば、通常はまず断られることはありませんので、ご安心ください。(文責 俵矢)

 

No.9756】  10年07月19日  S
1年検診で反対の胸も

ちょうど1年ほど前に左胸に石灰化がみつかり、細胞を調べたところ非浸潤癌でした。範囲も広かったので、全摘出手術を行いました。術後の経過はよく、非浸潤癌+全摘出手術ということで、術後の治療もなく過ごしてきました。今週に入り、1年ぶりに残った右胸のマンモと超音波とCT検査を行ったのですが、右胸に黒い影があると言われ、細胞をとり、結果を待っているところです。1年前も相当苦しみましたが、超早期発見と術後の治療がないことを幸運と言い聞かせて過ごしてきて、やっと立ち直れたころだったので、また同じ思いをするかと思うと本当に辛いです。子供がまだ小さく、一緒にお風呂に入らなければなりません。両胸摘出するかと思うと、いたたまれない気持ちになります。今回はこりっとしたしこりがあると言われたのですが、1年前には見つからなくて、1年で触診してわかる大きさのシコリが出来るものなのでしょうか? それだけ早く大きくなるという事は、進行の早いものなのでしょうか? 去年は石灰化+非浸潤癌+全摘出ということで、再発や転移の心配は少なかったのですが 、しこりの場合は非浸潤癌ではなく浸潤癌ではないかと考え出すと、不安で仕方ありません 。お忙しいところ申し訳ありませんが、宜しくお願いします。

右乳房に病変があったとのことでしょうか。例えば、マンモグラフィ検診で要精検と判定された方のなかで乳癌が見つかるのは 精度の高い検診でも高々5%程度です。すなわち乳癌検診でひっかかった方の20人に一人程度しか癌はみつかりません。精度の低い検診ならば、もっとその確率は少ないです。この場合検診ではありませんが、「かげ」があったからといって、すなわちそれが癌というわけではないですので、結果を待つのがよいと思います。もし不幸にも右側の病変が乳癌だとしたら、対側なので「再発」というより、新しくたまたま対側にできた癌ということになります。心配なのはわかりますが、結果が出る前は何もわかりません。ですので、結果を待ちましょうね。(文責 俵矢)

 

No.9755】  10年07月19日  リン
非浸潤性小葉癌について

40代後半閉経前です。 6月初旬に非浸潤性小葉癌の乳房温存手術を受けたのですが、病理結果で、「 センチネルリンパ節転移なし。 組織型:非浸潤性小葉癌 、リンパ管・脈間浸潤:なし 、リンパ節転移:なし 、ホルモン受容体:ER(-), PgR(+60%):応答性 、HER2スコア:0:過剰発現 なし 、大きさ3.6p(エコー) 、病期(ステージ):T2NoMoUA→非浸潤癌の場合、TisNoMo0 、断端近傍(乳頭側)に腫瘤(乳管内進展)あり 。乳管内に進展が高度で、乳頭側では断端から5o以内に癌細胞が存在するものと思われる。背景には乳腺症が見られる。 」となっています。 今後の治療方針として、 「1.放射線  2.再手術:追加切除(その後放射線治療)または乳房切除(放射線は不要) 」があるようですが、 例えば、追加切除の場合と乳房切除では、予後がどのように違うのか、再発、転移の可能性はどのように違うのか、どのように考えていいのか、どれが一番良い方法なのか悩み、今後の結論を出せないまま無治療で約1カ月がたちました。また、最近両乳房のMRIを行いましたが、気になる指摘はありませんでした。どうかアドバイスをよろしくお願いいたします。

残存乳腺への放射線照射が標準です。転移の可能性は極めて低く、切除してもかわりません。(文責 徳田)

 

No.9754】  10年07月19日  Y.S. 
脳への転移が心配です

いつも大変参考にさせていただいています。お忙しい中、このような機会をもうけて頂きまして、心より感謝いたします。質問なのですが、最近、何もないところで片足の力が抜け、何十年かぶりに転びました。また、一年ほど前から、とても強い頭痛が突発的に起こるようになり、立ち上がれないほどです。一年前に神経内科で撮影した脳のCTでは特に異常ありませんでしたが、脳への転移などは心配しなくても大丈夫ですか。49歳女性、乳がんの大きさ2センチ、リンパ節転移なし、硬がん、月一リュープリン注射を6回終了、タモキシフェン服用中です。よろしくお願いいたします。お返事お待ちしております。

1年前の検査で異常がなく、症状が進行していないのであれば、転移は否定的です。症状が進行するようなら、脳のMRIによる検査をお勧めします。(文責 徳田)

 

No.9753】  10年07月19日  T.N.
要精検

43歳主婦です。先月末、6年間続けている年に一度の乳がん検診でマンモグラフィーとエコーの結果、エコー画像に5ミリののう胞のようなものが見つかりました。のう胞なら、エコー画像では横楕円系、境界線明瞭のはずが、私のものはやや不明瞭で、縦に長く少々いびつな形をしているとのことで、2週間後MRI、針生検を勧められ、本日行ってまいりました。MRIの結果からかはわかりませんが、先生が検査内容を変えましたからとおっしゃって、一回チクッとしただけで終わりました。先生が退室後、いろいろ疑問が湧き始めて看護師さんに尋ねると、採血と同じような針で中身を吸ったら萎んだので、軽い検査で済んだとのことでした。エコー画面も丸いものが消えていました。その内容は、検査に出して、10日後に結果を聞きにきてくださいとのことです。毎年受けて来たのにかなりのショックで、今回の検査に覚悟を決めて挑んだのに、軽い検査だけで本当に良かったのか、とても不安です。この際、針を刺す検査をしてもらえばよかったのではないかと後悔しています。大丈夫でしょうか。また、細胞疹というもので、ガンかどうかがはっきりしますか? 内容物が何色だったかとか見せてもらえば良かったです。

最終的には、のう胞で、細胞診で吸引したために消失したものと思います。この場合には、細胞診の結果が良性であれば経過観察でよいと考えます。(文責 徳田)

 

No.9752】  10年07月19日  S
術後の治療について

1) 5月に右乳房の温存手術を受けました。術後の治療で、抗がん剤治療を受けるかどうか悩んでいます。病理検査の結果は、「浸潤癌(乳頭腺管癌)、リンパ節転移2個、ホルモンER(+)、PgR(+)、HER2 0、癌の浸潤径1ミリ以下、脈管浸襲なし、断端(−)」。リンパに転移あったため、レベルTUのリンパ郭清をしました。主治医からの説明ではありませんが、浸潤径が1ミリ以下と小さいのに、リンパ転移あったのは、癌の場所が腋の下に近いところだったためではないかと、自分では考えています。癌の核異型度は、浸潤が1ミリ以下で小さいため、不明。47歳、閉経前です。
病理検査の結果、主治医からは、術後の治療は、抗がん剤→ホルモン治療と言われていたのですが、その後化学療法科の先生から、抗がん剤が必要か再度検討したいとのお話があり、院内で再度検討した結果、あなたの場合、転移していたリンパ2つは、両方とも微小な転移。1〜2年前くらいから、リンパ節の検査方法が、以前の切って断面を見る方法から、すりつぶす方法に変わった。すりつぶす方法になってから、微小な転移も発見されるようになった。あなたの場合、以前の切って断面を見る方法だったら、発見されないような微小な転移で、その頃ならはリンパ節転移なし→郭清なし→ホルモン治療となっていたと思われる。すりつぶす方法になってからは、微小な転移が発見されるようになり、リンパ節転移あり→郭清あり→抗がん剤→ホルモン治療というようになっていた。しかし、ごく最近になって、こういう場合、リンパ郭清していたら、抗がん剤はやらなくてもいいのではないかという考えに変わってきた。(抗がん剤をやらなくてもいいのではと変化してきた根拠を伺ったのですが、明確な回答はありませんでした。) なので、あなたの場合、抗がん剤をせず、ホルモン治療だけでいいのではないか。と言われました。
抗がん剤治療をやるつもりでいたので、このお話は嬉しいことではあったのですが、本当に抗がん剤をやらなくてもいいものか、不安が残ります。治療の負担は少ない方がいいのですが、やはり一番大事なのは、再発しないことですから。私のような場合、抗がん剤をやるべきか否か、どのように判断したらいいのでしょうか?

2) それから、もう一つお聞きしたいのですが、私の場合、もし抗がん剤治療をやるとしたら、AC→Tが第一候補と言われたのですが、「がんサポート」という雑誌のなかで、ホルモン感受性陽性でHER2陰性という乳がんに多いルミナールAというタイプの乳がんには、アンスラサイクリン系抗がん剤、タキサン系抗がん剤は効果が低いと書いている記事がありましたが、それは一般的な評価なのでしょうか?
ルミナールAというのか何なのか、私がルミナールAなのかはわかりませんが、ホルモン感受性陽性、HER2陰性なので、この抗がん剤は効果が低いのかと思い、この考え方が一般的ならば、それも含めて、今後の治療について考えて行きたいと思います。

よろしくお願いします。

1) リンパ節転移の状況が重要です。0.2mm以下のバラバラのがん細胞の転移なのか、転移の大きさが、0.2mm<、2mm以下なのか、2mm以上なのか、今までのデータから、それによって予後予測が変わってきます。この点を主治医に十分伺ってください。また、浸潤径は小さいですが、異型度も重要と思いますので、再評価していただいてはいかがでしょうか。
2) 大切なことは、抗がん剤をしない場合と比べてどうかということです。腫瘍の大きさ(あなたの場合0.5cm以下)、リンパ節転移の数、がんのたちの悪さなどで再発の可能性を予測し、ホルモン剤だけでいいのか,抗がん剤も使った方がいいのかを総合的に判断すべきです。したがって、リンパ節転移が0なのか2個なのかは、大きな因子です。リンパ節の転移が2mm以下のもので、異型度が良好であれば、ホルモン療法のみで十分と考えます。(文責 徳田)

 

No.9751】  10年07月19日  T 
予後と生存率について

三年前に骨転移、ステージWー診断。術前抗癌8ヶ月ー全摘。放射線30回胸に当てる。骨ーゾメタで消える。現在、アリミデックスーフルツロンーエンドキサンー飲み薬。完治はないのはわかっています。予後ー生存率、お願いします。10年生きられますか?

再発後の平均生存期間は、たちの悪さや転移の部位によって、15か月−90ヶ月と、非常に幅があります。なかでも骨転移のみの場合は、予後は良好です。また、これらのデータは、治療法の進歩によって、年々改善しています。(文責 徳田)

 

No.9750】  10年07月19日  E.O.
セカンドオピニオンについて

初めてご相談いたします。4月に胸にしこりを見つけ、かかりつけ医より紹介をもらい、紹介先の病院にて、マンモ及び超音波検査を受けました。「ほぼ良性と思われるが、大きい(2cm弱)ので、外来手術で取って検査をしたほうが良いでしょう。針を刺しての検査もできますが・・・」との事で、しこりを取ったところ、悪性との診断。今はCT、骨シンチ等の検査中です。浸潤がんとだけで、まだ詳しい説明は受けていません。セカンドオピニオンを受けたいと思っていますが、腫瘍を取ってしまっているこの状態でも受けることはできますか? 初めの‘ほぼ良性’という言葉に、乳がんの勉強をせずに手術を受けてしまい、後悔をしています。今後はよく考えて納得できる治療を受けたいと思っています。よろしくお願いいたします。

もちろん、セカンドオピニオンを受けることは可能です。その際には、切除前の画像の他に、切除した組織の顕微鏡スライドも忘れずに依頼してください。(文責 徳田)

 

No.9749】  10年07月19日  T.K. 
タモキシフェン服用について

2007年12月に乳がん手術、その後、放射線治療を経て、2008年2月よりタモキシフェン服用しております。当初2年は生理が約40日おき、その後35日おきになっていたかに見えていたのですが、またここ3ヶ月ほど約40日おきに戻りかけていました。が、今月、45日を過ぎてもまだ生理がきません。タモキシフェンの副作用により、生理が来ないこともありえるのでしょうか? ご教示いただけますと幸いです。43歳女性。

月経周期がのびたり、不規則になることは、10%程度報告されています。(文責 徳田)

 

No.9748】  10年07月17日  T
腋窩リンパ節転移後の放射線照射(HPNo.9692-2

[No.9692]でご教示有難うございました。摘出術の結果、「周辺を探ったが、腫れたリンパ節は1個のみ」という事でした。病理検査の結果も、乳がんの転移と確認されました。ご教示を受け、前回受診時、放射線の事を主治医の先生に聞いた所、「現時点ではそこまで必要ありません。腫れるとか副作用のデメリットの方が大きい。薬は、次回から同じアロマターゼ阻害剤のもう少し強いのに変更します」との事でした。放射線照射を指示された場合、副作用で少し不安な事があり、聞くつもりだったのですが、不要との事で聞きそびれた事があります。今後の参考までに再度ご教示お願い致します。

1) 20年前、私の母が65歳の時、特発性間質性肺炎の為、入院後40日で亡くなりました。原因は不明だったのですが、放射線照射の副作用で起きる肺炎も、このタイプの肺炎と聞いた事があります(母は、放射線に関係していません)。そういう体質は、私にも受け継がれているのでしょうか?
2) その他の副作用等も考慮した上で、主治医の先生のおっしゃる通り、現時点での放射線照射は、不可欠の治療ではないと理解していいのでしょうか?

よろしくお願い致します。

1) 間質性肺炎では、酸素と炭素ガスを交換する働きのある「肺胞」の壁の構造が壊れてひきつれとなり、肺の働きが失われてしまいます。膠原病、薬剤じん肺、放射線、ウイルスなどが主な原因となりますが、お母様のように原因不明なものを特発性間質性肺炎といいます。その体質が受け継がれているかということに関しては明確なデータはありません。
2) 貴女の状態を一番よく把握してくださっている主治医が、放射線療法のメリット、デメリットを考慮した上で、デメリットが大きいとおっしゃっているわけですから、信頼していいと思います。いずれにしても納得のいく治療を受けることがたいせつですので、不安点、疑問点がある場合は、充分主治医とご相談ください。(文責 須田)

 

No.9747】  10年07月17日  K.K.I
線維腺腫について

初めて投稿します。私は40歳、子どもは2人います。今年3月、左胸にしこりを感じ、病院に行きました。マンモ・エコー・触診の診察を受け、左3cm(2個が重なってる疑い有)、右1cmのしこりがありました。診察の結果、左のしこりは悪性の可能性が高いとの先生の判断から、「針を刺すと細胞の形が変わってしまうといけないので、MRから先にしましょう。」と、言われました。先にMRをした結果、線維腺腫である可能性が高いと言われました。それでも、絶対にがんではないというわけではないので、細胞診を希望し、MRのときに右にもう一つ小さいしこりがあったので、計3箇所の細胞診をしました。その結果、線維腺腫だと診断され(ステージいくつとの説明はありませんでした)、経過観察のため3ヵ月後に検診を受けてくださいとのことでした。先日、その3ヵ月後の検診に行ってきました。左は特に変化はありませんでしたが、右の1cmの方が大きくなっているので(10mmx5mm→10mmx10mm)、1ヶ月後もう一度検査をすることになりました。(しこりの大きさははっきりした数字は覚えていません。これぐらいだったという大きさです。後、大きくなったしこりは、横長の長方形から正方形になったみたいな感じです。) 1ヶ月後の検査でさらに大きくなっているようであれば、切除を考えた方がいいと言われています。これは、がんだということなのでしょうか。右を取り除くことになった場合、左も切除したほうがいいのでしょうか。MRでがんと診断されなかった場合でも、そのしこりががんである可能性はどれぐらいあるのでしょうか。よろしくお願いいたします。

細胞診とMRI検査だけしかしていないのであれば、針生検もやってみたらどうかと思います。針生検だと、糸ミミズくらいの組織が採取でき、診断の助けになると思います。針生検で線維腺腫が確定的で、MR検査でもがんを示唆する所見がないのであれば、切除しないで様子を見てもよいかと思います。いずれにせよ、主治医とよく相談になってください。(文責 俵矢)

 

No.9746】  10年07月17日  K 
左胸の痛みについて

左胸の痛みについて質問させてください。28歳、二児の母です。生理不順、喉が弱いなどの体調不良?はありますが、大きな病気にかかかったこともありません。7/6くらいから左胸がチクチクというか、上から押さえられたように痛みます。我慢できない痛みではないのですが、持続的にです。何か病気は考えられますか? 昔からたまに息苦しさはありますが、それについては、5年以上前ですが内科で何度も見てもらったり、,心電図もとったことがありますが、異常はなかったです。この痛みと息苦しさが何ナノか知りたいので、考えられる病気を教えてください。ちなみに生理は不順で、四ヶ月ぶりにきた生理が終わって3日目くらいから痛み出しました。胸が痛くなる前は、なぜか左前歯が浮いたような感じになり、歯科へ行くと、虫歯ではないが神経の上が炎症を起こしていると言われました。治療をしてもらい、薬を飲んでそれはおさまりました。胸の痛みは一週間くらい続いています。金曜に乳腺外科へいき、触診、エコーをとってもらいましたが異常なしでした。日曜からは、左肩もコリとは違う感じに痛みます。肋間神経痛かもしれないとも思ったのですが・・・。

診察もしてないので、「何の痛みか」というのは非常に難しい質問です。ただ、乳房のあたりの痛みは、日常よく経験される症状であり、この場合は乳腺外科にいっても、内科にいっても異常なしというのであれば、少なくともその症状が、何か隠れた重大な病気のサインである可能性は非常に低いと思います。(文責 俵矢)

 

No.9745】  10年07月17日  T.K
全摘・断端陽性その後の治療について

いつも大変参考になります。過去検索してみましたが、同じような事例がなかったため相談させてください。40歳。4年前より乳腺症経過観察していましたが、今年4月に広範囲の微細石灰化があり、組織片でDCISと診断。左乳房全摘しました。術後病理結果→浸潤性乳管癌(ステージ1)リンパ節転移なし、ホルモン受容ER(+)Pr(+)、核異形度2、HER2+1、断端陽性。ほとんどがDCISだったが、一部浸潤(3ミリ)でした。浸潤は残念だったのですが、問題は広がりが予想より大きく、(DCIS部で6p)胸壁(皮膚側?)に取りきれなかったガンがいくつか残っている可能性があり、再手術しても今の状態では何もでてこないと見られる。よって今後の治療は、希望あればその部分のみ放射線、もしくはホルモン療法のみということです。全摘・リンパ節転移(−)等の場合の放射線照射のエビデンスがないようなのですが、迷っています。「多分胸壁(皮膚)再発はないだろう、このまま局所再発でしこりになるまで待ってから手術するのでよいのでは?」という医師の言葉に不安を隠せません。お伺いしたい点をまとめます。

1) 放射線照射は再発率を下げますか?
2) 胸壁(皮膚)再発率はどれくらいあると思われますか?
3) 核異形度が2ですが、中間リスクになりますか? おとなしいタイプの癌ですか?
4) MRIでないと映りにくい乳腺(石灰化)のため、DCIS状態で発見されなかったようですが、対側を予防的切除することは有効でしょうか?
 
お忙しい所すみませんが、よろしくお願いいたします。

1) 浸潤癌でリンパ節転移が多いもしくは腫瘍径が大きい場合には、全摘後の胸壁照射は胸壁再発のリスクを下げます。非浸潤癌もしくは浸潤癌で、温存療法を行った場合には、乳房への照射は乳房内再発のリスクを下げます。ここまでは、日本乳癌学会のガイドラインでも推奨されています。この場合は、いずれの場合にもあてはまらないので、胸壁再発のリスクをどのくらい下げるかは分かりませんし、推奨もされないと思います。
2) 乳房切除後の局所再発率は、年率3%以下だと思います。
3) グレード1は、いわゆる「おとなしいタイプ」と言われますし、グレード3ならばその逆です。グレード2は、そのどちらにも当てはまらないということになります。
4) 少なくとも本邦では、癌にまだなっていない乳房を切除することはありません。

この場合は浸潤径も小さいですし、ホルモンも陽性なので、ホルモン療法をなさるとよいと思います。ホルモン療法は、転移の予防だけでなく、対側乳癌の予防としても有効だと思います。胸壁照射を追加することは、照射の副作用が利益を上回るように思われ、一般的ではないと思います。(文責 俵矢)

 

No.9744】  10年07月17日  H
抗がん剤治療について

37歳、6月に左乳房温存手術を受けました。今、術後1ヶ月ほどになります。手術前の結果では、ステージTと診断されました。手術後の病理検査の結果は以下の通りでした。
所見
左乳房円状切除標本 Bp+SN、病変の占拠部位:C領域(#8,10)、浸潤部の大きさ:1.3×0.9cm 、組織型:Invasive ductal carcinoma,papillotubular carcinoma 、組織所見:f,ly(+),v(-) 、
核グレード:Grade2(3+1) 、センチネルリンパ節凍結戻し標本:転移を認めません[0/2]#1(-)[6分割]#2(-)[5分割]UICC:pTlc(1.3cm),pN0
免疫染色(#8の浸潤部で評価):ER(+;6=4+2)PgR(-) Her2(-) MIB-1 index:11%

7x7x2.5cmで切除されています。割面では径1.3cm大の灰白色腫瘤を認めます。組織では間質の線維増生や部分的な粘液沈着を背景に、核小体の明瞭な腫大核を有する細胞が不整管状、小胞巣状、策状を呈して浸潤増殖しています(#8,10)。浸潤性乳管癌(乳頭腺管癌)と考えます。断端陰性です。ICD code:C50,4,8500/31

主治医の先生からは、「抗がん剤治療→放射線治療→ホルモン療法」又は「放射線治療→ホルモン療法」のどちらかを選択するように言われました。自分の中では、再発だけはしたくないのと同時に、抗がん剤に対する抵抗もあります。乳がんの事だけを考えるのであれば前者を取る方がいいですが、副作用等のリスクを考えて治療方針を決めて下さいと言われています。年齢が37歳というのも少し気になるところですと言われました。

1) MIB-1とは脈管侵襲のことですが、index:11%は高い数値ですか? 低い数値ですか?
2) Grade2、脈管侵襲あり(11%)の場合、中間リスクになるのでしょうか? 中間リスクの場合、低リスクに近い結果なのか、高リスクに近い結果なのか、それとも中間なのか、どれぐらいの位置付けになるのでしょうか?
3) このような病理検査結果の場合、メリットとデメリットの差はどれぐらいあるのでしょうか? 半々ぐらいなのでしょうか?
4) 私の場合、抗がん剤は効く可能性はあるのでしょうか?  ホルモン療法だけでも十分効果はある結果なのでしょうか?
5) 「抗がん剤治療→放射線治療→ホルモン療法」と「放射線治療→ホルモン療法」の場合、再発のリスクはどれぐらい変わるものなのでしょうか? 相談室の中でよく出てくる「Adjuvant Online」ではどうなのでしょうか?

抗がん剤治療は「再発リスクの減少というメリットが副作用というデメリットより大きいと判断した時に行う」とも聞きました。閉経前なので、抗がん剤治療を行った結果閉経することも心配です。そういう事も踏まえ、最後に決めるのは自分自身であることは分かっていますが、一般的な考え方として参考にできればと思っています。よろしくお願いします。

1)MIB1は、ER PR HER2と異なり、統一された評価法などはなく、検査も保険適用でもないので、検査の結果も評価基準も施設によって異なる可能性があることをまずご理解ください。そのうえで、言いますと、おそらく11%であれば高いとは言えません。
2) St Gallen 2007のリスク分類で言うと「中間リスク」になります。St Gallen のガイドラインではこのリスク分類の考え方が希薄になっていて、それよりもホルモン受容体、HER2などの状況を重要に考えるような考え方になってきています。
3)4)5)Adjuvant on lineでは、化学療法をホルモン療法に上乗せすることで再発のリスクを<5% 死亡リスクを<2%下げるということになります。ERが陽性で、MIB1インデックスも高くないので、ホルモン療法のほうが抗がん剤より(どちらか片方を選ぶとすると)効果がありそうです。ホルモン療法に加え、抗がん剤を加えた場合、ホルモン単独に比べ、高々数%のリスク低減効果なので(Adjuvant on lineでは)、ホルモン療法単独でも十分よさそうです。しかし、年齢が若いため、もし抗がん剤で月経が永続的に停止した場合は、古くからされているホルモン両方の一種としての「卵巣摘出」のような効果も期待できます。乳がんの治療という観点から見れば閉経も有効と考えることもできます。

数%のリスク低減であっても、なんでもできる術があれば多少つらくともやってみようという考え方であれば、抗がん剤を行うのがよいかと思います。数%のリスク低減ならば、裏を返せば、90%以上の人にとっては化学療法は「やり損」になります。抗がん剤の副作用が気になり、数%のリスク軽減ならやり損になるし、やらないという考え方ならば、ホルモン単独でよいと思います。(文責 俵矢)

 

No.9743】  10年07月15日  M 
抗癌剤使用中の手術について(HPNo.9726-2)

9726でも相談させていただいた者です、ありがとうございました。結局白血球が3440だったので、また薬の量を減らして継続、白血球を上げる薬はよほどでないと投与しないで継続する方針だそうで、タキサンも3×3ならしてもいいが、あなたはホルモン中心だからと言われ、FEC6回でいいとあきらめました。
そんな矢先、肛門がずきずきするので肛門科に行ったら、「しこりがあるし、中で固い膿が触れるが、今の段階では小さすぎてどうにもできない、抗生物質の種類だけ主治医に聞いてください。ただ、いつ急激に悪化するかわかりません。」と、言われました。抗がん剤中に麻酔を使って膿出し手術は可能ですか? 今後痔ろうになるのは、ちょうど抗がん剤が終わった頃ですが、手術によって免疫が下がって、再発に結びついたりしないでしょうか ?

外来化学療法中でも肛門周囲膿瘍の切開、排膿は、可能です。切開ができるようになったら早急に処置すべきです。(文責 徳田)

 

No.9742】  10年07月15日  Y
化学療法について

09年8月、37歳時に右乳房摘出手術&腋下リンパ節郭清を行い、術後病理検査の結果、浸潤性乳癌(硬癌)、腫瘍径4×3×1.5cm、リンパ節転移無し、ステージUA、ER+、PGR+、HER2ー、化学療法+、脈管侵襲+、血管侵襲ー、悪性度3(○○3、○○2〜アルファベットがよくわかりませんでした)とのことで、9月よりノルパデックス服用とリューブリン注射を行っておりましたが、心臓の持病があり、心電図に悪影響が出て、主治医の内科医よりノルパデックスの副作用とのことで服用中止となりました。ノルパデックス服用中止後、心電図波形は元に戻り、現在はリューブリン注射のみです。その後、自分でも色々調べて、悪性度が高いことや腫瘍径が大きいこと、30代であること、ノルパデックスが飲めないこと、子どもがまだ小さいこと等を考え、抗ガン剤をプラスして再発予防に努めた方がよいのではと思っています。外科の主治医は、再発のリスクを少しでも減らしたいと希望するのであれば、心臓への影響を考慮し、やるのであればタキソール投与ということで話が進んでいます。ただ、先週のPET/CT検査結果で、「多臓器・骨への転移は認められないが、右腋下リンパ腺の軽度腫脹が見られる」とのことで、主治医によると、同じリンパ腺の軽度腫脹が3月のCT検査結果にもあるとのことでしたが、この間、風邪などは全くひいていません。これがリンパ節転移のはじまりでは?と不安に思っており、もしそうであれば使用する抗ガン剤のタイプ等が変わってくるのではと考えています。辛い副作用も多い抗ガン剤ですから、じっくり検討したいと思っています。リューブリンのみの私の場合、再発率と再発のリスクを下げるための治療(抗ガン剤の種類)は、どれが望ましいでしょうか?

主治医の指摘のように、心臓のことを考えると、タキソールあるいはタキソテールが第一選択になると思います。(文責 徳田)

 

No.9741】  10年07月15日  しょう子
骨転移について

2007年に左胸を全摘出し、4.5センチあったため,ステージUa、抗がん剤FECを6クール、その後ホルモン治療中で、アロマシンを飲んでいます。今年1月で3年目を迎え、1年毎のペット検査異常なし、定期健診も3ヶ月毎から半年毎になり、6月はじめに血液検査と触診、肺のX線異常なしでした。ところが、4,5日前に術側の左に寝返りを打つと、イテテ,イテテと何故か痛みがあり、起きて、自分で触って、どこが痛いのか確かめたのですが、骨が痛いのか、心臓が痛いのか、肺が痛いのか、良く分かりません。普段は忘れているのですが、その後も、何かした拍子に左胸がチクリと痛みます。ペットと血液検査と肺x線に異常が無くても、骨転移とか有りうるのでしょうか? 今まで骨に関する骨シンチ?とかの検査は受けた事がありません。CTもありません。1年毎のペットと、肺x線と、健側(右)のマンモ検査と3ヶ月毎の血液検査です。骨で無ければ心臓?と思ったり、FECを受ける前に、「これは心臓に負担がかかる副作用がある」と聞きましたが、3年前の抗がん剤の副作用が後から来たりするものでしょうか? 今度の検診は12月です。このまま放置しておいても良いのか、病院は、いつも大変込み合っていますので、これ位で予約以外で行くのも大袈裟な患者と思われるかと思ったり・・・。骨転移の場合の症状はどのようなものでしょうか? また,それを確かめる検査とは、どういうものがあるのでしょうか? お教下さい。

最近では、PETとCTを組み合わせた検査がおこなわれていますので、それで陰性であれば転移は否定的です。心臓由来の痛みも、症状から考えにくいと思います。やはり、手術創に伴う痛みが最も考えられます。症状が増強したり、持続的になるようであれば、主治医にご相談ください。(文責 徳田)

 

No.9740】  10年07月15日  M.T. 
検査結果がでました(HPNo.9715-2)

よろしくおねがいします。先日マンモグラフィにて石灰化を指摘され、ご相談させていただいた者です。40歳、未出産です。その後、乳腺科にて再びマンモ+超音波検査を行い、検査から1週間後の今日、結果を聞いてまいりました。指摘された石灰化は問題ないとのことでした。しかし、石灰化があった別の場所に超音波検査での異常を指摘されてしまいました。「しこりらしき影がある」とのこと。私も見ましたが、明らかに影があり、形としては横長の楕円形でしたが、イビツ、かつ、けっこうデコボコしていて、良いものの感じはしませんでした。マンモと触診では、特に異常は認められないようです。細胞診をすることになりました。しかし、いざ針をさそうと超音波で異常を指摘されたところを探すも、それらしき影がなかなか見つからず、技師の方も、針を持ってスタンバイしていたドクターも戸惑っている様子。異常を指摘された場所を何度もエコーをかけて、ようやく「これかな」らしき場所へ針をさして検査は終わりました。そこで質問です。

1) エコーで見えたり、見えなかったりするしこりはあるのでしょうか? 乳腺が多く、乳房もかなり大きいほうです。
2) 初めのエコーから細胞診のエコー検査まで1週間の間があいてますが、その間に病変が変化した可能性はありますか?(なくなった、小さくなってしまった等)
3) 以上のような細胞診になってしまいましたが、正しい判断は出来るのでしょうか? もう一度、検査しなおしをしたほうがいいのでしょうか?
4) 技師さんから、エコーでの所見が良く分らなかったとのコメントは、総合判断する乳腺科のドクターに伝わるのでしょうか?
5) エコーで見えたり見えなかったりする影は、乳腺症などの良性疾患の可能性が高いのでしょうか?

市の集団検診でマンモの石灰化以上を指摘されてから、早1ヶ月が経とうとしています。なかなか判断がつかず、眠れぬ夜を過ごしております。どうぞよろしくお願いいたします。

1)操作、観察する者に依存します。
2)のう胞のようなものでは、吸収されて消失することもあります。
3)確実に病変をとらえているかによります。担当医に伺ってください。
4)伝わるはずです。これも担当医に伺ってください。
5)恒常的ではない所見は、良性の変化と考えます。(文責 徳田)

 

No.9739】  10年07月13日  ハッピー
ノルバデックスとタスオミン

初めて相談致します。現在ノルバデックスを服用していますが、タスオミンに変えようか迷っています。効果はあまり変わらないと聞きますが、本当でしょうか? 2008年8月に乳房温存手術(扇状部分切除術)をしました。病理診断の結果は、グレード2、ER+、PR+、HER2−。転移はありませんでした。術後はホルモン療法で、ゾラデックス2年、ノルバデックス5年の予定です。

タスオミンはノルバデックスのいわゆるジェネリック医薬品です。タモキシフェンが乳がんの術後治療として有効であることを示されたもとになる臨床試験で使用されたのは「ノルバデックス」になります。タスオミンは臨床試験で使用された薬剤ではないです。しかし、その有効成分である、「タモキシフェン」を含み、副作用等はノルバデックスとほぼ変わりないということは、薬剤が承認されるときに示されています。効果はほぼ同じと思われます。(文責 俵矢)

 

No.9738】  10年07月13日  K 
乳房の痛み

28歳女性です。昨日の7日の朝方から左乳房がチクチクと痛くなりました。持続的な痛みで和らぐこともありますが、ほぼ痛い状態です。我慢できない痛みではありませんが、気になりましたので相談させてください。二児の母で、母乳で育てました。16、23で出産し、二人目出産後、25半ばまで母乳をあげていました。生理は不順で、最近四ヶ月ぶりの生理が来て4日前に終わったところです。生理痛はひどいですが、筋腫などはありません。あとは・・のどが弱いです。他に大きな病気もしたことがなく、至って健康だと思うのですが、この痛みは何なのでしょう? 乳房は、毛穴が目立つようになりましたが、これは歳だと個人的に思っています。返信いただけるのを待っています。

特に月経前には黄体ホルモンの作用により乳腺が腫脹して痛みを感じることがよくあります。おそらく、そのたぐいの「生理的な(=病気ではない)」痛みだと思います。熱があるとか、痛い部分の皮膚が赤く触れると熱いようなことが無ければ通常は心配いりません。(文責 俵矢)

 

No.9737】  10年07月13日  S
タモキシフェン

いつも的確なアドバイスをありがとうございます。先日、インターネットの記事で、第三十一回サンアントニオ乳癌シンポジウムで発表された「メイヨークリニックのタモキシフェン研究」で、タモキシフェンが働くには肝臓で代謝される必要があるが、それに必要なCYP2D6遺伝子が欠損している人はタモキシフェンの効果が薄いという記事を読みました。この研究の被験者は閉経後の方たちで、代謝不全の方たちは、代謝が活発な方たち比べ3.8倍の乳癌再発リスクがあるそうです。そのため、タモキシフェンからアナストロゾールに切り替えることを薦めているようですが、閉経前の女性が乳癌再発の予防としてタモキシフェンを飲む場合でも、もし、その遺伝子が欠けていた場合、タモキシフェンを飲むのは無駄ではないでしょうか? ある女医さん(乳癌患者さんで先ごろお亡くなりになりました)の書いたものには、30%の人に遺伝子の欠けがあるので、タモキシフェンを飲む人は遺伝子検査をしたほうが良いということを示唆したものがありました。伺いたいのは、この研究の被験者が閉経後の方たちなので、閉経前の人もこれと同じように遺伝子に欠損がある場合は、タモキシフェンが有効に働かないから飲んでも無駄であると考えてよいのかということと、この研究の成果自体は一般にどのように捉えられているかということです。現在通っている病院は、これ自体まだ評価が未定なものとしており、CYP2D6の遺伝子検査は行っていないということでした。タモキシフェンを飲み始めたばかりですが、効かないかもしれない薬を5年間飲むのは気がすすみません。遺伝子検査をしてくれる病院を見つけましたが、果たしてそれをやる価値があるのかということで迷っております。腫瘍の大きさ8×8×5ミリ、グレード1、Er90%Pr80%、Her2 0  断端陰性 脈管浸潤なし センチネルリンパ節2個とって0 部分切除  放射線30回  閉経前で放射線後、ノルバデックス20ミリを飲んでいます。よろしくお願いいたします。

CYP2D6は、タモキシフェンの代謝に関連する酵素ですが、この酵素の活性が低いもしくは欠失している方ではタモキシフェンの効果がそうでない方より劣る可能性が示唆されています。しかし、CYP2D6の活性が再発率や生存率に真に影響を与えるかどうかを知るには、もう少し今後の知見の蓄積を待つ必要があると思われます。CYP2D6の検査は保険適用になってはいないため、病院によって自費診療にする施設や、できない施設もあると思われます。また、その検査結果を治療に反映させるかどうかについても、まだコンセンサスが得られている事項ではないため、医師の考え方による部分もあると思います。まずは、主治医の先生とこの検査をするべきかどうか、またするとしたら、その結果に応じて治療を変えるのかについて話し合うべきだと考えます。(文責 俵矢)

 

No.9736】  10年07月13日  sstk
治療HER2,ホルモン治療について

47歳で、マンモグラフィで左乳房石灰化が、マンモトームで非浸潤性乳管癌が見つかりました。温存手術をした後、病理検査に出しましたが、その時にはリンパ節転移なし、しかし結果広がりがあり、2ヵ月後、再手術で、全摘+再建となり、最初の温存術の時に非浸潤性だけではなく、5oの浸潤癌も見つかりました。二度目の左乳房全摘手術を経て、再建準備と共に術後の治療検討の際の病理結果にて、「ホルモン感受性+,HER2+2,二度目はリンパ節の転移の検査はなし」との、主治医の結果報告がありました。主治医の先生のお話で、病理結果HER2陽性あるも5o未満の癌の為、再度詳細検査をしてからHER2治療又はホルモン治療検討と言われております。その間3週間があり、私としましても再手術をしたりとか、非浸潤癌で切除により完治可能と言われていたため、後後に色々と思ったようにならず、迷い、セカンドオピニオンも一度受けております。手術とは、あけてみないと判らないことはよく理解しているつもりですが、最終どのように判断し治療すればよいか、患者側としての認識不足もさることながら悩でおります。再病理結果で主治医の先生と相談前ではありますが、以上のことより、術後の治療についての最良の治療の見解をお教え願えればと思います。

乳管内にとどまっているのを乳管内がんと呼び、乳管の基底膜を破り乳管外に浸潤しているものを浸潤性乳管がんと呼びます。病変のすべてが乳管内がんならば、「非浸潤性乳管がん」と診断されます。病変を構成する成分の多くの部分が乳管内がんであっても、一部に浸潤がんが含まれていれば、「浸潤性乳管がん」と呼びます。相談者さんの場合は、このようながんだと思います。術前の診断よりも、乳がんの範囲が広く、追加切除となった部分に小さい浸潤部が含まれることも時々あると思います。HER2たんぱくは、免疫染色で(2+)とのことなので、FISH検査を追加してHER2遺伝子の増幅があるかどうかを通常確認します。HER2遺伝子の増幅があれば、HER2陽性と判定されます。ただし、この場合、いずれにせよ浸潤部が5mm未満なので、抗がん剤+ハーセプチンを行うことは治療としては過剰であるかもしれません。なので、あえてFISHで確認するかどうかは主治医の先生と相談なさってください。通常5mm以下の浸潤であれば、ホルモン療法のみでもよいかと、私は考えます。このあたりも主治医の先生とよくお話になってください。(文責 俵矢)

 

No.9735】  10年07月10日  W 
胸のしこりについて

はじめて投稿します。37歳の独身女性です。2年前に右胸の上中央寄りにしこりがあり、マンモ・エコー・細胞診で2pほどの乳腺線維腺腫と診断されました。その細胞診から急にしこりが硬く大きくなったように感じられましたが、検査のせいだと思い、特に気にしませんでした。それから2年後の今年5月しこりが痛みだし、病院にて再度マンモ・エコーの検査の結果、血流がしこりに流れているとかで、MRI・CTの検査をしました。その結果、4pにまで大きくなっていることと、丸いしこりのまわりに、もこもこと形が変形してることから葉状腫瘍の疑いがあるとのことで、私が拒否していた細胞診を再度して、今その結果待ちです。2年間で倍の大きさになるまで、まったく大きさの変化に気がつきませんでした。先生は、大きさからして、乳腺線維腺腫でも葉状腫瘍でも手術で切除をしたほうがいいとのことでした。その際、しこりの場所が場所だけに、直接しこりの部分を切除すると言ってました。私が一番気にしているのは、胸がもともと小さいので、切除をしたら胸がへこんだり、くぼんだり、変形してしまうのではないかということです。またケロイド体質なので、どれぐらいの傷跡になってしまうのか心配でなりません。また2年前は乳腺線維腺腫と診断されたのに葉状腫瘍へと診断が変化することがあるのでしょうか? 正直不安でなりません。返答よろしくお願いします。

腫瘤摘出術を施行すると、乳房の多少の変形や傷跡はどうしても生じてしまいます。また視触診やマンモグラフィ、エコーなどでは線維腺腫と葉状腫瘍の区別は困難なことも多く、葉状腫瘍が急速増大することで見分けることも少なからずあります。2年で2倍の大きさになったとのことですが、線維腺腫、葉状腫瘍のいずれも考えられます。いずれにせよ増大傾向ある腫瘤ですので摘出が必要と考えます。頑張ってください。(文責 谷)

 

No.9734】  10年07月10日  K 
術後の傷跡

母のことでご相談があります。母は15年前(当時46歳)で乳がんになり、乳房の全摘出手術をうけました。その後薬を飲み続け、10年以上たち、再発もありませんでした。他の傷跡は大丈夫なのですが、乳がんの傷跡だけケロイドみたいになっています。4年程前から、そこの一部分に穴みたいなものがあいて、そこから体液?(膿、血、変な汁)が出てきてしまいました。再発かと思い病院に行ったのですが、再発ではないとのことで、傷の中に白い膿の袋があり、それが出てきていると言われました。それを治すには、足の皮膚を移植して治すしかないと言われたそうです。母は足が悪いので、足の皮膚を移植したせいで、今度は足に負担がかかるのではないかと不安がっています。しかし、その体液がかなりの悪臭らしく、それが耐えられないそうです。傷口は今の酷いままでいいので、その体液を出てこないようにする治療はないでしょうか? 形成外科を受診したところ、このまま放っておくと皮膚癌になると言われ、乳腺外科では、このままうまく傷と付き合っていくしかない(皮膚癌になるとは言われませんでした)と言われました。形成外科と乳腺外科で言われたことが、相違するので混乱しています。本当に皮膚癌になるのでしょうか? 長々とすみません。よろしくお願いします。

直接拝見しないとお答えしにくいご質問ですが、以前の手術の際の残糸などの異物が原因で浸出液がでているとなると、根本的な処置を行わないと、いつまでも出続けることになるかもしれません。植皮は負担の少ない部分から採取できますので、そのため足に負担がくることはまずないと思います。また浸出液がいつまでも出続けると、その刺激で何年かすると皮膚癌の原因になる可能性はあるかもしれません。いずれにせよ、根本的な処置は避けられないように考えます。(文責 谷)

 

No.9733】  10年07月10日  H
5mmの腫瘍

はじめて相談させていただきます。先日5mmの腫瘍が見つかりました。詳しく検査するためにマンモトームをしましたが、5mmの腫瘍のうち2/3を取り、1/3体内に残りました(マーカーを入れています)。今のところ内視鏡手術を受ける予定なのですが、「その時にすべてをとってしまえば手術を受けなくても済むのでは?」と、素人考えで思うのですが、なぜ残したのでしょうか?
また、内視鏡手術の場合、入院期間はどれくらいになるのでしょうか? 看護婦さんに伺ったところ、傷が完治するまで3週間入院すると言われ、小さな子供もおりますので、とても不安なのですが・・・。

腫瘍が良性の場合は5mm程度ならマンモトームで取りきることも可能ですが、悪性の場合はどうしても周囲に残ってしまうため、いずれにせよ手術が必要となります。その際むしろ少し腫瘍は残っていたほうが手術しやすいと考えます。入院期間は施設によっても異なりますので、主治医の先生によくお聞きになってください。(文責 谷)

 

No.9732】  10年07月10日  KT 
腺腫切除術と乳房温存術

47歳。3人出産。閉経前です。
今年5月に左乳房2cm大のしこりで受診。超音波検査で線維腺腫と診断されました。その後、穿刺細胞診でクラスVでしたので、切除を希望しました。手術が決まった後、マンモグラフィーで砂を撒いたような微小石灰化巣が見つかりました。「石灰化部分の癌が心配」ということでしたが、「もし癌であっても、外科手術はこれでお終いになるから」ということで、6月に予定通りの日帰り手術、局所麻酔で切除しました(かかった時間は2時間程です)。手術前、血液検査と胸のレントゲン、心電図の検査をしています。
病理結果は、腺腫と思われた部分は、ほぼ癌でした。以下が結果です。病変最大割面21×14mm大。浸潤性導管癌(硬癌)。f,ly(−),v(−),断端・・切除断端から1mm未満の部位に腫瘍を認める。断端に熱変性のため、不明瞭ながら陽性を否定できない像を認める。脈管侵襲・神経周囲侵襲なし。管内進展あり(20×19×15mm大の範囲)。微小石灰化像を管内進展部に認める。核グレード2(核異型2、核分裂像2)。PT2。N0。ステージUA。 ER(10%以下。弱陽性)、PgR(陰性)、HER2(+3.陽性)。現在、放射線治療中(8回終了/30回)です。抗がん剤治療をやるかどうかは、まだお返事していません。腺腫切除術と乳房温存術では、手術の内容が違うように思うのですが、(日帰り・入院など)、大きく差はないのでしょうか? 「暴れん坊」タイプの癌ということで、今になって、癌の取り残しやセンチネルリンパ検査が行われなかったことに不安を感じています。

1) 局所麻酔・短時間での手術でしたが、結果は温存術だったという捉え方でいいのでしょうか? 再手術は考えなくてよいでしょうか?
2) センチネルリンパ節生検がされていません。報告書にも斜線が入っているだけです。リンパ節の転移はなしというのは、触診やレントゲンからの判断なのでしょうか?(一番心配しています)
3) 告知後、すぐに放射線治療の手続きがされました(院内に施設あり)。まだその時はホルモン受容体の結果は出ていませんでしたが、全部の病理結果がそろわなくても、治療を開始するものでしょうか?
4) 「断端が…陽性を否定できない」という程度のものは、放射線治療の5回、追加照射で大丈夫でしょうか?
5) ホルモン治療薬としてフェマーラが処方されましたが、閉経前でも使われる場合はあるのでしょうか?

勉強不足で、長々とまとまらない質問になり申し訳ありません。どうぞよろしくお願いします。

当初良性病変と考え摘出したところ硬癌だったということですので、一般的には追加手術施行するケースだと思います。特に仰る通り、リンパ管侵襲はないというものの腋窩リンパ節への転移の可能性は否定できません。断端の問題だけであればブースト照射も含めた放射線治療で十分とする考え方もありますが・・・。またフェマーラは仰る通り閉経後でないと効果が期待できないホルモン剤ですので、貴女には適当でないと考えます。主治医の先生とよくご相談なさってください。(文責 谷)

 

No.9731】  10年07月10日  ポポ
ゾメタについて(HPNo.9661-2)

ゾメタについて、もう少し教えてください。
1) ゾメタの点滴は、3週間に一度なのでしょうか。それとも4週間に一度なのでしょうか。
2) ゾメタの点滴が「4週間に一度」でも可能な場合、同じ日に、ゾラデックスを投与しても可能でしょうか。
3) Aが可能な場合、副作用(熱など)は強いのでしょうか。

よろしくお願いいたします。

1)2)3) ゾメタは乳癌などの骨転移に対して使用する薬剤であり、通常3〜4週間ごとの投与が推奨されております。また同時にゾラデックスなどのホルモン剤や抗ガン剤などとも併用して用いられます。併用しても副作用が増加して問題となるケースはほとんどありません。(文責 谷)

 

No.9730】  10年07月10日  H.S
生存率、再発率について

いつも相談室を読み、勉強させていただいております。No.9559、9589、9698 でお世話になり、ありがとうございました。遅い時間の返信、本当に頭が下がります。全乳房切除手術も無事終わり、病理検査の結果は、「大きさ3cmの非浸潤癌、広がりは乳腺、脂肪、ly0,v0、リンパ節転移認めず、断端―、ER・PGRともに3+、ハーセプテストー、核グレード1」でした。5oスライス標本の中に浸潤癌が隠されていることもあると聞き、手放しで喜べないと感じています。お忙しいところ申し訳ないのですが、アジュバントオンラインでホルモン療法(LH−PHアゴニスト製剤、タモキシフェン)を受けた場合、受けなかった場合の生存率、再発率について教えてください。10数年乳腺症(両胸)で定期健診を受けていた(近年は半年に一度超音波、年に1度MMG)にもかかわらず、片胸全摘となってしまいました。また、まだ子供も小さく、あとあと後悔のないようにしたいのです。よろしくお願いします。45歳閉経前です。 

アジュバントオンラインは浸潤癌の場合の予測データでありますので、貴女の場合は参考にできません。貴女の場合、非浸潤癌ということですので、生存率や遠隔転移の可能性はほぼ0%といってよいと思われ、また乳房全摘したということになると残存乳房内再発もありませんので、ホルモン療法を行う意義は対側乳房への癌発生の予防ということになります。通常ホルモン療法を行うことで対側乳癌発生は約半分に減少すると言われております。(文責 谷)

 

No.9729】  10年07月10日  KA
マンモトーム生検後の出血とCT造影剤

82歳の母のことで相談します。5月に右胸のしこりに気が付き、6月にマンモトーム生検をし、非浸潤性乳管癌と診断されました。7月中旬に手術予定で、現在病院から入院の連絡を待っています。私は母と遠く離れて住んでいます。6/7にマンモトーム生検を済ませ、6/17の結果を待っていました。6/13に母から電話がありました。
・右胸の半分から下(年齢的にかなり垂れ下がっているのでかなりの面積)が、真っ黒(紫ではなく)で内出血している。
・乳房ではなく、体の側面寄りにも内出血している。
・癌のしこりの1cm位上に検査前には無かった新たな石のように硬い大きなしこり(血腫)ができている。
・胸が2倍位に腫れている。 
と、いうことでした。

生検前にも生検日にも、主治医から内出血に関する説明はなく、昔堅気の母は生検後の自分の胸の状態を、そのようになるものだろうと思い、我慢していたそうです。私が電話しても内出血のことは言いませんでした。6/14に診察を依頼し、やはり内出血で、しこりと思ったのは血の固まり(血腫)、内出血はやがて黄色くなり、自然に治るということで、5ccのみ血を抜いたそうです。生検からすでに一週間がたっていました。現在は25日後になりますが、乳房の底の部分が黒く(紫や黄色ではなく)、乳房ではなく体の側面が濃い紫色です。石のように固かった血腫は、少し柔らかく小さくなった感じがするが、まだ硬く大きい(3px5p)そうです(母に電話で確認)。また、6/17の結果を聞く際 主治医に、生検や内出血によって癌細胞が再発・転移することはないかと聞いたところ、「わからない。」との回答でした。6/11付病院のHPに乳腺外科からのお知らせで、「マンモトーム生検はしばらく休止する。」と、ありました。6/7の母の生検で何か問題があったからかと、勘繰ってしまいます。また、母は、去年7月の泌尿器科でのCT検査の際、気分が悪くなり、泌尿器科の医師から、「造影剤を使うCTは今後しない。」と言われています。その前10数回のCT検査では、気分が悪くなることはなく、問題ありませんでした。乳腺外科の主治医からは、「CTでもMRIでも造影剤を使わなければ意味がない。一度気分が悪くなったら、今後造影剤は二度と使わない。」と、言われています。とりとめのない文章になってしまいましたが、伺いたいことは、

1) いろいろ調べてみて 内出血自体はよくあることと理解しましたが、 母の場合、一週間放置してしまったので、かなりの内出血があったようです。母のように大量に内出血することも、よくあることなのでしょうか。
2) せっかく非浸潤癌だったのに、生検の際の傷口から癌が乳管の外に出たり(浸潤)、他に転移するかもしれないのに、すぐに手術しなくて大丈夫なのでしょうか。特に大量に内出血してしまったために、そのリスクが高くなるのではないかと心配しています。
3) 造影剤アレルギーのためCT検査が出来ないので、超音波だけで手術をするということですが、超音波だけで、癌のひろがりについて綿密に知ることができるのでしょうか。
4) しこりが1.6cmなので、温存手術になりますが、上記A(浸潤・転移の可能性)・B(超音波はCTほど正確に癌のひろがりを把握できるのか)のため、全摘出したほうがいいのでしょうか。

82歳の母は、生検後の内出血を我慢してしまい、早く言わなかったことをいつも後悔し、私は、「電話ではなく、実家に戻り、母の近くにいれば 大量の内出血と、浸潤・転移のリスクを高くすることは防げたはず」と、いつも後悔し、母娘でいつも不安のため動悸を感じ、体の不調を感じています。母は高血圧のため心配しています。不安で病院に相談しましたが、「先生に伝える。」と言われたままです。どうぞよろしくお願いいたします。

1) マンモトーム検査は太い針で通常数か所組織を採取しますので、検査施行後暫時圧迫止血を行いますが、それでも血腫を形成してしまうことはしばしばあります。
2) 今回の内出血が癌の転移や浸潤を促進することはまずないと考えてよいと思います。
3)4) 通常CT検査は癌そのものの拡がりをみるというよりは、周囲のリンパ節や臓器への転移の確認の意味が大きく、造影剤アレルギーがあるため癌の拡がり診断が不十分になることはないと思います。よって、あえて全摘する必要もないと思います。(文責 谷)

 

No.9728】  10年07月10日  anony
LCIS術後の治療について

乳がん診断後の不安や疑問に対して参考にさせて頂いております。今後の治療などについて、ご相談させて頂きますのでよろしくお願いいたします。長文で申し訳ありません。
43歳、女性、閉経前、未婚・妊娠出産歴なし、近親者に乳がん・卵巣がん罹患者なし、高血圧治療中。H19/2007年:左胸の乳腺症診断(自覚症状なし。乳腺専門医受診・検査はエコーとマンモグラフィ)。H20〜21/2008〜9年:右胸の自覚的なしこりに対して線維腺腫診断(人間ドック検診・検査はエコーとマンモグラフィ)、H22/2010年2月頃より、この右胸のしこりに痛みが続き、大きくなってきたため、4月乳腺専門医受診。エコー、マンモグラフィ、細胞診・針生検では良性悪性の診断できず。医師からは、経過観察、あるいは腫瘤摘出による検査を提案され、腫瘤摘出をお願いしました。5月に組織切除した結果、「非浸潤性がん:Lobular carcinoma in situ.16X26X7mm in extent. Surgical margin involved by LCIS. 0mm (NIP-intraductal), 0.5mm
(INT-LCIS), 5mm (LAT-LCIS), 8mm(FOOT-LCIS),adenosisも認められる」とのことで、医師からは、がんが見つからない可能性もあるが追加切除の提案があり、了承しました。
6月に乳房の造影MRI検査後に追加切除術(乳房温存)を受け、「非浸潤性小葉がん:Residual lobular carcinoma in situ. Surgical margin 2.5mm free of carcinoma. 前回切除部分の近傍の一部の乳管内・小葉内にLCISの存在がうかがわれる」という結果でした。センチネルリンパ生検は転移がない性質ということ、悪性度・ホルモン感受性などはこのタイプでは調べないとの説明を受けています。今後はブースト照射を含めた放射線治療を予定しています。受診から手術まで気持ちが急いて、情報不足のまま事を進めてしまった不安を感じています。次の主治医診察までしばらく時間があり、また今になって、LCISは将来、両側ともに乳がんリスクが高いということなどを知り、どのような再発予防が適切かご相談いたしたくお願いいたします。

1) 閉経前LCISに対するリスク軽減に、タモキシフェン5年間投与推奨という報告があるようですが、今後の治療について、放射線治療のみというのは一般的でしょうか?
2) 初期治療後のフォローアップの検査(エコー, MMG, MRIなど)の適切な頻度はどのくらいでしょうか?
3) 現在服用している降圧剤はCa拮抗薬です。LCIS対象ではないですが、ARBやACE-Iは乳がん再発リスク低下(しかし肺がんリスク上昇)、β遮断薬は局所再発リスク低下という報告を読みました。乳がん主治医は変更する理由はないと考えています。高血圧主治医に強くお願いするほどの根拠のあるものでしょうか?

1) 非浸潤性小葉癌(LCIS)はそれ自体では転移する性質はありませんが、同側乳房や対側乳房に浸潤癌ができる可能性が高いことが問題とされております。よって治療というよりも、浸潤癌発生に対する対策が主体となるわけで、仰る通りタモキシフェン投与がしばしば行われます。放射線療法がどの程度効果があるかはあまり知られておりません。
2) 適切といえる検診の頻度はありませんが、毎月の自己検診と、半年〜1年に1度の受診位が適当であると思われます。
3) いくつかの降圧剤によって乳癌術後の再発率が減少するといった報告がされておりますが、まだ詳しいことはわかっておりません。私見では、貴女の場合あえて降圧剤を変えていただくだけの根拠に乏しいと考えます。(文責 谷)

 

No.9727-1】  10年07月10日  MK
ホルモン治療

初めてメールいたします。2005年5月に右乳房温存手術をし、5年間のタスオミン服用を今年の4月で終了しました。当時40歳で、現在45歳で、11歳、15歳の子供がおります。腫瘍の大きさ12mm×11mm、リンパ節郭清13個転移なし、ホルモンセレプター陽性、悪性度1+、断端陽性、放射線治療25回+5回、タスオミン、術後3ヶ月に1度エコー腹、胸、血液検査、1年に1度CT、マンモを5年間続けてきました。それで5年間特に異変はなく、左乳房に以前からある線維腺腫の変化もほとんどありませんでした。ただ不安なのが、ホルモン治療に関して何の選択肢もないままタスオミンを飲み続け、LH-RHアゴニスト、抗がん剤についても全く話に出なかったことが、ずっと引っかかっています。ホルモン治療中は、副作用でできたと思われる粘膜下筋腫で生理が重くなり、貧血が酷く、何度か1ヶ月タスオミンを中断して増血剤を飲む、という対応をしてきました。特には更年期の症状はなく、むしろ生理の期間が長く、薬が効いているのか不安でした。そして薬をやめてからは急に胸の張りや乳首の痛みが出始め、生理の周期も短くなり、相変わらず大量出血しているので心配です。もちろん子宮たいがんの検査も1年に1度はしております。担当医が乳腺の専門ではなく外科医でいらっしゃるので、あまり突っ込んでお聞きすることが出来ず、ここまできました。私なりに調べ、術後にセカンドオピニオンも受け、自分で納得して5年間過ごしてきたのですが、今日このサイトを知り、色々なご相談内容を見ているうちに、これでよかつたのかと不安感が押し寄せてきてしまいました。今後再発予防のため、何かありうる治療はあるのでしょうか?

乳癌術後5年間順調に経過され、何より喜ばしいと思います。メール内容から判断する限りでは、貴女の乳癌は断端が陽性であったこと以外にrisk factorはなく、また断端陽性に対しては放射線の追加(おそらくブースト照射)を行っているようですので、通常抗癌剤は使用せず、ホルモン治療のみで経過観察するのが標準治療だと思います。タスオミン単剤で使用するのがよいか、LH-RHアゴニストを加えるのがよいかは意見が分かれるところだと思いますが、いずれも標準治療と言えると思います。5年間のタスオミン服用を無事にクリアされたわけですので、今後は特に薬は使用せず経過観察のみが一般的と言えます。(文責 谷)

 

No.9727-2】  11年09月26日  MK
ホルモン治療(2)

2回目の相談になります。2005年の右乳房温存手術、放射線治療、5年間のタスオミン服用のみのホルモン治療後は、半年ごとの血液検査、エコーにあわせて1年に1度マンモ、CT検査を行ってきました。7月のマンモで石灰化の広がりがあるということで、8月にMRI、精度のいい?マンモの再検査をしました。結果、主治医の先生の診断は、「石灰化は8ミリ、広がり方は区域型?で、悪性を疑うものではあるが、6年前の手術の傷の癒着というのも良くあることだし、1年前のマンモでも石灰化があり(これに関しては先生が心配する範疇ではないと判断して私はお聞きしていませんでした)、もし悪性なら何らかの病変、しこりなどがでてきてもおかしくない。エコー、CTにおいては異常がない、ということから経過観察でもいいような・・・」というお話でした。私としては、6年前に治療した病院は乳腺専門でなかったことが引っかかっていましたので、再発などがあった場合は別の乳腺専門医にお願いしたいと漠然と考えていましたので、別の病院に紹介状を書いていただきました。その予約が今月の26日なのですが、お聞きしたいのは普通新たな病院ではどのような診察になるのでしょうか?

1) 勿論MRI、マンモの画像はお借りしていますが、マンモについては7.8月と受けているので、CTも含めて3ヶ月続けてマンモを受けるのは被爆といった意味で不安です。
2) MRIについては、マンモトームでの検査と考えていればいいのでしょうか。
3) 乳腺センターのある病院では、マンモトームの結果は当日でるのでしょうか? やはり1週間ぐらいはかかるのが普通ですか?
4) 局所再発の場合の標準治療は、どのように考えていればいいのでしょうか。

この状況で何を考えても仕方がないことですが、7月末に再発の可能性を示唆されてから2ヶ月過ぎているので不安が募ります。現在46歳ですが、前回もご相談しましたが、ホルモン治療としてはタスオミン服用のみで、生理がなくなるどころか、粘膜化筋腫(多少小さくなっているようですが)のため、常に生理の期間も長く、量も異常に多いという状態で6年過ごしていますので、乳がんへの影響性もとても気になります。アドバイスのほど、よろしくお願いいたします。

石灰化と一口にいっても、良性から悪性まで様々ですが、これが、患者さんはともかく主治医も振り回すやっかいな存在ですね。さて、ご心配の石灰化に対してですが、次の病院に行かれましても、恐らくエコー、マンモ、MRIはもう一度行うのが通常ではないかと思われます。施設により、機種により、各々の検査での写り方に若干の違いがありますので、次の精密検査へのステップを考えた時に、行った先の検査を受けた方が宜しいのではないでしょうか。被爆の心配も理解できますが、ここは必要な検査であることをご理解下さい。MRIは、最近では検診に使う報告もあるくらい、細かな病変も検出可能となっています。従って、MRIの結果と石灰化のある部位とが一致するようなら、マンモトームの検査を受けたほうが良いと思います。マンモトームの結果は通常1-2週間かかります。
局所再発の治療ということですが、温存した乳房内への病変が再発なのか、新規の病変なのかにより、若干考え方が異なります。再発としても乳房の中だけの病変(全身への広がりがない)の場合、新規の乳癌と同様の治療が可能です。一般的には、全摘が必要になるようですが、病変の広がり、残存された乳房のボリュームにもよるかと思います。先の見えない不安が大きいと存じますが、まだ、白黒もはっきりしていませんので、まずは、確実に診断をしてもらい、疑いが完全に晴れるまでは、突っ込んで検査を受けたほうが良いと思います。また、何かありましたら・・・。(文責 鈴木)

 

No.9726-1】  10年07月09日  M 
タキサンについて

ステージUbの50才、ホルモン強陽性、Her2陰性で、FEC4回目を控えています。主治医は、当初FEC6回を予定していたのですが、私がタキサンを希望したので考慮してくれています。ただ、20年前に造影剤でショック症状を起こし、タキサンでもアナフィラキシーが起きたらと、とても不安です。主治医も、「タキサンを加えても数%上がるだけで、ホルモン療法がよく効くのに・・・。」と、言っています。それでお聞きしたいのですが、タキサンのアレルギーが出た場合、FEC継続以外に選択肢はないのでしょうか? 自費でアブラキサンというのは、やりすぎでしょうか? 転移前に、やれる事は全部やっておきたいのですが・・・。

タキサン系抗がん剤で過敏症を起こす頻度は、他の抗がん剤よりは若干高めではありますが、添付文書上は0.2%程度とされています。造影剤に過敏症であるからといって、タキサンにも過敏症であるとは限りません。まずはやってみることでしょう。もしも 本当に過敏症症状が出て続行不能となった場合は、主治医の言われるようにFECを予定通り行い、その後にホルモン療法を行うのがよいかと思います。ホルモン強陽性とのことなので、ホルモン療法の効果が期待できますので、抗がん剤にそこまでこだわることはないと思います。(文責 俵矢)

 

No.9726-2】  10年07月15日  M 
抗癌剤使用中の手術について

9726でも相談させていただいた者です、ありがとうございました。結局白血球が3440だったので、また薬の量を減らして継続、白血球を上げる薬はよほどでないと投与しないで継続する方針だそうで、タキサンも3×3ならしてもいいが、あなたはホルモン中心だからと言われ、FEC6回でいいとあきらめました。
そんな矢先、肛門がずきずきするので肛門科に行ったら、「しこりがあるし、中で固い膿が触れるが、今の段階では小さすぎてどうにもできない、抗生物質の種類だけ主治医に聞いてください。ただ、いつ急激に悪化するかわかりません。」と、言われました。抗がん剤中に麻酔を使って膿出し手術は可能ですか? 今後痔ろうになるのは、ちょうど抗がん剤が終わった頃ですが、手術によって免疫が下がって、再発に結びついたりしないでしょうか ?

外来化学療法中でも肛門周囲膿瘍の切開、排膿は、可能です。切開ができるようになったら早急に処置すべきです。(文責 徳田)

 

No.9725】  10年07月09日  アリス
腫瘍マーカーについて(HPNo.9707-2)

先日はご意見を頂きましてありがとうございました。骨シンチの検査の結果、画像には異常が無かったのですが、腫瘍マーカーが以前より更に上昇していたので(CEA 3.4 CA15−3 58.7 NCCーST439 6.2)、PET検査をする事になりました。腫瘍マーカーの数値が高いから転移しているとは考えられないのですが、例えば画像にも写らず転移している可能性は高いと言うことなのでしょうか? 左半身のみに骨盤、股関節、膝、足首の痛みが毎日ありますが、強い痛みではありません。痛みがあっても画像には出ない場合もあるのでしょうか? 現在年齢は49歳です。抗ガン剤治療3年前より生理がありません。更年期のホルモンの影響もあるのでしょうか? PETで異常が無く、腫瘍マーカーが高い場合は、腫瘍マーカーの様子を見ていくしかないのでしょうか? この度もご意見をお聞かせ願います。

内容にもよりますが、乳がんで術後治療として標準的に使用する抗がん剤の場合は、抗がん剤治療を行ったあと無月経に至ることが多いです。若年者の場合は、しばらくして月経が再開することも多いですが、40歳を過ぎて治療を行った場合は、そのまま月経が再開しないことのほうが多いと思います。
画像検査(CTや骨スキャン、PET)では、病巣が1-2cm以上の大きさにならないと、写ってこないことが多いです。それより小さな病変があって画像上発見できないことも考えられますが、腫瘍マーカーが少し高値というだけでは必ずしも隠れた転移ではとは言えません。やはり、この場合は腫瘍マーカーの推移を追いながら、適宜画像検査を追加していくという対応をすることが多いかと思います。(文責 俵矢)

 

No.9724】  10年07月07日  G 
乳ガン治療の時の保険適用について

乳ガンで、骨に転移しています。小学校2年生と4年生の母親です。お忙しい折、お手数をおかけ致しますが、表記の件について教えてください。実は2月から5月まで化学療法で4サイクル終了し、7月から次の治療にかかっています。治療法は、「らぱちにぶ」と「ぜろーた」それに「ホルモン療法」になりそうですが、この場合、保険の適用が出来ないように聞いています。保険適用の可能性について教えてくださいませんでしょうか。よろしくお願いします。

ラパチニブ、ゼローダや多くのホルモン療法は日本では保険適応の薬剤でありますので、原則として保険診療での処方になります。主治医の先生にご確認していただきたいと思います。(文責 谷)

 

No.9723】  10年07月07日  みっちん
セカンドオピニオン

一年前にシコリを発見、近くの総合病院に検査をしにいきました。マンモ、エコー、細胞針の結果、クラス3との事で大学病院を紹介されましたが、マンモ、エコー、MRIと検査をし、良性との事でした。初めは3ケ月に一回通っていました。いつもエコーのみ、その後半年後にとの事で最近行ったら医師が変わり、エコー、針生検をしました。結果は悪性浸液癌との事、広範囲で切除しなければならない、もしくは全摘出と言われました。半年で良性が悪性に変わるものでしょうか? 初め行った時点で針生検をしてくれていたら、広範囲に切除したり、全摘出までなかったのではと思うと、ショックですね。再建手術も、胸にシリコンをいれて、乳首はシールだそうです。最近ではセカンドオピニオンを考えています。をする時は、どのような手続きが必要なんでしょうか? ご回答、宜しくお願い致します。

セカンドオピニオンを希望される場合、まずどの病院またはどの医師に意見を求めたいのかを自分で決定します。そのあと、その病院と連絡をとり、セカンドオピニオンを受け入れてくれるかどうかを確認します。受け入れOKなら、主治医の先生に紹介状と検査結果などの資料を用意していただいた上で、セカンドオピニオンの予約を取ります。セカンドオピニオンに行く際は、確認したい点をノートなどに整理したうえで受診していただきたいと思います。(文責 谷)

 

No.9722】  10年07月07日  かすみ 
プローベランペクトミーについて

健康診断時のマンモグラフィー検査で要再検査と言われ、乳腺外科へ回され、エコー検査を行った結果乳管拡張が見られた。洗浄細胞診でClass3、MRI検査で、「区域性の乳管拡張と淡い染色域→乳管内乳頭腫の疑いだが、非浸潤性乳管癌の可能性も否定できない」との診断です。確定診断および広がりを調べる目的で「プローベランペクトミー」を勧められています。なお、現状では腫瘤性病変はありません。局所麻酔で1時間程度の外来手術だとのことですが、本当に簡単な手術なのでしょうか。手術に伴う危険性も説明されていますが、どこまで可能性があるのでしょうか? また、病理検査の結果、「悪性」と出ても、超早期癌だから心配ないとのことですが、その場合も、手術によって、「がん細胞が他の場所へ散る」という恐れはないのでしょうか? アドバイスいただければ幸いです。

プローべランペクトミーとは治療と診断の両方の意味をそなえた乳房の部分切除術のことで、主に局所麻酔で行われます。局所麻酔のアレルギー以外大きな合併症は考えにくく、比較的安全な手術と考えてよいかと思います。もし癌であった場合、手術の際の癌の散布はよく懸念される事柄ですが、実際にはそのようなケースはほとんど起きていないのが現状です。貴女の場合、プローべランペクトミーを行うことで現状に対する的確な処置を行うことができるようになるため、是非プローべランペクトミー施行いただくことをお奨めいたします。(文責 谷)

 

No.9721】  10年07月07日  T 
がんの血行性の転移について

以前ご質問した際には丁寧なご回答をいただき、ありがとうございました。今回相談というか知りたいのは、乳がんの血行性の転移についてです。血行性の転移というものは、分かるものなのですか? 結果として、血行性の転移であったと考えられるということなのでしょうか。また、血行性転移の予後は、リンパからの転移と比較して、どう違うのでしょうか。転移しやすい場所というのはあるのでしょうか。
60代の母が、昨年夏、乳がんの温存手術を受けました。サイズは1センチ、両ホルモンは+、ハーツーは−、センチネルリンパ節転移なし、ステージ1の、一般的には転移の可能性が低い部類に入るものと思われます。ただ、術前の腫瘍マーカーで、CEAが4〜5、CA15−3が30〜40、BCA225が230程度など、いずれも基準値を少し超えていました。術後放射線治療を受けた直後は、いずれも基準値近くまで下がったのですが、その後、術前の数値近くまで上がってきています。また最近は体のだるさを訴えており、肝転移?と考えてしまいます。もちろん、肝転移を含む遠隔転移や局所再発等を知りたいのであれば、腫瘍マーカーや全身検査を受ければよいだけの話です。ただ、検査というものは逆に不安を増させるだけ、最悪転移を早く見つけるだけの結果になるのなら、何も知らず、今を何の不安もなく暮らす方がいいのではないかとも考えます。このような事情があるため、参考までに血行性の転移について知りたく、ご質問させていただきました。

乳癌の場合、リンパ行性の転移は腋窩から鎖骨上リンパ節または胸骨傍リンパ節への転移が多く、まれに脳や胸腔内へのリンパ行性転移も報告されております。一方で血行性に起きやすい転移は骨、肺、肝、脳などへの転移で、命にかかわる転移が多く認められます。お母様がだるさを訴えておられるのであれば、やはり採血やCT検査などの施行が必要と考えます。検査することで一時的に不安が生じますが、結果を見て安心できることも検査を受けることの大きなメリットと考えられます。(文責 谷)

 

No.9720】  10年07月07日  S.A. 
放射線治療について

放射線治療について伺います。5月31日に温存手術を受けました。病理は、とりあえず10日後に先生からきいた話では、リンパ転移なし、おとなしいタイプで断端(-)、癌はほとんど乳管内であり、更に詳細な結果を待って治療法を決めると言われました。術前の検査では、「・病期T ・大きさ18o×14o×6o ・ホルモン感受性はERorPgRともに(-) ・HER2+1」でした。この病院は、乳がんでは年間300例をこえる手術実績があり、地元では有名なのですが、放射線治療は薦めない方針で、再発の時は再オペになると言われました。断端に悪い細胞のある時だけ放射線治療をすると言われました。治療は、内分泌治療と化学療法でするそうです。普通、温存の時は放射線治療が標準治療となっていて、再発率も、した時としない時は25%は違うときいたのですが・・・。また、放射線治療は、遅くとも術後どのくらいまでに開始したらいいのですか。手術→化学療法→放射線治療とかでもいいのですか。

日本乳癌学会編集の「乳癌診療ガイドライン;放射線療法2008年版」では、乳房温存手術のあとは全乳房への放射線照射を強く奨めており、またその時期は術後化学療法を施行しない場合は術後8週間以内に放射線治療施行を推奨しております。また術後化学療法を施行する場合は、化学療法のあとに放射線療法施行することを推奨しております。(文責 谷)

 

No.9719】  10年07月07日  A 
大豆の摂取について

5年前に左乳の全摘出手術をしました。リンパに転移がありました。今のところ再発もなく元気にすごしておりますが、体重が増えすぎて、医者からも体重を減らすように言われています。テレビでやっているJダイエットという食事方法で今減量をしているのですが、大豆たん白と大豆サポニンの組み合わせの技術「ソイブリッドテクノロジー」をすべての食品に入れましたというくだりに気づきました。今、ノルバデックスを服用中です。 そういえば、大豆は女性ホルモンと同じ働きをするときいたことがあります。どのくらいの量の大豆をとってよいものなのでしょうか? 大豆をとると再発しやすいのか? 教えていただけるとありがたいです。 

大豆に含まれる成分であるイソフラボンに関しては、適量をとることで乳癌予防効果ありといったデータがある一方で、女性ホルモンであるエストロゲンに類似した作用があるため、乳癌の方には好ましくないという意見もあります。実際のところまだよくわかっていないのが現状であり、あまり気にせず、御自身にあった摂り方をされればよろしいのではないのでしょうか。(文責 谷)

 

No.9718】  10年07月07日  T 
リンパ節郭清について

リンパ節の郭清についてご相談します。39歳、両側乳がんです。左は3cmの硬ガン。皮膚に浸潤しており、明らかなリンパ節転移もあり。全摘、リンパ郭清予定。右は2cmほどの粘液ガン。皮膚浸潤はなし。センチネル生検で微小転移あり。皮膚浸潤は無いものの、乳頭直下のため全摘予定。現在、術前の抗がん剤治療中です。数値は忘れてしまいましたが、どちらもホルモン療法が効くタイプで、ハーセプチンはマイナスでした。現在悩んでいるのは、右のリンパ節を郭清するかどうかという点です。担当医からは、学会でも意見が分かれてるところだと言われました。片方だけなら何も言わずに取るところだけど、両側なので、術後のQOLを考えると残すのもありかと思うとも。もし、残したとしても、再建のため放射線は避けたいと考えています(放射線をかけると皮膚が伸びにくくなると言われたため)。微小ながらも転移があるのに、残しておくのは、かなりハイリスクでしょうか? 残すなら放射線はかけたほうがいいでしょうか? また、万が一そこから再発した場合は、手術してとればいいだけのことなんでしょうか? お忙しい中申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

センチネル生検の際の微小転移の扱いに関しては、主治医の先生がおっしゃる通り乳癌学会でも意見の分かれているところで、郭清するべきかどうかは乳腺専門医でも意見の分かれるところです。今回貴女のケースでは両側乳癌であり、対側は明らかにリンパ節転移ありとなると、術前術後の追加治療(補助療法)は左乳癌の進行程度で決定されることになります。よって右腋窩郭清を行うとすると、その意義は、可能性は低いながらも、もしリンパ節転移があった際にそれを取りきることができるといった点だけにあることになります。一方で、抗がん剤治療を今後も施行する可能性を考えるに、静脈穿刺をする観点より両手のむくみはぜひとも避けたいと思われ、その点からはせめて右側だけでも腋窩郭清および腋窩への放射線照射は避けたいと思われます。以上より、貴女のケースに関しては、右腋窩への郭清、放射線照射はともにせずに経過を見たいと私は考えます。(文責 谷)

 

No.9717】  10年07月02日  K.N.
今後の治療について

いつも勉強させていただいております。どうぞよろしくお願い致します。術前検査および術後の病理結果ともに非浸潤性乳管癌と診断されましたが、病理結果で断端陽性でした。そこで質問なのですが、非浸潤癌とは言え、断端陽性の場合、断端陰性に比べ局所再発率はどの程度高いのでしょうか。病理結果を受けて、主治医より放射線治療をしましょうと言われ、その時はなんの疑問・質問もなく治療することに決め、治療も先日終了しましたが、今になって放射線治療ではなく、「切除+再建」という選択肢はなかったのだろうかと考えてしまいます。温存とは言え、もともと乳房がとても小さいため、切除した箇所に周りの脂肪や乳腺をもってくることができず、乳房の3分の1程度が無くなり、見た目にかなり変形があります。局所再発リスクや放射線治療による今後の副作用を考えると、変形した乳房を残すことは正しい選択だったのか、主治医に他の選択肢についてなぜ聞かなかったのかと、今になって悩んでいます。局所再発のリスク、放射線治療の副作用を考えたとしても、残した乳房を「切除+再建」するという選択肢は一般的ではないのでしょうか。以上、お忙しいところ大変恐縮ですが、よろしくお願い致します。

非浸潤性乳管癌の術後断端陽性の場合、再切除あるいは放射線の追加照射(ブースト照射)など断端陰性の場合と比べて追加処置を行う場合が多く、単純比較することは困難です。しかし、追加処置をしない場合で考えれば、断端陽性例のほうが局所再発率は数倍以上高いものになると予想されます。このまま放射線治療を行うか追加切除を行うか、放射線治療の場合ならブースト照射を行うか否か、追加切除なら再度部分切除を行うか全摘にするか、さらに全摘の場合再建を行うか否かなど、貴女が考えておられるように選択肢は多く残されております。このまま迷ったままで治療を続けることは好ましくなく、是非再度主治医の先生とよく話しあっていただいて、方針を決定していただきたいと思います。(文責 谷)

 

No.9716】  10年07月02日  T 
のう胞内乳頭腫

今、36歳で、子供3人母乳で育てました。ただいま、10ヶ月の子の授乳中です。
去年8月に出産をし、11月に左胸にしこりを見つけました。(去年の5月に姉の乳癌が見つかった為、すぐ、私も検診に行ったのですが、異常なしとの事でした。妊娠中だった為、触診と超音波のみの検査でした。)
11月に乳腺外来を受診したところ、「濃縮のう胞」と言われ、3ヵ月後再診との事でした。姉が乳癌ということもあり心配だったので、今年2月に違う乳腺外科に行ったところ、のう胞内に気になるしこりがあるとの事で、細胞診をしました。擬陽性が出たので、針生検をして、陰性。「のう胞内乳頭腫」と診断され、様子を診る事になりました。しかし、のう胞がどんどん大きくなり、その後3回内溶液を抜いて頂いたのですが、1回目が130CC、2回目が180CC、3回目が150CCと、かなり溜まってしまいます。しかも、抜いてもすぐ溜まってしまって・・・。授乳中だからだろうということで、今日から断乳をすることにしたのですが、ここまで液体が溜まってしまうので、癌も否定出来ないし、
のう胞を取った方がいいだろうと言われました。「ただ、大きいので、手術でとるとなると胸の変形がかなりある事。良性だった場合、大きな傷を負ってまでもやることなかった・・と言うことになるけど、どうしますか?」と、先生に言われて、手術をすぐにするかどうか迷っています。「いつかは取った方がいい。断乳をしてのう胞が小さくなるかもしれないから、それから取るという選択もあるけど・・・、もし癌だった場合、待っている間に癌が進行してしまう。」と言われました。先生も、癌でのう胞がこんなに大きくなっているのか、授乳中だからなのか分からないみたいです。
すぐに手術をした方が良いと思いますか? 今のままの大きさだと、局所麻酔ではなく、全身麻酔でするようです。断乳後、のう胞が小さくなる可能性があるのなら、それを待ってから局所麻酔でしたいのですが・・・。針生検までして陰性と診断されたとしても、癌の可能性は高いでしょうか? セカンドオピニオンで、他の病院に一度診てもらった方がよいでしょうか?
来週に、手術をどうするかを伝えることになっています。お忙しいところ、申し訳ありませんが・・・急ぎ目で、返信して頂けたら嬉しいです。よろしくお願いします。

のう胞内腫瘍は画像検査だけでは良性悪性の区別がつきにくい場合も多く、貴女の場合も悪性の否定はできないと思われます。さらにのう胞自体大量の貯留があるようですので、やはり摘出するのが一般的と考えます。特に問題がないのであれば、全身麻酔で行うほうが局所麻酔よりは術中の苦痛も少なく、あえて局所麻酔にこだわる必要もないように考えます。しかし術後の創の管理を考えれば、できれば断乳後に手術施行が望ましいと考えます。よって、わたくしは手術を前提に断乳を行ってみることをお勧めしたいと思います。(文責 谷)

 

No.9715-1】  10年07月02日  M.T.
マンモグラフィ検査の結果について

40歳、未出産です。本日、市で行っているマンモグラフィによる乳がん検診にて、石灰化の集族を指摘されました。自分でも見ましたが、はっきりと光っていました。その場で触診していただきましたが、そちらは問題なさそうとのことです。今年の5月には会社の集団検診で乳房エコーのみ受けていますが、異常の指摘はありませんでした。35歳から毎年欠かさず検診を受けてきましたが、ついに異常を指摘されてしまいました。これからどうしよう・・・と、不安でたまりません。集族性のある石灰化は、やはり悪性の可能性が高いのでしょうか?

マンモグラフィでの集簇性の石灰化は、よくみられる病変のうちの一つです。集簇している石灰化自体の大きさや形によっても、さらに分類して悪性の可能性を考えます。集簇性の石灰化全般でみると、悪性よりは良性のほうが可能性は高いと言えます。(文責 谷)

 

No.9715-2】  10年07月15日  M.T.
検査結果がでました

よろしくおねがいします。先日マンモグラフィにて石灰化を指摘され、ご相談させていただいた者です。40歳、未出産です。その後、乳腺科にて再びマンモ+超音波検査を行い、検査から1週間後の今日、結果を聞いてまいりました。指摘された石灰化は問題ないとのことでした。しかし、石灰化があった別の場所に超音波検査での異常を指摘されてしまいました。「しこりらしき影がある」とのこと。私も見ましたが、明らかに影があり、形としては横長の楕円形でしたが、イビツ、かつ、けっこうデコボコしていて、良いものの感じはしませんでした。マンモと触診では、特に異常は認められないようです。細胞診をすることになりました。しかし、いざ針をさそうと超音波で異常を指摘されたところを探すも、それらしき影がなかなか見つからず、技師の方も、針を持ってスタンバイしていたドクターも戸惑っている様子。異常を指摘された場所を何度もエコーをかけて、ようやく「これかな」らしき場所へ針をさして検査は終わりました。そこで質問です。

1) エコーで見えたり、見えなかったりするしこりはあるのでしょうか? 乳腺が多く、乳房もかなり大きいほうです。
2) 初めのエコーから細胞診のエコー検査まで1週間の間があいてますが、その間に病変が変化した可能性はありますか?(なくなった、小さくなってしまった等)
3) 以上のような細胞診になってしまいましたが、正しい判断は出来るのでしょうか? もう一度、検査しなおしをしたほうがいいのでしょうか?
4) 技師さんから、エコーでの所見が良く分らなかったとのコメントは、総合判断する乳腺科のドクターに伝わるのでしょうか?
5) エコーで見えたり見えなかったりする影は、乳腺症などの良性疾患の可能性が高いのでしょうか?

市の集団検診でマンモの石灰化以上を指摘されてから、早1ヶ月が経とうとしています。なかなか判断がつかず、眠れぬ夜を過ごしております。どうぞよろしくお願いいたします。

1)操作、観察する者に依存します。
2)のう胞のようなものでは、吸収されて消失することもあります。
3)確実に病変をとらえているかによります。担当医に伺ってください。
4)伝わるはずです。これも担当医に伺ってください。
5)恒常的ではない所見は、良性の変化と考えます。(文責 徳田)

 

No.9714】  10年07月02日  M.O.
リンパ節への転移でしょうか?(HPNo.496-4)

9年ほど前に【HPNo.496-1〜3】で相談にのっていただいた者です。その節は、相談にのっていただき、本当に有難うございました。
その後、抗がん剤治療やホルモン剤治療の成果もあってか、毎年の定期検査でも異常なく過ごしてきました。
今年の検査で、RI検査、CT検査、腫瘍マーカーでは異常はみつからなかったのですが、超音波検査で、頸部のリンパ節(付近??)に球体の骨ではないものが写っている(直径6ミリ位のものが1個)という事で、針で細胞をとり検査をしました。結果がわかるのは10日程かかるという事で、今結果待ちの状況です。そこで質問なのですが、
1) 風邪などでも頸部のリンパ節が腫れると聞いて、今現在風邪をひいていると話したところ、「風邪で腫れる場合は左右のリンパ節が両方とも腫れて、数も多いはずなので、違うと思います。」との事だったのですが、それ以外の理由で腫れるのは、やはり転移の可能性が高いのでしょうか?
2) 手術の際に、鎖骨上下のリンパ節を取ってしまい、そこには転移はなかったのですが、9年経った現在、他の臓器より先に頸部に転移する事もあるのでしょうか?
3) 放射線治療も受けていた関係で、超音波検査のあと、放射線の先生が画像写真をみて触診したのですが、放射線の先生は、「これだったら、心配することはないと思いますよ。」と言っていました。もしかしたら、転移しているのかもしれないと思った後だったので、この言葉にとても励まされたのですが、放射線の先生は乳腺専門の先生ではないので、言葉を鵜呑みにしてはいけないのでしょうか? 
4) 転移していた場合、今現在もホルモン剤を服用しているのですが、それと併用して、どのような治療をしていくと考えればいいでしょうか??
5) もし転移していた場合、再発からの生存年数は2年〜2年半と、こちらの相談室内でもお見かけしましたが、頸部リンパ節の転移だけで再発するのに、9年の年月が経っている場合でも、この生存年数は変わらないのでしょうか? 

長文になってしまい申し訳ありません。10日待てば結果はわかるのですが、母も私もそれまでの時間がとても不安で、相談させていただきました。よろしくお願いいたします。

1)2)3) 頚部リンパ節が腫れる原因としては、風邪や口内炎などの口腔内の炎症または頚部周囲の炎症、口腔咽頭部の癌や乳癌などの転移などが考えられます。特に以前鎖骨の上下にあるリンパ節を郭清してある(とってある)とのことですので、乳癌の頚部リンパ節への転移が初再発となる可能性もあると考えられます。いずれにせよ結果を待つよりありません。
4)5) 乳癌の場合再発までの年数は重要な因子で、長い年数があるものは再発病変自体もゆっくりとした経過を示すことが多いので、それを踏まえてホルモン剤、抗癌剤、放射線治療などから治療計画を立てることになると思います。(文責 谷)

 

No.9713】  10年07月02日  Y
CA15−3の変動(HPNo.9699-2)

HPNo.9699の再質問です。アドバイス、ありがとうございました。主治医には今度お聞きすることにします。恐縮ですが、もうひとつだけ教えてください。
先日の検査ではCA15−3が33で、2ヶ月前の26に比較して7も上がっており、変動の幅が毎回大きくなっていて不安が増しています。ある相談室では、10くらい変動することもあるということですが、いかがでしょうか? 次の検診まで待てば良いのはわかっていますが、どうも不安です。よろしくお願いします。

腫瘍マーカーであるCA15-3の値を評価することは意外に難しく、貴女と同様の心配を持っておられる方も少なからずいらっしゃいます。貴女の場合、数年前からCA15-3が28前後で経過してきたとのことですので、今回33といっても、ここ数年の値とほぼ変わらないと判断します。逆に、もしこれまでの間CA15-3が10前後と低い値を続けてきて今回急に33となったのなら、次回さらに上がる可能性があると考えられ、少し気をつける必要があると考えます。また10くらいの値の変動はしばしばみられ、まったく気にしなくてよいと考えます。やはりあまり心配なさらず、次の診察までお待ちいただきたいと思います。(文責 谷)

 

No.9712】  10年07月02日  H.M. 
非浸潤性乳癌のホルモン療法について

よろしくお願いします。34歳、今月15日に乳癌のため右乳房を部分切除しました。腫瘍の大きさ 20mm×17o。 腫瘍の周りに影があったため、5cmの余裕を持って切除したとのことでした。病理結果は全て非浸潤性乳管癌、断端陰性、ホルモン受容体は陽性だそうです。今後の治療として、放射線25回照射・リュープリン注射4週に1回とノルバテックス服用をすすめられました。ホルモン療法についてなのですが、2種類の併用は必須なのでしょうか。単独使用と併用した場合と再発率に差があるのでしょうか。

非浸潤性乳管癌の乳房部分切除+放射線治療後のホルモン剤使用の意義は、患側乳房への再発の予防と対側乳癌の発生を抑えることにあり、これはいくつかのエビデンスでもって証明されております。よってノルバデックスの使用は必要と考えますが、さらにリュープリンを上乗せすることでこれらの発生をさらに抑えるかどうかのはっきりとしたエビデンスはありません。年齢も若くていらっしゃるので、よりしっかりとしたホルモン治療をとのことで2種類の併用を主治医の先生は考えておられるものと推察いたしますが、その分副作用もいくらか増加する可能性はあると思います。副作用がそれほど強く出ないのであれば2種類を併用してみるのも一法と考えますし、副作用がつらいようであればまずリュープリンを中止することを検討されてはいかがでしょうか?(文責 谷)

 

No.9711】  10年07月02日  H.M.
炎症性細胞浸潤を伴う間質反応について(HPNo.9696-2)

ご回答、ありがとうございました。主治医の先生にはよくして頂いているので感謝していますが、抗癌剤のメリットについての話がなかったので、素人の私としましては、専門の先生に抗癌剤で大丈夫と後押しして頂きたかったので、とてもありがたいです。主治医の先生に話してみます。今後、もし再発しなかったのなら、まだ残りの人生を考えたら、治療も短い期間です。がんばって治療に専念したいと思います。
追加質問ですが、炎症性細胞浸潤を伴う間質反応とはどういう事でしょうか? また、今回のように、初めは浸潤癌で後から非浸潤癌という事はよくある事なのでしょうか? 逆はよく聞くのですが・・・。嬉しい結果のはずなのに、どうしてもDCISを疑ってしまい、素直に喜べません。次から次に気になる事が出てきてしまい、いくつも質問してしまい申し訳ございません。宜しくお願いします。

炎症性細胞浸潤を伴う間質反応とは、病理学的顕微鏡検査の際の軽い炎症性反応のひとつで、本来どこにでも見られるものであまり気にしなくてもよい所見です。しかし今回のようにDCIS近傍にあると浸潤所見との区別が難しいため、微小浸潤癌の可能性も否定できないとコメントされているのだと思います。一般にDCISと診断される中にも一部浸潤を疑うケースは多く含まれており、貴女のケースも決して特殊なDCISではないように思います。診断を信じて今後の治療に前向きに臨んでいただきたいと切に願います。(文責 谷)

 

No.9710】  10年07月02日  じじ
新たなしこり(HPNo.9429-2)

前回はお返事ありがとうございました。また質問させていただきます。その後の受診で、恐怖心から結局細胞診検査を受ける事ができませんでした。先生からも、「そこまで怖いのなら、経過観察にしましょう」と言われ、「しこりが大きくなっていたり、変化があった時は、やはり細胞診をしましょう。」ということになりました。5月-エコー、視触診。しこりに変化がなく、半年後の11月の受診予定となりました。しこりがあると言われてから、常にしこり(?)に痛みを感じたりしていました。10日程前から、しこりのない方の胸にも痛みを感じ、気のせいかと思っていたところ、 コリッとするしこりらしき物を感じました。受診してから3週間位後の事で、診察で先生からは何も言われなかったという事は、その後にできたのでしょうか? 短期間でも自覚できる程のしこりができるのでしょうか? しこりは増えるものなのでしょうか? 次の受診まで待っていても大丈夫でしょうか? 今回はマンモグラフィは撮っていませんが、次回は撮影する予定です。お忙しい中恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いします。

毎日が非常に不安に感じておられる様子がメールからとても伝わりました。もちろんわたくしは直接拝見しておりませんので、想像でのお話が入ってしまうことはご了承いただきたいと思いますが、貴女の場合、今年の2月に左右の乳房を含めて詳しく精査をしておられ、今回までに右側乳房にしこりを触れる程度の「腫瘍」が生じる可能性は決して高くないと考えます。むしろ月経前の乳腺の変化など、生理的な乳腺の硬さである可能性のほうが高いように思われます。よって次の受診の際に主治医の先生に相談することで、わたくしは問題なしと考えます。しかし、月経が終わった後も「しこり」が気になるようであれば、心配を払拭するためにも一度受診をして主治医の先生に診察していただくのがよろしいかと考えます。「受診すること」は、病気を見つけるためにだけあるのでなく、安心を得ていただくためでもありますから・・・。(文責 谷)

 

No.9709】  10年06月30日  S.S
再発骨転移の母について2(HPNo.9621-2)

5月30日にご回答いただいたHPNo.9621『再発骨転移の母について』のS.Sです。その際は、ありがとうございました。状況に変化があったため、再度質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
5月半ばの検査でCEA、CA15-3ともに上昇した母ですが、6月16日の検査でCEA11.5で CA15-3は325と倍増したため、主治医から再度抗ガン剤を始めるという話がありました。その時「体調はどうですか。大丈夫であればまた抗ガン剤を始めたいと思います。」と言い、「今度の抗ガン剤は2週続けて投与して1週お休みというパターンで、副作用は前回(タキソール)のと同じような感じです。」とだけ言われました。これまで注射による投与のナベルビン、タキソールの時は事前に同意書のような物が渡され、抗ガン剤の名前、副作用等の説明を受け、体重を聞かれ、同意書にサインをするというような形でしたが、今回はこのようなことは一切なかったので、とても不安です。ただ、パソコンに『トポテシン』という文字を打ち込むのを見たので、おそらくトポテシンなのかな、と思っています。
そこで質問です。

1) トポテシン(カンプト)を調べてみたところ、副作用が非常に重いような、また、いろんな抗ガン剤をやり尽くした最後の薬というような印象を受けました。母は、抗ガン剤としてはゼローダ、ナベルビン、ウィークリータキソールの3種類しか使っていないのですが、ここでトポテシンを使うというのは、妥当なのでしょうか。また、74歳の母でも耐えうるのでしょうか。投与する時に主治医にも確認しますが、特に注意するようなことはありますか。 
2) タキソールを4クール終え、腫瘍マーカーも下がった状態で終わっていたので、再度タキソールを投与してくれるものと思っていたのですが、そうでない理由というのは何か考えられますか。今後違う抗ガン剤を投与した後、またタキソールを使うことはできるのでしょうか。

再発から5年近く高齢の母を診てくださった主治医を全面的に信頼していますが、やはり今度は不安が多くあるので、ぜひアドバイスいただけたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします。                  

遠隔転移とは、全身に散らばった癌の一部が氷山の一角として再び活動を始めたと考えると、癌の芽をすべて取り除くことは困難な状況になります。従って、遠隔転移の治療の考え方は、癌の治癒を目指すのではなく、進行を抑えたり、症状を和らげたりして、日常の生活の質が低下しないように、癌と共存することを目指します。

1) 前回まで、ゼローダ、ナベルビン、タキソールを使用しても腫瘍マーカーが上昇しているので、これらの薬ではコントロールできていないということになります。タキサン系薬剤を転移再発乳癌の一次薬として使用しているわけですから、次はアンスラサイクリン系薬剤が考えられます。トポテシンも転移再発に対する治療薬として、約20%の奏功率を示し、効果の持続期間は約5ヶ月です。副作用として、6人に1人の割合で下痢がおこります。早発型の下痢は投与中又は投与直後に起こりますが、一過性のものであり、一般にこの治療薬としては、ブスコパンを使用します。遅発型の下痢は、腸管粘膜の損傷によって起こります。トポテシンの活性代謝物(SN−38)が腸管粘膜を損傷させる場合がありますが、予防としては、ウルソ、アルカリイオン水等によって経口のアルカリ化をはかることです。また、漢方薬の半夏蕩心湯が有効であるとの報告もあります。
2) 一次薬としてタキソールを4クール使用しても腫瘍マーカーが上昇してきているので、もう一度タキソールを使うという選択肢はないと思います。

お母様の状況をよく把握してくださっている主治医と充分ご相談し、納得のいく治療を選択してください。(文責 須田)

 

No.9708】  10年06月30日  K.I. 
今後の治療について

ゾラデックス2年+ノルバデックス5年投与の予定で治療中です。ゾラデックス2年間を終え、ノルバデックスの内服のみ継続するようになって数ヶ月後より不正出血がみられ、子宮内膜の肥厚も認められたため、内服薬を休薬し、ゾラデックス再開となりました。再開して7ヶ月になります。現在、出血も治まっています。ゾラデックスは1年追加することになっています。経過をみてノルバデックスを投与、出血するのでゾラデックスを、このまま続けてもいいかも・・・と説明をうけておりますが、このような場合、今後どのような治療が考えられるのか教えてください。ゾラデックスは何年くらい投与するのが一般的なのでしょうか? 現在42歳です。2月の骨シンチで異常なかったのですが、半年ほど、前胸部の鈍痛(両側の鎖骨下から胸骨付近)が持続しています。「シンチで問題がなかったので、心配ないでしょう。」と言われているので、気にしないようにしているのですが、痛みが常に感じられ、時々不安になります。肺に転移すると、このような症状はありますか?

術後のホルモン療法として、閉経前では、LH-RHアゴニスト製剤(ゾラテックス)を2年以上と、抗エストロゲン剤(ノルバデックス)を5年間使用するのは、標準的な治療法です。ゾラテックスは2年以上ということになっていますが、ノルバデックスを使用している間は続ける場合が多いようです。
胸痛に関してですが、肺転移の症状のひとつとして完全には否定できませんので、スクリーニングの意味で、PET−CTを行ってみてもいいかもしれません。この検査での感度・特異性は高いとはいえませんが、肺・肝・骨転移の2cm以上の病変であれば描出できると思います。主治医とご相談ください。(文責 須田)

 

No.9707-1】  10年06月30日  アリス
骨転移について

3年前、化学療法による乳ガンの治療を半年間、その後乳房全切除、腋窩リンパ節郭清手術を致しました。手術後の先生からのお話で、リンパ節11個の内8個に転移が見られ、摘出した腫瘍の大きさが 5.5×4.5と聞き、辛い抗ガン剤治療のかいもなく愕然と致しました。現在の治療はホルモン療法(ノルバデクス錠20r)のみです。先日、術後3年の定期検診で、CT、マンモグラフィー、超音波には異常がみられなかったのですが、腫瘍マーカー【CA15-3 44,9】【CEA 2,9】【NCC-ST439 検査中】が高いので、骨シンチの検査をすることになりました。画像では異常がないのに、腫瘍マーカーで転移が分かることもあるのでしょうか? ハーツーは陰性ですが、陽性に比べて再発の可能性は低いのですか? 心配なのは、ずっと骨盤から股関節にかけて痛みが有ります。リンパ浮腫でスリーブをしているのですが、着けなくても脇の下も痛くて、スリーブが出来ません。骨に転移した場合は、どのような治療が考えられますか? ご回答、宜しくお願いいたします。

腫瘍マーカーが高値で、画像(例えば骨シンチ)と一致しない事は、多くはありませんが、珍しいことではありません。一般的には、HER2が陰性の場合、陽性の場合と比べて微小転移の確立が低いということになっていますが、貴女の場合はリンパ節に8個転移がみられるので、この限りではないと思います。骨転移の治療は、転移に対してはビスフォスフォネート、ホルモン療法として、閉経前ならLH-RHアゴニスト、閉経後ならアロマターゼ阻害剤などが考えられます。病気と前向きに闘うためにも、主治医と充分ご相談の上、納得のいく治療を選択してください。(文責 須田)

 

No.9707-2】  10年07月09日  アリス
腫瘍マーカーについて

先日はご意見を頂きましてありがとうございました。骨シンチの検査の結果、画像には異常が無かったのですが、腫瘍マーカーが以前より更に上昇していたので(CEA 3.4 CA15−3 58.7 NCCーST439 6.2)、PET検査をする事になりました。腫瘍マーカーの数値が高いから転移しているとは考えられないのですが、例えば画像にも写らず転移している可能性は高いと言うことなのでしょうか? 左半身のみに骨盤、股関節、膝、足首の痛みが毎日ありますが、強い痛みではありません。痛みがあっても画像には出ない場合もあるのでしょうか? 現在年齢は49歳です。抗ガン剤治療3年前より生理がありません。更年期のホルモンの影響もあるのでしょうか? PETで異常が無く、腫瘍マーカーが高い場合は、腫瘍マーカーの様子を見ていくしかないのでしょうか? この度もご意見をお聞かせ願います。

内容にもよりますが、乳がんで術後治療として標準的に使用する抗がん剤の場合は、抗がん剤治療を行ったあと無月経に至ることが多いです。若年者の場合は、しばらくして月経が再開することも多いですが、40歳を過ぎて治療を行った場合は、そのまま月経が再開しないことのほうが多いと思います。
画像検査(CTや骨スキャン、PET)では、病巣が1-2cm以上の大きさにならないと、写ってこないことが多いです。それより小さな病変があって画像上発見できないことも考えられますが、腫瘍マーカーが少し高値というだけでは必ずしも隠れた転移ではとは言えません。やはり、この場合は腫瘍マーカーの推移を追いながら、適宜画像検査を追加していくという対応をすることが多いかと思います。(文責 俵矢)

 

No.9707-3】  10年08月08日  アリス
検査結果について

度々、ご相談に乗っていただき、心強く、大変感謝しております。PET検査で、「上咽頭部と左腋窩〜左鎖骨窩にかけて淡い集積を認める。」という結果を聞き、耳鼻咽喉科(頭頸部外科)で検査したところ、上咽頭部に異常は見られませんでした。左腋窩〜左鎖骨窩にかけての淡い集積については、ホルモン療法をノルバデックス→フェマーラ2.5rに変更して様子を見ることになりました。依然として腫瘍マーカー CA15-3 64.9と、上昇が気になります。CA15−3の数値が上がり続けているということは、転移の可能性は高いと考えて間違いありませんか? 左腋窩〜左鎖骨窩にかけても淡い集積は、今後はっきり画像に出てくる可能性もあるのでしょうか? 脇の痛みは以前から変わらずあり、リンパ浮腫の治療のためのスリーブも医師から一端中止するように言われて、着けていませんが、更に浮腫が2p→3pと増えているので心配です。はっきりした結果が出ず、不安な毎日です。なにかアドバイスがあればお聞かせください。宜しくお願いいたします。

腫瘍マーカーCA15-3の数値が上がり続けるのは、やはり転移の可能性が高いと考えます。左腋窩から左鎖骨窩にかけての集積が今後はっきり画像に出てくる可能性があります。(文責 石川)

 

No.9706】  10年06月30日  B
生理の再開

以前ご相談にのって頂きましたBです。その節は大変お世話になり、ありがとうございました。私は現在46才4ヶ月で未婚、出産経験はありません。2006年10月に両側を温存手術し、グレード3で、リンパ節転移はなしでした。腫瘍は1.5cmで、ハーツーなし、ホルモン感受性ありでした。放射線治療後、2006年12月末から、ゾラ2年タモ5年の治療中で、ゾラは2008年の11月で予定通りに終了しました。タモは現在3年6ヶ月めです。2009年の年始から不正出血が続いたために、婦人科を受診、子宮内膜ポリープの切除手術を2009年3月に受けてからは異常ありませんでした。生理は2007年2月からずっと止まっていたので、閉経したものと思っていましたが、昨日から再開したようです。不正出血の時とは明らかに様子が違います。私の年齢で生理が再開することは、珍しくないのでしょうか。私としては、不安を感じつつも、少し嬉しい気持ちもあります。予定通りの治療を続けて良いのでしょうか。

術後のホルモン療法として、閉経前では、LH-RHアゴニスト製剤(ゾラテックス)を2年以上と、抗エストロゲン剤(タモキシフェン)を5年間使用は、標準的な治療法です。閉経前の女性は、脳の視床下部から下垂体へ「性腺刺激ホルモン放出ホルモン」が出されると、下垂体は卵巣へ「性腺刺激ホルモン」を出し、それによって卵巣はエストロゲンを産生します。ゾラテックスは、視床下部からの「性腺刺激ホルモン放出ホルモン」をブロックして、卵巣でのエストロゲン産生を阻害する作用があります。貴女の場合は、ゾラテックスを終了することによって、上記メカニズムで卵巣がエストロゲンを作って子宮に作用し、月経がみられたのだと思います。タモキシフェンは、ホルモン感受性を持っている癌細胞の受容体をふさぐ役目ですので、月経の有無にかかわらず5年間使用します。従って、予定通り治療を継続することになります。(文責 須田)

 

No.9705】  10年06月29日  H 
ホルモン療法

いつも拝見させていただいております。2005年12月40歳で左全摘出後、リュープリンを4年、ノルバデックスを4年半のホルモン治療を受け、ノルバデックス服用をあと半年続け、その後は無治療になる予定です。UA期で、悪性度は高いということでした。先日、「早期乳がんの再発リスクは長期にわたり高く、このリスクは最低15年間続く。」という記事を読みました。同時に「アリミデックスのベネフィットが実証された」ということも読みました。私のような場合も、今の治療終了後に閉経を確認できれば、アリミデックスを服用することは有効でしょうか? 今は、リュープリンは受けていませんが、生理はもどっていません。ご回答をよろしくお願いいたします。

ご質問をどうもありがとうございます。とても良く勉強なさっていますね。基本的には、閉経前乳がんにおける術後治療としてノルバデックスを5年継続後の治療については、まだ答えが出ていません。45歳で閉経するかどうかは不明ですし、今生理がないのは、ノルバデックスの影響もあるかもしれません。ノルバデックスを止めて血液中のホルモン計測をしていただいて、きちんと閉経かどうかを確認しないと、閉経後乳がんに有効なアリミデックスの効果は不明であると思います。主治医の先生とよくご相談なさって、御希望に添う形での治療をお受けになってください。副作用とのバランスをみながら、ホルモン治療を継続なさることは、決して間違いではありません。またご心配なことがございましたら、いつでもご相談くださいませ。今後ともよろしくお願い申し上げます。(文責  高橋)

 

No.9704】  10年06月29日  S
再発率(HPNo.9478-4)

前回HPNo.9478でお世話になり、ありがとうございました。無事、放射線を終え、多分ホルモン療法に入るようになると思います。現在50歳ですが、20歳くらいから偏頭痛に悩まされており、特にこの15年くらいは、生理の前になりやすく、ゾーミック、ポルタレン座薬などでしのいでいるため、ホルモン療法が偏頭痛を増発するのではと恐れております。あまり偏頭痛がひどくなる場合は、ホルモン療法を断念しなければならない場合もあるかと思い、そのため、自分の再発率をしっかり知りたいと思いますので、この相談室にたびたび出てくるAdjuvant onlineで再発率を算出していただけないでしょうか? 乳管浸潤がん(硬がん)8×8×5ミリ グレード1 センチネルリンパ節 2個とって0(リンパ節浸潤なしということでリンパ節温存 脈管浸潤なし Her2 0 ホルモン受容体 80%と90%(どちらがPrか、Erか分かりません) 断端陰性 放射線治療、追加照射を含め30回、現在50歳。どうぞよろしくお願いいたします。

ご質問をどうもありがとうございます。あくまでも参考としてご覧下さいませ。Adjuvant onlineでは、無治療での10年生存率は95%です。そして、無治療の場合の10年後の無再発生存率は83%です。再発率は14%。ホルモン治療により、10年後の再発率は5%抑えることができます。抗がん剤により、10年後の再発率は3%抑えることが出来ます。そして、両者を組み合わせると7%の再発を抑えることができます。以上のデータがでました。主治医の先生にもご確認下さいね。またご心配なことがございましたら、いつでもご相談くださいませ。今後ともよろしくお願い申し上げます。(文責  高橋)

 

No.9703】  10年06月29日  wanwan   
肋骨骨折について

2008年5月、44歳の時に左側の胸を非浸潤がん1.2cmで温存手術後、放射線治療を受けました。2グレイを5週間という方法ではなく、その病院では一回の照射量を増やして3週間程度で終わるというものでした。今年4月に風邪をこじらせ、ひどい咳が続いた後左胸が痛くなり、なかなか痛みが収まらないので3週間後に病院に行ったところ、5番・6番の肋骨が2本折れていることが分かりました。診断後6週間経ってレントゲンを撮りましたが、まだ折れたままで、回復のきざしはあまり見えていないようです。寝返りの時や、何かを持ち上げようとする時など、痛みもまだ少しあります。このまま治らないのでしょうか。また、折れたまま仕事(軽作業ではありますが荷物を動かしたりする仕事です)を再開しても大丈夫でしょうか?仕事は5月から休んでおり、今は代わりの仕事として事務を任されています。

ご質問をどうもありがとうございます。整形外科医ではないので、正確なお答えができるかどうかは分かりませんが、出来る範囲内でお答えいたします。放射線治療の後遺症として、骨折しやすくなる可能性は確かにゼロではないと思います。そして治りはゆっくりとなることもあり得ます。しかし、基本的には肋骨骨折は肋骨のずれが起きないように、できるだけ安静にしてくっつくのを待つのが良いと思います。体を動かしていると、付きかけた肋骨がずれて治りが悪くなってしまいます。あまり長期間くっつかなければ、手術が必要になる可能性もあります。くわしくは整形外科の先生にもお尋ねくださいませ。状況を良くご存じなのは、主治医の先生なのですから。お仕事を始める前に、必ず主治医の先生にご確認下さいませ。またご心配なことがございましたら、いつでもご相談くださいませ。今後ともよろしくお願い申し上げます。(文責  高橋)

 

No.9702】  10年06月28日  Y  
マトリックス産性乳癌について

マトリックス産性乳癌について 教えてもらえないでしょうか? とても 珍しく、 最近わかったものだと聞きました。 ネットや本などでは 出てきません。それ程 症例が少ないのです か? どのような タイプの癌なのですか? 現在症例はどのくらいあるのでしょうか? ヨロシクお願いします。

ご質問どうもありがとうございます。Y様にそのように診断がついたのでしょうか。あるいは御家族でしょうか。稀な病気であれば治療法もきっと難しいのではないかと考えて不安になってしまいますよね。私たちも論文で目にすることばかりで、実際にはほとんど経験がありません。ですから各施設が論文や発表をもっともっと積極的におこなっていくしかないと思います。それが皆さまの不安の解決につながると思います。
マトリックス産生乳がん(基質産生乳がん)はまれな疾患で、タイプ的にはトリプルネガティブ乳がん、すなわちホルモンレセプター(エストロゲンレセプター、プロゲステロンレセプター)およびハーセプテストが陰性(ネガティブ)であることが多いようです。従って、これが有効であるという抗がん剤はいまだ発見されておりません。今できる治療は、アンスラサイクリン系とタキサン系を組み合わせて再発予防をおこなうことです。一部にトリプルネガティブ乳がんに対し、アンスラサイクリン系の効果は不明という報告はありますが、不明であることイコール無駄な治療ではありません。可能な治療を確実におこなって行くことが大切です。不安はたくさんあると思いますが、今ある情報の中で最高と思われる選択肢を選んでいくしかありません。人生にはじめから答えなんてないのですから。あなたが答えを作っていくのです。またお困りの時にはいつでもご相談くださいませ。(文責 高橋)

 

No.9701】  10年06月28日  ym  
抗がん剤の治療について(HPNo.9554-2)

No.9554で質問した者です。43歳 左乳房全摘+センチネルリンパ生検を受けました。センチネルは陰性で、リンパ節隔清はしていません。術後の病理検査結果は以下の通りです。
浸潤性乳管癌(硬癌)、腫瘍径25×21×19mm、脈管侵襲:ly1、v0、組織学的悪性度:グレード3、エストロゲン受容体 3+、プロゲステロン受容体 3+、HER2 陰性、
リンパ節:センチネルの3つのうち2つにIsolated tumor cell もう1個取ったものには 0/1、よってpN0(i+)とのこと
前回相談させていただき、考えた結果抗がん剤を行うことに決め、FEC100を2クール終了し、来週3クール目を行う予定です。
副作用がきつく、色々悩みが生じてしまい、再度ご相談させていただきたく思います。

抗がん剤の至適回数について
1) 日本乳癌学会のガイドラインでは、AC、ECは4クールで、FEC、CAFなどは6クールとなっています。ECとFECのEC部分は、薬の種類・量・3週毎投与と、そんなに変わらないと思いますが、FがついたFECは、なぜ6クールの必要があるのでしょうか? エビデンスとなる論文でも、3クールより6クールが優れるとしかなく、それもFEC50での比較ですし・・・。また、CAFにおける用量比較の論文(乳癌学会薬物療法ガイドラインCQ28-10)では、CAF300/30/300 4サイクルと、400/40/400 6サイクルと600/60/600 4サイクルの比較で、DFS、OSともに600/60/600 4サイクルが優れていました。FEC100も4クール行えば、6クールと同等の効果が得られるとは考えられないでしょうか?

2) 上記の質問をしたのは、初めに化学療法を行うか検討したときに、主治医との話で、「EC4クールを行っている病院もあり、FECは基本は6クールだが、きつければ4クールでも可」ということではじめたのですが、2クール終わった段階で、毎回投与日には一晩中嘔吐でトイレにこもりきり・10日間くらい倦怠感で寝込む・発熱性好中球減少を起こし、G注射2本打ち、腰が割れそうに痛くなる・血管痛が生じる等副作用が比較的強く、特に血管をなるべく傷めたくないと思い、4クールと6クールでそれほど効果に差が無いなら、4クールで終了したいと思うようになりました。(吐気対策はカイトリル、ステロイド前点滴のほかイメンドも服用し、座薬も出してもらい、高リスクで対応してもらっていますが効かないです。)  (この程度の副作用は普通なのでしょうか? 命の危険があるレベルで途中終了を考えるべきでしょうか・・・) 私の場合、4クールで終了するより、ギリギリまで頑張って6クール完遂する方が良いと思われますか?(またはできる限り、5クールとか)

3) 先日主治医に、「6クールはきつそうだが、4クールで終了しても大丈夫か」と相談しましたら、「4クールでも良いかもしれない」といいつつ、「6回きちんとやった方が無難。4クールで終了するなら、その後タキサンを4クール追加するか、ホルモン療法で卵巣抑制を長くやる(エビデンスはないが)。」と言われました。「4クールで終了するなら追加が必要」ということは、4クールと6クールでは効果の差があるのですか?と聞いた所、「差はそんなに無い」とのことで、混乱しています。目標としているのは治癒を目指す事です。私はどんな治療をすれば良いのでしょうか?  私の病理結果からは、(リスクに応じて化学療法考慮)→ホルモン療法 であり、主治医からは、ホルモン療法で10年無再発生存率80-90%、抗がん剤 (FEC100×6または4)を追加すると、5-7%くらい上乗せ効果があるとのことで、目標は6回、きつくても4回は頑張ろうと抗がん剤治療を始めたつもりです。 
3-1) 4クールと6クールでそんなに効果に差が無いとの事なのに、タキサンを追加しなければならないというのは、私は再発の危険性が高いということでしょうか? 私にタキサンは必要ですか?
3-2) 卵巣抑制を長く(おそらく2年のところを3年とか5年)することによって、無再発生存率の向上は見込めますか?
3-3) 私の場合、FEC6クールと、4クールで終了し卵巣抑制を長く行うのとどちらが無再発生存率の向上に効果がありますか?
3-4) 私の場合、FEC4クールで終了し、予定通りのホルモン療法(卵巣抑制2年+TAM)では不足ですか?
   
4) 血管痛(血管炎?)について
前回の点滴中に血管が痛くなり、今も頻繁に痛みます(漏出は無いです)。血管痛は一生治らないと聞き、治療継続の気持ちがかなり揺らぎました。医師に伝えたところ、「この位は皆硬くなる。6クールやるから、今血管を変えたら潰れる血管が増えてしまうから、後1回同じところを使いたい」と言われました。絶望的な気持ちになりました。たしかにもっとひどい後遺症が残る人も多いかもしれませんが、だからといって、これ以上この血管に点滴されたら、ひどくなるのがわかっているので嫌なのですが、甘いのでしょうか? 4クールで終わる(血管がこれでは6クールはもたない)可能性も高いので、次回は血管を変えてもらうことにはなりましたが・・・。この先、最低2回は点滴がありますし、血管が持てば6回できるかもしれません。しかし、今まで使っていた血管が見た感じ一番太く、良さそうです。この先、安全に行えるのか、とても不安です。この先、血管をなるべく傷めないようにするには、どうしたらよいですか?(毎回血管を変えるとか、どこの血管を使うとか・・・何か良い方法はありますか?) 点滴中ホットパックはしてくれていますが、自分でもカイロで温めようとは思います。漏れも怖いですし、後2回〜4回、安全に後遺症を最小限にする方法があれば教えてください。

とても長く、質問数が多くなってしまい、申し訳ありません。 ぜひお力になっていただけるとありがたいです。宜しくお願いいたします。  

ご質問どうもありがとうございます。大きく分けて、今の治療の妥当性、そしてホルモン治療の必要性、血管炎に対する対処方法にご不安は分類されます。お一つお一つに対するお答えをご用意しても、またさらに次の細かいご不安が増すばかりなので、大きなお話をします。あなたのご不安な気持ちがたくさんの質問に現れていると判断しました。すこしでも、元気に治療に取り組めますようにお手伝いさせていただきます。
問題点は、核グレード3であり、がん細胞の増殖能力があること、そしてリンパ節に微小ではありますが転移があることがあげられます。各施設により考え方は異なりますが、術後補助療法としては、各施設においてタキサンを組み込む傾向にあります。ですから、その場合にはFEC4クールおよびタキサン系を3ヶ月行う方針のところが多いと思います。タキサン系を使用するなら、毎週のタキソールを12クールか、あるいは3週間毎のタキソテールを4クールおこないます。進んでいるからタキサンを併用するのではなく、そのほうが標準治療つまり、より成績が望める治療なのです。EC-T療法は、アメリカのがん治療病院の最高峰MDアンダーソンがんセンターでも術後の標準治療と設定されております。これは先日の日本乳がん学会においてMDアンダーソンの教授に確認してきました。またどんなにつらくても、途中終了すると今までの治療効果はゼロになります。ステロイドの点滴を3日間おこなっていただくなどの対策を立てていただいた方が良いと思います。
ホルモン治療も非常に有効であろうと思われますので、まずは抗がん剤の治療をしっかりとお受けになってから、ホルモン療法も確実にお受けになってください。
血管痛は、点滴終了後しばらくは引きつれ感や痛みとして感じる場合はありますが、徐々に癒えてきますので、ご心配なく。ただし、まだタキサンを使用するとなると、もうしばらく点滴をしなければいけません。是非こわがらずに中心静脈ポート(埋め込み型点滴装置)を主治医の先生にお願いしてください。決してこわい治療ではありません。
以上、ご質問にたいしてのお答えとして、ご満足いただけましたでしょうか。非常に多い情報の中で正解を見つけていくことはとても難しいかもしれません。でも、あなたが決めておこなってきたこと、そしてこれから決めておこなっていくこと。それら全てが正解だと思います。ですから、より良いと思われる治療を主治医の先生とご相談しながらこれからも決めていきましょうね。またお困りの時にはいつでもご相談くださいませ。(文責 高橋)

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