No.13203 非浸潤性乳管癌(DCIS)診断後の治療選択と再発・新規発症リスクについて

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2025.04.22 あき 0 Comments

まずは診断結果を記載します。

【左乳房】DCIS(18mm×22mm)
・超音波:3時方向にやや目立つ低エコー域を認めますが、2方向でははっきりせず。明らかな腫瘤は認めません。
•針生検:DCIS(核グレード2)、ER・PgR・PgR全て陽性(99%)、HER2(1+)、Ki-67:10%、comedo壊死なし
•腫瘍は乳頭下に位置し、CTでは明らかな浸潤所見なし

【右乳房】乳腺線維症(4〜5mm)
・超音波:6✕4mm大のやや目立つ低エコー域、乳頭下からの乳管と連続性あるように見え、乳管の一部を疑います。内部に1mm大の高エコーspot
•MRI:BI-RADS 4b
•針生検:閉塞性腺症、硬化性腺症、アポクリン化生、乳管胞状拡張などの乳腺症。悪性所見なし

来月、左乳房に「乳頭乳輪温存乳房切除術」を予定していますが、腫瘍が乳頭下にあるため、術中に浸潤があれば乳頭を切除し乳輪のみ残すとのことです。術後の病理結果が変わらなければ、放射線・ホルモン治療ともに不要との説明を受けています。

以下の点についてご意見を伺いたいです。

1)右乳房について
・針生検では良性でしたが、主治医から「増殖が盛んな細胞」と言われ、「悪性なら遺伝子検査を勧めたが、良性なので何もできない」と曖昧な説明を受けています。

① 組織検査で悪性と断定されなかったため、良性のしこりと診断されたのではないか?また、将来的に悪性が発現する可能性は?
② DCISや葉状腫瘍などが隠れている可能性は?
③ 増殖性が高い良性病変でも手術の可能性はありますか?

2)左乳房について
① 腫瘍が乳頭下にある状態で乳頭温存することで再発リスクは高まらないでしょうか?
② DCISでもホルモン療法を行うべきではないかと感じていますが、主治医からはステージ0 だから「不要」と言われました。右乳房の所見もある中で不安が残ります。

お忙しいところ恐縮ですが、私のような場合、なるべく再発のリスクを防ぐには、どのような治療方法が最善なのか、ご意見をいただけましたら幸いです。よろしくお願いいたします。

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2025.04.22 0 コメント

詳細にわたるご質問を頂戴いたしましたが、私が貴女を直接拝見しているわけではありませんので、答えられる範囲が限定される旨ご容赦ください。右乳房については、針生検結果で乳腺症とのことですので、現状で治療対象ではありませんが、今後乳がんが発生する可能性は通常の乳房よりも高い可能性はあると考えますので、慎重に定期検査を継続いただくことをお奨めいたします。左乳房はDCISの診断が出ており、手術が必要となります。整容性(見た目)の観点からは乳頭を残した手術が望ましいですが、近くにまで悪性組織がある場合には、がんが残ってしまう可能性はあると思います。整容性を重視するか、再発リスクを重視するかで、術式を決定することになります。ただいずれにしても術後の病理学的検査が重要で、その結果を見てから次の治療を検討することになります。DCISの術後にホルモン療法を行うか否かは専門家の間でも議論の分かれるところですが、術後の病理検査結果で最終的にDCISの診断となったのであれば、今後全身への再発の可能性は極めて低いため、全身療法であるホルモン療法は行わず、局所療法として放射線療法のみ行うことが有力であると私は考えます。(文責 谷)

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