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相談室(No.101〜200) |
このページは乳がんに関 する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。
なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。
当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。
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No
日 付
名 前
件 名
担 当
200 00/06/21 S.S.
線維腺腫?
吉田 199 00/06/21 MASAKO
乳癌治療の新薬について
吉田 198 00/06/20 KeroChan
母乳をあげていません
吉田 197 00/06/20 T.I.
腫瘍マーカーを教えて下さい
吉田 196 00/06/17 スージー
胸が痛い
吉田 195 00/06/14 T.I.
乳首のかゆみについて
吉田 194 00/06/14 J.S.
22歳(男)、胸のしこりについて
吉田 193 00/06/12 M.I.
細胞診のクラスと乳癌のステージについて
吉田 192 00/06/11 Y.S.
乳房切除後の妊娠について
吉田 191 00/06/10 かおり
ゾラデックスの注射について
吉田 190 00/06/09 ANC
ステージUの治療法について質問
吉田 189 00/06/08 S.O.
手術したほうがよいでしょうか?
吉田 188 00/06/08 H.I.
母のガンについて
吉田 187 00/06/08 M.S.
乳輪下のしこりについて
吉田 186 00/06/08 あっこ
水っぽい白い分泌物
吉田 185 00/06/07 ミウラ
胸のしこり
吉田 184 00/06/06 K.A.
乳がん再発の治療について相談します
吉田 183 00/06/06 kei
肺転移後の治療について
吉田 182-1
182-200/06/05
00/06/30sara
右胸に1.5cm 位のしこりがあるのですが---
検査結果について吉田
吉田181 00/06/05 Eさん
女性化乳房
吉田 180 00/06/05 あび
乳腺線維腺腫の再発?
吉田 179 00/06/05 R.S.
細胞診でclassVと言われました
吉田 178 00/06/04 K.M.
乳癌の相談
吉田 177 00/06/01 aya
乳癌と出産
須田 176 00/05/31 Y.M.
しこりの一部分が痛い
福間 175 00/05/31 A.S.
生検について
福間 174 00/05/31 H.U.
血液を多く含む腫瘍について
福間 173 00/05/29 A.H.
再発について
福間 172-1
172-200/05/29
00/06/09Yuka
乳腺腫によく似たガン?
MRIの結果福間
吉田171 00/05/26 ayako
抗がん剤について
福間 170 00/05/26 My2
リンパ節転移の可能性について教えて下さい
福間 169 00/05/26 Y.T.
脇の下が痛むのですが
福間 168 00/05/26 ねむちゃん
右の腋の下から胸にかけての痛み
福間 167 00/05/21 H.O.
65才の母のことについて質問させて頂きます
福間 166 00/05/21 K子
乳頭の痒み
福間 165 00/05/20 CC
両乳頭のかゆみについて
福間 164 00/05/17 つるべ
月経不順について
福間 163 00/05/16 N.S.
葉状腫瘍
福間 162 00/05/16 hisa
左脇の下にしこりがあります
福間 161 00/05/16 mayumi
左胸にしこりがありますが・・・
福間 160 00/05/15 yasuko
胸のしこりについて
福間 159 00/05/15 海の家
胸のしこりと痛みについて
福間 158 00/05/15 Y.N.
姉の病状について
福間 157-1
157-200/05/15
00/05/20E.H.
乳がんの肺転移手術後の治療について
術後の再発と再発後治療について福間
須田156 00/05/15 ゆう
乳首の痛み
福間 155 00/05/15 Fさん
胸の痛みについて
福間 154 00/05/15 まんぼう
乳癌手術後の腕の腫れについて
福間 153 00/05/15 N.S.
乳がんの転移について
福間 152-1
152-2
152-3
152-400/05/15
00/07/26
00/10/15
00/10/22H.U.
今後の治療方針について
胸壁の皮膚が壊死しています
今後の治療について
病状について福間
麻賀
稲葉
稲葉151 00/05/14 Y.O.
放射線治療後の肺炎について
須田 150 00/05/11 H.I.
Vb
須田 149 00/05/05 yasuko
右胸のしこり
福間 148 00/05/05 こいのぼり
右胸のしこり
福間 147 00/05/05 T.N.
乳がんについて
福間 146-1
146-200/05/05
00/05/16M.S.
タキソールについて
タモキシフェンについて福間
福間145 00/05/02 K.H.
薬の副作用について
福田 144 00/04/29 M.Y.
乳頭のかゆみ
福田 143 00/04/29 ともこ
しこりについて
福田 142 00/04/29 M.K.
良性、悪性の区別がつかないこともありますか?
福田 141 00/04/27 K.M.
転移について
福田 140 00/04/27 K.O.
非浸潤癌について詳しく教えて下さい
福田 139 00/04/27 ララ
手術後の化学療法について
緒方 138 00/04/27 F.M.
化学療法「CMitF療法」について
緒方 137 00/04/25 M.I.
腋の下が痛み、微熱が続いています
福田 136 00/04/25 Chiharu
パジェット病について
福田 135 00/04/19 K.M.
化学療法「CEF」の効果、副作用について
緒方 134 00/04/19 U.T.
手術まで3週間もあいて大丈夫でしょうか?
福田 133 00/04/19 Funky Meg
化学療法「CEF」について
緒方 132 00/04/18 S.F.
乳房温存術について
福田 131 00/04/18 M.A.
左胸のしこり?について
福田 130 00/04/18 S.H.
しこり、しびれ、麻痺
福田 129 00/04/18 okada
タキソールについて
緒方 128 00/04/18 K.M.
しこり&痛み
福田 127 00/04/18 K.K.
乳房からの分泌物
福田 126 00/04/18 K.F.
頚部腫瘤について
福田 125 00/04/09 M.M.
検査結果とホルモン値についての相談
福田 124 00/04/09 j-ume
葉状腫瘍について
福田 123 00/04/09 K.N.
副作用
福田 122 00/04/09 Y.Y.
血液を含む腫瘍について
福田 121 00/04/09 Y.I.
乳ガン手術後の治療について
福田 120 00/04/09 R.K.
しこりはないが、痛みがある場合
福田 119 00/03/31 miki
脇の下あたりの痛みについて
須田 118-1
118-200/03/30
00/08/29K.N.
膨満感
腰痛について徳田
石田117 00/03/30 みわ
痛みのあるしこり
徳田 116 00/03/30 O.R.
CMF療法、UFT療法について
徳田 115 00/03/28 Y.T.
抗癌剤の併用療法について教えてください
徳田 114 00/03/28 M.S.
乳頭からの分泌物について
徳田 113-1
113-200/03/27
00/03/28M
乳がん手術後の再発防止
CMFと血液検査結果との関係について徳田
徳田112 00/03/27 T.I.
悪性と良性の違い
徳田 111 00/03/27 Y.N.
悪性の葉状嚢胞肉腫について
徳田 110 00/03/22 S.T.
遺伝性の乳ガンについて
徳田 109 00/03/22 O.K.
乳房からの分泌物について
徳田 108 00/03/21 M.I.
わきの下のしこりについて
徳田 107-1
107-200/03/21
00/03/23anryo
治験で迷っています
参考文献を教えて下さい徳田
徳田106 00/03/16 K.K
乳腺線維腺腫について
徳田 105 00/03/15 のん
乳輪・乳首の変化について
徳田 104 00/03/15 tsuneman
お薬の意味を教えてください
徳田 103 00/03/15 M.O.
癌になる可能性はありますか?
徳田 102 00/03/15 T.S.
2件教えて下さい
徳田 101 00/03/13 N.I.
検査方法
徳田
【No.200】00年06月21日 S.S.さん
線維腺腫?はじめまして。私は21歳女性です。最近両胸にしこりみたいなものが気になります。痛くはありませんが、押さえると少し痛いです。しこりがあると思えばあるし、ないと思えばないし。。よくわかりません。胸をつまめば100%液体ではなく、かたまりが所々あることは確かです。 左胸の脇近くをつまめば、直径3cm位のかたまりがあります。右胸は、乳頭より上全体的に、大きなかたまりがあります。左胸は、乳頭より上全体的に3cm位のかたまりがあります。異常でしょうか?正常なら、乳房の中はかたまりが全くなく、液体だけのような感覚なんでしょうか?また、正常なら、乳房を真正面から押さえても痛くないんでしょうか?乳頭はただれてませんが、乳輪には直径1mmの透明のいぼみたいな、つぶみたいなものが各5つ位あります。胸を触ると、少しそれが膨らむ感じです。痛みはありません。過去の投稿のコメントを読ませていただいた限りでは、私は線維腺腫?かなと思います。原因は、ワイヤー入りの少し窮屈な下着を着けているからでしょうか?ホルモンの分泌異常でしょうか?ホルモンの意味があまりわかりません。どうしたら分泌が多くなるんですか?どうしたら分泌が少なくなるんですか?分泌が多いのと少ないのでは、どちらが正常ですか? ずばり線維腺腫の原因は何ですか?食生活等きわめて健康に過ごしてきたのに、どうしてこんなに悩まなければならないのでしょうか。。 どのくらい症状がひどければ手術になるんでしょうか?何十万かかかりますよね。。ちなみに親戚に乳がんの者はおりません。線維線種の場合、必ずしこりを摘出しなければならないのでしょうか?その手術後は、乳房が平らになってしまうのですか?もしそうなら、これから生きていく自信ありません。病院へ行く勇気があまりないです。大きな病院ほど、診察に痛いことをされますか?質問だらけで申し訳ありません。就職活動で忙しいのにとても不安です。よろしくお願いいたします。
乳房に「しこりの様なもの」を触れ悩んでいるようですが、よく触ってみれば「しこりの様なもの」を触れることは人は多いと思われます。特に生理前には女性ホルモンの分泌が多くなり、乳房は腫脹し「しこりの様なもの」が触れ易くなります。メールの感覚的な表現からは、本当の「しこり」であるのか否かは判断できません。本当の「しこり」であれば、年齢より乳腺線維腺腫が最も考えられますが、のう胞(乳腺症)のこともあります。それから乳癌を全く否定することも出来ません。やはり勇気をだして診察を受けるべきです。乳輪のいぼみたいなものは乳輪腺といって誰にでもあるものです。線維腺腫の原因はわかりませんが、良性腫瘍ですので、基本的にはそのまま経過を観察していても大丈夫です。しかし大きくなる場合や癌と見分けがつかない場合は切除して病理組織を確認することが必要です。費用は何十万もかかることはありません。悩んでいるよりも診察を受けたほうがよいでしょう。大きい病院ほど診察に痛いことをされるとは限りません。悩みと直接関係のない質問は省略いたしました。(文責 吉田)
【No.199】00年06月21日 MASAKO
乳癌治療の新薬について母は10年以上経ってから乳癌が骨に転移しました。現在は抗がん剤とホルモン治療を続行中です。4回ほどの抗癌剤治療で少しは癌が小さくなっているようです。現在乳癌治療は日々進歩していると言うところだと思います。アメリカで開発されたトラツズマブとドセキセルの併用治療は日本で間もなく認可されるという噂ですが、 情報を教えてください。また従来の一般的な抗癌剤との治療効果の比較はどのようなものでしょうか。癌細胞にも色々の種類があってお答えにくいことと存じますが、癌患者を持っている家族にとっては一刻も早い有効な新薬の出現を待っていることもお察し下さい。宜しくお願い申し上げます。
乳癌の約1/3では、細胞膜にerbB2という蛋白が発現しており、このような乳癌は抗癌剤やホルモン剤が効きにくいとされております。トラツズマブはerbB2に対する抗体であり、erbB2の働きを中和するものです。ドキタキセルは、主に癌細胞の分裂期に作用する比較的新しい抗癌剤であります。この2剤の併用法は既に外国で行われ、その成績の一部が報告されております。通常、抗癌剤の治療効果は奏効率といって、一時的にでも病巣が縮小したものの割合で表現いたします。一般的な抗癌剤の奏効率は20-40%であると思いますが、この2剤の併用法では44%位と報告がなされており、少し治療効果が良いようです。ドキタキセルと似た薬でパクリタキセルというのがありますが、これとトラツズマブの併用療法のほうは奏効率が59%と報告されており、かなり優れた成績が示されております。しかしこれら治験の成績は、いずれも少数例の検討であり、あくまでも参考としてとらえるべきでしょう。新しい薬、あるいは併用療法の評価が本当に定まるには数年かかると思います。(文責 吉田)
【No.198】00年06月20日 KeroChan
母乳をあげていません29歳、2児の母です。8歳と5歳の子供に母乳を与えていません。乳首が小さくて吸い付けず、少しはしぼっていましたが、すぐに張らなくなってしまいました。今、気になっているのは,お乳をあげなかった人は乳がんになるのか、あと、右の胸が左よりたれているのが心配です。しこりは見つけていません。乳首の奥は全部ごりごりしています・・・それと、胸全体が突っ張る気がします。すごくすごく心配なのでよろしくお願いします。
子供にお乳をやらなかったひとは、あげた人よりも多少乳癌に成り易いとされております。しかし、その差は微々たるものと考えてよいでしょう。乳房に左右差があり、乳首の奥がゴリゴリして張るような気がするとありますが、おそらく乳腺症と思われます。しかし、これだけでは何ともいえません。念のため、一度乳腺外来を受診することをお勧めします。(文責 吉田)
【No.197】00年06月20日 T.I.さん
腫瘍マーカーを教えて下さい乳癌の再発を知る事のできる腫瘍マーカーがあれば教えて下さい。T-CTPは骨metaのマーカーだったと思いますが、CEA以外にもあれば教えて下さい。
現在、乳癌の再発の腫瘍マーカーとして一般的に用いられているものは、CEAとCA15-3です。これらのマーカーは乳癌自体が産生している蛋白質が血中に流出したものですが、必ずしもすべての乳癌が産生しているとは限りません。またCEAは乳癌に限らず大腸癌や胃癌、肺癌などでも産生していることが多いので、CEAが上昇した場合は、乳癌の再発ばかりではなく、他の癌の存在を疑わなければなりません。CA15-3は比較的乳癌の再発に特異的ですが、乳癌が再発しても高くならないこともあります。他にST432などもありますが、だいたいCA15-3と似たりよったりです。骨転移のマーカーとしては血中1-CTPと尿中のNTxというものがあります。これは癌が骨に転移してその成分が溶け出したものを測定しているので、癌の転移ではなくても骨を溶かすような病気があれば高くなります。(文責 吉田)
【No.196】00年06月17日 スージー
胸が痛い胸が全体的に痛くて、走ったりすると痛いです。走ると痛いのは前からですが、最近痛みが気になります。乳首も陥没しています。(これも前から) しこりは、あるのか無いのか、わかりません。(どれがしこりなのかわからない) 大丈夫でしょうか?
スージーさんが閉経前なのか閉経後なのかわかりませんが、多くの乳房痛は、生理前に女性ホルモンの影響により乳房が「はる」のに伴っておこります。乳房が「はる」状態も、全体的にやわらかいものから部分的にゴツゴツした感じのあるものまであり、個人差があります。程度のひどいものは通常、乳腺症とよばれますが、癌とはちがいます。乳首陥没も最近出現したものでなければ心配ないと思います。「どれがしこりなのかわからない」とありますが、基本的には乳房をつまむのではなく、手のヒラや指先で押すようにして「硬いもの」を触れれば、それがしこりです。メールからは特に危険な状態ではないと感じられますが、心配でしたら乳腺検診を受けるか、乳腺外来を受診することを勧めます。そのときに自己検診のしかたをよく教えてもらってください。(文責 吉田)
【No.195】00年06月14日 T.I.さん
乳首のかゆみについて29歳の主婦です。出産経験はありません。10日前より、両方の乳首にかゆみがあります。両方同時にと言うより交互にかゆみがあります。むずむずとしたかゆみで、1日中痒いわけではありませんが、痒くなり始めると割とその日は頻繁にかゆみがでるといった感じです。あまり掻かないようにしていますが、10日間くらい続いているので心配になり、個人病院のいつもかかっている乳腺外科を受診しました。触診のみで「しこりもないし、かゆみが出てくる癌の種類もあるけど、それとは見た目が違うから大丈夫」と言われましたが、かゆみがまだあったため先日は皮膚科も受診しました。皮膚科の先生も「心配ありません」とおっしゃい、リンデロンVG軟膏を処方してくださいました。軟膏でだいぶかゆみは治まったのですが、まだ時々むず痒い時が少しあります。心配なことは、以前健康に関するテレビ番組で「乳首のかゆみは乳がんの前兆」と言っていたことです。乳頭からの分泌物や湿疹のようなものは特に自分では感じませんが、乳腺症と昔言われたことがあるため、この先癌が出てきたらどうしよう、と不安です。このまま軟膏を塗ってもかゆみが完全に治まらなかった場合は、どうしたら良いのでしょうか?少し神経質になりすぎていると思いますが、どうぞよろしくお願い致します。
ご自分でも言われているように少し神経質になりすぎているようです。乳頭の部分が湿疹の様になりかゆみを伴う癌も確かにありますが、乳腺外来を受診して「ちがう」と言われたのであれば心配ないでしょう。乳癌は最近増えていますので、これから先、乳癌にならないことは保証出来ません。でも今の乳首のかゆみと乳癌とは関係ないと思います。しばらく様子観察をし、かゆみが治まらなかったらまた皮膚科を受診することを勧めます。もし今後、乳首に湿疹様のものが出てきたら乳腺外来を受診してください。決しておそくはありません。(文責 吉田)
【No.194】00年06月14日 J.S.さん
22歳(男)、胸のしこりについて左の乳首の真下にしこりがあります。かれこれ10年以上前からあって気にしないでいたんですが、最近大きくなった気もするし病気なら就職前に直しておかないとと思いまして。それと関係あるのかは分かりませんが、左の乳輪が右に比べて盛り上がっていて何か嫌です。病気ですか?
女性化乳房と思われます。この状態は女性ホルモンと男性ホルモンのアンバランスになりやすい思春期と高齢者によくみられます。しこりが10年以上前よりあったとすれば思春期の女性化乳房が続いているものと考えます。原因しては肝機能障害や血圧の薬、胃薬などの副作用等があげられますが、原因がはっきりしないこともあります。最近大きくなった感じがあるのであれば専門医を受診して検査を受けることを勧めます。女性化乳房についてはこの相談室のN0.30,39,58,181も参考にしてください。(文責 吉田)
【No.193】00年06月12日 M.I.さん
細胞診のクラスと乳癌のステージについて突然のメールで失礼致します。
母が病院で検査を受け、土曜日に結果を聞きに行きVbという結果になったそうです。注射で検査したと言っているので、HPを見させて頂くと多分穿刺吸引細胞診だと思います。
相談室の【No.87】T.T.さんのところにもあったのですが、クラスとステージとは全くの別ものと考えてよろしいのでしょうか?穿刺吸引細胞診のあと結果が出るのはクラスと考えてよろしいでしょうか?国立がんセンターのHPも見たのですが、ステージのことが書かれており、ステージ0から1,2,3A,3B,4という事が書いてありました。特に3Bと4は進行性のものであると書かれていました。クラスというのは乳がんかどうかを判断し、ステージというのは検査によってがんと確定された場合のそのがんの進行具合を示すということでしょうか?相談室の【No.87】のクラス別表にクラスW以降は悪性と書いてありますが、それは進行性のものということですか?クラスでXに近いものでも、進行性のものではない場合もあるということですか?その部分が似たような数字(文字)なので違いを知りたいです。
【No.87】の方と同様に母の場合も穿刺吸引細胞診を受け、今週の木曜日に再度検査をするとのことです。切除して検査すると母親が言っていたので組織診と言うものだと思います。進行度合いにもよると思うのですが、がんの発見から検査、入院・手術までのおおよそのスケジュール(日数)なども教えていただけるとありがたいです。少しゆっくりすぎるのではないかと私自身は思ってますので、是非お願い致します。母は53歳です。突然のメール・矢継ぎ早の質問で申し訳ありません。細胞診のクラスと、乳癌のステージとは全く別のものです。細胞診のクラスは癌である可能性を示すもので、クラスT、U、は良性、Xは99%癌であることを示します。クラスVbというのは癌の可能性が50%以上あるということでしょう。通常このような場合は、しこりを切除して癌であるかどうかを検査します。一方、ステージは癌の進行状況を示すもので、しこりが2cm以下でわきの下のリンパ節を触れないものはステージT、すでに肺とか骨に転移しているものはステージWです。
乳癌の診断がはっきりすれば、入院の予約をして手術を行うことになりますが、入院の予約から手術までの期間は施設によっても、また混み具合によっても異なります。平均すると2〜4週間でしょう。手術の前には全身の検査なども必要ですので、あまり急ぎすぎてもよくないでしょう。(文責 吉田)
【No.192】00年06月11日 Y.S.さん
乳房切除後の妊娠について5年前乳癌で乳房とリンパ郭清の手術をしました。現在は妊娠中で、乳癌のほうの再発サインは認められないとのことです。お産の後は母乳で赤ちゃんを育てたいと思っています。片側だけの乳房で母乳量が足りるでしょうか。妊娠中、お産の後に気をつけなければならないことはありませんか。また、文献も探しているのですが。アドバイスをよろしくお願いいたします。
乳癌術後5年であれば現在は抗癌剤などを服用していないと思います。このことを前提としてお話しいたします。片側だけで母乳が足りるかということですが、こればかりは個人差がありやってみなければわかりません。出産後に気をつけることとしては、乳癌の再発の有無を検査することです。乳癌は女性ホルモンにより増殖するものが多いとされております。妊娠によりホルモン環境が変化しますので、産後はなるべく早い時期に検査をしてもっらてください。(文責 吉田)
【No.191】00年06月10日 かおり
ゾラデックスの注射について今現在、毎月一度4週間毎にゾラデックスの注射をしています。しかし次の予定が5週間目になっています。この1週間のずれは問題ないか教えていただきたく、よろしくお願い致します。
ゾラッテックスは下垂体に働き女性ホルモンを低下させる薬剤であり、通常は4週に1回投与するになっております。開始してしばらくは規則的に投与を行わなければ効果が不十分になることがあるかと思います。しかし1週間のずれがどの位の影響を及ぼすのかは不明です。3〜4ヶ月以上投与を続けているならば現実的にあまり問題となることはないと思います。(文責 吉田)
【No.190】00年06月09日 ANC
ステージUの治療法について質問63歳の祖母の事で質問です。2月に左乳房に癌が見つかり、非定型手術を受けました。リンパ節に転移が一つ。ステージUで血管に浸潤有りだったそうです。その後CAFを3回受け、現在は放射線治療中(2Gyを25回予定)です。ホルモン剤は飲んでいないようなので多分ER(−)だったのでしょう。田舎の病院なので私が主治医に詳しい話を聞くのを周囲に止められています。治療に疑問をはさむような質問をしてはいけない事になっているのです。疑問に思うのは、
(1)なぜ、抗がん剤が6回ではなく3回だったのか。1回目の点滴後、白血球がかなり落ちたようですが、主治医は最初から「抗がん剤は3回」と言っていたそうです。
(2)放射線は「切除した乳房のまわりへの転移を防ぐためにX線を3週間、電子線を2週間」と言われたそうですが、なぜこの組み合わせなのでしょう?
昨日骨シンチの結果が出て異常無しだった、と言われましたが治療の実態が分からないので不安でたまりません。教えて下さい。よろしくお願いします。欧米のデーターを基に乳癌の標準的治療というものが、はっきりしてきたのはここ数年のことです。しかしこれは新たな薬開発や技術の進歩により常に変化いたします。また個々の状況により異なる場合もしばしばあります。必ずしも標準的治療が一番優れた治療ではなく、それぞれの施設で工夫が行われております。
リンパ節に一つだけ転移を認めた場合,通常はCAFやCMFを6回行い様子観察を行います。様子観察の期間は10年ぐらいです。ER(+)であればホルモン剤が追加されます。この間に6ヶ月〜1年に一度、骨シンチやレ線などで遠隔転移の有無を調べます。術後に放射線をかけることは現在では一般的ではありませんが、最近、ステージの進んだ例に術後照射が明らかに有効であったとの報告があり、見直されつつあります。CAFを3回にしたのは放射線治療を行うからでしょう。放射線治療の組み合わせについては、副作用の軽減のためとおもいますが、よく分かりません。治療の詳細については担当医に聞くのが一番だと思いますが……。(文責 吉田)
【No.189】00年06月08日 S.O.さん
手術したほうがよいでしょうか?右胸の乳首の上に0.5ミリぐらいのガンがあると診断されました。手術したほうがよいのでしょうか。また、するとすれば、乳房温存法と、完全に切除するのとどちらがよいのでしょうか。
癌と診断されたからには、温存にしろ切除にしろ手術は受けるべきでしょう。どちらを選択するかは患者さんの希望によります。小さい乳癌のようですので一般的には温存術を選択する人が多いようです。しかし温存の場合は術後放射線治療が必要です。どちらがよいか主治医とよく相談してご自分で決めてください。通常0.5mmの乳癌というのは組織を顕微鏡でしらべなければ、わからないと思いますが……。
もし組織をとって偶然0.5mm大の癌が見つかったのであれば、癌が浸潤癌であるのか非浸潤癌なのかによっても異なりますが、必ずしも手術は必要ではなく放射線を追加するか、そのまま様子観察することもあると思います。状況をよく確認してください。(文責 吉田)
【No.188】00年06月08日 H.I.さん
母のガンについてはじめまして、横浜に住むH.I.と申します。母のことで知りたいのですが、私の母は今年70歳、15年前に脳溢血で倒れ右半身が不自由です。そして今回診断されたのが左乳房のガンでした。手術は6月19日にやるとの事。私が一番心配しているのが、左乳房の手術により「現在唯一動かせる左側の手が動かなくなるのでは?」と言うことです。担当の医師の説明では「本来ならガンの周りを大きく(わきの下まで)摘出するのだが、体が不自由だし高齢なのでなるべく小さく取る1時間ほどの日帰りの手術をします。」との事でした。もちろん転移している可能性もあるので定期的な検査をして、もし発見した場合はその都度摘出するとも言われました。
このような手術で腕が使えなくなる事はないのでしょうか?そして70歳という年齢で体にメスを入れても問題はないのでしょうか?また、別の医療方法はないのでしょうか?通常の乳癌の手術は乳房の(部分)切除とわきの下のリンパ節を取ることを行います。この手術で腕が動かなくなってしまうことはまずありません。しかし腕がむくんだり、術前より多少動きが悪くなったと感じる人がいることも事実です。標準的な手術より小さめの手術を行うのであれば、術後腕が使えなくなることはないでしょう。手術を行うことに年齢的には全く問題ありませんが、脳梗塞の既往がありますので多少の危険性はある思われます。乳癌の治療は手術、放射線、薬を組み合わせて行うのが基本です。いずれにしてもまず原発巣を切除することが必要です。(文責 吉田)
【No.187】00年06月08日 M.S.さん
乳輪下のしこりについて28歳、未婚の女性です。乳輪の端っこの皮膚の真下に5mm位のコロコロ、コリコリしたしこりを見つけました。鏡に映すとその場所に丸い形のものがあるのが分かります。つついても、親指と人差し指で摘み上げても全く痛くないので心配になり、数日後に乳腺外科専門の医師の診察を受けました。その医師は触診だけで「これは乳腺から外れているので全く心配ありません。乳輪腺炎です。さわりすぎると膿がたまってくるかもしれないので触れないように」と言われ、ゲンタシン軟膏をもらいました。念のために痛みについても訊いたのですが、「痛みません」と言われました。その時は安心して帰ったのですが、1週間半経った今でも大きさに変化がなく、また心配になってきました。というのは、炎症ならすぐに小さくなるはずで、たとえ乳腺の疾患ではなくても汗腺の腫瘍とかその他のケースではないかとあれこれ考えています。これは本当に乳輪腺炎だと思われますか?必要であれば再度受診することも考えていますが、どの位の期間大きさに変化がなければ行った方がいいですか?その際、精密検査は必要でしょうか?教えて頂ければ幸いです。
乳輪炎かどうかはわかりませんが、粉瘤あるいは汗腺の腫瘍など皮膚、皮下の附属器より発生したものが考えられます。精密検査といっても細胞診で悪性でないことを確かめるか、診断と治療をかねて切除生検してしまうかです。大きさ自体に変化がなければ、1-2ヶ月様子をみてそれから再受診しても良いと思います。(文責 吉田)
【No.186】00年06月08日 あっこ
水っぽい白い分泌物28歳未婚です。2年ほど前から、両方の乳首から水っぽい白いものが、触るとピューッと出てきます。痛みもありませんので、何も考えていませんでしたが、他の方の投稿を読んでとても不安になりました。この白い分泌物は、乳がんの可能性や不妊症の可能性も意味するのでしょうか。教えてください。
乳頭の異常分泌で心配なのは、血性分泌が見られる時です。水っぽい白いものとは、おそらく乳汁のことだと思います。乳癌の可能性は低いと考えますが、不妊症と関連するかどうかはわかりません。かなり大量に乳頭分泌がみられる様ですので、病院へいかれて乳癌でないことを確かめると共にプロラクチン(乳汁分泌ホルモン)などに異常がないか検査を受ける必要があると思います。(文責 吉田)
【No.185】00年06月07日 ミウラ
胸のしこり24歳の男性です。ここ2、3ヶ月手で左右の乳首をつまむと白い液体が出て来ます。また、最近は左の乳首の所にしこりがあります。手で押すと多少痛いです。乳首の色も左の方が濃いです。なんだか心配です。薬は今年に入ってから喘息の薬を毎日飲んでいます。お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
左の乳頭部にしこりがあり、痛みがありますので女性化乳房が考えられます。しかし、喘息の薬が女性化乳房の原因となることは、あまり聞きませんし、女性化乳房で乳頭より分泌物が見られることも少ないと思います(血清の分泌液でなければあまり心配ないと考えますが,,,,,,,)。女性化乳房で心配なのはあくまでも乳癌の合併です。その存在を否定するにはやはり乳腺の専門外来を受診することが必要でしょう。(文責 吉田)
【No.184】00年06月06日 K.A.さん
乳がん再発の治療について相談します43歳の姉の事で相談します。2年ほど前に乳がんの温存手術を受け、右の腫瘍とリンパ節を切除しました。その後6クールの点滴の抗がん剤、その後飲み薬を1ヶ月前まで飲んでいました。10日ほど前に、腕や顔がむくみ受診したところ、静脈に血栓があるといわれ即入院しましたが、その後の検査で血栓ではなく9割がた癌だろう(恐らく乳がんの再発)と言われ、現在全身への転移がないか検査中です。大静脈の外側(縦隔)に陰がみえ、大静脈内(心臓のすぐ上の部分)に浸潤しているようだとのことです(このようなケースはまれだというお話でした)。血液の流れに乗って転移しているのではないかと心配ですが、転移していた場合、抗がん剤治療のほかに延命が期待できる治療はあるでしょうか。ホルモンレセプターはマイナスで、はじめに乳がんと診断されたときには、ごく初期という事でした。静脈内にある腫瘍は手術でないととれないという事でした。腫瘍マーカーは1ヶ月まえの検査までは正常でしたが、今回、急に倍の値になっていたそうです。来週早々に治療法をいくつか提示され決めるという事になっていますが、抗がん剤の副作用が大変ひどかったため、今回は、家族はできれば避けたいという考えです。どうぞよろしくお願いいたします。
乳癌は、抗がん剤やホルモン剤が効き易く、治り易い癌と思われがちですが、中には極めて悪性度が高い乳癌もあります。このような癌はホルモンレセプター陰性であることが多いです。文面から推察するにお姉さまの場合はこのような乳癌である可能性があり、事態は深刻と思われます。大静脈に浸潤していれば、既に血流にのって全身に癌が播種(転移)していることが考えられます。抗癌剤以外に延命の期待できる治療法はないでしょう。勿論局所的に有効な手段(肺に水がたまった場合、これを抜くとか……)はありますが、延命に結びつくかどうかはわかりません。抗癌剤がある程度効くのであれば、苦しくても抗癌剤の治療を受ける価値はあるでしょう。しかし効果が見られない場合は副作用により苦しむだけです。抗癌剤が効き易いかどうかは、今のところ実際に薬を投与してみなければわかりません。抗癌剤が効き易い癌であることを祈るばかりです。(文責 吉田)
【No.183】00年06月06日 kei
肺転移後の治療について現在、乳がん、リンパ節転移、肺転移あり、抗がん剤治療 アドリアマイシン タキソテールを4クール終了し、局所麻酔にて、くりぬき手術予定 、その後外来通院にて経口抗がん剤、ホルモン剤を約8ヶ月おこない、肺の状況により再度入院にて抗がん剤の治療を予定しています。4ヶ月の入院で精神的にも、抗がん剤の副作用の為、身体もまいっています。 転移後は平均2年と聞きましたが、外来通院で、なるべく現状維持は不可能なのでしょうか? よろしくお願いします。
現在までの治療は標準的なものであり、リンパ節転移と肺転移があれば多くの乳癌専門医はこのような方針で治療にあたります。今後くりぬき手術を予定されておりますが、ホルモン受容体の有無や組織の異型などは治療薬を選択する場合参考になりますので、これも受けるべきでしょう。その後、どのような治療を行うかは、原発巣の性状や薬の効き具合いで異なります。薬が効いていれば勿論外来での現状維持と言うのも可能です。このメールだけでは状況がよくわかりませんので、担当の医師によく相談してください。(文責 吉田)
【No.182-1】00年06月05日 sara
右胸に1.5cm 位のしこりがあるのですが---25歳の独身です。数ヶ月前の生理後に気づいたのですが、気にして触るせいか痛みもあるように思います。何科の病院に行けばよいのでしょう?また、一番可能性の高い病気はなんでしょうか。よろしくお願いします。
右乳房のしこりについてですが、一般には病院の外科を受診するのがよいと思います。病院によっては乳腺外来のあるところもあります。一番可能性のある疾患としては、年齢から考えて乳腺線維腺腫であると思いますが、何ともいえません。手前みそになりますが、このホームページにのっている先生なら安心だと思います。一度受診してみてはいががでしょう。(文責 吉田)
【No.182-2】00年06月30日 sara
検査結果について早速、近くの乳腺外科に検査に行って来ました。触診とマンモグラフィーと超音波を受けました。マンモグラフィーの方は右胸の内側の上の方いうこともあり、あまりはっきり写っていませんでした。超音波の方は左の胸にも1個しこりが見つかったようです。 しかし、最初に気づいたしこりも2cm近くあったのが1cm弱と小さくなってました。ただ、形状が球形で平らでないので気になるので3ヶ月後に再診となりました。超音波の映像を見ると最初に自分で感じたとおり、バスキューブのような、小さいスーパーボールのようにも見えます。細胞診を行われなかったのは特に問題はないからでしょうか? 水分がどうとか言われてたのですが、特に病名らしきものも言われませんでした。結局、何の可能性が高かったのでしょうか?お手数ですがまたお願いします。
乳腺外来を受診しマンモグラフィと超音波を受けて、担当医が水分がどうとか言ったのであれば、おそらくのう胞(Cyst)ではないかと思われます。のう胞は袋状の皮膜のなかに水分が貯まったもので、乳腺症の一部であることが多く、あまり心配ないものです。細胞診を行わなかったのは悪性の可能性が低かったからでしょう。三ヵ月後に再診した時にきちんと説明してもらって下さい。(文責 吉田)
【No.181】00年06月05日 Eさん
女性化乳房はじめまして、突然のメールをお許しください。私神奈川県川崎市在住、30歳、既婚、男性です。実は今、女性化乳房若しくは乳がんを疑われ悩んでおります。職業が薬局薬剤師で一般の方よりは医学情報が多いはずですが、この病気の詳しく書かれた資料が全くといってよいほど見つからず、インターネットで検索していたところ先生のページがヒットした・・・そんな状況です。
1ヶ月ほど前から左胸の乳首の裏辺りが何となく痛く、寝返りをうっても痛みを感じるようになりました。また、何となく胸が大きくなってきました(これは以前からその兆しは有った)本日、普段お世話になっておりますDrに診察してもらったところ「確かに何かが認められる。ただ、乳がんの場合は一言で言ってなんとなく汚いエコーが出てくるものだが、組織的には非常に綺麗なエコーが出ている。特に男性の乳がんは表皮近辺に出てくることが非常に多いので、恐らくガンでは無いと思うが現状では何とも言えない。」との事で、エコー下で細胞診を行い結果は1週間後・・との事です。Drが仰るに、「乳がんでは無いと思うよ。」との事でしたが、では何だろうと調べているうちにガンより怖いような話がゾロゾロと・・・。睾丸近辺の腫瘍・肝臓異変・肺疾患・甲状腺疾患・・・・とどちらにしても宜しくない話が・・・。一つ思い当るのに、3年ほど前から軽いうつ病を伴なうパニック症候群を煩い、専門医院で治療を受け、半年前から非常に調子がよく現在は薬を飲んでおりません。当時、血液検査で若干TSHが低い事がありましたがそれ以外は全く正常。薬はドグマチール・デプロメール・三環系抗うつ薬等を最小量服用していましたが、半年前に薬は全て飲まずに良くなっております。薬の副作用で女性化乳房が起こってもおかしくない種類を暫く飲んでいたこと、突如のうつ病を起こしたこととTSH低下の事・・・関連ありそうだといえば有りそうな気がしましたが・・・これ以上は情報が全く無く、推測の域を出ません。男性乳がん・・ならば有る程度納得できるのですが(納得はしたくないけど---)それでは無いとなると、俗に言う女性化乳房??そうすると肝臓・睾丸・甲状腺・肺等の精査をすべきなのでしょうか。逆にこれらに原発が潜んで無くてもこの様な症状は現れるものなのでしょうか。それとも別段放っておいて問題無いのでしょうか。ご診療の最中、大変お忙しいとは存じますが、御教示頂ければ幸いに存じます女性化乳房とは、未発達の男性の乳房が女性ホルモンの刺激により腫大するもので、原因として肝機能障害、抗圧剤や抗鬱剤などの薬剤の服用などがあげられておりますが、原因のはっきりしないことも多いです。両方の乳腺が腫大していることが多く、高齢者に多い傾向があります。女性化乳房であればあまり心配しなくてもよいと思いますが、男子乳癌との鑑別が問題です。エコー下で細胞診を行ったとのことですので、その結果によって乳癌が否定されたらそのまま様子観察するか、思い切って小手術で切除してしまうかです。わたし自身は症状(痛み、乳房の腫大など)が強い場合は切除してしまうことも結構あります。乳癌でないことを確認し、原因の究明はゆっくり行うことでよいと思います。いずれにしても女性化乳房で「癌より怖いはなし」はないと考えます。(文責 吉田)
【No.180】00年06月05日 あび
乳腺線維腺腫の再発?25才で右乳房を乳腺線維腺腫で急がされて手術をしました。大豆状のものが袋に入ってつながり全長4センチ以上になっていました。現在38才で今度は左乳房外側に小さなしこりを感じます。しこりは先日気がつきましたが。1ヶ月ぐらい前から左上腕、左脇、左乳房外側が幅広く痛むときがあります。乳腺線維腺腫が再発したのでしょうか、それとも乳がんも疑えますか?早めに乳腺専門科を受診すべきかお教え下さい。また紹介状なしで診察をうけられるでしょうか。
左乳房の小さなしこりが13年前に切除した右乳房の線維再発?ではないかということですが、線維腺腫は良性腫瘍であり再発ではないと思います。しかし線維腺腫ができやすい人は何回もできますし、反対側の乳房にできても不思議はありません。左乳房のしこりが何かはわかりませんが、早めに乳腺専門医を受診することをおすすめします。紹介状は特に必要ではないでしょう。痛みがある場合は、乳腺症であることが多いですが・・・。(文責 吉田)
【No.179】00年06月05日 R.S.さん
細胞診でclassVと言われました左胸のしこりが気になり、初めて診察を受けたのが半年前です。その時はclassTで何の心配もなかったのですが、3ヶ月に一度受診を進められ、2度目の検査で右胸にエコーで影が見え、細胞診をしたところVとの結論でした。主治医から、今度の生理後1週間以内に受診するようにとのことで、6月22日を予約しました。今後どのような検査をするのかとても不安です。友人がやはり乳ガンで、細胞診も同じVでした。彼女の話では生検を実施し、再度手術をしたと聞きました。その検査だけでも傷が残ったので、とてもつらかったと言っておりましたが、現在でもやはり同じような方法・順番で検査が進められて行くのでしょうか。又、classVとはいったいどのような状態を指すのでしょうか。長くなってしまいましたが、どうぞ宜しくお願い致します。
細胞診は採取された細胞の異型度や量、細胞の繋がり具合などから癌であるか否かを判断するもので、結果は、通常classT〜Xで表わすことが多く、classTは良性ないし正常でClassが上がるにつれ癌の可能性が高くなります。細胞診で注意しなければならないのは病変部より細胞が取れていなければ正しい診断が行えないということで、細胞診の結果はかなり参考にはなりますが、確定診断はあくまでも組織診断であるということです。乳房のしこりがclassVということは乳癌である可能性があるということです。classVのしこりのうちどの位が癌であるかということは施設によって異なりますが、1/3〜1/5の可能性があると考えてよいでしょう。classVが出た場合、レントゲン写真やエコーを参考にもう一度細胞診を行うか生検を行ない、確定診断をつけることになります。最近ではエコー下などで太めの針をしこりに刺し、組織の一部をとる方法もあります。どのような方法をとるかは状況により異なります。生理前に細胞診を行った場合、結果が多少悪く出る傾向があります。またしこりも大きめに触れますので、生理後に再検査行うことは、よくとられる方法です。(文責 吉田)
【No.178】00年06月04日 K.M.さん
乳癌の相談私の両方の胸の乳首の真下には5pの楕円形のしこりがあります。けっこう堅いです。これは中学生頃に胸が大きくなったころからずっとあり、その時は周りの友達もあるといっていたので気にしませんでした。でも、次第にみんななくなっているのに、私は22歳になった今でもあります。胸が膨らみ始めたときからずっとあるので、私はしこりのない胸を知りません。押すと痛いです。最近右の乳首から白い分泌液が出て、とても不安な日々を送っています。私の胸は小さいので乳癌ではないと思うのですが、胸の小さな人でもなるものなのでしょうか?母親に乳癌かも知れないと言うと、「それは胸の大きい人の病気だから、小さい人は関係ない。」と言われたことがあるので・・・。一度ちゃんと調べたいのですが、大阪で信頼できる病院があれば教えて欲しいと思います。最近、枚方市民病院で乳癌でないのに、全摘されてしまった人のニュースがあって、とても怖いです。なかなか病院に行く気にもなれません。かれこれ10年ぐらいいつも不安で、このホームページを見つけて藁にもすがる思いでお便りしました。宜しくお願い致します。
両方の乳房のしこりは、年齢と経過から考えて乳癌ではないように思います。しかし胸の大小は相対的なものですし、胸が小さい人でも乳癌の人はいくらでもおります。悩んでいるよりは、念のため一度乳癌の専門医を受診した方がよいでしょう。大阪の方の病院はよく知りませんが、大阪府立成人病センター乳腺外科、阪大腫瘍外科などは乳癌の診療・研究に熱心で全国的に知られております。ほかにも良い病院は大阪であれば沢山あると思いますが・・・・。(文責 吉田)
【No.177】00年06月01日 aya
乳癌と出産2月17日に乳癌の手術をしました。その後、手術前からの妊娠がわかり4月6日に中絶手術を受けました。現在、抗エストロゲン剤を1日3回服用しています。今後出産は可能でしょうか?胎児に影響はあるのでしょうか?
細胞における遺伝子情報の担い手であるDNAに直接障害を与えて細胞を変異させる物質をイニシエターと呼び、発癌物質や放射線、ウイルスなどがこれにあたります。また、癌化した細胞の増殖を促進させる物質をプロモターと呼びます。女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)は、発癌物質ではありませんが、乳腺細胞の増殖を促進して、細胞が発癌物質の影響を受けやすくします。また、癌化した細胞が発育するためにもエストロゲンが必要になります。このようにエストロゲンは、乳癌の発生、および増殖にプロモターとして関与しています。妊娠していると胎盤から大量のエストロゲンが出るため、乳癌は更に発育いたします。従ってその発育をおさえるために、中絶手術を受けて、乳癌の手術を行ったことになります。現在は抗エストロゲン剤を内服して、プロモターであるエストロゲンを抑える治療を行っているため、妊娠は好ましくないことになります。妊娠を含めた今後のことは、抗エストロゲン剤が終了した時点で、主治医と改めて相談なさってください。(文責 須田)
【No.176】00年05月31日 Y.M.さん
しこりの一部分が痛い44歳、既婚、1児の母です。今回の生理が始まってなぜかしこり(乳首の下あたり)の一部分が押すと、針を刺したように痛い部分ができてしまいました。普通にしている時はなんともないんですが、何かのの拍子にその部分を押しつけたり触ったりするとジーンとする痛みが走ります。たぶん1ヶ所だとは思うんですが。。前回の生理までは張るっていう感じはあったんですが、痛みはなかったです。乳腺の何処かが切れてるみたいな痛みです。どうかよろしくお願いします。
いくつかのことが考えられます。おっしゃるとおり生理に関連して乳腺がはれ(浮腫)、それによって生じた痛みである可能性もあります。おのずから生理周期に伴い痛みは変化しなくなると思います。ほかに多いのは慢性乳輪下膿瘍です。これは痛い部分に発赤、押して痛くなる(圧痛)などの症状がでます(授乳期でなくても生じます)。これは専門医でないと対処できないと思います。心配であれば乳腺外来を受診して下さい。(文責 福間)
【No.175】00年05月31日 A.S.さん
生検について25歳の主婦、乳癌を疑い検査中です。今週,生検をしますが一部をとると言われています。一部をとる方法は,通常行われている方法なのでしょうか。私の場合は疑わしい場所が広いので局所麻酔で全部は無理と言われました。マンモグラフィーで,石灰化が多く,一部に固まっていること,形が不揃いであること。MRIでは,5分おくと黒く写り,グラフは正比例の様でした。MRIでも乳管内進展の強い癌を疑うとの事でした。MRIでの疑い範囲はかなり広いものでした。超音波をみながらの細胞診では良性でしたが、私の場合は不確実と言われました。触診では,通常の乳腺とはちがうものを感じるがそれほど固くはなく,大きさは2,5×1,5センチだそうです。癌を疑うが他の病気かもしれない,他であっても生検以上に切ったほうがよい場合もある,いずれにせよ正常といえる状態でないとの事でした。非浸潤癌を疑うと言われましたが今の時点で種類まで判断できる物なのでしょうか。過去の相談を読み,しこりも大きいし,疑いの箇所以外にもしこりが多発しているので(他は問題ないといわれますが)葉状腫瘍の可能性もあるのかなと思いますがいかがでしょうか。お忙しい所申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。
お話を伺うと葉状腫瘍の可能性は低いと思います。石灰化のかたまり(集ぞくした石灰化)があり、MRIでも造影されているとのことです。そのような病変は、やはり癌の可能性は十分にあると思いますが、しかし、そのほかの病気もあります。一度細胞診をされガン細胞は出なかったとのことですが、やはり手術を含めたきちんとした治療をするためには生検などによるきちんとした診断が重要です。もし癌でも主治医の先生のいわれるように非浸潤癌であれば手術でほぼ100%は治ると思われます。(文責 福間)
【No.174】00年05月31日 H.U.さん
血液を多く含む腫瘍について4月1日に出産し即断乳。一度造影剤を使用しての超音波検査を受け、5月19日に手術を致しました。最終的にマンモでは大きさが約8cmと言われ超音波では約7cm、造影剤での検査では先生が思ったより血流が少ない腫瘍だったとのことで「良性の葉状腫瘍の可能性が大きい」と言われました。手術は全身麻酔で45分、腫瘍を取り除いた部分に「生食」(普通の生食ではないそうです)を入れて縫ってあります。摘出したところ約7,8cmと言われていた腫瘍は、断乳の結果小さくなっていて約4,5cmだったそうです。そして「血液を多く含む腫瘍」と言われていたのですが、出血もほとんどなく手術の翌日には退院出来ました。切った部分も3cmで済み胸の形も切る前と全然変わらないくらいです。ただ腫瘍をとった部分が今だ腫瘍があるように固くなっているのは生食のせいなのでしょうか?病理の結果はあと一週間かかりますが、手術が終わってすぐ、先生に「悪いものじゃないよ」と言われました。摘出した腫瘍をみてだいたい良、悪性がわかるものなのでしょうか?先生は私の年齢から(34才)「線維線腫」(大きくなるものは若年型ということで)は考えにくいと言いました。妊娠との因果関係などでも考えられないものなのですか?ご回答をよろしくお願いいたします。
とったもので良性か悪性かすぐにわかるかとのご質問ですが、造影剤を投与し超音波検査をされるような病院であれば、かなり乳腺を専門にされている病院であると思います。専門医であればとったもので良悪の区別がつくことがあります。妊娠、授乳を契機にしこりが急に大きくなることがあります。また授乳期腺腫などであれば、断乳後しこりの大きさが小さくなることがあります。幸い小さな傷で変形なく手術ができ、よかったと思います。現在触る硬いしこりようのものは、おそらく手術した傷に生じる傷の修復過程の1つと思います(肉芽)。おおよそ3-12ヶ月で元の柔らかさになると思われます。(文責 福間)
N0.91,96,122,174とご相談をさせて頂いた者です。5月19日に手術を受け病理結果が出ました。「小葉過形成」とのこと。しかし主治医は「これまでの検査結果とこの病理の結果のつじつまがあまりにも合わないので、念のために癌研のドクターにこの結果を送り診断をあおぎたい」と言うことでした。その結果も「小葉過形成」とのこと。ただ主治医も癌研のドクターも私のような状態になる「過形成」は今まで見たことがなく、前例もなく大変めずらしいものと言われました。結論としては「妊娠性のもの」ということでした。今後は半年ごとに検診を受けていく予定です。主治医から言われたことは、今後妊娠した際また同じ状態になるかもしれないということでした。妊娠中このような事が起きると言うことが何かのお役に立てればと思いメールさせて頂きました。(7月8日)
【No.173】00年05月29日 A.H.さん
再発について母は44歳、10年前に手術をし、最近になって再発していることが分かりました。転移場所はおもに胸のあたりの骨で、8ヶ月前、大学病院等あちこちでみてもらった頃は1センチ程で、そのときから大変痛がっていましたがレントゲンやCTで調べてもらっても異常なしと言われていました。今は2.5cmくらいはあると思います。数も増えているように思います。脇の下のリンパ線にもグリグリがあるといっていて、それもやはり癌のようでした。今日、日帰りでとってきてもらったようです。再発が恐ろしいことは、ここ3日くらいのあいだに知りました。治療は、抗がん剤を週に1度と、前に手術をしたとき何年かずっと飲んでいた薬と同じものを飲んでいるようです。抗がん剤の色は、赤むらさきではなく透明だといっていました。今のところ食欲もあり、元気です。母の話しだと、病院の先生は抗がん剤を打ちながらでも旅行に行ったり仕事をしてる人もいると言っていたみたいですが、私はあの生存率2年という言葉が頭から離れません。私は抗癌剤を打ちながらでも、髪が抜けてしまったりしても、癌がだんだん小さくなって完治はできなくても、うまく薬で癌がひろがらないように長く生きることはできないのでしょうか。それまでに身体がもたなくなってしまうのでしょうか。お年寄りのように癌はもってはいても進行が遅ければ長く生きられるみたいに、薬でうまくそういうことはできないのでしょうか。抗がん剤とは、そんなに身体に負担のかかるものなのですか。この間、乳がんの再発での抗がん剤は小さくするだけで何も意味がないというのを読み、とてもショックでした。もう再発ということになった以上、かぎられた生命なのですか。お返事、お待ちしています。
一般的に手術後10年近くたってからの再発は早い時期の再発よりもたちがよいことが知られています。また乳癌には色々な薬が有効であることが知られています。今抗ガン剤の治療を始めたばかりだと思います。薬も色々な種類があり、またそれによる効果も人様ざまです。家族の方が積極的に治療に理解を示し、またそれを支援しようとしているかと思います。再発しても5年以上元気にしていらっしゃる方もいらっしゃいます。ともかく気持ちを前向きにもち、主治医の先生と相談しながら治療を受けて下さい。(文責 福間)
術後の再発と再発後治療については【相談室】No.157-2を参考にして下さい。
転移巣に対する手術療法(胸壁切除など)は、あまり有効でないためほとんど行われていません。乳癌の再発は多発性で複数の転移巣が見られることが多く、手術治療で完全に切除できる可能性がほとんどありません。再発乳癌は明らかに全身病ですので、治療の基本は薬物療法となり、化学療法済とホルモン療法剤を併用致します。ただし術後再発までの期間、再発部位、年齢、腫瘍のホルモンレセプター等によっては、化学療法やホルモン療法を単独で行う場合もあります。肝転移には化学療法が、骨転移にはホルモン療法が有効である傾向が見られますが、絶対的な基準はありません。再発癌に対する薬物療法の有効率は30〜40%です。薬物療法でうまくコントロールされ、5年以上生存する例は20〜30%です。現在も新しい抗癌剤や内分泌療法剤の導入がみられ、少しずつ進歩してきておりますので、主治医とよく相談され、治療を行うことをお勧めいたします。(文責 須田)
【No.172-1】00年05月29日 Yuka
乳腺腫によく似たガン?41歳の既婚の女性です。出産経験はありません。2ヶ月ぐらい前に左胸にしこりを見つけました。指で触るとよく動きました。外見上,乳房に異常は見あたりませんでした。半月後,外科の先生に診ていただいき,マンモグラフィー,超音波でも診ていただきました。しこりの大きさは,超音波では1.6センチ,先生の触診では2センチほどとのことでした。しこり以外に「石灰化」した部分もあると言われました。「良性だと思うが,どちらにしても切除した方がよい」と言われ,その後,外来手術を受けました。手術を開始して,大きいものの外にも小指の先ほどの大きさのものが2つ見つかり,同時に取っていただきました。手術後,「乳腺腫」という診断をいただきました。取り出したしこりを見せていただきましたが,2センチよりやや大きめの,淡いピンク色の円柱のような形の固まりでした。先生がそのしこりにメスを入れたところ,中から「粘液性のある黒いもの」(先生の言葉)が出てきました。先生は念のため検査に廻してくださいました。後日出てきた検査結果は「ガン」ということでした。小さい方の2つのしこりにもガンが点在していると言われました。この結果に先生も少々意外であるように見受けられました。MR検査をし,乳房を切除するために再度手術する必要があるとのことでした。そこで伺いたいことは,次のようなことです。
1.乳腺腫によく似たガンというものは,ふつうの乳ガンとはどのような違いがありますか。
2.私のような場合,乳房切除を行うしかないのでしょうか。温存という選択肢はありませんか。
3.セカンドオピニオンを聞いた方がよいと思われますか。
4.その他お気づきの点がありましたら,お教えください。
以上,よろしくお願いいたします。よく動くしこりをご自分で気づき、外科医を受診して触診、超音波などの検査で乳頭腫と診断を受けたが、それが乳癌であったとのことです。乳癌には色々な種類があり、色々な検査では良性(たとえば乳頭腫)と診断されても乳癌ということはあります。画像で100%の診断は無理で、主治医の先生も、あなたのように分娩歴のない方という条件(経産婦より乳癌罹患率が高くなります)も加味して生検に踏み切ったのだと思います。大きいしこり以外に2このしこりにも癌があり、癌が1個ではない(あるいは1個の癌が周りに薄く広く広がっている状態?)場合は乳房を大きくとる(全摘)になる可能性も高いと思います。いずれにせよ生検した後の乳房に癌が残っているかどうかを確認する意味でMRIを行うといいと思います(生検後のMRIは判読が困難なときもあります)。MRIを自分でみて、こういう理由でこういう手術を選択するんだと納得するのは重要だと思います。自分で納得できないのであればセカンドオピニオンを聞くのもいいかと思いますが、MRI後まで待ち、それからセカンドオピニオンを求めてもいいかと思います。(文責 福間)
【No.172-2】00年06月09日 Yuka
MRIの結果先日は乳癌に関する質問に親切にお答えいただきましてありがとうございました。当時まだ出ていなかったMRIの結果が出てきましたので,再度相談させていただきたいと思います。お忙しいところ恐縮ですが,よろしくお願いいたします。
主治医の先生の診断は「粘液癌」でした。さて,MRIの結果ですが,MRIには病巣がないということでした。しかし,主治医の先生は以前に撮ったマンモグラフィーに写っている石灰化の部分が気になるので,再度手術を行い,全摘をすることを勧めています。温存(1/4切除)にしてもよいが,取り残しの恐れがあるので,勧められないとのことです。先生の説明によると,マンモグラフィーでは,ごく小さな石灰化したものが,天の川のように連なっている点が2本あるそうです。
なお,マンモグラフィーの撮影は4/21,しこりの摘出は5/19,MRI検査は6/1です。マンモグラフィーとMRI検査の間は40日ほど間があります。そこで相談させていただきたいことは次の通りです。
1.MRIに石灰化の痕跡が見あたらないので,しばらく手術をしないで見守るという選択肢はないのでしょうか。
2.MRIではとらえられないような,いわば細微だとも思える石灰化のために全摘を行うのが適切でしょうか。
3.石灰化の部分が天の川のように連なっているものは癌の可能性が高いのでしょうか。
4.MRIでとらえることができない石灰化が,マンモグラフィーで写るということはしばしばあるのでしょうか(MRIの方が格段に精度が高いと聞いておりますが)
5.石灰化したものが,何らかの理由で40日位で消えることがありますか。
6.主治医の先生は最初,MRIの結果を踏まえて手術の範囲を決めるとおっしゃっていたのですが,今回MRIの結果では石灰化が見えないのでマンモグラフィの情報だけを手がかりに手術を行おうとしていますが,それで問題ないのでしょうか。
7.リンパ節に癌の転移はありませんが,温存手術の場合でもリンパ節をすべて取ると言われました。その必要が本当にあるのでしょうか。
以上,よろしくお願いいたします。質問がたくさんありますので、番号順お答えします。
1. 生検で粘液癌と診断されておりますので、手術を受けるべきでしょう。
2. 全摘を行うのが適切であるかどうかはわかりませんが、通常癌の石灰化は微細であることが多く、癌が石灰化のある範囲以上に拡がっていることもあります。
3. 実際にマンモグラフィを見ないと分かりませんが、微細な石灰化が天の川の様に連なっているとすれば、癌の可能性が高いと思います。
4. 微細な石灰化の検出にはマンモグラフィが一番優れております。石灰化に関してはMRIよりも信頼がおけると思います。
5. 消える事はないと思います。
6. なんと言ったか詳細はわかりませんが、文面に記されている状況であるならば、問題ないでしょう。
7. 触診や術前の画像で転移がないというのは、肉眼的に見える転移がないということであって顕微鏡レベルのことではありません。リンパ節をすべてとることが本当に必要かどうかはわかりません。一番転移し易いリンパ節を調べて転移がなければ、リンパ節をすべてとることをやめると言う方法も行われつつあります。しかし現段階では「リンパ節をすべてとること」をしておけば安心でしょう。、
癌の拡がりを術前に正確に把握することは困難であり、癌の治療にあたる医師はどうしても多少オーバーになります。徐々に修正はされてきてはおりますが、一方、癌で亡くなるひとも一向に減らないことも事実です。(文責 吉田)
【No.171】00年05月26日 ayako
抗がん剤について母は再発で週に1度透明の抗がん剤を打っていて今週で2度めですが最近よく頭がボーっとするといいます。秋に祖母が肝臓癌で亡くなったとき最期に頭がボーっとすると言いました。何か薬と関係ありますか。少し心配です。
肝臓癌の末期であれば肝不全といって十分に肝臓の解毒機能が働かないため、ぼーっとしたり昏睡状態になったりすることがあります。乳癌の再発そのものでも肝臓に転移し、肝機能が落ちればそういったこともあり得るかとは思います。しかしそういった状態で普通は抗ガン剤を注射するよなことはあまりないと思います。薬による副作用かどうかは透明な薬とういことだけではお答えしにくいと思います。再発して心配、抗ガン剤を受けて副作用が心配などの心理的な要因でもおきうる症状とは思います。(文責 福間)
【No.170】00年05月26日 My2さん
リンパ節転移の可能性について教えて下さい4ヶ月前、母(45歳、細身、実母が5年前に乳癌の手術を終え、以後再発なし)が左乳房にしこりを感じ病院で診てもらったのですが、その時レントゲン撮影などの結果6mmのものと判断され、現在経過観察中(半年後の7月にもう1回来るように言われていたようです)でした。しかし先日母が「大きくなってる」と言い出し、明日もう一度診てもらうつもりなのです。もしそれが本当に大きくなっており、手術の必要があるとなった場合、すでにリンパ節に転移していると言う恐れはあるのでしょうか?それとも、その心配がないから経過観察という措置をとっていただいたのでしょうか?そもそもそんなに速いペースで(触ってわかるぐらいのスピードで)大きくなるものなのでしょうか?母が診てもらっている先生は乳癌の診断に関しては有名な方らしく、その先生の時だけ1日200人近い女性の方が診察に来るそうなのですが、逆に1人1人がしっかり診てもらえないのではと家族としては心配です。今後のアドバイスとともによろしくお願い致します。
しこりがあるといわれ、それをまた経過観察するということはかなり心理的な負担になることだと思います。乳癌の家族歴があればなおさらだと思います。 前回受診後4ヶ月目の現時点で、そのしこりが大きくなったように感じるということですが、前のしこりが6mm位のものであればそれをご自分で触っていたかどうかはっきりしません。したがって本当にしこりが大きくなっているのかはわかりませんし、またそのしこりが乳癌なのか良性のものかもわかりません。乳癌は一般的に200日ぐらいで倍の大きさになるといわれています。しかし中には急に大きくなるものもあります。お話だけでは色々な可能性が考えられますが、その待つという心理的負担のこともあり、6ヶ月目の受診を待たずに早めに主治医の先生(その先生は経験を多く積んでられおられる先生だと推察されます。)を受診されたらどうでしょうか?(文責 福間)
【No.169】00年05月26日 Y.T.さん
脇の下が痛むのですが---29歳の主婦。3歳になる子供がおります。昨日から突然、左の脇の下(正確に言うと脇の下の少し胸寄り)が痛み出しました。指で押したりすると痛みます。
触わらなければ痛みはありません。脇の下のすじのような物(これがリンパ腺でしょうか?)の辺りが痛みます。ちなみに現在、左の胸に乳腺症と線維腺腫のしこりがあり、半年に一度、乳腺外科の先生に診て頂いております。乳がんの本を見たところ、がんが進行するとリンパ節に転移するようなことが書いてあり、すごく不安になっています。乳腺外科の方には6月に行くことになっているのですが、1日でも早く見て頂いた方が良いでしょうか?脇の下が痛む病気はガンの他に何が考えられるでしょうか?それから、リンパ節へ転移したガンの症状は他に何かあるのでしょうか?恐怖感で落ち着きません。回答を戴きたく、よろしくお願い致します。今乳癌があり、それがリンパ節に転移しているのではないかとのご心配ですが、転移リンパ節の多くは痛みません。お話からは外側にある乳腺そのものが痛んでいるのではないでしょうか?6月にでも専門外来を受診されるのなら急ぐ必要はないと思います。主治医にご相談下さい。(文責 福間)
【No.168】00年05月26日 ねむちゃん
右の腋の下から胸にかけての痛み23歳11ヶ月の女性です。2年ぐらいまえに、脇の下の痛みに気づき不安だったのですが、半年後、甲状腺機能亢進症と診断されその治療のためと、痛みもしばらくなかったことからすっかり忘れていました。でも、最近になってまた脇の下から胸のあたりに痛みがあること,があります。少し腫れているような感じがすることもあります。乳がんの症状と似ているような気がするのですがどうでしょうか?
ご心配の症状は乳癌に多い症状とはいえません。右腋から胸にかけての痛みですが、可能性の一つには肋間神経痛があります。手を挙げる、息を吸うなどの体動時に痛みが出る、肋骨に沿って(外上から内下方向)痛むなどの特徴があります。もう一つは生理前などに乳房が張り痛むなどのことです。多くは心配いらないのですが、心配なら乳腺専門外来を受診して下さい。(文責 福間)
【No.167】00年05月21日 H.O.さん
65才の母のことについて質問させて頂きます65才の母のことについて質問させて頂きます。3週間程前に乳癌手術を受けました。病理検査の結果の説明では乳頭線管癌 腫瘍の大きさ6センチ×4センチ(「cribriform,comedo patternを伴うpap-tub,caの所見」との書き込みあり)、リンパ節転移無し(0/9)、リンパ管、血管侵襲の程度(1+)、エストロゲンレセプタ− (-)、
病院側の説明では、腫瘍の大きさは大きかったが、総合的に判断して4段階の1とのことです。補助療法としては、UPF 、ノルバテックスの内服、週1回の通院になります。
そこで質問ですが
1.10年生存率は何%になるのでしょうか。
2.普段の生活で心掛けた方が良いことがあればお教えください。
3.免疫マーカーとT細胞との比率から再発を予知し、治療に活かして生存率を上げている医療機関の番組を見ましたが、効果があるのであればそのような治療も考えたいのですが、先生方の御意見があればお伺いしたいと思います。
よろしくおねがいいたします。お話にあるようなしこりの大きさであれば(額面どおりに受け取れば)4段階の3になってしまいます。しかししこりの大きさをどう計るかによって腫瘍径はずいぶん異なります。たとえば6cmの嚢胞(乳房の中に袋があり水がたまっている状態)の中に1cmのしこり(癌)がある場合には、最初に気づいた大きさは6cmなので3段階目の乳癌とされるかもしれません。しかし実際癌の部分は1期の大きさで、さらには嚢胞の壁を癌が越えていなければ非浸潤癌といって転移する可能性が0に近い、本当の早期乳癌である可能性もあるのです。そういうこともあるので単純にお話から癌の進行程度を判断できるものではありません。やはり主治医の先生がそういったことを一番わかっておられると思います。リンパ節転移(再発するかどうかの予測をするのに最も有効な手だての1つはリンパ節転移の有無です)がないということ、その他の条件で1段階の乳癌と判断されたのでしょう。1期であれば10年生存率は80%以上は期待できますが、そういったことで本当の進行程度、生存率はわかりません。さらには最近はホルモンレセプターに加え、遺伝子診断など諸検査が行われるようになり、単に乳癌の大きさなどで生存率を決めていく時代が変わっていくと思われます。
免疫マーカーなどからその人の免疫状態を判定し、免疫療法などを行う試みはあると思いますが、現時点ではその治療に対して十分な知識がありません。日常の生活の中で強いストレスがかからないように、疲れすぎるようなことをしないように気をつけて下さい。(文責 福間)
【No.166】00年05月21日 K子
乳頭の痒み私は20歳です。半年くらい前から乳頭が痒くて、掻いていたらただれてきてしまいました。痒み止めを塗るとかゆみはなくなるのですが、痒い方の乳頭はもう片方の乳頭に比べて1.5倍くらい腫れて大きくなっています。どうしたら良いでしょうか?宜しくお願いします。
おっしゃる通り、かゆみで掻きすぎたときに乳頭乳輪がかぶれたようになります。そこに感染が加わっている可能性もあります。いずれにせよその状態では、皮膚科ないしは乳腺外科受診をする必要があります。(文責 福間)
【No.165】00年05月20日 CC
両乳頭のかゆみについて現在23歳です。もともと皮膚が弱いのでほっていたのですが、両方の乳頭とも長い事かゆみがひかないので相談しました。パジェット病との見分け方があれば教えて下さい。また病院では皮膚科に行けばよいのでしょうか?
パジェット病であれば乳首(乳輪ではありません)に、たとえばただれ、湿疹、汁のようなものが出るといったことがあります。生来皮膚が弱いということなのですが、かゆいので乳首を含めよく洗うといったことで逆に皮膚が乾燥し、かゆみが強くなることもあります。ベビーローションなどで保湿を心がけることも一つの手だと思います。しかし長く続く症状とのことですので、一度皮膚科か乳腺外科の受診をおすすめします。(文責 福間)
【No.164】00年05月17日 つるべ
月経不順について以前から月経の量が多く、期間も長めだったのですが、乳がんの手術後、30―40日間も月経が続くことが何度もあります。手術した病院の婦人科で調べましたが、異常はないようです。手術によってホルモン異常がおこるのですか。
乳癌手術後、何か投薬を受けているのでしょうか? 薬により月経不順はおきうる可能性があると思います。また手術はそれなりにストレスになりますし、乳癌と診断され、通院で今までの生活のパターンが変わったりとかで生理周期に変化を来すことはよくあります。いずれにせよ婦人科で異常なしであればこのまま経過観察をされてもいいと思います。乳癌手術後は基本的に年1-2回は婦人科検診を受けていた方がいいと思います。(文責 福間)
【No.163】00年05月16日 N.S.さん
葉状腫瘍私の友人の26歳になる独身の女性が、今回葉状腫瘍のため手術をすることになりました。昨夜、HPを拝見して、友人のかかえているものが大変なものだと切実に感じました。彼女は、手術を受けること自体には、不安を感じていませんが、むしろ術後、どうしていったらよいのだろうと心配しています。例えば、シリコンを入れるですとか、袋のようなものに入った液体を入れるですとか。。それも一生もつというものではなく、途中で破れてしまう事があるということですし…。胸の変形をおそれています。話によれば7cm程、切除をするそうです。胸の一部を失って、バランスがくずれ歩くことができないのではないか、とも言っています。できることでしたら、同じ葉状腫瘍の体験者、術後についてのお話ができる方とコンタクトをとりたいようです。更に希望を申し上げれば、その方がクリスチャンでいらしたら申し分ありません。どなたかをご紹介いただくことは可能でしょうか。お忙しい中恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いいたします。
葉状腫瘍で7cm大のしこりを切除するとのことです。しこりを切除したあとの変形の問題を気にしているかと思います。乳癌手術のうち乳房全摘術と異なり乳房全部をとるといくことではなく部分的にとることです。切除後どのような変形が生じるかどうかの問題ですが、しこりともとの乳房の大きさとの相対的な関係によります。一般的に大きな乳房の方で、7cm大程度の切除ではかなり形が残せると思います。問題は小さな乳房の方ですが、形の程度により自家脂肪移植、広背筋脂肪弁移植などが考えられます。また傷に関しては皮膚を切る部位、縫い方でずいぶん変わります。内視鏡を用いた手術で小さな傷で切除といった選択肢もあります。(文責 福間)
【No.162】00年05月16日 hisa
左脇の下にしこりがあります私の母(54歳)のことで教えてください。いつ頃からあるのかはわからないのですが、左脇の下(くぼむところ)に2×2cmくらいのしこりがあり、指でつかめます。以前より大きくなっているようです。他の方の質問を見ると乳ガンでは無いようですが、歳も歳ですし、乳ガン以外のガンも気になります。この場合、どういう病気が考えられるのでしょうか。また病院で検査する場合、何科でどういう検査をすればよいのでしょうか。お忙しいとは思いますが、よろしくお願いいたします。
左の脇の下(腋窩)に2cm大のしこりがあるとのことです。おそらくリンパ節が腫れているのだと思います。リンパ腺はいろんな理由で腫れますが、54歳とういことですので乳癌に関わりがあることがあります。 いろんな科が関わる可能性がありますが、まずは乳腺外来がいいかと思います。.このホームページの病院を参照して下さい。(文責 福間)
【No.161】00年05月16日 mayumi
左胸にしこりがありますが・・・29才、8才と4才の子供がおります。断乳して4年近くなります。左胸の乳輪より1pほど外側に500円玉位のしこりがあります。生理前になると、少し痛みがあります。授乳中は何度か、乳線炎にかかったので、その残りかな?と思っていました。おっぱいを搾るように、押さえると透明な分泌物が1カ所からほんの少しだけ出ます。これは右胸からも出ます。乳ガンだと、痛みが無いと聞きましたが、生理前でも痛みはありませんか?鏡で見ると、左胸の方が大きくて、乳輪の形も左右違います。左胸の乳輪の方が、形が細長いように見えます。もうすぐ市の検診があるんですが、今からドキドキしています。怖くて。家の家系は、祖父は胃ガンで亡くなり、父が肝臓ガンで亡くなりました。ガンは遺伝するそうなので、本当に怖いです。何か考えられる病気はありますか?教えて下さい。宜しくお願いします。
学会があり、ご返事が遅れ誠に申しわけございませんでした。癌家系で左乳房のしこりが心配だとのご質問です。最近出現した?乳首の変形としこりとのことですので、乳腺炎と直接関係ないかとおもいます。透明な乳汁分泌は着色があるのでしょうか?そのような乳腺の病気はたくさんあります。心配しているよりは市の検診を待たずにこのホームページに掲載されているような乳腺専門の病院を早めに受診して下さい。(文責 福間)
【No.160】00年05月15日 yasuko
胸のしこりについてお忙しい所、失礼します。胸のしこりについておたずねします。私は27才(今年で28才、既婚者、子供なし)です。3年くらい前から胸が張るような感じがして、特にひだり胸の外側に動くしこりがあり、触ると痛みます。触らなければ痛みません。当時、乳ガンではないかと心配になり病院で調べてもらった所、がんではないとの事でそれ以来は検診していません。それから頻繁にではありませんが(たまに起こります)、最近になって、また別の所(右胸の下側)が触らなくてもチクチク針を刺したように痛むようになりました。左胸の上には痛みのない大きなしこりがあるような気がします。いろんな症状が出ているので心配です。どんな事が考えられるでしょうか?またどういった病院へ行けばよいのか、教えて下さい。お忙しい所すみませんがよろしくお返事下さい。
乳房の痛みとしこりは分けて考えた方がいいでしょう。大きくなったと思われるしこりに加え、あちこちが痛くなって心配になったと思います。おそらく痛み自体は心配しなくてもいいと思います。大きくなったと思われるしこりに関しては早く乳癌専門医を受診した方がいいと思います。受診先の選択ですが、このHome Pageに掲載されている病院を受診するのもよい選択肢と思います。(文責 福間)
【No.159】00年05月15日 海の家
胸のしこりと痛みについてこんばんわ、小田原市在住の34歳の主婦です。子供は二人います。乳房に自分で触る限りしこりはありませんが、左胸の外側から上部にかけて痛みがあります。何もしていなくても痛いかなと言う感じがありますが、すごく痛いと言う訳ではありません。またくしゃみをしたり腕を上げたりした拍子に痛かったりします。腕と脇をくっつけた状態でなんとなく違和感があります。乳がんはしこりで痛みはないと聞いていますが、いかがでしょうか?もし乳がんでなければ私の症状はなんなのでしょうか?よろしくご指導お願い致します。
手を挙げたりの動作時に痛みを覚える場合は、肋間神経痛などで生じていることが多いと思います。子育ての最中で子供を抱いたりすること、忙しくてゆっくりお風呂に浸かれないなどの外因が働いているかと思います。乳癌で痛みがでることは少ないのですが、そこにしこりがあればまた別です。しこりがあっても痛みがあるから大丈夫ということではありません。 しこりがあったり1ヶ月も痛みが続くようであれば病院を受診して下さい。(文責 福間)
【No.158】00年05月15日 Y.N.さん
姉の病状について突然の不躾なご相談をお許し下さい。姉(42歳)が乳がんになりました。脇の下に卵くらいのしこりが出来たようです。今は抗がん剤の効果かだいぶ小さくなったようなのですが、色々調べてみると、脇の下への転移は遠隔転移する可能性が常に高いように思われます。しかし本人に尋ねても“大丈夫”としか応えません。
1・はたして上記のような状況で転移しない可能性はあるのでしょうか?既に姉も結婚しているので弟の立場でどこまで介入していいものかわかりかねますが、実は私、今秋結婚する予定になっております。既に母を亡くしているので母以上に優しく見守ってくれましたし、結婚も歓んでくれています。
2・最悪の場合秋頃までにどのくらい進行するものなのでしょうか?情報がほとんど無い状況で、このような相談もご迷惑でしょうが、少しでも姉の治療に役立つ情報があれば入手したいと思っております。一度姉に内緒で姉の主治医を尋ねてみたいと思っておりますが、大塚の癌研としか教えてくれません。
3・上記の情報で病院を特定できますか?また身内というだけで、病院は相談にのってくれるのでしょうか?
とりとめのないご相談ばかりでごめいわくでしょうが、くれぐれも宜しくお願い申し上げます。お話から推測しますと、腋窩のリンパ節がはれ、それで乳癌があることがわかったのではないかと思います。いずれにせよ手術はまだ受けていないようなので、おそらく進行した乳癌である可能性が高いと思います。ご自分の結婚式も控え、またお姉様にも結婚式にご出席をと考えられているかと思います。大塚の癌研(癌研究会附属病院 豊島区上池袋1-37-1 03-3918-0111)で今積極的に治療されているので、その治療を見守られたらどうでしょうか? お姉様も弟さんに心配かけまいとしていると思います。病院主治医に相談することは身内であれば可能と思いますが、お姉様のご主人にまずご相談されるのがいいかと思います。(文責 福間)
【No.157-1】00年05月15日 E.H.さん
乳がんの肺転移手術後の治療について母(67歳)の乳がん肺転移手術後の治療についてご相談致したく、E-mailする次第です。母は、1998年8月に2期の乳がんと診断され、左乳房の全切除とリンパ郭清を行いました。 具体的には約2cmの腫瘍と乳首近傍にも腫瘍があり、リンパ節転移も1個見つかりました。 がんの種類についての詳細は聞かされていないのですが、悪性のものとしては特にたちの悪いものではないとのことでした。 また、ホルモンは(−)です。手術後、経口の5Fu(フルツロン)を8ヶ月(途中白血球が減った為、2ヶ月中断)服用しました。その後、腫瘍マーカーの上昇もなく、99年10月の胸部X線,腹部エコー,骨シンチでも異常なしでした。ところが、本年3月に近所のかかりつけの内科で胸部X線撮影したところ、右上葉部に10円玉ぐらいの陰が見つかり、CTでも右肺S1a胸膜直下にMAX2.2cmの不整な結節影が認めれる。 単発であることから肺がん(腺がん)の可能性が強いとの所見であった。その後、乳がんの主治医の病院に入院、手術(4月4日)を受け、手術中の生検の結果、乳がんの転移とのことで、右上葉の2/3切除とリンパ郭清を受けました。 入院中、脳,腹部CT、腹部エコー、骨シンチの検査では、特に異常なし。(但し、骨シンチで肋骨に影が認めれたが、手術箇所であり、手術の影響とのことで様子を見ることになっています。)今後の治療法について、主治医は、@化学療法を行う。(その場合、CAF,CMFあるいはタキソール,タキソテールの用意がある。) A定期的な検査のみで、無治療で様子を見る。という説明で、主治医は年齢を考えると無治療を支持しています。家族としては、結節性で切除できた肺転移は、「5年生存率が35〜40%」とか、「長生きできるか、直る場合がある」という文献などの記事をみて希望を持っていますが、主治医の言う通りにすべきかどうか迷っています。また、初期治療でもう少し強い抗がん剤で治療すべきであったのではとの後悔もあります。抗がん剤の奏功率が良く分かりませんが、最前の方法を選択したいと考えます。さらに化学療法を行うのであれば、肺手術後直ちに行う必要があるのでしょうか。以上よろしくご指導の程お願い致します。
2期乳癌の術後1年9ヶ月目の肺単発の再発に対しての今後の治療についてのご質問です。ご家族が最善の治療をしたい、後で後悔したくないなどの気持ちをお持ちなら、また術後比較的短期間の再発であることを考えるのなら、無治療ではなく何らかの化学療法、場合によっては内分泌療法を選択された方がいいかと思います。(文責 福間)
【No.157-2】00年05月20日 E.H.さん
術後の再発と再発後治療について早速のご回答ありがとうございました。
内分泌療法とはどのようなものでしょうか? ホルモン療法とはちがうのでしょうか? 母の場合ER,PGRともに(-)なのですが。母のような転移手術後の抗がん剤治療で抗がん剤の功奏率はどれぐらい期待できるのでしょうか?難しい質問ですが、母の場合、再々発の可能性は高いでしょうか? 無治療の場合では再々発しないことを期待できないでしょうか?67歳の場合、どのような抗がん剤でどれぐらいのコースが標準なのでしょうか?そのときの副作用は?ご多忙中恐れ入りますがよろしくお願い致します。内分泌療法とはホルモン療法のことです。
手術後の再発と再発後治療についてお話します。
乳癌手術後、25−30%の症例に再発が見られ、部位別内訳では、骨(26%)、肺(27%)、局所リンパ節&胸壁(28%)、肝(8%)となっています。手術後、2−3年で再発する場合が最も多く、再発症例の約70%になります。基本的な治療は薬物療法です。乳癌の再発は多発性で、複数の転移巣が見られることが多く、手術で完全に切除できる可能性がまずないと考えるのが妥当ですが、肺転移巣に関しては、原発性肺癌との区別がつきにくいので、積極的に手術を行います。また放射線治療は、通常、局所再発、疼痛の強い骨転移、脳転移について行います。いずれにしても再発乳癌は、明らかに全身病ですから、薬物療法が基本になります。薬物療法では、一般的には化学療法剤とホルモン療法剤を併用しますが、術後再発までの期間や、再発部位、患者の年齢、腫瘍のホルモンレセプター等によって、単独で行う場合もあります。肝転移には化学療法剤が、骨転移にはホルモン療法剤が有効であるという傾向がありますが、絶対的な基準はありません。従って『67歳の場合、どのような抗癌剤で、どのくらいのコースが標準なのでしょうか? 副作用は?』との質問ですが、標準は決まっておりません。また副作用に関しては、個々に対応する事になります。
再発癌全体に対する薬物療法の有効率は30−40%で、再発後うまく薬物治療でコントロールされ、長期(5年以上)にわたって生存する場合も20−30%あります。
以上より、無治療でなく、何らかの薬物治療をする方針で、主治医と充分相談されることをお勧めいたします。(文責 須田)
【No.156】00年05月15日 ゆう
乳首の痛み3,4日前から急に乳首が痛みだしました。生理前には乳房が痛みやすいタイプだったのですが、乳首が痛くなったのは初めてなので不安です。病院へ行ったほうがいいのでしょうか? 私は20歳なのですが若くてもこういうことはあることなのでしょうか?
学会で不在にしていました。心配な時期にご返事を差し上げることができず申し訳ございません。急に覚えた乳首の痛みとのことですが、乳首の痛みは多くの場合心配いらないことが多いと思います。しばらく様子を見て痛みがおさまればそのままでいいかと思います。乳首のかぶれ、汁ようのものがでる、大きく腫れてくる等の症状があれば乳腺専門医を受診して下さい。(文責 福間)
【No.155】00年05月15日 Fさん
胸の痛みについてはじめまして。私は26歳です。出産経験はありません。今年中に結婚を予定しております。数ヶ月前位から、生理の2週間位前から乳房が張り、全体的に痛みを伴います(特に、右胸の痛みが強いです)。痛みを伴うときに、胸を強く触ると、乳頭の下の内のほうに大きな塊みたいなものを感じます。生理が始まると痛みもなくなり、塊も小さくなるように感じます。今までも生理前になると胸が張り、痛みを感じていましたが、最近は、前以上に痛みが強くなっています。また、なんとなくですが、右胸が以前よりも少し大きくなったように思われます。19歳のときに卵巣脳腫の手術を受けたこともあり、不安を感じております。お忙しいとは思いますが、アドバイスを頂ければと思っています。
E-mailを頂いたときはちょうど乳癌学会があり、ご返事が送れて申し訳ございませんでした。生理前に乳房が腫れ、特に最近強い痛みを伴うこと、そしてしこりがあるのではないかとの不安かと思います。しこりに関しては早めに乳腺専門医に受診されてはどうかと思います。生理が順調にあれば、以前の卵巣嚢胞との関連は乳房痛に関しては少ないと思います。痛みは時間がたてばやわらいでくることが多いと思います。我慢ができないようでしたら内服薬などがありますので担当医にご相談下さい。(文責 福間)
【No.154】00年05月15日 まんぼう
乳癌手術後の腕の腫れについて74歳の祖母の事でお伺いします。3年前乳癌のため片胸を全摘、リンパ節をとっています。今になって、摘出したほうの腕がはれるようになりました。近くの医者にみせたところ問題ないとの事でしたが、2週間ちかくも腫れたままだそうです。痛みもあるようですし、少しでも早く治してあげたいのです。何かよい方法はあるのでしょうか。よきアドバイスをお願いします。
乳癌のときのリンパ郭清(リンパ節切除)後のリンパ浮腫で患肢が腫れているかと思います。患肢から体の中心に戻るリンパ液が、手術により流れが滞ることによって生じます。手術して3年後にはじめて出現したむくみとのことですが、寝るときに患肢を枕1個分高くして寝る、入浴にて暖める、マッサージ、場合により利尿剤の服用があります。なかなか治らない場合もありますが、痛みの軽減が期待できることは多いと思います。手術治療もありますが、効果が期待できるとは限りません。(なお主治医の先生が心配ないといっておられるので大丈夫と思いますが、まれに乳癌再発で急にむくみがくることがあります。) いずれにせよ今後も手術した側の腕にけがをしないよう、またけがをしたらすぐに処置をするよう心がけて下さい。(文責 福間)
【No.153】00年05月15日 N.S.さん
乳がんの転移について34歳の兄嫁はちょうど2年前に乳がんの手術をし、これまで定期検診で異常はなかったのですが、先日の血液検査で少し異常がみられ、MRIをとったところ、きらきら光る影が脊髄に何箇所か見られるとのことでした。ホルモン療法か放射線治療をするようですが、これは転移と考えれば良いのでしょうか。また、転移だった場合、治療をして治る確率はあるのでしょうか。本人は腰の痛みがひどいと言っています。小学生の子供が2人おり、とても心配です。ご回答の程宜しくお願い致します。
E-mailを頂いたときはちょうど乳癌学会があり、ご返事が送れて申し訳ございませんでした。腰の痛みがあり、RIで背骨に何カ所か集積があるとのことです。やはり骨転移の可能性が高いと思います。治療法はホルモン療法か放射線治療、あるいはその両方が一般的だと思います。完全に治る率は非常に低いと思いますが、腰痛の軽減などは期待できると思います。人により長期間(まれに5年以上)無症状で過ごせる方もいらっしゃいます。他の治療方法もいくつかあります。主治医にご相談下さい。(文責 福間)
【No.152-1】00年05月15日 H.U.さん
今後の治療方針について知人が今後の治療について決めかねている様子なので、何かアドバイスをと思いご相談致しました。宜しくお願い致します。
昨年の1月に第二子を出産後、胸にしこりを感じ、4ヵ月後に病院に行き乳癌と診断され1週間後に、非定型手術を受けました。その時の知人の年齢は42歳、腫瘤型 2cm ER(-) 腋のリンパには転移していませんでした。その後は化学療法を行わず退院しました。通院中の治療は、臍の横に注射を打っていたそうです。 そして8ヶ月後くらいだと思いますが、今度は鎖骨上のリンパに癌が転移しました。その時の治療は、抗がん剤を6クールの予定でしたが、4ク−ル終了後に、こんどは胸の皮膚に2cmの癌が3個と、胸のリンパに転移したそうです。主治医から今後の治療について説明があり、胸の筋肉などをとって腿の筋肉を移植する手術を勧められているそうですが、とても大変な手術だそうなので、本人はその手術を受けたくないらしいのです。何か別の治療法がありましたらどうかアドバイスをして頂きたいのですが、宜しくお願い致します。
その後の知人の様子なのですが、非定型手術を受けた所の皮膚と(右側)、左側の乳房に、表現は悪いのですが、根しょうがの様なしこりが出来てしまい、それが大変痛いらしいのです。病院で検査したところ悪性のものだということです。癌とはこんなに急激に大きくなるものなのでしょうか。知人の予後はどのようになるのでしょうか。宜しくお願い致します。E-mailを頂いたときはちょうど乳癌学会がありご返事が遅れて申し訳ございませんでした。抗ガン剤治療中に胸の皮膚(胸壁再発?)にしこりができたとのことです。そのしこりへの対処には、現在すすめられている手術治療、放射線治療、以前に行っていたお臍のへの注射などの内分泌治療、そして現在行っている抗ガン剤治療(化学療法)があります。それらはすべて再発治療の選択肢になります。手術治療以外の治療法がないかとのことですが、手術に当たっては手術をする胸壁以外に癌再発がないことが原則と思います。骨、肺、肝臓などは大丈夫でしょうか。また鎖骨上のリンパ節はどうなったでしょうか? 手術治療以外後療法としては、抗ガン剤治療中での再発ですので、現在使用中の抗ガン剤は無効と考えられます。また内分泌療法を以前に施行したとのことですので、他の化学内分泌療法ないしは放射線治療となります。申し訳ありませんが予後などについてはお話の仕様がありませんが、ただそのように急に大きくなる乳癌もあります。(文責 福間)
【No.152-2】00年07月26日 H.U.さん
胸壁の皮膚が壊死しています以前 No.152-1 で友人の再発乳癌の治療について相談した者ですが、その後友人は、ハーセプチンと他の抗がん剤などの治療などを行いましたが、胸壁の皮膚のしこりは縮小せず、今ではその部分が壊死してしまいました。病院の先生の話では、何かの腫瘍マーカーが以上に高い数値を示しているので、MRIや骨シンチなどの検査を受けるように言われていますが、一切の検査を拒否しています。最近では鬱状態気味で、一日中うとうとしている状態です。体もかなりだるいらしく胸の痛みもあり、かなり落ち込んでいます。現在は入院などはしていませんが、この状態で癌センターに入院した場合、どんな治療が行われるのでしょうか。本人は、治らないのであれば苦しい治療などは受けたくない様で、できればホスピスに入り痛みだけを取り除いてもらいたいようです。子供もまだ小さく、なんとかがんばってもらいたいのですが、本人の気力がないのであまり無理に治療を薦められません。今後友人にどう接していったらよいのか、私から見てもかなり厳しい状態に思えるのですがーーー。お忙しい所申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。
乳癌の再発が起こり、種々の抗がん剤治療にもかかわらず、効果の見られなくなった状態と考えられます。このような場合、他の抗がん剤に変更しても多くの場合、残念ながら効果は見られないことが多いです。したがって積極的な抗がん剤治療は行わず、緩和治療のみを行うためホスピスなどに入所するのも一つの方法であろうと思います。今後どのような方針でいくのかは、患者さん本人と主治医が十分話し合って決めるのが良いと思います。(文責 麻賀)
【No.152-3】00年10月15日 H.U.さん
今後の治療についてNo.152-2でご相談した者ですが、宜しくお願い致します。その後友人は広範囲に壊死が広がり、胸骨にも転移があり、かなり痛みがあるようです。先月MRIを撮った所、肺や肝臓には転移は見られないとの事でした。今週違う大学病院に行くらしいのですが、このような状態の場合どんな治療が施されるのでしょうか。今まで放射線治療は行ったことはありません。
考えられる治療法として、抗ガン剤の治療・ホルモン剤による治療・手術・放射線療法などがありますが、今までの経過を考えますと、抗ガン剤による治療や手術は残念ながら効果は期待できないと思います。まだ行っていない治療として放射線療法は一つの選択肢として考えられると思います。ホルモン剤による治療は経過からすると大きな効果は期待できませんが、副作用の点において抗ガン剤ほど厳しいものはないので、これも考えられると思います。また積極的な治療を行わず、苦痛や症状を和らげる緩和治療なども考えられます。どのような方針で行うとしても、患者さんと主治医の先生がよく話し合い、患者さんの苦痛を最も和らげるような選択をして、お互いが納得してすすめていくことが良いと考えます。(文責 稲葉)
【No.152-4】00年10月22日 H.U.さん
病状について友人はその後、総合病院に入院し、余命1〜2週間と診断されモルヒネを打ちながら痛みを抑えています。そこでもう少し質問させてください。
(1)今年の4月頃友人の胸に水泡が出来、それが急激に広がり今に至った訳 ですが、これは乳癌が再発を繰り返すうちに、炎症性乳癌に変わったという事なのでしょうか?首から下の皮膚が紫色に変色し広範囲に渡り分泌液が出ています。腕はパンパンに腫れ、赤くなっています。右の肩から背中にかけてすごく腫れています。
(2)炎症性乳癌とはどのような癌なのでしょうか?
(3)また、癌性リンパ管症とは何でしょうか?
何度もすみませんが宜しくお願い致します。(1)(2)現在のご友人の状態は、メールから判断すると乳癌の胸壁皮膚の転移が広範囲に広がり、皮膚内や皮下組織のリンパ管内に癌細胞が浸潤している状況と考えられます。恐らく癌細胞は皮下組織だけでなく、胸壁や肋骨、首のリンパ節や血管や神経周囲の脂肪組織などかなり広範囲に浸潤していると思われ、このためメールに書かれてある症状がでていると考えます。炎症性乳癌とは進行した乳癌で、広汎な乳房の皮膚の発赤、皮膚の浮腫、乳房の腫大、乳房の痛みなどを伴ったものを臨床上このように呼んでいます。皮膚内のリンパ管内に癌細胞が浸潤していることが特徴で、前記の様な症状はこのリンパ管内へ癌細胞が浸潤していることにより起こります。このような癌は予後が大変悪いので、区別して呼んでいます。炎症性というのは発赤などの症状が見た目は炎症の様であることからそう呼んでいます。また炎症性乳癌という言葉は最初に診断するときに使い、例えば癌が再発し進行して、皮膚内のリンパ管内に癌細胞が進入し発赤や浮腫などの症状が起こっても、通常は癌が進んで炎症性乳癌の段階になったとはいいません。ご友人の状態も癌がかなり広範囲に進んでいるという状態であって、炎症性乳癌とはいいません。
(3)癌性リンパ管症というのは、乳癌に限らず、癌細胞がリンパ管(皮膚内だけでなく内臓のリンパ管でもどこでもよい)内に広く浸潤し、これによって引き起こされる症状や状況をいいます。このような状態になると、病気の進行は急激に進み治療にも反応しないことが多いです。(文責 稲葉)
【No.151】00年05月14日 Y.O.さん
放射線治療後の肺炎について神奈川県在住の42歳、研究職(紫外線発癌などの皮膚科関連)です。7歳の娘がいます。昨年1月に近くの市立病院で乳癌の手術を受けました(ステージ1、リンパ節転移なし、多発性、断端陽性)。放射線治療25回を受け、タモキシフェンとUFTを服用中。今年1月に1年目の全身検査で肺のCTに影が見つかりました(3ヶ月ごとのレントゲン検査では現在も異常なし、腫瘍マーカー、骨シンチ、肝臓CT、超音波検査などは異常なし)。放射線科医からは「70%くらいの頻度で放射線の影響の肺炎(自覚症状はないレベル)が発生し、繊維化した影がCTに写り、消えることはないが心配ない」といわれています。2月に結果を聞いた2人目の外科医は「放射線の影響は考えられない。抗がん剤の治療は負担が大きいので、悪性かどうかよく見極めるために半年後にCTを撮って大きくなっていたら治療を始めましょう。」とのことでした。半年放置してもよいのかという質問には「再発はどんな治療をしても成績は変わらない」といわれました。4月から3人目の外科医に変わり「このCTの結果だけですぐに抗がん剤の治療を開始する先生もいるほど治療方針はいろいろある。患者さんの選択が大事。7月にCTを撮ってから、考えられる治療(しないことも含めて)法を提示するので考えてください」とのことでした。同じ病院で先生によっておっしゃることが異なるので混乱しています。放射線科の先生には「私が責任を持って治療しているのだからなぜ外科医のハッタリに心配するのか」としかられました。私はこの言葉を信じたいですが、実際はどうなのでしょうか?いずれにせよ神奈川県にはこのホームページの先生方がいらっしやるので転院も考えたいのですが、最低月2回は通い、治療となると近いところでないと難しいのが現実です。まずは、こちらで相談して考えたいと思っています。殺人的にお忙しい中、このようなページを設けてくださる先生方に心から感謝します。よろしくお願いします。
乳がんの肺転移は、X線検査での画像に、以下の2つのパターンがあります。
1)結節性肺転移
乳癌の手術をした患者さんで肺に孤立性肺結節(肺に1ケのかたまりの影)があった場合、乳癌の転移である可能性は30%〜100%、乳癌の転移ではなく、肺癌が新しくできた可能性は0%〜70%と、報告は様々です。またX線検査では一般的に、画像診断で良悪性の区別、原発(肺癌)、転移(肺癌以外の癌)の区別は、厳密にはつきにくいと言われています。単純X線写真では、直径1cm以下の病変の検出は困難です。CT検査では、直径0.5mmの結節も検出可能ですが、良悪性の診断は困難です。
2)リンパ管症型肺転移
リンパ管症型肺転移の患者さんの約50%は単純X線写真上、無所見であり、残りの症例では放射線による線維症、化学療法剤のよる肺炎や感染症と区別できない間質性の変化となっています。
以上より、X線検査の画像では、外科医、放射線医によって意見が異なることもありえます。転移か、肺癌か、線維症かを確実に判別するには、その病変を採取して(生検)、専門の病理医にみてもらう事が必要になることも少なからずあります。従って、貴方の場合、肺生検をする必要があるかどうかを含め、もう一度主治医にご相談されることが肝要ですが、セカンドオピニオンとして、別の医療機関で意見を聞かれるのもひとつの方法だと思います。(文責 須田)
【No.150】00年05月11日 H.I.さん
Vb私は37歳、整形外科医です。私の母68歳が右乳房のD領域にひきつれを発見し近所の赤十字病院を受診しました。マンモグラフィーの結果、小石灰化があり、エコーでは像が消えていた(母の言葉どうり)そうです。針生検をしていただいた所、Vbとのことでした。母の姉も乳癌で死亡しておりますので、家族で相談して、試験切除をしてからまた日にちがあいて手術になるより、一期的に乳房切除をするほうが安全ではないかという結論に達しました。8日に生検をしていただき、きょう10日に結果を聞きました。一応19日金曜日が手術日になりましたが、生検から手術までの間、この間11日ほどあきますが大丈夫でしょうか。また、Vbで切除をすすめた私の判断は慌て過ぎでしょうか。術後radiationを50Gy予定されているようですが、radiationはどの程度期待が持てるものでしょうか。切除組織も見ないままの状態で、このような質問には答えにくいと思いますが、最近の乳癌の治療の流れ、期待度などお教え下さい。どうも身内の事になるとうろたえてしまい、医学書を読んでもよく判断ができません。よろしくお願いします。
吸引細胞診の結果は、専門の細胞診医が判定致します(『相談室』No.87の表を参照して下さい)。
判定結果がClassVbですので、迅速診断(試験切除)を含め、一期的に治療を行うという判断は妥当です。迅速診断で悪性と判定された場合、現在は大きく分けて2つの治療法があります。乳房温存療法と胸筋温存乳房切除術です。乳房温存療法では、細かい点は施設により多少異なると思われますが、乳房温存手術を行った上で、残った乳房に50GyのIrradiationをする方法が一般的です。Irradiationを行わないと、温存乳房の再発の可能性が高くなり、胸筋温存乳房切除術と比較して治療成績が落ちることになります。また胸筋温存乳房切除術(非定型的乳房切除術)の場合は、摘除した腋窩リンパ節で転移のあるリンパ節が4ケ以上あった場合、乳房ではなく、患側の胸骨傍リンパ節および鎖骨上窩リンパ節に50Gy Irradiationを行うことがあります。これは、4ケ以上転移のある症例では、放射線照射した群がしない群に比べて有意に予後がいいという結果に基づいています。
治療の流れとしては、前述のように、現在は乳房温存療法か、胸筋温存乳房切除術かのいずれかを選択することになりますが、入院の際に主治医の充分な説明があると思われます。両者の治療成績に差はありませんが、裏返せば、どちらを選択しても再発するときは再発するという考え方です。手術日まで11日あるとの事ですが、11日間で急速に進行することはまずありえないと思われますので、心配される必要はありません。いずれにしてもお母様を含め、主治医との充分なインフォームドコンセントを行い、納得のいく選択をなさるのがベストだと思います。(文責 須田)
【No.149】00年05月05日 yasuko
右胸のしこり22歳、6月に挙式予定です。排卵〜生理前になると右胸乳首からななめ内側45°2センチ直径1センチほどコリコリした良く動くしこりができます。生理終了後一週間頃が検査に最適な頃だそうですが、なくなってしまう場合はいつ検査に行けば良いのでしょうか? それとも心配ないのでしょうか? ちなみにこれは2、3ヶ月前からあったような気がしますが、生理が始まったり、よくマッサージすると消えてしまいます。コリコリした痛みがあるのであまり触らないようにしています。少し大きく硬くなってきたので心配です。よろしくお願いします。
結婚を控え右乳房腫瘤に気づかれご心配のことと思います。20代前半でのしこりはの多くは線維腺腫ですが、生理前に大きくなることはありますが、生理前だけ触るようになる位特に大きくなるということは少ないと思います。検査に行く時期ですが、触診だけに頼っていた時代と違い、マンモグラフィーや超音波検査があり本当にしこりがあれば触らないしこりでも診断がつくと思います。結婚を控えていると思いますので早めに受診し不安をなくして下さい。なお診断がつくまではマッサージは控えた方がいいと思います。(文責 福間)
【No.148】00年05月05日 こいのぼり
右胸のしこり2ヶ月前の人間ドックでは、異常なしだったのに、右胸に1.7センチぐらいのしこりがあります。なぜ急にできたのでしょうか?
検査後なのになぜしこりが急に出現したかとのご質問と思います。検診が触診だけだったのか、超音波などを一緒に行っていたのか、あなたのご年齢や乳房の大きさ、乳房の硬度など色々な条件でお答えが変わります。いずれにせよ2ヶ月で急にできたというよりも、2ヶ月間で急に大きくなったというほうが正しい言い方だと思います。また実際にそういうしこりは存在します。たとえば葉状腫瘍などがそうです。1cm以下で触らないしこりが2-3ヶ月後に触るといったことはあり得ます。いずれにせよそういった急に大きくなったと考えられるしこりは早急に病院受診が必要だと思います。(文責 福間)
【No.147】00年05月05日 T.N.さん
乳がんについてはじめまして、今日は乳がんの手術を受けた母(61歳)のことで教えて下さい。3/10に非定型乳房切除方法で手術を行いました。
病理検査の結果:病期 T、腫瘍径 1.8 x 1.5 x 1.3、乳頭腺管がん、 ER-、 PR-、リンパ節転移なし(0/14)
術後補助療法:ホルモン療法 ノルバデックスD20mg、 経口抗がん剤 フルツロンカプセル200mg 、静脈抗がん剤 不明 5回/年 、 放射線なし
抗がん剤の投与は4/28に1回目を行ったのですが、私は一緒に病院にいけなかったので薬の名前はわかりません。今回教えていただきたいのが、以下の内容です。
1、このような乳がんでは投与させるスタンダードな抗がん剤の名称を教えてください。
2、ER-、PR-ですが、ホルモン療法は行うものなのでしょうか?
3、ER-、PR-ということは高リスクグループにはいるのでしょうか?
4、ER-、PR-という結果が非常に気になるのですが、予後はよくない(再発の危険性が高い)ということになるのでしょうか?
5、グレードを先生に確認したのですが、病理検査ではそのデ?タはないといわれました。通常どのようにしたらグレードまで確認できるのでしょうか?
6、乳がん手術後の治療方法、乳がんの予後これらのことについて医学に詳しくないものが読んでもわかりやすい本がありましたら教えていただけないでしょうか?
7、なかなか家族のものが主治医と話す機会がなくて心配なことがあっても聞けないのですが、患者本人ではなくても相談したりしてもいいものなのでしょうか?
8、娘の私は34才ですが、乳がんになるリスクは高くなると考えられますか? 私は5年くらい前から健康診断でのう胞があるといわれてます。
まわりに医学に通じる方がいなくて相談もできず不安な毎日を送っていました。突拍子もない項目ばかりで申し訳ありません。よろしくお願いします。ご質問の内容は医者の間でも議論のあるところで、明確なー標準的なー治療についてお答えするのは難しいかと思います。まずER-PR-の乳癌に対しホルモン療法をするかとういうことに関してですが、原則は投与しません。しかしER、PRの有無は測定前での種々の条件に影響されることもあり、実際ER、PR陰性でもホルモン療法が効くことがあります。またI期乳癌に対しては従来なら静脈注射での抗ガン剤治療はおそらくしなかっただろうと思います。しかしERー、PR-であれば予後が悪い可能性もあり、また欧米ではI期乳癌でも積極的に静脈注射による抗ガン剤を行うようになってきています。いずれにせよ主治医の先生と現在の病状、治療方針についてよく話される必要があります。直接お電話などされてアポイントをとられたらどうでしょうか? そういったことは普通は可能です。病理のグレードに関してもプレパラートによる確認が必要ですので、相談の必要があります。本に関してですが、多くの乳腺専門医が書いた一般向けの本があります。化療などに関して詳述されているのは欧米で出されている本が適当です。現在本の題名をお答えできませんので、後ほど調べさせて下さい。歯切れの悪いお答えで申しわけございません。(文責 福間)
【No.146-1】00年05月05日 M.S.さん
タキソールについて35歳の妻のホルモン治療についてアドバイスをお願いいたします。昨年8月に右側乳房に約1センチの乳癌(ER+)を温存療法で切除、その後抗癌剤治療(AC)、放射線治療を受けました。現在、タキソールを服用しているのですが、一人の先生は将来の妊娠に悪影響無し、再発予防に効果あり、但し34歳以下の場合は投与しないというご意見なのですが、二人目の先生は将来の妊娠に悪影響あり、若いので再発予防効果は低いという正反対のご意見です。再発防止が第一ということはわかっているのですが、効果が低く副作用があるのであれば服用する意味がないとも考えております。
タキソールはホルモン療法剤ではありません。また経口薬でもありません。 タモキシフェンのことなのでしょうか? 再発防止効果、妊娠への影響を論ずるには薬剤名がはっきりしないと難しいと思います。お二人にお子さまはいらっしゃるのでしょうか? もう一人お子さまが欲しいとお考えなんでしょうか? そのこともお教え下さい。お話からするとタモキシフェンと思いますがーーー。(文責 福間)
【No.146-2】00年05月16日 M.S.さん
タモキシフェンについてたいへん申し訳ありません。お問い合わせ申し上げたのはタモキシフェンについてです。タキソールではありません。それから、家内は出産経験はなく、子供はおりません。何卒宜しくお願いいたします。
ご質問からすると子供がいらっしゃらなくて将来的にもちろん子供さんが欲しい。そしてそれに悪影響を与えることはできればしたくない。しかし再発も怖くて効果があればできるだけのことはしたいとういうことなのでしょうか?
昨年乳癌手術を受けたとのことで、乳癌手術後何年かは妊娠に伴うホルモン環境の変化があり、何年かは(それに何年必要かは、はっきり決まったことはありません。私の場合リンパ節転移がなければ最低2年はおいています。)妊娠はされないほうがいいと思います。乳房温存術+放射線治療を受け、ER(+)とのことですが、その場合温存術後の乳房への再発(乳房内再発)の予防にはタモキシフェンが有効である可能性があると思われます。(AC療法を行われたとのことですが現在の生理はいかがでしょうか? なければタモキシフェンはさらに有効な可能性があります。)私の意見としては、ここ2年はタモキシフェンを服用されてはと思います。(文責 福間)
【No.145】00年05月02日 K.H.さん
薬の副作用について36歳、昨年6月に右胸内側に癌が見つかり7月に温存手術、8月に放射線治療を30回受け、2年間薬を飲むことになりました(ステ−ジ1 リンパに転移はなし)。術後8ヶ月は特に変わったこともなく順調でした。今年3月半ば頃から左足踵が歩くと痛く、1ヶ月たっても痛みが治らないので病院に行った見てもらったのですが、レントゲンでは骨に異常がなく踵も腫れていないので、「薬の副作用かもしれないので、担当医がいてる時に検査をしてみたらどうですか?」と言われました(結局何もせずそのまま帰りました)。踵をかばうせいか腰も痛くなり(グリが出来てます)また仕事柄オフコンを打ちまくるので、右脇リンパの手術跡の後ろ(背中)も痛くて右を向いて寝ることが出来ません。こんな副作用はあるのでしょうか?ちゃんと検査は受けたほうがいいのでしょうか?現在飲んでいる薬は 毎日 朝 1錠 ノルバデックスD (ZENECA421)20mgです。見当違いな質問かも知れませんが、宜しくお願いいたします。
左足踵の痛みが、ノルバデックスDの副作用とは考えにくいと思います。ご自身の乳癌は、ステ−ジ1 リンパ転移なしという早期乳癌ですが、乳癌であった以上転移が起こる可能性が少ないながらあります。腰や背中の痛みがご心配ならば、全身骨スキャン(全身骨シンチ)の検査をお受けになり、骨に問題がないことを確認されるのがよいと思います。(文責 福田)
【No.144】00年04月29日 M.Y.さん
乳頭のかゆみ38歳、独身です。No.63の方と同じ症状で乳頭にかゆみがあります。私の場合、左右両方の乳頭にかゆみがあります。もしパジェット病だった場合、やはり切開手術するのでしょうか?切開手術すれば乳首はなくなってしまうのですか?独身なので不安です。
左右両方の乳頭にパジェット病が起こることはまずありません。ご自身の場合、乳頭の湿疹の可能性が高いと考えます。パジェット病の場合は、乳頭を取ります。しかし、可能性がほとんどないことを心配しても損です。乳頭のかゆみが気になるようならば、かかりつけの医者にご相談下さい。(文責 福田)
【No.143】00年04月29日 ともこ
しこりについて私は22歳で2歳の子供がいます。授乳時に胸にしこりがいくつか出来、病院で診てもらいました。そして授乳をやめ、しこりを調べてもらったところしこりの中には乳が入っていたとのことで、とりあえず大きいものだけ乳を抜いてもらいました。多分そのときのしこりだと思うのですが今もしこりがあります。定期的に検査を受けた方がいいのでしょうか?この状態だと、もしも乳癌のしこりが出来たとしても気づかないで過ごしてしまうと思うのですが・・・。乳の塊のしこりと、その他のしこりの違いはありますか?それは自分で区別がつくのでしょうか?
授乳時、ミルクが通る細い管(乳管)がつまり、ミルクが貯まってこぶができることがあります。これを、乳瘤といいます。一度できた乳瘤は小さくならないまま存在し続けることがありますが、乳瘤が乳癌になることはありません。そのため、はっきりと乳瘤と診断されれば、乳瘤があっても1年〜1.5年毎の検診でよいと思います。乳癌と乳瘤は触った感じが微妙に違いますが、ご自身ではその違いがお分かりにならないと思いますので、大きさに変化があったり、新しいしこりができた場合は専門家に診てもらってください。(文責 福田)
【No.142】00年04月29日 M.K.さん
良性、悪性の区別がつかないこともありますか?左乳房に非触知のしこりがあります。エコーとMRIで悪性を疑えと出たそうですが先生は大丈夫だと思う、半年様子を見ようと言います。細胞診では悪性は検出できず、良性とも悪性ともつかない、ということもあるのですか。
エコーとMRIで悪性を疑えと診断された場合、100%ではないが99%癌と考える場合から、数%の可能性で癌も考えておきたいという場合まであります。このいずれの場合も、良性とも悪性ともつかないことになります。乳癌だけでなく、多くの疾患に対する画像診断は、100%の絶対的な診断(確定診断)ができません。そこで、癌の場合、細胞診や組織診断で確定診断をします。細胞診の場合、目的の細胞がうまく取れないことが時々あります。そのため、非常に高い確率で癌を考える場合は、細胞診が陰性であっても積極的に組織診断をおこないます。
ご自身の場合、悪性の可能性がさほど高くないため、半年ほど様子を見ようと言われたものと考えられます。ご心配ならば、受け持ち医に詳しくお聞きください。(文責 福田)
【No.141】00年04月27日 K.M.さん
転移について48歳の母のことについてです。2週間前に右乳房の乳癌の温存手術をうけ、リンパ節への転移はなかったのですが、骨検査で左耳の後ろの骨のふくらみがみつかったそうです。再び医師の薦めで検査をしますが、ガンの転移である可能性はあるのでしょうか?宜しくお願いします。
乳癌の骨転移が、左耳の後ろの骨に最初に起こることはまずありません。しかし、癌はどんなところにも転移しますので、絶対に転移でないとは言えません。主治医に検査結果をお聞き下さい。(文責 福田)
【No.140】00年04月27日 K.O.さん
非浸潤癌について詳しく教えて下さい41歳の会社員です。一昨年、乳がんで乳房の1/2を切除し、残りの乳房に放射線を25回あてて治療を終えました。薬は何も飲んでいません。術後の病理検査の説明で非浸潤癌だったといわれました。その際に主治医の先生が、癌の広がり具合を点で示した図と、線で示した図を見せて「あなたのようにこちら側(切除した乳腺)にこれだけ癌がたくさん広がっていた人は、反対側(残した乳腺)のほうにも別のつながりがある可能性がある」といわれました。(ほんとうにかなり広範囲に広がっていました。)また、「10年くらいはもつだろう」と言われました。その時に、「では、初めから非浸潤癌とわかっていれば、全摘のほうがよかったのでは?」と疑問をなげかけたところ、その後いっさいその話はしなくなりました。切除した断端に癌はなかったので、その後放射線の治療にはいり、今は仕事にも戻りとても元気にしてます。ですが、「反対側のほうにも別のつながりが〜」の言葉が気になって仕方ありません。非浸潤癌は乳管を伝わって広がっていく癌と本には書いてあったのですが、一つの乳房の中で一連のつながりのほかに、別の癌のつながりなどといったものがあるのでしょうか?詳しく教えて下さい。宜しくお願いいたします。
非浸潤性乳管癌の標準的治療法は、乳房温存手術と放射線治療と抗エストロゲン剤の併用療法です。したがって、大野さんは、適切」な治療法をお受けになっていらっしゃることになります。乳腺は15-20個の腺葉でできているといわれています。つまり、乳腺は15-20個に分割されていることになります。乳癌は、その1個の腺葉の一部からできるわけですから、非浸潤癌の場合、最大で乳房の15-20分の1しか侵されないはずです。しかし、実際は大野さんのように乳腺の半分が侵されることがあります。その理由は、乳腺の腺葉同士は、みかんの袋のように完全に仕切りされているのではなく、腺葉と腺葉の間には乳管の交通があり、そのため別の腺葉に癌が進展して行くのだと考えられています。したがって、温存された乳腺に癌が進展したり、あるいは新しく癌ができたりする可能性はあります。しかし、その可能性があっても、断端に癌を残さないで取ることができるならば、乳房温存手術でよいことになっています。今後、温存乳房の定期的な検査もお受けください。(文責 福田)
【No.139】00年04月27日 ララ
手術後の化学療法について38歳既婚、子供一人(3歳)います。2月に乳房温存手術を受け、現在放射線治療中(50グレイ)です。まもなく終了予定で、主治医からはその後CAF6クールを勧められています。
(病理の結果:2.0x1.5x1.5cm、 乳管内進展20mm断端陽性、充実腺管癌>硬癌、リンパ節転移陽性1/18、核異型度グレード3、分裂像11以上、ER(−)、 PGR(−)、HER2陰性、P53強陽性)
CAF6クール、AC4クール、CEFのそれぞれの違いと、予想される効果、副作用を教えてください。 また、私の場合はどの方法がよいのでしょうか。術後の補助療法〜抗ガン剤による化学療法と内分泌療法の組み合わせ〜は、化学療法はCMF療法が標準的な方法として現在でも行われています。欧米では、あなたのように閉経前でリンパ転移が陽性の場合は、抗ガン剤の適応になります。また、がん細胞の核異型度が高く、ホルモン感受性がない、かつP53強陽性ということは後々遠隔転移をおこす率がそうでない人に比べ高 いためCMF療法より強いCAF療法を主治医の先生は、薦めているのだと思います。
CAF、AC、CEFそれぞれに、明らかな違いはありません。また、予想される副作用も多少の差がありますが大差ありません。それぞれの薬剤に共通している副作用は、吐き気やだるさ、下痢 、便秘などです。骨髄抑制もそれぞれ差はありますがあります。エンドキサンに特徴的な副作に、出血性膀胱炎があります。これは、真っ赤な血尿として患者さんご自身でも確認できますので、すぐに服薬を中止して下さい。エピルビシンは、アドリアマイシンというお薬の誘導体で、副作用である心臓の筋肉への毒性を軽減させたものです。効果は、基本的にアドリアマイシンを用いたCAF療法と変わらず、心臓への副作用の点で優れています。したがって、主治医の先生のご意見に賛成です。(文責 緒方)
【No.138】00年04月27日 F.M.さん
化学療法「CMitF療法」について「CEF療法」で効果が得られなかった場合は、「CMitF療法」というものもあると説明を受けました。これは前者よりさらに副作用のキツイものだと思われますが、どのような治療なのでしょう?奏功率は、どれくらいのものですか?
抗ガン剤を数種類組み合わせてより多くの効果を期待する方法を多剤併用療法といいます。乳がんでもいくつかの組み合わせが、以前より試みられてきました。その結果、現在では、CMF療法、CAF療法、CEF療法などの組合わせが乳がんでは一般的です。それぞれの薬の頭文字をとって名前が付けられています。
エンドキサン・エピルビシン・5-FUの組み合わせがCEF療法です。アドリアマイシン(CAF療法のA)の心臓への副作用を軽減させた薬剤がエピルビシンです。CMitFは、ミトザントロンというやはりアドリアマイシンの誘導体をかわりに使用した組み合わせです。副作用は、CAFと変わりなく同等です。ただ、アドリアマイシンが効かなくなった症例でも効果が期待できることがあります。(文責 緒方)
【No.137】00年04月25日 M.I.さん
腋の下が痛み、微熱が続いています病院に行こうと思ってはいますが、気になるのでメールさせて頂きました。 一昨日位から突然、腋の下が痛み、寝返りも大変です。最初は腋の下の小さい範囲の痛みで押したり、体重がかかったり、腕の重みなどで痛かった程度だったのですが、今はその回りも軽い痛みと少し痺れている感があり、左胸や背中、左腕の付け根の下側などの広範囲でそれを感じます。筋肉痛のような痛みです。押したり、体勢を変えた時の痛
みは青あざを押したような痛みです。微熱も続き、頭痛もあります。しこりは見つかっていません。腫れてるような感じはないようなのですが・・・。全部左半身に症状が現れています。元々、首のヘルニア持ちで、20年位首の骨が老化していると言われました。1年に1回あるか無いか位ですが、飛び出した軟骨が神経を触り、左腕がしびれたり、左肩にすごい痛みが走ったりしたことがあります。(その時は、首の牽引で治りました。)それと関係あるのか、それとも別の病気なのか気になります。上記で何かわかることがございましたら、お教え下さい。お願いします。この相談室は、乳癌を中心とした乳腺の病気に関して、ご相談を受けています。ご相談の内容から、乳腺に関係した病気をすぐに考える必要はないと思います。まず、整形外科の先生にご相談されるのが良いと思います。(文責 福田)
【No.136】00年04月25日 Chiharu
パジェット病について今年の1月25日に相談投稿したT.Iです。「乳首がかゆく、ただれている」との相談で、ご返答いただきありがとうございました。その後、総合病院の皮膚科で診察を受け、ステロイド系の塗り薬と亜鉛化軟膏をもらいました。薬を塗ると一時的に痒みは治まり、ただれも治ったように見えるのですが、塗布を止めるとまた痒くなり、乳首がじくじくして黄色い汁が出てきます。乳首に1ミリに満たない小さな液胞が皮膚下にプツプツと出来て、それが破れて汁が出るという感じで、出た汁は半透明で黄色く固まりになって当てているガーゼにこびりついています。初診から4ヶ月経ちますが、同じ繰り返しです。その間に2度同じ病院で再診を受けましたが、視診のみで同じ薬を渡されるだけです。細胞を取ったりする検査はもちろん、触診なども一切していません。以前にこちらの相談室でパジェット病という病気があると教えて頂きましたが、それはお医者様が目で見ただけで判断出来るものなのでしょうか?こちらから「パジェット病では?」と聞く必要はないでしょうか?また、ステロイド系の薬は長期使用は良くないとも聞いた事があるのですが、このまま塗り続けて良いのでしょうか?何度も相談して申し訳ありません。
ステロイド系の塗り薬と亜鉛化軟膏で一時的に痒みは治まり、ただれも治ったように見えるとのことですので、やはり湿疹が最も考えられます。パジェット病では、軟膏でこのような変化が起こらないのが普通です。ご自身がパジェット病について心配ならば、主治医にざっくばらんに聞いて見られるのがよいと思います。パジェット病と考える必要が全くないものであれば、その旨主治医は説明してくれるはずです。パジェット病は、細胞診でないと確定的な診断はできませんので、必要ならばやってくれると思います。T.I.さんを全く見ていない医師にメールでご相談されるより、主治医に勇気を持って一言ご相談される方が、よほど良いと考えます。(文責 福田)
【No.135】00年04月19日 K.M.さん
化学療法「CEF」の効果、副作用について「CEF」という抗ガン剤治療について、詳しく教えてください。それぞれ、どんな効果・副作用があるのか、投与して、どの程度効果があるものなのか?!
抗ガン剤を数種類組み合わせてより多くの効果を期待する方法を多剤併用療法といいます。乳がんでもいくつかの組み合わせが、以前より試みられてきました。その結果、現在では、CMF療法、CAF療法、CEF療法などの組合わせが乳がんでは一般的です。それぞれの薬の頭文字をとって名前が付けられています。エンドキサン・エピルビシン・5-FUの組み合わせがご質問のCEF療法です。それぞれの薬剤に共通している副作用は、吐き気やだるさ、下痢、便秘などです。骨髄抑制もそれぞれ差はありますがあります。エンドキサンに特徴的な副作用に、出血性膀胱炎があります。これは、真っ赤な血尿として患者さんご自身でも確認できますので、すぐに服薬を中止して下さい。エピルビシンは、アドリアマイシンというお薬の誘導体で、副作用である心臓の筋肉への毒性を軽減させたものです。アドリアマイシン単独でも乳がんへの効果があります。効果は、基本的にアドリアマイシンを用いたCAF療法と変わらず、心臓への副作用の点で優れています。再発乳がんの患者さんの場合、CMF療法とCAF療法を比較した研究では、奏功率(効果があった患者さんの率)生存期間ともにCAF療法の方が良かったが、吐き気、脱毛、骨髄抑制などの副作用も強く出るという結果がでています。それぞれ使う薬の量によって効果が違いますが、一般的な量での奏功率は、約40%です。(文責 緒方)
【No.134】00年04月19日 U.T.さん
手術まで3週間もあいて大丈夫でしょうか?始めまして。妻の乳がんの事について相談です。よろしくお願いします。
妻は42歳で、4月初めに左胸のしこりが気になり実家の茅ヶ崎の病院で検査をうけたところ乳がんとわかりました。先週までに手術前の検査を一通り(モンマグラフィ、全身CTスキャン、 針生検、骨シンチ、血液検査、等)受け終わり、4/15にその検査結果の説明を受けました。左乳房に1〜2cmの癌が3個できており、左脇下のリンパ節も転移の可能性が(CTによる判断)高いという事で、STAGE U と説明され、すぐに手術をうけ、左胸の非定型的乳房切除術を受けるようにいわれました。ただ、妻との相談で、現在住んでる横浜に近い病院のほうが、子供が5歳と2歳の為、今後の化学療法などの通院にもいいだろうという事で、横浜の病院の紹介状を書いてもらい今日4/17にその病院に行ってきました。その病院でも同じように手術をするという事でいわれたのですが、その予定が3週間から4週間先の5/10から5/15とのことで、少しあきすぎてるようで非常に不安を感じてます。一応それまでは、軽い放射線治療を行うという事ですが、それまで待つのがいいのか、元の病院ですぐにでも手術をしたほうがいいのか、ご意見をお聞かせください。手術まで、3週間から4週間あるため、その間に病気が進み、予後が悪くなるのでないかとご心配されるお気持ちはよくわかります。しかし現在は、3-4週間手術が遅れても、予後を悪くすることはほとんどないと、多くの専門家は考えています。ただ、乳癌は転移、再発などにより、生命を失う危険がある病気です。もし将来再発が起こったとき、この3-4週間の手術の遅れを悔やむかもしれないとお考えならば、なるべく早く手術ができる方法を選択すべきです。
手術までの間、軽い放射線治療を行うとのことですが、どのような放射線治療が予定されているかがわかりませんので、このことについてはコメントができません。(文責 福田)
【No.133】00年04月19日 Funky Meg
化学療法「CEF」について私にこのしあわせな人生を与えてくれた、この世でイチバン大切な母が「余命6ヶ月」と告げられました・・。母は57歳で、平成元年10月に乳ガンの手術を受けました。それから10年以上にもなり、現在ほとんど自覚症状もなく、いつもと変わらず元気で暮らしているのに、両肺・肝臓・左大腿骨の1箇所に転移があります。現時点で、骨転移についてはほとんど心配ないとのこと。肝臓にもいくつか転移がみられますが、現在肝機能は通常通り機能しています。 一番の問題は両肺に多発している転移です。もちろん手術は不可で、現在化学療法に備えて、2週間ほど「黄体ホルモン(MPA)」を服用しています。母の場合、ホルモンの影響が考えられるので、「黄体ホルモン(MPA)」を服用することによっても効果があり、なおかつ骨髄も保護して、抗ガン剤の副作用を抑えてくれるとのことですが、実際「CEF(エンドキサン・エピルビシン・5-Fu)」というのは、個人差はあると思いますが、どの程度効果が期待できる治療で、どんな副作用を伴うものなのでしょうか?「脱毛」するという説明は受けていますが・・。 4週間1クールで、2〜3クール行う予定です。来週早々にも入院して即、治療に入る予定ですので、お忙しいとは思いますが、なるべく早くお返事いただけると幸いです。よろしくお願いします。
抗ガン剤を数種類組み合わせてより多くの効果を期待する方法を多剤併用療法といいます。乳がんでもいくつかの組み合わせが、以前より試みられてきました。その結果、現在では、CMF療法、CAF療法、CEF療法などの組合わせが乳がんでは一般的です。それぞれの薬の頭文字をとって名前が付けられています。エンドキサン・エピルビシン・5-FUの組み合わせがご質問のCEF療法です。エピルビシンは、アドリアマイシンというお薬の誘導体で、副作用である心臓の筋肉への毒性を軽減させたものです。基本的に アドリアマイシンを用いたCAF療法と効果は変わらず、心臓への副作用の点で優れているものです。再発乳がんの患者さんの場合、CMF療法とCAF療法を比較した研究では、奏功率(効果があった患者さんの率)生存期間ともにCAF療法の方が良かったが、吐き気、脱毛、骨髄抑制などの副作用も強く出るという結果がでています。使う薬の量によって効果が違いますが、一般的な量での奏功率は、約40%です。(文責 緒方)
【No.132】00年04月18日 S.F.さん
乳房温存術について拝啓、初めてMail致します。インターネットのホームページを拝見致しまして、誠に勝手ですが、もし宜しければ先生に是非ご相談申し上げたくMailさせて頂きました。
実は、私の母(66歳)がある市立病院の先生から乳癌であると診断を受けました。進行段階はステップU〜V(但し、他臓器への転移の有無は今後検査する)だそうです。右脇下のしこりもあります。検査項目は以下の通りでした。
4月5日 X線検査、細胞診
4月12日 上記結果報告(X線により右乳房右下部に2cm以下の陰影、右脇下リンパ腺にも異常。細胞診により癌細胞を検出。)
[今後の予定]
(済)4月12日 尿検査、血液検査、心電図、呼吸機能検査、胸部・腹部X線撮影
(済)4月14日 骨シンチ、腹部エコー
4月18日 MRI(乳房造影)
4月19日 全身麻酔の為の適応性の検査、診断結果
手術はゴールデンウィーク前に行う予定、術式としては(他臓器への転移が確認されなかった場合は)乳房温存術(乳頭を含まず1/4切除)を選択するとの事でした。また、右脇下リンパ線も摘出するそうです。
ある方(乳癌経験者)にお伺いした所、「進行段階がU〜Vで乳房温存術を選択するのはおかしい。乳房切除術を選択するのが普通ではないかな。担当医に頼んで乳房切除術に変更してもらったほうが良いのでは。」という話でした。その方は9年位前に手術をしたそうです。9年前と現在とでは状況も全然違いますし、一概に「ステップU〜Vの状態で乳房温存術を選択するのはおかしい」とは言えないと思います。更に母の気持ちを考えると可能ならば乳房温存術を選択できればとも思います。しかし命には変えられません。そこで質問なのですが、この方のおっしゃる通り「進行段階がステップU〜Vの場合は、乳房温存術を選択せずに乳房切除術を選択すべき」ものなのでしょうか?乳房温存術に関する書物等を見ました所、日本では乳房温存療法を比較的積極的に考えていらっしゃる先生と、比較的消極的に考えていらっしゃる先生がおられるとの事、またこの術式の適応基準も明確化はされていないとありました。また、1999年に日本乳癌学会学術委員会から出された「乳房温存療法ガイドライン」の「3.A.適応」を見ますと、「大きさが3cm以下で広範な乳管内進展を示す所見」がない場合には、この術式の適応範囲内との事でした。上記ガイドラインに従えば、私の母の場合、もし検査の結果、他臓器への転移が認められなかった場合には、「乳房温存術」の適応範囲ではないかとも私には思えるのですが、所詮素人の未熟な知識に基づく判断の域を出ません。是非先生のお考えを教えて頂ければ幸いです。 以上、宜しくお願い申し上げます。1999年に日本乳癌学会学術委員会から出された「乳房温存療法ガイドライン」の「3.A.適応」でお読みになりましたとおり、「大きさが3cm以下で、広範な乳管内進展を示す所見がないもの、多発病巣がないもの」が、乳房温存療法の適応基準になっています。この適応基準では、リンパ節転移について特に触れていません。つまり、この適応基準では、リンパ節転移の有無に関係なく、乳房温存療法を行ってよいということです。したがいまして、しこりが2cm以下であれば、たとえリンパ節転移があっても、乳房温存療法を受けるのが妥当と言えます。ただ、医者によって乳房温存療法に対する考え方が違います。患者さんの考え方も違います。乳房温存療法には、長所だけでなく短所もあります。最終的には、主治医と十分にご相談され、納得した治療をお受け頂くのがよいと考えます。(文責 福田)
【No.131】00年04月18日 M.A.さん
左胸のしこり?についてはじめまして、私は34歳の1児の母です。(流産を2度経験しています。)2歳11ヶ月の子供は9ヶ月間、母乳のみで育てました。その間4,5回程乳腺炎になりました。授乳時は左胸がよく出た為、大きさは右胸より若干大きくやわらかいです。また、断乳の際もよく張って出るおっぱいの為、薬を飲み止めました。先日お風呂に入っている時、何の気なしに触った左胸外側の半分よりちょっと下乳房の膨らみはじめに1cm弱程のしこり?を感じました。形は長方形のような、楕円形のような形で表面は平らのようです。自己診断法に書かれているように仰向けになって調べてみると、そのようなしこりには触れません、というよりいまいちわかりません。また、1週間たった今も、起きた状態で触ってみると前より若干小さいような気がします。もともと生理不順でしたが、断乳後もかなり不順で前回は1月の末にありました。豊乳なのですが、、こういう場合触診ではわかりずらいものなのでしょうか?また、ガンなのかとても不安です。出来れば考えられる症状を教えていただければ幸いです。
乳房のしこりには、線維腺腫、嚢胞、乳腺症、乳癌など多くの原因があります。自己検診は、乳房のしこりなどの異常を見つけるものであり、診断をするものではありません。自分で触診して、しこりが消えていない場合は、かかりつけのお医者さんや近くの外科医とご相談下さい。決して自分で診断しないで下さい。大きさが小さくなったとのことですので、乳腺症あるいは正常な乳腺の一部の硬い部分である可能性が最も考えられます。癌を恐れるあまり、医者に行きそびれるようなことがないようにして下さい。(文責 福田)
【No.130】00年04月18日 S.H.さん
しこり、しびれ、麻痺こんにちは、左の胸に2センチぐらいのしこりがあります。しこりの部分は痛くないのですが、左の鎖骨から脇の下を通り腰のあたりまで、麻痺したような感じとしびれや痛みがあります。触ると少し腫れています。癌でしょうか?転移とか考えられますか?教えて下さい。よろしくお願い致します。
胸にしこりがあっても、癌でないことがしばしばあります。そのため、おたずねの左の胸の2センチぐらいのしこりは、検査をしないと、癌であるか、癌でないかはわかりません。左の鎖骨から脇の下を通り腰のあたりまで、麻痺したような感じとしびれや痛みの原因はわかりませんが、胸のしこりとは関係が薄いと考えます。胸のしこりの検査や、痛み、しびれの検査が必要ですので、かかりつけの先生、あるいはお近くの外科の先生とご相談下さい。(文責 福田)
【No.129】00年04月18日 okada
タキソールについて友人が、乳癌の温存手術をうけました。60歳です。退院時では放射線治療を5月末より受けるという説明だったけれど、先回受診したところ「タキソール」という点滴治療になったそうです。1泊して3週受けて1週休みを5〜6クール受けるそうです。髪がぬけるなど副作用があるそうです。放射線治療してもらいたいそうです。 タキノールとはどういう治療ですか? 治療ですか?予防ですか? 癌の病理検査が悪かったということですか?放射線治療に変えてもらうことはできますか? よろしくお願いします。
温存療法のあとの放射線療法は、残った乳腺に対して再発を予防するために行うものです。また、タキソールなどの抗がん剤は化学療法といって、全身に抗がん剤を投与して再発を予防したり、すでに再発した患者さんに用いられたりします。そして、化学療法をする、しないは、脇の下リンパ節に癌が転移しているか否かで決まります。ですから、放射線治療と化学療法では、目的が違います。
ご友人のお話から察するところ、残った乳腺に放射線治療をかけるお話を先生から聞いた後に、病理検査の結果でリンパ節に転移が少なからず見つかったため、全身の抗がん剤の治療を先行させることになったのではないでしょうか(これは、あくまで推測です)?
タキソールとは、比較的新しい治療薬です。西洋イチイの樹皮からとれた成分で、適応症には乳がんや肺がん、子宮がんがあります。骨髄抑制といって、白血球や、血小板が減ったり、髪の毛が抜ける副作用がありますが、副作用を軽くする方法が、ご質問に書かれている方法です。(文責 緒方)
【No.128】00年04月18日 K.M.さん
しこり&痛み左の胸の上部が脹れてこりこりした触感があり、生理前の張る感じに似ています。痛いというより熱っぽい感じがします(実際に熱があるわけではありません)。左だけ、脇の下のちょうど胸との境界部分がぽこっと出ていて、これもこりこりした触感です。乳癌の可能性はあるのでしょうか。
多くの女性が、生理前に乳腺がはったり、痛くなる経験をしています。この時期に触ると、乳腺組織が普段より凸凹していたり、硬く感じたりします。このような感触は排卵日にあったり、生理と関係なくあったりする場合もあります。もし、今感じているこりこりとした感触が、生理前とよくにたものでしたら、1−2回生理を経験して、症状が変わらないかどうかをみてみるのが良いと思います。一般に乳癌には熱っぽい感じはありません。もし、左脇の下と胸との境界部分のぽこっと出ているものが、しこりのようなものでしたら、かかりつけの先生か、近くの外科の先生にご相談して、必要な検査をお受け下さい。乳癌の可能性は少ないと思いますが、検査でしか正確な診断はできません。(文責 福田)
【No.127】00年04月18日 K.K.さん
乳房からの分泌物26歳、既婚者、1児の母です。乳首をつまむと血液のような出血が見られます。心配なので1度受診しようと思うのですが、何科を受診すればいいのでしょうか。
乳首をつまむと血液のような出血が見られる場合、乳腺についての検査を受けるのが良いと思います。その場合、外科におかかりください。マンモグラフィや乳腺エコー検査をやってくれる病院や医院の外科が良いと思います。(文責 福田)
【No.126】00年04月18日 K.F.さん
頚部腫瘤について3週間ほど前に、頚部リンパ節に硬いしこりを1つ発見し、このしこりが急激に増えて(現在は指で触ってわかるものが8カ所)中には大きくなっているものがあります。一番大きいもので枝豆を二つ合わせたくらいのもの。小さいのは小豆くらいの大きさです)
上記のことを主訴に病院に行ったところ、ヨード造影剤投与のCT検査をし、数個の腫瘍(いくつかは根が深い)があると言われました。さらに次週ガリウムシンチ検査をすることになっています。それでもわからなければリンパ節切除あるいは一部切除で生検もありうるとお医者様からは言われました。CT所見には、「悪性リンパ腫の可能性を否定できない」とありました。この文の意味は、悪性の可能性は低いけれども悪性リンパ腫を否定はできないという意味でしょうか? それとも「悪性リンパ腫の疑いがある」という意味でしょうか? この点について教えて下さい。
また検査が長く続いていて少し不安を感じます。シンチ検査の結果が出るのは再来週で、その間にも腫瘍がどんどん広がっていく気がします。こんなにゆっくり検査をしていていいのでしょうか? この点も教えて下さい。CT所見の「悪性リンパ腫の可能性を否定できない」は、”悪性の可能性は低いけれども悪性リンパ腫を否定はできない”、”悪性リンパ腫の疑いがある”のどちらの場合もあります。悪性リンパ腫の診断には、組織診断が必要です。もし、悪性リンパ腫の可能性があるようならば、生検などが予定されると思います。検査のスケジュールは、決して遅くないと思いますが、心配ならば主治医に聞いてください。(文責 福田)
【No.125】00年04月09日 M.M.さん
検査結果とホルモン値についての相談乳腺外来にて乳癌検診の結果、右胸の外側に約2ミリの楕円形の白い影が発見されました。2年前に脳腫瘍の手術を受け、術後が順調でほっとしていたところだけに動揺しています。昨年の検診では 「乳腺の発達が良く乳腺症」との所見でした。今回エコーで左胸に「乳管の拡大」のようなものが見られたため、初めてマンモグラフィーを撮ったところ左には異常はなかったのですが 、右胸に前述の影が発見されました。「悪いものではなさそうだが 2、3ケ月後に再検査」とのことです。
3年間の無月経の後、下垂体腺腫が発見され、手術後月経が正常化しました。女性ホルモンの価も格段に良くなり、脳外科や婦人科の先生には 「大変よいこと」と言われています。しかしブラジャーのサイズが変るほどのホルモンの変化が乳腺の病気を引き起こしたらと思うと不安でたまりません。
1.検査結果からみて最も疑われる病態は何でしょうか?
2.今後予想されることで 最悪のことはどのようなことでしょうか?
3.ホルモンの価で 特に注意する点は ありますか?
以上の点についてどうしても専門の先生に伺いたくて相談させていただきました。どうかよろしくお願いします。
===病歴など====
1998年3月 非機能性下垂体腺腫(約3cm)の摘出手術
手術前:
PRL40~130(腫瘍による圧迫の為)、乳汁分泌あり、視野障害なし、無月経
手術後:
PRL7〜12、乳汁分泌なし、高温期に乳房がちくちく痛む、排卵期の卵胞ホルモン 100~400、月経周期 32〜42日、薬 (加味逍遥散、芍薬甘草湯のエキス剤)、年1回のMRI検査、月1回 婦人科受診
約2ミリの影は、正常乳腺組織、良性腫瘍、がんなどの悪性腫瘍など、あらゆる可能性があります。最も疑われる病変はわからないとしか言いようがありません。今後予想される最悪のことは、この影ががんであった場合です。ただ、数ミリの大きさのがんはたいへんに良く治ります。ホルモンに関して心配することは特にありません。(文責 福田)
【No.124】00年04月09日 j-ume
葉状腫瘍について私は現在妊娠9ヶ月(35週)、34才の主婦です。妊娠17週の時に左胸に3cm程のしこりを感じ産婦人科で超音波の検査を受け、その後大学病院へ紹介状を持ち検査を受けました。授乳期と言うことで超音波と針生検のみを受け針生検は一週間に一度細胞を取り3回に分けて検査を受け、いずれもclassUと言うことで「乳腺腫」と診断されました。その後切迫早産で他の大学病院へ入院し、一緒に乳腺の方も診て頂くことになり、1月の終わりにマンモグラフィー、超音波、5箇所から針生検(とても大きな器具を使い手術並)、もっと詳しい超音波と検査を受けています。腫瘍の大きさが3cmから7cm程に大きくなっていたことにショックを受けました。しかし検査結果は前回の検査と同じclassUでした。しかし先生はこの腫瘍が沢山の血液を含んでいると言うことで癌も否定出来ないと言っています。「腫瘍だと思う」と。私にわかるように説明を求めてもなかなか返事がいただけないので出産を控え、大変不安な日々を送っています。葉状腫瘍とは一体どのようなものなのでしょうか?出産後、即、断乳をし、切除の手術をする事を進められています。それは外来で出来る手術なのでしょうか?妊娠中ということもあり大きくなってしまった可能性もあるということも言われます。皮膚の表面にもわかる(色)程です。先生はこれは大きさがあって圧迫されてるから・・と言いましたが、すべてにおいて不安です。細胞診でclassUと出ても安心は出来ないと言うこともあるのでしょうか?回答をよろしくお願いします。
葉状腫瘍は非常に大きくなる性質があり、ある時期に急に大きくなることがあります。触るとデコボコした感じがあり、よく動きます。葉状腫瘍には、良性、境界型、悪性の3種類があります。悪性は葉状腫瘍の10%以下と、まれです。良悪性の診断は、顕微鏡による組織検査(病理検査)でします。葉状腫瘍は良性でも、20cm以上になることや、皮膚を破って潰瘍を作ることがあります。潰瘍を作ると、出血や滲出液や臭いが問題となります。悪性の葉状腫瘍は、肺や肝臓に転移して、生命を奪います。このように大きくなる、少ないながら悪性のことがある、などの理由により、7cmの大きさの葉状腫瘤の場合は、手術の適応になると考えます。ただし、葉状腫瘍の診断は、あくまで切除した腫瘍の顕微鏡検査でされます。(文責 福田)
【No.123】00年04月09日 K.N.さん
副作用術後からゾラテックスを継続中なのですが、副作用と思われる更年期障害の症状が何点か発生しています。ホットフラッシュといわれる顔・身体のほてり、気分が悪くなる程暑くなります。そうかと思うと、風邪かと思うほど悪寒がします。肩凝り、頭痛etc・・・後、良く解らないのですが、同じ体勢でいると筋肉が硬直するのかなかなか次の体勢に移行出来ません。動いている時は何とも無いのですが、ずっと座っていたりしたら、立ち上がるのが大変です。これもホルモン治療の副作用の一種なのでしょうか?こういった症状は永久的に治らないんでしょうか?軽減されるような何かはないのでしょうか?私は、まだ32歳でスキーもゴルフも人並み以上にこなしています。筋力に問題がある様には思えません。それと、ゾラテックスを注射すると、卵巣が引きつったように痛みます。以前、{薬による反応で卵巣脳腫}と診断を受けました。ゾラテックスで卵巣機能を停止させているのなら、摘出した方が良い様に素人判断では思うのですが、今よりもっと身体的に支障が出るのでしょうか?妊娠に関しては、医師から言われ、あきらめました。お手数ですが、教えて下さい。
ゾラデックスによる副作用は、各人により違いますので断定できませんが、ご自身の症状の多くは、ゾラデックスによる卵巣機能抑制によるものと考えます。ゾラデックスを終了すると大部分の方で生理が戻りますので、ゾラデックスによる症状は無くなります。
多くの理由からゾラデックスのかわりに卵巣摘除を勧める施設や国があります。ただし卵巣摘除後も同じ様な症状が起こる可能性が高いと考えるべきです。ゾラデックスと卵巣摘除が持つそれぞれの長所と欠点を、主治医とよく話し合って、ご自身の治療法を納得して下さい。(文責 福田)
【No.122】00年04月09日 Y.Y.さん
血液を含む腫瘍について4月1日に出産を終え入院中に一度胸の診察を致しました。先生から「2泊3日で手術」と言われ局所麻酔で日帰りの手術が出来ると思っていたので納得がいかずにいます。「たぶん”のう胞”だと思うよ」と言われました。「のう胞」とは一体どのような病変なのでしょうか?なぜ、全身麻酔の手術になるのでしょうか?教えていただけたらと思います。よろしくお願いします。
のう胞は、ミルクが通る管である乳管が袋のようにふくれたものです。中には、液体がたまっています。乳管は無数にあり、乳管から分泌液がでますので、のう胞は非常に多くみられます。小さいものまで入れると、たいていの女性にあると言ってもよいくらいです。したがって、のう胞だけでは、病気と考える必要がありません。一般に、のう胞で全身麻酔下に手術をすることはありません。主治医の先生からご自身の状態のご説明を十分にお受け下さい。(文責 福田)
【No.121】00年04月09日 Y.I.さん
乳ガン手術後の治療についてはじめまして。38才、独身。3月16日に左乳房温存手術を受け、25日に退院しました。ガンは2センチ以下、リンパ節転移なし(カルテには0/4と表記されていました)、レセプターは両方共プラス。31日にノルバデックス(5年間)を処方され、今後は骨シンチ検査、CT検査の後、25回の放射線照射を受けるとのことです。一般的な治療のようですし、指示通り受けるつもりですが少し教えて頂きたいことがあります。
病院でもらった、補助療法の説明書に、「腫瘍径2cm以上、or35才以下は高危険群で、リンパ節転移が無くても抗ガン剤(CMF、CEF)治療をする」という付記がありました。私の場合確かに両方とも該当しませんが、腫瘍径で1、2mmの差や3才の年齢差にどのくらいの意味があるのか気になります。抗ガン剤に対するその線引きについてはどう思われますか?また、ノルバデックスを飲んで4日目の朝、めまいや、吐き気、貧血のような症状がでて半日動けませんでした。医者の指示で、2日休み、また飲み始めました。効果的な薬だと聞いたので、もし、副作用の症状だとしても一時的な事であれば続けたいのですが、途中で休んだり量を減らすと効果は期待できないでしょうか。もし、どうしてもだめな場合は他にどんな薬が考えられますか。長くなってすみません。以上宜しくお願いします。「腫瘍径で1、2mmの差や3才の年齢差にどのくらいの意味があるのか」の疑問は、当然だと思います。治療の指針はあくまで原則であり、患者さんそれぞれの状態にあわせて、患者さんと主治医が相談して、治療法を選択すべきです。是非、主治医とご相談下さい。
ノルバデックスは副作用が少なく、効果が最も期待できるを量を服用していただいています。したがって、できるだけ毎日きちんと決まった量を服用いただくのが良いと考えます。ある期間中止しても効果があるかどうかについてのデータがありませんので、ノルバデックスを毎日飲んで頂くのがよいと思います。ノルバデックスはエストロゲンの作用を押さえることによって効果を得ています。ノルバデックスとは別のホルモン療法として、卵巣からエストロゲンが出ないようにする方法があります。具体的には、LH-RHアゴニスト(ゾラデックス、リュープリン)を毎月1回注射して卵巣機能を抑え、卵巣からエストロゲンが出ないようにする方法です。この注射をしますと生理が止まり、更年期状態になります。(文責 福田)
【No.120】00年04月09日 R.K.さん
しこりはないが、痛みがある場合私は30才の既婚者です。5年前に結婚して、まだ子供はいません。3年前に乳癌の自己検診したところ、右の乳房の乳首のひとつの乳管から分泌物が出たので調べてもらったところ、 検査名はそのときは分かりませんが「数値がふつう400のところ、あなたは1000だから、ちょっとおかしいね。」と言われました。他の相談者のお話を見ると、この数値は腫瘍マーカーのようですね。再度 分泌物の検査と、マンモグラフィをとりましたが、しこりは見つからず先生は 「なんだろうなぁ。」というばかりでした。二度の分泌物の検査で分泌物が出なくなり、乳管造影がすぐにできないとのことで、出るようになったらまた来なさいと言われました。けれど 一ヶ月くらい出なくて、検査を受けられずにいましたが、あまりに心配だったので診察に行き、乳管造影をしたのですが、やはりうまくいかず造影液が途中で止まった状態になり、はっきりわからなかったようです。でも、先だってした検査を照らし合わせて、先生は 「たぶん膿胞でしょう。」と診断されました。最初の検査の頃からあった乳首のかゆみも、皮膚科に行ってくださいとのことでした。しかし かゆみは心配のためいじりすぎてかゆいのだろうと、皮膚科には行きませんでした。でも気にはなっていたので、その後(一年後)、もう一度診察を受けたのですが(触診のみ)、大丈夫と言われました。結婚してから生理が来なくなっていたので、去年の夏頃から生理が順調に来るようにと、婦人科で注射とピルを飲む治療をしていました。その頃あたりからなのですが、主人と腕を組んだりすると右の乳房に痛みが走り、たまに鈍痛がありました。注射とピルのせいかと思い、12月いっぱいでその治療をやめたのですが、今年に入ってから寝ながら本を持って読んでいたりするような動作でも乳房が痛くなるようになりました。3月に入ると、手を前に出して物を持ったり、洗濯物をたたんだりしていると右の乳房全体がじーんと痛むようになりました。それに脇の下の痛み、背中、肩の凝り、腕がしびれたような症状が出ました。今日は今までになく痛みがあり、微熱もあります。痛みが右半身に集中していて、左半身は痛くありません。今日特に痛いのは、鎖骨の下から脇の下にかけてのルートです。分泌物は3年前の検査以来出ません。そのルートにあるころっとした豆粒くらい(リンパ腺?)のものを(3〜4こ)さわると、じりじりと痛いです。痛みのあるものは乳癌には少ないといいますが、「炎症性乳癌」はしこりもなく、乳腺炎のように痛みがある場合が多いと 本に書いてありました。前の診察で、あまりのショックで詳しい検査名や病状などちゃんと聞くことができず、大丈夫でしょうを信じ今に至っていますが、炎症性乳癌の可能性が強いように思い、心配でメールを出させて頂きました。詳しい病状説明ができずに申し訳ありませんが先生のご意見をお聞かせ下さい。よろしくお願いします。
1.右の乳房だけの乳首のかゆみがあるのはどうなのか。
2.授乳期の人がよくかかる乳腺炎は、授乳期ではない人もかかるのか。
3.炎症性乳癌について。
4.私の場合の症例について。乳頭分泌を認める場合、分泌液中のCEAを測定(マンモテック)することがあります。3年前の検査は、この検査だと思います。この検査は多くの理由で、高くなることがありますので、他の検査で問題なければ、経過観察が妥当です。乳首のかゆみは、湿疹などでも起こることが多くありますので、ご心配ならば皮膚科の先生にもご相談下さい。乳腺炎は、授乳期以外にもかかります。ただ、乳房痛には多くの原因があり、乳房痛があるから乳腺炎であると考えないで下さい。炎症性乳癌は、皮膚が赤くなったり、厚くなったりするため、いかにも乳房に炎症が起こったように見えることからつけられた名称です。乳がん中では多くありません。ご自身の状態を拝見しませんとわかりませんが、痛みが右半身の広い範囲でありますので、炎症性乳癌とは考えにくい症状です。どうぞ、かかりつけの医師にご相談下さい。(文責 福田)
【No.119】00年03月31日 mikiさん
脇の下あたりの痛みについて私の母のことなのですが・・・母は、ちなみに56歳です。最近かなり疲れもピークに達していたという事もあるのですが、左胸の横あたり(わきの下あたり)が痛むらしく、心配しております。熱も持っているようです。乳がん?かも・・と思い、母にしこりを聞いてみたら、しこりはないそうです。母は、心配させまいとしているのか、掻きむしった時にでもバイキンがはいったか、更年期障害でホルモンのバランスが崩れてるのかな?っといいますが。私は心配でなりません。
背中の方と、わきの下が痛むということは・・・肺の病気も考えられるのでしょうか?癌は、痛みを生じますか?
あいまいな説明で意味不明とは思いますが・・・もし考えられるような病気があるのでしたら是非教えていただきたいと思います。私も母を説得して病院に行ってもらうようにしたいと思ってます。大変お手数をおかけ致しますが、何卒よろしくお願い申しあげます。胸痛の原因を考えますと、1)胸壁に起因するもの 2)内臓に起因するもの の2つに分けることができます。内臓に起因する痛みについては、痛みの場所や程度、痛みの頻度や持続時間、痛みの誘因があるかどうか等の判断資料に乏しく、直接診察していないので、推定することはできません。
次に胸壁に起因する痛みには 1)筋肉痛(激しい運動後の筋炎など) 2)骨、軟骨痛(骨折など) 3)肋間神経痛(帯状疱疹、変形性脊椎症など) 4)乳房痛(乳腺炎、女性化乳房など)などが考えられます。お母様の場合、勿論診察しなければ分かりませんが、【56歳で疲労があり、背部より腋窩にかけての左胸痛】ということですので、あえて推測すれば帯状疱疹が考えられます。帯状疱疹というのは、子供の頃にかかった水ぼうそうのウイルスが、神経の中に長い間隠れていて、加齢や疲労によって免疫力が低下したときに、その神経の走行に沿って、発疹が現れる病気です。放置すると頑固な痛みが残ることがありますので、早めに治療する必要があります。いずれにしても専門医の診察をお受けになることをお勧めします。(文責 須田)
【No.118-1】00年03月30日 K.N.さん
膨満感NO.55お世話になりましたK・Nです。つたない状況説明にも丁寧にご回答頂きまして、ありがとうございました。
今回のご相談は、乳がんに関係があるのかないのかは解りませんが、1週間程前から、急に食欲が無くなりました。みぞおち辺りが、膨満感で常に満腹なんです。でも体力維持の為、無理して少し食べる努力をしているのですが、少しの食事でも苦しいくらい満腹なんです。(痛みなどはありません。)見た目もお腹がポッコリでています。(私は細めです。)みぞおち辺りに食べ物がパンパンに詰まっている感じで消化していない様に感じます。昔から痩せの大食いで通っていたので、急変に不安を感じています。ゾラテックスは続けていますが、抗がん剤は終了してから4ヶ月近くになります。薬の副作用なんでしょうか、普通の胃炎なんでしょうか、それとも転移が考えられるのでしょうか?このまま普通の生活をして大丈夫でしょうか?お手数ですが、教えて頂けますでしょうか。1.乳癌とは関係のない胃の病変あるいは肝臓などの上腹部の病変 : 胃の病変とすると、胃炎や胃、十二指腸潰瘍などで、胃からの排泄が悪いような状態、また肝臓だとすると、お話からは考えにくいですが肝炎などで肝臓が腫れている状態でしょうか。
2.乳癌と関連づけると、乳癌の肝臓への転移は否定はできませんが、症状の発現が急すぎます。胃などの消化管への転移はまれです。抗癌剤の影響はもうないと思います。
ということで、胃自体の病変、胃炎やただれなどがもっとも考えられますが、消化器の先生に見ていただくより、まず乳癌の主治医に相談しましょう。おそらく乳癌は総合病院で手術されたのでしょうから、消化器についても対応できるはずです。(文責 徳田)
【No.118-2】00年08月29日 K.N.さん
腰痛について残暑お見舞い申し上げます。以前、No.55、 No.118-1でお世話になりましたK.N.です。お聞きしたい事がありましてメールをさせて頂きました。
早速ですが、最近腰痛がひどいのです。座っていても立っていても、寝転んでもお尻から太股の裏側あたりがキンキンと神経に当たるように痛みます。骨に転移した場合、疼痛があるとよく耳にします。現在もゾラ加療中ですが、更年期障害という副作用の一つとも考えられるのでしょうか?転移の場合、後はどのような症状が出るのでしょうか? 私は以前(8年前)椎間板ヘルニアを患いました。手術はせず、3ヶ月の入院で牽引治療を続け、その後退院してからは痛みも消え、完治したと思っているのですが、ヘルニアの再発も考えられますか? ヘルニア、がんの転移による痛みの区別はつきますか? お手数でしょうが、教えて下さい。術後経過中の腰痛とのことですが、症状からは腰椎の椎間板ヘルニアや変形にともなう座骨神経痛の症状と推察されます。ヘルニアの既往があるようなのでヘルニア再発の可能性が高いと思います。整形外科あるいは主治医の受診、検査を行って下さい。ホルモン療法は長期にわたれば、ある程度骨粗鬆症-腰痛の原因にもなり得ますが、稀です。腰椎は乳癌転移の好発部で、腰痛が初発の例もあります。転移により腰椎の変形や脊髄への浸潤があれば、座骨神経痛の症状を伴います。症状だけで転移との区別はその経過からある程度想像することは可能ですが、厳密な意味での鑑別は困難です。レントゲン検査、骨シンチ、腫瘍マーカーなどの総合診断が必要です。受診をお勧めします。(文責 石田)
【No.117】00年03月30日 みわさん
痛みのあるしこりお忙しいところ恐れ入ります。未婚、27才です。先日、胸の痛みを感じ、触ってみたところ、500円玉大のしこりがあり、表面(皮膚)が赤くなっておりました。さわるとかなりの痛みがあります。3年前に母が乳癌で死亡しているため、かなり気になっております。アドバイをお願い致します。1.お話から推測すると、乳腺の病変よりむしろ皮膚の炎症性の病変のほうが考えやすいと思います。皮膚の油粕のたまった袋に感染しているのかもしれません。これは良性の病気で、膿がたまっていれば切開しますし、抗生物質でなおることもあります。
2.乳腺の病変とすると、乳腺炎や、それによる膿のたまり(膿瘍)が考えられます。これも,皮膚の病変と同じように対処します。
3.年齢的には、まれですが、乳癌であなたのような状況になることもないわけではありません。乳癌が進行して皮膚に浸潤しているような場合です。ただ、一般的には痛みはあまりありません。
1、2にしても早く処置した方が早く治りますので、すぐに乳腺専門医あるいは外科医を受診して下さい。(文責 徳田)
【No.116】00年03月30日 O.R.さん
CMF療法、UFT療法について私も乳がんですが、今回の相談は友人です。彼女は温存手術後の放射線治療中です。「乳がん手術後の薬による再発予防に関する臨床試験」CMF療法、UFT療法の治験を勧められて悩んでいます。断りたいそうです。どんなものですか?最終的には、御本人が試験の内容を良く理解したうえで判断すべきです。ただ、一つお考えいただきたいのは、臨床医学は、このような試験の積み重ねによって進歩してきたということです。同じ病気をもった先輩が試験に参加をして、その成果が今日生かされてきています。
臨床試験にも色々な種類があります。新しい薬や治療法の試験ですと、それに参加することで、未知の副作用を体験するリスクはありますが、新しい治療の恩恵をまっ先に受けることができます。しかし、今回のような試験ですと、今使われている治療のどちらがよいかという比較試験ですので、たしかに参加された方に直接のメリットがあるわけではありません。この試験の結果は、同じ病気をもつ後輩や、お子さんたちの世代にいかされていきます。
手術の直後で、気持ちが落ち込みがちですが、このようなことも少しお考えいただき、ご判断くださればと存じます。(文責 徳田)
【No.115】00年03月28日 Y.T.さん
抗癌剤の併用療法について教えてください病院に勤務している薬剤師です。乳癌の化学療法をよく目にするのですが、最近、ドセタキセル(タキソテール)とミトキサントロン(ノバントロン)を併用した方がいました。この治療法について教えていただければ幸いです。ドセタキセルは、最近乳癌の治療に導入された薬剤です。今まで乳癌の化学療法の中心的薬剤であったアドリアマイシンなどのアンスラサイクリン系の薬剤がきかない腫瘍にも効果が期待できるのが特徴です。最近では、乳癌の治療戦略のはやいうち、つまり、アンスラサイクリン系の薬剤を使う前に、アンスラサイクリン系の薬剤と一緒に使って、効果をあげようという試験がすすめられています。
ミトキサントロンもアドリアマイシンに近い薬ですので、そのような考えから使われているものと思います。ただ、この組合せは報告ではあまり目にしません。(文責 徳田)
【No.114】00年03月28日 M.S.さん
乳頭からの分泌物について最近になって乳頭から透明な白い分泌物がでます。現在24才で精神科で次のような薬をもらっているのですが、そのせいでお乳がでているのでしょうか?それとも何か違う病気なのでしょうか。血液は混ざっていません。薬は3週間前から飲んでいます。生理は毎月8前後です。
アモキサン25mg・ワイパックス0.5mg・ドグマチール・ハルシオン・レンドルミン錠・メレリル10mg ・ ポンタール250mg分泌物の性状は乳汁様ではないようですが、透明な分泌物の量が多かったり、乳頭の一カ所から出ているような場合は,乳腺の管にポリープができている可能性もあり、専門医の診察を受けて下さい。
いま服用されている薬のなかには、ホルモンを介して乳腺を刺激するものもありますが、これは乳腺自体の問題ではないので、心配する必要はないと思います。(文責 徳田)
【No.113-1】 00年03月27日 M さん
乳がん手術後の再発防止64歳女性で、去年の8月に温存治療を受け、グレードは悪性でしたが、リンパへの転移はありませんでした。放射線治療もCMF治療も終えたところですが、今後の生活で次のことに不安を感じています。
1.再発を少しでも防ぐための食生活はどのようにしたらいいのか。 ニンニク卵黄とか、アガリクスなど飲用すべきか。
2.漢方治療は行うべきか。
3.放射線治療後の照射跡にはこれからも日光をあてないようにすべきか。
4.マッサージをすべきか。
以上についてアドバイスをいただきたく、よろしくお願い申し上げます。1.再発を防ぐための食生活で確立しているものはありません。乳癌以外の成人病予防では色々あるとは思いますが... 科学的に根拠のある予防治療はやり終えたとお考えになり、日々を楽しく過ごしていただきたく思います。アガリクスなど再発予防の科学的な検証はありません。
2.科学的に検証された漢方治療もありません。
3.放射線照射中は、照射皮膚に日光をあてないようにすべきですが、照射後は皮膚の障害がなければあてても良いと思います。
4.患肢のマッサージは、リンパのうっ滞を軽減する意味で有用と考えます。(文責 徳田)
【No.113-2】 00年03月28日 M さん
CMFと血液検査結果との関係についてお忙しい中、さっそくのご回答をいただきまして、心より御礼申し上げます。追加の質問を致したく以下に記載しましたので、お願い申し上げます。
質問概要
CMFと血液検査結果との関係について
状況は以下のとおりです。
今日、CMFの最後の6の1回目の治療をしてきました。来週で6の2回目となり終了となるのですが、今日の血液検査の結果が、GOTが55、GPTが89、WBCが3.3、RBCが357でした。前回の2月29日にはGOTが33、GPTが40、WBC3.5,RBC360でしたので、今日は特にGPTが高くなっていました。主治医は白血球がぎりぎり大丈夫だろうということで、点滴をしてきました。
具体的質問
明日からエンドキサンを2週間飲む予定なのですが、64歳という高齢でもあり、
続けていいものか不安を感じています。あるいは、肝臓の薬も併用すべきなのでしょうか。また、GPTはどのくらいまでになったら、一般的にはCMFを中止するのでしょうか。私共の施設ではCMF施行中は、GOT/GPTの値が正常上限の2.5倍以上になったらすべての薬剤を休薬して、1-2週間ごとに検査をして、回復したら再開するようにしています。とくに肝庇護の薬剤は使用していません。あなたの肝機能の検査値は、やや高いようですが、これが抗癌剤によるものなのか、それとも脂肪肝などの肝臓の基礎疾患によるものなのかによって考え方が変わってきます。過去5回の状況を考慮して主治医は開始されたものと思いますが、不安があるのであれば、内服をしないで主治医にご相談下さい。(文責 徳田)
【No.112】00年03月27日 T.I.さん
悪性と良性の違い私の妻(33才)が右乳房外側部分にしこりがあり、触ると痛みがあるとのことで、エコー、血液検査等の検査を受けました。その結果、悪性のものではない可能性の方が高いが、細胞を検出して検査をした方がいい、と医師から薦められ注射器で細胞を検出しました。しかし、結果は白黒はっきりせず、今回医師より、切開し、しこりを摘出し細胞を検査した方が良いと言われたそうです。2.3センチの切開で済むとのことですが、本人は悩んでいます。しこりを発見し痛み出したのは1月下旬からです。現在も触ると痛みがあるようです。
悪性と良性の違い、また、今後どのような対処をしたらよいか、先生のご意見を是非お聞かせ下さい。よろしくお願いいたします。悪性のものが完全に否定できないのであれば、切除してはっきりさせる方が良いと思います。切除自体は、局所麻酔で日帰り手術でできますので、どうしても乳房にメスを入れたくないというのでなければ、残して毎日気にしているより、とってしまった方が安心できるのではないでしょうか。
もし、どうしてもメスを入れたくなく、良性であることを確認するためであれば、細胞をとるよりももう少し太い針で、固まりとして腫瘍組織の一部をとって調べる方法もありますので、担当医に相談してみて下さい。(文責 徳田)
【No.111】00年03月27日 Y.N.さん
悪性の葉状嚢胞肉腫について20代の女性です。2ヶ月前に右胸の4センチのしこりに気付き、先日、摘出する手術を受けました。しこりはどんどん大きくなり、手術前には10センチありました。左胸にも小さな2センチほどのしこりがあり、こちらも一緒に摘出しました。悪性の葉状嚢胞肉腫であったということです。再発はよくあることなのでしょうか?その場合、また取れば問題ないでしょうか?
一番気にしているのは命に別状があるかということです。この悪性の肉腫をそのままにしておくと命に関わりますか?癌のように転移するのでしょうか?別の場所に肉腫ができることはありますか?これから結婚も出産もしたいのですがどんなことに注意していけばよいでしょうか?
あまり肉腫に関しての情報が目に触れず不安に思っています。どうぞよろしくお願いいたします。乳腺の葉状腫瘍は、まれな腫瘍です。大部分が良性で、悪性のものは数%です。良性悪性の鑑別は、おおよそ組織の顕微鏡検査でわかります。主治医の先生にお尋ね下さい。良性の場合、完全に取り切れていれば再発はほとんどありません。
万が一、再発したとしても、良性の場合、乳腺にまたできるので、それをとってしまえばよいので、命にかかわることはありません。
一方、悪性の場合には全身再発のことがあり、予後はきわめて不良です。
この腫瘍は、ホルモンの影響は受けないと考えられているので、妊娠、出産はさしつかえありません。(文責 徳田)お忙しいところを早々のご回答ありがとうございました。悪性だったともうはっきり言われているので「予後、不良」ということなのでしょうね。全身への再発に早く気付けば、食い止められるというものでもないのでしょうか。再発するようなときには、もう方法はないということなのでしょうかネ。再発すればあきらめる、でも再発におびえないで今まで通り生きていこうと思います。たぶん、お気を遣われてご回答を書いていただいたのではないかと思います。申し訳ありませんでした。(3月27日)
悪性葉状腫瘍だから、予後不良ということではありません。手術で完全にとれる段階であれば再発はしません。ただ全身再発をしてしまった場合、効果的な治療薬がなく、残念ながら予後がきびしいということです。かりに、再発が早くみつかってもそうです。(文責 徳田)
【No.110】00年03月22日 S.T.さん
遺伝性の乳ガンについて35歳の女性です。先日新聞で遺伝性の乳ガンというものがあると知りました。母は36歳で乳ガンになりその後再発し44歳で亡くなりました。闘病の様子を見ていたので自分も乳ガンになる可能性があると思うと心配です。遺伝性の乳ガンについて教えてください。家族性の乳癌は、比較的若くて発症し、両側性が多いことが知られています。最近になって原因遺伝子としてBRCA1とBRCA2の2つの遺伝子が報告され、その遺伝子異常のある女性は、70歳までに60-90%が乳癌になると考えられています。また、卵巣癌も高頻度におこるといわれています。日本人の研究では、乳癌が家系にたくさんいるような乳癌集積家系の20-30%が、これらの遺伝子異常によるものと考えられています。
したがって、あなたのようなお母様だけが乳癌の場合、確かに若年で発症されていますが、その遺伝子異常の存在する確率はきわめて少ないと思われます。実際、検査をすればある程度はっきりしますが、遺伝子異常の検査は日本ではまだ一般に行われていません。このような遺伝子診断が一般化するためには、検査法の確立だけでなく、生命保険の問題や、予防手術の問題、カウンセリングなど様々な問題に対する社会の体制も整備されねばなりません。(文責 徳田)
【No.109】00年03月22日 O.K.さん
乳房からの分泌物についてはじめまして。私は33歳で1歳5ヶ月の赤ちゃんがおります。現在は断乳をするために専門のマッサージに通っておりますが、ずっとミルクと混合でだらだらと母乳を出していたせいか、なかなか母乳が止まらず、未だに乳頭をつまむと母乳がにじむように出ます。先日入浴中になにげなくおっぱいの様子を見るために乳頭をつまみますと、右の乳頭から茶色い分泌物が出ることに気付きました。1ヶ月前にマッサージに行った際には無かったものと思います。また、マッサージの先生が毎回乳房のチェックをされますが、手に触れるしこりなどは無いといわれています。分泌物は、一瞬赤茶色くみえるのですが、ティッシュに取ってみますと茶色く、乾くとさらに黄土色のように見えます。質問は、
1.断乳期であることとこの分泌物は関係がありますか?
2.もし関係が無いとしたら、茶色の分泌物は異常ですか、検査が必要でしょうか。
私には姉が3人おりますが、母も姉も乳癌にはかかったことが無く、親戚にもおりませんので多分家系的には乳癌の傾向は無いと思います。授乳期以外でも茶色の分泌物がでることはありますので、乳汁の量がへって茶色が目立ったのかもしれません。いくつもの乳管ではなく、一つの乳管の乳頭開口部から血液が混じった分泌物や透明な分泌物が続くようでしたら、専門医の診察を受けて下さい。(文責 徳田)
【No.108】00年03月21日 M.I.さん
わきの下のしこりについて初めまして。私は現在22歳の独身です。数日前にわきの下にしこりをひとつ見つけてしまい、今とても不安です。詳しくお話させていただきますが、左側のわきの下(腕を肩の高さぐらいまであげてくぼみができる部分のやや右下あたり))に5ミリ強ぐらいの大きさのしこりがひとつあるのです。親指と人差し指でつかめるような感じでこりこりしていて、触る、あるいは押すと痛みが伴います。痛みはちくっという感じではなく、どちらかというと鈍痛です。しこりの大きさに今のところ変化はありません。そのしこりで、腕がむくむ、熱がでるなど何も症状はないのです。
現在風邪をひいてるわけでもなく、ここ3,4年病気もしていません。入院経験もありません。私はタバコは吸いますがお酒は飲みません。妊娠もしていません。ちなみに私の母が5,6年前に良性の乳がん(乳房にしこり)で胸を片方失いました。ガンなどは遺伝があると聞いていましたし、とても不安です。近いうちに病院で検査を受けようとは思っていますが、どういう検査をされるのかもわかりませんし、悪い病気かもしれないと不安でしかたありません。お手数ですが、なにかわかるのであれば、教えてください。宜しくお願いします。実際に診察してみないとはっきりしたことは申し上げられませんが、あなたのお話から、可能性の高いものを考えると次のようなものです。
1.場所としては、腋窩の部分で、一般的には乳腺の組織はないところです。したがって、癌を含めて乳腺の腫瘍は考えにくいと思います。腋窩はリンパ腺が多いところなのですが、深い位置にあるため、それをつまんでさわることはまずできません。つかめるとすると皮膚のものです。一番多いのは”粉瘤”という脂かすのたまった袋ですが、これは腫瘍ではありません。外界と交通があるので感染すると膿がたまることがありますが、痛みとか、熱をもって赤くなったりする症状がなければ放っておいてかまいません。
2.汗腺の腫瘍や副乳あるいは副乳の腫瘍も考えられないわけではありませんがきわめてまれですし、悪性のものはあなたの年齢から考えてもさらにまれです。
お母様が乳癌とのことですので、あなたの乳癌のリスクはふつうの方より確かに多少高いと考えられますが、22歳ではきわめてまれです。あれこれ心配しているより、つらい検査はありませんから一度診察を受けて下さい。(文責 徳田)
【No.107-1】00年03月21日 anryo
治験で迷っています乳癌温存手術後の化学療法で迷っています。
「閉経前・リンパ節転移あり・ホルモンレセプター陽性」の条件でCMFもしくは、リュープリンのくじ引き治験を勧められました。不安がありましたので近隣の市民病院で治験についての相談にいったところ「本当にどちらか単独の治験なの?決めるのは患者さんですが私なら化学療法とホルモン療法の併用をします」とのことでした。差し支えなければ治験を受けるつもりでしたので、もう1件病院を回りました。するとやはり「もし私の家族がその状態であれば化学療法とホルモン療法の併用をします。最終的にはあなたが決めることですが、より安全を選ぶといいですよ」とのことでした。その後かなり悩みましたが治験を辞退することにしました。しかし主治医の先生は治験イコール現在の最良の治療方法だと強くおっしゃいますし、明らかに機嫌をそこねていらっしゃいましたので、考え直し治験を受けることにしました。その結果私はCMFが選択され、実は現在1クール目です。しかしながら「この選択は正しかったのか」と今でも気になっています。私の今の治療はベストな方法なのでしょうか。あなたの乳癌に対してCMFとリュ−プリン単独とどちらがいいのかは、現在世界的に臨床試験が行われていてまだ結論が出ていません。実際には、くじ引きの無作為化比較試験が国際的に行われているようですが、CMF+タモキシフェンがCMF単独より優れているのは明らかですので、私は、CMF単独というグループをつくることが正しいのか議論する必要があると思います。おそらくこの試験ではその点の議論がすでになされているものと思いますが。
またCMFとリュ−プリン+タモキシフェンの比較も行われており、後者のほうが良好という報告と、変わらないという報告とがあり、やはりまだはっきりしません。
CMFを使った現在の標準的な治療は、CMF+タモキシフェンですが、リュ−プリン単独やリュ−プリン+タモキシフェンがそれより優れているという報告もありません。また、CMF+タモキシフェン+リュープリンがCMF+タモキシフェンより優れているという報告もないのです。
医学は、多数の患者さんの経験の積み重ねで進歩してきました。臨床試験はそのような経験を無駄なく生かすために行われます。未解決の問題に対して行われる臨床試験の結果は、参加した方には役に立たないかもしれませんが、同じ病気で悩む次の方にいかされていくのです。したがって、臨床試験に参加することは、すばらしいことだと思います。
一方、臨床試験を行う立場としては、参加される方に不利益がないようにすることが絶対に必要です。
以上、色々述べましたが、私の意見が参考になれば良いと思います。いずれにせよ、疑問や不安が少しでもあるのであれば、担当医とじっくり話し合われて今後どうするか決められればよろしいかと存じます。(文責 徳田)
【No.107-2】00年03月23日 anryo
参考文献を教えて下さい早速のお返事誠にありがとうございました。
今日CMFの2回目の投与の日でしたので、主治医の先生に「インターネットでみたんですが、CMF単独よりもCMF+タモキシフェンが優れていると出ていましたが」と話したところ、おだやかに説明してくれました。
「なんでも追加で打てば効くというものではなく、閉経後なら確かにタモキシフェンの追加は有効でしょう。しかしあなたはまだ若いしCMFによって閉経するかはこれからの経過を見る必要がありますし、今私の判断する治療として閉経前の患者さんにタモキシフェンはいらないと考えます。そして、とりあえず今日は打っときましょう。」ということで2回目の投与をいたしました。しかし、現在の不安な点を主治医の先生に伝えることができたことはよかったと思います。これからの治験をどうするかはもうしばらく考えます。もしできれば「CMF単独よりもCMF+タモキシフェンが優れている」という内容の文献等ございましたらお教えください。
現在の治験
治験名 TAP−114−SR術後補助療法
投与内容 CPA 50mg/錠 2錠
MTX 57mg(2V)静注
生食液 20ml
5−FU 720mg(2V)静注Early Breast Cancer Trialists' Collaborative Groupによる多数の無作為化比較試験の検討
(The Lancet 351:1451-1467, 1998)に基づいて”閉経前、腋窩リンパ節転移陽性、エストロゲン受容体陽性”の患者さんの術後補助療法としては、化学療法を使用するばあい、化学療法の種類にかかわらず、化学療法にタモキシフェンを追加するのが今のコンセンサスと考えます(Journal of the National Cancer Institute 90:1601-1608, 1998)。(文責 徳田)
【No.106】00年03月16日 K.K
乳腺線維腺腫についてもうすぐ29歳になる主婦です。子供は1人います(母乳のみ)。先日、左胸内側中心寄り真中に1cm弱でころころとした弾力のあるよく動くしこりを見つけ、乳腺外科(総合病院)を受診しました。
触診、マンモグラフィー(ではよくわからなかったようです。断乳して2ヶ月。まだ少し母乳がでます。)、エコーの結果「線維腺腫」と診断され、細胞診は受けていません。色々と調べて行くうちに、最初に良性と診断された後で悪性であるとわかった人が多くいることを知り、不安を感じています。この人達は線維腺種が悪性に変わったというよりは、癌の判断がつかない状況で良性のものと診断されているのでは・・・と思い、私も別の病院で調べ直した方がいいのか迷っています。また、”乳腺外科専門の先生”と”乳腺外科も担当している外科の先生”とでは、乳がん診断の技術力が違うとも聞き(私の先生はたぶん後者だと思います)不安に感じています。細胞診は完璧ではないとのことですし、生検の刺激によって良性のものが悪性に変わることがあるなど、情報に振りまわされて自分がどうしたらいいのかもわからなくなりました。
質問としましては
@最初の3つの検査において、先生が良性だと感じる場合でも細胞診はされて
いますか?
A乳腺外科専門医はやはり”大学病院”や”がんセンター”などにしかおられないのでしょうか。 (幼稚な質問で申し訳ありません。神戸市在住ですが、何か情報はございませんでしょうか。)
B線維腺種は自然に小さくなることはありませんか?
以上です。どうぞ宜しくお願い致します。1.マンモグラフィーやエコーで腫瘍性のものと考えられれば、原則として細胞診を行います。穿刺針の刺激で悪性化することはありません。
2.日本乳癌学会では,専門医の認定を行っています。日本乳癌学会事務局(電話03-3918-0111)にお近くの専門医を問い合わせてみてはいかがでしょうか。
3.線維腺腫は,ホルモンの影響を受けると考えられており、小さくなることもあります。しかし、2cm以上になったものはあまり小さくならないと考えられています。(文責 徳田)
【No.105】00年03月15日 のん
乳輪・乳首の変化について19歳です。体重は増えてないのに乳輪が広がり乳頭が扁平化してきました。収縮すると乳輪がでこぼこになり、乳頭が円柱形というより丸くふくらみます。乳輪・乳頭が痛み、乳頭の割れ目から赤い皮膚がのぞきます。ただれとまでいかないのですが、これは非浸潤癌でしょうか。あなたの年齢で乳癌は非浸潤癌にせよ、きわめてまれです。乳頭の割れ目からみえる赤いものは集合乳管の出口の部分と思われますが、一般にあなたの言われるように明るい色をしています。ただれているのかどうかは拝見してみないとわかりません。ご心配なら一度専門医を受診して下さい。安心できると思います。(文責 徳田)
【No.104】00年03月15日 tsuneman
お薬の意味を教えてください知人が乳癌のOPをしてまだ少ししかたってないのに,再発したようで,今、次の薬を飲んでいます。どんな目的で何にきくのか、どうぞ教えてください。
プロゲストン、 NR422 200、 719プロゲストン;黄体ホルモン系統の薬剤と思われますが、そうだとするとホルモン療法剤の一つですが、現在では、少なくとも治療の初期にはあまり使用しません。
NR 422 フルツロン;抗癌剤の一つです。
719;これだけでは情報が足りず何の薬剤かわかりません。ごめんなさい。(文責 徳田)
【No.103】00年03月15日 M.O.さん
癌になる可能性はありますか?先日は相談にのっていただき有難うございました。胸部外科でレントゲンとエコー検査をした結果、線維腺腫であろうという診断でした。手術してしこりを取っても良いし、取らなくても良い。1年、2年ということではないが、しこりが大きくなることもあるということでした。手術なんてしたくないなと思っていたのですが、しこりが急に痛くなることがあって、こんな風に痛みを気にするなら取ったほうが良いのかなとも思い始めました。傷って残ってしまうものですか。子供を産んで母乳を与える際に支障はないですか。Drはガンになる可能性はない(今あるしこりが)とおっしゃっていましたが、定期的に乳癌の検査をしたほうがいいのでしょうか。体質やしこりの大きさにもよりますが,乳輪に沿って切開をすると傷は目立たなくできます。授乳には影響ありません。この腫瘍が癌になることはありません。しかし、その他の部分については一般の人と同じくらい乳癌のリスクがあります。(文責 徳田)
【No.102】00年03月15日 T.S.さん
2件教えて下さい40歳・手術して2年・ホルモンレセプター(+)・リンパ転移12個・ CMF療法3クールすみ・フェアーストン1錠内服中・ゾラデックス注射24本で済み
相談内容
1)ゾラデックスをする期間は決まっているのでしょうか?3〜5年ぐらいす る方がいいのでしょうか?長い期間すればいいというものではないのでしょう か?
2)骨シンチについて
年1回はした方がいいのでしょうか?私は症状があれば したいと思いますが・・現在特に症状がないので今年はとりたくありませんのでやめようと思いますが、どうでしょうか?骨シンチをする前に注射をしますが、私は異物が入るようで気持ち悪いのですが、そういう事はありませんか?MRIでは骨転移はわからないのでしょうか?
以上の件について教えて下さい。よろしくお願い致します。
1.ゾラデックスの術後の投与期間についてはまだ確立していません。十分な効果を得るための投与期間ははっきりしていません。しかし、安全性については欧米では2年、3年、5年の大規模な臨床試験の報告があり、大きな問題はないようです。
2.再発のチェックを症状がなくても定期的にするがよいのか、症状がでてからでよいのか、どちらがいいか結論はでていません。つまり、再発を早く発見して早く治療を開始したからといって、予後がよくなるという証拠は今のところありません。したがって、医療経済的には検査に無駄なお金をかけないという考えもあります。しかし、個々の患者さんにとっては、たとえば骨への転移も早く発見できれば、病的な骨折をしないよう注意したり、骨折予防の治療をしたりとメリットはあると思います。また、その他の再発についても早く発見できれば、腫瘍量の少ないうちに治療を開始できるわけで、それだけ寛解に導入しやすくなるのではないかというのが私の考えです。
程度は色々ですが、骨シンチに使う薬剤に反応を起こす方がいらっしゃいます。気分が悪くなるのであれば受けられない方がよいでしょう。MRIでも主要な部位は調べることはできますが、全身検索には向きません。したがって、骨シンチができないときは、症状や血液検査の結果で骨転移を疑うようであればレントゲンや、MRIをされるのがよいと思います。(文責 徳田)
【No.101】00年03月13日 N.I.さん
検査方法乳癌やその他の癌の検査方法で、FDG-PETなる方法があると聞いたのですがネット上で検索しても専門的な用語ばかりで良く理解できません。臨床段階なので健康保険も適用にならないとのことですが、検査の診断率、信頼性と安全性はどのようなものなのでしょうか?簡単にお話しすると、放射線を出すようにラベルをしたブドウ糖を注射して体外からそれを検出するものです。癌のように代謝の盛んなところにブドウ糖がたくさんとりこまれるために、そこが陽性にでる訳です。
乳癌の患者さんの場合、しこりの大きさが1cm以上であれば95%程度検出できますが、逆にしこりの大きさが1cm以下のものは検出しにくいことになります。したがって乳癌の検診には適さないと考えます。しかし、癌では取り込みが高く、良性では少ないので、良悪の鑑別には役に立ちます。放射線はきわめて半減期が短く、安全性の高い検査です。(文責 徳田)