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相談室(No.4201〜4300)

このページは乳がんに関 する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

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なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

4300 05/08/24 K.M. 手術後の傷の痛みについて 須田
4299 05/08/24 I.M.  しこりについて 須田
4298 05/08/24 Y.O. ホルモン療法について   須田
4297 05/08/24 Y.K 胸・脇の痛みについて 須田
4296 05/08/24 線維腺腫について 須田
4295 05/08/24 K.N. 再検査について 須田
4294-1
4294-2

4294-3
05/08/24
05/09/04
05/09/14
JJ  良性と診断はされましたが・・・
経過観察、1年前との比較
経過観察
須田
俵矢
徳田
4293 05/08/24 M6 ホルモン感受性マイナスの場合の一般的な化学療法は? 須田
4292 05/08/24 C  術後の分泌物について 須田
4291 05/08/24 K.Y. 術後療法と再発率について 須田
4290 05/08/24 E.T マンモグラフィー検査結果について 須田
4289 05/08/19 K.N. 術後治療と子宮筋腫について 須田
4288 05/08/19 N  乳腺腫瘤と診断されました 須田
4287-1
4287-2
05/08/19
05/09/11
M・M リンパへの転移の可能性
経口抗癌剤について
須田
千島
4286 05/08/19 K.S. 胸のしこり 須田
4285 05/08/19 N・S   石灰化についてお尋ねします 須田
4284-1
4284-2
05/08/19
05/08/24
k   術後の治療について
術後の治療について(2)
須田
4283 05/08/19 Y.H 乳腺症かもしれません(40代) 須田
4282 05/08/17 k m 骨転移の痛みについて 須田
4281 05/08/17 TS 乳首の異常 須田
4280 05/08/17 MM  パジェット病と診断されました 須田
4279 05/08/17 M.T. このまま経過観察で良いのでしょうか? 須田
4278 05/08/17 H.Y. ホルモン治療 須田
4277 05/08/17 A.T. 脇下の腫れとしびれ 須田
4276 05/08/17 N.N. 両胸にエコーで影が写りました 須田
4275 05/08/17 Y.S DCISの手術について(HPNo.4097-4) 須田
4274 05/08/16 S.S マンモトーム生検後の乳頭よりの出血(HPNo.4066-2) 首藤
4273-1
4273-2

4273-3
05/08/16
05/08/19
12/03/14
細胞検出
細胞検出(2)
再発後の治療について
首藤
須田
石川
4272 05/08/14 K.I.  ノルバを飲み続けるのでしょうか? 首藤
4271-1
4271-2
05/08/14
05/09/14
H  乳管腺葉区域切除について 首藤
徳田
4270 05/08/14 N.K ろれつが回らないのは副作用でしょうか? 首藤
4269 05/08/14 針生検について 首藤
4268 05/08/14 H.Y. 乳腺症と妊娠 首藤
4267 05/08/14 線維腺腫を手術した後について 首藤
4266-1
4266-2
05/08/14
05/08/19
M.M 左乳房のしこりについて
左乳房のしこりについて(2)
首藤
須田
4265-1
4265-2

4265-3
4265-4
4265-5
05/08/14
05/12/05
05/12/20
06/04/20
06/08/19
H・M 粘液癌について
乳癌再発予防と子宮筋腫について
乳癌再発予防と子宮筋腫について(2)
前壁心筋虚血って何?
閉経後の体調が…
首藤
鈴木
首藤
首藤
首藤
4264 05/08/14 Y  タモキシフェンからアリミデックスへ 首藤
4263 05/08/14 Y.S. DCISの手術について(HPNo.4097-3) 首藤
4262 05/08/14 M.Y. 左脇のしこり 首藤
4261 05/08/14 非浸潤性乳管がん 首藤
4260 05/08/14 W.H.  乳がんの可能性は? 首藤
4259 05/08/14 M.T 乳頭異常分泌の手術 首藤
4258 05/08/14 M.I 腕のだるさとむくみ 首藤
4257-1
4257-2
05/08/14
05/08/17
Y.K 肝臓転移?
肝臓転移?(2)
首藤
須田
4256 05/08/14 S・S 線維腺腫の吸引細胞診と針生検(組織診)について 首藤
4255 05/08/10 S.F.  センチネルでの手術後DCISの可能性あり(5)(HPNo.4123-5) 首藤
4254 05/08/10 S  乳腺線維腺腫 首藤
4253 05/08/10 N・Y 線維腺腫について 首藤
4252 05/08/10 F 右胸のしこりについて 首藤
4251 05/08/10 G  乳腺の固まり 首藤
4250 05/08/09 Y.T. 健側の痛み(HPNo.4178-2) 鈴木
4249 05/08/09 yoko 病名について 鈴木
4248 05/08/09 M.M 左乳輪の痛み 鈴木
4247-1
4247-2
05/08/09
05/08/14
T  ホルモンの感受性について
ホルモン治療について
鈴木
首藤
4246 05/08/09 S.F. センチネルでの手術後DCISの可能性あり(4)(HPNo.4123-4) 鈴木
4245 05/08/09 T.S.  左乳房が痛みます 鈴木
4244 05/08/09 K.K.  リンパ節郭清の目的 鈴木
4243 05/08/09 N.A,  I CTPについて 鈴木
4242 05/08/09 E.H.  治療方針について 鈴木
4241 05/08/09 H   白血球減少について 鈴木
4240 05/08/09 RKM 骨転移? 鈴木
4239-1
4239-2
05/08/06
05/09/11
S   脇に違和感、足の付け根にしこりがあります
病理組織診について
鈴木
千島
4238-1
4238-2
05/08/06
05/11/01
M  胸の痛みなど・・・
線維腺腫と子宮内膜症治療について
鈴木
石山
4237 05/08/06 H.M. 乳がん検診の結果について教えて下さい 鈴木
4236 05/08/06 K.Y 妊娠中の乳癌の疑いについて 鈴木
4235 05/08/06 Y   骨転移について 鈴木
4234 05/08/06 M.Y.  アリミデックスについて 鈴木
4233 05/08/06 N・Y 線維腺腫について 鈴木
4232 05/08/06 K  乳頭から出血が・・・ 鈴木
4231 05/08/06 T  右腋下のしこり 鈴木
4230 05/08/06 M.Y.  胸のしこりと検査について(2) 鈴木
4229 05/08/06 M.I. のう胞? 鈴木
4228 05/08/06 H.N. 良性と言われましたが心配です 鈴木
4227 05/08/06 K.S 血小板減少について 鈴木
4226 05/08/06 M.T.  石灰化経過観察中の授乳について 鈴木
4225 05/08/06 F.T.  何科を受診したらよいのでしょうか? 鈴木
4224 05/08/06 S.F.   センチネルでの手術後DCISの可能性あり(HPNo.4123-3) 鈴木
4223 05/08/06 TMA 乳腺のう胞症について 鈴木
4222 05/08/02 なお CEFの副作用でしょうか?(HPNo.4102-4) 鈴木
4221 05/08/02 Y.T.  乳癌の検査について 鈴木
4220-1
4220-2

4220-3
05/08/02
05/08/06
05/08/14
Y・K 乳ガン転移の症状でしょうか?
乳ガン転移の症状でしょうか?(2)
乳ガン転移の症状でしょうか?(3)
鈴木
鈴木
首藤
4219 05/08/02 乳がんと不妊治療について 鈴木
4218 05/08/02 Y  術後の痛みと再発の可能性 鈴木
4217 05/08/02 T.T.  ACが卵巣に与えるダメージ(HPNo.2793-2) 鈴木
4216 05/08/02 K.I. FUS集束術について 加藤
4215 05/08/02 K  乳がんのグレードについて 加藤
4214-1
4214-2
05/08/02
05/10/29
H.K 乳がんと診断されました
術後の治療について
加藤
片山
4213 05/08/02 Y・N 腫瘍マーカーについて 加藤
4212 05/08/02 M.N.   検診結果で乳腺内微細石灰化と言われてしまいました 加藤
4211 05/08/02 T.S.  リュープリンについて 加藤
4210 05/08/02 O.M 臨床試験への参加について 加藤
4209 05/08/02 E.G.  今後の見通しなど 加藤
4208 05/08/02 KK 今後の治療について(2) (HPNo.3948-3) 加藤
4207 05/08/02 I.M.  細胞診の結果について 加藤
4206 05/08/02 H.N.  放射線治療をするべきでしょうか? 加藤
4205 05/08/02 S.N.  線維腺腫経過観察中の妊娠 加藤
4204 05/08/02 Y  妊娠中の胸のしこり 加藤
4203 05/08/02 S.M 術前補助化学療法について(HPNo.4135-2) 加藤
4202 05/08/02 M.I.  妊娠・授乳中の経過観察 加藤
4201 05/08/02 N.K. 術後療法について 加藤

 

 

 

No.4300】 05年08月24日     K.M. 
手術後の傷の痛みについて

脇の傷と胸の傷が4ヶ月経っていますが、いまだにぴりっと痛む事があります。また脇がはっているような痛みもあります。水がたまる事があるのでしょうか? 治るのでしょうか?

手術直後のようにリンパ液がたまるような事はないと思います。痛みに関してですが、手術による切除範囲は、手術によって新しい環境となったわけですので、体が慣れるには時間が必要です。今年よりは来年、来年よりは再来年と、少しずつ新しい環境に慣れてきて、それと共に痛みも少しずつ気にならなくなってきます。痛みがひどいときは鎮痛薬等で対処する事も 稀にありますので、主治医とご相談下さい。(文責 須田)

 

No.4299】 05年08月24日     I.M.
しこりについて

24歳です。以前から乳房に成長期の時に固くできるしこりが、まだいまだにあります。これは乳がんのしこりなのでしょうか?全体にあるのですが・・・。

メール内容から推察する限りでは、乳癌は否定的ですが、直接診察しなければ分かりません。不安を取り除く意味からも、念の為に、乳腺外来を受診して下さい。(文責 須田)

 

No.4298】 05年08月24日     Y.O.
ホルモン療法について

ノルバデックスの服用期間についてお尋ねします。一般に5年間と聞きますが、服用期間のことでしょうか?それとも術後から5年という意味でしょうか?主治医からは4〜5年とだけ聞いており、アリミデックスの話は全くありません。2000年11月手術後生理はありましたが、化学療法により止まりました(放射線治療はしていません)。2001年10月からノルバデックスを服用しており、現在53才です。次回外来で聞こうと思いますが、アリミデックスについて話がない場合、こちらから切り出すべきでしょうか? 経過は順調でも再発の不安はあります。お忙しい中申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

一般に5年間とは服用期間を指します。貴女の場合、乳癌が早期であるとすれば、ホルモン感受性早期乳癌に対して化学療法とタモキシフェン併用ではなく、化学療法終了後の順次投与が有用です。その後、閉経と考え、途中でタモキシフェンをアリミデックスに変更することも考えられますが、それとは別に、不幸にして再発した場合には、二次ホルモン療法として、アナストロゾール(アリミデックス)を使用するのも選択肢の一つだと思います。(文責 須田)

 

No.4297】 05年08月24日     Y.K
胸・脇の痛みについて

はじめて相談をさせていただきます。よろしくお願い致します。29歳の主婦です。出産経験はありません。2週間程前から、右脇から右胸にかけて痛みを感じることがあります。いつもというわけではなく、腕を上げたり、力を入れたりした、ふとした拍子に痛むことがあります。軽い筋肉痛のような痛みですが、筋肉痛になるような運動はしておりません。  しこりはないと思うのですが・・・。母が乳がんで、祖母が卵巣がんでしたので、とても不安な気持ちです。乳がんの可能性はあるのでしょうか? どうぞよろしくお願い致します。

直接診察しなければ分かりませんが、ご家族の方に乳癌の方がいると不安が募るのだと思います。痛みについては、一般に乳癌とは関係ないと思いますが、不安を取り除くという意味からも、一度念の為に乳腺外来でご相談下さい。(文責 須田)

 

No.4296】 05年08月24日     W
線維腺腫について

お忙しいところ恐れ入ります。私は現在32歳で、二人の子供がおります。先月、市の乳癌検診で要精査と言われ、先日病院の乳腺外来を受診しました。触診、エコー、マンモグラフィの結果、2センチの線維腺腫があり、おそらく良性と診断されました。心配なので、私の方から針を刺す細胞診をお願いしました。二回針を刺すところを、うまくいかずに3回刺しました。その時先生が(診察の時と別の先生です)、「しこりが硬いので、うまく刺さらない、硬いのは悪性の場合がある」とおっしゃいました。今検査の結果待ちですが、先生の言葉が気になって仕方ありません。しこりが硬い場合は乳癌でしょうか。

乳癌で、超音波検査・マンモグラフィ等、画像上、線維腺腫とよく似た像を示す場合が稀にあります。そのような場合、触診では、固く触れます。(しこりが固い場合、必ず乳癌というわけではありません。) 貴女の場合、念の為に調べる理由がそこにあるのだと思います。(文責 須田)

 

No.4295】 05年08月24日     K.N. 
再検査について

病院で乳癌検診(マンモグラフィ)を受けたのですが、左胸上腕部側に白い粒子が写っていました。1ミリくらいのものは光沢があるので(ベタベタした質感と言う表現でしたが)心配ないとのことでしたが、針でついたくらいの大きさの点が何ケ所かあり、要観察、3ヶ月後にもう一度マンモグラフィを撮ることになりました。3ヶ月ただ待っていることに不安があり、もっと早く結果を知る方法はないのでしょうか。短期間に何回もレントゲンを撮ることも問題はないのか教えて下さい。

直接マンモグラフィを拝見していないので、推測の域を出ませんが、「針でついたくらいの大きさの石灰化」が要観察との事、以下のような事が考えられます。
1) 石灰化の分布と形状によってカテゴリー分類をし、マンモグラフィの判定を行うのですが、恐らくカテゴリー3と判定するには、石灰化の数が少なすぎるとか、何か典型的でない要素があり、カテゴリー2となったが、気になるような場合は、再度撮影をして今回のものと比較をしようということがあります。そのような状況かもしれません。
2) もしくはカテゴリー3の判定であるのかもしれません。カテゴリー3以上の石灰化症例では、超音波検査、生検を行う事になります。

もっと早く結果をという事であれば、石灰化をマンモトーム、又は手術的に摘出して病理検査を行う事になります。また、レントゲンの被爆に関しては、妊娠の可能性がなければ、まず問題ありません。いずれにしても、マンモグラフィを拝見しないと、これ以上の事は分かりかねますので、貴女の不安な点、思いを、遠慮せず主治医に相談して、納得の行く対処をしてください。(文責 須田)

 

No.4294-1】 05年08月24日     JJ 
良性と診断はされましたが・・・

37歳既婚です。1年半程前にエコー、マンモ、細胞診の検査をして良性と言われました。診断のあと妊娠、出産をして現在に至りますが、最近しこりの部分かどうかは分かりませんが、胸に痛みがあります。しこりも大きくなったような、楕円だったものが二つに割れたような形になっている気がします。一年前の妊娠中の経過観察の検査の時、「100パーセント良性といいきれるわけではない」といわれ、「では、100パーセントにするために出産後、生検してください」とお願いしてみました。けれど、「細胞診で悪いものが出ていないので、必要ないでしょう」とのこと。ネットで見ていると、細胞診で良性といわれても、生検で悪性の場合もあるようなので、とても心配です。また、20歳のときに生検をして乳腺線維腺腫だった経緯があります。このときは、生検前にはほぼ悪性だろうといわれていたので、逆もアリかなと・・・。

1) このような状況の場合、通常生検までする必要はないでしょうか?
2) しこりが大きくなっていたとしたら、悪性の可能性は高くなるのでしょうか? また、大きさに変化がなかったら、癌ではないということになりますか?

よろしくお願いいたします。

しこりが大きくなってきている事、形が変化してきた事を考えると、生検したほうがよいと思います。個人的には、しこりの大きさ2cm以上、年齢25歳以上で生検を勧めています。大きくなってきた事で悪性の可能性が高くなるという事ではなく、悪性の可能性もあり得るので検査をして確認したほうがよいのでは・・・というニュアンスです。また、大きさに変化がない場合でも、乳癌でないとは言い切れません。 生検、又は吸引細胞診を含めて主治医と充分ご相談し、検討して下さい。納得の行く治療を受ける事が大切だと思います。(文責 須田)

 

No.4294-2】 05年09月04日     JJ 
経過観察、1年前との比較

HPNo.4294で相談させていただきました、細胞診クラス2の経過観察中のものです。その節はありがとうございました。その後、エコーの結果を聞いてきました。1年前に細胞診で良性と言われたしこり(1.2×0.9センチ)が大きくなったような気がしていたのですが、エコーの結果は逆に2〜3ミリほど縮小傾向にあると言われました。こういう事はめったにないので、ちょっとよくわからないとのことで、どの程度喜んでよい事なのかどうかお聞きしたいのです。また、顔つきが悪いと言われた画像は、しこりの部分が真っ黒く写っていたものが、今回は薄く白い線が何本か入っているような画像になっていて、先生曰く「顔つきが前回より良くなったような感じだ」との事でした。顔つきが良くなるとはどういうことですか? そういうこともあるのでしょうか? 形は楕円に近かったものが、自分では明らかにひょうたんのように真ん中がくびれてきた感じがするのですが、エコーでは「うーん、どうかなあ?」という程度のようです。また、仮に悪性であった場合は、1年間でしこりは通常5mm〜1cmは大きくなるはずと言われましたが・・・。
1) 通常ということは、どのような場合が例外なのでしょうか? 今回の結果から、悪性の可能性が消えたと捉えていいのか、それとも悪性の可能性が低くなったと捉えるべきなのか、また別の捉え方が必要なのか、よくわかりません。
2) この変化に対して、どのようにお考えになりますか? また、実は同じくらいの大きさのしこりがもうひとつあって、そちらのほうは大きくも小さくもなっていないようです。これ以上経過観察で気をもみたくないと、お願いして乳腺外科のある病院に紹介状を書いていただいたので、いずれにせよ専門病院も受診してみる事にしました。
3) 乳房が普通より小さい人は、素人考えだと物理的な距離など考えると(転移のしやすさなど同じ種類の癌で比較した場合)、大きな人より早いような気がするのですが、それとは別問題ですか?
4) 担当医には気にしすぎといわれましたが、胸に脂肪自体があまりないのでしこりが胸壁側にくっついている感じがするのですが、数年前から軽い咳と痰が続いています。ひどいものではありませんが、もともとが咳や痰なんてあまりでたことがないので・・・。肺に転移なんてこともあり得ますか?

突拍子もない質問ばかりで申し訳ありませんが、またよろしくお願いいたします。

1)2) 乳房のしこりに対しては、視触診、マンモグラフィー、エコー、細胞診、針生検などの検査を必要に応じて組み合わせて行います。これらの検査でしこりの「かげ」や「ごく一部の細胞や組織」を診て全体を想像して、診断を下しているわけです。これまで良性であったしこりが、ある日突然「がん」に変わるわけではありませんが、画像や細胞、組織の検査で良性と判断されていたものが、あとで大きくなったり、形が変化して(がんの特徴がでてきて)がんと診断されることはあります。今回の場合は、経過観察してもあまり「がん」の特徴をだしているわけではなさそうと主治医の先生は判断なさったのだと思います。今回の画像の変化をどうとらえるかについては、実際にみていないので答えることはできませんが、相談者さんがおっしゃるようにあれこれ気をもむよりも、紹介状もいただいているようなので他の先生の意見を聞くのはよいことだと思いますよ。
3)4) この乳房腫瘤は今「がん」だと診断されているわけではないので、「がん」でなければ「転移」はありえません。がんであれば「転移」の可能性は否定はできないけれど、お伺いしている症状では可能性は低そうです。咳や痰が数年間続くということであれば、癌などの病気よりアレルギーや喘息などを調べたほうがよいと思いますので、一度呼吸器内科の先生に診てもらうのがよいと思います。また小さい乳房にできたがんの転移のしやすさについてですが、大きい乳房の方にくらべると物理的距離が近いので皮膚や筋肉への直接進展はしやすいことは否定できませんが、血行性転移(内臓への転移)やリンパ節転移については、おそらくあまり変わらないと思われます。(文責 俵矢)

 

No.4294-3】 05年09月14日     JJ 
経過観察

HPNo.4294でお世話になっています。いつもありがとうございます。先日、乳腺外科のある専門病院でセカンドオピニオンを受けてきました。これまでの病院では、細胞診の結果、クラス2で経過観察と言われていましたが、確定診断ではないとのことだったので、(もともとのエコーの画像が少し疑わしいとのことです)専門の病院に紹介状を書いていただき、外科的生検あるいはマンモトーム生検希望を含めて受診しました。が、今回受診した病院では、細胞診で良性の結果なら、エコーが怪しくとも経過観察の必要もないと言われました。
1) これについてどうお考えになりますか? 専門病院でのこの言葉は喜ぶべき事なのですが、ネットから得た知識からすると、今回言われた事は少し一般的でないような気がして、逆にまた混乱してしまいました。私のような状況の場合、判断としては経過観察が妥当なのかな?とは私にも理解できるのですが、どうしても精神的に落ち着きません。
2) 私のようなケースで、本人の強い希望で生検をしていただける病院(東京近辺)はないでしょうか? 乳房に傷がつくことに躊躇はありません。私としては、それよりも、確定診断で精神的に落ち着く事、また、乳がんだったとしてもできるだけ早くに治療に入る事のほうが重要なのです。しかし、この要求は通常、お医者様の立場からしたら、かなり無理矢理な要求になるのですか?
3) マンモでは、「乳腺であまりよく見えないが、明らかに悪いものは写っていない」と言われています。石灰化があっても乳がんとはかぎらないそうですが、では乳がんで石灰化というのは必ずみられるものなのでしょうか? 石灰化がないということは、乳がんではないといえますか? 

何度も何度も申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

1)精神的に落ち着かないのであれば、マンモトーム生検や針生検をしていただくしかないと思います。
2)あると思います。
3)乳癌でも石灰化がないことがあります。(文責 徳田)

 

No.4293】 05年08月24日     M6
ホルモン感受性マイナスの場合の一般的な化学療法は?

初めて相談させて頂きます。この相談室では色々と勉強させていただき感謝しております。検索してみたのですが自分と似た症例を探せずメールしている次第です。
4月28日に右温存手術し放射線(25回)、現在AC投与中。35歳、リンパ転移ナシ、ホルモン感受性(マイナス)。病理結果には下記のような事も記載されています。
・ 13mm×15mm  ly(1),v(0),F(+),DCIS(2箇所)
・ 4方向におけるsurgical marginでのcarcinomaの存在(−)
・ ステージT、Grade-V
主治医からは、補助療法はACのみで良いのではないかと言われています。私のようにリンパ転移がない場合で、ホルモン感受性マイナスの人の一般的な化学療法を教えて下さい。やはりAC単独のみなのでしょうか?本人の希望であれば、その後タキソールをとも言われているのですが、主治医はそこまでしなくても大丈夫じゃないか・・・とおっしゃいます。ホルモン療法ができないので、抗がん剤治療が終わると無治療(言い方が間違っているかもしれませんが)になってしまうので非常に不安です。先生方のご意見いただけたら幸いです。

貴女の場合、ホルモン反応性(ER−、 PGR−)、腫瘍径(病理) 1.5×1.3、gradeV、年齢35歳です。これを一般に使用されているザンクトガレンの治療方針に当てはめると、リンパ節転移陰性乳癌の補助療法としては、リスクの低いグループではないので、化学療法を行う事になります。主治医の先生は、化学療法としてACを行っていますので、これでよいと思います。「今後無治療」という考え方ではなく、「やるべきことは行った」と考えるほうが良いのではないでしょうか。(文責 須田)

 

No.4292】 05年08月24日     C 
術後の分泌物について

いつもお世話になりありがとうございます。昨年7月、左温存手術、リンパ節郭清しました。悪性度は3、リンパ節転移はありませんでした。放射線治療は25回、エンドキサン・テラルビシンの抗がん剤を4回。現在はゾラデックスの注射を月1回とノルバデックスを服用しています。今年5月頃から、1週間に1回ぐらいの間隔で(2,3日続きます)、手術した方の乳首、その周囲から粘性のある黄色い分泌物?が出てくるようになりました。下着につくと、ぬれると言うより固まってかさぶたの様になっています。乳首やその周りは、皮がめくれたり、右より少し腫れているような気がします。また痒みもあります。主治医の先生には見てもらいましたが、「あまり聞かない」「気にしなくて大丈夫」ということでした。これは、稀な事なのでしょうか?原因はわからないのでしょうか?まだガンが残っているということはないのでしょうか?これから先、治ることはないのでしょうか?気にしないでいいよと言われたのですが、どうしても不安なので教えてください。よろしくお願いします。

直接診察していないので、はっきりした事は申し上げられませんが、乳頭分泌であるとすれば、念の為、細胞診、マンモテック等の検査を行っておく必要があります。また、乳輪部の湿疹であれば、外用薬での治療という事になりますが、いずれにしろ、不安な点は放置せず、主治医に再度ご相談して、充分説明を受けて下さい。納得の行く治療を受ける事が大切だと思います。(文責 須田)

 

No.4291】 05年08月24日     K.Y.
術後療法と再発率について

術後療法と再発率について意見をお聞かせください。39才、閉経前、8月初旬に左乳房全摘手術を受けました。ステージT、腫瘍径1cm、浸潤径5mm、HER2陽性、ホルモン受容体有り、顔つきはよくない、リンパ節転移なし、乳管内に癌が5cmほど伸びていたため(非浸潤)、安全策をとって、温存から全摘に変えたそうです。再発の可能性は、10%と説明を受け、HER2陽性がなければ5%だったそうです。タスオミンの服用を2年から5年と言われました。抗癌剤、ゾラデックスは、いいのですかと聞いたところ、やりすぎになると言われました。 8月末からの開始になります。最善の治療を受けさせたいと思っていますが、知識も乏しく医師に意見をするようで、なんとなく強く聞けないところがあります。 再発の可能性と、今後の術後療法について、ご意見をお聞かせください。 

ホルモン反応性乳癌、39歳、閉経前ですので、ザンクトガレン・リコメンデーションを基に考えろと、高リスクグループになります。治療方針としては、タモキシフェン(タスオモンのみ)、又は、LH−RHアゴニスト(ゾラテックス)+タモキシフェン、又は、LH−RHアゴニスト+タモキシフェン+ハーセプチン等が考えられます。
LH−RHアゴニスト(ゾラテックス)+タモキシフェンの併用療法は、エストロゲンレセプター陽性の患者さんにおいて、少なくともCMF療法と同等の有効性を持つことが示されていますので、最善かどうかは別として(ハーセプチンについて考えていないので)検討してみる価値はあると思います。主治医に、メリット・デメリットをよく伺い、納得のいく治療法を選択してください。
また、再発の可能性についてですが、「全国乳癌患者登録調査報告」(2000年)では、リンパ節転移なしの10年生存率は89.9%、ステージ1では89.1%となっています。(文責 須田)

 

No.4290】 05年08月24日     E.T
マンモグラフィー検査結果について

現在海外在住です。日本で人間ドックを行い、検査結果が送付されてきたのですが、マンモグラフィーでの検査結果の判定が「要経過観察」でした。結果には、右乳腺低エコー腫瘤ならびに両側乳腺症とありましたが、インターネットで調べても前者についてはあまり記述がなく不安に感じております。何か注意して経過を見なくてはならないものなのでしょうか。お忙しい所恐れ入りますが、どうぞよろしくお願い致します。

マンモグラフィーでの検査結果とありますが、乳腺の超音波断層検査も行っているようですね。右乳腺低エコー腫瘤とは、超音波検査で右乳腺に超音波の反射の少ない腫瘤像があるということです。乳癌も腫瘤像で描出されることが大部分ですので、超音波で腫瘤像が認められた場合は、引き続き、細胞診、生検等の検査を行う事になりますが、数ミリの小さな腫瘤像が見つかっても、細胞診や生検を行う事が困難で、たとえば6ヶ月後に再度、診察・検査を行ない、変化がないかどうかを調べる事が少なからずあります。要経過観察という事です。貴女の場合、恐らくこのような状況ではないかと思います。忘れずに、定期的に診察を受け、腫瘤像の形や大きさに変化があれば、細胞診や生検を行う事になります。(文責 須田)

 

No.4289】 05年08月19日     K.N.
術後治療と子宮筋腫について

いつもこの相談室を拝見し、病気について勉強させてもらっています。昨年5月右全摘手術、しこりの大きさ3センチ弱、リンパ節転移は10/35、ホルモンレセプターはEが−、Pが+でした。術後CEF療法6クール、現在はノルバデックスDを服用中です。生理は化学療法開始後まもなく止まり、現在に至っています(48歳)。以前より子宮筋腫があり、貧血症状も大きかったのですが、生理が止まったことにより正常値に戻っています。筋腫は手術が適用されるに十分の大きさとのことで、時期をみて手術をすすめられています。その際、乳がんの治療との兼ね合いで卵巣も摘出してはどうかと、婦人科の先生はおっしゃいます。卵巣摘出により、乳がん治療はどのようにかわるものでしょうか?現在でもホットフラッシュなど症状がありますので、体調の変化も心配です。先生がたのご意見お聞かせいただければ幸いです。

乳癌のホルモン依存性増殖のメカニズムですが、、エストロゲンが乳癌細胞のエストロゲンレセプターαと結合する事によって癌細胞の増殖が促進され、また、プロゲステロンレセプターは、エストロゲンによってエストロゲンレセプターαを介して誘導されると考えられています。従って、ホルモン療法の基本は、ホルモンレセプター陽性乳癌症例に対して、@乳癌細胞の中でエストロゲン作用を阻害するか、A卵巣や、B末梢組織におけるエストロゲン産生を抑制することにあります。@については、選択的エストロゲンレセプター機能調節物質であるタモキシフェン(ノルバデックスD)を代表とする薬で対処します。 Aについては、卵巣機能を抑制するために、薬物、手術(卵巣摘出)、放射線照射の方法があり、Bについては、アロマターゼ阻害剤があります。
卵巣摘出を行った場合、1)エストロゲン抑制作用は確実であり、効果発現までの時間が短く、一過性のエストロゲン上昇もない。 2)薬物療法に比べて費用が安く、また、毎日の内服から解放される・・・等のメリットがありますが、侵襲が大きく、卵巣機能抑制は不可逆的であるというデメリットもあります。メリット、デメリットを充分考慮の上、主治医とご相談下さい。納得のいく治療を受ける事が大切だと思います。(文責 須田)

 

No.4288】 05年08月19日     N 
乳腺腫瘤と診断されました

お忙しいところ恐れ入ります。43才、子供が1人おります。6月に自治体でのマンモの検査を行い、左上部に丸く写るものがあり、要精密検査となりました。縦方向からのマンモをとり、触診、エコーをしていただき、乳腺腫瘤との診断でした。特に変化がなければ1年後にまた来るように言われましたが、特に細胞診などの必要はないのでしょうか?このままにしておいても大丈夫なのでしょうか?また、続けてマンモをとったのですが、被爆などの心配はないでしょうか?写真をお借りして、セカンドオピニオンを聞いたほうがよいのでしょうか?病院は都内の乳腺外科で診ていただきました。よろしくご返答いただければと思います。

メールの内容から推察すると、一般的には細胞診を行う事になりますが、瘤が小さすぎるとか、乳房が立派で触知できない等の場合は、細胞診ができないことがあり、経過観察ということになります。貴女の場合も、細胞診ができない何らかの理由があるのではないでしょうか。セカンドオピニオンも一つの選択肢ですが、もう一度受診し、疑問点は直接主治医に伺ったほうがよいと思います。遠慮せず、納得のいく治療を受けて下さい。尚、被爆に関しては心配ありません。(文責 須田)

 

No.4287-1】 05年08月19日     M・M
リンパへの転移の可能性

こんにちは。実母57歳が先日左乳房全摘の手術を受けました。腫瘍の大きさは約3センチほどです。脇の下のリンパも全て取りましたが、一部コリコリした部分があると説明を受けました。実際に取った物を見せてもらいながら説明を受けましたが、確かにリンパの一部に小豆大ぐらいのコリコリしたものがありました。2週間後にまた詳しい結果が出るのですが、まだまだ先なので落ち着きません。ちなみに前回までのMRI・CT等では他臓器への転移は見られません。
1) リンパにコリコリした物が見られた場合は、やはりリンパへの転移を考えた方が良いのでしょうか? コリコリした物があった場合でも転移でない場合もありますか?
2) リンパへ転移していた場合は、抗癌剤が必須でしょうか?
3)今後の治療は、もし抗癌剤であっても、通院でよいのでしょうか? 時と場合によっては入院して治療する場合もありますか?
4) 私もここ最近、背骨(肩甲骨あたり)から胸にかけて痛みがあって、気になっています。整形外科に行くべきか、外科(乳癌を疑い)に行くべきか悩んでいます。もし整形外科に行った場合、レントゲンで乳癌とか、疑いがあった場合は分かるものでしょうか?

お忙しいとは存じますが、回答お待ちしております。

1) 手術後に、摘除した腋窩の脂肪の中からリンパ節を取り出し、病理検査に提出する事も外科医の仕事です。その際、取り出したリンパ節を触知すると、転移のあるものは、一般的には固く、転移の無いものは軟らかい事が多いようです。コリコリした物でも転移でない場合も稀にはありますが、仰るとおり、固いものは、まず転移を考えます。
2) リンパ節転移陽性乳癌の術後補助療法としては、一般的には化学療法(抗がん剤)を行う事になります。
3) 通常の場合、抗がん剤治療は外来通院で行いますが、副作用が出現し、日常生活に支障をきたすほどになれば、入院して行う事になります。
4) お母様が乳癌ということで、相当心配なさっているのだと思います。乳癌でない事を確認するためにも、一度乳腺外科で検査をしてもらい、大丈夫であれば、整形外科を紹介していただくとよいと思います。(文責 須田)

 

No.4287-2】 05年09月11日     M・M
経口抗癌剤について

HPNo.4287 で以前質問させていただきましたM・Mと申します。母、57歳。しこり約3センチ(正確な大きさはわかりません)。左乳房全摘。前回はリンパへの転移の可能性をお伺いしましたが、病理検査の結果、切除したリンパ節には転移はなかったとの結果が出ました。先日、退院後初めての外来に母が行き、検査の結果と今後の治療方法を伺ったところ、「まずは経口抗癌剤(比較的マイルドな抗癌剤だそうです)を1年ぐらい続けましょう。」とおっしゃられたそうです。詳しい検査の結果は、母本人が乳癌に対しての知識がない為、ホルモンレセプターなど、必要な情報が頭に入らなかった様で、覚えていることは、「@リンパへの転移なし(多臓器への転移もなし) Aホルモンの関係で癌を増殖する為のものがマイナス(私が推測するにはHar-2の事では?と思います)、 B Aの為、ホルモン剤の必要もなし。経口抗癌剤(比較的マイルドな)のみ。」という事です。まだ薬が処方されていないので、詳しい薬名が分からないのですが、先生が上記の様な状況から推測される、病理検査の結果(ホルモンレセプター等)や、どういう場合に経口抗癌剤で治療をするのか、教えていただければと思います。もっと効力のある点滴での抗癌剤は必要なかったのかと、少し心配をしています。情報量が少なくて申し訳ございませんが、推測の範囲で結構ですので教えていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

お母様の病理組織診断を推察するに、大きさ3cm、リンパ節転移陰性、ホルモンレセプター陰性の乳がんということになると思います。HER2に関しては不明です。ホルモン剤内服の有無を決めるポイントはホルモンレセプターの発現であって(Aの部分)、HER2発現ではありません。通常、57歳で3cmの乳がん、ホルモンレセプター陰性であれば、リンパ節転移の有無にかかわらず、点滴の抗がん剤による治療が勧められています。最近、一部の経口抗がん剤でも「術後補助療法に関する有用性」を示す臨床試験結果が発表されていますが、現時点での標準的治療は点滴による抗がん剤投与となります。もう一度主治医に病理結果を確認(メモに記載してもらって保管しておくと良いでしょう)して、経口抗がん剤を選択した理由について聞いてみるようにしてください。(文責 千島)

 

No.4286】 05年08月19日     K.S.
胸のしこり

今、バンコクに住んでおります。先日こちらの総合病院で健康診断をしたところ、左の胸に8ミリのしこりがあり、右の胸にも点々と影があると言われました。検査の内容は超音波診断とマンモグラフィー、外科医による(乳腺外科医ではない)触診でした。その結果、「半年後にまた検査しましょう」ということだったのですが、8ミリのしこりは半年も放っておいてもいいのでしょうか?もし8ミリの乳がんだったら、今処置をしたほうがいいのでは?それとも画像から半年放っておいても大丈夫ということはわかるのでしょうか?通訳を通しての会話なので、何かはっきりせず、もやもやしています。また、バンコクに良い乳腺外科クリニックなどありますでしょうか?

一般にマンモグラフィーや超音波診断で腫瘤像が認められた場合、画像による乳癌の診断が可能な大きさは1cm前後です。日常の臨床現場では、腫瘤があれば細胞診の検査をする事になりますが、乳腺が立派すぎて腫瘤が触知できないような場合には、6ヶ月後の画像と比較して、腫瘤の大きさや形に変化がないかどうか、石灰化を伴うかどうか等をみて、生検を行うかどうかを決める事もあります。また、癌を心配しているご本人の意思で生検を行う場合もありますので、不安を取り除く意味からも、ご自分の気持ちを主治医に伝え、生検をして結論を出すのも一つの方法です。申し訳ありませんが、バンコクの病院事情については分かりませんが、帰国なさる事があるようでしたら、日本の病院で診察を受ける方が心強いかもしれません。(文責 須田)

 

No.4285】 05年08月19日     N・S
石灰化についてお尋ねします

初めまして。54歳、既婚(10年前に死別)、妊娠4回、出産2回(30歳と23歳)、閉経は52歳です。昨年4月、マンモグラフィーで右乳房に石灰化があり、半年後位に再検査をすることになりました。12月の検査では石灰化に変化はありませんでした。超音波でも、しこり、リンパ腺の腫れ等ありません。今年7月の検査で石灰化が増えていましたのでマンモトーム生検を受けたほうがいいとのことで、マンモグラフィーの写真のコピーと紹介状を戴き、S病院へ行きました。8月19日にマンモトーム生検を受けますが、乳癌・石灰化について調べるうちに、石灰化は癌の増殖した足跡と書いてあり、はじめてカテゴリーとか言う言葉も知りました。マンモトーム生検を受けたほうがいいと言われるのは、もちろん癌かどうかを検査するのですが、年齢からしてやはり癌の可能性が大きいでしょうか。検査を受ける前から不安と心配ばかりで、7月28日に紹介状を頂いてから右の背中からわき腹にかけて板がくっついたような違和感を感じ、右手も重くしびれるような感覚もあり、右の肩だけがこっていて、右に神経が集中しております。宜しくお願いします。

マンモグラフィーによる石灰化像が増えてきたとの事、恐らくカテゴリー3以上の石灰化像と判定されたものと推測されます。視触診と超音波で異常が得られないカテゴリー3以上の石灰化症例では、一般的には、マンモトーム生検、又は、ステレオガイド下生検等によって病理検査を行い、病変が癌であるかどうかを確認します。貴女が現在感じている多様な愁訴については、乳癌とは無関係で、おそらく精神的な部分が多いような気が致します。検査結果を待ち、結果が分かった時点で、ベストな治療を選択しましょう。(文責 須田)

 

No.4284-1】 05年08月19日     k  
術後の治療について

はじめまして!宜しくお願い致します。術後の治療法について悩んでおります。5月に針生検を行い乳癌と言う事で、6月に温存手術を行いました。最初の検査ではしこりは1cmという事でしたが、手術をしてみたら、病理検査の結果3cm程の大きさで、「小葉癌」でした。丸く切除した部分が丁度しこり部分を余裕もって切除されておらず、円の下部、半月部分に癌細胞がありました。切除したギリギリに癌細胞があったのですが、その側面には癌細胞は無かったとの事でした。リンパには転移はありませんでした。7月中旬に退院してから、とりあえずノルバディックスDを1日1回服用しています。癌細胞を余裕もって切除していないので、まだ残っている恐れもあり心配です。だから、もう1度手術をして癌細胞が無いか行なった方が良いのか? 手術をしないで抗がん剤CAF・CMF療法等で残っているかもしれない癌細胞を叩いた方が良いのか? 経口抗がん剤ユーエフティとノルバデックスDの服用で良いのか? 今後の治療をどうしていけば良いか迷っています。主治医は私に選択を委ねています。現在42歳、独身です。子どもを産む事を諦めていた訳ではありませんでしたが、婦人科の先生に、「薬の服用等があるし年齢的にも出産は難しいでしょう」と言われました。出産する事は、今現在は無理だろうと諦めてはいるのですが、現在服用しているノルバデックスに加えて、皮下注射をして生理も止めた方が良いのでしょうか? 更年期障害の様な副作用もあると聞いて不安です。お忙しい所誠に申し訳ありませんが、宜しくお願い致します。

1) 乳房温存術後に乳房温存療法を行うのであれば、放射線治療(乳房照射)が必要です。また、小葉癌という事で、多発乳癌の可能性を考えると、再度手術(胸筋温存乳房切除術)を行うことも選択肢の一つになります。両者はこれまでのトライアル等の評価で、同等の効果が認められていますので、主治医ともご相談の上、メリット、デメリットを考え、納得のいく選択をしてください。
2) 術後補助化学療法を行った場合、特にシクロフォスファミドによる卵巣機能障害が起こる可能性がありますが、LH−RHアナログ(ゾラデックスの皮下注射)を併用することによって、化学療法後でも妊娠できる可能性を保持することができるという報告があります。妊娠に関してですが、年齢的には産婦人科の先生の言われるとおりですが、上記併用療法を行った上で、補助化学療法終了後、少なくとも半年以上経過している事と、続けて2回以上の月経がある事を確認すれば、妊娠しても良い事になっています。成人女性では、化学療法剤などによって卵子の遺伝子に異常を引き起こすチャンスはほとんどなく、薬剤が体内から排泄された後に無傷のまま残された卵子が受精すれば、正常な発生過程をたどる事が期待できるからです。
3) ゾラデックスの皮下注射による副作用(ホットフラッシュ)は、一般には日常生活に支障をきたすほどではないようですが、これも個人差がありますので、実際に使用してみないと分かりません。(文責 須田)

 

No.4284-2】 05年08月24日     k  
術後の治療について(2)

お忙しい所、早々のお返事頂きましてありがとうございました。一人で不安の中に閉じこもっている現状で、こうしてアドバイスを頂ける事は、ほんとに有難く、不安な気持ちが和らいでいくのを感じます。私が通院している病院では、放射線治療を行なっていないのです。そうなると、やはり再度手術をしていた方が良いのでしょうか?先日述べさせて頂いた様に、温存手術をして病理検査の結果切除したギリギリに癌細胞があったのですが、その癌細胞の側面には癌細胞は無かったとの事でした。癌細胞は3cm程の範囲で見つかり(核の部分は1.3cm)、小葉癌でした。

<術後の治療法>
1) 来月くらいに再度手術を行なった方が良いか。
2) 手術をしないで、CMF療法(6サイクル)をして終了後ノルバデックスDを服用していくか。
3) 2)の療法をしていき、様子をみて再度手術をするか。
4) 手術を先にして、その後 2)の療法をしていくか。
5) 現在服用しているノルバデックスDにプラス経口抗がん剤ユーエフティを服用していくか(皮下注射プラス)

放射線治療をしないので、科学療法はやはり行なっておいた方が良いですよね。CMF療法とユーエフティは、ほぼ同じぐらいの効果を持っていると聞いたのですが、42歳閉経前で私の場合はどうでしょうか。詳細の資料がないのに御相談申し上げ、誠にすみません。先生はどの様な治療法を進められるでしょうか。

宜しければ、再度御相談(術後治療法)、宜しくお願い致します。

乳房温存術後においては、切除断端近接陽性例、また若年(35歳、又は40歳以下)患者にも乳房内再発率が高い事が知られていますが、これらの再発を減少させるために、放射線照射は必要とされています。あなたの場合、放射線治療ができる別の医療機関で照射を行うか、又は、再度手術(胸筋温存乳房切除術)を行うのが良いと思います。放射線治療を行う事を再考したほうが良いのではないかと考えます。主治医と充分ご相談下さい。(文責 須田)

 

No.4283】 05年08月19日     Y.H 
乳腺症かもしれません(40代)

去年から左胸内側下部から左脇下にかけて痛みます。最近は背中も痛いし、微熱もあります。ふとした時に貧血を起こし、目の前が真っ暗になったりします。特に風邪をひいているわけでもなく、寝不足でもなく・・・。昨年11月から胃潰瘍で治療中ですが、最近はだいぶ食べられるようになりました。先日乳腺症と診断され(十年前からですが・・・)ていますが、 生理時に関係なく痛む事があります。 生理前に胸が張る様に感じる事はないように思います。痛み方も鈍く、また、ぷちんと切れたような感じもします。医師に痛むところを告げると、「ここは骨だから」と聞いてくれません。骨の上にも乳腺があるから、それが痛むのだと思っているのですが・・・。もう病院は4件ぐらい変えました。又別の病院に行こうとは思っていますが、同じような結果になるのがむなしいです。宜しくお願いします。

直接診察していないので推測の域を出ませんが、痛みについては、循環器内科で、心疾患による胸痛で無い事を確認する必要がありますが、おそらく女性ホルモンの影響からくる乳腺症でしょう。病院をいくつも変える必要はありませんが、乳腺外来で定期的(例えば6ヶ月毎)に診察を受け、悪くない事を確認してもらうと、精神的にも安定するのではないでしょうか。「同じような結果になるのがむなしい」というのではなく、「同じような結果でよかった」という評価になるのだと思います。(文責 須田)

 

No.4282】 05年08月17日     k m
骨転移の痛みについて

妻が今年1月下旬に右乳房の温存手術を行いました。センチネルリンパ節生検で転移がなく、リンパ節切除なしです。断端陽性でしたので、放射線照射を30回行い、現在ゾラデックスを月1回注射、ノルバデックスを毎日服用しています。少し前から、右脇腹に痛みがあると言っています。その痛みは、骨なのか、皮膚など肉質部分の痛みなのか、よくわからないと言っています。患部を押さえたりした時のみ痛みを感じるということです。通常、骨転移の痛みというのは、圧迫した時のみに発現したりするものなのでしょうか?

骨転移の痛みについてですが、何もしなくても痛い場合が多いようです。圧迫時に出現するとは限りません。不安や疑問がある場合は、遠慮せず、主治医にご相談下さい。不安を取り除く意味からも、念の為に、骨シンチ、CT、又はPETなどで確認してもらったらいかがでしょうか。

 

No.4281】 05年08月17日     TS
乳首の異常

海外に住んでおります。医療が無料なのですが、待ち時間が長く、専門医とのアポイントメント待ちです。去年と一昨年にもこのような症状がありました。分泌物というよりは、かさぶたのようなものが乳頭に出て、綿棒などで取るとぽろんと取れます。色は、黒から茶色の間です。先週に起こったときに、綿棒で乳頭の周りを拭いたら、べっとりとではないのですが、すこし茶色いものがふき取れ、臭いをかいでみたら、くさかったのです。昔から左右の乳房の大きさが少し違い、少し小さめの右の乳房の乳頭からそのような症状が出ました。その右の乳首は、よくみると下のほうから、乳首とは別に小さい出っ張ったものがあり、そこが赤くなっています。また、ここ3ヶ月ぐらい、生理前になると胸がはり、痛くなり、今までにない痛みです。何か、癌などの症状なのでしょうか?ご教示ください。

直接診察しないとはっきりした事は申し上げられませんが、授乳期以外の乳頭分泌は、検査が必要です。特に血性乳頭分泌の場合、統計的には、70%は乳管乳頭腫(良性)ですが、残り30%が乳癌です。乳癌でない事を確認する為にも一度専門医を受診して下さい。また月経前の痛みや腫れは生理的なもので、異常なものではないと思います。(文責 須田)

 

No.4280】 05年08月17日     MM
パジェット病と診断されました

70歳になる母のことで、ご相談お願い致します。3ヶ月位前より乳首にただれがあり、皮膚科で診察をうけ塗り薬を塗布しましたが改善されず、その後、病理部分を切り取り検査したところ、パジェット病と診断されました。非浸潤とのことでしたが、乳房の切除手術をすすめられております。極初期とのことなので、乳房切除と言われたときに、「何故?」と思いましたが、乳管のどこの部分にガン細胞が出来ているかがわからな為、全部をとってしまったほうが安心との答えでした。乳房を残す事は難しいことなのでしょうか? また悪い部分だけを特定できる検査方法はないものなのでしょうか?

乳頭に近い部分の乳管を主乳管と言いますが、10数本の主乳管のどれかより癌が発生し、乳頭部に広がってきたものです。表皮内に癌が進展しているものですが、乳管内の進展については、CT、MRI検査で乳癌の広がりを検出できる事が多いようです。しかし、パジェット病の場合、病変部が乳頭ですので、乳頭部を中心に切除すると残存する乳腺がなくなり、乳房を残す事が困難な場合も考えられます。主治医と充分ご相談下さい。(文責 須田)

 

No.4279】 05年08月17日     M.T.
このまま経過観察で良いのでしょうか?

41歳・出産歴2回・閉経前です。 先日乳がん検診を受けて精密検査となり、現在経過観察中の身です。 是非ご相談にのって頂きたく、現状をお伝えします。
【経過】
1) H17年6月12日に地域の乳がん検診(マンモグラフィー有り)で精密検査となりました。
2) 6月29日職場近くの総合病院で検査 (乳腺外来では有りませんでしたが、マンモグラフィー読影認定医の方が複数いらっしゃいます) 。検査結果は、触診ではしこりなし、マンモグラフィー(2方向)では右外上に白い影があり、  場所的に乳腺とは考えにくい(主治医)、乳腺エコーでは異常なしでした。
3) 検査結果を外科のカンファレンスで検討していただき、結果は5段階中4(悪性の可能性)でした。 しかし、しこりが触れずエコーにも写らないため細胞診が難しいとの判断で、今後Aの検査をする事で経過観察となりました。
4) 8月2日(生理後10日目)に触診・マンモグラフィー(2方向+拡大)・乳腺エコーを行い、結果は変化無しで、次は3ヶ月後に検査となりました。

そこで悩んでいるのは、検査結果で5段階中の4の場合での対応方法です。 貴会HPを拝見していて細胞診が必要なように理解したのですが、私の場合は現状の方針でよろしいのでしょうか。

マンモグラフィーを読影し、「カテゴリー4」と判定されたのだと思います。「カテゴリー4」は、「悪性の疑い」であり、その意味は、「乳癌に典型的な形態ではないが、悪性の可能性が高い病変で、細胞診や生検も含めた精査が必要な場合が多い」という事になっています。貴女の場合、「場所的に乳腺とは考えにくい」との主治医の意見がありますので、厳重にfollowしているのだろう事が推測されますが、これ以上のことは、実際のマンモグラフィーを拝見しないと分かりません。疑問な点を含めて主治医に相談し、納得のいく形で今後の方針を決めてください。(文責 須田)

 

No.4278】 05年08月17日     H.Y. 
ホルモン治療

現在タスオミンを服用していますが、凝固性脂質代謝異常とはどういうもののことですか? 生理が全くバラバラで、最初の3か月飛んだと思ったら突然大量に来たり、また時々少量あったりと、不順です。体重が増えたのは個人的な問題(?)でしょうか? くだらない質問ですみません。

タモキシフェン(タスオミンは商品名です)の副作用についてのご質問です。
1) 脂質代謝についてですが、閉経後女性に対して、総コレステロールを10%、LDLコレステロールを15〜20%下げ、中性脂肪に関しては逆に上昇させますが、心血管系疾患の発症率や死亡率に関しては、低下させるという報告と、有意な差はないとする報告があり、まだ評価ははっきりと定まっていません。
2) 長期連用により血液凝固能の促進が見られ、稀に血栓症(心・脳・四肢等)が現れる事があり、血栓性静脈炎や肺塞栓症がある人、又は既往がある人は投薬できない事になっています。
3) この薬剤には抗エストロゲン作用とエストロゲン様作用の両方があり、体重増加、ほてり、性器出血等の副作用がみられます。一般的に使用する薬剤ですが、副作用の出現については個人差がありますので、不安な点、疑問な点などは、主治医にご相談下さい。(文責 須田)

 

No.4277】 05年08月17日     A.T.
脇下の腫れとしびれ

ご相談があります。私は28歳になります。1週間ほど前から突然、左脇下の奥のほうが痛み出しました。少し熱をもっているようで、押してみると少し腫れているようでした。左腕にも少し痺れが出てきています。左半身を下に横になると、痛みがあります。何かの病気の可能性はありますか? あるとすればどのような病気でしょうか?

直接診察しなければ断定できませんが、一般的には左腋窩のリンパ節炎などが考えられます。左上肢のどこかに外傷があると、そこから感染が起こって、腋窩リンパ節に炎症が及ぶ事があります。いずれにしても診察が必要ですので、外科を受診してご相談下さい。(文責 須田)

 

No.4276】 05年08月17日     N.N.
両胸にエコーで影が写りました

33歳、未婚女性です。左胸上にしこりを感じ、乳腺外科を受診したのですが、色々不安になり相談させていただきました。お忙しい中恐縮ですが、よろしくお願いします。乳腺外科を受診し、マンモを4枚とり、触診をした際、担当医の先生より『左胸上にしこりがあるようだが、乳腺だと思う。マンモに異常は写っていない。癌ではないと思うが、念のためエコーをしましょう』と言われ、後日エコーをすることになりました。その後にエコーをしたところ、両胸に影が写った為、両胸上部に針を刺して組織を調べました。先生によると『脂肪が固まって写っているのかも。大丈夫だと思うが、念のため針を刺して組織を調べましょう』との事でした。マンモに異常がなくても、エコーで癌が写ることは、よくあるのでしょうか?エコーの影は黒っぽく、1cm弱だったように記憶しています。組織の結果はもうすぐでるのですが、とても不安です。よろしくお願いします。

乳房撮影では、X線透過率の違いによってフイルムの白黒の濃さが変わってきます。超音波断層検査では、乳房に超音波を入れ、音の反射をモニター上に描出して、音の反射の違いを形に表しています。従って、例えば、乳房に瘤を触れても、その瘤と乳腺のX線透過率が同じであれば、マンモグラフィー上、影ができず、異常は写らないということになります。また、超音波でも、乳腺、脂肪などと瘤が音響学的に同一の反射をすれば、形として描出はできません。以上より、貴女のように、「乳腺内に瘤があっても、マンモグラフィーでは異常がなく、超音波で描出される」ことがあっても不思議ではありません。実際の臨床現場でも、少なからず、このような場面に遭遇します。(文責 須田)

 

No.4275】 05年08月17日     Y.S
DCISの手術について(HPNo.4097-4

お忙しい中、いつもご親切な回答を頂き有難うございます。広範囲とは乳首の少し下から上の方にかけて、正三角形のような感じだったと思います。生検をしたのは、ちょうどその頂点にあるしこりです。乳房全体の3分の1の大きさです。生検をしていないしこりはちょうど乳首のあたりにあり、切除範囲です。たちの悪いコメド型ではないかと先生に聞いた所、教えていただけませんでした。宜しかったら、もう少しご質問させてください。 
1)温存の場合、切除したシコリに近い乳首を残すことにリスクはあるのでしょうか。 
2)DCISの「取り残し」は放射線で完全に叩けるものなのでしょうか。
3)胸が小さい場合でも、マージンの病理検査は正確に出来るのでしょうか。(十分なマージンが取れるのでしょうか)

上記のことを考慮し、DCIS側の方は、再度先生に全摘をお願いしようか考えたいと思います。宜しくお願い致します。

1) 残した乳頭に癌が残存するかどうかは、手術中の迅速診断により判定します。貴女の場合、「DCISが、乳首の少し下から上の方にかけて、正三角形で広範囲にある」との事、リスクはあると考えたほうがよさそうです。迅速診断で切除断端を調べ、これを確認する事になります。
2) NSABP B-17のトライアルでは、DCISに対する乳房温存療法で、術後照射による放射線治療を行っても、8年後に、12.1%の再発があったとの報告があり、完全に叩けるとは断定できません。
3) 切除断端の検査は、胸の大きさに関わらず、胸が小さくても正確にできると考えられています。充分なマージンをとれるかどうかは、術者のデザイン次第ですが、また、充分にとると乳房形成が困難となる事も考えられます。(文責 須田)

 

No.4274】 05年08月16日     S.S
マンモトーム生検後の乳頭よりの出血(HPNo.4066-2)

先日No.4066にてご相談させて頂いたものです。先日はお世話になりました。マンモトーム生検を受けました。生検の結果は良性との事だったのですが、マンモグラフィ画像の読影結果は、石灰化分布が【集蔟性.区域製で形状は淡く不明瞭.不均一。カテゴリー3or4。5の可能性も...】他の先生と意見が分かれました、と。(ちなみに両先生とも石灰化ご専門とのこと) 画像をご覧になったときは90%癌の疑いと考えていたそうです。念のため次回MRI検査→結果次第で再度マンモトームをしましょう、との事でした。マンモトーム検査の翌日、ガーゼをはがしたところ乳頭から微量の出血がありました。結果のときに先生に聞き忘れてしまいまして、次回面会はMRI検査後の結果の際、一ヶ月ほど先になってしまうのですが、その時でも良いでしょうか? 至急で先生に申し伝えたほうがよいでしょうか。すぐに止まってしまったのですが、生検後このような症状は見られることなのでしょうか?今頃不安になってしまいまして・・・。申し訳ありませんが、宜しくお願いいたします。

「石灰化専門の医師」というのはマンモグラフィ精中委認定の読影医師ということでしょうか・・・。淡く不明瞭な石灰化は、その分布が区域性であってもカテゴリーとしては4止まりです。マンモトームの弱点として、淡く不明瞭な石灰化の集族など、ステレオスコピックな画像で位置を決めるときに、なかなか「位置決め」が難しく、生検に難渋することがあります。ターゲットの淡い石灰化の部分がしっかりと取れていて、顕微鏡検査でそれが良性ならば、急を要するものではなく経過観察しましょう、ということだと思います。乳頭血性分泌がマンモトーム検査以前よりあったならば、ミルクの通る乳管の内部に病変がある可能性がありますが、生検後の乳頭出血ならば組織採取の時に乳管の一部がダメージを受けた結果だと考えられます。これは、ほとんどの場合一時的なものですし、後遺症を残すものではありません。あなたの場合もすぐに止まったようですから、特に問題はないものと考えられます。(文責 首藤)

 

No.4273-1】 05年08月16日     N 
細胞検出

初めまして、宜しくお願い致します。私は2004年11月に乳癌で左乳房全摘手術を受けました。しこり2.5cm、ER(+)PR(+-)Her2(3+)ということで、AC4回、タキソール12回受け、現在フェアストン錠を服用しています。御相談は、最初のマンモ検査で反対側の乳房にも?という物が映っていたのですが、多分大丈夫ということで左側だけ手術しましたが、術後になって念のためと細い針を刺して吸引されました。結果は細胞が無いということでした。そして先月、半年後の検査で再びマンモで引っ掛かり、同じ方法で吸引されたのですが、細胞が検出されませんでした。でも今回は先生が、「ずっと不安に思うより手術で取ってしまった方が」と、胸に色々目印の線を書かれたのですが、主人も周りも反対で、マンモを半年毎に撮って経過を見て行けばいいんじゃないかと言います。先生の言われることも分かるし、実際不安ではありますが、抗がん剤から解放され、徐々に元気になりつつある今、悩んでいます。現在細胞が検出されない物でも癌化することがあるのでしょうか? 私のような例がございましたら、教えて頂けたらと思います。宜しくお願い致します。最初に手術したのは総合病院で、今回は個人病院ですが、先生は同じです。

Drとしては何度も針を刺して痛い思いをさせたにもかかわらず確定診断に至らず申し訳ないし、ここは組織をしっかり取って良性なら良性で無用な悩みから解放させようとして助言されたのかと思います。「マンモで「?」」というのがどういう所見なのか分からないのですが、例えば超音波検査でも同じ場所に?というところがあり、超音波をみて病変を確認しながら針を刺して細胞をしっかりと取り、その結果細胞がないということを2度繰り返しているということでしたら、悪性である可能性はかなり低いと思います。もう一度主治医の先生に今回予定されている処置(手術)のメリット・デメリットの説明を求めることと、あなたのお気持ちを再度伝えてみてはいかがでしょうか。(文責 首藤)

 

No.4273-2】 05年08月19日     N 
細胞検出(2)

早速のお返事、有難うございます。「マンモで?」というのは、マンモでは石灰化があると周りが砂嵐のように映り、それが良性なら砂の角が丸く、悪性なら角がとがっているというようなことを言われました。私のそれは、先生が虫眼鏡で見られると顔つきがちょっと心配な気がすると・・・。細胞採取法は、2回とも超音波を見ながら針を刺され、「2〜3箇所から取ります」と。でも2回とも取れませんでした。私の気持ちとすれば、次回12月の検査で癌化していれば、5ミリですが全摘しようと思います。もし今これが癌だった場合、12月迄に広がってしまうことも考えられますでしょうか?癌だった場合、抗がん剤をしないといけないでしょうか?主人も友達皆も、「考え過ぎよ!」と言いますが・・・。再度質問になってしまって申し訳ございません。

貴女のお気持ちを励まそうとするために、「考え過ぎ」と言う言葉になるのだと思いますが、左乳房の事が頭から離れないというお気持ちもまた理解できます。心配で日常生活が手につかないようであれば、12月まで待たず、もう一度近日中に受診し、細胞診、又は生検を含めた検査をする方向で主治医に相談してみるのも一つの方法かもしれません。前回の回答者、首藤先生と同意見です。(文責 須田)

 

No.4273-3】 12年03月14日     N 
再発後の治療について

HPNo.4273でご相談させて頂きましたNと申します。其の節はありがとうございました。再び宜しくお願い致します。左胸手術後7年間、右胸のそのしこりを、毎月のエコーと年1回のマンモで検査していましたが、昨年2月を最後に検査をやめていました。ところが、最近急にしこりが軟らかい感じに大きくなり(私が力を入れて毎日触り過ぎたかも)、検査したところ悪性で、全身検査後全摘手術をしました。センチネル手術で脇のリンパに15個中7個の転移があり、1年位でそんなになるのかと大ショックでした。今は退院したばかりで、しこり2cm、リンパ転移7個としかわかりませんが、左の時Her2(+3)なら、右も同じかもです。家族、友達に恵まれ、前回の治療は苦しくもなく終了しましたが、前回使用したACやタキソールは耐性が出来てますね? 私の今の状況での最善と考えられる治療法と、治療後の予後と生存率を教えて頂けたらと思います。参考に無治療でのそれもお聞かせ頂いたらと思います。宜しくお願い致します。

前回使用したACやタキソールは7年前ですので、右の乳癌がその後に新たに発生したものだとすれば、耐性が出来ていない可能性はあると思います。耐性と考えるなら、別の薬剤を選択することになります。よく主治医と相談してください。 Adjuvant ! Onlineという予後予測に当てはめてみると、治療後10年後の再発率は67%、生存率は73%となります。無治療では再発率は73%、生存率は50%となります。(文責 石川)

 

No.4272】 05年08月14日     K.I.
ノルバを飲み続けるのでしょうか?

こんにちは、検索で「ノルバ、発疹」で探し、掲示板で拝見してメールしました。私は今ノルバ三週間ですが、切除腫瘍部分に、ぶわあ・・・と真っ赤に発疹ができました。脇、背中の一部分にも広がっています、熱はありません。これってノルバの副作用か心配で・・・。あせもでも湿疹でもありません。生まれて初めての発疹です。主治医はお盆休みなので不安です。ノルバを続けた方がいいのか、教えてもらえますか?

とりあえず薬疹の可能性もありますので、一時内服をやめて、お盆休み後に主治医外来を受診されることをお勧めします(文責 首藤)

 

No.4271-1】 05年08月14日     H 
乳管腺葉区域切除について

30歳未婚女性です。今年6月右乳頭の単一孔より血性分泌物あり、乳腺外来を受診しました。初診でマンモグラフィーと触診の段階から、腫瘍であるため良性でも乳管腺葉区域切除をすると話がありました。乳管造影では欠損陰影らしき所見あるがはっきりはせず、分泌物の細胞診では「擬陽性」。しこりはないも、エコーでは2箇所腫瘤らしきものあり、吸引細胞診を施行したが「陰性」で、出血源とは無関係の場所のようだと。MRIでは、出血源部位が白く染まっているが、他も全体的にまばらに染まっており判断出来ず。やはり悪性も否定は出来ないため、全麻(腺葉の末梢まで切除するには範囲が広く、局麻では苦痛を伴うためとのこと)で乳管腺葉区域切除を勧められました。一年前に胸を強打しており、それが原因であれば無意味なOpeとなることにも不安があり、主治医に話したところ外傷性ではないとのことでした。未婚であり胸に傷が出来ることに躊躇しますが、やはり診断がつかないまま抱えているのも不安があり、Opeするつもりで気持ちが固まったところで、2週間後にOpeする方向で決まりました。ところが先日、別の病院の医師から、局麻で生検が主流で、診断のために腺葉全体まで取るOpeの必要性はないのではないかとのことで、セカンドオピニオンを勧められました。セカンドオピニオンを求めるにしても、検査結果による方針決定というよりは、大学病院の系列による方針(癌は末梢に出来るため、疑わしきは全体切除する or なるべく切らずに診断をつける)の違いが大きいのではないかと考え、選択に悩んでいます。第三者の意見をお聞きしたくメールしました。よろしくお願い致します。

病変が「腫瘍」である可能性が高い場合、それが広範囲に分布しているならば、全部きれいにとるためには局所麻酔ではかなり困難な手術になると思います。病変が腫瘍であるかどうか、また良性か悪性かといった診断は、局所麻酔で切り取れる少量の検体で診断可能でしょうが、その結果腫瘍であれば結果として再度全身麻酔で広範囲の乳腺組織をとることになります。画像診断などで明らかに「腫瘍」ならば、二度手間を省く意味からも最初から全身麻酔でしょうし、病変が「腫瘍」かどうかも最初から疑わしい、というのであれば局所麻酔でまず診断をつける、というステップもあると思います。あなたの場合、主治医は「腫瘍である」という診断をつけられているのですから、最初から全身麻酔を推奨されているのでしょう。(文責 首藤)

 

No.4271-2】 05年09月14日     H 
粘液癌について

先月HPNo.4271で相談させていただいたHです。8/26に右乳管腺葉区域切除をしました。術中の迅速では病理検査は行わず、先日結果が出て、「乳管内癌がほとんどを占めていたが、断端は陰性、内部に粘液癌(4×7mm)あり、リンパ・静脈侵襲(−)」との事でした。粘液癌は術前のエコーでも確認できなかった程小さいものであるから、追加手術は行わずに、今後放射線治療30回+ホルモン療法5年必要と説明を受けました。幸い傷跡は小さく目立たず、救われた気持ちでおりましたが、粘液癌もあったという事が気にかかっています。エコーでも確認できなかったという事でしたが、浸潤癌ということを考えると、術前に「MRIでは乳頭分泌がある病変部位の他にも全体的にまばらに白く染まっており判断できない」と言われたことについても画像現像条件の問題ではなく、病変の可能性への不安もあります。粘液癌についての知識がなく想像になりますが、術中の迅速病理などで診断がつけば、本当はもっと広範囲の手術になっていたのでしょうか? 他にも残っている可能性を考えると、放射線+ホルモン療法の選択で良いのでしょうか? よろしくお願い致します。

断端にがんがないということは、その病変については、取りきれたと考えてよいと思います。術中迅速病理診断をしたとしても同じ結果です。しかし、残った乳腺にも、前がん病変などの可能性があるため放射線を照射するわけです。放射線+ホルモン療法で十分と考えます。MRIの所見は、かならずしもがん病変とはいえません。(文責 徳田)

 

No.4270】 05年08月14日     N.K
ろれつが回らないのは副作用でしょうか?

今回で3度目の質問になりますが、毎回丁寧なご返答に感謝いたします。妻が乳がんW期で入院し、ハーセプチン、抗がん剤の治療を始めて2回目が済んだ時に白血球の数が下がり、白血球を増やす注射を打ちました。その翌日からロレツが回りづらくなりました(しゃべりづらくなった)。脳への転移ではと思い、医師に相談し、脳のCTをとりましたが、脳へは転移なしとのことでした。しかし、しゃべりづらい感じは取れない様子です。色々な書物を読んでもはっきりせず、今回質問させていただきました。何か考えられることを教えてください。よろしくお願いします。

GCSFの副作用症状としては骨痛(腰痛など)、発熱、ショック症状、また肝機能障害、肺炎、碑腫(脾臓がはれる)などが比較的多く報告されています。ご質問のような症状は副作用としては報告されていないようです。やはり脳血管障害など、ほかの原因が考えられると思います。(文責 首藤)

 

No.4269】 05年08月14日     Y 
針生検について

2、3ヶ月前に胸にしこりがあるのを見つけ、先月乳腺科のある病院に行き、エコー?(胸にゼリーをつけてバーコードのような機械で調べる検査)と細胞診をしました。エコー検査で、たぶん「腺維腺腫(1cm×2cm程度)」だろうという診断を受けました。先日、細胞診の検査結果を聞きに病院にいったのですが、「必要な成分が検出されませんでした」(たぶんこういう事がパソコン画面にでていました)とのことでした。先生に、「3割くらいこういう事があるんですよ」と言われ、このまま3ヶ月くらい様子を見てもいいし、癌ではないけれど何かは分からないので、白黒つけたいのであれば針生検という検査をしてもいいとの選択肢を与えられました。私は針生検をすることにしたのですが、私の仕事の都合上、再来週まで検査が受けられません。しかもその時はちゃんと聞いているつもりだったのですが、本当に「癌ではない」と言われたかも、今曖昧な状態で、とても心配しています。3割くらい結果がでないことがあるというのは本当でしょうか? 細胞診で結果がでなくても、癌ではないということがわかるのでしょうか? 私の年齢は24歳です。よろしくお願いします。

ご年齢と、おそらくエコーの画像から(じっさいに拝見してませんが)推察するに乳がんは否定的かと思います。細胞診は注射針で細胞を抜き取る方法なので、線維成分(硬い部分)が多い腫瘤などでは、検査に必要な細胞が取れないことがあります。その場合、画像診断などで悪性(がんなど)の可能性が高い場合には、さらなる検査(針生検、切除など)で確定診断を得る必要があるでしょう。「がんではない」というのは前述のような画像検査等で悪性の所見に乏しい、ということだと思います。いずれにしてもしっかりとした確定診断を得るためには針生検、生検などによる組織診断が必要となります。(文責 首藤)

 

No.4268】 05年08月14日     H.Y. 
乳腺症と妊娠

よろしくお願いいたします。34歳です。3ヶ月前に右乳房に1p強の乳頭腫を切除していただきました。その直後、左乳房にも米粒大のしこりに気付き、念の為再度エコーで検査していただき、こちらの方は大きさからしても心配ないでしょうということで、半年後の検診を勧められています。左胸には時々痛みがあります。7年前にも乳腺症ということで、しこりを切除したことがあります。今後定期検診は必ず受けていこうと思っていますが、現在妊娠を希望しており、自分の胸の状態について不安があり、ご相談したくメールいたしました。乳腺症でしこりがあっても、母乳には問題はないのでしょうか? また妊娠出産したことで、乳房の状態に影響はでますか? お忙しい中恐縮ですが、お答えいただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。

乳腺症自体が妊娠や授乳に支障を来すことはありませんが、今後妊娠を希望されているのでしたら、左乳房のしこりの現状をみてもらう意味からも、一度主治医を受診されることをお勧めします。(文責 首藤)

 

No.4267】 05年08月14日     I
線維腺腫を手術した後について

はじめまして。現在26歳なのですが、1年半前に右の乳房に1センチほどのしこりが見つかり、乳癌検査の結果、良性の腫瘍とわかりました。しかし、切ってみないと最終的にはどういうものかはわからないとも言われました(針で組織を取り出して調べるには場所が少し深すぎたため)。その後、半年に1回の定期検査を受けて、大きさも変わることがありませんでしたが、今年の5月に、まだ年齢が若いけど手術も考えてみてくださいと言われました。家族と相談し、7月始めに手術をして取り出し、検査の結果、線維腺腫で良性のものだということがわかりました。現在手術から1ヶ月経ち、やっと傷口が乾いてきたので、手術後始めて手術した場所を触ると、まだ同じようなしこりがある感じがして不安になりました。また再発したのでしょうか、これはどういうことが考えられますでしょか。よろしくお願いします。

線維腺腫は境界明瞭なしこりですから、取り残しはまずないでしょう。手術してまだ一ヶ月であれば新しくできた、というよりも手術後の肉芽形成など、傷の治りかけに起こる正常な状態だと思います。(文責 首藤)

 

No.4266-1】 05年08月14日     M.M
左乳房のしこりについて

初めて、メールさせて頂きます。毎年夏、帰国した際、総合病院の乳腺外来乳房の定期検診を受けておりますが、今回帰国前から左乳房のしこりが大きくなった気がしたので受診した所、「確かにしこりが3.8cmになっているが、良性」と判断されました。けれどその時医師から、注射により抜き取りを勧められ、同意しました(摂取したものも異常なし)。その後、一時はその部分が陥没していたのですが、1ケ月もするとまた大きくなり、更に以前のしこりより硬くなってしまいました(以前のしこりは触るとふにゃふにゃしていた)。医師からは元に戻る事は無いと言われていたのですが・・・。また、以前のしこりと比べると硬いので、触れると痛かったり、つっぱり感を感じたりするのですが、このしこりは切除しないといけなくなるでしょうか? また、異常ないものを抜き取ったりしたのが、よくなかったのでしょうか? 今度の帰国の際、違う病院でのセカンドオピニオンを受けようか悩んでいます。よろしくお願いいたします。

注射で抜き取ったあとに小さくなったということから、しこりは「のう胞」(液体成分のたまり)ではないかと思います。実際に診察はしておりませんので確定診断はできませんが、以前より変化があるのでしたら前回のような検査(細胞診検査など)が必要だと思います。(文責 首藤)

 

No.4266-2】 05年08月19日     M.M
左乳房のしこりについて(2)

ありがとうございました。のう胞と言うのは、抜き取るとすぐ戻って、以前より形体が変化し固くなるのでしょうか?受診以前のしこりは、徐々にその大きさになったように思うのですが?実はその後、渡航前に同病院(総合病院の乳腺外来)で再検査を受け、「前より硬いのですが・・・」と言った所、以前と同じものと言われ、また、「抜き取ったら再発しないのでは?」の質問にも、「戻りましたね」と簡単に言われてしまいました。一応その後エコーもしてもらいましたが、細胞診はしませんでした。ただ、一年に一度の定期検診は必要だそうです。今、この固いしこりに触れる度、「ホントに前のしこりと同じなのだろうか?」と心が晴れません。今は海外に住んでいるので、すぐに受診できないのですが、思い切ってもう一度検査に帰国してみようか、次回冬の帰国の際にするか、そして、同じ病院で受診するか、色々一人悩んでいます。

のう胞で、内容を吸引した後に再度たまる事はよくある事ですし、更に多くの量が溜まると固くなる事は、当然考えられます。また、のう胞の内側や周囲に、確率は少ないですが、乳がんが発見される事がありますので、定期的なフォローが必要になってきます。細胞診をしたり、のう胞の形に変化がないかどうかを確認するために超音波を行ったりします。急ぐ必要はありませんが、次回帰国時に乳房撮影、超音波、細胞診等の定期検診を受け、前回との画像を比較・確認してもらうと安心できるのではないでしょうか。(文責 須田)

 

No.4265-1】 05年08月14日     H・M
粘液癌について

いつも拝見させていただいています。45才閉経前、今年一月、1.5cmの粘液癌(PURE)が見つかり、温存手術を受けました。グレード1、ERマイナス、PGRプラス 、リンパ節転移無し、断端1ミリ陽性のため放射線30回終了し、現在タスオミンD錠を内服しています。粘液癌の再発について資料がほとんど無く、局所再発しやすいとか、抗癌剤がききにくいとか、でも再発したら他の癌と同じように治療するとか、不安な材料ばかり耳にします。先生の粘液癌の再発の具体的なご経験を教えていただけますか? 今は、ほぼ以前と変わらない毎日を元気に(?)送っておりますが、甘えかも知れませんが、どうしても気持ちの中に暗いものがあり、情けないです。よろしくお願いいたします。

Pure Typeの粘液癌は比較的予後がよいことで知られています。あなたの場合、おそらくBoost照射を加えた放射線療法も行われていると思いますし、ホルモン療法も受けられており、しっかりとした治療をお受けになっているのではないでしょうか。今後もがんばってください(文責 首藤)

 

No.4265-2】 05年12月05日     H・M
乳癌再発予防と子宮筋腫について

9ー11月に生理が1ヵ月続き、大出血も2度あり、婦人科で子宮鏡、MRIをうけた所、癌は無いものの、粘膜下筋腫、筋巣内筋腫が複数個あることが判明し、ホルモン剤の影響もあり、出血を繰り返すのだろうと、子宮と卵巣の全摘出を勧められています。卵巣全摘後の更年期症状に乳癌患者はHRTはできないし、その際どうするのか不安があります。かといって卵巣を残すのは女性ホルモンで乳癌の再発を促し、出血も続き筋腫も増大するから考えにくいと、主治医も婦人科医も同意見です。手術する、しないのメリット、デメリットを考え、思い悩みます。閉経まで手術なしでガマンしていくのはムズカシイことなのでしょうか?長くなり、申し訳ありません。

手術時に閉経前であれば、ゾラデックス、リュープリンという注射剤で生理を止める薬剤と、タスオミン(タモキシフェン)の内服を併用するという選択肢もあるかと思います。そうすれば、閉経状態になりますので、筋腫に関しては縮小傾向になると思います。今からでも遅く無いと思いますが・・・。ただ、更年期症状の出現がありますので、その際にHRTをどうするか・・・ということになります。更年期症状に関しては一部の漢方療法も行われていますし、考えてみてはどうでしょう。(文責 鈴木)

 

No.4265-3】 05年12月20日     H・M
乳癌再発予防と子宮筋腫について(2)

先日はHPNo.4709で、有難うございました。3日前から、また出血しています。多くもなく少なくもなくといったところですが、頭痛がひどく、市販の頭痛薬を3日も飲んでしまっていますが、良くないですか?(今朝もまだ痛いので、また飲んでしまいそうです)  普段からいろいろ考えて、科学的な結果から冷静に判断しなければいけないことは重々わかっています。自分でも矛盾していると思いながら手術を躊躇してしまっています。乳癌の再発予防を考えれば子宮を取ることなんてなんでもないことなんでしょうか? そういったケースはよくあることなのでしょうか? 何度も申し訳ありません。

前回担当された鈴木先生のごとくゾラデックス+タモキシフェンで女性ホルモンをなるべく抑制して二次的に筋腫を小さくするのも一つかと思いますが、現状でかなりの出血が続いているのであれば、手術も一つの有効な手段と思います。(文責 首藤)

 

No.4265-4】 06年04月20日     H・M
前壁心筋虚血って何?

HPNo.4765では有難うございました。主治医と何度も話をし、納得して子宮と卵巣全摘手術をすることに致しました(さんざん文句を言ってしまいましたが、バトルのできる主治医に恵まれ、感謝しています)。術前検査の心電図で、昨年6月に続き前壁心筋虚血の疑いと言われ、乳癌手術以前にはこのようなことはなかったので、放射線の影響なのか(左60グレイ)、それとも単に年令的なものなのか、今回の手術に際して何か気を付けることはありますか? 手術には平常心で臨みたいので、心配事は少しでも減らしたいと思います。よろしくお願い致します。

温存乳房への放射線は、照射の接線方向で、場合により肺の一部に放射線がかかることが稀ですが見られます。心臓は肺よりも深部にあり、心筋に直接放射線がかかることはまずありません。術前検査で心電図に異常があるのでしたら、心エコーやホルター心電図・負荷心電図などの精査を心臓専門医の診察のもとに行うのがよいと思います。(文責 首藤)

 

No.4265-5】 06年08月19日     H・M
閉経後の体調が…

HPNo.5221ではお世話になり、お陰様で無事子宮卵巣全摘手術を終えました。術後、汗が出たり、先日15日(火)は、夕方5時半頃から急に左胸にギューッと刺すような痛みを感じ、息苦しく、冷や汗タラタラ、それが夜10時半過ぎまで続き(でも途中食事もし、子供の送り迎えもし、お風呂も入り)、また夜中にも20分程同じ痛みがありました(でも朝には何ともなく) 。術前、心筋虚血の疑いもあり、でも心筋シンチも異常なく…と閉経してからの体調が安定しません。15日は昼間、肩から背中、首の痛みで主治医に相談したばかりでしたので、またすぐ受診するのも行きにくく、コレは何だったんだろうと不安です。気にしすぎでしょうかー?

両側卵巣を切除されたのであれば、体内のホルモン環境が変化したことによる体調の変化が十分考えられます。(文責 首藤)

 

No.4264】 05年08月14日     Y 
タモキシフェンからアリミデックスへ

以前にも何度か相談させていただいたものですが、今回ホルモン剤についてぜひご意見を伺いたいと思い、メールさせていただきました。昨年1月に手術をし、放射線治療後ホルモン剤(タモキシフェン)を服用して1年ちょっとになります。今年の1月から生理が止まっているので血液検査をしたところ閉経していると言われました(現在48歳)。以前雑誌で、タモキシフェンを5年間服用するより、途中でアリミデックスというアロマターゼ阻害剤に替えたほうが、より再発率を下げられるという記事を読んでドクターに尋ねたことがあるのですが、そのときに、もし生理があるようなら(閉経前)そのままタモキシフェンを服用し、途中生理が1年ないし1年半ぐらい無いようなら(閉経後)その後アリミデックスに替えたほうがよいというお話でした。今回、生理が止まってまだ7ヶ月ですが、閉経という結果からでしょうか、すぐにアリミデックスに替えるように言われました。日本では、卵巣機能の働きそのものを止める注射をして閉経状態にしながらホルモン剤(タモキシフェン)を服用するのが一般的で、むしろそうすることでタモキシフェンの効果を得られるというふうに聞いています。ということは、閉経しているほうが効果的ということですよね。
1)閉経した途端すぐにアリミデックスに替えても問題ないのでしょうか? 
2)血液検査で閉経という結果が出ましたが、タモキシフェンによって閉経してしまった場合、薬をやめた時点で生理が戻ってくることはないのでしょうか? 

ホルモン剤(タモキシフェンとアリミデックス)についてのご意見をお聞かせいただきたいのですが・・・。よろしくお願いいたします。

「日本では卵巣機能をおさえながらホルモン剤を服用するのが一般的」というご指摘ですが、残念ながらこれは日本だけでの話ではありません。 由来となるデータは欧米のINT−0101トライアルというものです。これはホルモンレセプタ陽性、リンパ節転移陽性の閉経前のかたを対象として@化学療法のみA化学療法後ゾラデックス(卵巣機能抑制剤)B化学療法後ゾラデックス+タモキシフェン(ホルモン剤)の3種類の方法で経過を追って行くとBの方法が、特に化学療法後も生理が続いた方で他の方法よりも明らかに無遠隔再発生存期間が延長している、という結論を出しており、日本における術後ホルモン療法もこの結果に従って行われていることが多いということです。
アリミデックスの使い方ですが、ご年齢から非常に「微妙」と思います。つまりご指摘のごとく、あなたの場合まだ完全な閉経とは言い切れないからです。 ただアドヴァイスとして申し上げると、タモキシフェンからアリミデックスへのスイッチの有用性を示したARNOトライアルは、デザインとしてタモキシフェンを2年内服後にアリミデックスを3年内服した場合とタモキシフェンを5年飲み続けた場合で比較し、スイッチしたほうがよいという結果を出しています。あなたの場合タモキシフェン服用が一年ですから、後一年待って、合計2年タモキシフェン内服後(そのころには閉経が明らかになっているかもしれません)にアリミデックスにスイッチするという選択もあり得ると思います。(文責 首藤)

 

No.4263】 05年08月14日     Y.S.
DCISの手術について(HPNo.4097-3)

7月にHPNo.4097でご相談させていただいたY.S.です。両胸のガンは右が2.3cmの乳頭腺管癌で、左はDCISという組織検査が出ています。8月25日に手術の予定です。お尋ねしたいのはDCISの手術についてです。胸の3分の1に広がっており、2cmほどのしこりが乳房の近くと鎖骨の8cmくらい下に二つあり、生検はそのうち後者のみの結果で、DCISと出ました。もうひとつのほうも検査するべきだったのでしょうか? 主治医の先生は両胸温存とおっしゃっています。再発の可能性を考えると全摘したいと思うのですが、私の意見を聞いてくれませんでした。この様な広範囲のDCISの場合(しかも石灰化のあるしこりが二つ)の手術は、どうしたらよいのでしょうか? ホルモンレセプターが陽性か陰性かということも、生検で出していないのも心配です。アドバイスを宜しくお願い致します。

広範囲なDCISという場合(「広範囲」が具体的にどの程度広範囲かということが問題ですが)、温存術には「取り残し」というリスクが伴うと思います。乳房の近くのしこりが、予定されている温存術による切除予定範囲内であれば問題ないですが、そうでないならば術前に生検等を行って、そのしこりが悪性でないことを確認すべきだと思います。レセプターは温存術後の検体からも検査可能です。(文責 首藤)

 

No.4262】 05年08月14日     M.Y. 
左脇のしこり

32歳、3歳7ヶ月と5ヶ月の2児の母です。授乳時よく乳房を触るようになり、先日左脇に1cm弱ほどのしこりを見つけ、大変心配になりました。乳のつまりか?炎症か?癌なのか・・・、考えられる病名を教えていただけたらと思います。授乳前も授乳後も大きさは変わらず、最近気になってよく触るせいか、腕が痛む時も(これは、子供を抱いているので筋肉痛かも?)。病院にも行こうと思っていますが、授乳期に診察はできますでしょうか? もし癌だった場合、授乳に問題はあるのでしょうか? 不安で一杯です。どうか回答を宜しくお願い致します。

メールからだけでは的確な診断はできないのですが、考えられる病名としては、あなたが羅列された順番通りの病名と、あと線維腺腫などの良性のしこりや、いわゆる乳腺症などが浮かびます。乳腺超音波などの簡単な検査で鑑別できると思いますので、一度乳腺専門医を受診されることをお勧めいたします。(文責 首藤)

 

No.4261】 05年08月14日     M
非浸潤性乳管がん

よろしくお願いします。外来手術にて乳頭横のしこりを切除し、生検で「非浸潤性乳管ガン」と診断され、全左乳房切除手術を受けました(リンパは取っていません)。摘出後の病理結果で、以後の治療が全くないといわれ、お世話になった病院は専門の乳腺外科医がいなかったこと、地方の小さな総合病院であったこと、しこりは数年前からあったものなのに「きわめて早期」といわれたことなど、手術を終えてから不安がじわじわと沸いてきます。
1)自覚出来るほどのしこりが何年もあって、「早期」ということはあるのでしょうか?
2)センチネルリンパ節生検などは行っていない(たぶん)のに、リンパを残して、万が一リンパにガンが存在していたら、以後それはどうやって見つけるのでしょうか。何の治療もないのが本当は喜ばしいことなのに、とても不安です。

非浸潤がんということは、がん細胞が乳管の中だけに存在しているので理論的には転移する可能性がないわけで、その意味で「きわめて早期」と言われたのだと思います。「理論的に」ということは、ある程度の大きさの腫瘍をとって、それを数ミリ単位で切って、その結果「非浸潤がん」と診断されたわけで、意地悪く考えると切った切片と切片の間に、転移する可能性のある「浸潤がん」の部分があるかもしれません。実際に「非浸潤がん」と診断された方でも数%の方に術後再発(転移)があるわけですし、また反対側の乳がん発生のリスクも考えなければなりません。一般的には以上の理由から、たとえ非浸潤がんでも定期的に乳腺専門医を受診された方がよいと思います。(文責 首藤)

 

No.4260】 05年08月14日     W.H.
乳がんの可能性は?

初めまして。今日初めてホームページを拝見しました。いきなりメールをさせて頂いております。神戸市在住のHと申します。36歳ですが、22、23歳ぐらいの頃から右側の乳首の外側2、3cmぐらいの所にしこりのような物があり、気にはなっていましたが、大きさに変化はなく、特に何の症状もないので今まで放置してきました。その間子供も2人出来、母乳も与えてきました。1人目の子供の時はほとんどマッサージもしなかった為、胸は張っているのに母乳が思うように出ず、右側の乳房だけがカチカチになり、しこりのあたりが変形した時期もありましたが、すぐに元に戻りました。最近、仕事上パソコンを長時間使うようになり、右肩だけが異様にこることが多くなりました。そのせいか10年以上も気にかけていたしこりが更に気になるようになり、何となく痛みを感じるようになりました(ずーっと続いたり、さわると痛いというものではありません)。それが肩こりからくるのかどうか、定かでは有りません。やはり乳ガンを考えないといけないのでしょうか。お忙しいなか、申しわけありません。回答いただけますでしょうか。

ご質問のメールからは乳がんの可能性は低いと思いますが、残念ながら的確な診断はできかねます。一度お近くの乳腺専門医を受診されることをお勧めいたします。(文責 首藤)

 

No.4259】 05年08月14日     M.T
乳頭異常分泌の手術

数ヶ月前から乳頭分泌に血液が混じり、病院で検査後、8月12日に乳腺腫瘍(乳頭異常分泌)の手術を受けることになりました。良悪性の鑑別と腫瘍の検査。手術式は腫瘍摘出術。局部麻酔で入院2日で手術を受ける予定なのですが、この手術のリスク(成功率など)、良悪性の鑑別と腫瘍の検査で、今後どの様な病気の発見があるのか、その場合どの様な治療(手術など)があるのか、この病気は完治するものなのか、一生付き合っていかなければならないものなのか、是非教えていただけないでしょうか。

乳頭分泌の原因としては、ミルクの通る乳管の中に腫瘤(良性の乳頭腫や非浸潤がん)がある場合や、単にホルモンが関係する乳腺症により血性の分泌物がでている場合があります。前者の可能性が高い場合、局所麻酔下に病変と思われる乳管を切除します。あなたの場合、このような術式が選択されたと思います。今回の乳頭分泌の原因となる病変部が確実に切除されていれば完治されると思いますが、良性の乳頭腫はまれに多発のことがあり、その部分は完治しても、また別の部分で同様のものができることもあります。(文責 首藤)

 

No.4258】 05年08月14日     M.I
腕のだるさとむくみ

いつもこちらのサイトを拝見し、参考にさせていただいています。昨年7月に右側を全摘し、リンパ節郭清(リンパへの転移はありませんでした)をしました。右腕が時々だるくなり、指先に力が入らなくなったり、多少浮腫が出ることがあります。特に力仕事や腕を酷使するようなことはしていません。マッサージをしたり、腕を高くして寝るなどの簡単な予防方法はやっています。日常生活にも多少の支障があるので(いつもではないのですが、字を書く時に力が入らなかったり震えたりすることなどがあります)、何とかならないものかと思っています。予防方法などあれば教えてください。

術後にあなたのような訴えをされるかたは決して少なくありません。手術された病院のリハビリ科にPTがおられると思いますので、一度リハビリ科を受診されることをお勧めいたします。(文責 首藤)

 

No.4257-1】 05年08月14日     Y.K
肝臓転移?

お忙しいところ、申し訳ございません。平成10年12月、右乳房温存手術(T1−N1−α)。平成16年6月、右乳房全摘。現在リュープリンにて治療中に肝臓ガン(多発性)が見つかりました。いろいろと検査していただきましたが、原発が特定できず、肝臓の癌の映像も乳癌からの転移とは考えにくいとの事でしたが、「とりあえず乳癌の転移として治療していきましょう」と言われました。こういう例の場合は、それが標準治療となるのですか?

画像診断の結果乳がん転移によるものとは考えにくいという状況では、乳がんの治療を行うのが最善とは思えません。原発特定のための検査をどれだけされたか不明ですので明言できませんが、肝臓原発のがんの場合と他からの転移性のがんなのかで、治療方針は大きく変わると思います。(文責 首藤)

 

No.4257-2】 05年08月17日     Y.K
肝臓転移?(2)

ご返信有難うございます。私の場合は超音波でたくさんの影が見つかりました。原発特定の検査としては、血液検査および腫瘍マーカー(全て正常)・CT(縦郭腫大の疑い)・骨のMRI(異常なし)・検便(2回−)・子宮体部・頚部(異常なし)でした。「他にどこも悪いところがないのならば、肝臓の組織を取ってみたら良性という事はありませんか?」とお聞きしたところ、「2、3個の影ならありえますが、こんなに多いのですからまずありえません。」と言われました。原発を特定するにはまだまだ時間がかかるみたいなので、乳癌と考えての治療ということになったわけです。まだ使う抗癌剤等のことはお聞きしていないのですが、どのようなものをどうやって使うのが最適だと思われますか?教えていただければ参考にさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

閉経前の転移性乳癌の薬物治療に関しては、一般には、ホルトバギーらの治療指針を基本として、それぞれの状況を加味して行われているようです。その要約ですが、@まず転移性乳癌であるとの診断が必要となります。 Aリスクの評価として、転移臓器、転移の程度、ホルモンレセプターの状況、無病期間、年齢、閉経状況を調べます。 Bホルモン感受性の有無、及び生命を脅かす転移であるかどうかを調べます。
ホルモン感受性があり、生命を脅かす転移がない場合は、ホルモン治療から始めます。その効果がなくなると、順次、一次、二次、三次のホルモン治療へと進む事になります。
次に、ホルモン治療で効果が認められない場合、ホルモン感受性なしの場合、生命を脅かす転移がある場合には、HERU陽性の時は抗体療法を、陰性の時は化学療法(一次、二次、三次・・・)を行う事になります。
ちなみに閉経前のホルモン感受性転移再発乳癌に対して推奨される一次治療は、LH-RHアナログ(リューブリン)とタモキシフェンの併用療法です。また、転移再発乳癌に対する一次化学療法としては、アンスラサイクリン又はタキサンを含む治療が推奨されています。
主治医と充分コンタクトを取って、納得のいく治療を受ける事が大切だと思います。(文責 須田)

 

No.4256】 05年08月14日     S・S
線維腺腫の吸引細胞診と針生検(組織診)について

はじめまして。41歳です。某総合市民病院にて、4年程前から年1回エコーで診察を受けています。最初の年にマンモとエコーで、「線維腺腫の様なので経過を見ましょう」とのことでした。今年8月に診察したら、「左胸左上の大きさ(約1.1cm)が少し大きくなっているので、超音波ガイド下による針生検(組織診)をしませんか」と言われましたが、ネットで調べてみると、初めに細胞診をするところが多いみたいです。
1)細胞診をやらずに、針生検を行うのは良くある事なんでしょうか? または細胞診を先にしてもらった方が良いのでしょうか?
2)針生検をするということは、ガンの疑いが強いのですか?
3)針生検のキズは残らないのですか?
4)針生検を行う事による合併症などはありますか?

アドバイス頂ければ幸いです。宜しくお願いします。

細胞診では採取された細胞の異型の有無を診断するにとどまりますが、針生検ではもっと多くの組織がとれることから診断が細胞診以上に正確となります。あなたの場合、しこりがやや大きくなっているということから、より正確な診断を得られる針生検を薦めたのだと思います。針生検の針は通常の注射の針よりもやや大きい程度ですので、目立った傷は残らないと思いますが、ケロイド体質の方などでは数ミリの痕跡が残る場合があります。また針が比較的大きいので細胞診より出血頻度がやや高くなります。(文責 首藤)

 

No.4255】 05年08月10日     S.F.
センチネルでの手術後DCISの可能性あり(5)(HPNo.4123-5)

お忙しい中回答を頂き、ありがとうございました。恐れ入りますが、もう二つだけ質問させてください。
1) 局所切除(術中に顕微鏡を見ながら切除断端に腫瘍がないことを確認する)とありますが、日本では私の様に、後になって腫瘍が残っているかもと言われることはないのでしょうか? ここでは一週間後に検査結果をもらいます。
2) 抗がん剤を術前または術後で行う大きな違いはあるのでしょうか? メリットを見出せないとありますが、術前に対するデミリットはあるのでしょうか?

今週には抗がん剤が始まる予定です。以上 よろしくお願い致します。

1) 可能性として@迅速切片の診断が難しく、術中は陰性としてもホルマリン固定した永久標本で見直すと陽性(段端に癌の露出があった)という場合や、A断端には癌の露出がなかったものの、ホルマリン固定された切除標本を細かく切って調べると断端のすぐそばまで癌が伸展していた といったことが考えられます。がん細胞が乳管の中にぎっしり詰まっていれば切片に連続性があり、切り足していって癌がなくなれば終わり、となりますが、がん細胞がSkipして分布していればたとえ断端陰性でも腫瘍が残っている可能性がでてきます。
2) 浸潤がんを対象とした臨床試験では、術前・術後化学療法で抗がん剤と手術の順番の違いと再発率などには関係がない、差がないことが確認されています。 比較的大きな浸潤がんが術前化学療法の結果縮小し、乳房切除範囲が小さくてすむなどのメリットはあります。しかしあなたの場合、がん自体がほとんどDCISのようですので術前化学療法のメリットがそれほどあるとは思えません。(文責 首藤)

 

No.4254】 05年08月10日     S  
乳腺線維腺腫

初めてメールします。31歳女性です。乳腺線維腺腫についての相談なのですが、左胸に8センチ程のシコリがあり(右胸にもいくつか小さいものあり)、検査の結果、乳腺線維腺腫と診断されました。悪性ではないので、手術は『やってもやらなくてもいい』と言われました。やらなくても大丈夫ですか? 乳癌に変わることはないのですか? またこの状態で妊娠した場合、胸の痛みなど心配はないですか? 宜しくお願いします。

確認したいのですが、大きさは8cmでしょうか? その大きさであれば、線維腺腫というよりもいわゆる葉状腫瘍の可能性が高く、摘出術をお勧めします。線維腺腫、葉状腫瘍などは乳がんなどの上皮性腫瘍ほどではないものの、ある程度女性ホルモンの影響を受けますので、妊娠を期に腫瘤が大きくなるなどの変化がおこり得ると思います。(文責 首藤)

 

No.4253】 05年08月10日      N・Y
線維腺腫について

よろしくお願いいたします。2000年に右乳房にしこりをみつけ、乳腺外来でマンモグラフィと細胞診検査を受けました。結果は良性の腫瘍で、大きさは2cm。2005年に自治体の乳がん検診でマンモグラフィを受けました。当然のことですが、右のしこりでひっかかり、精密検査でマンモグラフィ追加撮影・超音波・細胞診検査を受けました。結果は良性の腫瘍で大きさは2cm。2000年の検査の際には、「大きくなって痛みが出てくるかもしれないが心配ない」ということで、経過観察不要と判定されました。ところが2005年の検査では「取ることをすすめる」と言われました。理由としては「大きさが2cmであること、縦に長いのが気になる」とのこと。縦に長いのは悪性の場合が多いとの説明でした。しかし2000年のカルテをみて(同一の医療機関で検査)、5年間で変化がないので1年の経過観察になりました。二度の検査で結果が同じだったにもかかわらず、「放っておいて大丈夫」「手術で除去」と判定・診断があまりにも違うこと、特に今回の「手術して取る」という言葉にかなり動揺しています。5年間(実際には15年ほど前からしこりはありました)何の自覚症状も変化もなく過ごしてきているのに、今さら取らなければいけない理由がわかりません。このままずっと取らずにかかえたまま過ごすデメリットが何かあるのでしょうか?

5年間(あるいは15年間)しこりの大きさが変わらないところからは経過観察というオプションが妥当でしょう。初診の段階で2cmのしこりがあり、超音波像などで腫瘍の形に有意な所見があるときには、まず細胞診、あるいは組織診を行うのがよいと思います。前者は通常の注射針、後者はマンモトームや生検針をもちいて原則的に外来で行いますし、現時点で摘出術を急ぐ必要はあまり無いと思います。(文責 首藤)

 

No.4252】 05年08月10日     F  
右胸のしこりについて

こんばんわ。私は20歳で、身長165cm、体重53kgです。3ヶ月ほど前に右胸の脇側にコリコリと動くしこりを発見しました。友人に相談したところ、しこりが出来やすい体質の人もいると聞き、また、ある看護婦さんにTELで聞いたら、まず心配ないだろう、との事だったので、特に検査を受けませんでした。最近、気にして触っているせいか、痛みを伴うようになり、又、直径1cmほどのしこり以外にも、乳首から脇にかけて、しこりのような物が出来ています。乳首から時々白茶色のような液が出ていることもあるのですが、乳がんの心配は20歳ではないのでしょうか? 怖くて病院に行けず、心配が募っています。私は喫煙8年目で、日に1箱のペースで吸い続けています。乳がんの原因として、喫煙も含まれるのでしょうか・・・。又、関係ないかもしれませんが、左足親指の感覚がありません。痺れたような感覚が1ヶ月ほど続いています。乱雑な文章ですが、お答えいただけると幸いです。宜しくお願いします。

メール内容から推察するに乳がんの可能性は低いと思いますが、ご心配でしたらお近くの乳腺外来を受診されることをお勧めします。喫煙と乳がん発症との関係ですが、最近の研究では明らかな因果関係は認められていません。しかしご存じの通り、喫煙が肺癌などのリスクであることは明らかです。左足の症状は乳がんとは関係ないと思います。(文責 首藤)

 

No.4251】 05年08月10日     G 
乳腺の固まり

こんにちは。27歳既婚・子供なしです。今日乳がん検診に行ってきました。左胸の乳首より上の方に、乳腺の固まりが、右胸よりはっきり写っていました。しこりなどはなかったようです。「乳腺の固まりがあるようですので、早いうちにとは言いませんが、一度エコーを撮ったほうが良い」と言われました。このまま放置しているとガンになったりしますか? 教えてください。ちなみにマンモグラフィーは撮りました。マンモは横から挟むだけなんですか? 母は以前PETでの検診で、上からも挟まれたと言っていたのですが、横からだけでも大丈夫なのでしょうか? 教えてください。

20代のかたの乳房は乳腺が発達しており、マンモグラフィーでは乳腺が重なって濃くうつる傾向にあります。重なった部分にしこりがあっても分からないことがあるので超音波検査で乳腺の内部を検査してみましょう、ということだと思います。ご指摘のように一方向からよりも二方向から撮影した方が重なりあった乳腺の詳細が分かることがあります。最近は検診でも、特にお若いかたのマンモグラフィーは二方向で撮影することが多くなってきました。あなたの場合、超音波検査を勧められているのでしたら、一度お受けになるのもよいかと思います。(文責 首藤)

 

No.4250】 05年08月09日     Y.T.
健側の痛み(HPNo.4178-2)

お世話になります。No.4178で相談させて頂きました。他院でのセカンドオピニオンも同診断で、どちらの病院でも丁寧な説明を受け納得もし、8/18に乳房切除の手術を致します。この2週間ほどですが、健側の胸(鎖骨から脇の下、肩甲骨、首)の痛みがひどく、心配しております。日常動作や咳、深呼吸にも痛みがあり、眠れません。痛み止め(ロキソニン)も効きません。
1)今の段階で骨に転移しているという事はありますか?  また、どのようなものが想像されますか?
2)もし悪いものだった場合、一般的にどのような対処ですか?
3)痛みが精神的な場合、適切な薬はありますか?  また、このままの状態で手術をして問題はありませんか?(切除した痛みと、残った胸のこの痛みに耐えられる自信がありません。)

しこりの大きさが3cmと大きいので、骨転移の可能性はあります。術前に骨転移の有無を検査してはいかがでしょうか?もし、検査をしてあって、問題なしというのであれば、精神的なものではないでしょうか。その場合は、不安を取るような薬、安定剤みたいなものを処方して頂いてはいかがでしょう?いろいろ悩まれて手術に臨むわけですから、不安はわかりますが、落ち着いて、主治医を信頼して手術をお受け下さい。(文責 鈴木)

 

No.4249】 05年08月09日     yoko
病名について

以前からずっと胸からウミがひどく出てしまっていて、今日病院の方で診察をしていただいたところ、「ペイジェト」ではないかと言われてしまいました。その病院では手におえないので、もっと大きい病院に診てもらった方が良いと言われました。18歳でなるのはあまりないみたいで、先生も驚きをかくせなかったようでした。私も頭が真っ白になってしまっていて、あまり覚えてないのですが・・・、ペイジェットの治療法が乳癌と同じ治療法だと聞きました。本当なのでしょうか? パソコンで検索しても検索されないし、私の知識の範囲ではまったく分からないのですが、ペイジェットとはどんな病気なのでしょうか? 乳がんの一種と考えて正しいのでしょうか?これから自分がどうなって、どうしたらいのか、まったく分かりません。今年から社会人として働いているのですが、入院とかあるのですか? 副作用で髪が抜けたり、胸は切ってしまうのでしょうか? 混乱状況で乱文になってしまっていて申し訳ありません。親にもまだ話せていない状況です。お手数ですが、回答お願いいたします。

Paget病というのは、乳頭内の乳管から発生した癌で、乳頭、乳輪の表皮内に進み、乳頭のびらん、かさぶたなどを起こす病気です。非浸潤癌ですので、局所の切除で治療は完結しますが・・・。まず、その可能性は低いのではないでしょうか? やはり、通常の癌年齢で発症してきます。例外もある可能性はありますので、しっかりとした乳腺外科で診断してもらいましょう。恐らく、乳輪、乳頭に湿疹ができて、それがひどくなっているように感じますが。しっかりと、お母様に伝えて、一緒に病院にいかれたらいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.4248】 05年08月09日     M.M
左乳輪の痛み

43歳。子供が2人います。6月17日に乳腺外来で触診、マンモ、エコーの検査をしました。触診とマンモでは異常なしでしたが、エコーで左乳房に5mmほどのしこりが2つあるとのことで、1ヶ月ほど経過観察の後、7月19日に穿刺吸引細胞診をしました。結果はクラスU、以後3ヶ月ごとに要検査ということでした。穿刺吸引細胞診後5日目くらいから左乳輪の一部、左下辺りを押さえたり触ると痛いのです。痛さは我慢できる程度です(皮膚の浅い部分だと思います)。乳頭や他の部分は痛くありません。右乳房も痛くありません。分泌物やしこり、ただれ、痒み、部分的に熱を持つようなこともありません。色の変化や左右乳輪の見た目の違いもありません。ただ痛みだけです。病院には先日行って来たとこですし、その時検査であちこち診てもらって悪いところがなかったので、再び受診するのがためらわれます。やはり、もう一度診てもらった方がいいでしょうか? ご回答の方、宜しくお願いいたします。

細胞診の結果、クラスUであれば、このまま経過観察しましょう。半年に一回くらいで十分ではないでしょうか? 痛みに関しては、細胞をとったこととは関係なく、ホルモンのバランスの問題であったり、ストレスであったり、いろいろな要因で乳腺は痛むもので、その症状ではないでしょうか。(文責 鈴木)

 

No.4247-1】 05年08月09日     T 
ホルモンの感受性について

困っているうちにここにたどり着きました。ご相談させてください。17年4月、6ミリのしこりを発見。A病院にて細胞診にてクラスV、自分の希望にて腫瘍を摘出してもらう。硬癌と判明。5月、紹介の上、B大学病院にて乳房温存術、腋窩リンパ節郭清、転移はなし。その後の採血、骨シンチ検査、腹部CTにおいてはすべてに異常なし。現在はB大学病院に通院していて、治療方針としてはホルモンの感受性が分かりしだいホルモン剤をという話でした。しかし、今になって「もともとの腫瘍はA病院で取ったので、ホルモンの感受性はここ(B病院)では分からないのでホルモン剤は出せません、抗がん剤を飲みましょう」とユーエフティーEを処方されました。より安心であれば自分自身抗がん剤服用でもかまわないと考えています。しかし今後ホルモンの感受性がわらからなくてもいいのでしょうか。自分から積極的に以前かかっていたA病院に連絡し調べてもらったほうがいいのでしょうか(検体が残っているか分かりませんが・・・)。病院同士の連携が悪いように思え、そして無知な自分自身に落ち込んでいます。

ホルモンの感受性は、B病院からA病院に問い合わせてもらって下さい。それはできるはずですし、B病院が行うべきです。それと、UFTの内服ですが、最近、内服の抗癌剤の有用性もいわれるようになってはいますが、ガイドラインでも内服の抗癌剤の必要性は記載がありません。病理の結果を、しっかりと判断して頂き、乳腺外科医の判断の下、治る機会ですので、しっかりとした治療を受けるべきです。そのためには、セカンドオピニオンも必要ではないでしょうか? もし、病理の結果で動いてくれないようであれば、自分からA病院に連絡、受診して、病理結果を頂くようにしましょう。検体は残っているはずです。その際に、細胞学的悪性度、HER2蛋白の過剰発現の有無、ホルモン感受性、腫瘍の病理学的な大きさ、ここはわかるようにして下さい。また何かあればご連絡下さい。(文責 鈴木)

 

No.4247-2】 05年08月14日     T 
ホルモン治療について

HPNo.4247で質問させて頂いた者です。お忙しいところ、ご回答本当にありがとうございました。時間の都合もあり、自分でA病院に問い合わせをしました。再度、質問させていただいてもよろしいでしょうか。 細胞学的悪性度:GradeT、HER2蛋白の過剰発現の有無:1+、ホルモン感受性:ER1+、PgR3+、 腫瘍の病理学的な大きさ:プレパラート上の計測で約3ミリ×3ミリ。現在34歳、近い将来(2年以内)に結婚予定があり、結婚後は妊娠希望です。一般的な治療方針(薬の種類等)としては、どのような方法になるのか教えていただけますでしょうか。

2005年のザンクトガレンの推奨からはIntermediate Risk(35才以下のところでリスクが上がります)となり、ホルモン療法単独、あるいは化学療法後ホルモン療法が推薦されます。しかしNCCN(National Comprehensive Cancer Network)ガイドラインでは年齢を考慮しておらず、腫瘍径も5mm以下、ホルモン感受性陽性ということから術後療法なし(無治療)、となります。ご結婚後妊娠も希望されていらっしゃるとのことですし、治療によるメリット・デメリットもあります。よく主治医と相談なさって下さい。(文責 首藤)

 

No.4246】 05年08月09日     S.F.
センチネルでの手術後DCISの可能性あり(4)(HPNo.4123-4)

お忙しいところをご親切に回答頂き、ありがとうございます。
1)1個目の腫瘍:
invasive duct carcinoma, no special type, grade 1(tubules 2, nuclei 2, mitoses 1), arising from a 1cm region of duct carcinoma in-situ, grade 2 nuclei, cribriform attern with a focal brisk mitotic rate. margins are negative. closest margin less than 1mm.

2)2個目の腫瘍:
invasive duct carcinoma, no special type, grade 3(tubules 3, nuclei 2, mitoses 3) with focal necrosis. maximum size 1.2cm(pusing margin). asspciated with extensive duct carcinoma in situ, grade 3, solid cribriform with comedo necrosis, within and beyond the invasive tumor. margin is positive(inferior margin). margins are negative for in situ carcinoma. closest argin less than 1mm.

上記が結果です。手術から5週間が過ぎました。再手術の前に抗がん剤をしますが、急いで始めたほうがいいのでしょうか?2個目の腫瘍も1個目の腫瘍を発見してから2ヶ月後に見つけました。日本と違ってカナダは検査などに時間が掛かり、心配です。以上、よろしくお願い致します。

逆にありがとうございます。2個めの腫瘍の下方にinvasive ductal carcinoma(浸潤癌)があるため、追加切除という判断だと察します。主治医がどう考えているのかよくわかりません。1個めの腫瘍の局所再発と考えているのか???手術前に抗癌剤というのは判断に苦しみます。局所再発と考えているのであれば、その部分を切除すれば、事は足りるはずだと思います。抗癌剤の組み合わせはACにタキサン系の抗癌剤を、順番に投与するのが最近では一般的です。やるのであれば、術後でよいはずです。術前に急いでやるメリットは感じません。どちらにしても、外来での投与が可能で、イメージほどの強い副作用はありません。
あなたに対して、われわれの施設を含めて、日本でのごくスタンダードな治療方法は、局所切除(術中に切除の断端を病理医と相談しながら、顕微鏡を見ながら、切除断端に腫瘍のないことを確認する)の後、抗癌剤の投与(リンパ節転移がなければCMFという薬剤の組み合わせですが、最近では、リンパ節転移の有無にかかわらず、ハイリスク乳癌には、ACといった、A--アンスラサイクリン系の抗癌剤を含んだ治療をする風潮にあります。その際、先程にも書きましたが、ACにタキサン系の薬剤を、追加で投与します)。その後に局所に放射線照射(25日間)、その後に、ホルモン感受性があればホルモン療法です。海外で大変ですが、よく相談のうえ、治療を継続して下さい。(文責 鈴木)

 

No.4245】 05年08月09日     T.S.
左乳房が痛みます

36歳、未婚の女性です。出産経験はありません。昨日の朝起きたときから、急に左乳房の中央部(先端に近い部分、乳首の後ろ側)が痛み始めました。かなり鋭い痛みで、指でつねった時の痛みが一番近いかもしれません。押すと痛く、ジャンプすると響くように痛みますが、何もしていないときは、ほとんど痛みは感じません。次の生理までは、あと二週間あります。また、普段から生理痛がひどく、口の周りを中心に吹き出物がいつもたくさん出ている状態なため、ホルモンバランスが悪いのかと思い、そうした症状に効くという大豆イソフラボン入りのサプリメントをここ2,3ヶ月飲んでいます。大豆製品も努めて摂るようにしています。お陰で吹き出物は激減したのですが、今回の胸の痛みと関係があるのなら、摂取を控えたほうがよいのでしょうか? いろんなサイトで調べてみたのですが、こんなことは初めてですし、乳がんではないものの、両親や祖父母が癌にかかったこともあり、とても不安でたまりません。教えてください。

恐らくは、ホルモンのバランスが悪いことによる乳房の張り、つれなどを痛みとして感じているものと判断します。かなり鋭い痛み・・・とのことですので、局所に乳房の発赤、腫れなどがなく、乳腺炎のようなことがなければ様子を見られるはずです。大豆製品、イソフラボンとは、あまり大きな関係はありません。よほど大量に摂取しているのでなければ。ただ、検査を受けてはいないようですので、一度、乳腺外科での診察を受けてはいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.4244】 05年08月09日     K.K. 
リンパ節郭清の目的

センチネルリンパ節生検は、長期予後等まだ不確定な部分が多いとのことです。私の場合、ハイリスク(悪性度グレード3、ER陰性、PGR陰性)であり、第一にできるだけ転移・再発リスクの少ない方法を選択したいと考えています。 (年齢 38才)
  
1) ハイリスクのがんで既に抗癌剤を使うことがわっかている場合、腋窩リンパ節を郭清する目的は何か。   
2) センチネルリンパ節生検をして、転移があった場合は郭清したほうがよいということは、リンパ節の転移を残すことは予後によくないことであり、残さないようにするためには、郭清のほうが確実なのか。
3) センチネルリンパ節生検をして、転移を見逃したとしても放射線、抗癌剤でたたくことができるのなら、ハイリスクのがんで既に抗癌剤を使うことがわっかている場合、リンパ節の転移を確認する目的は何か。(妊娠を希望していますが、リンパ節への転移の数で、使用する抗癌剤の内容が変るのか)
4) 後にリンパ節へ再発した時点で郭清するのと、最初に郭清するのでは、予後に影響はあるのか。
5) リンパ節を残しておくほうが、胸に再発したとき転移を防ぐ防波堤になるのでよいということはあるのか。     
    
2つの病院で対照的なお話を聞き、とても迷っています。リンパ節郭清をするのなら、家から近いN医療センターで治療したいと思うのですが、ご意見をいただけますよう、どうかよろしくお願い致します。長くなりまして、大変申し訳ございません。

まずセンチネルリンパ節生検は、腕のむくみ、運動制限などに関してはpositiveな結果ですが、長期予後は、まだ不明確ですので、日常の臨床の場では、ごく普通に行われているものの、いずれもトライアルの段階です。センチネルリンパ節生検は、術前に明らかなリンパ節腫脹がない場合に適応になりますが、郭清することで、病理学的にリンパ節転移が明らかになることを、たびたび経験します。また、リンパ節転移の個数により、抗癌剤の種類が変わります。現状では、リンパ節転移のない、ハイリスク乳癌はアンスラサイクリン系の抗癌剤ではなく、CMFといったメニューで行うのに対して、リンパ節転移のあるものはアンスラサイクリン系の抗癌剤を用います。最近では、そういった区別なしに、アンスラサイクリン系の薬剤を用いる風潮にあります。CMFにしても、アンスラサイクリンにしても、年齢によりますが、10%くらいの症例で、閉経を迎えることになります。センチネルで、転移を見逃した場合、その後に、放射線を用いるのか、抗癌剤を用いるのか、再手術で郭清をするのかといった問題は、まだ解決されていません。ここが長期予後の不明な点です。後にリンパ節郭清をするより、最初から郭清する方が、われわれも、患者にとってもメリットが大きいでしょう。予後に関しては不明ですが、後で郭清することになれば、むくみの問題や、取りきれないといったことがでてくることが予想されます。リンパ節を残しておいて、堤防・・・、これは全く根拠のない話です。第一にできるだけ転移・再発の心配のない方法ということであれば、温存手術と通常のリンパ節郭清がbest choiceではないでしょうか? センチネルの長期予後が不明ですので。回答がうまくまとまらず申し訳ありません。また何かありましたら連絡下さい。(文責 鈴木)

 

No.4243】 05年08月09日     N.A, 
I CTPについて

こんばんは。よく拝見させて頂き、参考にさせて頂いています。I CTPについて質問です。29歳、ステージ1、リンパ転移なし、断端陰性、グレード2〜3です。腫瘍マーカーのI CTPの値が6.3、次は7.4と、この腫瘍マーカーのみが少し高く、心配なので骨シンチを行いました。骨シンチでは全く問題がありませんでした。大丈夫でしょうか? 腫瘍マーカーだけが先に上がってくることはあるのですか? そのあたりのことをお聞かせ下さい。よろしくお願い致します。

T-CTPに関しては、まだその意味は不確実です。また、腫瘍マーカーはあくまでも参考にとどめるべきで、その時々で上下することがあります。実際は画像に写らなくてもマーカーのみが上昇する場合もありますので、次回もマーカーが上昇するようであれば、精密検査をしていただけば良いと思います。(文責 鈴木)

 

No.4242】 05年08月09日     E.H.
治療方針について

はじめまして。母(66歳)についてのご相談です。先々月末に胸にえくぼのようなくぼみ(ひきつれ?)と、しこりのようなものに気づいたため、乳癌検診を受けました。触診とマンモグラフィーの結果、乳癌の可能性が高いとのことで、後日、超音波検査および吸引穿刺細胞診を受け、結果はやはり乳癌(大きさは12mm程度で、リンパ節への転移も90%無い(ステージ1))とのことでした。手術は乳房温存療法。センチネルリンパ節生検を行い、その後、放射線治療(5週間)を行うとの説明を受けました。手術終了直後、医師から下記のような説明を受けました。
・ 思ったより癌の大きさが大きかった(大きいところで3cm)が、すべて取りきれた。
・ リンパ節に4mmの転移が確認されたので、検査の結果によってはリンパ節をとる手術が必要になるかも。

約1週間後、説明を受けた際、リンパ節をとる手術は必要なく、後は放射線治療(5週間)のみで大丈夫とのことでした。抗癌剤等の服用もないそうです。「乳癌の顔(見た目のことでしょうか)が、悪さをするように見えないから大丈夫」とも言われましたが、もともと12mmと言われていたのが、実際には3cm。リンパ節への転移はほとんどないと言われたのに、転移があり、でも腋窩リンパ節郭清は行わなくて大丈夫・・との説明に、少し不安になってきています。本来であれば担当医に相談、または別の病院でセカンドオピニオンを求めるべきなのだと思いますが、一般的なご意見をお聞かせください。
1) 手術時にセンチネルリンパ節生検で転移が見られたら、その時に腋窩リンパ節郭清を行うのが一般的なのではないのでしょうか。大きさによって施術方法は異なるのでしょうか。
2) 現在まで、および今後の治療方針は一般的なものと思って大丈夫でしょうか。

お忙しいところ申し訳ありませんが、ご回答の程よろしくお願い致します。

腫瘍のサイズが大きい点、リンパ節転移陽性であることを考えると、一般的には抗癌剤の治療が必要と考えます。内服ではなくて、点滴の治療です。ただ、不明なのは、3cmの大きさの腫瘍の殆どが、浸潤癌なのか、非浸潤癌なのかです。浸潤癌の大きさで判断しますので、ここは確認必要です。浸潤癌であれば、先に抗癌剤、次いで、放射線照射、ホルモン感受性によりホルモン療法がその後に行われます。
センチネルリンパ節生検を行う術中に、リンパ節転移が見つかったのであれば、続けて腋窩リンパ節郭清が必要です。しかし、術中はマイナスと判断したが、術後の病理検査で転移陽性となった場合には、再手術で郭清するのがよいのか、腋窩への放射線照射にするのか・・・などに関して、まだ明確な答えがありませんし、センチネルリンパ節生検の長期予後が不明なところに結びつきます。いくつか確認が必要な点がありますが、術後の補助療法に関しては今一度、主治医との相談が必要と思われます。(文責 鈴木)

 

No.4241】 05年08月09日     H  
白血球減少について

ご相談お願いします。昨年6月乳癌と診断され、温存手術後、放射線を実施、そしてノルバデックスとゾラデックスを投与中です。先日会社の健康診断で、白血球が2600でした。他に尿糖+-0、尿蛋白+-0 でした。転移、またホルモン剤の服用と関係はありますか。お忙しいところすみませんが、宜しくお願いします。

ホルモン療法、転移、再発、いずれとも関係は少ないように思います。たまたま低値である可能性もありますので、再検査していただいたらどうでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.4240】 05年08月09日     RKM
骨転移?

母のことで、ご相談します。この前、病院にて骨シンチの検査を受けたところ、腰のあたりに一箇所だけ黒い影が映ったそうです。その前にやった血液検査では別に問題はなく、安心していたところ、影が映ったのでとても心配しています。手術は1年前に左乳房を30%ぐらい残して取りました。リンパへの転移もありませんでした。その後放射線治療等もしたのですが、こんなに早く転移などはあるのでしょうか? 教えてください。宜しくお願いします。

骨シンチは骨の代謝が活発なところを写し出す検査ですので、転移以外にも、椎間板ヘルニア、骨粗鬆症、圧迫骨折、変形性腰椎症などでも黒く写ります。現実には一年以内の骨転移もあり得ますので、MRIやPET、CTなどの検査をしていただいたらいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.4239-1】 05年08月06日     S  
脇に違和感、足の付け根にしこりがあります

初めまして、こんばんは。33歳、二児の母です。2月に下の子が卒乳しました。卒乳後はあっという間に胸はなくなり、ぺっしゃんこになりました。妊娠前よりも小さくなった感じがしました。乳頭が陥没してしまっていたのですが、卒乳後のせいと思い、あまり心配しておりませんでした。しかし、6月に人間ドッグがあり、受診した結果、「両胸に微細石灰化」と診断され、7月にマンモグラフィを受けました。次回はエコーを撮るのですが、8月中頃になります。最近、両足の付け根にゴリゴリとした、しこりを見つけました。脇の下には、そういったものは感じたことはないのですが、春先頃から違和感は感じておりました。乳ガンは覚悟していますが、リンパ節にも転位の可能性は高いのでしょうか? また、検査の間があいてしまうので、早めがよろしいのでしょうか。病院の先生は、1ヶ月あいてしまっても問題ないとおっしゃるのですが、心配です。どうか教えていただきたいと思います。

乳頭の陥没は最近でしょうか? それに伴って、乳頭のすぐ下にしこりがありますか? 元々、乳頭が陥没しているのでしょうか? 文面だけでは何ともいえませんが、仮に乳癌があっても、いきなり足の付け根に飛んでくることはまずありません。検査の時期ですが、もう少し早く出来るはずですし、その方が不安も少なくなりますよね。ちなみに我々のところでは、受診当日にMMGとエコーの両方を行ない、その日のうちに大体の方向付けをしますし、どこでもそれは可能なはずですが、現実はそうではないようです。今回も一ヶ月あきます。仮に乳癌があっても、この一月でどうこうはありません。ただ、繰り返しになりますが、もっと早くできるはずなので・・・。(文責 鈴木)

 

No.4239-2】 05年09月11日     S  
病理組織診について

こんばんは、前回HPNo.4239で相談に乗ってもらったものです。石灰化と言われ大学病院で精密検査を受けてから、一ヶ月半が経過し、ようやく乳腺専門の先生の意見を聞くことが出来ました。エコーやマンモグラフィ、CTを撮った結果、「しこりはないが群集している石灰化があるので、MRIを撮って詳しく調べたい」と言われ、検査しました。その時点ではカテゴリー4と言われました。先日、MRIの検査結果を聞きに行きましたら、「MRIでもはっきりわからないので組織診をしたい」と言われ、約一ヶ月後に2泊3日入院し全身麻酔をして一部を取ることとなりました。どうも、私の胸が小さいのでマントモームは出来ないらしいです。その場ではショックのあまり承諾してしまったのですが、胸が小さい上に傷がつくのが心配で、「違う方法は無かったのか?セカンドオピニオンすれば良かったのか?」と迷っています。やはり、最終的には組織を取って調べるべきなのでしょうか。教えていただきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。

両側乳房ともにカテゴリー4なのでしょうか? カテゴリー4の石灰化部分には50%程度でがん細胞が存在していると考えられます。理想的にはマンモトームによる生検が良いと思いますが、貴女の場合はマンモトームが適応にならないということなので、次の手段としては外科生検も考慮することになります。通常は局所麻酔で行う手術ですが、両側生検の場合や、乳がんが発見された場合は、リンパ節生検も同時に行うのであれば、全身麻酔の方が良い場合もあります。マンモグラフィやMRIを見ていないので判断が難しいのですが、どうしても手術に不安があるようならば3〜6ヶ月後に再検査を行って、石灰化に変化を認めれば手術を受けるという選択肢もあります。いずれにしてもセカンドオピニオンは受けておくほうが良いと思います。(文責 千島)

 

No.4238-1】 05年08月06日     M 
胸の痛みなど・・・

はじめまして。27才主婦、子供2人です。相談に乗って頂けたら幸いです。よろしくお願い致します。
今年初めに右胸にしこりと痛みがあり、6月頃乳腺外科を受診しました。結果、右に2コ、左に1コのしこりが見つかり、細胞診をしたところ、線維腺腫だと言われました。乳房の痛みについては問題ないだろうと言われたのですが、痛みが全然取れません。最近は触れると痛い(しこり部分に触れると痛い)というより、何もしていない時は気にならないが、動くと痛いという感じです。腕や胸が突っ張る感じ、脇下のチクチクとした痛みなどあります(しこりもありますが、場所は右胸乳首の真横当たり)。また、関係ないのかもしれませんが、肩こり、背中痛がひどく、腕もしびれます。立ちくらみ、めまい、吐き気、食欲不振も最近出始めました。現在生理前なのでホルモンの関係上、仕方がないのかと思ったのですが、ここまで痛いのは初めてですし・・・。癌は痛くないと聞いていましたが、痛い癌もあるとのこと、毎日が不安で不安でたまりません。悪いことばかり考えてしまいます。病院へ行こうかと思いますが、子供も小さく、その病院まで片道4時間以上かかります。乳腺症かな?とも思いますが、その場合、乳腺外科でなくても普通の外科なら見てもらえるのでしょうか?田舎なので、そこへ行くにも1時間かかります。
・ この痛みは一体何なのでしょうか?
・ 肩や背中、腕のしびれ、めまい、立ちくらみ、吐き気と何か関係あるでしょうか?
・ 線維腺腫は痛みが出ますか?
・ 癌である可能性は?
・ 外科でも大丈夫でしょうか?
・ 痛い時は冷やす・温める、どちらでしょうか?
・ 病院へ行くなら生理前・生理後、どちらがいいですか?

本当に不安です。毎日泣き出しそうになりながら過ごしています。よろしくお願いします。

乳房はホルモンの影響をうけ、張ったり、つれたりします。結果として、痛み、違和感などが出ます。これは個人差があり、生理の始まる前ぐらいが強くでます。乳腺は痛むものであるということを覚えて下さい。まして、今は病変がみつかり、不安な気持ちも強いので、それが影響していると思います。症状は様々で、肩や背中、うでのしびれなどを訴える方もいます。階段を上り下りする時に、揺れるだけで痛い人もいます。細胞診で線維腺腫と言われたのであれば、まず線維腺腫でしょうし、これが癌化することはありません、若年であれば消失することもあります。2cmを超えて大きくなることは少なく、それ自身、痛みを伴うことはありません。線維腺腫は、このように心配に値する病変ではありません。それでも心配で受診するのであれば、時間の問題ではなく、確実に乳腺外科の受診がよいでしょうし、受診の時期はいつでもかまいません。あまりに痛む時は、やはり鎮痛剤の投与になります。冷やす、温めるはあまり効果がないように思います。(文責 鈴木)

 

No.4238-2】 05年11月01日     M 
線維腺腫と子宮内膜症治療について

以前HPNo.4238でお世話になりました者です。その節はありがとうございました。2ヶ月前からずっと左下腹部が痛いため産婦人科受診をしたところ、先日子宮内膜症の診断をされました。元々生理前の胸の痛みがひどく、毎月憂鬱で仕方がなかった事を産婦人科医に相談したところ、外科的手術・ピルの服用・生理を止める薬の3つの選択肢を提案されました。「手術は子供も小さいため、まず薬で様子を見たい。また、ピルの副作用(子宮ガン・卵巣ガン)が怖い。」と言いましたら、ピルはむしろ子宮・卵巣ガンを軽減するが、乳ガンのリスクが多少上がると言われ、線維腺腫もあることだし生理を思い切って止めることにしました。そこで質問なのですが、
1) この生理を止める薬(ナサニール点鼻液)を使用し続け、生理を止めている間は女性ホルモンが抑えられるということらしく、生理前にあった激しい胸の痛みはなくなるのでしょうか? また、線維腺腫は小さくなっていくのでしょうか?
2) 線維腺腫がある私がこの薬を使用し続けても大丈夫でしょうか? 生理を止め、女性ホルモンを抑えていたら乳ガンにならないか不安です。
3) 関係ないのですが、肩こりがひどいなと思いもんでいたら、左鎖骨上頚部のリンパ節にコリコリよく動くしこりを2週間前くらいに発見しました。大きさは1cmくらい?で、あまり厚みがなく楕円形です。もしも線維腺腫が誤診で乳ガンだったのならリンパ節への転移?と、とても怖い思いをしています。現在耳鼻科にて今週水曜にエコーの予約をしていますが、以前の線維腺腫という診断が誤診だということはありえるのでしょうか?
4) 11月末に線維腺腫の半年検診で乳腺外科に行きますが、その時にも一応首のしこりを見てもらった方がいいでしょうか?
5) 下腹部が痛いため、ロキソニン、もしくはペオンを使用しております。また、鬱症状があるためルボックス・コンスタンも合わせて使用しています。本来ここで質問すべきではないのですが、薬漬けの毎日に、さらに内膜症の薬を使うことで、乳房に何か悪いことが起こらないかと心配です。こんなにもたくさんの薬を飲んでいて大丈夫なのでしょうか?

お忙しいところ申し訳ありません。よろしくお願い致します。

おっしゃる通り抗鬱薬の副作用や併用禁忌は我々には分りませんので、調剤薬局か抗鬱薬を処方された医師に聞かれた方が良いと思います。それ以外のご質問は、あなたのおっしゃる通りで、「?」はそのままはずせば正解だと思います。良く理解されて勉強されいると思います。線維腺腫(以下FA)は鑑別すべき診断に触診上、のう胞、葉状腫瘍、充実腺管癌、粘液癌、髄様癌があるので、その辺をきっちり画像上鑑別されていれば問題ありませんし、おっしゃる通り月経を止めることはいずれにとっても(たとえ癌でも)望ましいと思います。(文責 石山)

 

No.4237】 05年08月06日     H.M. 
乳がん検診の結果について教えて下さい

先日受けた乳がん検診の結果、触診で1.0×0.5、卵型マンモで濃厚陰影、非対称性陰影で要精査の通知が届きました。左胸の外側下部で、気にして触ると痛みもあります。濃厚陰影、非対称性陰影、痛み等から乳がんと考えられるものでしょうか? 病院に受診すると、今後はどういう検査が続くのでしょうか? お盆など夏休みもあり、家族旅行の予定もあります。旅行は中止すべきなのでしょうか?

いただいた情報だけでは何ともいえませんが、言葉だけで判断すると、良性の可能性が高いように思います。ただこれは不確実ですので、乳腺外科医の診断を仰いでください。今後は、MMGの別方向での撮影、超音波検査、必要により、MRI、細胞診などがあると思います。旅行は中止する必要はありませんので、その間のスケジュールで検査をお受けください。仮に悪性であったとしても、急速にどうこうなるということはあり得ませんので・・・。(文責 鈴木)

 

No.4236】 05年08月06日      K.Y
妊娠中の乳癌の疑いについて

こんにちは。現在、妊娠7ヶ月の妊婦です。約2週前、乳首マッサージをしていたところ、チクッとして少し出血しました。その日から、乳首を絞ると血がピッと出るようになりました。産婦人科の先生に見せると、ガラス板のようなものに乳首から出た血を付け、細胞診(?)をするとの事でした。その検査結果が今日出たのですが、「悪性の細胞がたくさんある(?)」というような事を言われ、乳腺科専門の病院へ紹介状を出されました。
1)その産婦人科の超音波で胸のしこりを見てもらいましたが、しこりは見つかりませんでした。細胞診の結果が悪性でも、しこりがない事があるのでしょうか?
2)細胞診の結果で悪性と言われたら、確実に癌なのでしょうか?《現在28歳で、家系に乳癌になった人はいないし、肥満体系でもないので、全く心配していなかったので・・・。》
3)出血は1週間程でなくなり、今は絞ると、乳首の色々な穴から透明の液体が出てきます。(たまにブラジャーに微量の血が付いてる事はありますが・・・)
4)もし、癌ならどういう治療をするのでしょうか? 乳房を切除しなければいけないのでしょうか? また、普通分娩での出産は可能なのですか?

乳腺科専門の病院が予約がなかなか取れなくて、受診日まで不安でたまらず、メールしました。乳癌については、全く知識がなく、質問攻めのようになって申し訳ありません。お忙しいところ、恐れ入ります。よろしくお願い致します。

心配で不安な気持ち、察します。まず、落ち着いて、乳腺外科医の診断を仰ぎましょう。しこりがなくても、乳汁分泌物の細胞診で悪性がでることはあります。非浸潤癌という、局所に留まるタイプの癌はこのようなことがあります。細胞診の結果で、確実に癌と言われるのであれば、悪性の可能性が高いと思います。ただ、この結果は、しかるべき病理診断医の診断であれば間違いないと思いますが、時に不確実なこともありますので、細胞診のプレパラートを拝借して、専門の施設で見て頂いた方がよいでしょう。妊娠の継続、出産のこともありますので、総合病院、大学病院などがよいと思います。治療ですが、手術が基本になると思います。今の情報だけではなんとも言えませんので、まずは確実な診断をしていただきましょう。また何かありましたら、連絡お待ちしています。(文責 鈴木)

 

No.4235】 05年08月06日     Y 
骨転移について

はじめまして。2001年11月に右乳房全摘術を受け、その後リュープリンを2年間打ちました。リンパ節転移は1つありました。その後の定期健診では、異常なく経過してきていましたが、先週くらいからくしゃみをすると手術をした傷付近の骨が痛い感じがします。くしゃみをしなければ痛みはありません。骨転移かと思いインターネットで調べたのですが、あまりよく分かりませんでした。骨転移とはどんな症状があるのでしょうか? アドバイスよろしくお願いします。

転移する場所により様々ですが、やはり痛みです。鈍痛から、激痛まで、時に転移場所によっては、神経の圧迫症状(しびれ、麻痺など)がでてきます。痛みは、運動や動作により強くなるもの、黙っていても痛いものなどがあります。一度、骨シンチ、必要により、MRI、レントゲン検査を受けてみてはいかがでしょう。(文責 鈴木)

 

No.4234】 05年08月06日     M.Y.
アリミデックスについて

私は現在51歳です。乳がんのステージは2aです。2003年12月手術を受け、翌年の5月半ばまで抗がん剤(タキソール)4クール、その後アリミデックスを服用しています。抗がん剤投与前までは生理は正常通りあり、抗がん剤投与後は止まっていたので、閉経後ということでアリミデックスの服用になったのですが、今朝、1年半ぶりに生理らしき不正出血があり再発なのかとても不安です。アドバイスをお願いします。

まず、タキソールだけの補助療法というのは、ガイドラインでも推奨されているものではありません。やはり行うのであれば、アンスラサイクリン系の薬剤と、タキソール、もしくはタキソテールということになると思います。それと、タキサン系薬剤の卵巣に対する作用に関してはっきりとしたデータは持ち合わせていませんが、年齢的に、そのままでも閉経を迎える時期にあったので、ホルモン剤の選択に関しては難しいところがあります。
不正出血?本来の生理?かはわかりませんが、これに関しては、婦人科の受診を勧めます。あまり再発とは関係ないように思います。(文責 鈴木)

 

No.4233】 05年08月06日      N・Y
線維腺腫について

よろしくお願い致します。41歳・女性・子ども1人。15年ほど前から右乳房にしこりがあります。2000年に初めてこの右乳房のしこりを検査しました。乳腺外来でマンモグラフィと細胞診検査を受けました。結果は良性の腫瘍で、大きさは2cm。2005年に自治体の乳がん検診でマンモグラフィを受けました。当然のことですが、右のしこりでひっかかり、精密検査でマンモグラフィ追加撮影・超音波・細胞診検査を受けました。結果は良性の腫瘍で大きさは2cm。2000年の検査の際には「大きくなって痛みが出てくるかもしれないが心配ない」ということで、経過観察不要と判定されました。ところが2005年の検査では「取ることをすすめる」と言われました。理由としては「大きさが2cmであること。縦に長いのが気になる」とのこと。縦に長いのは悪性の場合が多いとの説明でした。しかし2000年のカルテをみて(同一の医療機関で検査)、5年間で変化がないので1年の経過観察になりました。2000年と2005年の担当医は違います。二度の検査で結果が同じだったにもかかわらず、「放っておいて大丈夫」と「手術で除去」と、判定・診断があまりにも違うこと、特に今回の「手術して取る」という言葉にかなり動揺しています。5年間(正確には15年間)何の自覚症状も変化もなく過ごしてきているの、に今さら取らなければいけない理由がわかりません。このままずっと取らずにかかえたまま過ごすデメリットが何かあるのでしょうか?

線維腺腫は悪性化することはありませんし、2cmを超えて大きくなることはあまりありません。ただ、例外はありますので、大きくなるもの、形のいびつなもの、年齢的に悪性の可能性の否定できないものなどは切除の対象になります。今回のケースでは、長期にわたり大きさの変化がないので、まず心配ないように思います。そのまま経過観察してはいかがでしょうか?縦長で気になるというのは、写真を見ていないのでなんとも言えませんので、主治医と良く相談して下さい。(文責 鈴木)

 

No.4232】 05年08月06日     K 
乳頭から出血が・・・

38歳、男性です。いつもは痛みもなく忘れているのですが、週2回ジムに通っていて、30分ぐらい走ると左の乳頭から出血しています。汗と一緒にTシャツに直径10センチに滲むほどです。今日で4回目なのですが、必ず同じ条件のときに出血します。何かの病気でしょうか? またどこかの病院へ行ってみてもらったほうかよいのか、何科を受診したらよいのか教えてください。

何かこすれて出血しているのか、乳腺に病気があるのかわかりませんが、恥ずかしがらずに、乳腺外科の受診を勧めます。(文責 鈴木)

 

No.4231】 05年08月06日     T 
右腋下のしこり

28歳女性、2児の母です。2歳4ヶ月と0歳2ヶ月の女児がいます。2005年6月2日に第2子を出産し、母乳だけで育てています。第1子も1歳まで母乳のみで育てました。母乳が出過ぎる体質で、第1子の時は何回か高熱がでる乳腺炎になりました。今回も出産2週間後、右の胸が張りすぎて、腋の下が熱く、右腋下(胸寄り)に小さなコロコロしたしこりを見つけました。その時は小豆大で、押すと痛みを感じました。この時点で母乳外来でマッサージをし、リンパ節が腫れているのだろうと言われました。それからシコリは小さくなりましたが、まだ残っています。押すと痛い時と痛くない時があります。押さなくても右腋下がチクチク痛んだりもしています(授乳間隔があくと痛い気がします)。先日、乳がん検診の指定医療機関の先生に触診をして頂きました。「腋のシコリは悪いものではなさそうだけど、様子を見てください。」と言われました。副乳かリンパ節腫脹の残りであろうとのことでした。このまま様子を見たほうがよろしいでしょうか、それとも乳腺専門の病院に行くべきでしょうか。宜しくお願いします。

まず、あまり心配ないように思います。自身で触れるところですので、変化があれば受診するようにしてください。欲をいえば、触診だけではなくて、超音波は行ってもよいかもしれません。授乳中は、こういったしこりが良くできるものなので、おそらく、おっしゃるように、副乳、リンパ節、乳瘤(ミルクのたまり)ではないかと思いますが。(文責 鈴木)

 

No.4230】 05年08月06日      M.Y.
胸のしこりと検査について(2)(HPNo.4004-2)

前略ごめんくださいませ。先日4004番でお世話になりました。7月12日に半年検診を受けたところ、エコーに映るしこりが良性の映り方ではないと言われ、針を刺してもいいかどうか担当医に聞かれました。私はただのフォローアップ検診だと思っていたので、ショックが大きく、また針を刺すのは非常に痛いので嫌だと答えたところ、ではMRIをやってみましょうということになりました。マンモグラフィーでは映らないでしょうと言われました。7/31にMRIを受け、8/4日に結果が出ることになっています。
1) しこりが見つかって半年後の今になって、良性の映り方ではないというのはどういうことが考えられるでしょうか。癌の可能性はどのくらいあるのでしょうか。
2) 針を刺しても、前回と同じく組織が採れない(=理論上は良性)かもしれないけれど、と言われたのですが、それではいつまでたってもはっきりしないことになります。しこりがある以上、このままずっと半年位のスパンで通院しなければならないのでしょうか。
3) 母と主人に転院を勧められています。私個人の意見としては、転院はあまり気が進みません。今の担当医を信じていないわけではありませんし、また同じような検査の繰り返しに耐える自信がありません。転院する場合、私の症状に関する検査結果等を頂くのに、どのように担当医にお願いすればいいのでしょうか。
4) MRIで分かることは何なのでしょうか。腫瘍が悪性か良性か分かるのでしょうか。

お伺いするばかりですみません。よろしくお願いいたします。

半年経過して腫瘍の形が変わってくるというのは、実際によくあることです。必ずしも悪性ではないけれど、若干大きくなる、形が変わるということであれば、悪性の可能性も考慮して、細胞診の必要性がでてきます。しこりそのものが悪性化しなくても、その周囲が悪性化してくれば形も変わりますし、大きくも映ります。ですから、単なるフォローアップとはいえ、そういった意味合いも含んでいます。
今後ですが、もし組織をとっても十分診断するほどの組織量が取れなければ、また、半年、次いでまた半年・・・といったあたりは、さじ加減的なところがあります。大きさも変わらないので、一年後にしましょうかとか・・・心配であれば半年後にしましょうか・・・といった具合です。MRIで、良性、悪性の確定はできません。悪性のときは、このように映るといった特徴があるので、悪性の可能性が高いとか、まず大丈夫でしょうとかいう判断です。やはり良悪性の鑑別は最終的には組織が必要になります。担当医には、率直にセカンドオピニオンを希望したらよいでしょう。ただ、あくまで、受けられるのは本人ですので、周りがどうこうではなくて、本人の気が進まないのであれば、転院はいかがなものかと思います。形が怪しくて、悪性の可能性が否定出来ないのであれば、また、繰り返しの検査に耐えられないというのであれば、その部分を外来で摘出するのも一考ではないでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.4229】 05年08月06日      M.I. 
のう胞?

44歳・既婚・子供が2人います。今回、市のマンモグラフィ検査の結果、右の乳房にFAD(カテゴリー3)とあり、先日乳腺外科の専門医に診ていただいたところ、持参したマンモグラフィの写真とエコーで、正常乳腺なので大丈夫と言われ、左の方の石灰化(集ぞく性)の経過を半年毎におっていきましょうということでしたので、安心していたのですが、今日、別の乳腺専門医に念のため、診ていただいたところ、再度マンモを撮ったのですが、やはり同じように右に、どちらかというと四角い形で乳腺と同じ色で写っていました。エコーの際、1×0.5cmの横長のたまご型の黒いものが、そのあたりにあり、これかな?ということで細胞診をしていただきました。触診では全く触れません。先生が言われるのには、のう胞か、乳腺が詰まって硬くなったものかな?ということでしたが、悪性の可能性も捨てきれないので、細胞診になりました。1週間後に結果がでるまで不安でたまりません。そこでご相談させていただきたいのですが、

1)このような場合、乳がんの可能性もあるのでしょうか?
2)他にどのような病気が考えられるでしょうか? どちらの先生も乳腺外科では、いい先生と聞いておりますので、異なる結果に戸惑っております。

どうぞよろしくお願いいたします。

乳癌の可能性は少ないでしょう。医師がいうように、嚢胞という水たまりか、乳腺が部分的に硬くなっているところではないでしょうか? そのほか、線維腺腫という良性の腫瘍なんかも鑑別にあがります。これもそのまま放置してかまいません。お二方の先生にみていただいてるとのことですので、大きな心配はないものと考えます。細胞診の結果の1週間ですが、この間に病気がどうこうなることはないので、落ち着いて結果を待ちましょう。(文責 鈴木)

 

No.4228】 05年08月06日      H.N. 
良性と言われましたが心配です

はじめまして。35歳、出産経験なしです。4月末に右胸がチクチク痛み、触ってみると乳首の下にしこりを発見し、すぐに乳腺外来へ行きました。超音波検査、触診で「しこりの形からみても多分心配ないと思います。」との診断をいただきました。念の為大学病院を紹介していただき、マンモグラフィ、針生検をしました。大学病院は予約がなかなか取れず、不安な毎日を過ごしていましたが、5月中旬頃から、しこりがある方の腕(二の腕の部分)にしびれを感じるようになり、たまに紫色の斑点(うっ血)が出るようになりました。針生検の結果は「多分大丈夫」というあいまいな診断で、「もう一度生検しましょう」と言われました。結局2度目の生検の結果も「一回目の結果と同じなので、大丈夫だと思いますが、MRI検査をしましょう」と言われました。しかも予約が一ヶ月先まで取れないと言われ、精神的に1ヶ月も待つ事に耐えられないと思い、別の総合病院の乳腺外来へ相談へ行きました。するとすぐにMRI検査をしていただけることになり、早速検査をすると、結果は「癌の可能性あり」との事。すぐにマンモト−ム検査をしていただきました。大学病院で受けた針生検より確実だし、信頼性があるとの事でした。結局病理検査の結果は良性でした。長い説明になりましたが、質問は下記です。

1)良性とはいえ、しこりは摘出した方がいいのでしょうか? 大きさは2.5mmx2.5mm程度です。
2)胸以外に腕のしびれ、つっぱり感、わきの下の異物感(脹れているような感覚)、腕のむくみ、鎖骨周辺の痛み、首から背中にかけての凝りや痛みなどの症状があり、先生に相談したのですが、精神的なものがかなり影響しているのではないかと言われ、心療内科を受診するよう勧められました(しこりを発見してから最終診断が出るまで3ヶ月かかったので、精神的に辛い毎日だったのは確かです)。全ての症状を「精神的なもの」で判断してもいいものでしょうか? (超音波検査ではリンパなどには異常は見当たりませんでした。)
3)喉の異物感、舌のしびれの症状が出て、診察していただいた結果、「舌根扁桃が脹れているが、腫瘍などは見当たらないから大丈夫」と言われました。これも精神的なものがかなり影響しているのでしょうか?

現在の担当医を信頼していないわけではないのですが、あまりにも色々な症状が出ているので、もしかして実は癌の見落とし?と不安に思っています。

マンモトームの結果のところ?が、途中が文字化けしていたので、回答がまとを得ないかもしれません。病理の結果が良性というのであれば、取る必要はありませんし、経過をみればよいでしょう。大きさ?2.5mmですので、仮に癌であっても、身体のどこそこに症状を出す大きさ、進行度ではないので、ひとことでいってしまえば、精神的な要素はありそうな気がします。それより、自分で自分の身体を、2.5mmの病変と結びつけてしまっているので、結果が出るまでは落ち着いてください。結果がでているのであれば、なおさらです。手のしびれ、のどの問題、うっ血、いずれも病的な問題ではないように思います。(文責 鈴木)

 

No.4227】 05年08月06日      K.S
血小板減少について

術後1年半経った者です。先日、定期検査はクリアしたのですが、4〜5日前から手の甲に内出血があり主治医に診てもらったところ、血液内科へ行くようにと紹介状を書いていただきました。術後よりホルモン剤(フェアストン錠)を服用していますが、副作用と考えられるでしょうか。それとも全く別のものでしょうか。よろしくご回答お願いします。 

フェアストンとは別の物と考えます。血液内科にということですので、血小板が少ないとかではないでしょうか? 主治医の指示に従ってくださればよいでしょう。(文責 鈴木)

 

No.4226】 05年08月06日      M.T. 
石灰化経過観察中の授乳について

現在31歳、子供が二人おります。昨年7月にマンモグラフィーにて石灰化が見つかりました。結果、特に問題はないが、1年ごとの経過観察とのことでした。その後二人目を妊娠し、先月出産しました。丁度1年後にあたる先月は妊娠中であったため、検査はもちろん出来ず、そのまま出産し、現在授乳をしております。去年見つかった石灰化が悪くなっていて、授乳を続けて影響はないものかと不安です。今年の検査は10月を予定しております。石灰化がある場合の授乳の影響を教えて下さい。

良性の石灰化と診断されているのであれば、全く心配いりません。悪性化することもありませんので、授乳を続けて下さい。(文責 鈴木)

 

No.4225】 05年08月06日      F.T. 
何科を受診したらよいのでしょうか?

24歳の娘のことで相談いたします。4日前より右乳房上部の肋骨の上が卵大に腫れてきました。痛みもあります。左乳房上にも軽い腫れ、痛みがみられます。生理になりましたが、腫れ痛みに変化はありません。日常 、微熱がでやすいです。祖母が悪性リンパ腫で亡くなりました。上半身から顔面まであちこちに腫れができました。何科を受診したらよいのでしょうか。宜しくお願いいたします。

上半身、顔面のあちこちに腫れがでているとのことで、どれほどのものか察しませんが、乳腺外科がよいと思います。そちらから、必要に応じて他科に回していただけたら良いと思います。(文責 鈴木)

 

No.4224】 05年08月06日      S.F.
センチネルでの手術後DCISの可能性あり(HPNo.4123-3)

何度もお尋ねしてすみません。オンコロジストから下記の通り治療方法の説明がありました。日本での治療方法は異なりますか?
最終結果:ステージ1、1個目(9時のあたり)グレード1、2個目(12時あたりグレード3)、エストロゲン陽性90%

1)センチネルで部分切除した2個目のしこりの組織4cm角のマージン(下方部)が1mmしかなかった為、再手術で組織を取る
2)手術に入る前に抗がん剤 AC 4回(3週間に1回)
3)再手術後、放射線とホルモン治療(タモキシフェン)
4)DCISについての治療は特になし 

質問:
1)ステージ1なのに、抗がん剤を打たなければいけないのは、グレード3で進行性が高いからですか?
2)抗がん剤の組み合わせは日本と同じでしょうか?
3)副作用が大きいアドレアマイシンは毒性があると言います。安全でしょうか?
4)40歳になっている為、閉経する可能性もあると言われました。妊娠を望む場合、抗がん剤は止めたほうがいいのでしょうか。

お時間をお取りして申し訳ありませんが、ご回答頂ければ幸いです。

単純に2個ともDCISであれば、局所の治療のみで十分で、化学療法はovertreatmentです。1個めが浸潤癌で、その病理所見で化学療法が必要とされたのでしょうか?(なんとなく文面からはそのようですが・・・) 2個めの腫瘍はすべてがDCISでしょうか? 部分的に浸潤癌があるのでしょうか? 2個めの腫瘍の断端は、intraductal componentか、invasiveなのか。こちらから質問で恐縮ですが、この結果によっては、いくつかoptionがありそうなので、お答え頂けますか? そうしましたら、また回答します。(文責 鈴木)
 

 

No.4223】 05年08月06日      TMA
乳腺のう胞症について

初めまして、43才の女性です。既婚、子供1人です。3週間ほど前、左胸に5cmほどのしこりを発見しました。その時こちらのホームページを拝見して思い切って乳腺外科の検診に行ってきました。診断は乳腺のう胞症で、左右の胸に4個ありました。一番大きいのう胞(5cm大)から水を抜き、検査をするということでした。検査結果は今週末に出ます。水を抜いたのにしこりが3分の1ほどの大きさで感じられます。痛みも多少あります。水を抜いてもそのようなことはあるのでしょうか? よろしくお願い致します。

まず第一に、嚢胞は、まれに嚢胞内乳癌という病変もありますが、悪性の心配はありませんので、ご心配なく。乳腺外科で嚢胞と診断されているのであれば心配ないでしょう。それと、乳腺というのは、病変と関係なく痛むものです。これも心配いりません。とくに嚢胞ができるような人は痛むことが多いですね。(文責 鈴木)

 

No.4222】 05年08月02日      なお
CEFの副作用でしょうか?(HPNo.4102-4)

お忙しい中、回答ありがとうございました。CEF療法は1日目、8日目に投与して2週休むというサイクルで、2回目の投与が終わったところです。先生が教えてくださったような吐き気はなく、食事も普通に食べられるのですが、胃のあたりがかぁーっと熱くなり、胸焼けがひどいです。これも副作用の1つなのでしょうか?主治医の先生に話したところ、「そうですか、そういうこともあるのですね」といったようなお返事でした。あまり胸焼けがひどいと、胃があれてしまうのではないか・・・と、心配になってしまうのですが、こういう症状の時はどうしたらいいですか? 何かお薬をだしていただいたほうがいいのでしょうか? 何度も申し訳ないです。

恐らく、抗癌剤により粘膜の障害がおこり、胸焼けが起きているのでしょう。あまりひどければ内服薬を処方してもらって下さい。胃があれることはあまり心配しなくてもいいでしょう。(文責 鈴木)

 

No.4221】 05年08月02日      Y.T. 
乳癌の検査について

初めまして。ぶしつけだとは思いますが、相談に乗って頂けると幸いです。24歳、女です。先日、左胸に3cmほどのしこりを見つけ、乳腺外科を受診しました。触診、マンモグラフィ、超音波検査の結果、先生は「悪いものじゃないですよ。腫瘍じゃない。乳腺が集まってできたしこりです」とおっしゃいました。それで少し安心したのですが、やはり少し不安です。マンモグラフィや超音波で、「これは腫瘍ではない」と確定できるものなのでしょうか? よろしくお願いします。

年齢的にみても、まず心配ないでしょう。乳腺は硬いところ、柔らかいところがありますので、そのまだらな部分をしこりとして自覚しているのではないでしょうか?月経により、そのしこりと思われる部分のサイズは変化しませんか?もし変化するとしたら、先生の言われるように、乳腺が集まってあたかもしこりのようになっているという解釈でいいでしょう。月経によりあまり変化がないようであれば、良性の腫瘍の可能性もあると思います。超音波、MMGで、腫瘍かそうでないのかは区別がつきますので、乳腺の専門の医師が、しっかりとした検査をされているのであれば、様子をみませんか?(文責 鈴木)

 

No.4220-1】 05年08月02日      Y・K
乳ガン転移の症状でしょうか?

はじめまして。よろしくお願いいたします。3月にA病院でエコーとマンモ、5月にB病院でエコーとマンモを受けました。その際どちらの病院の検査結果もほぼ同じような所見で、両乳房ともに乳腺症・乳管にのう胞(水が溜まっている)・微細な石灰化(カテゴリ判定3)・悪性を疑うしこり等はなし、ということで、現在経過観察中です。
1)6月末から常時左脇の下に何かを挟んだような異物感・引きつり感・突っ張るような感じがあります(この感じはある日突然出ました)。痛みも多少ありますが、痛みについては痛い日もあれば痛くない日もあるという感じです。自分で脇の下を触ってみますが、はっきりぐりぐりするような「しこり」といったものはないように思います。
2)2週間前頃から、これも突然に左肩に強度の肩凝りの症状が出ました(肩〜首筋〜腕〜背中の脇の下近く〜肩胛骨の周辺等、広範囲に凝りの症状があります)。 腕の付け根のあたりは関節痛のような痛みもあります。鎖骨の下〜周辺あたりも強く押すと痛みます。
3)更に2日前から、左の首のリンパ節が引きつり、痛みも感じ出しました。はっきり「しこり」と認識できるような瘤状のものはないようなのですが、首にぐっと力を入れた時に、首の半ば(あごと首の付け根の中間あたり)に「あずき大の丸いもの」があるように感じます(しかしこれは右首にも小さいのがあるような…?)。首から肩にかけても、かなり強い凝りの症状があります。

実は(1)の症状が出た頃、脇の異物感がとても気持ち悪かったため、最初に検査をしたA病院を受診し、その際脇の下の腕付け根の少し下に「副乳」があることを指摘されました(視触診のみ、エコー検査はなし)。副乳の乳首に当たるヘコミも左右共にあります。左のヘコミ部分はヒリヒリ痛むことがあります。確かに左脇の下が右より少し膨らんでいますが、脇の下に脂肪が多いのだとずっと思っていました。「乳腺症があるので、その延長で副乳腺も腫れたのではないか、そのために脇の下に異物感や引きつり感を感じるのだろう。あまり心配する必要はない。 副乳の腫れが引けば症状も治まるだろう。」ということで、その場は納得しました。しかし、1ヶ月経過しても一向に症状が改善されず、むしろ強い肩凝りや首筋や腕の痛み、鎖骨周辺の痛み、首のリンパの腫れなど不安な症状が次々出てきたため、「転移」という言葉におびえています。特に左肩にこのような強い肩凝り症状が出たことは過去一度もなく、また前述のように脇の下の強い異物感(何かを脇に挟んだような感覚)や引きつり感も1ヶ月間ずっと感じていることから、まさか2度の検査で見落とされた乳ガンが、既に腋窩リンパ節や首のリンパ節に転移しているのではないだろうかと不安でたまりません。(「転移」というキーワードで全ての症状が繋がるような気がしてならないのです。)
自分としては、2つの病院でこの3月・5月に検査し、どちらの病院でも経過観察でよいと言われたので、まさか2度の検査でどちらもガンを見落とした、ということはないだろうと思いたいのですが・・・。今月中旬過ぎにB病院でエコーの再検査の予定ですが、それまで放っておいてよいものでしょうか。またこれらの症状は、乳ガンの転移が考えられる症状と思われますか。(長文になり申し訳ございません。)

ひとことでいえば、心配ないと考えます。乳腺そのものが、つれる、ひきつれる、痛む、ちくちくする、乳頭がかゆい、脇の下がぴりぴりする・・・などといった症状は、日常、大多数の患者さんで経験します。ホルモンの影響、ストレスなどによるところが大きいようです。ふたつの病院で、しっかりとした検査をされているのであれば、まずは心配ないでしょう(乳腺を専門としている医師が担当したのであれば)。もし、おっしゃるような症状が、乳癌の転移?を心配されるのであれば、だれが触っても明らかなほど、大きな乳癌があるような状況と察します。そうでないのであれば、一歩引いて考えてはいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.4220-2】 05年08月06日      Y・K
乳ガン転移の症状でしょうか?(2)

早々にお返事をいただきありがとうございます。連続しての質問をお許し下さい。申し遅れましたが、39歳独身(出産・授乳経験なし)、近親血縁者の乳ガン・子宮ガン経験者はいません。その他のガンでは、叔父が1人(母の兄弟9人中)、肝臓ガンで逝去しております。
過去2回検査して診ていただいた先生は、ご両名ともマンモグラフィー検診精度管理中央委員会のホームページに読影医師としてお名前が記載されている先生方ですが、乳腺専門医かどうかは分かりません。それに、どちらの病院もエコーとマンモだけで、細胞診はしていただいていません。のう胞もあり、カテゴリー3の石灰化もあるので、自分は是非細胞診をとお願いしたのですが、どちらの病院でも、「石灰化が微細過ぎてうまくその部分の細胞が取れないだろう、カテゴリー判定は3だが、そこまで気にしなくても大丈夫だと思う。」とのことで、ちゃんと細胞の検査をしていないということも不安材料のひとつになっています。
とにかく1ヶ月前に「左脇の異物感」が出て以降、左側にばかり異常な症状が次々出るので、とても心配なのです。今日も首筋や肩がものすごく張っているような感じで強く痛みます。実はつい先刻、入浴中に左脇にずっと触っていましたところ、少し強めに押したときに脇のくぼみの部分のわずか上部に、なんとなく丸い堅いようなものがあるのに気づきました(昨日まではまったく気がついていませんでした)。大きさは大きいです。よく聞く1pとかいう感じではなく、2×2pくらいはあるように思います。私のイメージでは「脇のしこり」とは、周囲との境目がはっきり分かって玉を埋め込んだような感じ、触ったときすぐに分かるくらいにはっきりとぐりぐりしたもの、という感じを持っていましたが、今自分にあるのはそこまではっきりしたものではありません。意識して触るとなんとなくここが丸くて堅くて右に比べてしこっている…というようなもので、周囲との境目があるいうより、なんとなく膨らんでいる、という感じです。もしかしたら、骨に触っているとか脇の下の筋が張ったようになっているだけなのかとも思いますが…。ただ、症状のない右脇にはそういうものは感じないので、やっぱりしこりなのだろうかと不安になっています。
仮に腋窩リンパ節に転移があった場合、脇のしこりとはどのように感じるものでしょうか。はっきりと玉のようなぐりぐりしたものとして感じるものでしょうか。私のように、そういえばなんとなく…という程度でも、転移のしこりということはあり得ますか。自分は過去にリンパが腫れるという経験をしたことがなく(あるいはそう意識したことがなく)、「しこり」というものが今ひとつよく分かっておらず、とても困惑し不安でたまりません。長々と申し訳ありませんが、再度よろしくお願いいたします。

嚢胞に一致して、カテゴリー3の石灰化があるのであれば、やはり細胞診が必要ではないでしょうか?そうでなければ、マンモトーム生検といって、マンモグラフィを行いながら生検を行う装置がありますので、適応になるのではないでしょうか?
左の胸、脇を中心にした症状ですが、恐らくは、気にしすぎるが余りの症状のように感じます。脇のリンパ節は、ごろごろという感じで触れることもあれば、ぼてっと触れることもあります。ただ、脇の下には、病気がなくてもリンパ節は時にごろごろしているものです。はっきりと悪性の診断がついていないのであれば、あまり心配せず、触診も月に一回で十分です。気にし始めるとキリがありませんし、毎日、毎日、触診して、あれ?このしこりは何?などと、不安がつのるばかりですので、変に神経質にならない方が良いのではないでしょうか?それでも不安であれば、受診をして、自分の訴えを伝え、検査をしてもらいましょう。(文責 鈴木)

 

No.4220-3】 05年08月14日      Y・K
乳ガン転移の症状でしょうか?(3)

何度も質問して申し訳ありません。自分の症状がどうしても心配だったため、最初に検査したA病院に行ってきました。左の胸、脇を中心にした症状については、念入りに触診していいただきましたが、脇にしこり等は触れないということで、こちらでいただいたアドバイスとほぼ同様のことを言われました(副乳のことと、あとは精神的な影響が大でははないかと)。また、細胞診もマンモトームもしていないことが不安でたまらないので、検査していただけないかと訴えましたが、今の時点で検査の必要はないと、今回も言われました。嚢胞も石灰化も左右共に数カ所ずつあり、検査結果では症状は右乳房の方に強く出ています(それなのに、余り気にしていなかった左側に変な症状が次々出たので、余計に困惑していました)。
1)嚢胞はエコーで見つかったものです。両乳房とも上部外側に数個(よく乳腺症がみられる場所)、上部内側にも薄くあったと思います。全体的に乳腺症の症状が強く出ていて、乳腺のあちこちがかなりデコボコしています(マンモも全体に白い映像でした)。もともと右の乳腺に強い痛みを自覚したため最初の受診をしたものでして、嚢胞は右の方がよりはっきり黒く写っていました。
2)石灰化は、これも「左右数カ所あるが目をこらして見てかろうじて認められる」というような微細なもののようです。それらの中では最も鮮明かと思われる箇所がカテゴリ判定3との診断でしたが、「あまり心配することはない、医師によっては異常なしと判断する場合もあるような程度のもの」と言われています。このカテゴリ3の石灰化は、場所は右乳房の下部内側で、乳腺の嚢胞が認められる位置とは違うと思うのですが…。

石灰化部分のマンモトームを受けられないかと訴えましたが、A病院にはマンモトームの設備がなく、また、「この程度でマンモトームをやっていたらキリがないし、身体に余計な傷をつけてしまうから」とも言われました。B病院の所見もほぼ同様で、「細胞診などの検査は今は必要と思わないが」と言われております。しかし、私が余りに心配しすぎて精神状態がよくないようなのでと、A病院の先生がもう1カ所他のC病院を紹介してくださり、お盆明けにB病院でエコーの再検査があり、その後C病院へA病院の資料を持って伺うことになっています(しかし、おそらくはC病院も同様の診断をされると思いますよ、とA病院は予測しておられます)。現在このような状況なのですが、やはり細胞診やマンモトームは当然やるのが一般的でしょうか? こちらは田舎で、マンモトームの設備のある病院は県内に無いそうなのです。

石灰化の生検はマンモトームでなければできない、ということはありません。ステレオタイプのワイヤー挿入が可能なマンモグラフィでしたら問題となる石灰化の部分に細いワイヤーを挿入して、それを目印に生検することも可能です。またマンモトームでも、淡い石灰化の集族した病変などは生検に難渋することもあります。実際に画像を拝見していないので現時点で細胞診やマンモトームの必要性は分かりませんが、A、B病院とも同様の所見で、かつC病院も同意見であれば、ほぼ診断は正しいのではないでしょうか。(文責 首藤)

 

No.4219】 05年08月02日      M
乳がんと不妊治療について

私は、3年半前乳がんの手術を受け、その後放射線治療と2年間のホルモン(ノルバデックス)療法を受けました。その後の経過は良好で、現在、妊娠を希望していますが、不妊治療をするにあたり、薬の影響(排卵誘発剤など)が心配です。HCG製剤を使用すると再発の危険があるのでしょうか? 外科と婦人科の見解が分かれているので、今後どのように進んでいけば良いのか不安になっています。良きアドバイスお願いします。 

術後の妊娠希望とのことですが、現在までに、乳癌治療後の妊娠、出産に関する世界的な報告はなく、どれも、過去のデータを検証して報告しているのみにすぎません。それらによれば、リンパ節転移陽性群を対象に検証した報告では妊娠した方が予後が不良であるという結果ですが、その他は、いずれも、妊娠、出産することで予後が悪くなるという報告はなく、むしろ予後は良好な傾向にあるという報告です。卵巣機能の廃絶により、再発リスクは減りますが、治療後妊娠の安全性については相反し、ジレンマを感じます。HCG製剤に関しては明確な答えはありません。蛇足ではありますが、術後の補助療法で用いるノルバデックスは5年間の内服が標準療法ですので、よほど副作用が強くなければ再考してはいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.4218】 05年08月02日    Y  
術後の痛みと再発の可能性

一年前に手術をしました。しこりも小さく、ステージ1でした。ここのところ、生理前でもないのに手術した方の胸の乳首から白い分泌物がでていて、胸がピリピリ痛みます。今までは傷跡が痛むことはありましたが・・・。自分で触ったところ、しこりはありません。再発や新たな乳癌の可能性はありますか?よろしくお願いします。

術後の痛みということですが、これはある程度仕方がありません。分泌物も、よほど量が多いとか、血性であるとかでなければ、あまり心配はありません。乳腺というのは、ホルモンの影響、ストレスなどで張った、つれた、痛むなどということがよくありますので、痛みと再発、あらたな乳癌を直接結びつけなくでもよいのでは?(文責 鈴木)

 

No.4217】 05年08月02日    T.T. 
ACが卵巣に与えるダメージ(HPNo.2793-2)

こんにちは。前回HPNo.2793で質問させて頂きました。その節はありがとうございました。術後3年半で、現在32才です。ACを終えたのは29才の時でした。AC4クール終えた時点で生理は止まらず、その後ゾラデックス2回目で止まりました。ゾラデックスを2年間続け、現在はノルバデックスを服用しています。ゾラデックスが終了して一年経ちますが、生理がまだ戻りません。何人かの先生方に99%戻ると言われ、信じて待っていましたが、段々不安になってきてしまいました。ACが卵巣に与えるダメージについて教えてください。
1)ACは卵巣にどのような影響を与えるのでしょうか?
2)女性ホルモンの量と生理が戻らない事は、関係がありますか?
3)閉経と断言できる検査などはありますか?
4)このまま戻らない場合は、諦めるしかないのでしょうか?

お答え頂ければ幸いです。宜しくお願いいたします。

術後補助療法と無月経に関する質問ですが、ACの後に月経が再来するのは、99%というのは、少し言いすぎのようで、9%の人でそのまま無月経になるという報告もあります。CMFでは40歳以下では治療中に半数の人が無月経になり、その3/4は回復しないという報告もあります。問題は、補助療法後に月経が発来した場合に、再発のリスクがどうかということです。はっきりとしたデータはありませんが、若年者で、月経が再来した場合は、zoladexを継続して月経を止めるほうが良いという考えもあるようです。月経が戻らないことが不安なのか、妊娠の希望が強いのか、判断が難しいですが、海外のガイドラインをみても、術後2年は妊娠をさけた方がよい、リンパ節転移がある場合は5年待ったほうがよいとされています。ただ、術後の妊娠が再発のリスクをあげるという確固たる証拠はありません。閉経か否かは、採血によりある程度判定できます。女性ホルモンの量と月経の再来とは関係ありません。抗癌剤による卵巣の線維化や、成熟卵胞の不足をきたすといった直接の作用によるものですので。(文責 鈴木)

 

No.4216】 05年08月02日    K.I.
FUS集束術について

はじめまして。私は、37才、独身の女性です。先月、会社の健康診断の乳がん検査で、マンモグラフィにて再検査を受けることになり、そのあと、針検査を一度やり、3という結果がでて、次に大きめの針にて再々検査をしたところ、乳がんという結果が出てしまいました。病院では、手術してとらないといけないという内容の説明をされましたが、その病院が通いにくいということがあり、別の病院を探していました。そんなとき、テレビにて、切らないで治療できるFUSという治療法があることをしり、早速その病院に問い合わせをいたしました。最新医療ということで、まだ、日本で認可されていないので、保険はかからないということ。臨床試験のことなど、いろいろと他にも条件がありましたが、その治療法について、どのぐらいの信用度をもっていいのかわからなくて、こちらにメールしてみました。歴史が浅いこともあり、その施術をした人の本や資料を見たことがなく、それについては、その病院に聞くよりほかありません。この病院はとても遠方で、選任の看護婦さんからのメールでのやりとりでしか説明をうけることができず、「傷をつけないでできる」ということは、とても魅力的ですが、いろいろと不安です。なにか小さなことでも情報を知っている方がいたら、教えてください。よろしくお願いします。

FUSは臨床試験の段階で、手術と比較した明確なデータはまだでていないと思います。試験に参加することは実施病院にて可能ですので、詳細等は問い合わせてみてください。(文責 加藤)

 

No.4215】 05年08月02日    K 
乳がんのグレードについて

2週間前にしこりを見つけ、マンモグラフィー、細胞診の結果、乳がんと診断されました。超音波、CT、血液の検査では、肝臓、肺、血液への転移は無さそうとのことです。
1)細胞診の結果は、グレードVでした。本などを読むと、グレードVは悪性度が高い=転移しやすいということですが、治療で改善されるものなのでしょうか?
2)また、手術はできるだけ早くすべきでしょうか?  細胞診をする前より、しこりが大きくなっているような気がして、心配です(カルテへの記入に1.9mmとされていたのが、後日別の病院へ行ったところ2.2mmと記入されていました)。治療を望む病院は、1ヶ月半待たなければならないということです。

お忙しいところ申し訳ありませんが、ご回答をよろしくお願い致します。

1)細胞診のクラス3は、良悪性の鑑別が難しい時に用いられます。組織学的悪性度とは意味合いが違いますので、主治医にご確認下さい。
2)一ヵ月半で急に進行することはまずありませんので、慌てる必要はないと思います。その間に、どういった治療法を選択されるか、よくご検討下さい。(文責 加藤)

 

No.4214-1】 05年08月02日     H.K
乳がんと診断されました

はじめまして。質問させて頂きます。レントゲン、エコー、針での吸引検査を経て、7月25日に乳がんであると診断された者です。手術は1ヵ月半後くらいに先になるとの事なので、それまでの間、どんどん進行してしまうのでは?と、とても不安です。考えすぎですか。8月1日にCT検査、8月17日にMRI検査をします。7月15日時点で2.5センチです。主治医の先生にすぐお尋ねすればよかったのですが、その時はショックのほうが大きく、何も考えられませんでした。

乳がんは一般的に何年もかかって姿を現してきます。一ヵ月半くらいで急に進行することはまずありませんので、ご安心下さい。その間治療法をよくご検討下さい。(文責 加藤)

 

No.4214-2】 05年10月29日     H.K
術後の治療について

HPNo.4214でもお世話になっております。9月22日に部分切除しました。しこりは2.5X3、リンパへは3つに分けた3まで行っており、8個中1個取りました。悪性度は4段階の2で、おとなしいほう、深さは結構あったとの事です。「ホルモン反応は2種類とも陽性なのでホルモン治療ができるが、46歳で閉経前という事を考えると弱い抗がん剤でたたくという方法もある。」と教えて頂き、髪も抜けないと言う事なので、抗がん剤も使用する事にしました。放射線と並行して5年計画で抗がん剤、ホルモン治療の順でやることになり、10月31日から30回の放射線が始まりますが、昨夜本を読んでいたら、“抗がん剤を使用する場合は、それが終了してから放射線療法を行う”とあったので不安になりました。なるべく効果があがる順でやりたいです。大丈夫でしょうか。

抗癌剤治療がアントラサイクリン系(ドキソルビシン<アドリアマイシン>やエピルビシン<ファルモルビシン>)を含むレジメンであった場合は放射線療法によるやけどがひどくなる可能性がありますので、通常抗癌剤治療が終ってから照射を行うことが多いと思います。主治医の先生によくご相談ください。(文責 片山)

 

No.4213】 05年08月02日     Y・N
腫瘍マーカーについて

はじめまして。初めてこのHPにおじゃましております。7月で乳がん術後丸3年になります。先日検査で、血液検査・エコー・マンモー・レントゲンをしました。血液検査の腫瘍マーカーが平均値30に対して59あり、骨シンチを来月調べる事になりました。今までは腫瘍マーカーが平均だったので、ビックリしてます。一ヶ月前に抜歯をして抗生物質と痛み止めを3日間飲みました。薬とかの影響はあるのでしょうか? 3年前に手術をしました。2.5mmの癌と脇下リンパ節に3個の転移があり、胸は温存でリンパ節切除しました。放射線25回と2年間ゾラを注射しました。お忙しい中、申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。

薬の影響はないと思います。マーカーが多少上昇しても、再発であるとは限りませんので、あせらずに検査結果をお待ち下さい。(文責 加藤)

 

No.4212】 05年08月02日      M.N.
検診結果で乳腺内微細石灰化と言われてしまいました

今回初めてマンモグラフィでの検査を受けた所、上記の通りの結果通知が届き、「精密検査要」で乳腺外来へ、との事です。私は4月末に1歳半で断乳をしたのですが、ずっと仕事しながらの夜だけの授乳だったので軽く考えていた所、直後からおっぱいが詰まり微熱が出たため、母乳マッサ−ジに定期的に通っています。乳腺が硬くなっていると言われ、肩こりがひどい状態がようやく落ち着いてきたものの、今でも背中の張りを時々感じます。この様なおっぱいの状態が上記のような診断につながる事はありますでしょうか? 親戚に乳がんの人はおらず、昨年までのエコ−で異常を指摘されたことはありません。自分で触る限りはしこりは見当たりません。また授乳1年間は、食べ物を油断すると軽い乳腺炎を繰り返していました。乳がんの場合、この様な背中の張り感はよく起こるのでしょうか? 不安です。また、運良く乳がんではなかったとして、乳腺外来でこの背中の張り等の不快感を和らげる治療法はあるのでしょうか?

石灰化のほとんどは乳がんとは関係のないものです。あまりご心配されずに受診されてください。背中の張り感は乳腺とは関係のない可能性もあると思います。(文責 加藤)

 

No.4211】 05年08月02日    T.S. 
リュープリンについて

現在52歳ですが、3年前に1.5cmのしこりがあり(リンパ節への転移はなし)、乳房全摘出をしました。それから毎月リュープリンの注射をしています。糖尿病の持病があり、毎朝1錠アマリールという薬を飲んでいますが、副作用はありますか? お返事お待ちしております。よろしくお願い致します。

特に影響はないように思います。(文責 加藤)

 

No.4210】 05年08月02日    O.M
臨床試験への参加について

ご相談させて頂きます。母(63歳)が7月13日に左胸の乳癌手術をしました。温存療法です。術後の結果、腫瘍の大きさは2.5cm、リンパへは1つ転移がありました。抗がん剤治療をするにあたって、臨床試験への参加を考えてほしいと主治医より言われました。4パターンの抗がん剤治療のどれかのグループに入るとのことでした。どのグループに入るかはランダムに選ばれるためわからないとのことでした。どうしたらいいものか悩んでいます。私としては母にとって一番良いと思う治療方法を主治医に選んでいただきたいのです。そのことは伝えましたが、どの抗がん剤の治療パターンが一番効くのかは今の段階ではわからないとのことでした。どのような選択をしたらよいでしょうか。意見を頂けたら幸いです。どうぞ宜しくお願いいたします。現在はまだ放射線治療等、何も治療は行っていませんが、術後の治療はいつぐらいから始めるのでしょうか?

臨床試験は、現時点ではどちらもほぼ同様に効果があるだろうと考えられている治療法で、その効果の差を確かめる目的にて行われます。ですからどのくじを引いても大きな差はないようになっています。今行われている治療法は、こうした試験をもとに決められてきました。今後治療を受けられる方々のためにも、皆さんの御協力が必要となります。術後の治療は1-2ヶ月以内に開始されることが多いです。(文責 加藤)

 

No.4209】 05年08月02日    E.G. 
今後の見通しなど

はじめまして。家内の乳がんのことで相談します。家内は48歳(子供2人)です。先日、手術(胸筋温存乳房切除術)していただき、今日、組織検査の結果を聞いてきました。以下はコピーです。
「肉眼所見:R-Acに3×2cmの腫瘤。病理診断:rt-breast cancer,invasive ductal carcinoma,papillo-tubular carcinoma,g(+),f(+),ly3,vO,n(+)[tota1 20/20; levelT 11/11, levelU 6/6, levelV 3/3。 病理所見:右乳腺のtumorはpapillotubular carcinomaです。乳管内進展や後述のリンパ管侵襲により,広範囲にcancer組織が広がっています。核グレードは3(核異型スコア)+3(核分裂像スコア、核分裂数=27個/22HPF)の6点(Grade3)です。cancer組織は乳腺外脂肪へ浸潤しています(g(+),f(+))。極めて高度のリンパ管侵襲が認められ、提出された全てのリンパ節に転移が確認されます。静脈への侵襲は明らかではありません。」
その他、 ER陽性、PgR陽性、HER2(1+)で、骨シンチ、腹部CT:異常なし、とのことでした。主治医の説明では、かなり厳しい結果のようで、来週から化学療法(EC療法:3週ごと×4回+タキソール:4週ごと×4回)後、放射線治療(+内分泌療法)の予定です。

1)この状態での病期(ステージ)はVc?
2)5年生存率、10年生存率は?
3)核グレード(Grade3)とのことですが、異型性が強いと化学療法の効果も弱いのでしょうか?

ご多忙中恐縮ですが、宜しくお願いします。

1)AJCCの分類だとVcになります。
2)50%、30%位だと思います。
3)そういったことはないように思います。(文責 加藤)

 

No.4208】 05年08月02日    KK
今後の治療について(2) (HPNo.3948-3)

毎日暑い日が続きますが、お元気でお過ごしでしょうか?手術から約4ヶ月近く経ち、先月から前向きになれ、日々送らせていただいています。化学療法3回目投与を間近に控え、少し気になる件がありますので教えていただけないでしょうか? ACを6/10・7/8に投与しました。8/2予定ですが、1回目投与から12日目で脱毛し始め、6/23にウイッグメーカーで7mm程度に丸刈りしウイッグをつけていますが、現在大方は脱毛しているのですが、部分的にありますが引っ張れば抜けますし、耳横は剃ったのに伸びてきてます。よく見ると(頭全体)部分的に伸びていますが(30本あるかどうか?)、これってどういうことですか? 私の体力がありすぎ? それとも癌細胞活発? 私はむかむか感はあるものの、吐き気なしで、7/1予定だった投与は白血球不足(2100)で、1週間後になったくらいです。お蔭様で副作用は軽いです。今のところ、AC後ウイークリーでタキソールです。化学療法のレジメンは、デカドロン 20r ・カイトリル 1A ・アドリアシン 100r ・エンドキサン 100rです。今月の受診で、FISH法を後で後悔したくないのでしてほしいとお願いしましたが、病理医と相談しますといわれ、強く依頼できませんでした。私の場合、2+なので検査するメリットを教えていただけないでしょうか? 私自身が理解していれば、きちんとお願いできると思うし、今後転院も含め考えようと思っています。検査代は5万円位ですか?かかってもしていただくつもりですが・・・。それから、検査して結果がどんなふうにでるか(1とか2とか・・・、知識がないのですみません)わかりませんが、化学療法の後は、ホルモン療法がTAM5年間になっていますが、TAM単独だけでいいのでしょうか? HPをみてますと、ゾラテックス+ノルバデックスとか、ノルバデックス+ハーセプチンの方もいるし・・・、できたら、対処法じゃなく5年以上再発しない方法をと願っています。今後のことは誰もわかりませんが、TAMだけで5年大丈夫ならいいけれど、UBというステージが気になっています。お忙しいところすみませんが、一般的な知識として教えてください。又、私が受けていることについて、おかしな点があれば教えてください。

脱毛は個人差があります。ハーセプチンの使用を考慮する時、HER2が2+の場合はFISH法を原則として行うことになります。現在ハーセプチンを使用されないのであれば(保険適応はありません)、検査するメリットはあまりないことになります(将来ホルモン治療選択の基準になる可能性はありますが・・・)。今後治療が必要になったときでも宜しいかと思います。化学療法後のゾラデックス投与は、まだ有用性がはっきりと認められているわけではありません(欧米で臨床試験中です)。ただ、化学療法後のホルモン状況によっては行うことがあります。(文責 加藤)

 

No.4207】 05年08月02日    I.M. 
細胞診の結果について

始めまして。出産経験無しの33歳です。母と叔母(母方)が共に乳癌&筋腫により子宮、卵巣を全摘しているという家系です。会社の乳房エコー検診(初めて実施された)で左内側に8ミリ弱の腫瘍があり、精密検査をしました。家族歴も気になるということで、触診、マンモフグラフィー、エコー&細胞採取、MRIを行いました。触診では触れず、マンモグラフィーでは腫瘍は認められるが不鮮明でした。MRIではエコーで写った腫瘍の他にもいくつか見られました。細胞診の結果は先生は詳しくおっしゃられなかったのですが、カルテには3択(良性・良性の可能性が高いが悪性を完全に否定できない・悪性)の真ん中にチェックがあり、粘性と記載されていました。エコーの欄には「低い」とありました。先生は「総合的に見て、悪性を示す所見は今の所ありません。4ヶ月後にエコーで見て、大きくなったり変化があればまた細胞を取りましょう。乳腺線維症のたぐいだと思いますけどね。」という微妙な判定だったのですが、良性であるとの言葉がなかった為心配です。この大きさと、これだけ検査をして貰っての判定なので、4ヶ月待つべきなのか、他の病院でも見てもらおうかと悩んでおります。アドバイス頂ければ幸いです。宜しくお願いします。

担当医の指示通りで宜しいかと思いますが、心配なら他院でも診てもらうことになるでしょう(すみませんがメールの内容だけでは断定はできません・・・)。(文責 加藤)

 

No.4206】 05年08月02日    H.N. 
放射線治療をするべきでしょうか?

36歳、low grade DCIS、ホルモンレセプター陽性。生検で、乳頭上の8mmの腫瘤を中心に25×30×10mmと10×20×10mm切除。断端陽性だったため追加切除し、結果は10×5mmのDCISが存在し、断端陰性。
1) 放射線治療をした方がよいのでしょうか?主治医のお考えは、年齢と病変の広がりからした方がよいとのことです。
2) 放射線治療を今の段階で行うと、浸潤癌で再発した時放射線治療できないので、再発した時のことを考え、とっておいた方がよいのでしょうか? 再発後のことを考えるより、再発予防のため今治療した方がよいのでしょうか?
3)  放射線治療後浸潤癌で再発した場合、全摘になるのでしょうか?

タモキシフェンは5年間服用するつもりです。DCISの治療法は確立していないことは存じておりますが、先生のお考えをお聞かせ下さい。

主治医と回答者が重なってしまい申し訳ありません。セカンドオピニオンも可能ですので、遠慮なくおっしゃって下さい。納得された上で治療を受けることが大切ですので・・・。
1)断端までの距離も考慮し、お勧めしました。
2)現在行う方がよいように思います。
3)必ず全摘しなければならないということはないと思います。

放射線治療を行わなくても再発率の低いグループが存在するとの報告もありますが、エビデンスレベルの高い臨床試験の結果から最大径0.5cm以上のDCISに対して放射線治療が勧められています(局所再発の相対リスク比を約半数に減少させます)。局所再発の危険因子には年齢、腫瘍径、悪性度、断端までの距離などがあります。ただ、放射線治療は生存率には影響しないとされています。現在、放射線をかけなくてもよいと思われるグループを探すために欧米では多くの臨床試験が実施されています(その結果がでるまであと数年はかかると思います)。局所再発のリスクの差をどう受け入れていただくかによって、治療を行うかどうか決まってくると思います。(文責 加藤)

 

No.4205】 05年08月02日    S.N.
線維腺腫経過観察中の妊娠

はじめまして。36歳で、2歳の子供がいます。今年の1月末頃に左胸のしこりと痛みを感じ、2月に乳腺外来を受診しました。マンモ、エコー、針で細胞を取った結果、乳腺症の診断でした。6月に再度検査ということで(このときは、マンモは撮りませんでしたが)検査した結果、線維腺腫という診断でした。大きくなる可能性もあるし、摘出したほうが細胞も確実に調べられるということで手術し、結果やはり線維腺腫という診断でした。ただ、しこりの境がはっきりしなかったとのことで、全部取りきれていない事もあり、12月に再度検査するとの事でした(今でも乳輪のそばに触れるしこりがあります)。年齢的なものもあり、2人目が欲しいと思っているのですが、今の状態で妊娠しても、大丈夫なのでしょうか? 手術前の説明では、取ってしまえば、その後の妊娠出産は問題ないということでしたが・・・。お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

お話の内容からは、妊娠出産は大丈夫だと思います。特に影響はないでしょう。(文責 加藤)

 

No.4204】 05年08月02日    Y 
妊娠中の胸のしこり

よろしくお願いいたします。現在妊娠13週の妊婦です。3年前に胸のしこり(良性)を切除しました。その傷口のちょうど真下あたりに2cm程度のしこりがあり、乳腺外来を受診いたしましたら、「肉芽では?」ということでした。針で細胞をとって検査にまわしていただきましたが、肉芽の場合でも、摘出したほうが良いでしょうか。その場合、出産後(予定日は2月です)でも構わないでしょうか。また、仮に悪性だった場合、赤ちゃんは助かりますでしょうか。お忙しいところを大変申し訳ありません。どうぞよろしくお願いいたします。

肉芽の場合は特に摘出する必要はないと思います。万が一悪性であっても、赤ちゃんを助ける方法はあると思います。あまりご心配されずに、検査の結果をお待ち下さい。(文責 加藤)

 

No.4203】 05年08月02日    S.M
術前補助化学療法について(HPNo.4135-2)

HPNo.4135で術前補助化学療法による温存の件でご相談した者です。術前補助療法の選択について、更に質問です。前回解答頂いた内容を踏まえ、年齢が44歳ということもあり、副作用による閉経は仕方ないと思い、温存を希望の旨、主治医に伝えておりました。その後、詳しい検査後、今後の治療について主治医から以下のような説明を受けました。
1) 骨・肝臓・肺等への転移無し
2) リンパの腫れがある為、レベルUまで郭清する。(細胞診をしたために腫れることもある)
3) 腫瘍が乳房の乳頭から腕側・下にかけて細長い(3cm*4.5cm)ため、このまま温存しても乳首も残せず、乳房があまり大きくないので形良く残せないめ、全摘が望ましい。(希望があれば再建もできる。)
4) 術前補助化学療法をする場合、腫瘍が小さくなる可能性は80%、術前でも補助化学療法は6ヶ月続ける。術後は補助化学療法はしない。術前・術後で使用する抗がん剤は同じ。

再建手術まで、現時点ではとても考えられませんし、全摘してしまった後で後悔しても元に戻せませんので、随分がんばって質問したつもりですが、今ひとつ納得できません。術前補助化学療法について、否定的ではないものの、温存の希望を伝えているにもかかわらず、こちらからの質問に対しての十分な返事が得られません(専門家に対しての質問の仕方が漠然として答えようがないのかもしれませんが)。主治医の口ぶりから、まず手術(全摘)をして、病理の結果次第で、その後の治療を決めたい意向のように感じます。手術を優先した場合と、術前補助化学療法をした場合のリスクが良く解らず、決めかねています。宜しくお願い致します。

現時点で公表されているデータからは、化学療法は術前に行っても術後に行っても効果は同じです(再発、生存率に関して)。ただ、手術の方法に関しては術前投与により温存術施行率が上昇します。腫瘍の縮小の仕方は色々ですが、乳頭の近くに存在していても温存術が行える可能性はあると思います。温存を御希望でしたら、術前化学療法が候補にあげられるでしょう。十分な返事が得られない場合、納得のいくまでご質問されたほうが宜しいかと思います。あるいは他の医師の意見を参考にすることも選択肢の一つです。(文責 加藤)

 

No.4202】 05年08月02日    M.I. 
妊娠・授乳中の経過観察

こんにちは。32歳女性です。昨年5月にマンモ、エコー、細胞診で1cmの線維腺腫との診断で、経過観察として、9月、今年の1月、6月と受診しております。昨年のシコリ発覚時点ではコロンとしたキレイな楕円形のシコリだったのですが、その後妊娠すると同時に、妊娠による乳腺の発達からかエコーで確認しづらくなり(担当医は大きくなったりしてる様子はないので特に問題なしとのことでした)、出産後の先月の受診時には「ほとんどエコーではシコリらしきものは見えないね」とのことでした。授乳中ですので、診察直前に授乳し、オッパイをやわらかくした状態でのエコーでしたが、シコリらしきものが写らないというのは、消えたのでしょうか? この時はマンモもしましたが、異常なしでした。お聞きしたいのは、万が一悪性であった場合は、妊娠・授乳中でもエコーで確認できるのですか? 担当の先生は「悪いものなら悪い形にハッキリ写るようになってくるから心配ない」と言っていましたが、本当でしょうか? 次は半年後に経過観察の受診予定です。乳腺疾患を多く扱う病院で、担当医は乳腺専門医で信頼しているのですが、考えると不安になってしまって・・・。アドバイスお願いします。

お話の内容からはご心配ないように思います(エコーで確認しにくいものもありますが)。線維腺腫が悪性化することは通常ありませんので、ご安心下さい。担当医の指示で宜しいかと思います。(文責 加藤)

 

No.4201】 05年08月02日    N.K. 
術後療法について

患者本人です 年齢40歳、04年11月に乳癌の告知、リンパ転移有、11月よりEC4クール+ドセタキセル4クール後、05年5月温存手術後、放射線25回終了。現在ホルモン療法ゾラ2年後、内服3年の予定。 術前:3cm(T2−T3)、脇リンパ1cmのしこり 。術後:浸潤1.5X1.0X0.6 、脈間侵襲なし 、リンパ管1/6転移 、ホルモンER2+,PgR(+1) 、ハーセプトテスト 0、(グレード不明) 。

ゾラのみなので、遠く病院から近くの病院に変わろうとしたら、下記の様なアドバイスを近くの病院からいただきました。
1)ECよりもタキソールが効いたので、ウイークリータキソール2〜3クール行うとベスト。
2)ゾラのみでは不安なのでノルバを併用した方がベスト。 
  
5月に手術を受け、放射線も修了した現在、1)2)治療方法の追加について、ご意見をお聞かせください。 宜しくお願いいたします。

1)タキソール(パクリタキセル)ではなくてタキソテール(ドセタキセル)でしょうか? 術前4サイクル行った後、これから週一回の投与を2-3回行うことに意味があるかどうかは不明だと思います。
2)ノルバデックスは併用された方が宜しいかと思います。(文責 加藤)